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120回国会衆議院1991/03/11

予算委員会第三分科会 第1号

発言数
309
登壇者
22
会派数
4
開催日
1991/03/11

会議録

津島雄二自由民主党

○津島主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりましたので、どうかよろしくお願い申し上げます。  本分科会は、文部省及び自治省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたすことになっております。  平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。井上文部大臣。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 平成三年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  平成三年度の文部省予算につきましては、我が国が来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力のある文化の薫り高い国家として発展し、世界は貢献していく基礎を築くとともに、国民一人一人がその生涯にわたり生きがいと潤いを持って一層充実した生活を営むことができるよう、教育、学術、文化、スポーツの文教施策全般にわたりその着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。  文部省所管の一般会計予算額は五兆五百五十九億四千四百万円、国立学校特別会計予算額は二兆九百二十八億一千九百万円となっております。  何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。  なお、時間の関係もございますので、お手元に配付しております印刷物を、主査におかれましては、会議録に掲載せられますよう御配慮をお願い申し上げます。

津島雄二自由民主党

○津島主査 この際、お諮りいたします。  ただいま文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は、説明を省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

津島雄二自由民主党

○津島主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔井上国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、平成三年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。  第一は、生涯学習の振興に関する経費であります。  まず、生涯学習推進体制の整備充実につきましては、地域における生涯学習に取り組む体制の整備、多様な学習情報の提供、社会教育主事等の養成確保に努めることといたしております。  次に、生涯学習機関としての学校の機能の充実につきましては、大学等における社会人の再教育機能を高めるとともに、公開講座や学校の開放を促進するとともに、放送大学の整備、専修学校教育の振興を図ることといたしております。  また、社会教育の振興の面では、公民館、図書館等の公立社会教育施設の整備、婦人・青少年等の学習機会の整備充実に努めるほか、長寿化対策事業の促進、家庭・地域の教育機能の活性化等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。  更に、国立オリンピック記念青少年総合センターの整備を進めるほか、国立妙高少年自然の家(仮称)の機関設置を行うことといたしております。  第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。  まず、義務教育諸学校の第五次学級編制及び教職員定数改善計画につきましては、十二年計画の最終年次分としていわゆる四十人学級を小・中学校の全学年で実施するとともに、教職員配置についても所要の改善を行い、本計画の達成を図ることといたしております。  次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修制度を小・中学校に引き続き、新たに高等学校について本格実施することといたしております。また、教職員に対する各種の研修、教員の海外派遣、教育研究団体等への助成などを行うことといたしております。  教育内容につきましては、新学習指導要領の趣旨徹底を図るための講習会等を行うほか、小・中・高等学校における情報化への対応を円滑に進めるため、教育用コンピュータの整備、教育用ソフトウェアの改善等の施策を推進するとともに、我が国社会の国際化への対応のため外国語教育の充実に努めていくことといたしております。  また、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。  次に、児童生徒の登校拒否などの問題について適切に対処するため、適応指導教室についての実践的研究を拡充するなど、学校不適応対策事業の一層の充実を図ることといたしております。また、児童生徒の健全な育成を図るため、自然教室推進事業などの施策を実施することといたしております。  道徳教育につきましては、市町村ぐるみで一体的な道徳教育の推進を図るため、新たに、市町村道徳教育推進事業を実施するなど、その一層の充実を図ることといたしております。  幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助の対象に三歳児を加えるなど、一層の振興を図ることといたしております。  特殊教育につきましては、心身障害児の指導方法等の調査研究を行うとともに、特殊教育就学奨励費を充実するなど、一層の振興に努めることといたしております。  また、海外子女教育・帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、在外教育施設における、現地社会との国際教育・文化交流等を一層推進するほか、中国等帰国孤児子女教育研究協力校を拡充することといたしております。  更に、児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食をめざして、その充実を図ることといたしております。  次に、公立学校施設の整備につきましては、小・中学校校舎等の新増改築事業等について所要の事業量を確保するとともに、過大規模校分離のための用地費補助制度の継続等を行うこととし、これらに要する経費として、平成二年度に対して四十二億円増の二千二百八十八億円を計上いたしております。  なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。  第三は、私学助成に関する経費であります。  まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、平成二年度に対して三十九億円増の二千五百五十九億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助及び研究設備等整備費補助についても、それぞれ増額を図るなど教育研究の推進に配慮いたしております。  また、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、平成二年度に対して二十三億円増の七百九十九億円を計上するとともに、新たに、私立の高等学校等の情報処理教育施設の整備を図ることといたしております。  日本私学振興財団の貸付事業につきましては、平成二年度と同額の六百二十億円の貸付額を予定いたしております。  第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。  まず、大学院の充実と改革等につきましては、奈良先端科学技術大学院大学の創設、大学院最先端設備の整備充実及び学位授与機構の創設を図るため、所要の経費を計上いたしております。  また、国立大学の整備につきましては、岐阜大学に医療技術短期大学部を併設するなど、教育研究上緊急なものについて、推進することといたしております。  附属病院につきましては、看護婦等の増員を重点的に図るとともに、救急医療等社会的要請の強い分野についての診療組織の整備を行うことといたしております。  なお、国立学校の入学料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。  次に、育英奨学事業につきましては、平成三年度から奨学金の貸与月額を増額するなど、その改善を図ったところであり、政府貸付金七百三十三億円、財政投融資資金三百六十一億円と返還金とを合わせて、千八百十四億円の学資貸与事業を行うことといたしております。  また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。  第五は、学術の振興に関する経費であります。  まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富む優れた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として引き続きその拡充を図ることとし、平成二年度に対して三十一億円増の五百八十九億円を計上いたしております。  次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、優れた若手研究者の育成に資するための特別研究員制度の拡充、研究設備の充実、大学と民間等との共同研究の充実など各般の施策を進めるとともに、地球環境問題の諸課題の解明に資するための諸施策の推進を図ることといたしております。  また、天文学研究、宇宙科学等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として五百二十四億円を計上いたしております。  第六は、スポーツの振興に関する経費であります。  広くスポーツ施設の整備を進めるため、体育施設の整備に要する経費として百七十九億円を計上いたしております。また、学校体育につきましては、学校体育指導の充実強化を図るため所要の経費を計上いたしております。  更に、生涯スポーツ推進の観点から、指導者の養成確保など、幅広く国民のスポーツ活動を助長するための諸施策の一層の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしております。  次に、競技スポーツの振興につきましては、日本オリンピック委員会が行う、選手強化事業を引き続き実施するとともに、スポーツ科学の推進を図るため、国立スポーツ科学センター(仮称〉の実施設計を行うほか、国民体育大会の助成など、所要の経費を計上いたしております。  第七は、芸術文化の振興と文化財の整備・活用の推進に関する経費であります。  まず、芸術文化の振興につきましては、我が国の優れた舞台芸術の公演活動を推進するための芸術活動特別推進事業の拡充をはじめ、各種の芸術創作活動に対する助成を充実するとともに、新進芸術家の研修活動を支援するための新たな芸術インターンシップ事業の実施や地域の文化振興のための諸施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。  次に、文化財の整備・活用の推進につきましては、「ふるさと歴史の広場」の整備事業の拡充や史跡の整備・公有化の促進、国宝・重要文化財等の保存整備を進めるとともに、国立劇場の整備・充実を図ることといたしております。  第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。  留学生交流については、二十一世紀初頭における十万人の留学生受入れを目途に、国費留学生受入れの計画的整備、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実等各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として三百五億円を計上いたしております。  更に、外国人に対する日本語教育の充実を進めるとともに、識字教育事業に対する協力などユネスコを通じた教育協力等もその推進を図ることといたしております。  次に、学術の国際交流・協力を推進するため、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、拠点大学方式等による発展途上国との学術交流、国連大学への協力の促進を図ることといたしております。  また、文化の国際交流についても、海外の優秀な芸術家の招へい事業を充実するとともに、海外フェスティバル等への参加公演、文化財保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。  第九は、教育改革の総合的推進等に関する経費であります。  ただ今御説明いたしましたように教育改革の着実な推進を図るため所要の経費を計上しておりますが、このほか、教育改革の実施に関する特別調査研究等の経費を計上するとともに、調査研究機能の強化を図るため、国立教育研究所について、引き続き整備を進めることといたしております。  以上、平成三年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。  何とぞよろしく御審議下さいますようお願い申し上げます。     ─────────────

津島雄二自由民主党

○津島主査 以上をもちまして文部省所管についての説明は終わりました。     ─────────────

津島雄二自由民主党

○津島主査 この際、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守されまして、議事進行に御協力賜りますようお願い申し上げます。  なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いをいたします。  それでは、これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 昨年もこの分科会で、教育荒廃をめぐる問題についていろいろお尋ねをいたしました。この一年間の経過を頭に入れていただきましてお答えをいただきたいと思います。  まず、教育荒廃につきましては、一番数字的に国民の間で心配になっております問題は、いわゆる登校拒否、つまり不登校と呼んでおるようでありますが、その不登校の問題、そして高等学校におきましては中途で退学をする者の数、こういったものが数字的には一番わかりやすい判断の材料になると思いますので、不登校は小、中、中途退学につきましては高等学校の今日的な数字をお示しいただきたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 お答えします。  まず、登校拒否でございますが、文部省の調査によりますと、平成元年度の長期欠席いたしております児童生徒数は、小学生約七千人、中学生約四万人、合計四万七千人となっておりまして、年年この数字はふえているわけでございます。それから、高校の中途退学でございますが、これは平成元年度、公立、私立高等学校の中途退学者数は十二万三千人でございまして、これも数がふえているわけでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 昨年お尋ねしたのは一九八八年の数字でございましたが、ことしは一九九〇年の数字であると思います。昨年よりもややふえておるようでございますが、文部省の今日的見解として、なぜそういう状況が進行するのか。教育荒廃は社会荒廃との関係において進むものと思いますが、その点についてはどのような御見解をお持ちでしょうか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 まず、登校拒否の原因でございますけれども、私どもでいろいろ調査をいたしております。それによりますと、まず登校拒否に陥った直接的なきっかけを見ますと、一つは学校生活での影響がございます。これは学校におきます友人関係ないしは教師との人間関係、こうしたものから生じてくる場合。さらには、家庭生活での影響としまして親子の関係をめぐる問題、さらには、本人の病気ないしは本人の情緒的な障害等によりましてこうした登校拒否を起こしている例が多いわけでございますが、なぜこうした問題が起きるかということにつきましては、さまざまな要因が複合的に絡まっておりますので、一義的にこれであると言うことはなかなか難しいと存じます。  しかし、いずれにしましても、今日の子供をめぐります社会的な状況等を考えてみますと、豊かな社会の中で子供たちが大変育ちにくくなっているということもございますし、また、受験競争をめぐります一つの教育の状況というようなものも影響を与えているでありましょうし、さらには家庭の教育的な機能、さらには社会の教育的な機能、そういうものが弱まってきているというようなこともあろうかと存じます。いずれにしましても、家庭、社会、学校、それぞれの要因が複雑に絡み合って生じておりますので、私どもとしましてはとにかくこうした状況を何とかなくするように、子供たちが生き生きとした学校生活を送ることができるように努めてまいりたいということで、関係機関ないしは保護者との連携を密にして、学校、教師が一体となって取り組みを行っているところでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 憲法の第十三条には「すべて国民は、個人として尊重される。」これは非常に大事な憲法の規定でございますが、要するに、子供たちがこういう形で、本来十分に保障されなければならない教育の過程から疎外されるような状況となっておるということは、今の社会が、先ほど局長の方からいろいろと項目を挙げてお話がございましたが、総じて、個人というものが尊重されるということから次第に社会の雰囲気は遠のきつつある、こういうように私は思いますが、文部省はどういう見解に立っておられますか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 学校教育におきましては、子供一人一人の教育を充実していく、一人一人が心豊かなたくましい人間として育っていくということが重要だと考えておりますので、私どもとしましてはそうした教育の実現に努力を重ねているわけでございますけれども、先ほど来申し上げましたように、子供たちを取り巻く状況というのは、子供たちが大変育ちにくい状況というのも片一方であるわけでございまして、そうした中でこうした登校拒否ないしは中途退学というような問題が起きてきているのだろうと思います。いずれにしましても、一人一人の子供たちが健全に育つという観点から私どもはこの問題をとらえて、そしてその指導の充実を図ってまいりたい、このように考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 私がこういう尋ね方をいたしますのは、教育は社会の状況と隔絶した形で進むものではございません。したがって、社会が荒廃の方向に向かうとき教育も荒廃する、そういう考え方に立つなれば、閣僚の一員である文部大臣が閣僚の一員として他の省庁に、各省の行政をもって、この世の中は人間中心の世の中なんだから次の世代が健やかに育たなければならない、そのためには我が国の社会経済の動きというものをどういう方向に持っていかなければならぬかということの見識を持たねばならぬのであります。ところが、先ほど私がお尋ねいたしましても、局長の方からは依然として項目を挙げられるだけであります。社会との関係ということを考えて、もちろん教育方法論として学校でいろいろなことをやらなければならぬし、そのことがまた学校をめぐる親とか地域社会等の教育機能をフルに発揮しなければならぬということでありますが、一般的に我が国の社会の荒廃ということを考えなければならぬと思います。大臣からは後ほどまたお答えをいただきます。  そこで、結局のところ、社会荒廃がすごい勢いで子供たちの肩の荷にかかってくる、それをある程度何とかしのいでいかねばならないということで、教育は次第に、特に中学とか高校になりますと管理主義的な方向に向かいつつある。その管理の一つが、先ほど御指摘になりました受験競争体制というものも一つでありますが、主として規律などをめぐる管理をやかましくすることによって何とか当面の秩序を保とう、当面の学校体制を保とうという方向に向かっておると私は思うのであります。この点につきましては、文部省とすれば、俗に言われる管理主義教育というものに対してはこれを是とされるのか、あるいは子供たちの自主的な感覚に基づいて学校を運営して、自主的な能力をフルに発揚させるようにしむけるべきだとされておるか、この点につきましては都道府県教育委員会との関係において、文部省の方針はいかがでしょう。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 世上管理主義という言葉がいろいろ言われていることは承知しております。ただ、これはおっしゃる方によりましていろいろ意味合いが少しずつ異なる場合もあるわけでございますが、いずれにしましても、今日管理主義と言われているのは、特に生徒指導の場面におきまして、校則を中心として画一的な指導ないしは非常に瑣末にわたる指導というものが行われている、それが子供たもを息苦しくしているということが主として管理主義として批判の対象になっているというふうに私は理解しているわけでございます。  そこで、生徒指導の場面におきまして、学校の指導方針とか生徒の実態に応じて校則を定め生徒がこれを守るということは、学校教育において必要であろうと思います。しかし、その校則を定め生徒がこれを守るという場合におきまして、いたずらに画一的な指導であったり、ないしは瑣末にわたる指導というものが行ぎ過ぎますと、本来の生徒指導の目的を達成できないということもあるわけでございます。  したがいまして、文部省としましては、生徒指導におきます例えば校則の内容とか、その運用のあり方につきましては、生徒の実態に合うように、生徒が健やかに伸び伸びと育つことができるようにする必要があるということで、校則の見直しということも各学校に都道府県教育委員会を通してお願いをしております。今、主として中学校、高等学校におきましては、こうした管理主義として批判される事態を招かないように、教育の内容、運用のあり方についているいろ見直しをやっておりますし、例えば校則の見直しなどもかなりの学校で行われている、このように承知しております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 今お答えになりましたようなことが本当に徹底すれば、私が危惧しておる一つの問題というものはクリアできるわけであります。しかしながら現実は、昨年夏のあの兵庫県の高塚高等学校の惨事、これはまさに管理主義の最も極端なやり方でとうとい生徒の一命を失わせることになった、こういう事件であると思います。したがいまして、これから先さらに管理主義の弊害というものをよく検討されまして、生徒の自由に伸び伸びとした人間として持っている活力をうまく引き伸ばしていく、その上で教育の実を上げる、こういうことをひとつぜひ進めていただきたい、かように思うわけでございます。  そこで、そのときに私、ちょっと心配でございますので高塚高等学校へも行ってみました。当時新聞で騒がれたことは、事件直後生徒を集めましに、君たちがもう少し早く来てくれればあんな事件は起きなかった。つまりこういうようなのを顧みて他を言うというのですね。自分の管理主義は棚に上げて、そして、君たちがもう少し早く来ればこんな事件はなかった。物事はどちらが反省をしなければならないのか、どちらがまず率先しなければならないのかということが逆転しておるわけです。そういう点につきましては、文部省とすれば、あの校長の考え方、あるいは行ってみますと、関係のない人は入ってくれるなというような——例えば私が高塚高等学校を訪れる理由は、やはり国会議員の一員として校長なり教員なりに面談をしてどういうことかということな聞きたいということもあるし、また私の経験からかくあるべきであるということも伝えたいという気持ちもあります。あわせて、そのことが非常に身近に感じられるのは、あの亡くなった高校生の母親が私と同じ高等学校の出身でございます。つまり、自治体は私と一つであります。余り距離は離れていない、歩いて三分ぐらいのところの方でございます。そういうことで非常に深い悲しみを抱きましたが、関係のない者は入るなというような形で、ああいう事件が起きたときに特にガードを固める、これが私は管理主義というものに対する何らの反省のない姿であろうと思いました。こういったことについては文部省はどのような考え方を持っておられるか、御答弁いただきたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 御指摘のように、あの事件は大変痛ましい事件でございます。かけがえのない命をこのような形で失いましたことについて、教育に関係しておる者としまして大変厳粛に受けとめております。  私どもは、生徒指導のあり方として、例えば遅刻指導などもその一つでございますけれども、やはり生徒一人一人の個性を生かす、人間味のある温かい指導というのが必要であろうと思います。規則であるからその時間に門を閉めるということではなくて、まず何よりも人間味のある指導ということを第一に考えております。それから、学校の指導も、社会の良識を踏まえた、国民や保護者の理解が得られるような指導であるということも必要であろうと思います。さらに、生徒指導におきましては、教師と生徒との触れ合いを基盤としまして一人一人の生徒のよさというものが積極的に評価される、それを伸ばしていく、援助する、こういう指導が大事であると考えております。  御指摘のように、事件が起きたとき学校がそれをガードするのではなくて、やはり外に開かれた学校でなければならないと考えておりますので、私どもは今申し上げましたような視点から指導いたしておりますが、御指摘の点につきましては、今後一層指導を充実してまいりたいと考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 今からの発言は指摘だけにとどめますが、私が参りましたのは事件が起きて十日ばかりたっておりました。兵庫県の県議会文教委員会は、あの犠牲になった女子生徒が亡くなった場所に花輪をささげておりました。生花をささげておりました。そして香は絶え間なく続いておる、こういうことでございましたが、そのときに新聞記者に対する対応もそういうことだというので新聞記者の諸君も大変立腹をしておったような状況でございます。したがって、管理主義というものがいかにおのれの悪さをガードしながらいくかということのこれは典型であると思いますので、私が現地で見聞したことでありますから申し上げておきたいと思います。  そしてもう一つは、駅の名前は忘れましたけれども、あの学校の一番近くの駅から私歩いてみました。十三、四分かかりました。比較的早足で歩きまして十三、四分であります。列車の時刻表を見ますと、一番手近な列車が着くのが始業時間までに十四、五分しか間がないわけでありまして、それはもう一便早く来ればよいという理屈は成り立ちますけれども、子供たちはやはり眠たい。それこそ朝のいっときは非常に眠たくて、それは健康上やはり眠たいときには眠るということも大事でありますので、まあぎりぎり行くのでしょう。そこで五十人、七十人と連れ立って行けば一、二分はどうしてもおくれるという時間帯を始業時間にしているということも独善的な管理主義のあらわれである、そういうふうに私は思いました。これは指摘にとどめておきます。そこでお尋ねをいたしたいと思いますのは——つまり悪かった方はどちらかということのこれは本来が転倒しておる校長の談話であるということを私は感じたのであります。  そこで、文部省も加わってのことでありますが、私が深く憂慮をいたしておる点は、いわゆる一九八六年の地対協部会報告であります。部会報告から受けて意見具申なるものが出ました。政府はこれをにしきの御旗に振りかざそうといたしておるわけでありますが、事実は大分違いますので、その点につきましては最近声が小さくなっておるようでありますが、地対協部会報告というのは、あの意見具申の中にも書かれておる中身というのは、差別される者が悪いのであって差別する者は悪くないという思想が貫かれているのであります。これは文部省も実は代表を事務次官を出しておるということでありますが、事実は事務次官が行くことはほとんどないのでありまして、これも、審議会とか協議会の性格というものが非常に大事であるにもかかわらずそういうルーズなことを政府がやっておるということで、私はしかるべき時期にこの問題は全体のデータを持って話したいと思っていますが、そういう考え方に文部省が賛同するということは、いやそれは部落問題はこうだが学校の問題はそうではないという、そこで論理がちぐはぐになるようなことはできないのでありますから、そういう点につきまして一体どういうふうな考えを持っておられるか。つまり、差別を受けて文句を言うたらすぐ警察へ言うていけというようなことを地対協の路線は言っておるが、一体それでは差別した者が悪いのか、差別を受けた者はどうなるのか、こういうことになるわけでありますが、そういう感覚についてはいかがでしょうか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 同和問題につきましては、私どもは憲法に保障された基本的な人権にかかわる重要な問題であると認識しております。また、この問題の解決のために果たす教育の役割というのは極めて大きいというふうに考えております。このため私どもは、基本的人権尊重の教育というものを全国的に推進する、そしてそれは地域の実態を配慮した教育を行う、さらには教育の中立性が守られる、こういう三つの方針のもとにこの同和教育を進めているわけでございまして、私どもはそうした差別が一日も早くなくなりますよう、今後とも同和教育の充実に努めていきたい、このように考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 教育の中立性と言うと非常に耳ざわりがよいわけであります。もちろん教育の中立性に言葉そのものの抽象的概念として私は反対するものではありませんし、そうなければならぬと思っています。しかし文部省がやっておる教育は、中立者の名のもとにどこまでも国権的な国の権力というものをぐっと前に出した、それは中立ではありません。権力からつまり中立であるというのが本当の中立なのであります。  そういう点につきましては、例えば最近の日の丸、君が代の押しつけ、新学習指導要領でああいうことをやったから大分押しぎみであるというふうにお考えかもしれませんけれども、衆議院の予算委員会のこの分科会でまだこう言う者がおるということを踏まえておいていただきたいと思います。一体、日の丸と君が代はいつ国旗、国歌になったのですか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 日の丸、君が代につきましては、長年の慣行によりまして、国民の間に慣習法的な存在ないしは事実たる慣習として定着しているというふうに考えられております。このことは政府におきましても、国会等において繰り返し答弁しているところでございます。このような点を踏まえまして、私どもは学校教育においても日の丸、君が代を国旗、国歌として教えるということが、これからの国際化を考えますときに、二十一世紀に生きる子供たちの教育としては重要なことであるというふうに考えて行っているところでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 これもまたいずれの日にか内閣法制局と議論をしたいと思いますが、慣習法というのは国の権力と民間との間で言うべきことではないのであります。民民で言うて初めて文章に書いてないことが通用するのであります。なぜならば、罪刑法定主義の精神というものは、つまり権力が国民を圧迫してはならないから罪刑法定主義と文章に書かれたとおりにいこう、条文に書かれたとおりにいこう、こういうことなのでありまして、その慣習法云々というのは、これは詭弁でございます。つまり、例えば日の丸にいたしましても、第二次大戦のときのあれは侵略の旗印であったということは御承知のとおりです。よほど良心的な各県教育委員会にあって、そのときのことを反省して掲げようということを言っておるわけであります。しかしながら、現実、日の丸がそういう旗印であったということについて国家的な反省が本当に徹底してなされておるか、これは私はなされていないと思います。そればかりか、最近は右翼が右翼の宣伝カーの旗印にしておる、こういうことなのであります。そうなりますと、日の丸のことを教えなさいとか、かけなさいと言いましても、子供たちは、あれは右翼のおじさんがかけておる旗印をこれは国旗なんですかということになって、先生たちは非常に教えにくいのであります。  そういうことを考えると、これは文部省のごり押しである。しかもそのことによって業務命令に従わなかったら処分する。国旗でもない、国歌でもないものを一学習指導要領によって通達して、そして人々をひっくくる。こういうことになりますと、それは面従腹背の気持ちは次第に浸透するかもわからぬけれども、なかなか人々の気持ちはそういうものではない。特に先生方は矛盾を感じて子供の前に立たねばならぬ、こういうことになるのでありますが、一言答えてください、先生はどう教えたらいいのですか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 国旗、国歌につきましては学習指導要領で指導することを決めているわけでございますが、これは学習指導要領は教師の指導の基準でございます。国語を教え、数学を教え、理科を教える基準と同じように、やはり国民の基礎、基本の一つとしてこの国旗、国歌について教えるということが重要であるとして基準に定めているわけでございます。したがいまして、公教育に携わる教師としましては、その指導の基準に従いまして子供たちに国旗、国歌のことを教えていただきたいというふうに私どもは考えているわけでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 それではやはり先生方も教えるのに困ると思いますね。だけれども時間がないから、きょうはそういうことをまだ言う者がおるということだけは頭に入れておいてください。しかし、これはかなりの声になっていますよ。だけれども、それは残念ながら指摘だけにとどめたいと思います。また後ほど機会がありましたら、やらせていただきます。  そこで、先ほど管理主義教育については一定の見解が出ましたし、総じて教育というものは合理的精神に基づいて進められなければならないと私は思うわけでありますし、また同和教育のことについて同和対策審議会の答申の中に、合理的精神を養わねばならぬ、こういうことを書いていますね。しかも、その合理的精神を単なる一般的教育ということでするのではなくて、もっと具体的な部落差別なら部落差別ということを教材としてやるべし、こういう意味のことが書いてあります。  そこで、従来、この合理的教育というのは、部落差別はだめだ、これはいかぬのだ、こういうことは教えていますね。しかし、同対審答申が冒頭にうたっておる我が国社会の歴史的発展過程において形成された身分階層構造というところについては、ほとんど素通りをしています。したがって、この我が国社会の歴史的発展の過程の不合理な身分階層構造のうち、時間の関係で節約しますが、この部落の差別の起源ということについて余り的確に触れておられない。部落の差別の起源につきましてはいろいろな説がございまして、職業起源説とか宗教起源説とかいろいろございますが、その中の一つの系譜として、現在の部落というものが、戦国末期のそれぞれの出城の武将とそれの部下、つまり簡単に言うと近世封建社会における侍でありますが、それの流れが戦国時代の戦いとの関係において、負けた方が肩をすぼめてひっそりと生活をしたという系譜がございます。そんなことも教えて、だから今日の差別は不合理だ、そして、その不合理は単に観念的に不合理というだけでなくて、そういう歴史的に紆余曲折があった、そのことを差別するのは不合理だ、その差別は現実にまだ具体的な事実がある、こういう形で学校で教えなければ、それは興味本位に子供たちは受けとめるだけであります。  ここに一つの冊子がございます。これは私の郷里の相当お年寄りの方でありますが、九十歳になる世良戸城さんという人が、私、少年時代からこういうことを主張しておるということは知っておりましたが、つい最近「追放浪士の研究」という本を私に送ってきてくれました。これを見ると、私は土地カンがありますから、あの出城とあの部落との関係があるのか、あの城とあの部落の関係があるのかということがだんだんわかってきますが、何もこれは先祖がどうであったから差別がないのだという論拠に使うべきものではなくて、つまり歴史というものは、紆余曲折をたどってそのときそのときに底辺に沈んだり頂点に立ったりする、たまたまその底辺に沈んだものをずっと引き続いて差別するということはいかぬのだ、ここを実感を込めて同和教育をするということが大事でありますが、初等中等局長、いかがですか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 学校におきまして、この同和教育を行うということは大変重要なことであると思います。そのときには、やはり基本的人権の尊重ということを基本に据えまして、児童生徒の発達段階を考慮しながら、いろいろな教科ないしは道徳、特別活動などの特質に応じて適切に行うということにしているわけでございます。例えば社会科では、今御指摘がございましたような歴史学習の中で扱うこともございますし、また公民的な学習としまして基本的人権の尊重ということも行います。さらには道徳では、差別をしないという公正公平、そういうことも指導するということで、学校教育のいろいろな分野でそれぞれの教科ないしは領域の特質に応じて、必要かつ適切な教育を行うということにしているわけでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 時間が来ましたので、大臣の答弁はもういただかずにやめざるを得ません。ありがとうございました。

津島雄二自由民主党

○津島主査 これにて小森龍邦周の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤恒晴君。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 私は、テーマといたしましては、非常に国会で今日までいろいろと議論をされまして、いわば古くて新しい問題かと思いますが、お尋ねをしたいと思います。それは、国民体育大会の開催につきましてはさまざまな意見がありますし、また私も開催のあり方について意見を持っておりますが、きょうは、開催に関連するいわゆる地方の負担といいますか、開催地における財政負担等の問題を中心にお尋ねをしたいと思います。  文部省は、一九七六年かと思いますが、この地方負担の解消といいますか、つまり国の、負担の解消に逐次努力をするというような見解を表明されたやに聞いておるのでありますけれども、平成三年度におきましては体育大会補助金四億五千六百万、平成二年度も四億五千六百万、平成元年度も四億五千六百万ということでございまして、この三年間の補助については同額推移、こういうことに実はなっているわけであります。それで、私はこれから伺うに当たって、こういうことの気持ちで聞いているのだということを知っていただくために、過去の開催例の地方負担の問題について、ちょっと長くなりますが申し上げたいと思うのであります。  栃木県の例によりますと、県の財政支出が二百十八億円、市町村が百六十一億円、三百七十九億円でありますが、この負担の割合は五七%と四三%ということであります。これに対して財源措置がどうであったかということになりますと、国の支出が三三%、地方債で二三%を賄い、一般財源で四七%を賄った、こういう過去のデータがございます。しかも、この使途をさらに分解をしていきますと、準備運営に五・七%のお金を使って、施設に二〇・一%、関連道路等について七二・八%、その他が若干あります。さらにまた、大会運営ということについて約十八億円を費やしているわけでありますが、これの負担については県が七億八千万、それから国が三億三千万、日体協が一千二百万、寄附等で七億円ということで、市町村に対して六億円を交付した、こういう栃木県の一つの例でございます。  こういう状況にあるわけでありますけれども、まずお尋ねをしたいのは、先ほど申し上げましたが、石川県に対して四億二千百万、山形県に対して三千五百万、こうなっているわけであります。そこで、現段階における石川県及び山形県における施設あるいは施設関連あるいはまた道路、そしてまた準備運営、こういうものの予算が具体的にどのようになっているのか、もう開催年であり、また翌年開催年の場所でありますからそろそろ把握しておられると思いますので、まずその点からお尋ねしたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今、国の助成の関係につきましては、先生御指摘ございましたように、昭和三十年の第十回大会以来、国民体育大会の開催に直接必要な経費ということで競技運営費とか式典費等の一部を開催地の都道府県に対して補助している、こういうようなことでございます。  県におきましては、これは都市公園法に基づきます公園施設としての整備をしたりいろいろな形で、あるいは起債を受けての整備をしたりというようなことでございますので、私のところにおきましてはまだ全体的な経費の状況というのは把握をしていない、こういう状況でございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 把握をしていないということであればちょっと以後の質問がやりづらいのでありますけれども、しかし既に補助金を来年も含めて本年開催年について四億五千六百万円を予算化している。しかも、三年間同じような数字を計上しているわけです。これはもちろん各県及び市町村等において、どういう事業費が幾らかかるかということの根拠があって初めて国の方は補助額を算定できる、こういうふうに実は思うわけでありまして、決算としての数字ではなくて、現時点における数字は当然把握してしかるべきだと思うのですが、再度お答えをいただきたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今私どもが補助しておりますのは、国民体育大会の開催に直接必要な経費ということでございまして、現在御審議いただいておりますのは平成三年度の予算ということで御審議をいただいておるわけでございます。これは平成三年度に開かれるものでございますので、県の方は恐らくこれからいろいろどれくらいの経費がかかるかというようなことを予算査定したりして決めていく、こういうことになろうかと思っております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 それではもう少し観点を変えてお尋ねしたいと思うのですが、スポーツ振興法では、この国体については三者共催ということになっていると思うのです。それでは、今の石川県等の費用がまだはじかれていないというか把握していないということであれば、三者共催ということになっておりますけれども、三者共催ということはつまり費用は国が負担をする、あるいはまた残りの共催をする団体が応分に負担をする、こういうことだろうと思うのでありますが、それで間違いないでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今御指摘のように、日本体育協会、国そして開催地の都道府県が共同して主催をするということでございまして、現在国が補助をしておりますのはこの運営費でございます。県が出します運営費に対して国が補助をする、それの予算額が四億五千六百万、こういうことでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 それでは、先ほどちょっと栃木県の一例を申し上げましたが、十八億二千万円の運営費のうち県の拠出分が七億八千万、寄附が七億円というのがあるわけですね。そういたしますと、三者共催とはいうけれども寄附等によって賄われるという部分もあるわけです。こういうものは、善意のお金をいただくということについては何も拒む必要はないと思うのでありますが、しかし大会運営費に民間等の、つまり三者以外のお金が入っているというのは、これはそうせざるを得ないという実態があるから寄附等を受けながら大会を運営する、こういうことではないかと実は私は思うわけであります。  そこで、運営費についてだけ出すんだ、運営費についてだけ出すんだというふうにおっしゃっておられますけれども、スポーツ振興法にはさらに、大会の円滑な運営のための援助を行うという、条文は金を出すというふうに必ずしも書いておりませんけれども、円滑な運営をするために援助をするというふうに規定もしているわけです。ということは、財政を含めて円滑に運営できるようにやるということは施設などを、つまり競技あるいは運営に差し支えない施設などもつくっていく、そのことについても円滑な運営の概念に入ると私は思うのですが、その点は一切かかわりなし、こういうことでお考えですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今、スポーツ振興法の「国民体育大会の円滑な運営に資するため」ということで「必要な援助を行う」、私どもはそういう意味でこの国民体育大会の開催県に対して大会運営費等の補助をしている、こういうことでございまして、今の施設の話につきましては、そのほかに文部省としては、県なり市町村がつくります体育施設の整備に対する補助金とかそういうものも用意をしておるわけでございます。あるいは先ほどもちょっと触れましたが、都市公園法に基づきます公園施設としての整備というようなこと、あるいはその他のいろいろな起債に基づく整備、こういうこともございますので、それぞれの開催県におきましてはそういういろいろな補助制度というものを活用しながら施設の整備をお願いをしたい、このように思っておるわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 今いろいろなものを活用しながら施設の整備をしてほしいというふうに思っているということについて、もうことし開催する石川県というのは、そういう制度を活用しながら補助なりの導入をして、どういう設備なり関連施設なり道路の整備をやっているか、このぐらいのことは開催年に入ったらもうそろそろ把握できていると私は思うのです。というのは、私は平成七年予定の福島県の関連事業費について、平成七年ですから最終的な集約はまだ全部上がっておりません。しかし大どころの数字はもう個別市町村から集約ができているわけですね。そういう点から見ても、今年度に開催するところの、つまりどういう経費に幾らかかりそうか、かかるかということの数字が把握されていないというのは、そういうことではちょっと私は納得できないですね。そんなふうに文部省というのは、国体は運営費さえ出せばそれであとその県が独自にやるだろう、建設省やその他のところから財源を引き出して何かつくるんだろう、そんなふうな調子で把握されておられるんですか。  それでは、実際に開催されて、先ほど私が申し上げたようにそれぞれの施設なり施設関連、あるいは道路なり大会準備、大会運営の経費がどのくらいかかったかということを把握しておられるのは、過去何年度までの開催の分について把握しておられるのですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 私どもといたしましては、数字でどうこうという把握ということよりも、むしろそういう大会が行われる施設というものが、その準備が十分できておるかどうかということにつきまして、これは大会の運営上どうしても必要なわけでございますから、そういう面につきましては私どもも十分県の状況を聞いたりはいたします。ただ、現実にそれに対してどういうお金がかかったか、例えば道路でいきますとその道路のどこの部分が国民体育大会の分であるかとか、そういうふうなことは判定することは大変難しいわけでございますから、私どもとしては、そういう数字がどうということよりも、その必要な施設というものが大会に間に合うように整備がされておるか、あるいは準備というものについても、それは財政面だけじゃなしにいろいろな協力体制なりそういうものができておるかどうか、そういう面につきましては十分県あるいは体協との間で御相談をしておりますけれども、実際上それに対して経費がどうのこうのということまでは私どもとしては把握をしてない、こういう状況でございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 私は施設関連や道路づくりを文部省がやれと言うわけではございませんので。それはそんなところまで細かくはわからないということかもしれません。しかし私は、三者共催で開催地においてどのぐらいの施設をつくるのにどのぐらいの金をかけてやっておるのかということぐらいは把握しなければ、統括部局としては、所管省としてはおかしいのではないか、こう実は思うんですね。ですから今申し上げたように、それでは、今やっている、今年度開催するなり、これからやるところについてはまだわからないというのは一歩譲りまして、過去の開催地において何年度の大会までだったら把握されているのですか。それさえも把握してないということですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 過去のものにつきましては、平成元年度までのものについては県から事情を聞いております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 それでは、これはこの質疑のやりとりの中でなくて結構でございますから、委員長の手元で配慮をいただきたいと思いますが、冒頭私が質問をした項目に基づいて、またそれに類似した項目でその一番新しいものの把握しているところを、資料でお示しをいただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

津島雄二自由民主党

○津島主査 佐藤君の要求の資料、文部省の方で提出していただきたいと思いますが、どうでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 よくよく相談して……。

津島雄二自由民主党

○津島主査 じゃ、相談の上できるだけ御要望に沿うようにいたします。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 それでは、大会の費用については運営費だけだ、こういうお話でございますけれども、地方自治法の関係でまいりますと、これは三者共催でありますから完全に一〇〇%国の事務というふうには言い切れないかもしれませんが、少なくとも国と日体協と開催地の都道府県ということでございますから大方の部分は国の事務という見方ができると私は思いますが、そのためには必要な措置をしなければいけないということに実は地方自治法ではなっていると思うんですね。そういう点から見て、これは後ほど自治省の関係者が来ておられればお尋ねをしたいと思いますが、こういうことについての法的な定めについてそれでは文部省の方は、地方の費用負担という立場から見てこの条文をどのように解釈されておられますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 繰り返しになりますけれども、スポーツ振興法で三者共同主催ということが書かれ、同時にまた、国は国民体育大会の円滑な運営に資するため必要な援助を行う、こういうことでございますので、私どもとしてはその規定に基づきまして現在の予算措置をしている、こういうようなことでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 国民体育大会の開催基準要項によりますと、大会経費については、「開催地都道府県(会場地市町村を含む。)負担金又は準備金及び入場料等」をもって大会経費は賄う、こういう定めはなっておるのでありますけれども、開催地市町村に対して負担を求める法的根拠は何ですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 法的根拠と言われますと、具体に国民体育大会はついてどうという規定はないわけでございますけれども、県から市町村に対しましてそういう協力を求めている、こういうことかと思うわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 協力を求めていることだと思いますというのじゃなくて、これは日本体育協会が定めた国民体育大会基準要項であります。その中に大会経費、これは開催地市町村を含むということで負担金を求めるとなっているのです。思うではなくて、これは文部省として体育協会が定めたこの要項に対する明快な見解を持たなければ、共催をする団体のやり方について、あるいはそれを受ける市町村に対する対応の仕方について、それを、思うでは困るので、明確な根拠をお示しいただきたいと思います。  なお、先ほど申し上げた質問とそれから今の件に関して、答弁の後に、自治省関係者がもし参っておられましたら、所感があれば伺っておきたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 県におきましてこれをいろいろなものを企画し、そしてまた開催するわけでございまして、その段階におきまして市町村との間にいろいろな話し合いが行われるわけでございます。そういうことでございますので、市町村にとりましてもその大会の開催がされますということは、国内の代表選手の試合を見られるとか、あるいは市町村の中におきます市民スポーツが盛んになるというようなことで市町村にとっても大変意義のあること、そういうようなことから、地元市町村におきますスポーツ振興という見地から見ましても、開催、運営に要する経費を負担するということは不適当なことではないと考えられるわけでございます。いずれにしましても、これは県内におきまして、県と市町村の間で十分協議をして決めること、このように考えている次第でございます。

蒲谷亮一自治省財政局指導課長

○蒲谷説明員 市町村の負担の問題でございますけれども、これも今文部省の方からお答えがあったとおり、種目が開催される市町村について十分県その他等と協議をして、合意の上で経費の一部を負担する、このように理解をしているところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 先ほど先に質問した自治法の関係については答弁がないようですから、いいですけれども、今の局長の答弁では、開催地にそれなりの利益があるといいますかそういうことで、負担をさせることは不適当ではない、県と市町村が協議して決めることだ、こう言うのですが、不適当でないという根拠は何ですか。というのは、これは私は先ほどから聞いているのですが、日本体育協会の開催基準要項の中で日体協が市町村に負担をさせると書いてあるのですよ。これはいわば民間の団体でしょう。それが市町村に大会経費を負担させるということを決められる根拠は何ですかと聞いているのです。不適当ではないと言うなら、何を根拠にして不適当でないのかということです。開催地に利益があるから不適当でないなどと言うのは、これは国民体育大会が三者共催であるという趣旨からいってそこまで飛躍して市町村に負担をさせるということにはならないわけでありますから、不適当でないと言う根拠を示していただきたい。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 この開催要項を見ましても、今お話ございましたように「都道府県(会場地市町村を含む。)」ということでございます。そして開催地市町村としては、これは独立の地方公共団体でございますから、どういうものに、いろいろな開催なり、あるいは意義を認めてどのような負担をするかということは市町村が判断できるわけでございます。したがいまして、独立の地方公共団体である都道府県と、それからその都道府県内におきます市町村がそれぞれ独立の立場で協議をして、こういうことに確いたしましょうということを決めて分担金を出すことは何らおかしいことではない、このように考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 非常に自主的にやっておられるような格好のいい答弁でありますけれども、それでは、私はこれまでの開催及びこれから開催されるところすべてについては把握しておりませんけれども、少なくともこれから開催されるところについて私が知っている限りでは、一競技一億円負担ということですね。これは県と市町村が自主的に協議して決めるなどということではないのです。競技種目にかかわりなしに一競技一億円負担です。だからその市において三種目が開催されれば三億円負担ということです。もしそれは自主的に県と市町村が決めているんだというふうにあくまでもお逃げになるとすれば、その県と市町村のやっている根拠は、この基準要項の三十一項によるのだろうと思うのですが、これをお認めになっている文部省の立場は、ではどうなんですか。何を根拠にしてこういうやり方をお認めになるのですか。民間団体が、三者共催の一つである民間と思われる団体、法人でしょうけれども、その法人が、市町村がどういう金を負担するか、県と協議して何を負担するかなどということを決めて拘束することができるのですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 御指摘の点は、国体開催基準要項の話かと思うわけでございますけれども、これは日本体育協会が示したガイドライン、こういうように私どもは考えております。したがいましてそれ自体は何らの拘束力がないわけでございますけれども、この内容が国体の円滑な実施のために必要な最低限の基準であるというようなことから、開催県におきましては、この要項の遵守を要件といたしまして開催県からそういう誓約書が出される、こういうことが通例になっておるわけでございます。そういう誓約書が出されることによりまして開催県がこの基準要項に拘束される、こういうようなことになるわけでございます。  いずれにいたしましても、これは市町村が都道府県から依頼を受ける、その依頼を受諾いたしまして積極的に各競技会におきます会場施設の整備とか運営に当たるということは、当然これは市町村の仕事としてやれるもの、このように私どもは考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 市町村が積極的に受け入れるということでございますが、開催地を申請するには市町村の決議書ですね、添付をして申請しなければいかぬというような要項になっているわけですね。ですから、一たんその市町村が開催をすることを受諾するような決議をすれば、それはそれで拘束されるのだというお答えでしょうけれども、私は少なくとも、財政負担するという根拠が今までの答弁の中で説明されているというふうには思いません。  時間もございませんので先に参りますが、それでは幾つか具体的な点でお尋ねをいたします。  競技を開催する場合に、その競技によって仮設というような場合もございます。つまり大会が終われば取り払うということです。しかしながら膨大な経費がかかる。あるいはまた競技人口がない。例えばカヌーなどというのは地方ではほとんど競技人口はない。しかし、そういうカヌーを開催するような市町村はつまり財政力がある市町村ではない。少なくとも過疎というかあるいはまた小さな村とか町とかそういうところの流れる川などを利用するということが多い。そういうところの経費もこれまた非常に膨大なものであります。それでも文部省は、競技は開催させるけれども、どうやってその競技場をつくるか、あるいは仮設施設をつくるかなどということについては、平成元年度分しか把握していない、これからのものについても、過去二、三年の分も把握してないということで、仮設分もあるいはまたそういう競技人口の少ない競技の経費についても、それは文部省としてはあずかり知りません、あくまでも県と市町村がやるんでしょう、こういうふうに受けとめてよろしいですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは、国民体育大会というものの開催を契機といたしまして、県内におきますスポーツの振興が図られる。必ずしも今まで余り県内におきまして大きな関心を呼ばなかった競技につきましても、国民体育大会で開催されることによりまして多くの県民なり市民の方がそれに関心を持つ、こういうような契機になるわけでございますので、やはりそれは県におきますいろいろな状況、こういうものを判断しながら県、市町村の間で十分お話し合いの上決めていくことが妥当なことではないか、このように考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 時間もございませんので、最後に二つだけまとめて御質問を申し上げたいと思います。  先ほど私は、冒頭に栃木県の例を挙げました。その場合に、準備及び運営金は五十一億円かかっている、大会運営費については十八億二千万円だ、こういうお話をしました。つまり、残りの分は準備費なんですよ。これは設備をつくるものなどとは違うと私は思うのです。大会運営費と同じと考えなければいかぬと私は思うのですね。そういうものについてはあずかり知りません、こういうことでは極めて問題だろうというふうに私は思います。  そこで質問であります。一つは、先ほど私申し上げましたが、一九七六年当時だと思いますが、文部省は、費用の負担、つまり三者共催でやるから経費の負担については逐次増加をさせていきたいという答弁をしたように私はある資料で拝見をしたわけであります。そういう事実があるとすれば、私は、単に経費については云々という先ほど来の答弁ではなくて、もう少し前向きに、具体的な費用をカバーしてやる、そういう負担の補助をしていく、経費の補助をしていくという姿勢があってしかるべきだと思います。  それからもう一つは、国体をやるにはその開催地で数百億円の費用がかかるわけですね。そのことを文部省は知りませんでは済まないと私は思うのですよ。そこで、各市町村が道路をつくるには何とか事業、施設をつくるには何とか体育の補助要綱に基づく補助導入、こういうことで、市町村があれやこれやの補助制度を導入して、やりくりをしながら起債をし、一般財源を投入して大会開催のための施設をつくる、こういう苦労にこたえていくためには、国体のあり方自体を私は本当は問題にしたいのでありますけれども、少なくとも現行のシステムをとる以上は、例えば体系的にあるいは特例的に、仮称でありますが、国体施設整備事業特例措置みたいなものをつくることによって、この大会開催のための施設及び準備活動が円滑にできるような特別措置を考えていくということでなければ——根本的に国体の問題については私は疑問を持っています。しかし、当面の方法をとっていくとすれば、そういう特例措置的なものをやって市町村が苦労せずに施設整備ができるという方法をとるべきだというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 大会運営費につきましては先ほど来御答弁申し上げておるようなことで、国としても大変財政は厳しい中でございますけれども、前年同額を確保すべく努力をしてきた、こういうことでございます。  それから、施設の関係につきましては、これは各省それぞれ、都市公園法に基づきます施設の整備とかあるいは自治省が行っております起債措置とかいろいろな措置がなされているわけでございます。そしてまた、施設の整備の状況というものも県によって大分事情が違うわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、いろいろなその県内の状況というようなものも御勘案いただきながら、いろいろな助成制度、もちろん文部省におきまして社会体育施設の整備の補助金も用意しておりますので、そういういろいろな制度というものを活用しながら、できるだけ立派な施設というものの整備をお願いしたい、このように思っております。  それから、そういうことにつきまして一括法と申しましょうか、そういう法律、制度を整備してはどうかという御指摘かと思うわけでございますけれども、私どもといたしましては、今お話しいたしましたようにいろいろな制度がございますので、やはりその中で適切に対処していただくということが大事かと思っておるわけでございまして、特別な立法措置ということにつきましては現段階においては考えておりません。

津島雄二自由民主党

○津島主査 時間が来ておりますから簡明にお願いします。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 七六年当時に国の負担については漸次ふやしていきたいというような答弁をしているように私はある資料において拝見をしておりますが、そういうことであれば、今後漸次運営負担金等をふやしていくようなお考えがありますかということを前段に申し上げている。

津島雄二自由民主党

○津島主査 簡潔に御答弁をお願いします。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 ちょっと今急な御指摘で、七六年というのは私も今手元に資料がないので具体にどういう指摘かちょっと御答弁しかねるわけでございますけれども、過去の例を見ますと、これは昭和三十年度にできてから補助金額としては五十六年までふえてきております。それから五十七年から六十三年までは同額で来ておりますが、平成元年からこれをふやしまして、現在その数字が三年間続いている、こういうような状況でございます。私どもとしてはできるだけこれを充実したいという気持ちは持っておりますけれども、先ほど御答弁いたしましたように、財政事情が大変厳しいという中でございますので、こういうような状況になっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、努力をする点については、私どもとしてはそういう方向で頑張っていきたい、このように思っております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)分科員 終わります。

津島雄二自由民主党

○津島主査 これにて佐藤恒晴君の質疑は終了いたしました。  次に、小川信君。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 まずちょっと大臣にお聞きしたいのですけれども、大臣、相撲はお好きでございますか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 大好きでございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 国技館に見に行かれたことはございますか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 ございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 大臣は相撲が大好きで国技館にも相撲を見に行かれたことがあるようでございますけれども、日本で相撲ファンというのは何千万人、たくさんおられるだろうと思うのです。一生のうちで一度は本場の国技館での相撲を身近に見たいというような方々がたくさんおられるだろうと思いますけれども、なかなかそういうふうな機会が得られないという人たちも現実にたくさんおられるということだと思います。きょうは、日本相撲協会の事業なり運営なり、特に相撲ファンのあこがれの的であります国技館で相撲が見たいというファンの皆さん方の気持ちを代弁して、若干質問させていただきたいと思います。  相撲協会は財団法人で、これは文部省の認可法人だと思いますけれども、その設立目的が「我が国固有の国技である相撲道を研究し、相撲の技術を練磨し、その指導普及を図るとともに、これに必要な施設を経営し、もって相撲道の維持発展と国民の心身の向上に寄与することを目的とする。」このようにされております。まずそこで一般的な認識としてお伺いしたいのは、これは局長からお話しいただければと思いますが、「我が国固有の国技」というのはどういうふうに認識すればいいのか、お尋ねしたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 古来から日本でずっと行われておった、例えば今ございました相撲とかあるいは剣道とか柔道とか、そういうようなものを指すものと考えております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 そういうふうに剣道、柔道とはまた性格を異にして、相撲というのは古来から農耕民族である日本人の豊作を祈願して行なわれておるというような起源もありましょうし、また江戸時代等では諸大名等々の権力、力を誇示するというような意味でこれが大いに奨励された、いわゆるお抱え相撲といいますか、そういうふうなことだったと思います。現在の相撲というものが現在のような形に定着してきたのは明治以降ではないかと思われるわけでございます。  ともあれ、古くから民衆の中で親しまれ、現時点においてもたくさんのファンを持っている相撲でございますので、その辺でひとつ続けてお尋ねしたいのですけれども、そういう役割を持って財団法人として運営しております日本相撲協会の事業活動について、その事業の内容を御説明いただきたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 財団法人日本相撲協会におきましては、相撲の普及発展に努めるということのほかに、小中学生を対象といたします相撲部屋の夏季開放とか、各地のアマチュアの相撲競技会への指導員の派遣、あるいはアマチュアの相撲競技会への国技館の無償貸与、それから相撲博物館の開設等、相撲競技の普及振興に係ります公益的な事業を実施しているということであります。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 初場所とか春場所、きのうから始まっておりますけれども、国技館で十五日間行われます。これは相撲協会の事業として行われておる、このように認識してよろしいことでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 相撲協会の事業として行われているものでございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 事業の中身にあります「力士の相撲競技の公開実施」、これに当たると認識していいわけでございましょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 寄附行為の中で申し上げますと、「力士の相撲競技の公開実施」、これに当たると思います。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 そういたしますと、「目的」のところの「指導普及を図る」、日本古来の競技、国技である相撲道を普及発展させるために協会というものがあって、春場所とか夏場所とかいろいろありますけれども、国技館で行われるあの十五日間の相撲というものはそういう目的を持って国民に広く公開して、できるだけ多くの国民が、国民というよりはその中の熱狂的なファンと言ってもいいでしょうけれども、多くの人たちが見られるような環境をつくるということが法人としての日本相撲協会の一つの大事な目的と理解してよろしゅうございますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 確かにこれは多くの国民にぜひこれを見ていただくということが大変大事なわけでございます。そういう意味では、先生のおっしゃったとおりかと思います。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 今局長からの御説明がございましたけれども、私たちのように地方におる者が相撲を見に行く、時間がちょうどとれたから国技館に行ってみたいといっても、見られないのが現実だと思います。  例えば、後楽園、あのスタジアムで野球があるというときには、それなりに、ダフ屋みたいなのがおって入ろうと思えば入れるということがありますが、国技館の相撲はほとんど不可能だという現実がある。せっかく来たけれども行かれない、どうやったら切符が手に入るんだろうか、どうしたら入れるだろうか、政治家の先生に頼めば入れるのか、どこに頼めばいいか、こういうふうな声を聞くわけですけれども、そういうふうな現実は御認識されておられるでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 確かに、全体の施設の規模が決まっておるわけでございますから、その中でどのような入場券の販売をしていくかということで、恐らく相撲協会の方もいろいろ苦慮されておると思います。  一方、相撲協会といたしましては、その入場券収入をもっていろいろな事業に充てていかなければいかぬわけでございますから、できるだけその入場券というもの、満杯になるように恐らくいろいろな工夫もされておると思います。そういう中でどのような工夫をしていくか、これはやはり協会の中でいろいろ御検討いただくことではないかと思っております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 おっしゃるところは一つの建前としてそのとおりだと思いますけれども、現実問題として、昭和三十二年に茶屋制度が廃止されましたね。そして、その後、株式会社国技館サービスというのが設立された。そして、その株式は五〇%が日本相撲協会が持ち、残りの五〇%を旧茶屋の経営者が持っておられるという形で国技館サービスが設立されておりますが、この国技館サービスの出資の状況なり役員構成、国技館サービスの事業経営の内容、それから協会との関係について簡潔に御説明いただきたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 役員構成でございますけれども、代表取締役は観客の案内とか入場券の一部代行販売等を行っている案内所の責任者がなっております。それから、取締役につきましては同社の社員が就任をしているというような状況でございます。  それから、事業内容につきましては、国技館内での料理飲食業、あるいは飲食物及び土産物の販売などを行っております。  それから、出資状況は、今お話がありましたように日本相撲協会と旧相撲茶屋二十軒の経営者がそれぞれ五〇%出資をしてできている、その後の新たな出資は行われていない、このように承知しております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 ただいまのでいよいよおぼろげですけれども、時間があれば国技館サービスの経営内容、収益、利益がどれだけ出るのか、その配当がどのように行われているのかというようなことももっと詳しくお尋ねしたいと思いますが、現実、国技館の建前上の、公式上の入場料金について御説明いただきたいと思います。入場料金が幾らか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これはいろいろ場所によって違いますので、例えば一番高いところですと、一階の升席A席が九千五百円、それから、中間あたりでとりますと、二階のいすのB席で五千円、それから自由席になりますと大人千五百円、子供二百円、その他ございますけれども、代表的なところはそういうことです。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 私が調べたのはちょっと古いところでしょうけれども、たまりが一万二千円、升席のAが九千百円、これは九千五百円と若干値上がりしておりますね。B席が八千百円、C席が七千二百円、D席五千円、いす席でA席が六千七百円、B席が四千七百円、これが五千円になっておるということで値上がりされておる。C席が二千円というようになっておりますけれども、これはたまりに入ろうとしても維持会員と称する人たちと各相撲部屋で全部席を確保しておられるということですから、これも一般の人間は入ろうとしても入れぬ。それから、升席については国技館サービスを経由して法人が七割以上を占有しておる状況であるということですし、この辺についてはどのようにお考えになっておられますか。これは先ほどの公開、国民に広く公開して相撲道の普及を図るという意味と、席を今言ったような形で占有されておるということについてのお考えを聞きたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 確かに升席につきましては、例えば案内所を経由するものとか、いわゆる木戸売りをするものとか、いろいろあるわけでございます。協会におきましてもできるだけ一般売りの方の枠をふやしたいという気持ちは持っておるようでございますけれども、従来からのいろいろな経緯、そして、協会といたしましては企業経営、ある意味では収入を確保しなければならない、こういうことがあるわけでございますので、やはり確定的なところを確保したい、こういう気持ちもあろうかと思います。そういう中で、なかなか一般の分がふえないという事情はあるわけでございます。  なお、公開の問題につきましては、確かにその場に行くような機会をふやすということももちろん大事でございますけれども、テレビとかそういういろいろなマスメディアを使ってこれを国民に広く知っていただくという活動も大事だ、このように思っております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 今局長の御説明で、従来からのいろいろな経緯でなかなか変えられない、相撲が見たければテレビで見ろ、それは確かにそういうこともありましょうけれども、少なくとも社団法人として文部省の管理監督下にある、指導の中にある日本相撲協会のメッカである国技館が一般庶民に開放されてないという事実はあるだろうと思うのですね。  と同時に、これは御存じかと思いますけれども、国技館サービスを経由して発売される入場料は確かにさっきおっしゃったようなことですけれども、これにいわゆる旧茶屋の人たちが中に介入することによって、お土産とか場内での飲食等とかがセットされる。それを要らないと言うわけにはいかないような仕組みで、実質五倍ぐらいの料金を払わなければ相撲を楽しむことができないという現実を局長はどのように御認識されますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 飲食の方はそれぞれ行かれたお客さんのあれがあろうかと思いますけれども、私どもとしては、先ほどお話ししましたような席の料金を、全体の協会の運営というものを考慮しながらこのような料金が決まっているもの、このように思っております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 局長の御説明は極めてお苦しい御答弁で、それじゃ、きょうでもいいですけれども、いつか近いうちに、この十四日の間に私がB席で八千百円払って見たいとかいっても、そういうものが手に入るかといえば入らないというのが現実であるわけです。そして、行けばあそこにはお土産引きかえ所というのが公然とセットされておるわけなんです。そういうふうな現実がある。そして、実際見に行こうとした人が、例えば九千五百円を払う人がその五倍ぐらいの五万円近いものを払わなければ、それは茶屋によっていろいろ違うでしょうが、中身によって違うけれども、払わなければ、いいところで相撲が見られない。貧乏人はテレビで見ればいいじゃないかという論法は、少なくとも文部省の御指導の範疇では納得できないものではなかろうか、このように思うわけでございますけれども、その辺いかがでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 もちろん、テレビで見ればいいというように私どもも考えておりませんけれども、確かに木戸売り、いわゆる一般売りの方も、これは当日だけというわけにいきませんので、一カ月前からこれを売り出すということになりますと、今お話がございましたようにそれが売り切れてしまうというようなことで、急にこの日見たいといってもなかなか席がとれないという実情なわけでございます。やはりそこは限られた席をどのようにうまく販売をしていくかということで、なかなかこれは難しい課題だな、このように思っております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 今木戸売り云々とおっしゃいましたけれども、いす席でも半分は国技館サービスが持っているわけなんです。そうすると、いす席の半分である。それから、千五百円という自由席、大臣はそこから見られたことはないと思うが、私はほかの会合で国技館に行ったことがあります。一番後ろの自由席、本当に相撲のあそこがこのくらいしか見えないようなところなら入れるかもわかりませんけれども……。  ですから、私が申し上げたいのは、相撲協会の運営それから国技館サービスとの関係を相撲協会の寄附行為にあるような目的なり事業なりに照らして正しいものに、少なくとも文部省としてはもっと御指導いただく必要がありはせぬかということでございます。今ごろ、野球でも場外で入場料金より高く売れば何か警察の取り締まりの対象になるということですけれども、この半額相撲協会が出資している国技館サービスが実質的に高く売っていることを野放しにして、そして従来からのいろいろな事情があるとかいうようなあいまいな言葉でやるべきじゃない、私はそういうふうに思います。私は最後にこのことについて、相撲が大好きだという大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。そして次の問題に、簡単なことですが、移りたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 私も実は立ち見席で見たこともありますが、これは相撲協会の内部でやることでございますので、よく御相談してみたい、このように思います。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 御相談をぜひしていただくということより、大臣が、こういうふうな質問が予算委員会の分科会で出た、どうですかということは、ある意味ではこれは協会に対する指導だと思いますので、指導という立場でお話を進めていただきたいと思います。そしてまた、私も、これは物価等の関連でもあるわけですから、その方の委員会等でも取り上げてさらに詰めてまいりたいと思います。  次は、大変簡単なことですが、私たち地元にとっては非常に大事なことなので、お願いになるかと思いますが……。  私の出身の山口県の例を申し上げますと、県下の高等学校を卒業して県内の大学に進学する生徒は一八%程度、約八割の方々は東京とか大阪とか福岡の大学に進学して、県内の大学に進学する者は約二〇%足らずだというのが現実なんです。というようなことで、県内の高校から県内の大学に入るのも非常に少ないというような状況です。  それと同時に、さらに県内の大学に入って卒業した人たちが県内に就職するのはこれまた極めて少なくて二五%ぐらいしかいない。県内の大学を卒業して県内に就職する山口県内の高校生、いわゆる県内に定着する子供たちは非常に少ないということなんです。この原因を考えてみますと、やはり大学の一極集中が進んでいることが非常に大きな原因ではないかと思います。現在、東京を初め、いわゆる大都会に大学の一極集中がある、このように思っております。そういう意味では、大学の多極分散を図っていかなければならないのではないか。日本の政治の一つの基本に地方分権、地方重視、そして今の一極集中を多極分散型国土にしていくという国全体の基本的な考え方がありますが、そういう中で大学の多極分散を図る必要があるというふうに思うわけですけれども、この辺について考え方をお聞きいたしたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 御指摘の問題は、私どもの方でもかねてから大変重要な問題と考えておりまして、高等教育計画というものを策定いたしますときにも、地方における定員の増加ということに意を用いてきておるところでございます。今御指摘の点も、若干ではございますが改善をされていると承知をいたしております。例えば在学者の数が、東京二十三区、政令指定都市、その他と分けまして、それぞれにどのように分布をしておるかという状況について見ますと、昭和五十年度では、その他の地域が四二・四%ございました。これが五十八年度には四九・九%、平成二年度には東京二十三区なり政令指定都市を上回ってその他の地域の五七・七%、こういうふうな状況になっております。今後ともそういう方向で対処していきたいと思っております。ただ、残念なことには、やはり今先生御指摘のように、全体として都会地に集中するという傾向がございますので、具体に計画を策定いたしましても、東北あるいは四国といったようなところでは計画の充足度がなかなか進まない、こういうふうな状況にございます。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 若い人たちが都会に集まって、そして都会で就職をし、都会で暮らすということは、地方の活力をなくしていくということで、非常に政治的な課題として大きな問題となっておるわけでございます。やはりこういうような高等教育の側面からも、多極分散を積極的に図っていく必要がある。  とはいいながら、大都会に現在ある大学を、国立大学なら文部省の力で地方に移すこともできるでしょうけれども、私学等をそういうふうにするわけにはいかないというふうに思います。国立大学の部分的な地方移転というのも考えていい。例えば東京大学を日本一過疎のところへ持っていくというようなことを思い切ってやられることも大事なことだろうとは思います。しかし、それは現実的に非常に難しい課題でもあるということなので、これは時間的なものを考えなければなりません。  そこで、やはり地方大学、これは山口県でも山口大学とか下関の市立大学とか山口女子大学というような国公立の大学がございます。それから、私立の短期大学も幾つかありますけれども、そういうふうな地方の大学の充実強化ということがある意味では大事になってくるのではなかろうかというふうなことを考えるわけでございます。地方にある大学の内容充実に対して文部省として積極的に対応していただきたいという気持ちを持っておりますが、その辺のお考え方を聞かせていただきたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 これは先生御案内だと思いますが、地方の国立大学の整備というものは一番大切なことでございまして、私ども国立大学の整備充実に当たっては、行財政事情を踏まえつつ、学部あるいはまた学科の新設、さらに改組や入学定員増、また、大学院研究料の新設などを行っており、地方の国立大学に重点を置いて整備拡充を図っておるところであります。  今後、十八歳人口の急減という時期を迎えまして、平成五年以降の大学の整備のあり方につきましては現在大学審議会で鋭意検討しているところでありますが、その結果を待って適切に行いたい。  また、先生の地元の山口県におきましても、博士課程の新設であるとか学科の改組、あるいはまた病院の総合診療所の新設、平成三年度におきましては教育研究科の新設あるいは学科の改組、さらにまた経済基本法講座の新設、地域共同研究開発センターの新設、そういうものも行っておるわけでございます。御理解のほどをお願いいたします。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 いろいろ御配慮いただいてありがとうございます。私の出身大学でもございますので、さらに充実強化をしていただきたいと思います。  さらに、今山口県で、これは先般の県議会でも話題が出て県も前向きに対処すると言っておりますが、山口県立の山口女子大学に看護学部を設置する、同時に短期大学部をつくるというような話がございまして、知事も前向きに取り組む、調査事業を行う、こういうようなことを言っておるわけでございます。これは県立の大学、公立大学でございますので自治省の方の財政的な負担も相当必要となってくるわけですけれども、学部の新設、短期大学部の設置ということになりますと、文部省が主導的にこれを認めるか認めぬかということについて御判断をされるわけでございます。先ほど申し上げたように、地方の若い人たちを地方に定着させる、そのためにはやはり地方における大学の充実強化、国立、公立、そして地方にある私立大学の充実強化、内容の整備というのが必要だと思います。そういう意味からも、せっかく今山口県内に起こっております山口女子大学の学部の新設、短期大学部の設置等について特段の御配慮を賜りたい。お考えを聞かせていただきまして、質問を終わりたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 今先生御指摘の山口女子大学の整備につきましては、まだ県当局においても具体の構想まで至っていない、検討の段階であるというふうに承知をしております。今後、自治省とも御相談があろうかと思いますが、その結果を踏まえて、申請が出てまいりますれば、私どもとしては公立の大学が今後充実をしていくということは大変結構なことだと考えておりますので、積極的に対応させていただきたい、このように考えております。

小川信日本社会党・護憲共同

○小川(信)分科員 では終わります。

津島雄二自由民主党

○津島主査 これにて小川信君の質疑は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 先ほど平成三年度文部省所管予算概要説明をいただきましたけれども、この八ページに「留学生交流については、二十一世紀初頭における十万人の留学生受入れを目途に、」こうはっきり書かれておるわけでございますし、私どもも、中曽根内閣のときにこういうお話があって、今文部省も鋭意取り組んでおられることは承知をしておるわけでございます。  そこで、まず留学生問題についてお聞きをしたいわけでございますが、二十一世紀初頭に十万人の留学生受け入れについての年次計画があるのかどうか、またその計画どおり受け入れができるのかどうか、確信がおありなのかどうか、まずこの点についてお聞きしたいと思います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 委員御案内の「二十一世紀への留学生政策に関する提言」ということで出てまいりました十万人受け入れ計画でございますが、一応のプランといたしましては、一九八三年から始まりまして二〇〇〇年までということを想定いたしております。  それで、八三年当時一万人でありました学生をどういう年次計画でふやしていくかということでございますが、一九九二年までは一応年平均を一六・一%と算定いたしておりまして、それでまいりますと一九九〇年には約三万人という想定でございます。その後一九九二年からは年平均約一二%を想定いたしております。そういたしますと二〇〇〇年には十万人になるわけでございます。  現在一九九〇年の統計が出ておるわけでございます。昨年の五月一日、四万一千数百名ということでございまして、実は予定よりは一年半、二年程度早くふえておるわけでございます。当初の予定より早くふえているのはいいわけでございますが、いろいろな意味で、日本語の教育、宿舎の問題そのほか問題も出てまいっております。そういうことで、この十万人計画、今後も見直しを続けながら、とにかく何とか達成までに持ってまいりたい、さように考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 いろいろな方面にこのことについては協力を要請しなければいけないと思いますね。  実はこれは私の体験談的お話でございますが、ある外国人の方を、ある私立短大へ留学をしたいということでございましたので、御案内いたしました。学長は、その大学独自の判断で、いわゆる入学金も授業料も免除でよろしい、こう言われました。しかし、理事長の方は、とてもそんなことじゃ私学は経営できませんので、我が大学は留学生についても入学金も授業料も免除できません、定額どおりいただきたい、こういうことで、残念ながら実は失敗をいたしました。  そこでお伺いしたいのは、こういう私立の短大、大学につきまして、授業料、入学金等の減免ないしは全くの無料、これが独自の配慮で行われている大学が全国どのぐらいあるのか、また人数はどのくらいか、おわかりでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 私費の留学生につきましては、国立大学の場合は授業料を減免する制度がございます。それから私立大学につきましては、文部省といたしましては、授業料の三〇%を限度として援助するということで、私立大学の方でそういう援助措置をとられた場合、私学の補助金の中からそちらの方に充てることができるという制度をとっております。これの恩典に浴しました学生数でございますが、平成元年度前期二千八百二十七名、後期は継続が多いわけですが、二千九百四名ということになっておりまして、私立大学に正規の学生としておりますのが三千九百四十というのが昨年の数でございますので、七三・七%の学生は何らかの形で免除の恩典に浴しておるわけでございます。  ただ私立大学によりまして、独自の授業料の減免制度を設けております大学もございます。今私立大学何大学がそういうようなシステムをとっておるのかということは、手元にはちょっと数字がございませんが、いずれにいたしましても、全部の留学生のうち八五%というのは私費の学生でございます。したがいまして、ますますこういうシステムを充実いたしまして私立大学の方にもできるだけの御理解を願うように努力してまいりたい、かように考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 大量に何十人も、何百人もというわけではございませんで、学年に一人ぐらいは、私立女子短大でも大学でも学部、学科に一人ぐらいは入学金も授業料も免除で入れてさしあげる。これがまた同じ学生間の異文化体験の交流にもなるわけであります。  そこで局長、お願いしたいのは、私立の短大、大学で入学金、授業料減免で実際どのぐらいの人数が入っているのか、これをぜひ調査してもらいたい。私が聞いたところでは、そういう調査結果がないのだそうですが、どういう大学が何名ぐらい授業料、入学金も全く減免で入学をさせているのかどうか、これは調査をしていただきたい。そして私は、私学助成をしている立場であれば、大いに協力方を要請すべきであろう、先ほど言いました異文化の体験交流にもなるわけでございますので、そういう意味も込めまして、ぜひ調査をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 若干時間がかかるかと思いますけれども、私立の大学、特に先生御指摘の短大の場合、資料に若干不備なところがございます。できるだけの資料を集めるように努力してまいりたい、できるだけ御理解賜るようにいろいろと働きかけてまいりたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 ぜひお願いを申し上げたいと思います。  それから、これは一部の新聞報道でございますけれども、私立大学に留学生が学納金を納めました。しかし、ほかの大学が受かったのでそちらへ行くことになりました。それで、既に納めた学納金を返却していただきたい、こう言うと、だめですということで、この留学生は中国から来ている学生でありましたので、大変な経済的な厳しい困窮をしておる、こういうことでございます。具体的内容は新聞報道で出ておりました。私が申し上げたいのは、外国にはこういうふうな制度はないのです。先に受かって取っちゃった、ほかが受かっても返しませんということは、まさに新たなる国際摩擦にもなり得る。日本の大学だけはちょっとよその国の大学に比べておかしいのではないか、行きもしない大学に、入学金、授業料を納めたけれども、返してもらえない。そういうことで、一九七五年九月に文部省は次のような通知を出されておりますね。「授業を受けない者から授業料を徴収し、施設設備等を利用しない者から施設設備費等を徴収することは、容易に国民の理解を得られない」、こういうことで通知を出しておりますが、今もって一〇%ぐらいの大学は学納金を返却しない、こういうふうになっておるわけでございます。  これは大臣にぜひお聞きしたい。これは先ほど言いました中国の学生の件でございますけれども、まあ留学生にはせめてそういう配慮はしてさしあげてもいいのじゃないかな。これは国際摩擦になりますよ。十万人の留学生を受け入れていく中におきまして、一つ受かった、先に納めないと後で受ける大学は通らないかもしれない。「納めた、次のが通っちゃった、少しでも返してもらいたい。入学金は社会のいわゆる一つの契約ですからしようがないとしても、授業料とか施設整備費とかいうものは返してもらいたい。いやそれもだめですよ、これじゃ新たなる国際摩擦にもなるかと思いますが、この辺はどのように対応されますか。大臣にちょっとお聞きしたい。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 今先生のおっしゃいました昭和五十年の通知でございますけれども、新聞で報道されておりましたケースというのは通常のケースと若干違っておるわけでございます。一たん納入した入学金、授業料あるいは施設整備費等の学生納付金は、事情のいかんを問わず返還しないということがかなりなされておったわけでございます。それで、昭和五十年の通知の趣旨というのを徐々に徹底させていっておるわけでございます。  ただ、この留学生のケースと申しますのは、一般のそういった入学試験とはちょっと別に、留学生の特性に配慮いたしました特別選抜というのを若干早い時期に設定いたしておりまして、そういう早く設定いたしました一部の私立大学で、一般入試の場合と同様の処理、一般入試の場合は授業料の納付の時期を下げるようにして二重取りしないようにやっておるわけでございますけれども、一般入試の場合と同様の処理をするということをやっていなかったがためにそういった二重取りといった事態が生じたわけでございます。  このケースにつきまして、各大学に、今後、そういったことで留学生の不利益にならないよう善処してもらいたいということを私どもの方から指導といいますか連絡いたしまして、御理解を賜るようにやってまいりたい。少なくとも先生のおっしゃるように、授業料につきましては、授業を受けないのにそれを取るということは一般の理解を得られるわけではございません。そういうような点を話しまして、特に留学生につきましてもそうでございますが、一般の学生につきましてもそういうことができるだけないように努力してまいりたいと思っております。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今局長から答弁ありましたように、先生おっしゃるように、これからの国際教育、国際学術、国際文化の時代ですから、そのように指導してまいりたい、このように思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 もう一つ大臣にお願いしたいことがありますが、それは高等学校もそうなんですね。岡山の場合ですが、私立高校を先に受ける、合格する、納める、後で公立高校がある。実はそこを言いたい。わからないから先に納めちゃう、後の試験の方の公立が通った、そうすると、返してくれませんね、この通知がありますけれども。ですから、これはひとつ大蔵省とかけ合っていただいて、建設省だって家賃控除のことで減税するようにどんどん毎年大臣が折衝で言っているわけですよ。行かない学校へ納めた授業料とか施設整備費は、入学金は違うと思うのです、これは契約ですから。所得税法で確かにだめだというふうになっておるのですけれども、行かなかったのですから、授業料であるとか施設整備費はその高校なり大学に寄附をしたのです。だから、せめてその分は寄附金控除で少しでも返してあげたらどうかということを、これは文部省として大蔵省に言うべきだ。行きもしないのに取られっ放しで、国内的にも大きな一つの問題だ。国際的だけではありません。せめてそのくらいの配慮をしないと、相手は学校ですから、人間教育をしている学校が、授業料も施設整備費も取って、来ないのに返さない、これでは私は納得できないと思いますね。そういうことを念頭に置いて、今後実態はどうなっているのか研究をされて、これは大蔵大臣の方に折衝をして、せめてその分だけは寄附金控除ということにさす、大臣こういうことで御努力いただけますでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 たびたびの御指摘でございます。先ほども申しましたように、文部省の中でも若干関係いたします部局も多うございます。実情につきまして、なお調査し、協議をしながら次年度以降に向けて検討してまいりたいと思っております。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 私自身も、今先生おっしゃったこと、よく知っておりますので、今の局長の答弁のようにいろいろ研究していきたい、このように考えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 私は、議員である限り毎年やりますからね。大臣がかわっても文部省の官僚の皆さんはかわらないわけでしょうから、毎年やっていることをこれからまた別の観点からやります。  それは、六十三年三月と平成二年四月、過去二度にわたりまして予算委員会で私は小児成人病のことにつきまして取り上げました。特に最初の六十三年三月のときには、当時中島文部大臣でございましたけれども、私、質問しますと、本当に前向きな御答弁をいただいておるわけでございます。いわゆる学校の現場における健康診断、昭和三十三年にこの学校保健法ができましてから、詳しく言いますと学校保健法施行規則が昭和三十三年六月にできてから今日三十三年です。この間、子供の食生活の問題、ストレスの問題とかアレルギーの問題とか、いろいろ子供の健康状態が変わってきておる。そしてその中にあって、この十二項目は全然変わっていないのです。すなわち視力、目の検査とか、大臣は歯ですね、歯の検査もありますけれども、これは変わっていない。しかし、最近スナック食品等々を含めまして食生活が大幅に変わってきた。そして、子供の成人病傾向が顕著になってきた。これは私がここでどういうデータがあるかなんということを言わなくても、既に総務庁行政監察局が平成二年九月に「成人病対策に関する実態調査結果報告書」をまとめております。ここでいろいろな市が、子供に対していろいろな成人病の健診をした結果が出ております。顕著な例でございますので数字は申し上げませんけれども、一つだけ言わないとおわかりにならないと思いますからちょっと申し上げますと、九〇年度学校保健統計調査が一月に発表されました。肥満傾向とされる小学生が二・二%。この十年間で、六十二人に一人から四十五人に一人というふうにふえました。  また、昨年、全国保険医団体連合会が小児成人病についてのディスカッションをいたしました。開業医二千九百六十四名を対象に行った意識調査の中で、何と八五・六%の開業医の方が日常診療や学校健診の場において、近ごろの子供はおかしいと感じていることが発表されました。個別の項目を見ますと、アレルギー性疾患がそのうちでも七二・七%、小児成人病についても高脂血症、いわゆるコレステロールが高いが六三%、高血圧症が二二・一%、糖尿病が二一・四%、まさに大人と一緒のこういう成人病傾向があらわれておるわけであります。  そこで、私が申し上げたいことは、昨年秋に、九月ころでございましょうか、文部省は児童生徒の健康診断実態調査を行ったと思います。どういう内容の調査を行いましたか。そして、その結果はまとまったのでしょうか。まとまっていなければ、いつごろまとまる予定なのか、お聞きしたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 日本学校保健会におきまして、健康診断調査研究委員会の検討に資する、こういうことで昨年九月に健康診断の実態についてのアンケート調査を行ったわけでございます。  この調査は、全国の小中高等学校から約千八百校を抽出いたしまして、そこを対象にしまして学校保健法に基づく定期健康診断の検査項目以外の検査項目の実施状況、そしてその実施の方法等について調査をしたものでございます。  これは、現在専門家から成ります小委員会におきまして結果の集計、分析中でございまして、現在のところまだまとまってはいないわけでございます。それがまとまりますと、健康診断調査研究委員会で健康診断のあり方、こういうものを検討しているわけでございますので、その中でこれを活用していくということになるものと承知しております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 いろいろな医療の調査機関がもう警鐘を鳴らしているわけです、スローモーじゃないかと。  例えば、尿検査をやります。これはたんぱくだけです、学校健康診断におきますと。なぜこれは糖の検査をされないのでしょうか。ちょっと詳しくなりますが、私も弟が医者でございますので、聞くと、定量だとか定性検査、いろいろあるので一概に言えないけれども、しかし定性検査でプラスかマイナスかだけでもこの子はひょっとすると糖尿かもしれないということはわかるのだということです。まずスクリーニングですから、精密検査を初めからしようというわけではないのです。学校現場です。  そういうことで、例えば尿検査の中にたんぱくだけではなくて糖も入れるというくらいは、試験紙を入れさえすればわかることですよ、色が変わればこれはちょっとおかしいということで。恐らくたんぱくだってそうでしょう。そういう意味では、これくらいはやろうと思えばすぐにでもできるのですよ。  そういうことで、実は子供のいわゆる糖尿病が多い。この前新聞を見ましたら、アメリカの方では既に何十万という子供の糖尿病患者がいてインシュリンを毎日打たなければいけない、その費用が大変だから日本の皆さんひとつカンパしてください、こういう新聞記事も出ておりました。日本も恐らくそういうふうになっていくでありましょう。  そこで、きょうは厚生省さんにも来ていただいていると思いますけれども、私たちが自動販売機でいとも簡単に買えますいわゆる清涼飲料水、これに一体どのくらい砂糖が入っているのか。きょうは商売ではありませんが、ずらっと持ってきました。このHI・Cアップルというのは、これは砂糖、糖類が約四十グラム。四十グラムということは、これが一個の砂糖です、コーヒーなんかに入れます。これがこの一つの中に何と十三個入っているのですよ、大臣。このジュースの中には角砂糖が十三個。それから例えばポカリス工ットというと、運動した後非常にいいというふうなことで、夏なんか子供は水がわりにがぶがぶ飲みますね。このポカリスエットだって七個も入っているのです。こういうものは砂糖、糖類とは書いていますが、グラムが書いてない。だから、この一本を飲んで、まさかこんなに、四十グラムも、手に持ちきれぬくらいの角砂糖が入っているとはだれも思わない。  そこで、いろいろ厚生省さんにお聞きしますと、社団法人日本栄養食品協会が「JSD食品のガイド」というのを出しておられます。これを見ますと、いわゆる一目でわかる栄養成分を表示しなさい、その中でも必須表示栄養成分の中には、エネルギーは何カロリーだ、たんぱく質は何グラムだ、脂肪は何グラムだ、糖質は何グラムだ、食塩は何グラムだ、そこまでは必須で書きなさいとなっている。しかし、この原材料を見ますと、何も書いてありません、グラムを。まさかこんなに入っているとはだれも思わない。  そういうことで、厚生省さんは、どんどんこういうことは啓蒙してせめて必須表示で食塩とか砂糖類は書かすように指導されていると思いますが、もっともっと強力にやるべきであろう。  スナック食品、子供はこんなものを一日に一袋も二袋も食べます。これを見ますと、原材料に食塩とは書いてありますが、グラムが書いてありません。しかし、厚生省さんからいただいた、例えば「要説日本人の栄養所要量」というのを見ますと、おいしさという食塩の味になれた日本人ですから、本来ならば一日に三グラムから五グラムでもいいのだけれども、十グラム以内を目標摂取量としましょう。しかし、これ一つで二・三グラム入っているのですね。一袋ぺろっと食べちゃうともう二・三グラム食塩をとっている。砂糖の方はどうかといいますと、厚生省さんから出しております食生活指針の中の「甘い物は程々に」というところがありまして、「砂糖と成人病の関係については、特に糖尿病との関係や過剰摂取に伴う肥満を介して成人病への影響が考えられます。」なるべく少なくするよう、一日四十グラムから五十グラム以下に抑えるのが望ましいとされています。これ一個でもう四十グラムあるのです。そういう意味ではまず厚生省さんに、今後、このJSD食品のガイドにありますように栄養成分の表示、特に必須表示栄養成分の中でも糖質であるとか食塩のグラムをきちっと書くように、これはもう少し強力にやるべきじゃなかろうか、こう思いますが、いかがでしょうか。

田中喜代史厚生省保健医療局健康増進栄養課長

○田中説明員 ただいまお話がございましたように、エネルギーや塩分などの過剰摂取ということが肥満とか高血圧などの成人病につながることから、毎日の食生活においてこうしたことを防ぐために、先ほどもお話がございましたが、厚生省の指導によりまして日本栄養食品協会において昭和六十一年から加工食品の栄養成分表示を設けたところでございまして、御指摘のジュース類につきましてもこの一環として、糖質を含め主要な栄養成分表示の推進を図っておるところでございます。現在のところ飲料水につきましては百十五品目が採用になっておるということで、引き続きこういった制度の内容について十分御理解いただき、多くのメーカー等の参加を得て、できるだけの加工食品にこういった栄養成分表示が行われるよう推進をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。また、平成二年九月に、先ほどもお話がございましたように、対象特性別ということで成長期あるいは女性、成人病予防のため、あるいは高齢者のための食生活指針を定めまして、その中でも特に成長期の食生活指針といたしましては、食べ過ぎとか偏食のない栄養バランスのとれた規則正しい食生活の必要性等を示しまして、国民に対する啓発活動に努めているところでございます。  いずれにいたしましても、今後とも生涯にわたる国民健康の保持増進のために、栄養あるいは食生活についてこういった必要な栄養、食生活情報の提供に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 文部大臣、今の私が出しました清涼飲料とかスナック食品、文部省には関係ないと思われているかもしれませんけれども、先ほど申し上げました総務庁の行政監察の改善意見の中に、文部省は厚生省と相互に協力及び研究の成果の相互利活用等について連携を密にする必要がある、こう言っている。だから、表示のことは厚生省で関係がないじゃなくて、厚生省と連携を密にしろという改善意見が出ておるわけですから、これは積極的に文部省の方からも各業界へお願いをして、ぜひそういう砂糖何グラム、食塩何グラムというのをお願いする。親が見ても、こんなに入っているものはちょっとやめようか、こういうふうに、いわゆる健康教育というのは学校現場だけではなくて、地域、家庭、こういうものが大事なんです。三者連携が大事なわけですから、このことはぜひひとつ、大臣どうでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 私もいい勉強になりました。中間報告でも小委員会に出ておりますので、これは先生の仰せのようにしたい、このように思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 大臣は歯医者さんですね。こういう甘い物を飲んだりしますと、夏なんか恐らく二本も三本も飲むと思われます。いわゆる齲歯、虫歯ですね、やはり影響あるんでしょうか。余り歯には関係ないのでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 専門的なことになりますが、我我は、いわゆるこれも、間違いなくあります。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 最近虫歯の子も多いということで、こういうのを飲んで後うがいなんかしませんし、そのままにしますね。そういう意味では、ぜひひとつこれは文部省さんも厚生省さんと連携をとりまして、子供の小児成人病傾向ということは、一たん糖尿病になりますと先ほどアメリカの例を言いましたけれども生涯インシュリンを打たなければいけない。また高血圧症となれば生涯気をつけていかなければ、将来医療費の増大ということも考えられるわけでございます。小さいときにまず入り口できちっとやることが大切である。日本人の健康と、そして医療費増大ということに対してもこれはプラスになると思いますので、このことは篤と御要請をしておきます。  それで、先ほど言いましたように今後どうされるのか。私は、できるところからもう早急にやってもいいのではないか。例えば心電図、心音図というのは既に市町村独自でやっているのです。皆さんの方から補助金をもらわなくてもやっている。PTAだとかなんかの要請にこたえてやっている。しかし、そのことについては補助金は出していませんね。もしある市町村がたんぱくと一緒に尿の中に糖が入っているかどうかを検査しようと思っても、検査紙を買わなければいけない。そういうことについても、今のところ全然補助が出ていませんね。そういう意味では私は、できるところからどんどんやれるのではないか。もう市町村の方が皆心電図、心音図をやって、それから初めてどっこいしょと文部省が腰を上げて、じゃそれは補助金を出しましょうというのではなくて、これはひとつ積極的にやっていただきたい。そういうお考えはないでしょうか。  それから最後にもう一つお聞きしたいのは、いわゆるアレルギーの問題、やはりこれが大きな問題でございます。このことを一つ念頭に置いて、小児成人病傾向、アレルギー検診、こういうものを一日も早く学校保健法で言うところの検査項目に入れる、できるところからやっていく、こういう前向きな御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 健康診断の問題につきましては、成人病関連で申し上げますと、今先生ございました尿糖検査の問題あるいは血圧検査、心臓の検査で言いますと心電図の検査あるいは心音図検査、こういういろいろなことがあるわけでございます。この中には、小委員会で現在検討中なわけでございますけれども、検尿については新たに糖についての検査を行うことがよいという考え方もあるわけでございますが、そのほかのことにつきましてはまだ中でいろいろ議論が出ているというようなことで、現在具体的な検討をこの専門家から成る小委員会において進めている、こういう状況でございますので、文部省といたしましては、この最終報告を待ってその基本方針を考えていきたい、このように思っております。  それから、今先生アレルギーのお話がございましたけれども、先生から先般そういう御指摘もありまして文部省としてどのような対応ができるだろうかということをいろいろ考えたわけでございますが、平成三年度におきましては、児童生徒の健康状態サーベイランス事業というものを実施をしたい、そういう中でいわゆる定点観測というようなことを実施しながら子供たちの健康状態というものを具体に把握をしていきたい。なお、この平成三年度は準備ということでございますので、どんなことを対象にしていくかというようなことを検討しながら、先生の御趣旨も体しながら積極的に進めてまいりたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 スピーディーな対応をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

津島雄二自由民主党

○津島主査 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木喜久子君。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 私は、今回は、たばこの規制そしてまたそれに対する禁煙の教育の関係について伺っていきたいと思います。  まず初めに厚生省の方に伺いたいのですけれども、たばこが健康上にもたらすいろいろな害ということについて、このほどたばこ白書というものを発行されておりますけれども、それに基づいて厚生省としては、こういった健康にもたらす害についてどのような認識と意見を持っておられるのか。特に妊娠中、未成年者、そしてまたそのほかの注意すべき点がありましたら、その点についての御意見をお聞かせいただきたいと思います。

田中喜代史厚生省保健医療局健康増進栄養課長

○田中説明員 昭和六十二年十月に公表されましたいわゆるたばこ白書によりますと、健康につきましては、一つは喫煙とがんということにつきましては、喫煙者は肺がんあるいは喉頭がん、食道がんなどの死亡率が高いということは認められておる。これらのほかに胃がんとか膵臓がん、腎臓がん、膀胱がんなどのリスクも高くなっているということ。あるいは循環器につきまして申してみますと、喫煙者は非喫煙者と比べますと、虚血性心疾患の発生率あるいは死亡率が高い。妊婦、小児に対する影響といたしましては、喫煙妊婦から生まれる子の体重は非喫煙妊婦の子より平均二百グラム軽い。同様に早産の頻度も喫煙妊婦は三・三倍である。あるいは未成年者については、未成年者というよりは、未成年で喫煙を始めた者の方が成人になってから喫煙を始めた者に比べ、がん、心臓病のリスクが特に高いとの報告がございまして、私どもはこういったたばこ白書の内容につきまして皆さん方に広く知っていただくように努めているところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 たばこは、喫煙ということで健康という肉体的な問題ばかりでなくて社会的、教育的にもいろいろな影響をもたらすと思いますが、この点では文部省ほどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今厚生省の方からもお話がございましたように、たばこにつきましては健康に大変影響を与えるというようなことで、文部省におきましては、喫煙防止に関する保健指導の手引などを作成しながら指導の推進を図っている、あるいは新学習指導要領におきましても、喫煙と健康に関する内容を充実するというようなことで進めているところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 文部省も体の健康に関する害しか考えておられないというふうに今伺えてしまうのですけれども、今の健康のことについては厚生省と同じだということはいいと思いますけれども、喫煙そのものというのが青少年に対しては非行化の端緒ともなり得るものでありますし、それから先のいろいろな、火災の問題でありますとかそういったことについても大きな社会的な影響ももたらすものであるという認識はもちろんお持ちであろうと思いますが、いかがでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今局長から、健康の面につきましては厚生省から言われたとおりでありますが、まさにこれからの教育の問題で、先生おっしゃるとおり私どもも十分それは認識いたしております。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 そういうふうな害のあるということで認識していただいていることは大変いいことでございます。これからももっと、お答えのときの最初からそういうものが出てくるようにしていただきたいと思います。  つい最近発生しました日立の山火事も何やらたばこの吸い殻、たばこの投げ捨てから起こったのではないかというようなことも言われているように聞いております。こうした大事件を引き起こす可能性もあるということで、喫煙のマナーその他についても非常に大きな問題、それはやはり教育という問題と大きくかかわりがあると思いますので、今これからいろいろと伺っていきますのは、そうしたことについて、各省庁の関係の方々がどのような形でそれを今努力してやっておられるかということをお聞きしていきたいと思います。  それでまず、こういったものについては何としてもたばこの害または喫煙状況、そういうものについての調査が必要だと思います。聞くところによりますと現在調査というのは、日本たばこ産業株式会社が出している調査が主であって、そのほかのところでは何歳ぐらいがどのぐらいの喫煙率であるかというようなことについてはデータが余りないというふうに聞いておりますが、厚生省さんの方ではそういった形でデータがおありなのかどうか、伺いたいと思います。

田中喜代史厚生省保健医療局健康増進栄養課長

○田中説明員 厚生省で行いました喫煙の実態調査についてでございますが、現在毎年行っております国民栄養調査で六十一年から聞き取りをいたしておるところでございます。その結果、一番新しいものでまとまっておるのは昭和六十三年でございますが、六十三年度について見てみますと、男性では五六・一%、女性では九・四%が喫煙しているという結果になっておるところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 これがその前からどうなのか。男性の場合には減っていって、六十一年と六十三年を比べるとある程度の減少が見られるけれども、女性の方については六十一年と六十三年を比べると一%ぐらい上がっている。この傾向はその後の日本たばこの分についても、ある程度同様な傾向がずっと続いているということが言えるようになっています。ですから、特に女子については対前年の増がずっと続いているように考えられるわけです。非常に問題ではないかと私は思います。  厚生省の方でも、こういった栄養調査結果というところから喫煙についてある程度のものはとっておられるようですが、たばこのことだけについては調査をまとめておられないと解してよろしいでしょうか。

田中喜代史厚生省保健医療局健康増進栄養課長

○田中説明員 厚生省が実施いたしておるものにつきましては、国民栄養調査にあわせて聞き取りをしたものがあるところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 これは、せっかくたばこ白書をお出しになり、その中で害というものを中心に考えておられるのですから、もう少しきちんとした統計、これがきちんとしてないとは言わないのですけれども、国民栄養調査の中での一場面だけでとらえるのではなくて、たばこということについてひとつ大きなまとめをされて調査結果をぜひお出しになっていただきたいと思います。  次に、こうしたものについて文部省の方では、例えばこれが教育的な見地からどうなのかというようなことで、何らかのデータ、調査はおやりになったことがございますでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 文部省としてデータというのはないわけでございまして、例えば不良行為少年の補導人員とかそういうような形でのものでございます。  なお、教育委員会関係と申しますと、足立区の教育委員会が昭和五十九年に調べたというのがあるわけでございまして、全国的に確たるデータというものは私どもとしては調査しておりません。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 これもまた甚だお寒い状況ではないかと思います。一体非行少年というものが何歳ぐらいからたばこを吸い始めて、大体何%の者が、ほとんど全部になるんじゃないかと思いますが、そういうような調査もされていない。それからまた、先ほどの日本たばこにしろ厚生省にしろ、成年、二十歳以上の人についての調査しかない。問題は、二十歳以上の人よりも、それ以下の者にどういうふうなたばこの喫煙の状況があるかということと、それについてどういうふうにこれから対策をしていかなければいけないかというところが一番問題な点でありますから、やはりその点についての調査をしていただかなければならないと思います。  最近のある高校の調べでは、こんなに禁煙、禁煙と世の中で騒がれ、何だかんだと言われているんだから、高校生については喫煙率が下がっているかと思ったら、四年前に比べるとずっと上がっている、大変驚いたというようなそういう結果も出ております。ですから、そういうこともあわせて、たとえこれが法的には認められていないものであっても実情としてたばこを吸っている青少年がいるわけでございますから、その点についての調査をきっちりとしていただきたいと思います。これについては、私も代議士でおります限りまたこういう機会がございますので、一体どういう調査がされたかということを毎年伺ってまいりたいと思いますので、ぜひ実行をしていただきたいと思います。  それから大蔵省なんですけれども、大蔵省が、要するにコマーシャル等についての規制というものをたばこ事業法に基づいた形でやっておられる。その中で、こうしたたばこコマーシャルということが、喫煙ということ、また購買ということにどのような影響を与えているかという調査をされたことはございますか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 お答えいたします。  たばこの販売数量がどのような要因によって決まるかにつきましては必ずしも明らかではございません。広告のあり方のみならず、各たばこメーカーの営業活動、新製品の投入状況、消費者の嗜好の変化等さまざまな要因に依存しているものと考えられます。例えば、専売改革が行われました昭和六十年度から六十三年度にかけてはテレビ、雑誌等の広告量が増加しておりますが、この間の販売数量は横ばいないしは微減という状況になっております。逆に、広告規制を強化いたしました最近における販売数量はやや持ち直しの兆しを見せているところでございます。したがいまして、広告規制と喫煙量との相関関係については明確にお示しすることはできない、困難であると考えているところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 多分そういうことになると思うのですね。なかなかどれが一因でどうなるかということはわかってこないとは思うのです。今お聞きしたのは、規制を強化した、そのときにどのぐらいの売り上げがとか、または喫煙率が増加しているかという形での比較ということもありますし、例えばたばこの自動販売機、こういうものについても、たばこの自動販売機の増加と売り上げの増加ということについての相関関係とかいろいろ出てくると思うのです。何しろ、余り未成年にたばこを買う機会を与えない、そういう形をとっていかなければやはりたばこというものの害をなかなか防ぐことができないのではないかと思いますので、今後ともそういった形で幾つかの考え得る相関関係についてデータを出していただくようにしてもらいたいと思います。  それで、広告の規制ということで大蔵省の方に伺いたいのですけれども、過去からずっとの経緯もありますが、実際どういった形での広告のチェックなり規制というものをしてきておりますでしょうか、また現在はどうなっておりますでしょうか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 お答えいたします。  たばこの広告につきましては、平成元年十月十二日付でたばこ事業法第四十条に基づく大蔵大臣指針の告示を行いまして、これを受けまして、たばこ業界の団体でございます日本たばこ協会におきまして自主規制の強化が決定されまして、現在業界で実施されているところでございます。  規制の内容といたしましては、未成年者を対象とする活動は行わない、女性に喫煙を奨励するような活動は行わない、テレビ、ラジオによる広告は新製品の商品特性や銘柄イメージの紹介に限定する、テレビ広告は朝の五時から二十一時五十四分までの間の時間帯には行わない、要するに二十一時五十四分以降から朝の五時まで広告を行ってもよろしいということでございますが、ことしの四月からはさらに一時間繰り下げまして二十二時五十四分以降から朝の五時までということになっております。それから、テレビの広告量につきましては、銘柄ファミリーごとに上限を設けるということで、現在年間三一五〇GRP、GRPと申しますのは延べ視聴率のことでございますが、このように下げてまいりましたけれども、さらに本年四月以降年間二八〇〇GRP以下にするということになっております。さらに、各社は広告活動実績を日本たばこ協会に報告し、協会は第三者機関に実行状況をモニターさせるなどの措置が実施されているところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 今、日本では、たばこ事業法に基づいて大蔵省が指針を出して、それに基づいて自主的な基準を立ててたばこ業界が今おっしゃったような形での自主規制をしているということだと思いますが、各国でのそうしたコマーシャルの規制について、おおよそのところで結構でございますけれども教えていただきたい。特に全面的な広告の禁止を行っている国があれば、その名前を教えていただきたいと思います。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 お答えいたします。  諸外国のことでもございまして、法体系等が異なりますので精密さを欠く面がございますけれども、我が国以外のサミット国六カ国につきまして現状を把握している範囲内で申し上げますと、まずイタリア、カナダでは、全たばこ製品の広告を広告媒体のいかんにかかわらず全面禁止しております。またフランス、ドイツでは、全たばこ製品のテレビ、ラジオでの広告を禁止しております。ドイツでは、雑誌、新聞等の広告には注意表示を行うこととされております。またアメリカでは、紙巻きたばこ、リトルシガー、かみたばこ、かぎたばこのテレビ、ラジオでの広告が禁止されておりまして、またイギリスでは、紙巻きたばこのテレビ、ラジオでの広告を禁止されております。なお、アメリカ、イギリスでは雑誌、新聞等の広告には注意表示を行うこととされております。こういったところが主要国の現状でございます。  以上でございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 フランスについては議会で既にほぼ全面的に規制をされて、二年後ですかに実施ということになるというふうに聞いているのですが、それでよろしいでしょうか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 私どもの持っておりますデータによりますと、フランスでは一九七七年以降法律により全たばこ製品のテレビ、ラジオによる広告禁止が既に実施されているというふうな調査になっております。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 今言ったのはそうではなくて、あとのほかの広告ですね、例えば雑誌とかそういうものについて一九九〇年の十二月十三日に議会で法案が通って、ほかのものについても広告は全面的に禁止になったということではないですか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 まことに申しわけございませんが、手元に資料がございませんので当方では承知していないところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 たばこのコマーシャルの規制というのは確かに表現の自由や営業の自由と関連して非常に難しいところでございますけれども、それをたばこの害という面から着目して合理的な形での規制ということはできるものである。そして世界各国もそれをやっているという情勢について、やはりこのくらいのことは大蔵省の中でもわかっていていただかないと大変困ることだと思います。一九九〇年、去年の十二月十三日に議会を通っているということでございます。この中でも、今まではテレビ、ラジオというところの規制だけだったのだけれども、それが出版とか屋外広告だとか新聞だとか、そういうものについての規制が大きくなったということでございますので、必ずこれもお調べいただいて、そうした状況があるという認識を持っていただきたいと思うのです。まずその点でも何か当局の取り締まりの態度が非常になまぬるいという感じがいたします。ですからこの点についてもきっちりとしたお調べをしていただいて、そのための勉強をしていただきたいというふうに思います。  そして、このことに比べますと、こうした世界の情勢から見て、日本が自主規制ということだけに頼っているという状況は、またもう一つ手ぬるいのではないかと思われるのです。この点については大蔵省どのように考えておられますか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 一昨年五月にたばこ事業等審議会の答申を受けまして、たばこにつきましてテレビの広告を全面禁止するかどうかについていろいろ議論がございました。その中でやはり、表現の自由あるいは商業活動の自由といった観点から政府が規制をするのはまずかろうということで、業界の自主規制に任せるということになったところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 審議会の諮問ということからいろいろとお話があったことも承知しておりますけれども、やはり各国の情景から見まして、この点については、特に青少年に対する非常に大きな害悪のあるものについては、ただ単に憲法上の自由との兼ね合いということの公式的な形でない、もう一つ大きな合理的な理由の探り合いをしていただきたいと思います。  これについてもう一つ伺いますけれども、ここでの自主規制の内容の中で、これからは新聞、雑誌についても警告表示をしなければならない。未成年の喫煙は禁止されていますとか、これは健康に害があるから吸い過ぎに注意しましょうというような警告文句をつけることにした。これもいいことなんですけれども、そこに含有のタール量とかニコチン量も表示されることになっているわけでございます。  そういうふうなことで、私も週刊誌等を見てみました。どういうふうにそれが表示されているかといいますと、非常に多くのタールやニコチンを含んでいるようなたばこの広告の中のタール、ニコチンの表示というのは物すごく小さいですね。二ミリ角ぐらいで、もし主査がごらんになればほとんどわからないかもしれないというような小さな字で書いてある。タールの含有量が少ないのは、かなり大きな字で、目立つ色合いで書いてある。この両方を比べまして、こういうことも含めての表示の規制というのをしていただかなければ、だれでも見過ごしてしまうような、何か点が書いてあるというような形のもでしかないような表示ではやはり困ると思いますので、この点も考えていただきたいと思います。  こういったことを考えますと、まだまだ手ぬるいところが非常にたくさんある。厚生省等はいろいろな会議または調査結果等を踏まえて、こうした害について、各省庁に対して、こういうふうにしてほしいとか、こういう規制をしてほしいとか、余り自動販売機で売ってもらっては困るとか、そういうふうな御連絡なり要望なりというものはなさるのでしょうか。

田中喜代史厚生省保健医療局健康増進栄養課長

○田中説明員 各省庁との連絡というようなことかと思いますが、WHOが平成元年から毎年五月三十一日を世界禁煙デーと定めたことに伴いまして、この日に向けまして世界禁煙デーの趣旨等について各省に対しまして官房長名で通知をお出ししているほか、世界禁煙デーの直近の事務次官会議あるいは閣議において、それぞれWHOの決議の趣旨や厚生省の取り組み等について発言し、御理解をいただくように努めているところでございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 こうしたものを受けた各省庁、例えば大蔵省はそれに基づいて何か政策を立てるというようなことをしておられますか。

花角和男大蔵省理財局総務課たばこ塩事業室長

○花角説明員 昭和六十二年の厚生省たばこ白書あるいは第六回喫煙と健康世界会議、これも同様に六十二年の秋、暮れごろにあったわけですけれども、それを踏まえましてたばこ事業等審議会におきましても喫煙と健康問題に関する審議を行った次第でございます。諮問が六十三年の四月でございまして、答申を得たのが一昨年の五月でございます。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 これから先、またいろいろな問題が出てきますし、WHOの会議もあると思います。よく各省庁の連絡を密にして、その中で一貫した行政を一つ一つの縦割りでないところでしていただきたいと思います。  時間が大分なくなってしまったのですが、中心であるべき禁煙教育の問題に入ります。  大臣に伺いたいと思いますけれども、文部省も、これまでたばこの害ということにかんがみて、保健指導とか新指導要領の中の教育部分についてとか、そういうところでいろいろな形で禁煙教育について実施をさせていると思うのですが、具体的な方策それから現職員の再教育等どういうことを現在実施されて、それについての予算等はお組みでいらっしゃるのかどうか、伺いたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 禁煙教育につきましては、過去の国会においてもいろいろ御質疑をいただいたわけでございまして、私どもとしましてはその重要性については十分認識をしているつもりでございます。そのために、小中高等学校におきます喫煙防止に関する指導資料の作成を昭和六十一年から六十三年にかけて行っております。特に、中学校、高等学校の新しい学習指導要領におきましては、保健体育そして特別活動におきます内容の充実を図った、こういう状況でございます。  また、いろいろな研修についてのお尋ねがあったわけでございますけれども、新学習指導要領の趣旨の徹底のために学校保健の担当者に対する保健教育・安全教育指導者中央研修会という場などでこれらの問題について随時取り上げ、教職員の意識の啓発と資質の向上に努力をしている、こういう状況でございまして、今までの手引書の作成とか、そういうことにつきまして学校保健会に対する補助などの予算措置を講じてきたわけでございます。今後とも指導の充実を図ってまいりたい、このように思っております。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 そういうふうな状況といいましても、例えば今つくったという手引は六十三年ですよ。もう今から三年前ですね。それを配られて、それも各校に一冊ずつ配られて、それがどこにしまわれているか、どういう形でそういうものが運用されて、どこの学校教育の中でそういったものが実際に運用されて禁煙教育がされているかどうかというような後づけについて、そういう調査はされていないのでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 個々の先生方が十分意識を持っていただくということが大事だと思いまして、研修活動にいろいろ工夫を凝らすようにしておるわけでございますが、実際どのような指導をしておるかということになりますと、これは各学校の実態がございまして、そこまでの調査はしておりません。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 こういう問題は、日の丸を揚げましょうとか、または卒業式のときにどういうことを徹底させましょうとか、君が代を歌わせましょうとか、そういうふうな問題だと一生懸命おやりになる文部省が、禁煙教育について、それは各学校の自主的なものでございますからというようなことで十把一からげにされていい問題とは違うと思うのです。青少年の精神にもそして肉体にも大きな影響を実質的に及ぼすたばこの問題、そういった問題に何か片隅の方に追いやられているような公式的な御答弁だけいただくのでは、やはり私たちは納得できないし、世の中の母親はそれでは不安になると思うのです。ですから、この点もしっかりとこれから先の文部行政の中に反映させていただきたいと思いますけれども、最後に大臣の御所信をお願いいたします。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今仰せのとおり、私ども、喫煙が健康に害になることはよくわかりますし、また、これからの不良化防止のために一生懸命取り組んでまいりたいと思います。

鈴木喜久子日本社会党・護憲共同

○鈴木(喜)分科員 時間が来ましたので、ここで終わらせていただきます。

津島雄二自由民主党

○津島主査 これにて鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。  次に、斉藤節君。     〔主査退席、武部(勤)主査代理着席〕

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 私は文部省の方にお尋ねいたすわけでありますけれども、まず大学院教育についてお尋ねしたいと思います。  私の友人に国立大学の教授が何人かおりますけれども、彼らは大学院も担当しております。彼らは、私と会うたびに、現在の大学院教育についていろいろと悩みを言って、何とかしなければならないというふうに嘆いているわけでございます。  それは何かと申しますと、第一に、大学院教育は片手間教育である、こういうふうに言っているわけでございます。特に理工系の場合、学生は各研究室に配属されまして、そして教授からテーマをもらって研究しておるわけでありますが、実際カリキュラムがあるわけでありますけれども、あっても、極端に言いますと授業らしい授業はしていない。専ら教授の手伝いみたいなものであるというわけでございます。これは、主に大学教授の多忙さもあります。いわゆる学部を兼任しているということ、その他役職などの雑用があるということ、そういうような教授の多忙さもありますけれども、また一方、施設、校舎にも原因があるんだ、このようにも言っているわけでございます。  第二に、まず大学院の校舎がないということでございます。学部の校舎、すなわち教授研究室を使っているのが現状だ、こういうわけです。しかもほとんどが老朽化しているというわけでございます。  また、第三に、施設も特別に大学院学生用研究施設というものはないというわけであります。既に大学院大学として認められているところとか、あるいは本年度予算で大学院大学の新設が認められているようでありますけれども、こういうようなところは、すべての面でいいのかもしれません。しかし、ほとんどの既設の大学の大学院は今申し上げたような状態ではないかと思うわけでございます。  先月十五日、大学に関係ある国会議員、衆参両院議員でございますけれども、十何名集まりました。この大学に関係ある国会議員の集まりで、東京工業大学の末松学長のお話を聞く機会があったわけでございます。そのとき末松学長は、いわゆる国大協の会長であります有馬東京大学総長の話として、これからやらなければならない大学の課題として、一つは自己評価の導入、それから第二に大学院の入試の問題、それから財政問題、特に建物、施設、そして四番目は組織である、組織の問題がまた非常にある、こういうふうに言っているというわけでございます。  そこで、これらのうち財政について、末松学長は、文部省予算の高等教育予算、つまり特別会計でありますけれども、これはここ五年間で人件費が五〇%も増加した、こういうわけでございます。そのため、それまで人件費とそのほかの諸経費との間が五〇、五〇であったものが、今は七五%が人件費となって食われてしまっている、こういうわけでございます。しかも、建物といえば二十年以上のものがほとんどでありまして、老朽化している。それに学生数は、特に理工系の学生に至りましては非常に増加が多くて、ここ二十年間で三倍になっている、こういうわけでございます。  このような話を私たち聞きまして、いろいろ質疑応答をやったわけでございますけれども、そこで私は、大学は基礎研究を行うと同時に優秀な研究者を養成していかなければならない、そういう義務が大学にはあるものだ、そのように思っておるわけでございます。今述べましたような状態では、とても最先端の研究はできないのではないか、このように思うわけであります。先端技術を研究しております企業、会社など、そういうところの研究所は、もう既にNHKのテレビなどでもよく放映しておりますけれども、特にICだとか、こういった先端技術の研究所というのはすばらしいものがございます。大学院において十分な基礎研究の経験を積んでおかなければ、せっかく企業の研究所に研究員として勤めた場合でも、十分な能力、能力といいましてもいろいろありますけれども、つまり柔軟な頭脳を持った、アイデアに富んだ研究をする能力、そういう能力を発揮することはできないのではないかな、そんなふうに憂慮されるわけでございます。  そこで、大臣にお尋ねしたいのでございますけれども、文部省として大学院教育はどのようにお考えになっていらっしゃるのか、御所見をお伺いしたいと思うわけでございます。その答弁によりましては四つ、五つばかり附属の質問もございますので、まずどのようにお考えになっているか、その辺御答弁願いたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 資源の乏しい日本におきまして、私は、大学教育、特に大学院教育、まさに必要であろう。日本におきましては、大学院に入る方が千人当たり〇・七%。アメリカにおきましては七・一です。イギリスが二・二、フランスが二・九であります。非常に大学院のウエートが小さい。これはやはり、理工科系の分野を除いて、大学院教育を受けたことが社会的に十分に評価されていない、こういうことも一つの要因であろう、私はこのように思いますが、大学院において社会的需要に適切にこたえる分野、内容の、また魅力ある教育研究の展開、あるいはまた履修形態等の工夫改善等が足りないこともそういうものに起因しているのではなかろうかなという感じを抱きます。  御案内のように、今大学審議会を踏まえまして、平成元年九月に大学設置の基準の一部改正を行い、個々の大学院の創意工夫を奨励して、その責任と判断においてそれぞれの特色を発揮した多様な教育研究を展開して、大学院制度の弾力化を図りたい、このように考えております。そういう意味におきまして、御案内と思いますが、本年二月の学位制度の見直しあるいは大学院の評価について、大学審議会の答申に沿って私ども近くこの制度改正を行う、このように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 今大臣いみじくもおっしゃっておられましたように、いわゆる学位制度、これを変えられるということでございますけれども、我が国の場合におきましては、学位を持っていても持っていなくても、余り待遇の上では変わってないような気がするのですね。アメリカあたりではPhDを持っている者と持っていない者とでは給与においても完全な差がございますし、いろいろの面で優遇されているわけでありますけれども、我が国の場合は学位を持っていても持っていなくても余り変わらない。今度、答申では学士も学位の中に入れるということでございます。学位になるのは結構だと思いますけれども、名前だけ変わって何ら特別に優遇されていないというような状況であっては、それでは名ばかりあって実がないのじゃないか、そんなふうに私は思うわけです。もちろん学位を持っている者はそれだけ実力を持っているはずでありますから、その差は企業内においても生じるかもしれませんけれども、いずれにしましても、博士があってもなくても余り影響がないような状況にあるのじゃないか、その辺、私は残念だなと思うわけでございます。  そこで、今大臣の御答弁、御所見に関連しまして、まず私は財政面でお尋ねしていきたいなと思うわけです。  ここに「高等教育財政」という資料があるのでございますけれども、「高等教育機関に対する国(連邦・州)・地方の支出額、すなわち公財政支出高等教育費の国民所得に対する比率は、我が国は〇・八%」、これは一九八六年の資料でちょっと古いのでございますけれども、アメリカは一・五%、これは一九八五年の資料、イギリスが一・六%、一九八六年の資料、フランスは〇・九%、一九八四年、西ドイツが一・八%、一九八五年、このようになっているわけでございます。これを見てもわかりますように、高等教育機関全体の経費の負担者は、我が国とアメリカ合衆国以外の国では私立の機関がほとんどないこともありまして、主として国、州となっているわけでございます。私的財源からの経費はほとんどないか、あるいはあっても少ないわけでありまして、イギリスの大学は、設置者から見ればすべて私立大学でありますけれども、経費の大部分は国と地方が補助金によって負担しているので、財政面では他の国の国公立大学に準じているというふうに考えられているわけです。そういうようなことですが、今デー夕をちょっと申し上げましたように、我が国は、一九八六年のデータですけれども、〇・八%、こういうふうに低いわけでございます。先ほども申し上げた末松学長の話にもありましたように、人件費にとられて財政面においては非常に苦しい状況にあるというわけであります。それ以外に科研費とかいろいろあります、それは知っていますけれども、これについて文部省としてどういうような形でカバーしておられるのか、その辺をお尋ねいたします。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 先生最初に御指摘がございましたようなことで、我が国の大学院の置かれた環境というのは大変厳しいわけであります。また、御案内のとおり、全体として政府の予算規模の抑制ということもありまして、大学院に対してのみ財政的な充実を図るというのは大変難しい状況にあります。  そこで、私どもの方では、できるだけ民間の資金を導入する方策というものをぜひお考えいただきたいということで、先ほど先生からお名前が出ました東京工業大学の末松先生などもその方面で鋭意御尽力をいただいておるところでございます。特に、例えば民間からの奨学寄附金の導入であったり、あるいは民間と共同で研究する受託研究、こういった面での御努力をお願いしておるところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 そういう財政面、ファンドですね、これはアメリカあたりではかなり民間からもらっているようでありますけれども、我が国も大いにそういうふうにやっていっていただきたい、その辺を御努力願いたいなと思うわけでございます。  それから、先ほど申し上げました校舎の問題でありますけれども、学校の建物ですね。いわゆる大学院の建物というのは、先ほど申し上げましたように新しく大学院大学として設置されるところは別でありましょうけれども、それ以外全部学部の校舎を使っているというのが現状であります。その辺は今後どのようにお考えになっておられますか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 大学院独自の施設をつくるということは私どもとしては望ましいことではございますけれども、先ほど御指摘もございましたが、御案内のとおり、全体として国立学校の予算というのが人件費が非常な抑圧になっておりまして、このところ、施設設備費を抑制しながら全体としての国立学校の予算に対応してきたという状況がございます。この平成三年度の予算としては、若干の施設費の増を図り、お願いいたしておりますが、今後とも私どもなりに努力をさせていただきたい、このように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 やはり校舎がしっかりしていないと、学生も、大抵学部卒の学生がそのままそこに残っているというのが大体普通だと思うのですね。ですから気持ちも余り新たになりませんし、大学院に入った気持ちがないわけでございます。また、先ほども申し上げましたように教授研究室に入っておりますので全く変わらぬというような状況でございますので、その辺やはりお願いしたいものだ。特に我が国はGNPが世界第二位、一位というような状況、このように財政が非常に豊かになっているはずであるのにかかわらず、文部省予算が貧弱であっては、将来、今は先端技術はかなり発展しておりますけれども、やはり基礎がなければ大きな建物は建たないわけでありますから、そういう意味でもぜひとも私たちもそういう方向に大いに努力させていただきたいと思っていますし、また、文部省さんも大臣も特に文部省予算を大量にとって、今の老朽化した校舎は全部建てかえるぐらいのことをお願いしたいものだなと思うわけでございます。特に、旧帝大の大学はまだいいですけれども、いわゆる新制大学と言われる昭和二十四年に発足した大学の校舎なんというのは、大分建てかえられてきているところもありますけれども、貧弱なところに、大学院の修士課程とか、場合によっては大学院のドクター課程まで持つようなことになってきておりまして、その辺力を入れていただきたいものだな、そういうふうに思うわけでございます。  大学院問題でまだ二、三あるわけでありますけれども、これは予定に入っていないかもしれませんが、また局長に御答弁願いたいのです。  先ほども末松先生の話の中に国大協の会長、総長の話がありましたように、これからいわゆる自己評価していかなければならぬということでございます。ともすると、今まで国立大学はたくさんあるにもかかわらず自分の大学はどのぐらいのランクづけになっているのか、そういう評価が余りされていない。大学の教授になってしまえばパーマネントでございまして、停年まで安心しておられるというような状況で、研究も十分行っていない教官もいるような感じがするわけでございます。そういう点で、自己評価、これは大学自身の問題でありますけれども、それを文部省としてどんなふうにお考えになっておられますか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 自己評価の問題につきましては、この二月八日に大学審議会から「大学院の評価について」というタイトルで答申をいただきました。先生も御案内のように、我が国の大学、大学院を通じまして、評価ということについては必ずしもまだ定着した土壌がございません。まずは自己評価から始めていただこうということで、各大学にぜひお願いをいたしたい、こういうふうにいたしております。  私どもといたしましても、これは大学審議会にもお諮りすることではありますが、大学設置基準あるいは大学院設置基準の中に各大学、大学院の自己評価のいわば努力規定というようなものも設けていきたいと考えておりますし、また、今後の大学院の整備充実を図っていく際には、評価に基づく重点的な整備ということも検討していかなければならない課題であろう、このように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 時間がなくなってきましたので先へ急がせていただきます。  次に、学部教育についてちょっと御質問申し上げたいと思います。  最近、修学年数の短縮とか小学校の入学年齢を一年繰り下げるべきではないかというような議論がささやかれているわけでありますけれども、私は優秀な学生は何も大学に四年間しっかり修学させなくてもよいのではないかな、そんな考えを持っているわけでございます。つまり飛び級を考えてもいいのではないかなと考えるわけでございますけれども、それについてはいかがお考えでございましょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 先生御案内のように、平成元年九月の学校教育法施行規則の一部改正によりまして、大学の学生で特に優秀な者については三年以上の在学によって大学院へ進学できる道を開いた。この制度が適切に活用されていくことを私ども期待しているわけでございます。なお、先生のいわゆる飛び級というのですか、飛び級の実施ということは、大学の修業年限を四年を三年に短縮することであります。これは全般的な教育水準の維持やあるいは短期大学、高等専門学校等の関係を含む学校制度全体の根幹にかかわる問題でもございますので、これはひとつ慎重に対応するべき問題だろう、このように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 どうもありがとうございました。  では、時間もなくなりましたので、次に留学生問題の方にちょっと入らせていただきたいと思います。  まず、開発途上国からの留学生についてお尋ねいたしたいと思いますけれども、国立大学の大学院研究科で「環境」という文字を冠した専攻は、環境科学専攻あるいは環境生態系専攻といったようなものがあるわけでありますけれども、こういう専攻学科に在籍している留学生数は、ちょうだいいたしましたこの資料によりますと、平成二年五月一日現在では百五十六名となっているわけでございます。  そこで、我が国が世界に貢献できるものの中で地球環境保全ということが非常に重みをなしてきておるわけでございます。今度の湾岸戦争におきましても、あのようなペルシャ湾に原油を流出させたり、流出したのかさせたのか、させたのじゃないかなと思いますけれども、あるいは油井に火をつけて燃やしたり、あれは大気汚染も大変なものだと思います、あの原油に含まれる硫黄分は大変なものでありますから。そういう点で環境問題が非常に重要な問題でございますけれども、我が国が世界に貢献できる唯一の大きなものといえば、地球環境保全ということになるのじゃないかなと思うわけであります。  そこで、特に私が思いますのに、東南アジア地域の自然環境保全は主として我が国の責任であろうか、そんなふうに考えているわけでございます。そのような観点から、「環境」を冠した専攻の留学生をふやして、研修させて帰国させることは、まことに重要なことであると私は思うわけでございます。そのような観点から、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今日、地球の温暖化あるいはまたオゾン層の破壊あるいは酸性雨ですね。やはり環境の汚染と破壊が地球規模の大きい問題となっております。その解決のため私ども取り組むわけでございますが、文部省としても、これは大学等における教育研究体制の整備拡充、また充実、さらに国際共同研究の推進等を通じて、地球環境問題に前向きに取り組み、環境問題の研究を希望する留学生を受け入れたい、このように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 じゃ具体的にどのぐらい今後考えておられるのか。局長から御答弁願います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 先ほど先生の方からお話がございましたように国立大学の大学院の研究料で、今「環境」を冠した専攻にいる学生というのが百五十六名、これはほとんど低開発諸国からやってまいっておりまして、日本で非常に真剣に勉強しておるものでございます。これは希望者はさらにふえてまいっております。しかし、当方の大学院の受け入れ、どの程度まで入れるかというような受け入れの方の整備との関係もございます。何名受け入れることが可能かというようなことは今はっきり申し上げることはできないわけでございますが、少なくとも海洋学、農学、理学、それから工学関係で、二十一世紀初頭までには二倍あるいはもっともっとそれ以上の数の学生を受け入れるように、そういうあたりを目指して整備を進めていきたい、我々かように考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 先ほども申し上げましたように、やはり我が国は環境の研究が大変進んでおります。また、例えば環境庁の国立環境研究所あたりもかなり進んだ研究をしておりますので、多くの学生を準備体制を整えられまして大いに留学させて、こちらでしっかり教育させて帰国させる、そのことによって地球環境保全、特に東南アジアあたりのマングローブの減少などが非常に起こっておるわけでございますから、そういったものに対する保全の仕方とか、あるいは熱帯雨林も損失しておりますし、いろいろ環境破壊が起こっておるわけでございます。その辺をしっかり教育して帰してやることによって、かなりの政府が力を入れて環境保全をやってくれるだろう、そんなふうに思いますので、ぜひ我が国で高等教育をして帰していただきたい、これを心からお願いを申し上げる次第でございます。  さて、もう時間がほんの少しになってしまいまして三分ぐらいしかありませんけれども、学生生活、これもちょっと次の機会に譲らさせていただきまして、もうすっかり変えまして中学校の給食についてお尋ね申し上げたいと思うわけでございます。  中学校の給食というのは大変難しいだろう、私はそんなふうに思っておるわけでございます。なぜかと申しますと、中学生くらいになりますと、これを食べなさいと言って食べさせても、嗜好、好き嫌いがはっきりしてきておりまして、一律のメニューで食べろと言ってもなかなか食べないのじゃないかな、こんなふうに思います。また、それぞれの中学校にそういう施設を置くということも大変だろう、そういうふうに私は思っておるわけでありますけれども、私の選挙区、東京十一区で、西の方、多摩地域でございますが、ここは家庭の主婦がアルバイトをしている人が非常に多いわけでございまして、子供の弁当を用意するのは大変困難だ、難しいというようなことを言っておりまして、何とか中学校の給食をしてもらえないものだろうかというような要望が、回って歩きますとそういう要望が非常に強いわけでございます。文部省としてその辺をどのようにお考えになっておられるのか、そのお考えをお尋ねしたいと思います。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 中学校の学校給食につきましては、先生御指摘のようにまだ十分な普及が進んでいないという状況でございます。平成元年の五月一日現在ですと、生徒数でいいますと八二・六%、そのうち完全給食の実施状況が六〇・六%、十年前と対比しますと給食の実施率が八一・八、そのうち完全給食は五五・七%ということで、少しずつですが進んではきています。ただ、小学校に比べますともちろんこれはまだ十分な状況ではない。この点につきましては特に都市部でその普及がおくれている、こういう状況なわけでございます。  その原因はいろいろ考えられるわけですけれども、やはり小学校に比べて、おくれてこれが始められたということと、特に、都市部でございますので、校地、校舎の狭隘によりまして新たな土地を求めるとしてもなかなかその土地を取得するのが難しい、あるいは関係する方々の理解がなかなか得られないなどの問題があるわけでございます。  先生の御指摘がございましたように、中学校になりますと、やはりいろいろな嗜好、生徒の好みも変わってくるというようなことがございますので、私どもといたしましては、やはり学校給食の持ちます意義につきましては関係者の理解を十分求めていきたい。そして、実施方法につきましても選択できる献立の作成というようなことで、多様な取り組みを推奨するということなどによりまして、関係者の理解も十分得ながら一生懸命努力をしてまいりたい、このように思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)分科員 いろいろ御要望を申し上げましたけれども、鋭意この実現のほどをよろしくお願い申し上げまして、私の質問をこれで終わらしていただきます。どうもありがとうございました。

武部勤自由民主党

○武部(勤)主査代理 これにて斉藤節君の質疑は終了いたしました。  次に、児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 小中学校の教職員定数の改善第五次計画で、小規模校の養護教諭の配置の問題ですが、四学級以上の学校に一人、三学級の学校四校について三人、こういうやり方をなさっています。このような配置の仕方で、小規模校において教育の現場でどんな事態が起きているか、文部省は御承知でしょうか。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○菴谷政府委員 今のお尋ね、どんなという点、十分受けとめているかどうかでございますが、とりあえず今御指摘になりました第五次小中学校教職員定数計画の改善によりまして、最初この計画発足前は、本校の数に四分の三というのを掛けて、それでその県における定数をはじいて、後はその県の判断で配置していただく、こういうものが十二年の計画で……。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 経過は結構ですから、今学校がどうなっているか、その点。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○菴谷政府委員 それによりまして、四クラス以上の学校で各一人、三学級以上で四分の三という配置をしまして、一応定数上は五千百二十二人という増加が平成三年度で実現できるという見込みになりました。そういうことによって、ごく小規模の学校においてはまだ配置されていないところもございますが、相当の率で配置できるようになったと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 文部行政は、やはり現実に地域の学校が皆さんのなさっているさまざまな措置によってどんな苦労をしているか、そこのところをきちんと見ていただく、大臣、これを私は強く要望したいのです。  それで、実際に今のような配置によって学校でどのような事態が生まれているか。  一つは、山口県のケースです。山口県の場合は、さっきお話のあった四校について三名しか配置しない。だから一校配置できないところが出てくる。それ以下は配置をしない。そういった状態の中で、養護教諭の皆さん方の兼務の問題というのが非常に深刻になっております。例えばある地域で、週一度中学校に行く、そこで健康関係、公文書、資料づくりなどほぼ全体の仕事をやる、給食の時間は小学校に戻り、本校児童の健康観察、処置をする、小学校の昼食が済むころまた中学校に戻る、こういう仕事をさせられておる。別の方は、週一回町内の小学校に行く、本校より通勤距離が約六キロ、道路状況が悪く、始業時間は同じなのでその日は早く家を出なければならない、保健指導や保健行事、その他学校行事で大変だ、こう言われています。もう一人の先生は、四キロほど離れた小規模小学校との兼務です。両方合わせても百五十人ぐらいですから、定期診断のときなどは行ったり来たりして、一回で済ませられたらと心から思います、こういうふうに言われています。そして、そういった兼務の養護の先生たちは、兼務の解消をお願いしたい、子供たちの健康が週二日の勤務で守れるものならこれほど簡単なことはないでしょう、世の中の健康に対する関心が高いこのごろ、たとえ週二日でも職員や保護者が求めてくるものは毎日勤務する者に対するのと同じです、とてもこちらの心と体もそれにはこたえられません、こういうふうに述べているのですね。  この状態を文部省はどのように受けとめますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 先生具体の事例に即してのお話があったわけでございますけれども、私どもといたしましても、近年児童生徒を取り巻く生活環境が変化してきておる、そういう中で心因性の頭痛とか腹痛あるいはいろいろな不快感を訴えて保健室を訪れる、こういう子供たちがふえているということは十分承知をしているところでございます。また、食生活とか生活行動の変化に伴いまして、肥満とか高血圧、各種アレルギーなどを有する児童生徒も増加している、こういうようなことでございまして児童生徒の心身の健康問題は大変複雑多様化している。そういうことで、養護教諭の役割というのはますます重要になっているという認識をしているわけでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 兼務についてはどうですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは今の定数配置の中から現実の要請があるという中で、各県の教育委員会においていろいろな勤務の様子というものを工夫しながらそのようなやり方をしているのではないか、このように思います。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 未配置の場合、これまた非常に重要な問題をなしています。今局長から、子供たちの心身の問題について、以前とは違った困難が生まれている、そして養護教諭の務めも重くなっている、まさにそのとおりだと思います。ところが、養護教諭が配置されてない学校がある。これは京都の事例です。京都で教職員組合が、養護の先生が未配置の学校を一つ一つ訪問なさった。そして、その結果をこのように言っていらっしゃる。多くの学校は僻地にあるため、交通機関も極めて不便で、医療機関から何キロも離れている。特に、冬季には凍っている道路を教職員の車で救急輸送をしなければならない。極めて危険だ。子供が学校でぐあいが悪くなったとき、専門的判断を行い適切な介護をすることが難しい。子供はだれもいない保健室では休養することを嫌がり、休養させても心細いのか教室に戻ってきてしまう。担任としても、だれもいない保健室に休ませておくのは不安で、保健室がせっかくあるのに活用されていない。  大臣、あなたのお子さん、お孫さんの問題としてちょっと考えていただきたいのですが、養護教諭が配置されてない、ぐあいが悪くなって保健室に行く、がらんとしただれもいないところで横たわる子供の気持ちはどんなものでしょうか。ここのところは速やかに改善する必要がある。いかがでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 確かに先生のおっしゃるとおりでありますが、私どもやはり財政厳しい折、また十二年計画で今回の定員増をやっていただいたわけです。もう既に先生御案内のように、今私お願いいたしました五兆五百五十九億四千四百万のうち二兆七千億というもの、五四・一%がそちらへとられておりまして、財政が本当に全部、一〇〇%ちょうだいできればそういうことはないと思いますが、小中において今九六・五%までおかげさまでこういう状態になっていったということでございますので、今、小規模の学校を除いて九六・五というところまでいっておるわけでございます。  今先生の御質問は、小規模の学校ほど僻地にあって大変困っているということでございます。私どもとしても、いろいろ対応いたします。対応いたしますが、これはすぐ配置いたしますということは、なかなか今前向きの答弁ができないことは悲しいことでありますが、我々の要求どおり全部していただければそれはいけるわけでございますが、今回まで、やっと四十人学級を初め、第五次定数改善計画がのった、こういうことで、将来そういうふうにいたしたいと思いますが、なかなか今の状態では私ども、いろいろ今後の教職員のあり方、先ほどちょっと答弁申しましたが、今やっと完成した時点でございますので、これから生徒数の実態あるいはその結果を踏まえて厳しい財政事情も勘案して対応いたしたい、このように考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 長い時間をかけて行われた小中学校の五次の改善計画と高校の四次の計画、それが今めどがついたから、このときにこそ文部省としてはさらに一歩進めるのに何が必要か当然お考えになっていると思う。また後から議論しますが、ただ、今の大臣のお答えの中で、養護の先生方の重要性と、その人たちをもっと多くのところに配置しなければいけない、それが文部省の要求でもあるということは伺えたので、議論はまた後に譲りたいと思うのです。  次の問題は、文部省が昨年十一月に発表された学校不適応対策調査研究協力者会議中間まとめ、これですね、拝見しました。この中で、登校拒否問題についてさまざまな皆さんの考えやそれなりの御苦労、御努力というのが述べられていますけれども、私、拝見していてこの中で非常に興味が深かったのは「指導の結果登校するようになった児童生徒」というくくりがあって、そのように児童生徒を、言ってみれば励まして登校するようにした。その面で「特に効果のあった学校の措置の区分・内容」というところに「保健室等への登校、指導」という一項目がございます。そして小学校、中学校でケースがどのくらいでというパーセンテージも出していらっしゃる。保健室での養護の先生たちの心を込めた指導が子供たちを励ます。どうしてそうなるのでしょうか、伺わせていただきたいと思うのです。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 最近保健室に訪れる子供が多くなっているということは私どもも聞くわけでございます。それをいろいろ聞いてみますと、頭痛とか腹痛というようなことで来るわけでございますけれども、内面的には心の健康問題を抱えているというようなことで、恐らくそこで腹痛、頭痛というようなこととあわせてそういう心の悩みなども訴えるというようなことで気持ちもまた変わるのじゃないか、このように思うわけでございます。そういう意味からも養護教諭の役割というのは大変重要だと私ども思っておるわけでございます。  そんな意味合いも込めまして、平成二年度、保健室におきます相談活動の充実というようなことから、保健室におきます相談活動に関する調査研究事業というものを開始をしたところでございまして、今先生の御指摘がございましたけれども、そういう心の問題を持って保健室を訪れる児童生徒の実態あるいはそれに対してどういう対応をしたかという実践事例、そういうようなものの調査を進めているところでございます。今後それらの調査結果を踏まえながら、相談活動の充実の方策についても検討してまいりたいと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 私は、この質問を準備するために、数日前東京都内の中学校の先生たちからいろいろお話を聞く機会がありました。その中の一人の先生は、同時に六人の子供、男の子一人、女の子五人、六人の子供がかなりの期間、いわゆる保健室登校と言われる状況になっていた。六人の子供がお互いになかなか心を開かない。そして狭い保健室の中に六つ机を並べて、その机はそれぞれ窓の方を向いている。そういう子供たちを励ましたり、話しかけたり、話し相手になったり、長い大変な努力の結果、六人のうち四人の子供さんが教室に帰られる、毎日教室に登校するようになったそうです。  心を閉ざしがちな子供に話しかけ、誠心誠意教育者としてその子供たちと一対一で対応していくその仕事と、一日何十人も来室する子供たちとの対応、それは両立するとお考えでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 私ども必ずしも実態というものを十分把握しておりませんけれども、やはり保健室におきましては、そういう頭痛なり腹痛を訴えるという子供もある半面確かにそういう悩みを持ってこられる子供も多いわけでございますので、そこの点につきましては私どもも、先ほど申し上げましたような調査研究事業、そういう中で十分実態にも触れていってみたい、このように思っておるわけでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 せっかくの機会ですから、一般論でなくてかみ合った率直な議論にしたいと思うのです。局長の場合、もしあなたがそういう仕事をやらされるということになると、あなたはできますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 実際の仕事の量とか、そのあたりがどのようなものか私にもわかりませんし、なんでございますけれども、やはりそこは実際にどちらにどれくらいのウエートがかかる仕事になるのかということにもよるのではないかと思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 もうちょっと具体的に言いたいですね。いいですか。保健室の中に六人、保健室登校の子供がいるんですよ。そしてその人たち一人一人を個別に励まし、話し相手になっている。そういうとき、特に授業時間の三時間目から四時間目にかけて、そして疲れが出てくる五時間目、六時間目、休み時間と問わず授業中と問わず何人もの子供がそれぞれ訴えを持って保健室にやってきます。そのとき六人の子供は机に座っているのです。それが一人で文字どおり大変な努力で今こなされているのだけれども、この状態を放置していていいでしょうか。どうですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 率直に申しまして学校も、これは言うまでもないことでございますけれども、組織体として動いておるわけでございます。学校におきましては、もちろん校長がおるわけでございます。校長、教頭、教諭、養護教諭それから事務職員その他の職員が一致協力をして学校運営を行っておるわけでございますので、やはり今のようなお話の点、これはもちろん私も具体の事例を今先生からお話を聞くだけでございますからそれに対してどうということではございませんけれども、やはり学校の中で、全教職員の協力体制の中で取り組んでいくのではないか、このように思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 その組織としての学校の機能に破綻が起きているからこの保健室登校というふうな具体的な事例が生まれているんですね。組織論一般ではこれは解決の道は出てきません。  大臣、お帰りですからちょっとこれを見ていただきたいのです。これは神奈川県のある県立高校です。この学校は一学年が十二クラスです。そして一クラスの子供の数は、おととしの場合ですけれども四十七人、クラスによっては四十六人のところもあります。この表は、一昨年の十一月一日水曜日、朝から五時過ぎまで、養護の先生一人いらっしゃるのだけれども、御婦人の社会科の先生が特別に時間をとって朝から晩まで保健室に机を置いて、黙って養護の先生がなさることを克明に記録したのがこの図です。  最初に子供が来た時間が八時四十九分、最後に子供が部屋から去ったのが四時五十五分。一番短い在室時間は一分、一番長い子供は百五分です。そこで、私がこれを拝見していて大変な御苦労だろうと思ったのは、午前十一時のところでは同時に十二名の子供が保健室に訪れています。そして午後二時二十分のところでは同時に十三人の子供が訪れています。一日で合計八十三人の子供さんが訪問されて、一人一人について時間、性別、学年、どんな訴えだったかということを克明に調べていらっしゃる。例えば七十二番目に来た二年生の女の子、三時十分から三時三十分、下腹部が痛い、三日前から断続的に痛むのだ。この養護の先生は、マックバーネ点圧痛プラス・マイナス、体温三十六・九度、吐き気マイナス、慢性盲腸も疑われ、家庭連絡の上、担任に車で家庭に運んでもらう。翌日病院に行ったら、直ちにその場で虫垂炎の手術になりました。昭和四十七年に保健体育審議会が出された養護教諭の務めについての答申で、「養護教諭は、専門的立場からすべての児童生徒の保健および環境衛生の実態を的確に把握」するとまず書いてあります。千六百人全体の保健、環境衛生等的確に判断する。それだけでありません、「疾病や情緒障害、体力、栄養に関する問題等心身の健康に問題を持つ児童生徒の個別の指導にあたり」とあります。千六百人全体を的確につかみ、さっきの二年生の女の子のように、専門家の目で見てこれは虫垂炎が疑われる、すぐ担任に家まで送ってもらって、翌日手術。まさしく個別に、的確にこの先生は把握なさっていたと思うのです。そういう仕事をこの養護の先生方は現実にきょうも学校でなさっております。  このような激務、しかも極めて重要な内容を持つ職務を一人の先生にお願いするということは、文部省としてこれはその責めを果たしていると到底言えない。これまでの教職員改善計画が次の段階を現実に見通せるところに来ていますから、この際複数配置に踏み切るべきではないか、どうでしょうか。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○菴谷政府委員 今実例を挙げられまして先生、いろいろ子供の数及びその処理状況ですか、おっしゃいました。  先ほどちょっと体育局長も触れましたように、心の問題でございまして、その保健管理と生徒指導に該当するようなことはどこまでが養護教諭の仕事か、これは非常に難しいと思います。そうかといって画然と線を引けないからできるだけ避けるというわけにはいきませんが、また押しつけるわけにもいきません。したがって、今たまたま複数配置のことを先生おっしゃいましたが、そういういわゆる心の健康を含めた生徒指導の問題あるいは学校全体の指導の問題という中で養護教諭の複数配置というものがどこまでどういうふうに必要か、こういったことは今後の研究項目の一つではないかと我々は思っていることは事実でございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 去年この分科会で同じことを皆さんに申し上げた。そのとき皆さん方は定数の改善計画が完成した後の一つの研究項目、こういうふうに述べられた。今の御答弁は、言ってみれば当時の答弁の忠実な再現ですね。しかし、去年あなたたちがおっしゃっていた改善計画が完成したのですよ。そうなりますと、さっき私が御紹介したたくさんある中の文字どおり氷山の一角、そういう事態に皆さんがもし直面されたら、このまま放置していていいと思いますか。一般の教科の教師について言えば、授業時数がふえてきて一人の教職員が例えば一週間に五十時間持たなければいけないということになれば、当然その教科の教師の数はふえていきます。事務職員についてもそうではないでしょうか。  私のいる北海道について言えば、事務職員は、小学校の場合三十学級以上になったら二人になっております。中学校について言えば、二十四学級以上になれば二名になります。公立高校の全日制について言えばもっと細かくて、六学級を超したら二人、十五学級を超したら三人、十八学級を超したら四人、二十四学級を超したら五人です。大臣、私はこれで十分だと思いませんよ。事務の皆さん方も大変な仕事で大いに悪戦苦闘しております。  しかし、ともかく学校というところで、私はこれは教育の原理だと思うのですけれども、特定の教職員にだけ過大の責務を押しつけておいて学校教育が進むはずがないのですから、やはり未配置の学校には配置をし、そしてある数以上の規模の学校については複数で配置する、研究項目でなくそこに向けて皆さんとしては踏み出すべきだと思います。いかがですか。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○菴谷政府委員 先ほども申し上げましたように、現象としてあらわれている生徒の保健室に来る行動、これはおっしゃったような分析ができると思いますが、教育の問題ですからさらに突っ込んでいきますと、どういうところに問題があるかというところまで行き着くかもしれません。学習の成果が、十分上がらないからそういうところへ来て、映されているのかもしれません。これはなかなかわからない問題でございますが、いろいろなことを考えつつ、先ほど言いました学校の組織体としての協力関係、そういう中でどれだけの仕事をお互いにやるべきか、これは数字ではなかなか把握しにくい点がございます。同じ一人の生徒を指導するについて学校全体としてどう取り組むかというところまで行き着くかもしれませんが、いろいろなことを考えながら、先ほどおっしゃったようなことについては今後の検討項目だと我々思っておるわけでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 文部省はそういうのんびりしたことをおっしゃっておりますが、学校現場に近い教育委員会としてはもうその程度では到底乗り切れないという事態が起きております。例えば東京や大阪では、一定規模の学校について言えば複数配置を自治体の責任で既にやっておりますね。北海道で言えば大規模校、高校の場合ですが、春の健康診断が激務ですから、そのとき、ある規模以上の学校については臨時に複数にしている、こういう事態になっています。そういう自治体の苦労にゆだねておいていいのか、教育行政に全国的に責任を負う文部省としてここは踏み切るべきだ。どうでしょうか。

菴谷利夫文部省教育助成局長

○菴谷政府委員 先ほどの繰り返しで恐縮でございますが、昭和三十三年ころは例えば小中学校で言いますと約四分の一程度の配置、これがいいとはもちろん言いませんが、それを相当の年月をかけて、大変多額な経費を要するこの事柄について何次かの計画で実現してまいって、ようやくごく少数の規模の学校を除いて配置できるようになった。こういうことでございますが、今後そういう教職員の定数をどう考えていくかということにつきましては、まず平成三年度にこの現行計画が、完成したと言いましたが、平成三年度に完成するという手当てをしたわけでございます。したがってそれについて、実配置その他実態などをまず調査したい、それから、児童生徒数の推移等も今後どうなっていくかも調べたいというようなことで考えておりまして、繰り返しますけれども、先ほどおっしゃったようなことにつきましては検討項目の一つとして頭に入れておきたい、こう思っておるわけでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 子供たちにとって学校教育というのはそれぞれ一生に一回ですね。やがてよくなればいいというものではありません。今いる子供たちに責任を負う必要があります。  私は皆さん方が出されたこの文章を読んでいまして、例えば登校拒否の問題で「登校拒否となった児童生徒をみてみると、必ずしも本人自身の属性的要因が決め手となっているとはいえない事例も多く、ごく普通の子どもであり属性的には特に何ら問題もみられないケースも数多く報告されている。」まさにこのとおりですよ。そういう子供が学校に行きたくないと言い出して、保健室なら行くという。教職員の定数の管理も、ある程度文部省としては実態に合わせて緩急自在でなければなりませんね。今まで十何年もかけた御努力があったということは私も承知している。次に踏み出すとき今一番必要な分野にどうやって力を入れるのか、そこのところを私は大臣に御努力いただきたいのですよ。その点どうでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今局長が答弁いたしましたように、この次のことで調査費二千七百万円ちょうだいいたしておりますので、そのように対応いたしたい、このように考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉分科員 特別の努力をお願いして、質問を終わります。

武部勤自由民主党

○武部(勤)主査代理 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。  次に、岡崎宏美君。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 きょう私は、まず最初に子供の権利条約について、政府は批准の方向であるというふうに思いますが、大変多くの方が早期の批准を望んでおられますので、特に課題ありとされる文部省として、批准に向けて国内の法整備についてどういう検討が進められているのかということからお尋ねをしたいと思います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 児童の権利に関する条約と申しますのは、今日なお世界の多くの国々におきまして児童が飢えとか貧困等々の困難な状況に置かれているという現実にかんがみまして、グローバルな観点から教育を含む児童の権利保障の推進を目指したものというぐあいに認識いたしております。御存じのとおり、我が国といたしましても昨年の九月この条約に署名いたしておりまして、この趣旨には賛成を表しております。この条約に盛り込まれております個別的あるいは具体的な事項につきまして、外務省を中心とする関係省庁の間で逐条ごとに条文の意味内容、それから国内関係法規との関連等について検討を重ねておるというのが現在の状況でございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 きょうはその全体について詳しくお尋ねするのはやめて、また次の機会にと思いますが、今もおっしゃったように、子供たちの人権をどういうふうに守っていくのか。実際差別があるということであれば人権は守れないわけですから、そのために全力で取り組んでいただきたいと思うのです。きょうはその中で、特に部落の子供たちの教育の保障をどうするかということについてお尋ねをいたします。  この間、二月二十二日に文教委員会で文部大臣が我が党社会党の中西績介議員の質問に答えられて、基本的人権を尊重して地域の実態に配慮した教育行政を進めていきたい、こういうふうにお答えをされております。私、その具体的な教育行政の内容をお尋ねをしたいと思うのですが、何事でもそうだと思うのですけれども、方針を立てるときにはまず現状認識が必要であると思いますし、その現状がどこから来ているのかという原因をはっきりさせないことにはそれに合った対応策というのは出てこないと思いますので、そこら辺からお聞きをしたいと思います。  この間政府の見解として、実態的差別は改善が進んできたけれども心理的差別はまだ残されている、こういうふうに言われております。この心理的差別というのがどういう形で残されているのか、なぜ残されているのか。これをどういうふうにとらえられているか、お尋ねをいたします。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 心理的差別は、地域改善対策協議会の意見具申にもございますように、人々の観念や意識のうちに潜在する差別ということで、それは言葉とか文字とか行為を媒介としてあらわれるということが書かれているわけでございますが、学校におきましてはこの児童生徒の心理的差別を解消することが重要なわけでございまして、そこでは、要するに学校教育におきましては基本的人権の尊重ということを中心に据えまして、同和教育が学校において十分行われるということが重要であろうかと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 私がお尋ねしているのは、具体的にどういうふうな形で今の学校で心理的な差別が残されているのか、現状をお尋ねをしております。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 学校教育の場におきます差別事象というものが残念ながらまだあるわけでございますが、私どもの調査によりますと、平成元年度におきましては二百十九件の差別事象が報告されております。その内訳は七割程度が児童生徒による差別発言などでございますし、そのほか落書きとか、さらにはこれは教職員の関連するものも一割程度あるということでございます。これは、学校教育の場におきましてこのような差別事象が起きるということは大変遺憾なことだというふうに考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 七割は児童、その内訳は差別発言あるいは落書き、また一割は教職員も絡んでということです。今も学校の現場でこういうことがあるということは遺憾だというふうにおっしゃるのですが、なぜこういう差別発言あるいは落書きが学校の中でこうして途絶えることなく、なお根深く起きてきているというふうにお考えでしょうか。その原因はどこにありますか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 大変残念なことではございますがこのような差別事件が発生いたしております背景としましては、やはり小学校から高等学校までの同和教育の不徹底ということがあろうかと思います。個々の教師の指導力の不足とか校内における指導体制の不十分さなどが従来からも指摘されることがあるわけでございますが、こうした点を今後十分徹底しなければならないし、さらには地域におきます学校間の連携の強化とか、校内におきます教職員の共通理解の徹底というようなことを通じまして、同和教育の一層の改善充実に努めることが大切だと認識しております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 同和教育の不徹底あるいは個個の教師の質の問題、いろいろおっしゃるわけですが、これはこの間の現状の中でそういうふうに思われているんだと思いますが、具体的に、じゃ、どうしたら同和教育が徹底される、あるいは子供たちによる差別発言が七割だというふうにあるわけですが、何で子供たちがそういう差別発言をするに至るのかというあたりを見ないと具体的な対応策は出てこないと思うのですけれども、それはどういうふうにとらえておられますか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 学校教育におきまして同和教育を充実しなければならないわけでございますが、それはやはり全国すべての学校におきまして基本的人権の尊重ということを基本として、子供たちの発達段階を考慮しながら各教科、特に社会科が中心になるわけでございますが、その各教科の指導や、さらには道徳また特別活動など、それぞれ教科、領域の特質に応じましてこれを十分適切に行うということが大切であると考えております。その具体的な実施の状況に当たりましては、学校の置かれている地域の実態、状況に応じて行うということが必要であろうと思います。  私どもは、同和問題に関しましては、憲法に保障された基本的人権に係る重要な問題であるというふうに認識しておりまして、この問題の解決のために果たす教育の役割というのは大きいと考えております。このため、文部省では、まずこの基本的人権の尊重の教育を全国的に推進するということを第一の方針に掲げておりますし、また地域の実態を配慮した教育の推進とか、さらには教育の中立性が守られるような方針のもとにこの同和教育を進めておりまして、なお差別事件が起きるのは大変遺憾ではございますが、今後一層充実をしなければならないと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 どうも抽象的にお答えをいただくのですが、子供たちに、基本的人権はみんな守られなければならないから大事にしよう、こういうふうに教えたとしても、学校で子供たちが差別発言をする中身というのは、例えば、家へ帰って自分の家のお父ちゃんやお母ちゃんに、あそこの地区の子とは遊ばない方がいいよとか、そういうふうに言われて育っているとか、あるいは学校でも、だってあそこの子は乱暴やからとか怖いからとか、そういうふうなことが実は言われているのではないのですか。お答えをいただきたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 実際に同和教育の展開を行うのは学校の教師でございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、同和教育というものは基本的人権の尊重を基本として、それぞれ学校の発達段階がございまして、小学校は小学校の発達段階を考慮し、中学は中学、高校は高校ということでそれぞれの発達段階を考慮して教科、道徳、特別活動の中で具体的に展開していただく、これが学校の仕事でございますので、それはいろいろな指導の場面があろうかと思いますが、子供たちの実態、地域の実態に応じて教師がそれぞれ適切に行うということが必要なわけでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 学校の先生みずからも部落の問題について大変差別的な発言も多いわけですが、では、少し尋ね方を変えたいと思います。  今私は、子供たちの中についつい偏見というものを生んでいく一つの背景として、部落の子は怖いとか、部落の人たちは怖いとか、あるいはあそこはやはり柄が悪いとか、だってみんなの中に入ってこない、閉鎖的だとか、そういうふうなことが実際言われているわけです。これはなぜ生まれてくるのか、なぜ怖い、柄が悪いと言われるのかということについて、これは学校で子供たちが言うわけですから、家の問題だけではなくて、なぜそれが言われるのかということについてお尋ねをしているのです。どういうふうにとらえておられますか。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 これはいろいろ長い歴史的な経緯があろうかと思いますが、人々の観念とか意識の中に潜在する差別でございます。それが言葉としていろいろな場面に出てくるわけでございますから、学校教育におきましては、そうしたことをいろいろな領域、教科を通じて差別意識、心理的な差別をなくしていくということに努めなければならないと思います。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 私は、文部省の方が具体的に、同和教育の実践をするに当たってどういう場面でこういうことが起き、それはなぜ出てくるのかということをもっと真剣にとらえていただきたいと思うのです。例えば、怖いとか柄が悪いとか言われている背景の中に、この間も文教委員会の中で大臣あるいは今御答弁いただいた菱村初等中等教育局長ですか、みずからもおっしゃっておられるように、子供たちの学力の問題がある、自分の思いを素直に言えない、意見を言えないというふうな問題もある、あるいは高校に入っても学力についていけなくて中退をしていくような場面も出ている、要するにそういう低学力の問題は環境がつくっていくのだというふうなことを答弁されているわけですけれども、今のお答えからいきますと、本当にそんなふうに具体的に思っていらっしゃるのか、随分後退をしているのではないかと私は指摘せざるを得ません。ただ、ここで延々とやっているわけにもいきませんので、私は、ぜひ低学力の問題について改善をさせていく方向を見つけていただきたいと思いますので、進みたいと思います。  私は、菱村局長もこの間の文教委員会でもお答えになっているように、低学力の問題を解消していくことによって言葉が豊富になる、あるいは人とのコミュニケーションもどんどん進んでいく、そうするとそこで生まれてくる——怖いというのは、非常に乱暴な言葉しか言えないとかそういう場面の中で相手が怖いと思うこともあるわけですから、そういうものは解消されていく形になっていくと思うのです。ですから、低学力と言われている、文部省の方もそれは問題とされているわけですから、今の実態はどうなのか、またどこらあたりから解消に向けて進もうとされているのかということについてお尋ねをしたいと思います。今文部省が、特に部落の子供たちの中に低学力の状態がある、それを問題としているということをこれまでの委員会で発言されていますが、その中身をどういうふうにつかんでいらっしゃるのか、まず教えていただきたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今局長から答弁がありましたが、確かに学力の水準が一般から見て落ちているということは、これは私ども、一部の県の教育委員会から指摘されておりますので、そのために対象地域の児童生徒の学力の向上を図るために教員の加配、これはきめの細かい配慮だと思いますが、あるいは研究指定校の指定等の措置をしておる、文部省としては何としても低下をしているものを上げたい、こういうことで努力をしているつもりでございます。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 今大臣からお答えがございましたように、私どもも同和地区の子供たちの学力の状況が一般に比べますと低いというふうに認識をいたしております。それは私どもが調査をしているわけではないのでございますが、全国的に調査をしたことはないのですが、それぞれの県でいろいろこの問題について学力の状況を把握されている報告がございます。それらの資料を見てまいりますと、小中学校とも、この同和地区の児童生徒の学力が低いということが出ておりますので、そうした点、私どもは、高校の進学率なども同じでございますけれども、そういう状況がなくなるように力を尽くしていきたいというふうに考えて、いろいろな施策をとっているわけでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 いろいろな施策というところをぜひお聞きしたいと思いますが、私は、これは一つの姿勢の問題としてうーんと思ってしまったのですね。  全国同和教育研究協議会が、昨年七月に四十七都道府県と十一の政令都市の教育委員会に対して、同和教育の現状をとらえるためにということでアンケートを実施されているのですね。それに、その五十八の教育委員会中一市を除いた五十七の教育委員会から回答が寄せられております。  その答えの集約されたものをずっと見ていきますと、「都道府県市または教育委員会として、同和教育の推進にあたり、「同和(人権)教育基本方針」を策定されていますか。」という問いに対しては、しているところが四十五ですが、策定していないというところが十二もある。しかも、その十二のうち、当分策定する気がない、そういうふうに言っているところが九つある。  また、教育委員会として、同和教育の推進に当たって専任の担当課なり、あるいは室というものをふだんから設置をしているか、こういう問いに対しては、設置をしているところが三十七、していないところが二十ある。  あるいは、さっき加配の教職員ということを頑張ってやっております、非常にいい配慮でやっております、こういうふうにおっしゃったわけですが、その加配教職員を配置しているかという問いに対しては、配置しているというところが四十一、していないというところが十五あります。  ほかにもずっと項目あるわけですよ。同和教育の加配教職員の配置、今後とも必要だと考えるかという問いには、必要だというふうに答えたところが四十六あるのですが、必要でないというふうに答えているところが五ある。これは、実際やってみて必要でないということではなくて、同和教育に対する基本方針を今持っていない、実際にどんな差別が起こり、どんなことが対策として立てられないといけないかということをふだん考えていないところの教育委員会が必要ないというふうに答えているのであって、大変問題を含んでいると思うのです。  本当に、きめの細かいいろいろな施策をやるということであれば、私は、このアンケートの結果に出てきた回答というのはもっと重く受けとめていただきたいと思います。文部省がやった調査じゃないから知らないということにはこれはならないと思うのですね。文部省がふだんからやっていることであれば、この五十八の教育委員会すべて、きちんとした方針がなければいけませんし、次の具体的な問題が出てくるはずなんです。  私は、環境整備を進めるに当たって、一つのポイントになっていくのは奨学金の制度だと思うのですね。現在、貸与になっていますね。これはぜひ本来の給付制に戻していただきたいと思います。貸与にしたことによって大変たくさんの弊害が出てきていると思うのです。貸与したことによって、後で返還を求めるときに、就職先まで通知が来る。その中でまたしても身分をみんなの前にさらされることによって新たな差別が生まれる。そういうことに対して一歩下がってしまう部分なども含めて、奨学金を求める人も減ってきております。それに合わせて進学、あるいは行ったけれどももうここでやめようという部分がふえてきているわけです。そこら辺に対する配慮をぜひしてほしいと思うのです。貸与になるというふうに決めた一九八七年のときに、問題があれば考え直すというふうにおっしゃっているようですから、現在問題だというふうに私たちは指摘しているわけでして、そこら辺のとらえ方をお聞きをしたいと思います。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 ただいま先生からお話がございましたように、文部省におきましては、同和関係者の子弟の高校等への進学を奨励するために、昭和四十一年以来進学奨励事業を行ってきているわけでございますが、御指摘がございましたように、昭和六十一年の地域改善対策協議会の意見具申に基づきまして、改善事業の全体的な見直し、その中で特に個人給付的な施策につきましては、協議会の意見具申におきましても原則として廃止する、「同和関係者の自立、向上に真に役立つものに限定する」という方針が出されております。その方針のもとの見直しにおきまして、高校等の進学奨励事業につきましても貸与制にしたわけでございます。  文部省としましては、この貸与制の切りかえに当たって、進学奨励事業がこれまで果たしてきました役割を考えまして、今後ともこの対象地域の生徒に対する進路指導等を一層充実するとともに、返還免除制度の導入ということも行っているわけでございます。この返還免除制度につきましても、いろいろ手続が複雑だということで、近年その手続の簡素化とか免除制度の一種の緩和策、そういうことを図っているわけでございまして、私どもとしましてはこの制度の充実に今後とも力を尽くしていきたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 今、高校の中途退学も問題にされているのですが、部落の子供たちの中退率が八八年からまた一気に急上昇をしております。八七年に奨学金の制度が貸与になった、そこをはずみとして、その前年までの倍近くに退学者がふえています。これはぜひ受けとめていただきたいと思います。  それと、さっきアンケートの結果をお知らせしましたけれども、これに対するお考えをお聞きしたいと思います。大臣にお願いします。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 先ほどアンケートでいろいろ御指摘がございました。その中で、各都道府県内において教育方針を定めていないところがあるではないかという御指摘でございましたが、これは御案内のように、同和教育そのものは私どもも方針を示しておりますけれども、実際に各都道府県でどのように行うかということは、それぞれの地域の実態に応じましてその公共団体が自主的にいろいろ配慮をして決めていく課題であるというふうに考えております。  また、定数の加配等につきましても、実態が必ずしも充足していないではないかという御指摘でございました。この点につきましては、私どもは公立義務教育諸学校の教職員の定数改善計画の中で、同和地区の児童生徒数が一〇%以上のときには一人、それから同和地区の児童生徒数が八十人から百六十人のときにはそれにプラス一というような、順次生徒数に応じて逓増する方式をとっているわけでございますが、その各都道府県の具体的配置につきましては、こうした基準に基づいてそれぞれの公共団体において配慮された結果であろうというふうに考えております。  いずれにいたしましても、私どもはこうしたアンケートも一つの貴重なデータと考えておりますので、このようなデータをもとに、今後も一層同和教育の充実に努めていきたいと考えております。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 私どもやはり基本的人権尊重の教育の全国的な推進、そしてまた地域の実態を配慮した教育の推進、また教育の中立性、こういうものが守られるよう留意してまいりたい。特に、憲法で保障された基本的人権というのは重要な問題でありますので、私どももよく考えて対処してまいりたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 部落の差別をなくしていくということは国民的な課題である、国を挙げての課題であるというふうに認識していただいているはずです。それを実践するためには、こうした一つの運動体のアンケートというのは現実の姿だと思いますから、各地域によって差があるというふうなことではなくて、あればあるほど、やはり文部省としてはより高めていくために運動体ともぜひ相談をいただいて、前に向いていただきたいと思います。  最後に一つお尋ねをしたいと思います。具体的な同和加配教員の配置ですけれども、九一年度で第五次計画が終了しますね。それ以降の配置計画、現在どんなふうに考えておられるのか、お尋ねをいたします。

菱村幸彦文部省初等中等教育局長

○菱村政府委員 定数問題につきましては今後の大きな課題でございますので、ただいま御指摘のありました諸点も十分踏まえまして、今後の改善に努力してまいりたいと考えております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 まだ今の時点では具体的な報告がなされない、こういうことでしょうか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 全体的な数の中で対応いたしたい、こういうことでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 それでは、全体的なものを含めてということであれば、実際差別をされている、その苦しみを持っている人たちの意見を吸い上げる、そういうことを聞く場をぜひこれから持っていただいて、それを含めて解消に向けてということで御努力をいただきたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今申し上げましたことは、第五次の改善計画が終わった、それで今私どもすぐ次をということは、今の段階では、学級数の問題、またはこれからの児童の減少、そういうものをよく研究して、そのために、すぐそういうことを——今の私の立場としては、これは議事録に載ることですから、前向きで答弁しろと先生はおっしゃると思いますが、十二年間かかってやっとこの計画をなし遂げたところですから、一息入れているわけじゃありませんが、しかし、そうは言っても、財政事情の中で、そしてさっき言いましたいろいろな問題も考えて、我々はこれから一生懸命対応いたしたい、そういうことでございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)分科員 時間がありませんから終わりますけれども、ただ、第五次計画が終わるのが九一年度ですから、今から一年あるわけです。一年の間で、これまでの総括、そして次へという段階を踏むときに、ぜひ現場といいますか、実際に差別と闘い、また運動している人たちの声を入れていただくということを忘れないでいただきたいと思うのです。  いろいろ指摘されることはあると思いますけれども、文部省の場合どうも閉鎖的であるというふうに指摘をなさる方も多いと思います。今、管理教育なんかが随分言われておりますから、そういう声があるというのは、実際には運動体あるいは現場の本当に差別で苦しむ人たちの声が届きにくいという批判でもあるというふうに受けとめていただいて、今前向きにということにならないにしても、そういう声も含めてぜひ前向きに進めていっていただきたいと思います。  終わります。

武部勤自由民主党

○武部(勤)主査代理 これにて岡崎宏美君の質疑は終了いたしました。  次に、渋谷修君。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 これから質問することは、私が所属をいたします土地問題の特別委員会あるいは文教委員会でも既に取り上げられていることでありますので、余分な時間を食う事の経過だとかまくら言葉はなしにいたしまして、本論から入りたいと思います。  国立の西が丘の競技場にスポーツ科学センターを設置するという計画についてですが、現在どういう状況になっているでしょうか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 国立スポーツ科学センターにつきましては、現在基本設計を進めている段階でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 その基本設計というのは大体いつごろまでにまとめる予定になっておりますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 基本設計につきましては、一応本年度内ということで考えております。本年度内というのは、基本設計につきましては専門的立場からの調査審議を行います設計委員会、ここに検討をお願いしておるわけでございまして、その設計委員会からの結論が出るのが本年度内というようなことで考えております。その設計委員会の結論が出ますと、今度は私どもとしましては政府部内でさらに検討を進める、こういうようなことに進んでいくわけでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 素人にもわかりやすく説明してほしいのですが、基本設計というのは具体的にはどういう内容になりますか。それから、年度内と言いますが、これは三月末ということで理解していいですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 設計委員会の案が示される予定が一応この三月末までということでございます。それを受けて政府部内で検討、調整を行うということでございまして、基本設計と申しますのは、大体どのようなセンターの姿にするかというようなことをそこで決める、こういうことでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 そうしますと、大まかなものは基本設計の中で決まりますね。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 例えばどういう施設をその中に置くかというようなことにつきましては、この基本設計の中で決まってくることになります。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 施設のスペースの問題がありますから、例えば想定されるいろいろな競技ですね、スペースを広く使うものもあれば狭いスペースでできるものもある。今の例えば西が丘の場合は限られたスペースでありますから、ここで想定される競技は一体どういうものが想定されますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは既に報告書が出ておるわけでございますけれども、私どもとしては、国際競技力向上のためのスポーツ科学の研究とか科学的トレーニングの場の提供、こういうものをこの場で行いたいというようなことでございまして、具体的には、例えばトレーニング施設でいきますと体育館とかプール、あるいは健康管理、診療施設、それからいろいろな宿泊施設、そういうようなものなどを考えておる次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 この国立スポーツ科学センターのそもそもの最初の目的、役割についてもう一度説明していただけますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは過去の経過があるわけでございます。当初、これは一番初めのときには、昭和五十四年でございますが、文部省が国立総合体育研究研修センター構想ということで懇談会を設けまして検討を進めたわけでございます。ただ、その後いろいろな国際的な競技力の向上を図るべきであるというような指摘、これが昭和六十二年に臨時教育審議会の答申、第三次の答申がございまして、国立のスポーツ医・科学研究所の設置ということが提言をされたわけでございます。また六十三年には、総理のスポーツの振興に関する懇談会、ここでも国立のスポーツ研究センターの設置の提言がございまして、やはり競技力向上のためのそういう科学的な研究をするセンターが必要であるということで、六十三年、国立総合体育研究研修センター設置準備調査研究協力者会議というものが開催されまして、その協力者会議から国立スポーツ科学センターについての設置の趣旨あるいは事業内容等についての報告を受けたわけでございます。そういうようなことで、その報告を受けまして、平成元年度の予算に基本設計料を計上し、現在に至っているところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 その施設については、一番最初の計画はこの西が丘の国立競技場ではなかったと思うのですが、一番最初の計画はどこで、一体何の理由で西が丘の方に変わったのか、御説明いただけますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは当初のときには、渋谷区の西原の旧東京教育大学の体育学部の跡地の一部を同センター用地とするということで進んできたわけでございます。ただその後、当時は国立総合体育研究研修センターという構想のもとに進んできたわけでございますが、先ほど申し述べたような経緯で、国立スポーツ科学センターの設置ということになったわけでございます。国立スポーツ科学センターにつきましては、これはその設置形態として一体どういうものを考えたらいいのかということで、この報告書でもいただいたわけでございますけれども、この機関の設置については、行財政改革の見地から新しい機関をつくることは大変難しい、あるいは特殊法人日本体育・学校健康センターが体育施設の運営や体育に関する調査研究及び資料の収集、提供等を業務としていることなどから、日本体育・学校健康センターの一部として設置するのが適当である、こういうような報告をいただいたわけでございまして、そういうようなことから、国で直接設置するということよりもむしろ特殊法人でこれを設置していく、そういうようなことで考えますと、日本体育・学校健康センターの施設をほかのところにつくるということになりますと、さらに分散をするというようなことで、管理運営上の問題があるということなどが問題として出てきたわけでございます。  それでいろいろ検討いたしました結果、建設用地につきましては、既に日本体育・学校健康センターが持っております国立の西が丘競技場の敷地の一部が適当であるということになったわけでございます。  その理由といたしますのは、もしこれを東京都内から外にということになりますと、この国立スポーツ科学センターの主なる利用者というものがトップレベルの選手である、あるいは指導者であるというようなこと、あるいは研究者とか医者等の多くが東京都内とか周辺の大学、研究機関、企業等に所属しているというようなことで不便になるということから、東京都内の利便な場所に設置してほしい、こういう要望があるというようなことが一つございます。それから、既存の競技施設を実践的なトレーニングの場として利用することによって、本センターの機能がさらに高まるというようなこと、それから、西が丘競技場の他の競技施設とスポーツ科学センターとの一体的な管理を通じまして、効率的な運営ができるというようなこと、この土地につきましては、既に特殊法人が用地を利用しておるわけでございますので、早期建設が可能である、あるいは今ある施設は建設後既に二十年を経過しておるということで施設の老朽化の問題も生じておる、こういうこと等も考慮しながら、今の西が丘競技場の敷地の一部につくるというように変えた次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 事の経過についても実は意見があるのですが、分科会というのは余り時間がありませんから、いろいろ突っ込んでやりとりするということは難しいのですけれども、その西が丘に移るときに、現に西が丘の国立競技場はたくさんの方々が利用している、このことについての配慮というのがその時点でありましたか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 このセンター構想は報告書を出される時点におきましては、設置場所ということについてまだ特に変更ということでございませんから、あくまでもこれはセンター構想はこうであるということで報告書が出されておるわけでございます。そういうようなことで、私どももその構想を受けまして基本設計を進めてきたわけでございますけれども、今ございましたように、この国立の西が丘競技場の施設が一般の利用に供されてきたというこれまでの経緯もあるわけでございますので、現段階におきましては、基本設計におきまして地域住民の利用にも対応できるような配慮を行うということにつきまして、先ほど申し述べました設計委員会に検討方をお願いをしておるところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 この計画が新聞に出まして、地元の利用者が自分たちが締め出されるのかということで騒ぎ始めたことがありましたが、時期はいつで、どんなふうな経過だったかお答えいただけますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 私どもが受けておりますのは、平成二年の六月に、北区議会から文部大臣あての意見書が出された、あるいは平成二年の七月三日に板橋区議会から同じく文部大臣あてに意見書が提出をされたということを承知している次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 そういう形で議会でも問題になる。その前には利用者からの声があって、当然地元区議会が動いたわけです。その後もう既に相当の日数をおいているわけですけれども、こういう具体的な計画、基本設計の段階になっておりまして、文部省としては地元の利用者に対して、地元にしかるべき担当者が行って事の経過について説明したことがありますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 担当課長なりしかるべき者が何度か地元の方とお会いをしたという経緯はございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 私が言っているのは、こういう計画で西が丘に競技場をつくる、一般利用者は締め出されるかもしれない、したがって、そういう意味での影響を与える、これは明らかですね。そこで、文部省の方から、年間三十万に達する人たちが利用しているわけでありますから、そういう影響を考えましたら、当然みずから出向いていって、そういう騒ぎになる前にこういう内容であるという説明をすべきだと思うのですが、そういうことをいたしましたかと聞いているのです。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 先ほど私も申しましたように、これまでの経緯等も勘案して、基本設計において地域住民の利用にも対応できるような配慮を行うことについて設計委員会に検討をお願いしておる、こういう段階でございますので、その辺の検討の状況も見ながら対応すべき事柄である、このように思っておる次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 大臣、よく経過を聞いておいてください。そういう委員会に検討をお願いしていることは、それはそれで事実でしょう。しかし、その前に、既に例えば幾つかの予算がついているでしょう。それで、西が丘に持っていくということを前提にして検討が行われているわけでしょう。地元に担当者が行って、三十万人に達する利用者がいる、例えばテニスコートやプールあるいはスポーツサウナを利用している人たちがそういう心配を持ってそれぞれそういう組織もできたりしている。そういうところへみずから行って説明をしたのですか、しなかったのですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 繰り返しの答弁になりますけれども、現在そういう配慮をするという考え方で私どもの中で検討しておりますので、その辺のある程度のめどがつきませんとなかなかそういうことを地元でお話しするというような段階には至らないのじゃないか、このように思っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 事の経過は進んでいる。地元の人たちが心配になるのは当然でしょう。結論としてどうなっているかということを説明する必要はない。しかし、事の経過はこうなっていますよ、西が丘に決まった先ほど言ったような経過は、こうこうこういう経過で決まりましたということ、これも説明できませんか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 どういうタイミングでどのようにするかということはこれからよく考えなければいかぬと思っております。少なくとも私どもとしては、昨年末の国会におきまして、これまでの経緯等も勘案して、基本設計におきましては地域住民の利用にも対応できるような配慮をしてまいりたいということを答えておりますので、その趣旨は伝わっていっておるのではないか、このように思っておる次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 大臣、現実は、私だとか地元の同僚の代議士が間に入って、文部省に連絡して、地元で心配しているから説明してほしいという形で機会をつくって、文部省から説明をさせているのですよ。一度もみずから出かけていって、地元の利用者に対してこういう計画であるという説明をしたことがないじゃないですか。文部行政に対して利用者が不信感を持つのは当然だと思いませんか。文部行政というのは、基本的に建物の中で、問題があれば来る人を待ち受ける、みずからは出ていかないという行政ですか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 今局長の答弁、地元住民の方へは逐次御連絡をしているという話でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 いや、していないのです。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 確かに今まで何回か地元の方と、昨年の五月とか十一月とかございました。今の住民利用のことにつきましては、私どもとしては、ある程度のめどがつかないと、これはなかなか地元でお話しするという段階にはなりませんので、まだそういうことにつきましては私どもからは行っておりませんけれども、やはり国会の質疑等ございますので、そういう中でおのずから伝わっていっているのではないか、このように思っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 そんなことじゃ許されないでしょうということを言っているわけです。私の方から連絡したり、地元から問い合わせに行って初めて答える姿勢でしょう。ところが、一方では国民に対して影響を与えるような、あるいはこの施設でいえば三十万人の人たちに影響を与えるような計画はどんどん進んでいる。この三月末にも基本設計が決まればそれでほとんど済んでしまうのじゃないですか。そこで一般利用者が利用できないということになったら、一体だれがどこでこのことを問題にできますか。みずからが連絡をしてこういう状況ですよということで行かなければ、利用者の方は不信感を持つのは当然でしょう。だから私は大臣に聞いているのです。行政として、行政サービスをする立場からみずからこういった問題の経過を心配されるのは当然だし、議会からの決議などもあるわけですから、これから先みずから積極的に出ていって説明するという気持ちはありますか。これは文部行政のあり方として大臣に聞きます。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 私も何回もお答えしておりますけれども、地域住民の利用にも対応できるよう配慮する、こういうことでございます。その辺の具体的なところをもう少し詰めながら、やはりタイミングも見ながら、今の先生のお話はこれからよく検討していきたいと思っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 そもそもこの場所につくることについては、土地問題の特別委員会でも私は申し上げたのですが、国会等の移転決議があったりしてその対象になるかならないかという解釈の問題はまたちょっとおきまして、東京以外のところでも十分こういう施設を受け入れる素地はあるわけですし、さらに非常にこれは限られたスペースの中でやるわけですから、すべての競技をここでやるというわけにはいかないのです。対応するわけにはいかないのですよ。そういうことでいえば、もう少しスペースが広くとれるようなところ、総合的なトレーニングセンターみたいなことを考える必要があるだろうというぐあいに思うのです。  その辺の議論をしていますと時間がなくなりますから、この基本設計の中身についてお話を伺いますが、一般利用者に対して配慮をする、そうした観点から今案づくりを頼んでいるということでありますけれども、当初はそういう考え方はなかったでしょう。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これは先ほどもお答えいたしたわけでございますが、国立スポーツ科学センター自体の構想はあくまでも国際競技力向上のためのスポーツ科学の研究とかそういうことでございますので、このセンター自体の構想にはそれはもちろん入っていないことは事実でございます。しかし、この中の施設を見ますと、体育館とかプールとかそういうような施設があるわけでございますので、そういうことにつきましては、今までの一般の利用に供しておった経緯等も勘案しながら、どのような対応の仕方ができるかということを委員会に検討をお願いしている、こういう状況でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 今約三十万人の方がプールだとかテニスコートだとかいろいろ利用しております。例えば、体的に聞きますが、プールについては十万人の方が六十三年度では利用していますが、プールについては基本設計の中ではどうなりますか。それからテニスコートについてはどうなりますか。スポーツサウナについてほどうなりますか。運動場についてはどうなりますか。個々について、なる、ならないでいいですから。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 今そういう個々具体のことをどうするのか、ここで詰められましても、現在、専門的立場から調査、審議をお願いしています設計委員会で検討している段階でございますので、この分はこうなるということを私どもの方から確定的に申し上げることはできないわけでございます。先ほどの答弁の繰り返しになりますが、これまでの経緯等も勘案して、地域住民の利用にも対応できるようなそういうことを考えていきたいということで、あとは専門的な立場からの検討の結果を待ちたい、こう思っておるわけでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 当初はそういう考え方がなかったけれども、いろいろな経過がありまして、地域の一般利用者についても配慮しなければならない。配慮からはまだ出ていませんけれども、基本設計をやっていろいろ検討した結果、一般利用者については計画の中に入らなかったということも可能性としてありますね。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 その言葉の意味でいきますと、配慮でまだ検討でございますから、それはいろいろな結論というのがあり得るわけでございますけれども、これは私どもの気持ちとしては、ぜひ配慮していきたいという方向で検討をお願いしている、こういうことでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 当然、当初の考え方の中にはなかったのだけれども、そういう地域の一般利用者の声がありあるいは議会の声があって配慮しなければならないということになったのですね。そうすると、当初のそういう設計だとかあるいは建設の予算に影響してきますね。当初の予算の中で配慮するということですか。あるいは新たに一般利用者について配慮すると、当然、例えば施設の規模が大きくなるとか、あるいは一部分一般利用者のために残すと管理費用だとかその他も考えなければなりませんし、建物が建った後の運用はまた別かもしれませんけれども、そのあたりについてはどうですか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 これにつきましては、トレーニング施設としまして体育館とかプールとかそういうことを予定しておりますので、一般利用に供するからといって特に大きな施設の経費がかかるというようなぐあいには考えておりません。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 配慮するということを具体的に言いますと、例えば一つのプールがあって、そんなにたくさんつくれないと思うのですよ、あそこはスペースが狭いから。五十メータープールを幾つつくるかわかりませんけれども、例えば一面つくったらおしまいになるかもしれない。そうすると、エリート選手の養成やそういう意味でのスポーツ科学センターの本来の目的に沿った利用のされ方をするわけですから、そのトレーニングの合間を縫って一般利用者が利用する、これは併用ですね。しかし、これでは今まで利用していた方々にしてみれば、今まではある意味ではそれぞれ自由に、もちろんグループごとの時間の割り振りはありますけれども、利用できたのが、制限を受けることになりますでしょう。それだったら、一方でエリート選手の方々も煩わされるわけですから、全く別に分離して、施設の中に一般利用のためのプールをつくるとか、あるいは別途のそういう幾つかの今あるような競技場の施設を残す、そういう意味での配慮というものは考えられますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 幾つも施設をつくるというのは、現在の状況ではなかなか難しいわけでございますので、やはりその辺はできた上で相互の利用を調整していきながら対応していくことになろうかと思います。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 私の提案なんですけれども、やはり今までの利用者、いろいろなことの経過があって、ここに施設ができた経過もあるのですね。文部省は文部省なりの考え方があろうと思うのですが、やはり今までの利用者がここで長年、約二十年近くにわたってこの施設を利用してきたということは尊重しなければいけないと思うんですね。また、それを共有、共用できることがある意味では開かれたエリート選手の養成施設ということにもつながるわけですから、そういう方向でぜひ考えてもらいたいと思いますし、新たな施設をつくるとなれば、当然当初の予算よりも多くなる。そういう場合、大蔵省の方、財政担当者が来ていると思うのですが、大蔵省としては、文部省からの要請があれば財政的に検討する余地というのはありますか。

中川雅治大蔵省主計局主計官

○中川説明員 御承知のように大変厳しい財政事情でございまして、現在の計画につきましても、まだ実施設計を認めているという段階でございますので、現時点におきましては、文部省の方で御検討いただいて、要求が出ましたらば、その時点で厳しい財政事情あるいは特殊法人の目的等に照らして判断していくことになろうかと思います。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 要求があったら検討するということですが、これは言葉で厳しい財政事情というのが出てまいりますから、なかなかこう簡単にはいきませんね。これはもう当然の話です。  そもそもこういう地域のスポーツ施設については、何度かの経過の中で、文部省からも話を聞いておりますけれども、本来は地域自治体、都なり区なりでやるべきだというぐあいに言っておるわけですね。そこで区の方も新たに土地を確保してこういう施設をつくるとなったら、これは膨大な金がかかってしまって、都内ではとても無理ですね。そこで、例えば区が、あるいは東京都と連携してもいいです、これは地域、利用者の範囲が大分広いですからね、板橋、北区も含めて範囲が広いですから、都と特殊法人が連携して、一般利用者のための施設についてはそちらから財政的に配慮をするというような形で、この施設についていわばエリート選手も使える、一般利用者、今までの人たちも今までの経過の中でそのまま使えることとするということについて、もし具体的な検討が行われるということになりましたら、文部省はどんなふうに考えるか、あるいはもう一つは、財政当局の方は、そういう形での財政支出のあり方、あるいは特殊法人がそういう提携をして共有できるような施設をつくるということについて、何らかの制限とかということはありますか。文部省と財政当局両方からお願いします。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 御提案の件は一つのアイデアではないかと思うわけでございますけれども、具体的なお申し出というものがまだあるわけではございませんので、現時点での判断というのは私どもとしては控えさせていただきたいと思っております。  ただ、これにつきましては、現在もう既に基本設計を進めている段階でございまして、これに基づきまして、このスポーツ科学センターの一日も早い設置ということをしなければならぬと思っておりますし、また、その設置につきましての各方面からの要望も出ておるわけでございますので、文部省としてはやはりその推進に全力を傾けていくというのが、現在の考え方でございます。

中川雅治大蔵省主計局主計官

○中川説明員 ただいまの御指摘の問題につきましては、関係者の合意が調いまして、かつ、法令上定められました特殊法人の事業目的等に照らして問題がないというように認められれば、財政当局といたしまして制度上特に先生おっしゃいました制限があるというものではございません。  なお、一般的に申し上げておきますと、関係者の合意が調い、大蔵省に対し予算要求として提出されることになりますれば、その時点で、国の予算に与える影響あるいは特殊法人の事業目的等に照らして財政当局としての判断をしていくということになると思います。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 大臣、今お話を伺ったとおりでありまして、今のままで進めまして、結局一般利用者を締め出して、配慮とは言うけれども、結果としては今よりもずっと制限のある利用状況になりますと、文部行政のあり方、つまり一般利用者からスポーツをする機会を奪ったというそしりを受けることになりかねないわけですよ。そういう点でいえば、今の僕のは、だれに相談したというわけでもなく、地元区議会やその他にも相談したわけじゃありません。しかし、地元の区議会やあるいは東京都にしても、今都内であれだけの土地を確保するなどということはとても難しい話でありますから、国の持っている土地、あるいはこれは特殊法人の持っている土地ということになるかもしれませんが、それを共有してお互いにその意味ではいいという結果が得られるような、そういう推進であれば、これはぜひ文部省も積極的になっていただいて今のようなことについて大臣の考え方を最後に聞いておきたいと思うのです。検討するということでお答えいただければ私はありがたいと思うのですが、この件について最後にお伺いして、私の方の質問を終わりたいと思いますが、いかがですか。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 とにかく今大蔵と文部両省から話がありましたが、今までの経緯を踏まえて、私どもやはり地域住民の利用にも配慮した検討をしたい、これ以上私の立場としては言えないと思います。いわゆる今までの経過、経緯を踏まえて、そして地域住民の利用にも配慮した検討をしてまいりたい、このように考えております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 最後に一言、基本設計が固まりましたら、先ほどの経過がありましたようにこちらから間に入って連絡しなければ説明しないという話じゃなくて、地元利用者にやはり文部省の担当官、だれか行きましてきちっと説明をするということはひとつ約束していただけますか。

野崎弘文部省体育局長

○野崎政府委員 繰り返しになりますけれども、設計委員会の検討が本年度中ということでございますから、それからまた政府部内での検討、調整が行われて成案を得るということでございます。したがいまして、成案を得た段階で、今の点をどのように考えるかよく検討していきたいと思っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷分科員 終わります。

武部勤自由民主党

○武部(勤)主査代理 これにて渋谷修君の質疑は終了いたしました。  次に、上野建一君。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 きょうは、私は、戦争と平和の博物館をつくるべきだ、こういう観点から質問をいたしたいと思いますし、その点ではぜひよろしくお願いしたいと思いますが、特にこういうことを申し上げる気になりましたのは、私どもと県会で、千葉県議会で同期の井上さんが大臣になられて、これはきっと文部行政に画期的なことをやりそうだ、こういう期待がありますので、特に質問をしてお願いしたい、こう思っております。  そこで、まず具体的な問題から申し上げたいと思うのですが、私どもの千葉県の佐倉に、国立歴史民俗博物館、大変立派な国立の施設をつくっていただきまして、私も何度か見学をいたしておりますが、大変有効な、歴史教育の上に、あるいは研究の上に役に立つ施設だと思います。  そこで、この博物館にただ一つ私は欠けておると思うのは、現代、近現代とも言っておりますけれども、現代の歴史が展示されていない、この点が極めて残念に思います。特に私ども、歴史というと古いのを考えがちでありますけれども、既に第二次世界大戦まででも大変長い間の歴史がありますし、ある意味では、明治維新から第二次世界大戦のあの敗戦のところまでがこれからの日本の将来にとっても大きな影響を与える、こう思うわけですけれども、そこのところが欠けておる。部分的には全然ないわけではございませんが、系統的な歴史の展示というものがない、この点極めて残念であります。  きょうは時間がありませんので、端的にお願いをしていきますけれども、その中で、特に明治維新から第二次世界大戦の敗戦まではまさに戦争と平和の、特に戦争が繰り返し行われた時期でございます。この期間を通じて実は日本の平和憲法ができ上がり、そしてこれからの日本の将来についても重要な教訓を残しております。  特に、戦争の非人間性。戦争は非戦闘員であっても、あるいは罪のない子供たちまでも殺してしまう。そして戦争は富も幸福も奪い去るものでありますし、心に大変な傷跡を残す。現に私も戦争で兄を失った一人でありますけれども、今もってやはりそのことが自分の生きる道にとって重要なものになっていると思います。そうだとすれば、これからの平和教育にとって、戦争を体験した者はこれを後世に伝える責務があります。また、戦争というものの悲惨さ、愚かさを伝えて過ちを再び繰り返さない、こういうことも大変重要だと思います。  そう考えますと、佐倉の歴史博物館にも明治維新から第二次世界大戦に至る間の近現代の歴史が展示されるのがしかるべきじゃないか、こう思いますので、その点について、これは大臣から、ぜひやってもらいたいという意味でお答えをいただきたいと思うのであります。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 先生御案内のように、佐倉は私も住んでいるところでありますが、国立歴史民俗博物館の展示が原始あるいは古代、中世、近世、近代及び現代、これを今やっているわけでございます。今先生のお話にありましたように、明治以降の近現代に関する展示につきましても、国立歴史民俗博物館においてその実施に向けて今現在検討しているところであります。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 そうすると、これは今の検討の中で大体いつごろ実現するのでありましょうか。そして私は、展示の中で、歴史の中で特に重要な戦争と平和の問題、そういうものの資料とか、いろいろな模型も含めてですけれども、そういうものをどの程度まで展示しようとして今検討されているのか、できるだけで結構ですけれども、お伺いしたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 佐倉の博物館は、決してそういう今先生がおっしゃるようなことは私ども考えておりませんで、国立学校設置法によって大学共同利用機関として設置されたものでありまして、我が国の歴史資料また考古資料、民俗資料の収集、保管及び公衆への供覧、当初から関係研究者におきます学問的な研究成果を基礎として学界においておおむね一致して得られた事柄、これを中心に実施をしているということでございます。私どもの国立博物館は、主として歴史上また学術上価値の高い文化財を収集、展示する、これらの調査研究を行うことを目的にしているわけでございまして、今御提案の明治以降の戦争を扱う戦争と平和博物館については、佐倉の歴史民俗博物館はそういう趣旨と違います。また、統一的基準によって体系的な資料の収集あるいは展示が難しく、国立博物館として整備することは、私どもは今の先生の御提言にはなじまない、このように思います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 佐倉の歴史民俗博物館というのは、上野先生御存じのとおり大学共同利用機関といたしまして昭和五十六年にできたものでございます。近現代に関します展示というのは、現在どういう展示をやったらいいのか、そういう展示に関する基本的な考え方を議論いたしておるところでございます。そういった基本的な考え方を踏まえまして、公衆に供覧するのにふさわしい資料について所在を確認し収集する、資料のいかんによっては模型をつくったりあるいは代替資料の発掘を行う、そういうようなことで作業を進めていくわけでございます。近現代に関する展示の具体的な時期についてというのは、まだ決定してないと承知しておるわけでございます。上野先生最初におっしゃいました戦争と平和博物館という観点でとらえておるものではございません。  それから、一般の国立の博物館といいますのは、これは歴史上、学術上価値の高い文化財を収集、展示するという趣旨でございまして、戦争と平和という博物館というのとは、そういう趣旨での収集、展示あるいは研究というものはなされていないというのが現状でございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 だから、後で申し上げるように、佐倉を戦争と平和の博物館にしろと私は言っているのではないのです。ただ、近現代を考える場合には、大変短い期間でありますけれども、もう戦争が何十遍となく繰り返されたわけですね。そのことを考えると、おのずから展示をするとなればそのことを抜きにしてはあり得ないだろうと思うのです。現に、例えば韓国などでは日本の植民地時代の歴史が非常に丁寧に飾られています。そして、その中で教育をちゃんとしている。だから、日本で何か教科書などに戦争の問題が誤まって掲載されると直ちにそこから反論が出てきて、韓国の世論が沸き立つというようなことが繰り返されているわけです。そういう意味で、日本の場合には被害者と同時に加害者としての歴史がありますから、それを抜きにしてもし近現代を飾るとするなら、これは何を飾ろうとするのか、私どもは理解ができない、そう思います。  それから、確かに大学共同利用機関ということになっておりますけれども、しかしそれだけではない形で研究の中にはございます。そして例えば、「国立歴史民俗博物館は、日本の歴史と文化に関する博物館の役割を果すだけでなく」ということで、その上に「大学の教員その他の関係研究者が研究のために共同利用をする研究機関」にする、こう並列的に書いてありますから、決して大学の共同機関だけが目的ではないはずなんで、そういう意味で、せっかく検討されているなら、その点を検討しないとするならこれは偏った形になるだろうと思いますので、その点をお伺いしたい。そして、それでは佐倉でそういうことを全然考えてないとすると、どこでこういうことについては考えておられるのか、局長にお伺いしたいと思います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 佐倉の歴史民俗博物館でございますけれども、現在検討いたしておりますのは、近現代の展示をどういうぐあいにするかということでございます。ただ、展示を考えます場合、常に関係の研究者、佐倉の博物館におられる研究者と、また同時に国内に広くおられる研究者、あるいは海外におられる研究者の学問的な研究成果を基礎といたしまして、関係者が委員会をつくって討議いたしまして、それを学界におきましておおむね一致が得られた事象を中心に展示するということで今までずっと原始時代から近世まで展示が実現されてまいっておりまして、近代、現代に関する部門の討議を現在進めておるということでございます。  確かに先生のおっしゃるとおりでございまして、戦争というものを全く除きまして現代の歴史があるのかということになりますと、一般的には何らかの形で戦争、民衆、いろいろなかかわりのあり方があろうかと思います。それをどういうぐあいに学問的な成果、それをまたどういう形で展示するのか、このあたり研究者に一応検討が任されておる段階でございまして、文部省としてはそういう研究者の検討を見守ってまいりたいというぐあいに考えておるわけでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 例えば、文部省のよろしいという教科書の中には既に東郷元帥が出てきておるのですね。東郷元帥というのは一体何をやった偉い人なのか、そんなことは全然わからないでしょう。この博物館の場合でも教員の教育ということが大分出ていますね。そうすると、そういう実際の事実をもとにした歴史を研究しなければいかぬはずで、そしてそれは、とにかく戦争になれば一番被害を受けるのは国民であり民衆ですから、その人たちが戦争中にどういう生活をしておったのか、あるいはどういう被害を受けたのかということぐらいはもう博物館なりがやはり明らかにしなければおかしいと思うのですけれども、そういう観点はないのでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 戦争というものを近代、現代の我が国の歴史の中でどういう形でとらえ、またどういう形で展示していくのか、それが現在の先生方の学問的な研究成果を基礎としたもので、しかも学界においておおむね一致して得られた、こういうぐあいに展示すべきだというような一応の見解の一致が見られたというようなものを逐次展示していくというわけでございます。したがいまして、戦争でどうこうという数字がどういう形で提示されるかというようなことにつきましては、今まだ検討中であるということでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 それじゃ、検討中だということですから、私の申し上げていることはきょうで終わるわけではございませんので、文部省のこの問題に対する対処を見守っていきたいと思いますし、また大いに注文もつけていきたいと思います。  そこで、そういう既存の博物館がそういうことであるとするなら、この際やはりこの問題に集中をした博物館がどうしても必要なのではないだろうか、こう思うのでありますけれども、その点は文部省の中ではどういう方針になっているのか、その点をまず第一点お伺いしておきたいと思います。  実は、昨日三月十日というのは東京大空襲の日なんですね。戦争中はこれはたしか陸軍記念日でもあったと思うのですけれども、記念日をねらわれたということでもあるのかもしれませんが、東京大空襲の日であります。そして最近は、平和都市宣言、非核都市宣言など、各自治体で大変多くの決議が行われております。非核都市宣言を行っている自治体というのは、府県では十四、それから市町村では千五百二十八。この決議をしたところの人口は七四%、日本の面積の五〇%のところで非核都市宣言を行っております。それから、平和条例を持っているのが東京の中野区。さらに、平和基金条例といって、多いところは品川の二億円とか、そういうお金を積んでその利子でいろいろな平和活動をやっておる。もちろん利子だけじゃなくて、それにプラスして予算を組んで平和教育をやっておるところが多くなっております。こういう状態を考え、そして昨日の東京大空襲の日、その日は東京では、東京平和の日条例というのがあって、記念行事が行われるということになって、事実行われたようであります。これは、目的は平和意識の高揚だ、こう言っております。  それで、今度の中東湾岸戦争でも、いかに平和が重要かということを明らかにしたと思います。アメリカは確かに大変な勢いでイラクを圧迫、圧勝しましたけれども、その勝利というものは一体何なのか、あの戦争の中で何が行われたかということを考えますと、やはり今平和教育、戦争に対する見方というものを改めてやらなければならぬ時期ではなかろうか。これは文部省の大きな役割でもあります。そういう意味では、井上大臣は、ちょうど戦争中に中学からお医者さんの学校へ行かれた。青春の一番大事な時期が戦争中ですから、我々も余り遠くない時期ですからよくわかるのでありますけれども、あの悲惨な体験はやはり残していかなければならぬ、伝えていかなければならぬ、こう思いますと、そういう意味でこの博物館というものをやらなければいかぬのではないだろうか。ですから、これは今あるそれぞれの博物館にももちろんそういう状態をつくってもらいたいと思いますが、本格的な日本の憲法に即した形でやるべきではないだろうか、こう思いますので、その点について、大臣、少し積極的なお考えがないでしょうか、お伺いしたいと思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 まさに先生おっしゃるとおり、私どもはそういう戦時中の教育を受けて、そしてまたなったわけですが、戦争の怖さ、恐ろしさというのはよく知っております。また、平和のとうとさも身をもって感じておるわけでありまして、平和でなければいけないということは教科書にも出ておりますし、私も小学校、中学校の歴史の本を見せていただきましてまさに平和でなくてはいけない、こういうことは考えておりますが、今先生おっしゃるような戦争と平和の博物館を考えるということは今考えておりません。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 先般もソビエトに抑留された人たちの名簿が来ましたね。何と遅いのだろうと思うのですけれども、ようやく名簿が来た。そういうことなんですけれども、やはりああいうものを含めて、だんだん時間がたつに従って資料がなくなっていくと思うのです、散逸してしまいますから。そうなりますと、やはり今のうちにそういうものを系統的に集めておく必要が、戦争と平和という問題を少し離れても、歴史的ということだけを考えてもやらなければならぬ仕事じゃないだろうか。例えば大空襲の記録なども必ずしも全部そろっているわけじゃない。あるいは疎開の記録なども大分散逸している。それから、あの当時の風俗、着た物とか食事、そういうことについても、部分的にはあちこちで有志はよって行われておりますけれども、そういうものに対しての国としての一貫した対処が非常に弱いし、今までほとんどなかったと言ってもいいぐらいだと思います。  そういうことを考えますと、そういうものを集める資料館、資料館から出発しても結構ですけれども、何らかの形でぜひこういうものに国は対処すべきだ、特に文部省はこれに対処すべきだと思いますけれども、その点、どうでしょうか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 現在まで国が持っております博物館というのは、先ほど申し上げましたように、歴史上あるいは学術上価値の高い文化財を収集、展示する、またこれらの調査研究を行うということを目的に設置しておるものでございます。それから、主として文化財を扱うという国立博物館の趣旨からまいりますと、戦争と平和の資料あるいはその他の研究ということにつきましては、こういう博物館とは若干なじまないものがございますし、また体系的な資料の収集、展示という観点からも国立の博物館では一般には取り扱っておりません。ただ、沖縄とか広島あるいはその他の地方の公共団体、そういったところで現に資料を集めておられるというところもございます。国としては、国が一貫してこういうものを集めるという考え方は現在のところ持っておりません。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 持ってないから持つようにしたらどうだ、こう言っているんで、今の博物館だけ言っているわけじゃなくて、新しくこういう博物館を考えられたらどうだと言っているわけです。そういうことも検討もできませんか。これはそうなると、文部省というのは一体何ですか。平和だから今日があるんじゃないですか。第二次世界大戦のあの犠牲を経て今日の日本があるんじゃないですか。そうすると、歴史博物館とかいろいろなことを言っても本当の意味の歴史を語っていない、これはそういうことになりかねませんよ。これは新たに中東湾岸戦争のこともありますし、それから国連でも二度にわたる軍縮会議をやったように、そういうことも含めて、やはりそういう時期に来ていると思うのです。だから、局長も少し転換をしていただいて、こういうことについて検討してみましょうということになってしかるべきだと思うのですが、その点どうでしょう。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 確かにおっしゃるとおり戦争というのは現代史の上で非常に大きい事柄でございますし、それにつきましての資料の収集あるいは展示というようなものについてどういうぐあいにするかを考えなければならぬというのは事実かと思います。現在、歴史民俗博物館で検討しておりますのは、近現代の歴史という大きい中でそれをどういうぐあいに展示していくかということでやっておるわけでございます。もちろん、そこでどういう形のものをやっていくかということについて、行政の側からこういうものをやれ、ああいうものをやれと言うのは、余り深くタッチすることはできないわけでございますけれども、当然先生方のそういった議論の中には非常に大きい問題として出てまいるわけでございますし、そういうところを通じましても今後のいろいろなやり方というものに対する何らかの示唆は得られるものであろうと考えております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 いや、だから私は佐倉博物館のことだけ言っているのじゃないのですよ。新たな観点でできませんか、こう言っているのです。  それから、国会で提起した問題については、どんな偉い先生方が検討されているか知りませんけれども、それはやはり検討の中に入れるのが当然じゃないでしょうか。もし私一人でだめだというなら、国会議員の署名でも集めて文部省で検討してくださいと出してもいいですけれども、その一つは、今言ったように、あなたも答弁されたように、佐倉の博物館でも検討すべきだ。近現代ということになれば、ウエートはその検討される先生方の頭の問題もありますからどうなるかは別にして、何らかの形でそれは明確に事実を出すべきじゃないか。それだけじゃどうにもなりませんから、これだけ重要な課題ですから、別途博物館ぐらいを考える、そのための資料を収集するということはやるべきだと思うけれどもどうかと言っているので、その点はどうでしょう。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川(善)政府委員 繰り返しの答弁になるかと思いますけれども、現在国がやっております博物館にはなじまないということでございまして、新く戦争と平和の博物館をつくるという考え方は現在私ども持っておりません。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 それでは、大臣に最後にお答えいただきたいと思いますけれども、なじまないというのも一方的な偏見であって、私はそういうことはないと思います。きょうは申し上げている時間がありませんが、それはそれとして、これからの歴史を正しく伝える、あるいは戦争の問題を世界の流れ等も考えて、何かそういうものを平和教育の一環として考えられてしかるべき時期に来ていると私は思うのです。それから、さっき申し上げたように資料もばらばらになってしまいますし、そういうことでぜひ井上大臣がいるうちに検討をいただきたい、また改めていろいろなことを申し上げに参りますけれども、検討ぐらいはひとつやってもらいたい、こう思います。

井上裕自由民主党文部大臣

○井上国務大臣 検討というよりも、先生のお話を承っておきます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野分科員 では、終わります。

武部勤自由民主党

○武部(勤)主査代理 これにて上野建一君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十二日火曜日午前九時から開会し、引き続き文部省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時二十分散会

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