予算委員会第五分科会 第2号
- 発言数
- 262 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1991/03/12
会議録
○町村主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。 平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。
○岩屋分科員 おはようございます。 農林水産業を取り巻く環境が大変厳しい中にありまして、日夜御尽力を賜っております近藤大臣初め農林省幹部の皆さんにまず心から敬意を表するところであります。きょうはせっかくの機会でございますから、たくさんお伺いしたいことがありますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 まず最初に、農政全般についてであります。 今日の農業、農村を取り巻く情勢は、高齢化、過疎化の進展、後継者の不足、内外価格差を理由とする保護水準の切り下げ論等々を背景に、大変厳しい状況にありまして、農業があたかも衰退産業であるかのようなイメージがつきまとっております。 しかしながら、一方で、農業、農村は、食糧の安定供給のみならず、国土・自然環境の保全や地域社会の活力の維持など、多面的でなおかつ重要な役割を担っておりまして、このことについて広く国民の皆さんの理解を求め、農業、農村を維持するために必要なコストはみんなで負担をしていこう、こういうコンセンサスをつくっていくことが必要であろうかと思っております。 このようなバックアップと政府による適切な農政の推進があって、初めて農業者の皆さんが将来に希望を持って、誇りと情熱を持ちつつ農業を営むことができると考えておるわけであります。 GNPに占める農業の割合は年々低下してきておりまして、就労人口の割には余り大した産業ではないというようなイメージがつきまとっているわけでありますが、我が国の経済社会の中での農業のステータスの向上について取り組むべきだと思っておりますが、大臣の見解をまずお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 お答えいたします。 岩屋先生今御指摘のような大変厳しい環境でございますけれども、ちょうどまた、地球環境なり、政府がふるさと創生なりという政策と、またガット・ウルグアイ・ラウンドというものが食糧に対する国民的な関心を高めておる今日の環境の中で、これからの農政が後継者を含めて大変重要な問題を抱えておるわけでありまして、従来は、どちらかといえば所得向上、生産性向上というようなことを中心にやってまいりましたけれども、これからの若い人たちはやはり所得だけではなしに、生活の環境なり、あるいは夢のある農業は当然のことでありますけれども、自分の住んでおるそれぞれ村や町におけるところの魅力というものを持たせていかなければならない、そう考えて、本日またむらづくり対策推進本部を農林水産省に設置をして、また一方では、転作作物の中に景観作物というような、花を中心にしたものに対するいわば転作奨励金も中に加えさせていただいたりしておるわけであります。 いずれにしても、面積的には九〇%を超える面積が地方農村と言われておるわけでありまして、人口的には一極集中でありますけれども、この九〇%を超える農山村、漁村に対する村づくり、都市的なサービスをどのように提供できるか。都市に住んでおる人たちが、緑や水や空気というものの価値観の変わったときに、それを受け入れるような農村社会というものをつくっていくことが、そこに住んでいただく農村後継者の若い人たちの、自分の住む村の価値観というものをまた上げていく、それがまた都市との交流につながることで都市的サービスも受けられるという環境をつくっていかなければならない。 そういう重要な役割を持つために、一言で言えば社会政策上、また必要な役割を果たしておる農山漁村に対してまた私ども支援をしていかなければならない。そのためには、予算もまた今後精力的に努力をしていかなければならない、そのように考えて農政を進めていきたいと思います。
○岩屋分科員 そこで、一番心配されておりますのは、もう言わずもがなのお米の問題であります。湾岸戦争と経済交渉とは、これは本来は無関係だと思うのですが、しかしその悪影響も大変心配をされておるわけでありまして、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきましても、米の市場開放が重要な課題となっております。私の地元は米どころではありませんけれども、それでも農業粗生産額の三分の一ぐらいを米が占めているわけでありまして、農家経済はもとより地域経済の安定という観点からも大変重要な作物でありますが、今後の協議へ向けて、米の自由化問題について大臣のお考えをいま一度お伺いをしておきたいと思います。
○近藤国務大臣 米そのものは主食であると同時に、文化的、社会的、伝統的にいろいろなしがらみを持っておるわけでありまして、単に食糧という価値観だけではないことは先生御案内のとおりであります。 一方また、稲作は全国土でそれぞれつくられておるという実はいわば農業の基幹作物でございますし、なお一方では、その主食を三割も生産調整をしておるということでもありますし、世界的に見ても総生産の三%程度しか市場に出ていない。そして一方では、カロリーベースでも自給率が下がっておる。ただ、主食である米が一〇〇%自給できるかということが国民に食糧の安心感を与えておるということを各方面から考えてみても、米の重要性というのは世界まれなるものだという認識をいたしておるわけでありますから、そういう意味ではガット・ウルグアイ・ラウンドについても、日本の米を中心とした農業需要というものに対して積極的に反映をするような交渉を進めていきたいと決意をしておるわけであります。
○岩屋分科員 ひとつ確固たる決意でお臨みをいただきたいとお願いをしておきたいと思います。 次に、農業農村整備事業についてお伺いします。 従来の農業基盤整備につきましては、平成三年度予算から農業農村整備事業に名称変更するとなっておりますけれども、これを契機にこれからの農業農村整備の推進方策についてどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、平成三年度から従来使っておりました農業基盤整備というものを農業農村整備事業というふうに改めまして、農業の生産基盤の整備のほかに農村の生活環境の整備にも重点を置いていくということで、こういう名前に改めさせていただくこととしている次第でございます。 この事業では、まず生産基盤の整備といたしましては、生産性の向上とかそれから農業生産の再編成というものを重点に進めてまいりたいというように考えておりますし、また農村地域の生活環境の整備という点では、集落排水の整備とか、それからまた農道の整備、こういうものに重点を置いていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○岩屋分科員 また、東京一極集中を是正し、地方の活性化を図るためには、整備のおくれている地域、とりわけ中山間地帯、中山間地帯というのは定義の仕方、区分けの仕方が難しい、技術的に大変難しいのだと思いますが、こういう地域に重点を置いた整備を行っていくべきだと思うのでありますけれども、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 土地条件それからまた社会条件に恵まれない中山間地域に対しまして、生活基盤、生産基盤を含めていろいろ総合的に整備を進めてまいりたいということで、平成二年度から中山間地域農村活性化総合整備事業というものを行っているわけでございます。この事業におきましては、生産基盤、生活基盤整備のための多彩なメニューによりまして、しかも補助率は原則六〇%という高い補助率でこの事業を推進することとしております。また、平成三年度予算におきましては大幅な増額を図るということで、平成二年度には四十四億円の国費でございましたが、平成三年度には九十五億円の国費を計上いたしたいということで予算案を編成している次第でございます。
○岩屋分科員 昨年、生活関連投資をこれから重点的に推進しようということで公共投資十カ年計画が策定をされました。これによりまして、都市に比べて立ちおくれております農村の生活環境を整備するとともに、先ほど大臣がお触れになりましたけれども、これから、農村住民にとってもそれから都市の皆さん方にとっても魅力があって、景観のすぐれている村づくりをするというのは非常に大事なことであるというふうに私も思います。そこで、この問題について改めて大臣のお考えをお伺いをしたいと思います。
○近藤国務大臣 御指摘のとおり、中山間地を中心にする土地条件の不利なところで農林漁業を営む皆さん方に対して、まずは負担の軽減をしなければなりませんので、中山間地活性化対策事業ということで、しかし、その地理的条件の不利なところでどのような作物を選択をするかということもそれぞれお考えをいただかなければなりませんし、また極めて少ない負担で基盤整備、環境整備そのものができるような配慮をいたしておるわけであります。この政策が出てから地方では非常に人気が高うございまして、来年度予算で対応ができるかどうか苦慮をしておるくらい人気の高まりを見せておるところで、大変よかったなという感触を持たせていただいておるわけであります。 しかし、いずれにしても、ここは土地条件、生活条件からいって、複合的、総合的にいろいろなメニューを用意をして、選択をして、その地域の特性に応じた対応をしていかなければいけない、そう考えておるわけであります。村の景観も含めて、都市の住民の人たちがあこがれるような村づくりをしていきたい、それも、でき得ればモデル的に集中的に予算投下をして急がなければならないと考えておるわけであります。そのことをもって、本日、むらづくり対策推進本部を設置をさせていただくわけであります。
○岩屋分科員 続いて、半島地域の問題についてちょっとお伺いをしたいと思います。 申し上げるまでもなく、半島地域というのは地形的に言って水源に余り恵まれておりません。そしてまた、土地基盤整備や生活環境の整備もほかの地域に比べると随分おくれているわけであります。 例えば、私の地元の大分県の国東半島、空港があるところでありますが、県下でも有数の農業地帯ではあるのですけれども、事業の進捗が大変おくれておる状況であります。 こういった半島地域は、市町村の財政基盤が押しなべて大変貧弱なために、かんがい排水事業でありますとか農道の整備事業でありますとか、こういう事業を図ろうといたしましてもなかなか事業に取り組めないというのが実情でございます。 このために、半島振興地域におきまして実施する農業農村整備事業の国の負担率をもう少し引き上げていただいたらどうか。離島の方はかなり手厚くされておるわけでありますけれども、半島地域というのはまだまだそういった意味では立ちおくれておりますので、財政上の特別措置を講ずるべきではないか、こう考えますが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 農業農村整備事業の国庫負担率、それからまた採択基準、これにつきましては、事業の規模とか公共性、農家の負担能力、それからもう一つ、地域の特殊性というものも勘案して定められているわけでございます。特に、半島振興地域とか振興山村地域とか、そういうものにつきましては、土地条件及び社会条件に恵まれないというようなことから、従来採択基準を緩和するということもやっておりますし、一部につきまして補助率についても有利にしているという点もあるわけでございます。私どもは、こういう従来の制度を活用しながら半島地域の振興に努力してまいりたいというふうに考えております。
○岩屋分科員 何分、半島地域の振興、農林省の方で手厚くお考えをいただきたいとお願いをしておきたいと思います。 次に、林業労働力確保対策についてお伺いしたいと思います。 最近、地球的規模での環境問題とも関連いたしまして、森林の保全は国際的な関心事になっております。我が国においても、社会経済の発展に伴って森林に対する要請も、木材生産や国土保全機能に加えまして、保健、文化、教育的活動の場としての活用など多様化、高度化しております。 また一方では、担い手の減少、山村の過疎化、林産物価格の長期低迷等、森林・林業を取り巻く環境は一段と厳しいものとなっておりまして、このままでは森林に対する国民の要請に十分にこたえていくことができない状況になるのではないかと心配をされておるわけであります。 そこで、今後の林業振興の基本方針について大臣にお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 今回、林政審から御答申をいただいて、二つの法律を御審議いただいておるわけであります。 長年の努力をしてまいりましたけれども、まずは国有林会計というのが大変な赤字を累積いたしておりまして、二兆二千五百億程度の累積赤字で、一日の利子払いだけでも三億五千万というようなことで、今の通常の国有林経営ではとてもこれを返済する能力はございませんし、こういうものをずっと背負わせておくと、現実にはまた現場で働いておる人たちの労働意欲にも関係をしていきますので、今回、各方面の理解をいただいて、そして累積債務と経常部分との区分をさせていただくことになりました。そのことによって、また自助努力をしながら、資産売却をしながら、あるいは一方では一般財源も御協力をいただいて累積債務の解消をしながら、経常経営分については、今後は累積債務を増大させることのないようにしていきたい。 もう一方では、国有林、民有林それぞれの責任で御努力をいただいてまいりましたけれども、改めて流域単位に、国有林、民有林、いわゆる川下の木材関係者と一体化をして、全国を四十四の流域単位にして、いわば関連づけの中で総合的に流域単位で経営をしていくというようなことを実は試みているわけであります。 どうしても若い青年たちに、特に投資から回収までの期間が余りにも長い、余り魅力のない林業経営であります。しかし、その中でもまた御努力をいただこうという人たちに対して、非常に急いで今後後継者対策というものを真剣に考えていくために、機械導入が一番おくれておりますものですから、まず機械開発を進めなければなりませんし、一方では、後継者が魅力を持つ村なり生活環境なり仕事なりということには、労働条件も、月給制であるとかあるいは休日であるとかということも、もう林業だからということで避けて通れない状況に至っているのではないだろうか。各般にわたって今後急いで努力をさせていただきたいと思っております。
○岩屋分科員 確かに林業労働につきましては、さきに発表された九〇年の世界農林センサスによりますと、従業者数が全国で、八〇年の同じ調査に比べますと約四六%減少、きのう私、大分県庁に帰って聞いてみましたら、大分県でも四七%減少ということでありました。さらに高齢化も進んでおります。 今後、国産材時代を実現し、また過疎化の進行する山村、林業の活性化を図るためには、やはり労働力の確保が一番大事だというふうに思います。しかも、農業労働に比べまして林業労働というのは、三K、五Kということも最近言われておりますが、大変厳しいものがあるわけでありまして、若年労働者の新規参入の促進を図るためには今後どのような対策が必要だとお考えか、お伺いをしたいと思います。
○小澤政府委員 若年労働力の確保につきまして、重要課題でございますので、私ども鋭意取り組んでまいりたいと思っておりますけれども、まず平成三年度におきましては、都道府県段階に林業労働力育成センターを設置いたしたいと考えております。この中で、月給制の導入でございますとか、あるいは社会保険加入の促進等、就労条件の改善を図ってまいりたいということでございます。さらにまた、月給制の技術職員として任用できるような若年労働者等に対しましては、技術の取得のための研修の実施をしたいというように考えてございます。 それから、今も大臣の方からも申し上げましたように、高性能機械の導入でございますが、この導入ということになりますと、これを駆使するためには、やはり若者を中心とした新たな林業技能集団の育成ということを考えてまいりたいというように思います。 そのほか、生産性向上を図るために、先端技術を組み込みました高性能機械の開発も必要でございます。 あるいはまた、この導入のために共同化をやるとか林業事業体の体質強化をやる必要もございます。 いずれにいたしましても、若者が新規参入できるような総合的な対策を講じてまいりたいと思っております。 なお、最近、林業を主体とする第三セクター、例えば大分県の上津江村を初め幾つかの地域にも見られるところでございますけれども、若者を中心といたしました担い手育成の視点から極めて重要な取り組みであると思っておりますので、私ども、大いに御支援をしてまいりたい、このように思います。
○岩屋分科員 今もお話がありましたし、先ほど大臣からも御答弁がありましたが、やはり機械化の促進というのが私はポイントになるのだと思うのです。高性能林業機械を基軸とした機械化林業をこれからどうやって推進していくかということでありますが、昨年発表された林政審議会の答申の中でも、これを重点的に進めていくのだということが指摘をされておりますし、これと関連いたしまして、今国会におきましても森林法の改正も行われると聞いておりまして、大変期待をしておるところであります。 そこで、高性能機械を中心とした機械化を推進するには、オペレーターの養成でありますとか機械の購入等に対して国からの助成措置を設けるでありますとか、そういうことが必要だと思うのでありますが、その対策についてはいかがでありましょうか。
○小澤政府委員 今先生の御質問に対するお答えといたしましては、機械化ということを考えます場合に、我が国の地形条件が、ヨーロッパ等に比べて急峻な地形が多いということもございますので、このような地形に対応する機械の開発ということが必要なのでございます。この際に、伐木造材用の機械、これはヨーロッパ等でも相当開発されておりますので、これを改良していくということも考えておりますけれども、さらに育林用の機械でございますが、これにつきましては軽量、小型なもの、さらにはまた高性能な機械の開発に努めてまいりたいと考えておりまして、この場合にいわゆる産官学連携というようなことを密にしながら計画的に推進してまいりたいわけでございます。 今後とも、高性能機械の導入促進、あるいはオペレーターの養成、新しい作業システムの普及等、機械化推進のために総合的な対策を実施することによりまして、林業の振興のための条件整備に努めてまいりたいと考えております。
○岩屋分科員 もう一つは、やはり林道の整備だと思うのです。林業の機械化を促進いたしまして、低コスト省力林業を推進するためには、やはり林道網の整備が不可欠だと思います。これは一々細かい数字は申し上げませんが、農道の方に比べますとやはり著しくおくれが目立っているわけでありまして、今後の林道の整備対策についてもお伺いしておきたいと思います。
○小澤政府委員 林道の整備の状況につきましては、平成二年度末現在ということで言いますと、約十二万キロメートル全国で整備してございまして、ただしこれは、目標に対しましてはまだ四三%という水準でございます。 したがいまして、今後林道の整備を積極的に進めるためには、平成四年度を初年度といたしまして森林整備事業計画を策定して推進に努めてまいりたいと思っておりますし、また平成三年度予算におきましても、高性能機械の導入、あるいは低コスト林業を確立するための前提として高密路網を整備することが必要であるということで、国産材安定供給基地づくりを推進する観点からも、林業基盤緊急整備事業等の実施を予定しているところでございます。 今後とも、林道の持つ役割の重要性にかんがみまして、その計画的な整備に鋭意努めてまいりたいと考えております。
○岩屋分科員 農道と同じように、今度整備計画をきちんとつくってやっていただけるということでございますから、期待をしておりますので、よろしくお願いしておきたいと思います。 最後に、資源管理漁業についてお伺いしたいと思います。 近年、我が国の漁業を取り巻く情勢は、海外漁場の制限の増大でありますとか、沿岸資源の伸び悩みでありますとか、大変厳しいものになっております。 世界有数の漁業生産力を持つ我が国周辺水域を積極的に活用するためには、資源を増大し、管理、利用する資源管理型漁業の推進が必要だと思います。平成三年度から新たに資源管理型漁業推進総合対策事業を実施することとなっておりまして、大いに期待をしておるところであります。 大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、今後の資源管理型漁業の推進を図るための振興方針についてお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御案内のように、二百海里問題も定着してくると同時に、あわせて国際規制も厳しくなってまいりまして、漁業を取り巻く環境は大変厳しい一途をたどってきたと言っても過言ではない状況であります。 それゆえに、二百海里内の資源というものが改めて見直されなければなりませんし、一方では資源を管理するという面で、これまた知事許可があったり大臣許可があったりしておるものですから、知事許可の分については、各県それぞれまた事情が違ったりするので、総合的にやはり管理体制というものをつくっていかなければなりませんし、管理をするということは、ある意味では漁獲を制限するという面が裏腹についてまいりますので、この管理型漁業につきましてはその辺の調整が大変難しゅうございます。しかし、将来的にはやらなければなりませんし、一方ではまた、二百海里内の資源の技術開発というものも私どもまた改めて検討していくということと、もう一方では、つくり育てていくという漁業との組み合わせをしていかなければならない。ここに魅力を持たせていかないと漁業後継者も生まれてこないんだろう、国内問題としてそう認識をいたしておりますし、国際問題は改めてまたそれぞれ国際漁業に対しての開発なり、あるいはそれぞれの国との技術協力なり資金協力で、国際的にも資源管理型で、ある程度永続、安定をした漁業が営まれるような方向で今後国際問題もまた努力をしていかなければなりませんので、そのような考え方で進めていきたいと思います。
○岩屋分科員 大臣も以前、大分県の海洋牧場を御視察をいただいたということで、きのう県庁に行って担当者に聞いてきたのでありますが、ちょうど大臣がお見えになったときは一番魚がいなかったときなんで、これはもしかすると余り大したことないわと思って帰られたのじゃないかと心配しておりましたが、大臣のお里の佐渡でもおやりになっているということでありまして、今お話がありましたように、これは今のところ一つの海域だけにとどまっておりますので、これから本来の効果を実りのあるものとするためには関係県が協力して海域ぐるみの取り組みをやるべきだ、こう思っておりますので、ひとつその点も含めてお願いをしておきたい、こう思います。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
○町村主査代理 これにて岩屋毅君の質疑は終了いたしました。 次に、藤原房雄君。
○藤原分科員 限られた時間でございますので、端的にお伺いいたします。 きょう私は、農業問題の中で今最も緊急を要する、そしてまた重要な課題でありますバイオテクノロジー等先端技術の開発普及、このことにつきまして、限って御質問を申し上げたいと思うのであります。 最近の農林漁業を取り巻く諸情勢、そしてまた日本の置かれております現状からいたしまして、新しい技術の開発が待たれるわけでございますし、また、必ずしも日本が世界先進国から飛び出て優秀であるということではございません。いろいろな面でまだおくれをとっている部分もございまして、そういう点では相当力を入れてやらなければなりませんし、また日本の狭隘な国土世間の中で、新しい技術の導入によりまして、より効率的な農林漁業が営まれるといいますか、できるような技術を開発しなければならぬだろう、こう思うわけであります。そういうことにつきまして、そういう観点からこの新しい技術の問題についてお伺いをするわけであります。 最初に、このバイオテクノロジー等の先端技術の開発、こういうことにつきましての研究の現状、それから成果、最近の様子をひとつ御報告をいただきたいと思います。
○海野政府委員 お答え申し上げます。 バイオテクノロジーにつきましては、比較的新しい技術でございまして、農林水産業の生産性の飛躍的向上を図って、農林水産業を魅力あるものにしていく上で極めて重要であると考えておりまして、そういう意味で、当省といたしまして、産学官の連携を強化しながらバイオテクノロジーの研究開発を強力に推進しているところでございます。 このために、二十一世紀を目指した基礎的、先導的な研究開発でございますとか、食品産業等の技術革新プロジェクトの推進、さらにはバイオテクノロジーを広く全国的に進めていく上での開発、さらには実用化の基盤の整備というようなものを実施しているところでございます。 ただ、バイオテクノロジー自体は、例えば胚培養とか組織培養というような点では実用化をいたしておりますけれども、最近の遺伝子工学さらには糖質、そのようなものにつきましては、まだ主として基礎研究の段階でございます。ただ、糖質工学の面において幾つかの新しい、いわゆる人間の健康に寄与する機能性の物質というものは、既に工業化にのせたというところでございます。 そういう意味で、やはりバイオテクノロジーを飛躍的に進める意味で、平成三年度予算においていわゆる遺伝子工学を飛躍的に進めるためのゲノム解析というものを、特に稲を、私どもにとって一番、何といいますかこれまで蓄積の大きい稲でまずゲノム解析をするというのが一つ。さらには、特に次世代のライフサイエンス分野で大きく期待されております糖質につきましての糖質の構造改変に関する総合研究というものを新たに予定しておりますほか、さらに細胞融合技術や膜利用技術などを使いまして、農産物の品質向上機能を有する有機質肥料や生態系と調和した高機能肥料を実用化、産業化するための民間への助成というようなものなどに新たに着手することにいたしております。
○藤原分科員 農林白書にもございますけれども、重要政策課題に対応した研究ということで緊急技術開発等、今もちょっとお話がございましたけれども、これを進めておる。これは時代の要請として非常に重要なことでありますし、緊急技術開発ということで、今、日本の農林業の中で緊急性を持つものに集中的に実施していこうという、こういう研究課題を持って取り組んでおるということも言われております。いろいろ白書には書いておりますけれども、端的に現状を、開発の今後の見通しとかそれらのことも含め御報告、お話をいただきたいと思います。
○海野政府委員 緊急技術開発といたしまして、特に近年輸入との競合問題で国内産が難しい状況にあります幾つかの品目について、いろいろな緊急な研究をやっております。 特にてん菜とかサトウキビというようなものにつきましては、今まで重量取引でありましたものが、既にてん菜は糖分取引に移りましたし、サトウキビも間もなく糖分取引に移るということで、特に糖分を重視した新品種を開発するというような研究、その他の大豆などにつきましても、収量の増加と、さらには機械化に適するような形での品種というものの開発をやっておりますが、特にこの中で一番品質の問題が問題になっております小麦につきましては、いわゆる緊急開発と切り離しまして、特別に小麦を独立させまして、西暦二〇〇〇年までに、現在うどん用で一番いいとされておりますオーストラリアから入ってまいりますASW、それ並みのものを国産でできるようにするためにということで、特に麦の品質の向上のための研究ということを集中的にやるということにいたしております。
○藤原分科員 最近、今お話がございましたように、新しい技術によりまして非常に多方面な課題を背負い、そしてまた、それらのものの推進といいますか、そういう点では非常にこの技術開発というものが待たれますし、また、それの応用といいますか具体的な品種改良、品質改良、こういうことに力を注いでいかなければならない重要な課題を背負っておる。こういうことでは、本当に予算を初めとしまして十分な推進ができるよう心からお願いをしておきたいと思うのであります。 非常に多方面にわたりますので、あのことこのこと列挙いたしましても申しわけないので、植物遺伝資源のことに限ってちょっとお伺いをしておきたいと思うのであります。 何と言ってもこの基礎研究の重要性、そういうことから言いまして、ジーンバンクの充実ということが非常に待たれるわけでありますし、また今日までも相当予算をつけて、そして推進してきたところであると思うのでありますが、現実、白書等を見ましても、また皆さんのデータ等を見ましても、やはり三大国からおくれておりますし、スタートが遅かったということもあるのかもしれませんが、何といいましても植物遺伝資源を確保するということは非常に重要なことでもありますし、国としましても、平成四年までには目標を立てて、そしてそれぞれこの目標を達成しようという、植物、動物、微生物、林木、水産生物、これらそれぞれについて現在目標値、それから諸外国の様子、こういうこと等を見ますと、大変におくれておるのではないか。大変おくれておるというより、おくれをとっておる、それを何とか挽回しようとして大変に御努力していらっしゃる。 植物にいたしましても、六十三年度ですか、およそ十五万点ぐらい。しかし目標値は二十三万ですから、八万点ぐらいまだ目標に到達しない。これは、平成四年ということですと、ここ一、二年の間にこれらのものを達成しなければならぬ、こういうことで、目標は目標だということかもしれませんが、重要性にかんがみますと、やはりこの目標を達成してもらいたい。またそれの最大の御努力をしていらっしゃるのだと思いますが、こういう目標値に対して、現状から見まして、これらのものが達成できる見通しをお持ちになっていらっしゃるのかどうか、そしてまた現状はどういう状況なのか、その辺のことについてちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。
○海野政府委員 ただいま御指摘の遺伝資源の問題、私どもも、一方でバイオテクノロジー等科学技術の進歩によって、いろいろな遺伝資源を利用できるということがふえてまいります。他方で、いろいろな地球の環境からいって、遺伝資源が滅失しているというようなことで、この必要性がますます高まっているわけでございます。 そういう中で農林水産省といたしましては、先ほど御指摘のように諸外国に多少立ちおくれたわけでございますが、昭和六十年度から農林水産省ジーンバンク事業というのを始めまして、植物、動物、微生物、植物と動物の中ではございますが、さらに林木、水産生物というようなものにつきまして、近年では単年度約五億円を超える予算を計上して進めてきております。 植物の場合、現在十七万点まで既に保存をしたわけでございまして、平成四年度までの二十三万点というのが一〇〇%絶対かとおっしゃられると、これもなかなか、海外に出て収集したりというようなこともございますので絶対ではございませんけれども、おおむね平成四年度までに二十三万点の目標は達成できることを一応計画しながら進めております。既にこの遺伝資源につきましては、六十一年一月から配布を開始いたしまして、いろいろな利用者に既に四万点の配布をいたしております。 それにいたしましても、諸外国における保存点数は、米国、ソ連の四十万点、中国で三十万点というふうなことでございまして、まだまだ立ちおくれているということでございます。とりあえず平成四年度までの二十三万点を、何とか目標を実現したいと思っております。
○藤原分科員 現状からしましても、今お話がございましたように、米国、ソ連、中国、この三大国は非常に進んでおるということであります。非常に地味な仕事でありますけれども非常に重要なことであり、今後日本の農林水産業の発展の中では欠かすことのできない重要な課題であろうかと思います。 大臣、今もお話で五億何千万予算をふやしていただいて着々と進んでいるということでありますが、非常に緊急を要する最近の、種の保存ということが言われておりますし、絶滅ということも今いろいろ言われておりまして、世界各国を回って確保しなければならぬ、こういう悪条件の中にありまして、今までの大蔵省的発想からいいますと、地味でもありますし、またそういうところに力を入れるということは相当説得をしなければならぬ現状にあるのではないかと思います。目標を立てながら今日まで歩んでまいりましたけれども、そういうことからいいますと、それぞれの点数につきまして、まあ今日までは比較的手に入りやすいものを確保したのかもしれません。これからのものは非常に手間もかかって大変なことだろうと思うのであります。 日本の農林水産業にかかわる重大な基礎的研究の遺伝資源、こういうことからいいまして大幅な予算措置、まあ予算だけでできるわけじゃ決してありませんけれども、人的なことや何かすべてその基本にあるのは予算であると思いますけれども、これらの目標を達成するために、ひとつ農林水産省としましても体制を整えて取り組んでいただきたい。実力大臣、ぜひひとつこれは閣議の中でも主張して、これらのものが後になって後顧の憂いのないような対策を講じていただきたい、こう思うのですが、大臣いかがでしょう。
○近藤国務大臣 大変地味な仕事で、その中で先生御理解をいただいて御支援をいただいておりますことを感謝申し上げたいと思います。 アメリカ、中国、ソ連から見ても大幅におくれておる我が国のジーンバンク事業に対して、とりわけ近年、熱帯林の減少や砂漠化や地球温暖化等で地球環境の悪化が問題となって、これらに伴って貴重な動植物が急激に滅失しておる、こういう時期に早急に収集をし、保存をし、後代に伝えることは、我々人類の果たすべき大切な役割だというふうな認識もいたしておるわけであります。 今後の科学技術の進展に伴い、これらの動植物を遺伝資源としてこれまで以上に効率的に活用することが可能となり、画期的な品種の育成等、農林水産業の発展に大いに貢献できるものだというふうに考えておるわけであります。 さらには、砂漠等の劣悪な環境に適する作物やCO2吸収能力の高い作物等が育成をされれば、地球環境の改善にもまた一方で貢献できるものと考えておるわけであります。 このため農林水産省としては、後発でありますけれども、諸外国の協調を図りつつ、今後とも遺伝資源の収集、確保に一層努力をして、おくれを取り戻す努力もあわせてしていく決意でありますので、御理解と御協力をお願い申し上げたいと思います。
○藤原分科員 本日、この委員会は農林水産委員会ではございませんで予算委員会の分科会ということですから、答弁は予算ということに力点を置いて大臣に、その重要性にかんがみて、本年度予算の審議ですから、本年度の予算を変えるなんというわけにはいかないのかもしれませんが、御配慮いただきたい。また次年度も当然、こういう平成四年を目指してということの中で今作業を進められているということでございますので、特に力点を置いて今後の予算面のことや何かにつきましてもひとつ御配慮いただき、また閣内におきましてもぜひこれらのことは強調なさって、所期の目的が達成できるように御努力いただきたい、こういうことで申し上げているわけでございますが、いかがでしょうか。
○近藤国務大臣 本年度予算も御審議をいただいておるわけでありますが、もう間もなく来年度予算の作業にも入るわけであります。予算だけで片づかない問題も実はございますので、少なくとも予算によって支障があることのないような予算上の準備は進めていきたい、そう思っておるわけであります。 なお、国際的に収集等の問題も実はございますし、まただれでもいいというわけにはいかない人的な問題も実はございますので、その辺、私も素人でございますので、できるだけ予算上で支障のないような形は今後積極的に努力をしていきたい、そう考えております。
○藤原分科員 大臣謙遜しておっしゃっていますが、農林水産業を大変に熟知していらっしゃって、また大変にお力のある大臣でございますから、ぜひひとつお取り組みのほどお願い申し上げたいと思います。 今も大臣のお話の中にございましたが、予算だけではなくてやはり人的な資源といいますか人的な配置、そして人材の養成、育成ということが非常に大きな課題になるわけであります。 限られた時間でございますので多方面なお話もできませんが、一点だけ申し上げておきたい、また今後のためにぜひひとつ御努力いただきたいと思いますのは、人的な交流ということであります。農林水産技術会議のいろいろな資料等を見させていただきますと、こういう国際化時代、そしてまた日本のすぐれた面もあるでしょうし、海外のすぐれたものを学ばねばならぬ、こういうこともございますから、優秀な教授を招聘するということや、こちらからまた派遣をして研究するという招聘と派遣、こういうことが大事なことになるのだろうと思います。人的な交流ということ、それからまた日本の国で国際会議を開いて日本の学者に一つのインパクトを与える、こういうことも非常に大事なことだろうと思うのであります。今までのデータを見ますと、日本でこれに類する形での国際会議というのは開かれていないみたいに思うのですけれども、開かれておったのかどうかということと、人的な派遣につきまして、最近はまたふえているのかもしれませんが、最近の招聘の実績とか派遣の実績、これらの現状についてちょっとお伺いしておきたいと思います。
○海野政府委員 国際研究交流につきましては、近年、ただいま御指摘のようなそういう観点から、特に先進国との交流、それから開発途上国における食糧、環境面での諸問題に対応するための協力等の重要性から非常に活発化いたしてきております。もちろん、ただいま御指摘のような著名な教授を招いて国内でのワークショップというようなもの、さらに、こちらからも人が行くというようなことで、派遣も外国研究者の招聘も著しい増加を示しておりまして、平成元年度では、こちらからの派遣者数は年間で延べ五百人を超えております。招聘外国人研究者はちょうど二百人ということになっております。 特に最近では、バイオテクノロジーなど先端技術開発の場合には、そのような国際的なノーハウを持ち寄ってお互いの成果を伸ばしていくというようなことが必要でございまして、世界の著名な研究者を我が国へ招聘して開催する国際ワークショップでございますとか、先進的な分野における欧米の研究者を我が国に招聘するというようなこともやっております。 同時に、我が国の研究者を欧米の先進国に長期間派遣するというような形も含めまして、いろいろな形で国際共同研究というようなことを行っておるわけでございます。また同時に、日本がおくれをとっておる面もございますけれども、特に開発途上国からは日本からの協力に期待するという面が大きいものでございますから、特に農林水産省に熱帯農業研究センターを設けまして、そこが中心になりまして研究者を派遣して、開発途上国との共同研究というようなものを行っておるところでございます。 このほかに、先進国との間では、科学技術庁の制度によります研究者の派遣や招聘、また開発途上国に対しては、国際協力事業団による技術協力という格好での派遣ないし招聘というようなことも行われております。
○藤原分科員 今お話がございましたように、研究交流とか海外留学、さらには技術協力とか派遣ということにも中身はいろいろございます。それから、招聘にいたしましても、研究協力とか技術協力とかいろいろなことがあるわけでありますから一概には言えませんが、着実にその数がふえておるということはデータからわかると思いますし、これはぜひ人的交流、そしてまた、そういう海外との人間関係といいますか、研究を密に、お互いに情報を交換し合う、人間関係というものを深めていくということでは非常に大事なことだろうと思います。何も国際会議が開かれていないからどうこうということではございませんけれども、やはりいろいろな部門で私ども聞かされるわけです。 ここからは、大臣にぜひ御理解をいただきたいと思うのでありますけれども、世界各国から見ますと、日本の国は経済大国ということなんですが、その経済大国たる日本の国が、国際会議を開く、またはこういう研究者を招く、または派遣することにつきまして、旅費とか会議費というものに対する予算措置が、今までの大蔵的な考えといいますか観点からしますと、これはもう研究者の方々の非常に頭の痛いところで、旅費、会議費というものに対しての配慮は非常に少ないのですね。少ないというか、おくれておる。形あるものならば予算がつくかもしれませんが、そういう目に見えない人的交流とか研究の情報をお互いに持ち寄る場をつくることは非常に大事なことなのですが、こういうことに対しましてぜひ大臣のお力を賜りまして、そういう今までの旧弊を打ち破っていただきたい。もっと経済大国にふさわしい日本の国の国際交流、学者間のいわゆる研究開発、研究協力、そういう国際会議とか技術派遣とか着実にふえていることは私も認めますし、何もおくれておるということではございませんけれども、いろいろなことで研究なさっている方々のお話を聞きますと、今までの政府の姿勢として、こういう目に見えない会議費とか旅費とかいうものに対してはどうも非常に旧態依然とした考えから脱しておらぬ。特に今大臣からお話がございましたように、農林水産業振興の上に今後欠くことのできない大事なジーンバンクを初めとします新しい先端技術、こういうことですから、当然それなりの権威の方々にお集まりいただいて討議をする場をつくるということは、日本の技術者に対してどれほど大きな刺激になるかわからぬ。またそれが一つの大きな契機になって発展していくだろうと思いますし、ここのところをひとつ一歩でも二歩でも前進させる御努力をいただきたい、こう思う次第でありますが、大臣、御所見をお伺いしておきます。
○近藤国務大臣 この種の研究は、決して人材豊富ではない研究者でありますし、特に先進国との共同研究なり、あるいは研究者同士だけの話ではなくて、やはりシンポジウムということをやらなければいけないわけでありますから、そういう意味で、単に旅費とか会議費というだけではなしに、この問題を進めていくためには旅費もまた研究開発の一環くらいに考えていかないといけないことだと思いますし、また研究者同士だけで地味な仕事をやっておるというよりも、やはり理解を求めていくにはシンポジウムなりより広い関係者から理解をいただくということがまた大切な仕事でありますので、単に旅費とか会議費という単純なものと違った意味で、予算を積極的に研究開発の一環として拡充をしていくことに努めたいと思っております。
○藤原分科員 大臣の今お述べになりましたそれらのこと、閣内でもぜひひとつ御議論いただきまして、今までの古い壁を打ち破って、新しい技術開発のためにそれぞれの研究者が十分に力を発揮できるように、また新しい人材がどんどん育成されるように推進していただきたいと思います。 以上で終わります。
○町村主査代理 これにて藤原房雄君の質疑は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉分科員 社会党の秋葉でございます。 きょう私が質問したいことは、同和関連農家、いわゆる部落農家、より広くは部落農業について、幾つかの点について質問したいと思います。 もう大臣初め農水省の方々よく御存じのことですけれども、一九八五年の農業センサスによりまして、その統計から抽出をすることによって、部落農業の実態がかなりの程度明らかにされました。地対協の意見具申の中にもありますように、一般農家に比べると、耕地面積の点でも、例えば耕地面積が三分の二といったような昭和五十年当時と同じ傾向が続いている、あるいは不安定な兼業農家の割合、これも高い、それから、農産物の販売額にしても、これが比較すると非常に低い立場にあるといったようなことが明らかになっております。このことは、一般の全国平均と比べて、その理由を考えてみますと、例えば稲作経営に重点が置かれている、あるいは経営内容、これを多角化する、あるいは多様化するということで随分問題がある、あるいは複合経営が難しいような状況にある、そういったことが指摘できるのではないかというふうに言われております。このほかにもさまざまな問題があるわけですが、この部落農業について、大臣はどういうふうにこの現状を認識されていらっしゃるのか、その点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ただし、現状というのは、データというのは一応客観的にあるという誤解をされることがしばしばありますけれども、客観的なデータというのはその存在が非常に難しいということがあります。例えばよく言われていることで申し上げれば、コップの中にウイスキーが半分ある場合に、酒の好きな人はもう半分になってしまったと考え、それから、お酒が嫌いで、しかも飲まなくてはいけない立場にある人は、まだ半分も残っているというふうに認識するということがございます。実は、そういった価値観から、あるいは見る側の姿勢によって、データはいかようにでも解釈することができますし、あるいはそのうちの幾つかだけを見てほかのものが見えなくなってしまう、それは意識的な場合もありますし、そうでない場合もあるのですけれども、そういった点も含めて現状をどのように認識されているか、お伺いしたいと思います。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、一九八五年センサスをもとにいたしましていろいろ実態を調査いたしたわけでございますけれども、この調査によりますと、同和関係の農家について見ますと、三十二府県にわたりまして三千七百九十八地区、関係農家数といたしましては六万五千五百八十三戸、こういうような実態になっております。それからまた、同和関係の漁家について見ますと、十二府県、百二十一地区、千八百六十三戸、こういうような実態になっているわけでございます。 このうち、同和関係の農家について見ますと、昭和五十年から六十年の十年間にわたりましてその変化を見てみますと、農業用の機械が大型化しているとか、それからまた、農産物販売金額も増加しているとか、それからまた、施設園芸の面積がかなり増大しているというような点が見られるわけでございます。 しかし、先生御指摘のように、耕地面積は依然として五十アール程度と、一般農家に比べて三分の二程度というように少なくなっておりますし、また、不安定兼業農家の割合というのも高いし、また、一般農家に比べれば販売金額も全体的に低位の状態にあるというふうに考えております。 これらの問題は、同和地区の農林漁業の生産条件、とりわけ農業の立地条件とか経営規模の零細性というものに原因しているのではないかというふうに認識している次第でございます。
○秋葉分科員 まさにおっしゃるとおりだと思いますが、ともかくこういった問題があるということでは認識が同じだと思うのですけれども、その問題を解決していく上で、実はなぜそういった問題が生じているのか、原因について考える必要があると思います。 歴史的に、社会的に形成されてきた部落差別の結果であるというふうに一般的にはとらえることができると思いますが、特に今私が申し上げ、農水省の方からお答えがあったような、さまざまな問題が生じているより具体的な原因としては、例えば、今、立地条件というふうにおっしゃいましたけれども、耕地として、あるいは農業用地として使える土地、その条件が悪いということが一つありますし、それから規模の面でももちろん問題がありますが、その背後には、例えば、歴史的な条件から経済的な力が弱いということがあると思いますし、それから営農技術の蓄積の少なさといったこともございます。規模といったこともありますけれども、それも経済力の点と非常に大きなかかわりがあるわけです。 私が非常に大切だと思いますのは、こういった問題についての原因が形成されてきたそのプロセスが、ただ単に一時的なものではなかったという点にあると思います。いわば、社会あるいは政治、歴史のプロセスの中で構造的な原因があって、その構造的な原因ゆえに現在のような問題が生じ、そしてその問題がなかなか解決されない、こういうことだと思いますけれども、その構造的な要因についての農水省の御理解を承りたいと思います。
○片桐政府委員 先ほど説明いたしましたように、同和関係地区の農林漁業についてはいろんな問題があるわけでございます。私どもといたしましては、こういう問題をできるだけ早く解決をいたしたいということで、関係機関とも連携を密にしながら、対象地域の農林漁業の振興に大いに努力したいということで、いろいろな施策を展開をしている次第でございます。
○秋葉分科員 その施策のうちの幾つかのものを具体的に挙げていただけたら大変ありがたいと思います。
○片桐政府委員 私ども農林省で担当しておりますのは、農林漁業振興のための地域改善対策事業ということでございますけれども、この事業の中で、農林漁業の生産基盤の整備とか、それからまた農林漁業に関する施設とか機械の整備とか、そういうことにつきましていろいろ努力をいたしておる次第でございまして、こういう事業を通じまして、関係農林漁家の経営の安定、生活水準の向上というものに努力をしている次第でございます。
○秋葉分科員 生活水準の向上、それから事業としての農業の安定ということを言われましたけれども、その目標について、もう少し具体的な、小目標といいますか、より具体的な目標というのを農水省は設定されているのでしょうか。例えば十年後にいわゆる部落農業がどういう形になっていることが望ましい、こういうふうにしたいんだというような青写真、それがかなり具体的な形であった上でこういった事業を推進されているのか、それとも、問題が非常に難しいので、ともかくやれるところから始める、その全体の青写真についてはそれほど具体的なものは持っていないけれども、ともかく努力をすることが大事だ、そういった大きく分けて二つぐらいの考え方があると思いますけれども、どのようなお考えをお持ちになっておやりになっているのでしょうか。
○片桐政府委員 同和地区における農林漁業の振興対策については、特に具体的な目標といいますか、計画といいますか、そういうものを策定するということは大変に難しいわけでございまして、私どもといたしましては、できる限りの努力をするというような形で鋭意努力をしている次第でございます。
○秋葉分科員 鋭意努力をするということで大変心強い思いがするのですが、ただ、そういう努力をするというその結果の評価が非常に難しい。その努力をしている当事者にとっては物すごい努力なんだけれども、その結果が外の人からはまるっきりわからないというような事情がしばしば生じます。 例えば、私が申し上げるまでもなく受験勉強なんというのはまさにそういうものの典型かもしれませんが、受験勉強の場合には、試験を受ければその結果によって判定ができるわけですが、第三者からも理解できるような具体的な目標が設定されていないと、こういうことはないと思いますが、万一行政の方で努力をしていない場合、あるいはその努力をしていないにもかかわらず、何かやったという、ただ実績だけをつくろうとするような意図があった場合、こういうことがないと信じてはおりますけれども、そういった場合に、本当に努力をされた結果、何も結果が起こらなかったのか、あるいは努力をしない、逆に否定的な努力をしてきた結果を糊塗するためか、その判定が外からはつきにくくなるわけですけれども、その辺についてはどうお考えになりますか。
○片桐政府委員 私ども、地域改善対策事業を実施するに当たりましては、都道府県、市町村を通じていろいろ助成事業をやっているわけでございます。また、県、市町村の方々にもいろいろ効果が上がるように指導していただくというようなこともやっているわけでございまして、私どもといたしましては、県、市町村も含めまして最大限の努力をしているというふうに考えている次第でございます。
○秋葉分科員 国だけではなくて都道府県、地域地域の協力を得てということは大変すばらしいことだと思いますが、そういった努力が行われているにもかかわらず、例えば、先ほどの数字でいきますと、十年間かかって耕地面積の格差、ほかにもいろいろ問題がありますが、これが一番簡単に理解できることですので一つだけ取り上げさせていただきますが、平均耕地面積三分の二という数字。それで、部落農家にあっては、これは平均が約四十九・幾つですか、五十アールですか、そういう状況は変わっておりません。努力をされたということはそのまま信じたいわけですけれども、となると、その努力の仕方に問題があったのではないか、あるいは目標を設定していないから、幾ら努力をしても、どの目標に近づいていったらいいのかわからないままに努力をしているから、堂々めぐりをしてしまって何も実質的な効果が上がっていないということになりかねない。となると、具体的な目標を設定することも必要ではないんでしょうか。 これから個々の問題について、私は耕地面積についてだけ申し上げておりますが、農業のさまざまな基盤整備の点でもございますし、あるいは経営内容の合理化といったところもございます。それから大規模化、機械化といったようなところもありますし、あるいはハイテクノロジーの導入とかさまざまな形のことが考えられます。それから、農業だけではなくて、これからも未来永劫農業を続けていこうという農家もあるかもしれませんが、それ以外に、例えば、この場所は農地に適していないから、いっそのこと事業をほかのものに移すことによって生産性を上げようということを考える方もいらっしゃるかもしれない。そういった場合には、転業のための具体的なノーハウについて援助するといったようなさまざまなやり方が考えられますが、そういった個々の点について期限を切った目標を設けた上で、さらに全体的な、十年たったら部落農業はこういう形になっていてほしいんだというような青写真を描いた上で具体的に一つ一つの施策を進めていく、そういった形で努力をより具体化された、しかも外から見た場合に、農水省はこんなにすばらしいことをやっているんだ、こんなにすばらしいお役所が日本にもあったんだというように世界的に認識されるような努力の評価の仕方というものをお考えになった方がいいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○片桐政府委員 先ほど説明いたしましたように、昭和五十年から六十年の十年間の実績ということで、施設園芸の面積がかなり拡大しているとか、また、農業用機械の大型化が進んでいるとか、そういうようなある程度の効果を上げているのではないかというふうに考えております。 ただ、確かに先生御指摘のように十分ではないという点もそのとおりでございまして、私どもといたしましては、その点につきましてはできる限りの、県、市町村ともども効果が上がるように今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○秋葉分科員 何かだんだん質問と答えが堂々めぐりになってきたような感がするのですが、おっしゃっていることは非常によくわかります。その先のところを私は伺っているんで、その努力をするに当たって、今のようなことでずっと続けていっていただいても、また十年たって私がここに立って同じような質問をした場合に、同じような答えが出てきてしまう結果に恐らくなるのではないかと思います。一生懸命努力をしてまいりました、幾つかの点については確かによくなったところがありました、しかしながらまだまだ改善の余地があります、大変申しわけないのですが、人間世界、ほとんどすべてのことはその答えで片づいてしまうことです。ほとんどすべてのことは努力をすれば少しはよくなる、だけれども改善の余地がある、それは森羅万象すべてにかかって、恐らく九九%ぐらいはそういった現状把握で済んでしまうことになるのではないかというふうに思います。 それでいい問題も確かにあるのですが、私は、部落問題というのは、日本の社会の中で非常に大きな構造的な問題だというふうに思っています。その問題を解決するためには、ただ単に今おっしゃっているようなすべての事象の九九%を包括してしまうような一般的な、抽象的なこと、ということは、逆に言えば何もしないでもそれがそのまま言いわけに使えてしまうような姿勢で取り組んでいていい問題ではないということをここで申し上げているつもりであります。 そのために、より具体的な目標を設定して、しかも期限もつけて、さらに、より大きな問題を幾つかの小さな問題に分割した上で個々の問題に——例えばアメリカの黒人差別の例で言えば、就職の条件に際して、クォータ、これは一定の割合の人間は、その能力にかかわらずどうしても雇用しなくてはいけない、そういうかなり強引なやり方をして、黒人の差別あるいは少数民族の差別に対する保護をアメリカ社会では雇用の面で行ったことがありますし、あるいは商業、農業等の面でも、そういった少数民族の経営する農業、商業、工業といったものの保護を行っております。 ですから、例えば具体的にそういった施策を取り入れる、あるいは施策を取り入れる前の段階として、十年先には一体どういう状態になっていたらいいのかという青写真を少なくとも手にして、その目標に従って進むということが必要ではないかと思いますが、構造改善局長の権限でそこまでお答えになれないのでしたら、農水大臣、ぜひそこまで踏み込んで、より具体的な目標を掲げてこういった努力を行うといった決意をお聞かせいただければと思います。
○近藤国務大臣 従来仕事をしてきておる一般的なものは、私ども、長期計画を十年計画なり五年計画なり、それぞれ目標を設定いたしておるわけでありますけれども、農林水産省の仕事というのは、どちらかといえば、一般的な公共事業で上から計画を立てて下へおろすというよりも、地域からの、いわゆる一般に申請事業というような形で、それぞれの地域で計画を立てていただいたものの積み上げの中で、一定の年限と一定の予算の枠の中で実は対応してきておるわけであります。そういう意味からすれば、今御指摘のあるようなその地域の中に集中的に予算を投下するとか、あるいは傾斜的に配分をするとかいう努力は私どもしていかなければなりませんけれども、私も大臣に就任したばかりでありますが、過去の経緯はわかりませんけれども、恐らく特別な計画を立てて実施をしておるというようなことではないのだろう、こう思っております。この問題については、少なくとも基本的人権にかかわるというような重要な問題でもございますので、今後予算の配分等については十分留意をして仕事を進めていきたい、そう思っております。
○秋葉分科員 その決意を伺って少し安心いたしましたが、実は一言だけ申し上げておきたいのです。 確かに農水省の構造としては、いわゆるトップダウンではなくてボトムアップの形での事業が多いということで、私は、恐らくそれはそうだろうと思います。 ただ、問題によっては、特に今申し上げているような、部落農業は構造的な問題だということを申し上げましたが、構造的な問題がそもそも存在しているのは、今おっしゃったようなボトムアップの、下からいわば自浄能力というものがなかなか発揮されないような要素が社会の中にあった、それがゆえにこういった問題が生じているのが非常に大きいと思います。ですからこの面では、農水省のそういった性格はあるけれども、にもかかわらずやはり構造的な問題であるから農水省はもっと積極的に取り組むという態度で、今の決意をさらに大きく発展させるような形でぜひ今後とも努力をお願いしたいと思います。 それから、これはそれに関連してもう一つ伺いたいことなんですが、米の自由化に代表される農業の国際化の問題です。例えば、先ほども申し上げましたように、部落農業では稲作に偏っている面が非常にございます。米の自由化、これが零細農家にかなり大きな影響を与えるということも一般論でよく知られていることですけれども、ウルグアイ・ラウンドその他、日米交渉もありますが、そういった農業の自由化という面で、その自由化がいわゆる部落農業にどういった影響を与えるか、その辺まで視野に入れて交渉を行っていらっしゃるのかどうか、その辺のところを大臣にお聞きしたいと思います。
○近藤国務大臣 我が国の米の重要性というのは、単に食糧にのみならず、文化にもあるいは社会生活にもいろいろなかかわり合いを持ってきた歴史も実はございます。あわせて稲作そのものにつきましては、日本国土全域と言ってもいいぐらい、稲作経営というのは農業の根幹にかかわる問題だというふうにも認識をいたしておるわけであります。その中でも、今生産調整ということで三〇%の面積にわたって御協力をいただいておるわけでもありますし、内外価格差を縮小するためにもまた御協力をいただいておるわけでもあります。しかしながら、そういう事情でありながらも、また国際的にも世界総生産の三%程度しか市場に出ていない、我が国の主食であるそういう作物を、これからの貿易の自由化という交渉に当たっては、少なくとも国内産で自給するという方針で私ども対処して交渉に当たっていく覚悟でございますので、御理解いただきたいと思います。
○秋葉分科員 アメリカの農業問題についての日本に自由化を迫る場合の一般的な議論というのは、例えばアメリカの雇用を守るために日本が貿易を自由化しなくてはいけない、その中にはやはり保護率の高い農業が入るといったようなことがあるわけです。 もうちょっと簡単に整理して言いますと、そのアメリカが雇用を守ると言っている中には、アメリカの法律制度あるいは社会制度で当然弱者の保護といったことが含まれています。例えば雇用の中に、あるいは農業保護の中に少数民族、例えば黒人の利益を守るためのさまざまの法律があり、制度がアメリカにはあります。そういったものを守るために日本が自由化をしなくてはいけないというのがアメリカの議論です。 それに対して日本政府としては、それはそうかもしれないけれども、日本にも日本の問題がある、例えば部落農業の問題がある、部落差別の問題がある、それを日本の国内の施策できちんと解決していこうとする政策がこれこれである、だからこれは変えるわけにはいかない、アメリカの黒人の権益を守るために我々が部落農業を犠牲にしていいことにはならないのだといった立論も当然考えられるわけですけれども、そういったことは、今まで日米農業交渉あるいはウルグアイ・ラウンド、そういった場で農水省としてはきちんとした形で発言されているのでしょうか。
○近藤国務大臣 私が承知をしておる範囲内では、部落民問題とか少数民族というようなことで発言をしたことは聞いてはおりません。またアメリカ側からも、そういう問題で議論をされておるということも私自身承知をいたしておりません。
○秋葉分科員 アメリカ側から出てこないのは、恐らくそういった問題を取り上げればアメリカに不利な交渉になるからだというふうに私は思います。こういった点についても、ともかくアメリカがきちんと保護をしている例えば黒人の立場、雇用それから農業、工業、商業、そういった立場をよく把握した上で、それと同じ、あるいはそれ以上のきちんとした政策を日本でも、例えば部落農業がきちんと自立するために、あるいは部落問題解決のためのきちんとした政策があるのだといったその枠組みの中で、そしてそれをアメリカ側に伝えた上で、我々の社会においていわゆる社会的な弱者と言われている人たち、あるいはこれまで差別を受けてきた人たちを犠牲にしてアメリカの立場に我々が屈するわけにはいかない。少なくとも、日本政府は主権者たる日本国民の利益を代弁しているのであって、アメリカ国民の利益を代表しているのではないという立場できちんとしたことをこれから発言していただきたいというふうに思います。 それと同時にもう一つ、やはりこういった問題に関して、先ほど申し上げましたけれども、国の農業それから水産、こういった問題について最高の責任、最高というのは国権の最高機関という意味ではなく、財政面でも非常に大きな影響力を持つ農水省がこれからもこの問題についてもっともっと積極的な姿勢で努力をしていっていただきたいと思うのですが、実はそういった農水省の役割に対する期待も非常に大きいものがございます。 例えば、きょうも、私の後ろにそういった農家の方々が非常に大きな期待を持って大臣の、あるいは農水省のこれからの取り組みを見守っております。これは、批判をするということも当然ありますけれども、農水省が頑張ってくれればこういった問題が非常に大きく進展するんだ、それがただ単に部落の問題、部落農業の問題だけではなく、日本社会全体の向上につながる、さらには世界的な農業の調和といいますか、そういったことに資するのだという非常に大きな期待がございますので、そういった期待にこたえる決意を最後に農水大臣に一言お願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 同和問題につきましては、憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題だというふうに認識をいたしておるわけでありまして、政府は、昭和四十四年から二十年余にわたって、三たびの特別措置法に基づいて、きょうまで関係施策を推進してきたところでもあります。 農林水産省としては、対象地域における農林漁業の振興と農林漁業経営の安定や農林漁家の生活水準向上を図るための各種対策を積極的に実施をしてきたところでもあります。 最終の特別法である現行の地対財特法が失効する平成四年四月以降の方策については、地対協において一般対策への円滑な移行について審議されているので、その意見も踏まえて検討してまいる所存であります。 今後とも、本問題の重要性にかんがみて、地方公共団体と一体になって、一日も早い解決のために最善の努力をしてまいる所存でありますし、また一言、土地条件の不利な地域についても、どちらかといえば従来は国際競争力の、規模拡大というようなことを中心にして農政を展開してまいりましたけれども、土地条件の不利なようないわばおくれておる地域、そういう地域に対してまた活性化対策等の施策をメニューを増大をして、生活面あるいは営農面含めて、私ども今制度化を進めてきておるところでありますので、どうぞそういうメニューの中で選択をしていただいて、また、地域からの予算要求をしていただければ重点的に御協力を申し上げたい、こう思っております。
○秋葉分科員 終わります。
○町村主査代理 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。 次に大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠でございます。農業それから林業問題について、幾つか現代の課題等について御質問を交えながら討論をさせていただきたいと思います。 最初に林業政策でございますけれども、実は私の地元であります日立市で大変大きな山火事が発生いたしました。この山火事の鎮火に当たりましては、関係する消防署ですとか警察署、もちろん林野庁の地元の営林署あるいはまた地元の市民の方々が大変努力をされまして、また自衛隊も出動していただきまして、全焼された方もおられますけれども、市民の皆さんからは、被害は最小限になったのじゃないか、そういう意味では非常に感謝をする、そういう声も聞こえてきているところであります。そういうものについては、農林省の関係者の皆さんの御努力に大変感謝を申し上げたいと思います。しかし、この山火事で民家が全部で十三戸ぐらいいろいろ被害を受けた、その中でも十戸ほどは全焼したというようなことでは、これからの大変大きな課題を残したのじゃないかと思います。 そこで、この問題について幾つかお尋ねをしたいと思いますけれども、最近、森林に対する保護といいますか手入れといいますか、非常に不十分なのじゃないかという御意見も出ております。山が荒れている。林業ではなかなか食っていけないあるいは採算が合わないということで、非常に林業というものがどうもなおざりにされているのじゃないか、そういう声も出ております。今回の山火事にしても、非常に手入れがいいところについては火の回りというものが余りなかったわけでありますが、荒れているところがずっと山火事が広がったという現象もございます。 そこで、最初にお伺いしたいのでありますけれども、山の手入れというのはさておきまして、常日ごろ山林の火災の防火対策といいますか、どういうことをやっておられるのか、それをまずお伺いしたいと思います。
○小澤政府委員 お答えいたします。 私ども山火事の防止対策に日ごろから努めているところでございますけれども、やはり現地におきます対応策が重要だというように考えておるわけでございます。それとあわせまして、全体的な予防という対策が必要でございますので、これらにつきまして実施をいたしております。 特に、最近の発生状況を見ますと、年間平均で全国で四千件あるいは焼損面積四千ヘクタールというような規模でございます。損害額も約十七億円というようになっておりまして、しかもこの出火原因は、大部分がたき火の不始末でございますとか、たばこの投げ捨てなどの過失によるものが多いということでございます。 予防対策といたしましては、消防庁等関係の機関と密接な連携をとりつつ、全国山火事予防運動の実施など防火思想の普及啓発に努めます一方、森林パトロールの実施、航空機による空中巡視、防火帯道の整備、初期消火機材の配備、地域住民等による自主的な予防活動の推進等、林野火災予防対策を実施しているところでございます。とりわけ山火事の予防運動と森林パトロールにつきましては、山火事のおそれの高い時期等にすべての都道府県で実施しているところでございます。このようなことを徹底させたいと思っております。 なお、今回の火災発生にかんがみまして、三月八日付をもちまして、都道府県知事さらにまた営林局長、支局長あてに予防活動の徹底につきまして再度指示をいたしたところでございます。
○大畠分科員 全般的な取り組みについては今お話があったとおりだと思うのですけれども、私も正直言いまして初めて山火事の現場に入りました。また、関係者の皆さんのいろいろなお話も伺ったのですが、山火事の場合には、通常の消防署の手がなかなか及ぶところじゃないなという感じも持ちました。 今回の山火事については、十一時半ぐらいに発見されまして、一時ぐらいに自衛隊あるいは東京消防庁に対する出動要請がされたわけでありますけれども、いろいろなお話を伺ってみますと、やはり山火事はとても素人の手を下せるものではない、言ってみれば、今回の山火事でも、ヘリコプターによる空中からの消火活動が唯一非常に大きな効果を上げたということでは、これからの山火事のときの対応策では、ヘリコプターを持っている自衛隊に即出動を要請するとか、そういう判断を待つまでもなく、状況を見るまでもなく、その被害を最小限に食いとめるためにそういう手を打つべきじゃないか、そういうルール化をすべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小澤政府委員 先生御指摘のように、最近における山火事の消火体制につきましては、確かに空中消火というような機動的な方法が効果があるというように考えておりますけれども、しかしながら、私どもは林野を所管しておりまして、林野火災の予防対策を初め、消防体制も含めまして努力をしておりますが、私どもとしては、まず地元の市町村それから消防署、営林署を構成員とする山火事対策協議会等を設置しているところでございます。そして、これと連携を図りつつ、入林者が多い地域には重点的に注意喚起をするために、標識の設置や山火事防止のポスター、横断幕の掲示等をやっておる、その他パトロールもやっておりますが、さらに空中消火というものが効果があるために、あらかじめ空中消火用の資機材をストックしておくということが必要でございまして、さらに、これらに加えまして地上消火用の資機材の配備もしております。 営林署におきまして、これは現地の国有林を管理しておりますので、消火組織の確立を図るなど消火体制の整備を行っております。そのようにしまして、消防体制への取り組みに努めているところでございます。
○大畠分科員 今のお話もよくわかるのですが、私は、何かそういう山火事が起こったときにはこういう手順でとんとんとんと手を打っていくのです、協議会を開くのもいいと思うのですけれども、そういう山火事が発生した、それではどういう状況かというのは山に入らないとわかりませんし、また山火事の恐ろしさというのは、本当に飛び火なのですね。私もいろいろな今回の事例で学ばせていただいたのですが、本当に風でとんとんと飛び火する。ここが火元だというので対策していると、あっという間に今度はまた別のところに火の手が回る、また向こうに手が回る。本当に地元の消防隊員は、また関係者も全力でやったのですが、何分にも前線といいますか、対策するべき面積、線が非常に広いために非常に苦しんだ。山の奥の方まではなかなか入れなくて、住宅地を何とか防火しようということで地元の人が頑張りましたし、また営林署関係の方は山の中に入って一生懸命防火帯をつくる作業に入っていただきました。これも非常にありがたかったわけであります。 そういうことからすると、私は、今のように協議会を開いて云々ということも大切ですが、山火事が起こった場合には、こういう手順で物事を処理しようという緊急マニュアルみたいなものをつくっておいて、それに従って適時やるべきではないかと思うのですが、そこら辺は今どういうシステムになっているのでしょうか。
○小澤政府委員 これはやはり国の、あるいは地域における消防体制というのは、消防という機関がございますから、そこに主体的にお願いすることになるわけでございます。 私ども林野所管をしている立場に立ちますと、やはりまず予防ということを考えまして、さらにまた、発生の際には私ども現地の管理もいたしているという、特に国有林につきましては直接管理ということもございますから、発見なり通報なり、そういうのがやはり早目にできるという状況のところにいると思います。 したがいまして、極力、火災発生時期というのは大体年間のうちでも春先に集中しているわけでございますから、あるいはまた乾燥状態、風の状況等、そういうときにパトロール態勢等もとりまして、いち早くやはり本格的な消防機関に連絡を申し上げ、また協力態勢をとりましてやってまいりたい、こんなふうに思うわけでございます。
○大畠分科員 林野庁としてはそういうことだと思うのですが、ぜひこれは横断的に、最近は住宅地もいろいろ土地の高騰等で山側の方にどんどん迫っていますので、この日立市の今回の山火事というものの教訓をぜひ生かしながら、確かにそういう縦割りといいますか、それぞれの分野がありますが、山火事が発生した場合には、こういうふうにして現場検証しながら——私は最終的にはヘリコプターしかないと思うのですよ。そういうことで、余りちゅうちょせずに、即自衛隊ですとかヘリコプターを持っているところに通報をして、状況調査あるいは消火活動に入ってもらう、そういう手をそろそろ考えるべきだと思います。ぜひそこら辺も、林野庁としても非常に貴重な天然資源を焼失することになりますので、いち早く、災害が大きくならないように、そういう横断的な体制づくりにぜひ向けていただきたいと思います。 その次に、今防火という話がございましたけれども、これは林野庁の分野だと思いますけれども、やはり、今お話がいろいろありましたけれども、山の中に防火帯を常日ごろつくっておく。それで、万一この区画で発生したとしてもここで食いとめるという日常の対応策というのが非常に重要ではないかと思うのですが、そういう問題については、今現在日本の森林、特に国有林も民間も含めてですけれども、どういう形で防火帯をつくっているのか。万一発生したときには、発生するところは大概ハイキングコースとかそういうところがあるところだから大体わかると思うのですけれども、そういうところを想定しながら、どこで食いとめるか、そういう基本的な計画を立てて今実施しているのかどうかをお伺いしたいと思います。
○小澤政府委員 防火帯の御質問がございましたけれども、防火帯につきましては、民有杯の森林あるいはまた国有林におきまして設置をいたしております。 まず、民有林につきまして申し上げますと、これはやはり予防という視点から林野火災の予防対策事業というものの中で実行しておりまして、これは防火帯道という名称になっております。これは防火帯を兼ねてまたそこに車が入れるようにというようなことで、これは年間約四千メートルほど開設をいたしております。このほかに、これは防火帯道といった場合には、ある程度森林を伐開いたしまして車が入れるようにする、さらに道の両側に防火樹、つまり燃えにくい木というのがあるわけでございますけれども、防火用の樹木を植えていく、このようなものでございますけれども、これらのほかに造林事業あるいは治山事業、林道事業等を実施しますときに、防火線なりあるいは防火林でございますね、防火樹を植えるというようなものにつきましても配慮するように指導してまいっております。 それから、国有林につきましては、総延長で現在二千七百六十九キロメートルの防火線が設置されているわけでございます。これらは火災の危険地帯と申しますか、そのようなところの民有林と国有林の境目に防火線を設置いたしまして予防等に努めているということでございます。今後におきましても、危険性の高い地域におきましては、防火帯等の整備に努めてまいりたいと考えております。
○大畠分科員 今二千七百六十九キロメーターということで、大変長い防火帯をつくられたというのですが、その防火帯をつくってあったとしても、手入れが悪くて下草なんかが生えていたら防火帯にならないのですね。私も初めて山火事を見ましたけれども、上の方が燃えるのじゃなくて下草がだあっと燃えて、あっという間に走るのですね、火が走るというような感じで。 したがって、今いろいろな形でやっていると思うのですけれども、ぜひ防火帯に対する手入れをやっていただきたい。今あるものでも結構だし、また、今回の火災を契機に、全国的なそういう住宅地なんか近づいているところの防火帯をもう一回見直しながら、ぜひ手入れをしていただきたいということが一つであります。 それからもう一つは、森林に近づいている住宅地のところに、住宅地の周りにずっと防火帯をつくってほしいという声も今回出てきています。といいますのも、今回災害を免れた地域のところには、たまたま林道といいますか道路が走っているのですね。私も見てきましたけれども、ちょうど一間幅くらいの、車一台やっと通れるぐらいの道路ですが、そこで左側から来たのですが、草が燃えているのにこっちの方は全く燃えていない。約一間だけ、コンクリートみたいな舗装をされているから、まあ影響はありましたけれども、本当に一メーターの道が約一千戸の住宅街を救ったという実例を見てまいりました。そういう意味では、住宅街の近くの山林にはそういう防火帯みたいなものを設置すべきじゃないか、こう思ったのですが、いかがでしょうか、今後の検討になると思いますけれども。
○小澤政府委員 先ほど申し上げましたような防火帯道というようなことでも進めておりますし、また、その手法といたしましては、防火樹でございますが、サンゴジュとかヤマモモとかその他非常に火に強い樹木というものもございますから、いろいろな手法があると思いますので、私どもも今後防火帯道なり、あるいは防火樹の植え込みなり、その辺の工夫をしながら対応してまいりたいと考えております。
○大畠分科員 もう一つ、森林を保護するというのは非常に手間がかかります。人手がかかります。いろいろ今大変な状況だと思うのですが、今の子供たち、中学生、高等学校、大学生を初めとして森林愛護ボランティア隊みたいなものを組織して、山の中で働く。防火帯ですとか、あるいは下枝を切ったりなんかして非常に山をきれいにする、そういう労働を通じて働くことの大切さ、また自然のすばらしさというものを知る、そういう活動を全国的にも展開すべきじゃないかという感じが私はします。何も、お金を使って森林を整備していくということもこれは一つかもしれない。今の高校生、中学生、大学生もみんな含めて、非常に体験が少ないのですね。みんなペーパーテストは得意ですよ、ペーパーテストは得意ですけれども、山のすばらしさ、自然のすばらしさ、そういうものを体験しながら、また汗をかいて労働するすばらしさなんかも体験するためにも、そういう青少年の森林愛護隊みたいなボランティア組織をつくって、月一回ぐらいは一斉に山に入って山をきれいにする、そういう活動を展開すべきだと私は思うのですが、そういうものに対してはどういうふうに考えておられますか。
○小澤政府委員 この点につきましては、私どもも先生の御指摘のとおりだと思いますけれども、具体的な方法は広範囲に行っていく必要があると思います。 全国に緑の少年団組織等もございまして、こういうところで小さいときから森林に理解を持っていただこうというようなことも考えております。そのほか、これはことしの春から本格的にスタートさせようとしておりますけれども、森林インストラクターの養成という問題がございます。専門的に知識を持った人たちにそういう森林の扱い方についての指導をいろいろな面でやっていただくというようなこと、それから森林学習施設の整備というようなことも考えておるわけでございます。 それからなお、国有林野でございますけれども、これは全国の森林の三〇%を占めておりますし、ここを使いまして自然との触れ合いの場を整備していく、あるいは体験林業等の実施を行いまして、親しみを持ってもらう、あるいはこれがボランティア活動にもまたつながっていくというようにも考えております。 これらの施策を通じまして、森林の保全でございますとか森林の愛護思想の涵養に努めてまいりたいと考えております。
○大畠分科員 今回の日立の山火事で被災された方には大変心から残念だと思うのでありますけれども、この教訓を生かしながら、もう一回また森林というものに対する考えを新たにして、日本の森林を守っていく、そういう気概を持って、また接近している方々に対しても一生懸命防火関係については拡充をしていく、そういう体制をぜひお願いをしたいと思います。 それでは次に、農業問題について何点か御質問を申し上げたいと思います。 今この農業問題、非常にいろいろな課題がたくさん山積しております。全部を申し上げることはできませんけれども、今の農業の基本的な問題というものは、いわゆる最近の農業には将来像といいますか、それがなかなか見えない。それから農業の収入が他産業に比較して少ないですとか、あるいは農業の果たしている役割というのが国民の皆さんにもなかなか理解されてないのじゃないか。それから職業として農業という職業に非常に魅力がない、こういうものが現代農業に対する一般社会の方々の見ているところじゃないかなと思います。 それで、こういう状況でありますけれども、なぜこうなってしまったのか。ガットでもいろいろ言われていますけれども、日本が食糧政策はこういうふうにするのですという大方針を打ち出していないところに大問題があるのじゃないか。自然の流れに任せて対症療法をしている、それが今の日本の農業政策じゃないかと私は思うのですけれども、大臣、今の日本の農業政策の中で、なぜあれだけガットで押されなければならないのか。日本として食糧政策はこうするのです、ですからこういう方針のもとにはこういう農業政策が必要なのですということをきちっと私は諸外国にも物を申していくべきじゃないか。 例えば大臣も御存じだと思うのですけれども、カロリーの自給率でいいますと、アメリカ、ドイツ、フランス、イギリスともどんどん年々上昇させているのですね、一九七〇年から八五年にかけて、今もなっていると思うのですが、日本だけがダウンしているのですよ。私は、そこら辺に基本的な農業政策のポリシーが欠けているからこういうふうに諸外国から追い込まれて、どんどんなっているような感じがするのです。大臣、これからこの農業政策、そういう状況をどう、要するに、世界に対して日本の農業政策はこうしたいんですということを言っていかれるのか、ちょっと所信をお伺いしたいと思うのです。
○近藤国務大臣 大変大きな質問で、お答えがちょっと長くなり過ぎるようなきらいがありますけれども、ポイントだけお話を申し上げておきたいと思います。 戦後、急速な工業化社会で勤労者所得と農業所得との格差を価格政策で縮めようとして努力をした一時期がございます。そのことで逆に構造政策がおくれたという感じが否めない状態だろう、こう思うわけであります。その後、また農業に対しての魅力、所得の面もあれば作業上の面もいろいろありますけれども、まあ所得面を中心にして勤労者所得と農業所得との格差を縮めるための努力をいたしてきたところであります。近年、特に作業上における魅力というもの、いわば生活環境なり自分の住んでおる農村に対する魅力というようなものも、やはりこれからの後継者には大変大事なことだ、こう思っておるわけであります。 農産物が国際化になってきてから今日までの状況の中では、国際交渉をやると何か日本の農業が負けるんだというか、何というかだめになるんだという印象を与え過ぎたのではないか。私がたまたま四年ほど前に、米がRMAから提訴されたときに外国へ行ったとき、カナダだったと思うのですけれども、テレビを見ながら食べられるクリスマスオレンジというようなコマーシャルをやっておりました。よくよく見たらこれは日本のミカンであるなということに気づいて、これから農産物を海外に、これだけのいい品質のもので、価格は少し高いのですけれども、しかし品質においては世界一だと私は認識しているものですから、やはり安全性や品質を好む人は日本だけでなくて世界的におられるわけでありますから、量は大量に出なくても、高品質のものを海外に輸出をすることが大事だなと思って、農林水産省に当時お願いをして少しずつ予算を拡大をして、今日まで至っておるわけであります。 今日、ここまで来ると総合的に、やはりこれだけ食生活が変わってきて、残念ながら米の消費の減少にまだ歯どめがかかりませんし、あるいは肉食という傾向が強くなってきたということで、土地条件から飼料生産が外国に依存しなければならぬという状況が自給率を低くしておる一つの要因にもなっておるわけでありますから、この辺でひとつ農作業の面も農業所得の面も農村の生活の環境も、あるいは都市の人たちが空気や水や緑の価値観を改めて地球環境から今見出しておるときでありますから、農村の景観をよくするためにも、転作奨励の中に、いわば景観作物も今度奨励対象にさせていただいたりして、そういう関係で総合的にこれから農村に暮らしの夢と農業に対する魅力というようなものを持たせていくようなことの施策を進めたい、こう思って、きょうはむらづくり対策推進本部というものを設置をさせていただく予定になっております。
○大畠分科員 時間が来ましたのであれですけれども、もう一問だけ。 今大臣からお話がありましたように、農業は専守防衛だけじゃなくてもう打って出ていく、確かに日本にもいい作物があります、高くても海外で売れるという。茨城県でもナシですとかメロンですとかやっているのが非常に評判がいいということで、ぜひ積極的に打って出ていただきたい。 それからもう一つ。これは質問じゃありませんけれども、小さな話になりますが、今の国庫補助の話ですけれども、どうも目標に対して実際的に低い水準で推移している。そういう意味では、いろいろな事業がございますけれども、これをぜひ従来の、従来のといいますかこれまでの目標値、例えば国営のかんがい排水事業ですとかあるいはいろいろな事業がありますが、どうも目標値に対して実際五%から六%ぐらい低くなっていますので、そこらをぜひ現状等を見ながら、本当に農業が元気が出るように、そういう基盤整備の方に一生懸命頑張っていただきたいということを要望しまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○町村主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、筒井信隆君。
○筒井分科員 私は環日本海圏構想、こういう観点から、特に日本海側の海岸保全事業そして港湾整備事業、これらの問題についてお聞きしたいと思います。 まず最初に、環日本海圏構想について農水大臣から一言見解を賜りたいと思うのですが、今太平洋ベルト地帯が偏重されているという状況である。その結果、一極集中、大規模集中型の社会ができ上がってしまってきた。これを是正するためにも環日本海圏構想の必要性が出てきているのではないか。環日本海圏構想によって、これを実現することによって、国土の均衡ある発展とか小規模分散型の社会を実現する、このことが求められているというふうに考えます。 日本の、特に日本海側地方、ソ連の極東地域、中国の東北三省を中心とした地域、さらには韓国、北朝鮮という朝鮮半島、これらの地域において経済・文化的な交流をさらに進展させる、このことの必要性があって、そのためにはやはり海岸の保全事業あるいは港湾の整備事業、これが特に日本海側においても推進されるべきではないかというふうに考えておりますので、その環日本海圏構想について、農水大臣の見解を一言お聞きをしたいと思います。 〔町村主査代理退席、五十嵐主査代理着席〕
○近藤国務大臣 環日本海圏構想というのは日本の国内においても大事な構想だ、こう認識をいたしております。 戦後半世紀を迎える間に、体制が違う、それぞれ私ども日本海側に住む人間は対岸の国との交流が不十分だったというふうに理解をしておるわけでございます。今日の国際事情から見て、ソ連なり中国なり朝鮮半島と日本海側との交流については、少なくとも国内事情を見ただけでも、拠点的な中都市というようなものが育成されることは一極集中の排除にもまたなっていくことになりますし、国土のより均衡のある発展にも通じていくわけであります。 いずれにしても、政治的な意味合いからいっても経済的な意味合いからいっても、あらゆる角度からいっても非常に価値のある対岸との、いわば、私は新潟の者ですから対岸と言うのですけれども、対岸との交流というのは非常に大事な構想であろう、私はこう思っておるわけであります。そのための社会資本の充実は急がなければならない、そういう認識をいたしております。
○筒井分科員 環日本海圏構想の前提としてはいろいろな作業が必要かと思いますが、今大臣が言われましたように、日本海側における社会資本の整備、快適な海岸環境あるいはいろいろな被害を受けない海岸、こういうものが必要になってくると思います。 その点でまず、海岸の侵食とか高潮の被害を大きく受けるような現状、これがそのまま放置されていては、やはり環日本海圏構想の実現というのも完全に不可能になってしまう。そういう点で、まずこの海岸侵食と高潮被害について、これを防止するための海岸保全事業を少し具体的にお聞きしたいと思います。 現在、消波工とか防潮堤という海岸に接着する護岸施設だけではなくて、離岸堤とか人工リーフなど沖合から順次施設をつくって波の力を徐々に和らげる、こういう方法がなされているようでございまして、線的防護方式から面的事業方式へ今変わっているというふうにもお聞きしているわけでございますが、そういういろいろな措置、さらには飛沫防止のための植栽等を含めて、現在海岸侵食とか高潮被害防止のための海岸保全事業としてどのような方法で行われているのか、これを説明いただきたいと思います。
○葛城説明員 御説明いたします。 従来から実施されております工法といたしましては、ただいま先生が申されたとおりでございますが、堤防により波を防ぐことが主体でございました。その場合、コンクリートにより被覆された直立堤防を設置して、堤防の脚部には消波工と称するコンクリートブロックを設置して波に対処するという方法が一般的であります。 しかし、この工法は波に対する耐久性、海浜へのアプローチ、景観等の観点から見た場合改善すべき点が多く、近年におきましては、海岸の特性に応じ、沖合において波を消波させるための離岸堤または人工リーフ及びのり面の勾配が緩やかな緩傾斜堤やその護岸等の複数の施設を組み合わせることによりまして、複雑に作用する波浪等の外力を分散して受けとめ、施設の耐久性の向上を図り、あわせて景観、利用の観点での水準の向上等に資する面的防護方式を積極的に採用して事業を実施しております。
○筒井分科員 今言われましたいろいろな工法の中で、特に海岸に接着する施設以外、沖合につくる施設として離岸堤と人工リーフというものが説明されたわけですが、同じ目的でそれらの施設をつくっていると思うのですが、それが二つの代表的な方法でなされている。離岸堤と人工リーフそれぞれの特徴、どのような場所に適しているのか、それについての説明をいただきたいと思います。
○葛城説明員 御説明いたします。 離岸堤は、沖合に消波ブロックを設置して消波させるとともに、施設と陸域との間の砂の堆積を促進し、形成された砂州の消波効果によりまして海岸の保全を図る工法でございます。 人工リーフは、天然のサンゴ礁に消波効果があることに着目し、沖合に人工的に浅瀬をつくり波浪を低減させて、海岸の保全を図る工法でございます。 どちらの工法を選定すべきかは海岸の特性等を検討の上決めておりますが、一般的には侵食海岸におきましては、侵食を防止し、積極的に砂の堆積を期待する場合には離岸堤が多く用いられ、海岸侵食の防止を図り、景観や施設上面での小型船舶の通航等の利用に配慮する必要がある場合は人工リーフ等が多く用いられている現状でございます。
○筒井分科員 それぞれ効果が大きいというふうに私自身も聞いているのですが、ただ、離岸堤の場合には海流をとめてしまう、外観がよくないという問題点がある。同時にまた、効果も非常に大きいし砂がつきやすい事例が私の見ている範囲では多いわけです。それに対して人工リーフの方も効果が非常に大きいわけですが、ただ、海流をとめない、外観を悪くしないという長所を持っていると同時に、これも場所によって違うのかもしれませんが、砂がなかなかつきにくいという点があるのではないかというふうな感じも受けているわけです。 ただ、現時点としてこの二つの代表的な方法でなされていて、先ほどから申し上げておりますように、二つとも非常に効果が大きい。それぞれのいろいろな適性とか何かがあるわけでございますから、もちろんこの二つの方法が完全に理想的で、一〇〇%いいのだというふうにはおっしゃらないと思うのですけれども、これらの方法以外に第三の方法があるのかどうか、それらを研究されているのかどうか、されているとすればどういう方法を現時点で研究されているのか、それについて説明いただきたいと思います。
○葛城説明員 御説明いたします。 離岸堤あるいは人工リーフ以外の侵食対策工法といたしまして、現在私ども研究中あるいは実験的に施行中という工法につきまして、二点御説明をいたします。 まず一点は、ヘッドランド工法でございます。この工法は、人工的な岬という形で大規模な突堤を海岸に建設することにより砂の移動や流出を抑え、砂浜を安定させる工法でございます。これによりまして突堤の間に安定な砂浜が確保されることから、侵食対策とあわせて景観並びに砂浜の利用にも通した工法だと考えております。これにつきましては、現在建設省土木研究所または大学の研究機関等におきまして研究が進められておりまして、今後もこの効果を見ながら、有効であればなお一層各地でもこの工法を採択してまいりたいというふうに考えております。 次に、二点目でございますが、大規模な海域制御構造物でございます。沖合に構造物を設置する場合、水深が大きく、経済性、施工性の観点から離岸堤や人工リーフの採用が困難な海岸がございます。その場合、これらにかわります構造物の必要性が高まってきております。近年の海洋性レクリエーションのニーズの高まりから、さらに広範囲な静穏海域の確保についての要請が強まってきております。このため、沖合に大規模な構造物を設置して海岸の保全を図るとともに、広範囲な静穏海域を確保することを目的とした海域制御構造物について、昭和六十一年度から平成二年度までの間の五カ年間で研究を実施しておりまして、現在取りまとめ中でございます。今後この研究結果を踏まえまして、モデル海岸において施工性あるいは経済性、効果等につきまして現地調査を実施してまいりたいというふうに考えております。
○筒井分科員 今の点でちょっと一言確認したいのですが、海域制御構造物は今言われたように、まだ一部においても実用化されていない。ヘッドランド工法は一部において実用化されておりますね。
○葛城説明員 ヘッドランド工法につきましては、全国的には三カ所程度で現在実施されております。それから大規模な海域制御構造物につきましては、現在試験的に一海岸におきまして実施済みでございます。
○筒井分科員 高波被害、それから侵食被害の関係で、この二月十六日、十七日に非常な高波がありまして、私の方の地元であります新潟の糸魚川西頸城地方でも非常な被害を受けました。防波堤とか離岸堤はもちろん、漁船とか漁具、倉庫、これらが被害を受けただけではなくて、道路も鉄道も交通が不可能になった、大被害を受けたわけでございます。その場合に、離岸堤と人工リーフがあるところは被害がほとんどなかった、それがないところに被害が集中した、そういう結果になっております。 こういうふうに日本海側の海岸が高波のたびに被害を受けて道路も鉄道もとまってしまうという状況では、当初に申し上げましたような環日本海圏構想の実現どころか、多極分散型国土の形成も到底不可能である。やはり早急にこの地域においても離岸堤と人工リーフ、さらに今一部実用化あるいは実験段階に入りましたヘッドランド工法、海域制御構造物、これらによる海岸保全事業の完成をぜひしていただくよう要望するものでございます。 この地域に限ってで結構ですが、この二月十六日、十七日の被害の状況と今後の対応、具体的な事業計画の内容を簡単に説明いただきたいと思います。
○加藤説明員 お答えさせていただきます。 災害状況でございますが、平成三年二月十六日から十七日の低気圧の通過に伴いまして、異常な高波により新潟県沿岸の各地域にわたりまして被害が発生しまして、海岸施設の被害は、二月二十日現在の報告でございますが、新潟県内十五件、約四十一億二千七百万円という状況でございます。このうち糸魚川市及び西頸城郡では二件の二十二億五千万円の報告となっております。 特に、青海海岸につきましては、JR北陸線及び国道八号線への影響があるため、緊急を要する部分につきましては既に新潟県におきまして根固めブロック等応急工事を実施中でございます。 今回の被害箇所につきましては、現在県において復旧工法等について調査検討中でございまして、建設省におきましても再度災害防止が図られますよう指導してまいりたいと考えております。 また、災害査定につきましては、現地の準備ができ次第早急に実施し、早期復旧を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解をお願いいたします。
○筒井分科員 今建設省からお答えいただきましたけれども、農水省、運輸省の担当部門もあるものですから、同じものについて、簡単で結構ですが、お答えをいただきたいと思います。
○戸嶋説明員 新潟県南部の姫川港におきまして、今回の低気圧による冬季風浪によりましてかなりの被害が出ております。離岸堤を設置いたしましたために堆砂現象があり、幸い背後の集落には被害が比較的少なかったものの、港湾と離岸堤を含めまして、海岸施設を合わせて二十件、約二十六億円の災害が三月一日現在で報告されているところでございます。 災害復旧にかかわる今後の対応につきましては、現地の測量、復旧工法の検討、設計積算書等の関係書類が整い次第災害査定を実施し、復旧計画を策定した上で早急に復旧するように努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○京谷政府委員 御指摘の二月十六、十七日にかけての冬季風浪による漁港、海岸関係の新潟県の被害状況でございますが、県全体で、三月八日現在の報告額で二十二件、十六億三千四百万円であります。そのうち、御指摘の糸魚川、西頸城郡関係では十六件、八億二百万円でございますが、その中で海岸施設に限定をいたしますと、糸魚川の大和川漁港の海岸施設について、被害報告額三億八千万円という状況でございます。 災害査定なりこれからの復旧計画については、各省からお話し申し上げておるとおりでございます。
○筒井分科員 ぜひ早急な、高波被害に対する根本的な、抜本的な是正の措置、先ほど申し上げたいろいろな措置をとっていただきたい、そのことを要望して、次に海岸侵食についてお聞きをいたします。 特に、今言った糸魚川、西頸城地方に限らず、さらに柿崎地区に至るまで冬季波浪による海岸侵食が著しいわけでございまして、これは新潟県全体あるいは日本海側全体に同じような問題がございます。やはり当初に申し上げました環日本海圏構想の実現に向けては、こういう被害をほうっておくわけにはいかない、これもやはり先ほど言いましたようないろいろな方法によって早急に是正をしなければならないというふうに考えます。 そこで、西頸城の青海町から柿崎に至る海岸、特に途中の大潟町の被害が大きいようですが、この侵食の現状と今後の対応、具体的な事業計画の内容、これについて御説明をいただきたいと思います。
○葛城説明員 糸魚川市と西頸城郡の海岸域におきましては、現在建設省は六海岸で事業を実施してございます。主な工法は、離岸堤あるいは人工リーフの整備によります侵食対策でございます。 今後、当該海岸を長期的にどのように整備するかという問題でございますが、離岸堤または人工リーフ及び護岸を組み合わせました整備を行うことが望ましいと考えております。 その際、災害復旧に当たって、単に原形に復旧するのみならず、再度災害の防止を図る事業の実施も活用しながら当該海岸の整備を行うことで、県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○筒井分科員 先ほどちょっと申し上げましたように、特に大潟町、上越地区の侵食被害が大きいようでございまして、その上越地域において、先ほど説明いただきましたヘッドランド工法、それがおととしからですか着工されているようでございますが、これも非常に効果は大きいというふうに聞いておりますし、この促進をぜひしていただきたい、その点についてもう一言お答えをいただきたいと思います。
○葛城説明員 先ほども申し上げましたが、ヘッドランド工法はまだ研究の段階あるいは試行錯誤的に現地で事業を実施するという段階でございます。したがいまして、現在の事業の実施によります効果をよく見ながら今後やっていく必要があろうかと思います。 現在、全国的には三カ所実施をしておりますけれども、その事業の効果をよく分析しながら、今後どういうところに広げていくのかということについては研究してまいりたいというふうに考えております。
○筒井分科員 それを促進していただくと同時に、次に特に日本海側の港湾整備の点についてお聞きをしたいと思います。 運輸省の運輸白書でも述べられておりますが、「国土の均衡ある発展の観点からは多極分散型国土の形成を図るため国際港湾の地方展開、港湾相互のネットワークづくりが要請されており、これらの課題にも積極的に対応し、効率的な港湾の整備・運営を進めていくことが必要である。」 やはり多極分散型国土の形成あるいは環日本海圏構想、このために、こういうふうな方法も運輸省の方も出されているわけでございまして、この点について今運輸省の方、答えられれば答えていただきたいと思います。
○木本説明員 お答えいたします。 先生おっしゃられましたとおり、私ども、港湾整備を全国的に展開いたしておるわけでございますけれども、国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成も港湾整備の大きな一つの柱といたしておりまして、平成三年度から始まります第八次の港湾整備五カ年計画におきましても、国土の均衡ある発展を港湾整備の大きな柱の重点事項として掲げて整備いたすことといたしております。
○筒井分科員 それで、そういうふうな観点から具体的に港湾改修事業あるいは港湾海岸保全事業、これは先ほどと関連するわけですが、海岸環境整備事業、これも先ほどの質問と関連するわけですが、これらの事業の進捗の程度等を直江津港と姫川港に関して具体的に説明をいただきたいと思います。さらに、これからこの直江津港と姫川港をどういうふうに整備されるか、その具体的な事業計画も含めて説明をいただきたいと思います。
○戸嶋説明員 海岸についてお答えいたします。 直江津港海岸が非常に侵食傾向にあるということは十分承知しておりまして、従来より護岸、離岸堤等の海岸施設を整備してきております。侵食対策とあわせまして、現在海岸の利用をも増進するために、海岸環境整備事業ということでビーチ等の整備を実施しておるところでございます。平成二年度に完了する予定でございます。 また、姫川港海岸につきましては、海底が急峻でありまして、さらに侵食傾向が強いということを十分認識しておりまして、このため、同様の事業をやってきておるところでございます。 今後につきましては、より粘り強い防護方式を実施するとともに、海岸の利用をも図れるような施設整備を実施するため、ふるさと海岸整備モデル事業を平成二年度より実施しておるところでございます。
○木本説明員 直江津港と姫川港の港湾整備について御説明申し上げます。 直江津港でございますが、御承知のとおり、日本海沿岸の拠点の一つとして、物資流通の機能だとかあるいは佐渡を結ぶ海上交通、特に昨年の夏には北海道を結ぶ旅客フェリーも就航いたしておりまして、そういった海上旅客交通の拠点として、直江津港というのは非常に重要な役割を果たしておるわけでございます。 港湾の整備につきましては、昭和五十五年に改定されました港湾計画に基づきまして、東埠頭地区、石油埠頭地区、漁港地区などにおいて防波堤だとか岸壁、臨港道路、緑地等の整備を促進してまいったところでございますが、ほぼ概成の段階に至っておりまして、港湾取り扱い貨物量も三百万トンに近い取り扱いを達成しておるということで、港勢も着実に発展しておる、こういう状況でございます。 それで、今後の港湾整備の方向につきまして、港湾管理者である新潟県において、先生おっしゃいましたいろいろな経済社会情勢の動向も踏まえて現在いろいろ検討されておるやに聞いておりまして、運輸省といたしましては、そういった新しい港湾計画の策定を含め、引き続きまして、日本海沿岸の拠点港として重要港湾直江津港の整備促進に積極的に支援してまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、地方港湾の姫川港でございますが、姫川港も糸魚川周辺の地場産業の経済活動の物資流通の窓口として非常に大きな役割を果たしておるわけですけれども、現在港内の静穏度、港内が波立たないような静穏度の確保あるいは港に入出港します船舶の安全性の向上を目指しまして、沖防波堤の整備に鋭意取り組んでおりまして、今後ともこういった港の安全確保の整備に力を入れて取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
○筒井分科員 時間が来ましたので、以上で終わります。 ありがとうございました。
○五十嵐主査代理 これにて筒井信隆君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 大臣は、佐渡はちょっとどうかわかりませんけれども、とにかく選挙区は米づくりの場所ですから、特別関心が多いだろうと思います。 長い時間がたっていますから、なるべく簡明に質問してまいりたいと思います。 一つは、関東とか大阪方面なんですが、大臣、どうですか。関東、この辺の地下水は、昔は五、六メートル掘れば水が出てきたわけですが、今は三十メートルぐらいまでだんだん下がっていっているという現状。これは何を物語るのかということが一つあるわけです。 私は、今結論的な質問を言えば、冬の水路に水を呼び込むといいますか、現在の乾燥、花粉病、それから緑のために、そしてまた魚やその他の生物のために、同時にまたある程度の潤いを保持する、そして、あと地下水の補給を図っていく、言うならこういう多目的に、冬の水路という水路に一定の水を蓄えていく。佐渡も同じだと思うのです。ただ流すだけが能じゃなくて、これからは水をある程度蓄えていくという時期を迎えていると思うのですね。そして、冬は五、六十センチ以上の水を蓄えておけば、火災のときには消防車は緊急の消防の用に足せる効果もある。 そういうことで、私も何年もやってきましたが、そういう経験から考えて、冬の期間に水を水路にある程度蓄えていくというこの手法は、建設省にも来てもらっていますが、建設省は嫌だ嫌だと言っているんだろうと思うのですが、そんな根性じゃしょうがないのでありまして、日本の国土のためなんですから、冬は特に用水に使わないのですから、そこにある一定の水を供給して、今言ったような目的に沿うような対応をとっていくということが、日本も、ただ水を流すだけではだめだ。その水をどうやって蓄えながら、やはり地下資源の問題を含めて、保存をしながら、またこれを淡水化プラントなんかにしようものならべらぼうな金がかかるわけですから、それをなるべく時期をおくらせることが可能なように、慎重なやり方をしなければならぬと思うのですね。 これは大臣、今の質問などを考えながら、細かいことは事務当局、簡潔に言ってください。名答弁は必ずしも長きにあらず、こういう言葉がありますけれども、お願いします。
○近藤国務大臣 お答えいたします。 先生御指摘のように、水は農業生産に使うことはもちろんでありますけれども、多面的に、有効的に使うというのが、今水資源というものの大切な時期であろう、こう思っております。当然のことながら、防火用水なり、あるいは自然環境のために水を冬季間であろうと流しておくということも一つの考え方であろうと思いますし、また、多面的に使うという立場からでもそのような方向で検討をしてみたい、こう思っております。
○沢田分科員 今の大臣の答弁では、ちょっと歯ごたえがあってなきがごときものなんですが、建設省はそういう要請があれば供給をしてくれますか。
○松原説明員 豊かさでございますとか、あるいは潤い、ゆとり、そういったものを求めます国民の意識の高まりの中で、水に対しましても、新しい環境ですとか、あるいはレクリエーションでございますとか、先生御指摘の自然保全でございますとか、そういったさまざまな役割が見直されてきていることは、私ども重々承知いたしておるところでございます。 関東平野におきましては、主要な河川につきましては先生御存じのとおり、既に目いっぱい水利権が張りついておりまして、今後新しい水利権を設定するということになりますと、水資源の新たな開発でございますとか、あるいは既存の用水の合理化でございますとか、そういったものがまず前提となるわけでございますが、さらにそれに加えまして、昨年の渇水でも見られますように、上水道を含めまして、まだ十分な水源手当てができておらない需要量がございますので、そういったものとの兼ね合いで十分に水利用の必要性あるいは公共性をチェックすることが必要となろうかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、地域の実情に応じまして、水が果たす多様な役割ということを十分念頭に置きまして水利行政を進めてまいりたい、このように考えております。
○沢田分科員 今東京都民は、普通冬と夏で一日どの程度水の使用量に差があるか、知っていますか。
○松原説明員 具体的な数値はちょっと持ち合わせておりませんけれども、従前はどちらかといいますと夏に水利用が集中するという形でございましたが、最近ライフスタイルがかなりかわってまいりまして、冬の水利用が夏の水利用にかなり近い形に、上水道を含めました都市用水の面ではなっているというふうに承知をいたしております。
○沢田分科員 これはアメリカあたりでは五百リッター、日本では大体三百五十ぐらいが相場になっているわけですね。しかし夏は、今は冬でもありますけれども、プールもあればシャワーもあるということで、やはり夏と冬、百リッターぐらいの違いは出てきているわけです。あなたは同じだと言っているけれども、やはり夏は多く使っていますよ。その分だけでも冬の期間——そう言うだろうと思っていたのです。自分の領域は、人が迷惑したって建設省は金でも水でも出そうとしないんだよ。てめえの領域だけは何としてもがんじがらめにとっておこうなんて、そういう根性じゃ日本全体がだめなんです。 例えば見沼にしたって、もともとは冬も水があったんだよ。だけれども、いつの間にか建設省に押し切られて、そして要らないなんて農林省が言うものだから、それで今は来なくなった。これは大臣もよく覚えておいてくださいよ。そういう経過があって、今日用水が水資源に取られてしまって、今度は、もともと自分のものまで金出さなくてはもらえない。これは、言うならイラクみたいなものだね。それで結果的には、そのときにはだめだ、こういうような形になってしまうので、建設省もその考えを改めて、今言ったように、飲むことも大切だけれども、地下資源の水がどんどん下がっていくということもこれは大変なんです。砂漠化なんだから、いわゆる関東の砂漠化が進んでいるということなんだから。てめえのところの金もうけだけがすべてじゃなくて、埼玉、東京、千葉、神奈川という関東の全体の問題としてとらえて、これは関東だけじゃないですよ。恐らく日本全部そういうふうになっていくだろうと思う。 そういう状況の中で、ひとつ農林大臣も今のような中途半端な答えじゃなくて、一つそれはやりましょう、冬に水はある程度の限界があるでしょうけれども、とりあえずとにかくどこかで試験的にやってみましょう、全部やれとは私言いませんから、部分的にやってみたらどうかと思うのです。そうすれば湿度も幾らか高くなる、あるいは温暖化も幾らか消えるかもしれぬ。そういういろいろな効果を考えて、試験的にでもいいから何河川かやってみるということが必要ではないのか。そのくらいは協力しなさいよ。大臣、どうですか。
○近藤国務大臣 社会的情勢、いろいろな変化を考えて、私も必要性を認めておりますので、その意味での検討ということでございますが、またケース・バイ・ケースということもありますし、関係地域とよく相談して、また建設省とも相談をしなければなりませんし、水利権というのは大変重い権限でございますので、その辺と相談をして私はやってみたいという気持ちで検討したい、こういうことを申し上げたわけであります。
○沢田分科員 非常に適切な答弁をいただいてありがとうございます。ただ、建設省は前からけちだから、そういう答弁に応じてなかなか金出さない、水は出さない、舌も出さないということになるんだと思うんで、今あなたどうかわからぬけれども、今の大臣の決意に恥をかかせないためにも、ここで——ある程度そういうことの必要性は認めるでしょう、社会的なこういう必要性は。必要性はあなたはわからない。認めるでしょう。どうです。
○松原説明員 私ども、そういったものに対します皆様方のニーズが非常に高まってきておるということは十分承知いたしております。ただ、先ほどの繰り返しになりますが、上水道、飲み水の面でまだ不足分がございますので、それらとの兼ね合いというような観点からさらなる検討が必要ではないか、このように考えておるわけでございますが、もちろんそういったものを全く度外視して、これから先の水利行政が進められることではないということは十分承知いたしておりますので、今後また各方面とも御相談をしながら研究をしてまいりたい、このように考えております。
○沢田分科員 あなた、大臣じゃないんだからね。こっちは大臣なんだよ。大臣がそれはやろうと言っておるんだから。必要なら相談じゃなくて、いや、大臣の意図を受けて最善の努力を尽くします、そのくらいな答弁が、あなたの身分じゃその程度じゃないのかね。相談するなんというのは対等な言葉だ、それは。大臣からそう言われているんだから、それはもう私の方は最善の努力を尽くしますと言うのがあなたの答弁じゃない。少し無礼だよ、それは、大臣に対して。首を下げたってだめなんだ。もう一回そこで言ってください。
○松原説明員 恐縮でございます。十分に農水省と御相談をさせていただきたい、このように思っております。
○沢田分科員 そういう心がけをしないと偉くなれないよ。 次に、米の問題ですが、大臣、今九十億を出したばっかりなんですが、今余剰米二百万トンぐらいじゃないかと思うんですが、いかがですか。これは事務当局かな。
○浜口政府委員 先生御案内のように、今どのぐらいの余剰米があるかというお話でございますが、実は過去の中で生産調整を強くやっていかなきゃいけないというときにおいては、潜在能力に対して政府の保有米なり現状のものが相当あるだろう、まあ三百万トンとかそういうことは言われたわけでございますが、これは数年前の水田農業確立対策ということで七十七万ヘクタールの調整をやっております。さらに……(沢田分科員「いいよ、結論だけ言ってください」と呼ぶ)今のところでは、先生のお話のような余剰米という形はないと見ていいと思います。 生産調整が的確に進んでおりまして、政府の在庫だけで、数字だけ申させていただきますと、おととしのベースで百四十七万トンの在庫があったのですが、今この在庫が九十五万トンまで減っておりまして、そういう意味ではいわゆる過去にいろいろ財政的に御迷惑をかけました余剰米という姿にはなっておりません。適切な持ち越し数量だろう、そういうふうに思っているわけでございます。
○沢田分科員 細かいあなたの方の予算でも一兆六千億だね。米の管理の必要としている金が一兆六千億ある。これがもしゼロになるとすれば、もう九十億ドルは出ていっちゃうという計算にもなる。そのくらいじゃないかな、全部。一兆ぐらいあったと思ったがね。
○浜口政府委員 先生おっしゃるように、食管予算で一番ピークのときは、大ざっぱに言って一兆円といった時代があります。ただ、これは年々先ほどのような生産調整を一方でやりまして、それから米価の順ざやという状況になっておりますので、今の段階では約二千億から三千億ということで考えていただいてよろしいんじゃないかと思います。
○沢田分科員 それでも要すれば減反、まあ減反の問題はこれから触れますが、そういう百九十万でも九十万トンでも農家の方もある程度留保していますから、実際はやっぱり二百万トン近いものが僕は全国的にはあるんだろう。ただ国の買い入れが抑えられてきたから、それによって結果的には農家に眠っておる。こういうことの違いはあっても全体は変わらぬと私は思いますが、私の言おうとしていることは、この九十億ドルの後を追って、今困っている難民なりあるいは飢えで非常に苦しい状況に置かれている南アフリカだとかあるいは中近東を含めて、そういう国々にこれは送ってあげたらいい。金で送るというよりも物で送って、減反をやめた方がよりこれはプラスであるというふうに思うのですね。金で送るということは金でそのまま行っちまうわけですから、結果的にこれは国内の生産にも何にもプラスにならない、しかしそれを物で送るということになれば、それはやはり生産意欲を向上させるということになるわけですから、大臣、もし幾らかでもあったら、ここは我々も忍んでやはりお米を出してやるということが必要だと思います。これはもうイエスかノーかの答えですから、お願いいたします。
○近藤国務大臣 これはなかなかイエスかノーかじゃ言いにくいのですが、今現在も十三万トンくらい援助米を送っておるわけでありますけれども、これもまたタイを中心にして米を送っておるわけでありまして、米を援助するという立場では、もちろん内外価格差というのが非常に大きくて、外国は今四、五万円、そして日本は三十万円という内外価格差が非常にありますし、また援助をするといってもそこに米を売却している国も実はございまして、そことのまた摩擦も起きたり、また必ずしも日本の米がそこの国に喜ばれるかどうかという、そういうことを総合的に考えると、なかなか財政的な大変な大きな費用もかかるということを考えたら、今の段階で日本で減反をやめて米を生産して援助米に回すということは無理だ、こう判断をせざるを得ない、こう思っております。
○沢田分科員 私は金で九十億ドル出すよりも、たとえ損してもそこで生産をしていくという人間がいるということだけでも、言うならばその方が転業したりなんかすることよりはプラスであるというふうに思います。 もう一つ、これは大臣に申し上げておきます。今の産業構造は、第一次産業が三百四十万くらいですね、第二次産業が千三百万くらいですね、第三次産業が三千三百万人という人口ですね。これをこれからこのままいったら、日本は第三次産業、消費国家になっちゃう。生産なき消費というのはこれは国が滅びるということですね。ですから、減反をしないでやはり生産をしながら、差額があっても時によればそれを良質米で、そして値段も安くつくれるように、これは保護主義だけでなくてそういう切磋琢磨をしなければいかぬですが、それでもそうやって飢えで死んでいる人がいるんですから、それはそういうところへやはり損得勘定でなくてやっていくということが必要な配慮だと思うんですね。ただ大臣は、米勘定じゃ損だからやめた方がいい、こういうことを今言っているけれども、生きるか死ぬかという人間には損得はないんですね。損得はないんですよ。我々はこう優雅に今生活していますが、死のうとしている人にはその米の一粒が大変な力になるわけですね。ですから、そういう意味において私はそういう国に配慮していただくということで、ODAばかりがすべてじゃないというふうに思いますので、これはぜひ損しても送るということで、昔送ったときは、前に余剰米を送ったときも五万円だったんですよね。それでべらぼうに損をして送ったわけですね。しかし、だからといってやめてしまうということもこれもやはり死に金になりますから、生きた金を使うという意味で、私は出していただいた方がいい、こういうふうに思います。 これもイエスかノーで答えられないんだろうが、努力する、こう言っておいてください。
○近藤国務大臣 御期待にこたえる答えができませんのでありますが、先生、今ガットで輸出補助金について我が国では指摘をしておるところでありますが、これは一つの輸出補助金と同じような形になっていくわけでありまして、三十万円の米を五万円で援助するということは、差額はいわば輸出補助金につながっていくわけでございますし、むしろ損をしても援助しなければならぬことはしなければなりませんけれども、損は少なくする方がよりいいわけでありますから、同じお金なら向こうが好まれる米を買って、そして援助してやるということの方がもっといいかと思うし、もう一つは転作のところで、余剰の米をつくるというよりは、自給率が低いわけですからむしろ他の作物をもっと積極的に農業経営として取り入れてもらうという形の方に努力をさせていただきたい、こう考えております。
○沢田分科員 減反のマイナスのことはここではきょうは時間的にできません。ただ、大臣も知っているでしょうが、こう大勢いる中の一カ所を減反しますと、雑草は風によってうんと飛びまして一町に及ぶ雑草をまき散らすわけです。用水も、そこ一つだけ埋め立てられただけで、今までの水じゃなく三倍の水を送らなければ隣の敷地に行かないということもあるわけです。これは大臣も地元ですからわかっているはずです。ですから、そういう虫食いの減反がいかにマイナスが大きいかということもわかっていると思うのですね。首を縦に振っているからわかっているということで、次に行きますが、そういう減反はやはりやめた方がいいということだけは言えるんだろうと思うのです。だから、そのことは一応念を押しておきます。 それから、藩閥政治の名残みたいに、北海道はまずい米を食え、東京もまずい米を食っていろ、埼玉もおまえのところは生産が少ないからまずい米を食っていろ、これもよくないと思うのです。外国の米がいいとか悪いとかの問題よりも、まず国内の流通が、平等に食べられて、新潟の米が自由に入る、あるいは宮城の米が自由に入るというふうに、まず国内の国民生活の水準を平均に保つということが必要だろうと思うのです。 大臣、奥さんが米を十キロで買うか五キロで買うかわからないけれども、東京へ来ているから五キロぐらいしか買わないんじゃないかと思うのですが、送ってもらっているからなおわからないかもしれぬけれども、今大体幾らぐらいだと思っていますか、食べているのは。
○近藤国務大臣 私は、自分のうちが農業ですので自家用米を食べておるわけでありますので、一般市場では十キロ、最高で、私のところの新潟コシヒカリで大体六千円ぐらいじゃないか、こう思っております。
○沢田分科員 標準米は三千八百円ですね。普通、一般の庶民は五キロを買うんだ。六千円、そうすると、どうしたって三千円の米を食べなくちゃならない。これはエンゲル係数の上においても大変なんです。だから大臣のところで契約して、松永さんと私が契約して、今度はそこからだけ送ってもらうということにすれば、これは食管法違反にもならない、こういうことになるのです。そういうことで、それを、そのぐらいなことが法律違反になるという、こういうやり方で今日あっていいわけがないですね。 ですから、やはり国内については、少なくとも安くていいお米が食べられるというのが大臣の仕事だと思う。だから私は、新潟だとか宮城なんかは減反をする必要はないと思うのです。いい米はどんどんつくった方がいいと思うのです。それで、五類の米をつくっているところについては、もし送れないというのなら、これはやむを得ないから減反の対象にする。いい米どころを、藩閥政治じゃないけれども、おまえのところも何%、おまえのところも何%というのは、これは愚ですよ。ばかな話ですよ。いい米はいい米でつくらせた方がいいと思う。これは意見だけ言っておきます。 ただ、そういうことで、まずいところの米はしようがないからなくしていくとしても、大きいところの米は育てていく。そうすればまたそこもうまい米をつくるように努力するのですから、今度は違った種を持ってきてもっとうまい米をつくるかもしれないのですから。そういうことで、全国的な一つの国民生活の平等性、東京の人やあるいは北海道の人や埼玉や千葉の人がまずい米を食わなくちゃならぬという差別をなくしてもらいたい。これは農林省、しっかり頑張ってもらいたい。大臣も首を縦に振っているんだから。部下もそうだね、あなたも大丈夫だろうね。大臣が言っても聞かない省もあるから、聞いてくれるかどうか、一応答えておいてください。
○浜口政府委員 現実の米の流通でございますが、昨年、農政審の報告を受けまして価格形成機構というものをつくらせていただいたわけでございます。ここで東京と大阪で入札制度をやっているということでございまして、この点から、御賢察のとおり、現在米全体は全国的な流通をしております。 ただ、価格の問題と味の問題というのはなかなか微妙でございまして、政府の場合において、先ほど大臣からお話がありましたように、上は六千円とか、下は三千円というのがございますけれども、価格に比例した部分というのがあるわけでございまして、日本の米は、例えば北海道、委員長のところはそれこそ五類でございますけれども、それはそういう形に実際なっておりますが、それ自体も用途がございます。そういう意味で、適正な価格のもとで流通するように努力をしてまいりたいと思っておりますが、現実の価格形成の場はそういう形でございます。
○沢田分科員 だから、本土は本土で一つあるのですが、北海道とか九州、四国とかというところには、島国だから流通の問題とか運搬とかという問題があるから、それはそれなりの特殊性というものを考えなければならぬし、あれだけの大きな広野の中でやっているわけですから、それはそれなりにこれからの研究も必要ですし、また努力も必要だろう。そう一律に私の意見が通じない。しかし、おいしい米を食べたいという者はなくはないんですから、そういう期待にこたえていくということ、またそういうものをつくっていく努力をしていかなければならぬという論理だけは間違いのないことだろうと思う。これは、委員長席にいるから、沢田が言っていてそのまま納得していたんじゃだめだなんて後で地元で言われてはかわいそうだから、私はあえてそういうふうに申し上げておきます。 大体終わりますが、最後に、松くい虫の状況が、私から見ればだんだん北上しているような気がしてなりません。このままでは日本の松は全部なくなっちゃうのかなという気もしなくはありませんので、現況と対応をお答えいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○小澤政府委員 先生がただいま御質問の松くい虫の被害の現状をまず申し上げますと、松くい虫被害につきましては、私ども松くい虫被害対策特別措置法等に基づき、各種対策を総合的に推進してまいりましたが、その結果、昭和五十四年度の年間被害量二百四十三万立方というのがピークでございます。その後は年々減少いたしまして、平成元年度には九十一万立方となっております。しかしながら、地域も移動しておる、そういう状況がございますし、なお相当な被害の発生を見ているところでございます。 このため、引き続き、地域の自主的な取り組みの促進を図りながら、松林の機能、被害の態様に応じました総合的な被害対策を講ずることといたしております。 具体的な対策でございますけれども、まず被害の先端地域につきましては、特別防除でございますとかあるいは特別伐倒駆除等の防除対策を徹底して被害区域の拡大防止を図るということを考えております。 なお、既往の、既に被害を受けました地域でございますけれども、特に保全すべき松林につきましての防除を徹底していく、同時に、周辺の被害松林につきまして感染源の除去を図るというような対策を講じてまいっているところでございます。 そのようなことで、これらの対策を総合的に推進いたしまして、保全対策に資してまいりたいと考えております。
○沢田分科員 私には、もう心配ありませんというのか、まだうんと心配があるというのか、その辺のことを答えてもらえば、細かいことは要らないですよ。
○小澤政府委員 まだ、この被害問題につきましては今後も対策に努力をしてまいらなければいけないというように考えております。
○沢田分科員 わかりました。終わります。
○五十嵐主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ────◇───── 午後二時三十分開議
○町村主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)分科員 私もまた久しぶりに国会へ帰ってまいったわけでございますが、私の地元に「米のことしか知らない米屋」という看板を上げたお米屋さんがございます。私も国会へ帰ってまいりましたら、必ず一回はこのお米屋さんのことをしゃべりたくなってくるわけでございます。 と申しますのは、米というのは、これはどの立場から見ましても大事なものでございまして、日本の古い文化生活の中でのお米は私たちに欠かすことのできない食糧でございます。「私米をつくる人、あなた米を食べる人」だけじゃなくて、つくられたお米を流通の機構を通じまして消費者の皆さんの台所に届け、その食生活に供せられておるわけでございます。この流通段階というのは、つくる側とともに、非常に大事な役目を果たしておるのじゃないかと思うのであります。 そこで、もうかれこれ物価統制令が廃止されて久しいことでございます。そして配給チケットというのがなくても、どこのレストランに飛び込んでも食事ができる。うどん屋や飯屋に飛び込めばうどんや飯を食することができる。こういうことで、いつの間にやらお米というものが自由な価格によって自由に販売されておるものだ、こういう意識が非常に強く蔓延しておるのではないかと思うのであります。そこに大きな違いがございまして、長い間のいわゆるお米屋さんの御苦労というのは、他の食品を扱っておられる方以上に大変御苦労いただいておるのではないかというように私は思うわけでございます。 そういうことで、お米屋さんのことにつきましては、食糧管理法に基づきまして正規の流通経路をたどって米が流れている、そういう制度が確固としてあるわけでございますが、いまだに不正規流通というのが現実に現存するわけでございます。米の流通改善大綱に基づきまして、一応昭和六十三年にはこれを一掃する形で大改善をされました。営業所、特定営業所、販売所等々で、今までいわば不正規流通で米を売っておった人たちも、正規の方に今度取り入れて大改善をやったわけでございますが、今そのような不正規流通というものは完全になくなっておるとお考えであるかどうかということを、まず一つお聞かせ願いたいと思うのです。
○浜口政府委員 ただいま先生御指摘の流通の問題でございますが、食管制度におきまして、約三百万の農家の方がつくっておられますが、その問題もさることながら、流通問題というのは極めて重要でございまして、先生御指摘のように、特定のルートを指定いたしまして、その間円滑に消費者の方々の手に渡るということで食管法は運用されているわけでございます。 まず、結論的に申し上げまして、不正規流通があるのか、もう根絶したのかという御指摘でございますが、現実に数字的に申し上げますと、小売の末端の段階が約九万二千の業者の方がいらっしゃるわけでございます、いわゆるお米屋さんを主体にしておりますが。それで、私ども調査をしております一番最近の時点におきまして、不正規流通と目される人たちの数字は三千七百程度全国にいるわけでございます。そういう意味で、先生御指摘のところ、私ども六十三年の流通改善大綱をもちましてリストアップをいたしまして、特に五十七年の法律改正以降こういう方たちを取り込みながら、正規にできるものはくみ上げ、きちっと厳正にやってまいりましたけれども、まだ三ないし四%の不正規流通を見ている。いわば逆から申しますと、根絶できていない状況でございます。これに対しまして、六十三年の一斉新規参入という一つのピーク、流通改善対策を行いましたが、平成元年の十一月におきましても、今までいろいろ通達等ございましたものを一本化いたしまして、正規の流通の方々が割を食うようなことがないように、きちっと正規なルートで営業されるようにという意味におきまして、不正規流通の対策の通達を出したところでございますが、私ども食糧庁のみならず、関係者と協力をいたしまして、この不正規流通対策を今後とも進めていく所存でございます。
○和田(貞)分科員 今お示しいただきました小売の販売店は九万二千と言われましたが、この九万二千の中に三千七百の不正規流通の業者がおるということですか。
○浜口政府委員 その数字は外数でございます。九万二千が正規の営業所等々の数でございまして、その外に、私どもの調査によりますと、平成三年一月一日現在、全国的にそういったものが調査されているという数字でございます。
○和田(貞)分科員 その際に、卸の新規参入業者というのは幾らふえたのですか。
○浜口政府委員 卸全体で現在二百八十三ありますが、もちろんその中から卸を廃業されるという方もありますが、兵庫を初めといたしまして、今のところ正規でプラスになりましたものが大体全国で六という数字でございます。
○和田(貞)分科員 お話をお聞きいたしますと、九万二千の正規の流通業者に対して、今なお三ないし四%の不正規流通業者がある。これは、せっかく三年前に大なたを振るって改善を進めておったにもかかわらず、今日まだあるということですが、この三年前に大なたを振るったとき、そのときにはゼロだったのですか。そのときにはまだ残っておったのですか。新規参入で解決しておらないのですか。
○浜口政府委員 六十三年現在におきましては、今申し上げましたように、流通大綱で約三千五百の新規を認めたわけでございます。ただこのときにおきます、いわゆるその段階においての不正規の数は、概略の数字でございますけれども、約一万程度ありまして、そういったものをいろいろ説得いたしまして、やめていただく等々の措置をとりつつ、先生御指摘のように、一部新規参入という形で営業所等認めたところもございますけれども、いわゆる不正規流通は、今の数字よりも大きい数字があったわけでございます。
○和田(貞)分科員 この自主流通米が今日的な日本人の食生活では非常にウエートが高くなっておると思いますが、しかし、それだけではなくて、やはり標準価格米を召し上がっておられる家庭も現実にあるわけですから、そのような家庭のために正規の流通業者が頑張っておられるのですが、いいところだけを不正規流通業者に抜き取られていってしまったら、まじめな正規の流通業者がたまったものではないわけなのですね。だから、せっかく大なたを振るったにもかかわらず、なお三千七百の不正規の流通業者があるということ、これはまことにけしからぬと思うわけでございますので、これはひとつ食糧事務所が地域で大きな指揮をして、各府県の協力を願って、早急に不正規流通業者の完全な解消のために、そして正規の流通業が確立することができるように、ぜひともひとつ早急にお願いしたい、こういうふうに思うのですが、どうですか。
○浜口政府委員 御指摘のとおり、お米を中心にいたします食管法が対象にしております主要食糧につきましては、昭和四十四年のときに、自主流通米のルートというものが流れておりますけれども、今先生御指摘の標準価格米を中心とする政府米のルートと多様なルート、多様な嗜好に対応する自主流通米のルートは、ともにこれは政府管掌米として食管制度のもとに置かれているものでございます。これにつきましては、約六百万トン程度のものが消費者の方に流れておるわけでございますが、先生御指摘のように、不正規流通米、不正規流通業者というものがあることは、現下正規の営業者の方々にとっては極めて遺憾なことでもありますし、正規の営業の許可を都道府県からもらわれて対応するについて問題があるというふうに私ども十分承知しております。 これにつきましては、先ほども触れましたけれども、六十三年に一斉更新という制度的な対応もいたしましたけれども、やはり食糧事務所を中心にいたしまして、府県の方々とも協力をし、この根絶に向けてさらに努力をしていかなければいけないというふうに考えております。これについては、具体的な、そういういわゆる不正規流通のところは由緒のある米が流れておるわけではございません。例えば不正規で問題になっておりますような、いろいろな名前のとおりのものが流れていないということで保証できないわけでございますので、そういう意味におきましても、消費者のためにも、不正規流通の業界の根絶に向けて食糧庁及び都道府県協力をしてやるように努力をしてまいりたいと思っております。
○和田(貞)分科員 ぜひともひとつ早急にその一掃をして流通秩序の確立のために努力してほしいと思います。 なお、ことしの六月は許可の一斉更新の年でございます。既存の正規流通業者の心配をしておるのは、従来の慣例に沿った許可の一斉更新であるのかどうか。すなわち、現在許可をとっておる者だけを更新するという、そういう方針、これがことしも貫かれるのかどうかということを心配しているのですが、この機会に明らかにしていただきたいと思います。
○浜口政府委員 先生お尋ねの点は、先生のおっしゃるとおりでございます。五十七年に改正法ができまして三年ごとに一斉更新をなされているわけでございます。この一斉更新の問題につきましては、それぞれ許可申請者に対する講習会の開催とかあるいは許可証の交付式、セレモニーでございますけれども、そういうことを特に行いまして、正規の現在許可を受けておられる方の自覚と申しますか、あるいは研修といいますか、そういうことをやろうということで、今回の更新においては新機軸を出したいというふうに思っているところでございます。基本の考え方といたしまして、前回、前二回に引き続きまして、従来の許可を受け取っておられる方、その方々に一斉の更新をする。もちろん欠格条項というものがございますので、この三年ごとの見直しというのがチャンスではございます。例えば不正規流通の人をどういうふうにするのか、許可を受けている方で不正規のことをやられた方をどうするのかという問題もございますけれども、先ほど六十三年のときの新規更新の議論がございましたが、それとは今回は関係ございません。あくまでも九万二千件に上ります許可を受けている方に対しまして、新たな三年間の許可を与えるということで、現在、その方式等々関係者と十分相談中でございます。
○和田(貞)分科員 そうでなくても不正規流通業者によって非常に商売が荒らされているわけですから、安易にその機会をとらえて不正規流通業者を新規参入させるというようなことを繰り返しますと、悪いことをしたら得だ、こういうことになるので、取り締まりというのは、やはりそういう不正規流通業者を商売させないようにしむけていく、営業をさせないようにしむけていく、こういうことで正規流通業者を守ってあげるという立場にぜひ立ってもらいたいと思います。今の答弁でわかりましたが、ぜひともひとつ安易に新規参入というようなことをやらないで、既存の業者を対象として更新をやるという方針を貫いてほしい、こういうように思います。 その次に、今通産の方からこの国会に大店法の緩和の措置が、法の改正ないしは町づくり等を含めまして法案が提出されておるわけであります。この間新聞にも載っておりましたように、アメリカの大おもちゃ会社が新潟に参りまして、そこに、トイザラスですね、新潟県下にそのような大型店舗ができると、もう新潟県下だけじゃなくて付近の二県、三県のおもちゃ業者に大きな影響を及ぼすというような、そういう外国資本の大型店舗もどんどん導入されてくるわけであります。また、今通産の方に、これから審議することになっております法案では、外国製品の売り場を規制の対象にしないというようなことで店舗を広げていくということであります。既存の大型店舗の売り場面積を広げると同時に、新しい大型店舗がこれから国内だけでなくて海外からもどんどんと流入してくるわけですが、そのような大型店舗が流入してまいりますと、そこでやはり食料というものも取り扱うわけでございますので、どうしても店舗側からいうならば、この際主食もということで、新しく米の新規参入を申請するということになっていくわけです。そういうことになりますと、お米屋さんの場合もろに大きな影響を受けるわけでございます。この大型店舗の規制緩和に伴って安易に米の販売を許可するというようなことは、付近の正規の既存の流通業者の権益を守るためにもあるいはその生活を守ってあげるためにも、そのようなことは安易に考えるべきでない、こういうふうに思うわけでございますが、これに関してのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○浜口政府委員 ただいま大店法の改正と食管法の今回の許可に関連して、先生から問題を御提起なさったわけでございますが、これも結論的に申し上げますと、食管法に基づく今回の一斉更新においては、この大店法の改正とは特に直接には関係ございません。米屋さんの問題は、もちろんお米全体の問題、単に日本の主食ということではございませんで、いろいろ地域における長年のノーハウあるいは消費者の方々の動向に応じて、いわゆるお米屋さんがいろいろな地域の住民の方々に接触をしてこられて、いろいろな米の銘柄米でありますとかあるいはブレンド米というものを配達をされているという中で発達をしてきているわけでございます。直接的な法律上の意味からももちろんのことでございますが、そういった米屋さんの従来の運営の問題ということを踏まえまして、私ども従来どおり更新の段階についての新規というものは考えていないというのは、先ほど申し上げましたけれども、そういう態度で対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○和田(貞)分科員 これも既存の流通業者が非常に心配をしていることでございますので、店舗ができれば安易にその大型店舗に許可を与えるということのないように、ぜひともその店舗の周辺の正規の流通業者で頑張っておられる方の実態というものを把握しながらひとつ行政の力を出してもらいたいと思うのです。 それから次は、時間も余りございませんので、自主流通米の価格形成機構の問題ですが、これは自主米の入札で、卸売業者も小売業者も消費者も一定の期待感というのがやはりあったのじゃないかと思うのですね。おいしい米を安くちょうだいできることになるなという消費者の立場あるいは卸、小売の流通業者の方も何かメリットがあるのじゃないかという期待感があったと思うのですね。いまだにそのようなことが反映されておらないというふうに思うのですが、大体いつごろになったらそういう期待感が充足できるような、期待感にこたえられるような、そういう現状になっていくだろうかということを、もしもお答えできるものならひとつお答え願いたいと思います。
○浜口政府委員 自主流通米の価格形成機構、俗称自主米機構と言っておりますが、これは昨年の八月の末に設立をさせていただいたわけでございます。これはあくまでも自主流通米と言っておりますので、政府米と相並んでいる政府管掌米の一部の自主流通米についての価格形成の場でございますけれども、昭和四十四年に導入された自主流通米が二十年たちまして、政府全体の管掌米大体六百万トンと考えておりますけれども、そのうちのかなりの部分を占めるようになったわけでございます。初めのうちは両輪でということでございましたけれども、大体六割から七割ということになりました。 先生の御指摘のように、価格が、今までの値決めが、極端に申し上げまして、全国農業協同組合といわゆる全集連の指定法人というところだけで行われてきたわけでございますけれども、透明性に欠ける、よく見えないというような指摘がありました。先生、消費者の立場、生産者の立場あるいは流通業者の小売の立場からそれぞれ期待があったというのはまさにそういうところでございます。これは、できましたのが八月三十日でございまして、都合ことしの三月まで三回の入札を東京と大阪でさしていただいたわけでございます。全体で一万トン以上流通している銘柄につきまして、銘柄ごとの入札を行いました。そうしましたところ、一年前の値段に比べまして、一回及び二回は特にそうでございますが、去年に比べまして上がったのが半分、下がったものが半分ということで、新潟のコシヒカリあるいは北海道のきらら三九七というのは上がりましたけれども、そのほか、ほかの地域のところの部分について下がったものが半分出たわけでございます。消費者のお立場としてみれば、言うなれば、そういう銘柄米について小売の値段に直に反映するかという問題がございますけれども、実際に実施しました第一回目が十月の末でございますので、先生の御指摘のように、敏感に消費者の店頭まで反映はまだしておりません。ただ、私どもの調査によりますと、今のように値幅制限、上下で五%、七%の開きが出ておりますけれども、東北のものにつきまして、東京の場合でございますけれども、食糧庁の調査によりますと、三十円から五十円下がったという数字がもう既に出ておりますので、これから回を追うにつれまして、消費者のいろいろな御関心のもとでこの効果が出るようになっていくのだろうと思っております。食糧庁といたしましては、調査機関、調査課というものもございますけれども、食糧事務所全力を挙げまして報告を受けるなり巡回相談を受けるなりしておりますので、できる限り早急に、もちろん上がったものもあるわけですけれども、下がるようなものについては、的確に消費者の方に下がるように努力をしてまいりたいと思っております。
○和田(貞)分科員 その効果がいつごろになるだろうなという期待もかけておることでございますので、せっかく新しい機構、制度が導入されたわけですから、消費者の方、生産者の方、流通業者の方の期待にこたえられるような結果が出てくることを望みたいと思います。 時間が参ったわけでございますが、いろいろと米の問題については外からの圧力、中からのいろいろな意見等々があるわけでございますが、米は長い間の日本の歴史的な生活慣習の中で伝統的な主食として今日まで営々としてあるわけでございます。食糧管理は政治の大きな柱の一つであろうと思いますが、せっかくの機会でございますので、米、主食の食糧管理の基本的な考え方を農林大臣からお聞かせいただいて、終わりたいと思います。
○近藤国務大臣 先生からいろいろな角度から流通関係、小売関係、御指導いただいて、御意見をいただいたわけでありますけれども、お説のとおり、米の持つ役割というのは、食糧のみならず文化の面にも社会生活の面にも大きな役割を果たしておりますし、また、私ども農政の根幹に値する作物でもございます。ただ、時代の変化に伴って、今日まで小売の皆さん方から大変な御努力をいただいてまいりました。こういう時代になりますと、消費の拡大のためにもう少しお米をどこでもいつでも買える、そういう方向に向かったらどうかという御意見もたびたびちょうだいいたしておるわけでありますけれども、米の重要性と国民生活とのかかわり合い、今日まで御努力をいただいたことにかんがみて、私たちは、きちんと食糧を管理する、いついかなるときでも食糧を国民に安定的に供給する、そういう立場で、先ほど食糧庁長官が言われたように、小売の皆さん方からの一層の御努力をいただいて消費拡大を図っていきたい。基本的には現有の小売店の中で少なくとも御努力をいただきたいということを中心に考えながら、その中でもやはり正規流通という、そういう正直者がその人たちによってばかを見る、食糧管理上からいっても好ましくないというものが現存しておるということについては厳正に取り締まりをしていきたい。今日先生から御指摘をいただいたので、なお一層私ども強い指導体制をとっていきたい、そう思っているわけであります。 価格形成の場は、御承知のように、消費者にも生産者にも透明性があった方が好ましい、そういう立場で透明性を確保させていただきましたし、またいろいろな角度から生産者にも消費者にも、この価格形成の場というのが将来ありのままの姿で消費者ニーズをつかんでいただく小売の皆さん方を通して喜んでいただけるような状況に一日も早くなるように努力していきたい、そう考えております。
○和田(貞)分科員 終わります。
○町村主査代理 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、仙谷由人君。
○仙谷分科員 昨年の予算委員会第五分科会で吉野川北岸用水の持っておる問題、現行の土地改良事業の問題性を私の方からお伺いをしたわけでございます。負担金が高くて払えない、こういうふうに農家が悲鳴を上げておる、あるいは北岸用水という二十年間六百億円をかけた大事業が完成したにもかかわらず、後継者はいない、あるいは支線が通水をしていない、あるいはそんなものがなくても既設の水路で十分にやっていける、払いたくないし払えない、こういう北岸用水周辺の住民が相当数存在する、この問題をどういうふうにして解決するのかということで、当時の山本農林大臣にお伺いしたわけでございますが、お答えの中に、こういうくだりがございます。こういう問題があるのであれば、「土地改良区とか県から本問題について何か言ってきているかということをすぐ言った」、「県から言ってこないはずがないと私は思っております。」そういう声はないんだ、いわば吉野川北岸用水に問題性はないんだというふうな感じのお答えもいただいたわけでございます。私はいわば選挙の準備活動の中でじかに農民の声を肌で聞いておりましたので、これは問題があるぞということで分科会で取り上げさせていただいたわけでございます。 現在、この北岸用水の負担金の支払い問題をめぐってどんな紛争が徳島県で起きておるか、農林省の方からまず御説明ください。
○片桐政府委員 吉野川北岸農業水利事業、これは平成元年度に完了いたしまして、平成二年度から償還を開始するということになっているわけでございますけれども、この負担金に関しまして、土地改良区に対して異議申し立てが六十九件、関係受益者千六十一名、これは受益者全体の約八%の方々から異議申し立てが出ているというふうに聞いております。 また、この異議申し立てに対しまして、昨年の九月十七日に土地改良区が棄却しましたところ、土地改良区の賦課処分の取り消し及び異議申し立てに対する決定の取り消しを求めた提訴がなされているというふうに聞いております。
○仙谷分科員 私が持っております徳島県発表の資料によりますと、まず未納者が一万三千百十人の農家のうち四千二百五十人、三〇%強でございますか、この方々が未納である。三分の一くらいございます。 それから、異議申し立てをした者は、今農林省の方からお答えになったとおりだと思いますが、四百四十九人の農家から土地改良区の賦課処分に対する取り消し訴訟が提起をされて、賦課処分が違法である、法律にかなっていないという訴訟が出ておると私は聞いておるのですが、そのとおり間違いございませんでしょうか。 そして、もし私が今指摘した問題が量的に間違いないとすれば、例えばなぜ払わないか、払えないか、訴訟でこの点について農家はどういう主張をされておるかということをお伺いいたしたいと思うのです。
○片桐政府委員 私どもが現地の土地改良区に当たって聞きましたところ、平成二年度分の徴収の実績でございますが、三月四日現在で申しますと、建設事業費賦課金は徴収済みが約六八・六%、それから維持管理費につきましては七九・六%が徴収済みであるというふうに聞いております。現在、土地改良区では関係機関の支援を得つつ、その徴収についていろいろ努力をしていると聞いております。 それから、訴訟の件でございますけれども、先生の御指摘になりました四百四十九名の方々からの訴訟が出ているということについては、私どももそのように聞いている次第でございます。 それからまた、どういう理由でそういう訴訟なり異議申し立てがなされているかという点でございますけれども、それを分類いたしますと、まず第一番目の形としては、末端水路が施工されていないということを理由として賦課取り消しを求める方々、それから末端水路が完成するまでの間の維持管理費賦課の基準の変更を求める方々、また維持管理費賦課の取り消しを求める方々、それから既設ポンプ等により水源が確保されているとして地区除外を求める方々等があるというふうに聞いております。
○仙谷分科員 いわば現に利益を受けたる限度をどう解するかという法律論はさておいて、素朴に、現実に北岸用水の水をみずからの農耕に、耕作に使っていない、あるいは使える状態にないのだ、こういう理由がほとんどだというふうにお伺いしてよろしいですね。 そういたしますと、この土地改良事業の中で、やはり広域的大規模な事業ということになりましょうから、一方では、個人それぞれの言い分を聞いておったら、こんなことはできない、こういう話になるわけであります。ところが一方では、農家の方々は、いや、そんなことを言われたって、うちは必要ないのだから、あるいは支線も来てないのだから払う必要はない、あるいは農業をやめたからもう要らないんだみたいな話まで出てくるわけです。ここに構造的矛盾があるわけでございますが、例えば徳島県で各町がこの問題について、町議会とか町長が何らかの政治的、行政的対応策をとろうとしておるのを御存じでしょうか。
○片桐政府委員 本地区の問題は、末端水路の整備の度合いに差が生じているということについて問題が発生しているというふうに考えられるわけでございます。末端水路の整備の推進につきまして、県、市町村、それから土地改良区、いろいろ努力をしているというふうに聞いているわけです。具体的には、末端水路の整備は県営とか団体営によって実施されるわけでございますけれども、現在まで着工した地区は、これは全体五十一地区の予定でございますけれども、そのうち三十一地区が完了しているわけでございます。この結果、国営事業の受益面積六千八百七十ヘクタールのうち平成元年度までに末端水路が完成した面積は四千九百ヘクタールということで、約七一%完了しているということでございます。平成二年度は、二十地区におきまして十四億三千万円の予算で約三百ヘクタールの整備を行いまして、年度末までに約七六%に相当する約五千二百ヘクタールが完成する予定というふうに聞いております。今後とも予算の確保、それから関連事業の推進、そういうことにつきまして、県、市町村を指導いたしまして、早期に末端整備を完了するように努めてまいりたいというふうに考えております。
○仙谷分科員 そんなことを聞きたいわけではなくて、いいですか。例えば後継者がいない、あるいは減反の問題、そういうさまざまな要因があって、あるいはこの事業そのものが開墾予定面積の一〇%そこそこしか開墾できなかったということだって、農業事情の変更ということで、この事業の、吉野川北岸用水の事業のいわば挫折といいますか、今の状態をもたらしておるんではないかと私は思っております。各町村は非常にひしひしと農家の方々が払えないし払わないというのを身をもって感じておる。御存じないのであれば私の方から申し上げますけれども、例えば吉野町という町は未給水地区への対応を前向きにすると町長が答弁しているわけですね。つまり一般財源から農家の方に補助を出す、あるいは肩がわりして支払う。土成町というところも同様のことを言っております。私が聞いた範囲では、あと二ないし三カ町村の町長は、やはりそういうふうにせざるを得ないだろう、一般財源を農家の方々の肩がわり資金に納入するといいますか入れていくというのは甚だ筋が違うように思うけれども、どうしても農村ではそういう施策をとらざるを得ないだろう、こういうふうな判断も持っておるというふうに聞いておるのですが、その種の議会の声とかあるいは首長さん、町長さんあるいは村長さんの声というのは農林省には聞こえてきておりませんですか。
○片桐政府委員 この償還に当たりまして、町及び県の助成額がかなりの額に上っておるということは、私どもも把握いたしております。
○仙谷分科員 従来の助成額の上に重ねてもっともっと負担をしなければいけない、やむを得ない、それは選挙があるからなのか、もしくはその住民の、農家が多い、非常にお困りだという現実、いわばそれを受けとめると、そうならざるを得ないというのか私はわかりませんけれども、いずれにしてもそういうことになっておる。 もう一つだけお伺いしておきたいことは、昨年のこの分科会での審議の中で、払わない、払えない人についてはどうするんだというふうな質問をいたしましたら、法論理的には滞納処分になる、しかし、土地改良区の中で十分検討した上で判断されるというふうなお答えがあって、いわばこの滞納処分は簡単には発動をしないというふうな趣旨の答弁があったわけでございます。この点につきましては、今異議申し立てをして未納の方が、おっしゃったように三三%ぐらい未納の方がいらっしゃるわけでしょう。その未納の方のうち素朴であるか法理論的であるかは別にしまして、未給水地区とか、現実にそれを使う必要のない人、こういう理由で負担金を払ってない農家に対しては、いわばこの訴訟とかあるいはこの件が解決するまで滞納処分をしないということを、この場で言明できますか。
○片桐政府委員 本年度はこの負担金の徴収の初年度に当たるわけでございまして、農家への納入事務手続の説明不足とかいろいろな事情によりまして徴収率が低くなっている面があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、土地改良区、それから関係県、市町村に対しまして、できるだけ農家の理解を得るように努力をしてほしい、こういう指導をしている次第でございます。
○仙谷分科員 全く答えになってないじゃないですか。滞納処分をするのかしないのかということを私は聞いているのですよ。農林省は今そういう理解を得るなんてきれいごとを言っているけれども、土地改良区の理事長は何と言っているのですか。裁判してくれた方がいい、裁判で決着つけたいと言っているじゃないですか。そういうふうに言っているのですよ、新聞の中で。私もそれを聞いております。農林省の方は一生懸命理解を求めても、現場の土地改良区が裁判で決着つけてくれ、我々の方はどんどん滞納処分でも何でもやってやる、こういうことになったらどうなりますか。その点についてどうですか、もう一度。農林省の方から、滞納処分、手荒なことはしないように、そういう指導をするというふうにお約束できませんか。
○片桐政府委員 土地改良法の手続で強制徴収を行えることになっているわけでございますけれども、強制徴収を行うかどうかということにつきましては、土地改良区の判断にゆだねられているわけでございます。したがいまして、実際に強制徴収を行うかということについては、土地改良区の中で今後十分検討した上で判断されるというふうに承知いたしております。
○仙谷分科員 非常に不満足でございますけれども、時間がたっていきますので、次の問題に移ります。 いわゆる土地改良事業で、この種の、北岸用水で現在問題になってきておるように、負担金を払えない、払わない、払いたくないというふうなところで問題になっているケースというのはどのくらいございますか。
○片桐政府委員 土地改良事業は地元からの申請に基づいて行う事業でございますので、こういうような異議申し立てというようなケースは極めて少ないわけでございます。私ども聞いておりますのは、この吉野川北岸以外の地区では、一地区だけ土地改良区からの地区除外等を求めて訴訟を提起されているという件を聞いております。それからまた、最近国営農地開発事業の計画変更に当たりまして、負担金の軽減措置の要望を背景として国に対して異議申し立てがなされた事例がありましたが、これにつきましては、ほぼ円満に解決いたしまして、大部分はその異議申し立てを取り下げたというような事案もございました。
○仙谷分科員 時間の関係で質問はいたしませんけれども、どうも私が雑誌等々によって調査しました結果、あるいは同僚議員等々と話をしましても、相当の箇所でこの土地改良事業、それから今局長がおっしゃった国営農地開発事業でございますか、これらでまあ大きい農政の構造変動とでもいうような事態も絡んで、不払い、払えないというふうなことで問題になっておるケースが私が今持っておるだけでも四カ所ぐらいございます。それで、やはりこの事業というのがどうも十分には農家の方々の御意思を、とりわけ負担金との関係での御意思を尊重せずにといいますか、聴取しないで村の、町の顔役といいますか世話人というのか、影響力のある人と、町や県の、まあ土地改良区のボスとでもいいますか、こういう方と農林省がどうも農家の個々の御意思を余り重視しないで進めておることに原因があるのではないか、そんな実感を最近持っておるわけであります。したがいまして、この辺は土地改良区に対しても、農林省の方はきめ細かい農家のあるいは農村の合意形成をするようにひとつ指導をしていただかないと、これからもますますこの種の問題が出てくる。我々から言えば、ある意味では税金のむだ遣いで、農家の方から見れば災難が降ってきたより悪い、人災が降ってきたみたいな話になりますと、これは農業を私どもが国民の財産としてどうしても保護育成しなければいけないというところに、そういう国民の世論形成に甚だ障害になる事態が出てくるのではないか、我々と農家の方々が敵対せざるを得ないような状況が出てくるのではないか、そのことを私は憂えておりますので、こういう質問をしておるわけでございます。 今の問題で最後の質問になろうかと思いますけれども、この問題、先ほど各町村が農家の負担を公費で行う、一般財源で行うというふうな腹も固めざるを得ないのだという意向も随分徳島ではあるわけですね。ただし、その場合に何にもなしでは、つまり見返りなしではそんなことはなかなか難しいのですよというのが率直な町長さんのお考えなのですね。私昨年のこの分科会で当時の山本農水大臣に、上水道に一部転用するということはどうか、あるいは他に水を売るというのはどうか、それで農家負担を減らしたらどうか、こういう提案をしました。そうしますと、山本大臣は、勉強はさせますけれども、非常に難しいということだけは御承知願いたいという回答をされたわけであります。その後勉強もしていただいたし、これは政治的にやはり解決を図らざるを得ない問題である部分も非常に大きいと思いますので、その種の道があるのかないのか、お答えをいただきたいと存じます。
○片桐政府委員 吉野川下流地域、これはかなり都市化が進展をしているというふうに聞いておりますので、そういう人口増が見込まれまして、上水の需要量というものがふえるということも予想されるわけでございます。一方、農地の方がまた転用とかそういう形で水の使い方が変わってくる、農業用水の需要が減るということも予想されるわけでございます。ただ、この辺のところは今後下流地域の農業のあり方とか、また土地改良区等の関係者の調整とかいろいろ問題になるわけでございますので、上水道側からの具体的な要望があった場合に、関係機関との調整を図りながら検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○仙谷分科員 農業用水の転用あるいはかんがい用施設の途中から流水を他に転用する、これは水利権問題がどうも絡むようですね、私は余り水利権の問題知りませんけれども。転用とかあるいは水利権の一部譲渡になるのか何かわかりませんけれども、その種のことは一般論としてはできないわけではない。私は愛知用水ではその種のことが行われているというふうにも聞き及んでおるのですけれども、その種のことが行われている例がありますれば、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○片桐政府委員 私どもは農業用水の一部を合理化いたしまして、他の用水に振り向けるということで、いわゆる農業用水合理化事業というふうに称しておりますけれども、こういうような事業でもって農業用水の一部を他用途に振り向けたケースというのは、私が承知している限りでは、埼玉県とか愛知県、そういうところで行われたということを承知いたしております。
○仙谷分科員 最後の質問をさせていただきます。 この問題に関連しまして、私が持っておる新聞で平成二年二月十六日の新聞によりますと、国営の土地改良事業については、地方交付税で支援をして農家の負担軽減を図るというものと、三月八日、つい最近でございますが、土地改良法を改正して、農家の負担を軽減して、市町村、自治体がこれを負担をする、こういう法改正を行う予定があるという趣旨の報道がなされておりますけれども、その種の予定と、もしそういう方針がおありになるとすれば、あるいは自治省側の話もおわかりになる範囲で内容をお示しいただきたいと思います。
○片桐政府委員 土地改良事業の事業費の負担につきましては、国、県、それから地元ということで、法律上は受益農家というのが現在の土地改良法の建前になっております。私ども、最近土地改良事業がかなり広域的な、地域住民全体に対してもいろいろ役割を果たしているという観点から、市町村の負担の明確化ということを法制度上明らかにしたいということで、現在土地改良法等の一部を改正する法律案というものを国会に提出をして審議を願っている次第でございます。この法律によりまして、市町村の負担が法律上明確にされた場合に、その裏打ちといたしまして、地方財政措置で、交付税の算定基準、それからまた地方債の充当、そういう形で地方財政措置で市町村負担分を手当てをしていただくということも自治省の方にお願いをいたしておりまして、自治省の方もそういう方向で準備をしていただいているというふうに聞いております。
○仙谷分科員 そうしますと、その法改正ができたときには、吉野川北岸用水の負担金問題というのは何らかの影響があるのでしょうか。
○近藤国務大臣 今先生と構造改善局長とのやりとりをるる聞かしていただいて、この問題に私が熟知しているわけじゃありませんけれども、私のわずかな経験の中でお話し申し上げさせていただきたいと思うのです。 三三%の未納者の中に、必ずしも全員がこれに反対だということではなくて、その地域の中で、まだ同意が四分の三とれないでいる人たちも多分いるのだろう、そう推察をいたしておるわけでありますから、その点については、さらに同意をしていただいて、水を御利用いただく方に努めていきたい、こう思うわけであります。 今市町村の段階での交付税の問題は、従来私どもが自治省と折衝してきた段階では、市町村が徴収をする、そしてお納めするという分について、負担の明確化で交付税の対象になるわけでありまして、土地改良その他で徴収をすることについて交付税の対象ということには話を進めて今日まで来ていないわけでありますので、関係の町村が町村徴収ということに全員が切りかえるような状態であれば、また御相談をさせていただきたい、こう思います。 それから、多目的に使う場合には、一応農業用水としての水利権を確保させていただいておるわけですから、別途に水道その他に利用されるという水は、水利権は一たん水利権者にお返しして、そこから多目的のものに使うということになろうかと、私の経験の中でお話をさせていただきます。
○仙谷分科員 終わります。
○町村主査代理 これにて仙谷由人君の質疑は終了いたしました。 次に、小川信君。
○小川(信)分科員 いろいろとたくさんの話題で議論が続いておると思いますが、私はこの三月末に決定されます畜産物の政策価格の問題について若干御質問をさせていただきたいと思います。 その中でも、牛肉、豚肉もございますけれども、加工原料乳の保証価格について絞って御質問申し上げたいと思うわけでございます。 御存じのように、加工原料乳の保証価格、現在は七十七円七十五銭ということでございますけれども、これは六十年の価格と比較しますと八六・三というふうに下がっている。一方、消費者物価指数等を見ましても、元年度で一〇六・七というふうに消費者物価は上がってきておるという中で加工原料乳の保証価格は下げられる。これは酪農家の経営努力等々も反映をしておるのだろうと思います。しかし一方では、ガットで問題になっております乳製品の輸入自由化圧力は、さらに強まってきておるし、さらに牛肉の輸入自由化の実施というようなことで、酪農経営に対する酪農民の方々の不安というのは非常に高まっておる。現実に、私先般岡山の方へ参りましたけれども、岡山の有力な酪農組合でも、二百二十戸ぐらいの酪農家の中で、過去一年間で二十戸くらい酪農から戦線離脱をするというようなお話を聞かされております。確かにここ数年、酪農民の方々はあらゆる面で経営の努力はされてこられたと思いますけれども、その経営努力の、合理化努力の限界に来たのではないかというような感じもしておるわけでございます。 そこで、最初に酪農経営の現状に対して、農林水産大臣としてどのような御認識をお持ちになっておられるのか。まず、その辺を聞かしていただきたいと思います。
○岩崎政府委員 実態の話ですので、私の方からお答えさせていただきます。 乳用牛の飼養頭数は六十一年以降おおむね横ばいで推移しておりますが、戸数の減少によりまして一戸当たりの飼養頭数は着実に拡大している。特に成畜三十頭以上層のシェアは毎年増加しているという状況でございます。 酪農経営の状況といたしましては、生乳生産は飲用需要等の好調な伸びに支えられまして、六十二年度以降順調に拡大しておりまして、一頭当たりの搾乳量も安定的に増加しているということでございます。 酪農の収益性はどうかということでございますが、六十年度以降規模拡大の進展なり乳量の増加なり配合飼料価格の低下等によりまして好調に推移してきたところでありますが、二年度につきましては、ぬれ子価格の低下等々が見られるということでございますが、他方では、規模拡大等々も着実に進展しているというような状況でございます。
○小川(信)分科員 ある意味では非常に楽観的な見通しを持っておられるのだろうと思いますけれども、現場では非常に厳しく今からの将来を見ているような感じがしてなりません。 そこで、酪農経営の安定的な所得を確保するということと、それから、言うなれば再生産の確保ということになってくるだろうと思うのです。国民の貴重なカロリー源である新鮮で安全な生乳、さらには乳製品を安定的に供給するという意味では非常に大事な役割を持っておるわけでございます。そういうような中で、この三月末に決定されます、聞くところによりますと、二十七日に酪農部会だということですけれども、平成三年度の加工原料乳の保証価格、これに対しては関係酪農民は非常に重大な関心を持ってこれを見守っておられるだろうと思うのです。 そこで、私は、乳価算定の問題点について、大きくいいまして三点ほどお尋ねをしたいと思うのです。 今局長からお話ございましたぬれ子価格の問題でございますが、生産費調査をもとにしてこれをはじき出されるわけでございますけれども、言うなれば物財費から副産物価格を差し引くということで、この副産物価格は生産費の中では非常に大きな要素を持っておるわけでございます。しかし、現実にこのぬれ子の価格は昨年に比べて非常に大幅に下落をしている。去年の推定生産費によりますと、副産物価格、これはほとんど全部がぬれ子だろうと思いますが、百キロ当たりで千七百四十五円、こういうふうに修正をされて見ておられますけれども、去年時点とことし時点では、御存じのように、ぬれ子価格は半分とまではいきませんが、四割は価格が下がってきておるという現実がございます。去年の推定生産費も修正されたとは思いますけれども、現実に四割下がっておる。そういうようなことを考えてみますと、四割下がるということは、副産物価格がそれだけ低くなるということですから、それだけ第二次生産費は上がってくるという要素は確実に出てくる。そういうふうなところがまず第一点きちんと見られるかどうかということですし、このぬれ子の問題がこのたびの加工原料乳の保証価格決定の大きな役割、位置づけ、要素になる、このように思いますが、この点についてまずお尋ねをしたいと思います。
○岩崎政府委員 保証価格については、先生御指摘のように、三月末に決めるということでございますが、まだ公表されておりませんが、これから牛乳生産費調査の結果というものを踏まえまして、私どもは事務的に算定させていただくということになっておりまして、これから作業に入る、こういうことでございます。 加工原料乳保証価格の算定に際しましてのぬれ子価格につきましては、副産物収入という形の中で当然適正に反映されていくというふうに考えております。
○小川(信)分科員 おっしゃるとおりです。副産物価格が下がるということは、二次生産費は上がるということになるわけでございますね。そういうことだと、去年の副産物価格が推定生産費で千七百四十五円、これを約四割下がるということを見ますと、千二十円ぐらいになるということですね。そういうふうになってきますと、これは相当ほかの分野の、例えば若干の労賃とか労働時間の減少とかいろいろな問題の要素の変動があったとしても相当大幅に下がる。生産費調査の結果が十五日ごろには出るだろうと思いますけれども、生産費調査というのは過去一年間の数字のものが出てくるわけでございますので、その過程の中でぬれ子の価格が下がってきておるということが現実としてあるということであれば、今時点において推定される生産費も昨年の生産費よりは上がってきておるということはもう常識的に予想できるということで、まずこのあたりでことしの加工原料乳の保証価格は上げ要素があるというふうに私は思うわけですけれども、その辺について上げ要素はないと見られるのか、上げ要素になるんだというふうに見られるのか。局長、今専門的な部署におられる局長として御判断を示していただきたいと思う。
○岩崎政府委員 いずれにいたしましても、生産費調査の結果でございますが、一方では上げ要因がある反面、一方では下げ要因があるということでございまして、確かにぬれ子の価格、副産物収入ということでございますから、ただ、これはこれからの生産費調査の結果を踏まえながら十一月、十二月、一月という形の中でこれを修正していくという形になりますので、これにつきましては、またこれからの問題としていろいろ検討していくわけでございます。確かに上げ要因がある反面、今度は例えば規模拡大なり生産性アップ、それから一頭当たりの搾乳量の増大なりという形の中での下げ要因というようなものがございまして、そういうようなものを総合的に検討しながら決められていく、こういうことでございます。
○小川(信)分科員 今最後におっしゃった生産性向上による下げ要因、大体去年の数字を見ましても、三%、四%程度の個別の中でのその程度のもので、数字的には、結果的に出てくる数字は非常に小さいものなわけですね。ということは、元の価格の数字の小さいものの中で四%、三%ですから、全体として少ない。この副産物収入は非常に大きいウエートを持っているものが大幅に下がるということで、上げ要因として私はあると思います。推定生産費を恣意的に選べれば、これはまた別ですけれども、素直に生産費を出してくれば、これは非常に大きい上げ要因として一つの問題として出てくるというふうに考えなければならぬと思います。 それから、次の問題ですけれども、この生産費調査の中にございます乳牛の償却費の問題でございますが、この乳牛償却費の問題につきましては、これも相当大幅に上げ要因になってくるだろう。乳牛の償却費の算定方式、私が改めて言うまでもなく、将来耐用見込み年数と搾乳牛の現時点における評価額、それから残存価格ということになるわけですけれども、この残存価格というものが乳廃牛の枝肉価格をもとにしてはじき出すわけでございますから、そうしますと、現在、既に御存じのように、乳廃牛の価格というものが非常に下がってきておる。二月の東京の枝肉市場の卸値の価格は三百六十八円、前年同期比で三八・五%の減というような数字が新聞等でも報道されておりますし、ほかの数字からも出てきておる。そうすると、引く残存価格は大幅に少なくなってくる。極端に言うと、四〇%ぐらい下がるということになれば、分子の方の残る数字は多くなるということが考えられます。 それから、将来耐用見込み年数ですけれども、これをどのぐらい見るかということが、これは分母になりますけれども、しかし、現在の酪農の状況からいいますと、乳質の向上、アップというようなことからも非常に更新期間が短かくなってきておる。こういうふうなことから考えてみると、二歳、それから二歳半の乳牛の年齢構成を見ますと、その方が非常に毎年増加してきて、八歳以上というのは下がってきているということになりますと、将来耐用見込み年数というのは、これは小さくなってきておるわけです。 そうすると、分母の方が小さくなって分子の方が大きくなれば、乳牛償却費というのは当然これは相当アップするということが考えられるわけですが、この点についてはいかがでございましょうか。
○岩崎政府委員 老廃牛の関係でございますが、老廃牛価格というのは、償却費における残存価格ということでございまして、乳牛の資本財としての性格から、新規に導入されます乳牛の評価額の動向というものとあわせまして、残存価格として減価償却費に乳牛の老廃牛価格というものが反映される、こういうことになります。
○小川(信)分科員 そういう御説明じゃなくて、私は、乳牛の償却費が、私の判断では、今言ったようなことの要素から上がるというふうに考えられる。だから、これは生産費調査結果を見なければわからぬとおっしゃるかもしれませんが、一般的な見方からすると、上がるというふうに私は考えるわけですけれども、私の考えについて御同意されるか、否定されるか、その辺、ちょっと……。
○岩崎政府委員 これは生産費調査の結果で、私どもはその生産費調査の結果を踏まえてやるということでございますので、もう少したちますと生産費調査の結果が出るものですから、それを踏まえながら私どもとしては対応していく、こういうことでございます。
○小川(信)分科員 水かけ論になってあれですけれども、局長さん、私よりはずっと畜産の問題については御専門家である。専門家の立場で、近く発表されます生産費調査の一応の動きというのはずっと見ておられるだろうと思いますけれども、この乳牛の償却費というのは、生産費の中では相当大きいウエートを持っているわけなんですね。ですから、これの動きというものは私は上げ要素になってくるというふうに思っておるわけなんです。ですから、この生産費、いろいろな合理化努力によってほかの部分が下がってくるということであったとしても、乳牛の更新を早めているという事実と、それから乳廃牛の枝肉価格が下がったというこの二つの厳然たる事実は、これの上げ要素になってくるというように思っております。この辺がきちんと加工原料乳の保証価格の中に反映されるだろうと私は信じて疑わないわけでございます。 そして、もう一つの要素でございますが、これは若干議論が違っても、私はやむを得ないものだとは思いますけれども、いわゆる酪農の将来展望を発展的に展望するのか、それとも酪農というものをセーブをして、そして日本の乳製品なりの市場を外国に売り渡すことがやむを得ないという判断に立つかの議論になるだろうと思いますけれども、家族労働費の評価の問題です。これは、私がわんわん申し上げなくても、もうそこまで言えば十分御存じだと思いますけれども、家族労働費の評価の問題のまず第一点は、いわゆる加工原料乳主産地域の製造業五人以上規模の平均賃金で評価がえをするという評価がえの仕方です。この酪農の生産はそこであろうけれども、日本人の、少なくとも日本の雇用の場というのは日本全国にあるわけなんですね。そういうふうな中で、酪農経営を将来とも続けていってほしいというならば、少なくとも全国の製造業五人以上規模の平均賃金をとってやらないと、労働力というものは、労働単価の高いところに安いところから移動するわけですから、それを防いで、そして酪農経営に専従してもらうということを期待するなら、少なくとも製造業五人以上の賃金で見るべきではないか。そして、そこで生産された加工原料乳は乳業メーカーに行き、全国の消費者のところへ行くということを考えれば、全国のベースで考えることは何ら不思議はない、こういうふうに考えますけれども、これが不思議で、それは違う、おかしいということであれば御説明をいただきたいと思います。
○岩崎政府委員 不足払い法でも規定しているわけでございますが、生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域におきます生乳の再生産を確保することが旨だということでございまして、保証価格の算定の基礎となっている生産費調査も、すべてこの主要加工原料乳地域のものを用いて算定しているということでございますし、ただいま御指摘の労働費の評価がえの問題につきましても、当該地域のものを使っている、こういうことでございます。
○小川(信)分科員 この問題は、加工原料乳の保証価格がこういうふうな形で決まった時点から、農水省、政府と酪農に従事しておる人たちの基本的な論点でずっと続いている問題なんです。ですから、これは考え方によれば一つの思想的な物の考え方だと思うのです。酪農というものに従事する労働力を社会的にどのように評価するのか。ですから、変えるということは非常に勇断をもって変えなければならないことだろうと思いますけれども、私は、乳製品等の自由化が目前に迫っている、牛肉の自由化が四月からは実施される、そして国民が期待する新鮮で安全な牛乳・乳製品を提供するというこの時点にこそ勇断をもってこの価格の評価がえの算定の仕方を変えるべきじゃないか、こういうふうに思うわけです。ぜひそのような方向を御検討いただきたいと思います。 それから、家族労働の中でもうひとつ私が腑に落ちないし、農業に直接従事しておられる方々も腑に落ちない問題は、飼料作物をつくる労働をなぜ低く見なければならぬかということです。この問題は、申し上げるまでもなく農村雇用労賃というものをとっておられるのですね。このとり方というのも非常に歴史的にあるわけでございますが、これも本来なら全国製造業五人以上、こうなりますけれども、少なくとも飼育管理上に用いるときの家族労賃の評価がえと同じにすべきではないか。それを別にしておるというのは、飼料作物をつくるというのは、労働の質が悪い、レベルが低い、このように飼料作物生産を評価されておられるとしか思えぬわけですが、その辺いかがでございましょうか。
○岩崎政府委員 生産費調査の原則は農村雇用労賃である、こういうことでございます。ただ、酪農の飼料管理労働の場合は、周年拘束性があるという特別な理由で、ただいま申し上げましたような五人以上の労賃を使っているということでございまして、原則はあくまで農村雇用労賃、農村の原則に従っている。飼料作物の労働そのものは年中無休の拘束性ということではございませんので、そういう生産費調査そのままの農村雇用労賃を使っているということでございます。また、農村雇用労賃と申しましても、現実的には製造業なり建設業、運輸、通信等の他産業も加味した当該農村地域におきます標準的な労賃水準であるということでございます。
○小川(信)分科員 もちろん、当該農村地域の雇用賃金というのは周囲のいろいろな賃金水準なりによって影響を受けるということはそのとおりだと思います。ただ、今おっしゃったように、飼育管理は周年だ、飼料作物は周年じゃないんだということであれば、米価算定のときも、これは農村臨時雇用賃金でいいということにもなるわけですけれども、その辺いかがですか。米価でも同じだ、これは一年かからぬのだから。
○岩崎政府委員 一般的に、これは畑作物でございますが、畑作物等々の生産費調査におきまして、そういう形で全体として農村雇用労賃を使っておるということで、私どもは原則的にそういうふうに考えている次第でございます。
○小川(信)分科員 言うなれば相当恣意的に、過去ずっと加工原料乳にしても、それぞれの作目によってやってこられたという現実があるだろうと私は思います。そういうふうなものを改善、改良していってこそ生産農民、酪農家の人たちが将来の展望が開けるのではないかというようなことで、この際こういうふうなところの改善を図られる必要があるのではないかと思います。 同時に、酪農というのは、ただ牛乳を生産するということだけではなくて、北海道等では、特に農業総生産の中で大きな割合を占めている地域農業の基幹でもあるし、と同時に地域経済の中心、大事な役割を果たしておるということから考えてみても、それから国内の肉用牛の素牛提供という意味では非常に大きな役割を酪農は果たしておる、こういうふうなこと等を考えてみますと、やはりこの加工原料乳の保証価格の動向というのは非常に重要だ。と同時に、市乳地帯の市乳価格がこれによって影響を受けるということでございます。これが終わりますと、三月終わると以降市乳価格の改定に入ります。これが加工原料乳の価格動向で動いてくるというようなことになりますと、非常に大きな影響を受けるということ等も私は十分お考えいただきたい。ことしは特にそういう意味では安定指標価格等いわゆる乳製品の価格も上がっております。そうすると基準取引価格も上げてもいい。そして保証価格を上げても政府の金の負担は余り違わぬわけですから、そういうふうなことからも、私はこの際思い切って一つの日本の酪農の転換期として、ことしの加工原料乳の価格決定に取り組んでいただきたい、このように思うわけでございますが、これについて最後に大臣の方からお答えをいただきたい。私は上げる必要がある、上げる要素があるというふうに思っておりますが、その面も含めて御答弁いただければと思います。
○近藤国務大臣 酪農については、我が国の農業の一割を占める、また、それによって肉は六割を占めておるわけでありますから、農業生産にとって大変重要な役割を果たしていただいておるわけであります。いよいよ保証価格を決定するシーズンに入りまして、それぞれ今生産費調査を進めておるわけでありまして、なかなか内容についてこの段階で変更するというようなことがやりにくいもう目前に迫った時期に差しかかっておるわけでありますけれども、鋭意生産費調査が出てきた後、やはりぬれ子なり老廃牛が極端に低迷をしてきたということと、精神的にはガット・ウルグアイ・ラウンドの行方というようなものが心配をされておるわけでありますので、生産費調査以後価格を決定する折には、十分そういうことを反映しながら決定をさせていただきたい、そう思っております。
○小川(信)分科員 大臣も大変慎重な御発言ではございましたけれども、私が私の経験から去年の数字をもとにしていろいろと算定してみますと、相当の上げ要素になってきておるというふうに私は私なりに確信をしております。今度出されてきます生産費調査の結果、これを踏まえて今からいろいろと議論がされるだろうと思いますけれども、要は、日本の酪農の将来展望が開けるような方向づけをこの際ぜひやっていただきたいということを申し添えまして、質問を終わります。
○町村主査代理 これにて小川信君の質疑は終了いたしました。 次に、中谷元君。
○中谷分科員 中谷元でございます。 私は、四国の高知県の出身でありますけれども、高知県は林野率が八四%で全国でも最も高く、林業を取り巻く問題が今県民の大きな関心事でありますので、その林業県を出身地とする代議士として、本日は、林業問題を中心に質問をさせていただきます。 県内の山村では過疎と高齢化がまた一段とひどくなり、もう本当に人がいなくなった、このままでは村がつぶれてしまい、山が荒れ、木が本当にかわいそうで、一体どうなるのだろうというふうな共通の心配の声が上がっております。 現在の高知県の林業労働者の数は、平成元年三月におきまして四千四百十人で、昭和五十年が七千四百六十三人でありましたから、この十五年間で実に四一%も減ってしまったのが現状でございます。 また、労働者の高齢化の方も大変深刻でございまして、五十一歳以上の労働者の割合が七三・一%、そして平均年齢が五十四・五歳、後継者がいないために山林労働者はどんどん少なくなり、かつ高齢化が進んでおります。このままでいきますと、次の十五年後には平均年齢は六十歳を超え、労働人口も千人を切ってしまうのじゃないかという心配をする声も上がっておりますが、これにつきまして、昨年の末に林政審議会より今後の林政の方向が示されたわけでありますけれども、これを受け、林野庁は森林・林業・山村の活性化に向けてどのように臨むおつもりであるのか、そしてまた、農林水産大臣の山村、林業問題に対する御認識と、その基本的な考え方についてお聞かせいただきたいと存じます。
○近藤国務大臣 お答えいたします。 今、中谷先生からお話のございましたように、我が国の森林・林業をめぐる状況は極めて厳しい状況に立ち至っておるわけであります。林業の採算性の低下であったり、林業従事者の減少なり高齢化が進行しておるわけでありますし、また基盤整備もどちらかというと立ちおくれておるわけであります。そしてまた、施業規模が零細であったり、また不在地主というか、不在者がその林業手入れをしないでいるという、まさに山荒れなんというような状況にも匹敵するような環境に立ち至っておるという御指摘をいただいたわけでありますけれども、林政審からの御答申をいただいて、関係者の御理解と御努力をいただいて、国有林についても累積債務と経常事業部門との区分をすることができたわけでありますし、この機会に、一つは国有林、民有林あるいは川下の木材を含めて流域単位に、機能的に、機動的に対策を考えてみたら、こういうことで全国を四十四流域というようなことで考えておるわけであります。 また、森林計画についても、計画を立てて今後進めていきたいということ、あわせて、今後継者を求めていくときに、余りにも機械導入がおくれておる今日の林業の労働環境でもございますし、まずは魅力ある林業にするためには、一つは、労働条件を整備していかなければなりませんので、各県に林業センターというようなものを設置をいたしまして、そこに相集って、これからの林業労働者に対する月給制なり社会保険制度なりという労働条件というようなものをお考えをいただいたりしなければいけないだろう、こう思って、今この流域単位を決める、これから先はひとつ山に精力的に取り組んでいきたい、そういう決意でおるわけであります。
○中谷分科員 ただいま御説明をいただきましたが、流域を単位といたしまして、民有林、国有林を通じた流域管理システムという構想で進められておるということでありますけれども、本当にこの構想は人間の生活形態に沿ったものであり、また国土管理の根幹の理念であり、高く評価するものでございますので、ぜひその確立、定着に向けて強い決意のもとに進んでいただきたいと思っております。 さて、これまでの林政と比較をしてみたいと思いますけれども、これまでは森林整備の面につきましては、その長期性から計画制度というのがございました。また保安林制度というものがございまして計画的に推進されてきたわけでございますが、現状を見てみますと、必ずしも十分に計画どおり進展をしていないのが実情ではないかと思います。 手元にございます全国森林計画の達成率を見てみますと、人工造林が六六%、林道開設が五七%、複層林の方が二五%と、計画と実行の間には相当の乖離が見られるわけでございますけれども、これらの森林計画を計画的また着実に実行させるためには、どうしてもまず林道の整備が一番大事なものじゃないかというふうに考えます。つまり、林道というのは、造林をするにしてもまた機械化をするにしても木を切り出すにしても、何よりも林道の整備が必要でございまして、道がなければどんなに性能のいい機械も前には進まないわけであります。早急に造林、林道について投資計画制度を導入して、森林、林道に活力を与える必要があると考えますけれども、これにつきましてどのように取り組まれていくのか、お答えいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 御指摘のとおり機械導入に至りましても、林道整備がなければこの機械導入が効力を発揮いたさないわけでありまして、林業関係者については多年の夢でありました長期計画が、なかったものが来年度から実施をしたいということで、本年一千万の調査費で、来年度ちょうど治山の五カ年計画の改定の時期に合わせて林道、造林の五カ年計画を実施する準備をさせていただきたいと思っております。
○中谷分科員 林道、造林の計画が策定されたということでございますが、本当に喜ばしいことでございます。 ここで、過去におけるその他の公共事業の投資計画をちょっと見てみますと、林業の関係にあるものでは治山事業の場合がありますけれども、この場合、平成三年度の予算における事業費は二千九百十九億円で、第七次五カ年計画の達成率は一〇四・四%ということでございます。 しかし、同じ公共事業と比べてみますと、同じ時期にスタートした第七次治水事業五カ年計画、また海岸事業五カ年計画等の実績と比較してみますと、金額、伸び率ともに治山の方が低い数字になっているわけでございまして、治山事業においては来年度から第八次がスタートするわけでありますけれども、最近は住宅地の開発、リゾート開発等で山間部の危険性が大変増加しており、昨日もある県では山崩れによって女性ドライバーが土砂に埋まって死亡するという事故も起こっておるわけでありますけれども、これらの防災対策の一環として、今後治山事業についてはもっと力を入れてやっていただきたいと要望する次第でありますけれども、いかがでございますでしょうか。
○小澤政府委員 我が国は地形も急峻でございますし、また、降雨量も非常に多いということでございまして、そのような観点から、私ども、この国土の保全の根幹をなすと考えております森林につきまして治山事業の実施を図っているところでございますけれども、先生御指摘のように、まだまだ災害も発生いたしておりますし、今後の治山事業の充実が必要と考えておりますので、これから治山事業の五カ年計画も改定されるわけでございますけれども、現在、学識者等にも参加していただきまして、多角的に検討もし、先生の御趣旨も十分考えながら、今後五カ年計画の新たな策定に取り組んでいこうと考えておるところでございます。
○中谷分科員 そこで、このたび導入されます森林整備五カ年計画でございますけれども、一つの概念を申してみますと、やはり林道というのは、林業の作業道であるということは当たり前の話でありますけれども、それと同時に、山村における生活関連施設であって、山村生活には不可欠なものでございます。だから、林業施設ということと同時に、山村集落施設も兼ね備えているものでありまして、政府としても、単に狭い林業の枠内だけで物を考えずに、山村の生活者全体の見地から、その公共事業であると考えていただきたいということで、積極的に実施をしていただきたいというふうに思っております。 それから、それに加えて、せんだって日立市で大規模な火災が発生をいたしまして、住宅地も類焼したわけでありますけれども、これの教訓といたしまして、消火作業がなかなかできなかったという点が言われております。つまり、林道等の整備が不十分であったために消防自動車が入れずに、民家まで巻き込まれてしまったというふうなことでありますので、山林火災等の面から見ましても、防火帯であり、かつ、そういった消化をするための設備であるというふうな見地から、特に林道網のないような、薄いような地域には、こういった意味での消火、安全のための林道をどうかつくっていただきたいと要望する次第でございます。 さて、山村の問題に移りたいと思いますけれども、山村の状態は、雇用がない、また生活条件も厳しい、過疎が進行している、大変厳しいわけでありますけれども、これも個人や自治体が幾ら努力をしてもどうしようもない問題で、この上になったら、国や一つの市町村ではなくてもっと多数の、地域ぐるみの林業振興推進体制の確立というものが必要でありますけれども、林野庁の方ではその推進策についてどのようにお考えでありますか。
○小澤政府委員 私どもは、今回先生の今の御質問にこたえたいというような観点を入れまして、いわゆる流域管理システムというものを確立してまいりたいと考えているわけでございます。これは、流域を単位といたしまして、民有林、国有林一体となりまして森林整備を進め、また、国産材の産地形成を推進してまいりたい、そのような中から地域の活性化を図ってまいりたいということでございます。 今国会に提出しております森林法の改正案におきましては、地域住民に密着した行政を行っている市町村が、森林所有者でございますとかあるいは森林組合などの地域の林業関係者の総意をまとめるために積極的な役割を果たすことができるような森林計画制度を改善いたしますとともに、現に流域の関係者の合意形成のための協議会が設置され、林業の活性化に大きな成果を上げております事例で申し上げますと、高知県の嶺北地域などもそのような事例に当たるかと思っておりますけれども、私どもとしましては、このような事例も踏まえまして、平成三年度から新たに地方公共団体や営林署、森林組合、材木加工業者などから成る流域林業活性化協議会を設置いたしまして、流域における林業活性化のための目標なり方針を策定いたしますほかに、流域林業活性化センターを設けまして、林業に関する諸事業の計画的確保あるいはまた就労の安定化、長期化、森林組合の合併等、さらにはまた高性能の機械化等、流域一体となった流域林業活性化推進事業を実施することといたしているところでございます。
○中谷分科員 このことは、林野庁だけではなくて、山村において森林等の保全を図るというねらいで、山村振興の見地からも国土庁の方で御努力をされておられるということでございますけれども、国土庁の方が考えておられます山村振興について御説明をいただきたいと思います。
○長田説明員 山村振興法を私どもで所管していることからいろいろ検討をしてまいりましたのですが、山村地域における森林等の管理水準が低下したり若年層の流出といった問題がいろいろございます。そういったものに対処して山村振興を推進するためには、やはり山村地域において若者に魅力のある職場をつくる、そういう職場を通じて山村地域の活性化の核となる組織を育てていこう、これが一番重要じゃないかというように考えております。 このため、山村地域におきまして、森林整備や多様な山村の地域資源を活用した総合産業の担い手という形で、地方公共団体の出資に係る法人、いわゆる第三セクターでございますが、これを育成して、勤務形態や年金、退職金、福利厚生制度も備えた魅力ある就労の場をつくっていく、これが有効な施策と考えておるわけでございます。 このため、国土庁におきましても、平成三年度から始まる新たな山村振興対策の中で、森林整備等の広範な事業を行う、いわば村ぐるみの第三セクターの設立運営や財政上の措置について各般の支援策を講じてまいることといたしておる次第でございます。
○中谷分科員 同じく森林の保全整備という面では、林野庁も国土庁も目標は同じでございますので、それぞれの市町村の実情に合わせて、市町村単位で好都合なところは市町村単位で、また広域的に都合がいいところは広域的に流域管理ができるように地方のために頑張っていただきたいというふうに考えております。 ここで具体的に例を挙げて申し上げますけれども、私の県内の吉野川の上流に嶺北地域という五カ町村がございます。ここの町と高知県そして森林組合が中心となりまして、ことしの六月に嶺北林業株式会社という第三セクターの会社が設立される見通しになっているわけでありますけれども、この第三セクターのねらいは、先ほど林野庁長官も言われましたとおり、若者が機械の操作をすること、また、それぞれの社会保障等の面、給与の面等、安定した就労条件が得られるようにすること、そしてまた、機械が入ることによって林業の効率が上がり生産性が上がるというふうな趣旨で、将来は森林組合の作業班の内容をこの第三セクターがやっていこうというふうなねらいでやられるわけでございます。しかし、この会社も、設立をされましてどのようになるかという見通しは全然立っていないわけでありますので、この会社等の運営がうまくいくように国としても考えていただきたいわけでありますけれども、そのためには、機械が入って工事がうまくいくような林道や作業道を整備してもらうということ、それから人材の養成、また技術指導のための教育体系とか機関等を整備してもらいたいということ、それから機械の維持管理等も必要になってくるわけでありますので、こういった面の配慮もしていただきたいということ、それからもう一つは、急峻な日本の山でございますから、この日本の山で使えるような機械の開発をぜひ急いで取り組んでいただきたいというふうな面でございます。 一つの大きな問題としては、当初は森林組合の労務班の一部を補完する形をとっているわけでありますけれども、この労務班が高齢化すれば徐々に仕事を受けるわけでありますので、この第三セクターの会社が森林組合の業務をうまく引き継げるような、そういったことをとっていただきたいわけでございますが、林野庁としては、こういったことに対する姿勢はどのようにお考えであるか、お知らせください。
○小澤政府委員 ただいま先生は高知県の嶺北地域の例をお話しされたわけでございますけれども、私どもが把握しているところでは、最近新しい第三セクターの設立の動きがございまして、熊本県の小国町でございますとか愛媛県の久万町ですとかあるいは大分県の上津江村に第三セクターが設立されておりまして、そしてこれらの第三セクターというのは市町村が出資しているという関係もございまして信頼が高く、また就労条件も役場と同程度としているということから、これから私ども、担い手確保ということで重要課題と考えております若年労働者の新規参入が得られやすいというように考えているわけでございます。 それで、それぞれの地域におきまして、このような第三セクターというような動き、あるいはそれと連動いたしまして、森林組合や素材生産業の方あるいは事業協同組合というようないろいろな経営形態の事業体がやはり活発に活動していただきますためには、先生も御指摘ございましたように、林道の整備でございますとか、あるいは担い手の研修というようなことで、技術力を向上させるということも必要でございますし、特にまた機械化の開発は欠かせないことであろうというように思っているわけでございます。 したがいまして、これらの点に力点を置きまして施策を進めてまいりたいと考えておりますし、また若者を中心とした担い手育成の視点から、第三セクター設立の新しい動きにつきましては、積極的に支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
○中谷分科員 これからこういう第三セクターの動きが始まってくると思いますので、どうか今までの森林組合の労務班なり農協なり従来の組織と新しい世代のこういった会社が共存共栄ができるように、こういう点に配慮して御指導をいただきたいというふうに思っております。 それから、先ほど農林大臣の方からも御指摘がございましたけれども、最近、非常に不在村森林所有者等の増加によって、市町村では森林の荒廃が進んで、災害発生の危険性がますます増大をしているわけでございますけれども、これらのものに対する林野庁としての対応策は何かとられるのでございましょうか。また将来、これらの土地を市町村が買い上げることができて、それを中央からの交付金等で補てんするようなことが起これば、もっと森林整備に資すると私は考えておりますけれども、こういった考えはいかがでございますでしょうか。
○小澤政府委員 最近、不在村の森林所有者が増加しておりまして、森林の管理が粗放になるということを我々も憂えているものでございます。したがいまして、今般、森林法の改正案におきましては、これらの不在村森林所有者等が保有しているような森林で、必要な間伐あるいは保育というものが実施されずに、そのまま放置すれば災害の発生のおそれのある場合につきましては、従来の施業の勧告等の制度に加えまして、都道府県知事が分収育林契約の締結の裁定を行うことができる制度を設けまして、不在村森林所有者等の森林の荒廃をなくすべく制度を拡充強化してまいる考えでございます。 このような際に必要な経費の問題が出てくるわけでございますけれども、これにつきましては、従来からの民有林造林事業、間伐促進強化対策事業等による助成措置及び農林漁業金融公庫からの融資制度の活用あるいは森林組合が不在村者等からの森林の経営、施業受託等を推進するふるさと森林活性化対策事業の推進などを通じまして、間伐・保育実施の促進が図られるよう、またやってまいりたいと思うわけでございます。 今先生の買い入れのお話もございましたけれども、私どもはまずこのような、今申し上げましたような方法によりまして、森林の荒廃を防いでまいりたいと考えているところでございます。
○中谷分科員 では、続きまして国有林につきまして幾つか質問をさせていただきます。 第一は、まずこのたび行われました国有林野事業改善特別措置法の改正案に伴う変化でありますけれども、その一般会計負担の見通しについてでありますけれども、国有林は非常に公益的な機能があるという面から見ますと、この経費を特別会計で全面的に負担することは無理があるのではないか。また、林野の予算が少ないために、必要とされております治山事業などが後回しにされることはないか、大変危惧をしておるわけでありますけれども、そこで経常事業部門の収支改善ともかかわりますけれども、このような公益的機能の発揮のための事業に対する一般会計の繰り入れの見通しにつきましてお伺いをさせていただきます。
○小澤政府委員 国有林野事業におきましては、国民の要請にこたえまして、林産物の供給はもとより、農山村地域の振興、さらにはまた国土の保全と水資源の涵養、自然環境の維持等の公益的機能の高度発揮を図ってまいっているところでございます。 今後もこのような要請はますます高まると考えておりますけれども、これに対処するために、これまでは国有林野事業改善特別措置法に基づきまして経営改善を図りつつ、国民的要請に対処するために公益的機能発揮上重要な造林、林道等の事業設備、保安林等の保全に要する経費につきまして一般会計からの繰り入れを行ってきたところでございます。 また、平成三年度予算におきましては、造林、林道について一般会計繰り入れの対象を民有林補助体系と同一にするとともに、今国会に提出しております国有林野事業改善特別措置法の一部改正法案におきまして、森林計画作成に要する経費など一般行政的経費を一般会計繰り入れの対象として追加することとしております。今後とも一般会計繰り入れにつきましては、その確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○中谷分科員 それでは、最後に営林署等の組織の統廃合についてお伺いをいたします。 高知県には馬路村という村がありまして、この馬路村の魚梁瀬の営林署や担当区事務所は、この馬路村における唯一の国の公的機関といってもいいほど大変大きな存在で、住民の多数が営林署に従事している村でございますけれども、この馬路村にとってこのことは大変大きな関心事でございます。しかし、今回の答申を見てもわかるように、国有林野事業の経営の健全化があってこそ、初めてその使命を果たす事業ができるわけでありますので、経営改善の一環としては、営林署などの統廃合は行われることもやむを得ないのではないかと考えます。 そこで、今回の新たな改善計画における営林署や担当区の組織の統廃合の基本的な考え方やスケジュールについてお伺いしたいということと、その実施に当たって地方自治体等の意見も十分に聞いていただく姿勢があるかどうかということについてお話を聞かせていただます。
○小澤政府委員 今回、国有林野事業経営改善大綱等に即しまして、国有林野の管理経営を合理的、効率的に行おうとしているわけでございますが、この観点から、営林署につきましては配置を見直しまして、三分の一程度を統合して、必要に応じ特定の業務を行うセンター組織に改組することを考えております。また、担当区事務所につきましては三分の一程度を統合いたしますとともに、これは仮称ではございますが森林官事務所に改組する等、徹底した見直しを行い、その簡素化、合理化を図っていくことにしたところでございます。 これらのスケジュールにつきましては、今回の法律改正後速やかに具体的な計画ということで改善計画の策定を行うわけでございますけれども、この中で具体的な計画を練ってまいりたい、検討してまいりたいと考えておるところでございます。 また、これらの管理経営組織の見直しに当たりましては、先生御指摘のように地域との関連がございますために、関係地方自治体等の意見、要望を十分尊重し、円満な実施に努めてまいりたいと考えております。
○中谷分科員 いろいろと本当に御努力をされているわけでありますけれども、私も、ちょっと乱暴な言い方でありますけれども、国有林が赤字でなぜ悪いのかということでございます。国有林はその五四%が非経済林であると言われておりますけれども、そのような中で経営をうまくしていくことは本当に無理のあることであって、国有林の一つの使命であります国土を守り緑を育てるという点から、国として大いにこの赤字を認めて、そして堂々と補てんをしていく、そういった姿勢を示すとともに、国民の皆さんに理解をしていただくことを心からお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○町村主査代理 これにて中谷元君の質疑は終了いたしました。 次に、貴志八郎君。 〔町村主査代理退席、嶋崎主査代理着席〕
○貴志分科員 私は、同和問題につきまして、基本的な課題に入っていく順序として、まず具体的な事例について質問に入っていきたいと思います。 昨年の一月に、滋賀県の五個荘農協というところがいわゆる就職差別を行ったという事件がございます。これは、五個荘農協が五名の退職者補充の募集を行うということで、八日市市の職安を通じて求人を出したわけでありますが、その情報を知った彦根市の広野会館の就労担当の方が直接農協の方に連絡をとりまして、就職の面接の打ち合わせをいたしております。この際、就職の面接の日取りが決まりまして、いよいよ面接ということになるわけでありますが、この応募者が部落出身者であるということを知った農協組合長は、何とかこれを断れというふうに担当者に指示をいたしました。そうして、結果的にはN・Oという方に、就職の意思のないのに、あたかも農協に就職が既に決定しておるというふうに偽装いたしまして、そういうでっち上げをいたしまして、そうして彦根市の広野会館の担当者の方に断りの連絡をとったという事件であります。 このことは、もはや私の方から云々申し上げるまでもなしに大変な人権問題であり、許すことのできない差別事件であったと思うのでありますけれども、農水省として一体このような事実を把握しておるのか、事実を聞いてどのような確認を行ったのか、事実の確認を行ったのかどうか、まずその点からお尋ねをいたしたいと思います。
○川合政府委員 今先生から御指摘がございました滋賀県の農協が職員の採用に当たって就職差別の行為を行ったことは、応募者の基本的人権に全く配慮を欠いたまことに残念かつ遺憾な事柄であったと認識いたしております。先生の御指摘の点は、私どもも確認しております。
○貴志分科員 事実に間違いがないということでございますと、これは、同和問題は国民的課題として速やかに解決をしなければならないとされております同対審答申に真っ向から挑戦をする、そういう人権問題であると考えなければなりません。 農協を指導する立場にある農水省として、この五個荘農協に対して、同和地区出身者の就職をなぜ拒んだか、その理由をお確かめになりましたか。
○川合政府委員 先ほども申しましたように、まことに残念かつ遺憾な事柄であると考えておりますが、この理由について、私どもも県を通じ、ただしております。
○貴志分科員 私は、どういう理由で断れと組合長が指示をしたのかということを聞いておるのであります。その辺のところの確認がきちっと行われないと、次の対策が出てまいりません。今のお答えでは、確認をしたということでありますけれども、一体組合長はどういう理由で断れと言ったのですか。
○川合政府委員 私どもの聞いているところによりますと、非常に遺憾なことでございますけれども、組合員との間で差別発言でもあって大きな問題になれば農協は組合員に恨まれる、全くこの問題の本質的な重要性を欠いた理由でこうした行為をしたというふうに承知しております。
○貴志分科員 私もそういう経過があったということを聞いておりますが、ということになりますと、問題は、そういう考えを、そういう認識を持つに至った背景というものがやはりここで問題にされなければならないわけでありまして、その差別の背景というものを指導する立場の農水省としては、どのようにお考えになりますか。
○川合政府委員 この問題は、基本的人権にかかわる基本的な問題、重要な問題であると私ども認識しております。したがいまして、この問題の解決は国の責務であると同時に国民的課題であるという認識に立って、私ども、この問題に対応してきているつもりでございます。
○貴志分科員 ちょっと話の触れ合いというか、かみ合いがずれておるようでありますが、しかし考え方としては、そういうことで処理をしてもらわなければならないわけであります。 御承知のとおりに、戦国時代から封建社会の中で人為的につくられた差別、特に農水省の関係でいいますと、同和地域の立地条件、それは湿地帯であったり、天井川の下であったり、池の下であったり、がけっ縁であったり、さまざまな悪い立地条件の中に置かれていたということ。そういう条件の中で貧困という問題があったし、学校へ行くという機会に恵まれなかったというふうな問題もあった。また、同対審の答申が出て特別措置法が生まれる前の環境の悪い状態、そういったものがすべて差別の材料にされておったわけであります。そのことについては、何とかこれを解決しようと思って努力をしてきたという経過は確かに評価はできると私は思うのでありますけれども、問題は、それですべてが解決するどころか、坂道でいえばまだ八合目までも行っていない状態にあるのではないか。 具体的にお尋ねいたしますが、例えば農水関係の問題だけでいいますと、農地の地価の問題です。わずか農道を挟んで、東が一般地域、西が同和地域といたしますと、東と西の農地の価格にこんな差があるのです。これは一体どういうことなのか。既に基盤整備が進んでおると言われるけれども、現にそういった農地の価格差が、もちろん住宅地もそうでありますけれども、農地の地価の差がある。それがなくなるまでは、まだまだ同和問題の解決は序の口にあると言わなければならないと私は思いますが、その点についてはいかがでしょうか。
○片桐政府委員 同和地区の相当部分、約八割が農村地域に存在しているというふうに承知しております。したがいまして、この同和問題の解決には、何といってもまず農林漁業の振興を通じまして、同和関係の農林漁家の経営の安定なり、生活水準の向上が極めて重要であるというふうに認識している次第でございます。私どもといたしましても、地域改善対策等を通じまして農林漁業の振興にいろいろ努力をしている次第でございます。 最近の、一九八五年のセンサスで調査いたしますと、同和地区の農家の面積が五十アール程度ということで、一般農家に比べまして三分の二程度というような状況になっておりますけれども、今後とも同和地域の農林漁業の振興に最大の努力をしてまいりたいというふうに私ども考えている次第でございます。
○貴志分科員 私は地価の問題を聞いたつもりでありますが、農林水産業の同和地域における振興という形でお答えになって、すれ違いでありますが、いずれにいたしましても、一般地域との差はかなり残っているということだけはお認めをいただいておると思います。 そこで、農協は農村地帯における極めて大きな組織でありますし、その農協組織の同和対策というふうなものは農村全体に広い影響を及ぼしておるとしなければなりません。それが、今お話をいただきましたけれども、どうも形式や建前の処理に終わっている部分がないだろうか。もちろん基盤整備等に対する努力なり成果なりというものは私は否定はいたしませんけれども、先ほど申し上げた滋賀県の農協のような事案が起こってくるということは、指導する立場が建前あるいは形式が整っているからできているはずだというふうなことになっていないかどうかということを私は心配するのです。 それで、時間の関係もありますから、一々の質問をしないでまとめて申し上げますと、例えば同和対策推進担当者というものを設置するように指導しておるようでありますが、それが設置をされておるのは全体の六九%余り、約三分の一がないということであります。それから、地域改善対象農林漁業振興推進会議というものが持たれておるようでありますけれども、これに出席をしたというのが五五・九%、約二分の一強ということに数字が、これは内部での調査の資料だそうでございますが、そういうことになっています。それから、単位農協で職員研修を開催しておるというのが三〇・六%、大体三分の一であります。その単位農協の中でそこに参加をしているのが大体何%あるのか、私どもは把握をいたしておりませんが、そうなってまいりますと、国の方で研修をやるとか推進会議をやるとかいろいろなことで指導をなさっておっても、実際に末端で同和研修なりそういう会議に参加をして、その結果を知っていろいろと認識を高めていくというふうな機会に恵まれているのは一体何%になるのだろうか、私はそのことを心配するわけです。 国としては、今申し上げたように、実態として、本当は一〇〇%達成されていなければならないものが実際にはかなり低調な状態にある、そのようなことを点検されたことがあるか、そのことをお尋ねします。
○川合政府委員 私ども、今先生からお話がございましたように通達などを発出いたしまして、農協に同和対策の推進担当者を設置するように指導しているとか、あるいは農協の全職員に対しまして、啓発活動に積極的に取り組むように指導しているわけでございます。 この実際の状況につきまして、私どもなりに調査をいたしております。その結果、先生が今お挙げになりましたのは農協系統で調べました調査でございますが、前回の調査と比較いたしますと若干の前進はあるわけでございますが、御指摘のように、こうした事案が発生するというようなこと一つ取り上げてもまだ十分でないということを私どもも承知しておるところでございます。こうした事案の発生後、新たな取り組みもいたしておりますが、私どもも粘り強く、しかしながら早急にこの解決のために努力をしなければいけないというふうに考えておるところでございます。
○貴志分科員 十分でなかったというふうに反省を込めてお答えをいただいたので、このことについてそれ以上言おうとは思いませんけれども、なぜ参加しなかったのかということの理由の非常に大きな部分に、業務があったから、仕事があったから行けなかったのだというふうな理由が大部分を占めているのですね。要するに、業務第一、それで農協内における人権問題は後回し、こういうふうな姿勢がやはり農協の中にある。そういうふうなところをやはり基本的に改善をして、人権というものに対する、同和というものに対するもっと実効ある指導というものが必要であるということをこの際に特に申し上げておきたいと思います。 それで、指導する農水省自身が、それではどのような同和問題に対する研修なり事業を通してこの差別をなくする作業をやられてきたか、簡潔にお答えください。
○川合政府委員 私の方からは、農協系統組織に対します指導につきましてお話を申し上げたいと思います。 今お話がございましたような担当者の設置あるいは研修、啓発活動ということをやっておりますが、その後につきまして、何と申しましても各県の農協の中央会の指導体制の充実強化ということが必要であると考えておりまして、各県の農協の中央会がこの問題に対します実施計画を樹立して、特に組合長などの経営者の理解というふうなものを促進する方策を講ずることが必要ではないか、また、御指摘がございました担当者の実際の活動状況を定期的に把握、指導するというようなことが必要ではないかということで、こうした指導を重点にやっていったらどうかということで現在取り組んでいるところでございます。
○貴志分科員 そこで、そういう意味での指導が今日まで必ずしも十分でなかったから、それは徹底して充実をしていってもらいたいと思うのでございますが、同時に、やはり一番大事なことは環境の改善ということになってくる。それで、農村地帯における同和地域の農村経営等についての改善事業というものは、やはりここを改善しないと、貧困ということから脱却させない限りは根本的にこの差別はなくならないということが原則になってくると思うのです。 そこで、先ほどお答えもありましたが、部落の八〇%は農村地帯に存在する。それで、部落の産業としてはやはり一番農業が多いわけであります。ところが、その農家一戸当たりの耕作面積は、先ほどお答えもありましたけれども大変零細化が進んでおる。たしか五百万円以上の年収のある農家は、全体として五・九%あるが、同和地域では一・九%、非常に零細化が進んでおるということ。それから、高齢化現象と米作偏重、バラエティーがない、要するに、営農技術を持てない、そういう面がある。あるいは、兼業農家であっても安定した仕事についていない、したがって総合所得は低い、そういうふうな問題があるわけであります。 これは、国の仕事として環境改善を今まで進めてきておりますけれども、現状は、基盤整備はだんだんと進んできつつあるが、まだ十分ではない。その上、基盤整備ができつつあるけれども、肝心の農業経営という点についてはまだまだ一般レベルに到達をしないという現状に数字がはっきりと出ておるわけですが、こういった部落の農業の零細化、要するに、米作偏重のバランスのない農業、そういったものに対する対策を今具体的に農水省としてどのようにお持ちになっておるか。
○片桐政府委員 先生御指摘のように、同和地域の農村、農家につきましては、農地面積が五十アール程度ということ、それからまた不安定兼業の割合も高いというような状況があるわけでございます。私ども昭和六十年の調査で、十年前の五十年と比較した場合に、農業用機械が大型化しているとか、それからまた施設園芸の面積が増大しているとかというかなりの効果が出ているのではないかという点も認識しているわけでございますけれども、まだまだ一般農家に比べれば格差が残っているということは事実でございます。 農林水産省といたしましては、こういう問題を解決するために、関係機関とも連携を密にしながら、まず何といっても、私どもの仕事といたしましては、対象地域における農林漁業の振興を図りたいということで、農業生産基盤の整備とか施設機械の整備、それからまたいろいろな営農指導、こういうことに力を入れておる次第でございまして、そういう施策を通じましてこの対象地域における農林漁家の経営の安定、それからまたその生活水準の向上というものに今後とも最善の努力をしてまいりたいという所存でございます。
○貴志分科員 同対審答申の中に、この問題の存在は、主観を超えて客観的事実に基づくものであって、改善を一面的に考えてはならないという趣旨がございます。それで、今後の対部落農政については、先ほど来申し上げてまいりました歴史的、経験的な問題をしっかりと踏まえて、部落という点の解決ではなしに、その地域全体の面で産地を構成していくとか、流通機構を考えるとか、そういうとらえ方をしていかなければならないというふうに思いますので、そういった点についてぜひ進めていっていただきたいと思うのです。 時間も余りないようでございますが、農林水産大臣に質問を申し上げます。 たった一つだけ私が具体的な例として五個荘農協の事件を申し上げました。その取り組みについて、今後の強化を進めるということを担当の方からお答えをいただきましたが、先ほど来何回も繰り返しておるように、建前と形はなるほど前進したけれども、実態はやはり日暮れてなお道遠しという感がございます。また申し上げますが、同対審の中で、地区住民の経済的、文化的水準の向上を保障する経済的基盤を確立することが必要であると述べており、その緊急な解決は国の責務である、このようにうたっておるわけであります。 島崎藤村が「破戒」を世に送ったのが大体一世紀前のことでございます。その物語はしかし過去の物語ではなく、今もその物語が現に現世に生きているということを、私は政治家の一人としてなお恥ずかしく思います。大臣は、これらの問題の解決のためにどのような決意をお持ちになっておるか、ぜひ強い決意をお示しをいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 お答えをいたします。 先生の御指摘をいただいた農協の差別採用問題等含めて、今ごろまだそんなことがあるかという感を深めてお聞かせをいただいたわけでありまして、指導強化を徹底的に強めていきたい、こう思っております。 もとより同和問題は、憲法に保障された人権問題でありますから、極めて重要な問題であるというふうに認識をいたしておるわけであります。それがゆえに、政府は四十四年から二十年にわたって、三たびにわたる特別措置法に基づいて今日まで関係施策を進めてきたところでもございます。 農林水産省としても、対象地域における農林漁業の振興と、農林漁業経営の安定や農林漁家の生活水準向上を図るための各種の対策を積極的に実施をしてまいりました。 最終の特別法である現行の地対財特法が失効する平成四年の四月以降の方策については、地対協において、一般対策への円滑な移行について審議されているので、その意見も踏まえて検討してまいる所存であります。 今後とも、本問題の重要性にかんがみて、地方公共団体と一体となって、一日も早い解決のために最善の努力をいたしたいと思うわけでありますが、先ほど構造改善局長からお話しも申し上げた、零細規模である、先生から御指摘のありました土地条件の不利なところに多くがおられるということでもございますので、今回私ども、条件不利な地域における農業をどうするかということで、中山間地活性化という対策を今進めさせていただいておるわけであります。農業の構造改善はもとよりでありますが、零細なそのような地域というのは、まさに兼業の機会もなければいけないのだろうと、こう理解をしておるわけでありますので、私たち、今度の活性化対策は、メニューをいろいろそろえておりますので、それぞれの地域によってそのメニューに対応していただければ、重点的に予算の配分を進めていきたい、こう考えております。
○貴志分科員 最後に一言。地対財特法は、期限が間もなく切れるということは今もお話がございました。現状は、これからこそ地域改善の本番という時期に入っておると思います。差別がなくなり、人権国日本にするために、法の延長を含めてともに頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。 終わります。
○嶋崎主査代理 これにて貴志八郎君の質疑は終了いたしました。 次に、野坂浩賢君。
○野坂分科員 まず、農水大臣にお尋ねをしますが、農業の位置づけについて冒頭に見解を承っておきたいと思っております。 私は、農業という産業は、人類の存在する限り不滅の産業だ、一口で言えば命産業だというふうに位置づけておりますが、農水大臣はどのようにお考えでしょうか。
○近藤国務大臣 先生御指摘のように、農業はいわゆる食糧産業でございますから、人類が存在する限り自給をもって努力をしていくということを絶えず続けていかなければならない重要な産業だ、そう認識をいたしております。
○野坂分科員 非常に重要な産業であるということは近藤大臣と意見の一致を見るわけでありますが、今やこの農業は、曲がり角を回ってがけっ縁に来ておる、こういうふうに言わざるを得ないと思うのです。 したがって、これから継続、発展をさせていかなければならない農業の担い手ですね、後継者、これらについて、最近の学卒者等の就労状況というのはどういうぐあいに推移をしておるだろうか、そういうふうに思いますが、いかがですか。
○安橋政府委員 最近におきます農業後継者の確保の状況でございます。 平成元年におきます新規学卒就農者でございますが、二千百人でございます。それから、新規学卒就農者で、他産業にもついているけれども自家農業にもついているという者が二万四千四百人でございます。それから、いわゆるUターンの方でございますが、一応他産業についておりまして農業の方に帰ってこられたという方が、三十四歳以下の方で二千六百人ということでございます。それから、これは昭和六十三年になりますが、いわゆる農外から新規に農業の方に入ってこられる方が七十七人というような数字として把握しているところでございます。
○野坂分科員 今局長からお話をいただいたのですが、新規の学卒就農者というのは、昭和六十二年は四千人ですね。六十三年は三千五百人、元年は二千百人、漸次減少しつつあるというのが実態ですね。しかも中学校はなし、高等学校は九百人、あとは専門学校や農業大学といいますか教育施設から入っておる人がある。平成二年はどういうことになっておるか、まだ統計は出ていないかと思いますが、全体の推移として流れておる。 この間、予算委員会で農水大臣の演説を聞きましたけれども、専業農家は一六%になった。したがって、だんだん減るという傾向なんだが、この若手の担い手ですね、一体どうしたらいいかということがこれからの後継者対策として非常に重要になってくる、こういうふうに思うわけです。なぜ後継者がないのか、その理由をこの際、明確にしてもらいたいと思います。
○安橋政府委員 後継者の減少の原因でございますが、これはいろいろございますけれども、やはり一番中心になりますのは、農業自体が若い後継者から見まして、他産業に比べまして魅力が乏しいというところがあるのではないか。それはもちろん所得要因もございましょうし、最近におきます農業の国際化時代というのを受けましていろいろな方法がなされているというのも一つの原因になっているのではないか。一言で言いますと、農業を取り巻く非常に厳しい環境からこのような結果になったのではないかというふうに考えているところでございます。
○野坂分科員 いわゆる非常に重要な産業である、命産業であるということは確認する、しかし、後継者はない。 それで、あなた方のところでは後継者対策というのを知恵を絞っていろいろと予算に今度出ておりますね。しかし、育成型と入植型に分けられておる。育成型は町村なり農協で段取りをせい、いよいよなければ都会の青年を引っ張ってきてやれ、いろいろ書いてありますね、金額にしてはわずかなものですが。努力の跡は見られますが、これで完全に後継者対策になり得るかと私は心配します。おっしゃるように、農業に魅力を失った、所得も問題だ、外国からの輸入もある。今は三K時代といって、汚い、危険な、そういうようなものについてはなかなか就労しないというような状況をあわせて、やはり所得を確保していかなければならぬということが大前提になってくるのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけです。それらの点について、所得政策というものについてはこれからどのように、いわゆる価格政策といいますか、所得政策といいますか、どういうぐあいにしてやったらいいのかということをこの際、明らかにしてもらいたい。
○鶴岡政府委員 農業の役割は、もう私が言うまでもないわけでございますけれども、農家経営の安定なり農家生活の向上、あるいは国民に安定的な食糧を納得する価格で供給するということにあろうかと思います。そういうことからしますと、生産政策、構造政策、それを関連づけながら組み合わせて、規模拡大をしながら生産性向上をしていく、あるいは土地利用型でないものにつきましては付加価値を高めていくというようなことをねらいとしまして、農家所得の向上なり生活の向上を図っていくことにあろうかと思います。今後ともそういう中で所得の向上を図っていくのが第一義だと思います。 ただ、先生御指摘のように、今ヨーロッパ等でもEC諸国で所得政策というようなことがいろいろ採用されているわけでございます。ああいう所得政策を農業政策上どういうふうに位置づけていったらいいのか等々、いろいろな問題があろうかと思います。私どもとしましては、今のところ、農業の生産性向上をしながら所得を確保していくということが基本であろうかと思いますけれども、ああいうECでやっておるようなことについてもいろいろ勉強をしていってみたいというふうに考えております。
○野坂分科員 この後継者対策で、来年度の予算委員会あるいは農林委員会で、こういう政策をやったから後継者はふえた、実績は上がりました、こういうことが言えるか、自信がありますかということが一点。 それから、農水大臣は、また局長は、Uターン組あるいは学卒者の三十四歳以下の人が来るという話もあったのですが、一六%の専業農家の中で、また学卒者が就農して、それからどのように動くか、追跡調査をされたことがあるか。追跡調査をして、定住をしておる、定着をしておるのか、またやめて出るかということが非常に問題だと思います 私のところも田舎ですけれども、一六%程度おります。しかし、その専業農家を一人一人調べてみますと、例えば公務員をやめました、JRもやめました、企業を退職になりました、子供たちはみんな出ておるので老夫婦が二人残ってとぼとぼと百姓をしておる、それがみんな専業農家で上がってくるんだ。そういうのをすると半分になってくるのですね。それは専業農家と言えるかもしれませんけれども、前向きとは言えない、こういう実態ではなかろうかと思います。 六十歳を基点として、専業農家の比率がわかっておれば教えていただきたいし、わかっていなければ後で文書で出していただきたいというふうに思います。
○安橋政府委員 第一点目の農業後継者、若い農業者育成確保対策で四億二千万の予算でございますが、ふえるかどうかというようなこと、これでふえたと言えるかどうかという御質問でございます。 私どもといたしましては、こういうことをやっている市町村に支援をして、その市町村で二人でも三人でも後継者が残っていただいて、その地域におきます農村社会の活性化に役立っていただければということでやっておりますので、これをやらない場合に比べてやはりそれなりの効果があるのではないかというふうに考えているわけでございます。 それから追跡調査の点でございますけれども、そういう動態的なものにつきましては今ちょっと資料を持ち合わせておりませんが、やはり調べてみる必要はあるのではないかというふうに考えております。 それから、六十歳を境にして専業農家がどのように分かれているかということにつきましては、後刻資料の方で御説明させていただきたいと思います。 それから、所得要因も後継者の、つく方の判断の一つの基準にはなるわけでございますが、私どもといたしましては、後継者対策の一つとして、所得要因も確かに一つでございますけれども、農村を、いわば都会、町に住んでいる方もうらやむ程度に生活環境が整備された、あるいは公害の少ない、そういった魅力ある住空間として農村環境整備を進めていく、そういうような形で対策を進めることも後継者対策の一つの基盤をなすものではないかというふうにも考えておりまして、必ずしも所得要因だけが後継者難の理由ではないと思っているわけでございます。 それから、少ないながらも残って農業をやろうという意欲に燃えた若い方々、これは高卒比率が今四割でございます。それ以外の方は、今先生おっしゃいましたように、短大とか大学卒の優秀な方がまさに残っていらっしゃるわけでございますから、こういった方々につきましては、やめていっていただく方々の農地を、所有権とは限りませんけれども集積していただきまして、ともすれば経営規模の小さな日本農業の宿命を、これを一つの契機として経営規模拡大の方につなげていただく、そういうことで生産性を上げていただくきっかけになればいいがなということで、農用地利用増進事業でございますとか、構造改善事業でございますとか、基盤整備事業その他いろいろな生産対策等を講じているわけでございます。そういった政策全体で、非常に難しゅうございますけれども、できる限り摩擦がないような形で経営規模拡大の方向に持っていきたい、そういうふうに考えて後継者対策をやっているところでございます。
○野坂分科員 大臣を初めとして、あなた方が努力されておるということはよく承知しております。四億二千三百万円、どのような効果があるか、来年度はお手並みを拝見しております。楽しみにしております。 あなた方がいわゆる後継者対策をやるのは、青年農業者との交流や就農相談活動や促進事業では研修や異業種研修等が列挙されておりますが、概念的にはわかるけれども効果はないな、こういうふうに考えております。来年度そういうことの成果が上がるかどうか問題ですが、今年度、この予算にかかわらずさらに努力をしていただきたいと思います。追跡調査もやってもらう、それから専業農家の実態も後で文書で報告してください。 そこで、あなたが今言われた経営規模の拡大、コストの引き下げ、そして安定的な供給、よくわかりますが、ここ十五年やって、くわかま農業から機械化農業に変わってきた、しかし農業は依然として厳しい。農家の所得は上がったけれども、農業外の所得が増大をして農業所得は低迷、まして低下をするという傾向を示しておるのじゃないのか。そこで、あなたは、所得だけではなしに環境の状況というようなことを今提起されましたけれども、考えてみますと、日本の農業というのは大体五百五十万ヘクタールある、そのうちに中山間地帯と呼ばれるところは約四六%の二百二十五万ヘクタールある。ここをどうするかということが一つの課題だと思います。若手は都会に出ていく、年寄りは残るという格好で、自然環境の整備をし、若い人たちが定住をするためには一体どうするかということがこれからの課題になってきますね。これからの農業の焦点は、中山間地帯農業を、地域農業をどうして発展させるかということにだんだん絞られてくるという可能性がある。平地の場合は規模拡大をやればいい。そして、中山間地帯はどうだということになりますと、それらの点については、例えばイタリアでもスイスでも標高によって小麦の値段も決まっておる。しかし、日本の場合は市場経済ですから、それはなじまぬと思いますね。だから、所得はだんだん減ってくる、草ぼうぼうだ、カメムシの運動場になってくるという状況で、一人逃げ、二人去り、一層過疎の状態が現出をする。一極集中から多極分散という政府の方針はあるが、現状は、いわゆる中山間地帯は荒れに荒れておるという状態です。そのための定住政策は一体どうするんだ、そして農業所得が少なくなっておる段階でどのように処置をするとか、私は率直に提言しますが、中山間地帯農業というのは、価格政策から所得政策に移行しなければ自然条件を整備することはできない。だから、農業の維持をするためにもいわゆる社会保障的なそういう立場で、所得政策移行への段階に入った、こういうふうに認識しておりますが、いかがですか。
○近藤国務大臣 若干前の質問にもあわせてお答えをさせていただきたい、そう思います。 今日とられている後継者対策で来年以降増大をするという自信があるかということでありますが、必ずしも自信を持っているわけじゃございません。従来のことにつけ加えて、最大限の知恵を絞って平成三年度の予算案を編成させていただいたのでございますけれども、私は、それだけではこれからの若い人たちに魅力のある農業ということには不十分ではないか、実はそう認識をいたしておるわけであります。一つは、所得上の魅力もあれば作業上の魅力という点についてもあわせ考えていかなければならないわけでございますし、私が大臣に就任してから一つ特に深刻に受けとめておるのは、私たちが従来やってこられた政策については、規模拡大をするということになれば、どうしても農業人口が減少せざるを得ないということが一つは裏腹になっておるわけであります。 しかしながら、これほど後継者に魅力がないということも実は将来にわたる重大問題でございますから、そういう意味合いでのこれからの農業をどう展開をしていくかということで深刻に受けとめたと申し上げたのは、耕作放棄をしておる農地が、若干でありますけれども増大をしておるということは極めて深刻に受けとめなければならない、後継者の不足よりももっと以前に深刻に受けとめておかなければならない問題だ、実はこう理解をいたしておるわけであります。平場における基盤整備なり規模拡大なり面的集積なりということをしておりますけれども、決してこのこと自身も、基盤整備をやれば農家所得はふえるのではなくて、機械の効率をよくしていくということでなければいけないことであって、従来の人たちが作業しやすくなったということでありますが、作業しやすくなった裏腹には機械負担が増大をするということですから、機械の効率をどのようによくしていくかということが所得につながっていくわけであります。 もう一つ、耕作放棄をするという地域は、先生今御指摘の中山間地が高いわけでありますから、ここの農業をどのように魅力を持たせていくかということになりますと、やはりこの地域というのはあらゆる面で、土地条件も不利でありますが、生活条件も実は不利でありまして、今の若い人たちの魅力というのは、一つは、都市的サービスをどのように受けて生活をするかという面も考えていかなければいけないことだ、そのように実は認識をいたしておるわけでありますから、都市との距離をどのように、私ら、農業政策というよりも道路網を含めて、できれば、二時間もかかって行くところが隧道を一本掘れば三十分で行けるというような山村、中山間地も実はございますので、私どももまた、農産物をより早く、傷めないで市場に出すという役割と含めてその辺も農道事業の中でも考えていきたいし、他省との道路整備ともまた関連づけてはいきたい、実はこう思っているわけであります。 その意味からすれば、中山間地の活性化対策事業というのが、メニューをかなり幅広く持たせていただいて、沖縄から北海道までそれぞれの地域においてそれぞれのまた、中山間地と一口で申し上げても実はいろんな条件が多種多様でございますから、一つは、その地域に合わせた作物を選択してもらう、あるいは情報の整備をしてもらう、あるいは集会所を持ってもらうというような、あらゆることに対して中山間地の総合的な対策として今考えておるわけでございますし、適地適産の時代をこれから進めていくということもあわせ考えていかなければなりませんが、今価格政策か所得政策かということに至りますと、今にわかに所得政策を直ちに導入するというよりも、いま少し、あらゆる土地条件が悪いところの条件整備をするには、負担を軽減させていくという努力、いわば補助率をうんと上げていくという努力を私どももまず最初にするべきではないだろうか。 そして生活の環境も、集落排水を含めて、都市との交流をするには、今都市の人が農村に来てトイレの環境を見ても、これはとても滞在をするという環境じゃございませんし、村全体にも若い人たちの魅力がございませんので、村全体の景観を含めて魅力を持たせていくというようなことを考え、農道なんかにも集落に近いところは街路樹を植えたり、そしてまた景観作物というものを転作作物の中に入れて、コスモスとかそういった花類を奨励金対象にさせていただいたり、実はちょうどきょうむらづくり対策推進本部というものを農林水産省に設置をさせていただきました。そして担当者を今ヨーロッパの村に、余り大規模じゃいけませんので、日本型に近いところの村の景観その他を勉強していただくために実は派遣いたしておるわけであります。今後また中山間地対策、いろいろ知恵の要るところでありますけれども、先生からまた御指導をいただければありがたい、そう考えております。
○野坂分科員 今大臣がお話しになったように、確かに中山間地帯の生きていくための条件の整備をしてやるということであります。それは中山間地域山村総合整備対策事業とか農地保有合理化促進事業とかいろいろメニューが出ておりますが、それらを含めて、今おっしゃったように構造改善事業一つとりましても、県営でも団体営でも四七・五が補助率ですけれども、ミニ総パの場合は五%高いわけですから、中山間地帯には手厚い補助をしてもらわなければ、事業費は高くかかるし、負担率は多くなるという格好になってきて、だんだん過疎が促進されるという状況ですから、思い切った大胆な補助政策をとってもらって、生きていく、また定住する条件整備を当面していく、そして価格政策がそれで思うようにいかないということになれば、所得政策というものも前向きに検討してもらわざるを得ないというふうに思いますが、そういうふうに考えてよろしゅうございましょうか。
○近藤国務大臣 せっかく政府が今地域活性化に、ふるさと創生なり多極分散に取り組むのは政府の一体の方針でございますから、その受け皿を整備していかなければその対応ができませんので、今住んでおられる方がそこに生活のできる条件整備について積極的に負担の軽減に努力していきたい、私はこう思っております。
○野坂分科員 全く時間がありませんが、最後にガット・ウルグアイ・ラウンドについて。 日本は、いわゆる食糧安保、そして九月二十八日でしたか、ファームの提案をされておりますね。基準年を九〇年とするというダンケルさんの意向、我々は基準は八六年だと。そしてそれをやってきたものを集約すると、米穀関係は五・四%で、牛乳・乳製品は八・六%残るだけだ、こういうことになっていますね。それが内外の価格差や外国の動き等を見て、それを最後の不退転の決意で述べられておるし、中間報告に入れられておりますけれども、今度は入れられていないという状況ですが、私が聞きたいのは、この七年間ですか、平成七年までに三〇%の削減のうち、今まで八六年を基準にすれば五・四と八・六、こういうことになっていますね。この決定、考え方というのは、いわゆる生産費所得補償方式というのが乳製品でも米でもとられておりますけれども、言うなればだんだん削減をいたしますよということになる。面積もあるけれども価格も下がる、こういう格好になるなと我々は危惧するわけです。一応下がってくるのではないか。いや、それは別だとはいうものの、今度の酪農部会や食肉部会や、乳の値段をこれから三月には決めるわけですけれども、こういうことを考えてみると、漸次下げていかなければならぬ。年間一%ずつ下げて三〇%の目標に達するという傾向というのは、例えば円高になれば価格差は拡大するだろう、円安になれば価格差は縮小するだろうということは一面言えますけれども、全体的な流れでこれから米穀あるいは乳製品というものは下がるという方途がこのいわゆるファームを見る限り考えられるのではないか、こういうふうに思われるのですが、それは杞憂でしょうか。大丈夫ですか。これから上げるものは上げますか。その辺きちんとしてもらいたいと思います。
○鶴岡政府委員 先生御指摘のように、今回の交渉は従来のラウンド交渉とは異なりまして、国内政策につきましても一定の規律を課するというようなことで、一昨年四月、中間合意におきましてそういうような合意がされているわけでございます。 ただ、我が国は御指摘のとおり食糧の大輸入国でございまして、そういう立場から、その際にも輸入国の立場を反映した姿勢あるいは従来やってきておりましたそういう実績を加味すべきであるという各種の提言を行っております。昨日来、この問題につきまして技術的な検討が行われておるところでございます。この中間合意の決定自身は、現在やっております交渉においてもそういう枠組みの中で行われるというようなことになっておりまして、私どもとしましては、従来の立場を主張しながら輸入国としての適正な決定がされるように最善の努力をしていきたいと思っています。 ただ、我が国も入った交渉でございますので、結論が出ますればそれは国内政策に取り入れていかざるを得ないと思いますけれども、その際も、これからの決定の仕方でございまして、その最終的な決定がどういうふうになるのか、その辺をにらみまして、日本の農業の振興といいますか農家経営の安定という立場から政策の中に組み入れていくということになろうかと思います。ただ、ただいまのところは、全力を挙げてそのラウンドの決定につきまして日本の立場を極力反映するような最善の努力をしていきたいというふうに考えております。
○野坂分科員 時間が参りましたのでやめなきゃなりませんが、鶴岡さん、言うなれば三〇%を五・四にし、八・六にしたんだ、我々は主張しておるのだ、だから皆さんに応援してもらいたいということは我々はよくわかるのです。しかし、そのものだけをとらえて国内で眺めてみると、三〇%削減が五・四になり八・六になったとしても、漸次生産者価格は上がっていくという体制にならぬ。言うなれば、農水大臣が言われるように規模拡大や機械化等によってコストダウンを図りながら、所得をふやして、価格を下げていく、こういう格好にしかなりませんな。それなれば、乳製品や米穀はやはり下げの方向というものを方向づけていくということになりますな、そうすると一般の生産農家はさらに厳しい環境に置かれることになりましょうかということを私は端的に聞いておるわけです。そういうことになりますか、いかがですか。
○鶴岡政府委員 今ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉がやられている最中でございまして、具体的な点について申し上げることは御容赦願いたいと思いますけれども、いずれにしましても、農家経営の安定とか農家生活の向上というのが農政の最大政策の柱の一つでございます。 そういう方向に向けまして、ウルグアイ・ラウンドが決まりましたらそういうことを頭に置いて、価格だけの政策でもございませんし、また価格をどうするかというのもまだ率直に言って申し上げる段階でございませんけれども、いろいろな政策を組み合わせて農家経営の安定なり食糧供給の安定という点に全力を挙げていきたいというふうに考えております。
○野坂分科員 終わらなければなりませんが、まあそれはまた農水委員会でやるとして、大臣、私は基本法農政についてあなたと議論したかった。予算委員会では基本法農政というものについて、この見直しなり抜本改革の問題についてはよく勉強して、自分で腹入れをしてから踏み切りたいというふうなお話だったんですね。 三十六年に農業基本法を制定しましてから既に三十年たちました。あの中身を読んでみますと、いわゆる自立経営農家の育成ですよ。しかし、三十年たった今、専業農家というものは哀れな姿をとどめておる、第二種兼業農家が圧倒的に多い。自立経営農家というのは姿が隠れてきたな。二点目は、十一条に書いてありますように、これからは肉食で、果樹が盛んになる。しかし、愛媛県や和歌山県や広島県はやはりミカンを切っていく、我々のところのナシもだんだん間伐していく。ということになれば、選択的拡大も変わってきたな。問題は基盤整備だ、構造改善の。そういう中でも、おっしゃるように機械の効率の問題もありますが、やはり代金も支払っていかなければならぬ。三十年の経過をたどってみると随分矛盾も出てきた。 これらの矛盾を是正をして、真の命産業で、農業で食える体制をつくるためには、私は、近藤大臣が長く大臣席にとどまることを期待しますけれども、あるいは今度の総裁選挙等を通じておかわりになれば、また新たになる。したがって、農水大臣は任期中に、これらの問題を検討して、新たに日本の食糧はどうあるべきか、どう自給すべきか、農業はどのように進めるべきかという基本的な農業政策というものを打ち出してもらわなければならない時期に来たと私は判断しております。したがいまして、勉強して済んでしまうとまた困りますので、任期中に結論を出していただいて、農業者が、生産者が喜んで農業にいそしむ農業政策をつくり出すための基本法というものをやはり見直すか、あるいは抜本的に総合的な対策のための基本法、農政というものを検討する時期が来たと考えておりますので、それらについて、最後に、時期を明示して御答弁を賜りたいと思います。
○近藤国務大臣 内容には触れませんけれども、任期がいつかも定まっておりませんけれども、今委員から御指摘のような総裁選挙が任期だとすれば、私はその前に、こういうところを検討してほしいということは少なくとも指示をして明らかにしていきたい、そう思っております。
○野坂分科員 ありがとうございました。 これで終わります。
○嶋崎主査代理 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。 次回は、明十三日午前九時より開会し、総理府所管中環境庁について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十分散会