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120回国会衆議院1991/02/15

農林水産委員会 第3号

発言数
126
登壇者
16
会派数
3
開催日
1991/02/15

会議録

大原一三自由民主党

○大原委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鉢呂吉雄君。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 昨日来、近藤新大臣の所信表明、そしてそれに伴う質疑の御答弁を一日ずっと聞いておりまして、大臣のみずからの言葉で御答弁されているその姿あるいは内容をお聞きいたしまして、大変感銘を深くいたしました。本当に新聞報道に伝えるとおり農業の専門家であるなというふうに思った次第でございまして、私も北海道の、十八年間農協職員、うちも水田農家でございましたので、そういう観点から、これからの農政、特にきのう大臣は、農政については農家、農民との信頼関係が大事であるというようなことを冒頭、東委員の御質問に対して発言されたというふうに思いますので、そういう観点から農政の信頼回復ということで全力投球をなさっていただきたいものだなというふうに思っております。  また、きのうのさまざまな答弁の中で、これまでになかった農水省の考え方といいますか、言葉じりはどうであっても、例えば今の消費生活においては農産物の価格よりもむしろ品質なり安全性が問われておるのではないかといった発言もございました。私どもの日野筆頭理事の御質問に対しても、所信表明の中に価格政策については述べられておらないのですけれども、ともすれば従来、海部首相も言っておりますけれども、内外価格差の是正ということが必ず農産物の価格の問題にひっかけて出されてきたわけでありまして、単にそれが象徴的に言われておるのですけれども、そういった問題ではないだろうという観点で大臣が発言されておるなというふうに思った次第でございます。  あるいはまた構造政策等につきましても、単に農業についてのみでなくて、農村に対するあるいは農村生活、あるいはまた担い手、若者確保のためにもそういう楽しさを今求めておるのではないかという話もお聞きをしたところでございます。  あるいはまた、この所信表明でもございますけれども、日本は南北に長い、気候風土が違うわけでありまして、その地域に合った農業が今問われておるのではないかという御発言もあった次第でございます。私どもも昨年来新農業プランですとか、今回地域農政確立のための基本施策も発表したところでございまして、これらとも符合するな、一致するところがあるなというふうに感じた次第でございます。しかしながら、私どもの北海道はともすれば特殊的なことで見られがちですけれども、やはり全国的な規模と変わりありませんで、専業農家はまだ高いわけですけれども、徐々にあるいはまた急速に後継者難あるいは過疎あるいはまた専業農家が減っておるという実態を呈しておるわけでありまして、そういった点で、北海道だけは特殊でなくて、全国共通的なものもあるというふうに思わざるを得ない次第でございます。  そこで、大臣も述べておりますけれども、他産業に見合うだけの、これは他産業よりも多いということは必要はないですけれども、他産業に見合うあるいは並みの農業所得の確保ということが一番求められておる。  それからもう一つは、食糧の自給率の確保ということも、これは農民みずからではありませんけれども、国民全体の食品の消費という観点から、自給率の向上というものは欠くことができない大きな農業食糧政策であろうというふうに考える次第でございまして、この二つを抜きにしては、どのようなさまざまな地域ごとの農業に対する取り組みがあっても、なかなかその地域では創意工夫をもってしても行き着かないというのが現実だろうというふうに私は思う次第でございます。  そういった観点で、農業の役割と位置づけそれから食糧自給率の向上、もちろん政府も需要に見合った長期の生産見通しというものを昨年一月に閣議決定をされておりますけれども、それを実際にやっていく具体的な政策としての取り組みが必要になっておる。そういった意味での食糧自給率の問題あるいは昨日大臣も発言をしておりますけれども、水田の転作を含めて水田の有効活用あるいは中山間地域の活性化といった問題、そして消費者と生産者との連携といいますか、私どもは共生ということを言っておるのですけれども、生産者と消費者の共生、地域の資源を活用した環境保全型の農業への移行というものが今求められておるというふうに思いまして、私どもも新たに食糧、農業そして農村づくりのための基本法律を策定すべきであろうというふうに思う次第でございます。大臣も個人的には、報道によれば、昨日も質問がございましたけれども、今の農業基本法の見直しを考えておる、あるいはまた事務次官もそれらの具体的な取り組みを始めたいというような報道もきょうされておりますけれども、それらをあわせて、私が今申し上げた問題について大臣としてどのように考えるか、所信をお聞かせ願いたいというふうに思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 昨日、各般にわたって諸先生方からの御質問に私の考えていることの一端を申し上げさせていただいたわけであります。今先生から御指摘ございましたように、まさに各般にわたって一度検討してみる、そして新たな社会的環境なりあるいは自然環境なり生活環境なり食糧環境なりというものがこれだけの変化を来した状態でありますから、そういうものを総合的に一度考えてみたいなという感じを自分が平素持っているものですから、いろいろな角度から御答弁をさせていただいたわけであります。  いずれにいたしましても、まさに農業の環境というのはガット・ウルグアイ・ラウンドの関係から見て、生産者にとっても厳しい局面に今立っておるのではないだろうかな、意識的にも将来の農業に取り組む選択に迫られておるのではないだろうかな。  なお、今後、将来とも食糧の自給率を含めて我が国の食糧を安定的に供給するというかけがえのない重要な役割を我々農林水産省は担当させていただいておるわけですから、今後の食糧生産に当たって、まず意欲を持って取り組んでいただくためにどうあるべきかということを考えていかなければなりませんし、考え方だけではなくて具体的にどうするかという問題は、昨日も日野先生からいろいろ御意見をちょうだいいたしましたし、本日また先生からも所得の問題、あわせて生活環境の問題というのも、若いこれからの後継者には欠くことのできないことだろう、こう思っているわけであります。  しからば、所得の問題を従来どおり基盤整備なりコストだけで、土地利用型についてやっていけるかというと、それだけでは大変厳しいものがあるのではないだろうかな。今、消費者ニーズにこたえてかなり高い付加価値を上げていかなければならないものが、その付加価値を生産者サイドで所得に結びつけながら、また雇用の場として可能な限り私ども支援をしていく方法がないのかなということを今後また積極的に取り組むことが、粗生産以外に付加価値の分で所得も検討していけないだろうかな。従来の、いわば面的規模の拡大なりあるいは協業なりという、生産コストを下げていくことも大事なことでありますけれども、新たな分野として何か考えていく方法がないのかな。  生活環境の分野につきましては、昨日も何回も答弁をさせていただきました。地球的な環境規模で空気や緑や水というものが代表的に改めて価値を求められて、これだけの認識の高まったこともないことだろうと思うし、こういうものを農村において一番役割を果たせる立場にあるのであろう。そういう面から農業を営みながら、そういう社会政策的な価値というものに対する、我々がどのような評価をして支援をしていくことができるのかな、こういう問題をあわせ考えて、昨日から答弁をさせていただいておるわけであります。  農業基本法につきましては、昨日も御答弁させていただいたように、これだけ社会的環境なり経済環境なり食生活の環境が変わってきておるときであるだけに、昭和三十年当時つくられた基本法をもう一度自分で勉強をしてみる必要がある、見直してみる必要があるのではないかなということを前提にして、まず自分で勉強をさせていただこうと思って、大体の私の考え方ができれば事務当局にまた検討してもらいたい、そういう考え方で目下勉強させていただいておる、こういうことであります。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 最近の内閣改造は非常に短期間でございますから、全力投球で、平均一年以内というふうに聞いていますので、近藤大臣が留任をされれば別ですけれども、ぜひ早急に取り組んでいただきたいものだなというふうに思いますし、先ほど言いました所得政策それから食糧自給率という二つの大きな問題が国の政策として確立をしなければならないということで、この食糧自給率の問題、今大臣も言われましたけれども、今のガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の問題は非常に重大であることは論をまたないわけで、そちらの方に議論を移していきたいというふうに考えております。  十二月の閣僚会議以降さまざまな事務段階の取り組みがされておりますけれども、特に日本が主張しております基礎的食糧についての安全保障の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  この問題は一九八九年の四月のガットの中間合意がございまして、それを見させていただきますと、貿易交渉委員会での中間合意では、長期交渉の枠組みとして、この交渉の改革は支持及び保護の約束に関する交渉とガットの規則及び規律に関する交渉を通じて行っていくというふうに合意されたというふうに言われております。それで、ガットの規則及び規律に関する交渉はまさにガットのルールづくりだということでございますけれども、昨年のあの閣僚会議、入り口で中断をしたわけですけれども、あのノンペーパーを見ましても、このルールについては一切言及をされておらなかったということで、日本としても大変な危機感を持たざるを得ないわけでありますけれども、このルールづくりについての今日までの協議の経過あるいはその内容について、これは事務段階でもよろしいですけれども、お知らせを願いたいというふうに思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 今お話がございましたように、農業交渉の一つの要素が、今お話がございましたガット規則、規律の問題でございます。  我が国は昨年の八月に農業交渉グループに、このガット規則及び規律に関しまして新たな、あるいは改正を求める形でガット条文を追加するということで、御承知の基礎的食糧に関すること、それから十一条関係の見直しに関することについての、条文に則した提案を行っております。  しかしながら、先生御承知のように、この後いわゆる国別表それからオファーの提出という一つの期限がございましたが、これをめぐりましてアメリカは期限ぎりぎりに、それからECは御承知のように非常におくれて提出したというような経過になっておりますので、条文に則した、あるいは規則に則した議論というのは、今のところ十分に行われていないというのが現状でございます。場外でとかあるいは技術的な議論が行われた過程で若干触れられたというようなことはもちろんございますけれども、正式にガットの規則あるいは規律という形で議論がまだ進められていないわけでございます。御承知のように、十一月まで進められた事務的段階でも、ECとアメリカの輸出競争をめぐる対立がそのままでブラッセルの閣僚会議に入ったというようなこともございまして、今までのところでは十分な議論というのが行われてないというのが実情でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 特に非貿易的な関心事項ということで、食糧の安全保障の問題、あるいはまた、これは中間合意でも、日本側がその後十一月に中間合意に基づく日本の提案という中で述べておりますけれども、国土環境の保全あるいは雇用全般、地域社会の維持など純経済的でない社会的な要請によるものが考えられるという言い方をしておりますけれども、実質は食糧の安全保障だというふうに思っております。  この点に関する日本の主張に対する各国の、主要国、例えばアメリカ、EC、ケアンズ・グループ、韓国あるいは東南アジア、そしてガットの事務局のこの食糧安全保障論に対するこれまでの、公式の協議はなくても、これは再三再四日本が訴えてきていることだろうというふうに思いますから、各国の反応といいますか、これに対する各国の考え方をどういうふうに受け取っているか、聞かしていただきたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 食糧安全保障とそれからそれを含みます非貿易的関心事項についての各国の反応と申しますか、でございますが、先ほど申しましたように、公式の場では議論が十分進められてないということでございますが、この食糧安全保障という重要性については、各国ともに理解が得られているというふうに私どもは考えております。  ただ、その具体的な、それを確保するための手法につきましては非常にいろいろな考え方がある。日本とは違う考え方が輸出国にはあるということだろうと思います。  具体的には、例えばアメリカは、この考え方はわかるけれども、それは備蓄とかあるいは輸入の多角化というようなもので対応し得るのではないか。それから、ケアンズ・グループはアメリカとほとんど同じ、むしろ自由貿易を推進することによってそれは確保されるのではないかというような主張をしております。  一方、スイスなど、あるいは北欧などの輸入もかなり行っている国につきましては、この考え方はよくわかるということでございますが、一方、例えばその中心となっている主食の概念あるいは中心となる食物の形態などが食生活それから気候風土によって違いますので、必ずしも日本のような米という中心を持った安全保障というものについてはなかなか素直に取り入れにくいというような意見もございます。  一方、当然のことでございますが、韓国のような我が国とある意味で近い食生活あるいは気候風土というようなところは、全面的に賛成をしていただいているというような状況にあると思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 私も昨年の十一月の下旬に二週間、スイスのジュネーブ、ガット本部に行ってまいりましたけれども、特に食糧安全保障論については今局長が言われたとおりだと思います。  ただ問題は、食糧安全保障を認めても、ミニマムアクセスについては、最低量の輸入はこれは当然ではないか、これは事務段階のお話ですけれども、各国ともそういう話をしております。これはガット事務局でさえそういう話を明確にしておるわけでありまして、この点については、こういう相手側の反応、最低輸入量というかミニマムアクセスについては、食糧安全保障であってもそういうものが必要である、輸入しなければならないという各国の反応というふうに受け取ってよろしいですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 今、私最初から申しましたけれども、基礎的食糧の問題と生産調整などを確保するための数量制限、十一条二項におきますミニマムアクセスの問題とは区別して議論すべきであるという主張を私どもがしていることは、先生御承知のとおりでございます。したがいまして、基礎的食糧についてミニマムアクセスとの絡みの議論というのは、先ほど申しましたように必ずしも公式の場では行っておりません。しかし、先生がおっしゃられたように、そういう意見を持っている国はかなりあるというふうに私どもも考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 そういった意味で、私は昨年行ってきたわけですけれども、日本のこの食糧安全保障論、そしてミニマムアクセスはこれにリンクしないという論については、ほとんど理解をされておらないという感触を持った次第でございます。  そういった意味かどうかはわかりませんけれども、今度新大臣は、十二日の記者会見というふうに報道されておりますけれども、「コメだけが世界の貿易で唯一、流通の対象にならないということは相当厳しいと思う」「コメだけをミニマム・アクセス設定の例外とするのは難しいとの認識を示した。そのうえで」「各国が抱えているミニマム・アクセス設定の困難な産品について、共通のルールを作る必要性を指摘した。」という報道がされておるのですけれども、この真意について正式にお伺いをいたしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 新聞報道の前段と後段の部分については、それぞれ私の発言について、記者の感覚か社の感覚かわかりませんけれども、つけ加えられた部分があるわけでありますけれども、質問が実はございまして、米だけが貿易対象にならないとするとどうなんでしょうかという質問が、羽田大臣の発言から関連をして記者さんの方から出てきたわけであります。  米一品だけを世界の貿易対象から外すということは非常に難しい、厳しいことになっていくだろう、それだけが実は私の発言でありまして、交渉の中で、今も事務当局からお話のございましたように、さまざまな意見がございますし、食糧安保という話は理解ができても、一定のものはやはり考えてもらわなければならぬという意見も各国にそれぞれ実はございます。ございますけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンドの話が始まって四年経過をして、先ほど先生からお話がありましたように中間合意の中にきちんと明記をさせる努力を先輩たちがしてきたわけでありますし、あっせん案であろうとたたき台であろうと、そこの部分をきちんと明記をさせて議論をするという話になっていかなければならない、こう実は思っておるわけでありまして、農産物全部がミニマムアクセスで同じように扱われるような日本の米の事情ではない。それだけに、ここに焦点を合わせて、これだけじゃありませんけれども、ここに最大の焦点を合わせて、我々目下努力をいたしておるところであります。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 この間の経過を見ますと、単にECとアメリカの対立という観点でなくて、その陰に隠れて日本はひっそり身を沈めておった。もっと、この食糧安全保障論なり、ミニマムアクセスをつけない安全保障論についての徹底した相手に対する理解の求め方という点について欠けるところがあったのではないだろうか。また、そういう点で大臣はその困難さ、理解を求めてきたというふうに思いますけれども、なかなか理解をしてくれない。中間合意の中でも安全保障論については言っておるわけですけれども、これがミニマムアクセスの範囲外だということは一切言及をしておらないわけでありまして、そういう点で大変困難な取り組みになっておると思います。  そういった意味で、この後半部分、先ほど私が言いました、各国ともそういう困難な産品を持っておるものについて共通のルールづくりをするかのような発言というふうに私ども受け取ったのですけれども、そのための努力を日本がしていくというふうな受け取り方をしたのですけれども、そういうことは考えておらない、あくまでも食糧安全保障論の中で、日本としては米を中心としていくということにすぎないということでしょうか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 ノンペーパーなるものが各論にも総論にも議論の対象に昨年末はならないで、アメリカ、ECが輸出補助金の中で距離があって延会になって今日まで来ておるわけであります。  したがって、あそこの中にもミニマムアクセス五%などというものが出ておりますけれども、そのようなものの対象で米を扱うという考え方にない我が国でありますから、前大臣もあのノンペーパーについて、従来我が国が主張してきたものが明記をされてないノンペーパーというものに対しては同意するわけにはいかない、こういうことで、会議の後でも我が国の主張というものを強く述べられた、そしてまた、それが大きく報道されてきたわけであります。  私ども、そういう立場で食糧安全保障、基礎的食糧というものについて、これは我が国としては米がその対象であるということをるる話をしてきておるわけでありますから、それがそれぞれの国にあるとしたら、それは出して議論することであって、我が国は我が国の米、これほど世界的に重要なものがないという感覚を持っておるわけでありますから、そういう方針で従来も対応してきましたし、今後もそのことに全精力を傾けていくという決意で実はございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 最大の努力を払っていくという言葉での決意は、前大臣からも聞かされておりました。  今のこの交渉の方向というのは不確実な要素がございまして、アメリカ議会のファーストトラックの一括承認の問題とかいろいろな話が出ておりますし、あるいはダンケル事務局長がたたき台をつくる、その中にはこの食糧安全保障論も入れられるというような見方もありますし、なかなか難しい。各国の反発が強い、例外の品目が多くなるということで反発も多いという中で、やはり今は事務段階で相当話を進めておるというように、事務段階と言ったらおかしいですけれども、大使なりあるいは審議官なりが話を進めておるとも思いますけれども、大臣も日本の安全保障論が入るということについて非常に厳しいという御認識には変わらない、そういう御認識があるのであれば、具体的な行動といいますか、例えばダンケル事務局長、来日するといううわさもありましたけれども、ダンケル事務局長に直接お会いをする、あるいは各国の大臣に働きかけるということがあっていいのではないかというふうに、私が大臣であればそういうふうに行動しますけれども、どのようにお考えですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 ダンケル事務局長が取りまとめの段階には、私ども、再度また向こうからもお話があると思うし、またこちらからも積極的に話をしなきゃならぬ、こう思っておるわけであります。  今の状況を私が承知をしておる範囲内では、その食糧安保論以外の問題でもかなりプラットホームをつくるのにいろいろな意見が出て、まだまとめ上げ得るという段階までには若干困難性があるような状況で実はございます。しかし、その後の変化が、日本とジュネーブのことでありますので近日中に部長から行って情報収集をしていただこう、こう思っておるわけでありますし、前回に塩飽審議官が出張するときにも、このことは特に私からということをつけ加えてダンケル事務局長にもお伝えをいたしておるわけであります。必要があって、議会開会中でありますので日程が許されれば必要なときにはお許しをいただければ私がお会いをするということは、常々考えておることであります。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 米の完全自給ということは大変重要なことでございますから、これはガット・ウルグアイ・ラウンドが決裂してもこれを守っていくという決意を、この問題について聞かしていただきたいというふうに思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 今本格的な会議場での入り口に入ったところで、輸出補助金で今アメリカとECと対立しているとき、総理からも御答弁を申し上げておりますし、このガット・ウルグアイ・ラウンドを何としてでも成功させたいという政府の意思もございます。今交渉もまだ本格的に議題になる前に、ガット・ウルグアイ・ラウンドが壊れてもどうしてもという話を私がここで申し上げるわけにはいかない立場であります。  しかし、農林水産大臣という立場で私がやるべきことについては、我が国の従来からお話を申し上げている方針で全力を挙げてこの問題を主張して、それが輸入国の主張しかも最大の主張というものが反映をしてまとまることがまとまった後の実効性が上がるものだ、こういうことを私は主張しておるわけでありまして、輸出国だけの論理でガット・ウルグアイ・ラウンドがまとまっても、後の実効性ということを考えたら双方の話し合いの結果が円満にいくことが大事なことでありますから、最大の輸入国としての、いわば買い手と言うと語弊がありますけれども、そういう双方があって成り立つものでありますから、その立場の最大の問題である米の問題について、私は全力を挙げてこの問題を主張して、ぜひ反映をさせていきたい、こう思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 次に、いわゆるガットの十一条二項の(C)に伴います脱粉、でん粉の関係でございます。  この問題については、昨日来も御答弁がございました。ガットの定期理事会におきまして、この一九八八年ガットのクロ裁定のフォローアップという段階で、アメリカは脱粉とでん粉の個別協議の開始を求めたということでありますけれども、日本政府の代表は交渉の用意があると表明したというふうにとられております。昨日畜産局長は、枠の拡大に応ずるというような答弁をしたというふうに私思っておりますし、大臣は、その後ですけれども、現状の枠の範囲の中でこれを交渉していくというような発言をされたわけでありますけれども、もう一回再確認をさせていただきたいというふうに思います。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 乳製品につきまして、若干今までの経過を先に御説明させていただきたいと思いますが……(鉢呂委員「いや、それだけでいいです。時間がないので」と呼ぶ)そうですか。こういうことです。  私が昨日申しましたのは、日米協議ということよりも、十一条二項のの問題につきましてはこれはいろいろ要件がございまして、生産調整をやっているということと、それからミニマムアクセスということもその要件に入っているんだということを申し述べたというつもりだったのでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 実は昨日の夕方の最終局面では、川合局長がこのように答弁をされております。この二国間協議といいますか個別協議については、ウルグアイ・ラウンドでの主張、いわゆる十一条二項(C)の強化といいますか補強ですね、この関係で協議をしていくというような発言をされておりまして、このお二方といいますか、臨む態度が食い違うというふうに私ども受け取ったのですけれども、明確な、どちらがどういう方向で向かうのか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 今畜産局長もちょっと申し上げましたように、この問題は平成二年度中に双方の都合のよい時期に再協議する、そういう合意になっております。これは十二品目のパネルの結果に基づく合意でございます。  しかし一方で、先ほど来申し上げておりますように、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉におきましては十一条二項(C)の明確化という提案をしております。したがいまして、この提案をしているという、そういう立場を踏まえてこの再協議に臨むということを、私昨日御答弁したわけでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 きのう同僚議員も、私ちょっと席を外したのですけれども、この問題については特に六十三年の二月にこのガット理事会は裁定を下して、それ以降日米でこの関係の協議をしまして、七月だったと思いますけれども一応の取り決め、先ほど言いました平成二年度、三月までに再協議をするということだったと思いますけれども、しかしその中で、この新多角的交渉、このガット・ウルグアイ・ラウンドで日本は十一条二項(C)の強化を持ち出したわけでありまして、この点について、この点ということは十一条二項(C)についてのアメリカの了解点を得ておるのかどうか。それから、やはりこの二つはダブっておる、日本の立場としてはやはりこのガット・ウルグアイ・ラウンドのルールづくり、いわゆる十一条二項(C)をきちんと見直すという観点に立てばこの二国間協議というのは凍結をして、ガット・ウルグアイ・ラウンドに任すべきではないか。これは三月で終わるというはっきりしためどがないわけでありますから、中には夏以降までずれ込むという話もあるわけでありますから、そういう主張をきちんとすべきであるというふうに思いますけれども、この二つについてお願いします。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 この十二品目にかかります今御指摘の六十三年の合意におきまして、平成二年度中にそれ以後、平成三年度以降の問題については話し合う、再協議を行う、そういう合意になっております。したがいまして、これはその合意に基づいて再協議をしなければいけないということになります。一方、ウルグアイ・ラウンドの場で、先ほど来申し上げておりますように十一条二項(C)の明確化という主張をしておりますので、我が方としてはその主張を踏まえてこの再協議に臨みたいということでございますが、一方、アメリカの方は、既に合意は二年までしかないから、三年度以降については自由化すべきであるという主張は依然として持っておるわけでございますので、そうした両方の違う意見のもとでこの再協議に臨むということになると思います。  しかしながら、私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、十一条二項(C)の明確化ということがウルグアイ・ラウンドまでまだ決着がついていないわけでございますから、こうした我が方の主張を踏まえてこの再協議に臨む、そういう対応をしたいということを申し上げておるわけでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 そうしますと、日米のこの協議の合意点が優先をせざるを得ないというふうにも受け取れますけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 三年度以降については決まってないわけでございます。したがいまして、私どもは、先ほど来申しておりますようにウルグアイ・ラウンドの場で十一条二項(C)の問題を討議しているんだからそれを踏まえて、しかも、別の言い方をすれば、その結果を待って何らかの措置をすべきであるという主張をしたいということでございます。したがいまして、そうした結果が出ない以上、私どもの今までの、従来の方針に基づいてやりたいということを主張したいということでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 同時に、報道によれば、アメリカだけでなくてオーストラリア、ニュージーランドがこの協議を、オファーといいますか、協議を希望しておるというふうに報道されておりますけれども、その事実はありますか。ニュージーランド、オーストラリア。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 二月六日のガット理事会におきまして、豪州等がそういう発言をしたというふうに私ども承っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 これにも協議に応じざるを得ないというふうに判断してよろしいですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 これはガット理事会の場の話でございますので、ガット理事会としての場で場合によっては協議に応じることになろうかと思いますが、とりあえずアメリカとの間の協議を先行させたいというふうに思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 六十三年の二月の三日に農水大臣の談話を発表されておりまして、特に脱粉等の乳製品及びでん粉については輸入数量制限の撤廃は行わないとの方針を堅持するということに明確に農水談話が出ておりますので、今もそういう方向で臨むという話を聞きましたけれども、これはきちんとそういう方向で臨んでいただきたい。端的に言えば、ガット・ウルグアイ・ラウンドの結論が出るまでこの二国間協議を凍結するよう強い姿勢で臨んでいただきたいものだなというふうに考えます。  時間がありませんので、先に行きます。  この昨年の日本政府が出しましたオファーリスト、国内の支持政策ということで八六年を基準として十年間で三〇%削減をしていくということが出されました。このことは既にもういろいろ削減をしておるということも含んで九一年以降の数字も出されておるわけでございますけれども、これと、例えば生乳の価格あるいは米の価格、これは穀物セクターで出しておりますけれども、そういう価格は法律でそれぞれの審議会を経て農水大臣が決めていくものでありますけれども、これを拘束するものかどうかお聞きをいたしたいと思います。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○鶴岡政府委員 御案内のとおり、各国が提出されたオファーにつきましては、現在のところ個別の段階に入らずに論議が中断しているわけでございまして、具体的な論議が行われてない。それから今後の帰趨につきましても、どういう方向になっていくのか、その政策の対象の範囲その他いろいろ技術的な問題の詰めも行われているような段階でございまして、農業政策についての具体的な影響について言及するような段階ではございませんけれども、私どもああいう提案をしているということは頭の中に置いていろいろな運営をやっていく必要があろうかというふうに考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 三月には乳価等の畜産物の価格決定が行われます、来月になりますけれども。大変きのうも質問がございましたけれども、さまざまな、畜産物の価格の下落、下落というよりも大暴落あるいは濃厚飼料の値上がり、生産資材の引き上げというようなことがございまして、ことしは乳価は引き上げなければならない。これはまだ数値が出ておらないというふうに答弁あるということはわかりますけれども、その場合はそのことを優先するということで考えてよろしいですか。その場合はどうしますか。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 平成三年度の加工原料乳の保証価格の問題につきましては、これは加工原料乳生産者補給金等の暫定措置法というものに基づきまして、私どもは生産費調査の結果を踏まえまして、その他の経済事情を参酌して、畜産振興審議会の議を得まして適正に決定するという所存でございます。  その場合に生産費調査等々は一つ一つということではなくて、全体にいろんな形で、いろんな形と申しますか、ぬれ子とか配合飼料とかあるいは生産資材の価格とか労働時間とかその他乳量、そういうものが全体に出てくるという形のものになってくるということで、そういう形の中での生産費調査の結果が出ますので、そういうものを踏まえつつ、その他の経済事情等も勘案しながら適正に決めてまいりたい、こういうことでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 一般的なことを聞いているんじゃなくて、そういうことで、生産費所得補償で前年よりも上がるということになりますと、そのことを優先しますか。いわゆる五カ年間で今後六%内外引き下げるというようなオファーを出しているわけでありますけれども、そのことを優先するんですかということを聞いています。これは上がるか下がるかわかりません。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○鶴岡政府委員 私どものオファーは、御案内のとおり、八六年から十年間で三〇%。だから、その間に従来やってきたいろんなこともあるわけでございますし、やるオファーの内容は十年間でやるというようなことでございます。そういうオファーを念頭に置いて政策を進めていくということを申し上げたわけでございますけれども、法律運用につきましては法律の規定がございますので、それに基づいて適正に決定するということになろうかと思います。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 今年度の生乳の需給動向でありますけれども、平成二年度の生乳の需給表には、今年初めて計画から五万トンの輸入を予定をしておる、これは生乳換算でありますけれども。そういうことで乳製品の自由化に布石を打った需給表でないかという質問もさせていただいたんですけれども、大変この生乳の需給が逼迫をしておるということで、これまで九月にバターが三千トン、十月に一千トン、生乳換算で五万トン。これは実は生乳需給表の範囲、五万トンそっくりでありますけれども、告示がされて導入をされた、輸入をされたということであります。私はその際、非常に生産が落ちておる。これを政策として刺激する万策を立てるべきであるというふうに言ったわけでありますけれども、しかしながら、年末になりまして実数量でバター三千五百トン、脱粉で、脱脂粉乳で五千トン、生乳換算で七万トンの輸入を決定をしたわけでありまして、この間の経過といいますか、経過はわかります、時間がありませんから、聞きたかったわけですけれども聞かなくてよろしいのですけれども、このような需給の逼迫に見合って生産対策をすべきであるというふうに私思います。  特に昨今は、きのうもお話がありましたけれども、経産牛、いわゆる老廃牛の大暴落ということで、もう売るに売れない。畜産局長は肥育をして高く売れるのではないかというふうに言いましたけれども、売るに売れない状況なわけでありまして、そういう観点からいきましても、経産牛のもっと長い飼養といいますか、搾乳をするということも必要であろう。最近の細胞数の乳質改善上にかかわる指導が大変厳しいわけで、そういった観点から生乳を増産するための施策が必要でないかというふうに思いますけれども、その点に関して、既にもう来年度の畜産物の価格決定の時期も来ておるわけでありますけれども、そういう観点から、今回のこの問題についてどう対処するか、御答弁をお願いいたしたいと思います。     〔委員長退席、穂積委員長代理着席〕

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 今回の輸入の問題につきましては、もう既に先生御存じのとおりでございますが、かなり夏場が暑かったというようなこともございまして、非常に生乳の飲用の伸びがふえたこととあわせまして、もう一つは生産関係で牛がかなり暑さにやられまして、そのために生乳生産量が落ちてきたというような形になっております。  ただ、例えば北海道をとってみますと、六十三年が対前年では五・一%という形で、生乳生産量がかなり伸びておりますし、平成元年度は七・九%というような形でかなり高い伸びを示した、そういう状況の中で、全体としてパイが広がった中で、今言ったような形の、何というのですか、夏の猛暑あるいは全体として、先ほどちょっと先生が御指摘ありましたように、更新されまして牛が若返ったというふうな形の中で、生乳生産が落ちてきた。しかし落ち込んだといいましても、北海道の場合は今のような状況にもかかわらず、本年の場合は四月から十二月までの伸びというのが一・七%ほど伸びているという形の中で、私は、北海道の場合の酪農生産についてはかなり力がついてきているというふうに考えておるわけでございます。  いろいろな形の中で、酪農をめぐる情勢というのは厳しいものがございますけれども、私どもとしては、基本的には酪農の振興対策というのか体質強化のための、例えば草地造成なり草地改良なりそういうようないろいろな各種の施策ということを通じながら、酪農の体質強化というものを図っていくということが基本ではないかというふうに考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 続きまして、牛肉の自由化に関連いたしまして、実はこの四月から自由化されるわけでありますけれども、これまで一元的にこの輸入牛肉を扱ってきました事業団、この在庫が急速に膨らんでおるという実情でございまして、約六万トンから七万トンぐらい在庫するのではないだろうかということで、この四月以降、これを定期的に放出するというようなことが伝えられておりますけれども、四月以降の放出方法あるいは国内の牛肉あるいは国内の乳用牛の経営に支障を来さないように、最近、非常にホルスは暴落したままあるいは日本短角も価格補てんを受けるというような状況でありますから、定期的に放出するというようなことがないように、農水省としても事業団に指導徹底をさせていただきたいというふうに思いますけれども、これについて御答弁をお願いします。

岩崎充利農林水産省畜産局長

○岩崎政府委員 私どもの見込みでも、畜産振興事業団が三月末で大体六万トンぐらい在庫を持つのじゃないかと思っております。その場合に、今先生が御心配されたように、かなり市場に混乱を与えてはいけないということもありまして、私どもといたしましては、やはり定時に、定量、卸売市場を中心として時価を勘案した価格で売り渡しを行うということと、もう一つは、保有在庫をどういう部位についてどのぐらい持っておるというような形の、保有在庫の状況ということをオープンにして知らせる、一般の方々にも知らせるというような形の中で、混乱を及ぼさないように対処したいというふうに考えております。私どもといたしましては、今後とも適切な輸入牛肉の売り渡しにつきまして、畜産振興事業団というものを十分指導してまいりたいと考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 続きまして、きのうも大臣が御答弁の中で、農産物についての安全性あるいは品質重視の時代だというふうな御答弁がありました。そこで、去る一月に総務庁の行政監察局から、動物用医薬品等に関する行政監察の結果報告が出ております。  この中で、そういった意味では大変安全性について、養殖水産動物あるいは農薬の使用等について徹底をされておらないといったことがおうかがいされるわけですけれども、まず一つは、養殖水産動物について動物用の医薬品の使用基準が定められております。これについては、特に規制動物の指定について勧告もしておりますけれども、「養殖水産動物の生産量の動向、これらに対する動物用医薬品の使用実態等を踏まえて、」「指定されていない養殖水産動物を規制対象とするよう見直しを」早急に行うことということを指摘をしております。  そういった意味で、例えばマアジですとかティラピアあるいはクルマエビ、ヒラメ、これらについては当初五十五年の最初の設定当時でも次官通達で、今後も「積極的に検討を行うものとする」というふうに通達を出しておるのですけれども、その後一種類しかされておらないということで、この五十五年の生産量七千九百トンをめどとして行うかのような表現があるわけですけれども、これらについて積極的に魚種を追加していく必要があるというふうに思いますけれども、御答弁をお願いいたしたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいまお話ございました一月末に総務庁の行政監察結果といたしまして、動物用医薬品の利用の適正化に関する報告が行われたわけでございますが、その一環として、御指摘のありました養殖用水産物についての医薬品の使用規制の問題が提起をされております。  この問題提起をいただくまでもなく、先生からお話ありましたように、安全な食品供給の責務を我々として負っておるわけでございまして、御承知のとおり「つくり育てる漁業」の育成ということで、順次水産物の養殖が発展をしてきております。この養殖経営の効率性確保ということで、医薬品の使用も一部行われておるわけでございまして、その実態に合わせて、薬事法に基づく使用規制をしております。  御指摘のとおり、現時点では生産量なり医薬品の使用実態を見て、七つの魚種について使用規制をしておるわけでございますが、養殖水産物、これは給餌される、人間の力でえさを供給をし、育成をされる養殖水産物の大体九割程度が現在カバーされております。残りの部分も最近の技術発展によって順次拡大をしてきておりまして、御指摘のとおり医薬品の使用について残ったものについても拡大をしていく必要があるのではないかということを、我々も、生産量の状況なりあるいはまた医薬品使用の実態についてのデータを収集、整理をしてございます。  今回の行監勧告を受けて、私どもとしては、御指摘ございましたように、最近生産が伸びておりますマアジ、ヒラメ、それからクルマエビといったものをターゲットにしまして必要なデータを積み上げて、その検討結果に基づきまして、薬事法に決めております所要の手続を経て使用規制を行っていくというふうなことを早急に検討してまいりたいと考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 時間が十分足らずでございますので、答弁簡潔にお願いをいたしたいと思います。  水産庁長官に引き続いて御質問いたします。  昨年の五月の農水委員会で、私質問をさせていただきました。我が国から輸出をされておるホタテガイの問題について、フランスで麻痺性の貝毒が発生をしておる、あるいはそのおそれがあるということで、これを輸入禁止の措置をしておる。これらについては、水産庁長官のあのときの答弁でも、国内措置をきちんととっておるので、そのような貝毒の懸念はないということをフランス政府に申し上げ、この輸入禁止を撤回するよう努力をしていきたいという答弁があったわけであります。  しかしながら、その後これらについてはまだ解禁にならない。もう約一年になろう。あれは五月十八日だったと思いますけれども、国内措置をとっておるというふうに申されたわけでありますけれども、その後フランスの言っておる、ホタテガイから貝毒が検出されたというようなことも聞いておるわけでありまして、早急にこの問題について対処をしていただきたい。特にこのホタテの輸出については、大臣の所信表明でも、国内農林水産物の輸出というものについても積極的に行うという発言をきのうされておりますので、北海道、青森含めて、水産の加工業者あるいは漁師の皆さん、大変な危機感を持っております。この二月、三月とれる卵つきの貝柱がフランス向けということもございますので、どのような経過になっておるのか、そしてどういう対応をしておるのか、フランス政府にどのような申し入れをしておるのか、あるいはその見通し等について簡潔にお聞かせをいただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 御指摘のとおり、日本で生産されましたホタテ加工品、フランスに輸出されておりますのは、一つには卵巣のみを取り出したもの、それから卵巣つきの貝柱、そういう二つの輸出形態をとっております。これのフランスへの輸出について、御指摘のとおり、昨年の五月十八日、日本から輸出されているものが貝毒に汚染されている地域から出ているのではないかという疑いをかけられまして、輸入禁止措置がとられました。この点について先生からも五月末に本委員会で質疑を受けて、私ども、六月に担当職員を派遣いたしまして、そういった疑いをかけられることのないように安全確認の強化措置を具体的に提示をして、先方とその内容について一応の合意を見たわけでございます。  それを実行して早期に輸入再開を行うようにという申し入れを引き続き行っておったわけでございますが、いろいろな技術的なことを理由にいたしまして再開に先方が踏ん切らないという状態でございまして、実は、年末になりまして先方が、ストップして先方で保管しております卵巣のみを分離したものについてフランス政府独自に調査を行ったところ、国際的に許容されております基準を上回る数値が出てきたという事実を一方的に通報してきたわけでございます。私ども、その詳細な内容について資料を提供してほしいということで申し入れをして、今その資料提供を求めておりますが、ただいままでのところまだその提供がございません。  私どもとして、当時輸入禁止のもとになった現物が出されたときとは違った形での安全確認措置の強化を先方と話をして、基本的には合意を得ているにもかかわらずこのような挙に出たことについて大変不満に思っておるわけでございますが、ともかく先方が行っておる具体的な事実行為はただいま申し上げた状況でございますので、引き続き資料の提出方を求めるとともに、六月に一応の合意を得た新しい措置を前提にして、輸入再開をできるだけ早く実行するように引き続き先方の行動を求めていきたいと考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 書類提出ということばかりでなくて、速やかに訪仏、フランスを訪問するなりして、早急な解決を望みたいというふうに思っております。  最後にもう一点でありますけれども、水産業協同組合財務処理基準令についてお伺いをいたしたいと思います。  この財基令については、水協法五十七条の二の規定に基づいて政令として定めることになっておりますけれども、昨年の二月九日に、最近における金融情勢ということで漁業協同組合の貸し付け等にかかわる基準を新たに設定をしたということでございます。  この貸し付けの基準は、組合員に対する貸付金は当該組合の自己資本の百分の二十に相当する金額を超えないことということで、経過措置としてこの規定は一年を盛っておりますけれども、私ども現地を歩きまして、漁業関係者、漁協の皆さんからも、突然新設をし、実質貸し付けができないような状態になっておる。御承知のとおり、漁協は大変負債も抱えまして、自己資本も脆弱であります。そういった中で百分の二十というようなものを一年の経過だけで厳格にされるということは実質貸付業務ができないというようなことにもなるということで強い指摘をされておるわけで、特にこの点について、経過措置をもっと設けるなりあるいは柔軟な措置を行うなり、当然協同組合については常例検査が義務づけられておるわけですから、それらに対して支障のないように適切な指導をしていただきたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話しございましたように、昨年の二月に水産業協同組合財務処理基準令の改正を行いまして、この中で実は二つの点を明確にしたわけでございます。  一つは余裕金の運用範囲を拡大した、二つ目が、先生から御指摘のあった貸付基準を明確化したという二つの措置をとりました。実は、この措置は、御承知のとおり大変脆弱な漁協の経営体質があるわけでございますけれども、間近に迫った金融自由化といったような事態を受けて、漁協系統の信用事業の体制強化をしていかなければいけないということで、農協系統についてしかれております考え方というものを大体そのまま漁協にも適用していくという内容のものでございまして、大変厳しい状況でありますけれども、これからの金融体制に対応した漁協の信用事業の強化ということを考えていきますと、金融機関として最小限の条件ではなかろうかと考えておるわけでございます。  ただ、これを機械的に実行していくことに伴ういろいろな困難性ということを私どもある程度予想をしております。したがいまして、例外措置、このような新しい貸付基準になかなか沿いがたい場合には制度金融はこの枠外にするとか、あるいは御承知のとおり信用保証制度がございますが、それに乗るものについては例外にするとか、あるいはまた単協レベルで対応できないものは信漁連からの直貸方式を行えば例外とするというふうな措置を並行して認めております。それにもかかわらず御指摘のような貸付業務が円滑にしがたいという状況になるとすれば、やはり組合自体の体質に問題があるのではないかという考え方を私ども持っております。  したがいまして、そういった場合には、基本論として申し上げますと、組合の合併でありますとか、昨年本委員会で御審議を賜りました水協法改正によって新しく創設をされました信用事業の統合制度といったようなものを御活用いただきまして、それらの措置によって経営体質を強化していくという方途を選ぶべき場合も少なくないのではないかと考える次第でございます。いずれにしましても、私ども現在掌握している限りでは、貸し付け不能の状態になっておるケースというものはないわけではございませんが、極めて部分的なものであると承知をしております。  具体的な処理の仕方については各都道府県なり系統の上部団体とよく御相談をしていただき、またそういった論議の上で、水産庁として指導すべきことを十分注意をしてやっていきたいと考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 非常に強気な発言でありますけれども、一方的に財務基準令を制定したわけでありまして、漁協の皆さんはそういった上からの基準令を、あとは合併しろ、そういう形では納得できないというふうに思われます。  時間がありませんので、次回に質問を回します。あと、農薬の安全基準についても質問できませんでした。次回に回します。  終わります。

穂積良行自由民主党

○穂積委員長代理 志賀一夫君。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 私は、日本の農業を今どうすべきなのかという視点で、ウルグアイ・ラウンドを初め大変な議論を交わしておるところでありますが、そういう視点から、農業が本当にひとり立ちできて、農業にも夢を持ちながら多くの若い者が集まってこられるような農業情勢をつくるために私も一生懸命頑張ってみたい、そんなことで御質問申し上げたいと思います。  まず、大変古い資料を使うものだというふうにお酌み取りになる方もあるかもしれませんが、我が国の農業の零細性というものが、いっときではなくて長い歴史的なものあるいは日本の特有なもの、そういうふうに考えますと、やはり数字は正直だなと実は見ておるわけであります。  耕地面積にしましても、明治三十七年で五百二十五万一千ヘクタール、それからずっと漸次ふえてまいりまして、六百万ヘクタールになった大正十四年ころを境にしまして、昭和の初め六百三万ヘクタールを最高にまた下り坂を続けまして、昭和二十年の敗戦時においては五百三十万ヘクタール。こういうふうに明治三十七年と二十年が意外と大した違いのない数字を示しているわけであります。その後漸次戦後の政策でふえまして、昭和三十五年といいますれば食糧の自給率が我が国で最高八二%のときだと承知をいたしておりますが、そのとき六百七万一千ヘクタールという面積を擁しておりましたが、その後暫時上がって、またずっと降下をたどりまして、減反政策が始められた昭和四十六年には五百七十四万一千ヘクタール、そして現在はずっと減少して五百二十七万九千ヘクタールとなっているわけであります。  こういう全体の流れを考えますと、最近極端に農家戸数が減ったのは別にしましても、明治、大正、昭和とそんなに耕地面積は変わらないものだな、やはりそのこと自体が日本の農家の零細性を示しているものだなと私は思っているわけであります。私流に言わせれば、幕政時代も明治、大正、昭和のいわば軍国主義時代も、そして戦後も日本の平均した農家の耕地面積というのはそう変わっていない、大して変わりがない、零細性は依然としてつい今まで続いていると言っても過言ではないと思うのであります。すなわち、なぜそういう状態になってきたかというのは、やはり時の権力、支配者に都合がいいように、そういう零細性をむしろ誇示してきた方がよかったのだ、いわば軍国主義時代は、悪い言葉ですけれども、農村は物的、人的資源の供給源とさえ言われた時代もあったわけでありまして、そういう傾向は戦後も依然として続いてきた。  戦後いろいろ改革が行われました。二十二年には農協法が施行され、その後、戦後の三十六年ですか、ちょっと正確な年は忘れましたが農地改革が行われ、その後三十六年には農業基本法が制定されるという一連の経過をたどりましたけれども、しかし、個々の農家の零細性という点では依然として規模の拡大は今日までそんなにされていない。そこに日本の農業に対応する特殊性があると私は思うし、どうすべきなのかということが大変重要な課題になっていると思うのであります。  そういう零細化という農業の状態が続いてきて、今私たち農村の立場から言えば、最近急に国際化時代だ、こういうふうなことで、その国際化時代に対応できない農業は、農家はみずからの責任であるかのごとく指摘されてきた傾向というのが非常に強かった、そういうふうに考えるわけでありますが、私は、そういう点でこの零細性をどう克服してやっていくのか。そういう零細性に置いてきたというのはむしろ時の権力者、支配者の意図であって、やはりここで国際化時代に対応する農業、そして希望の持てる農家づくりをするのは挙げてやはり政治の責任だ、こういうふうに私からは言わざるを得ないと思うのであります。  その後今日までいろいろな施策をとったけれども、依然としてそれに対応する農家の育成方策ができないために、農家がどんどん農業に嫌気が差して去っていく傾向が非常に強くなっておる、こういうふうに指摘せざるを得ないと思うのでありますが、こういう状況に対して大臣はどういうふうな見解を持っておられるのか、お聞きしたいというふうに思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 古い話は私も実はお答えする用意がございませんので、時の権力者が都合がよかったかどうかというあたりは御答弁を省かしていただきたいと思いますけれども、少なくとも、国際化の時代を迎えてという先生からの御指摘がございましたし、私どもといたしましても規模拡大の面で各般の施策を進めながら来ておるわけでありますけれども、現実は、やはり日本の農家の農地というものの資産保有意識というのは世界の中でも大変強い国民だ、私自身も含めて、実はそう理解をいたしておるわけであります。そういう意味合いも含めて、いろいろな施策を出してまいりましたけれども、必ずしも速いテンポで今そのようなことが実現をされておるという状況では、先生御指摘のとおりございません。  ただ、一方近年においては農用地の利用促進事業等が比較的、地域によって異なる面がございますけれども、かなり近年においてはいろいろな手法で農家の皆さん方知恵を出し合いながら、私どもの制度もまたそれに対応して進めてきておるわけでありまして、利用促進事業による成果というのも、満足のいくまでは到達をいたしませんけれども、ここのところかなりの成果が出てきておるように認識をいたしております。今後また、さらにそれを促進させるためには、個別経営で選択をする人、あるいは協業で選択をする人、また譲渡、貸借、それぞれの地域のまた農家の意識に合わせながらその辺の面は対応していきたい、そう考えております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今いろいろお話がありましたが、かつてヨーロッパでは百年前にいわゆる産業革命があった。しかし、我が国には遺憾ながらそれに比すべき変革の時期というのはなかった。ずっと我が国の農業の零細性が続いてきた。それが、やはり私から言えば、権力者がそういう零細を保っていた方が利用しやすい、支配しやすい、そういう実態があったからだ。こういうことを私があえて言いますのは、やはりそれだけに、政治の責任において、今の農業の姿をどうすべきなのかというその対応を重視してやっていかなければならぬという主張からそういうことを言っているわけであります。  三十六年につくられました農業基本法では、第一条で「農業及び農業従事者が産業、経済及び社会において果たすべき重要な使命にかんがみて、国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に即応し、」云々というふうにして、農業の生産性向上そして所得の増大ということを目途として農業基本法がつくられ、今日まで続いてきたと思うのですけれども、しからばその第一条に定められた目標に一体どの程度の成果を上げてきたのかということを私は具体的に知りたいのであります。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 具体的な問題について数字等は事務当局から答弁をさせたいと思いますけれども、戦後のことを考えてみても、他産業との格差をなくする中で農業というものを振興させて、国民に安定的に食糧を供給する、こういうことで書かれておるわけでありますけれども、結果から見ると、急速な工業化社会に入って、勤労者所得と農業者の所得というのはかなりの格差が出てまいりました。構造政策やそれだけで十分に所得格差を縮める、圧縮するということが、急速に生産性を上げるということが、工業社会とは違った面を持っておるのが特徴的でありますから、金融制度とか、あるいは農産物価格とか、そういう形と構造政策を組み合わせながら、機械化を促進したりというあらゆる努力をしてまいりましたけれども、なおかつ今日に至ってもその格差は他産業とかなりの開きが実はございます。  そこが一番今の現実における問題点と、もう一つは、今の農業の置かれている立場は、これだけの社会的な環境が変わってきたり、経済環境が変わっておるものですから、今後は新しいそういうものをひとつ取り入れながら、そういう観点から私はもう一度農業基本法を勉強してみたい、こういうことに考えついて、御発言をさせていただいておるところであります。先生御指摘のようなことで評価をさせていただければ、第一条に書かれておるような状態に立ち至ってないというのが今日の現状だ、そう思います。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○鶴岡政府委員 補足して、数字的な面について御説明をさせていただきたいと思います。  まず基本法制定の目標が、今大臣申し上げましたように、生産性の向上を図って農家の所得を上げていく、それからまた規模拡大を一方図りながら需要に応じた生産の選択的拡大を進めていく等々をねらいとしているところでございまして、そういうために畜産物の、食肉でございますが、食肉の価格安定でありますとか、先ほど来御論議のありました加工原料乳生産者補給金等に関する法律等の価格安定対策の関係の法律の整備でありますとか、あるいは米につきましても生産費所得補償方式の採用でありますとか、さらにまた果樹とか野菜につきまして、それぞれ生産振興、出荷安定のための法律の制定等を一方行ったわけであります。また、それらを進めていくための裏打ちの対策といたしまして、農業近代化資金助成法の制定でありますとか、あるいは予算面では農業基盤整備事業の発足、さらに農業構造改善事業のスタートというようなことで、構造政策、価格政策の調和を図りながら基本法の目標を達成しようという努力をしてきたわけでございます。  生産性向上の面では、労働生産性につきましては昭和三十五年から平成元年まで見ますと、製造業は五・六%に対しまして農業分野の五・〇というようなことになっております。それから農家所得自身、総平均で見ますと、兼業農家等々もございまして農業所得自身ではかなり低い水準でございますけれども、中核農家につきましては大体比肩するような農業所得も上げております。また、兼業収入を含めました農家所得はむしろ勤労世帯より上回っているというような状況でございます。  また規模拡大等につきましても、水稲等につきましては、先生御指摘のような拡大は徐々でございますけれども進んでおりますけれども、施設園芸あるいは小家畜、養豚あるいは養鶏業につきましては、飛躍的な拡大が見られるわけでございます。数字的に見ましても、三十五年の農業生産に占める畜産物のシェア一五%に対して六十三年度は二七%、果樹は六%に対して八%、それから野菜が九%に対して二二%というような成果を上げてきているということで、昨今の情勢、いろいろ当時とは変化していますけれども、農業基本法を中心とした農政の展開がこういう成果を上げてきておるということでございますので,、御報告させていただきたいと思います。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今いろいろお話がありましたが、政府が農基法農政の中で最大の目標というのは、中核農家を育成していく、そういうことでありますけれども、しかし、昭和五十年度で中核農家が百二十三万六千戸というような状態でありましたのが、むしろ六十三年度では七十五万四千戸というふうにかなりな数字に落ち込んでいるわけです。それからまた一戸当たりの平均面積にしましても、三十五年度の数でいえば一戸当たり一町歩そこそこでありますが、それが六十四年度、平成元年度で一町二反五畝というふうに、そうふえてないという実態というのが、農基法農政をうたいながらもやはり現実的には成果をおさめていないのではないか、そういうふうに思うわけでありますが、その辺の経過あるいは考え方についてさらにお聞きをしたいと思います。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○鶴岡政府委員 確かに、現在農業、先ほど労働生産性は申し上げましたけれども、全体としまして所得の水準自身が農業経営と他産業の従事者と比べました場合に、全体として平均的にはそれに及んでない。また中核農家につきましても、それに比肩する所得を上げている部門もあるわけでございますれども、そうでない、所得の格差がある点もあるわけでございまして、そういう点で、他産業への移動というのが若年層を中心に進んでいるというようなことから、規模拡大自身が伸び悩みの状況にあるということは否めない事実でございます。  それは、そういう他産業との関係、あるいは農地に対する農家の方々の従来からの認識といいますか、そういう点もあろうかというようなことで、中核農家の育成というのは一つの政策目標でございますけれども、さらにそれとあわせまして、生産性を上げるためにその中核農家を中核とする生産組織を拡充していくというようなことで、相まってそういう生産性の高い農業というのを進めていきたいというふうに考えているわけでごさいます。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 この問題と関連がありますのでお聞きをしたいと思いますが、昭和四十六年に農村地域工業導入促進法が制定されまして、農村の従事者がその希望や能力に従ってその導入される工業等に就職することを促進するために、農業と工業の均衡ある発展をするためにという目的で農村地域工業導入促進法が導入されたわけでありますが、その成果についてまずお聞きをしたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農村地域工業導入促進法は昭和四十六年に制度が発足いたしましたわけでございますけれども、私ども、この法律に基づきまして農村地域への工業等の導入にいろいろ努力をしてまいっている次第でございます。  この推進の実績につきましてまず紹介させていただきますと、これは平成元年三月末現在ということで私ども取りまとめたわけでございますけれども、この導入計画、実施計画を策定している市町村が千九十五市町村ございます。その実施計画に基づきまして立地した工場の数でございますけれども、五千二百二十六社が既に立地をしている、そのうち四千百三十九社が操業している、こういう状況でございます。これらの操業中の企業の雇用者でございますけれども、雇用者が三十二万四千人ということになっております。その中でいわゆる地元雇用ということで見ますと、全体の約八割、二十五万九千人が地元雇用であるということでございます。それからまた、この中で農家世帯員からの雇用者はどのくらいかということでございますけれども、十一万五千人というような実績になっております。  私どもといたしましては、こういう実績を見ましても、農村地域における就業機会の確保とか、それからまたこれを通じた出稼ぎとか日雇い等の不安定な就業状態の改善に着実な成果を上げているのではないかというふうに考えている次第でございます。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今御説明をいただきましたが、この工業促進法も何回か部分的に改正をされてまいったことは事実でありますが、昭和五十年度の目標では百万の雇用従業員の総数を目標にしながら、そのうちの六十万を農業就業者で占めさせる、こういう目標にしておるのでありますけれども、今お話もありましたけれども農家からの雇用者数は十一万五千余ということで、大変少ない数ではないのか。そういう実態を考えますと、この農村工業導入法というのがやはり本当に当初の期待とは裏腹になかなか農村になじまない、あるいは定着しないというか、いわゆる先ほどの農基法農政から言う中核農家の拡大、そういうものに結びついてこない。その場合、一体どういう原因なのかということをまずお聞きをしたいというふうに思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○片桐政府委員 農村地域への工業導入につきましては、やはり何といいましても我が国の経済全体の動きにかなり左右されるということもございまして、一時かなり大きい計画もいろいろ検討されたこともあるようでございます。その後石油ショックであるとかそういういろいろな景気変動の影響を受けて、計画、検討どおりに進まなかったという面もあったかと思います。最近の情勢を見ますと、かなり農村部への企業立地が進んでいるというような状況も聞いているわけでございます。  それからまた、先生お尋ねの工業導入に即して農業外の就業機会がある程度増大いたしまして、それが農業の構造改善にもっときちっと結びついてもいいのではないか、こういう御質問だと思いますけれども、この点につきましては、先ほど来説明がありますように、農家の農地に対する資産保有意識が非常に強いということもありまして、兼業というような形で農業外の就業が相当拡大をしている、それがなかなか農業の規模拡大に直接に結びつかなかったという点は、確かにそういう面があったかと思います。これにつきましては、今後農地のいろいろな努力による流動化といいますか、特に最近では貸し借りによる流動化とか、それからまた農作業の受委託による流動化、そういう面で規模拡大というものを促進してまいりたいというふうに考えております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 いろいろお話がございましたが、私は、なぜ規模拡大をしないのかということの関係というのは、もちろんそれは農家が土地を手放さない、こういう点がありますが、それはやはりいわゆる農村地域での進出企業というのが下請企業が第二次、第三次というふうに非常に多い。それからまた、中小企業が多い。したがって、結果として賃金が非常に低いというのが現実の実態であります。ですから、むしろ農家からすれば、そのために土地を手放さないで、高い農機具を買って、もう採算を度外視してまで高い農機具を買って、そして土地にしがみついている。その実態というのはいわば経済の二重構造というかそういう低賃金のもとに原因がある、そういうふうに思っているわけであります。  ですから、こういう根本的な課題をどう解決するのかということを取り組むことなしには、農基法農政の目途とした規模拡大というものも達成しないだろう、あるいは農村工業の持つ低い賃金という実態を是正することなしにはやはり農村の農業と工業の共存共栄というようなことも不可能であろう、こういうふうに考えざるを得ないと思います。  そういう点からは、当然にして農基法農政なり農村工業導入法の問題についてもきちっと抜本的な検討をして、そしてこれから農村が本当に両々相まって生きられる方途を講じていくというような具体的な法の改正というものは当然あってしかるべきだ、速やかに取り組むべきであろう、そんなふうに考えますが、あわせて大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生御心配をされているような経過から今日また新たな分野を、時代を迎えたんではないだろうか。今大変な人手不足だというような状況の中に立たされて、地方へ行けば行くほど下請、孫請ということも言われるぐらい、地方に行くとそういう労働条件の雇用関係というのが結ばれてきたことも私も承知をいたしております。  やはり高速道路なんという道路条件がよくなったり、輸送体系ができてくると、地方に最終組み立ての企業というものが進出をしていこうという機運というのが、進出をする側から一つは今、今日出てきておるように感じておるわけであります。  もう一面では、やはりその地域に人がいるかいないかという条件から見ると、どうしても零細な町村でわずかな雇用人口しかいないところで、過去はずっと誘致に一生懸命、熱心に努力をして条件整備なり固定資産税の免除なりということをそれぞれの町村が努力をしてきた経過もございますけれども、そういう時代とまた一面変わった時代を実は今日は迎えたんではないだろうか。人がいてくれさえすればこちら側から誘致をしなくても行きたいという企業が、私どもいろいろ調査の中で見受けられるわけであります。ですから、町村単位でなくて、その地域単位で企業を誘致する体制をつくるように指導もしていきたいし、労働条件については、かなり改善をされていくように私ども感じておるわけであります。  こういう機会をとらえて、本当に農村工業導入というタイトルにふさわしい実を上げるために、内容に支障のある部分があれば改善をしてでもそれを進めながら、農工一体でその地域の活性化を図り、所得を向上し、規模拡大につながっていき、コストを下げていく、こういう農家所得の安定を図ることも、これまた非常に大事なことでもありますし、そういう条件がまた環境上からもでき上がってきたように認識をいたしておりますので、今後、引き続いてまた努力をしていきたいと思います。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 もう時間がなくなりましたので、二点に絞ってお伺いをしたいと思います。  大臣も、「二十一世紀の食と農を考える国民の声明」というものを出されたこと、多分御存じだろうというふうに思うわけでありますが、その中では、「今ウルグアイ・ラウンドで進めているのは、やはり主として農業の輸出国のエゴだ。」こう指摘しているわけであります。ですから、今世界にとって一番大事なことは何かと言うなら、それは一つは、二十一世紀に向けて世界の人口が今約五十億、それが六十億を超えるであろう人口の増の問題、それから土壌の浸食、あるいはまた自然環境破壊や何かによる気象条件その他によっての問題点、いろいろそういったことが重なりまして、二十一世紀はかなり食糧が不足する時代が来るのではないだろうか。この問題はやはり世界の場でどうするかを今真剣に検討すべき時期ではないのかということが提起をしている一つであります。  それからまた、今の世界で子供が一日四万人亡くなるとかという報道もあるように、今大変我が国は飽食の時代だと言われる一方で、世界的に飢餓の国々がある、アフリカなどがその一つとして数えられておるわけであります。今アフリカやあるいはアンデス山系の諸国とか大変問題のある国々が多いわけであります。そういう国々に世界の食糧をどう公平な分配をすべきか、こういう課題が当然にして世界の場で議論をされなければならないときだ、私はそんなふうに思っているわけでありますが、これらの問題がむしろこのウルグアイ・ラウンドの中で、今の議論されている問題よりももっとグローバルな、当然緊急に対応しなければならない課題ではないかというように考えますけれども、大臣がこれらについてそういう場で積極的に取り上げて、食糧と農業の大事さを世界に訴えていくことが日本の米の自由化阻止が可能になる前提の事柄ではないか、そういうふうに考えまして、その辺に対する大臣の所信をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 世界人口の増大に伴う生命の根源である食糧問題は、世界規模で、ガット・ウルグアイ・ラウンドで討議するべきでないかという御質問だ、こう理解をいたしてお答えをいたしたいと思います。  私にこれからのガット・ウルグアイ・ラウンドの日程の中でそういう場があれば、当然のことながら世界規模で食糧問題というのはとらえておかなければならない問題であり、我が国としてもそれなるがゆえに食糧援助も行っておるわけでありますし、あわせて、援助だけでは将来長期的に見たらいけないことでありますから、農林水産省としても、技術についても、お金についても、ノーハウについてもそれぞれ御協力を開発途上国にしておるわけでありますから、私は当然のことながら長期的展望に立って世界の食糧というものはどうあるべきかということを考えていく必要があるだろうし、今までにもその点については、この問題が起きてから四年も経過をしておるわけでありますから、私は承知をしておりませんけれども、どこかの場で議論があったことだろうと思うわけであります。今後、私にそういう機会があれば、先生御発言のようなことは私も理解ができますので積極的に発言をしていきたい、そう思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 どうもありがとうございました。

穂積良行自由民主党

○穂積委員長代理 目黒吉之助君。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 近藤農水大臣は町議を二期おやりになり新潟の県会議員を三期おやりになって、今度は五期目の衆議院当選で大臣に就任をされました。これらの政治経歴から、世間では、村の心を知る大臣だということで大変期待が大きいようでございます。これからは世界的な規模での食糧、農業問題、あるいは環境問題、平和問題に精通をしておらないと宰相になってもらいたくない、実はこういう意見もございます。これらの問題を取り巻く環境は非常に厳しいものがございますけれども、ぜひひとつ存分にやっていただきますように最初に申し上げておきたい、こう思います。  質問に入りますけれども、大臣は就任後の記者会見の席で、農業問題は非常に厳しい局面を迎えておるのでしっかりやってほしいということのお話が総理からあった、このように述べられております。特に国内の農業問題も非常に厳しいわけでありますけれども、ガット農業交渉をめぐる米問題はいよいよ抜き差しならぬところへ来ておる、このように思います。  そこで、ひとつ大臣の考え方を伺っておきたいのですが、これまでの日本とアメリカとの関係です。概括的に言えることは、これまではソビエトとアメリカを頂点にした東西の対立の中で日本経済が発展をしてきた。ところが、デタント、マルタ会談以来、東西対立というのは協調の方向に向かって、アメリカにとってソビエトが当面の敵というような状況ではなくなった。そのほかに国内問題で、原発でいえばメルトダウンに近いいろいろな問題が一方で起こっておるというようなことから、これまでの対立関係というものが日米経済関係に軸足を移してくるのじゃないかという懸念を持つ学者もいらっしゃいます。したがいまして、これからの日米関係というのは、状況変化の中でかなり厳しいものがあるだろう、今までと違った厳しさが要求されてくるんじゃないだろうか、こういう懸念が最近多く持たれるようになってきておると思います。  こういう中で、当面はやはり米問題がここの所管では焦点になるわけでありますけれども、大臣はこれらの関係についてどのような見解を持っていらっしゃいますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 目黒先生から県会当時から鍛えられて大臣になることができましたので、今後は御指導のほどをよろしくお願いをいたしたい、こう思います。  おっしゃるとおり、東西緊張緩和というのは、日米間は言うに及ばず、世界的にいろいろな意味合いで大きな変化が出てくるだろう、そう思います。私も、今目黒先生御指摘のように、日米関係がこういう状態になってなお一層厳しいものになってくるだろう、それだけに、日本の国もまた一面では経済的な成長がこうできてきた、そういう日米間の関係と日本の国力という関係と両方相まって厳しさは増してくる一方だろう、そういう認識を実はいたしておるわけであります。しかしながら、日米関係というのは非常に大事な関係でございますから、これがお互い反米、反日感情にならないようにぜひ願いたいものだ、一つはこう思っているわけであります。  しかしながら、今、米の問題についてお話がございましたけれども、私は農業問題というのはそれぞれの国がそれぞれのものを、いろんな歴史的の中に先輩たちが知恵を絞り上げてそれぞれ選択をしてきた積み重ねが今日それぞれの重要な農作物をつくり上げてきておるんだろうと思うのであります。アメリカの農業と日本の農業を考えてみても、アメリカでは農業経営者というのは田んぼにも畑にも行ってないのであって、我が国は農業者というのがそれぞれ田でも畑でもやっておるわけですから、そういういろいろな意味合いから見て、日本の米の重要性というのは私は徹底的にやっぱり主張を貫いていく、そのことが食糧輸入国の、現実の自給率の上がらない今日の日本の国民に対する安心感を与えることだ、そう認識をいたしております。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 これからも一層厳しくなる、しかし反米感情に至らないように留意をしなければならぬ、こういうことでありますので、重ねてお伺いしますが、やはり厳しくなればなるほど、きちっとした態度で物事に臨まなければならぬじゃないか、こう思うわけでありますが、その一例として、特にアメリカはガット農業交渉の場で輸出補助金の九〇%削減を要求をしておるわけですね。ところが自国の輸出補助金ということになってまいりますと、もう皆さん御案内のとおり、昨年当初では四億二千五百万ドルというのを途中で修正をして倍にして、平成二年ではこれを三倍の十二億ドルにする、こういうことをやっておるわけですね。  こういうものに対しては、やはり国際舞台でやっていることと自国でやっていることが非常に違うわけですから、提案の矛盾などというものについてはこの際強く反省を求めるべきだと思いますが、この点はどう考えていらっしゃいますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 まさに、今度年末のガット・ウルグアイ・ラウンドの閣僚会議が延会になったのも、輸出補助金のところで延会になった対立点であります。にもかかわらず、この輸出補助金というのが貿易上の歪曲の原点になっておるわけでありますから、輸出補助金については前大臣もかねがねこの問題について発言をされてきたわけでありますし、そして言い出しっペからこんなことをやるというのはまことに残念なことでありますし、機会があったらきちんと話をしたい、こう思っております。     〔穂積委員長代理退席、委員長着席〕

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 わかりました。ぜひそうして、その方がやはり敵対関係を避けるという意味では極めて大事なことだというふうに私認識いたしておりますので、一言申し上げておきたいと思います。  次に、きょうは時間も余りございませんので、平成三年度予算に関連をして二、三お伺いをいたします。  一般会計予算に占める農林水産関係予算というのは、毎年指摘されておりますように、五十五年をピークにして年々一般歳出に占める農林予算というのが減少傾向をずっとたどっております。五十五年は一一・七%あったものが平成三年では八・八%になっておりますし、各地方の予算もこれに右へ倣えして、農林関係予算というのはやはりダウンしているのですね。この間を振り返ってみますと、やはり農林関係予算のダウンに比例するような形で農村の荒廃が激しくなってきているんじゃないかと思います。  五十二年から六十二年までは、マクロな立場で国の国策として行われたのは、御案内のとおり第三次全国総合開発計画、その後、平成十二年までに第三次から第四次に入っておるわけですけれども、この間の農業の荒廃というのは非常に速度を増しておるのですね。三全総では三百七十兆円、それから四全総では千兆円という形で進められておるわけでありますけれども、多くを申し上げませんが、この間発表になりましたセンサスによりますと、五十五年から平成二年までの間に二千二百三十三の農村集落が消滅をした、この事実一つとってみましてもそれにかかわる農地の荒廃や国土の荒廃というのは推して知るべしだと思うのですね。  こういう点を見てみますと、三全総のときは定住圏構想というのがメーンテーマであったわけですけれども、まさに一極集中になっちゃったのですね、この間に。こういう点では、言葉は悪いですけれども、農業施策も含めました三全総そのものは目標を達成しなかった、目標と現実の間にはもう相当の乖離ができちゃった、こういうふうに言えると思いますし、四全総はそれを踏まえて多極分散型というふうに、今度はいわゆる三全総で乖離した部分を何かしら是正をするような形で出ておるわけですが、どうも各施策を見てみますと、根本的なところへメスが入ってない、このように思うわけですけれども、これからこの問題についてはもっと細かく議論をさせていただきたいと思いますが、きょうじゃなくて。大臣はこの点はどのように受けとめられて、どのような問題がこのような事態になったのかという点あたりについてはどのようにお考えですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 国のシーリングもこれあり、特に農林水産省の予算が減ってきておる。私もまたそれなりに努力を過去してきた一人でもございますけれども、結果的にそういう状況になっておることは御指摘のとおりだと思うのです。  今お話のございましたように、ふるさと創生、多極分散、こういうことと、もう一つあわせて今は環境問題が非常に大きくクローズアップしてまいりました。この三つの大きな要点をとらえただけでもこれがどこに対象になるかといえば、日本の国土の九〇%以上が少なくとも農村、山村、漁村という地域でありますから、この三つの大きな柱の中で、農林水産省予算は従来の仕事とプラスして、生活環境の整備その他で活力を持ち、夢のある農村をつくるということで積極的に進めていきたい、私はこのことは強い決意で対処してまいりたい、こう思っております。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 平成三年度の農林水産関係予算は、御案内のとおり三兆二千六百五十八億円で、対前年では四・六%増、これは九年ぶりの増ということで言われておるわけであります。しかしながら、日米構造協議で日本が公約をした、向こう十年間四百三十兆円の公共投資にかかわる分について見ますと、平成三年では生活関連枠を二千億円別枠にして、このうち千七百五十億円を公共事業関連に回しておるわけであります。  この中身を見てみますと、御案内のとおり、農水省所管の分が一三・七%、建設省分が七四・八%、こうなっております。公共関係の省庁別配分は、農水省枠が二一・九%、建設省枠が六八%、こうなっておるわけですから、大体この比率でいきますと、もう少し農水省関係の分がふえていいはずなのですけれども、千七百五十億円のうち、その配分は建設省が七四・八%、農水省が一三・七%となっておりまして、この生活関連枠の配分で見る限り、農水省がこれまで保持をしてきた公共枠全体よりも下がっております。建設省の配分が多くなっているわけですね。これではなおさら一極集中型にさらに進んでいくのじゃないだろうか、地方の活性化というのは実際に公共投資の中でも生かされていないのじゃないか、このように思うわけでありますが、この点について大臣はどのように考えられ、どのような展望を持っていらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 率直な感想を申し上げますと、その配分について、内容が大きな柱とすれば道路、下水という対象がここの最も大きな柱になっておるわけでありますけれども、建設省に相対するものは私ども集落排水と農道だ、こういう立場からすると、集落排水については倍額にさせていただいたわけであります。  農道についても生活関連にさせていただくわけでありますけれども、もう一つは、今度の配分については、私ども農林水産省としては、生産をまず中心にしてあらゆる施策を講じて予算づけをしてきておるわけでありまして、今度の予算が生活関連、こういうことになりますと、必ずしも今これから農村をどうしていこうかというメニューというものは十分な準備ができなかった部分もあったのかもしれないな。今後農村をどうしていくかという、全体の農村を整備をするために今度の予算項目も農業農村整備事業という、まずタイトルから変えさせていただいて、来年度予算に向けて生活関連を準備をさせていただきたい、こう思っておるわけであります。  私が就任してから、何も農林水産省だけで農村の環境すべてが解決できるわけじゃありませんので、少なくとも自然環境でどこの省が予算をとっておるか、ふるさと創生でどこの省がどういう予算をとっておるか調査をしていただきたいということを事務局に命じてあります。そういうものを総合して、農林水産省が中心になって農村の環境、村づくりというものをやっていきたい、こう考えておるわけです。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 これ以上集落が消滅をするといったことのないように新たな施策も織り込んで、ぜひひとつこの点は努力をしていただきたい、こう思います。  次に、構造改善事業についてお伺いをいたします。  第一次構造改善事業、三十七年から始まりまして四十六年まで、それから第二次は四十五年から五十六年まで、新農構が五十三年から平成六年までということで走っておるわけでありますが、この間にポスト新農構ということで平成二年から平成十四年までを五千八百億円という事業枠で進められようといたしております。  私は、この間もこの問題については時間がなくて指摘だけしておったわけでありますが、これらの一連の構造改善事業というのは必ずしも農基法の目指した強い農業にはなっていない。確かに基盤整備等についてそれなりの資産はつくり上げてまいっておりますけれども、しかし、農業経営基盤のいわば弱体化を招いているという点では、これは今までの答弁でも否めないわけですね。こういった問題も含めまして、農基法の問題が論議をされておりますし、私どもここは重視をしなければならぬと思っております。  農基法は昭和三十六年に制定されて以来今日まで、ある意味では一定の目的、つまり二百五十万農家、畜産三倍、果樹二倍といったようなものについてはそれなりに走っておりますけれども、いかんせん農村の弱体化、荒廃は現実のものとして残っておるという矛盾を生み出しております。したがいまして、その都度これまで何も議論されなかったのかといえば、されてきております。農基法に基づくいわゆる審議会農政ということで走りました。私はこれらの審議会農政についてそれなりに緻密な反省というものをしていかないと、日本農業は果たして生き残れるかというところへつながっていくのじゃないかと思うのですね。  そこで、きょうは時間もございませんので、農基法体制の見直しは必至でございますと私は受けとめております。そこで問題点を挙げればたくさんありまして、あの問題この問題ということで、是正されるべきものはきちっと是正されていかなければならない。特に土地改良等につきましては、土地改良十カ年計画、三十二兆円の事業枠で走ったわけでありますけれども、八年間たちました今日、四四%しか進捗していないということで、やはりその問題も大きな問題になり、これも日本農業を弱体化させる一つの大きな原因になっている。つまり農家負担が非常に多いというようなものも指摘されておりますし、このままではデッドロックに乗り上げていくのじゃないだろうか、こんなふうに思います。  農基法見直しについて、大体どういう点を重点にして検討対象にしておられるのか、おわかりでしたら、この際お考えを御披露願いたい、こう思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 私が勉強する発言をしたら急速にこの問題がクローズアップしてまいりまして、一面では大方の皆さん方がこの問題はお考えをいただいておったのかなという感じ方をいたしておるわけであります。  ただ、私がまだ今の立場で部分的に物を言ったり感想を言ったり、そういうことを発言をするということは、私の今の大臣という立場ではむしろいろいろなことで不安になったりいろいろな問題点が起きてきてはいけませんので、目下本当に勉強させていただいておるわけで、総体的なものがまとまればまた御披露申し上げて御批判をいただきたい、そう思っておるわけでありますので、今の段階での内容にわたる御答弁はお許しいただきたいと思います。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 それじゃ、もうできるだけ早急にお願いをしたいと思います。  次に、ちょっと大臣にお伺いをしますが、大臣は一月二十五日の閣議に出席をされましたか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 閣議は一度も休んだことはありませんから、日にちは私も記憶にないですけれども、一度も欠席をしたことがございませんので、出席をしておると思います。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 この閣議で、今問題になっております湾岸危機に伴う避難民の輸送に関する暫定措置に関する政令が決定をされました。これはもう大変なことでありますから、それぞれ出席大臣で意見を述べられたりされたものというふうに理解をしておるわけでありますが、大臣は、この閣議でこの政令制定に当たりましてどのような見解を持たれましたか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 特別発言はいたしませんでした。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 私は、今日本政府の財政支出や外交あるいはまた国際的な取り決めといったものを進めていく中で、日本が戦争当事国の一方の参戦国になるという事態を、海部総理を中心にした行政サイドで条件づくりが進められておるというふうに理解をいたしております。それで、これはもう予算委員会等でいろいろ議論はありましたが、大きな観点から見ますと、このような戦争に日本が事実上参加をさせられると申しますか、当事国の一方の敵国になるといったような行政サイドの決定というのは、やはり日本が今日まで保持をしておりますところの憲法体制のもとにおいてはどうしても理解できない部分が残ります。  それで、やはり閣議に出席をされておるわけでありますので、私が今申し上げたような点については、大臣個人としてはどのような意見をお持ちですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 私がこの場所で個人的な発言ということで求められて発言をいたしましても、報道されるときには個人なんという発言で扱ってはくれないと思うわけでありますので、慎重にしなければならない、こう思っておりますけれども、日本のような国の立場であれば立場であるほど、米ソの緊張緩和、東西緊張の緩和が解けつつあるとき、少なくとも国連を重視をしていくということが最も大事なことであります。  また、軍事問題のような紛争問題で、今日のように国連が決議をするというようなこともかつてなかったことであろうと思うし、その国連の決議を支援をしていくということは我が国にとっても重要なことだというふうに認識をいたしております。

目黒吉之助日本社会党・護憲共同

○目黒委員 余りこの問題で深く議論をするつもりはございませんけれども、今日の問題、国連の決議を支持する、その中身は戦争容認であり、直接戦争に参加しないけれども後方で支援をするという日本の態度になっております。このことは、ここから先は意見が分かれるところですから多くを申し上げませんが、やはり閣議の中でそれぞれ思いを持って参加をされ、このような重要な決定をされるわけでありますから、私は一人ぐらいは態度を保留したりされる方があってもいいのではないかと思うわけでありまして、この点、そういうのがなかったということは非常に残念に思います。  繰り返すようですけれども、少なくともそのために日本が一方の参戦国になるということについては許されないわけでありまして、今後こういった問題でそれぞれ閣議で決められるというようなことがあろうかと思うのでございますが、ぜひひとつ、やはり国民大衆が希望するものあるいは見ておるものをしっかり踏まえて頑張っていただきますように私の方から要請を申し上げさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

大原一三自由民主党

○大原委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十四分休憩      ────◇─────     午後一時開議

大原一三自由民主党

○大原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。田中恒利君。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 近藤大臣とは当委員会を中心に大変長い間、立場は異なっても農業、農村を思う心は同じでありまして、一緒に歩んできた仲でありますが、今の農村というのはその前提に大変厳しい困難な問題を山積しておる、そういう中で大臣に就任せられたので、私は余りおめでとうという言葉も言えぬし大変なことだと思いますよ。あなたも腹の中ではこれはどうしたらいいかと悩まれておることは大変多いのだろうと思いますが、しかし皆さんがおっしゃるように、あなたはまあ自民党の中でも何人かの農政のわかる人ということになっておるわけでありまして、そういう意味での期待があると思うのですが、いざ物にしていくということになると、どれをとってみてもなかなか大変だと思うのです。  それで、日本の農政は特に国際化という問題が出てきて以降はどうも受け身、防戦に追いまくられて、頭の中では考えておるのだけれども手足が動かぬ、こういう状態になっておるように思えますので、その辺を皆さんの言葉をかりると、これからの新しい農業、農政のあり方について一つでも二つでも、何かあなたの、近藤大臣の在任中に築いたというものをつくっていただくようにお願いをしておきたいと思うのです。  先ほど目黒さんが、農業基本法を勉強されるということだがどういう内容だと言われましたが、なかなか今お答えはできぬだろうと私もわかりますし、農業基本法ということになると大変な問題で、いろいろな意見を聞かないといけないと思いますが、ただ先ほど来、この委員会できのうからきょうと議論された中にも幾つかの大きな柱はあると思うのです。  例えば日本の農業の経営規模が、基本法農政が掲げた自立農家をつくったかつくらないかという問題、点としては企業的農業というか専業農家層が多少あるが、しかしこれは面になり切っていない。そうするとやはり協業、協同ということはまた一つ大きな問題ですが、その辺が可能かどうか、そういうことが出てくると思います。  あるいは国際化というものが非常に大きくかぶさってくる。ガット・ウルグアイ・ラウンドという形でこの委員会でも一番論戦されたわけでありますが、国際化というものがまたこれ、規模拡大などと微妙に絡んできておる、そういうことが出てきております。  それから、やはり大臣よくおっしゃるが、地域の農業、地域で住みよい地域社会をつくっていくという幅広い着想を持ちながら、しかしあくまでも農業、林業、漁業、こういう産業を発展させるという意味の地域づくりということがこれから非常に大切だと思うのです。私は、日本の農政は霞が関が動かしてきたと思う。ここにずらっと並んでおる官僚の諸君がその先頭であったと思うのですが、しかし霞が関農政では動かなくなっておる。農民もあるいは関係者も余りもう信用しない、こういう状態になってきておると思うのです。やはり地域でつくらせる、しかし地域といったってどの地域だということになったら、たくさんあってまことにさまざまであることも事実であります。そして全体としては人がいなくなった、それほどの厳しさを我が国の農業は今持っておると思うのです。人をどうするかというところあたりが出発になってくるのじゃなかろうかと私は思っておる。  実は私どもは今度、農業従業者援助法というか制度といったようなものを考えようやということで、今勉強しておるわけであります。ヨーロッパの方ではもうやっておりますが、そういうものをまねしますから、もう農林省も目は向けておると思いますが、いずれにせよ、人をつくっていくというところから始めなければいけない。ことし二千百人の就業者だ、こう言っておる。二千百人といったらトヨタ自動車よりも多分少ないと思う、新入社員。それら一人一人に対して政策の焦点を置いて対応していくということをやっていけば相当な力が出てくるように思うのです。  そんなことを全体として感じておりますが、大臣は、私が今申し上げましたことについて御意見、御感想があれば承りたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生今お話をなされたことを感想を一口に申し上げれば、私も同じような認識をしておるというのが実は私の感想でございます。  まあ総体的に言って、どこをどうしようかなんというよりも、全部一遍考え直してみたらいいのじゃないかというぐらいのつもりで実は私はいるわけです。だから、全部一遍考え直してみるということを、これだけの状況の、農業だけじゃなくてすべての状況が変化をして、幾ら立派なことが掲げられようと、法律がどうだとかこうだとかいうよりも、まず狭い国土の中にほとんどの地域が活力を失って一極集中しているわけですから、地域に人が住んでもらう、やってくれる人がいなければまずすべての物事が成り立たないわけでありますから、いろいろなことを考えてみて、今日までの努力は努力として評価すべきものを評価しながら、反省の上に立つ問題点、これからの新しい環境から来る新たな問題点、そういうものを組み合わせていかなければいけない。反省だけしておっても、過去を振り返っておるだけでもなしに、これから新しい環境の中でどう取り組むかということを考えていきたい、そう思っております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 それで、私一つだけ検討してもらいたいと思いますが、地域の政策、政策とまではいかないかもしれないが、地域での動きを起こす場合に補助金が持っておる力は非常に強いのですね。ところがその補助金というのが、私どもも実は一遍補助金を洗ってみたいと思ったからちょっと作業に取り組んだことがあるのですけれども、物すごくあるのですね。目を通すだけでも大変だということでありまして、非常にたくさんあるのです。それから農業の場合は非常に細かいのがある。それから補助金の中身が比較的画一性があって、しかもそれに合わなければ云々といったようなことになっておるのですね。そういう性格が非常に多いと思う、古いお役所がつくってきたものでありますから。  そういう面では竹下さんがやったあの村づくり一億ね、あれは私ども一定の評価をしておるわけですよ。あれはおもしろい、任すというんだから。いや、この任すというものを示さなければ人はつくられてこないのですよ、任してやらにゃ。やはりそれで規制しようとすればだめだな、型に入っていくな。私のところに隣の村の若い人が来て、実は農林省の規定で仕事をしたら農道が七百メートルの農道しかできない、しかしそういう規模でなくて我々の設計でやらせてくれれば倍の農道をつくってみせる、こう言うのですね。それで、一遍やってみいと言うて農林省も多少応援してくれてやらしたことがありますが、結構できる。彼らの方がよく知っておる、道の広さとかあるいはコンクリを打ち込む厚さとか。ところが、規定でぴしゃっと決まっておるものだからそれでやらなければいけないというのだが、こういう例はたくさんあります。  そういう例がたくさんあるので、補助金が日本の農林行政のパイプになっておるわけですが、これをもう少しあの一億方式を取り上げていくように、そして任せていく、こういう方向で取り組んでもらうように一遍検討してもらいたいと思っておるわけでありますが、いかがですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 基本的には先生の今の御指摘については検討いたします。  あわせて、やはり一つはやる気がある人をつくっていく、今やる気のある人にどうやってまた支援していくかということ、これがやはり補助金でなければならないので、補助金に魅力を感じてやるようなことがあってはいかぬことであります。  それから、公共的な仕事のみならず非公共の分野についても、沖縄から北海道まで地域の事情、いろいろな事情が違ってきて積み上げられてきておるわけですから、もう少しその地域による実情に合わせた選択のできるように、少し制度的にも選択の幅を持たせるようなメニューにつくっていくということもあわせて考えることにいたしたい、こう思っておるわけでありますし、今の補助金の問題については検討させていただきたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 メニュー方式というものをもうこの数年来我々もやかましく言いましたが、予算の中にも出てきておるようでありますが、もう少し地域の行政を自主的に活発に行うことができるようなことを焦点にした体系に、できるところから組みかえてもらいたいと思います。  それで、ガットの問題は、今もいろいろお話がありましたのであれなんですが、私はやはりここまで来たら、大臣、今度はこれは腹だと思うんだ。今度なのかもう少し先なのかわかりませんが、先ほど同僚委員の質疑に対していろいろお答えもあったし、我々も一定の情報を持っておるわけですが、ともかく米だけなぜいけないのかということですね。このことについての世界の世論はそんなに甘いものではないような気もいたします。  この国会が始まって以来、本会議が二回あり、各党の代表質問が行われました。各党の首脳が挙げてやはり米問題を言っておりますね。恐らく中東戦争に次いで米問題の議論をやったと思う。予算委員会もやりました。海部さんは一貫して米の自給は貫く、守る、こういうふうにおっしゃっておる。国会の決議を体してやる、こう言っていらっしゃる。しかし、一方ではウルグアイ・ラウンドを成功させるということが大前提だ、こういうことになっておるのですよ。ここのところの関係がどうなのか、これが大変なんです。やはり私は、これが農林大臣のリーダーシップだと思いますよ。農林大臣が、多少理屈に合わぬかもしれぬけれども、腹を切る覚悟で臨んでもらわなければいけぬと思うんだ。  私は国会で、ここでそれをあなたに言うてくれなんて言わぬよ。言わぬけれども、我々も責任があるんだ、三回決議したんだから、その発火点はこの農林水産委員会だから。これはこの間、農協の大会に委員長がいて大いにハッパをかけたらしいが、ともかく農林水産委員会を起爆点にして、我々は自由化は反対だ、米の自由化はまかりならぬという決議を、それは字句の解釈をさせたらいろいろありますけれども、したわけですから、私どもも政治家として問われた場合には、どういうふうに責任をとるかということを考えなければいけぬ。そういう決意というか、そういう腹構えでやらないと、百姓は我々に対してばかにするというか、またかということになりますよ。あなたもしばしば言われるが、私たち今の農政に携わる者は農民から信頼されていないような気がします。これはもう十数年続いた自由化の流れが、最終的にはぎりぎり追い込められて、政府もやることはやったんでしょう、歴代の大臣もやったでしょう。我々も一生懸命やったけれども、しかし最後は逆な結果になっておる。それがやはり農民から言わせたら、だまされた、口でいいことを言ったって、どうだ。私の県なんか、自民党のある代議士が、オレンジ・牛肉の自由化は絶対やらぬ、大会をやったら一万人集まった。帰りの自動車の中で、今閣議でやると決めたという報道を聞いて、みんながもう騒ぎ出したんだな、そういうことがあちこちで起きておるわけですよ。だから、政治に対する不信感というものが芽生えておる。それが消えなければなかなか政策を組めませんね。  ですから、そういう意味では私は、農林行政については大臣だから、大臣が腹を決めて、閣議はもとよりでありますけれども、いろいろな分野でそれこそ首を覚悟でこれに臨んでもらいたいと思う。そうすれば我々も、この問題についてはみんなそんなに違ってないんだから、あなたの後ろをついて一生懸命やりますよ。ひとつそういう決意を持っていただきたいということをお願いしておきますが、いかがですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 ガット・ウルグアイ・ラウンドを成功させなければならぬ、それは失敗するより成功した方がいいに決まっている話でありますから、それは国全体の立場で当然だれしも同じ意見だと思うのです。  ただ、私は農業分野を担当しておる大臣でございますから、全体的なことを自分の方から積極的に、誤解を招きやすいので発言をしたことはないので、米の問題について、所信をその部分についてだけ私は常々発言をしてきておるつもりでございますし、従来ここでお答えをしたとおりの方針で、腹を決めてきちっと対処していく覚悟でございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 それから、ちょっと気になるのは、我々が、まあ農林省が中心でありますけれども、政府から聞く情報と、毎日我々のところへ飛び込んでくる新聞、テレビの情報、いわゆるマスコミですね、これが非常に違っておるのですね。きのうからきょうにかけての委員会でも、アメリカ大統領の言ったこと、大変名指しで我々の方は指摘しましたが、これも新聞に載っておる。ところが、それは誤報だ、こういうことですしね。そんなことがたくさんある、この自由化の問題では。何か芝居がかっておるのじゃないかと思うほどマスコミは——きょうも農林水産委員会は関係業界ぐらいのマスコミが来るだけで、来やせぬです。その辺が、どこに原因があるのか。やはり国内にもそういう勢力があるのじゃないかというような気もする。それは消費者だって、賛成ですか反対ですかと言ったら反対と言う人もありますよ。ありますけれども、相当数がやはり日本の米は日本でつくらせる、自由化しない方がいい、こうおっしゃってくださっていると思うのです。  だから、どこかがおかしいのじゃないかと思うんだ。このマスコミ対策というのは、政府はもう少し積極的にやる必要があるのじゃないかと思うんだ。農林省も編集局長なんかを集めて説明をやっているようだけれども、そんなことじゃなくて、政府全体として、これだけの大きな問題になれば、やはり日本の政府を信頼せよ、日本の政府の情報というものを大きく出せ、そうでないと国民が混乱するんだな。ですから、そういうことは厳にひとつ留意していただきたいということを申し上げておきたいと思います。何かありますか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生今御指摘のように、国の内外を問わずいろいろなことが入ってくるわけであります。外国のことは別にしても、国内から少なくともいろいろな意見が出ることは、交渉に当たる立場の人間としては決していいことではございません。いろいろな団体と称するものも御意見があったり、あるいは学者先生の間にもいろいろな意見があるわけでありますけれども、とりわけ国民にその背景というものをしっかり理解をさせておく、その上で御発言をいただく人はそれぞれ意見の違いでやむを得ないところはあるのですけれども、間違った認識の上において発言をされるということになると大変困ることでありますし、この辺は注意をして、できるだけの広報宣伝をやっていきたいし、ガット・ウルグアイ・ラウンド、いつになるかわかりませんが、時間があれば、少なくともアメリカは我が国にとって最大の輸出国でありますから、アメリカの国内におけるPR活動というのは、これもマスコミを通してでも私は、アメリカ国民に現状というものをよく理解をしていただかなければならぬな。私どもが時々お会いをする人は、そんなに日本がアメリカから農産物を買っているのかということに驚く人が意外に多いわけであります。そういう点の理解というのは、時間があれば、可能な限りやはり相手国の国民の理解というものを求めていきたい、こう思っております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 ガットでいま一つ。  厚生省が来ておると思いますが、今度のガットの交渉の中で食品や動植物の検疫制度について協議がなされておるようでありますが、実はそれがよくわからないのです。やはり安全性の問題は国民が非常に関心を持っておるところでありますし、日本は世界で最大の輸入国ということでありますから、日本の検疫制度の実情というものについても世論が非常に厳しく出ておりますね。厚生省の方も何らかの対策をしなければいけないということのようでありますが、それらも含めて、どういう状況になっておるのか、御報告をいただきたいと思います。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○野村説明員 お答え申し上げます。  まず、ウルグアイ・ラウンドの中で食品規制等の問題がどのように審議されているかという御質問がございました。  農業交渉グループの中で、動植物検疫と食品に関する規制の問題につきましては一つのグループがつくられておりまして、その中でこれまでいろいろな交渉が行われております。そこで議論されている主な問題は、例えば国際基準に基づきまして各国の基準を調和させるべきではないかというようなこと、あるいは規制基準をつくる際の手続の透明性の確保を図るべきではないかというようなことが議論をされているところでございます。  そこで、私どもの基本的な姿勢でございますけれども、やはり科学的な根拠に基づきまして食品の安全性の確保を図るということが何よりも大切でございまして、そのような基本的な精神に基づきまして現在対処をしておるところでございます。したがいまして、今申し上げました国際基準に基づく調和につきましても、原則的にはその必要性は理解するところでございますけれども、御存じのように各国によりまして食生活のパターンが違いますし、また地理的な状況も異なるわけでございますので、場合によってはその国際基準よりも厳しい規制措置を講じなければならないこともあり得るわけでございます。そういうことをこのガット・ウルグアイ・ラウンドの場でも主張をしておりまして、国民の食生活の安全の確保を図るべく今後とも、ガット・ウルグアイ・ラウンドの場だけではございませんけれども、私どもの姿勢を示していきたいと考えておるところでございます。  それから、現在輸入食品の監視体制はどうなっているのかという御質問をいただきましたけれども、この農水委員会でもしばしば輸入食品の監視体制、これは水際で、検疫所におきまして私ども食品衛生監視員が中心となりましてこのチェックを行っているところでございますが、この体制が弱いという御指摘をたびたび受けてきたところでございますが、来年度の予算案におきまして、現在食品衛生監視員は九十九名ございますけれども、これを四十四名増加をさせる、百四十三名になりますけれども、大幅にそのような監視体制の増強を図るということで、私ども、今後とも輸入食品の安全確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 ガットが食品の、動植物の検疫制度の問題を出した背景には、やはり輸入自由化を促進させるという意味がありますので、非常に厳しいところもあるし、緩やかなところもあるし、真ん中もある。調整するということになれば大体真ん中をとっていくだろう、こういうことを考えるのですけれども、それこそ、あなたも今おっしゃったが、やはり食生活というのが非常に違うし、米とパンと食うとるところから始まってさまざまである。所によって、地域によって違うし、それで人間の体質が変わってくるのだから、一定の、標準のようなものができるというのはそんなに意味があるのかなと思うのですが、時には重い基準というか、を認めようというのが日本政府の考えのようだから結構なことだと思いますが、それをむしろ中心にするぐらいで進めてもらいたいと思います。  それで、米のことをちょっと聞きますが、米の政府米とマル自米、自主流通米、この関係は今どうなっておりますか。

浜口義曠食糧庁長官

○浜口政府委員 今お尋ねの政府米と自主流通米の関係でございますが、食管法に基づきまして全量的に管理しておりますいわゆる政府管理米の中で、最近におきます良質米に対する消費者の方々の需要が拡大しているということを反映いたしまして、自主流通米のウエートの方が量的には高くなってきているわけでございます。この比率の見方も、細かいことを申し上げますと、流通しているところあるいは毎年毎年の集荷量、そういうようなもので数字が違ってきておりますが、現実のところ、集荷量の最新のところでは、例えば元年産の集荷量というようなことで見ますと七割程度に自主流通米が上がってきている。それから、もちろん政府米は、持ち越し米といいますか政府のものもありますので、そういったものを供給する。いわゆる毎年の一年間の流通量ということでいきますと、大体政府米が四割、自主流通米が六割ということでございましたが、ここへ来まして、一番新しい元年産の流通量ということでいきますと、三六%ぐらいのところまで政府量が下がってきている。逆に言いますと、自主流通米が六四%のところまで来ている、そういったような状況にあります。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 長官、ここだよ。私も、米の食管の問題で、政府米と自主流通米のバランスがどういう状態であるべきなのか政府ははっきりさせなさいと言ったが、今まで何回か私はこれを聞いたつもりなんだが、言わなかったね。そのうちに、二、三年のうちにぱっと自主流通米が多くなって、今言われたように、二五、六%じゃないですか、今政府米の割合は。そのぐらいにまで低下をしてきた。この関係で果たして政府は米の管理というものを政府の責任でやるということができますか、今のこの状態で。

浜口義曠食糧庁長官

○浜口政府委員 今お答えいたしましたように、最新の、一番新しいデータのところでその年の出来秋の集荷量、その一時点で見ました場合には政府三、自主流通七、年間ずっと通してまいりますところについては、三六%が政府米、さらに自主流通米が六四%という数字でございます。  先生御指摘のように、食糧管理制度はこういう形で二本足で歩いているわけでございますが、その間の量をどういうふうにしていくかというのは、これは実態に応じてなかなか難しい問題でございますが、既に農政審議会から出ております「今後の米管理の方向」というところでは、おおむね政府量を四割程度にしてはどうかということを提起しているわけでございます。また、この農政審議会の方向を受けまして食糧庁で検討会というものを設けまして御議論をしていただいたときには、やはり三、四割だろうということを提起をしていただいております。  私どもは、まず実態の業務の中で毎年積み重ねながら一つの方向を出していかなければいけないというふうに思っておりますが、ただ、先生御指摘のように、二本足で歩いてはおりますけれども、全国的な調整、あるいは毎年の、例えば不作になったときの最後のとりでとしての政府米の位置づけといったようなことから考えますれば、私ども、四割程度といった方向が一つ正しい方向ではないかというふうに思っております。  なお、ことしの集荷量でございますが、一番新しい時点の集荷、速報で二月十日現在というのがございますけれども、これで百六十四万トン集めさせていただいたわけでございます。農家の方の御努力、関係者の御努力によりましてそういう数字になりました。この数字は、去年の全体の最終が百六十三万八千トンだったわけでございまして、そういう意味では、今の時点で既に超えたということで、私どもとしては、集荷の低落の歯どめがかかったのではないかというふうに思っておるところでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 私、細かいことを言うと時間がないからやめますけれどもね。長官、三六%、それはモチ米とかああいうものも全部入れておるのですか。私も一定の数字は持っておるが、これは細かいことを言い出したらうるさいから。三六なんという数字、それは特定の、去年なら去年の政府米がどれだけ、そして自主流通米はこれだけ、それにモチ米も入って、これも自主流通米みたいなものだ、そういうふうな計算でやったら、七、三と常識的に言うけれども、もっとひどくなっておるのだというふうに聞いておるのだがな。ある特定の時期の集荷段階で押さえて言っておるのじゃないですか。そういう感じがするからね。まあいいですよ、その数字、余りつつき出したら幾らでもあるからやめますが、ちょっと私はおかしいと思うんだ。後で返事してください。  それで私は、こういう割合では、七、三でもいいですよ、七、三の割合で、米管理に何かひびが入ってくるような気がしてならないのです。現実に集荷量というものは、昨年一〇三%の作況だと言っておる、ところが集まった米は、六百四十三万トンを限度数量としておるが、六百万トンちょっとぐらいじゃないですか。こういうふうに集荷量は毎年毎年低下をし始めてきておるでしょう。おたくがつくった資料もいただいておるけれども、集荷量はどんどん下がっていっておる。それに並行して自主流通米が物すごい速度でふえてきておるのですね。こういう形の、特にこの二、三年来の傾向は、政府米が価格的には下支えの機能を全く失ってしまっておるということだと思うのですよ。それも一つ。  それから、自主流通米の在庫が物すごくふえておるでしょう。逆に、政府米の在庫は少なくなっておる。百万トンを割った。そして自主流通米の方は、たしか全農が、去年の暮れに十万トンぐらいの持ち越しがあって大変だということで、卸に十四、五万トンですか、これは半強制的に任した。ああいう売れない自主流通米が残っていくんだな。これが、今自主流通米の入札機構というようなものができて、二、三回やりましたね、やられたが、こういうところからじわじわとひび割れが入ってくるように思うのですよ。だから私は、政府の管理機構がどうも大きく割れてきておると思っておるのですが、どうですか。

浜口義曠食糧庁長官

○浜口政府委員 現在の食管制度というのは米の全量管理的な体制をとっておりまして、政府が国民の方々に安心感を与えながら供給するというところに基本を置きます。したがいまして、先生御指摘の点については、そういったことがないように、やはり日本の主食でございますので、これをきちっと管理していくということが必要だと思います。その場合に、戦後いろいろ飢餓の状況からだんだん需要が多様化したわけでございます。そういった意味で、民間流通のよさを入れようということで、あくまでもこれは政府管理米ではございますけれども、自主流通米制度というものをつくって二本足で歩き出したのが昭和四十四年でございます。  ところで、今先生御指摘のように、三つ数字の関連で御提起になりました。まず、確かにおっしゃるように、私ども、先生のお手元にお持ちいたしました、全体の中での集荷量の割合でございますが、これはもう少し丁寧に申し上げますと、一つは、生産量と政府の政府米及び自主流通米の集荷量ですね、その部分についてもう少しコメントをつけて考えていかなければならなかったのじゃないかと思っております。分母の方で生産量、分子の方で集荷量でございますが、確かにここのところへ、六十年のときにはその数字でいきますと六十一年七一という数字だったわけでございます。ここへ参りまして平成元年度六六というふうに、五%減っておるわけでございます。この一番大きい点は、私どもは結論的には現行で、農家の方々が全量集荷といったようなことの運動もしていただいておりますので、この数字は実質上、本当は変わっていないのだというふうに思っておるのですが、このように違った数字は、一つは、いわゆる良質米のことで、米選機下のものですね、それをふるいにかける比率が相当大きくなっておりまして、大きな、一・七ミリを一・九ミリというようなところのがかなり多いところだろうと思います。さらに、縁故米の部分で、贈答米と申しましょうか、農家の方々が御親戚にお贈りになるというのが少しふえております。  それからもう一つ、この数字は、細かいようでございますけれども、比べられます六十一年のときは豊作だったわけでございます。作況指数が多分一〇七で、そういう意味で、その部分、農家の方々が自分の農家の保有米以外を集荷に出されたということで、結果的に七一と、近年まれに大きく出てきたのではないかと思っております。  いずれにいたしましても、この数字等につきましては、私ども、もう少し詳細に検討いたしまして、現行の信頼を受ける流通ルートというものを確認していかなければいけないと思っております。  なお、先ほどの御指摘のとおりの点でございますけれども、集荷の段階は先生のおっしゃるように七、三でございます。ただ、政府米が保有米を常に百万トン前後持っておるわけでございますが、それを入れて一年間でいわゆる流通したのを統計でとってみると、まだ切り上げて四割の段階のところまできている。ただこれは、実際に傾向としてはどんどんと政府米が減ってきておるわけですから、減るということであったわけでございますが、一番大事なのは、やはりそれぞれ政府米の機能がございます、また自主流通米の役割もございます、それのバランスをとるということが一番重要でございますので、私どもとしては都道府県も巻き込んで、今回いろいろ政府米にもバランスよく集めていただいたわけでございます。その結果、ことしの平成二年産の全体の流通量がどのくらいになるかというのはもう少したってみないとわからないわけでございますけれども、歯どめがかかったとしていいのではないか、先生のおっしゃるように、集荷の面だけから考えますと七、三、ただ、保有米を入れると六、四に近いということだろうと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 ちょっと意見がありますけれどもね。やはり基本的な問題は、米価の逆ざやがなくなってきた。米価は、一、二類は自主流通米で順ざやであったわけですが、六十一年以降それが全部順ざやになったということにあるわけですね。つまり生産者米価、消費者米価、この米価水準というものが問題だということになるのですね、結論は。結論というか多くの原因は。だから価格問題というのは、やはり相当大きな比重を持っておるこれらの管理の仕組みの中で、生産者米価はずっと据え置きから引き下げですね。常識ではちょっと考えられないのだが、生産者価格はそういうことになっておる。政府売り渡し価格は余り上げなかったが、ことし相当大幅に下げた。これは多少歩戻しをしておるということですね。だから米価水準というものをどういうふうに考えたらいいかということが大きな問題のように思います。大臣、これはどうお考えですか。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生御指摘のように、今米価水準の問題が政府集荷に影響があるのではないかということでありましたけれども、米価の水準というものと自主流通米という関係は、それは当然関係があるわけでありますし、そのことがまた一つは自主流通米をつくり、より良質な米を作付するという傾向になってきておることもまた現実の姿でなかろうかと思うわけであります。  私も正直言って、日本の米価というのが幾らが適正かと言われると、ある意味では国際価格というものを念頭の中に置いて考えられておる。これがまた消費者の念頭の中にもあるのではないだろうか。一方、生産者の側を考えてみれば、どちらかといえば賃金も上がり、そしてまた機械も上がり肥料も上がり資材が値上がりをして生産されるものが下がるということですから、一体幾らが適正な米価かと言われることに自分も反復しながら今までも考えてきておった。それが一つ農家に対する不安感にもなっておるのではないだろうか。これは質問されても答える人が幾らだとちょっと言い切れない。  ただ、一つだけ私どもが考えていかなきやならぬことは、そういう環境の中で米価を決定するときに、農家の所得を確保していくというその一点で、反対側から支援をしてコストを下げる、基盤整備をする、そういうあらゆる努力をしながら農家所得を安定させていく、確保させていくということだけは私どもが責任を持ってやらなければならない仕事。あわせて米価を決定してきたというのが今日までの経過だ、そう理解をいたしております。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 私は、日本の米価水準が十分でないと思いますよ。日本の国民の生活水準というものに焦点を合わせて主食の価格を考えた場合に、特にこの数年来の政府のとった米価の決定を見た場合に、どうしても理屈に合っていない、こう思いますから、きょうは議論はいたしませんけれども、生産者米価は適正に、もっと上げた形で決めなければだめだと思います。  そして、やはり食管というのは政府が負担すべきものをもっと負担しなければいけない。この数年来の政府予算の中で食管会計だけはきっちり決めていっておりますよ。これは結局あの分があらわれてきているんですよ。だって自主流通米なんというのはどんどんさばけていくし、そして今度またああいう市場機構なんかつくっていく。この価格というのは政府米価に比べたら何割高いですか、よっぽど高いですよ。消費者は今米の値段が高いとか安いとかいうことを余り問題にしていないと私は思うんですよ。ですから、このことは後でまた米価のときに十分議論をさせていただきたいと思います。  それで、もう時間がありませんから、果樹の問題だけちょっとお尋ねしておきます。  昨年、食料需給表というのが発表になりましたね。これで果樹の自給率は平成元年で六七%ということになっております、平成二年でですね。そして西暦二〇〇〇年にはこの目標が、これは果振法の基本目標もそうでありますし、事業の動向に関する長期計画もそうでありますが、果樹の見通しは六五%と書いております。だから、現在六七%ですが、これは六五%まで下がるわけでありますが、これは二〇〇〇年どころじゃなくて、あと一、二年でこうなっていくのではないですか。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 先生今おっしゃいましたように、長期見通しの基準年でございます昭和六十二年には七四%が果実の自給率ということでございますが、平成十二年には六五%でございます。平成元年現在六七%ということになっているわけでございます。これはかんきつ、ミカンの国内生産量が減っているということが主たる原因でございますが、かんきつにつきましては、先生御案内のとおり表年と裏年がございまして、平成二年が裏年であって、平成元年が表年であったということもあるわけでございます。そういうことでだんだんと自給率自体は減っていくのではないかと思っているわけでございます。  ただ、特にかんきつにつきましては、これも先生よく御存じのとおり、私どもの国内産のミカンにつきましては、生果の需要ということで支えられているところが非常に多いわけでございまして、この減っておりますのは主として加工に向くものでございますので、こちらの方に向くものが減って、その分ジュースというような形あるいは缶詰のような形で入ってきているというのが低下の主たる原因ではないかと考えているわけでございます。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 私は、いずれにせよあと二、三年で目標につくのではないかという気がします。これはミカンの減反が非常に効いておる。裏作も表作もありますけれども、ミカンの減反が効いて、ミカンをぐっと少なくした。これはまだ続きますよ。ことしはミカンの値がいいなんて言ったけれども、あれを単収なりで見てみた場合、収量が減っておりますから、一体どうなっておるかということを計算しなければいけませんが、ミカン農家はどんどんやめていき始めております。ですから生産量は、果樹の場合ミカンが多いですから、自給率がずっと落ち込んでいくように思います。二〇〇〇年といったら、そうはいったってあとまだ五、六年あるわけですけれども、それより早く手が届くように思いますから、これは気をつけてもらわなければいけません。  特に外国の果物が非常にたくさん入ってきておる。日本のミカンの減反した分以上に外国から入ってきておる。外国から入ってきたものを生と加工とに分けてみると、統計はなかなかないけれども、市場へ行って調べてみたら、やはり七割から、七、三ぐらいで生と加工が入っておる。あなたが言ったように果樹は生で勝負をするということだが、しかし生だけではだめなんですよ。やはり二割や三割は加工用向けが出てくるのですよ、どこの地域だって。私は愛媛県だからミカンでは先進県だと思うが、愛媛県でもいいミカンをつくっておるつもりだけれども、やはり二割や三割は必ず出てくるんですよ。だからその加工の対策をほうっておいたのでは、ほうっておくどころかああいう形で、果実の基金制度で国際価格に右へ倣えしていくというようなことで五、六年かけてやるというのだけれども、ああいう政策の方向でやられたのでは加工というのは伸びませんよ。加工は捨てるようなものになってしまいますよ。だから、加工対策というものを本気になってつくってもらわなければいけない。  この間のオレンジの自由化のときに、減反ということを政府・自民党はやった。そのとき私は、加工対策をやってくれということを言ったんだ。いろいろな人に言って回ったんだ。ところが金がないということだったんだ。それは減反に回す金、たくさんやったからな、あれ。それで結局金がなくてやれなかったんだが、しかし加工の対策というものを本格的に考えねばならない時期に今来ておると思うんですよ。私どもも一定の準備をしておりますけれども、ぜひ考えてもらいたいと思います。

安橋隆雄農林水産省農蚕園芸局長

○安橋政府委員 御指摘のとおり、加工に向きますかんきつは、どちらかと申しますといわば生果として売れにくい規格外品の有効利用でございますとか、あるいは生果の価格を安定させるための需給調整上の手段というようなことで位置づけられておるわけでございまして、そういう意味で値段の安い部分でございますので、御指摘のとおり価格安定対策ということは非常に重要だと思っているわけでございます。  それで、これも御指摘のとおり、本年四月からのオレンジの自由化に際しまして加工原料果実の価格安定対策の特別補てんというのを、八年間の時限的な措置ではございますが、とらせていただいているわけでございますし、それ以外の対策といたしましても、国産品の特徴を十分生かしたような品質向上対策あるいは消費宣伝対策というようなものをとらせていただいているわけでございます。例えば具体的には、果実等の新製品の開発特別事業といたしまして、高品質果汁製造施設に対します助成といったようなものも含めて対策を講じているところでございます。  そういうことで、私どもも、生果の需要が中心だと思っておりますけれども、加工の対策も決して忘れないでとっているということで、ひとつよろしくお願いしたいと思います。

田中恒利日本社会党・護憲共同

○田中(恒)委員 以上で終わりますが、今の加工の問題は政府も施策を言われるだけで、それではだめだと言っているんですよ。それではだめです。そういうことを申し上げておるので、新しい対策を考えるべきだ。いずれ私どももまた何かの形でお示ししなければいかぬと思いますが。  大臣、いろいろきょうは一般的な質疑をいたしましたが、ひとつあなたの味を出していただいて、これから委員会もできるだけ、どなたかおっしゃったが、生の大臣の気持ちや考えが我々も聞けるように、我々の声もまた受け取っていただいて、いろいろ御苦労が多いと思いますが、頑張っていただきたいと思います。  以上で終わります。

大原一三自由民主党

○大原委員長 藤原房雄君。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 公明党を代表いたしまして、二、三の問題について御質問を申し上げたいと思います。  最初に、大臣の所信ということでございますが、農林水産につきましては、主要なポストで大変に御勉強していらっしゃった大臣が御就任になりまして、大変な問題の山積いたしております農林水産業につきまして、昨日から委員会がございましたが、要所要所大変に御勉強なさった、また過去のとうとい経験を通しましての力強い御決意、いろいろございました。  いずれにしましても、非常に多角的に、また大きな問題をはらんでいるだけに、大臣におかれましても、日本の最も大事な食糧、一次産業の主要な産業である農林水産業の振興ということにつきましては最大の御努力をいただきたい。大臣が、このたびも大臣御就任に当たりまして就任の弁もございましたが、この大臣の大事な役割というものについてどのように御認識なさって、また御決意を持っていらっしゃるのか、簡単でよろしゅうございますが、御決意のほどを最初にお聞きしたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 当面の問題は、ガット・ウルグアイ・ラウンド、日本の主張を貫いて反映をさせていきたいというのが当面の国際的な最大の課題でございます。あわせて、まさに問題が山積をしておりますし、総合的に解決をしていかなければならない、そういう現況ではありますけれども、一つ一つ丁寧に片づけていくことがまた効果をあらわしていくことにも相なるわけでございます。  まず、先般来申し上げておりますように、やはり農業を営んでいる皆さん方とそれぞれ行政も政治も、ある意味では団体も合わせて心を一つにして対応していく、信頼回復をしていかなければならない。  あわせて、今日の状況からすれば、これからの人づくり、後継者づくりをするにしても、農業の所得だけを考えられないで生活環境、今代表して三Kと言われておるようなものもあわせて農業の分野で解決していくには、一つは農村の生活環境、そしてまた機械の開発をしてやらないと、青果などについてはやはり若い諸君に嫌われる一つの職業となるわけでありますから、そういう面でも対応していかなければならない。  そしてまた、食糧難時代から戦後一貫して増産生産体制というものに組織が組み込まれてきた長い歴史がございますけれども、今は社会環境、経済環境、生活環境も変わってまいりまして、外食、加工、その種の分野が非常に大きくなってまいりました。そういう面での消費、流通にいかにして対応していくかという、そういう消費者ニーズというものもまた生産に反映をさせていく、そういう時代に入ってきた、こう思うわけであります。  総体的には、この多様化した食生活の中でどうやって国内の自給率を上げていくかという、極めて難問ではありますけれども、しかしこれを常に忘れてはならない、これが食糧でなかろうか、こう理解をいたしておるわけであります。  御指導をいただきながら積極的に取り組んでいきたいと思います。     〔委員長退席、宮里委員長代理着席〕

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 大臣も、過日の所信表明でも何項目かにわたりましてお話がございました。それはお伺いをしておるわけでございますが、強い決意の上に立ちまして、この山積いたしております諸問題解決のためには最大の努力をしていくという強い御決意だろうと思うわけであります。  時間も限られておりますので余り多方面にわたっての問題はできませんが、予算に関連することと、また関連法案いろいろなことがございますので、漁業を中心にいたします諸問題を若干御質問申し上げたいと思います。  最初に、本年度の農林水産関係予算でございますが、一般会計で総額三兆二千六百五十八億円、四・六%増ということでございまして、九年ぶりにこれだけ予算が増額になったということであります。ひところ、十数年ほど前までは、国家予算の一割をもって日本の国の農林水産業につきましての施策を強力に進めておった、そういう時代もありましたが、時代のいろいろな変化の中で、今日そのウエートはだんだん低くなった。しかし、それは金額の上だけではなくて、いろいろな社会的な要請、また事業そのものについてもいろいろ内容的にも変わってまいっておりますから、一概には国家予算の中で占める比率ということだけでは云々できないだろうと思いますけれども、農林水産業の重要性というのはいささかも当時と変わっておるわけではない、こう私も思いますし、有効な予算の運営ということについて最大の効果が上がるような御努力をひとついただきたい、この気持ちは皆さん方と同じであります。  ただ、一点申し上げておきたいのでありますが、大臣のさっきのお話の中にもございましたし、また所信表明の中にもございましたが、「我が国経済社会の調和ある発展と豊かでゆとりある国民生活を実現していくためには、農林水産業や関連産業の健全な発展と、農山漁村の活性化を図ることが是非とも必要である」、一極集中ではなくして多極分散といいますか、これを、特に農林水産業が生活関連を初めとしまして地域の活性化の大きな役割を担うべきだということについての言及がございますが、今回のこの予算の中で生活関連重点枠の配分というのがございましたが、総額二千億、その中で当初農水省は、もう農山漁村の生活関連は重点的にすべきだというようなことで一千九百億ほどの要望を出しましたが、実際は二百七十七億、公共事業分で二百四十億、非公共で三十七億、こういうことでありました。  この金額が多いか少ないかということはいろいろ議論あるところであろうと思いますが、公共事業分の省庁別のシェアからいたしますと、一三・七二%、従来の配分比率が二二・〇五%ということから見ますと、今回のこの公共事業分については少し下回っているのじゃないか。大臣も、地方における農林水産業、関連産業の健全な発展と農山漁村の活性化を図ることが重要なんだということ、また、ただいまのお話の中にもございましたが、生活関連の改善をすることが非常に重要だ、これは論をまたないところだろうと思うのであります。  ことしの予算、これは大臣みずから陣頭指揮をとって獲得したといいますか、説得した予算ではないのかもしれませんが、公共事業分につきましても、生活関連のことを見ましても、そういうことからいたしましてやや下回っておるということからいたしますと、ことしはこの配分といたしましても、明年度からは、もっと実効ある形での生活関連等につきましての公共事業については力を入れていくのは当然なことではないかというふうに思っておりますが、この生活関連重点枠を中心といたします本年の予算につきまして、農林予算が一般会計全体の中で占めるウエートとともに、今問題になっております生活関連重点枠の配分等につきまして、農林省としましてこれをどのように受けとめて、また今後これをどう開いていこうとなさるのか、その辺のことについてお伺いをいたしておきたいと思います。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生御指摘のような数字で結論が出たわけでありますけれども、どちらかというと、農林水産省の予算、土地改良なり漁港なりという生産基盤を中心にして、それの関連の予算が、実は従来取り組んできた姿勢でございます。  今先生お話しのように、改めて生活関連枠というものが今年度から誕生いたしたわけでありまして、いささかその生活関連枠の中で特にと申し上げれば、集落排水なり農道なりというのが建設省の道路、下水に匹敵するような立場でありますので、新しい生活関連ということになると、なかなか十分な準備ができにくかった関係もこれあり。しかし、従来のものについては、集落排水を見ても倍増させていただいたということでもあります。  これから、特に一極集中から多極分散なりふるさと創生という政府全体の、各省庁の目安で今それぞれ取り組んでおるわけであります。あわせて、今日、地球的な環境問題が大きくクローズアップしてまいりました。先生御案内のように、我が国の国土は少なくとも一極集中を中心にしながら、工業生産地帯、人口集中地域というのは国土の面積の三%、農山漁村、いわゆる地方と言われるものは九〇%以上の面積を占めておるわけでありますから、この地域の活性化をしていくということが、これから政府全体の目標にもなっておるわけであります。そこは一にかかって農林水産の所管する地域だ、そう認識をいたしておるわけでありますから、この辺の環境整備なり生活関係なりというものについては、来年度以降の予算に積極的に取り組んでいかなければならない、こう考えております。  あわせて、各省庁とも、環境なりふるさと創生なりという予算は、それぞれの省庁の間で地域づくりのために予算取りをしておるわけでありますから、農林水産業を中心にしながら、その地域に各省庁が村づくり、町づくりに使われる予算と総合的にして、我が省の予算も組み合わせて地域づくりをしていきたい、来年以降積極的に取り組んでいくことを決意表明させていただきます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 今大臣からもお話がございましたように、これは農林省一省だけでなくて、やはり各省庁の実態の中に合わせて並行的に進めなければならぬことだろうと思います。最近は余暇の問題等もございまして、またリゾート、こういうことから、時代の大きな変化の中で風光明媚な山村というものが非常に重要視され、そしてまた、憩いの場としての重要性ということからいいますと、先ほど大臣がお話しになっておりましたように、三Kと言われるそこに住む人たちのためといいますか、もちろん農山村にお住まいになっていらっしゃる方々の生活改善ということとともに、これからも大都市の多くの人たちが当然農山村にいらっしゃる、こういうこと等を考え合わせますと、これらの生活関連といいますか、その対応策というのは急を要するものだろう、こう思うわけであります。国土の均衡ある発展という観点の上からも、また時代の要請というこういう変化の中にありましても、是が非でもこれは大臣の御努力によりまして、農山村の大きな振興策としてこれらの改善の推進を図られるよう、ぜひひとつ御努力をいただきたいと思います。  次は、昨日から同僚委員からも数々お話がございましたが、ウルグアイ・ラウンドの決着というものは非常に国民の関心事であり、これは日本のみならず諸外国における貿易の基本にかかわる問題であるだけに、関心事であることは論をまちません。御存じのとおり、昨日も同僚委員からもお話がございましたが、今日までどちらかというと、ここにおけるいろいろな実態的な状況とかそれから交渉、交渉事でありますから表に出せることとまた表に出せないこともあるのかもしれませんが、非常に数少ない情報量の中で物事が進められてきておったというのが現状だろうと思います。にわかに、米を一粒も輸入しては相ならぬ、こういう議論がそれぞれの立場で巻き起こりました。いろいろな関係の方々も非常に関心を持つことになったわけであります。  そこの中から私ども感じますことは、やはり今日まで、マスコミも自分の関心のあることには触れるのかもしれませんが、全体像としての報道というものが非常に薄かったといいますか、農林省としましては、これは農林省だけじゃなくて、政府としてこれに当たる省庁におきましても、どういう問題に対してどういうふうに対応したかということについての、我々当委員会ですと、交渉のあった後についてはそれなりのペーパーをいただきますけれども、説明もいただくわけでありますが、なかなかこれは、一般の方々または関心のある方々についてもこういう情報というのは非常に得られがたい、得やすいという状況ではない、こういうことが一つは言えるのではないか。  私ども公明党も今日まで、断固として牛肉・オレンジを初めとしまして輸入は阻止するのだ、こういうことで政府が取り組んできたものが、一生懸命頑張りましたけれども、国際情勢やまた交渉の中でなかなかそういう状況にはない、こういうことを一度ならず二度繰り返すということになりますと、国民の不信感を沸き立たせることになる。やはりこれは、真実は真実として国民の前に明確にすべきではないか、こんなことを党内でもいろいろな議論をいたしておるところでございます。昨日も同僚委員からも、農政に対する不信感というお話もございましたが、正確に情報が伝わっていない、またそういう伝わるようなシステムがない、知り得ない、そういういろいろなことがあって、そういうことが後の結果を見て一つの大きな不信を抱かせるもとになるのではないか。  こういうことからいいまして、これは農林省だけでできることでは決してありません。ウルグアイ・ラウンドはそれぞれの部門がございますから、それらのことについての公の場での公式発表みたいなことはもちろんなさっていると思うのでありますけれども、より国民にオープンといいますか、知られるような手だてを考えなければならぬということを痛感するわけでありますが、これらのことについては農林省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。ちょっと一言聞いておきたい。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 食糧の現状というものを、特に国際的な食糧関係というものについて一般国民に対するPRが不足ではないか、こういう点については、努力はしておりますけれどもまだ不十分な点があった、こう理解をいたしております。そういう状況の中で、私ども今度の交渉に当たっての姿勢というものは、我が国の農業の現状からいって正しい日本の政府の意見だ、こう理解をして信じておるわけであります。  あわせて考えてみて、いろいろな農産物はありますけれども、今米の問題を中心に御指摘をいただいたものだと思うわけでありますけれども、日本の主食というような位置づけをされるものが外国にあるだろうか、こう考えたら、こういう重い位置づけをするものは外国にはないのではないか。貿易上の問題での位置づけというものはあるけれども、国民生活にこれぐらい密着をしている米というものは、食糧以外の役割を長い歴史の中で果たしてきたのだ、また一面こう理解もできるわけであります。  そういう中で、世界最大の輸入国として、そして自給率が五〇%を割ったということで、諸先生方から、自給を確保していかないと長期的に見ても大変だよ、こういう御意見をたびたびちょうだいをするわけですが、中でも安心のできるというのは、主食である米が自給できていることだ、こう思うわけであります。そして、日本の米が、生産調整などをしているものですから、米というのは世界の中でも、いつでもどこでもあるのではないかという考え方に立っておる人もかなりいるのですけれども、わずか世界の総生産量の三%程度しか実はマーケットへ出ていないということも考え合わせてみると、私ども、そういう米の世界的な環境からいっても、我が国が米の自給をしていくという方針はぜひ理解をしていただかなければならない、また、こういう立場というものは当然、時間をかけてでも相手にも理解をしてもらう努力をするべきだ、そういう立場で交渉に臨んでおるわけであります。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 ウルグアイ・ラウンドの問題で、この一年の間いろいろな議論が起きましたが、一粒たりとも米は輸入しない、こういうことでありましたが、しかし、実際は沖縄等におきまして五万トンほど輸入をしておるということや、また、アメリカとEC、それぞれの国々におきましてガット、なかなか決着がつかぬというのは、保護政策をとっておるという実態等についても明らかになったということや、今回、ウルグアイ・ラウンドで非常に関心を持ったことによりまして、今まで日本の国の自給ということ、カロリーベースで半分を割っている、四八%という実態、こういうことが一般の人たちは非常に認識を新たにしたのではないかと思います。そういうことは、農水省としては当然みんな知っておることと思っておったのかもしれませんが、基本的なそういうこと等についても非常に知り得なかった、PRが足りなかったといいますか、基本的なことについても非常になかったということ等、十分に反省するとともに、国民に率直に実態等については知っていただく努力をしなければならぬと思いますし、これはガットということからいいますと、農業問題だけでなくてすべての面に通ずることだろうと思うのでありますが、これを一つの教訓としまして、今後のあり方等についても十分に省内でも御検討いただかなければならぬ、そういう正確な情報の上に立って国民に判断を迫る、お願いする、こういうことが必要なことなのだろうと思います。  今日、穀物自給率が三〇%、だんだん減少しつつあるということやいろいろ言われておりましたが、自分の国の自給率、カロリーベースであろうが穀物自給率であろうが下がっていいなどと思っている人はだれもいないだろうと思うのであります。その実態等についての把握といいますか、そこの認識が薄ければ、やはり関心というのは薄くなるということ等を考え合わせますと、非常に大事なことだろうと思います。  そういうこと等で、ウルグアイ・ラウンドがどういうふうに推移するか、みんなかたずをのんでこの行く末については見守っておるわけでありますが、本年の三月には米国のファーストトラックの実質的期限が来る、こういう状況の中にありまして、ダンケル事務局長が各国の意向を聞いて、本交渉とは一線を画した基礎的ルールを進める、こんなこと等も報じられておるわけであります。政府はこれに対して、食糧安全保障という、初め中間合意に盛り込まれたものは当然盛り込むべきだという主張をしていると聞いているわけでありますけれども、私どもとしましても、政府の主張は当然のことだと思いますし、食糧自給率がカロリーベースで四八%、こういう現状だということは、先進国の中でも最低の現状、独立国としてのことからいいましても、これはこのままでいいなどという手放しで聞いている人はだれもいないだろうと思うわけでありますし、やはり何らかの努力をしなければいかぬ、こう思うわけであります。基礎的食糧を初めとするこの食糧の安全保障の確保ということにつきまして、国際舞台でこれに最大の努力を払って日本の主張というものを認めさせる、今日までその努力をしてきたわけでありますけれども、これは大臣がかわりまして、これから国際会議等について大臣が日本の国を代表していらっしゃるわけでありますが、前任の山本大臣の行政の継続性ということからいって変わるわけはないだろうと思うのでありますけれども、この基本的な考え方に対して、より鮮明に大臣の所信をひとつお伺いしておきたい、こう思うのであります。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 先生から内容的なことの御指摘がございましたような形で中間合意に明記をされて、その中間合意が一つの枠として交渉に入るということになっておったものがいわば議長のノンペーパーで落ちておるということは、我々としては承知するわけにはいかないわけですから、そういう意味合いで、少なくとも中間合意の基本的な部分というものはたたき台にきちんと載せてそれから議論していく、そういう交渉に入る前のプラットホームづくりについて、我が国の主張、三点について我々は今努力をしておるところであります。さらに、まとめの日が迫ってくれば、より積極的に実はこのプラットホームをつくる前段の目的として私ども努力をしていきたい、こう考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 国際社会で通る理論的な武装の上に立って強い主張をなされたという結果があらわれることを我々は心から願うわけでありますが、結果によっては、結局今まで言っておったことは何であったのか、こういうことになるわけで、国民の最大の関心事でもあり、また今後の日本の農林水産業における非常に重要な課題でもございます。ぜひひとつ強い決意の上に立ちまして大臣も頑張っていただきたい。  時間もございませんから、次に移ります。  私は北海道出身でございますが、北海道を日本の食糧基地ということで、農業ももちろんのこと、漁業につきましても重要な産業として位置づけられておるわけでありますが、漁業のことにつきまして、現状について何点かについてお伺いをしておきたいと思うのであります。  私がここで長々説明するまでもないことだろうと思うのでありますが、昭和五十二年、二百海里設定後、相次ぐ減船、さらにまたアメリカやソ連の漁業の自国化政策の進展、こういうことによりまして、縮減に次ぐ縮減を続けてきたというのが現状であると思うのであります。最近、さらにまた、米ソの大国によります漁業面での協力関係の好転、米ソ漁業協定、こういうことによりまして、ますます日本の締め出しといいますか、こういう北洋における締め出しというような形をだんだん明確にするといいますか、明らかになりつつある、こう言わざるを得ない現況にあると思うのであります。  こういうことで、最初にお伺いしたいのは、サケ・マス漁業の減船作業の実態状況です。これは昨年暮れに、太平洋小型サケ・マスの漁獲割り当て量、これが減船になりまして、昨年の三月から四月、日ソ交渉の結果、もう大幅な減船となった。昨年の十二月に減船対策の基本方針、これを閣議了解をいたしまして、これに基づきましてサケ・マス漁業の減船を実施するための諸施策を御検討いただきましたが、昨年十一月、三百三十億の予備費を確保し、この減船に対応しようということになったと聞いておるわけであります。これは業界の中で大変な問題でもありますので、いろいろな議論が出て、その減船のあり方等については今協議を続けている部分もあり、また大体方向性が固まりつつある、こういうところもあろうかと思うのでありますが、一つには、減船作業の実施状況について、サケ・マス漁業の種類ごとにどの程度の減船が生ずると見込まれておるのかということなんです。それから、三百三十億の予備費を確保してこれでやろうということでありますが、地方の都道府県におきましては、この負担については、これは国の施策でこうなったのだから地方が余り負担をするのはいかがなものか、こんなこと等もございまして、いろいろな議論がございましたが、財源的にはこれは十分に確保できたのかどうか。また、残存する船等につきましても業界ではいろいろな意見があるようでございますけれども、これらのものにつきましても対応についてはどのように考えていらっしゃるのか。さらに、離職者ということになりますと、これは直接水産庁ではないのかもしれませんけれども、この減船によってどのぐらいの方々がこの職を離れなければならないことになるのか。今までですと、大体ほかの業種に移るというようなことをしておったようでありますけれども、今回は相当大幅な状況ということから、そういうことについてはどのように見ていらっしゃるのか、この辺のことについて最初にお伺いしておきたいと思うのであります。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話のございました北洋サケ・マス漁業の減船問題でございます。  御承知のとおり、かねてからこの問題については、ソ連が一九九二年以降、日本漁船によるソ連産サケ・マスの沖取りは全面的に禁止をするという方針を明らかにし、かつまた、ソ連、アメリカを中心にしまして、北太平洋におけるサケ・マスの保存、管理について新しい枠組みをつくっていこうという動きが顕在化をしておるわけであります。  そういった情勢を踏まえまして、先生からお話がございましたように、昨年の日ソサケ・マス交渉終了後、そういった情勢のもとで日本のこのサケ・マスの沖取り漁業については再編、縮減をしていくことが不可避であるという判断のもとに、一昨年、閣議了解をしました国際漁業再編対策をこの北洋漁業に適用していくという方針を固めまして、昨年の十二月初めに、平成二年から平成四年度にわたりまして計画的な減船をしていく方針を明らかにし、また、これを実行していく平成二年度の措置としまして三百三十二億円の予備費執行を決めて、現在その執行に当たっておるところでございます。  今日まで関係者の間でいろいろ議論がまだ継続をされておりますけれども、ほぼ確定をしております減船隻数でございますが、種類が五種類に分かれます。従来のいわゆる母船式サケ・マスというグループで約九十五隻、それから中型の独航船グループで三十九隻、それから太平洋小型という形態で三十三隻、日本海流しで十六隻、日本海はえ縄で二十六隻、合計二百九隻の減船がほぼ確定をして、これに伴う所要の減船救済措置をとるための手続が始まっております。また、漁業種類によりましては若干これに追加が出てくる可能性がございますが、これらのものについては、先ほど申し上げました措置済みの三百三十二億円の予備費で十分賄えると考えております。また、残りました平成三年、四年につきましては、どういう減船が起こってくるかというのは、現在予定をしております本年の日ソサケ・マス交渉の推移を見て内容が確定をしてくると思いますが、これに対する財源措置も必要に応じて当然とっていきたいと思っておりますが、具体的にはまだ確定的な見通しを得る状況にはなっておりません。     〔宮里委員長代理退席、委員長着席〕  また、国によるこの一連の再編整備対策の実行に当たりまして、各都道府県の御協力もいただくことになっていろいろ調整をしてきたわけでございますが、この北洋サケ・マス減船についての地方負担については、少なくとも平成三年度に措置された三百三十二億円に対応する地方負担については、大方の道県において必要な財源措置がとられるという見通しを得ておる次第でございます。  また、今回の減船措置に伴って、この漁業に従事をしていた漁船員が船から離れるという事態が生ずるわけでございますが、先ほど申し上げましたとおり、まだ最終確定はしておりませんけれども、現時点で一応確定をしたと思っております二百九隻に対応いたしました関係の漁船員数は二千人余りと推定をしております。ただ、これらがすべて漁業からの離職者という形になるのか、あるいはまた他の種類の漁業へ転換をしていくのか、その辺の見きわめはまだついておりませんけれども、少なくともサケ・マス漁業からの離職という形で、実はこの減船救済措置の対象になる離職に伴う措置については織り込んで対処をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 二百九そう、二千人からの方々に大きな影響を及ぼすということであります。これは単年度ではございませんが、いずれにしましても非常に大きな転換期であろうかと思います。祖父以来今日まで営々として続けてきたものがこのようにどんどん年々減少しつつあり、時代の変化といいながら漁場が狭められて、そしてこういう形になってくるということであります。当然これは、一方的に漁場が狭められるということだけではなくして、それの代替措置も今日まではいろいろな施策があったと思うのでありますが、二百海里という国際的な中でありますから、そう代替の措置が考えつくわけでもございませんし、難しいことだろうと思うのでありますが、漁業にとりましては、特に北洋漁業につきましても大きな転換期でありますだけに、当局としましても、ぜひ大臣しっかり、これは業界の声を聞きながら、また将来の漁業のあり方等をにらみながら、万全の措置をひとつ講じていただきたいと思う次第であります。  今もお話がございましたように、九二年にはソ連は沖取り全面禁止という声明を出しておりまして、サケ・マス交渉が本年の二月の末にモスクワで行われることになるわけであります。こういう厳しい中での交渉ということになります。冒頭私も申し上げましたが、日米加ソの四カ国の協定、米ソが中心になって北洋におけるサケ・マス漁業の新しい秩序づくりをしようという動きが、昨年の暮れに第一回会合がございまして、また六月には第二回の協議が行われるということで、日本はこれまででも日ソサケ・マス協定とか日米加漁業協定、こういうところに加盟をいたしまして、極東におけるサケ・マスだけは捕獲してきたわけでありますが、その上にソ連と相互利益関係を維持することによって漁獲量を確保してきた面があったわけでありますが、九二年の全面沖取り禁止ということ等になりますと、お互いに今後非常に困難な状況になろうかと思うわけであります。  何とか沖取りを維持する道はないのか、こういうこと等も今日までもいろいろ議論されてまいりましたし、また九二年は先の話だというようなその中で、交渉の中で何らかの道が開けるのではないか、こんなこと等も言われておったわけでありますが、しかし刻一刻とこの期日は迫り、その現実は目の前に迫りつつあり、そして米ソが中心となります北洋サケ・マスに対する新しい秩序づくり、こんな様相の中にありまして非常に苦しい立場に立たされておる。二月の末からモスクワで行われます漁業交渉におきましても、こういうこと等も当然念頭の中にあっての交渉事になるのだろうと思うのでありますが、我が国といたしましてもサケ・マス漁業の存続のために最大の努力をしていただきたい。これに臨むに当たります基本的な者え方等について、あればお伺いをしておきたいと思うのでありますが、いかがでしょう。

近藤元次自由民主党農林水産大臣

○近藤国務大臣 今先生からお話のございましたように、一九八八年の交渉の結果から、一九九二年から沖取り禁止ということでソ連側から声明を出されて、それに基づいて量、隻数の交渉をしておるわけでありますけれども、漁業問題というのは、先生御案内のように二百海里以来大変厳しい環境の中に今日まで推移をしてきて、国際漁業においても御案内のような状況でございます。どうしても、この交渉も多分ソ連側から厳しいものが出てくるだろうと思いますし、一つは、米ソの緊張緩和によって日米加、中にまたソ連という、一つの米ソの関係というのが漁業においてはいち早く私ども、協調性がとられたような感じがしておるわけであります。この問題にも日本も積極的に参加をしながら、将来の漁業問題をどうあるべきかということを真剣に検討していかなければならない。  もう一つは、環境問題がここにまた厳しさを増してくるという状況も感じられるわけであります。今度の交渉に当たる事務当局に対しては、私からも書簡を向こうに持っていっていただくことにいたしておりますし、また私自身も日ソの関係の水産の責任者としてそれぞれの意見を交換しておきたいと思いますし、時たまたまゴルバチョフさん来日ということでもございます。そういうときの事前の交渉になるわけでありますので、水産問題というのは少なくとも米ソ政府間同士でもう一度真剣に考えていかなければならない、またそういう将来の展望のある環境を一つはつくりながら、ソ連側から言われてくる厳しいものに対して対応していきたい、そういう考え方で交渉に当たらせたい、こう思っております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 米ソの我が国の沖取りに対する批判というのは、資源の面という観点からいいますと、当然沖取りというのは問題であることは我々もわかるわけでありますが、漁業そのものは、経済行為という観点から見ますと、経済的な側面から、沖取りは非常に品質がいいわけですから、価格が高いサケ・マスがとれるという、資源の有効利用とか母川国の利益につながる、こういうことから言うと、決して全部悪だと決めつけるわけにはいかない一面があるのではないか。日本では魚の質によって値段の格差があるわけでありますし、最大のサケ・マス市場を持つ我が国の立場から、こういう沖取りの合理性ということも理解を得させる一つのよすがにしなければならないだろうと思いますし、資源論だけで来ます今までのやり方に対して、やはり経済性ということについての一つの歯どめ、こういうこともかんがみなければならないのじゃないか。新しい時代の推移の中でさらにひとつ対応策を考えるべきだというふうに思うわけで、先ほど申し上げたわけでございます。  今お話がございましたゴルバチョフ来日のことにつきましても、今までは日ソ間にはいろいろな時代の推移がございましたが、その中で唯一のパイプとして漁業交渉、これだけは大きな役割を果たして今日まで来たわけでありますし、漁業を通じて日ソ間の交流の蓄積、友好関係の増進ということは非常に大きな役割があったと思うわけであります。ゴルバチョフ来日によってこういう問題が一遍に解決するなんという安易なものでは決してないだろうと思うのでありますけれども、漁業の立場からも、ソ連に対して、ゴルバチョフに対しまして、相互互恵の精神の上に立ちまして、漁業資源の合理的な利用ということ等につきましても、言うべきことはきちんと言わなければならないのではないか。今月の末から交渉が始まるわけでありますが、ゴルバチョフの来日とあわせ、こういう機会をとらえてひとつ日本の立場、そしてまた漁業の今後のあり方等につきましても積極的な交渉を進めていただきたい、このように思うわけであります。これは要望にとどめておきます。  それから、二百海里内でのサケ・マス漁業の操業に当たりまして、合弁事業とか試験操業ということが行われておるわけでありますが、出資金のこととか、入漁料が非常に高い、それから漁場がどんどん狭められる、こういうことで我が国の漁業者にとっては合弁事業は非常に厳しいということをよく聞いておるわけであります。一つには、ソ連の極東地方における漁業振興ということについて、いろいろな合弁事業等についての拡大が望まれているようでございますが、ソ連も市場経済への転換の過渡期でありまして、具体的にはいろいろな問題があるようであります。  しかしながら、時間もございませんから一々申し上げることもできませんが、合弁事業とか試験操業とかいうことでいろいろなさっていらっしゃった方々というのは、どちらかというと中小漁業者が多いわけでありますけれども、これらの方々が実際高い出資金や入漁料を払いまして、限られた漁場の中で、ソ連の経済の変動もございまして、大変に厳しい状況に立たされておるということであります。これは政府が直接関与することではないのかもしれませんけれども、やはりそういう方向性に対してアドバイスをした政府としまして、行政当局として、これはどういう状況にあるかということは絶えず把握しておくことは大事なことでもありますし、これはやはり両国の関係からいいましても成功することを願うのは当然のことだろうと思うのでありますが、合弁事業の機会の確保ということや、安定的、継続的にこれが進んでいくようにということで、政府が物心両面でこういうものについての合弁事業とか試験操業とか、こういうものに対する温かいまなざしでの行政的な配慮というものが大事ではないかというふうに思うわけであります。  いろいろな変化の中でのことでありますから、何をどうするかということについて端的に申し上げる状況にはないのでありますが、ぜひこの点についても御配慮いただきたいと思いますが、いかがでしょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 ただいまお話がございましたように、ソ連が、日本との間の漁業関係にとどまらず、御承知のとおりいろいろな分野でソ連国内に外国との合弁企業を設立をしていくという動きがこの数年来顕著になってきております。そういう傾向の中で、我が国の漁業者も関与した形で相当数の日ソ漁業関係の合弁企業が設立をされ、それなりの活動をしておるわけでございますけれども、お話しのように、御承知のようなソ連の体制のもとでいろいろ難渋をしておるという実態を、私どもも、十分ではありませんけれどもそれなりに掌握をしておるわけでございます。  そういった中で、ともかく一昨年から昨年にわたりましてソ連国内の一連の改革が進行の兆しを見まして、市場経済への移行という状況が見られたわけでございますが、そういった動きの中でソ連自身も、既に設立され、あるいはまたこれから設立すべき日ソ合弁による漁業協力についても新たな方策を考えていかなければいけないという関心を持っているわけでありますけれども、率直に申し上げまして、少なくとも現在までのソ連の体制下におきましては、企業の経営管理についての考え方というものが大変希薄ではないか、そしてまた、漁業問題を超えた条件としまして、そのソ連国内に設立された企業の収益を外国に持ち出せないというふうな状況、いわばルーブルの交換性が必ずしも明瞭でない、そしてまた貨幣価値が大変大きく変動をしておるというふうな問題、さらにまた、企業活動を円滑に維持する上で必要な交通、輸送、通信手段というもの、いわゆるインフラ条件というものが大変未整備であるというようなことが、どうも我が方の合弁企業参加者からの、いわば大変頭の痛い問題として指摘されている問題があるわけであります。  昨年十一月にソ連の漁業省次官が日本に参りまして、こういった問題を含めて、私、率直に問題を提起してその改善を求めたわけでありますけれども、昨年暮れからことしにかけてのソ連の国内情勢、大変不透明でございますけれども、そういった改善策が早急に進められるという展望はなかなか持ち得ない状況であります。  まあ、いろいろ事態は動いていくと思いますけれども、我が方としても、日本の漁業がそれなりに実質的な操業を確保し、かつまた、その活動を通じてソ連の新しい経済体制にもよくなじんで、ソ連の経済なり漁業にとってもプラスになるという形での合弁の育成ということが新しい協力関係をつくる上で大変大きな課題であると思います。相手の条件も大変流動的でありますので、なかなか確定的な見通しというものは得られないわけでありますけれども、状況の推移を注意深く我々も見守りながら、関係者にできる限りのお手伝いをしていく所存でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 もう時間もありませんので一、二問になりますが、湾岸問題につきまして、あそこで、石油流出によります汚濁が湾内に大きな影響を与えている。これはまた、あそこは大変漁獲の豊富なところであるということ等も考え合わせまして、これは、日本も今日まで、オイルタンカーが座礁したとか瀬戸内でいろいろな問題が起きたりなんかしまして、日本にもそれなりの技術的な蓄積があるのだろうと思いますし、現場でボランティアの方々が一生懸命、油にまみれた水鳥の対策にいろいろ奔走しているテレビの画面をよく見るのでありますが、そこに住む方々の漁業ということからしまして、日本の国として貢献できることがあるのではないか。これらのことについても水産庁としては無関心でいたわけでは決してないだろうと思いますし、そういう技術的な蓄積等について、貢献できることについては積極的に取り組む、これは要請があるとかないとか、なくても行くとか、そんなことではなくて、技術的な問題についての十分な卓越したものがあると私は信じておるのですが、こういうことについては省内ではどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。また、要請があれば当然出ていって、それに対して貢献できる、そういうこと等も考え合わせていらっしゃるのか、その辺はどうなんでしょう。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 実は、先生お話しの、この湾岸地域の漁業でございますが、私どもも実は余り深いおつき合いをしておりませんので、細かい状況をよくわからない点が多うございます。  ただ、御指摘のような事態が発生をいたしまして、私どもも改めて状況認識を持ちつつあるわけでございますが、FAOの統計等によって推定をしますと、アラビア海の中で行われている漁業の規模というのは、日本から見ますとかなりまだ低位のものでございまして、湾内全体で約三十万トン強程度の年間生産量のレベルであるというふうに統計上は承知をしております。恐らく、日本でいいますと、沿岸漁業ないしは若干の沖合漁業の規模のものがバーレーンあるいはオマーンを中心にして展開をされておるというふうに聞いております。  それで、実は原油流出の影響というものはいろいろ報道されておりますが、私ども詳細に承知はしておりませんけれども、そういった、いわばアラビア海のむしろ湾岸部に近い方の漁業にまですぐ影響が出ているというふうには思われないわけでございまして、今後また、流出原油が拡散をしてどういう影響を起こしてくるのか、それによって、また日本の持っておりますいろいろな漁業ノーハウについて何らかの要請があるかどうかということに備えて、私どもとしても得られる情報を集めていきたいと思っております。  現在までのところ、いかなるルートを通じても特段の要請はございませんけれども、湾口部に近いところで、JICAを通じまして若干の養殖漁業についての技術援助をしている実績もございます。ただ関係者、派遣されております技術者もこの騒ぎで実は現在こっちへ帰ってきておりまして、その後の状況というものは現在のところ情報パイプを持っていない状況になっておりますが、これから事態の推移で関係国から何らかの要請があれば、私どもなりに検討して対応を考えていきたいというふうに思っておるところでございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原委員 可能な限りいろいろ検討しておるということでございますが、大臣は何か予算委員会の方にいらっしゃって、肝心なところを大臣に、そこら辺はきちっとしていただきたいと思います。長官が今御答弁でございましたから、これは我が国としまして、できることは最大限になすべきだろうと思いますし、状況の把握とかそういうことになりますと、現地の方はこっちにいらっしゃっているということでありますから、これからいろいろな対応策についてはひとつまた御検討いただきたい、こう思うのであります。  もう時間が過ぎてしまったのですが、最後に一言だけお聞きしておきます。  地先沖合協定関係のことですが、日ソ・ソ日の地先沖合協定で、いろいろ問題がございますけれども、昨年の暮れにこの協定ができましたときに、有償、無償の問題やいろいろなことがございましたが、三角水域におけるカニ資源の共同調査という一項目が入れられましたこと、これは本当に水産庁の皆さん方、大変に御努力いただきまして、地元としましても御努力には敬意を表し、また特攻船で大変に地元で問題になっておりますが、取り締まりを厳重にするということは大事なことかもしれませんが、しかし一方、資源という地元の問題になりますと、ハナサキガニをどうするかということが非常に大きな問題だということで私も提起を申し上げました。これはここ一、二年またいろいろな調査をしてということでございますが、北海道水産会が中心になってやる、民間ベースでということでありますけれども、行政当局としましても、個々の資源調査に対します今後の協議を進めるに当たりましての問題や、それからこれは本格操業というふうに期待されるのかどうか。調査を待たなければならぬということなのかもしれませんが、政府としましても、これに対する支援ということについてもできるだけ御検討いただきたい、こういうふうに考えておるわけでありますが、この三角水域のカニ資源の共同調査の問題についてお聞きしまして、終わりたいと思います。

京谷昭夫水産庁長官

○京谷政府委員 お話がございましたように、昨年末の日ソ地先沖合漁業交渉の結果、北方四島に囲まれましたいわゆる三角水域での、カニを含む生物資源に関する調査を日ソが共同で行っていこう、その窓口として、日本側は北海道水産会を指定をする、細目についてはソ連側のしかるべき窓口と、日本側窓口であります北海道水産会が協議をしていこうということが決められたわけでございます。  この問題、実は北方四島の領有権問題とも絡みまして大変微妙な水域でありますが、ともかく我が方にとっても大変関心のあるカニその他の水産資源があるものでございますから、ソ連側が共同調査という形で受け入れる余地があるということでございましたので、そのいわば枠組みを交渉の際に確認をしたという状況に相なっております。既に窓口を通して先方との協議を始める態勢を整えつつあるようでございますが、まだ調査を始める時期には間があるようでございます。それに間に合うようなタイミングで実質的な協議が進むように、私どももできる限りの応援をしていきたいというふうに考えておるところでございます。

大原一三自由民主党

○大原委員長 これにて農林水産業の基本施策についての質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時一分散会

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