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120回国会衆議院1991/02/13

大蔵委員会 第3号

発言数
115
登壇者
21
会派数
5
開催日
1991/02/13

会議録

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これより会議を開きます。  国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  各件調査のため、本日、参考人として日本銀行理事福井俊彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     ─────────────

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 大臣は、予算委員会で大変長い間御苦労さまでありました。また、きょうは日銀の方、この間も予算委員会の方はテレビで拝見しておりました、重複するところは避けたいと思います。  本日は、大蔵大臣の所信表明に対する質問ということになります。多士済々の各委員がおりますけれども、先陣を切って私の方から二、三についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  最初に、日銀の関係で福井理事においでをいただいておりますから簡単に申し上げますと、ソ連にしてもECにしても東欧諸国にしても、中近東ももちろんでありますが、東南アジア、アメリカ、大体地球の全体を見て各国の財政事情というものは極めて厳しい状況にある。もしこの湾岸の戦争が終了した後を想定すると、食糧であれ日用品であれ、異常な生活必需品の需要に迫られてくるであろう、しかし資金は大変不足をしておる、こういう状況にありますから、日本が果たすべき役割というものは、戦後負うべき責任が、責任というよりも役割が極めて大きいというふうに想定されます。  そういう意味においては、日本の経済がある程度、ある程度というよりしっかりと健全財政できちっとやっていかなければならぬ、そういう一つの役割は存すると思うのでありますが、この世界的資金不足による日本の経済運営、財政というものを考えますと、今の金利は私はおおむね妥当なもの、若干低いかなと思うくらいでありますが、妥当なものだと思っておるわけでありますが、日銀としては、この世界的な資金不足というものが招来すると思うかどうかということが一つ。それから、インフレをそれで抑え切れるかどうかということ。それから、その資金不足に対して日本がどう役割を果たすのか。日銀の立場からもし御見解があればまたお示しをいただきたい、このように思います。

福井俊彦日本銀行理事

○福井参考人 お答えを申し上げます。  ただいま沢田委員から、いわば一九九〇年代の世界経済の運営全般にわたる大変基本的な御質問をちょうだいしたというふうに感じます。その中でも、日本それから日本の金融政策の役割いかんというふうな御趣旨のお尋ねではなかったかというふうに受けとめさせていただきました。  一九九〇年代の世界経済は、もちろん日本を含みます先進主要国が引き続き一段と高いレベルの経済パフォーマンスを追求していかなければならないことは申すまでもございませんが、八〇年代から引き続き持ち越しておりますLDCの経済のレベルアップの問題もございます。さらに、ただいま沢田先生御指摘のとおり、東欧諸国の経済のレベルアップという新しい問題も抱えるに至っております。さらに、これも沢田先生の御指摘のとおりでございますが、私どもが希望しておりますとおり湾岸戦争が一刻も早く終わって、みずから破壊した経済的な痕跡をみずからの力でこれを復興させていかなければいかぬ。経済的にいいますれば、こうした復興需要にも適切にこたえていかなければならないという世界経済的な課題があるわけでございます。これらすべての課題が一九九〇年代長きにわたって世界的に新しい資金需要として起こってくるわけでございまして、物事を処理いたしますいわゆる事前の段階からいえば、世間一般に言われておりますとおり大きな資金不足があり、それにいかに対応していくかという問題があることは御指摘のとおりでございます。     〔委員長退席、村井委員長代理着席〕  ただ、大変大きな問題でございますので、私の答えがどうしても原則論的になることはお許しいただきたいと思いますけれども、お金の問題というのは、新しい仕事をしていきますときに、新しい段階ではなかなかつきにくい。これは国内での事業のことを考えても御理解いただけると思いますが、しかし、その仕事がうまく円滑に動き出せばお金というものは自然についてくる部分、あるいはつけようと思ってつきやすくなっていく、そういう性格を備えたものでございます。したがいまして、この九〇年代を展望して大きな資金不足があるといいましても、問題のポイントは、お金がいかにしてつきやすくなるかという実体的な条件をいかに整えていくかということではないかと思います。  先生御指摘の九〇年代の経済の展望を前提にいたしますと、これを平たく言えば、世界経済のレベルアップに、そのレースに参加してくるメンバーがだんだんふえてくる、つまり間口の広い経済になっていくということであります。それを、一定の制約があります資源を一層有効に活用していく。そして環境の問題も一つの制約でございますが、地球に優しい経済運営という言葉が最近出てきておりますけれども、世界的にそういう姿でこれを実現していく。その姿の根本のところは、我々日本を含めました先進国について言えば、むだな消費を省く。従来からも消費が決してむだに行われてきたとは思っておりませんけれども、しかし今後の世界経済を考えますと、ますますむだの少ない消費が必要だ。それから企業の生産活動について言えば.これはもう日本は先頭を切って省資源、効率的な生産体制をこれまで築いてきておりますけれども、今後の世界経済を乗り切っていくにこれで十分かといえばまだまだ不十分、一層省資源的な生産活動体制を整えていくということがどうしても基本になると思いますし、それから、これから経済のレベルアップを実現していこうとしているさまざまな国、これは東欧諸国についても同様でございますけれども、これはそれぞれ属しております国の方々がこれから経済にキャッチアップしていくわけですから大変きついわけでありますけれども、やはり必要な消費はするけれども、同時に貯蓄という心を初めから持つということが大変大事だと思いますし、その貯蓄を極力投資に振り向けて、これらの国々においても投資活動、そして有効な生産活動の芽を着実に築いていく、これが大変重要なことではないかというふうに考えております。  これを全体、先進国、それから、これからキャッチアップを要する国あるいは戦争の被害を受けて復興をしなければいけない国、すべて含めまして言えますことは、貯蓄の重要性、そしてそれを投資に有効に振り向けて、貯蓄・投資のメカニズムを有効に働かす、その中に資源節約ということが一層厳しく効いてくる、そういうメカニズムを働かせることが非常に大事じゃないかというふうに思います。そうしたメカニズムが、これは一挙に築くことは大変難しゅうございますが、少しずつでも芽生え、かつそれが持続するのだということがはっきりしてまいりますれば、お金というものはかなり自然についていくものではないかという気がいたします。先進国の持っております貯蓄が、これが援助という形を通じたりあるいは融資という形を通じてこれから経済のレベルアップを図っていく国々の必要な投資に資金が振り向けられるようになるでありましょうし、もしそれで足りなければ、これだけ信用メカニズムが世界的に発達している現代の世界経済におきましては、必要な追加資金は必ず有効な信用拡大でもって賄われるということでございます。そういうメカニズムが働けば、いわゆるインフレを起こすことなく、徐々に貯蓄・投資のメカニズムが有効に働いて、世界経済の拡大再生産、しかも省資源を伴いながらの望ましいパスという実現の道がだんだん見えてくるのではないかという気がいたします。  そういう前提条件を整えないで、仮に無理をして資金を用意したらどういうことになるかと申しますと、その資金はやはり経済のレベルアップに必要な貯蓄・投資メカニズムを作動させない資金として使われる、つまり単純に言いますと、その資金は消費のために費消されるという形になります。そうしますと、生産力の向上も伴わないということでございますので、結果としては、せっかく用意した資金が世界経済にとってはインフレ的な影響を残す資金として尾を引くということになるわけでございます。  したがいまして、繰り返しになりますけれども、事前的に見た資金不足は大きいけれども、前提条件をこれからみんなで苦労して整えていけば必ず資金というのはつく条件が出てくるし、結果として資金不足の問題を乗り越えていくことは十分可能じゃないか。  日本の金融政策について申し上げますれば、引き続き世界経済の中で、物価安定を軸に持続的な経済成長のパスをしっかり確保していくということが一番基本になると思いますし、これは金融政策だけではできませんけれども、今後の世界経済に参加者が非常に多くなるということを考えれば、環境を含めて広い意味の資源節約の、広い意味の経済政策のバックアップを十分受けながら金融政策の成果も上げていく必要がある、こういうふうに考えている次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 忙しいところを御苦労さまです。まだ若干議論するところはなしといたしませんけれども、余り右顧左べんせず、ひとつ初心を貫いて、今の健全財政を保てるように日銀の自主的な、中立的な立場を堅持していただくことを特にお願いして、どうぞお引き取りいただいて結構です。またいずれ論戦したいと思います。どうもありがとうございました。  あと大蔵大臣、大変御苦労さんでありますが、今のような世界的な中に、例えば九十億ドル出す。例えばと前提をくっつけておきます。これは一兆円ですね。これを製品で送るとすると、大体七回転ぐらいはするのだろうと思うのですね。九十億を国内で使って、包帯にしろあるいは車両にしろ何にしろ、とにかく品物でやるとなれば民間企業その他の活性化にもなるでしょうし、そして製品化されて送るということになれば、恐らく七兆円ぐらいのGNPには最低限度上がっていくと思うのですね。そういう論理は、大臣当然お含みいただいているものだろうと思うのでありますが、そういう論理は御理解いただけますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、日銀のお話を承りながら、お金は自然についてくる、我が身に引き比べてそういうふうについてくるものなのかなと思いながら拝聴いたしておりました。  その途端に今の委員の御指摘でありまして、そのお金がお金のままで動くのと商品に変化をして動くのとというお尋ねでありますけれども、私は、いずれにせよどこかの場所でそのお金は、物であるかサービスであるか、どういう形であれ動いていくと思います。たまたま今委員は、そのお金が国内で動いた場合を例に挙げられましたが、先ほどの日銀のお答えの前の委員の設問から通して考えますならば、そのお金は世界経済の中において、いずこであれ、動くことによりそれなりの価値を生ずる、そのようなことであろうと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 若干これには見解の差が出てきそうですから、始まりますとそれは、人の血もそれに入るんだということにもなりかねませんので、そこまで波及するとこれはまたうちの委員会の範疇ではないのかもわかりませんので。  ただ、この忙しい時期に決めたという経緯もあるだろうと思いますが、これからそういう世界的な資金不足が招来する場合の日本の役割というものが、私は大きくかぶってくるなという盛じがするのでありますが、その点、大蔵大臣は戦後の経済情勢というものをどういうふうに、そのころは総理大臣になっているかもわかりませんが、なってないかもしれませんで、下野しちゃっていれば我々の方がなっているかもわかりませんが、それは別としまして、大臣としてはどのように展望しておりますか。その点お聞かせいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 湾岸における戦闘行為の勃発以前から私どもが、例えばG7の場におきまして非常に心配をして論議をしておりましたテーマが幾つかございました。  一つは、累積債務国問題であります。また、社会主義経済の道から資本主義経済、市場経済への転換を図ろうとしております東欧諸国に対する資金需要、これをどう賄っていくか、これがもう一つの問題でありました。そして、当初は、例えばECの方々、大陸諸国から見るとその東欧支援の延長線上としてとらえて提起をされておられたソ連に対する経済支援をどう位置づけるかというテーマがございました。残念ながら今日バルト三国における状況がG7の中におきましても論議の方向を変えまして、対ソ経済支援という問題は先般のG7でも論議がされないまま現状が固定された状況にございます。さらに、日本の立場といたしましては、天安門事件以来国際的に孤立の状況にあります中国というもの、これを一体どうしていけばいいのか。殊に第八次五カ年計画がつくられました状況の中で、これを世界の各国はサポートするのかしないのか、こうした問題のとらえ方もございました。  その上に今回の湾岸の戦闘というものが勃発をしたわけでありまして、この戦闘がいずれにせよ終結をいたしますと、当然旺盛な資金需要というものはこの地域にも生ずるわけでございます。  これらの膨大な投資需要というものに対して、それに見合う貯蓄が不足しておる、またそこから生ずるかもしれない金利上昇のおそれ、これは確かに御指摘のとおりであります。主要国が引き続きその協調を保ちながら、予想される資金不足に対してどう対応していくか、それはまさにこれからのG7における最大の論議のテーマであろうと私は存じますし、そのためには、各国、少なくとも主要先進国それぞれが、今後も健全な財政政策と安定志向の金融政策というものによりまして、世界的な金利の低下、世界経済の強化というものをより容易にする環境をつくり上げる必要があると私どもとしては考えております。  そうした意味におきましては、G7に代表されます先進主要国の協調とともに、IMF・世銀等国際金融機関というものが果たす役割というものはより大きくなるでありましょうし、その適切な行動というものが強く期待される状態を我々としては想定せざるを得ない、そのように考えております。     〔村井委員長代理退席、委員長着席〕

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 大臣、しばらくほかの質問にいきますからちょっと休んでいて結構ですよ。  中東問題に入りまして、防衛庁、ベトナムの戦争もあり朝鮮の戦争もあり前大戦もありましたが、今度のイラクとアメリカの戦争を我々は生で、テレビで見ていながら、どこへ爆弾がおっこちるのか、そういうことまでわかるし、破片がどっちの方へ吹っ飛んでいくのかわかるし、人のいない、忍者の合戦みたいなものでそれぞれがやっている。防衛庁、今まで考えていた発想からとにかく大転換しなければならぬかなと感じたんじゃないかということが感じられますが、細かいことはさておいて、防衛庁全体の考えている原点が今度の戦争の経過を見れば大転換して、防衛計画を立て直さなくてはならぬ、そういうふうに感じているんじゃないかと思うのですが、まだ防衛会議を開かないとか、いろいろ手続はあるでしょう、手続はあるでしょうけれども、担当者から見てどのように感じたか。念のため言えば、大東亜戦争のときにレーダーがあったかなかったかが大東亜戦争の興廃を決めた、こういう経験もあるわけですから、その意味において今度の戦況が教えてくれた教訓は何だったのか、ちょっと二、三、三つでいいです、こういう点とこういう点とこういう点だと、余り余計言われても困るから、三つだけそういう点を言ってください。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 確かに最新の兵器が駆使されているわけでございますが、私ども防衛力の整備に当たりましては、そもそも国土、国情に合ったものということ、あるいは周辺諸国あるいは国際的な軍事技術の動向といったものを見つつ、さればといいまして最新兵器を全部そろえればいいといったようなものでもございませんで、そこは効率的でかつ節度のある防衛力の整備という考え方で整備してきておるわけでございまして、私ども、今回の戦闘を見ましても、そういう考え方はやはり今後とっていく必要があるんじゃないかなというふうに感じているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 アメリカの立場に——武器はどっちでも同じなんですよ。日本が例えばイラクの立場に立ってみたときに、日本の今の防衛の整備計画の中身と違っているだろうと思うのですね、考え方なり方向は。もちろん防衛ということはありますよ。それで、今の皆さんが管理している防衛の組織なり運営なり機械なりそういうものの中で、どこが一番見当外れだというか、見違えたかな、それとも、こういうことは予想しなかったというのは全然ありませんでしたか、全部予想どおりですか、その点だけ言ってください。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 正直なところを申し上げまして、見当違いだというような感じは持っておりませんでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 だから、そういう中途半端なことじゃなくて、じゃ全然見当違いじゃなくて全部合っていたのかと聞いているんだから、合ってなかったのはどこかと聞いているんだから、そのぐらいのことを答えなさいよ。何やっているんですか、給料もらっていて。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 必ずしも今回の戦闘につきまして具体的にどういうことが行われるということを想像しておったわけじゃございませんので、おおむね現在の戦闘というのはこういうものなのかなという感じでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 お粗末だよ。こんなものかなと。それは子供のパソコンのゲームと同じだよ、答弁が。少なくともこういう点については新しい技術だったということぐらいは、全然なかったと言い切れないと私は思うんだね、我々の常識においても。こんなことは予想しなかったことですということがあってしかるべきだと僕は思うんだ、日本の中身においては。それが、全然ありません、予想もしておりません、そういう、何というかな、無節操というか、勉強も全然しないで、あるいはテレビも見てないで、そうして物を言っているとしか考えられない。我々はとにかく驚いた。ミサイルが行ったら大変なことになるだろうと思っていた。それがとにかく、被害者は出ているにしても、いずれにしてもそれを阻止する機能が八割なり九割ある。そういうのを見て予想外だったと思いませんか、具体的に聞きますが。予想外だったと思いませんか。どうです。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 これまでの戦闘は、航空爆撃とイラクからのミサイル攻撃、それに対応するパトリオットによる撃墜といったことでございまして、私どもその範囲を見ております限りにおいて、地上戦はまだ本格的なものはないわけでございますので、その範囲を見ております限りにおきましては大体予想の範囲にあるというふうに感じておるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 じゃ、予想の範囲だとすれば、日本における防衛については当然あの程度の攻撃に耐えられるものである、こういうふうに解釈していいですね。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 我が国の場合は御承知のように専守防衛ということで、我が国だけを守るという自衛隊でございますので、必ずしもどういう戦闘様相があったらどうするというようなことを申し上げるというようなものではございませんで、ふだんから基盤的な防衛力を持っているという考え方で整備しておるわけでございまして、これは、現実の運用はどうかというのはまた別の問題になろうかと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 何か推奨しているようにとられても、これも甚だ迷惑なんですが、そういう意味じゃないので、結果的にあなたの方の——まあいいや、この議論はまた別な機会にやりましょう、大蔵委員会だから。ただ、とにかくあなた方の言っていることはつじつまが非常に合わない。全部予想どおりだと言っているし、現実はそうでない、こう言っているし、この辺は後でまた詰めましょう。あなたの程度ではその程度の答弁しかできないのだろうから、これはそれ以上は……。  じゃ次に行きますが、同じくまた防衛で、自衛隊機を派遣するとすれば、この自衛隊機は自衛のために使われる飛行機である。また同時に、このことは、武力による紛争の解決に使わない、こういう憲法の解釈も厳然としてある。だからこれで、法制局に来ていただいていますが、これまたきのうの二の舞にはならぬように答えてもらいたいのですが、だから、自衛隊が間接的であるにせよいわゆる武力により紛争の解決の手段に使われる場合は憲法に抵触する、こういう解釈はそのように考えてよろしいですか。じゃ、これは法制局と両方で答えてください。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 今回考えておりますのは戦闘機等の航空機ではございませんで、実は武装を全くしていない輸送機でございます。しかも多国籍軍に対する援助といいますか、そういった面は全くございませんで、避難民を人道的見地から輸送するということでございますので、私ども今回に関して言いますと憲法上の問題とは全く違う問題だというふうに考えております。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答え申し上げます。  我が国が憲法上禁止されております武力の行使、この概念は、いわゆる国家による実力の行使、こういう概念でございます。そういう意味で、武力行使が仮に湾岸地域において行われましても、それへの協力が、こういった憲法が禁じております武力の行使、これに当たるかどうか、それは協力の態様に応じて考えるべきことでありまして、今防衛庁の方からお答えがございましたように全然武力の行使に当たるような協力ではない、こういうことでございますので、憲法上何ら私の方で問題とすることはない、かように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これも論戦は長いから……。あなたの説を了解したわけでも何でもありませんからね、念のために。  これで終わりますが、例えば今はそういうものがないでしょうが、よろいかぶとであなたのそばに寄れば、あなたは威圧を感ずると思いますよ。それは今の解釈どおりにはいかないだろうと思うのです。例えば機関銃が据えつけてなくとも、あるいはおもちゃのピストルであっても、例えばあなたのそばに寄って突きつけられたら、やはり一瞬ぎくっとするだろうと思うのです。あなたの帰り道に夜だれかがもしそういうふうになってみなさい、あなたは恐らくそれに対して威圧を感ずるだろうと思う。だから、平穏な状態においての議論とそうでない場合もあるということを、これは今のような言葉だけで解決はできませんよ。自分ではそう思っておっても相手はそれが示威運動になるということもあるということをひとつあなたも承知しておいて、いつかきっと自分で体験するでしょう。  それから次には、この自衛隊を派遣する費用、これは予算のどの項目から出すのですか。それから、今度新しいのがもし行くとすれば、例えば障害があった場合、死亡した場合あるいは燃料不足によって不時着陸をした場合、いろいろあると思うのですね。当然そういうことを考えて予算は組まなくちゃならぬと思うのでありますが、少なくとも今言われたようなことについては当然予算に組んでいるか、あるいはどこの経費から捻出するのか、それだけお答えしていただきたい。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 今回の輸送に関しましては、政令にも書いてございますとおり、国際機関からの要請というものを受けて行うわけでございまして、現在のところその具体的な要請はございません。したがいまして、輸送計画というものをまだつくってございません。したがいまして、結果的にこの経費についてどれぐらいのものがかかるかということは、実は見積もることは困難なわけでございます。したがいまして、その財源とか何かをどうやるかといったようなものについてもまだ全く固まっておらないし、具体的な検討をしていないということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうすると今、空想と言っては悪いのですが、空想的なものの原理原則を質問して答えたということであって、現実的な場合については改めていずれかの機関にかけて審議を求める、こういうことと解釈してよろしいですか。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 御質問の意図がちょっとよくわからないわけでございますけれども、私ども、とにかく現在のところ輸送計画もございませんし、経費の積算も全くやっておらない、したがいまして、その措置についてどういう対処をするかというものについても全く決まっておらないということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 だから、考えてないというのはいいですよ。だから、もし考える場合は当然それにかかる経費なりそういうものはしかるべき機関にかけなければ出ないですね、費用は。ですから、当然かける。もしそういうことがあればそうなる。しかし、今のところは考え方がないからかける必要がない、こういうことですね。

藤島正之防衛庁防衛局防衛課長

○藤島説明員 まだ具体的に経費積算しておりませんので、どういうことになるか、それも検討してないということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ちょっと、てにをはの問題には若干の問題はなしとしませんが、とにかく今のところは全然計画がない、だから回答できません、こういうことですね。理解しました。  続いて、これは大蔵大臣の方から出ていたことの中で、ちょっと二、三確認の意味でお答えしていただきたい。  輸送、物資、医療、資金面に二十億ドル、これをどう使ったのか、結果だけ報告してもらいたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 湾岸における平和回復活動に対する協力のうちまず予備費で手当てをいたしました十億ドル、千三百七十億円の使途につきましては、まず第一に、政府が民間航空機、船舶を借り上げまして輸送協力を行うための経費として百十八億円、医療団を緊急に派遣する態勢を整備するための経費として二十三億円、湾岸の平和と安定の回復のため国連安保理の関係諸決議を受けて活動している各国を支援するための航空機及び船舶の借り上げ経費などを対象とする資金協力及び防暑機材、水関連機材などを対象とする物資協力に充てるため、湾岸アラブ諸国協力理事会、いわゆるGCCでありますが、これに設けられました湾岸平和基金に拠出をいたしましたものが千二百二十九億円、合計一千三百七十億円となっております。また、先般補正予算で手当てをいたしました十億ドル、これは資金協力及び物資協力に充てますため、全額湾岸平和基金に拠出をされております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 まだこれは、あとそれぞれ別な分野から質疑がされると思いますから……。  あわせて、続いて、経済制裁が行われたわけであります。この経済制裁というのは日本も一回受けたことがあるわけでありますが、その結果どの程度の効果があったのか。あえて言えば、余り効果がなかったんじゃないか。それで戦争という事態になっちゃった。もしあれで相当な効果を上げていけば今日の事態を招かないで済んだのではないかという気がするわけですが、外務省としての見方は、この経済制裁の効果というものについて果たしてどの程度のものであったのか。  それから、国連というものを尊重していく以上、経済制裁を決議したら、その決議の効果を点検させるということも、毎日電話をかけたっていいんですから、きちっと点検させるべきではなかったか。そういう行為は行ったのかどうか、行ったとすれば、どういう返事があったのか、そのことをあわせてお答えいただきたい。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 御説明申し上げさせていただきます。  御指摘の経済制裁でございますけれども、昨年八月二日イラクがクウェートに侵攻した四日後の六日、国連の安保理決議六百六十一号で経済制裁が実施されたわけでございまして、これはすべての国に経済制裁の参加を呼びかけたものでございまして、国際的に広く支持され、また遵守されております。したがいまして、私どもとしてはその経済制裁がかなりの成果を上げたと見ているわけでございますが、そういった経済制裁の成果にもかかわらずイラクがそういった点を無視してクウェートの撤退に応ぜず、言うなれば経済制裁のみによってイラクの政治的意図を変えることができなかったということでございます。  それから効果の点でございますが、これも毎日チェックしていたかという点についての御質問でございますが、経済制裁の後に領域封鎖、領海封鎖、航空領域封鎖というものがございまして、これも極めて厳格に実施されておりましたので、毎日チェックというよりも、もうすべてその領域が封鎖されてしまったと考えているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 チェックしてないんじゃないんですか。少なくとも決めてから経済封鎖を続行すれば、それは食べ物にしろあらゆる点で、自分のところで生産され、しかも輸送が完全に行われることを前提として見たところで、これは大変な影響を与えただろうと想像できるのですね。我々もべっ見する程度でありますが、例えば日本にしてみてもそのことは言えるわけでありますから、一週間とか十日ということは別問題として、あれだけの期間の中で、かなりの成果を上げたと今おっしゃったけれども、ではどういう点が成果ではなかったのですか、どういう点が成果だったのですか、言ってみてください。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 御説明申し上げます。  私どもが承知しておる限りにおいてはいわゆる主食用の穀物それから工業用の原材料、スペアパーツ、オイル、ガソリンを精製するための添加剤、そういったものが極めて不足しており、例えばイラクは穀物につきましては輸入依存度が六〇%強でございますけれども、主としてこれが米国、カナダといったところから輸出されているわけでございます。もちろんイラクに若干の在庫はございました。しかし、こういった点で制裁が実施されてから、正直なところを申し上げて、町から小麦粉とかそういうものが姿を消して、またガソリンについても添加剤がないために配給制というようなことにするとか、それからまた自動車のタイヤなんかがございませんので、こういったものが一個千ドル以上というような状況にまでなるとか、そういった状況で経済制裁の効果が出ていたと理解しております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 では、もし日本が、あと一カ月でもないが今ごろまで経済封鎖をしていれば、戦争をしなくてもイラクは参ったと思いますか。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 御説明申し上げます。  先ほど申し上げましたように、かなりの成果が上がっていたにもかかわらず、イラクの指導部というものがそういった点を配慮せずに、そういった点よりもむしろ、その経済制裁の効果が上がっていたにもかかわらず、その政治的意思にそれをつなげなかった、言うなればクウェートからの撤退という他の国連の決議に従うことをしなかったというのが私どもの理解でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは大臣クラスの人でないといけないのかもしれないですが、だったらもっと、この間ソ連へ行ったときに、ソ連は一月の十五日までアメリカを延ばさせた、攻撃をする日付を延ばさせた。それが三日おくれたわけでありますが、ソ連はソ連なりに、アメリカが武力の行使をすることになるべく早くしないでほしいということで期待を述べてきたし、当時、恐らく九〇%戦争に入らないで済むだろうという予言を我々の前で言っていました。しかし結果はこうなったわけでありますが、もし今あなたのおっしゃるとおりであったら、もう少し経済制裁を強めていくべきだと日本は主張すべきではなかったのですか。もし効果があったのなら、それで戦争は未然に防止できるというなら、当然その道を選ぶべきではなかったか。孫子の兵法にもあるんですよ。百戦百勝は善の善にあらず、戦わずして勝つこと、これ善の善なり。こういう言葉があるんですから、そういうことからいっても、それはやはり経済制裁で終わらせる、こういうことではなかったのでしょうか。どうですか。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 御説明申し上げます。  先ほどお答えいたしましたように、経済制裁に加えて海域の封鎖、空域の封鎖、そういったものを完全にやっておりました。したがって、そういった面での効果はかなりあったわけです。にもかかわらず、その間においてイラクは国際社会の要望に対して一切こたえようとしなかったわけで、同時にまたクウェートの中でのいろいろな崩壊等も進んでおりまして、そういった意味でかなり、五カ月以上という時間をかけて説得したわけでございますけれども、それに対してイラク側が政治的な意思決定をしなかったということだと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 では野上参事官、中近東アフリカ局、平素どういう仕事をしておられるのですか。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 中近東アフリカ局の参事官をしております。中近東アフリカ局と申しますのは、中近東地域及びアフリカ全地域を所掌しております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 それが、経済制裁の程度、どの程度の強さによってどの程度の影響が出、どの程度であったらばとどまるかという見通しが、じゃ今度は狂ったということですか、結果は。結果は経済制裁で終わると思った見通しが狂った、日本も含めてですよ、日本の見通しも含めて狂った、こういうことでしょうか。その点、お答えいただきます。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 先ほど申し上げましたように経済制裁というのはかなりの効果があったわけでございますけれども、そういった効果、これはまあ率直に申し上げまして、イラクの国民に対して効果が出てくるわけですけれども、そういった事態にもかかわらず、サダム・フセイン大統領はそういった点を一切無視して政治的な意思にそれをつなげようとしなかった。言うなればずっとクウェートに居座ったというのが現状だと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 甚だ申しわけないですが、今のこの質問を、答えは後で速記録ができるでしょうが、その前にひとつ大臣に私の質問にこう答えてきたと一応言ってみてくれませんか。いいですか。報告して、こう言ってきたんだけれども訂正する必要ありませんかと言って念を押してみてくれませんか。よろしいですか、それは。よろしいですね。首を縦に振ればいいですよ。——はい、わかりました。縦に振ったからね。これは記録に残しておかなくちゃならぬからそう言ったんだ。だから、そのとおり今度は報告してみて、後でまた外務大臣に折があったら伺います。  続いて、今度は国内的な問題に入らせていただきます。  この一年間、いろいろと両院協議会等が続きましたので、我々のこの大蔵委員会もやや開店休業の嫌いなしとしなかったのでありますが、そういうようなことで、その間、バブル現象というように一言で言われておりますけれども、土地の暴騰なりそれからその他の金融の仕手株の資金の流通なり、いろいろと金融に与えた不安感、不信感、そういうものが大きいのでありますが、結論的に言うと、今度の光進にしてもあるいはイトマンの問題にしても、銀行当局が監督の不十分、しかも銀行からそれぞれ天下りをしていったところの場所でそういう犯罪的なことが行われているというような現象というものは、極めて大蔵省として恥ずかしいことだというふうに思います。まず現象に対する認識と、その責任体制をどう正すかということと、それから現在のその心境と対応はどう考えておりますか、お答えいただきたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 金融機関の基本的な業務運営のあり方あるいは不祥事等の未然防止につきまして、従来から数次にわたり通達などによりまして大蔵省としては指導に努めてまいりました。しかし、今委員から御指摘のありました、例示に挙げられましたケース以外にも、最近金融機関に関する不祥事件など、さまざまな御批判を受けております。こうした事態は、官庁用語ならばまことに遺憾であると申し上げるのが適当なのかもしれませんが、内心、私自身本当に情けない思いでこうした報道を見ております。  当局として、金融機関の監督に際しまして、日々の行政あるいは検査などを通じて内部管理体制あるいは融資内容などに問題が認められる場合には、今日までもその改善方を厳しく指導してまいったつもりでありますし、今後ともにそうした姿勢を貫いていかなければならないと考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 抽象的にというか、原則的にはそれは理解できるが、具体的に、じゃ銀行局が、これだけの事件で、これだけ日時を要した事件なんです。今私が言う以前の一年、まあ半年以上前から起きていたことだし、検察当局も手を入れていることでもあります。そういうものに対してその対応というものをどのようにしていくのかということは、極めて国民も注視をしていると思うのですね。ですから、その注視をされている案件に対して、これについてはこうなんだ、こう言わなければならないと思うのであります。  そこで、これは委員長の方に、今特に理事の方から要望がありましたから、やはり小委員会をこの三年ばかり開いてなかったからね。週休二日制ばかり開いていたから、ほかの委員会を開いてなかったからこういうことになったんじゃないかという声もなくはない。ですから、やはりこの際、これは委員長に要望しておきますが、必要な委員会、小委員会は開いて厳密な委員会の審議をやって、そしてこういうことの事態を防げるように、これは委員長として取り扱ってほしい、こういうことを要望しておきますが、御返事はいかがでしょう。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 先ほどの理事会での検討事項でございまして、各党と協議の上、決定させていただきます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 大蔵大臣がせっかくこういうふうで申しわけないということで謝っているわけでありますから、その心境は十分に理解できるわけであります。ただ、問題は、それで解決するのかどうか、今後そういう問題は起きないのかどうか、あるいは既に起きているけれども目につかないのではないか、こういう気がします。  そこで、現在の土地等に貸し付けている金額は、都市銀行、ノンバンク等を通じてどの程度がいわゆる土地資金として出ているのか。ノンバンクだけでも、九月末で、不動産、建設だけで二十二兆円、貸付金額は五十七兆円、こんなふうに数字は出ております。しかも、これも全部調査したわけじゃなく、その一部という形になっているようであります。一応、銀行局としてはどのようにとらえているか、数字で答えられるなら答えていただきたいと思います。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 いろいろお尋ねがあろうと思いますが、まず計数の方から御説明をいたします。  不動産業等向けの融資の実行状況につきましては、私ども、いわゆる総量規制の一環といたしまして三カ月ごとに計数を求めておるところでございます。それの中の今利用できる一番新しい数字は、昨年の九月末現在の数字でございます。それによりますると、都市銀行から長期信用銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫までの、いわば本邦の金融機関の合計ということで、総貸し出し五百二十三兆円に対しまして、そのうち不動産業向け貸し出しは五十三兆六千億円でございます。  それから、ノンバンクについてのお話もございました。それについては、同じくその時点で七十一兆五千億円でございます。  それからそのほかに、生命保険なり損害保険なり、それから九月からは在日外銀についても計数を把握しておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 今の数字で、ノンバンクの場合に七十一兆円というのは、これは全部不動産貸し付けになった金額と解釈していいですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいま申し上げました、例えばノンバンク向けの金融機関合計七十一兆五千億円という貸し出しでございますが、それは、ノンバンクが行っておりますさまざまな事業活動、その中には貸金業的な活動もございますし、それ以外のいろいろな、例えばリースとか信販とか、そういう方面に向けられた金額もございます。したがいまして、その七十一兆五千億円がそのまま土地に向けられたということではございません。  なお、このノンバンクというものが貸金業を営む場合においてどのような貸し出しをしておるかというようなことにつきましては、これまで統計をとる方法がございませんでしたが、最近貸金業の上位二百社について集計をいたしたものがございます。その数字は、もし御興味があればと思いまして申し上げますと、これは多少とる時点が違うのでございますが、このノンバンク上位二百社の貸付金、これを平成二年、昨年の九月末でとりましたところ、その数字は合計で五十七兆六千億円でございました。  この中の分類可能なもの、つまり不動産業とか建設業とかそういうような業種別の分類が可能なものにつきまして、これは多少、二百社のうち四社が分類不可能でございましたので、それを除いた分ということで御説明を申し上げますと、この部分は総額が、先ほどは五十七兆六千億円と申しましたが、多少四社の分だけ少なくなりまして、五十六兆七千億円ということで御理解いただきますと、その中の不動産業に向かっております融資の額は二十兆二千億円、五十六兆七千億円に対して三五・七%という数字が判明いたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ノンバンクの項に若干重心を移しますが、やはりこれには規制をかぶせなければならぬという必要性が出ているということ、細かいそれまでのプロセスは私省略しますが、こういう形になってきて、今日の、要するなら土地の不当な騰貴を起こし、あるいは今日のような状況を起こした一つの要因として、これに規制の網をかぶせていくことが公共の福祉に沿っていく道であるというふうに思います。その点は、いわゆる貸金業の規制に入るかあるいはその他の単独立法になるかは別として、そういうものに何か網をかぶせる必要性がある、そういうことは感じておられますか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいま委員から御提起のありました問題につきまして、結論的には、現在なお検討したいと思っているところでございますが、私どもが今感じておりますことを申し上げたいと思います。  いろいろ集計いたしますと、ノンバンクの貸付金の残高は、例えば全国銀行の貸出金に比べまして一六%強にも相当する大きなものとなっておるわけでございます。と申しますことは、すなわち、ノンバンクが資金仲介プロセスの中で重要な一翼を担うに至ったものと考えられます。そのような位置づけをもとに考えてまいりますと、ノンバンクが経営の健全性を維持しながら適正で円滑な資金仲介機能を果たしていくということは、ひいては信用機構全体の健全性、安定性の確保の見地からも重要なことであろうかと思っております。  ところで、このノンバンクが行う融資につきましての現在の大蔵省の監督権限の問題でございますが、この権限に関係する法律といたしましては、いわゆる貸金業規制法がございます。ところが、この貸金業規制法は、その目的の規定にございますように、専ら「資金需要者等の利益の保護を図る」ということを目的としているわけでございます。これは、かつて社会的な問題になりましたいわゆるサラ金問題その他にかんがみまして、資金の借り手の立場を保護する、そういう目的からの立法であるというふうに私ども了解しております。私どものノンバンクに対する指導監督もこの権限の範囲内にとどまるというふうに考えるべきでありましょうから、現在のところは、各業者の個別的な融資の内容とかその融資のあり方とか、そういうところまで立ち入って調査をする権限を持っていないわけでございます。先ほど申しました私どもの実態調査は、上位二百社の自発的な協力を得て任意に出していただいたものを集計したその結果があのような数字であったわけでございますが、ただ、何分にもこれはまだ昨年の九月末という一時点だけの計数でございますので、それの意味するところは何であるかということを深く分析する材料が整ったとは考えておりません。  今後の問題につきまして、ただいまの委員の御指摘も含めていろいろ考えてまいりたいと思いますが、まず第一に、ノンバンクの実態をもう少し明らかにする必要がある。それから第二に、今後のノンバンクの資金供給活動の位置づけを考えていく必要がある。そういう順序でないかと思っておりまして、実は私ども銀行局の中でノンバンク研究会というような集まりも持ちましていろいろ審議を進めていただいておるところであり、今後の審議結果なども踏まえながら適切な対処ぶりを考えていきたいと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 めども言われませんけれども、これは貸金業の中の二百社、これはノンバンクの方で、全国で貸金業関係三万七千社あるわけですが、その中で二百社だけの数字でも今言われたような金額である。これはもうまさに市場の中で相当大きなウエートを占めているということだけは間違いないことであります。やはり必要な調査もできません、それによってその分だけ穴があいてしまって、金融機関は縛りがききますけれども、貸金業も縛りがきくけれども、ノンバンクは野放しですという、まさに野放しになってしまうわけでありますから、そういう意味において何らか手をかけなければならないということだけは必然的なものじゃないでしょうか。最低限度報告義務を負わせるとか、あるいは一億以上はちゃんと報告させるとか、そういうことぐらいは、これは全然野放しでいいということにはならぬのじゃないかと思うのですが、それでもまだ研究中だというのも、ちょっとこれは時期を失してしまう。もし必要ならばそれは時限立法で後で廃止してもいいのでありますから、とりあえずこういう今のバブル現象をなくしていくためには、必要な措置として最小限度の規定をつくって負わせる、こういうことは必要な措置ではないかと思うのですが、いかがですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 ただいまの委員の御指摘は、私どもの方でいろいろと承っております意見の中でも幾多その方向の議論も伺っておるわけでございます。ただ、私ども今のところはまだいかなる実態にあるのかということを研究するのが先であろうかと思っております。しかしながら、決してそれを野放しにしていいという問題意識は持っておりません。  実はことしの一月二十五日に、これは閣議決定になりました総合土地政策推進要綱というものがございますが、その中で「土地関連融資規制」のくだりの中にこういう文章がございます。「いわゆるノンバンクたる貸金業者の土地関連融資の実態を把握し、より実効ある指導を行えるような方策のあり方について検討する。」こういう方針決定もいただいておるわけでございまして、さらにただいまの御指摘をも含めまして鋭意検討してまいりたいと存じております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これはある話、こういうふうに大臣、話しておきますが、私のところにあるAという人が、二兆円預金するからその四%リベートに欲しい、こういうことなんです。リベートはただでもらうのかどうかその点はわからないけれども、とにかく二兆円預金をしますよ、二兆円預金するけれどもそれをする、こういう話があった。そのぐらい金がだぶついているということなんですね。金がだぶついている。ですから結果的には、金の使い場所がないから、銀行で貸し出しに困っているところがあれば、そういうところへ金を持っていって幾らかでも金を引き出してこようか、そういうものが魑魅魍魎というか、とにかく我々のところにも話がちょっとあるくらいですから相当出回っているんじゃないかと思う。そういうことを考えるとやはり金は相当市中にだぶついている。これは日銀券の発行にも関係するんでしょうが、とにかく相当あるから、相当締めてかからないとこういう状況というものはなくならないなというふうに感じますから、これは私の感じかもしれませんけれども、そういう意味において、大蔵大臣も十分にその点は、一般の市民が迷惑を受けないように対応には過ちなきを期してほしい、こういうことをここは特にお願いしておきます。  それから、倒産の現況をちょっと報告していただきたいと思うのです。

濱本英輔大蔵省大臣官房総務審議官

○濱本政府委員 お答え申し上げます。  倒産の現況というお尋ねでございますが、民間信用調査機関の東京商工リサーチ社によりますれば、平成二年の倒産件数が六千四百六十八件、負債総額にいたしまして一兆九千九百五十九億円となっております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 このごろのエコノミストを見ましても、それからこのごろ毎日の新聞に出ている負債総額を見ましても、そんな程度では終わらないですね。今の新聞に出ている倒産会社の金額を足したって二兆円を超えていますよ。これは去年の二月だというから、現在のいわゆる引き締めの時期になってからのものでないということはあるだろうと思うのですね。だから今欲しいのは、今の状況がどうなっているか。毎日の新聞に出ている倒産の金額を足してみたって、こんな金額の倍以上いっていますよ。そんな不誠実な報告でなく、ちゃんとしてください。

濱本英輔大蔵省大臣官房総務審議官

○濱本政府委員 倒産の件数それから負債総額を把握しました統計というものは、今私が御紹介いたしましたような民間調査機関のものに依然として依存している状態でございまして、私どもが日常活用しておりますものもこういうものでございますけれども、沢田先生の今の御指摘がございましたように、確かに負債金額の規模あるいは倒産件数そのものも最近に至りましてだんだん件数の増大、負債金額の規模の増大という傾向が見られます。ただ、今私がご報告をいたしました統計で見ます限りは、件数としまして一番新しい月として判明しておりますのは平成二年の十二月分でございますけれども、この十二月分の件数が七百十四件、負債金額にいたしますと四千七百六十六億円といったオーダーのものになっております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 今私がこういうことを言っているのは、それだけ会社の方で不渡りを出すなりして倒産をするということは、その相当額をだれかが損をしているということなんですね。二兆円の負債が出てくるときには二兆円が、金融機関であるか個人であるかあるいは生保であるかその他であるかは別として、それだけの分やはり損金として上げなければならぬと言うものを生じている。あるいはそれが一般の市民である場合もあるわけですね。ですから、この倒産の現況と言うことをあえて対策という意味で申し上げてきているのは、倒産があったら必ずそこに損害を起こしている人がいるんだ。それが善意であれ悪意であれそのことは別として、倒産によって国内にそれだけの、言うならハレーションを起こしている。その人がまたどういうふうに悩んで、苦しんでいくかと言うことは別の問題としても、そういう事態を見逃していってはならないという意味で私はあえて申し上げているわけなんであります。ですから、倒産が簡単に、安易にやられて、あるいは逃げられて、倒産に対する徹底的な追及というものも不十分である、こういう事例もたくさん我々は散見するの ですね。  だから、ここの問題は二つある。一つは、倒産が偽装倒産かどうか別として、相当持ち逃げをして倒産しているものも現実にある。だから、そういうものの倒産の追及というものを我々はやはりあくまでやっていかなくちゃならぬ。本人は優雅に暮らしておって、貸した方が泣いている場合の方が多いということもあるわけですから、そういうことを考えてもらわなくちゃいかぬ。それからもう一つは、この倒産がふえていくことはその倍だけやはり被害者が大きくなるということの経済に与える影響というものを考えてもらうことが必要だ。これは提言です。だから、銀行関係としても、これはどこで、商工部でやるのかどうかわかりませんけれども、通産関係でやるのかわかりませんが、いずれにしても、そういう倒産に起きてくるハレーションというものに対して十分な手当てが必要であるという提言をぜひしておきたいと思うのです。この点は大蔵大臣の所管であるかないかという問題は若干ありますが、検討して、いわゆる倒産の後始末というものを、ただ裁判の方に移すだけでなくて、行政の分野で対応する分野があるはずである。だから、行政の分野においてそれについてある程度の報告なり調査なり追跡なり、そういうものがある程度可能かどうか、そういう点はおぼろげながらのものであろうと、そのまま放任しておいてはまずいということをあえて申し上げておきたいわけです。ですから、それはその程度のものができるかどうかは別問題として検討していただけないですか、どうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 確かに特定の企業の倒産が連鎖倒産を生んでその被害を広げるようなケース、あるいは善意の経営者が何らかの問題の結果として倒産に追い込まれるケース、さまざまなケースがございます。その中には、今委員が御指摘になりました、例示に挙げられましたような偽装倒産と言われるようなものがあるという事実も承知をいたしております。この企業のそれぞれの経営の方針の中から出てくる結果を、果たして全部フォローできるかどうか、これは私もちょっと自信がございません。しかし、恐らく委員の御指摘になられるような連鎖倒産等々といった善意の第三者に与える影響といったものにつきましては、私どもも心してまいりたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 なるべく後の方の都合も考えていきたいと思いますが、一つはイトマンの前に、このごろよく子供が、お母さん、僕には保険入ってないだろうねとお母さんに聞くそうですね。これは実際の話なんです。何おまえ、そんなこと聞くのと言ったら、うっかり殺されてはかなわないからだ、こういうこと。まあ子供心に、やはりそんなことがあったんじゃかなわないという気があったんで、これは事実の話なんですがね、小学生なんだそうでありますが、そういうふうなことであったそうであります。  やはり人間の欲というものは、これだけ繁栄してくるとだんだん大きくなっていく。事によったら人の、自分の子供の命も、あるいは女房も亭主も問題じゃなくなってしまうということに、半分気違いになるのでしょうが、そういう状況が生まれかねない。特にまた生保の関係で、今は年金関係の保険も十分充実してきた。財形貯蓄も大分充実してきた。もし足らなければ五百万を上げればいいのですから、それはまた考えればいい。生命保険は果たしてどういう役割を果たすものなんだろうかということを考えるのですね。安易に身分不相応に保険に掛ける。この間のは千五百万円ぐらいの金額ですか、子供は五百万円ぐらいですか、それでも殺してしまうような人が異常な人物だ、例外だということで律するわけにはいかないと思うのですね。ですから、一つはこういう事件が起きてきた場合における対応としてどういうふうにしていけば一番いいのかといえば、私は前から言っているのですが、それでも危ないでしょうが、収入の十倍以内に抑える。年間六百万しかない人は六千万を限度とする。全滅するということは、全部なくすということはいいかもしれぬが、そうまで急にいけないでしょう。だから、そういう形で年金なり何かに変えていく形をとって、いわゆる生命保険という形のものを幾らか圧縮していくという政策は必要なんじゃないかということが感じられるのですよ。年金に切りかえる、財形貯蓄に切りかえる。先ほどの日銀じゃありませんけれども、やはり預金量を高める、こういう立場から見ると、そういうばくちみたいな形は必要ない。都々逸じゃありませんけれども、亭主殺すに刃物は要らぬ、砂糖と塩で殺せるよ、こういう文句があるそうで、だからそのぐらいに、このごろ料理がうまくなったななんて思うととんでもないことになりかねない。そういうふうに、今のこの時期においてはやはりそれに対する対応が必要じゃないか。  それから、今の生保の株の暴落による損失、これは大変なものだと思うのです。これはわかっていたら教えてもらいたいのですが、こういうものの経営責任、得したときだけは分け前を多くとって、損したときだけは保険金に負わせてしまうという、こういうやり方、これだけは許されないと思うのですね、物の発想として。もうけたときは自分で分けてしまう、しかし損したときには保険金の方で上げるなりそのまま据え置いてしまう。やはりこの辺は、私は全滅させろとは言わないですけれども、やはり適正な、いわゆる長期的な展望に立った運営というものが求められるゆえんだと思うのです。この二点、ひとつお答えをいただきたいと思います。

竹内克伸大蔵省銀行局保険部長

○竹内政府委員 最初の点から御説明したいと思います。  先生は恐らく新聞に報道されましたある痛ましい事件を念頭に置いての御質問であろうかと思います。こういういわゆる保険金の詐取を目的とした殺人事件でありますとか、いろいろなタイプの反社会的な保険にまつわる事件がございます。保険そのものは大変多数の契約者と契約を結んでおりますので、こういう反社会的な事件、総じてモラルリスクというふうに私ども呼んでおりますけれども、なかなか根絶が難しいわけでございますが、申し上げるまでもなく、そういうこと自体があってはならぬことでございますし、同時に保険の上でも、善良な契約者を保護し、国民の信頼の上に成り立っている生命保険事業にとっても遺憾なことであることは申し上げるまでもないわけでございます。  こういうことが保険の会社側からどうやったら防げるかという点につきましては、従来からいろいろ会社側、業界、協会、私どももいろいろ研究を重ね、その都度いろいろ指導等もしてきておりますが、引き続き研究をしていかなければいけない。保険審議会で今保険をめぐる万般の問題を議論していただいております。その中に募集に関する事柄も御議論をいただく予定にしております。そういう審議会での議論も踏まえましてさらに努力をしていく必要があるというふうに考えております。  そこで、収入の十倍を限度にするという発想はどうであろうか、あるいは保険という発想から年金という発想に変えていったらどうかという点につきましても、参考にさせていただきたいと思いますが、今保険審議会で議論していただいております基本的な動機は、保険をめぐるいろいろな状況変化、例えば消費者の老後問題を考えたいろいろなニーズの変化、多様化がございます。他方で金融の環境変化等々ございますが、こういう真に必要な消費者のニーズには的確にこたえていく必要がある。他方でそういうモラルリスクをいかに回避できるかというような両面から研究を続けてまいりたいと思います。  それから二番目の、株の下落を契機にして保険会社の経営にどういう影響があるか、またはそのことが万が一契約者にとって迷惑を及ぼすようなことがないだろうかという御質問でございます。  もちろんこの株価の下落によりましていわゆる保険会社が持っております株式の時価が下落をしておりますので、かつて相当大きな金額でございました含み益も大分減ってきておるという実情にはございます。しかしながら、何といっても契約者に契約どおりの保険金の支払いを確実に、これは長期間のことでございますから余計確実にお支払いをするということが保険会社の最大の、最低の使命でございます。そういうことに万が一にも影響がないように、また、私どもはその点については今の状況で心配があると思っておりませんが、将来ともそういう心配が契約者、国民に起きることがないように、私どもも注意していかなければいけませんし、会社側にも研究を進めていただきたい、かように考えている次第でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 まとまった、非常な、中身は別として回答としてはとにかく立派なものです。ぜひひとつ審議会に言って、していただきたいと思います。  それから、生命保険もそうですね、とにかく株なんかでうんと損したときには、自分で月給一〇%減らして、まあ首長じゃないけれどもやはり公表して責任を明らかにする、給料一〇%減らしてそれは皆さんとの均衡を図る、そのぐらいには社会的な責任を明らかにしていくというルールをつくっていくという必要性があると思いますので、これは何かのときにはそういうことを、全国のそういうのが集まったときに、あるでしょうから、みずからそういうことを律する、そういう姿勢は必要ですよ、そういうことをひとつ言っておいてください。——首を縦に振っているから言ってもらえるものと信じます。  時間的に短くなりましたから、あと三つですが、銀行で起こっている過労死の問題なんであります。これは極めて難しい問題なんですね。その前に一つ認定があったのは、ソ連へ年十回行った、こういうことで過労死に認定されたと報道関係は出ているのであります。  銀行が特に週休二日制になって、一日分を残業で埋めている、これは一般的に言われていることなのでありますが、ただ、こういうことが銀行の中から争いが出てくるというシステムに問題があるのじゃないかと思うのですね。過労死それ自身も問題がありますけれども、過労死という問題が取り上げられるというところに一つの問題点がある。労務の対策というものが十分でない、あるいは厚生対策というものが不十分である、こういうことにつながると思うので、これは銀行局長ばかりきょうはいじめた格好になるけれども、いじめたんじゃない、これは国民の声、天の声なんだ。その点はぜひ心して対応していただきたいと思いますから、銀行でこういう問題を起こさないように十分対処してほしい、これは要望しておきます。しかし、こういうものがたくさん出てくるということは極めて遺憾である。  それから続いて、湾岸の付近が油の問題で非常に環境を破壊される。それで、もしこれをもとに戻すためには二百年かかるとかいろいろ言われますが、金としてはどの程度かかると見込んでいるのか。将来も日本があそこから七割石油を買っていれば、船舶はたくさん通るわけですから、そこにそんなものがあれば、やはりこれは取り除かなければならぬ義務が出てくるだろうと思うのですね。だからそういう意味において、どの程度の費用がかかって、日本としてはどういうふうに対策を考えているのか、その点お示しいただきたいと思います。  最後にもう一つ、NTTの株、これは大臣、頭の痛い問題だろうと思うのですね。前にも行けないし、後ろにも行けない。本当にせっぱ詰まった状況なんです。これだけ国民に不信を買って値が下がってしまっては、政府としても本当に国民をだましたような格好になってしまう。何とか上げてやらなければならぬ。せめてもとの価格にはしなければならぬということもあると思うのです。JRの株も出るわけですが、これの信頼だってこれじゃ大変疑わしい。このNTTの株について、てこ入れをしろと言ったら、これは仕手株になってしまうから、そうも言えませんけれども、とにかく正常な運営で信頼を取り戻すという努力をしていかなければならぬのではないか、こういうふうに思います。  その点だけ見解をお聞きいたしまして、非常に広範な問題になりました。またいずれこれらの問題でもう一回やらせていただきたいと思っておりますが、きょうは顔をなでたという格好だけで終わりますけれども、一つずつお答えをいただいて終わりたいと思います。

野上義二外務省大臣官房外務参事官

○野上説明員 御説明させていただきます。  今次の湾岸における汚染の調査につきましては、サウジアラビア、カタール、バハレーン、そういった沿岸国及び各種関係の国際機関が今調査をしておるところでございます。現時点では、サウジアラビアそれから先ほど申し上げましたような沿岸国及び国際機関から、具体的にどの程度のコストがかかるか、費用がかかるかといった結論はいまだ出されておりません。非常に広範囲にわたる汚染でございますので、原状復帰のためには、まず油の除去、それから各種の施設の汚染防止、それから環境復旧ということでいろいろな問題がございます。したがって、今の時点ではどの程度の規模の費用がかかるかは明らかではございませんが、いずれにせよ巨額の費用になると思われます。  以上の問題に対しまして、我が国としてはどういう対応をしておるかという点について、次に御説明させていただきます。  我が国といたしましては、汚染が発生して以来、急遽サウジアラビア、カタール、バハレーン、そういった国の要望を聴取しまして、オイルフェンスを三十一キロメートルほど手当ていたしまして、そのうち二十数キロ分はサウジ及びカタール、バハレーンというところですが、そういったところに緊急空輸しております。それから、汚染の除去ということで、いわゆるスキマーという油を除去する機械でございますけれども、そういったもの、それから乳化剤、これは油を固定させるとか、こういったものが日本としてアベイラブルである、利用可能であるということで、サウジとかカタール、バハレーンに連絡をしております。先方からの要望を受け次第、我々も積極的に協力していくことにしております。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 実は、平沼委員長、日笠理事、私どもは三菱石油水島の流出事故に遭いまして、非常に大きな被害を出した地域の出身者ばかりであります。そして、今外務省から御答弁がありましたけれども、私ども想像を絶しますし、恐らく今どういう機関でありましても、正確な被害額の算定、さらにもとに回復するための手法といったものはなかなか出てこないのではなかろうかと心配をいたしております。私ども自身ができ得ることがあるならば全力を挙げてサポートしてまいりたい、その意思をここで表明させていただきます。  また、今NTTの株の話が出ました。まさに本当に一番頭の痛い問題の一つでありまして、今、昨日の大引けの数字をとってみますと九十九万円、ひところよりは回復はしてまいりましたけれども、依然として今後簡単に市場に政府の保有する株式を放出できる状況にはなっておりません。これはNTT自身に努力をしていただかなければならない部分のみではなく、市場全体の雰囲気その他、さまざまな要因があろうかと存じます。私ども、こうした環境を注視しながら、一日も早く安定して市場に放出できる状況になることを願い、またそのための手法を講じてまいりたい、そのように考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ひとつ善処を要望しておきます。  一つだけ忘れましたので、大変申しわけないが、これは法務省、外務省、労働省、一言ずつ。  人手不足対策について、私は開放論者でありますが、そういう立場に立って、今の人手不足をそのまま放置はできない。今後の対策、産業のためにもこれは充足しなければならぬ。そういう意味において、法務、外務、労働、それぞれ一言ずつお答えいただきたいと思います。

坂本栄治法務省入国管理局政策課長

○坂本説明員 お答えいたします。  先生御指摘のとおりのことでございますけれども、私どもといたしましては、先般御審議いただきまして改正施行させていただいております法律のもとで、外国人労働者の……(沢田委員「そういう抽象的なことを聞いているのじゃないのだ、こ れからどうするかということだから」と呼ぶ)いわゆる単純外国人労働者についてのことと思いますが、これにつきましては我が国社会全般に影響を及ぼす問題でございますので、政府ともいろいろと検討を進めているところでございます。  私ども法務省といたしましても、関係行政機関と連絡をとりつつ、多様な角度から検討を重ねているところでございますが、いわゆる単純労働者の受け入れにつきましては、国民意識の動向等を見きわめつつ、慎重に対処すべきものと考えております。この問題につきましては、今後とも広く関係者や有識者等の御意見を十分聴取いたすように努めていく所存でございます。

前田充康労働省職業安定局外国人雇用対策室長

○前田説明員 お答えいたします。  外国人の雇用に関しましては、現在各方面でいろいろな議論、提案があるということは承知いたしております。労働省といたしましては、その一方で労働力需給のミスマッチ及び中小企業に係ります雇用管理の立ちおくれ等の状況を踏まえまして、この人手不足の解消に向けた雇用対策並びに能力開発等、各種施策の推進に全力を尽くしていかなければならないと考えております。  この人手不足解消に当たりましては、高齢者、女子等の意欲と能力が有効に活用されるということがまずもって重要でありまして、こうした対応をしなくて外国人労働者を受け入れるということになりますれば、国内の高齢者等の雇用への圧迫、労働条件の向上の障害というようなことも懸念されておりまして、雇用構造の改善等広範な影響が懸念されるところでございます。そうした点から、外国人労働者問題に関しましては、採用には十分慎重に対応してまいりたいというふうに考えております。

武藤正敏外務省大臣官房領事移住部外国人課長

○武藤説明員 お答え申し上げます。  外務省といたしましても、今まで各国がどのような形で外国人労働者を受け入れてきているかとか、さまざまな問題点を検討してきたわけでございますけれども、今後とも将来のアジア諸国との関係、そのほか改正入管法施行後の状況を見きわめながら、中長期的観点から多角的にこの問題を検討してまいりたいと考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 残念なところがありますが、終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 大蔵大臣からリップサービスいただきまして、機先を制された感じでございますけれども、生活者の立場からまず一問お聞きしたいと思います。  これは、既に昨年の税制特別委員会でも私申し上げたことでございますが、いわゆる分娩費、出産費の給付でございます。厚生省にお聞きいたしますが、直近の分娩にかかわる実勢費用、消費税込みと抜きと両方でまずお答えください。

堤修三厚生省保険局保険課長

○堤説明員 分娩費の問題でございますけれども、健康保険法によります分娩費の最低保障額、国立病院の分娩の実勢費用をもとに算定をいたしております。国立病院の実勢費用でございますが、六十一年の三月、二十万七千円、六十二年の三月、二十一万九千円、六十三年の三月、二十二万二千円、平成元年の三月、二十二万四千円、平成二年三月、二十二万六千円というふうな状況でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 消費税込みと抜きと言ったでしょう。

堤修三厚生省保険局保険課長

○堤説明員 平成二年の二十二万六千円というのが実勢費用額でございますが、これを消費税込みにいたしますと二十三万二千七百八十円でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 昭和六十年にいわゆる健康保険の方は十五万が二十万にアップしたわけでございます。国保の方は十三万円になったわけですが、その直近の五十九年の三月は実勢費用は幾らだったのでしょうか。

堤修三厚生省保険局保険課長

○堤説明員 五十九年の三月でございますが、十九万一千円でございました。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そうすると、直近の五十九年三月が十九万一千円だったのを六十年から二十万にしたわけですね。私、これは英断だと思いますが、今直近の平成二年三月は消費税込みで二十三万二千七百八十円ということでございます。ならば、私は二十五万ぐらいに、こう言っておるのですが、せめて二十三万ぐらいにはこれはぜひ上げてもらいたい、このように思うのですね。特に先ほど政令事項とおっしゃいましたね。まさに政令なんです。健康保険法施行令七十五条で決めておるわけなんです。大蔵大臣、輸送機は特例政令でもういとも簡単に内閣でぽんと決めちゃったですね。こういうものこそそれこそ政令事項ですから、内閣でぱっとせめて三万ぐらいアップは、私は五万ぐらいがいいと思うのですが、上げるということを閣議で決めていただきたいと思うのですよ。どうでしょうか、大蔵大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まず第一に、消費税からこの分娩費についての御論議が始まりましたが、この消費税が創設をされました時点において、医療保険制度と税制の仕組みのはざまの問題として、私はその後この職につきましたとき、この問題を受けとめました。  そして、政府が消費税の見直しをし、その見直しの結果として改正法案を提出いたしました時点で、分娩に係る消費税は廃止したいということを院にも御提起を申し上げました。残念ながら、一院は御了承いただきましたが、一院において廃案ということになり、消費税そのものが今、院の御意思によってその内容を決められようとしておるわけであり、政府としてその院の御決定を、消費税の存続を前提に、私どもは念頭に置きながら待っておりますし、迅速にまた誠実にその結論には対応するつもりであることをまず申し上げたいと存じます。  その上で、ただいまの問題につきまして、私は厚生大臣から御相談があれば誠実にこれは御相談をしたいと存じますけれども、私どもは消費税そのものの見直しの中で、これは外そうと考えておりました項目の一つでありますので、院としての御意思がこれについてどう出るか、こうしたことも私の脳裏の中にあることは申し添えます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 消費税抜きでも二十二万六千円なんですね。先ほど申し上げました六十年に五万円アップしたときは十九万一千円だった、直近の実勢費用は。ですから、私は二十三万円ぐらいにはせめてなるのじゃないかな。それも政令事項でありますから、これはぜひお願いをしたいと思うのですね。  と申しますのは、先ほど申し上げました税制特別委員会でこれは総理にも聞きました。いわゆる合計特殊出生率が落ち込んでおる。一・五七だ。だからこそ、産めよふやせよじゃないんだけれども、阻害要因がたくさんあるんだ。住宅の問題、教育の問題、こういう子育てに費用がかかる問題、いっぱいある。それを一つずつ丁寧に阻害要因を排除していくことによって理想の子供が持てるような環境づくりをするのが政治である、こう申し上げて、いろいろな省庁にわたりますから、これは内閣で一つの何か連絡協議会、検討機関をつくるべきである、こう主張申し上げました。  だからといってできたと私は思いませんけれども、健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議というものができました。そして、本年一月にその報告書が出ました。それを見ましても、「子育てに伴う経済的負担の軽減」という項目がありますが、しかし、これは児童手当の件と幼稚園就園奨励費補助対象三歳児まで拡大だけでございまして、分娩費のことはあれほど申し上げたのに一つも、何にも言われておりません。  そういうことで、直近の実勢費用も消費税抜きで二十二万六千円にもなっております。六年間これは二十万円ずっと据え置きなんです。そういうことで、ぜひこれは懸命な努力をしていただきたい。いろいろな阻害要因のうちの一つでありますから、これを特に要請をしたいと思いますが、もう一度大蔵大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、委員の御主張がわからないと申し上げておるつもりはございません。そして、厚生大臣から御提起があるならば、私は誠実に検討させていただくと申し上げております。  ただ同時に、保険外の給付でありますけれども、恐らくこれは医療保険制度の仕組みの中におきまして、横への関連のある部分が多分あろうかと存じます。具体的に申し上げる必要はない、委員御承知のとおりでありまして、こうした点について厚生省が医療保険制度の仕組みの中と、その外側とどう接点を求められるかという問題はあろうかと存じます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 もう一度申し上げますが、国立病院の平成二年三月現在の実勢費用は二十二万六千円だ、消費税抜き。しかし、実際に子供さんを産まれた方に聞きますと、三十五万、四十万ぐらいかかっておるわけですね。そういう意味では、早急に分娩費の給付額を上げるということを再度私はこの場で強く強く要請して、次の質問に移りたいと思います。  さて、湾岸戦争に関しますところの日本国の九十億ドルの追加支援の件でございます。きのうも私、予算委員会で質問に立たせていただきまして、このことをお聞きしようと思ったのですが、きょう大蔵大臣にこうやって御質問する機会があると思いましたので、きのうは省きました。そこで、きょうはじっくりとこの件についてお聞きしたいと思います。  まず一点でございますが、補正予算、それから特例公債と増税法案ですね、これは一体いつ国会へ出される御予定なんですか。私、予算委員会をずっと聞いておりますと、二十日ごろとたしか明確におっしゃいましたね、一度は。最近何かいろいろ新聞やテレビを見ますと、おくれると言っておりますが、いつごろをめどに出される予定でしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 今、私自身が非常に深刻に悩み続けております。この九十億ドルの支援というものが、国際社会において日本として必要な金額であると私は信じておりますけれども、その財源をどうするかということにつきましては、さまざまな御意見が私どもに寄せられております。  その中で私自身どうしてもとりたくない考え方は、財源の裏打ちなしに赤字国債によってこの金額を拠出するという方法でありまして、これはどんなことがあってもとりたくありません。そうすれば、各種の努力を積み重ね財源を捻出するか、あるいはその部分について増税をお願いし、それまでの間のつなぎの国債を発行するという手法になるか、あるいはその組み合わせになるかということになろうと存じます。  しかし、現実の問題として、平成二年度の第一次の補正予算、昨年御審議をいただきました時点で、私どもは例年以上の節減を各省にお願いをし、通常の年に比べますと約七百億余り節減額を多く拠出をしていただきました。そう考えてみますと、平成二年度の残ります期間の予算において、それほど大きな財源を拠出することは非常に困難な状況にあります。  また、現在御審議をいただいております平成三年度の予算にいたしましても、私どもは、概算要求基準自体に相当強い抵抗のありました中、その枠内での要求を各省にお願いをし、さらにその上に念査に念査を重ねて三年度予算の編成を行ってまいりました。その内容を考えますとき、不要不急と言える内容を含んでおると私自身思えません。また、それほど主計局を中心として大蔵省の諸君が甘い査定をしてきておるとは考えておりません。平成三年度予算が通過、成立をいたしました後において、そのときの状況の中から節減をしていく努力をすることは例年当然のことであり、従来以上に行わなければならないと思いますけれども、現時点においてそうしたものがなかなか思い浮かばないというのが率直な心境であります。  そうした中、まだ私自身が悩み抜いておりますけれども、二十日ごろにはということを申し上げてまいりまして、数日間のおくれはお許しをいただきたいと考えておりますが、できる限り早く提出をさせていただきたいという決意で現在悩み抜いております。     〔委員長退席、村上委員長代理着席〕

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 新たなる追加支援は本当にないのだろうか、こういう疑問があるわけです。これは新聞報道でございますが、ブレイディ長官は米国議会の下院予算委員会で、日本からの九十億ドルは一月から三月までの分である、長期化すれば新たなる支援を要請するとはっきりと言っております。また、米国議会調査局も、砂漠の嵐作戦の経費分担は戦争が三月末までに終わることを前提と明示、長引けば責任分担は新しい試練に直面すると、四月以降は新たなる負担を示唆した報告書も出ております。  こういうことを考えますと、この新たなる追加支援というものは戦争が長引けば考えなければいけない、こういうふうに大蔵大臣はお考えなんでしょうか。それとも、よく当面は、当面はとおっしゃるけれども、この場ではそういうことがはっきり言えない、不透明ということは不透明なんですが、もし新たなる追加支援が来た場合はどうされるのでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 私は、先般来さまざまな場面で御意見が出ますので、二月七日、下院予算委員会におけるブレイディ財務長官の発言の議事録を取り寄せてみました。これは会計年度の違いがありまして、そこのところがはっきりいたしませんけれども、例えばこういうやりとりがございます。  ハッカビー議員という方が「日本の目標について説明して欲しい。」という言い方をしておられます。そして、「彼らが最近約束した九十億ドルのうち何%が米国へのキャッシュとなるのか。」という質問。それに対しまして財務長官は、「これは一九九一年度の金額だ。」という言い方をしておられます。ですから、はっきり申しまして、通常伝えられておりますニュアンスとこの発言には多少トーンの違いがあるような感じがいたします。ただ、いずれにしましても、私自身、現在その九十億ドルという金額の負担につきましても補正予算をお願いし、また、そのための増税を国民にお願いしなければならない状況の中におきまして、例えばこの二年度のうちにもっと追加的な負担をと求められましても、到底求められる状況にはない、そう考えております。  そして同時に、この中東における戦闘状態というものが長々と続くような状態は決して望みません。むしろ追加支援といったことではなく、平和が回復した後における中東の原形に復していくための費用、より安定のための費用という形で我々が負担を論議できることを心から願っております。私自身、戦闘が四カ月、五カ月、六カ月といった長い、あるいはそれ以上長い戦争が続くという状態は想定いたしたくありませんし、そういうことになった場合に、それじゃ追加の負担が全くなくて大丈夫かと言われれば、そこまで自信は持ち切れませんけれども、むしろ我々としては、一日も早く戦火のおさまることを願っております。     〔村上委員長代理退席、委員長着席〕

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 当然私も一日も早い終結を願った上で申し上げておるわけです。  べーカー長官も、中東復興銀行とかそういうものをつくって、終結後の中東の復興、また周辺諸国の経済援助というようなものも言われておりますので、恐らく日本はこれにはノーとは言えないと思いますね。そうなると新たなる第二マーシャル・プランというんでしょうか、第二ODAというんでしょうか、そういうようなものも本当はそろそろ考えていかなければいけない、予算の裏づけが要るわけですからね。いわゆる国際貢献税という新しい税金を取るとか、平和貢献税という新しい税金をつくるとか、こういう学者、文化人の意見もあるわけですね。きょうは時間がありませんから議論はできません。  そういう終結後のシナリオというものも、日本はやはりリーダーシップをとっていかなければいけない、まさにこれは平和へ使うわけですから。そういう意味では、今後前向きにこれは検討をさるべきことであろう、このように御指摘を申し上げておきたいと思います。  そこで、この九十億ドルの追加支援につきまして、これは大蔵大臣の率直な御意見をお聞きしたいのですが、使い道は、武器弾薬には使わない。私きのう質問して、輸送関連も、兵員、武器弾薬は輸送しない、こういうふうに総理大臣が明言したと思っていたら、何かきょうの予算委員会でひっくり返っちゃって、限定しないなんということになっておるんですけれども、これはまあよろしいわ、あした集中審議でうちの矢追副委員長がこのことをもっと詰めてやるとおっしゃっておられますから。  それはさておきまして、私が申し上げたいのは、使途につきましてGCCと取り交わします交換公文について、やはり武器弾薬に使用してはいけないという一項目を、総理も明言しておるわけですよ、国権の最高機関の国会の場で。使わないように意思を伝えますと言っているんだったら、なぜ交換公文にそれが一項目入らないのかという素朴な疑問が起こるんですが、大蔵大臣はどうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まあ事務方がつくりました答弁を読み上げますのも大変芸のない話でありまして、私個人、率直に申しまして、交換公文を締結した経験を持っておりません。ですから、実は交換公文の書き方としてどういう書き方があるのか、自身に知識を持ちません。例えばポジリストの書き方あるいはネガリストの書き方、そうした書き方の差というものは、恐らく外交文書の作成技術上あり得ることだと私は思います。  また、これはちょっと役所の覚書と同じにしてはいけませんけれども、例えば私どもが地方財政計画を論議いたしました時点で、自治大臣との間に覚書を交わしたようなものがございますが、それはあくまでも非公式な文書であり、実質を担保はいたしますけれども、決定した地方財政計画そのものが表に出る形であります。そうしますと、例えば交換公文には、湾岸平和基金に対し日本政府はこれこれを拠出するということをつけ、その附属文書のようなもので細部を決定する仕組み等、いろいろなやり方があるのではないだろうか。先日の御論議も横で伺いながら、私は実はそんな印象で聞いておりました。むしろこれは外交文書作成技術上の問題、率直にそのような感じでおったことを申し上げます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 そこで、外務省北米局川島審議官においでいただいていると思うのですが、国権の最高機関である国会で総理が明言しておるわけですね。武器弾薬には使わないことを明確に意思表明をする、こう言っているのです。ポジとかネガとか、私も専門家ではありません、どういうふうに書けばいいのかわかりませんが、そのことが相手にわかるような書き方というのは、GCCと取り交わした交換公文を私見ましたけれども、書けないことはない。  そのことともう一つお聞きしたいのは、会計検査院を入れるということも、私はこれは可能だと思うのです。なぜかならば、アメリカがODAで援助した場合は、会計検査院を入れるということをはっきりと書いているわけですね。私もODAのことで勉強いたしましたけれども、アメリカだけだそうです。アメリカの要請で九十億ドル出すなら、アメリカと同じように会計検査院を入れますよ、GCCとの交換公文には明確に一条入れますよ。これは外交上、技術上のテクニックかもしれませんが、明確に入れることができる、こう思うのですが、外務省はどうでしょうか。

川島裕外務省大臣官房審議官

○川島政府委員 御質問の二点についてお答えいたしたいと思います。  最初の交換公文の件でございますけれども、既にいたしました拠出につきましては、まさに湾岸の平和と安定の回復のため国連諸決議に従って活動している各国を支援する云々ということで書きまして、それで資金協力と物資協力を書いてやっておるわけでございます。それを踏まえまして、運営委員会で具体的な使途については決定するというのが今までの仕組みなわけでございます。  そこで、要は日本政府のこの使途に関する考え方、すなわち、今度の九十億ドルが輸送関連、医療、食糧、生活、事務関連等々について使われるということをどうきちっと確保するかということにあるかと思いますけれども、私どもといたしましては、そこはまさに運営委員会が具体的な使途について、使用について決定していくということが確保されておりますので、そこで日本政府のそういう使途に関する意図に反する形では断固使われない、そこがきちっと確保されている仕組みになっておると思いますものですから、その具体的な使途については運営委員会の決定にまつ。そして、交換公文の方に書くのは、これは書き方の問題かと思いますけれども、むしろより一般的な形で書く、こういうふうに考えている次第でございます。  それから、会計検査院の話でございますけれども、これはたしか会計検査院から一度御答弁があったかと記憶しておりますので、私が申すのもいかがかと思いますが、私どもの承知しておるところでは、九十億ドルというものは機関に対する拠出でございまして、その拠出の金がさらに各国に行って、それがどう使われたかというところまで会計検査院の方で検査するということは、現行のやり方としてはちょっとなし得ないところであるというふうに会計検査院の方で受けとめておられる、こういうふうに承知しております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 外交的な配慮が必要なのでしょうけれども、私は、国権の最高機関ではっきりと明言されたことは、それをそっくり担保するために、交換公文に一条くらい入れても何ら差し支えないということをもう一度指摘をしておきたいと思います。  それから、きょうは防衛庁さんにも来ていただいておりますが、自衛隊の輸送機派遣につきまして手当を新しくつくる、こう言われておりますが、手当の名称とか金額とか、その新しい手当をつくる場合の手続はどうするのか。決まったのでしょうか。

新貝正勝防衛庁人事局人事第三課長

○新貝説明員 避難民の輸送の依頼を受けまして中東に派遣されることとなった場合には、隊員が誇りを持って、安んじて業務に従事できるようにすることが重要であると考えております。  その場合の隊員に対する手当についてでございますが、現在、業務の内容、性格等を踏まえて政府部内で検討中でございます。したがって、その内容等について申し上げる段階にいまだ至っていないというのが実情でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 実施計画はできた、準備はしてどんどん訓練はしておる、いつでもスタンバイだと言いながら、飛び立った後——飛び立っちゃいかぬのですけれども、飛び立った後手当を決める。何か泥棒を捕まえてから縄をつくるというような感じですね。こういうのは当然あってもいいのじゃないでしょうか。別に隠すことはないと思うのですけれどもね。これからやるというのですからいたし方ありませんけれども。  そこで、財源の問題で一問だけ大蔵大臣に。説明はいいですから、イエスかノーかでいいのですが、地価税ですね。今度大蔵委員会でも地価税について議論が行われるところでありましょう。平成四年一月一日からでございますが、三千億円とか四千億円くらい国税として入る、こう言われております。この地価税を今度の九十億ドルに回す、財源に考えるというようなことは考えられないでしょうか。地価税の増収分はまだ使い道は決まっていませんよね。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 地価税は、改めましてぜひ早期に成立をさせていただきたいとお願いを申し上げます。  ただ問題は、御承知のように、これから御審議をいただきます地価税そのものが平成四年度以降のものでございます。でき得る限りこの九十億ドルの負担というものに対する返済は、つなぎの国債で次の年の増税分における返済というものを考えております中で、地価税という国会でこれから御審議をいただく、しかも税収は平成四年度以降というものを財源に充てられるというほど状況が安易なものだとは、私は考えておりません。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 TBで短期国債を出そうとするからそうとも言えるのですね。平成四年から税収が見込まれれば、それは三年とか四年、何年かかるかわかりませんけれども、三年国債、五年国債でもいいわけですよね。そういう議論があるということ、ある評論家の方がそうおっしゃっておりました。私もなるほどそれも一つの手だなと。経団連が、こういう援助、支援というものは、まずお金持ちから義援金を集めなさい、足らずば増税だ、こうおっしゃった。まさに土地をたくさん持っておる方から集めた地価税を充当するというのは、一つの手じゃないかなというふうに思ったものですから、申し上げたわけでございます。  時間が来ましたので、最後に理財局の方へお聞きしたいと思うのですが、きのう、きょうと都内の大手デパート、大型店舗に十店舗ほど電話で聞きました。いわゆる十万円金貨。私が立つと、いつもあの人は金貨のことばかりと言われるぐらいでございますけれども、都内の十大店舗に、これから十万円持って買い物に行ったとすれば即使えますか、こういうふうに電話で聞きました。十店舗中三店舗は、それはお断りします。十店舗中四店舗は、鑑定書つきならオーケーです。十店舗中の三店舗だけオーケーです。これは日本国が発行した十万円金貨ですよ。なぜこれが通用しないのでしょうか。  これはやはり問題があったと思うのですね。これは安易な税外収入を確保したというふうに、まず反省をしておかなければいかぬと思うのです。その反省の上に立って偽造防止をする。二百万枚に減らす、二十グラムを三十グラムにする、そういういろいろなことが考えられておるようでございます。四月十日に天皇即位の十万円金貨が出ますからね、もうすぐ後でございますけれども。しかし、もう既に発行しておる一千百万枚の金貨が都内で、大型店舗十店舗中七店舗まで即使えないということ、これはやはり問題がある。通産省と一度協議すると前回質問したときにおっしゃいましたが、どうなったのでしょうか。それが一点。  それから、日銀にこの天皇在位六十年記念の十万円金貨がどれほど還流しておるか。それから、偽造金貨が八万六千枚と言われておりますが、これは今後どう処理されるのか。証拠物件だそうですが、これをとられている業者は大変ですね、一枚十万円ですから。その点を三つお聞きして終わりたいと思います。

篠沢恭助大蔵省理財局長

○篠沢政府委員 お答えいたします。  御在位六十年記念金貨でございますが、昨年の初頭に偽貨の事件が発覚をいたしまして、その当初混乱があったわけでございます。そこで、私どもといたしまして、昨年の二月及び五月に市中銀行あるいは百貨店等に対しまして、他の通貨と同様に取り扱われたいという旨の連絡を関係当局といたしまして、出していただいたわけでございます。これによって混乱の発生防止が図られていると思うのでございますが、ただいま先生がおっしゃいましたような、まだ十分それが徹底し得ないという事態があることにつきましては、まことに遺憾に存ずるわけでございます。今後とも、その実態の把握に私どもとしても引き続き努めていくように努めたいと考えます。  それから還流でございますが、御在位六十年記念十万円金貨幣は、御承知のとおり、昭和六十一年と六十二年の二年にわたりまして合計一千百万枚の発行を行ったところでございます。当初に引きかえの未了分が相当数あったわけでございますが、それを含めまして、現在日銀において受け入れております還流枚数というものが合計三百万枚ございます。三百七万枚ということになっております。  それから、押収されました偽貨ということについてお話がございました。私ども捜査当局から得ております情報で、捜査当局が押収をされました偽貨の枚数が二万二千枚ということでございます。それから、日本銀行の保有する偽貨が八万六千枚ということになっておるわけでございます。これは鑑定の結果でございます。鑑定は完全に済んではおりませんが、大体この辺が偽貨としては最後の数字かと思っておりますが、日本銀行でそのようなものを保有しております。しかしながら、この偽造事件全般につきまして、捜査当局で現在なお捜査中でございます。したがいまして、御指摘の日本銀行の保有する偽造金貨幣の処理等につきましては、引き続き捜査の行方を見きわめまして、関係者間で十分協議を行い、処理をするという方向に進みたいと考えております。  あと、新聞等に、捜査当局が直接押収しておられます偽貨につきまして、かくかくしかじかの処理をするのではないかというような報道が最近ありましたことは私どもも承知しておりますが、これにつきましては、私ども現在のところ捜査当局から特別の協議を受けておりません。  以上でございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠委員 終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党

○正森委員 私の方から、短い時間でございますが、聞かせていただきます。  予算委員会の質疑を注目して見ておりましたが、そこでの論議を見ますと、九十億ドル負担の根拠について海部総理は、我が国のGNP、貿易量、外貨準備高等々の数字を挙げられて、応分の負担として自主的に決めた旨答弁されております。しかしながら、これは問題の説明にはならないのではないでしょうか。  まず第一に、分母の数字があって初めて、我が国の例えばGNPは一四%とか一五%だ、貿易量はこのぐらいだ、外貨準備高はこれだけだということで、結果として分子の数字が出てくるのであって、海部総理の説明だけでは九十億ドルという数字は出てこない。これは論理的にも常識的にも当然のことであります  そこで、総理の言う湾岸の平和回復活動、こういいましても、平和回復活動は、今イラクとの戦闘によって行われているのですから、戦費であります。しかも、それは当面、一月から三月幾ら要るのかという数字があって、それの応分ということで九十億ドルということになるのではないのですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 大変申しわけありませんが、私はそうではないと思います。  なぜなら、今日ただいまにおきましても、委員の言われる分母、すなわち戦費という言葉をお使いになりましたが、この湾岸における状況の中で、一体国際社会がどれだけの費用を必要とするかということにつきましては、正確な見通しを持ち、数字を挙げておられる方はどなたもありません。そして、アメリカの大統領の一般教書におきましても、数字が試算できないということが率直に述べられております。そうした状況を客観的に御判断いただきましても、委員の言われるような意味での分母というものが存在したとは私は考えておりません。

正森成二日本共産党

○正森委員 予算委員会でもそういう答弁がありますから、そう答弁されるだろうと思っていたのですが、それは違うのじゃないのですか。  例えば、確かに一般教書等で正確にはわからない、これは当たり前のことで、相手の出方もありますし、戦費が今から確定できないことは当然であります。しかし、それでは九十億ドル拠出するという数字が出てこないので、何らかの試算がなければならないのです。その試算として米議会予算局では、一カ月で仮に戦闘が終わるとすれば二百八十億ドル、六カ月かかるとしたら八百六十億ドルということで、今回の場合は一月から三月の三カ月ですから、多い方の半分とすれば四百三十億ドルですけれども、初めの一カ月は多くかかるから一応四百五十億ドルとして、その二〇%なら九十億ドルということになるのではないのですか。  現に二月五日の毎日新聞では「大蔵首脳」という表現で、「これまでの日本の拠出の経緯、他国の出方、そういうものの中で判断した」と報道されておりますが、これが事実だとすれば、今まで日本は二十億ドル拠出しましたが、これは戦争開始前に多国籍軍が湾岸地域に展開した費用が約百億ドルと言われておりますから、ちょうどその二〇%に当たるわけであります。だから数字が符合しているのではないですか。  皆さん御承知でしょうが、朝日新聞の一月二十三日に二百八十億ドル—八百六十億ドルというのが出ましたが、そのもとにある議会予算局のコングレッショナル・クォータリー・ウイークリー・レポートの一月十九日号というのがあります。英文です。私はこれを持ってきて読みましたが、若干朝日の数字は違っておりますけれども、大筋においては合っております。  そこで、こういうのが基礎になって、例えば一月二十日、二十一日、あなたはブレイディ財務長官とお会いになりました。そしてブレイディ財務長官は、予算委員会で宣誓をした証言の中で、九十億ドルというのは私の方から日本に要求したのだ、そして満額回答したのだと言っているではないですか。だから、一定の基礎があって、そしてその数字が出たのではないですか。そして一定の数字というのは、議会予算局が戦略研究所等々からの予想に基づいて、短い場合はこのぐらい、長い場合はこのぐらいといって計算したのが一定の根拠になっているというのは何人も否定できないことではないですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 確かに議会予算局の数字は、委員が挙げられたとおりであります。しかし、同時に、議会は行政府ではございません。そして、言いかえれば、財務省が裏打ちをした数字と申しますものは、まさに大統領の予算教書の数字であると思います。しかし、その中には、現時点におきまして湾岸戦争に係る戦費及び同盟国からの資金援助について信頼できる試算が存在しないと明確に書かれておることは、委員が御承知のとおりであります。  これはまさにアメリカ政府としての数字でありまして、その数字が出せないために三百億ドルの追加的財政支出を仮置きする。しかし、その仮置きをする三百億ドルというものは、会計検査院の見積もりに沿ったものという説明があるのみであります。しかも、その会計検査院の見積もりは、戦争開始前に戦闘は開始されないとして試算されたものでありまして、アメリカ政府としての数字というものは、二月中には追加的財政支出についての見通しをより明確にし得るので、その時点で補正予算を要求することになるとなっておりまして、アメリカ政府としての数字がないという現実につきましては、現在もそのとおりであります。

正森成二日本共産党

○正森委員 それはおかしいのではないですか。アメリカに数字として確定的なものがあろうはずがないので、しかし、おおよその見込み数字があるからこそ、日本に対しても応分の負担を要求してきたのではないですか。大統領の一般教書等が、これから湾岸戦争で幾らかかるか、他国の拠出が幾らかかるかということは確定的でないので、一応三百億ドルと仮置きするというようなことを言っていることは、まさに分母が湾岸戦争に要する費用であるということを間接的に認めたことではないですか。  また、三百億ドルをなぜ仮置きしたかということは、このコングレッショナル・クォータリー・ウイークリー・レポートの議会予算局の数字にあらわれているのです。これを見ますと、一九九〇年会計年度というのは九月までです。そこで要るのを約三百五十億ドルと見ているのですよ。いいですか。だから、その三百億ドルというのは戦争が開始前の数字だから、会計検査院の数字も必ずしも当てはまらないというのは、まさにそうなのです。戦争が始まってから議会予算局が出した数字は、長い方の予定で、アメリカの場合は九一会計年度というのですか、九一年の九月までです、それが三百五十億ドルです。そしてその翌年、ことしの十月からさらに先に五百十億ドル、合わせて八百六十億ドル、こうなっているのです。  そして、その前提にどういうことが言われているかというと、国防情報センターのシナリオで、最大の場合は、戦死者が七千八百人、戦傷者が三万七千二百人、戦車九百両、航空機六百機を失うという仮定で計算されているのです。原文を読みますと、ほかにこういう場合こういう場合とおもしろい数字が書いてありますが、それは申しません。  そこで大蔵大臣、私は聞きたいのですが、幾ら自主的に決めたと言ったって、もとのその数字はアメリカでさえ今わからないで、おおよその数字だけなんですけれども、基本的には我が国が関与して積算できない数字じゃないですか。戦死者が七千八百人も出、負傷者が三万人余りも出、タンクが九百両、航空機が六百機失うというような戦闘を決め、命令できるのはブッシュ大統領で、容認できるのは議会であり、最終的には米国民だけじゃないですか。日本国民には全く決定権も発言権もないじゃないですか。そんなものについて一定の割合を負担するということは、日本が事実上財政自主権を失うということじゃありませんか。  あなた方は構造協議のときでも、一〇%ずつアップするということについて、それは財政自主権を侵害するということで、四百三十兆という数字だけを出すということで防御したじゃないですか。私が構造協議で質問したときも、大蔵大臣はその点だけは強く主張されたじゃないですか。  それが今度はどうですか。基礎になる数字はアメリカ任せで、割合だけがほぼ二〇%というのが出てくる。それを合理化する唯一の道は、我が国はもはや独立国ではなくて、財政自主権を奪われているという結論を出す以外にはないわけです。しかも、アメリカの首脳部の発言によれば、これは三月までで、四月も続けばさらに追加負担をお願いする。例えば、ほかの高官も言っておりますが、アメリカのダーマンという予算局長ですか、これが四月以降長引いたときには戦費の主要財源として再度追加の資金を日本等に要求する、こういうふうに言っているじゃないですか。そういう仕組みの中にこれから踏み込んで、そして払っていかなければならない。それが結局回り回って日本国民の増税になる、こういう仕組みじゃないですか。  アメリカは、大臣、一七七六年の独立戦争のときに、イギリスが印紙条例をつくる、あるいはお茶その他に関税をかけるというときに、代表なくして租税なし、同意なくして租税なし、イギリス本国の議会が勝手に決めて、我々の知らないものを、税金を負担させるのは何事だ、こう言って独立戦争に立ち上がったのです。今そのイギリスをアメリカと呼びかえ、植民地アメリカを日本と呼びかえれば、そっくり同じ事態じゃないですか。そんなものは断じて認められない、私はそう主張せざるを得ません。答弁をお願いします。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まず第一に、分母という言葉をお使いになりましたのは委員でありまして、私はそういうものが存在しないと申し上げております。どうぞ誤解のないようにお願いをいたしたい。分母というものが存在をし、その一定比率を日本が負担するということでありますならば、今アメリカの独立戦争の例を引かれて委員が述べられた御議論というものを私は甘んじて受けなければなりません。しかし、分母が存在しないと申し上げておりますのに、その上で分母を中心として御論議を組み立てられておしかりを受けるのは、大変心外であります。  私の申し上げたいことは以上です。

正森成二日本共産党

○正森委員 時間が参りましたので終わりますが、分母というものがそもそも全くないのか、あるのかということは、時間の経過ではっきりするでしょう。この法案はいずれ大蔵委員会に提出され、そのときは十五分でなく多くの時間があるでしょうから、ゆっくりと大蔵大臣と論戦したいと思います。  これで終わります。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 中井洽君。

中井洽民社党

○中井委員 時間がありませんので、私も大蔵大臣に湾岸戦争の援助九十億ドルの拠出の問題を中心に、簡単にお尋ねをしたいと思います。  私どもの党は、残念ながら起こりました今回の湾岸戦争、これの政府の対応というものを御支持、御支援申し上げる、できる限り国際社会での平和回復あるいはまた戦争が終わった後の日本の環境、こういったことを考える、できる限り援助をすべき、こういうことで主張を続けているところであります。したがいまして、九十億ドルの拠出につきましても、少し私どもの予想よりも額が多かったかなという感じも抱きましたけれども、使用目的あるいは算出根拠、そういったことは党内的な論議はありましたけれども、こういう事態で援助をやる場合にはとにかく素早く大胆にやるべきだ、こういう形で御支援を申し上げてきたところでございます。  特に日本国内において、アメリカも悪い、イラクも悪い、こういう論議があるということを私は大変残念に考えております。去年の八月にイラクがクウェートへ侵攻をして、そして、アメリカを初めとする多国籍軍がサウジアラビアの要請を受けて素早く進駐をした。もしあのときにアメリカがああいう行動をしなかったら、イラクは多分サウジアラビアを攻めておったであろう、そして、世界の石油情勢というのは大変な危機を迎えておったであろうと考えます。今、戦争という状況が起こったにもかかわらず油の価格が下がっていく、こういったことも世界の今回の湾岸戦争に対する大きな支援のあらわれではないか、私はこんなふうに考えております。したがいまして、九十億ドル出すということについては賛成でありますし、目的だとか根拠だとか、そういったことで論議するつもりはありませんが、二つだけお尋ねをしたいと考えております。  一つは、もう予算委員会やマスコミ等で報じられていますから間違いはないと思いますが、本当にアメリカに出すのではなしに、多国籍軍に出すというお約束が当事者であります橋本大蔵大臣の中できちっとやられてきたのか。そして今後、例えばイギリスだとかフランスだとか、多国籍軍に人を出しておる、軍を出しておる国々が、日本よ出してくれ、こういったことを言ってくる可能性は全然ないのか、このことが一点であります。  それからもう一つは、私は、今回の戦争でアメリカは本当に難しい戦いをしておる、そして同時に随分我慢をしてよく見てやっておると考えております。それは、アラブ世界の大半の指導者を含めて、やはりフセイン大統領がおったのでは平和にならない、ああいう考えでは平和は回復をしない、一刻も早くフセインさんが反省をして、あるいは失脚して、そしてクウェートからの撤退ができて、その後も平和裏にいける、こういう思いがある。しかし、それと同時に、イラクを攻め滅ぼさないでくれ、イラクはイラクとして存続をさせるべきである、これが共通の願いであろうかと思います。  そういう意味で、イスラエルがあれだけ不法にもミサイルを撃ち込まれる。ああいう国からいってよく我慢をしておる。イスラエルがあれで我慢をせずにイラクへ進攻あるいは爆撃を開始をしたら、国際世界の共通の思いでありますイラクの存続というのが危なくなる。そういう意味では、アメリカはよくイスラエルを説得し、イスラエルもよく我慢をしたと私は考えております。これから私どもは、このイスラエルの援助ということもある意味では必要ではないか。このイスラエルの援助ということについては、実際はイスラエルから言ってくるのだろうか、あるいはこの九十億ドルの中で考えられるそういう範囲に入っておるのだろうか、この二つの点をお尋ねいたします。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 まず第一点でありますが、海部総理が決断を下されまして、ブッシュ大統領に九十億の負担を日本として行う意思を表明されました後、アメリカにおきましてフィッツウォーター大統領報道官が記者会見をしておられます。そしてその中で、明らかに多国籍軍に対する資金協力の申し出につきという言葉を使われ、総理からブッシュ大統領に伝えた内容が多国籍軍に対する支援というものでありましたことを明らかにいたしております。  また、私どもの繰り返し申し上げておりますとおり、この拠出はGCCに対して行います。そして既に、先般補正予算で御審議をいただき、御了承いただきました十億ドルを含め、過去の拠出分の中からアメリカ以外の国々、イギリス等たしか十カ国ぐらいだったと思いますが、これに対して援助が行われておる実績がございます。そしてイギリスからは、今回も資金協力を受けたいという意思が表明されておるようでありますが、フランスからはそうした申し出があるとは私は聞いておりません。いずれにいたしましても、湾岸平和基金において配分されますときには、そうした各国の声というものも参酌されるのであろう、そのように思います。  それからイスラエルについて、私は委員が述べられましたお気持ちの部分については、全く同じ感じがいたします。ただ同時に、従来から国連はイスラエルに対しまして、パレスチナ問題について幾つかの問題点を指摘し、イスラエルが占領している地域の処理方針について国連としての意思を明らかにいたしております。日本政府は、たしかこれらの決議に賛成をいたしておったと記憶をいたしておりまして、別途の問題がイスラエルに存在することもまた事実であります。と同時に、イスラエルが今後この戦闘の中でどのような姿勢をとるかが、まさに今後の情勢を非常に大きく変化させる要因であることも間違いありません。また一般的な経済援助になじむかなじまないか、これは別といたしまして、イスラエルに対して将来何らかの協力を行う必要が生ずれば、外交当局から御相談があるでありましょうし、私どもとして誠実に対応したいと思います。

中井洽民社党

○中井委員 もう一点、九十億ドルの問題についてお尋ねをいたします。それは言うまでもなく財源問題であります。  政府は、既に増税でこれに対応するということで、法案等御準備をいただいているようであります。しかし国会は、御承知のように参議院が与野党逆転になっております。この法案が通るためには、私が言うまでもなく、九十億ドル拠出に賛成をしております民社党、あるいは公明党さんが賛成をする形での法案提出がなければ、到底この法案は通らないわけでございます。私どもはヨタるほど大きくございませんけれども。その中で、私どもも公明党さんも、増税で大半を賄うのは反対であると強い意思表示をいたし、既にいろいろな政党間での話し合いが行われております。私どももその中で、経費の削減あるいはたばこの株の放出、こんなことを申しております。  その中で、実はいろいろと議論があったのですが、私が強引に言いまして党の要求といたしました項目がございます。それは、去年本当に各党苦労に苦労を重ねていただきまして、消費税の問題について決着をしようということで、誠心誠意努力を続けてまいりました。ある程度話し合いができ上がったわけでありますが、残念なことに結論を得られない、こういう状況でございます。  そこで、こういう九十億ドル、増税で賄うのではなしに、この時点で、一番最初に各党あっさりとまとまりました運用益、益税の問題、これを復活させていく発想はどうだろう、このように主張をいたし、党としてもそれを全面的に取り上げているところでございます。当局の方で、この各党間で話し合って合意を見ました益税、簡易課税の見直し、仕入れ率等々幾つかの制度改革、これをやれば一年間にどのくらいの益税の吸い上げ、財源が確保できる計算をなさっているか、お聞かせをいただきます。

尾崎護大蔵省主税局長

○尾崎政府委員 従来から中小企業者に対する特例措置の影響額が四千八百億くらいということを申し上げていたわけでございますけれども、今回どういう内容でお考えになるかということによるわけでございますが、先般御議論がございましたのは、そのうち免税点に触れておりませんので、免税点を除きましたところでの金額ということになります。したがいまして、ちょっと具体的な数字は持ち合わせておりませんが、金額的にはその免税点を除きました分、それで簡易課税その他についてどのような見直しにするかによって金額が変わってくるということでございます。ちょっとオーダーといたしましては、何とも具体的に決まりませんと申し上げにくいところでございます。

中井洽民社党

○中井委員 例えば四千七、八百億円の益税、そのうち大体八割を吸い上げたというだけで三千億以上の財源が入ってまいります。これは言うまでもなく消費者は納めているわけでありますから、それを各党で合意をして直そう、そして、しかもその出てきた金額にふさわしい分、消費税を課税対象としないものをつくってやっていこう、こういうことであります。  しかし、こういう戦争が起こり、日本としても必死のお手伝い、そして莫大な金額が要る。増税をやる以外に道はないとおっしゃるけれども、こういうことを例えば戦争終結までやっていく、戦争終結をしたらその減税の部分を、各党で合意した部分を実施する、そういう形でやっていけば、国民もこの九十億ドルの拠出について喜んで御納得をいただけるのじゃないか、このように私は考えております。大臣、先ほど苦しみ抜いているというお話もございましたけれども、お考えをお聞かせいただきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 委員を初め、この消費税の見直しの中からという御意見は、何回か私もちょうだいをしてまいりました。しかし、財政当局といたしましてこの消費税の問題は、政府として国会に御提案をいたしました考え方というものは、一院は通過しながら結局廃案という状況になり、両院の意思をもってその方向をまとめるという決断を下された内容でありますから、我々からこれを今回の状況の中で財源として考えるというのは、それこそすべきではないことであろう。政府として許される範囲を超えておる、そのように考えておりまして、その消費税の見直しを財源としてこの九十億ドルの財源措置に充てるという考え方は、私はとっておりません。

中井洽民社党

○中井委員 私どもは各党の話し合いの中で強く主張をしてまいりますので、お考えをいただきますようお願いいたします。  ソビエトの問題等聞こうと思ったのですが、時間が終わったというので、終わります。      ────◇─────

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 次に、内閣提出、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。橋本大蔵大臣。     ─────────────  国の補助金等の臨時特例等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○橋本国務大臣 ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  平成三年度予算は、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、公債依存度の引き下げを図るため、歳出の節減合理化や税外収入の確保など、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことにより、公債発行額を可能な限り縮減することとして編成いたしました。  本法律案は、最近における財政状況及び社会経済情勢並びに累次の臨時行政調査会及び臨時行政改革推進審議会の答申等の趣旨を踏まえ、財政資金の効率的使用を図るため、平成元年度の国の補助金等の整理及び合理化並びに臨時特例等に関する法律に盛り込まれた措置のうち、平成二年度末に期限が到来するすべての暫定措置について、改めて一体的、総合的検討を行い、所要の立法措置を定めるものであります。  以下、この法律案の内容について申し上げます。  第一に、平成二年度まで暫定措置が講じられてきた事業に係る補助率等に関して、まず、公共事業に係る補助率等については、平成五年度までの暫定措置として、昭和六十一年度に適用されていた補助率等まで復元することとしております。また、義務教育費国庫負担金に係る経費のうち共済費追加費用に要する経費等に係る補助率等については.平成五年度までの暫定措置として、引き続き昭和六十一年度に適用された補助率等を適用することとしております。これらの措置は、三十一本の法律にわたっております。  なお、今回の補助率等の特例措置の対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。  第二に、一般会計から特別会計への事務費の繰り入れを規定している地震再保険特別会計法及び自動車損害賠償保障法の二法律について、平成五年度までの暫定措置として繰り入れの特例を定めることとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

平沼赳夫自由民主党

○平沼委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、来る十五日金曜日午後五時二十分理事会、午後五時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十七分散会

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