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120回国会衆議院1991/04/09

大蔵委員会 第13号

発言数
111
登壇者
15
会派数
5
開催日
1991/04/09

会議録

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。橋本大蔵大臣。     ─────────────  日本開発銀行法等の一部を改正する法律案  国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案  国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 ただいま議題となりました日本開発銀行法等の一部を改正する法律案、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  我が国の経済、金融を取り巻く環境変化の中で、政策金融機関においてもその役割を適切に果たすことが期待されておりますが、日本開発銀行等の政策金融機関について、社会資本の整備を適切に進める等の要請にこたえ得るよう、その機能の整備を行うため、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、日本開発銀行は、原則として設備の取得者に対して融資を行っておりますが、社会資本の整備に係る事業につきましては、完成後、譲渡することを予定して整備を行う場合であっても融資が可能となるよう、地域の経済社会の基盤の充実に著しく寄与する施設の建設または整備に必要な資金を貸し付けの対象に加えることといたしております。  第二に、日本開発銀行の債券による資金の調達をより機動的かつ確実なものとするため、従来の外国通貨建て債券に加え、外国において円建ての債券を発行し得ることといたしております。  第三に、日本開発銀行、北海道東北開発公庫及び沖縄振興開発金融公庫の業務について、社会資本整備の促進のため、従来、NTT株式売り払い収入を活用して行っていた無利子貸付制度を拡充し、その対象事業に準ずる事業に対し、国からの無利子の貸付金を財源の一部として低利の貸し付けを行うことができることとするほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。  次に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  近年、大学、高等学校等において教育を受けるために必要な資金の負担が増大してきている中で、国民金融公庫等の政策金融機関における融資制度の改善要請にこたえ得るよう、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  現在、国民金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫において行っている進学資金貸付制度を教育資金貸付制度に改正し、進学する際に必要となる資金のみならず、在学中に必要となる資金も貸し付けることができるようにする等、所要の改正を行うことといたしております。  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  国際通貨基金は、昨年六月、債務問題の解決等に向けた国際通貨基金の資金基盤強化の要請にこたえるため、その出資総額を五〇%増加させる第九次増資を行うことを決議いたしました。同決議においては、我が国の出資額を現行の四十二億二千三百三十万特別引き出し権から八十二億四千百五十万特別引き出し権に増額することが提案されております。  今回の増資により、我が国の出資比率は、現在の第五位から、ドイツとともに第二位に上昇することとなります。さらに、我が国といたしましては、世界的な資金需要への対応等に果たす国際通貨基金の重要な役割にかんがみ、国際通貨基金の第九次増資の発効が喫緊の課題であるとの見地から、今回の増資の提案を受け入れることとしたいと考えております。  本法律案は、この出資額の増額に応ずるため、国際通貨基金に出資することができる金額を引き上げる等、所要の改正を行うものであります。  最後に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  最近における国際経済情勢にかんがみ、国際的な資本交流の一層の円滑化を図る等の観点から、対内直接投資及び技術導入に関する外国為替及び外国貿易管理法上の手続をより開放的で、かつ、透明なものとするよう、関連する規定の見直しを行うため本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、現行法のもとでは、対内直接投資につきましてすべて事前届け出制がとられていますが、これを改め、国の安全保障等に関係する業種や例外四業種に係るものについてのみ事前届け出制を維持しつつ、これら以外の業種に係るものについては事後報告で足りることとしております。  第二に、事前届け出がなされた対内直接投資を制限する場合等の取り扱いの基準につきまして、対内直接投資を広範に制限できる現行の規定ぶりを改め、多数国間の条約等において我が国が制限することが国際的に認められているものについてのみ制限し得ることを明示した規定とすることとしております。  第三に、技術導入につきましても、対内直接投資と同様の考え方により、事後報告制を導入し、事前届け出に係る取り扱いの基準の明確化を図ることとするほか、所要の措置を講ずることとしております。  以上が、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ─────────────

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村正男君。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 私の方は、日本開発銀行法の改正と国民金融公庫法の改正、この二法案に関連して質問したいと思います。  その前に、質問通告はしておらなかったわけでございますが、若干大臣にお聞きをしておきたいと思います。それは消費税の問題でございます。  御案内のように、昨年、両院合同協議会の専門者会議は延べ二十四回にわたって行われたわけでございまして、表現としてどうかと思いますが、益税という問題、それから運用益の問題は、この協議会専門者会議ではほぼ合意が調いつつあるという状況で終わっております。問題は、逆進性の問題が、とりわけ食料品にかかわる課税について一致を見なかったということでございますが、それぞれ各党の御努力で、近々この協議会が再開されるという方向にございます。  そこで、これからの協議会の論議のためにもお聞きをしておきたいのでございますが、まず、今言った益税の問題、それから運用益の問題、これはほぼ合意がなされるという前提に立って、残る逆進性の問題で非課税品目を幾つか協議会でも一応提示があって、それなりに専門者会議でも理解をしております。  問題は食料品でございます。そこで、百十八国会では、政府はこれも含めて小売段階非課税、途中段階低税率の見直し案を出されたわけでございますが、他の二項目が合意された場合、この問題について、この食料品の問題、当然前回出したという政府の責任において、協議会がまとまれば政府としては出すのが国民に対する誠意ではないか、私はこう思うわけでございますが、その点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、委員から御提起がございましたように、政府といたしましては、昨年政府としての考え方に基づく見直しの案というものを本院に御提起を申し上げ、御審議をいただいたわけであります。一院におきまして御了承がいただけましたものの、一院において審議未了、廃案という運命となり、その上で両院合同の協議会が設けられ、国権の最高機関としての両院が一致して御論議をいただくという決定が行われたわけであり、私どもは今その作業を見守らせていただいているわけであります。そして、両院のこの合同協議会から結論がお示しをいただきましたならば、我々としては、当然のことながら、これに従って早急に所要の措置を講じていく責任がございます。  ただ、その場合に、両院において幾つかの項目において意見が一致をしたということで作業を命ぜられました場合、その中に抜けております項目がもしありとした場合に、それを一方的に政府の意思において追加し、提出ができるというふうには私は受けとめておりません。逆に、その部分については政府の判断を示せということでありますならば、政府としてその部分につきましての政府の考え方を御提示申し上げるということでありましょうが、やはり院が一括してその考え方をまとめるという裁定を下されました以上、その裁定の中に加えられていない項目を政府が恣意的に追加する、あるいは恣意的にその中の一部を削除するといった行動はとるべきではなかろう、私はそのように考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 余り踏み込んだ質問はしたくはございませんが、ただ、申し上げておきたいのは、せっかく両院合同協議会で全般的な見直しをやり、主要な項目で一致をした。ただ一点、合意といいますか論議がとどまってしまっておる。そういう状況の中で、しかも、そのとどまっておる問題が前の国会で政府そのものが出した内容である、出した項目であるということでございますれば、政府そのものは変わってないわけですから、国民に対する当然の責任として、そのことに対しては、政府がみずから前回出したものを出すべきではないのかというふうに国民は普通には受け取ると思うのですが、改めてもう一遍お聞きをしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは、委員の御見解と方向が一致しないということで、あるいはおしかりをいただくかもしれません。しかし、お許しをいただいて率直に今の御指摘に私からお答えをさせていただくとするならば、この消費税という問題に限定をしてではなく、両院の裁定、そして両院の合同協議の中から生み出されました結論というものを政府が遵守すべきものであるのかどうかという、根本までこの問題は入る問題であると思います。  我々は確かに一つの考え方を法律案の形で、国会に御審議をいただくべく提示をいたしました。そして、その内容は我々として最善を尽くしたものであった、今日もそのように心得ております。しかし、それに対して、両院の共通の御意思の中から、政府案、また議員立法で提出をされました案ともに否決をされ、審議未了という状態になり、そしてその上で、両院の合同協議において、国権の最高機関としての両院の意思を示すという裁定が下されたわけであります。その内容について政府は、その内容が確定をし、政府にお示しをいただきました段階において、これは迅速にかつ誠実に対応する責任を負うと思います。  しかし、その迅速かつ誠実に責任を負うべきは、両院からお示しをいただきました内容そのものでありまして、その中に政府が恣意的に他の分野を追加する、あるいは削除するという行動は——私はこの問題について委員がお述べになるお気持ちがわからぬというのではございません。しかし、今後を考えますときに、そうした恣意的行為は政府として慎むのが至当ではなかろうか。院の権威に対しましても私はそのように考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 この問題はこの程度にしておきます。私どもは、できるならば合同協議会で全般的な見直しをやって一致を見たい、こういう立場で協議会再開に向けて努力をしたいと思っております。  それでは、本題に入ってまいります。  まず、日本開発銀行法の改正でございますが、先ほど趣旨の説明がございました第三の項に関連して質問をしたいと思います。  今回の改正は、NTT株の活用事業を民活事業にも低利の貸し付けをやる、具体的にはCタイプの無利子貸し付けを拡充する、こういうふうに受けとめております。  そこで、NTTの売却収入をこういう形で社会資本整備に使っていくという法律が制定されて、六十三年以降毎年一兆三千億円が産業投資特別会計に繰り入れられ、それなりの事業に有効的に貸し付けが行われてきたと思うのですが、それも含めて、今回のNTT株の売却収入、当初から今日まで、まだ残りがございますが、そういった売却収入の果たしてきた役割、これを総合的にどういうふうに受けとめておられるのか、そこのところをお聞きをしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 NTT株式売り払い収入というものを活用いたしました社会資本整備事業と申しますものは、私は、国民のニーズに応じた社会資本の整備を図ることによりまして、一つは内需拡大の要請にこたえる、そして地域の活性化に資する、こうしたことを目的として昭和六十二年度の補正予算で創設をされた制度であると承知をしております。四年を過ぎました今日、総額で四兆三千五百八十億円の資金が公共事業、民活事業を通じまして社会資本整備に向けられてきたところでありますが、私は、この効果はただ単に社会資本整備の推進ということだけではなく、内需拡大の上からも、また地域の活性化などに対しましても着実な成果を上げてきたもの、そのように評価をいたしております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そこで、当初決められた売却予定株数、まだ残りがあると思うのですが、その株数と、これをどういう状況になれば売却をされるのか。まあはっきりしたその日限、めど、あるいは市場動向で株価がどのくらいというようなことは言えないと思いますが、一定の方向性を出してもらいたいと思います。

篠沢恭助大蔵省理財局長

○篠沢政府委員 お答えをいたします。  NTT株式につきましては、発行済み株式総数一千五百六十万株のうち一千四十万株が売却可能というふうになっておりますが、その中で五百四十万株を売却済みでございますので、ちょうど五百万株が私どもの立場からいたしますと未処分となっております。それで私ども、この未売却の五百万株の今後の取り扱いをめぐりまして、市場、マーケットの方で不透明感があってなかなか受け取りにくいという状態に立ち至ってまいりましたので、その不透明感を極力払拭したい、そしてNTTの民営化の着実な推進を進めたいということで、実は昨年の十二月に売却方針の明確化ということをいたしました。すなわち、五百万株のうち二百五十万株について、今年度以降毎年度五十万株程度を計画的に売却をしていきたい、これを基本としたい、このようにしたわけでございます。  そこで平成三年度の予算では、処分の限度数といたしまして、五十万株を授権をいただくべく今予算を提出をしておるわけでございます。この売却につきましては、先生もただいまお話ございましたけれども、市場の動向いかんによって、なお五十万株というふうにある程度売却数を抑制をした形で売却方針を立てておりますけれども、なかなか受け取りにくいという場合も生ずるかもしれませんが、従来に比べますと一つの年度における売却数のロットというものをかなり抑制をした姿になっておりますし、そのこと自体を既に早目からマーケットに知ってもらっておるという状態でございますので、これからこの年度の推移の中で何とかひとつこれを円滑に市場に受け取ってもらう、円滑な消化が図られるように努力をするというふうに努めてまいりたいと思っております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 そこで、今回のこのCタイプ、無利子貸し付けを拡充する見直しが初めて行われるわけですが、改めてこの時期、ことしからこういうことをやるというその理由なり背景、これは簡潔に要点だけお聞きをしたいと思います。これが一つ。  それから、今回の見直しで、従来第三セクターということに限定をされておったのを純民間法人に適用範囲を広げる。その場合の基準というのは、認定はそれぞれの開発銀行なり他の二つの沖縄、北東公庫がやられると思うのですが、認定の基準というのは一体あるのかどうか、これが二つ目。  それから、三年度の予算の中で新しい貸付制度についてどの程度具体的な予算配分を考えておられるのか、これが三つ目。まずそこまでお聞きいたします。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 順次お答えを申し上げます。  ことしこの新しい事業、低利貸付制度の導入をお願いしておりますゆえんは、最近におきまする社会資本の整備、殊に民間の活力をも利用いたしました社会資本の整備の必要性が増大しているということにかんがみまして、従来NTT株式の売り払い代金を財源といたしまして、日本開発銀行などを通じまして無利子貸し付けを行っておりましたものをさらに広げまして、社会資本の整備を実施する民間事業者に対しても拡大をするというような要望が開銀などから出されましたので、これを受け入れまして、財投資金とのあわせ貸しによる民間事業者向けの低利融資制度を認めることにしたものでございます。  その際に対象となります事業でございますが、具体的にはこの特定の施設、この特定の施設は現在無利子貸し付けの対象になっておりますものでございますが、それと一体的に整備されます施設でありまして第三セクターが整備するもの、ないしはその特定施設または今申しましたような一体的な施設であって民間事業者が整備するものを対象とするわけでございます。ただし、レストランとかその他収益性が十分確保されると見込まれるような私的動機によって十分整備され得る施設は、対象から除外するという考え方でございます。  次に、この低利貸付制度の予算枠でございますが、これは貸付規模の数字をとりあえず申し上げます。貸付規模といたしまして平成三年度で予定しておりますのは、開発銀行分三百二十億円、北東公庫分七十六億円、沖縄公庫分四億円、合計四百億円を予定しております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 金利の問題をお聞きしたいと思うのですが、私の理解では、今回のこの制度はいわゆる混合的に資金を融資をしていく。開発銀行の既存の融資、それに加えて四分の一の無利子融資、こういう形で行われると思うのです。そうなった場合、今のいわゆる日本開発銀行にとりますと、基準金利があって、一から五まで特利という形で、七・四五、六・六の間でそれぞれの事業に適用する形で金利が設定されるというふうに思っておるわけですが、今回こういう形になりますとそれはどういう関係になるのかが一つと、それからその特利そのものが、もう長プラが動いておりますから四月以降当然変わっておると思うのですが、改めてその数字をお聞きをしておきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 今回お願いしております低利貸付制度の金利についての御質問でございます。この金利は、原則といたしまして、開発銀行などで行われております既存の融資枠の適用金利の四分の三の水準とすることにしております。ただし、市中金利が低くなりましたときに、さらに金利負担を軽減する意義が乏しいというようなこともございますので、三・五%を下限とするという考え方でございます。  そこで、具体的にどうなるかということでございますが、ただいま委員御指摘のように、例えば開銀などの場合に、基準金利、それから特利が一、二、三、四、五とございます。この基準金利は、すなわち、いわゆる民間における長期プライムレートと同じでございまして、現時点では七・七%でございます。それから特利の一、二、三、四、五は、この特利の五の方が一番金利が安いわけでございますが、この時利の五はいわゆる財投金利に合わせてございますので、現在のところは六・六%でございます。その中間に特利の一、二、三、四がございまして、具体的に申しますと、現時点では特利の一が七・六%、特利の二が七・三%、特利の三が七・一%、特利の四が六・八%でございます。そこで、これをそれぞれ四分の三掛けるということでございますので、金利の高い方から低い方に順番に申し上げますと、基準金利は五・七八%、特利一が五・七〇%、特利二が五・四八%、特利三が五・三三%、特利の四が五・一%、そして特利の五が四・九五%になるというふうに考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 わかりました。ただ、これは極めて有利な金利といいますか、そういうことで貸し付けの期待がかなり高まると思うのですが、ただ、実態としては、今まで第三セクターに限定されておったものを今回純民間にまでこれを拡充するということは、見方を変えれば、第三セクターというものの活用がいま一つ停滞しているというふうな見方もできるのじゃないかというふうに思うのです。  そこで、第三セクターにかかわってちょっと質問したいと思うのですが、今私が申し上げた、今までの事業がやや新しいものが生まれないといいますか、そういう見方を私はするわけですけれども、その点についてはどうなんでしょうか。

藤井威大蔵省主計局次長

○藤井(威)政府委員 御指摘のとおり、従来のNTT・C、無利子融資の対象で第三セクターという要件をつけていろいろ実行してまいりました。第三セクターの事業の進捗が余り芳しくないのではないか、そういう批判といいますか意見というものもあることも我々も承知いたしております。  それに対しては、NTT・Cタイプは、もともとの制度が無利子という非常に有利な制度なものですから、やはりどうしても第三セクターあるいは特定施設というような要件で縛ってきちんとやっていく、制度的にきちんとしたものにしていくということが必要でございますので、そういう格好でやってきておりますが、おっしゃいますようなこともございまして、特定施設について、そのときどきの経済事情とかあるいは民間の事情、そういうものも勘案しながら、若干でも特定施設の範囲を広げていくというような努力もやってきたつもりでございます。今回のいわゆる低利融資制度を新たに拡充してつくるということも、民活事業の今後の発展に少しでも役に立てばという発想であるということでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 自治省に来ていただいておると思うのですが、私の理解では、この第三セクターというのは、いわゆる社会資本整備を中心にして、本来公共機関が、公共団体がやらなければならない事業で、しかし公共団体には金がない、あるいはすぐれた技術力とかノーハウがない、そこで民間の融資を頼りに、公共団体プラス民間ということで第三セクターが設立されてきている。それなりの事業展開がずっと歴史的に行われてきたと思うのですが、最近になってやはりこれに対する批判というものがかなりあるのじゃないかというふうに思います。そこで、自治省に来てもらっておりますので、そういった点について、この第三セクターそのものについてちょっとお聞きをしたいと思います。  まず現状でございますが、第百十八回国会の地方行政委員会調査室の資料では、平成二年一月一日現在、合計して五千四百七十七団体あるというふうに見ておるわけですが、数字的にはそれが大体妥当なものかどうか、お聞きをしたいと思います。

細野光弘自治省大臣官房地域政策室長

○細野説明員 第三セクターの定義というようなものは確立したものがないわけでございますので、何をもって第三セクターというかということにつきましてはいろいろ見方があるかと思いますけれども、私どもといたしましては、地方公共団体に関します第三セクター一般についての調査を行っておりませんけれども、ある一つの地方公共団体が二五%以上出資している民法・商法法人、それからいわゆる特別法に基づきます土地開発公社ですとか地方住宅供給公社ですとか地方道路公社ですとか、こういうものをいわゆる地方公社としまして三年ごとに調査を行っております。  今先生がおっしゃいました数字は、その地方公社の数字だろうと思いますが、その中にはいわゆる地方公共団体一〇〇%出資のものも入っておりまして、地方公共団体と民間の両方の出資、いわゆる第三セクターといたしますと、私どもの調査したこの二五%以上出資の範囲内でございますが、現在では約二千百程度というふうに見ております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 定義がないというふうなことでございます。形はやはり公私の混合企業というふうなことではないかと思うのですね。  先ほどもちょっと申し上げたのですが、新たな設立が停滞ぎみである。いろいろな理由があると思うのですが、民間側からいうならば、極めてさめた見方をしておるんじゃないかなという感じがいたします。後ほどまた指摘をしますが、もちろんいろいろな弊害が出ているということもあるのですが、自治省としてはどういうふうに見ておられるのか。停滞ぎみではないのか。もしそうだというのであれば、その原因はどこにあるというふうな認識をされておるのか。その点どうですか。

細野光弘自治省大臣官房地域政策室長

○細野説明員 先ほどは数字の推移を申し上げませんでしたけれども、先ほど私が申し上げましたいわゆる民間、地方公共団体双方から出資をされている第三セクターでございますが、十年前には約千でございました。調査が三年置きでございますので三年ごとの数字でございますが、昭和五十六年には約千でございましたものが三年後の五十九年には約千四百、六十二年には約千七百、平成二年は先ほど申し上げました二千百ということで、私どもといたしましては、停滞という感じよりも、まあ比較的順調にふえてきているのかな、こんな見方をしております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 大蔵省の方は、停滞という表現は極端かもわからぬけれども、かつてのような活発な状況にはないという認識をされているわけですね。私は、自治省はそういう受けとめ方をしていると思うのですが、最近いろいろなところから話を聞くところによりますと、この第三セクターの活用のあり方、また見直しの時期に来ておるのではないかという指摘がございます。  若干この第三セクターの沿革を見てみますと、昭和四十年代は生産資本に比べて社会資本の整備の立ちおくれがございました。そんな中でありますから、いわゆる開発型の第三セクターというものが大きく出てまいりました。北海道の苫小牧東部開発だとかむつ小川原の開発会社だとか、そういったものがあったのですが、五十五年以降は低成長時代の定着を背景にして、本来行政なり公共機関がやるべきものをむしろ民間の活力を導入してやらなければいかぬというふうに、行政分野への民間の活力の導入というふうに視点が変わってきて、第三セクターというものが設立されてきた。当初の開発型から管理運営型へ変わってきたのではないか。  しかもそれは民活法ができて、さまざまな融資の面、税制の面での優遇措置があるということになって、一つのブームという形でこれが今日まで来たと思うのですが、最近はむしろ今言ったようなことから、各省庁の事業施策において第三セクターを利用して事業を実施しよう、そういう方向に変わってきているのじゃないか。そこが民間側とのずれ、民間は金だけは出させられるけれども、主体は各省庁が握っているというところで、民間側からするならば余り魅力がなくなってきたというふうな指摘がされると私は思うのですが、その辺はいかがなものでしょうか。

細野光弘自治省大臣官房地域政策室長

○細野説明員 いわゆる第三セクター方式につきましては、委員御指摘のとおり、地域開発とか都市基盤、そういった部分におきまして民間事業者の資金や能力を利用した新しい行政手法として活用されるということで、先ほど申し上げましたように、私どもの調査としては数がふえてきているというようなことも関係しているかもしれませんが、中には最近若干トラブル等も見受けられるというような話もございます。  そういう中で、これから私どもといたしましては、適正な運営と、第三セクターの機能といいますかあり方といいますか、特殊性を十分活用して、効果的な、住民の福祉の向上に貢献するような形での第三セクターの運営というものを期待しているところでございます。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 時間がございませんので、この第三セクターについての見直しということをぜひひとつ検討していただきたい。第三次行革審でも、この指針の新たな作成と、これに基づく思い切った制度改善の検討を行うということになっておりますので、ぜひひとつこれを進めてもらいたい。  そこで、問題点を二、三指摘しておきます。  一つは、やはり民間に任せるべきものは民間に単独でやらせる、公共がやるべきものは公共でやる。第三セクターそのものを抑制すべきではないか、かえって活力が失われている、こういう私の指摘であります。  それから、今日いろいろな問題がございますが、例えば二、三年で交代をする出向人事、これも一つの弊害になっている。それから、官僚出身のOBの受け皿的な組織としてこういったものが設立されている嫌いがかなり強まってきている。こういう点をぜひひとつ検討してもらいたい。  さらに、施設の建設主体と経営主体との分離を明確にしていくというふうなことも大切ではないかと思います。それから、経営幹部には民間人を充てていく。意思決定機関に対して余り行政の介入ということをやらずに、自由に経営者にやらせていくというふうなことも大切ではないか、こういう指摘だけしておきます。これからの指針づくりの中でぜひひとつ検討していただきたいと思います。  それじゃ、時間がございませんので、あと国民金融公庫法の改正、教育ローンについてお尋ねします。  これは百万から百五十万になるわけですから、しかも進学金から在学の費用ということで、我々もこれは賛成をしていきます。ただ、結論からいうと、金額も少ない、それから所得制限を九百十万円から一千十万円に百万円上げたわけですが、これも少ないと思います。  特に、今教育費の負担というのが親御さんにとっては大変な負担になっておりまして、いろいろな調査がございますが、例えば三和銀行が調べた主婦の調査でも、八六%の人が学費の負担が重い、こういう答えを出しておられます。また、大学の進学者の御家庭で年収一千万以上の方が三四・四%になっている。だから金持ちしか大学に行けないという見方もされますけれども、もうそういう見方ではなしに、そういう所得の人でも非常に負担が重いというふうな結果が出ておるわけでして、百万から百五十万、それから所得制限も百万円アップ、いずれも少ないのじゃないか、早急に実態に合わせてもらいたい、これは大蔵省に要望しておきます。  問題の根本は、この重い負担に対して国の対策をどうしていくのかというところにあると思うのです。そこで、文部省に来てもらっておりますので、三点についてお聞きをしたいと思います。  一つは、私立大学への経常費の補助、これが我々の理解では極めて停滞している。むしろ減額されているという受けとめ方ですが、それについてどうか。  二つ目は、日本育英会の奨学金、これの受給者も非常に少ない。国公立、それから私立の全学生の一二・二%にしかすぎない、こんな数字もございます。この辺の原因はどこにあるのか、もっと受給者がふえるような施策がなぜとれないのか、これをお聞きしたい。  三点目は、長期展望に立った総合対策として、これはやはり国の予算、国の財政だけでは限界がございますので、もっと豊かな民間の経済力を活用して、奨学金などの拡充を政策面から誘導するような文部省の考え方はできないのか。その三点についてお聞きをしたいと思います。

渡邉隆文部省高等教育局私学部私学助成課長

○渡邉説明員 まず最初に、私学助成の点についてお答えを申し上げたいと思います。  私学助成につきましては、従来から、我が国の大学、短大の約八割が私立だというようなこともございまして、その役割の重要性にかんがみまして、大変厳しい財政事情のもとではございますが、文部省といたしましても最大限の努力を重ねてまいりまして、その推進を図ってきたところでございます。  ただいま先生の方から私学助成、経常費助成が減額されているのではないかというお話がございましたが、平成三年度の予算案におきましても、経常費補助金につきましては前年度予算に比べて三十九億円増額して計上いたしております。総額二千五百五十九億五千万円、率にして一・五%増ということで、財政事情厳しい中ではございますが、その充実には最大限に努力を重ねております。最近、元年度三十三億増、二年度も三十四億増というふうに、微増ではございますが着実な増額に努めております。今後とも私学助成の推進には一層留意してまいりたいと思っております。

喜多祥旁文部省高等教育局学生課長

○喜多説明員 奨学金についてお答えをいたします。  平成三年度予算案でございますけれども、大学につきましては総額千二百八十三億円の事業費を計上いたしておりまして、二十八万二千人の大学生に奨学金を貸与することといたしております。先生御指摘のとおり貸与率は一二%でございまして、約八人に一人が受給するということになります。その原因でございますけれども、日本育英会の奨学金は、成績が優秀でかつ経済的に困っているという二つの基準がございまして、その辺の絡みからやや少ないのじゃないかというふうに見ておるところでございます。  なお、今後の保護者の経済負担の軽減でございますけれども、保護者の経済的負担の軽減につきましては、従来から私学助成の充実と育英、奨学の充実に努めてきたところでございまして、今後ともこれらの充実に努めてまいりたいというふうに考えております。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 その育英会の奨学金の適用基準なんかも、もう私は、成績優秀な者とかそんなところで線を引く時代じゃない、もっと平均的にそういったものを拡充していく、もっと利用できるようなそういう方に文部省にぜひ誘導をしてもらいたいということを申し上げておきます。  若干時間が残っておりまして、本来最終的に金利自由化と公的金融の役割、その辺を銀行局長にお聞きしたかったんでございますが、中途半端な時間になりましたし、こんな時間から始まった委員会でございますので、若干ではございますが時間短縮に協力して、質問を終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 早川勝君。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 金融四法の審議でございますけれども、そのうち私は国際的な金融二法について中心に伺いたいと思います。  その前に、実は三月一日、金融・証券小委員会が開かれたわけですけれども、そのときに私が質問して銀行局長がお答えいただいたわけですけれども、つまり最近新聞、テレビ等含めましてマスコミ等で金融機関の不祥事件が非常に多く伝えられているわけです。これに対して、こういった事態がなぜ起きるんだろうか、土地だとか株だとか最近は絵を投機対象としてそういった問題が報じられるわけですが、どうしてこういう事態が起きるんだろうかということで質問したことを覚えているんですが、基本的にはそれぞれ金融機関、企業が収益を中心にした、それを重視した経営態度にあるというような答弁を局長はされたと記憶しているんですが、そういった私の記憶に間違いございませんか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 最近いろいろな事件が報道されておるわけでございます。それにつきまして金融・証券小委員会でも申し上げたわけでございますが、バックグラウンドとしては金融環境の変化というものがあろうかと思います。その金融環境の変化の中で金融機関の融資構造が急速に変化をいたしました。その中で金融機関が安定的な営業体制を立て直すいとまがないままに、安易に業容の拡大、収益第一主義に向かいやすい状況にあったということは事実でございます。ただし、それはいわばバックグラウンドでございまして、それで個別の事件に結びつくところには、やはり組織管理に欠陥があったというような、そういう具体的な弱点が事件に結びつくものであろうかと思います。いずれにいたしましても、この営業姿勢の面につきまして種々の社会的批判を生じましたことは大変遺憾に思っておるところでございます。  そのとき早川小委員の御質問に対しましても三点だけ申し上げたわけでございますが、いわば感ずるところといたしまして、第一に、やはり金融機関におきまして組織的な経営管理が重要である。それから第二に、収益面とか計数面のみを重視した内部管理は経営上問題をもたらすおそれがある。それから第三に、融資先の実態把握など融資審査の基本を守ることが重要である。こういうふうに申し上げたわけでございます。  これらはいずれも金融機関経営の基本的な事項でありまして、当然それぞれの金融機関においてまず気をつけていただかなければならないわけでありますが、私どももなお今後行政面、検査面を通じまして適切な行政の推進にさらに努めてまいりたいと思っております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 局長今三点を強調されたわけですが、新聞等で拝見しますと、住友銀行に対して半年間の調査をされて、三月二十六日にいわゆる指導要綱である示達書というんですか、それを出されて、一カ月後とか報告を出してもらうというようなことが報じられているわけですが、この示達書の性格なりその内容、そしてまたその期待される効果、そういったものを教えていただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいま御指摘のございました銀行に対しましては、おっしゃるとおりでございますが、昨年の九月二十五日に検査に着手いたしまして、ことしの三月二十六日に示達を行ったわけでございます。  それで、この示達の具体的な内容というのは、これはやはり検査の問題に関係がございますので、この個別の答弁を控えさせていただきたいわけでございますけれども、やはりやや一般論的になりますけれども、先ほど申し上げましたような内部管理に厳正を期する、ないしは審査の充実を期する、それから収益面、計数面のみを重視するようなそういう管理体制の行き過ぎがないかどうか、そのような点についてさらに見直してもらいたいというあたりが、まあこれはあくまでも一般論でございますが、この私どもの方の要望する点であろうかと思います。  で、この示達に対しましては、この示達を受けてどのように銀行として考えるか、どのように処理体制の改善を図るかということを意見をまとめまして近々にも当局に報告があるはずでございます。  さらに、この示達の中で触れたかと思いますが、この今回の検査の中の資産内容のチェックの過程で特にいろいろ問題がありましたものにつきましては、その後も継続的にフォローアップの状況について報告をしてもらうというようなこともありましたかと思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 大蔵省は銀行検査をして、それから日銀は考査、三年に一度だとか聞いております。したがって、その金融機関にとっては一年半とか場合によっては毎年だとかそういう検査を受けるという話を伺っております。住友銀行については日本銀行、日銀考査、検査じゃなくて考査というわけですかが一九八八年の夏というふうに報じられているわけですね。そこで既に問題点が指摘された。銀行局としては去年だということで二年タイムラグがあるわけですけれども、考えてみますと、預金者、国民の側からしますとどうしてその日銀の考査と大蔵省の検査とがもっと連携がとれないんだろうかな、あるいはとられているのかどうか、そうしたらもっと早くこういった指導、示達書を出すとかいったところまでもっと早くできたんじゃないかなと思うんですけれども、これからのことを含めましてこの日銀の考査との関係ですね、もう少し連携をとられているのかどうか、またそういう方向を考えられているのかどうか、これを伺いたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 この大蔵省が行います銀行検査と日本銀行が行います考査は、その性格と申しまするか、その目的、法的根拠の有無において異なるところがございます。ちょっとその点を簡単に御説明いたしますと、大蔵省による銀行検査は銀行法第二十五条に基づく権限の発動として実施するものでございます。それに対しまして、日本銀行による考査は、日本銀行と取引のあります各金融機関との取引契約に基づきまして行われるものでございます。それで、その内容につきましても若干の差はあろうかと思います。ただし、ただいまの御指摘をまつまでもなく、両者で連携を密にすることは非常に重要なことであると考えております。  これはやや歴史的な話になりますが、日銀考査が発足いたしましたのは大正のころでございますが、大正十五年の金融制度調査会におきましてこういう決定があったわけでございます。「日本銀行をして、契約により取引銀行の業務または財産に関する実況を調査せしめ、常に政府の検査と連絡を保たしむるは、検査の充実上利便多しと認む。」こういう考え方は現在も生きているわけでございます。  ただし、最後に一つ補足いたしますが、蛇足でございますが、今回の住友銀行の検査の非常に大きな内容と申しますか目的となりましたのは、住友銀行の特定の商社に対するやや深入りをした融資というようなことであったかと思いますが、その問題がかなり大きな問題になりましたのは、私どもの感想を申しますと、一昨年の後半ぐらいでございました。それで、日本銀行の考査はそれよりも前の年に行われておったわけでございます。もちろん日本銀行においてしかるべく経営の内容その他について注意を払っておられたということは十分考えられますが、今回のこの非常に世間に大きな話題になりましたようなものはそのころはまだ余り行われてはいなかったのではないかと思います。ただ、これは私どものいわば推測でございまして、日本銀行と打ち合わせをしているわけではございません。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 いわゆる行政指導との絡みでもう一点具体的に簡単に伺いますが、大阪府民信用組合について、また新聞をにぎわせたわけですね。もちろん信用組合ですから、ここですと都道府県で府が監督官庁、こう言われるかもしれないですが、この問題について大蔵省は三年前にこういった問題を、この組合の問題について知っていたのかどうかというのが第一点。三年前といいますと、三年前にこの組合の問題が実は新聞に報じられておりまして、銀行局中小金融課のコメントも記事にされているわけでして、そういうことで知っていたのかどうか。二番目ですね、知っていたとしたら、直接指導はできないわけですけれども、間接指導ということになると思うのですが、やはりそれは大手都銀が関与しているわけですから、それを介して指導ができたのではないかと思うわけですが、していたのかどうかということと、そういった意味で、都市銀行等がこの信用組合に対して三月末について協調融資云々ということが報じられていたわけですけれども、そういうことで、なかなか難しいとは思うのですけれども、融資しているのかどうか、残高がどれぐらいになっているのかとか、もし報告をいただけたらお伝えいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいまの三年前の話につきましてはちょっと心当たりがないのでございます。  いずれにいたしましても、信用組合の監督につきましては、これは信用協同組合が中小企業等協同組合法により設立される協同組織性、地域性の強い金融機関でありますことから、都道府県知事に権限は委任されております。もちろん私どもといたしまして、総論的には金融行政の総合的一貫性を確保するために大蔵省、具体的には財務局との間に密接な連絡をとることを期待したいのでございますが、今申し上げましたような、私どもが直接指導監督権限を持っていないというようなところから、個別の組合の内容なり個別の出来事につきましての情報を十分得るに至っておりません。重ねて申しますが、信用組合に対する指導監督は第一義的には都道府県知事が行っておられるところとなっております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 大臣に決意のほどを伺いたいのですが、これから金融の自由化等がどんどん進むということで、自由化というのは金融機関の独自性なり自由裁量権がかなり広がるわけです。それは時の流れとして避けられないと思うのですが、基本的には、国民、預金者等が基本になければいけないし、金融機関は健全でなくてはいけないという問題があると思うのです。その限りで、では大蔵省の行政指導、これはある面で一般論としては望ましくない面があるわけですね、余り行政指導が民間に対して関与すると。これは望ましくない面があるわけですけれども、反面、先ほど二つの例だけ挙げたわけですけれども、それをやらないと放縦に走り過ぎて、冒頭局長が言われたように収益第一だというようなことに走るおそれ、まあ競争原理で動くわけですからそういう危険性があるわけですね。そういったことを考えますと、行政指導の面を含めて的確に、ある面ではまた厳しくやらなくてはいけないんじゃないかと思うのですが、その点についての大臣の所感を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私はもともと余り規制とか行政指導というものを好む性格ではございません。むしろ民間の創意工夫が最大限発揮される部分がどの分野においても最大限あることが望ましいと基本的に考えております。  しかし、そうした考え方を持つ私から見ましても、私はやはり金融界に対しましては、何よりも一番大切なことは国民が信用を失わないようにしていくということでありますし、そのためにはやはり大蔵省としての指導監査というものの必要性は将来ともに減少しないであろうと思います。今委員からも御指摘がありましたように、行き過ぎた行政指導とかあるいは内部への踏み込みというものが望ましいものでないことは事実でありますけれども、事やはり金融機関というものが国民の資産をお預かりし運用するという立場の中で信頼を失わしめないだけの努力を常に見守るということは、私は基本的に必要なものであると考えております。その必要の範囲を超えず、しかも問題を未然に防止するという意味では、私は大蔵省の役割というものは極めて責任の重いものと考えておりまして、今後ともに真剣に努力してまいりたい、そのように考えております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 湾岸戦争も実質的に停戦になっているわけですけれども、いまだ最終的には停戦状態になっておりませんけれども、国連決議六百六十一号が昨年の八月六日採択されまして、いわゆる経済制裁がとられたわけです。我が国においても外為法だとか貿易管理令、輸出入含めまして実施したわけですけれども、余り長く細かくは紹介いただかなくても結構なんですけれども、我が国のとった経済制裁と、そして一体この効果があったのかどうか。実はいろいろ議論されたわけですね。効果についてどういうふうに考えていったらいいのかなというところがまだつまびらかではないわけですので、その点を大蔵省所管範囲で結構ですので、報告いただきたいと思います。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 大蔵省関連でとりました措置について申し上げますと、まず八月三日に大蔵省は、銀行それから証券業界に対しまして指導を行いまして、在日クウェート資産の保全措置をとりました。  八月五日に政府は、これは八月六日の国連安保理のイラク制裁決議六百六十一号に先立つものでございますが、官房長官談話で、我が国としての対イラク経済制裁措置の概要を発表し、八月七日に閣議了解を行いまして、これに基づいて大蔵省は八月七日、全銀協それから生損保協会に対しまして、新規融資それから私募債あっせんの自粛、それから証券業界に対しましては債券の引き受けや私募債のあっせんの自粛、こういうことを指導いたしました。  さらに、今申し上げました閣議了解、それから国連決議を受けた外為法上の措置によりまして、八月十日にはイラク、クウェート向けの支払いの停止、それから直接投資や融資その他の資本取引の停止、引き続いて八月十五日にはイラク、クウェート向けの役務取引の停止などの措置を講じております。  それで、経済制裁の効果でございますが、おっしゃるように、なかなか正確に幾らというふうにとらえることは困難でございますけれども、とにかくこの国連の安保理決議によりまして、全世界にこの制裁が呼びかけられ、国際的に広く支持され、遵守されたわけでございますので、相当の効果を上げたというふうに考えておるわけでございます。経済制裁の資金面の効果につきましては、今申し上げましたように、イラクに対する資金送金、新規融資、直接投資、こういうものが我が国のみならず各国によって停止されたわけでございますので、イラクからの輸入禁止と相まって、イラクの外貨資金繰りには相当な圧迫が加えられたというふうに思っております。  そういった共同の経済制裁にもかかわらず、戦争を回避できずに、この問題解決までかなりの日数を要しましたのは、この経済制裁の効果はイラク国民に対しましてかなり出ていたにもかかわらず、イラク政府がこれを一切無視して、政治的な意思決定につなげなかった、そのためであるというふうに考えております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 相当な効果ということで、今局長紹介いただいたわけですけれども、何か定量的なものを含めて、いや我が国も経済制裁をやったんだよ、協力しました、そして、本来ならばイラク、クウェートもあるわけですけれども、イラクに対してこれだけの資金が、通常スタンダードな取引においては何億ドル行ったかわかりませんけれども、貿易量等はあるわけですけれども、そういうことがあって、それで八月以降約半年間制裁が続いたというふうに考えています。今なお続いているわけだと思いますが、何か定量的に、あるところでは経済制裁が八〇%とか九割だとか効果があった、何をしてそう言うのか、そこだけ数字がふっと出てくるからよくわからないのですけれども、全部をトータルで言われなくて結構なんですけれども、送金の問題については、これだけ停止したんだ、本来ならば恐らく正常な取引においたらこれぐらい送金されていたけれども今回はこれだけストップしたんだというような、そういうデータというのはつくり得ないものなんですか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 このイラクとの経済関係、これは日本もその他の各国も同じでございますが、かつてはかなりのいろいろな意味の取引があったと思いますが、イラン・イラク戦争以降若干細まっていたことも事実でございます。この制裁による効果をいつの時点をもとにして比較をしてどれくらいの効果というのかというところは、なかなか難しいところがございまして、私ども、実はこの数字的な取りまとめというものをしておりません。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 していないということはできないということと同義語じゃないと思うのですけれども、二度三度起きては困るわけですけれども、単なる、みんなそろって世界が共同歩調をとったから効果があった。共同歩調をとったということは事実そうですけれども、そうじゃなくて、実際にどうなったんだということが、時間がたつに従って多分また議論をされるのじゃないかと思いますので、ぜひ一度検討していただきたいなというふうに考えます。  それから、この経済制裁の解除の問題なんですが、クウェートは三月十八日ですか、クウェート向けについては解除したということなんですが、イラクに対してはどういった状況、時期等を踏まえまして予想されているのか、また我が国として積極的な発言をすることを考えておられるのかどうか、伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 先ほど千野局長から御答弁を申し上げました分を兼ねて、補足しながらお答えを申し上げたいと思いますが、イラクに対する経済措置は、御承知のように国連安保理の対イラク制裁決議六六一を根拠といたしております。また、閣議了解における政府の意思決定というものを受けて実施をいたしてまいりました。したがいまして、経済制裁の解除につきましても、まず国連の決議というものが先行し、それを受けて政府の意思決定を行うということになると思われます。  そうして、現時点におきましては、御承知のように四月三日安保理によって採択され、今般イラクが受諾をいたしました決議の六八七の中で、安保理は六十日ごとにイラク政府の対応を見ながら制裁内容を変更するか解除するかを決定するとされておりまして、この手続によって安保理が定期的な見直しを行っていく、その上で決せられるものでありますだけに、現時点において私は日取りを確定することは非常に困難であると思います。  特に、先ほど委員の御指摘に対する局長の答弁にも関連することでありますが、実は一番わからない問題点の一つは、クウェートからイラクが収奪した資産というものが、現金のみならず市場にありました民間の保有する金までを含めて運ばれたということが伝えられましたが、これを含めまして八月二日から数日間の時点におきましてどれぐらいの資金量を用意しておったものかということの数字が全くございません。今後、被害補償等の問題の中におきまして、こうした点については恐らくクウェート政府自体がさまざまな数字を用意し、補償要求をされると思いますけれども、そうしたものが出てまいりますと、ある程度推計のできる部分も生ずるかと思います。将来にわたりまして問題の残る部分でありますので、そうした推計のできる状態になりました時点で改めて御報告するということで、この点についてはお許しをいただきたい、そのように思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 今回の外為法というのは、いわゆる日米構造協議のいわば約束を果たすのだということがあったわけですけれども、この間発表されましたアメリカの通商代表部のいわゆる障壁報告と伝えられておりますけれども、その中に、米の問題だけではなくて、投資障壁という項目がありまして、直接投資についても指摘がされているわけですね。まだ日本にはそういう障壁がある、こういう指摘がされているわけですけれども、今回の外為法の改正によって、今回のUSTR、アメリカの報告に指摘されているような問題に対してどういう、いや、あれは事実誤認だとか、あれはあれとして事実だけれども、今後そういった意味でいわゆる開放、自由化と言えばいいのかわかりませんけれども、いや、そういう方向はあの分野にはもう要らないんだ、これからの対応としては考えられないんだというふうに見ておられるのかどうか、その点を伺います。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 御指摘のとおり、九十一年版のUSTRの報告書におきまして投資障壁についても言及されておるわけでございますが、この報告書の中には私どもとしては必ずしも納得できない点がいろいろございます。投資障壁といたしまして、政府と産業の結びつきがあるとか、日本の企業が長期的な人的関係や長期的な取引の関係が壊れることを嫌っている、そういったようなことが投資を妨げる要因だというふうに指摘をしておりますところなどは、私どもは必ずしもこれは実態を正確に指摘をしたものとは考えられないわけでございます。そういうことで、これまでも米国に対しましていろいろ説明なり反論なりもしてきているわけでございます。  今回の報告書は、特定の業種について対内直接投資を日本政府が規制をしておるという点についても指摘をしております。これは我が国としましては、OECDの場で留保をしっかりしておるわけでございまして、そういうものについてだけ規制をしておるわけでございますから、実際には国際的なルールに沿って適切に制度を運用しているわけでございますが、その辺をはっきり今回法律改正によって説明をする、そういうことによって日本の制度がより透明で非常に開放的であることがはっきりするということによりまして、我が国への投資についての認識が改善されることになるのであろうというふうに私ども期待をしております。今後私ども、大いにいろいろ今回の法律改正の内容も十分説明をすることによって先方の理解も十分得られるものと考えております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 大臣が名古屋の米州開発銀行の年次総会から、出席されて戻られているわけですが、これから四月だけでも、欧州復興開発銀行の総会が中旬にロンドンで行われるとか、あるいはアジア開発銀行がバンクーバーで下旬に行われるとか、そして世銀とIMFの合同開発委員会が末にワシントンで行われる。こういった形で一連の国際通貨・金融会議が行われまして、大臣も出席される、すべてではないでしょうけれども出席される予定と伺っております。  そういった中で、これから我が国として国際的な金融支援、協力についての基本的な考え方を伺いたいと思います。  最初に、これまたアメリカの資料が出ていまして、外交関係評議会、三月十九日に発表されたという新聞記事が報道されております。「開発のための円」という報告書なんですけれども、その中で言われていることは、日本はいわゆる負担をしている、資金的な協力なり分担割合は非常に高いんだけれども、どうも発言権はアメリカ、ヨーロッパ等に比較して弱いし、封じられているんじゃないかというぐらいに、アメリカに対して批判的な報告書になっているわけです。局長はこれを読まれているとは思うのですけれども、この指摘というのは、今回のIMFの増資で日本はアメリカに次いで第二位だ、それからアジア開発銀行においても日本は第二位なんだ、それで、技術の問題においても資金の問題においても非常に重要な役割を果たしているのだけれども、実際に発言権等を含めて意思が通じないんじゃないか、こういう指摘、局長これを読まれて、これはそのとおりだと賛意を表されますか。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 結論的には、これは必ずしも言われているとおりではないだろうと思っております。  といいますのは、私ども実は、いろいろな国際開発金融機関等におきまして、最近では経済力に応じた出資なり投票権を確保するとともに、それに見合って実態的にその銀行の運営あるいは政策の立案等にかなり積極的に貢献をしているという意識を持っております。アジア開発銀行などの国際金融機関におきましては、御存じのとおり、発言権あるいは投票権というものは基本的に各国の出資額に基づいて決まる仕組みでございますし、アジ銀については設立当初からアメリカとともに第一位である、世界銀行、IDA等の世銀グループにおきましては第二位であるということにまずなっております。例えばIMFにつきましては、日本の国の経済力にもかかわらずこれまでは第五位ということでございましたが、いろいろ長年の主張、経済実体に即した出資者にするようにという我々の主張の成果があがりまして、アメリカに次いで、ドイツとともに第二位になるというわけでございまして、これも日本の今までのいろいろな貢献が認められたためにこういったことになってきたというふうに理解しております。  例えばアジア開銀あるいは世界銀行などの国際開発金融機関におきましては、我が国の戦後の復興の経験を踏まえまして、例えば開発政策における人材育成などの側面をいろいろ強調するなど、業務の上で適切なアドバイスをし影響を及ぼしてきたというふうに考えております。  IMFにおきましても、今後発言権の増大を受けまして、これまで以上にIMFの運営に積極的に貢献していく所存でございます。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 そういうことを答弁されると思うのですが、「ファイナンス」の昨年の十月号に、垂水アジア開発銀行総裁が「アジア開発銀行の現状と課題」ということで講演をされていまして、これが掲載されているわけですね。それを読ませていただいたのですが、日本のこれからの国際金融機関での役割、資金的には非常にウエートがこれからも要求されるだろうし、対応せざるを得ないと思うのですね。その中で足りないのは思想だとか哲学じゃないかという指摘をされているのですね。金融大国の仲間入りをしたんだけれども、どうもその部分が足りない、「独自の哲学もなく、ただ資金を還流させればよいというようなものでは物足りない」という総裁の講演内容があるわけです。問題は、こういった状況の中で我が国としてどういう基本方針なり基本理念を築くのか、打ち立てるのかというのが一番必要だと思うのです。その問題については後ほどまた大臣から伺いたいのです。  個別の問題で、IDBですね。きょう午前中ぐらいまでやられているのですか、大臣は、アメリカ提唱の中南米支援基金に日本は協力する、ところが欧州は消極的だというふうに伝えられているわけですね。こういった問題もこれからの金融会議の中で調整というのか、あるいは日本の立場を、なぜかということを含めてもっと言わなければならないと思うのですが、例えばこの問題についてどういうふうな基本的な考え方を持たれているのかどうか。これが一点です。  もう一つは公的債務削減。開発途上国、発展途上国が苦しんでいるわけですけれども、日本は応じないんだ、新規融資だという大臣の答弁も伝えられているわけです。ところが、ポーランドとエジプトについては公的債務を削減することには同調された。アメリカに同調されたということなんですけれども、どうも一貫しないという感じがしないでもないのですが、この二つの点について。  それからもう一つは、対ソ支援ですね。ソビエトへの支援の問題があります。ヨーロッパを含めまして、一般的な必要性は認めても、どうも一定の条件を満たさないといかぬ、再建プログラムが、経済改革のプログラムが明示されない限りすべきでないという消極的な意見も伝えられるわけです。我が国がそうであってはならないんじゃないかという感じも持つわけですが、こういったことを考えますと、対ソ支援まで含めまして三つの問題を具体的に例示いたしましたけれども、これらを通じましての大臣の基本的な考え方を伺いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 これは先ほど千野局長から御答弁を申し上げました内容にも関連をするわけでありますが、今御指摘をいただきました問題、日本はそれぞれ独自の主張を持ち、今日国際的な論議の中に参画し日本としての主張を続けております。そして、その意味におきまして、先ほど委員の引用されました論文、必ずしも正確ではないという千野局長の見解に私も同意をするものであります。  そこで、まず第一点に御指摘のありましたIDBにおけるアメリカの中南米支援の構想について日本がとった対応と同時にヨーロッパの対応の違いということでありますが、現在、欧州諸国の関心が中・東欧の経済改革とその延長線上に視点を据えた対ソ経済支援というものにある程度固定してきておるという状況は、委員がよく御承知のとおりであります。もっと露骨に申しますならば、ヨーロッパ勢は中・東欧の経済改革とソ連というものに手いっぱいであり、他の地域に対しての関心をある程度薄めている、率直に申し上げるならそういう見解が言えると私は思っております。  しかし、中南米という地域を考えますと、日本の多くの方々が既に百年以上前から移民として渡航しそれぞれの地域において温かく受け入れられ、そしてそれぞれの地域社会においてそれなりの地歩を占めて活躍をしている地域として、地縁という意味からも、また歴史的なかかわりからも、日本にとってアジアに次いで関連の深い地域の一つであります。そして、我々として域外国としてはIDBにおきましても第一位の出資国であります。そうして今日、例えば麻薬問題一つをとりましても、世界的な麻薬問題を考えます場合に、中南米の諸国における麻薬生産というものをたたきつぶさなければ麻薬問題の解決はございません。そして、我が国自身がその汚染に目下非常に神経をとがらせております。そうしたことを考えますとき、我々は中南米に対してやはりできる限りの支援は考えていくべきであると思いますし、先般の日米首脳会談におきまして総理もそうした意図表明をされました。私も先日の総務演説としてそうした意図を表明し、この内容は今後詰めてまいりたいと思います。  私は、ヨーロッパの諸国も最終的には協力をしてくれると考えておりますが、この問題につきましては、どちらかといいますと日米が共同して欧州を説得するという構図になるでありましょう。  しかし、二点目に指摘をされました公的債務の問題につきましては、私どもは残念ながら今日までアメリカ及びヨーロッパ勢とその見解を異にいたしてまいりました。  この問題が提起をされましたのは、昨年のヒューストンにおけるサミットの際、蔵相レベル会合、さらに首脳レベル会合において提起をされた問題であります。そうして、その時点におきましては、大陸諸国という言い方を使わせていただきたいと思いますけれども、大陸諸国の主張と、日本の主張をサポートするアメリカとの間に意見の差異がございました。そして、東欧の改革というものをまとめ上げるために公的債務の削減あるいは放棄が必要であるとする大陸諸国に対し、公的債務の削減あるいは放棄をした場合、日本のシステムの中でいくならばニューマネーの供与はできなくなる。放棄をいたすお金は国民からお預かりをしたお金でありますから、その放棄を強要されるような場合、そこに新たな国民からのお金を投入することはできません。しかし、そういう国は、よく考えてみれば、民間からのニューマネーの供与が難しいからこそ実は公的資金によるニューマネーの供与が行われてきたのが実態でありまして、果たして、公的債務の放棄あるいは削減という事態になり公的なニューマネーがストップいたしました場合、民間からニューマネーが入るでしょうか。私どもは、それぞれの国の一時的な債務の増加がその場合生じるにしても、ニューマネーが供与され続けることによりその国の経済復興、経済改革は順調に進展し得る、すなわちそれだけの誇りを持って今日までニューマネーの供与をいたしてきたつもりであります。これが真っ向から否定されるような主張は我々としてはとれません。そしてその考え方は今日も一歩も変わっておりません。  ただ、たまたま今委員が例示に挙げられましたポーランド及びエジプトにつきましては、パリ・クラブの論議におきまして、元本の放棄あるいは削減という手法ではなく、例えば利払いの軽減等といった他のオプションが加わりましたので、私どもはその五〇%を限度としてこの二国に限り行おうとするパリ・クラブの意見に同調はいたしました。しかし、これにいたしましても、例えばアメリカは七〇%以上の、あるいはフランスも同様のことを言っておりますが、公的債務削減を行うと現在発表いたしておりますけれども、我々は五〇%以上の放棄はできません。これは米欧と私どもが真っ向から対立をいたしております。  また、対ソ経済支援は、ヒューストン・サミットの際にも、首脳レベルでも、また蔵相レベルでも激しい議論が行われた最大のテーマでありましたけれども、そのヒューストン・サミットの結論として、首脳間におきましては、IMF、世銀、OECD、そしてEBRDの国際四金融機関によりソ連経済の分析を行い、その分析の結果において今後の対応を考えるという合意になりました。そうして、その結果出ました四機関の年末における報告におきましては、例えば連邦と共和国の関係等さまざまな部分について改善が加えられない限り資金協力は効果がないということでありまして、その他の面における協力をこそ行うべきである、すなわち、経済協力については極めて消極的なリポートでありました。そして、それを受けて本来なら一月の二十日の夜からG7においてこの問題が論議をされるはずでありましたところ、バルト三国における二国目の武力行使という事態が発生をし、各国がこの問題を先送りにするということで論議が停止をいたしております。恐らく、このEBRDの創設を控えた今週末から来週初めにかけての時期において、仮にもし国会の御了承が得られ私も参加をいたすことになりました場合には、G7の大蔵大臣間におきましてこうした問題について論議の場はあろうかと存じます。  しかし、この四機関リポートに書かれております問題点は今日なお解消しておらないわけでありますし、加えて、日本は北方領土の問題という固有のソ連との間における障害を抱えております。日本の立場といたしましては、この問題が解決しない限り経済支援はあり得ないということが従来からの主張でありましたし、基本的にはその条件は変わっておらないと考えており、その上に国際的な対ソ金融支援というものに対して、昨年非常に積極的な論議が行われていた時点と雰囲気が変わっておる中で、各国と相談をしながら努力をしていかなければならない、そのように考えておるところであります。  それぞれの問題について、我々の主張は各国のうち特定国と合致し他の国と相反する場面がしばしばございます。それはまさに日本が日本としての主張をしておるという証左として受けとめていただきたい、私はそのように思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 大臣、答弁の中で最終的に言われたことなのですけれども、ある学者の本からデータでつくってみたのですが、一九九〇年と一九五〇、つまり四十年前ですね、今、昨年と四十年前のそれぞれの一人当たりの経済的な力、総生産がどう変わったのかというのを表にしてみたら、先進国、先進市場経済国と言われていたわけですが、いわゆる先進国と考えてみますと、そこを一〇〇として、四十年前も現在も一〇〇とした場合、発展途上国は一九五〇年も一〇で昨年、一九九〇年は六だ。そんなに変わっていないわけですね。依然として一人当たり一対十ぐらい違いがある。社会主義工業国は、一九五〇年は三九ですから約四〇、先進諸国の大体四割だ。ところが、一九九〇年、昨年一四という数字が出るわけですから、悪化しているということですね。差が広がっている。日本は恐らく、これより若干時期がずれますけれども、五〇年のときは三〇ぐらいじゃないかな、五五年で三一ですから一九五〇年で三〇。昨年は一人当たり一三〇。つまりよくあらわれているわけですね、日本は一人当たりのGNPが非常に急成長した。  これを見てわかりますように、発展途上国、社会主義工業国、つまり格差は広がっているというデータが出るわけです。まさに貧困。UNCTADの九〇年の報告、翻訳されたのを見ますと、貧困という言葉が見出しに出ているわけですね。イラクの湾岸の問題についてもやはり貧困の問題があると思うのです。貧困と格差の問題があると思うのです。  そういったことを考えますと、日本がこれから果たさなければいけない基本があるわけですね。まさに世界の貧困、それは環境問題を含めてそうなのですけれども、それの克服に資金面においてもあるいは人の面においても技術の面においても積極的に協力するんだ、それが求められているわけです。  そういったときに、これからの国際協力に当たっての基本的な方針は、先ほど三つの問題について大臣も言われましたように、ある国と協調できるけれども今は対立している部分がありますよ、公的債務削減についても違いがあるのです、あるいは南米についても違いがあるのですということを考えますと、本当に自主性を持たないとだめなんだ。日本として、橋本ドクトリンならできるかどうか僕はわかりませんけれども、そういうものを今出さないと、また出すことが求められているのじゃないか。自主性の問題が必要だ。  それから軍事面、非軍事の問題です。アジアの貧しい原因は、非常に軍事費に食われている、これは歴然たる事実ですね。そういったことで日本が協力する場合、多国間でやる場合、国際機関を通じてやる場合でも二国間でやる場合でも、非軍事というのが一つの柱になるのじゃないかというふうに考えます。  それから、平等というよりも非政治性という表現もあると思うのですけれども、かつてのような東西対立、軍事的な対立という構造よりも、まさに東西、南北含めて全地球的な観点でいかに貧困を克服しなければいけないかということを考えますと、かつてのような政治的な機関にしてはいけない、政治的な姿勢で対応してはいけないというふうに考えるのですが、最後に、この私の考え方についての大臣の感想といいますか、私としては、本当はもっと今の状況を踏まえて積極的にこういった基本方針なり哲学を持って国際金融の場に臨んでいくのだということを披瀝していただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今積極的にニューマネーを供給することにより各国の経済発展に努力し得る能力を持つ数少ない国の一つであるという基本的な認識を私どもは持っております。そして、今委員がさまざまな角度で述べられました条件というもの、私はそれぞれにそのすべてを否定しようといった考え方ではございません。むしろそうしたお考えも参考にしながら率直に私は申し上げますならば、日本がやはり一番大切にし協力をしていくべき地域というものはアジアであると私は思っております。そして同時に、先ほど申し述べましたような理由で中南米という地域も我々が積極的に対応していくべき、しかも二国間においての協力も可能な地域と私は考えております。  しかし、例えば東欧、中欧あるいはアフリカといった地域につきまして、我々は歴史の上でもまた地理的な条件の中でも必ずしも深い縁を持ってきたとは申せません。言いかえれば、それぞれの地域に対して必ずしも十分なノーハウを蓄積しておらないわけであります。こうした地域に対しては、私どもは積極的に国際金融機関等に参加することにより、その中でできる限りの協力をしていくべきであると思っておりますし、やはりアジアとか、あるいは今委員がお述べになりましたような条件を付して、中南米といった地域については積極的な二国間の対応も含めて考えていくべき地域ではなかろうか、そのように考えております。  我が国全体の外交方針の中におきまして、こうした考え方のもとに私どもは行動してまいりたいと考えております。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 最後に、検討していただきたいということで要望を申し上げて私の質問を終わりますけれども、ODAが一兆五千億ですか、新年度予算ではたしかそうなっていましたけれども、そういったことを考えますと、これからのことを考えて社会党は提案しているわけですが、国際開発協力基本法をつくる必要があるのじゃないか、そしてまた国際開発協力庁を設置すべきだ、こういう主張をしております。大臣もよく御存じだと思うのですが、ODAの場合、考えてみますと、実施官庁四省庁体制で十六省庁が関与していると言われております。確かに文部省の予算を見ても、これがODA関係だという非常に細かい項目があります。  それから環境庁の例。昭和四十二年、一九六七年七月に公害対策基本法が成立した。なぜそういう状況があったかというのはもう御存じだと思うのです。それから昭和四十六年、一九七一年環境庁が発足しているわけです。つまり、環境問題をトータルに把握し、指導官庁として独立しなければいかぬということでスタートしているわけです。環境庁の例がそうです。  それから行政改革に関する第一次答申、一九八一年ですからもう十年前になります。それから第三次答申等を見ましても、これからの国際経済協力関係についていろいろな指摘がされております。総合的な行政の企画、実施の面で十分でないとか、それから経済協力関係閣僚会議を設置した方がよろしいとか、これはできていると思いますが、それらをずっと見ましても、もうこれだけ資金的に膨大になったときに、今まで四省庁あるいは十六省庁が関与して、労働省が出している予算の中にもこれもODA関係だと、外国から会議に招く人もODAの予算ですと、こう入っているわけですね。文部省しかり、労働省しかりです。  そういうことじゃなくて、大臣、これからいろいろなところで出てくるわけですが、やはり協力しますと、そこはちゃんと受け皿として、まあ総理大臣のもとにつくられるのか、現在はODA関係は外務省ですけれども、もうそういう枠を払って新しい発想に立って、行革に反するかもしれませんけれども、でも必要ならばやればいいわけです。環境庁の例を出したというのはそういう意味を踏まえて検討していただきたいなという、こういうことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。——ちょっと言ってください。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、残念ながら両方とも反対なんです。  と申しますのは、今環境庁の例を挙げられましたが、私はその当時厚生省の政務次官として環境庁創設に走り回った一人であります。ただ、なぜあのとき必要だったか。多発する公害問題の中で、被害者サイドに立つ役所が厚生省だけという状況では到底対応し切れなかった。そして、むしろ各省庁の権能を一つに集めることによって、被害者サイドの考え方と原因発生者側の考え方というものを対等の場に置く必要があった。これが私どもが環境庁創設というものに、厚生省自身その一部を拠出する役所でありながら全力投球をした原因でありました。  そうしたことを考えますと、今ODAは確かに委員が御指摘のように多省庁にまたがっておりますが、実はそれだけ要請の範囲が広がり、多方面のノーハウが必要な時代に入っておる、私はそう思います。しかも、それは国内の行政とも密接に関連しておる部分も持っております。仮にそれを切り離してODAに関する部分のみを抽出するという形が行政の仕組みの上でうまくとれるかということと同時に、切り離してしまった場合、例えば環境庁が持っております環境保全に対するノーハウが今ようやくODAの中に生かして使われようとし始めておりますけれども、切り離した組織をつくった場合にそれが可能かといえば、私は今度は新たなデータがその組織されたところにうまく送り込まれないという可能性の方が実は心配です。これは環境庁をつくった当時から今日までを振り返ってみて私自身が一つ気になっておるところのポイントでありまして、ODAについて特定省庁を新たに創設いたしました場合にはより深刻な問題を惹起する可能性がある、私はそういう不安を持ちます。  と同様に、関連する法令その他が非常に広範囲にわたっておりますこの分野におきまして、基本法が屋上屋を重ねることになるのではなかろうか、こうした懸念を払拭できません。  率直にお答えを申し上げて恐縮でありますが、これから先もまた議論をさせていただく場があればより詳しく申し述べたいと思います。

早川勝日本社会党・護憲共同

○早川委員 終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 井上義久君。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 初めに、日本開発銀行法等の改正についてお伺いしたいと思います。  今回の改正で、日本開発銀行の融資について、従来認めていなかった完成後に譲渡されるような施設の建設にも貸し付けができるようになったわけでございます。そういったことも含めまして、日本開発銀行として融資条件や対象の幅が非常に広がった。それだけ大きな役割を果たせるようになったわけでございますけれども、これが社会資本整備、特に生活関連の社会資本整備の促進のために活用されるならば、これは基本的には是とするわけでございますが、公共の資金でございますから、やはり運用等によっては新たな問題が生ずる懸念もあるのではないか。そういうことで、一つは今回NTTの売却収入を利用した民間事業への無利子融資制度、いわゆるNTTのCタイプというものですけれども、従来第三セクターにしか認めていなかった貸付対象に今回純民間法人を加えることになったわけでございまして、しかも低利融資も行えるようにしたということで、従来の第三セクターから純民間法人を加えるようになった理由が何なのか、まずお尋ねしたいと思います。     〔委員長退席、大石(正)委員長代理着席〕

藤井威大蔵省主計局次長

○藤井(威)政府委員 NTT・Cタイプの無利子貸付事業というものは従来からあるわけですが、今回、貸付対象たる施設をやや拡大する、それからおっしゃいますように貸付対象になる主体に純民間法人を加えるという改正を行っております。  これの背景といたしましては、去年六月の公共投資基本計画におきまして社会資本のサービス水準の向上ということを目指して、公共投資による社会資本整備だけではなくて民間活力を積極的に活用することが重要だという認識が、従来からもあったわけでございますが、引き続きその認識が改めて示されたというような背景もございました。NTT・Cタイプの無利子貸し付けそのものは、現在第三セクターが行う社会資本整備に限る、あるいは政令で定める特定施設に限るという現状になっておりますが、それ自体を動かすことはしないで、その周辺について低利の融資を導入することによってさらにこの民間活力を活用していくという形でのインセンティブを高めていこうというのが今回の改正の基本的な発想でございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 その場合、融資の対象事業をこれまでよりもさらに拡大して、いわゆる一体的に整備される施設というところまで含められているわけですけれども、融資条件を緩和して、公共資金を民間に有利な条件で融資するわけでございますから、これはやはり無原則というわけにはいかないんじゃないか。運用が安易に流れないように、いわゆるこの一体的に整備される施設等について一定の歯どめが必要なんじゃないかな、こう思うわけでございます。今後政令等でこの基準を明確にしていく必要があると思いますけれども、具体的にこの歯どめについてお考えがあるかどうか確認しておきたいと思います。

藤井威大蔵省主計局次長

○藤井(威)政府委員 NTTの売却収入を使うということでございますから、やはりそれなりの公共性が確保されていなきゃならないということはもうおっしゃるとおりでございます。NTT・Cタイプの融資対象施設と一体的に整備されるということを条件として、そういう事業に低利融資をする。さらにこの低利融資対象事業からは、例えばホテル、物販施設というような通常利益追求の民間主導としても整備されるようなものはこの一体施設から外していくというようなことを基本として考えて歯どめにしたいというふうに考えております。  さらに具体的に、一体施設の基本的な内容、中身を具体的な要件としてどういうものを考えていくかということにつきましては、全体の、例えば当該施設の整備がCタイプの融資対象施設、いわゆる本体施設ですが、それの整備にかかわる計画の中できちんと位置づけられておるとか、そのほかかなりいろいろな一体整備と言うに値するような要件を運用上は考えていきたいというふうに考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 本来、民間がいわゆる利潤を目的として行うような事業に対して公的資金が使われているというような疑問を抱かせないようなきちっとした歯どめというものが必要なんじゃないか。今の答弁ではちょっと抽象的で、果たして大丈夫かなという懸念を持たざるを得ないわけでございまして、ぜひとも明確にしていただきたいということだけ申し上げておきます。  何か答弁がありましたら……。

藤井威大蔵省主計局次長

○藤井(威)政府委員 先ほど申しましたように、一体的整備の具体的な中身についての要件は、先生の御指摘のようにこんなものにまで公的資金を入れるのかというような、そういう御批判を招かないような要件をつくりたいということで検討中でございます。  先ほど一つの例として、本体のCタイプ融資対象施設の整備にかかわる計画の中できちんと位置づけられているという要件を一つ申し上げましたが、そのほかにも例えば、Cタイプ融資対象施設本体施設の機能と密接に関連して、この低利融資の対象になる施設が空間的な一体性を有するというような要件も考えたい。あるいはCタイプの本体施設の整備費に対する事業規模がそれ以下であるというような要件も考えていきたい。それから本体施設とこの低利融資の対象施設とが同一の事業者によって行われるというような要件も考えていきたい。いろいろなことを考えておりますけれども、基本は、おっしゃるような批判を招かないような運用をいたしたいというふうに考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 次に、国民金融公庫法の改正についてお伺いしたいと思います。  今回、進学資金貸付制度を教育資金貸付制度ということで、進学時に必要な資金のみならず在学中に必要な資金も融資できるようにしたということは、私どもとしては評価をしているわけでございます。しかしながら、この貸付限度額がやはり低過ぎるということを指摘せざるを得ない。今回、百万から百五十万になったことは評価できるわけですけれども、それでもやはり低いのではないかということでございます。  先ほども御指摘ありましたけれども、最近私立教育関係の団体が、首都圏の私大十九校に入学した新入生の家庭の家計負担を調査した結果を発表しております。それによりますと、自宅外通学者が負担する受験から入学に至る入学時の費用は平均百九十九万七千円、自宅通学者でさえも百三十四万円に上っておるわけでございます。これに毎月の仕送りが自宅外通学者の場合、平均で十二万円かかる。全体の八六%の家庭が、入学時の負担が重いというふうに感じております。また、二割の家庭がこの費用を何らかの借金で賄い、五割の家庭が本人のアルバイト収入をあらかじめ予定している。各家庭の年間所得を見ますと、一千万以上の家庭が進学者のうち、昨年四分の一だったのですけれども、ことしは三分の一にふえている。もちろん全体的な所得が上がっているということもありますけれども、それにしてもやはり所得の低い層ほど進学率は減少しているということで、最近は入試のほかに所得の壁も非常に高くなっているというのが現状だろう、こう思うわけでございます。  こうした状況を考えたときに、限度額を引き上げて、やはり行きたい人が行けるというような状況を少しでもつくっていくことが大事ではないかな、こう思うわけでございます。他の類似の制度、例えば財形貯蓄の進学融資制度、これも今回改正案が出されていますけれども、これが三百万から四百五十万円というふうになっておるわけでございまして、本法案の場合は、今回百万から百五十万、それに郵貯の教育貸付制度と合わせましても三百万ということで、もう少し引き上げて利用者の幅を広げるべきではないかな、このように思うわけでございますけれども、この点、いかがでしょうか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 貸付限度額についてのお尋ねでございますが、今さら申し上げるまでもございませんけれども、やはり国民金融公庫、沖縄開発金融公庫、それぞれ限られた財政資金でございますから、これをなるべく幅広い層に利用していただく必要があるというふうに考えるわけでございます。それで今回、ただいま委員の方からお話がございましたように、貸付限度額を百万円からさらに百五十万円に引き上げる。ただし、在学中の資金については内枠五十万円に定める、こういうことでございますが、このほか御案内のように教育積立郵便貯金の積み立て完了者は、これと合わせてやはり百五十万円まで融資を受けることができますので、それを足しますならば三百万円まで融資を受けることができますということが、申し上げたいことの一つでございます。  それから、実際の教育費負担との関係は、これは自己資金でカバーされる部分もかなりあると思いますし、それから政策金融機関は元来民間金融機関の補完を旨としているということでございますが、いろいろ統計の御指摘もございましたけれども、参考の一つとして、この貸付限度額を百五十万円としたことに関係いたしまして、今やはり一番多額の資金が必要となると思われますのは大学入学時の費用でございますが、これは私どもの持っておりますデータでは、入学時の費用として国立大学で百八十四万円、私立大学で二百三十四万円というような平均値も出ておりますということを考えまして、百五十万円というふうにさせていただきたいと思うわけでございます。  それから、内枠の五十万円の問題につきましても、これは実は今回資金使途としまして授業料など学校納付金とそれから下宿代などの住居に係る費用、それから通学に要する交通費、そういうものにさしあたり限定したいと考えておりますが、これらもやはり大学生の平均で年間八十八万円程度であるというような数字も見まして、そのようなところも考慮に入れながら五十万円と定めたいと考えているわけでございます。     〔大石(正)委員長代理退席、委員長着席〕

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これはぜひ貸付限度額については全体を高くしていただいて、その人によって必要額というのは当然違うわけでございますから、そういう幅を選択できるような額にしていただきたいということを要望申し上げておきます。  次に利息の問題でございますけれども、金利は毎年翌年度入学者に対する受け付けを始める十一月一日時点のプライムレートを適用することになっておりまして、現在八・三%ということでございますけれども、厳しい所得の方がお借りになるということでございますので、この利息がやはり高過ぎるのじゃないかというのが実感でございます。教育費の家計に与える影響を考えますと、例えば住宅金融公庫に対して現在行っておりますように、一般会計から利子補給をして、もっと低利で貸し付けるような仕組みはできないのかどうか、これについてはどうでしょうか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 国民金融公庫の教育ローンの位置づけでございますが、これは一時的に集中する教育資金の需要に対しまして、これに国民金融公庫や沖縄振興開発金融公庫が融資することによりまして、家計の経済的負担を平準化するというところに主な目的があるわけでございます。確かに扶養者なりそれから学生本人の資金的な事情から、いろいろと教育資金に不便を感ずる向きもそれはもちろんあろうかと思いますが、そのような観点からは別にやはり奨学、学をすすめるという観点で超低利または無利子で学資の貸与を行う制度といたしまして、日本育英会の奨学金制度がございますので、この国民金融公庫の方はそのような育英会の奨学金制度のように超低利または無利子で資金を供給するということを必ずしも目的とするものではないというふうに考えております。  ただし、現実のこの国民金融公庫などの教育ローンの金利は、他の例えば民間の教育ローンの金利などと比べますと、これはかなり有利な金利水準になっておりますようでございますので、民間の教育ローンの金利よりもこの国民公庫などのローンの金利の方が低い、大体においてそういうトレンドになってきているということは申し上げることができるのではないかと考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 民間の進学ローンに比べて利息が安いということはよく承知しておりますけれども、例えば今の奨学金等の関係、お話がありましたけれども、やはりそれで十分ではないのでこの貸し付けを希望している方が多いということも当然あると思いますので、ぜひ御考慮いただきたい、こう思います。  その次に、貸付期間の問題でございます。先ほども指摘いたしましたけれども、入学時、在学時合わせた負担は非常に大きいわけでございます。ところが、貸付期間が今回の改正によっても五年以内というのでは、融資を受ける人に非常に重い負担を強いることになりまして、利用の拡大を妨げる要因にもなるんじゃないか。据置期間、例えば大学ですと、四年ありますから卒業して一年で返済しなければいかぬということで、これは非常に負担が重いんじゃないかというふうに思うわけでございます。少なくとも、在学中の据え置きは当然ですけれども、貸付期間の延長がないと父兄の負担という面では変わらない。せめて在学中の据置期間分は貸付期間を延長するようなことはできないのかどうか、これについてお答えいただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 貸付期間についてのお尋ねでございますが、これは実は昨年改正をいたしまして、それまでは貸付期間五年以内ということでございましたけれども、昨年さらに六年、これで修業年限が四年以上の教育施設への進学の場合に六年というふうに改定をいたしました。  今回、ことし平成三年度におきましては、貸付期間自体の延長は予定しておらないのでございますが、返済猶予期間すなわち据置期間につきまして、従来一年以内であったものを「在学中かつ四年以内」に延長するというふうにしておるわけでございます。その結果、四年据え置きを選択しますと、選択しないこともできますが、選択いたしますと、これは大学四年在学中には据え置きであり、卒業後二年以内に借入金を返済することになるわけでございますが、そこの考え方をどう見るかでございますけれども、やはり学生は大体既に就職をして所得を稼得している状況にあると思われます。  さらに、通常の場合でございますが、これまでの進学ローンの実際の申込者は親が非常に多いわけでございますが、その親にとりましては、その子弟が卒業いたしますと、在学中の仕送り負担もなくなっているというはずでございますので、通常の場合は何とか返済をお願いすることができるのではないかと考えているわけでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 これは子供お一人であればいいのですけれども、次の子供がまた入学をしてくるということになるわけでございまして、例えば卒業後二年間で支払うということになりますと、百五十万借りますと利息つけてどのぐらいになるかわかりませんけれども、卒業して就職をして、すぐ二年間で百五十万返済をしなさいというのはかなり過酷な条件じゃないか。これは父兄が返すという前提になれば、それは今おっしゃったような議論が成り立つと思うのですけれども、本人が、父兄が大変なので借りて大学に進学をする、働いて返しなさい、こういうのが私は普通の親の考え方じゃないかというふうに思うわけでございまして、その点どうなんでしょうか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいまのお尋ねで、例えば百五十万円を借りる、それで四年据え置き後二年で返済をするとする、その場合の月々の返済額を計算すると、七万円になるようでございます。これを親が払うか卒業生が払うかということでございますが、大学の生協調べなどでは、大学生の子弟に対する親の仕送りは月々十万円程度であるというような話もございますので、その親の方から見ますと、その十万円が七万円に減るという計算もございます。ただ、もちろん子供が月給の中から返すということでございますと、これはなかなか七万円というのは容易ではないというお気持ちもあろうかと思いますが、やはりこれも一つの融資でございますので、大学教育をどのような資金手当てで受けるかというのは、それぞれこれは親の問題もありましょうし、それから本人の問題もありましょうが、一つの計画というものがなければいけない。やはりその計画の中にこのような条件も加味していろいろやりくりをしていただけないかと、とりあえずは考えておるわけでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 ぜひ卒業した子供が返せるようなシステムにしていただきたいというふうに要望いたしておきます。  次に、IMFの問題につきましてお尋ねしたいと思います。  今回の処置によりまして我が国の出資シェアが世界第二位になったわけでございます。当然、我が国の国際通貨に対する責任も、これは増加せざるを得ないわけでございまして、我が国は、IMF理事会にも単独で理事を出しておりますし、IMFの政策決定に大きな役割を果たすようになっている、このように認識しているわけでございます。世界の情勢、今回の湾岸問題による資金需要、湾岸復興だけでも一千億ドル近くかかる、こう言われておりますし、これが東欧やソ連、発展途上国に加えて借り手に加わってくるわけでございまして、金余りの八〇年代から金詰まりの九〇年代というふうにも言われておるわけでございます。こうした状況の中で、我が国に対する期待が非常に大きなものがあると思いますし、我が国が世界第一位の資金供給国になるんではないか、このようなことも予想されているわけでございます。したがって、我が国の金融政策が世界の経済に与える影響は非常に大きいものがございますし、反面、国内経済に対する影響も大きくなってくる。  一方、これと関連して、例えばODAに対する考え方、これはアメリカ等ではやはり外交政策、安全保障政策を遂行する上での重要な手段になってきているということを考えますと、我が国の金融政策あるいはODAというものに対する基本的な考え方、戦略というものをやはり明確にしていくべきではないか、このように思うわけでございますけれども、大臣の所感を承りたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今委員からお述べになりましたように、ODAというものを外交戦略あるいは経済戦略の一つの有力な手法として、その哲学の上に立って運用すべきであるという御指摘は、私もそのように考えます。そして、同時にそれが財政金融の立場からまいりました場合には、また国内経済その他の問題をも考慮しつつ運用されなければならない、その点についても私どもは全く基本的な考え方として異論がありません。むしろ今後、日本自身がいわば世界的な資金不足の中における数少ない供給国の立場に立たされました場合には、それだけの哲学を持ってその資金を動かしていかなければ世界経済に対してむしろ害悪をなす場合すらあり得ると考えております。委員の御指摘は、私はそのとおりに基本的に受けとめております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 そこで、外務省に来ていただいていると思いますが、私は、援助の基本というのはやはり貧しい国を助けるということにあると思いますけれども、先般のODAについて、武器輸出入の増加のぐあいなどの方針をODAの援助決定に反映させていく、こういう方針を持っているという報道がなされております。ODAの原則について、あるいは考え方について、我が国として国際的な軍縮あるいは経済的な安定などに寄与していくということは極めて重要であると思いますけれども、この武器輸出入等に関連させてこのODAの援助方針を決定していく、このような考え方が報道されておりますけれども、この内容、あるいはもしそういうことであればいつごろまでにその方針をお出しになるつもりなのか。

橋本宏外務大臣官房審議官

○橋本説明員 ただいま委員御指摘の軍事費等と援助との関連につきましては、今次国会の場におきまして総理大臣及び関係閣僚より累次表明されてきておりますように、政府部内で鋭意検討を進めてきております。現在その検討は詰めの段階に入っておりまして、できる限り早期に我が国としての立場を明らかにすべく、一層の努力を行っているところでございます。  委員御指摘のその検討の方向性ということにつきましては、軍事費、武器移転といった国際社会の平和と安定にかかわる問題に対する我が国としての基本姿勢を明らかにしていくことは極めて重要でありますが、同時に、被援助国側の国民生活の向上への貢献といったような経済協力の本旨を損なうことがないよう配慮することも必要であると考えております。御指摘の軍事費等と援助との関連の問題につきましては、我が国援助の基本的取り組みの中でいかに反映させていくか、前向きに、積極的に検討を進めてきているところでございます。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 大臣、前の委員会でも一度お話ししたことがあるのですけれども、私は、今回そういう指針をお出しになろうということについては、非常に大事なことだと思いますので、ぜひ早急にまとめていただきたいと思います。  ただ、この指針を政府が出すだけではなくて、やはりODA基本法というようなものを制定して日本としての基本的な方向性を明確にする、それについては国会も責任を持つということが大事ではないかと私は思うわけでございますけれども、ODA基本法というものを制定する考えはないかどうか、ぜひ御答弁いただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 またおしかりを受ける答弁を繰り返すことになりますが、私は、基本的にODA基本法というものは必ずしも必要のないものと考えております。と申しますよりも、現在既にございます各種のODAに関連する法律、これをいかに整合性を持って駆使するかということが必要な状態であると私は思っておりまして、屋上屋を架すと言ってはしかられるかもしれませんけれども、私は、この状況の中で基本法を上にかぶせる、それが現実に各制度を運営していく上において望ましい方向とはどうも思えないのです。先日来、各委員会で同じ御質問を受けてはしかられ続けておりますが、私はそういう感じを持っております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 このIMFの問題に関連いたしまして、ソ連に対する経済支援の問題でちょっとお尋ねしておきたいと思います。  我が国には政経不可分の原則がありまして、ソ連のIMF参加が実現して、IMFとして諸条件が整って対ソ融資に踏み切った場合、日ソ間で領土問題が未解決ならばなおかつその政経不可分を堅持していくのかどうか、逆に、領土問題が解決された場合でも、なおソ連経済が混乱している、IMF参加のめどが立たないという場合、我が国として独自に対ソ経済援助を行うのかどうか。言いかえますと、我が国の対ソ援助の留保条件というのはこの北方領土だけなのか、あるいは対ソ支援のできる環境は何なのか、この辺、大臣にお伺いしておきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 昨年のヒューストン・サミットにおきまして経済宣言の「ソ連」部分には幾つかのパラグラフがございます。そしてその中で、パラ四十五で、「IMF、世界銀行、OECD及び指名を受けた欧州復興開発銀行総裁に対し、欧州共同体委員会と緊密に協議しつつソ連経済に関する詳細な調査を実施し、その改革に関する勧告を行い、」という決議がなされました。そしてそのほかに、「我々は、北方領土に関するソ連との紛争の平和的な解決が日本政府にとり有する重要性に留意した。」というパラ四十六を日本の要請によってここへはめ込んだわけであります。  こうした状況を考えますとき、私どもは、まず第一に、仮に領土問題が解決されました場合におきましても、対ソ金融支援というものにつきましては、この四機関の分析の結果明らかになりましたソ連国内の政治経済情勢、すなわち政治経済改革の進展、連邦と共和国の責任関係の明確化など幾つか指摘をされておりますが、こういうものに十分配意していく必要がありますし、この点で私は、西側諸国との協調に留意する必要があると考えております。  また、北方領土問題というものを全く解決しないままに、棚上げをしたまま経済関係を進めるかということでありますならば、私どもは日本としてそのような無原則な政経分離はとらないという方針を政府として確認しておるわけでありまして、北方領土の問題が解決をいたしましても今申し上げたような隘路がある、この点については西側諸国と共同歩調をとる必要がある、そのように考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 それでは、外為法の改正についてお伺いしたいと思います。  対内直接投資につきまして、今回一部の例外を除きまして事前届け出制から基本的には事後報告制になったわけでございますけれども、過去、この事前届け出制があったがゆえに対内直接投資の障害になった具体的な事例というのはあるのかどうか、これをちょっと確認しておきたいと思います。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 現在の対内直接投資に関する規定が外為法の改正で取り入れられましてから十年ほどたっているわけでございますが、その間もう大部分のものはこの規定のもとで一カ月の審査期間も要せずに即日処理をされてきたわけでございますし、この現在の規定のもとで、場合によっては四カ月間審査の期間を延長し得るという規定がございますが、原則でございます三十日間の期間を延長したのは一件だけだったと聞いております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 そういたしますと、今回の改正で具体的に、日米間で問題になっておりました対内直接投資についていろいろな障害があるのではないかというようなことについては具体的な前進というのは余りないのじゃないか、こう思うわけでございますけれども、今回のことによって日米関係改善、多少なりともよくなるのかどうか。私はどうもPRが非常に不足しているのじゃないかというふうに思うわけでございまして、そのことも含めて、日米関係がどの程度改善されるのかということについて。

千野忠男大蔵省国際金融局長

○千野政府委員 これまでも我が国の対内直投についての制度は実態的には開放的なものであったと思いますが、法律の書き方がある意味で閉鎖的であるかのごとき印象を与える嫌いはあったと思います。その点を明確にしまして、非常に開放的、透明なものとして諸外国から正確に認識をしてもらい、無用の誤解を除去するということが主たる目的でございます。  しかし同時に、現行の事前届け出制を原則として事後報告で足りることにするということも今回織り込んでおるわけでございます。したがいまして、この面では、外国投資家にとりましては非常に事務手続が簡素化される。これまでは契約の作業を進めるとともに、同時に届け出作業をやっていかなければいかぬ。ところが今回は、大部分のものにつきましてはこれが事後報告で足りるということでございますので、実際の外国投資家にとって非常に手続は簡素化されるわけでございます。かつまた、外国投資家の判断で機動的に投資をできるということになりますので、これは数量的に、定量的に申し上げることは難しゅうございますけれども、外国投資家の対内直接投資の誘因を補強する面で相当な寄与があるものと考えております。御指摘のように、こういった面を海外に十分よく説明をしてまいりたいと考えております。

井上義久公明党・国民会議

○井上(義)委員 以上で終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 山原健二郎君。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 時間の関係がありますので、最初に、四法案一括審議でありますから、質問に入る前に法案に対する見解を述べておきたいと思います。  開発銀行法案は、その融資対象を拡大し、東京湾横断道路の建設などビッグプロジェクト等、一層大企業本位に使えるようにし、また、いわゆるNTT無利子融資制度を拡大し、超低金利資金を直接大企業に貸し出す道につながるもので、反対であります。  IMF増資法案は、アメリカの新たな世界支配としての経済援助や累積債務戦略に我が国が協力し、負担を肩がわりする性格を持つものと言わざるを得ないので、反対をいたします。  また、外為法改正法案は、我が国への直接投資及び技術導入契約を基本的に野放しにすることになり、我が国経済の自主性確保の立場から反対であります。  国民金融公庫法改正案につきましては、一定の改善法案であり、賛成をする決意であります。  本日の質問は極めて短時間でありますので、この国民金融公庫法に関連をしまして、特に我が国の異常に高い学費問題に限って質問をいたします。  この法案の提出の理由の中に、最近の高等学校、大学等について「教育を受けるために必要な資金の負担増大の状況にかんがみ、」と書かれていますが、今日、日本における学費の高騰は異常であります。まず、この金融公庫の進学資金貸付実績を見ますと、四年前、八七年に三百三億円、二年前の八九年には九百三十億円、三年間だけで三倍にもふえております。今度の新聞によりますと九一年度が一千億を超す、こういう状態ですね。  まず橋本大蔵大臣にお伺いしたいのですが、このように高校進学や大学進学に当たって進学貸付制度を利用しなければならないという現実ですね。しかもこの利用者が急増しているという状況は果たして好ましいことなのかどうか、この点をお伺いしておきたいのですが、大蔵大臣としてどうお考えでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 近年、進学資金貸し付けの貸出実績が伸びておりますのは、今委員がお述べになりました数字のとおりであります。これはこの間の教育費の増加による影響もある、それは否定をいたしませんけれども、それだけではなく、本融資制度というものが発足後十年を経過し、国民の理解が深まってきたこと、また近年、貸し付け条件を改善してまいりました結果、利用しやすいものになったということが大きいものであると私は考えております。  今回、法改正を行い、進学資金貸付制度を教育資金貸付制度に拡充して、在学中に必要となる教育資金を融資対象に加えることをお願いしているわけでございますが、こうした制度改善によって本制度がより国民に親しまれるものになることを期待しております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 では、この点について、本来ならば国の施策によって学費を軽減し、このような貸付制度に頼らなくとも進学できるような水準にまで学費を抑えることが政府の責任ではないかという立場から私は質問申し上げているわけですが、学費の推移を見ますと、ちょうど私、国会へ出たときが六九年ですが、そのときは一方六千円でしたね。それが九一年度では五十八万千六百円になっています。七〇年を一〇〇としますと九〇年度の納付金は実に三四一〇、三十四倍の伸びを示しているわけですね。この間の消費者物価指数は二八八で、物価指数の十一・八倍の上昇ぶりでございまして、まさに天井知らずのウナギ登り、こういう状態です。  これが国民生活に深刻な問題を投げかけているのも事実でございまして、一昨年、八九年版の国民生活白書でも、大学教育費が伸びる中で「おおよそ世帯主の年齢が四十九歳から五十五歳にかけて家計の収支が赤字となる。」と指摘をしております。大学に二人の子供が入っている場合、年間の赤字は二百万円に達している。これはもう限界ではないかというのが今子供たちを持っている親たちの気持ちでございます。そして、大蔵省は毎年の予算編成の際に、授業料、入学料、検定料の値上げを繰り返して行ってきたわけでございますけれども、こういうやり方をもう考えるべきではないか。私は大臣に、これ以上の学費の値上げは行わないということをぜひ言明していただきたいと思いますが、この点について見解を伺っておきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、委員の視点からお調べになった数字を挙げて御議論を展開されましたが、出生率が低下をいたしておりますにかかわらず、我が国の予算における教育投資の占める比率というものはほとんど変化をしておらないという実態も、またこの機会に申し上げなければなりません。  それで、その中で国立学校の学生納付金につきましては、臨時行政調査会の答申あるいは財政制度審議会報告等におきまして、私立大学との均衡などを考慮し、順次適正化を図るべきであるという御指摘がございます。学生納付金の改定につきましては、こうした御指摘も踏まえながら、従来から国立学校特別会計予算の充実あるいは私立大学との均衡等を考慮しながら、諸般の情勢を総合的に勘案し、逐次改定してきておるところであります。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 各国との比較は単純にできないと私は思いますけれども、高等教育にかかる費用総額の中で学生納付金の割合を見ますと、イギリス、西ドイツは学生納付金はゼロで、国・地方、連邦・州による公財政負担が一〇〇%、フランスも公支出が九二%となっています。ところが日本の場合、学生納付金による負担が三四%、国・地方で四七%でございまして、異常に学生納付金に頼っているわけですね。こうした傾向を改めるべきではないかという声がもう非常に高いのですね。  ことしの二月に出されました大学審議会答申でも「我が国の高等教育に対する公財政支出は、先進諸国に較べ国全体の経済規模から見ても十分なものではない」と指摘をしているのでございまして、公的支出を増大し、学費を抑えるべきであるというのが、これはまさに今国民的世論だと私は思うのでございます。したがって、私学につきましても、最近私の手元へ東京の私立大学教職員組合連合が資料をよこしておりますけれども、受験から私立大学入学までの費用は、自宅通学生で百三十五万円、自宅外通学生は二百万円、医歯科系が五百十八万円、仕送り額が月十二万円かかると調査結果をまとめております。しかも、二人を私学に送るなどということになりますと大変なことでございまして、こうして今新入生世帯の年収分布が上層に移動しまして、総収入八百万円以上の世帯が八四年の二四%から昨年度、九〇年度では五七・八%を占めるまでに低所得者世帯が減る傾向になっています。すなわち、親の所得によって大学に入れないという、教育の機会の均等を脅かす状態になっていることはもう間違いありません。  こうした状態を私は放置すべきではない。だから、大蔵省としてもこれを助長すべきではない。したがって、国立学校特別会計への一般会計の繰り入れの増額による学費の軽減、または私学助成の増額による学費の軽減をとるべきであると思うのでございます。これは教育関係の文教委員会等ではしばしば問題になっておるところでございますけれども、私は一度大蔵大臣にこの問題についてお伺いして、少なくとも前向きの御答弁をいただきたいと思って、きょうこの機会があったことを大変喜んでいるわけでございます。この点について大蔵大臣のできれば前向きの、今の国民感情に合った答弁をいただきたいのですが、いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私自身が本年度大学院に入学いたします子供一人、大学に在学中の子供一人、私立の高等学校在学中の子供一人、なお小学生も一名、現にその父兄負担をいたしております。  しかし、私学助成というものにつきましては、私立学校自身によります教育、研究の条件の維持向上というものに対する自立的な経営努力というものを基礎としながら、厳しい国の財政事情や累次の臨調、行革審答申の指摘を踏まえながら対処してまいりました。そして、例えば昭和五十八年度には私立大学等の大型の教育研究装置に対する補助金制度を創設し、私立大学等経常費補助におきまして特別補助の充実に努めるなど、その内容の充実に努めてきました。これは委員がよく御承知のとおりであります。  平成三年度の予算におきましても、厳しい財政事情の中でありますけれども、私立大学等経常費補助金につきまして前年度に比べ三十九億円の増を確保いたしますと同時に、引き続き特別補助の充実を図るなど、内容の効率化、重点化等に努めてきました。私学助成につきましては、今後とも財政事情、私学の役割などを総合的に勘案しながら、適切に対処してまいりたいと考えております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 最後に一問。これはこの質問をするに当たって寄せられた親たちの声の一つです。これは今回東京地区の私立大学関係の資料の中からとったものですが、「私共はサラリーマンですが、年子の為、大学(私学)へ二人の子供を通学させて居ます。二人以上通学させて居る場合、何らかの援助、あるいは免除等のシステムが設けられたら、随分助かるのではないでしょうか。」というのが一つです。  もう一つは、「当方は、早大四年生、法政大二年生と中央大一年生と、三人の私大生をかかえています。父は一たん定年し、第二の会社であるのに一年の収入が一千万円少しのため、奨学金は受けたくても受けられないのです。家庭内にこのように複数の大学生のいる場合は奨学金を受けられるようにしてほしい。」というのですが、どうでしょうか。これは全く救済措置がないわけではございませんけれども、しかし、もっと手厚い、これらの願いに応じた適切な体制をとるべきではないか。特に、文部省とも検討すべき問題だろうと思いますけれども、大蔵省としてもこれらのことについてはできるだけ救済の措置を講じていただきたいと思いますが、この点についてお答えをいただきたいのです。

藤井威大蔵省主計局次長

○藤井(威)政府委員 現在の教育に対する我が国の財政の全般にわたる御質問だというふうに考えます。  個々に申し上げますれば、国立学校等に対する授業料や入学検定料等の問題、あるいは国費をどれぐらい繰り入れていくかというような問題、それから私学助成に対してどういう態度をとっていくかというような問題につきましては、大蔵大臣がただいま御答弁申し上げたとおりでございまして、我々事務当局といたしましても、大蔵大臣の申し上げたような線で考えていきたいというふうに考えております。  そのほか、教育全体として予算をどういうふうに考えていくか、それはそれなりに育英資金制度等の内容改善等も、厳しい財政事情の中で予算を重点的、効率的に、どうしても無制限に予算をつけるというわけにいきませんので、そういう厳しい財政状況という制約条件の中で、できる限りの重点化をして予算を編成していきたい。これは従来からやってきたことでございますけれども、今後ともそういうふうにしていきたいと思っております。

山原健二郎日本共産党

○山原委員 実態を挙げて申し上げたものですから、なお検討を要請して、時間が参りましたので、終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 私どもは今回審議されております四つの法案、賛成であります。持ち時間が十一分でありますので、法案の中身に入っておられませんので、二、三の重要な点について大臣に簡単にお尋ねをして質疑にかえたい、このように思います。  大臣、週末に欧州復興開発銀行設立総会、G7に御出席、非常に重要な会議だと思います。承れば十六日に御帰国、委員会の日程等をお考えいただいて、無理やりお帰りいただくと聞かしていただいております。政治改革の中でこういう重要な会議、国会の日程ではしょって帰らなければならないというのはどうだろうという議論を今積極的にしていきたい、このように私どもは考えております。  それはさておきまして、この設立総会あるいはそれに前後して行われますG7会議でどんなことが主な主題となって議論をされるのか、また、それに対して日本はどういう主張あるいは基本的な立場をもって臨もうとされておるのか、簡単にお聞かせをいただきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、委員からG7というお話をいただきましたが、正式には、実は中央銀行総裁を同伴いたしませんので、G7構成国の大蔵大臣のみの非公式会合という性格になろうと今私は予測をいたしております。そして、中央銀行総裁を同伴しておりませんことから、例えば金利水準とか為替といった問題は議題から排除される、そう思います。  そして、一番今私自身がテーマとなるであろうと思っておりますのは、要するに中東の湾岸の復興に要する経費というもののあり方、これは規模もありましょうし、内容等も両方の面でありますが、こうした問題はテーマとして出てくる可能性が多分にあり得る。また、中東の経済改革の進展の中で、その延長線上にソ連というものを位置づけてまいりました大陸諸国と、それとは異なった立場をとっておりました私どもとの間、恐らく対ソ経済支援というものをどう考えていくかというのがもう一つのテーマであろうと思います。  そのほかに出てまいるとするならば、アメリカが今回のIDB総会におきまして中南米投資基金というものを非常に積極的にアプローチをし、日本としては応分の資金拠出を行う用意がある旨を表明したわけでありますが、ヨーロッパ勢はこれに対して、非常に冷淡と言っては言い過ぎでありましょうけれども、消極的でありました。こうした問題ももう一つのテーマ足り得るか。直前の会合でありますから、この影響がどう出るか。大体その程度の問題はそこで議論になるのではないか。その場合に日本として、ゴルバチョフ大統領の訪日直前という時期でもあり、また昨年のヒューストン・サミット以来の経緯もありますので、その範囲内でこの問題に対応せざるを得ないと考えております。  また、湾岸における資金の今後の推移と申しますものにつきましては、肝心の中東の国々からほとんど意見の出ていない状況の中で、それを離れて突出することが可能かどうか、むしろIMF・世銀等、こうした問題についての能力を持っているグループというものが現に存在するわけでありますから、こうしたところを十分に活用していくべきではないかという意見は私は述べたいと思っております。  中南米における多国間投資基金というものの提案につきましては、恐らくアメリカと日本は欧州勢を共同で説得するといった状況になろうか、そのようなスタンスで臨みたいと思っております。

中井洽民社党

○中井委員 そのIDBの多国間の投資基金でありますが、従来アメリカの議会をなかなか通過していない、またヨーロッパ諸国がかなり消極的だ、こういう形で、日本政府も余り積極的じゃなかったと私どもは仄聞をいたしておりますが、にわかに積極的に五年間五億ドル拠出をされる、こういう決定をされて、アメリカと一緒にヨーロッパを説得しようとされる理由、これは何だろうか、このことをお聞かせをいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 誤解があるといけませんので一点申し上げたいと存じますけれども、我々はまだ金額についてコミットをいたしておりません。応分の資金の拠出を行う用意があるという意図表明にとどまっております。そして、この基金そのものがまだ具体的な仕組み等が明らかになっておりません。基金の仕組みが明らかでない状況で、資金拠出の金額のみが先行するということは我々として好むことではありませんので、コミットをいたしておらないわけであります。  ただ問題は、やはりこれだけ多数の日系人が、そして日本人が現に生活し、それぞれの地域に根づき、その限りにおきまして地理的な縁も生まれ、歴史的な縁も生まれております中南米諸国と申しますものは、私は、アジアに次いで日本として地理的に近い縁故を持つ地域、そのように考えております。それだけに、この地域における経済調整のプログラムがそれぞれの国に生まれてくることを我々は期待してまいりましたが、そうした中において同じような舞台でこれを進めていきたい、そのように考えた次第であります。

中井洽民社党

○中井委員 対ソ問題について先ほどからも御議論ございました。大蔵大臣のお話のありました対ソビエト資金援助に対する西側諸国の現在の空気等、私はそのとおりであろうかと思います。私も去年ソビエトへ行きまして、前にも委員会で申し上げたかもわかりませんが、例えばチェルノブイリ原発の事故の後処理、三年近くたっていまだに窓口が決まっていない。同時に、ある責任者の方が、ゴルバチョフに渡すな、共和国には金が来ないんだ、こういうことをはっきり言われる。これは大変だなという思いを抱いてまいりました。したがって、そういう対応で共同歩調をとられることは私どもは大変結構なことだと考えております。  しかし一方では、御議論のありました北方領土の問題もございます。この領土に絡んで、政府としては解決なり前進があるならばかなりの経済援助をしよう、こういう御方針を御議論なさっておるのか、あるいはお決めになっておるのか、このことが一点。  もう一点は、自民党の小沢前幹事長が訪ソされて、いろいろと成果があった、なかったという報道がなされておりますが、それらの報道の中で盛んに、北方領土に前進があるならば多額の資金援助をするということを伝えたということも伝えられております。これらのことを政府としては御報告を受けておられるのかどうか、この二点についてお答えをいただきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 第二点につきましては、小沢前幹事長から私自身が伺ったことでありますが、金額云々といった話は出ていないし、自分は出していない。そして、例えば金で領土を買うような行動を日本側がとった場合、ソ連側としては対応はできなくなる。自分としてもそのようなことは理解しており、そのような数字を出しての交渉といったことは全くしていない、心配しないでいただきたいということでありました。そしてまた、これは外務省、通産省ももしおられれば恐らく同じ答えをされると思いますが、そうした数字の御相談を我々は受けておりません。  また、政府といたしましても、北方四島が返還されました後のさまざまな対応というものはあり得ることではありますけれども、事前に例えばこういう援助をその四島との見返りでといったような考え方をとった議論は一切いたしておりません。それはむしろソ連側の交渉当事者であるゴルバチョフ大統領の立場を苦しくするばかりでありまして、現に日本のマスコミにいろいろな数字が踊ったことだけでも、相当大統領は苦しい思いをしておられると聞いております。どこの国でも金で自国の領土を売り渡す、我々からすれば日本の領土でありますけれども、ソ連から見ればソ連の領土と思っておるものを金で売り渡す、これはどこの国民でも納得のできることではありますまい。そして、今日、そのようなことはないと思います。そして、私どもがそのような考え方でこの交渉に当たろうとしていないということは、正式に申し上げておきたいと思います。

中井洽民社党

○中井委員 先ほど社会党の同僚の議員の方から御意見がございましたけれども、本当に対外経済援助、資金援助、これからもますます多方面から、また時期を問わず日本に対して注文が来る。これに対して私どもは、できる限りのことをさせていただければいいけれども、やはり基本理念というものを持たなければならないと思うのであります。これらについては私ども国会も責任を持って論議を煮詰めていけばいいと思いますが、例えばその中南米の基金なんかでも、確かに大蔵大臣おっしゃるように中南米と日本は格別の深い関係にありますけれども、しかし、これに消極的なヨーロッパ諸国は、日本よりもっと深い中南米との関係を持っているわけであります。それらの国が消極的だということも十分配慮をしていかなければならない。そうでなければ何か九十億ドルの目減り分をこっちで払うのか、こういう国民感情が出てくる。  あるいはもう一つは、政府や自民党さんにお願いをしたいのは、対外援助をやるのは結構だけれども、だれが責任者なのだろう。何か過去にも、もうやめる間際の総理大臣がお行きになってお金をばらまいてこられる。こんなことは本当に国民から見ると随分だな、いいかげんだなという思いもあるわけであります。対外的な責任体制、どういう形で決めていくのか、どういう理念で決めていくのか。お持ちでおやりをいただいておるとは思いますけれども、国民や私どもから見ると、ちょっと応急措置ばかりじゃないかという感じを 抱かざるを得ません。  賢明なる大蔵大臣でありますから、その点を十分御配慮いただき、政府内でもそういった体制がとれる形で、国民の税金が世界の中で有効に使われることを希望いたしまして、質問を終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに各案について採決に入ります。  まず、日本開発銀行法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、国民金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕      ────◇─────

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  地価税法案審査のため、来る十二日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る十二日金曜日午前九時四十分理事会、午前九時五十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時一分散会

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