予算委員会 第3号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/12/13
会議録
○越智委員長 これより会議を開きます。 平成二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。戸田菊雄君。
○戸田委員 おはようございます。連日御苦労さまです。 まず、総理に三点ほど見解を伺ってまいります。 その第一点は湾岸危機についてでありますが、十一月二十九日、安保理事会の外相レベルの本会議で、対イラク武力行使の容認決議案、これを決定いたしました。この決定は国連憲章違反だと私自身は考えておりますが、決議は、イラクが来年の一月十五日までにクウェートから完全撤退しない場合は加盟国に必要なあらゆる手段を行使する権限を付与する等の決議でございまして、これに対し海部総理は過日支持する言明をいたしておりますが、これは日本国憲法の違反行為ではないか、こう思うのでありますが、総理の見解はいかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 御指摘の決議が行われたことはそのとおりでございますし、同時にそれは、一連の国連決議がさらに遂行されるように、私は、きょうまでの国連安保理の湾岸危機を平和的に解決したいという努力は、これは支持しておりますから、このことは、イラクに対して国際社会の総意というものをもう一回きちっと伝えて、やはり最後の決断をする機会を提供するという大きな願いがあり、同時にまた、あくまで平和的に解決されなければならぬという立場に立って、この決議を踏まえてイラクに対して国連決議の原則に従った最終的な決断をするように、これは国際社会とともに私自身も強く期待をしておりますから、その決議の目指しておるものを支持いたしますけれども、しかしそれはあくまで平和解決をすべきだという従来の延長線上の努力であるし、同時にまた、あの決議を受けてアメリカはまた直接対話の提唱もし、イラクもこれに今応じようという基本的な動きが始まっておることもそのとおりでありますし、また、国連決議の三つの原則の一つであった人質の問題は、これは最近の朗報として既に御承知のとおりでありますから、さらにクウェートからの撤兵という局面転回への決断をイラクがすることを私は強く望んでおるわけでございます。
○戸田委員 御意見は承りましたけれども、しかし国連安保理事国十五カ国、そのうち十二カ国はソ、仏を含めて賛成はいたしましたが、しかし中国は棄権ですね。キューバとイエメンは反対。こういうことになっているんですね。だからせめて、直ちに支持言明ということじゃなくて、その点はやはり今総理が言われたようにあくまでも平和解決を目指してと、こういう希望があるなら、この国連の今回の六七八号の決議に対してはやはりもう少し慎重であっていいんじゃないかと思うのですね。そういう気がいたすのですが、この辺はどうですか。
○海部内閣総理大臣 東西対立が終わった後の新しい社会の中で、物事を平和的に、そして安定的に行っていきたいというのは、これは世界の願いだと思っております。そして、その世界の願いを真っ向から否定するような力による侵略行為が行われてきたということも、これは事実でありますから、それはやはり国際社会の総意に従って、平和的なうちに局面の打開のできる人がやはり決断をして局面打開をしなきゃならぬ。具体的に言えば、イラクがクウェートからの撤退ということをきちっと決断して行うことによって事態は平和的に大きく転回していくわけでありますし、また、きょうまで国際社会の総意、そういったものが一連の平和解決への歩みというものを進めてきたわけでありますから、私はそれのさらに最終的な判断を求める。八月からきょうまで、イラクにはクウェートからの撤兵という面において何の反省もないわけでありますから、それを強く求める。あくまで願うところは平和的な解決である、平和の回復であるというところのねらいを大きくとらえまして、私は、それに対しては効果が上がっていくように、平和的解決がなされるように強く願って支持をしておるものであります。
○戸田委員 アメリカの提唱によって二国間交渉に持ち込んだ、これは非常に私は喜ばしいことだと思うのです。そういう交渉を通じてぜひ平和的解決にいってもらいたい、こういうふうに念願するわけでありますが、しかし万が一これがまとまらずに戦争等々になったら、これは全く、その悲惨さといったら、私は今までにない大変な状況になるだろう、こう考えます。とにかくイラクは百万人体制、化学兵器、毒ガスを含めてそういうものを持っている。それからアメリカ、多国籍軍については近代兵器でもって大装備をしている。場合によっては核ミサイルも使われるなんというようなうわさもある。そういう戦争になったら、こ れは単は当事者、アメリカ、イラクの被害だけではなくて、あの地域のあるいはまた経済的なそういう被害というものが全世界的にこれは広がるわけです。日本なんかも七〇%とにかくあそこから油を持ってきているわけですから、そういう状況の中で、何としてもやはり防がなくちゃいけないのは戦争だ。そういう意味で、ぜひひとつ総理も今後できるだけ外交交渉を通じて、そしてそのような方向にいくように御努力を願いたいと思うのです。 そこで、問題は政治姿勢についてでありまするが、過日、前通常国会等々を通じまして、総理は政治改革、これに身命を賭するとえらい決意を申された。今具体的に小選挙区制、この導入、制度審議会の答申の内容を見ましたけれども、あの小選挙区制でいったら、自民党が四〇%支持率でも議会での数は八〇%超えますね。ああいうゲリマンダー方式、それから一党独裁にいくような、そういう選挙の土俵づくりは私は何としても避けていかなければいけないだろうと思う。かつて、今の小沢幹事長のお父さんですが、代議士をやっているときに、大選挙区制、中選挙区制、小選挙区制、一時やったときがある。ところが、あの方は弁護士でありまするけれども、法的に、実態的に、極めて小選挙区制というのは金がかかる、それからそういう地域分区、選挙分区、こういったものについても極めて不合理をする、これは絶対反対だということで、それで廃止をした経緯があるのですね。これは、自民党の先輩の皆さんもこの点についての欠陥というものは十分知り尽くしている。だから、そういったものを導入するというようなことは私は再検討してもらいたいと思う。いかがでしょう。
○海部内閣総理大臣 きょうまでのいろいろな選挙制度の制度の上から出てきている問題点について、選挙制度審議会では、これは言論界の代表の方や学者の代表の方や各界の代表の方が集まられて、現状のままでいいというよりも、先進民主主義国がいろいろやっておるような、やはりもう少し政策中心の、そして政党中心の選挙制度にすべきであるというさまざまな広範な議論の結果、あの答申をいただいたものであります。同時にまた、政策中心、政党中心の選挙というものは、ある意味において個人が今中心となって、選挙に対する陣容づくりから陣営から、複数の人間が同じ政党で同じ選挙区から立候補しておるとなれば、政策は同じでありますから、それ以外の集票努力というものはいろいろまた政策以外のことに知恵を使わなきゃならぬ、時間をかけなきゃならぬという問題等も出てきております。私は、政党中心の、政策中心の選挙に方向を向けていくということは、これは時代の大きな要請だと思いますし、またそうすることによって、議員が選ばれるときの選挙の土壌というものを少し思い切ってみんなの力で考え直していくことが必要ではなかろうか。 お金の問題については、これはお金も、政治をやるにはお金はかかります。ただ、そのお金のかけ方、かかり方についてもう少し公的に、公の仕事をするのですから、公的な助成とか、あるいは、もう少し個人が必要以上に選挙や日常の政治活動にお金を使わなくてもいいような制度にすることが、いろいろと言われる政治不信を解消していくためにも、また議員が議員活動にすべてを打ち込むことができるようにするためにも必要ではないかという指摘もたくさんあるわけであります。 そういったことを考えまして、今、今後鋭意政治改革は続けていかなければならない、この決意に変わりございませんから、ただ、政治家、政党のよって立つ基盤に直接影響する重要な問題でもございますので、議論と御理解と御協力を心からお願い申し上げたいと思います。
○戸田委員 平和協力基金制度、この問題について、一応法的な見解等についてお伺いしたいと思うのですが、憲法の八十三条、これは「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」こういうことになっていますね。それを受けていわゆる財政法というもの、財政の憲法と言われている、これができてきたことは御存じのとおりだと思う。その財政法の二十四条、これには、前段は割愛をしますが、中段で、全然見積もられなかった経費を必要とするに至った場合には、その金額が大きくかつ重要なものであれば、追加予算なり修正予算を提出して措置すべきである、措置しなさい、こういうことですね。今回の平和基金制度のもう既に実行した十億ドル、今補正予算にかかっておる十億ドル、おおむね四十億ドル、こう言われているのですから、これからさらに二十億ドルの追加ということになりましょう。これは税金ですからね。 それで、総理は、交換公文を土台にしてそれを締結したのだから、これは支出は別に法的に違法じゃありませんよ、こう言っていますけれども、この見解は後で聞きましょう。その金額が大きくかつ重要なものであればと、その金額、相当、これはどの程度に考えているのかですね。あるいは重要の内容、今回の基金制度等々は、これは該当するのですか。それをちょっとお伺いしたい。
○橋本国務大臣 今委員からのお尋ねでとっさに私が考えてみますと、一概にそうした類型を示すことは極めて困難であろうと思います。 これは直接委員のお尋ねに例示として適切かどうかわかりませんけれども、例えば金額ということだけをとりますならば、恐らく私は国の予算の項目の中で、例えば国民健康保険の事務費負担分などというものは金額としては非常に大きな土台を持っております。これが多少動きます場合、率としてはごくわずかなものでありましても金額的には相当大きな予算上の数字になってまいります。また、一つ一つの予算項目としては非常に少ない金額のものでありますが、その関係者にとっての重要性というものでは非常に大きなウエートを持つ費目もございます。とっさに今私が頭に浮かべてみまして小さい金額ということでいきますと、例えばハンセン氏病の関係者の方々の日用品費のようなものは、対象者自体が数は少ないわけでありますから、金額としては何億、何十億といった金額になるものではございません。しかし、これはそのわずかな金額でありましても関係者にとっては非常に大きい。 今委員がお尋ねになりましたような視点から、金額によって例えば大小、緊要性云々ということを一概に規定することは私は非常に困難ではなかろうか、とっさのお尋ねで恐縮でありますけれども、そのような感じを持っております。
○戸田委員 大臣、私は端的に伺っているのは、金額が大きく、それと重要なものであれば、これに今回の十億ドルというものは該当するのか、適用範囲なのか、そうでないのか、この十億ドル。これを聞いているのです。
○橋本国務大臣 緊要性という点におきましては、全く予見されなかったイラクのクウェートへの侵入、侵略という行為から発生したことでありますから、まさに緊要であろうと思います。 金額の大小ということにつきましては、私は一概に非常に言いにくい、ルールのあるものではない、しかし、今回の対応として必要と判定した基準、金額、そのように申し上げる以外にないと思います。
○戸田委員 かつて昭和四十一年に、絶対発行してはまかりならぬ、財政法第四条、このときに建設公債発行、これに踏み切ったのですね。いろいろ理屈はありましたけれども、最終的に歯どめは市中銀行等をシンジケート団として、これで歯どめをかけていきます、こういうことだった。そのときには特別立法措置を立ててそしてこの公債の発行というものを措置した。同じように給与法、これを土台にして予算化していくわけでしょう。同じように、今回の基金制度に支出をする、これは税金ですから、そういった特別立法措置を立てて国会の承認をもらって初めてこういう手続をやることが私は至当じゃないか、このように考えるのですが、そういうものを全部割愛してしまって、補正予算に単なる収支項目の一項として挙げてくる、こういうことは法的手続上からいって私 は妥当じゃないのじゃないか、このように考えるのですが、どうでしょう。
○橋本国務大臣 この中東湾岸危機の情勢の変化の中におきまして、当初の十億ドルというものの貢献策、その大半を予備費の支出にゆだね、一部を既定経費で充当いたしましたことは委員よく御承知のとおりであります。これはまさに国際情勢の非常に大きな動きの中におきまして、日本として負うべき責任を政府の責任において判断したという意味におきましては、委員が御指摘になりましたような御論議が成立することもあるいはあるかと存じます。これは政策判断の問題として、私どもは緊要性のあるものとしてこれを対応いたしました。 しかし、今回新たに湾岸平和基金に対して出資をいたします千三百億円というものにつきましては、この補正予算、現に御審議をいただいております補正予算に正式に計上をし、その御審議を願っておるわけでありまして、私は特別立法等を必要とする性格のものではない、そのように考えております。
○戸田委員 しかし、従前、条約上財政の支出その他必要なときには、まず条約を国会で承認をして、その上に立って金銭の支出その他やっているんでしょう。今回はそういう手続は何もとられてないじゃないですか。交換公文だと、こう言う。だったらそれをまず国会で、外務委員会等を通じて、そして明確にこれの結論を出して、その上に立ってこういう基金制度を出しますよということになっていかなければ、従前の、国会の承認その他、これらの各般の審議手続を全く無視しているじゃないですかね。そういう手順をとらなければこの基金制度は出せないと思うのですね。だから、そこで反対、賛成、またいろいろ意見が出るわけじゃありませんか。私は基本的に、これは憲法違反条項だから拠出はだめだ。前段として条約を承認して、交換公文、まあ百歩下がって、それをやっぱり一回国会で承認をして、政府が出して、その上に立って論議をして一定の結論を出して、そして支出をする、こういうことにならなければ、私は非常にこの扱い方についてまずいと思っているのですね。どうでしょう。
○橋本国務大臣 これは私がお答えを申し上げるのが的確かどうかわかりませんけれども、その支出を承認をいたします責任者として私自身の考え方を申し述べたい、こう存じます。 確かに、八月二日にイラクがクウェートに侵略を開始いたしましてから今日までの時点におきまして、クウェート国内から戦火は他に広がることはございませんでした。ですから、現時点になりまして過去を振り返って考えれば、あるいは委員の御指摘のような時間的ゆとりも生じたかもしれません。しかし、八月二日以降、クウェートを制圧したイラク軍の行動というものについては、それが国境線で停止をする、しない、あるいは多国籍軍との対峙がこうした長い時間にわたる、こうした予測はだれもつけ得なかったであろうと思っております。そうした中において、こうした国際情勢の緊迫、緊張というその度合いを考えましたときに、私は、政府の対応として予備費使用という決断を下したことが誤りであったとは考えておりません。そして、現にこうして追加の一千三百億円の支出につきましては国会における御審議をお願いを申し上げておるわけでありまして、私は、歴史を振り返ってもしということは禁物だということがよく言われますけれども、当時の私どもの判断としてはこれ以外に選択肢がなかったと率直に申し上げたいと思います。
○柳井政府委員 ただいま大蔵大臣より御所見述べられましたが、私の方からは条約の締結という観点から簡単に御答弁させていただきたいと思います。 御承知のように、今回の取り決めは、通常の経済協力にかかわる取り決めと同様に、国会の御承認をいただきました予算の範囲内で行う資金の拠出について定めているものでございます。したがいまして、いわゆる昭和四十九年の大平三原則という条約の締結に関する慣行を取りまとめた御答弁がございますが、この原則におきまして「国会の承認を経るべき条約」、「その他の国際約束」として明らかにしておりますところの「すでに予算または法律で認められている以上に財政支出義務を負う国際約束」には今回の交換公文は当たらないということでございます。
○戸田委員 今回予備費補正予算の中でこの基金制度十億ドルの支出を求めてきたというのは、財政法三十二条、これに基づいて手続をとっているわけでしょう。どうなんですか。
○保田政府委員 お答えいたします。 財政法三十二条には「各省各庁の長は、歳出予算及び継続費については、各項に定める目的の外にこれを使用することができない。」そういう一般的な規定でございまして、今回の予備費による支出は、一般的に内閣が責任を持って支出することができるという予備費の決定、内閣による決定、それが通常の予算の配賦でございますから、その配賦された外務省に対する予算、それの執行ということで行われるわけでございます。
○戸田委員 確かに主計局長、予算編成権は憲法八十六条でこれは明確に政府にある、これはもう明確ですよ。しかし、それを受けてこの予備費経費の、財政法三十二条、これに基づいて今回予算に組み込んでいる。しかし、組み込むに当たっては二十四条というのがありますよ、今言うとおり相当な額、重要であること、この内容に盛られた支出内容ですよと、こう言っているのです。だから先ほど私は大臣に、重要であるのか、相当額に該当するのか、この見解をただしたのはそこなんです。だから私としては、そういうものは従前の、国家支出になる場合については、殊に外交問題ですから、そして国政全般にかかわるのですから、そういうものについては一たん条約を成立をさせてその上に立って財政的措置をしていく、これが今までの国会の審議経過じゃないですか。手続上の問題じゃないですか。 だから私は、結論的に、時間が余りないものですからこの辺でやめますけれども、平和基金制度の十億ドルは補正予算から削除して、別枠で特別立法措置を立てて、条約を承認して、その上に立って本問題の処置をしていく、こういう手続をとってくれませんか。いかがですか。
○橋本国務大臣 政府といたしましては、この交換公文に基づき湾岸平和の回復のためにこの補正予算に計上することが至当であると判断をいたしております。新たに今の時点において条約を締結しその上で特別立法をもってという御主張には、私は賛同できません。
○戸田委員 大臣の言う至当であると考える、そういうことではちょっと私も納得しかねるのですな。 じゃ、政府の統一見解をひとつ出してくれませんか、これに対して。
○橋本国務大臣 統一見解と申されますけれども、国際情勢の変転する中におけるこのイラクのクウェート侵略という行為から派生した緊急性に対応するという意味におきまして、今私が申し上げたものが、総理以下どの閣僚にお尋ねをいただきましても変わる性格のものであるとは思いません。
○戸田委員 これは委員長に要請しておきますが、今の問題の政府統一見解は、理事会等を開いて、ぜひひとつ作成をし、出していただきたい。
○越智委員長 戸田委員にお答えします。 ただいま政府の統一見解だと、こういうことでありますから、これ理事会開いても同じことになると思います。質問をお続けください。
○戸田委員 法制局長官、呼んでないものだから──おりますかな。ひとつお聞かせください、長官の見解。
○工藤政府委員 お答えいたします。 ただいまの委員のお尋ねでございますが、二つに分けて考えることかと思います。まず第一が、最初の十億ドルの予備費との関連だろうと思います。それから二番目が、今回の補正予算の中に組み込まれております分であろうかと思います。 第一の予備費の分につきましては、憲法の八十 七条におきまして「予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。」これがいわば根拠になろうかと思うわけでございます。そのもとになります点につきましては、先ほど条約の締結等につきまして外務省の条約局長がお答えしているところでございます。 それから二番目の分につきましては、ただいまの財政法の二十九条で、補正予算におきまして「内閣は、」飛ばしますが、「予算作成の手続に準じ、補正予算を作成し、これを国会に提出することができる。」ということで、その中に「予算作成後に生じた事由に基づき」云々、「特に緊要となった経費の支出」と、こういうふうに書いてございます。そういう意味で、これに基づきまして盛られたもの、かように考えております。
○戸田委員 法制局長官、後でこの問題について今の見解を書面にまとめて出してくれませんか。 それから、時間がありませんから本問題はこの程度で打ち切りますが、豊かさの検討について若干質問してまいりたいと思いますが、総理、今国民の生活の豊かさ、これ問われて久しいのですけれども、現下の国民の実態というものは、長時間労働、残業、過労死、妻の就労化、単身赴任、所得の低迷、資本格差の拡大、各種負担の増加、不平等・不公平感、これの拡大等々、働きバチというのですかね、あるいはウサギ小屋とやゆされるような、そういう現状ではないか、このように考えるのですが、総理はどのように見ておりますか。
○海部内閣総理大臣 今委員がいろいろお挙げになりましたこと、それは、そういった例をいろいろと羅列して並べることもできると思います。しかし、全体として眺めますと、私は、戦後の日本の社会生活の豊かさというものは全体として高まってきておることは、これは間違いないと思います。全体として高まってきておる中で、いろいろある不公平感とか、あるいは持てる者と持たざる者の差であるとか、いろいろな問題がありますから、それに対してはそれぞれそれを是正していくような対策を講じてきておることは当然のことでございますし、また、単身赴任の問題とか勤労時間の問題とか、いろいろ努力を今しておる渦中の問題もございます。そういった努力を積み重ねることによって、本当に豊かさが実感できるような、全体として豊かさが実感できるような公正な社会を築き上げていくためにいろいろ今後とも努力を続けていかなきゃならぬと考えております。
○戸田委員 これは経企長官、資料をいただいておりますので、もし私が言ったことで誤りがあれば指摘をしていただきたい。 今、日本の社会保障費の国民所得比率、これを見ますと、一九八八年、日本は一四・五%です。アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等は、一九八六年ですけれども、アメリカは一六・二%、イギリス二五・五%、フランスが三六・二%、ドイツ二九・一%。EC体制というのはほとんど社会資本投資ですね、こういったものは全部整備されている。その上に立ってこのくらい比率を占めているわけです。日本は非常に低いですね。低いです。 それから、各国の公共投資の対GNP比率でございますが、これは日本が五・一、一九八八年であります。アメリカが一・六、フランスが三・二、西ドイツが二・三、こういう状況ですね。非常に公共投資部面では、アメリカの三倍、EC体制の倍、こういう状況になっておるのですね。だから相当数公共投資はやっておるのですけれども、それが国民生活のネットに付着してない、ここに私は問題があるだろうと思うのですね。 ですから、こういう点について今回の構造協議四百三十兆円、初年度でありまするが、おおむね建設省その他について千五百億円、総体で二千億、厚生その他福祉と思われるもの、あるいは農政、これは百五十億円、こういうことで配分を決めたようですけれども、等々の今後生活関連投資等に力点を置いた公共投資、これをやはり考えていく必要があるんじゃないでしょうか。 さらに、GNPに対する民間設備投資比率、これを見ましても、一九八九年日本は一八・四%、アメリカ七・〇%、イギリスが一三・八%、フランスが一一・六%、ドイツが九・二%、こういうことですね。もう突出ですね、突出。だから、俗に世界的に日本は低福祉、土建国家、こう言われる。だから、こういう面の根本的な改善策をとっていく必要があるだろう、こういう気が私はするのでありまするが、公共投資に対してどういう見解を持っておられましょうね。
○橋本国務大臣 今委員が幾つかの分野にわたって数字をお述べになりましたけれども、まず第一に、ここで明らかにいたしておきたいのは、現在平成三年度の予算編成の作業中でありますが、生活関連重点化枠の配分といったものについて、私どもはまだそれを決定する段階には至っておりません。現在それぞれの事業につきまして、その必要性、緊要度等々念査をいたし、それぞれ関係省庁との間に論議をいたしておるさなかでございます。 その状況はまず御報告を申し上げた上でお答えを申し上げたいと思いますが、確かに委員が御指摘になりましたように、欧米各国と日本を対比をいたしました場合、日本の場合に現在非常な勢いで社会資本整備に取り組んでおりますけれども、過去の蓄積の度合いにおいて欧米諸国との間に差異があることは御指摘のとおりであります。そうした中におきまして、他国に比してより高い社会資本整備のための投資を現在も日本は行っておりますし、今後においても、今後の十年間に総額四百三十兆という目標数値を掲げ、公共投資の充実を私どもは図ってまいらなければなりません。その中において、国民生活の質の向上につながる部分にその重点をして志向していかなければならないという御指摘は、そのとおりであると私どもも考えます。 今委員はそれぞれの分野に問題を提起されたわけでありますが、その国民生活の質の向上という視点一つをとりましても、例えば昨今ごみの問題が非常に大きくクローズアップされてきておるといったようなニーズの変化もございます。こうしたものを私どもは十分念頭に置きながら今後の予算編成に取り組んでいく考え方でありまして、その限りにおきまして、委員の御指摘は私は素直に承らせていただきたい。 ただ、問題の所在はそれぞれにあるわけでありまして、従来からの、例えば継続しております考え方を一挙に振り捨ててしまうといったような、そうした過激な考え方を私はとるつもりはございません。
○戸田委員 これは主として税務統計から拾い上げたのですが、さっきも国民生活の現状について総理に伺いましたが、給与の実態、これを見ますと、民間サラリーマン一人当たりの平均年収四百二万四千円ですね。数は三千八百六十四万九千人おります。国家公務員等百七十万含めますと四千万を超す。こういった皆さんの平均給与は若干上がりまするけれども、民間ベースでいきますとこういうことですね。そうすると、このうち端的に言って、時間がありませんから一々お話ししませんが、生涯賃金、仮に四十年間とするとどのぐらいかというと一億八千四百万円、そのうち公課負担その他、税金とか社会保険料、こういうものを引きますと、約半分ぐらい可処分所得。これじゃやはり家と土地にならぬのですね、ならない。ですから、私は、今後積極的に政府は所得の再分配について各般の施策で配慮をしていく必要があるだろう、このように考えております。 一つの例でありまするが、政府は十年ぐらい前からマイホーム主義をあおって、消費者は王様だ、こう言ってどんどんどんどんつくらせてきた。これは金融公庫その他の今までいろいろな融資、その他の面についてもいろいろやってきたわけですから、そういう状況なんです。ところが今度住宅ローンの返済ですね。これを見ますと、例えば八六年以降、夫婦で二人子供ですからモデル世帯、これらの皆さんはほぼ一四%負担率、年収の、収入のうちの一四%負担率。それから三十歳 から三十四歳、この負担は三二・九%、約十二万円。──これはこっちの資料、いただいたやつでやりましょう。これは総務庁からいただいた資料ですけれども、三十─三十四歳、これは昭和六十二年、住宅返済額十二万円、年間百四十四万三千五百七十六円、住宅ローンの返済額の割合三二・九%、可処分所得が三十六万六千百八十一円とこうなっている。こういう負担増なんですね。 それで、なおかつこれは私大蔵大臣にぜひ検討していただきたいと思うのですが、この住宅ローンの返済なんですよ、銀行利子その他。大体二千万借りますると、これは八%にすると千六百万、十八年間。そうすると、この返済をしていく、今のような金額を。返済をしていきますと、最初の半分、十年ぐらいは利子払いなんですよ、利子払い。元金の返済になっていない。だから、これは均等償還で銀行の経理計数を出してもらうことが必要じゃないか。そうすれば十二万納めて六万、六万ずつ入ってくるのですから、利子六万、それからこっちの元金ですね、それに対して六万。そうすればどんどん減っていく、利子も縮小されていく。こういう状況で、非常に合理的な、そういうローンに値する事後の取り扱いになっていくんじゃないだろうか。これがあるから、今払い切れないで夜逃げしたりなんかする人が非常に多いです。私の知っている人とかあるいは地域の皆さんでも、困っている人が本当に大多数。そういう状況ですから、この点をぜひひとつ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○橋本国務大臣 今私もそのローンの返済中でありますから、委員の御指摘が多少身につまされる部分はございます。ただ、今委員がお述べになりましたような手法をとりました場合には、常に実は未払い利子の発生という問題が生じるのではなかろうか。果たしてそれはローンの利用者にとって利便であるのかどうか、ちょっと私にはわかりません。これは専門的な知識を必要とする部分でありますので、事務当局の答弁をお許しいただきたいと思います。
○土田政府委員 今のお話は、住宅ローンなどの返済額の計算に関するお尋ねでございますので、私の方から御説明をいたします。 一般的な考え方といたしまして、支払いを要する利子の額というのは、そのときの元本の残高に所定の利率を掛けて計算するわけでございます。ところが、この方式によりますと、元利合計の支払い額は借り入れました直後には多額になります。その後、元本の返済が進むに従って少額となるわけでございます。いわばグラフにかくと右下がりの状況になるわけでございます。ところが、個人住宅ローンの場合には、通常の商工業貸し出しなどの場合と違いまして、借入者には給与などのような一定額の収入しかない場合が多い。しかも住宅ローンを借りた時点では、年齢その他から考えても、返済に充てることができる余裕が限られておるという場合が多いわけでございますので、そこで、その方がかなり多額のローンをするのであれば、当然その返済は長期間にわたることになるわけでございます。 ところで、この個人住宅ローンの場合には、このような状況から見まして、住宅ローンを借りた方の返済の便宜とか生活設計の安定とかを考えまして、右下がりのような方法だけではなくて、元利合計の支払い額を平準化する、いわば元利均等返済の仕組みが工夫されておりますし、現実にもこの仕組みが利用されているのが通例でございます。その際に、返済金を元本に充当するか利息に充当するかという問題でございますが、それは民法の第四百九十一条という規定にも「順次ニ費用、利息及ヒ元本ニ充当スルコトヲ要ス」という規定もございますし、また、それが我が国の通常の商慣行にもなっていることでもございますので、なかなか御指摘のように、まず元金に優先充当すべしというふうに民間を指導することにはなじまないと思うのでございます。 ただ、例えば住宅金融公庫では、元利均等返済方式のほかに、元金均等返済方式も取り扱っております。したがいまして、もし借り入れ当初の段階での元利合計の支払い負担がふえてもいいということであれば、この方式を利用されることも考えられると存じます。
○戸田委員 局長、一回これは白紙に返ってひとつ検討してみてください。各種利率はいろいろありますから。それは、殊に金利は今自由化体制に誘導しているわけですから。それはいろいろありましょう。しかし、この住宅ローンについては、私が先ほど申し上げたような状況なんですから、これは十分検討していただいて、せめて、三千六百万に全体返済の格好になるというのは、これはどだい私はおかしいと思う。だから、そういう点も結局検討して利率の上限を設けるとか、それから今の計算方式、これももう少し妥当にする。五年間はじゃ利子払い、以後は均等償還等々、できるだけ総体の五〇%ぐらいの利率計算でいけるような方式にならないと、これはマイホームはとてもできないと思うのですね。これはぜひひとつ大臣お願いしておきたいと思うのです。 それから、時間がありませんから飛ばしますが、林野事業の活性化について若干──その前に、通産大臣にちょっとお伺いしますが、先ほど私が総理に質問したような内容の現状は、殊に自営業者とか一人大工さんとか、あるいは一人社長とか、あるいは船に乗り込んでいる皆さんとか等々いっぱいおるわけですが、そういった人たちが何ら時間的な基準法の遵守とかそういう方向には全くいっていないのですよ。通産産業構造ビジョンというものがありまして、これは通産省が代々、六〇年代は重化学工業化、七〇年代は知識集約化、八〇年代は創造的知識集約化等々で産業の向かうべき方向を指導してきた。今回、通産省産業政策のあり方について、人間志向の通商産業政策ということでこれを提起をしまして、結局、従前の生産優先、供給重視、こういうものから生活優先、人間重視、こういうものに転換していく。そして具体的には、労働時間にしましても、千八百時間に実現をしますよ。地球再生計画、この具体的構想というものを出して、そして完全週休二日制並びに促進、年次有給休暇の完全取得、所定時間外労働の削減等々、これをうたって方針として指し示しているわけですね。だから、商工人の皆さん大変苦労しまして、これは朝早くから夜遅くまでやって、そういう余裕はないのです。だから、そういう面について適切な指導、そういうものを強めてもらいたいと思うのです。大臣の見解を一言。
○武藤国務大臣 今の御指摘は、一生懸命働いている人たちに全く余裕がないではないかという御指摘かと思うのでございますけれども、確かに日本の経済が今日になるまでには、一生懸命皆さんが働いてきていただいて、全く後ろを振り向く余裕もなかった時代もあったかと思います。 幸い、先ほど来いろいろとお話がございますように、日本もある程度国民生活にもゆとりが出てまいりました。経済もこれだけ大きな経済大国にもなってまいりましたので、これからは、九〇年代は、今までのいわゆる生産重視ととられていたような政策を転換をいたしまして、消費者重視の経済政策もひとつそういう観点から見ていこうということで、今回のビジョンの中にも一つの大きな柱として、国民生活のゆとりと豊かさを実現しようというのを三つの目標の一つに掲げました。その中で、今の勤労者の問題につきましては、やはり労働時間を短縮していかなければいけない、千八百時間というのが目標でございますけれども、とりあえず週休二日制を徹底させていただいて、そして今四十八時間を少なくとも四十四時間には、きちんとこれはみんなで守っていただこうというようなことで、今お願いをいたしておるわけでございます。 今いろいろと御指摘がございましたが、それ以外にも、生活環境の改善という形からいって、先ほどのいわゆる公共投資四百三十兆のお話もございましたが、それに加えて、今御指摘のございましたように、いわゆるCO2の排出を極力抑えていくという形において、皆さんの住んでおられる生活環境をよりすばらしいものにしていこうとい う形で、私ども地球再生計画というのも取り上げておるわけでございますし、あるいはまた勤労者に、どんどんこれが高齢化社会になってまいりましたので、やはり定年制の延長であるとか、あるいは高齢者の方々にも働いていただきやすいような環境をつくっていくとか、そんなようにいろいろなことを考えて、少なくともゆとりと豊かさを持ったひとつ社会を実現をしていこうということで、これからでございますけれども、政策をやっていこうということでやっておるわけでございます。
○戸田委員 林野事業について、これは大蔵大臣、農林大臣、あと労働省関係があると思いますから労働大臣、御見解を伺っておきたいのですが、今、特会計移行後、山、森林を独立採算制でやれということ自体私は無理だと思うのです。だからなじまないと思うのですけれども、しかし、いずれにしても、特会計制定をして今日までやってきた。しかし、赤字が二兆を超える、累積債務ができてしまう。年間二千六百億くらい一般会計から借金をしてやってきました。再建計画と称して五カ年計画を三回にわたってやっているのですが、しかしうまくいっていない。 だから、ここで一番私が考えるのは、今後のやはり林野事業の活性化を図るということであれば、昭和四十二年のあの石炭特別会計をつくったとき、これは石炭産業が斜陽化して、閉山その他雇用政策の対応策として産炭地開発あるいは石炭の事業継続、こういった一助ということで石油の貿易収支、これの関税の一〇%、これを石炭特別会計に収納して、それを土台にして産炭地の開発その他やってきた。今の林野事業がそういう状況になっているのじゃないか。どういう妙手がおって、いい旗手がいて旗を振ろうが、今の制度の枠内で、山林を守って、林野を守って緑を発展させる、自然を保護する、国土を保護する、こういったことは無理だと思います。それで今度、答申によって一方は大合理化をやられる、こういう状況ですね。 だから、等々考えますと、この際に新たな角度で財源調達をして、そして林野事業の活性化を図る、そういう再建方策というものを立てていく必要があるのではないだろうかということから、私案ですけれども、木材特別会計法というものをつくって、そうしますと、石炭特別会計法に倣って貿易収支その他の関係で関税の一〇%収納するということになると、これは大変大蔵省の関税局に御苦労をかけて資料をとってみたのですけれども、そうすると、関税定率の四十四類─四十六類の輸入額、一九八九年で、これは千円単位ですから一兆五千六百三十億見当ですね、関税収入があるのですね。だからこれの一〇%、そうすると千五百億見当になります。何かそういうことをやって仮称木材特会計をつくって、これの財源あるいは二兆二千億の債務返済というような何かそういう新たな対策をとらないと、これはもう国鉄の二の舞、どうにもならないという状況にいってしまうのじゃないだろうかということから、ぜひひとつこの問題の検討をお願いしたい。 石炭特別会計のときは、大蔵省と通産省と労働省と三省管理方式をとって石炭特会計はやった。今回も私は、大蔵省と農林省と労働省、雇用政策も入ってきますから、そういうことで本問題の特別会計等をつくって、一定の関税収入の収納体制をとって財源調達する、こういうことでいかなければ林野の再建というものはおぼつかないんじゃないだろうか、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
○橋本国務大臣 今委員が述べられました一兆数千億円という数字は木材の輸入金額ではなかろうかと存じますが、基本的に私は、今の御指摘には問題があるような気がいたします。 その第一は、どういう格好でありましても、特定財源を今新たにつくるということが、これはやはり特定の歳出に結びついて財政の硬直化をもたらすという問題が必ず出てくる。これはやはり適正かつ効率的な財源配分を損なうという問題があると一般的な問題として思います。 しかし、それ以上に今、私は委員にお考えをいただかなければならないのは、今委員の述べられましたような現行の国有林というものを前提としてその存続を考えるべき時期なのか、あるいは国有林野事業そのものを根本から洗い直していくことによって、基本的なスタンスそのものから変えていく必要がある時期なのか、そういう時局認識もあろうかと思います。私個人の考え方は何回か本委員会においても申し上げてまいりましたが、いずれにしても、今林政審の御答申を受け、その上での次年度予算に向けての論議も進んでおります段階であります。具体的なことは、私は現在申し上げるわけにはいかないと思います。 しかし、もう一つの問題は、今委員は、その木材関税の一部を特定財源化という提起をされましたが、これは恐らく農水大臣からお答えをいただくと思いますけれども、ウルグアイ・ラウンドにおきまして木材関税そのものの是非が論議をされております中で、これを特定財源にという新たな問題を提起することが日本として現在とり得る手法かどうか、こうした視点はぜひ念頭に置いていただきたいと思います。
○山本国務大臣 お答えいたします。 今、関税のことにつきましては大蔵大臣からお話がございましたけれども、その前段のこの国有林野特別会計、これは委員が御指摘のとおり、いろいろな事情で二兆円を超える大変な赤字が現在ある。これは何とかしなくちゃならない。この予算委員会でもしばしば私申し上げてきたところでございます。 林政審にいろいろお願いをいたしまして、先般中間答申もいただきました。また、最終答申ももうやがて出るというふうな段階でございまして、一方、本省といたしましては、林野庁を中心にしていろいろな対応を、今最後の詰めのところへ来ております。各界の意向とかそれぞれの御意向を承りながら、最終的な段階に今来て、そして林野特別会計の大赤字を克服するために、将来に向かってどうしようかという抜本的な結論がもうやがて出てこようかというふうに考えておりますので、ぜひその節はいろいろ御指導願いたい、御協力を願いたい、こういうふうに考えております。 この関税の問題につきましては、大蔵大臣の見解と私ども同じでございまして、せっかくの御提言で大変ありがたいのでございますけれども、今のところはなお問題がある、こういうふうに考えております。
○戸田委員 時間がなくなりましたので、一括質問をして終わりたいと思うのですが、一つは税制問題です。 私は、税制については、何といっても当面緊急に解決しなくちゃいけないのは不公平の是正だと思うのですね。不公平の是正。例えば課税最低限、一般の勤労者の働いている皆さんは課税最低限が三百十九万八千円です。不労所得の配当・利子、これは七百四十万。倍以上課税最低限が高い。こういうことは、私は、まず国民同率にすべきだ。 それから、過日、平成元年、大減税をやったときに税率を緩和しました。この税率は従来十九段階、十五段階、十二段階、そして五段階、こうしたのですね。十二段階から五段階にするときは、最高税率は七五%ですよ。かつて十九段階のときは最低税率五%、これは途中でもってカットして一〇%に引き上げた。そして結局現行は五〇%、四〇、三〇、二〇、一〇、こういう五段階になっているのですね。私は党内では、この最高税率は六〇にしなさい、こう言った。なぜかというと、七五から二五下がるのですから、だからあの減税のおおむね減税額というものは、高額所得者に大分優遇した格好になっている。その後所得税をずっと見ましても、これは変わらないですから、結局一兆数千億の増収になっているでしょう。そうして総体において納税人員四千万で納税額が十八兆円、昨年。このくらい税金を生み出しているのですね。法人税十八兆円、消費税六兆円、こういう状況ですから、この税率をやはり傾斜配分で妥当にしていくように、今いろいろとこう検討し ますと、四百万から六百万、これが一番重税感を感じているのですね。だからこの辺をやはり配分として私は十分検討する必要があるだろう。これが二つ目であります。 もう一つは、マル優の復活がぜひ私は必要じゃないかと思うのですね。年金生活者のあめ玉分として預金利子五%やっておったものが、これも平成元年に全部廃止をして、そして分離課税でもって配当・利子分離課税三五%、これを二〇%に下げて、そして同率で二〇%の課税体制をとったのでしょう。だから、やはりこういう逆さまな税制改正というものはもう少し検討してもらわなくちゃいけない、このように考えます。 今日までシャウプ税制をゆがめてきた最大の根源は租税特別措置ですから、政府の政策判断ということでそれぞれ優遇措置をとってやってきた。 それから貸倒準備金、これだって銀行は、金を貸すときには一番、もう第一抵当で土地その他が全部入っているのです。ある時計店が倒産をしたのですけれども、利子払いで働いているようなものですよ。そういう状況ですから、これは転んでもそういった保証の手当てをする。そういうものは余り少ないのですね、いろいろと調べてみますと。だから、これはやはり準備率の削減をやるべきだと思います。退職引当金もそうです。そして総体特別措置というものをやはり抜本的に改善合理化をする必要がある、こういうふうに考えます。 それから、でき得ればこれはパートタイム、百万まで課税最低限をやりました。しかし、これは地域に行きますと、中小工業の皆さんはみんなパートですから、それはそういう事業にも極めて影響するのです。百万超すと休んでしまうのですよ。扶養家族の対象になりませんから休んでしまう。じゃこれをもう少し、百二十万体制に引き上げることが私は至当ではないだろうか、こういうように考えますので、いずれにいたしましても、こういった問題をまず早期に抜本是正をする、これが一つだと思うのです。 それから、消費税については税協等で国会でもっていろいろやられて、結論はまだ出ないようですけれども、自民党の案で見ますると、逆進性解消のためにこれは少し食料の非課税ベースを広げよう、こういうことですが、私はこの点については別な考えを持っていますが、いずれにしても八つの懸念が解消することが私は大事だと思う。 その一つは何かというと、逆進的な税制、こういうものの解消。それからもう一つは、中堅所得者の税の不公平感、これがありますから、これを解消する。それから、担税力のない人に、一億二千万人全部かかっていくわけですから、サービス、消費、そういったもの全部かかってくる。金額にして百七十八兆円でしょう。だから、こういったことを考えますと、こういう課税ベースが広い、そういうものについては、生活費には課税しない、こういうことで対処していく必要があるのではないだろうか。それから、あといろいろ八項目ありますけれども、時間がありませんので。 いずれにしても、この懸念、八項目を解消することに当面の協議というもの、中身というものを持っていかなければいけない。殊に運用益の問題ですね。これは、免税点、簡易制度、限界控除、この三段階、制度があるのですけれども、これが非常にまずい。結局国庫に税金が正当に入っていかない。自民党案で、自民党の加藤政調会長の私案ですと、これは年に四回の納税期間、これをやっていく。私は、これは六回、二カ月に一回、源泉所得は翌月納めているのですから、全部。だから、事務煩雑はいろいろありましょうけれども、こういった問題について十分検討して、そして大蔵大臣がいろいろ言われているように、それがまとまれば次期通常国会にこれは出します、こう言っているのですから、そのときに、今私が言った所得税の不公平是正、それから消費税の解消、この問題について十分御検討願いたいと思います。 ついでですから、予算編成の問題で一、二点一緒に質問してまいりたいと思います。時間がないんですよ。だから、ちょっとこっちの質問だけ先に言わせてください。 防衛削減の問題ですね、防衛庁長官。予算編成、恐らく二十四日内示、その後二十七日確定ということになっていくのでしょうが、この予算を見ますると、防衛庁としても種々検討して、一定の削減方式をとりたい、こういうことを言っているようですが、これは資料ももらっていますが、要点だけ質問しておきます。 それは、こういうことですね。防衛庁は六・三%シーリング要求をやった、大臣折衝で最終的に五・八四%で決着がついた、こういうことなんですね。それで、一つは軍縮潮流、こういう状況の中で、この情勢というものは無視できないだろうということで、新規正面装備、これは見送りましょう。陸上自衛隊十八万人を十六万人体制にしましょう。しかし、これは、実際、現下要員は八四・五%の充足しかないのですから二万人見当が欠員になっている。そういうことですが、いずれにしても十六万人体制に。戦車百両削減する。海自で、護衛艦建造二隻削減、エイジス艦の三番艦の見送り、ミサイルは増強する、護衛艦、次期防衛計画で、退役十三隻あるので、十一隻にしてこれを次期防衛計画に組み込もう。空中給油機、AWACS、早期空中警戒管制機、MLRS、多連装ロケットシステム等々をアメリカから購入をしてくれということでやっている。こういうことをやりますと、これは後年度負担でずっといくことになるのでしょうが、いずれにいたしましても、こういう削減方式を検討されている、こういうことですが、この真意はどうですか。
○橋本国務大臣 まず私の方にちょうだいをしたお尋ねからお答えを申し上げたいと思います。 先般の税制改革におきましては、委員がお認めになっていただきましたように、税率の引き下げだけではなくて、中低所得者層の税負担の軽減に配慮いたしまして、各種の人的控除の引き下げを行う、そして所得税の課税最低限の大幅な引き上げを図ってまいりました。その結果、給与所得者の約九割には最低税率の一〇%一本の税率が適用されると同時に、給与所得者の大半の方々については、就職されてから退職されるまでの間に適用される税率は一本ないし二本ということになりまして、中堅所得者層の負担累増感というものに対処した内容となっております。課税最低限の大幅な引き上げと税率の引き下げ等の改正によりまして、所得税、住民税の負担軽減割合というものは低所得者ほど大きくなっておりますことも委員御承知のとおりであります。そうしたことを考えてまいりますと、私は、その上で組み立てられました委員の御論議には必ずしも賛成ができません。 また、税制改革後におきまして、所得税と住民税を合わせました場合の最高水準、税率の水準が六五%でありますけれども、この水準は先進諸外国の中におきましても依然として最高額、最高のものであるということは申し上げておきたいと存じます。 また、マル優制度について御意見をちょうだいしたわけでありますけれども、改正前の非課税貯蓄制度というものにおきまして多額の利子が課税ベースから外れて、給与所得との間で税の負担の不公平感をもたらしていた、また、貯蓄奨励といった目的で一律的に政策的配慮を加える必要は薄れてきた、こうしたことから利子所得に対して適切な負担を求めることにしたわけでありまして、今私は、マル優制度をもとに戻せと言われる御指摘は、当時マル優制度について世上さまざまな御批判があったことを考えてみますと、その問題を再現するだけの結果に終わりはしないだろうか、率直にそういう感じがいたします。 また、租税特別措置のそれぞれの分野につきましては、従来から社会経済情勢の変化に即応して見直しを行ってまいったものでありまして、今後ともこうした姿勢をとり続けていくという点には変わりはございません。 ただ、貸倒引当金あるいは退職給与引当金等についてお触れをいただいたわけでありますが、私は、これ自体が政策税制というとらえ方をされることには、異論が率直に申してございます。しか し、引当金についで、それぞれその趣旨、利用実態等を踏まえながら、実情に即した見直しを行っていく必要はあると考えておりますし、これまでも随時そうした見直しは行ってまいりました。これから先も、税負担の公平、税制の経済に対する中立性などという基本原則に照らしながら、実情に合った見直しを進めていくべきであることは、これは御指摘のとおりであろうと思います。 また、消費税についてお述べをいただいたわけでありますが、これは委員よく御承知のように、政府として本年度の特別国会にその見直した結果の案を提出をし、それが院の御処理の中から、両院合同の調査会といった場が設定をされ、院の責任においてこれについての御検討が加えられておるさなかでありまして、政府としてこれについて云々すべきではない、それを見守らせていただいておる、それだけは御理解をいただきたいと思います。
○石川国務大臣 時間もないようでございますから、簡単に結論的に申し上げたいと思いますが、今先生、AWACSあるいはMLRS、定数その他につきまして、いろいろと数字的なことで具体的なことについてお触れになったようでございますが、それらにつきましては、目下次期防について鋭意努力中でございまして、今の段階では、これにつきましての具体的な見解を申し上げることは控えさしていただきたいと思います。ただ、一言申し上げたいのは、先生もいろいろと御指摘のございましたように、今のような国際情勢というようなものを十二分に踏まえまして、やはり国民に理解されるものでなければいけない、かような観点が一つ。 それから、おかげさまで大綱の水準に到達できましたので、次期防の中で、これからはやはり正面装備の量的なものよりもむしろ質的な向上、と同時に後方の整備、こういうことに重点を置いて次期防を策定してまいる、そういう基本的なスタンスで行きたい、かように考えておるわけでございます。
○戸田委員 どうも時間をオーバーして申しわけありませんでした。終わります。
○越智委員長 これにて戸田君の質疑は終了いたしました。 次に、新盛辰雄君。
○新盛委員 中東湾岸情勢が新たな局面を迎えたと私どもは認識をしております。この原点は、これまで論議されておりましたように、非武装、非軍事の基点において新たな中東貢献策をという、そういう今模索がなされているわけでありますが、最近人質解放がなされて、今帰国をされておられます。その方々のお話がテレビや新聞等で報道されておりますが、日本の外交的な手段は後手後手を踏んでいる、しかし、現地における、外交官の中にもいろいろございましょうけれども、特にアラブに精通しておられるイラクの片倉大使の精力的な人質解放の問題を取り扱われたことに対して、まず野党としても敬意を表します。 しかし、この方々が述べておられますのは、今日本の政府がこの湾岸情勢をどうとらえているのか、まだ世界の各国に我が同胞が働いていらっしゃるわけでありますが、そういう方々がいつ、どういう有事の際を迎えるか知れない、いわゆる危機管理機構というのが必要ではないかということを訴えておられるわけであります。中東の新貢献策を今与野党ともに一生懸命取り組んでいるわけですけれども、この危機管理の問題を総合的にどういうふうに展望し、また政府として考えておられるか、所信を伺いたい。 〔委員長退席、近藤(鉄)委員長代理着席〕
○海部内閣総理大臣 湾岸情勢につきましては、今お触れになりましたように、人質の問題が全面的に解決をしたということは、その面において極めて朗報であったと心得ておりますし、同時に、公正な平和が確保されなければならぬという国連決議からいきますと、イラクのクウェート侵略、併合という事実に対して、撤兵をして正統政府をそこに戻すという原状回復の大きな問題が残っておりますので、引き続いてこの問題について平和的な努力を続けていかなければならないと、私はそう思うわけでございます。それに対する努力が、今引き続き積み重ねられて続いておるところであります。 お触れいただきましたように、片倉大使がイラク政府とのたび重なる交渉や、あるいは人質状態になっておった邦人との直接連絡等につきましては、語学や人脈を生かして本当に精力的に努力をしたということをお褒めをいただき、感謝いたしますけれども、そういった不眠不休の努力の結果、そういった人質問題は片つきましたが、あれで湾岸危機が完全に解決したとは私ども考えておりませんので、今後ともさらに引き続いてアメリカ、イラクの直接対話というものが実っていきますように、それぞれに私どもでできるだけの外交努力を続けておるさなかでございます。 なお、幸い今回のことは片つきましたが、世界じゅうにたくさんあるではないかという御指摘でございます。国際国家日本として、世界のあらゆるところに今邦人の方々が出ていって、それぞれのところにおいて技術協力やあるいは経済協力や、あるいは企業の活動とかいろんなことを行っていらっしゃる、そういったときに、そのような不幸が起こってはいけませんけれども、もし起こった場合にはどう対応するかということを、あらゆる場合を想定しながら、今いろいろな段階において、こうなったときはこうする、こうなったときはこうする、特に、でき得る限りの情報を正確に事前に邦人に連絡するにはどうしたらいいかという点等も踏まえて、いろいろな立場の対応を、今回の反省に立っていろいろと検討を続けておるさなかでございます。
○新盛委員 検討を続けていらっしゃると言うのですが、現実もう我々にとっては大変厳しい経験をしたわけですから、ここで政府が方針を明確にしなければならない、私はそう思います。その面で、もっと積極的にどうするんだというこれからの危機管理の問題について、その構想をお持ちなはずだと思いますがね。どういう内容を考えていらっしゃいますか。
○海部内閣総理大臣 まさにこの前の国会のやりとりを想起しながら、いろいろなことを今具体的に考えたわけでありますけれども、あのような突然に人質状態に置かれてしまうという不法なことが行われるときに、それを事前にどの程度、どのようにキャッチできるか、そういったやっぱりそれぞれの出先の情報収集努力といいますか、そういったものでもし足りない点があるとすればどんなところであったのか、あるいはまた、そういった情報をいち早く事前にお知らせするようなそういった方法が、どのような体制をとっていったらできるのであろうか。やっぱりそれぞれの外交努力ができるように、機構とか、それからしかるべき研修をして能力を持った人が常にいらっしゃるわけですけれども、語学の問題であるとかいろいろ基礎的な背景、分野もあろうと思いますが、基本的にはそういう体制をとって、まずなし得ることは、的確な情報を一刻も早く伝えるということがまず何よりのことではないか。それに対する体制の整備はいたします。それはもう確実に言えることであります。 それから、もしそのようなことが起こるといっても、どこでどのようなふうになるかということは千差万別だと思いますし、そういったときに入っていって救出といっても、それができる国とできない国と、許されることと許されないことがございます。大使館に海兵隊とかいろいろなものを常に置いておくことのできる国と、そういったことが果たして許されるのかどうかという基本的な問題をもう一回考えなきゃならぬ、そういったこともございます。いろいろな面がございますから、今鋭意検討を続けておるさなかでございます。
○新盛委員 このたびの湾岸危機で、民間協力による輸送体制を確立をされたわけですが、その用船を確保するのに大変苦労されたというように聞いております。 それで、これは現実何を運んだのかということ についてはまだ知らされていないわけでありますが、私どもが聞いているところでは、この外国用船でありますシービーナス、これは四輪駆動を運んだ。名古屋からダンマムの方へ運んでいる。あるいは車両とか食糧、医療品、こうした建築資材を含めて、日本の平戸丸とか「きいすぷれんだあ」という船、これは日本用船でございますが、こういうもので運んだと聞いております。 この車両を運んだという自動車は、四輪駆動、右ハンドルのために現地に野ざらしになっているというふうに報道がなされているわけですが、事実ですか。
○渡辺(允)政府委員 ただいまの先生から御指摘のございました問題は、先生の仰せられます物資協力として最初に供与した四輪駆動車の問題では実はございませんで、別途医療協力を進めておりました過程で、サウジアラビア政府に供与するために送付をいたしました救急車十二台に関して起こった問題でございます。 私ども、こういう行き違いが起こりましたことは大変遺憾に思っておりますが、現在、これを本来の目的を達成できますように処理をするために鋭意努力中でございますので、その点御理解をいただきたいと思います。
○新盛委員 今のお答えですけれども、これは医療とかあるいは救急資材とかということでおっしゃいますけれども、現実、鋭意努力をするということなんですが、こうしてせっかく送り届けたものが使い物にならない、そんな物資輸送で、民間協力という、あるいは武器、弾薬、兵員を除いたほかの協力体制というのでは、まことにお粗末だと思うのです。だから、こうした現実をとらえて、今後どうするかを御検討いただきたいと思います。 せっかく出されましたこの二隻の用船、外国船は除きます、ここに乗務されます乗組員の皆さんは、平均年齢が四十八・五歳。しかも司厨長は六十一歳、部員に至っては五十歳、これは平均年齢。途中で病気になられて、せっかく船を出すときにシンガポールに寄ってみたり、また沖縄に寄港してみたり、そんな手違いがある。それだけ寄せ集めであった。 この船員さんを確保するのに、日本海員組合などの御協力を得ていろいろと政労交渉もされたらしいのですけれども、この方々も民間協力の一員としてお帰りになったわけですね。しかし、帰って、これ契約六カ月です。来年三月の二十日ごろまででしょう。そうすると、湾岸情勢はどんどん変わっていますね。あるいはクウェートを撤退という事実が出てくれば、この方々は解雇されるわけです。身分の保障、安定というのが一つもなされていない、そんな約束もされていない、こういうふうに聞いておるのですが、この点についてお答えいただきたい。
○松浦政府委員 先生御指摘のように、日本船といたしましては「きいすぷれんだあ」とそれから平戸丸を用船させていただいておりますが、政府はこれらの船舶の船主との間に契約を交わしておりまして、用船契約は三月末まででございます。 先生御指摘のように、万一クウェートからイラクが撤退したらどうなるかということでございますが、これは先ほど来総理が繰り返し御答弁申し上げておりますように、私どもぜひそういう形で平和的に解決してほしいと思っておりますが、撤退後、それではすぐこのような輸送需要がなくなるかということでは決してございませんので、私どもとしては、いずれの事態にいたしましても三月までの用船契約でもございますので、その間はぜひ御協力をお願いしたい、こう考えております。 いずれにいたしましても、今申し上げましたように、この用船契約は政府と船主との契約でございまして、先生御指摘のように、船員の方々にいろいろ御協力をいただいて私どもも大変ありがたいと感謝しておりますが、この船員の方々は、船主との関係で、この用船契約が切れた後どうなるかということでございますけれども、この船員の方々は船主との契約で雇用されておられるということを念のために申し上げたいと思います。
○新盛委員 最善の措置をお願いしますが、ここで、やはりこういう輸送協力体制で、特に船というのは大事にされなきゃならないわけですが、今、日本商船隊の現状については、さきの平特委で我が党の左近委員の方からも指摘をされております。 特に今、現状として一体日本船籍の隻数というのは何隻配乗されているのか。また、こうしたことによって、私ども聞いておりますのでは、日本商船隊という二千二隻のうち、日本船籍は五百三十二隻と答弁がされている記録を見ました。しかし、現実はそうではない。マルシップ百七十隻というのがある。現実、この数値において明確にしていただかなければ、フラッギングアウトはどんどん進行している。日本の船はもういなくなる。この現状の中で輸送協力体制をお願いしたい、こうおっしゃられても、それに対応するすべがない。したがって、海部総理はさきに、来年度予算編成の際に、多目的に使える政府専用船をつくりたい、急遽これが飛び出してきて、今大蔵と詰めていらっしゃるとおっしゃるのですが、こうしたいわゆる多目的な専用船をおつくりになるのもいいでしょう。しかし、現実、海員のいわゆる不足、フラッギングアウトによってどんどんどんどん削減されている。一時、この一九八五年代におきましても、二万六千百九十三人おられた船員さんは、五年たって一万八千六百二十七人削減されている。七一・一一%、ゆゆしきことです。しかも、日本の海を使って、あるいは外国との貿易の中心になっているはずの商船隊、八二、三%はもう外国。日本の船員は一向にもう日の目を見ない。優秀な海技を持っているのに、現実はそういう実態である。このことに思いをはせて、これからの政治的な対策、いわゆる政策というものを明確にしていただかなければ、これから近海に起こるいろいろな輸送体制の場合に一体どうなるかということでございますが、総理、これに対するお答えをいただきたい。
○大野国務大臣 お答えいたします。 我が国の船員、現在四十五歳以上の方が四一%、また三十五歳以下の方が一三%というようなことで、非常にアンバランスでございます。しかし、これは近年の海運不況等によって新規採用を差し控えたという面、それからまた陸上産業が非常に好況でございますし、また同時に、若い方方の生活観であるとかあるいは職業意識の変革、こういうようなものも影響しているやに感じますが、ただ、それをじんぜんほっておくわけにはまいりません。 特に、今御指摘のように、我が国の船員というものは、もう本当に国際的にも認められた優秀な海技を持っておりますから、その伝承もままならないというようなことを憂えまして、今日鋭意、やはりいずれにしても労働時間の短縮であるとか、あるいはまた、海に若者の目が向くように教育内容の変更であるとか、また内容の充実であるとかということで、海上労働というものに魅力を持たせるような施策を講じたい、官民一体になってこれからより一層努力をしたいと考えております。
○新盛委員 次に、国際漁業再編に伴う諸問題でお答えをいただきたいと思いますが、御承知のように、現在の我が国の漁業というのは遠洋漁業というのが主体をなしていたんですが、残念ながら五十二年以降、二百海里設定によって各国々もまた二百海里を設定したという事実の上に立って、この水域内における水資源の囲み策が進んでまいりました。 その厳しい漁業規制の影響を受けてきた結果、遠洋の底びき漁業とか、あるいは米ソ両国間の二百海里水域の北洋漁業の締め出しとか、あるいはまたベーリング公海における北洋漁場を失った日本とか、あるいは韓国、中国、ポーランド、こういう遠洋トロール船の集中操業によってますます混乱をきわめて、漁獲量も激減している、そして大幅な赤字に追い込まれているという現実がございます。この厳しい各海域の入域規制強化動向に 伴いまして、係船、減船あるいは遠洋トロール漁船が増加するこの非常事態、こういうことの中で一体どういう対策を立てればいいのか。関係漁船員あるいは関係業界、まさしく深刻な影響を受けているわけであります。 さらに、十二月の三日に開かれましたオーストラリア・パースでの国際自然保護連合総会において、イシイルカの漁業削減、あるいはまた調査捕鯨禁止、ウミガメの捕獲禁止などを初めとする決議がなされております。あるいは、一九九二年にブラジルで開かれようとしております国連環境開発会議においても、こういう国際自然保護団体のいわゆる圧力が加わろうとしております。 こういう中で、公海における水産物資源の確保は大事なことでございますけれども、これからの新しい漁場を求めていくのには厳しい制約がある。こういうことについてこれから一体どういう対策を立てられるのか。また、遠洋トロール等の漁場確保についてどう農林水産省お考えになっているのか。また現実、今度の遠洋底びき網の漁業緊急雇用対策、これは既に昨年の十二月に閣議において決定をしております漁臨法、いわゆるこの適用措置について、国際漁業再編成に伴ういろいろな手だてをするということを御確認されております。こういう事実に照らして、これからどのような雇用対策、そしてまた減船に伴う措置、そしてまた、今、最近は三Kと言われる、汚い、きつい、あるいは苦しい、そういう仕事におられる方方はもはや漁業を見捨てるということで、船員が集まらない、高齢化している、こういうことで一体日本の漁業はもつだろうか。 ゆうべ私は、大洋漁業の前天辰会長の「日本の漁業」という講演を聞きに参りました。もはや昔の面影はない、まさしく今や日本の漁業はもう衰退の一途をたどる以外にない。あきらめにも似たお話を聞いて慄然としました。農業基本法はありますけれども、食糧基本法というのはないわけです。こうした米とか魚とかという問題を含める食糧安全保障という位置づけから、こうした問題についてどういう対策を立てこれから実行されようとするのか、所見をお伺いしたいと思います。まず総理の御見解をいただきたい。あとは関係大臣でお願いします。総理、答えてください。
○山本国務大臣 御専門の先生でございますから、十分御承知の上でいろいろ御質問でございます。漁業に関しまして詳しいことはまた水産庁長官からるる申し上げたいと思っております。 まず一つは、今お話しの食糧安保推進のために、かねがね先生御提唱でございますが、食糧基本法などを考えたらどうか、こういうことでございます。御示唆に富むお考えだというふうにまず私考えております。これはブラッセルでも盛んにやってまいりましたが、いわゆる食糧安保論でございまして、これは、食糧を国民に安定的に供給するというのは国策の大きな柱でなければならない。農林大臣の心得の序は、四十七都道府県どこでもいつでも国民に安定的に食糧を供給することだ、これが一番大事なことだ、こう考えて農林水産省挙げて対応しているわけでございます。 このような観点でまず農業について考えますと、農業生産基盤の整備、それから優良農地や水資源の確保、あるいはすぐれた担い手をつくり上げるというふうなことなどを柱にしながら諸施策を進めてまいりました。 また、今お尋ねの水産業でございますが、これは最近、つくり育てる漁業ということで国の周辺の漁場を新しく開拓をしていく、遠洋漁業と相まってそういう政策を二本柱で推進をしてきた。あるいは安定的な輸入の確保だとか、あるいは不測の事態に備えて備蓄の問題も今やりつつあるわけでございます。 こういった総合的な施策を農業、水産業を通じまして総合的に進めていくということでございまして、食糧の安定供給を旨としながら、今先生の御指摘のような方途もひとつ参考にしながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。 それから、国際漁業の問題でございますけれども、これも水産庁の皆さんを随時呼びまして勉強さしていただきました。また漁港へ出向いてまいりまして、じかに漁民の皆さんあるいは組合の皆さん、きょうも私、これから先生のごあっせんでお会いしますけれども、会って生の声を一生懸命お聞きをするという姿勢でおります。 要は、この二百海里体制というものが定着してまいりまして、なかなか難しくなってきた。それからもう一つは、漁業資源の国際管理を強めていこう、オーストラリアの例など出ましたけれども、そういう動きが非常に強い。それから海洋環境の保全強化、こういう声も非常に強い。それぞれそういう理由がございまして、なかなか制約が日々厳しくなっておるというふうなことでございます。したがって、我が国の伝統的な遠洋漁業の存続を図っていくためには、それらの関係沿岸国との協力関係あるいは漁業をめぐる新しい国際秩序の構築に向けまして積極的にお話し合いをする。 実は、先般も私、オーストラリアのホーク首相に会いまして、例のマグロの問題なども直接直訴いたしました。また、オーストラリアの大臣が参りましたので、魚問題などもお話をいたしました。 このところ魚の問題が非常に多いのでございますが、これは四面海に囲まれた我が国の漁業でございますから、どんな苦しい状態が来てもこれを守っていかなければならない。また国民の今のこの食糧安定供給、カロリーを提供するという意味からも心していかなければならない、こういう覚悟で当たっていることを申し上げたいと思っております。
○海部内閣総理大臣 農水大臣が詳しく御答弁をしたと思いますが、私も御指名でありますから率直に申し上げます。 漁業というものがそれぞれの国の二百海里問題とか主張によってだんだん厳しくなっておることは御承知のとおりであり、過日の御即位の礼のときの南太平洋島嶼国の首脳との会談でもこの漁業の問題、特に流し網漁業の問題その他については厳しい要望が資源保護の立場から来ております。また太平洋の北の方の問題では、やはり流し網漁場の問題等も出てきておりますが、私は、やはり科学的な調査によって、それに基づく魚族の保存という問題については日本もそれに応じていくから、まずそれの冷静な話し合いを続けていこうということを先日来言い続けてきたところでもございますが、何よりも基本的には日本はお魚の使用が非常に多いわけであります。同時に欧米諸国の方は魚の使用、食用よりも肉の食用が多いわけであります。 そういった意味で、漁場を制限されるということは日本にとっては非常につらいことでありますが、外交的にこれだけ問題になっておりますと、それを押し切って、漁獲は必要だといって遠洋漁業を続けたり、いろいろ流し網を続けることは難しい問題でありますから、近海における、工業製品のような発想で魚を飼育することができるという技術が最近いろいろなところで言われております。また、私の聞いてきたことによれば、あの原子力発電所の第二次排水というのですか、平均温度が海水の表面温度と二度から三度差のある温かいのが出れば、そこに、接点にプランクトンが発生して、そのプランクトンを求めて集まってくるものが魚の育成に役に立つ。したがって、そういったところにいろいろな魚礁をつくることによって、魚礁をつくっておいたらさらにたくさん飼育できるのではないかという、そういう実験や研究も報告されておることは事実でありますから、あらゆることについて今努力をして研究をしておるということでございますので、そういった努力を鋭意各界で続けていただくように、私は聞いてきた話を率直に自分でも考えながら農水大臣にも申しましたし、またお尋ねでありましたから、どうするかというお尋ねですから、そういうようなことに関してどのように新しく確保できるかということは、これは考えていかなければなりません。そういうことを考えておりますので、率直に御答弁をいたしました。
○新盛委員 あんまり知ったかぶりでお答えいただくのも、いろいろただ情報を集めてお聞きになって、これもある、あれもあるというんじゃなくて、やはり漁業をどうするかという基本的な問題について、これはいま少し、漁業外交という問題もあります、国内沿岸の漁業振興策もあります、そうした問題にいわゆる政府自体が、農業に熱心に取り組んでおるようにまた漁業にも真剣に取り組んでほしい、そういうことを申し上げているわけですから、ぜひひとつ、まああなたのそういう今までの知識をお聞きしましたので、またこれからさらに鋭意御努力をいただきますようにお願いします。 そこで、水俣病の問題で進めたいと思いますが、やはりこういう事件が起こりますと必ず犠牲者が出る。まことに痛ましいことでございますが、五日の日に山内豊徳環境庁企画調整局長、故人になられたことに対して哀悼の意を表しますけれども、このような水俣病の対策について、最近和解勧告が次々に出されている。それを政府はかたくなに受けようとしない。生きているうちに救済をしてほしいと被害者の悲痛な声が起こっております。また、さきに北川環境庁長官は現地にまさしく大変厳しい情勢の中乗り込んでいかれたということも、ある意味では敬意を表します。そして、現地でつぶさにその被害者の皆さん方からも声を聞かれたと思います。生の声を聞かれたと思います。 そういうことで、逐一お尋ねをしていきたいと思いますが、この和解の勧告についても、いろいろと世間でも言われておることですけれども、現時点で和解には応じない、しかも関係閣僚会議でお決めになっている。このことに関して政治的決断をもはやすべき時期に来ているんじゃないか。しかも現時点というのは、いつも、政治的な言葉でございますが、政治用語とも言われています。これはいつのことになるのか。係争中である今の段階でそのことを明確にするわけにはいかない、こうおっしゃいますが、そういう点について既にマスコミ各社では、私がここに持っております、これは社説に書かれた、この水俣訴訟和解勧告をめぐるこの社説は、各新聞もう全部です。三十九。社説に、和解勧告に応ぜよ、こういう社説が出ているんです。これは、マスコミというのは世論の代弁者なんですね。だから、このことを受けて、ぜひともこの際、この勧告を受諾をする政治的決断はないのか、和解のテーブルに着く気はないのか。この点、総理は責任者ですからまずお答えいただきたい。
○海部内閣総理大臣 水俣病につきましては、随分長期にわたっていろいろな患者の皆さんに御苦労をおかけしておるということ等もあり、また水俣病の問題については、公害健康被害の補償等に関する法律によって、これまでに二千九百名の患者の方々を認定して、医学的に公正な救済を政府は推進してきておるところでありますし、また、水俣病に関する関係閣僚会議を設置して、各種対策に努めておるところであります。 この問題の早期解決に向けて国としても努力をすべきものと考えておりますが、ただ、具体的に今問題になっております訴訟に関しましては、当事者間の主張が余りにも隔たっておりますので、今の時点で和解勧告に応じることは困難な状況だということでございます。なおいろいろと考えてまいりたいと思います。
○新盛委員 そういう答弁を私どもは期待をしたわけじゃないんですよ。 現実、裁判所の期日指定を国がかたくなに拒否をしておるものだから、福岡高裁が十二月二十一日、一月十六日、一月二十八日、熊本地裁が十二月二十日、一月二十一日、二月十九日、東京地裁が十二月二十七日、一月二十四日、そして二月一日、相次いで和解の期日を、しかも弁論兼和解期日を指定。ころいうことはかつてないんですよ。これは、弁論をというのは、皆さんの言い分、国の言い分を聞きましょう、裁判所で今係争中である部分はありますけれども、和解を出された裁判所としてはこれまで明確にして、テーブルに着きなさいよと。そしてあなたが、今総理が言われたように、いわゆる当事者双方の主張に大きな隔たりがあって、当事者双方が容認し得る和解の合意が得られると到底考えられないので、現時点で和解の勧告に応じることは困難である、ただ通り一遍こういう決め方をしておられるわけでしょう。今こうした、犠牲者が出るとか、あるいは現地の生の声をお聞きになった長官もですが、これを政治の決断としてするのは内閣でしょう。だから、テーブルに着いて、弁論をしてもいいわけですから、皆さん方が主張されるところは主張されればいいのですから、なぜそういうテーブルに着こうとしないのか。また、現時点現時点とおっしゃっても、いつの時点だかさっぱりわからない。この点についてどうしても納得はできません。お答えいただきたい。
○北川国務大臣 ただいま新盛委員から、和解勧告についての期日の指定もあり、新聞の世論もいろいろあるという御指摘の中で、私が水俣病を見たことについても御意見がございました。また、特に水俣病の患者を見舞うこともみずからの職責であり、またこれについていろいろと御苦労願っている水俣市、また熊本、鹿児島を含めるところの知事さんを初め議会の皆さんにも大変お世話をかけておる、こういうことで、お礼を申し上げ今後の対策についても御協議をしたい、この気持ちを持って水俣へ参りました。 また、先ほど環境庁の企画調整局長、山内局長の死を悼んでいただきましたことも深く感謝をいたしますと同時に、山内局長はこの問題について日夜環境庁に泊まり込みでいろいろの対処をいたしておりましたので、私は、この死を悼むと同時に、この御功績をたたえてやっていただきたい、殉職じゃないかという思いを持って、深く冥福を祈りながら皆々様の御理解を得たい、こういう考えを持っておる次第でございまして、なお、期日を指定されながら着かないということの御指摘もごもっともでございますが、いろいろ関係各省庁との意見の中の形づけをいたしたい。と同時に、今裁判で結審を得てまさに判決が下されようとしておる問題もございますし、そういういろいろの問題を踏まえまして、現段階においてはテーブルに着きがたいということを表明いたしておる次第でございます。
○新盛委員 同じことを、長官、現地に行かれて、あなた自身胸が痛くなるような気持ちがあったと思うのですよ。これまでのたび重なる司法判断によって、国の主張が否定をされている歴史的な事実があるでしょう。平等論にしても責任論にしてもそうです。これは熊本の第二次訴訟あるいは熊本第三次、あるいは行政処分取り消しの訴訟とか、各高裁、東京高裁での判決とか、こうしたものを見れば、これは一体どういうことになるのか。しかも、熊本県も鹿児島県も、ともに知事が先頭に立って和解に応じてほしい、何回か陳情に来られたはずですよ。しかも、地方自治体でお金を出してまで、この方々の救済のためにいろいろ健康診断その他アフターケア等考えて、金もどんどん出ているんですね。これは後で自治大臣にお聞きしますが。 こういうような状況なのに国が賠償責任を持たないというのは、何かほかの公害とのかかわり合いにおいてということ以外にないわけでしょう。このいわゆる審理を、水俣病の判決に至るまでの、和解勧告というんですから、それにしかも弁論をする機会も与えられているんですから、なぜテーブルに着かないんですか。テーブルに着くことによって局面がまた打開されていくでしょう。ただこのままで現時点で裁判を見守っていこう、こんな逃げの手はないでしょう。日本の公害はあちこちで今から発生しますよ。特にこの問題についてはそういう面でぜひとも前向きに御検討いただきたい。そして政治的決断をしてほしい。どうですか。
○北川国務大臣 新盛委員の和解のテーブルに着くべきであるという重ねての強い御質問であり、御意見でございます。 このことにつきましては、みずからもまたこの 水俣病問題の早期解決に向けて全力を挙げなくてはならぬと認識はいたしております。ただ、行政を預かる立場の者といたしまして、裁判中での和解ということと、いま一つ行政としての筋を通したい、こういう極めて難しい問題の中にありますので、現時点では、御指摘はございますが和解勧告に応じられない。もちろん、和解勧告に応じられないとここで御答弁申し上げておりますが、何らかの解決方法をいたしたいと思いまして、関係閣僚会議もいたし、何らかの諸方策も立てていきたい、こういう思いをいたしておることを御答弁いたします。
○新盛委員 行政の筋を通すとおっしゃいますけれども、現実こうして長年かかっている水俣病の救済問題です。これはもう国民の世論として、和解に応じよということにもなっているのですから。ただ通り一遍の理屈を、あなた方の方で見解を出しておられますが、もっと深く時間をかけてこの議論はしてみたいと思うのです、きょうはちょっと時間がございませんから。だから今最善の策としては、まず和解のテーブルに着きなさい。着いてあなた方の弁論もやりなさい。国の立場で主張されて結構。しかし、テーブルには着きなさい、このことをもう一回私は強く要望しておきます。 さて、次に入ります。 日朝三党共同宣言が朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮との間において取り交わされましたし、九月二十八日のこの共同宣言を受けて政府のスタンスを聞きたいと思うのですが、共同宣言の実効性について政府はどう今処理されようとしているのか。二つ目、来年の一月の下旬ごろ、ピョンヤンで正式な国交回復のテーブルに着くという話も聞いておるわけですが、事実であるかどうか。以上。
○中山国務大臣 今お尋ねの北朝鮮との間の国交再開についての交渉に当たりましては、ただいままでに予備会談を累次やっておりますが、この経過等について一月の末ごろに本会談を持てるように、政府としては極力努力をいたしておるところでございます。
○新盛委員 確認しますが、極力努力をしておられるということで、前向きに進めていられる。そうすると来年、これは外交上の問題ですから、来年一月の末ごろにピョンヤンでそういう会議が開かれる見通しになりますかどうか。どうですか。
○中山国務大臣 ただいままでの両政府間の代表の協議の経過を踏まえながら、双方まだ問題点が一、二点合意に達しない点がございますが、それが合意に達しますれば、今委員がお話しのように一月の下旬には本会談を持てるようになる、このように考えております。
○新盛委員 それを確認しまして、全国高校体育連盟というのがございますが、さきの参議院決算委員会で我が党の千葉景子議員から質問をしました朝鮮高級学校の体育連加盟問題について文部大臣からお答えがあったわけでありますが、この全国高校体育連盟の規約がネックとなっておって、その改定をどうするかは、高体連やあるいは地域の人の考えを尊重したい、時代の流れというものがあり、その点は十分に関係者が考えて対処していくだろうと、非常に前向きの、含みのある見解が表明されたように受け取っております。 そこで、冒頭にお聞きしましたのは、国交正常化に向かっている我が国と朝鮮との間において、これからこうしたスポーツを通じて交流がなされていくことは望ましいことでございます。そういう中で、この高体連の下部組織であります各地域で既に、全国に朝鮮高級学校十二校ございますけれども、その関係地域では、京都府、広島、兵庫に続いて大阪、北海道、全国大会の予選を兼ねない競技会に限り参加を認める、こういうことで、もう既に具体的にそういうスポーツ祭典に参加することに道が開かれています。しかし、加盟をさせることについては、よく言われる一条条項、すなわち学校教育法による高等学校、そういう範疇で、この朝鮮学校は各種学校であるということで疎外されて、まさしく人種的な差別、偏見、海の向こうには日本人学校があって、我が国がそのようにされたら一体政府はどうお考えになるか、こういうことに考えを至れば、かたくなな高体連のこういう規約で制約をするなどというのはいかがなものか。 もちろんこれは高体連が自主的に決めることですけれども、既に朝鮮学校の加盟を認めよとか、あるいはここ二、三日前、この新聞、朝日新聞でしたか、出されております大阪高体連の会長が、なぜ私どもは全国大会につながらない地方レベルの大会に朝鮮学校の皆さんも参加させることを決めたかという対談が載っています。まさに今のスポーツには国境なし。しかも、最近世界規模における国境がなくなろうとしている、ECのように。そういう段階に来て、いまだに全国大会にも出られないというのはどういうことか。そして、音楽あるいは舞踊、そういうものに対するいろいろな交流の中では優秀な成績です。しかもかつ、来年一月十五日に行われますNHKの青年の主張、あれは今、青春メッセージとなったそうですが、これに北海道代表は北海道朝鮮初中高級学校の生徒が代表して、十二校ですか、このブロック代表でやられるわけです。こういう状況まで来ているのですから、スポーツはまさに国境なし、こういうことについてどういうふうにお考えになっているのか。これは文部省として指導する役割があると私は思うのです。そのことについてお答えいただきたい。
○保利国務大臣 スポーツが国際交流に果たす役割というものは非常に大きいものと私は認識をいたしております。オリンピックはもとより、さきのアジア大会におきまして、各民族がそれぞれスポーツを通じて理解をし合い、交流を深めるというその意義は、私も深く感じております。 ところで、御指摘の全国高校大会あるいは地域の高校大会の問題でございますけれども、この問題は、第一義的にはやはり先生御指摘のように、都道府県の高体連あるいは全国の高体連において御判断なされるべきことだと思います。 そこで、しかし今先生御指摘のような時代の流れもございますし、さらにまたこの大会の趣旨、目的というのがはっきり書かれている。そういったものを相対比をしながら、当該団体が適切に対処していくことについて私は期待をいたしております。 〔近藤(鉄)委員長代理退席、委員長着席〕
○新盛委員 文部大臣、これは大学進学の場合も、公立、私立はもう既に五〇%以上こういう入学を認めています。しかし、国立大学はどういうわけか文部省方針で認めてない。こういうぐあいですから、いろいろと事情があるのでしょうけれども、在日朝鮮人七十万人の悲願として、もう三世、四世なんです。そして、この民族カリキュラムの問題もありますけれども、学齢とか修業年限とか、これは六・三・三・四、すべて一致しているわけですね。こういう状況で、部活動を展開する教育をこうした面に、あるいはスポーツの面あるいは音楽あるいはその他の、いわゆる高校生の若さの交流というものをさせていくということで何の障害も私はないと思うのです。 それで、高体連規約が非常に災いしているとおっしゃっているのですが、第三条の認識はどう考えますか、この高体連規約の。いわゆるスポーツ交流をすることについて三条は書いてあるのですよ。それはいわゆる高等学校スポーツの国際交流である。こういうものが中に入っているのに、何で目的、第三条の高等学校ということで災いをしているのか。各種学校だからだめだ、それは偏見の何物でもない。だから、これは文部省としてこれから高体連などに対する指導を、アクションを起こしてほしい。もうわずか、地域で残るのは東京、福岡、愛知、大体そんなところだと思いますがね。ほかも陸続として全国大会につながらない形で地方レベルのスポーツ祭典に参加する、春夏の高校体育祭に出る、こうなってきつつあるのですよ。だから、これは下から盛り上がったもので規約改正をするとかなるんでしょうが、この加盟をもう認めるべきだ、こう私は思います。だから加盟を認めさしておいて、もう同一次元で取り扱 うべき筋合いのものではないかと思うのですがね。あなたがおっしゃっているように、これを高体連で検討する、そういうのじゃなくて、文部省が何らかの形でひとつ指導してもらいたい。 総理、あなたどうお考えですか。こういう朝鮮との国交回復ももはや進んできているわけですし、ここで押捺問題も解決しようとしているでしょう。だからこの際明確に、どうするという政府の方針をひとつ示してください。
○保利国務大臣 この全国高校大会の目的の事項には、「大会は、高等学校教育の一環として高等学校生徒に広くスポーツ実践の機会を与え、技能の向上とアマチュアスポーツ精神の高揚をはかり、心身ともに健全な高等学校生徒を育成するとともに、高等学校生徒の相互の親睦をはかろうとするものである。」という目的が記されております。さらに、この開催基準要項の第十番目には、「大会参加資格」といたしまして、「選手は、学校教育法第一条に規定する高等学校に在籍する生徒であること。」ということが規定をされておるわけであります。 ここらのところはこの時代の流れを受けてどのようにしていくかということについては、私はあくまでも全国高等学校体育連盟の主体的な、自主的な御判断によるものだと思いますが、しかし、私は時代の流れがどういうふうになっているかということは、この高等学校の体育連盟の皆様方もよく承知をしておられることだと思っております。
○新盛委員 総理、ひとつこのことについてお答えください。
○海部内閣総理大臣 突然の御質問でありますから、その条文その他のことについて、私はもう一回それは精査しなきゃならぬと思いますけれども、あくまでやはりスポーツによるそういった問題については、そのそれぞれの担当が責任を持って、そういった時代の流れに合うような方向で解決をしていくという今の文部大臣の意向、発言というものを私も尊重していきたいと思っております。
○新盛委員 時間がありませんで、またこの問題は次の来年度予算案のときにでも追及したいと存じます。 次に、鉄道整備基金構想について。この問題もまたまさしく時間切れになりかけているわけですが、当然来年度予算にかかわる問題ですから、明確にお答えいただきたいと思います。 ことしの八月に運輸省から出された鉄道整備基金は、JRや私鉄から集めた資金及び国費をプールに、整備新幹線の建設やあるいは大都市国鉄の整備、常磐線などのことでしょうが、さらに通勤混雑緩和の目的を持って来年十月発足をすると聞いております。予定されているのは特殊法人である。その財源確保について一体どうされようとしているのか。運輸省の施策であると言われる基金構想でありますが、この辺について、まず内容についてお聞かせをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 鉄道整備基金につきましては、ただいま先生が御指摘いただきましたように、幹線鉄道、都市鉄道、双方の鉄道整備の要請を受けて、一般財源、特定財源を一括管理運用する特殊法人として設立するということで、これは同時に新幹線を譲渡予定しておりますので、その譲渡代金の一部も整備新幹線の財源に充てる、そのような総合的な鉄道整備のための基金でございます。ただいまその内容については予算要求中で、鋭意折衝しているところでございます。
○新盛委員 中身についておっしゃらないからこちらで申し上げますが、財源の第一は新幹線設備の売却代金です。そして、新幹線保有機構がリースしております新幹線設備をJR本州三社に、これまでJR三社が支払ったリース料を差し引いた八兆一千億、それにどういうわけか一兆円を上積みをして売却をする。今の土地の暴騰等を踏まえて八兆一千億というのは、まずどういう基準になったのかもよくわかりません。また、一兆円を積み上げして、上積みをして売却をして、そしてこの九兆一千億の売却代金のうち新幹線簿価相当分の五・四兆円、いわゆる五兆四千億、そしてその分はリース支払いの期間と同じ二十六年で返済しなさい。残る再評価部分三兆七千億については納付金という名目で一世紀、百年という長期間で返済しなさい。もう我々は死んでいなくなるんでしょうが、この一世紀で返せなどというのはこれまでにもないことです。しかも、これは六十年になるらしい。ワーキンググループの話を漏れ聞いているところですが、こういう財源確保のために妙なものをつくったんだな。インチキじゃないか。 新幹線買収は売買契約であって、合意の上で成立をするものなのに、法律でこんなふうに締めつけてどうするんだというちまたの意見も実は出ております。JRの方面でも、東日本と東海の意見もまた違う。これは一体どういうことの構想なのか。そして新幹線買収、この買い取り価格を一兆円上積みをする根拠は何だろうか。仮に土地の値上がり分だといっても、リース契約中に突然基礎価格が上がる、こういうのはどういうことなんだろう。的確なこの辺の説明もいただかなければなりません。いかがでしょう。大蔵大臣が一番詳しいんじゃないですか。だれが詳しいのですか。運輸大臣ですか。金を出す方ですか。どちらですか。
○大塚(秀)政府委員 JRの特に本州三社については経営が好調で、そのうち株式を上場できるという状況になっておりますが、株式の上場、完全民営化に当たりまして、現在の既存新幹線のリース制度を見直し、償却資産として各社に持つべきだというような財務基盤の強化の点から、新幹線を譲渡するという方向が決められたわけでございます。 この新幹線の資産というのは、いわば国民共有の財産でございますので、譲渡をする以上は、譲渡時の再調達価額を基準にすべきであると考えております。そして、八・一兆円と先生言われましたのは、これは国鉄改革時に、当時の四新幹線を再調達価額として評価したものでございますが、その後の土地については地価公示額の上昇率、建物、設備につきましては、これら償却資産については減価償却を引き物価の上昇率を掛けたもの、こういう点で譲渡時の再々調達価額を算定いたしますと九・一兆になったということでございます。このうち、国鉄改革時に長期債務に充てられるとされた分を除きまして一兆円については、国民共有の財産という趣旨、かつ新幹線の譲渡代金という趣旨から、今後の整備新幹線の財源に充てるということを今予算要求中でございます。
○新盛委員 それで、いろいろとおつくりになっている構想ですから、それについて結果が出てこなければわかりませんが、予算措置をされることになれば法律をつくらなければならないわけですから、今の段階では我々非常に不明ですから、こういうことについては野党間の、あるいは政府、野党、こうしたことに対する配慮も必要になってくるんじゃないかと思います。 そこで問題なのは、この通勤定期収入を〇・五引き上げて、そして私鉄からもらうということになっているわけですね。これはJRもそうです。だから、この通勤定期収入を〇・五%引き上げるということになれば、これは国民の家計にかかわる問題ですから、大きな影響を与えますので、この点は問題である、問題のところを指摘しておきます。 それから、こういう整備新幹線を一部分、あるいは通勤混雑緩和のためにやる、あるいはまた大都市圏、常磐線などの整備、いわゆる鉄道整備をやる、こういうことの趣旨になっておりますが、特に整備新幹線、総工費一兆三千五百億、これは十カ年計画ですね。それで財源、資金の負担割合をJR五〇%、国が三五%、地方自治体が一五%、こういうことで設けられた整備新幹線でありますが、この建設費の問題で、生活関連枠二千億というのがあるわけです。これは大蔵大臣の方が渋い顔をされる話でありますが、運輸省から新幹線整備に百二十五億の要求を出された。しかし、これはなじまない。大蔵省の権限が届くのかどうかわかりませんが、二千億は各族議員の奪い合い になっておるというふうに新聞は報じておるのですから、だから、そういう中でこれは百二十五億はもう断念した。それで国鉄内部、いわゆるJRでは、公共事業費あるいは災害何とか、これは正確なことは議事録に残っちゃうから、いずれにしても七十六億か、それに何かまたほかの港湾その他等から金を借りて積み上げて、今度整備新幹線の財源として本格着工へ踏み切る。まことに財源の問題ではいろいろ議論があります、まだありますけれども。この新幹線が同時着工という経緯を新聞で拝読しました。しかも、大蔵と運輸各省が一応のところへ来たというように聞いているわけでありますが、この整備三線三区間で同時着工、大筋合意されたということについて理解をしていいでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 区間についての着工に至るまでには、予算要求の問題、またその前提として並行在来線の取り扱いの問題等がございまして、これらについては現在、並行在来線については地元と協議しておりますし、予算についても折衝中でございます。合意ということではございません。
○新盛委員 財源問題では、こういう整備基金の取り扱いも出てくるでしょうし、あるいはまた建設費を捻出するためにいろいろな手だてがあるのでしょうけれども、現実この整備三線三区間では、在来線との兼ね合いにおいて在来線を廃止するという前提に立って一応こういう着工に踏み切る、それには青森方面にしても熊本、鹿児島地域においてもそうですけれども、在来線問題では大変苦労の要るところであります。その在来線をどうするかこうするかは別問題として、今当座はこの三線三区間、もう具体的に場所は言いません、三線三区間は同時着工だという認識でよろしいですか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、並行在来線の問題、予算の問題等を現在折衝中でございますので、まだ詰まっておりません。
○新盛委員 詰まっていませんとおっしゃいますけれども、ここは予算委員会ですから、これから最善の努力をしていただくと思いますが、現実、財源の内容についてはいろいろあったとしても、これはもう地元の強い要望があるわけですから、また最善の努力をされてこれまで来られたわけですから、そのことは十分に判断の上においてこの処置をされるように期待をいたします。 終わります。
○越智委員長 これにて新盛君の質疑は終了いたしました。 次に、草川昭三君。
○草川委員 私、去る十月三十一日の国際連合平和協力に関する特別委員会で、中東貢献策の輸送協力の問題を取り上げました。その場で、日本がチャーターした貨物船の「きいすぷれんだあ」と平戸丸が釜山の軍用埠頭及び米国の西海岸の軍港から軍事物資を運んだ事実を指摘をしたわけであります。そして両船の積み荷の内容、輸送協力の実施細目を明らかにするよう求め、中山大臣も検討を約されたわけでありますけれども、どうなっておりますか。
○松浦政府委員 先生が言及されました中山大臣の御答弁を踏まえまして、私ども今回の輸送協力の具体的な相手国、米国との間に累次の協議を行ってまいりました。具体的な細目というのは具体的な取り決めを交わすということではございませんけれども、この累次の協議を通じまして、次の諸点につきましてアメリカとの間で了解をしております。 第一点は、武器、弾薬、兵員は輸送対象としないこと。第二点は、積み荷の内容を通報すること。第三点は、本件輸送は我が国政府の管理のもとで行われ、協力相手国の指揮命令下には入らないこと。第四点は、必要に応じ日本政府職員が発着地点で積み荷の積みおろしの円滑を確保するために立ち会うこと。第五点は、日本政府との間で船員、乗組員の安全のために安全航行に関して緊密に協議すること。 以上の五点を米国との間で了解していることを確認しております。
○草川委員 今五点についての了解事項が出ておりますが、私は前回のそのときに申し上げたのは、八月三十一日の内閣委員会でこの日本とアメリカとのいろんな輸送協力の問題について議論になっておるわけでありますけれども、そのときに大森説明員、法制局の第一部長も「憲法の枠内で具体的な細目が決められる予定になっているというふうに私どもは理解している」、こういう答弁を踏まえまして私はその細目を出せ、こう言っておるわけですよ。ところが今のお話だと、そういう言われる細目はないんだ、こういう答弁なんですが、非常に私はその点については不満であります。で、そこをもう少しやりたいんでございますけれども、きょうは時間がわずか三十分でございますので、これは後日に問題を持ち越したいと思います。 なお、今答弁の中で、例えば円滑な実施のために立ち会うんだ、こういうことを言っております。これもこの内閣委員会の中でその種の答弁をいたしております。ところが、本当に立ち会っているかどうかということにつきましては私は大変疑問に思うわけでございまして、私がその後調べたところでございますけれども、例えばアメリカのロングビーチ北西六十マイルにある軍港、ヒュエネメ港、こういうのでありますけれども、そこへ平戸丸が入ったわけでありますが、この港の立ち会いについても、十月の十三日の入港時には確かに領事官が立ち会っているのです。立ち会っているというか、来ているのです。ところが、十月の二十日の出港時にはいないのですよ。こういう事実も私どもつかんでおるわけなんで、いわゆる円滑のための立ち会いといっても、積み荷の中を一々見るということはまずしていない。見るということが失礼なのかどうか、向こうが嫌がるのかどうか、いろいろな問題があると思うのですが、そういう点についても私は、政府はもっと親切に答えるべきではないか、こう思うのです。 特に、この貨物船の「きいすぷれんだあ」にはヘリコプター離発着用のデッキが入っている、積まれている。平戸丸については野戦用テントだとかスタンチョンだとかさまざまな溶接機材だとかというのが入っておるということを指摘をしたわけでありますが、その積み荷の内容について改めてまたお伺いをしたい、こう思います。
○松浦政府委員 先ほど御説明いたしましたアメリカ側との了解に基づきましての積み荷の内容につきまして通報を受けておりますけれども、荷主でございますアメリカの意向もございますので、詳細については公表を差し控えさせていただきたいと思います。 しかしながら、概要について申し上げれば、今先生御指摘のこの「きいすぷれんだあ」でございますが、これは建設資材でございます。それから次に平戸丸でございますけれども、積み荷は建設資材、それから防暑機材、給水その他の生活関連物資でございます。
○草川委員 前回のときには、加工用金属だ、こういう言い方で私のヘリポート用のデッキについて答弁をしている。依然としてその問題については明確な答弁がないわけでありますが、実は私、前回、十月三十一日のときに、工藤法制局長官にいわゆる武力の行使と一体になる行動の基準について尋ねたことがあります。そのときに、軍港から軍港、例えばアメリカの軍港からサウジアラビアの軍港に物資を輸送する、こういう場合については、輸送のために利用する施設が軍の施設であるということは、今申し述べたように、というのは武力の行使と一体をなすような行動の基準を指しておるわけでありますが、それは総合的に勘案されるべき諸事情の一つだ、こういうような答弁もあるわけであります。 でございますから、私はこの問題のフォローアップというのですか、これは相当詳しく私なりに調べなければいかぬ、こう思いまして、また私どもの精神というのも、憲法の精神を踏まえて、非軍事の分野で協力をすべきだ、これは無原則であっては相ならぬ、こういうのが我々の基本的なス タンスでございますから、それなりの立場で私はこの米国の海軍省ヒュエネメ港の海軍補給部に問い合わせをいたしました。そうしたら、その海軍の方からは大変親切な手紙が来まして、いろいろなやりとりがあるのでございますが、時間がないので結論だけ申し上げますと、この回答によりますと、現地にある日本の在外公館と協議をした。当然のことですね。向こうの海軍の補給部は協議をした。協議したところ、積み荷の内容については日本側から、すなわち外務省ということだと思います、日本側から問い合わせた草川に対してすべての関連情報について回答すると伝えてきました、だからどうぞ聞いてください、こういうわけであります。残念ながら今もって外務省はその回答がないわけであります。重ねて言いますけれども、事実を国民に理解をしていただく、そして我我も湾岸協力をしようじゃないか、あるいは米国の、多国籍に大変御苦労しておみえになるならどういう協力ができるのかということを議論をしなければいけないと思うのですが、その点、外務大臣どのように考えられておられるのか、お答え願いたいと思います。
○松浦政府委員 最初に、ちょっと私から今の先生が御指摘の日本総領事館からの連絡に関しまして御説明したいと思います。 これは先生御指摘のように、米軍から日本総領事館が連絡を受けまして、たまたま連絡を受けた担当の者が即位の礼の手伝い等で忙しくしておりまして、私どもも承知しておりませんでしたけれども、こういうことがあったことは先生に対して非常に申しわけないと存じております。
○中山国務大臣 今北米局長がお答え申し上げましたように、一部即位の礼等で委員に対して御連絡を申し上げる手違いがあったというふうに私報告を受けております。まことに申しわけなかったと考えております。
○草川委員 きょうは時間が短いのでこれは総理もよく聞いておっていただきたいのですが、我々は我々の立場で非常に真剣にこの問題について対応しているのです。できること、できないことを明らかにしよう、そして、向こうの米国海軍も非常に親切な応答をしておるわけですよ。しかし、その仲立ちをするところの外務省が今のような御返事で、まあ即位の礼というようなお話がございますので、私はきょうはここでとめます、この話は。終わりますけれども、こういう実態であるということは総理もよく把握をしていただきませんと、せっかく、今後どういうことになるかわかりません、きのうも大変な議論があるわけでありますから。そういう議論の中で我々のように熱心な取り組みをしておる者に対して、いささか私は外務省の態度、現地の態度というのは問題があると思うのです。一言どうですか。
○中山国務大臣 中東貢献策を進めるに当たりまして、委員の御指摘のように国民の皆様の御理解を得て進めていくことは当然でございます。委員の御指摘も踏まえまして、今後十分努力をいたしてまいりたいと考えております。
○草川委員 きょうは時間がございませんので、その点は今後のまた予算委員会の運営の中でも我我問題提起をしていきたいと思うので、私の非常に強い不満、怒りというものをこれは保留をしておきます、本当に。 じゃ、第二番目の問題にいきます。 実は、公明党は石田委員長が十二月の五日、盧泰愚韓国大統領を表敬訪問なされまして、その際、海部総理のメッセージも伝えられたわけでありますが、その際大統領は、海部総理の訪韓の際、来年の一月ということを聞いておりますけれども、きちっとさせ、日韓関係の過去の問題を終了させてほしい、こういうことを強調されたというように聞いております。 そこで実は、今、日韓の間に指紋押捺問題、三世問題は解決しておるわけでございますが、一世、二世への適用という問題について大変大きな問題が残っているわけでございますが、まず法務省に、いわゆるこの総理訪韓までに指紋押捺にかわるべき手段、これは一体何を考えられておられるのか。例えば家族登録制だとか写真だとか署名だとか、いろんなことを言われておりますけれども、その具体的な内容をこの際明らかにされたい、こう思います。
○梶山国務大臣 ただいま御指摘になった指紋押捺にかわる手段に関しましては、指紋押捺よりも心理的に負担が少ないと思われる方向として、写真と署名、または外国人登録に家族的な事項を加味することなど、多様な方法を鋭意検討をいたしておるのが現況であります。
○草川委員 じゃ次にもう一つお尋ねをいたしますが、指紋押捺にかわるべき今の手段についての開発の時期については、総理が訪問されるときに決着、こう言われておりますけれども、その年限というのはかなり長いんじゃないかと我々は聞いておるわけであります。例えば、一九九四年に廃止になるだろうというような一部の報道もあります。いや、そうではないというような報道もあるわけでありますが、いわゆる納得できる時期を明示することができるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○梶山国務大臣 前回の日韓定期閣僚会議でも李法務部長官に申し上げたのでありますが、私たちはできるだけ可能な技術開発を急ぎまして早急に出したいということを申し上げたわけでありますが、早急に開発することについて、この開発には今後なお相当な期間が必要だというふうに考えられます。 現時点では、開発の具体的な見通しを言うことは大変困難でございますが、当面の課題としては、法務省としては総理の訪韓までに開発の時期を明示できるように目下最大限の努力をいたしているところでございます。
○草川委員 これは来年の一月に総理が訪韓されるときに言われるので、今直ちにということにはいけないと思うのでありますけれども、少なくとも私は概要、三年なのか二年なのか一年なのか、こういう概要をこの際日本の国民の方にも、あるいはまたそれを韓国側にもわかるようにしていきませんと、非常に抽象的な形のままいきますと、かえって溝は深くなるという意見なんです。 ですから、大変恐縮でございますけれども、法務大臣も日韓閣僚会議に出席をされて、具体的な、何年かかるか、二年なのか三年なのかというようなそういうことを公式会議では御発言なすってみえぬわけですよ。インフォーマルな場合で多少ニュアンスは言われたらしいんですが、しかし、日本の新聞の方では、一世、二世ももうなくなりますよというような報道がなされる。みんな来年の一月にはなくなる、こう思うわけでしょう。ところが、現実には何年かかかるんだよ、こういうことになると、また日本がうそを言ったとか、何だという話がまた出てくるのです。せっかく日韓の間をようやくこう築き上げていくと、壊れてしまうのです。だから私は、文部省にも自治省にもお願いしたいのは、例の教職員の採用も、こういう場合にはやれることはどんどん幅を広げてもらいたい。地方公務員の採用についての幅を広げていただかないものですから指紋押捺に集中をしてしまうわけです。 これは私は非常に問題があると思うので、総理に今度はお伺いをいたしますが、盧泰愚大統領が訪日をされたときには、この国会で演説をなされました。これは非常に我が国民に共感を呼んだ演説ではなかったかと評価をするわけでございますが、海部総理も今回の訪問の際に韓国の国会等の場でスピーチをされるということは私は非常にいいと思うのでございますけれども、そのようなお考えがあるのかないのか、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 日程その他の問題につきましては、今外交窓口を通じて相手方と折衝中でございますが、いずれにしましても盧泰愚大統領とは、日本でいろいろ首脳会談をしましたその経過を踏まえて、さらに確固たるものにするために、私の考え方もきちっと大統領には申し上げてきたい、こう思っております。細かいことはまだ何も決まっておりません。
○草川委員 そこが、総理非常に慎重なことを言っておみえになるので、それはそれでいいんですが、今の日韓のこの関係というのは、新聞で御存じのとおり、あるいはまた日本の中には在日韓国人の方々もたくさんおみえになります、非常に注目をしておるわけです。せっかく大統領が日本にお見えになって、国会演説という形で広く国民にいろんな問題提起をなされた。我々もそれを謙虚に受けとめ、新しい、新時代だという受けとめ方をしている。私は、今の答弁では、総理の訪韓をされる熱意というのは伝わらぬと思うのです。私は具体的に国会での場があればどうなのか、こういうことをお尋ねしております。あるいは前段で、指紋押捺というようなことについて、三年なのか二年なのか一年なのかという非常に具体的なところへ来ている、そして冒頭に申し上げたように、向こうの大統領の方もきちっとさしていただきたい、非常に重要な時期です。もう少し熱意を込めて具体的なことについてお答えをしていただきたい、こう思います。
○海部内閣総理大臣 熱意は十分持っておりますけれども、相手国の国会で演説をできるかできないかということについては、日本においでになる外国の首脳の演説を議場でおやりいただくかどうかということも、これは議院運営委員会の慎重な事前のお話とそこの決定がなければできないことになっておるわけでありまして、そういったすべてのことを含めて日程調整等は行わなければならないと考えておりますが、私の真意は、東京で話し合ったことと同じ延長線上に立ってもう一回それを、今度は韓国へ行ってソウルで、首脳会談できちっと表明してこよう、どんな場所があるかわかりませんので、どんな場所があってもそういったことは表明したいと思っております。
○草川委員 くどいようですが、どんな場所というのは、もちろん国会の場も意識して今答弁されておみえになるのですか。
○海部内閣総理大臣 それは決まっておりませんことでありますし、それは私の今の立場からいいますと、相手国のあることでありますから、例えば晩さん会の場もありましょうし、あるいはいろいろなことがあると思いますけれども、それは熱意のあるないよりも、向こうとの、どのようにして受けていただくかという問題であって、場があれば私はいろいろなところでいろいろなことを申し上げてやってまいります。
○草川委員 だから私も、総理のお立場もあるし、相手側の立場もありますし、今おっしゃるような事情があると思うのです。だけれども、そのあらゆる場で熱意を込めていろいろと訴えないと、指紋押捺というのは幅が広過ぎるのです、この廃止の時期というのは。だから、これは総理訪韓のときにきちっと解決できるかどうか、私はかなり疑問だと思っているのです。私は別に法務省の代弁をするつもりもありませんよ。あるいは皆さん、とにかく両国の本当の、真の友好を図るためにはここへ今凝縮しているわけですよ、指紋押捺の時期というのは。だからそれを、残念ながらその幅というのは明確になっていない。それを縮めるためには、相当な熱意と決断が総理に必要だ。もう総理の決断以外にはないのです。恐らく法務省を突き詰めていくならば、事務局は四年だと思いますよ。よくやって三年だと思いますよ。二年にはなかなか詰まりそうにはない。それを二年なり一年なりに縮めるのはもう総理の決断しかないから私はそういうことを申し上げているのです。 そしてまた、もう一点あわせて御答弁願いたいのですが、日韓の過去の歴史についての認識を表明してもらいたいのでございますが、ただいまのところは東京での会談の延長線だ、こういうことを言っておみえになりますが、私は、今回の訪問を新たな契機として日韓関係を将来こうしたいという積み重ねの、新しいプラスの御発言というのがないと問題がある、こう思うのですが、その点はどうでしょうか。
○海部内閣総理大臣 東京で盧泰愚大統領と私の首脳会談のときに、私は歴史に対する認識も申し上げましたし、同時に、過去三十六年間の長さにわたって耐えがたい御苦労や苦痛を与えてきたということに対して率直におわびの気持ちを表明したいということを私は明確に申しました。 盧泰愚大統領はそのことを高く評価して、過去のわだかまりに基づく日韓関係をこれで前向きの未来志向型のもとに変えて、今度はアジアの平和と繁栄に役立っていく強力なパートナーとなってやっていこうということで認識が一致をしてお話をしておるわけでありますから、それの延長線上で、今度はさらにどうしたら友好安定が深まっていくかということになろうと私は思っておるわけでありまして、過去の歴史に対する率直な反省は、東京の会談で完全に一致した認識を盧泰愚大統領も私も持っており、その後の記者会見等でも盧泰愚大統領からはっきり言われておることでありますから、私は、それは延長線上で末長く続けていくべきものである、このように受けとめておる次第でありますから、その点は御理解をいただきたいと思います。
○草川委員 もう一問だけ言いますけれども、だからこそ私は、今、日韓の間に問題になっている、技術移転とかいろいろな問題はありますけれども、この指紋押捺の問題については総理の決断しかないよということを繰り返し言っているわけですよ。それはわかっておるのでしょう。だからそれを明確にしないと、きちっとした解決にはなりませんよ、向こうの大統領もそういうことを言っておみえになるわけでありますから。そこだけを私はもう一度念を押して総理に申し上げておきたいというように思います。 もう時間があと五分よりございませんので、実は次期防衛力整備計画が十九日に決まるということが言われておりますけれども、これにも関連するのでありますけれども、安全保障会議で、別表の中にあるいわゆる自衛隊員の十八万人は多過ぎると発言された閣僚もいるというように聞いております。そこで私は、残る時間、陸上自衛隊の現場での実情を少し申し上げておきたいと思うのです。 これは、実は私どもの同じ選挙区の先輩でもございます丹羽兵助先生の亡くなられたことと関連することでございますので、丹羽先生の近親者の御了解を得て問題提起をするつもりでございます。 陸上自衛隊には第一師団から第一三師団まであります。一師団は九千名の編成と七千名の編成になっております。一師団当たりの医官、いわゆる自衛医官、お医者さんでありますけれども、約二十名が定員であります。だから、定数は全国の師団で合わせますと二百四十名が定員であります。ところが、現在の医官数は全国、全師団でわずか三十二名です。いわゆる一三%の充足率であります。 丹羽先生が不幸なことになりました第一〇師団、これは名古屋でございますが、ここの医官の定数は、師団本来ならば二十名、それから駐屯地業務隊に医務室があるのでありますけれども、その医務室に一名の医師が本来いなければなりません、二十一名です。ところが、丹羽先生の傷害事件の当時、医務室一名は八月に退職して、おみえになりません。実員はなかったのではないかと思うのですが、この点防衛庁の答弁をお願いします。
○玉木政府委員 陸上自衛隊の第一〇師団及び守山駐屯地医務室には現在二名の医官が配置されておりますが、丹羽先生の傷害事件当時は、いずれも短期研修や米国への留学中で不在であったため、日常の医療業務は委託医師によって行っておりました。
○草川委員 当時は陸上自衛隊の記念式で市民が一万一千から二千集まっている。そういう中でも残念ながら防衛庁の中に医官がおみえになりません。ですから、事故があっても、その防衛庁の中の医務室、ベッドもあるのでございますけれども、そこに救急患者を運ぶことができなかった。いわゆる初期の動作にかなり私は問題があるのじゃないか、こう思うわけであります。 そこで、ちょっとこれは厚生省にお伺いをするわけでありますが、日本救急医学会編さんの「応急手当ての手引」、これは厚生省健康政策局指導課、つくったのは日本救急医学会、これを見ると、刃物や棒が患者、いわゆるけがをした人に刺さっているときには、抜かないで医師の診療を受けるべきだということが何ページかにわたって書いてあるのです。これはいわゆる一般的な応急手当てとしてはそういうことでいいのかどうか、これも厚生省から簡潔に答弁を願いたいと思います。
○長谷川(慧)政府委員 お答えいたします。 刃物や棒などが患部に刺さっている場合におきましては、患者さんがどのような状況にあるのか、だれが手当てを行うかによりまして処置が異なるわけでございますので、一般論だけでなかなか言いにくい面がございます。しかしながら、一般的な処置につきましては、刃物等によりまして内部臓器が損傷しているおそれもあるわけでございまして、抜いてしまいますとさらに傷が拡大したり、あるいは大出血を誘発したりするおそれもあるわけでございますから、抜かないのが基本であるというぐあいに認識いたしております。
○草川委員 もう時間が来ましたので残念でございますが、実は防衛医官が現地にいない。救命救急の初歩的な動作が指導されていない。ですから、丹羽先生の場合はそばにいた方が犯人から刺された刀を、小刀というのですか、ナイフを抜いてしまった。だから猛烈に血が出ることは当たり前ですね。今のように、救命救急の原則は、やっちゃいかぬと言っているのです。そのまま本来は手当てをしなければいかぬのに、そういうことがあったという問題点。それは一つは防衛医官の日ごろの対応が非常に問題であったと思うのです。 ちなみに、防衛医官というのは国費、税金で一人当たり四千万円かけるわけです。そして防衛医官になってもらうわけでありまずけれども、途中でペナルティーを払ってもやめる方が非常に多い。ちなみに一期生は、五十五年卒業ですが、四十人卒業で現在員は十七名、四二%です。二期生は七十四名卒業で現在員三十五名、三期生は七十三名卒業で四十五名というように非常に問題があります。防衛医大の予算は、一年間百五十八億かけております。膨大な予算を投入し育てても、今のような現状ではこれは私は問題がある。だから、これからは医師が非常に過剰時代になりますから、私は、医師国家試験に合格をして理念を持つところの医師を幹部学校に入れてそして防衛医官にすべきだ、もうこれは離しなさいという意見を持っておるわけであります。こういうことを、少なくとも防衛力整備計画の中でも議論をしていただいて、将来のあるべき将来像というのを検討していただきたい、こう思うのでございます。 時間が来ましたので、最後にこれは長官から、この問題についてぜひ答弁をお願いをしたい、こう思います。
○石川国務大臣 時間の関係上簡潔に申し上げたいと思いますが、今いろいろと医官の不足の実態につきましては、先生がるる申されましたような実情であることは私も承知しております。 今後これにどういうふうに対応するかということでございますが、この原因はまずどこにあるかということをなかなか究明しがたい点がございます。 一つには、私なりの考えでございますが、やはり防衛医大を出た方が要するに博士号などを取れないというものも一つあろうと思います。そういうような問題をどうするか。これは幸いにして、いろいろと今日まで努力をしてまいりましたが、最近特に文部省等におきましてもその点につきましては大変理解を深めてまいりまして、近き将来においてはその問題は解決できるんではなかろうか、かような希望を持っているわけでございます。 それからもう一つは、やはりお医者さんというものは、これは一般論で言えると思いますが、やはり専門の方でございますので、その自分の能力をますます磨きたい、こういうことから専門医の知識を持ちたい、これは当然だと思うのです。そういうことから考えますと、今後の整備計画の中でやはり病院等の拡充整備、こういうことも当然必要ではないかな、かようなことも主張していかなければならない、かように思います。 さらに、今先生が御提案されましたようなこと、これは私も突然の提案でございますので十二分に検討させてみたいと思いますが、すべてのそういう総合的な検討の中で問題の解決を図っていきたい、かように考えているわけでございます。 いずれにしましても、今回丹羽先生があのような事件でお亡くなりになったということは、本当に余人をもってかえがたい立派な政治家でもあるし、心から尊敬している方でございましたので本当に残念至極でございますので、それにも増して私はそういうことを一つの大きな参考として、これからの今申し上げましたような道を努力していきたい、かように考えておるところでございます。
○草川委員 以上です。
○越智委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして三案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○越智委員長 これより討論に入ります。 三案を一括して討論に付します。 討論の通告がありますので、順次これを許します。佐藤信二君。
○佐藤(信)委員 私は、自由民主党を代表し、ただいま議題となりました平成二年度一般会計補正予算外二案に対し、賛成の討論を行うものであります。 今回の補正予算は、災害復旧等対策費、人事院勧告を実施するための国家公務員等の給与改善費を初め、当初予算編成後において特に緊要となった事項について措置を講じたものであり、いずれも適切、妥当なものと考えます。 以下、本補正予算に賛成する理由を申し上げます。 まず、賛成の第一は、中東湾岸危機への貢献策として十億ドル、一千三百億円の湾岸平和協力基金に対する拠出金の追加措置を講ずるなど、中東湾岸における平和回復活動への支援経費が計上されていることであります。 イラクの武力によるクウェートへの侵攻と併合、日本人を初めとする外国人の人質拘禁、これらの行為は、人道的見地からはもちろんのこと、国際法上も断じて許すべからざる行為であります。我が国は国連中心主義の立場を堅持し、一連の国連決議を支持し、イラクのクウェートからの即時完全撤退と人質の全員解放を強く求めてきたのであります。 中東湾岸危機は、イラクのクウェート侵攻以来既に四カ月を経過したのでありますが、十一月二十九日の国連安保理において武力行使の容認決議案を採択したことから事態はようやく進展を見せ始め、十二月七日には人質の全員解放が決定され、また、米国とイラクの直接対話の準備が進められるなど、平和的解決に向けて新たな展開を見せております。解決に至るか否かは依然予断を許さないのでありますが、解決への道が開けたとするならば、そのよって来るところは、武力による侵略行為は許さないという各国の共通した意思に基づいた一連の国連決議にあることはもちろんのこと、この決議を実効あらしめるために多数の国々が協調して行った経済制裁と、無条件即時撤退を求め、米軍を中心とする多国籍軍が湾岸に展開した行動に大きく負っているのであります。 国連決議を実行に移すための国連軍の創設が困難な状況にあることを考えた場合、今回の多国籍軍の行動は、国連の決議を体現し、国連軍と同様の性質を持ったものと考えるべきなのであります。したがいまして、中東貢献策の財政措置として、湾岸平和協力基金への拠出金を今回補正予算に計上しましたことは、まことに当を得たものと言わざるを得ないのであります。 また、中東貢献策の一環としてエジプト、トルコ、ジョルダンの湾岸諸国に対する超低利の緊急商品借款を供与するための海外経済協力基金への二百億円の追加出資、さらには中東湾岸危機に伴う多額の保険金支払いに対処するために貿易保険特別会計への四百億円の繰り入れを行うこととしておりますが、これもまた妥当な措置であります。 賛成の第二は、国際協調を推進するとともに、日米間の協力関係をより確固たるものにするための諸経費が計上されていることであります。 すなわち、さきに行われました日米構造協議を受けて実施されつつある大店法の規制緩和に伴い、影響を受ける中小流通業の活性化等のための経費、チェルノブイリ原発事故の被害者救済のための医療機器供与を行うための経費、日米親善交流の推進を目的として各界知識人の招聘、派遣等の交流事業を行うための経費等であります。力の対決にかわって対話と協調による新しい平和共存の世界の構築が模索されつつありますが、これをスムーズに移行せしめるためには、自由主義世界第一位、第二位の経済力を持つ日米両国が確固たる協力関係のもとに、基軸国としての役割を果たしていかなければならないのであります。 本補正予算に計上されたこれらの経費は、中東湾岸危機支援経費とともに、国際協調あるいは我が国の国際的な貢献に資するものであり、高く評価するものであります。 賛成の第三は、特例公債の増発を回避し、財政改革の推進姿勢を堅持し得たことであります。 長年にわたる財政改革努力等によって、本年度当初予算においてようやく特例公債の発行によらない予算編成を実現したのでありますが、本補正予算においても、災害復旧等事業費等に対応して建設公債を追加発行するのやむなきに至ったものの、経費の節減努力等により特例公債の発行を回避したことは、評価すべきであります。公債依存度の逓減に向け、厳しい道のりとは存じますが、財政当局のさらなる努力を望むものであります。 以上、賛成する理由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、政府提出、平成二年度補正予算外二案に対し、理事会決定の時間内において、反対の立場から討論をいたします。 まず、海部内閣の湾岸危機に対する姿勢についてであります。 現在の湾岸情勢は、軍事的に米軍が攻撃の主導権を握っていることは明らかであります。しかし、武力衝突になれば、多数の人命が失われ、財産の破壊、国土の荒廃は必至であり、石油施設の破壊による世界経済への大打撃やペルシャ湾の大規模な汚染などが十分に想定されます。また、軍事的に解決が得られたとしても、アラブ世界の民衆の心に大きな傷を残し、長期かつ広範な政治的不安定の土壌をつくり出すことになりかねません。 それだけに、いかなる形においても絶対に武力衝突が起こることを回避し、経済制裁の効果を待ちつつ、平和的、政治的努力の方策を探ることが唯一の正しい道です。十一月二十九日の国連安保理決議は一月十五日までと期限を切っていますが、あくまでも武力行使を控え、平和的な道を追求すべきです。関係国の自制と忍耐を強く求めるべきです。 にもかかわらず、海部総理は、日本国を代表して何らの行動も示しておられません。国連中心はあるべき正しい主張です。しかし、国連の中で我が国独自の外交を展開し、戦争回避、平和解決のために、緊急に国際的な和平の構想と世論をつくり出す努力が必要なときです。和平に対する日本提案があってしかるべきではないでしょうか。そのためにも、補正にある湾岸平和基金拠出金千三百億円の拠出、すなわち多国籍軍への資金協力は中止すべきです。政府がどのような理由をつけようとも、この資金が多国籍軍への軍事援助であり、憲法で禁止されている集団的自衛権の行使に当たります。憲法上疑義のある資金の拠出は認められません。むしろ、国連決議による対イラク経済制裁のために経済困難に陥っている湾岸諸国、並びにイラク、クウェートから脱出した開発途上国の出稼ぎ避難民救済に充当すべきです。 一方、湾岸の緊張が長期化し、これに対する多国籍軍の中心をなすアメリカから、さらにまた再三にわたって追加資金協力を求められた場合、政府はどう対応するのか、拠出に対する歯どめが全くありません。そのためにも、湾岸平和基金の性格については十分な論議が必要であります。来年度予算において慎重に審議すべきで、補正予算には本来なじまないものであります。また、事業を進める基金方式、再三にわたって政府はとっておられるようでありますが、この基金方式の創設、多用は、国権の最高機関たる国会の予算審議権を損なうものであり、大いに問題ありと言わざるを得ません。 財政法においては、補正予算はあくまでも単一予算主義に対する例外をなすものであります。義務費の不足と予算作成後に特に緊要となった経費の支出に限って補正予算を提出できるとしております。補正予算の編成については厳格に制約されているのであります。 近年、政府の補正予算に対する姿勢は、災害復旧や国家公務員の給与改善費等緊急を要するものに限ることなく、政策経費の範囲に入るもの、あるいは当初予算編成時において予想されたものまで補正予算に盛り込む手法が定着し、緊急性の判定があいまい、恣意的なものになっています。九月二十一日既に支出されました予備費一千三百億円の湾岸支出について見られるように、当然国会において十分なる議論がなされてしかるべきであります。 私は、政府が将来に向かって、このことに味をしめ、国会の事前承認なしに支出できる予備費の枠をさらに拡大をし、今後多国籍軍への資金援助等に対応することのないように、法律で予備費から支出する条件及び限界を明確にするよう求めて、反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 私は、公明党・国民会議を代表して、平成二年度一般会計補正予算三案について反対の討論を行うものであります。 今回の補正予算では、湾岸の平和回復活動に対する協力のための資金が、予備費から支出された十億ドルに加えて、さらに今回十億ドル、一千三百億円が計上されております。我が党は、この一千三百億円が憲法の精神を踏まえ、国連協力を前提として非軍事の分野に使われるものであれば、当面の貢献策としてやむを得ないものと考えるものであります。しかし、今回の補正予算に計上されている一千三百億円については、その内容、性格、目的、使途が必ずしも明確にされておりません。このままでは無原則、無制限になりかねず、国民の理解を得ることは難しくなるおそれがあります。したがって、政府は、その内容、性格、目的等を明確にして、国民の理解と支持が得られるよう努めるべきであります。まず、この点を政府に強く要求するものであります。 さて、今回の補正予算は、災害復旧等事業費や国家公務員等の給与改善費等、必要やむを得ないものも含まれておりますが、以下の理由により本補正予算案に反対するものであります。 その第一は、政府の予算編成のあり方の問題についてであります。 補正予算には、国家公務員等の給与改善費約四千六百億円が計上されております。この措置そのものは当然であります。しかし、予算はその年度において政府が実施しようとする施策そのものであり、あらかじめ予想される必要な経費については当初予算に盛り込むのが当然であります。これは財政法の趣旨でもあります。昭和五十六年度から六十年度の財政再建期間でも、国家公務員の給与については、あらかじめ人事院勧告を想定し、国家公務員給与の一%は当初予算に計上されてきていたのであります。ここ数年は予算規模を意識的に圧縮するために、計上すべき公務員給与改善 費等は当初予算から外されておるのが実態であります。国家公務員の労働基本権の代償措置として人事院勧告制度が設けられており、これをある程度予想して一定額を当初予算に計上するのは当然であります。政府の予算編成のあり方は極めて問題があると指摘せざるを得ないのであります。 第二は、防衛費のGNP比一%枠突破の問題であります。 今回の補正予算では防衛庁職員の給与改善費が計上されたことにより、防衛費は当初予算のGNP比〇・九九七%から一・〇二一%と一%枠を超えたものになっております。政府は、本年は、五年に一度行われるGNP基準改定の年に当たり、この新基準によれば一%以下になるとの弁明を行っておりますが、基準がそのときの都合により変わるのでは基準とは言えないのであります。あくまでも当初予算編成時のGNPを基準にすべきであり、給与改善によって一%を超えるような場合、他の防衛予算を削減し、GNP比一%枠を厳守すべきであります。このような努力を行わず補正予算を組んだことは、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。 なお、補正予算に日米親善交流基金とスポーツ振興基金の二つの基金の創設に係る経費が計上されております。私どもは、スポーツ振興基金などは推進の立場をとってきており、その趣旨は理解できるところであります。しかし、財政法第二十九条で、補正予算については「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」とされております。財政法の規定から見ても、これらの基金の創設については疑問なしとは言えないのであります。政府に対し、放漫財政を戒めているこの規定を厳格に運用するよう、この機会に強く要望するものであります。 以上をもって、補正予算に反対する討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の補正予算に対する反対討論を行います。 本補正予算は、公務員給与の改善や災害復旧費なども含まれていますが、その最大の問題は、中東湾岸地域に展開する多国籍軍を支援する拠出金千三百億円の計上であり、断じて認めることはできません。 我が党は、イラクの侵略に対して国際世論と経済制裁の徹底による平和的解決を断固として主張するものであります。その経済制裁による影響を受けている諸国への援助や難民救済は必要であります。しかし、この拠出金の実態は、湾岸地域での戦争を構えている米軍に対する資金の援助であり、まさに戦争の一翼を担うものにほかなりません。これは、紛争の平和的解決を原則とする国連憲章の精神に反し、また、日本国憲法の平和的原則に反するものであります。破滅的な湾岸での大戦争につながるこのような多国籍軍への戦費提供のための補正予算は、削除するよう求めるものであります。 湾岸で一たん戦争が始まれば、米軍等の戦費が莫大なものに膨れ上がることは必至であり、アメリカはこの戦費の分担を日本に対して際限なく要求してくるであろうことも明瞭であります。このような戦費分担要求にこたえて資金を提供することは、我が国の果てしない軍事費拡大の路線につながる道であります。 また、莫大な戦費分担は、その資金捻出のために国民に一層の負担増大をもたらすことになるのであります。アメリカの執拗な追加要請によって多国籍軍に対する追加十億ドルを決定した九月十四日の閣議では、橋本大蔵大臣が例年以上の既定経費節減が必要である旨発言し、多国籍軍への追加十億ドルを計上する一方で、国民生活関連予算を中心に二千数百億円に上る経費を削減したのであります。生活保護費は五百八十億円、原爆障害対策費は六億円、失対事業費は百六十七万円、私学助成費は十五億円など、いずれも国民にとって切実な予算を軒並み削減しているのであります。特に生活保護費においては、当初予算で前年度より三百二十八億円も削った上に、補正でさらに五百八十億円も削減するというのであります。国民は、消費税の導入によって一世帯平均で年間十万円以上の負担を強いられており、導入後一年間で物価は政府試算の三倍以上の三・五%も上昇したのであります。 わが党は、こうした国民の苦しみを軽減するため、政府に対し、生活必需品への消費税完全非課税などの緊急措置を要求し、また、石油高騰による生活弱者の負担増大に対する軽減対策を要求してきたところであります。しかし、政府は、国民の要求に背を向けたばかりか、逆に国民生活分野の予算を削減しようというのであります。このように国民に対して冷酷な補正予算は、強く反対するものであります。 我が党は、イラクに対する経済制裁の徹底と国際世論の力によって湾岸危機を平和的に解決するために全力を挙げること、消費税の廃止を初め国民生活の向上をかち取るために奮闘することを最後に表明して、討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 次に、中野寛成君。
○中野委員 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております平成二年度補正予算三案に対して賛成の討論を行うものであります。 昨年末の東欧の自由化、ソ連の民主化など激動する国際情勢は、第二次世界大戦後継続してきた米ソの冷戦時代にピリオドを打ちました。そして本年は、まさに新たなる国際平和づくりのスタート台の年であったと言えます。しかし、平和への希望は、八月二日のイラクによるクウェートへの侵攻という暴挙によって完全に打ち砕かれてしまいました。私は、イラクの暴挙を断じて許すことはできません。 また、今展開されている多国籍軍は、イラクのこれ以上の武力侵攻を抑止するとともに、経済制裁など一連の国連決議を実効あらしめるためのものであり、速やかに平和的にイラクをクウェートから引き揚げさせるために必要な措置であると考えます。むしろ、これらの措置と行動がなけれぱ、手をこまねいて傍観しているだけであるならば、イラクの無謀な戦争行為を野放しにし、一層大きな平和破壊に逆に手をかした結果を生むでありましょう。私は、イラク問題が平和的に解決するよう政府がなお一層の努力を尽くすべきであることを改めて強調してやみません。 このイラク問題を通じ、今我が国は、いかに世界平和のために貢献できるかが問われているのであります。そのため我が党は、資金的支援だけでなく人的支援を含め最大限の貢献をすることが、憲法前文で言うところの、我が国が国際社会において名誉ある地位を担うために不可欠の要件であることを指摘してきたのであります。この見地から、四十億ドルの中東貢献策の中の追加財政支出部分としての十億ドルを補正予算案に計上したことは必要な措置であると考えます。 あわせて、中東貢献策四十億ドルの決定方法については、我が国の自主性や国会の審議等から見て大きな問題があり、このままでは今後に重大な禍根を残すおそれがあることも指摘しなければなりません。 したがって、我が党は政府に対して、一、中東貢献策のような重要問題について速やかに国会へ説明し、国民の理解と協力を得るルールを確立すること。二、ねじれ国会のもとでは、各党首脳への事前説明、情報提供と話し合いを行うこと。三、多国籍軍への資金協力について無原則とならぬよう、この際、国連としての受け皿、国連平和回復基金の創設といったルールと枠組みを確立すること。四、ODAが安易に流用されたり、不適切に使われないよう明確な理念、目的、原則の確立、各省庁にまたがる支出の総合調整、国会への十分な情報提供等を行うこと。以上の四項を守るよう厳しく注文してまいりましたが、海部総理より前向きの答えがあったことは一定の前進であったと評価いたします。この約束を誠実に履行されるようさらに強く要請するものであります。 さらに、本予算案には、我が党が強く求めてまいりました台風などの災害復旧事業、人事院勧告 完全実施のための給与改善、大店法規制緩和により影響を受ける中小小売業対策などが盛り込まれております。また、草の根の日米友好を進めるための日米交流基金やスポーツ基金の創設、貿易保険特別会計への繰り入れなど必要な措置であり、一部各種基金等は計画性を持たせ、補正予算ではなくて当初予算に織り込むべきであるという意見も持ってはおりますけれども、しかしそのことが反対の理由とはなり得ないと考え、この本補正予算案の中身については賛成すべきものと考慮し、私の賛成討論を終わるものであります。(拍手)
○越智委員長 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、進歩民主連合を代表し、本補正予算に反対の討論を行います。 反対の最大の理由は、過ぐる臨時国会で、国連平和協力法案が国民世論を背景にして衆議院段階で廃案になり、新たな湾岸対応のあり方についていまだ十分な論議が尽くされていないにもかかわらず、国民が消費税を払わされて蓄積された国庫金から、あたかもポケットマネーのような感覚で支出しようというこの海部内閣の姿勢にまず問題があると言わざるを得ません。 昨日の委員会でも指摘しましたとおり、湾岸平和基金十億ドルの外務省における担当部局は、物資、資金、輸送は北米局であり、国連局や中近東アフリカ局ではないのであります。なぜ北米局なのか。結局、米軍への軍資金供与を意味しているからであります。北米局が担当になっておるというこの取扱部局のあり方を見ただけで、この十億ドルの性格は一目瞭然であります。したがって、この米軍等への軍資金供与は、明らかに海外における集団的自衛権行使に資金的に参画するものであり、憲法第九条に抵触する可能性大なりと言わねばなりません。 なお、補正後、防衛費が対GNP比一%枠を突破することも、国際情勢の激変と絡んで問題があります。 以上、本補正予算案に反対する最大理由を簡単明瞭にして、反対討論を終わります。(拍手)
○越智委員長 これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○越智委員長 これより採決に入ります。 平成二年度一般会計補正予算(第1号)、平成二年度特別会計補正予算(特第1号)、平成二年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○越智委員長 起立多数。よって、三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) お諮りいたします。 ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○越智委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後一時三十一分散会