文教委員会 第1号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/12/18
会議録
○船田委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 文教行政の基本施策に関する事項 学校教育に関する事項 社会教育に関する事項 体育に関する事項 学術研究及び宗教に関する事項 国際文化交流に関する事項 文化財保護に関する事項 以上の各事項につきまして、本会期中、国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○船田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ────◇─────
○船田委員長 次に、内閣提出、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。保利文部大臣。 ───────────── 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○保利国務大臣 このたび政府から提出いたしました日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 スポーツは、国民の心身の健全な発展に資するとともに、明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与するものであり、その一層の振興が強く求められているところであります。 特に、国際的な競技大会における我が国選手の活躍を期してスポーツ団体、選手、指導者が安んじて選手強化活動に打ち込めるようにするとともに、さらに、そのすそ野を拡大するための施策を講じることは、国民のスポーツに対する意欲や興味を喚起し、広く我が国のスポーツの普及振興を促進する上で大きな意義を有していると考えられます。 今回の改正は、このような観点から、我が国のスポーツの一層の振興を図るため、日本体育・学校健康センターにスポーツ振興基金を設け、競技水準の向上等のための活動等に対し必要な援助を行うためのものであり、その内容の概要は、次のとおりであります。 第一に、センターの目的に、スポーツに関する競技水準の向上等のために必要な援助を行うことを追加することといたしております。 第二に、センターの業務に、次の業務を追加することといたしております。 その一は、スポーツ団体が行うスポーツに関する競技水準の向上を図るため計画的かつ継続的に行う合宿その他の活動、あるいは国際的または全国的な規模のスポーツの競技会、研究集会または講習会の開催に対し資金の支給その他必要な援助を行うことであります。 その二は、優秀なスポーツの選手、指導者が行う競技技術の向上を図るための活動、あるいは優秀なスポーツの選手が受ける職業または実際生活に必要な能力を育成するための教育に対し、資金の支給その他必要な援助を行うことであります。 その三は、国際的に卓越したスポーツの活動を行う計画を有する者が行うその活動に対し資金の支給その他必要な援助を行うことであります。 第三に、センターは、援助業務に必要な経費の財源をその運用によって得るためにスポーツ振興基金を設け、政府からの出資金と政府以外の者からの出捐金をもってこれに充てるものといたしております。 このほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○船田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ─────────────
○船田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま趣旨の説明を聴取いたしました法律案審査のため、本日、日本体育・学校健康センター理事長古村澄一君に参考人として御出席を願い、御意見を聴取することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○船田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ─────────────
○船田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本剛二君。
○坂本(剛)委員 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案が提案されておりまして、ただいま大臣から趣旨の御説明があったわけでございます。国民も大変関心を抱いておる案件でございますので、三点につきまして、私から質問をさせていただきます。 スポーツは、国民の心身の健全な発達に質するとともに、明るく、活力に満ちた社会の形成に寄与するものであり、人間だけが持つ世界共通の文化の一つであります。このようなスポーツの持つ意義は、社会的、経済的諸条件の一層の変化が予想される二十一世紀の社会においてますます大きなものになると考えますが、スポーツ振興の意義について、文部大臣の御見解をまず伺いたいと思います。 次に、スポーツのうち競技スポーツについては、従来ともすれば一部のスポーツ選手のためのものと考えられがちでありましたが、競技スポーツにおける人間の可能性の限界を追求する選手たちの極限への挑戦は、いわば先端的な学術研究や芸術活動と共通する、人間の価値ある行為でありまして、それ自体が大きな意義を有する文化的営みであります。このような極限に挑戦する選手たちによって開発された技術や知識はスポーツの普及発展を支えるものであり、また、それだけでなく、競技大会等における我が国選手の活躍は、国民に明るい話題を与えるとともに、特に青少年に対しては、スポーツに対する興味や意欲をかき立て、我が国のスポーツの振興、ひいては我が国社会の活力の増大に大きく貢献するものであります。しかるに、我が国の国際的な競技水準は、近年オリンピック競技大会やアジア競技大会等における我が国選手の獲得したメダル数にも見られますように、著しい低下の傾向にあります。このような我が国の競技水準の現状と、その低下傾向の原因について、文部大臣はどのように認識されておりますか、伺いたいのであります。 第三点でございますが、先般行われました北京アジア大会は前回のソウル大会から金メダルを二十個も減らしまして、中国、韓国に次いで第三位という大変厳しい結果に終わりました。今のまま手をこまねいておれば、目前に迫っております平成四年二月のアルベールビル冬季オリンピックや平成四年七月のバルセロナ・オリンピックにおいても、この長期低落傾向が続くという、我が国にとっては大変寂しい結果となることが予測されます。したがいまして、このような状況を踏まえると、平成四年に迫ったバルセロナあるいはアルベールビル冬季オリンピックに向けて、我が国としても抜本的選手強化策を打ち立てることが必要である、こう考えるわけでありますが、同時に、我が国のスポーツのすそ野も拡大し、国民のスポーツの振興を図ることは、我が国が明るく活力ある社会を形成していく上で従前にも増して重要なこととなってきておりまして、国としてもこれに積極的に取り組むことが緊要の課題となっておるわけであります。 そういう意味において、今回政府においては、これらを正面から受けとめられ、我が国の競技水準の向上と我が国のスポーツのすそ野を広げるためのスポーツ振興基金の創設の補正予算を計上されたわけでありますが、我が国のスポーツの振興にとってまことに時宜を得た大変意義のある処置であると考えておりますけれども、スポーツの振興を担当する文部大臣として、これに取り組まれる御決意をお伺いいたしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○保利国務大臣 お答えを申し上げます。 スポーツ振興の意義についてどう考えておるかというお話でございます。人がこの世に生をうけまして、そして充実した明るい人生を送ってまいりますためには、まずやはり精神的な充実をするということが必要かと思います。文化面あるいはいろいろな知識を修得していく、これが非常に大事なことだとまず思います。それからさらにもう一つは、健康な肉体を持つという意味も必要だと思っております。そうした意味で、人間の一生を明るく充実したものにするために、このスポーツの持つ意義というものは非常に大きいものがあると思います。そして、それが明るく豊かで活力に満ちた社会の形成に寄与していくんだというふうに私は考えておりまして、スポーツを振興していくという意義については、そういうことを考えておるところでございます。 それから、我が国の競技水準の現状あるいはその低下傾向についてどう思うかというお話でございますが、先般のアジア大会におきましても、御承知のように、金メダルを二十個減らすというような形で、これは世界のレベルが上がってきたという観点からとらえれば大変結構なことかもしれませんが、世界の競技水準に対して相対的に我が国の競技水準が低下をしてきているということも言えるわけでございまして、そういう意味でスポーツ関係者、大変危機感を持っておるわけでございます。ある意味では、体力の問題かもしれませんけれども、さらにこれに加えまして技術あるいはスポーツ上の戦術の問題あるいは精神力の問題、いろいろな点からこの問題点が指摘をされておるわけでございますが、選手に対しましては一つの、ある意味では図太さというようなものも要請をされておる、試合に臨んでふだんの実力が十二分に発揮できるような力強さというのも必要かと思います。そういった意味で体育関係者が緊急アピールというものを出しまして、そして、これから競技水準の強化のために早急に取り組んでいかなければならない、こういうアピールを出されたわけでございます。 御指摘のとおり、アルベールビルの冬季オリンピックは再来年の二月に行われますし、再来年の夏にはバルセロナのオリンピックも行われます。その前に、来年の夏には世界三大スポーツイベントの一つであります世界陸上が行われるし、また卓球の世界選手権も来年は行われることになっております。こうした日本で行われる数々の国際試合に十二分の力を発揮してもらうための選手強化策を今すぐにやる必要があるということで、スポーツ基金を早急につくるべきであるという御提唱がありまして、それを受けて補正予算の中に計上し御審議をいただき、昨日御可決をいただいたわけでございます。特にアルベールビルの冬季オリンピックにつきましては、この冬のシーズンが選手強化にとっては必要なことでございますので、そういった意味で、このスポーツ基金を通じて、そうした強化策に援助していくということについては非常に重要な意味を持っていると思っております。 さらに、これは競技力の水準向上だけではなくて、すそ野を広げることも必要だという御指摘でございますが、まさにそのとおりだと存じます。国民の間にスポーツが広まり、そしてすそ野が広がる、その広がりの中から高いトップレベルの者が出てくるということでございまして、トップレベルが非常に高くなる、それに応じてまたスポーツを志す者が多くなってきてすそ野が広がっていく、両々相まっておりまして、まさに車の両輪のような関係にあろうかと思います。私どもは、トップレベルを上げていくのと同時にすそ野を広げていくという両方の観点から、この基金の運用等を通じ、あるいは一般施策等を通じてスポーツの振興を図っていきたい、このように考えております。 以上でございます。
○坂本(剛)委員 どうもありがとうございました。
○船田委員長 次に、中西績介君。
○中西(績)委員 本法案の提出について一、二文部省の姿勢についてただしておきたいと思っています。 まず第一点は、前回芸術文化振興基金を本院で審議した際にいろいろ取りざたされてまいりましたが、政策は本来ならば補正予算に計上すべきでない。しかも、余りにも国会終了間際になって提案してくるというこのやり口は、火事場泥棒的に審議時間制限、あるいは法案の本質を十分国民の前に明らかにすることができないまま終わるということになるわけであります。こうした点について前回も指摘したのですけれども、前回私たちは今後こういうものはないと思っておったのですけれども、再び同じことの繰り返しをしておるということ、私は行政が衆議院を無視しておるのではないかという見解をとらざるを得ないわけであります。こうした点についてどのようにお考えか、大臣お答えください。
○保利国務大臣 今回なぜスポーツ振興基金を補正予算に組み、この法案改正を急に出してきたのかという御質問だと思います。 いろいろ御審議をいただいておりました例の芸術文化振興基金でございますが、現在、国会の御了承をいただきまして、既に運用を開始する段階に来ておるわけでございます。そのときはそのときで芸術文化振興基金に対する御要請の理由がございまして、あのような形で補正予算に組まさせていただき国会の御了承をいただいたわけでございます。今回、財政法二十九条で言っております「特に緊要となった経費」に相当するのかどうかということで私どももいろいろ考えさせていただいたわけでございますが、私どもは財政法二十九条の「特に緊要となった経費」に相当すると考えて、これを補正予算に組まさせていただきました。 以下、理由を少々申し述べさせていただきたいと思います。 御承知のように、平成四年二月、つまり次の冬季シーズンにはアルベールビルのオリンピックがございます。冬季オリンピックがございます。さらに平成四年の夏にはバルセロナのオリンピック大会が開催をされます。その前にも、ただいま申し上げましたとおり、世界三大スポーツイベントの一つであります世界陸上が百数十カ国の参加を得て東京で来年夏開かれるわけでございますし、またピンポンの世界選手権、卓球世界選手権も行われるわけであります。ことしの九月に行われました北京のアジア大会におきましても、競技力の相対的低下が言われております。また結果もそのようになってしまったわけでございますが、ここで早急に選手強化に取り組まないと、日本のいわゆるスポーツの競技レベルを示しますいろいろな成績、国際大会での成績がさらに落ち込んでいくであろうということを心配をいたしまして、JOC、日本オリンピック委員会が緊急行動計画というのを発表いたしました。その緊急行動計画によりまして、すぐに選手たちの、あるいは監督あるいはコーチの支援策を講じていかないと、日本のスポーツ水準がさらに低下していくということで、基金を設け、そしてぜひ援助してほしいという緊急アピールをお出しになったわけであります。これに対しまして、経済界もこれに全面的に協力をするという協力表明がございまして、そういう状態の中にございました。 そこで、私どもも財政当局と十分相談をいたしまして、そして、これをスポーツ振興基金として補正予算の中に組み、さらに必要な法案改正も行いまして、その受け皿をつくり、直ちに運用をして、この冬の、このシーズンのスキー選手の強化あるいは春からの陸上選手その他の強化ということに充てていきたい、こういう希望を強く持ったわけでございます。 これに対しまして、各党たくさんの議員さんが加盟しておられますスポーツ議連あるいは武道議連、そういう方々からもこのスポーツ基金を早急につくれという御決議をちょうだいをいたしまして、これを受けまして、財政法二十九条に言っております「特に緊要となった経費」に相当するというふうに考えまして、補正予算にも組ませていただき、こうしてその受け皿をつくる法案改正も提案をさせていただいたわけでございます。したがいまして、私は、今回のスポーツ振興基金は、財政法二十九条で言います「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費」に相当するものと考え、御提案を申し上げた次第でございます。
○中西(績)委員 長々と答弁いただきましたけれども、この短期間の間にという、この提案の仕方というものに対する答弁は、私は今の答弁では納得いきかねます。特にこの極めて短期間の間にやるという、ここに私は問題があると思うのです。私は、院を軽視する、あるいは無視をしたということが問題なんだと思う。なぜなら、大臣も衆議院議員なんですよ、所属は。その中にいて、今度は行政の側に今立っておるけれども、そうであればあるほど両方がわかっているはずですから、少なくともこの院をどのように重視をするかという視点をちゃんと持ってもらわぬと困るのだ。あなたが責任者で提案するのですから、もしここを重視をしておるということになれば、これは今のような時期に出すべきではないという判断すらできるわけですからね。そうしたことを考え合わせてまいりますと、この点についての体質を改善しない限り、依然としてこういう問題は引き続いていく。しかも緊急行動、これは後でまた触れようと思ったのですけれども、アピール並びに緊急行動などと言っておりますけれども、これはただ単にあわせて出しただけなんです。これは早くからやればできたことなんでしょう。ところが財政を云々ということとあわせてそれぞれの審議会なり委員会なりが提出をした、それと全部一致して出されておるとしか言いようがないじゃないですか。日にちも余り変わらぬでしょう。だから、だれかがそういうシナリオを書いて、おい、おまえのところがやれ、次々にやってこういうものをつくり上げていったとしか言いようがないじゃないか。私はこうしたやり方については、今後改めるということをぜひ言わなければ、前回に引き続いて二回目ですから、しかもそれが短期間に二回でしょう、こういうことは許されません。——もう長々とやってくれるなよ。
○野崎政府委員 今JOCの緊急アピール、それから基金の創設にかかる調査研究協力者会議の報告の経緯についてお触れがあったわけでございますが……(中西(績)委員「質問はしない、それは聞いていない」と呼ぶ)JOCは御存じのように昨年八月に法人化をしたわけでございまして、その真剣に取り組んだ結果が今回の緊急アピールにつながった。それから調査研究協力者会議の方は、平成元年、二年とその調査研究の結果がまとまって現在出たわけでございまして、今回の補正予算は財政法の二十九条に該当するということで出させていただいたわけでございますので、よろしくお願いいたします。
○中西(績)委員 こういう状況になっておるというのは最初からわかり切っているのでしょう。 それじゃ聞きますけれども、わからなかったのですか。
○野崎政府委員 確かに前々から競技力というもが低下しているという指摘はされておったわけでございますが、ことしの九月の北京におきますアジア大会でその結果が出たということで、JOCにおきましても今回の緊急行動計画というものを出した、このように私ども承知しておるわけでございます。
○中西(績)委員 それじゃこういうやり方に対しては改めないということを言うわけですか。大臣、どうですか。
○保利国務大臣 先ほど長々と御答弁申し上げましたとおり、今回補正予算に組む理由があるのかどうかということについて十分協議をいたしました結果、こうしたいわば競技水準低下の危機的状況というのを判断をいたしまして、そして、これはこれで独自に二十九条に相当するものと判断をいたしましたがゆえに、これはこれとしてお出しをさせていただいたものだと御理解をいただきたいと思います。
○中西(績)委員 前回の討論というのを忘れたのですか。覚えていますか。しかも、少なくともこれは国の金でしょう。個人の金じゃないのですよ。財政が厳しい厳しいと言ってシーリング枠をかけ、四十人学級が果たしてできるだろうかとか、あるいは定数改善ができるだろうかといういろいろな問題等を含めて教育全般について問題があるときに、これだけの金を使うわけですから。だから私はこれが安易にされておるという認識しか出てこないのですよ、こういうやり方は。だから何としてもこのようなやり方というのでなしに、政策的に、わかっているわけですから、これは事前にちゃんとそういう措置をしていきながら、どのように国民の皆さんのコンセンサスを得るかということを少なくとも一定の期間をとって論議をするというのが常識だろうと私は思うのですね。これを否定するというなら別ですよ。その点はどうなんですか。
○保利国務大臣 スポーツの振興が文教政策の一つの重要な柱として大事だということにつきましては、随分長く御議論をいただいておったものだと承知をいたしております。私のいわゆる就任当時の所見を申し上げた中にもそのことは入っておると思います。そしてスポーツ振興策をとれということにつきましては、長い間御議論がありました。そこへもってきまして、いわば引き金的にアジア大会におきます日本選手団の成績というものがあのような結果で出たわけでございまして、そこで緊急に処置をする必要がやはりあるんだということが問題提起をされまして、財政当局ともいろいろ協議をいたしました上でこうした提案をさせていただいたものでございます。
○中西(績)委員 緊急だと言えば言うことを聞かなきゃならぬというような格好に多くの皆さんの物の発想はあるようでありますけれども、果たして緊急にやったことが好結果を生むだろうかどうかということの反省をしたことはありますか。私は決してそういう結果は生まれてこないんじゃないか。 そこで、なぜ法案を提案したかということを今先ほどるる言われましたね。ところが、この懇話会あるいは保健審議会の答申、スポーツ振興基金についての報告書、次々に出されてきた、だから緊急だ、こう言っているわけでしょう。こうした問題について従来から指摘をされていることが一つも解決されていないのですよ。そしてこういうのを積み重ねてきて、何かあたかも緊急性があるかのごとくやっただけなのであって、特に今言われましたオリンピックあるいはアジア大会あるいは国際大会の不振を理由にいたしておるでしょう。私はこの点で、本当にこの報告書なりあるいはこの答申の中に科学的な分析がちゃんと入っておるかどうかということを見たときに、不足していると思うのです。なぜなら根本的に落ちているものがある。おくれるのは当たり前だと私は思うのですね。それは、例えばこの中のあれを見ますと、「このように低下してきた要因は体力、技術、戦術、精神力を総合して競技力とするというと相対的に劣っておる。特に本番で」ということになっている。ところが、これでは科学的なものは何も、本質的なものは何も私は出ていないと思うのです。そして外国に比べるとこういう強化対策が大変おくれておる。だからといって今度出てきたのは何かといったら強化費確保だけが出てきている。こういうようなやり方というのは、本当にそこには問題解決をするようなことにはなっていないとしか言いようがないのです。 したがって、私は聞きますけれども、これまでの我が国におけるこうした問題についておくれた理由、あるいはこのように低下してきた理由、その反省は何であったかということを明確に簡単に言ってください。
○野崎政府委員 今委員御指摘がございました、その選手個人の観点からのとらえ方が一つあろうかと思いますが、選手強化体制ということで考えますと、競技団体の中長期的観点に立った計画的あるいは継続的な選手強化活動、あるいはジュニア期からの一貫的な指導、選手、指導者が安んじてスポーツ活動に打ち込めるようにするための支援、あるいはスポーツ科学研究の推進、こういう面が従来十分でなかった、こういう点を今後さらに積極的に推進していく必要がある、このように私どもは考えている次第でございます。
○中西(績)委員 だから言ったとおり、強化対策のための費用なりに充てればという、そこに集約されているのです。 私はそういうことを考えると、まず聞きますけれども、今までの政策が本当にそういう根本に触れるようなものになっておるかどうかということ。例えば体協の体質ですね。汚職体質あり派閥抗争あり非科学的な精神論あり。こういうようなスポーツ界における、本来ならばフェアでなくちゃならぬし、本当にみんなが信頼できるという条件がなくちゃならぬのに、こういうことが今の体協には随分あるということを御存じでしょう。いまだに解決されていません。そうすると、こういう基本的なものの改善策等がなければ、支援のための費用を充てることによって恥部を覆い隠すだけであって、矛盾は内部にますます——その金を奪い合うために自分のところを主張するために矛盾は激化してきます。抗争は激化してきます。ちっとも解決策にはならぬと思うのです。 ですから、そういう根本的なものまで含んでどうするかということを私はやらなくちゃならぬと思うのです。そのときに必要なのが、聞きますが、スポーツの基本は何なのか、目的は何か。二つ目に、プロスポーツ、アマスポーツの位置づけを明確にしてもらう。三番目に、競技スポーツ、生涯スポーツのどちらを優先させていくのか。特に、あと私聞きますけれども、生涯学習社会における生涯スポーツの問題等を含めて、こうした点を明確に、基本的な問題を、体協の問題からこうした問題全部整理をし直して、我々が理解できるようにしていただきたいと思うのですが、どうなんですか。
○野崎政府委員 体協につきましては、アマチュアスポーツの統括団体ということで従来からその役割を果たしてきておるわけでございまして、やはりその組織体制の面でいろいろな問題があれば、私どもといたしましても、必要な指導をしてまいりたい、このように考えております。 それから、スポーツの目的ということでございますけれども、やはりスポーツというのは、体を動かすという、人間の本源的な欲求にこたえる活動でございまして、楽しさ、喜びを与えるということで大変人間の生活の基礎にあるもの、こう基本的には考えております。 そしてまた、競技スポーツというのは、人間の可能性の極限を追求する営みということで、競技大会等におきます我が国選手の活躍というものは、国民に明るい話題を与え、我が国社会の活力の増大に大きく貢献する、このようなことで生涯スポーツ、競技スポーツ両方、車の両輪というような考え方で振興を図っていくべきもの、このように考えております。 それから、プロスポーツとアマチュアスポーツの関係でございますけれども、プロスポーツとしては、特に相撲とか野球、ゴルフ、こういうものが国民の間で親しまれておるわけでございまして、これらのプロスポーツの選手のプレーというのは、それ自体大変学ぶべき点があるわけでございます。国民に感動や楽しみを与えるということで、社会の活力を生み出す大きな効果を持っていると考えておるわけでございまして、プロスポーツにつきましての健全な発達というものを助長していくことが重要である、このように認識をしている次第でございます。
○中西(績)委員 スポーツというものは、先ほども同僚委員が世界共通の文化としてこれは大事にしなければならぬということを言っておられました。それと同時に、人間の体ですから、健康体を保つことによって特に生育時における、それから今度は我々が生涯にかけての本当に豊かな生活を営むための根源になるわけですから、こうした問題等を本当に理解し、そこら辺を明確にして、今まではアマチュアということで一切の金銭等の授受についてもこれをしてはならないということになっておったけれども、それをある程度補助しなければならぬとかいろいろな状況が出てき始めたのです。だからこそその点について明確にしておかぬと、それぞれ皆さんの考え方が一致しなくて、そしてスポーツに対する認識の仕方がそういう面からまたいろいろ分解をしていくあるいは分離をしていく、こういう状況等が出てくるから、ぜひこういう点を明らかに、できるだけみんなで一致するようにしておく必要があるだろう。 そうする中で、日本におけるスポーツはじゃあどうなのか。そのときに競技スポーツあるいは生涯スポーツ、これをどちらを優先するかと言ったところが、両輪という言い方をしています。ところがこの点についても、今度の場合はいろいろ書いてありますよ。例えば生涯スポーツ等についてのすそ野を広げるとかいろいろなことが書いてありますけれども、今度のこの緊急提案なりなんなりは競技スポーツを中心的なものとしてやはり書かれてあるわけです。 ですから私は、先ほど言ったように、この体協の体質そのものが本当にみんなから信頼されるよになってこなければだめだと言うのです。だから私はそういうことについて触れて言ったわけなのです。この点についても、何を言ったか十分理解するような答弁ではなかったと私思うのです。だから、そうした点は大胆に、少なくともこうして国の費用でも充てていこうかという問題がさらに拡大をしていこうというときですから、なおさらこの点については明確にする必要があると私は思う。それでこういう点について今聞いたわけです。 ですから、そうしたことを全般的に含んで、例えば文部省なら文部省が行動計画なりあるいはアピールを出すなら出すべきだと思うし、それは十年なら十年の計画で。先ほど申し上げたように、今のままだったらまたそれぞれが派閥をつくって金の奪い合いだとかなんとか、人的なものによっていろいろ操作をするというようなことになってしまうのですから、そうならないためにも、十年間かけてでも根本的なこうした問題から全部整理し直すという体制がなかったら失敗するのじゃないかと私は思うのです。ぜひその点を皆さん方が、これから一年なら一年間かけてでも論議をして、これに加えて出していく必要があるのではないかと思うのですけれども、この点どうですか。
○野崎政府委員 先生、今基金につきましての御指摘があったわけでございますが、私どもは国の施策として今回基金を提案させていただいておるわけでございますが、今までもいろいろな国の補助等行ってきておるわけでございます。生涯スポーツにつきましては、むしろこれは市町村段階でいろいろな施策が繰り広げられるということが大変大事だということで、市町村に対するいろいろな助成措置、こういうものも講じておるわけでございまして、私どもとしては、基金ですべてに対応するということではなしに、そういう国の補助あるいは指導、援助、そういう中で全体的に競技スポーツ、それから生涯スポーツというものを振興していきたい、こう思っておるわけでございます。 体協についての御指摘があったわけでございますが、従来体協の中にJOCが入っておったわけでございますけれども、御存じのように、昨年の八月にJOCを法人化したわけでございます。現在、この体協とJOCの仕事をはっきり分けるということで、来年度の概算要求におきましては、それぞれ専任の職員を置くとかそういうことで要求をさせていただいておるわけでございまして、私どもとしては、JOCは競技スポーツ、そして体協の方は生涯スポーツと申しますか国民スポーツ、そういうような仕分けの中でそれぞれが全体としてスポーツの振興につながっていくということを期待しておるわけでございます。 今計画のお話にも出ましたけれども、競技スポーツで申し上げれば、これはやはりJOCの中に各競技団体があるわけでございますので、競技団体がそれぞれの長期的な見通しのもとに計画をつくり、全体的にそれをJOCが調整をしていくということが大変大事だ、このように思っておるわけでございまして、私どもとして、必要なことがあればもちろん指導助言をしていくということは怠ってはならない、このように考えている次第でございます。
○中西(績)委員 一番大事なことは、言わないから私申し述べますけれども、例えば選手を指導する場合に、すぐれた競技者であってもすぐれた指導者であるかどうかはわからぬですね。なぜかというと、今日本の選手で一番欠けておるのは何かというと、私たちが見ていて感じるのは、なぜ本番に弱いのか。外国の選手はオリンピックだとかいろいろな国際大会に行くと世界記録を出し、自国の新記録を次々に出していく、日本の場合にはそれがほとんどない。それはなぜかといったら選手が自立していないからです。問題は、選手が自分で意欲を持ってどうその競技をし、そして愉快に自分の個性を伸ばしていくかという教育本来の基本が私は欠落しておると思うのです。だからすべてコーチなりなんなりの庇護の中、それの指示の中でしか動きができない、だから今度ひとりになってやるときにはそれができない。だから見てごらんなさい。ジュニア、中学、高校時代の世界におけるレベルというのは日本は高いでしょう。ところが、これが今度一人前の選手になって国際大会へ行くと、みんな惨敗をするということになってきている。なぜか。ここらをやはり徹底追求をして、文部省はそういうのを出すのは好きだから、行動計画なりなんなりを書くときに、そうした面における本当の教育論を中に入れていかなければいけないのではないか、私はこう思っています。 この前あった東京女子マラソンの選手にいたしましても、あるいは福岡のことしのマラソンの選手にいたしましても、福岡では二番になり、この東京でも優秀な成績をおさめましたね。これは新聞では独学という言葉を使っていましたね。ほとんどと言っていいほど自分の努力によってそれが出てきた。今マラソン界は物すごくレベルが、何人かを除くと低下しています。そういう中で新人がそうして台頭してくる。こうした問題等を考えてまいりますと、私は一番大事なこと、根本的なものが欠落しておるというのはそういうところを指しておるのですよ。ですから、ぜひそうしたものとあわせて、これから本当に競技スポーツなら競技スポーツで、それが世界的に伍していける条件というものは、まだほかにたくさんあります、挙げれば。企業に所属するとか学校に所属する、あるいはコーチが囲い込むとかいろんな問題がたくさんあるでしょう。そうした点をどのようにこれからやっていくかということがやはり明確になってこないと、競技スポーツのナショナルチームの向上というのはなかなか困難だと私は思っています。ですから、こうした点についてもう一度再考していただいて、最後にまとめて答弁をいただきたい。 そこで、もう一つ聞きますが、今度は、生涯学習社会ですから生涯スポーツの推進をしなくちゃなりませんけれども、文部省、なぜ生涯スポーツ課を設置したか、この点で答えてください。
○野崎政府委員 国民一人一人が生涯の各時期にわたりましてスポーツ活動に親しめるように、そのための条件整備を図ることが大変大事だというように考えておる次第でございます。特に最近は高齢化が進んでいるとかあるいは自由時間が増大している、そういう中でスポーツに対するニーズが大変大きくなってきておるわけでございます。そういうことで、そのニーズにこたえるためにも、総合的な生涯スポーツの振興策というものを考える必要がある、こういうことで昭和六十三年七月に、従来のスポーツ課を改組いたしまして、生涯スポーツ課と競技スポーツ課の二課に拡充をした、こういうことでございます。
○中西(績)委員 ですから、今まではなかったものを分離をして、そうしてやるということの意味は、ここをやはり重視をするということにつながるわけでしょう。それはいいですね。 そうしますと、地域でのスポーツ振興を図っていくときに、指導者の不足が大変な状況になっておる、これは認めますか。
○野崎政府委員 各地域に、例えば市町村の社会体育担当の職員とかあるいは体育指導員とか、体育施設の職員とかが、私どもの、これは昭和六十一年の統計ですが、八万人ほどいるわけでございます。それぞれが一生懸命その地域において活動をしていただいておるわけでございますけれども、それで果たして全体の需要に十分対応しているかどうかということになりますと、やはりさらなる充実、指導者の養成が大きな課題だろう、このように思っておるわけでございます。 そういうようなことで、文部省といたしましては、社会体育指導者の知識・技能審査事業の認定に関する規程というものを設けまして、社会体育指導者のうち一定の水準に達した者を対象にいたしまして文部大臣が認定する制度を発足させたわけでございます。そういう中で質の高い指導者の養成ということにこれからも積極的に努めていかなければならない、このように考えておるところであります。
○中西(績)委員 私はそんな中身を聞いておるのじゃなくて、指導者は不足しておるのではないですかと言っているのですから、不足しておるか不足してないかを答えていただけば結構なんです。どちらですか。
○野崎政府委員 これからのますますの社会的なニーズに対応するためには、さらに指導者の養成ということを考えていかなければならない、このように思っております。
○中西(績)委員 結局不足しておるでしょう。どうして言えないんですかね。 そうなりますと、問題は、こういうものを研究、研修をするということをかつて二法人統合の際に、健康会と国立競技場の統合の際に、体育研究研修センターの基本的構想に着手をいたしまして、設立のための調査費増額などを行い、さらに全党一致で附帯決議をつけたわけですね。 こういうことを考えますと、この点について古村理事長にお伺いいたしますけれども、少なくともこの時期は、社会教育あるいは体育を充実をさせるということでもってこうした強化策を考えたということは間違いないですね。
○古村参考人 昭和五十八年八月でございますが、文部省に置かれております学識経験者から成ります懇談会でそういった方向での研究をお願いいたしまして、八月にその答申をいただいて、その内容は、研究、研修、そして情報提供、この三つの仕事をやったらどうだというふうなことで御提案をいただいたことは事実でございます。
○中西(績)委員 ですから、全党で一致して附帯決議もつけたし調査費の増額までしていったのですが、その後、審議会の態度が変わりまして、これをスポーツ科学センター構想に切りかえるという事態が出てまいりました。 しかし、もう一度理事長にお聞きしたいのですけれども、本来ならば、こうした国立競技場の任務というのは、三法人を統合したその理由からいたしましても、全国民が安心してスポーツができる、そのための運動プログラムだとかあるいは施設運営、こうしたもののネットワークを強めていく、そして地方にたくさんできた施設、これを使って事業あるいは施設運営をどう充実させていくか、そのときにこそ私は研究研修センターそのものが果たす役割というのは大きかったのじゃないか、こう考えます。そのためにあのときにはそういう確認をしたと思うのですが、それでよろしいですか。
○古村参考人 現在でもそうでございますが、当時もそうですが、言ってみますれば、国立競技場の業務というものが全国の体育施設のセンターといいますか、まとめていくというふうな立場にはない、そういったステータスを持っていなかったということだと思います。そこで、やはりそういったことがあった方がいいということが横に考えとして懇談会等に出ていたのは事実でございます。
○中西(績)委員 ですから、生涯学習ということが文部省の中で筆頭局になり、その中におけるスポーツ問題が大変重要だということはもう明らかであります。ところが、今も言われるようなことで、今こそ私は必要だという感じがするのですけれども、北区にある西が丘競技場をつぶそうとしておる。それは先ほど言ったスポーツ科学センター構想であります。ですから、今から四、五年前の確認からいたしますと随分異なっておるのですが、そういう辺を変更したということなどについては一切連絡はありません。ですから私は、少なくともこの二十三区内にこのようなスポーツ科学センターをつくることが、今問題はなっている東京一極集中主義、こういう問題と関連する大きな内容を持っておると思います。したがって、こうした集中性を排除するためにも、地方に、特に今のようにたくさんの方がこうしたことをやってほしい、やろうという時期になってきたわけですから、このときにこそ全競技対象、この前も指摘をいたしましたけれども、この西が丘競技場を対象にするんでなくて、全競技対象のための合宿所、それから総合的、多角的トレーニングセンター、競技力を向上する施設としてもぜひ私は必要だと思います。そして西が丘を生かして、これは社会体育施設のモデルとしてつくったわけでありますから、そこに体育研究研修施設を加えて、先ほどから言う生涯スポーツ、このことをどう充実し、全国ネットワークの中でさらにこれの効用を図っていくか、こういうことが大事じゃないか。そのためには、この科学センター構想というものを、東京二十三区内というところに六種目だけを目標にするんでなくて、全種目を対象にするようなものを、千葉県だとか富士のすそ野だとか土地の安いところがあるわけでしょう、こういうところに設けるべきだと私は思っています。反対はしません、つくることについては。この点どうでしょう、大臣。
○野崎政府委員 最近におきます我が国の国際競技力の低下という現状を背景にいたしまして、スポーツ医・科学研究所というようなものとかあるいはナショナルトレーニングセンターの設置というようなことが提言されてきたわけでございます。そういうものを踏まえまして、現在この国立スポーツ科学センターというものの設置を進めているということなわけでございます。これは我が国競技水準の向上という緊急課題に対応するためという考え方で推進をしておるわけでございますが、先生今御指摘にございましたトレーニング施設とか合宿所、あるいは総合的、多角的なトレーニング施設を有する、こういうことになりますと、いわゆるナショナルトレーニングセンターというような大変広大な用地も必要ですし、多額の経費を必要とする、こういうようなことでございまして、現在のところナショナルトレーニングセンターということにつきましては、長期的な課題ということで受けとめさしていただいているわけでございまして、現在、やはり緊急の課題としては、日本におきますスポーツ科学というものの進展に競技水準の向上のためにはぜひ取り組まなければならぬ、こう思っておりますので、国立スポーツ科学センター、これを設置したい、こういうことなわけでございます。 そういうことで考えますと、その主な利用者というものがトップレベルの選手、指導者あるいは研究者、特に医師の方々の関与する部分が多いわけでございます。そうなりますと、やはり東京都内の利便な場所に設置してほしい、こういう強い要望もあるわけでございまして、西が丘はこうした要望にも沿った適地、このように私どもは考えているところでございます。
○中西(績)委員 東京都内でなければできぬという言い方だし、私はその考え方に賛成できません。 じゃ聞きますけれども、鹿屋体育大学は指導者なりなんなりそういうものが不足して、あそこはもうだめになったのですか。最果てにあるんですよ。
○野崎政府委員 この国立スポーツ科学センター、これは大学と違いまして、常時同じ学生が利用するということではございません。いろいろなスポーツの関係の方々あるいは指導者の方々がそこを利用する、そしてまた研究者の方も医師の方方もいろいろな形でそこを利用するということで、必ずしも鹿屋大学と同じような対比はできない。やはりそういう利用する方々が多いということからいたしますと、東京都内の利便の場所が適当である、このように私どもは考えておるわけでございます。
○中西(績)委員 コーチの問題にいたしましても、そういう医学的ないろいろな学者あるいは職員、いろいろなものを整備しなきゃならぬということでしょう。そうなりますと、いつまでたっても少数の者でしかないし、そして合宿所は、今度はまたほかの種目については別のところにしなきゃならぬし、そして今言う前段のものが大事ですよ。社会体育施設モデルというものをさらに充実、発展をさせ、そして全体的なそういう全国に情報を提供できるようなネットワークをつくるべきだと思うんだけれども、そういうものは没でしょう、考えてないわけです。そこをつぶすと言うんだから。そうすると、あなたがさっきから言う両輪はどうなったんですか。私はやはりスポーツのあり方が、競技スポーツが今成績が悪いからといって、私はこれを見て驚いたんですけれども、提案する補正事由の中に言っていますけれども、来年の夏の世界陸上選手権だとかなんとか挙げてますけれども、今から泥縄式にやっていい成績が出てくるなどということを考えること自体がみみっちいんですよ。わずか半年でしょう。その間にできますか。あなた自信があるのですか、そういうことを言うけれども。私はできないと思うのです。あるいは冬季にいたしましても一年三カ月、バルセロナにしても一年半ちょっとでしょう。この間に緊急課題としてそういうものが解決できると思うところに誤りを犯すだろうと私は思う。 だから、やはり長期にわたっての強化策というのをどうするかということが論議されないとだめだと言うのです。そして、今言うように、皆さんを集めるためにはここでなくちゃならぬなどということでなくて、ちゃんとしたところをつくって、そこにちゃんと行ける人を集めたらいいのですよ。そのための援助をすべきですよ。あるいは体育の国立の研究所でもいいじゃないですか。そういうことだってあるでしょう、やろうと思えば。学者の先生を集めるのに、そこに研究所をつくって教授を集めるという、その体制をどうするかということを考えたことありますか。ないでしょう。そこが問題だということを私は言っているんですよ。だからまず第一に、この社会体育、生涯スポーツというものを重視をするという、そのためには西が丘はどういう位置づけになるのか。それをつぶしちゃって、なくしちゃって、全然そういうあれはせずに、今度は何種目かのためのこういうものをつくる、科学センターをつくる、そのことが日本の体育向上、そういうことにつながるかどうか。私はそうじゃないと思う。大臣、今の答弁を聞いてて、あるいは私の主張をお聞きになってどうお思いになりますか。
○保利国務大臣 ただいま御所見を交えていろいろと御質問をいただいたわけでございますが、スポーツの強化につきましては、やれるところからまずやるという手法もあろうかと思います。それから先生御指摘のように、大きく計画を立てて、そしてすそ野を広げ、その中から優秀な選手を出していくというやり方もあろうかと思います。今先生御指摘のように、地方にそういうようなものをつくってはどうか、トレーニングセンターのような形で選手を集める、あるいは一般の方々が利用していただくというものをつくるのはどうか、これは私は趣旨としては賛成でございます。そして、またJOCのいわゆる緊急行動計画の中におきましても、優秀な選手をどこかに一カ所に集めるというのはなかなか大変だ、来る選手も大変だし、またやる方も大変だ、そういう意味で、JOCの提案によりますれば、あるいはおっしゃっていることを聞いてみますというと、日本の中で大体三カ所ぐらいに分けて強化トレーニングをやるのがいいのではないか、そうすれば、例えば日帰りだとかあるいは一泊だとか、そういうような形でも合同合宿に参加することができるのではないかというようなことを言っておられます。そのための施設というようなことを将来的に考えていくとするならば、やはり地方に先生御指摘のような総合的なトレーニングセンターというような、あるいはどういうものになりますかわかりませんが、というものをつくるということについては、私は気持ちとしては将来的な課題としてぜひ持つべき問題だと思っております。また、そのために施策を進めていかなければならないと思っております。 最初に申し上げましたように、とりあえずやるべきことについて、私も体育関係者と話をいろいろいたしてみましたが、北京でのあの状況でありますとかあるいは最近の国際試合におきます、活躍しておられる選手ももちろんたくさんいらっしゃるわけでございますが、やはりちょっと図太さに欠けるとかあるいは試合の本番で平常の力が出し切れなかったというようなことがあるのでございますが、それはやはり選手が試合を通じて場数を踏むという経験を持つ中で、一つの図太さといいますか、言いかえれば精神力を鍛練するとか、そういうことも必要である。したがって、できるだけその場数を踏ませるようなことをさせていただきたい。あるいはそれについて回りますいわゆるコーチでありますとか監督でありますとかいう方々は、冷静な目で競技のありさまを見、そして選手に忠告をしあるいは指導をするわけでございますから、そうした方々の立場も考えながら、緊急に、できるだけの対外試合をやって選手に場数を踏ませるという意味で、このスポーツに対する援助が必要だ。これは非常に短い、短視的な物の見方かもしれませんけれども、そういうことも必要だということでこの基金をつくらせていただいたわけでございます。 先ほども申し上げましたように、生涯スポーツ的な要素も非常に大事でございますし、そしてすそ野を広げるということも大事でございます。また地方への展開ということも、私は大変自分なりに必要だと思っておりますので、今後とも長期的な課題として十分検討してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 それで、上に壁をつくっていくあるいは塗りたくっていくという、こういうやり方ではなくて、私はやはり根本的にやり直すというつもりになって、そして新しい発想でこれをつくり変えていくということがなければ必ず失敗するだろう、こう言わざるを得ません。短期間でできるなどという代物じゃないですよ。ですから、その点をもう一度考えていただかなくちゃならぬと思うのです。 そこで、ずっと留保してきておる問題がありますけれども、先に進んで、法律案について関係のあるところを簡単に聞きますので、時間がありませんから簡単に答えてください。 この三法人を統合したわけでありますけれども、これは完成をいたしましたか、内容的にすべて。
○野崎政府委員 三法人が統合いたしたわけでございますが、現在、統合後はそれぞれの担当部において事業の推進をしているわけでございまして、庁舎の統合につきましても、現在その計画を推進しているところでございます。 学校安全関係業務と学校給食関係業務につきましては、両者が一体となりました学校健康教育という観点で事業の推進に努めているところでございます。スポーツ関係業務と学校安全あるいは学校給食関係業務との一体的な事業の推進につきましても、今後努力をしてまいりたい、このように思っております。
○中西(績)委員 私たち、これを統合する際に問題になりました事務所等についても、いまだに手がついてないみたいな感じがするのです。したがって、きょう理事長がお見えになっておりますけれども、この点どう進行しておるか、簡単に。
○古村参考人 法人が統合したわけですから、統合された庁舎が必要だということはもう自明の理でございまして、建物を建てる場合のいろいろな立地条件の整備というのが必要でございます。現在それをやっておりまして、スケジュール的にいいますと、来年度は設計に入りたい、再来年度に建築に入りたい、こういう順序で仕事を進めております。
○中西(績)委員 そこで、今度また第一条「目的」の中に「スポーツに関する競技水準の向上等のために必要な援助」を行う、こういうことになっていますが、事業はさらに拡大しますね。大変な重責を担わなくちゃならぬと思うのですが、今の組織、機構でこの重責にたえ得るか、それが一つ。それからオリンピック委員会だとか体協だとか、悪い言葉で言うと小じゅうとみたいな人たちがたくさんおるわけです。こういう人たちのいろいろな干渉に耐えていくことができるのか。 組織、機構、運営等について後でお聞きしますが、その二点だけちょっと先に答えてください。
○古村参考人 大変大きなお金の運用を任されるわけでございまして、このお金が本当に趣旨に沿った形で使われなければならぬというためには、やはり私の方の事務をやっていきます組織、機構というものもちゃんと整えなければならぬと思っております。したがいまして、そういった陣容を整えて事務にかかり、また体育関係団体等の御意見も十分聞くということは必要だと思いますが、私たちはそういった中で適正な事務の処理に尽くしてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 ぜひ主体性を明確にして、そういういろいろな介入があってもちゃんと自立をできるようにしてほしいと思うし、文部省はそのためにそれをどうバックアップするかというのがこれからまた大変な課題ですから、この点はぜひ忘れないようにしていただきたい。要望だけしておきます。 そこで、この組織、機構、運営などについて簡単にお答えください。人員は大体どの程度になるのですか。あるいはそれを採用するに当たってこれからどうするのですか。あるいは組織、機構等についてはどうなっていくのですか。 さらに、今指摘をしました合同庁舎等は大体二年後とおぼしきところにあるようでありますけれども、そうしたときに担当の理事はどうするのですか。新しく採用するのですか。 それから、労働条件等については今センターにおられる皆さんと変わらないかどうか。 それから、運営ですが、資金としては二百五十億ということを言われています。そうすると、この二百五十億に民間百億ということを言っていますけれども、三百五十億。五%で十七億五千万、これより以上ということになると二十億を超えるということになりますが、民間の出資などについてはどう対応していくつもりですか。 それから、運用の基準等について、既に金融機関だとかいろいろなところからいろいろ出入りがあるようでありますけれども、こうした点等について、主体的な問題、ちゃんととっていただけるかどうか。 ほかにまだたくさんありますけれども、そうした点について、特にまた運営の仕方について、基金の運営については運営委員会的なものをつくるのか、お伺いします。
○野崎政府委員 まず、組織の点でございますけれども、スポーツ振興基金に関します業務を担当する事務組織といたしまして、日本体育・学校健康センタのー中にスポーツ振興基金部というものを設けまして、平成二年度には部長以下七名を配置したい、このように考えております。 なお、これに伴います職員の採用の問題は、健康センターの方の問題になりますので、基金の成立後検討をすることになろうと思います。 それから、民間企業からの出捐金についてどうかということでございますが、これは、この法案が通りますと、設置主体でございます日本体育・学校健康センターがこれを集めるということになるわけでございまして、その辺につきましては、既にスポーツ振興基金推進委員会の発起人アピールというのが出されておるわけでございまして、それに名を連ねていただきました経済四団体の代表者の方々あるいはその他の関係の方々と御相談をして、その方法を決めていくことになるものと考えております。 それから、金融機関とのかかわりにつきましては、できるだけ効果的な運用をして多くの運用益を得る必要があるわけでございまして、そういうような観点から日本体育・学校健康センターにおいて決定をされるものと考えております。 それから、どういう運営組織で基金の運用益を配分していくのか、こういうことでございますが、私どもといたしましては、スポーツ関係者あるいは資金を拠出した民間の方々の意見も十分反映できるように、スポーツ関係者あるいは学識経験者等から成ります審査委員会を設けまして、助成金の配分方針等について意見を聞く、このようなことを予定しておる次第でございます。
○中西(績)委員 民間からの資金等についても、本来なら、外国の場合には、そこで働く人、それから企業との関係というのは極めて割り切っておるわけですけれども、だから要求するものは要求していくのですが、日本の場合には一家主義的なことをやってうんともうけておるでしょう。だから外国にどんどん進出できるわけです。ところが今度は、社会に還元をしたり社会に貢献をするということになると、企業は外国に比べると非常に劣っているのですよ。ですから、そうした点あたりを、今言われた経済団体の人たちと大臣が懇談でもしていただいて、そこいら辺の理解をどう深めていくかということ、そして、その中にそういう責任者か何かつくっていただいて、積極的にやれるという条件をつくらないと私は困難だろうと思います。これは今度だけで終わるのでなしに、将来も、国の資金拡大と、将来に向けてどうするか、そうした点について、もう答弁要りませんから、ぜひこれをさらに拡大をしていかないと、たったこれっぽっちじゃだめですからね。やるなら、その点を十分考慮していただきたいし、これからの大きな課題にしてもらいたいと思います。 そこで、もう一つだけちょっとこれだけは聞いておきたいと思う点がございます。日本体育・学校健康センターの業務の中の災害共済給付事業に関する点について一、二だけ聞いておきたいと思います。 近ごろは突然死が非常に多いというふうに言われています。その中に心臓疾患等が出てくるわけでありますけれども、これが現在では五〇%を超えているのですね。ところがこれは七百万でしょう、学校で突然死の場合。それからもう一つは、予防接種健康被害救済制度と比較した場合に、センターの給付金、死亡見舞い金は一千四百万です。ところが予防接種の死亡一時金は一千九百二十万円になっている。あるいは今度は四月一日からは自賠責は三千万になると言われています。こうした格差がますます拡大をしていこうとしています。先ほど言った突然死がわずか七百万といい、これは非常に多くなってきておる。そして死亡見舞い金等についても差があるし、こうしたことを考えますと、この点について拡大をする、あるいは見直しをする、こうしたことをぜひ回答いただきたいと思います。 それともう一つは、これを設置したときに大変な論議をしましたね。五十三年でしたか、このときに問題になったのは、障害見舞い金があの当時、一級、二級、三級程度であれば、その当時の金利を掛けさえすれば年金に該当するということであの額が設定をされたのですよ。ところが今やこれはもううんと下がってきています。一級が千八百九十万円でしょう。そして十四級が四十万ということになっていますから、こうした点について年金化に向けてお考えがあるのかないのか、この点をお答えください。 それと、もう時間がありませんから、最後に、先ほど答弁できませんでしたけれども、補正予算問題で、財政法二十九条、趣旨問題で答弁しておりますけれども、今あなたたちが言われるような趣旨、私たちはこれはやはり問題があるという指摘をしておるわけですから、今後このような無理なことをしないということだけを確認をしてください。
○野崎政府委員 災害共済給付の関係につきまして、まずお答えさせていただきます。 確かに、現在死亡見舞い金が千四百万、これは昭和六十一年に千二百万から引き上げられたわけでございます。そういうようなことで、予防接種の健康被害者救済制度あるいは自動車損害賠償責任保険制度に比しますと低額になっているということなわけでございます。 ただ、災害共済給付制度は、国、地方公共団体、保護者の三者が財源を負担するいわゆる互助制度ということでございます。それから予防接種の場合には、法律に基づきまして地方公共団体が実施する予防接種が原因であります不可抗力的な被害を救済する、ころいうようなことでございまして、制度がちょっと違いますので、直ちに比較はできないわけでございます。しかし、やはり死亡という重い事態に対応する、こういうようなことから、見舞い金の額として適切であるかどうかというような問題につきましては、文部省としても大切な問題と考えておるわけでございまして、現在鋭意検討しているところでございます。 それから、重度障害者に対します給付につきましては、年金化すべきであると考えるが、こういうことでございます。確かにこれはいろいろ議論があったわけでございますけれども、年金ということになりますと、将来的にこれを引き上げるというようなことも想定されるわけでございますが、その財源を後年度におきます児童生徒等の保護者に負担させることがいいのかどうかとか、あるいは全額公費負担というようなことになった場合に、他の社会保険制度との均衡上困難ではないかというようないろいろな問題も考えられるわけでございます。そういうようなことで、この問題につきましては、従来から慎重に考えざるを得ないのではないか、このように考えている次第でございます。
○保利国務大臣 財政法二十九条の問題を申し上げます前に、先生から生涯学習に絡む一般の地域住民のためのスポーツの問題でちょっと御質問がありました。それに関連をいたしまして、現在考えております国立スポーツ科学センター、西が丘の問題でございますが、私どもこれから検討を進めてまいりますが、できるだけ地域住民の利用も配慮した検討をしていきたい、このことを申し上げておきます。 それから、今回の審議につきましては、審議日数が限られていたということもございまして、このような形で御審議をお願いせざるを得なかったわけでございますけれども、今後やはり財政法二十九条の趣旨を踏まえながら、御指摘のようなことも十分配慮いたしまして、適切に対処してまいりたいと思っております。
○中西(績)委員 終わります。 一番の問題になりました障害者に対するこの問題は、学校でも絶えず裁判ざたになって現場も困っているし、理事者側も困っているわけでしょう。ですから、こうした点とあわせ、将来本格的にもう一度論議を起こしていくという、これが大事じゃないかと思っています。ですから、行政の側におきましても、そうした問題についてこれからぜひ問題提起ができるように整理をしておいていただきたい、こう要請をしておきます。 それから、先ほど大臣答えましたけれども、委員長、これからこの委員会の場合、やはりこのように制限された中ではもう本格的論議になりませんので、ぜひまた院の権威を保つためにも十分な時間配当をするように、決意なりなんなりを御披瀝いただければと思っています。 終わります。
○船田委員長 次に、平田米男君。
○平田(米)委員 今回のスポーツ振興基金に関連しまして、十一月の三十日に報告書が出されておるわけでありますが、その中で我が国の競技水準の相対的低下の要因として、競技選手の体力、技術、戦術、そして精神力、この三つが外国選手に劣っていることを挙げられておるわけであります。ここで体力と言われておるのは競技選手の体力なわけでございますが、文部統計を拝見をいたしますと、最近の高校生の体力診断テスト、その結果が昭和六十年以降毎年低下をしておるわけであります。日本の青少年の体力の向上があって、そこの中で優秀な選手が出てくる、競技選手の体力の向上があるというふうに考えられるわけでございますが、そういう視点から考えますと、育ち盛りの高校生の体力が六十年以降ずっと下り坂であるということはゆゆしき問題ではないかと思うわけでありますが、まず、この高校生の体力低下についての原因というものは、文部省としてはどのように理解をしておいでになるのでしょうか。
○野崎政府委員 青少年の体力低下の原因ということでございます。一概になかなか決めつけるわけにもいかないわけでございますけれども、例えば都市化が進行する中で自由に運動できる空間あるいは体を思い切り動かすような場所が減少してきている、そしてまた、家庭の中ではテレビゲームなど身体活動を伴わない、そういう遊びが盛んになっているということなどが挙げられるのではないかと思います。 また、このスポーツ活動への取り組み方につきましても、小さいときから特定の種目を固定的に定めて、それに熱中すると申しますか、それを一生懸命やるというようなことから、体力全般に関する基礎的な能力が育成されない、そういう面で、運動の実践の量、質あるいはやり方というものが変わってきたため、このように考えておる次第でございます。
○平田(米)委員 それは、そういうものが常識的に考えられる、こういう御答弁だろうと理解をしたわけでございます。 確かに最近体を動かす機会が少なくなっております。子供たちがなかなか運動をしなくなった。私も小学生の子供が三人おりますが、私の子供時代をかんがみましても、なかなか外へ遊びに行かない。話を聞いてみますと、いろいろな原因があるわけでございます。今おっしゃったようなテレビゲームもありますし、また、友達が塾に行っちゃっている、遊び相手がいない、こういうものもありますが、これはやはり統合的な対策をしなければいけないのだろうと思います。 もう一つ、少し気になったことは、今遊ぶ場が少なくなったというお話なんでございますけれども、確かにそういうものはありますが、特に小学生などというのは学校の方から学区外に子供たちだけでは出ていけませんという指導をどうも受けておるようでございます。しかし、その学区からちょっと出たところに大変広い運動場、公園があったりする。そういうところで伸び伸びと遊べるわけでございますけれども、学校からそういうような指導があって、素直な予供たちでございますので遊びに行かないようにしている。こういうものも子供たちが体を動かす機会を制限されている一つの原因ではないかというふうにも思えるわけでございますけれども、その点いかがでございましょうか。
○野崎政府委員 恐らくそういうのはそれぞれの地域の実情に応じて指導がなされていると思うわけでございます。例えば交通安全のような観点からそういうような指導がされたりする場合もあろうかと思うわけでございますが、私どもは、基本的にはそういういろいろなスポーツの施設というものをさらに充実していくことが大事であると同時に、今御指摘のようなことについては、柔軟な対応ということも大事ではないか、このように思っておるわけであります。
○平田(米)委員 まさにその柔軟な対応というのが必要だろうと思うのですね。これは、おっしゃっているように、盛り場に行かないとか交通事故に遭わないというようなことを配慮されて、そういう指導もされておられるのだろうと思いますが、しかし、しゃくし定規に学区だけで切ってしまって、子供たちの教育効果というのを積極的に考えない指導というのは、やはり正しいものではないのではないかと思うわけであります。そういう意味で柔軟な指導を今後するように、文部省として教育の現場に対して適切な指導をしていただきたいと思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○野崎政府委員 都道府県を集めましてのいろいろな主管課長会議の場等ございます。そういう場で十分な指導をしていきたいと思っております。
○平田(米)委員 先ほど高校生の体力低下の原因について幾つか挙げられたわけでございますけれども、この原因についての科学的あるいは社会学的、そういうような学問的な研究というのは文部省で行われたことがあるのでしょうか。
○野崎政府委員 私ども行政として必ずしもそういう研究までは至ってないわけでございますが、毎年体育の日に体力・運動能力調査というものを公表さしていただきまして、そういうものを通じて国民の皆さん方にもスポーツの重要性というものを認識をしていただいている、こういう状況でございます。
○平田(米)委員 大臣にお伺いしたいのですが、今申し上げたように、六十年からずっと高校生の体力は落ちておるわけでございます。競技選手の体力向上のために今回の基金をつくるという、こういう目的もあるわけでございますけれども、申し上げたように、やはり競技選手のすそ野であるところの青少年の体力向上をきちっとやっていくというのは文部省としての責務だろうと思うわけであります。そのための原因究明の科学的、学問的な研究がなされてないということは問題ではないかと思うのですが、やはりこれに対しては大臣としてきちっとした取り組みの姿勢を示していただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○保利国務大臣 御指摘のような問題は、教育全般の問題とのかかわり合いでやはり考えていくべき問題だと私は思っております。つまり体とそれから知識、これに道徳を入れて知徳体、こういう言葉がございますが、そのバランスのとれた教育というものをどういうふうな形でやっていくかという大変大きな問題にかかわってくると思っております。そこら辺を十分に審議をし、あるいは考え、その中で子供たちの体位向上のために努力をしていかなければならない問題だなと思っておるわけであります。子供は本来自分の体を動かして成長をしてまいります。しかし、現在の現代社会におきましては、ちょっと表へ出れば自動車が来ますとか、非常に社会が子供向きにできていないという面もあるいはあろうかと思います。そういった点を十分に今後考えながら、この施策は進めていかなければならないと思いますし、また体力がなぜ落ちてくるかという科学的な研究をという御指摘でございますが、これについても私どもとしてできるだけの調査研究は進めていくべき問題だと思っております。 しかし、そうした調査研究がございましても、やはり最終的には教育全体のあり方と、そしてそこの中における体位向上のための施策とどうあるべきかというふうに位置づけられていく問題だと思いますので、今後とも文部省としては、教育に携わる、教育を所管しております官庁でございますので、そういった全般的な広い目で協議を進めていく、研究を進めていくように努力をしてまいりたいと思います。
○平田(米)委員 大臣のおっしゃることよくわかるわけでございますが、その体力の問題というのは、体力一つに限った問題ではなくて、教育全般に及ぶ問題だという御認識はそのとおりだろうと私は思うわけでございます。だからよりこの体力の問題に一つの焦点を当てながら、子供たちの教育の環境、また家庭の環境あるいは社会の環境、また教育のあり方、そういうものまで含めた原因究明の研究というのを今しなければいけないのではないか、その上で多角的な多方面にわたる対策を打ち立てる必要があるのではないか、このように私は考えるわけでございます。そういう意味からそのような研究をぜひともしていただきたいとお願い申しておるわけでございまして、御答弁の中でちょっとその辺研究をされるのかどうか、はっきりわからない部分がございましたので、もう一度大臣の研究に向けての強い姿勢を御表明いただきたいと思うわけでございます。
○野崎政府委員 私どもといたしましては、いろいろな場で研究はされているところもあると思いますので、そういう資料をまず収集するとか、専門の学者の先生方の御意見を聞くとか、あるいは今御審議いただいておりますスポーツ振興基金の中でもそういう調査研究活動ができますので、そういうものも活用しながら先生の御趣旨を体してこれから努めていきたい、このように思っております。
○保利国務大臣 今局長から御答弁申し上げましたとおり、こういった問題については、教育全般にかかわる問題としてより広い見地から、さらにまた体位向上というそういった面についても焦点を当てながら十分は研究してまいりたいと思います。
○平田(米)委員 大臣は高い見識をお持ちだというふうに私は理解をいたしておりますので、どうかよろしくお願いをいたします。 次に、今回のスポーツ振興基金の資金についてでございますけれども、この資金につきましては、政府から二百五十億円、補正予算から拠出をされることになっておるわけでございますけれども、政府以外の者からも拠出を受けるということにもなっております。現時点で政府以外の者からどの程度拠出をされる見込みなのか、また目標額などがあれば、その点も明らかにしていただきたい。また、現にどの程度の申し出があるのか、またどのような方々から申し出があるのか、種々具体的にお答えをいただきたい、そういうように思います。
○野崎政府委員 民間からの拠出金につきましては、この法律が通りまして、日本体育・学校健康センターの中に基金ができますと、その設置主体でございますセンターにおきまして具体的な検討をしていくことになるわけでございますが、私どもといたしましては、既に発足しております芸術文化振興基金の百億というのを一つの目安といたしまして、民間からの寄附をお願いをしたいと思っておるわけでございます。既に民間からのアピールも出されておるわけでございまして、何社かからの拠出の申し出もあるわけでございますが、具体的な受け入れはこれからまだ、例えば税制上の問題とかそういうところがございますので、その辺のところの解決を待って具体の拠出が始まる、このような段階でございます。
○平田(米)委員 やはり拠出をされる方というのは経済界の方が多いわけでございましょうか。
○野崎政府委員 現在のところ経済四団体の方からアピールを出していただいたわけでございまして、私ども承知しておりますのは、経済界の関係の方々でございます。
○平田(米)委員 税制上の優遇措置については当然お考えになるわけでございますが、その辺の状況についてはどのようになっておりますか。
○野崎政府委員 政府以外の者からの拠出金につきましては、指定寄附金を受けることによりまして一定の優遇措置が受けられるわけでございます。現在そういう方向で税務当局と折衝をしている段階でございます。
○平田(米)委員 それは当然見込みがあるということで動いておられるというふうに理解してよろしいわけですね。
○野崎政府委員 芸術文化振興基金のときにも指定寄附金の指定を受けたわけでございますので、私どもとしても、ぜひ同じような対応をしたい、このように思っておるわけでございます。
○平田(米)委員 次に、昭和六十三年三月三十日にスポーツの振興に関する懇談会報告書が出されておるわけでございますけれども、この中で、広く国民的支援を得てスポーツ振興のための資金を確保するためにいろいろな提案がなされております。例えば宝くじとかあるいは寄附金つき郵便切手、こういうものの活用の提言をしておるわけでございますが、今のお話によりますと、民間からの基金への拠出は経済界あるいは経済界の団体からのものが多いというお話でございますが、スポーツ振興を広く国民の盛り上がりの中で行っていくということを考えますと、このような資金も、国民広く、大勢の方から拠出をしていただくというのは非常に重要なことだろうと思うわけでございます。その意味で、報告書で提案をなされております宝くじとか寄附金つき郵便切手、これは一つのアイデアとしては一考に値するのではないかなというふうにも思うわけでございますけれども、この点についてはどのようなお考えでございますか。
○野崎政府委員 今先生御指摘のように、スポーツ振興基金に対します民間資金の導入につきましては、幅広く国民の理解と支援が望まれるところでございます。そういうようなところから、このスポーツ振興基金につきましては、税制上の優遇措置も講じていきたいと思っておりますし、今御指摘のございましたようなことも含めまして、いろいろな民間資金の導入の方法につきまして今後検討していきたい、このように思っております。
○平田(米)委員 検討していくというお話でございますけれども、繰り返すようでございますけれども、一部の経済界の人たちに限ってお金を出していただくというよりも、国民広く資金の拠出ができるようなシステムを考えるというのは、これはこの基金の国民的支持といいますか、基金に対する国民的支援、あるいはスポーツ振興に対する国民的な協賛、こういうようなものを得るためには極めて重要なことだろうと思うわけでございます。この宝くじとか寄附金つき郵便切手というのは、それぞれ自治省とか郵政省、大蔵省との関係があっていろいろ問題が多いかとは思うのでありますけれども、しかし前向きに検討していきたい、こういう御答弁をいただきました。 そういう中で、私の方から一つ御提案があるわけでございますけれども、今赤い羽根募金とかあるいは緑の羽根募金なんというのが行われてまいりまして、国民の中にも定着し、大変親しまれておりますが、こういうような発想でスポーツ振興のための募金運動というものが起こせないか。例えばスポーツといいますとスポーツの秋と言われるわけでございまして、秋のすばらしいブルーの空の色を象徴してスカイブルーの青い羽根の募金運動。羽根というのはいろいろ異議があるならば、あるいはワッペンとかバッジとかでこういうようなものを象徴して募金活動を進めるようなことが、この募金ができる、募金がふえるという意味で資金の充実という効果がありますし、先ほど申し上げたような、国民広くスポーツ振興に関心を持ち、また協力をすることができる、そういう意味で大変効果があるのではないかと思うのでございますが、大臣、このような一つの提案、アイデアでございますけれども、どのようにお考えでしょうか。
○保利国務大臣 このスポーツ振興基金に民間の幅広い支援をいただくというのは、その必要性は十分あろうかと思います。したがいまして、今御提案のような青い羽根と申しますか、そういったものも含めて、今後このスポーツ振興基金が動き出しまして、そしてまずでき上がって、その上でそうした幅広い国民の参加というものが得られるようないろいろな資金の集め方についての検討というのをしてまいりたい、このように思っております。
○平田(米)委員 大変力強い御答弁をいただきまして、ぜひともそのような方向性で実現をお願いしたいと思います。 あとわずかでございますので、簡単にお伺いしたいと思います。 基金の運用益を第二十条第一項の一の二、三、四の各業務にいろいろお使いになるわけでございますけれども、今の段階できちっとしたものはできていないかとは思いますが、その第二十条第一項の一の二、三、四の各業務に対して、この基金から生まれてくる運用益をどのような割合で配分されるのか、おおよそで結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
○野崎政府委員 今御指摘がございましたように、業務といたしましては四つございまして、一つは「スポーツに関する競技水準の向上を図るため計画的かつ継続的に行う合宿その他の活動」、それから「国際的又は全国的な規模のスポーツの競技会、研究集会又は講習会の開催」、「優秀なスポーツの選手若しくは指導者が行う競技技術の向上を図るための活動」あるいは奨学金的なもの、それから「国際的に卓越したスポーツの活動を行う計画を有する者が行うその活動」に対する支援、こうあるのでございますが、このうちの最後の部分は「国際的に卓越したスポーツの活動」ということで事例も相当少ないかと思うわけでございます。そんなことで考えますと、大きな柱としては三つあるわけでございまして、私どもとしては、その三つの柱、これは具体には今御指摘がございましたように、今の時点でどれくらいというのはなかなか言いづらいのでございますが、言いづらいというよりか、むしろこれはセンターの配分委員会なりの方針も受けながら決めなければいけないわけでございますけれども、この事業としては三つの大きな事業があるわけでございますので、端的に言えば、それぞれその三分の一ぐらいずつかなという感じを持っておるわけでございます。
○平田(米)委員 第二十条第一項の一の三の業務については、選手もしくはコーチ個人に対して支給されるわけでございますけれども、これは活動に対するものと教育に対するものとに分かれているわけでございますが、この資金は一人当たり一年間にどの程度支給されようとしておいでになるのか、この辺の金額、総額を明らかにしていただきたいのです。
○野崎政府委員 ここはいろいろな活動に対する経費、それから奨学金的なものでございまして、活動に対する経費につきましては、実際にどれくらい出ているのかということも勘案しなければいけませんし、奨学金につきましては、他の類似の制度というようなものも勘案しながら、これからその配分についてセンターにおきます審査の組織の中で十分御検討もいただかなければいけない、このように思っておるわけでございます。
○平田(米)委員 そうすると、具体的金額はまだ決まっていないということでございますか。——西ドイツあるいはアメリカなどは相当額支給しておるようでございますけれども、余り金額が少なくなってはほとんど価値がないわけでございまして、年間で相当程度まとまった金額にならないと、選手あるいはコーチの方々の支援のためのものにはならないような気がするわけでございますが、その辺について、具体的な金額が言えないならば、おおよその基準をお示ししていただけますでしょうか。
○野崎政府委員 これから例えばオリンピック候補選手になる者とかそれに準ずる者、そして将来オリンピックに出ていくであろう選手とか、ある程度のランクをつけながら、そして、その実際にかかっておる経費も勘案しながら、また全体の資金が限られておりますので、その運用益の状況なんかもトータル的に見ながら、先生から御指摘を受けました遜色のないようにというようなことも十分念頭は置きながらこれから決めさせていただきたいと思います。
○平田(米)委員 以上で質問を終わります。
○船田委員長 次に、山原健二郎君。
○山原委員 時間の関係でスポーツ振興の基本問題について伺います。 スポーツの実践は人間すべての権利であり、それを保障するための公共スポーツ施設の拡充、スポーツ指導者の養成、身分保障などの条件整備が国の責任であると考えております。これはユネスコの体育・スポーツ国際憲章の立場もそうなっております。この点について、まず大臣に伺いたいのですが、この国民の権利としてのスポーツ活動を国がどう保障していくか、このことについて最初に伺いたいのです。
○保利国務大臣 スポーツの振興につきましては、現在、法体系といたしましては、スポーツ振興法というのがございます。そして国または地方公共団体の基本的な責務がこれに記載されているところでございます。また具体的に二十一世紀を見通したスポーツ振興の方策といたしましては、保健体育審議会から平成元年十一月に御答申をいただいておるわけでございます。今後ともこうした法律あるいは答申等を踏まえまして、また今回のスポーツ振興基金によるいろいろな助成を含めて、そして各般の施策を進めてまいりたい、このように思っております。
○山原委員 我が国にはスポーツ振興法はありますが、これはあくまでも奨励法ですね。スポーツを発展させるための国の財政上の措置を含めた責任を明確にしているものではありません。そのために我が国のスポーツ予算は極めて貧困な状態が続いておりますね。 例えば、本年度予算の社会体育施設整備に関する予算はわずか六十三億円です。ところが、ことしオープンしました東京都の体育館の建設費は百八十億、三分の一にしかすぎないんですね。今造成中のゴルフ場、これは全国で今三百カ所以上と言われておりますが、一カ所の建設費は二百億円を超すわけです。二百億円としましても六兆円ですね。これに比べますと、国の社会体育施設整備費というのは実に千分の一、こういう状態ですね。これで結局民間の企業のスポーツ施設にゆだねるという形でスポーツそのものがゆがめられてくるという情勢もあるわけですから、余りにも国の施策が貧弱でございます。これは改善するとい決意を持たないとだめですね。きょうスポーツの問題で各党が集中審議をする、久しぶりです。かつてプロ野球の黒い霧のときに各党が集中審議をやったことがありますが、久しぶりですね。この際、本当に文部大臣としまして、日本の国民のスポーツをする権利に対する国の責務というものを明確にする必要があるのではないかと私は思いますが、余りにも貧弱だ、この点についてどうお答えになりますか。
○野崎政府委員 今先生が挙げられた数字がどの数字かちょっと私もはっきりわからないのでございますが、私どもが現在体育・スポーツの関係予算として計上しておりますのは、平成二年度予算におきまして二百八十九億ということで、前年度比二・九%の増、こういうことになっておる次第でございます。 また、このスポーツ振興というのは、国だけじゃなしに、市町村におきましてもあるいは県におきましても取り組んでおるわけでございまして、そういう国、県、市町村全体として着実にその実施を図らなければいかぬ、こう思っておるわけでございます。そういう意味で、私どもといたしましても、地方公共団体との連携を図りながら、また民間の動向にも留意しながら、それぞれの役割分担の中で一層の努力をしてまいりたい、このように思っております。
○山原委員 八二年度、今から八年前ですね、社会体育施設整備予算は百十八億あったのですね。ところが今年度は六十三億、これぐらい減っておるのですね。それから国の基準を見ましても、五年前の保健体育審議会の施設整備基準に比べてみますと、体育館で五九%、プールで四三%、テニスコートで五三%の達成でしかすぎないわけですね。 今度の国際試合においてさまざまな水準が低下したという問題が出ておりますけれども、一つはスポーツに対する理念、それからこういう国がやるべき条件整備、これを整えないと基本的には解決しない問題でございまして、その意味で、時間がありませんから、もう一度文部大臣に伺いますけれども、本当に今こそ公共スポーツ施設の増設、専門的なスポーツ指導員の養成と配置のために国の予算を大幅に増額する方向に国の政策を転換すべきだと私は主張いたしたいのですが、この抜本施策について文部大臣の決意を伺っておきたいと思います。
○保利国務大臣 私も子供のころ体か弱かったのですが、スポーツをやって今日の体をつくり、そして仕事ができるようになってきたわけでございます。そういったことを考えると、スポーツの振興というのは非常に大事だと思っておりますので、今後ともスポーツの振興、とりわけ予算の獲得については努力をしてまいりたいと思っております。 一言だけつけ加えさせていただきますが、スポーツ関係の施設というのは、文部省が主管をいたしております純粋のスポーツの施設ということになりますと予算的には大きくは見えないのでございますけれども、政府全体といたしましてはいろいろな形で施策が講じられております。例えば公園の関係でありますとか、あるいは文部省の中におきましても、公立学校施設の中に体育館とかそういうものがあるとかいうようなものがございまして、計算をしてみますとかなりのものになろうかと思います。詳しい数字については現在のところまだはっきりは持っておりませんけれども、そうした諸般の、いろいろな各省が行っております施策と相まちまして、日本の国民の体育向上にこれらが役立っていくことを期待をいたしております。
○山原委員 このスポーツ振興基金の法律に対して我が党は賛成するつもりです。ただ、この際、今大臣がおっしゃったこの問題については、本当にここでかなりの決意をしないと問題は解決しないということを申し上げておきたいと思います。 もう一つ、国立スポーツ科学センターの問題ですが、この問題は先ほどもちょっと取り上げられましたけれども、問題は、このセンターが地域に開かれた一流スポーツ施設として多くの人たちに喜ばれている国立西が丘競技場を取り壊して設置されようとしているところに問題があるわけです。昨日もこの施設を守るための集会が開かれたと聞いておりますし、関係しております東京都北区、それから練馬ですか、この区議会そのものもこの移転反対を決議しているわけですね。地方自治体の議会が議決をしておるということは非常に重大な住民の意思を反映したものでございますし、現に西が丘競技場の利用者は年々ふえておりまして、今年間五十万という数字が出ているわけですね。これを考えますと、本当に開かれた施設として使われておる施設を廃止して、そこへ新たないわば一部の選手の振興のためにつくるということ自体がこれは不幸な出来事だと思います。そういう意味で、もともとここへつくるという計画ではなかったわけでございますから、この計画の設置場所は変更すべきであるというふうに考えますが、この点について答弁をお願いします。
○野崎政府委員 国立スポーツ科学センターは、我が国の教育水準の向上という重要課題に対応する施設といたしまして、現在その計画を推進しておるわけでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。設置場所につきましても、やはり利用者でありますトップレベルの選手あるいは指導著、そしてまたそこに携わります研究者とか医師等の多くの方々が、やはり東京都内有縁の場所、こういうことでございます。西が丘はそうした要望に沿った適地と私どもは考えておるわけでございます。新しくつくろうとします施設につきましては、ぜひこの地元の方々にも喜ばれるような立派な施設を建設していきたい、こう思っておりますし、またこれは先ほど大臣もお答えしたわけでございますけれども、地域住民の利用の要望につきましては、国立の西が丘競技場施設のこれまでの経緯等もあるわけでございまして、そういうことも勘案しながら、今後できるだけ地域住民の利用にも配慮した検討をしてまいりたい、このように考えております。
○山原委員 住民に開かれた施設として役割を果たしているわけですね。しかもこれだけの反対。先ほど私練馬と言ったと思うのですが、板橋だろうと思いますけれども、地方自治体、議会も反対、存続を決議をしているわけですね。先ほどの答弁の中で適地という言葉もありましたけれども、これだけの反対があり、これだけの役に立っている開かれた施設を閉鎖するあるいは変えるということは、これはどうしても容認できない問題でございまして、なお文部省として適切な慎重な態度をとられることを強く要求しまして、質問をこれで終わります。
○船田委員長 次に、米沢隆君。
○米沢委員 わずか十分の質問でございますから、要を得た答弁をお願いします。 スポーツ界の長年の念願でありましたこのスポーツ振興基金が、今回の補正予算で二百五十億計上され、また民間からも出資を仰いでようやくスタートすることになりましたことは、まことに喜ばしいことでございます。ただ、難点を言うならば、ここに至るまで余りにも時間がかかり過ぎる、同時にこの二百五十億というものが余りにも少額に過ぎるというのが不満の二点でございます。こういう程度のものでオリンピック、アジア大会等でいろいろな問題が指摘されていますように、果たして日本のスポーツ界の再生ができるのかというのが大変心配であります。昨年七月、参議院選挙のときには、当時の塩川官房長官は記者会見で、このスポーツ振興基金は一千億くらいのものをつくりたいという構想を出されて、自民党は選挙を戦ったわけでございますが、残念ながら二百五十億というのはその四分の一にすぎません。どうも文部省予算そのものが、全体どんどんどんどん枠はパーセントとして下がっていますね、今は。その中でこういうスポーツ振興基金二百五十億、何か文部省は大蔵大臣にえらい弱い体質を持っておるような気がするのですが、大臣、どうですか。
○保利国務大臣 私もスポーツの振興のためにはこういった基金の額が多ければ多いほどいいなと思っておりましたけれども、現下の厳しい財政事情の中で大蔵省と折衝を重ね、二百五十億という形にしたわけでございます。まずは、私はこのスポーツ基金は、緊急性ということも考えますならば、今この時点でスタートをさせることが大事だと考えて、とにかく話の折り合うところでこの金額で決めさせていただき、御提案を申し上げたわけでございます。今後この基金の充実に向けましてはいろいろと努力を払っていかなければならないと思いますし、スポーツを愛好する国民の皆様、そしてまた議員の皆様も大変いっぱいいらっしゃるわけですから、どうぞ何とぞ応援をしていただいて、この基金がより充実するように私どもも努力いたしますし、また先生方のお力添えもぜひお願いを申し上げたいと思っております。
○米沢委員 このスポーツ振興基金は、今度は民間から出資を仰ぐことになるわけでございます。それで文部省としては民間から拠出していただく資金を一体どれぐらいのめどをもって考えておられるのか。目標がなければ資金は集めにくいのは当然のことでございまして、芸術振興基金の方は今は百十二億ぐらい集まっておるそうでございますが、これに負けないように集める目標を立てておられますか。それが第一点。 第二点は、民間から寄附を仰ぐ場合に、やはり税制上の問題を配慮してあげねばならぬと思っております。企業が一般の寄附を行う場合、法人税法によりますと損金算入限度額があります。これで大体計算しますと、年間所得の一%ぐらいが寄附金に回る、こういう計算でございます。国税庁の統計によりますと、ちょうど六十三年度、法人の寄附金が約三千九百億、この間の法人所得が、資本金等も一緒に計算するのでございますが、法人所得が約四十一兆でございますから、大体一%弱ぐらいを寄附していただいた。これにもう少し税制上の優遇措置を加えるならば、この枠がちょっと広がるわけでございまして、そのあたりをやはり文部省としても考えていかねばならぬだろう。特に芸術振興基金等は指定寄附金に指定して、結果的には寄附されれば全額損金算入されるという制度になったわけでございますが、このスポーツ振興基金もそういうことで考えてよろしいのでしょうか。 この二点だけお答えをいただきます。
○野崎政府委員 民間からの拠出金の目標額につきましては、今先生御指摘ございましたように、芸術文化振興基金が百億を目標に集めたわけでございまして、私どももそれを一つの目安といたしましてこれから努力をしていきたい。具体には、これは日本体育・学校健康センターの方でやるわけでございますが、私どもも一緒に協力して、ぜひそれを目安に努力をしていきたい、このように思っております。 それから、税制上の問題でございますけれども、指定寄附金ということになりますと、これは全額損金に算入できるわけでございまして、企業にとりましては大変メリットのある措置なわけでございます。芸術文化振興基金の場合もこの指定寄附金を取ったわけでございまして、私どもといたしましても、ぜひこの指定寄附金になるように現在税制当局と折衝中でございます。
○米沢委員 この資金を仰ぐ目標でございますが、これはセンターの仕事だというような言い方じゃなくて、文部省がこの法律を出して今審議しておるのでございますから、文部省としてどれぐらいの目標を一つ掲げておるんだと、そのあたりをセンターに逆にハッパをかける、そういう立場じゃないとおかしいのじゃないのかなと思います。 それから、指定寄附金の問題ですが、今協議中だということでございますが、協議中だじゃなくて、させる、こう言わなければいかぬわけですね、答えは。もう一回やり直してください。
○野崎政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、芸術文化振興基金の目標額百億ということでセンターと十分相談をしていきたい、このように思っております。 それから、指定寄附金につきましては、これは芸術文化のときに実現を見たわけでございますから、私どももぜひこれは実現をしていきたい、また実現をさせなければならない、このように思っております。
○米沢委員 JOCの体制についてちょっと敷衍してみたいと思います。 このスポーツ振興基金の使い手は、今度はJOCということになるわけでございますが、昨年の八月、JOCは体協から独立をされまして財団法人日本オリンピック委員会として発足したわけでございますが、会長人事の問題や札幌の冬季アジア大会における運営ミス等々マスコミを騒がしたことは御案内のとおりでございまして、この流れを見ておりますと、果たしてこのJOCの体制がきちっと整っているんだろうかという疑問を一つ持ちます。聞くところによりますと、体協から独立したとはいえ、事務所はまだ体協と一緒におるとか、職員も体協の職員が兼任しているとか、あるいは役員はついても専従者はおらず、皆かけ持ちで行っているというような話を聞いておるのでございますが、こういう体制で本当にうまくいくのかという疑問がございます。十一月二十七日付の日経にもJOCの委員の方が同趣旨のことを投稿され、専従職員の必要性を訴えておられました。競技団体に対する選手強化費は、本年度予算が十七億、来年も大体同程度のものを要求されておると聞いておりますし、今度この基金ができますと、大体二百五十億プラス、当初は五十億足しても三百億、七%で回しても大体十七、八億という金だとすれば、四十億前後ぐらいのものがこれから使われていくわけでございます。JOCで使っていくわけでございますが、JOCの内部体制をきちっとしておかないと、またいろいろと問題が起こるということを申し上げねばなりません。 それで、文部大臣としてJOCの事業の実施体制についてどういう認識を持たれ、これからどういう体制強化のために力を出そうとしておられるのか、その点お伺いしたいと思います。
○保利国務大臣 JOCは平成元年の八月に法人化されたのでございますけれども、現在は体協の傘下に入っております。しかし、平成三年度からは、組織的には体協との加盟関係を解消いたしまして、独立してJOCとしての組織を持つことになります。その上では、恐らく体協は国民的なスポーツについて担当することになろうと思いますし、JOCは世界選手権等のいろいろな世界的な競技を担当するということになってこようかと思います。今御指摘のようないろいろなJOCの内部の環境整備につきましては、これは、私といたしましては、十分しっかりした体制にしてもらいたいという強い願望を持っておりますので、今後ともこうした観点からJOCの運営がうまくいくように援助をし、そしてさらに指導助言をしてまいりたい、このように考えております。
○米沢委員 もう時間が来ましたが、ぜひJOCの実施体制の強化、センターの増員等々をやはり図って、少ない金額でございますが、大変大事な金をうまくスポーツ振興に使っていただくように、ぜひ文部省としても格段の配慮をしていただきたい、そういうことを注文して質問を終わります。
○船田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○船田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○船田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○船田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、木村義雄君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。吉田正雄君。
○吉田(正)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 日本体育・学校健康センター法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、「スポーツの一層の振興を図るため、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 スポーツの振興に関する基本施策については、その重要性を再認識し、その策定、実施及び予算の確保等に当たっては、遺憾のないよう格別の配慮をすること。 二 スポーツ振興基金については、競技スポーツの一層の振興及びその裾野の拡大を図るために、今後ともその拡充に努めること。 また、優秀なスポーツ選手等に対する援助については、その生活・進路等に関する調査研究、相談等をあわせ総合的に行うこと。 三 スポーツ界のかかえる諸課題の解決を積極的に支援するとともに、スポーツ振興基金による援助金については、あまりに広範かつ零細な配分を行うことによって、援助の趣旨が損なわれないように配慮すること。 四 スポーツ振興基金の援助対象の認定については、公正かつスポーツ団体の自主性を尊重して行うこと。なお、その審査機関の委員の選任に当たっては、広く関係者の意見が反映されるよう配慮すること。 五 日本体育・学校健康センターが、生涯スポーツ、国民の健康増進等に寄与してきたことにかんがみ、スポーツ振興基金を所管することによって従来の性格が失われないように留意すること。またこのために、当該センターに必要な人員の確保及び適正配置並びに業務区分の明確化に十分配慮すること。 六 我が国の経済力とスポーツ予算の現状にかんがみ、長期的、国際的な観点に立って、公共スポーツ施設の充実、国民の健康増進、余暇の有効活用など生涯スポーツ及び競技水準の向上のための施策を充実し、その予算の拡充に一層の努力を行うこと。 以上でございます。 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○船田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○船田委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。保利文部大臣。
○保利国務大臣 ただいまは法律案御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。 ─────────────
○船田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○船田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○船田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会