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120回国会衆議院1991/04/17

地方行政委員会 第9号

発言数
70
登壇者
9
会派数
5
開催日
1991/04/17

会議録

森田一自由民主党

○森田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人の皆様から御意見を聴取することといたしております。  参考人として御出席いただいた方々は、全国市長会相談役・盛岡市長太田大三君、立教大学経済学部教授野呂昭朗君、追手門学院大学経済学部教授米原淳七郎君、以上三名の方々でございます。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  参考人の皆様には、御多用のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございました。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序は、初めに参考人の皆様からそれぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、次に、委員からの質疑に対し御答弁をお願いいたしたいと存じます。  それでは、まず太田参考人によろしくお願い申し上げます。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 全国市長会の相談役をいたしております盛岡市長の太田でございます。  衆議院地方行政委員会の諸先生方におかれましては、日ごろ地方行政の諸問題につきまして格別の御尽力を賜っておりますことに対しまして、衷心より厚く御礼申し上げたいと存じます。  本日は、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして意見を申し述べる機会を与えていただきましたので、直接都市行政に携わっております市長の立場から、当面する諸問題について意見を申し述べさせていただきます。  まず、第一は、地方財政の現状に対する私どもの認識についてであります。  御高承のとおり、昭和五十年代の地方財政は、毎年多額の財源不足に見舞われ、これを借入金によってしのぐという不正常な状態が続いたのでありますが、ここ数年は好調な景気に支えられて、当時の苦境に比べれば好転していると言えようかと存じます。  しかしながら、過去の累積債務に対処するため中期的な健全化措置が講じられてきているものの、なお六十八兆円を超える借入金残高を抱えており、また、最近の一般財源の伸びにはバブルといわれる一時的要因が含まれていること等を考え合わせますと、地方財政の先行きには不透明な要素が多く、楽観できる状況にはないと考えるのであります。  殊に、国との比較において一部で言われているような地方財政余裕論に対しては、地方財政は国の財政構造とは異なり、義務的経費のウエートが高い上、みずからの財源調達力にも限界があること、地方財政は国家財政のように単一ではなく、三千二百余の財政主体の総体であり、個々の地方団体間には相当の財政力の格差があることなどを考えますと、そうした単純な比較は適切ではないと存ずるのであります。  私ども地方団体は、社会資本の整備の促進、高齢化社会の進展への対応等に重要な役割を担っており、ますます多額の財政需要が見込まれるところでありますので、今後とも地方財政の充実強化に先生方の御支援をお願いいたす次第であります。  次に、平成三年度の地方財政対策について、何点か所感を申し述べさせていただきます。  第一は、公共事業等に係る国庫補助負担率の暫定措置についてであります。  平成三年度の地方財政対策においては、まず、平成二年度までとされていた暫定期間終了後の補助率等の取り扱いが大きな問題となりました。私ども地方団体は、平成三年度以降は、昭和五十九年度当時の補助負担率に完全復元するよう強く要請したのでありますが、一方において事業量拡大の要請もあり、今回の地方財政対策の中では、昭和六十一年度の水準に復元の上、さらに三年間の暫定措置とされたところであります。  国におかれては、暫定期間内においてさらに体系化、簡素化等の観点から総合的に検討を進めると伺っておりますが、一日も早く地方の納得のいく結論が得られるよう期待申し上げるとともに、安易な地方への負担転嫁は行わないよう強く要望いたすものでございます。  第二は、地方財政対策に盛り込まれた主要施策についてでございます。  平成三年度の地方財政計画の規模は七十兆八千八百億円、対前年度比で五・六%の増となっておりますが、歳入面では所要の一般財源が確保されるとともに、歳出面では地方団体が抱える課題に対処し得る内容になっているものと存じます。  具体的施策について申し上げますと、まず、地域づくり推進事業の拡大が図られていることであります。御案内のとおり、昭和六十三年度以来、広く住民の参加のもとに、自ら考え自ら行う地域づくり事業が推進されており、これを契機として、それぞれの地域の特色を生かした自主的、主体的なふるさとづくりの取り組みが行われており ます。  平成三年度におきましては、この地域づくり推進事業をさらに拡充し、ソフト事業に三千三百億円、ハード事業に地方債三千五百億円を措置するとともに、公共投資基本計画を踏まえ、住民生活に直結した社会資本の整備を図るため、地方単独事業を対前年度比一〇%増と大幅に拡大しております。  また、国の高齢者保健福祉推進十カ年計画に対応し、地域ぐるみで温かい福祉社会を築いていくための地域福祉基金二千百億円の創設や、公有地の確保を図るための土地開発基金の増額五千億円も、まことに時宜を得た措置であると考えております。  第三は、地方財政の健全化についてであります。  先ほども申し述べましたように、地方財政は、依然として多額の借入金残高を抱えており、その中期的な健全化を図ることが急務となっております。したがいまして、平成三年度においても引き続き交付税特別会計借入金の返済及び財源対策債等償還基金の計上を行うことといたしていることは、いずれも必要な措置であると考えております。  なお、今回、国庫当局の強い協力要請により地方交付税の総額から五千億円の減額が行われたわけでございますが、これは当面する地方財政上の課題に対処した上でとられた措置であり、また、実質的には借入金の返済であって、将来の地方財政の健全化に資するものでもありますので、やむを得ないものと理解しているところであります。  次に、これは私からの意見のまとめということになりますが、この際、地方財政の長期的、安定的な財源を確保し、地方の自主性、自律性を維持する観点から、特に御配慮を賜りたい何点かについてお願いを申し上げます。  まず第一点は、地方税源の充実強化についてでございます。  地方団体が地域の特性、多様性を生かし、自主的な行財政運営を行うためには、まず何よりも安定した財源が必要であり、とりわけ自主財源である地方税の充実が重要であります。国会におかれては、税制問題等に関する両院合同協議会を設置され、消費税問題を初めとする税制上の諸問題を鋭意検討中と伺っており、私ども地方団体といたしましては、その動向にも重大な関心を抱いているところでありますが、税制問題の検討に当たっては、国と地方の税源配分の見直し等地方税の充実強化に御留意いただきたく、特段の御配慮を賜りたいと存ずるのであります。  第二点は、地方交付税総額の確保についてであります。  先ほど申し述べましたとおり、ふるさと創生事業を契機として、各地で自主的、主体的な地域づくりの機運が盛り上がってきているところでありますが、こうした取り組みを実りあるものとするためには、今後とも財政上の御支援を拡充し、継続していただくことがぜひとも必要であると存じます。また、公共投資基本計画を踏まえ、下水道等、住民生活に直結した社会資本の整備を推進していくためには、十分な財源措置が必要であります。したがいまして、今後とも地方財政計画の策定に際しましては、地方団体がこれら増大する財政需要に適切に対応し得るよう、所要の地方交付税総額の確保について、御配慮を賜りたいのであります。  第三点は、国庫補助金等の整理合理化についてであります。  国庫補助負担率の引き下げ問題につきましては、先ほど申し述べましたので重複を避けますが、私ども地方団体が問題としておりますのは、単に費用の負担のみを地方に転嫁するという、そのやり方に対してでありまして、国庫補助金等の整理合理化そのものについては、むしろ積極的に推進すべきという立場であります。すなわち、国庫補助金等の整理合理化を行うに当たっては、国と地方の機能分担、費用負担のあり方を徹底的に見直し、地方団体の自主性にゆだねるべきものについては、補助金等の廃止と一般財源化を図る等、適切な財源配分が必要であると考えているところでありますので、よろしく御理解を賜りたいと存じます。また、補助金等に係る超過負担の解消につきましては、年々、その解消措置がとられてきているところではありますが、財政秩序の確立を図るためにも、引き続きその解消に御支援を賜りますようお願いいたします。  第四点は、国民健康保険制度の安定化についてであります。  国民健康保険をめぐる状況は、高齢化社会の進展、医療費の増大等により、ますます厳しくなってきており、これが及ぼす国保財政への影響もはかり知れないものがございます。つきましては、医療費の適正合理化策とともに、保険料負担の平準化の検討を急がれる等、制度の安定化をお願いしたいのであります。  最後に、地方団体への権限移譲についてであります。  私どもは、かねてから地方分権による地方自治の充実強化を目指して、地方団体、特に都市への権限移譲を強く要請してきたところでありますが、その主張は、新行革審の答申の中でも積極的に取り上げられているところであります。この問題に関しましては、今後、地方制度調査会等においても検討される予定になっておりますが、私どもといたしましては、都市自治体への大幅な権限移譲について、その一日も早い実現を願うところでありますので、具体的な取り組みが早急に行われますよう、諸先生方の御配慮をお願い申し上げる次第であります。  以上、当面する地方行財政の諸問題につきましてお願いかたがた、忌憚のない意見を申し述べさせていただきましたが、当面の私どもの最大の関心事は、御審議中の地方交付税改正案の早期成立であります。地方団体が円滑な事業執行を図るためには、一般財源の重要な地位を占める地方交付税の算定方法等が早期に確定し、これを示していただくことが必要であります。何とぞ、本法案を速やかに成立させ、私ども地方団体の事業執行に支障が生じないようにしていただきますよう、心からお願い申し上げまして、私の公述を終わらせていただきます。

森田一自由民主党

○森田委員長 ありがとうございました。  次に、野呂参考人にお願いいたします。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 ただいま御紹介いただきました立教大学の野呂でございます。  私は、本年度の地方交付税法の改正は、今後の地方交付税制度のあり方にとっても重要な意味を持っていると考えますので、地方財政調整制度の本来のあり方にまでさかのぼって問題にし、若干の私見を述べてみたいと思います。時間の制約もありますので、地方交付税制度の仕組みや運営の現状から課題を三点に絞り、これをシャウプ勧告以後の地方財政調整制度の中で位置づけながら、長期的視点で地方交付税制度のあり方の基本的考え方を述べてみたいと存じます。  第一の課題は、地方交付税総額の調整問題についてであります。  まず、地方交付税法第六条によりますと、地方交付税の総額は所得税、法人税、酒税の三二%と消費税の五分の四の二四%、たばこ税の二五%であります。また、同法第六条の二項によりますと、国の一般会計予算に計上される交付税総額は法定割合で決定された総額に以前の精算額を加算あるいは減額した額であります。そして、地方交付税法は、地方交付税総額と各地方団体の財源不足額、すなわち基準財政需要額が基準財政収入額を超える額の合計額とが一致しない場合の差額の調整についても規定し、同法第六条の三は、交付税総額が財源不足額を超過する場合は特別交付税に加算して配分し、また同法第十条の二項ただし書きでは、交付税総額が財源不足額より少ない場合は、財源不足団体の基準財政需要額に案分して減額することとしています。さらに、地方交付税法第六条の三の二項において、普通交付税の総額と財源不足額との差額が引き続き著しい場合は、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又 は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」と定めています。  以上のように、現行地方交付税法は、法定割合で定められた地方交付税総額と財源不足額との間に差額が生じた場合は、その交付税総額の枠内で調整して地方団体に配分するという、いわゆる単年度調整主義を採用しており、その差額が引き続き著しい場合にのみ地方交付税率の変更等があり得ることを明記しているわけです。しかし、国税の一定割合で算定された交付税総額がその枠内で地方団体に配分されたことはほとんどなく、最近では、多いときに二兆円以上の増額が行われ、また年度によっては二千億円程度の減額も行われるというように、毎年のごとく総額の調整が行われてきました。  今回の改正におきましても、国税の一定割合で決定された平成三年度の地方交付税総額は十六兆四千七百四十九億円でありますが、この総額から六十年度の特例措置額の一部返済分四百九十八億円と地方交付税法附則第三条に基づく特例措置による減額四千五百二億円を控除した十五兆九千七百四十九億円が一般会計予算に計上され、交付税特別会計に繰り入れられました。交付税特別会計においては、過去の借入金の返済分一兆七百十九億円と借入金等利子充当分六百二十七億円の計一兆千三百四十六億円が減額され、この結果、平成三年度において地方公共団体に配分される交付税総額は十四兆八千四百四億円となり、法定割合で決定された総額に比べ一兆六千三百四十五億円もの縮減であります。  このような交付税総額の調整は、一般会計の段階と特別会計の段階で長い間にわたって実施されてきました。しかもその調整方法は、一般会計における加算と減額、精算額の翌年度繰り越し、特別会計における借り入れと返済によっており、これらの方法が組み合わされて実施されるために、地方団体側にとってはどんな方法でどの程度の調整が行われるのか予想すらできない状況であります。  しかしながら、経済社会の地域的不均等発展は地方団体の財政需要と税源を不均等に変化させ、地方団体の財源不足の調整を必然化します。固定的な交付税率で決定される交付税総額と地方団体の財源不足額とが乖離するのも当然のことであります。特に景気後退による税収入の減収と地方交付税総額の減少は、国・地方を問わず財政状況を悪化させ、交付税総額と財源不足額とのギャップを深刻なものとします。地方交付税総額の調整が制度本来の例外として実施されてきたのも当然のことであります。  しかし問題は、地方交付税の法定総額の調整方法と手続にあります。  すなわち第一には、地方財政平衡交付金制度から地方交付税制度への改変に問題があったとすれば、交付税総額が自動的、固定的に決定される仕組みを制度化して国と地方の紛争を解決しようとしたにもかかわらず、この制度の思惑どおり決着したことは皆無に等しく、毎年のように総額調整が行われたことであります。しかもこの調整が、国を代表する大蔵省と地方団体側を代表する自治省との間の国側の内在的対立と調整として行われ、これによって国と地方団体側との真の意味での緊張ある対抗関係が潜在化してしまったことであります。  第二には、地方交付税の算定の基礎となる財源不足額は、本来国の予算や地方財政対策とは一応別個のものとして独立に考慮され、それが国の予算に反映され、それに基づいて地方財政計画が作成されるという一定の流れの中に位置づけられるべきものであります。しかし現在は、国の予算の決定過程で地方財政対策として決められた地方交付税総額に地方団体の財源不足額が見合うように対応されている面が強くあらわれているように見受けられます。  第三には、地方交付税の算定方法は世界に例を見ないほど精緻で合理的であると言われながら、複雑で難解であるとの批判も少なくないことです。合理性を追求する余り民主性や計画性が等閑視されては元も子もなくなってしまいます。算定方法の簡略化と大衆化が求められるところであります。  第二の課題は、財政需要額の算定問題についてであります。  地方交付税法によりますと、地方交付税は、第一条で、地方行政の計画的運営を保障し、地方団体の独立性を強化することを目的とする、第三条二項で、条件をつけ、またはその使途を制限してはならない、また第二条一号で、地方団体がひとしくその行うべき事務を遂行できる税であると述べられています。これらの文言が地方財政平衡交付金法の中にも見出されることからも明らかなように、これらの内容は言ってみれば現行の我が国の地方財政調整制度の理念であり、運営原則であるということができると思います。  以下、このような視点から現行の基準財政需要額の算定方法の問題点について重点的に述べてみたいと思います。  まず第一は、基準財政需要額と特定財源の関係についてであります。  地方交付税法第二条第七号によりますと、地方交付税の対象となる地方団体の標準的行政経費における基準財政需要額は、地方団体の標準的行政経費から留保財源、すなわち標準税収入の都道府県二〇%、市町村二五%と国庫補助金等の特定財源を控除したいわゆる一般財源所要額で賄われる経費ということになります。したがって、地方団体の標準行政といえども、基準財政需要額の所要財源が普通交付税によって十分に保障されても、国庫補助金等の特定財源が不十分であれば遂行できないことになります。標準行政が可能かどうかは国庫補助金や地方債のような特定財源に左右され、地方団体が特定財源による国の関与に従属せざるを得なくなるわけです。標準行政の財源保障である地方交付税が一般財源といわれながら特定財源の影響を直接こうむらざるを得なくなってしまうというこの矛盾は、シャウプ勧告では国庫補助金の大幅な整理と地方債の許可制の撤廃を主張することによって表面化することがなかった点は再認識されなければならないと思います。  次に、基準財政需要額の算定方法についてであります。  まず単位費用についてです。単位費用は標準団体、府県百七十万人、市町村十万人の各種の標準的行政経費から国庫補助金等の財源を控除した額を測定単位の数値で除して算定されます。単位費用はこの基準財政需要額の大きさによって決まるのでありますが、この基準財政需要額は特定財源の大きさによって決まることになります。すなわち単位費用は、標準経費の財源として予定される特定財源が多くなればなるほど少なくなり、反対に少なくなればなるほど大きくなるという関係にあります。したがって、基準財政需要額の特定財源化、例えば基準財政需要額の地方債への振りかえや特定財源の基準財政需要額化、例えば国庫補助率の引き下げによる基準財政需要額への繰り入れによって単位費用は大きな影響をこうむることになります。単位費用の引き上げ要求もこのような関係を念頭に置いて考慮すべきだと思います。  次は、測定単位についてであります。  最近の測定単位で特徴的なことは、地方債元利償還費の項目が著しくふえていることです。既発行地方債の元利償還費の算入によって基準財政需要額がいかに増大しても、それは地方団体の標準的行政経費の増大を示しているものではありません。むしろそれは地方債という特定財源の増発によって国の財政的関与が強まり、その元利償還が地方団体の一般財源である地方交付税で保障されている姿であるともいえます。  最後に、補正係数についてです。  補正係数は、標準団体の行政項目ごとに定められた単位費用が地方団体の地理的、社会的条件などの違いによって差があることに着目し、測定単位の数値を割り増し、あるいは割り落としするために設けられているものです。補正係数については、これが基準財政需要額に与える影響も大きいことから、自治省令という行政命令にゆだねられ ているのは問題であり、種類も多く複雑、難解であるとの批判もあります。特に最近目立って重要性を帯びてきたのは、国庫補助金等の特定財源を財源とする行政経費の地方負担を補正によって割り増しして基準財政需要額に算入するといういわゆる事業費補正の採用が多くなってきたことです。これらのことは地方団体の独立性と計画的財政運営に資するものである我が国の地方財政調整制度が大きく変質しつつあることの典型的現象であると思います。  第三の課題は、地方団体間の財源調整の問題です。  国から地方団体に配分される地方財政調整交付金の配分方法には、各地方団体の税収入に逆比例的に配分する方法と地方団体の財政需要に正比例的に配分する方法の二つの方法があります。前者は財源調整機能といわれ、後者は財源保障機能といわれています。  シャウプ勧告を受けて創設された地方財政平衡交付金制度も現行地方交付税制度も、基本的には、基準財政需要額が基準財政収入額を超えた地方団体にその超える額を交付金として配分する方式を採用しています。これは地方財政調整制度としては画期的な方法でありますが、基本的には、税収入に反比例的に、財政需要に正比例的に配分する方法を統一した、言ってみれば財源保障と財源調整の二つの方法のミックスした形態であるということもできます。したがって、現行の地方交付税制度は財源保障機能と財源調整機能をあわせ持った制度ではありますが、地方団体間の財政力の格差を調整する点では合理的になった反面、一層複雑な様相を呈するようになったわけです。しかも、これらの機能を達成するための方法が国税の一定割合とされる地方交付税総額の状況や基準財政需要額及び基準財政収入額の算定の仕方によっては弾力的であり恣意的でさえあるところに問題があります。  いずれにいたしましても、地方財政調整制度は経済力の地域的不均等による地方団体間の財政力の格差を是正することを一つの大きな目的としていることは評価しなければなりません。基準財政需要額が標準的行政経費の一般財源所要額でもあるので、この財源不足額を補てんする地方交付税によって行われる財源調整は、地方団体の一般財源の調整であり、地方団体間の一般財源の均衡化であるからです。  しかし、この場合、地方交付税の算出要素である基準財政収入額が、標準税収入の一定割合、都道府県八〇%、市町村七五%とされているために、残りの税収入である留保財源、標準税収入の都道府県二〇%、市町村二五%によって、また、基準財政収入額が基準財政需要額を超える地方団体すなわち地方交付税の不交付団体の超過財源が地方交付税制度の調整の対象になっていないことによって、地方交付税による一般財源の均衡化は弱体化していることに留意する必要があります。  地方交付税による人口一人当たりの財源調整の状況を見ますと、地方交付税制度による地方団体間の税収入の格差是正の状況や一般財源の均衡化には著しいものがあります。このことは、地方交付税制度が対象としている標準的行政経費の地方団体間の格差以上に地方税収入の格差が大きいことの証左でもありますが、全国的に財政需要が画一化している反面、地域間の経済力を反映した税収入の格差が依然として大きいことを示しています。どの程度の税収入の格差是正や一般財源の均衡化ならば適当なのか、具体的な基準があるわけではありませんが、考え方の基本だけでも次に述べてみることにいたします。  現行の地方交付税制度による地方財政調整制度は、配分方式から明らかなように、標準的な行政の一般財源所要額の均衡化を目的としたものであって、地方団体の財政支出全体の所要財源の均衡化を目的としたものではありません。つまり、地方団体が現実に実施している行政を、仮に全国的立場で実施している標準行政と地方団体が自主的に実施している独自行政とに大別できるとすれば、地方交付税制度が対象とする行政は前者の標準行政ということになります。  財源調整という場合は、この標準的行政経費の所要財源の均衡化を意味するわけでありますが、標準行政のとらえ方や所要財源の算出の仕方によっては、もう一方の独自行政を実施するための財源のあり方にも大きな影響を与えることを忘れてはなりません。したがって、財政調整を考える場合は、標準行政の所要財源の均衡化とともに独自行政のための財源、すなわち財源調整の対象として表面化しないいわゆる潜在的財源の均衡化についても考慮する必要があります。つまり、地方団体の独自行政を自主的に遂行できる財源をすべて地方団体に保障できる地方財政調整制度のあり方についてです。  考え方として重要なことは、標準的行政経費に充当される財源のうちで地方団体の負担分、特に貧弱団体の負担分を少なくして、貧弱団体でも独自行政を他の地方団体と同じように遂行できるように財政的潜在能力を貧弱団体に保障することです。  このためには、基準財政収入額の計算で富裕団体の方が貧弱団体よりも多くなるような標準税体系を実現することです。このことによって調整交付金は貧弱団体に傾斜的に多く配分され、不交付団体が増加し、富裕団体は調整交付金に依存しなくても標準行政も独自行政も遂行できる程度に財源は保障され、貧弱団体も標準行政のための負担は少なくて済み、独自行政のための自主財源が確保されます。もちろん、このような状況をもたらすためには、独自行政の財源を地方団体が自主的に判断して決定できるようにある程度の課税の自主権が地方団体に留保されることが必要なことは言うまでもありません。  今日、地方税制は、地方団体間の税収の偏在を回避することを優先していることもあって、経済力があって税源の豊かな地方団体の地方税収入の能力を適切に反映していないように見受けられます。このことは、貧弱団体の地方税負担が相対的に重くなっていることでもあります。法人関係税の強化や高額所得者への負担を相対的に高める累進性のある地方税制を導入して財源調整を強化する必要があるように思われます。  以上で終わります。

森田一自由民主党

○森田委員長 ありがとうございました。  次に、米原参考人にお願いいたします。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 ただいま御紹介にあずかりました米原でございます。私は、大阪府茨木市にある追手門学院大学に勤務いたしておりまして、財政学、地方財政論、租税論等の研究をいたしております。本日は、衆議院地方行政委員会の先生方の前で地方交付税法等の一部を改正する法律案につき意見を述べる機会を与えていただきましたことを大変光栄に存じております。もっとも、この法律案の内容は私ども素人にとりましてかなり難しいもので、十分に理解しているかどうか自信はございません。もし間違っておりましたらお許しをいただきますとともに、また後で御訂正のお教えをいただきたいと思います。  そういうわけでございますけれども、一応私は、今回の改正案の骨子は次の四項目にあると理解しております。  第一番目は、交付税の総額を特例措置で五千億円減額する、また交付税特会の借り入れの元利支払いで一兆一千三百四十六億円減額するということ、これが第一項目であると思います。それから二番目は、基準財政需要額の算定方法を改めるということ、これが第二点目です。それから第三点目は、新産業都市建設及び工業整備特別地域整備のための国の財政上の特別措置に関する法律に基づく都道府県債に対する利子補給を少し減らす、また、この法律に基づいて市町村の行います補助事業の補助負担率の計算において、財政力で調整する割合を少し多くする。それから四番目は、首都圏、近畿圏及び中部圏の近郊整備のための国の財政上の特別措置に関する法律に基づく都府県に対する利子補給をまた同じように少しだけ削減する、また、これに関する市町村に対する補助事業の補助率を前項と同じように財政力で調整する割 合を少しふやす。大体この四項目が今回の法律改正案の骨子である、このように理解しておるわけでございます。  一番目の交付税総額を減額するという項目でございますが、これはまた中身が三つに分かれておりまして、第一番目は、交付税特会の元利償還で一兆一千三百四十六億円減らすという点でございますか、これは私の理解しておるところでは、借り入れをいたします時点でこういうふうにお返ししますというルールがあって、そのルールに基づいて借金をお返しするということでございますから、当然のことではなかろうかと思っております。  それから、交付税総額を減額する中の二番目と三番目は、特例に基づいて以前借りておった分をこれも返済する、そのうちの一つは、昭和六十一年度の補正予算で所得税と法人税が減額され、それで交付税総額も減るというふうになったときに、減るのは困るので借り入れで賄い、その減額はやめておこうというようなことで借り入れした分だと思います。これは国が返済すべきものだというふうになっているのだと思いますが、今回は、地方がちょっと肩がわりしてお返ししてあげよう、しかしその分は後で国が交付税の増額ということでまた地方の方へお支払いいただく、こういうものであると理解しております。したがいまして、これは国と地方との間の資金の融通をされておるということと理解してよろしかろうと思っております。  このように国と地方との間で資金の融通を行われるということは決して悪いことではないので、望ましいことではないだろうか。やはり国の財政、地方の財政、両方一体となって協力し合い、一方で財政資金が逼迫すれば片一方がお助けするというルールは今後も守っていただいて、協力しながら我が国の財政運営がスムーズにいくようにしていただくということがいいことではないだろうかと思っております。  それから三番目も同じようなことで、昭和六十年度の地方交付税の総額が減りましたときに、これも減るのをちょっと食いとめようということで借金なさった。これは地方が返済する分ということになっておったと思いますが、こういう借金の返済も、資金的に少しでも余裕があるときは借金は一日でも早く返すのが人の道ではなかろうか、こういうふうに思いますので、今回お返しなさるということはそれなりに筋が通ったことだろうと私は理解しております。  それから、大きな項目の二番目の基準財政需要額を改正なさる、算定方法を改正なさるというのは、これは毎年行われておることでございますので、物価の変動、それからまた行政の重点の置き方が変わる、また、その他いろいろな事情で毎年お変えになられるということも当然のことでございまして、内容を拝見させていただきましてもそう問題はないように思いますので、大変結構なことではないかと思っております。  それから、三番目と四番目の都道府県に対する利子補給の割合を少し減らすとか、市町村に対する補助率の算定で、財政力で変える割合を少し大きくするというお話でございますが、これは非常に細かなテクニカルな問題でございまして、これが望ましいとか望ましくないとかいうようなことを判断いたす材料を私は持っておりません。そう問題があるようにも思えない、ただそれくらいでございます。  以上のような考え方をいたしておりますので、今回御審議いただきます法律案は特に反対すべき理由もないし、大変結構なものではないかというふうに理解しておる次第でございます。  そこで、少しばかり今後の地方行政に関しまして私が常日ごろ思っておりますことを述べさせていただきたいと思いますが、今、日本の地方行政で一番大きな問題は過密過疎の問題ではないかと私は思っております。  釈迦に説法で先生方よく御存じでいらっしゃると思いますけれども、現在、この東京を中心といたします一都三県に人口でいえば三千二百万人、日本の全人口の四分の一を上回る人が住んでおります。面積はたった三・六%でございます。しかもこの三・六%の地域に毎年三十万人以上の人口増加が起こっております。この三十万人以上の人口増加というのは、日本全土の人口増加の半分を超えるほどの人口増加がこの狭い地域だけで生じているわけでございます。  また経済的な面で申しますと、この一都三県では、法人所得の全国の半分以上、五〇%を超える割合。それから国税収納額で見ましても約半分、六十一年度で四六%でございます。それから地方税収にしましても四〇%がこの一都三県だけで生じている。さらに株式の取引額であるとか手形の交換高であるとかいうことになりますと、これはもう全国の八割から九割がこの地域だけということでございます。  他方、御案内のように過疎地域は面積で申しますと日本全土の四六%、約半分を占めるのですけれども、人口はわずか六・七%、しかも今でも減っておる。特に深刻な問題といたしましては、御案内のようにお嫁さんに来ていただく女性の方がいらっしゃらない、若い女性の方がいらっしゃらないので人口はますます減る、こういうことでございます。  国土の均衡ある利用ということから申しまして、このようなことが今後も日本全体でどんどん続いていくということが果たして望ましいのだろうか。この点はぜひ先生方に今後の日本のあるべき姿としてお考えいただきたい点であると思っております。  この過密と過疎とを交付税の面から見ますと、交付税というのは結局は大都市、過密の地域で徴収しました税金を過疎の地域に持っていって配るというのが粗筋でございます。今は特に問題にはなっておりませんけれども、過去しばしば都市住民が、自分たちが汗水流して働いて払った税金が自分たちのためには一向に使ってもらえない、全部田舎の方に持っていってしまう、けしからぬじゃないか、これは不公平じゃないかというような声を上げることもあるわけでございます。  それからまた第二の問題点は、こうして田舎の方にたくさん交付税が行くわけでございますけれども、田舎の行政効率が現在のところ残念ながらそれほどよろしくない。類似団体別市町村財政指数表というのがつくられておりますが、最新版で六十三年度の決算を見せていただいたのですけれども、類型0―0の町村といいますか田舎の小さい過疎地域にあるようなところでは、人口一人当たりの歳出額が七十六万六千円という数字になっておりました。これは、都市の人口二十万ぐらいのところの代表的なものとしての類型Ⅳ─5というのがございますが、そこで見ますと一人当たり歳出額が二十四万三千円。ですから、類型0―0の町村の一人当たり歳出額は大体三倍ついているわけです。三倍ぐらいついているから非常に行政水準が高くていいかというとそんなことはないわけでございます。結局これは非常に効率が悪い。金はつぎ込むけれども、その割には行政水準は上がらないというのが過疎の状況でございます。やはり私は、こういう状況は先生方のお力をかりましてぜひ何とか解決していただきたい。いわゆる過疎地帯と申しますか田舎の行政効率を上げるということは今後ぜひお考えいただきたい問題であると思います。  それから過密の問題となりますと、やはり今は土地問題であり住宅問題であると思います。これを解決していただきますためには、どうしても都市近郊に大量の住宅地をどんどんおつくりいただき、またつくっていただいた住宅地と都心とを結ぶ道路、鉄道を大々的につくっていただくということに御努力をいただきたいと思います。  土地問題につきましては、ここにいらっしゃる塩川先生等も御努力いただいて地価税という法案ができまして、今御審議いただいて、多分できることだと思っております。あれも一つの政策手段と申しますが、残念ながら私はあの税というのはそれほど効果があるとは思っておりません。一般庶民が大都市でなるべく広い住宅を安いコストで 持つ、ないしは借りるということについてはそんなに効果があるとは思っておりません。やはり土地問題というのは、実物の、現実の宅地をたくさんつくっていただく、しかもそれを安い値段で売っていただくというふうにしていただくのが一番であると思っております。また、税で土地問題を解決していただくにしても、塩川先生等もまだ十分御議論いただいていないかと思いますが、特別土地保有税とか低未利用地税とか、さらには固定資産税、都市計画税といった税もございまして、それをまた今後も御検討いただくということも非常に重要なことではないかと私は思っておる次第でございます。  少したわいないことを申し上げましたけれども、私は日ごろ今の地方行政で一番大切なのは、何とか過疎過密を解決していただき、よりよい、より住みやすい日本の国土を建設するように先生方にお願いしたいと思っておりますので、若干つまらない意見を申させていただいた次第でございます。お聞き苦しい点も多々あったかと存じますが、何とぞお許しをいただきたいと思います。  それでは、これで私の陳述を終わらせていただきます。

森田一自由民主党

○森田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。     ─────────────

森田一自由民主党

○森田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  なお、念のため申し上げますが、参考人の皆様は、委員長にお申し出をいただき御発言をお願い申し上げます。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。簗瀬進君。

簗瀬進自由民主党

○簗瀬委員 早速質問させていただきたいと思います。  三人の参考人の皆さんのお話に共通して流れている底流とは何かということを考えてみますと、結局、昭和二十年に日本が敗戦をし、大変国土が荒廃をいたしました。そういう中で、新しい憲法に初めて地方自治の制度がきちんと位置づけられ、そしてシャウプ税制ということで地方自治体の財源についての基本的な骨格がつくられた。以後現在まで五十年近く、半世紀近くたってきたわけでありますけれども、現在日本のすべての分野において、今まで、言うならば戦後体制の中でつくられてきたすべての制度の見直しの時期に来ているのではないかなと私は思います。まさにきょうこの地方交付税法の問題として皆さんがお述べになったのも、戦後半世紀近くたってきたこの地方自治制度の根幹である財源問題についての見直しというようなものをどういうふうな形でやっていくのか、これが基本として底流に流れていることではないかなと思います。  あの敗戦の混乱の中で、経済力もすべて弱くなってきた、そういう中で必然的に国は後見的な立場ですべての行政を仕切らざるを得なかった。しかし、今や地方は人的パワーも非常に層を増し、また経済力も地方として非常に高まってきているわけであります。この前、私は県会議員のときに質問をする機会がございまして、栃木県でございますけれども、栃木県一県の県民総生産というようなものはどの程度のものを持っているのかなというようなことで調べてみましたら、もう既にフィリピンなんかよりも高くなっているんですね。アジアの小さい国が大体日本の小さい県と同じぐらいの経済力の比較というふうな状況になっているわけであります。でありますから、マンパワーも非常に高くなり、また経済的な力もつけてきた、こういう地方の財源のあり方というようなものを今後どういうような形で新しく再検討をしていくのかというのがこれからの大きな問題だろうと思います。  それで、その際に考えられるべき視点というようなものは、縦の関係と横の関係の二つに分けて考えなければなりません。縦とはまさに国と地方の関係であります。横とは地域対地域の関係であります。  そこで、質問の冒頭に当たりまして三人の参考人の皆さんに、戦後半世紀以上たったこれからの地方財源の望ましいあり方として、縦の関係と横の関係、その点にわたりまして望ましいこれからの姿というようなのはどのようにお考えになっているのかということを、大変短い時間で恐縮なんですけれども、簡潔に凝縮して御意見をまとめて聞かせていただければなと思います。三人順々にお願いいたします。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 財源の配分再検討の問題につきまして、縦、国と地方の問題、横、地域対地域ということで考え方はということでございますが、非常に難しい問題でございます。  ただ、私ら地方の者といたしましては、財源の問題は、結局さかのぼると事務事業と申しますか機能と申しますか、縦の問題から申し上げますとそういう事務配分の中から出てくるものだろうというふうに存じます。したがいまして、非常にたくさんの機能なり事務を国が持っていればそれなりの財源が必要でございましょうし、逆の場合は逆でございます。縦の問題でいきますと、私ら現在、権限の移譲、事務の移譲ということをひどく、ひどくという言葉はおかしいのでございますが、言っております。したがいまして、その権限なり事務を移譲するためにはやはり財源も付与していただきたいというのが現在の状況なわけでございます。  現在の調整制度では交付税がございますけれども、結局これは、先ほど来言われておりますように地方の中でも非常に税源が、たとえ付与されたとしても税源がないところも非常にあるわけでございますから、そのための調整制度は、税源がないところは非常に必要だと思いますので、残さなければならないと思うわけでございます。ただ、現在のところは地方交付税は一般会計を通して特別会計に行っておりますから、これは一般会計を通さないで、現在我々が主張しております固有税源だということを強く私は主張したいわけでございますけれども、いずれこの事務事業なり機能の配分の問題がこの縦の段階では強く影響するものというふうに存じております。  地域対地域の問題は、これは非常に難しい問題でございます。実際問題といたしまして、先ほど来も言われております過疎の地域に行きまして幾ら税源を付与といっても、実際納める方がいないわけでございますから、これにつきましてはやはり総体的に集められる国が全般的から集めたものをそこに配分せざるを得ないのであって、地域対地域が個々に税源なり財源を配分し合うということはちょっと難しい問題だろうというふうに存じます。  以上でございます。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 今、縦の関係と横の関係から見直すというお話がございましたけれども、私そのほかに、住民といいますか住民と政府といいますか、そういう関係も一つあろうかと思います。そういう意味で、今行政事務配分の問題も話題に出ましたけれども、そういう権限の問題についても国と地方の権限移譲の問題がございますが、財政の効率性という意味からいけば、やはり住民と地方自治体が行っているいろいろなサービスとの関係の問題も含めて総合的に考えていったらよろしいのじゃないかと思います。  そういうことを考えながら財源問題を少し述べてみたいと思うのですが、国と地方の関係の中では、国が、特定財源といわれるものの中でいろいろな問題点を指摘されているわけですが、その辺のところを、補助金なり地方債の地方団体への交付の仕方をもう少し地方団体が自由にできるような、そういう自主性を尊重するような方向で考えてほしいと思います。  それからもう一つは地方税問題ですけれども、先ほどもちょっと地方交付税制度の改正との関連で触れましたけれども、現在どうも地方税問題については一つのタブーのような感じで、税源の偏在ということで、比較的経済力のある地方団体も 地方税源が国の場合に比べて余り伸長性のない税金が割り当てられるというような傾向があろうかと思います。そういうことじゃなくて、もっと経済力なり活力のあるところは当然そういう地方税においてもそれを反映いたしまして、しかもそのことによって、先ほどもちょっと触れましたけれども、地方交付税への依存あるいは国庫補助金への依存、そういうものを少なくできるのじゃないか。この財源を、交付税なら交付税というものを、むしろ税源を上げようにも上げる能力のない、そういう経済力の弱いところに交付税のような税源を回してあげる、傾斜配分していく、そういうふうなことによってこの関係を、交付税というのは戦後ずっと財源構造のかなめですので、それをひとつ中心に考えてほしいというふうに考えるわけでございます。  さらに一つ申し述べたいことは、特定財源というもののあり方がどうも事務配分との関係ですべての財源とリンクしながら財源が配分されていく、そういう関係を絶たないと何か地方の自主性というものが育っていかないのじゃないか。そういう意味で地方の仕事、事務というものも、全国的な立場から見た標準的といいますかそういうサービス、行政というものと、地方の実情に応じて主体的に、独自的にしていけるような独自行政といいますか、そういうものの二つの区別ができるとすれば、そういう独自行政ができるような財源構造というのはどういうふうにすればいいのかということを考えてほしい。特に、先ほど述べたように、その場合には税源の貧弱な地方団体への交付税の傾斜配分というのが大きな役割を果たすだろうということでございます。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 御質問いただきました第一点の縦の関係でございますが、いろいろの問題点があるかと思います。  まず一番初めに、とにかく税は国が取って、取った税のかなりの部分を地方へ回すというこの制度は、現在のように過密過疎がある限りはやめることはできない、この形は続けていかざるを得ないだろう。  ただ、先ほどの二先生からお話ございましたように、配るならなるべく自主的に使えるように交付税をふやして、国庫支出金、ひもつきと申しますか、いろいろな条件がつく国庫支出金は減らしていただきたいと思うのです。しかし、人間一たん権力を握りますとこれを手放すというのは非常に難しい話でございまして、本音といたしまして、今の国の省庁がお持ちの権限をどこまで下におろしていただけるのかというのは、そう楽観視できないというふうに思っております。  それから、では今国が地方へ出している分は多いのか少ないのかということになりますと、結局これは、一体地方にどれだけの仕事をさせるのか、国がどれくらいし、地方がどれくらいするのかという仕事との関連が出てくると思うのです。ですから私は、地方自治という見地からいえば、もっと地方にたくさんの仕事をさせていただき、もっとお金も地方へ回していただくというのが望ましい姿と思いますけれども、先ほど申しましたように、権限をお放しいただくことはなかなか難しいというのは自分でもよく理解しております。  それから横の関係でございますが、先ほど申しましたように、今の過疎の非効率が続く限りは都市住民はいつまでも黙ってはいないのじゃないか、どうして自分たちが汗水垂らして払った税金がこうむだ遣いになるのかということは、いつかは言い出すだろうと思います。ですから、私が一番お願いしたいのは、いわゆる過疎地域といいますか、地方の行政効率が上がるように、簡単に言えば行政効率が高いところには交付税はたくさん上げましょう、しかし行政効率が低いところは余り上げませんよ、一つのむちかもしれませんけれども、こういうことをしていただくのも一つの手段ではないかと思います。  それから、過疎の効率を上げるのは、過疎の千人とか二千人の小さな村がばらばらにあってはどうにもならないのです。これをどこかにまとめて、地方の中心的な町なり市をつくっていただくというのが効率を上げる手段ですけれども、これは地方の自由に任せておったのでは絶対できません。どこかに中心をつくるとなると、それはどうしても中心となるところがよくなってその周辺が悪くなるのです。そうすると、お互いに足を引っ張り合って、いや、うちが中心になりたい、うちが中心になりたいと言いまして、それはもう地方の自由では絶対できません。だからこの点については国なり県なりの方で、いや、もうここを中心として過疎の立て直しをやって、ここでよりよい町をつくり行政効率も上げ、皆さん方の生活水準もよりよくなるんだということを、ある程度強権を使っていただく必要があるのではないかというふうに思っております。  以上でございます。

簗瀬進自由民主党

○簗瀬委員 大変貴重なおもしろいお話を聞かせていただきまして、参考になりました。  時間もちょっとなくなってまいりましたので、最後の質問として盛岡市長さんに、ふるさと創生事業が興されて以来、あれが地域の活性化に大変な火をつけたのではないかな、私どもは非常に評価をさせていただいております。それと同時に、それぞれの地域のアイデアが競われる、地域間競争といいますか、そういう状況になりつつあるのではないか。今回の地方財政計画の中で、意見陳述の中でもお触れになっておりましたけれども、地域づくり推進事業についての具体的な運用条件はどんなところにあるのか、あるいは、今度予定をされております地域福祉基金あるいは土地開発基金、この辺についても、かなり積極的な意味合いを持っている計画の内容になっているのではないかなと思いますが、それらについて盛岡市あるいは全国市長会の相談役のお立場から、具体的にその波及効果とか現実の例とかそのことについてお尋ねさせていただきまして、質問を終わりにしたいと思います。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 地域づくり推進事業ということにつきましては、ふるさと創生事業ということで、地域の住民たちが考えながら、そしてみずから行うのだということで、私は非常に地域の活性化のためにはよかったというふうに思っております。あれは一つの刺激になりまして、いろいろ住民の方々が知恵を出し合った仕事を各地区でなさっておるようでございまして、盛岡市の例におきましても、地域づくり懇談会というものをつくりまして、有識者を初め市民の方々の代表を選んでいただきましていろいろ議論をさせていただきましたけれども、急だったものでございますから、私らは国際交流関係に使おうということで、最初の一億円につきましては市の方で一億円足して二億にして積んで、これを将来五億にしましょうということで今三億幾らか積んでおりますけれども、いろいろな国際交流事業に現在果実を使わせていただいておりますし、今後もっともっと使わせていただきたいと思っております。各地区ともそういうことでこの事業は非常に大きな刺激になっておりますし、今後とも住民の方々が行政に対しましていろいろ意見を述べるきっかけにもなったのだろうというふうに思います。  また、後で御質問ございました地域福祉の問題につきましても、こういう老齢化が進んでまいりますと、療養費の問題を初め老人の保健の問題、いろいろそれを主体にしながら福祉の問題が我々の重要な課題になっておりますので、これらにつきましても非常に今回の措置はよかったと思っております。  また、土地開発基金は過去において何遍か積んでおりますけれども、土地の取得ということは非常に難しい問題でございますので、これも私らは非常によかったと思っております。  盛岡市の例をとりますと、現在二十五億円の定額の基金として積んでおりますけれども、現金は五億足らずでございまして、土地あるいは土地開発公社への貸付金という形で他は残っているわけでございまして、一般財源がたくさんになりますと買い戻してまた現金化しますけれども、いずれ今回の措置によりましてまたかなりの額を積めるということは、自由にと申しますか、一般会計を 崩さないで土地を買えるということで、私は非常に結構なことだというふうに存じております。

簗瀬進自由民主党

○簗瀬委員 ありがとうございました。終わります。

森田一自由民主党

○森田委員長 谷村啓介君。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 大変お忙しい中を三人の参考人の先生方、大変御苦労さまでございます。ありがとうございます。  時間が往復で二十分、質問と答弁で二十分でございますので、私の方も簡略に質問いたしますけれども、答弁の方もひとつ簡潔にお願いをいたしたいというふうに思います。  まず、野呂参考人にお尋ねしたいわけでございますが、地方交付税はいわゆる地方の固有財源であるということは明らかでありますが、その年度ごとの法定税率に基づく法定額は全額地方に交付さるべきものだというふうに考えておるわけであります。したがって、計画と決算の乖離を見ても余剰ということはない、それに対しては追加事業をつくるなり地財計画の補正を行うなり、あるいは翌年度に繰り越しすべきであるというふうに思うわけであります。仮に需要が現行制度でつくり出し得なければ、こんなことはあり得ないわけですけれども、補助金の一般財源化ないしは事務事業の配分の見直しを行うべきでありまして、今年度のような国の財政事情に基づく特例減額は行うべきでないというふうに私どもは考えるわけでありますけれども、まず参考人の御意見を承りたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 今年度の特例は行うべきでないというようなお話です。私も先ほど地方交付税制度の根本的な問題にまで触れまして、本則からいけば、先生おっしゃるように本則は一貫しているわけですね。いわゆる法定総額によって単年度調整主義でやるべきだという意味では本則は一貫していると思います。ただ、附則等特例措置によっていろいろ調整が行われているわけでして、その事情もいろいろ、そのときどきの国と地方の財政状況、経済状況、そういうことによって財政調整というのは必然化しますので、そういういろいろな状況の中で過去からずっと行われてきたことでもあるわけです。ただ問題なのは、言ってみれば安易なといいますか、そういう本則をいつまでも貫いて、場合によっては事務制度や財政制度あるいは交付税率の検討等、そういう本則に基づいた抜本的な改正まで含めて本格的に検討せずに、そういう附則等の形でそのときどきの状況に合わせてきたというところに一つ大きな問題があると思う。  そこで、今日のような交付税そのものが余剰に見えるような事態にまで立ち至ってしまった。これはこのまま、来年等の経済状況もありますけれども、進行していったならばますますもって交付税というのは抜本的な改革にまでいかざるを得ないような状況に立ち至っているのじゃないかということなのです。それでありますからして、余剰に見えるような形をもっと以前から再検討していれば、先生がおっしゃるように、例えば標準行政の財政、収入と支出の状況をあらわした地方財政計画等の再検討、補助金の整理を一般財源化するとか、あるいは地方交付税が本当にだれが考えても余剰のような状況の結論になるとすれば、僕はならないと思うのだけれども、たとえなったにしても、それは地方財源の充実といいますか、国税の地方への移譲といいますか、そういう形で解消すべきものだというふうに考えるわけです。したがいまして、財政調整というような形での単年度主義が本則に基づかない調整の仕方というのは、やはりこの際再検討してほしいというように考えるわけでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 続いて、今もお答えがございましたけれども、私どもは、この附則三条というのはあくまで当面の措置という確認が国会でも実はできておるわけでございまして、交付税制度は単年度主義が原則だと先生おっしゃいましたが、年度間調整は原則として行うべきではないというふうに私どもは考えておるわけであります。したがって、仮に計画と決算の間の乖離を是正せず、その結果として財源に幅ができたとしても、特会借入金の元利の繰り上げ返済はあり得ても、一般的な中期にわたる国と地方の貸借を行うべきでないというふうに考えておるわけでございますけれども、先ほども米原先生の方からはそれとは逆の、それはもうやったらいいのだという話がございましたが、それはやはり法の趣旨からしてどうも解せないというふうに実は思うわけでございますけれども、野呂参考人の意見もあわせてお聞きしたい、このように思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 先生今おっしゃいましたように、地方財政計画と決算との乖離の問題ですけれども、地方財政計画というのは標準的な行政水準の財政収入と支出をあらわしたものですね。決算は地方団体のいろいろな地方地方の単独の自主的な行政も入っている。だから、あくまでもこれは一致しなければならないというふうには思いません。ただしかし、地方団体の全国的な趨勢といいますか傾向から見て、当然これは標準的な行政水準なんだ、あるいはそれを充実する必要があるんだ、それは必ずしも国が一方的に決めることではなくて、地方団体のそういう決算の中からそれを探っていく、そういう形で地方財政計画にうまく対応していかなければならないものだというふうに考えるわけです。だから、地方財政計画を作成するに当たっても、常に地方団体の決算を参考にしながら、目を光らせながら全体の住民の行政水準の引き上げのために努力してほしいというふうに考えるわけです。  それからもう一点は、ちょっと済みません……

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 繰り上げ返済というのはあり得ても、一般的な中期にわたる国と地方の貸借という問題です。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 はい、わかりました。  先ほど地方交付税法の本則による総額の調整というのは、単年度主義調整といっても、同じ単年度主義でも、いわゆる先生おっしゃるような年度間調整という意味での単年度主義ではないのですね。それで、年度間調整主義のような形での単年度主義というのは、例えば地方配付税制度からシャウプ勧告の中で平衡交付金に移る段階で問題になったことは、あれが予算の中で半減されてしまった、国の財政の都合によって。そういうものが行われるとすれば、これはもう調整ではないというふうに考えます。そういうことをあり得なくするためにも、地方の固有財源としての一定のルール、それは、地方交付税制度がシャウプ勧告を受けて平衡交付金から受け継いできた、そういう精神をやはりあくまでも尊重していただきたいというふうに感ずるわけであります。  以上でございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 時間がございませんから、太田参考人にちょっとお尋ねしたいわけでございますが、先ほどの話の中で福祉基金等に対する大変高い評価をされたわけでございまして、これができ上がりました経過から見て結構なことだというふうに私どもは思っておるわけでございますけれども、単年度だけでこれが終わった場合というのは余り効果が、果実だけの運用でございますから大変な不十分さといいますか、もどかしさといいますか、そんなものを感ずるわけでございますが、その点についての評価をお尋ねしたいと思うわけであります。  もう一つは、今回の措置、先ほどおっしゃいました五十九年度までに返してもらいたかったという話でございますが補助金カットの問題でございますけれども、その問題や、あるいは今度の五千億の減額措置の問題について、地方の意見が実際に取り入れられたかどうかという問題、現場の市長さんでございますから、そういう点について、あるいは市長会の顧問という立場ですかでちょっとお尋ねしておきたいと思うわけであります。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 第一点の福祉基金についてでございますが、ただいまお話しのとおり、果実だけで運用するということになりますとまだ少し足りないような気がいたしますし、私らも従来から、今回の措置以前に社会福祉基金というものを自前で持っておりましたけれども、こういうものをあわ せながら、あるいは今後、これは小さい話でございますけれども、現在民間から例えば香典返しだとかそういうものがかなり市の方に福祉基金の方に使ってくださいというので参りますが、そういうものも積み立てておりますから、そういうものを足しながら、今後とももう少し交付税で措置された以上の基金を積みながら、それを私らは運用していきたいなというふうに思っております。  それから補助負担率のカットの問題でございますが、これは我々の主張どおりになったかといいますと、実際すべてなったわけではございません。カットされないのが一番いいわけでございますが、ただ、国の方でもいろいろ交付税で措置して特例加算していただいたり、あるいは臨時財政特例債というようなものを発行していただいたり、かなりの額は措置していただいておりますけれども、やはりまだ積み残し等もございます。今回、六十一年度までの措置になったわけでございますけれども、なおこの暫定期間が三年間ということでございますから、この三年間で十分考えていただいてもとに戻すか、あるいは先ほどもちょっと触れましたように一般財源化するものは一般財源化していくとか、そういう形で十分検討していただきたいというふうに思っております。  それから五千億につきましても、本来的には減額しない方がいいわけでございますけれども、自治、大蔵というようなお話し合いの中ではこれは借入金の返済の方に、結局国の方で肩がわりするというようなことでございますから、それでは私らも実損ではないからやむを得ないというような考えを持っているところでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 次に、米原参考人にお尋ねしたいのでありますが、先ほども御質問に対してお触れになりましたけれども、附則三条と本則についてどのようなお考えをお持ちなのか、今回の減額措置等にも絡んでちょっと御所見を承っておきたいと思うのでございます。石原信雄さんの「地方財政調整制度論」などを見ますと、附則三条の意味というものについては、いろいろな意味で増額というのが本来の前提ではなかったのか、理論的には減額もあり得るというようなことがございますけれども、そういう問題も含めてちょっとお尋ねしておきたいのであります。  それから地財計画の策定について、地方財政不要論といいますか、そういう中で地財計画自身の、あるいは基準財政需要額と申し上げていいかもしれませんが、その辺について見直すべき時期に来ていると私は思いますけれども、そういう点についての御意見をちょっとお伺いをいたしておきたいと思います。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 私は経済学部出身でございまして、経済学部の人間というのは大体考え方がちょっとルーズでございまして、法律の先生方は、大体法律にこう書いてあるからこうでなければいけないという割に法律に忠実にきちっとしたお考えをお持ちになる、そういう違いがあるということをもともと私は感じておるわけでございます。多分、先生は非常に法律にお詳しく、法律は必ず守らなければならないというお考えで言っていらっしゃると思いますのですが……(谷村委員「私も経済なんですよ」と呼ぶ)それは大変失礼いたしました。そうすると、私自身がルーズなのかもしれませんけれども、法律の趣旨は、石原、今官房副長官をなさっておられますか、あの方がお書きになられたように、増額が建前であるということかもしれませんが、私自身は国・地方仲よくやっていってほしい。片一方が財源がなくて困っておるならば、法律的には少しやっても、どうぞお助けしましょうという相互協調の精神というのは、やはり政治には必要なのではなかろうかというような気持ちをもともと私は持っておりますものですから、やはり一つの人生観といいますか、哲学の違いかもしれませんけれども、そういうことを申し上げた次第でございます。  それから、基準財政需要額の算定方法を改めるべきではないかというお話をお聞きいたしました。多分、これは地方がもっと自由に仕事ができる範囲をもう少しふやせ、こういうお考えであると思います。そのお考えには私も賛成でございます。しかし、そういうふうにしていただくためには、一応国・地方の間の事務分担というものが法律で定められておりますから、そこのところから先生方御努力をいただきまして、地方の自由裁量権がふえるように法律を変えていただき、その上で基準財政需要額がふえるように持っていっていただくというのが一番望ましい姿ではないか、このように思っておる次第でございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 時間も参っておるようでありますが、最後に野呂参考人に、同じような質問になりますけれども、いわゆる地方というのは、今、国もそうですが、高齢化や国際化などの進展の中で、公共投資や地域福祉の確立などいわゆる地方行財政の充実という課題に直面をしておるわけであります。私も二十七年間地方議員をしておりましたから余計にその感を深くするわけでございますが、そういう課題について、最後に野呂参考人の御意見を承って質問を終わりたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 先生おっしゃるように、地方の行政あるいは経済社会情勢等々を考えてみましても非常に大きく変動しつつあるわけでして、特に国全体の地域の活性化ということが非常に大きく叫ばれているわけですね。これは必ずしも行政だけがやるべきことじゃなくて、民間との協力であるとかいろいろな形で大きく、そういう活性化一つ取り上げてみても、あるいは高齢化社会に対する福祉のあり方一つ取り上げてみても、いろいろな形で国民なり住民と行政が協力し合って充実していかなければならないという、そういう大きな動きがあるわけです。  そういう意味では、行政がやるべき仕事あるいはそのための財源、そういうものもおのずから非常に大きな変動の時期を迎えているのではないか、そういうふうに考えているわけです。そういう意味で、今回の地方交付税の改正問題も真剣に皆さんで議論してほしいと思うわけです。  先ほどちょっと触れて、申し上げたいことがあるのです。それは、先ほど先生がおっしゃったような附則三条のあれは、減額じゃなくて増額なんだ、なぜ増額でなければいけないか、なぜ減額じゃいけないのか、そういう問題があると思うのですね。ただ、今日のように、盛岡の市長さんもおっしゃったように、実損がないから減額も差し支えなかったのだ、そういう考え方があります。それも僕は一理あると思います。  ただ問題は、実損がない状況というのはもはやなくなります、借金が相当返済され、ほとんどゼロに近くなっておりますから。それではその後でどうするかという問題なんです。そうすると、どうしても本則の一貫した考え方といいますか、そういうことで再検討していかなければいけないのじゃないかということなんです。そういう本則では余裕のあるように見えた財源不足額を超過した交付税総額等生じた場合には、それは特別交付税で地方に配分するということですね。そういうことはやはり景気がいろいろ変動して、そういう財政調整というのは地方団体がおのずから責任を持ってやったらどうだという考え方がそこにあると思うのですね。余裕があるように見えたそういう交付税というものは地方団体に配分して、地方団体が責任を持ってこれからの経済情勢なりいろいろな行政の状況なりを考えながら運営してくれ、そういう物の考え方だと思うので、そういうことを尊重しながら対応してほしい、そういうふうに考えておるわけでございます。

谷村啓介日本社会党・護憲共同

○谷村委員 ありがとうございました。

森田一自由民主党

○森田委員長 小谷輝二君。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 先生方には、お忙しいところ当委員会に参考人として御出席いただきましてありがとうございます。短時間でございますので簡単に御質問を申し上げたいと思いますが、盛岡の市長さん、遠いところから御苦労さまです。先ほど市長さんから地方自治体の実情について詳しく御説明をいただきました。内容も非常によくわかるわけでございます。  ところが、国会におきましてもこの委員会でしばしば議論をいたしましたが、大蔵省を中心に地 方財政余裕論というのがあるようでございます。これは自治大臣を初め自治省の皆さん方は、地方財政は余裕等はございません、起債残高も六十八兆円も抱えておる状況でもあり、また生活関連公共事業、下水道、道路、公園整備等大変な財政需要が増大している、また高齢化社会を迎えるに当たっても老人福祉にもかなりの財政需要が見込まれる等々考慮すれば、地方財政余裕論というのは当然考えられない、こういう議論がここではあるわけであります。図らずも太田盛岡市長さんからもそのような実情をお聞きしたわけでございます。  そこで、野呂先生、単刀直入に、実際問題として今地方財政余裕論に対してはどうお考えになっていらっしゃるのか、簡単に御意見をお聞きしたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 地方財政余裕論というのは以前から時々出てきますね。それは国と地方の財政状況の中で、例えば国の方で財政再建ということで非常に叫ばれたときにもやはり余裕論が出てきました。そういうようなことを考えてみますと、財政状況がどうなのかということも一つの大きな要因でありますけれども、そういう財政状況を生み出した要因といいますか、例えば先生おっしゃったように、地方団体というのはやるべき仕事はいっぱいあるはずなのに、国の方ではどうもそういうことを抑えつけてきた。あるいは行政改革なり財政再建ということで、例えば補助金のカットにしても地方に負担を転嫁してきた。あるいは行政改革ということでいろいろな形の負担を地方に転嫁してきた。それが住民負担にもつながっていくわけですけれども、そういう形で生じた余裕であれば、もちろんこれは明らかに是正しなければならないわけでして。社会の大きな変化の中で、先生おっしゃったように、これから地方団体がやるべき行政需要というものが非常に多いと思うのですね。やはりそういうことを踏まえていかなければならないので、これまでそういうことを財政再建なり行政改革ということでおろそかにされてきた面はありはしないかということを考えてみる必要があるというふうに考えます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 太田市長さん、基本的に地方財政計画、これは基準財政需要額を算定してまず支出を決めて、歳入を入れてバランスをとっていくということですが、現在の地方財政計画の算定の段階で果たして需要額そのものが地方の自治体の実情に合った基準であるかどうか、もう少し需要額そのものをこれから先に対して見直すべきではないのか。この需要額をぐっと抑え込めば当然数字的に地財計画ではこれは余裕論といいます余裕が出てくるわけです。そこに問題があるのではないか、このようにも思うわけですが、市長さんの御意見はいかがでしょうか。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 地方財政計画を立てる際は今お話しのとおり需要を算定しながらいろいろやるというふうに思いますけれども、これが地方がやりたいものが全部入っているかどうかということになりますと、それは直接入っていない分も随分あるだろうというふうには存じます。  いずれ過去におきましても、大体国の予算とこの地財計画が同じぐらいな数字で推移していることも事実でございますけれども、ただ、今回の措置等を見ましても、私らがやりたいなと思っております地方単独事業につきましても一〇%程度ふやしていただいておりますし、かなり充実した地方財政計画だというふうにも思っております。しかも、地方債の抑制等で借金はなるべく減らした方がいいんじゃないかというようなことも言われておりますし、歳出面におきましても特色を非常に出しております。先ほど言いましたように各種基金の増設等もしておりますし、私らといたしましては、ある程度満足すべき地財計画ではなかったかなというような感じを持っております。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 先ほど補助率カットの問題について、これは暫定措置が長い間続いているわけですけれども、これは整理すべきであり、このことが地方自治体の財政運営にもかなり影響を及ぼしておる、こういう御意見でございました。一方、この補助率カットによって地方自治体は事業量がそれだけ多くなる。したがって、地方自治体にとっては補助率カットそのことについてはかなり理解が得られておるんだ、こういうふうな御意見も一方ではあるわけですか。これは市長さん、いかがですか。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 まあ総額が同じであればカットされた分がということになると思いますけれども、ただ、カットされた分の地方負担と申しますかあるいは財源と申しますか、これが地方になければこれは仕事にならないわけでございますから、この分を何で見てくれるかということが問題になるわけでございます。投資的経費につきましては建設事業債なりなんなりでカットされた分を見るわけでございますし、経常的経費につきましてもいろいろな面で特例措置がございますからいいわけでございますけれども、いずれカットされたことによって事業量がふえるというようなことはちょっと考えられないのではないかというふうに思います。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 米原先生、どうも御苦労さんでございました。先生は地方税制については非常に詳しく、いろいろ調査研究発表もされておられますし、「国税解説速報」二月二十八日号を見させていただきました。特にアメリカの例をとって、住宅に対する財産税は所得から控除している。これは納税者の負担の軽減を図っているためである。住宅の財産税は所得の大小にかかわらず負担が課せられる、こういうふうな欠点を補うためにこういう措置をとられておる、こういう先生の調査研究発表がございまして、私もなるほどと思ったわけでございますが、特にそのような観点から、本年度大阪市が条例で都市計画税を三分の一減税する、地価の高騰もこれありというような観点からしたわけですが、先生はこのことについての評価はどうお考えになっていらっしゃいますか。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 都市計画税の減税の御質問をいただいたわけでございますが、これは非常に難しい問題があると思っております。御案内のように、都市計画税を減税するという話はまず最初に東京都から始まりまして、ことしになって大阪市が、それからその他の地方団体が始めました。どうしてそういうことを始めたのかというと、一つは固定資産税が重くなる、それからもう一つは地価税等もかかってくるようになり、また土地に対する負担がふえるからという話でこういうことになったと思います。  先ほどちょっと地価税余り評価しないと申しましたが、実はこういうことを考えておるからでございます。やはり都市住民がよりよい生活をできる、より広い住宅により安い家賃でということをしますためには、どうしても道路をよくしてたくさんつける、下水道もどんどんつける、それから宅地開発もどんどん行っていくということが何よりも必要だと思いますけれども、そういうことに使う特定財源が都市計画税でございます。したがいまして、本当は都市計画税というのは減税すべきものであるとは思いません。これは都市住民の生活を守るためには十分取っていくべきものである。それがどうしてこういうことになったかといえば、私はやはり地価税等の影響もあるのではないか。もし地価税で取りましたお金が湾岸戦争の九十億ドルとか、今度はゴルバチョフさんも来てお金が要るとかいう方に行ってしまって、都市計画税で本来いただくものが減るんじゃ日本の国は一体何をしておるんだという、大変申しわけございませんがそういうような気持ちを持つわけでございます。  ですから、もし土地保有税を重くして少しでも土地対策を講ずるというお考えがおありなら、むしろ都市計画税を重くして地価税等はやめていただきたいというのが率直な私の気持ちでございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 米原先生は住宅問題についてはかなりいろいろの角度から御研究なさっておられるようなのでこの際お尋ねしておきたいと思います。新しく住宅を購入する場合には住宅金融公庫、低利資金で融資制度がある、またローンで払う場合 にはそれに対する所得の減税措置がある、控除措置があるというふうな、個人の持ち家をつくる場合にはいろいろな制度上の恩恵といいますか制度があるわけですけれども、じゃそうではなくして賃貸住宅、家賃払って住んでいる人、この特定な大きなものではなくして、ごく普通のまず国民、平均的な居住として住むべき家に住んでおる、こういう人たちに対して、三大都市圏の都心部ではかなり家賃が高騰しているわけですけれども、これに対する何ら行政上の措置は今のところはほとんどございません。したがって、そういう基準的な生活水準の住宅に対して住宅補助制度、住宅手当制度等々が海外でも行われておるところはあるのではないか。また、大阪市あたりが初めて、新婚家庭が市内からどんどん近郷の府県並びに都市に出ていくということを防ぐために、新婚さんいらっしゃいということで新婚世帯に限ってのみ三年間、一年間三十万円家賃を補助しようという制度をつくったわけですけれども、この点については先生どう評価されていますか。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 貸し家家賃に関する補助に関するお尋ねと思いますが、私は今の日本の税制で一番不公平といいますか一番損をしているのは、先生が御指摘の借家に住んでいる人たちだと思います。同じ給料をいただきましても、自分の家を持っている人と借家に住んでいる人とどちらがより高い水準の生活ができるかといえば、それは持ち家でございます、家賃を払わずに済みますから。ですから、経済学的に言いますと、本来こういう人は帰属家賃というもの、自分で自分に払う家賃というものが所得の中にあるはずだという考え方を私どもはするわけでございます。その点が今の日本の所得税法には全く考慮されておりません。ですから、今何が不公平かといって、持ち家の人と借家の人との不公平というのがもう税の上で一番の不公平である、私はこう思っております。  ですから、先生がおっしゃられましたように新婚の家庭に毎年三十万円補助をする、これも一つの方策であると思いますけれども、もっと基本的に、持ち家の人とそうでない借家の人との負担の公平というものをすべての税制の面で、まあ地方税も入りますけれども、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思う次第でございます。

小谷輝二公明党・国民会議

○小谷委員 ありがとうございました。終わります。

森田一自由民主党

○森田委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 参考人の先生方には大変お忙しいところ、本日はどうもありがとうございます。  私、最初に太田参考人と野呂参考人にお伺いしたいのですが、先ほど来の意見陳述とか質問に対する御意見を伺っておりまして、若干重複する部分とか既にお答えいただいた部分もあるのですが、八四年度に、地方の財源不足を補てんする方法として交付税特別会計借入金という従来の方法をやめて、特例措置の制度が導入されました。この改正については我々は、当該年度としては交付税総額の圧縮を制度化するもので地方財源を保障する国の責任を放棄するものだとして、そして最終的には地方の共有財源である交付税の減額にねらいがあるんだと批判をしてまいりました。指摘してきたとおりになったと思うわけでございますが、今回初めての特例措置による減額が行われるわけであります。  そこでお伺いしたいのですが、地方の共有財源である地方交付税を減額することについて改めて太田参考人の御意見と、野呂参考人のこの特例措置についての御意見をまず伺いたいと思います。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 地方交付税につきましては今回減額措置があったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、借り入れの返済というようなことを充てれば、国の肩がわりであるから実損はないというふうに私はるる申し上げたところでございます。ただ実際問題といたしまして、年度間調整の問題は種々議論されているところでございますけれども、一面においてはやむを得ない点もございます。この点は地方に負担がかからないような年度間調整が私は必要だと思うので、そういうことを念頭に置きますれば、本当の意味からいきますと第六条の三の二項でございますか、ここで、引き続いて著しい差がある場合はこの制度の改正なり率の改正というようなことは当然行われるべき問題だろうというふうに存じますけれども、今回の場合はそういうことを省庁間で十分御検討の上の措置でもあり、地方に対して実損はないということで私らもまあ了承したという形でございますので、御了承願いたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 先ほども私の意見を少し述べましたけれども、この特例措置による減額問題ですけれども、私が意見を述べた際に、地方交付税率による固定した交付税総額と地方団体の一定の基準財政需要額と収入額に基づいて計算しました財源不足額とが一致するということはなかなかあり得ないことじゃないかと思っております。特に経済変動によって、不況等の場合には非常に多額の財源不足が出てくるわけでして、それを何らかの形で調整しないと地方財政というのは成り立っていかない、そういう意味では緊急の措置あるいは避難措置かもしれませんけれども、常にそういう財源の調整というのは行われてきているわけですね。それで、今回の減額問題で特に問題になっているわけですけれども、ただこれまでもやっぱり国が財政的に大変だというときには、国の交付税総額の一般会計の中で過去にもないとは言い切れない、あったはずだと思います。そういうふうに行われてきているわけです。  ただ問題は、これから、今回の改正を見ましても、地方交付税総額が余裕があるように見える額というものは、二兆円ほどの額に、非常に多額に上ってしまっているということなわけですね。そこで、そういう多額のお金というものをどういうふうに処理するかというのが非常に大きな問題だろうと思うのですね。その場合に、簡単にそれは余裕があるんだから減額して当たり前だというふうに考えてしまうと、交付税制度本来の趣旨といいますか地方の固有財源であるという、先生おっしゃるような地方団体共通の共有財源であるという、そういう趣旨が壊されてしまうおそれがあるわけですね。そこで、恐らく交付税の本来の考え方からいけば、減額ということは、国から減額されるということはルールとしてあり得ないものとして考えているのではないかと思うわけです。それは地方団体の責任において処理すべきであって、本当に地方団体がむしろ財源不足が多額に上ってにっちもさっちもいかなくなってきた、そういう状態は当然国であるかあるいは地方団体相互の責任においてやるかはともかく、それは穴埋めせなければ地方財政そのものが成り立っていかない、そういうときの場合には増額というものは当然あり得ると思います。しかし、減額というのはそういう状況ではないわけですね。そういう状況でないところに減額ということは、むしろ地方団体の責任において処理するという、そういうルールというものを確立してほしいというような感じを持っております。  以上であります。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 自治省の方は地方に必要な財源を確保した上での減額だというふうに説明をしているわけですが、我々の方はそうは認識はしておりません。実際の財政需要に対する交付税の算入の問題、本日も随分議論がありましたが、地財計画と決算との乖離の問題など、交付税で措置する分野は残されている、こういうふうに思うわけです。さらに今後福祉十か年戦略や公共投資基本計画に基づく社会資本の整備の事業がこれに加わってくるわけですから、そうすると、本来減額するような余裕は地方にはないというふうに思うわけなんですが、この点につきましても、地方行政の分野で携わっていただいております太田参考人、そして研究者の分野からの野呂参考人のお二人にこの点についての御意見を伺いたいと思います。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 この減額の問題と地方財政の余裕というようなことが直接関連できるかどうかということになるとまた問題があるだろうというふうに存じます。地方財政が余裕があるから減額するんだということではなくて、国の方がかなり厳し いから、何とか年度間調整で将来的なことは十分考えるから今回というふうに私は伺っておるわけでございまして、決して、地方財政が余裕があるから減らすというようなことはないと思います。先ほど来言われておりますように、余裕は本当にございません。私らも随分やりたい仕事もたくさんございますけれども、例えば市長査定なんかでも随分切り落としておるのもございますから、余裕というのはないわけでございますが、今回は国もかなり厳しいというようなことで大蔵と自治はそのようなお話し合いをしたものというふうに理解しております。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 地方行政需要といいますか、行政の需要、財政需要がどの程度あるかの問題、それも一つですね。これからやるべきことはいっぱいあるんだという市長さんのお話のような、そういう実際に行政に携わっているような方の意見を尊重していくというやり方も考えなければいけないこと。もう一つは、財政構造の健全化という意味では、六十兆以上になる借入金をどういうふうに返済していくかという問題もお話にありました。もう一つ、健全化という意味とはちょっと違いますけれども、地方財政構造の自主性をもう少し高めていく、そういう意味では、補助金や地方債というものを一般財源あるいは税、交付税、そういうものに振りかえていくということも一つの方法だろう。あるいは地方交付税の法定総額は、いろいろなことを工夫してもなおかつ余裕があるとすれば、もう一つ考えなければならないのは国税の地方税への移譲ということですね。そういうことも地方財政の自主性、健全性を高めるという意味では、税制の地方税のあり方いろいろありますけれども、団体間の公平の問題であるとかそういう問題も工夫しながら、地方税への移譲ということも考える一つの要因、要素ではないかというふうに考えます。  いろいろな組み合わせの中で何が最適かということをこれから研究してほしいというふうに考えます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 今年度も財源対策債等償還基金費として、財源対策債分の二千九百六十三億円、調整債分の一兆六千四百九十七億円、合計一兆九千四百六十億円を交付税で措置して地方自治体に積み立てるように、いわば実質的な強制といいますか、そういう効果をもたらすといいますか、それがあるわけですが、これは当該年度でなければ交付税措置されないので、自治体としては損をしないためにも交付税措置された年度に積み立てていくということにやはりなるわけですね。  これは、使途を特定してはならないとした法律の趣旨に反するものだというふうに思うわけですが、この方法が実は二、三年続いているわけですけれども、こういうやり方について、太田参考人は行政担当者のお立場から、また野呂参考人には研究者の立場からひとつ御意見を伺いたいと思います。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 今のお話のとおり、私は地方交付税そのものは地方固有の財源であるというふうに思っておりますし、これを使途を特定することはやはり好ましくないとは思っております。ただ、ないない、こう言って、需要額を積み上げていく段階でこれがなければほかの方に需要額がふえると思いますけれども、そういうものを需要額に積み立てるということは一向差し支えない問題で、これを必ず需要額に見られたから積むか積まないかは地方の自由だろうと思います。ただ、尊重は十分しなければならないと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 実務を担当していらっしゃる市長さんから積むか積まないかは地方団体の自由だというお話もありましたので、そうかなというふうな感じも持ちまして、これは余り厳しく追及すべきことではないのかもしれませんけれども、ただ、おっしゃるように地方交付税というのは一般財源であって、使途は特定すべきでないというのが趣旨ですね。運営の原則だと思います。そういう意味では、福祉基金にしても、何か目的を特定したりあるいはこうしなければいけないんだ、こういうふうに使わなければいけないんだという、そこまで強制するものではないように見受けます。  ただ問題は、地方に適当に渡してしまったならば何に使われるかわからない、ますます地方が余裕があるように見えてしまって、これは自治省の立場からいえば大蔵省との折衝の中で不利になってしまうというような、地方団体に対する不信感といいますか、そういうことが払拭され得ないとすれば、ある程度の地方に対する指導といいますか、そういう可能性というのは残しても仕方ない面もあるのではないか。お互いにそれは地方団体のみずからの自律性と国のそういう指導性といいますか、誘導性といいますか、そういうことと相まって進まなければいけない面も考えなければいけないというふうに感じます。  以上です。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 最後に野呂参考人にお伺いしたいのですが、参考人の書かれたものを読ませていただきましたが、自治体の行政を標準行政、全国的な視点から実施される必要のあるもの、全国的画一的行政とかナショナルミニマム、そういう説明書きなどをつけておられました。それから、その自治体が独自に実施するものとして独自行政、自主的行政とか選択的行政という表現をとっておられましたが、この二つに大別した行政を賄う財源は、基本は地方税で、交付税は全国的な標準行政を賄う地方税源の不均衡を是正するために充てるべきであるとの御意見のように伺ったわけですが、現行の交付税が地方税源の不均衡是正に十分な役割を果たしていると考えておられるかどうか。  それから米原参考人に伺いたいのですが、米原参考人の御意見としては、固定資産税の増税には批判的な意見をいろいろな論文で表明されているように思うのですが、土地に係る固定資産の評価額を地価公示価格の七割に引き上げようという方向で自治省内部でも、政府部内で検討が進められているわけですが、こういう評価の引き上げについてはどのようなお考えを持っておられるか。これを最後にお二人の参考人に伺って、質問を終わりたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 先ほども意見の陳述をいたしました際に、今御質問のことについてはちょっと触れましたけれども、地方団体間の不均衡是正というものがどの程度交付税制度によって行われているかというのは、これはよくいろいろな指標がありますけれども、人口一人当たりの地方税の収入と人口一人当たりの地方交付税の額、それを合計しましたところの地方一般財源の一人当たりの額等を比較しますと、相当程度是正されていることは確かであります。  しかし、先ほどちょっと触れましたように、標準行政と地方が自主的に行えるような行政にもう少しこれから力を入れていくとすれば、いわゆる独自行政という言葉を使っておりますけれども、そういう二つの行政を仮に大別して考えてみますれば、財政力の比較的少ないところというのはそういう独自行政といわれるものをする余裕がないように見受けられます。そういう意味では、地方交付税というものは標準行政の財源の保障であります。しかし、その財源を保障することによってもっと余裕のある、私は潜在的な財政力、財源という言葉でいっているわけですが、その潜在的な財政力というものを財政力の貧弱な地方団体にも保障するんだ、そういう考え方でなければいけないと思う。そういう意味では、貧弱団体の独自の税源を残しておく余裕というものがあってしかるべきだ。そうすると、地方交付税の対象になるいわゆる標準的な税体系というものはそういう形の保障をするような税体系でなければならない、そういうふうに考えまして、どうも個別の税を取り扱う場合に遍在性ということに余りこだわり過ぎまして、地方の税金というものは普遍的なものがよろしいんだということで、標準的な行政を行う場合でもそういうものを徴収する傾向が、そういう形の税体系が現在存在しているように見受けられるわけですけれども、それをもう少し改めまして、貧弱団体という税源の乏しいところにも独自 の行政を行えるぐらいの税源を保障するということでは、地方交付税を計算する際の標準税体系というものはもっと富裕団体の経済力に見合った税というものを、基準財政収入額でも結構ですけれども、その中で考えていく。そうすれば、おのずから貧弱団体に相対的に重い負担になっているそういう税源を軽減しながら、そちらの税源を自主的な仕事、サービスの方に回していける、そういうような形になるのではないかというふうに考えているわけであります。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 固定資産税の評価に関する御質問であったと思いますが、土地の評価というのは本当に難しいものだと私は思います。評価というものは、もし売ったら幾らで売れるかというのが物の評価であると思います。固定資産税というのは、御案内のように、民有地のほとんどすべてにかかる税でございます。ですから、これは民有地、その付近にある土地をもし全部売ったら幾らで売れるだろうかという値段で評価するのが本当だろうと私は思っております。  ところが、現在世の中で坪何千万円であるとか何億円であるとかいう価格は、ほんの一部、非常にお金持ち、非常な金融力をお持ちの企業さんだけがたまたま国土の一%か二%だけをお買いになられたときの価格がついてそういう高い値段になっているわけです。ですから、今市場価格で言っている値段で固定資産税全部を評価しなさいというのは私は随分むちゃくちゃなお考えだと思います。土地をもし全部売りに出して一体どれくらいの値段がつくのか、せいぜい時価の、今取引されている値段の半分か、三分の一つけばいい方ではないかというふうに思うわけです。そういうことで私は公示価格を、公的な評価を統一しなさいというお考えには反対であるということをずっと言い続けてきたわけでございます。  今御質問の、公示価格の七割にするのはどうかというお考えでございますが、そのときの公示価格が何かということが私はやはり問題であると思います。今通常言われておりますように、たまたまどこかの株で大もうけしたか何か知りませんけれども、大もうけした人が物すごい高い値段をつけて買う値段の七割というのでは、これはおかしなことになってしまうと思います。ただ、公示価格をまあまあ収益還元価格と申しますか、今この土地では普通一般に地代がどれくらいです、家賃がどれくらいです、ですから大体これくらいでしょうというお考えで公示価格をお決めになられるなら、その七割ぐらいというのも妥当かなと思います。ですから、結局公示価格いかんだと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 どうもありがとうございました。

森田一自由民主党

○森田委員長 神田厚君。

神田厚民社党

○神田委員 参考人の皆さん、大変貴重な御意見をありがとうございます。時間の関係もございますので、ごく簡単に御質問をさせていただきます。  まずそれぞれ三人の方にお伺いしますが、地方の時代といわれていながらなかなかその実現が難しいという状況であります。各省庁が国庫補助金や規制を持っていて、地方に財源も権限もない、こういうのが実情だろうと思っておるのですが、この現状について皆さん方はどういうふうにお思いになりますか。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 現在のところかなり権限が移譲になっておりますけれども、まだまだ金の面そしてそれに付随する権限でございますか、まあ権限の方が先でございますけれども、そういうことがまだ地方の時代といわれましても少ないということは同感でございます。したがいまして、全国市長会といたしましても、権限の問題あるいは事務の見直し等かなり前から御提言申し上げているところでございまして、これによりまして財源も付与していただきたいということでございます。  現在、三十万都市と申しますか、大体そのぐらいな都市を中心にしながら指定都市並みの権限を移譲してもらいたいということは強く御要望しておりますし、また国の方でも地方の中核都市ということで御検討しているようでございますから、これは大体私らの意見と合っているものだと思っております。ただ、それを十分検討した上で、我々が要望しております権限の移譲なり財源の付与というものができますよう皆様方にもお願いするところでございます。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 地方の財源、権限移譲のいろいろな問題につきましては、おっしゃられるように、まだまだ不十分だというふうには考えております。しかし現実には、そういう厳しい財政環境あるいは権限状況の中でも新しいいろいろな息吹が地方団体に生じているわけでして、それは民間の活力であるとかいろいろな形で言われておりますけれども、そういう形のものを地方団体が、新しい社会経済変動の中で相当程度の工夫をしながら行われているということもあろうかと思います。そこに期待を持ちながら、なおかつ国が権限を持って、財源のいろいろな国庫補助金等のそういうものの中で硬直的に財政運営を今までどおり続けていたらば相当な地方団体の反発を買って、抜本的な改革の必要性というものがだんだん出てくるんじゃないかというふうに考えております。  もう一つは、地方もこれまでと違いまして、マンパワーといいますか、あるいはいろいろなそういう自治体に携わっている人々の力もだんだん大きくなっておりますので、国の方も、これまでと違って、もっと地方を信用しまして、権限なり財源の移譲を図ってしかるべきだ、そういうふうに考えております。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 私も前の二人の先生と同じような考えを持っております。ただ、権限移譲、財源移譲はそう急に進むものとも思えませんので、徐々に、たゆまざる努力のもとに少しずつでもその方向に動いていただくように先生方に御尽力いただければありがたいなと思います。  それから一つ、今、野呂先生もおっしゃられたことなのですけれども、最近見ておりますと、地方公共団体にも非常にすぐれたアイデアをお持ちの人材が結構育ってきております。そういう地方の公共団体で独自にお考えになられたアイデアなり、新しい行政を、そういう芽を摘むことなしに、どうかひとつ温かい目で見守っていただき、それをお育ていただくという方向で国の行政もお進めいただけたらありがたいな、こういうふうに思う次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 ちょっと方向が違うかもしれませんが、地価税が今回導入をされようとしておりますが、従来土地に対する課税は地方団体が行ってきているのに対し、地価税は国税として導入されることになっています。この点についてお三人はどのようにお考えでありますか。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 土地に関する税制は、私は、シャウプ勧告以来の地方と申しますか市町村に対する税だというふうに現在も思っておりますし、またそうあるべきだというふうに思っております。したがいまして、今回の地価税というものは、まず財政という対策以外に政策税制だというふうに思っておりますので、本来的には固定資産税なりそういうものでやるべきものを、地価税というものが国税で政策的にしたということはそれなりの意味はあると思いますけれども、市長会としては、本来的に土地に関する税は市町村に任せていただいた方がいいのじゃないかというようなことを強く申し述べておきたいと思います。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 考え方の基本といたしましては盛岡市長さんと同じように考えているわけですけれども、ただ一つ、固定資産税のあり方との関連で、こういう国税となったことによって地方税の固定資産税との競合関係が出てきますので、固定資産税のあり方というものをもっと真剣にこれから自治省等で工夫していただけるのじゃないかというふうに考えております。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 先ほど来申しておりますように、私は地価税というものは余り評価しておりません。今塩川先生がいらっしゃらないのでちょっと気が楽ですが、やはり理論的に考えましてあの税で都市の住民がよりよい住宅に住めるようになるとはとても考えられないわけでございます。です から、私、税制調査会の土地小委員会に出席させていただきまして、たった一人で反対ばかりしてきた人間なのですけれども、もう話し出したら一日でも二日でも切りがないくらい申し上げたいことはあるのですけれども、それはもう時間がございませんのでやめさせていただきまして、先ほど先生方御発言いただきましたように、土地に対する税というのは固定資産税なり都市計画税なりで、地方の手で大事に育てていただきたい、それが一番いい方法ではないだろうかと思っております。

神田厚民社党

○神田委員 私も、地価税は、地価も下がらないし、宅地の供給もできないだろうと思っておりますので、早期の見直しを今後とも要求をしていくつもりなんですが、大変大きな問題だと思っております。  それから、東京一極集中の問題が出ておりまして、これは地方の関係がありますけれども、東京と地方の格差が広がっているという状況の中で、現在の東京一極集中の現状をどういうふうに考え、またその是正策などについてはどういうふうに先生方は思っておりますのか、国に対してどういう希望がありますのか、そういう点をひとつお聞かせいただきます。

太田大三全国市長会相談役・盛岡市長

○太田参考人 地方の時代といわれながら、残念ながら東京一極集中ということがいわれております。いろいろな問題点があると思いますけれども、国の機関を地方に移すということも一つの問題でございましょうし、それでなければ、先ほど来言っておりますように国の権限を大幅に都道府県なり市町村に移すということも必要だと存じます。一極集中ということは東京ばかりじゃございませんで、例えば私が属しております東北地方に参りますと、今度は仙台にかなり集中しております。国の機関なんかも地方機関がほとんど仙台にありますから、そういうこともあるわけでございます。例えば私が属しております岩手県に参りますと、今度は盛岡にかなり集中するという、これは一面では避けられない点もございますけれども、そういう権限の移譲なり機関の移転というようなことも真剣に考えていただきたいなというふうに私は思っております。

野呂昭朗立教大学経済学部教授

○野呂参考人 東京一極集中問題というのは経済合理性で生じた面もないとは言えませんけれども、バブル経済といわれるようにそういう側面が非常に大きいと思います。それからもう一つは、いろいろな行政権限なりが東京に集中しているということも相乗効果を生み出してそういう結果になっていると思います。  ただしかし、この日本国土の均衡ある経済社会の発展というのは、いかなる人であろうと望んでいるわけでして、地域の活性化ということで今いろいろな地方の地域の経済力なりあるいは行政サービスなりに非常に力を入れられているということは好ましい傾向であります。特に私は、米原先生にはちょっとしかられるかもしれません、私も経済学ですけれども、いわゆる経済力の弱いところあるいは税源、財政力の弱いところ、そういうところに思い切って財源なりお金をつぎ込むことによって地域の活性化を図り、それが一つの契機になって発展していく、そういうことも無視できないことだろうと思うのです。そういうことを考えないと、そういうところは効率が悪いから、お金をやると、配分していくと財政の非効率なんだ、そういう考え方じゃなくて、もっと思い切った政策をとるべきであって、地方交付税なんかもそういう意味で大きく改革していただきたい、そういうふうに考えている次第でございます。

米原淳七郎追手門学院大学経済学部教授

○米原参考人 一極集中の問題でございますが、私は、結論から申しますと、一極集中を分散させるのはまず現状においては無理だろうと思っております。一極集中は、もうこれは仕方がないこととしてある程度認めざるを得ないのではないのか。  ではそれをどうして解決するか。現在東京都付近に固まっております経済活動なり行政活動をその周辺に少しずつ、宇都宮でありますとか大宮でありますとか千葉でありますとか横浜とかいうふうに少しずつ拡大していく以外、これを大きく大阪に持っていけとか名古屋に持っていけとか仙台にというようなことは、現実問題として非常にできないことだろうと思います。したがいまして、先ほど申しておりますように、この東京周辺の宅地開発なり道路整備なり鉄道整備なりをしていかざるを得ないのではないだろうかと思います。  それから過疎の問題でございますが、私も野呂先生の御意見に全く賛成なんですけれども、やはり地方も活性化しないといけない。ただ、活性化するときにどこもここも活性化するといったってできないから、地方は地方でどこか中心をおつくりいただいて、そこで効率を上げて活性化していただかざるを得ないだろうというふうに思うわけです。  この点でまたちょっと余談を、要らぬことを申しますけれども、最近国会の議員の先生方の定数是正とかいうようなことも出てきておるわけでございます。いろいろお話をお聞きしておりますと、どうも人口割りでいかないといけないというお考えが、これは裁判所の方にも強いようでございますが、もしそういうふうになってしまったら過疎はいよいよもうあかんな、これはもう捨てられてしまうなと。ですから、国会議員の先生方の代表の問題にしましても、アメリカの上院で各州二名というようなお考えがございますように、人口も一つの基準でしょうけれども、過疎も大事にしていただくということで、過疎代表といいますか地域代表という形での人数割りということもぜひお考えいただきたいな、こういうふうに思っておる次第でございます。

神田厚民社党

○神田委員 選挙の関係で、先生おっしゃっていましたように都会にどんなに定数を与えても投票者が、投票率が五〇%だというようなことがあったり投票率が極端に悪くなっておりまして、そういう点は私は先生の意見に大変賛成でございます。  お三人の先生、ありがとうございました。終わります。

森田一自由民主党

○森田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして心から厚く御礼申し上げます。  ありがとうございました。(拍手)  次回は、明十八日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時三十三分散会

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