予算委員会第四分科会 第3号
- 発言数
- 385 件
- 登壇者
- 42 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/13
会議録
○粟屋主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中厚生省所管について、前回に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩村卯一郎君。
○岩村分科員 おはようございます。早朝から大臣を初め皆さん御苦労さまでございます。昨日も入れかわり立ちかわり随分役者が多くて大臣も大変だったと思うのですが、どうぞ御辛抱してよろしくお願いします。多分きのうの御質問と重複する点がかなりあるかと思うのですが、お許しいただきたいと思います。 長寿社会についての人材確保、こういった点を中心にしてお尋ねを申し上げたいと思うのですが、今さら私が申し上げるまでもなく、大臣初め皆さん御承知のとおりでありますが、我が国の高齢化社会は年々急上昇いたしまして、二十一世紀初頭には六十五歳以上の方が二〇%に達してヨーロッパ諸国を上回ると言われます。ピークは恐らく二〇四〇年から二〇四四年を中心とする二十年―三十年間であって、ほぼ四人に一人が六十五歳以上という、高齢化社会を超えて超高齢化社会、こういうことが言われているわけでありまして、我が国は未曾有の超高齢化社会になるわけであります。中でも寝たきり老人は、現在六十万人でありますけれども、これが百万人に達する、あるいはまた痴呆症に至りましては現在の八十万人から百二十万あるいは百三十万人、こう言われるほど深刻な状態もまた一面把握されるわけでありますが、そこで厚生省は、並びに労働省でございましょうか、まあ政府といってもいいでしょうが、平成二年度、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランを発表されました。当時私は地方議会にありまして、マスコミ等が報じましてこれを知りました。極めて大胆な発想であり思い切った構想であるということで、従来のお役所にはちょっと見られなかった大胆な計画であるということで高く評価をした一人であるわけであります。それだけ国民の期待もこの構想に対して極めて大きく寄せられているわけであります。 これをざっと見ますというと、今後十年間で六兆円の予算措置をして、在宅福祉対策や寝たきり老人ゼロ作戦など大体七本の柱になっておるようであります。すなわち、ホームヘルパーを現在の四倍の十万人、デイサービス、ショートステイなどの充実、あるいはまた在宅介護支援センターの新設、さらには寝たきり老人ゼロ作戦の一環とし て、介護を支える要員の確保のために在宅介護指導員のほか在宅介護相談員として地域のボランティア八万人の予定をしておる。さらに施設の整備目標としては、特養ホームを現在の一・五倍の二十四万床、さらに老人保健施設に至っては二十八万床、ケアハウスに至っては十万人といったような計画になっているようであります。 さて、この計画を実現させるためには、何といいましてもこの保健、医療、福祉の各分野に従事をするマンパワーの確保、これがキーポイントであり、まさに焦眉の急である、このように考えるわけであります。これができませんというと絵にかいたもちになるわけでありまして、国民の期待を大きく裏切ることになるわけであります。申すまでもなく、福祉を支えるのは人の力であります。今後この計画を実効あらしめ、かつ成果を確実に得るためにはいかに人材を確保するのかがキーポイントであります。厚生省では事務次官を本部長とされましてマンパワー対策本部を設置されて鋭意検討中である、既に作業に入っておられるというふうに聞いておるわけでありますが、まずその成果はどのようになっておられるのか。例えば看護婦、保健婦、理学療法士、PTですね、作業療法士、OT、あるいは介護福祉士、ホームヘルパー、こういった分野の専門職というものが必要なわけでありますが、これらのそれぞれの分野の職種はどれくらいの人員の確保を目標にしておられるのか、それもあわせてお聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。
○熊代政府委員 先生御指摘のとおり、ゴールドプランを推進するためには看護職員初め保健医療・福祉マンパワーを確保するということが非常に重要なことであるということは認識いたしております。それで、平成三年度の予算におきましても、福祉人材の情報提供機能とか看護婦の養成施設への支援の強化あるいはその処遇の改善とか就業対策の強化等、意欲的に盛り込んでいると考えているところでございます。 御指摘の事務次官を本部長といたします保健医療・福祉マンパワー対策本部でございますけれども、昨年の八月に設置いたしまして、ただいま御指摘の看護婦、ホームヘルパー、OT、PTとか非常に緊急性の高い職種につきまして鋭意検討を続けているところでございます。先生御指摘のように、これはぜひ実現しなければいけないということでございますので、あらゆる観点から検討いたしておるところでございます。現在の検討状況でございますけれども、処遇の改善方策とか就業の促進、養成力の拡充強化方策あるいはその社会的評価を高めるための方策等、いろいろ検討いたしておりまして、中間報告をなるべく早い時期に公表できるように作業を急いでいる段階でございます。 どれだけの人をという御質問もございましたが、主なものだけゴールドプランにつきまして申し上げさせていただきますと、例えばホームヘルパーですと現状に比べまして約七万人を増員しなければいけない。平成二年度予算で三万五千人程度になっておりますけれども、十万人でございますので約七万人、看護職員につきましてはおよそ五万人ぐらいを増員しなければいけない。それから寮母、介護職員につきまして約十二万人程度ではないか、そのようなふうに把握いたしております。
○岩村分科員 各般にわたって検討を加えておられるということは今お伺いいたしたわけでありますが、地方の声と申しましょうか、あるいは地方における福祉関係職員の声をお聞きをいたしますと、残念ながら今おっしゃったようなことがいずれも何か補完的な施策である、こういう声が聞かれます。それからいま一つは、直接的で広範な、しかも長期にわたる施策とは若干ほど遠いのじゃないかといったような声さえ聞かれるわけであります。非常に残念なことなんでありますが、しかし、これらの職種は現在の医療機関だけでも現実には確保は困難である。その上、老健施設その他福祉施設がこれからふえていく現状を考えますと、二十一世紀までに果たして今おっしゃった所要の人員というものが確実に確保できるかどうか、まことに心配な点もあるわけであります。 一つの例をとりますと、今ここに二人の女性がいるといたします。Aの女子は教育大学、四年制でございますがこれを、それからBの女子は看護大学を今春卒業するわけでありますが、二人は同時に就職いたします。そうしてAは高校教員になります。それからBは公立病院の看護婦になるわけでありますが、Aの初任給は十七万三千百十六円、それからBの看護婦の初任給は十六万五千五十六円でありまして、このときの初任給の差は約八千六十円で四・九%であります。Aの方が多いわけであります。つまり、高校教員の方が多いわけでありますが、そして十年後には給料の差は何と三万八千四十八円、一六・一%の差に広がってまいります。さらに二十年後になりますというと五万八千三百二十七円、一八・五%の差にさらに拡大をする、こういう統計があるわけでありまして、これはある県の実情であります。看護婦と教員との差は以上のとおりであります。 人材確保の手だてはいろいろございますけれども、まず、先ほどおっしゃったように処遇の面あるいはまた給与施策、こういったような大きな差がある現状を見ますというと思い切って対策を講じていかなきゃならぬ、こう思うわけであります。 看護職員需給見通しによりますと、これは平成元年五月厚生省で発表されたわけでありますが、平成六年には、養成力の拡充あるいはまた潜在看護職員の活用等をいたしまして、ナースバンク事業の強化等によって九十三万五千人となって、需給のバランスがとれるということを推計をしているわけでありますが、その後ゴールドプランが発表されておりますので大変難しい状態になっていると思うのであります。それらを加えまして果たして推計どおり必要人員の確保ができるかどうかさらに疑問が加わってくるわけであります。 大臣は、この点についてどのような御認識を持っておられるか、この実態というものを把握されておられるのかどうか。給与の差、いわゆる処遇の差というものがこのようにあるわけでありますが、お聞かせをいただきたい、こう思うわけであります。
○熊代政府委員 先生、高校教諭になられた方と看護婦になられた方の具体的事例をお引きになりまして比較されました。必ずしも全般的な統計的数字ではございませんけれども、私どもも、看護職員の給与体系につきましては、初任給の差を御指摘になりましたが、平均的に申しますと初任給は比較的いい方ではないか、しかし、子育て等で勤務が中断することもございますが、それを勘案いたしましても給与の中だるみ傾向というのは御指摘のようにあるのではないかということでございますので、これは民間が経営している病院とかいうことになりますとなかなか、非常に困難な問題もございますが、この問題も意識しておりまして、何とか処遇改善の中で対処する方途を考えなければいけないということでいろいろ検討をさせていただいているところでございます。
○長谷川(慧)政府委員 平成元年の五月に策定いたしました看護職員需給見通しにつきましての現在の進行状況でございますけれども、現在、六十三年、平成元年度の実績があるわけでございますが、当初見込みよりも就業数が一万人ほど多く就業していただいておるわけでございますので、そういう面におきましては平成六年までの需給見通しにつきましてはおおむね達成できるものであろうというように思っておるところでございます。 ただ、先生が御指摘ございましたように、その後のゴールドプランの計画あるいは労働条件の改善等の要素もあるわけでございますので、現在そういう要素を加味いたしまして、平成元年の五月に策定いたしました需給見通しにつきましては見直しをやるべく作業を進めておるところでございます。今月末までにはその見直しの方針を明らかにいたしまして、各都道府県に作業をしていただく予定でございます。
○岩村分科員 給与改善あるいは労働条件の改善、これは人材確保にとって単に看護婦のみならず福祉、医療関係、保健関係に従事をする職員を確保する上で必要欠くべからざる対策である、こう私も思います。 そこで、ひとつ大臣にお答えを賜りたいのでありますが、給与改善というのは医療や福祉のコストアップ要因とはなりますけれども、このコストは高齢化社会を支えるための社会的なコストであって、決して惜しむべきものではない、このように私は考えます。私はこの際、保健、医療、福祉の人材確保、広範にわたっての分野から確保するためには、単なる小手先のやり方ではなくて強力な、しかも強固な対策が必要であるわけでありまして、これには何といいましても法制化ということが必要じゃないかと思います。 かつて文部省では、優秀な教員を確保するために人材確保法案というものを実施をいたしております。これには野党からいろいろ反論もあったり問題はありましたけれども、その後すっかり定着をして優秀な資質の教員の獲得に成功しておると私は見ておるわけでありますが、それと同じようにこの大きなプラン、構想といったものを実現するためには保健医療、福祉関係の職員の人材を確保するための人材確保法の制定、こういったことに向かって大きな第一歩をひとつ踏み出してしかるべきだ、こう私は考えるわけでありますし、昨日の質問等にもいろいろ人材の確保についての質問があったと思うのでありますが、私はそれらを参考にいたしまして人材確保法の制定、法制化、これをぜひ要望したいのでありますけれども、御検討なさるおつもりがあるのかどうか、ひとつ前向きの御答弁を賜りたい、こう思うわけであります。
○下条国務大臣 岩村委員にお答え申し上げます。 高齢化社会の到来と、またそれに対する対策としてゴールドプランが第二年目を迎えておる。しかも現実の問題に目を向ければ人材の確保の問題ということについては非常に多くの困難が伴い、しかも心配していらっしゃるお気持ちるる御説明いただきまして、私も大変重要なことだと受けとめておる次第でございます。その中で特に関係職員、例えば看護職の方々の給与改善問題、この御指摘もございましたけれども、これはやはり全体的な給与体系の中で検討されるべき問題でございますので、一概に完全に違う業種とフラットに比較するだけで高い低いは言えない面もあろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても看護職の重要性からかんがみまして妥当な給与水準を常に確保していくということは必要であろう、このように考えておる次第でございます。 保健医療・福祉マンパワーの確保のためには、平成三年度予算案においてもさまざまな対策を講じてまいっております。また、先ほども御指摘ございましたように、省内に設置いたしました保健医療・福祉マンパワー対策本部でも総合的な検討を行っておるところでございます。マンパワー確保を図る上で御指摘の法制化の問題につきましては、大変貴重な御意見と受けとめておりますが、まだまだ検討すべきものがございますので、今後慎重に、しかも積極的に検討いたしてまいりたい、このように考えております。
○岩村分科員 人材確保のための法制化につきましてはなかなか大臣含みのある御答弁をされて、慎重に、かつ積極的ということでありますから、これは私はやる気満々というふうに受け取っておかせていただきますが、問題もいろいろあると思います。したがって、その点については十分に事務方に検討を命ぜられて、そして誤りなきを期していただきたい、こう思いますし、また、国民の期待に沿うためにはまずこの人材確保、これが一つの決め手でありますので、そのためには法制化が必要であるというのが私の意見でありますので、ぜひその方向に向かって進んでいただきたい、これは強く要望いたしておきます。 次に、この人材確保に関連いたしましてホームヘルパー、これも昨日と重複すると思うのでありますが、私なりの考え方でお尋ねをしてまいりたいと思うのであります。 都道府県や市町村では、本来の業務である、こういったことで非常にたゆみない努力を続けているわけです。しかしながら、現在の出生率の動向あるいはまた労働需給情勢などから、ヘルパーの確保は今のままでは困難である、こういう声が大変強うございます。また、業務実施をする市町村では、ホームヘルパーを確保いたしましても、市町村の条例に基づく職員定数の枠があるために、その処遇に苦慮しているというのが実情であります。定数枠をオーバーさせないために非常勤職員として採用しているのが相当数に上っております。私の新潟県では、七百七十数名のうち定数枠の中に入っておる職員はわずか一五%という現状でありますが、この地方公共団体における非常勤特別職というのは定数外職員でありますから、いわば地方議員と同一の職と言ってもよろしいと思うのであります。したがって、給与の面では年金やあるいはまた経験年数、こういったものは全く加味されないわけであります。このことが起因をして、せっかく採用しても定着率が非常に悪い、また優秀なヘルパーの確保が難しい、こういう状況になっておるわけですね。 厚生省では、この事態を打開するためにパートヘルパーの雇用あるいはまた特養ホーム、社会福祉協議会などへの委託を進めるよう指導していると聞いておるのでありますが、地方の現場では、このような指導だけでは果たして実効が上がるのかどうか非常に危ぶむ声が聞こえるわけであります。中には、主任ヘルパーだけでも職員定数の枠内に入れよ、こういった声も聞かれますし、あるいはまた処遇と身分保障をもっと改善せよといった声も聞かれます。委託が進められる中におきましても、在宅の福祉サービスは本来市町村固有の業務でありまして、先ほど申し上げましたように市町村の責任においてなさるべきものであります。したがって、定数化することは地方自治の侵害にもなりかねない問題も含まれております。厚生省が指導することにおいてはそういった危惧の念も私は持っております。今のところ厚生省の指導はなじまないもの、こういうふうに私は考えます。それよりもむしろ、ヘルパーの処遇の改善や身分保障に思い切った対策を立てることが肝要ではないか、このように考えるわけでありますが、当局のお考えをひとつお聞かせいただきたい、こう思うわけであります。
○岡光政府委員 先生おっしゃいますように、ヘルパーの処遇改善につきましては意を用いなければならないと考えております。御承知のとおり、手当額であるとかあるいは交通費、活動費というものは引き上げを図っておりますし、また、平成三年度からは、チームで仕事をしよう、そのチームのリーダーになる主任ヘルパーについては相当手厚いお手当を出そうではないか、こんなふうなことを考えております。 しかし、先生おっしゃいましたように、このホームヘルプの仕事は市町村の責任を持ってやらなければならない仕事でありますが、その実施をする体制はどういうふうにするかというのは、それぞれ市町村の事情を勘案しなければならないと思います。御指摘がありましたように、現実にも市町村の職員でやる場合と、あるいは社会福祉協議会であるとか、そういう福祉の仕事を専門にやっている特別養護老人ホームであるとかに委託をするケースと、多様な格好になっております。私ども、十万人のホームヘルパーを確保しなければならないということを考えますと、それぞれ地域の実情を考え、その地域における雇用状態とか全体的なことを考えないといけないと思いますが、いずれにしても、ヘルパーをどうやったら確保できるのかということで、一番確保しやすい方法を選ぶべきだと考えております。そういう意味では、一律的に市町村の職員として定数化しろというふうに考えるのは少しかた過ぎるのではないだろうか。また、そういう意味で市町村の職員にしてくださいというふうな言い方をしますと、必要な人員も確保できないということにもつながりかねませんので、そこのところはそれぞれの実情 にゆだねているところでございます。 そういう職員の位置づけにつきましては実情にゆだねておりますが、処遇につきましては手厚くしなければいかぬ。これについては、今申し上げました手当額の引き上げを初めとして今までいろいろやってきておりますが、そもそもこういう人たちの働いている実情を私ども十分把握をしまして、それにふさわしい処遇のあり方を考えなければいけない。先ほど大臣からも人材確保ということで、法制化については含みのある御答弁がございましたが、そういった中でもこの対応については考えていかなければならないんじゃないだろうか、そんなふうに考えておりまして、中身につきましては少し宿題としていただきたいと考えております。
○岩村分科員 二万七千人から十万人の確保、これはもう大変な仕事でありますね。今詳しい御答弁がありましたから大変難しい点があることは十分承知はしておりますけれども、これはやはり乗り越えなければならないハードルであるわけでありますから、ひつとぜひ大臣から叱咜御激励を部下にしていただいて、実効のある方策が出ますようにお願いをしたいと思います。 最後に、このホームヘルパーに関連いたしまして、時間がありませんので簡単に申し上げますが、ホームヘルパーの足の確保でございます。つまり、私どもの方のような積雪寒冷地帯、あるいはその他においてもそうであろうと思いますけれども、在宅福祉を強力に推進する上からもヘルパーの活動用の車両を国庫補助の対象にしてほしい、一言で言えばそういうことなんです。これは財政力のある市町村によってはある程度自前で、もう本当の軽四輪程度の安い車でございますけれども、確保しているようでありますが、大部分の町村ではそこまで手が回りかねるということで、ヘルパーは非常に苦労をいたしております。敏速に、しかも適切に介護を続けるためには何としても車両に対して国庫補助の対象に、もうしてもいい時期じゃないかと思うのですが、この点についてお考えをお伺いして、終わらせていただきます。
○岡光政府委員 先生御指摘のとおり、移動のための手段として車とか、現実にはバイクも相当配置をしているようでございますが、車の確保というのは大問題だと思っております。 財政当局ともその辺はまたよく相談をさせていただいて、いずれにしても活発な活動が行われるような体制を整えていきたいと考えております。
○岩村分科員 ありがとうございました。それでは、大臣以下皆さんの御健闘をお祈りいたしまして、終わります。
○粟屋主査 これにて岩村卯一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、山元勉君。
○山元分科員 私は、ことし初めて予算がつけられました骨髄バンクについてお尋ねをしたいと思います。 三年前の議会で、社労で永井議員あるいは参議院で下村議員がこの問題を取り上げていらっしゃいますけれども、そのときには厚生省の答弁、政府の答弁というのは、大変難しい、窓口も明確でないし、あるいは提供者の危険も、リスクもあるし、あるいは国民的合意でない、こういうような答弁でございました。それから三年で初めて予算がつけられました。私は、このことに踏み切っていただいたことを大変評価しますし、敬意を表したいと思うわけです。 そこで、この問題でこの間大きな運動や、あるいは厚生省の御努力があったわけですが、現在の厚生省としての認識、今までの経過、そしてこれからの取り組みについての認識について初めにお伺いをしたいと思います。
○寺松政府委員 山元先生からのお話は、恐らく御当地でいろいろと活躍を始めておられます神山賢一さんを救う会というふうなものの御支援をされておるように伺っております。このたびその救う会が骨髄バンクと患者を結ぶ会というふうなことに発展的に拡大をしまして活躍をされておるようでございますが、それにつきまして、私ども、そういうことにつきましては、新聞等で報道がされておりまして、承知をいたしておるわけでございます。 この神山賢一さんを救う会のメンバーが中心となってやっておられます骨髄バンクと患者を結ぶ会が一月に発足したように聞いておりまして、これは救う会の活動がもととなりまして、多くの患者のために骨髄バンクの設立活動になったというふうに認識しておりまして、その御努力に対しまして敬意を表しておるところでございます。
○山元分科員 今そちらからもお話が出ましたけれども、少しその滋賀における神山賢一君を救う会について申し上げて、認識をまた深めていただきたいと思うわけです。 この神山さん、昨年の二月に発病いたしました。それからお母さんが中心になって、そしてその地域の皆さんが力を合わせて運動を始めました、神山君を救おうということで。御承知だと思いますけれども、この子は信楽焼のあるところ、信楽の青年なんですけれども、それを受けてだんだんと運動が広がって、労働組合でいいますと自治労だとか教職員組合だとか、そして最後は、たくさんの資料が出ましたけれども、連合滋賀の皆さんが応援を始めました。 そういう中で、先月末で、こういう運動は大変難しいわけですけれども、二千八百五十人の血液検査が既に済んでいるわけです。カンパも二千百万円集まりました。しかし残念ながら、献血の検査の費用一万三千円ほどかかりますから、今赤字が一千万円ほど出ているわけです。これはみんなのカンパあるいは神山家の出費になっているわけです。そういう大変な運動で救おうということで盛り上がったわけですけれども、しかし、まだ適合者が二千八百五十人検査をしても見つからないという状況で、私も先日神山君に会ってきましたけれども、やはりつらい思いをしているわけです。そういう状況からも、やはり早く稼働してほしいと思うわけです。御承知のように、名古屋にもこういう大きな運動がございます。どうかそういう認識をしっかりとしながら仕事を進めていただきたいということを最初にお願いしておきたいと思います。 それから、今話にも出ました結ぶ会ですけれども、この結ぶ会の事業といいますか願いというのが三つございます。一番目が、患者や家族の治りたい、治したいという気持ちを大事にしながら名簿を整理する。これは当然のことだと思います。二番目が、骨髄提供希望者を、ドナーといいますが、募って、血液型の集中管理と検索、照合を行う。三番目が、これがやはり一番立派だと思いますし大事だと思うのですが、公的骨髄バンクの早期運用開始を願う、そして協力する。こういう三つの願いになっているわけです。身近にそういう患者がいて、あるいは運動をしてきて、そして今、神山君を救うだけではなしに、結ぶ会、患者と骨髄バンクを結ぶということに立ち至る。人間として大変立派だと思うのです。そういうものをぜひ理解してほしいと思うのです。 長しゃべりになりますけれども、ここに「一本の羽根をください」という、運動を一生懸命やっていらっしゃる、患者を持っているお母さんが書いた本ですけれども、橋本さんの本です。これは、これから仕事をしていただく人にぜひ一読をしてほしいと思うのです。私も涙をぽろぽろ流しながら読みました。そして本当の運動というものを理解した気持ちがありました。そういう意味で、これから仕事を続けていただく方にぜひ読んでもらいたいなというふうに思います。子供が発病して、そして命を刻々と縮めていく。子供というのは無限の可能性を持っているものですし、親としても、あるいは社会にとってもそうですけれども、宝物です。そういう命を救おうという思いが非常に切々と出ていますから、ぜひ読んでいただきたいというふうに思います。 そこで、具体的なことで少し御質問申し上げたいわけですが、先ほども申し上げましたように、初めて予算をつけていただきました。新しく踏み 出すということで評価をいたしますけれども、三億二千百万円と聞いていますので、少しその中身について詳しく教えていただきたいと思います。
○寺松政府委員 今先生御指摘いただきました、平成三年度にそういうふうな骨髄バンク事業を始めようということで、その関連の事業の中身について御説明したいと思います。 一つは、骨髄データバンク登録事業、HLA検査をやりまして登録をするという事業でございます。二番目は、そういうふうな登録されたものを電算処理によりまして全国のオンラインシステムの整備をしておく、その事業でございます。三番目は、まだまだ研究しなければならないことが残っておりまして、骨髄移植の調査研究事業というものを予定いたしておるわけでございます。 それで、一番目の骨髄データバンク登録事業が一億九百万、それから電算処理によりますオンラインシステムの整備事業が一億六千二百万、それから最後の骨髄移植調査研究事業費が五千万円、こういうふうなものを計上いたしておるわけでございます。
○山元分科員 中身については少し詳しくお尋ねをしていく中で申し上げたいと思うのですけれども、ありがたいというのは繰り返して言っていますけれども、ざっと感じで、いかにも少ないという感じがするわけです。例えば私の地元で小学校をつくろうと思うと、土地代が十七億円で、建物が十億円、二十七、八億円、小学校を建てるのに要るわけですね。幼稚園ですら六億余り、小さい幼稚園をつくるのに要るわけです。こういう本当に人の命にかかわる事業で、スタートするその立ち上がりの費用も要る中で三億二千百万円というのは余りにも少ないという感じをどうしても持つわけです。これはこれからの努力になるだろうと思うのです。 そこで、調査研究のための五千万というのがありましたけれども、この調査研究はどこで、どういう方がどういうことが主なテーマになるのか。研究についてお述べください。
○寺松政府委員 今先生御指摘の平成三年度におきます骨髄移植調査研究事業でございますが、これは研究者に委託して研究をお願いするということでございます。 まず一つは、骨髄提供者と患者との間で一致させる必要のございますHLA検査というのがございますが、そういうものの形の一致度を高めなければならぬということでございまして、骨髄移植の成績を向上させるためのHLA型の適合に関する調査研究、こういうようなことでございます。私が承知しておりますのは、大体八五%ぐらいまではうまくいくのでございますが、一五%ぐらいどうもまだHLA型が確定していないというようなものもございますので、その辺の研究をしていただくというのが一つでございます。 それからもう一つは、骨髄提供者の骨髄採取に伴いまして、御承知のように、全身麻酔等もやりますし、肉体的にかなり負担がかかります。そこで、その負担の軽減を図ろうということで、いわゆる末梢血の中の骨髄細胞の培養に関する研究、末梢血からとってそれを使うというふうなことも研究を急がなければならぬのじゃないかと思っておりまして、そのようなことを予定いたしておるわけであります。 今先生のおっしゃった研究班の班長とかどういうところへ研究をということでございますが、まだ私の中身の方で相談が調っておりませんで、いろいろな専門家の方々がおられますので、いずれその辺の方々と御相談をして決めてまいりたい、このように考えております。
○山元分科員 事業の中身は二つありましたね。登録事業とオンライン化の事業です。特に登録事業というのは、検査費用が先ほど申し上げましたように滋賀で一万三千円、県によっては検査だけで三万円かかるというのがあるのですけれども、検査費用の補助については、一体どういうふうになっているのですか。
○川崎政府委員 ただいまお話がございました骨髄データバンクに登録する際のいわゆるHLA型の検査費用につきましては、私から御答弁させていただきますけれども、一応全額補助をするという考え方で予算を計上いたしております。
○山元分科員 もう少し詳しくおっしゃってください。全額補助はわかりました。積算として一人どれだけかかって、何人分なのか。
○川崎政府委員 この事業の発足を平成三年度途中と考えておりまして、検査単価を一万二千円、人数として平成三年度で約六千人を見込んでおります。
○山元分科員 この事業の中で恐らくドナーの募集について相当のエネルギーといいますか努力が要るだろうと思うのですね。私ども、滋賀で運動を進めている中でも、この意味は理解する、十分理解はするけれども、未知なるものへの恐怖といいますか、大丈夫かという気持ちもやはりあるわけです。ですから、今の六千人では少な過ぎると私は思いますけれども、ドナー募集についての事業はどういうふうになっていますか。
○寺松政府委員 今先生御質問のドナーの希望者の募集方法についてでございますが、御指摘のように非常に難しい。私ども、腎移植とかいろいろやっておりますけれども、実際、具体的にはなかなか難しい問題でございます。 そこで、私どもはその募集に当たりましては、国民に対する骨髄移植の普及啓発に努めますとともに、実際に提供希望者があらわれた場合に採取方法等について十分な説明をしなければならぬと思います。そしてその上で提供の同意を得る、いわゆるインフォームド・コンセントと言うのでございましょうか、そういうようなものを必要とすると思います。 そこで、具体的な方法といたしまして、現在、公衆衛生審議会の中に成人病難病対策部会というのがございますが、その中で検討していただいておりまして、その検討の結果を踏まえまして、今先生御指摘のように募集の効果が上がりますような形で努力をしてまいりたいと考えております。
○山元分科員 少し具体的に、早く効率よくという気持ちで申し上げますけれども、一つは、今まで日赤が血液検査をやってこられて一連のデータを持っていらっしゃる。確かにこれはプライバシーにかかわる問題ですから非常に難しいと思うのですけれども、現に今結ぶ会の皆さんは、神山君を救う会の神山君のための献血というのを、神山君に限らないという形でもう一遍提供者、ドナーの気持ちを聞いているわけですね。あなたは神山さんにと言っていただいたけれども、ほかの皆さんにということでバンクに登録していただけませんかということで一人一人やっているわけです。そういう手順ももちろん必要だと思いますけれども、日赤の血液センターにあるデータといいますか、それはどう考えていらっしゃいますか。
○寺松政府委員 今の先生の御質問は、日赤にありますデータと、こういうことでございましょうか。―私ども、今日赤にはそういうためのリストがないと聞いておりますので、実際は現在いろいろと民間団体等でやっておられますが、そういうふうなデータをも使わせていただこう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山元分科員 いや、日赤血液センターに一連の検査結果があるというふうに聞いているのですが、それは違っていますか。
○川崎政府委員 ただいま御指摘ございました日赤におきます血小板の登録、これでHLA検査をやっておりますけれども、特にドナーのためのデータといったようなものは持っていないと聞いております。
○山元分科員 私、ドナーとしての資料でないことは承知しております。それも一つですが、今少し話にも出ましたけれども、民間のバンク、名古屋、滋賀にもある、あるいはほかにも幾つかの運動があります。そういう人たちが今持っている、この人たちは資産と言っておりますけれども、これの活用について積極的に考えていらっしゃるかどうか、お伺いいたします。
○寺松政府委員 先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、もう一度お答えを申し上げたいと思います。 骨髄バンクと患者を結ぶ会を初め、先生御指摘の東海の地域にもございますが、民間団体が骨髄提供希望者を募っておりまして、その結果相当数の提供の登録者があるということはお聞きしております。 そこで、骨髄バンク事業開始に際しましては、これらの提供登録者につきましてどのように対処するかについては、やはり専門的な御検討をいただかぬといかぬと思うのでございますけれども、それは公衆衛生審議会の中にございます成人病難病対策部会におきまして検討していただくことになっておるわけでございますが、先ほども私が申し上げましたように、何らかの形でそういう善意のある方々のデータをいろいろとまた参考にさせていただけたらというふうに考えておりまして、また、それを審議会にもできたらおかけするなりして御意見を伺うということも必要なのではないかと考えております。
○山元分科員 先ほども読み上げましたように、結ぶ会の皆さんが考えていらっしゃるのは、公的骨髄バンクの早期の運用開始と、そのことへの協力を惜しまないという気持ち、これは先ほど言いましたように、橋本さんの気持ちも、我が子を救うということからだんだんと進んだ気持ちになっていらっしゃる、そういう方が多い。そういうことをまた期待をして、今までだったら特定の人に提供しますということでいただいているけれども、その公的バンクが整備されれば登録する意思がありますかということを、民間の皆さんはこういう努力を積極的に始めているわけですね。そういうものをしっかりと受けとめていただきたいと思うわけです。そうして、一日も早く実効が上がるようなことに、今の日赤の問題あるいは民間バンクの問題を考えていただきたいというふうに思います。 時間が余りありませんから急ぎますけれども、一番最初厚生省も一番こだわっていらっしゃったドナーの危険の問題、この補償を考えなければならない。大事な決め手とも言えるのだと思いますけれども、運動が広がっていく、そういうことから、ドナーの補償制度についてどれほどの論議をしていただいているのか。それから、採血時とか手術のときのリスクと、それからもう一つは、休業補償の問題があるのですね。手術して提供したら三日は少なくとも寝ていなければならぬ、だからその間は仕事を休まなければならぬということがあるわけですね。そういう点を含めて、補償制度についてはどういう検討を進めていらっしゃるのか、お伺いします。
○寺松政府委員 今先生がおっしゃいましたように、補償制度については大変難しい問題がございます。しかしながら、これをやらないと恐らく骨髄移植のバンクがなかなか機能しないのではないかと思うわけであります。特に、ドナーの募集について安心してと言うのは少し過ぎるかもしれませんが、必要なことではないかと思いますので、私どもとしましては、ドナーに対します補償の制度の内容について公衆衛生審議会の成人病難病対策部会にひとつ御検討いただこうということを考えておるわけでございます。そして、私ども事務的にもいろいろと今、関係省庁あるいは民間の生命保険、損害保険とか、そういうような団体等ともいろいろと研究をしております。そのような研究の結果を踏まえまして私どもその補償制度をつくりたいというふうに考えておるわけでございます。
○山元分科員 先ほどからお伺いしておりまして、これは初年度ですからやむを得ぬという気持ちもするのですけれども、例えば調査研究もどこへ研究をお願いするのかまだ検討中だ。あるいは今のドナーの補償制度の問題もそうですし、あるいは募集の方法についても審議会で検討だ。これから、四月一日から始まるといえばそれまでですけれども、やはりこういうふうに予算がきちっと示されるというのですか、出したのですから、これは、積算基礎なり方向というのはきちっともう少し急いでもらいたいということを、今の問題については申し上げておきたいと思うのです。 次に、こうやって本当に急いでほしいし、急げば、六千人検査と今おっしゃいましたけれども、適合者がどんどん見つかってくる。例えば、現在希望する、要する人が数千人いらっしゃるだろうと思うのですが、ドナー一万人集めるとおよそ四〇%が救える、こういうふうなことも言われているわけです。五万人集めるとその患者の八〇%が救える。ですから、できるだけたくさん早く集める仕事をしなければならぬわけですけれども、さて、集まれば集まったで手術をしなければならぬわけですが、現在の手術をする我が国の病院ですね、どれほどの能力を持っているのか、あるいは今後そういうふうに活動をフルに始めたときに受けとめてもらえる能力があるのかどうか、その点についてお伺いします。
○寺松政府委員 今先生の御指摘は、骨髄を移植することができる医療機関がどれぐらいあるかということでございますが、私どもまだその数字につきましてはおよその数字を承知しておるだけでございます。 その可能かどうかを判断します一番のメルクマールとしまして、無菌病室といいますか無菌室を持っているかどうかというようなことが一つのあれになると思います。そこで、私どもの今の調査でそういう数字を参考にしますと、二百室ぐらいの病室がございまして、できる施設は四十カ所ぐらいじゃないかなというふうに予測しております。 それで、実はやはりそれだけではなかなか対応が、今後全国的にやっていく場合に問題があるわけでございますので、ひとつ無菌室の整備につきましていろいろと補助等をし、促進を図りたい、こういうふうに考えておりまして、私ども、これは一応医療施設等設備整備費補助金というものがございますので、その中でやっていこう。ちなみに、この平成二年度の私どもが内示いたしました施設は五カ所、五病院でございます。
○山元分科員 そうすると、今足らないというふうになってくれば、この三億二千百万円の予算以外に一般的には無菌室の整備ということでの補助ができる、こういうことですか。
○寺松政府委員 これは移植を行う施設の、その医療機関の施設整備、こういうことに使う金でございます。
○山元分科員 いや、だから三億二千百万円の中に含まれるのかどうかと聞いているわけです。
○寺松政府委員 それは、先ほど申し上げましたように、別の金でございます。
○山元分科員 それじゃ、時間もありませんからあれですが、ことし実際に年度内でいつごろから実質的な運用開始といいますか、仕事ができるというふうにお考えですか。
○寺松政府委員 今先生からいろいろ御指摘いただきました準備がいろいろございます。それで、その辺でございますが、予算的には三年度中にスタート、こういうことになっておりまして、今おっしゃっておりますように、これは待っておる患者さんもいろいろたくさんいらっしゃるわけでございますので、できるだけ早く実施に踏み切りたい、そのための準備を鋭意急ぐつもりでございます。
○山元分科員 最後にお願いと、それから大臣にお尋ねをしておきたいわけですが、先ほどからずっと申し上げてきましたように、大変な難しい病気で、明らかに刻々と命が縮まっていく病気ですね。そういう意味で、スタートすることについては喜びながらも、ぜひ早めてほしい。今もう少し時間があれば三年度中の作業、仕事の手順をもう少し詳しくお伺いしたかったのですけれども、これからまた厚生省の方と引き続いて私も話をさせていただきたい、できるだけ、ぜひ早く規模を大きくしていくような努力をお願いをしておきたいと思います。 そこで、最後に大臣に見解といいますかお伺いをしておきたいわけです。 先ほどから申し上げてきましたように、刻々と命を縮めていく、言うなれば骨髄バンクの充実と患者の皆さんの命と一刻一刻争う、競り合うよう な状況が実際この病気はあるわけです。この神山君についても入退院を繰り返しているわけです。白血球が多くなると入院をして抑えて、退院をしてきて信楽焼をつくる、そしてまたぐあいが悪くなると入院をする。そのインターバルがだんだん短くなってくるわけですね。そういう状況になっています。そういう状況を見ながら、私も頑張れ、頑張ってもらいたいという激励をしてきましたけれども、やはり周りがいらいらするわけですね。そういう意味で、ぜひ早くしてほしいわけですけれども、大臣、ことし始まった事業ですが、スタートが一番大事だと思うのですね。ですから、人間の善意ももちろん期待をいたしますけれども、行政として精いっぱいことしやっていただきたいわけですが、それについての御見解をお願いしたいと思います。
○下条国務大臣 山元委員にお答えいたします。 白血病の深刻さ、またその問題が刻々と迫っておるという御認識は私も同じでございます。私も何人かの亡くなった方あるいは今苦しんでいる方を存じ上げております。したがいまして、この骨髄バンク事業についての重要性も同じような認識を持っておりまして、これについては、先ほどお話が出ましたように、平成三年度の予算で一部予算化ができました。先生のお考えでは、これは到底十分でないということでございますが、一応そういうことで予算化をしたということでございます。 これからも、厚生省といたしましては、昨年十一月にまとめられました骨髄バンク組織に関する研究の報告書の内容を踏まえまして、平成三年度中には日本赤十字社の協力を得て骨髄データバンク事業が実施されるよう、公衆衛生審議会成人病難病対策部会等において、骨髄提供者の補償体制等、具体的な内容についてさらに検討を進めてまいりたいと考えております。
○山元分科員 ありがとうございました。御努力を期待して、質問を終わります。
○粟屋主査 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。 次に、渋谷修君。
○渋谷分科員 私は、北区にあります国立王子病院の件について御質問を申し上げたいと思います。 具体的な問題に早速入ってまいりますけれども、この国立王子病院の移転問題、随分前から話が出ておりますが、現在の進捗状況は一体どんなふうになっているでしょうか。
○田中(健)政府委員 お話しの国立の王子病院と立川病院の統合の問題でございますけれども、立川の防災基地内において統合いたしまして、広域災害医療の基幹施設として整備することといたしております。それからまた、六十三年の七月に、国の行政機関等の移転について閣議決定がなされまして、その対象施設になりまして立川市へ移転が決められております。こうしたことで、私ども厚生省といたしまして、その統合した病院の基本構想について、これは新たに広域災害のための基幹施設づくりでございまして、日本でも例のないような施設でございますが、その内容について今部内で検討を進めております。 それから、それと裏腹になりますが、移転をいたします王子病院の移転の跡地の問題でございます。これも都内の国有地といたしましては非常に貴重な財産でございまして、そういうことで移転後の跡地利用につきましても私どもは非常に真剣に考えておりまして、昨年の一月に保健医療局長の私的諮問機関をつくりまして、その跡地をどう利用するかということを検討いたしました。それは国立医療施設用地活用検討会というものでございますけれども、その中間報告が出まして、その中間報告では、その跡地の利用としまして、保健と医療と福祉のサービスを一体的に供給するようないろいろな施設群をつくれということでございました。それで、私どもは、これも非常に大きなプロジェクトになるわけでございまして、その施設群の設置の可能性について、これも部内で今鋭意検討を進めております。 そういうことで、新病院の構想につきましても、それから跡地の利用につきましても、今厚生部内で検討中ということでございます。
○渋谷分科員 今この跡地利用のことも含めて、あるいは立川への統合の問題を含めて概略お話しいただいたのですが、できましたら、大体いつごろまでにという、今の状況というのは、立川の方の動きも含めまして、そういう期間のめどを御説明いただけますか。
○田中(健)政府委員 ただいまお話し申し上げましたとおり、新しい病院につきましても、それから跡地につきましても、新たな、これまで余り例のないような、前例がない問題でございまして、検討に時間がかかっておるわけでございます。 私どもとしては、できるだけ早く目鼻をつけたいと思いますが、これも跡地の利用につきましては土地の利用方法につきましていろいろと案がございます。土地信託でこれをやるという案が、先ほど申しました検討会の報告で出ておりまして、非常に検討に時間のかかる問題でございます。私どもとしてはできるだけ早く対応したいと思いますが、先ほど申しましたいろいろな施設を総合的につくるということになりますと、跡地の医療機関を中心とした引き受け相手の問題もございます。そうしたことで時間はかかっておりますが、できるだけ早く目鼻をつけたい、こう思っておりまして、今いつの時点でできるかということは申し上げられない状況でございます。
○渋谷分科員 跡地の方についてはともかくといたしまして、つまり、立川への統合が行われなければ跡地の問題というのは出てこないわけですから、問題は立川の方の進捗状況です。これはまるっきりめどが立たない、十年も先の話というわけじゃないでしょう。大体いつごろか、お願いします。
○田中(健)政府委員 私どもは、この統廃合の問題につきましては、地元関係者の理解を得ながら進める、こういうことになっておりまして、立川だけの具体化で話を進められる問題ではないわけでございまして、跡地の北区の問題も一連となるわけでございます。 そういうことで私どもとしましては、立川病院につきましては、立川市の方からもできるだけ早くという要望を受けておりまして、できれば平成三年度中には何らかの手を打ちたいというふうに考えておりますけれども、それも何度も申し上げますように、跡地の利用との絡みがございます。そういうことでできれば平成三年度に何らかの手を打ちたいと考えておりますが、そんな気持ちでございます。
○渋谷分科員 平成三年度に何らかの手を打ちたいというのは、立川の方ですか。
○田中(健)政府委員 そうでございます。
○渋谷分科員 何らかの手を打つというのは、具体的にはどういうことですか。
○田中(健)政府委員 できるだけ実施計画をまとめまして、実施設計ができればということでございますけれども、具体的にはこれから検討の段階でございまして、申し上げる時期ではございませんけれども、何らかの手を打ちたいと考えております。
○渋谷分科員 そうしますと、平成三年度中に例えば実施計画がまとまるということになりますと、そこを起点にして、そこを始点にして具体的に立川の統合が行われるには最短距離でどのくらいの期間でできますか。
○田中(健)政府委員 立川の病院を新たな土地に移すわけでございます。ということで、仮に今のベースでまいりますと、平成四年、五年、六年ぐらいで整備ができ上がって、平成七年には統合ができるのではないか、こんな見込みでございますけれども、これも何度も繰り返しますが、北区の跡地と絡んでおりますので、このとおりいくかどうかわかりませんけれども、そういうことになろうかと思います。
○渋谷分科員 結局は並行して進めなければいけないわけですから、大体一つの考え方としてそう いう方向で作業を進めているということであれば、先ほどの何らかの手だてなどという話ではなくて、最初からそう言ってもらえば貴重な時間が省けたのではないかと思うのです。 この王子病院の移転問題について、先ほど関係者の理解を得ながらというようなお話もございました。地元の北区やあるいは地元の住民などからもいろいろと要望が出ているのですけれども、その件についてお話に入る前に、国立病院という医療機関のそもそもの任務、設置されたときの目的、そしてその後それがどういうふうに変わってきたのか、それについて御説明いただけますか。
○田中(健)政府委員 国立病院・療養所は、戦時中の陸軍病院あるいは傷痍軍人の療養所等を戦後引き継いで、日本の医療機関も非常に疲弊をしていた時代に国民の医療のためにやってきたわけでございます。そういうことで、戦後の一時期は日本の医療機関のベッド数のおよそ三〇%は国立の病院・療養所が占めておったわけでございます。非常に国民医療にそういう面で寄与してきたわけでございますが、その後社会経済の進展とともに医療機関も随分進んでまいりました。公立あるいは民間の医療機関も進展をしてまいりまして、現在ではおよそベッドのシェアは五%でございます。 それで、主として国でなければできないような医療をやるという趣旨でやっておりますけれども、国立病院・療養所合わせて二百五十あるわけでございまして、その中ではやはりほかの一般の医療機関と余り変わらない機能しか果たしておらないということもございます。そうしたことで、終戦直後は非常に大きなウエートを占めておったわけでございますけれども、今は医療機関全体に占める役割は非常に小さくなってきた、こういうことでございます。 そこで私どもといたしましては、国の医療機関として今後どうあるべきかということを考えまして、やはり広域を中心といたしました高度あるいは専門的な医療を行う医療機関であるべきである、国の医療機関としてはそういう役割、あるいは国が政策的に負っていかなければならない問題、ハンセン氏病の問題であるとか重症心身障害児の問題であるとか、そうしたことを政策的にやっていこう、こういう位置づけでやっておるわけでございます。
○渋谷分科員 各地にある国立病院、それぞれのまた特色のある専門性もあろうかと思うのですが、総合病院としての役割を戦後ずっと果たしてきて非常に重要な意味を持つ。医療機関ですから、しかも国立ですから広域から患者さんが来られるということもあると思うのですが、それなりにやはり地域に密着した役割も果たしてきた。 北区の医療事情なのですが、そういう意味での総合病院などの事情についてはどんなふうな御認識をお持ちですか。
○田中(健)政府委員 北区と申しますか王子病院に隣接する医療機関でお話をさせていただきますと、王子病院のほかに、三・三キロ離れたところに都立の豊島病院がございます。それから五キロ離れたところに、これは北区でございますが、印刷局の東京病院がございます。それから一キロ離れたところに医療法人の大橋病院がございます。それから二・六キロ離れたところに帝京大学の附属病院、三・八キロのところに日大附属の板橋病院、一・一キロのところに医療法人の小豆沢病院、一・五キロのところに医療法人の板橋中央総合病院。王子病院に隣接する医療機関はこういう状況であろうと把握をしております。
○渋谷分科員 距離的に言えばそういうことになるのでしょうけれども、北区であるか板橋区であるかあるいはその他であるかというのが入っていませんでしたが、北区内というのはほとんどないのですよね。しかもあそこの地理の、交通アクセスといいますかそういうことでいいますと、都心からちょうど放射状には線路が走ったりしていますが、つまり先ほど言った板橋から横に通る道というのは非常に不便なのですね。したがって、ここの国立病院については、多分六割からあるいは多いときは七割ぐらいが北区の住民が利用しているはずです。多分そういう状況になっていると思うのですが、これは別に特別答えなくてもいいのですが、たしかそういう状況ですね。六割か七割ぐらいが多分そうなっているはずです。ですから、北区内の住民の方々にとりましては、この国立王子病院がどうなるかということについては非常に大きな関心を持っているし、区議会でも当然取り上げられる、あるいは地域住民からもいろいろな声が上がってくるということになっているわけなんです。そういう北区議会、北区からの意見やあるいは地元住民からの要望というものはどんなふうに理解し認識されておりますか。
○田中(健)政府委員 この王子病院の移転の後の問題につきましても、先ほど申しました跡地の利用のために局長の私的諮問機関、国立医療施設用地活用検討会をつくりまして、私どもとしましては地元の北区と意見を交換するとともに、この検討会に北区の職員の方、北区の医師会の方、それから東京都の衛生局の方、関係者等にも御参画をいただきまして、その跡地の利用について御意見を徴しながらその中間報告をまとめていただいたという経緯がございまして、こういうことで地元関係者の要望の把握に努めております。 それで、これまでのところ地元の北区との関係でございますが、北区は、国立の王子病院の移転はやむを得ないといたしましても、地域医療の確保の観点から何らかの形態で医療機能を存続してほしい、こういう要望を受けておりまして、こうした要望も含めまして跡地の検討をしておるわけでございます。 今のは区の話でございますが、区議会の方でございますが、区議会も昭和六十年ごろには、議長の御意見ということで王子病院の機能の充実を求める要望が出ております。最近では、王子病院の跡地の活用について私どもに御意見をちょうだいしている、こんな状況でございます。 それから、北区の医師会でございますけれども、医師会も王子病院の移転には異議は申しておりませんで、その跡地についていろいろとお考えをお持ちであるというふうに承っております。
○渋谷分科員 地元住民でこの王子病院をそのまま残してほしいという運動があるのですが、それについての認識はどんなふうになっていますか。
○田中(健)政府委員 国立王子病院を守る会というのがことしの一月に結成をされまして、この二月でございますか、私ども、王子病院を存続してほしいという要望を受けております。これは私ども承知しております。
○渋谷分科員 そういう形で医療機能をそのまま存続させてほしい、あるいはこの国立の王子病院ということで存続させてほしい、そういう要望があるのですね。こうした要望が出てくる背景をどんなふうに御理解いただけますか。
○田中(健)政府委員 医療機関でございますので、王子病院が移転をするということについて住民として不安感があるからであろうと思います。
○渋谷分科員 その不安感の分析なんですよ。なぜそういう不安を持つかということがわかっていないと、地元住民のそういう意味での理解を得るということができないでしょう。国立王子病院が移転することについて、住民がどうしてそういう不安を持つということになりますか。
○田中(健)政府委員 医療機関でございますので、そういう意味で不安があろうかと思うわけでございます。そうしたことで、私どもは移転に伴いましてどうしても、地域医療の確保の観点から何らかの形で医療機能の存続ということを考えまして、今いろいろと検討しているわけでございます。
○渋谷分科員 それじゃ答弁にならないのですね。これはもう答弁資料じゃなくてお互いにやりとりする部分ですね。といいますのは、なぜ反対するか、なぜ不安を持つかということは、一つは六割もの人たちが利用している、患者さんの不安がありますね。患者さんにしてみれば、弱い立場ですから、いつもなれた病院に行って、よくわかっているお医者さんに診てもらう。移転をし て、行くお医者さんが変わってしまう、医療機関が変わってしまう、新しいところへ行けといってもまた最初から理解してもらわなければいけない。医療の実際というのはやはり人間対人間、マン・ツー・マンといいますか、そういうことでのやりとりですから。こういうことが一つありますね。 それからもう一つは、やはり最近の医療事情がありましょう。例えば民間の病院へ行くと費用が多くかかりはしないか、あるいは入院すれば差額ベッドで、たくさんお金を持ってないとそういう意味での医療を受けられないのではないか、そういった意味での不安感があるのですね。国立病院だったら安心だという意味での安心感がある。ここが取り除かれないと、地元住民あるいは地元の行政の方もなかなか、はいわかりましたというわけにはいかないのじゃないですか。いかがですか。
○田中(健)政府委員 現在の医療は、先生御案内のとおり社会保険制度で賄われておるわけでございまして、その診療報酬は同一のサービスでやれば同一の料金でございまして、大体サービスはそう変わるものではない、民間病院になっても患者の負担増を生じるということは考えておりません。現に、この病院の統廃合の一環といたしまして一昨年十月に鹿児島県の阿久根市にございます国立の療養所阿久根病院を地元の医師会に経営移譲いたしましたが、移譲後、先生が今御指摘になりましたような事態は生じておりませんので、私どもは住民からはそういう批判は受けておりません。そういうふうに承知をしております。
○渋谷分科員 例えばそういう事例があるのであれば、そういう事例を地元の方々に積極的にPRするとか、それは社会保険診療ですから、私も民間と公立病院がそれで差があるなどという話を言っているわけじゃないですよ。そんなのは当然、当たり前の話です。ところが実態は、民間病院へ行くと例えば薬づけになるんじゃないかとか検査づけになるんじゃないかとかというような不安を一般の人が持っているということは事実なんですよ。だからこれは、国立王子病院が移転をしまして跡地利用の中で医療機能を残すということになりましても、例えば民間病院であるとかその他が入ってくる、それで医療機能を残すということになるのでは、地元の住民あるいは今までの患者さんが不安を持つということは、そういう背景からだということはぜひ御認識、理解をしておいていただきたいと思うのです。そういう不信を払拭するための努力をぜひしていただかなければならないというぐあいに思います。その件についてはいかがですか。
○田中(健)政府委員 先ほどから申し上げておりますように、病院の統廃合というのは、国としてどういう医療をやっていくかということで、高度あるいは専門的な医療をやっていくというために病院の統廃合、これは避けて通れない問題でございます。私どもとしては統廃合を進めていくつもりでございますが、今先生おっしゃいましたように、後医療につきましてできるだけ住民の不安のないように配慮をしていきたいというふうに考えております。
○渋谷分科員 そこで、その不安のもう一つの原因になっているのが、跡地の利用について土地の信託方式、これで跡地利用を図るということが、私も調べてみたのですがどうもよくわからない。これが一体どういう仕組みで行われるのか。今都内の土地はもうべらぼうに高いですから、この土地が民間の土地利用プランニングに基づいて計画が立てられて、それで跡地の利用が行われる。民間の企業等ということになりますとこれは当然収益性を重視せざるを得ませんね。収益性を重視するということになれば、当然利用する者に対して一定の負担をかけてくるのではないか、これは当然の疑問ですね。したがって、この土地の信託方式ということをもし検討しているのであれば、その内容を素人にもわかりやすく、決してそうならないんだということでの御説明をいただけますか。
○田中(健)政府委員 土地信託方式でございますけれども、これは土地の所有者、地主でございますが、この場合は国になるわけでございますが、土地を受託者に信託をいたします。受託者は信託銀行等でございますけれども、それをいたしまして、受託者が土地利用のプランニングから工事の発注、資金手当て、さらにテナントの募集、建物の維持管理等一貫して行いまして、土地所有者に対して信託利益、信託配当と申しますが、それを交付する方式でございます。 この国有地の土地信託につきまして、これは国有地の処分方式の多様化の一環ということで昭和六十一年の国有財産法の一部改正によりまして導入をされたものでございます。これは従来の売却あるいは貸し付けといった処分方法と比較をいたしまして、この土地信託方法は土地の値段が顕在化しないということ、あるいは民間のノーハウを活用できる、あるいはまた将来の行政需要に対応して新たな使い方もできる、それも可能であるということで、非常にメリットがあるということから、国有地の有効活用の一つの手段として評価をされているものでございます。また、地方公共団体の公有地の土地信託につきましても、これは六十一年の地方自治法の改正により導入が認められておりまして、これまで東京都を中心に具体的な実例が見られております。病院関係の土地信託といたしましては、東京都に都立の大久保病院というのがございますけれども、その改築に伴いまして健康プラザ構想というのがございまして、土地信託方式で昨年から工事に着手されているというふうに伺っております。 それで、先生お話がございましたように、土地信託でございまして今お話ししましたように一定の基準の信託配当が前提になりますものですから、事業の収益性を無視するわけにはいかない、これはおっしゃるとおりでございます。したがいまして、先ほど申しました局長の私的諮問機関の検討会の中間報告にもありますように、病院を含めて有料老人ホームあるいは生活利便施設等建物の全テナントから賃貸料を取りまして、その全体から信託配当を生み出すということが考えられるわけでございます。そういうことで、医療機関だけではございませんで総合施設ということを考えておりますので、その全体から信託配当を生み出すということでございます。したがいまして、この土地信託をやったということで病院部門が先生お話しのように利益本位になるという必然性はないわけでございます。他の部門での十分な収益が生み出されますと、これで信託は十分機能するというふうに考えております。
○渋谷分科員 もう時間がなくなりましたので、最後にまとめて二点ほど質問して、それぞれ御答弁をいただきたいと思うのです。 今お話もありましたように結局は、一つは、まず受託者、信託銀行等が、これは普通の企業でありますから収益ということを追求せざるを得ない。一定の利益を上げざるを得ない。さらに受益者、国などに信託利益を交付しなければならない、その分の利益も当然上げなければならない。その分はどこからか収益を上げなければならない。医療の機能の方にはそれは転嫁しないんだということになれば、それはそれでありますけれども、しかし、信託がされればその実際の、例えば残された新しくつくられたそういう施設の利用、管理というのはその受託者が行うわけでしょう、国がやるわけじゃありませんね。そうすると、受託者がやるそこでの運営についてどこまで関与できるかということが一つ重要な問題なんですね。受託者がやるということになったら、国は幾ら我々は利益追求しないといってもそれは無理ですね。そういう意味で、信託契約の中に地元の住民や区の要望や今のような国の考え方がどこまで入れられるかということが一つ問題になろうかと思います。信託契約でやることによって、いわば後に残された医療機関を利用する場合に、その利用者に多大の負担がかかるのじゃないかという心配が今広がっているのですね。それについてやはりきちんと答えてもらわなければならない。 それから最後に、つけ足しの話になってしまって申しわけないのですが、大臣の方に、こうした問題の背景に先ほど申し上げました今の医療のあり方に対する国民の不安、不信があるのですね。そういう国民の医療に対する関心あるいは医療需要と言ってもいいと思うのですが、これに対して国としては一体どういうふうにこたえていくお考えか。今度のように国立王子病院を移転させて、その後に残された医療機関も含めて、国としては医療のあり方についてこうするという姿勢がないと、どうしても国民から今の医療のあり方について不信を持たれざるを得ないというぐあいに思うのですが、この二点についてお伺いいたしまして、私の質問は終わります。
○粟屋主査 簡潔に御答弁願います。
○田中(健)政府委員 前段についてお答えを申し上げます。 国有地の土地信託を行う場合でございますけれども、これは信託契約におきまして信託の具体的な目的等を定めなければならない、こういうことになっております。したがいまして、土地信託の受託者であります信託銀行等は、信託法上信託目的に拘束されますとともに、その目的の達成のために善良なる管理者の注意義務というものも課せられておるわけでございまして、信託目的の達成につきまして、私どもは、信託制度を使っても十分担保されるというふうに考えております。
○下条国務大臣 国立病院と療養所の統廃合の問題につきましては、これは六十三年の内閣の決定によりまして基本的な方針が出ておりますので、その路線上で我々は考えていくということでありますが、医療機関全般を見ている厚生省といたしましては、国民に十分な医療が行き届くように、そしてまた、不安の起こらないように、しかも医療が年々と高度化してまいります、それに即応した形でのいわゆる機能分布を的確に働かせることができるような形で、それぞれの病院の特性を生かした形で考えていきたい、こう考えておるわけでございます。したがいまして、この場合の統廃合は国立立川病院との統合ということで、そちらが全体の中のいわゆる天災があった場合の防災専門病院、それを強力に推進するという問題もこの統廃合と関連して位置づけておるわけでございますが、地元の王子病院の今後のあり方につきましては、そういう路線にありながらも地元の関係者の皆様の御不安を起こすことのないように、また、十分住民の皆様の御理解をいただくことができるように、今後も御相談をしながら進めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○渋谷分科員 終わります。
○粟屋主査 これにて渋谷修君の質疑は終了いたしました。 次に、山田英介君。 〔主査退席、和田(静)主査代理着席〕
○山田分科員 私は、高齢者福祉及び身体障害者福祉に関連いたしまして何点か質問をさせていただきたいと思います。 福祉政策、とりわけ高齢者福祉の問題につきましては、急速に進む高齢化社会に対応するために我々としても力を注いでいるわけでございますが、平成元年十二月二十一日、関係三大臣合意でホームヘルパーを現在の約三万人から十万人、ショートステイを四千ベッドから五万ベッド、デイサービスセンターを千カ所から一万カ所に、さらにすべての市町村に合計一万カ所の在宅介護支援センターをつくる、こういう柱の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というものが既に明らかにされておるわけでございます。大変結構なことでございますが、私は、高齢者福祉と同時に身体障害者に対する福祉政策もまた当然なおざりにされてはならない重要な問題だと思います。 実は、私どもにいろいろ御相談あずかる場合が多いわけでございますが、その中の一つに、ちょうど五十歳の寝たきりの身体障害者二級の方から、入浴サービスについてのものがございました。この方は在宅で寝たきりの状態が約二年続いておりまして、自宅で入浴させたいと思うけれどもなかなかうまくいかない、こういうことでございます。早速在住の自治体に連絡をとりまして結果的にサービスを受けられるようになったわけでございますが、その後調べてみますと、自治体によってデイサービス事業の内容にばらつきがかなりあるということがわかりました。 そこで、昭和五十一年五月社会局長通知「在宅老人福祉対策事業の実施及び推進について」、自治体はこの通知を一つの基準にして福祉事業を行っているわけでございます。これを見ますと、デイサービスセンターが三つの類型に分かれております。A型、B型、C型。もう御案内のとおりでございますけれども、A、B、Cと順次中身が薄くなっているといいますか、必須の事業の中身がAよりB、BよりCの方が少なくて済んでいる。小さい。A型を選択した自治体は必ず訪問事業を中身として行うようになっている。これは必須である。しかしB型、C型になりますとこれが選択ということになりますので、結局その自治体の財政基盤の強弱、大小によりましてC型を選択しなければならぬというような事情があるわけでございます。 いわばひとしく国民の一人として税金を納めているのに、住む場所、自治体によりましてサービスに差があるということは、必ずしも国民にとって公平な福祉ということにはならないのではないか、私はそう思います。したがいまして、厚生省におかれては、極力A型の整備を促進していただきたいと私は思うわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○長尾政府委員 市町村のそれぞれの財政事情等によって、福祉のさまざまな対策に違いがあるということは大変問題ではないかという御指摘であるかと思います。私どもも、福祉の仕事が国民の方に均等な形で行き渡るような、そういう方向が基本的には望ましいということは御指摘のとおりであると思っております。 しかし、一方におきまして、各地域の置かれております状況、例えば地理的な状況もございますし、今先生は財政力のことをおっしゃいましたが、それに伴いまして、その他の一般的な社会的な資源、例えば病院といったような、そういう社会的資源がどのくらい普及をしているか、それから交通事情はどうなっているか、そこのさまざまな事情があるかと思うわけでございます。そういものを前提にいたしまして、各市町村が福祉の基本的な方向を御自分の観点からまとめていただきまして、福祉についての方向を定めていただく、こういう方向を昨年法律改正をいたしました中で決めたわけでございます。 この趣旨は、先生がおっしゃるような格差を生じせしめていいということではもちろんございませんので、今具体的におっしゃいました、その後ちょっと仕組みは変わっておるわけでございますけれども、在宅サービスの拠点となりますような施設の運営につきまして、やや若干地域の違いはやむを得ない面もあるのではないかという気もいたしますが、保障されるべき福祉のレベルをなるべく同じ水準まで考えていけという御趣旨は十分に踏まえまして、今後とも事業を進めていきたいと思っております。
○山田分科員 社会局長の御答弁にもございますように、具体的に言えば、昨年の第百十八国会で老人福祉法等の一部改正で法律が改正されました。特別養護老人ホームとか身体障害者更生援護施設への入所決定権というものを市町村に移議した、権限を市町村に与えた。そのことを今局長おっしゃったわけでございますが、格差を生じてもいいとか、それを是認をするとかということではないというスタンス、姿勢というのはよくわかりました。 ただ、その入所決定権の市町村への権限の移譲が、逆に格差を新たに生ぜしめているというような嫌いも実はないわけではないと思うのです。身体障害者の中でも経済的な理由で入院とか福祉施設へ入れない方々も多いわけですから、在宅介護の身体障害者に対しても、現在整備されつつある老人福祉施設というのを広範囲に利用していただ けるように、あるいは利用させられるように、先ほど申し上げました社会局長通知の中の「在宅老人デイ・サービス事業実施要綱」、この四つ目に「利用対象者」という項目ございまして、「この事業の利用対象者は、おおむね六十五歳以上の者及び身体障害者(訪問事業に限る。)であって、身体が虚弱又はねたきり等のために日常生活を営むのに支障がある者とする。」これが在宅老人デイサービスの利用対象者。実はここのところで、「六十五歳以上の者及び身体障害者(訪問事業に限る。)」という、ここのところは今後御検討いただきまして、老人福祉のための施設が、この十カ年戦略の事業の中で大きく整備されていく、しかし身体障害者というのは極めて限定的にしか利用できない、サービスを享受することができないということはいかがなものかな。したがいまして、この社会局長通知の「利用対象者」のところの「身体障害者(訪問事業に限る。)」ここのところに焦点を当てた見直しといいますか再検討のお願いを申し上げたいと思うのですが、この点はいかがでございましょうか。
○岡光政府委員 結論から申し上げますと、身体障害者が老人のデイサービスセンターを利用できる方向で、今先生御指摘ありましたが、現在は訪問事業に限っているわけでございますが、できる方向で検討いたしたいと考えております。
○山田分科員 恐れ入ります。下条大臣から一言、今の点につきまして。
○下条国務大臣 ただいま部長がお答えした方向で検討してまいります。
○山田分科員 よろしくお願いいたします。 デイサービス事業の利用状況を見ますと、在宅介護を受けている方のその中の一部の方にしか利用されていないように思われる。今るる申し上げてきたところでございます。理由は幾つかあると思われるのですが、一つはやはり日本の精神的な風土と申しますか、欧米に比べまして日本では、家庭の主婦がその家族の抱えるお年寄りの面倒を見るというような慣習といいますか風潮といいますか、非常に強いと思います。また、欧米のように社会的に整備された福祉というサービスを利用する習慣がいまだ定着していないというようなことも考えられると思います。そこで、せっかく「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というものを今推進されて、着々と整備がなされているわけでございますが、それを利用する需要がなければ、幾ら十カ年かけて施設等を整備しても、その持つ意味は半減をしてしまうということでございます。ですから、こういうサービスが受けられるんだということをよく理解していない、あるいは知らないがゆえに、おうちの中で家族の介護にあずかって過ごしているという方々も多い。 そういうことを踏まえまして、やはり広報宣伝活動というものが大事ではないのか。特に、イギリスでは慢性病者及び障害者法、一九七〇年に制定されているわけでございますが、この法律の中で、自治体に対して利用者へのサービスの周知徹底というものを義務づけておるということでございます。冒頭申し上げましたように、急進展する高齢化社会という状況を踏まえて、今後我が国政府としてもマスコミを利用するなど広報宣伝に力を入れていくべきではないか、私はそう考えます。 調べましたら、平成三年度は啓発普及のための予算措置がとられているようでございますが、中身についてどういう意欲的な広報宣伝活動ということになっているのか、御説明をちょうだいしたいと思います。
○岡光政府委員 来年度予算の関係で申し上げますと、市町村が在宅福祉サービスをやっている場合の普及定着、利用促進を図るために、国と県で二十億円の経費を用意をいたしまして市町村に助成をしようということにしております。中身におきましては、まず住民に対しまして在宅福祉サービスがどのようなものがあるかということの周知徹底、利用についての啓発を行っていこうではないか。それから、それに関連をいたしますが、市町村でおやりになっておる先駆的なモデル事業についてこれを応援していこうではないか。それから、市町村側の問題といたしましては、住民サイドにどのようなニーズがあるのか、その基礎的な調査をやって十分需要を測定しようではないか。それから、もちろんマンパワーの問題がございますので、必要な職員の実地訓練であるとか現任研修であるとか、それからマンパワーの掘り起こしをしなければいかぬというので、主婦層だとか学生層だとか、いわば潜在的な人材を掘り起こすということでいろいろ啓発活動をやってみよう、こういうふうな事業内容を盛り込みました事業費の確保をしたいということで今考えておるところでございます。
○山田分科員 整備の進展状況とか、あるいはまさに国の福祉関連予算の大小とか、一遍に全部出てきてしまったら対応し切れないというふうな、悩みも非常にあるんだろうと私なりに思っているわけでございますが、可能な限りひとつ周知徹底というものは力を入れていただきたい、前向きに隘路打開に取り組まれていただきたいと御要望申し上げます。 次に、人手の問題でございますが、特別養護老人ホームとか老人保健施設などそういうハード面の整備が進んでいきましても、実際問題としてそこで働く人手を、人材をどう確保していくのかということが当然重要になってまいります。御案内のとおりですけれども、我が国産業界といいますか経済社会の中にあって、人手不足というのが非常に深刻である。あるいは病院の看護婦さんにつきましても大変深刻な不足の状況というものが一方にある。こういう状況の中で、冒頭申し上げましたように十カ年戦略、平成元年十二月を起点として、ホームヘルパーを例にとれば、約三万人の体制といいますか人材を十年かけて十万人にまで拡充をしていきたい、こういう戦略の骨子があるわけでございます。七万人というと、ある意味では大変な人数だというふうに思われます。この七万人をどうやって確保していくのか。ここは極めて重大な問題だと思うわけでございます。それで、当面七万人をどういうふうに厚生省として、政府として確保しようとされているのかという点が一つ。 それから、調べますと、スウェーデンなどでは一定の研修を受けた人を自治体がホームヘルパーとして登録をする。例えば、その登録されたホームヘルパーの方が自分の家族を介護あるいは面倒を見た場合でも一定の報酬を出すというようなシステムが確立されていると伺います。我が国においてもやはりこのような思い切ったシステムの改善といいますか、思い切った新しいシステムの導入といいますか、そういうものを考えて取り入れていくことはできないのかどうか。またそういう必要もあるのではないか。そうしないと、こういう人手不足の中で、しかもある意味ではそれは大変な作業になるわけです。寝たきりのお年寄りとか心身に障害を持つ方々を本当に真心を持って接するということがベースになるわけでございますから、そういうとうとい、しかしある意味では非常にきつい仕事である。やはり使命感とか愛情だとかというものをきちっと理解した人格といいますか、そういう方々でなければまた勤まらない。したがいまして、そういう方々を七万人もということになりますと、やはり日本式というような、スウェーデンに負けないようなシステムを創設をする、導入するということも私は必要になるのではないかというふうに思いますが、この点いかがでございましょうか。
○長尾政府委員 福祉の分野のマンパワー問題、御指摘のとおり大変重大な問題であると思っております。先生の御指摘はホームヘルパーの点を特に突かれたわけでございますが、私どもといたしますと、社会福祉施設全般にわたりまして介護に当たられます職員の方々、立派な職員の方をぜひこの分野にお招きしたいという気持ちが強いわけでございます。 従来からこういった職員の方の処遇の改善の問題は、私どもとしてもいろいろ対策を講じてきたわけでございますが、こういう時期でございますので、来年度の予算におきまして福祉人材情報セ ンターというものを新規にお願いをいたしております。これは今先生からもお話がございました、ある程度の報酬を受けていただきまして、ホームヘルパーとして機会があれば働いてもいいという方々を登録をさせていただく。それから一般的には、先ほどお話がございました福祉についての啓蒙的なそういう事業もいたしまして、一般の方の福祉についての御理解を深めていただく。それから、一度施設を退職をされまして、例えばお子様が大きくなられたので復職をしてもいい、またはホームヘルパーとして働いてもいいという方がおられますので、そういう方々にもう一度再就職していただくための講習会を実施いたしまして、その方々をまた登録させていただいて、各市町村とか施設からの御要望に応じて御紹介をする、そういう構想でこの事業をスタートさせていただきたいと思っております。 それで、マンパワー問題は、今先生からお話がありましたように非常に多角的な取り組みが必要である、それから思い切った対策を考えてはどうかという御指摘だと思うのでございますが、厚生省といたしましても、マンパワーの対策本部をつくりまして鋭意検討いたしておりまして、その中では従来の施策にとらわれない形で、現在の時期に即応したような対策としてはどういうものが可能性があるかということを検討させていただいておるところでございます。
○山田分科員 ぜひ継続して力強いお取り組みをお願いを申し上げたいと思います。 もう一度施設の分野に戻りますけれども、平成二年度の予算ベースで、これは十カ年戦略の施設の緊急整備ということでございますが、特別養護老人ホームが十七万二千十九床、老人保健施設は四万七千八百十一床、ベッドにするとございますけれども、これは予定どおり完成、整備完了できるようになっておりますか。
○岡光政府委員 年度途中でございますので、まだ最終的な把握をしておりませんが、現時点での整備中のものも含めまして、特別養護老人ホームにつきましては、ただいま御指摘の予算では十七万二千十九床でございますが、約十七万四千床、それから老人保健施設につきましては、予算は四万七千八百十一床でございますが、これに対しまして約四万五千床といった実績になるのではないかというふうに見込んでおります。
○山田分科員 予定どおり完成できるということですか。
○岡光政府委員 おおむね予算の線に到達するのではないだろうかというふうに見ております。
○山田分科員 例えば、経済的な負担という側面から見ますと、病院に入院をした場合、老人保健施設に入所した場合、在宅介護の場合、この三つの場合に分けますと、在宅介護の経済的負担というものが極めて重いということがいろいろ学者の研究とか調査などで明らかになっているところでございます。例えば病院入院の場合は老人保健の適用対象となるお年寄り月に一万二千円、今国会提出の法案、これが成立して月二万四千円の負担、一日四百円が八百円という、これが二万四千円。ところが、老人保健施設だと大体平均して五万円くらい負担がかかります。ところが、在宅介護の場合は個人差が当然あります。個人差はありますけれども、いろいろ学者の方々の試算などによると、寝たきりのお年寄りが過ごす一カ月、経済的な負担、経費といいますか、大体十万円くらいになるのではないか。逆に共働きの世帯とか介護するにたえないもろもろの事情がある御家庭、したがって、家政婦さんをつけるということになると、一カ月二十万くらいかかるのではないか。したがって、お年寄りが入院する場合、それから老人保健施設に入所する場合、在宅介護を受ける場合、これほどの大きな格差といいますか、負担の軽重というものがある。 私ども、かねてから申し上げているわけでございますが、この高齢者の在宅介護世帯に何らかの形で介護手当というものを実現させていただけないものなのか、ぜひ実現すべきではないのか。当然全額ということにはならないと思いますが、いろいろ施設整備が欧米等に比べて、失礼な言い方になるかもしれませんが、貧弱なところも現実にある。結局家族のそういう自助努力によってしかという場合も大変多いということを考えて、いろいろ難しい点もあろうかと思います。寝たきりお年寄りをどこで線を引っ張って、こちら寝たきり、こちらは寝たきりではありませんというふうに分けるかという基準一つ考えてみても、これは難しい点はあるのだろうと思いますが、しかしそこはそこで専門家の皆様ですから、ぜひ熱意を持って研究をしていただき、新しい手法というものを、可能な手法というものの開発の御努力をぜひお願いしたい。寝たきりの在宅のお年寄りに対する介護手当という点につきまして、一言お願いをいたします。
○岡光政府委員 先生おっしゃいましたように、介護手当の問題につきましてはいろいろ問題がございますが、在宅でお年寄りをお世話なさっている家族は大変でございまして、その状況は今御指摘の状況の部分があろうかと思います。そういったことも踏まえまして、当面は租税等の対応で必要な経費を必要経費として控除をするとか、あるいは在宅での生活がしやすいようにということで、先ほどから御指摘の在宅福祉サービスの充実であるとか、施設に入らなければいけない場合の受け皿の整備であるとか、そういう体制の整備を今一生懸命やっておりますが、いずれにしましても在宅での生活には相当の負担、精神的な負担と経済的な負担があるわけでございますので、その点は今御指摘いただきましたようなことを含めまして検討をさせていただきたいと思っております。
○山田分科員 最後になりますが、高齢者福祉、身障者福祉を推進するという意味で下条大臣のお取り組みの御決意をひとつ伺いたいということと、時間が来てしまったものですからもう一つお願いしたいのですが、これはぜひ寛大な御措置をお願い申し上げたいということになりますけれども、厚生省所有の土地について、実は埼玉県蓮田市というところがございまして、国立の東埼玉療養所というのが実はあるのです。厚生省所管の大きな療養所でございます。この周辺の土地利用につきまして、その所在町村でございます白岡町というところから、道路敷地の無償借り受けの申請が過去何度か出されているわけでございます。私も現場を見てまいりましたが、既存道路になっております。幅員が約五メートル、そのうちの二メートルは町道なんです。町の所有なんですけれども、五メートルの中の三メートルが実は厚生省所有の土地ということになっているわけです。このところがきちっとした結論が出ないものですから、借り受けができないものですから、下水工事とか舗装工事ができずに砂利道のままでございまして、生活雑排水等も自然浸透させている状況で、付近には住宅もかなりある。したがいまして、この際厚生省の白岡町に対するこの厚生省所有の土地、幅員三メートル、それなりの長さがございますけれども、ぜひ寛大な貸し付け等に対する御措置をお願い申し上げたい。最初の部分は大臣に御決意を一言、あとこれにつきましてはいいお返事をぜひお願いしたいと思っております。
○田中(健)政府委員 国立療養所東埼玉病院の用地の一部が、実態といたしまして白岡町の町道として多年にわたり使用されているということは私ども承知をしておりまして、この土地につきましては、こうした経緯に照らしまして、無償貸与になじむものと私どもは考えております。しかし、白岡町からの道路の無償貸与申請、敷地の無償貸与申請には、別の町道の拡幅部分も含めた申請になっておりまして、その拡幅部分につきましては、これまで道路として使用されてきた実績がないということで、私どもは売り払いということで話し合いを行ってきたのでございますけれども、白岡町からは回答がないまま今日に至っておるということでございます。したがって、ずっと道路に使ってきたところについては無償貸与なんでございますけれども、この部分についてはどうしても買い取っていただきたいということで話をして おります。 こうした経緯がございますので、この問題につきましては今後白岡町とさらに十分な話し合いをして検討していきたい、こういうふうに思っております。
○下条国務大臣 山田委員にお答え申し上げます。 高齢化社会が進み、そしてまた、それに対応して御承知のようにゴールドプランが二年目を迎えておりますが、これはぜひとも我々としてはその計画に沿って政策が実行されることが必要である、こう考えておりますが、中でもマンパワーの確保、これが推進の機動力になるということで非常に大事でございますので、そういう点を含めながら、省を挙げて関係者の皆様の御理解を得ながら、この実施についてこれからも鋭意努力を続けてまいりたいと考えておる次第でございます。
○山田分科員 よろしくお願いします。ありがとうございました。
○和田(静)主査代理 これにて山田英介君の質疑は終了いたしました。 次に、須永徹君。
○須永分科員 私は、生活保護制度の動向についてお伺いをしたいというふうに思います。 まず最初に、今、日本はGNP世界第二位という状況までなっておりまして、また、経済大国として世界の注目を浴びるまでに至っていることは御承知のとおりでございます。また一方では、過密過疎の問題あるいは土地の高騰による資産格差の拡大、さらには高齢化の問題、新たな課題が生じていることもこれまた事実でありまして、今、真に人間らしい生活、また、ゆとり、豊かさ、思いやりというものが求められているわけであります。 その経済大国と言われる日本、そしてそこにおけるまだまだ存在する貧困、生活保護世帯の現状についてどう考えておられるのか、その認識、どのように認識されておられるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○長尾政府委員 最近の景気の好況等を反映いたしまして、被保護者、生活保護を受けておられる方の数でございますが、昨年の九月末現在で約百一万人、人口千人当たり約八・二人という生活保護制度始まって以来の低い水準になっております。 先生のお話にございましたように、このような経済的な好況の中で生活保護を受けておられる方の実態ということでございますが、これらの方々の世帯の状況を拝見いたしますと、一般の世帯と比べますと高齢者世帯、母子世帯、それから障害、傷病を抱えている世帯が多いということが申し上げられるのではないかと思いまして、こういった世帯の方々が生活上この時代においてもいろいろな問題を抱えておられる、これが皆様生活保護を受給されるという形にあらわれているというふうに認識をいたしております。
○須永分科員 確かに、近年経済状況も大変よくなって、保護率も下がっているということでございますが、保護率について、この推移についてお伺いをしたいと思っております。過去、この二十年ぐらいの保護率の推移、わけても同和地区と一般地区との保護率の推移というのはどういう状況にあるのか、お伺いしたいと思います。
○長尾政府委員 同和地区におきます生活保護の実態と一般の保護率の推移という御質問でございますが、まず同和地区における生活保護の保護率の推移を申し上げたいと思います。 これは、今申し上げましたように千対、つまりパーミルで申し上げますが、昭和四十六年が七五・七、昭和五十年が七六・〇、昭和六十年が六七・七というふうに承知をいたしております。同時期の全国の保護率の推移でございますが、これは昭和四十六年が一二・六、昭和五十年が一二・一、昭和六十年が一一・八という状況でございます。
○須永分科員 今、全国の保護率、そして同和地区の保護率について、昭和四十六年、昭和五十年、昭和六十年等々お伺いしたわけでありますが、これを見てみますと、全国の保護率につきましても一二・六パーミル、それが一一・八という数字になったわけでございます。一般地区の保護率に比べて同和地区の保護率が非常に高い。昭和四十六年にしても六倍、昭和五十年にしても六・三倍、そして昭和六十年にしても五・七倍という率になっているわけでありまして、世帯数にしてもまた同じような状況があるというふうに思いますが、これらについてどのようにお考えになっておるのか、お伺いしたいと思います。
○長尾政府委員 保護率の高さといいますか保護率の水準を決める要素、これはいろいろなものが絡み合っておるかと思いますので、一律にこれであるというふうには申し上げにくいことではないかと思います。 御承知のように、今、私は全国一律の保護率のことを申し上げたわけでございますが、県別に見ましても保護率に大きなばらつきがあるわけでございます。保護率につきましては、そのさまざまな要因が複合した結果であるというふうに申し上げたいと思いますので、明確な分析は難しいのでございますが、同和地区についてのお尋ねで考えてみますと、同和地区の実態の中からは、高齢世帯、母子世帯、それから病弱者が多いということ、それから、中高年層を中心にいたしまして、低収入かつ不安定な就労という実態があるということが原因の一つであるというふうに考えております。
○須永分科員 私もそう思います。同和地区におけるところの就学率の低さ、あるいは日雇い労働者が非常に多いということ、あるいは離婚率も高いということ、そしてそこにおける母子家庭、父子家庭が非常に多い、こういう状況がまだまだ存在をしているということでございまして、私は非常に残念に思っているわけであります。 特に、同和対策事業は、地区住民の生活水準を向上させることによって、一般地区との格差を是正することを一つの目標に進められてきたわけでありますが、今なお厳しい実態的差別が存在をしている。その最も象徴的なあらわれがこの同和地区の生活保護の実態にあるのではないか、このように考えられるわけであります。 同和地区と一般地区との今示されました生活保護率の比較を見てみましても、同対審答申が出された当時と比べてみても余り改善をされてないといいますか、下がっていない。これは同対審答申の言う差別の中の貧困というものが歴然と存在をしている明らかな証左と考えられるわけでありますが、厚生省としてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○長尾政府委員 同和地区におきまして保護率が高いということの原因につきまして先ほど申し上げたわけでございますが、やはり職業的な自立ということを促進する、これが大きな課題であると思っております。 同和地区において低所得者の方が多いことは、安定した職業に従事して、自立した生活を送るということが大変困難な実情にあるということではないかと思っております。この安定した生活、自立できる職業ということになりますと、厚生省の分野を超える部分があるわけでございますが、これは関係省庁と十分連携をとりながら、教育の問題、就労機会の確保といった問題、こういうことにつきまして連携をとっていきたいと思っておるわけでございますが、私どもといたしましては従来からやってまいりました共同作業場等のこういった対策、これにつきましても力を入れてまいりたいと思っております。
○須永分科員 関係するわけでございますが、この保護率が一般地区と比べて同和地区は非常に高い。あわせて無年金者もやはり非常に高いのではないかというふうに思っております。この一般地区、そして同和地区における無年金者の関係につきましても、比較等わかりましたら教えていただきたいと思います。
○大西政府委員 お答えを申し上げます。 まず、同和地区におきますいわゆる無年金者の状況につきましては、昭和六十年十一月に総務庁 長官官房地域改善対策室におきまして行いました調査で「昭和六十年度地域啓発等実態把握」というものがございますが、それによりますと、六十五歳以上で年金を受給していない者の割合が八・三%というふうになっております。 一方、全国におきます無年金者の状況につきましては、私ども厚生省におきまして国民生活基礎調査、これは昭和六十年度までは厚生行政基礎調査というふうに呼んでおった調査でございますが、これによって無年金者の状況についても把握をいたしております。それによりますと、その同じ昭和六十年度について見ますと、六十五歳以上で年金を受給していない者の割合は七・五%となっております。
○須永分科員 無年金者についても、今もお話ありましたように七・五%ですか。そして、それに比較して同和地区については八・三、そういう格差が生じているわけでありますが、先ほどお話がありましたように、一般地区に比べて同和地区は、そういう意味では低所得者が非常に多いということがそこからもあらわれているというふうに思います。 今、職業的な自立といいますか、この差から見ていきましても、同和地区における生活保護率が高いあるいは無年金者が多いということはいろいろな要因があるという話がございましたが、この差別と貧困の中で地区住民の健康が破壊をされているということ、あるいは教育の機会均等が損なわれている、あるいは就労の機会というものが奪われている、こういうことがそこに要因として挙げられるというふうに思います。そういう意味で、先ほどこの職業的自立を図るということが重要だということもお話があったわけであります。特に関係省庁とも協議をしてという話でございますけれども、厚生省としてこの職業的自立というものをどのように図ってこられたのか、また今後どのようにその施策を推進するのか、その点につきましてお伺いしたいと思います。
○長尾政府委員 地区の住民の方々の経済的な向上を図るという観点に立ちまして、昭和三十四年度から共同作業場の設置をこの就労の場の提供としてやってまいったわけでございます。この共同作業場につきましては逐年整備を進めまして、現在全国で五百十一カ所、このうち大型のものがこの半数を超えるものになっておるわけでございますが、こういう整備を図ってきたわけでございまして、この作業場におかれましては、自動車の整備でございますとか縫製でございますとか木材加工でございますとか、さまざまな分野の事業が行われておるわけでございます。
○須永分科員 そのほかにもいろいろな施策が行われてきたというふうに思うわけでございますが、過去二十年間にわたる同和事業の推進が行われてきたにもかかわらず、同和地区の生活水準が生活保護に端的にあらわれているように改善されてこなかった、このことも大変重要なことというふうに思います。今後、地区住民の職業的自立を保障するための抜本的な施策推進が強く望まれているわけであります。そのためにこの同和行政というものが今後さらに必要であるというふうに思うわけでありますが、厚生省としての明確なこの同和行政の必要性についてのお考えを伺いたいと思います。
○下条国務大臣 須永委員から先ほど来いろいろと具体的例を挙げてお話がありましたように、依然として同和問題に関連する困難な状態が続いておることは、私も認識いたしております。このため、その地区における保護率が高いというようなことの具体的な数字を念頭に置きながら、種々困難な状態がございますので、厚生省といたしましては同和問題は基本的人権にかかわる国民的課題という観点から、その解決について、御指摘の趣旨を踏まえながら今後も最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○須永分科員 ありがとうございます。今お話がありましたように、厚生省としてもこの同和行政の推進、そしてまたその重要性ということにかんがみて、さらにこの保護率を下げていくその具体的な施策の推進をぜひお願いしたいというふうに思っております。 なお、この生活保護の関係につきましては、先ほど局長さんからもお話がありましたが、幾つかの要因があるわけでありますが、その中で資産の問題あるいはまた保護基準の見直し、資産活用の問題あるいはケースワークという問題があるというふうに思います。このケースワーク等について、今後ケースワークの手法の開発といいますか、そういうものに対してどのように考えておられるのか、お伺いをいたします。
○長尾政府委員 先ほど、全体といたしまして保護行政の中で保護率が下がっているということを申し上げたわけでございますが、逆に、今先生が御指摘になりましたように、ケースワークの必要性の高い方々が相対的には多くなっているということが申し上げられるのではないかと思っております。本来、生活保護制度は、経済的な給付を行うということと同時に、その方の自立を助長するということが目的でございます。そういう意味では、生活上のさまざまな問題に対応いたしますケースワークということが重要な要素であるということは、御指摘のとおりであると思っております。 私どものケースワークに従事しておられる全国の福祉事務所の方々につきましては、大変すばらしい仕事をしていただいておると思っておるわけでございますが、このような処遇困難ケースが増加しております状況の中では、具体的なケースワークの参考とするために複雑困難な、例えばアルコール依存症でございますとか精神障害者の方の問題でございますとか、処遇困難な事例の類型ごとにケースワーク事例集というものを刊行したいと考えておりまして、ケースワークに当たられる方々がこういった先輩、同僚の方の御苦労なさいました事例を参考にしながらぜひ取り組んでいただきたい、こういうふうに考えております。
○須永分科員 幾つかの問題点が出され、そして今お話があったとおり、ケースワーク手法のいろいろな細かい課題があるわけではございますが、ハンディキャップを負っている世帯がふえている、あるいは保護受給期間の長期化が非常に進んでいる、あるいはまたかつて保護を受けていた人が再び保護を受給するケースもふえている、こういうふうに伺っているわけでございますが、行政の側として、今まで以上にきめ細かい対応がやはり必要だというふうに思います。この法制度は、もっと言えば、憲法二十五条の理念に基づいて、国民の健康で文化的な生活を保障するための最後のよりどころだというふうに思います。ぜひ細かい対応を今後ともお願いをして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○和田(静)主査代理 これにて須永徹君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎分科員 私は、昨日からきょうにかけて緊急に起こっております問題について、まずお尋ねをいたしたいと思います。 マスコミの報道によりますと、東大の医科研附属病院の肝移植グループが昨十二日、大阪府立千里救命救急センターより脳死の肝臓提供者があらわれたという連絡を受けられて、医科研の肝臓摘出チームの医師数人を同センターに急行させたとあります。 脳死判定については、二十歳代の男の方であるそうですが、第一回目の脳死判定は昨日午前中に行われた。第二回目は、ただいまの連絡によるときょう昼過ぎに結論が出るようであります。それで、東大医科研は、きょう午後にも日本で初めての脳死肝移植に踏み切る可能性が出てきております。つまり、ことしの六月ごろ中間意見が出される予定の脳死臨調の結論が出ないうちに、実際の脳死移植が先行する可能性が出てきたということでありましょう。なぜなら、東大医科研は、既に一九八八年から肝移植チームを編成して準備を進 めてきており、昨年二月、所内の倫理審査委員会から脳死肝移植の承認を得ているからであります。 きのう文部大臣はこの分科会で、午前中でしょうが、この問題について、原則的には脳死臨調の動向に十分注目しながら対応するよう指導したい、こう答弁されておりますけれども、この答弁は今の具体的な事例が起こる前の答弁でありますから、この文部大臣の答弁が行われた後、今私が申し上げたような問題が起こっておるのであります。 国立医大の病院の管轄は当然文部省でございますけれども、臓器移植問題の管轄は厚生省の健康政策局ではございませんか。それで、厚生大臣はただいま起こりつつあるこの事態にどのように対応し、御指導をされるつもりか、御答弁をいただきたい。
○末次政府委員 突然の御質問でございますので、私の承知している範囲でお答えをいたしたいと思っております。 脳死及び臓器移植の問題につきましては、これまで一年間にわたりまして臨時脳死及び臓器移植調査会において御審議をいただいているところでございまして、この六月ごろまでには中間意見の取りまとめをいただける段階に至っているというところでございます。こういう臨調の審議の最中に脳死患者からの移植を行うことにつきましては、ただいま委員御指摘のとおり、昨日の国会で文部大臣から、原則的に少なくとも臨調の中間意見をまって対応することが望ましい旨の発言がされているところでございまして、関係大学には文部省の方からそのような方向での御指導が行われているものと認識いたしております。 具体的な今回の東大医科研の件につきましては、私どもといたしまして、現時点で事実関係が必ずしも明確でございませんで、また報道によりましても、移植の実施は、現在の段階では東大医科研内部でもまだ結論が得られてないというふうに承知しておりますので、現時点におけるこれ以上のコメントにつきましては差し控えたいと考えております。
○楢崎分科員 文部大臣は、この具体的な今起こっておる問題について、きのうの午前中答弁されたとおりの指導を今行っておるという答弁ですね、あなたの答弁は。
○末次政府委員 具体的に私、直接文部省に確認したわけではございませんが、そういう御発言がございましたので、そのような方向で御指導が行われているものと私の方は認識いたしております。
○楢崎分科員 厚生省としては、そういう第三者的な感覚でこの問題を指導できるのですか。では、見切り発車という言葉は適当かどうかわかりませんが、きょう午後から夜にかけて、もしかしたらこの摘出、移植が行われる可能性がある。この事態に対してそういう答弁でいいのでしょうか。じっと見守られるわけですか。それとも、東大医科研なりを直接具体的に御指導なさるつもりはないのですか。もし実行行為に移ったらどうされるのですか。
○末次政府委員 本件につきましては、現在担当部局の方で何らかの行動をとるものというふうに考えておりますが、現在この場所におきまして直接コメントするにつきましては、事実関係の確認等いまだできておりませんので、これ以上のコメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
○楢崎分科員 私の質問時間はあと二十五分ありますから、どなたか職員の方に文部省の対応の仕方、それから手術の可能性について、関係するところに至急連絡してください、電話でできるはずですから。
○末次政府委員 早速担当部局の方に連絡をとりたいと考えています。
○楢崎分科員 それでは、二十五分しかありませんから、急いでください。 次に、厚生年金保険の問題についてお伺いをいたします。 高齢化社会が進んでおるこういう時代ですから、高齢者の方々の手当てというか、奉仕というか、サービスというか、非常に重大になってまいりました。高齢者の方が定年延長あるいは再雇用される場合、民間の企業では五十五歳から六十歳、この定年時を境として、現実に給与水準の据え置きあるいはベースダウンをされておるのが実態であります。 このことが社会保険の保険料に問題が波及をいたしております。つまり、ふえる場合の変化はいいのですけれども、給料が下がる場合、高齢者の場合は、特にそれを私は今問題にしたいと思っているのですけれども、ベースダウンの場合は、給料が五〇%ないし七〇%程度にダウンするのが普通であります。それで、社会保険料の方は、これは健康保険、厚生年金保険も同じですけれども、三カ月間は給料はダウンしておるのに保険料の方はその高いときの給与のベースでかかってくる。据え置きですね。実際問題として、この健康保険法あるいは同施行規則、あるいは厚生年金保険法、同施行規則は、現在の高齢化社会化現象に対して、労働の実態に適合していないのではないかと私は考えるわけであります。 賃金が減額された場合に、さっき言ったとおり保険料はそのままですから、高齢者にとってはあるいは年金生活者にとっては、やはり生活を脅かすことになるわけでありますから、三カ月というのは、果たしてその給与の動きが定着するかどうかを見られる期間だとは思いますけれども、では、三カ月たって定着しているということがわかったら、その三カ月分を精算すべきではないか、これが一つであります。 もう一つは、六十歳から六十四歳までの労働者のうち、標準報酬月額が一定額以下のときは厚生年金保険による在職老齢年金が支給されるわけでありますけれども、これも標準報酬月額の変更ができるのは、賃金の減額が実施されてから三カ月後になっております。だから、結局在職老齢年金もそれまでは受給の申請ができません。だから、二重に矛盾みたいなものが私はある感じがいたします。これは、こういう社会の実態でない以前のときにつくられた法律あるいは規則でしょうから、今日の状態に合わせて、先ほど言いました社会保険に関する二法は、現在の社会の実態に適合するように早急に改正を考えていただいたらどうか。このことについて大臣のお考えをお伺いしておきます。
○末次政府委員 委員御指摘のとおり、現行制度で標準報酬の改定といいますのは、継続する三カ月間の平均の報酬月額が著しく変動した場合に行うというふうに考えておりまして、この報酬の変動が恒常的なものか否かということを一定期間の幅を見て判断する必要があるということで、こういう取り扱いになっているわけでございます。 ただ、御指摘のとおり、定年到達、継続雇用というようなケースにつきましては、従前の一般の雇用期間中に賃金が変動した場合と同様に扱うということは、やや現時点においては実情にそぐわない点もあるのではないかというふうに考えております。したがいまして、今後、この御指摘の二点につきまして、制度あるいは実務の両面から何らか改善の方法がとれないかどうか、検討を進めてまいりたいと考えております。
○楢崎分科員 今の御答弁は、高齢者の方にとっては大変な朗報であろうと思います。お役所仕事でなしに、ぜひ早く今の御答弁の趣旨を現実のものにしていただきたい、このようにお願いをしておきます。 次に、厚生年金のカットの問題についてお伺いをしておきます。 最近、高齢者の方がリタイアして外で働くのはばからしい、それで、家で隠居仕事でもしておった方がましだというような風潮が出てまいっております。というのは、再就職をしても、その就職に対して厚生年金のカット率が大きいことであります。小刻みに改正されましたけれども、それがかえってあだになっておる面が出てきておるのではないか。一番大きいのは、月額二十二万円から二十四万円の方は八割もカットされるわけでしょ う。 それで、これは労働省にも関係をいたしますけれども、人口の高齢化で中小企業の人手不足が非常に言われております。これは今後だんだん恒常化するというか、ふえていくと思う。それで、長期的には中小企業も高齢者、女性パート労働力の活用が欠かせないところだと思うのです。しかしながら、ただいま申し上げたとおり、就労いたしますと厚生年金が減額されることあるいは配偶者控除が受けられなくなること、これが高齢者、パート就労の障害になっていると思われます。厚生年金の減額制度を改善すること、パートの非課税限度額の拡大も検討の時期に来ておるのではないか。 この点についてまず労働省の方にお伺いをしますが、これは人手不足の観点から、私が言ったような改善が行われた方が人手不足の解消に役に立つのではないか。労働省はそのように思われますか。
○征矢政府委員 ただいま先生御指摘ございました人手不足の今後の動向、見通し等については、御指摘のとおりだと考えます。 そこで、高齢者の方の再就職問題についてどうかということになりますと、定年退職者の再就職が進まないことが人手不足の一因となっている面も、私どもそういう見方が、あるいは実態が一部あることも承知いたしております。他面、一たん高齢者の方が失業いたしますと、非常に就職口が少ないというような面で、全国平均的に有効求人倍率が一倍を超えている中で、特に六十歳代前半層の有効求人倍率は〇・三を切っているというような面がございまして、失業しますとなかなか就職が難しい、こういう面もございまして、なかなか一概にどうだと言えない高齢者の雇用問題の難しさがあるように承知いたしております。
○楢崎分科員 その改善の点については、厚生省のお考えはどうですか。
○末次政府委員 そもそも老齢厚生年金といいますのは、元来、老齢により退職した後の所得保障を行うというものでございまして、現役の労働者として働いて賃金収入のある場合には給付しないというのがむしろ原則でございます。ただ、六十歳以上で就労している方の中には賃金の低い方もおられるということで、こうした方についてできる範囲で生活保障を行うという観点から、例外的に在職老齢年金という形で給付を現在いたしておるところでございまして、その支給に当たりましては、所得保障の必要性に応じまして効率的に支給が行われるように、その水準につきましては、現役労働者の賃金水準も考慮に入れながら、賃金の多寡に応じた支給割合を設定しておるところでございまして、先般の制度改正に当たりましては、こういう観点から上限の引き上げを行いまして、これの支給の対象者の範囲を二割程度拡大した、また、その段階につきましても三段階から七段階にきめ細かく対応したというところでございます。
○楢崎分科員 これは現実の問題として、先ほど申し上げた減額制度の改善ということは大いに考えていただきたい、このように思うわけです。 次に、おととい私は、医療機器メーカーの談合と思われる問題を指摘をいたしました。あのとき名前を伏せておきましたけれども、明らかにできる点だけ申し上げておきますが、X病院というのは久留米第一病院のことであります。それで、建設会社が医療機器まで取り仕切っている、この建設会社は戸田建設であります。それから、Yというイニシアルで言った病院は、宮城の病院であります。Zというイニシアルで指摘しました病院は、東京であります。そして、戸田建設と同じようにこの東京の病院で取り仕切っておるのは、熊谷組であります。あの有名な、道路の欠陥で問題を起こしました熊谷組です。これは初めて明らかにしましたから、大臣が御承知なかったのは当然だと思いますので、私は具体的に指摘しておりますから、ぜひ調査をいただきたい。いかがでしょうか。
○加藤(栄)政府委員 社会保険病院等におきます高額医療機器の購入につきましては、国の会計手続等に沿って適正に購入しております。また、病院内におきます、国の方で買う前に御要望もあるわけでありますが、その検討についても公正な手続で行われているわけでございまして、そういう前回御質問のありましたような御疑念は、現在のところ私どもとしては承知していないわけでございます。 また、ただいま病院のお名前がありましたけれども、一般的には一部の、手術室の滅菌装置でありますとか無影灯でありますとか、そういう当然建設のときにあわせて設置すべきようなものにつきましては、建設会社があわせて施工するということはあるわけでございまして、一般論としてはそういうことになっておりますので、御了承いただきたいと思います。
○楢崎分科員 あなたが御存じないだけの話なんですよ。知らなかったでしょう、おととい私が指摘したようなことは。そうしたら、当然調べてみるというのが普通じゃないですか。そんなにあなた自信あるのですか。会計監査院もおととい言われました。そういう不正に匹敵するようなあれはなかった。それだったら、私は具体的に資料要求します。東京の厚生病院、これの一番最近の改築で購入した医療機器の種類及び購入価格、そのリストを資料として出してください。そうしたら、どのくらいいわゆる談合が行われて、その取り仕切り人がピンはねをしている、リベートを取っている、それが購入価格に上積みされているから、見たらすぐわかりますよ。私にください、私が指摘しますから。よろしゅうございますか。
○加藤(栄)政府委員 手続については適正になされているというふうに私はかたく信じております。また、今までそういうふうに指導はしてきております。ということでございますので、病院の関係者から事情は引き続き聞いてまいりたいと考えております。
○楢崎分科員 具体的に一つだけお願いしますとさっき言ったでしょう。東京の厚生病院の一番新しい医療器具を購入したその種類のリストと、そのおのおのの購入価格のリストを資料として出してください、こうお願いしているのですよ。あなたが変なことはないとおっしゃるから、じゃ、私どもの方で判断しますから出しなさいと言っているのです。
○加藤(栄)政府委員 それでは検討させていただきます。
○楢崎分科員 二、三分あると思いますので、脳死移植問題で、連絡がとれたら御報告をいただきたい。
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。 文部省からの情報をいただいたわけでございますが、まず、ドナーからの肝臓の摘出につきましては、現在医科研の専門の先生方が現地に赴きまして、患者さんの状況等を見ておるわけでございまして、ドナーからの肝臓の摘出、取り出すことにつきましては、医科研としましてもまだ決定いたしておりません。なお患者さんの状況を見ながら、あるいは、最終の脳死判定もまだなされていない状況でございますし、家族の同意等の問題もございますので、医科研といたしましては、現在のところ、肝臓の摘出についてはまだ決定いたしていないという状況にあるというぐあいに聞いております。 それから第二点目のお尋ねでございますけれども、文部省の考え方というかスタンスの問題でございますが、昨日文部大臣が国会の場におきまして御答弁されましたように、いわゆる脳死臨調が法律によりまして設置された経緯にかんがみるときには、各大学における脳死者からの臓器移植の検討の問題については、原則的には少なくとも脳死臨調の中間意見を待って、それに示される方向にも留意して対応されることが望ましいというぐあいに御答弁いただいているわけでございますが、文部省といたしましてはそういう形で従前から指導してまいっておりますし、今後もそのスタンスで指導してまいりたいというぐあいに考えております。 ただ、しかしながら個々のケースにつきまして は、例えば医科研のケースにつきましては、医科研の内部におきまして倫理委員会というものを組織いたしまして、そこで慎重な審議の結果、倫理委員会としては移植もよろしいというようなお考えもあるわけでございますので、個別ケースにつきましてなかなか文部省としてもコメントしづらい点でございますけれども、とかくこの問題につきましてはいろいろな意味で社会的にも関心もございますし、大臣の答弁もあるわけでございますので、そういう面で十分慎重に配慮した上で行われるということであれば、それはそれで大学の自治の問題もございますので、ある程度やむを得ないというように考えているという話でございます。基本的には、大臣の意向も体しまして、それぞれの大学等におきまして十分慎重に判断をしていただきたいというお考えのようでございます。
○楢崎分科員 これでやめますけれども、慎重に大学側が判断した結果、行うということであればやむを得ないとさっきおっしゃいましたが、今そういうお考えであるわけですね。それだけ確認しておきます。
○長谷川(慧)政府委員 文部省との電話での話のやりとりでございますけれども、文部省といたしましても、十分大学の中で慎重に判断をした上で、現実にその手術以外に助かる道のない患者さんが目の前に控えておられる状況を見ますと、大学側の方で慎重の上に慎重に判断をした上でおやりになるということについては、やむを得ないといいますか、是非もないというように考えるというお答えでございました。
○楢崎分科員 ありがとうございました。
○和田(静)主査代理 これにて楢崎弥之助君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○古賀(誠)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管について質疑を続行いたします。常松裕志君。
○常松分科員 私は東京七区選出の議員でございまして、選挙区は東京都の市部、清瀬市、東村山市など十五市で構成されています。その清瀬市には、緑と清流、きれいな空気、戦前から結核の療養に最適な地として知られ、療養施設が今もなお多く残っています。 きょうは、大臣に、結核対策についてお尋ねいたします。 まず初めに、結核予防会の新山手病院で働いている看護婦さんの関マサ子さんからいただいた手紙の一節を読ませていただきます。 私は結核予防会で働く看護婦です。 米国では「二千年迄に結核感染のない社会」をめざして具体的目標を示して取りくんでいると聴いています。日本では今でも五万三千人の方が結核で苦しんでおり、患者の高齢化、若年者の発病増、外国人就労者の結核等新たな問題が発生しています。 最近の医療現場で困っていること、希望したいことをいくつかお知らせいたします。国として早急に結核の見直しをしていただきたく、国会でもとり上げていただきたいと思います。 結核はおそろしい伝染病です。若年者に増えているのも気になります。結核撲滅のため国の一層の努力を希望します。 実はこういうお手紙をいただきました。 まず初めに、我が国における結核の現状についてお尋ねをいたします。 私も、実はおじを戦前結核で亡くしました。しかし、戦後は、結核対策の大きな前進、例えばツベルクリン反応検査やBCGの接種、また、一九六一年からは命令入所の公費優先、新薬リファンピシン開発などによって着実に患者数が減ってきていると伺っています。特に、経済発展による栄養の飛躍的な改善が結核患者激減の最大の要因だというふうにも伺っているところでございます。しかし、ここ十数年は減り方が鈍化し、新しい結核患者が一向に減少しないというふうに伺っておりますが、いかがでしょうか。現状についてお話しください。
○寺松政府委員 今先生から御指摘いただきましたとおりでございますが、かつては国民病と言われた結核でございますが、先ほど先生から御指摘いただきましたように、結核予防法に基づく予防及び医療対策の推進並びに医療技術の向上等によりまして、相当改善が図られた。そして、昭和三十年には結核による死亡者が約五万人いたわけでございます。そして死因順位は第五位ということでございました。今は死亡者は大体四千人ぐらいになっております。そういうことがございまして、死因は十八位に落ちておるわけでございます。 しかしながら、患者の発生という面から見てみますと、まだまだ油断ができません。全国の結核登録者数というのは、約二十四万人おりまして、そして毎年毎年新規に登録患者になりますのが約五万三千人でございます。そういうことでございますので、私どもは、やはり我が国における感染症の重要な疾患の一つとして位置づけておるわけでございます。
○常松分科員 お答えのように、結核患者が一向に減らない。また、開発途上国から日本に出稼ぎに来ている方々などで結核に感染されている方も随分ある、あるいは日本に来て発症をする方もある、こんなふうに聞いているところです。 そうだといたしますと、減ったとはいえ、結核対策のためには、結核予防法の趣旨等からいっても、一定のベッドを制度的に確保しておくことが必要である、こんなふうに考えるわけでございますが、その点、厚生省の取り組みをお話しいただきたいと思います。
○寺松政府委員 結核は、我が国で最も重要な疾患であるということは先ほど申し上げたとおりでございます。そこで、それに必要な結核病床の確保というのは当然でございますし、また、その存続が必要欠くべからざるものである、こういうふうに思っておるわけでございます。このために、そういうような認識のもとに、現在、公衆衛生審議会におきまして、結核入院患者の実態、それからそれに対する対応策というふうなものにつきまして御検討をお願いしておるところでございます。その結果をもとに私どもは新しい所要の対策をつくってまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 ただ、ちょっと今数字を申し上げますと、現在、結核病床というのはどのぐらいあるかと申しますと、六十三年度の数字でございますけれども、四万六千床ほどございます。そして実際患者が入っているのはどのぐらいかと申しますと、二万四千人ぐらい入っているということでございますから、今のところは必要な患者数をオーバーしてベッドがあるという実態がございます。
○常松分科員 実はそのことなのでございますが、私、先日、地元の新山手病院を見学させていただきました。院長の藤井先生、結核御専門の小形先生あるいは看護婦さんを初めとする関係者の皆さんが非常に献身的に、また誠実に治療や介護に当たっておられることに非常に感銘を覚えました。病室も清潔でした。かつ、患者の方々、私、相当重症の方々にお会いをさせていただいたのですけれども、実によくお世話が行き届いておりまして、その点でも感銘を覚えました。 ところで、その新山手病院を例にとりますと、結核病棟には七十三のベッドがございます。しかし、入院されていらっしゃる患者さんは四十五人。私も医療生活協同組合の理事長をさせていただいて診療所経営の一端を担っておりますので、病院の方に、これでは経営が大変でしょう、こういうふうにお尋ねをしてみました。そういたしましたら、案の定、やっぱり大変だということなんです。 そのお話の概要を申し上げますと、今の局長答 弁のとおりなんですが、七十三の結核ベッドは空きベッドになっても他の患者さんを収容することはできない。何か昔、どこの病院でしたか、そういう結果として医療法で処分を受けたところもあるやに聞いておりますけれども、したがって、空きベッドのままにしておくほかない。しかし、空きベッドになっていても、いつでも患者さんが入院できるように一定の職員と設備は確保しておかなければならない。結局、その空きベッドの結果、それが病院の経営に相当負担になっていると思うのですけれども、この新山手病院の場合でございますと、結核病床の稼働率を聞きましたら、平成元年度で六七%、平成二年度が六四・五%。今局長のお話ですと、全国四万六千ベッドで二万四千ということですから、大体五四、五%ということになるわけでございますね。一般的に言って、採算のとれる病床の稼働率というのは八五%というふうに言われているわけでございますから、全国的に見てもあるいは個別の新山手病院なんかの事例をとってみても、やはりこの五〇%とか六〇%台の稼働率ということになると、これは病院経営には非常に悪影響をもたらしているだろう、こんなふうに思うわけです。 同時に、この新山手病院なんかもそうですけれども、結核専門病院なんかの場合は、やはり病院がたくさんある地区にございますから、この東村山市の場合もそうでして、厚生省の地域医療計画で病床過剰地域に指定をされているわけですから、結核病床の稼働率が低くても、それを一般病床に変更するということも恐らくできないのだろう、こんなふうに思います。 したがって、その空きベッドの問題というのは、すべての結核病院について、結核の病床を持っている病院に共通する悩みなんじゃないかな、こんなふうに思うのですが、厚生省がその公衆衛生審議会の中で、こういう空きベッドなりあるいは結核病床に対する一定の助成みたいなこともその検討事項の中に含めて検討されているかどうか、私はぜひこういう助成が必要だと考えているわけでございますけれども、御答弁をいただきたいと存じます。
○寺松政府委員 今先生のお話、確かに結核病床が空床の部分が非常に多いということは、私ども国立療養所にもたくさん結核病床を持っておりますが、そういう実態はございます。それが経営を圧迫しておるというのも言われておるわけでございますが、厚生省といたしまして、先ほど先生もおっしゃいましたが、公衆衛生審議会でその辺のいわゆる結核の今の実態を十分把握して、それに対応するのにどうしたらいいかということを御検討いただいておるわけでございますが、その中に、今我が国だけが結核病床というのは占有というのでしょうか、結核だけ入れるということも法律の建前になっておりまして、先進諸国では、今の結核の実態を踏まえて混在させるというようなこともやっている国もございます。そこら辺はこの審議会で、最終的にはどういう御結論になるかわかりませんが、その辺も含めていろいろと検討をいただくということになっておりまして、やがてお答えをいただくことになっております。 それからもう一つ、これは私の所管ではございませんが、地域医療計画では、要するに過剰地域として、二次医療圏におきまして、あるいは結核の場合は全県下だったと思いますが、そういう場合に二次医療圏というのが一般病床を規制しておるわけでございますから、そういう範囲でどうしても、過剰地域だというようなことでは転用がなかなか難しいというのも実態のように聞いております。その辺も含めましていろいろと御検討いただき、また、担当の健康政策局の方とも御相談をしながらこれについての対応策を考えていきたい、こんなように思っております。
○常松分科員 いつごろまでにその検討は行われるのでしょうか。結論が出るのはいつごろでしょうか。これを一言で答えてください。
○寺松政府委員 実は、急いでいただきたい、こう申し上げているわけでございまして、私のお聞きいたしておりますところでは近くだと思っておりますので、いつごろというのはちょっと今私、はっきりと承知しておりませんが、できるだけ早く出していただきたい、こんなふうに思っております。
○常松分科員 ところで、最近の結核患者の方々は、他の疾病との合併症に悩んでいる方が非常に多いと聞いております。いわゆる成人病、例えば糖尿病であるとか高血圧症であるとかそういう合併症が多く見られる。したがって、そういう実情からいたしますと、多機能を持った病院で結核も治療できるようなシステム、そういうものをつくり上げていくことが必要なんじゃないかと思いますが、そういう検討もその公衆衛生審議会の中で行われているのでしょうか。
○寺松政府委員 今先生の御指摘のような、いわゆる他のいろいろな合併症を持っていることは、これは当然高齢化が進んでおりますから、いらっしゃることは実態でございます。したがいまして、その辺も含めて御検討いただくということになっております。
○常松分科員 かつて結核が蔓延した時期に結核にかかった世代がこれから高齢化してくるわけでございますね。特に心配なのは、老人性の痴呆症などとの合併症がこれから結核患者の中で多く出てくるんじゃないかということが心配されます。あるいは精神病との合併症の患者さんの事例も非常に深刻だと聞いておるところでございます。 私の地元の実例で申し上げますと、小平市には国立武蔵精神・神経センターというのがございまして、ここには結核病床が三十ベッドぐらいあるというふうに聞いております。そういう精神病院などにおける結核患者対策はどうなっているのか。及び、老人ホームでございますが、こういうところに今後結核患者が出てくることも考えられるわけです。そこで、そういう老人ホーム等における結核対策についてもぜひひとつ手おくれにならないように、例えば老人ホームに結核が知らない間に患者さんに蔓延をしていたというようなことが万が一あると大変なことですから、そういうことの手おくれにならないように、できるだけ早くこの老人ホームとかあるいはそういう御高齢の方々に対する結核対策を進めるように要望したいと思うのですが、どんなふうになっておりますでしょうか。
○寺松政府委員 今先生の御指摘の前半のこと、いわゆる高齢化とともに糖尿病等の一般の併発症がある、あるいは合併症があるというようなケースももちろん公衆衛生審議会の議題の一つではございますけれども、精神病床との関係もまた議題になるかと思います。 ただ、御承知だと思いますけれども、現在入院治療中の精神障害者というものの中には、御指摘のようにもちろん結核を併発しておる者があるわけでございます。それらの者につきましては、精神病床と結核病床を併有する病院、これが、私が承知しておりますのは全国で百三十くらいあると思いますが、そういう病院等で治療が行われているのが現状でございます。このような精神障害者等に対する治療とともに、結核についても適切な治療、これは当然やらなければならぬわけでございますから、その辺も一つの議題としまして、何度も申し上げておりますが、公衆衛生審議会で大きな課題としまして入っている一つでございます。
○常松分科員 あれもこれも公衆衛生審議会で検討中ということで、その中に全部含められておりますから、とにかく一刻も早く結論を得ていただいて、そして厚生省として来年度の予算なりなんなりの中に具体化していただくように強くお願いをいたしておきますので、ひとつ大臣よろしくお願いいたします。 次に、耐性菌対策についてお尋ねいたします。 結核患者がこのところ一向に減少しない要因の一つとして、耐性菌の問題が指摘をされております。我が国で結核治療のために使われているヒドラジド、リファンピシンなどの薬は特効薬として結核治療に画期的な役割を果たしたそうですけれども、しかし、結核菌の中にこれらの薬になれて しまって効かなくなっている菌があるというようなお話を伺いました。これらの耐性菌の結核に侵されている患者さんで、排菌されるような方は入院生活を続けなければならないわけでございます。この間、その新山手病院に行ったときに、入院中の患者さんでそういう耐性菌の患者さんは何人くらいおられますかと私お尋ねいたしましたら、四十五人入院されている方々の中に三人いらっしゃるというお答えでございました。そういたしますと、私そのとき念頭に浮かびましたのは、結局その三人の方々は、それこそ新薬が開発されない限り、今のままでいったら一生入院生活を余儀なくされる。そういう方が四十五人の中に三人というような比率でいらっしゃるということになりますと、これは全国的に見たら相当な方々が耐性菌の患者として入院をされていて、今のままだと一生入院生活を余儀なくされるということなのかなと思いまして、実は正直言ってやりきれない思いになった次第でございます。 この耐性菌に対する新薬の開発状況はどんなふうになっているんでしょうか。
○川崎政府委員 御承知のように、医薬品の開発は個々の製薬企業が主体となって行われておりまして、基本的には民間企業によって必要な医薬品が開発され供給されておりますが、医薬品の開発、供給というものはやはり医療現場のニーズを的確に踏まえた上で行われるべきものというふうに考えられます。 それで、耐性菌の問題は確かに結核患者にとって深刻な問題であろうと思います。厚生省といたしましても、御指摘の点を関係業界に伝えまして注意を喚起いたしまして、各社の研究開発における留意を促すなどの努力をしてまいりたいというふうに思います。
○常松分科員 局長、要するに日本では民間に実際の開発が任されているわけですね。ところが、結核患者さんの方々は、総体にしては減ってきていらっしゃる。リファンピシンなんかにしても、リファンピシンが開発されたのは二十年前と伺っておりますが、それからもうずっと新しい薬が開発されない。言ってみればそれ以上開発しても需要がないということだと、民間の政策だけに任せていたのでは、私は、なかなか新薬の開発は進まないのではないか、こんなふうに思われるわけですね、素人ですけれども。 ところが、そのリファンピシンというのは非常にすばらしい特効薬であって、今は東南アジアとかこの間戦争のあったイラクとか、ああいう低開発諸国といいますか開発途上国といいますか、そういうところで結核患者さんがいる、そういう方々に投与をするということになりますと、これは非常に効果を発揮するようですけれども、実際にはこのリファンピシンが高過ぎてとても開発途上国では買えない、こういう話も聞いているわけです。国際社会とも言われ、国際貢献が必要だというようなことも言われている昨今でございますから、どうなんでしょうか、これからいろいろな物資援助の中に結核のこういう薬を積極的に厚生省として含めて、世界的な、これまたWHOなんかとのあれもあるでしょうけれども、積極的にそういう援助を行って、そして民間に対して一定の刺激を与えていくというようなことを考えませんと、本当に今のようなお話だけで新しい新薬をつくろうという意欲が民間企業の中に出てくるのかどうかというふうな気がするのですけれども、その辺もぜひひとつ検討してもらうわけにはいかないでしょうか、そういう海外援助について。
○川崎政府委員 ただいまの先生の御意見もよくわかりますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
○常松分科員 次に、結核医の育成の問題について少しお伺いいたしたいと思います。 大臣、結核の専門医の先生が高齢化をいたしまして、非常に減少しているという事実があるそうでございます。この間結核専門医の方々のつくっている協会の表を見せてもらったのですけれども、結核の専門医の方というのは、現在六十五歳から六十九歳ぐらいの方々のところが一番人数的に見ると多い。つまり、六十五歳から六十九歳といいますと、現役を引退なさる、そういう世代の先生方ばかりなわけですね。それ以降急速に減っておりまして、特に若手のお医者さんはほとんど育っていないというふうに聞いているわけなんです。 そこで、きょう私、文部省に来ていただくようにお願いをしているのですけれども、文部省に伺いますが、結核医の養成、育成についてはどんなふうに今なっているのかということなんです。例えば、私が伺ったところでは、大学では結核はもう今は選択科目になってしまっているというふうな話を聞きます。あるいは東大病院には結核の専門医がいないというような話も聞いています。これは本当かどうかわかりませんよ、話も聞いています。実際問題として、大学病院で結核病床を持っているところは一体どのくらいあるのだろうか。また、結核の講義があっても、実際には臨床実習などがされていなければ実践的にはほとんど効果を発揮しないわけでありますね。そういう点が一体どうなんだろうか。あるいは結核専門医というのは育成には非常に時間がかかるそうですけれども、しかし、胸部の専門医を目指している学生さんたちはたくさんいらっしゃるわけですね。そういう方々に対して必要な、今言った臨床実習やそういうことを行うことによって、専門医じゃなくても診断ができるような、そういうお医者さんの育成はできるのではないか、そんなふうに思いますが、実情がどんなふうになっているのか、及び今後の方針について、ほかにもお尋ねしたいことがいっぱいありますので、ひとつ手短に御答弁をお願いします。
○草原説明員 結核については、例えば学会による認定医という制度はございませんので、具体的にどのくらいの数のお医者さんがおられるのか、私ども把握しておりませんけれども、御指摘のとおり、結核患者というのは年々減少しているとはいえ、いまだに年間五万人以上の患者が発生している最大の伝染病でございますので、そういう意味では、医師としては結核を早期に発見できるような能力を持つということが必要であろうと思います。 大学の医学部の教育におきましては、御承知のとおり、学生が将来どの医学、医療分野に進もうとも必要となるような共通の基本的な知識、技術及び態度、習慣を身につけさせるということを目標にしているわけでありまして、その中で結核に関連するような教育としては、具体的には例えば病理学であるとか細菌学であるとか内科学といった講座が中心になって教育を行っているわけでございます。その際には、もちろん授業の形態としては講義がございますけれども、実習もある程度行われているというふうに承知しております。授業においても、最近は結核患者が少なくなっているために症例が減っております。少なくなった症例を補うために、例えばスライドなどを利用するといったような工夫もなされているところでございます。 具体の病床数のお尋ねがありましたけれども、国立大学においては、医科系の大学四十二大学ありますが、そのうち十四大学に結核の病床がございまして、病床数は五百七十一床というふうになっております。 文部省としては、国立大学については附属病院だけでいろいろな実習を行うのではなくて、それ以外の学外の病院、診療所あるいは保健所等においても実習が行えるようにするということが大変重要であろうというふうに思っております。そのために、平成元年度から医学部の学外実習経費というものを予算化いたしまして、今後ともこのような施策を通じて、医学生が卒業後広い分野にわたって医師として活躍できるように配慮していきたい、こういうふうに考えております。
○常松分科員 専門結核医の養成については、ひとつ厚生大臣の方からも、文部省の方に強く要望していただきたいと思っております。 最後になりますが、看護婦さんの問題が非常に深刻だそうでございます。この点については、ほ かの看護婦さんと同じでありまして、結核の現場でも非常に深刻な状況にあるということでございまして、そのためには看護婦さんの待遇改善ということが非常に大事だというふうに考えているわけでございます。 先日、東京では、私、ここに持っている資料ですと、東京都病院団体連絡協議会というところで、看護婦さんの不足のための大会まで開かれているということで、非常に看護婦不足が深刻になっている。このことも結核対策の中の非常に大事な課題の一つでございます。 そこで、最後に大臣から、今後の結核対策についての御決意を承って私の質問を終わろうと思いますが、同時に、これまで厚生大臣は、患者の方々やあるいはその結核予防会の労働組合の皆さんなどに年に一回ぐらいお会いをして、その実情を聞いたり要請を聞いたりしてこられたのだと伺っております。これからも結核対策の第一線で活躍をしていらっしゃる皆さんにお会いをしていただいて、そういう実情も十分聞いて対策の充実を図っていただきたいということを最後に一言申し添えまして、どうぞ大臣から結核対策についての御決意を承らしていただきたいと思います。
○下条国務大臣 常松委員にお答え申し上げます。 一時減って、このままだんだんと結核患者がなくなるのじゃないかという時期があったかと思いましたが、これは一つの傾向線だけであって、実際は先ほど来委員御説明ありますように、二十四万からの結核患者がいるし、またその中には大変に重症な方もおられる、これに伴ういろいろな措置についての問題を指摘されまして、非常に重要なポイントだと受けとめておる次第でございます。 今結核につきましては、我が国では最大の感染症であるということの認識は従来と変わりございませんし、また、この罹患率の減少速度が今申し上げたように鈍ってきておるということも問題でございますので、より一層効果的、効率的な対策を行う必要がある、このように考えております。 こういう観点から、今後の結核対策のあり方については現在公衆衛生審議会において御検討を願っているところでございますが、その結果を踏まえ、また、結核医療の第一線で御尽力いただいております方々の御意見、先ほどもお話がございましたような方々の御意見にも耳を傾けまして、結核対策の推進に一層の努力を続けてまいりたいと思っております。
○常松分科員 どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
○古賀(誠)主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木喜久子君。
○鈴木(喜)分科員 私は、二年ほど前の平成元年七月二十二日に、新宿区にあります旧陸軍軍医学校の跡地から、現在は厚生省の国立予防衛生研究所の建設現場なんですけれども、そこからたくさんの、三十五体にも上る白骨死体が掘り出されたということについて、それからのてんまつ状況その他について伺いたいと思います。 この問題につきましては、国会では昨日、一昨日というふうに続けて、ある程度白骨を調べていただきました警視庁の科学捜査研究所の方からのお話は伺っています。これについては、その死体が発見されたという当時、新聞では我が国ばかりでなく外国の方にもその記事が出て、ニューヨーク・タイムズ等にも取り上げられ、またアジアの諸国からもきちんとその身元を解明してほしいというような意味での声明等が発表されております。こうした国際的な問題でありますこの問題について、今現在はどこにも身元を確認するでもなく、やはり新宿区にあります葬儀社の倉庫の中の段ボールに入れられてそのまま放置といいますか、保管されているような状態でございます。 これについて、何とかしなければならないという見地から今いろいろと御質問をしていきたいと思います。まず、このてんまつがございますので、その点について簡単に御説明いただきたいと思います。
○寺松政府委員 今鈴木先生から御質問の、私どもの予研建設現場におきまして人骨が発見されたということにつきまして、その後の事実経過を申し上げたいと思います。若干長くなりますが、お答えをいたしたいと思います。 平成元年の七月二十二日に、新宿区戸山にあります三研究機関、国立健康・栄養研究所の敷地の中でございますけれども、そこで三研合築のための建設工事をやっておったわけでございますが、その土中から人骨が見つかった、こういうことでございます。そこで、すぐその日に建設省の関東地方建設局の職員が牛込警察署に届け出をした、そういうことで、牛込警察署は現場確認を行われた、こういうふうに聞いております。 翌二十三日には、牛込警察署が警視庁科学捜査研究所に鑑定を依頼いたしまして、人骨数個、私ども聞いておりますのでは、警察では人骨五個と骨片二片ということになっておりますが、持ち帰りまして、翌二十四日には牛込警察署から次のような発表がございました。 その一つは、三十五体の人骨が発見されたこと、それから、発見された人骨は最低二十年以上経過していること、それから三番目といたしまして、犯罪に起因したものと認められる証跡はなかった、こういうことでございました。 それからまた、同日、二十四日でございますが、東京都学芸員によりまして現場調査が行われまして、埋蔵文化財に該当しないということが確認されております。 さらに、二十四日には牛込保健所の関係職員によりまして現場確認が行われまして、二十五日には、同保健所から新宿区に対しまして人骨発掘確認書が提出され、新宿区は二十六日に、人骨発見現場で職員立ち会いの上人骨を引き取ったものと承知しております。
○鈴木(喜)分科員 そこで、一番初めのところから少しずつ伺っていきたいのですけれども、本建設現場の土地は国有地であると思います。現在は厚生省が管理をしておられる土地だというふうに伺っているのですが、その点と、その人骨が発見された場所というのは現在ほとんどもう建ち上がっているというふうに聞いておりますけれども、その建物の下の方にちょうどなってしまうような、そういう位置のところなんでしょうか。
○寺松政府委員 当時出ましたころは国立栄養研究所と申しておったかもしれませんが、現在は国立健康・栄養研究所が土地管理をやっております。 それから、今御指摘の、工事中でございますけれども、その部分が今どこになっておるか、それは、私の持っております資料からいきますと、管理棟の下、こういうふうに聞いております。
○鈴木(喜)分科員 では、まず、ちょっと前の所有、管理の点から伺いますけれども、栄養研究所が持たれた、それは何年ごろから栄養研究所が管理されて、その前はどこが管理をされていたところなんでしょう。ずっとさかのぼりまして、わかるところまで教えていただきたいと思います。
○寺松政府委員 国立栄養研究所が二十三年に移ってまいりましてから管理者となっておるわけでございます。
○鈴木(喜)分科員 昭和二十三年から栄養研究所ですね。そうすると、その前はどこが管理をしていたのですか。
○寺松政府委員 今お答えいたしたいと思いますのは、国立医療センターと現在呼んでおりますが、前の国立東京第一病院でございましょうか、そういう施設がございましたのですが、そこが管理いたしておったと存じます。
○鈴木(喜)分科員 国立第一病院ですか、そのところもやはり厚生省の管轄であることは間違いがないと思うのですが、そのもっと以前、昭和二十年以前はどうなっておりましたですか。
○寺松政府委員 その以前は、御承知のように、東京第一病院は陸軍病院でございましたわけでございますので、陸軍軍医学校が所有しておった。したがいまして、陸軍省でございましょうか、と いうことになるのではないかと存じます。
○鈴木(喜)分科員 どうもありがとうございました。 そういうふうなところで、国立栄養研究所というところが使っていた当時の図を私いただいて拝見しているのですけれども、その図で見ますと、栄養研究所の研究棟というところからかなり離れた、何もない敷地ですね、ただの広い。そのところが人骨の発見場所というふうになっているのですけれども、栄養研究所ではこのような形でずっと昭和二十三年以来お使いになっていたのかどうか、おわかりになりますでしょうか。
○寺松政府委員 現在の状態で続いてきたと、今工事中でございますが、それ以前の壊す前の段階ではそういうふうなことだと承知しております。
○鈴木(喜)分科員 まことに一々御質問して申しわけありませんが、旧陸軍軍医学校のころの位置でいきますと、この人骨の発見場所というのには何か建物が建っていたんでしょうか。
○寺松政府委員 残念ながら私ども承知いたしておりません。
○鈴木(喜)分科員 今昭和二十三年からが栄養研究所というふうに伺いました。その前が国立第一病院、軍ではなくなってからが第一病院の管轄だった。それが多分昭和二十年から続いていると思うのですが、そのころのことはおわかりになりますか。そこは病院であり、しかも厚生省の管轄のところだから、陸軍省になっている昭和二十年以前のものとは違うと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○寺松政府委員 重ねての御質問でございますけれども、その辺の詳細は存じておりません。
○鈴木(喜)分科員 私ども、普通ここを管理するまたは所有するというような場合に、それ以前のどのような形で使われていたということについては何かしらの図面その他のものが、引き渡しなり引き継ぎなりするときにあるというふうに思いますけれども、そういうものを何もなしで引き継ぎ等をされているのでしょうか。
○寺松政府委員 今先生の方からの御指摘でございますが、私ども、その御質問の中にもございませんでしたので承知しておりませんが、今のところは承知しておらないわけでございますけれども、必要なら一応調査してみることはできるかと存じます。
○鈴木(喜)分科員 ぜひともお願いしたいと思います。一体どういうふうな形でここが使われていたのかということも、こうした身元の全くわからない人骨が一体ではなくて三十五体というような非常に異常な形で出てきているわけでございますので、もしこれを埋葬して早く冥福を祈るというふうなことをするにしても、きちんとした形がなければそれもすることができない。そういう方のこれからの安らかな眠りについていただくためにも何としても身元をはっきりさせなければならないと私は思います。ぜひともこの点、一体どういう建物が、栄養研究所のときはこういう広い土地になっているわけですけれども、その前のときにどのようになっていたのか、その点についてお調べいただいて私の方に知らせていただきたいと思います。 それから次に、この人骨が出てきたからその後警察等にお知らせになり、そこから、警察から科捜研の方にいって人骨自身の鑑定をされた。それからまたもう一つは、都の学芸員ですか、その方の方からこれは文化財ではあり得ない、そういう何か結果の報告をもらったという御説明がさっきありました。その科学捜査研究所の方は昨日伺いましたので承知しているのですけれども、東京都の学芸員の方からこれは文化財には当たらないということの報告はどのような根拠に基づいて、どういう理由でそういうふうに言われたのかおわかりになりますでしょうか。
○寺松政府委員 私ども、そういう専門的なことでございますので、中身については承知しておりません。
○鈴木(喜)分科員 これは口頭で言われたんですか、それとも、学芸員が調べて調査されたのであれば何かの文書でその報告が来ているはずだと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
○寺松政府委員 細かい御質問でございますのであれでございますが、私どもが今承知しておりますのでは、口頭ではなかろうかと思います。
○鈴木(喜)分科員 口頭でなされたということでは、後で付近の住民それからまた世界の関心というものも、ああそうか、本当にそうなのかというふうになかなか納得ができないのじゃないかというふうに思います。この点も、もし何か文書があるようでありましたらばお調べをいただきたいと思います。きょうはその東京都の学芸員の方には来ていただいていませんので、そこのところはそちらから伺うわけにはいきませんから、またの機会にいたしたいと思いますけれども。 そういうふうなことで、これであとは埋葬かということになるわけなんですけれども、その段階で、平成元年の八月五日に新宿区の方から厚生省のその国立栄養研究所長あてで、ここでいろいろと身元調査をしてほしい、引き取り者がいないかどうかということを調査してほしいというような依頼書が出ております。それに対して同年同月の八日付の回答が栄養研究所長の名前で新宿区の方に来ております。その中を見ましたらば、ここでは、埋葬文化財にも当たらない、犯罪にも関係がない、身寄りの人からの申し出もない、だから手厚く葬ってほしい、こういう内容になっているわけです。その中に、身元確認調査については、当該土地の管理者ではあるけれどもこれを行わなければならないということにはならないから、私どもの方では身元確認調査ということはできませんというようなことがなお書きでつけ加わっております。 この点について私はちょっと疑問に思うのでお尋ねするのですけれども、当該土地の管理者ということばかりでなく厚生省というお役所の性質上、こうした身元不明でしかも三十五体どこのどういうふうな形で出てきたかわからない、そこが前からずっと厚生省関係の使用をして管理をしている土地であるにもかかわらず、自分の方には何の責任もないということが本当に言えるのでしょうか。
○寺松政府委員 私どもの考えでございますけれども、土地管理者としては通常の場合の取り扱いと同様、その人骨の発見につきまして牛込警察署に通報し、新宿区に人骨を引き渡したことにより、その果たすべき義務は完了しているのじゃないか、こういうように思っておるわけであります。
○鈴木(喜)分科員 引き渡したらばそれで済むという問題ではないと私は思います。ここでの身元確認をするのに一番適しているのは、それまでずっと長いことそこを管理してこられた厚生省の方にその職責というものがあるのではないかというふうに思います。法令上の問題を云々する前に、この人骨の死後の経過年数というのは、科捜研の方からの報告によれば、鑑定によれば、死後少なくとも二十年以上たっているというふうに言っています。少なくとも二十年です。そうしますと、その当時が平成元年ですので、亡くなったのが昭和四十年よりは昔だと言っているわけですね。それは何も昭和二十年以前の問題ではなく、それから二十年以後または二十三年以後、その四十何年かそのぐらいまで、少なくとも昭和四十年ぐらいまでの間にそういう人骨というものがそこに何らかの形で正式な埋葬をされることもなくばらばらの形で、ばらばらの人骨で、しかも三十五体が入っていた。そうなりますと当然そこをそれまで使っておられた栄養研究所というものにそこの管理または責任というものが出てくるわけではないかというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○寺松政府委員 先ほどお答えしたことだと思いますが、私どもは所管の牛込警察署に届け出ることによってその義務は終了しておる、こういうふうに考えるわけでございます。
○鈴木(喜)分科員 牛込警察署に届けるのは、犯罪のおそれがあるかどうか、そこから出てきたものが犯罪的な何かの傾向がある、事件性のあるも のかどうかという意味で、届けることはいいと思います。しかし、そこの中を御自分のところで使っておられて、その間に、もしかしたら死亡して埋められたかもしれないその死体についての責任が、骨を渡してしまえばそれで済んでしまう、そういうことにはならないのじゃないですか。それは大変責任逃れの話だと思います。この点についてもう一度だけお答えを伺いたいと思います。
○寺松政府委員 何度も同じお答えをいたすことになるわけでありますけれども、私どもは、身元不明ということで、その工事をやっておりました建設省の職員から警察署に届け出た、こういうことによってその義務は完了しているんじゃないか、こういうふうに思います。以上、あとは、それぞれの所管のところでもっていろいろ御検討いただく、こういうことになるのではないかと存じます。
○鈴木(喜)分科員 昭和二十年以降か、または以前か、それはわかりませんけれども、もし昭和二十三年以降に埋められたものであったとしても、そこで責任が切れてしまうかどうかということについては、事実上そこについて使用されていた厚生省の栄養研究所の責任は絶対あると思います。その身元を調べるということの責任は出てくるはずでございます。ですから、それについてはもう一度考え直していただきたいと思います。 加えて、その後もまだ新宿区と栄養研究所の方でやりとりが何通か続いているわけでございますけれども、その中で厚生省援護局等々の文言が出てまいります。そしてそういうところから一つの法令の――厚生省がたとえこういうような場合に、土地をただそこに持っていた、または管理していたというだけで、そこに人骨があったというだけでも、なおかつ、こうした場合に何らかの身元を探る責務がまだあるのではないかということについてのやりとりがあると思うのです。それは、厚生省設置法という法律を見せていただきました。この厚生省設置法というのは、厚生省の所掌事務はこういうものであると、所掌事務が出ています。その中に、内地からの引き揚げであるとか旧軍人云々とかいうことがいろいろ書いてあって、引揚者の問題、復員の人の問題、それからあちらで俘虜になった人の問題、そうした者の手当てが書いてある中に、「前三号に掲げるもののほか、旧陸海軍の残務の整理に関すること。」という一条がございます。 この建物が、旧陸海軍の残務の整理に関するという意味でいえば、陸軍軍医学校であった、特にこの軍医学校の中でもこの辺ではいろいろな細菌でありますとか化学兵器等を研究する何か医療の関係のものがあった、研究所があったというふうに言われているところでございますので、特にこの点についても「旧陸海軍の残務の整理」ということに当たるのではないかと思われるのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○岸本政府委員 援護局の所掌事務のことで御質問でございますけれども、旧陸海軍の活動範囲というのは非常に広範多岐な業務を行っていたわけでございます。終戦に伴いまして旧陸海軍の機能が停止するということで、それから残務の整理というのが出てくるわけでございますけれども、これは国有財産の処理等を初めといたしまして非常に多岐にわたるものでございまして、それぞれの所管の部局が対応したわけでございます。 私どもの援護局というものの経緯から申し上げなければいけないわけでございますけれども、戦争の終結に伴いまして海外から多数の同胞が引き揚げてこられるということで、そこに上陸をいたしますと、そこからの緊急の生活援護ということが必要なわけでございます。そういうことを始めてまいって、それから昭和二十二年の十月に至りまして、担当している引き揚げ援護業務に密接に関連するということで、それまで復員庁というところでやっておりました旧軍人軍属の復員、身分を解くということでございますが、復員等の業務をその人事関係資料とともに引き継ぐことになったわけでございます。 このような経緯にかんがみまして、厚生省設置法の第四条第二項第三号に規定してございます「旧陸海軍に属していた者の復員その他旧陸海軍の残務の整理」に関する事務というのは、旧陸海軍から引き継いだ人事関係資料をもとにいたしまして行う事務である、具体的に申し上げますと、旧陸海軍関係者の恩給進達でございますとか履歴証明等々の人事関係の事務をいうというふうに考えているわけでございます。したがいまして、今回のお尋ねの人骨の身元確認調査、こういうものは、その設置法に言う「旧陸海軍の残務の整理に関すること。」には該当しないというふうに考えております。
○鈴木(喜)分科員 今お聞きしたのは、厚生省組織令の中の「援護局の事務」というところのことについて伺ったのでしょうか。私はまずその前に、厚生省設置法の第五条で厚生省の所掌事務がある、その中の第五条百七というところに「旧陸海軍の残務の整理に関すること。」というのがある。それはもちろん「旧軍人軍属の復員手続に関すること。」というのが百四にあり、未帰還者の問題は百五にあり、百六に俘虜に関するものがあり、それぞれのそういう条項があるわけですね。それの中で見まして、その中の一つで百七というところに「旧陸海軍の残務の整理に関すること。」というのがあるから、これはまず厚生省というお役所がその残務の整理を引き受けるわけであるということをまず決めているんだというふうに私理解するわけですよ。その後で、厚生省組織令というものの中では、援護局はどうだこうだということでまた同じように「旧陸海軍の残務の整理」というのが出てきます。組織令ですから、あなたの局ではこういうことをしなさいよという形でそういう政令が出ているんだと思いますけれども、初めに厚生省設置法というのは、これは法律ですから国会で決めたものだと思いますが、その中で、ここで決めたときにこれはそういう、今言ったように、「旧陸海軍の残務の整理」というものをそのように限定した意味でやったということがどこかに書いてあるわけでしょうか。
○岸本政府委員 これは今経緯を申し上げたわけでございます。先ほどの繰り返しの部分が多くなりますけれども、陸軍省、海軍省というものが解体をされた、残務の整理というのはたくさんの問題があると思いますが、そういうものは第一復員省、第二復員省を初めといたしましていろいろな担当部局で処理をしたわけでございます。そうして厚生省といたしましては、今申し上げましたように、海外から引き揚げていらっしゃった方々の臨時防疫の問題でございますとか、また、その日からの生活援護の問題、こういうところを担当したわけでございます。そういうことでしてまいりまして、終戦から二年余りたちましてから初めて人事資料というものを復員庁から引き継ぎを受けまして、その人事資料をもとにして、今申し上げましたような人事関係の残務の整理を行うということになったわけでございまして、これはそのときの経緯から明らかであろうと思っております。
○鈴木(喜)分科員 そのときの経緯というものが、例えばこの法律をつくるときの議事録に残っているとかそういうことがあっても、この条文を素直に読めばということは海部内閣総理大臣はよくおっしゃることでございまして、素直に読めば、そのまま見たら「旧陸海軍の残務の整理に関すること。」でありまして、それがたとえ議事録を見てもおっしゃるようなことでございますので、その点、これはその問題とはまた全然別にして、非常にわかりやすい文言で、そのままですし、しかも、そういった議事録等々がない場合にはこのまま読むのが一番素直な解釈だと思うのです。もしもこういったいろいろな意味での旧陸海軍の残務整理を厚生省が引き受けておられないとするならば、一体どこの省庁がこういうものを引き受けるというふうにおっしゃるのでしょうか。私は、厚生省というのは揺りかごから墓場まで全部について人の生活が安心してできるようにということででき上がっている、そういうお役所だと思います。私どもの味方のお役所だと思っているわけです。でも、これが仮に日本人の人骨だとす れば、それをほったらかしにしておくということは厚生省のお役所の性質からいっても非常にうまくないのじゃないかと思うし、旧陸海軍の残務の整理をもしもされないとすれば、一体どこの省庁がされるというふうにお考えなのか、その点も含めて一言だけお答えください。
○岸本政府委員 どこの省庁がするかというのは、私からお答えをするのは適当ではないと思いますが、一言で言って、厚生省という役所が陸軍省なり海軍省の後身である官庁であるということではないわけでございまして、陸軍省の後身官庁ではないわけでございますから、陸軍省のし残したことは全部丸ごと引き受けるというような立場にはないわけでございます。 それで、私が先ほど申し上げましたように、陸軍省と厚生省との業務での接点というものは、引き揚げてきた方々の生活援護に始まる。そうしますと、どの地域から、同日の何時に、何人引き揚げてこられるという情報をもとにいたしまして、応急的な生活援護の受け入れ態勢を整える、こういう仕事が厚生省の任務であったわけでございます。そういう観点での接点から始まっておりまして、陸軍省の仕事を丸ごと引き受けるのが厚生省の揺りかごから墓場までということではないかということには、ちょっと私としては応じかねるわけでございます。
○鈴木(喜)分科員 時間がありませんので、ここでやめさせていただきますが、大臣にもお願いしておきます。こういった問題について、どこにも行き場のない問題を何も全部厚生省が拾えと言っているわけではございませんが、何とかこの問題を人道的にも、また国際的にも評判を落とすような、信頼できなくなるような、そういった問題にされないように、何とか身元確認のための御協力をよろしくお願いしておきます。 時間がありませんので、ここで終わらせていただきます。
○古賀(誠)主査代理 これにて鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。 次に、小川信君。
○小川(信)分科員 続いて質問させていただきますが、私は自分自身は健康と思っておりますし、多くの健康体の人間にとっては、病気を持っておられる方々の悩みというのは実感としてはわからないことがたくさんあるわけでございます。病気になって初めてその苦しみやつらさというものが我々実感として感じるのであって、わからないことが多いわけですけれども、実は、今社会的にも大きな問題となっております腎臓疾患患者の方々の日常生活なり闘病生活の大きな悩みというものを、私、地元の患者の皆さん方から聞かしていただいておるわけです。そのお話を聞かしていただいて思い返してみると、過去、自分自身の周囲に同じような病気を持って苦しんでおられて、亡くなられた方々もおられて、改めてこの問題について私なりに考えさせられたわけです。 御存じのように病気の基本的な原因はどこにあるのかわかりませんけれども、いわゆる腎疾患にかかられて人工透析をしなければならない、また腎移植を待ち望んでおられるというような多くの腎疾患患者の方々がおられるわけです。医療技術の進歩なりでいろいろと研究が重ねられておられると思いますけれども、人工透析等は一遍始めると生涯これを続けざるを得ないというようなお話も聞いておりますし、それから人工腎臓というようなものも開発、研究が進められておられるけれども、まだまだ実用化の域に達していないというようなお話も聞いておるわけです。 そういうような中で、聞くところによりますと、厚生省で腎不全対策推進会議、これは局長の私的諮問機関だというふうにも聞いておりますけれども、そういうふうなものを組織されまして、具体的な政策的な面からの対策なり、また、社会的にこれを呼びかけていこうという面からの対策も含めておるだろうとは思いますが、研究協議が進められておられるというふうに聞いております。まず、これはどのあたりまで進んでおるのか、既に結論が出されておるのか、進んでおればその進んでおるところまでの状況、結論が出ておればその中の要点を説明いただければと思います。 なお、こう申し上げる私も内科の専門医ではございませんし、そして苦しみを訴えておられる方も自分の病気とはいいながら、本人も家族も専門家でもございませんので、普通の人間が理解できるような形で御説明をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
○寺松政府委員 御専門の先生からそのようなお話を聞き、しかし、私はまた十分お答えできるほどの資格もないのでございますけれども、腎臓のいわゆる腎不全対策を担当しております局長といたしましてお答えを申し上げたいと存じます。 今お話がございました人工透析患者がだんだんと高齢化しておる、そして、いろいろな合併症を併発しているというようなことも専門的には言われております。それからまた、いろいろな原因が、前は慢性糸球体腎炎とかいうふうな形の腎炎でございましたが、糖尿病からくる糖尿病性腎症というような形の非常に治りにくい人工透析患者さんがだんだん出てくるようになってきております。人工透析に入ります理由が糖尿病が大きな問題点になっている。特に先進諸国においてはそのような状況でございます。 そこで私ども、その辺の問題意識を持ちまして、腎不全対策推進会議におきましていろいろな腎不全対策をどう進めたらいいかということ、特に問題になっております実態を十分把握していただいて、そして、それを御議論いただいてそれに即応した対応策を考えていただきたい、こんなことで進んでおるわけでございます。 まだちょっと結論を得る段階になっておりませんけれども、できるだけ早く、結論を得られるものからいただいて、そして、それをそれぞれ予算とかあるいは対策に役立てていきたいと思っております。
○小川(信)分科員 今御説明がございましたように、まだ結論に至っておりませんということでございますけれども、確かに透析患者が非常に高齢化しておる。若い方々、小さい方々もおられると思いますけれども、非常に高齢化しておる。そして、それが重症化し、合併障害等々出ておる。失明とか視力障害というふうなことが確かに現実にあって困っておられる。これは御本人だけではなくてその家族も同じように共通の悩みを持っておられるし、経済的にも非常に大きな影響を与えられておるというような現状だと思います。人工透析そのものに対しては保険として対応されておりまして、聞くところによると年間約六百万円ぐらいの負担になるようですけれども、そのものに対しては保険が対象になって適用されるということで非常にいいわけですけれども、実際、週に二回か三回通院しなければならないということになりますと、本人もさることながら、その家族等の精神的、経済的な負担が非常に大きい。そして、今お話しのように、高齢の方が多いということは、配偶者はこれまた高齢者だ。そして、今独居老人なり高齢世帯が非常に多いということになりますと、三世帯同居では必ずしもないということになると、通院そのものが非常に負担になってくるわけです。現在、移送費等の補助を一部出しておられるように考えますけれども、通院に対して何か具体的な、当面的な結論が出る前に、こういうものに対してのフォローアップといいますか援助、介護というようなことが政策というか施策として考えられるのではないかと思いますが、このあたりについてお考えがありましたらお聞かせいただきたいと思うのです。
○長尾政府委員 介護を必要とする透析患者の通院費を何か福祉の方で対象とできないかという御質問かと思うわけでございます。 現在、更生医療の中で先ほど先生からお話がありました自己負担分につきまして、これは給付をして自己負担分の軽減を更生医療という形でやっておるわけでございますが、更生医療の給付は医療保険の給付の形にいわば乗った形でやっておりまして、これは公的なこういった医療費の助成制 度全部に共通する形になっております。問題は、通院のために費用がかかるというのは、先生は腎臓の患者さんについてお話をいただいておるわけでございますが、その他の疾患の方についても慢性的な方の場合にはあり得ることだろうと思うのでございますが、医療保険の中でそういった通院費について医療給付の対象としておりません。したがいまして、この方々だけにつきまして何らかの形で助成を行うというのはちょっと難しいのではないかと思っております。
○小川(信)分科員 今の御説明、現実そうだろうと思います。 それでは、腎不全の患者だけではなくて、ほかにもいわゆる難病で非常に難しいという患者さん方の通院に対する全体的な、これだけはできないということであれば全部やるということも医療、福祉面の充実強化のためには非常に大きな前進になるのではなかろうか。そういう意味で、このような問題についても御検討いただければと思うのです。 特に申し上げたいのは、本人が一人でちょんちょん行かれる方は、それはそれでいいわけですけれども、だれか一緒についていかなければ行けないという場合が出てきます。お年寄り世帯であればもう一人の配偶者もお年寄りだということ、若い健康な人がついていかなきゃいけないということになると、ある意味では通院介護、今ごろ在宅介護というような形が高齢者対策で話が出ていますけれども、高齢者の方々の通院介護というものに対する対応も一つの方法として、人工透析という、週二回、三回行かなきゃならぬ、行かなかったら命にかかわる、そして、行けばそれでその時期は過ぎることができる、こういう疾病に対して移送費の補助の充実、在宅介護とは違って通院介護というような介護の方法等も一つの方法として考えられるのではないかというふうに提案いたしますけれども、その辺についてはいかがでございましょうか。
○長尾政府委員 現在、家庭で寝たきりの状態にあるお年寄りの方とか非常に重度の障害をお持ちのために通院の困難な方がおられます。これは腎臓の患者さんに限らないということは先生おっしゃったとおりでございますが、こういった方々につきましては現在ホームヘルパーの派遣、これが考えられておるわけでございます。ホームヘルパーの需要は全体として非常に高いわけでございますが、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」をもちましてホームヘルパーの養成確保、これは厚生省全体挙げまして大きな課題でございますが、そういう全体のホームヘルパーの養成確保という観点の中に、今先生おっしゃいました視点は入れていくべきであると考えております。
○小川(信)分科員 これらの問題については、ひとつ前進的な施策の展開をぜひ期待をしたいと思います。 と申しますのも、こういうふうな患者さん方が対応できる病院周辺に全部おられるとか、全部の皆さん方が入院しておられれば大した問題もないかと思いますけれども、私が知っておる患者さんでも、相当僻地の方におられる、そして病院まで行かなければならない、まさに一日仕事になるわけですね。そうなりますと、通常のホームヘルパー、一般的に福祉で考えておりますホームヘルパーとしての機能では対応することが難しいのじゃないか。というのは、通院の介護ということになりますと非常に時間がとられる。私も自分で経験がないのですけれども、透析には大体三時間から五時間ぐらいかかるようなお話も聞きます。そうして通院に時間がかかるというと、一日丸々かかる。それが週に二日か三日となりますと、やはりこういうふうな疾病に対しての専門的な対応策というか通院介護とか、何かそういうふうなものを考えなければいけないのじゃないかなということもありますが、このことについては対策推進会議の検討の課題の中に入っておるのでございましょうか。
○寺松政府委員 今おっしゃっております私どもの諮問機関である腎不全対策推進会議でございますけれども、専ら医療の面の話をしておりまして、私の聞いておるところでは、いわゆる介護といいますか福祉面の方の問題につきましては一応検討課題外になっておると承知しております。
○小川(信)分科員 確かに、医療の面は専門の方々にお願いをして十分研究し、そして、それを実用化いただくようにお願いしなければならないと思いますが、現に今経済的にも精神的にも負担が大きくて困っておられる患者さん、家族の負担を少しでも和らげるために、医療というか福祉の面にウエートを大きく置いた総合的な対策が今非常に大事なことではなかろうかと思いますし、患者さん方が国に期待をしておる総合的なこれらの対応というのも、医療は医療、福祉は福祉と分断された形でなくて、総合的にこれらが一体化したような対策を期待をしておられるだろうというふうに思います。そういうような意味から、介護と透析を受けられる施設の整備充実、そして通院ヘルパーとかいうような面のフォロー、そういうふうな面を積極的に充実展開していただくと同時に、今局長がおっしゃったような医療の面での改善を図っていく。例えば人工腎臓が非常にコンパクトになって、極端に言うとそれが体内にはめ込められて全然外からわからないという形にでもなれば透析に行くことは必要なくなってくるということもあるわけですから、そういうふうな面の試験研究、そして実用化へ向けての取り組みはやっていただきたい、これは当然のことです。福祉というものはあらゆる方々があまねく平等に幸せな暮らしが受けられるということが基本になってくるだろうと思いますので、そういうふうな意味での国の体制、制度、施策の確立をお願い申し上げたいと思うわけです。 それから、これは話が変わりますし、きょう厚生省の皆様方に御答弁いただくのは酷であるし、御無理かと思いますけれども、人工透析等腎疾患にかかっておられる方々は、透析に行っておられるけれども、それ以外のときには日常の通常生活をし、職場でも働きたい、働いておられる方々がたくさんおられるわけなんですね。しかし、残念ながら病気を持っておられるということで非常に大きいハンディがございます。まず職場の中でそういうハンディを持ちながら、働くことができる、働きたいということで働いておられる方々の環境条件の整備ということ、これは非常に大事だろうと思います。これは本来労働省の仕事であると思いますけれども、厚生省の方から労働省の方へ、こういう人工透析を受けている患者さんが職場で働きやすいような職場環境をつくるように要請、働きかけをしていただくことが必要だろうと思います。その点についてひとつ、厚生省の立場で労働省に働きかけていきますよというのか、それは労働省の仕事だから、我々はさっきの話じゃないがノータッチだ、これはここまでだというふうに割り切られるのか、その辺ひとつ。
○寺松政府委員 先生からなかなか難しい難題をいただいたのでありますけれども、まず最初に、先生もちょっとお触れになりました人工臓器自身の改良という面が必要だと思います。 今おっしゃっておりますように、就学とか就業しやすいような、例えば小型化して、しかも携帯できるというふうなこと、そういうふうないろいろな人工臓器の改良と申しますか、そういう開発の研究費を私ども充当して検討いたしております。それからまた、いわゆるCAPDと言われる腹膜灌流の機器もございまして、そういう一般の社会生活が非常にしやすくなるということもございますので、その辺からは患者さんのために私ども御支援申し上げたい、そのための研究開発はやりたい、こう考えております。 それから、労働省のお話に返りますが、これは担当部局がどこか、私ども今すぐわからないのでございますけれども、そんなお話があったということはお伝えするのにやぶさかではございません。ただ、私どもが命令的には指示とかできませんので、その辺はお許しいただけたらと存じま す。
○小川(信)分科員 現場での現実の話として、やはりあるのですね。職業安定部門は、労働省の職業あっせんをされる職業安定所等々が、人工透析をやっておられて職を探しておられる方々には積極的に努力はされておるわけです。しかし、引き受ける事業主がそういうハンディに対しては非常に抵抗をされるというのが現実なんですね。というのは、職種が非常に限定される、労働の時間が非常に限定されるということもあるかと思います。それからもう一つは、労働安全という面で抵抗されることがあるわけです。それはどうも労働安全を重視する同じ労働省の部局の方からの影響が強く、同じ労働省の中でも職場をあっせんする部局と労働安全の部局と、こういう慢性的な疾患を持って通院をしなければならない方々に対しての認識が非常に違うような感じかするわけです。 そういうようなこともございますけれども、対策推進会議等でこういうことも含めて結論を出していただいて、こういうことは労働省、こういうことは文部省、さっきもお話がありましたように、小さい子供さんたちの就学の問題もあるだろうと私は思います。学校へ行く、義務教育課程の中で、就学される子供さんたちに、学校の中で子供たちが差別をしないように、それから勉強がおくれないようなフォローというのを学校等でもしなければいけない。そういうような面も含めた総合対策の推進会議として位置づけていただいて、総合的な対策の厚生省の意見だとして関係省庁、関係機関等に働きかけていただくことが、この難病を抱えて精神的にも経済的にも苦しんでおられる患者の方々、そして、その家族の方々にとっても非常に救いになるのではないか、このように思いますけれども、今私が提案として申し上げた質問に対してどのようにお考えか、お答えいただければと思います。
○寺松政府委員 もちろん私どもの直接のあれではございませんが、腎機能の障害者につきましては、公共職業安定所等におきまして、その障害の特性に配慮したきめ細かな職業指導あるいは職業紹介が行われておる、あるいはそれに努力しておるというふうに聞いております。また、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づき、その対象となっている腎機能障害者については、身体障害者雇用納付金制度の運用あるいは各種援護措置の積極的な活用、そのようなことによりまして、その雇用の促進と安定に努めているというふうに聞いておるわけでありまして、これをさらに充実していただくようにお願いをしたい、このように思っております。
○小川(信)分科員 最後になりましたけれども、これは我々健康な者も考えなければいけない課題だと思いますが、基本的な治療として腎移植というものもあるように聞いております。これには腎臓提供者が必要だということ、これはほかの移植臓器と同じでしょうけれども、現在腎バンクというのが設置されておりますが、これの普及啓蒙も非常に大事なことではなかろうかと思います。これらの普及啓蒙についてさらに一層の御尽力、御努力をいただくことが、長い目で見て、将来の基本的な問題としても大事なことではないかと思います。最後の御質問として、腎バンクの増設と提供者をたくさんにするための普及啓蒙についてお考えを聞かせていただき、質問を終わりたいと思います。
○寺松政府委員 今先生の御指摘は腎移植の普及対策、こういうものについての啓蒙啓発についての御質問でございます。おっしゃいますように、確かに人工透析では根本的な治療がなかなか難しい、したがいまして、どうしても腎臓移植をやって根治療法として社会に復帰させるということが望ましいわけでございます。 そこで、これも先生御指摘がございましたが、昭和六十三年の末に八万八千人ぐらいの人工透析患者がいらっしゃるわけでございますが、それが毎年七千人ぐらい増加しておる。そのようなことに対しまして私どもも腎移植の希望者を登録しております。今一万四千人の方々がいらっしゃる。しかしながら、なかなか提供のドナーの方が出てこないということでございますので、私どもひとつその普及啓蒙につきましては努力をいたしたい。毎年十月に腎移植推進月間というのを設定いたしまして、そして、その普及を図っておるところでございます。 腎移植の方の実績ということにつきましては、今、年間に七百ぐらいやっておるわけでございますが、そのうちの死体腎というのは二百三十三というふうに非常に少ないわけでございます。できるだけそういう死体腎からの移植ということも推進してまいりたい。 それから、今御指摘いただきました腎バンクというものにつきましても、今三十四カ所あるようでございますけれども、これの増設につきましても努力をしてまいりたいと考えております。
○小川(信)分科員 それではこれで終わりますが、ひとつよろしく御検討いただきますように。
○古賀(誠)主査代理 これにて小川信君の質疑は終了いたしました。 次に、近江巳記夫君。
○近江分科員 まず、私は初めに子育て支援の問題についてお伺いしたいと思います。 子育て支援といいましても、一つは児童手当あるいは育児休業、保育サービス等がいわゆる三点セットと言われておるようなわけでございますが、まず初めに、児童手当の問題についてお伺いしたいと思います。 今回政府は、現行から一歩変えまして、金額は第一子、第二子は五千円、第三子以降は一万円とするとなっておるわけでございます。しかし、先進各国と比較いたしますと非常に格差がある。さらにこれを充実してもらいたい。これが一点であります。第二点は支給年齢。これは三歳ということになっていますが、義務教育修了まで延長する。第三点として所得制限。これは現在、標準家族、子供二人、夫婦とともに四人で六百二十五万円となっておりますが、これの大幅な引き上げを図ってもらいたい。要約いたしますと三点についてお伺いしたいと思うわけでございます。 ちなみに諸外国と比較をいたしてまいりますると、例えば西ドイツは第一子から、支給期間は十六歳未満、学生は何と二十七歳まで支給しておる。第一子で四千二十四円、第二子八千四十七円、第三子一万七千七百三円、第四子以降一万九千三百十三円。スウェーデンにおきましては、第一子から、十六歳未満、学生は二十歳まで支給しております。第一子一万一千六十三円、第二子同じく、第三子一万六千五百九十四円、第四子以降二万二千百二十六円。フランス、第二子から、十六歳未満、学生は二十歳。第二子一万三千六百二十九円、第三子以降一万七千四百六十二円。イギリスは第一子から、十六歳未満、学生は十九歳。第一子以降七千四百六十七円、このようになっておるわけでございます。 このように各国との比較を一つの参考として申し上げたわけでございますが、以上の三点につきましてお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 まず、ヨーロッパ諸国との比較の問題でございますが、先生今お話がありましたとおり、今回私どもが提案している改正内容と比べまして違いがございます。ただ、御案内のとおりヨーロッパ諸国におきましては、例えばスウェーデンで申しますと、一九四八年に児童手当法を制定する際に、所得税における扶養控除をやめてその財源を児童手当に使うというような経過がございましたし、また、イギリス等においても同じように扶養控除をやめて児童手当の充実にその財源を用いるといったような違いがございました。 もう一つは賃金構造の違いという点で、我が国におきましては家族手当、子供に対して大多数の企業から大体月額三千円から五千円、会社によって違うと思いますが、その程度の手当が支給されている。そういうような我が国の税制の問題あるいは賃金構造の問題等々の違いがございますので、確かにヨーロッパ諸国と比べて年齢等の点で見劣る点がございますけれども、全体として、社 会構造全体の中での比較ということで、単純に児童手当の中身だけの比較というのは必ずしも適当ではない面もあるのではないかと考えております。 年齢の問題でございますけれども、今回の改正内容におきましては、三歳未満ということで支給期間を重点化したいということで御提案を申し上げておりますが、これにつきましては、三歳未満の子供たちについては親が子育てに非常に手をとられ、なかなか仕事につけないという実態もございます。それからまた、年齢的にも親の年齢が比較的若くて所得も低いというような実態がございます。そういうことに加えまして、例えば保育所の行政で御説明申し上げますと、三歳未満児と三歳以上児というところに保育単価の違いがございまして、実際の保育単価としては、未満児であれば六万数千円、三歳児になれば三万円台といったような取り扱いの違いもございます。そういうような観点につきまして中央児童福祉審議会におきましていろいろ御検討をいただいて、今回、全体として制度の改善を図るという中ででございますが、年齢については重点化をせざるを得ないという選択をいたした次第でございます。 もう一点は所得制限の問題でございますけれども、これにつきましては、限られた財源をどのような形で使うかという観点から非常に必要性の高いところに重点を置いて実施をする。現行の所得制限におきまして七割から八割程度の支給実績に相なっておりますので、今の所得制限はおおむね妥当な制限であろうと考えておりまして、今後ともこれは維持していくという考え方で取り組んでいるところでございますので、御了解を賜りたいと思います。
○近江分科員 三歳ということになりますと、児童手当というよりも乳幼児手当と名前を変えたらどうでしょうかね。 それでは納得できないわけでありまして、先ほど三点の問題について私申し上げたわけでございますが、この点につきましては今後の重要な課題として検討していただきたいと思うわけでございます。大臣、検討していただけますか。
○下条国務大臣 近江委員にお答えを申し上げます。 近江委員を初め公明党の諸先生には福祉政策全般にわたり、もちろんこの児童手当問題に関連いたしましても大変御支援また御理解を賜っておりますことに対し、この席をかりて心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。 今、児童手当の改正問題について委員からの御意見も出ました。私たちの方といたしましては、これはやはり、今高齢化が進み、そして乳幼児、出生率の低下という問題、その他人口構成が最も望ましい姿は那辺にありやという観点からいろいろと制度の見直しをしているということでございます。その一環といたしまして、健やかに産み育てるという環境はいかにあるべきか、また、いかに環境を整えるかという問題に対して真剣に取り組んでいるわけでございまして、その条件の中で重点的に制度の強化を図っていくという考えから今回の改正案を提案させていただいたわけでございます。 内容につきましては今担当の局長からお話ししたようなことでございますので、私としてはこの提案の線でできれば御理解をいただきたいということでお願いしているわけでございます。どうぞよろしくお願いいたします。
○近江分科員 大臣も努力されていることはよくわかるわけでございますが、しかし、このように改正をしてもらいたいということを私提案したわけでございますので、今後の重要な課題として取り組んでいただきたいと思うわけでございますが、いかがですか。
○下条国務大臣 御意見としては承らせていただきます。
○近江分科員 大臣は代表してお答えになっているわけでございますが、きょうは局長さんクラス、多数お見えでございますが、重点項目として私が申し上げたこの三点、しっかりとひとつ受けとめていただきまして、今後速やかに、また一歩前進できるようによく検討していただきたい、重ねて申し上げておきたいと思います。 次に、三点セットで申し上げましたが、育児休業の問題ですが、これはかねてから我が党はこのことを強く主張いたしまして、各党の皆さんの賛同も得ておるわけでございますが、政府もやっと重い腰を上げて何とか今国会へ出したいという線まで来ておるということを今聞いておるわけでございまして、非常に結構なことであると思います。現在の状況についてお伺いしたいと思います。時間の関係がありますから、簡潔にお答えください。
○藤井説明員 では、簡潔にお答えさせていただきます。 労働省では、昨年十二月、婦人少年問題審議会に育児休業制度法制化の検討を依頼いたしましたところ、三月五日に法制化を早急に図るべきであるという建議をいただいたところでございます。この建議を受けまして、ただいま法案作業を鋭意進めているところでございます。近く法案要綱を同審議会に諮りまして、御答申をいただいた後、できる限り早く法案を国会に提出させていただこうと思っております。
○近江分科員 法案の柱というのは一年間、満一歳まで認めると。それから問題は手当だと思うのですね。私ども少なくとも六割ぐらいは支給すべきだ、こう言っておるわけでございますが、その点努力してもらいたいということ、また、罰則もやはり当然入れるべきだ、こういうふうに思うのです。この点についていかがですか。
○藤井説明員 まず手当の件でございますが、先ほどの審議会からお出しいただきました建議の中では、この件につきましては、安心して育児休業が取得できるようにするためには六割相当の所得保障は必要であるという意見がある一方では、事業主にこういった支給を義務づけるべきではない、あるいはこういう手当制度を設けるとしたら社会保障制度全体との見直しが必要ではないかといったような意見、さまざまな意見、見解があった。こういった意見、見解の違いがある中では今一定の方向を定めるのは困難である、引き続き多角的かつ広範に議論を深める必要があるというような御結論をいただいているところでございまして、私どもといたしましても、さまざまな場で御議論いただければと思っている次第でございます。 また、罰則の点でございますが、これにつきましても普及率がそう高くない状況では罰則は必要ではないであろう、それにかわりまして行政機関で適切な指導勧告を行っていくべきであるという御結論をいただいておりますので、それに沿って対応させていただきたいと思っております。
○近江分科員 いずれにいたしましても、今までなかった制度を政府もそのように努力をして一歩前進を図ろうとされているわけです。この努力は非常に評価をいたします。しかし、中身の点につきまして今私が申し上げました六割程度のそれもぜひできるように努力をしていただきたい。また、しないところについてはやはり罰則も考慮すべきではないか、このように思います。これは特に申し上げておきますのでよく検討していただきたい、このように思います。 それから、三点セットの中の保育サービスについて、どういう前進が今後できるのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 保育サービスでございますが、保育需要の多様化に対応して新しい展開を図ってまいりたいと考えております。新年度におきましては、夜十時までの保育所を一定の条件を備えたところについて開けるようにいたしたいという予算をお願いしております。また、夜間、休日における保育の問題でございますが、企業から社会福祉法人が受託をしてそういう保育サービスが展開できるようにするというようなものも盛り込んでおります。今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○近江分科員 ひとつ、保育サービスにつきましては今後一層努力をしていただきたいと思います。強く要望いたしておきます。 次に、がん問題に移りたいと思いますが、私は特に科学技術委員会等におきまして対がん十カ年戦略につきまして、この強化充実を常に訴えてきたわけでございます。中心は厚生省さん、そしてまた文部省さん、科学技術庁さんと、三省が力を合わせて今日まで来られたわけでございます。時間の関係で、まず小児がんのことにつきまして私、お伺いしたいと思います。 実は私、先般、「がんとたたかう子とともに」、この本を読みまして、これを読みながらもう涙が出て仕方がなかったのですね。もう本当に家族を巻き込んだ、また、けなげながんと闘う子供たちのその姿、これを読んで胸の痛くならない人はないと私は思うのですね。ぜひ政府関係者も機会があったらこれを読んでいただきたいと思うわけでございます。 何といいましてもがんで一番大事なのはやはり早期発見だと思うのですね。早期発見いたしますとこういうような治癒率、私、皆さんからよく見えるようにしておりますが、大臣、見えますか。こういうようになるんですな。これは二枚目でございます。早期発見をしますと非常に前進するわけですな。やはり何よりも早期発見は大事だ、このように思います。時間がありませんから、これは説明は皆さん専門家でございますから、ごらんになったら一望にわかると思います。 そこで、まず小児の問題でございますが、検診につきましては神経芽細胞腫をやっておられるわけでございますけれども、これだけではなく、白血病ですね、これにつきましても早期発見できる検診体制をぜひ充実していただきたいと思うのです。それで現在厚生省が実施されておりますさまざまな検査制度に白血病、大人と同じように集団検診などできないものかどうか、これが一つです。 文部省さんにつきましては、学校保健法に基づきまして児童のがん検診等もできないのかという問題でございます。 以上の点につきましてお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 まず白血病の問題でございますが、現在、子供につきましては御案内のとおり、神経芽細胞腫検査という集団検診を行っております。これは尿をとって検査を行うものでございますが、今お尋ねの白血病については医学的に見ましてなかなか集団検診になじまないのではないかというのが今日の専門的な見解というふうに伺っております。したがって、現在、厚生省の中ではその診断、治療法の開発というような研究部門に力を入れて努力をしているところでございます。なお、小児慢性特定疾患治療研究事業というのがございまして、実際に発病した子供たちに対しては医療費の給付という事業を実施しております。 御指摘の事情はよくわかるわけでございますので、私どもも研究開発が早く進展することを願っているところでございます。
○富岡説明員 先生御案内のように、学校保健法に基づきます定期的な健康診断でございますが、がん、白血病関係についての検査は実施されてない現状にございます。 現在、がん、白血病の集団検診によります早期発見というのはなかなか難しい問題がございますし、教育活動の場で行われる診断でございますのでなかなかなじまない点があるわけでございます。現在、学校保健会というところでいろいろな健康診断のあり方を見直しておるわけでございますが、その点につきましては検討課題としてまだ上がってきていない、こういう実情にございます。
○近江分科員 早期発見をいたしますと、子供は薬への感受性が高いということから白血病は八割ほど治るというのですね。ですから、早く発見してあげるということが救う道なんですよ。ですから、これはそういう医学の非常に難しい問題もあるかもわかりませんけれども、現実に早期発見をすれば助かるのですよ。ですから、これは文部省と厚生省両省が力を合わせて、子供の白血病に対して早期発見できる方法はないのかどうか、ひとつ御検討いただきたいと思います。お答えいただけますか。
○土井政府委員 先ほども申し上げましたように、専門的、医学的な研究が一日も早く進展して、今先生がおっしゃられましたような方向に進むことが大変望ましいと私どもも考えております。 よく努力してまいりたいと思います。
○富岡説明員 御指摘の点につきましては、よく承ってまいりたいと思っております。
○近江分科員 ひとつよく両省、努力していただきたいと思います。 それから、学校教育の問題でございますが、病気が理解されないということから種々問題が起きておるわけでございます。 例えば、体育活動で休む、遠足などの課外活動で休む、薬のかげんで脱毛するというようなこと、そうするとうつらない病気なのにうつるんじゃないかとか、そういうようなことで子供が差別される、それで登校拒否になってくる、まことにかわいそうな状況になっているのです。ソーシャルワーカーなど専門家の努力もされておるわけでございますが、それでは、学校の先生自体がそういう病気のことについて御存じなのかどうか。これは白血病だけじゃなくして、例えば腎炎、ネフローゼであるとか、さまざまなそういう内部疾患の児童がおるわけでございます。そういう子供たちに対する教育指導をしっかりとして、先生自身が深く、またいたくそれを受けとめ、深い愛情を持って接していくならば、その子供はもちろん、そのクラスの子供たちに対してもいろいろな理解の輪を広めていくことができると思うのです。ですから、その点に対する教育指導、先生方に対する指導、これをひとつしっかりしてもらいたいと思うのです。今後どのように展開していただけるか、御答弁いただきたいと思います。
○富岡説明員 先生の御指摘の点は二つあろうかと思います。 一つは、子供に他の人への思いやりの心を持つことを勧めていくことが大事だと思うわけでございます。また、そういう指導を先生方が充実してやるということが大事かと思います。この点につきましては、まさに差別とか偏見を持たない、人々への思いやりを持つということの道徳教育とか特別活動を中心に指導するようになっておるわけでございますが、教師用の指導資料等でそれを作成、配付し、その研修の充実に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。 もう一つは、やはり健康あるいは病気というもの、疾病に対します正しい知識を子供それから先生方が理解することが大事だろうと思っておりますので、この点につきましては、教科の保健体育、特別活動におきます健康の保持増進、また、健康をみずから身につけていく、また、先生がそういう指導力を向上するということの充実を図ってまいりたい、こういうように思っておりまして、いろいろな研修あるいは指導資料等の作成につきまして充実を図ってまいりたいと思っております。
○近江分科員 ひとつしっかり努力していただきたいと思います。 このがん問題でございますけれども、一つは、がんの死亡数、死亡率等につきまして、国民としては非常にふえてきておる、不安が増大してきておる、そういう死亡状況についてはどうか。また、治癒率について、向上しておるのかしていないのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○寺松政府委員 まず最初に、死亡者数の動向でございますが、これは年々増加傾向にございます。これは一つには高齢化に伴う問題だと存じます。それで、現在のところ一番新しい直近の数字、平成元年の数字でございますが、二十一万人ぐらい亡くなっておりまして、全体の死亡者の中で大体二七%ぐらいに当たるわけでございます。御承知のように、五十六年から我が国の死亡順位 の一位を占めておる、こういう実態でございます。 それからもう一つ、生存率と申しますか治癒率のことをおっしゃいました。私ども、五年の治癒率あるいは三年の生存率、五年の生存率というようなものをやっているわけでございますが、実態調査の結果から申し上げたいと思います。 がんの治癒率につきましては、年々改善が見られておることは間違いございません。それにつきましてデータによりますと、五十四年の第四次の悪性新生物実態調査、それから平成元年の第五次の悪性新生物実態調査で比べてみますと、前者の方が胃がんにつきましては三年生存率が三九・五%でございました。それが四五・二%になっておりまして、向上が見られます。また、乳がんに例をとりますと、八〇・〇%から八五・八%と向上いたしております。これが悪性新生物実態調査からの結果でございますが、そのほかに私どもの国立がんセンターのデータで、五年生存率で見てみますと、昭和五十年と五十七年で比較してみますと、胃がんの治癒率は男性が四九・〇%から五九・九%、女性では四九・〇から五八・三と、それぞれ向上いたしております。もう少し全体的な全がんの状態を申し上げますと、がんセンターができました昭和三十七年ごろ、四十年ごろは全体の大体三分の一くらいでございましたが、今はそれが大体二分の一くらいになっております。それから、二〇〇〇年ぐらいの予測でございますけれども、大体三分の二くらいは生存になるのではないか、このように考えております。
○近江分科員 時間が大分切迫してきましたので、あと簡潔にいきたいと思いますが、この対がん十カ年戦略、いよいよ七年目に入ったわけでございます。それなりに三省が中心になられて非常に精力的に取り組んでおられる、それは非常に多とするわけでございます。しかし、これだけのがん、また人々の恐怖、いろいろ考えますと、これは国の総力を挙げて取り組まなければならない問題である、このように私は考えるわけでございます。そういう点、三省を中心にさらに資金の投下を初めとして、研究者を初めもう総合戦略で、まさに対がん総合戦略という大がかりな体制をしき、研究してもらわなければいけない、対策をとってもらわなければいけない、このように思うわけでございます。あと三年過ぎればまた次への十年ということになるわけでございますが、当然次の新しい十カ年戦略を目指して現在の見直し、さらに次へどう行くかという重要な問題があるわけでございます。 この十カ年戦略、七年間経過をしてまいりまして、今までの成果、また、今後の新たな課題はこういう課題が出てきておる、今後新戦略に向かってどういう取り組みをなさるか、こうした問題につきましてお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 今、対がん総合戦略、十カ年計画でございますが、これの七年目に当たっておるわけでございます。 それで、今までを大体総括してみますと、研究の成果の中で、いろいろ考え方がございますが、まず一つは、本態の解明のためのものでございます。それはがんの遺伝子、例えば胃がんの遺伝子、肝がんの遺伝子というふうな多数のがん遺伝子を見つけたということが一つございまして、それの遺伝子の構造を決定した。それからまた、これも肝がんの原因になると考えられておりますB型肝炎ウイルスあるいはC型肝炎ウイルス、この辺も遺伝子の構造決定を行いました。それからまた、ATL、成人T細胞の白血病でございますが、これの件につきましても輸血、授乳から起こるというようなことも解明いたしまして、そのような結果をもとに診断、治療というようなところに対応してまいることができるのじゃないか、こう考えております。そのほか、がんの全体的な発展段階と申しますか、そういうメカニズムというものがわかってまいりました。今までは一つの遺伝子だけが関係しておると考えておりましたけれども、それが幾つかの遺伝子が、特に遺伝子によってプロモートするものと、抑えるものと、いろいろあるというようなこともわかってまいりました。その辺を今度、診断、治療等に使って、その成果を国民に還元したい、こんなふう考えております。 それから、最近新しい問題として二、三指摘いたしておきますと、一つは、今までは胃がんとか子宮がんというのが非常に問題があったわけでございますが、それがようやく根絶に近いといいますか制圧しかけられております。それに加えまして、逆に、難治がんである肺がんとか膵臓がんあるいは肝がんというようなものがふえておるということが一つでございます。 それからもう一つは、高齢化が進むものでございますから、一つのがんは退治することができる、ところが第二、第三のがんがまたできる、しかも、それぞれが全然因果関係がないというような、多重がんと申しておりますが、そういうがんがふえてくる。これらに対します戦略を次の十カ年戦略等を考えます場合に頭に入れてやらなければならないのではないかと考えております。
○下条国務大臣 いろいろな病気があるわけでありますけれども、委員御指摘のように、がんの恐ろしさ、これはもう本当に何と言葉で言っても尽くせないほど恐ろしいものだと思います。先ほどの子供さんのがんに至っては本当に悲惨でございますし、事実、私も父は肝臓がんで亡くしておりますし、家内は乳がんの大手術をいたしました。もう本当に恐ろしさは私も人後に落ちないぐらいに感じておるわけでございます。 そんなことで、厚生省といたしましては、ただいま局長が御説明いたしましたように、がん撲滅十カ年戦略を着実に進めておりまして、一応ただいま御報告申し上げたような形で、遺伝子の面とか、あるいは検査の機械のさらに精密なものがつくれるようになったとか、かなりの進歩をしてまいったわけでございます。そんなことで、つい先日もこの関係の関係閣僚会議を開きまして、この成果をもう一回確認し合い、そして、その線上においてこの問題をさらに深めていく、研究を深めていくということを申し合わせた次第でございます。したがって、その成果についてはこれをPRし、そしてまた、今後の研究には一層の努力を払って、何とかがんの撲滅に貢献してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○近江分科員 終わります。
○古賀(誠)主査代理 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。 次に、土肥隆一君。
○土肥分科員 私は、いわゆる無店舗販売関係事犯について御質問したいと思います。 無店舗販売というのは、例えばこれは警察庁からいただいた資料によりますと、かたり商法、押しつけ商法、催眠商法、工事商法、危険商法、霊感商法、マルチ商法、キャッチセールス、内職商法、会員権商法等々、まだたくさんあるのですけれども、その中でも最も悪質と思われる霊感商法について御質問したいと思います。 最近の霊感商法のさまざまなデータが出ておりますが、例えば直近では、国民生活センターが資料を寄せてくれましたけれども、一九八六年には三千二百、八七年二千六百二十、八八年が千二百五十、九〇年まで千三百二十、千三百七十と来ております。こういう霊感商法に対する苦情は、八六年、八七年当時は非常に多かったのですけれども、後でまた警察庁の方からもお話しいただきますが、取り締まりがある程度の功を奏しましたのでしょうか、減ってまいりました。 それから、霊感商法を専門にといいましょうか、そういう被害の相談を受けております弁護士のグループがありますけれども、これも例えば八七年には二千四百四件、八八年は急激に減りまして三百五件、八九年二百一件、九〇年の四月までですけれども六十四件。一番多い八七年で九十一億七千万ほどの被害金額、八八年は十四億五千万、八九年は三億七千万、九〇年四月までで一億五百万。消費者センターも統計を出しておりますが、一九八七年が二百四十三件で二億二千万、八八年では九百八十五件で二十五億六千万、八九年 では八百九十二件、四億五千万。トータルしますと、被害者弁連それから消費者センター等々を加えますと、総額四十八億五千万の被害が報告されております。 いわゆる霊感商法が最もピークに達しましたのは一九八七年、昭和六十二年であります。そのとき警察庁は霊感商法に対する取り締まりについての指示事項というのを発せられましたが、どういうもので、どういう取り締まりをなさり、その調査の状況を教えていただきたいと思います。
○松原説明員 お答えいたします。 いわゆる霊感商法に対する取り締まりについての指示ということでございますけれども、警察庁におきましては、昭和六十二年の五月に全国警察に対しまして、違法行為については各種法令を活用して取り締まりを徹底すること、情報収集活動を強化すること、さらには関係行政機関との連携を密にすること、こういった内容についての指示をいたしておるところでございます。 次に、当時における取り締まりの状況ということでございますけれども、昭和六十二年中、詐欺罪、恐喝罪及び訪問販売法の違反ということで五事件を検挙いたしておりまして、被疑者六名を逮捕している、こういう状況でございます。
○土肥分科員 今、数こそ少なくなりましたけれども、全体的に減ってはいるのですけれども、手を変え品を変え、特に霊感商法と呼ばれる分野での被害者は後を絶たないわけでありますが、警察庁の今後の方針をお聞かせください。
○松原説明員 警察といたしましては、霊感商法といいますのは、人の不安を駆り立てましてその弱みにつけ込む、そういう意味で非常に悪質なものであるというふうに認識をいたしておるところでございまして、消費者保護あるいは弱者保護の観点から、被害の未然防止、拡大防止に取り組んでおるところでございます。 確かに、苦情等は先生御指摘のように減少傾向にございますけれども、一方では、これは手口が悪質巧妙化しているというふうにも見られるわけでございまして、そういった観点から、この種商法に伴います違法行為につきましては、脅迫罪、恐喝罪、詐欺罪あるいは訪問販売法など各種法令を多角的に適用いたしまして厳正な取り締まりを行うとともに、関係の行政機関などと緊密な連絡をとりながら、その実態についての広報を進めるなどいたしまして、被害の未然防止、拡大防止に鋭意取り組んでいくことといたしておるところでございます。 以上です。
○土肥分科員 私は、今、手元に霊感商法の裁判を起こしました三十五歳の女性の陳述書というのを持っております。裁判中でございますので、内容あるいは名前等は申し上げませんけれども、彼女が三カ月にわたって霊感商法にひっかかって、大変な苦しみを経た後に裁判へ持っていく決心をしたその陳述書は、日を追って詳細に書かれているわけであります。これは全部紹介しますと時間がすぐ飛んでしまいますので、導入部分だけをちょっと申し上げます。 八月三日、夕方六時半ごろでありますが、ある駅で買い物をしておりますと、ある女性が声をかけます。通りすがりの者だが、おでこに何か先祖のような人が出ていると言うわけです。そして、何だろうと思って顔を向けますと、あなたは迷っていないか、あなたは今岐路に立たされている、右に行こうか左に行こうか迷っていますね、姓名判断をしてあげましょう、こう言うわけです。 ややしますともう一人女性があらわれまして、そして近寄ってきて、偶然そこで会ったような口ぶりで話をして、一緒に喫茶店に入ります。姓名判断を始めるわけでありまして、こう言います。色情因縁が出ている、年老いてからの運勢が非常に悪い、夫との間も凶と出ている、このままでは子供は授からないと言われる。実はこの彼女はお子さんがいないわけです。それを言ってしまっているわけですね。本人は、子供がいなくても今でも十分幸せだと思っていると言うと、幸せというのはそんなものじゃないよというふうに言いまして、そして、あらゆる難をあなたは避けなければならない、運勢を変えなければならない。 そして、そこで念珠というものを出します。要するに数珠みたいなものですね。夫と相談したいからと言うと、今が大事、このときが運命のとき、こう言いまして、とうとう夜の十時半まで、つまり四時間粘られて、四十万円の念珠の契約をするわけです。そして内金としてそのうちの五千円を払いまして、あす残金を支払う約束をする。この霊感商法は、一度会うと必ず次に会うのを約束するわけですね。それで四十万円の念珠を買いました。 それからずっと次の約束、次の約束と、そのグループの人たちと会う約束を取りつけられますので、会いに行くわけです。まずは、例えば駅頭の売店なんかの前で会って、それからいろいろなものを売っていくわけです。ずっとビデオセンターだとか印鑑だとか、このグループの特徴が出てまいりますが、次には家系図を出しなさい、こう言うわけです。そうすると、彼女は実家に電話をいたしまして、自分の家の家系図、特に死亡した人の場合はその病名なんかを書かせるわけです。そうすると、その家系図を見る偉い先生がやってきまして、専門の先生、二十の後半ぐらいというのですけれども、この家系図を見ますと、長男が立っていない、つまり、長男がいつも不幸な目に遭っているというわけです。どうもこれは長男を大切にするような思想を持っておるようであります。 嫁しゅうとめの間で苦労をする、あなたは今先祖の歴史を洗い流すことが必要である、先祖は成仏できなくて苦しみ悲しんでいる。そして、ついに仏像を買うように言うわけです。これが何と百五十万円です。そして仏像を買わされまして、またいろいろな働きかけがありまして、それはもう金策に走り回るわけでありますけれども、実家に帰って定期預金を解約したりいたしまして、お金をつくるわけです。そのお金を差し出しますと、それをお盆に乗せて、このお金を清めてあげる、浄財する、こう言うわけです。いかにも神といいましょうか、何か高いところにささげたような雰囲気を出すわけであります。 やがて、今度は高麗ニンジンエキスが出されるわけです。私はここに持ってきておりますが、この中に高麗ニンジンエキスが入っておるわけであります。一和高麗人参濃縮液という、これは韓国製であります。日本に輸入している代理店もまたあるわけです。――許可を得ていいですか。
○古賀(誠)主査代理 どうぞ、結構です。
○土肥分科員 これは一本六万円いたします。最初、三十六本買えと言うのです。それはもうむちゃだというので、十二本買うわけです。七十二万円です。そして、この高麗ニンジンエキスを売るときには、これは非常に血液をきれいにする、病にもかち、がんにもならない、便秘症も治り――自分は便秘症があると本人が言ったものですから、何にでも効く。彼女には子供がいないものですから、子供も授かる、こういうふうに言うわけでして、そして本人の感想ですが、またもや大金を動かさなければならないと身が切り裂ける思いだった、こう言っております。そして七十二万円を払いましたときには、もうほとんど金銭感覚が麻痺してきた、そして、深く考えるのはやめた、もうどうにでもなれとあきらめた、このように述べております。こういうセールスというのがまかり通っているわけであります。 こういうセールスというのは、一見だれにでもあるような弱みあるいは相手の身の上あるいは家族調書、つまり家系図というようなものですね。そこには病気で死んだ人がいたり、彼女の兄さんも亡くなっていたり、夫の兄さんも亡くなっている。長男が立たないのは、家系としては非常に瑕疵がある家系というふうに言うわけですね。それで全部取り囲まれてしまう。こういう商法が行われておるわけでありまして、幸いにも彼女は三カ月後にある人が、この団体はこうこうの団体ではないかということを言われて、はっと気がついて我に返るわけであります。その後裁判をしており ます。 しかし、この手口を見ておりますと、これはなかなか取り締まりの難しいものだというふうに感じるわけであります。こういう手口というのは、私たちは日常的に姓名判断やあるいは先祖とか病気とかというものを持っている。そういうさまざまな悩みや関心を持っているところに巧みに取り入って、実際は商品を売っていく、しかも法外な値段で商品を売るということになるわけであります。彼女が買いましたすべての商品の総額は二百六十九万円であります。こういうふうな形で、恐らくたくさんの苦情が、そしてまた泣き寝入りしている人たちがいるんではないか、こういう商法を何とか取り締まる方法はないのかと思うわけであります。 まず通産省の方にお聞きしたいのでありますが、通産省に訪問販売法というのがございますね。その訪販法の視点から見まして、最初に言いました駅頭で声をかけまして誘って、それから物売りに入るという過程を見ますときに、これはどういうふうになるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○大野説明員 先生御指摘のケースは、営業所以外の場所で呼びとめまして、営業所あるいは喫茶店に同行させまして、そこで売買契約をするという場合であろうかと思いますが、これはいわゆるキャッチセールスと呼ばれる販売形態と考えられまして、訪販法の第二条第一項第二号に規定します訪問販売に該当いたします。また、喫茶店等で売買契約する場合には、訪問販売法第二条第一項第一号に規定する訪問販売に該当いたします。 かつ、商品について申し上げますと、念珠、仏像等につきましては訪問販売法上の指定商品に該当しますので、訪問販売法の規制対象となると思われます。ただし、高麗ニンジンエキスにつきましては、薬事法の規制の対象となる医薬品に該当する場合を除いては訪問販売法の指定商品に該当しますので、その場合には、先ほどの念珠、仏像等の場合と同様の方法で販売しているのであれば、訪問販売法上の規制対象となると考えられます。
○土肥分科員 訪問販売法の規制等の対象にはなるわけですけれども、そこはまた巧みにかいくぐっているように私には映るわけであります。結局、何だかんだと言いながら四時間近く彼女を引きとめまして、帰るに帰れなくなって、もう身動きがとれない状態になってしまったと陳述しておられるわけです。こういうことは、例えば物理的に引きとめたのではないのですけれども、いわば心理的に捕捉されているわけですね。そういう状況は訪販法ではどういうふうに考えるのでしょうか。
○大野説明員 訪問販売法と申しますのは、政令によって指定された商品を対象としまして、訪問販売について主として勧誘の際の必要最低限のルールを定めた法律でございます。訪問販売法の具体的内容としましては、契約の申し込み、あるいは契約を締結する場合におきます業者による契約書面の交付の義務づけ、あるいは業者による不実の告知、威迫等の禁止またはクーリングオフの適用等の規定がございます。 先生がおっしゃられました件につきましては、このうちの威迫困惑行為の禁止に該当すると思われますが、販売業者の行為がこうした威迫困惑行為に具体的に該当するか否かにつきましては、基本的には行為が行われました状況などを総合的に考慮しまして、個別に判断することになると思います。 いわゆる霊感商法の場合でございましても、契約締結等の目的で、契約に関する重要な事項につきまして、客観的に見まして明らかに事実と異なることを告げた場合には不実告知に該当するわけでございますが、威迫困惑につきましては、契約締結の目的で威圧的に立ちはだかる等により長時間拘束したりした場合には、威迫困惑に該当する可能性があるというふうに考えております。
○土肥分科員 どうもわかりにくいわけでありまして、例えば最初から物を売るというふうな意図は全く見せないわけですから、何をするのだろうと思ったら最後には物が出てくるという販売法ですね。ですから、これは、そういう販売法が許されるのかどうかということも見解が分かれるところでしょう。 それから威迫困惑につきましても、例えばその屈強の男が、おまえこの部屋から一歩も出られないんだぞと言うのも威迫困惑でしょうけれども、もう心理的に出られない状況に追い込められるということも、また本当の意味での、ある意味での威迫困惑であるということはもう間違いない。したがいまして、どうでしょうか、こういう問題は、結局は裁判か何かで争う以外には今の通産省としては回答を明確にすることはできない、こういうふうに理解してよろしゅうございますでしょうか。
○大野説明員 私どもとしましては、訪問販売法の厳正な運用に努めてまいる所存でございまして、先生御指摘のような事実があり、また、そういった事実が訪問販売法に抵触することであれば、当方としても行政処分を考えてまいりたいと思います。
○土肥分科員 それでは、取引の中身については非常に微妙なところであるということを確認したわけであります。 さて、厚生省にお聞きいたしたいと思いますけれども、この高麗ニンジンエキスというのは中に何が入っているのかよくわからないのですけれども、これを厚生省的なあるいは薬務課的な視点から見れば、本品は口に入れるものですね。口に入れるものですから、薬品か食品かしかないわけでありますけれども、高麗ニンジンエキスというのは厚生省の見解では薬品なんでしょうか、それとも食品なんでしょうか。あるいはそれを区別する概念を教えていただきたいと思います。
○川崎政府委員 高麗ニンジン自体は古くから医薬品として用いられた実績がございます。また一方、食品として使用されている実績もございます。したがって、使用目的等によりまして、医薬品に該当する場合と食品に該当する場合がございますが、医薬品に該当するか否かは、その物の成分本質、形状、効能効果、用法用量等総合的に判断しまして、その物が一般消費者に医薬品としての認識を与えるか否かによって判断することといたしているわけでございます。 当該濃縮液につきましては、成分本質及び形状のみからは直ちに医薬品とは判断できませんが、医薬品的な効能効果を標榜した場合には医薬品に該当するというふうに考えます。
○土肥分科員 形状とおっしゃいましたけれども、厚生省が形状というときにはどういうふうな形状を薬品とおっしゃるのでしょうか。
○川崎政府委員 カプセルとか錠剤でございます。
○土肥分科員 そうすると、液体というのは形状としては薬品ではない、こういうふうに理解していいでしょうか。
○川崎政府委員 必ずしも医薬品と考えられる形状ではございません。
○土肥分科員 そこが私も判断の分かれるところですが、食品と薬品にまたがるところで液状のもの、濃縮液というようなものは食品にもあり、また薬品にもあるということでございますから、形状だけでは判断できないだろう。カプセル、錠剤というふうにだけおっしゃっても、ちょっと不満が残るわけであります。 そのほかに、販売方法、販売の際の演述等を総合的に判断して、薬品とそうでないものを分けるというふうに厚生省の資料に書いてありますが、この女性の陳述書を読みますと明らかに、この人は赤ちゃんがないのですけれども、不妊も治る、便秘だと言ったら便秘も治る、ちょっと顔に吹き出物ができたら、それはやはりあなたがこの高麗ニンジンエキスを飲まないからですよというふうに言う。こういうふうな効能効用をはっきりと口で言っているわけです。だけれども、これを立証することができないということがありまして、薬品かのごとくこのニンジンエキスを売りさばいているという実態があるわけです。こういう販売の 際の演述というのは、効能効用が説明されているわけでありますけれども、これは明らかに文書か何かに、あるいは効能書きか何かに書かれたものでない限りは、そういう口頭によるものは販売の際の演述の対象にはならないのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○川崎政府委員 口頭でございましても、効能効果を標榜した場合には医薬品に該当いたします。
○土肥分科員 そうしますと、これも結局は裁判に係りますので、裁判で争うことになるかとも思いますけれども、効能効果を明らかにうたっているわけです。しかし、恐らく相手側はそういうことは言っていない、断定的には言っていない、こういうふうに言うかと思います。私は、今回の質問におきまして、こういう口に入れるものが何かわからない、一応高麗ニンジン濃縮液となっておりますけれども、その中身が不明にもかかわらず、従来高麗ニンジン茶というものに対する日本人の薬品あるいは食品としての意識を利用して、効能効果をすべてにわたって言う、何でも効くと言う、こういう販売が行われているわけであります。 私は、こういう実態を見まして、訪問販売法あるいは刑事事件としても、あるいは厚生省としても、もう少しきめ細かな指導ができるように、特にニンジンエキスに関しては、例えばもう薬品として取り上げてしまう、つまり、食品ではなくて薬品の部類に入れるというようなことは不可能なのでしょうか、お答えください。
○川崎政府委員 先ほども医薬品であるかないかの判断の基準を申し上げましたように、この高麗ニンジンにつきまして、特別にこれを医薬品としてしまうということも、実情に合わないのじゃないかというふうに思います。
○土肥分科員 大臣にお聞きいたします。 大臣は厚生大臣でいらっしゃいますから、薬務行政の方だけの管轄でありましょうけれども、今申し上げましたようなこの霊感商法と呼ばれているものの実態、そして、こうした口に入れるものがいわば自由にといいましょうか、勝手に販売されている状況があるわけでございます。霊感商法等について今私が説明いたしましたが、大臣の御感想をお聞きしたいと思います。
○下条国務大臣 お答えいたします。 販売方法の問題と販売に使われた品物、この二つの問題があると思います。販売方法につきましては、先ほど通産省の方からお話がありましたように、その販売方法が公正でなければならないという見地から訪問販売の取り締まりの法律がありますので、それに照らしてそれぞれの事件について判断が行われるべきである、こう思います。 それから、その物件、品物について、これをどう扱うべきかということにつきましては、ただいま薬務局長からお話しいたしましたように、従来医薬品として処理されている場合とそうでない場合がございますので、これもやはりケース・バイ・ケース、具体的な品物についての判断によるもの、このように考えております。
○土肥分科員 終わります。
○古賀(誠)主査代理 これにて土肥隆一君の質疑は終了いたしました。 次に、山原健二郎君。 〔古賀(誠)主査代理退席、主査着席〕
○山原分科員 私は、国立病院・療養所の統廃合問題につきまして、特に私の出身県であります高知県の場合を例に挙げまして質問いたしたいと思います。 ちょうど五年前に、厚生省は国立医療機関再編成・合理化の全体計画を発表しまして、その中で再編成後の国立病院・療養所の機能及び配置の原則を示しております。それによりますと、総合診療施設は各都道府県に一ないし二カ所、結核、重心など特定疾患を対象とした専門医療施設も、同様に各都道府県に一ないし二カ所という配置原則が示されております。 ところが、統廃合後の高知県では総合診療施設に該当する新病院が一カ所残るだけで、一、二カ所配置されるべき専門医療施設、療養所は廃止されます。この配置原則を厚生省みずからが踏みにじることではないかと思いまして、私は断じて容認できないという気持ちでございますが、この点について最初にお伺いをいたします。
○田中(健)政府委員 ただいま国立病院・療養所の再編成の問題につきましてお尋ねがございましたが、私どもは再編成に当たりまして、六十年三月に「国立病院・療養所の再編成・合理化の基本指針」というのを厚生省としてつくりました。それで、その選定基準によりまして、統合すべき施設は統合する、それから移譲対象にふさわしい施設は移譲対象にするというふうに選定をいたしました。それで、そういう基準で選定した後、存続するという施設につきまして、五つの類型に機能を分けまして類型化をいたしまして、それを充実強化を図っていくというふうな整理をしたものでございます。 先ほど先生がお話しになりましたように、特定の疾患等について全国の中心機関となるナショナルセンター、これは全国に一カ所でございます。それから二番目に、特定疾患につきまして地方ブロックの中心となる基幹施設、例えば地方がんセンターのようなものでございます。それから三番目に、高度の総合診療機能にあわせ、高度の臨床研究あるいは教育研修などの中心機関となる高度総合診療施設、これはブロックごとに一カ所。それから、今先生お話しになりました、広域を対象とした救急医療あるいは母子医療などの医療にあわせまして、地域の教育研修、それから病院の開放、高度医療機器の共同利用などを実施、普及する総合診療施設、これが原則として各都道府県に一、二カ所。それから最後に、専門医療機関としてこれを残すということでございます。最初に選定基準によりまして統廃合をやりまして、存続する施設につきまして類型を分けていったということでございます。
○山原分科員 ちょっと聞いてください。こんなばかな話ないですよ。一つの県がこんな状態に置かれることはもう断じて許せません。 その他の施設の配置原則と高知県への配置計画がどうなっておるかと見てみますと、ナショナルセンター、これは、がん、循環器などの対象疾患ごとに全国一カ所ですが、もちろん高知県ではありません。それから基幹施設、地方がんセンター、循環器病センター等は全国ブロックごと一カ所で、その他特定疾患基幹施設は、特定疾患ごとに全国ブロックごとに一カ所。これは高知県はゼロです。ちなみに、四国の他の三県にはそれぞれ二カ所存在しております。それから高度総合診療施設、これは全国ブロックごとに一カ所。これは四国ではゼロですが、高知県はもちろんありません。さっき言いましたように総合診療施設、各都道府県ごとに一、二カ所。これは高知県は一カ所だけですね。それから専門医療施設、各都道府県に一、二カ所。これが統廃合によって高知県はゼロです。 この配置原則からいいますと、本来なら高知県に三カ所程度の国立医療機関が配置されてもおかしくはないと私は思っているわけですが、少なくとも現在ある国立療養所・国立病院を残しまして、その機能充実を図ることが厚生省の果たすべき最低限の責務ではありませんか。いかがですか。
○田中(健)政府委員 今お話がございましたが、国立病院・療養所の沿革から申しますと、戦前の陸海軍病院、それから傷痍軍人の療養所を戦後引き継いだわけでございます。そういうことで、各病院・療養所の存在も、全国的に均てんがとれているという状況ではございませんで、県によりましては病院・療養所がない県もあるわけでございます。そういう経緯がありますし、それから先ほど御説明申し上げましたように、この統廃合は、既存の施設の中で最初に統合または移譲対象にする施設を選定いたしまして、その残った施設についての機能づけでございます。そういうことが根底にあるわけでございます。 それで、この国立高知病院と国立療養所東高知病院の統合でございますけれども、この国立病 院・療養所の再編成の問題は、基本的な思想といたしまして、国の医療機関としてふさわしい広域を対象にした高度または専門医療を担えるように、その機能の質的な充実を図っていくということのために推進をするものでございまして、そういう考え方から、国立の高知病院と東高知病院につきましては、非常に近接をした施設である、二十三キロということでございまして、これは統合した方が今申し上げましたような機能の充実が図れるということでございます。 東高知病院につきましては、病床が二百三十床、それから高知病院の方が二百十床でございます。特に東高知病院の方につきましては、この施設に今後予算なり人員をつぎ込んで充実させるということは、私どもとしては不可能でございます。そういうことで、国として担うべき医療の機能を持たせるために、国立の高知病院と東高知病院の統合を図るということになったわけでございます。
○山原分科員 いろいろおっしゃるけれども、実に勝手な論理ですね。大臣もお聞きいただきたいと思います。 全国で一つの県がこれほど惨めな思いをしているところはないと私は思うのですよ。例えば、今でも国立医療施設数で全国最低ですよ。病床数は人口比でみましても全国最低のレベル。中国、四国、九州の中では最低です。統廃合が実施されますと、療養所がなくなって国立病院が一つになるのは全国で高知県だけですよ。こんなことが許せるはずないですよ。幾ら病院が近くにあるといったって、今の交通事情からいえば近いとか遠いとか、そんな問題じゃないと思いますね。 それからもう一つ申し上げたいのですが、高齢者医療部門を見ましても、高知県は全国で一、二を争う老人県です。六十五歳以上の人口比率は、島根県に次いで第二位です。ところが、平均余命を全国比較で見ますと、女性は十四位ですが、男性は全国で四十五位と最低レベルですね。それから、一般病院外来患者数、入院患者数とも人口比では全国一位です。平均在院日数も全国一位です。これが実態なんですよ。 つまり、高齢県だけれども長寿県ではありません。お年寄りが健康で安心した生活を送れるよう、この現実を急いで改善することが求められておりますが、その点で量、質ともに高知県医療の、とりわけ高齢者医療体制の充実のため国がバックアップするのが当たり前じゃないですか。どうですか。
○田中(健)政府委員 先ほどから申しておりますように、国立病院・療養所は、国立としてふさわしい広域の医療を対象とした高度専門医療機関にするということでございまして、高知病院につきましては、高知病院の機能を充実させまして、広く高知県全域を広域的に診療圏とする高度な医療機関にしようという考えでございます。母子・小児に関する総合医療あるいは救急医療、腎の総合医療、それから重症心身障害児、結核患者等に対する医療、これは現在東高知病院でやっておりますものでございますけれども、この辺の機能もあわせ行う。さらに、看護婦さんなどの医療従事者の養成、あるいは研修施設を設置することを予定しておりまして、この結果、私どもは高知県下の総合的な医療の充実に資していくものと考えております。 それから、高齢者医療のお話でございました。確かに島根県に次いで六十五歳以上の人口が高知県は多いということも承知をしております。私どもは、この東高知病院が現在実施をしております高齢者に患者の多い脳血管障害の方あるいは結核の方々の医療につきましても、この統合後の新しい病院におきまして、これを引き継いでいくというふうに今考えておるところでございます。
○山原分科員 高知県の有病率を傷病別に見ますと、循環器系疾患が全国第一位です。高血圧、脳・心臓・血管障害が多いことが推測されるわけです。 ところが、厚生省が計画している高知県の国立病院・療養所統廃合の構想では、現在、池の療養所に置かれている主として高齢者の脳卒中リハビリの病床がなくなっている。医学的リハビリ部門というのは入っておりますけれども、池の療養所と県民に親しまれてきたところ、これは東病院のことですけれども、この池の療養所でやられているような老人の脳卒中リハビリ病床は見当たりません。この池の療養所で行われているリハビリ医療に対応するベッド数は何床になりますか。基本計画のどこにありますか。一般の中に含むというのでは納得できないわけでありますが、いかがでしょうか。簡単に答えてください。
○田中(健)政府委員 現在、高知病院が二百十床ございます。それから、東高知病院が二百三十床の病床で運営しております。これが統合いたしまして、この病床を合わせまして四百四十床で整備する計画でございます。 お尋ねの老人に対するリハビリ病棟につきましては、私どもといたしましては外科系、内科系の病棟の中で総合的に対応していく予定にしております。それから、リハビリ患者のための機能訓練室あるいは屋外の機能訓練場につきましては、これを整備を図っていくという計画をしております。
○山原分科員 医学的リハビリ部門を設けるわけですけれども、これは池にあります療養所の老人も対象とした脳卒中リハビリと同様のリハビリ医療を保障するものですか、これが一つ。 それからもう一つは、基本計画では、新病院のベッド数は、両施設が現在運用している病床数と同じ四百四十床となっており、同じベッド数で従来の機能に新たに母子・小児医療、腎医療などの機能を加えることになっています。このことはもちろんいいことですよ。そうすると、どうしても従来の機能を削減、縮小せざるを得なくなるわけですね。しかも、結核病床、重心病床が現在と変わらないことになっておりますので、結局その縮小部門というのは高齢者を対象とした脳卒中リハビリ以外には考えられないのですが、この点はいかがですか。
○田中(健)政府委員 先ほどから申しておりますように、国立病院の機能を、国としてふさわしい機能分担をするということで整理をいたしておるわけでございまして、脳卒中のリハビリ病棟につきましては、外科系、内科系の病棟で総合的に対応していくということで、高度の総合診療機能を保持させるためにこういう結果になったわけでございます。
○山原分科員 どうも納得できませんね。母子・小児医療や腎医療の機能を充実することは結構なことですけれども、それは統廃合でなくて、両病院の機能充実で対応するのが筋なんです。あの広大なところをつぶして、狭い自動車の錯綜するところへ押し込んで、何の機能の充実になりますか。口先だけで言ったってだめですよ。病床数もふえないどころか、減ることも予想される状態でしょう。 それからさらに、時間がありませんから飛び飛びで申し上げますけれども、本当にこれほど一つの県を無視したやり方はないですよ。私はそういう意味で、厚生省といたしまして本当にこれは考えていただかなければ納得できません。 会計制度上の問題をちょっと聞きたいのですが、国立病院と国立療養所は一般会計から区分された特別会計方式で運営されております。その特別会計は病院勘定と療養所勘定に分けられておりますが、統廃合でつくられる新病院の会計はどちらでしょうか。
○田中(健)政府委員 病院勘定になります。
○山原分科員 病院勘定、療養所勘定それぞれに対する一般会計からの繰入額の割合は、九一年度予算で申し上げますと、病院勘定二一・四%、療養所勘定二八・一%、こうなっておりまして、一般会計からの繰り入れ割合は療養所勘定の方が高くなっています。それは当然で、療養所は不採算部門をより多く担っているからでございます。 ところで、国立療養所東高知病院と国立高知病院の会計上の収支率はそれぞれどういう状況にあるか、一番新しい資料でお答えいただきたい。
○田中(健)政府委員 平成元年度におきます国立高知病院の収支率は八九・四%、それから東高知病院は七六・二%でございます。
○山原分科員 新病院で現在の高知市朝倉の国立病院並みの収支率とするためには、年間約二億円の増収を図るか、支出の削減をしなければならない結果になると思います。二億円程度ですね。 結局、療養所が担っていた不採算部門などが合理化、縮小の対象となるのではないか、こういう心配が起こるのは当然のことでございます。もともと「国立病院・療養所の再編成に関する基本指針」を見ますと、統廃合が「国家財政の長期にわたる窮迫等を考えると、」というふうに出ておりまして、これはもう住民が心配するのが当然でございまして、会計制度上も不採算部門が縮小、合理化されざるを得ない状態になるのではないか。これは心配するのが当然だと思いますが、そういうことにはなりませんか。
○田中(健)政府委員 先ほどから申しておりますように、国立病院・療養所の機能という点で、民間の医療機関あるいは地方自治体の医療機関等が相当進んでまいりまして、日本全体といたしまして、その施設につきましては世界に遜色のないところまで来ておるということでございます。 先ほどからお話をしておりますように、昭和二十年代、全国の病院状態も非常に疲弊をしておりまして、その当時は国立病院・療養所が全国の病院のベッドの三〇%を占めておったわけでございますが、それが現時点では民間等が進展をいたしまして、およそ五%という状況になっております。そういう状況も踏まえまして、果たして国がどういう医療機能を今後背負っていくかという点を考えまして、この再編成計画を考えてきたわけでございます。
○山原分科員 そういうお考えならばどこだってやれるわけですよ、そんなことを言うならば。何で高知県だけねらってやらなければならないのですか。 しかも、統廃合については見切り発車はしませんというのが今までの厚生大臣の国会における答弁でございます。だけれども、この見切り発車はしないということ、とりわけ患者は国との医療契約を結んでいる当事者でございます。それで、患者の意思を無視し、強制的に転院あるいは退院させることは入院契約の一方的変更であり、できることではないと思っておりますが、この統廃合についてむちゃくちゃでもやるつもりであるのかどうか。見切り発車はしないと言ってきた今までの厚生大臣の言葉を私たちは信頼しておるわけでございますが、そういうすべての手だてを講じて慎重な態度をとられるかどうか、この点を伺っておきたいのです。
○田中(健)政府委員 統廃合を進めるに当たりましては、地元の自治体等関係者のコンセンサスを得てやるということになっておりまして、私どもといたしましてはそういう努力を続けておるわけでございます。 現在、高知県につきましては、この統合計画につきまして御同意をいただいておりますが、高知市につきましては、まだ最終的に賛同が得られておりませんということで、私どもは今後とも高知市当局の御理解を得られるように努力を続けてまいりたいと思いますが、国会でも歴代厚生大臣がお約束をいたしましたように、実施段階におきまして大方のコンセンサスが得られてない、御理解が得られてないような状況にありますと、やはりこれは実際の実施はできないということになろうかと思います。私どもはそういうことにならないように、地元の賛同を得られますように今後とも努力を続けていきたい、こういうふうに考えております。
○山原分科員 大臣、状況おわかりかどうかわかりませんが、声を大きくして申しわけないのですけれども、私の県から吉田茂という総理大臣が出ておったわけですけれども、こんなことを聞いたら、これは承知せぬですよ。県の出身の国会議員だって本当に承知できない。県の方はどういうお考えか知りません。県の悪口を言うわけにはいかぬけれども、こんなばかな話はないです。 それから、今審議官がおっしゃったように、国は高度医療を強調されますね。ハイテク医療を駆使する。それは大変立派なことなんです。しかし、患者にとりましては、池の療養所というのは広々とした場所、したたる緑、そしてきれいな空気のあるところでございまして、そういう意味で、すぐれた環境の中で安心してともかく療養をしておったわけですね。こういう医療もある意味では高度医療ではないかと私は思うのですよ。 地元の高知県の新聞に出ましたが、東病院には重度の心身障害児の施設もあります。教育施設もある。御承知のとおりですね。これはことしの一月末でありますが、そこの子供が「私たちを助けて下さい」という投書をしているのです。 私たちは国立療養所つくし病棟で生活しています。私たちは寝たきりで、食事から用便まで、寝返りさえ人の手を借りなければなりません。それでも環境の良い療養所で友達百二十人と訓練に、学習にと懸命に頑張っています。 私は、首だけが自由に動かせるので、電動の車いすをアゴで操作できるよう改造して、その車いすに乗せてもらい五年間猛練習をして、やっと一人で車いすを操作して散歩に出掛けられるようになりました。四季折々に変化する自然の中を散歩するのが何よりの楽しみで、生きがいになっています。 それが突然、池の療養所を廃止して朝倉の国立病院に統合される計画案が新聞に発表されました。朝倉に移れば、車の騒音、排気ガスに苦しめられ、狭い敷地に詰め込まれます。ぜん息に苦しむ友達、大きな音でケイレンを引き起こす友達、部屋に閉じ込められると自分や友達を傷つけてしまう友達、排気ガスなどで呼吸がおかしくなる友達、自然の中で散歩もできない、など考えると、心配と不安と悲しみで今病床に伏しています。 これはもっと長い手紙ですが、これが新聞に載りまして物すごい新聞に対する反響、それから、これに対する激励が全県下から寄せられているという記事を私持ってきたのです。また、それに対して婦人たちの手紙も新聞に載っておりますが、これを読み上げるだけでおきたいと思いますけれども、一方は審議官御承知のように広大な本当にすばらしいところですね。一方はあの狭いところ。今病院のあるところへ継ぎ足したり何かしてするわけですけれども、ここはもう交通の要衝といいますか、自動車が本当に錯綜するところなんですね。 それを考えると、この気持ちがわからぬはずがない。これがわかるのが厚生行政ではないかというふうに私は思いまして、きょうは短い時間ですけれども、本当に怒りを込めて、こんなばかなことはやめてくれという気持ちでこの質問台に立っておりますが、最後に厚生大臣の御見解をぜひ伺いたいのです。よろしくお願いいたします。
○下条国務大臣 お答えいたします。 病院の性格あるいは患者さんのお立場からのこれを見た見解、これはいろいろに分かれると思いますけれども、厚生省といたしましては、先ほど来審議官から御説明いたしましたように、閣議決定もいたしまして、全国の国立病院・療養所の統廃合を機能的にいたしたいということで計画を進めているわけでございます。その一環にただいまのお話の病院が、また東療養所が入ってくるわけでございますが、私たちといたしましては、この基本方針は基本方針として進めていきたいと考えておるわけでございます。 ただ、今後実際にその統廃合の時期が参り、必要な措置を講じなければならないときが参りましたならば、今先生がるる御説明なさいましたように、中におられます患者さんに少しも心配のないように十分趣旨を御説明申し上げ、そしてまた、それぞれ移られても御心配のない治療が続いて行われるように万全の措置を講じてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○山原分科員 終わります。
○粟屋主査 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 私は、大臣に、高齢化時代を迎えまして、いずれ大臣も入れ歯になると思いますけれども、いわゆる総義歯の不採算あるいは歯科材料の保険導入について、私は亡くなられた園田厚生大臣以来ずっと十年間この問題を、十年以上になりますけれども、毎年この問題は、あるときは社労委員会でも指摘をしてまいりました。そういう意味で、きょうは非常に時間が限られておりますので、恐縮でございますが、どうか御答弁は要点を簡潔にお願いをいたしたいと思います。 昨年の予算委員会で、大臣は御存じないかもしれませんけれども、津島前大臣のときにこの問題、提起いたしました。これは、通称我々赤本と言っておりますけれども、これは日本補綴歯科学会医療問題検討委員会、これは日歯の中にある専門学会の中の補綴学会、いわゆる入れ歯をつくったり鋳造冠といってクラウンをはめたりする問題を検討する学会でございますけれども、その日本補綴歯科学会が、今のこっちは、厚生省の青本です、これによって、点数表によって臨床医は歯科の治療費を請求してくるわけです。この青本によって臨床の先生が総義歯のいわゆる請求をする。総義歯については、非常に今の保険点数では採算に合わなくて、総義歯をつくるのがうまいと言われることが非常に心苦しいというかむしろ余り、積極的につくるということに心が痛んでいるわけであります。 では、なぜなのかということをずっと私はこの問題、十年以上やってまいりましたけれども、幸い補綴学会の先生方と話し合っている中で、先生方が一つ一つの診療行為についてこれを一体保険でどのように評価すべきであるか、この診療行為には何分間の時間がかかって、あるいは歯科衛生士の方、歯科材料がどういうふうにかかわり合ってくるか等々を含めて、いわゆるタイムスタディーという形で、この総義歯あるいは鋳造冠等の診療行為にどの程度の保険点数で評価しなければならないかということをきちっと結論を出されました。これは、学術的にその大学の講座と、それから歯科医師になられて十年末満の先生と、臨床医として十年以上の経験豊かな先生と、三つの関係する方々にこのいろいろなケースをステップごとにやっていただいて、それでこれはこのぐらいが評価が適正であるというのをまとめたのがこの赤本なのです。これを私、前大臣に、厚生省として検討してほしい。「診療並びに技工行為に関するアンケート調査」というのがこれでございますが、大臣、保険局長、薬務局長に渡してあります。このいわゆる通称赤本でございますが、これを検討していただきたい。本当にまじめな臨床の先生や専門の先生方がまとめたこの結果というものを大切にしていただきたいとお願いをしておきましたけれども、厚生省は、いわゆる先生方のこのアンケート調査についてどういう評価を下されているか、最初にお伺いをします。
○黒木政府委員 私も手元にいわゆる赤本を持っておりますけれども、これは、前回診療報酬改定があった直後の四月に前大臣に会長から渡されたというふうに承っております。 現在私どもは、次回の診療報酬改定の重要な一つの材料として検討いたしておるわけでありますけれども、その評価ということでございます。まだ何しろ分析、検討中でございますけれども、この種の詳細な調査という意味では本邦初めてのものでございまして、私どもは非常に重要な報告書であるというふうに認識をいたしております。
○薮仲分科員 これは、補綴学会の名誉のために申し上げておきますと、今学会長は、大臣御承知の東京医科歯科の田端教授でございます。前会長あるいは前々会長が皆さんこれにかかわっておるわけでございますが、愛知学院大学の歯学部長の平沼先生あるいは東京歯科の関根先生、これの赤本は、その当時の会長の広島大学の津留先生も「はじめに」ということで文章を出されておられますけれども、歴代の学会長が真剣に努力なさってまとめられたものです。これは大臣、専門のことで恐縮ですが、例えば大臣が、歯科の臨床の先生に行きますとどういうことから始まるかということで、診療の項目をここにきちんと、総義歯をつくりますと言うと、最初に、今までどういう状態ですか、健康状態どうですか、口腔外、口の外ですね、口腔内の検査に始まって、一つ一つ歯科の先生が丁寧に聞いて総義歯をつくっているのですが、そのステップごとにこれをまとめたのが、ここにありますように百十五の項目で総義歯ができ上がります、こうなっているのです。百十五の項目を、今申し上げたように、講座と十年未満と十年以上の先生がタイムスタディーでやった、保険でこのぐらい評価していただきたいというのをトータルいたしますと、六十三年の時点で九万四千七百五十円、点数でいえば九千四百七十五点ということになるわけであります。これを青本で拾っていきますとどういうことになるかといいますと、五万六千六百二十円であります。そうすると、約半分ということになるわけですね。 では、なぜ先生方が保険でやれば九万四千円になって、青本でやれば五万六千円になるのか。これをごく簡単に言いますと、これだけある、百十五あります項目の中で、現在の保険の中でどれだけ採用になっているかといいますと、単純に申し上げますと二十九項目しか採用になっていないのです。二十九項目ですから二五%、四分の一です。ですから、これだけ低い点数になってしまう。しかし、いわゆる厚生省として日本歯科医師会と協議をなさって包括ということで、一つの行為ですべてのことを丸めて、マルメと専門的には言いますけれども、やりますと、四十六の項目になるのですね。ちょっと局長に渡した資料、間違っておりますが、四十六項目に丸まるわけです。約四〇%、いわゆる先生方が大学の教室で学生に教えるのは、患者さんに対してこういうことをしっかりやっていきなさいという百十五のステップを教えるわけです。ところがその学生がいざ臨床医として社会に出て患者さんと立ち向かって、これを保険で請求しましょうというと、いわゆる青本の保険点数の壁にぶち当たるわけです。そこで、診療行為は、ある意味では制限というと語弊があるかもしれませんけれども、これに沿った診療行為になってくる。そうしますと、今言ったように、大学で教えてもらったことがぎゅうっと減らなければならない、約半分になってくる。そこにこれだけの大きな点数の開きがあるのです。 ですから、私は、これは今、きょうのあすということは申しませんが、私の周りにいる補綴学会の先生方や、全国で私がいろいろ御意見を伺っている臨床のまじめな先生方がいらっしゃるわけです。そういう先生方と厚生省と一回本気になって話し合っていただきたい。ですから、私は、これからこの問題をどうしたらいいのかというと、一番問題は、我々患者にとって本当に良質な、本当にすばらしい、保険による治療行為が行われることが望ましいのです、我々国民、患者側からいうと。ですから私は、特に厚生省にお願いしたいのは、厚生省と日歯と専門学会と、あるいは必要ならば臨床の先生方にも来ていただいて、保険の点数は、あと十年たちますと高齢時代になります、ですから、総義歯、鋳造冠の時代、すなわち欠損補綴というのはどうしてもだれしも御世話になります。このために協議の機関をきちんとつくっていただきたいと私は心から念願しますが、いかがでしょう。
○黒木政府委員 先ほどの私どもの診療報酬の点数と、それから調査の結果でございますけれども、若干コメントさせていただきますと、マルメとおっしゃいましたけれども、基本的にいわゆるマルメというのは、何回検査をやってもこれしか払わないというのがマルメでございまして、私どもの項目の整理と申しますのは、通常初診のときに行われる基本的な行為というのは初診に、再診のときに行われるものは再診に、あるいはある行為が行われるときに通常行われるものはその項目 に含めて点数を設定いたしております。やったりやらなかったりするようなものは別に掲げる、こういう整理をいたしまして、先ほどおっしゃるように百十五項目と四十六項目の差があるのではないかというふうに思っておりまして、調査に出ております個々の行為を私どもは決して無視していることではないというふうにまず理解をいたしております。 それから、費用の額でございますけれども、確かに十万円と約五万円の差があるわけでございます。私どもはできるだけ、これからの高齢化で補綴の点数が大事だということで、これもモデルとして参考にお示しいただいた我が方の点数を見ていただくとわかるように、五千点を一割ぐらい上げまして五千五百点にしたということの方向は御理解をいただきたいと思うのが一つでございます。 それから、この調査を私どもただいま分析中と申し上げましたけれども、例えば非常に大事なタイムスタディー、これを合計しますと八百分ぐらいになるわけでありまして、総義歯をつくるまでに十三時間ぐらいかかる。それを一日にしますと、六回であるとすると二、三時間かかるということでございまして、これは私どもからいうと、一日の患者さんとして今三十人ぐらいこなされているわけでありますけれども、四人ぐらいしかこなせないということでございます。したがって、この調査は、この行為に要する実際の時間ということでアンケートがなされておりますけれども、実際問題としてやはりこれから少し勉強させていただかなければならない調査ではないかというふうに受けとめているわけでございます。 それから、今後とも学会等の意見を聞くようにということでございますけれども、私どもは、これまでのルールでございます日本医師会を通じて専門的、学術的な意見を聞く方向で御理解をいただきたいと思います。と申しますのは、御案内のように日本医師会の中にそれぞれの学会、補綴学会も日本医師会の中に置くという形になっておりまして、そういう組織のあり方論からいって、私どもが正式に学術的な意見を聞く場合には日本医師会を通じて聞く、こういう形で今後ともやらせていただきたいと思っております。――医師会と申しましたが、歯科医師会でございます。すべて訂正いたします。新たな別途の検討の場をつくるのではなくて、日本歯科医師会、そこに置かれた学会、そういう意見をこれからお聞きしまして、その意見を反映する形で行政運営に当たらせていただきたい、かように思っておる次第でございます。
○薮仲分科員 いみじくも局長が何回も医師会、医師会と言われて、後ほど聞きますけれども、いわゆる保険の甲表を見てもわかるとおり点数が全く違う。局長の答弁の中に歯科医師の先生方が残念に思うことがないように十分心して御答弁いただきたいと思うのでございますけれども、それはもう置いておいて……。 きょうはちょっと保険局にしっかり聞こうと思ったのですけれども、心にかかることができましたので、先にお答えいただきたい。ニッケルクロムの安全性について、当初から毒性学の専門の佐藤温重先生もニッケルクロム合金の毒性ということで非常に心を痛めておられまして、これを先に聞いてまいります。 まず、薬務局、ニッケルクロムの安全性について、好ましい歯科補綴材料あるいは帯環材料と考えているかどうか、簡単にお答えください。
○川崎政府委員 歯科鋳造用ニッケルクロム合金につきましては、金銀パラジウム合金などに比較いたしまして、鋳造、研磨等の加工技法が困難であるというようなことも言われております。 ただ、安全の面につきましてでございますが、冠用の歯科鋳造用ニッケルクロム合金につきましては昭和六十年に承認基準を設けまして……(薮仲分科員「時間がないから結論だけでいいですよ。あなたよりわかっているから」と呼ぶ)この基準に適合する材料であれば安全性に問題はないと考えております。
○薮仲分科員 薬務局長、歯科鋳造用と今おっしゃった。私は、ニッケルクロム、板も線もと言ったのです。ニッケルクロムと言ったのですからね。私の質問を履き違えないで聞いてください。基準承認されているのは歯科用鋳造用冠だけですからね。ニッケルクロム冠だけですから。板も線も基準はありませんよ。間違えないで答えてください。 それから、保険局長にお伺いしたいのは、鋳造用のニッケルクロム、冠用ですね、これはいわゆる鋳造用の歯科材料として好ましい材料と考えていらっしゃるかどうか。厚生省の見解。
○黒木政府委員 私どもは、安全性あるいは品質等につきましては薬事法の承認という形がおりているわけでございますから、薬事法上の安全性とか品質等については問題がないというふうに考えざるを得ないわけでありまして、その上に立って、保険としての導入の妥当性ということになろうかと思っておりますけれども、これは関係学会、中医協等の議論を経まして保険導入の了承をいただいておるわけでございますから、ニッケルにつきまして保険としての診療に必要な材料だというふうに認識をいたしております。
○薮仲分科員 私が言いたいのは、保険局長には安全性ということは一言も聞いてないのですよ。いわゆる補綴学上加工性、操作性、そういうものについて、今の他の金属冠と比べて補綴の金属材料として優秀であるかどうかと聞いたのですから、私の質問内容を両局長ともきちんと聞いておいてください。 薬務局長のために、私はきょうは佐藤温重先生の名誉のためにちょっと反論しておきますけれども、これは日本補綴歯科学会の補綴用材料の専門的な雑誌です。これは補綴学会の当時の会長の平沼謙二先生が歯科材料というのはどうあるべきかということをワークショップとして全部研究したのです。その中で、佐藤温重先生がこう言われているのです。佐藤温重先生の項を読みます。ここで、毒性の問題については、歯科材料の毒性学を専門とされる東京医科歯科大学歯科部第二歯科理工学教室の佐藤温重教授、私はお会いしました。先生の書かれた論文もいろいろ読みました。ここに先生が出されています「ニッケル・クロム合金の毒性」、佐藤温重先生ですね。この中で、結論だけ読みます。 「ニッケル・クロム合金は、」「耐蝕性の不良な合金では安全性に問題がある。」のです。いいですか。 溶出金属量は微量であり体内に吸収される金属量は少ないので、ニッケル・クロム合金は安全であるという考えがある。しかし、毒性は濃度の関数であるばかりでなく時間の関数であり、ニッケル・クロム合金の慢性毒性試験を実施し、微量長期摂取の安全性を確認した上で結論を導くべきである。 ニッケル・クロム合金のみならず、歯科材料は前臨床試験により安全性が保証されたものについて、小規模の臨床試験を行い、既存の歯科材料と比較し優れた材料を選別し、一般臨床に使用することが、医の倫理からして必要であろう。既存の補綴材料と比較し ここからですよ、 ニッケル・クロム合金は安全性の優れた材料とはいえない。 これ、佐藤先生の結論ですよ。よく心にとどめておいてください。 毒性試験は毒性陽性の証明に重点をおいているが、本来安全性の評価は毒性陰性の限界 を出すのですよ。いいですか、局長。 本来安全性の評価は毒性陰性の限界を証明すべきである。しかしこの種の研究はなされておらず、ニッケル・クロム合金の許容量・安全域について結論を出すことは困難である。 毒性学の先生ですら安全性に問題があり危険だとおっしゃっているのです。これはきょうは、もっとたくさんやりたいのですが、やめておきますけれども、このニッケルクロムについては非常に危険なんですよ。だから、私申し上げたいのですけ れども、厚生省はそうやって安全だ、安全だとおっしゃるのですけれども、これはひとつ薬務局長、帰ったらお読みになってくださいよ。 「日本歯科材料工業協同組合理事長殿 厚生省薬務局安全課長」、薬安、これは薬務局安全課ですね、第一〇四号、昭和五十八年七月七日、「貴組合より提出のあった歯科用ニッケルクロム合金の使用上の注意事項記載案については」云々と出ているのですが、真ん中抜かしますけれども、これは、私が、ニッケルクロムにはベリリウム、発がん性の物質が入っていますよ、基準承認しなさいと言って、ベリリウムの含有をゼロにしたのですよ。でも、ここにこう書いてある。なぜこんなことを書いてわざわざ導入するのですか。 「ニッケルに対する過敏症の」、これはアレルギー性ですよ、「既往歴のある患者には、使用しないこと。」「発疹等の過敏症があらわれることがある。」「技工作業の際には、粉塵よる人体への影響を避けるため、適切な防塵装置等を使用して、粉塵を吸入しないよう注意すること。」これはベリリウムを含有していないものもですよ。 今度は、含有している方も同じです。「ベリリウムを含有するもの」、1と2は「ベリリウムを含有しないものに同じ」、「本合金の鋳造設備附近には、適切な換気装置を設けるなど密閉した部屋での作業を避け、鋳造により発生する粉塵及び蒸気を吸入しないよう注意すること。」「研磨作業などの際には、粉塵による人体への影響を避けるため、適切な防塵装置を使用して吸入しないよう注意すること。」 それほど安全だと言うのだったら、何で厚生省の薬務局の安全課がこんな通達を出さなければならないのですか。 きょうはやめておきますけれども、日歯も日歯会員指導書を出しているのです、このニッケルクロムはよくないといって。きょう私がちょっと電話したら、ニッケルクロムに対する厚生省の見解が非常に不愉快でしたから、きょう改めて言っておきます。これについては加算点数を減らしてもらっていますけれども、この毒性についてはもう一度折を見て厚生省としっかりと論議をさせていただきたいと思っています。 それから、次の問題に入ります。 ポリサルホンについてですが、これは簡単に答えてください。いかなる理由によってポリサルホンが保険点数として高いのか。さっき総義歯のことを言いましたけれども、アクリリック樹脂でやりますと五千点、スルホン樹脂系を使いますと八千五百十四点、八万五千円に値が上がるわけです。補綴の先生も臨床の先生もこのポリサルホン樹脂の導入については疑問を持っています。なぜこんなに保険点数が高いのか、簡単に言ってくださいね、長く言わなくて結構ですから。 それから、導入に際して臨床例は何症例で導入したか。 それから、現在、日本の国には二十九の歯学部があるのですが、二十九の歯学部で、現在このポリサルホン樹脂についてきちんと講義をしている大学はどこか。この三つ、きちんと答えてください。
○黒木政府委員 ポリサルホンの評価が高い理由でございますけれども、アクリル樹脂の義歯床に比べまして破損することが少ないこと、たわみ、ゆがみが少ないため、残存歯等の保護上の観点及び義歯全体の安全性等の観点からすぐれていること、薄く製作できるため、口内に装着したときの異物感が少ないことなどの特性から、有効性、効率性等の点において保険診療上も高く評価できるという観点から高い点数の設定になっていると承知いたしております。 それから、導入の際の臨床例は六十例と承知いたしております。 全国の大学の中で講義している大学の数というお尋ねでございますけれども、私、承知をいたしておりませんので、申しわけなく思っております。―手元の資料によりますと、ただいま三大学で教育していると承知をいたしております。
○薮仲分科員 ですから心配なんですよ。厚生省、もっとしっかり真剣にやらにゃ困るのです。私は何も歯学部を出た人間じゃないのですよ。ど素人です。でも今の問題、全部反論できるのです。 いいですか。さっきの補綴学会誌の中できちんと反論されているのです、これは。いいですか。 今、弾性値とかなんとか言いましたけれども、ポリサルホンは、「たわみは起こるが破折しにくい性質をもっていること」は確かである。しかし、「床の連結部として床の欠損部の咬合圧による回転・移動を抑制するためには、曲げに対する剛性すなわち曲げ弾性係数が高いことが必要」なんです。この曲げ弾性係数は、ポリサルホンレジンの弾性係数が、いわゆるアクリリック樹脂ですね、レジンの「それと比べてやや小さいか、あるいはほとんど有意差のないことを意味する。」確かにポリサルホンはたわみにくいけれども、口腔内に入れたときに必要なのは、この曲げ弾性係数なんです。ここに表がありますけれども、ポリサルホンとアクリリック樹脂とは有意性の差はありません。意味のある差ではありません。金属床にかわるなどというものではございません。これは明確に出ているのです。 それで、大臣、きょうは本当に残念でやむを得ないのですけれども、今の、六十症例ということでお入れになったのですけれども、六十症例で入れたということも、これはここにあるのですよ。「ポリサルフォン樹脂義歯床(ユービープリフォーム)の臨床試験報告」、これだけで厚生省は六十症例でお入れになったのです。 ところがこれに対して、いいですか、東北大学の佐久間先生の報告があるのです。「全国歯科大学の補綴学教授およびその推薦による臨床歯科医師を対象としたアンケートの結果によっても、ポリサルフォンレジンの使用頻度がきわめて低く、多くの使用経験による客観的な調査を行うことができなかった。」しかし、「臨床成績の報告としては、佐久間教授の報告がある。ポリサルフォンレジンを用いた義歯患者八十六名、百十六床についての臨床経過報告である。発生した事故の内容は床の破折および床からの人工歯の脱落であるが、装着した百十六床のなかで、事故の発生件数が二十七床であり患者別にみると全八十六名中二十三名であった。」四人に一人事故が起きているのですよ、このポリサルホンは。 しかも、もう一つ。これは広島大学の津留先生のところのデータもあるのです。総義歯十五症例、人工歯脱離、不適合四症例です。これでいきますと何と二六・六%、三、四人に一人はこのポリサルホンによって不適切であるという指摘がなされているのです。 そこで、私が何を言いたいかというと、このように、厚生省の歯科材料の導入の仕方には事ほどさように問題が多過ぎるのです。ですから、補綴学会や専門学会の先生が歯科材料を導入するときに注意していただきたいといって言われたことがあるのです。 それはどういうことか、きょうはここだけ読んで終わりますけれども、いいですか、歯科材料について、薬事法で安全だということだけではだめなんです。安全だけでなくて、咬合調整とか歯科材料として、臨床医あるいは患者が本当にこの材料はいいという結論が出なければだめです。そこで、こうなっているのです。「臨床術式、臨床例など各大学で実施され適法として、また教育として受入が可能と云える段階になるまでは保険制度への導入は行わない。」 二十九の中で三大学というのは、大阪大学、広島大学と明海大学とごくわずかですよ。ただそれは講座の中で説明しているだけですよ。ですから、例えば、東京医科歯科大学、東京歯科大学、愛知学院大学でも、このポリサルホンについてはどこの大学も教えていないのです。二十九の大学で教えていないということは、学生がだれも知らない。それが保険に入ってくる。患者の中に大学でも教わらない材料をほうり込むのですよ。こんなことをよくも厚生省はやるものだ、人体実験かと言う先生もいるのです。 「同時に臨床医の使用経験と、その有用性が示 される必要がある。」保険制度への導入に関しては、もちろん日歯や専門学会の意見を聞いてください。 これは厚生大臣と保険局長に出ている文書です。 このように、全国の大学の先生はポリサルホンを一人も講義していないのです。それなのに保険には高い点数で入ってくる。こういうことを厚生省はなぜおやりになるのか。歯科についてもっと真剣に、厚生省も、保険局長も薬務局長も勉強してくださいよ。もっとしっかりやっていただきたい。私の周りにいる臨床の先生が、まじめな先生方が、これから高齢化社会で、お年をとられた方のために本当に安心して総義歯をつくりたい、こうおっしゃっているのです。 歯科については、これが改善されるまで私また何回でもやります。 最後に大臣の決意を伺って、終わります。
○下条国務大臣 薮仲委員にお答え申し上げます。 委員はかねてから歯科問題についての御造詣が深く、しばしば委員会でもいろいろと卓見を御披露していただいていることも承知いたしております。本日は、赤本、青本の乖離の問題等から始まりまして、最後には材料の問題等についての御所見も承りました。 高齢化社会が進むに当たってやはり皆様が入れ歯を使われるようになるということも想定されますし、御親切にも私もいずれは入れ歯になるであろうというお話もございましたけれども、幸い私は今は使ってはおりませんが。そういうようなことで、高齢化社会における歯科医療の充実の観点から、この間の四月の改定によりまして欠損補綴の引き上げ等を図ったところでございます。今後とも高齢化の進展等に対応いたしまして、国民に効率的で良質な歯科医療を提供できるように、歯科診療報酬のあり方を引き続き検討してまいりたいと思っております。 なお、診療報酬における個別行為の評価のあり方等、技術的に検討すべき問題点につきましては、今後とも関係者の御意見を参考とし、また先生の御意見も当然参考にさせていただきまして、中医協の御議論を踏まえながら十分な検討を行い、適切に処理してまいりたいと思っております。
○薮仲分科員 終わります。
○粟屋主査 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 次に、細谷治通君。
○細谷分科員 細谷でございます。本日は、社会福祉施設の一つであります養護施設の運営上の諸問題につきましてお尋ねを申し上げたいと思います。 私の地元の福岡県の筑後地区には六カ所の養護施設がございます。そして、二カ所の乳児院が併設される形で存在しているわけであります。去年来、施設の運営の責任者にお集まりをいただきまして、いろいろ運営の実態について御意見を賜りました。その御意見を反映しながら本日の質問をさせていただきたいと思うわけであります。 まず、大臣、前提といたしまして、施設で働く職員につきましては国家公務員並みの待遇といいましょうか、準じて措置することが大原則になっているということでございます。この辺を頭に置いていただきまして、私がこれから申し上げることについて御判断、御理解をいただきたいと思うわけであります。詳細にわたりますので、大臣には最後にまとめて認識と御決意をお聞かせいただければ結構でございます。 まず第一に、養護施設が全国的にどういう状況になっているのか、特に入所児童が大分減っている、欠員も生じているというような状況も聞いておりますけれども、どうなっておりますか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 平成二年三月現在でございますが、養護施設の施設数五百三十五カ所、入所定員三万四千四百二十一人に対しまして在籍しているのは二万九千百六十八人でございまして、八五%の入所率と相なっております。
○細谷分科員 ところで、この施設で働いております、例えば指導員とか保母さん、この要員の配置基準というのは三通りほどありまして、三歳児未満、もちろん手がかかりますから、入所者二人に対して職員一人、以下、三歳児から五歳児につきましては四人に一人、それから六歳児以上については六人に一人、そしてなお臨時的に嘱託等で職員を配置して代替措置をしておるという形になっておるわけであります。 ところで、この要員配置基準というのは昭和五十一年に決まり、今日に至っているというふうに聞いております。さかのぼりまして、三十九年から五十一年までの間はかなりきめ細かな、その都度その都度見直しが行われてきたわけでありますけれども、昭和五十一年から十五年間、この要員配置基準が、放置されているという言い方はおかしいわけでありますけれども、据え置かれているという状況になっているわけでございます。 そこで、御承知のように、養護施設の職員でも当然労働時間の短縮という問題もあってしかるべきでありますし、まさに時代の要請であるわけであります。と同時に、施設自体の質的な充実という面からいきましても、施設のニーズは大変多様化しているわけでありますから、したがって業務は複雑化するということでありますから、要員配置基準はこういう要素からいたしましてもやはり時代時代に、変化に合わせて見直しをしていくということが当然だと私は思うわけであります。この辺の要員配置の基本的な考え方、それから、これまで時短等の問題についてどういうふうに取り組んでこられましたか、その辺について現状と経過を御説明いただければと思います。
○土井政府委員 まず、現行の要員配置基準は、先生今お話しのような内容になっております。 経過的に見ますと、昭和二十三年度からスタートいたしまして、途中四十年代に何回か改正を行いまして、現行の基準は昭和五十一年度にそのような形で定められ今日に至っている状況でございます。その後、いろいろな社会経済状況の変化を踏まえまして、例えば業務省力化等の勤務条件の改善でございますとか、あるいは、家庭崩壊、地域等の環境変化による多様な問題行動を有する児童の処遇向上のための特別指導費でありますとか、小規模施設の職員の勤務条件の改善のための指導員特別加算といったようないろいろな措置を講じまして、できるだけ養護施設が地域のニーズに対応できるようなきめ細かな手当てをして今日に至っているところでございます。 なお、平成三年度におきましては、不登校児の問題を養護施設において取り上げるということで、予算案の中ではセラピスト等の配置を考えているという状況になっております。 現在のところ、現行の配置基準自体につきましてこれを手直しをするという考え方はございませんが、施設自体が多様なニーズにこたえていくための必要な手当てというものは、ただいま申し上げました形で逐次進んでまいっていると考えております。 もう一つ、時短の問題で御指摘がございました。 現行は、基本的には四十四時間勤務体制ということで措置費の体系ができ上がっておりますけれども、平成三年度予算案におきましては、これを三十分短縮するということで必要な経費を予算計上しております。そのほか、年休代替要員でありますとか、夜間の宿直員の問題でありますとか、そういう形で努力しまして、時短の流れに対応できるように努力をして今日に至っているという状況でございます。
○細谷分科員 それなりに御努力をなさっているということは一応私も認めたいと思います。しかし、世の中はもう四十時間、時短ということに向かって進んでいるのです。また、施設だけが四十四時間でいいということは到底許されないと私は思います。大臣、十五年間にわたってこの要員配置基準がそのままに据え置かれている、時短の時代的な趨勢の中でそれが実態であるということをまず御認識いただきたいと思います。この場で、 来年度からどうしようなどという答えをいただけるとは当然思っておりませんので、私は総括的に提案を申し上げて、ぜひ御検討賜りたいというふうに思います。 まず、時短措置を超勤措置や臨時要員の措置で見るというのは私はやはりこそくな手段だと言わざるを得ないと思うのです。そういうものも暫定的にはよろしいかと思いますけれども、数年のインターバルではこういうものを抜本的に見直していくということが当然なければならぬというふうに思います。そうでなければ実質的な要員問題の解決にはなってないというふうに思うわけであります。 そこで、現に協会等を中心にしまして施設の運営関係者からは要員配置基準の要求が出されていると聞いております。特に三歳から五歳児については、これは大変遠慮しているのです、三歳から五歳児については四対一のところを三対一にしてほしい、そして六歳以上については現在六対一を五対一にしてほしいという要求が出ているというふうに私どもは伺っております。 そこで、十五年間も放置されてきた問題でありますから、そろそろこの辺で、この非常勤職員で対応してきたものについては、まとめてここで一挙に問題を解決するという意味でぜひ定員化、職員化を図っていただきたい。そうすることによって、今まで超勤を払ってきた分も場合によってはその辺で節約、カットできるかもわかりませんし、それから嘱託とか非常勤要員で措置していた賃金なんかも合理化できるというふうになるんじゃないかと私は思うのです。レベルの高い養護施設をこれからぜひ確保していかなければいかぬ、また一方で人材を確保する、そして労働需給という問題もあるわけでありますから、私はぜひこの措置は必要だというふうに思うわけであります。厚生省といたしましても関係各省と打ち合わせをされまして、来年度予算編成に向かってぜひこれを真剣に検討していただきたいということを提案をしておきたいと思います。 さて次に、今度は、養護施設における労働諸条件の格差の問題について触れさせていただきたいと思うのであります。特に賃金、手当の面での格差でございます。 余り時間がございませんから詳しくは申し上げませんけれども、ランクづけが違うということは当然基本給でも違ってまいります。それから手当の支給率というものも違ってくるのです。ここは多くは申しません。大変な格差があります。 例えば一例を申し上げますと、特別養護老人ホームの寮母さん、これは資格が要らないんです。この人たちは、ちょっとデータ古いかもわかりませんが、月に二十万七千円。ところが養護施設の保母さん、これは保母の資格が要るんです。同じような仕事をしておりまして、この人たちが十六万四千円。ちょっとデータ古いかもわかりません。差は四万三千円あります。また栄養士なんかを見ますと約七千円の差がある。そして生活指導員といいましょうか、その人たちでも二万二千円近くの格差が出ているということなんです。 これはもちろん私も一概にこれを比較して云々するつもりはありません。例えば老人ホームには看護婦が配置されているというような関連もありましょう。それからやはり資格の有無、これは私の言うのでは逆にもっとプラスして考えてもらわなければいかぬわけでありますが、資格の有無もありましょう。それから何といっても業務の特殊性、繁忙度というさまざまの要素を勘案して決められているということでありましょうけれども、一説に、私が施設を運営されている方々から聞いた話によれば、やはり養護施設というのは労働実態の面でも大変過重であります。拘束時間も長い。これは老人ホームと比べてもむしろ一般的には高いんじゃないか、こういうことをおっしゃっておられました。それから何といっても養護施設は子供たちでありますから、老人と違いましてとにかく日常的に目を離せないという実態もある。このことは当然拘束時間が長くなったり、そういう問題が出てくると私は思うのです。 そういうことを考えてみますと、いずれがより特殊でいずれがより過重かという議論は大変分かれるところだと思いますけれども、それにしても大臣、余りにも差が大き過ぎるのではないかというふうに思うわけであります。この辺について御認識なり御見解を賜りたいと思います。
○土井政府委員 ただいま養護施設の職員、幾つかの職種の例を挙げられまして特養との比較でお話がございました。 私ども、養護施設の標準的な職員の経験年数あるいは学校がどういうような、例えば短期大学を卒業して保母の資格を得て養護施設に入っているといったような学歴等を加味いたしまして標準的な経験年数というような形で国家公務員の給与に準じた格付を行っております。 それで、これにつきましては実態と乖離をするということがないようによく点検を常にいたしておりまして、現在、一番典型的な保母さんの例で申しますと、私どもの格付は勤続年数七年ということになっておりますが、実態は大体それに見合っているというふうに考えておりまして、確かに実態が特養の職員の方々と養護施設の職員との間においては経験年数の違い等々の違いがあるものですから、結果として給与の開きがあるということはおっしゃるとおりだと思いますけれども、しかしながら、片やそういうような基準で見ると、今の養護施設の格付というものはおおむね妥当しているのではないかというふうに認識をしているところでございます。 なお、特殊勤務手当等につきましては、勤務の態様に見合った形でそれぞれの難易度を考慮した形でやっておりまして、養護施設の場合には四%というようなものが特殊勤務手当として支給されるという形に相なっているところでございます。
○細谷分科員 実態に即して余り格差はないというふうにおっしゃっていますけれども、それは例えば特殊業務手当なんかではとにかく一六%と四%プラスアルファという大変な差があるのですよ。そんなに業務実態から見て差があるのかどうかということだって問題だし、そもそも大体四万数千円の差があるということ自体が、ではそんなに業務内容に差があるかとかということを考えてみれば、私は大変疑問なしとはしない。ですから、とにかく今後とも施設間の横並びをよく見ていただいて、実態をよく把握されていただいて、その都度不平不満が起こらないような措置というものを、改善というものも今後ぜひ取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。 それから、これは何も養護施設に限ったことではないと思いますけれども、民間施設等給与改善費というのがあるそうでありますけれども、これはいつできたのか、どういう経緯なのか、簡単に。
○土井政府委員 創設は昭和四十一年度でございまして、民間の職員の勤続年数が先ほど申しました基準に比べて非常に長くなるような場合に、それに見合った給与の上乗せをするという仕組みでございます。四十一年度は一律三%でございましたが、現在はA段階からH段階までということで、八段階の区分で、その人件費加算部分もA階級であれば一四%加算というような形で運営をしておるところでございます。
○細谷分科員 そういうことで努力をなさっているということはわかります。ところが、勤続年数がどんどん上がってくる、そうすると、今のこのランク表でいきますと、勤続年数が十四年以上ということになるとこれは全部八ランクの上で最高ランクということで一律一六%ということで頭打ちになってしまうのです。二十年勤めても一六%、二十五年勤めても一六%、こういうふうになってしまうのです。これはやはり実態にそぐわない。施設に働く職員の勤続年数という、だんだん実態と乖離しつつあるということ、それから職員をきちっと人材を確保する、労働需給の面でもやはり問題が出ているというふうに訴えております。ある意味では常に新陳代謝が行われるということを前提とした仕組みと言っても過言ではない というふうに私は思うわけであります。 先ほど、前段申し上げましたけれども、施設の職員は国家公務員に準じてということになっているのです。退職金なんかもこれは国家公務員の半分ぐらいしかなっていないのです。私は、去年の同じ分科会で精薄施設の職員の問題を取り上げたときに退職金の問題を指摘しましたけれども、実態は半分ぐらいしかない、そういうことですので、やはり実態に即して、この民間施設等給与改善費の改善方についても、ぜひ実態をよくにらんでいただいて、見直すという作業をぜひお願いしておきたいと思います。 次は、実際に施設にかかる費用、措置費の問題について少し触れてみたいと思います。 まず、特養老人ホームと養護施設の差、これは、詳しい数字は申し上げませんが、二十万円台で六万円以上の差があります。そして、今度は養護施設と精薄児施設、同じ児童福祉施設の差で見ましても六万円の差があるわけです。どうしてこんなに格差があるのか。それはもちろん要員の配置の見方とかいろいろ差がありますから、あるのでしょうけれども、それなりの理屈はあると思いますけれども、私は余りにも格差が大き過ぎると思うのです。 ちなみに一つだけ例を言いますと、措置費の中の事業費、一般生活費、これは食費と日常諸費ということなのです。これでも、老人ホームと養護施設の間には一万七千円以上の差があるのです。食べ盛りの子供たちと老人では、私は子供たちの方がたくさん食べるのじゃないか、栄養価の高いものが求められるのじゃないかと思います。こういう差が実はあります。 そこで、措置費の見直しということについて、ひょっとしたらこれはまだ答えが用意されておらないかもわかりませんけれども、どういうふうにこれまで措置費の見直しをなさってきたのか、簡単に御説明いただければと思います。
○土井政府委員 今のお話の点は、一般生活費の面における措置費の見直しということかと思いますが、確かにお話がありました特養と養護施設の一般生活費は、先生がおっしゃったような違いがございます。これは、特養につきましては御案内のとおり、介護を必要とするお年寄りが入っているということで、例えば特別経費としておむつ等が入っているとかいう実態的な違いもございますし、また逆に、養護施設の子供につきましては、こういう一般的な単価のほかに、例えば小中学校、高等学校へ通学しているというような実態になっておりまして、その場合には別途この経費のほかに必要な経費を加算するという仕組みで今日に至っているところでございます。 なお、一般生活費自体の見直しをどういう形でやってきているかということでございますけれども、基本的には例えば生活保護基準の改定率といったようなものを参考にしながら必要な改善を毎年度予算措置において行うという形で運営してきているところでございます。
○細谷分科員 それなりの努力をなさっている、横にらみでやっているということでありましょうけれども、一つだけ申し上げておきたいと思います。 具体的な中身でありますけれども、この施設の子供たちの就職支度金、昭和五十四年から二万五千円で、平成元年の三万円に五千円アップするまでずっと据え置かれておりました。そして、平成二年度にはさらに三万三千円に上げていただきました。そして、平成三年度はさらに三万六千円ということでそれを上げていただく予定になっております。そういう意味では、長年据え置かれておりましたけれども、三年連続で措置していただくということになった、これは私は一定の評価をしたいと思います。しかしながら、施設の運営をされている方々の話を聞きますと、やはり五万円以上は絶対かかるのだ、これじゃ背広も買ってあげられない、ふだん着しか買ってあげられないということを言っております。一生に一度のことじゃありませんか。もう少しこの辺についてはこれを加算していただきたい。三年やったからもういいのだということじゃなくて、今後も引き続き改善方について、ぜひ努力していただきたいと思います。いかがでございましょうか。
○土井政府委員 施設の子供が社会に旅立つ就職支度費でございますけれども、今お話がありましたような改善措置をここ三年間続けて今日に至っているところでございます。これにつきましては、例えば子供たちが遠隔地に就職する場合の旅費の問題、そういった問題は実際上は就職する先の会社と施設の責任者の間でよく話をしまして、現実に就職される子供たちが人生の出発点としてきちんとした出発ができるようにという配慮が、御協力をいただきながら行われているわけでございまして、私ども、そういう実態もよく施設の方々から聞きながら今後必要な対応を検討してまいりたいと思っております。
○細谷分科員 職員のいろいろな経費、管理費、例えば旅費、研修費、こういう問題もぜひ見直しをしていただきたいと思うのですよ。五十年代の前半から十数年間ほとんどいじってないというのが実態としてあります。これに対しては経費の移流用ができるようになったからという話があろうかと思いますけれども、やはり運用の問題と積算の問題というのはおのずから区別して考えなければならぬ問題だと思うのです。時代の変化に合わせて、時代のニーズに合わせてこの辺についてはぜひ見直しの努力をしていただきたいということを要望しておきたいと思います。 時間もございません。最後に、乳児院の問題についてちょっと触れさせていただきたいと思います。乳児院は今大変な欠員状況になっております。これは養護施設の比ではございません。この要員配置基準は、乳児はやはり手がかかりますから入所者一・七人に一人ということになっております。これについても、例えば夜間の要員配置というものが、人数がふえようがふえまいが一定になっている。ほかの施設は逓増方式になっているということがあるわけで、こういうことも含めて、ぜひ一・五人に一人くらいの割合にしていただきたいということを施設の方々は痛切に言っておられました。この辺について御見解を賜りたいと思います。
○土井政府委員 乳児院の定員配置基準、特に夜間の要員の確保の問題でございますが、お話のとおり、例えば他の施設におきましては定員がふえるにつれて夜間の要員をふやすという仕組みをとっております。それに対して乳児院におきましては四人という夜間の配置定員になっております。ただ、例えば特養との比較で申しますと、特養は九十人定員で四人ということになっております。それから乳児院でございますけれども、定員上もっとふえても四人という配置基準でございますが、実態として申しますと、一カ所当たりの乳児院の現実の定員というものが今日の段階では九十人未満というのが実態でございまして、今の定員配置基準で、他の施設に比べて乳児院が見劣るという実態にはなっていないというふうに私ども考えております。
○細谷分科員 乳児院には実際は障害者も大変多いというふうに言われております。三分の一くらいはそうじゃないかという言い方もされ、大変判定が難しいという要素があるわけでありますけれども、やはりきちんとした客観的な判定基準によりまして障害児に対する重度加算制度もあるわけでありますから、この適用方についても御検討をいただきたいと思います。 時間がございませんのでお答えは結構であります。というのは、定員割れになっておりますし、乳児院の経営は大変苦しい状況であります。さらに、乳児院は零歳から二歳ということでありますから在院期間が当然短いということでありまして、充足させるのにも大変困難な問題があります。社会的には出生率の低下という問題もありましてだんだん欠員が生ずるということで、経営は大変苦しい状況になっているわけであります。将来的にこの乳児院をどうしていくかという問題もあるわけでありますけれども、いずれにいたしましてもニーズというのはあるわけでありますか ら、これは今後とも当然しっかりと守り育てていく必要があるのじゃないか、私は明確な位置づけが必要だと思っております。 そこで、きょうは大蔵省お見えいただいていると思いますけれども、高齢化社会を迎えて老人問題に福祉のスポットが当たりがちなのはもちろんでございますけれども、やはり精薄施設、養護施設、乳児院、社会的な弱者に対して、むしろ日の当たらない日陰の部分に日を当てていくということがまた今後の福祉施策の問題として大切だというふうに私は思っております。改善の御努力というものは一定の評価をしておりますけれども、私が申し上げましたことを踏まえまして、ぜひ積極的なきめの細かい改善方を、お取り組みをお願いしたいと思いますけれども、いかがでございましょう。
○渡辺説明員 ただいまは先生から養護施設それから乳児院等につきまして大変詳細な御議論がございまして、それぞれにつきましてはただいま児童家庭局長から申し上げたとおりかと存じますが、私の方からは一般論でお答えをさせていただきたいと思います。 養護施設とか乳児院とか等の社会福祉施設の措置費につきましては、ただいまも御答弁ございましたが、各施設の実態等を踏まえて従来から職員の方の勤務条件の改善、あるいは入所されている方の生活費の改善を図ってきたところでございます。平成三年度におきましても、業務省力化等勤務条件改善費の改善といったような内容を予算に盛り込んでおるところでございます。今後とも社会福祉施設の置かれました状況、実態あるいは財政状況等を総合的に踏まえながら適切に対処していく所存でございます。
○細谷分科員 最後に大臣にお伺いしたいと思います。 これは間違っていれば結構だと思いますけれども、老人ホームは票になるけれども児童の入所施設は票にならない、だから政治家の力が入らないんだということを巷間聞くのです。それじゃやはり政治家の責めを果たしていることにならないと私は思うのです。私が今議論を展開いたしましたけれども、大臣の御所見を最後にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○下条国務大臣 お答えいたします。 最後のお言葉で、票になるならないで政策が変わるというような話は、私、初耳でございまして、そういうことはない、こう思っております。 いずれにいたしましても、養護施設あるいは乳児院等についてのいろいろの御所見、非常に貴重な御意見として拝聴いたしました。二十一世紀を担う児童の健全育成対策の推進は極めて重要な課題でありまして、その推進に努力しているところでございます。これらの施策の推進に当たりましては、家庭にいる子供も、不幸にして家庭で養育することが困難な子供も、ひとしく健全に育成することが基本であると考えております。そういう意味で養護施設等の児童福祉施設の果たす役割は重要であり、平成三年度においても、そこで働く職員の方々の勤務条件の改善や入所児童の生活費等の改善についてその一層の充実を図ることとしているところでありますが、今後とも配慮してまいりたいと考えております。
○細谷分科員 終わります。ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて細谷治通君の質疑は終了いたしました。 次に、倉田栄喜君。
○倉田分科員 まず私の方からは、いわゆる看護マンパワーの不足の問題についてお尋ねしたいと思います。 いわゆる看護マンパワーの不足と偏在と申しますか、非常に深刻な社会問題となっていることは既に御承知のとおりであろうかと思います。熊本県の需給見通しでも、平成二年度の不足数が千四百二十一名、また平成五年度までその需給見通しを立てているわけでございますけれども、それでも不足をするというふうに言われております。さきの国会で厚生大臣も需給見通しについて見直しをすると再三御発言をなさっておられますけれども、そこできょうは、その見直しをされるということでございますので、その見直しの内容の方について若干お伺いをしたいと思います。 見直しについて、例えば週四十時間制あるいは夜勤八回以下を厳守する、そういうことも強く要望があるわけでございますけれども、大臣はこの見直しの内容についてどういう具体的なポイントを押さえておられるか、御説明を願いたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 先生がお尋ねの看護職員の見直しの問題でごさいますが、現在厚生省の中におきまして、各都道府県の方にお願いする作業につきまして、必要な指示を出すための検討をいろいろやっておるところでございます。その内容につきましては、先生お話ございましたように、現在詰めているところでございますけれども、資質の高い看護職員を確保していくためには、働きやすい職場をつくっていくことが重要であるというぐあいに認識いたしておりまして、その観点から、週四十時間制あるいは夜勤の改善等の看護職員の需給に影響を与える要因につきましても、その取り扱いについて鋭意検討いたしておるところでございます。
○倉田分科員 また、看護婦さんですけれども、資格を持っておられても離職をされておられる。その離職の理由というのが、仕事内容、待遇の問題はもちろん、結婚あるいは出産、育児が大きなウエートを占めている部分もあるわけでございますけれども、例えば育児休業まで見込んでその需給見通しをされるおつもりはないかどうか、お伺いいたしたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 育児休業の点につきましても、看護婦さんの確保のためには非常に大事な要因でございますので、その育児休業についてどう取り扱うかについても、現在検討の課題ということで鋭意取り組んでおります。
○倉田分科員 需給見通しも、ともかく計画ということではなくてきちっと実現できるような、いわば絵にかいたもちにならないように綿密な計画をぜひともお願いしたい、こういうふうに思います。 大臣にお伺いしたいと思いますけれども、いわゆる看護婦さんの不足対策の問題は、現場へ行きますと本当に切実な声として聞こえてまいります。また、これは治療というか、入院をされている患者さんにとってもいわば切実な問題であろうと思いますので、この看護婦確保対策について大臣の御所見をお伺いをしておきたいと思います。
○下条国務大臣 倉田委員にお答えいたします。 高齢化社会の中でお年寄りがふえ、そしてまたその介護並びにまた御病人もふえていく、そういう状況の中で、また一般的にも健康管理あるいはいろいろな医術をあまねく皆様に受けていただく、そのような環境づくりの中で、やはり看護婦さんの、あるいは看護士さんの持つ役割は大変に大きなものであるわけであります。しかしながら、ただいまお話がありましたように、この需要に対して供給が追いつかないというのが現状でございます。その実数につきましては、今お触れになりましたように、新たな状況に基づいてその現状の再調査をいたしまして、今後の対策の糧にしたいと思っておるわけでありますが、この看護婦問題、看護関係職員の充実問題につきましては、これは全般的な施策をそれぞれ強力に推し進めていかなければならない、こう考えておるわけでございます。 まず第一には、新しく看護職員に就職される方の制度をさらに充実していくということであります。この問題につきましては、平成三年度の予算で、施設並びに運営費の充実を図るために前年度比約四割の増を図るということになっておりまして、かなり力を注いでおるわけでございます。 それから、卒業されて就職された方々が今度は退職をされないようにするということに対して、これはまたいろいろな手当てをしなければならない。要するに勤務時間の問題、勤務体制の問題あるいは報酬の問題、そういったものをやはり十分 に充実していくように手を打っていかなければならない、こう考えております。ただ問題は、例えば勤務時間の問題にいたしましても、今直ちに四十時間にせよ、こういうことを仰せられましても、これは国家公務員も現在は隔週二日制の休暇をとっておる、こういう状態もございますので、全体的な労働時間のあり方等を勘案しながら、しかし非常に厳しい看護職、特に夜勤もございますので、そういった方々に余りお疲れにならぬような形で勤務を続けていただけるような条件はどうあるべきかということなども検討していかなければならないと思っております。 さらに、病院の中で育児をしながら勤めたいということに対しましては、特別に育児の措置を講ずるようにいたしております。 それからまた、一たん就職された方が退職されて家庭に入られる。しかし、家庭に入られた後、お子様が大きくなられてまた勤めてもいいじゃないかという条件になった場合の連係プレーをとるために、各県にあります看護センターとの情報交換を密にいたしまして、再就職ができるように御本人の希望、またその方々の希望がかなえられるような病院がどこにあるのだという連携がうまくいくように、今措置をしておるわけでございます。 今、代表的なことを申し上げたわけでございますけれども、総合的に今後看護関係職員の充実に対して特に意を用いて努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○倉田分科員 今大臣からるる丁寧に御説明をいただいたわけでございますけれども、ともかく労働条件の改善が大事である。現場の方々の不満の第一は、仕事内容の不満とともに労働条件ということを強くおっしゃるわけでございます。そこで、この点をもうちょっと踏み込んで考えさせていただきたいと思うのです。 いわば給与体系をよくするということも一つの大きなウエートだろうと思うわけですけれども、その一つの方法論として、いわゆる看護料というのをもっと上げていくべきではないか、アップを図るべきではないかと思いますけれども、この点についてはいかがになっておりましょうか。
○黒木政府委員 診療報酬上の看護料の取り扱いについてのお尋ねでございますけれども、もう委員御存じのように、昨年の四月に看護料について大幅に引き上げをやったわけでございます。これは看護職等を中心にします人件費の動向ですとか、労働時間の短縮の状況とか、そういうものを勘案いたしまして大幅な、主に一〇%程度の引き上げを行ったということでございます。
○倉田分科員 看護料が昨年の四月一〇%引き上げされた、評価できるものだと思います。しかし、現実には、その一〇%引き上げられた看護料というものが直接看護婦さんにはね返っていない部分がある。看護料そのものが、例えば一〇%看護料が引き上げられたから、その引き上げられた分が看護婦さんの給与に一〇%上乗せされていくということは無理な部分はあるのでしょうけれども、いろいろな面から引かれる中で、引き上げられた看護料の一〇%の分が直接的には看護婦さんにはね返っていないのではないか、反映されていないのではないか、こういう疑問もあるかと思うのです。この点についてはいかがでございますか。
○黒木政府委員 前回の改定の結果として、現実に今どの程度の看護職の給与の引き上げ等がそれぞれの民間病院等で行われ、あるいはそういうことが検討されているかというのは承知をいたしていないわけでございます。 申し上げますと、診療報酬というのは、看護料とか初診料だとかいろいろな検査料とか、全体として病院経営を償うために支出しているわけでございまして、それぞれの看護職の給与とかこの方の給与とかいうようなことで、個別具体的に費用の支出まで規定している性格ではないわけでございまして、そういう意味では、私どもは、基本的には個々の医療機関において、いろいろな状況等を勘案しながらそれぞれの民間病院において判断されていかれるべき性質のもの、そういうふうに考えております。
○倉田分科員 看護をする看護婦さんの立場から見れば、看護料の引き上げというのは本来自分たちの労働力の部分であるわけでございましょうから、ぜひとも運用上、看護料を引き上げるというのであれば、それが看護婦さんたちの待遇の面にはね返っていくような方法で指導をお願いできれば、そういうふうに要望しておきたいと思います。 そこでもう一点、いわゆるマンパワーの看護婦さんを確保するという観点からお尋ねしたいと思うのです。 現在、准看護婦さんという方々もたくさんおられるわけでございます。この方々が、やはり看護婦さんと資格が違うわけですから、待遇面での差異がある。しかし、准看護婦さんが看護婦になろうとしても、なかなか勤務時間等々、あるいは学校に行くのも非常に難しいという状況があろうかと思います。この中で、准看護婦さんはそのまま家庭の中に入って、潜在的に埋もれてしまうという状況もあるかと思うのです。 そこで、准看護婦さんから看護婦さんになれる道の大幅な拡大をお願いしたいと思うのです。例えば通信教育とか、准看護婦を長年勤めた方々の推薦入学制度であるとか看護婦になる受験資格付与、あるいは看護学校の定員の場合に一定の考慮を払う、あるいはまた職場の中において長年勤務されている准看護婦さんに対して単位制の通信制度、あるいはまたその病院自体で進学の休業制度を図るとか、准看護婦さんの看護婦になれる道の拡大をぜひお願いしたいと思うのですが、この点について今何かお考えがございますでしょうか。
○長谷川(慧)政府委員 先生お尋ねの准看護婦さんからいわゆる看護婦さんの方に資格をさらに取るという課程でございますけれども、御存じのとおり、一般の看護婦養成所につきましてはいわゆる三年課程、定時制は四年でございますけれども、三年課程であるわけでございますが、三年以上業務に従事いたしました准看護婦さんあるいは高校を卒業した准看護婦さんにつきましては、その上に二年の進学コース、進学課程というのがあるわけでございまして、この進学コース、進学課程を卒業されて看護婦さんになられる方々が毎年約一万数千人おられるわけでございます。このように進学希望を持っている方々がおられるわけでございますので、平成三年度予算案におきましても看護婦養成所への助成の充実に努めてまいっているところでございます。 それから、お尋ねのございました推薦入学の件でございますが、一部の進学課程の看護婦養成所におきましても一定の枠内で既に実施いたしているところでございます。 それから、通信教育というお尋ねでございますけれども、看護教育に当たりましては指導に当たります教員のもとでの実習が重要でございまして、通信教育において看護婦の教育の水準が確保できるかという問題がございますので、慎重に対応する必要があるというぐあいに考えているところでございます。
○倉田分科員 確かに直接指導をしなければいけない部分も多々あるかと思うのですが、しかし、通信教育でできる部分も考えられるのではないかと思いますし、この准看護婦さんたちが、せっかく介護できる資格を持っておられるわけですから、そのまま社会の中に埋もれずに、いわゆる看護マンパワーの拡大として生かされる道をぜひとも拡大する方向で検討していただきたい、こういうふうに思います。 それで、厚生省は老人保健制度の見直しで、老人訪問看護制度を創設されることになっているというふうに聞いております。訪問看護のステーションを設置されるということは評価できると思いますけれども、ここでもやはり看護マンパワーの確保である、こういうふうに思うわけでございます。この訪問看護制度における看護マンパワーの確保についてどのような見通しを持っておられ ますか。
○長谷川(慧)政府委員 本格的な高齢化社会の到来を控えまして、在宅でも安心して療養生活を送れるように訪問看護の推進を図ることは非常に重要であるというぐあいに認識いたしております。 そういう面で、訪問看護を実施するためには必要となります看護職員の確保がまた問題になるわけでございますけれども、看護の実務経験と豊かな人生経験を持ちながら、夜勤はできないなどの理由によりまして現在看護業務に従事していないいわゆる潜在看護婦さんの活用につきましても十分意を注いで、力を注いでまいりたいというぐあいに考えております。そういう面で、従来から訪問看護の講習会を通じまして資質の高い訪問看護職員の確保に努めてまいっているところでございますけれども、平成三年度予算案におきましてもナースバンクの予算の倍増を図りますとともに、訪問看護婦養成指導者講習会という新たな講習会の開始を図っておるところでございまして、訪問看護職員の確保に今後とも努力してまいりたいというぐあいに考えております。
○倉田分科員 今回、老人訪問看護制度の導入が考えられるわけですけれども、その導入について、サービスを受ける側の立場から考えた場合、サービスされるサービスの質の問題、この点が大丈夫かどうか、それからまた看護される対象者の方々の経済的な負担が増すようなことがないか、この点についてはいかがでしょうか。
○岡光政府委員 まず質の問題でございますが、これは在宅で生活をするに当たりまして、そういう在宅生活を支援するという観点から行われるわけでございますので、まず受ける方にしては、生活の質が保たれるようにということでサービスが展開されなければならないと思います。そういう意味では、行われる訪問看護サービスがちゃんと一定の水準を保つようにということで、看護婦さんの看護ステーションにおきましての人員基準であるとか、あるいは運営基準であるとか、こういったものを厚生大臣が定めて、一定の水準が確保されるようにということを図りたいと思っております。 それから、利用料金のことでございますが、現在診療報酬上認められております、看護婦さんがそれぞれの家庭を訪問する訪問看護制度がございます。これにおいてもいわゆる外来と同じ扱いでございまして、老人保健制度で申し上げますと、月初めに、かかり初めに外来の八百円を払っていただく、後はその月であれば何回サービスを受けてもその八百円どまりでございますが、そういうふうに現在の診療報酬でも一部負担という形で利用料金を払っていただいておるわけですので、そういったものとのバランスであるとか、あるいは今度制度化したいと思っております訪問看護の利用状況であるとか、そういったものを十分踏まえまして、審議会の意見を聞いた上で利用料金を定めたい。決して過重な負担にはならないように、バランスのとれた負担になるようにということで検討していきたいと思っております。
○倉田分科員 そこで、受ける側の立場に立ってもうちょっと考えさせていただきたいと思うのですけれども、いわゆる看護と在宅式の介護の問題がございます。看護であれ介護であれ、在宅で受けておられる方々の治療か治療でないかということについては非常にはっきりした区分があるわけでございますけれども、精神的な問題からいけば、どちらも非常に充実をしていただかなければいけない。現在看護婦さん等々の待遇の問題あるいはマンパワーの確保の問題は盛んに論じられておるわけでございますけれども、一方で、ホームヘルパーさんの待遇あるいは確保の問題は少し手薄なのではないのかな、こういうふうに思うわけでございます。 私もお手紙なんかいただいて、ホームヘルパーさんであっても、夜中に電話があったり、あるいは急患があったりしてどうしても間に合わなくて、日ごろつき合いがあるものですから、あの人のところに電話すれば何とか来てくれるということで真夜中でも電話がある場合がある。そういうところには飛んでいかれるわけですね。しかし一方で、その割にはホームヘルパーさんの身分や待遇とか処遇というのは十分でないような声も多く聞かれるわけであります。また一方で、ホームヘルパーさんの問題については、何と言うのですか、事実上民間の中で切り離していくような方向も聞こえるわけでございますけれども、このホームヘルパーさんの待遇、処遇についてぜひとも前向きに検討をお願いしたいわけでございますけれども、この点についてはどのようなお考えでございましょうか。
○岡光政府委員 おっしゃいますように、ホームヘルプをするそういった職員につきましての処遇改善は大変重要な事項だと思っております。これまでも手当額であるとか活動費であるとかについては引き上げてまいりましたが、中心になる人についてはいわゆる基幹的ホームヘルパーということで、ぜひとも平成三年度の予算においてもう少しプラスアルファの加算を出したいと思っておりますが、そういったものの実現をお願いしたいと思っておりますし、引き続いてそういう内容の充実には努めていきたいと思っております。 それから、ヘルパーさんの勤務形態、非常に多岐にわたっております。常勤の方もありますし非常勤の方もあります。そういった勤務状態を考えながら、少し将来展望した上で、どのような待遇をすれば最もふさわしいのかというのは引き続いて研究させていただきたいと思っております。
○倉田分科員 来るべき高齢化社会の到来を迎えて、このホームヘルパーさんというのも非常に重要になってくるだろうと思います。民間だけに任せないでぜひとも政府も積極的な努力をお願いしたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。 続きまして、白内障眼内レンズの保険適用の問題についてお伺いをしたいと思います。 白内障手術を行ったうちの約八割は眼内レンズを装着しておられ、安全性も最近は非常に向上しておると思っておるわけですけれども、この白内障の眼内レンズの保険適用の問題については、厚生省としては保険の対象となっていないわけであります。この点についていろいろな議論もなされておりますから、既に御承知のとおりかと思いますけれども、現在の眼内レンズの状況等を考えれば、既にもう眼内レンズが眼鏡やコンタクトレンズと同様だから保険の対象にはならないという考え方は、もう少しおくれているんじゃないかと思うわけです。この保険適用についての厚生省の考え方をお聞きしたいと思います。
○黒木政府委員 眼内レンズの問題は再三御要請があり、あるいは私どもも御意見を承っておるわけでございます。委員も御指摘のように、どうしても問題になるのはバランス論でございます。白内障の方が水晶体をとられた後の視力の問題としてどうするか、三つの方法がありまして、埋め込み型の眼内レンズとコンタクトレンズと眼鏡があるわけでございまして、すべてがというわけにはまいりませんで、やはり埋め込み型じゃなくて眼鏡しかだめな人、コンタクトレンズしかだめな人もいるわけでございます。そうすると、コンタクトレンズ、眼鏡は保険がきかないという状況になっているわけでございまして、どうしてもバランス論からいって、この埋め込み型の眼内レンズについても問題があるなということでございます。 しかし、再三にわたる要請を受けているわけでございますから、いずれ私どもの中医協の場で専門的な御議論を賜りたいものと思っておる次第でございます。
○倉田分科員 今の問題、確かにバランス論はあろうかと思いますが、バランス論を考えたら、一方で、患者の方が負担するというか、手術を受けられる治療費の問題が多分あるのだろうと思うのです。コンタクトレンズ、眼鏡と比べて手術する場合の治療費は相当高い。だから、そういう意味からすれば負担は大変であろうかと思いますので、これはぜひ前向きに御検討をお願いしたいと思います。 あと質問時間がなくなりましたので、本来きょ うは乳幼児の医療費無料化についてもお尋ねをする予定であったのですが、次の機会に譲らせていただいて、最後に、水俣病の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 昨日も原告弁護団の方からいわゆる和解の具体的な内容が提案をされておるみたいでございます。私は過日、法務委員会の方でこの水俣病の問題について質問をさせていただいたわけでございますけれども、裁判の被告となっておる環境庁、厚生省、農水省、通産省、それぞれ対象としている法律が違うわけでございますので、意見の相違がある。その意見の相違について、法務省自体は意見の調整をしていることはない、こういうふうな御答弁があったわけでございますけれども、厚生省としてはこの水俣病についてどのような御見解なのか。また、生きているうちにともかく救済をしてほしいという、これは強い願望、切実な命からの叫びでございますので、和解という点に関して、これは厚生大臣にお伺いをしたいと思いますが、どのような御所見であるのか、最後にお尋ねをして、質問を終わりたいと思います。
○目黒政府委員 先生お尋ねの水俣病の和解の問題でございますが、この点につきましては七つの裁判所におきまして、それぞれ約二千人の原告と争っているという現状でございます。 この和解について国が受け入れたらどうかということにつきましては、食品衛生法の中でこれは大変根幹にかかわる、行政の根幹にかかわるものでありますために、私どもの方としてはなかなか受け入れがたいということでございまして、従来から主張いたしておりますように、この和解を受け入れるということは困難であるという考え方をいたしているところでございます。
○下条国務大臣 水俣病の被害者の方々に対しては私も心から御同情申し上げ、心配をしておる者の一人でございます。 この水俣病につきましては、既に約二千九百名の方々が公健法に基づいて認定されまして、救済はされていらっしゃるわけでありますが、さらに多くの方々がまだ係争中であるという状態でございまして、この被害の深刻さを非常に心配し、また原告の方々の高齢化等を考えますと、この事件が現在もなお未解決な部分が残っていることに対しては大変遺憾に思うわけでございます。 厚生省といたしましては、各裁判所の和解勧告文書について十分検討させていただいたところでありますけれども、水俣病事件に係る食品保健行政上の法的責任の存在を前提として和解の協議に入るという判断をすることは、ただいま困難だと考えております。なお、環境庁において水俣病問題の早期解決のため、行政施策として所要の対策について検討を進めていると聞いておりますので、厚生省といたしましてはその検討状況を見守っていきたいと思っております。 以上でございます。
○倉田分科員 済みません、最後にもう一点だけ。 なかなか今和解のテーブルに着くのが困難である、こういう御答弁でございました。国の全体的な方針として、ともかく判決を望みたい、こういうふうなことであろうかと思うのですが、判決は第一審判決から高裁判決、最高裁判決、ここまでいろいろあるわけですね。最高裁判決まで行ったら物すごい時間がかかってしまう。例えば今一番早いと予想される東京地裁の判決等々、その判決が出たら、和解等々のことについては考えられるつもりは厚生省としてはおありですか。
○目黒政府委員 ただいまの点でございますが、本件の訴訟におきまして、先ほど来申し上げましたことで、国の行政の根幹にかかわる問題であるということでございまして、裁判所がどのような判断を判決で下されるか極めて重要なことでございまして、私ども、もちろん重大な関心を持ってこれを受けとめなければいけないと思っていることは事実でございます。 しかしながら、御指摘の、判決を求めるというが東京地裁などの判決が出た場合どうするのかという御指摘につきましては、判断の内容を十分検討の上で、関係の省庁とも十分協議の上で判断すべきものと考えているのでございまして、現時点においてはコメントを差し控えさせていただきたい、このように考えている次第でございます。
○倉田分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○粟屋主査 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉分科員 社会党の秋葉でございます。一日じゅう分科会で皆さん大変お疲れだと思いますが、あと少々御辛抱いただきたいと思います。非常に大切な問題だと思いますので、あと少しお時間をいただいて、主に私はたばこ、喫煙の問題、特に青少年の喫煙の問題について、国民の健康を一番心配してさまざまな努力を続けてこられている厚生省の方々に伺いたいと思います。 まず最初に、一般的な前提を確認しておきたいのですけれども、昨年も実は私この分科会で喫煙について質問をさせていただきました。その際、厚生大臣から、たばこの害があるということは世界的な常識である、それを認めないわけにはいかない、したがって厚生省としても積極的に分煙とか禁煙とか、そういった方向の努力を続けていきたいと思う、ただし、現実問題としてそれは国民の合意ということもあり、あるいはさまざまな障害もあり、思うようにはいかないけれども、全体的な方向としてはそういう努力をするつもりであるという非常に積極的な御発言をいただきましたし、その後、子供たちにはたばこを吸わせない、そういった方向での努力が必要ではないか、これはWHOの禁煙デーに関連してそういった発言を閣議の中でもしていただいた。そういう非常に積極的な姿勢を昨年は出していただいたというふうに私は理解しております。 これは、内閣は改造されましたが、同じ海部内閣でありまして、しかも自民党政府ということでありますので、こういう積極的なこれについての姿勢も一貫してお変わりになっていないだろうというふうに思うのですけれども、まず厚生大臣のこの点の再確認をぜひお願いしたいと思います。
○下条国務大臣 喫煙問題についてのお尋ねでございますが、本件につきましては、昭和六十二年十月にまとめられたいわゆるたばこ白書によりますと、喫煙には、肺がんや循環器系疾患による死亡率を高めるなど、健康に対するさまざまな悪影響が認められておりまして、特に未成年で喫煙を始めた者は、そのリスクが特に高くなるという報告が出ております。 こういう状況から、厚生省といたしましては、喫煙と健康についてのパンフレットの作成など、正しい知識の普及を初めとする喫煙対策を進めてきたところでありますが、今後とも未成年者を含め、幅広い啓発運動を積極的に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○秋葉分科員 とりあえず積極的な姿勢をとられるということで、実はもう少し踏み込んで、もっともっと積極的な施策をとってくださいというのが私の考えなんですが、それを幾つかの点について質問しながら、私の主張も交えて申し上げたいと思います。 まず、積極的な施策をとる上で、WHO、世界保健機構の勧告、これが非常に重要だと私は考えております。やはり世界の健康についてのいわば大元締めであるWHOの勧告なりあるいはさまざまな保健の問題についての考え方、これが非常に重要な地位を果たしているというふうに私は思います。特に、実は湾岸危機、それから湾岸戦争に関連いたしまして、海部内閣は本会議でもしばしば国連中心主義ということを非常に強調されてまいりました。厚生大臣も皆さんも御存じのように、WHOは国連の一機関でございます。そういたしますと、ただ単に自衛隊を派遣するという問題では国連を重視するけれども、喫煙の問題になると、WHOの勧告はまあまあ考えるけれども、全面的に一〇〇%実行しないという態度をとるのは非常に難しいのじゃないかと思うのです。 それに関連して、五月三十一日にWHOの世界 禁煙デーというのがございます。ことしのテーマは公共の場所と交通機関の無煙化、つまり、そういった場所ではたばこを吸わない、そういった方向を目指してさまざまな活動を行うということですが、国連中心主義をとられる日本政府として、しかも今おっしゃったように喫煙の害を認め、さらに積極的な政策をとっていくんだ、そういう態度を述べられた厚生省としては、具体的に世界禁煙デーをどういうふうに活用してその禁煙の方向あるいは無煙化の方向に近づこうとするのか、具体的な施策がありましたらそれをお知らせいただきたいと思いますし、さらにそれをどういうふうに日本国じゅうに知らしめるのか、広報の方法についてもお伺いしたいと思います。
○寺松政府委員 今先生から御指摘いただきましたWHOの決定についてでございますけれども、私どもも喫煙の問題は健康にかかわりまして大変重要な問題だと考えております。 そこで、厚生省の喫煙対策についてちょっとお話をしてみたいと思うのでありますが、まず喫煙というのは、確かに個人の嗜好にかかわるものだということは、これはだれもが認めておるわけでございますけれども、また健康に影響があって、周囲の非喫煙者に対しても健康に悪い影響があるというようなことも、先ほどもお話がありましたたばこ白書にもいろいろな文献で記載されておるわけでございます。そこで、今先生がいろいろとWHOの禁煙デーにかかわりますテーマをお話ございました。公共の場所や公共交通機関での禁煙または分煙ということを言っておるわけでありますけれども、私どもも関係省庁や団体と連携いたしましてその辺を広く普及してまいりたい、このように考えております。
○秋葉分科員 具体的なプランについて、それが決定されるのであればできるだけ早く知らせていただきたいと思いますし、広報の努力をしていただきたいと思います。 それから、未成年者の喫煙に関して特にやはり大きな問題になっておりますのがテレビその他のコマーシャル、つまりたばこを吸うことは非常に格好がいいんだ、たばこを吸うといらいらも勉強不足も、それからさまざまな自分たちの持っている問題はすべてなくなってしまって、世の中がバラ色に見えるといったようなイメージでのコマーシャルが非常にはんらんしております。それからもう一つ、そういうコマーシャルを見て、ああ、たばこがあれば自分の人生はすばらしくなるなというふうに考える若い人たちが、実に簡単にそのたばこが買えるような自動販売機が町じゅうにはんらんしております。その二つの問題が非常に重要だと思いますが、その二つ、コマーシャルに対する厚生省のこれからの対策、自動販売機をどうするつもりなのか、厚生省のお考えと同時に、これは管轄の大蔵省のたばこ塩事業の方からもぜひ、コマーシャル、それから自動販売機についてどういった対策を立てて子供たちをたばこの害から守ろうとしているのか、その辺を伺いたいと思います。
○峯嶋政府委員 お答えいたします。 たばこの広告規制と自動販売機の管理に対する規制につきましては、平成元年五月に大蔵大臣の諮問機関であるたばこ事業等審議会、ここから答申が出されておりまして、「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」というその答申の趣旨に沿って、現在適切な措置がとられておるという状況でございます。 まず第一のたばこの広告については、平成元年十月にたばこ事業法に基づく大蔵大臣の指針というものを告示しまして、これを受けてたばこ業界の団体である日本たばこ協会において自主規制の強化、これが決定され、現在業界で実施されているところであります。 規制の内容としましては、まず第一に、未成年者を対象とする広告活動は行わない。第二点は、女性に喫煙を奨励するような広告活動も行わない。三番目に、テレビ、ラジオによる広告は新製品の商品特性や銘柄イメージの紹介に限定する。第四点目として、テレビ広告は朝の五時から夜の二十一時五十四分までの時間帯には行わない。本件につきましては、さらにこの四月以降は二十二時五十四分までは行わないということで規制を強化していくこととしております。そのほか第五点目には、テレビの広告時間量については銘柄ごとに上限を設けるというような措置等を実施しているところであります。 第二点目のお尋ねのたばこの自動販売機のあり方につきましては、これまたたばこ事業法二十三条、その施行規則でありますたばこ事業法施行規則を改正しまして、改正したのは施行規則を改正したわけでございますが、その結果、管理の十分行き届かないおそれのある自動販売機については、平成元年七月以降たばこ小売業の新たな申請があった場合には許可しないことといたしておりますし、それから既存の管理の十分行き届いていない自動販売機の財務局によるきめ細かい是正指導、それから深夜稼働の自粛については、関係省庁と連絡をとりつつ、全国たばこ販売協同組合に協力を要請して実施に移しているところであります。 また、平成三年七月には、その全国たばこ販売協同組合では答申の趣旨を踏まえまして、未成年者喫煙禁止に関するステッカーを作成して、自動販売機を所有するたばこ小売販売業者にこの貼付を要請し、実施に移しているといったようなところが実情でございます。
○秋葉分科員 厚生省からも同じ点について伺いたいのですが……。
○寺松政府委員 今委員御指摘の五月三十一日の世界禁煙デーに対しまして本省はどういうふうに考えているか、こういうようなことでございます。 まず私どもは、この世界禁煙デーの趣旨等につきまして、各省に官房長名でもって通知を出しておるわけでございます。それからまた、世界禁煙デーの直近の事務次官会議、閣議におきまして、それぞれWHO決議の趣旨や厚生省が取り組んでおりますことにつきまして発言をし、御理解をいただくように努めておるところでございます。それからまた、いろいろな未成年を含めました幅広い啓発活動につきましては、保健所を中心といたしまして地域保健における禁煙対策のほか、昨年策定いたしました禁煙マスコットあるいは禁煙シンボルマーク、さらにことし、今ちょうど募集し、そしてまた審査しておるところでございますが、禁煙標語の普及、そういうようなものを積極的に図ってまいりたい、こういうように考えております。 そんな形で、この禁煙の問題につきまして本省としてぜひ真剣に啓蒙普及を図ってまいりたい。また、これは委員も御承知かもしれませんが、私どもの所管しております健康づくり財団というのがございますが、その中でこういうふうなパンフレットをつくっておりまして、禁煙の勧め、実際具体的な禁煙のきっかけをつくる方法とか、あるいは今からでも遅くないから禁煙をやりましょうというようなことにつきましても、こういうふうなパンフレットで普及を図っておるところでございます。
○秋葉分科員 例えばその広報のために、今おっしゃたようなことはぜひすべて積極的にやっていただきたいと思うのですが、厚生省が、毎日ということは大変でしょうから、世界禁煙デーにちなんで、例えばその日に行われるたばこのコマーシャルに対応して、一本に対して厚生省が一本コマーシャルを出して、その中ではたばこの害について日本の青少年に知らしめるというような、そういう積極的なコマーシャルを活用しての喫煙の害についての周知の方法などということはお考えになる可能性はありますか。
○寺松政府委員 今大蔵省の方からもお話がございましたように、広告等については自粛していこうとか、いろいろなアクションがあるわけでございます。私どもも、先ほど申し上げました事務次官会議でございますとか、あるいは官房長名でもちましていろいろ各省に御協力いただく中で、その辺のあれを考えてまいりたい、このように思い ます。
○秋葉分科員 ということは、現在の施策で十分青少年の健康が喫煙の害から守られているというふうに厚生省は考えていると判断してよろしいわけですか。
○寺松政府委員 私どもの方の今のデータ、いろいろ私どもも集めまして検討あるいは研究をいたしておるわけでございますが、できるだけ望ましい状態をつくるためにも、先ほど申し上げましたような禁煙あるいは分煙というような形で、公共の場所あるいは公共の交通機関、そういうようなものについても対応してまいりたい、このように思っております。
○秋葉分科員 私の質問に対して直接の答えになっていないのですが、努力をされていることはわかりますが、今のことで十分である、健康は守られている、大方それでいいというふうにお考えになっているというふうに私は解釈いたしますので、そうでなければなぜそうでないのか、一体どういうことをやれば子供たちの健康が守られるのか、具体的に示していただきたいと思います。 それから、大蔵省に伺いたいのですけれども、先ほどの処置、幾つかありましたけれども、ほとんどすべて評価の仕方が全くわからない。要するに、具体的にどういうふうに、例えば未成年者に対してコマーシャルをしない、女性に対して勧めるようなコマーシャルをしないということですけれども、それは具体的に因果関係が非常にはっきりしないやり方でしか基準が決まっていないというところが非常に問題だと思います。それに関してまだ言いたいことがあるのですけれども、時間がありませんので、もうちょっと別の観点からこのことを申し上げたいと思います。 まず第一に、今のお答えから判断している限り、厚生省はこの問題の深刻さについて余り認識がないのではないかという気がいたします。それでその認識、非常に問題が重大であるということはマスコミを初めさまざまな雑誌あるいは識者、研究者の調査といったようなことがあるわけですけれども、具体的に厚生省がこの実態を把握するために実態調査を行うといったようなお考えはありませんか。
○寺松政府委員 その前に、具体的な取り組みのことについて話して説明するように、こういうふうなお話でございましたので、もう少し子供たち、特に児童なんかの喫煙禁止等に対する指導につきましてちょっと触れさせていただきたいと思います。 児童福祉機関等が未成年者に対しますたばこの不売、不勧奨を小売業者に対して指導する、こういうようなことも行いたい。また、関係機関と連携いたしまして、未成年者に対して喫煙をやめるというようなことを指導してまいりたい。 それからまた調査研究の件でございますけれども、国内外の喫煙の実態、健康影響あるいは喫煙対策の動向に関しましていろいろ研究を行っておりますが、それによりましてたばこ等の白書をまた改訂版をつくってまいりたい、このように考えております。
○秋葉分科員 白書は恐らく数年つくられないと思いますけれども、特に青少年の喫煙の実態について、あるいはその対策について白書の中で取り上げて、それを一項目として立てて、実態調査をした上で対策を考えるということはお約束いただけますでしょうか。
○寺松政府委員 昭和六十一年から私ども国民栄養調査という中で喫煙状況について実態調査を行っております。客体が大体一万人ぐらいでございますが、その結果、一番直近の数字が昭和六十三年でございますけれども、男性の場合が五六%、それから女性の場合が九%という程度の喫煙というふうに把握いたしております。
○秋葉分科員 私が申し上げているのは未成年の喫煙でございまして、そういうふうにはっきりと申し上げたはずでございますが、青少年の喫煙について、特にやはりこれが一番重大な問題であるということは先ほど厚生大臣もはっきりと認めていらっしゃるわけですし、WHOでもこのことははっきりと言われております。青少年の喫煙について、特に厚生省が責任を持って最低限実態調査を行った上で対策を立てるということが私は世界の常識だと思いますが、その常識を常識として厚生省が認めていただけるのかどうか、今質問しているわけでございます。
○寺松政府委員 私ども、未成年者というものはたばこは吸わないというような感じで思っておるわけでございますけれども、今申し上げておりますのは、そういうふうなことで二十歳以上の方の調査を確かにやってまいりました。しかし、今委員が御指摘のように、二十歳未満の者も問題だということも私ども承知しておりますので、この辺につきましては何らかの形で調査をやってまいりたい、このように思っております。
○秋葉分科員 ありがとうございました。何らかの方法でともかくやっていただきたいというふうに思います。 この点について、なぜ喫煙がこれほど重大な問題であるのかということを実は改めて認識していただくために、私はあえてここで数字として幾つか申し上げて、ぜひ真剣に取り組んでいただきたい、その決意を示していただきたいと思うのです。 例えばWHOの予測によりますと、これは現実的な数字、世界調査をもとにした数字でございますが、現在一日約八千人の人がたばこによって死んでいるというふうに換算することができる。ただし、今の子供たちが中年になるころには、つまり二十年、三十年後には一日二万八千人死ぬだろうというのが現在の数字でございます。これを一年にいたしますと、大ざっぱに計算いたしまして約三百万というところでございます。これは世界全体ですから約六十億ということで、日本がその六十分の一といたしますと、日本では約五万人がたばこの害によって死んでいる。実数はもっと多いはずです。というのは、日本の喫煙率はアメリカと比べて現在非常に高いです。アメリカは低くなっている。そういう状況がありますので、恐らく日本ではもっとたくさんの人が死んでいるというふうにWHOの予測が言っている。 五万という数字はどういうことかといいますと、これまた非常に驚くべき数字でございます。五万というのは、実はアメリカで間接喫煙、これは強制喫煙ともいいますが、自分は吸わなくても周りでたばこを吸っている、それによって一年間に約五万人死んでいるということが昨年の予測で出ております。それと同じ数字ですから、恐らくアメリカでは、現在でも年間十万人近くの人が喫煙の害によって死んでいるということだと思います。 一年間五万人という数字がどういうことかといいますと、例えば皆さん御存じだと思いますが、アメリカではほとんど無規制のままけん銃を買うことができます。さまざまなけん銃による害がありますし、日本人の旅行者でもアメリカでけん銃の害に遭った人もいるわけですけれども、このけん銃によって一年間で死ぬ人の数がアメリカ全部合わせて約二万五千人でございます。ですから、日本でたばこによって死んでいる人は、アメリカでけん銃によって死んでいる人の約二倍もいるということが実情です。そのけん銃との類推で申しますと、日本にはそれほどのけん銃死は現在ございません。その最大の理由は、日本では無制限にけん銃を手に入れることができないからだということです。それに反してアメリカでは無制限にけん銃が手に入るから、この死亡率が多いということになっているわけです。 この点で再び自動販売機の方に戻るわけですけれども、自動販売機を野放しに、野放しにということは、だれでもお金さえあればたばこが買えるという状況にしておくことは、いわば日本国内で自動販売機でけん銃を売り始める、しかもそれを子供も大人も買えるという状況よりも、少なくとも死亡者という点ではもっと大きな害毒を流しているということが私は現状だと思います。 それについて先ほどの大蔵省の回答では、そういった事の深刻さが現在の大蔵省がとっている政策には全く反映されていない。厚生省でも確かに 言葉としては事の重大さを認めてはいらっしゃるわけですけれども、具体的な施策として、例えばピストルが毎日自由に東京の都内で買えるようになったら、それに対して厚生省あるいは政府が一丸となってそういった事態を変えるために努力をするんじゃないかと私は思うのですけれども、それほどの情熱を持ってこのことに当たってはおられない。しかしながら、その結果はそれ以上に悪いという状況、この状況を踏まえて、自動販売機、さらにコマーシャルについて大蔵省さらに厚生省がこれから具体的にどういうような対策をとろうとしているのか、再びお答えいただきたいと思います。
○峯嶋政府委員 まず初めの広告につきまして、例えばもっと厳しく全面規制をしてはどうかというような欧米流の実態につきましては、これは未成年者の喫煙防止に一層配慮すること自身は十分心がけたいと思いますが、広告の禁止は、営業の自由ですとか表現の自由という国民の基本的な権利と関係する部分がありまして、慎重な判断が必要であろう。それからまた、先生御承知のとおり、欧米主要国では、たばこのみならず酒とかセンシティブな女性用品の広告も規制されておるわけですが、日本ではそれとの横並びでいって特段の規制が行われていないという、国民の広告に対する受けとめ方に差異があることとか、それから、健康に影響を及ぼすおそれのあるとされている商品がほかにもありながら、たばこだけ全面禁止するのかというような、たばこだけというやや合理性に欠ける面があるとかといったような点がありまして、前回の審議会の答申ではあのようなラインで答申をいただいておって、当局としてはこの答申は世の中の常識を反映したものというふうに受けとめまして、当面この答申を尊重し、この線に沿って、しかし、未成年の喫煙防止には最善の努力を尽くしながら対応してまいりたいと思っております。 それから、自動販売機の方でございますが、御承知のとおり全国に二十八万軒も小売人がございまして、その月間マージンというのが十万円以下の零細業者が多いというようなことがございますので、一時的に強力な自動販売機の抑制というような政策をとることは、やはりそれなりに社会政策的に見て非常に難しいところがある。しかし、先生の御指摘もございますし、先ほどの繰り返しにもなりますが、自販機の置かれておる場所柄その他を踏まえまして、これからも管理が十分行き届くよう、地域の状況に応じたきめの細かい指導を財務局、小売販売組合等を通じて繰り返し適切な形でやっていきたい、このように考えておる次第であります。
○寺松政府委員 私の方もまた繰り返すような形になりますが、少し具体的に補足させていただきます。 一つは、御承知のように、私どもも全国に八百五十ばかり保健所がございますが、保健所等を通じて啓発普及を図る、こういうことが一つのアクションだと思います。特に保健所におきまして、禁煙教室でございますとか禁煙シンポジウムというようなものを実施させる。これは保健所活動の中でやっていけることでございます。それから、先ほどもちょっと触れましたけれども、厚生省所管の児童福祉機関等がございますが、そういう施設を通じまして児童の喫煙禁止ということを指導してまいりたい。それから、これも先ほど申し上げましたが、健康・体力づくり事業財団がございますが、そこでパンフレットを制作し、これを地方公共団体等に配付して普及を図るというようなこと。それから、やはり調査研究は当然やらなければならぬと思っております。また、先ほどのお話で出ておりました五月三十一日の世界禁煙デーに向けまして、厚生大臣のメッセージだとかあるいはポスター等を作成して地方公共団体にも出す。こんなことも考えておりますし、禁煙シンボルマーク、マスコットの公募、こういうようなことも具体的にやってまいりたい、このように思っております。
○秋葉分科員 今のお答えは、やはり事の緊急性についてまだ御認識が十分ではないような気がいたしますので、もう一つだけ数字を申し上げておきます。 先ほどアメリカで一年間でけん銃によって死んだ人の数ということで申し上げましたが、一九〇〇年から現在までアメリカの国内でけん銃によって死んだ人の数というのは、独立戦争以来アメリカが戦った戦争の中で死んだ戦死者全体よりも数が多くなっています。喫煙の方は、先ほども申し上げましたように死者はそれ以上であります。したがって、戦争で実際に死んだ人よりもはるかに多い人が喫煙によって死んでいる。 そして、昨年の八月以来の湾岸戦争その他で非常に問題にされたのは、戦争あるいは国の独立といったところなんですけれども、それに関してもう一つ最後に伺いたいと思います。先ほどのお答えの中で非常に不満な点がありますが、時間がありませんので、また別の機会に質問させていただくことにします。 アメリカでは、こういった健康上の理由によって、たばこのコマーシャルあるいは販売その他に非常に大きな規制があるわけです。そのアメリカのたばこ会社あるいはアメリカ政府が、貿易の自由化あるいは公平な貿易といったことで積極的に日本政府に圧力をかけて、アメリカ人にとっては害があるけれども、それを日本にあえて売るといった政策をずっととってきております。それに対して日本政府としては、特に大蔵省、厚生省としては、具体的に日本人の健康を守るという立場からきちんとした発言をなさってきているのでしょうか。
○峯嶋政府委員 今現在日本に、日本たばこ協会というたばこ製造者、輸入者の協会がございまして、このメンバーには、日本たばこはもとより、アメリカの大たばこメーカーの日本の代表者はすべて入っておりまして、その協会で広告とかそういったものの自主規制についての基準等をつくっておる。そこに対して私どもは私どもなりに適切な指導なり対応をしておる。そういう意味では、日米差別もなく、私どもが本来やるべきことは、その協会を通じて言うべきことを言わしていただいている、こういう状況にございます。
○秋葉分科員 質問の趣旨とお答えが違うのです。つまり、アメリカ側は日本のたばこ市場を開放するためにすごい圧力をかけてきた。その交渉のいきさつはアメリカではかなり広範に報道されました。アメリカのたばこを日本に売りたいんだ、日本に輸出したいというアメリカ側の要求があった際に、その貿易交渉の中で、大蔵省あるいは厚生省はアメリカ側に対して、我が国の門戸を開放することはできない、それは日本国民の健康を守るためである、何よりの証拠には、アメリカではアメリカ国民に対して、たばこは悪いと言っているじゃないかというような議論は展開されたかということを伺っているわけです。イエス、ノーで結構でございます。
○峯嶋政府委員 専売改革ということで六十年当時大議論があったわけでございますが、そのときは、開放経済体制を日本もとってほしい、その中で、たばこもJTという一つの専売制度の中で独占的な輸入ということでなくて、輸入の自由化をしてほしいというのが主たる要求でございまして、私が承知する限りでは、必ずしも今先生御指摘のようなことはアメリカ側からもなかったようですので、特に大きな議論にはなっていない、このように理解しております。
○秋葉分科員 結果として、要するにアメリカの要求に屈して、日本国民の健康を犠牲にしたという解釈も成り立つわけです。そこまで極端に言うこともないかもしれませんが、時間がございませんので、憲法に保障されている国民一人一人の健康で文化的な生活を守るために、今後とも、不十分な点はたくさん申し上げましたが、ともかく積極的におやりになるということは両省ともおっしゃっているわけで、その方向でより一層努力を重ねていただきたいと思います。 それをお願いいたしまして、私の質問を終わり ます。どうもありがとうございました。
○粟屋主査 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、厚生省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚くお礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後六時九分散会