大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 5 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1991/02/06
会議録
○平沼委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 財政金融の基本施策について、大蔵大臣の所信を聴取いたします。橋本大蔵大臣。
○橋本国務大臣 先般、再び大蔵大臣を拝命いたしました。 内外ともに解決すべき課題が多い中、引き続き財政金融政策の運営の任に当たることとなり、その責任の重大さを改めて痛感いたしております。今後ともに財政運営に遺漏なきよう全力を尽くしてまいる所存でありますので、どうぞよろしく御指導のほどをお願い申し上げます。 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。 まず、最近の内外経済情勢について申し述べます。 現在、我が国経済は、設備投資と個人消費を両輪として、内需を中心とした自律的拡大を続けております。物価につきましては、総じて安定的に推移しておりますが、労働力需給の引き締まりや不安定な原油価格の動向などもあり、今後の動向には細心の注意を払っていく必要があります。対外面では、不均衡の是正は着実に進んでおります。 国際経済情勢を見ますと、先進国においては、アメリカ、イギリス等で景気後退の様相があらわれてきており、また、湾岸情勢という不透明な要素はあるものの、総じて持続的な経済成長が続いております。他方、主要国間においては、着実に改善が進んでおりますが、なお対外不均衡が存在しております。累積債務問題につきましては、前進が見られるものの、なお、解決に向けての努力を必要としております。ソ連・東欧諸国におきましては、困難な経済環境のもとで、市場経済への円滑な移行が大きな課題となっております。 このように激動を続ける国際情勢のもとで世界経済の安定を確保していくためには、各国が協調して対応していくことが極めて重要であると考えます。先日開催されました七ヵ国蔵相・中央銀行総裁会議におきましても、湾岸情勢を初めとする国際経済及び金融上の諸問題につき意見交換が行われ、改めて経済政策協調の枠組みを堅持することが確認されたところであります。 私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、我が国を取り巻く状況を踏まえ、これから申し述べる諸課題に取り組んでまいります。 第一の課題は、内需を中心としたインフレなき持続的成長を確保していくことであります。 このような見地から、平成三年度予算につきましては、公債依存度の引き下げを図るなど、財政改革をさらに推進するとの考え方のもとに編成いたしました。公共投資につきましては、公共投資基本計画の初年度として着実な第一歩を踏み出すため、特に国民生活の質の向上に密接に関連する分野を中心に、社会資本の充実に努めたところであります。 金融政策につきましては、今後とも、内外の諸情勢を総合的に勘案して、適切かつ機動的な金融政策の運営に努めてまいりたいと考えております。 また、今後とも、主要国との政策協調及び為替市場における協力を通じ、為替相場の安定を図るとともに、金融・資本市場の動向を十分注視し、その安定を期してまいりたいと考えております。 第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。 平成三年度予算におきましては、新しい中期的財政運営の目標のもとでの初年度の予算として、各般にわたる努力の結果、公債発行額を可能な限り縮減し、公債依存度を低下させるなど、我が国財政の健全化に向けて新たな第一歩を踏み出すことができました。 しかしながら、公債残高は平成三年度末には百六十八兆円にも達する勢いであり、国債費が歳出予算の二割を超えるなど、我が国財政は依然として極めて厳しい状況にあることに変わりはありません。 将来の我が国の安定と発展にとって、財政の対応力の回復を図ることは緊要の課題であります。 このため、今後の財政運営に当たっても、後世代に多大の負担を残さず、再び特例公債を発行しないことを基本として、公債依存度の引き下げ等により、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げることに引き続き全力を傾けてまいる所存であります。 第三の課題は、土地税制の総合的な見直し等、税制上の諸問題に適切に対応することであります。 土地税制につきましては、土地基本法の理念を踏まえ、土地に関する税負担の適正公平を確保しつつ、土地政策に資するという観点から、保有・譲渡・取得の各段階にわたり総合的な見直しを行い、地価税の創設を初めとする所要の措置を講ずることとし、今国会において、そのための法律案の御審議をお願いすることとしております。 地価税の創設は、固定資産税及び特別土地保有税の見直しと相まって、土地の保有コストに対する意識を高め、土地の有効利用の促進等、土地対策に資する上で極めて大きな意義を有するものと考えます。 なお、土地問題は現下の内政上の最重要課題であり、その解決のためには、税制面のみならず、土地基本法の趣旨に沿って各般の措置が講ぜられる必要があることは申すまでもありません。 消費税を含む税制上の諸問題につきましては、国会の税制問題等に関する両院合同協議会において、消費税の必要性を踏まえつつ、建設的な合意が得られることを期待しており、具体的な合意が得られれば、その趣旨に沿って誠実かつ迅速に対応してまいる所存であります。 第四の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。 昨年六月、日米構造問題協議の最終報告が取りまとめられましたが、その中に盛り込まれた措置は、両国の構造調整の推進に資するものであり、我が国としては国民生活の質の向上という観点からもその着実な実施に努めているところであります。 昨年末、交渉が継続されることとなったウルグアイ・ラウンドにつきましては、その成功裏の終結に向けて、各国と協調しつつ、一層の努力を継続していくことが肝要と考えております。 関税制度につきましては、本年度末に適用期限が到来する特恵関税制度の期限をさらに十年延長する等の措置を講ずることとしております。 経済協力につきましては、開発途上国の自助努力を支援するため、政府開発援助の着実な拡充と資金還流措置の実施に努めております。 累積債務問題につきましては、新債務戦略を積極的に支持し、所要の協力を行っていく考えであります。 東欧諸国につきましては、一昨年来の民主化、自由化の動きの中で、我が国としても、西側諸国の一員として相応の協力を行ってきております。今国会には、本年春に設立が予定されている欧州復興開発銀行への加盟のための法律案を提出することとしており、東欧諸国支援の軸として、同銀行に対し積極的に協力していく所存であります。 第五の課題は、金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進めていくことであります。 これまでにも、預金金利の一層の自由化、外国金融機関のアクセスの拡大などの措置を逐次講じ、短期金融市場、国債の発行・流通市場、先物市場の整備拡充などに努めてまいりました。証券取引につきましては、内外の信頼をさらに深め、取引の公正性、市場の透明性を高めるため、内部者取引規制の整備、株券等の大量保有の状況に関する開示制度の導入など所要の措置を講じてまいりました。 今後とも、信用秩序の維持、金融機関の健全性の確保等を図りつつ、我が国金融・資本市場の自由化、国際化を着実に進めてまいる所存であります。 さらに、今後の我が国の金融制度のあり方、資本市場のあり方及び保険事業のあり方等につきましては、引き続き関係各審議会において鋭意審議が進められております。 次に、平成三年度予算の大要について御説明いたします。 平成三年度予算は、真に必要な財政需要に適切に対応しつつ、公債依存度の引き下げを図るため、歳出の節減合理化や税外収入の確保等、歳入歳出両面にわたる見直しを行うことにより、公債発行額を可能な限り縮減することとして編成いたしました。 歳出面につきましては、一般歳出の規模は三十七兆二千三百八十二億円となっており、これに地方交付税交付金及び国債費等を加えた一般会計予算規模は七十兆三千四百七十四億円となっております。 次に、歳入面におきましては、平成三年度の税制改正として、土地税制の総合的な見直しのほか、住宅取得促進税制の拡充等当面の政策的要請に対応する措置を講ずるとともに、租税特別措置の整理合理化を行う等の改正を行うこととしております。 公債発行予定額は前年度当初予算より二千五百二億円減額し、五兆三千四百三十億円となっております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は二十三兆六千七百十六億円となります。 財政投融資計画につきましては、社会資本の整備、住宅対策、国際社会への貢献等の政策的要請にこたえ、資金の重点的、効率的な配分に努めており、その規模は三十六兆八千五十六億円、このうち資金運用事業を除いた一般財投の規模は二十九兆一千五十六億円となっております。 次に、湾岸地域における平和回復活動に対する我が国の支援に関して一言申し上げます。 政府は、先般、湾岸平和基金に対して、従来の拠出分に加え、新たに九十億ドルの資金を拠出することを決定いたしました。このための財源措置につきましては、石油税、法人税及びたばこ税の一年限りの臨時的増税措置により所要額の確保を図ることとし、税収が入るまでの間はつなぎのための臨時的な短期国債を発行することとしております。これらの措置につきましては、今後別途、平成二年度補正予算(第2号)及びそれと一体をなす法律案を提出し、御審議をお願いする考えであります。 以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。 ただいま述べました平成二年度補正予算と一体をなす法律案のほか、既に本国会に提出したものを含め、御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成三年度予算に関連するもの七件、その他三件であります。今後、提出法律案の内容について逐次御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。(拍手) ────◇─────
○平沼委員長 次に、平成二年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来理事会等において協議いたしました結果、お手元に配付いたしましたとおりの起草案を得ました。 まず、本起草案の趣旨及び概要を御説明申し上げます。 本起草案は、平成二年度に政府等から交付される水田農業確立助成補助金について、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。 第一に、個人が交付を受ける同補助金については、一時所得の収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、一時所得の必要経費とみなすことといたしております。 第二に、農業生産法人が交付を受ける同補助金については、圧縮記帳の特例を設け、当該法人が交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしております。 なお、本特例措置による国税の減収額は約六億円と見込まれております。 以上が本起草案の趣旨及び概要であります。 ───────────── 平成二年度の水田農業確立助成補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○平沼委員長 この際、沢田広君から発言を求められておりますので、これを許します。沢田広君。
○沢田委員 ただいま提案いたしてあります法律は、国が水田に対して減反を強いるということで農民の皆さん方に過酷な負担を負わせる、そういうことによって、本来ならば政府が提出するべき法案であります。しかしながら、政府が提出をしないために、議員の方から、それをいわゆる事業所得とせずに、一時所得として取り扱うための便宜を計らおうという提案になっております。 そこで、私も従来から何回か指摘したわけですが、大臣、予算委員会で大変お疲れだと思いますが、今度のイラクの紛争の展望は、予想はつかないとは思います。しかしながら、南アフリカにしてみても中近東にしてみてもアジアの諸国にしても、多くの難民を抱え、食糧の不安あるいは医療の危機あるいは紛争の不安におびえて生活をしておるという状況は、特に食糧不安等については、ソ連を含めて、やはり今後大きく十年ぐらいは恐らくそういう時代が続くのだろうと思うのであります。その辺はまだ予算委員会の方では質問がなされておらないようでありますから、あえて大臣の、恐らくはっきりした見通しはつかないと思いますが、世界的な食糧の危機あるいはそういうものの危機が来る。この後はそういうものを考えなければならぬと思いますが、その点はいかがでしょう。
○橋本国務大臣 とっさの御質問でありまして、本当に私個人の、今頭の中にありますものをそのままお聞きをいただきたいと思うのであります。 私は、今、世界における今後の食糧供給の体制について、確たる見通しを申し上げるほどのこの分野についての知識はございません。しかし、今御指摘になりましたような諸点以外に、今後我々が考えていかなければならない一つの要素は、現在の地球の温暖化傾向の今後の動きが、現在食糧供給基地として非常に大きな役割りを果たしている地域の農業に一体いかなる影響を与えるかという問題であります。これは全く未確定の要素として、今後検討されるべきことでありましょう。 また、今地球上の森林資源の減少に伴い、砂漠化というものが非常に大きな課題として登場いたしております。アフリカ方面におけるあるいはアジアの一部地域における食糧難というものにつきましては、この熱帯雨林を中心とした森林資源の減少、砂漠化の進展というものがその傾向に拍車をかけていることは否定できません。また、例えば地域的な食糧の偏在により、その国全体としての需給量には問題がないにもかかわらず、その食糧が適切な時期に適切な場所に送付されないための食糧不足というものも現に地球上に存在をいたします。 こうした状況全般が今後どのような対応によって補われていくべきか、私にはわかりませんけれども、少なくとも今日全地球的な規模において地球温暖化に対する戦いというものが唱えられておりますようなことは、長期的に見て食糧の自給体制の維持確立というものに大きな影響を持つであろう、そのように判断をいたしております。
○沢田委員 それは日本だけが腹を膨らまして満足していて済むという問題ではないわけであります。やはり食べ物の恨みは、いろいろなことに言われておるように紛争の原因にもなるわけであります。 私は、あえてこの時間を利用しまして、政府は減反というものはもうやめて、農民の意思に従って増産するものは増産して、今二百万トンくらいの余剰米はあると思いますが、それはそれなりに世界各国の難民対策に供給をする。日本は戦後四十何年平和であったから今日の繁栄を得たわけでありまして、その繁栄を分かち合うという、十分に減反をして自分だけで満足するのではなくて、その余剰のものを多くの国の人に与える、そういう視点が必要ではないか。 ですから、今回は一時所得として五十万以上だけについて二分の一を課税対象とするということになるわけでありますが、今後はその減反自身を見直して、世界的な視野に立って、余剰米は余剰米として供給するあるいは分かち合う、こういう発想が必要なのではないか。これは大蔵大臣の方じゃなくて農林省に、そういう世界的な視野に立って考えるべき時期に来たのではないか。いわゆる事情変更の原則というものがありますが、そういう時を今日迎えていると思います。 私は、質問については五分程度、こう言われていましたので、質問書はここに一項目から八項目まで文書で書いて渡してありますから、もう朗読も省略してしまいます。あなたは必要に応じて答えてください。あと答えられないものは文書で回答してもらえば時間内におさまるだろうということで、世界的な問題の方をまずお答えをいただいて、あと細目については、その中にも、世界的難民、食糧不足のとき、自国だけの政策判断は変更すべきではないか、過剰米は難民対策に充ててはどうか、こういう質問も入っておりますから、それであわせてお答えいただきたいと思います。
○武政説明員 お答え申し上げます。 お答えのうち私どもの方からお答えするのは、二番の生産県、非生産県における米の質、価格について格差をなくすように農水省は考えるべきではないか。 これは先生の御指摘のように、できるだけ米の流通につきましては民間流通のよさを一層生かしていく、こういうことが大事だと思っておりますので、そういう意味では市場形成の場というのを今回新たに設けましたので、こういうものをやりながら徐々にこういうものは直していくように農林省としても指導してまいりたい、こう考えます。 それから、一番先生のおっしゃられます湾岸危機による農産物の国際需給への影響についてでございますけれども、これは、この動向を見守りつつ慎重に対処していく必要があるだろうと考えております。ただ、私どもは、御主張のように中長期的には変動要因を抱えておりますことを念頭に置きまして、やはり与えられた国土条件のもとで可能な限り生産性の高い農業を展開していきまして、一たん緩急ある場合においても必要な熱量を供給できるという体制をしいていく必要があるというふうに考えております。そういう意味では、国内の食糧供給力を確保していくということが常日ごろから大事でありますし、今後につきましても、こういった意味から、すぐれた農業の担い手や優良農地、それから水資源の確保に努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○沢田委員 一応やはり呼んであるものだけは各省庁言わなければなりませんから、会計検査院には、この十年間私はこの問題でやってきましたが、この減税、減反、転作の実態、農業白書にも触れられていないから、その実態の調査をやって報告を求めたい、こう書いてありますから、それについてやるやらない、それだけ答えてください。
○坂井会計検査院説明員 お答えいたします。 転作につきましては多額の助成補助金が支出されておりますので、検査院といたしましても、十分にそれに留意をいたしまして検査を実施してまいりたいと考えております。
○沢田委員 やってもらえればいいです。 その次には、あと国税庁がありますが、今、六億円というお話、これはもう時間ですから後で文書で報告してもらって、大臣も疲れているようだから、予算委員会でそのかわり国民のために納得できるようにきちんと答弁して、今のような質問が出れば予算委員会も立派になってくるのだと思うのでありますが、そういうことを期待しながら終わりたいと思います。
○平沼委員長 この際、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。橋本大蔵大臣。
○橋本国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性にかんがみ、あえて反対をいたしません。
○平沼委員長 お諮りいたします。 本起草案を委員会の成案と決定し、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平沼委員長 起立総員。よって、本案は委員会提出の法律案と決定いたしました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平沼委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十四分散会