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120回国会衆議院1991/04/17

大蔵委員会 第15号

発言数
99
登壇者
12
会派数
4
開催日
1991/04/17

会議録

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地価税法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 初めに、土地政策における税制の役割を大蔵省としてどのように受けとめているかを伺いたいと思います。  税調の基本答申でも、「土地税制を活用し、特定の政策目的に沿って個人や企業を望ましい方向に誘導しようとする場合には、望ましい土地利用のあり方に関し詳細な都市計画その他の制度・施策が整備されていることが前提条件となる」と、このようにこれまでは認識してきたわけですけれども、それが、税制は、市場における土地の需給に税負担を通じて一定の方向性を与えることは可能であり、土地取引規制その他の施策とは別の手法で土地の市場に影響を与え得る重要な政策手段であるというふうに認識が変わってきているんじゃないかな、こう思うわけでございます。これまで大蔵省は、土地政策における税制の役割を補完的な役割というふうにおっしゃってきたように思うのですけれども、それが今度は主役の一つというふうに認識がどうも変わってきたのかなという感がしているわけでございますけれども、この点はどうなんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員が御指摘になりましたように、私は、土地政策の本当の基本部分というものは都市計画そのものにある、今日もそのように考えております。そして、例えば旧西独において実施されておりましたような都市計画というものが存在をしていたならば、金融の緩和等の引き金が土地高騰を招いた今回の事態、そうしたものも起こり得なかったという基本的な考え方は変わりません。しかし、税制というものを土地政策の一環として活用するためには土地利用の基本理念というものを確立することが前提だと従来から申し上げてきたわけでありますが、おかげさまで土地基本法が制定され、土地についての基本理念というものが定められますと同時に、この法律におきまして基本理念にのっとった適正な税制上の措置を講ずることが求められてまいりました。  今回の土地税制の見直しは、御審議をいただいております地価税を含みまして、この土地基本法に定める基本理念というものを踏まえ、土地に対する税負担の適正公平を確保しながら土地政策に資する観点から、保有、譲渡、取得の各段階にわたってこれを行おうとするものであります。しかしながら、もとより税だけで土地政策が完了するわけではありませんし、土地問題が解決をするわけではございません。そうした意味において、やはり今後ともに全般の総合的な土地政策の推進というものが不可欠である、その認識は今日も変わっておらないところであります。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 今お話がありましたように、土地基本法ができたということで客観的な条件が変わった、このようにお話があったと思いますけれども、ただ土地基本法はできましたけれども、それでうたっております国土利用の問題でありますとかあるいは利用計画の問題でありますとか、具体的にはほとんど何も進んでいないのじゃないかな、今回この税制だけがどうも突出して、あるいは先行して税制改正がなされたんじゃないかな、このように認識するわけでございますけれども、その辺はどうなんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 内閣といたしまして、本年一月二十五日に、土地基本法を踏まえました今後の土地政策の基本方針を総合土地政策推進要綱として取りまとめ、閣議決定をいたしたわけであります。これをもとにして各方面一層の取り組みにいよいよ私どもとしても期待をいたしております。しかし、同時に、他の分野の施策が進まないから、それでは我々がじんぜん日を送ってよろしいかといえば、私は現在の土地問題というものはそのような甘い状況にあるとは考えておりません。今、たまたま委員から突出という言葉を選んでお使いをいただいたわけでありますが、今総量規制を一方において実施しているのと同様に、我々は我々なりのやり方でできるだけの努力をしたい、そのように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それでは、国土庁に来ていただいていると思いますけれども、国土庁は今回のこの政府税調の基本答申についてどのように評価をされておるのか、国土庁の考え方をちょっとお聞きしたいと思います。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 基本的には私どももただいま大蔵大臣が御答弁になったとおりでございますが、私どもの立場で若干補足させていただきますと、今回の地価税は、土地の資産としての有利性を縮減し、今後二度と地価高騰を起こさないための制度的な枠組みをつくろうとする点に大きな意義があると理解しております。  その内容につきましては、土地の資産としての有利性を政策的に縮減する必要性あるいは土地の保有に新たな負担を求めるということから、国民経済あるいは国民生活への影響にも配慮する必要があるというようなことを総合的に勘案して適切に定められたところであろうというように理解をしているところでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 今大蔵大臣からもお話がありましたけれども、基本答申では、「土地基本法を踏まえた税制以外の諸施策の発動が伴わなければ、土地税制の実効も期待できない。土地税制の見直しを行うに当たり、土地問題に関する各方面の施策の一層の推進を心から望みたい。」こういうふうに述べておりまして、具体的に「土地政策の総合的推進についての要望」ということで、「総合的な国土利用政策の推進」あるいは「都市計画上の土地利用規制等の活用」あるいは「土地に関する情報の整備」等々、先ほど土地関連融資の規制についてお話がありましたけれども、その他具体的に要望しているわけでございます。  このことについて、これは国土庁が取りまとめの官庁だと思いますので、国土庁としてこれらの要望をどう受けとめて、またこれをどのように具体的に今後実施しようとされているのか、国土庁のお考えを聞いておきたいと思います。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 政府といたしましては、平成元年十二月に成立いたしました土地基本法に基づきまして、早速土地政策審議会に「土地基本法を踏まえた今後の土地政策のあり方について」という総合的な諮問をいたしまして、それが去る平成二年十月二十九日に土地政策審議会答申ということで結実を見たわけでございます。その中には、もちろん税制、金融等についても触れておりますが、そのほかに土地利用計画あるいは土地の取引規制、国公有地の利活用、低・未利用地の有効利用といったような、いろいろな個別具体的な政策についての方向が示されております。  それを受けまして、ただいまもお話がございましたように、去る一月二十五日に内閣として総合土地政策推進要綱というものをつくりまして、土地政策の目標を明確にいたしますと同時に、重要な個別施策の今後の展開方向につきまして方向を示したところでございまして、それを受けまして、個別具体的施策に政府を挙げて取り組んでいこうということにしたところでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 土地政策の重要な柱というのは、一つは税制、もう一つは土地利用計画と取引の規制、それに土地の計画的な供給促進、この三つの柱が軸になって周辺の法あるいは制度の整備、手直しが必要なのじゃないかなと思うわけでございます。  今国土庁から、その方向性を打ち出した、こういうふうにお話があったわけですけれども、これは具体的に進みませんと何の意味もないわけでございまして、先ほども申し上げましたけれども、要するに税だけが先行して、ほかのことは何も具体的に手がつけられない、地価は一向に下がらない、宅地は供給されない、相変わらず住宅に困っている、こういうことでは、国民の側から見ますと、土地対策に名をかりた増税ではないかというふうに受けとめられかねないのじゃないかなと思うわけでございまして、そういう意味で、この税制以外の土地利用でありますとか国土計画という面について、これは個別具体的に、早急に実施すべきだ。今国会でそれが具体的に出てきていないということについて非常に残念に思っているわけでございますけれども、再度この点について認識をお願いしたいと思います。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 土地の有効利用の促進あるいは計画的な土地利用につきましては、何回かにわたります都市計画法の改正、あるいは農住賃貸利子補給法あるいは農住組合法といったような個別法案も今国会で御審議、成立をいただいているところでございますし、長期的には二十一世紀を踏まえたこれからの都市計画制度のあり方につきまして、都市計画の専門審議会でございます都市計画中央審議会の方にことしの一月に建設大臣から諮問をいたしまして、早急に具体的な検討を行っていただいておる、かような状況でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それでは、基本答申でこの保有課税の基本的な役割ということについて、一つは資産格差の是正である、もう一つは資産としての土地の有利性の縮減を挙げているわけでございますけれども、今回地価税がいろいろ言われておりますが、この地価税がこれらの目的、趣旨、すなわちこの資産格差の是正、資産としての土地の有利性の縮減、これについて十分こたえられるような内容になっているのかどうかということについて大蔵大臣の認識を伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、今回御審議をいただいております地価税を含めまして、租税特別措置法に定められましたもの、また地方において行われようとしております固定資産税の評価の適正化等々、それぞれの役割を十分に果たし、譲渡、取得、保有のそれぞれの段階における土地をめぐる税制としては体系的に整備をされてきておる、そのように考えております。そして、それぞれの役割が機能することにより、我々の目指す方向に向けて事態を動かしていき得る、そのように信じております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 十分たえ得る内容である、このような大蔵大臣のお答えでございますけれども、平成三年度の税調の答申では、特に保有課税である地価税について大変厳しい認識を示していらっしゃるわけでございます。ちょっと読みますと、「当調査会における審議の過程において、特に、土地保有税に関し、税率が低いことに加え、基礎控除の額が高い等、その負担水準が土地の資産としての有利性を縮減する上で不十分ではないかとの強い指摘がなされた」。そしてさらに、「土地保有税については、その創設の趣旨に照らし、今後の地価の動向、固定資産税の評価の適正化等を勘案しつつ、機動的、弾力的に見直しを行っていくことが必要であり、再び地価の高騰の窺える事態が生ずれば、総合的土地対策とあいまって果断に税率・控除等を見直し、本税に期待されている役割をまっとうさせるべきである。」ということで、基本答申を出された趣旨からすると相当後退をしている、このように税調自体が認識をされているんじゃないかなと思うわけでございますけれども、この点どうなんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これはもう委員がよく御承知のように、基本答申の中におきまして、新税の税率あるいは基礎控除の水準等については具体的に言及をされておらないわけでありますが、政府としてこの基本答申に示されました考え方を踏まえて、具体的な仕組みにつきまして、土地の資産としての有利性を縮減する観点と同時に、我が国の経済に与える影響でありますとか個々の納税者の負担に対する配慮といったものを加えながら適正に設定をした、私どもはそう考えております。  もともと我が国の土地保有の状況というものを考えていただきましたとき、国土資産額のうちかなりの部分が宅地に集中をしている。しかも、その宅地の相当部分を少数の所有者が保有しているという極めて偏った姿があらわれてまいります。具体的には、宅地が面積で全国土の約四%を占めるにすぎないわけでありますけれども、土地価格で見た場合には全国土の約八〇%に達するわけでありますし、例えば東京都の資料によりますと、東京都区・市部における宅地の所有法人のうちで一万平米以上の宅地を所有している法人というのは、所有法人数でいきますと全体の一・七%しかない。しかし、その法人所有面積だけで全体の五一%を占めている。こうしたマクロ的な土地保有状況というものを考えますとき、地価税の課税対象というものが一見限定的であるかのように思われがちでありますけれども、実質的には、いわゆる大法人を中心にして資産価値の高い大規模土地保有者に対して、私は相当な負担を求めるものになっておると思っております。  また、ミクロの分野で見るならば、土地の資産価値に応じた税負担を求めるというこの地価税の仕組みからいきまして、地価水準の高い地域を中心に広い土地を保有する者、例えば都市の目抜き通りにビルを構えて事業を行っているような方でありますとか、地価水準が低い地域でありましても大規模に土地保有を展開している者には相当な負担を求めることになると予想されるわけでありまして、ミクロ的には、地価税は土地保有額の大きい者にかなりな負担を課すという状況もあるわけであります。  こうしたことを考えますとき、私どもは、さまざまな御意見は甘受いたしますけれども、我々なりに妥当性を持った税制を御審議いただいておる、そのように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 私は、基本答申の趣旨からいいますと大分後退しているという感を持っておるわけでございますけれども、確かに今大蔵大臣からお話がありましたように、やはり政府税調として土地に関する基本的なデータが余りないというようなことがあって、具体的な税率でありますとかあるいは控除額の問題について答申をなされなかったようでございますけれども、これは政府も全く同じ条件にあるわけでございまして、やはり税調として責任を持って出していただきたかった、こう思うわけでございます。  ただ、私は、いわゆる税というものを政策手段として位置づける場合に、どうも成立過程に非常に重要な問題が含まれているというふうに今回の地価税の経過を通して思ったわけでございます。といいますのは、本来税の決め方につきましては、政府の税制調査会が内閣総理大臣の諮問を受けて税制のあり方を答申して、大蔵省、自治省が原案を作成して、国会の議決を経て成立する、これが大原則でなければいけないと思うわけですけれども、ところが実質的には、自民党の税制調査会がこの決定に関与していらっしゃるというのが実態だろうと思うわけでございます。自民党税調の中で、いわゆる政府税制調査会の原理原則とは別な原理がどうしても働いて税制が決定されるところに私は大きな問題があるのではないか、そのことによって、税率でありますとか単価控除あるいは非課税の範囲なんかでいわゆる骨抜きと言われている批判が出てくる余地があったというふうに思うわけです。  これはマスコミの報道ですからはっきりわかりませんけれども、例えば政府税調土地税制小委員長の石一橋大教授は、地価税は、持たざる者の視点から持てる人に応分の負担をしてもらおうということでつくった、しかし、自民党税調の政治折衝の段階で、企業を中心とする持てる側の反発に遭ってその声が届かなかった、切り札になり得ず残念でした、こういうふうにおっしゃっています。それから鈴木行革審会長も、党税調は税率、課税最低限、非課税範囲でバナナのたたき売りみたいなことをやった、これで土地放出が進まなかったら税率を〇・五とか一・〇まで上げたらいい、このように反発をされているわけでございまして、私は最初に申し上げましたように、税を政策手段として今後使っていくという場合に、今回の地価税のような決まり方というのは、非常に税の本来の趣旨から外れる可能性があって問題じゃないかな、このように思うわけでございますけれども、これはもちろん与党のお立場でございますから認識が違うかと思いますが、こういうことについて大臣どのようにお考えでございましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、一般的に政府・与党、内閣・党一体の政党政治の中で、与党の意見を政府が参酌しながら政策決定を行うということ自体が問題があるとは考えておりません。そして同時に、例えば国会の御審議において政府自身が政府の考えというものに固執することなく、よりよい意見が院においてまとまりました場合にそれに従うという態度をとっていくことも当然のことと存じます。そして、本院におかれましても、今までしばしばそうした意味において非常に大きな国政上の功績を上げてこられた機会も多かったと思います。いたずらに欠点をあげつらうあるいは対決点を探し求めるという時代もかつて存在をいたしましたけれども、そうした不幸な状態からは既に院は脱却をされておる、そう考えておりますし、政党政治というものがますます確立されてきた、今そういう道のりの中にある、そのように心得ております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 いわゆる税を政策手段として今後活用していくという場合に、本来その税が決まるべき原理原則というものから外れて別な要素が入ってくる、別な原理原則でその税の本来あるべき姿がゆがめられるということは大変不幸なことじゃないか、こう思っておるわけでございまして、そういうことがないように今後していかなければいけないというふうに思っておる次第でございまして、これは私の認識でございますから、ぜひ今後の政策税制を制定するに当たっての基本的な考え方として御理解いただければと思います。  続きまして、一月二十五日に閣議決定されました総合土地対策推進要綱ですか、これによりますと、「地価については、土地の利用価値に相応した適正な水準まで引き下げることを目標とする。特に、住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」ということで、地価の引き下げと宅地の供給ということを明確に打ち出された。私は画期的なことだと思うのでありますけれども、今回の地価税がこうした地価引き下げあるいは宅地供給ということについてはどの程度実効性を持つというふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、地価税の効果としてまず挙げられるものは、この新税が土地の資産価値に応じて毎年新たに負担を求めるというものでありますこと、また、先刻申し上げたわけでありますけれども、国土資産額のかなりの部分が宅地に集中し、しかもその宅地の相当部分を少数の者が保有しているという我が国の土地保有状況のもとで、新税が実質的に大規模な土地保有者に対し適切な負担を求めるものであること、同時に、新税の課税標準とされます相続税評価につきましては、地価公示価格に対する評価割合を引き上げて適正化を図ることとされておりますし、地価税の実質的な負担水準というものは、今後地価の下落がない限り現行の評価水準を前提に、現在一般に想定されているものより高まることとなること、さらに、この新税の導入に加えまして、固定資産税評価につきましても一層の均衡化、適正化が行われることになっていることなどから、私は、全体として土地の保有コストというものを増大させ、結果として有効利用の促進、住宅地の供給促進、地価の抑制、低下などに相応の効果を上げるものと期待をいたしております。しかし、これを 定量的に把握することにはちょっと無理がありますので、私どもとしての考え方の基本を申し述べさせていただきます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 そこで、附則第八条で、「地価税の負担の在り方については、少なくとも五年ごとに、固定資産税の土地の評価の適正化等を勘案しつつ土地の保有に対する税負担全体の状況等を踏まえて検討するものとし、必要があると認めるときは、地価税の課税対象及び税率等について所要の措置を講ずるものとする。」ということで見直し規定があるわけでございます。この場合に、固定資産税の評価の適正化を勘案しつつというふうにあるのですけれども、この固定資産税というものについて基本答申では、いわゆる固定資産税はその性格上、本来、資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、土地の使用収益し得る価値に応じた負担を求めるものである、したがって、土地の有利性縮減という土地政策上の役割を期待することはできない、このように基本答申では述べているのですけれども、これは自治省の認識はそういう認識でよろしいのでしょうか。自治省、きょう来ていただいていますか。

堤新二郎自治省税務局固定資産税課長

○堤説明員 固定資産税は、市町村の基幹的な税目として非常に重要な税でございます。この固定資産税が、最近の地価の高騰等もございましたし、また市町村税の税収総額に占める割合も長期的に見ますと低下傾向にあるわけでございます。こういったことにかんがみまして、私ども、やはり市町村の基幹税目としての固定資産税を今後その充実強化を図っていかなければならない、そのためには固定資産税における土地の評価の均衡化、適正化にも努めていかなければならない、そういった観点で固定資産税をさらに充実していかなければならないというふうに考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 私が聞いているのは、要するに固定資産税というのは、本来資産の保有と市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目し、土地の使用収益し得る価値に応じた負担を求めるものである、いわゆる応益負担なんだという認識を答申では述べているのですけれども、そういう認識でよろしいですねというふうに聞いているのです。

堤新二郎自治省税務局固定資産税課長

○堤説明員 失礼いたしました。  確かに固定資産税は、課税の根拠といたしまして、その資産の保有とその市町村の行政サービスとの間に存在する受益関係に着目いたしておりますし、またその負担につきましては、税制調査会の基本答申に述べられておるような趣旨も踏まえて課税をいたしておるところでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 どうも余りはっきりしないのですけれども、基本答申の趣旨に従いますと、要するに固定資産税というのは利用に対する税で、いわゆる応益税として地方の税収の基幹をなしている、これに対して土地保有税というのは所有に対する税で、土地の価格に対して、保有コストを高めるために政策的に課せられる税である、基本的な違いがあると思うのですね。ところが、この見直し、附則の第八条では、固定資産税の評価の適正化等を勘案しつつ、こういうふうにあるわけでございまして、私は、今後できるだけ早く、この固定資産税の状況に拘束されずに、この税自身の状況から積極的に見直すべきである。答申でも、「果断に税率・控除等を見直し、本税に期待されている役割をまっとうさせるべきである。」このように述べているわけでございまして、積極的にやるべきだ、こう思うわけです。  それとも、一部には、固定資産税が適正な評価をされれば将来土地保有税が要らなくなるのではないか、これは負担する側から見ますと同じことになるわけでございますから、それでいいのではないかという議論もあるのですけれども、この辺、大蔵大臣どうなんでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、本当に地価税が廃止できるような状況が生まれてくれれば幸せだと思います。そして、税というものの本来の性格上、不断にも見直していくべきものでもありますし、社会経済情勢の推移に応じて改廃されていく性格を持つものでありますから、そうした状態が生まれないということではなく、生まれることを私も期待いたします。しかし、これが恒久的な税法として御審議をいただいておりますことも、当然のことながら御理解がいただけることと存じますし、地価税というものの持つ役割を我々はそれなりに今後も維持しておくことは、地価が鎮静化いたしました後においても必要な施策、私はそのように信じております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 次に、地価税の内容について何点かお伺いしたいと思います。  まず税率でございますけれども、今回〇・三%、初年度〇・二%という税率になっておるわけでございます。中小事業者等の経営に対する配慮等々のことが言われているわけですけれども、この〇・三%という税率を設定するからには、当然設定するに足る必然性なりあるいはその数値を設定したことから生ずる影響なり効果なり、そういうことを十分考慮した上で決定されたと思うわけですけれども、どのような理由でこの〇・三%という数字が出てきたのか、これを御説明いただけますか。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘がございましたように、地価税の税率につきましては、土地の有利性というものを政策的に縮減するという見地、それからもう一つは、新しい税でございますから、それが個々の納税者にどのような負担になるか、あるいは経済にどのような影響があるかというような見地、それらを総合的に勘案して決めるようにというように税制調査会で指摘されているところでございまして、それらをいろいろな角度からいろいろと議論した結果、総合的に勘案して〇・三%というようになったものでございます。  何か基準みたいなものがあるだろうということでございますが、今土地の保有税として一般的にございます固定資産税の水準というのがどういうことになっているかということを考えてみますと、このような計算が果たして実態を完全にあらわすものかどうか問題はあるかもしれませんが、極めてマクロに見ました場合、平成元年度の土地資産額というのは千九百七十七兆円になるわけでございますが、その元年度の固定資産税の税額が二兆三千二百九億円でございます。これを割り算いたしますと〇・一二%ということになるわけでございますが、しかし固定資産税には御承知のように家屋等につきましていろいろな軽減措置がとられておりますので、その分が適用されてない事業用地の実効税率というものを仮定を置きまして推算してみますと、大体〇・二%ぐらいの水準になっているのではないかなという感じでございます。自治省からもしばしば御指摘がございましたように、五十年度の初期のころなどは、同じような計算をしてみますと大体これが〇・四%ぐらいになりまして、平成元年度に比べますと倍ぐらいの水準になっているわけでございます。一方、地価税の〇・三%というのは、これは相続税の評価額に掛けるわけでございますから、それが現状大体公示価格の七割程度と考えますと、割り戻してこれも大体〇・二%程度の負担になるということでございまして、かつて納税者の方が土地保有税として固定資産税を負担した一番高い水準ぐらいの感じかなということは申し上げることができると存じます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これは政策税制の一つだと思うわけでございまして、今回一番の議論になったのは、やはり土地の高騰によってサラリーマンが住宅に非常に困窮を来している、サラリーマンは一生働いても家が買えないというようなことが一つのきっかけになりまして、非常に大きな政治問題化したということがあるんじゃないかと思うのですね。そういたしますと、例えば地価がどのくらい下がるのか、いわゆる資産としての有利性が縮減されることによってどのくらい下がるのかということがこの税率を議論する一つの要素になってこなければいけないんじゃないかな、こう思うわけでございます。今の御説明を聞いております と、そういう観点がどうも余り感じられないんですけれども、〇・三%を決める過程で、地価がどのくらい下がるのか、またどのくらい下げなければいけないのかというような、あるいはバブルがどの程度これによって崩壊するのかという、今回の土地問題の一番のきっかけになった土地高騰ということについてどういう認識をされておったのか、その辺ちょっとお伺いしておきたいと思います。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 保有税が土地の価格に与えます影響につきましては、学者の方々がいろいろな試算をなさっておられます。しかし、いずれも極めて単純なモデルに基づいて計算が行われておりまして、現在の我が国におきます土地の価格を決定している諸要因を全部含めるようなモデルというのはなかなかつくれないというのが現状であろうかと思います。  政府といたしましては、余りにも大胆、余りにも割り切ったモデルを使って数字を出すというわけにもまいりませんので、この〇・三%の税率によりましてどれだけの地価引き下げ効果があるかということを定量的に示すということにつきましては御容赦をいただきたいと存じます。  しかしながら、先ほど申し上げましたように、私どもの大胆な実効税率の計算によりまして、固定資産税の実効税負担が地価公示価格に対しまして〇・二%くらいであるというように考えますと、この新しい地価税の導入によりましてそれが大体倍ぐらいの負担水準になるわけでございますから、租税特別措置法等によって行いました取得に関する税制改正、それから譲渡課税の重課、さらには特定の優良な住宅を供給するような者あるいは国、地方公共団体に譲渡する土地等に対して適用される譲渡税率の引き下げ、さらには、一部で非常に批判のございました事業用資産の買いかえの見直し、それらの措置と相まちまして、全体として相当地価引き下げに対する影響度を持ち得るものと私どもは考えております。  あわせて、税以外の面でも、土地基本法の示す方向に政策が進んでまいりますれば、望ましい方向に土地の価格も動いていくものと期待しているところでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これも報道の範囲でございますから確実なことは言えませんけれども、どうも大蔵省は当初は〇・五%程度というふうにお考えだったのじゃないか。また政府税調も〇・五から一%くらいというふうにお考えだったように聞いているわけでございます。このバブルを解消して地価を引き下げ、また宅地の供給という本来の趣旨からいえば、いろいろな試算が出ておりますけれども、やはり一%程度必要なのじゃないか、少なくとも〇・五%くらいにはすべきじゃないかなということを私は思うわけでございます。これは見直しの規定もありますから、地価の動向を勘案しながら、ぜひともそういう方向で見直しをすべきだと思いますけれども、税率について大蔵大臣はどのようにお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 確かにいろいろな御議論が行われましたし、また今後も行われる可能性を持った項目である、私も税率についてはそう思います。しかし、先ほど来申し上げてまいりましたように、私どもとしてさまざまな角度から考えてまいりますとき、やはり個々の納税者に対する負担の問題あるいは実体経済に与える影響等を全く考慮の外に置いて税制を組み立てることはできません。こうしたことを考えてまいりましたとき、私は適切な税率で御審議を願っておる、そのように思っておりますし、それだけの効果を果たしてくれることを期待をいたしております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 国土庁は当初どうも税率一%ぐらいだというふうにお考えだった。これは本当かどうかわかりませんけれども、相続税のいわゆる利息分相当額を毎年法人に負担させる前提条件で試算をしたら大体一%ぐらいだ、こういうふうに巷間言われておるわけなんですけれども、国土庁はこの税率についてどのように認識されておるのでしょうか。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 先ほども申しましたように、地価税を中心といたしました今回の総合的な土地税制の見直し、これが全体として、私どもは、土地基本法がねらいとしております土地の資産としての有利性の縮減を促し、二度と地価高騰を起こさないための制度的な枠組みの重要な一つであろう、かように認識をいたしております。その中心が地価税でございまして、私も審議の過程でいろいろな御議論があったことも承知をいたしておりますけれども、私どもとしては、全体としての今回の土地税制の見直しが、土地基本法が期待するそういう土地政策の目標に総合的に資するものである、かように評価をいたしております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 次に、基礎控除についてお伺いしたいと思います。  本法案では、十億円、個人、中小事業者については十五億円ですけれども、これか、面積に三万円を乗じた額のいずれか高い方の額が基礎控除されるということになっておるわけでございます。この三万円の単価控除というふうに言われておるものですけれども、政府税調の答申にはなかったわけでございまして、また税調の土地税制小委員会の石小委員長も、先日の本委員会の参考人として陳述されまして、本法案の一番の問題点だと指摘されたところでありますけれども、見直しされるとすれば第一番目に検討される箇所だなというふうに私も認識しております。この単価控除、いかなる理由で設けられたのか、またこの三万円という額がどうして出てきたのか、お伺いしておきたいと思います。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 地価税創設の趣旨が、土地という資産の有利性を縮減するということに一つあったわけでございますし、また最大の政策課題の一つと言われておりますような土地の価格の高騰に対応する一つの政策手段としての意味を持つものなのでございますけれども、そういう点から考えてみますと、土地の値上がりがほとんどないような地域にまでこの地価税を適用する必要があるのだろうかという議論が一つあったわけでございます。  しかしながら、固定資産税のように、各市町村に存在する土地に課税をするというようなものと違いまして、地価税の場合にはその土地を保有する人に課税するわけでございます、人というのは法人も含めてでございますが。そうしますと、全国各地に散らばって土地を持っておられる方は名寄せをするといいますか、全部全国の土地を合わせて、その資産価値をもとに申告をしていただくことになるわけでございますので、地域を限ってというのもまた一つ問題があるわけでございます。  そこで、実際上、資産価値が低くて、また土地の高騰等も見られないようなところに存在する土地、つまり地価税の負担を特に求めるに及ばないようなそういう価値の低い土地については控除をするという考え方が生まれてまいりまして、したがいまして、定額控除のほかに、一平方メートル当たり三万円以下の土地につきましては控除をするということにしたわけでございます。一つには、三万円以下でありますと非課税になってしまいますし、三万円以上でございますと、面積に三万円を掛けたものが、御指摘のとおり、定額の基礎控除とどちらが多いかによって基礎控除額を決めるという方法をとったわけでございます。  三万円という水準につきましては、いろいろ御議論もあろうかと思いますが、平米三万円というのは坪約十万円ということになります。その辺のところであればあえて負担を求める必要がないのではないかということでそこで切らしていただいたということでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これも税調の基本答申では「控除の基準については、保有する土地の金額と面積の二つの基準を併用することが考えられるが、土地の資産価値に着目する新税の趣旨からは、基本的には金額基準による方向で検討することが適当である。」というふうに答申されているわけでございます。私は、これは資産としての有利性を縮減するという観点と同時に、いわゆる資産に対する公平な負担、課税ということがあわせてこの税制の持っている意味だと思うわけでございまして、そういう観点であれば、当然、個々の土地がどれだけの資産価値があるかということよりも、やはり個々の土地を名寄せして課税価格を一たん合計して、その資産に対して課税するという考え方の方がはるかに妥当だ、こう思うわけでございますけれども、どうなんでしょうか。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 一つのお考えであろうとは存じます。しかしながら、ほとんど土地の安い地域にのみ存在している企業であって、しかもその事業の内容からいって広大な土地を要するというような企業のことをちょっと頭に置いていただきたいのでございますが、多極分散というような見地からいたしましても、一極集中を防ぐ上でむしろ立地としてはそのようなものが望ましいということもあるわけでございますけれども、土地が広大でございますと単価が低くてもやはりそこは掛け算をしますと相当な水準になってくるわけでございまして、そこに相当の税負担が生ずる。しかし、それはその地域の実態から見ますとむしろその地域に来てほしい、また立地の関係からいってもそちらに分散していってほしいというようなところの企業が課税対象になってしまうという問題も控えているわけでございまして、そのようなことも考えますと、やはり一定のところで切ってそこから下は非課税ないしは基礎控除の計算の基礎として用いるというような措置が妥当ではないか、こういう考えに立ったわけでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 基本答申の中で「土地保有税の経済への影響」ということが述べられておりまして、その中に「新規立地の際地価の低い地方圏が選択される傾向が強まることなどにより全体として経済活動の地方分散が促されるといった効果が重要である。」私は、一極集中を排除して多極分散するという点に関して今回のこの地価税に大変期待しておったわけでございますけれども、この三万円という単価控除が出たことによって、実際の計算がどうなるかわかりませんけれども、関東圏にある工場はほとんど非課税になる可能性の方が大であるということで、せっかくのこの一極集中を排除して多極分散するという経済的な効果、これがほとんどなくなってしまうのではないか。今主税局長そういう趣旨のことをおっしゃったのであえて申し上げますけれども、この点はどうなんでしょうか、逆になっちゃうんじゃないでしょうか。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 資産価値が高い土地に限って課税をしていくという方法をとった方が分散効果というのは持つんだろうというように思います。したがいまして、土地の安いところに立地をすればそれは税金がかからないわけでございますから、インセンティブとしても働くことになると思います。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 私が言っているのは、おっしゃるとおりなんですけれども、それでは三万円というのはちょっと高過ぎるんじゃないか、そういう効果が具体的に出てくるには。そのようなことをちょっと申し上げているわけでございまして、これは時間がありませんから次に行きます。  それから、今回の土地の評価のあり方についてちょっとお尋ねしておきたいと思います。  地価税の課税の基準は相続税の評価額を適用することになっているわけですけれども、現在、相続税の評価額については売買価格や精通者の意見をもとに国税当局が決定するということになっております。納税者はその決定された結果だけを受容せざるを得ないというのが実情でございまして、このために、行政が一方的に評価額を決めているという一部の批判を生む背景にもなっているわけです。相続税の場合は数年もしくは数十年に一回でございますし、また比較の対象となるものも余りないわけですけれども、地価税の場合は土地の全所有者に課税されますし、隣接の土地等についての評価の違いによっては混乱も予想されるわけでございます。そういう意味で、決定された路線価の合理性、科学的根拠等について説得性を持たせるためにもガラス張りにすべきだ、こう思います。評価額の決め方あるいは質問検査権、不服の申し立て等につきまして、基本はやはり法律で決めるべきではないかな、こう思うのですが、どうでしょうか。

山口厚生国税庁直税部長

○山口(厚)政府委員 お答え申し上げます。  相続税におきます土地の価額は、相続税法の第二十二条の規定にありますとおり、相続により取得したときの時価により評価することになっているわけでございます。実務的には路線価方式または倍率方式によって評価することとしております。この路線価または倍率というのは、あらかじめ定めた標準地につきまして、ただいま委員御指摘のとおり地価公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士などの地価事情の精通者の意見価格、これらをもととして地価公示価格と同水準の価格を評定しまして、その価格の七〇%程度を目途として算定しておる次第でございます。  また、それぞれの標準地間の評価額のバランス等でございますけれども、これにつきましては都道府県庁所在都市におきます最高路線価と、さらにその最高路線価をもとに評定した各税務署内の最高路線価、これらをベースとしまして均衡を図ることといたしております。この都道府県庁所在都市の最高路線価と各都道府県内の標準的な宅地について評価の柱となる標準地の評価額につきましては、相続税法第二十六条の三の規定によりまして各国税局に設置されております土地評価審議会の調査審議を経て決定することとなっております。  以上申し上げましたように、土地の相続税評価額の決定に当たりましては、客観的な地価公示価格、売買実例価額、さらに精通者意見価格をもととして評価いたしておりますことと、その評価額のもととなる都道府県庁所在都市の最高路線価等につきましては、客観的かつ公平な土地評価の専門家から成ります土地評価審議会、これは具体的には関係行政機関の職員あるいは地方公共団体の職員それから土地評価についての学識経験者によって構成されておりますけれども、この土地評価審議会の意見を聞いて定めることといたしておりまして、客観的かつ適正な評価に努めている次第でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これは課税ベースになる土地の価格をいわゆる国税当局がお決めになるわけでございますけれども、それに対して不満がある、不服があるという場合にそれを申し立てるシステムがないというのが一番大きな問題だと思うのですね。それで、やはりそこは通常の所得税なんかのように、明確に課税の基準が決められているわけでございまして、私は、この地価税の創設に当たっては、そういう課税ベースになる土地の価格、これについて例えば不服があったら申し立てられるというようなことはやはり明確にしないと、これは非常に大きな不満になって出てくるのじゃないかなと思うわけでございまして、その点どうなんでしょうか。

山口厚生国税庁直税部長

○山口(厚)政府委員 お答え申し上げます。  まず、御指摘になりました相続税評価におきます路線価それから倍率、この意味合いでございますけれども、性格づけと申した方がいいかもしれませんけれども、この路線価及び倍率と申しますのは、土地のように時価の把握が困難であるものについて納税者の方々の便宜を考慮するとともに、課税の公平を期するという観点から、ある路線に面する標準的な宅地の価額あるいは地域ごとに定めた一定の倍率を明らかにしておこうというものでございます。したがいまして、路線価及び倍率自体は、これは御承知のように国税通則法第七十五条に規定します「国税に関する法律に基づく処分」には該当いたしません。いたしませんので不服申し立ての対象とはならないわけでございます。したがいまして、路線価または倍率に不服がある場合、路線価等の修正それ自体を求めて不服申し立てをすることはできませんけれども、納税者にとりましては、路線価等に基づいて実際に課税処分が行われたときに、その処分を不服として国税通則法第七十五条の定めによって不服申し立てをすることは、これはできることになっております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 政府税調の基本答申では、土地の公的評価の一元化ということについて、公示価格、相続税評価額、固定資産税評価等の間で相互の均衡と適正化を図ることが指摘されておるわけでございます。それから土地税制についての欧米視察の報告でも、税制上の不動産評価は一つの機関で統一的に行われているというふうに報告されているわけでございまして、土地評価の機関の一元化あるいは公的評価の適正化について、一元化ということはぜひとも必要だ、こう思うわけでございますが、これはどうなんでしょうか。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 ただいまの公的土地評価制度の問題につきましては、土地基本法の御審議の際もいろいろ御議論があったところでございます。その際私どもといたしましては、地価公示、相続税評価、固定資産税評価、大きく三つの公的評価があるわけでございますが、それぞれの制度の目的に応じた評価がなされておりまして、これを単純に一元化することは極めて困難であるということを申し上げてきたわけでございます。ただ、公的土地評価に対します国民の信頼を高めることが非常に重要でございますので、土地基本法十六条におきましては、「国は、」「公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるように努めるものとする。」というように明定されたところでございます。この土地基本法の考え方を受けまして、先ほどお話しいたしました総合土地政策推進要綱では、相続税評価につきましては、地価公示価格を基準として評定する考え方に立ちまして、評価割合を引き上げ、その適正化、均衡化を図っていくという考え方が明らかにされておりますし、固定資産税につきましても、速やかに地価公示価格の一定割合を目標に、その均衡化、適正化を推進するということになっておるわけでございますので、私どもとしては、この方向に沿いまして土地基本法が定めております公的土地評価の均衡、適正化が図られていくものであるというように理解をいたしております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 時間がありませんので、最後に大蔵大臣に総量規制と金利の問題についてちょっとお伺いしておきたいと思います。  総量規制は昨年四月に始まりましてからほぼ一年になるわけでございます。最近はバブルの原因になっておる過剰取引が減っただけではなくて、一部には正常な取引も資金が回らないというような声もございまして、一部には地価税が成立すれば規制撤廃されるのではないかというような観測も出ておりますし、一方、地価が鎮静化の方向に向かっておる中で内需中心の景気拡大にも陰りが見られ始めていることから、金融政策の緩和、とりわけ金利の引き下げを求める声が非常に強くなってきておるのが現状だと思います。私は、決して今の状態は地価の鎮静から引き下げへの条件が整っているというふうには思わないわけでございますけれども、金融政策と土地対策という観点から、規制緩和ということについてどのように現状を認識されておるのか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは、大蔵省といたしましては、現在なお総量規制の効果を注意深く見守っておるところでありまして、現時点において総量規制を解除するつもりはございません。今後の取り扱いにつきましては、地価動向に加えまして金融経済情勢、金融機関の融資動向、さらには土地政策全般の推進状況などを総合的に勘案しながら適時適切に対処してまいりたいと考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 では、以上で終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 午後五時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後二時五十九分休憩      ────◇─────     午後五時開議

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 それでは、地価税法案について若干の質問をさせていただきます。  まず第一に、大蔵大臣に政治家として伺いますが、閣僚として伺いますが、土地政策は何を目的とすべきだとふだんから考えておられますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 非常に幅の広いお答えにならざるを得ませんけれども、基本的には、日本の国土というものを、一方では先祖伝来のよき自然を残しつつ開発にふさわしい地域を選び、その中において国民生活が円滑に実施のできるようなバランスをとった開発を進めること、そして同時に、国民がその中において安定した生活が営めるだけの住環境を整備すること、非常にラフな言い方になりますけれども、大きく申し上げるならば私はそのようなことになろうかと存じます。

正森成二日本共産党

○正森委員 そういうお答えも私は誤っていないと思います。しかし、私はもっと単刀直入に狭めて言うなら、大多数の国民が望んでいるのは、やはり自分たちの住む土地や住宅を、持ち家であれ賃貸であれ確保して、そこで健康で文化的な生活を営みたい。その持っているものについて不当に高い固定資産税や相続税などの税を取られることのないように──不当に高いということです。それからまた、賃貸の場合でも家賃が上がることによって家を追い出される、そういう居住不安をなくして、安心して住める住宅が欲しいというのが国民の大多数の願いである。それにこたえるのがやはり土地政策の基本ではないかというように私は思っております。  これは私だけの意見でなしに、後で引用いたしますが、政府税調の小倉会長もさる雑誌でそれに近いことを言っておられるわけであります。換言すれば、学者も言っておりますように、人間が生活する基盤である住宅を基本的に保障していくというところになければならないのではないかというように私は思っております。ところが、そういう観点から見ると、残念ながら現在までの土地政策あるいは特に中曽根民活は、その要請に十分こたえていなかったというのが私の考えであります。  そこで、その問題に入る序論として伺っておきたいのですが、国土庁おりますね。国土庁が土地の動向に関する年次報告というのを百十八国会に提出しておりますが、それを見ますと、市街地の土地の価格指数、六大都市平均でありますが、昭和三十年、一九五五年を一〇〇とすると一二八四八という指数になっております。つまり、昭和三十年が一〇〇ですから、昭和三十年を一とすると百二十八倍余ということになります。  政府の統計でしばしば昭和三十年、一九五五年が引き合いに出され、他方また、戦前のものとしては昭和十一年、一九三六年が引き合いに出されます。それはなぜかといいますと、一九三七年、昭和十二年に日中の全面戦争に入りまして、国債が多量に発行をされる、多かれ少なかれインフレが起こるというのを遮断するいわば戦前の一定の時期である。それから昭和三十年は、戦争が終わって十年たちまして、戦前の生活水準に一応回復した年であるだけでなしに、物の本によりますと、そのときに戦後のインフレが非常に進みまして、昭和十一年に比べて三百三十倍という状況になったのですが、物価と土地の値段の上昇がほぼ匹敵する。両方ともほぼ三百三十倍になったということから、一九五五年、昭和三十年という年が引用されるのだそうであります。この政府の資料でもそういう比較になっているのです。  そこで、大臣、国土庁なら答えるのは決まっていますので、大蔵大臣にクイズのつもりで答えていただきたいのですが、戦後の昭和三十年に比べて土地が百二十八倍、これによりますと平成元年は百二十八倍になっておる。そうすると、物価は、卸売と消費者物価に分けて何倍ぐらいになったと思われますか。国土庁、教えたらいけませんよ、大臣はそんなことを知らなくてもいいのですから。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 当然のことながらカンニングペーパーを事務方が見せてくれましたが、見ないでお答えをしようとすれば、存じませんというお答えになりました。

正森成二日本共産党

○正森委員 御勉強のいいことで。  大臣、何か今の答弁を聞きますと、織田信長に聞かれた森蘭丸を思いだしますね。御存じですか、その話は。織田信長がちょっとよそへ行ったときに、小姓で刀を持っていたのです。それにぎざぎざがたくさんあるのです。このぎざぎざの数を当てろ、ぎざぎざの数を当てた者にこの刀をやる、こう言ったのですね。蘭丸は、それを持っているときに数えていたのです。知っているのですよ。ほかの人がいろいろ言うたときに、私は既に数えておりますから答えられません、こう正直に言うて、それで偉いというわけで余計、刀をもらった。決して、不遜なことに大臣を蘭丸に例え、ましてや私を信長に例えるつもりはございませんけれども、カンニングペーパーを見ておるということでおっしゃいましたが、それなら私も物が言いやすいのです。  国土庁、ここにも書いてございますが、消費者物価は五・二九倍ぐらい、それから卸売物価は二一七ですから二・一七倍ぐらいですね。それで間違いありませんか。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 ただいまおっしゃいましたように、昭和三十年を一〇〇といたします卸売物価指数、消費者物価指数は、卸売物価指数が二一三、消費者物価指数が五二九と承知しております。

正森成二日本共産党

○正森委員 今お答えになったとおりで、土地が昭和三十年に比べて平成元年が百二十八倍なのに、他方、ほかの物価は、卸売物価が二・一倍余り、それから消費者物価は五・二倍ぐらいということになりますと、いかにも土地の上昇の率が高いと戦後の問題として言わざるを得ないわけであります。  さらに別の資料によりますと、その上昇について一つの統計があるのですけれども、その統計を見ますと、卸売物価指数で地価指数を割ってどうなるかと見ますと、当然のことながら一九五六年は一ですね、同じですからね。それがどんどん上がりまして、一九七三年にはほぼ二十倍になったんです。それが一九八六年には二十五・二倍でしたが、一九九〇年三月には何と六十八・二になる。猛烈なスピードで上がったんです。それが今度の、戦後三回目の地価上昇の実情であるということになって、庶民の間に、これは家を持てないということで、このごろ高級車が売れるのもそれが大きな理由で、もう家を買うのをあきらめた者が、五百万ぐらいかかつてもいいから、ひとつせめて自動車を持って、それでいろいろ旅行をして気分を味わおうというところで、サラリーマンの間に高級自動車が売れておるという状況も起こっておるんですね。これはやはり為政者、あるいは為政者だけでなしに、企業としても考えなければならない問題なんです。勤労者が自分の家を持つという望みをもう持てなくなった、そしてほかの方に関心を転嫁しなければならないということは、非常に大きな問題であるというように言わなければならないのです。  それで、国土庁に伺いますが、国土庁が国会にも資料を出されましたね。その資料を見ますと、一九八八年現在の含み益で、政府税制小委員会に報告し、我々もいただいた資料によりますと、企業の土地の資産額が五百十四兆五千億円、帳簿価格が八十兆六千億円、含み益は四百三十三兆九千億円に上る。一九七〇年は幾らだったかというと、資産額は四十二兆五千億円、帳簿価格は七兆六千億円で、含み益は三十四兆九千億円だったから、この間に含み益増大は四百兆円に上る。  もっと重大なことは、法人の保有する未利用地について理由を尋ねたら、これは国土庁が尋ねておりますね。当初から利用する意思なしというのが一九七八年の調査では九%だったのに、一九八九年の調査では五〇%を占めた。さらに、その未利用地について、七八%の土地に今後の利用計画のないことが明らかになっているという事実ですね。これは時間を節約する意味で私が全部言ったのですが、そのとおりですね。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 ただいま委員おっしゃった数字は、基本的にそのとおりでございます。  ただ、ちょっと正確を期するために申し上げますと、企業が保有しております事業用地の約七%から八%が未利用地である、そのうちの八割近くが当面具体的な利用計画がないということでございますので、持っている土地の八割というように誤解されますとこれは全く違いますので、その点だけ明確に申し上げます。

正森成二日本共産党

○正森委員 私も、法人が保有する未利用地についてというように言うたつもりです。あるいは抜けていたかもしれませんが。  そこで、サラリーマン、庶民は持てないようになっておる。ところが企業は、数字はもう時間の関係で言いませんが、持っておる土地は増大しているんですね、比率からいいますと。今度の地価税を制定するときにも企業側から出たのは、これは未実現の利益である、つまり、土地は売っていないので、それに対してかけるというのはいかがなものかというのが非常に大きな抗弁として出てきたわけです。私は前にも言ったことがあるのですが、本当に未実現と言えるのかというのが──企業は土地を担保にして金を借りたり、あるいは株価が上昇して時価発行あるいは有利な条件で社債発行しているということを言うておりましたが、きょうは地価税の質問ですから、具体的に伺います。  新日鉄についてあらかじめ証券局に調査をお願いしましたが、最近の三年ほどぐらいで、例えば株式の時価発行増資あるいは社債の発行等で幾ら資本を増大させていますか。資本と言うたらあれですが、資金を増大させていますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 新日本製鉄の資金調達の状況でございますが、一九八八年には、これは外国でございますけれども、ユーロドルで新株の引受権つき社債というのを六億ドル出しております。これは大体邦貨に換算いたしますと八百億ぐらいになります。それから八九年には、同じくユーロドルの新株引受権つき社債を十二億ドル、さらに国内で転換社債を三千億円出しておりまして、十二億ドルを邦貨換算いたしますと大体千五百億円ぐらいになりますので、合わせますと四千五百億。それから一九九〇年には、時価発行を行って千七百億ほどの調達、あわせまして国内で新株引受権つき社債を一千億出しておりまして、合わせまして二千七百億円ぐらいになります。

正森成二日本共産党

○正森委員 大臣、お聞きになりましたように非常に膨大な額を、資金を調達しているんですね。それが新株発行とかあるいはワラント債とかそういうものですから、現在の時価が上昇したということによって発行できるものなんです。  ここに資料をちょっと持ってまいりましたけれども、それを見ますと、一九八六年段階は、新日鉄の株価は高値でさえ二百七十六円ぐらいですね。それが土地が高騰しましたときに、八六年、八七年というのはそういう利益を企業としては生んでいなかったんですが、含み益に着目いたしまして、八七年には高値四百五十四円、八八年には高値九百六十九円、八九年には高値九百八十四円というように上昇しているんですね。約三倍から四倍に上昇した。その含み資産等の、もちろん景気もよくなりましたですね、造船業界は。それらを反映して株価が上昇する。株価が上昇するから新株を発行しても非常に低利資金を入手することができる、社債等の発行条件もよくなるということで、莫大な金を調達することができたわけであります。  これは必ずしも新日鉄だけではございませんで、九〇年十二月十一日の朝日新聞によりますとこう言うております。「東京湾岸の江東区豊洲にある造船大手の石川島播磨重工業の元グラウンドで、三十七階建て賃貸ビルの建設が始まっている。総費用の三百億円は、同社が一九八九年に海外市場でワラント債を発行し、調達した。無配を続けていた同社の株価は「東京のウオーターフロントに保有する土地の地価上昇」をはやす野村証券など証券業界のテコ入れで急上昇し、社債を有利に発行できたのだ。」こう書いてあります。  あるいは「鉄鋼大手のNKK(日本鋼管)も、時価発行増資で約四千億円を調達し、米国鉄鋼メーカーを買収した。京浜地区にある同社の土地は、最高で簿価の四百十二倍。八〇年代後半の企業は、地価高騰のうまみをたっぷり味わった。」これは赤旗に書いているんじゃないんですね。朝日新聞ですら、すらなんと言うと記者がいれば怒るかもしれませんが、朝日新聞が書いているんです。ですから、土地はまだ売ってないんだから未実現利益で、それに税金をかけるのはけしからぬなんというのは、これは、株の上昇とそれを利用した企業の資金調達のメカニズムを多少知っており、その事実を多少とも知っている者については、通用しない議論なんですね。ところが、それであるにもかかわらず、企業は地価税に対して猛烈に反対した。  これも同じく新聞に載っていることですが、昨年の十一月三十日の昼、自民党本部の幹事長室で小沢幹事長と次期経団連会長の平岩外四東京電力会長、土方武経団連税制委員長、斎藤新日鉄社長が向かい合った。それで土地保有税について話し合った。財界は日本経済がおかしくなるからやらぬといてくれと言ったときに、小沢幹事長が、いや、やらざるを得ないと言うたら、その会談の後で早速通産省へ行った。そして「同省首脳と協議の結果、「税率〇・二%、基礎控除に単価基準を設ける」などの”条件闘争”に、財界の方針が切り替えられた。」まさにそのとおりにこの法案の内容はなっているのですね。〇・二%というのは四年の暫定措置で、本則は〇・三%だということになっておりますが、まさに小沢幹事長がやらざるを得ないんだと言う。その足でみずからの保護者である通産省へ行って、そして条件を出し、まさにその条件が受け入れられたのが、率直に言ってこの法案の主たる内容であるというように言わなければならないと思うんですね。  ですから、私どもは、できれば賛成多数で可決されることを希望しておりますが、修正案を出して、税率のアップやあるいは平米三万円までの単価控除ということについて、これは非常に企業に優遇し過ぎるものではないかという問題を出しているんだということを申し上げたいんですね。  通産省、おりますか。手を挙げて。──はい。今通産省のことをちょっと悪く言いましたが、まあ気にせずに答えてほしいんですが、十二月の五日に、報道によりますと、通産省は新土地保有税の課税最低限を五億円と設定した場合に、全国の中小企業の五割強が課税対象となるとする試算をまとめ、自民党商工部会に示した云々という記事があるんです。それで、それは本当かどうかなと思って、時間の節約のために事前に聞いたんですけれども、中小企業の四百四十地点の調査結果、だからわずかですね。そのサンプルによるものであるがということで、二十三区・政令指定都市と全国とに分けておりますが、五億円未満ということに控除が決まった場合には、課税対象を免れるものが全国では五九・四%、十億円未満にすると七七・一%、十五億円未満にすると八三・九%、三十億円未満にすると八七・五%。つまり、二十億円未満までを控除額にすると、課税対象になるのは一〇〇から八七・五を引けばいいんですから、全国では一二・五%である、そういう数字を出しておられます。ちなみに二十三区・政令指定都市では、二十億円未満の場合には課税対象にならないものが七七・五%、したがって、課税対象になるものが二二・五%という数字が出ております。これは私があらかじめ言っていただいたものですが、この数字に間違いありませんか。あるいは説明することがあれば言ってください。

小川洋中小企業庁計画部振興課長

○小川説明員 お答え申し上げます。  委員ただいま御指摘の調査は、昨年私ども中小企業庁が中小企業団体を通じまして抽出いたしました全国四百四十企業、先生御指摘のとおりでございますが、これを対象にし、その土地の保有状況について調査をしたものでございます。限られた時間、限られた調査対象でございますけれども、数字につきましては先生今御指摘のとおりでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 こういう一億円未満の中小企業、その中にはもちろん地上げなどに関与したものも幾らか入っていると思いますが、こういう企業は新株の時価発行とかあるいはワラント債とか、そういうものにはおおむね無縁のところであります。そういうところが今度の税制で十五億円の基礎控除ということでは、相当数が課税対象になる。これで見ますと、二十億円未満の場合には、全国で見ると課税対象になるのは一二・五%ぐらいだ、仮に四百四十地点の調査を推し広げて、ある程度の蓋然性があると見てですね。  ということから私たちは、中小企業にはなるべく今回は税の負担をかけないようにすべきである。なぜなら、今度の地価高騰をもたらした大きな原因というのは、これは原因がいろいろありまして、東京一極集中から金融の緩和から中曽根内閣の民活路線からいろいろあると思いますが、主として大企業等の土地投機も大きな原因の、全部ではありませんが、一つをなすものであるという点から見ますと、加害者と被害者を区別する必要があるということから、二十億円未満まで調べておられる中小企業庁の数字から二十五億円という数字を出したわけであります。  そこで、大臣に伺いたいと思います。こういう地価高騰、一番最後に聞くんですが、大臣が構造協議に基づく四百三十兆の公共投資の関係でも地価の問題を非常に心配されている、これは最後に伺いますので、そのときに存分に答えていただきたいのですが、こういう地価高騰というか土地問題は、市場原理を維持して解決できると思っておられるかどうかについて伺っておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 完全な市場原理のみに任して解決をするとは私は考えておりません。そのためにこそ土地基本法の制定が急がれ、ルールがつくられ、そのルールの中において市場原理というものが動くフレームを残した、私は今日の状況をそう考えておりますし、完全な市場原理のみによって地価対策を行うことが望ましいことではないと考えております。

正森成二日本共産党

○正森委員 御名答でありますが、しかし、完全な市場原理というところがひっかかるところでありまして、市場原理は基本だけれども、それに若干の規制を加えるというニュアンスにうかがえました。あるいは違って、著しく私の意見に近いのかもしれませんし、それはなお議論していきたいと思いますが、ここに持っておりますのは、先ほど申しました政府税調会長の小倉さんが、「エコノミスト」の九〇年七月二十四日に、「「土地」は市場原理になじまないよ」という表題でインタビューをしておられるんですね。それを拝見すると、なかなか味わい深いことを言っておられます。  御参考に申しますが、こう言っておられるんです。「譲渡所得税をうんと下げて保有税を上げろ、そうすれば土地は動くというのが経済学者の通説ですが、実際には、土地が会社に集まるだけになるかもしれない。ただでさえ法人に土地が集まっている。数字は知らないけど。地価を上げたのは金融機関と法人です。大会社だよ。」なかなかいい意見で、これは基本的には私たちの主張に近いんですね。それで、そのほかどう言っておられるかというと、「土地神話がなぜできたかというと、市場原理のうえでできた。その神話をぶっつぶそうといっているのにやっぱり市場原理でうんぬんという。」言うて皮肉っているんですね。  その次に、土地というのは「市場にはなじまない。第一、土地市場という言葉がないでしょう。株式市場、商品市場はあっても土地市場がない。たとえば売りたい人、買いたい人は全部「エコノミスト」に届けろ、値段と場所と大きさをいえといって集まるならマーケットができる。しかし、土地というのはさまざまで、売りたいときは、こっそりと秘密の情報で売る。オープンにならない。オープンにしないでどうしてマーケットになるのか。」こう言っているんですね。インタビュアーの相手が、不動産業者の間であるのではないですかと言ったら、いやいや業者同士だって秘密でやっておる、こう言って反論しているのです。  そして、最後の方でどう言っているかというと、私が初めに言った、私の考えに近いんじゃないかと言ったのですが、「個人的には、日本の土地問題の焦点を絞る。サラリーマンの住宅を建てる ということであるならば、そういう目的が達せられるように、土地の調達から土地の供給、一戸建てなりアパートなりの建設、それの販売まで、一貫したシステムをつくるべきです。」「公的につくるべきです。そんなものはプライベートにはできないです。マーケット・メカニズムでやってこうなってしまったんだから。」こう言っているのですね。そして、「マーケット・メカニズムで土地神話ができた。」それでは住宅供給と結びつかない、こう言って、「土地一般を論じたらだめです。都会のサラリーマンの住宅供給ということで筋を通すようなね。」こう言って、「もし本当に考えるならそう考える以外ないじゃないの。」こう言って、本当に住宅供給というのを考えるなら、市場原理というものではこれはなかなか難しいんだということを言っておられますね。大臣は完全な市場原理ではだめだということを言われましたので、小倉さんと同じなのか、どれぐらい距離があるのかということをあえて伺わないようにいたしますが、これを前提にしてさらに話を進めたいと思うのです。  そうすると、どうすればいいのかという問題について、国土庁、あなた方はどうしたらいいと思っているのですか。簡単でいいですよ。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 平成元年十二月に成立いたしました土地基本法にも、明確に土地の公共的性格からくる公共福祉の優先ということが規定しておりますように、私どもも、土地につきましては、他の一般の財産とは異なりまして、正常な市場メカニズムが機能しにくいもの、あるいは単純に市場メカニズムにゆだねられない部面のあるそういう特殊な財であろうというように認識をいたしておるところでございます。したがいまして、土地基本法に明確に書いておりますように、このような公共的性格からくる基本理念というものに沿った適正な規制なり、誘導、負担というものが行われるべき財であろう、かように理解をいたしております。

正森成二日本共産党

○正森委員 一応答えとしてはすらすら答えているのですが、日本では残念ながら、あなたの言っていることが本当に行われて、そして、勤労者が自分の住宅を持つということがなかなかできないような状況になっているのです。  それはなぜかというと、まず第一に、土地の値段が非常に高くてとても手に入らない。そのための対策として外国ではどういうことが行われてきたかということは、国土庁はもちろん専門ですからよく御存じだと思いますが、そのためにとられたのは公有地の拡大ですね。  例えば西ドイツなどでは、市街化調整区域の土地を市がまず買う。市が買ってしまったものについて規制緩和をして、それを市街地にするあるいは必要と思われる民有地と交換をするということをやりましたために、西ドイツの人口百万以上の都市では、平均してその土地の四六%が市有地である。北欧諸国では約五〇%が市有地になっておる。  フランスでは、一九八三年一月に土地利用計画の権限を自治体に移したために、自治体は先買い権を行使して土地の入手が非常に容易になる。例えばどういうぐあいにやるかというと、土地を売りたいという場合はまず市に売らなければならない。その人が仮に五百万円で売りたいというときに、市は百万円でしか買わないというと、鑑定委員会にかける。鑑定委員会が二百万という値段を出したら、その人は市に二百万で売らなければならない。ただし、もちろん私有財産ですから、どうしても売りたくないという場合には首に縄をつけて買うということはしないが、そのかわりその人は永久にその土地を売る権利を失う。いつまでも自分が持っておってもいいけれども、売れないというようになっているのですね。ですから、市が非常に自分の思うような土地を入手しやすいような状況になっております。  イギリスの場合でも、サッチャーがあれしましたが、こういう先買い権がございましたが、国土庁はこういう先買い権というような考え方をもっと現実的な形で導入するということは考えていないのですか。簡単でいいです。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○鎭西政府委員 公共用地の確保につきましては、土地基本法の十二条二項におきましても、適正な土地利用の確保を図るために「公有地の拡大の推進等公共用地の確保に努めるものとする。」ということで、これからの土地政策の方向として極めて重要であるという認識をいたしております。  その考え方を受けまして、先般閣議決定いたしました総合土地政策推進要綱の中におきましても、大都市地域におきます国有地につきましては、「使用状況等の点検結果も踏まえ、公共用地の確保に努めつつ、その有効利用を図る。」とか「先行的、計画的な公共事業用地及びその代替地の取得を進めるため、公共用地先行取得制度の充実、先買い制度の活用等関連施策の一層の充実を図る。」そのための所要の資金の確保等、具体的な方策の展開というものについて明確にしているところでございます。

正森成二日本共産党

○正森委員 えらいあれ言うたらいけませんが、名前が鎮西さんだけあって声は非常に大きいし、音吐朗々と答えられるのですけれども、しかし、実際に政府がやっていることはそんなにうまくいっていないのではないですか。そんなにうまくいっているなら、サラリーマンが自分の住宅を持つということはあきらめて、自動車を買うとかなんとかという方にはいっていないので、それが実際にやられていないというところに非常な問題があるというように言わなければならないと思うのです。  そこで、庶民に住宅を供給するには土地を確保することが大事で、それには公有地をふやさなければならない、また先買い権を保障しなければならないということを言いましたが、同時に必要なことは、建設省来ていますか、時間がありませんが、用途区分をはっきりすることが必要だ。  議員の皆さん方には資料としてお渡ししておきましたが、そこにありますのは日本の今の用途地域とアメリカの用途地域の比較であります。アメリカは、例えばこれはロサンゼルスですけれども、全体で四十五の区分けになっているのです。それで、住宅地だけで二十三の区分けがあって、細かく規制されております。ところが、日本の場合は、全部ひっくるめて八つしか区分けがない。その中に何もかも全部入っておって、用途規制は極めて甘いのですね。  それを見ていただきますと、日本のゾーニングを見ますと、住居地域でも、単なる住居だけでなしに、次のようなものが建てられることがその表をごらんになればわかります。ボウリング場、スケート場、水泳場、マージャン屋、パチンコ屋、射的場、ホテル、旅館、モーテル、自動車教習場、それからすべての学校、病院、診療所、神社、寺院、教会、養育院、託児所、一般公衆浴場、住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館、博物館、物品販売店、飲食店、一般事務所、パン屋、米屋、豆腐屋、菓子屋などの小規模の食品製造工場、作業場の床面積の合計が五十平米以下の危険性や環境悪化の少ない工場。容積率は四〇〇%まで、建物の高さ制限はない。  要するに、住居地域という名前はついているが、キャバレー、映画館などの娯楽施設や本格的な工場を除いたら、何でも建てられるようになっております。だから地上げが起こり、住宅地がいつの間にやら商業施設や業務施設や高層マンションに変えられる。つまり、地上げをやればもうかるのは、こういうぐあいに用途を変えることができて、いつの間にやら住宅地域を収益還元で考えればより利益が大きい、そういう方向に変えることができるから、収益還元方式でやれば地価が高くなるのは当たり前の話なんですね。住宅の場合は、もともと原資というのは一般的には給料しかないのですからね。だから物すごく高くなる。  ところが、一方アメリカを見ますと、ロサンゼルスの例ですが、見ていただきましたら住居地域だけで二十三ありますが、これは建設可能な住宅の階数から形式から最低敷地面積などまで細かく規定されて、住宅以外で建設できるのはコミュニティーセンターと公園と運動場と野菜農園ぐらいのもので、教会やホテルや学校でさえ集合住宅地以外は建てられない、こういうことになっているのです。だから、こんなところでは地上げしてみたところでもうかるようなものは建てることができないから、地上げということも起こりようがないし、それによって急激に地価が上昇することもない。  だから、大臣が別の委員の質問に対して、土地税制というのは一つの手段である、これは一定の有効性を持っておるが、それだけじゃなしに、私は基本的には都市計画というものがなければ地価を抑えられないという意味のことを御答弁になったのを自分の席で聞いておりましたが、それはまさに正解なんですね。都市計画やゾーニングやらいろいろなものと総合しなければ、これは地価税の審議をしておって、地価税だけではだめであると言うのもおかしなものですけれども、一定の限界があるということは指摘しなければならない。  そこで建設省に伺いますが、こういう日本のゾーニングというのが諸外国に比べて、同じ資本主義国であるのに非常に特異なものであり、この混合用途地域というのも意味があるときはあったのです。明治時代のように都市の発展が非常に緩やかであり、牧歌的なときには、多少混合するといったって大して弊害は起こらなかった。しかし、現在のように生き馬の目を抜くようで、すきがあれば地上げ屋がやってきてばっと買うて、そして大企業へつなぐ、そしてどんどんオフィスビルを建てたりいろいろなもうかる用途に使うというような時代には、もう既に、八つぐらいしか分けられないで、混合用途地域と言われるような今の日本のゾーニングは、これはよほど抜本的に改めなければならない時代が来ているのじゃないですか。

林桂一建設省都市局都市計画課長

○林説明員 お答えいたします。  我が国の用途地域の制度について抜本的に改めるべきではないかというお尋ねでございますが、この先生のお示しになっておられます資料にもありますように、日本の都市計画制度では現在八種類の用途地域がとられているわけでございます。  それで、単純にアメリカの地域との数の比較というのはなかなか難しい面があり、それについてはちょっと後ほど御説明したいと思いますが、この八種類の用途地域の中には、ここでごらんいただきますとおわかりになりますように、一種住居専用地域、二種住居専用地域といった専用的な、住居の良好な環境を保全するための制度というものもあり、また先生も御指摘になりましたが、かなり混在を認めていくような地域もありということで構成されております。  さらに、ここの表にはございませんけれども、このような用途地域のほかに、我が国の都市計画制度では特別用途地区という制度がございまして、これにつきましては、地方公共団体が条例でその用途の制限の内容を裁量的に決めて、規制を実施するというようなこともできるような制度もございます。  それから、昭和五十五年度に創設されたものでございますが、地区計画制度というのがございまして、これはドイツのBプランといった制度も参考にしながら、やや地区レベルではございますが、詳細な土地利用規制ができるような制度も用意しておるわけでございまして、またそういった地区計画につきましては、その後いろいろな目的でいろいろな種類を追加しておりまして、昨年も都市計画法の改正によりまして三種類ぐらいの地区計画というのもつくっております。  そういうようなことも合わせますと、制度の内容につきましては、その組み合わせによりまして、かなり多様なことが可能になるような制度になっているところだというふうに私どもは理解しておるわけでございます。しかし、いずれにいたしましても、近年の社会の変化あるいは土地基本法の成立といったような状況も踏まえながら、現在都市計画中央審議会で都市計画の土地利用規制を中心としますあり方につきまして検討させていただいておりまして、この中で用途の種別あるいは容積率との組み合わせ等の関係につきましても検討をしている最中でございますので、よろしくお願いいたします。

正森成二日本共産党

○正森委員 時間が参りましたので、非市場原理による住宅供給とかあるいは持ち家政策の見直しとか、家賃補助等についても聞かせていただこうと思いましたが、全部省略いたします。  そして最後に、お約束でございますので、大臣に伺いたいと思います。  九〇年六月十五日の毎日新聞によりますと、公共投資の課題として、用地費の問題が「計画阻む地価高騰」ということで出ております。建設省によると、用地買収費の割合は、建前としては二〇%なんだけれども、大都市では用地費の割合がはね上がって、東京都の場合は八四年度の四八%から八七年度には六四%にまで急上昇した、九九%が用地費と言われる道路も出てきているということが指摘されているのですね。建設省にはもう聞きません。聞くと通告しましたが、また長くやられるととてもかないませんので、いきなり大臣に伺います。  そこで、それを考慮されたのでしょうか、九〇年六月二十九日の朝日新聞でありますが、大臣の談話が載っておりまして、「公共投資の四百三十兆円というのは、大蔵省にとって将来の大きな責任を負う数字だ。これだけの公共投資をやる以上、地価を引き下げなければ、国民生活はめちゃくちゃになる。」、めちゃくちゃになるという表現をされているのですね。この真意を最後に伺って、めちゃくちゃにならないためにはどうしたらいいかということもあわせて御所信をお述べいただいて、質問を終わります。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今のお尋ねにお答えします前に、実は今この用途地域内の建物用途制限の表を見まして、政務次官と二人頭を抱え込んでおります。と申しますのは「養育院・託児所」という言葉が出てまいります。社会福祉関係の仕事をしてまいりました者からすると、極めて恥辱的な言葉がこのまま上っておるわけでありますし、社会福祉施設関係が全くこの中に出てまいりません。また、生活関係の廃棄物処理等は一体どこでやったらいいのか、この中に一言半句登場していないわけであります。  私は、都市計画という言葉を基本に置きましたが、どうも委員のお考えと余り食い違っているようではありません。それだけに大変伸びやかな気持ちで今御質問を伺っておりました。  そこで、ちょうど今御指摘になりました記者会見、私がどのような発言をしたのかを正式にとってみました。質問に答えまして、地価については国民的課題としてこれを抑え、引き下げる努力を要求されている。この公共投資十カ年計画を推進するに当たって、その地価を抑え込むことができなければ国民生活に多大な悪影響を与えることになるから、そんな方向に我々の将来を向けるわけにはいかない、そういう言い方をいたしております。非常にうまく意訳をして活字にしてもらったと思いますが、大宗私の述べたかった感じと違いません。  それだけに、私どもの守備範囲として、金融政策あるいは税制を駆使して最大限の努力をもちろんいたしますし、国有地の利活用ということも当然考えてまいりますけれども、基本としては、やはり私は、都市計画という言葉で表現をいたしておりますような西欧型のきちんとしたルールをおつくりをいただくということがなければ、根本的な地価対策というものは完了いたさない、そのような感じを持っておるわけであります。

正森成二日本共産党

○正森委員 これで終わらせていただきますが、述べておりますように、私どもは地価税でできることには限界があると思っております。しかし、その限界の中でもより有効にやるために修正案を出しておりますので、それに関連して二、三質問したわけですが、後ほど修正案の趣旨説明のときに述べさせていただきたいと思います。  これで終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 地価税法案についてお尋ねをいたします。  最初に、法案の理由というところに、「土地に対する適正かつ公平な税負担の確保を図りつつ土地政策に資するため、地価税を創設することとし、」このように述べられております。大臣の趣旨説明、提案理由の説明には、「土地に対する適正・公平な税負担を確保しつつ、土地の資産としての有利性を縮減し土地政策に資するため、」と、こういう形で述べられております。地価税に対する政府税調を含めての国民的な議論の中で、土地神話を崩す、そして、土地の価格を引き下げて働いている人たちがその所得で土地と住宅を手に入れられるようにしよう、こういう大きな合意があったと思うのであります。  それを受けて今国会は土地国会としてスタートをして、いろいろな税制面あるいは金融対策、かなりの土地政策がとられてまいりました。そして、この地価税というものに対して大変大きな国民の期待があったことは事実であります。しかし、私どもはこの地価税がつくられました経過等を十分承知しておりますから、こういう形で落ちついた理由等よくわかるわけであります。しかし、そういう背景あるいは国民の期待といったものから考えると、なかなかわかりにくい法律だな、説明のしにくい法律だな、このことを思わざるを得ません。  その一番大きな理由が、この税制を実施して本当に土地神話が崩れるのか。こんなことでは土地神話というのは何も崩れない、このように私どもは考えております。どうも土地神話を崩すということに余り寄与しない。こういうところがこの理由から「土地の資産としての有利性を縮減し」というのが抜けておるのではないか、こういうふうに勘ぐりさえしたくなるわけであります。本当にこの法案で土地の資産としての有利性が縮減をする、そして土地神話の崩壊、こういったものに大きく貢献できると大臣はお考えですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 委員が御指摘になりましたような見解というものがさまざまな角度で今日までも報道されたりしておりますことは私も存じております。しかし、私は、この地価税というものが、地価税一つで全部の役割を果たせと命ぜられているのではないということをまず委員に申し上げたいと思います。そして、地価税だけで土地対策というものの中の税の受け持つべき役割を果たさなければならないとするならば、おのずから異なった形態があり得ると私も思います。  しかし、この新税だけを考えていただきましても、土地の資産価値に応じて新たに毎年負担を求める、また、国土資産額のかなりの部分が宅地に集中しております日本ですから、そして、その宅地の相当部分を少数の者が保有しているという我が国特有の土地保有状況、そうしたものを考えますと、実質的に大規模な土地保有者に対して適切な負担を課する、そして、この新税の課税標準とされる相続税評価というものが地価公示価格に対する評価割合を引き上げ、適正化を図るとされておるわけでありまして、現行の評価水準を前提に現在一般に想定されているものよりも高まるということ、さらに、この税そのものとは別個の行動として、固定資産税評価につきましても一層の均衡化、適正化が行われる、こうしたことを考えてみますとき、この地価税そのものは、全体として、土地の保有コストの増大、そして、その結果として生まれる有効利用の促進、住宅地の供給促進あるいは地価の抑制、低下等に相応の役割を果たすと私どもは考えております。  また、今般の土地税制改革そのものが、譲渡課税の負担の適正化でありますとか、あるいは農地課税の見直しなど総合的な見直しを含んでおるわけでありまして、私は、税全体としても十分な役割を果たしてくれると信じております。しかし同時に、この導入時の景気の動向あるいは金融の動向、税制以外の土地政策の推進状況、こうしたことを考えてみますと、税のみで果たし得る役割には限界があるということも御理解をいただきたいと思うわけでありまして、当省所管部分以外の土地政策の一層の推進を心から願っております。

中井洽民社党

○中井委員 先ほどの質問と同じ形になりますけれども、国民が望んでおりますのは、土地神話の崩壊、同時に宅地の供給の増加ということであろうかと思います。今大臣の御答弁にも、この法案だけではそうはいかないけれども、土地供給の増加、住宅地の供給の増加に寄与していく面もあるのだ、こういう御答弁がありましたけれども、本当にこの法案が書かれているように、土地政策に資して、土地、住宅宅地供給というものが増加をするとお考えなのか。もしお考えとしたら、どうしてそれが供給増加につながるのだと言えるのか、御説明をいただきたいと思います。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 お答え申し上げます。  まず一番基本的な問題といたしまして、保有コストが高まるわけでございますから、むだな土地は持たない、有効利用を図るという考え方が次第に浸透してくる、それが一番大切なことであろうというように考えております。  御指摘の住宅地の供給でございますが、居住用地、これは非課税としてございます。それは住宅用地の供給促進のインセンティブとなるはずでございます。  それから、この地価税ではございませんが、先般成立いたしました租税特別措置法の中におきまして、一般的に譲渡課税の強化をしたわけでございますけれども、その中におきまして、国あるいは地方公共団体に売り渡す場合、それから優良な住宅地として売り渡す場合には逆に譲渡所得税を軽課しておりまして、その点からも住宅地の供給促進が図られると存じます。  それから、同じく市街化区域内の特定市における農地の課税につきまして、固定資産税の宅地並み課税、それから相続税の特例の廃止等の措置を講じておりまして、これも住宅地の供給促進に役立つことが期待されるものでございます。  全体として、今回の土地に関する税制改正の一つの目的といたしまして、住宅地の供給促進という方向を目指しているものでございます。

中井洽民社党

○中井委員 私は、この法案を法案としてだけ見れば、増収を図る、そういう意味で決して悪くない税制だな、取れるところから取る、あるいはまた土地に対する適正公平な税負担を目的として増税を図る、こういう意味ではそう悪くない増税法案だと考えます。しかし、土地対策としておやりになったということで当てはめると、なかなか理解をされにくい。国民から見てもわからないし、納める方から見てもなかなかわからない法案だな、この思いを強く抱くものでございます。  もちろん、大臣のおっしゃるように、税制だけで土地をあるいは土地政策を左右するということはできません。私どもは、金融あるいは税制あるいは都市計画、これらの三つのものが一体となって進められて初めて土地政策の前進があると考えております。しかし、そういうバランス全体から見ても、なかなか当てはめにくい法案だな、この思いを抱き今日まで議論を続けてまいりました。ようやく党内も今まとまりつつあるわけでありますが、そのまとまる中で、共通理念として、これは固定資産税の評価のアップあるいは適正化への努力、これと相まって初めて土地政策として評価できる法案ではないか、こういう集約を今いたしているところであります。  午前中、連合審査におきましても、同僚の伊藤議員から固定資産税の問題について議論がございました。重ねて私の方からも固定資産税、そういった意味での質問をしていきたい。地価税と固定資産税の評価をかえていく、適正化をしていく、このことはもう一体だと私どもは理解をしておりますが、自治省、その点は間違いありませんか。

堤新二郎自治省税務局固定資産税課長

○堤説明員 固定資産税におきます今後の土地評価に当たりましては、先般閣議決定されました総合土地政策推進要綱におきましても述べられておりますように、土地基本法の第十六条の規定がございまして、その十六条におきまして、公的土地評価相互の均衡と適正化が図られるよう努めるべきであるというふうに述べられておるわけでございますけれども、こういった土地基本法第十六条の規定の趣旨あるいは相続税評価との均衡にも配慮しながら、また一方で地価公示制度そのものにつきましても改善が検討されておりますので、それらを踏まえまして、今後固定資産税におきましても評価の均衡化、適正化を図っていきたいというふうに考えております。

中井洽民社党

○中井委員 政府税調の基本答申の中にも、固定資産税を「段階的に引き上げ、中長期的にその強化を図っていくべきである。」こういうふうに書いてあります。自治省として、地方自治体と十分な御連絡をおとりいただいて、土地対策として、あるいはまた地価税と一体となっての土地対策として、固定資産税を三年ごとの見直しの中で適正化を図っていく、このことは間違いのないことか、もう一度確認をいただきます。

堤新二郎自治省税務局固定資産税課長

○堤説明員 委員御指摘のとおりでございます。

中井洽民社党

○中井委員 同時に、固定資産税の評価を公開していく、こういったことも約束をされておると聞かせていただいております。平成九年までに全面的に公開がされる、これは間違いありませんか。

堤新二郎自治省税務局固定資産税課長

○堤説明員 固定資産税の基準地等に係る路線価の公開についてのお尋ねでございます。  これはやはり評価の均衡化、適正化に資するためにも公開を図っていかなきゃならぬわけですけれども、まず平成三年度の評価がえにおきましては、地価公示地点数にも配慮しながら、これは地価公示地点数が約一万七千あるわけでございますが、今のところこの二倍程度というふうに、初年度でございますので、初めてでございますので、二倍程度と考えておるわけでございますけれども、できるだけ多くの地点の公開を行いたいと考えております。今委員御指摘のございましたように、次回が平成六年度の評価がえでございますけれども、その平成六年度の評価がえ以後速やかに全路線価の公開ができるように、公開地点数の計画的な拡大を図っていきたいというふうに考えております。

中井洽民社党

○中井委員 そういう固定資産税の私どもが望むような方向があれば、この地価税というのも生きてくる、賛成ができるのではないか、こういうふうに考えております。しかし、地価高騰の折から、固定資産税の評価というものが全国的に大変アンバランスになってきた、ここに大きな土地税制の問題点もあるかと考えております。私どもは、本年度から始まりました見直しが次の見直し、平成六年まで本当にうまくやられるのか、あるいはまた今お話のありました公開等もうまくいくのか、このことを注目していきたい。  同時に、この地価税というものは、そういう固定資産税の適正化の中で実効が出てくると考えております。そういった意味で、見直し規定に五年以内、こういうことがございますが、これから三年ですから、第二回が六年の固定資産税の見直しになります。そういう意味で、この法案の五年の見直しというものを当然固定資産税の次の見直し、評価がえのときの三年後、こういうふうにすべきだと強く主張いたしておりますが、大臣、お考えはいかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今後の地価税の負担のあり方につきましては、地価税法案に見直し規定として、少なくとも五年ごとに固定資産税評価の適正化の状況や地価の動向などを勘案しつつ、土地の保有に対する税負担全体の状況を踏まえて検討する旨の規定が設けられております。  今後の地価税の負担のあり方につきましての検討に当たりましては、平成四年に導入をされ、その後の実施状況を見きわめる必要があること、また、今委員も御指摘になっておられましたように、固定資産税評価の適正化が平成六年度の評価がえから三年ごとに実施をされること、地価の中期的な動向を見きわめる必要があることなどを考え、五年という一つの時期を目安として、少なくとも五年ごとに見直すというふうに私どもとしては提案を申し上げました。ただし、これは少なくとも五年ごとの見直しでありますから、地価の高騰など見直しの緊急性が認められるような場合には、五年にとらわれず、機動的、弾力的にその見直しを行っていく必要があると考えております。したがって、三年後と今たまたま委員はお述べになりましたけれども、その三年後に必要があれば見直しを行うことも可能であろう、私はそのように考えております。

中井洽民社党

○中井委員 お答えをいただきましたからそれで十分でありますけれども、念を押します。土地の急騰等があれば五年以内じゃなしに三年でも見直すんだ、あるいはまた、ちょうど評価がえだからというニュアンスでお答えをいただきましたが、私どもは逆に、この法案ができ、固定資産税がことしから見直されて、なおかつ土地神話というものが一向に崩れない、効果が出ない、そういったときにもやはり三年目という早い時期に見直しをする、そしてより有効な土地税制というものを仕上げていくべきだ、このようにも考えております。そういった意味で、三年の見直しということについて十分な御配慮をいただきますように、また、お気持ちをお固めいただきますように、この場をかりて強く要望いたしておきます。  次に、地価税の使途についてお尋ねをいたします。  先ほども読み上げましたように、目的の中にも「土地政策に資するため、」とはっきり書かれております。この地価税は増収を目的とした税制ではありません。したがいまして、この入ります税金というものを公明党さんから御提案のありましたようなことを含めた土地住宅政策あるいは所得課税の減税、こういったものに振り向けて使うのが当然だと思いますが、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 地価税の税収の使途につきましては、税制調査会の土地税制のあり方についての基本答申の中で、まさに今委員が御指摘になりましたように増収目的ではないということを明示されるとともに、「土地保有税(仮称)を創設する際には、所得課税の減税を合わせて検討することが適正である。なお、新税の税収について、その一部は所得課税の減税と合わせ、土地対策等に資するという観点から、歳出を通じ国民生活に還元することが適当ではないかとの意見もあった。」そういう提言になっており、平成三年度の税制改正に対する答申の中では、「基本答申に示した考え方に沿って、平成四年度の税制改正・予算編成時までに検討すべき」と提言されております。  同時に、私どもの立場からいきますと、今国会におきましてこの地価税法案につきまして御審議をいただいております中で、その地価税の税収の使途につきまして、委員からの御提言も含め、さまざまな御提言をいただいております。この点について私どもは論議が深められることは非常に有効、有益なことだと考えておりますし、政府といたしまして、こうした国会の御論議というものは税制調査会などにも御報告を申し上げ、その論議の参考にさせていただきたいと考えております。いずれにいたしましても、政府としては、税制調査会の答申を踏まえながら、国会での御論議なども参考とさせていただきながら、適切に対応していきたいと考えております。     〔委員長退席、大石(正)委員長代理着席〕

中井洽民社党

○中井委員 この地価税の金額というのは、大体三千億から四千億だと見積もられております。しかし、万一土地が下がらなければ、あるいは土地の価格の上昇が続くということになれば、当然予 定をされておったよりか毎年増収になってくる。あるいはまた、相続税の評価というのも毎年毎年変えられてまいりますし、高められていきますから、当然増収になっていく、このように考えております。それらの毎年の出てくるかもしれない増収分も含めて、そういった形で土地政策あるいは減税へ振り向けて使うべきだ、このように考えております。  また、みみっちいことを言うようでありますが、これを実施するに当たりまして、例えば国税の職員だけでも二百人ぐらい増員をする。また、名寄せ等で大変な費用もかかる。これらの費用等はもう既に予算化をされておりますからあれでしょうが、こういったお金を地価税の中から持っていく、もうこういうけちなことを言わずに、地価税そのもの全体を減税と土地住宅政策に向けていくんだ、こういう意気込みで御答弁をいただきたいと思いますが、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、根が憶病でありまして、余り意気込みと言われますと足がすくむ思いがいたします。しかし、いずれにいたしましても、新しい税制を採用するわけでありますから、その採用されました税制が円滑に、また、国民から不満の出ないような形で運営されるだけの必要な人員は、当然のことながら確保いたさなければなりませんし、そのための費用というものを惜しむこともできません。  同時に、今率直に、本院の御論議をも含め、国会での御論議というものを税制調査会自体にも参考にしていただくつもりであると申し述べましたように、私どもは、この地価税の税収というものを現在固定して、例えばこうするああすると決め込んで物事を進めようとは思っておりません。それだけに、さまざまな角度からの御意見を既にちょうだいをいたしておりますし、現にちょうだいをいたしつつあります。こうしたことを十分に視野に入れながら今後も努力をしてまいりたい、そのように思います。

中井洽民社党

○中井委員 次にお尋ねいたします。  今申し上げたように、私どもは大体納税の会社あるいは人が五万人、税収が三千億から四千億、このような計算をお聞かせいただいておりますけれども、これらの計算というのはどういうデータに基づいてはじき出された見積もり、金額なのでありましょうか、これが一つであります。  同時に、これから来年一月一日までにかけて、全国で相続税評価を二百人の増員をされた国税庁の職員の方を含めてお取り組みいただくわけであります。しかし、私どもの郷里のような田舎になりますと、聞きますと、半分以上が相続税評価というのは決められていない。また全国、相続税評価のないような土地の工場が課税対象となってくるのじゃないか。そういうことを考えますと、なかなかこの名寄せ、三万円以上の土地をどうするんだとかいうデータをそろえるというのは大変じゃないか、こんなふうに考えておりますが、それらのところを具体的にお聞かせをいただきたい。  同時にまた一つ、例えば相続税評価をしていって、平米三万円以下の相続税評価だったらもうそこから先はやらないのか、あるいは三万円以下であっても全部評価をして名寄せをしていくのか、そういったことを含めてお答えをいただきます。     〔大石(正)委員長代理退席、委員長着席〕

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 前半の御質問について私からお答え申し上げます。  平成二年度ベースで三千億ないし四千億円という税収、それから納税義務者が大体五万社ぐらいであろうということも申し上げているわけでございますが、どのような基礎でそれを言っているのかという御質問でございます。  土地に関しますデータというのは極めて現在限られておりまして、それが実は土地問題の一つになっているわけでございます。したがいまして、私ども、この税収の見積もりをいたしますのに非常に困難を感じているというのが現状でございます。したがいまして、この地価税法を成立させていただきますと、地価税法の中の一条に固定資産課税台帳などを見せていただくという規定がございまして、それにより具体的なデータを手にして、今後の税収の見積もり等をし直したいと思っておるわけでございますが、当面私どもがこのような数字を申し上げておりますのは、大体この仕組みが固まりましたところで、年末年始にかけまして関係省庁、関係業界等に任意の協力をお願いいたしまして、ある程度の、納税義務者と思われる主として大法人でございますが、から資料をいただきまして、それをもとにして推計をしたわけでございます。  あくまで任意にちょうだいした企業のデータでございますので、その内容につきまして詳細に申し上げるわけにはいかないわけでございますが、大体上場企業を中心に千社ぐらい資料を提供していただきました。法人の所有面積の三割ぐらいがその対象となっているのではないかと思いますが、そのようなデータをもとにいたしまして計算をしているものでございます。

山口厚生国税庁直税部長

○山口(厚)政府委員 お答え申し上げます。  まずお尋ねの、全国には路線価のついていない土地が多いようだが、その対応をどうするのか、こういう御趣旨かと存じます。この路線価の付されていない土地につきましては、これは倍率方式によって評価することになっておりますけれども、この倍率方式は、評価する土地の固定資産税評価額にこの地価の近似する地域ごとに定めた一定の倍率を掛けまして、それによって計算した金額によって評価する方法でございまして、比較的地価の開差が少ない地域におきましては、それなりに合理性を有しているものと考えております。しかしながら、委員御指摘のように、市街地にあるような路線ごとの地価に開差がある宅地につきましては、一層きめ細かい評価を行うために、倍率方式が適用されているものについて、できる限り路線価方式に変更していく必要があると考えております。地価税導入に当たりましては、現行の路線価地域を約一・五倍程度に拡大していくこととしておりますけれども、そのための具体的な方法につきましては、今後それぞれの地域の実態に応じまして検討してまいりたいと考えております。  それから、第二点の名寄せのことでございます。この名寄せにつきましては、固定資産課税台帳等の閲覧、記録によりまして、固定資産課税台帳等の写しを得て行うこととなるわけでございます。問題は、市町村をまたがって保有している、そういうケースでございますけれども、そういうものの土地等につきましては、その写しをその土地等の保有者の住所地を管轄する税務署に送付することによりまして、全国的に名寄せを行う方法で検討しているところでございます。  なお、その名寄せの具体的な方法、細目でございますけれども、この地価税法案によりますと、地価税は一定基準以上の土地等の保有者に対して課税されるものでございます。また、一平米当たり三万円以下の土地等については非課税とされております。したがいまして、名寄せを行う際に、課税対象となる土地等もある程度限られたものになるというそういう事情もありますので、固定資産課税台帳等をもとに効率的な方法で必要な名寄せを行えるように工夫をしてまいりたい、こういうふうに考えております。

中井洽民社党

○中井委員 精緻をもって鳴ります大蔵省が、そういう計算で税金をおつくりになるというのは信じられないのでありますが、そういうデータしかないというところに土地問題の根本的な欠陥がある。この法案の土地政策上における意義があるとしたら、ひょっとしたらこの名寄せを全国的にできる、このことが一番じゃないか、このようにすら私は考えております。  今、名寄せや相続税の評価のことについて承りましたけれども、固定資産税そのものが、地方自治体それぞれ事情がおありなんでありましょうが、随分アンバランス、また不合理になっておることを国民は承知をいたしております。そのアンバランス、不合理な固定資産税評価の倍率を掛けただけで相続税を決めていく。屋上屋を重ねていくんじゃないかなという感じもございます。土地の評価に対して国で行う、それが公平である、また適正である、こういった評価が出てこないことには土地政策というのは進まない、このように考えます。そういった意味で、少ない人数でおやりになる、また短い期間でおやりになりますから、そう必ずしも公平ではないかもしれませんが、公平ということに向かって御努力いただくように強く要望をいたしておきます。  最後に、この法案の中で緑地等二分の一課税というものが行われております。環境や災害保安上必要な企業用地について軽減措置がとられているわけであります。この軽減措置の中で、例えば水質汚濁防止法等で規制をされて生産活動以外に企業が保有せざるを得ない土地、これらについて軽減措置が講じられてない、このことについてどうなんだという思いでお尋ねをしております。  また同時に、この環境緑地等二五%と法律で定まっておりますけれども、地方自治体によっては上乗せをしておる。この上乗せの部分については軽減措置が行われない。納税者の方から見れば、国であれ県であれ市町村であれ、同じお上から規制をされて、全く生産ということに関して寄与しない土地を三割とか持たされているわけであります。しかし、国で規制している部分の二五%はやるよ、あるいは災害保安やらそんなことはいいよ、だけれども水質汚濁のやつはだめよ、こういうところはなかなかわかりにくいんじゃないか、このように考えます。私は、法律やらあるいは県の上乗せ等、あるいは町村の窓口規制等で規制されておる土地、それについても同じく二分の一軽減措置をとるべきだと考えますが、いかがですか。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 公益的用途に供されている土地に準ずるものといたしまして、御指摘のとおり課税価格の二分の一軽減特例の対象をつくっているわけでございますが、その対象となる土地としてどのようなものが適当であるか、各省庁とも検討を重ねてきたわけでございます。  公害防止、水質汚濁についてお触れになったわけでございますが、やはり公害防止というのは基本は企業の自己責任が原則でございまして、また、そのようなことを考えまして今回の措置から外れているわけでございます。  グリーンベルトにつきまして地方の上乗せがあるのではないか、そういう個別事情をしんしゃくしたらどうだというお話でございますが、工場立地法に基づきます工場立地に関する準則というのがございまして、それによりますと、工場の周辺の地域の生活環境の保持を図るという観点から、工場の敷地面積の二五%以上の環境施設、そのうちの二〇%以上が緑地ということになっているわけでございますが、それを配置すべきものとされているわけでございます。このような国の定める準則によりまして周辺地域の生活環境の保持に寄与する用途ということでございますから、工場という事業用地の一部でありますが、二分の一の軽減特例の対象としたわけでございます。  地方で特別の義務づけがあるということでございますけれども、これは全国的な準則と違いまして、地方公共団体の個別事情によるところが大きいかと存じます。必ずしも統一的な基準に基づくものではございませんので、これを対象とすることはいかがか、やや考え方になじまないものではないかというように私どもは考えております。

中井洽民社党

○中井委員 そのことは逆に言えば、地方自治体が国の基準以上に上乗せしたり、あるいははみ出し、横出しをしたりして規制をしておるのは国としては認めないよ、こういう発想からお出になっておるんだろう。役所同士の法律や条例の関連ということは抜きまして、納税者の方から見れば同じ規制であります。窓口規制、町村の窓口であろうと県の窓口であろうと条例であろうと、同じ規制であります。その規制をクリアしないと工場はつくれないのであります。そういう中でつくらされた用地あるいは買わされた用地、それらにもこういう形でこの地価税というものがかかってくる。少し配慮があってしかるべきだ、私はこのように考えます。  今回の法案の中では、時間もありませんから私どもは強く求めませんけれども、三年後の見直し、三年後に行っていただけるであろう見直しという中で私どもは議論をしていきたい。そういう中で、しゃくし定規なことを言われずに、納税者の立場から見て同じ規制なんだ、こういう発想に立ってお考えをいただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 いずれにいたしましても、新しい税をスタートさせるわけであります。当然ながらさまざまな角度からの御意見が出ると思いますし、私どもは、そうした御意見を率直にお述べいただきますことに、非常に将来に向けてよい勉強の材料を提供していただいておると思っております。  実際上今後どう扱っていくかということになりますと、なかなか問題も多かろうとは思いますが、いずれにいたしましても、私どもは、先ほど申し上げましたように、既にこの法案自体の中で少なくとも五年の時期を区切っての見直しをお約束をし、その状況によってはそれが繰り上がる可能性も否定しておらない状況であります。そうしたときに、またそれぞれのお立場からの御議論をちょうだいする機会もあろうかと思いますし、税制調査会にも御論議はそのまま私どもは資料として提供し、政府税制調査会としての御判断もいただくわけでありまして、こうした点からよりすぐれた、国民に支持のいただける税制を目指してまいりたい、そのように考えております。

中井洽民社党

○中井委員 終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 次回は、明十八日木曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十九分散会

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