地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 153 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/02/28
会議録
○森田委員長 これより会議を開きます。 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小坂憲次君。
○小坂委員 私は、自由民主党の小坂憲次であります。二月十四日当委員会において行われました吹田大臣の所信表明に関連し、質問をさせていただきます。 まずもって、新任の吹田大臣には、内外情勢まことに多事多難な今日、二十一世紀の国際社会において大きな役割を期待される日本の国づくりという重要な役割を担うところの自治大臣兼国家公安委員会委員長に御就任なさいましたことに、心からお祝いを申し上げ、大きな御活躍を期待いたすものでございます。 さて、まず、今後の地方財政の見通しに関連してひとつお伺いいたしたいと存じます。 さきの第百十八特別国会において、公共投資十カ年計画として四百三十兆円の投資が決定いたしたわけでございますが、一方、国の補助率については関係の皆様の御努力もありまして、今般六十一年度のレベルまで復元され、今後三カ年継続することが決定をされておるわけでございます。四百三十兆円という公共投資の飛躍的な増大は、それが不均衡の是正という観点において、地方の生活基盤並びに環境の整備という点において大きく貢献するものと期待を込めて歓迎をいたしますが、これに対応して地方自治体の負担も増大するわけでありますから、果たしてこれがどのようにして負担をしていけるのか、そういった点が心配になってくるわけでございます。 平成三年度の地方財政計画全体の伸びは五・六%でございます。このうち地方単独事業の伸びは一〇%となっているわけでございますけれども、教えていただきたいのは、今後このペースを維持できるのか、そして、地方負担の割合はどの程度となってくるのか、そして、これらの状況を踏まえて今後の地方財政の見通しについて御意見をお伺いいたしたいと存じます。また、補助率についても三年を待たずにこれを見直していただきまして地方自治体の負担軽減に御配慮をいただきたいと考えるわけでございます。大臣の御見解をお聞かせください。
○吹田国務大臣 お話ございましたように、四百三十兆というこれからの十カ年計画を進めていき、国土のできるだけの均衡を図っていくという自治省の基本的な考え方は、従来どおりの考え方でこれは進めていかなければなりませんが、特に四百三十兆というものは生活関連というものが基本的な考え方であります。私は従来から持論として言っておるのでありますが、生活関連ということになりますと、どうしてもその主体が人口の多いところにその生活関連事業というものがふくれてくる可能性がある。ということを考えてまいりますと、先ほど申し上げた国土の均衡ある発展という立場からいたしますと、人口が非常に少ない地域に対する公共事業の推進、生活関連の事業というものの枠がそれなりに少なくなっていくということを考えてまいりますと、やはり私はそういった生活関連の中にも国土の均衡ある発展というものを前提とした、そういう面が大いに入っての四百三十兆というものを進めていかなければならぬのではないか、こういうふうに思っているわけであります。もちろん、そういった点から考えてまいりますと、それぞれの地方の、弱い地域に対しましてはそれが十分こなせるような、いわゆるそれを消化できるような、そういう体制を財政的にも考えていかなければならぬのではないか、こう思っているわけでありまして、最善の努力をいたしたいと思っておりますが、細部にわたりましては、担当から御答弁させます。
○小林(実)政府委員 補足して説明をさせていただきます。 この四百三十兆の公共投資基本計画につきまして、地方負担がどうなるかというお話でございましたが、この基本計画につきましては、事業主体とか事業部門ごとの内訳がはっきりしておりませんから、的確にその地方負担の額を示すことができないわけでございますけれども、過去十カ年の状況を決算統計等によりまして推計いたしますと、約六割、こうなっておりますので、大臣がお話ございましたように、これからは住民生活に関連した社会資本の整備ということでございますので、最低でも六割は地方が負担する、こういうことになろう、こういうふうに思っております。 それから、今後の取り組みにつきましては、単独事業、明年度一〇%でお願いいたしておりますが、でき得る限り努力をさせていただきたいというふうに思います。 今後の地方財政の見通しにつきましては、最近は中期的な健全化のための措置が講じられておりますけれども、なお借金が多いということ、それから仕事の面では社会資本整備の充実とか、あるいは高齢化社会の進展への対応等、たくさんやるべき仕事がございますので、これらの多額の財政需要に対応する必要がございます。特に私どもは、地方財政につきましては、三千三百の地方団体がございまして非常にいいところと悪いところがございますので、そういう財政需要もそれぞれ異なっておりますので、特に財政力の弱い地方団体につきましての財政措置を十分に講じていかなければいけない。総じて言いまして地方財政は決して楽観できる状況にはないというふうに認識をいたしております。 それから、補助率につきましてのお話がございました。平成三年度、一部ではございましたが、六十二年度カット分を復元することができたわけでございます。今後につきましては、体系化、簡素化等の観点から、関係省庁間で検討を進めて、結論が出次第、逐次実施に移すということになっております。今回の覚書におきましては、公共事業関係官庁、建設、運輸、農水等も入っておりますので、そこで議論を詰めてまいりたいというふうに考えております。
○小坂委員 過去の経緯等踏まえて御説明をいただきましたが、おっしゃるように、これから生活関連枠、どんどん増大をするわけでございます。過疎化に歯どめをかけ、均衡ある発展のためにも、ぜひとも負担の軽減になお一層の御努力をお願いいたしたいと存じます。 さて、廃藩置県以来百有余年たちまして、今日の都道府県と市町村の二段階によります地方自治制度は成功し、大きな役割を果たしたと考えられますが、近年、高速交通の発展に伴い、産業経済活動の広域化、人的交流の広域化、余暇の活用と生活の多様化等々の変化が顕著となってまいりました。例えば遠距離通勤者が増加をし、住所地には週末しか住んでいないとか、リゾートに住んで都会に働きに通う人が出てくるとか、あるいは本社を周辺の都市に移転をしている、また、新たな職業人といいますかタイプとしてフリーアルバイターというような職業人も登場する等々、大きく変わってきております。このような変化は、不在者を増加させ、情報の不徹底による行政サービス面での対応の複雑化を招き、またゴミ処理の広域化を初めとした種々の問題を提起いたしております。 これに対応していくためには、例えば通勤地と住宅地域の連携、水源地域と下流地域、都市とリゾート地域、生産地と消費地といったいろいろな観点から地域間の連携を考え、円滑化する広域的な行政の対応が必要になってきているのではないかと考えるわけでございます。すなわち、広域的な役割分担、地域分担という考え方を取り入れた新たな行政のシステムづくりが必要な時期に来ていると思います。そして、こういった対応は、非常に時間のかかるものでございますから、今のうちからしっかりとした計画を立ててこれに取り組んでいくことが必要と考えます。これに関しての将来的な展望を含めた自治省の御意見、御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○吹田国務大臣 ただいま小坂先生おっしゃるように、行政の広域化というのは市町村もさることでありますが、県段階におきましても非常に大事なことであります。特に近時、時間の非常な圧縮がされてまいりました。それは交通網の整備の問題、距離が短縮したことはそういった点に出ておりますし、通信行政の推進によっての時間短縮が出てまいりました。いわゆる時間と距離が非常に縮まってきたという状態の中で、これからの行政というものは合理化が前提になってまいります。そういった前提から申しますと、市町村行政というものは、直ちにそれを合併するかどうかというような主体性はその関係地域にあるわけですけれども、それはそれとしまして、行政的には広域的に事を進めていくというのが非常に適当ではないかというようなことを考え、広域市町村圏というものが昭和四十四年から推進されているわけでもありますし、今後もこれが大いに推進されていくであろうと思っておりますし、都道府県関係におきましてもこの広域体制というものは、これから都道府県連合という考え方でどんどんと進められていく。近く発足されるとされております第二十三次の地方制度調査会、こういったところでこれらが調査検討されるというふうに伺っておるわけでありまして、私は、こういった方向で極力広域化された形で共同処理されるということが必要ではないかなということが一点。 それからこれは私の主観になりますが、自治省が言っておるというわけでなしに、大臣として、政治家として考えますことは、特に道路網の整備というのが非常に大事ではないか。そのためには建設省の道路局長にも先日お越し願って私からも要請したのでありますが、今年度の予算編成大綱の中にも入っておりますように、特に雪国あるいは僻地、そういったところにおいては山が非常に多いわけでありますから、こういったところには隧道を抜く。トンネルを抜く。トンネルを抜きさえすれば非常に遠く一定地域に通勤する距離も縮まってくるということも考えられますから、今までのようにメーター当たり幾らというような単価計算をしての道路整備でなしに、利用者として、過疎地域あるいはまた僻地と都市、働く場所との連携をいかに強めていくかということについての予算投下が必要ではないかというようなことを言っておるわけでありまして、そういった面からさらに今後も道路整備等を中心に配慮していきたいものだな、そうすれば広域化というのはさらにさらに促進される、こう思っております。
○小坂委員 大変に前向きなお考えをお聞かせいただきましてありがとうございました。 東京一極集中の是正とか多極分散型国土の建設とか、随分やかましく言われ、私どももよく口にするわけでございますけれども、また昨年十一月七日には衆議院の本会議において国会移転に関する決議も行ったわけでございますが、こういうことで唱えておればこれが是正されるという問題でもないわけでございまして、確かに今でも地方交付税法や過疎地域活性化特別措置法を初めとした種々の法令によって過疎地域、いわゆる弱小団体に対する支援措置が講じられているところでありますけれども、まだまだ不十分であると考えるわけでございまして、例えば私の選挙区であります長野県におきましても、特別豪雪地帯あり、辺地、過疎と言われる地域ありで、この実情はまことに苦しいものでございます。何とか抜け出ようとして積極的に起債事業を進めれば、過疎プラス高齢化といったことで、起債過剰に陥りかねないということで、返済がなかなか困難になってくるという事情もございます。私はこういった地域に対して今以上の財政上の支援措置を望むものであります。 具体的に申し上げますと、一つは、現在年間百十五億円が計上されている特別豪雪対策債の計画額の増額であります。また二つ目は、辺地対策事業に対する地方債措置の充実であります。平成二年度においては過疎法の改正に伴い過疎対策事業債の対象事業が拡大されておりますけれども、これとの均衡を図る上からも辺地対策事業債の拡充をぜひともお願いをいたしたいと存じます。具体的には小規模下排水処理施設、高齢化福祉増進施設、生産加工施設等のこういった事業に対しましても、辺地事業債の対象を拡大していただいて充実を図っていただきたいということでございます。いろいろ申し上げますけれども、要は、豪雪地帯とか辺地という地域のいわゆる自然的な、地理的な、社会的条件に伴う住民生活の基盤整備の立ちおくれを何とか克服して、これらの地域に住む人々にも福祉の向上を図りたいと考えるわけでございます。ぜひとも大臣に御尽力をいただき、また、自治省としてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○吹田国務大臣 お説のとおりでありまして、私も長い間地方に政治活動を置いておりましただけに、地方の過疎地域あるいは辺地、そういったところの住民の心というものは嫌というほど味わってきておるわけでありますし、今先生のおっしゃるとおり、そういう地域においてどうして過疎化が進むんだといえば、言うてみれば社会資本の充実がおくれているわけでありますから、社会資本がおくれればおくれるほど過疎化は進展していく、こういうことになってくるわけでありますし、さらに、生活の一つの基準と申しましょうか、生活していく構成の基本というものが崩れてまいりますと全部そこから出ていかなければならなくなりますね。そういったことを考えてまいりますと、やはり社会資本の充実を図っていく。環境の整備を図っていく。それは経済的に引き合うとか引き合わないとかいう問題ではありませんから、地域社会の環境整備をするということは計算ではありませんから、そういった意味で、そういう地域の住民のために事を進めていかなければならぬということになりますと、それなりに公共事業における負担分というものは出てまいりますから、これを過疎債でカバーしていく、あるいはその償還についても、特に交付税で償還七〇%をカバーしていくというようなことについては、自治省も全力を挙げてこれから進めていくという構えでおりますし、担当局長から詳しくは説明させます。
○小林(実)政府委員 特に豪雪債と辺地債につきましての御質問でございましたので、補足して説明をさせていただきます。 豪雪債でございますが、これは市町村の道路とか、あるいは除雪機械とか、あるいは関連防雪施設の整備に要する資金について起債を認めるものでございまして、従来百十五億で大体間に合っておったのでございますが、ことしは申請が多いようでございまして、私どもといたしましては、何とか地方債計画の中でやりくりをいたしまして対応してまいりたいというふうに思っておりますし、今後の計画額の枠につきましても検討させていただきたいというふうに思います。 それから辺地債につきましてのお話がございました。過疎債につきまして平成二年度から範囲を拡大いたしまして、具体的にお話がございました高齢者の福祉の増進を図るための施設とか、あるいは下水処理のための施設とか、あるいは地場産業の振興に資する施設、電気通信に関する施設等につきましては辺地債の対象にもし得るように、関係省庁と協議を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○小坂委員 大分時間も迫ってまいりました。最後の質問になるかもしれませんが、国体、国民体育大会は国民の体力の向上、健康増進に大きな役割を果たしましたが、同時に地域づくりにも大きな実績を上げてきたわけでございます。明日三月になりますけれども来る六月十五日には、英国のバーミンガムにおきまして第十八回オリンピック冬季大会の開催地の決定が行われるIOCの総会が開かれるわけでございます。日本からも長野市が立候補いたしておりまして、ぜひともこのオリンピック招致に関連いたしまして大臣の御協力をお願いいたしたい。おかげさまで、さきの国会決議に基づき、海部総理大臣を先頭に自治省を初め各省の皆様に御支援をいただいて順調に招致運動は推移し、大変有望な状況でございますけれども、首尾よく長野市が冬季オリンピックの開催地に決定いたしました折には、開催に支障を来すことのないように、公共投資の優先採択あるいは開催競技施設の充実にぜひとも国の絶大な御支援を賜りたい。財政的な支援を含めた支援態勢づくりにぜひとも大臣の強力なお力添えを、また御高配を賜りたいとお願いをいたし、この点についてぜひとも御意見を賜りたいと存じます。
○吹田国務大臣 極めて大事な問題であります。私もぜひひとつ、この冬季オリンピック問題につきましては、長野に誘致が決定されるように期待もしておりますし、またそういったことを図っていくように御協力を申し上げなければならぬな、こう思っております。そういったことにつきましての諸施設を整備していくという問題からの財政負担の問題がありますけれども、それにつきましては関係地方公共団体や関係省庁ともよく協議をしまして、そういった関係地域における町村の財政運営の上に支障のないように御協力を申し上げていきたい、こう思っております。
○小坂委員 ありがとうございました。 このほかにも青少年の健全育成、あるいは今後の消防の体制、救急の充実等、いろいろとお願いしたいことは多々ございますけれども、またの機会にいたしまして、今後の御活躍を期待し、質問を終わらせていただきます。
○森田委員長 中沢健次君。
○中沢委員 大臣とはこの委員会で初めてお手合わせをするわけでありますが、これからこういう機会がたくさん出てくると思いますけれども、今後ともよろしくお願い申し上げます。 失礼ではありましたが大臣の経歴をちょっと調べさせていただきましたら、若くして田布施の町長をされて、山口の県議会に出られて、県議会の議長もされて、私流に言えば、議会の子であり地方自治の子である、党派は違いますけれども、このように評価をしたいと思うわけであります。私も北海道の四区の夕張という炭鉱の町の出身でございまして、後ほどまた具体的な指摘をしたいと思いますが、新大臣にとりましてもふるさとは非常に大事なところ、各先生方も同じ思いだと思います。 さてそこで、後ほど各論はいろいろやりますが、総論的に大臣の見解あるいは決意をお尋ねしたいのであります。 いずれにしても地方自治の置かれている行財政、現状からいうと非常に厳しい。その中で特に地域振興策について言いますと、補正を含めて八九年度で、当時の総理大臣の目玉の政策としてふるさと創生事業が出てまいりました。市町村の大小に関係なしに一億円ずつ配分をする、こういう事業が始まりまして、昨年度はそれを一つのベースにしておよそ一兆円の地域の振興構想というのが出されてまいりました。それがずっと政策的には延長している、こういう状況だと思います。ただ、例えば国勢調査人口などをいろいろ分析いたしますと、大ざっぱに言えば、全国の人口は若干ふえておりますけれども、一極集中が裏返しをいたしまして全国的には大変な過疎化現象も出ている。先ほど来の議論で大臣が答弁されましたように、生活基盤あるいはいろいろなことをやってもやはり過疎化現象がある、こういう認識も示されました。 そこで大臣に総論としてお尋ねをしたいのでありますが、大臣としてこの地方の行財政の現状をどう認識されているか、とりわけ地域振興についてどういう自分としての政治哲学をお持ちなのか、まず、簡単で結構でございますからお聞かせをいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 先生のおっしゃるように私は全く地方の出身でありまして、昭和二十七年からの村長からの振り出しで今日にあるわけでありますから、地方と中央通しますと約四十年に相なります。一貫してこういう政治的な仕事にずっと携わってきたわけでございますが、今おっしゃるように、私は、やはり地方自治の精神からいきまして、国の政治のよしあしというものの物差しの中で相当大きなウエートは地方自治というものが、国土の全体的な均衡ある発展と地方自治がいかに立派に進められておるかということによってある程度のバロメーターと言っても過言ではないのではないかというような気がするわけであります。それだけに、自主的に主体的にその地方自治の精神に基づいて運営ができるように国はお手伝いするんだという考え方で、国がいろいろのことを、はしの上げおろしまで指示するのでなしに、いかに民衆の皆さんの民意に基づいて当選した首長さんや議会の皆さんが自主的にやれるかということにお手伝いできるような配慮をしていくのが、地方自治の法に基づいた基本的理念でなければならぬ。それには今日まだまだ改善しなければならない点がたくさんある。それは地方分権の問題もあり、先生おっしゃった地方財政の確立の問題もあります。そういった意味からも、これからさらにさらに事を進めていかなければならぬ。 それと、今お触れになりましたが、ふるさと創生の問題もあります。これにつきましてもせんだってから閣僚で協議をしておりますが、このふるさと創生の基本的理念を中心にした活力倍増運動というものを進めていこうという話になっております。言ってみれば活力倍増というのはやる気倍増、やる気がなければだめですから、やる気倍増をひとつ図っていこうではないか、こういうのが政府の考え方なんです。私は、これがふるさと創生の根本的理念から進んでおるんだ、みずから考え、みずからこれを推進し、それを国が援助していくんだ、こういう考え方から進めていくんだということになれば、ぜひひとつこれはこれから各省庁で、大いに地方自治の中でそういう形で推進してもらいたいものだなと思っておるわけでありますし、私も全力を挙げてこれからも個性豊かな、自主性、主体性を持った地方自治体をつくっていきたいものだ、こう思っております。
○中沢委員 今大臣の方から、自分の人生経験といいましょうか政治経験を通じまして地方自治に対する政治哲学の披瀝がございました。私はあえて申し上げますと、党派はもちろん違いますけれども政治哲学というと共通するところが多いと思います。ただ、やる気倍増ということは同時にそれの裏打ちが、行政的にも財政的にも倍増しなければいかぬ。こんなことは大臣百も承知だと思いますが、そのことだけは総論の問題では少し指摘をして、以下各論について具体的にまた大臣とも、あるいは政府委員ともやりとりをさせていただきたいと思います。 さてそこで、人口の国勢調査の速報値が出てまいりました。人口減少の自治体への財政措置につきましてこれから幾つかお尋ねをしたいと思います。 もちろん、総務庁でありませんから自治省としては国勢調査の人口の詳細は数字としてはなかなかお持ちではないかもしれませんが、まず具体的にお答えをいただきたいのは、昭和六十年と平成二年の国勢調査速報値、全国的に日本の人口の推移がどうなっているか、この程度の数字はお持ちだと思います。お答えをいただきたいと思います。
○浅野政府委員 お答えを申し上げます。 増加率で申し上げさせていただきたいと思いますけれども、昭和六十年と平成二年とを比較しますと、全国的には二・一%の増加になっておるということでございます。
○中沢委員 そこで、もちろん公表されておりますから少しく私の質問の前提となる数字を申し上げておきたいと思いますが、総人口では一億二千三百六十一万人、答弁ありましたように二・一%日本の人口は増加をしておる、これは結構なことだと思うのでありますが、問題はその内容でありまして、人口の減っているところは四十七都道府県のうち、北海道もそうであります、実に十八都道府県。市町村の数は三千二百四十六でありますが、そのうち人口の減ったのは二千六十六、市町村では六四%、つまり三分の二が人口が減っている。こういう状況が現実の姿だと思うのですね。特に北海道の場合は、残念ながら二百十二の市町村のうち百八十九も減っているのです。これは一言で言えば大変な過疎化現象だ。特にその中で、全国の都市のうち人口の減った順番でずっと数字が示されている。人口が減るということは私はベストではないと思うのですね。どちらかというとワーストの方じゃないでしょうか。ところが大臣、ワーストファイブ全部北海道の産炭地なんです。ワーストワンは、残念ながら我が生まれ育ったふるさと夕張なんですね。 ですから、そういうことを具体的に、事実としては数字もお持ちだとは思いますが、念頭に置いていただいて、さてそこでお尋ねをしたいのでありますけれども、国勢調査の時点、つまり五年に一回人口がふえたり減ったりする。交付税ではそのことについて、もちろん制度的な補正も、特に減少地域についていえば減少の補正というのを大臣御存じのようにされているわけです。さてそこで政府委員に具体的にお尋ねをしますが、現在やっている人口急減の交付税上の補正の中身、簡単で結構ですから御紹介いただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 平成二年度の場合で申し上げますと、国勢調査の人口によりまして六十年に減っておるところにつきまして、初年度〇・九あるいは〇・七を復元するという方式をとっております。そのほか、過去におきまして、例えば五十五年と三十五年の人口を比較して、あるいは四十年と六十年の国調の人口を比較いたしまして、それにつきまして復元をするということも要素に入れておりまして、その両方の算式によりまして出てきました率のいずれか係数が大きい方を使いまして人口の急減補正をいたしておるわけであります。 考え方は、人口の減少が直ちに行政需要の減少につながるわけではございませんので、またそういう団体につきましては、人口一人当たりの単価が割高になるという状況を反映させて行政水準の維持確保を図るという観点から行っておるものでございます。
○中沢委員 さて、今お答えがありました、つまりは激変緩和措置ということでは交付税上やっている、おっしゃるとおりだと思うのですね。ただ、その場合は初年度〇・九、最終年度が〇・一ということで漸減方式、これは国の制度は大体そういうことが共通されていると思うのです。 さてそこでもう一つ関連をしてお尋ねをしたいのは、夕張の例は私の出身でありますから明らかになっても特別問題がないと思いますのであえてお尋ねをしたいと思いますが、人口が減ったということとあわせまして、昭和六十二年度から短期的に人口が減った特別の補正も制度的に導入をしていただいている。あるいは産炭地全体は産炭地補正もかなり以前から入っている。したがって、人口が減った割には夕張は非常に交付税の配分が多額になっているという事実、これは私も認めております。さてそこで具体的にお尋ねをしたいのは、平成二年度の普通交付税の夕張の配分額と、そのうち補正でどの程度カバーされているか、具体的な数字、ほかの委員の方にもいろいろこれから参考にもなりますので、お聞かせをいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 先ほどは人口急減補正について御説明をいたしましたが、そのほかに、そういった団体におきましては短期急減補正というのを始めておりますし、産炭地補正が加味されるところも多いわけでございます。御質問は、夕張市の普通交付税につきまして、平成二年度におきましてどういうことになっているかということでございます。夕張市の普通交付税額、平成二年度でございますが、六十八億円でございます。このうち、人口急減補正及び産炭地補正によりましては約九億、それから、最近行ってきております短期急減補正におきましては約二億でございまして、両方合わせますと十一億ということになるかと思いますが、六十八億の約二割ということになっておるわけでございます。
○中沢委員 あわせて、関連がありますから、今指摘をされお答えもありましたが、短期人口急減補正というのは、夕張に限らず急速に人口が減ったところに対するカバーとして導入されているわけですね。さて、短期人口急減措置の平成二年度の実績について改めてお尋ねをしたいと思います。
○小林(実)政府委員 短期急減補正でございますが、これは炭鉱閉山、あるいは鉄鋼、造船不況、あるいは北洋減船等々いろいろな事情がございまして急激に人口が減ったところにつきまして、住民基本台帳の人口をもとに補正をいたしておるものでございます。平成二年度の実績でございますが、全国で三十団体でございまして、措置額は十億二千五百万円、こういうことになっております。
○中沢委員 さて、今のような具体的な事実も含めていろいろお答えもいただきました。どういうことが実態であり、問題点かということはそれぞれ御理解をいただいたと思うのです。 私は、全国的な問題として、人口の減った市町村が全国の三分の二も存在をする、今の交付税の人口減少の補正という制度、果たしてこれでいいんだろうか。もっと減少率を緩やかにしていって、人口が減っても行政需要がそう簡単に減らないということを局長も答弁されているわけでありますから、減少させるにしても、この際、九、七、五、三、一というのをもう少しなだらかに減少させていく、そういう本体としての見直しの必要が一つはあると私は思うのです。もう一つは、急速に人口の減ったところ、これもやはり単年度措置とはいいながら、六十二年度から毎年度毎年度この委員会で指摘をして制度的にずっと継続をしている。私の計算では、昭和六十二年度以降の具体的な地方に対するその種の財政効果としては四十億ぐらいあるわけです。これは、やはり当該の自治体というのは非常に期待されている。 そこで、以下もう政府委員の方は結構でありますから、大臣にお尋ねをしたいのでありますが、今私が申し上げましたように、地方交付税の措置としての今の制度の見直しの必要性、私は必要性があると思います。同時に、短期人口急減補正についても、単年度措置とはいいながら、やはりこれは継続ということで平成三年度も必要ではないか。これは、前大臣とやりとりをやりました最後の、たしか十二月十八日の委員会だと記憶をしておりますが、奥田自治大臣は、単に前向きというよりもとにかく一生懸命やりますという、そういう非常に積極的な御答弁もいただいてもおりますので、その辺も踏まえまして、大臣の方からこの点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 これは非常に深刻な問題ですね。ですから、さっきから政府委員から答弁しておりますように、自治省としましてもこれに対しましては厳しくこれを取り上げていかなければならぬという気持ちであるようでありますが、私もその点につきましては委員と全く同感であります。 ただ、今、地方交付税制の一部改正法案を提案しておりますから、まずこれが通らなければいけませんから、まずこれをひとつ通していただきたい。そしてその上で十分配慮していきたいものだな、こう思っておりますし、ただ短期で一年ほどやったらそれでいいというものではありませんから、これを今後の問題として存続することについては十分念頭に置きながら、御趣旨に沿って努力していくように私も考えてまいりたい。しかも、前大臣もいろいろとそういう点についてお触れになっていらっしゃるようでありますから、私もそれを少なくとも進めてまいりたい、こう思っております。
○中沢委員 いずれにしても、きょうは大臣質疑でありますから、お互いにこの程度だと思いますが、今度は交付税の審議の際にもう少し具体的に私の方も指摘をして、より具体的な御答弁もぜひ期待をしておきたいと思います。 さて、次の問題に移りますが、地方財政問題について幾つかお尋ねをしたいと思うのです。 まず、今度の地方交付税あるいは地方財政計画、総体的に見てみますと、やはりいろいろ問題はあると思います。それで、その中で私はまず第一に取り上げたいのは、どう考えましても地方交付税というのは、自治省の皆さんも共通認識だと思いますが、一般財源である、これはもう間違いがない。しかもこれは全国の共有する一般財源でありますから、これは直接扱う自治省としても、その扱い方、さばき方、これは慎重の上にも慎重を期してやる、これは当たり前だと思うのですね。ところが、平成三年度でいいますと、五千億円が減額になっている。実はそうではないのだという説明も事前には聞いております。しかし、表面的に見ますと、入り口のところで五千億減額になっておりますから、一体これはどうしたことだということが、私に限らず、地方へ行きますと、地方の首長さんが、やはりこれはちょっと問題ですねということを、向こうの方からも話題として出されてくるわけです。まず、その五千億がなぜ減額したのか。もっと言いますと、それに加えて特例加算分の二千五百四十五億を含めると、約七千五百億という減額になる。部分的には借金返しという特例の問題なんかがありますから、部分的には理解もできないわけではありませんが、総体的な問題としてなぜ五千億を減額したのか。 もっと言いますと、昨年の委員会の議論でも、大蔵省からこの際、交付税の三二%の税率を下げれ、下げないのであれば大蔵省側に財源をよこせ、そういう露骨な表現は別にして、非常に政治的なやりとりのあったという事実についてもいろいろ議論をした経緯、もちろん、そのことを踏まえてお答えをいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 平成三年度の地方財政対策につきまして、特に交付税の五千億減額につきましてのお尋ねでございます。平成三年度の地方財政対策の中ではいろいろございましたが、国庫補助負担率の取り扱いとともに、この交付税の減額問題が一番大きな問題でございました。 結論的には、我々が取り組んでおります地方財政のいろいろな課題、特にふるさと創生関係の施策とか、あるいは公共投資基本計画に絡みましての地方単独事業につきまして大きく伸ばすことができた。それから、地域福祉を充実するという観点から地域福祉基金の創設や、あるいは一般行政経費につきましても、福祉系統の経費につきまして、財政計画上大きな伸びを確保することができました。一方、中期的に見まして、地方財政につきましても健全化の要請があるわけでございますが、交付税特別会計での借金返しとか、あるいは、五十年代あるいは補助金カットが行われまして以降地方団体が増発を余儀なくされました地方債の償還につきましての措置、その財源手当てができたということがございました。その上で歳入構造につきましても、一般財源につきましても、地方財政計画ベースでは六九・五という財源を確保できるというような状況になってきたわけでございます。こういう状況のもとで、地方の共有の一般財源であるということは十分承知をしておるわけでございますが、大蔵当局からは協力要請がございまして、折衝する過程におきまして地方財政に実損を与えない形での解決を図った、こういうことでございます。 五千億のうち約四百九十八億は、昭和六十年度の補正予算における地方交付税の特例措置に関する返済額がまだ残っておりまして、その一部を国に返済することにいたしたわけでございます。それから、四千五百二億につきましては、交付税特別会計に残ります借金の残高に相当する金額でございまして、これにつきましては、平成四年以降十年間で地方が国に返すという約束になっておったものでございまして、これに相当するものを減額いたしまして、その償還につきましては、償還計画に見合いまして国の方から交付税に加算をしていただきまして返すというようなことで話がついたわけでございます。この措置は、地方交付税の総額の安定的な確保という見地から許容されることではなかろうか、また、国の予算編成にも協力し得るものとなるということで行ったものでございます。 大蔵当局とのやりとりにつきましてはいろいろございまして、私が最終的に向こうと接触した場面におきましては、交付税率とかそういうお話ではございませんで、交付税につきましての減額といいますか現ナマでの協力要請であったわけでございます。 それから、平成三年度の法定加算額二千五百四十五億についてでございますが、これもいろいろ過去の経緯がございまして、補助金カットとか国保に絡みまして自治、大蔵の間で約束をいたしましたものにつきまして加算をするという額につきまして、平成三年度以降加算をするという約束をいたしましたのは、当時におきましては交付税特別会計の借金返しがございまして、特に平成三年度以降ございまして、それに合わせまして将来加算するというようなことで法律でお願いをしておったわけでございます。 財政措置の内容につきましてはいろいろ御意見があるかと思いますが、当初申し上げましたような、歳出面あるいは財政の健全化という面等々である程度の見通しが出てまいりましたものですから、これは今後の地方財政の中期的な健全化という観点から、後年度に繰り延べるのが適当であるというふうに判断したものでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○中沢委員 この問題も、法案が出てきたその時点でまた審議をしたいと思いますが、いずれにしても問題がある、私はこのことだけは指摘をしておきたいと思います。 さてそこで、今局長からお話があったようなことで、俗に言うと、国の財政と地方の財政でいえばいろいろ貸し借りがまだ残っているわけですね。その都度資料もいただいているのでありますが、正直言いまして非常に複雑でありまして、もらっただけではようわからぬ。ましてや国民にとっていうと、地方と国の財政の関係がどういうことになっているかというのは、恐らくほとんどの方は知らないと思うのですね。釈迦に説法だと思いますが、本来財政民主主義なんという言葉があって、財政もできるだけわかりやすく、みんながよく理解できて、そしてそれが国民の理解と納得で例えば税金を納める、こういうことが一番理想的な姿だと思うのですよ。 そこまでいかないにしても、一つお尋ねをしたいのは、現状における国と地方の貸し借りが、まとめて言えばどういうことになっているか。私の理解では、どちらかというと、昭和五十年代というのは地方財政が厳しくて、国から金を借りてきて交付税で配分をしていた。六十年代以降は、今日おかげさまで経済成長が伸びて税がふえて、全体としては交付税もそれなりにふやしながらも国に対する借金を返してきている、こういうふうにずっと地方の財政構造みたいなのが変わってきている、これは事実だと思うのです。ですから、そのことを理解しながらも、さて今日時点で国と地方の財政的な貸し借りがどうなっているか、簡単明瞭に、できればお答えをいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 まず、地方財政が国に返す必要があるお金でございますが、六十一年度補正に係る交付税特別会計借入金四千五百二億、これは形式的には残っておりますが、実質的には将来国の方から加算をしていただくものでございます。それから、約五百億ほど平成三年度で返すことをお願いしておりますが、昭和六十年度補正に係る地方交付税の特例措置に伴う返済を要する額、これは二百七億強となっております。 一方、国会で御審議をお願いしておりまして、過去、大蔵、自治両当事者間で約束をいたしまして、地方交付税法附則第四条第四項に基づき今後国から地方に加算されることとなっておる金額は、二兆二千百二十億でございます。ただ、この中には、一番最初に申し上げました四千五百二億が入っておりまして、実質的にはそれを引いていただいた数字が正確な数字であるというふうに御理解をいただきたいと思います。 このほか、法律段階に至っておりませんが、今までの両当事者間の覚書によりまして、補助金カット等に伴いまして臨時財政特例債等を発行いたしておりまして、その元利償還につきまして五割とかあるいは九割を返すという話が出ておりますが、その金額は法律ではまだはっきりしていないわけでございます。また金利が変わってきますと変わってくる数字でございますが、そういった国から地方に加算をしていただく約束になっておるものが補助金カット関係を中心にある、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○中沢委員 今お答えをいただきました。大ざっぱに言えば、まだ国の方に返す借金は、実質的には今回でなくなるようでありますが、数字の上ではまだ四千五百億ある。その他を入れると約四千七百億。さて、国から将来加算される分、つまり、貸した形で戻ってくる分、これは二兆二千億強、こういう数字。これは専門家でありますから確かな数字だというふうに思います。そうしますと、これは後ほどの議論にも関係がありますが、平成十三年度まで毎年毎年二兆二千億程度のものが加算をされてくる。交付税の配分がそれだけ今までよりもふえてくる、こういう理解を私はしておきたいと思うのです。 さて、それに関連をして少し具体的な問題について質問をしたいと思いますが、地方財政計画や交付税の関係の中で、あるいは大臣の意見の中で、これからは地方自治にとっても福祉問題が非常に大事になる、こういうお話がるるされております。それをまず取り上げたいと思いますが、私も全く同感でありまして、これからの地方行政、いろいろなことをやっておりますけれども、とりわけ高齢者が急速にふえる。厚生省の所管として国の社会保障をやっていることはもちろん承知をしておりますけれども、それを地方自治のレベルでカバーをする意味で、地方におけるところの福祉行政が非常に重要になる。特にその中で、高齢者福祉が非常に重要になる、こういう認識を持っているわけです。そのことを前提にして、具体的にお尋ねをしたいのは、昨年も議論をいたしましたが、まず、政府が出しました高齢者福祉十カ年計画、ゴールドプランというふうに言われております。それに対する平成三年度の交付税によるところの措置、あるいは地方債によるところの措置がどうなっているか、具体的にまず明らかにしていただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 いわゆるゴールドプランによります平成三年度の事業費でございますが、約四千二百億になっております。このうち地方負担額は千二百億でございまして、これに対する財政措置といたしましては、交付税措置が八百六十億、残りが起債ということでございます。
○中沢委員 そこで、この問題についてもう少しお願いをしたいと思いますが、昨年度から第一年次ということでスタートをしたのですね。昨年もいろいろ議論をいたしました。昨年はたしか八百億円地方の責任分担、平成三年度はこれに約五割増しの一千二百億円。これは非常に前向きといいましょうか、自治省側としては前向きにその財政的な受け皿を用意した、私はそのことは評価をしたいと思うのです。特にその中で、俗に言うところの高齢者福祉関連などの別枠で二百億、自治省側としての財政措置があるというふうにも聞いておりますが、関連をしてその内容について明らかにしていただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 ゴールドプランにつきましては、厚生省が中心になりまして、大蔵省、自治省が力を合わせまして、これから十年間約六兆の仕事をしよう、それに伴います地方負担につきましては適正に財政措置を講じてまいりたい、こういうふうに思っておりますが、福祉事業につきましてはゴールドプラン施策で尽きるということはございませんで、地域の実情によりましては、きめ細かな地域福祉施策の展開が必要になるわけでございます。 そこで私どもといたしましては、地域福祉基金を創設したいということで、財政計画にもお願いし、交付税措置もしようとしているわけでございます。そのほか、ハードの事業としまして、地域福祉推進特別対策事業というものを実施したいというふうに考えております。これにつきましては、厚生省ともよく連絡をとりながら対応を考えてまいりまして、具体的には地方におきましての歩道の段差の切り下げ等、高齢者、身障者に優しい町づくりのために必要な事業、あるいは高齢者の生きがいづくり等のために必要な施設整備の単独事業につきまして、地方債と交付税を活用した支援措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えておったわけでございます。平成三年度におきましては、事業規模をおおむね二百億程度を予定いたしまして、地方債、交付税による措置を考えておるわけでございます。ソフトにつきましては、地域福祉基金の創設によりまして地域単独事業に対応していただこう、こういうふうに考えておるわけでございます。
○中沢委員 関連をいたしまして、今もちょっと触れられました地域福祉基金問題についてお尋ねをしたいと思います。 これは. 昨年のことをお互いに思い出せばなるほどなということでそれぞれ深く納得をすると思いますが、いずれにしても、その必要性についてはそれぞれ認識として持っていた。昨年の交付税の議論の際にいろいろありましたが、ひとつぜひこれは新しい政策の目としてお互いに努力をしようということで、事実上非常に特別扱いの決議でもってこの委員会で決議をして、それ以来自治省の大変な努力で今日まで来まして、結果的に平成三年度の予算の中で二千百億、新しい地域福祉基金というのが出てきたと思うのです。ですから、私は、そういう経過なんかをよく考えますと、積極的に評価をしたい、そういう気持ちはもちろん持っております。 そのことを前提にして、それではこの二千百億円をどういう基準で配分しようとしているか、あるいはその基金の運用についてどのように考えているのだろうか、これもこれからの質問にも関係がありますので、あわせて具体的にひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 平成二年度の当初の交付税法の可決の際に特別決議をいただきまして、福祉基金の創設等、福祉関係の財政措置を充実するようにということを可決していただいたわけでございます。今回総額で二千百億をお願いいたしておりますが、その内訳は、都道府県分といたしまして七百億、市町村分といたしまして千四百億を考えておるわけでございます。個々の地方公共団体に対する配分の仕方でありますが、基本的には人口を基準といたしたいと考えておりますが、小規模団体にもある程度の額が確保されるようにしなければいけないと思っておりますし、また老齢者の人口比率というものも加味してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。標準団体で、都道府県で、人口百七十万でございますが、十一億、それから市町村でいいますと、人口十万の都市が標準団体でございますが、八千万程度となるというふうに考えておるわけでございます。 基金設置費に対する財政措置は交付税によって行われるものでございますから、基金の設置や運用につきましては地方公共団体が地域の実情に応じまして自主的に決めていただくべきものでございますが、自治省といたしましては、でき得れば果実運用型の基金ということで考えておりまして、基金の運用益によりまして、在宅福祉の充実とか健康づくりとか、あるいはボランティア活動の活発化等のための経費、各種民間団体が行う先導的事業に対しまして活用していただければ、こういうふうに思っておるわけでございます。
○中沢委員 さて、今まで局長といろいろ具体的な事実を含めてやりとりをやってきました。非常に乱暴なまとめかもしれませんが、自治省の地財計画上あるいは交付税上でいうと、基金を入れて、高齢者十カ年戦略でいうと千二百億、別枠で一般的な関係も含めて二百億、福祉基金で二千百億、単純に足すと三千五百億ですね。これは結構な金額だというふうに私は考えるのですが、ただ問題もやはりあると思うのですよ。 問題の一つは、福祉基金の二千百億円。確かに二千百億円というのは結構な金額だとは思わないわけではありません。しかしこれは基金でありますから、配分の仕方も今説明がありましたが、例えば最低でも一千万はどんな小さな市町村にも配分をする、基金として利用してもらう、これは、私は非常に小さいところにも配慮をしたということでは結構だと思うのですよ。ただ、一千万という基金をもらって仮に五%ぐらいで回しますと年間五十万、五十万しか福祉基金として、そして民間のいろいろな福祉関係に対する助成ができない。一千万そっくり行くのならこれは結構だと思いますがね。ですから、まだ法案も全然審議をしていないことを承知なんですけれども、二千百億ということについては評価をしながらも、やはりこれから早急に、土地基金についても今年度積み増しを出すわけでありますから、もう来年度、再来年度、とにかく早目早目にこの地域福祉基金の積み増しの必要性がある、これをまず一つは指摘をしておきたいと思うのです。これはなかなか答弁ができないと思いますから、そのことをまず指摘をしたいと思うのです。 それから、以下大臣にちょっと聞いていただいて大臣からも考え方をお尋ねしたいのですが、かねがね私はゴールドプラン計画の中でもマンパワーの問題を取り上げてまいりました。特徴的にホームヘルパー。厚生省ともいろいろやりとりをやりまして、厚生省は十年後はホームヘルパー十万人体制を考える、それに必要な人件費についてはこういう基準で、それに必要な交付税の措置はこうなる、こういうことになっているわけですね。ところが、社会福祉の学者に言わせますと、学者によって若干違いますが、つまり十年先は在宅ケアの必要なお年寄りは百五十万人になるのではないか。仮に百五十万人という予測が正しければ、それに対するホームヘルパーが十万で済むはずがないと思うのです。十万人で百五十万人面倒を見るということは、一人が十五人面倒を見る、これは物理的にも時間的にもそんなことはできない。それでは在宅ケアをお願いするお年寄りとしては単純計算すると一月に二回しか来ないということで、これではやはり絵にかいたもちになってしまう。ですから、これは私はかねがね厚生省に言っておりますけれども、十万人という量そのものも少ない、最低でも三十万人必要だ、今日のような全体的な労働力の不足の状況から考えるとホームヘルパーになり手がない、もっといろいろな条件も含めて充実をすべきだ、こういうことを言ってきているわけです。 さてそこで、そういう各論についてちょっと触れましたけれども、私が大臣にお尋ねをしたいことは、ことし五千億円入り口のところで国の方に貸すと、その分やはり交付税の総枠は配分が減るということだと思うのですね。しかも一般的な行政需要でいうと、今取り上げた地域の福祉問題、とりわけ高齢者福祉、具体的には今ホームヘルパーの話をしました。行政需要というのはどんどんふえていくと思うのですよ。そのふえていく本当に実態として必要な行政費用に見合うような交付税の総枠が確保されているのだろうか。もっと技術的に言うと、単位費用や補正についてはもっと抜本的に今の段階で見直しをしておく必要があるのではないか。私は委員会のたびにそのことを執念深く指摘をしているのでありますけれども、特に地方の行財政に精通をされております新大臣として、今私の申し上げたような観点についてどういう基本的な考え方、あるいは自治大臣としてはこれから交付税の直接の責任者でもありますから、交付税全体の制度の見直しについての責任者でありますから、そういう立場でひとつ決意のほどをお聞かせをいただきたいと思うのです。
○吹田国務大臣 私も最初に申し上げておりますように、地方自治体というものが自主的に主体性を持って運営ができるような、そういう制度の中で行財政が実質的に効果を上げていかなければならぬということを考えてまいりますと、地方財政というものは非常に大きな意義を持つわけであります。ただ、ことしとりました措置につきましては、先ほど財政局長から答弁しておりますような事情からそういった措置をとっておるわけでありますが、それにいたしましても十分な伸び率は今日示しておるわけでもありますし、決してそれで地方の行財政に支障を来すというようなことはないと考えております。 今後の問題につきましては、こうした高齢化の問題のみならず多くの諸問題を抱えております。さらに今先生のおっしゃった夕張なんかのような特別な地域についても、これは考えていかなければならぬ問題が出てくるだろうと思うのですね。そういった点につきましては、これから政治的に配慮すべき要素として、考えていくべきところは大いに考えていかなければならぬな、こう思っておりますが、ただ国の財政と地方の財政という問題がありますから、さっき先生がおっしゃるように、五十年代はこうだった、六十年代はこうだなというようなことを大きな意味から申されましたが、私もそういった点から、やはり時に政府に要請されれば、協力すべきところは地方行政の上で特別な支障がないということであれば、これはまたそれなりに配慮してもいいのではないか。あるいはまた、地方財政に特別な問題がどんどん出てくるとすれば、それなりに今後も政治的な配慮を加えてもらわなければならぬということも考えていかなければならぬということで、やはり寄りつ寄られつの形で、国と地方の問題でありますから相互に連携をしていかなければならぬと思っております。 自治省の考え方としては、何としましても地方自治体というものを立派な健全な主体性をつくっていくということに焦点を絞ってこれからも進めてまいりたい、こう思っております。
○中沢委員 きょうは時間がありませんから、この問題はそのぐらいにしたいと思います。 財政問題の最後のところで、補助率カットの問題についてお尋ねをしたいと思います。これは多く語る必要がないと思いますが、いずれにしても私どもの持論としては、昭和五十九年度ベースに戻すことが本筋である、これはもうどう言われようがそれは本質である、重ねてそのことだけは強調しておいて、具体的な内容を一つだけお尋ねをしたいと思います。 もう法案も衆議院の方は通過をしたわけでありますが、平成三年度に復元をした、つまり昭和六十一年度ベースに戻した、その復元をした金額がトータルで幾らになるのか。そして、まだ五十九年ベースまでいってませんから引き続き影響額があるわけでありますから、カット額が幾らになっているか、その数字だけちょっと教えていただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 まず平成三年度に復元をお願いしている額でございますが、普通会計ベースで約千四百億、それから公営企業会計でございますが、公営企業会計ベースで約百億となっております。 なお、カットされている金額についてのお尋ねでございます。普通会計ベースで、当初の方で言いますと六千三百億、地方公営企業会計ベースで千七百五十億でございます。それからなお、この普通会計におきましては義務教育の追加費用等につきましてございますので、それは経常経費でありますが九百七億でございます。
○中沢委員 今具体的な数字が示されました。予測したとおりですね。まだ依然として影響額が普通会計で六千三百億、企業会計で一千七百五十億、大変膨大な金額です。従来の経緯から考えますと、投資的経費については臨特債で手当てをする、これは当然だと思いますが、しかし、いずれにしても影響額、カット額がまだ非常に残っている、これは現実の姿だと思うのです。 そこで、ひとつ大臣に決意のほどをお聞かせをいただきたいのでありますが、今度の全体の合意の中では、とにかく三年以内に全体のいろいろな見直しをしてこの問題についての最終的な決着をつけるんだ、こういう内容になっています。前大臣にもしばしばお尋ねをいたしまして、とにかく仮に三年以内ということになってももうできるだけ早く自治大臣としては五十九年ベースに戻すという努力をしたい、再三にわたってそういうお答えもありましたけれども、大臣としては、残っている問題について、五十九年度ベースに戻すという私どもの主張に対してどういう決意をお持ちであるか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 まさに先生のおっしゃるとおりでありまして、五十九年度の補助率に復元するというのが願いであります。これはもう地方自治体も総体的な願いであります。私どももそれを願っております。これはもう間違いありません。しかし今年、御承知のような三年間の一応の暫定措置としまして六十一年度ベースということで進めておるわけでありますけれども、この三年間におきまして、これできちっと決まったものでいくというわけではないのでありまして、これからも努力をしまして、できるものからペースを速められるものは速めて復元に持ち込む、こういうふうにしていかなければならぬと思っております。ですから、その辺は国のあるいは地方の財政状況を見合いながら、できるだけの地方中心の姿勢を定めていきたい。さらにその後におきましての問題も、今お話がありましたような方向でできるものから復元を五十九年度の状態に戻していく、こういうことに努力をしていきたい、こう思っております。
○中沢委員 今大臣の方から非常に地方寄りのといいましょうか、さすがに地方自治体に精通をされている大臣らしい前向きの見解がありましたから、その辺は私どもも同じような責任を、特に地方行政委員会に関係する私どもとしては同じような責任を感じながらこれからもひとつ頑張りたいし、大臣もぜひまた頑張っていただきたいと思います。 さて、次は地方税につきまして少しお尋ねをしてまいりたいと思いますが、もう時間も大分迫っておりますから具体的な点でお尋ねをいたします。 今度の地方税法全体の議論はまた別にやる機会があろうかと思いますが、一つは三年に一回の固定資産税の評価がえ、平成三年度はそれを前提にして評価がえに伴ういろいろな措置をされております。特にその中で具体的にお尋ねをしたいのは、例の小規模住宅用地の特例の問題、今度の案の中ではそれなりの努力の跡は見られると思うのですね。ただ、かねてから私どもが公式、非公式に提示をしておりますように、やはり全体としては都市部を中心に大変な土地高騰、固定資産税の評価がえによるところの固定資産税の大幅アップ、この緩和策としてやはり特例についての基本な見直しをやるべきではないか。現在は二百平方メーター、四分の一という制度でありますが、それを例えば、百坪の三百三十、五分の一というそういう具体的な私どもの提言もしているわけです。そういうことも含めて、ひとつ今度自治省が出しました内容について具体的に説明をしていただきたいと思います。
○湯浅政府委員 平成三年度は土地の評価がえの年でございますけれども、この評価がえに当たりましては、今御指摘のように、最近の土地の高騰を受けまして、特に大都市周辺におきまして評価の上昇率が非常に高いという状況になっているわけでございます。そこで今回におきましても、前回の評価がえと同じように、前年度の税負担を基礎といたします段階的な負担調整措置を講ずるということにしたわけでございますが、この場合の負担調整措置に当たりまして特に今回配慮いたしましたのは、一つは住宅用地につきまして、よりなだらかな負担の増加になるようにということで、従来は三年目には評価額課税になるということを前提にした負担調整措置を講じたわけでございますが、これを五年ぐらいで評価額課税に達するようなそういう負担調整措置にするようにしたいということで、住宅用地についてはかなりなだらかな調整措置を講じたわけでございます。 逆に、宅地のうちの法人の非住宅用地につきましては、これは保有課税の強化という要請も今回の土地税制の論議にはかなりございましたので、評価額課税にできるだけ早く到達できるようにという意味で、従来よりも逆にきつい負担調整措置を講ずる、こういうようなことで、前回の評価がえとは異なった、宅地の用途に応じまして適切な配慮を行っていくということを考えたわけでございます。 そこで、ただいま御指摘の小規模住宅用地につきまして、現在二百平米までの住宅用地について四分の一の特例をしているわけでございますが、これの見直しができないかという御指摘でございます。 一つは、まず面積要件、今の二百平米というものを三百三十平米、約百坪ぐらいにならないかという御指摘がございますが、現在の段階で一戸建て住宅の一戸当たりの平均敷地面積が、最近のデータによっても全国ベースで約二百二十平米程度でございます。こういうことを考えますと、現在の二百平米というものが一つの妥当な水準ではないかというふうに考えられるところでございます。 また、特例率の四分の一につきましても、平成三年度の評価がえにおきましてはただいま申しましたように、住宅用地については負担増加がよりなだらかになっていくように配慮いたしました。その結果、住宅用地のほとんどのものが前回の評価がえのときと同じように負担調整率一・一倍のところに大体入ってくるんじゃないかということもございますし、さらに、評価がえに伴います増収分のすべてを今回は個人住民税の減税に充てるということを考えますと、平成三年度の評価がえにおいてこの住宅用地にかかわります特例率を拡大するということは、これはいかがなものかなというふうに考えておるところでございます。 しかし、今後、平成六年度以降の評価がえにおきまして、ことしの一月二十五日に閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱におきましても、平成六年度以降の評価がえについては、公的土地評価の相互の均衡と適正化が図られるように努めるべきであるという土地基本法の第十六条の規定の趣旨を踏まえまして、地価公示制度の改善とも相まって、その一定割合を目標にして速やかに評価の均衡化、適正化を図っていくということを推進要綱で決められているわけでございますので、この措置に伴いまして税負担がまた増加をするということも予想されるわけでございまして、こういうときに当たりまして、個人住宅用地について納税者の負担というものを特別に考慮する必要があるだろうというふうにも考えられます。この場合に、評価がえの状況なども十分勘案しながら、今後の問題といたしまして検討すべき課題であるというふうには考えているところでございますが、平成三年度の評価がえにおきましては現行の制度でお願い申し上げたいということでございます。
○中沢委員 今局長の方から、党の提言につきましては今回はちょっと無理だ、しかし三年後は全体的な問題の中でいろいろ検討に値するというようなニュアンスの御答弁だったと思うのです。ただ、正直言いまして、今回見送るということ自体にも大変問題を感じますし、これは法案審議の中でまたやりたいと思いますが、どっちにしても、今局長からありましたのは、平均的なレベルの、余り大幅に固定資産税が上がらないという意味での数字と御答弁であったと思うのですよ。しかし、もう極端に土地が上がったら極端に固定資産税が上がる。一人の納税者にとっては恐怖心に近いものがあるんではないでしょうかね。ですから、そこのところもよく考えながら、これからいろいろ議論の中でも積極的に、私どもの言う積極的な対応もぜひお願いしたいと思うのです。 さて、時間がありませんから、この問題についてもう一つだけお尋ねをいたします。 今答弁がございました、固定資産税の増収分は全額前倒しで住民税の減税に充てる、私はそのことは大変結構なことだと思うのです。ただ、自治体という一つの台所を考えますと、正直言って、土地が全然上がらないような過疎地にとってみると、固定資産税は全くふえない、しかし住民税は全国一律の制度でありますから住民税減税はやる、さてその場合の財政がどうなるか。恐らく自治省は、地方交付税で措置をするんだということなんでありましょうけれども、さっき言いましたように、人口が減ったところの補正も一〇〇%ではないわけですね。今の制度でも初年度九割なわけですよ。ですから、そういうことなどをずっと状況的にも判断をすると、やはりこれもちょっと何らかの方策が必要ではないかな、あえてそのことを指摘をして、お答えをいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 今までも地方税につきまして増減税があった場合、個々の団体につきましてはその影響の度合いが違ってくるわけでございまして、もう御質問の中にも言われておったわけでございますが、私どもといたしましては、そういった場合の財政措置というのは、地方交付税措置を通じまして財源の均てん化を図っておるわけでございます。これまでも人口急減補正とか過疎債の元利償還金、あるいは最近におきましては地域づくりの推進事業等につきましての算入に当たりまして、財政力の弱い団体に対しまして地方交付税を傾斜配分する等の措置を講じておるわけでございます。今後とも交付税の基本にのっとりまして財源調整に努めまして、財政力の弱い地方団体の財政運営に支障のないように配慮してまいりたいというふうに思っております。
○中沢委員 さて、別な問題に移りたいと思いますが、消防関係につきまして、特に消防の救急業務に的を絞りましてお尋ねをしたいと思います。 実は、先ほどまで石橋先生もそちらに座っておりました。昨年の七月にこの委員会の海外派遣ということでヨーロッパを回りまして、実はパリ市の消防本部を団として訪問いたしまして、いろいろ救急業務の実態についても勉強に行ってまいりました。団としての簡単な報告書も出ておりますから、必要があればまた関係者はごらんをいただきたいと思いますが、パリの場合は、一言で言えば、全国的にかなり救急体制が完備をされておりまして、サミュという救急組織だそうでありますが、ドクターカーも配置をされ、そしてそれに対する指令系統、救急業務に携わる関係者、大変うまくいっている、こういう印象を受けて帰りました。ところが日本の実態は、この委員会でいろいろな委員の方からも指摘をされておりますけれども、非常に不十分であります。 そこでお尋ねをしたいのは、もう時間がありませんから二つほどまとめてお尋ねをしますが、日本の救急業務の現状と問題点がどういうところにあるのかということ。そして、いろいろ聞きましたら、平成三年度、それなりの新しい制度の導入だとか、あるいは予算の裏打ちをやっておりますけれども、この二つにつきまして、簡潔で結構でありますから、お答えをいただきたいと思います。
○木村政府委員 我が国の救急業務の現状でございますが、簡潔に申しますと、搬送部門につきましては世界的にも高い水準にあると考えております。すなわち、これは平成元年でございますが、年間二百六十五万六千九百三十四件出動し、二百五十九万三千七百五十三人の傷病者を搬送いたしまして、現在、隊員が四万七千六百七十六人、四千四十三隊で、ほとんど各地区を五、六分で現場に到着し、傷病者の八割以上は三十分以内に病院に運び込んでおりますし、かつてございましたたらい回しということも非常に少なくなってまいりました。したがいまして、この分野では世界的水準に達していると思うのでございます。 問題は、その搬送中に心肺停止の状態等に陥った患者に対する応急手当てが、素人がやれることに毛のはえた程度のことしかやれない、そういう状態でございまして、この応急措置の範囲を拡大することが最大の課題でございます。これの方法としては、ドクターカーという方法もございますし、また、救急隊員の応急手当ての範囲を拡大するという方法がございます。消防庁としては、両方の可能な方法を採用して、拡大してまいりたいと思いますが、我が国の医業の現状におきましては、お医者さんを救急隊に十分確保することが不可能であるという面から、救急隊員の応急手当ての拡大を図ってまいりたい、これが現状の最大の課題でございます。 そこで、平成三年でございますが、いろいろな研究会の研究結果をもとにいたしまして厚生省と検討いたしました結果、現在厚生省で、救急救命士、仮称でございますが、これを制度化する準備を進めております。それを前提としながら、私どもとしては、まず救急隊員の行う応急措置の範囲拡大に対応するために各県の消防学校の救急隊員の教育をさらに高度化いたしましてこれに対応してまいりたい。さらに、心肺停止状態に陥った患者に対する除細動等の高度の蘇生術を施す場合には、やはり今準備中の救急救命士、仮称でございますが、この資格を消防士も取って行おうということで、これにつきましては全国的な教育機関を整備していこうということを準備しております。 最後に、こういった高度の応急措置を講じますためには救急自動車そのものを高度化し、いろいろな器具を準備する必要がありますので、平成三年度から、救急高度化推進整備事業を設定いたしまして、補助金を準備して、モデル的に二十五団体くらいにつきましてそういった救急車の高度化等を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○中沢委員 まだまだいろいろなことも深めたいと思いますが、時間がありません。いずれにしても、救急業務というのは、今お答えがあったようにかなり内容的にも急がなければならない、こういう問題意識は消防庁もお持ちだと思います。特に新年度、補助事業で二十五団体ですか、これに対して必要な予算措置もやるということも大変結構だと思いますから、早急にそのことはひとつ制度的にも予算的にも充実をさせていただくようにお願いをしておきたいと思います。 さて、もう六分か七分くらいになりましたので、最後の質問に入りたいと思います。最後のところは、大臣にも国家公安委員長としてお答えもいただきたいと思いますが、警察関係であります。問題を絞りまして、俗に言うところの暴力団新法についてお尋ねをしたいと思います。もちろんこれはまだ閣議でも決定をされていないし、警察庁でも正式な決定になっていないと承知をしております。ただ、二十七日刑事局が公表したことによりまして、社会的な関心があって、新聞やテレビでは非常に大きく報道がされておる。けさの朝日新聞では社説でそのことを半分くらいのスペースを使って記事にしているくらいです。 さてそこで、これも十日ほど前の新聞に、暴力団が診療所経営をしていた、こういうのがあります。もちろん捜査の手が及んで経営者は検挙されたようですから、それはそれでいいのでありますけれども、正直言ってびっくりしました。暴力団が国民の命と健康を預かる診療所や病院にまで金がもうかるからということで手を伸ばしたのは、これは大変なことだな、率直にそういう驚きと同時に、これはもう大変なことだし、何とかしなければならぬな、こう思っておりましたやさきに暴力団新法という話が非公式に伝えられました。その内容のことは別にいたしまして、これからいろいろ専門家の間でも議論するのでしょうけれども、それ以外にもいろいろなトラブルが連日のように出ておりますから、何となしに一人の市民としては、そういうことが起こらないように何か法的な規制があってもいいかなという感じを率直に持ちます。ただ、そのことは私自身は断言はしたくありません。 さてそこで、そういうことを背景にして警察庁にお尋ねしたいと思いますけれども、いずれにしても、日本の暴力団というのは、世界的にもマフィアだとかシンジケートだとかありますけれども、実態はよくわかりませんが、やはり大変な状況にあるのではないでしょうか。ですから、日本の暴力団の実態はこうだ、市民としては大変な被害と迷惑をこうむっているし、隠された問題もかくかくしかじかだと、やはり大々的に国民に向かってそういう意味での宣伝をした方がいいと私は思うのです。したがって、もう時間が余りありませんから余り詳しい内容はお答えできないのでしょうけれども、日本の暴力団の実態がどうなっているんだろうか、これが一つ。そして、今度準備をされている暴力団新法の背景、どういう考え方で出そうとしているんだろうか。法規制の関係で言うと民事関係でもって縛るということのようでありますが、そういう大枠といいましょうか、お答えいただける部分があればお答えいただいて、最後に大臣からも見解をぜひお聞きかせをいただきたいと思います。
○國松政府委員 お答えをいたします。 まず暴力団の実態について御説明を申し上げます。 暴力団の勢力は平成二年末現在で八万八千六百人に達しておるわけでありますが、中でも山口組、稲川会、住吉会といった大規模な広域暴力団の勢力が最近大幅に拡大しているというのが特徴でございます。十年前にはこれら三つの団体の勢力は暴力団の総人員の約四分の一を占めるにすぎなかったわけでございますけれども、昨年のこれらの三団体の勢力は全暴力団の約半数、五〇%に近くなってきております。このように最近暴力団は急速に系列化、広域化を進めていると言えますが、特にその中でも山口組の勢力拡大は著しく、平成二年末現在の同組の構成員は約二万六千名になっておりまして、全暴力団の実に三〇%をこの一つの組で占めるという状況になっております。 このような暴力団は、さまざまな形で国民に不安と脅威を与えているわけでございますけれども、中でも次の二点が私ども大変重要な問題であると考えております。 その一つは、暴力団はその暴力的威力を利用いたしまして示談介入であるとか地上げを行ういわゆる民事介入暴力を活発に行っており、その手口も、なるべく犯罪にならないようにいろいろ研究をして巧妙化させながら一般市民を食い物にする、そして資金獲得を図っているということでございます。平成二年に警察が受理いたしました民事介入暴力の相談件数は約二万三千件に達しました。十年前の約二・四倍に増加をいたしておるわけでございまして、近年民事介入暴力による被害が急速に拡大しているということがうかがわれるわけでございます。最近特に問題である二番目の問題点は、広域化、大規模化した暴力団がより大きな利権を求めて互いに勢力の拡大を図っていることから、対立抗争事件が頻発をしている、そしてその過程で、一般人の方が昨年でございますと三名もお亡くなりになった、警察官も二名殉職するというような大変な事態になっているということでございます。 このような暴力団の脅威の増大に対しまして、私どもは従来以上に強力な取り締まりを進めなければならないわけでございますが、特に、先ほど申しました民事介入暴力の問題あるいは対立抗争の場合に我々が使い得る権限というものがやや制限をされておるというところがあるわけでございます。法案の内容はこれから詰めるという段階でございますが、ただいま申しました民事介入暴力の問題、対立抗争の問題を中心に彼らの活動に対して必要な規制をいたしまして、国民生活の不安を除去したい、それとともに警民一体となった暴排活動が行われるような仕組みというものも考えてまいりたいということで、現在鋭意法案作成作業を進めているところでございます。
○吹田国務大臣 委員お話がございましたように、当初の私の所信の一端を申し述べる中に、新たに立法化の問題も検討するということを申し上げておったわけでありますが、今刑事局長から御説明申し上げましたように、何としましてもこの問題は、私も国家公安委員会委員長に就任しましたときから、大きな問題は数件ありますがその一つに、善良な国民の皆さん方がそのことによって非常に迷惑をこうむり、生活の不安を持っておるという事案が頻繁に起きているということを考えますと、この際国民を守るという立場から進めていくのでありまして、別に警察権を強化するんじゃありませんので、あくまでも善良な国民の方々が安心して生活のできる環境をつくっていく、それが享受できるような形をつくっていくということに前提を置きましてこれからの配慮をしていきたい。 それで、きょう新聞に云々というお話がありましたが、私も見ました。各社社説でいろいろ取り上げておりまして、非常に必要であるということを力説してくれております。ただ、この問題についてはやはり十分配慮して立法化の問題も考えなさいよというような意味のことが出ておる新聞もあります。そういった点も我々は加えて検討しながら、委員の皆さんの御理解ある御協力で、多くの市民の皆さん方が極めて快適な生活が専心できるような方途を講ずる一助にこの法律を持っていきたいものだな、こう思っておりまして、全力を挙げて頑張っていくつもりであります。よろしくお願いいたしたいと思います。
○中沢委員 時間が参りました。少しオーバーして申しわけございません。 以上で終わります。ありがとうございました。
○森田委員長 午後零時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ────◇───── 午後零時一分開議
○森田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川信君。
○小川(信)委員 それでは中沢委員に続きまして質疑をさせていただきます。 先般大臣の所信表明演説がございましたが、さすが長い間地方自治の現場でいろいろと御苦労された大臣だというふうに敬意を表し、また敬服をしたところでございます。私も、選挙区は違いますが、大臣とは同じ山口県でございまして、約三十三年間、町長時代、県議時代、吹田大臣にいろいろと御指導いただいた。私が政治の世界へ入ったのもその御指導が相当影響しておるのではなかろうか、こういうふうに思っておるところでございます。 所信表明の中で、地方自治を取り巻く行財政環境には依然として厳しいものがありますが、二十一世紀に向け時代にふさわしい地方自治の確立のため、最大限の努力をする、こういうふうに述べておられます。実は大臣もごらんになられたかと思いますけれども、中国五県の市町村長に対して中国新聞がアンケートをやっております。これは国勢調査をやった年にアンケートをやっているようでございまして、ことしが六年目になるということです。大臣も私も同じ中国におる者として、この正月、一月一日のトップに挙げられたこのアンケートの調査結果を見て、政治の世界におる者として考えなければいけない幾つかの問題が提起されております。この新聞の一面の一番最初のところに、「高齢化・福祉対策、過疎過密、生活基盤の整備など、さまざまな行政課題に直面しながら有効な解決策を見出せずに苦悩。依然として厳しい財政事情の中、国や県の中央集権的な行財政運営の改革を求める声が続出するなど、「地方の時代」とはほど遠い自治の実態が浮き彫りになった。」これは新聞の論調でございます。 市町村長さん方のアンケートの調査結果を非常に厳しく見ておるわけでございますが、その中で特に市町村長、首長さんが苦慮しておられる行政課題のベストファイブとして、高齢者対策をトップに挙げておられる。約半分の方々がこれを挙げておられる。続いて、前回の調査からは相当数字は下がっておりますけれども、四四%の方々が農業対策を苦慮しておる行政課題だと挙げておられる。三番目が、大臣も先ほど御答弁の中でおっしゃいましたけれども、道路交通網の整備が四二%。続いて、下がっていきますけれども、財政のやりくり、それから下水道施設の整備というのが三〇%台として続いてくる。まさに今地方自治体、市町村長が苦心して、何とかしていきたいけれどもなかなか難しいと考えておられるものがこの辺にあるのではなかろうか。 そういうふうな状況の中で、特に財政のやりくりについても、いわゆる自主財源でございますね、地方税その他自主財源が三〇%未満の市町村が五六・七%と、六割に近い町村が本当の意味でのいわゆる三割自治というような状況にある。特に市部に対して郡部の町村は八二・八%、約八三%がその辺で非常に苦労しておられるというような実態が出ております。いわゆる財政規模の小さい町村が自主財源比率が非常に低いという現実が出ております。さらに、今からやっていかなければならないと言われております投資的な経費が当初予算の中で占める割合を見ますと、三〇%未満が約四二%というふうになっておりますし、四〇%未満が七二%ということで、投資的経費の占める割合もなかなかふえていかないというような状況でございます。こういうふうに非常に緊急であり重要な課題を抱えて市町村長は頭を抱えておられるというのが現状ではなかろうかと思います。 そういうふうな市町村長さん方が国に対して、こういうふうにしてほしい、こうやってほしいというような希望や注文や不満もあるわけですけれども、そのトップに挙がっているのが地方交付税をもっとふやしてほしいというのがあるわけなんです。約五六%の方々はそうおっしゃる。それから二番目としては、高齢者対策がもっと充実する施策を国として考えてほしい。農業政策など一貫性のある農業政策を展開してほしい。さらには、これは考え方によっては非常に難しいけれども、考え方によっては直ちにやれることだろうと思いますが、各省庁の縦割り行政の改善。それから、各種補助金や起債を早く決めてほしい、時間がかかって仕方がない、こういうふうなことが出ております。こういうふうなことを考えると、今市町村長、地方自治体の長が考えておられること等は非常に大事であり、そして国としても考えなければならないたくさんの課題がある、このように考えられるわけでございます。 まず、こういうふうな現状に対して、大臣が所信表明で述べておられますけれども、改めて大臣としての御認識なり所信を承りたい、このように思います。
○吹田国務大臣 小川先生今お話がありましたが、まさに郷里を同じゅうしておりまして、私的な立場から申しますと、長い間農業問題に先生取り組んでおられましたし、私もそういった面についても一緒に力を合わせて、地方の農政というものについて守る立場から頑張ってきたつもりでありました。必ずしも御期待に沿うような力を発揮することもできませんでしたが、それにしましてもいろいろとお互いに農業問題につきましては胸襟を開いて話し合える間であったということだけは間違いないわけであります。 そういった地方の問題に非常に精通しておられる小川先生のお話でありますが、私も先ほど申し上げましたように、まさに二十五歳から地方行政に出発をいたしまして今日あるわけでありますから、地方の問題につきましてはより以上に執着が強いわけであります。それは簡単に言えば地方の時代を迎えようという合い言葉で進んだわけでありますけれども、それでは現実に地方の時代が来ておるかということになりますと、いささかじくじたるものがあるわけであります。そこにはまだまだ、中央集権化というお言葉でお話しになりましたが、中央集権化とは言わないにしましても、地方分権の内容としましては不十分な点が多々あるわけであります。そういった点についてもこれから大いに努力をしていかなければならないな、こう思っております。 さらに、中国新聞のアンケート等も私もとってこちらで見ておるわけでありますが、高齢者対策の問題が非常に大きな関心事になっておる、あるいは後継者育成の問題を中心とする農業問題というのが非常に大きな比率を占め、さらに道路整備というこの三点が最も大きな比率を占めておることも私も承知いたしました。そういった意味で、今ちょうど政府、特に自治省におきましても、この高齢者対策問題というのは取り上げて、先ほどから説明がありましたとおり、これに対しまして財政的な対策も加えて配慮していこうということで、高齢者の問題につきましても鋭意努力することを表明しておるところであります。さらに、今度は基金制度も新たにつくって、そうしてここに関係市町村及び都道府県に対して援助を加えて、主体性を持った行政として高齢化問題が取り上げられていけるような方向をたどっていこうとしておるわけであります。 そういったときだけに、今御指摘のありました行政が縦割りとして考えられるのではないか、そういう弊害はないかというような御意見がありましたが、私も率直にその点を認めます。もう少し県や市町村のようないわゆる横割りの行政はできないのかな、こういうふうに思うのでありますが、その一番の難点は、やはり何といっても国家公務員の採用が一体どこで行われておるのか、本籍は一体どこだ、率直にわかりやすく申し上げますと、そういったことになってまいりますと、自然発生的に縦割りの行政の姿にならざるを得ないし、予算もそのような形になってまいりますね。そういうことで、政策問題、予算問題、人事問題等を通して縦割り問題というのが、今弊害として強いて挙げれば出ておるわけであります。しかし、それを克服して、その中でもいかにしてその弊害を除去するかということに配慮しておりますのは、私は胸を張って言えるのは自治省だと思うのですね。そういう点では自治省は、いずれの省庁に問題がありましても、財政的な援助でそれが関係市町村や県で施行できるということであれば、それは自治省は配慮いたしましょうということで、交付税なり、あるいはまた財政的な、借入金でありますけれども起債を起こすというようなこと等で配慮しておるところでありまして、これからも私は、長い経験からしまして、皆さんの御要望に沿って自治省の方々と協議をしながら、それが実際に地につくような、今日までさらにその上に上積みができるような、そういう地方自治確立に向けて全力を挙げて取り組みたい、かように考えるわけであります。 私も、特に山口県の問題のみならず他県の問題もずっと調べておるのですが、財政力指数におきましても、県の段階でも、中国地方で〇・三〇未満という県が二県あります。あるいは四国でも二県ある。九州でも四県ございます。さらに東北でも四県あるというような、県段階でそういう状態でありますから、これは相当財政的に弱いわけであります。特に、小川先生のお話にありましたような山口県におきましても〇・三未満が二十六カ町村あります。そして三〇%から五〇%、〇・五〇というところで考えましても十二町村でありまして、すべて市は入りませんで、町村がみんなそういう形です。そうなりますとこれは郡部であるということになりますから、そういった農山村、漁村というものが財政力が弱いなということだけは極めてはっきりと出ておるわけであります。ですから、そういう点につきまして今後の自治省の考えていかなければならぬ問題は、おのずとそういった点からすべての財政問題を検討していかなければならぬだろう、今日も検討されておりますが、特にこれからはそういう点について配慮を加えていかなければならぬなという感じを持っておるわけであります。
○小川(信)委員 ただいま大臣から非常に力強い御意見なり所信の御表明がございましたが、これは、今申し上げたのは中国五県の数字でありますけれども、全国的にいわゆる過疎化された中山間地を抱える町村の共通の課題ではなかろうかと思います。そういう中で、特に今お話がございましたように、自治省を中心にして各省庁の縦割り行政の積極的な改善を図っていく、言うなれば、地方自治にかかわるいろいろな施策なり事業に対しては、自治省が主導的な役割を果たして関係各省庁をリードするような態勢で臨んでいただきたいし、それから、住民が望んでおるところは各種補助金や起債の早期決定ということが結局は住民の期待にこたえることでございます。これには国の法律等々の規制があるのではなかろうかというふうに町村長は考えております。そういうふうな町村長の率直な意見を十分踏まえて、関係省庁なりまた事業の執行等々については、自治省が積極的にリーダーシップを発揮していただくように強く期待をいたしたいというふうに思っております。 続きまして、この中にもありましたように、市町村長さん方の国に対する期待の一番大きいのが交付税の増額だということでございます。交付税の配分増額を求めておられる。言うなれば第二の自主財源的な性格のものでございます。これは先ほど中沢委員からも申し上げましたけれども、国税、五税それぞれのパーセントで原則的に交付税総額が決定されるというのが交付税法の基本的な考え方、それをそのままの数字でいきますと、十六兆四千七百五十億というのが本来なら国から地方に配分せられるべきもの。これは昨年の十一月ごろ、大蔵省と自治省との折衝の中では自治省は強くこのことは主張してこられましたけれども、結果的に国の予算編成の段階で減額された。言うなれば、大蔵省との交渉の結果、妥協の産物としてこのたびの措置が講じられたというふうに考えております。しかし、交付税法の基本を一日も早く具体的に実行できるようにする必要があるのではなかろうか。これが市町村長の配分増額にかかわる基本的なものではなかろうか。さらに言えば、三税の三二%をもっと引き上げとかいうようなこともあるかと思いますけれども、当面の基本的なものとしては、本則の中にありますこのパーセントを全額地方に配分できるようにすべきだと思いますけれども、この辺についての自治省の基本的なお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 地方交付税は地方団体の共有の財源でございまして、基本的に、法律で定まりましたものにつきましては地方団体に交付をいたしまして仕事をしていただくというのが本筋でございます。 明年度の問題といたしまして五千億減額の御指摘でございますが、これにつきましては、明年度抱えますいろいろな諸課題に対しまして一定の成果を得ることができたこと、それから、財政健全化の観点からも大きな前進を見ることができたということを踏まえまして、さらに、五千億現ナマで協力をいたしましても、歳入構造で申し上げますと地方財政計画ベースでは一般財源で六九・五ということで、過去最高の歳入構造といいますか、改善を見ることができる見通しになったものですから、そういう意味で国の方に協力をしたということになるわけでございます。 ただ、この協力の仕方につきましては、私どもは、国からお借りしております借入金につきまして、実質的には振りかえ、ないしは従来借りておったものを繰り上げ償還したというふうに考えておりまして、いずれ国の方にはお返しをしなければいけないものをまとめて五千億という形で協力をしたというふうに考えております。地方財政にとりましては、そういう意味で実損がない形でございまして、地方団体の関係者にも御理解をいただいておるところであります。 今後の取り組みにつきましても、私ども、地方交付税の本質というものを間違えることなく、地方団体が毎年度適正な財政運営ができるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○小川(信)委員 基本的なことについてはそういうふうなことでございますが、町村長からの、いわゆる首長の希望が非常に強い。いわゆる第二の自主財源だ。本当の意味の地方税その他とそれから交付税、これがあれば相当思い切った、大臣が所信で表明されていました自主的な村づくり、町づくり計画が実行できるのだという自信をお持ちになっておられるわけでございますので、そういうふうな面についてさらに積極的な御努力をいただきたいと思います。 それから、地方財政計画を見せていただいたのですけれども、地方財政計画の中でいろいろと挙げておられましたが、その内容を見て、投資的な経費が約三二%全体の中で占めております。パーセントで見るのがいいのか金額で見るのか、その見方はございますけれども、やはり投資的な経費の積極的な増額を一層図っていく必要があるのではないか。 それから、所信表明の中にもございますけれども、高齢者対策等福祉対策というものは、いわゆるゴールドプランの十カ年計画の中でも積極的に進めていかなければならない。やはり最初が大事だと思いますけれども、そういうふうなことを見ますと、福祉対策等に対する経費ももっと大幅に拡大して見ていかなければならないのではないかというような感じがするわけでございます。 福祉基金に対して二千百億円が計上されておりますけれども、この五倍あっても町村は多過ぎるとは言わないだろう。特に、果実で運用するという基本的な考え方からいけば、やはり果実運用のときには当初年度に相当量多く果実の基金として積み立てる、基金として充当するということが、果実で運用をしていくということを基本に考えればそういう必要があったのではないか。今から次の年度、毎年毎年積み増していくということがあるかとは思いますけれども、やはり果実運用を基本とする限りには、当初年度、先に大幅な積み立てをする、基金を積むということが必要ではなかったかというような感じがしてなりません。 そういうふうなこと等を考えておりますけれども、その辺について自治省としてのお考えを聞かせていただければと思います。
○小林(実)政府委員 この十年というものは財政にとりましては大変厳しい時期でございまして、臨調の答申とか行革審の答申の基本的なスタンスは、中長期的には国民負担の増大を抑制する、それによりまして我が国の社会経済の活力の維持を図るというようなことでございます。国・地方を通じまして、歳出につきましても抑制努力を重ねろということを言われてまいったわけでございます。 そうした中で、御指摘がございました投資的経費等々あるいは福祉関係の経費につきまして、財政計画の見方が少ないという御指摘でございます。私どもといたしましては、諸般の情勢から勘案してみて、何もかもふやせというわけにもいきませんものですから、特に自主的、主体的な地域づくりの関係の経費、それから公共投資基本計画がございますので、住民生活に直結した社会資本の整備ということで、当初の単独事業、それから地域福祉の充実を図るという観点から、社会福祉系統の一般行政経費の伸びの確保、地域福祉基金の創設を重点に大蔵省と折衝いたしたわけでございます。今申し上げましたような点につきましては地方団体には大きな課題でございますから、今後ともそういった経費につきましてはでき得る限り伸ばすように努力をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 地域福祉基金につきましては、何と申しましても初年度でございまして、私どももこの措置をいたしておるわけでございますが、地方の反応といいますか、取り組みの度合いといいますか、そういったものも若干時間を置いてその経過を見守っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○小川(信)委員 特に申し上げたかったのは、果実だから最初にたくさん積んで、そして、その果実運用をしてやっていくということならば、当初にたくさん積んで後で逓減をされても、運用のいかんによっても逓減していくというような効果が測定できるのではなかったかなというような感じがしたところでございます。今局長がおっしゃったように、今後とも拡充強化をしていくという御答弁がございましたので、大いに期待をしていきたいと思います。 では、次の問題。ちょっと離れますけれども、先ほど地方自治の現状と課題の中で、首長、市町村長さん方が非常に苦労しておられる行政課題としては農業対策がございました。前回の調査よりは下がったということですけれども、市町村長さんの中には、もう農業対策はおれはやりようがない、もうこれ以上おれは、第一知恵がなくなると言うような方々もおられるでしょうし、先行きに対して展望を失われたということがあって少なくなったのだろうというふうに思います。しかし、日本の農業の中心をなしておりますものは、御存じのように米ではないかというふうに思います。日本の農家のうちの八割が米生産農家でございます。そういうふうなことから考えてみましても、地域の農業の中に占める米の割合、ウエートというものは依然主幹的な作物であると同時に、農家の経営所得にとっても、また地域の経済にとっても非常に大きな役割を占めておるだろう。 そういうふうな認識に立ってだろうというふうに考えますが、全国の知事会、市長会、町村長会、都道府県議会議長会、全国市議会議長会、全国町村議会議長会、いわゆる全国地方自治六団体、さらには全国の七割の市町村議会、そして東京都を除く各道府県議会が、米の輸入自由化反対または市場開放阻止または米の国内完全自給、こういうことについて決議をされておるわけでございます。確かに、その決議は、先ほど申し上げたように、米の役割というものもございますが、数字的に見ましても、米が例えば三〇%、輸入、市場開放等で減るというようなことになると、その地域の総生産が五%、一〇%下がっていくというような数字も出ておりますし、また、米が自由化されますと、百六十三万人の失業者が出るんだ。これは農業部門だけではなくて、サービス業や製造業、建設業にも雇用減少が出てくる。農業関係で九十四万人、サービス業関係で四十四万五千人、製造業で二十二万人、建設業で一万一千人、こういうふうに各産業分野の失業が発生するし、また生産額の全体も約十一兆四千億円の生産が減少するというように、日本の経済全体にとって大きな影響がある。こういうふうな見方から、地方自治体の各団体がこういうふうな意思決定をされたのだろうと私は考えております。さらには、先般公表されました総理府の「食生活・農村の役割に関する世論調査」を見ましても、国民の七割が食糧の自給を要求しており、前の調査よりも上がっておるということになってきますと、いわゆる国民全体、住民全体の声としてこういう方向を受けとめて各自治体の各分野において決議がされたと私は理解しております。 これにつきまして、それぞれの地方自治体の各機関においてこのような決議がされたということを受けとめて、自治大臣としてどのようにお考えになられ、また内閣の一員としてこれをどのように取り上げられるか、お尋ねをして、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○吹田国務大臣 これも小川先生はその専門家としてもう既に三十年有余にわたって農村問題に取り組んでこられたし、米問題につきましても先頭を走ってこられたわけでありまして、農民からの非常な信頼をいただいておられるわけでありますが、私もよくこの点につきましては行動をともにして、米の自由化問題につきましては反対、この米につきましては国会決議というものが再三にわたってなされておることでもありますし、これをぜひとも守っていかなければならないという考え方であります。特に、米等につきましては、海部総理も一月二十五日の施政方針演説で、国会における決議などの趣旨を体し、国内産で自給するということについての基本的な姿勢を示しておるわけであります。こんなこともありますから、我々内閣もその姿勢は間違いありませんし、政府もこのことこそ一体でありますから、内閣一体としてこれを進めていこうと思っております。 さらに加えてお話がありました、農村というものを一体どういうふうに受けとめておるかというような御意見でありますが、私は、農村というものは非常に大事なものである、農村こそ民族の活力の源泉の基盤であるというふうに受けとめていかなければならないし、考え方によれば国土の保全というような面でも取り上げていかなきゃならぬ、こう思っているわけであります。あれだけ多くの農耕地というものが、水田というものが治水対策としても大変な役割を果たしておるということ等考える場合に、今の休耕田等がその治水関係に相当大きな障害になっておるというのも事実であります。そういう点からも、特に小川先生御存じのように、私は山口県における土地改良の会長もやっておりますが、土地改良連合会としましても常に土地基盤整備事業というのは熱心に取り組んでおる。これはやはり次の後継者育成という問題等、省力政策というものもあります。あるいはコストをできるだけ下げていこうという点もあります。今申しましたような国土の保全という問題もございます。こういったこと等の問題等を含めて、この後継者育成問題ということを熱心に取り上げていかなきゃならぬ。最近になりましてようやくにして農村環境というものが相当大きく取り上げられるようになりまして、集落排水というようなことで農村の台所あるいはし尿処理、そういった問題等が今農林省の構造改善局で取り上げておりますが、さらに、集落ではないけれども白地のところには建設省も下水政策を進めるということで、都市政策にさらに引き続き農村にもそういう下水政策を進めると言っておりますが、当面農村におきましては集落におけるそうした集落排水というような仕事でこれを大いに促進しておるところであります。 そうして、やはり子供たちが進んであるいは孫たちが進んでおじいちやんやおばあちやんのところに帰ってくれる環境をつくってやる、これが大事なことではないかということでこの問題が進められておるわけでありますが、自治省もそういった点につきまして、これらの過疎地域においてこの集落排水が推進されていく、この財源についての裏打ちをしていこうということで、これから起債対策、さらに起債の償還についても二分の一程度はひとつ交付税で面倒を見るかということで頑張っておるところでありますから、これからお気づきの点はどうぞどんどんおっしゃっていただきたい。我々自治省としましても、本当にそういう地方公共団体、これが主体でありますから、これにお手伝いする面があればこれからも大いにお手伝いしていきたい、そして農山漁村というものを大事にしていこう、こう考えておるところであります。
○小川(信)委員 非常に力強いお考えを表明いただきましたが、米の問題、ぜひ内閣の一員として地方自治体の大きな声を受けて取り組んでいただきたい、このように思います。 続きまして具体的なことに入りますが、交付税の問題について、基本的なことについては先ほど申し上げましたが、交付税算出の基礎となります基準財政需要額の算定の問題でございます。非常にきめ細かくやられてはおります。いろいろ御説明を聞いてみましてもやっておられるようでございますけれども、まだまだ現実、現場の声が必ずしも受けとめられてないような問題もあるし、時代の変化に対応するためにも測定単位等についての取り上げ方を考える必要があるものがあるのではないかと思います。 その一つが、先ほど大臣は道路網の整備の問題について非常に御熱心にお話がございましたが、特に山間過疎地域、雪積寒冷地域における道路網の整備、トンネルをつくって僻地と僻地の間を結んでいくというような問題、そして地方の中核的な都市にそれを結びつけていくという道路網の整備についてお話がございましたけれども、今、農村、山間、中山間地域においては、広域的な林道とか基幹林道がある意味では生活道的な役割を持っておる。極端に言うと、生活道的な役割のウエートの方が大きいというようなところが現実にたくさんあると思います。これが実は基準財政需要額算定のときの測定単位、算定補正の中に出ないということもございますけれども、そういうような意味からいうと、これはやはり道路と同じだ。農道は入っているように聞いておりますが、林道を考えるべきじゃないかということに対しての御意見を伺いたいし、お考えを聞きたいと思います。 あわせまして、これは大臣も十分御存じと思いますけれども、圃場整備等と土地基盤整備事業を行いますと、昔とは違いまして農業排水路等も非常に整備をされる。しかし、混住化されました地域の農業排水路は、生活排水路としての機能も現実に持ってきておるわけでございます。やはりこれも林道と同じように考えるべきじゃないかと考えるところですが、これについて自治省の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 御質問の趣旨は、交付税の基準財政需要額の算定におきまして、林道、農業排水路につきまして道路、河川並みにできないかという趣旨かと思います。林道、農業排水路に係る経費につきましては、県でいいますと林道につきましては林野行政費、それから市町村ではその他の産業経済費、農業排水路につきましては県、市町村とも農業行政費の単位費用の積算基礎に算入することによりまして財政措置を行っておるところでございます。 御質問の考えは、林道の中には道路と形態、機能も似たものもあるし、農業排水路の中にも河川と類似のものがあるのではないか、こういう御指摘かと思うわけでございます。そういう事実があることも承知をしておるわけでございますが、一つは、管理責任が必ずしも道路とか河川のようにどこの地方団体がやるかということがはっきりしていない、これは全部についてそういうふうになっているとは限らないという点もあるかと思います。それからもう一つは、これを測定単位あるいは補正係数の基礎数値とすることにつきましては、まず信用力のあるといいますか、公に公信力のある、確実性の高い数値を把握することが困難であるということ、それから、林道、農業排水路の中に、管理その他いろいろの形態のものがある、こういう面から現実には難しいことになっているわけでございます。そこで現在は、林道につきましては、その延長と相関度の高い林野面積とか、あるいは林業の従業者数というようなものを測定単位としておりますし、農業排水路につきましては、やはり相関度のあると思われる耕地の面積とか、あるいは農家数を測定単位としておるわけでございます。この辺は御理解をいただきたいと思います。 ただ、土地改良事業につきましては、農業が非常に厳しい環境にあるものですから、昔と異なりまして、農水省もそうでございますが、農業関係者におかれましても、その負担問題というのが強く認識されるようになってまいりまして、国、府県、市町村、農家の負担区分というものを明確にするという動きが出てまいりました。それから、それに伴いまして、地方団体に対する財政措置の充実を図ってほしいということが重要な検討課題になってきておるわけでございます。御質問の中では、農業排水路につきましての財政措置につきましては、国営でございますが、平成二年度から地方公共団体負担分につきましては事業費補正をするようなことを考えたわけでございます。明年度以降につきましては、さらに、県営事業等につきまして、土地改良事業の中でも公共性の高い工種につきましては、その地方負担につきまして交付税措置あるいは地方債措置を講じる方向で今考えておるところであるわけでございます。
○吹田国務大臣 今局長答弁しましたが、純然たる用水それから排水という問題ですね。これにつきましては、本来が受益者負担という性格から来ておるわけですね。そういう点からの難点がやはりまだ残っておるわけでありますが、今お話がありましたように、地域の雨水の問題もあるいは下水もすべてそういったものに利用されているではないかという御意見につきましては、現実の問題はそういう形になっているのですね。ですから、要は、今先生がおっしゃりたいところは、山村における基本的財政収入というものが弱い。その財政収入を強めるのに、少しでも基準財政需要額の算定基礎に置いてくれれば、これが不足財源としてこれに計算させてもらえば基本財政収入額の一つになってくる、こういうことでの財政問題から来るお話だと思うのですね。 ですから、この点は今後も十分検討し、さらに地方財政の負担というものの方でカバーできるところは、今局長も申しましたように、県段階までの土地基盤の整備事業等につきましてはこれを対象として事業計画の援助をすることになってきましたが、まだ町村段階、あるいは団体営というものにつきましてはその対象にするまでの基礎資料が整っておりませんものですから、農林水産省とも協議をしまして、そういった面を今後の面で十分検討して、基礎資料が整い次第、また自治省と農林省で協議をしながらそういう点に配慮していきたい。そうして、できるだけ町村負担というものを軽減していき、歳入財源についての基盤もまた一面では確立していけるような方法をとっていくということで、検討課題にさせていただきたいと思っております。
○小川(信)委員 どうぞひとつよろしく検討していただき、地方の自治体の期待にこたえられるような結論を出していただくことを期待しております。 続きまして、私自身も地方に生まれ育って、そこから出たことのない人間ですので、地方というものがどんなにすばらしいかというのは、自分は自分で思っております。しかし、現実は東京への一極集中、大都会への一極集中という形で人口が移動する。さらに、国は、大都会、東京一極集中というものの弊害が出ておるから、多極分散的な国土形成というものを今打ち出しておられますけれども、現実まだまだ一極集中は進んでおるということでございます。 特に、これを人間の移動の面で見てみますと、これは山口県の一九九一年、ことしの三月の高校卒業見込み者数が約九千二百人おります。そのうち県外就職が三四%。それは広島、東京、大阪、愛知、福岡にそれぞれ出ていくわけでございます。そういうふうに山口県は、近いので地方の極になっておる広島にまずたくさんの高校卒業生が出ていく。そして続いて、日本の大都会である、一極である東京へ行く。その次が、関西の極になっている大阪へ行く。さらには、中京の愛知に行く。そして、隣県福岡、これは北九州、博多を中心としての九州の極でございますが、そういうふうなところへ山口県から高校卒業生の約三分の一は出ていってしまう。 そうして、相当数は進学いたしますから、大学に進学した人たちはどうかといいますと、約二〇%の子供たちが県内の大学へ行きますが、あとは皆県外に出ていく。東京、大阪等に出ていくというのが数字にも出ておるわけでございます。そうして、東京、大阪、県外の大学へ出ていった者がほとんどが出身県、山口県に帰ってこない。出たら出たっきりで、就学した県、東京から東京に行くということです。山口県から他県に進学した若い人たちがどうなっているかといいますと、出身県に帰ったのは、山口県では一六・七%。全国の数字は、二九・八%、全国的に見ると、自分の生まれた県に帰っていくわけです。しかし、山口県は一六%しか自分の県に帰ってこない。 それから、例えば東京の大学に行った学生は東京で就職するというのが、山口県は三一%あるわけでございます。それから、地元には帰らぬけれども東京の大学へ行った者が神奈川県とか千葉県とかに就職するというような者も五二%あるというふうに、言うなれば、山口県の子供が東京の学校や大阪の学校へ行って山口県に帰ってくればいいのですけれども、全然帰ってこずにそれぞれの県なりよそに行ってしまうということなんですね。それから、山口県にはそうたくさん大学はございませんけれども、地元の大学に進学した者が地元にとどまるのは山口県は三五%。全国平均は五七%ということです。ですから、山口県に生まれて育って学校へ行って山口の大学を卒業した者の約四割はよその県に行ってしまうというようなところなんですね。逆に、自分の生まれたところの大学に行き、そして自分の生まれたところで就職するというのが、最高が東京で八三・八%、こういうふうになっておるわけですけれども、そういうことになると、東京の人たちは、東京で生まれ育ち、そして東京の大学へ行き、東京で就職をするということです。山口県なんか地方は、生まれ育って高等学校時代にたくさん外に出る、大学に行くにも外に出て、それからよそで勤める。また、県内の大学に就学しても卒業したらよそへ出ていく。まさに若者がいろいろな形で外へ出ていってしまうというような状況なんですね。 そこで、こんなことは田舎の、地方の人間のひがみと言われるかもわかりませんけれども、子供が生まれて高校卒業するまで、また、浪人するのが多いかもわかりませんが、二十二歳で大学卒業するまで、その山口なら山口、地元の両親なり自治体がその子供たちを一人前の社会人にするために相当金をつぎ込んでいるわけなんですね。基本的な生計費もあるでしょうし、それから学校へ行かすための教育費もあるでしょうし、それから市町村は保育園や小中学校の維持管理のために金を使う。高等学校は高等学校で県の税金を使ってやっている。大体一人前に育てるまでに約五、六千万円の金が、大学卒業では要ると言われているわけですけれども、これは複利計算なんかにするともっとたくさんの金が要ると思います。いわゆる地方で投資をして人的資源を一人前に育てたものが都会に取られてしまう。そして、田舎はそのために金を使って、育てた資源に充てるために金はなくなる。そして、それで立派に育った人材という一つの資源を、都会でそれが動くことによって都会はさらに経済的に活力が出てくる。こういう形で地方と都市のアンバランスがどんどん拡大をしていく。やはりこういうふうな現実があるんじゃないかと思うのです。 そういうふうに考えますと、これはやはりこういう側面からの格差是正なり財政的な側面の調整を図るべきじゃないかというふうに思うわけです。極端に言うと、いわゆる税制面の再調整をこういうふうな面からもやらなきゃいけない。これは今の交付税ではなじまないかもわかりませんし、交付税の枠じゃ無理かもわかりませんけれども、こういうふうなことについて、自治省としては、多極分散型国土の形成、それから過疎過密対策の基本的な面を解消するというようなことから考えていかなければならない課題だというふうに我々は思うわけでございますけれども、その辺について技術的に可能なのか、政策的、政治的になら可能なのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○小林(実)政府委員 ただいま御指摘いただきました点は、私ども一番頭の痛いところでございます。何よりも東京への一極集中を是正して多極分散型国土の形成を図ることが我々に与えられました一番の大きな課題でございます。基本的には国土政策あるいは産業政策ということになるかと思いますが、自治省の守備範囲におきましても、地方の産業の発展、振興を図る、あるいは雇用の拡大を図るという面から今までも努力を重ねてきたつもりでございます。市町村に一律に一億円を交付するというのも地域づくりのきっかけになりましたし、それから地方の民活によりましてこの発展を図るという意味からのふるさと財団等もこの雇用の拡大とか産業の振興には寄与しているというふうに思うわけでございます。金額的に大きなものはやはり交付税でございまして、交付税措置、それから地方債につきましても、過疎債その他で財政力のないところには手厚い措置をいたしておるわけでございます。こういった今まで行ってきました財政力のない団体に対する財政措置につきましては今後とも充実を図りたいというふうに考えております。 それ以上のことが何か考えられないのかというさらに重ねての御質問かと思います。私から申し上げていいのかどうかわかりませんが、今後の問題といたしまして地方税、地方譲与税につきましても検討しなければいけない問題があろうかと思います。地方税源の地域的偏在の是正に資するために、今後、税源帰属の適正化の観点から法人事業税の分割基準の見直しを検討していくというようなこと、それから、地方譲与税の配分基準につきましてもその見直し等について検討していくということにいたしておりまして、このことは結果といたしまして財政力の格差の是正に資するものというふうに考えておるところでございます。
○小川(信)委員 よろしく御検討願います。 じゃ、次の問題に入りますが、消防の問題でございます。地方におきます消防職員の高齢化または高齢化傾向に対して、地方では将来を展望して非常に危倶されておるところでございます。これは広域消防体制、事務組合等の設置等によって消防職員を一斉に導入したというような形で、年齢的な配分が十分でなかったというような面もございましょうけれども、また一方で六十歳定年制の施行とか、特例退職共済年金の支給開始年齢の引き上げの問題とかいろいろな問題等がありましょうが、いわゆる年齢構成の隔たりがあって、だんだん高齢化が進んでいく。御存じのように消防という仕事は国民の生命、財産を守る最前線であるわけです。そして、これが地方自治体の固有の業務としてずっと続けられてきたという歴史的な経緯もございます。 そういうふうなことを考えると、この消防職員の高齢化ということは、その傾向があって、山口県の例なんかを見ますと十年先には平均年齢が四十歳代の後半ぐらいになるのじゃないかというようなことも言われております。そういうふうな高齢化をしますと、やはり非常にハードな作業、仕事でございますので、災害現場での活動の水準が低下してくるのじゃないかという心配もありますし、消防職員は専門職として、それから、町村の場合は広域がありますけれども市部においては市の消防署、それから広域の消防組合の消防職場ということになりますと職域が非常に固定化されるということで、人事管理上も非常に難しい問題もあるし、それから事務部局、他の行政部局との交流も現実難しいというようなこと等もあって、職場の活性化というか活力、こういうようなものとか士気の低下というようなことも考えられるのじゃないかということです。言うなれば、警察や自衛隊と同じように階級社会的な性格も一面には持っているというようなことでもございます。そういうふうな課題がある。一方では現在の災害発生、火災発生等を見ますと、相当長時間の災害防除活動等が求められておる。それにたえる体力なり気力というものを持ち続けなければならないということであるし、それから災害の規模が大きくなってきておる、さらには複雑化してきておるというような問題等もあるわけなんです。 こういうふうな消防の第一線の現場の現実というものについてどのように御認識されておるのか、まず消防庁、お聞かせいただきたいと思います。
○木村政府委員 消防職員が全体的に高齢化しつつあって、御指摘のようにあと十年ぐらいたてば四十歳代後半の平均年齢になるではないかというようなことは十分に認識をいたしております。同時に、御指摘のように消防という仕事は、長時間にわたって相当の肉体的な活動を必要とする業務でございますので、職員構成等を十分考え、十分な警防活動ができるような体制をとっておくということが必要であるというふうに考えております。したがいまして、消防庁といたしましては、昭和六十一年に消防職員高齢化対策検討委員会というものを設けまして、そういった問題について認識を深め、かつ対策を検討してまいっているところでございます。
○小川(信)委員 これは一つの提案でございますけれども、現実に消防職員の健康面を見ますと、慢性の蓄積疲労なり、腰痛とか、胃腸系、胃潰瘍とか、そういうふうな疾病が他の職場に比べて非常に多い。それから、眠れないという睡眠不足等があります。それから、労働受傷率も約七%と相当高いという現実もございますし、消防では割に少ないかもしれませんが救急の場合には、感染症に感染するというような問題等も、エイズとか慢性肝炎とか、こういうふうなものがあるわけですから、そういうふうなものに対する対策を積極的に講ずる必要があるのじゃないかということ。それから、夜眠れないというようなことについても、現在は一昼夜二部制の十六時間勤務体制ですね。やはり三部制の体制にするとか二交代制にするとかいうようなことが必要じゃないか。そのためには定員を、少しずつは基準財政需要額でふやしておられますけれども、思い切ってふやす必要があるのじゃないか。さらには、私も消防署の現場へ行ってみましても、新しいところは別でしょうが、古い消防署の職場は、ここで待機して寝ろといったってなかなかそうはいかないような、まだまだ環境が十分でないというようなことがございますが、やはり個室、大きい必要はないと思いますが、小さくても個室で、個人専用の寝具というようなものも整備するとか、それから待機室の環境整備をするとかいうようなことを積極的に進めていくということが必要じゃないか。そのためには相当のお金も要るでしょう。さらには、高齢化すれば、消防器具を軽量化して、余り重くないような、そして自動化も必要だろう、そういうふうなこと等の整備強化もしていかなければならないと思います。 さらには、先ほどちょっと申し上げたように、定員をもう一遍見直してみるというようなこと等を十分考慮しなければならないんじゃないか。と同時に、市町村に交付されました需要額が本当にきちんと消防行政に使われておるのかというようなこともやはり考えてみる必要もあるのではなかろうかというふうに思います。 一つの提案と同時に私の考え方も申し上げたのですが、消防庁としてはどのようにお考えか、受けとめられるか、その辺お伺いしたいと思います。
○木村政府委員 消防及び救急救助、いずれの活動をとりましても他の行政にはない厳しい部分があることは御指摘のとおりでございまして、特に安全と健康の管理につきましては、私どもも最大の注意を払い、安全委員会あるいは健康の環境整備について組織をつくって検討をし、環境の改善に努めるように指導をしているところでございます。 特に、職員の増員でございますが、御指摘のように、二部制、三部制の選択の問題が一つございます。これから次第に高齢化が進んでまいりますと、やはり二部制では厳しい、三部制を導入していくべきだという考え方が出てくることも自然の成り行きではないかと考えます。私どもも、二部制よりは三部制の方が、安全衛生の管理面から見ても好ましいとは存じております。現に、現在二部制が大部分でございまして、数字で申しますと、消防本部の九四・一%、職員数で八三・八%が二部制でございます。これまではそれで円滑な運営を行ってきたわけでございますが、高齢化に伴っていろいろ問題が出てくることは御指摘のとおりでございます。ただいま申しました数字は昭和六十三年四月一日現在でございますが、非公式でありますが二年後の全国消防長会の調べでは、三部制実施消防本部が五十五団体から六十団体にふえているということもございます。こういうことも踏まえながらさらに検討をしていきたいと思いますけれども、増員という問題につきましては、厳しい行政改革の潮流の中で非常に難しい問題があるということも御理解をいただきたいと思います。 それから、もう一つの御提案でございます、待遇の問題と関連して財政措置をされた需要額に見合うだけの歳出は少なくともやらなければいけないではないかという御指摘でございますが、これは交付税の制度としてはそれを強制することはできませんけれども、消防庁としての立場としては、少なくともせめて需要額に算定された額を超える歳出を計上するように努力されたい、こういうことを強く指導いたしております。 それから軽量化の問題でございますが、高齢化の進展に伴ってやはりこれは一つのポイントであろうと存じます。端的な例を申しますと、例えば消防職員が一番よく使います三連ばしご、これの軽量化を例にとりますと、いろいろ工夫が凝らされておりまして、従来四十キロぐらいの重さを持っていたものが現在は三十二、三キロまで軽くされているとか、あるいはホースを延長するときに、今まで担いで走っていたものを自動の小さな車で延長するとか、いろいろな創意工夫が行われているところでございます。 そういった問題について、消防職員高齢化対策検討委員会を設置したと申し上げましたが、その後さらに消防装備の軽量化省力化安全化等推進検討委員会を設けまして検討を進め、指導しているところでございます。総体として、消防職員の安全管理、健康管理そして職務環境の改善については最大の努力を払ってまいりたいと考えております。
○小川(信)委員 御努力をぜひお願いしたいと思いますが、そのためにも、これはすぐには実現しないかと思いますけれども、昨年五月にジュネーブでございましたILOの消防職員の雇用と労働条件に関する合同会議、これには政府も御賛成をされておられるわけですから、これらで決議されました事項等を早急に実現して、やっぱり消防職員の団結権なり交渉権を確立されるということも必要ではないか、御検討を願いたいと思います。 続いて、もう余り時間がございませんので、簡単に申し上げますので簡単に御答弁いただきたいと思いますが、消防団の問題でございます。過疎地域においては消防団が非常に高齢化をしてくる、さらには消防団員の若者の消防団離れがありますが、これに対しての対策をどのように講じられるか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○木村政府委員 消防団員はピーク時二百万おりましたものが現在百万を切ってしまいまして、これは私どもにとりましても非常に深刻な問題でございます。 そこで、消防団活性化総合計画策定要綱というのを全国に示しまして、そういった計画を立てて活性化を図っております。さらに、平成二年度からは消防団活性化総合整備事業という事業を興しまして、装備や施設の改善に国庫補助をしていく、こういうことを行っておりますが、特に過疎、離島分につきましては、かさ上げ補助を行っているということでございます。さらに、サラリーマン化によって消防団員が働きにくくなるというようなこと、青年の消防団離れ等がございますので、いろいろなイベントや理解を深める行事を行いますことについて、ふるさと消防団活性化事業というものを興しまして助成をいたしております。また、団員の処遇改善、これも年々図っております。それから、女性団員の募集も次第に始まっておりまして、日本消防協会等と協力してその増加を図ってまいります。また、青年層を引きつけますためには、処遇改善でありますとか器具の近代化でありますとか、あるいは服装をスマートにするというような問題もあろうかと思って、そういうことにも取り組んでおります。
○小川(信)委員 消防団の問題については今おっしゃったようなこと、これは本当に啓蒙も必要でしょうし、イベントも必要でしょうし、魅力ある消防団というのは何かということは非常に難しいかもわかりませんが、でもやはり本当に自治消防という消防の原点ですので、これの活性化のためには御努力いただきたいと思います。 同時に、私は現場を見ますと、消防団の出動手当が一対四ぐらいの差があるわけですね。やはり消防団の業務として出動されたときの手当というのは相当のものを考える必要があるのじゃないかということもあわせて、もう時間がございませんので御答弁は結構でございますけれども、ぜひお願いをして検討していただきたい事項だと思います。 それから地方税法のことについて御質問しようかと思いましたが、時間的にございませんので、これはまたそのときに譲らせていただきます。ただ一点、地方税の改正で、固定資産税の関係で市街化区域の農地に対しての課税の適正化ということを大臣は所信の中で述べておられますが、これは生産緑地法の改正等の関連になってくると思います。生産緑地法はまだ閣議決定されておりませんが、大体の大綱、骨子が出ております。その中に、農林業と調和した都市環境の保全というのを明記するというふうにされておるわけでございます。この農林業と調和した都市環境の保全ということになりますと、良好な都市環境の形成の責任は具体的には市町村長がその責任を負うということになると思います。というのは都市計画をつくるのは市町村長、いわゆる地方自治体の長だということになると思いますが、そのような認識でいいのかということです。それから、そのためには現在ある都市計画を平成四年以降見直しをして、調和を図られるような都市環境の新しい都市計画に手直しされるのかということをまずお聞きしたいと思います。
○林説明員 御説明いたします。 現在市街化区域の農地の状況につきましては、近年大都市地域を中心にしまして住宅宅地の需給が逼迫しているという現状等にかんがみまして、積極的に活用して住宅宅地の供給の促進を図るということが求められておりますが、他方で、生活環境の確保という観点から、残存する農地についてその保全の必要性が高まっているという実態もあるわけでございます。例えば東京都区部におきましては、今先生の御指摘になりました生産緑地法、昭和四十九年に制定されたわけでございますが、その当時に比べましてその量は半減しているといった実態もございますので、従来以上に農地の持つ緑地的な機能が高まっているということでございまして、その適正な保全が必要となってきているというふうに認識しておるわけでございます。 したがって、そのような宅地化を図っていく、あるいは保全を図っていくという両方の要請に対応するために、政府の総合土地対策要綱におきましても、都市計画におきまして宅地化するものと保全するものの区分を明確に行うということにいたしておりまして、保全するものとされる農地につきましては、市街化調整区域への編入とか、あるいは生産緑地の制度を見直しまして、その制度の積極的な活用によりまして対応していきたいというふうに考えております。生産緑地法の改正につきましては、既に閣議決定を終えまして、現在国会に提出中でございます。その中で、国及び地方公共団体に対しまして、都市におきます農地の適切な保全を図ることにより良好な都市環境の形成に資するよう努めなければならないといったような責務規定も置いているところでございます。 先生のお尋ねの、市町村長が中心になってこのような農地の保全のことを考えていくのかというふうな御指摘でございますけれども、基本的には都市計画につきましては都道府県知事あるいは市町村が決定をされるということでございますが、実質的には、都道府県知事の決定する都市計画につきましても市町村が原案等の作成について主体的に参加するということでございますので、市町村が主に責任をとる形で都市計画の運営を行っていくということについては私どももそのとおりだというふうに考えておるわけでございます。 それから二番目に、このような生産緑地制度の改正を一つの契機にして種々の都市計画を見直すということになるのかというお尋ねでございますが、個々の具体的な都市計画につきましては、先ほども申しましたように市町村長を初めとする地方公共団体が行うということでございますが、現在の制度よりはより農地を永続的に保全するというような性格の都市計画に生産緑地地区というのは変わってくるというふうに考えております。そのような意味で、新しい生産緑地地区の指定を契機にいたしまして、地方公共団体が必要に応じまして既存の他の都市計画についてもケース・バイ・ケースで見直しをしていくということは十分あり得るものではないかというふうに考えております。
○小川(信)委員 ところで、この生産緑地の管理に対しては市町村長に相当の役割を持たせておられますけれども、その場合に、いわゆる農業委員会の役割というもの、これは農地の移動とか利用調整の役割を農業委員会が持っておるわけですけれども、農業委員会に対して、法律の中ではどういう役割を期待し、持たすというふうに考えておられるのか。どうも農業委員会の役割が明確でないような感じがしますが、その辺、法をつくられました建設省の考え方を聞きたいと思います。
○林説明員 農業委員会につきましては、生産緑地地区制度の運用に当たりましてその果たす役割は非常に重要なものというふうに考えております。今回の生産緑地法の改正の中でも、十七条の二というところで、市町村長が農地の所有者等にいろいろな援助を行う際に農業委員会の協力を求めることができるという規定を明記しております。このような規定を置きましたのは、農業委員会が農地法等についての種々の権限を持っているということと、あるいは農地等の利用関係についてのあっせん、その他農業に関するさまざまな権限を有しているということ、さらに、農地としての管理に精通し専門的な知識を有しているということもございますので、その機能あるいは知識をできるだけ活用いたしまして、生産緑地の適切な管理を実効あらしめることができるようにするためにこのような改正を行うというものでございます。
○小川(信)委員 もう時間がございませんので内容は申し上げませんが、きょうは厚生省の方からおいでいただいて廃棄物処理行政の問題について御質問しようというふうに思っておりましたが、時間がございませんが、今厚生省でこの法案、改正が検討されておられるようでございますが、廃棄物処理行政というのは非常に大事なものであると同時に緊急な重要な課題である。同時に、この行政は古来自治行政の中で行われた、いわゆる地方自治体が中心になって行っていた市町村固有の事務であるというふうなことを踏まえて、この廃棄物処理行政の法律の原案を検討されておられますけれども、厚生省は自治省と十分連携をとって自治省の意見を聞き、場合によってはこの地方行政委員会の意見を十分聞いた上で進めていただくように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○森田委員長 小谷輝二君。
○小谷委員 吹田大臣にはこのたび御就任まことにおめでとうございます。心からお祝いを、お喜びを申し上げたいと思います。 大臣はちょうど、先ほどにもちょっとお話がございましたけれども、地方団体に長い間御経験があり、特に、昭和五十年であったかと思いますが、全国議長会議等でも、ちょうど私、大阪府議会におりまして何回かお目にかかり、また御高説を伺ったことがございます。それだけに全国三千数百の地方自治体の大臣に対する期待は大きいものがある、このように思っております。 そこで、今日の地方自治体は高齢化社会に向かう福祉の問題、また教育、医療、また過疎問題、社会資本整備等々、地方自治体の抱える問題は多岐にわたっております。大臣の所信表明にも決意が述べられ、それなりに大きな期待を持っておるものでございますが、この実情を踏まえていま一度、現状をどう認識してどう対応されようとするのか、抱負をお聞かせいただきたい、こう思います。
○吹田国務大臣 先生今お話がございましたように、地方自治の問題につきましては、私もまあ長年携わってきた経験者でありますし、先生もまた同じようにそういうことでお仕事を進めてこられたわけでありまして敬意を表するわけでありますが、私も、行政の基本といいますか基盤というものは何といってもやはり地方自治体にその基盤があるんだ。この地方基盤のある自治体の運営いかんによって非常な大きな格差が出てまいりますし、それぞれの地域で、わずか三十八万平方キロの我が国の国土でありますが、その条件というものは非常に大きく違うわけであります。そういった環境の中にそれぞれの地方自治体が地方住民の意思を率直に組み込んで町村の発展あるいはまた住民の福祉ということに向けて頑張ってきておる。それが首長であり、それぞれの選ばれた議会の皆さんであると思うんですね。そういった自主的な主体性を持った民選によって選ばれた方々によってこれが運営されていくわけでありますから、私は中央政府としてもこれに全面的な、仕事のやりよい方法で、主体性を持ってやりやすいように応援をすることが必要であると思っております。なかんずく自治省はその頂点に立って頑張って応援していかなきゃならぬ、こういう気持ちでおります。
○小谷委員 吹田大臣は自治大臣であると同時に国家公安委員長としてその要職を務められるわけでございますが、また、就任のごあいさつ、所信にもございましたように決意の一端は承りました。 最近、暴力団の対策につきましては非常に国民の関心も高いことでもございますし、警察庁におきましてもこの対策を強化しようということで検討されておるようでございます。暴力団の勢力が日に日に増しておる、全く憂える状況でございますし、市民生活や経済活動に及ぼす影響も深刻さを増しておる、こう思っておるわけでございます。また昨日の新聞、またけさほどでしたかNHKテレビもこの実情について、また今御検討されておる暴力団対策の新法、これについてもいろいろ報道があったようでございますが、警察庁から暴力団に対する現状と、国家公安委員長の暴力団に対するところの抱負をお聞かせいただきたい、こう思います。
○吹田国務大臣 暴力団に対する抱負というのはありませんが、暴力団に対する対策というのはこれまたやはり私の最も大きな任務の一つであります。 私どもが調査しております数字からいきましても、暴力団の構成人員というのは全国で約八万八千六百人に及んでおるというふうに言われておりますし、その中でも二十歳未満の、構成員と申しましょうか、あるいはそういう連中との交際を開始したということからしますと四五・七%である。加入年齢が、三一・一%は二十歳以下であるということを考えてみますと、奥さんもいない、子供もいないというのが三〇%以上占めているんだということになりますと、これは極めて怖い組織であります。 私はそういったことから考えてまいりますと、この私が持っております国家公安委員会委員長の仕事、大事な仕事がいろいろございます。テロの問題を初めとしてございますが、その中でも国内においてのこの暴力団の組織というものについては何としましても一番神経を使っておるのは警察庁だと思うのですが、警察庁長官を初めとするこの任務に当たっておる職員を激励をし、そうして皆さん方の御理解と御協力をいただいてこれに対して壊滅をしていかなきゃならぬ、こう思っておりますが、なかなか言うことはやすいんですけれども、実際に現実の問題としてそれを施行するのには今の法律では到底難しいという感じがいたします。したがいまして、新しい法律制度を設けて、皆さんの御理解をいただいてそれができ得れば、何とか善良な地域住民、市民の皆さんを守ることができるんではないか、安心して幸せな生活が送れるというのが政治の原点でありますから、そういった点からこれから努力していきたい。 先ほども申し上げましたが、こういった法律をつくるということは決して警察権を強めるというのじゃないのでありまして、住民の生きる、生活をしていく、幸せな生活をしていく権利を守っていく、これを強めていくということに考え方を置きかえていかないと話が難しくなってくるわけであります。したがいまして、ぜひそういう点で警察当局も考えてくれるようにということを今指示しておるところでありまして、その本旨に沿ってこれから努力していくと思いますが、詳細にわたりましては、きょうは刑事局長も来ておりますから、また残余は答弁をさせます。
○國松政府委員 ただいまの大臣の御発言に若干補足をさせていただきますと、私ども暴力団対策をとにかく現行法の枠内で全力を挙げるというのが大切な私どもの使命であることは間違いないわけでございますが、現行の法制度で必ずしもうまくいかないという点が何点かあるわけでございます。 その一つが、例えば暴力団というのは組織的に威力を利用いたしましていろいろな資金源活動を行っているわけであります。一般の方々にとってみれば、示談交渉あるいは地上げなどで押しかけてきた相手方が暴力団員であれば、そのことだけで何をされるかわからないという不安がある。ところがそれらに対するどういう法規制があるかということになりますと結局、恐喝罪とか脅迫罪というのがあるのでありますが、最近はなかなかそういうことにならない方法で、とにかく相手方の畏怖心といいますかそういう心理を利用して、恐喝とか脅迫にならない巧妙な形で不法な利得を得ているという実情がございます。こういうものに何とか対応できないかというのが一つの問題意識としてあるわけでございます。 もう一つは、対立抗争事件が起こりまして、暴力団員相互に殺し合いがある、一般人も巻き添えになる、警察官も殉職をするというような事態になりました場合にこれをどう対処するかという問題でございますけれども、警察においてやれることといいましたら、警察官を大量に動員いたしましていろいろな彼らのいる事務所の周辺の警戒を実施して、その付近の住民の不安をなるべく除去をするという措置を講ずるのでありますが、それ以上のことはなかなかできないというようなところがありますので、そういった問題点につきまして何とか新しい法規制をお願いできないかということを今いろいろと検討しておるというところでございますので、その必要な背景につきまして先ほどの大臣の御発言を若干補足させていただきます。
○小谷委員 今大臣がおっしゃられたように、私の方の調査資料をちょっと見てみましたら、暴力団に加入時、暴力団に入団したというのですかね、このときの加入時の年齢が十五歳から十九歳、全くまだ未成年者、これが三三%もある。こういうことで、まだ社会人として十分責任の負えないような少年が暴力団に入会というのが三三%もある、こういう調査があるわけです。これは非常にゆゆしきことである。憂うべきことである。また、まだ社会的にもすべて十分責任の負えない年齢であります以上、最も危険な行動もあえて行う年齢でもございます。したがって、これはいかなる理由によるものなのか、この点に対してどのように掌握し対応されていこうとされるのか、この点、警察庁、お答えください。
○國松政府委員 暴力団の中に最近そういった若い特に少年層が多く加入しておるということをただいま数字を挙げての御指摘がございました。私ども全く同じように把握をいたしておりまして、大変ゆゆしい問題であるというように思っております。したがいまして、こういうように暴力団が少年を組織の人的な供給源としているという実態があります以上、これを少年保護という立場からも何とかしなければならない。その場合に、もちろん現在の現行法をいろいろ利用いたしまして、少年の補導活動や相談活動を通じまして少年を暴力団から守るというのがまず我々のやらなければならないことでございますけれども、これとあわせまして、少年が暴力団に加入することを防止するための新たな法的な仕組みについても検討する必要があるのではないかというように考えておるところでございます。
○小谷委員 それからもう一点、暴力団関係で。最近この暴力団犯罪が国際化してきた、このように言われているわけでありますし、特に銃器、覚せい剤、この密輸関係、また外国人の不正入国、また偽装結婚によるところの売春事業等々、まあ国際的に活動範囲が広まってきつつある、同時に、海外にまでこの暴力団組織ができつつある、こういうふうに言われているわけですが、この実情と対策はどうですか。
○國松政府委員 近年、暴力団はけん銃や覚せい剤などを求めて頻繁に海外に渡航していると私どもも考えております。例えば、昨年十二月警視庁が検挙いたしました事例でございますけれども、暴力団幹部が不法に出国をいたしまして、外国人けん銃ブローカーと共謀して中国製と見られるけん銃を大量に密輸入をしたということが明らかになっておりますし、また、諸外国の捜査機関などから暴力団の入国や活動状況につきまして多くの情報が寄せられております。このような外国での暴力団の活動に対処するため、私どもといたしましては、東南アジアや米国の捜査機関を中心として外国の捜査機関との間で国際会議を持つ、セミナーを開催するといったようなことをいたしますとともに、情報交換のための捜査員を随時海外に派遣するなど、外国の捜査機関との連携を図っているところでございます。また、けん銃などの密輸入事犯につきましては、税関、入国管理局等の関係機関との連携を一層緊密にして水際でこれを防止することが大切でございますので、そういった努力を今後もやってまいりたいというように考えております。
○小谷委員 このようなまさに社会正義を踏みにじり秩序を乱す、こういう暴力団の行為は許せません。善良なる国民が安心して生活できるように暴力団に対する対応を強く求めておきます。 次に、地方自治の問題でございますけれども、民主政治の原点は生活者の視点に立つものでなければならない、このように私ども思っておるわけでございますし、特に生活優先という考え方が大切であろう、このように思っております。そのような観点から、特に地方自治の確立には国と地方の関係、役割、ここらの分担を明確にしていかなければならない、こう思うわけであります。したがって、今までも行革審におきましても地方制度調査会におきましても幾たびかこの点について指摘をされてきました。ところが我々の知る限り余り役割分担が明確にできたというものは見かけられません。どこまで改革が進んでおるのか、この際お聞かせください。
○浅野政府委員 国と地方はともに相協力し機能を分担し合って国民、住民の福祉のために仕事をしていくべきものだということは申すまでもないわけでございますし、そのために機能分担が重要であるということであると思います。従来から言われておりますのは、住民に身近な行政は地方でやっていくんだ、つまり地域性の問題でありますとか、全体として効率よくやっていけるようにするとか、あるいは総合行政でやっていくとか、そういうものを基準として国の仕事、地方の仕事を明確に役割分担をしていくべきだ、こういう考え方が確かに示されておるわけでございます。具体的には、個別の法律改正をいたしますときに、そういう視点から権限の配分あるいは既存のものについて再配分の努力をするわけでございまして、これまでも御案内のように三回にわたって一括法でいろいろな措置も講じてまいりました権限移譲とか国の関与の関係、それからなお、一昨年でございますが第二次行革審の方で答申をいただいております、これの着実な実現ということも今後努力をしますし、さらにその上、あるべき役割分担に向かって努力をしてまいりたいと思います。ただ、数量的にどこまでいったかということをお示しすることがなかなか困難でございますが、そういう考え方で今後とも努力をしていきたいと思っております。
○小谷委員 国の権限、また財源地方移譲ということにつきましては、長年ここでも議論をされてきたことでございます。特に地方の自主性を尊重する意味から、国の権限移譲を地方にするということとあわせて、財源ですね。先ほど大臣のお話では、情熱を持たなければならぬ、これももっともなことであろうと思いますけれども、情熱だけではどうにもなりませんので、財源の伴うものでなければならない。ところが、財源ともなれば、むしろ中央集権化が強化されつつある、こう思えてなりません。地方の独自性、自律性というものが、財源は中央に吸い上げられて、中央から常に配分されていくようなことがずんずん、言うならば財源そのものが、自主財源が乏しくなっていけば、これは逆な方向に進むのではないか、こう思うわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○吹田国務大臣 先ほどからも申し上げましたが、この三十八万平方キロの我が国の土地条件というものが非常に違いますよね。地域によって環境が違います。ですから、恵まれた地域には工場も相当立地して、法人もいますから、そこに財源が、相当自主財源として入ってくる。そうでない山村あるいは積雪寒冷地域というようなところにはやはり工場の立地も薄いということになりますと、自然に自主財源も乏しくなってくる。すべて住民税や固定資産税で賄う以外にないというようなことになってくるわけであります。そういったことがら、地方自治に対しまして、その基準財政需要額に対して必要な財源の不足部分を基準財政収入として、不足部分は交付税として自治省から交付していくという建前になり、その財源をできるだけふやしていこう、こういうことでやっているわけであります。 ただ、補助事業を非常に拡大強化するということは、私は必ずしも適当ではないと思っておるわけでありまして、できるだけ自治省の、そうした自主財源として考えられる、地方財源として考えられる交付税の金額が大きくなって、そうして民選で選ばれた、選挙によって選ばれた首長さんやあるいは議会の皆さんが、そこにその町の自主性を持って運営できるような財源としてこれが適当に消化されていく、こういう形になっていくのがいいのではないかな、こう思っておりますだけに、補助率の問題もいろいろありますけれども、補助制度そのものを拡大強化するというのには私は必ずしも、適当であるものもありますが、そうでないものもある、これはよほど取捨選択しないと、地方の主体性を失う場合もあり得る、こう思っているわけであります。
○小谷委員 大臣から今説明ございましたが、今まで地方の自主財源として非常に安定した財源であった電気ガス税等、これは国税の消費税に吸収される。もちろんそれに対する消費譲与税に配分されていくということで、今おっしゃったように均衡のある、特に交付税等は財政的にも非常に弱い市町村に、また過疎等に手厚くということで、それはそれなりの意味があり、制度上進んでいっておるものと思いますけれども、今回行われようとしております地価税にしても、これは本来地価に対するもの、資産に対するものについては地方税がなじみがあったわけでございますけれども、国ということのようでございますし、そういう点から、これからは本来の地方自治体独自の安定した財源というのをもっと強化していかなければならないのではないかなという気がいたす次第でございます。 次に、先ほどからもいろいろ問題になっておりますが、公共事業に対する補助負担率、今回六十一年の水準に復元したということでございますが、そもそもこの暫定措置というのが既にもう九年間も続いているわけでございまして、暫定措置というのの定義というのはどういうことなんですか。これは自治省、説明してください。
○小林(実)政府委員 補助率の問題につきましては、昭和六十年度以降、極めて厳しい国の財政事情の中で行われてまいったわけでございます。六十年度は一年、それから六十一年度のときには三年、さらにその途中におきまして六十二年に行われるというようなことがございました。前回の期限切れのときには、やはり公共事業につきましては事業量を確保することが必要である、こういうことで二年続き、今回また三年以内でお願いをいたしておるわけでございます。全体的には、厳しい国の財政状況のもとで、一般歳出の抑制を図りながら、しかし同時に行政水準を低下させることのないようにする、特に公共事業につきましては事業量の確保が必要である、そういう要請でその都度その都度厳しい折衝を行いまして、しかられておるわけでございますけれども暫定ということで続いてきておるわけでございます。これはあくまでも暫定で、今までも三年以内ということで来ておりまして、恒久的なカットではないわけでございます。 今回の三年につきましては、従来と異なりまして、事業官庁も入りまして覚書を交換いたしまして、暫定期間内に詰められるものは詰めて、体系化、簡素化等の観点から総合的に検討しよう、結論が出れば逐次実施に移すという話になっておりますので、その精神にのっとりましてなるべく早くこの問題につきましてけりがつくように努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○小谷委員 この暫定措置がとられるたびに、この間に、この期間にということで進んできたわけですけれども、依然として暫定から暫定、しかも六十一年に戻ったといえども、復元したといえども、六十一年そのものが暫定なんですよ。じゃ、本則はいつの時点ですか。
○小林(実)政府委員 今回の続いておりますカットの本則というのは五十九年ということになろうと思います。各国庫補助制度につきましては、本法と附則という関係でいいますともっと古いものもございますけれども、今回カットの対象になっておりますのは、五十九年が本則、こういうことでございます。
○小谷委員 じゃ五十九年度を本則とするならば、五十九年度から補助率がカットされて、その間の経過と、この経過は今お述べになりましたから結構ですけれども、影響額の推移をちょっと説明してください。
○小林(実)政府委員 国庫補助負担率の今までの経緯でございますが、昭和六十年度に、一年間の暫定措置として二分の一を超えるものにつきまして約一割引き下げが行われまして、地方財政への影響額は五千八百億でございます。 それから一年かけまして補助金問題関係閣僚会議検討会で検討いたしました結果、六十一年度からさらにカットされまして、このときには公共事業でいいますと、直轄につきましてはカットは行われませんで、補助事業につきまして一割程度のカットが行われました。経常経費等につきまして児童措置費等につきまして二分の一カットというようなものが行われたわけでございますが、その影響額は一兆一千七百億でございます。 それから六十二年のときには、投資を中心に六十一年にカットが見送られました直轄事業につきまして一割、補助事業につきましては三回目で五%カットというものが行われました。地方財政への影響は一兆四千九百七十億でございます。 それから平成元年でございますが、これは六十三年で期限切れになりまして平成元年のときにどうするかということが問題になったわけでございますけれども、経常経費系統の生活保護につきましては四分の三に復元いたしまして、保育所等につきましては二分の一で恒久化されたわけでございます。このときにはたばこ税を交付税の対象税目にいたしまして、二五%交付税率にいたしたわけであります。それから、前から挙がっておりました地方たばこ消費税をそのままにした。一方、この関係の事務につきましては、従来機関委任事務でございましたものを団体委任事務化したということもございまして経常経費の方は恒久化いたしましたが、投資的経費につきましてはさらに引き続き継続がなされまして、このときの影響は八千五百億でございます。平成二年におきましては地方財政への影響は八千五百億でございます。 それから今度は平成三年でございますが、ハードの方は普通会計でいいますと六千三百億、それからソフトの方は九百七億、こういうことになっておるわけでございます。
○小谷委員 大臣、地方六団体からもたびたびこの補助率の問題について要望が出されております。特に大臣にとってはなじみの深いそれぞれの団体でございますので、この要望をどのように受けとめていらっしゃいますか。
○吹田国務大臣 全く私も、願わくば五十九年度の補助率に復元するということをこいねがうわけでありますが、御案内のような諸事情から、とりあえず今年は暫定措置として六十一年度の補助率に復元する、しばらくの間、この三年の間に復元できるものから逐次これをできるような方向を政府としてもとっていこうという考えでありますし、願わくば、今後はそういう形でできるだけ関係地域の皆さん方の御要望に沿えるような方向をとろうとしておるわけでありますが、何分にも財政の問題でありますから、私もこれに対して確たることをこの席で申し上げるということは非常に難しい問題でありますけれども、自治省として私どもは、先ほどからの考え方に向かって全力を挙げて地域の主体性というものを生かしていけるような形で努力いたしたい、こう思っております。
○小谷委員 歴代の自治大臣は、この補助率カットに対して、本則すなわち五十九年度補助金ベースに戻すということ、これは基本的スタンスである、こういうふうに言ってこられたわけであります。吹田大臣もそのようなスタンスで進めていくというふうに確認をさせていただきたい、こう思っております。 先ほど局長から、事業量の確保ということが、自治体の要望もこれあり、補助率のカットをしたことについてそれだけ事業量がふえるんだという話がございましたが、地方六団体はそんな要求は、僕は、していない。そういう理論なら補助率がもっともっと低い方がいいんじゃないですか。事業量はもっともっとふえますよ。そういうことになるわけでありますから、少なくとも六団体の要望は、生活関連、社会資本投資、非常におくれている、事業量の確保と補助率の復元、あわせてお願いをしたい、こういう陳情であろうと私思っているのですけれども、自治省どうですか。
○小林(実)政府委員 地方団体の気持ちとしてはそういうことであろうと思いますが、限られた財源の中でいいますと相矛盾するというか、なかなか共存できるお話ではございませんので、どちらかを優先するというようなことになりまして、今までの経過といたしましては、公共事業につきましてもやはり事業量を確保してほしいという観点から暫定措置が重ねられてきておる、こういうことで御理解をいただきたいと思います。そういうような中で、平成三年度におきましては、初めてでございますが、公共事業につきましても、一部ではございましたけれども復元をするということで話がついたわけでございます。
○小谷委員 地方交付税の五千億円の特例減額でございますけれども、これは地方交付税の総額から特例として五千億円減額処置を講じる、このことについて、大臣の御就任前の話で大臣にお聞きするのはどうかと思いますが、現時点で、やむを得ぬ、こういう形になってしまったということであろうと思いますが、この時点を、この対応を現大臣としてどのように評価され、どのように考えておられますか。
○吹田国務大臣 これは、何もかも御存じでお尋ねでありますから私がくどくど申し上げることはございませんが、何と申しましても、やはり国の事情があるときは自治省としましては国の事情も聞き届けてあげるということも必要でありましょう。それから、地方自治体としての立場が非常に苦しいときはそれなりに国も大幅に我々の言い分を認めてくれるということで、お互いにそこは国の財政の問題と地方財政の問題とはひとつこれからも十分提携していかなければならぬということであります。私は、このことで地方財政に影響が出る、前年度を下回っていくというようなことになるとすればそれは大変なことでありますけれども、そういうことではございませんから、今回、前大臣でおとりになった措置でありますけれども、私はそれをそのまま素直に受けとめて、これで新しい年も進んでいかなければならぬだろう、こう思っております。今後また、四年度以降において十分考えられることは考えていかなければならぬ、こういうことで努力をしていきたいと思っております。
○小谷委員 今回のこの処置は、国の建設国債発行を縮減するという、内容的には実質上縮減ではございませんが、表向きは確かに五千億円建設国債の発行を縮減した。表向きは非常に立派、非常に格好のいい話でございますけれども、それが目的であって、財政健全化が進んでいるように、私から言わせれば、これは見せかけのような感じがしてならない。そこで地方財源を減額して対応した。何となくまやかしのような気がしてならないのですが、これはいかがですか。
○吹田国務大臣 地方自治体に現実に大きな実損が伴うということであれば、新大臣としましてもこれは何としましても頑張っていかなければならぬ。そういうことではないわけでありますから、先ほど申し上げたようなことでひとつ御理解を願いたい、こう思うわけであります。
○小谷委員 国の地方交付税特別会計の借入金を先送りして、それで、返済するときには国から払って補っていきましょう、何というんですか、ローンの肩がわりでもないのか、よく似たような感じのことで、実質上は交付税の財源、金そのものが減ることではないということでございましょうが、こんなような処置をとったのでは、これは交付税の税率問題や、また地方財政の財源確保に将来大きな禍根を残し、支障を起こすのではないか、こういう懸念がしてなりません。そうでなくても、地方財政は豊かになった、このような言葉が大蔵省を中心にぽかぽかと出ているときであります。この点についてはいかがですか、大臣。
○吹田国務大臣 地方自治体をこれからも基本的に協力し守っていかなければならない自治省でありますから、有能な事務次官以下しっかり頑張っておりますから、委員お説のようなことにつきましては、私は、これからも心配のないように十分大蔵省との関係において話はつけておると思っておりますから、信じておりますので、決してそういうような、今回のとっておることが将来の大きな悪弊になり、実損が伴うなどというようなことなり、あるいは地方公共団体にそれなりの苦しみを与えるなどというようなことは自治省当局としては考えておるものでもありませんし、そういうことが実際に起こらないように配慮しておるわけでありますから、御理解をいただきたいと思います。
○小谷委員 地方財政は平成三年度におきましてもまだ依然として六十八兆円の借入金の残高を抱えておるわけでありますし、財政的に豊かということはどこから考えても決して言えない状況である、こう思っております。特に、最近、福祉を初め社会資本整備、環境整備等々は非常に急務である、このような財政需要は非常に強く望まれておるところでございますし、決してそのような実情ではない、このように我々は思っておるところでございます。 なおかつ、この件につきましては、かつて前奥田大臣はこの特例減額について、「大体交付税というのは地方自治体にとって固有の財源ですから、そんなみだりに国の年度の財政によって左右されるべきものじゃないということです。したがって、特例減額のような意見が出てきた場合にはとても自治省としては容認できないということであります。」このように年末におっしゃっておられる。それが突然出てきたわけでございますけれども、私が申し上げておきたいことは、本来地方財政は、これで十分であるということがあるはずがありません。そんなことは絶対ありません。むしろ地方財政対策、これは自治省なり大蔵省等とかなり協議が進められるものと思っておりますけれども、その途上から、その時点から地方財政計画確定までに、もっと地方の実情に合った、要するに財政需要というものを深く掘り下げて積み上げるべきではないのか。今自治省が、地方財政計画をコンパクトに小さく区切って、ここまでやと絞って絞って絞り切って一つの格好をこしらえて、財政計画をこしらえて、その計画に基づいて地方税、譲与税、交付金と当てはめて、じゃ交付税が残りましたね、この残った交付税は借金の前倒しにしましょう、国の方でどうぞお使いください、こんなことになっているのです。だから、地方自治体の財政需要というのはまだまだ、これでいいというものはあろうはずがありませんし、公園にしたって、道路にしたって、下水にしたって十分というものは何もないわけでありますから、もっともっと基準財政需要額の見直し、要するに地方財政計画の段階できちっとしたものを、もう一回根底から洗い直して基準財政需要額を積み上げていくべきではないのか、こう思うのですが、大臣、いかがですか。
○吹田国務大臣 お説はもう痛いほどわかるわけであります。ただ、私も、申し上げておることを誤解してもらっては困りますが、決して地方財政が楽になっておるというふうな意味で申し上げておるのではないのでありまして、今先生お説のように、六十八兆円の借金を持っておるわけでもあります。私どもとしましても、財政計画からいけば地方税の収入も前年度対比は若干上がっておりますし、そういった面はありますけれども、それかといって決して楽になったという意味ではありませんが、国の財政が極めて苦しいということからの当初の話し合いであったというふうに伺っておるものですから、それならばということでこうした計画が進められておるというふうに御理解願いたい。うちが非常に楽になったんだ、地方自治体が楽になったんだ、だから国に貸すんですよというような話では違いますので、その点だけはどうぞ御理解をいただきたいと思っておるわけであります。
○小谷委員 今度、地方税法の問題でも議論されるかと思いますけれども、固定資産税がかなり増収される。増収分は全国一律に住民税減税をする。例えば過疎村では、住民税は大都市と同じように減税になる。財源は落ち込むわけです。大都市の場合は、かなり地価が高騰しておりますので固定資産税は上回ります。住民税減税も過疎と同じように行われる。ただし収入はかなり多い。こういうところは今不交付団体が多いわけですから、ここの財源というものはいわば超過財源になるのか、自治体がそれで豊かになるのか、これは別としまして、要するに、弱小、財政的にも弱い、しかも固定資産税が増額は見込めない市町村に対する交付税の交付額というのはかなり大幅にふえるのではないか。しかも、負担調整が起きて、長いところでは五年、短いところでは三年ということになればなおかつ、その間の交付税の、補うというその分については需要額がふえてくるので、かなり大幅な需要が見込まれるのではないのか。これの試算は出ておりますかどうですか。
○小林(実)政府委員 地方財政につきましては、毎年度地方財政計画を土台に大蔵当局とは議論をいたしまして、私どもといたしましては、歳出につきましては必要なものは極力伸ばすということで努力をしてまいりました。平成三年度につきましても、既に申し上げましたように、地域づくり関係、あるいは投資的経費でいいますと単独事業、一般行政経費の中でも福祉系統の経費については伸ばしているわけでございまして、今後ともこういった姿勢で対応してまいりたいというふうに思っております。
○小谷委員 一つお尋ねしておきますけれども、三大都市圏の市街化区域内農地、これの固定資産税の課税の適正化ということで宅地並み課税、今度地方税法改正でかなり意欲的に取り組んでおられるようでございますが、自治体の首長もまた議会も、市街化区域内農地に対する宅地並み課税反対という決議がされた自治体もかなりあります。公約をしている首長もかなりある。ここらに対してどんな対応をするのですか。
○湯浅政府委員 三大都市圏の市街化区域内農地の宅地並み課税の問題については非常に長い歴史がございまして、いろいろな紆余曲折を経て今日に来ているわけでございます。今回の税制改正に伴いましてこの問題についても見直しを行ったわけでございますが、市街化区域内の農地というものをこの際、都市計画上宅地化すべきものと保全すべきものとにきちんと分けて、そして宅地化すべきものはやはりきちっと宅地並み課税をすべきじゃないか、こういうことで今回の制度の整理ができたわけでございます。自治体の議会ではいろいろこの点についての御論議があったと思うわけでございますが、一方では、市街化区域内の農地というものは単に届け出をするだけで宅地になるという特殊な農地でございますから、これに対する税負担の均衡化、適正化ということ、あるいは公平の見地からも問題があるわけでございまして、こういうことを十分考慮に入れながら今回の改正を行ったわけでございます。決して一律に宅地並み課税をするということではございませんで、宅地化するものと保全すべき農地というものをきちっと分けた上で、その上でこの制度に対応していきたいということでございますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○小谷委員 時間が来ましたので質問を終わります。ありがとうございました。
○森田委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)委員 せんだっての大臣所信の中で「交付税特別会計借入金の返済措置のほか、五千億円を減額する特例措置等を講ずる」というお話がございましたが、まずこの点について自治省のお考えというものをきょうは伺っておきたいと思うわけです。 この五千億円の特例減額というのは、地方交付税法附則第三条の規定に基づくものですね。
○小林(実)政府委員 今回五千億減額をいたしておりますが、地方交付税法附則第三条の規定に基づく特例措置額は四千五百二億でございまして、残りの約四百九十八億というのは昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律附則第二項に基づく返済であります。
○吉井(英)委員 いずれにしろ四千五百二億円、大体五千億のほとんどを占めるわけでありますが、これが附則第三条に基づくものですね。 そこで、少しお伺いしておきたいわけでありますが、この附則第三条などの制度改正、一九八四年度に行われましたときに、当時の石原財政局長の方は交付税法附則第三条などの改正は交付税法第六条の三第二項の規定による地方財政制度の改正である、こういうふうに言っておられるわけでありますが、まさにこの九一年度の地方財政の状態というものは、この第六条の三の二項に規定するそういう事態に今あるんだ、こういう御見解だというふうに考えていいわけですね。
○小林(実)政府委員 本法の第六条の三第二項の規定でございますが、これにつきましては、毎年度分として交付すべき普通交付税の総額が引き続き地方団体について算定した財源不足額の合算額と著しく異なった場合に、税率の変更あるいは行財政制度の改正を行う、こういうことでございまして、私ども、五千億のうち四千五百二億につきまして附則に基づきまして減額をいたしたわけでございますが、平成三年度の状況が本法の六条の三の第二項に規定する状況にあるというふうには考えていないわけでございます。
○吉井(英)委員 附則第三条の規定に基づいて特例減額でしょう。この附則第三条というのは六条の三の二項によるということはかつて国会での答弁ですね。ですから、この附則三条による特例減額を四千五百二億円進めているということは、六条の三の二項に規定するそういう状態にあるのだということがお考えにあるのではないですか。
○小林(実)政府委員 五十九年当時に附則三条が設けられましたときの状況は、この六条の三第二項の事態に該当するということで制度改正が行われたわけでございますが、私ども四千五百二億につきましては実質的には、減額とは申しましても、本来国に返すべきお金につきましてこの際形を変えて振りかえするような形で協力を申し上げた、こういうふうに理解をいたしております。そういう状況でございます。 それから、特に国庫当局から言われますのは、最近におきましては、地方財政の健全化のために交付税特別会計の借金の返済、あるいは個々の地方団体に対しましては財源対策債等の償還基金の積み立てのための交付税措置をしておる、こういう事態をとらえまして何か六条の三第二項に該当するかのごとき発言があったりするわけでございますけれども、私どもは、あくまでも過去の増発しました地方債あるいは交付税会計の借金を返しておるものでございまして、六条の三第二項に該当するというふうには考えていないわけでございます。
○吉井(英)委員 大蔵省の方は、これは平成三年度予算のポイントということで記者レク用に作成された資料によりましても、地方財政対策ということで平成元年度では二兆三千四百六十五億円、平成二年度は三兆四千八百五十九億円、そして平成三年度は三兆六千九百二億円と大幅な財源余剰が見込まれることになっている。つまり、この六条の三の二項によって、大蔵省のお考えというのは、これは引き続きという例の解釈ですね、二年以上ずっと、そして見通される三年以降もということで、大体三年連続して大幅な財源余剰があるときにはこういう見方に立って特例減額とかいろいろ大蔵省の方は考えていくようでありますが、そうすると自治省の方は、大蔵省の言っている財源超過額と見込みは随分違うということですね。自治省の方は、一九八九年から九〇年、九一年というこの三年間の財源超過額は幾らだという見方をしていらっしゃるのですか。
○小林(実)政府委員 御指摘のように、国庫当局におきましては、特に交付税特別会計の繰り上げ償還あるいは財源対策債等の償還基金につきまして財源余剰という言葉を使っておるわけでございますが、私どもは、財政の健全化といいますか、そういうものも歳出の重要な要素と考えております。これは、投資的経費につきまして単独事業を伸ばす、あるいは一般行政経費の中でも福祉的経費を伸ばすという要素と同じくらいのことと考えておりまして、どういうつもりで使っているのか知りませんが、私どもは財源余剰というふうには考えていないわけでございまして、あくまでも地方財政の健全化、長きにわたりまして交付税の総額の安定的な確保を図るためにこういった措置をとっておる、こう考えておるわけでございます。したがいまして、六条の三第二項云々の話は出てくる余地はないと考えております。
○吉井(英)委員 そういうお考えで仮にいかれるとして、そうすると自治省としては八九年度は、財源余剰という言葉を自治省として使われないならば別なお言葉を使われるにしても、要するに財源の超過となっている分ですね、それから九〇年度、九一年度、この三年間それぞれ幾らだとはじいていらっしゃるのか、これを伺いたいのです。
○小林(実)政府委員 財源余剰という状況にあるとは考えていないということを先ほどから申し上げているわけでございまして、例えば補助金カットの分につきましては起債をまだ増発しておるわけでございます。そういうことも考えていかなければいけないわけでございまして、どういう趣旨でお尋ねなのか私にもよくわかりませんが、先ほどから申し上げておりますように、財政の健全化を図るというのも財政計画で歳出を組むに際しての重要なポイントであるというふうに考えておるわけでございます。それの措置を財源余剰だからということでやっているわけではないということでございます。
○吉井(英)委員 大蔵省の方は地方財政対策として、この三年間の地方財政収支の見通しとして、これは八九年度が、さっき申しましたように二兆三千億余り、九〇年度が三兆四千億余り、九一年度は三兆六千億余りが見込まれる。大蔵省は財源の余剰が出るという見方で、自治省の方はそういう財源の余剰は出ない、こういう見方で、両省の間でこの点についての見解は全く異なっているんだ、こういうふうにおっしゃっておられるんだ、こう思っていいわけですね。
○小林(実)政府委員 現実には大蔵省と六条の三第二項に該当するのかしないのかという議論をしたこともございませんし、財源余剰云々につきまして詰めた議論をしたこともないわけでございます。特に国庫当局におきましては、過去の借金返しあるいは個々の団体の借金につきましての返済をあらかじめそれに備えるための財源措置をしておるということについて、そのことにつきまして財源余剰という言葉を使っているかと思うわけでございますが、私どもは先ほどから申し上げておりますように、財政の健全化のため、交付税の総額の安定的な確保のためにとってきた措置でございまして、現在の地方財政が財源余剰の状況にあると言うことは適当でない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○吉井(英)委員 ですから、先ほど最初にお伺いしたのですが、地方交付税法附則第三条の規定に基づくこれは特例減額だ、この点はいいわけですね。その特例減額というのは、どうしてそういう制度改正が行われたかといいますと、これは一九八四年度の制度改正のときに、先ほども申し上げましたように石原財政局長は、これは地方交付税法六条の三第二項の規定による地方財政制度の改正なんだ、これは国会での答弁なんですね。その内容は何かといえば、これは引き続き著しく財源に不足が生じたとき、あるいは財源超過が出たときには、そういうときに特例措置を講じる、これはそのときからの国会の答弁なんですよ。大蔵省の方のお示しの数字というのは、ですからこの三年間財源余剰だという見方をしていらっしゃる。そうして、この法律に基づいて特例減額になっているというのが、これが自然な見方じゃないでしょうか。私は逆に、もし自治省の方が──これはこの間の予算委員会に自治省として提出された資料で、これは一九八九年度には二兆二千八百三十三億円の財源不足、それから昨年は一兆七千二百五十九億円の財源不足、九一年度は七千六百億円の財源不足、むしろ逆に三年連続して財源不足という見方を自治省はしていらっしゃるのですが、それならば、三年連続して財源不足であるのに、大蔵省のように三年連続して財源超過だから特例減額だ、これはとんでもないことですよ、こういうことで自治省としてはやはり地方財源を守るために頑張っていただく、このことが必要なんじゃないかと思うのですが、この点はいかがなんですか。
○小林(実)政府委員 何回も御答弁申し上げておりますが、今回の形は国から借りておりましたものを繰り上げて返すような形、借入金の振りかえというような形で協力をしたということでございまして、実演がない形で協力をしているということで御理解をいただきたいと思うわけであります。 それから、財源余剰ということにつきましての御質問がございました。これは言葉の意味ともとれると思うのですが、私どもといたしましては、いずれにいたしましても、何か地方に必要のない財源があるという意味での財源余剰というものはない、こういうことを前から申し上げておるわけでございます。
○吉井(英)委員 それならばぜひ大蔵省の方に、それはそういうものはないのだということをしっかり自治省として頑張って申し入れをしていただかないとこれは困ると思うのです。 では、財源不足として自治省の方では七千六百億円を資料として提出していらっしゃるわけですが、ところが一方、大蔵省の方の資料によると地方交付税の特例減額五千億円、そして法定加算の繰り延べ措置二千五百四十五億円、これは実質的な特例減額に当たるということを言っておりますが、この大蔵省の言っている数字を合わせると大体七千六百億円に近いわけですね。つまり、大蔵省の方がこの特例減額で七千六百億円近いものを出している分がこの自治省の資料に出てくる七千六百億円の財源不足額に、たまたまかどうかは別にしても、ちょうど一致しているわけですね。この点で私は特例減額のこの措置について、やはり自治省と大蔵省との間で極めてあいまいな決着のつけ方をしていらっしゃるのではないか。片方は片方で財源余剰があるから六条の三の二項によって特例減額だ、自治省の方は今局長さんがおっしゃったような解釈をしてやっているんだ、これでは何が何だかわからないわけですね。一体自治省と大蔵省との間ではその辺のあいまいさの部分はどういうふうな考え方で話を進めていらっしゃるのですか。
○小林(実)政府委員 私どもといたしましては、地方財政の立場から、各地方団体が財政運営を円滑にできるように財源を確保するという観点から措置を講じておりまして、大蔵当局には大蔵当局のお考えがあろうかと思います。先ほど来申し上げますように、今回の措置は返すべきものをあらかじめ返すというような形で協力ができる形で両方の話がついたので協力した、こういうふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。国庫当局と地方財政当局の見解の相違は毎年のことでございまして、びっくりすることはございません。
○吉井(英)委員 これは昨年も大蔵大臣に来ていただいたときに議論したことでございますが、これは自治大臣と大蔵大臣両方そろっていただいて話を進めないと、どうにもこのあいまいな部分というのは決着がつかないようなお話でございます。 実は、あいまいなままに特例減額で、地方交付税法六条の三の二項で五千億円、それから附則四条の四項で二千五百四十五億円ですね。そして自治大臣と大蔵大臣の覚書に基づくもので二千七百八十七億円。もっともこの附則四条四項も、これまた実質的な特例減額だということが言われておりますが、これを合わせますと一兆三百三十二億円の減額ということになるわけですね。何か減額は五千億円だけのような感じなんですが、実際は一兆円を超えるわけですね。本来普通交付税の総額は、各地方団体の財源不足額の合算額を超える場合には、これは特別交付税の総額に加算するという第六条の三によって特別交付税の方に加算していくという措置をとっていっていいものでありますが、そういう考えをどうしてとられなかったのか、ここのところを伺いたいと思います。
○小林(実)政府委員 地方財政歳出につきましても、国民の要請といたしましては、やはり締めるべきものは締めて本当に必要なものにつきまして財政措置をしなさい、地方団体の財政運営もそういうことが要請されておりまして、そういう観点から本当に必要な分野につきましては私ども最大限の努力をいたしまして、この厳しい財政環境の中で明年度につきましてもある程度の成果を上げることができたわけでございまして、そういう国民全体からの財政に対する要請ということもある中で措置をしたということでございます。過去自治省と大蔵省でいろいろ折衝いたしまして約束をしまして、交付税におきまして国の方が加算するという約束をしたものにつきましては、そういうことから、将来の交付税の確保という観点から繰り延べをしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○吉井(英)委員 大臣にずっと議論を聞いていただいていたわけでありますが、大蔵省の考え方としては、どうもやはり地方財源は豊かだという発想が非常に強いのです。これで財源超過だとか財源余裕だということで、昨年もここで大蔵大臣にお伺いしたときも、大蔵大臣自身のお考え方にやはり地方は豊かだというお考えがあって、しかし前自治大臣も、しかし依然として地方財政は厳しいんだという認識はもちろん示しておられました。そこに大蔵と自治省との間ではいわば見解が異なっていると申しますか、そういう面は答弁の中ではあるわけなのですが、大蔵の方が財源に余裕があると言っても、これまで地方の側は、この間地方行革その他で住民サービスがかなり絞られていっているのです。そして積立金をふやし続けてきたという面があるわけです。ですから、積立金これだけあるじゃないか、豊かじゃないかという感じに見かけ上はなりますが、実態はそうではないのです。国の側でも地方財政計画と決算の乖離の問題もありますし、また、超過負担が依然として多いために、超過負担がありますと地方のサービスが低下と申しますか、十分それが前進していかないという面がやはり残っているわけです。 こういう中で仮に財政にゆとりがあるとするならば、それは特例減額よりも住民サービスの向上、とりわけ、諸外国に比べましてもおくれている住宅、下水、公園とか医療、福祉とか、本当に住民福祉とか住民生活の水準の向上を進めるということ、そういうためにこそ地方財政の充実が今必要なときだと思うのです。特例減額ということですが、私は今こそ住民サービスをもっと前進させる、そのためにやはり自治大臣大いに頑張っていただくときだと思うのですが、この点についての大臣のお考えを伺ってみたいと思います。
○吹田国務大臣 先ほどから先生と財政局長との話し合いをされております状況もちゃんと伺っておりますが、大蔵大臣と自治大臣との意見が食い違っておるのじゃないかと言われるのですけれども、まあこの辺でいいんじゃないですか。私はそう思う。それがやはり健全なそれぞれの立場においての財政の確立になるわけでありますし、現実に六十八兆円という借入金も地方団体は持っているわけでありますから、決して財政が楽であるということではないわけです。 我々の方からすればそうで、ただ、大蔵省からすれば、地方財政の上からいえば今度は地方税の方も増額しておるでないか、昨年から見れば地方税もふえたし、あるいは、地方交付税関係のものも十分あるではないかということからいろいろと楽ではないかという感触を持つのでしょうが、それは主観の違いであり、担当の違いとして言っておるわけです。ただ、我々の方からすれば、地方の立場から見て決して楽ではないけれども、国の方が非常に困っているということであるとすれば、この際ある程度のことはまた考えるべき要素があるとすれば、実損さえ伴わなければまたこれも必要に応じて考えてもいいのではないかなということから出たものだと思っておりますから、お論議はお論議として十分承りますが、私はこの程度がいいのじゃないかな、こういう論議は多少の食い違いがある程度がいいのではないか、こう思っておるわけであります。
○吉井(英)委員 時間もあと一分ほどになってまいりましたので、締めくくりに入らせていただきたいと思います。 国の問題はやはり国庫の問題として当然解決をするべき問題でありまして、それを、地方財政、実際は非常に厳しい状況なんですが、少し余裕がありそうじゃないか、だからこれを召し上げてというのは、これは本来的な解決の道ではなくて、やはりこの間補助金カットその他のいろいろな措置がありまして、地方自治体における住民サービスの低下とか、やはり地方は非常に財政面で厳しいだけではなくて、その質の面と申しますか内容面において厳しいものがあるわけであります。しかも、自治省が予算委員会に提出された資料によりましても、この間ずっと財源不足が実際には続いているわけですね。九一年度も七千六百億円の財源不足だ。私は、財政局長、あなたを責めておったのではないのです。本当はあなたの応援団をやって、もっと頑張ってもらいたい、こういうことで言っているわけなんです。大蔵省と自治省との間にあいまい部分とかすれ違い部分がある。それはあいまいなままではなくて、やはり自治省というのは各自治体の期待を担っているわけですから、そしてそれは、自治体の財政とともに、その自治体に住む住民のサービスを向上させるという点での期待を担っているわけですから、そういう立場で自治大臣を先頭にして本当に頑張っていただきたい。このことを申し上げて、時間が参りましたので質問を終わります。
○森田委員長 神田厚君。 〔委員長退席、増田委員長代理着席〕
○神田委員 大臣の所信に対して御質問を申し上げます。 一九八〇年代から地方の時代と言われ、地方自治、地方分権への流れが始まったように言われております。しかし実際には、この十年間地方への分権は国の側からほとんど進められておらず、地方は依然として何千、何百という国庫補助金の網の中で縛られたままであります。また、町づくりに関する重要な許認可権とか、あるいは地方自治体の組織、定員に対する必要規制もそのまま残されております。さらに、この間におきまして臨時行政調査会や行革審から、国と地方の多重構造のむだが指摘をされ、住民に身近な行政は地方におろすことが提言されました。しかし現実には見るべき改革はほとんどされておりません。地方の時代、地方分権は単なるかけ声だけに終わった感があります。 こうした中で、国は干渉しない、口を出さない、地方が「自ら考え自ら行うまちづくりを」ということをスローガンにしたふるさと創生一億円事業が実施されておりますが、このふるさと創生一億円事業について、地方自治の観点と事業の実績、結果からどのように評価されるのか、また、今後これをどのように発展させていくのか。自治大臣にお伺いいたします。 〔増田委員長代理退席、委員長着席〕
○吹田国務大臣 今神田先生お話がありましたように、地方自治というものの極めて重要な役割というものは私も十分認識して自治大臣を務めておるつもりであります。特に、先輩の自治大臣でこうした一億円というものを国庫支出いたしまして、それぞれの市町村に対しましてふるさと創生という事業を推進したということは画期的なことだったと思います。しかもそれは国が押しつける官製のものでなしに、みずから考えてその地域地域に適合したものを新しく創生していく、それが町づくりおこしに大きく役立っていく、生きがいのある市町村をつくるという精神に基づいてこのふるさと創生というものが編み出されたということは、私は、地方の時代をつくる、地方の問題に真剣に取り組む政治家としては、大事なすばらしいことが始まったというふうに受けとめたわけであります。 今日も経過をずっとたどってみますと、その精神が脈々として各地域にさらに工夫がされて推進されているということを伺っております。したがいまして、今この事業につきましては、私の手元の方にありますのは、全国で一万六百九十三事業が決定されている。そうして二千九百九十六市町村で住民が直接参加して、こうした仕事が住民のアイデアのもとに行われている。新しいアイデアとしても五十一万件というものが出ているというようなことも言われているわけであります。私は、やはりこういった事業というものは、先ほども他の先生にも申し上げましたけれども、いよいよ自治省は自治省としてのこのふるさと創生という基本的な姿勢で今後進めていくわけですけれども、この基本理念をもとに、さらに政府として活力倍増運動というのを始めようということが、せんだって関係閣僚で協議されたわけであります。したがいまして、活力倍増ということはやる気倍増だというふうに私は私なりに受けとめておるわけであります。したがって、一つの問題をそれぞれの省庁で取り上げる場合でも、やはり活力が倍増、やる気倍増になるような、そういう立場に立脚できるようにひとつすべての点を集めていかなければならない、こういうように思っておるのでありますが、何と申しましても、先刻来私も申し上げておりますように、地方自治体というものが国やその行政の基盤であることは間違いありませんから、ここから出発するわけでありますから、そういう意味では市町村の行政というものを非常に重要視していかなきゃならない、今やそういうときであるというふうに思っておりますので、さらにひとつ督励をいただきまして、こういう面に自治省と一緒になりまして、私も自治大臣としての責任上全力を挙げて頑張っていくつもりでありますので、御協力をお願い申し上げたいと存じます。
○神田委員 次に、補助金の整理合理化についてお伺いいたします。 「自ら考え自ら行うまちづくり」という市町村の主体的な取り組みが真に実効あるものとなるためには、これと並行して国の側においてもそれが可能となるよう、その環境、条件を整えていくことが必要であります。すなわち、これからの町づくりは、まず各自治体がそれぞれきちんとしたプランを整え、国や県は後からそれをバックアップするといった方向に変えていかなければなりません。しかし現実には、各種の国庫補助事業については、国の側は依然として細かいところまで全部国の基準に当てはめてチェックする、干渉する、従わせるという態度でありまして、地方分権に向けての改革は全くと言っていいほど進められておりません。市町村では、みずからの知恵とアイデアで町づくりを進めようとしても、実際には自主財源で行うことはほとんど不可能でありますので、どうしても国庫補助金に頼らざるを得ません。国庫補助金の整理合理化、国庫補助金による地方への干渉、関与の排除は地方分権で最も大きな課題であると考えております。 そこで、補助金の整理合理化は近年どのように進められているのか、その実績をお示しいただきたい。さらに、補助金の整理合理化に関する基本的な考え方を自治大臣にお聞きしたいと思います。
○吹田国務大臣 この補助金の整理合理化の問題でありますが、国庫補助金、補助事業の整理合理化につきましては、地方制度調査会、それから臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会というものの答申できちっと述べられておりますことは御承知のとおりであります。そのことにつきまして内容を申し上げてみますと、事務事業の廃止縮減ということであり、その上で国庫補助金等の廃止をする。あるいは二番目に、地方団体の事務事業として同化定着しているものについての国庫補助金等は、所要の財源を確保した上で地方の一般財源へ振りかえるというような問題。さらに三番目に、残すべき補助金等については、統合メニュー化等の補助方式の改善を推進する。こういったことについて地方行政の自主性、自律性の向上、行財政運営の簡素化、効率化に資することを基本として進めていかなければならないというふうに言っておるわけであります。 私も、そういう考え方、全く同感でありますが、ただ、先ほど申し上げますように、補助金の制度というものを強めるということが、必ずしも地方自治体を強めることになるのであるかどうかということを考えますと、私は、補助金そのものの制度というものを拡大していくということよりは、むしろ基本的な財政問題というものを強化していく、地方の基本財政というものの財源の確保というものの強化策に頭を進めていく方がむしろ大事なことではないか、それをどういうふうにしてやるかということに考え方を置くべきであろうと思うわけであります。 補助金の補助率の問題につきましては、これは先ほどから申し上げますように、できるだけ五十九年度の状態に復元すべく努力していきたいものであるということで、これは引き続き努力目標として考えていきたい、こう思っているわけであります。
○神田委員 補助金の交付の仕方、我々は第二交付税のような形をとったらどうだということを方々で話しておりますが、それはまたこれからの問題として御検討もいただきたいと思っております。 次に、権限移譲についてお伺いします。 財源が確保されたとしても、町づくりの隅々まで細かな規格、規制があるため、せっかく地方で考えた個性あるユニークなプランが中央省庁担当官によって削られ、国のプランに合わせられるといった、地方の創意工夫、地方の発想の芽も摘まれてしまっているというのが現状であります。例えば、都市計画決定の認可、農地転用の許可、バス路線の許可、バス停留所の位置の決定、埋立免許に関する認可、民生委員の委嘱、教育長の文部大臣承認制など、住民の身近な日常生活にかかわりの大きいものなどが各省の権限となっております。このようなものは早急に地方に権限移譲すべきであると考えております。近年の権限移譲の実績をお聞かせをいただきたいと思いますが、同時に、権限移譲に対する大臣の基本的な考え方をお伺いいたします。
○吹田国務大臣 細かいことはそれぞれ担当から御説明すると思いますが、私は、平凡に申し上げますと、さっきから申し上げますように、表現は悪いのですけれども、中央政府の方で各省庁で、地方自治体がやることに対して、はしの上げおろしという言葉はいかがかとは思いますが、私をして言わしめれば、はしの上げおろしまで一々国が干渉するとか、一々これについて認可するとかあるいは届け出なさいとかいうようなことについてはいかがであろうかと思うんですね。ですから、できるだけ地方は、地方長官の知事がおりますし、そうしてそれぞれの首長がおられるわけでありますから、それぞれの立場にそういった権限はお任せできるものはお任せするという形で行政を進めていく方が活力倍増にもつながるのではないかという感じでおるわけでありまして、神田先生の真意はそこらにあるんではないかというふうに思っておりますし、そうであるとすれば、私は全く同感であります。今のそれぞれの中身の問題につきましては、残余を担当局長から答弁をいたします。
○浅野政府委員 最近における権限移譲の実績ということでございますが、例えば行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律という、これはいろんな法律をまとめて改正をしたものでございますが、俗に一括整理法といっておりますが、そういう一括整理法を三度にわたって整理させていただいてきておるわけでございますが、そのほか、あと御質問の中で御指摘のありました、例えば農地転用の問題でございますとか、都市計画の問題、いろいろと特に生活に深い関連を有する、あるいは町づくりに関連を有するようなもの、ほかにもございますけれども、そういうものにつきまして、実は地方制度調査会の方でも十六項目、ぜひこういうものはということで答申をいただき、その後は行革審の方でいろいろ御審議いただき、また答申もいただいているというものもございます。これにつきましては、一部実施したものもございますけれども、現在これも一括法の形でまとめる作業をしておりまして、いずれ国会で御審議いただくという運びに至るのではないかと思います。今後ともさらに努力をしていかなければいけないだろうと思っております。
○神田委員 次に、地方行革についてお尋ねをいたします。 地方自治充実のためには国の側だけでなく地方の側においても努力が必要であります。地方自治体が自身の行革を進め、さまざまな行政運営を徹底的に見直す必要があると思っております。そこで、地方行革はどのように進んでいるのか、その状況をお教えをいただきます。また、今後の自治省の基本的な取り組み方を自治大臣にお伺いいたします。
○吹田国務大臣 地方公共団体における行政改革につきましては、自治省においても、これまで六十年の一月に出されました地方行革大綱というものの策定など、その推進を要請してきたところでありまして、各地方公共団体におきましても行政改革の着実な実施を見ておるところであります。各地方公共団体において今後ともそれぞれの行政改革大綱について必要な見直しを行うとともに、引き続き住民の理解と協力を得て、自主的、総合的な行政改革を進める必要があると我々は考えておるわけであります。 また、自治省としましては、今後とも地方公共団体が創意工夫を凝らして機関委任事務の整理合理化あるいは国の関与、必要規制の見直し等に努め、国・地方を通じて行政の簡素化、合理化に努めていかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでありまして、この点につきましても今後、申し上げたとおり頑張っていくつもりであります。
○神田委員 次に、警察庁から来ていただいておりますが、警察庁が暴力団に対する新法を用意しているということが言われております。なぜそのような形で法律によって規制をするような状況になったのか。あるいはまた、この問題については結社の自由の侵害のおそれがあるというような指摘もされておりますが、その辺のところ、お教えをいただきます。
○國松政府委員 暴力団は、常習的かつ集団的に犯罪を行うおそれがある組織といたしましてこれまでも国民に大きな不安と脅威を与えてきたところでありますけれども、特に最近、暴力団の国民生活への脅威は、次に申しますような点で一日も看過できない状況に立ち至っておるというように考えておるわけでございます。 その一つは、暴力団の側から国民の日常生活や、あるいはさらに進んで企業活動の場に、言ってみれば土足で上がり込んでくるような民事介入型の暴力的不法行為事案、これを私どもは民事介入暴力事案と呼んでおるのでございますが、そういうものが急増しておるということでございます。身近に暴力の数を示すものといたしまして、私どもこれに関する相談件数というものを一つのバロメーターにしておるわけでございますが、こういうものは最近の十年間二・四倍にもなっている。その中身を見ますと、交通事故の問題に入ってくる、あるいは地上げその他の不動産問題に入ってくるということで、国民の日常生活に直接入ってきておるという状況が数字の上でも出ておる。それから、相談に来られる方々の職業別を見ましても、会社員であるとか主婦といったような方々の相談がふえておるというような状況でございまして、こういうことにつきましては、いかに国民の側で暴力団から避けて生活をしようといたしておりましても突然暴力団に直面するという危険性が増大しておるというように考えておるところでございます。そして、こういった暴力団は、こうした多様化した資金源活動によりましてかなり潤沢な運用資金を持つに至っておると考えられるわけでありまして、株式投資であるとか不動産投資に回すというようなことも見られるわけでございます。このまま放置すれば、一般経済取引社会への暴力団の浸透という問題が今後ますます大きな社会問題になってくるのではないかというような危機感を我々は持っておるわけでございます。 それから、暴力団の国民生活への脅威が一日も看過できなくなってきているというように考えられるもう一つの点は、一般人を巻き込む対立抗争事案が広域にわたり大規模に発生する危険性が高まっているということでございます。昨年は、一般人三名、警察官二名の殉職という事態が起こりました。こういうことはかつてない異常な事態でございます。最近の状況を見ますと、特に山口組は最近勢力を急増させておりまして、その山口組の急増に伴い、それに危機感を持つ他の広域暴力団や地元暴力団と大規模な対立抗争を引き起こし、その過程でさらに多くの一般人に危害が及ぶということが懸念されるところでございます。 暴力団によりましてはこのような大変厳しい情勢にあり、それがさらに急速に悪化をするおそれがございますので、私どもといたしましては、現行法を活用することによる取り締まりを強化することはもちろんでございますが、他方で、現行法によって行う規制措置では若干不十分な点があるという事実を認めまして、先ほど来申しております民事介入暴力事案や対立抗争等の防止に必要な新たな法制度を早急に整備する必要があるのではないかという考えに立ち至った次第でございます。 なお、結社の自由の関係がどうなっておるかという御質問でございますけれども、もちろんこういういろいろな法規制をやるにいたしましても、暴力団も一国民として生活をしておるわけでございまして、その人権を損なうような規制措置を何をやってもいいというようなことではもちろんないわけでございます。いろいろな必要な規制を行います場合にも、国民の脅威を取り除くという観点から必要最小限度の規制をすることによりまして、規制内容につきまして憲法上の疑義が出るようなことが絶対ないように、慎重な立案作業を現在進めているところでございます。
○吹田国務大臣 このことは、今局長から申しましたように、国家公安委員会としまして一番大事に考えておるところであります。ですから、そういう結社の自由、行動の自由、そういったこと等はもちろんそれはそれなりに善良な国民の皆さん方のことについて守っていくことが前提でありますから、そのことはきちっと考えておりますが、暴力団組織とは何ぞやということをきちっとしなければ、どれが何やらわからぬ話では困りますから、その辺だけはきちっとして、これからの取り締まりはできやすい、そうして多くの国民の皆さん方が極めて快適な生活のできやすい、そういう環境をつくろうということからでございますから、御理解と御協力を願いたいと思います。
○神田委員 それでは、最後になりますが、国土庁に、今週疎法の関係で過疎地の下水道の問題について議員立法でやろうかということで各党間の話し合いが始まっております。この辺につきまして、国土庁の方からの現在の状況や問題につきましてお答えを願いたいと思います。
○木寺説明員 過疎地域におきます下水道整備の都道府県代行につきましては、下水道は社会資本整備の中で重要なものであり、かつ過疎地域の活性化のためにも必要であるわけでございますけれども、しかしながら、過疎地域の公共下水道普及率が非常に低いというような状況で、現在各党間でこれの制度化につきましての御検討はされておるというふうに承っております。 したがいまして、私ども国土庁といたしましても、このような状況を踏まえまして、一定の場合に過疎地域の町村にかわって都道府県が公共下水道の根幹的施設の建設を行いますことは過疎対策の一層の推進に資するものであるというふうに考 えておるところであります。
○神田委員 過疎の状況、非常に厳しいことでありますが、ひとつよろしく推進のほどをお願いしたいと思います。 終わります。
○森田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時散会