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120回国会衆議院1991/02/12

予算委員会 第10号

発言数
221
登壇者
22
会派数
3
開催日
1991/02/12

会議録

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これより会議を開きます。  平成三年度一般会計予算、平成三年度特別会計予算、平成三年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。辻一彦君。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは私、大体大まかに三点、一つは湾岸問題、それからもう一つは非常に今問題になっておりますECCS、原子力の安全性問題、それからもう一つは農業問題と、三点を中心に若干の質問を行いたいと思います。  まず第一に、自衛隊機の派遣問題につきまして二、三伺いたいと思います。  この自衛隊法百条の五改正時における立法の趣旨を若干伺いたいのでありますが、その前に、自衛隊機派遣問題は代表質問以来数日間にわたりましてずっと論議をされてきましたが、政府答弁を通して感ずることは、百条の五「政令で定める者」をどんどんと拡大していくという、こういう感じがするわけであります。当初は緊急、臨時と言っていたのが、国の輸送の必要性、これが今表に出てきております。果ては、この国会答弁を翻して邦人の救出等々、ケース・バイ・ケースだが可能であるかのごとき示唆を与える答弁がなされている。国の輸送の必要性などを政令の内容で定めるならば、歯どめがなくなって国会の議決、承認なしに内閣で何でも移送できる、こういうことになるのではないか。こういうことは許せないと思いますが、いま一度立法の趣旨から若干洗い直してみたいと思います。  まず、自衛隊法百条五の改正の趣旨は何であるか、これを伺いたいと思います。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  自衛隊法第百条の五の立法趣旨いかんという御質問でございますけれども、これは、委員御承知のとおり、昭和六十一年に東京サミットが行われました。その際の各国要人等の輸送のために、総理府におきまして新たにヘリコプター、スーパーピューマというものでございますけれども、これを購入したわけでございます。購入が検討されたわけでございますが、そのときには、国賓等の輸送の所要が東京サミット会議だけではなくてその後もいわば一般的、恒常的に予想される、見込まれるという、こういうことがあったものでございますから、これを適切かつ円滑に運航していくような仕組みをつくることが必要である。こういう状態の中で、自衛隊が航空機の維持と管理につきまして能力を持つ、したがいまして、この航空機を用いてこうした国賓等の輸送を行うことを、自衛隊がそれに当たるということが適当であろうということで昭和六十一年の十二月に第百条の五が追加された、こういう経緯でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 今長官から伺ったのでありますが、六十一年の十月の二十一日、本会議で当時の栗原長官が趣旨説明をしておりますが、「航空機による国賓等の輸送を行うことができる」と述べて、「また、自衛隊は国賓等の輸送の用に主として供するための航空機を保有することができる」、これが大体答弁の趣旨であろうと思いますが、これが今のようにサミット用のヘリコプターを保有する、どう運用するか、こういうことが伴って必要になったものであると趣旨を今伺いましたが、その立法の趣旨からして縦横どこから見ても今日の特例政令などが出てこない、こういうように思われますが、これはどう考えますか。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  立法のときの経緯は先ほどお答えしたとおりでございますが、その際にも、東京サミットのときだけの輸送のニーズにこたえるというわけではなくて、将来的にも一般的また恒常的にこのような需要が見込まれる、こういうことでこの法の改正をしたわけでございます。そして、さてそのときに、その輸送の対象になる者は一体どういう方々であろうかということで、御承知のとおり、今の百条の五に代表列記されるような方を表に出して、さらに、その範囲については、その時点できちっと法律ですべて限定列挙するのじゃなくて代表列記いたしまして、そのほかはその法の趣旨から見て授権されている範囲内で政令で指定していく、こういう仕組みになって、具体的にはその政令の百二十六条の十六ということでその対応をしているわけでございます。  なお、その後その範囲については追加されたこともあるわけでございますし、それからまた、今回新たに別途の政令を制定いたしまして今回の避難民等の輸送に当たるというのも、私どもはこの百条の五の授権の範囲内である、このように考えているところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは総理にお伺いしますが、この法案がこの国会で、本会議でなされたときには中曽根総理が答弁されておるのですね。この議事録をずっと読んでみますと、一つは、この百条の五によって海外の邦人の救出等をやるべきだという、そういう意見があった。これは六十二年八月二十日の衆議院の内閣委員会でも行われておりますが、これに対して依田政府委員は、もう既に論議を今までされておりますが、現在自衛隊法で任務が与えられていない、したがって、百条の五ではこれを読むことはできない、その場合に自衛隊法改正が必要だ、こう言って答弁をしている。  もう一つの立場があるのですね。それは、政令で何でも決められてはいかない、こういう立場から論議がなされております。これは、我が社会党の久保田議員が参議院の内閣委員会で論議をやっておりますが、例えばこういう発言をしているのです。「要するに、輸送の範囲に特定がないわけなんですね。その特定がないという状況の中で、政令の内容が、さっき準ずる者として若干お挙げになりましたけれども、お答えになった者の範囲にとどめるということでよろしいでしょうか。つまり政令の中身というのは、私たち、法律が決まってしまえばそちらでお決めになるということになるわけですから、やっぱり範囲というのはこの際しっかり伺っておきたい」、「今の範囲だということをはっきりしていただきたい」、こういう質問がなされて、これに対して友藤政府委員は、「そうむやみにこの範囲が拡大をされるということではないというふうに承知」している、こういう答弁をしておるのですね。  引き続いてもう一点なされておりますが、それは、国賓と内閣総理大臣に準ずる者の解釈をどうなんだと、こういう質問があって、さらに、「ここに言う「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」というものについての解釈をお願い」したいと。これに対して、「「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございますが、「国賓、内閣総理大臣」という例示、列挙がございます。したがいまして、この例示、列挙されたものとおよそ」これは既に論議されておりますが、「かけ離れたものは予定してないという場合に」こういう表現を使う、こう答弁をしている。  また、元年の十二月一日の衆議院内閣委員会でも、臨時における在外邦人の救出に自衛隊のパイロットが携わる場合に現行法上どういう支障があるかという質問に対して、日吉政府委員が、これを実施をする場合には所要の法手続が必要だと。こういうように、臨時に邦人の救出を必要とした件が過去七件あるけれども、いずれも臨時的で緊急性があったにかかわらず、法改正なしにはやれないということを答弁をしている。  この両者の立場からこの質問が行われて、いずれも法改正なしにはできないということで政府は当時一貫しておったはずであると私は思うのですね。そういう中で、どこから見てもこの特例政令の内容を引き出すようなものはないと思いますが、どうお考えになるか、お伺いしたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 過去のいろいろな時点に、今お示しになりましたように、特に邦人救出ができるかどうかという角度からいろいろな議論があったことは、私もそれは承知をいたしております。  今回政府がとりました処置の大前提は、やはりイラクによるクウェートの侵略、併合というあの湾岸の突発的な重大事態から、周辺に出てくる避難民を人道的な立場で移送に協力をしてほしいという、こういった立場の国際機関からの要請を受けたときに我が方としてはどう対応するかということで、政府でまず具体的な当初の要請には民間機で応じておりますけれども、しかしそれが不可能になる場合やいろいろな場合を想定されますので、対応をするための制度、それはどうしたらいいのか、法律をずっとこう素直に読んでみまして、百条の五の政令のところに注目をして今回のこの場合に具体的に当てはまる単独の政令を立てた、こういうことでございまして、あくまでこのイラクによる行為によって生まれた避難民を人道的に扱うというところに主眼点を置いて、どうしたらこの国際的な要請に応ずることができるのか、こういう対応を考えた結果でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私は、素直に読めばなかなかそういう内容が出てこない、こういうふうに思いますが、なかなか納得しがたいのですが、若干これを角度を変えて具体的な点で一、二伺いたいと思います。  委員長に。ちょっとこの資料を配付したいので……。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 どうぞ。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 まず第一に、自衛隊法百条の三、オリンピック大会、アジア競技大会等に自衛隊を派遣するための法改正が行われておりますが、これで何名自衛隊員が過去海外に出動しているか、また同法の百条の四で、南極観測隊に毎年何名を海外に出している、出動しているか、これをちょっとお尋ねしたい。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 お答えいたします。  百条の三で海外に出た例はございません。百条の四では、昭和四十年以来毎年出ておりまして、例えば今回出ております第三十二次の南極観測で申し上げますと、百七十四名出ております。毎年大体それくらいのペースで出ております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 航空機で出ておるのは。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 航空機は毎年三機ずつ出ております。機数で三機でございまして、それに必要なパイロットが出ておるということで、それは百七十四名の中に入っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 資料はもらっておりますから、それを見ればわかるわけですが、百条の四では毎年十名、整備要員が二十五名、これは航空機に付随して出ている、こういう状況ですね。自衛隊法百条の五によって国外に出動した例があるのか、また、百条の五によって国内出動に一機何名程度の搭乗員か、伺いたい。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山(蕃)政府委員 お答えいたします。  百条の五によって海外へ出た実績はこれまでございません。  人数でございますけれども、国内における可動の人数は、これはそのケースによって区々でございまして、パイロット、例えばYSを使う場合、それからバートルを使う場合、あるいはスーパーピューマを使う場合、一、二名、二、三名の者が乗るというケースがございます。  なお、その運搬する対象人数の方は、これまた事案によって非常に異なっておるわけでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 海外には出ていませんね。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  百条の五で海外へ出ていった例はございません。しかし、百条の五で海外へ出ていくことができるということは、過去の国会答弁においても明らかにしているところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 では、今回の特例政令を既に閣議で決めておるわけですが、海外に出動さす自衛隊員は搭乗員、整備員等含めて何名を考えておるか、伺いたい。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 御承知のとおり、今回のケースは、国際機関IOMからの要請を受けて、そうしてまた、政府の中で一定の手続を経た上で実行されるべきものでございます。現在の段階で国際機関からの要請があるわけではございませんので、私どもといたしましては、そういった要請があるという事態に備えて今の段階でできる研究なり検討なり、あるいはある程度の準備は進めておりますけれども、やはり具体的にどのようなニーズが発生し、どのような任務を我々に求められるのか、それによって具体的な派遣の計画は詰めざるを得ないものでございますから、今の段階で何人を派遣ということは固めようもございませんし、また、具体的なケースが出てまいりまして詰めてまいりたい、こう考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 それは少しおかしいんじゃないですか。これだけ急いで、法律も考えずに特例制定で無理をして、緊急性があると言っている。その緊急性があって、我々はそうないとは思いますが、要請が国際機関からあれば直ちに応じられるように準備をしている。そして、現に小牧の基地では、航空自衛隊の基地で二百四十名が訓練を相当日数受けて、二日に終わっている。それからまた、幾つかの新聞等は百三十名を当面は第一陣で出す、第二次を準備をしている、こういうことが既に報じられ、訓練の事実等もある。当然それに備えての準備がなされておる、こう思う。どういう準備をして、人員をどれだけ予定しているか、伺いたい。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  先生御指摘のような新聞報道がなされたことは、私ども承知しております。しかし、先ほども御答弁申し上げましたように、我々としましては、具体的な要請を受けて、具体的にどのような任務に当たるかによってその計画を詰めるわけでございますので、現在の段階において、まだ人数とか具体的なことは持っていないというのが真相でございます。  あえて申しますならば、さきの、先日もちょっとお答えいたしましたけれども、この任務に当たる場合、私どもは自衛隊の本来の任務に支障のない範囲内においてやる、このことは百条の五にも規定されておるわけでございます。そういった観点から、人員の面についてもあるいは機材の面についてもいろいろ検討してまいりまして、そういった、こちらの持っている余力と申しましょうか、あるいは割き得る力という面から申しますと、C130ですね、二機ないし四機ということで最大限いけるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  さて、それだけの二機ないし四機を派遣する場合にどれだけの人員が必要になるかという点は、現地でのいろいろな支援の態勢にもよるわけでございまして、そういったことで異同があるわけでございますので、何人ということはまだ固まっていないということでございます。  ただ、そうして小牧で訓練をしておるじゃないという御指摘でございますが、それは現在までの段階で、ある程度の中東の事情であるとか、いろいろな学習であるとか、ある程度の準備は進めております。それにつきましては、先ほど御指摘のように二百名を若干上回る人間を対象に教育訓練は行っておりますけれども、これはその人間がすべて行くわけじゃございませんで、ある程度余裕を持ってといいましょうか、範囲を広げてそういった教育をやっているところでございますので、具体的な派遣の規模、機数あるいはその人員等につきましては、要請が具体的にあって、計画を固めていく段階で決まっていくものでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 二月三日の例えば東京新聞にしても、小牧基地で事前教育を受けたのは二百四十人、入間、美保、松島の各基地から選抜された二百四十人、こう報道をしておるし、また毎日でも、これは十日と思いますが、防衛庁は十日までにこの実施計画をまとめて準備を整えた、それで、第一陣は二機として、地上整備要員を含めて百三十人、予備要員を含めて二百四十人の派遣要員、こういうように言っているが、これは誤りなんですか。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 報道はいろいろな形でいろいろな方面から取材をされて、それを総合して記者がお書きになるのでございましょうから、いろいろ、事実無根とは申しませんけれども、各種の取材の結果をまとめながら、ある程度推測も交えながらお書きになっているんじゃないかと存じます。  そして、私どもは、先ほども申しましたように、ある程度の人数を対象にいたしまして教育はやっておりますが、それがすべて出ていくわけじゃございません。もちろん交代の要員もあるわけでございますし、それから具体的な要請でどの程度の派遣に応ずべきかが決まって、その人数も固めていくべきものでございます。また、その教育を受けましても、それはいわば候補者というような段階でございますから、まだそれが派遣されるというふうに指定されておるわけでもないわけでございます。  したがいまして、あくまで今の段階では具体的な派遣の実施計画というものがあるわけじゃございませんし、また派遣の規模も決定しておるわけじゃございません。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 いつでも要請があれば出る、こう言って、そのために訓練もやり、そして既にそういう事実もいろいろ流されている。そういう中で、第一陣が二機から四機というなら、第一陣が二機、ならばそれの整備をする要員は、今まで大体いろいろな話を、漏れてくるのを総合すれば、百二、三十人の整備員が要る。カイロに基地を置くというんですから、当然これは相当な整備要員が要る。明らかですね。それは、防衛庁長官は具体的な要請がなければ具体的に数字を言えないというんですが、これは私も八日まで何回か資料要求したが、どうしても防衛庁は出していないんですね。しかし、こういう準備がなされて、第一陣百二十人、百三十名、第二陣が同様。そうすれば、要請があれば第一陣としても百二十人、第二陣を含めれば四機、二百四十人の整備要員を含む自衛隊、航空自衛隊の海外出動を準備をしているということなんですね。これが政令でやれば実現、もしやるとすれば実現される。一応、百条の五では海外へ自衛隊、航空自衛隊も出てないし、また搭乗員も三名から六名。それも、国賓やあるいは日本の総理もしくはそれに準ずる人を乗せて海外に出ることもあり得ると言うけれども、ここからの実態は、カイロで百二十名、そして航空自衛隊では海外の出動は初めてだという、こういう部隊を海外に出動さす。しかも、必要なら今言ったようにまた第二陣で百二十名、二百四十名を派遣し得る。これだけの自衛隊の部隊が相当な期間海外に駐在をすることになるんですが、場合によればこの政令によって二百五十名でも可能である、またはこういうのを援用して拡大すれば五百名でも自衛隊を海外に出すことは可能になる。  あれほど昨年の国会で自衛隊派遣問題が論議をされ、協力法案が廃案になった。国民と国会の意思は、自衛隊は専守防衛に徹する、これは頑張ってもらわなければいかぬ、しかし海外には出すべきでない、ノー、こういう結論が出ている。それが一片の特例政令によって、いかに非武装とはいえ二百五十名からの自衛隊が部隊として海外に出動することが認められる。こういうことが許されるなら、次は恐らく海外邦人の救出の名のもとに政令をもってさらに多数の自衛隊の海外出動の道を開きかねない。こういうことが大体政令でやれるのだろうか。これはまさに、百条の五を拡大をし、政令によって法律でやれなかった自衛隊の海外出動に新たな道を開くものでないか、このように考えますが、総理の見解をお尋ねしたい。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答え申し上げます。  今自衛隊が海外に出ていくことについていろいろお話がございました。これだけ大人数がという御質問がございましたけれども、その前提として、お話にありました中で二、三点、私の方から事実関係を申し上げたいと存じます。  一つは、航空自衛隊がこれまで海外に出たことがない、こういう御指摘がございましたけれども、これは、先ほど申しましたのは、百条の五に基づいて海外に出ていったことはないということでございます。そのほかにはございます。例えば防衛庁設置法の六条の十二号に基づく教育訓練などではよく出ているわけでございます。そういうことでございます。  それから、海外への出動というお話がございましたけれども、私どもはこれは出動という言葉は使っておりませんで、御承知のとおり法律上も海外への派遣であろう、このように存じます。  それから、昨年の国連平和協力法との関連でお話がございましたが、あの御審議の中で、海外へ自衛隊が出ていくことがすべて否定されたというふうには私どもは考えておりません。御承知のとおり、その法案の審議の中で、いろいろな活動が予定されておった、その活動に自衛隊が参加することが適当かどうかということでいろいろ御論議があり、結論が得られないまま終わっておる、このように考えておるわけでございまして、あの審議の経過から自衛隊が海外へ出ていくことがすべて否定されるとは考えていないところでございます。  それからさらに、人数の点につきまして、今回の任務を与えられた場合どの程度の規模で出ていくかということにつきまして、先ほど新聞報道等の数字をもとにいろいろ御論議がございましたけれども、繰り返しになりますが、私どもはまだその具体的な実施計画等を決めているわけではございませんので、規模は未定でございますし、それからまたいろいろ現地の事情等を、この現地というのもまだ想定でございますが、そこで任務に当たるというのが確定したわけではございませんけれども、例えばカイロ等におけるいろいろな整備等における支援態勢、支援の得られる可能性等々を検討いたしますと、かなり新聞等で報道されているところよりは絞った格好で運用できるのじゃないかなという感触も得ているところでございます。  以上、総理の御答弁の前に私から事実関係等をお答えさせていただきました。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 きょうまでの国会の御議論をずっとこう振り返ってみましても、憲法に違反するような武力による威嚇とか武力の行使を伴う目的を持って武装部隊を他国の領海、領空、領土に出すことは、これはいけない、これがいわゆる海外派兵である、これをしては絶対にいけないということが前回の御議論でもあり、きょうまでの議論でもありました。そのことは私どももきちっと守ってきたつもりでありますし、また前回の法律もきちっと条文を立てて、武力の威嚇、武力行使を伴うことはしない、まずきちっと書いておいて、その次に平和協力隊をもし設置するとすればこういうことを行いますというのはずっと列挙して並べたはずでございます。  したがいまして、自衛隊が憲法によって禁止されておる武力行使のために出ていくかどうかという問題と、この人道的非軍事面での避難民の移送という問題、しかも国連の委託を受けた国際機関からの要請によって行う行為というものとは、これは根本的に質も違うし、また日本が国際社会に果たさなければならない役割の一つとして、これはぜひお認めをいただきたいと私どもは考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 言葉のあやは別として、私も国会論議は知っておりますが、非武装とはいえ、場合によれば二百数十名の自衛隊員が一片の政令で法改正なしに派遣される、こういうことが許されていいのかどうか、こういうことを私は申し上げている。  そこでもう一つ、政府は今度国としての輸送の必要性を非常に強く表に出して、内閣の輸送の必要性ということで判断できるなら何でも輸送できるようになりかねない。今申し上げたように、国の輸送の必要性ということで、法律も改正せずに政令だけで、例えば今回のように二百数十名の自衛隊を海外に出す、こうすれば政令で自衛隊が出かけるについては法律と同じような効果を持たすことになる。これは私は、明治憲法下に緊急勅令なるものがあったし、それから政府の独断で国会の議決なしにやれるような誤りを繰り返してはならない、こういう点で、憲法四十一条の趣旨というものはそこにあるのじゃないか。国会は唯一の立法機関と規定をしている。明言、明らかにされている。これは立法権を侵すものでないか。  今まで論議をされたとおりでありますが、総理大臣は議会の子と言われた三木元首相のまな弟子だと聞いておりますが、三木さんの霊に対しても心中じくじたるものがあるのではないか、こう思いますが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 国会が国権の最高機関であるということ、国の唯一の立法機関であるということ、私もよくそれは認識をいたしておりますし、そのことは常に尊重して行動をしておるつもりでございます。  同時に、国会が国の唯一の立法機関としてお決めいただいた自衛隊法の第百条の五には、「国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」これが最高機関である国会がお決めいただいた法律でございます。  したがいまして、政府としては、国際的に果たさなきゃならぬ役割、国連の委託を受けた国際機関からの要請を受けて、そういうときには御協力しますという答えをした以上、それに対してはどのような対応、どのような準備が必要かというのでいろいろ検討をいたしました。その検討の結果、これに従ってきちっと限定した政令をつくる、それは今度のイラクによるクウェート侵略、併合に伴って出てくる避難民の人を国際機関の要請を受けて移送をする、そういったことのための対応としてはここに根拠を求めるべきだ、この授権の範囲内で政令を政府の責任でつくって、こういうときにこうしますという枠もきちっと決めてお定めすることが適当である、こう考えて必要な措置をとったわけでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 いろいろなあとの問題もありますから、これ以上は立ち入ることを避けたいと思いますが、政令は、やはり原則は、大事な点は法律で決められて、その範囲であるということは、これはもう当然でありますから、この論議は後で、集中審議等で嶋崎委員等がさらにまた取り組むであろうと思いますが、特例政令を強行して、総理は、あとは最高裁の違憲審査をやってくれ、こういうようなこともちらっとこの間言ったように思いますが、この問題はひとつ後の論議に譲っておきたいと思っております。  そこで、私はイラクの原子炉破壊等の問題に触れたかったのですが、少し時間が無理なので、これは一般質問の方に移して、時間があれば後といたしたいと思いますが、まず、連日テレビや新聞等で報道されている関西電力、関電美浜二号炉のECCSの発動問題、初めて作動しました、これについて若干お尋ねしたいと思います。  前提としてちょっと申し上げておきますと、美浜町というのは私のところから車で三十分ぐらいのところになる、まあ出身地になりますし、御存じのように福井県の若狭湾は、今原子力発電所が、稼働中は十二、約一千万キロワット。三つが今建設中で、これが動くと十五で千二百万キロワット。私もチェルノブイリからスリーマイル、各地をずっと見てまいりましたが、千二百万キロワットの容量を持つところの原子力発電所はどこにも世界じゅうにない。それだけ集中し、いろいろな問題が随分起こっているので、私もこの原子力の安全性、防災については特別深い関心を持っている。そういう面で、この問題は我が身の問題としてとらえて若干の質問をしたいと思います。  まず、関電美浜二号炉の事故の要点、これをちょっと、既に新聞によく出ておるわけでありますが、要点だけちょっと御報告いただきたい。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 御質問の関西電力美浜発電所二号機でございますが、二月九日、土曜日でございますが、定格出力で運転中のところ、午後一時四十分に復水器の空気抽出器ガスモニターの警報が発生をいたしました。そのため運転員が手動によりまして出力を降下させておりましたところ、同日午後一時五十分になりまして、加圧器圧力低下ということで原子炉が自動停止をいたしました。さらに引き続き非常用の緊急炉心冷却装置が作動したということでございます。  これに伴いまして、一連のことから環境に放出されました放射能の量でございますが、その正確な評価というものはこれからの調査にまつ必要がございますが、暫定的な評価といたしましては、約五掛ける十の九乗ベクレル、キュリーで申しますと約〇・一キュリー程度と推定をされております。この〇・一キュリー程度という量は、会社が保安規定で定め、国が認可しております発電所ごとの年間放出管理目標値に比べますと数十万分の一程度のオーダーの量でございまして、幸いごく微量であったということでございます。したがいまして、今回の事象に関連をいたしまして、敷地の周辺に設置をしてありました放射線監視装置の指示値には異常はなく、通常と変化がありませんで、環境への放射能の影響はなかったと考えております。  また、非常用炉心冷却装置につきましては、設計上期待をしていたとおりの作動であったということでありまして、プラントは現在安全な状態で停止をしているわけでございます。そして、現在原因究明のための調査が始まったところ、こういう段階でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 環境に放出されなかったということは大変、一部は出ておりますが、大量に出なかったということは、これはよかったと思っております。  そこで、関西電力美浜一号が大阪の万博に電気を送ってから二十余年、現在日本で三十九の原子力発電が稼働しておりますが、今まで事故やトラブルが多くあったのでありますが、このECCSの作動というのは、誤った操作、電気の故障等で二回だけ誤作動がありましたが、本格的なECCSの作動は初めてである、そういう点で安全性の点からいうと非常に大きな問題である、こういうふうに私は思っております。  言うまでもないことですが、スリーマイルではこのECCSが作動した。それで水を急に、緊急に送り込んだ。同じように動いたわけですが、その水の水位が、ゲージを見ておった運転員が、いっぱいになったと、かまに水が切りかわったのは水を送り込んでいっぱいになったと、水位で見て、ゲージを見て手でECCSをとめた。ところが、ゲージが傷んでおって水はかまに、原子炉に満杯になっていなかった。だから炉心溶融が、三千度の熱で核燃料が溶融して、三千度、それで三分の二の炉心が溶けてしまった、こういう大変な事故があったわけです。  チェルノブイリは、これはブレーキを外してアクセルを踏んだような形になって暴走したわけでありますが、これももう制御棒をおろすだけの時間的余裕はなかったというような暴走をしたのですが、今回の美浜二号もECCSが働いたから大事に至らずに大変結構であったのでありますが、これが何かの都合でもしも動くのがおくれるとかあるいは故障があった場合には、これはスリーマイル並みに炉心溶融に突っ込んでしまう懸念があった。その前まで行って立ちどまることができた、こういう点で、このECCSの初めての日本における作動というものは非常に重要な意味を持ち、安全性の点でこれは随分、なぜこれが起こったかということについての追求が必要である、こういうふうに思うわけであります。  そこで、若干それらをひとつ伺いたいのでありますが、まず初めに、安全性から見て、通産大臣は営業用の原子炉を所管する所管大臣でありますが、今回の作動をどういうように認識をされたか、お伺いしたい。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 辻委員にお答えいたします。  辻委員の三十数分のところの場所だと承りまして、また同時に辻委員が日ごろこのことに御熱心であることもよく熟知しておりまして、本当に、まことに遺憾なことが起こったと、申しわけないことだと思っております。  まず第一に、今回の美浜発電所の二号機の事象というものは、放射能の放出もごくわずかではございます。しかしまた同時に、環境への影響も極めて認められなかったという断定はしておりますものの、非常用の炉心冷却装置、すなわちECCSというものが実作動に至るということなどにおきましては、今までに例がないこともこれまた委員の御指摘のとおりでございます。  今後は関係省庁を通じまして、現在目下検討中でございますし、私どもも派遣員を直ちに送りましたから、この派遣員が帰り次第原因究明を行わせまして、そして私どもの原子力発電の一層の安全の確保に最大限の努力を払っていきたい。  具体的に申し上げますれば、私ども現在顧問団が八十何名かおりますが、その中でも専門官が二十一名おります。そういう者を通じましてもこれは早急にこの問題点に鋭意努力を払いまして、今後とも遺漏なきように努力を努めたい、このように考えておる次第でございます。  まずもって御報告申し上げます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 同様に、これは日本の原子力行政の責任者であります科学技術庁長官に、ひとつどう認識されているか、伺いたいと思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 お答えいたします。  今回の事故は、何しろ我が国で初めての緊急炉心冷却装置が作動した事故であり、地元を初め大変皆様方に御心配をおかけする結果となりましたことは、原子力行政を預かるものとしてまことに遺憾でございます。このような事故が今後再発しないよう、事故原因の徹底究明が図られ、それに基づいて万全の安全対策がとられることが重要だと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 それぞれ両大臣とも、今回のECCSの初めての発動は非常に重要な安全の意義を持っている、こういう御認識であるというように受けとめました。  そこで、これから若干伺うのでありますが、まず第一に、現場の対応が適切であったかどうか、この点について、時間の点から詳しいのは要りませんから、要点だけ御報告をいただきたい。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  当日、美浜発電所での対応でございますが、十二時四十分ごろ、常時蒸気発生器の二次側の水の放射性物質の量をはかっております蒸気発生器のブローダウン水位モニターというのがございます、その指示値が若干上昇し出したということに気づいていまして、それでこのとき、いろいろプラントのパラメーター、加圧器の圧力とか水位に異常がなかったわけでございますが、二次系の水のサンプリングを行いまして化学分析をやっております。それでその結果、十三時二十分ぐらいでございますが、A蒸気発生器の二次側のガンマ線の総量、これが通常のバックグラウンドよりわずかに高い値であったということで、再度サンプリングを準備しておりましたところ、十三時四十分でございますが、復水器空気抽出器ガスモニター、十三時四十五分に蒸気発生器ブローダウン水位モニターの計数率注意警報が発生したというわけでございます。  それで現在、こういうプロセスを調査したわけでございますが、十二時四十分以降原子炉を停止するまでの一連の、運転員が措置をしているわけでございますが、プラントパラメーターの確認、それから状況の把握に努めておりまして、我々といたしましては、その時点の判断としては妥当なものであるというふうに考えております。  以上でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私もチャート紙、データを取り寄せて若干見てみましたが、まだ時間的な余裕がない、こういう点で今以上になかなか論議がこの問題についてはできないと思うので、これはいずれ詳細な資料を、調査等が行われてその上で現場の対応がどうであったかということはまた論議をしたいと思います。  ただ、一時間、今の話のとおり七十分ぐらい前に水を調べて分析をしている、それをやっている間にもう間に合わずに自動停止、そしてECCSが動いた、こういうことでありますから、今回の場合は非常に事故が起こり出して早くきたということ、この点は指摘ができると思うのです。  そこで、もう一つ今回の場合に非常に重要な問題は、初めてECCSが作動したという点が一つであります。これは確認をされましたが、もう一つは、今までこういう事故が大体起こらないのだということが通産あるいは科学技術庁、あるいは電力会社で言われておった。起こらないけれども、仮に起こったとしたら、そういうことを想定して、ありはしないのだがこの解析をやってみる、これだけやっているのだから心配ないや、こういう説明であったのでありますが、起こらないと言っておった事故が現実にやはり起きてきた。破断に至っているかどうか、これは穴が、ちょっと大きい穴があいたのか、あるいは折れて細管が破断したのか、まだあけてみないことにはわからないわけでありますが、とにかくそういう点で今まであり得ないと言われておった事故が現実に起きてきている、こういうことはひとつ非常に重要な点であると指摘しておきたいと思います。  そこで、一番私が懸念をするのは、あれだけ蒸気発生器は安全上は問題がない、まあ問題があるとすれば、取りかえるかどうかは経済上の問題だ、こういうようにしばしば言い続けてきたSG、いわゆる蒸気発生器が、世界に例のない念入りな定期検査をやっている、その中でなぜ定期検査をやってから七カ月、去年の四月から七月までやっておりますが、半年ぐらいでこういう大きな事故が起きたのか。あるいはECCSが動くまでに、これはもう動くというのはがけっ縁に来ているということなんですが、それが動くまでにどう早く小さな事故を発見をして、それに対して対応するか、こういうことが実は安全性の非常に大事な原理であったわけでありますが、そういうことが、早期発見ができなかった。なぜか。これが私は非常に懸念される問題であろうと思うのです。  まずその点で通産に伺いたいのでありますが、原子炉は一年に一回定期検査をやっている。これは法律的に義務づけられている。そこで、電力会社は動かす前に蒸気発生器に圧力をかけて、漏れ、リークがあるかどうかを調べる、そしてその結果を通産省は点検をして原子炉を動かしてよろしいというOKを出す、こういうふうになっておりますが、そういう点で言えば、まず第一義的にこの問題は通産省に責任があるわけでありますが、なぜ七カ月くらいで、それだけ念入りに、世界に誇るという念入りな定検をやりながらこういう問題が、事故が起きたのか、この点をどう考えているか伺いたい。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今先生御指摘のとおり、原子力発電所の故障、早期発見の必要性、おっしゃるとおりだと思います。それで我々原子力発電所を毎年とめまして定期検査というのをやっているわけでございまして、蒸気発生器につきましても、全数にわたりまして渦電流探傷検査というのを実施して、蒸気発生器の健全性を確認してきているわけでございます。この全数をやるということも、我が国が一番厳しくやっているポイントでございます。  それで、今回、美浜二号機につきましても昨年四月から七月にかけまして定期検査を実施したわけでございます。それで六千百二十五本、これは全数六千五百二十本の細管があるわけでございますが、既に三百九十五本プラグをしております。そういうことで、プラグをしておりません六千百二十五本につきまして渦電流探傷検査をしたわけでございますが、そのうち有意な指示、インディケーションのあったものが十六本ございました。これにつきましてはプラグ、施栓をしたわけでございます。そういうことで、我々、現在の検査の方法で、それから考えられる損傷のモードに対応した検査体制でやってきているわけでございますが、それについてはこのような対応をしてきたわけでございます。したがいまして、今回の事象、現在原因を鋭意検討中でございますので、これらの検討結果も踏まえて今後適切に反映していきたい、定期検査にも反映していきたいというふうに考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 この事故が、アメリカに起こったように、日本にも一部ありましたが、工具、金具を置き忘れた、それがぐるぐる回って傷をつけたという例が幾つかありますが、そういうものであればこの炉に特別な問題であって、これはよくわかるわけでありますが、現在の検査方法、渦電流の探傷検査であるとか、さらに危ないのがちょっとわかったら詳しく調べるところの付着物用の渦電流の検査、こういうものを使って十分検査をして、なお半年後にこういう問題が出るとすれば、これは非常に重要な問題になると思うのです。この点を考えると、例えば考え得ることは、それはあけてみなければなかなかわからないことですが、インコネルという合金の性質からして、新しいものならばちょっとやそっとでなかなかそう簡単に折れたり穴があいたりするものではない。こういうことを考えると、新しい問題として、細管材質のいわゆる経年による、長い間使った劣化、老化現象が材質上出ている可能性があるのじゃないか、こういうことが懸念されますが、これについてどう考えておるのか。時間の点もありますから、要点だけで結構ですから。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  先ほどもお答え申し上げましたように、現在調査をしている段階でございまして、当該部分について抜管、その管を抜く調査をしております。それで、その管を抜きまして、今先生御指摘のとおり、材料的な劣化、経年的なものがあるかどうかもその調査の中で議論されると思いますので、そういう点も踏まえて我々判断していきたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 工具でも中を走り回ったということであれば別として、そうでない場合は、検査を入念ということだけではなかなか通用しなくなってきている、こういうことが指摘できると思うのですね。  そこで、原発が安全だという理由の説明の大きなポイントは、蒸気発生器ではたとえ細管に小さな、目で見えないような穴、あるいはリークといいますか漏れが、亀裂があっても、そこから出てくるごく微量の放射能を早目にキャッチをして、大事に至るまでにちゃんと対応ができる、だから安全だ。リークを早くキャッチをし対応できる、こういうのが安全原理であったわけですが、この動きを見ると、これはもうごく短い時間でECCS作動にまで至っている。こう見ると、この安全論理というものが一部崩れているような感じがしますが、これはどう思いますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  蒸気発生器の細管のリークにつきましては国内で何件かあったわけでございますが、それにつきましては、二次系のモニタリングその他で事前に、初期の段階で検知されて、それでとめまして、先ほど申し上げました渦電流探傷試験等をやりまして対応をしてきているわけでございます。そういう意味で、今回までの蒸気発生器の細管のリークに対しましては、十分に事前に対応がし切れてきております。そういう意味で、今回の事象をよく調査いたしまして、今までに加えて何をやるべきかということも十分考えたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 早期に発見に努力してきたと言うけれども、さっきの報告では、現場の要員が気がついてその水を分析している間にもう原子炉は緊急停止をし、ECCSが動いた。だから、早期に発見できるシステムが動いてないということになる。これは安全性からいえば非常に重要な問題なんです。だから、すべてはあけてみなければわからぬということを言われるので、これは見た上でなければなかなか難しい問題でありますが、そういう問題を指摘をしておきたいと思うのです。  もう一つ。若干技術論になって恐縮ですが、蒸気発生器の細管に穴があいたりあるいは漏れ、リーク等が、小さな、目に見えないものでもある。そうすれば、そこをもう使わないために上と下に栓をしてとめてしまう、あるいはその中にさやを入れて細々ながら使っていく、こういう方法をやっておるわけですね。ところが、例えば関電の高浜二号は既に四六%、これはまあ一万二、三千本かあると思いますが、このうちの全然傷がないのは五四%で、とにかく何か手を、これは全部栓をしたというわけじゃないのですが、さやを入れたりあるいは予防的にやったのもありますが、それらを全部含めると四六%が何らかの手当てをしているという状況にあるのですね。そこで、そういう点から私は去年の春、通産に対して、一体何%まで栓をしたらもう安全なのか、これを試算をして出せ、こう言って要求をした。コンピューターを回すと五千万円かかるということですが、いろいろなことを苦労してとにかくその資料は出されたのですが、それは解析の結果五〇%栓をしても安全である、こういう解析結果がこれは公表されているし、私のところにも知らされている。ところが、美浜の二号は六・三%の施栓率、栓を詰めた割合です。六・三%でこういうふうな戦後最大と言われるような重要な事故が起きている。五〇%でも心配がない、安心だと言ったのが、六・三でこれだけの事故が起きている。これはちょっとこの整合性といいますか理由がわからないのですが、どう説明するか、これも簡単で結構ですから伺いたい。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今先生御指摘の蒸気発生器細管の施栓、プラグをすることによります安全解析上の問題でございますが、五〇%プラグをいたしまして冷却材喪失事故の安全解析をいたしましたところ、そういうようなLOCAの状態でも炉心の冷却という観点では問題がないという計算が出たわけでございます。しかし、それは安全という観点での数値でございまして、一〇〇%の発電所の出力を維持するという観点からいいますと、個別の発電所につきまして詳細な計算をする必要がございますが、大ざっぱに言いまして三〇%ぐらいのプラグが一〇〇%出力維持の目安であろうというふうに考えております。  そういう意味で、先生の御指示がございましたので、安全解析をいたしまして五〇%という数値を出したわけでございますが、今回の美浜二号につきましてはECCSが作動しておりますが、その後それが有効に機能いたしまして、先ほども答弁いたしましたように安全に停止をしていて、安全審査で想定された中で事がすべて安全に推移して終わっているということでございまして、環境に放出しました放射能の量も少なくて、周辺に対する影響もなかったわけでございます。そういうことでございますが、ECCSが作動したということは、実作動したということは初めてでございます。そういうことで、その件につきまして、やはり慎重な調査を要する重大な事象であるというふうに我々は認識しております。  以上でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ちょっと指摘しておきたいのですが、ECCSが作動して安全であった、こういう実証の要因にしておりますが、一面ではそれは確かに作動してとまったから助かったということになる。だけれども、一面ではこのECCSは、四十年とか三十年と言われる原子炉、四回ぐらいしか作動しては無理だということは、物すごい高い温度で原子炉が燃焼して、そして高いところへ急に冷たい水を空だきになるときに突っ込むのですから、これは格納容器の脆弱化というか圧力容器のいわゆる脆弱化、これは材質的に言えば一遍に弱くなってしまう、そういう問題があるのですが、ECCSが動いたから安全だ、安心だと、これは言い切れない。これは何回かやれば材質がもろくなって大変な問題が出てくるんだ、そういうことを一つ指摘しておきたいと思います。  今の点でも、説明はどうも経済の観点から説明されておりますが、私はさっき言ったように、蒸気発生器の問題は単なる経済ではいかない、安全性の問題として十分とらえなくてはならない、こう強調しておったのですが、例えば今蒸気発生器を交換するという問題が出ている。大飯の一号機は、さきの定期検査はいろいろな保修のために六カ月かけている。普通ならば三カ月。三月延びた。そのために、百万キロワット単位の原子炉は、一日とめると一億円の損失と概算されておるのですね。だから、六カ月ということは百八十日、百八十日余分にとめれば百八十億のこれだけからでも損失になる。蒸気発生器は、私もフランスで調べてきましたが、今六億フランですね。だから百六、七十億出せば新しいのと入れかえることができる。だから、その経済的な面からもう入れかえた方がいいというので入れかえるんだ、こういうふうにして、蒸気発生器は安全性には問題がないが経済上交換しなくてはならない、こういう論理をしておるのでありますが、これは私は、今回の事故からしてこの蒸気発生器は安全上にも大きな問題があるということが明らかになったと思いますが、これについて、蒸気発生器問題は経済上の問題だけである、こういうふうに言い切れるかどうか、ちょっとお尋ねしたい。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 蒸気発生器につきまして部分的な保修をするのか全体を交換するのかということでございますけれども、先ほどの、施栓率がある程度上がってまいりました段階で安全性に問題が生ずるのかどうかという点は、先ほど審議官から御答弁申し上げましたように、ある限度までは、相当のところまでは安全上問題がないという技術的な知見を得ているわけでございます。  他方で、実際の面ではどうなっているかと申しますと、先生よく御案内のとおり、関西電力では大飯の一号機、高浜の二号機につきまして、今回の事件が起こります以前に蒸気発生器を丸々交換をするという方針を固めております。これは、御指摘がありましたように、これらの大飯の一号あるいは高浜の二号については施栓率が相当高くなっておりまして、定期検査のときに保修工事、保修に要する時間が他のものに比べて非常に高いというようなことがあり、そういうことから判断をして交換をするという方針を会社として内々固めている、こういうふうに理解をしているところでございます。  これらの問題につきましては、安全上限界があるから交換をするということよりは、やはり企業の判断として経済性の問題、あるいは強いて申しますれば企業としての社会的信頼性というようなことも考慮に入れたものかと思いますけれども、そういう観点から総合判断として交換をする方針を打ち出しているものと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 企業としては経済ということを当然考えるでしょうが、私は、監督官庁としては、これからSGには安全上の問題が今回の大きな事故を機に十分あるんだ、ひとつこういう認識のもとに取り組んでもらいたいと思います。  そこで、今お話がありましたが、関西電力はきょう実は福井県と地元に大飯一号、高浜二号の蒸気発生器の全面交換を申し出る、国に申請するというのがきょうの予定になっておったのですが、これはこういう事故によって急遽延期をしたというように聞いております。  そこで、六・三%のこの問題を起こした美浜二号機は、実は国内では優等生と言われておった。事故が余りなくて、そして施栓率が非常に低いというその優等生が劣等生になったか、とにかく最大の事故を起こした。こういう点を考えると、蒸気発生器の交換問題は、単に施栓率の高い大飯、高浜から順次やる、こういうような問題ではないものを含んでおるのではないか。そういう点で蒸気発生器交換の戦略の再検討が必要になってくるんじゃないかと思いますが、いかがですか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 先ほど来お答えしておりますように、現在、今回の原因の究明を始めたばかりでございまして、今回の事象がなぜ起こったのか、どういうことになっているのかということがまだ正確に把握されておりません。したがいまして、状況を正確に把握をし、原因を徹底的に究明した上でないと適切な判断はできないと思いますけれども、現時点におきましては安全に原子炉は停止をしておりますし、従来の方針を特に今の時点で見直さなければならないということではないというふうに考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは再検討が必要だと私は思いますが、いずれ詳しい調査の上さらに論議をしなくてはならぬと思うのです。  そこで、今回の美浜二号のこの事故の原因が究明されない、こういう中で、今言った大飯一号や高浜二号、玄海一号等々、加圧型では非常に問題のある原子炉が今稼働をしている。こういうものを一斉に点検、一度停止をさせて点検をするということが必要ではないか。というのは、もしも今のような事故が何カ所かで起こると、私は原子力発電に対する信頼が著しく阻害をされて、失われていくであろうと思う。そういう点と安全上の点から、問題炉については一時停止、点検を行うべきであると思いますが、いかがですか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 御指摘の点、御指摘の趣旨はよくわかるわけでございますが、今回の事象におきまして、環境への放射能の影響というものは生じておりませんし、トラブルに際しまして、緊急炉心冷却装置というものは正常に作動して安全な状態になったということもございます。そして、その原因につきましては現在究明中ということでございまして、原因究明のための調査を進めた上で必要な対策について検討していく、こういうことであろうかと思います。  なお、蒸気発生器につきましていろいろ御指摘、御心配をいただいているわけでございますけれども、この蒸気発生器を使いました加圧水型の原子炉というのは、なるほど他にも幾つか例があるわけでございますが、この蒸気発生器につきましては、例えばほかの機械類のように大量生産をし、同じロットで生産をされて、その中の一つが故障があればほかも故障があるのではないかと推定されるような、そういうつくり方はされておりませんで、一品生産でざいます。それぞれの材料、熱処理の方法、加工方法等が完全に同じというものはございません。設計の仕様もわずかではありますが改良改善をされておりますので、いわゆるロットでつくられているほかのもの、類似の場合と違いまして、直ちにほかのものに影響があると推定をするのはいささかいかがであろうか、こういうことでございます。したがいまして、今回の美浜の二号につきまして、何が問題であったのか、どの点に問題があったのかということを確認をする必要があるわけでございます。  いずれにいたしましても、当面、運転監視を強化をいたしまして、SG管の損傷事象への対応等関係者に周知徹底をし、改めてその認識を新たにして注意深く運転を続けていく、こういうことであろうかと思います。  なお、たまたま、たまたまといいますか現在定期検査を行っております加圧水型の軽水炉が四基ございますので、これについては現在検査中でございますので、これらの蒸気発生管、SG管の点検については従来以上に特に入念に点検をするように、こういう指示はしたところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 似たような事故が起これば非常に原子力に対する不信感をつくっていくことになりますから、十分安全に対しては対策を講ずることが大事だと思います。  そこで総理に一つ伺いたいのですが、今、大変技術論で恐縮でありましたが、若干こういう論議をしたのですが、今回の事故の持つ重要性というものは御理解をいただいたと思うのでありますが、安全性について総理はこれからどういう認識を持たれるか、ちょっとお伺いしたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 原子力発電の問題については、一にも二にも安全性の確保ということを大前提に置いて対処していかなければならぬ問題であることは、これは言うをまたないことだと思います。  同時にまた、ただいまのお話を私も聞いておりまして、現場でおかしいと気づいて水の分析中に装置が動いたという御指摘がございました。そして、非常用炉心冷却装置が作動したのは初めてであったということであります。だから、そのような事故につながるような状況が起こることは非常に遺憾なことでありますけれども、しかし、非常装置が作動をして、スリーマイル島やチェルノブイルのような決定的な大事故に至らなくて作動したということは、その限りにおいては、日本の安全装置というものはその意味でよく働いたなと、私はせめてこれは不幸中の幸いであったと受けとめましたし、同時に大事なことは、じゃなぜ水に異常が出て、その非常用装置が作動するに至ったかという前段階の問題の調査が実は大事であって、私が報道その他をずっと聞いておりますと、細管に何か二センチぐらいの穴があるとかないとかいろいろなことが言われておりますが、その原因をきちっと究明して、なぜあくべきでないところにそのような穴があいたのか、これは材質上の問題なのか、あるいは先ほど委員がお触れになった、器具を中へ置き忘れておって、それががらがら回っているうちにそうなったのか、いろいろなことが想像されますが、想像、憶測を乗り越えて原因をきちっと究明することが一番大切であって、そのような心構えで担当大臣も今後行動するように我が方からは厳しく申し上げておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 いろいろと認識を得られたと思うのですが、一つだけ申し上げますが、ECCSが作動したということは結構なんですが、スリーマイルでは、ECCSは作動したが水の水位を読み違えるというか、器械が、ゲージが傷んでおって水がいっぱいにならないのを満杯と見てとめてしまったヒューマンエラー、人間の判断によるエラーによってあれだけの大事故を――ECCSは動いておったのですよ。だけれどもそれをとめて水が足りなくなってあれだけの事故を起こしたのですから、私は当然の問題でこれから触れたいと思うのですが、人が安全上いかに重要な役割を持つか、こういうことはあわせてちょっと申し上げておきたいと思うのです。  今総理はいみじくも言われましたが、またエネルギー庁からも、担当大臣からもお話がありましたが、十分なこの原因の究明が非常に大事である、これは皆さんの言われるとおりでありますね。そこで私は、今回初めてECCSが作動した、これを踏まえて今後の安全性確立のために徹底した調査が必要である、そのためには、例えば航空機事故調査委員会のような、外部からも弁護士さん等の人を入れて極めて権威のあるそういう強力、公正なる調査委員会をつくって、我が国で初めてのこの安全上の問題に対処すべきである、調査委員会を設置すべきである、こう思いますが、これについての見解を伺いたい。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 まず、先ほど来のいろいろと御質問並びにエネルギー庁長官の方からの討議の中におきましても、当然委員といたしましては、調査委員会等を設置すべきである、こういう御意見、御指摘は非常に妥当なものか、こう思うのでございます。  通産省は、二月九日午後二時からこの報告を受けておりましたから、直ちに対応をいたしまして、そして本省の総括電気工作物検査官というのを派遣したわけでございます。その詳細は、先ほど申し上げておりますように目下分析中でございますが、その総括電気工作物検査官などからの報告を踏まえまして、まず原因究明を第一に、モットーにしよう、それから専門的、技術的な立場から御審議をいただくような委員会を設ける必要があるかどうかという先生の御指摘を十分踏まえまして、そして今後の調査の進め方のあり方というものを構築してみよう、このように考えておる次第でございます。  いずれにしましても通産省としましては、先ほど総理からも御下問がございましたように徹底した原因の究明が先である、それから再発防止対策の確立というものに全力を投球しよう、このように考えておるものであります。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ともすると身内だけを集めて調査をやり合った、安全審査をして、それによって問題が出た、それをまた自分で調べて見直しというのはなかなかやりにくくなるわけですから、そういう点で私は、通産の中にいらっしゃる専門家はそれぞれの十分な立派な人だと思いますが、しかしこういう問題は公正さということが非常に大事なので、外部からもしかるべき弁護士さんであるとか人を入れてそういう調査委員会を持って、先ほど言った航空調査委員会は非常に権威がありますが、それに匹敵するような調査を行われるように期待をしておきたいと思います。もう一言だけ。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 この問題につきましては、私も、一昨日報告を受けましてから、直ちにこの問題に協議をしろということで、ただいままでの間、先ほどもちょっと申させていただきましたように、委員会も相当なメンバーで構成はされております。これは、決して偏った形ではございませんで、各大学あるいは民間の権威者、あるいは民間企業からも起用させていただいております。それからまた、同時に二十一人のそれに対する専門官も、これは多岐にわたって作業をさせていただいておりますけれども、確かに先生の御指摘もございますので、こういう点も踏まえまして十分に今からの作業を行っていきたい、このように考えておる次第でございます。  ただいまの二十一名は、先生の前に御指摘の福島の問題だそうでございますから、今回の問題はまだ委員会は設置されておりませんし、そのような研究作業もやっておりませんので、これも踏まえまして十分に作業をしていきたいと思っております。  以上でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私は引き続いて、今非常に関連があるので、東京電力の福島第二原発の三号炉の原子炉循環ポンプの損傷問題について若干論議をしたいと思います。  今委員長に、そこに図面をちょっと二枚配りましたのでごらんいただきたいと思います。  先ほど言いましたように、西に蒸気発生器あり、東に再循環ポンプありというように、関電系統のいわゆるP型と言われる、加圧型と言われる原子炉には蒸気発生器、また東電を中心とする沸騰水型の原子力発電所には再循環ポンプという、両者泣きどころがある。それがおととし起こした事故、これは説明を求めるといいのでありますが、時間の点からごく簡単に私から申し上げますが、要は、福島第二原発の三号炉で再循環ポンプの羽根車、大体百キロの重さの、ポンプの中に安定を保って羽根車が回っている。それが、振動が大きくて下に落ちてしまって、そして新幹線と同じような時速二百四十キロで回転するポンプの中でぐるぐるぐるぐる回って、百キロの鉄の塊のうち三十三キロが粉々になって、金属片、粉になって原子炉の中に入ってしまった。そのために、東電は非常に大きな打撃を受け、原子力の安全性に大きなダメージを与えたわけなんです。  私は一昨年の三月四日であったか、この予算委員会の補正予算の場でこの問題を取り上げたことがありますが、後、資料をいろいろ調べた結果、非常に問題点があるので若干科学の委員会なんかでも論議をしておりますが、ここで指摘をしておきたいと思います。  ちょっと伺いますが、東電は、これによって復旧と原子炉停止に伴うどういう損失を受けたか、ごく簡単に数字だけちょっと伺いたい。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 事故によりまして東京電力の受けた損失額でございますが、復旧に要した額は約百二十億円であったというふうに東京電力の方からは報告を受けております。  それから、二年近くとまったわけでございますので、稼働していない間の東京電力の損失額ですが、実際に稼働していた場合どれぐらいの利益になったかということで計算をいたしますと、約一年十カ月の停止期間中に発電したであろう発電量をすべて火力発電で賄ったというふうにして計算をいたしますと、これに伴います燃料費の増分というのは三百億円程度になる、こういうふうに聞いております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 東電の第二の三号炉は百十万ぐらいであると思いますが、百万クラスの発電所。だから、この三百億というのは非常に低く見積もったのであって、一般的には百万キロの発電所を一日とめると一億の損失、こういうふうに大体言われている。だから、二十二カ月とまったのですから六百六十日、一億とすれば六百六十億。復旧のために百二十億。だから七百八十億、約八百億の損失を実際は東電はこのために受けている。これは大変なことなんですよ。技術過信、それから経済優先。安全性を軽視をした場合の、経済性を優先さすといかに高いものにつくかということが、この八百億の損失として私は業界はわかったのではないかと思う。だから、よほど安全には念には念を入れて、力を入れて、金をかけても時間をかけても、その方が長期でいえばいいのではないか。大前提でちょっとこれを申し上げておきたい。  そこで、グラフがあるのでありますが、ちょっとこれをごらんいただくと、これは資源エネルギー庁が提出された数枚の資料を、ごく比較しやすいのだけここに挙げたので、これは間違いないと思いますが、もし問題があったら知らせていただきたいと思う。  そこで、第一のそれは、第二原発三号炉は百万を中心にしてずっと動いて、一月一日に事故が起きて六日に停止をするまでの経路。  それから第二は、これは非常に関係のある、問題のある循環ポンプのBですね、これの速度をあらわしている。これも六日にどんと落としているわけですね。  それから、三と四を比較していただきたいのですが、三と四はいわゆる循環ポンプの、一番大事な沸騰型の要点、再循環ポンプのポンプが振動しているのをあらわす、これはチャート紙を数字にしたわけですが、これを見ると、Aの方はほとんど動いていないですね。X軸、Y軸があって、モーターが振動するようになっている。それがグラフに出るのですが、ほとんど動いていない。平たんに上がっている。  ところが、Bの四を見ると、一月一日の十九時、七時にオーバースケール、いわゆる目盛りをはね上がって消えてしまった。三八〇というところの数字の警報設定値をはるかに超えて上まで、天井まで届いてしまったということですね。そして、後、この振動がずっとたどって、最後にはもう大振動になって、警報が十四時間も鳴ってとめざるを得なかったというのです。これを見ると、三と四を見れば明らかにこの原子炉のポンプ、一番大事なところが異常が来ているということがわかりそうなものですね。関電の場合はその水を分析しておりますが、ここも恐らく調べているのでしょう。わかりそうなものです。  第二は、五、六の比較ですが、これは、水の量が変化をするときに水の速度が変化をする、そういうときに軸受けというポンプの温度が変わる。それが上と下が逆転をする、そういう図でありますが、これはAの方は何にも起こらずにずっと平たんに続いている。Bの、問題を起こしたのはこの十九時のいわゆる大振動があった、オーバースケールをやったそのときに上と下が逆になっている。逆になっていますね。  そこで、その七の表がありますが、これは十二月にこの発電所、この第三号機を四回原子炉が自動停止、手でとめたりあるいは起動する、原子炉を動かしている。要するに、原子炉がとまったり動かしたりしたときに起きる現象がここに何回かあらわれている。これを見ると、このときに何かが起こったということがどうしても考えられなくてはならないのですね。  それから三つ目には、八があるのですね。これは導電度というのですが、循環に真水を原子炉の中を回している。その原子炉に、真水の中に何か不純物、金属のようなものが入ると電気の通りがよくなるのですね。だから、いわゆる三十三キロの鉄が粉々になって中へ入り込んだんですから、電気の通りがよくなる。だんだんこれがずっと上がっている。  この三つを見たら、私は、現場ではこれは何か事故があるな、大変だなということで判断をすべきだったと思うんですが、このときにこれを継続させているということは非常に、後ではありますが、こういう資料を提出させてみて、適当な対処を欠いていると思うが、この点いかがですか。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 御指摘の東京電力の福島第二発電所の三号機でございますが、再循環ポンプの損傷事故につきましては、昭和六十四年の一月一日に御指摘のように警報が発生をいたしまして、原子炉をとめたのは一月七日でございます。その間、監視を強化しつつ運転が継続されておったわけでございます。この段階で運転マニュアルの上で明確な違反操作ということではなかったようでありますけれども、原子炉の再循環ポンプの振動警報が発生をしたときの運転マニュアルの方が規定が適切ではなかったということ、そしてさらには、御指摘のようにいろいろな異常な兆候が出ているわけですが、これに対して状況の正確な把握と原因の追求、迅速な対応措置を実施していく上で不十分、不適切な点がありまして、これが福島第二の三号機の事故につながった。これが小さいものが大きくなっていく、進展をし、拡大をすることを許した重要な要因になっているものというふうに考えております。そういう点で運転管理面で不適切な点があったわけでありますので、運転マニュアルの見直しと異常兆候に対する対応の強化というものを行わせまして、安全管理の徹底に全力を傾注するようにということで電気事業者を厳しく指導したところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 まず私は、今言ったように一日に重大な変化があったにもかかわらず、これを見過ごしておるということ、ごく簡単に聞きますが、この軸受け温度を一時調べたというのですが、何時、何回調べていますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  先生お示しになりましたこのチャートで軸受け温度がこういうふうに出ておるわけでございますが、こういう温度につきまして運転中に警報機でプロットをされておるわけでございます。それは各運転員がそれぞれのパトロールの頻度によりまして各項目についてチェックをしておるというわけでございます。それで、先生こういうふうにお書きになりましたし、我々も調査委員会でこういうふうに全体的な図を書きまして、いろいろな断面で見てまいりますと、やはりいろいろなパラメーターの異常性というのが出ておるわけでございます。そういう意味でやはり我々は、この振動あるいは軸受けとか一つのパラメーターだけじゃなくて、もう少し全体的にこの事象を総合的に判断すべきであった。ただ、発電所の所内の中でつくりました調査委員会があったわけでございますが、その中でもやはりこういうふうに全体的なパラメーターでいろいろな判断をすべきであったということは、我々も指摘しておりますし、先生おっしゃるとおり総合的な判断がなされるべきであったというふうに我々考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私の聞いたのでは、調べたのでは、この一月一日の十七時三十分にスラスト温度が若干上がりぎみだということを調べたと聞いておるけれども、あとは余り確認された時間が入ってないのですね。だから少なくも十分にそのときに気を張っておったかどうか、非常に問題がある。もう一つ、一月の四日の十時五十分ごろに、今あったこの発電所内の責任者を十人前後集めてトラブル委員会をつくっている。そこで、これは発電所の最高の技術陣等々のメンバーが集まっておりますが、そこで検討したときにこれだけの図を見て、そしてもう一つ大事なことは、過去二回、福島の第二原発、このサイトの中に一号炉を中心に同様の事故が過去に二回あった、羽根車が半分脱落したり、あるいはひびが入ったという。だから、その過去二回の経験、そういうものを生かすならば、当然所内の最高のレベルの連中が集まってこれだけのものを見て分析をすれば、過去の経験を生かしたら、これは何かあるということを気づかなくてはならない。それがなされていない。そしてこの二枚目の皆さんに差し上げたグラフですね、振動をもうちょっと大きくした図がここにありますが、これを見ればもうこの四日の時点でもまだまだ不安定な、警報は鳴らないけれども警報が鳴る一歩前の状況が起きている。こういうものをトラブル委員会を設定しながら見過ごしておるということはどうしても私は理解しがたい。どう判断しますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今先生御指摘の、一月四日にトラブルの調査委員会を設けて東京電力の発電所の中で調査を開始しているわけでございますが、振動発生大に加えてスラスト軸受け温度、ループ流量それから炉水電導度、これに問題があるということは、どうも今我々調査して、ある程度は意識したようでございますが、詳細な原因調査をしないで、その後振動が悪化していないというような判断で運転継続というのをこの委員会で判断したようでございます。  そういう意味で、我々としましては、先ほども申し上げましたように、全体的に判断すべきであったということと、もう一つは、今先生も御指摘になりました、過去二回この発電所で同様な再循環ポンプの事象が発生しているわけでございます。ですから、それを考えればもう少し慎重な判断をすべきであったということは我々もその調査報告の中で指摘しておりますし、その後の指導でも我々やってきているところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これはもう慎重であるべきだというような問題じゃないのです。この原子炉を動かすかとめるかは現場だけの判断でできるのか、東電本社の企業意思が入るのか。どうなんです、最終的に原子炉をとめる、動かすはだれが決めますか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  安全の観点でとめる必要があると判断される場合は当直長がとめることができます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私はいろいろ調べてみたが、企業の対応がなかなかわかりにくいが、これだけの事故が過去にあり、問題があれば当然本社に連絡をして指示を受けるはずなんです。そのときになぜとめないかという、これは一月の七日に定期検査が設定されておる。我が国の発電所は計画外停止が非常に少ないというので、これを、原子力年報にも出ておりますが、何というか誇りにしている。計画停止というのは定期検査等で計画的にとめていく。計画外停止というのは事故があってとめるわけですから、それが少ないということは安全ということを意味している。それが非常に少ない。だから、IAEA、国際原子力機関のローゼン部長もこの間来ましたが、彼は計画外停止が少ないという評価をしている。しかし、こういう形でとめるべき原子炉をとめずに一月七日の定期検査まで無理に持ち込むんだとしてこういう事故を起こしたとすれば、これは非常にこの計画外停止が、仮に少なくても問題のあることでないか。そういう点でどうしても、その当時、亡くなった人を云々するのはどうかと思いますが、一月の四日には東電の責任者である保修課長が自殺をしておるのですね。それが関連があるかどうか私はわからないけれども、とにかく大きな問題であったと思う。なかなかそれ以上は触れることは避けますが、こういう経済を優先させて安全を第一に考えないと大変な問題がある、こういうことを指摘しておきたいと思うのです。  そこで最後にこの問題について、六日に実は、ここの下に朝四時二十分に警報がまた出た、ブザーがブーと鳴ったのですね。そこで、それからこのポンプをマニュアルに言うように二〇%に下げるのに十四時間ほどたっておる。まず、運転マニュアルに違反はないというけれども、この差し上げた資料にありますが、「「再循環ポンプモータB振動大」発生時の手順」の第三に、「さらに、振動が継続していると判断した場合には、両ポンプの速度を二〇%にして当該ポンプを停止し、原因を調査する。」とある。これを見ると、前にもこういう警報が出、これだけの経過を経て、一月六日の朝四時に警報が出て、それからずっと十四時間警報が鳴りっ放し。ボタンを押せば音はとまりますが、電気が点滅する。そういう中で、明らかに振動が継続しているにもかかわらず、このポンプの停止は、初めは速度四九、そして二〇に落としたのはそれから十時間後。この八時間、十時間という時間を、これだけ継続していると見ていなかったのか。もし継続していると見たならすぐにマニュアルどおり速度を二〇%に落とすべきだった。この点で私は、現場においても運転マニュアルの、その当時のマニュアルの違反の疑いありと思いますが、どうですか。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  運転マニュアルにつきまして、適切に書いてなかった点という点も我々指摘している点でございます。それから、先ほどの発電所の中での判断というのも適切ではなかったわけでございます。  そういうことで、まず我々がやりましたことは、古い運転マニュアルを改正させまして、それで今回、再循環ポンプがこういう振動が発生した場合にはどういうふうに対応するかというのをもう少し具体的に書かせました。それで、主要パラメーター、先ほども御議論ありました振動、それから関連パラメーターということで、軸受けの温度、それからループの流量、再循環ポンプの速度、それから炉水の電導度、これらのパラメーターにもよく注意して確認をして総合的に判断してやるべきでありますが、地震その他で明らかに現象がわかっている以外は、振動が、警報が出れば原子炉再循環ポンプは直ちに手動で停止するというマニュアルに改正させました。そういう意味で、マニュアルについての不完全性という点もございましたので、早急に是正さしたわけでございます。これはほかの発電所についても同様の措置をとらせております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 運転マニュアルをどう改定したかということを聞いているんじゃない。そのときの運転マニュアルに違反であったかどうか、それを聞いておる。ごく簡単でいいから、どうなの。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  古い運転マニュアルで見ますと、振動が発生しました場合、振動が増加傾向にあるかどうかを判断するということがまずワンステップでございます。次に、モーターの振動とか軸受け温度、メカニカルシールの状態を監視するということでございますが、必要に応じポンプの回転数を下げて様子を見るというふうに次のステップでなっております。それで、さらに振動が続いている場合には再循環ポンプを停止するということで、その後事故停止ということでございますので、こういうようなマニュアルの記載面から見ますと、明らかに違反ということではございませんが、適切な措置とは言えないと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 明らかに違反でないけれどもやや違反なのか、それはどうなんだ。もうちょっと。

向準一郎資源エネルギー庁長官官房審議官

○向政府委員 お答え申し上げます。  今申し上げましたようなマニュアルから見まして、明らかにこの項目に違反しているということではないわけでございますが、やはり適切な措置がとられたということではございませんし、マニュアル自身も、先ほど申し上げましたように、もう少しきちっと的確に書いて、運転員が迷うことのないような判断がきちっと指示されているべきであるというふうに我々考えております。そういう意味で是正させました。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 どう改定したか、そんなことはいいんですよ。あったマニュアルどおりきちっとやるということが大事なので、それがやられていないじゃないか、明確なる違反ではないというけれども、違反に近い、疑わしき状況であった、こういうように私は思うのです。  そして、ついにこの原子炉はとまらざるを得なかったわけですが、これで八百億近い損失を結果としては東電は受けたという。だから、安全に十分力を入れていくということが、お金は多少かかっても、時間がかかっても、経済的に見ても大事だということ。この二年間原子炉をとめて東電のダメージは非常に大きかったと思う。これは、さきのSG、蒸気発生器と並んで我が国の原子力発電の安全性を確保していくには最も銘記すべき事故というか、参考にすべき中身である。そういう点では、多少技術論に移りましたが、ここで相当な時間をかけたわけであります。  総理、これを聞いておられまして、前のも含めてでありますが、我が国の発電所はなかなか国際的に評価は高いとされてはおりますが、技術過信、それから経済優先、そして安全性軽視というようなことがあっては大変なことになる。この点をくれぐれもこれから我が国の原子力行政に反映させていかなくてはならないと思いますが、その辺ちょっと総理から責任者として一言お伺いしたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、私は、原子力の問題に取り組む姿勢としては、第一に安全、第二にも安全ということをきちっと大前提としてそこに置いて取り組まなければならぬこと。今回はその装置が作動したというのですが、その作動するに至った原因は何であったろうかということも徹底的に究明をして、その上に立って今後の対応策を考え出していかなければならない、このように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 時間が切迫してきたのですが、問題をかなり残しておるのですが、ちょっとお伺いしたいのです。  原子力防災について、我が国はアメリカに比べて防災面ではかなりなおくれがある感じがしますが、私も二、三回予算委員会、分科会等でこれを取り上げて、自治省はかなり前向きな住民参加の防災訓練もやるべきである、研究したい、こういう態度を表明されているが、どうも科学技術庁の方は、これについて、幹部要員の訓練だけで結構だ、こういう意見のようにずっと聞いてきている。  そこで、美浜町の町長さんが、きのうの新聞を見ますと、この中で、今まで住民参加の訓練等は、そういうことをやると住民に必要以上の不安を与えることがあるかもわからないから、なるべくそういうことはやりたくない、こう言っておったが、こういうのが現実に起こってみると住民参加の訓練はやはりやるべきである、こう新聞に述べていらっしゃる。私もそうだと思うのですね。だから、それにはやはり国の一定の基準を示さなくてはいかない、原子力防災は、防災訓練に住民が参加をしてやらなくてはいかない、こういうようなことを何かで規定しなければ、地方は国が基準を示してもらわないとなかなかできない、こう言っているのでありますが、私は、ひとつぜひ住民参加の防災訓練が実現できるようにお願いをいたしたい。そういう点で、総理にひとつまとめてこれについてお願いしたい。――それでは、自治大臣と科技庁長官に。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 お答えいたします。  原子力防災訓練につきましては、その特殊性及び一般防災との共通点に着目した上で、防災業務関係者を中心に原子力防災特有の訓練を行うことが大切であると考えております。しかしながら、具体的防災訓練の実施方法につきましては、それぞれの地域の実情に応じて、実施主体である地方公共団体が判断して計画するものと認識しております。  なお、当庁といたしましては、住民参加の防災訓練については不可欠なものと考えてはおりませんが、防災訓練の実施主体である地方公共団体が、防災業務関係者の訓練に加えて住民参加の避難訓練を実施する場合には、これに協力しているところでございます。従来から、当庁といたしましては、こうした地方公共団体における防災訓練が充実するよう指導してきたところでございますが、今後とも防災対策の充実に努めてまいりたいと思っております。

吹田愰自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○吹田国務大臣 委員にお答えいたしますが、今も科技庁長官からも御説明ございましたが、この原子力の防災訓練につきましては、かねてから関係地方公共団体において地域の実情等を踏まえて、地域防災計画に基づいて実施されるものであるというふうなことでありましたが、御指摘のように非常にこの問題は大事な問題です。特に、今日まで梶山自治大臣あるいは奥田自治大臣等の先生に対する御答弁も私も議事録で拝見いたしておりますし、自治省としましても、こういった御意見を十分大事に、前向きに取り組んでいかなければならないな、こう思っておりますが、いずれにしましても、やはり自治体の御意見あるいは関係省庁の意見というものをまとめまして、御意見に沿うべく努力していかなければならぬ、こう思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 この問題はもうちょっと詳しくやってみたいのですが、ちょっと時間がないようでありますので、総理、これは何回も予算委員会で、あるいは分科会で論議をしたんですね、何時間か。自治省は今ちょっと控え目であるけれども、なかなか前向きな積極的な、住民参加してやるべきだという、消防庁長官も、また自治大臣もそういう見解を持っている。科学技術庁の方は、今答弁されたように、なかなかそういう点では、私からすればちょっと消極的であるというふうに思うのですね。消極的というか、まあ必要ないという、極端に言えば。  これは私は、原子力防災訓練は自治省、まあチェルノブイリで亡くなったのは三十一名のうち二十八名の、三百名と言いますが公式は三十一人、二十八人は消防士が亡くなっておるんですね。だから、自治省は事故が起きたら現場の第一線で非常に関係のあるところなんです。それと、科学技術庁はもちろんこれは原子力行政の元締めです。この意見が違うということは非常に問題があると思うのですが、住民参加の防災訓練は、今現実に起こっているこの美浜の町長さんの声も切実でありますが、ちょっと総理から見解を伺いたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 原子炉の問題は極めて専門的な問題でもあり、また昭和五十五年の原子力安全委員会が決定で示しておりますとおり、防災の特殊性及び一般災害との共通性に着目した上で、防災業務関係者の訓練を中心に行ってきておるところでありますが、それはあくまで事故を起こさないという、直接関係当事者に対する心構えと日ごろの訓練と防災に対するより一層の努力をさせるべきものでございます。  それから、住民の皆さんとの関連においては、住民の皆さんがこういったことに不安を抱かれないように、そのときどきの情報を流すとか、あるいは地域の特性に応じて必要とあれば、そういった原子力発電所のあるところの住民の皆さんが自発的に、どのような場合にはどのような警報を受けるとか、どのようなときにはどのような行動をとるとかいうような防災訓練についての、基礎的な考え方や物の運び方等について日ごろから情報を得ておきたい、自分も参加して訓練をしておきたいという御意向があれば、それは地方自治体もともに発電所と相談をしながら計画して対応していくべきものであろう、私はそのように受けとめております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 非常に納得しがたい答弁ですね。自治大臣の方はもっともっと積極的な御答弁、住民参加はやっぱりやった方がいい、総理のは自治体に任せているというようなことですね。やっぱりこれは積極的に国で、防災訓練に住民参加をやるべきだ、こういうような方向を出さなくてはならないと思うのですが、もう一言、総理、踏み込んでひとつ御答弁願いたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 政府としては、関係地方公共団体がそれぞれの地域の実情を踏まえた上で、原子力防災訓練の一層の充実に努めるように指導してまいる考えでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 もう一つ、私は米にかかわる問題でどうしても五、六分伺いたいことがあるので、非常に残念ですが、この問題は納得できないということで一応打ち上げたいと思います。総理は、できる限り努力されるというならば、ぜひひとつそれを内部で論議をしてもらって、善処をさせていただきたい、住民参加は必要なんだという方向に善処をさせてほしいと思います。  そこで、五、六分の時間になったのでありますが、ウルグアイ・ラウンドの米の問題をいろいろと伺うつもりでおりましたが、時間の点からこれは私は一般質問等に譲って、また農林大臣、外務大臣、通産大臣の一般質問で所見をただしたいと思います。  そこで、あと五分ほどになりましたが、今米の自由化は断じて私は許してはならないと思いますが、しかし内外の米の価格差は、これはぜひ縮めなくてはならない。そのためにはできる限り大型の機械が有効に使われるようにしなくてはいかぬ。そうなりますと、これは北陸あたりでは、集落で大型機械を集中して使う場合に一反十五、六時間というような労働時間でやられるところも出てきておるわけでありますから、これからのことを考えると、大型の機械が有効に動く、効率的に動く、そのためには規模を、まず湿田を乾田化するということ、それから圃場を、一枚の田んぼをできるだけ大型にする、こういうことがぜひ大事です。そういう意味では、今私は農業の基盤整備や土地改良がさらに今日の状況の中で必要だ、こう思っておるのですが、どうも財政審やあるいは行革審の中では、米が余りぎみであるから、だから土地改良や基盤整備は削ってしまえ、こういう乱暴な意見があると聞いて非常に遺憾に思っておりますが、担当大臣どうお考えになるか伺いたい。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 お答えをさせていただきます。  先生常日ごろから土地改良問題について御関心と御理解と御協力をいただいておりますことを、この席をおかりをしてまたありがたく思っておるわけであります。  今先生御指摘のような状況で、土地改良の事業費、そして機械化導入、コスト軽減、こういう問題については、この国際化農業の好むと好まざるとにかかわらず激しい変化に対応していくには、まずは基盤整備をきちんとやらなければ対応できないわけでありますから、そういう意味では、平成元年から一ヘクタールの大規模圃場整備についての制度化もいたしましたし、今お諮りを申し上げております平成三年度の予算の中でも一区画二ヘクタールというようなことと、そしてできるだけ面的な集積をしながら機械化導入でコストを下げると同時に、共同化、受委託等の促進を図るためにも、土地改良等に、その促進に対策するための費用を交付をしたりというようなことで積極的に進めていく決意でございますので、御理解いただきたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 最後に総理にちょっと伺いますが、農村では、山間僻地では過疎化をどんどんして、こういう中で若い人がなかなか定着しない。これはもうどこにも起きておりますが、今や平場においても若い人がなかなか定着しにくくなっている。それは農村の生活が、所によってはしっかりしたところもありますが、多くは下水道等やそういう生活環境がやはり都市に比べて格差がある。そういう点で、企業が来ても若い人は農村にいない。まして農業の後を継ぐ若い人がいない。こういう点で、農村の生活環境といいますか生活基盤をさらに拡充することが、若い人を農村に、平場に残すという点からも大事であると思いますが、こういう面にもっと農村基盤を整備をする、こういう必要がこれからともあると思いますが、さきの農業基盤の整備とあわせてちょっと所信をお伺いしたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 都市と農村との生活環境格差の是正といいますか、今おっしゃったような下水道の整備とか生活環境をよくすること、同時に私は、さらにもう一歩進んだところで都市と農村との文化に触れる度合いの格差の是正、あるいは農村にある独自の文化を育成していくために、地方の文化の育成のためにもっと意を用いなければならないとか、いろいろな面で、おっしゃるとおりに、生活していくという環境、経済面のみならず生活環境も心の面でも格差が是正されるように努力をしていかなきゃならぬというのは、今後の農村を考える上において重要な問題点であると認識し、努力を続けてまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 それじゃ、問題は幾つか、随分と残しておりますが、一般質問に譲って質問を終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて辻君の質疑は終了いたしました。  次に、佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 まず先に、自衛隊機の海外派遣の問題についてお伺いいたします。  工藤法制局長官にお伺いいたしたいと思います。  私は、前の臨時国会でいわゆる国連平和協力法案審議のとき、ずっと聞いておりました。あのとき、工藤さんの態度は大変すばらしいなと思って感心して聞いておったのです。なぜかというと、何といいますか、閣僚が発言をして、これはできると言っても、あなたは出てきて、いやそういうことはできませんとはっきりと否定しておったりいたしました。法の正義を守るという姿勢、まことに私は感激して見ておりました。  例えば国連に輸送船を貸してやる、貸してしまえばそれに何を積んでいるかわからない、武器弾薬でも積んでもいいのか、そういうような発言をして、閣僚がしょうがないだろう、こういうような発言をしたのに対して、あなたが出てきて、そういうことはできません、憲法に抵触する懸念がある、こう言って否定されました。その後、閣僚が今度はあなたの発言に従うような発言をしておった。すばらしいことだなと思って聞いておりました。新聞はこれを下克上だと冷やかしてもおりました。今までは、閣僚が発言をすると多少間違っておっても下の人は一生懸命それにつじつまを合わせようとしてごまかしてきた。――いや、行政官としてはやっぱり下ですよ。大臣が言ってもばんとしてこれを、法のためには正しさを毅然として発言する、こういうことでありまして、本当にすばらしい人だなと思っておりました。  ところが、今回を見ますと大変私はがっかりして、残念だなと思っておるんです。今回のこの問題はだれが見たってあれですよ、法を改正しないで政令だけで勝手にできるなどと言う人は、常識的に見てほとんどだれもいない。百条を改正しないで政令だけで戦争しておるところへ自衛隊機を飛ばすなどということは大変なことなんです。私は今までいろいろ新聞、雑誌、テレビ、あるいはいろんなのも見ていましたけれども、ほとんどの人が法を改正すべきだ、こういう主張をしている。全野党が全部主張している、それも。自民党の中にもかなりそれを主張している人がいると私は思うんです。こういう中であなたはほとんど政府の態度に同調、まああなたも政府の一員ですけれども、同調してきているということは、前の臨時国会のあなたのやり方から見て大変私は首をかしげている。なぜたった二月か三月しかならないのに、君子豹変したという言葉がありますが、どういうあれで豹変したのか、あなたの御所見をお伺いしたい。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答えいたします。  今回の政令についてのお尋ねが中心だと思いますが、私といたしましては、今回の自衛隊法の第百条の五の授権の範囲内におきまして政令を制定することが相当である、かように考えております。  多少敷衍して申し上げれば、自衛隊法第百条の五第一項によりますれば、「長官は、国の機関から依頼があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者(次項において「国賓等」という。)の輸送を行うことができる。」かように書かれておりまして、その政令におきまして代表列挙されたものとかけ離れたものを規定することは予定されていない、かようには申しておりますが、同時にかけ離れているか否かは、高位高官であるか否か、いわゆる社会的地位にのみ着眼して判断すべきものではなく、その者の置かれた状況なり国による輸送の必要性、そういったその他諸般の事情を総合して評価すべきである、かような意味におきまして自衛隊法百条の五の第一項の授権の範囲内である、かように考えて政令を制定するのがまた相当であると考えた次第でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 まあ事の始まりは、何といいますか、東京サミットを控えて来賓を運ばなければいけない、こういうことからこの問題が始まったようではあります。サミットの出席者を送迎したり天皇も乗られる。この運航を自衛隊が担うために自衛隊法を改正して五をつくった。自衛隊が任務を果たすためにできる行動は一つずつこの法律で決めてあるんです。なぜこういうふうに自衛隊の任務を一つずつ決めてあるか。武装した集団というのは暴走すれば非常に怖い。今までも戦争前にああいうふうに関東軍が暴走したり陸軍が暴走したり軍部が暴走してああいうような大変な惨禍をこうむって国を滅ぼすことになった。  これに対する一つの反省からこの自衛隊については自衛隊法で一つ一つその行動が全部決めてあるんです。一つ一つ法律で決めなければできないように決めてある。これによって文民統制ができているんです。文民統制のこれは大変な大きなブレーキ、力になっておるんです。それを法改正もしないで勝手に変えれる、こういうことになったら文民統制、シビリアンコントロールなんというものはなくなっちまう。強引にやれば何でもできる、政令で勝手にできる、こういうことになれば文民統制などというものは存在しなくなる。  こういうようなことを言っている人がいる。これまで、海外の日本人を救出するようなときでも百条の五の規定ではそこまでは読めない、その場合には自衛隊法の改正が必要であるというのが今までの政府の答弁でありました。自衛隊の海外派遣は、国連平和協力法案の廃案によってこの前にはっきりと否定されているんです。そこで政府はこう考えた。法改正はとっても無理だから法を曲げて抜け穴を探そう、髪の毛一本のすき間でもいい、何とか工夫できないかと橋本蔵相が言ったという。これは私が言ったんじゃないですよ。新聞に書いてある。そこで総理大臣は何とかならないかと言って内閣法制局長官に勧めた、内閣法制局長官、やってみましょうと答えたのが今回の始まりだ、こう書いてある。前に中曽根元総理は針のめどをくぐって解散した、今度は髪の毛一本のすき間をくぐってごまかしてやろう、こういう態度というものはこれは民主主義の態度じゃない、こういうふうに思います。いかがですか。法制局長官。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 今委員、新聞報道等を引用して申されました。先ほど申し上げましたように、私といたしまして自衛隊法の百条の五第一項のいわゆる委任、授権の範囲内、かように考えたわけでございまして、その理由につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 いつも同じことをぶっ壊れた蓄音機みたいに盛んにしゃべっておるのですけれども、こういうこともあるのですよ。あなたの先輩で海原さんという人がおりますが、三自衛隊の任務は法律によって規定されなければならない、これが過去の政府の解釈、方針である、東京オリンピックの支援活動の実施についても法律で規定したではないか、当然法律で定めなければならない、それを今回限りの特例であるからというのは、まさに三百代言だ、これを容認した内閣法制局は全くおかしい、こう言っていますが、何かこれに対する所感はないですか。相変わらず同じことを言われますか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 過去に、在外邦人の救出を自衛隊が任務として行うということと法改正の必要性との関係につきまして答弁があることは承知しております。ただ、これらの答弁につきましては、自衛隊法に自衛隊機による国賓等の輸送の規定を加えるため、昭和六十一年でございましたか、同法改正案を御審議願う際等に、自衛隊に自国民の保護としての在外邦人の救出、これを一般的な任務として恒常的に行わせるためには法律上任務を付与する明確な規定が必要であろう、こういう趣旨を述べたものと考えております。  それで、今回の航空機によります避難民の輸送の関連の政令でございますが、これは、湾岸危機という重大な緊急事態、我が国にとりましても重大な緊急事態に伴って生じました避難民について、国連の委任を受けた国際機関の要請を受けて、人道的見地から臨時応急の措置として行うものでございまして、こういうふうな個別具体的な事態に対する措置としての輸送、これは自衛隊法百条の五の規定が予定する範囲である、かように考えている次第でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 もう一遍お尋ねします。  この内閣法制局というのは、内閣をして法の運営を誤らしめることのないように、その職責大変重く、そしてすばらしくこれは名誉な職責だ、こういうふうに思います。その職責にかんがみまして、今回の政令で飛行機を飛ばす、こういうようなことが果たして、あなたが法制局長官というこの職責、あなたの職責の良心に照らして、本当にこれは正しい、こう思っておりますか。もう一遍所信を述べてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 内閣法制局は、その所掌事務としまして、法律問題に関しまして内閣並びに内閣総理大臣あるいは各省大臣に意見を申し述べること、かような所掌事務を有しているところでございます。それで、私はそれにつきまして、誠実にその職責を果たしていこう、かように考えております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 日本流に言えば仕方がないでしょうが、どうも国民が納得しないと思います。  それではさらに続けます。  政府のこの間出した統一見解、この中で、今あなたがおっしゃられたようなことが書かれてありますね。「前記文言に代表列挙されたものとかけ離れたものを規定することは予定されていないが、かけ離れているか否かは、高位高官であるか否かという社会的地位にのみ着眼して判断すべきものではなく、その者の置かれた状況、国による輸送の必要性その他諸般の事情を総合して評価すべきである。」こういうふうに書いてありますね。今回難民はかけ離れたものであるということはできない、こういうふうにあなたは言っておりますけれども、この百条の五は、御承知のとおり、国賓だとか天皇だとかそういう人を乗せるのが目的なんですね。それは認めますね。いかがですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 自衛隊法の第百条の五第一項は、先ほども読み上げましたが、防衛庁長官が、国の機関から依頼がありました場合に、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、航空機によって国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができると書いてございます。確かに、昭和六十一年でございましたか、この百条の五を追加いたしますときの契機といたしましては、先ほど防衛庁長官からもお答えがございましたが、いわゆるスーパーピューマでしたと思いますが、そういうものを導入した、それを契機といたしましてこの百条の五が追加されたことは事実でございますが、ここの規定におきましては「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」かように規定されているところでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 この法律の規定された、できた由来からして、国賓というものがもう中心になることは確実なんです。今お話しのとおりであります。  そこでお伺いしますが、例えば、これはひょっとすれば極端になるかもしれませんが、ここにずっと並べた内閣総理大臣、いろいろなのがずっと並ぶんですね。天皇陛下から並んでいる。そして内閣総理大臣の次に難民というのが来るのですよ。おかしくないですか。どうですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 自衛隊法の施行令、ただいま委員御指摘になりましたが、この第百条の五第一項に基づきます自衛隊法の施行令といたしましては、第百二十六条の十六に一号で「天皇及び皇族」がございますし、それ以下五号まで確かに書いてございます。そのような者がここの百条の五第一項の委任の範囲ということはもちろんでございます。それに加えまして、今回の政令におきましてこの百条の五第一項の「航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」の委任の範囲といたしまして、いわゆる国際機関から要請のあった湾岸危機に伴って生じた避難民、避難民として要請のあった者、こういうふうなことを書き加えたわけでございます。失礼いたしました。書き加えたというのは適当でございません。そういう政令を制定した次第でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 これは、法律というのは常識が昇華したものだ、こう言われておりますけれども、だれが考えたって「天皇及び皇族」「国賓に準ずる賓客」「衆議院議長及び参議院議長」「最高裁判所長官」「内閣総理大臣又は前二号に掲げる者に準ずる者」そして第六番目に難民、常識的におかしくないと言う人がおかしいと思うのだけれども、私は。まあいいでしょう。大丈夫ですか。  それでは、もう一つお伺いします。いいですか、かけ離れたものはあれしてないけれども、と書いてありますね。かけ離れているものはだめだ、こう書いてあるけれども、それはそのときそのときによって違うと言うけれども、非常事態で救出を待っている邦人を救出することはできない、こういってあなた方は答弁しておりますけれども、そうすると、難民はかけ離れていなくて非常事態で救助を待っている邦人はかけ離れているんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 ただいまの委員の御指摘は、過去の答弁との関連からということだろうと存じますが、先ほどお答えいたしましたように、自国民の保護としての在外邦人の救出を一般的な任務として恒常的に行わせる、こういうことを観点として、そういう趣旨で過去の答弁は申し述べられたものと存じます。現時点におきまして、そのような要請がまたあるとも考えておりません。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 今の答弁はよくわからぬのですがね。現時点においてそういう要請があるとは考えておりませんというのはどういうことです。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 政令を制定いたします場合に、当然のことながら実態判断、政策判断が先行するわけでございまして、そういう意味で政策判断あるいは実態判断としてのそういう御要請をまだ私どもの方、政令制定の必要性という意味での御要請を受けていない、こういう意味でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 そういう法律をつくれという要請を受けていないからつくれない、こういうことですね。そうですね。しかし問題は、どっちも非常に困った立場に置かれているのは同じなんです、立場は難民でも邦人でも。それを、そういうあれは要請ないかもしれないけれども、ないかもしれないけれどもですよ、同じような立場にあったらそれを、片っ方はできて片っ方はできないというのはおかしいじゃないですか。片っ方は、日本人の方はかけ離れて、難民の方はかけ離れてないというのですか、あなたは。おかしいじゃないですか、これ。――いやいや、あなたじゃない。要らない要らない。いやいや、いい。政策判断じゃない、今はあれを聞いているんだ。法制局長官来てください。あなたは関係ない。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 私ただいまお答えしましたのは、避難民の輸送の問題と邦人の救出の問題、決して邦人の救出の問題がかけ離れていないとかかけ離れているというふうなことを申し上げたつもりはございません。  現在、私どもといたしましては、政令案の御要請がありましたときに、その政令案を審査する立場にございます。その場合に、法律の授権の範囲内であるかどうかということを審査する立場にございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、まさに今回の避難民の輸送ということにつきましての政令案の立案ということが行われました。それを私どもは審査した、かような立場でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 まあ、政府から聞かれたから答えただけだと、おれは知らぬという答弁であります。後からそれじゃ政府にもお聞きしましょう。  それからもう一つお聞きしたいのは、社会的地位だけに着目しないで国による輸送の必要性を評価すべきだ、こういう新しい項目が一つ出てきましたね。まさに私はそのとおりだと思うんです。これはこれに書いてあるとおりだと思う。国による輸送の必要性があるかないかを評価すべきだ、本当にそのとおりだと思います。だからこそ百条には、百条の二、三、四、五と任務をはっきり書いてある。国ではこういう者を輸送するんだと書いてあるんですね、二、三、四、五。だから、難民を運ぶというのならばはっきりと難民を運ぶと、五の次に六をきちっと明記すべきじゃないですか。それをなぜ明記しないで、こっちでできるといってごまかすような、非常に私はおかしいと思うんですよ。――だからだめなんだよな、ケース・バイ・ケースだから。  そこでこの場合、いいですか、こういうのがあるんです。八六年の十二月の参議院内閣委員会で大森内閣法制局第二部長、こういうふうに答えているんですね。その他の政令で定める者の内容はまさに政令で定めるわけだが、国賓、内閣総理大臣という例示、列挙がある。例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定していないという場合にそのような表現を使うというのです。これを見ますと、この難民というものは、かけ離れてないと言うから、難民というものはこのとき予想しておったんですか。こう書いてあるんです。予定してないときにそういう――そうすると難民というものは、ここにはっきり出てくる、出てきてもいいということになれば、これは予定しておったということになる、この法律をつくったときに難民を既に、こういうものを。どうですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 ただいま御指摘の昭和六十一年の十二月四日の点でございますが、これにつきまして申し上げますと、久保田真苗議員からの御質問にお答えいたしまして、   先ほど防衛庁から答弁がございましたように、「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございますが、「国賓、内閣総理大臣」という例示、列挙がございます。したがいまして、この例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこのような表現を使うわけでございます。   したがって、その範囲内で具体的にどのようなものを政令で定めるかということにつきましては、ただいま関係省庁の間で検討を始めておられるようでございますので、その案ができ上がりましたならば、私どもの方で法律で委任された範囲内であるかどうかということを慎重に審査さしていただく予定にしております。 かような答弁でございます。いずれにいたしましても、その範囲内で、法律で委任された範囲内であるかどうかという点を審査していく、こういうことを申し上げた次第でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 その結果はどうなったんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 その結果は、現在の自衛隊法施行令の百二十六条の十六のうち、現在二号から五号まで並んでおります分、すなわち、第二号で「国賓に準ずる賓客」、第三号で「衆議院議長及び参議院議長」、第四号で「最高裁判所長官」、第五号で「内閣総理大臣又は前二号に掲げる者に準ずる者」、かような形になりました。それがこの六十一年の末でございましたでしょうか、のときの政令の姿でございます。その後、六十二年だったと思いますが、第一号の「天皇及び皇族」、これが追加になったわけでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 それで、今度は難民がどうしてくっついたんですか。  いいですか、こう書いてあるんですね。例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこういう表現を使う。これを逆に読めば、このとき予定してなければ難民なんてつけられないじゃないですか。天皇陛下をつけるのはいいですよ、国賓じゃないけれども、似たような立場の人だから。だけれども、その場合に、それでは難民みたいな、みたいなと言ってはおかしいが、難民みたいな人をここにくっつけることを既に予定したということになるんです。これ、裏を見れば。初めからもう難民を運ぶということを予定したんですか。どうぞ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 法制定時に予定していなかったものといたしまして、先ほど、天皇及び皇族というのはその翌年に追加された、こういうことを申し上げたわけでございます。さらに今回、湾岸危機に伴いまして生じました避難民につきましての問題が出てまいりました。それは、先日当方から国会の方へお出ししました過去の答弁との関係について、あるいは授権の範囲についてというふうなことで申し述べているところでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 大分苦しい答弁ですが、そういうことを聞いているんじゃないんですよ。かけ離れたものを予定してない、そう言っているから、その逆を見れば、難民というものはこのときかけ離れてないものに予定していることになるんじゃないですか、これ、裏から見れば。私は、天皇及び皇族がこれに追加されたこと、これはいいと思いますよ、国賓だとか総理大臣だとか何とかとずっと書いているから。同じ範疇に入ると私は思いますよ。しかし、難民がこの範疇に入るとは私は思わない。だれが見たって思わない。だから私は言っているんです。ここに例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこういうような表現をする。逆から言うと、難民はどうしても入ると言うならば予定したことになるじゃないですか。まさに三百代言だ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 この例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定していないということをお答えしているわけでございまして、いずれにしましても、そのときの答弁におきまして、その範囲内で具体的にどのようなものを政令で定めるかというふうな点につきまして、法律で委任された範囲内であるかどうかを「慎重に審査さしていただく予定にしております。」こういうことで、その段階におきましては、現在の二号から五号までに掲げられたものが政令の対象になったわけでございます。  それでまた今回におきまして、先日のペーパーにおきます(三)におきまして、繰り返しもう申し上げませんが、こういう場合には、「そのような避難民は、航空機を用いて国が輸送する対象として、前記の代表列挙された者とかけ離れた者である、ということはできない。」かようにお答え申し上げているところでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 それはちょっと……。それともあなたの答弁で国民が納得すると思いますか。もう絶対に私は納得しないと思いますよ。あなたはここのところを、難民がここに、内閣総理大臣の隣に来る、こういうことに何にも、矛盾も何のためらいも感じませんか。もう一遍どうか答弁してください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、自衛隊法第百条の五の授権の範囲内にございますものは規定し得る、そういう意味でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 そのときの答弁にこういうのがあるんです。友藤さんの答弁に、「法律の規定をごらんいただきますと、そう広範囲に依頼によりまして何でもできるというような規定ぶりではございませんで、「国賓、内閣総理大臣」という列挙がございます」、御心配くださるな、自衛隊においては絶対にそういうようなことはいたしませんと、こうして書いてあるんですよ。それに突然難民が飛び込んでくる、こういうことは常識的に考えてどうしたって考えられないことなんだ、これは。さっきも言うように、一髪のすきでもあったらごまかしてやれ、こういう命令であなたはやっているとしか思われない。あなたは良心に恥じませんか、これを絶対に大丈夫だと言ってここで主張して。どうですか。もう一遍あえて聞きます、これは大事なところだから。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 自衛隊法の百条の五の授権の範囲内にある、かように考えられるものにつきましては政令を、それに基づきます政令を制定することができる、かように考えております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 何をか言わんやですね。それでは総理に今度はお伺いしましょう。  自衛隊法の改正の趣旨というものははっきりしていると私は思うんです。自衛隊法で、さっき言いましたように、自衛隊という武装集団を統制するためには自衛隊の行動は一つ一つこの法律で決めるんだ、だから今まででも百条の三、運動競技に対する協力、百条の四、南極地域観測に対する協力、そして百条の五で国賓の輸送等、こういうふうに書いてあるんです。一つ一つきちっとみんな決めてあるんです。あなたの言われるように政令でみんなやるということができるんならば、こういうことを一々決める必要はないです。国が必要であるならば自衛隊は協力することができるという一つ決めておけば、あとは政令で全部できるんです。そういうことをやられちゃ困るからわざわざ細かいことを、運動競技、オリンピックのときはオリンピックしかだめですよ、南極は南極しかだめですよ、国賓を運ぶのは国賓しかだめですよ、こういって一つ一つ決めてある。この一つ一つ決めているということが大事だ。これが文民統制、シビリアンコントロールの一つの大きな力になっているんです。それを取ってしまったら、あなた、シビリアンコントロールを取るということと同じですよ。いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 御指摘のようなことがきょうまで一々決めてあったということは、そのとおりだと思います。したがって、先ほど来御議論になっておりますが、今度の事件はまさにイラクの侵略によって突然避難民が出てくる。難民は難民はとおっしゃいますけれども、私は、人間としての尊厳というものは変わりないと思うのです。同時にまた、あのような戦災に、戦闘の被害によって被害を受けた人に対して、我が国の憲法もやはり国際協調主義を高らかに宣言しておるわけでありまして、いずれの国家も自国のことのみに専念してはならぬという宣言を書いた憲法の理念を持っている国としては、できるだけのことをしてそれはこたえなければならぬ。  国際機関からも要請が具体的に来たらどうするか。そのときには、やはり第百条の五に明らかに書いてあるわけでございますし、「政令で定める者」と書いてありますから、政令できちっと定めて難民の皆さんのために日本もできるだけの協力をしよう、これは文民統制の問題とは別の問題でありまして、文民統制できちっと決めて、政令は閣議できちっと決めてそれを示して行っていくわけでありますから、そのように私どもは受けとめております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 「政令で定める」というのは、どの項目にも、二でも三でもみんな「政令で定める」と書いてあるんです。だから政令で定めるから何でもできる、こういうことをやるということは、これは大変危険なことなんです。いいですか、私どもは難民を救うななんてだれも言ってませんよ。救えと言っているんです。だから私どものボランティアの人たちも、金を集めて現実に行って今難民を運んでいるんじゃないですか。難民を運ぶなとは言ってないんです。自衛隊機で運ぶ、勝手にどんどんどんどん法律を改正しないでやるということは大変文民統制上から危険だから、これをやるならば法律を改正して堂々と諮ってやりなさい、何でそういう髪の毛一本から、すき間からはい出すようなごまかしをやるのか、ここのところが一つ破れれば次から次へとみんな破れていくから、きちっと守らなければだめだ、事は憲法と自衛隊の問題だからそういうふうにしなければいけない、こう言ってやっているので、外国から要請があってそれを助けるというようなことを私の方は何も妨害してないんです。現にやっているじゃないですか。自衛隊が出ていかないでもたもたしている間に、ボランティアの民間機はどんどん行って運んでいますよ、今。どうですか。運ぶなじゃないんです。正々堂々と、やるならばごまかさないで法を改正してやりなさい、まさに法の趣旨はそのとおりじゃないかと、こう言っているんです。難民にこじつけて自衛隊を勝手に飛ばす、こういうことはだめですよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 難民の移送ということを大きな前提に置いて政府も対応しておりますから、これは既に四機民間の航空機にお願いをして、要請を受けたベトナムに対する輸送は完遂をしておることは委員御承知のとおりでございます。また、民間の皆さんがヨルダン航空をチャーターしてアンマンからカイロまで運んでくださるということ、それに関しては私も、この間うちこの委員会で率直に敬意を表するとともに、日本が国を挙げて国際協力に参加をしていく、できるだけ人道的な立場に立って非軍事的な面で協力をしておるということが姿としてあらわれることは好ましいことでありますし、IOMという機関に対しても、このような動きがあるからこれについては合理的に対応されたらどうかということをお取り次ぎもし、そのようなことが行われておることも事実でございます。  ただ、いろいろな場合を想定して、我々が想定できないような場面が出てきたときに、民間航空でどうしても対応できないときに軍用機も民間機もいいですねという要請があれば、そのときの対応をしておかなければならぬのは、これは政府のある意味では責任でもありますから、その対応として、百条の五を素直に読んで、「内閣総理大臣その他政令で定める者」と書いてございますから、それを政令で定めるということも検討をし、そして文民統制に従って内閣でそれをきちっと決めて、この湾岸危機の問題で難民が出てこなくなる、あるいは国際機関からの要請がなくなれば、この政令を今おっしゃるように百二十六条の十六の六号に加えると恒久的に続いていく一般的な任務になりますから、今回のことだけに限って、湾岸危機の問題だけに限って政令として書いた。一般的、恒久的な任務にするのではなくて、今回の要請に具体にこたえることにする、こういうのが法制局の相談した見解でもありますから、それに従ってそのようなことにして、具体要請があったときに対応しよう、こういうことでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 法制局長官にお聞きしますが、この百条の五のところに、括弧で閉じた、何というんですか、表題というんですか、「国賓等の輸送」ということがあります。これはどういう意味を持っているんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 今の委員の御質問は、この百条の五の右肩についている括弧書きの件かと思いますが、これは私ども見出しというふうに呼んでおります。この見出し、この百条の五で申し上げれば「国賓等の輸送」と、こういうことでございますが、この見出しというのは、いわば各条の内容を比較的簡単にかつ検索しやすいようにといいますか、その内容を理解しやすいようにといいますか、そういう検索なりの観点からつけられているということでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 これは、そうするとあれですか、法律のこの条文としては何の意味も持っていない、ただ辞書引くとき簡単だからこれをつけているという、そういう意味ですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 この見出しにつきましては、実はいわゆる戦前の法律等にはついておりませんでした。戦後、いわゆる法令の民主化あるいは一般国民への理解の浸透と、こういった観点から見出しをつけるのが一般的になってきております。もっとも、戦後と申しましても、必ずしも戦後の法令すべてについているわけではございませんが、最近では私どもは極力この見出しをつけるよう努力しているところでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 だから、要するにあってもなくてもいいということですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 決してあってもなくてもいいようなものを法律の中あるいは政令の中に書く気は、また書くつもりはございませんし、また、この見出しというのは、私どもあるいは一般の国民の方が法令を見ましたときに非常に理解しやすいといいますか、そういう意味の役目を果たしているわけでございます。決してあってもなくてもいい、かような趣旨のものではないと思っております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 あってもなくてもいいとは言われないけれども、まああった方がいいと、こういう程度ですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 先ほど申し上げましたように、戦前の法律あるいは戦後しばらくの間の法律等には見出しはございません。そういう意味では、見出しがないからこの法令がそれで意味がないとかいうことではございません。また、最近の法令におきましては原則見出しをつけております。そういう意味で、むしろ理解に資する等々の役割が当然ここにあるものだと考えております。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 この見出しは、法律をつくったとき、国会でつけるんじゃなくて、それを受けたあんた方が法律のこの辞書みたいなやつをこうつくるときつけるんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 この具体例で申し上げますと、この自衛隊法の百条の五を追加いたしましたときの法律案におきまして、政府から御提案申し上げたわけでございますが、政府から御提案申し上げましたときに、この百条の五の右肩に「国賓等の輸送」という見出しをつけて案を御提出申し上げているところでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 私は、その見出しそのものというものがその法律の一つの項というものの大変に大きな締めくくりだと、こういうふうに考えていますが、見出しをつけたということ、これはこれを書いてあるんだというのが見出しでしょう。見出し以外のやつを書いたら見出しになりませんからね。見出しをつければ、その見出し以内のものがここにあるということの一つの表示でしょう。そういう意味では、これは単にあってもなくてもいいものじゃなくて、あるからには厳然として存在するものだ、こういうふうに私は思うのです。だから、この中に「国賓等の輸送」と書いてある。今までの政府の主張からいうと、この「国賓等」の「等」の中に難民が含まれているということになるのですが、この見出しの中に、「国賓等の輸送」というとき、この中に難民が含まれているとかそういうようなことはだれも考えてない。「国賓等」というのは、大体それに準じた人が書かれてあると。単なる見出しじゃなくて、その法文の条項全体をきちっと束ねている一つの問題だと思いますよ。そうでなければ、ここにこれがありますよといったって別のものがあれば何にも見出しにならぬですよ。どうですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 見出しに「国賓等の輸送」とございます。したがいまして、国賓あるいはそれ以外の者、等の範囲の者の輸送をするというのがこの見出しの趣旨でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 じゃ、非常に極端なことを言いますが、もう犬でも豚でも馬でも何でも運べるということなんですか、「等」がありさえすれば。冗談じゃないですよ。「国賓」とついている。難民も運べれば国賓も皆運べるというならば、国賓に対して、天皇に対して失礼じゃないですか。「国賓」と書いてあるのですよ。何でも運べると、冗談じゃないですよ。失礼だから言っているのですよ、私は。どうですか。あんた、常識的に考えて、これが何でもかんでも、「等」というものがあれば何でもかんでも入る、そういうふうに思うのですか。本当に思うならば、私は本当にあなたの常識を疑うよ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 ただいま見出しについての「国賓等の輸送」の「等」の範囲で御指摘がございました。法規範として正確に働いてまいりますのは、百条の五の一項のその文章の中身でございます。その文章の中身、文章におきましては「航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」これが規範として働いてくるわけでございまして、まさに見出しとしてそういうものを簡略化して「国賓等の輸送」、かように表現しているわけでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 さっきの在外邦人の輸送ということに戻りますが、この前の八日の日、私の方の和田委員の質問に答えまして、この前出してきた政府の統一見解に対して、これはどうも何かよくわけのわからないことを言っているようなのでお聞きしているのですけれども、和田委員は、  この自衛隊法百条の五の「その他政令で定める者」は、置かれた状況や国としての輸送の必要性から規定されているということでありますね。海外の邦人救出はこの条項に従って今回と同様な特例政令を定めればそれで可能ということになる論理につながっていくと思うのですが、つまりは一般的任務とするには法改正を行わなければならないが、特例の、今度のようないわゆる特例政令という形にすれば法改正なしにできないことはないという、そういうことに今度なったわけですか。 こういう質問に対して、どうもあなたの言われていることはよくわからぬのでお聞きしますが、あなたのお答えは、   お答えいたします。   ここで書きましたのは、やはりそういう百条の五で考えております国による輸送の必要性、こういった観点から評価すべきであるということでございますし、そういう百条の五の仕組みの中に当てはまるものとして今回のものが入るであろう、かように、いわばこの大きな二の方では述べているわけでございまして、そういう意味では緊要性、公共性といったようなものを判断して、個別に判断していくべきことであろう、かように考えられます。  どうもさっぱりわからないのですね。新聞がうまく解説してくれているので、新聞を見たらこう書いてあるのです。   工藤内閣法制局長官は八日午後の衆院予算委員会で、在外邦人救出のための自衛隊機派遣が法改正によらず政令で実施できるかどうかについて「緊急性や公共性を個別に判断していくべきだ」と述べ、一定の条件の下で可能な場合があるとの見解を明らかにした。政府は同日の統一見解で自衛隊の海外派遣には法改正が必要との従来の立場を事実上変更し、政令による避難民輸送の妥当性を強調したが、これを在外邦人救出にも”拡大解釈”する方向を示唆したものである、 こう言っているのですが、そのとおりですか、どうですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 まず、二月八日の件について申し上げますと、実はこのペーパーは、経緯から申し上げますと、さきの市川委員からの御要望に応じまして、そういうことで取りまとめたもので、八日のちょうど草川委員のときの御質問の際に私の方から読まさせていただいたわけでございます。そういう意味から申しますと、実は市川委員あるいは草川委員の方からの御質問といいますか、そういう御質問に対しましてこのペーパーに即して申し上げるのが適当かなというふうに判断いたしまして、そういう意味で和田委員に対しまして、このペーパーから離れるわけにもいかず、また、全くそのとおりというわけにもいかずというふうなことで御答弁申し上げた経緯があるわけでございます。  それで、なお今申し上げ……(発言する者あり)いや、決して――それで、ただいまの邦人救出の問題でございますけれども、現行の自衛隊法百条の五によりまして自衛隊がその一般的な任務として自衛隊機を用いて在外邦人の救出を行うことは、一般的任務として行うことは現行におきましては困難だと考えております。ただ、今回の湾岸危機に伴います避難民の場合のように、特殊な緊急事態の発生に当たって臨時応急の措置として自衛隊機が在外邦人の輸送に当たることが全く許されないというわけでもございません、そういうふうに解されます。それは今後、個々具体的な情勢に応じまして対応していくべきもの、かように考えている次第でございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 そうすると、こういうことですか。一般的にはだめだけれども、突発的なことができてくればできるかもしれない、そのときの状況によってはできることがある、こういう意味ですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 その具体的な状態というのをいかに考えますか、これは今後の問題でございますので明確に申し上げるわけではございませんけれども、そういうちょうど今回と同じようなといいますか特殊な、同じようなという表現は適切でないかもしれません。特殊な緊急事態の発生に当たりまして臨時応急の措置として行われる、そういう場合に百条の五の授権の範囲内にあると考えられまするならば、そういうときには政令、暫定政令といったようなことが考えられないわけではない、こういうことでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 そうするとあれですか、在外邦人の救出も百条の五の政令を直せばできるということですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 どうも私の表現が適切でないのかもしれませんが、百条の五の授権の範囲内でありますれば、そういうことに当たりますような事態でありますればそれはできる、かように考えているわけでございます。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 委員長、もう二、三分ありますが、途中になってしまいますから、午前中はこれで終わります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ────◇─────     午後一時四十一分開議

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。佐藤敬治君。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 午前中に私が、和田質問に対して、どういう意味かあいまいじゃないか、こういうので御質問しました。そしたら、工藤法制局長官が、どうもわけがわからない、私どもにとっては大変不本意な意味の説明をいたしたのでありますので、今理事会でもって速記を取り寄せまして、これを拝見しました。しかし、それを見ますと、まさに何か私どもに対する偏見があるんじゃないか、そういうような感じがいたします。それで、これを読んでみます。こういう答弁です。  ○工藤政府委員 まず、二月八日の件について申し上げますと、実はこのペーパーは、ペーパーというのは政府の統一見解ですね。  このペーパーは、経緯から申し上げますと、さきの市川委員からの御要望に応じまして、そういうことで取りまとめたもので、八日のちょうど草川委員のときの御質問の際に私の方から読まさせていただいたわけでございます。そういう意味から申しますと、実は市川委員あるいは草川委員の方からの御質問といいますか、そういう御質問に対しましてこのペーパーに即して申し上げるのが適当かなというふうに判断いたしまして、そういう意味で和田委員に対しまして、このペーパーから離れるわけにもいかず、また、全くそのとおりというわけにもいかずというふうなことで御答弁申し上げた経緯があるわけでございます。  これは、私どもは解しますに、ここの委員会に提出されたものはすべてこの委員会に提出されたものとして、全体でそれを討議することは何の差し支えもない、そうすべきものである、こういうふうに理解しておりますが、これを見ますと、まさにこれはあいまいな答弁しているんです。私どもは、これをやはり私に、あるいは私どもの党に対する一つの偏見である、こう考えます。したがって、これに対するはっきりした決着がつかなければ、これ以上質問いたしません。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 法制局長官。

佐藤敬治日本社会党・護憲共同

○佐藤(敬治)委員 答弁は要りません。――委員長、もう一遍発言させてください。委員長、いいですか。  ほかの人ならともかく、こういうことに精通している内閣法制局長官がここに書類を出したら、それは院のものであるということは十分承知のはずです。それでなおかつこういう答弁をするということは、普通の人と違って、私は大変不本意なものであります。したがって、先ほどと同じ、これをきちっとしなければ、理事会できちっとしてもらわなければ質問できません。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 ただいまの佐藤委員の発言に関し、理事会で即刻協議しますので、しばらくお待ちください。  速記をとめて。     〔速記中止〕

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 速記を起こして。  佐藤敬治君の残余の質疑は後に譲り、冬柴君の質疑を許します。冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 公明党の冬柴鐵三です。  周知のように、二月九日午後一時四十分、関西電力の美浜発電所二号機が事故を起こしてしまいました。それで我が公明党は、昨二月十一日、早速現地へ調査団を派遣をいたしました。その団長の近江巳記夫議員がここに帰っておりますので、私の持ち時間の範囲で、冒頭にそのことに関しまして関連質疑をお許しいただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 この際、近江巳記夫君から関連質疑の申し出があります。冬柴君の持ち時間の範囲内でこれを許します。近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 昨日現地に参ったわけでございますが、総理また各大臣も御承知のように、このECCSが実際にこのように作動したということは、これはもうかつてないことでございます。  かねてから私たちは、蒸気発生器の問題につきまして、科学技術委員会等を初めといたしましてその心配な点を常に指摘をし、そしてまた定期点検の際におきましても十分なそうした点検をするようにと、さまざまな提言をしてきたわけでございます。そういう中で起きました今回の事故でございました。これが計算どおり、一応予定どおり働いたからよかったということは言えるわけでございますが、不幸中の幸いといいますか、もしもこれが働かなかったら一体どうなるか、私は、これはもう考えただけでもそら恐ろしい状態になったんじゃないかと思うのです。  御承知のようにスチームバインディング、この状態に入りますと、いわゆるECCS作動で入りましても、毎秒三十センチ、それが三センチぐらいに落ちる。そうなってくると、本当に空だきの状態に入ってしまう。今日までスリーマイル島のああいう事故もございましたし、よくこれが作動してくれたものだと本当に冷や汗の出る思いがしておるわけでございます。これはもう単なるトラブルとかそういうものじゃない、これは厳粛に受けとめなければいけないんじゃないか、私はそう思うのです。  そういう意味におきまして、総理そして関係大臣に、今回のこの事故についてどういう認識でおられるか、まずお伺いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 御指摘のように、今まで一度も作動することのなかったECCSの作動に至ったということは、これは十分心して受けとめるとともに、御指摘のように、私もこれが作動したことはせめて不幸中の幸いであったと、これがもし動かなかったらどうなったであろうかということは考えたくもない惨事になるわけでありますが、原因が、なぜECCSが今回動かなければならなかったかというその前の原因について徹底的に調査をして、わかるようにきちっと解明をすることから始めなければならない。我々の知識では、管に穴があくということはどういうことなんだろうか、いろいろな原因があろうと思いますが、その徹底的な究明をまず行って、大事なことはやはり第一に安全、第二にも安全、安全確保に立っての姿勢で臨んでいかなければならないということでございます。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 近江委員にお答えいたします。  まず、事件が起こった直後に直ちに行っていただきましたことは、私どもにとりましても大変にありがたいことだと思っておる次第でございます。  あす、私も多少なりとも詳細のことを聞き得る立場にはあると思いますが、もう既に現地には私どもの係も送っていることではございますけれども、ただいま総理が御答弁いただきましたように、本当に前にもさかのぼって平成元年一月でございましたか、福島でもあのような問題が起こりましたけれども、今回の場合、最終段階における作動がうまく行われたからよかったものの、もしそれが行われなかったことを類推した場合にはどのような惨事になったかということを考えますると、まさに委員御指摘のそら恐ろしい感じがするわけでございまして、これはもう、もって銘じて私どもの反省材料とし、なおかつ前向きにこれにどのように対処していくかということも鋭意努力を払っていこう、このような心算でございます。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 私も、九日の事故の知らせを聞きましたときに、本当にどきっといたしました。何しろ我が国で初めて緊急炉心冷却装置が作動した事故であり、地元の皆様方はもちろんでございますけれども、多くの皆様方に大変御心配をおかけする結果となりましたことは、原子力行政を預かる者といたしましてまことに遺憾でございます。  このような事故が再発しないように、とにかく事故原因の徹底究明が図られるとともに、それに基づきまして万全の安全対策がとられることが重要だと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 総理並びに閣僚の皆さんがこの問題を非常に真剣に受けてもらえる、また今後万全の対策をしていきたいと表明もあったわけでございます。  そこで、きょう私、関連でございますので、きめ細かな質問はできないわけでございます。そういうことで、ポイントだけ御質問したいと思います。  一つは、御承知のように、このPWRは十七基あるわけでございます。その中、定期点検、これが特に関電につきましては美浜一号、そして三号、高浜一号、大飯一号、四カ所、それから四国電力の伊方二号、九州・玄海の一号、二号と、このように入っておりまして、七基となっております。この美浜一号炉につきましては調整運転に入っております。現在のこの美浜二号がこういう大事故を起こしたわけでございまして、八基、残り九基があるわけでございます。  そこで、これは電力会社としても、確かに電力供給のそういう計画もあるわけでございますが、いずれにしても、今までの各PWRのこれを見ますと、本当に、何といいますか、スリーブを施すとか施栓をするとか、数十%にも達しておる。また、今回事故を起こしたこれについては優良型と、またその手当てしたのが少ないわけですね。それでこれだけのことが起きておる。したがって、安全性という点からいけば、残りの炉もすぐ、定期点検のそれには入ってはおりませんけれども、やはり総点検をきちっとやるべきだと私は思うのです。ですから、それはお互い電力会社の融通もし、工夫しなければならぬと思いますけれども、定期点検前におきましても早急に各電力会社間でよく相談していただいて、定期点検ではやるのはそれは当然でございますけれども、前倒しといいますか、やはり早くもう一度やる必要があると私は思うのでございます。  それとともに、御承知のように、今回のこの炉につきましても、昨年の四月から七月にかけて定期点検をやっているわけですね。一応通産省等の報告等を聞きましても、きちっと検査もいたしております、こういうことでございますが、こういういわゆる事故が発生しておるということでございます。したがいまして、定期検査の中身、あり方ということ、これを本当にやはり改善をしなければならない、私そのように思うわけですね。まず、今申し上げたこの点につきまして御答弁いただきたいと思います。

緒方謙二郎資源エネルギー庁長官

○緒方政府委員 先ほど総理並びに両大臣から御答弁がありましたように、現在事象の原因の徹底的な究明をしているさなかでございます。  御指摘のように、一斉点検あるいは定期検査のやりくりをして総点検をすべきではないかという御指摘でございますが、現在行っております徹底的な原因を究明をいたしまして、その原因が究明された調査の結果が判明された段階で、しかるべき対応を検討しなければならないというふうに考えているところでございます。  なお、定期検査の状況でございますが、先生からも一部御指摘がございましたが、PWR、加圧水型軽水炉、日本で全部で十七基ございます。そのうち現在、現時点において定期検査を実施しておりますものは、試験運転中のものも含めまして七基ございまして、八基目が今度の事件を起こしたものになりますので、現在稼働中のものが九基あるということでございます。それで、現在定期検査中のものにつきましては、定期検査の中でできる限り当該部分については慎重に検査をするように指示をしたところでございます。  稼働中の九基につきましては、それぞれの会社の需給計画などに合わせまして、また一年という頻度も考慮して計画が定められております。早いものは二月から、あるいは三月から定期検査に入る予定のものもございますし、もう少し先のものもございます。御指摘のような点も踏まえまして、どれだけのことができますか、なかなかいろいろ難しい問題もあろうかと思いますが、原因の究明が進みました段階で、その点も含めて検討してまいりたいと思っております。  なお、第二点目に御指摘のありました定期検査のやり方、項目等についての改善でございますが、これも現在鋭意進めております原因の究明が済んだ段階で、その調査結果というものを、検討の結果というものを踏まえて、必要な対策は御指摘の点も踏まえて検討してまいりたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 時間がありませんので、あと一問だけ。  それから安全基準の見直し。この設計自体も当初からいろいろな点の危惧があるわけでございますけれども、安全基準等再度やはりこの際見直しをする必要があるのではないか、私はこのように思うわけでございますが、また審査のあり方等を含めまして、その点が一点であります。  それから、隣の敦賀市に通知もなかった。民主、自主、公開という三原則、これを我々常に言っておるわけでございますが、その点電力会社も謝っておられましたけれども、こういう点やはり周辺に対してはきちっとした報告といいますか、そういうことが非常に大事ではないか。今後、各原発側に対しまして、そういう点ひとつ周知徹底させる必要があるのではないか。これが二点であります。  あと、いわゆる安全性、経済性の問題ですが、この一時間前にそうした兆候、データも若干出ておったわけでございます。稼働性、経済性、この面と安全性、まさにこれはてんびんといいますか、現場はその点いろいろ考えてやっていると思うのでございますが、何といいましても原発は一たび事故、重大事故につながるわけでございますから、安全第一の構えをしなければいけないと私は思うわけでございます。  最後の質問は総理にお答えいただいて、安全性か経済性か、どういう考えを持っておられるかという、それを最後お答えいただいて、その先の質問については大臣から。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 まず第一、第二の問題点でございますが、今回の美浜発電所の二号機の問題は、何といいましても現在原因を鋭意研究中、究明中でございまして、その結論をもって必ず必要な対策を講じてまいるということでございまして、何といいましても先ほど来問題になっておりまする、鋭意注意をしながらやるべきではあるけれども、今後原因究明のための調査を進めた段階の中ででも、御指摘の定期検査の前倒しというような問題点も含めまして、これは必要な対策を検討すべきである。私も厳重に注意して、またエネルギー庁にも申し出るつもりでございます。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 この問題の議論の中で、やはり定期検査をきちっとしましても、その後七カ月余りで予期しなかった装置の発動ということにつながったということは、やはり何物よりも増して用心には用心を重ねていかなければならないということの警鐘を鳴らされたものと、私は謙虚に受けとめるべきだと考えます。したがいまして、非常に進んだ機械でございましょう、何らかの予兆があったり、何かこれはおかしいなと思うときには、十分安全第一ということを常に念頭に置いてこの問題には対処していかなければならないと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 じゃ、関連を終わらさせていただきます。ありがとうございました。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 冬柴鐵三君。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、自衛隊機の中東派遣をめぐる特例政令に絞りまして質問をいたしたいと思います。  まず法制局長官にお伺いしたいのですけれども、特例政令と略称いたしましたけれども、この政令は講学上委任命令と呼ばれるものである、このように私は理解しているのですが、それでよろしいですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、この政令は自衛隊法の百条の五第一項に基づく政令である。そういう意味で委任政令というカテゴリーに入る、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 この委任命令あるいは委任政令というものにつきまして、学説は、委任した法律の定める範囲を超えて定めをなすことができず、また法律のみずから定めるべき大綱、基本までも包括的に委任することは現行憲法のもとでは認められない、このような考え方が恐らく有力説、多数説である、このように私は理解をいたしております。また、昭和四十六年一月二十日、最高裁判所の大法廷判決があります。これは全員一致です。この要旨の中に、政令「委任の範囲にはおのずから限度があり、」「法の委任の範囲を越えた」政令は「無効のものというのほかはない。」このように説示をいたしまして、農地法施行令第十六条を無効と宣言した判決があります。この判例は今日までいささかも変更されずに判例法を形成しているわけでありまして、学説の多数説、それから判例はこのような立場を委任命令あるいは委任政令に対してとっている、このように私は理解するのですが、法制局長官の御所見を伺いたいと思います。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 委員御指摘のように、昭和四十六年の一月二十日大法廷判決がございます。これは農地の売り渡し処分の取り消し等の請求事件であると存じますが、その中に今御指摘のような表現がございます。それで、当然のことながら、法律の委任というものの範囲、授権の範囲ということで政令は定められるもの、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 海部総理は、この予算委員会の席で、多くの同僚の議員からこの自衛隊法第百条の五に関連して再三にわたって質問を受けられました。それに対して総理は、百条の五を素直に読めば「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」、こういうふうに規定しているわけでありますから、政令で今回避難民を決めるという特例政令を発したのであります、もし政令で避難民を決めることができないというのであれば、それにふさわしい立法措置といいますか、そういう法律の書き方があったはずだ、しかし、現実に百条の五というのはそのように書かれていない、政令で決められるのだ、こういうふうに理解している、こういう答弁を繰り返されたと、私は自分の席でお聞きをしていまして、総理のお考えはそういうところなんだなということを理解しているのですが、そう理解していいですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 そのとおりでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 これからちょっと細かい議論をしたいと思うのです。  それで、委員長の御許可を得て、こういうものをつくってまいりました。百条の五に似せたものが書かれてありますが、ここには二つの文章が書かれていると理解をしていただきたいのです。一つの文章、これは今後議論を進める上におきまして甲の文章というふうに言いたいと思います。甲の文章はこのように読んでください。「長官は、……航空機による国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者の輸送を行うことができる。」これを甲の文章。これはほぼ自衛隊法第百条の五の一項で、この点々のところだけ省略をした文章です。それから乙の文章は、「長官は、航空機による国賓、内閣総理大臣その他の政令で定める者の輸送を行うことができる。」これは一字だけ違います。「政令」の上に「の」という字を入れました。  総理にお伺いしたいのですが、総理は法律家じゃありませんので、厳密な意見をお聞きするつもりは毛頭ありません。これの違いについては専門家である法制局長官に後でじっくり説明をしていただきますけれども、まずこの乙の文章、後者の方、こちらの方、こういうふうに政令が決められていた場合、やはり避難民を、「政令で定める者」と書いてあるんだから、避難民を私は素直に読んで政令で決めましたということを言われるかどうか、もうそれ以上追及しませんので、その避難民を入れるか入れないかということを素直に普通の良識に従って回答いただいたら結構だと思います。よろしくお願いいたします。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 私は、今回の湾岸危機で避難民が出て、人間の尊厳ということからいいますと、例示列挙されておる総理大臣である私も、今あそこで避難民となって早く国へ帰りたいと思っている人も、人間の尊厳という立場に立って考えると同じではないか。これはもう理屈ありません、私の素朴な、率直な感情ですから。そこで、それなれば何かいい方法はないかということで法律を見ましたら、ここに書いてございました。したがって、その甲と乙とお分けになりましたけれども、私はどちらでも、その避難民の人を運んであげなきゃならぬという立場に立ちますと、政令できちっと定めて、今回こういう方々は運びますよと政令で書いたならばそれは運ぶことができるようになるものと、これもそのように、どちらでもそのように考えるだろう。ただ私が読んだのは「その他政令で定める者」、これでいうならば甲方の文が法律に載っておりますから、それで考えたのでございます。同じです。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 今確かに乙の文章というのは法律じゃありませんので、仮定の問題ですけれども、総理は丁寧に、その場合でも人道的立場に立てば、避難民というものを運ぶ必要があれば、ここに「政令で定める者」というものがある以上はいけると思う、こういう御回答であったと受けとめますが、それじゃこの所管庁である防衛庁にもお伺いしたいと思います。  防衛庁は長官じゃなくていいです。もうお役所の人で結構ですけれども、この乙の文章、もう甲の文章はいいですよ、乙の方の文章についてどういうふうに考えるか。今総理から御答弁がありました。甲であっても乙であっても、これは人道的な立場で運ぶという必要性があるんだから、政令で定めればいけると思う、こうおっしゃったわけですが、防衛庁はどういうふうに考えられますか。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 お答えを申し上げます。  私も法律の勉強をしたのはもうはるか昔でございますので、あるいは正確にお答えできるかどうか存じませんけれども、甲のように「その他政令で定める者」とあります場合には、恐らく政令で指定するときに、この法律に例示されております「国賓、内閣総理大臣」というのは改めて政令で指定する必要はないんだと思います。それに対して、乙の「その他の政令で定める者」の場合には、政令でもう一度法律に列挙されておる「国賓、内閣総理大臣」も例示するということになるんではないかと思います。  しかし、いずれにいたしましても、どちらの書き方であっても、私は今回のケースにつきましては法律の授権の範囲内である、このように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 乙の文章でもね。防衛庁長官も総理と同じ答弁をされました。もう役所をやめて専門家の意見を聞いてみたいと思うのですが、法制局長官、二人ともバツだったと私は思うのですが、それは専門家でないわけですから、良識的に素直に読むという趣旨がそれほど違うということを法制局長官から聞いてみたいと思うわけです。  ただ、私もいろいろ法制執務というか実務といいますか、そういう専門の本を三、四冊ほど読んでみました。いずれも「その他」と「その他の」が違うということを書いているんですね。それでその田島信威という方が「問答式法令用語入門」という一番初心者向けの法令用語の説明書、解説書を書いておられまして、その百二十二ページにこんなこと書いてあるのです。「日常用語としては特に区別なく使われるものでも、法令用語としては明確に意識して使い分けているものがあります。その代表的な例として、「その他」と「その他の」をあげることができましょう。」こういうこと書いてあるんですね。違うと言っておられるわけです。さてどう違うのかを法制局長官に、国民がわかるように――いいですか、総理も防衛庁長官も違う答弁をされましたから、両方とも決められるとおっしゃいましたから、あなたはどうなのか、国民に説明をしてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答え申し上げます。  「その他」と「その他の」との差を今御指摘でございますが、先ほど防衛庁長官が答えられましたこと、原則そのとおりだと思います。  まず「その他の」という今の乙の文章の方でまいりました場合には、例えばこの百条の五に則して御説明申し上げれば「国賓、内閣総理大臣その他の政令で定める者」といった場合には、国賓、内閣総理大臣もいま一度自衛隊法の施行令百二十六条の、この場合ですと十六でございますが、ここに掲げる必要がある。そういう意味で国賓、内閣総理大臣というのは「その他の政令で定める」というもののいわば例示である、かように説明されているわけでございます。  それに対しまして今の甲の文章、「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」これの場合には、今回のまさに百条の五第一項がそうでありますように、百二十六条の十六では改めて国賓、内閣総理大臣を定めなくてもいい。そういう意味で、現在の百二十六条の十六では国賓、内閣総理大臣は定めませんで、制定時の政令で申し上げれば国賓に準ずる賓客、あるいは内閣総理大臣に準ずる者、こういったものを決めてきたわけでございます。そういう意味で、従来の答弁でも、例示列挙という形を必ずしも申し上げませんで、代表列挙というふうな言い方をしているところでございます。  それで、さらに申し上げれば「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」といいます場合にその授権の範囲がどこであるか、こういうことになるだろうと存じますが、これは前記の、今の文言に代表列挙されたものとかけ離れたもの、これは規定することは予定されていない。そういう意味で、かけ離れているか否かは、いわゆるVIPといった社会的地位にのみ着眼して判断すべきものではなくて、その者の置かれた状況なり国による輸送の必要性、そういったその他諸般の事情を総合して評価すべきである、かようにお答えしているところでございます。私どもは、そういう意味で、法律で委任された範囲として、甲あるいは乙で考えました場合に、今回の避難民に関する限りは、いずれでも政令で定め得るであろう、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 政府は三人ともそのように、避難民は乙の文章でも定め得るのだという、そういう回答をされましたが、少なくとも私が読んだ数冊の法令執務、内閣法制局の方が書いた本もありますが、この乙の場合は、これは「政令で定める者」という内容、この「政令」の後の「者」、これはその他の者という意味を含むわけであって、その他の者というのは、国賓、内閣総理大臣その他の者ということであるから、国賓も内閣総理大臣もその他の者に、より大きな概念に包摂されて、そして列挙されているだけだ、そういう意味で、このその他の者というのは、国賓、内閣総理大臣を包摂する一つの概念が予定されている。それ以外は規定することができない。そうすると、その概念はどういうことかというと、国賓、内閣総理大臣というものの共通性を考えたときには、いわゆるVIP、高位高官が考えられます。したがいまして、この乙の文章では高位高官を入れて違う人をここへ持ってくることはできないということが、あらゆる法制実務の本には書かれております。読み上げてもいいです。  ところが、この甲という方、「その他政令で定める者」というのは国賓も内閣総理大臣も一つずつの概念である。そして「その他政令で定める者」もこれとは別個、独立、並列、対等の概念をあらわす言葉である。したがって、国賓と内閣総理大臣は運べるというのはこの法律自体が決めているから政令で定めぬでもよろしい。しかし、三番目に出てくるこれと独立、対等の人たちは政令で定めないと運べないという結果になります。だけれども、乙の方の「その他の政令で定める者」というのは、いわば航空機によって別に法律で定める者を輸送することができるということとほとんど同じ意味であって、だからここに挙げられた国賓も内閣総理大臣も、もう一度政令の中で決めなければ運べないという結果になる。  そういう重大な違いがあって、これを意識して使い分けているのだ、こういうふうに書かれていますよ。法制局長官の答弁、違うんじゃないですか。この乙の文章は、同じようだけれども、「の」が一つ入っただけで非常に範囲が狭まった。高位高官だ。甲の文章は、あるいは私は法制局長官と説を異にします。ここには避難民は絶対入れられませんけれども、しかしながら、国賓や内閣総理大臣と包摂されるような概念のものを入れなければならないということにはならない。そこに大きく、こちらは甲の方は非常に広くなるし、乙の方はぐっと制限されるという決定的な違いがあるんじゃないですか。法制局長官、はっきりしてください、これは。高位高官だけじゃないんですか、この乙は。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、「その他の」という乙の方の文章でございます。これは、もう一度自衛隊法の施行令で国賓、内閣総理大臣を定め直さなければいかぬ。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、国賓、内閣総理大臣は通常、こういうときは「その他の」の上にあるのは例示の列挙である、こういうふうに申し上げているわけで、それに対して甲の方の文章は代表列挙というふうなことで、多少言葉を使い分けて説明しているわけでございます。その範囲が決定的に、乙であればこういう範囲になり、甲であればこういう範囲になるというほど決定的な差がそこに出てくるかどうかについては若干私委員と説を異にいたしますが、今おっしゃられたように、例示列挙であるか代表列挙であるかという差は確かにあろうかと思います。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 これは学者も、それからあなたの役所の内閣法制局というのは明治八年太政官布告でできた役所だということで、百二十年以上の歴史を有する伝統と名誉に満ちた役所であると思うのですね。物の本によると、ここへは高等文官試験行政科十番以内の人でなければ昔は入れられなかった。今でもそうだと思うのですね。秀才の集まりの役所だと思うのです。そして、そこでは今長官が説明されたようなあやふやな用語の使い方は一切してられない。一つのテン、一つのマルでも、つけるかつけないかということで激論を飛ばしている、そういう役所だと私は伺っているわけです。  法制局参事官というのがこの立法の審査をやられるようですけれども、一カ条に三時間をかけるから参事官と言われた。これほど権威と名誉を持った役所でしょう。そのトップのあなたが、これ、百条の五はあなたが法制局次長のときにつくられた条文だと思いますよ。次長は、とにかくどんな長い条文であっても最初から最後まで読まれる。それから、同僚議員からいろいろ挙げられましたけれども、法案の趣旨説明書も全部審査対象になっているんじゃないですか。そういうことを考えると、僕は、今の工藤長官はこれに対してあやふやな答弁をされることは許されない立場にある方だと思います。  もう一度聞きますけれども、「その他の」となった場合、「その他の」というのは例示列挙だと言われました。そうすると、例示するベースとなる概念というのは、「その他の政令で定める者」の中には当然含まれているわけでしょう。そうすると、国賓や内閣総理大臣で例示されるそのもとになる、より大きな概念は、長官、高位高官じゃないんですか。それだけ聞きます。もうほかのことは要りません。高位高官なのか、それとも違うのか、それだけお聞きしたいと思います。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 今委員御指摘のように、乙の文章「その他の」というのは、確かに例示列挙というふうに私どもは呼んでおります。そういう意味で国賓、内閣総理大臣がいかなるカテゴリーのものを例示しているか、こういうのが問題になろうかと思うのです。そういう意味が一つございます。それからもう一つ、甲の説の方は「その他」で、確かに委員おっしゃられるように「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」、いわば代表列挙、何で代表させているんだろうか、こういうことになるだろう。そういう例示で意味する範囲あるいは代表で意味する範囲、かようなことから申し上げると、今の国としての輸送の必要性あるいはその者の置かれた状況、そういったものを総合勘案するという点におきましては、この場合には大きな差はないのではなかろうか、かように考えます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 これは後日、学者がいろいろと論評されることだと思います。私は、工藤長官の答弁は明らかに間違っている、法律家としてそのように指摘をしておきたいと思います。  次に移りますけれども、この百条の五の参議院における審査、六十一年の十二月四日の参議院における内閣委員会の答弁、先ほど全文をあなた読まれましたが、大森政輔内閣法制局第二部長が答弁をされました。これの問いというのは、久保田真苗議員の問いですが、「法制局にお伺いしますけれども、ここに言う「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」というものについての解釈をお願いします。」こう言われたんです。いいですか。それに対する法制局の答弁は、あなたは前段をすっ飛ばして今まで答弁をずっとしています。後半だけしか言っていません。二つのことを言っておられるのです、この授権の範囲について。前段は、「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、」ということを言っているのですよ。この答弁内容、何ですか。この答弁内容は、もう時間がないから私、誘導させていただきますが、こういうことを言っているのです。友藤一隆前の防衛庁官房長がお答えになっている言葉、ここも「「国賓、内閣総理大臣その他政令で定める者」とあるんですね。この政令の内容をお答えください。」という久保田議員の問いに対するきっちりした答えは、「国賓及び内閣総理大臣に準ずる者ということでございます」、「準ずる者」ですよ。「ので、例えば」国賓に対しては「公賓等については検討の対象になっておる」、あるいは内閣総理大臣については三権の長ですね、衆参両院議長、最高裁判所長官等といった者も検討の対象といたしております。こう言っているでしょう。「防衛庁から答弁がございましたように、」という肯定的引用をしているのですよ。肯定的引用、これは法制局の意見ですよ。もう一カ所あります。友藤さんは、「現在、国賓、内閣総理大臣に準ずる者ということで」検討いたしております。  そうすると、ここで言う「その他政令で定める者」の法律が政令に委任した範囲というものについて、あなたは消極的限定をばかり言います。いいですか、およそかけ離れたものは規定できないという、いわゆる消極的限定をしました。しかしながら、防衛庁の方は「準ずる者」、この二者に準ずる者という積極的限定をしていますよ。それを変更されるわけですか、あなたは。どうなんですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 昭和六十一年十二月四日の内閣委員会におきます久保田真苗議員の御質問に対しましてお答えを申し上げているわけでございますが、「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、」というのは、確かにその部分ございます。まず、防衛庁の方から申し上げますと、防衛庁の方から答弁がございましたようにということは、この防衛庁の政府委員は、「内容についてはまだお答えを申し上げることができませんけれども、一応の考え方としましては国賓及び内閣総理大臣に準ずる者ということでございます」というふうなこともございますし、「現在、」「この法案の御審議状況も踏まえながら検討中というふうに御答弁申し上げておるところでございます。」こういうふうな答弁がございまして、私どもの方の第二部長が、「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、」その次に「「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございますが、「国賓、内閣総理大臣」という例示、列挙がございます。したがいまして、この例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこのような表現を使うわけでございます。」途中を若干飛ばしますが、したがいまして、委員はその積極的な方をおっしゃられましたけれども、私どもの方、「「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございます」、こういうふうなお答えをしているところでございます。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 私は、これは明らかに前の答弁と今の答弁とは内閣法制局の答弁が食い違っている。したがって、その点について、これは「準ずる者」とはっきり言っているわけですから、「準ずる者」ということになれば国賓に準ずる者は公賓だ。公賓というのは、いわば外国の皇室、皇族及び行政府の長、例えば我が国でいえば内閣総理大臣を指すわけでありまして、そこまでは準ずるのですよ。いいですか。そして、この国賓とか内閣総理大臣というその言葉から考えられるのは、例えばこの国賓、賓という字は、敬うべき地位にある方を指す言葉ですよ。ですから、主賓、来賓、来賓あいさつ、主賓あいさつ、こういう言葉が使われますけれども、それは多くのお客さんの中から代表して、法律上あるいは慣習上万人が認める敬うべき立場にある人にあいさつしてもらうんでしょう。  そうすれば、難民とは何ですか。難民は、ある一定の、同じ境遇下にある不特定多数の一群の人を指す、そのような言葉じゃないですか。賓客、賓という言葉と難民とは、片っ方は個人に与えられる一つの資格、地位、片一方は多くの人々、不特定多数の、しかしながら同じ境遇にある人を一括して指す名称でしょう。いわばこれは全くおよそかけ離れた、だれもが予想することのできない、国賓と難民はそれほど違いがあるということを御指摘申し上げたいわけであります。  そこで、防衛庁の「準ずる者」というものを肯定的に引用された以上は、今回これを消極的限定で、およそかけ離れたものは予定していないというだけで答弁を終わらせるということは答弁が食い違っていると思いますので、私はこれに対する統一的な内閣の見解をいただくまで私の質問は続行することができない、このように思いますので、委員長、私は、前のこの法制局の答弁と、それからこの委員会での法制局長官の答弁とは明らかに食い違っています。ですから、それについてきちっとかみ合ったものを答弁していただかない限り、私は質問を続行できませんので、時計をとめていただきたいというふうに思うわけです。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 長官からまず答弁させます。聞いていただいて……。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 先日、二月八日でございますが、自衛隊法第百条の五の授権の範囲について、こういうことで、「授権の範囲と今回の政令制定との関係について」ということで、二枚にわたりますペーパーを提出させていただきました。そこで申し上げていることがまさに今のお答えになろうかと思うわけでございます。そういう意味で、もう改めて読むことはいたしませんが、まさに今の冬柴委員に対するお答えがまたそういうことでここに書かれているところであろう、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 今の答弁は、前の大森政府委員の「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、」という防衛庁の答弁を引用していられる。肯定的に引用していられる。防衛庁は何を言ったかというと、この内容は「国賓及び内閣総理大臣に準ずる者ということでございます」。全然違うのです。「準ずる者」と、それから「かけ離れたもの」とは違います。その間に差があります。そこを埋めてもらわないと質問が続行できません。よろしくお願いします。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 法制局長官、埋めてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答え申し上げますが、実は当時の友藤政府委員が確かに御質問のような答えぶりもしてございますが、そこではすべて、一応の考え方といたしましてとか、あるいは検討中ではございますが、というふうなことでお答えしているところでございますし、さらに久保田委員の御質問も、例えば「先般自衛隊の飛行機が非常に私的と見られる目的に使われた」とか、「あるいは防衛庁長官にたくさんの方が付随していろいろと方々へ行かれる、」こういうふうなことを挙げて言われております。友藤政府委員も、「この国賓の輸送というものは他の、国の機関から依頼があった場合に、その依頼に応じて自衛隊の任務遂行上支障がない場合においてこういった輸送を実施するということでございますので、」というふうなことがございました。その上で当方の政府委員から「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、」まさにそこは積極的なように聞こえます。「「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございます」ということ、さらに後ろの方では、「その案ができ上がりましたならば、私どもの方で法律で委任された範囲内であるかどうかということを慎重に審査さしていただく予定にしております。」かようにお答えしているところでございまして、その間に食い違いはない、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 いや、だめですよ、それは。全然だめですよ。僕は法律家ですから。そんな、法制局はだめですよ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 まず、法制局の方の当時の答弁から申し上げますと、「先ほど防衛庁から答弁がございましたように、「その他政令で定める者」の内容はまさに政令で定めるわけではございます」、こういうふうなことで、「例示、列挙されたものとおよそかけ離れたものは予定してないという場合にこのような表現を使うわけでございます。」さらに続けまして「ただいま関係省庁の間で検討を始めておられるようでございますので、その案ができ上がりましたならば、私どもの方で法律で委任された範囲内であるかどうかということを慎重に審査さしていただく予定にしております。」こういうふうにまずお答えしているわけでございます。それに先行いたしまして防衛庁の方から先ほどのようなお答えがございまして、そういうことでまさにつながってここはお答えしている、かように考えております。

冬柴鐵三公明党・国民会議

○冬柴委員 法制局及び防衛庁の百条の五の審査のときに答弁されたところからは避難民は絶対に出てこない答弁です。皆が、国民が全部読んでもらいたいと思います、これは。こういうことを法制局がやられたらだめだ、絶対に許されないと思います。禁反言の原則というのがありますね。これは、だました人はだまされた人の結果を援用してはならないということですよ。これは、この中に内閣総理大臣と国賓に準ずる者だけしか積めない、それで検討いたしております。そして法制局も、防衛庁が言われたとおりでございます、こういうことを言いながら、いざ決めるときには避難民、があっと出てくるというようなことは――久保田さん、はっきりこう言っていますよ。「私たち、法律が決まってしまえばそちらで」、「そちらで」というのは政府で「お決めになるということになるわけですから、やっぱり範囲というのはこの際しっかり伺っておきたいと思います」。今回言うているのじゃないですよ。百条の五を審査しているときにこれを聞いていらっしゃるわけです。それに対して、「現在、国賓、内閣総理大臣に準ずる者ということで、この法案の御審議状況も踏まえながら検討中というふうに御答弁申し上げておるところでございます。」これはだれでも、ここまで言いながら避難民がよもや出てくるというような、こういうことは考えられません、普通の良識では。  私はそういうことを、名誉ある法制局という、太政官布告でつくられた役所、こういう先人の築かれた伝統というものを踏まえてやっていただきたい、熱望しまして、私、時間が来ましたので、同僚に譲らざるを得ない。本当に断腸の思いで私はおります。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 この際、日笠勝之君から関連質疑の申し出があります。冬柴君の持ち時間の範囲内でこれを許します。日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 大分私の持ち時間に食い込んでまいりましたので、御答弁は簡潔明瞭に、そしてはっきりとお答えをいただきたいと思います。  まず総理、これは通告しておりません。三日間休みがありましたので、その間一生懸命考えたものですから通告なしでございますが、御答弁いただきたいと思います。  いわゆる九十億ドルの使い道については、武器弾薬には使わないということを明確に申し伝える、こういうことでしたね。じや、どういうものに使うかというと、輸送関連とか医療関連とか事務関連、五分野言われました。私がお聞きしたいのは、輸送関連の中には兵員とか武器弾薬、これは運ばない、このように理解していいんでしょうか、それをお聞きしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 この問題につきましては、国連の平和回復活動に対して、日本として国連決議に従って応分の支援をするということで差し出したのです。何に使うかというやりとりがここにございましたから、私は、そのときたしか委員の御質問を頭に置きながら、また国民感情にも十分配慮しつつ、輸送関連、医療関連、食糧関連、生活関連、事務関連などの経費に充当する方針であります、こう申し上げました。そういったことは、逆に言うと、皆さんが非常にここで懸念を表明されました、いわゆるその他のものに充てていくのではないだろうなということでございました。私ども日本の政府の考え方というものは、そういったものを除くということで五分野をここで御説明したわけでありますから、私が今考えておりますことは、結果としてそういったものは含まれないようにしたい、こう思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ということは、輸送関連には兵員、武器弾薬は運ばない、こういう今御答弁と理解をいたします。  それからもう一点、総理、これは率直なお話聞きたいのですが、自衛隊の輸送機の問題なんですけれども、中近東なんですね、今度湾岸戦争ですから。そこへ特例政令で自衛隊の輸送機を派遣できるようにしたわけですね。もしこれが東南アジアだったらどうなりますか。もし万が一、仮定の話ですけれども、東南アジアで同じようなことが起こった場合は、やはり同じように特例政令をつくられて自衛隊の輸送機を、東南アジアのどこの国かわかりませんけれども、派遣をすることは考えられましたか。何とか人道的にやりたいということで、この法律にたまたま出ているということでやられたわけでしょうけれども、東南アジアでもしあった場合、これはできましたか、やりましたか。どうでしょう、これは。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 東南アジア地域というのは、我が国が歴史の上で特別のかかわり合いがあって、我が方が深く反省を持っておる地域であるということを大前提でお尋ねだと思いますが、私も大前提でお答えを申し上げます。  これはあくまで非軍事面の人道的な問題であって、国際機関からの要請を受け、当該国と協議をして、その国の支援を得ながら行くことでございます。現に東南アジアの国に対しても、きょうまで輸送の努力をした国もございます。  また、今回仮定の質問ですからこれ以上お答えは差し控えるべきだと思いますけれども、国際機関からの具体の要請があり、当該国との話によってぜひ頼むということになり、支障なく協力が得られるなれば、人道的非軍事面の立場に立って、私はやはり皆さんにお願いすることになるだろう、こう考えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 それでは、通告いたしておりますところの化学兵器に関係いたしまして、若干御質問したいと思います。  フセイン大統領初め在日イラク大使も、化学兵器を使用する可能性をもうはっきりとこれは明言をしておるわけであります。けさのラジオのニュースを聞いておりますと、何と地雷五十万発を今イラクは敷設しているんだそうですね。その地雷の中に化学兵器を入れておる、こういう発表を米国がしたというニュースを言っておりました。これはまさに地上戦ともなれば、この化学兵器の使用ということはもう大変な大問題になってくるわけですね。  そこで、防衛庁にお伺いいたしますが、先日のこの質疑におきまして、防毒マスクを持参をする、こう言っておられたようでございますけれども、イラクはどういう種類の化学兵器を所有している、このように考えておられるのか、どのように考えておられるのか。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 まず私の方からお答え申し上げますけれども、ただいま御質疑の中で、今回自衛隊がその任務につく場合には防毒マスクを携行するというふうな答弁があったという御指摘でございましたけれども、これは私が答弁いたしたのでございますが、それはまだ具体的にどういうふうな状態の中で派遣することになるかわからない、そして、そういう具体的な事情を十分勘案いたしまして、どういうふうな安全措置を講ずるか検討いたします、安全のためには万全の配慮をしてまいります、こういうお答えをしたわけでございます。  そういった中で防毒マスクというお話がございましたので、そういった具体の場合にいろいろ検討いたしまして、もし防毒マスクを持っていくようなことになるならば、これは武器輸出三原則の関係で必要な手続をとります、そういう御答弁を申し上げたわけでございまして、断定的に防毒マスクを持っていくという御答弁は申し上げていないということを申し上げさせていただきたい。これはこれからでございますから。  それから、具体的には、イラク軍の所有しております化学兵器等の詳細については、政府委員から答弁させていただきます。

内田勝久防衛庁参事官

○内田政府委員 イラクが保有しております化学兵器の種類についてのお尋ねでございますが、私どももその詳細がどうなっているかということは承知しておりません。ただ、イラン・イラク戦争等におきまして使用されたと見られること、それについての国連の報告書も出ていること、あるいは報道でもございますけれども、クルド族に対する対応として使用されたと報ぜられていること等を総合いたしますと、イラクといたしましては神経剤でありますタブンですとかあるいはびらん剤でありますマスタードという、そういった化学兵器を保有している、このように考えている次第でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、防衛庁長官、マスタードガスであれば、これは防毒マスクだけじゃだめなんですよね。これは防護衣服それから注射、解毒注射、こういうものをあわせてマスクと三点セットで考えておられる、こういうことですね。

池田行彦自由民主党防衛庁長官

○池田国務大臣 先ほども御答弁申し上げました、また、これまでも何度か御答弁申し上げておりますけれども、まだ具体的な派遣を決めているわけじゃございません。国際機関から要請もないわけでございます、具体的な要請も。そういう段階でございますので、私どもとして安全対策のためにどのような措置を講ずるか、まだ詰め切っておりません。そういういろいろな面から安全の措置を講じている、その中であるいは今御指摘のようなものを携行する必要性が生ずるかもしれない、その場合には考えていく、こういうことを申し上げておるわけでございまして、今の段階で三点セットになるか、あるいは一点で済むのか、あるいはそういうものを持たなくて済むのかということは申し上げる段階ではないと思います。具体的に任務が固まった段階で判断すべきことかと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 さて、この化学兵器については、全面的に使用禁止は当然でありますけれども、開発、生産、保有、こういうものも禁止をしていかなければならないわけであります。まさに焦眉の急となっておるわけであります。  一月二十二日からジュネーブで再開されております国連ジュネーブ軍縮会議、ここにおきまして化学兵器の禁止条約づくりの交渉が今非常に注目をされておるわけであります。この条約に対しまして、日本国政府の基本的な姿勢、そして今この交渉に当たって何が問題となっておるのか、この点をお聞きしたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  おっしゃるとおり、一月二十二日からジュネーブ軍縮会議でこの化学兵器禁止条約交渉が再開されておりますけれども、この中でまず一番未解決な重要問題としてどういうことがあるかという先生の御質問で、時間の関係もございますので、一言ずつ三つお挙げしたいと思います。  一つは、化学兵器を今後そういう合意が達成された場合に廃棄する過程、大体十年ぐらいが考えられておりますが、その過程で各国の安全保障というものをそのプロセスの中でどう考えていくのかという問題が一つ。それから二つ目は、化学兵器の廃棄、それから化学兵器関連化学物質の生産に関連いたしまして、民間のそういう化学物質を生産している会社を査察する問題がございますので、例えば産業機密との関係で一体どう査察を処理するかという大変難しい問題、これが二つ目。それから三つ目は、この条約ができまして機構ができるわけですが、そのときの行財政的問題について各国がどう負担していくのかといったような問題が、主な問題ではないかというふうに考えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これは、日本国政府とすれば積極的に推進をしていかなければならないわけなんですね。  私は、委員長にちょっと資料の配付をお願いしたいと思いますが、今丹波局長おっしゃいました中の二番目のいわゆる化学物質、民間、民生、汎用性の、これの査察は非常に難しいのだということで、大きな問題点としてなかなかクリアできないということだと思うのですね。今お手元にお渡ししておりますこれは、実は日本国政府がイラクへ化学肥料工場、過去二件有償借款を行っているものでございます。この地図を見ていただければおわかりのように、下の方に書いておりますが、一九七五年にコール・アルズバイル化学肥料プロジェクトで二百十八億円、それから八五年にはベイジの肥料工場で百四十一億円余り、償還は二十五年で七年据え置き、年金利が四%、こういうことでございます。これは地図に記入しておりますが、非常に化学兵器工場と近いんですね、うがった質問ではいけませんけれども。  そこで、こういうことから何点かお聞きをしたいわけでございます。  一つは、人質が化学肥料工場にも収容されたという報道がかつて新聞でありました。二つ目には、化学肥料工場は、化学兵器の原材料を製造することがいとも簡単にできるわけなんですね。天然ガスがあればそれからアンモニアをつくります。それを硝酸と反応すれば硝酸アンモニア、それを酸化すれば青酸ソーダ、そして毒ガスという、非常に簡単にできる。貧者の核兵器とも言われておるわけでございます。もう一つ不可解なことは、ちょうど一九八五年といったらイラン・イラク戦争の真っ最中でございますが、そういうときにこの円借款をしておる。先ほど防衛庁の方からも御答弁ございました国連事実調査団の報告でも、明確にイラン・イラク戦争でイラクは化学兵器を使用したという報告も国連に提出をされておるわけでございます。  こういうことで、うがった質問になるわけでございますが、日本が有償借款いたしました化学肥料工場二件、これにつきまして、イラクの化学兵器の原材料を製造していないということがはっきり言えるのでしょうか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 お答え申し上げます。  本件御指摘の化学肥料工場、これは天然ガスを原料といたしまして、中間生産物たるアンモニア、御指摘のとおりでございます。及び最終生産物たる尿素肥料を製造するものでございまして、我が国はイラクの民生向上及び経済開発のために円借款供与を行ったということでございます。  中間生産物たるアンモニアは、種々の工業生産の基礎原料として幅広く利用されております汎用品でございます。イラン・イラク紛争を契機といたしまして化学兵器製造に転用されるおそれがある物質の輸出を禁ずることを定めました輸出貿易管理令附属の品目リストにおいては、このアンモニアは含まれていないわけでございます。なお、アンモニア・尿素プラントを化学兵器製造設備へ変更すること自体は、不可能ではないものの、技術的にはかなりの困難も多く、容易ではないといふうに承知いたしております。  いずれにいたしましても、我が国がイラクに供与いたしました円借款で建設されました肥料工場から生ずるアンモニアが化学兵器の製造に利用されているということは、承知いたしておりません。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 承知していないということですけれども、これは評価はされましたか。これは、借款やりますね、そうすると後調査しますね。評価書というのですか、ちゃんと公表されますね。評価もせずに承知してないということが言えるのですか。だれが見たのですか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 御指摘の点でございますが、本件、一件は一九七五年にできましたコール・アルズベイル肥料工場、それからもう一件は一九八五年のベイジ肥料工場ということかと存じますが、前者につきましては、先生御案内のとおり、稼働いたしました時点からイラン・イラク紛争が起こりまして、これはいずれにしても評価をやるのには容易ではない状況にあったということは御理解いただけると思います。それから、後者のベイジ肥料工場につきましては、稼働になりましたのが昨年の三月本格稼働が開始されたというふうに承知いたしております。評価につきまして、御指摘のとおり、我々は事後の評価というものを毎年百数十件にわたりまして外務省でやっておりまして、できるだけ多くの件数をこれに含めたいというふうに考えておりますが、この二件につきましては、そういうような今申しましたような事情で、まだ評価には至ってないということでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 評価されてないのにわからないですよね。  それからもう一つ、イラクというのはオイルマネーがどんどん入ってくる資産国なんですね。それで、イラン・イラク戦争の真っ最中にイラクへこういう借款をする。非常に有利な金利ですねこれ、率を見ましても。なぜ供与をされたのでしょうかね。まあうがった見方をすれば、本来ならば自国でつくらなければいけないこの化学肥料工場のプラントの代金を、日本が安い金利でやってくれるんだったらばその分どんどん外国から武器を買おう、こういうことにも相なろうと思うのですね。そういうようなことも考えずに、とにかく何ですか、一九七四年に中曽根当時通産大臣が向こうへ行って発表して約束したことだからという、その消化をしなければいけない、こういうようなことでやったのでしょうか。何か戦争当事国、紛争当時国に、まあ後から申し上げますけれども、いとも簡単にこの化学兵器の転用ができるような化学肥料工場を、国民の税金を使ってまでなぜやらなきゃいけないのですか。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 お答え申し上げます。  先ほど御指摘の肥料工場二件につきましては、基本的にはイラクと日本との友好関係及び経済協力を強化する。我が国の経済協力は、相互依存及び人道的な考慮という理念に基づきまして経済社会開発を促進するという目的のために供与するということになっておりまして、本件につきましても、先方との話し合いでかような目的、したがって軍事的な目的のために供与されたものではなくて、あくまで経済社会開発のために供与されたということでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 間接的に、経済協力をしたことによって、その当然民生安定用に使わなければいけないものが転用をされるわけでしょう。そこに哲学がないわけですよ、援助の哲学が。  私が思いますのは、やはり例えば今以上この武器購入が減ればそれは大いにやりましょうということも考えられますが、それをせずしてただ経済協力の強化のためにということで、戦争をやっている国ですよ、なぜそういう国にいとも簡単に百四十億とかいう莫大な金額の借款をするのか。これはもう大変私は問題があると思いますね。  それからもう一つは、アメリカ、フランス、ドイツも加盟しております、二十カ国で構成しておりますオーストラリア・グループというのがございますね。この化学兵器のことにつきまして、化学兵器禁止条約ができる前に、暫定的ではあるけれども積極的に化学物質があちこち輸出入されないようにやっていこうということで、オーストラリア・グループというのができております、日本も加盟しておりますが。そのオーストラリア・グループで、化学兵器製造設備に関する対業界注意喚起という、いわゆる化学兵器原材料のみならず化学兵器製造に転用され得るような機器設備等についても参加各国の業界が輸出に際し留意すべきである、こういう提案をいたしました。それを受けて、ドイツは既にもう、九〇年の夏ですか、これの法案をつくっております。そしてアメリカも、聞くところによりますと今年二月中旬には法案をつくろう、こうしております。提案国の日本はどういう対応をされておるでしょうか、これをお聞きしたいと思います。

堤富男通商産業省貿易局長

○堤政府委員 お答え申し上げます。  化学兵器につきましては、先生御指摘のとおりオーストラリア・グループでいろいろコンセンサスづくりをやっておりまして、一九八四年以来、日本といたしましてもコンセンサスについては具体的にこれを実施するというふうにやってきておるわけでございます。具体的に申し上げますと、現在では、オーストラリア・グループで法的規制をすることになっております五十品目を上回る五十二品目について、我々といたしましては法規制をやっておる次第でございます。  それから、御指摘の化学兵器の製造に転用されるおそれのある設備についてでございますが、これはまだ必ずしも法的規制をやるということがコンセンサスでできているわけではございません。ただ、できる限りのことをやるという観点の中で、昨年の三月八日に通産省から通達を業界に出しまして、転用されるおそれのある物質をつくる製造設備につきましては、これを業界に対して注意喚起をいたしております。  今後とも、このアメリカを初めとして法規制化の動きというのはあるわけでございますが、オーストラリア・グループの中で今後これについて法規制が適当かどうかということを議論していくわけでございますが、事実上なかなか、通常輸出との区分けという難しい問題もございます。そういう意味では、コンセンサスづくりの中で我々としても積極的にこの問題に参加をして、法規制が必要であればやることも考えておるわけでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 これは通産大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、提案国なんですよ、日本は、注意喚起をしている。やはりその業界の対応というのは通産省が窓口ですよね。通産省、どうなんでしょうか。一部新聞報道によりますと、毒ガス転用防止の輸出規制をするというようなニュースも流れたようですけれども、これについてどういう対応をされようとしていますか。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 委員にお答えいたします。  先ほど政府答弁の方からもしたと思いますけれども、いろいろの形でこれが、何といいましょうか、日本の企業まで含まれた形でということは、昨年もちょっと発表されたことがございます。あらゆる形で調査を重ねてみましたけれども、そのような実態そのものはなかなかないのでございまして、そこで、実はついこの間もアメリカの上院外交委員会でもこんなことを取り上げられました。へルムズ委員会というのでございますが、私もそちらの方にも問い合わせもしてみておりますけれども、現実の段階では、他の国の方は相当に含まれておる面がございますが、日本の企業体の場合はそのことがないという現実がございます。ただ、そういう点がもう必然的に、先ほどこのような形で戦争をむしろエスカレートさせていくような状態というものは、決してもう黙過できません問題ですから、大変な問題になりますので、この点は厳に注意して考えていきたい、こう思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 総理、これはちょっと総理にお伺いしたいのですが、こういう軍備管理強化とかそれから軍縮のいろいろな協定とか、特に化学兵器、こういうものについて日本はいろいろな平和諸原則がございますね。非核三原則、武器禁輸三原則、そういう平和原則を持っている国として、また平和憲法を持っている国として、今後どういうリーダーシップをとっていこうか、ジュネーブの化学兵器禁止条約も早くまとまるように、これまたリーダーシップをとらにゃいかぬと思うのですが、その辺を踏まえて、今後軍備管理強化と軍縮協定についてのどういうリーダーシップをとろうとお考えなのか、お聞きしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 今後の世界の安全保障の枠組みの中核をなすのは、私は国連だ、こう思っておりますから、先般も国連の会議に参りましたときに、ニューヨーク大学の講演の中で私は、将来日本が果たすべき役割の中で今議論になっております化学兵器の保有の究極的な廃絶とか、あるいは核兵器のまず拡散の防止、そして究極的な廃絶、通常兵器はその移転を透明性、公開性のもとに置いておくとか、そういったようなことについて私なりの考え方も述べてまいりましたし、また国連を通じてそのような問題を日本は提起をして、そして将来の世界の安定というものが、力による均衡の平和じゃなくて、話し合いによる国連の場を通じての公正な平和になるように積極的な外交努力を続けていくべきである、こう考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そういう積極的外交努力を続けられる、私は、これはもう党は違えど重ねて強く要望しておきますが、この化学兵器禁止条約のネックになっているのは、先ほど丹波局長言われましたね、実はお金とか、いわゆる出資の問題、行財政の問題がありました。やはりこれは、日本がリーダーシップをとるには、思い切ってこういう条約ができた後の、条約機構の本部をつくるとなればそこに思い切った出資をするということ、これが一つと、その機構の本部を日本に誘致したらどうか、我が国に。こういうことを私は大いに言わにゃいかぬと思うのですね。ただリーダーシップをとりますだけじゃなくて、その条約ができた後の検証なんかする本部機構、この所在は日本にと、お金もしっかり出しましょうと、こういうふうに明言をされたらばリーダーシップをとっているなあという感じがするんですが、その点はいかがでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 必要な拠出金については、これは今後とも皆様の御理解と御同意をいただきながら積極的な行為を果たしていかなければなりませんし、日本にありますのは、今国連関係ですと国連大学の本部というのが一つあるわけでございますけれども、そういったこと等も念頭に置いて、今後とも御質問の御趣旨を踏まえながら努力を続けていきたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 製造物責任法の件でございます。  我が党も、昨年二月、要綱を発表いたしました。以来、精力的に中身を詰めておる最中でございます。衆議院の法制局の方に、この立法化につきまして今お願いをしておる段階でございます。三月の二日には製造物責任推進フォーラムというものをやろうというふうに今準備もしておるわけでございます。総理も、これからは生産者重視から生活者、消費者重視とよくおっしゃいますね。そのとおりだと思うんです。  そこで、この所管は経企庁だと思うのですけれども、長官みずから、新聞の名前を言うと語弊がありますが、ある新聞の一月一日号に、こういうふうにインタビューで答えておられますね。「国民生活審議会が来年からPL制度すなわち製造物責任制度の導入について検討を始めるが」。答え、これは長官の答えです。「これは無過失責任をどうするかという法律的に専門的な議論が必要なものです。役所が判断できる段階ではないが、二、三年後というのでなく、早い時期に結論を出してもらいたい」と、これは非常に前向き積極的に、まさに消費者保護の官庁として私は敬意を表するわけですが、実際この二、三年ぐらいじゃないかと今のペースを見ておると私たちは思っておるのですが、早い時期とおっしゃるのはいつごろのことを想定されているのか、これが一つ。  それから、通産大臣にお聞きしたいのは、これは通産省に物すごく関係があるわけですね、電気業界からありとあらゆる業界に。やはり通産省が腰を上げないとなかなかできるものじゃありません。通産省はどうされようとしているのか。  最後に、総理にまとめて。この製造物責任法について総理は国民生活審議会にもう諮問しておるわけですから、諮問をされた御本人ですから、この製造物責任についてはこの内閣としてはどういう対応をするかというのを、時間がありませんから、三大臣にお願いして、終わりたいと思います。

越智通雄自由民主党経済企画庁長官

○越智国務大臣 手短にお答えさせていただきます。  国民生活審議会は十二月に切りかえになりました。その直前に、立法化を含めて総合的検討をしてほしいという提言がございました。いわば今期の審議会は、任期二年でございますが、その宿題をしょってスタートいたしました。これを専門的に議論する小委員会をつくりたい、それにはある程度、審議会委員以外に臨時委員として入れなきゃならないということで、現在消費者団体とメーカーサイドと、それから法曹界と並びに学者さんと、四つのグループから十九名の人選がやっと終わったところでございまして、この二月からでもスタートしていただきたいと思っております。二年の任期のうちには何とかしていただけると思いますが、私の個人的気持ちとしては、この夏あたりに中間報告でももらえないかなと思っておりますが、これは自主的に小委員会がお決めになることでございますから、私の方からいつまでということは、今この段階でははっきり申し上げられないと思っております。

中尾栄一自由民主党通商産業大臣

○中尾国務大臣 先ほど委員が、消費者の保護のためにということでございました。その充実と消費者の安全というものの確保を図るということを一番重要視しておるわけでございまして、そのために製造物責任制度が有する意義について、十分に認識しておるつもりでございます。欧米における制度の状況等を中心にいたしまして、調査研究をまず行いたい。それからまた、本制度そのものが民法の原則に対する重要な例外をなすものではございますけれども、基本的には消費者保護の充実、先ほど来述べておりますその問題点に資するものとして評価し得るものではないか、こういう考え方に立つものでございます。  したがいまして、制度のあり方につきましては、あくまでも消費者救済の実効性、あるいはまた保険制度等の履行確保の制度のあり方というもの、あるいは関係各界に及ぼす影響等を含めまして、今後とも充実に、かつきめ細かな検討を行っていきたい、このように考えておる次第でございます。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○海部内閣総理大臣 担当大臣が細かくお答え申し上げましたが、私は、率直に考えて、民法の中における不法行為の責任問題、それから製造者の責任を消費者の方が挙証責任までその因果関係について負うということになりますと、これは非常に難しい問題があるのではないか。その辺の立場に立って、消費者の保護ということも踏まえながら、また各国におけるそれぞれの立法例なんかもございます。そういったことを検討して、ただいま検討中の問題だと考えておりますが、いずれにしても、この問題については、私どもの考え方は、この問題を通じて、挙証責任がなければあなたの方は泣き寝入りですよというような一辺倒の立場ではいけないということを念頭に置いて、いろいろ考えていきたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 ぜひひとつ、ECも九二年統合を目指してやろうとこうしており、アメリカも当然できております。そういう意味では一日も早い、九二年ECの統合に間に合うように、我が国も早く、一刻も早くつくるべきであるということを強く要請して、終わりたいと思います。

渡部恒三自由民主党

○渡部委員長 これにて冬柴君、近江君、日笠君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十三日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十八分散会

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