農林水産委員会 第10号
- 発言数
- 271 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/04/16
会議録
○大原委員長 これより会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 内閣提出、競馬法及び日本中央競馬会法の一部を改正する法律案審査のため、来る十八日午前十時、参考人の出席を求め、その意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ────◇─────
○大原委員長 内閣提出、食品流通構造改善促進法案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。元信堯君。
○元信委員 きょうからこの法案の審議に入るわけですが、社会党内でいろいろ論議をいたしました。 その第一印象は、大変わかりにくい。法案の名称からして、食品流通構造改善促進法、こういうことでございますが、この法案名を一見して、それじゃこの法案のねらいは、かねて日本の食品流通は極めて複雑多岐にわたっておる、その結果、食料品の生産者価格と消費者価格の間に大きな開きが生じておる、これが内外価格差と国際問題化していることもあるわけですが、この価格差が、この法律の施行によって簡素化あるいは合理化をされて、生産者価格を維持しても消費者価格がかなり下がる、かつ末端の小売業者も経営を維持することができる、いわばオールハッピーな効果が得られるものと期待をしたわけでありますが、内容を子細に検討してみますと、今度の法案では、食料品取引の八割を占める卸売市場の取引は全然この対象外、一部審議会ですとか機能の高度化事業とかありますが、流通そのものに手を触れるということはない。主に法案がねらいとしておるのは、場外で、市場を通さないいわゆる産直取引でありますとか、あるいはその末端の、下流側の高度化事業、小売の高度化、合理化に重点が置かれているというふうに思われるわけであります。そのこと自身は結構なことであると思いますけれども、しかし、議論の中で言われましたことは、どうもこの法案、提案のタイミングが十年ほどおくれてはせぬか、こういう意見があるわけであります。 といいますのは、私どもの身の回りを見て思うわけでありますが、対面販売式のいわゆる魚屋さんですとか八百屋さんですとか、こういう食料品店が見る見る減ってまいりました。大は大型の郊外型スーパーマーケット、小はコンビニエンスストア、既に包装してあって、ただレジへ持っていくだけでぽんぽんと金額を打つ、こういうタイプの店にほとんどが入れかわってしまって、この法案が主なねらいとする流通構造改善を促進しようということになっても、促進すべき対象というのがあらかたなくなったじやないか、こういうような感想を持つわけであります。この法案を出すタイミング、これを失すれば、その個々の事業そのものは結構なものであったとしても効果というものは極めて期待しがたいし、あるいはまた、その法案による事業が税金のむだ遣い、こういうことにもなりかねない、こういう意見もあるわけであります。 そこで、まず農水大臣に伺いたいわけでございますが、なぜ今このタイミングで法案を提出されたのか、提案の意図、これは既に趣旨説明で伺っているわけではありますが、その後ろにあります時代背景の認識、こういうものをどういうふうにお持ちになっているか承りたいと思います。 大臣から承りました提案理由の趣旨の中に情勢の変化ということがありましたね。この情勢の変化というものが消費者ニーズの多様化、農産物輸入の増大、こうあるわけですが、私は、この背景にもう一つ大きな理由として、今議論をされております大店法、大規模小売店舗法の改正というものが避けられない、こういう認識がおありでないかというふうに思うわけであります。ますます大規模店舗が展開をしてまいりますと、もう残り少なくなってきたいわゆる八百屋、魚屋のたぐい、こういうものが経営の危機にさらされる、この救済を行政の急務ととらえてこの法案の提案の目的の中に含まれているか、その点を重点に、改めてタイミング、時代背景、こういうものについて伺いたいと思います。
○近藤国務大臣 お答えをさせていただきます。 時代背景と申し上げても、今回の食品流通の構造改善を促進をするというタイミングの問題については、若干遅きに失したかという感じは私は持たせていただいておるわけであります。 しかし、今日まで市場が果たしてきた役割、庭先商いから、そして農協を中心にして集荷をして市場で価格形成をして、そして小売、消費者という、連動して渡っていくわけでありますけれども、今日的には、提案理由でも申し上げましたように、非常に多種多様の食料品になっておることは御案内のとおりでありますし、輸入も増大をいたしておるというようなことで、必ずしも今の流通形態だけで対応できるかどうかということになりますと、家庭消費が減少して、外食なり加工産業というものが消費の大宗を占めるような時代に入ってまいりました。そして、このまま放置をしておくと、市場流通を通らないで、市場はややともすれば価格決定の場所になってしまって、そして物流関係が、バイパス傾向というのがまた増大をしていくというようなことも一つは心配をいたしておるわけであります。 一方では、末端小売は減少いたしておりますし、それは、一つは、便利性というようなものが総合的の食料品店で求めるというような時代にも入ってまいりましたし、自動車に対する駐車場の準備が容易ならざる状況でもございますし、一面で、またドーナツ現象が起きて住宅が郊外に移っておるというようなことが、あらゆる社会環境なりというものが出てまいりましたので、大店法に全く関係あるかないかという問われ方をすれば、私は、今お話を申し上げたように、従来のお客様が郊外に移ってしまってドーナツ現象が起きておることと、駐車場なくして今仕事ができないということと、あわせて小売店を集積をしてそういうものの整備をしていくということが小売店の立場ではやらざるを得ないだろう、こう思っておるわけであります。一つは流通問題、卸市場の場合は老朽化をしてしまっているし、またこの分野においても、駐車場とかそういうものを求めにくいような状況になっておる、地方市場においても中央市場においても今時代の変化というものに対応し切れなくなっておるわけであります。 一方、全体を考えると、流通、消費の段階で、生産者の農産物価格というのが上がらなくても、あるいは引き下げをしても、必ずしも連動して消費者価格が下がらないというような傾向も実は見られるわけでありますが、逆に消費者価格に至りますと、ここのところ季節の変動があるものは、季節の変動もあわせてではありますけれども、傾向としては高値に推移をいたしておるわけであります。季節変動、天候に余り関係がなくても、加工品に至りましてはずっとこのところ上昇機運であるというようなことで、実は物価の値上がりにも反映をしていくというような状況でございますので、少なくとも流通段階に一つの構造改善を促進をすることによって労働者不足を近代化の設備で補っていくとか、そういう面で全体的にその基本的な整備を構造改善をして進めていく、実はこのことが今回の法律を提出をさせていただいたねらいでございます。いろいろな面で細かな問題の集積がこの問題の提案をさせていただく一つの理由になったわけでございますので、御理解のほどをお願い申し上げたいと思います。
○元信委員 それでは、内容について承ってまいりたいと思いますが、この法案に市場関係のものが含まれないということ、今大臣からお話があったようでございますが、この周辺だけを集積をして、そうしてこれがどういう効果をもたらすのか、そこのところが最大の問題であろうと思うわけであります。この法律というのは、別に流通コストの引き下げというのは目的としないということであるのかどうなのか。もし流通コストも結果として下がるであろうというのであれば、どういうようなメカニズムでそれが行われるのか。あるいはまた第一条で「流通機構の合理化」というふうに言われているわけですが、これはコストの切り下げを意味するのかどうか。あるいは「流通機能の高度化」というのがございますが、この高度化によってもたらされる利益というのはどこへ帰属するのか。例えば、小売商にさまざまな高度化機能がつく、そのことによってコストが上がる、コストが上がって消費者価格が上がったのでは、これは何にもならないわけでありまして、そこはどういうお考えなのかということを承りたいというふうに思うわけであります。どうもこの法律ができるとかえってそういうようなことで、あれこれ今までせぬでもいいことをやってコストが上がりゃせぬかという心配をする向きもあるわけであります。 以上、幾つかのことを申しましたが、この法律をつくることによって期待される、一条に言う「一般消費者の利益」というのは具体的にはどういうことなのか、承りたいと思います。
○馬場政府委員 この法律の制定によって流通コストは下がるのか、あるいは法文上「流通機構の合理化」「流通機能の高度化」と書いてありますが、それはどういうふうに絡むのか、さらに、一般消費者の利益がどうなのか、こういうお尋ねでございます。逐次お答えをさせていただきたいと思います。 まず、流通コストの問題でございますが、先ほど大臣から申しましたように、最近の食品流通をめぐります中で消費者のニーズが非常に多様化しているという面がございます。多様化というのはいろいろございますが、大きく分けますと、一つは高品質のもの、鮮度の高いものを望むという志向がございます。これはどちらかというと品質志向というふうに私どもは考えております。もう一方では、やはり安く、安定的に安全なものを欲しいという、どちらかというと価格志向といいますか、そういう面がございます。二つともそれぞれ理由があって最近とみに明確になってきているニーズでございますが、流通のコストの引き下げということが今の価格志向のニーズにこたえるために必要であるというふうに私どもは考えております。 食品の流通のコストの引き下げのためには、御案内のとおり従来から、まず産地におきます集出荷施設の整備ということに始まりまして、卸売市場につきましても円滑な流通を促すための施設の整備をし、さらには中小の商業構造改善あるいは流通システムの開発等にも意を用いてきたところでありますが、今回この法律におきまして、食品の流通部門の構造改善を促進するために四つの形の事業を提示しているわけでございます。それぞれ流通機構の合理化あるいは流通機能の高度化ということに資するものというふうにしておりますが、その中でも特にコスト面で見ますと、流通の近代化のための事業、つまり流通業者の皆さん方が共同で仕入れたり配送したりしていくというような事業、あるいは、これは消費者の利便も頭に置いているわけでございますが、商業施設を集積する、その食品の流通を集積したところで消費者に供給していくということで合理化を図っていく、こういう面におきます事業は、経営の近代化、効率化というようなことを行いましてコストの低減につながるという点に重点が置かれているのだろうというふうに思う次第でございます。 しからば、その高度化とは何かということでございますが、むしろ高度化の方は、どちらかというと高品質のものあるいは鮮度の非常に高いものを安定的に供給するという面にウエートがあろうかと思いますが、いずれにしてもこれらの流通事業の活動というのは一つだけの目的ではございませんで、両方の目的がそれぞれに兼ね合わさっているというふうに理解しておる次第でございます。 また、消費者の利益というものにどういうふうに寄与するのかというお尋ねでございますが、この法律でも、「一般消費者の利益の増進と農林水産業の振興」にも寄与するということを「目的」の中に入れております。消費者の利益のとらえ方というのは、今御指摘のありましたコストの低減、それが消費者にも利益を及ぼすというのはもちろんでございます。しかし、そのほかにも、先ほど言いました多様なニーズに即応して、良質の食品が安定的に供給されるということも消費者の利益に寄与するものでありますし、また消費者に対して食品に関する情報の提供、あるいは先ほど店舗の集積等と申しましたが、その際の駐車場の整備等、消費者が買い物をしやすくするというのもやはり消費者の利益に寄与するのではなかろうかと思うわけでございまして、この法律におきまして定めている四つの事業それぞれが行われることによりまして消費者の利益に寄与するというふうに考える次第でございます。
○元信委員 今お話のあった四つの事業の中で、食品生産販売提携事業、いわゆる産直ですが、この事業は一つの心配として、例えば大手スーパーなんかがこの事業を利用して、今でも産地をじかに押さえるというような傾向があるわけですが、独占をされて、どこそこブランドはどこのスーパーというようなことに直結をしてしまって、零細ないわゆる八百屋、魚屋のたぐいは手が出なくなる、ブランドから疎外をされる。そうしますと、今お話のありました商業を発展させる、あるいは一般消費者の利益を保護するというような趣旨から背馳するような可能性がないかというふうに心配をする向きもあるわけです。また、一般的に産直と申しましても、生産者と消費者がじかに結びつくということになりますと、なかなか情報交換というものも困難であろう。消費者に情報を提供するのもまた消費者の利益、今御答弁がございましたが、どのようにしてこの情報の全国的なネットワークを確保していくのか、この点について承りたいと思います。
○馬場政府委員 今お話しの食品生産販売提携事業を今回この法律において促進しようということにしておるわけでございますが、これは、先生御指摘のいわゆる産直というふうに御理解されているかと思いますが、必ずしも消費者と小売店が密接に結びつくというパターンだけでございませんで、一定の産地で特色のある農産物を、つくったものを従来の流通ルートに乗せても適確にその品質を保持して消費者に提供するということも可能なわけでありますが、端的に一番直截でわかりやすいという意味では、おっしゃるようにストレートに小売と生産者が結びつくという場合があると思います。そのような場合の情報をどうするかということでございますが、これは、この法律で書いてございますように、主として事業協同組合と食品販売業者の団体とそれから生産者またはその団体が安定的な取引関係を結んで継続的に取引をするということを核にいたしまして、そのために必要な施設の整備をしていくという仕組みになっているわけでございます。 お尋ねの、例えば大手スーパーというようなものがそういうことをやるのじゃないかというような御懸念もございますが、私ども、どちらかというと、むしろ中小小売業の団体の皆さん方が、大手スーパーが産地と直接取引するのに対して、自分たちも何とかそういういいものを自分たちの系統に持ってきたいというような意欲がありまして、例えばボランタリーチェーンの皆さん方等は、非常にこういう事業を国の支援のもとにやりたいということを言っているわけでございます。そのために、今回のこの措置の中でも中小企業者に対する金利を特に安くするとか、あるいは税法上の特典、いわゆる不動産取得税なり固定資産税についての特例も中小企業者のみに限るというような形の措置をしているわけでございまして、どちらかといえば、むしろそういう中小の販売業の皆さん方と生産者あるいは生産者団体との間で結びつくという形の事業にしようかと思っているわけでございます。 そこで、情報という問題でございますが、この情報につきましては、当然のことながら、今言った安定的な取引をしていく上で、どの地域でどういうものがつくられ、それが自分たちの顧客にどういうふうに好まれるか、希望されているかというようなことについての情報交換ということは必要だと思いますが、先ほど申しましたような業者団体あるいは生産者団体との間の情報交換というものは、私どもとしても支援していきたいと思っておりますし、後ほど御議論いただけると思いますが、食品流通構造改善促進機構というような、この法律に基づきまして指定いたします機構においても、それらの情報の収集、提供というようなことをやっていくというふうにいたしたいと思っております。
○元信委員 次に、食品販売業近代化事業あるいは卸売市場の高度化事業と両方にまたがるかとは思いますが、私は、ここで魚の小売業、いわゆる魚屋の営業上、今大変な問題になっております魚腸骨問題、これについて注意を喚起をし、また農水省としての対策を承りたいと思うわけであります。 魚腸骨というのはちょっと耳なれぬ言葉ではありますけれども、魚のはらわたと骨、こう書くものでございまして、骨、内臓、皮、頭、不可食部分ですね、食べられない部分を魚腸骨と称するのであります。あらでございます。重量は魚丸ごとの約半分。半分は肉で身で食べられて、あとの半分はどこかへ捨てられる、あるいは資源として再生される、そういうふうになっているものであります。この処分をどうするかというのが現在全国的にあちこちで大問題になっておりまして、特に都市の零細な魚屋は魚腸骨処分問題で経営にも支障が出る、こういうようなことがあるわけであります。 魚腸骨というのは、本来、魚を丸ごと買って家庭に持って帰れば、家庭で頭を落として皮を引き骨を外して食べれば家庭ごみとして発生する性質のものでありますが、今じゃ家庭で出刃包丁を持っているうちなんか少ない、こういうような事情でございまして、大体魚屋で下ごしらえをお願いする、刺身にしてあるいは切り身にして持って帰ってあとは食べるだけ、こういうことでありますから、すべての魚屋でこの魚腸骨、あらが毎日発生するわけであります。 魚の内臓というのは消化酵素が極めて豊富にございまして、もう冷凍あるいは冷蔵から室温に戻しますと直ちにその時点で分解を始めまして、魚の内臓あるいは骨についた肉、皮、そういうものが液化してくるわけであります。液化してまいりますと、たんぱく質あるいはアミノ酸、そういうようなものの中に含まれる細菌によって腐敗が起こりまして、もともと生臭いものではありますが、それに腐敗臭が加わってたまらぬ悪臭を放つようになるわけであります。したがって、魚腸骨というのはごみの日にまとめて出すというわけにはいかなくて、これは毎日出さなきゃならぬ、こういうものであります。 鮮魚商から発生しますあらは、かつてはあらかすと申しまして、それを煮て搾って乾燥したものは豚や畜産、鳥のえさなどとして需要がございまして、魚粉等とまぜて結構売れたものであります。ところが最近、全国的、世界的な規模で魚粉の市況が低迷をいたしておりまして、あらかすよりも品質がいい、たんぱく含量の高い魚粉がうんと安く買えるようになって、あらかすなんか買わぬでもいい、こういうことであらかす価格がかなり低下をしてきている。それから一方、あらかすを魚屋さんから集めてきて加工をする、その収集がまず大変なことになりまして、都市が過密になりまして交通事情も極めて悪い。毎日とにかく収集せにゃならぬわけですが、それじゃ一カ所の魚屋からどれぐらい出るかというと、せいぜいバケツに一杯、二十キロくらいが平均値。こんなものを毎日毎日集めて回るというのは大変な労力でございまして、しかもこれが臭くて、水分が多くて、なかなか集めてくれる労働力が集まらない。こういうことで結果として収集コストというものが非常に高騰しているわけであります。 しかも、集めてきたあらかす、さっき申しましたように自己消化をし、かつ腐敗が進行しつつあるわけでありますから大変臭い。それをかつては大がまにどぼっと入れて下から重油でたいて、そうして盛大に蒸気を上げて、そのあらかすを搾ってむしろの上に広げて乾かす、こういう製造方法をしておりましたものですから、においたるや物すごいものでありまして、まあ郊外でやっておったわけでありますが、都市の膨張に伴って郊外といえども家が立て込んできて、そういうような荒っぽいやり方じゃどうしようもありませんから、今じゃ多段がまで密閉してそのにおいを取り除く、封じ込める、そして出た蒸気も、今までのように大気の中にもうもう出していたのでは臭くて仕方がありませんから、それをまた水に戻す。ところが、この水に含まれるアンモニアその他が物すごく多いものですから、下水には流せない。下水に流す前に前段処理が要る。こういうよう0なあんばいで極めて立地、公害対策に対して金がかかるようになりまして、結果としては、あらかすメーカーというものは経営が立ち行きがたい、こういうことになっているわけであります。 かつて魚屋から出るあらはあらかす回収業者が買っていって工場に納入していったものでありますが、今では買うどころじゃありません、ただでも持っていってくれませんから、魚屋が、発生する量あるいは経営規模に応じてお金をつけて持っていってもらう、こういうことをしているわけですが、それでもまだ難しい状況であります。こういうような状況で、魚腸骨問題は鮮魚商の将来を扼する大問題ではないかというふうに思うわけでありますが、この処理をだれがやるのかということについて、行政のエアポケットになっているのではないか、こういうような感じが持たれます。 ごみというふうに見ますと、これは一般廃棄物でありますから、地方自治体の固有事務ということになります。これがごみになって出ますと、今言いましたように、毎日はごみは取りに来てくれませんから二、三日分集めて出す。物すごいにおいがしてごみの集積所の周りはたまらぬでありましょうし、犬、猫にとってはこれはいいにおいでありますから、これらが集まってきてそこらへ散らかす、大問題になること必定でございます。仮に集めたとしても、水分が多くてとても燃やせるものじゃない。埋め立てへ回せば、だぶだぶでいつまでたっても地盤が固まらない、そこへハエがわく、どうしようもないものでありまして、ごみにはできぬかとも思うわけであります。 まず、厚生省にきょうおいでをいただいておりますが、ごみの所管の厚生省として、この魚腸骨というのは一体どうすればいいか、ごみにしてお出しなさいとおっしゃるのか、ほかの方法をお考えなのか、まず承りたいと思います。
○坂本説明員 廃棄物につきましては、近年その発生量が増大いたしておりまして、適正な処理が困難となっている状況にございます。廃棄物の再生利用を図りまして、また減量化を進めることがこれからの大きな課題となっております。このため、廃棄物のリサイクル等によります減量化、再生利用を推進することを一つの柱といたします廃棄物処理法の改正案を今国会に提出いたしまして、御審議をお願いしているところでございます。 改正法案におきまして、廃棄物から有用物を得るような処理形態であります再生を廃棄物の処理の一形態として位置づけておるところであります。一般の魚介類販売店から排出されます魚腸骨 につきましても、できるだけ有用物となるよう再生が図られることが望ましいと考えております。
○元信委員 なるべくごみにしては困る、これが厚生省のお立場であろう、こういうふうに思うのです。 しからば、農水省に伺いたいわけでございますが、この魚腸骨問題を今回の法案の中でどのように位置づけて提出をされたか、ここのところであります。 今、各自治体でも、問題をほうっておけませんから、いろんなところで苦労はいたしているようであります。しかしながら、例えば最近、巨大な金をかけてつくりました愛知県の尾張水産加工事業協同組合では多大な赤字が出てしまいまして、恐らく公害対策に金がかかったのだろうと思いますが、膨大な赤字を出しまして、結局それに要する費用を今年度は愛知県が緊急融資で何とかするというふうにしたようでありますけれども、結局長期的な展望は立たないで、とりあえずの措置ではなかろうかというふうに思うわけであります。 私は、魚腸骨というのは反面貴重なたんぱく資源でもございますから、経営が難しいということはさっき申しましたような理由でそのとおりなのでありますけれども、この法律の中で何とか対処をして、これがごみにならないようにするべきではないかというふうに思いますが、法案の中でどのように位置づけられているか、御見解を承りたいと思います。
○馬場政府委員 先生のおっしゃるように、魚腸骨の問題、かつてはいわばその再生利用というのが民間レベルでうまくいっておったわけでありますが、近年に至りますと、おっしゃるように回収コストの増高あるいは処理工場の悪臭等によって地域から嫌われるというような立地問題等々ございます。もちろん、そこで生産された飼肥料の価格の問題等もありまして大変困難になってきているということは私ども十分承知しているわけでございます。 今回、この法案を策定するに当たりましても、特にそういう魚屋さんたちの魚腸骨の処理のための施設というのに何とか対応できないかという議論がございまして、私どもといたしましては、これはやはり卸なり小売の皆さん方の事業の近代化の一環として取り組むことになるのかなというふうに思っておりますので、お尋ねの本法案による対応ということになりますれば、この法律の中の食品販売業近代化事業の対象として共同事業等でそういう魚腸骨の処理施設をつくる場合の支援措置を講ずるというのが対応の考えかと思います。 なお、それとは別途、私ども平成三年度の予算におきまして、これは魚腸骨処理施設だけではございませんが、食品商業基盤施設整備事業という補助事業がございます。その中でも魚腸骨の施設についての補助ができるような方途を講じたいというふうに考えている次第でございます。
○元信委員 魚腸骨問題と一口に言いましても、いろいろな側面があるわけであります。まず、回収が非常に難しい、先ほど申しましたね。それから、処理の立地の問題が大変難しい、これは既存立地の中では処理しがたいということもあります。あるいはまた、それの運転に非常に経費がかかる、こういうことがあります。 そこで、この魚腸骨問題について業者の団体の皆さんも大変苦労されておりまして、ここに持ってまいりましたけれども、昭和五十九年度に全国水産物商業協同組合連合会が行いました「活路開拓ビジョン調査事業報告書」というのがございますね。これは鮮魚小売業の魚腸骨回収、再資源化の共同システム化の開発を目指して行った調査でございますけれども、その結論部分というのを要約してみますと、魚腸骨は資源として再生利用すべきであり、鮮魚商としても組合をつくって対応していくけれども、実際には財政的に困難が多く、零細な経営の多い鮮魚商だけでは対応しかねる。そこで、国やら自治体やらの助成を受けなければ実施しがたいということで、実際にはこの促進法の事業といいましても、全国にたくさんあるわけですから、それぞれ国が直接ストレートに対応するというのは難しいだろうというふうに思います。 そこで、自治体の役割というのが大きくなるだろうと思うわけであります。ただ、この法案の中で自治体に国が直接出せるのは卸売市場機能高度化事業、これだけです。ここが事業主体になるか、私は、協同組合と自治体の共同事業ということにせざるを得ぬだろうというふうに思っていますが、自治体を取り入れるとすると、卸売市場の方の問題になってしまう。実際に卸売市場に回収機能をつけたところもあるわけです。 というのは、魚を毎朝魚屋が卸売市場に入札に来て買い出していきますね。来るときは空っぽで来るわけですから、そのときに前の日のあらを持ってくる。卸売市場の中にそれの保蔵施設を設けてそこへ集積をして、その中で処理するというのはちょっと難しいかと思いますが、それを処理場へ持っていけば、先ほど申しました魚腸骨問題の中で回収問題というのは、自分がそれぞれ持ってくるということで大体解決する。そういうふうなことで考えられるわけでありますが、今申しました卸売市場機能高度化事業の中でそういうような事業をする可能性はありますか。
○馬場政府委員 私どもが今回の法律で卸売市場の機能高度化事業として予定しております事業は、どちらかといいますと、従来卸売市場の施設の整備、一般的にやっているものに加えまして、その市場のそれぞれの実情に応じてより高度な、あるいは市場機能をより増すための施設をつくっていく、例えて言いますると、品質のいい、鮮度のいいものを維持していくために、従来一般の冷凍冷蔵庫のほかにそういう特別の施設をつくるというような問題でありますとか、あるいは情報処理ということが最近非常に重要になってまいりましたが、市場によっては、殊に大規模な市場等においては情報処理の施設を導入する必要があるというような問題であるとか、そういうものを予定しておりまして、御指摘のような魚腸骨処理の施設というのは、現在我々の検討段階では対象にするというふうにはなっておらないというのが実情でございます。
○元信委員 魚腸骨問題は、先ほど言ったように大変な困難を抱えているわけでありまして、この近代化事業の中だけでやれるかどうかということについては、手法としては融資ですとか税制上の措置、租特とかそういうものなんですね。あるいは信用供与というようなこともあるかもしれません。ですが、さっき言ったような包括的な問題には恐らくそれでは対応できないと私は思うのです。それでできるぐらいなら今までだって、ほかに中小企業金融公庫その他いろいろあるわけですから何とかなっていたはずだ、また税制の問題でもないだろうと思うのです。もっと強力な、包括的な対応が必要になるのではないかというふうに思いました。それに自治体をどうしても一枚かませなければならぬだろうということになりますと、今言いましたように、自治体の関係は、卸売市場の高度化事業だからそんなことは考えておらない、魚腸骨のことではない、こういう御答弁でございました。そうしますと、この問題の実効ある取り組みをするためには、何かもう一歩踏み込んだ対策が必要じゃないかなと思いますが、大臣、今聞いていてどういうふうにお思いになりますか。
○近藤国務大臣 魚腸骨問題というのは、数が少ないのだけれども、地元にとっては本当に深刻な問題だと思うのです。私も何回か挑戦してみましたけれども、一つは、設備に対する融資、補助だけでは解決しない問題は、後の運転、維持管理の問題でペイするかどうかということになると、利用者がかなり高い負担をしなければ量の少ないところではなかなか対応し切れない、こういう問題が全国至るところにあるのだろう、実はこう思っているわけでありまして、根本的な解決は、施設をつくるというようなことについてはそれぞれ悩みが多いものですから、機械屋さんもいろいろ開発をして、アイデアを持って、売り込みを含めてそういうものの設備をしたところも実はございますけれども、さっき先生御指摘のように、そこへ集めてくるコスト、それから運転をしていくコスト、こういう問題になると、地域によってはかなり広範にわたらなければならない状況で、毎日広範な地域からそれだけの適量のものが集められるかということを考えると、なかなか困難性が出てきておるのが現状だと思うのです。 今先生から、市場を一つの拠点として、小売屋さんがその市場へ入札に来たとき、毎朝来るわけですから、市場へ来るときそこへ魚腸骨を持ってきて集積したらどうかというのは大変いいアイデアだな、この面では魚腸骨を集積することについては一つのアイデアとして考えられるわけでありますけれども、さて、これから後それを運転していくコストとの関係ということになりますと、今先生からお話のありましたように、いずれにしても、これはごみであろうとなかろうと、この分野については処理をしていくという形で、個人の問題だけではないわけですから、地方自治体にまた絡んでこなければ、小売商だけ、魚を扱う人たちだけで、前のように魚粉なりというようなことで肥料、飼料に使えるような時代ではなくなってきておるわけで、全国的にそういうことにどんどん何回も挑戦した地域があると私は思っておるわけですが、それがどうも必ずしもうまくいっていない、こういう状況でありますので、通常の運転の経費をどう補助するかということになれば、一義的には地方自治体でなければならないだろう。施設整備については私ども御支援を申し上げたり、税制的には御支援を申し上げられますけれども、通常の運転になれば地方自治体ということになりますので、若干時間をおかりして研究と検討をしてみたい、こう思っております。
○元信委員 事はなかなか切迫しておりまして、時間的な余地というのもそうはないだろうと思うのです。私もこの問題をいろいろ研究しておりまして、幾つかのことを考えてみたわけであります。 一つ提案をしてみたいと思うのですが、それは魚腸骨のコールドチェーン化ということを考えてはどうかということなのです。いささかとっぴなあれですが、要するに発生時点で魚腸骨、はらわたをみんな凍らせてしまおう、こういうことなんですね。それの利点はどういうことかというと、全部凍っていますから、まず回収が非常に楽になるということですね。毎日行かなくてもいい、二、三日に一遍発生量に応じて取りにいけばいいのですから、非常に回収のコストは低減するだろう。それから回収途中も、今は魚腸骨というのは半分くらい水だものですから、血水だものですから、トラックが一つのおけをそのまま運んでいるようなものでありまして、いっぱいになってくると、急ブーレーキをかけると中身がざんぶと後ろへあふれてとんだことになる。したがってどうしておろかというと、時々こっそり下水道をあげてそれを注ぎ込む、これは立派な下水道法違反でありますが、そういうこともやらざるを得ない、警察だってそんなのを一々摘発なんかしてはいられない、こういう実態にもあるのだそうであります。凍っておれば、持って帰る間に半分ぐらい解けるかもしれませんが、今言うような状態にはならない。 しかも、持って帰りますと今度はそれを煮るわけですが、凍っていますから自己消化あるいは腐敗が起こっていませんので品質的に非常にいいものができる。ですから、これは製品の歩どまりが上がって、たんぱく含量の多いものができて高く売れるであろう。それからさらに、今度は蒸気の中にアンモニアとか低級アミンとか、そういう悪臭成分として出てくるものが非常に少なくなりますから、公害対策の点からいっても非常にコストは安くなる。そういうようなことを考えてみますと一つの方法ではないかなとかねて考えているわけであります。 ただ、あら専用の冷凍容器というものが必要になりますが、これを備えることによって、廃棄物として、資源として活用されるということであれば、それによってもたらされる社会的な利益というのは非常に大きいと思うのです。このようなことを検討してみてはいかがかと思うのですが、どうでしょうか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、魚腸骨の扱いの難しさを冷凍という技術で何とか解決できないかという御指摘、私どももそういうことができるといいかなという意味では大変興味深く聞かせていただいたわけでございますが、各魚屋さんにそういうあらを冷凍させる施設を設置し、それを一カ所に回収するという仕組みが、先ほど卸売市場に持ってきてそこでやればいいじゃないかという御指摘がございましたが、仕組みがきちっとできるか、それから、それを今度は化成工場なり飼料工場で解凍、脱水して製品をつくる場合のコストがどうなるかというような問題、ちょっとにわかに私どもも判断しがたい問題もあろうかと思います。そういうことで、これらにつきましてさらに我々検討させていただきたいと思います。 また、おっしゃるような質のいいあらの場合ですと、有用物資がとれるんじゃないか、それによって採算があるいはよくなるのではないかという御指摘もあろうかと思います。そういう点は、しばらくお時間をいただいて検討させていただきたいと思います。
○元信委員 もちろん幾つか問題点はあるわけですが、またこれも検討していただきたいと思います。 最後に、この問題の緊急性ということについて改めて申し上げておきたいと思いますが、この十年ほどの間に首都圏のあら工場というのは、かつて十数社あったと思いますが、今では三社まで減ってしまっているのですね。収集も非常に広域化しておりまして、例えば山梨県のあらは埼玉県で処理をされるというようなことになりまして、途中の通過県の問題などもございまして、自治体間の争いにもなりかねない、こういうことになっているわけであります。しかも、残った三社も、さっき言ったような事情で非常に経営が難しい。東京都内に立地しているところなんかは、いつかこんなものはやめて、工場の敷地があるものだからそれにアパートでも建てればよほど経営は楽なものだから、何でみんなに悪く言われてあら屋をやっていなければならぬのか、こういう意見も愚痴として出てくるようなありさまでありまして、今のように一〇〇%民間企業に依存をしてこの魚腸骨問題を解決するというのは困難に思われるわけであります。したがって、この首都圏の問題だけに限って言えば、対応を広域化して、どこかに、立地可能なところに共同処理工場を設置して、そして関係自治体あるいは当該業者、そういうものが共同して処理をするという対策が今緊急に必要である、きょう、あすの問題として必要なんじゃないか、かように考えておりますが、その切迫度あるいはその持っていく方向についてどういう御認識でおられるか、伺っておきたいと思います。
○馬場政府委員 先生おっしゃるように、この問題は非常に大きな問題であり、かつまた切迫している問題ということは我々も十分理解するわけでございます。今先生のおっしゃいますような、むしろ首都圏のようなところでは広域の魚腸骨処理のための共同施設をつくったらどうかということになりますと、地方自治体あるいはかなり広い範囲の関係者によってつくっていくことになると思います。その場合に、我々の行政手法として考えますのは、いわゆる民活法に基づく施設として第三セクターのようなものをつくりまして、地方公共団体と関係事業者が出資をしてつくるという手法が一つあろうかと思います。これは、民活法ではそういう施設の対象になります。そういう意味では、そういう可能性も含めて検討いたしたいと思いますが、ただ、先生もおっしゃりますように、そういう新しい工場をつくるとすると、最近は立地問題、地域の住民の理解を得て物をつくるときに大変難航することが多うございます。それから交通事情等の問題、さらには先ほどからお話が出ていますように、できたものの採算性の問題等々ございますので、これは関係業者団体あるいは関係地方公共団体等の意見も聞きながら検討させていただきたいと思います。
○元信委員 ぜひ急いで対策を立てていただくようにお願いをしておきたいと思います。 最後に、食品の安全性の確保の問題について伺いたいと思います。 先ほど農水大臣から、最近の消費者のニーズは安全性に非常にシフトしているというお話がございました。そのとおりであろうというふうに思います。牛肉・オレンジを初め、これからどんどん輸入食品が急増をしていくわけでありますが、とりわけ輸入食品については、海外の事情もよくわからぬというようなことから、消費者は大変大きな不安を持っているわけであります。食品の安全性に関する情報を的確に提供することも流通機能の高度化の重要な要素であろうと思いますが、どのようにお考えか、どのような事業を準備されているのか、まず承りたい。 それともう一つ、輸入食品の安全性を確保するために直接働いていただいているのは厚生省の検疫所ですね。過日、成田の検疫所を見学してまいりました。輸入食品が量的にも大変増加しておりますが、とりわけ荷物が小口化しておりまして、件数が大変な件数になっているということであります。職員もそれに応じてふやされてはいるわけでありますけれども、業務に比較して、今の職員の数ではとても十分とは言えないのじゃないか、こういうふうに思わざるを得ません。厚生省、きょうおいでをいただいておりますけれども、全国の各検疫所の体制強化についてどのような計画をお持ちになっているのか、この際、承っておきたいと思います。
○馬場政府委員 食品の安全性の問題は、消費者あるいは販売業者の方々が非常に強い関心を持って言われておりまして、私どもも、これに対して適正な情報提供を行っていくことは非常に重要なことだと考えております。 今回のこの法律そのものは、直接安全性の確保を図ることを目的としているわけではございませんが、食品の流通機能の高度化を図るという観点から申しますと、例えば食品商業集積施設の中に設置される消費者への情報提供のための施設、あるいは食品流通構造改善促進機構が行う情報提供業務等におきまして、食品の品質や調理方法などのほかに、安全性についても十分な情報の提供を行っていきたいと考えております。
○野村説明員 輸入食品の安全性の確保は国民の健康を守る上で極めて重要と考えておるわけでございますが、厚生省といたしまして、従来から輸入食品の監視体制の整備充実に努力をしてきたところでございます。平成三年度の予算におきましても、専門的な技術者でございます食品衛生監視員を現在の九十九名から百四十三名とする大幅な増員を図るほか、高度な検査を集中的に実施する検査センター、横浜に設ける予定にしてございますが、その設置、さらには届け出監視窓口につきましても四カ所増設することを盛り込んでおるわけでございます。今後とも検疫所における輸入食品監視体制の充実につきましてさらに努力をする所存でございます。
○元信委員 もうちょっと時間があるようですから、もう一つ伺っておきたいと思います。 食品商業集積施設整備事業というのがございまして、これは関西地方に多いいわゆる市場、この整備を念頭に置いているというふうに承りました。具体的にどういうような事業をお考えか、お願いをしたいと思います。昭和四十年代に農水省、当時は農林省でしたか、その肝入りで全国に公設市場を設置された。それが老朽化もし、あるいは狭隘化をしておるので、これを高度な機能で新たな市場に建てかえたいというようなことかというふうに承っております。しかし、関西地方ではそういうものは多いようではございますけれども、必ずしも全国的にあるわけではございません。そうしますと、今ないようなところで、規模は小さくても複合的な、小売の八百屋、魚屋のたぐい、こういうものを集めた商業集積というものを新たに建設することを想定しておいでになるのか。あるいはまた、この主体となるのは食品販売業者の出資または拠出に係る法人、こういうふうになっておりますけれども、具体的にはどのような法人をお考えになっているのか、これを承っておきたいと思います。
○馬場政府委員 食品商業集積施設整備事業の考え方は、食品の小売店舗集積を促進いたしまして、いわゆるワンストップショッピングあるいは品ぞろえの充実、さらには小売業の業務の効率化を図るということを目的としております。その際、消費者が買い物をしやすいように駐車場の整備、あるいは一般消費者にとって単なる物を買うだけじゃなくて食品の情報提供施設等も備えたものにしたいと思っておるわけでございますが、御指摘のように、従来既存の市街地にあります小売マーケット、これは特に西日本の方に多いということがございますが、そういう小売マーケットの老朽化したものをどうやって再生させるか、あるいは私どもが昭和四十年代に各地に助成をいたしましてつくりました公設の小売市場の再整備、こういうのが一つのテーマでございます。 しかし、それのみならず、従来の住宅地に点在しておりました八百屋さん、魚屋さんというのがむしろ集まって、しかもどちらかというとドーナツ現象などで人口が減っている市街地より若干郊外でより広いところに、例えば非常に車で行きやすいところに、アクセスのいいところに新しい施設をつくる、そこに小売屋さんたちが入って一つのショッピング街のようなものをつくる、そこに消費者が来てもらえるような施設を希望するということもございます。そういう点も含めまして、この事業の取り組みをしたいと思っております。 具体的に言いますと、現在幾つかの地域でむしろそういうことを積極的にやりたいというように手を挙げているところもございますので、これは、別に先ほど言いました公設小売市場の再整備だけではございませんで、新しいところに立地するものも含めて対応していきたいと考えております。
○元信委員 終わります。
○大原委員長 二田孝治君。
○二田委員 大臣が退席いたしましたので、私どもと同期であります杉浦次官から今いろいろと御答弁をいただきたいと思います。 食品は、申すまでもありませんけれども大変大事なものでありまして、一番人間にとって必要な基礎的な物質であります。そしてまた、その供給を支える農林水産業その他の関連産業につきましては、産業全体として見てみましても、総生産額が四十兆円を超え、実に国民総生産の約一割を占めておるということでございます。しかも食品流通業は十四兆円と、そのうちの約三分の一を占めておるのが現状でございます。また、食品流通というのは、その役割を見ましても、国民に対する食品の供給という重大な使命を担うだけではなく、実際に現場で働いております農林漁業その他、我が国食品産業の販路を確保し、そこに働いている方々の生活を支える上でも大変重要なものであります。 今までは、法制度といたしましては、卸売市場のほかは食品流通を総合的に対象とする法律はなかった。先ほどのお話のとおり、少し遅きに失したような感じがいたします。今回、食品流通全般を対象といたしまして、その改善を促進されるための法案が提出されたことは大変すばらしいことであり、また画期的であります。そこで、かかる法案を提出した背景及び目的を杉浦次官にお伺いしたいと思います。
○杉浦(正)政府委員 大臣がゴルバチョフ大統領の歓迎式典に出席いたしましたので、私から御答弁することをお許しいただきたいと思います。 委員御指摘のように、食品流通の分野が、生産者である農業者と消費者との間をつなぐものとして大変重要な役割を担っておることは御指摘のとおりであり、生産者、流通、消費者の三つをいわばだんごのようにくし刺しにして全体を考えていくという法律がなかった、そういう意味では遅きに失したという表現も決して不当ではない状態だったことは御指摘のとおりでございます。 近年におきましては、食品流通を取り巻く情勢は大変著しく変化をいたしております。御承知のとおり、日本は世界一の農産物輸入大国でございますが、量的にも非常に増大して、輸入品が一大供給源となっておりますし、また消費者ニーズも大変多様化していると申しますか、高度化しているといいましょうか、品質、鮮度等大変重要視されておりますし、多品種少量消費といいますか、供給が多いためにそういう傾向も見られるところでございます。また、大店法等の改正、運用強化ということで大型店舗における食品取り扱いもふえておりますし、中小流通業にあっては、そういった中で人手不足とか配送コストのアップ等といった問題もあるところでございまして、そういった点に対応していく食品流通の状況を高度化していくということがぜひとも必要とされる状況になっておるところでございます。 このような変化に対応いたしまして、ただいま委員御指摘のようなことを個別にいろいろとやってまいったわけでありますけれども、そういったものを全体として構造改善を促進していく、流通機構の合理化を図り、機能の高度化を図っていく、四本ばかり柱を立てておりますけれども、そういった構造改善を促進していくということが急務となっておる。そのための金融とか税制、あるいは場合によっては財政支援、そういった措置を講じていく制度をつくる必要があるということで、今回、本法案を御提案申し上げた次第でございます。
○二田委員 目的等はただいま申し述べられましたとおり理解するわけでございますけれども、食品流通のいろいろな改善ということを考えていきますときには、食品流通そのものを担う販売業者の経営問題、それから消費者に対する食品の安定的な供給のほかに、農林漁業や食品産業の振興などさまざまな側面を考える必要があると思います。この法律では、食品にかかわる流通機構の合理化と流通機能の高度化を図ることを目的としておるというようなことがこの法案の中にも出ておりますし、ただいまの御説明でもわかったわけでございますけれども、具体的に、食品流通は非常に複雑なものですけれども、その食品流通をどのように変えていこうとしているのか、また本法律は一般の中小企業対策や小売商業対策、従来あるものとどのように相違しているのか、明確にしてほしいと思います。
○馬場政府委員 先生御指摘のように、食品流通の持っている問題というのは非常に多岐にわたっております。これらにどう取り組むかということにつきましては、私ども、昨年、約二年かけまして食品流通問題の研究を、検討をいたしました。その検討会の報告を昨年の七月に得たわけでございます。 そこにおいて指摘されている問題といたしましては、食品の消費市場の変化が非常に激しいわけでございますが、これに柔軟かつ迅速に対応するための商業機能の高度化が要るのではないか。二つ目は、食品の流通について効率的な流通システムを確保する必要があるのではないか。三つ目に、消費者に信頼される食品流通の確立を図る必要がある。四つ目に、生産と流通の連携を強化する必要があるというようなことを指摘されておるわけでございます。 本法案は、こういう指摘に対して、一つは、生産者と流通業者の安定的な取引関係を確立して連携を強化していく、二つ目には、卸売市場の機能を高度化していく、三つ目には、流通業務の共同化や流通施設の整備をしていく、四つ目には、食品商業集積施設の整備をしていくというような四つの面から食品流通の持っている問題と課題に対応しようということを具体的に法律に盛り込んだというものでございます。 しからば、これは一般の中小企業対策あるいは小売商業対策とどう違うのか、こういうお尋ねでございますが、まず、先生も御案内のとおり、食品というのは比較的保存性が低い商品を取り扱う、また一般には卸売市場という流通の拠点がありまして、そこを介在して流通が行われる、それから消費者の方から見ますと、いわゆる最寄り当用買いというような、毎日毎日必要なものを買っていくという購買行動が中心である。そのために、ほかの小売業に比べますと、一定の人口に対して、あるいは一定の面積の中に非常に多数の小売店が存在しているという食品固有の流通の形態があるわけでございまして、これらの流通の形態は、先ほど言いましたような生産から卸、小売という段階を経て消費者に食品を供給しているわけでございまして、これらを流れとして一貫した構造としてとらえてその改善を促進する必要があろうかと思うわけでございまして、そういう意味では、いわゆる中小企業あるいは中小商業という面で、どちらかというと横でとらえていくやり方よりは、縦系列の流通のそれぞれの問題に対応するという法制度が必要であろうということで、今回このような法律を提案した次第でございます。
○二田委員 本法案の目的や、なぜ行わなきゃいけないかという理由等についてはよく理解できました。 次に、食品流通の改善の具体的な内容についてお伺いをいたしたいと思います。 まず最初に、流通経路についてですが、一般的に我が国の流通部門は諸外国と比較してみました場合に大変複雑である、こう言われております。食品の分野につきましても、卸売業の総販売額が小売業の総販売額の約二・六倍となっております。これは外国と比較してみました場合、アメリカの一・一、フランスの○・八を大きく上回っております。食品の流通経路の簡素化、効率化を進める必要があるのではないか、私はこう思います。例えばトマトを一個、まあリンゴでもいいですけれども、買ってまいりますと百六、七十円したとします。その生産者の手取りが幾らかといいますと、大体百円ぐらいにしかならない。六、七〇%、多ければもう一〇〇%も、二倍、三倍になっているというのが現状ではないか、こう思います。ですから流通経路の簡素化や効率化というのは大変急務の問題だ、こう思います。この辺はこの法案ではどう取り扱いをし、どういうお考えでございますか。
○馬場政府委員 先生おっしゃいますように、我が国の食品流通、特に生鮮食料品につきましては、八百屋、果物屋あるいは魚屋、肉屋というような形の業種別に比較的明確な流通経路が確立されておりまして、特に零細な小売商があるという意味で、諸外国に比べますと流通経路が多段階になっているということを特徴としているわけであります。これはもちろん我が国の消費者が、先ほど申しましたが、最寄り当用買い、毎日毎日、日々必要なものを少量ずつ買うということで住居地の周辺にそういう零細な小売がたくさん存在し、それにまたきめ細かに商品を供給していくために卸、卸も仲卸あるいは大きな卸、さらにそれに対する生産段階、いろいろございまして、多段階になる必要性があるわけでございます。 この食品の流通の効率性という点で考えますと、それぞれ国によって違います。アメリカ等、確かに卸の機能が日本に比べると少ないのではないか、こういう御指摘がございますが、これは扱っている商品あるいは消費者の購買行動等の違いからある面でやむを得ない面もございますので、単純に日本と同じような流通が行われていないということで、比較をすることは難しいわけでございます。ただ、トータルとしての流通マージン、つまり卸、小売合わせての流通マージンということについて見ますと、諸外国の食品の流通とほぼ同程度で、先ほど申しましたように、我が国の場合、小売段階において非常に品ぞろえをして小分けして供給するという点で大きなコストがかかりますが、全体としてはそれほど非効率だというふうには数字上はうかがえないわけでございます。 しかしながら、近年の物流コストの上昇あるいは労働力不足、さらには大きな量販店との競争関係等々におきまして、この流通のコストの合理化ということはやらざるを得ない状況になっているわけでございまして、この一層の合理化、効率化ということはまさに重要な政策課題であると思います。 そこで、本法案につきましては、私ども、先ほど申しましたような四つの事業の中で食品の流通の合理化、効率化を図っていくということにいたしまして、従来は自由な競争にゆだねられていた分野につきましてもある程度国が助成をするということで、効率化、合理化のための施策を講じてまいりたいというわけでございます。 〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕
○二田委員 本法律の施行によりまして、実際に消費者に渡る値段とそれから生産者が手取りをする額と余り差異のないような姿が実現されるのは、まことに結構だと思います。大いに努力してほしいと思います。 次に、食品の生産、流通を担う食品関連産業は、農林漁業のほか、小売業、卸売業、加工食品を生産する食品製造業、外食産業に分けられるわけでございますけれども、まずそれの区別について御質問いたしたいと思います。 小売業にしますと、食品販売店は資料によりますと約六十五万店、小売店舗の実に四〇%と重要な地位を占めております。実際は昭和五十四年の約七十三万店から十年間で実に十万店近くも減少しているというのがその姿でございます。中でも生鮮食品を取り扱いますところの八百屋や肉屋さん、魚屋さんといった専業店の減少が著しいということがこの資料の中にあらわれているわけでございますけれども、これらの業者はほとんどが零細、小規模な業者であります。例えば商品が日もちしないとか、商圏が大変狭いとか、食品小売業に特有の制約を抱えておるわけでございまして、まずこのことについてどういうふうな御認識を持っているのか。こういう状況から見て、食品小売業対策は一般的な小売業対策等では十分な対応は困難と思うわけであります。この法案におきましてどのようにこういった食品小売業に対しまする対処をしていくのか。さらに、この法律の制定を機会に、今後、ただいままで申し述べました食品流通業の特殊性等を十分踏まえた対策の強化や拡充に努めていくべきだ、私はそう思います。どうかあわせてお答えいただきたいと思います。
○馬場政府委員 御指摘のように食品の小売店舗の数の減少というのは、ここ十年かなりのものがございます。特に生鮮食品を扱っています魚屋さん、あるいはこれは生鮮ではございませんが、菓子・パン小売業等の減少も大きく目立つわけでございます。これらいずれも少人数、家族経営的な小売店舗の減少が著しいわけでございまして、ある程度の従業員のいるものはむしろふえている分野もあるわけでございます。このようなものの背景といたしましては、いわゆる労働力不足あるいは後継者難、さらには地価の高騰によります商業としての収益性の悪化、人口の変化、居住人口の変化、さらに大規模な店舗の進出等々、非常に厳しい環境があるというふうに認識するわけでございます。 そこで、そういう中でこの食品流通の小売についてどういう対応をするかということでございますが、従来から小売業についての一般的な支援措置というのはあったわけでございますが、食品という点に着目しての特別の措置ということになりますと、なかなかそういう施策がなかったということでございまして、今回この法案におきまして、特に販売業の近代化事業におきます業務の共同化、あるいは販売業務面の施設の近代化というような事業を行うということになりまして、近年減少が続いています八百屋、魚屋等の小規模の小売業者の中で、やる気のある専業店の皆さん方が大型店に対抗できるような品ぞろえをする。あるいは、消費者との間の対面販売というようなきめ細かなサービスによって顧客の確保を図る。さらには共同仕入れ、共同配送等によります労働負担の軽減を図るというようなことを期待しているわけでございます。
○二田委員 次に、卸売業についてお尋ねいたしたいと思います。 卸売業については、特に我が国の食品流通においては大変重要な地位を占めております。しかしながら、やはり小売店と同じような問題を抱えているのではないか。やはり大変小規模な業者が多く、経営体質が大変脆弱でございます。多様な品ぞろえや頻繁な納品をしなければいけない、その小売店の要求の強まりと、経営環境等が大変厳しくなっているとお伺いしております。食品卸売業の現状認識と対策についてはいかがお考えでしょうか。
○馬場政府委員 食品卸売業、おっしゃるように我が国の場合ほかなり規模が小さいものがございまして、全国で約九万六千店の卸売業者がいるわけでございます。卸売業全体の中で二二%という割合を占めております。これは今までの食品の生産あるいは製造から流通、消費に至る中間におきます機能を十分果たしてきているわけでございますが、今言いました零細多数という構造を持っているということが、逆に言いますと最近のような流通の短絡化とか系列化というようなものの中で非常に弱く、また機能の有効性ということについて改めて問われているという問題もございます。 そこで、私ども卸機能の見直し、あるいは経営の近代化、合理化、さらには人材の確保等々について、この卸売業全体の問題として対処すべく、まず卸売業の組織化を図らなければならない。卸売業の組織化を図りまして、そこにおいて今後の卸売業の使命といいますか、社会的機能をどういうふうに実現していくかというようなことを検討をするようなことにしておるわけでございます。それらの研究事業等の成果も踏まえまして、今回私どもの法案の中では、やはり卸売業においても共同配送であるとかあるいは物流施設の整備ということを積極的にしていく必要があろうというふうに考えておりまして、先ほどの食品販売業近代化事業の中で、卸売業の流通機構の合理化なり機能の高度化も推進してまいりたいというふうに考えております。
○二田委員 食品産業についてお伺いします。 食品全体についての家計支出が大変伸び悩んでおります。加工食品のウエートは大変高まっております。産業といたしましても、その生産額はもう十兆円を超えている。農林水産業を上回るに至っていますが、零細小規模な業者が多いことなど、流通部門と同じ問題を抱えているのではないか。今後における食品産業というものの振興策はいかがお考えですか。
○馬場政府委員 先生のおっしゃいます食品産業というのは、いわゆる食品製造業の分野というふうに理解させていただきたいと思いますが、この食品の製造業の分野、おっしゃるようにいろいろと最近、特に加工食品あるいは消費者のニーズも変わったものを求めるというようなことで、従来に比べますとその取り扱い分野は伸びております。しかし、それだけに製造面での競争、新しい商品をいかにつくるかという競争面あるいは技術の開発面というのはすさまじいものがありまして、従来の小さい、殊に地域に立脚した産業としての地域的な食品製造業はなかなか難しい時代になってきているかと思います。 しかしながら一方、地域に立脚します製造業というのは、どちらかというとその地場でとれる農畜水産物を加工する、あるいはそこの人を雇うという意味で、むしろ地場産業的に非常に重要な地位にあります。そこで我々といたしましては、それらの地域、地域の特色を踏まえた食品製造案というものについてこれを支援していかなければならないということでございますが、まず何といってもそこで必要なのは技術開発、それから原料供給体制の整備というようなことが重要でございまして、我々、現在施策といたしましては、そういう食品産業の皆さん方と原料を供給する生産者の皆さん方の間で協議機関といいますか情報交換機関というのをつくりまして、これに助成をいたしまして、そこでどういう商品をつくる、そのためにどういう原料が要るかというようなことについての連携がうまくいくようにというような対策を講じているところでございます。
○二田委員 外食産業についてもお尋ねしたかったのですけれども、時間が大分迫ってまいりましたので、答弁を簡単にお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いします。 今まで、食品の流通等を担う産業の現状や振興策について質問をしてまいりましたが、食品流通 の改善を考えるときには、これら以外にさまざまな観点を踏まえていかなければならない、こう思います。すなわち、食品流通は、国民に対し大変重要な物資である食品の供給といった重大な使命を有しておるわけでありますが、そのほかに農林漁業を初めとする食品生産との関係では、その生産したものの販路を維持して、そして所得を確保していくという大変不可欠な、重要な役割を果たしている。このため、国民に対する食品の安定供給の上でも、また農林業を初めとする我が国食品産業の振興の上でも、食品の流通部門の改善というのは大変不可欠なものであります。 現在、食糧消費や農林漁業をめぐる状況を見ますと、一方で食糧の消費は、カロリーベースでは伸び悩んでおります。そしてまた、そのほかにニーズの内容というのは変化をしており、他方で輸入の増大、ウルグアイ・ラウンドに代表される市場開放圧力の高まり等の困難な状況のもとでの農林漁業の活性化の必要性といった生産、消費面での課題が生じております。 このような状況の中で、農林漁業の振興と食糧の安定供給を所管する農林水産省が食品の生産、流通を一体的にとらえて改善していく法制度をつくったということは、大変評価をいたしております。まさに時代の要請であった、こう考えてもいいのじゃないか。本法の運用におきましても、食品の流通部門の改善を、流通の部門のみならず消費者の利益と農林漁業の振興に結びつけていくよう努める必要が大変重要であります。これをどのように図っていくお考えですか。
○馬場政府委員 御案内のように、食品流通というのは、まさに、一方で生産する者があり、他方で消費する者がある、これをうまく結びつけていくというところにその使命があるわけでございまして、そういう意味で、流通業が独自にあるわけではございませんで、生産するサイド、消費するサイド、両方のニーズをうまく結びつけるということが一番重要なことでございます。 そういう意味で、私どもは、今回この法案を考えるに当たりましても、生産されたものがいかに消費者のニーズに結びついて円滑かつ効率的に流通するようにしたらいいかという点に考え方を置きまして仕組んだわけでございます。特に、それが一番端的にあらわれておりますのが生産販売提携事業の分野でございますが、そうでない卸売市場機能高度化事業におきましても、あるいは販売業近代化事業におきましても、いずれも生産者から生産されたものをより効率的に、品質を維持しながら消費者に提供していくための措置としてこれらの事業を促進しようというものでございます。 また、本法案に基づくそれらの事業以外にも、農林漁業者と加工業者との連携強化を図るための国産原料農産物に対する情報交流事業でありますとか、あるいは農林漁業金融公庫資金を活用いたしましての中山間の農林水産物の付加価置の向上と販路の拡大を図るための融資でありますとか、等々の施策を私どもはかねてから講じてきているわけでございます。 今後、この法案を成立させていただきますれば、これを活用しながら、さらに生産、流通、消費を結びつける事業をやっていきたいと思っております。
○二田委員 食品生産販売提携事業を初めとする、本法案の骨子になっております四事業を推進するために、業種別の各種団体ではノーハウの蓄積等が十分でない、そのために、政府はしかるべき民法法人を食品流通構造改善促進機構として指定をし、債務の保証等を含め支援していくというような考えのようですが、この機構の活用は本制度を実効あらしめる上で極めて重要なものだと考えます。 そこで、機構の業務運営のあり方についての考え方、どういうような考え方をしてこの機構をつくり、推進していくのかということをお伺いしたいと思います。
○馬場政府委員 御指摘のように、今回、食品流通の構造改善を促進するに当たりまして機構を指定いたしました。そこにおいて、これらに必要な金融の円滑化の措置あるいは計画作成の指導その他、食品流通の構造改善のためのノーハウの提供等の役割を担わすようにしたいと思っておりますが、この機構は民間の各分野におきますそういう今までのノーハウあるいは知見というようなものを集めて、かつ、非常に複雑多岐にわたります流通業に対する適切なアドバイス等を行っていくというためのものでございますので、私どもは、民法法人を一定の業務を行い得る場合に申し出に従い指定するという形でこの機構を活用したいと思っておるわけでございます。したがいまして、これらの業務を行う上で、我々としては、主として民間の活力を生かすという観点から、行政として必要最小限の監督指導はいたしますが、極力その機構の自由な民間の力を活用するという方向で運営をしていきたいと思います。 具体的には、この販売業者を取り巻きます各事業につきまして、融資の円滑化のための債務保証、あるいは優秀な指導スタッフによります技術、情報等の提供、さらには、いろいろな外部のコンサルタント等の活用によりまして、販売業者の構造改善のための事業に適切な支援措置がとれるような法人として機能することを期待しておるところでございます。
○二田委員 最後のお尋ねになりますが、食糧消費それ自体は量的には非常に伸び悩んでおります。過剰基調の農産物が非常に多くなり、市場開放圧力が高まる中で、これからの農林漁業は売れるものをつくっていかなければならない、そのことは確かであると思います。例えば高品質のものをつくるには、コストも労働力も要ります。しかし、一方で農産物価格の伸び悩みや農林漁業における高齢化、食品産業におきます労働力の不足等、この食品産業につきまして対応を大変難しくさせている問題が多々あるわけであります。農林漁業者がこんな厳しい状況のもとで、品質向上などのために投資をして、そして努力をしていくためには、そのかかわっている産業に将来の展望があるのだ、希望があるのだというような前提でなければならないと思います。 杉浦政務次官と私どもは入ったときから一緒に農業を勉強してまいりました。最後に、政務次官、我が国の農業を維持して振興していくのだ、国民にとって大変必要なものだ、そんな決意の披瀝をぜひお願い申し上げたいと思います。
○杉浦(正)政府委員 同期の二田委員の御質問でございます。 大臣も私も認識は全く同じでございますけれども、現在我が国が経済大国として隆々たる国運にあるわけでございますが、それを将来にわたって維持していくためには、農業、林業、水産業、比較的おくれていると言われております一次産業の健全な発展が不可欠なものだという認識で一致しております。そのために、大臣も私も皆様ともどもに全力を挙げて努力してまいる考えでございます。 一言で申しますと、次代を担う若い連中が夢と希望を持って農業、林業、漁業に取り組めるようにすること、所得もせめてサラリーマン並みに、それよりもいい所得が得られる、そういう産業にしていくこと、そのために活力ある町づくりや村づくりを進めてまいることが大切ではなかろうかと思います。大臣は就任早々、その所信に基づかれまして、むらづくり対策推進本部を省内に設置されまして、構造改善局を中心にして全省を挙げて取り組むということで政策づくりに取り組まれておるところでございます。どうぞ委員初め皆様方の御支援を今後ともよろしくお願い申し上げる次第でございます。
○二田委員 以上をもって質問を終わります。懇切丁寧な答弁、どうもありがとうございました。 〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕
○大原委員長 御法川英文君。
○御法川委員 初めての質問でございます。いろいろぎこちない点があろうかと思いますが、御了承をお願いしたいと思います。また、私は秋田弁が得意でございまして、この点もひとつあらかじめ御了承賜りたい、こう思うところでございます。 最初に御質問申し上げたいわけでございますが、この法案を初めとします食品流通行政におきまして、販売業者等の流通関係者のみならず、特に消費者、生産者の利益に沿った政策を私は講ずるべきである、こう考えるわけでございますが、最初にこの点につきましてお伺いしたいと思います。
○杉浦(正)政府委員 御当選なされましてから、当委員会に一回も休むことなく御精勤いただいております御法川先生の御熱意を大いに御期待申し上げるところでございます。 お答えといたしましては、そのとおりですと申し上げればそれで終わるわけでございますが、特に御法川先生よく御承知のとおり、生産者におきましても、消費者との直結、そのほかできるだけ努力をして流通にも参画をして、付加価値をできるだけ逃がさないようにという努力をいろいろな方がなさっておられるということはよく御承知のとおりでございますし、また、消費者の立場におかれましても、産地から直接購入するとか無農薬の食品を農家に直接栽培させて買い取るとか、いろいろな形で流通をあるいは飛び越してこのニーズにこたえてもらおうという動きも顕著な事情もございます。 そういった中にありまして、食品流通の業界が双方のニーズに合うように双方の立場を考えながらやっていくことは当然のことでありまして、それに乗りおくれるといたしますと流通業そのものの存在自体が問われる、レーゾンデートルが問われるという厳しい状況になっておる一面もあるわけでございます。そういった生産者の利益を考え、消費者のニーズにこたえながら諸政策を講じてまいることは委員御指摘のとおりでございます。
○御法川委員 我が国の農林漁業でございますが、農林水産物輸入の増加、市場開放の圧力は極めて厳しい状況にございます。輸入増加の一因といたしましては、我が国の食料品の価格が高いというようなことがよく言われるわけでございますが、これは流通コストが高いせいではないかというふうにも思われるわけでございます。最近の食品価格が高水準に推移しておるにもかかわらず、農家のいわゆる手取りというものは全然ふえておらない、こういう状況にあるわけでございまして、こういう点をどう考えておられますか、お尋ねするところでございます。
○馬場政府委員 おっしゃるとおり、農産物の消費者価格と農家手取り価格の間の乖離という問題がございます。少し前のデータを見ますと、例えば野菜でいいますと、消費者指数が昭和六十年度を一〇〇としますと五十年度は六三・九%、これが平成元年に一〇八・二%となっているのに対しまして、農家の受取価格も、野菜について見ますと、昭和六十年度を一〇〇としますと五十年度においては七二・九、元年度においては一〇九・九とほぼパラレルになっているのではないかという感じがするわけでございます。 しかし、最近特に流通コストが高くなってきています。これは一方では、その流通段階におきます品質保持のためのいろいろな施設投資をする、あるいは包装を充実させる、輸送距離が長くなる等々、コストアップの要因がもっともなところもあるわけでございますが、これらが結果的には農家所得の確保の上で必ずしもプラスに働いておらぬというような状態もうかがわれるところであります。 したがいまして、本法案を提出するに当たりまして、私どもは、やはり食品流通のいろいろな問題を構造改善ということで正していく、それによって流通の合理化、効率化を進めていく、したがって、先ほど申しましたような途中段階のコストがふえていく要因に対して、これを合理化、効率化によって、少なくともそれが結果的に消費者なり生産者にとって悪影響を及ぼさないような方向にすべきではないかという観点に立って、これらの法案をつくったわけでございます。
○御法川委員 この法案におきまして推進しようとする構造改善事業、これは品質管理施設その他の施設整備が主になっておるようでございますが、このことが結果的にかえって流通経費を高めるのじゃないかという単純な疑問を持つわけでございますが、この点についてはどうでございますか。
○馬場政府委員 確かに食品流通の構造改善を行う中身としまして、品質保持施設等の投資を行うと、それが流通コストの増加につながるのではないかという御指摘であろうかと思いますが、これはどちらかといえば、最近の消費者のニーズの中で、高品質のもの、鮮度の高いものを求めるというニーズに対応する場合にそういう投資が必要であろうということでございますが、あわせて同時に、この法案で考えております施策の中では、先ほど申しましたように流通経費の削減等を目途としました事業の共同化であるとか、あるいは施設の集積であるとかということも推進しようということでございまして、高品質のものを求める消費者に対する対応と価格の安定したものを求める消費者に対する対応と、いずれも対応できるようにしたいと思っております。
○御法川委員 先ほど二田委員からもお話があったわけでございますが、食品販売業者には零細業者といいますか、そういう形の方たちが非常に多いわけでございます。そういう点の配慮、これは当然必要でございますが、先ほど来消費者のニーズということで多品種あるいは高品質、鮮度という三つの点を述べておられるわけでございますが、確かにこの三つの点は重要でございますし、この三つの要件が備わっておることが非常に大事であるということは、だれも異議はないところでございます。 ただ、この高品質という意味合いでございますが、ややもすれば、例えばキュウリなんかの場合、同じ長さ、同じ太さ、そういうそろったものが非常に高く売れるんだという物の考え方、これはもうニンジンにいたしましても、あるいは大根にいたしましても、ほかのものにも言えるわけでございますが、そのことが即消費者のニーズであるかというと、むしろそうじゃなくして、卸売業者あるいは小売業者といいますか、そういう関係の人方が、高く売れるからそういうものを農家の皆さんつくりなさいという面が非常に多いのではないか、私、こう見るわけでございます。例えばキュウリが若干長さに違いがあろうとも、あるいは真っすぐじゃない、曲がっていようとも、キュウリそのものの味には何ら変わりないわけでございます。さらに大根にいたしましても、長さがそろわなくても、あるいは二またになっていようが三つまたになっていようが、大根として味は全然変わりないわけでございます。ところが農家の人方は、やはりそろっておらなければ商品価値がないんだということで、非常に難儀をしてそういうそろったものをつくろうつくろうということで努力しておる、こういう現状なわけでございます。 ところが、私が今言ったような考え方から、私ども秋田の地方の小さな都市ではございますが、スーパーに私の考えを実行させてみたわけでございます。曲がったままのキュウリ、あるいは二またになっておる大根、あるいはトマトなどでもいろいろ形が若干違いはあるけれども、これをまず店に出してみなということで出させた。そうしたら、いわゆるそろっておるものよりも値段は安い、そういうことで消費者の方はそれを買っていって、食べても味はむしろその方がうまいということで、店の先に並べたものは一番最初にそっちの方が売れていくという結果が出ておるわけでございます。 そこで、私は、消費者に対しましてその品質というものの意味合いをもう少し、形じゃないんだということをわかってもらうPRといいますか、こういうことも大事であろう、こう思うわけでございます。そうすれば農家、生産する側も、一々何十センチでなければならないというような規定にはまらない形で生産できるということになれば生産もしやすい、しかもコストも安くなるという関係になるわけでございまして、やはりこういった本質的な物の取り組みというものを行っていくべきである、こう私は考えるわけでございます。この点についてどうお考えでありますか、ひとつお尋ねいたしたいと思います。
○馬場政府委員 おっしゃるように、本来、例えば野菜の出荷の規格というのは、流通量の増大あるいは流通圏の広域化というものに対応いたしまして、円滑な取引を推進するために決められたものでございますが、生産サイドあるいは流通サイドそれぞれの販売戦略等の視点から、大変品位基準が厳しくなってきている、あるいは等級が細分化されているという傾向がございます。 最近、これに対しまして農家の方からもいろいろと、余り厳しいのは困るということで規格の緩和をする、それによって選別作業を軽減するというような動きも出てきているわけでございます。生産者団体においても、この問題については現在規格の簡素化に取り組んでおります。一方、消費者の方でも、おっしゃられるような実際の質と関係ないようなことについて、形の上のこだわりというのは正しくないということについては意識ある消費者の方はわかっておられまして、そういうものを我々としても啓発していかなくてはいかぬということで、現在、野菜につきましては、都道府県を通じまして消費者と生産者との交流会の促進であるとか、あるいは実際の生産現場を体験していただくというような、野菜利用推進啓発事業というようなものを実施しておりまして、実際に価値のある農産物の評価を消費者ができるようにしていきたいというふうに考えております。
○御法川委員 次に、生鮮食品であるところの農林水産物の流通でございますが、青果物あるいは水産物等々、卸売市場を経由するものが約八〇%というふうに言われております。卸売市場が大変重要な位置を占めておるわけでございますが、この卸売市場の施設や取引のあり方につきまして改善の余地があるのじゃないかという議論もよく聞くわけでございます。この卸売市場の現状及び今後のあり方につきましてどのように考えておられますか、また、今後の市場流通の改善に対しましてこの法案がどのような役割あるいは効果を発揮しようとしておるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○馬場政府委員 卸売市場につきましては、私ども、卸売市場法という法律に基づきましてその設置の許可あるいは業務の運営についての規制をしておるわけでございますが、現在、中央卸売市場八十八市場、地方卸売市場千六百二十六市場という非常に数の多い市場がございます。また、中央卸売市場においては六兆三千億円、地方卸売市場においては五兆一千億円という取扱高になっておるわけでございます。これらの中で、先生おっしゃられましたように、生鮮食料品の市場経由率は、青果物八五・四、水産物七六・二、花では八四・五というふうに非常に高くなっておりますが、肉につきましては若干異なりまして、牛肉で四〇%、豚肉で一六%というような低い形になっております。これらの市場、あくまでも生鮮食料品流通の中核的な拠点ということで非常に大きな役割を果たしておるわけでございますので、この市場のあり方については、卸売市場法に基づきまして五年に一遍卸売市場の整備基本方針というものを出しまして、十年ぐらい先までを見通したこれからの卸売市場のあり方というようなものを示して、それに基づいて市場の整備なりあるいは取引の適正化を図っていくということをやっております。 それで、先般、ことしからの卸売市場のあり方につきまして第五次卸売市場整備基本方針というものを私どもでまとめておりまして、ここでは、生鮮食料品等の流通の中核を担う社会的なシステムとして市場は今後ともその期待にこたえていく必要があるということを基本といたしまして、市場の整備と運営についての方針を出しております。具体的に市場のあり方としましては、特に狭隘化、老朽化しております大都市圏の中核市場の計画的な整備を推進する。同時に、市場の機能といたしまして環境問題あるいは地域の都市施設として多様な機能を持たせるようにしていったらどうかということを言っております。また、市場関係の業者の経営の健全化あるいは最新の物流システムの導入というようなことを含めて、個性と活力のある市場づくりをしていくということを基本方針にしております。 一方、今回提案しました法律案におきましては、市場の機能の高度化ということを言っております。この卸売市場法に基づきます市場の整備というのは、どちらかというと全国の卸売市場の標準的な整備の方針を踏まえております。市場ごとによって、いろいろな最近の物流の中で、新しいものあるいは画期的な施設の導入等をしたいという動きもあります。そういうものは今回の法律の方で対応したいというふうに考えております。
○御法川委員 時間もないわけでございますが、せっかく農林水産省が食品流通についての基本的な法制度をつくるわけでございますから、この法律でぜひひとつ農林水産業の振興に大きな効果を発揮する方向でこれが運用されますよう強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○大原委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○大原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 それでは、午前中に引き続きまして、食品流通の構造改善促進法案について質問させていただきたいと思います。 この法案の提案理由の説明の中で、食品流通の役割と特性については説明をしております。すなわち、「多数存在する農林漁業者等が生産する多種多様な食品を、効率的かつ安定的に消費者に対して供給する」という役割、さらには特性としては、保存性が低い商品、卸売市場の存在、「最寄り当用買い」ということから零細多数の小売店の存在などが他の商品に見られない特性であるというふうに述べまして、さらには、食品流通を取り巻く情勢が近年大変変化をしたということで、先ほど来御答弁にもありますようなことがここでも説明をされております。これらの食品流通の機能を十全に発揮するとともに生産と消費を適確につないでいくということで、食品流通の重要な役割を担っていくために、食品流通の各段階を通じた構造改善を図っていくということを述べておるのですけれども、従来、食品流通に関する法制度としては卸売市場法ただ一つでありました。この法案は、この目的等から読みますと、食品の流通に関する基本法という性格を持つというふうに考えられますが、この点に関する農水大臣の見解を明らかにしていただきたいというふうに考えます。
○馬場政府委員 今回提案いたしました食品流通構造改善促進法案は、「食品の流通部門の構造改善を促進するための措置を講ずることにより、食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化を図り、あわせて一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資することを目的とする。」ということになっておりまして、先生おっしゃる基本法というものに比べますと、かなり具体的な措置を定めておるもので、私どもとしましては、いわゆる基本法という性格のものではないというふうに理解しております。
○鉢呂委員 今、この法案は基本法的な性格を持たないというふうに御答弁がありました。しかしながら、この法案の中におきまして、食品の流通部門での構造改善の基本方針を農水大臣が定めることになっております。これとの関係で、今言われました基本法に当たらないということとの関連をお聞かせ願いたいと思います。
○馬場政府委員 先生おっしゃるように、この法律の中では、食品流通の構造改善の基本的な方向を農林水産大臣が定めるということを規定しておりますが、私、先ほど申し上げましたのは、いわゆる法律のあり方として、例えば農林水産省におきますと、農業基本法、林業基本法というような、全体をとらえて政策的な目標を示す、どちらかというとその具体的な実施ではなくて、法律としては、政策のあり方を示す法律というのは持っておりますが、そういうものとの比較において、この法律は基本法という性格ではないというふうに申し上げたわけでございます。
○鉢呂委員 今回の立法措置によって、いわゆる食品流通の全体の構造改善の方向、これは基本方針で立てられるというふうになっておるわけなのですけれども、そうなった場合に、既存の流通の存立基盤、あるいはまた卸売市場のあり方についてこの法案はどのような関係にあるのか、あるいはまた、この法案がこれらについてどのような運営をしていくのか、既存の流通経路、あるいはまた卸売市場のあり方についてどのような運用をされていくことになるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○馬場政府委員 この法律は、先ほど申しましたように、食品流通部門の構造改善を促進するための措置を定めまして、それを行うことによりまして、食品に係ります流通機構の合理化なり流通機能の高度化を図るということを定めておるものでございます。 したがいまして、食品の流通部門、さまざまな問題を持っておりますが、それらに対してどういう形でその構造の改善を図っていくかということを四つの事業においてとらえておりまして、それぞれがそれぞれの意味を持っているわけでございますが、一つは、生産と販売をつなげていく生産販売提携事業というのがございます。この場合には、流通のあり方としては、生産者から小売までをつないでいくという形でございますので、各段階ごとというよりは一貫したものであります。また、卸売市場の機能の高度化ということを行います事業におきましては、卸売市場の中の機能を強化するということでございますから、これは卸売段階の、殊に市場内の問題ということになろうかと思います。それから、食品の販売事業の近代化の事業でありますが、これはどちらかといいますと卸売業者あるいは小売業者の皆さん方の流通の効率化、合理化ということを主とした目的とするものでございますから、卸売段階、小売段階の業務に携わる方々の効率化、合理化という点からの施策かと思います。また、食品商業集積施設の整備事業でございますが、これは小売段階におきます個別の八百屋さん、魚屋さんというような商店の方々が一カ所に集まって集積によるメリットを生み出そうというものでございますので、小売段階の施策、こういうふうに四つの事業、それぞれの状態をとらえましてその構造改善を図るようにしているものでございます。
○鉢呂委員 ただいまの局長の御答弁は、今の四つの事業に限定するかのような、その中身を私は聞いているわけではありませんで、構造改善の基本方針というものを定めるといった中でそれは二番目に述べておりますけれども、それ以外に「食品の流通部門の構造改善の基本的な方向」あるいはまた「一般消費者の利益の増進、農林漁業の振興その他の食品の流通部門の構造改善に際し配慮すべき重要事項」これらをきちんとうたっておるわけでありますから、それらを踏まえたときに、既存の流通経路あるいは状態、そしてまた卸売市場のあり方等に対してこの基本方針というものはどういった位置にあるのかということを私は聞いているつもりなのですけれども、お答え願いたいと思います。
○近藤国務大臣 基本方針について盛り込むべき事項は、「食品の流通部門の構造改善の基本的な方向」として、生産と流通の連携強化、卸売市場の機能の高度化なり販売業務の共同化、品質保持施設、食品商業の集積施設の整備等を通じた食品流通機構の合理化のあり方や食品流通機能の高度化のあり方等、食品流通部門の構造改善を進めるに当たって基本的な方向について、食品流通の実態や食品の消費、供給事情等を踏まえて記述をいたしたいと考えておるわけであります。 また、「事業の実施に関する基本的な事項」は、各事業の目標や事業内容、事業実施に当たっての留意すべき事項として、各流通段階を通じて一体的な推進等を留意をして記述をいたしたいと予定をいたしておるわけであります。そのようなものを掲げるに当たりまして、「食品の流通部門の構造改善の促進に関する重要事項」として、食品の流通部門の構造改善の促進に関する、今申し上げた以外の重要事項にあって、例えば取引関係の改善、表示の適正化等についても記述をいたしたい、こう考えておるわけであります。
○鉢呂委員 私は、局長がまさに四つの事業について、それを主体としてというような感じに先ほど聞きました。さらには政策のあり方、いわゆる基本法でないという冒頭の御答弁もありました。先ほど私が言いましたように、抽象的にはそのように基本的な方向、あるいはまた一般消費者の利益の増進等々のことは基本方針では述べると、今大臣からも、取引改善の方向等についてもこの基本方針で考えていくというような御答弁もありましたけれども、若干この構造改善促進法案の性格といいますか方向づけるものが非常にあいまいというか、私も随分中身を見てみたのですけれども、単に施設等の近代化あるいは施設等の整備を図るということに終始しているというふうに思わざるを得ない面があるわけです。 その点、もう一度お聞きしますけれども、農水大臣がもちろんこの条文では基本方針を定めることになっておりまして、食品流通における今後の方向、あり方についての基本的な考え方はこの法案では述べられておらないのですけれども、食品流通の現状認識あるいはまた食品流通の改善方向の基本的な方針、これについて御答弁をお願いしたいというふうに思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘のような点については、構造改善についての促進をするという趣旨で出されておるわけでありますけれども、もちろん基本方針であろうと生産から流通、消費に至るまで連係があるわけでありますから、そういう意味合いではかかわり合いを持っているという法律でありますが、内容的には金融なりあるいは税制なりで支援をしていくということになると、施設的にウェートがあるというふうに考えられてもいたし方ない部分があろうかと思います。 一つは、今先生、市場における取引方法その他についての問題がこの法律からは見えないではないかというようなことではないのかなという受けとめ方をさせていただいておるわけでありますが、当面この法律は、構造改善を促進するという意味合いを重点にして提出をさせていただいておるわけでございますので、この法律から、現状は非常に消費者ニーズが多様化したり高度化を求めておる、そういう段階で消費者物価の上昇機運というものが、労働力不足であったり合理化がおくれておったり、そういう分野にわたって一つの構造改善をしていきたいということのねらいが中心になっておるわけでございまして、取引関係につきましては、私がやや今日懸念をしておりますことは、市場外流通がどのような形で進んでいるかというようなことを考えるときに、市場のあり方というものは真剣に考えていかないと、これからの傾向として、家庭消費から加工、外食消費というような大量消費という形が進んでおる今日の現状で、卸売市場という立場での魅力を持たせていく、そしてまた、当面そういう関係では老朽化したり労働力不足によってくる取引上のコストの高まりが消費者物価にはね返ったり、あるいはそれを生産者にしわ寄せが行くというようなことをまず解決をしたい、実はこれがこの法案の主な趣旨として受けとめていただいていいのではないか、こう思っておるわけであります。
○鉢呂委員 大臣からも、当面は構造改善の促進ということであるという表現だと思います。ただ先ほども、大臣は冒頭に、この法案は遅きに失したということを明確におっしゃって、政務次官も後でおっしゃいましたけれども、それはどういった意味でおっしゃったのか。現在の中小小売、零 細小売の構造改善に資するには大変遅きに失したという意味かもわかりませんけれども、私は、現状の食品流通全体を考えたときに、まさにその流通を根本的に改善していくためにも、この法案が食品流通の基本法としての性格を持ってこれから対処すべきだというふうに思ったものですから聞いたわけですけれども、とりあえずは構造改善ということにして進むんだと。しかし私は、基本方針というものをこの中にうたっている限りは、やはり食品流通全体を問い直す法案であらねばならないし、その基本方針であろうというふうに思うわけであります。 そこで、その観点から話を進めますけれども、実はことしの四月十二日に経済企画庁に設置をされております流通問題研究会が第八次の流通問題研究会報告を示したところでございます。これは流通全体の話でありますけれども、この流通全体と食品流通とのかかわりについてお聞きをしていきたいと考えております。 この報告では、流通問題が、今日的な背景としては、一つは我が国の流通機構が国際化、情報化それから消費の多様化、高度化の中で大きな変革の過程にある、もう一つは、内外価格差の存在など日本の流通機構に対する内外の批判が集中している、このような背景から、国内からは国民生活の豊かさを求める声、さらには海外からは流通市場の閉鎖性に対する開放要求などの対応が迫られているというふうに、この背景と対応を述べた上で、特に検討すべき政策の対応という中で、「流通機構改革のための対応策」では、一つは「競争条件の整備及び流通機構の公正・透明性の確保」、それから「流通システムの多元化」「消費者への情報提供と消費者の購買行動の再点検」、それから最後に「流通を巡る環境の整備」、この四つの対応が我が国の流通に対する方向、政策として必要なんだというふうに述べておるわけであります。 この我が国の流通全体の政策対応、経済企画庁の示したこの対応、考え方について、農水省として食品流通との関連でどのように考えるか、御答弁をお願いしたいと思います。
○馬場政府委員 先生おっしゃいますように、経済企画庁において先般、日本の流通全体についての現状と問題の指摘があったわけでございますが、私ども所管しております食品の流通問題について見ますと、そこで一般的に言われているものに加えまして、さらに食品であるゆえの特性というものが存在していると思うわけでございます。 御案内のとおり、我が国の食品の流通機構は八百屋、果物屋、魚屋、肉屋というような生鮮食品を中心に、それぞれ業種別に比較的明確な流通ルートが確立されておりました。そして消費者の新鮮なものを望む、あるいは毎日最寄りで当用買いをするというような購買行動に対応いたしまして零細で多数の小売店が存在している。これはほかの業の小売業に比べますと、例えば同じ百平方キロに存在する店の数からいっても非常に多うございます。そういう食品流通の特殊性がさらにあるわけであります。したがいまして、経済企画庁の方で言っております問題の中で、例えば外国との関係での流通機構の改善あるいは透明性というような問題もこの食品流通にも当然当てはまるわけでございますが、まず、この食品の特殊性、食品流通を担っている流通機構の特殊性というものに着目して、これの構造の改善を図る必要があろうというのが我々の問題意識でございます。
○鉢呂委員 中身で述べておることに次に触れますけれども、先ほど言いました競争条件の整備あるいは流通機構の公正、透明さの中で、制度や慣行などの流通機構のルールの見直しが必要である。それで、具体的に言っておるのですけれども、食糧管理法による販売業者許可制についても、規制要件を最小限にしていくことを求めております。 さて、今回の構造改善促進法案は、食品についての規定を第二条でしておりますけれども、「「食品」とは、飲食料品(花きを含む。)のうち薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品以外のもの」とするということですけれども、いわゆる食管法で規定する、第二条で規定する米、麦あるいはそれに類する政令で定めるものでしたか、それらについてもこの法案の中に含まされるのか、食品の中に含まされるのか。さらには、この経企庁が求めました米の販売業者の許可制の最小限での規制緩和、これらについてどのように農水省としてお考えになっておるのか、御答弁願いたいと思います。
○馬場政府委員 私どものこの法案におきます食品の定義といたしましては、法文に書いてございますように、「飲食料品(花きを含む。)のうち薬事法に規定する医薬品及び医薬部外品以外のものをいう。」というふうに定義しております。したがいまして、文言といたしましては、お尋ねの食糧管理法に基づきます主要食糧、これも含まれるということになっております。ただ、じゃここでなぜ「花きを含む。」花を含むと書いたかということを申し上げますと、花も農業者によって生産をされまして卸売市場を経由して流通するものが中心であります。また、花を売っている小売店、花屋さんも零細、多数のものが多いということで、生産、流通、消費の構造等が他の食品の生産、流通、消費構造と同質のものだというようなことで、食品ではありませんが、花を含むというふうに含めたものであります。また、薬事法に規定します医薬品及び医薬部外品を除いたのは、これらの生産、流通、消費構造が食品と異なるということで除いたわけでございます。 そこで、今の食管物資の関係でございますが、これは私のところの所管ではございませんが、食糧管理法に基づいて政府が国民の主要食糧の安定供給のためにその集荷あるいは販売について法律で規制をしているわけであります。それで、食品の定義の中には入りますが、この食品流通構造改善促進法案の中で、食管物資について特別にどう扱うということは特に規定をしておりません。これは食糧管理法の方でその法目的及び主要食糧の管理の態様としてどうあるべきかということは別途論ぜられるべきものだというふうに考えておりまして、本法において特別な扱いはしていない、こういうことでございます。
○鉢呂委員 次に、この報告においては「商慣行の見直し」ということを言っておりまして、特に食料品にも当てはまります多頻度小口配送、これについて、コストアップになるということを明確に言っております。このように述べておるのですけれども、多頻度配送が効率的に行われるためには、発注から配送まで一貫した情報と物流システムが必要であり、発注の早期化、輸送の共同化、情報ネットワーク化の推進が必要である。同時に、商品特性に応じた合理的な配送頻度の設定が必要であり、コスト増をもたらす行き過ぎた多頻度配送は抑制すべきと提言をしておるのであります。私もこの関係がありましたから、地元のいわゆる総菜といいますか、お弁当屋さんの製造メーカーにお伺いしたのですけれども、今はもう一日に四回も配送しなければならない、二十四時間で製造をしているそうです。そんなことで大変行き過ぎた多頻度配送といいますか、そのことが行われておる、これらについては農水省としてどんな考え方をしておるのか、御答弁を願いたいと思います。
○馬場政府委員 御指摘の多頻度・少量・指定時配送というのは、最近非常に大きな問題になってきていることは十分承知しているわけでございます。これら流通の取引のあり方につきましては、いわゆる取引慣行問題ということで特に最近大きな問題である、また、我が国の経済の国際化の進展の中でこういうものが一つの参入障害になっているというような指摘までなされているということであります。 私ども、現在関係業界等から昨年来ヒアリング等をいたしておりまして、納入業者に対して量販店等非常に有力な小売業者等が、自分のところの在庫コストあるいは管理コストの削減のために多頻度、小口の指定時配送を要求するというようなこと、あるいは消費者の鮮度志向を背景とはいい ながら、法令内規則の範囲を超えて、特に製造年月日とか賞味期限等の表示を求める問題であるとかいうようなことが行われますと、流通コストの上昇あるいは都市交通の一層の混雑化等にまで影響を及ぼすということで、この取引慣行については是正をする必要があるのではないかというふうに考えております。 昨年七月に私ども取りまとめました食品流通問題研究会の報告においてもこれらの改善の方向づけについて言っておりますが、これは業界のいわば取引のルールの決め方でございますので、私どもとしましては、業界を指導するとともに、いわゆる公正取引委員会におきます取引のルールについてのガイドライン作成等についても意思を疎通いたしまして、これらの適正な対応を図ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○鉢呂委員 消費者の意識といいますか、「消費者の購買行動の再点検」についてもこの報告はしておるのですけれども、もう一つ別の世論調査といいますか、総理府が三年ごとに行っております食生活の役割に関する世論調査、これが、昨年の十月に行われたものが最近出されたのですけれども、若干流通以外のことについても述べますけれども、一つは、食料供給については、「日本の将来の食料の供給に不安はないか」との質問に対して、不安を抱いているという者が六二%もいるわけです。これは農家が五四%に対して非農家が六四%、むしろ非農家が日本の食料供給に対して不安を抱いておる。 それから「不安の理由」については、やはり、国際情勢の変化により、食料やそれに関連する生産資材の輸入が減ったり、とまったりする可能性があると五五%の人が答えております。あるいはまた、異常気象で不作の可能性がある、四一%。あるいはまた、長期的に見て、地球環境問題の深刻化により、資源が制限される可能性がある、そんな不安も抱いております。 それでは、その不安を訴える方に、我が国の食料を安定的に確保するためにどのような政策の重要性があるか二つ挙げるということに対しては、やはり、国内で生産できるものについては、生産性の向上を図りつつ、できるだけ国内で生産を、これが七三%の方もおるわけであります。圧倒的に多いのです。 あるいはまた、日本の食料の生産・供給については原則としてどう考えるかということについては、外国産より高くても国内でつくる方がよい、これが七三%にもなっております。こんなことで、必ずしも新聞等が言っておる、食料を外国に依存してもいいというふうには国民は考えておらないというふうに思うわけであります。 さらには、食料供給についてどのようなことを期待するかという複数回答に対しても、「農薬の使用量を減らすなど、安全な食料を供給すること」が五四%にもなっております。特に女性の方、主婦と言われる方は六四%の強い要望があります。あるいはまた、「輸入に頼らないでよいように、より多くの食料を生産すること」、これが四一%の方があるわけであります。そこで、その中で、例えば多種多様な食料を消費者のニーズに応じて供給すること、これが二二%しかございません。このランクでいえば六番目になります。あるいはまた、「味や新鮮さなど品質のよい食料を供給すること」、これは三五%しかございません。 こういう調査をすると、一般国民といいますか国民全般の意識というのは、農水省が先ほどから言っております、非常に消費志向が高度化しておる、あるいは多品目少量消費だというようなこととずれが生じてくる。もちろんこれは調査の仕方によって、調査に対してはこう答えるけれども実際の購買行動は異なるというもののあらわれだというふうにも思いますけれども、必ずしも消費者は多品目少量だとか高度化というものに主体的にいっているわけではないという姿もかいま見ることができるわけであります。 そんなことで質問をしたいわけですけれども、流通上で言われておる消費者のニーズというのは、安全性だとか価格の関係を重視している姿があらわれておるわけでありますけれども、このような消費の問題に関する最終消費者の利益といいますか一般消費者の利益、あるいは消費者の権利、消費者の意見が反映される、そのことは大変大切であるというふうに思うわけであります。 例えば、先ほどの経済企画庁の報告においても、「流通の望ましい姿」という一項目がありまして、「流通の好ましい姿を考える視点は、「消費者利益の増進」に行きつく」そういうふうにはっきり述べまして、「消費者の利益に適合し、それを高めていくための流通のあり方とはなにかを追求することが大切である。「安全を求める権利」、「知る権利」、「選ぶ権利」、「意見を反映させる権利」といった消費者の基本権利を基礎に」消費者の利益に結びつけての流通の役割を、あるいは流通の合理化を考えるべきであるというふうにはっきり述べております。この考え方について農水省としてはどのようにお考えになるのか、お答えをいただきたい。 同時に、食品流通問題の研究会、これも流通局の中にあります、あるいはまた農水大臣が定めております卸売市場審議会の委員に消費者代表が参画をしておるかどうか、これについてもお聞きをします。 さらには、今回、構造改善促進にかかわる審議会を設けることになっておりますけれども、十五人程度というふうになっておりますが、この構成についてはどのようなお考えにあるのか。私は、生産者あるいは流通業者、消費者、そして学識経験者といった四分野からの均衡ある構成にすべきと思いますけれども、この点に対するお考えをお聞きいたしたいというふうに考えます。
○馬場政府委員 最初に、先生は総理府の広報室から発表されました「食生活・農村の役割に関する世論調査」にお触れになりましたが、先生はお触れになりませんでしたが、あの調査の中で、消費者の食料品についての意識の中で、例えば食料品を購入する際の行動というのを調べたデータがございます。 そこの中では、「価格が多少高くても、新鮮、良質なものであれば購入する」という購買行動をとっている方が七〇・六%あるという数字が出ております。あるいは、自分が今、日本の食生活でいいことという中で、割高感はあるが、良質、多様な食品が手に入るということがいいと言っているのが五一・一%あるというのが同じ調査の中にあるわけでございまして、私ども先般来申し上げている消費者の良品質志向というものは、やはりかなりの国民の方に支持されているのじゃないかというふうに思っております。私どもとしては、そういう点を踏まえて今回の施策の立案に当たっておるわけでございます。 もちろん先生のおっしゃるように、流通段階において取引がより効率的である必要がありますし、またそれが透明であって消費者にわかりやすいということは重要なことであります。私ども、今回のこの法律案の施行に当たりましてはもちろんでございますが、そのほかにおきましても、食品の流通に関しましては極力効率化なり、あるいは内容が消費者にもわかるようにするということは心がけてまいりたいと思っている次第でございます。 そこで、例えば審議会等において消費者の代表はどうなっているんだという具体的なお尋ねがございましたが、昨年検討してもらいました食品流通問題研究会、これは十七名の委員の方に委嘱しておりますが、そのうち消費者代表に一名入っていただいております。また、従来からの御売市場審議会におきまして、委員十名でございますが、その中にも一人消費者の方が入っていただいております。 なお、この法律が成立いたしまして新たに卸売市場審議会が発展的に食品流通審議会になった場合に、そこにおきましても当然消費者の意見を反映させるという立場から、消費者の立場に立つ方に委員になってもらうという方向で検討してまいりたいと思います。 なお、その他の委員構成等につきまして、これは法案が成立した後で検討することでございますが、食品の流通、多方面にわたっておりますので、それぞれのことについて造詣の深い、またはそれぞれの立場を理解される方を委員にお願いをしたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 確かに、高品質のものは多少価格が高くてもということは述べております。ただし、その後の質問については局長は言わなかったのですけれども、「価格が多少高くても、便利で手間のかからないものであれば購入する」、これに対しては、そうしないという方は五〇%、女性の方で五五%、必ずしも、便利で手間のかからないものを購入するという消費志向にはなっておらないということ、あるいは、「価格が多少高くても、包装、外観のよいものであれば購入する」という設問に対しては、そうしないという方が七七・五%おるわけであります。 私が言っているのは、高品質はいいと思いますけれども、先ほど言いましたような賞味期限だとかそういった過剰なお仕着せというか、流通上でつくられたものというのは価格に転嫁をするわけですから、これらについては消費者の意向が十分反映されるようなものにすべきであるというふうに述べたつもりであります。 先ほど卸売市場審議会に一人含まれておるというふうに述べられましたけれども、それはどういう資格の方ですか、個人名はいいですけれども、肩書といいますか。
○馬場政府委員 現在卸売市場審議会の委員をしておられる方は、生活評論家という形になっている女性の方でございます。
○鉢呂委員 生活評論家というのは消費者の代表と言えるかどうか、私は甚だ疑問である。消費者の代表というのは、それなりの組織的なものということを私は言っているわけですから、きちんとそういうふうなものを充てるべきである。このことは、これからつくられる審議会においても、先ほど言いましたけれども、十五名ということですから、入れるということはわかりましたけれども、四分野から均等ぐらいの、三ないし四名入れるぐらいの気持ちで当たっていただきたい。そのことは、私は先ほどから言っておりますように、流通に関しては消費者の考えというのは見えてこない。今回の法案についても、産地と小売までは言っておりますけれども、産地と消費者を結びつけるビジョンについてはないわけでありますから、そういった点で消費者の考え方、消費ニーズの把握でもっと消費者の考えを取り入れるべきであるというふうに思います。 先ほど言いました経済企画庁の報告におきましても、このように述べておるわけでございます。消費者への情報提供と消費者の購買行動の再点検ということで、「消費者の側においても、包装、配送等について過度のサービスを要求することは、結局そのコストが商品価格に転嫁されて、消費者自身が負担することになることを認識しなければならない。」過剰包装によるごみ処理、多頻度配送による交通混雑というものは、言ってみれば最終的には社会的なコストにもなるという意味では消費者負担となるということで、「日頃の購買行動を再点検し、コスト意識に立った自主的な商品選択に努める必要がある。」以上の問題に対して、消費者団体等による情報提供や啓発の一層の取り組みが必要である、このように述べておるわけであります。 これまでの食品流通の最大の欠点は、消費者の考えなり顔が見えておらない、その中で流通だけが非常に過剰に膨らんでいくということに最大の原因があるのです。そのことに手をつけずして、食品流通の合理化なり効率化はあり得ないと私は思うわけでありまして、この点に対する基本的な考え方をお伺いしたいと思います。
○馬場政府委員 食品の流通は、当然のことでございますが、生産者がつくったものを消費者につなげる仕事でございます。そこで、流通に携わる者は当然、消費者が買ってくれるもの、評価してくれるものを売るということを毎日やっているわけでございますが、そうはいっても、流通業のあり方として一般消費者のことを常に念頭に置くべきだという御主張、そのとおりでございます。 そこで、今回の法律におきましても、法律の第一条の「目的」のところに「食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化を図り、あわせて一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資すること」ということを書かせていただいているわけでございますし、また、三条の「基本方針」のところでも「構造改善に際し配慮すべき重要事項」として「一般消費者の利益の増進」ということをうたっております。さらに、四条の「構造改善計画の認定」の基準でも「一般消費者の利益の増進」への寄与ということが認定の際の基準に盛り込まれるべきということにしておりまして、今回のこの法案の作成に際しましても、一般消費者の利益の増進を踏まえて行ったつもりでございます。
○鉢呂委員 それは言葉では述べておりますけれども、消費者というものの考え方なり消費者の代表としてのものがきちんと食品流通の構造改善のさまざまな行為にかかわってくるという姿をぜひとっていただきたいというふうに考えております。 まだ関連もありますけれども、次に進みます。 野菜における生産環境の変化ということでございます。 野菜はことしの冬大変高値が続いて、この原因は天候不順だというふうに言われております。しかしながら、最近、野菜の生産についても構造的な問題があるのではないかというふうに言われておるわけであります。特に農水省の野菜振興課が、平成三年二月の野菜研究会報告書によれば、このようなアンケート調査並びに報告をしております。 露地野菜販売農家については、昭和五十年から六十年までで九十万八千戸から七十九万戸、約十万戸程度激減をしております。さらに、一九九〇年の農業センサスにおいては、六十年から平成二年までの間に一六%減少しておるということで、野菜を生産する農家が激減をしておるという状況でございます。 アンケート調査によれば、現在あるいは将来においても野菜生産において問題が大きいというふうに答えた野菜農家が九七%、ほとんど一〇〇%に達しておる。この理由については、高齢化、後継者不足、労働力不足を挙げておるわけであります。 意欲の低下についてもこの報告書は、今後二、三年のうちにやめたい、あるいは野菜の面積を減少したいと答える農家は三〇%にも上っておるということで、特に労働事情の深刻化が問題である、長時間労働が避けられておらない、昭和五十年代に比べても野菜農家の十アール当たりの労働時間はほとんど減っておらないというふうに言っております。特に収穫、調製作業にかかる時間が多くて、品目によってかなりの労働時間を要しておる、腰痛などを訴える農家も多くて、過重な労働環境とか雇用労働費の割合が高くなっておるということで、他産業との関連で雇用労働力の確保が困難になっておるということも述べております。 政府は、平成二年の生産の長期見通しで、野菜の生産の増加が見通されるということで、平成十二年には六十三万ヘクタールの野菜面積を掲げておりますけれども、これを達成するための野菜生産振興の基本的な考えがありましたらお聞かせを願いたいと考えております。 時間がございませんので、ちょっと長いですけれども、まとめて質問させていただきたいと思います。 さらに、この研究会の報告によれば、卸あるいは小売からの野菜産地への要請においても、高品質化、定時・定量出荷、またパック詰め等新たな包装といった高付加価値化の動きが非常に強いということで、この対応についての要請が出されておる、産地によっては、通常よりさらに高水準な品質・規格基準を定め、選別等に手間をかけておる状態であるというふうに述べております。この過剰な高付加価値化といいますか、先ほどと共通しますけれども、このような状況を政府としてどのようにお考えになっておるのか。あるいはまた、このような流通の過剰さが今後も続くとすれば産地は成り立っていかなくなるのではないか。先ほど言った野菜の生産の長期見通しにおける達成は甚だ困難であるというふうに思われますけれども、その辺の考え方についてお聞きをいたしたいと考えております。 私も経験があるのですけれども、野菜についてはほとんどが卸売市場関係者、せいぜいいっても小売との情報交換がある程度であります。この報告書においても、消費者との直接交流あるいはまた小売店との情報交換がほとんどないというふうに調査結果は述べておりますし、私もそのとおりであると思っております。 先ほど来、消費ニーズが個性化、多様化あるいは多品目少量販売といったことが何か当然のことのように述べられておりますけれども、しかしこのことは、産地においては既に限界点に達しておるというふうに思われるわけでありまして、政府のこれに対する考え方、対応の仕方をお聞きいたしたいと考えます。 あわせて、先ほど流通局長の御説明では、都道府県ごとに生産者と消費者をつなぐ利用啓発事業を行っておるというふうに述べられたわけでありますけれども、私は、生産者、消費者のみの利用啓発事業ではだめだ、むしろもっと流通業界と、三者を巻き込んだ大がかりな、農水省もきちんと入ったものを基本的につくらなければこの構造は直っていかない。私は、そこに野菜流通の構造改善促進を図る基本的なものがあるだろうというふうに思うわけでありまして、単に上物といいますか、施設の整備ではないというふうに考えますけれども、この点もあわせて御答弁を願いたいと考えます。
○馬場政府委員 野菜の生産について直面している問題については、今先生おっしゃられましたが、私どもも野菜研究会を通じて勉強いたしますと、特に最近におきます産地の労働力不足、高齢化の問題、かなり将来の生産についてこれは難しい問題であるなと思っておりまして、これに対しましてるる申しませんが、政策といたしましては、やはり生産活動の軽作業化あるいは省力化ということをやっていく必要があろうかと思います。国の施策といたしましては、いろいろな補助事業等を通じまして機械化体系の確立であるとか、あるいはそういう軽作業化、省力化のための施設の助成であるとか、あるいは農家の負担の大きい育苗、収穫作業につきましてこれを農協等が代行する体制の整備でありますとか、さらには軽量野菜や収穫調整の省力化の可能な業務用、加工用の野菜を導入するというような、産地のつくります野菜の種類の転換等、そういうことも進めていかなければならぬと思っております。 流通の問題といたしましては、先ほども御答弁したところでありますが、規格、これは単なる形だけではございませんで、包装規格等も含めましてそういう問題について、これまでの生産地あるいは流通業者それぞれの販売戦略から非常に細かくなってきたり厳密になってきたものについてむしろ緩和する方向で進めていくべきではなかろうかと思っておりますし、生産者団体におきましてもその検討に今着手しているところでありまして、私たちは今後、これらの流通において必要以上の厳しい規格であるとか包装であるとかということについても意を用いていかなければならぬというふうに考える次第であります。 それから、生産者と消費者の交流の場、これは私ども助成をして県単位でやっておりますが、もっと大きな見地で農林省も入ってやったらどうかということでございますが、野菜流通全体の問題、研究会の報告にもありますように、これから行政として取り組まなければいかぬと思っております。どういう形がいいか、これは生産のそれぞれの産地の事情等もございますから、どういう形がいいかということは検討しなければならぬと思いますが、いずれにしても野菜の今後の生産、流通については、私ども、今おっしゃられましたような問題も踏まえて取り組んでまいりたいと思っております。
○鉢呂委員 野菜食品流通のこれまで手をつけられなかった理由はまさにそこにあると思います。農水省は、指導とかそういうことでは、このつくられたといいますか、過剰な規格だとかそういうものについてのきちんとした整理がなかなかいかずに、これはもう販売、商品作物ですからそうなるのは当たり前でありまして、そこをきちんと整理するのが今この食品流通に、特に生鮮食料品に問われておる最大のことではないかというふうに私ども思うわけで、単に言葉として局長は述べるのじゃなくて、もっと構造改善促進法の基本的な方針の中で明確な方向性を農水省としてとるべきであるというふうに強く訴えておきたいわけであります。 そこで、第五次卸売市場整備基本方針が過日、四月三日に農水大臣によって公表されたところでありますけれども、青果物の場合ですけれども、例えば中央卸売市場については六万五千トンの扱い、地方卸売市場については一万トン以上と、非常に大型化を促進していることでもありますけれども、その理由についてお伺いしたいわけでありますし、地方卸売市場についても、地方卸売市場に至らないものについては合併促進を図っておるところであります。それらについての考え方をお聞かせ願いたいと思います。 同時に、取引等の合理化の基本的な事項についても、公正かつ安定的な取引の推進に配慮する、あるいはまた、適正な競争秩序の保持に努めるということを冒頭うたいながらも、しかしながら四つの中では、各市場の実態を反映した取引ルールの確立ですとか、予約相対取引の改善あるいは特定物品の拡大など相対取引の導入を示唆しております。時間がありませんので簡略に質問しますけれども、卸売市場法においては、基本原則として、先ほど言いましたような公正かつ安定的な取引あるいは適正な競争秩序の保持ということが重要な任務であります。したがいまして、例外規定を拡大解釈することによって新しい取引ルールを導入することはできないと思われます。これはあくまでも例外規定でありますから、法改正を求めて行うのが当然であると思われますけれども、そのことについてのお考えをお聞かせ願いたいと考えます。 あるいはまた、先ほど言いました卸売市場法第三十四条は、特定物品と特別の事情がある場合に限り、競り売りまたは入札以外の販売方法を認めておるわけでありますけれども、この特定物品の拡大あるいはまた特別の事情のある場合ということで、予約相対取引あるいは先取り取引あるいは第三者販売についても認めてはおりますけれども、これが無制限な拡大になって、このことが中央卸売市場の大きな比重を占めることがないようにきちんとした姿をとっていただきたいと考えます。このことを御質問させていただきます。
○馬場政府委員 卸売市場の関係でいろいろとお尋ねがございましたので概略申し上げますが、まず一つ、第五次卸売市場整備基本方針におきましての数量を従来の基本方針よりふやしたわけでございます。これは、最近におきます青果物の需要の増加あるいは今後の人口の増加を踏まえて、今後の市場流通の比率は従来と同じものと考えますと、現状よりは一定の数量の伸びが見込まれるわけでありまして、これは市場の数で割って示したということでございまして、一人当たりの需要量は伸びませんが、人口増等を考えますと若干の伸びになったというものでございます。 それから、卸売市場整備基本方針の中のいろいろな問題点があるわけでございますが、中央卸売市場、地方卸売市場それぞれ現在抱えている問題があります。中央卸売市場については、この基本方針におきましては、どちらかといいますと大都市におきます狭隘化、老朽化した市場を中心に整備をすることを施設の整備としては言っております。一方、地方卸売市場につきましては、これは数が非常に多うございます。地方にあります卸売市場につきましては、「またその経営について必ずしも安心できない経営のものもございます。そういうことを踏まえまして、それらの取扱量の大型化を図っていく上で今後さらに整備統合が必要ではないかということを言っているわけでございます。 また、その取引のあり方につきまして、先生のおっしゃるように卸売市場法におきましては、まず取引のルール、基本原則がありまして、例外的なものを認めるという形になっております。例えて言いますと、集荷の方法は、原則は委託集荷である、例外が買い付け集荷である。販売方法は競り、入札が原則である、相対とか定価売りとかいうのは例外であるということを言っております。ただ、これも現在行われている市場におきます取引を見ますと、従来予想もしなかったような形で、例えば量販店が卸売市場の荷を欲しい。そうすると、先生も御指摘のように、従来は、例えば船が出てしまうから競る時間に間に合わないというものについて特にあらかじめ持っていっていいというような取引、先取りを認めておったものが、今はそういうことではないけれども、量販店においては早く物が欲しい、あるいは一定量が欲しいということで持っていくというような実態があるわけであります。これが経済実態であるものですから、ほっておけば崩れてしまうということで、先ほど先生も述べられましたように、取引のルールについてその状況の変化を見ながら決めなければいかぬということを言っておるわけであります。 具体的には、これは運用として政省令であるとか開設者の条例等にゆだねられている分野でございますので、法改正をしなくてもできるわけでございます。 いずれにしても、例外的ルールは例外としてのルールでございますから、原則との関係でどういう形にするかというのが重要でございまして、そのルールを決め、あるいは遵守することにつきましては、関係者の合意形成を図っていかなければいけないと思っている次第でございます。
○鉢呂委員 時間が来ましたので、質問したいことは残りましたけれども、卸売市場のこのような例外規定の拡大は、公正な競争を阻止する可能性が強いという意味では開設者の協議会にゆだねるのではなくて、やはり法整備をきちんとするのが建前であると考えられます。あくまでも取引価格の公正さを卸売市場は求めていくのでありまして、先ほど農水大臣が言いましたように、バイパスというような形ではないわけで、集約配送のセンターではないわけでありますから、その点について、十分法整備について御検討を願いたいと考えます。 あと有機農産物等についての御質問を予定しておったのですけれども、次回に回したいと思います。大変申しわけございません。 終わります。
○大原委員長 目黒吉之助君。
○目黒委員 引き続いて、食品流通改善促進法について質問いたします。 この法律は、食品流通問題研究会等々の議を経て成案になったわけでありますが、現在、商工委員会で特定施設整備法が審議されており、それが通らないと一部施行できないという状況下にもあるようでございます。その辺は十分に委員会としても見守っていかなければならないと思っておるわけであります。 この法律は、既に議論がございましたように、食品流通構造の改善を促進する措置を講じて、機構の合理化と機能の高度化を図り、消費者の利益を増進させるとともに、農林漁業の振興を図るということを目的といたしておるところであります。この目的を達成するために、食品生産販売事業、卸売市場機能の高度化事業、食品販売近代化事業、食品商業集積施設整備事業の四つの事業を農林大臣が食品流通審議会の意見を聞いて定める基本方針に沿って実施することにより、以下申し上げる七つの当面する課題に対処していこうというのが主要な目的になっておるようでございます。 当面する課題の七つのうちの一つは、多品種少量消費、量から質を重視した消費者ニーズの変化に対応できるようにすること、二つ目は卸売施設、商業集積施設の都市施設としての機能を充実させること、三つ目は食文化サービス機能を充実させる、四つ目は農産物の輸入自由化に対応する国産農水産物の販路を拡大する、五つ目は内外価格差を是正する、六つ目は大店法の規制緩和による中小小売店対策を講ずること、七つ目は生活関連社会資本の整備を図ることなどを主要な施策として、これからやっていこうということのようでございます。 以上の点を踏まえまして、以下、幾つかお伺いしていきたいと思います。 本法の主要な目的を一口に申し上げますならば、当面する七つの課題に対処するため一定の基本方針、私はこれは一定の計画と言ってもいいと思うのですが、基本方針のもとに流通や商業の活動を一定の方向に誘導する、こういう内容だと思うのですが、このような理解で間違いございませんか。
○馬場政府委員 ただいま先生が七点ほどおっしゃられましたのは、私ども現在の食品流通を取り巻く内的な要因、外的な要因ということで申し上げておったものだと思いますが、そういういろいろな情勢の中で、国の法制度としてこの食品流通をどうやって改善していったらいいかというのがこの法案の抱えますテーマでございまして、それをやるやり方といたしましては、食品の流通はあくまでも事業者が自己の事業としてやっておるわけでございますから、これをいい方向に、あるいは今当面している問題を解決する方向に促進をしていく、助成をしていくということが必要かと思います。 そういう意味では、今先生のおっしゃられましたように、私ども食品流通の構造を変えていく方向というのを今の四つの事業に形としてあらわしまして、それに取り組まれる事業者の方々に対して支援措置を講ずるということが趣旨でございます。
○目黒委員 ちょっと、質問にきちっと答えてください。 将来の食品流通構造のあるべき姿は大臣が定める基本方針におおむね方向が示されておって、その方向にのっとった事業に対して助成するわけですから、この法律はいわゆる食品流通構造の誘導法である、こういうことが中心なのじゃないですか。これはイエスかノーかでいいのですよ。
○馬場政府委員 お尋ねの点で言いますと、基本方針に沿って事業を行うものに助成をしていくというものでございます。
○目黒委員 ですから、午前中来議論がございましたように、市場法の網の中には当面手を入れないで構造改善をしていく、いくについては事業をてこにして一定の将来像に誘導するということですので、この点がどうも最初、構造改善事業という法の改名をねらっておりますから、どなたも一定の不合理な部分を削除し、あるいは合理化し簡素化していくのだろうというふうに理解をしたのですが、当面は直接それに手をつけることというよりも将来像に向かって誘導していくというのが中身のようでありますので、特にここは確認をしておきたいということで御質問しておるわけであります。 大臣、構造誘導というのは何もこれが初めてじゃないわけでありまして、農業構造改善政策で誘導するとか、あるいはまた繊維産業構造改善だとかで繊維産業を誘導するとかというのが過去に幾つかございましたね。こういういわば誘導的な施策というのはある程度弾力性を持たせないと、途中で経済情勢の変化や社会情勢の変化に的確に対応し切れない部分が出てくるものですから、この辺については十分に配慮していただかなければいけないのじゃないか。特に大臣、専門の農業構造なんかにつきましては、基本法のもとにおいて出発したわけですけれども、地価が高騰したり外国農産物がどっと入ってきたりしまして、構造政策をきちっと推進するのに非常に障害になっておるわけですね。そういう社会情勢や経済情勢の変化で特にここの部分というのは影響が大きいわけですから、私はやはりある程度弾力的な定め方が必要なんじゃないかと思うものですから、一言申し上げておきたいと思っておるところでございます。 ちょっと時間が足りないように思われますので、質問の順序を少し変えさせていただきます。 今申し上げました事業あるいは目標に向かってこれからアクションを起こすわけでありますけれども、この事業を推進するに当たって、既に説明がありましたように財団法人食品流通構造改善機構というのをつくって、そしてマニュアルの作成やら債務保証、それから事業への参加、それから地域特産品の流通、消費の増進、調査研究等々を行う、こういうことになっておるようでございます。 この点についてはいろいろと取りざたされておるところで、最初に、ちょっと横道にそれますけれども、大臣にお伺いしておきますが、この間、これは朝日新聞の社説です。どういうことが書いてあるかと申し上げますと、「ここ数年、官庁による財団、センター、協会などの設立が目に余る。行政改革で官庁本体の組織を拡大することは難しくなった。公団・事業団といった特殊法人の新設もできない。そこで、抜け穴として考えだされたのが財団法人や社団法人である。これは役人の天下り先の確保という目的もかねている。」「財団法人をつくるには、基本財産が必要だ。その全額またはかなりの部分を、経済界で負担するのが普通である。財政資金を投入する場合、「民活」の名の下に民間の資金拠出や人員派遣を大蔵省が条件にすることが多い。業界にしてみれば、監督官庁からの要請を断るわけにはいかない。まるで「民喝」だ、との嘆きがきかれる。」云々という社説を書いております。 この機構について、私、全面的にそうだとは思っておりませんけれども、こういった指摘についてどのように受けとめておられますか。
○近藤国務大臣 お答えいたします。 行革その他で今、新聞でもこの間天下り問題が報道されておりましたが、今回のものは、かねてから食料品流通改善協会というので四十団体ほど入っておる既存の団体が実はございまして、その団体に今回の仕事を、名前を変えて社団から財団にという形であくまでも民間法人としてやっていただくことにしてあるわけでございまして、少なくともこの機構ができたら高級官僚というようなものが天下りをするというようなことは全く考えておりませんし、少なくとも、私が何年保証できるかわかりませんけれども、そういう趣旨でつくられたのではないということだけは御理解をいただきたいと思うわけでございます。 ただ、今既に三十年前事務次官をやられた方がここにおられるわけでありますから、この機構ができて高級官僚が増員をするというような形での天下り先というようなことでは考えていないということだけは明言をしておきたいと思います。
○目黒委員 少しお答えが先に進んだようでありますので、この点について若干詳しく、これは局長にお伺いしていきたい、こう思います。 まず、考えておられるこの財団の基本財産というのは大体どのくらいを予定しておりますか。
○馬場政府委員 新しくつくる機構につきましては、こういう趣旨の仕事をするということで関係業界から拠出を募っていくということでございますので、今基本財産幾らということを明確に申し上げることはできないわけでございますが、この法律に定められたような仕事をやっていけるに必要な基金をつくる方向で対処したいと思っております。
○目黒委員 これだけの大きな事業をやるというわけですから、おおむね十億円とかあるいは二十億円とかというめどぐらいはできていなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○馬場政府委員 そういうことでまだ具体的に関係者の合意を得ているわけではございませんので、余りはっきりしたことは申し上げられませんが、我々としては、できれば二十億円前後の金を持った団体になれば仕事が円滑にできるのじゃないかなという感じは持っております。
○目黒委員 次に、この財団の目的は、文字になぞらえますと大体どんなふうになりますでしょうか。本法の目的に基づく目的だろうと思うのですが、いかがですか。
○馬場政府委員 この法律におきましても、十一条におきまして「農林水産大臣は、食品の流通部門の構造改善を促進することを目的として設立された民法第三十四条の法人であって、」と書いてございまして、この法人ができます場合には当然そういうことを目的とするものと思っております。
○目黒委員 そうしますと、今考えておられるこの財団の事業について、大体どんなものであるか、お示し願いたい。
○馬場政府委員 この財団の業務につきましても法律の十二条に掲げてございますが、一つは、食品流通の構造改善の事業を行う場合に必要な資金の借り入れに係る債務の保証、それから一つは、必要に応じてその事業に、費用の一部を負担して参加すること、それから委託を受けて施設の整備等を行うこと、さらに、これと一体的に一般消費者の利益の増進または農林漁業の振興に資する施設を整備すること、そのほか資金のあっせんでありますとか、地域の特色のある食品等の普及あるいは流通、消費の増進を図る、さらに研修を行うことや情報や資料の収集、提供をすること、調査研究、相談、援助等々を行うことにしたいと思っております。
○目黒委員 わかりましたが、そうしますと今おっしゃいましたように、機構の業務の中には、債務保証などを初めとする幾つかの業務のほかに、ほかにという言い方もないですが、中に入っておるわけですけれども、事業への参加を行う、つまり共同事業者になるということだろうと思いますが、この場合に財団は利益配分を受けますか。
○馬場政府委員 この機構が事業参加をする場合はどういう場合かということを想定しますと、事業者が主として事業をやるわけでございますが、事業者間だけではなかなかやれないという場合に、共同事業者に参加してくれというような申請があった場合に参加できるようにしたいと思っているわけではございますが、参加に際して負担した費用に関しましてはその相当するものを、例えば事業で建物をつくりますと、その建物の一部等を取得するという形で財団の財産にいたしまして、この事業によってできました施設等がそれについてだんだん費用の回収ができるというようなことになれば、それを事業主体である、あるいは中心としている事業者団体等に譲渡する、あるいは貸し与えるというようなことをすることになろうかと思いますが、これは営利を目的とすることのできない公益法人でございますから、そこで収益を得るというようなことは考えておりません。
○目黒委員 今のお答えで、集積事業等を通じて財団が、どういうのですか、店舗等の貸し出しと申しますか、家賃を取る。あるいはそれを譲渡する。そして投下した費用の一部を回収する。こういうことに理解をしていいですか。
○馬場政府委員 先ほど申しましたように、事業に参加するときに負担した費用、これを回収するという形で、その施設の一部、持ち分のものを譲渡するあるいは貸し与えるということはあると思いますが、繰り返すようで恐縮でございますが、これは営利を目的とするものではありませんので、それによって収益を上げるということは許されないと思っております。
○目黒委員 盛んに営利を目的としない、しないとおっしゃいますけれども、これは財団ですので営利を目的としないのは当然でありますが、とにかく共同で店舗をつくって、機構はそれを支援をしていくわけですね。NTT資金や国庫資金を活用して支援をする。そして、でき上がったものについて、支援をした額に見合ういわば権利をとる。権利をとって、そして希望者にそこを貸し与えるということですよね。そして、そのいわば家賃等で回収をする。 こういうことですが、私は非常に心配しますのは、そんなことをしていますと、大体この事業をやっていくには私は相当のリスクが出ると思う。小売店六十五万ある。しかし、こういうところへ参加できるのはやはりかなりの資金力がなければできないのです。それで、それぞれの町や地域では、もう商売をやめて廃業していかなければならない人がどんどん出てくる中で、機構の権利の店舗が残るというのはいかがなものかと思うのですよね。これはあなた、財団法人だから営利を目的としないとはいうものの、事業をやればやるほど皆さんの権益というのは拡大するのですよ。これは事業です。この点は、今までの過程でどのように議論をされてきたのか。 繰り返して申し上げますけれども、今古い町並みが量販店などの設置によって非常に苦しい現状にある中で、救ってやろうというのです。ところが実態は、どうも後から機構の財産とまではいかないにしても権利のある部分がどんどん拡大してくる。これは財団法人の建前をとるわけですから、ここで取得したいわば権利なり財産なりというのはどのように区分をされて出てまいりますか。とにかく基本財産でないことだけは確かだと思うのですが、これは運営費、どういうことになるのでしょうかね。お答え願いたいのです。
○馬場政府委員 先生おっしゃるように、この機構がどんどん事業を拡大してというようなことは我々考えておりませんが、いずれにしてもそういう事業に参加をして一定の権利を持った場合には、それは財団の経理の中では明確に区分をさせなければならないというふうに思っております。
○目黒委員 ちょっと最後まで聞き取れなかったのですが、明確に区分ができるのですか、できないのですか。
○馬場政府委員 区分をさせたいと思っております。
○目黒委員 それは非常にあいまいですね。これはどうでしょうか、財団法人の形の変わった事業なんじゃないですか。いかがですか。
○馬場政府委員 機構の業務としてはそういう事業に参加できるということになっておりますから、参加することが必要な場合にはすると思いますが、それについてはほかの事業と、やはり先生おっしゃるように、一つの権利を持つという形では明らかに分けておかなければならぬと思っております。
○目黒委員 参加は、示されておりますように債務の保証あるいはコンサルティング、情報の提供、ノーハウの提供ということで既に参加をするわけですし、さらには、時間の関係でちょっと質問は後先になりましたけれども、事業協同組合が申請をする事業の審査を機構が既にするわけですから参加は十分にしておりますが、事業そのものを共同でやるというのは財団法人のいわば事業参加じゃないか、私はこう申し上げておるのです。利益の追求になるかどうかというのは、これは実態を見ないとよくわからぬわけでありますけれども、いずれにしましても、店舗の権利を確保したり家主になるわけですから、やはり事業と言わざるを得ないわけです。これは財団法人としては余り形のいい事業じゃないのですよ。 だから皆さんは、コンサルティング、情報の提供その他やることがいっぱいあるのです。個々の中小小売店が集まって物をやろうというのですから、なかなかノーハウがわからない部分なんかがあると思うのです。こういうのは親切丁寧にやってやる必要があると思うのですが、事業に参加して一定部分の権利を確保するというのは、繰り返すようですけれども、ここはちょっと理解できない。いかがですか。
○馬場政府委員 我々考えておりますのは、おっしゃるように小売店等が集まって集積施設をつくるという場合に、今施行の技術力とかあるいは権利調整等の問題で自分たちだけではなかなかできないというときに、確かにコンサルティングとかいろいろな形でこの機構が協力支援をするわけでございますが、一番考えられますのは、初期のコストが非常に多額だ、そこでこの機構がある程度支援をしてくれないか、事業に参加する形で支援をしてくれないかという要請があった場合に、これをできるようにしておきたいということでございます。 ただこれは、そこで固定化してしまいますと次の希望に応じられないわけでありますから、やはりその参加したコストはいずれ回収をしなくちゃいかぬというふうに考えておりまして、これは一時期に回収するということが難しいとなれば、それは徐々に譲渡していくか、あるいは賃貸にしてその料金を徴収するかという形で、このコストの回収を図らざるを得ないと思っております。
○目黒委員 ここのやりとりを幾ら繰り返していてもちょっとあいまいで理解できないのですが、大臣、この辺は実態は十分にもう御承知のはずでありますから、あえて見解を求めますけれども、地方の町で仮に非常に魅力的に中小小売店の人たちが取り組んだ。しかし機構が割り込んで、場所をとるという言い方もおかしいですけれども確保するというようなやり方というのは、これはなかなか地方で一生懸命やっている人たちが理解できない姿になるのではないかという心配を私持つのですよね。この点について、私はやはり改善が必要だと思いますが、いかがですか。
○近藤国務大臣 その事業がこの機構の目的じゃございませんで、先ほど先生が申し上げられたようなことであって、コンサルやる、情報やる、あっせんをするというのがこの機構の本来の目的であります。ただ、事業参加して一緒に仕事をするというようなことはごくまれなことでないだろうか、こう思うわけであります。 例えばどういうことが起きるかというと、極めて中小零細というほどの小売店舗の人たちが集積をして、郊外で駐車場もあって、そして食料品、いろいろな業種がそこへ行けば消費者にすべて間に合うというようなことが考えられるわけであります。しかし、中小零細であるだけに担保能力がなかったり、初期投資ができなかったり、あるいはその意味では機構が入ることがまた信用度をつけるというようなことがある場合に限って、事業者から申請が出されて行うということで、これが本業だと考えてこの機構をつくるわけじゃいささかもございませんので、もしそういう零細な企業からそういう場合に要請があって、そしてそれにこたえていくということを原則に考えられることでないかな、私はこう思って了解をいたしておるわけであります。 しかし、お金を出した以上は、利益がなくても少なくとも出した金だけの回収は、実力がつけば当然返してもらうというのが、この機構の財産でもありますので、それは回収させていただく、こういうことで考えておるわけであります。
○目黒委員 これは知恵を働かしていかないと、本当の意味でこの事業が困っておる中小商店を救済することにつながらない方向に動き出す危険もなきにしもあらずでございますから、この点については、ひとつ十分に検討しながら運用を図っていくということを強く求めておきたいと思います。 ただ、先ほど局長に質問したときに、基本財産には入れない。そうしますと、一応これは普通財産といいますか、事業資金として回転していくわけですけれども、このところをはっきりしておかないと、事業体としてひとり歩きするようなことになりはせぬかというふうに心配しますが、この点はどうですか。
○馬場政府委員 事業のために必要な資金等につきましては、これはこの法律にもありますように、事業計画をつくって農林大臣に認可を受ける、また、その終了後は報告もするという形になっておりますが、その中で、基本財産でなく事業用の費用、経費ということで予算なり事業計画をつくらせるということになろうかと思います。 それで、そこは事業の計画及び収支予算をつくって、農林大臣が認可する場合にきちっとした形で、その運用に誤りなきようにしていきたいというふうに考えております。
○目黒委員 全体像を考えると、どうも財団法人には何かなじめないようなところが感じられて、 むしろ特殊法人みたいな格好の方が事業そのものはスムーズにいったのじゃないかという感じがいたすわけでありますが、これも、この点はこれからなお実情等に照らして相当検討してもらわなければならないと思いますので、一応要望しておきたいと思うのです。 委員長、この点については、どうも余りはっきりしませんが、何らかの形でもう少しわかりやすくしてほしいのです。いろいろ聞いてみましても、事業活動ということになってまいりますと、ここでやりとりしていてもどうも財団法人にはなじめない部分が多々見受けられるのです。よろしいですか。
○大原委員長 委員長としてもよく検討させます。
○目黒委員 それじゃ、次に移ります。 この機構は、これだけの業務をこなすには商業活動に相当熟練した人材がなければならないという意味では、大臣は先駆けて、この機構は今ある食料品流通改善協会を財団にしてこの業務がなるべくスムーズにいくように、こういうことをお答えになりましたからそのように受けとめますが、そうしますと、協会を財団に切りかえて、そして今の協会の財産をいわゆる寄附するような形で模様がえをする、税法の改正でそれらの寄附については課税の支援措置をとる、こんなふうになっているようでございますから、そのように理解してよろしゅうございますか。
○馬場政府委員 今の社団法人である食料品流通改善協会がこの新しい機構に移行する場合には、一度解散いたしまして、類似の事業を行う新しい法人にその財産等を寄附するという形になろうかと思います。
○目黒委員 これは税法上の支援措置があるのですね。地方公共団体と同じようにゼロなんでしょう。
○馬場政府委員 現在、国税当局とまだ調整中と聞いております。
○目黒委員 これは大蔵委員会でもう通っているのじゃないですか。
○馬場政府委員 本法の施行時に政令で追加するかどうかということになっていると思います。
○目黒委員 わかりました。 次に、この機構の保証業務ですけれども、中小企業信用保証協会というのが各県にございますが、この業務と競合することはございませんか。
○馬場政府委員 この機構が新たに保証を行う場合は、今現在ございます中小企業信用保証協会等、この対象になっているものは現在のそういう機関によっての保証を受けられるわけでありますから、その対象にならないものをこの機構が債務保証するというふうにいたしたいと思っております。
○目黒委員 非常に抽象的ですが、具体的に言うとどういうことですか。
○馬場政府委員 今回の法律に基づきます事業の主体の中で、中小企業者のほかに事業主体として第三セクター等が入ってくるわけでございますが、この第三セクターについては中小企業信用保証協会等の債務保証にはならないので、当面、先ほど申しました商業集積施設整備事業の事業主体である第三セクター等についての保証が考えられているところでございます。
○目黒委員 そうしまと、中小企業は両方できる、もしくは中小企業者が集まった第三セクターのみであって、その母体になっている中小企業はこの法律の対象から外れる、こういう意味ですか。
○馬場政府委員 機構の行います債務保証の業務は、他の保証機関の保証を制度的に受けられないものというふうに考えますと、今おっしゃられます中小企業者自身はそれぞれ保証を受けられる機関がございますから、それらが他の者と一緒になって出資して第三セクターをつくったような場合に、この機構の保証を受けるということになります。
○目黒委員 そうしますと、この法律で言っております「農林漁業者」及び「食品販売業者」、この「者」の方は独自では対象にならないということですか。どうもこの辺の書き方が、文字を読んでいる限りではそのようには受けとめられないのです。
○馬場政府委員 確かに、法文上は特にだれは対象になる、ならぬというふうに書いてございませんが、他の保証機関において保証できるものはこの機構の保証を受けなくてもそちらの保証が受けられるわけでございますから、この機構が保証するのは、そういうほかの機関において、例えば農林漁業者の場合ですと農林漁業信用基金でありますとか県の保証協会のようなものがございますから、そういうものでない第三セクター等を対象に考えております。
○目黒委員 そうしますと、競合はしない、こういうことですね。 次に、事業協同組合が大臣の基本方針に沿って事業計画を定めて、そこには機構が入っていろいろと指導をされるわけでありますが、それを認定審査にかける、これも機構が先に事業計画策定に当たって入っておるわけでありますから、その入っておる本人が今度は審査に当たるということになるわけでありますので、もう事前審査みたいな格好でこの事業計画ができ上がるという流れはあるようでありますけれども、認定に当たっての一定のマニュアルが必要になってくるのではないかと思いますが、これはどのように考えておられますか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、その計画をつくるのはこの機構に拠出したりする事業者団体等が計画をつくる、この認定ということでございますが、団体によってやはり計画作成能力等にいろいろ差もあるわけでございますので、本事業が円滑にできるようにということで、この機構がその認定業務に携わるわけでございます。 当然のことながら、この機構においてそれらの業務を行うに際しましては、明確なマニュアルを作成して事に当たることにしたいと思っています。
○目黒委員 次に、この保証業務というのは、全国にまたがってそれぞれの地域から出されるいわゆる事業計画に対して保証をしていくということになるわけでありますから、この業務は大変広い範囲に及ぶわけでありますけれども、どのような形でさばかれるのかというのがちょっとイメージできないのですけれども、恐らくこの機構に参加をする各団体を通じて行うという流れになってくるのだろうと思うのですが、そのように理解をしていいですか。
○馬場政府委員 機構の行う業務全般につきましては参加する各団体を通じて、例えば情報の提供等を行うというようなことがあろうかと思います。 それから、先生今ちょっとおっしゃられた保証業務については、保証業務を行うに際してはその申請手続等は、法律にも書いてございますが、金融機関に委託をいたしまして、最終的な審査はこの機構が審査会等を設けてやりたいと思っております。
○目黒委員 機構が別途審査会を設けて行うというわけですから、やはりこれも審査会のマニュアルがないと必ずしも公正を保たれないという心配がありますが、どのような手順でおやりになることになりましょうか。
○馬場政府委員 機構が債務保証を決定するに際しましては、やはり事業計画の適正性あるいは借り入れるべき金の償還の可能性等を厳正に審査する必要がありますので、要すればそういう点での学識経験者、精通者を構成員とする審査会を設けるなど、審査体制を整備していくように指導していきたいと思います。
○目黒委員 ちょっと時間がなくなりました。 次に、農林大臣の定める基本方針について、若干、重複をしないように質問していきたいと思います。 とにかく、この法律ができますと、農林大臣は食品流通改善基本方針というものを流通審議会の意見を聞いて定めることになってございます。これは法案の説明では、今までありました卸売市場審議会等をいわば包括するような形の審議会で基本方針を定めていく、こうなっておりますから、午前中来いろいろと議論のありました、この法律で直接食品流通の八〇%をカバーをする卸売市場については直接手をつけないというお答えがあったわけでありますけれども、やはり将来は、この審議会を通じて一括して食品流通の生産から消費に至る、いわゆる川上から川下までを風通しをよくするということになっていくのだろうと思うのでありますが、それをやるにいたしましても、この審議会ほどのような構成でどのような部門の意見を聞いておやりになるのか、今わかる範囲で明らかにしておいていただきたい。
○馬場政府委員 食品流通審議会につきましては、この法律に基づきます食品流通構造改善基本方針、それから卸売市場法に基づきます卸売市場整備基本方針及び中央卸売市場整備計画その他食品流通に関する重要事項を調査審議することというふうに法定させていただいております。 したがいまして、卸売市場法に基づく基本方針及び中央卸売市場整備計画についても審議するわけでございますが、より広く食品の生産から流通、消費に至る幅広い分野の御審議をいただくことになろうかと思います。 したがいまして、それぞれの各分野について広い視野を持って物事を判断し得る学識経験を有する方を委員に委嘱したいと思っておりますが、具体的には、生産、流通、加工、消費各分野の学識経験者をお願いしたいと思っている次第であります。
○目黒委員 よくわかりました。かなり広範に審議委員を選定をしておやりになるということでありますから、重ねてお尋ねしますが、大体何人ぐらいになりますでしょうか。
○馬場政府委員 委員の数は法律上十五人ということになっておりますが、各部門についてどのぐらいの人数にするかについてはまだ明確なものはございません。
○目黒委員 やはりこれだけ広範な百四十兆円産業と言われる流通部門にかかわる人たちの意見を聞くという意味では、必ずしも十五人でなくてもいいのじゃないか、分科会みたいなのがあってもいいのじゃないか、専門分野の審議機関があってもいいのじゃないか、こんなふうに思うのですが、いかがですか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、審議事項によりましてはかなり専門的な知識を有する方々の学識経験も活用させていただかなくてはいかぬというふうに思いますので、問題によりまして部会を設置するあるいは専門委員を委嘱するということもできるように、これは恐らく政令になると思いますが、定めたいと思っております。
○目黒委員 この基本方針は、本当にこの法目的を実現するという意味では、かなり細かい配慮がなければいけないと思うのですよ。ある意味でいうと、いわばスクラップ・アンド・ビルドの部分に分けられると思います、実態としては。それはもう局長もそのことは念頭におありだと思うのですけれども、やはり商業集積にしましても、これは参加できる人とできない人が必ず出てきます。 したがって、私はこれは大臣の感想をお聞きしたいのですけれども、こういういわゆる行政措置をする場合に、やはりかなりきめ細かくやりませんと十分に趣旨が理解されないと申しますか、例えば中小小売、こういうことになってまいりますと、市場で一人で板一枚に並べてやっている人もありますれば、あるいは漁業者なんかでいいますれば、施設整備、無論船もありますけれども、商業活動でいえばそれは竹かごですよ。ざるですよ。そういうものに対してやはり一面で気配りができて、他面で将来方向に向かって、これからの商業活動というのは多様なニーズに対応するためにも、書かれておりますような当面する課題に対応していくために、こういう施設でショッピングだとか文化だとかいろいろなものを加味したものでなければならぬですよというようなものも理解されるような配慮がないと、非常に法の趣旨というものを理解されない部分というのがやはり残る、こう思うのですが、この辺に対する配慮というのはこれは一定程度していかないといかぬと思うのですが、いかがでございましょう。
○近藤国務大臣 先生御指摘のとおり、中小零細までにわたっての業種また業界のことでありますから、大変きめ細かく配慮していかなければならない、こう実は思っているわけであります。 集積する対象につきましても、一つは都市中心部がドーナツ現象になって、保育園も子供がいなくなったり幼稚園も成り立たなくなったりというような現象の中で、ずっと以前からそこで親子何代にわたって御商売をされている人たち、現実には商店というのも、ある意味では農業にまさるとも劣らないぐらい後継者がいないのではないだろうかな。休日仕事をしなければならぬという一つの問題がある、時間が不変であるというようなことがあったり、あるいはまた私どもが扱う加工品は別にしても、魚屋さんにしてもあるいは八百屋さんにしても、まあ三Kの一部に属する部分もあったりして、そういう面で、私は、これが起きたときに依然として、高齢者が経営しておる人はそこに残るのでないだろうか、若い人たちが近代的な設備の中に、集積をするところに参加をしていくというようなところができたり、千差万別の現象が起きるのだろう、こう実は思っておるわけであります。 財産といえばそこの、地価の高いところに存在する人が比較的多いわけですから、それが唯一の財産かなと思うような人たちもおられるわけでありますので、十分このことについては配慮していきたいと思うわけでありますし、そういうことを配慮するために、本業ではありませんけれども、先ほど先生御指摘のありましたような事業参加の分野も、少し例外的にもあげておかなければいかぬのかな、そういう気持ちの事業部門だということで私は理解をして、法律を提案させていただいておるということでありますので、先生の御指摘の点、十分配慮していきたい、こう思っております。
○目黒委員 せっかくのお答えですから局長に念を押すのもどうかと思いますが、いわゆる商業集積施設等は、必ずしも単一で、同じような性質のものでなくてもいいと思うんですよ。したがって、幾つかのマニュアルがあっていいのじゃないかと思いますが、御意見があったら、今の大臣の答弁を何か補足するような形で、あなたに念を押すような格好になって恐縮でございますけれども、そこはやはりはっきりしておいた方がいいのじゃなかろうか、こんなふうに思いますので、一緒にひとつ御答弁を願いたいと思います。 ともあれ、皆さんが一生懸命食品流通部門について農林サイドで何とかしようということで取り組まれたことについては、それなりに私も理解をしておるつもりなんですけれども、これが将来に向かって、いわゆる日米構造協議に伴う四百三十兆円の民活部分の活用ということで、大体計画は十年で予算要求上は約十兆円かけてこの構造改善をやっていこうというような意欲的な取り組みになっておるようでございますが、これも財政当局との折衝の結果ということになるわけであります。そのことは私も別に否定して物を言っているわけじゃございませんが、ともあれそういう計画を立てたときに、最初に申し上げましたように、かなり社会経済事情によって大きな波に洗われる場合が多いですよね。この辺はどのようにして状況に対応することを考えておりますか。 基本方針は五年ごとということですからそれでも一定程度できるかと思いますけれども、やはり今一番日本の各産業にわたって点検をしなければならない部分、メスを入れなければならない部分は、言うてみますれば、今日まで歩んできたそういう部分だろうと思うのですね。だとすれば、せっかく出発するということでございますれば、やはりここは周到にやっておかなければならぬと思うのですが、いかがですか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、殊にこれからの食品流通をめぐります情勢の変化というのはいろいろなことがあろうかと思います。そういう意味では、先ほど先生御指摘されましたような、例えば集積施設のマニュアルにしてもいろいろなパターンが、必ずしも一つに限らなくてもいいじゃないかという点は、私も事態の実態を見ながらやはり柔軟に対応できる方がよろしいというふうに思っておるわけでございます。 さて、そうする場合に、これから基本方針を決めて事業を進めていく上で、五年あるいは十年先ということをなかなか見通しがたいところもあるわけでございまして、この法律制度をつくって食品流通の構造改善をしていこうということを着想しましたときには、かなり大規模なものも考えて、我々大きなことを言って各方面の御意向も聞いたという経緯がございますが、いずれにしても、これからの食品流通をめぐります、我が国の経済全体あるいは農産物の流通、消費の形態等見ながらやっていくためには、確かに柔軟さがあると同時に、一定の方向を示して、自分たちとしては行政としてこれだけのものをやっていくということを定める必要があろうかと思います。 そういう意味で、先ほどの基本方針を決める場合にでも、今後の基本的な考え方の中でそういう将来の見通しを持ったものをつくれればいいと我々思うわけでございますが、ただ、財政事情その他いろいろ経済事情がございますから、これを数字的に明示できるかということになりますと、なかなか難しい問題もあろうかと思っております。
○目黒委員 時間もなくなりましたが、この法案が通りましたときに、外国企業には適用されますか。
○馬場政府委員 食品の流通に携わっている事業者というものでとらえておりますので、外国企業であるかないかというのは法令上区別をしておりません。しかし、実際の問題の所在あるいはこれに取り組む事業主体等というものを考えると、実態としてはなかなか外国企業が入ってこれないのじゃないかと思いますが、制度上は区別しておりません。
○目黒委員 わかりました。制度上は直ちに適用というわけにはいかないが、それぞれ事業協同組合等で対象となる法人等ができた場合は、これはまた別である、このように理解をしておきたいと思います。 どうも時間がなくなりましたが、もとへ戻りまして、七つの当面する課題に対処する手だてとして四事業が行われるわけでありますけれども、七つの課題の中の一つに、農産物輸入自由化に対処するための国内農林水産物販売戦略というもので、先ほど来お話がございましたが、とにかく答弁のありましたのは、外国の食品に負けない品質等々を持ったものを生産することを第一義にして販売戦略を立てる、このように理解をしたのでありますが、そのとおりでいいかどうかというのと、それからこれらの事業が、やはり機構にかかわる事業をやっていく中で消化をしていかなければならない部分というのが出ると思うのですが、この流通改善協会の中には今日までそういったものを手がけてきた団体等もあるわけでありますが、そういった団体を通してこれらの活動マニュアルをつくっていく、こんなふうに理解してよろしゅうございますか。
○馬場政府委員 輸入農産物がふえてくるというのに対して国内農畜産物の販売戦略にこの制度が寄与するかということでございますが、先ほど申しましたように、法律上外国とかそういう区別はございませんが、実際に消費者が望んでいます多様な食品を国内で供給をしていくという前提に立ちますと、この事業の中で特に生産販売提携事業のようなものは、まさに国内で生産されるものを中心に消費者のニーズに合った形で流通し、販売がなされるということを考えているものでございますので、そういうふうに活用できれば法律の趣旨としてもかなうのではないかと思っておる次第でございます。 なお、機構の問題につきましては、お触れになりましたように、今までこれに参加しようとしている団体等を通じて十分流通業者の期待に沿うようにしたいと思っております。
○目黒委員 最後にお伺いしますが、午前中の議論にもありましたけれども、いわゆる食品にかかわる小売業というのは現在六十五万店だというお話がございました。この事業を五年もしくは十年のスパンでやっていく過程の中で、六十五万店というのはどのように推移するとお考えですか。
○馬場政府委員 小売業者の数の見通しでございますが、なかなかこれは難しいかと思います。 といいますのは、先ほども申しましたように過去においても減ってきておるわけでございますが、特に零細な小売店、家業的にやっている小売店につきましては、やはり経営者の老齢化あるいは後継者難ということがございますので、ある程度減ることはやむを得ないかと思いますが、一方で今回のような施策を講ずることによりまして、例えば共同仕入れ等を通じていろいろと扱う品目をふやしていく、それによってあるいは集積施設で消費者に非常に多様な商品を提供していけるというようなことになりますれば、従来の対面販売的な小売業がさらに頑張っていくということもあろうかと思います。我々としては、そういう人たちがより活性化して企業が続けられるように運用してまいりたいと思っております。
○目黒委員 少し意地の悪い質問もいたしましたが、時間が参りましたので、これで終わります。
○大原委員長 御苦労さん。 倉田栄喜君。
○倉田委員 まず私は、構造改善ということについて、その内容を明らかにしていただきたいという観点から最初にお伺いをさせていただきたいと思います。 まず、この法案名であります食品流通構造改善促進法、これを見ましたときに、いわゆる食品流通における、通常言われる流通の多段階性であるとかあるいはその複雑性であるとか、そういうことを国民の方々は念頭にイメージされるのではなかろうか、こういうふうに思うわけですが、この食品流通構造改善促進法における流通構造改善、これは具体的にどこまでの内容を含んでおるのか、あるいは法案においてこれを定義づけるとしたらどういうことになるのか、お伺いをしておきたいと思います。 〔委員長退席、東(力)委員長代理着席〕
○馬場政府委員 法律の言葉の使い方でのお尋ねだというふうに思いますので、私ども事務的に詰めてまいりました考え方を申し述べさせていただきます。 一般に食品の流通は、生産地または製造業において生産される多種多様な食品を卸売業、仲卸業を通じて末端の小売業に流していくというところを流通としてとらえているわけでございまして、もちろんこの流れは商品によりましてそれぞれ歴史的な経過もございます。例えば水産物につきましては産地で卸売市場があり、それから消費地の卸売市場に来て、仲卸、小売と流れるというように、いろいろございますが、そういう物によっての特色を踏まえながら、各種の人的要素、物的要素が複雑に組み合わさった形で流通というものは成り立っていると思うわけでございまして、これらを総体としては食品の流通部門の構造というふうに考えたわけであります。つまり、各種の人的要素、物的要素の複雑な組み合わせというものを食品の流通部門の構造ととらえたわけでございます。 そこで、この複雑な構造の実態の中では、それぞれ部分部分の抱える問題が種々ございます。それぞれの問題に応じて流通機構の合理化あるいは流通機能の高度化を進めていかなければならない。この流通の構造の中の部分部分の流通機構の合理化あるいは流通機能の高度化を図っていくことを、総体として食品の流通部門の構造の改善というふうに考えるわけでございまして、そういう意味で、食品の構造改善というのは食品流通構造の中の部分部分の流通機構の合理化と流通機能の高度化を図っていくことであるというふうに考えておる次第でございます。
○倉田委員 今お答えいただきましたお答えですが、それが第一条で規定されている、このように考えてもよろしゅうございますか。
○馬場政府委員 そのとおりでございます。
○倉田委員 そうしますと、第三条で「農林水産大臣は、食品の流通部門の構造改善を図るための基本方針」、こういうふうに書いてあるわけですけれども、これも同じことでございましょうか。
○馬場政府委員 同じと考えております。
○倉田委員 十一条で「農林水産大臣は、食品の流通部門の構造改善を促進することを目的として設立された民法第三十四条の法人」、以下ありまして、「指定することができる。」こういうふうに書いてありますけれども、この十一条に書いてございます「構造改善を促進することを目的として」という部分の構造改善は、やはり同じような内容と考えてよろしいのですか。
○馬場政府委員 同じと考えております。
○倉田委員 実際にこの法案の中で規定をされている具体的な内容というのは、いわば施設の整備みたいな気がいたしますし、この中に具体的に規定してあるのはそこの部分に限られてくる、そういうふうに私は思うわけですけれども、四つの各事業の中身そのものに出てくる構造改善というのも、今お答えいただきました内容のところまで含んでくるわけでございますか。
○馬場政府委員 法文に則して御説明申し上げますと、四つの事業につきましては二条でそれぞれ定義をしておりますが、この中ではそれぞれの事業の内容を書いてございます。いずれも「食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化に特に資する」というような言い方をしておりまして、構造改善という言葉をストレートにそれぞれの事業には当てはめておらないわけであります。ただ、これらを全体をまとめましたものを構造改善事業と呼ぶというふうになっております。 先ほど先生、施設の整備というふうにおっしゃられました。確かにそれが中心に書いてございますが、例えば食品生産販売提携事業のところでは、二条二項の一号でございますが、「食品販売業者又は食品販売事業協同組合等と農林漁業者又は農業協同組合等との間における食品の安定的な取引関係の確立」というのも入っておりまして、もちろんそれを前提にした施設の整備を行うわけでございますが、事業の中では施設だけでないことも入っているということでございます。
○倉田委員 この法案の名前から受けるイメージと、それから実際に具体的な内容に盛り込まれていることと若干違うような気がしたものですから、今の質問をちょっとさしていただきました。 そこで、次に、法案提出の要因について、先ほどの委員からも七つの点についての御質問がございました。この外的要因として「大店法の規制緩和」、これも一つの要因として書かれてありますけれども、この法案が、そもそも大店法の規制緩和による、いわゆる通常言われております小売店対策の意味があるかどうかということについて、お伺いをしたいと思うのです。 小売店対策については、法案の中に共同仕入れであるとかあるいは共同配送等、食品販売近代化事業、こういうものが規定をされております。しかし、この今小売店が抱えている問題というものは、後継者難であるとか、やはり通常言われております三Kの問題であるとか、そういう問題と、そういう職場環境と関連をするものであって、大店法の規制緩和から直接持ってこられるものであるかというような疑問をちょっと持っておるのですが、この点についてはいかがでございますか。
○馬場政府委員 確かに、食品流通問題の構造問題に取り組む場合の外的要因の中に、大店法の規制緩和も挙げてございますが、先生御指摘のとおり、大店法の規制緩和に影響を受ける小売業に対する対策というのは、政府といたしましては別途関係法案を今国会に提出しているところでございまして、私どものこの法案は、それらとは趣旨を異にいたしまして、最近の食品流通を取り巻く情勢の変化に対応して、食品流通部門の構造改善を促進するという観点から取り組んでおるわけでございます。したがいまして、法律的には、これは直接的に大店法の規制緩和による小売業対策ではございません。 しかしながら、この法律案による諸措置を講ずることによりまして、食品販売業者の中で特に大宗を占めます中小食品の小売業者の体質の改善あるいは経営環境の改善というのが行われますれば、大店法の規制緩和の影響を受ける中小食品小売業者についての経営改善にも寄与するというふうにも考えております。
○倉田委員 大店法の規制緩和ということについては、本法案は直接的なものではない、こういうふうにお答えいただいたと思うのです。 次に、「生活関連社会資本整備の緊要性」、こういうふうに書いて、「生活大国の実現」、こういうふうにあるわけですけれども、確かに先ほど申し上げましたように、流通施設の整備、そういう意味から見ますと、生活関連社会資本の整備であること自体は認められると思うのですが、この流通市場の施設の整備、それがどういう形で生活大国の実現につながっていくかということになると、もうちょっとはっきりしないと思うのですが、この点はいかがでございましょうか。 〔東(力)委員長代理退席、穂積委員長代理着席〕
○近藤国務大臣 生活大国は、いわゆる経済発展の成果を、食生活や住生活を初めとして生活の各方面で享受をできるということではないか、こう思うわけであります。 今、食料品の場合でも構造改善をして、いわば消費者二ーズに合わせながら内外価格差をできるだけ縮小し、そしてまた、コスト低減をしていくことで消費者価格を安定させていくことが一つのゆとりを持たせることになるのではないだろうか、そういうことで、卸売市場等について生活関連枠として要求をし、今回、平成三年度予算を成立させていただいてきたところであります。
○倉田委員 どういう状況を生活大国と言うかということについては、さまざま議論があるだろうと思うのですね。食品流通の部門でいけば、いわば食の家計に対するゆとり、そういうふうにとらえることも可能であろうかと思いますけれども、今大臣お答えいただきました内外価格差の是正、これは一つの要因として「内外価格差是正の必要性」、こういうふうに掲げられておるわけでございますが、本法案で、これは午前中も議論ございましたけれども、果たして内外価格差がどれだけ是正をされていくのかということについてはいかがお考えでございましょうか。この法案ができてどのくらい消費者物価等が安くなっていくのかどうか、その見通しについてはいかがでございましょう。
○近藤国務大臣 生産者、流通、消費と分けたとすると、現状の生産者の食品の質的な問題と価格ということになると、私は、世間一般言われておるように非常に高いものだという意識は持っていないわけであります。世界的にも高品質なものをつくることに大変な御努力をされておりますし、それと価格という問題を余り比較しないで、価格だけ単純に比較をされている風潮というのが多いのではないだろうか、こう判断をいたしておるわけであります。 そこで、先ほども御質問がございましたけれども、一つは余り品質にとらわれ過ぎる、また規格にとらわれ過ぎて、ごく一般的にも見かけよりも内容的に同質のものが、あるいは市場としての価値、消費者としての価値があるいは理解をされない部分があるのではないだろうか。この価値をもう一度改めて見直す方法がないのかな、こう思って、実は私は一つ自分に問いかけたり、自分の頭で今考えておる一点でございます。 そしてまた、これ以上、生産者の価格というよりも流通の問題でコストを下げていく方法がないのかな、こういう感じを実は持っておるわけでございまして、流通の問題とすれば市場の問題にも中心になっていくわけでありまして、今まさに消費者ニーズに対応する接点は小売商業であり、あるいは外食産業であり、あるいは加工産業、最終消費地と接点のところの人たちがいわば消費者ニーズというものを一番つかみ得る場所におられるのではないだろうか。それと、流通の段階での過剰サービスなり過剰包装なりあるいは取引の透明性なり公平性なりというようなものについて、私は考えていかなければならない一点であろうと思うわけであります。 ただ、一つは、現実の問題としては労働者不足が目の前に来て、老朽化されておるそういう施設を改善して、少なくとも近代化をしていく、省力化をしていく、合理化をしていく、そして高品質に合わせる、高度化をするということが当面一つ、目の前で大事なことでありますし、またお金さえあれば一つの解決のできることでありますので、この法律を提案させていただいて、早急にこれが成立をさしていただいた後、施設整備とあわせて、幾つか私の念頭にある課題に取り組んでいきたい、そう考えておるわけであります。
○倉田委員 本法は新法でございますので、新法をつくるということは新しい法律を支えるだけの立法事実といいましょうか、そういう基礎的事実が必要である。そういう意味で、先ほど外的要因として四つ挙げられている、内的要因として三つ挙げられている、これらの要因が、この法律を支えている基礎的な事実に準ずるそういうものだというふうに思っておるものでございますので、今その視点から実は質問をさせていただいているわけであります。その一つとして、内外価格差是正の必要性がある、是正をしていかなければいけないということで挙げられておるわけだから、じゃ、この法案でどれくらい是正されていくんだろうか、こういう御質問をさせていただいたわけです。 同じ意味で、農産物の輸入自由化ということも挙げてございます。「農産物の輸入自由化(国産農畜水産物の販売生産戦略の必要性)」、こういうふうにあるわけですけれども、これはこの法案と具体的にどのようにかかわってくるのか、それを明らかにしていただければと思います。
○馬場政府委員 最近におきます農産物の輸入の増というのはかなり毎年多くなってきておるわけでございまして、これをそのまま放置しておくのではなくて、国内で生産する品質のよい農畜水産物の販売にも役立てられないかという施策を我々検討したわけでございます。これは当然、国内の生産が消費者のニーズに対応した高品質の食品を提供するということで行われるということが前提でございますが、この法案の中では、特に生産販売提携事業におきまして、農林漁業者等と食品販売業者等が提携して継続的な取引関係を確立する、そしてそこで、生産者がつくった農畜水産物の品質をなるべく保持して消費者に渡るように小売段階まで流通させるというための一連の施設を整備するということを考えたわけでございます。したがいまして、そういう外的な状況のもとで、国内の農畜水産物の販売戦略にこの事業が役立っていただくことを期待しておるわけでございます。
○倉田委員 流通各段階において高品質を維持するために施設の整備をする、こういうふうなことだろうと思うのですけれども、高品質を維持するために各施設を整備するということが、そういう設備自体をつくることがいわゆる国内産と外国産とを区別することになり得るのかどうか、その点についてはいかがですか。
○馬場政府委員 施設の整備自身は、おっしゃるように必ずしも国内産と輸入物を分ける形にはなりませんが、この事業におきましては、農林漁業者またはその構成する団体と販売業者あるいはその団体とで安定的な取引関係を結んでやるという点があるものですから、ここにおいては、国内において生産されるものを品質を保持していくということで、この施設が使われることになるというふうに考えるわけでございます。
○倉田委員 安定的な取引の確立ということでありますけれども、例えばその内的要因として、消費者ニーズが変化をしている、多品種少量消費になっている、また量から質が重視をされてくる、こういうふうに挙げられているわけですけれども、これは、この部分についてほどのように対応ができておるわけでしょうか。
○馬場政府委員 消費者のニーズが品質、鮮度を重視して多品種少量消費へ移行していくという変化に対応するための事業といたしましては、一つは今申し上げました生産販売の提携事業におきましても、販売業者の方で消費者のニーズの変化をとらえて、産地側に、こういうものが売れます、こういうものを消費者は望んでいますという情報を伝える、そこで形成されました取引関係が一定の施設の中で、まさに消費者の望む形の品質で供給されるということによって、消費者ニーズの、殊に今申しました品質鮮度志向のものに対応するということが可能かと思います。 また、例えば食品商業集積施設におきまして小売店舗の集積が促進されるということになりますと、従来の個別の店舗では必ずしも品ぞろえ等が十分でないものが、この集積施設のところへ参りますと消費者にとってはいろいろなものがあるということで、多様化するニーズに対応できるということでございまして、また、そこにおいては、食品に関する情報提供等も行われるということで、消費者の多様なニーズに対応できるのではないかというふうに考えている次第でございます。 なお、その他の事業におきましても、それぞれ品質管理、品質保持施設等を整備することによって、一般的には高品質の食品を提供することが可能になるというふうに考えます。
○倉田委員 本法案の提案理由にも、我が国の流通市場というか特性として「最寄り当用買い」と申しますか、零細多数の小売店が存在している、こういうことが説明をされておるわけでございますけれども、この法案は、いわゆるここに挙げられております「最寄り当用買い」に対応する零細多数の小売店が存在する、この活性化にどのような形で役に立つのかというと、それはいかがでございますか。
○馬場政府委員 我が国の食品流通が零細多数の小売店によって担われているというのは、今おっしゃられるように消費者の最寄り当用買いという購入行動に対応したものとして歴史的に形成されてきたというふうに考えられるわけでございます。 したがいまして、そういう形態、これは今後も消費者にとっては必要な購買行動であり、またこれに対応する小売店が必要だというふうに考えまして、それらの小売店の活性化を図るために、本法案におきましてそういう業を行う方々がどうやったら対応できるかということを考えたわけでございますが、特に個別の個店ではなかなかそういうものに対応していくために頑張っていくのが難しいというようなことにつきまして、事業協同組合等が自主的に業務の共同化あるいは販売あるいは輸送等についての施設の整備というようなことを行う場合にこれを助成するというようなことを考えておりますし、また、先ほど言いました商業集積の施設によりまして、大型店に対抗できるような品ぞろえあるいはきめ細やかなサービスができるというようなこと、さらには共同仕入れ等による労力の省力化というような改善が図られれば、これら最寄り当用買いに対応している小売店の方々の活性化に役立つのではないかというふうに考える次第でございます。
○倉田委員 我が国に存在する零細多数の小売店の方々が最も望んでおられることは、現在その場で商売を営まれておられる、その現在の状態の中でどんなふうにうまくやっていけることができるかどうか、そういうことが第一義的に一番望まれておられることではなかろうかと思うわけですけれども、例えば、今お答えをいただきましたように、個別の各小売店ごとでは対応が難しいから業務を共同してやっていくんだ、あるいは商業集積施設というものをつくっていくんだ、こういうふうなお答えでございました。 しかし、これはいわゆる通常言われております大店法の規制緩和によって周辺郊外に大型スーパー等が出てきて小売店が非常にさびれていくんではないのか、こういうことで小売の方々が大変な心配をされておられるわけでございますけれども、今のお答えでいくと、商業集積施設の整備、最寄りの当用買いではなくてそういう方々を集めてどこかまた違うところに大きな駐車場つきのものをつくるというようなことは、現在存在をする零細小売店の方々から見れば、結果的には今のその状況で商売を続けていくことはもう難しいんですよということを言っているような形になるんではないですか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、現在の小売店の方々が今いるままで消費者の当用買いに対応するということでやっていければよろしいわけでございますけれども、先ほど申しましたように、消費者のニーズも非常に多様化してくるあるいは流通コストの効率化、合理化を図らなければならないという要請があるわけでございますから、これに対応するためには、私どもはこの法律によりまして、そういう面での共同化あるいは場所によっては集積施設をつくっていくということを促進しようと思っているわけでございます。 ただ、先生のおっしゃられますように、それはそういうことができていく人はいいけれども、できない人はどうするんであるか、あるいは従来あるところから離れて一カ所に移したら全く同じではないかというような御議論がございますが、販売業の近代化事業の方は、むしろ今ある店舗をそのままにしてそこに物を配送する、あるいは仕入れるというところを共同化するというものでございまして、店舗を必ずしも集約するものでもございませんし、また商業施設の集積の方も、一つは現在ある古い形の公設小売市場、こういうものをその場でむしろ近代化いたしまして、場合によっては駐車場等の余地を生み出せるような形に変えていこう、しかし、周りにもう既にお客さんがいなくなっちゃった、あるいは非常に減ってきて、そこでは店舗を開いていてもなかなか経営ができないというような場合には、むしろ郊外型の集積施設をつくって、そちらへ移ってそこで事業を続けられたらどうか、こういうことを考えているわけでございまして、いずれも意欲のある小売商業の方々が何とか今の事業を続けていく上でよりよい経営になれるようなという意味での経営改善を行うための措置と考えております。
○倉田委員 最初に申し上げました大店法の規制緩和の対応策として、本案が一つある。直接的な関連はないかもしれないけれどもということではございましたけれども。私は特に要望をしておきたいと思いますのは、やはり大店法が規制緩和されることによって小売店の方々が非常に心配をされておられる、またこの法律そのものも、商業集積市場等々ができる、あるいは事業の認定を受けることによってその事業に参加する能力と余力のある方々だけがまた、より強くなる、これに参加をしていけない方々が相対的に逆に力が弱まって小売の廃業等につながって、小売店のさびれている状況を推し進めていくことになりはしないかということを心配をしているわけでございます。そういう意味からは、特にこの法案、小売の方々に対する十分な配慮は特にお願いをしておきたいと思います。 そこで、その内容として食品販売業近代化事業というものが組まれているわけですけれども、この食品販売近代化事業、これについては各組合の方々あるいは小売の方々から、現在のところ具体的な要請というものは出てきているわけでございましょうか。
○馬場政府委員 私ども、この法案を作成する段階におきまして、食品流通に携わる団体を中心にいろいろと御意見を伺ったわけでございますが、今先生おっしゃいます食品販売近代化事業につきましては、主として青果物あるいは鮮魚を扱っている小売業団体の方から非常に関心が強く、またボランタリーチェーンなどをやっている方々からも、こういう事業が望ましいというふうな意見を聞いております。
○倉田委員 食品販売近代化事業の中で、例えば共同仕入れとか共同配送の実施、こういうふうに内容的にはうたってあるわけでありますけれども、ある意味では同一地域で競争関係に立つ方々で共同仕入れをしていく、このようなことが果たして可能なんだろうか、うまいぐあいにいくんだろうか、こういうふうに実は危惧をしているわけでございます。 私の聞いた範囲では、共同仕入れをやってはみたんだけれども、競争関係に立つものだから抜け駆け的なことをする人たちがおられたりして、なかなかうまくいかない、こういうお話も聞いたことがございます。こういう点については具体的な調査、例えば過去に共同仕入れについてはどうだったんだろうかという、そのような資料はお持ちでございましょうか。
○馬場政府委員 共同仕入れ等の事業についての過去の失敗例といいますか、実施状況等について把握した特別の資料を持っておるわけではございませんが、一般的には、先生おっしゃるように、同一地域で競争している例えば魚屋さん同士が共同仕入れをするというのはなかなか難しいんじゃないかという感じは、わからぬわけではございません。 ただ、現在実際にやっているところでも、仕入れは自分でしても、地域が同じなんだから共同配送は一緒にやってもらうとか、そういうような形態もあるわけでございまして、必ずしも共同仕入れだけにこだわらずに見ますれば、これらの業者の方々が共同で行う事業の分野というのはあると思いますし、今のような労働力不足であるとか流通コストが増高している段階では、それはそれなりに合理化、効率化する分野があろうと思っております。
○倉田委員 四つの事業計画があるわけですけれども、一番が食品生産販売提携事業、二番が卸売市場機能高度化事業、三番が食品販売近代化事業、四番が食品商業集積施設整備事業、こういうふうにあるわけですけれども、具体的にその事業の認定をするについて、それぞれの事業がどのような比率で申請をされてくるであろうか、この点については見通しを持っておられますか。
○馬場政府委員 この四つの事業をする上での関係者の御希望等はいろいろと伺っておりますが、具体的に数字として何カ所であるとか、どのくらいの人が参加するという点までは、まだそういう意味での実際の希望は把握しておりません。
○倉田委員 私は先ほど、心配していることがある、小売の方々にとってはつらいような結果になるのではなかろうかということを申し上げたわけですけれども、例えばその申請をするにしても、申請するだけの能力と余力というものが必要である。例えば小売の方々に最も関係する食品販売近代化事業について申請が少なかったり、あるいは申請してみたとしても先ほどの共同仕入れがなかなかうまくいかないかもしれない、こういう問題があったりして、結果的にこれは少なく、例えば二番とか四番とかが多くなるような結果になってしまえば、さらに小売の方々にとっては競争力は弱くなり厳しくなる、こういう結果になるんではなかろうか、こう思うわけですけれども、この点について何か対応策的なことをお考えでございましょうか。
○馬場政府委員 おっしゃるように、四つの事業の中で比較的すぐに参加しやすいもの、あるいは先生が危惧されますように、いろいろな問題がありそうでなかなか参加しにくいもの、多少でこぼこが出てくるかもしれませんが、例えば今の食品販売業近代化事業についていいますと、最近の労働力不足とか流通コストの増高ということを背景にしますれば、小売の皆さん方もこういう事業にやはり取り組まなきゃいけないということはお考えであろうというふうに思うわけでございまして、ただその申請の仕方、あるいはそれによってどのくらいの効果が得られるかということについて、必ずしも明確なものがないとなかなか踏み切れないこともあろうかと思います。 そういうことにつきましては、いわば私どもとしては、この制度の中に仕組まれます食品流通構造改善促進機構を通じて、そういうノーハウなり適切な指導ということを支援措置も行えるようにしてまいりたいと思っておりまして、御指摘のような不安のないようにしていきたいと思っております。
○倉田委員 これらの事業計画、これに一般消費者の方々の意思というものは反映できるんでしょうか。
○馬場政府委員 事業計画それぞれにつきましては農林大臣が認定をするという形になっておりま すが、計画そのものをつくるのは食品販売業者等でございますから、直接的に一般消費者の意見が反映されるという仕組みにはなっておらないわけでございますが、食品販売業者の皆さん方というのは、当然のことながら消費者に食品を売って仕事をしているわけでございますから、自分が行う食品流通の合理化なり機能の高度化が消費者にとって受け入れられるものということは考えてこの事業計画をつくるんだろうと思っておりますし、私どももそういう構造改善計画の作成、認定に当たりまして、消費者ニーズに対応したものであるかどうかということをよく見て、有効な計画になるように指導してまいりたいと思っております。
○倉田委員 次に、食品流通構造改善促進機構についてお伺いをしたいと思います。 先ほど、公益法人として指定する予定の法人を食料品流通構造改善協会でございますか、このような御答弁がございましたけれども、現在のその協会が改組、解散をして新しい形にする、こういうお話でございました。これは現在の陣容あるいは仕組みですか、そういうもの自体も変化をしていくわけでございますか。変化をするとすれば、例えば人数とか機構等々、どういう形に変化をしていくわけでございましょう。
○馬場政府委員 この法律に基づきます食品流通構造改善機構は、民法法人を農林水産大臣が指定することになっておりますが、その指定を受けるべき団体として、現在社団法人であります食料品流通改善協会を母体といたしまして、これを新しく財団法人にしたらどうかということを現在検討しているわけでございます。 これは昭和四十四年に設立をされまして、食料品の卸、小売あるいは製造、小売というような団体四十団体を会員とした社団法人でございます。社団法人は、御案内のとおり、その社団のために行動するわけでございますが、今回、より広く流通改善のために機能するようにということで、財団にしたらどうかというのが今我々の検討している段階でございまして、それに移行するに当たりましては、当然のことながらこの社団の会員たちの合意がなければなりませんし、そこから財団になります場合には、これらの方々から基金の拠出を求めなくちゃならぬというような手続があるわけでございます。そういう点では、この法案が成立いたしますれば、なるべく早くこれらの会員の理解と協力を得て、そういう団体に切りかえたいと思っております。 その場合には、今この社団が行っておりますいろいろな会員に対する情報の提供でありますとか相談事業でありますとか、そういうものもその新しい法人に引き継がれるというふうに考えております。
○倉田委員 お尋ねいたしましたのは、現在の協会の機構あるいはその人員、その規模等々変化をしていくものであるのかどうか、増大をしていくのかあるいは減少していくのか、そういうことをお尋ねをしたわけですけれども、それはまだわかってない、こういうことですか。
○馬場政府委員 私どもとしては、この業務をやるに必要な人員、資金を持たしたいと思っておりますが、何分にも今社団であるものをまず解散して財団に組織がえをしていくということを経なければなりませんので、具体的に、今十人程度の職員のおる団体でございますが、これをどのぐらいにするとかいうことについては明確になっておりません。
○倉田委員 先ほどの質問の中で、基本財産の問題がございました。まだ、必要な仕事をするだけの財産ということで、はっきりはしないけれども二十億前後ぐらいを考えている、こうありましたが、例えばそれはこの財団法人が今後どんな形になっていくのか、どういう形でさらにその業務等々の拡大をしていくのか、それに伴ってこの基本財産も変化をしていく、こういうことでございましょうか。
○馬場政府委員 当面、先ほど申しましたようなことがあればこの機構に期待されている仕事ができるのではないかと思っておりますが、今後長期にわたってそれで十分と言えるか、さらにもう少しふやした方がいいのかという点は、これはこの機構が発足して仕事を始めてみないと確たることは申し上げられません。
○倉田委員 発足してしまった後どのような形で発展をしていくかどうかということについては、もうここであるいは議論をすることができないのであろう、こういうふうに思うので、ちょっとどうすればいいのかなという思いがあるわけですけれども、その基本財産にしても、現在どれくらいあるのかわかりませんが、まあ二十億前後にするあるいはこれから先増額をしていくようなことがあるとしても、それをどんなふうにして集めるのかという問題があるんだと思うのですが、これは今どのようにその基本財産を調えていかれる予定でしょうか。
○馬場政府委員 基本財産につきましては、今この社団法人の会員になっている各団体等に協力を求めて、基金として拠出してもらう方向で集めたいと思っております。
○倉田委員 その機構に対して国としても補助をしていく、こういうことになるのだろうと思うのですが、それはどのような補助、またどれくらいの額になる予定でございますか。
○馬場政府委員 機構の業務は、債務保証業務あるいは事業参加、事業委託業務、資金あっせん業務、地域特産食品等の普及業務、研修業務、情報収集提供業務、調査研究業務、その他指導助言等の非常に広範にわたるわけでございますが、当面、国といたしましては、平成三年度の予算におきまして、この機構ができますればこれに対して四億一千万円の補助金を交付することとして予算を計上しているところでございます。 その内訳は、三億五千万円が債務保証の事業のための経費でございます。それから残り六千万円ほどが、計画作成指導あるいは事業推進のための調査研究等に充てる事業費として予算計上しておるところでございます。 これらの補助金につきましては、いずれも予算措置でございまして、本法案には直接規定されてないところでございます。
○倉田委員 平成三年度の予算として四億一千万、次年度以降これはまた予算編成にかかわるわけでございましょうけれども、一応これを基礎として継続的に続けられていく、あるいはその事業の進展に応じて増額をしていくことも考えられる、こういうことでございますか。
○馬場政府委員 次年度以降についてはまだこれからでございますが、債務保証関係の事業は今回設立に当たって出すということで、今後の継続については今考えておりません。 計画作成指導費であるとかその他の事業につきましては、継続して補助金をある程度交付していったらどうかというふうに考えております。
○倉田委員 今後の補助等については、予算の項目を見ながら、結局どれくらいに補助がなっていくのかということを我々は見るしかないわけですけれども、今お話にあった債務保証、これは既に各県に信用保証協会があって、これにダブらない形、この信用保証協会で保証できないものということで第三セクターをお答えになりました。この第三セクターを保証するということはどういう理由によるものですか。
○馬場政府委員 この機構がやる仕事で、債務保証をやる場合というのを考えてみますと、先ほども御答弁したところでございますが、中小企業者あるいは農林漁業者については既に他の制度におきまして債務保証を行う機関があるということでございますけれども、今回の事業を推進していく上で、第三セクターについては債務保証を行う機関がない、したがって、第三セクターをつくって事業を行えばいいではないかといったときに資金をどうするか、そのための融資を受ける場合の保証はどうするかという問題が出てくるわけでございますので、この機構において債務保証を行うことが必要と考えております。
○倉田委員 第三セクターを保証していく、こういうことですけれども、第三セクターを保証する 場合、その第三セクター自体には保証の担保となるような物的担保がないことが通常であろうと思うのですね。それからもう一つは、第三セクターは地方公共団体が入っていく、こういうものに対して保証をする。万一、第三セクターが失敗をするという形になった場合、保証した分の回収はどうするのか。それから、第三セクターに入っている地方公共団体、これを保証するような形、この辺、これでいいのだろうかという思いがあるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○馬場政府委員 第三セクターが仕事をする場合に必要な資金を借りる、それに保証をしてくれという場合、これは保証をすることになるわけでございますが、もちろん保証するに当たりましては、できるだけ保証債務を履行するような事態が生ずることのないように、事業の成功の見込みあるいは借入金の償還可能性等について厳正に審査し、また必要であればアドバイスをして万全を期すということを考えておるわけでございます。 しかし、そうはいっても、予期しない事態が発生したということで借金が返せなくなる、機構に、債務保証をしたんだからそれを代位弁済してくれということが起こるわけでありますので、このために、先ほども申しましたように、国から三億五千万円の保証のための基金の補助をいたしまして、これをもってそれに備えさせるということでございます。
○倉田委員 この改善促進機構が指定法人とされるわけですけれども、これが指定法人というふうにされた理由というのはどのようなものですか。
○馬場政府委員 食品の流通を担っている事業者の方々、これは従来から自由な営業活動をしているわけでございますが、何分にも零細、多数にわたりまして、こういう構造改善の事業を行う場合の計画の作成であるとかいろいろな事業内容についての知見、ノーハウあるいは資金という点についていろいろと問題もあろうかと思います。こういうものに対応していくには、行政機関あるいはその分身であります特殊法人のようなものではむしろ柔軟性が持てないというわけでございまして、民間の団体でそういう能力を有しているようなもの、これに当たってもらうのがよろしいのではないかというふうに考えているわけでございます。 ただ、こういう政策目的でそういう仕事をしていただくということになれば、全くの民間法人にそのままというわけにはまいりませんで、一定の業務を行うことを目的とする場合に、国がその範囲において必要な指導監督を行う必要があろうかと思うわけでございます。 そういう意味で、今回こういう食品流通の構造改善というような新しい分野について知見やノーハウを持ち、また団体を通じての指導等もやってきている実績のある民法法人をこの法律上の機構に、組織がえはいたしますが、申し出によって指定をするという形で、法律の中で位置づけて仕事をしていただいたら一番よろしいのではないかというふうに考えた次第でございます。
○倉田委員 先ほどの議論の中でも指摘ございましたけれども、いわゆる特殊、認可法人、行政改革の流れの中でなかなか難しい、そういう批判というか指摘がある中で、近時いわゆる官庁で主導をしていく官庁主導型の財団法人というものがふえていく、これはいかがなものであろうか、先ほどの朝日紙の社説のほかにもそういうふうな記事もあるみたいであります。 今お答えいただきましたように、指定法人にしたのは、柔軟に対応する必要がある、一方で政策目的のものだから純粋に民間だけに任せておくわけにもいかない、国からの資金援助もしていく。こういう形になった場合、余り民間のことに口出しをしてはいけないという側面もあるんだけれども、国から金を出していく以上はぎちっとした監督、監査というものもしていかなければいけない、こういう二つの要請、対立があるんだろうと思うのですが、この点についてはどんなふうにこれから考えていかれる予定でしょうか。
○馬場政府委員 先生のおっしゃられた点が、まさにこの民間の民法法人を指定するということで運用するのが一番よろしいかと我々が思った点でございまして、認可法人あるいは特殊法人等になりますと、すべての業務についての業務規程の認可、あるいは場合によっては役員の指名についての行政の関与等もあるわけでございますが、この機構におきましては、業務の中で特に問題があると思われます債務保証業務につきましては業務規程を作成して農林大臣の認可を受けるということにしておりますが、その他については一般的な事業計画あるいは収支予算を作成するという形になっているというような点で、認可法人なり特殊法人に比べますといわば監督という意味では緩くなっております。 しかし、さはさりながら、先ほどもお答えしたわけでございますが、債務保証等については経理を区分するということを法律上明定いたしておりますし、また必要に応じて報告なり検査を行うということ、そして必要があれば改善命令を出す、場合によっては指定の取り消しをするというような規定も法律上整備したわけでございまして、認可法人なり特殊法人に比べますればかなり柔軟な業務の推進ができる、しかし行政上必要なところはある程度関与する、こういう仕組みになっているわけでございます。
○倉田委員 国からどういう形にしても補助をしていくわけである、国民の皆さんの税金を使っていくわけでございますから、この点については何らかの形できちっとした歯どめが必要であり、また監査、監督もしていく必要があるんだろうと思いますので、この点はさらに強く要望をしておきたいと思います。 もう時間がなくなりましたので、これは最後でございますけれども、法律の基本的性格、法の目的について、先ほど、これは基本法ではない、このようなお答えがございました。しかし、内容的に見ると流通構造改善についての基本的な方向というのは定める必要があるんだろうと思いますし、この点については本当に大問題なんだろうと思うのですね。今、この法案の中でどういう基本方針が出てくるのか全くよくわからないものだから、実は戸惑っているわけですけれども、この点も何らかの形できちっとしていただかなければいけない、そういうふうに思います。これは大臣に特に強く要望しておきたいと思います。 そして、さらにこの法の目的の中で、一般消費者の利益の増進、それから農林漁業の振興、これを目的の中にうたっておりながら、実際中に出てくるのは流通施設の整備と申しますか、これが主になっている、この辺がどうも余りすっきりしないなと私が思う一つの理由なんですけれども、消費者と農林漁業者の利益、これはこの法案で最終的にどんな形で図られていくんだろうか、こういうことも実は私は思っているわけでございます。 そこで、最後に大臣に、この点についてお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○近藤国務大臣 基本方針については、法律を成立させていただいてから六カ月以内でございますから、できるだけ早く出していきたい、こう考えております。 今、この法案が通った後、消費者にどのように還元できるかということで、これが不透明だということでありますけれども、どの分野にメスを入れたり改善をしたりしても最終的にはそれが消費者に反映をするという、それを念頭に置いてこの法律を、いろいろな仕事をするには進めていかなければならない、私はそう認識をいたしておりますので、努力をしていきたいと思います。
○倉田委員 以上で終わります。
○穂積委員長代理 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 農林水産省は、これまで卸売市場法しか食品流通の分野では持っていませんでした。今回初めて食品流通分野全体に対する発言権をいわば持つようになったという点で、この法の目的を見ても明記されているとおりの効果というのですか、そういうものを私は期待しているわけであります。 この食品流通構造改善促進法案によりますと、その基本は食品流通審議会の意見を聞いて定められる食品流通構造改善基本方針によって定められる、こういうふうになっております。そういう点では、これから食品流通審議会の委員構成が問題になってくるわけでありますが、これが非常に大事な問題だというふうに考えるわけです。言ってみれば大手スーパーのような資本力の大きい代表者が委員の大宗を占めるということならば、この基本方針は零細な中小小売業者の意見は反映されませんし、その切り捨ての方向を強める方針になる可能性が強くなる、その点では零細な中小小売商の代表を必ず委員に入れる必要がある、そういうふうに思います。また、消費者の代表を入れるということは、これはもう言うまでもありません。その点で、私はまず最初に大臣に、委員選考の方向性について明らかにしていただきたいのでございます。
○近藤国務大臣 委員選任に当たりましては、消費者代表ももちろんでありますが、もう一つの消費者と言われるような外食産業なりあるいは加工産業も、消費者との接点でかなり多様な消費者のニーズを掌握できる立場にある、こう思っておるわけであります。 もちろん家庭消費を中心にする純粋な消費者、そういう方々にもお入りをいただくということで、これは全体の消費者のニーズに最終的に生産がつながっていくということが今大事な時期でもなかろうか、そういうことがまた、ひいては国内生産に活力を持たせる、こういうことを連動して私は念頭に置いておりますから、そういう意味で、消費者の代表の皆さんから委員に入っていただくことについては、先生の御意見のとおりに私も認識をいたしております。
○藤田(ス)委員 その消費者の問題にかかわってくると思いますが、四月十日に首相の諮問機関である婦人問題企画推進有識者会議が、国の審議会のメンバーに女性の委員を一五%登用するようにという意見書を出しております。私は、こういう場所こそ最も女性の委員を登用していくのにふさわしいというふうに思いますので、これはぜひ大臣がこの意見書を受けて率先して実行していただきたい。 それから、消費者との接点ということで私が強調したのは、零細な中小小売業者、これは町の魚屋さんとか八百屋さんとか、こういう小売業者は食文化の継承者だというふうに私は評価をしているわけですけれども、そういう代表者をぜひ参加させるようにしていただきたい、そういう意味で申し上げました。外食産業じゃございません。そこのところを一言だけ。
○近藤国務大臣 とりたてて女性といって差別化、区別化して物を言ってはいけませんけれども、あえて先生から女性の代表も入れるということでありますから、念頭に置いて選考に当たりたい、こう思います。 小売の問題については、十分配慮して代表者にも御参加いただくように人選をしてまいりたい、こう思います。
○藤田(ス)委員 この法案が現在の大手スーパーの流通支配を一層促進するというようなことになっては大変なんでありまして、現在大店法の規制緩和で中小小売商は本当に雪崩を打って自壊していくおそれがあるなんて業界新聞では書いておりますが、まさにそういう危機に瀕しております。そういう立場から、それぞれの事業計画ごとにお伺いをしていきたいと思います。 まず、食品生産販売提携事業なんです。この事業は、先ほどからも言われておりますように、平たく言えば、産直をやるなら保冷施設などの整備に対する融資をするということであります。しかし、その対象事業者は、食品販売業者または食品販売業者の組織する法人及び農林漁業者または農林漁業者の組織する法人と一般的に規定されておりまして、大手スーパーもその食品販売業者として対象に入っているわけであります。言うまでもなく、その大手スーパーというのは資本力も強くて、保冷施設などの装備率も高いわけでありまして、これらの業者に対して融資を優先するなら、ますます流通格差が広がることは必至であります。したがって、この融資は、食品販売業者については中小小売商もしくはその事業協同組合に限定されるべきだというふうに考えます。 法案に明記できないならば、さきの乳業施設資金のような、運用でそのようにする必要があるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○馬場政府委員 お答え申し上げます。 食品生産販売提携事業につきましては、先生おっしゃるように、法律上は販売業者が大手であるとか中小であるとかでは特に区別は設けておりません。ただ、実際に生産者なり生産者団体と安定的な取引関係を結んで良質な食品を確保したいという希望を持っており、また、それを実際に政策的な支援を受けてやりたいと思っているのは、個別の業者としては対応の困難な中小小売業者の方が多いと思っておりまして、またその組織する団体もそういうことを希望しております。あるいは、ボランタリーチェーンのような形で小売の業者の方が結び合っていて、それが一定の産地との安定的な取引をしたいということを希望しているわけでございます。 私どもとしては、法律上限定するということはございませんが、そういうことも勘案いたしまして、この支援措置につきまして、例えば金融についていいますと、中小企業者に対する金利を低くするとか、あるいは税制上の特例としましては、不動産取得税及び固定資産税の減免につきまして、中小企業者の取得した共同利用施設に限定するというようなことで考えておるわけでございます。 ただ、ここで先生にもお考えいただきたいのは、生産者サイドで自分の商品をより高く評価してもらって、より付加価値のついたものとして販売してくれるものということで選んでくる場合に、中小であるからいい、大手であるからいかぬということでふるい分けるということもなかなか難しい問題もあろうかと思います。そういう点で、私ども、例えば大手のものが入ってくるというような事業計画が出てきた場合には、あくまでも中小食料品小売店や産地の農林業者を圧迫することのないように、その計画の認定に当たっては十分留意してまいりたいと思っております。 〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕
○藤田(ス)委員 それでは、卸売市場機能高度化事業、これについてお伺いしますが、現在卸売市場は産地の大型化、大手スーパーの巨大化の中で、先取りに見られるような競りの形骸化が進行しております。中小小売商が品物を確保することに不都合を生ずるような事態というようなことも出てきているわけであります。卸売市場流通ビジョン調査報告書というのを見ましても、八〇%以上の専門小売店が不公平感、不安感を抱いているということが明らかになっておりますけれども、今回の高度化事業によって、このような専門小売店がますます不公平感を募らせていくというようなことがあってはならないわけであります。したがって、ここで私は先取りに対する明確な歯どめについて明らかにしていただきたいのです。 もう一つ、この卸売市場の高度化事業の対象になっている大阪の福島市場の問題についてお伺いしたいわけです。私は、この間ここに行ってまいりました。実際、施設は老朽化しておりまして、本当に深刻であります。建て直しは、これはもう本当にやらなければどうにもならないということを実感いたしました。ただ、代替地かない中での建てかえということで、大変困難な工事になってくるかと思います。 そういう中で零細な仲卸が切り捨てられないか、また、高度化投資は当然施設を利用するものに利用料金としてはね返ってくるわけですから、その負担にたえられないでやめていく仲卸もふえてくるのではないかという心配が大きな問題になっているわけです。その点十分な配慮を行うべきだと考えますが、この二点についてお伺いします。
○馬場政府委員 卸売市場関係で二つ御指摘がございましたが、一つは卸売市場の先取り取引について一定の歯どめをかけるべきではないかという御指摘でございます。 おっしゃられますように、先取りというのは、本来は、その競りの時間まで待てない特別の事情のあるものに緊急に引き渡すためにやむを得ないものということで開設者が許可したものに限ってきたわけでございますが、近年におきます量販店の進出等によりまして、先取りの量がかなりふえてきているという実態が、特に大都市の中央卸売市場においてあるわけでございます。 これが無秩序に行われますと、御指摘のように、競り取引によって公平に公正な価格のもとで荷を買っていくという小売の方々が非常に迷惑するわけでございます。そこで、私どもとしましては、この先取りの問題については、一つの方法として一定量を競り売りすることを前提とした予約取引の試験実施というようなことを提示いたしまして、現在東京都の中央卸売市場、大田市場あるいは最近は淀橋市場においてもこの実験を行っておるわけでありまして、これによりまして中小小売商が積極的に競りに参加できるという形で、一定量必ず競りにかけるということを設定しているわけでございます。 そういう意味で、今後とも先取りの限定の問題等については、取引所の、個別の市場の実態を踏まえながらルールを確立してやっていきたいと考える次第でございます。 それからもう一つは、大阪の本場の例を挙げられまして、この老朽化し、狭隘化した市場を建てかえていくときに、そこに入っている仲卸の業者の皆さんが、新しくなるとそこから追い出されるのではないかというような不安があるというお話があります。 大阪の中央卸売市場本場について見ますと、現在入っております仲卸業者の方が他の市場に比べてもかなり多いわけでございまして、それらの経営内容を見ましても、あるいは後継者の問題を見ましても、なかなか問題のある業者の方も多いと聞いております。市場の再整備というために長期的な投資を行う場合に、そこに入る仲卸の方をどうするかということについては、当然その開設者及びそこに入っている業者の方々が御相談いただいたわけでございますが、現在仲卸業者の方のおおむね二割程度の数を減らすということが言われているようでございます。 これは、業者相互間の自主的な協議、調整を行うということにしておりまして、特にいろいろな事情でやめられる場合には共補償等の支援措置も講じて、摩擦のないように円滑に行われるようにということを指導していきたいと思っております。
○藤田(ス)委員 私は、例の先取りの問題については、やはり公平、公正をだんだん阻害していくというようなことになってはならないと思いますので、省としてもこれから十分監督というのですか、このところはよく実態を見て、そして歯どめを始終かけていっていただかなければ、何のための卸売市場かという声さえ聞かれますので、十分対応を求めておきたいと思うわけであります。 その次には、食品商業集積施設整備事業なんですが、実は私の地元堺でも小売市場というのがたくさんあります。これは市民にとって長い間台所とつながってきた愛すべき市場でありまして、その小売市場はスーパーとの競争の中でだんだん減ってまいりました。小売市場内の商店の数は、一九八二年に千五百六十七店ありましたけれども、八八年には千九十一店と激減をしてきているわけです。市場も六十四ありましたが、五十四というふうに減ってきております。そういう状態の中で救済対策が求められているわけで、私は食品商業集積施設整備事業というのを見ましたときに、そうしたところの要望にこたえる部分がある、積極的に大いに活用していかなければいけないと思ったわけであります。 既に自治体が、この市場の状態をさまざまに分析をしまして、そして個々の市場の現在置かれている問題点はどこにあるのか、それからそれを経営改善していくためにはどうすればいいかというようなことで手がけて、実際にそれを実行していっているわけで、この法律はそれを後から追いかけていって手助けをしていくというようなことになるのかなと思いましたけれども、いずれにしても、上物だけの整備というのでも不十分です。だんだんセルフ化していくわけですが、そういうワンストップショッピングができるようなそういう情報処理システムを構築していかなければなりませんし、それから店舗内のレイアウトに対するコンサルタントの助言というものも非常に不可欠であります。 また、人が寄るように集会所を設けたり、あるいは駐車場を整備したり、こういうことも小売市場でも非常に切実になってまいりましたので、この事業は積極的に進めていただきたいと思うわけでありますが、そういうことを有効に進めていくために、私は大阪府や大阪市あるいは堺市というふうな地方自治体と緊密な連携が不可欠であると考えます。その点の御見解をお聞かせいただきたいわけです。
○馬場政府委員 おっしゃりますように、食品商業集積施設をつくる場合には、単なる店を集めるだけじゃなくて、周辺の環境といいますか、いろいろな消費者に情報を提供する施設とかあるいはレイアウト等についても、市民がそこでショッピングを楽しめることも重要かと思います。 それらについては、先ほども御議論がありましたが、食品流通構造改善促進機構等で経営改善のお手伝いをするとか、あるいはいろいろな各地の情報、優良事例等の紹介、さらには個別の相談にも応ずるというような細かな支援が行えるようにして、その活用を図って対応していきたいと思っておりますし、おっしゃいますような地方自治体、食品商業集積施設の整備事業は第三セクター等で行うわけでございますので、そういう地方自治体に十分意向も伝え、共同してやっていけるようにしたいと思っております。
○藤田(ス)委員 時間が限られておりますので、はしょっていかなければなりませんが、御答弁にもありましたように、この食品流通構造改善機構、この機関の業務の中で照会及び相談業務というものも設けられておりますが、こういう流通コンサルティングというのはその需要が非常に高くて、今現在それを依頼してもなかなか受け入れてくれる状態にはない、しかもコンサルティング料が非常に高いということで、零細な小売市場や中小小売商などは困っている例が非常に多いと聞いておりますので、そういうところに対してぜひ優先してこの機構がコンサルティングを進めていくというような役割を果たしていただきたいということを言っておきたいと私は思います。 最後になりますが、野菜の問題です。 野菜が非常に高くなりました。実際、市場に行っても本当に買う気がしないくらい高くなっているわけです。この問題については先ほどからも議論がありましたけれども、野菜研究会の報告書を見ても、また実際に私が現地を、全国いろいろなところを歩いた実感でも、農業者の高齢化、労働力不足、それからまた野菜の規格が非常に厳しくて、選別作業が非常に煩雑で体力的にももうついていけないというような声も聞いておりますし、また指定産地制度の矛盾も出てきていると思うのです。連作障害だとか天候による被害の集中化などというのは構造的なものだと言えると思います。 そういう中で、この問題を本当に根本的に解決していくためには、それは農業に展望を持たせていく、私はいつも言いますが、米の自由化などというようなことではなしに、本当に農業に農民が展望を持っていく、そういうものがもちろん基本になっていくべきだ。それから、大産地育成ということではなしに、それだけではなく、都市近郊の野菜生産に力を入れていかなければならないし、野菜の生産の分散化を図ることによって野菜の生産を振興させていかなければならないのじゃないかと考えるわけです。この点について、一言御意見をお聞かせください。 それで、先ほどからも出ていますが、消費者も生産者もだれもが野菜の規格についてはおかしい、余りにも厳し過ぎてこんなのはむだではないかと言われながら、実際にはその規格がまかり通ってみんなを困らせているわけです。どこかが大なたを振るって、こういう行き過ぎた厳しい野菜規格を簡素化していかなければならないのじゃないか。その働きをするのは農水省以外にないと思いますが、その点をもう一点。 三つ目は、消費者が野菜の問題で最も求めていたのが原産国表示の問題です。買いにいってもどこのものかさっぱりわからないわけです。そこで、非常に安全性の不安がある中で、一体どこの国のものかくらいは教えてほしいと、消費者保護基本法でも、品質その他の内容に関する表示制度を整備するのは国の責務だというふうになっているわけでありますし、ぜひ原産国表示をという声が高まっています。 四月一日から、いわゆる生産物の一般品質表示ガイドラインというもので原産国表示が実施されるようになりました。私はこの間から市場へ行って、ずっとどんなものをどういうふうに表示しているかというのを調べていますが、実際問題としては、まだほとんどやられていません。だから、これは法的に義務化させるとか予算措置を強めるとかで制度を前進させてほしいと私は思います。せっかく表示されていても、これはオクラです、「南国特産」、シャムと書いてあるのですね。これは私は成田の空港で入ってきているところを見届けていますから、「南国特産」と見た途端に、ああ、これはよその国から入ってきたんだなと思ってすぐ判断がつくわけですが、いずれにしても表示の仕方もよく見なければ判断がつかない。南国特産ですから、慌て者は高知県くらいから来たのかと思うくらいの商品の表示にしかなっていません。 こういうものも含めて、せっかく打ち出された原産国表示をもっと実のあるものにしていただきたいし、そのために一定の時期が来たら調査も行っていただきたいと思います。 たくさん言いましたが、お願いいたします。
○馬場政府委員 野菜の関係、大変広範な御指摘がございましたが、まず生産対策につきましては、私ども毎年予算措置等で施策を充実しておりますが、今年におきましても、先ほども申しましたが、労働力不足等に対応した機械化、省力化、軽作業化のための助成措置、それから産地につきましても、大規模産地のみならず、小さい産地あるいは都会に近いところの産地等の育成事業をやっておるところでございます。 また、御指摘の規格の問題も、先ほど答弁いたしましたように、従来は流通のために一定の規格があることが望ましかったわけでございますが、だんだんとこれが細かく厳密になってきているということで、むしろそれを是正する方向で生産者団体等も検討しておりますので、我々もこれを支援していきたいというふうに考えている次第でございます。 それから三つ目の表示の問題は、先生御案内のとおり、この四月からガイドラインを示したところで、現在関係団体、生産地あるいは流通団体等にもこの趣旨の普及徹底を図っているところでございますので、いましばらく時間をいただきたいと思いますが、徐々に消費者のそういう要望に対して関係業者等もこたえてくると思います。 なお、表示そのものはガイドラインでございまして、これを強制すればいいということかどうかについてはいろいろと議論のあるところでございます。今後とも、このガイドラインの普及に努めてまいりたいと思っております。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので終わります。
○大原委員長 神田厚君。
○神田委員 食品流通構造改善促進法案につきまして御質問を申し上げます。 まず最初に、今国会において法案が提出された背景には、大店法の改正が行われ、大規模小売店舗の進出の規制が緩和されることになり、その結果、大規模スーパー等の進出が促進されるということから、従来の食品の小売店舗への影響を考慮し、その救済措置を講ずる必要性が生じたことなどがその要因として取りざたされております。 そこで、本法律案を作成することになったきっかけについて、まずお尋ねしたいと思います。
○近藤国務大臣 食品流通をめぐる最近の諸情勢は、外的には、先生お話のございましたように、内外価格差の問題やら農産物の輸入増大、大店法の規制緩和に伴う中小小売業の影響が懸念されるようになってまいりました。 あわせて生活関連社会資本の整備緊急性といった環境の変化に加えて、内的には消費者ニーズの多様化なり消費者ニーズの高度化なりあるいは食品情報サービス機能、卸売市場、食品商業集積施設等の整備緊急性といった、生産から流通における食生活生活環境、あらゆる環境が今緊急な課題となり、一方には食料品の小売価格、消費者価格というものが高騰の傾向にある。流通改善を中心にして近代化なり合理化なり高度化なりというものを進めていかなければならない、そういう視点から、この法案を提案をさせていただいた次第でございます。
○神田委員 ただいま御答弁ありましたが、それでは本案の立案のきっかけとなりました外的要因及び内的要因に対して、本案でほどのような対処をしているか、御説明をお願いしたいと思います。
○馬場政府委員 この法案をつくるに当たって、今大臣から申し上げましたような外的要因、内的要因を踏まえまして、我が国の食品流通をどうしていったらいいかということが検討課題になったわけでございますが、御案内のとおり、我が国の食品流通、特に生鮮食料品を中心にしますと、各地に多数存在します生産者が生産する多様な食品を消費者に供給していく、その役割を担っておるのが流通機構でございます。 食品はほかのものに比べますと保存性が低い、あるいは卸売市場というような中間点を経過するものが多い、消費者の方は毎日のように最寄り当用買いで買うという購買行動を持っているということで、ほかの商品に比べて極めて多くの零細多数の小売店が存在するというような問題があるわけでございます。 したがいまして、流通の各段階について、今お話のあった外的、内的要因を根底に対応しながらやっていくためには、どうしてもそれぞれの中で幾つかの事業を形を整えまして、それを事業者の自発性を尊重しながら推進していくということが必要かと思うわけでございまして、一つ一つの要因にこれが対応するというよりは、そういう全体的な状況の中で食品流通の構造を改善していく必要があろうということでございます。
○神田委員 本案は、目的規定におきまして「食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化を図り、あわせて一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資する」とうたっておりますが、この目的が法文上どこで担保されることになっているのか、御説明願いたいと思います。
○馬場政府委員 目的の中の「食品に係る流通機構の合理化と流通機能の高度化」を図るという点につきましては、法律の第二条第二項から五項までの四種類の事業の定義の中に、いずれもこれに「特に資するもの」ということで要件として書かれております。 また、「一般消費者の利益の増進と農林漁業の振興に資する」という部分につきましては、法第三条二項におきます基本方針において、特に基本方針を定める場合の「配慮すべき重要事項」ということで記載されていること、及び法四条六項の構造改善計画の認定の基準といたしましても、「基本方針に照らし適切なものであること、」とあわせて「一般消費者の利益の増進及び農林漁業の振興に寄与するものであること」というふうに定めております。 以上のように、本法の目的につきましては法の条文の中でさらに明定いたしまして、この事業の適切な運営が図られるようになっているところでございます。
○神田委員 本案に基づく計画制度の柱ともいうべき構造改善を図るために大臣が定める基本方針については、法文では「食品の流通部門の構造改善の基本的な方向」を示すこととなっております。そこで、この基本方向については、現在の食品流通部門に対し、どのような構造改善を行おうとするのか、業態別に、流通経路別に明らかにしていただきたいと思うのであります。 また、この基本方針は構造改善計画の認定基準の一つともなっておりますが、計画を認定する際における構造改善の合理化、効率化の程度については、どのような基準で臨もうとするのか、明らかにしていただきたいと思います。
○馬場政府委員 基本方針で示します構造改善の基本的方向におきましては、卸売業、小売業などの業態及び業種別の流通の実態や流通経路の実態を踏まえまして、生産と流通の連携強化、品質保持施設、食品商業集積施設の整備、業務の共同化、卸売市場の機能の高度化等によります食品の流通機構の合理化と流通機能の高度化のあり方等を定めるつもりでございます。 いずれにいたしましても、これらを定めるに当たりましては、食品流通審議会の意見も聞きつつ検討してまいりたいと思っている次第でございます。 また、この方針に基づきまして構造改善計画を認定するに際しまして、構造改善の合理性、効率性というものをどう担保するかということでございますが、この認定に当たりましては、法律上第四条六項に基づきまして「基本方針に照らし適切なものであること、」ということと「一般消費者の利益の増進及び農林漁業の振興に寄与するものであること」、さらに事業を確実に遂行されることが見込まれること等の基準を定めておりまして、個別の計画について、これらの基準に照らして認定をしていきたいと思っております。
○神田委員 次に、一般的に言って、法律を立案しようという場合には、その法律の対象範囲となる関係者の方から強い要請がなされているのが通例であると思われますが、本案の場合には、食品流通部門におけるどの段階の事業者がどのような要請を行っていたのかを明らかにしてほしいと思います。 同時に、その要請を、どのように本案で取り組んでいるかの点につきましても明らかにしていただきたいと思います。
○馬場政府委員 本法案の立案に当たりましては、一つは青果物、水産物等の生鮮食料品の小売店の全国団体、全国青果物商業協同組合連合会でありますとか全国水産物商業協同組合連合会、あるいは食肉事業協同組合連合会等からの要望を聞きました。また卸売市場関係者、例えば東京の築地市場の関係者等との意見交換の機会を持ちました。 さらにまた、農業団体、特に農産物の販売を行っています全国農業協同組合連合会との意見交換等を通じまして、それらの中でいろいろと御要請がございましたけれども、国の制度として仕組んでいけるものという点で、例えば中小食品小売業者の活性化を図るための共同事業や販売施設の近代化のための事業、あるいは小売市場の再編成、あるいは郊外型の新規の集積施設をつくるというようなことについての要望、あるいは自発的に卸売市場の実情に応じて施設の高度化を図る高度化事業、そして生産者団体と食品の販売業者との間で提携をして、より品質のよい農畜水産物の流通を安定的に行う提携事業等々をこの制度に盛り込んだわけでございます。
○神田委員 本案に基づき実施をする事業には四つの事業がありますが、その具体的メニューは明らかにされておりません。 そこで、食品関係事業者が実施する構造改善事業の具体的メニューについては、いつの時点でどのような方法によって関係者へ周知徹底させるつもりなのかをお伺いいたします。
○馬場政府委員 本事業によります四つの構造改善事業の具体的な対象施設あるいは対象者の要件、計画作成手法等につきましては、この法律を国会で成立させていただきますれば、その施行と同時に政省令の制定あるいは必要通達を出しまして、そこに明らかにするとともに、施行前においても業種別あるいは地域別の説明会等をあらかじめ行いまして関係者に周知徹底を図りまして、本法律の円滑な施行に努めるようにいたす所存でございます。
○神田委員 次に、食品流通構造改善促進機構についてお伺いしますが、この機構については各党から既にいろいろと質問がなされておりますが、私も確認をする意味で重ねてお尋ねをいたします。 法文上では複数の法人を機構として指定できることとなっておりますが、農林水産省はこの機構を幾つ指定しようとしているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
○馬場政府委員 この機構は広く民間の能力を結集いたしまして、食品流通に関する情報やノーハウを蓄積し効率的な支援を行うということを行いたいと思っておりますので、全国で一つの法人を指定する予定でございます。
○神田委員 それでは、この機構については現時点では複数とする必要はないというふうにお考えですか。
○馬場政府委員 一つあれば十分だと思っております。
○神田委員 本案が恒久法であるという点を考えれば、制定後将来において複数の機構を行政が必要とするということも想定できないわけではありません。 そこで、仮に複数の機構を必要とする事態に将来なった場合には、行政サイドだけで決定するのではなく、当委員会の了解を得るつもりがありますかどうか、お尋ねをしたいのであります。
○馬場政府委員 私どもとしては、全国で一つの機構を指定してそれによって十分対応できると考えておりますので、それ以外のことは考えておりません。
○神田委員 今の答弁でありますが、我々はやはり、政府が責任を持ってここで法案を通して一つだということでありますから、当委員会において——本案の性格が変わるような場合は行政だけでそれを推進するということは問題があると思いますが、その点はいかがですか。
○馬場政府委員 この法律を御審査いただいております段階で、私ども申し述べましたことを実施してまいりたいと思っております。それを変えるような場合には、これはそのときにまた検討させていただきたいと思います。
○神田委員 本案に基づく四事業については政府系金融機関からの低利融資が行われることになっておりますが、この四事業のうち食品生産販売提携事業及び卸売市場機能高度化事業については、農林漁業金庫が融資をすることになっております。 そこで今回、農林漁業金融公庫がこれらの事業に新たに融資の道を開くこととした理由と、そのメリットについて明らかにしてほしいと思います。
○馬場政府委員 四つの事業のうちで食品生産販売提携事業につきましては、食品販売業者と農林漁業者とが、あるいはその団体が提携して、高品質な食品の安定的な取引関係を確立するとともに、その流通に必要な施設の整備を一体的に整備するものであります。したがいまして、農林漁業者あるいはその団体に従来から融資をしております融資機関がこれを扱うことが適切であり、また融資事務等においても一体的な同一の融資機関が担当するのがメリットがあろうかということで、農林公庫をこの貸し付けを行う機関といたしたわけでございます。 また、卸売市場機能高度化事業につきましても、従来から卸売市場の施設につきまして融資を行っています農林公庫が担当することが適当と考えて、本制度で貸付制度を設けることといたしたわけでございます。
○神田委員 本案は四事業を対象としておりまして、この四事業はすべて農林水産省の所管であるとされているにもかかわらず、ほかの二つの事業については農林漁業金融公庫からの融資の道が開かれていない、またそのメリットを享受できないとなっておりますけれども、それはどういう理由なのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○馬場政府委員 四つのうちの食品販売業近代化事業、これは食品流通販売を行っている事業者を対象とするものでございまして、これらの業者に対する融資につきましては、従来から国民金融公庫、中小企業金融公庫等が行っておりました。貸し付けに際しての審査とか貸し付け後の経営指導等もこれらの金融機関が習熟しているということでございます。 また、食品商業集積施設をつくります団体につきましても、これらの金融機関で対応できるということなので、農林漁業金融公庫の対象とはしなかったわけでございます。
○神田委員 終わります。
○大原委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○大原委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、食品流通構造改善促進法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○大原委員長 この際、本案に対し、東力君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。日野市朗君。
○日野委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表して、食品流通構造改善促進法案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 食品流通構造改善促進法案に対する附帯決議(案) 政府は、食品の流通部門が農林漁業者と消費者の連結役として食料の安定的供給等国民生活に果たす役割の重要性にかんがみ、その健全な発展のために必要な施策を総合的に実施するとともに、本法の施行に当たっては、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 記 一 基本方針の策定に当たっては、生産から消費に至る食品流通の実情を適確にとらえ、その流通の効率化及び合理化等を通じ、流通コストの低減と消費者ニーズへの適合に資することを基本とし、流通関係者、とりわけ小規模小売業者の意向が十分反映されるものとなるよう留意すること。 また、基本方針は、構造改善事業が速やかに実施できるよう早急に策定すること。 二 構造改善事業の円滑な実施を図るため、食品流通構造改善促進機構については、その指定の趣旨、業務の性格等に即し、民間法人としての機能が十分に発揮できる組織となるようにするとともに、食品販売業者等の計画作成等が円滑かつ適切に行えるよう配慮すること。 三 多面的機能を有する食品流通審議会の構成については、委員の任命に配慮し、審議会の公正かつ中立な運営が行えるよう万全を期すること。 四 構造改善事業の実施者に対する農林漁業金融公庫等からの融資については、所要の資金枠の確保、食品小売業等の経営の実情に即した適確な貸付け、事務手続の簡素化等本資金制度の有効かつ適切な運営が行われるよう努めること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○大原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 東力君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○大原委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤農林水産大臣。
○近藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。 ─────────────
○大原委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○大原委員長 次に、内閣提出、参議院送付、土地改良法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。近藤農林水産大臣。 ───────────── 土地改良法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○近藤国務大臣 土地改良法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 土地改良事業につきましては、農業の生産基盤の整備を通じて、農業の生産性の向上、農業構造の改善等に大きく寄与してきたところであります。 また、近年における農村の混住化の進展、中山間地域における過疎化の進行等の中で、土地改良事業が農村地域の活性化、国土の保全等に果たす役割は、農業者のみならず、地域社会にとって極めて大きなものとなっており、今後ともますます増大することが見込まれております。 このような状況にかんがみ、土地改良事業の円滑かつ効果的な推進を図る観点から、国営及び都道府県営土地改良事業における市町村の事業費負担の明確化、事業実施方式の改善等を講ずるとともに、これとあわせて、水資源開発公団が行うかんがい排水事業及び農用地整備公団事業につきましても、市町村の事業費負担を明確化する等の措置を講ずるため、所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、農村の混住化の進展等の中で土地改良事業の地域社会に果たす役割等にかんがみ、国営及び都道府県営土地改良事業について、当該事業により市町村の受ける利益を限度として、都道府県が事業費の一部を市町村に負担させることができることとしております。 第二に、農用地の保有の合理化等を促進するため、不換地または特別減歩見合いの創設換地により、地域における農業の担い手たる農業者の経営規模の拡大に必要な農用地を創出することができることとするとともに、換地計画に係る地域の全部について、工事が完了する以前においても換地処分を行うことができることとしております。 第三に、土地改良施設の更新を円滑に行うため、土地改良区が、国または都道府県が管理する土地改良施設の更新事業につき、国または都道府県が行うべきことを申請することができることとしております。 第四に、土地改良区及び土地改良事業団体連合会の組織運営の強化を図るため、土地改良区の組合員以外の理事の定数を拡大するとともに、土地改良事業団体連合会の事業の拡充を図ることとしております。 第五に、水資源開発公団の行うかんがい排水事業及び農用地整備公団事業につきまして、これらの事業により市町村の受ける利益を限度として、都道府県が事業費の一部を市町村に負担させることができることとする等の措置を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○大原委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、明十七日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十八分散会