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120回国会衆議院1991/03/11

予算委員会第五分科会 第1号

発言数
204
登壇者
22
会派数
5
開催日
1991/03/11

会議録

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。  本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算及び平成三年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。近藤農林水産大臣。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 平成三年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。  農林水産業及び食品産業などの関連産業は、国民生活にとって最も大切な食糧等の安定供給とともに、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全など、我が国経済社会の発展と国民生活の安定を図る上で必要不可欠の役割を果たしております。  一方、我が国は、国土が狭いという制約はあるものの、温暖多雨な気候に恵まれ、南北に長く変化に富んだ自然条件にあります。また、消費水準の高い大きな国内市場に恵まれ、すぐれた農林水産業者と農林水産技術を擁するなど、農林水産業や関連産業の発展を図る上で有利な条件を備えていると考えております。  私は、我が国の農林水産業や関連産業が、このような特性を生かしつつ、その持てる力を遺憾なく発揮すれば、二十一世紀へ向けて新たな展望を切り開いていけるものと確信しております。  このため、「農産物の需要と生産の長期見通し」などを指針とし、より一層の生産性の向上を進め、国内での基本的な食糧供給力の確保と良質かつ安全な食糧の安定供給を旨として、構造政策や生産対策を強力に推進してまいりたいと考えております。  また、農山漁村は、農林水産業が展開される場であるほか、国土の大宗を占めるとともに、人口の相当部分が居住する国民生活の本拠として重要な地域であり、個性豊かな地域文化を継承・発展させ、国民が豊かな自然環境の中で健康的な余暇を楽しむ空間として、重要かつ多面的な機能を担っております。  しかし、農山漁村は、生活基盤の整備と安定的な雇用の確保の面において、都市に比べ立ちおくれており、これを改善していくことが重要であります。  したがって、我が国経済社会の調和ある発展と豊かでゆとりある国民生活を実現していくためには、農林水産業や関連産業の健全な発展とともに、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図ることがぜひとも必要であると考えております。  以上のような基本的考え方のもとに、来るべき二十一世紀に向けて、農林水産業者が希望と誇りを持って農林水産業に取り組めるよう、明るく夢のある農林水産業を育成するとともに、活力ある 農山漁村の実現を図り、あわせて、関連産業の振興を図るため、平成三年度予算において所要の予算を計上したところであります。  平成三年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆二千六百五十八億円であり、その内訳は、公共事業費が一兆六千九百六億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千二十億円、食糧管理費が三千七百三十二億円となっております。  予算の編成に当たりましては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、予算の重点的かつ効率的な配分により各種施策の充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。  以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。  以上であります。     〔町村主査代理退席、主査着席〕

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 この際、お諮りいたします。  ただいま近藤農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略いたしまして、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔近藤国務大臣の説明を省略した部分〕  以下、予算の重点事項について御説明します。  まず、農業施策に関する予算について申し上げます。  第一は、農業生産の体質強化を目指した構造政策を積極的に推進することであります。  まず、若い意欲ある農業後継者・担い手を確保するため、方針の策定や研修、交流、組織づくりを推進するとともに、農地の貸借、農作業の受委託等による経営規模の拡大を図ります。また、農業・農村の活性化を目的とする農業構造改善事業を引き続き推進します。  さらに、農業生産基盤の整備については、ほ場の面的集積を図る等生産性の向上を一層推進します。  なお、従来の農業基盤整備事業については、名称を農業農村整備事業に改め、農業生産の基盤である農地条件の整備と並んで最近重要性を増している農村の生活環境の整備や国土の防災保全にも重点を置いて事業の充実を図ることとし、一兆六百九十一億円を計上しております。  第二は、需要の動向に応じた高生産性・高品質農業を育成することであります。  二十一世紀に向けて、新しい農業技術、機械施設の積極的な導入等により生産性の飛躍的向上と高品質化を図り、今後の農業生産を取り巻く環境の変化に的確に対応できる先進的な取組を推進するなど、総合的な生産対策を実施するとともに、水田農業確立後期対策を着実に推進します。  また、農業が本来持つ環境保全機能のより一層の向上と農業生産の効率化のための技術の確立を目指します。  一方、平成三年度からの牛肉の輸入自由化に対処するため、新たに牛肉等の関税収入を特定財源とした肉用子牛等対策を発足させるなど、畜産についての総合的な対策を講じます。  第三は、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図ることであります。  このため、集落排水、道路等都市に比べて立ち遅れている生活基盤の整備を推進します。  また、都市住民にも開かれた豊かな農村空間の創出を推進するとともに、水、緑、土地等豊かな地域資源を活用し、優れた景観を有する農村環境の整備を図ります。  さらに、研究開発、情報・通信、教育研修などの農業支援機能の集積により、先進的な農業を核とした地域振興を図るため、アグロポリス構想を推進します。  第四に、技術の開発・普及と情報化の推進であります。  イネ・ゲノムの解析研究をはじめ基礎的・先導的研究の強化と併せて、消費ニーズに対応した研究開発、研究交流、民間研究の支援を実施するとともに、先端的農業技術の実用化及びその普及を推進します。  また、農林水産業・農村地域等における情報化を推進するとともに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。  第五に、国民に健康的で豊かな食生活を保障する観点から、新たな食文化の創造、規格・表示の適正化等各般の消費者対策を推進するとともに、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。  第六に、食品関連産業の振興と輸出促進対策について申し上げます。  まず、地域食品産業の活性化を図るため、人材の育成・確保、新製品の開発等に努めるとともに、食品の消費と生産事情の変化、大店法の規制緩和等に対処するため、食品流通の総合的な構造改善対策を推進します。  また、海外におけるテストマーケッティングの実施、アンテナショップの増設、国産統一ブランド創設の検討等により、品質的に優れた国産農林水産物の輸出促進を図ります。  第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進であります。  熱帯林の減少、砂漠化の進行、地球の温暖化等の問題に対処するため、地球環境保全対策を拡充するとともに、多様化・高度化するニーズに対応した農林水産分野の国際協力を推進します。  以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実を図るとともに、農業信用保証保険制度、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めることとしております。  次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。  国民のニーズにこたえる多様な森林の整備と国産材時代の実現に向けた条件整備を図るため、森林法制を見直し、森林整備五箇年計画の策定を推進します。また、造林事業及び林道事業を総合的かつ計画的に推進することとし、治山事業と併せて三千四百七十七億円を計上しております。さらに、林業・山村の活性化を図る林業構造改善事業を引き続き推進します。  また、森林計画制度を改善し、「流域」を単位として、民有林・国有林を通じた生産基盤の整備、林業の担い手の育成確保、機械化の促進等森林施業の合理化を図ります。  このほか、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化に努めます。  一方、厳しい経営状況にある国有林野事業については、閣議了解された「国有林野事業経営改善大綱」に即し、累積債務対策を含め、新たな経営改善対策に着手します。  続いて、水産業施策に関する予算について申し上げます。  二百海里時代の定着等に即応した漁業生産基盤の整備と漁村の生活環境の向上を図るため、漁港、沿岸漁場の計画的な整備を推進することとし、二千二百四十三億円を計上しております。  また、我が国周辺水域の資源の増大及び安定した漁獲を実現するため、資源管理型漁業の推進・定着化のための総合的な対策を実施するとともに、栽培漁業等「つくり育てる漁業」の推進を図ります。  さらに、資源開発や国際漁業協力を推進するとともに、水産物の需給安定、流通消費、加工対策を実施します。  また、漁協の信用事業の統合等による漁協・水産業の経営基盤の強化を図ります。  次に、特別会計予算について御説明いたします。  まず、食糧管理特別会計につきましては、管理経費の節減等に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千百億円とすることとしております。  農業共済再保険、国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を 計上しております。  最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千四百七十二億円を予定しております。  これをもちまして、平成三年度農林水産予算の概要の説明を終わります。     ─────────────

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。     ─────────────

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村建夫君。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 予算委員会もいよいよ分科会に入りまして、大詰めを迎えておるわけでありますが、大臣を初め政府委員の皆さん方、大変御苦労さまでございますが、引き続きよろしくお願いをしたいと思います。分科会ということでもございまして、若干各論にわたる点もあろうかと思いますが、御答弁を賜りたいと思います。  質問通告によりまして順次質問させていただきたいと思います。  まず、林業問題についてでありますけれども、我が国の森林・林業を取り巻く環境といいますか情勢をいろいろ考えたときに、今まさに地球的規模で、環境保全の問題等含めて森林・林業を取り巻く問題が言われておるときである、このように思うわけであります。いわゆる森あるいは山、緑、そういうことに対する国民の期待は非常に高まってきておると思うわけであります。いわゆる森林の持つ公益性といいますか多機能、これはもう木材を生産するというだけじゃなくて、国土保全の立場あるいは水資源の涵養であるとか、また、生活環境の保全等々、非常に複雑多様化、高度化してきておるわけでございます。  こうしたような高まりの中で、現実はどうかということになるわけでありますけれども、今や林業を取り巻く情勢は国民的高まりにこたえるだけのものになっているかどうかというと、極めて厳しい現状にあるという認識があるわけであります。実際の林産業、これを支えております山村というものは、御存じのとおりの過疎化が進んでおるわけでありまして、林業労働力というものはますます減少しておりますし、また高齢化あるいは後継者も非常に少ないといった問題がありますし、一方では、円高が定着してまいりまして、外材、いわゆる米の輸入自由化の問題等も言われておりますけれども、林業では早くから自由化をしておるわけでありまして、この需給構造からしても非常に厳しい状況にあります。また一方では、林道の基盤整備あるいは機械化の立ちおくれ、今日の技術の発展の中で非常に立ちおくれている現状もあるわけでございます。  そうした面からいいますと、長期にわたりましてこの林業を取り巻く産業というものも不振にあえいでいるわけでありまして、まさに限界に来ているといいますか、一歩進んで言えば、山はまさに荒廃、森はまさに荒廃せんとするというときを迎えているのではないかという非常に厳しい現状に私は危機感を抱いておるわけであります。  こうした現状を踏まえまして、昨年十二月十七日だったと思うのでありますが、林政審議会の答申もされておるわけでありますし、また近藤大臣からも、林業の振興についての所信表明もなされたわけであります。二十一世紀は国産材の時代、こう言われておるわけでありまして、これをどうしても現実のものにしていかなければなりません。緑と水の源泉であります多様な森林、人工林は一千万ヘクタールと言われておりますが、こうしたものを基盤としながら森林の整備を図っていく、林業労働力の育成、確保の問題、あるいは林業生産、加工、流通における条件を整備していく、こうした問題を官民一体となってやっていかなければいけないときが来たと思うわけであります。もちろん、林業に携わる関係者みずからの自主的努力も重要でございますし、あわせて国民の理解といいますか、そういうものも必要でありましょうし、さらに加えてやはり行政、国の強力なバックアップというものも必要な時期を迎えておるわけであります。  そういうことを考えながら、今後の森林・林業の活性化のためにはどういうふうに進めていったらいいとお考えか、改めてその基本方針をまずお伺いをしたい、こう思うわけであります。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 お答えいたします。  実は河村委員今御指摘のような林業環境でございます。林業の採算性の低下やまた林業従事者の減少、高齢化、また一方では、基盤整備が立ちおくれておるというような大変厳しい環境の中でございます。また一方では、地球環境などと言われて、空気や水や緑が新たな価値観を有するようなときを迎え、我が国でも水源税を初めとする基金等々の財政支援を求めてきた今日でありますけれども、今回法案を提案をさせていただいておりますように、国有林においては累積債務と経常事業部門との区分をしながら累積債務の解消を図り、経常事業部門の健全な経営をスタートしたいという、その意味での二法案を今御審議をいただいておるわけでもあります。一方ではまた、流域単位で国有林、民有林、いわゆる川下、川上を一体化をして林業経営に当たらなければならないということで、流域単位という方向を持って進めていきたいというふうに考えて、実は今いろいろ御相談をさせていただいておるところでもあります。  しかしながら、やはり何と申し上げても、林業に従事をしてくれる人たちの労働環境を整備するには、機械の開発導入が最もおくれておりますので、機械を導入するとあわせて、機械開発のためにやはり私ども一方で努力をしていくことが林業従事者の環境の整備をすることと、もう一面では、若い人たちの生活の環境を整備していくという、そういう山村の生活の整備と山村全体に対する生活環境、村づくりというものをあわせ考えながら、今委員御指摘のありましたように、樹齢からいっても二十一世紀まさに国内産の使えるようなそういう時期を目の前に迎えておるものですから、今後一層の努力を傾けていきたい、そう考えておるわけであります。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 流域を単位としてやっていくということでございまして、私も、これから地域林業を進めていく上でやはり流域の理解といいますか、関係者の意思の疎通、合意形成、これは川上、川下も含めてでありますけれども、こういうことが必要だというふうに感じておるわけでありまして、こうした中で外材に対抗できるようないわゆる品質と量というものを踏まえた国産材の産地形成をやっていかなければいけない、またこれが必要だというふうに考えておるわけでありまして、この流域管理システムというものをさらに強力に進めていただきたい、このように考えておるわけでありますが、そうした流域管理システムを中心とした森林整備というものを行うにつけても、これを担っていく林業事業体とかあるいは林業従事者というものが養成され、また確保されていかなければ、その機能というものは十分に発揮されないわけであります。  また、その地域林業の中核的担い手というのは何といっても森林組合だと私は思うわけでありまして、造林とか保育とか間伐とか、あるいはまた森林所有者の意向をくみ上げて森林整備を推進していく。最近は不在地主というようなこともありまして、なかなか森林所有者の意向も難しいわけでありますけれども、そうしたことに取り組む必要性から、これからやはり森林組合をどういうふうに位置づけていくかということが林政の推進にとって重要なことだろうと思うわけでありますが、政府としては、今後森林組合をどのように位 置づけていかれるお考えなのか、この点についてもお伺いをしたいと思うわけであります。

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 小澤林野庁長官。簡単に、しかし丁寧にやってください。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 お答えいたします。  森林組合は、現在におきましてはまさに地域における林業の中核的な担い手でございます。数字で申し上げますと、民有林の新植面積の七八%を実施している。また民有林の間伐面積の六六%を実施するというように重要な役割を果たしているわけでございます。  今後の林政の推進におきましては、流域を単位といたしまして、その中で森林組合は森林整備の中核的な担い手として位置づけてまいりたいと思っておるわけでございます。  具体的には森林所有者への施業の共同化あるいは施業委託の働きかけというようなことでございますとか、森林組合の合併等によりまして、経営基盤の強化それから林業従事者の養成、確保に努めていただきたいと思っております。  また、高性能林業機械の導入あるいは作業路網の整備等、林業の生産性の向上のための条件整備等、地域林業の活性化のために重要な役割を果たすことが期待されているものでございます。  なお、今回の森林法改正におきましても、複層林でございますとか長伐期施業を促進するために、特定の森林施業計画を策定する制度を設けることといたしておりますけれども、この中で森林組合が組合員のために、これら施業計画の作成に取り組めるよう、事業範囲の拡大につきましても役割を大いに発揮していただきたいと考えているのでございます。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 今後の林政の推進に当たっては、森林組合が非常な役割を果たす、果たしていかなければいけないということでありまして、まさに同感でありますので、それをやっていただきたいわけでありますが、ただ、森林組合の規模というものは非常に小さく、また財政力も弱いということが問題になっておるわけであります。  私は山口県の県森連の会長をいたしておりますけれども、山口県の実情を見ましても、今森林組合が五十一あるわけでありますが、それぞれ造林、間伐等を一生懸命やっておるわけでありますけれども、しかし実際には素材生産量が三千立米を超えるような活発な森林組合は三分の一あるかないかでありまして、大半が千立米を下回るようなそういう組合、あるいは素材生産をやっていないという組合が大半なのであります。また、出資金に至りましても平均して約一千四百万ぐらい、極めて零細でありますし、実際に各組合の専従の職員、役員を含めても五人に満たない、平均四・五人ぐらいだという現状があるわけであります。また職員の給料等も、役場なんかの職員の給料に比べますと大変低いわけでありまして、私の調べたところによりますと、役場なんかの一般行政職の平均が二十七万五千円と言われておりますが、森林組合の職員の平均は十六万二千円、十万以上の差がついておるわけであります。こういうことを考えますと、もっともっと森林組合を強化していかないと今後の林政の推進は成り立っていかないのじゃないかと思うわけでありますが、この組合の強化策についてあわせてお伺いをしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 森林組合の強化策につきましては、これまでも不在村者等の森林の適正管理、森林組合の作業班の育成、確保、あるいはまた林業構造改善事業や間伐促進対策等の実施を通じまして育成強化に努めてきたところでございますけれども、さらに平成三年度からは、国産材産業振興資金の運転資金の中に新たに森林組合等林業事業体の体質強化を図るための林業事業体再編整備促進資金を新設いたしまして低利融資を行いますとともに、月給制あるいは社会保険の加入促進等、林業従事者の就労条件の改善等を総合的に推進するために林業労働力育成確保特別対策事業を実施することといたしているところでございます。  今後ともこれらの施策を通じまして、森林組合の育成強化に努めてまいりたいと考えております。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 森林組合の育成強化の中で、御指摘がありましたように合併等の推進ということもこれから考えていかなければいけないと思うわけでありまして、体質を強化するためにどうしても必要なことだというふうに考えるわけであります。これからの合併の推進のための取り組み状況、またあわせて、これまで税制優遇措置等によりまして合併の推進に大きな役割を果たしてきた森林組合合併助成法もいわゆる期限切れが来るわけでありますが、そうした扱いも含めて、今後の方針についてお伺いしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 森林組合の合併につきましては、昭和三十八年に制定されました森林組合合併助成法に基づきまして、四期にわたりまして推進してまいりました。その結果、組合の数は、昭和三十八年度の三千五百四十一組合が平成元年度末には千六百八十四組合となっておりまして、九割以上の組合が市町村の区域一円ないしその区域を超えます区域を地区とする組合となっている実態にございます。  しかしながら、経営状態の悪い組合との合併を受け入れないというようなケースもございましたり、合併に対する地域の合意づくりというものが今後も必要でございます。  このような状況にかんがみまして、円滑な合併に資するように、従来からの税制のほかに、平成三年度におきましては、国産材産業振興資金に負債整理資金を含めまして低利融資を行うという観点から、林業事業体再編整備促進資金を新設することといたしますし、また、森林組合の系統組織による合併推進活動と一体となりまして合併促進に努めてまいりたいと考えております。  なお、森林組合合併助成法につきましては、民有林、国有林を通じます森林の整備や国産材生産の担い手としての役割を果たしていくにはまだまだ脆弱な森林組合が多いことにかんがみまして、森林組合系統の自主的な取り組み状況を踏まえまして、その延長について検討をさせていただきたいと考えているところでございます。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 最後に、今の森林組合を強化していく上で、どうしても林業を就業の場とする林業従事者の育成、確保、これなくして強化策はあり得ないと思うわけでありますが、現実には林業従事者はもうどんどん減ってきているわけでありまして、昭和四十年の三十七万人から現在十二万人と言われております。しかも高齢化、五十歳以上が大半を占めるという現状でありまして、この現状を何とかして打破していくということがこれからの必要なことだと思うわけであります。  特に林業従事者の賃金単価も非常に低いわけでありまして、平成二年度の三省協定(農林水産省、建設省、運輸省)によりましても、いわゆる土木事業の作業員は一万七百円、林業従事者は七千六百円ということで、これではなかなか新規の林業従事者ができないという現実もあるわけであります。また、森林組合が行います造林の事業諸掛かり費についても、実際にかかる経費よりも低く抑えられているというような問題があるわけでありまして、こうした諸問題を抱えながら、これでは森林組合を運営していくことは難しいのではないか、造林・保育事業をやっていけないというような悲痛な声もあるわけであります。  こうしたことも踏まえながら、今後林業担い手の確保、これは重要な問題だと思うわけでありますが、その点について一言お願いをしたいと思うわけであります。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 先生御指摘のとおり、林業の担い手問題は、私どもも、最近における林業の低迷もございますし、これらの活性化を図るために最重要課題の一つであるというように考えております。昨年十二月に御答申をいただきました林政審議会の答申の中にも、林業事業体の体質強化あるいは高性能機械の開発導入を推進する一方、他産業と同程度の労働条件を確保するため、林業労働力対策を緊急かつ効果的に講じるよう提言されたところでございます。  これを踏まえまして、林野庁といたしましては、 今後、「流域」を単位とする多様な森林整備や国産材の安定供給に向けまして取り組んでまいりたいと考えております。  特に、全国及び都道府県段階に林業労働力育成センターを設置いたしまして、月給制でございますとかあるいは社会保険加入の促進等、就労条件の改善あるいは就労の広域化に努めてまいりたいと考えております。  また、高性能林業機械の導入に際しまして、その機械を駆使するために新たな技能集団の育成が必要でございますので、この点につきましても育成に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。  さらにまた、この機械作業とあわせまして、生産性の向上あるいは低コスト林業の展開を図っていくためには、この機械の開発も必要でございます。  さらにまた、高性能機械の導入あるいは事業の共同化等を推進いたしまして林業事業体の体質強化を図りながら林業の担い手の育成、確保を図ることが必要なわけでございまして、これらの施策を総合的に進めることによりまして担い手対策に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

河村建夫自由民主党

○河村分科員 ありがとうございました。ひとつよろしくお願いをしたいと思います。  次に、農業共済の問題について若干お伺いしたいと思うわけであります。  農業共済は水稲を中心にいたしておりまして、転作の推進によりましてその資源が非常に減ってきていることが問題になっておるわけであります。あわせて、水田農業確立対策における減反対策、本年で二十年目を迎えるわけでありますが、米の生産調整、現状の実施状況、また、あわせて、平成四年度には水田農業確立対策の後期が終了するわけでありますが、今後の米の生産調整についてはどのようにお考えか、これをまずお伺いをしておきたいと思います。  時間の関係もございますので、あわせて農業共済についてもうちょっと質問させていただきます。  現在、農業共済の加入率は、水稲、蚕繭、家畜といった、最初からある、歴史の古い共済事業は加入率がいいわけでありますが、果樹、畑作物あるいは園芸施設という新種共済は加入率が低い状況にあるわけでありまして、今後、農業共済資源が減少していく中で、こうした新種共済を促進していくことが必要であろうと思うわけでございますが、お考えはいかがであろうかと思うわけであります。  また、今日、農業を取り巻く環境が御存じのとおり非常に厳しいわけで、農業共済事業が、農家の皆さんが安心して農業に取り組めるその支えとして、共済事業に携わっている者は皆懸命な努力を続けて農民の皆様の期待にこたえているわけでございますけれども、さらに農家の皆さんが安心して農業に取り組めるような共済事業を進めていかなければならないわけであります。  特に自然災害、我が国も自然災害が多い国でありますけれども、農業者がそうした自然災害等によってこうむる損失というものを保険の仕組みによって合理的に補てんをしていくのがこの農業共済制度でありますけれども、これはどうしてもこれからも農業を進めていく上で欠くべからざるものだと思うわけであります。  現在交渉中のガット・ウルグアイ・ラウンド等の農業交渉においては、農業保護の削減を求める動きがあるようにも聞いておるわけであります。作物保険等の災害復旧関係については、削減対象から除外しようという方向で検討されているようでありますけれども、農業共済制度については、その重要性を考えましたときに、これが削減の対象になるということは、これからの農業にも非常に大きな影響があるわけでありまして、この考え方はぜひ排除していただくように努力をしていただきたいと思うわけであります。  そうした観点から、大臣のさきの所信表明の中にも「農業災害補償制度の円滑な運営を図ります。」という一言があるわけでありますが、農業共済をめぐる事情が大きく変化をしている現況であります。そうした中で、今後この重要な農業共済事業をさらにどのように進めていかれようとするか、あわせてお伺いをして、終わりたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 農業共済について御説明申し上げます。  御指摘がございましたように、新種共済につきましては加入率が低いわけでございます。それぞれ理由はあるわけでございますが、やはり何と申しましても加入促進、この制度の意義というものを説明し、かつ普及していかなければいけないと思っております。先生、御支援をいただきまして、新しいこうした普及のための事業も始めております。これにのっとりまして、計画的な加入の推進を図っていきたいと思っております。  同時に、今お話がございましたように、新しい農業の動きにどう対応していくかということが、この保険についても非常に重要なことであると思っております。農業共済は、何と申しましても非常に基礎的な事業でございますが、必要欠くべからざる事業でございますので、例えば今お話がございました地域農業の新しい芽にどう対応していくとか、あるいは新しい動きがございます生産組織のような経営体にどう対応していくかというような問題がございます。前向きに取り組んでまいりたいと思います。  なお、ウルグアイ・ラウンドにつきましては、保険、共済のようなものにつきましては削減の対象にしないということを私ども主張しておりますので、これが貫かれるように対応してまいりたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 水田農業確立対策でございますが、平成二年度は後期対策の第一年度目ということで、八十三万ヘクタールの目標面積に対しまして八十四万七千ヘクタール、一〇二%の達成率となっているわけで、おかげさまで順調に後期対策が滑り出したわけでございます。  今後のあり方でございますが、今後とも米の需給ギャップが見込まれるというようなことがございますので、水田農業の健全な発展を図るという観点から慎重に検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 これにて河村建夫君の質疑は終了いたしました。  次に、三野優美君。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 ただいまから場外馬券所設置問題について、農水大臣以下関係者に御質問いたします。  きょうはまた、お忙しいところ、参考人として競馬会から御出席いただいたことはありがとうございました。  ここへ立ってみますと、前に私は今の委員長に何か池の問題で質問したことがあって、非常に歯切れのいい答弁をいただいたのですが、まだ実現しておりませんので、またその機会を持ちたいと思います。どうもここへ来ると二人大臣がおるみたいな気分がして、どっちから答えていただいても結構なんですが、まず競馬会にお尋ねします。  御承知のように、私の選挙区の高松市田村町に中央競馬会による高松場外馬券所設置の問題が、昭和六十年十月ごろに計画発表がされたわけであります。その後、阪急産業を中心にさまざまな動きがあるわけでございます。これについては、もう中央競馬会は当然のこと、農林水産省もよく御存じのとおりでございます。  さて、そこでまず第一に農林水産省にお尋ねしたいのですが、こういう場外馬券所を設置する場合に、この場合は株式会社阪急産業が中央競馬会と協議をしながら、この高松市田村町四百二十九番地の地点で場外馬券所を設置したいという協議があるのは一体どの時点でしょうか。ここを予定地と考えたいという時点で協議するのか、ないしは土地買収をした段階で協議するのか、いま一つは、建築申請書を提出する前に、あるいはした後にするのか、どの時点で協議されますか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 中央競馬会の方から私どもの方 に場外馬券所の設置申請が上がってきた時点で私どもとしては検討する、こういうことでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 その書類が全部整うまでは協議はないんですか。そんなことないでしょう。そんなことやっていたらば、土地は買収した、建築申請はした、その時点で協議していたのでは、もう手おくれじゃありませんか。そこのところを聞いているわけなんです。どの時点でするのですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 場外馬券所の設置の場合には、地元調整等々の一定の手続が競馬会としても必要であります。そういうものが調った段階で私どもに承認申請が上がってくるわけでございますが、その段階で私どもとしては協議を受ける、こういうことでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 そうしますと、もう用地買収も終わってしまって、建築申請も出して、周辺の同意も得て、そこからということになってしまうね。その時分には、ノーと言った場合には土地がパアになってしまうね。使いものにならないようになるね。そういう不手際な問題があって、競馬会なり設置者である阪急産業は非常な無理な対応をせざるを得ない。ここに行政上問題点があるということを私はまず指摘しておきたいと思います。  次に、中央競馬会にお尋ねいたしますが、この設置のために中央競馬会は大変努力されております。その際に、周辺の同意を得るために自治会の同意をとろうとしていますね。幾つかとったでしょう。どこの自治会をいつ、何月何日とったか、それを言えますか。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 お答えいたします。  御指摘の本案の申請の予定地の周辺町内会からの同意は既に得られたというふうに私ども承知しております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 場所を言わぬかね、どことどこで、いつとったか。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 町内会の具体的な名前につきましては、私ども、この種の問題につきましては、町内会先様の方の事情もございます。地域住民の自治等の問題もございますので、この際、差し控えさせていただきたいと思います。

佐藤隆自由民主党

○佐藤主査 簡潔に答えてください。もうみんなある程度知っていなさるのだから、簡潔に。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 時間がないんだから、あなたに言いますが、そういう秘密主義でやらなければならぬのは何の理由があるのですか。とったらとったで、どこそこの自治会、どこそこの自治会、何月何日同意をとりましたと言ったらどうですか。それを言えないというのが問題なんです。どうして言わないのですか。  それから、聞きますが、それならばそれに対するあなたの考え方を聞くと同時に、これを一つ聞きましょう。  松並自治会はとりましたね。これは私は、とったということをあなたのところから聞いているわけです。田村解放自治会も同意をとりましたね。どうですか。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 大変恐縮でございますけれども、具体的な町名につきましては、やはり先様の同意がなければ、私どもの方からお答えは申し上げられません。ただ、具体的にお話のありました点は済んでおると思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 そういうとったところさえ言えないというのはおかしいでしょう。  では、そこで聞きますが、畜産局長、同意という場合に、あなたのところは、周辺の同意というのはどの範囲を指すのですか。自治会だけを指すのですか。質問だけに答えてください。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 私どもといたしましては、町村でありますと町村長、それから、市のようにそれ以上のところにつきましては町内会長というふうに考えておる次第でございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 例えばあなたのところは、周囲の同意を得なさいという指示をするわけです。いいですか。それで競馬会は農水省の指導に基づいて、私どもは周囲の自治会の同意をとりました、こう言っている。とろうとしています、こう言っている。あるいは、とったかもしらぬ。とった、こう言っている。いいですか。その自治会の中には、例えば松並自治会はとっているのです。とったと言ったわけです。今理事長は言わないけれども、とっているわけです。田村解放自治会もとっているわけなんです。その松並自治会の中には小学校、中学校が存在しますが、これを競馬会は自治会の範囲に含まれるという解釈をとるわけです。そこで、それならば、そのとき何月何日とった、校長、学校の管理者、教育長、だれだと言ったら、言えない、こう言うわけです。自治連合会の方は、公的施設は自治会に参加しておりません、そこに居住している住民だけです、こう言っているわけです。その場合にその範囲の面の、松並自治会の面の中に小学校、中学校、文教施設が存在する。その場合に、その中学校、小学校もその自治会に面の中で同意したと見ていいわけですか。向こうは知らないと言う。どうですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 一般的に申しまして、地域で場外施設が受け入れられるかどうかという判断といたしまして、市でありますと町内会長というふうに言っておる次第でございます。その後、学校等々の問題につきましては、全体として土地利用状況の中で妥当かどうかというような形の中で論議しているような状況でございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 さてそこで、いわば松並自治会は同意を求める必要があると競馬会は考えた。あなたのところの指導に基づいてこのように考えた。その中に小学校、中学校、文教施設その他の公的施設があった場合には、とりわけ教育施設があった場合には、その範囲は含まれるわけですから、面の中で、もちろんそこの管理者の同意というのは必要ではないですか、どうですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 私どもは、その地域で受け入れてくれるかどうかの判断につきましては、町内会長の同意ということで足りるというふうに思っておりまして、学校教育施設その他の問題につきましては、全体の土地利用状況の中でどうかというような形で判断をしていく、そういうことでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 私は、今の発言は少し暴言だと思う。自治会長の同意さえ得られれば、そこに学校施設があろうが障害者施設があろうが何があろうがいいんだという局長の答弁というのは、私は、余りにも暴言過ぎると思いますよ。それで、あなたも今までもしてきた。今後もそれをやるのか、もう一遍確認しておきましょう。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 これまでの場外施設につきましても、そういうようなことでやってきておりました。中に学校施設等々があるときにつきましても、土地利用状況の中でそれがどういうような影響があるか等々につきましては、当然判断していくということでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 そこで、もう皆さん、あなたもお聞きになっているし、地元の教育四団体、育成会、子供会育成会、小学校、中学校PTA、教育四団体があなたのところに二万九千余の署名を持って陳情に行ったわけですね。したがって、その地域の実情は百も承知の上だろうと思う。あなたに面会に行ったわけですね。実は、田村解放自治会も同意をとっている。その田村解放自治会に隣接しているところには、御承知だろうと思うが、香川県身体障害者総合リハビリテーションセンターがございます。ここには千百四十二人のそれぞれ障害を持った人が参加しているわけです。もう既に御承知だろうと思う。特に、競馬会はよく知っていると思う。この中の身体障害者更生相談所、身体障害者医療センター、これは大平さんのところですわな。それから、身体障害者福祉センター、外来通所ですね、職能訓練、文化教養訓練施設。重度身体障害者更生施設、肢体不自由児施設、ひかり学園がありますね、それから成人病棟、こういう障害者施設があり、その同じところに香川県立高松養護学校、これは肢体不自由児、身体障害者の小学、中学、高等部の生徒数が百六十一名、通学九十八名、入所者三十六名でしょう。香川県立香川中部養護学校、これは知恵おくれ。幼稚部、小学部、中学部、高等部計二百二十六名。寄宿者四十六名、通学者百四十名。さらに加えて身体障害者療護施 設たまも園がありますね、百一名。これは、もう四六時中、一年じゅうそこで、大人の施設で死ぬまでおるわけ。しかも、ここは一級、二級の重度であります。知能、言語、視力、聴力、病弱の重複障害の人たちがおって、これ全体の施設は八十七・五ヘクタールあるわけ。香川県の障害施設の目玉ですね。ここが隣設している。その横の同意が必要だと考えて同意をとった。しかし、これらの重要な施設については、局長、これでもここの同意や何か要りませんか、どうですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 一般的に私どもが従来からやっておりますのは、町村の場合は町村長、それから市でありますと町内会長の同意ということでございまして、学校等々、今先生から御指摘のありましたような施設等々につきましては、土地利用の状況の中でいろいろ判断していく。ただ、具体的には個別個別でかなり違いますので、その個別個別の事態に応じて私どもも判断していく、こういうことでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 私は具体的に挙げているわけ。競馬会が、そこを含まれた自治会あるいはその隣接の同意必要なりと考えて同意をとっている。しかし、これほど重要な施設があってみても、あなたはまだそれでもそれは必要ないと考えますか、あるいはそれは必要だとお考えになるのか、どうなんですか。あるいは競馬会からも言ってください。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 私の方で今申し上げたいのは、一般論としてでございまして、個別具体的にはまだ承認申請が出ていない、先ほど申しましたような状況でございますので、私どもとしてそこまで判断できるという状況にはなっておりません。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 お答えいたします。  同意のとり方につきましては、先ほど来局長から御答弁申し上げたとおりに私どもいたしております。先生御指摘の学校、最寄りの学校としては、直線距離で予定地から約四百メーター離れたところと承知しております。それから、リハビリ関係といいますか身障者の方々の施設の関係は、直線距離で約六百メーターぐらい、道路沿いで行けば約一キロ近いのではないかと聞いておりますが、私ども、場外のこれまでの設置した経験からいたしまして、場外発売所の設置に伴います影響は及ばないのではないか、こういうふうに判断しております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 実はあなたはそう答えるだろうと思っていたわけ。あそこにおる人たちは、四六時中生活しているのですから。いいですか、養護学校も、たまも園も、その他の施設も約二キロの範囲で、散歩もしなければならぬ、道草もしなければならぬ、あそこにない病院にも行かなければならぬ、訓練のためにスーパーにも行く、もちろん親がつく、先生がつく人もおるでしょう、つかなくて行かす訓練もするでありましょう、こういう事実がある。私、全部施設を回ってきました。その施設の管理者の人たちは、困ると言っているわけです。したがって、四団体の署名に全部反対の署名をしました。これから施設として反対署名をやるならばやりましょうと、これから始まるわけ。そういう発想ではだめなんです。  実は、警察庁にお尋ねします。  私は、この問題を取り上げるに当たって、香川県警本部の防犯部長以下ほかの人に会いました。例えばパチンコだとかマージャンとかは条例をつくっておりますな、法律に基づいて。条例も距離を決めているわけです。その範囲の中に学校その他何々何々があったらだめよとなっているわけですね。私もそういう経験がある、頼まれて。パチンコ屋をしたいけれどもどうやったら、ああ、三野さん、あそこには病院があるしな、いかぬわと。ああ、そんなら言うとくわ言うて、だめよ、こう言ったわけ。さて、もしその学校という場合に、盲学校、聾学校があったらどうしますかと言ったら、警察の方は、やはり学校ですな、こう言うのです。それは学校と書いておるわな。学校は何キロ、何メートル離れていればいいと言ってみても、大学や中学校や一般学校と、盲学校、聾学校や障害者が生活している、まあ寮もありますわね、盲学校だとか聾学校には、一般的に考えちゃいかぬと言うんだ。極めて官僚的、事務的な判断しかできないわけです。そこに問題がある。既に警察と協議して、その協議が上がってきているようであります。私が行ったときには、もう既に済んでおった。ちょっと警察、早過ぎたかな、こう言っているわけ。実情に合った指導、実情に合った協議をしなければならぬと思うのですが、どうですか。     〔主査退席、町村主査代理着席〕

中田好昭警察庁刑事局保安部保安課長

○中田説明員 お答えいたします。  本件の場外馬券売り場の設置に当たりましては、警察庁といたしましては、地元の御理解等得られていることをも勘案しながら施行者と協議に入るということになっておりまして、その協議の内容といたしましては、雑踏整理上支障がないかどうか、あるいは周辺の交通の安全と円滑を確保する観点から支障がないかどうか、あるいは暴力団の取り締まり上支障がないか、あるいは現金の保管、輸送上支障がないか、さらにどのような自主警備体制がとられているか、こういった観点を中心にいたしまして協議をいたしてきたところでございます。そして、その協議に際しましては、警察の立場でございまして、治安維持の観点から支障が生ずるおそれがあるかどうかということをその地域の総合的な実情を勘案しながら判断する必要があるということで、所轄署と本部と関係部局と協議しながら進めてまいりたいというところでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 今配りました、これは非常に重要な資料なので、警察庁もひとつ持っておってください。  実は、ここは鶴尾小学校、中学校があるわけです。小学校も中学校も同じ校区なんです。そこで、ここにあらわれていますように、例えば昭和五十七年、小学校入学者二百一人、小学校卒業生は百五十八人で四十三人が消えてしまうわけです。中学校になったら、同じ校区であるにもかかわらず、同じ人が住んでいるのに、百二十一人しか卒業しない、八十人抜けてしまうわけね。これはもうずっと続いてしまって、ますますこういう傾向がふえてしまって、高松の中心部で物すごい大きな校区であるにもかかわらず、今やついに小学校の入学者百五十九人、卒業生百十八人という事態。しかも人口、下の方をちょっと見てください。これは素人が書いたもので十分ではありませんが、六十一年には一万五千八百九十八人おった。だんだん減って一万三千九百九十七人。周辺は人口がふえているわけです。高松は人口増、しかも真ん中なのです。高松南警察署の中で交通事故や犯罪、一番多いでしょう。こういう事態をもあらゆる角度から考慮をして場所を選定しなければだめなんだよ。だから住民が立ち上がっているわけです。  私は、この際、畜産局長に言っておきますが、あなたは自治会しかとってないと言う。ほかのは実情に応じて抽象的なことを言いますが、もっと重要なことは教育施設、障害者福祉施設、障害者教育の施設、これはより重要であるということも警察も協議の際に十分注意しなければならぬが、農水省も考えなければならぬ。もちろん競馬会もこのことを重視しないで、出てきたら何でも手をつけるなどという態度だからこういうことになってしまうわけです。  さて、そこで競馬会に聞きますが、自治会を相手に指定するので教育四団体は対象ではないと当初考えておるわけですね。今も考えているでしょう。しかし、教育四団体は、これはだめよと言って私等があっせんに入って、誠実に協議しますという一札が入っているわな。どうですか、畜産局長。自治会もいいですけれども、教育四団体、こういう実態があるのですから、学校の側に。高松市教育長は困る、こう言っておるわけです。県の局長も困ると言っているわけです。その意見を体してあなたのところの出身の香川県農林部長、来たでしょう。来たと言っている。県議会で答弁している。ちゃんと皆さんの意見は届けました、こう言っている。高松市長も来ているわけね。御承知のように市議会の議長は、同志会という保守系会派から脱退して議長を首になってしまったわけね、この問題で。議長をかけて阻止しようとして いる。それでも相手にしない。どうですか、この教育四団体なり県のこれらの施設の管理者及びそこで働く人たちが今後考えろと言っているのですが、これとの誠実な話し合いを競馬会がするように、畜産局長、あなた指導できますか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 高松市長さん、また地元のPTAの方々からも私はお話を伺いました。そのことにつきましてはすぐ競馬会の方に連絡をとりまして、競馬会の方ではいろいろな形で話し合いを今続けているということでございます。そういう報告を受けております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 私が聞いているのは、したがって自治会とも話し合ったらいいわけ。鶴尾校区には五十八自治会がある。今ここに間もなく出てきますが、五十一の自治会長は皆反対署名をしたわけです。出てきたわけです。あなたのところで賛成しているかもしらぬけれども、また反対もしておるわな。賛成署名をした、あなたのところがとっている自治会の中で、とり方はどうかというと、出席できにくい人は自治会長が全部委任状をとるわけです。総会には、もちろん自治会全部は来ぬわな。出席した人は反対者が多かった、自治会長が持っておる委任状、これだけ持っておるのですが、これは全部賛成ですとこういくわけ。そこで賛成とこうなって、それはいいでしょう。いずれにしましても、どうですか、自治会と交渉したらいいです、さらにやりなさい。同意をとったらどんどん出してきなさいよ。自治会なら出してきたらいい。それから、この教育四団体あるいは県が持っているこの一連の施設の関係者との話し合いはしますね。畜産局長、あなた、それは必要だと考えて成立さすように指導しますか、しますね。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 お答えいたします。  町内会の同意は私ども得ておりますが、なお教育関係については、先生も御案内のように、昨年来いろいろ教育上の問題等から私どもも誠実にお話し合いをしようということで目下それを進めておる段階でございます。リハビリ等の施設関係の問題については、私きょう初めて聞いたような次第でございます。私どもとしましては、お話がありました点について、そのような報告が来ておりませんので、まず実態を調査いたしたいと存じます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 それで、施設の関係者からは近く申し出がありますから、しますね。そして、ちゃんとすると約束してください。これはしてもらわぬと困るわけです。これは県もどうにもならぬわけです。それとも、あなたのところはあの施設全部をどこかへ移転しますか、そんなことできるはずがない、県も応じるはずがない、だから、施設部長と約束してくださいね。  それから、この際、大臣も含めて知っておいてもらいたい。私ども、あなたも選挙で飯食っているわけですけれども、実はこの教育四団体から要請がございました。そこで、この香川一区選出の代議士、参議院議員二名、我々に協力しろという要請がございました。これは農水省にも行っておるし、競馬会にも行っているわけです。これは三野優美、私です。木村義雄さん、自民党渡辺派。真鍋光広さん、これも自民党。衆議院三人全部ですね。平井卓志先生、予算委員長、自民党。喜岡淳参議院議員、社会党。選出国会議員がすべてここは無理だということで、学校の状態、地域の犯罪の状況、この施設、さまざまなことを考えて無理だということで言ったわけです。もちろん私は各議員に会いました。だれかがしたのじゃないのです。私が実は実はと、それは無理だなということで同意しているわけですね。この重みはぜひ考えてもらいたいと思うわけです。今言ったような実情が存在するわけです。  したがって、私は、競馬一般を反対だと今言いません、私はかけたことはないけれども。今の状況の中で、ああいう市街地なり文教施設なり福祉施設のそばに持ってこなくていいじゃないですか、交通事情も大分変わったじゃないですか、全国的に。もう少しゆとりのあるそういう施設のないところを選ぶということを考えたらどうですか。土地高騰も大変だったら、県や市に話をして、何か公的な施設にしましょうや。私は、この校区にはできるだけ公的な施設を持ってこよう、こういうのはだめだと言っているわけです。県も言っている。あなたのところの出身の農林部長が来ているのです。あなたのところへ、あなたは会ったかどうか知らぬけれども。これは教育委員会の意見も代表して来ているわけです。こういう実情があることを考えていただきたい。  そこでまず聞いておきますが、今言ったように、話があれば施設関係者の代表の場外馬券所を考える会議というのが出てきますから、誠実に話し合いますね。教育四団体とも自治会とも話し合ってください。自治連合会がまた来ますから、自治連合会とも話し合ってください。教育四団体とも誠実に話し合いを続けていく、このことについてまず競馬会に私は確認をしておきたいと思いますし、畜産局長はその指導ができるかどうか、この点まず聞いてから、後で大臣に聞きます。

渡邊五郎日本中央競馬会理事長

○渡邊参考人 お答えいたします。  まず、町内会の関係は、私ども、先ほど申しましたように同意をとっておりますので、お話としては教育上の問題として、教育関係の方々とは誠意を持ってこれからもお話し合いをいたしていく、こういうつもりで目下一生懸命努めておるところでございます。  ただいまお話が……(三野分科員「簡単に」と呼ぶ)ちょっとお待ちください。ただいまお話がありましたリハビリ関係の話はきょう初めてでございますし、私ども、従来の場外設置の例からいたしまして、かなりの距離が離れておりまして、従来の基準からしましたら影響がないという判断に立っておりますが、お話がございますので、その実情は調査いたします。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 誠意を持って対応するように、競馬会を指導してまいりたいと思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 もう時間が来たから、最後に大臣にお尋ねいたします。  実情は今言ったような調子です。私は、このことを十分に重みを考えて、大臣としてそれなりに指導をちゃんとしてもらえるかどうか、これを確認しておきます。  この問題については、時間がありませんから、農林水産委員会で時間をとってさらに質問を続けてまいりたいと思いますから、大臣、ひとつよろしく。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生の質問に当たって、この話を初めて承知をしたわけでありますから、一般論は別にいたしましても、今の問題については誠実に話し合いをし、その結果において私自身が勘案をして承認をさせていただく、結論を出させていただきたい、そう思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野分科員 これで終わりますが、一つだけ申し上げておきますが、この一連に関して競馬会では、直接であるかどうか知らぬけれども、阪急産業が自治会の同意をとるために、おまえたちの集会室を建ててやるわ、あるいはその下請その他されておる者が金銭授受、物品の授受が存在した場合に、やめるかと言ったらやめるとよう言わないのです。そういうことまでやって同意をとったのを、発表できません、一方で反対者もいっぱい出てきているわけです。  そういう実例があることを指摘しておきますから、また続けてこれから議論していきたいと思います。ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これにて三野優美君の質疑は終了いたしました。  次に、遠藤登君。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 これは今さら言うまでもないのでありますが、日本農業にとって大変重大な時点に立って大変な御努力をされていらっしゃるわけでありますが、何といっても過般来問題になってまいりました米市場開放の問題、このことについては、昨今いろいろマスコミなどでガットの動き、アメリカの動き、ヨーロッパの動きなどそれぞれ変動の要素を見聞するのでありますが、ぜひ従来の方針を堅持してもらいたいということを冒頭に強く要請をする次第であります。  このことについては後で、日本農業の今後の対 応などとの関連の中で、大臣の所信なども改めてお聞かせをいただきたいというふうに思う次第であります。  まず、水田の後期対策の問題でありますが、いよいよ後期対策に入ってきたわけであります。後期対策について特に昨年度からいろいろ対応されてきているわけでありますが、その重点的な対応の方向、あるいは特に飼料作物などについては十三万ヘクタール、これは昨年の実績だと思うのでありますが、約二二%、あるいは麦作十二万ヘクタール、これも転作面積の二〇%、大豆は八万ヘクタールというようなことで、それぞれ転作が行われてきているわけでありますが、例えば飼料作物の効果、それぞれあるわけでありますけれども、まず後期対策の重点的な対応の内容などについてひとつお聞かせをいただきたい。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 水田農業確立対策の後期対策は、平成二年度から実施されているところでございます。  これの基本的考え方といたしまして、私どもは、その前三年間行われました前期対策の基本理念を受け継ぎますとともに、新しく地域の状況を生かした多様な水田農業の展開でございますとか、あるいは効率的な生産単位の形成によります水田農業の生産性の向上、あるいは地域輪作農法の面的拡大といったところに重点を置いて推進しているところでございます。  内容的には、新たに自己保全管理の創設でございますとか、景観形成作物の導入といった転作の手法を多様化するということもこの際させていただいております。また、高単価の加算制度といたしまして、高能率生産単位育成加算といったものを創設いたしまして、加算重視の考え方で助成体系を見直して実施させていただいているというのが基本的な考え方でございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 高能率生産単位育成加算その他、助成内容をいろいろ新しく創設をされたということでありますが、この規格というか、適用基準というのはどのような内容になっていらっしゃいますか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 生産性向上等の加算でございますが、十アール当たり二万円の加算をいたしておるわけでございます。したがいまして、一般作物の場合、基本額一万四千円に二万円の加算をいたしまして三万四千円になるというのがその内容でございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 いや、いわばこれの補助対象の基準ですね、規格というか、それはどういう規格でありましょうか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 考え方といたしましては、転作をただ単にしているというだけで出すというのが基本額でございますけれども、その転作のやり方、つまり高能率の生産集団が行うというところに政策の重点を置きまして、そういった転作のやり方が好ましいということで、これを推奨する意味で高生産性の集団に対しまして加算をいたしているわけでございます。  要件といたしましてはそういうことでございますけれども、現実には全国では大体四割程度のところでこの加算が行われているというふうに聞いております。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 これは生産性向上とかいわば新たな農業展開の意味の、いわばモデル的な要素として創設をした、そしてそれぞれ全国的には四割ぐらいの、いわばそういう高生産団地を育成をしていく、こういうねらいに立っていらっしゃるわけですね。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 おっしゃるとおりでございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 それで、いわば実際問題として、飼料作物とか麦作、それから大豆作ですね、これは、飼料作物などは飼料効果として相当な成果をおさめているのではないかというふうにも思うのでありますが、これは具体的に質問通告としては出していないのでありますが、総体的に、転作された、例えば大豆の場合などは、推定では大体六割ぐらいきり出荷としてはなされていないのではないか。いわばその転作物の生産効果というか、飼料作物の場合は、例えば十二万ヘクタール作付をされている、それで飼料効果としてどのような効果を生み出しているのかというような分析ですね。例えば総体的に、どのような転作物の生産によっていわば生産効果、消費効果が行われているかというふうな、これは簡単でありますから、分析、どんなお考えに立っていらっしゃるか、あわせてちょっとお聞かせをいただきたい。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 転作におきまして水田でつくられました飼料作物、野菜、麦、大豆などは、こういった飼料作物、野菜、麦、大豆の全耕地面積での作付量のうちの過半の面積がこの転作水田で生産されているというような状況でございまして、そのような意味では、水田農業確立対策として行われております転作というのは、我が国の農業の中に重要な地位を占めているというふうに認識しているところでございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 いろいろ分析資料があると思いますので、後でぜひひとつ資料をいただきたいというふうに思います。極めて重要な課題で、飼料作物の作付あるいはその他転作物の作付の生産と消費構造等における効果、政策あるいは転作物をどのように、いわば転作構造として将来推進するのかというような考え方も含めて、時間がありませんから、ひとつ後でお聞かせをいただきたいな、資料をいただきたいなというふうに思います。  それから、水田の持つ機能ですね、これはダム換算等によっても、例えば三分の一が転作、それで三十兆円とか四十兆円ともダム換算で評価されているというような状況もある。それで、転作が行われて二十数年経過をしているわけでありますが、これは地下水を初め生態系にいろいろな変化が出てきているのではないかということも考えられる。それから、今世界の四分の一以上が餓死線上に立っているということもあるし、水田の持つ機能をまず生かす、環境保全、国土保全という立場からと、それから端的に言えば、転作を水田に一面切りかえられないという部分はあろうかと思いますが、外米援助という形で対応できないものか。いわば転作をやめて海外への外米援助、そういう飢餓の救済などに対応できないかという我々の、また水田耕作者の一人としてもそういう願望が強く国際情勢の中で考えられるのでありますが、これもひとつ検討課題として検討いただきたい。もし所信がありましたら、後で一括してお聞かせいただければありがたいな、こんなことも考えている次第であります。  それから、過疎対策の問題でありますが、今過疎の全国の指定町村が一千百五十七ある。それで、農業センサスの調査などによっても、日本の農村の集落が十四万百ある。五年間で三万三千を超える集落がこの日本列島から消えた、特に山村ですね。この過疎の実態あるいは過疎の原因などについて、どのように把握されていらっしゃいますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 昭和五十年代の後半から日本経済のいわゆるソフト化、サービス化といいますか、証券とか銀行とか情報産業とかそういう産業が盛んになりまして、これが主として大都市立地型の産業ということでございますので、五十年代後半から主として東京圏一極集中という傾向がかなり顕著にあらわれておりまして、それの効果といたしまして、特に町村部、山村地域、そういうところで過疎現象が進行しているというふうに承知いたしております。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 それで、とにかくこれは今一年や二年で歯どめができないと思うのでありますが、最大限の努力を過疎防止対策に総合的な対応を図る時期なのではないだろうか。国有林を含めて山は大変な状況にあるのですね。民有林を含めて、例えばセンサスの調査でも林家、十年間で林業従事者が半分に減った。これは山村の集落の、四十一戸世帯以下の集落が約半分である。いわば零細な集落ですね。そこに耕地面積が平均的には三十ヘクタール。  こういう状況の中で、まずそこに定住するだけの、そこで生活するだけの所得を確保することができない。そして、何百年の歴史を閉じて、くしの歯が折れるように平地に下がらざるを得ない。それなりに山振法なり、あるいは過疎法その他総合 的な意味で過疎対策、環境整備を含めて大変な努力をされていらっしゃるわけでありますが、それでもとめようがないような状況の中で、今過疎が拡大をする。  それで、二十一世紀に向かって日本の人口が都市に七割を超えて定住するであろうと言われておりますが、改めて山とか山村とかその環境とかを保全する新たな任務、使命というものが出てきざるを得ないということもあろうと思うのでありますが、山が荒れれば都市は荒れるというのが、これは歴史の教訓なのではないだろうか、そういう意味で所得政策を初め、少なくても一時間通勤圏の中にでも、やはり山村工場とかそれから医療とか福祉とか文化、教育を含めて総合的な対策を、所得政策を中心に環境政策を総合的な意味でやはり特別な手だてを中長期的に今改めて対応していかなきゃならぬのじゃないのかというふうに思うのでありますが、それらに対する考え方あるいは対応のあり方などについてお示しをいただければなと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 先生御指摘のように、山村、過疎地域、これは国土の約六〇%を占めておりまして、国土の保全とか水資源涵養、それからまた、農地面積でも約四〇%がこの地域に布存しているというようなことで、農林水産物の供給など種々の大きな役割を果たしているというふうに考えている次第でございます。  ただ、御指摘のように山村、過疎地域では、若者の流出とか、また高齢化の進行というような形で社会機能が低下しているとか、農地や森林の管理が粗放化しているとか、そういういろいろな問題が懸念されているわけでございます。私どもも、こういう事態に対応いたしまして、何とかこの地域の活性化を図りたいということでいろいろ対策を講じている次第でございます。  まず、何といっても所得機会を増大させるというような観点から、中心的な農林業を振興させるというような観点で、農業構造改善事業を初めとしていろいろな事業を展開いたしておりますし、さらに、所得確保ばかりじゃなくて、生活条件の改善ということも非常に重要であるというふうに思っておりまして、集落排水事業を初めとして、生活環境の整備にも努力してまいりたいというふうに考えております。  それからまた、こういう地域は、国民のふるさとといいますか、都市住民の第二のふるさとというような観点から、都市・農村、都市・山村交流とか、それからまた、学童の教育の機会という形で、山村留学とか、都市と山村の交流とか、そういうような形でいろいろな施設整備を図っていきたいというふうにも考えております。  それからまた、国土資源の保全管理といいますか、そういう観点からも種々の対策を講ずる必要があるというふうに考えておる次第でございます。それぞれの目的に応じまして、山村振興事業でありますとか、地域定住対策でありますとか、それからまた、工業導入の仕事などもいろいろ対策を講じているわけでございますけれども、今後ともこういう山村、過疎地域の振興には十分努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 そのとおりだと思いますが、やはりこの辺で一定程度総合的に洗い直しをしてみる、そして、これは各省庁に税制問題を含めて、例えば労働省の雇用奨励金の問題などもあるし、これは一定程度窓口を絞っていく必要があるのではないか。そして系統的に、計画的に、総合的に対策を進めていく、そして計画的な対応というのをもっと強化をしていくということに今迫られているのではないだろうか。このような状況の中では、もうとめどがない状況だと思うのですね。日本列島の山村、山、それはもう大変な状況につながっていくのではないだろうかというふうに思いますので、十分な総合的な対応をひとつ強く求めたいというふうに思う次第であります。  それから、土地改良の問題について触れますが、圃場整備、特に幹線農道あるいは幹線の、いわばかん排水問題、あるいは水門なども含めて、これはいわば換地部分も相当あるわけでありますから、あるいはそれぞれ土地改良区の所有ということもあろうかと思うのでありますが、いわば公益的な機能、公益的な分野というのが相当多岐にわたっているということもありますので、これまで何回か指摘されてきた経過があろうと思うのでありますが、これのいわば公費負担の拡大、本来ならばこれは全額公費でやるべきじゃないか、そういう部分も相当あるのではないだろうか。関係者のいわば管理権の問題もあろうかと思うのでありますが、その点について農林省当局としての考え方あるいは指導のあり方などについてお聞かせをいただきたい。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 土地改良事業につきましては、公共性の程度に応じまして適切な国庫負担を行っているわけでございますけれども、事業による利益が個別農家にも帰するということもありまして、受益農家にも応分の負担を求めるということが基本になっているわけでございます。ただ、先生御指摘のような基幹的な農道とか基幹的な用排水路、そういうものにつきましては、その地域における公共性というものに応じまして公的負担がかなり大幅に増額されているということで、特に幹線的な農道等につきましては農家負担がほとんどないという場合が多いというふうに承知しております。  それからまた、先生御指摘になりました圃場整備の中で、地区内の幹線的な道路を整備するとか排水路を整備するとか、そういうことがあるわけでございますけれども、これは、農業外の用が多いものにつきましては、圃場整備事業の別枠といたしまして、特に高補助率の別事業を仕組む。この施設用地につきましては、共同減歩じゃなくて有償で取得できるような制度化というものも平成二年度に実施させていただいた次第でございます。  また、公共団体、県や市町村の負担につきましても、地方財政措置等の拡充によりまして、そういう公共団体の負担がしやすいというような環境づくりにも努めている次第でございます。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 時間がありませんから、土地改良法の一部改正の問題なども提起をされておりまして、これは市町村負担も義務づけるというようなことであると思いますが、それは当然だと思います。ただ、負担区分などについては明確に一定の示唆を出していくべきではないのか。  それから、今、貯水ダムの問題について非常に大きな問題が全国に散在をしている。これは要望になるわけでありますが、やっぱり平準化事業等などによって、単なる利子補給だけではどうにもならないというような状況があって、例えば工期が倍に廷びる、工事事業費が倍あるいは三倍に伸びる、これは、農民というか関係者の責任ではないんですね。そういう面も勘案をして、特に高額負担、工期の大幅な延長、あるいは工事費の大幅な増額などによって相当多額な負担に対応せざるを得ないという土地改良あるいはダム等の関係については、これは利子補給だけでなく、救済の手だてをぜひ御配慮願いたい。どうにもならないような状況も随所に問題として提起をされている、あるいは一部市町村が負担を約束して、市町村がどうにもならないというような状況もあるわけでありますので、それらの救済のための手だてをひとつ十分お願いしたい。これは要望しておきたいというふうに思います。  時間がたってしまいましたのですが、最後に、二十一世紀に向かって、日本農業の構造政策というか、どう進めるのかということについて大臣の所信なども承っておきたいと思う。これは、専業が販売農家の一六%、一種兼が一八%、二種兼が六六%という構造、状況にあったり、これは大変な課題だと思うのでありますので、ぜひ大臣の所信をお聞かせいただきたい。  それから農業機械等の生産財のいわば価格政策などについて、それから耐久力の強化などについてもぜひ、米価を年々下げるというような状況の中にあるわけでありますが、生産財のいわば価格政策とか耐久力の強化などについても十分対応さ れるように、ひとつ強く要請をしておきたい、こういうふうに思う次第であります。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 最後に大変大きな問題を御質問されたわけでありますけれども、できるだけ簡潔に御答弁をさせていただきたいと思うわけであります。  平場における面的集約の可能なところは、できるだけ大規模圃場にして大型機械でコストを下げて、国際競争力を持たせていきたいというのが一点であります。  しかし、今ほど構造改善局長からお話のございましたように、また先生から御指摘ありましたように、中山間地における農業という、これもまた農村地帯というのは農業を営みながら社会政策的に大きな役割を果たしている、そこをどうするかというのが実は一つの問題点でございまして、ここは新しく中山間地対策というようなもので負担の軽減を図りながら、土地条件に合った農作物を選択をしていただいて、そしてまた所得を確保しながらこれからの生活環境なり後継者をどうやって育てていくかというところには、やはり農業に夢を持たせて村の環境整備をしながら、村全体の景観などがまた都会の人たちからそこに関心をお寄せをいただくということで都市との交流を図るということで、先生からお話のございましたような形で総合的に農業を進めていきたい、こう考えておるわけであります。

遠藤登日本社会党・護憲共同

○遠藤(登)分科員 終わります。

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。  次に、石田祝稔君。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 高知県選出の石田祝稔でございます。  先日、九〇年世界農林業センサス、林業地域調査の結果がまとまり、一九九〇年八月現在の林野面積は二千五百二万五千ヘクタール、一九八〇年と比べて〇・七%の減少となっております。また、林業に従事する専業労働者数も七万七千人と、この十年間で三〇%も減っている深刻な人手不足の状態となっております。また、林業従事者の高齢化も進んでおりますし、それとともにその地域の過疎化も非常に進んでおります。  私の選出の高知県は、日本一の林野率を誇ると申しましょうか、林野率の県でございます。また同じように、過疎化も非常に進んでおります。この高知県に高岡郡という郡がございまして、そこが十カ町村から成っております。中山間地域を抱え、また太平洋側は漁業の地域でもある、こういう地域でありますけれども、この選挙区選出の我が党の県会議員に山本久寿亀県会議員という方がおります。この方が、そういう地域の農林業の衰退とともに過疎化が進む、この過疎化が進んだときに一つの集落というものがその機能を果たせなくなる、これを限界集落と言うそうでありますけれども、この県内における過疎化の状況ということで、県議会で悲痛な思いで質問をしているところであります。県段階では本当に懸命になってやっております。  私は、これらのことを自分の目で見たりまたは人づてに聞いたりいたしまして、今後どうすればいいのか、こういう観点から、以下林業と、そして時間がありましたら水産業についていろいろと御質問をさせていただきたいと思います。  最初に、林業の後継者対策についてお伺いをしたいと思います。林業の後継者問題についてどのように大臣は認識をされておるのか、御見解をまず最初に承りたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生お話しのように、山村過疎化、とりわけ林業については新卒二百名台という就業者しか出てこないという極めて深刻な状況に立ち至っておるわけであります。御案内のように、投資してから長期にわたって回収ができないという今の時代、実は経済的にもなかなか好まれないスタイルの経営状態でもございます。いずれにしても、林業だけで今の状態で就労者を求めていくというよりは、兼業でもいいからそこに定着をしてもらうようなことを複合的に一つは考えていかなければいけないことだと思います。  とりわけ機械化が一番おくれておるのがこの林業であります。そのゆえに機械開発について積極的に今後進めていかなければいけないなということと、やはり過疎になっておるところに、生活環境や都会の人たちが今きれいな空気や水や緑を求めるようなそういった好まれる景観の中に、生活環境も含めてこれから積極的に整備をしていきたいということで、近々新たに農林水産省にも村づくり推進対策室というようなものを設けて、環境から生活の分野から、あるいは仕事そのものに直接的にというようなことで総合的に計画を進めて努力をしていきたい、そう考えております。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 ある資料によりましたら、林業就業者、先ほどの専業労働者とは若干違うと思いますけれども、昭和三十五年から見ますと総数で三分の一以下となっております。特に若い世代が非常に少なくなってきております。  一番最近の数字でお願いしたいと思いますけれども、十五歳から十九歳、この林業就業者は約何名で、また総数に占める割合は何%であるか、これをちょっとお教えをいただきたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 私ども把握しているものといたしましては、林業就業者数は現在約十二万人程度というように理解しております。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 済みません、十五歳から十九歳、一番若い世代の数は何名になっておりますか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 私ども今手元の資料では、昭和六十年度の統計数値でございますけれども、十五歳から十九歳までの林業就業者数約六百名というように考えております。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 全体が約十二万人程度、その中で十五歳から十九歳六百人ということであります。先ほど大臣も、新規で林業に従事される方が約二百名ということをおっしゃいました。二百人とか六百人という数は、一つの民間企業の新卒者の数にも満たないわけであります。そういう意味で非常に少ない数。先年ですか、農業に従事した人の数が二千百人だ、こういうことで非常に驚きを持って私たちもその数字を聞いたわけであります。そのときにも、民間の某大企業一社の新規採用の数と同じだ。この一点からいっても後継者問題というのは、私はもう非常に大変ではないか。  林業労働は、先ほどおっしゃいましたように非常にきつい仕事でもありますし、またある意味では危険な仕事でもございます。世間で言ういわゆる三Kだとか、またそれにまだつくかもしれません、なかなか結婚ができないとか、五K、六Kというのも最近出てきておるようでありますから。しかし、そういう状況であるということであっても、国土の保全とかいろいろなことを考えた場合に、とてもこのまま座視をしておられる状況ではないと私は思うのです。  その意味で、そういう数字をおつかみになっていらっしゃいます、二百人、六百人とか、もうとても考えられないような数字でありますけれども、そういう数字をおつかみになった上で、具体的にどういう方策を考えておられるのか、お示しをいただきたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 先生御指摘のように、確かにこの後継者問題あるいは担い手問題、私ども最重要課題の一つととらえておるわけでございまして、特に、若い方々が林業に参入してくるあるいは参加していただくためには、やはり何と申しましても林業自体を魅力のあるものにする必要があると考えているわけでございます。  したがいまして、具体策といたしましては林業構造改善事業等の各種林業振興政策を通じまして、林業の活性化を図ることを基本と考えておるわけでございますけれども、特に林業労働者の育成、確保なりあるいは就労条件の改善、若い人は休日にはきちんと休みたいとかいろいろ御希望がございますので、このようなことを検討もしてまいる必要がございますけれども、とにかく林業後継者の育成確保対策を推進してまいりたいと考えております。  特に、後継者対策でございますけれども、後継者のグループ活動や資質の向上のための学習活動、それから都市の青年との交流の推進でござい ますとか青年林業会議所の整備、さらにまた体験の森整備事業の推進、それから先ほど大臣の方からもお答えいたしましたけれども、林業機械化の促進等によりまして後継者の新規参入の推進等、これらの施策を実施しておりますし、また今後さらにこの施策の強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 平成三年度の林業担い手育成総合対策の中で、新規事業として林業労働力育成確保特別対策事業、これは概算要求で三億八千万ですか、計上されておりますけれども、その中で月給制及び社会保険加入の促進等就労条件の改善、こういう項目がございます。  実は私の県でも、第三セクターという形にして月給制を採用して週休にするとか、いろいろな意味で、いい意味でのサラリーマン化と申しましょうか、そういうことも鋭意進めているように聞いております。この労働条件の改善として月給制を促進する、これは具体的にどういうことでしょうか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 今回の新規の事業につきましては、私ども、都道府県段階で林業労働力育成センターの設置をまず考えているわけでございます。  それで、この事業の中で、各林業関連の森林組合でございますとか木材関係の団体でございますとか民間林業労働者代表から成る協議会を開催いたしまして、就労条件の改善を図ってまいりたいと考えておりますし、さらにまた就労の条件改善のために指導員を設置いたしましたり、あるいは社会保険の加入促進等を進めてまいりたいと考えている次第でございます。これら一連の中に、月給制の推進という問題も含めまして、私ども改善を図ってまいりたいというところでございます。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 ともかく後継者問題というのは、非常に大変になると私は思います。いろいろなところでも後継者がいなければ全部衰退していくわけですから、今回いろいろと事業を新しく計画をされておりますので、ぜひとも効果を上げていただいて、来年度には若干なりとも上向いた、こういう施策をぜひともお願いしたいと思います。  続きまして、不在村山主の問題について、ちょっとお伺いしたいと思います。  九〇年の農林業センサスで、初めて不在村者私有面積の割合が私有林の二割を超えた、こういうセンサスが出ております。また、そのうちの五〇%を超す所有者が森林組合にも加入しておらない、したがって、枝打ちや下草刈り、そういうものがなされない荒れた山がだんだんふえてきている。私も自分の選挙区をずっと回りますと、手が入っていないな、例えば、切っても、枝打ちとかやってもそのままになっているとか、そういうことで山が整備されていないのじゃないかな、そういう山が多くなってきているのじゃないかな、こう実感として感ずるわけであります。  それで、今回、そういうことを含めまして施業代行制度を取り入れる、こういうふうにもお聞きをいたしておりますけれども、これの実効性ですね、どれだけ実効性が上がるのか。また具体的に、そういう不在山主の方は、極端に言って申しわけないのですけれども、山を愛するとか、手入れをして木を大きくしていって何年か後に木を売ってということではなくて、山そのものを売り買いしたい、こういう方が多いのではないかと私は思うのです。ですから、お金を今まで入れてきていない方、そういう方からちゃんと施業代行のお金を取れるのかどうか、ひょっとしたら森林組合等がかぶるようになるのじゃないか、そういうことも心配しておりますけれども、あわせてお答えをいただきたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 先生今おっしゃいましたように、不在村者等もふえておりまして、森林の手入れ、保育は欠かせないところでございますので、今回の森林法の改正案の中におきまして私ども考えておりますのは、森林計画の計画事項に、森林施業の共同化等施業の合理化に関する事項を追加する。あるいは、地域におきまして森林施業の共同化を行うための施業の実施協定制度を創設する。早急に間伐等を実施する必要のある森林につきましては、要間伐森林に指定をいたしまして計画的な施業の推進を図るということで、森林所有者による適正な施業の実施、さらにまた、これがなされない場合には、施業の勧告等に加えて裁定制度を創設するという改正を提案しておるところでございます。これらの制度の適正な運用を図ることによりまして、森林の維持管理に意を用いてまいりたいというところでございます。  さらに、先生が今御質問されました、実際に代行制度を行う場合にその経費負担等はどうかということでございますけれども、私どもは、この代行制度の実施は、分収育林契約の締結の裁定を行うことができるようにという措置を考えているわけでございます。これを裁定に基づきまして実施していく場合に、施業代行者である育林者がその負担において間伐、保育を実施いたしまして健全な森林を育成し、さらに林木が成長しました段階で、その収益を土地所有者との間であらかじめ定められております持ち分割合に応じて分収いたし、育林者は費用を回収するという仕組みを考えているわけでございますけれども、とりあえずは、この施業実施は育林者の負担で行われることになるわけでございます。  この場合にこの経費でございますが、農林漁業金融公庫の分収育林取得資金の貸し付けあるいは民有林造林事業、間伐促進強化対策等によります助成措置、それから補助残額につきましては農林漁業金融公庫からの融資、これらの助成措置を講じているところでございまして、特に平成三年度におきましては、農林漁業金融公庫の分収育林取得資金の貸し付けの相手方に地方公共団体を追加することとしているところでございます。  裁定による間伐、保育の実施に当たりましては、これらの助成措置の優先的適用によりまして事業の実施に支障が生じないよう努力をしてまいりたいと考えております。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 続きまして、国有林野事業についてお聞きしたいと思います。  今回経常事業部門と累積債務処理、この部門を二つに分けられたというふうに聞いております。これからのことかもしれませんけれども、この分けられた理由は何でしょうか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 国有林野事業につきましては、昭和五十三年度以降経営改善計画を策定いたしまして、鋭意経営の健全化に努めてきたところでございますけれども、この間材価が低迷いたしますとか諸般の事情がございまして、債務が非常に増大してきた実態にございます。平成二年度末におきましての見込み額でございますけれども、二兆二千五百十一億円の債務になろうとしているわけでございます。  一方で経常事業につきましては、今後鋭意改善をいたしたいというところでございますけれども、累積債務をこのままの状況にしておきますとますます債務も増大してまいりますし、それが経常事業の改善がなかなか進みにくいというような状況が出てまいるということで、今回累積債務と経常事業部門を区分いたしまして、それぞれにつきまして改善をしっかりさせていただきまして、国有林野事業全体の経営の改善策としたいということから区分をいたすことにしたわけでございます。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 この累積債務対策で、昨年出ました林政審の最終答申の中でこういうふうに書かれております。  「徹底した自主的努力による累積債務対策を講ずることとした上で、なお不足する費用については、別途財源措置を講ずる必要がある。」また翌日の閣議了解で「債務処理に要する費用がなお不足する場合には、別途財源措置」、こういうふうな表現になっておりますけれども、これは今回二百五十億程度たしか一般会計から繰り入れるようになっておりますけれども、それ以上、この累積債務対策に対しては一般会計からお金を入れてくれるということなんでしょうか。  それとともに、今回一般会計から繰り入れられる対象が広がりましたが、それ以上に対象も広げ る、お金の方も一般会計から債務累積に関しては入れてくれる、こういうことをこの閣議了解では言っているのでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 平成二年を区分年度として、それまでの累積債務について、まず林野、土地資産について徹底的な見直しをしてそれを処分して充当することと、経常事業部門について、今後要員調整その他で努力をしながら余裕金が一年も早く出るようにして、それもまた累積債務の返済に充てることにし、かつ、なおそれでも累積債務を解消することに至らない部分について一般会計から繰り入れを図っていきたい、こういうことであります。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 努力をしてもなお足らないところは一般財源から、こういうことでお答えだったと思います。  次に、要員規模についてお伺いをしたいと思いますが、現在平成元年度末で三万四千人体制を五年度末までに二万人規模に持っていきたい、四年間で約四〇%の人員を削減する、こういうふうな御計画であろうと思います。林政審の最終答申で「労使協力等」と書かれておりまして、「国有林野事業の経営改善を円滑に進め、その実効を期する上において、職員と労働組合の理解と協力は極めて重要であることから、労使一体となって経営改善に取り組むとともに、職員の士気の高揚に資するため、職場環境の改善を図る必要がある。」こういうふうに書かれております。  また、二万人体制をやるために今回特別措置ということで、定員外職員の定年前退職の促進、このことを実行されようとしておりますけれども、私が心配するのは、四年間で四〇%も減らす、もちろん自然退職等もあろうと思いますけれども、そういう中で二万人ありきということが、まず四年先におしりを切っておいて、そしてそれに向けて押し込んでいこう、そうなったときに、強引な肩たたきとか、今回割り増し金ということで、一年未満の方は八カ月分、一年以上の方は十月分余計にお金を上げますよ、ですから、できたらやめてもらいたいみたいなこと、これがやられたときに、職場単位に数の割り当て的なもので、おたくでは努力目標として何名応募するようにしてもらいたいとか、こういうことになりはしないのか。四〇%という非常に大きな数が目標としてあるわけですから、計画は計画としてそれはやっていかなくてはならないということでお立てになったと思いますけれども、片やこれだけのことをやっていくには労使の協力も必要である、こういうことも書かれておりますから、ちょっと私は心配をしております。  その意味で、長官また大臣から、そういうことはないんだ、強制的に肩たたきとか、そういうことはしない、こういうふうな御答弁をぜひともちょうだいしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 要員の規模の調整、縮減の問題につきましては、速やかな経営の改善を図るために実行させていただきたいと考えておるわけでございますけれども、先生から今御質問の、その際における扱い方でございますが、この特別給付金制度によりまして今回適正化を図りたいということでございますけれども、これはあくまでも募集に応じて、みずからが進んで定年前に退職するという定員外職員に対しまして退職時に特別の給付金を支給するものでございますので、強制的にこれを行うというようなことはいたす考えはございません。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 長官から明確にお答えをいただきましたので、ぜひともそういう方向で進めていただきたいと思います。一万四千人削減ありきではない、まず最初にそれがありきではないということ、とにかくそういうことでお願いをしたいと思います。  水産業についてちょっとお伺いします。  先ほど林業についてもお伺いをいたしましたけれども、これも大臣に先にお伺いをしたいと思います。  沿岸、沖合、遠洋漁業といろいろ漁業の種類がございますけれども、就業者数も非常に減少傾向であります。先ほどの林業と同じように後継者が非常に少なくなってきている。しかしながら、この後継者の問題については、あるところから御意見を聞いたところによりますと、一概に、例えば後継者が減ってきているのでそれをふやす方向に持っていかなければならないとか、そういうことではないというような意見もたまたま聞いたりもしますけれども、大臣自体はどういうふうにお考えでありましょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 二百海里以来もう十年余を過ぎて、水産業を取り巻く環境は大変厳しゅうございますし、また今日特に国際的にも漁業が締め出しを食っているということで、いずれにしても先の展望が開けない今日の漁業環境の中で、新たに「つくり育てる漁業」とか資源管理型漁業とか、二百海里以内の水産資源を活用するというような大きな課題がまた私ども自身にあるわけであります。  その中でも、特に三Kの代表的だと言ってもいいような実は業種でございますので、私ども一日も早くやはり魅力のある漁業というようなものをつくり上げていくということで、新たに二百海里問題を、わが国周辺水域の水産資源活用とか、あるいはつくり育てるということこそ若い人たちに好まれるような手法でないのかなということで、そういう観点から、また当然のことながら、労働条件あるいは生活環境というものもあわせて漁業についてはもう一遍全部改めて見直して、再出発するぐらいの覚悟を持って対処していかなければならないなという認識で仕事をさせていただいております。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 大臣が決意もかたく、新規まき直しというかニューディール政策でありますかそれをやっていただけるということなわけですので、ぜひともお願いをしたいと思います。  実は、この後継者対策の問題、私は高知県の室戸市という、御存じだと思いますけれども、遠洋漁業の基地になっております。そこのところで、残された、御主人が船に乗っておられて奥さんが陸に残っておられる、そういう方々と若干懇談をした折に、ともかくもこの後継者の問題、そして魚の値段ですね、魚価の安定、これを何とかしてもらいたい、こういうふうな要望があったわけであります。この後継者の問題は、そういうことで大臣が非常に取り組んでいただけるということでございます。  ですから最後に、この魚価の安定について、安定も低値安定では困りますので、ある程度希望を持って、それなりに二%、三%、ベクトルが若干上向きな形の魚価の安定策というものが必要だろう、こういうふうに思いますが、最後に魚価の恒常的な安定策について御決意なりお考えをお伺いをして終わりたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 水産物の価格安定の問題でございますが、全般的に最近の状況、魚の種類によって状況がちょっと違いますけれども、総体としては安定的に推移していると考えております。  ただ、お話にありますように、一部の魚種につきましては、漁海況の状況によって変動するということが避け得ない性格を持っておるわけでございます。  と同時に、御承知のとおり水産物を消費する食品マーケット、最近におきましてはいろいろな食品の間で大変激しい競争が行われておるわけでございまして、その中で競争に耐えて一定のマーケットシェアを水産物についても確保していかなければいけない、こういう問題がございます。  究極的には、需要をいかに確保し、その需要にマッチした供給をどのようにコントロールしていくか、そういうことが価格安定の根本課題である。これをうまくするために、私どもとして必要な指導あるいは制度的に可能なてこ入れを十分考えていきたいというふうに考えておるところでございます。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田(祝)分科員 それではよろしくお願いします。  ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これにて石田祝稔君の質疑は終 了いたしました。  次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 私は、きょうは酪農の問題に集中した質問をしたいと思います。  最近の日本の酪農をめぐる環境が非常に厳しいというのは、農水大臣も、農水省も御承知のとおりだろうと思います。また時期的にも、今月末の加工原料乳の保証価格の決定の時期が参っておるわけでありますが、昨年この保証価格が七十九円八十三銭から二円八銭下がって七十七円七十五銭だった。昨年は御承知のようにアイスクリーム等が輸入自由化された。ことしの四月からは牛肉の完全自由化に入ってくるわけであります。既にもう完全自由化を前にして、昨年の夏ごろから廃牛、それからぬれ子等の暴落と言ってもいいような状況が始まっているわけであります。これらすべて、我が国の酪農家に重大な悪影響を既に及ぼしているわけであります。  こういう状況を踏まえて、今年度決定される加工原料乳の保証価格の水準は、もう昨年を大幅に引き上げなければいかぬと私は考えているわけでありますが、最初に大臣から、本年度の乳価の決定に当たりましてどういう諮問をされるのか、日本の酪農の再生産を保障するという立場から、どういう基本的なお考えなのか、まず大枠をお聞きしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 ちょうど価格シーズン、価格を決めなければならない時期に差しかかってまいりまして、鋭意今事務局でそれを計算する資料を調査をしておる最中でありますので、調査終了次第、需給に見合って適正な再生産ができるような価格の決定をしていきたい、そう思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 きょう私は、その価格の問題について余り深入りしないで、後の農水委員会での論議に譲りたいと思うわけでありますが、非常に厳しい環境にあるということを踏まえて、ぜひともこの日本の酪農を守るという立場に立って価格決定をしていただきたいということをお願いしておきたいと思う次第であります。  実は、一つの資料として、私の出身であります長野県の下伊那郡に高森町というところがあるのですが、そこで、市田という地域の酪農組合があるわけです。そこの農民組合、四十八戸で約六百頭を飼育しているわけであります。実際、昨年一年間の酪農組合の収入、支出の数字を私最近いただきました。驚くべき数字になっているわけであります。これは、加工乳ではなくて飲用乳でありますが、参考までにひとつ御披露して、こういう実態にあるということを念頭に置いて価格決定に資料として入れていただきたいと思うわけです。  例えば、基本である乳代でありますが、ここでは平成元年の乳代が九十八円五十二銭、これが平成二年九十七円十五銭に下がる。平均です。一円三十七銭下がる。そして、約六百頭の乳牛全体でいきますと、対前年比七百四十九万六千四百三十八円下がる。手取りが下がる。  それから、非常に決定的な影響を与えているのが、昨年夏以来のぬれ子や子牛価格の暴落でありまして、ここでは肉牛として廃牛など出すわけですが、そのキログラム当たりの単価が、平成元年は八百六十七円が、平成二年、これは一月一日から十二月三十一日まででありますが、六百十六円に下がる、二百五十一円も暴落をしてくる。したがって、肉牛販売額が二千九百七十万六千五百八十二円から何と八百六十四万四千七百八十七円も下がってしまう。ちなみに、少し前まではホルスタインのぬれ子が大体十五万円くらいで売れた。それが現在、大臣、三万から五万というんですよ。すさまじい数字でしか引き取ってもらえないという状況が現実であります。  しかも、逆に購入飼料代、えさ代は、平成元年度一年間で一億四千五百三十四万八千五百九円から、何と九百十七万八千四百十一円も今度は高くなったという数字、これは実数であります。皆さん非常に苦労されて、酪農を守ろうとして頑張っている組合員の皆さんであります。  収入はがた落ちになる、経費は高くなるという状況でありますので、昨年の乳価決定のときの大臣談話によりますと、三月三十日付ですが、「飲用向けの乳価は、市乳の需給実勢を背景に生産者団体と乳業者との当事者間の交渉によって決定されるものであり、北海道の生産費を基礎として決定される保証価格とは連動しないものである。」という大臣談話が出されているのですが、大臣、現状はこんなものではないのですよ。  三月末に政府が加工原料乳の保証価格を決める、そうすると、実際、飲用乳の価格が各地で決まってくるのが夏です。やはりこの価格が下がりますと、絶対連動するわけです。これは、飲用乳については、メーカーがそんな単価では引き取りませんと言われたらもうどうしようもないわけですから、保存がきかないわけですから、ひとつそういうことも踏まえて、飲用乳生産酪農家のことまでしっかり念頭に置いて価格を決めていただきたいと思うわけであります。希望だけそこは述べておきまして、具体的な問題について質問をしたいと思います。  酪農家の生産農家戸数が非常に急激に減ってきていることは、御承知のとおりであります。後継者の問題が大きな問題になっていることも御存じのとおりであります。後継者の問題を考えるときにどうしても避けて通れない問題として、酪農の場合には三百六十五日休みなし、一日二回乳を搾って出荷しなければいかぬという問題があるわけであります。最近、先ほど述べた高森町市田の酪農組合からも一人、一番若い酪農家がもう廃業したいということを言い出しているわけでありますが、その最大の原因が、この休みがとれないということであります。今全国の酪農家が心から望んでいるのは、酪農ヘルパー制度の充実ということだと思います。まず、その酪農ヘルパー制度の政策の現状をお聞かせ願いたいと思います。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 酪農ヘルパー事業の実施状況でございますが、これにつきましては昨年度と申しますか、本年度全体として七十億円ほどの基金造成その他をやるということでやったわけでございますが、中央段階にありましては、昨年十二月に関係者の御努力によりまして社団法人酪農ヘルパー全国協会が設立されて業務が開始されたということでございます。  それから、都道府県段階におきましては、現在のところ四十四都道府県で実施を予定しているということでございまして、そのほか二県で実施に向けて検討中、一県が実施未定というような形になっておるわけでございます。  それから、その下の利用組合段階にありましては、既存組織の再編なり新規組織の設立に向けた取り組みを行っておりまして、今年度中には新たに二十組合程度の設立が見込まれているというような状況でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 長野県の下伊那郡の三百七十六戸の酪農家で酪農ヘルパー制度の確立の取り組みが始まっているわけでありますが、非常に苦労を重ねながら今ようやく二カ月に一回酪農ヘルパーに来ていただいて、夫婦で休みをとって旅行に行くことができるという水準までやっと来た。しかし、これでいきますと、一年間に六日しか休みがとれない。こんなものではとても部落の仕事もできないし、こんな状態では若い酪農の後継者をつくり出していくことはできないという現状を訴えられました。  そこで、農水省に基本目標といいますか、例えば西暦二〇〇〇年までに日本の酪農家すべてに、少なくとも一週間に一回は休みがとれるヘルパー制度をつくっていこうとか、そういう基本目標というのはあるのでしょうか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 ヘルパー事業というのは酪農経営の中で休日等をいかにとっていくかという問題でありまして、地域によって非常に実情が違ってきているわけです。例えば北海道のどういうところ、あるいは内地であればどういうところというような形でその成熟度合いも非常に違ってきているということでございまして、私どもはまずその地域地域に応じました酪農制度というものをできるだけ確立させていくということを当面の目標として今回の措置に踏み切った、こういうことでご ざいまして、何とか一日でも早く、できるだけ早くそういうヘルパーのための組織なり、それをまたいかにして多くの方々が参加できるかということにつきまして現在努力をしている、こういう状況でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 もう既に国家公務員なども隔週土曜休日、土曜閉庁が始まっているわけでしょう。きょうのニュースを見ていましたら、学校につきましても、土曜日学校を休みにしたときにはどういうカリキュラムの編成をすべきなのかという検討が始まってきている。民間企業では週休二日は当たり前という状況であります。ひとり酪農だけが全くこれについていけないという状況が今後十年も続きましたら、それこそ後継者をつくることは私は不可能だと思います。  私の長野県下では、もし今のような酪農の状況が十年続いたら、恐らく二十一世紀の入り口には酪農の担い手がなくなるのじゃないか、本当の危機的な状況が生まれているわけでありまして、西暦二〇〇〇年にはこれだけの休みが酪農家もとれるという基本目標を農水省はつくって、それに基づいて各生産団体なり都道府県を指導する、それをやるにはどういう問題があるのだろうか、ヘルパー育成の問題その他、そういう発想をしなければこれは進むものではないと私は思うのですよ。そこで、そういう基本目標を何としてもつくってもらいたい、農水大臣の御所見等を伺いたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 本年度初めてヘルパー制度を創設したわけであります。私も十分承知をしておるわけですが、総体的には酪農家から非常に喜ばれている制度だという認識をいたしておるわけでありますが、この対応について各県別、地域別によって状況がかなり違うわけでありますので、若干準備をさせて、平成二年度の各県の地域の実情など私ども早急に調査をしながら、平成三年度また改善すべきところを改善して、今御指摘のような長期見通しとして酪農ヘルパー制度がどうあって、酪農家の休日がどのように労働条件としてとれるかということは当然立てていかなければならぬと思うわけであります。  いずれにしても、ことし初年度でありますし、もう一年くらいは少し地域の対応についても私ども検討させていただきたい、そう思います。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 ぜひ緊急な課題として調査研究を強めて、いい政策を樹立していただきたいと思います。  次の質問に移りますが、数年前から、生乳に含有する脂肪率について、三・二%から三・五%に〇・三%数値が引き上がりました。〇・三%含有脂肪率を高めるために日本の酪農家、特に西南部の酪農家は非常に苦労をしているわけであります。どんな点が脂肪率を高めるのに苦労されているか、農水省としてはどんなふうに理解しておりますか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 一般的に生乳生産の中で乳脂率の割合というのは年々高まってきておりまして、現在のところでは、大体三・五%以上はおおむね確保できるというような技術水準にあるのではないかというふうに思っている次第でございます。  ただ、中には、特に夏場につきまして、これはなかなか大変だというところもございますが、これにつきましても、えさ、飼料の供給のやり方なり猛暑対策というような形の中で取り組んでいただきながら、今言った三・五%以上の乳脂率にするように技術的にはかなり確立してきているのではないかというふうに考えておる次第であります。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 日本の酪農家は、この乳脂率が上がったことによってすさまじいばかりの苦労を強いられているのが現実であります。飼料一つとってみても、濃厚飼料を多給しなければならぬということ、それから、乳脂率の低い牛については淘汰をしていかなければならぬ、これは経済的にも大変大きなデメリットが生産についてはあるわけであります。  ところが、乳脂率を上げられたにもかかわらず生産農家の乳代、これは必ずしも上がらなかった、結局、乳脂率が上がったことによって酪農家とメーカーとの経済的な配分を見ますと、どうもリットル当たり二円四十銭ほどメーカーの方は利益を蓄積したのじゃないか、その分だけ酪農家の苦労があるということを裏返して言えるわけであります。  今、生産農家の強い希望は、乳脂率向上、そして消費の拡大、非常に苦労して努力をして、いわゆるグレードアップのために頑張っておるわけでありますから、そのグレードアップした分だけ生産農家へやはり利益を還元してもらいたいというのが基本的な要求ですよ。しかし、加工乳の保証価格などが引き下がる、これに連動してなかなか思うように飲用乳の売り値が上がらない。これはひとつ農水省に、メーカーに厳しく指導していただいて、グレードアップの努力を生産農家、酪農家に還元すべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 六十二年度の乳脂肪率の変更後の牛乳の平均小売価格の推移を見ますと、これは若干の低下傾向で推移してきている。  それから、このような中で大手三社の六十一年度以降の経営状況を見ますと、売上高は確かに増加はしておりますが、売上高営業利益率は六十一年度から六十三年度は二・二%、例えば元年度は一・七%、二年度が上期で一・九%というようなことになっているわけでございます。なかなか乳業メーカーが乳脂肪率の変更に伴って利益を上げているという状況ではないのではないかということでございます。  ただ、今言った生乳の価格につきましては、これは先生もう既に御存じのとおり、指定生産者団体と乳業メーカーとの間で基本的には話し合いで決まっていくということでございまして、私どもその話し合いの過程の中で、十分その話し合いが進むように指導してまいりたいというふうに考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 その指導の観点として、酪農家のそういう現実の苦労やら、先ほど私が指摘いたしました牛肉自由化に伴う廃牛、ぬれ子、子牛などの価格の暴落、こういう問題もしっかり踏まえて指導していただきたいと思うわけであります。  実は、乳脂率を高めるための非常な苦労の一環として濃厚飼料を多給するということから、今日本のホルスタインに第四胃変位という病気が発生してきている。御承知のように牛は四つ胃袋がありますが、その四番目の胃の位置が変化するということがあるようであります。私が聞いたところの先ほどの飯田の下伊那郡の市田の酪農組合でも、約一割近くがこの病気にかかってしまうというような状況のようであります。  その現状、そしてそれに伴う影響、それから原因、対策等について、まとめてお伺いしたいと思います。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 確かに、最近の統計によりますと、平成元年度の乳牛の第四胃変位によります死亡、廃牛事故の割合は〇・四%ということで、増加傾向にあるということでございます。  これの主要な原因というのは、過度な濃厚飼料の多給と粗飼料の不足というようなこと等と考えられておりまして、適正な飼養衛生管理を行うということによって、乳脂率を維持しながら本病の発生も予防できるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  平成二年度からもいろいろ事業を実施いたしまして、正確なデータを収集、分析しているところでございますが、その成績に基づきまして適正かつ効率的な飼養管理の体系の確立、また都道府県の家畜保健衛生所等を通じて酪農家に対する指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 指導の徹底をお願いしたいのですが、そのときの一つの観点として、酪農家とメーカーとの取引の実態を見ますと、生乳を引き取るかわりにメーカーが手配する関連企業の濃厚飼料を買いなさいよという、独占禁止法に反するようなことが実際にはなされているわけですね。こんなことあってはならぬと私は思いますが、いかがでしょう。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 私どもとして、そういうような実態はつかんでいないような状況でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 ぜひともそういう実態を、現実の酪農家、生産農家から生の声を聞いて、いささかでもそんなことがありましたら、そんなことをしないように生産メーカーに厳しく対処するということをやっていただきたいと思いますが、いいですか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 いろいろ調べてみたいというふうに思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 五分ほど時間をいただきまして次の質問にちょっと移りますが、実は、農業後継者の育成確保にとって農村の居住環境を改善するというのは非常に急務になっているわけであります。  その中でも、下水道の完備というのは若者の農村定住のために不可欠であると考えているわけであります。農村集落における下水道を進めていく事業のうち、やはりその中核は農水省の農業集落排水事業であると思います。期待するところ大であるわけでありますが、最初に平成二年度のこの事業の実施の実績はいかがなものでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農業集落排水事業、これは昭和四十八年度から実施いたしているわけでございますが、平成二年度までの実績ですけれども、採択された地区数約千地区、集落数にいたしまして約三千集落、対象人口約百万人というような状況でございます。このうち、平成二年度までに施設が完了する地区は約三百地区、約一千集落という状況でございまして、人口では約三十万人強、農業振興地域の農業集落約十二万集落ございますけれども、それの一%程度の普及率、こういうような現状でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 昨年度予算で新規採択された箇所数、そして継続採択になった箇所数、そして予算額を言っていただけませんか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 昨年度予算で採択された地区数は、百四十九地区でございます。予算額は三百十一億円、こういう状況でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 百四十九カ所というのは新規採択ですね。(片桐政府委員「そうです」と呼ぶ)はい。平成三年度予算はこれからでありますが、どのくらいを計画をしておるのでしょうか。継続の数と新規採択の数、それから予算額、お聞きしたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 平成三年度の予算案におきましては、新規採択の予定地区が二百五十一区でございます。また、この新規採択地区の総事業費の枠は約二千億円、昨年の二・二倍というようなことを予定いたしている次第でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 待望久しい農村集落排水事業ですが、現在の実績が十二万農村集落に対して一%ということのようですが、これも長期見通し、どの時期までにどこまで水準を高めるかについて計画がおありでしょうか。あったら、報告をいただきたい。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 先ほども説明しましたように、現在の段階で一%程度の普及率ということでございます。  現在、中都市の下水道普及率が四三%程度というふうに聞いておりますけれども、私どもといたしましては、今後十年間に現在の中都市の下水道普及率程度まで何とか引き上げたいということで、今後十年間で普及率を四五%程度までにしたいということで、現在いろいろ目標をつくっている次第でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 四五%というと、集落数にしてどのぐらいになるのでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 先ほど申しましたように、農振地域全体で十二万集落ございますけれども、その約四五%ということで約四万八千集落ぐらいということで予定いたしておる次第でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 昨年の予算に対してことしが約倍の新規箇所採択ということは結構なのですが、この目標からいきますと、これは急速に採択箇所をふやさなければいかぬ、そして、予算もたくさんつけなければいかぬと思うわけであります。  実は、昨年たしか長野県から上がった希望に対してつけられた箇所が八カ所だけだったのではないかと思うのです。上伊那郡という一つの郡があるのですが、そこからは、地元の市町村から希望は八カ所上がっていたのですよ。ところが、実際には一カ所しか採択にならなかった。長野県を通じて上に上がっていかなかった。実際には八分の一しか採択されなかったということがあるわけです。  この上伊那郡の中核都市の一つに駒ケ根市という、中央アルプスと南アルプスに囲まれた地域ですが、そこではもう全戸下水道計画という、マスタープランというのを、大変立派な計画をつくっておりまして、厚生省や建設省の下水計画と農水省さんの今の排水事業をあわせて、一戸も漏れなく下水道をつくっていこうというすばらしい計画があるわけであります。これを見ますと、農村集落排水事業だけでも十五がこれからやらなければいかぬというわけであります。上伊那郡全体で十カ市町村あるのですが、そのうちの一つの自治体ですらこういう計画が出されていて、年間一つしか採択されなければ、市の理事者としてもこの計画が絵にかいたもちになるということでありますので、ぜひともこの事業のためにもっともっと力を入れて、日本の農村にも都市並みの環境をつくり出していただきたい。  特に、長野県は八年後にオリンピック招致の動きもあるわけですので、全世界の人たちが長野県へやってくる可能性があるわけですから、ぜひ長野県に力を入れていただきたいということを、お隣の新潟県出身の農水大臣にお願いして、ちょっと一言所信をいただきまして、終わりにしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 ようやく近年集落排水にも関心をお持ちいただいて、要望が強くなって、私ども構造改善局としてはここに全精力を集中して今予算の獲得をさせていただいておるところでもありますし、今後引き続いて努力していきたい、こう思っております。

木島日出夫日本共産党

○木島分科員 ありがとうございました。終わります。

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。  次に、菅原喜重郎君。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 まず最初に、平成三年二月十五日から十七日にかけての暴風雨雪、波浪災害に関して質問をいたします。  二月十五日に若狭湾と紀伊半島にあった低気圧がともに発達しながら東北東に進み、十六日午前九時ごろに宮城県沖で一つになり、猛烈に発達しながら三陸沖に進みました。  このため、岩手県内では、十五日午前十時の降り始めから十七日午後十時までの降水量は、沿岸部を中心に釜石市が百九十三ミリ、普代村が百八十五ミリ、宮古市は百八十四ミリとなりました。  なお、十六日午前九時から十七日午前九時までの降雪量は、奥中山四十四センチ、葛巻町四十四センチ、二戸市は三十五センチとなり、県北部を中心に大雪となりました。  さらに、低気圧の影響で最大瞬間風速が大船渡市で三十五・一メートル、宮古市三十二・一メートル、盛岡市で二十八・二メートルを記録するなど、強風が吹き荒れ、沿岸地方では田野畑村にある観測所で十三・九四メートルの高波を観測するなど、大しけとなりました。  このため、県内では、漁港施設、水産業共同利用施設、港湾施設の損壊、水産物、養殖施設の流出、破損等甚大な被害をこうむり、被害総額は二月二十八日現在で百十億円を超えたわけでございます。  県は、この事態に対処するため、被災市町村と協力して応急対策を講じているわけでございます。また、災害復旧等にも万全を期しておりますが、農林省として被害の実態をどのように把握されているか。また、対策についての所見をお伺いしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘ございましたように、二月十五日から十七日にかけての 低気圧による暴風雨雪、それから波浪による災害が東北地方から北海道にかけて発生しておるわけでございます。  今月の六日現在で、私どもの方に岩手県から報告のありました被害状況でございますが、漁港施設で約十九億円、共同利用施設で約一億九千万円、養殖施設で七億九千万円、養殖水産物で約三十五億円、合計約七十億円というふうに報告を聞いております。  細部についてはまた現地あるいは県の段階で詳細な状況把握が進むと思いますので、多少の変動はあろうかと思いますが、六日現在での水産関係の状況を報告申し上げますと、以上のとおりであります。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 一応私の数字は県からの陳情に基づく数字でございますが、つきましては、この早期査定が何はともあれ待たれるわけでございます。この復旧を早く急ぐためにも、必要な査定につきましては早くこれを実施していただきたいと強く要望するわけでございますが、この点の見通しについてはどのようにお考えですか、お伺いします。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御承知のとおり、ただいま申し上げました漁港施設あるいは共同利用施設についての災害復旧事業につきまして、一定の援助制度があるわけでございまして、これを発動していく前提として、所要の事業費の積算、査定の作業があるわけでございます。  何せ構造物が海上にある構造物でございますので、気象条件によって非常に左右をされるという状況でございます。関係の団体なりあるいは県レベルで査定を受けるための準備として測量を行い、設計をし、積算をしていくという行程があるわけでございますが、現在の状況から見ますと、少し時間がかかるとの情報でございます。恐らく四月にかかるのではないかというふうに私ども予測をしておりますが、県の方のそういった準備が整い次第、我が方としても適切に対処していきたいというふうに考えておりまして、現在県とよく連絡をとり合っておる状況でございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 いずれにいたしましても、県の査定受け入れ準備もございますが、できるだけ早くこの査定が終わるように進めていただきたい。  と同時にまた、被害者、漁業者の経営再建についての金融措置についても特段の御配慮をいただきたいと思うわけでございますが、この点に関してはどのようにお考えでございますか。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 先ほど御報告いたしましたとおり、水産関係についてかなりの被害が出ておるわけでございます。その災害復旧とあわせまして、関係漁業者の経営再建のためのいろいろな手当てが今後必要になってくると思いまするし、また、被害発生後直ちに、実は県の方からも私どもいろいろな要請を受けております。  その一環としまして金融措置の問題がありますが、とりあえず既に償還期が来ておるものあるいは償還期が間もなく来るものについて、その償還について猶予等の措置を講じてくれないかという御要請がございまして、二月二十日に農林漁業金融公庫等の金融機関の方へ、地域の実情に即して必要な償還猶予措置を具体化するようにという指示をいたしました。  さらにまた、今後に向けていろいろな資金需要が起こってくる可能性もあるわけでございますが、県の方では明十二日に関係の漁業団体の皆さん方にもお集まりいただいて、県内でいろいろな協議をなさる予定であると聞いております。その結果も踏まえまして、県の方からどのような御要望があるのか、よくお話を伺って、可能な措置を具体化すべく検討をしていきたい、かように考えておる次第でございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 私も現場を見たわけでございますが、場所、個人によっては全く壊滅的な被害を受けているわけでございますから、ひとつ万全の対策をお願いいたしまして、次の質問に移ります。  岩手県では、数十年前から日本の総合食糧供給基地を県政の重点施策に標榜し、広大な土地資源と多彩な立地条件を生かしながら、農業生産の振興に鋭意取り組んでいるところであります。しかし、最近の農業をめぐる環境は、急速な国際化の進行や需要構造の変化等多くの課題を内包しておりますが、農業者を初め関係者が英知と努力を結集することにより、これらの課題に積極的に対応し、二十一世紀に向けて体質の強い新しい地域農業の構築をしようと、このことに一生懸命でございます。  このために、地域の内発的な意欲をもとに、生産から流通、研究、教育等に至る諸機能はもとより、農村文化、生活諸機能の集積拠点地域の整備を進めることにより、農業、農村の総合的活性化を図ることが極めて緊要であります。このような地域に対する農業支援機能集積拠点構想について、これから政府としてどのような対策を講じようとしているのか、お伺いいたします。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 私ども農業支援機能集積構想、俗称アグロポリス構想と称しておりますけれども、こういう構想の実現に向けていろいろ努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。  この構想は、高生産性農業、また、高付加価値農業といった先進的な農業を核とした地域振興を図るために、一定のまとまりのある地域、これは一つの県を二、三地域ぐらいに分割したぐらいの地域だというふうに考えておりますけれども、そういう地域において研究開発機能とか、また情報・通信機能とか、教育研修機能、生産資材供給機能、流通販売加工機能、それにまた生活環境の機能というものを総合的に整備しながら、地域の活性化、それからまた、潤いと安らぎに満ちた農村空間の形成というものを総合的に推進しようというふうに考えている次第でございます。  平成三年度の予算案におきましては、各地域におけるアグロポリス構想の策定に必要な調査を実施するために、二億円の予算を計上いたしている次第でございます。  今後、このような調査を通じまして、各地域のニーズを把握しつつ、具体的な措置について鋭意検討してまいりたいというふうに考えております。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 ついては、今説明を受けましたアグロポリス構想についての全国からの要望箇所は何カ所ぐらいになっているのか、お知らせいただきたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 現在私どものところに届いております検討状況を見ますと、全国で大体二十地域程度からいろいろ要望がなされておるというように聞いております。  平成三年度予算案におきまして二億円計上いたしておりますけれども、この予算の中では十程度の地域について調査を実施してみてはどうかというふうに考えている次第でございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 二十カ所ぐらいとなりますと、北海道、東北、関東というように地区別に見ますと、大体各地区二カ所以上の比率になるようでございますが、東北地区にも御指定の重点的な御配慮をお願いしたい、このことを申し述べまして、次の質問に移ります。  国営のかん排事業や開拓事業、パイロット事業についてお伺いするわけでございますが、一例ですが、国営須川パイロット事業においては、当初の事業説明での二十八、九億円が、最終的に事業完了になった時点では百十二、三億円ぐらいになりました。このように国営事業について総事業費が、当初の説明を受け、承諾した段階、そして、その事業着手したときの試算から比べて農家負担が何倍とふえているところもあるわけでございます。このような地区の事業に参加した農家負担の軽減に対しましてはどのような対策があるのか、お伺いいたします。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 先生御指摘のように、国営かんがい排水事業、それからまた国営農地開発事業については、事業着手後の物価上昇等によりまして事業費が増高するというようなこと、それからまた近年の農業、農村をめぐる内外の厳しい情勢によりまして、農家の負担金問題が非常に厳しい問題であるというふうに認識している次第でござい ます。  私どもといたしましては、農家負担の軽減対策といたしまして、償還期間を延長するとか負担金の償還円滑化のための土地改良区とか個別農家に対する特別の融資措置とか、そういうものを講じてきたところでございますし、また、平成二年度から五カ年間で一千億円の資金を造成いたしまして、負担金の償還が困難な地域につきまして、平準化対策というようなことで無利子融資を行うような対策も創設いたしまして、農家負担のさらなる軽減に努めているところでございます。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 全く当初の計画のとおりに事業が進まなかった、そういうことで大変なこういう負担増になっている農家に対しましては、私はぜひこの利子補給を強化する対応を進めていっていただきたい、こういうことを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。  農林業は、国民生活にとって最も大切な食糧等の安定供給のほか、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全など、我が国経済社会の発展と国民生活の安定を図る上で不可欠な役割を果たしています。  また、農村地域は国土面積の九割以上を占めており、農林業が展開される場であるほか、地域文化をはぐくみ、国民が健康的な余暇を楽しむ空間として重要かつ多面的な機能を担っています。  しかし、農村部では過疎化、高齢化が進み、農業就業人口は十年前に比べ約八十万人の減少、しかも農業就業人口のうち六十五歳以上が三五%を占める状況です。  こうした中で、新規学卒就農者数も激減して、平成元年にはわずかに二千百人と聞いております。このほかに、離職就農者、つまりUターンによる若い農業者が二千六百人くらいあるようでございます。また、他産業に就業しながらも農業に兼業従事している青年、さらに少数ながら農業以外の出身者で農業に情熱を持って参入している人もおります。こうした若者を視野に入れた幅広い農業後継者対策を講じていくことが極めて重要であるわけでございますので、この農業後継者の育成、確保のために特段の取り組みをしていただきたい。  さらに、林業も同様でございまして、国民生活に最も密接な関係を持っているものでございますが、この林業の後継者も農業同様でございまして、減少と高齢化が進んでおります。  ついでに、統計的に見ますと、昭和四十年に三十七万人であった林業就業者数は六十三年には十三万人と三分の一に減少しています。しかも、五十歳以上の割合が昭和六十年代には約六〇%を占めるに至っております。  ちなみに、森林組合作業班員の年齢階層別の比率を見ますと、三十歳未満が三%、三十歳から三十九歳で八%、四十歳から四十九歳で一八%、五十歳から五十九歳で四一%、六十歳以上が三〇%となっている高齢化比率でございます。これを国有林に置きかえますと、三十歳未満が一%、三十歳から三十九歳が八%、四十歳から四十九歳で二五%、五十歳から五十九歳で六四%、六十歳以上で二%ということになっています。つまり官民ともに、このまま推移するならば、国産材の安定供給や森林の有する国土保全等の公益的機能に重大な影響を及ぼすことは火を見るよりも明らかであります。  加えて、戦後の一千万ヘクタールに及ぶ拡大造林の伐期を予測して国産材時代の到来が言われていますが、その時代になれば木を切る人も植える人も育林する人も極端に不足することが危惧されるわけであります。このような事態を避けるためにも、林業の後継者の育成、確保をまた農業同様に図っていくことが重要であると考えます。  そこで、この林業の担い手の育成、確保のためにどのように取り組んでいるのか、お伺いいたします。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 農業、林業両方のことでお尋ねであったと思いますので、お答えをいたしたいと思います。  先生御指摘をいただいたような数字の農業、林業後継者であることで、農林水産省としても一番重要な点として考えてきておるわけでありますし、また実は正直一番頭の痛いところでございますので、何かいい知恵がないかと思って、今鋭意模索をしながら我々が取り組んでいるところを御紹介して、御了解をいただきたいと思うわけであります。  所得が何よりも基本であることは当然のことでもありますし、農業後継者対策、農林業後継者対策としては鋭意今日まで努力をしてまいりました。金融政策についても無利子まで含めていろいろな対策をやってまいりましたけれども、それだけでは今若い後継者を育て上げるというところには不十分でございまして、これから後継者を農林ともに考えていくときには、所得の問題はもちろん考えなければなりませんし、基盤整備も当然やらなければなりませんが、しかし、農地の環境の中には中山間地、いわゆる山村におられる農業後継者というものに対する対策を考えるときには、生活の環境からも、自分で住んでおる村にもやはり魅力を持たせるということをあわせ考えていかなければならないわけでございます。  そういう意味では、土地の不利な条件で営農していただいておる人たちに対しては、また新しい政策の中で、中山間地活性化対策でその土地条件に合った作物を選択をしていただいて努力をしていただく。林業についてはまた三Kの代表的な一つでもございますので、今日まで機械開発がおくれておりますので、機械開発に力を入れて労働環境をよくしていくとか、農休日を持つとか、いわゆる労働の環境をよくしていくということも当然考えていかなければなりません。  今私ども一つの取り組みの中では、先ほどもお話を申し上げましたように、集落のいわば生活環境をよくしていくということと、山村全体を、都市の人たちが今やまさに地球環境の中できれいな水や空気や緑やということに一つの価値観を見出しておるときでもありますので、農村の持つそういういい条件を生かしながら村づくりを一つはやりたい、こう考えているわけであります。  数日中に村づくりの推進対策室というようなものを設置をいたしたいと思っておりますし、先生またノルウェーの農学校に留学されておられたようでありまして、ヨーロッパ等の農村を見ておると本当にきれいな、都会に生活をしておる人たちが好んでリゾートに行って、そこで長期の滞在をしたくなるような環境というようなものを将来つくり上げていくことが、これからの若い人たちのニーズに合った生活、いわば山村環境というものをつくり上げていきたい、こう考えておりますので、また先生からも御指導いただければ大変ありがたい、こう思っております。

菅原喜重郎民社党

○菅原分科員 大臣には本当に温かい御返答をいただきました。  実は、私も北欧に留学した一人といたしまして、長いこと国に要求しているのですが、やはり近代化のための第一条件であります基盤整備、これは農林省も建設省と同じように、減歩を土地でとってもいいから水の確保と基盤整備だけは国が責任を持って実施しなさいということを主張している一人でございます。それから、林業の機械化の問題につきましても、ポット植林を長いこと主張してやってまいりましたので、大臣、今までの私の主張にも御考慮いただきまして、ぜひいい政治をしていただきたい、こう思うわけでございます。  それでは、以上を大臣に要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

町村信孝自由民主党

○町村主査代理 これにて菅原喜重郎君の質疑は終了いたしました。  次に、上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 限られた時間ですから、すぐ本論に入ります。  最初にお尋ねしたいことは、農業問題。いろいろありますが、政府は沖縄におけるサトウキビ作物、いわゆるサトウキビ農業についてどのような認識を持っておられるのか。その生産振興を図ろうとしておる点、あるいは現状、将来展望を含めてお聞かせをいただきたいと存じます。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 サトウキビは沖縄あるいは鹿児島県の南西諸島におきます重要な作物であるというふうに認識をいたしております。そういうことでございますので、私どもといたしましては、甘味資源特別措置法に基づきまして、これらの地域をさとうきび生産振興地域に指定して、その生産の振興を図っているところでございます。特に、平成六年産のサトウキビからは品質取引というようなものが行われるということもございまして、サトウキビ生産におきます品質の向上、それからサトウキビ生産の生産性の向上ということに、これから一層重点を置いて推進してまいりたいと思っているわけでございます。  具体的には、サトウキビ生産の中に占めます収穫労働の割合が五割ということで非常に多くの時間を要しているわけでございますので、ここの機械化を、おくれておる部分でございますけれども、早急に進めたいということ。それから多収で早熟な品種、優良な品種の開発を進める。それから低品質地帯の排水対策、土壌改良対策等の条件整備も進めていきたいということで、これらの地域の基幹作物でありますサトウキビの品質と生産性の向上というものを図ってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 私も随分分科会とか、あるいはごくまれですが農水委員会に出かけたり、あるいは沖特等でいろいろお尋ねをしてきたわけですが、正直申し上げて、いつも同じことをおっしゃるのですね、大変失礼ですが。重要な作物である、奄美群島を含めて我が国の甘味資源の供給源というか産地である、生産性の向上を図る、そのためには省力化、機械化をやらなければいかぬ、基盤整備をやります。もちろんこれまで政府の御努力なり農業団体、農民の方々の努力によってそれぞれ向上してきていること、あるいはよくなっている面は多としますが、今もありましたが、あと三年くらいですか、品質取引をやる、ますます条件は厳しいですね。特に、ことしのサトウキビの生産量というのは、御承知のように百四十万トンを切るのじゃないかという心配をされている。とりわけサトウキビしか栽培できない南大東あるいは北大東、離島等については過般の干ばつ、台風によって相当のダメージを受けている状況である。これまでのような対応の仕方、対策ではとても今局長がお述べになったような方向でサトウキビ産業、サトウキビ農業が守れない状況にきておるわけです。  そこで、お尋ねするわけですが、こういった減量状態、減産状態にある、非常に気象条件に左右される、これはどんな農作物もそうですが、大きいですね。そういうことの当面の対策は一体どういうことをお考えになっておられるのか。その点をもう少し具体的にお聞かせいただきたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 平成二年のサトウキビ生産につきましては、先生既に御指摘のように、干ばつの後に台風がやってまいりまして、沖縄県の生産量で申しますと、おっしゃいましたように百四十万トンを切るのではないかということが懸念されております。ちなみに平成元年度は百七十八万トンあったわけでございます。  これらの対策でございますけれども、農業共済金の早期支払いの指導でございますとか、既に貸付金があります場合の償還条件、貸付条件の緩和の指導でございますとか、圃場の排水等の生産技術指導などの対策を短期的な当面の対策としてやるわけでございます。長期的には、サンゴ礁というようなことで保水力が弱い沖縄の農地でございますので、かんがい施設等の基盤整備を初めとする生産条件の整備でございますとか、先ほども申しましたが、早熟で多収の新しい品種の開発といったものもやらなければいけないと思います。それから、確かにおくれております収穫労働につきまして、機械化によりまして生産性の向上も図っていかなければならない。中長期的にはそういったことを考えているところでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 その機械化が一向に進まない原因といいますか、理由は何だと思われますか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 機械化がおくれている要因といたしましては、生産性向上のかぎを握る収穫機械自体が、生産販売台数が非常に限られた地域であるために少のうございます。そういう意味で比較的高価であるという点がございます。それから、せっかく機械を入れました場合にも、いわゆる農作業の受託組織が少ないという意味におきまして、受け皿の整備がおくれているということ。それからもう一つ、生産基盤が立ちおくれておりまして、土地所有形態が極めて複雑であるということで、土地の集団化がなかなかできなくて機械が入りにくい状態にある。それから、台風の常襲地帯でございまして、収穫時期に地盤が非常に軟弱になりまして、機械作業が妨げられるというような要因が確かにあるわけでございますけれども、こういった条件を一つ一つ克服することによりまして、収穫労働を低減していくということが、やはりこれからのサトウキビ栽培にはぜひ必要なのではないかと考えまして、それのための支援を続けていきたい、一層強化したいと考えているところでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 ようやくというか、具体的にその理由を今まで何回か私も聞いて、きょう列挙したのは、これほど明らかにしたのは恐らく初めてじゃないかなという感さえするわけです。問題は、これは古くて新しい大きな課題なんです。私はもう何十回取り上げてきた、近藤大臣。  日本の今の技術からしてサトウキビ収穫機を開発できないとは私は思えない。どうしてもそれは理解できないんです。しかし、なぜできないかというと、需要が少ない、開発される機械が高価である、だからメーカーはやめたということになっているのですよ、大臣。だから、これはビジネスライク、ビジネスラインでは不可能なことなんです。私はこのことを口酸っぱく何回も何回も今まで申し上げてきた。もちろんこれを政府だけでやれということでもないが、農業団体なり農家自体もいろいろ知恵を出してやらないとできないことなんですね。しかし、政府もなかなかそのことを、原因を今具体的に挙げましたが、やってこなかったんですね。残念ながら、若干補助を出して。それで、バーン方式、焼き払って刈る、あれなんかは本当に余りよくないですね。私南大東まで一昨年収穫期に来てくれというので行ってみた。オーストラリアからでっかい二千七百万ぐらいするやつを買って、グリーンハーベスターで、ああいう基盤整備ができて、大量生産できるところは、それでも何とかやっていけるのですが、沖縄本島の場合はそうはいかない、周辺離島の場合は。だから、このことを本気で農林省がイニシアチブをとって、政府全体で沖縄県なり農業団体にも相談、協議をして手をつけないと、本当にサトウキビなくしますよ。勘ぐれば、もうどうせキビなんてやめさせるという魂胆でもあるのかなという感さえしないわけでもない。  そこで、せんだって谷沖縄開発庁長官も沖縄視察に行かれて、キビ畑を視察し、自分でキビの刈り取りをやっておられるのですね。これは余りにも前近代的な収穫方法だ、労力が要る、何でこんなものが今まで開発されないのか不思議でたまらぬということを現地でもおっしゃって、非常に注目を再び浴びている。さきおととい沖特もありましたが、そこでも厳しくもう一遍注文つけましたけれども、これはやってもらわなければいけないのですよ、農林省がその気になって。今ようやく沖縄開発庁長官も初めて、今までやってないのはおかしいと。今局長も、そういう理由を言っていただいた。だから、これは政治の話ですよ、大臣。本当に沖縄のサトウキビなり奄美のこういった農業を大事にしていくということであるならば、しかも高齢化している、だんだん農業離れもひどいということを、数値の上でも、現実的にしても客観的にしても、将来を見てもわかることですから、ここいらでこの問題について私はきちっと計画を立てて、それなりの助成措置もやる、あるいはまた受益者負担も応分の負担をさせる、させるというか、願うということで、三位一体の形でやらないといけないんじゃないか。今までのやりとりを 聞いて、農林大臣の御所見を聞かせてください。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 私が就任させていただいてから、農林水産業ともに、やはりこれから後継者対策、労働環境、生産性を上げて今の農業生産を維持していくには、機械開発が優先されなければだめだという認識に立っておるわけでありまして、サトウキビの機械開発も、今やりとりを聞かせていただいたので、私自身で検討してみたいと思っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 今政務御多忙でなかなか機会は、時間的あれはないかもしれませんが、沖縄にも足を運んでくださって、農林大臣も見てくださいよ。今行かないと、やがてキビ収穫は終わりますよ。  私が今言ったように、局長もおっしゃるように、開発しようと思えば、沖縄の地勢とか耕地面積、そういうことに合わせた機械開発というのは可能なんでしょう。問題は、コストの問題なんです。それから販売の需要の問題なんだ。だから、これはもうけ主義でいくとメーカーはつくりませんよ。だから、私はそこに知恵を出してもらいたいと言うのです。こんなことは日本農業の恥だ、今までいつまでもやらぬで、かまで一々刈り取って運ばすなんというのは。それは可能性があるわけでしょう。その点も確かめておきたい。それが一つ。  もう一つ、今までは国から助成が出ていますね。機械を導入する場合八〇%補助でしたか。しかし、あれも一回受けると、次からはだめだということで、バーン方式からグリーンハーベスター方式に変えようとしても、次は自前でやれと言われて、南大東の皆さん、北大東を含めて、苦しんでおられる。そういう面ももう少し融通性を持たせたらどうですか。機械化に対する国の助成措置というのは、現状はどうなっているのですか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 いわゆる大規模の収穫機というものよりも、むしろ普及型の小型の乗用収穫機というようなものについて、その普及を図っていくというのが一番現実的だと思いまして、そのような機種が開発されましたので、その普及に全力を尽くしていきたい、そのための助成措置も充実してまいりたい、このように考えているところでございます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 これはまた、この場限り、しり切れトンボになってもいけませんからね。農林大臣、確かに、それは今補助金問題とか、いろいろそういう面では厳しい。また、農業に対する大蔵の査定にしてもいろいろある。だが、この種のことは必要なんです。農業構造改善と皆さんが言うんでしょう。農林省のいろいろな本にも、技術改善、技術改良と書いてある。また大臣も、就任当初から、これからの日本農業を本当に省力化し、後継者づくりもやっていくには、もっと機械化を導入してやっていかなければいかぬという基本と合致したものを結論としても出さなければいけない。念を押すようで恐縮なんですが、今のことについては、予算措置を含めてぜひ早急に御検討いただけますね。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 私はきょうサトウキビの機械化の問題を初めてお聞かせいただいたのですが、林業についてはもう省内指示を出しておるところでもございますし、サトウキビについても検討を早めて結論を出していきたい、そう思っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 ぜひひとつその方向で強く要望しておきたいと思います。やはり物事にはタイミングというのがあるんですね。私も、何回取り上げても、余りらちが明かないものだからちょっとあれでしたが、最近機械化の問題というのは、特に品質取引とか、いろいろなことですね。  私はここで申し上げておきます。あと五年ないし十年以内には沖縄の工場を含めて相当大きな変化が出てきますよ、地域を含めて。そういう面を想定して私は申し上げているわけですから。沖縄にはこれをなくするわけにはいかない。花卉園芸、畜産、いろいろあります。あっても、基幹はやはり南西諸島というのはサトウキビ。その意味での基盤整備を含めて、省力化、機械化の問題についてはもっと知恵を出していただきたいことを強く御要望申し上げておきます。また、そのための予算措置についても、我々も一生懸命努力しますから、農林省、頑張っていただきたい。  次に、これと関連すると言えば、土地改良の問題、基盤整備のことですが、これも過般沖縄北方対策委員会でも取り上げて、かなり、ようやくというか具体化をしてきたわけですが、赤土砂流出問題、やはり基盤整備あるいは土地改良、構造改善をしようとするといろいろ弊害は出てきます。ある程度はこれはリスクもあるし、犠牲も我慢せざるを得ない面もあるわけですが、ただ、乱開発であるとか土地改良等によって環境が破壊されたり、地域の海が死の海になるというのは、これは皆さんもそういうお気持ちは毛頭ないでしょうし、我々にとっても、またこれは容認、看過するわけにはいかないことですね。私は、昨年来このことを強く取り上げて、県当局やあるいは農業団体にも改善する点はないのかということでいろいろ非公式にも相談をしてまいりましたが、ようやく政府の方でも対策協議会というか連絡会議を持ってやっていこうとしておるようで大変結構なことである。ただ、だれかが国会で取り上げたり少し声を上げると、まあまあ形式的にやっておこうやということでは、これもいけません。既に沿岸漁業やあるいはモズク、クルマエビ等に相当の被害を沖縄本島、宮古、石垣、八重山等で与えておる。大筋においては私も理解をし、政府の対策もわかりますが、農水省として、この赤土流出対策についてどのように現状を認識し、これからやっていかれようとするのか、ぜひこれからの対策をお聞かせをいただきたい。また、きょう環境庁も来ていただきましたが、環境庁もいろいろ何か各省庁との連絡会議、研究機関などを持って、研究機関としての立場でやっていくという。環境庁は実務官庁じゃないのでいろいろあるのだと思うのですが、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 土地改良事業、またそれから農業、通常は環境を保全する、こういうようなことで評価されているわけでございますけれども、先生御指摘のように、赤土砂流出問題、こういうことがいろいろ問題を起こしているわけでございまして、私どもといたしましては、この赤土砂流出の防止のためにいろいろ対策を講じてきたところでございます。特に、昨年の末に、平成三年度予算の編成に当たりまして、この流出防止対策を一層徹底を図るために、農林水産省、沖縄総合事務局、それから沖縄県、三者の協議会というものを設置するように確認を行ったところでございます。この三者の確認によりまして、対策といたしましては、重点事項として三点考えているわけでございます。第一点は、現地の実情に応じた沈砂池の設置等の計画、設計面での対策を充実していきたいという点でございます。それから第二点は、工事の施工における関係の業者の意識を向上させたいという点でございます。それから第三点は、農家に対する土壌保全管理の意識を向上させるようにいろいろ努めたい。こういうことで、今後とも三者の協議によりまして万全を期するように努力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

浜田康敬環境庁水質保全局水質管理課長

○浜田説明員 環境庁から私がお答えいたします。  先生御指摘のとおり、沖縄本島を初めとした南西諸島におきまして、さまざまな原因が言われておりますけれども、そうしたものによります赤土の流出がサンゴ礁などに影響を及ぼしているというふうな話は、私どもも聞いておりますし、また重視もしているわけでございます。  環境庁といたしまして、これに対してさまざま、できるだけ取り組もうとしているわけでございますが、具体的に申し上げますと、一つには、環境庁の方に一括計上されております国立機関公害防止等試験研究費というのがございまして、これは各省庁の研究機関等が協力して公害面の調査をしていただく費用でございますが、これによりまして、関係の省庁の研究機関に、この赤土問題についても従来から研究を進めてきていただいておりましたが、特に平成三年度からは、農林水産省並びに建設省の試験研究機関が中心になりまして、抜本的な調査研究を、特に農林地からの赤土の流出機構の解明あるいはそれの防止技術の開発、さらに は流域の管理手法の開発といったような点についてやっていただけることになっております。  それから二つ目には、環境庁といたしましては、さまざまな法律に基づきまして開発計画の協議を受ける立場でございますが、そうした場合に、この沖縄県におきます赤土流出問題に絡む事業に関しましては、できるだけその防止に配慮いただきますように、環境庁としても努力してまいりたいというのが二つ目でございます。  それから三つ目には、米軍の施設からも原因となった赤土流出があるようでございますが、これにつきましては、昨年の九月に日米合同委員会の環境文化委員会というのがございますが、この座長を環境庁の者が努めておりますけれども、その場でも、米軍に対しまして、この赤土流出防止に配慮していただくようお願いしたところでございまして、前向きに取り組んでいただけるという回答も得ているところでございます。  このように、我々もできる限り努めておるわけでございますが、沖縄開発庁を中心に設けられております九省庁連絡会議、先生も御指摘のこの連絡会議などを通じまして、関係省庁と十分連携を図りながら、今後とも環境庁としてできる努力を払ってまいりたいというのが私どもの立場でございます。     〔町村主査代理退席、五十嵐主査代理着席〕

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 いろいろ御努力をなさっている点は評価します。農林省、開発庁あるいは環境庁、建設省。ただこれも、実は赤土砂流出の実態調査とかの問題は、昭和五十二年、一九七七年ぐらいから実施をするとかいろいろ言われてきた。だが、余り効果を上げていなかった。一昨年、昨年来余りにひどいものだから、私も何でこんなものをだれも——大雨が降ると、こんなに海が真っ赤に、本当に赤い血が流れているような赤茶けた海になっている。おかしいと思っていろいろ調べてみて、新聞などにも投稿したり、県は一体どうしているのか、条例はないのかということでやったら、条例はちゃんとある。それから火がついて、今おっしゃったように、中央では沖縄開発庁、農水省、九省庁が連絡会議を設置をした、昨年の九月二十八日に。また農林省も赤土流出防止対策推進連絡会議というのを設置をして、土地改良等々含めて総合事務局等もやっている。これは結構なことなんだが、仏つくって魂入れずじゃだめなんだよ。だれかがやいやい何か言うから、まあまあ格好つけておけやということでは、これは問題解決しませんよ、大臣。  そこで、要は、こういう、皆さんいろいろ三つの、沈砂池の件とか耕地のあり方とかいろいろ土地形成、そういうものを対策を講ずるというわけだが、もちろんこれは農民や地域住民への啓蒙活動も必要でしょう、私もそれは大事だと思う。必要なんだが、要するに、土地改良する場合の単価アップというものをもう少しやってもらわなければいかぬということなんですよ。今の日本の政府のやり方というのは、北海道から沖縄、南の果てまでみんな単一化、金太郎あめみたいに、植栽にしてもみんな同じ、これじゃだめなんだ。ああいう非常に細かい赤土なんかが流出する、しかも非常に防止しにくい、対策をとりにくいというところでは、土地改良とかそういうことに対する保全問題を含めての予算措置というものをきちっとやっていただかなければいけないことなんですよ、大臣。そういう面で、ひとつ時間ももう来ましたので、総合的に、この赤土対策を含めて、今後の農林省としての御理解と方針というものを大臣の方からひとつ明らかにしておいていただきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 一九七七年というと大変古いときから問題になっておるので、私は即座にこのことを解決すると言うだけの実力はあるかどうかわかりませんけれども、私も幾らか専門家でありますので、私自身がまた関係者から話を聞いて自分なりに対応してみたい、そう思っております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原分科員 実力十分ありますよ。期待していますから、そんな御謙遜なさらないで、ぜひやっていただきたいと思いますし、先ほどのキビの問題を含めて、きょう開発庁おいでいただきましたが、おととい聞いたでしょうから、きょう答えたことはあなた方もしっかりやってください。終わります。

五十嵐広三日本社会党・護憲共同

○五十嵐主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。  次に、北川昌典君。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 大変厳しい農業環境の中で大臣に就任されて、御苦労いただくわけですけれども、ひとつ頑張っていただくことをお願いしながら質問を申し上げたいと思います。  一つは、実は大臣が就任された後、農林省内で開かれた地方農政局長会議の中でされたあいさつがちょっと報道されておりましたので、その真意についてお聞かせいただきたいと思うのです。ちょっとこれは間違えるといけませんので、書かれたとおり読み上げます。「失敗を恐れて問題を先に延ばすことは農家にひとまず安心感を与えるだけだ。厳しくても、できるだけ早く大胆に問題を解決することが本当の意味の農家のためになる。」こう述べられた。その後に解説が載っておりまして、これはまさに大臣が今の心境を吐露したものであって、米市場開放問題での政治決断の必要性を強調したものとの受けとめ方も一部に出ている、こういうふうに書かれてあるのですけれども、これを読む限りで、そうかな、そうでないかなというふうにも思うわけなのですが、大臣の真意をお聞かせいただきたい。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 地方農政局長会議で私があいさつをしたことでありまして、私の言った表現には間違いございませんけれども、後、それを米の自由化に絡ませたのは、新聞記者の勘ぐりというか何かわかりませんけれども、全く私の真意ではございませんで、地方農政局長会議で米の自由化に関連して物を言うという立場でもございませんし、また、そのようなあいさつをしたわけではなくて、農業問題はいろいろ厳しいし、地方農政局長ですから、地域地域で、また地域なりの抱えている問題をできるだけ早く、やはり建前だけ言っているのではなくて、本音の部分に触れて解決をしてあげてほしいというかねがね私の気持ちがありましたので、そういう問題はできるだけ早く解決をする努力をして不安の解消をしてほしい、こういうことで、実は国内農政のことについてのみ触れて私があいさつをしたわけでありますし、また地域地域でいろいろな問題を抱えておったら、中央はやはり沖縄から北海道まで一つの政策というもので出さざるを得ないので、地域の農政局は地域農政局なりに地域の特性を生かして本省に上げてほしい、そして柔軟に対応して、地域の特性を生かして農政を展開していきたいという私の気持ちを率直に申し上げたわけであって、国際問題には全く触れたものではございません。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 安心しました。同時にまた、そういう地方でなかなか進まない問題がたくさんあるわけでございまして、そういった意味での決断をもって先へ早く進めよ、こういう意味だというふうに受けとめましたし、そういう気持ちで今後とも農政を進めていただきたいと思います。  昨年十一月に一九九〇年の農林業センサスが発表されたわけですけれども、それによりますと、全国農家総数は、この五年間で九・三%減少、そして農家人口も一〇・四%減少した。一方、六十五歳以上の高齢者の占める割合が二〇%という高い率を示している、こういう結果が出されておりますけれども、この農業センサスをもうごらんになったと思いますが、これについてどう受けとめておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 農業が世界あるいは日本の中で置かれている厳しい立場、環境の中で、将来農業につこうという方々の数が減っているのじゃないかというような意味におきまして、非常に厳しい状況であるというふうに考えている次第でございます。  ただ、日本におきましては、一経営体当たりの耕作面積が非常に狭うございますので、数は少ないけれども、残って農業をやろうということで意気 に燃えていらっしゃる方々に、やめていかれる方々の耕地が非常に効率的に利用されるように、そういうことによって経営規模が広がり、生産性が上がっていくようにすることが私どもの農業政策のこれからの課題であるというふうに考えているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 特に、私宮崎県でございますけれども、地元は南九州の食糧基地ということでかなり農林省も力を入れていただいているわけですが、その私の地元でも同じ傾向にあることでございます。とりわけ高齢化が進んでおることは、とりもなおさず過疎が進んでおることにもつながりますし、後継者がおらないことにもなるわけでございまして、こう考えますと、今おっしゃったように、規模拡大の中で少数精鋭主義、そういう農業を今からやるのだというふうに受け取られるわけなのですけれども、果たしてそういう後継者が確保できるのかどうか大変心配なのでございますけれども、その後継者対策、いわゆる担い手の対策についてはどのようにお考えになっているのか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 後継者対策の基本は、何と申しましても、農業を魅力ある産業として位置づけるとともに、農業に残ろうという若い方々がそういった農業をやる場としての農村を、都市とは違った意味での非常にいい環境であるというようなことで、魅力ある農村として位置づけていただくことが必要だというふうに考えているわけでございます。  そのような意味で、まず産業政策といたしましては、農業構造の改善でございますとか基盤整備でございますとかあるいは農村環境の整備といったことで種々の対策を講じてきているわけでございますが、そういった中で、若い農業者の育成、確保の対策といたしましては、農業改良普及員によります技術指導でございますとかあるいは残って農業をやろうという方々に、先進農家、これは国内も海外も両方ございますが、そういったところへの留学研修を実施いたしますとかあるいは無利子の後継者育成資金を貸し付けるといった対策を進めているところでございます。  さらに、平成三年度からは、地域ぐるみで関係機関が団体と一体となって後継者確保のための取り組みをしようというところにつきまして、若い農業後継者育成特別対策ということで国からも支援をすることによりまして、新規就農者でございますとかUターン青年あるいは全く新しく農業に入ってこられるニューカマーの方々が一人でも多く育成、確保できるように努力していきたい、こういうふうに考えているところでございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 確かに今おっしゃったようないろいろな政策があると思うのですけれども、しかし、その政策が本当に地についているのかどうか、これまた非常に疑問なのでございまして、それをいかに地につけていくかというのもこれからの大切な方針だと思います。  労働時間を見てみましても、今週休二日制とか時間短縮が叫ばれておるわけなんですけれども、私のところの県では二千六百三十八時間、大変なんですね。これは全国平均が千九百二時間ですから、かなわない。もちろん畜産とかブロイラー、それから施設園芸、こういった関係もございまして時間が長くなるということはあり得るだろうけれども、しかし、こういう長時間の労働ということになりますと、若い人たちが果たして根づくかどうか、私ども大変危惧するところであります。したがって、そういった点で整合性を持った、時間短縮のできる、そして希望を持って楽しく農業ができるような農業政策というものが今から立てられなければ、規模拡大をして農業を引き継いだが、もう失敗してほかに譲る、しかも企業に譲るというような事態も起きかねないことになるのではないかと思いますが、そこらあたりを十分御留意いただいて今後取り組んでいただきたいと思うのです。  それともう一つは、高齢化人口、これはもう国勢調査でも出ておりますけれども、とりわけ中山間地域に出ているのですね、高齢化が進んでおるのです。ということは、先ほど、農業を高齢化してやめた方がいわゆる若い意欲のある人たちに農地を譲る、そして規模拡大できるのだ、こうおっしゃられましたけれども、果たして中山間地域でそういう農業を経営できる状況がこれからあり得るのか、大変私ども危惧するのですけれども、この点について集落存続すら困難、こういう地域もできているわけなんですね。そこには農地もございます。そういった中山間地域の農業存続、振興というものをどのようにとらえられて進められようとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生おっしゃるとおり、農村における現状は、やはり若い人たちでないと将来の投資意欲がわいてこないという問題がございますし、構造改善に積極的でないということもございますが、そう一気になかなか解決しないので、私は就任してから、婦人農業者が多いものですから、やはりそこに対する労働環境というものも当面ひとつ考えてやらなければならぬと思って、今私の方でいろいろ事情を聞かせていただいているところでもあります。  もう一つは、やはり最終的には中山間地が一番の問題になるわけでありますので、昨年から中山間地活性化対策という極めて負担金の少ない新しい制度をつくりまして、そして、そのことは基盤整備のみならず、農村全体で、その地域の実情に合った形でいろいろな角度からのメニューを用意して、それぞれの農村なり山村なりが選択のできるようにさせていただいたわけですから、地域の実情に合わせて作物選択をしていただきたいと思います。  もう一つは、私はこの間もお話し申し上げたのですけれども、やはり農産物をつくっていることと食糧をつくっていることを一つに考えないでほしい。食糧というのは、消費者の手に渡ったときが食糧なんですから、そこまで行くうちに農産物もいろいろな変化をいたしておりますので、その付加価値というものをどうか農村において雇用の場、所得の場としてお考えをいただくことができぬだろうかと思って、今後普及所なりあるいは地方自治体とよく相談をして、地元でそのことに意欲のあるような作物を選択をしながら、そういう場面でのまた所得にもひとつお考えをいただきたいというようなことを考えて、実は今作業をしていただいておるところであります。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 確かに、そういった取り組みも必要なんですけれども、ただ、やはり一つの施策を出して、それを押しつけるという形になりますと、これはなかなかうまくいかないのですね。やはりその前に、その地域の意識調査なりしていただいて、そして、その中で、今おっしゃられたような施策というものが進められていくようなきめ細かな対策をとっていただきたい、私はそう思うのです。  実は、私の地元でございましたけれども、かつては二百人から二百五十人住んでおりまして、小学校分校もございました。その集落がわずか二十年ぐらいの間にお年寄りだけ十三人しかおられない、こういう崩壊集落というのが出まして、山林が中心でございましたが、あとは田畑がかなりございました。それを全部荒らして集団移転、こういうやむなきに至る集落もございます。こういった集落が今度の国勢調査の中で、私はまだ見てませんけれども、かなり出てくるのではないかと思っておるのですね。そういった地域があることも十分頭に入れていただいて、そして、こういった山間地域の農業をどう守っていくのか、育てていくのか、ここあたりもひとつ政策の中で御検討をいただきたい、このことはお願いとして申し上げておきたいと思います。  それと、先ほどから出ます基盤整備事業、これはもう当然のことながら、農業のコストダウンあるいは労働時間の短縮、こういった面で大変急がなければならないことなんでございますけれども、圃場整備、現在全国的にどの程度進捗しているのでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 現在、圃場整備の進捗状況は整 備率大体四十数%、こういうような状況でございます。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 それでは、先ほどから出ますように、中核農家の育成とか若い者、後継者が希望を持ってできるような農業を目指す、なかなか難しい問題ではないか。ただ土地を集積すればいい、こういうだけの問題ではないと思うのですね。そこに生産性が上がる、そしてコストダウンができる、経営が成り立っていく、安定していく、こういう面で基盤整備は何としても重点的にやっていただかなければならないと思うのですけれども、これについてどのような方針を持っておられるのか、簡潔にお伺いしたい。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農業の生産性の向上という観点からも、圃場整備の進捗というものは非常に重要であるというふうに考えております。  現在、第三次土地改良長期計画のもとにこの事業を進めておりますけれども、現在の計画が平成四年度まででございます。平成五年度からは次の土地改良長期計画を策定するという段階でございますけれども、今後できる限り圃場の整備率というものの向上に努力してまいりたいというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 圃場整備、必要なところと必要でないところがあると思いますが、そういった点をひとつより分けていただいて、早く急がなければならないところを重点的にやる、こういったことで進めていただかなければならないのじゃないかと思うのです。  特に、私の県では、先ほど申しましたように、南九州の食糧基地ということで、国営の土地改良事業、五地区ですか、それから県営農地開発事業とか県営のかんがい排水事業を進めておるのですけれども、先ほどおっしゃったように、進捗度が悪うございまして、これから二十年もしますと、今の農業でいいのかどうか、こういう状況も出てこないとも限らない事態にありますので、そういった点では、ぜひ重点的にこういった事業を進めていただいて、将来の日本の農業を再建していく、そういう政策というものをとっていただくことをお願いしておきたいと思います。  あわせて、広域農道でございますけれども、これは全体的なことは申しませんが、私の県で十六地区指定採択になりまして、既に四地区はおかげさまで完了しておるわけですけれども、地元の沿岸南部広域農道というのがございます。三期に分けて採択されまして事業を進めていただいておるところでございますけれども、それを見てみますと、十年経過をいたしまして三一%、それから三五%とか、遅いのになりますと二三%ということで、大変進捗率が悪いわけです。これは三期になっておりますけれども、一連の一本道路でございますので、全体が済むのはあと二十年かかるのではないか、このように私どもは見ざるを得ないわけですけれども、農業そのものが急激な変化をしておるわけですから、それに対応する、二十年前のような形で広域農道の整備がおくれていきますと、非常にこれは後追いになってしまって、農業の振興には余り効果が上がらない、こういう結果になるのではないかと思うのですけれども、この点について、広域農道等についてはどのようなお考えをお持ちなのか、ちょっとお伺いいたしたい。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 広域農道につきましては、農産物の流通の合理化とか農業の近代化、そういう農業面の効果のほかに、農村の環境改善という観点からも極めて重要な事業であるというふうに考えております。厳しい財政事情の中で、確かに広域農道の進捗率が落ちているということは事実でございます。私どもは、やはり農村整備の中心的な事業ということで、今後この広域農道の予算配分についてはできるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えておりまして、平成三年度におきましては、国費ベースで広域農道の予算を九%増加、それからまた、事業費ベースで約六%の増加ということで、久しぶりに広域農道の事業費を増加させることができるのではないかというふうに考えておる次第でございます。今後とも広域農道の予算の確保には一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 特に、先ほど申しました地域におきましては、沿岸南部ですね、本当に、いわゆる国道も一本しか走っていないのです。国道十号線、それから二百二十号線。それも災害に弱くて、先ほども建設省の分科会に行きまして強く要求をしてきたところでございますけれども、そういう地域でございます。片側一車線でございます。したがって、農産物の輸送も大変ままならない状況にございまして、そういう面では、宮崎県で申し上げますと、ピーマンは全国で一位、それからブロイラー、カボチャ、里芋が二位、肉用牛が三位、こういう高生産を誇っておりますけれども、輸送して市場に出すということになりますとどうかといいますと、大阪までが十六時間、それから東京までが二十二時間、これは宮崎を起点にしてです。宮崎に出すまでがまたかなり時間がかかる。したがって、大阪では、高知物と比べますと、生鮮食品、野菜で二五%から三〇%下がるのですね、価格が安くなる。というのは、輸送コストが高い、鮮度が落ちる、こういうことで大変苦労しているわけです。したがって、そういう意味では何としても広域農道を早く供用開始できるような状況にしていただいて、農業がより経費のコストダウン、そして生産性の向上ができるような、そういうことで広域農道の取り組みをぜひお願い申し上げておきたいと思います。これは要求として、要望としてお願いしておきます。  時間がございませんので、漁業問題に移りたいと思いますけれども、御案内のように、オイル・ショック後の燃油の高騰、それからさらには二百海里の設定、こういうことで漁業は大変厳しい環境に置かれましてから、ずっとそれが今続いておるわけでございますけれども、それに加えて水産物の輸入が増大いたしております。昨年の一月から十二月までの水産物の輸入量を見てみますと、二百五十四万三千九百五十六トンということでございまして、額にしましても一兆六千七十五億円、十年前の十七倍ぐらいになっておるのではないかと思うのですけれども、こういうことでございますから、水産物の輸入が増大いたしております。魚の値段がどうかといいますと、カツオに至っては五十三年に二百四十一円であったものが、これは一昨年の統計しか出ておりませんけれども、百五十四円とむしろ下がっておるのですね。ビンナガにおいてもそのような傾向でございます。魚の値段は低迷をしておる。  そういう中で漁業というものは大変厳しい環境に置かれておるのが実態なんでございますけれども、これらについて水産庁としては、この漁業の状況をどのように認識され、今後どのように漁業振興を図られようとしておるのか、そこをお聞きしたいと思うのです。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいま漁業をめぐる情勢についていろいろな御指摘があったわけでございます。お話のとおり、我が国の伝統的な漁場でございました外国水域あるいは公海漁場におきまして、国際漁業をめぐる秩序の変化というものを受けて、漁場を喪失するという状況も出ておるわけでございます。また、周辺の漁場におきましても、長い間の漁獲活動というものの影響を受けて、資源状況が悪化するというふうな現象も見られるわけでございますが、私どもとしては、そういった状況の中で、いろいろな方法で海外漁場を確保していく努力あるいはまたやむを得ない場合には円滑な形で漁業生産構造の再編を図る、そしてまた、周辺漁場をより効率的に利用していくための資源管理漁業の確立あるいはまた新しい技術開発によって資源の造成を図る、つくり育てる漁業と言っておりますけれども、そういった努力を重ねておるわけでございます。全体として水産物の需要、我が国の食生活における重要な動物性たんぱく食品の供給源として大きな役割を果たしておりますし、マーケットは大変微弱ではございますけれども、少しずつ市場が拡大をしておるという状況でございます。  そういった中で、ただいま輸入水産物の動向に ついての御指摘がございましたが、若干の例外はございますが、先ほど申し上げましたように、海外漁場の縮小あるいは国内の周辺漁場の資源状況の変化の中で、高級ないしは中級クラスの魚種の確保が大変難しい、そういうことが基本になりまして、輸入水産物の増加が見られておるという認識を持っております。一部の魚種につきましては、そういった輸入水産物によって国内の需給が一定の影響を受けるという現象なきにしもあらずでございますけれども、やはり全体の状況を見ますと、各魚種を通じまして、水産物価格というのは、六十年を一〇〇といたしまして、若干の変動はございますけれども、おおむねそのレベルを維持をしておると考えております。  御指摘のございましたカツオあるいは低質のマグロにつきまして、輸入品の影響を受けておるという現象は見られますけれども、私ども、関係業界の皆さん方の御協力も得ながら、需給関係の安定を図るように、所要の行政指導をしておるところでございます。  先生の地元でございます宮崎県、御承知のとおり近海カツオ・マグロ漁業の中心地でございますが、冒頭御指摘ございましたように、大変苦しい時期もあったわけでございますけれども、平成元年度以降の状況、もちろんこれには減船を伴う水産構造再編事業等もあったわけでございますが、需給事情の若干の変化ということもございまして、最近では経営状況も小康状態を保ちつつあるというふうに考えております。  いずれにいたしましても、水産をめぐる諸条件、大変厳しいものがございますけれども、いろいろな方策を講じまして、やはり我が国の重要な一次産業の一環として、その安定、振興を図るべく努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

五十嵐広三日本社会党・護憲共同

○五十嵐主査代理 北川君、時間でありますので、簡単に。

北川昌典日本社会党・護憲共同

○北川(昌)分科員 時間が参りましたので、終わりたいと思いますが、一つだけお願いといいますか要請をしておきたいと思います。  尖閣諸島の問題から、今まで台湾沖周辺で操業しておりましたカツオ漁業が、規制がかなり厳しくなりまして、臨検を受けるとか追跡されるとかいった事態が今起きているようでございます。したがって、何としてもこれらが余り大きな問題に発展しないように、国交がございませんので、なかなか難しい部分もあろうかと思いますけれども、水産庁もひとつ何らかの手だてで、こうした漁業が追い出されないような方法といいますか、施策というものをとっていただきますことをお願いいたしまして、大変時間が超過しましたけれども、終わりたいと思います。どうもありがとうございました。

五十嵐広三日本社会党・護憲共同

○五十嵐主査代理 これにて北川昌典君の質疑は終了いたしました。  次に、小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 米の減反、あるいは先ほど来のことと重複をするかもわかりませんが、米の輸入自由化をめぐる我が国が立たされている今日の国際的な状況、そういったものと関係をしながら、つまり今日的な問題と関係させながら、被差別部落の農村の状況についてお尋ねをいたします。  まず、極めて事務的に、我が国の米をつくる耕作面積全体が一番多かった時期と、今日の状況の数字をお知らせいただきたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 突然のお尋ねでございますが、今ちょっと調べておりますが、大体三百四十万ヘクタールぐらいございましたが、今は水田を作付けておりますのが百九十五万ヘクタールでございます。現在の潜在生産力は二百八十万ヘクタールでございますが、生産調整をいたしまして、現実には百九十五万ヘクタールで作付けている、そのような状況でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 我が国のこれまでの農村における実態、そういうものの中に占める被差別部落の状況は、極めて狭い耕作面積に生活をかけて何とか生きていくことをつないできたわけでございます。これは極めて簡単なことでございますけれども、例えば一町五反とか二町とかの耕作面積を保有しておる農家と部落の耕作面積、同対審によれば四反程度ということになっておりますが、実際、私らの感覚では、それは恐らく調べる標本の取り方によって大分違っておるのだろうと思いますが、農村にあって土地を持たないというのが大体の現状でございまして、恐らくはそれよりもうんと少ない耕作面積にぶら下がって生活をしておったと思います。  部落差別の問題は、ずっと以前我々の先輩たちはどういう言い方をしておったかというと、部落問題はいわゆる農村問題だ、端的に、農村における一つの生活の苦しさ、農村における生産基盤との関係というようなことでとらまえておったわけでありますが、減反という問題については、耕作面積の大小にかかわらず一定の割合でそれを進めてこられたのか、あるいは、例えば税のように、累進的にやってきたのか、そういった点についてはいかがでしょうか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 先ほどお答え申し上げましたところの数字、ちょっと訂正させていただきたいと思います。  過去の水田の面積の最大は、昭和四十四年でございまして、三百十七万ヘクタールでございます。三百四十万と申し上げたのは誤りでございましたので、訂正させていただきたいと思います。  米の生産調整の面積でございますけれども、まず国から県、県から市町村、市町村から個々の農家へのそれぞれの配分に当たりましては、それぞれ米の生産条件でございますとかあるいは市街化調整区域の面積でございますとか、そういったものを中心に配分しているわけでございますが、特に作付農家ごとの経営規模によりまして率を変えるべきであるというようなことはいたしておらないわけでございます。そういう意味では、先生おっしゃいますように、累進的なことはいたしていないということでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 後ほどまた大きな流れといいますか、一つの歴史的経過についてお尋ねをしたいと思っておりますが、要するに、この小さな耕作面積にぶら下がって生活をしておる者の三割と、二町も二町五反もというところの三割とは、残された耕作面積でどういうふうに効率的にやっていくかということで、まだ生きていく余地は残っておりますけれども、二反が一反五畝にされたのでは、自分たちの食べる米もということになってくるわけでありまして、実はそういうことと関係して、農村における差別意識というのは、やはり経済的な実力との関係でも非常に強いと思うのです。今まで農村に封建制が強い、都市と違って農村はまだまだ封建的であると言われるのは、私は経済的な諸関係の問題だと思っています。  そこで、部落問題と関係して、農村の構造、つまり差別が温存されてきた状況というのは我が国の産業の二重構造だと同和対策審議会の答申は分析していますけれども、我が国のいわゆる産業の二重構造と農村との関係を今まで二十年余り、二十年もその上もいろいろなことを農水省はやってこられたわけでありまして、私の頭に浮かぶいろいろな施策もありますけれども、どういう考え方で、我が国の差別を温存する経済の二重構造と農村の構造との関係はどういう関係にあったとお考えでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農林水産省が昭和六十一年度に調査をいたしまして、全国の同和地区実態調査の結果をいろいろ計算いたしたわけでございますけれども、確かに同和地区における一戸当たりの耕作面積が約五十アールということで、一般農家の三分の二程度にとどまっている。それからまた、零細経営が多くて、不安定兼業の割合も高いというような結果になっておりまして、依然として厳しい状況にあるというふうに認識いたしている次第でございます。  私どもといたしましては、国の同和対策の一環といたしまして、対象地域における農林漁業経営の改善、経済的地位の向上ということを目指しまして、農業生産基盤の整備とか近代化施設の整備、そういういろいろな事業を実施してきているわけ でございます。これらの事業は対象地域の農林漁業の振興にかなりの寄与をしているのではなかろうかというふうに考えている次第でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 私が尋ねておりますのは、我が国の経済の二重構造というのは、同対審答申でも真正面から書いておるわけですね、差別が残るこれは大きなもとであったと。そして部落の労働力というものが、経済の二重構造のゆえに、その最も底辺のところに位置づけられて、近代的な生産過程の中にその労働力が組み入れられなかった。世間は、これは人間の観念形態の問題としてとらまえておるわけです。しかし観念形態も、人間は賢い動物でありますから、一たび頭に入れると、状態が変わっておってもまだ偏見を持つということは、他の動物と違って人間の特性なのでありますから、観念形態のことも大事でありますが、やはり経済の構造の問題から見なければならぬわけでありまして、我が国の二重構造の問題と部落の、つまり農林水産業にかかわるものとの関連、ここをしっかり理解をしてもらっていないと、もう二十年ほどたったし、もう大分解決ついたよというようなことをうそぶいておる者もおりますので、それでは根本的な解決になりませんから、したがって、今の経済二重構造と農林水産業との関係、これをどうとらまえられておるか。例えば一例は、先ほど質問に立たれました北川先生の方からも、つまりこの農村の労働力時間が今も二千六百時間ほどだということを言われておりまして、それは今労働時間短縮で千九百時間とか千八百時間とか、進んだところは千七百時間を掲げて現実にそれを物にしようとされておるわけですね。そのときに二千六百時間というと、それはもう極めて前近代的な労働に農村自体が従事しておるということが言えるのです。農村がそういう前近代的な状況に立たされておることのそのもう一つ底辺のところに立たされておると見なければならぬのでありまして、今までそういうことについてどういう具体策があったでしょうか、お尋ねします。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 確かに先生御指摘のように、日本経済の二重構造の中で、特にまた農村地域での二重構造といいますか、同和地区におきましては、大変に零細経営が多く、不安定兼業の割合も高いというような状況になっているわけでございます。私どもは、こういう状況に対応いたしまして、国の地域改善対策の一環として対象地域の農林漁業の振興を図るための地域改善対策事業というものを鋭意推進してきているところでございます。今後とも現行のいわゆる地対財特法の期限内に所要の事業を完了できるように最善の努力をしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 どの省も概略そういうことを言われるのですけれども、所要の事業を進めることによって、今申しましたような根幹にかかわる構造が改革できるのか、そこが問題なんですね。その根幹にかかわるところを解決せずして、ちょうど時間となりましたというような解決策では、また次の世代にこの問題が取り残される、こういうことでお尋ねしておるわけであります。つまり今の構造に迫るようなことでどういうことが行われただろうか。構造という言葉は農林水産業でよく使われる言葉なんでありますが、私が言う構造は、要するに差別を江戸時代からずっと引きずってきた。そして明治以後も——大体私は、農村の構造というものは差別が助長されるような構造に、およそ明治の末年まで土地の所有関係がずっと差別が拡大するような状況になってきたと分析しておるのでありますが、今もって政府調査によっても五十アール。しかし、私は大体農村がかったところに住んでおりますが、私の少年時代、今はもう七、八十世帯になっておりますが、少年時代に百世帯ばかりありましたが、土地を持っておる、要するに三反でも二反でも持っておる者は、私の部落でたった二戸しかなかったのであります。そういうことからいうと、五十アールも実感としては私の頭に入らないのですけれども、しかし、それは統計上出ておるとすれば、そうだとするが、同対審は四十アール程度だということを書いております。要するに、私の感じでは二反少々ぐらいしか持っていなかったのではないかというふうに思っておるのであります。そこのところを、これはもう土地にしがみついてやっておったのでは、いつまでたっても低位な状態をぬぐい去ることができないから、こういう有利なことへの転換、そういう大きな一つの見通しを持って農林水産省はこの二十年余りやってきたのか、ここの根本的なところをお答えいただきたいと思うのです。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 確かに同和地区の相当多くが農村地域に所在しているということは事実だと思います。私どもといたしましては、国の同和対策の一環といたしまして、対象地域における経済的地位の向上ということをいろいろ図るために、まず農業の生産基盤の整備ということにも重点を置いておりますし、またいろいろな農業経営のための施設の整備等の事業も実施してきた次第でございます。これらの事業を通じまして、対象地域の農林業の振興、またはひいては経済的の向上にかなりの役割を果たしてきているのではないかというふうに考えている次第でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 農業構造の基盤のためにやや有利な施策でもって対応していただいたということも私承知しておりますし、また農機具の購入をめぐって相当程度有利なことをこれまでやっていただいたことはわかります。しかし、それでうまくいっただろうか。つまり農村というのは、やはり基本は土地所有関係なんであります。この土地所有関係がうまくいっていないと、本当の意味における農村の封建制からの脱却というか解放というものはあり得ない。先ほど私は明治時代のことを申しましたが、江戸時代の自作、小作の関係よりは、明治時代の末年の方が、つまり自作と小作の関係というと小作の方が全体としてずっと進行しておるんですね。つまり土地を金持ちに取り上げられるという形が明治の終わりごろまで続いておるわけでありまして、それが基盤となって我が国はなかなか意識の上で民主化されない、こういう形が続いておる。その中で最も底辺なところは部落なんであります。要するに、もう小作というよりは、茶わん日当だけで飢えをしのがねばならぬというぐらいの過酷な状況が肩にかかってきて、そして、それを見て人々は差別したのであります。そうすると、その歴史の流れから我々が学ばねばならぬのは、農村においてもう農業というものが今のところ筒ぎりいっぱいだ、今から土地の所有をどうするこうするということはできないとなれば、どういうふうな近代的な産業にそこに生活をする若者たちの労働力を吸収するかということが大事でありますが、私の目から見ると、そこらの労働力というのは、例えば広島県でいいますと、人口百万ばかりの広島市に出るとかあるいは人口四十万人ばかりの福山市に出るとかして、そして自分のもとの生活が不安定なんでありますから、やはりどっしりと構えて安定した産業に就職するというのではなくて、とりあえず臨時で雇われようか、こういうことになるのです。そうすると、今度は賃金は低いということになるのですね。そういうふうな悪循環をどこで断ち切るかという、そこの政策を農林省は今までとってきたのかとってきていないのか。私はこれは率直に答弁をしてもらいたいと思うのです。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農林水産省といたしましては、同和対策の一環といたしまして、同和地域の農林漁業の振興を通じて経済的地位の向上を図りたい、そういう観点から種々の努力を続けてきた次第でございます。この同和対策につきましては、国の関係省庁がそれぞれの分野を分担いたしまして対策を講じているわけでございますけれども、私どもといたしましては、農林漁業の振興という観点でいろいろ努力をしてまいったという次第でございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 私は大変大きな課題についてお尋ねをしておりますので、お答えしにくいと思いますけれども、私に対して、それはこうやったという対応がないということは、これは事実政策的にそこまでは手が届いていない、こういうことだと思います。これは農水省だけでなくて労働省も、 ここのところは非常に答えにくいところであります。片や同和問題について同対審が指摘しておる一番大事なところが十分に手をつけられないまま、ある程度時間がたったということを理由に、この政策の水準を下げていこう、こういう動きがございます。しかし、これはいろいろな政治的な力の作用がありまして、決定的にはまだどちらに向かうかわかりませんけれども、物を中途半端で終わらせると、せっかく今までやってきたことが何にもならない、こういうことになるわけでありまして、ここらの点が私は非常に心配なんであります。この点につきまして、非常に答えにくいことかもしれません。まだ地対協の方でもいろいろ議論をしておりますから、大臣の方から具体的にこうするああするということは言えないと思いますけれども、やはりこれは根本的に解決をつけなければいかぬ。そうしなければいつまでたっても我が国の社会の民主主義とは裏腹になる関係のものが歴史的に引き継がれる。こういう観点から、大臣はどういうふうに感覚的にこの問題を、いや、これは解決しなければいかぬと思っておられるのか、その辺のところをちょっと伺っておきたいと思うのです。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 同和問題は憲法に保障された基本的人権にかかわる重要な問題であるという認識をいたしておるわけでありますが、政府は昭和四十年以来二十年余にわたって三たびにわたる特別措置法に基づいてきょうまで関係施策の推進に努めてきたところであります。農林水産省としても、対象地域における農林漁業の振興と農林漁業経営の安定、農林漁家の生活水準の向上を図るために各種対策を積極的に実施をしてきたところであります。  最終の特別法である現行の地対財特法が失効する平成四年の四月以降の方策については、地対協において一般対策への円滑な移行について審議されているので、その意見も踏まえて検討してまいる所存であります。今後とも本問題の重要性にかんがみ地方公共団体と一体となって一日も早い解決のために最善の努力をしてまいる所存であります。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 事務方がそれを他省庁と、特に総務庁あたりと相談して、そう書くのが一番無難だ、大体こういう形になっておるのだろうと思うのですけれども、これは大臣、よく聞いておいていただきたいと思うのです。先般地対協が開かれまして、私どもの団体の代表、具体的には部落解放同盟でございますが、いろいろ団体の意見を地対協が聞きました。そして地対協の会長を務めております磯村さん、以前からずっと、この同和対策審議会の答申のときからかかわっておられるのですが、私どもの団体の委員長に対して、誤解しないでくださいよ、この中に一般移行でよいと思っている者はいないんですからと。これは政府の官僚の皆さんもそこへおられた人は聞かれておるのです。事実私はこの間その聞かれた人に聞いたことがあります。それは確かに言うておったと。そういうことですから、てれこになるのですよ、今のような大臣の答弁は。それはそれでてれこでもよいのですけれども、また大臣の答弁が先ほどの、つまり局長さんの答弁と根本的なところは、残念ながらかかわっていないとはなかなか言いにくいけれども、事実やりとりではかかわっていないということがもうここで明らかになっておるのです。そうすると、ひとつこの辺で大臣は根本にさかのぼってよく物を考えてやっていただかねばならぬ。こういう問題が出てきますので、その点をひとつお願いをしておきたいと思います。  それで、時間がもう余りございませんから、ついでのことにこういう視点があるということを申し上げておきたいと思うのですが、ある農区、私らの方では、農区のことを振興区とか、そんなことを言っておりますが、ある一定の枠組みで減反の割り当てをしますね。ところがだれか一人聞かない者がおる。聞かない者は、すぐ手錠をはめて帰るわけにはいかぬので、聞かない者は聞かない者でありますが、しかし、それはその農区単位でだれかがそれを補う、こういう関係で指導されておるわけであります。時間がありませんからちょっと急ぐのですけれども、大臣、ここらが中国の五保制度から江戸時代の五人組、しまいには密告、そういう分裂支配との関係があるんですよ。これは封建制がまだ厳しい日本の農村社会だからこんな政策ができるんですよ。これが一つ。  それからもう一つは、今度は漁業に関係しますと、漁業の関係でいろいろ漁業組合の運営等でトラブルが起きるときに、賛成反対に分かれて、いや会計報告をしなさいとかあれこれ対立が生まれるのですね。そうすると、それを地方自治体、県あたりではかっちり指導し切れないのですよ。県の水産課あたりが指導し切れないのですよ。それは、やはり水産業においても、大都会の大工場のような近代化された意識による運営が行われていないのですね。だから、農水関係が我が国の意識の面でも近代化が特におくれておるということが歴然としてあるわけですから、それは経済的な基盤があってそういうことになるということなのでありますから、それをよく考えていただきたい。  今ずっと行政の水準を下げようという動きが行われておるわけです。しかし、先ほどのような話もございますし、また御理解をいただいておるかどうか知りませんけれども、先般衆議院第一議員会館で同和問題の現状を考える連絡会議というのを結成しまして、特別に今差別はないと言っておる団体だけは入っておりませんけれども、他の団体はほとんど入って、そして衆参両院、自民、社会、公明、民社、社民連に至る、あるいは連合参議院に至るところの七十一名の方が来賓として出席をいただいた。こういうことも農林水産大臣は考えていただきまして、地対協の動向も十分に見ていただく、あるいは直接の差別を受けておる者がどういう発言をしておるかということもよく見ていただく、あるいは政治的な面においてどういう国会での各党の動きがあるかということもよく見ていただきまして、特に私は、農村の問題を解決すれば部落問題は大方解決する糸口ができる、こう思っておりますので、非常に大事な部署でありますから、その辺を十分にお考えをいただきますようにお願いを申し上げておいて、私の質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

五十嵐広三日本社会党・護憲共同

○五十嵐主査代理 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十二日午前九時から開会し、引き続き農林水産省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十二分散会

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