石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 87 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/02/28
会議録
○麻生委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として日本大学生産工学研究所顧問、産炭地域振興審議会総合部会小委員長笹生仁君、地域振興整備公団副総裁田中誠一郎君、産炭地域六団体連絡協議会世話人高田勇君、全国鉱業市町村連合会会長山本文男君、全国鉱業市町村連合会理事能登和夫君、全国産炭地域進出企業連合会会木曾信重君、石炭鉱害事業団理事長弓削田英一君、以上七名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人各位からそれぞれ十分間程度御意見をお述べいただきました後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 それでは、まず笹生参考人にお願いをいたします。
○笹生参考人 ただいま御紹介にあずかりました日本大学の笹生でございます。 本日、衆議院石炭対策特別委員会におきまして、参考人として意見を述べる機会を与えられましたこと、まことに光栄に存じます。 産炭地域振興臨時措置法が、本平成三年十一月に期限切れを迎えることから、通商産業大臣の諮問を受けまして、産炭地域振興審議会において、今後の産炭地域振興対策のあり方について審議が行われ、昨年十一月に答申が出されたところでありますが、私、同審議会の小委員会の委員長を仰せつかり、その中で各委員及び関係者の方々の御意見を十分拝聴いたし、意見の集約に努めたところであります。したがいまして、ここでは、昨年十一月の答申の概要を中心に、答申を受けてつくられました法律案についての意見を含めて考え方を述べさせていただきます。本委員会での御審議の参考に供させていただければ幸いと存じます。 まず、産炭地域振興審議会の答申の主要点の第一は、産炭地域振興対策は今後とも継続することが必要であるということであります。産炭地域の状況は、国、関係地方公共団体、地元住民など関係者の御努力によりまして、人口、財政力など全般的には回復基調をたどっておりますものの、全国水準と比較いたしますと低い水準で推移しております。特に第八次石炭政策のもとで、炭鉱の閉山などの影響を受けておりますいわゆる八次策影響地域におきましては、経済的、社会的疲弊が増大をしております。このような産炭地域をめぐる状況にかんがみ、答申では、今後も産炭地域振興臨時措置法を延長の上、総合的な産炭地域振興対策を実施していくことが必要であるとしております。また、法延長の期間は、産炭地域の特性や既往の経験、特に第八次策影響地域などの疲弊の深刻さを考慮しますと、十年とすることが適当としております。これを受けて、産炭法の改正法案におきまして、法の期限を十年延長するとしておりますことは、答申の趣旨からして妥当なものと考えている次第であります。 答申の主要な点の第二は、八次策影響地域等を中心とする施策の重点的な実施と産炭地域振興対策の対象地域についての見直しの問題であります。 八次策影響地域及び旧産炭地域のうち閉山の影響がなお著しく残存し、当該地域の発展をなお相当程度阻害していると認められる地域につきましては、重点対象地域として対策の重点的な実施を図ることが必要と考えております。 一方で、旧産炭地域の中には、財政力及び過去の閉山による影響などから判断しまして、閉山による疲弊から回復あるいは影響が著しく希薄化したと認められる地域もあります。こうした地域については、法延長に際して激変緩和のための一定の猶予期間を置いて地域の指定を外すことが適当と思われます。また、これ以外の旧産炭地域についても、いずれも閉山から長年月を経ていること、産炭地域振興対策が本来有する時限的性格などにかんがみますと、法延長後一定期間、例えば五カ年が経過する時点で地域指定の見直しを行うべきであり、その後は、他の一般的な地域振興施策にゆだねていくことが妥当と考えるわけであります。 産炭法の改正法案が国会を通過いたしましたならば、具体的な地域指定の見直し基準が産炭地域振興審議会の場で審議される予定となっておりますが、その際には、こうした答申の趣旨を踏まえた地域指定の見直し基準を策定することが必要と考えます。 答申の主要点の第三は、八次策影響地域等重点対象地域を中心とした施策の充実についてであります。 まず、産炭地域振興実施計画の策定方法及び計画の実効性の確保の問題があります。産炭法に基づき策定される産炭地域振興計画には、産炭地域振興の基本的な方向を定める産炭地域振興基本計画及びその基本計画で定められた地域ごとに具体的な当該地域の振興の方向を定める産炭地域振興実施計画の二つがございますが、現行法では双方とも通商産業大臣が定めることとなっております。産炭地域の振興のため国が担う役割はもとより重要でありますが、同時に地域の振興のための地元関係者の主体的な努力と役割が必要不可欠と考えます。 こうした考え方に立ち、答申では、産炭地域振興実施計画について、計画をより地域の実態及びニーズに即したものにすべきとの観点を踏まえ、その原案は道県知事が関係市町村の意見を聞きつつ作成し、通商産業大臣が当該原案に基づき関係省庁とも協議の上決定することが適当であるとしております。答申の趣旨を踏まえ、産炭法の改正法案にありますように所要の改正を行うことがぜひとも必要と考える次第であります。 また、産炭地域において鉱工業等の振興を図る上で、工業用地、道路などの基盤整備がきわめて重要であります。このため、答申にも述べてありますように、実施計画の中に道路等のインフラ整備に関する事項につきましてはできる限り明示するとともに、関係省庁間の連絡協調を従来にもまして緊密化することにより、実施計画に盛り込まれた公共事業等の計画的、重点的実施を図ることが必要と考えます。今後、実施計画を策定し、また実施をしてまいります際には、これらの諸点につきまして十分な御配慮をお願いいたしたいと思います。 次に、国民経済のソフト化、サービス化への対応についてであります。 近年、国民経済のソフト化、サービス化が進展しつつありますが、産炭地域においても例外でなく、流通、情報産業など鉱工業以外の産業も幅広く取り入れようとする動きが活発となりつつあります。これらの中には、産炭地域の自然条件その他の条件を的確に生かした事例も少なくなく、今後の産炭地域の活性化及び雇用機会の増大に大きな役割を果たすことが期待されています。こうした現状を踏まえ、答申では、産炭地域振興対策においても、今後さらに積極的取り組みが必要としております。 産炭法の改正法案において、そうした考え方に沿って、地方税の減免補てんの対象となる業種について、現行の製造業に加え、政令で定める業種を追加することとしておりますことは十分評価できるものと考えます。今後、具体的な業種の追加を行うに際しましても、答申の趣旨を十分踏まえた対応をお願いをいたしたく思っております。 そのほか、答申におきましては、重点対象地域を中心とした施策の具体的な展開として、自治体への財政支援の強化、工業団地の計画的造成、石炭企業等による新分野進出支援などについても述べており、これらの諸点についての今後の施策の充実が期待されるところであります。 以上、産炭地域振興審議会の答申の主要な点を中心に法律案についての意見を含めて述べさせていただき、私の陳述とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、田中参考人にお願いをいたします。
○田中参考人 御紹介いただきました地域振興整備公団の副総裁田中でございます。 本日は、当委員会に出席し、意見を申し述べる機会を与えていただきまして、厚く御礼申し上げます。 私ども地域振興整備公団は、産炭地域振興事業団として昭和三十七年に発足し、以来三十年間にわたり、産炭地域振興政策の実施機関として工業団地の造成、企業の誘致、さらには進出企業に対する融資等の事業を行い、産炭地域の振興に力を尽くしてまいりました。 産炭地域振興政策の実施機関としての立場から、これまでの公団事業の実績等を踏まえつつ、今後の産炭地域の振興の問題につきまして意見を述べさせていただきたいと思います。 まず、公団事業の実績でございますが、昨年十二月までに工業団地の造成につきましては、百三十二団地、四千十六ヘクタールを手がけております。このうち二千九百九十九ヘクタールの土地造成を完了いたしまして、企業への譲渡対象用地二千五百四十一ヘクタールにつきましては、その九三%に当たります二千三百六十五ヘクタールを進出企業に譲渡しているところであります。また、融資につきましては、昨年十二月までに三千五百五十八件、三千六十九億円の貸付実績がございます。こうした公団事業の実施によりまして産炭地域に進出いたしました企業は二千二百七社、雇用者数は十三万人に及んでおります。 特に、最近の公団事業は、景気の拡大を反映いたしまして順調に推移しております。分譲実績を見ますと、昭和六十三年度は百二十九ヘクタール、平成元年度は百七ヘクタール、平成二年度は十二月までですけれども百十五ヘクタールと、今回の景気拡大期以前の五カ年の平均に比べまして二倍以上の実績を示しているという状況にございます。また、福岡県にあります宮田団地には、最近、トヨタ自動車の進出が決まるなど、産炭地域の振興にとって明るい話題も見られるわけであります。 他方、産炭地域の現状について見ますと、国、関係地方公共団体、地元住民等関係者の努力によりまして、人口、財政力等、全般的には回復基調をたどっているというふうに見られますが、過去の閉山の影響が色濃く残っており、経済的、社会的疲弊からなお脱せないでいる産炭地域も少なくないと思われます。 平成元年度の有効求人倍率を見ますと、全国平均の一・三〇に対しまして産炭地域は〇・七五、一人当たりの工業出荷額を見ましても、昭和六十三年度で全国平均の二百二十六万円に対しまして百五十一万円、市町村の財政力指数を見ましても、平成元年度以前の三カ年の平均で、全国平均の〇・七五に対しまして産炭地域は〇・五四、特に六条市町村で見ますと〇・三七と低水準になっております。特に、第八次石炭政策のもとに新たな炭鉱の閉山・合理化の行われました地域について見ますと、なお極めて厳しい状況に置かれているのが実情であります。 こうした産炭地域の現状から考えますと、疲弊の著しい産炭地域の振興のため、改正案に示されておりますように、産炭地域振興臨時措置法の期限を十年間延長することが必要であると考えております。 私ども地域公団といたしましても、昨年十一月の産炭地域振興審議会の答申の趣旨を受けまして、疲弊の著しい八次策の影響を受けている地域等を中心に、次のとおり公団事業の重点的実施を図ってまいりたい、かように考えております。 その第一は、工業団地の計画的造成の実施であります。さしあたりまして、平成三年度には特に疲弊の著しい八次策のもとでの閉山・合理化地域で四カ所の新規団地の造成、一カ所の事前計画調査に着手する予定でございます。さらに、今後も計画的に新規団地の造成を行ってまいりたいと考えております。 第二に、出融資事業の拡充強化を図ることであります。八次策影響地域につきましては、平成二年度から利率を年四・三五%まで引き下げた特別低利融資制度を新たに導入いたしまして、さらに本制度の予算を平成二年度の十八億円から平成三年度には三十六億円に倍増させる等の措置を講じているところであります。 第三に、総合的に地域の発展に資する新たな事業の展開を図ることであります。さきの産炭地域振興審議会の答申におきまして、国民経済のソフト化、サービス化に伴うニーズの変化に対応しまして、事業の拡充強化やあるいは炭鉱跡地の環境整備の事業の実施等が提言されておりますが、その具体化につき現在検討を進めているところであります。 次に、今回の産炭地域振興臨時措置法の改正の柱の一つは、産炭地域振興実施計画の原案を道県知事があらかじめ関係市町村の市町村長の意見を聞いた上作成するという点にあると思われます。地域振興は何と申しましても地元の皆様の主体的な努力が基本となるものと思われますが、本改正は、地元に密着した実効性のある実施計画の作成という観点から見まして、大変意義のあるものと考えております。 地域公団といたしましても、地域振興プロジェクトの推進、工業団地の造成等、公団の業務に関連する事業内容につきましては、実施計画の原案作成の時点から計画を実効性のあるものとするよう、必要に応じ地元の皆さんに御協力してまいりたいと考えております。 以上申し上げましたとおり、私ども地域公団といたしましては、産炭地域振興施策の実施機関としての役割を十分認識いたしまして、今後とも公団事業の推進により産炭地域の振興に努めてまいる所存でございます。引き続き御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、高田参考人にお願いを申し上げます。
○高田参考人 産炭地域六団体連絡協議会の世話人を務めております長崎県知事の高田でございます。 本日は、衆議院の石炭対策特別委員会で参考人として意見を述べる機会を与えていただきましたことを感謝を申し上げたいと存じます。 私は、産炭地域六団体の世話人として意見陳述の機会をいただきましたが、産炭地域の実態をより具体的に御理解いただきますためにも、地元の長崎県の実情を御報告しながら所見を申し述べることをお許しをいただきたいと存ずる次第でございます。 第八次の石炭政策が実施されまして四年が経過しようといたしております。この間、本県の三菱高島炭鉱初め北海道内四つの炭鉱が閉山し、その他の炭鉱におきましても、生産規模縮小に伴います厳しい合理化を余儀なくされております。これまで石炭鉱業に大きく依存してまいりましたこれらの地域におきましては、職場を失った多くの人が地域を離れ、経済社会活動はその活力を失い、地域の財政は極度に逼迫するなど多くの疲弊要因が重なり、地域社会に極めて深刻な影響を与えておりますことは御高承のとおりでございます。 また、旧産炭地域におきましても、これまで三十年間の産炭地域振興臨時措置法等に基づく国の施策のかいもありまして、ほぼ回復基調をたどってはおりますものの、今なお鉱害、ぼた山及び老朽炭住等の処理、雇用問題その他解決すべき問題が多く、なお一段の努力を必要としている状態であります。 長崎県にはかって百十七の炭鉱が操業いたしておりました。百十七であります。それが今はたった一つ、年間百二十万トンの出炭規模を持つ池島炭鉱のみでございます。いかに地域が変わらざるを得なかったか、御理解を賜れると思うのであります。現在、長崎県の北部地域のほとんどの市町を含む二十二市町が産炭地の指定を受け、工業団地の造成を初めとして、道路、公共施設、住宅等の生活産業基盤の整備を行うなど地域振興対策を進めておりますが、大部分の市町村にありましては、立地条件等の未整備から企業の立地の状況は進まず、依然として人口の回復率は昭和三十五年対比で五七%と減少したままでございまして、また財政力指数も全国平均より大幅に下回るなど、地域の財政は回復をいたしておりません。 全国的に見ましても、大都市周辺や国土幹線網に近く、比較的立地条件のよい一部の地域にありましては、企業の誘致も進み、人口の増加、財政力の回復も見たところもありますけれども、大部分の地域はおおむね本県と同様の状況であります。例えば生活保護率で見ましても、全国平均九・六に対しまして産炭地域は二三・一と、依然として著しく高い状況にあります。 閉山に伴います社会現象を高島炭鉱があった本県の高島町について見ますと、最盛期の昭和三十八年には人口は二万二千人おったのでありますが、昭和六十一年の閉山時には五千五百人でありました。しかし、その後急激な人口流出が続き、現在では千三百人と激減し、六十五歳以上の高齢者が二九%を占めておるのであります。既に高等学校は廃校し、商店街の灯は消え、まさに地域の崩壊の状態に追い込まれたのであります。もとより、閉山に際しましては県及び町が一体となりまして地域の再生に懸命の努力を重ねたものの、やはり一島一町という特殊性もありまして、どうしても一度閉山してしまうと、新たなる展開ということは実際には本当に難しいのでございます。深刻な状況が引き続き存在をいたしておるのであります。 このように、閉山炭鉱を抱えた自治体は、自治体の存亡にもかかわるような極めて深刻な打撃を受けるのでありまして、以上のような産炭地域の現状にかんがみまして、今後産炭地域に残されました社会的、経済的な疲弊を解消し、産炭地域の振興を図るために、さらに一段と強力な御支援を講じていただきますよう、次の事項をお願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。 一つは、産炭地域振興臨時措置法等の延長についてでございます。 産炭地域におきましては、今後とも脱石炭化に向けて各市町村の特性を生かした新たな経済的、広域的発展が図られるような効果的な施策の実施が推進されなければならず、産炭地域振興臨時措置法及びその他の石炭関係諸法の延長を強く要望をいたす次第でございます。 なお、産炭地域の地域指定の見直しにつきましては、できる限り現行のままの指定の継続をお願いをいたします。また、指定地域の見直しを行う場合には、激変緩和のための十分な猶予期間と支援策をお願いをいたす次第でございます。 二番目は、産炭地域振興事業の優先採択についてでございます。 産炭地域は大部分が我が国の両端に位置しております。産炭地域の振興を図っていくためには、中央はもとより、地域の中枢都市との直結が第一であると考えます。このためには、これを可能とする高規格幹線道路の整備、水資源の開発、工業団地の開発等、今後の産炭地域振興のために必要な基盤整備については優先採択がなされるようお願いをいたす次第であります。 三番目は、企業立地の積極的推進と地域振興整備公団の機能強化についてでございます。 産炭地域の疲弊の解消のためには、石炭鉱業にかわる新しい企業の立地が第一であると考えます。石炭企業等が地域社会に対し責任を果たすことができる支援措置の強化とともに、産炭地域に企業が立地しやすくするため、流通、レジャー、情報産業等、製造業以外の産業にも適用可能な企業団地の造成をお願いをいたします。また、地域振興整備公団によります立地企業への出資や融資につきましても、条件を緩和し、あわせて大幅な税制上の優遇措置を要望いたします。 特に第八次石炭政策による影響地域においては、地域振興のために炭鉱跡地の整備や再開発等が必要でありますが、地方自治体のみでは事業推進は困難であります。このため、地域振興整備公団の機能を拡充強化し、これらの事業を推進するよう要望いたしたいと存じます。 四番目は、ポスト八次石炭政策と新産炭法の関係についてであります。 ポスト八次石炭政策につきましては、現在石鉱審におきまして鋭意御審議が展開され、各様の御意見あるやに承っておりますが、現存炭鉱の所在する市町村にとりまして、今後の自治体の振興対策に直結することだけに強い関心を持っておるのであります。率直に申し上げまして、諸般の状況から大変厳しい内容のものになるかもしれないと危惧をいたしておりますが、新しい産炭法を十分に機能させるためには現存炭鉱の存続との関係を無視することはできません。 先ほど、閉山に見舞われました高島町のケースを御報告申し上げましたが、もう一点、県内に現存する池島鉱についても、池島鉱があります外海町は、全人口九千五百人の約半数の四千四百人が炭鉱関係者であります。町税収入の七〇%が炭鉱関係からの収入であり、炭鉱が唯一の基幹産業であります。池島炭鉱では第八次政策で合理化が進み、本年度では百二十万トン出炭に対して千三百人と大幅に合理化を行っております。現在の採炭効率を維持するためにはこれ以上の合理化はできないところまで来ており、閉山すれば高島町と同様の極めて厳しい状況が予想されます。しかし、ついこの間の高島鉱の閉山後の状況を目のあたりに見ております私どもといたしましては、いかに合理化しようとも閉山するよりははるかにましであるということを身にしみてよく知っておるのであります。池島など産炭地の施策が限定される炭鉱につきましては、ポスト八次策におきましても特に存続についての御配慮をお願いをしたいと存ずるのであります。 また、エネルギー資源の大半を海外に依存している我が国におきましては、今回の湾岸戦争での石油の安定供給が懸念されたように、エネルギー資源の供給の安定性がございません。国内の石炭は、使用量からすれば国内炭の使用はわずかではあるかもしれません。しかし、それが一たん緩急の際の石油の備蓄のように、つなぎとしての役割としても果たす役割は大きいのではないかと思うのであります。国内炭と輸入炭との価格差については十分に承知をいたしておりますが、我が国の数少ない貴重な国産エネルギー資源であります国内炭の需要確保について、我が国のエネルギー安全保障及び地域の振興、まさにこれは地域の振興につながると思うのでありますが、地域の振興の観点から引き続き電力業界の協力をお願いを申し上げる次第であります。 終わりに、今後の産炭地域振興対策の推進のための十分かつ安定的な財源の確保をお願い申し上げまして、意見の陳述といたします。 ありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、山本参考人にお願いを申し上げます。
○山本参考人 御指名をいただきました全国鉱業市町村連合会会長の山本でございます。 まず最初に、平素から産炭地域の市町村に対しまして格別な御支援をいただいておりますことに対しましてお礼を申し上げたいと思います。なおまた、本日は本委員会で意見を申し上げさせていただく機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 私は、産炭地域の市町村の立場から御意見を申し上げさせていただきたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。 そこで、大きく三つに分けて御意見を申し上げたいと思っておるところでございます。今法案として提案されております産炭法に対しての中身はいろいろなものがあると思いますけれども、私どもの市町村の立場から申し上げさせていただきますと、三つに大別できるのではないか、こういうふうに思います。 まず最初に、産炭地域振興のための臨時措置法の期限の延長と振興施策の継続が必要であるということでございます。 その必要であるという理由なんですけれども、先ほどからも他の参考人の皆さん方からお話があっておりましたように、三十年間産炭地域の振興施策を続けてまいったのですが、その成果はそれなりに上がっていると思います。しかしながら、依然として人口や財政力などが極めて低い水準にとどまっている地域もたくさんあるということでございます。特にまた、第八次石炭政策のもとで炭鉱の閉山や合理化が生じた地域については、その疲弊が新たに生じまして累積がかなり高くなっておる、こういうことでございますので、このような市町村に対しましては、一般的な市町村並みに浮揚するためにどうしてもある期間この振興策が必要であると思います。そのある期間というのは、少なくとも十年間が必要ではないだろうか、こういうふうに思いますので、法律の延長をぜひ十年間お願いを申し上げたいということでございます。 次に二番目に、産炭地域の指定の見直しが審議会でも審議されまして答申されました。この見直しをどうしてもやらざるを得ないということであるならば、地域の実情を十分ひとつ配慮することが必要であると同時に、また、指定の解除などを行う場合は、その解除に対して十分なる猶予期間を設けることが必要である、こういうふうに思います。 その理由といたしまして、この三十年間続きました振興策は、先ほども申し上げましたようにその成果はそれなりに上がっていると思っておりますが、この見直しにつきましては、国会でこの産炭法の法律が制定されました後、できるだけ早い機会に産炭地域振興審議会で協議をしまして、これらの指定の見直しなどについての協議が行われることになっておると思うのですけれども、私どもの立場から申し上げるならば、できるだけ現行の指定のままで継続をしていただきたい、こう思っておるところでございます。どうしても現行の指定のままではその成果を見ることがないということであるとするならば、見直しあるいは解除などについてはやむを得ない場合もあると思いますけれども、その場合、地域の実態を十分ひとつ御認識をしていただいて、考慮した上で解除あるいは指定の見直しをすることが必要である、こういうことでございます。 なぜそういうふうに申し上げるかといいますと、同じ県の中で圏域が複数ございます。その複数ある圏域で余り地域間格差がないのにもかかわらず、Aなる圏域は解除されるけれども、Bなる圏域は解除されないまま、そのまま指定が継続される、こういうような誤りの生ずるようなこともないとはいえない実態下にあると思われるからでございます。その点、十分ひとつ御考慮いただければと思っておるところでございます。また、解除する場合に、もういいだろうといって解除されるわけなんですけれども、解除されるのにはそれぞれの基準値がございますから、その基準値によって解除することになるということはもう言うまでもないのですけれども、その基準値がすれすれの市町村や圏域もあると思うのです。そういう場合には猶予期間というものについて十分配慮をしていただくことが必要ではないか、こういうふうに思っておるところでございますので、それぞれ十分御配慮をお願い申し上げたいということでございます。 三番目は、産炭地域振興施策の充実強化でございますが、振興施策が何といっても目玉になっていくわけでございます。限られた産炭法の延長期間の中で振興の目的を達成させなければなりませんし、またしなければならないと思います。そのためには、国と我々市町村とが一体となって、できる限りの努力を払うことが必要であると思います。すなわち、私どもの立場から申し上げるならば、自助努力を最大限に発揮することが必要だということでございますと同時に、国の方もその施策については充実強化をしていただくようにお願いを申し上げたいということでございます。 二番目に、そういう意味から、今度の改正の案といたしましては、道県知事が市町村の意見を聞いて実施計画を作成することになっておると思います。これは、国の施策の充実強化と自助努力というものをうまくドッキング、合致させて実効を上げていこうという大きな意味を持っておるということでございますので、私どもとしては、その点については十分な認識と理解をしているところでございます。したがって、先ほどからもお話が出ておりましたけれども、この産炭地域というのは基盤整備が非常におくれております。これが解決をしない限り産炭地域の振興はある意味では不可能ではないか、こういうふうに思いますので、計画をつくりますが、その計画が計画だけに終わらないように最善の努力をすることが大変必要であると同時に、国の方においてもそれに十分な配慮をしていただくことが必要ではないか、そういうふうに思っているところでございますので、計画を立てられたものは必ず国の方で採択をしていただき、できるだけ実効性を高めていただくということに国の方の配慮をお願い申し上げたいということでございます。 次に、問題は、市町村の意見を聞いてこの実施計画をつくることになると思いますけれども、ところが、実施をする産炭地域の市町村というのは財政力が極めて脆弱でございます。したがって、産炭法の中には財政的な援助をするもろもろの措置が盛られておりますけれども、それは事業を実施してから後、その援助をする、支援をするようになっております。ところが、その事業を実施するためには、市町村に義務負担の財源が必要でございます。市町村の財政が脆弱でございますから、事業を実施したいけれども実施をするための義務負担にたえ得ない財政状況もあると思います。これらについて、交付税等の特別なる制度の拡充をお願い申し上げたい、こういうことでございます。 すなわち、今、交付税の中に産炭地補正というものを設けていただきまして交付税の別途の措置をしていただいておりますが、これが平成三年度でなくなってしまうことになっております。そうしますと、先ほど申しました財政力の脆弱な市町村はその事業を実施するだけの義務的負担の財源を失ってしまうことになると思いますので、十分な御配慮をいただけるようお願い申し上げたいということでございます。もちろん、市町村のそれぞれが自主的な最大の努力をしなければならないことは言うまでもございません。 さて、その次は、旧産炭地におきましては今、石炭後遺症と言われているものをたくさん抱えております。 まず最初に、炭鉱の住宅の不良住宅でございますが、全部で一万八千二百ほど今ございまして、その中でどうしても改良を必要とする住宅が一万千七百八十五あると言われております。また、炭鉱の遊休未利用土地もたくさんございます。これらが市町村に容易に入手ができるということになると市町村の振興計画もまた変わってくると思うのですけれども、現在の時点では意に任せないところが多うございます。その次は、鉱害でございますが、鉱害のない産炭地もございますけれども、まだ膨大な鉱害量が残存しておる状況でございます。そのほかに、ボタ山が二百五十三カ所もあると推定されておりますが、これらの処理もまた必要でございます。 これらが、石炭後遺症と今呼ばれておりますけれども、これらをたくさん抱えておるところと、さらにその上に、失対事業の就労者の皆さんたちが、直接のものが六千人くらいおられるということでございます。これらのもろもろの問題を抱えて悩んでおるのが産炭地域の市町村ではないかと思いますので、これらの後始末ともいうべきものが十分に解決されることによって地域の振興というのはさらに増進していくのではないだろうかというふうに思っております。この問題の解決が極めて重要であるということでございますので、これらの対策についても十分な御配慮をお願い申し上げたいと思います。 終わりになりますが、五番目でございますが、今後の産炭地域の振興対策の推進のためには十分なる、しかも安定的な財源が必要でございます。この財源の確保のため、格別な御配慮をお願い申し上げたいということでございます。 要点だけを申し上げさせていただきましたが、どうぞ御審議の御参考にしていただければ幸甚でございます。 以上でございます。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、能登参考人にお願いを申し上げます。
○能登参考人 私は、ただいま御指名をいただきました全国鉱業市町村連合会理事を仰せつかっております北海道三笠市長の能登でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 平素、当委員会におきましては、石炭問題並びに産炭地域振興対策に格別の御尽力をされていることに対しまして心から敬意を表する次第でございます。また、私ども産炭地自治体を預かる者に対し格別のお力添えを賜り、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。 三笠市は、明治十五年の開基以来、百余年にわたって石炭産業が町の基幹産業として地域の社会経済を支えてまいりました。しかし、平成元年九月、唯一残されておりました北炭幌内炭鉱が閉山になり、隆盛の折、十数余あった炭鉱はすべてその姿を消しました。 北炭幌内炭鉱閉山の折には、当委員会の先生方を初め多くの関係機関の方々から大変な御心配と御支援、御指導を賜り、本当にありがとうございました。閉山に伴う雇用問題、民生問題、財政問題など、地域課題はいまだ残されておりますので、これからも精いっぱい頑張る所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げる次第でございます。 さて、私は、第八次石炭政策の実施期間中での炭鉱閉山を経験した産炭地自治体の首長の立場から意見を申し述べさせていただきます。 産炭地は、石炭がその地に地下資源として存在していることから町が発展してまいりました。また、石炭産業が国力を支える産業であったことから、特に戦後は日本経済の復興を果たす産業として急激に発展し、次は一転してエネルギー変革によって大幅に後退するなど、大きな振幅の中で自治体運営を続けてまいりました。 このことによって、一つには、炭鉱隆盛期には人口の急増対策、また石炭産業の後退期には人口の急減対策と、そのときそのときの対症療法的な対応に追われ、計画的な町づくりがおくれてきたこと、二つには、町の基幹産業であることから、炭鉱が稼行中、石炭産業にかわる産業配置の土壌が育ちにくい状況にあったこと、三つには、産炭地は共通して地形、所在環境に恵まれていないため、一たん閉山すると地域回復には相当の期間が必要とされること、四つには、特に北海道としての積雪寒冷等の気象条件による影響があること、などが考えられます。 このような産炭地の中で、平成元年九月、北炭幌内炭鉱が閉山したわけでありますが、申し上げるまでもなく、まず、炭鉱が閉山になりますと、一つには、小さな町に一度に多数の失業者を発生させるとともに、失業者が市内に滞留することになります。本市の北炭幌内炭鉱の閉山したときの状況は、閉山時離職者千八十九人と、閉山前に合理化などによって離職した者が約三百人、合わせると失業者の数は約一千四百人に達しました。この一月末における炭鉱離職者の状況は、閉山時離職者千八十九人のうち六百六十人、約六〇%が再就職し、四百二十四人、約四〇%が未就職の状況にあります。未就職者のうち、市内には約三百人が居住しております。地元雇用を確保し、産業構造の転換を図るため、平成二年度から全国初の国、北海道、地元の出資による第三セクターで三笠第二工業団地の造成を行っておりますが、国並びに地域振興整備公団の役割拡充等により、石炭産業にかわる大規模企業の誘致についても、さらに積極的な支援をお願いいたしたいと考えております。 二つには、閉山に伴い今まで炭鉱企業が福利厚生策として実施してきた住宅、水道、電気、浴場など炭鉱企業からの移管される施設の民生対策であります。 産炭地自治体は、基幹産業を守る立場から炭鉱改良住宅の建設や、学校、保育所などの整備を進めてまいりました。しかし、これらは閉山により人口が激減し、結果的に不活用施設となってまいります。特に炭鉱改良住宅について申し上げますと、炭鉱離職者の市外流出に伴い、市内の各地域には炭鉱改良住宅が点在しており、現在、住宅の集約化を進めておりますが、多くの空き家が出ることにより、家賃の減収が生じ、一方、改良住宅建設に伴う起債償還費は依然として残ることから、公債費比率への影響も大きく、このことにより起債許可に制限が加えられるおそれも出てくることが考えられます。これを解消する意味からも、空き家を有効に利用するため、現在公営住宅法に基づいて指導が行われている現行の収入基準の引き上げなど、入居基準を緩和し、一般市民が容易に入居できる方途や、特定企業に対する貸し付けまた売却などの特別措置により有効活用が図られる道を考える必要があると存じます。 三つには、炭鉱所有地の取得並びに跡地の整備であります。 炭鉱町といえば、即座に、暗く沈んだ寂しい町というイメージがあり、これをいち早く払拭し、明るくさわやかな町のイメージへと転換させなければなりません。そのためには炭鉱企業所有地のうち、現在炭鉱改良住宅など公共的施設に供している土地や、地域振興対策上、市が取得する土地に設定されている担保解除及び取得価格について特別の配慮が必要と考えます。また、跡地整備につきましては、早急に実施が可能になる特別財源対策が考えられるべきと思います。 四つ目には、財政問題でありますが、まず、産炭地自治体にとって共通の問題として人口の減少が挙げられますが、これを北海道の中でも、第八次石炭政策の実施により最も影響を受けている石狩炭田に所在する夕張、芦別、赤平、歌志内、三笠の五市と上砂川町の五市一町の実態について申し上げます。 炭鉱が不況に陥る前の昭和三十五年の国勢調査人口は、五市一町総計で三十五万七千人でありましたが、その後石炭産業の不振が続き、二十五年後の昭和六十年の国勢調査では十二万五千人に大幅に減少し、人口数で二十三万二千人の減、減少率では六五%の高率を示しております。ちなみに、同様比較による全国市町村の平均では三〇%の増加であり、全道市町村においても一三%の増加となっておりますので、当地域の人口減が極めて著しいことが御理解いただけるものと存じます。 また、このたび平成二年の国勢調査の概数が出ておりますが、人口は九万七千人となっておりますので、この五年間で二万八千人が減少したことになり、二二%という高い減少率になっております。 ここで、人口減少率のことで具体的に国勢調査の結果に基づいてお話しさせていただきますと、昭和六十年国勢調査と平成二年国勢調査との比較において人口減少率の高い市を挙げてみますと、全国で六百五十六市あるうち、一位は夕張市三三・八%、二位三笠市二〇・七%、三位芦別市一六・五%、四位赤平市一四・三%、五位歌志内市一三・九%となっており、また町村において申し上げますと、全国で二千五百九十ある町村のうち三位に上砂川町が挙げられており、減少率は三一・九%で、五市一町がいずれも上位にあり、いかに炭鉱の閉山・合理化が地域に与える影響が大きいかをおわかりいただけるものと存じます。 この人口の減少により、財政的に最も影響を受けるのが普通交付税でありますが、平成三年度からの単年度における減収は、五市一町で十七億七千万円に上ることが予測され、これは平成二年度普通交付税額の七・一%にも相当する額で、財政運営の崩壊を招くものであります。 次に、平成元年九月の北炭幌内炭鉱の閉山による当市への財政影響に的を絞って申し上げますと、顕著なものとして、一つには、閉山後の地域の民生安定のため、閉山処理対策として多額の財政需要が発生すること、二つには、自主財源の最たる税収入が大幅に減少することが挙げられます。 具体的に数字で申し上げますと、閉山処理対策としては、浴場の整備費等で元年度から四年度までの四年間で総額七億円に上る経費が必要となり、一方、税収入の減は、鉱産税を初め人口減によるものを含め、約三億円に上ります。特に税収入の減は、総税収入の約二五%に当たるものであり、この結果、収入に占める税収入の割合は、昭和六十三年度で一一・八%でありましたが、平成二年度決算見込みでは八%と、急激な低下が見込まれます。これらの財政影響に対する特別財源対策が必要であると考えられます。 第八次の石炭政策の影響を受けた私どもは、地域の振興の支えとなる産炭地域振興臨時措置法の期間延長を悲願としておりましたところ、昨年十一月に取りまとめられた産炭地域振興審議会の答申に沿って、このたび同法の有効期限の十年間延長することを主たる内容とする法案がまとめられるとともに、第八次石炭政策の影響地域を最重点地域として支援策を拡充強化されるなど、産炭地域の実情について御理解をいただいたことは、私どもにとりまして非常にありがたく、本法案が成立することを強く望んでおります。この法案が成立し、施策の実効性を高めていただければ、産炭地も明るい展望が開けるものと確信しております。 以上、炭鉱閉山を経験した立場で幾つか申し上げてまいりました。私どもは閉山の苦境にめげず、これからも市民挙げて渾身の努力を重ね、新しい町づくりを進める所存でございます。どうか先生方におかれましては、今後とも産炭地の事情に思いを寄せられ、格別なるお力添えを賜りますよう切にお願いを申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、木曾参考人にお願いを申し上げます。
○木曾参考人 ただいま御紹介にあずかりました全国炭産地域進出企業連合会の会長をいたしております木曾でございます。 本日は、当委員会におきまして、産炭法の改正案について意見を述べさせていただく機会を得ましたことを、まことにありがたく存じておる次第でございます。 御高承のこととは存じますが、全国産炭地域進出企業連合会は、産炭地域に進出、立地いたしております企業の連合体でございまして、それぞれの企業活動を通じまして、産炭地域の振興にいささか貢献いたしておるものでございます。したがいまして、本意見陳述につきましては、産炭地域に進出、立地いたしております企業の立場から改正案について意見を述べさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 まず第一点は、地方税の減免補てんの対象となる業種の追加についてでございます。 近年、国民経済のソフト化、サービス化が進んでまいっておりますが、これは産炭地域に進出しております企業につきましても例外ではございませんで、製造業のほかに流通、情報、リゾート産業などが次第に進出する傾向になっております。今回の法律改正では、こうした現状にかんがみまして地方税の減免補てんの対象となる業種を、現在の製造業だけではなく、新たに「その他政令で定める事業」として追加することによりまして、こうした企業の進出、立地を容易にしたものと理解しておりまして、このことはまことに時宜を得た改正であると深く敬意を表する次第でございます。 次に第二点は、産炭地域振興実施計画の原案を道県知事が策定することについてでございます。このことは、計画策定が地元の実態に即し、またそのニーズに即したものになることが期待されるところでございまして、賛意を表する次第でございます。 なおここで、法律改正とは直接関係はございませんが、産炭地域振興実施計画の策定につきまして、一つお願いを申し上げさせていただきたいと存じます。 産炭地域に進出する企業にとりましては、税の減免や低利融資など企業それ自体に与えられるものも大変ありがたいわけでございますが、企業の活動の上では、それ以外の例えば製品輸送、通勤する従業員のための交通ネットワークなどもまた大事な要素になっておるところでございます。産炭地域は一般的に大都市から離れたところに所在しておりまして、これは企業にとりまして相当のハンディキャップになっておるのが現状でございます。したがいまして、今般新たに策定されます 産炭地域振興実施計画には、そうした事情を酌み取っていただきまして、道路などの交通ネットワークの整備につきまして特に重点的に取り上げていただきますよう、よろしくお願いを申し上げたいと思います。なお、公共下水道の整備なども、雇用問題と絡みまして非常に大事な問題ではないかと思っております。 最後に、第三点になりますが、産炭地域の指定の見直しについてでございます。 申すまでもなく、産炭地域振興対策の対象地域は政令で定められておりまして、法律改正とは直接関係はございませんが、法律制定当初の地域指定が、いわき経済生活圏を除きまして三十年近く変更されることなく今日に至っていることを考えますと、今回の法律延長に際しましても、その見直しが行われることはある意味でむしろ当然のことかとも思われます。しかしながら、産炭地域の優遇措置を前提として進出、立地いたしております企業にとりまして、地域指定が外されそうした優遇措置が一挙になくなることは、経営上困難を生ずることになる場合もあるかと思われます。したがいまして、産炭地域の指定が解除されることとなる地域でありましても、その地域に進出、立地している企業に対しましては、何らかの激変緩和の措置をとっていただきますよう、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 以上、産炭法改正につきまして全国連合会としての意見を述べさせていただきました。今後とも産炭地域に進出する企業また既に進出、立地いたしております企業につきましてよろしく御支援のほどをお願いして、私の陳述を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 次に、弓削田参考人にお願いを申し上げます。
○弓削田参考人 石炭鉱害事業団の理事長をやっております弓削田でございます。 石炭対策特別委員会の諸先生におかれましては、常日ごろから私ども事業団の業務運営につきまして格別の御配慮、御指導を賜っておりますことを、この席をかりて厚く御礼申し上げる次第でございます。 また、本日は、産炭地域振興臨時措置法の審議に際しまして参考人としての意見を申し述べる機会を与えていただきましたことにつきまして、心から御礼申し上げる次第でございます。 せっかくの機会でございますから、私どもの事業団の主要な業務でございます鉱害復旧と地域振興策とのかかわり等につきまして、実情なり若干の意見を申し上げたい、こういうふうに思っておる次第でございます。 申し上げるまでもなく、鉱害の発生しております地域は、地盤沈下等の鉱害によりまして土地の利用に大きな制約を受けているわけでございます。また、道路その他の公共施設、いわゆる産業基盤といったものが鉱害を受けましてその効用を阻害されている、また家屋やその他の施設の鉱害につきましては生活環境の悪化をもたらす、こういうようなことで、鉱害自体が地域発展を制約する一つの大きな要因になっているわけでございます。しかしながら、御案内のとおり、昭和二十七年から今日まで関係者の努力によりまして鉱害復旧は確実に進展しておりまして、今申し上げたような問題も逐次解消しつつある、こういうふうに私認識しているところでございます。 一方、産炭地域におきましては従来から、産炭地域振興対策の一環といたしまして、道路でございますとかあるいは河川等の改修事業、住宅対策事業等のインフラ整備事業、生活環境整備事業等が確実に行われてきているところでございますけれども、これらの地域におきます鉱害対策も、これらの関連事業と整合性ある事業計画を策定をしまして復旧事業を実施することが極めて必要不可欠なことでございます。このため、私ども事業団におきましては、復旧計画の策定に当たりましては、特に農地、農業用施設、家屋、河川、水道、道路等の鉱害を受けた物件相互の関連性を十分把握した上で、総合性、計画性を持った復旧基本計画を作成し、これを実行することといたしているところでございます。 このために、水系別にいわゆるマスタープランを策定いたしましたり、また農地等、公共施設それから家屋等が広域的に混在している地域につきましては、広域鉱害復旧計画を策定をしております。また、浸水被害がございます家屋の密集地等につきましては、水理解析等の手法を用いまして特定地域の総合復旧計画を作成する等、関連事業と整合性のある事業計画を策定いたしまして、事業を進めてまいってきているところでございます。今後ともこのような考え方に立ちまして事業の展開を図ってまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。 特に、今後につきましては、地域振興を図るために、鉱害地を含めて総合的な土地利用を図る必要があるのじゃないかというふうに考えておりまして、鉱害復旧の経済的効率性をより高めていくためにもこのことが必要でございますし、こういうことを通じて鉱害地域全体の有効な土地の利用を図ってまいり、地域社会の調和のある発展を促進することが必要だと思っております。このために、鉱害地を含めました総合的な土地利用の策定でございますとか、あるいは鉱害事業とその他の事業を従来にも増して推進してまいる、こういうことが必要になってくるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。 御案内のとおり、産炭地域におきましては、石炭鉱業の合理化の影響によりまして地方財政の困窮、離職者の滞留等の経済的、社会的な疲弊に先駆ける形で、鉱害による地域の疲弊も大きな社会問題になって取り上げられたわけでございますが、昭和二十七年から今日まで約四十年間にわたりまして鉱害復旧事業が行われてきたわけでございまして、この事業が開始されましたときと比べますと、鉱害復旧事業の進捗によりまして、鉱害復旧も相当進んできているわけでございます。 当事業団の事業のベースになっております賠償法及び臨鉱法の鉱害二法は来年七月にその期限を迎えることになるわけでございますが、平成四年度の当初におきまして、通産省の調査によりますと、なお三千七百億円程度の残存鉱害量が見込まれておりまして、鉱害復旧の今後のあり方については、現在石炭鉱業審議会鉱害部会で審議が行われておりますが、六月ごろには答申が出るものというふうに伺っております。私どもといたしましては、答申がまとまりますれば、この趣旨を十分踏まえまして鉱害復旧に取り組んでいく所存でございます。 その場合、産炭地域におきましても地域振興が着実に進められている現状を考えますと、産炭地域をいかに振興していくかといった総合的なビジョンに基づきまして、従来にも増しまして鉱害復旧事業と地域振興事業との整合性を持った事業展開を積極的に推進していくことが必要である、こういうふうに考えている次第でございます。 今後、地域振興対策の実効性を高めていくためには、産炭地域振興審議会答申が指摘しておりますように、地元関係者の主体的な努力が極めて重要でございまして、今回の産炭法改正法案におきましても、実施計画の原案を道県知事が作成することとなっておりますのはまことにタイムリーな施策だ、こういうふうに考えている次第でございます。前に申し上げましたように、鉱害復旧と地域振興との整合性ある推進という観点からも、こうした地元の主体的役割は極めて重要であろうと思う次第でございます。 今後、実施計画の作成に当たりましては、当該地域の産炭地振興諸事業と鉱害復旧事業との整合性が図られるよう十分な配慮を私、お願いをいたしまして、簡単ではございますが、私の陳述とさせていただきます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○麻生委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳を終了いたしました。 ─────────────
○麻生委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。
○古賀(一)委員 冒頭に参考人の皆様方に質問させていただく機会を得ました古賀一成でございます。 私は、産炭地を抱えます大牟田でございますが、福岡・筑後地方の出身でございまして、かつまた私の選挙区の隣はきょうもお見えになっておられます添田町長、筑豊もお隣の福岡の人間でございます。そういう意味におきまして、日本一稼働しておる三井三池という炭鉱を抱えるところの出身でございまして、産炭法の今後の充実した運用あるいはポスト八次策の今後の展開というものに大変重大なる関心と熱いまなざしを注いでいる一人でございます。 本国会で今るるその意義について評価あるいは御指摘等々がございました産炭地域振興臨時措置法の一部改正案が出ておるわけでございます。昭和三十六年から四度目の延長でございまして、私は何としてでも皆様と同様十年の延長というものをなすべきだ、かように思うわけでございますが、ただ、この十年というものはどういう十年であろうか、こういうのをまず思うわけでございます。 たしか昭和五十六年の延長のときも皆様大変御苦労されました。加えまして、たしかその二年前に第二次オイルショックが起こりまして、日本のエネルギー危機がどうだ、そういう論議もあったわけでございます。ただいまクウェートでは五百本を超える油井が炎上しておるわけでございますが、そうしたときに新たな次の十年を迎える、そういう思いもございますけれども、とりわけ思いますのは、この十年というものは、やはりこれまでの三十年の成果を踏まえて、そしてまたそこで起こったいろいろな教訓と申しましょうか、そういうものを生かしていかなければならぬ極めて重要な十年だろうと思います。この十年、つまり九〇年代が構造調整の最終段階であるかどうかという点についてはいろいろ論議があるわけでございますが、いずれにしても、この十年というのはその次の十年よりははるかに、何十倍も重要な十年であることはもう皆様論をまたない、私はかように思うわけでございます。そういう意味で、何としても教訓を生かして、この十年、そして産炭法の運用を図っていかなければならぬ、かように思うわけでございまして、そういう意味で、より戦略的で、より実効の上がる、そしてよりめり張りのきいたそういう産炭地振興というものがまさに問われておる。それは国もそうでございますけれども、地域にとっても、企業にとっても問われておる、そういうふうに心して考えるべきじゃないだろうか、私はかように思うわけでございます。 とりわけ、この十年の世の中の動きというのも大変激しいものがございました。この十年、著しい円高あるいはサービス経済化の進展、東京一極集中、あるいは私どもの住んでおります地元では福岡一極集中というような新たな進展もございます。そういう本当に予測できない、ますます加速化する経済社会の変動というものは今後はさらに強いものがあると思うのでありますが、そういう中で、先ほども申し上げましたように、この十年を失敗して下り坂をもんどり打って転がっていくというようなイメージではなくて、したたかに、先ほど申し上げました実効ある、あるいは総合的なめり張りのきいた施策を打つことによって一歩一歩前に進んでいく、そういう産炭地振興であってほしいな、かように思うわけでございます。確実に来るのは高齢化社会でございます。とりわけ地方がひどい。その中でも産炭地域あるいは旧産炭地域というものは、もう統計を見るまでもなくそのレベルも速度もはるかに速いわけでございまして、私は、そういう意味でこの十年に総力を結集しての産炭地振興が行われることを期待するわけでございます。 そういう中で、冒頭でございますがぜひお聞きしたいのは、まず地域の立場から全国鉱業市町村連合会会長の山本町長さんに、そして学識経験者というお立場から審議会の笹生小委員長、お二人にお伺いしたいのであります。 この十年、あるいは三十年でもよろしいわけでございますが、こういう点に反省を加えれば、あるいはこういう施策があったらもっと産炭地振興は進んだであろうといいますか、そういういわゆる教訓といいましょうか、そういうものについて、何か向こう十年の参考となるような大所高所からの御感想があれば、ひとつお聞かせ願いたいな、かように思うわけでございます。
○笹生参考人 お答えを申し上げます。 これまで産炭法制定以来三十年、それからオイルショック以降十数年を経ました。特に、オイルショック以降と以前との産炭法の性格というのは基本的に違っており、前段は閉山による事後対策というものを最重点として掲げた政策であったと思うのですが、オイルショック以降は、その前後はたまたま閉山件数が少なかったということと、それからもう一つは、その当時の日本の地域政策の転換期ということもありまして、地域振興というものを産炭法の中に色濃く考えていくべきだというふうに変わってきたと思います。その意味から申しますと、その意味というのは、地域振興という立場からこれまでの産炭法の施策で欠くるところというのは、前期との裏対比でございますけれども、炭鉱閉山に伴う代替産業の導入ということに一点集中をしていた政策の裏返しは、まず一つは、農漁業という地元産業というものに対する配慮、それから地域社会の社会的な基盤あるいは都市基盤というものについての配慮というのがいささか後段においては欠くるところがあったというふうに思っております。 今御指摘の、こういう施策があったらなというのは、やはり五十年の前後にその施策面の抜本的な施策体系を変えていくということがあればということを基本的には考えております。ただ、その後、各地元町村の方々の努力でその施策の欠くるところをかなり補ってきている、特にここ数年間ではその効果が幾つかあらわれておるということを申し添えておきます。 以上でございます。
○山本参考人 私たちの市町村の方の立場から、今先生から御質問ありました点についてお答え申し上げたいのですが、言い過ぎになるかもしれませんが、その点はお許しをいただきたいと思うのです。 最初の三十五、六年ころのこの産炭法を制定した当時、物だけに集中したわけですね。例えば炭鉱の閉山をすることによって整備が可能じゃないかということだけしか考えなかった。同時に、一つは、そこで働いていた離職者の対策についても、転職が極めて可能であったのですね、当時は。それが数年後には行き詰まっていったという実態があるわけです。それともう一つは、当時閉山・合理化など実施をした地域というのは、私どもの地域が重点だったのですね。ですから、若い人たち、いわゆる壮年労働者というか、そういった人たちは転職ができたのですけれども、高齢者ができなかったわけですね。それが滞留していった。したがって、市町村に対する、すなわち炭鉱がなくなっていく所在市町村に対する手当てというのが希薄であったのではないか、そういうふうに思います。それが、もう少し変わった形でその市町村に対する支援策があったとするならば、地域振興はもっと早く進んだのではないだろうかという感じでございます。 それからもう一つは、先ほども申し上げましたけれども、基本計画、振興実施計画といって三条、四条に決められてあるのですが、この計画が計画倒れに終わったというところがたくさんあったんじゃないかと思うのです。バラ色の計画をつくれつくれと言って、十年前もそうなんですけれども、当時は発展計画という、名前まで変えて計画をつくりました。あしたからでもすぐよくなるというような感じさえ持たせる計画だったのですけれども、それが実効性が非常に薄かった、こういうことが反省すべき点ではないか。 それからもう一つは、これもちょっと怒られるかもしれませんが申し上げますけれども、六条地域の指定と十条の指定と二つの地域指定があるわけですが、事業を行うことによってこの十一条十七業種の事業に対してはかさ上げをすることになっていますが、これのかさ上げに対して、先ほど申し上げたように財政力の弱い市町村は十七業種をなかなかやれないものですから助成を受けられない。ちょうど反対のような傾向になっていくわけですね。疲弊度の高い市町村ほど十七業種、すなわちインフラ事業ができないわけですから、助成を受けることができない。ところが、同じ産炭地の中でも財政力が強いところ、いいところは十七業種をやれるものですから、そっちへ流れていくということがあったと思うのですね。ですから、その支援策、いわゆる財政上の支援策について、事業費補正なんですけれども、これについて偏りがあったというのが考えられるわけでございます。これらがもし私ども思っておるとおりの方向へいっていたとすれば、厳しい、疲弊度の高い産炭地域というのはまだもう少しよくなっていったのじゃないかな、こういうように思います。 お答えにならなかったかもしれませんが、考えたとおりを申し上げました。
○古賀(一)委員 どうもありがとうございました。一つの大きい教訓もあるなと今感じたわけでございます。それに向けまして、今後の十年を、いい、本当に実効のある政策とするためにも、やはり胸襟を開いてそうした論議が今後詰められることを、きょう通産省お見えでございますが、そちらの方にもお願い申し上げたいと思うわけでございます。 その次に御質問を申し上げたいのは、ただいま出ました、いろいろな産炭関係計画が計画倒れのところも相当あったのではないかという御指摘があったわけでございます。 今回の法律改正によりまして、るるお話がございましたように、実施計画の策定主体が今度は道県知事になるわけでございます。そこで、私も実は前、数年前まで建設省の方で役人をやっておったわけでございまして、計画づくり、そしてそれが今回は、知事が作成をされ通産省に上がってくる実施計画でございます。こうしますと、そこで各省庁とのいわゆる調整、連携というものが本省レベルでもされるわけでございます。そういうことを考えたときに、役所間の意思疎通というのは、言葉ではよく出ますけれどもなかなか難しい面が多々ございまして、私も役人をやっておりましたから、よくわかります。 この産炭法関係でも、私は道路局に当時おったわけでございますが、何といいますか、恒常的に、本当にフランクに調整をしていくという場がちょっと弱かったのじゃないかなという気が今するわけでございますけれども、そういうことを考えましたときに、知事の御苦労もさらに大きい。つくるだけじゃなくて、希望は出した、計画もつくった、本省に上げた、しかし中央レベルでの予算の関係、箇所づけの問題、なかなか両省の交渉が進展せずに結局大変苦労するということも容易に考えられると思うのでございます。 これは本来通産省にお聞きすべきことなんで、また後日お聞きしたいわけでありますけれども、せっかくの機会でございますので、高田知事に、計画策定主体となられまして、今後これを私がつくる、したがって各省庁の連携の問題、とりわけインフラにかかわるそういう調整問題について、こういう点に気をつけてほしい、あるいは国でこうしてほしいというような問題があろうかと思いますので、そこら辺の御意見を承りたいと思います。
○高田参考人 今回の産炭地域振興計画におきまして、知事がそのまず第一位の責任者として計画を策定ということになります。私どもは地域の責任者といたしまして、地域の問題につきましてはまず地域の責任者において、またこれの責任において事をやらせていただきたいということは、地方自治というものの原則からいきまして、すべてそういう原則に立って私どもは物を考えてまいってきておるのであります。 今回の場合におきましても、振興計画というものは、その地域地域において実情がそれぞれ非常に異なっておる事情もございますので、その実情というものに合った計画というものをその地域の責任の立場においてつくらしていただくということは、地方の立地あるいは地方の実情を御勘案いただいた結構な改正である、かように存じて、私は大変に敬意を表しておる次第でございます。 ただ、その場合におきましても、やはり地域の実情というものがそれぞれ違っておるのでありますので、私どもが一生懸命それをつくりました場合に、また国において御審議を賜りますというときにおいてこれがまたうまくいかない、機能をしないということに相なりますと、うまくこれは地域の振興に結びつかないわけでありますので、先ほど来いろいろ参考人の皆さんからも御説明もいただいておりますように、財源の問題とかあるいはいろいろ各省庁間の調整の問題というのが私どもにとりましては非常に気になる問題で、御指摘のとおりだと思うのでございます。ですから、その点につきましては、ぜひ私どもの上げたものについて各省庁間の、御指摘のとおり円滑なる調整という問題につきましては、もう私どもは地域の立場でひとえにこれをお願いを申し上げたいという立場で、それ以外をちょっと申し上げることはございません。
○古賀(一)委員 ただいま高田知事の方から、基本的には実際我々がその実施計画をつくる、それは非常に歓迎されるべきことだという話を聞きまして、私自身もそうでございますので、大変うれしかったわけでございますが、いろいろ御苦労はこれまでとは違ってさらに多々あろうかと思いますが、御健闘、そしていろいろな忌憚ない意見をやはり中央にぶつけられることを期待を申し上げる次第であります。 次に、地域公団の田中副総裁にお伺いをいたしたいと思います。 先ほど、これまで昭和三十七年来の地域公団の、とりわけ産炭部門の工業団地の造成の成果、その雇用効果、あるいは企業立地、いろいろと御説明がございました。そこで、端的に申し上げますが、これからの地域振興、とりわけ産炭地振興は、やはり先ほど来話がございました、ハードだけではなくて、道路整備、工業団地、それがハードに入ると思うのですが、ハード・アンド・ソフトといいますか、そういう組み合わせによって本当に生きた、ダイナミックな、有機的な地域振興策というものが動き出すと私は信じて疑わないわけでございます。 そういう意味におきまして、第一点は、どうも地元の市町村長さんあるいは議員さん方あるいは地域の企業の方々のお話を聞いておりますと、企業が土地を求める、進出をしたい、人材を求める、そういうニーズと、地元ではぜひもう何かうちに来てほしい、あるいは工業団地をどうやってつくったらいいんだろう、地域公団というのがあるんですかとか、こういった話もまた現場にあるわけでありまして、やはりそこの情報の接点といいますか、そういうものを何かつなぐ場が私はこれからの産炭地振興にとってとりわけ重要じゃなかろうかという気がかねがねしておるわけでございます。 そこで、幸いにも地域公団は実施部隊も持ち、予算も持ち、ハードをつくってきた実績もあるわけでございまして、もちろんそれに加えまして企画あるいは情報部門もあったと思うのですが、今私が申し上げたような地域と経済のニーズをつなぐ、仲立ちをするという機能をもっと強化をしていただいて、まあ一種のコンサルティングあるいは情報センター的な機能を持つことが私は非常に重要なことじゃないかなと思うわけでございます。そういう面につきまして何か動きがあるのか、今後公団としてお考えがあるのかをまず一点お伺いしたい。 もう一点は、今回の審議会の答申でも指摘されております工業団地の造成を積極的にやろう、先ほどのお話でございますと、九三%はもう既に譲渡済みでございまして、残りはわずか九十数ヘクタールだったと思いますが、今後どういうふうに戦略的に取り組んでいかれるのか。これはもちろん通産省との関連もあるわけでございますけれども、平成三年度のみならず、この話は、先ほどございました中長期的に見て、私は、地方の時代、将来のためにこの工業団地造成というものは本当に起爆剤になる重要な政策であろうと思います。そういう意味におきましての公団の今後の工業団地の計画的な、中期的な取り組みの方針につきまして、ぜひお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○田中参考人 まず、先生御指摘のとおり、我が国の経済社会がサービス化、ソフト化しているという現状があるわけでございますが、それを踏まえまして、ある意味では中央と地方との情報の緊密化と申しましょうか、意思疎通を図っていくということが特に重要だと私ども考えているわけでございます。ただいま御指摘のように、企業のニーズと地元のニーズをどう合わせるか、これはなかなか難しい問題でございますけれども、私どもそうした観点から、実は九州支部あるいは北海道支部にはかねて地域計画課というのを設けておりまして、地域のニーズの把握あるいはプロジェクトの発掘、そして情報やノーハウの提供、ある意味では今先生御指摘のコンサルタント的な機能を少しでも果たせないかということでやっているわけでございます。 また、それと同時に、通産省から委託を受けておりまして、産炭地域拠点開発基礎調査、現在筑豊地域でやっておりますが、先般シンポジウムも開いておるところでございますが、そういった調査を進めることによって筑豊地域の開発に寄与しようということで行っておるわけでもございます。こうしたことも、地域のニーズを掘り出し、またある意味では企業がそのニーズにどういう形で対応できるかという情報提供の一環ではないかというふうに考えておるわけでございます。 私どもといたしましても、先生御指摘のような情報の伝達という意味で、私ども多くいろいろな機能を持っておるわけでございますから、そのパイプ役としての役割を十分今後果たしてまいりたいと思いますし、必要な地域開発の情報提供には今後とも努めてまいりたい、かように考えております。 それから第二点目でございますが、団地の造成について、今後長期的に計画的にどう考えるかという御指摘でございます。 先ほど申し上げましたとおり分譲状況は大変好調でございまして、確かに手持ちの在庫の団地は減少しつつあるという状況にございます。ただ、御指摘もございましたように、今後の経済社会の先行きについてはかなり不透明な点もあるわけでございます。私ども公団といたしましては、そうした中で、産炭地域におきまして企業を誘致するための団地が不足する、そのことによって産炭地域の障害になるということは何としても避ける必要があるわけでございますので、一つには手持ち工事、これが幾つかございますが、また筑後の地区でも実施しているわけでございますが、この工事を急ぐというのが第一点でございます。第二番目には、計画的に今後新規団地の候補の地点を発掘するということを考えていきたいというふうに思っております。 何分にも、先ほど申し上げましたとおり、私ども産炭地域振興施策の実施機関としての役割を十分認識しまして、工業用地の確保、特に御指摘の計画的な取り組みを今後とも行っていきたい、かように考えております。
○古賀(一)委員 工業団地は、そういうことで、あそこは売れるだろうか、全国でこれだけのストックがある、企業誘致がはかばかしく進捗しないという話がかつて大分ささやかれたことがあったわけでございますが、日本経済のパフォーマンスでここまで来ました。これは全然話は違いますけれども、公共用地のストックも年々減少で、もう既に一年分を切っておるわけでございますが、数年したらもう何カ月分しかない、こういう状況になるんじゃないかと一つ心配をしております。それとよく似た話で、やはりこういう工業団地は起爆剤になる可能性を大いに秘めた空間でございまして、日本経済の柔軟性を確保する上からも、そういう視点からもやはり前広に、先取りで計画を立てていくべきことだと私は思います。 時間も何かあと一分ぐらいしかないようでございますが、最後に、これは質問する時間はないかもしれませんが、ちょっと私の意見を申し上げたいと思います。 今回特に重視されておりますのが、いわゆる現産炭地八次策影響地域へのてこ入れでございます。私もいろいろ調べてみましたけれども、ここまで旧産炭地について、足らざるはもちろんまだあるわけでありますけれども、相当の施策が講じられてきた。じゃ八次策影響地域はどうであるかと見たときに、いろいろな指標を見ても、例えば先ほど申し上げました工業団地も、実はこれは福岡だけでございますけれども、筑後地域、つまり筑後の六条地域は大牟田でございますから、大牟田はこれまで一カ所でございますが、筑豊は東そして中、西、全部合わせて六十五カ所。あるいは人口の最近の減少率もそうでございます。工業出荷額に至りましては、筑豊地域頑張られまして、例えば筑豊西はこの約二十八年の間に実は五十一・二倍になっておる。福岡県の六条地域計で十五・五倍、全国で十六・三倍。しかし何と大牟田地域は五・三倍にしかすぎない。 これは全部申し上げる暇がないので、はしょりますけれども、そういう意味におきまして、いわゆる八次策影響地域というものが、どちらかというと、地域の問題もあったのかもしれませんけれども、おくれておったではないか。しかし、現在起こっている影響の度合いというものは生で、現実に今起こっておるものでございまして、さらに厳しいものがある。そういうことにおきまして、これは質問になりませんけれども、今回影響地域へてこ入れをされるということに関しては、参考人の皆様方から時宜に沿った政策だという話がございました。私もそう思うわけでございます。質問になりませんけれども、その点についても参考人の皆様方の御理解を賜りたい、かように思います。 これで質問を終わります。
○麻生委員長 中西績介君。
○中西(績)委員 きょうは七名の参考人の皆さん、大変御苦労さまです。 そこで、笹生参考人にお聞きをしたいと思いますけれども、審議会でこうした十年間の延長ということをお決めいただいたことについて、大変内容的にも私たちが考えておりますことと一致いたします点、敬意を表したいと思います。ただ問題は、鉄だとか造船だとか、こういうものの地域というのを考えてみますと、五年前、第八次策を決めるころは奈落の底に落ちたみたいな状況であったものが、今や史上空前の景気に見舞われておるという状況と産炭地とを対比した場合に、質的に全く異なるということを御理解をいただいたものと私は確信をするものでありますが、この点どうでしょう。
○笹生参考人 お答えを申し上げます。 産業的に申しますと、鉄、造船というのは加工業でございます。石炭鉱業というのは地下資源利用産業でありますから、したがいまして、景況の度合いについての影響というのは、両者においてかなり時期的な差というのが出てまいろうかと思います。さらに、国内炭の場合にはエネルギーという国際商品の中での問題でございますので、その影響が出てまいるということが今回産炭地域の法廷長をどう考えていったらいいかというときの我々の認識でございます。 以上です。
○中西(績)委員 そういう御認識をいただいてこうした結果が出たと思いますけれども、特に三十年にわたる振興策、その中で地理的にもあるいは諸条件からいたしましてもいまだに回復基調にない地域が、先ほど三笠市長さんが申されましたように、人口の激減等含みまして大変な内容が明らかにされておるわけでありますけれども、振興対策の最も今まで欠けておった部分は何であったかということを御指摘いただければと思います。
○笹生参考人 お答えを申し上げます。 三十年にわたるこれまでの産炭振興施策で今日なお脱皮し得ない基本的な要因はどうかということにつきましては、先ほど古賀先生に施策上の反省ということを申し上げましたが、それに加えますと、一つは、今回の改正で計画主体を国から実質的には地方自治体、いわば地元の英知のもとに展開するという主体的な方向へ切りかえようというふうに考えたわけでありますが、やはり国がこの計画主体であったということは、それなりに歴史的な必然性、それからまた当時の産炭地域のいわば計画環境といいますか、能力といいましょうか、そういったことがあったと思いますが、この三十年という時間を振り返ってみますときに、結果としては国依存的な色彩というのが地域の主体的な活性化というものにある程度影響をもたらしたのではなかろうか、いわば計画主体の問題であります。 それからもう一つは、これは山本参考人が申し上げましたけれども、計画と財政とのアンバランスがずうっと続いてきた。特に五十年代の財政抑制政策ということが、先ほどちょっと申し上げましたが、五十年代から産炭政策が新しい振興という意味を込めて再生を図ろうというときの実質的な阻害要因というふうになったのではなかろうかなと、しかしこれはかなり今後の課題であろうと思っております。 以上です。
○中西(績)委員 そこで、最後になりますけれども、私はこの法律を見てみますと、第四条、主体を地方自治体に移すということを先ほど言われておりますが、特にその中の二項のところに、問題になりました、論議されて審議会でも指摘をしたことでございますけれども、当該地域における公共事業等の基盤整備及び教育、文化、福祉などに関する問題をこの二項の、一、二、三、四、五とございますが、ここに六を新たに設けまして、今私が申し上げた点について明文化する必要があるのではないか、こう私は考えますけれども、これに対する御意見は。
○笹生参考人 お答え申し上げます。 今先生の御指摘の必要性につきましては、私先ほど古賀先生へのお答えの中で都市機能、社会基盤の整備ということについての配慮が欠けていたということを大きな反省の一つに挙げましたので、先生のお考え方と私は全く同感をしております。ただ、それを明文化するかどうかということについては、まだ私ども研究が不十分でございますが、趣旨としては先生のおっしゃるとおりであろうと思っております。 以上です。
○中西(績)委員 ありがとうございました。 それでは、田中参考人にお伺いいたしますが、今土地対策が政策的に失敗をしまして大変な問題を醸し出しておることは御承知のとおりです。したがって、この土地問題あるいは労働力不足によって企業が全国に展開せざるを得なくなっておる現状というのはお認めいただけると思います。そうした時期にこの工業用団地の造成は緊急な課題であります。特に産炭地域におきましても、相当ありましたものが近ごろ不足ぎみになってきておることは事実であります。そうなってまいりますと、先ほど言われておりました知事あるいは市町村が参加をした計画づくり、その実効性あるものにという御指摘がございましたが、そのとおりであろうと思います。これに協力するということでございますので、特に工業団地は相当に力を入れておるようでありますけれども、この点がどうなるか。さらに飛躍的にやるかどうか。 それともう一つは、この融資の問題は、十八億を倍の三十六億といたしましたけれども、この点についてもまだ目安があるのかどうか、この二つだけ聞かしてください。
○田中参考人 第一の御質問でございますが、御指摘のとおり地域によりましては団地が売れ行きがよくて若干不足ぎみというところもございますが、地域的に団地の需給状況はかなり差がございます。したがいまして、今御指摘のように計画を実効性あるものにすると申しますのは、やはり地元のニーズもございますが、企業誘致を行うに当たっての展望もあるわけでございます。加えまして、先生御指摘のように最近は労働力不足の問題がございまして、企業が参りましても必ずしも十分な雇用が確保できないという、それが一つの制約要因になっているという団地も見られるわけでございます。したがいまして、そうした企業側のニーズを踏まえながら、そしてまた雇用状況を含めた地域の実態を勘案しながら、団地の造成については長期的に計画的に考えていきたい、かように考えているわけでございます。 一方融資でございますけれども、融資につきましては、先ほど申し上げましたのは長期特別低利融資でございまして、その点につきましては平成三年度につきまして三十六億と申し上げたわけでございますが、その後は、監督官庁であります通産省と十分相談する必要がありますけれども、その実態に応じて考えていく必要があろうかと考えております。ただ、一般的な融資につきましては、平成元年度が百三十三億でございまして二年度が百四十億でございましたが、三年度では百五十三億の融資をすべく予算をお願いしているところでございます。
○中西(績)委員 この点、相当の伸びを示し始めたわけですから、ぜひ今後とも期待をしたいと思います。 それじゃ木曾参考人にお伺いいたしますけれども、誘致企業として、この三十年間の中で、政府施策の中で何が最も今後要求されるだろうか。先ほどお話の中にございました交通ネットワークが一つの問題点として指摘をされましたけれども、今当面何が一番御指摘いただけるか、この点お聞かせください。
○木曾参考人 お答え申し上げます。 当面ということでございますので、現状を踏まえたお答えになると思いますが、これは産炭地域に立地しております我々企業だけの問題ではございませんけれども、人手不足ということが一段と深刻になりつつあります。私冒頭の陳述で申し上げましたけれども、交通ネットワークももちろんでございますが、その他インフラの整備ということがいわゆる産炭地域では一段とおくれておると申しますか、まだ未着手のところが多うございます。例えば、上水道もそうでございますけれども、殊に下水道の整備ということが、これは私の経験から申し上げますけれども、最近私も工場を増設いたしましたが、現代の若者たちにはまず洗面所は水洗でなければいけない、それから仕事の後には必ずシャワーを使うというようなことで、下水道の完備というようなことが特に問題なのじゃないかと私は思っております。その他もろもろございますけれども、今痛切に感じておるのはそういうことでございます。 以上でございます。
○中西(績)委員 確かにインフラの整備、特に道路なんかになりますと、問題は建設省との関係が全く無関係になってしまって、建設省が道路整備をするときには全部通行量を測定をして、そこが低ければもう全部排除する、こういうやり方ですからね。一貫性がないわけなんですね。一体性がない。こういうところに問題があるわけですから、今度の法律の中ではそれを克服しようという方向があるやに聞くわけですから大変私は期待をしておりますけれども、皆さん方からもそうした点についてうんと監視をしていただければと私は思っております。 それでは、高田知事にお伺いをいたします。実施計画の実効性確保のために立案主体者として知事あるいは市町村長がそれに直接参加をして確定をするということ、他の参考人の皆さんはこれは画期的な前進面だということを言っておられますけれども、実際に担当しておられる知事としてどのようにお考えか。
○高田参考人 先ほどもお答え申し上げましたように、私はこの実施計画というものを、やはり国が当初に最初においておつくりになるというのではなくて、地域において地域に応じたものをつくるということでございます。私どもも、このことについてはもう全面賛成でございます。 ただ、御指摘がございましたように、いろいろな事業についての整合性というかその辺について、本当にその計画というものが実施されるだろうか、実行されるだろうか、このことの担保というものが、過去の反省からいきましても、私も本当にこのことをぜひ担保をしていただきたいということをこいねがうものでございます。
○中西(績)委員 今お答えございましたように、事業確保をするということがこれからの大きな課題であるということ、同時にまた、財政面が大変その裏づけになるわけでありますから重要だろうと思います。 そこで、能登参考人にお聞きをいたしますけれども、そうした財源対策、これが、特に北海道五市一町の実態を報告いただきましたけれども、もう激減をしていくわけですね。こうした問題について特別措置なりなんなりを具体的に要求するとすれば、どうした点を要求なさるでしょうか。
○能登参考人 財源の大宗をなすのは、やはり一般財源である税収入、地方交付税交付金ということになるわけでございます。閉山によって人口が減少するという顕著な状態が起きるわけでございますが、現在の財政の仕組みからいきますと、特にこの交付税関係の仕組みがかなり人口要素を内容としたものになっているわけでございます。したがって、そのことが直ちに一般財源の減少につながるということでございます。 ただ、ここで一番私どもが重大に思っておりますことは、逆に財源が増加するときには、地方自治体の自由財源ともいうべき基準税額以外の二五%がどんどんふえて、主体性をそこに認めて運営をされているわけでございますが、減少という状態が起きますと、この七五%は救済されますが、二五%は全部減少しっ放しというのでしょうか、顕著なものの補てんはないわけでございます。特別交付税等で一定の措置がなされているということはある程度うなずけるといたしましても、やはりそれは決して増加する場合との、その裏返しのとおりにはいかないということでございますね。そういうことを考えますと、むしろ現行を維持して将来に振興策をやる場合の財源の対策として、今人口が減ったからといって直ちに規模が縮小したり、内容、構造を変えるということは不可能でございます。ですから、一定の期間はそういうことに着目をしていただいて、減った人口に対します特別な財政需要あるいはまたそのものを対象にした財源のいわゆる維持保障、そういうものがぜひ講ぜられるということが地域の将来にとっては大切だということを痛感いたしているわけでございます。したがいまして、その辺のところを特に、強烈に人口が減ったところにはそれらの救済をお願い申し上げたい、このように考えている次第でございます。
○中西(績)委員 ありがとうございました。 時間がもう参りそうになっていますが、そこで山本参考人にお伺いしたいと思います。 問題は、指定解除なり見直しをされた場合猶予期間を置くようになっておりますけれども、先ほど言っておられましたように、何らかの優遇措置が必要ではないかということを言っておられますけれども、この点で何か具体的なことがあれば。 それともう一つは、産炭地域の基盤整備を重要視しなくてはならぬということが再々皆さんから言われておりますけれども、その中で大きな開発のネックになっておるのが未利用の旧炭鉱跡地になっております。この点について、抵当等問題があるわけでありますから、行政で何を今なすべきかということについて具体的にもしあればお聞かせいただきたいと思います。
○山本参考人 お答え申し上げます。 指定解除をする場合、激変にならないようにしてやることが必要だと思うのですね。今まで支援を受けておったものがゼロになるということになると激変になるわけですから、二年間の猶予期間ということが審議会で言われておりましたが、果たしてその二年間が適当かどうかということです。ですから、二年、五年というような考え方で答申をされておりますが、私が最初に申し上げたように、できれば現行のまま指定をしておいて、解除するならば十年後に一斉に解除してもらった方が一番いいわけですけれども、そうはいかないわけですから、そこらあたりを考えると二年というのは少し短いんじゃないかという感じでございます。もしどうしても二年でやるとするならば、何か事業の計画がちゃんとあるわけですから、さっき申し上げた振興計画があるわけですから、その分に対して応分の措置をする、あるいは支援をするということが優遇になると私は思うので、それの実現をさせてあげるということも一つの策だと思います。そういうことがどれが一番いいか、それはこれから、その該当する市町村と与える方の国側との協議の上でセレクションすべきではないか、こういうふうに思います。 それから未利用土地なんですが、これが大変重要な事項なんですね。ですから、旧産炭地でもまだたくさん残っているところがございまして、ところが、これがいろんな担保の関係、鉱害復旧の関係などで手放すことができない炭鉱会社がたくさんあるわけですね。顕著なところもあるわけですけれども、これを利用することによって地域の振興の事業がかなりできるということが言えますので、できれば私どもが考えている一定の地価評価によって買収、取得ができるような行政指導をひとつお願いできぬだろうか、こういうことです。何もかも強制的にはできないわけですけれども、行政指導、そのかわり、例えば鉱害復旧の担保になっておるとするならば、その担保の分については何かの、逆に国の方からその担保相当分についてはこれでかえますよ、かえてあげるよというような策をつくっていただくことが大事ではないかと思います。恐らく、そういう土地を抱えている市町村はかなりあると思います、もう大多数であろうと思いますので、策を考えていただくことが必要だと思います。 以上です。
○中西(績)委員 終わります。ありがとうございました。
○麻生委員長 東順治君。 〔委員長退席、金子(原)委員長代理着席〕
○東(順)委員 参考人の皆様の御意見を拝聴させていただきまして、常日ごろの御努力に対しまして心からの敬意を覚えたものでございます。 これからの我が国の政治ということを考えていったときに、やはり生活の大国というものを目指していかなきゃいけない、そしてまた公共の投資というようなことも思い切ってやっていかなきゃいけない、こういうことが今後の我が国の政治の大きなテーマであろうというふうに思います。いわばこの産炭地及び旧産炭地、これは日本が大きく経済的に飛躍をするときに大きな力を果たして、そして今逆に影となっている、そういう地域であろうというふうに私は思います。今後の我が国の政治のテーマということを考えていっても、こういう影の部分になっている地域に対して温かく、優しく、かつきめの細やかなそういう政治の手というものが差し伸べられるかどうかということが非常に大事であろうというふうに私は思います。したがいまして、この産炭地対策あるいは旧産炭地対策、これが今後の我が国の政治を占う大きな試金石になろうか、このように私は考えます。これからこそ努力をしていかなきゃいけない重大な課題である、このように思うわけでございます。 そういう中で、まず田中参考人と木曾参考人にお伺いを申し上げたいと思います。 工業団地への進出企業の状況、先ほど景気回復以前の五カ年平均の二倍以上の実績を示すに至ったというお話がございまして、本当に大変な御努力をなさっているなというふうに感じたものでございますけれども、そういう中で福岡県の宮田町にトヨタ自動車の進出が決まりまして、地元としては大変大きな喜びで、私も、福岡県の北九州市の若松出身で今福岡二区から選出されておるわけでございますけれども、大変な現地の喜びであったということをいまだに鮮明に覚えております。 そういう状況の中で、当初の本社直営の方針から現地法人という形の切りかえが行われて、トヨタ自動車九州ということで発足するように決定したようでございます。これに伴いまして、年間数十億とも言われるような大幅な税収の目減りというもの、あるいは現地法人になったことによって最低五カ年間は税収がゼロという形で続くのではないかというようなこともございます。なぜこうなったかと申しますと、やはり現地の地場産業、地場企業から、大企業であるトヨタが進出してくると大変な雇用条件の格差が生まれる、したがいまして、むしろそういう地元からの大きな悲鳴が上がったというようなこともございまして、最終的に、地元採用に有利である、あるいは人件費の負担が軽くなる、あるいはまた転勤が少なくなって従業員の生活設計が立てやすいというようなことで現地法人ということでのスタートを決めたようでございますけれども、トヨタ関連の基盤整備費として二百五十億円とも試算されておる状況もございます。 〔金子(原)委員長代理退席、委員長着席〕 これは、一つに、今の時代の顔と申しますか、慢性的なそういう人手不足から来る地場産業の悲鳴というもの、と同時に、今度は、地元にもっと税収入を欲しいというこういう二つの相矛盾したものがぶつかり合って、その板挟みからくるそういう苦しみの中からのこういう選択ではなかっただろうかというふうに思います。これは宮田のみに限らず、今後の工業団地への企業進出ということでやはり全国的にこういう問題は続いていくものであろうというふうに考えます。したがって、こういう状況に対する御見解というものをお二方にお伺いしたいと思います。
○田中参考人 御指摘のありました宮田団地につきまして若干御説明申し上げたいと思います。 先生はもうよく御存じのとおりでございますが、六十三年から一部工場は貸しておりますけれども、平成二年二月に今御指摘のトヨタ自動車が進出するということが決定したわけでございます。それまで大変長い間にわたりまして私ども公団も努力いたしましたが、むしろ地元の自治体の皆様初め企業誘致に大変御努力いただきまして、その結果念願のトヨタ自動車の進出を見たわけでございます。トヨタ自動車が進出することによりまして、当該地域に与えます経済的な影響というのは大変大きなものがあるというふうに私ども考えておりますし、通産局を初めとする試算でもかなりのものがあるという試算結果であろうかと思います。 問題の現地法人という点でございますけれども、この点につきましては、トヨタ自動車自身がどういった検討結果、審議結果を経まして現地法人に決めたかという点についての詳細は私ども存じませんけれども、先生御指摘のような点も十分考慮の中にあったのではないかと考えております。ただトヨタ自動車としては、今回の進出に当たりまして、あくまで地域に密着した企業活動を行いたい、企業活動を展開したいということを常々言っておるわけでございまして、地域振興という観点から見ますと、現地法人化と申しますのはその企業の、言うなれば一つの方針、ポリシーではありますけれども、地元に密着した企業展開、それがその地域の振興に役立つということであれば、それ自身としては歓迎すべきことではないかというふうに私どもとしても考えておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、現在私どもの団地に企業の誘致をいたします際、先ほどもちょっと触れましたように、雇用問題が一つのネックになっているという事情が時に見られるわけでございますので、そうした事情にどう対応していくかということも、量的な問題あるいは賃金水準という質的な問題を含めて総合的に、企業誘致に際しましては私どもとしても十分考えてまいりたいというふうに思っております。
○木曾参考人 お答えいたします。 我々進出企業、九州におきましては三百六十社ありますが、この中でトヨタに何らかの形で関係を持ちたいという希望会社は、企業と申しますか、それは一割に満ちておりません。三十数社でございます。と申しますのも、九州がそもそも素材型産業といいますか、いわゆるアセンブリー産業じゃなかったということで、それのすそ野が九州にはなかったのではないかと思っております。そういうことですから、今後トヨタも九州各県に、御存じのように数社ずつ関連企業が企業進出してきておるのが現状でございます。 そういうことで、我々が思ったほどトヨタ進出が地場企業にプラス面が今のところ出てきておりません。むしろマイナス面と申しますか、これは先ほどの田中参考人からもお話が出ましたけれども、人材確保の面ということで一段と困難になるのではないかと思っております。既に九州各県の工業高校にトヨタの担当の人たちが去年の秋から就職課の方に参りまして、相当田舎の工業高校までも回っておるというような事実がございます。それともう一つ、何と申しましても賃金格差が生まれてくるという懸念が、仮にトヨタ自動車が九州というもので別会社になりましても、果たして格差というものが全く生まれないで済むだろうかというような懸念は非常に強く持っております。そういう二つの面で我々は、プラス面よりも進出によるマイナス面の方が現時点では多いのではないかと思っております。 以上です。
○東(順)委員 続きまして山本参考人によろしくお願いいたします。 先ほどからの意見陳述を伺っておりまして、結局どんなに立派な実施計画、プランというものがあったとしても、それをプラン倒れにさしてしまっては何にもならない、計画倒れで終わらしてはいけない、そのためには地方交付税である程度の補てんをというような御主張があったかと思います。前々から参考人は産炭債とか、そういった具体的な提示もなさっておられるようでございまして、長年当該市町村の責任者として本当に御努力をなさってきて、そういう中から、プラン倒れに終わらせない、いわゆる当該市町村の財政というものをきちっと強くしていかなければ計画というものを本当に実施できない、計画をそのままきちっとした形で実現できないということに対して、もう少し具体的なお話がもしございましたら、御意見がございましたら、この際お聞かせ願いたいと思います。
○山本参考人 お答え申し上げます。 今度の振興計画のつくり方は、今から関係の市町村の意見を聞いて道県の方で決めていくと思うのですけれども、やりたいことはたくさんあると思うのです。それが全部限られた時間内で実現できるとは思いません。ですから、どうしてもコアになるものを考えていかなければいかぬと思うのですね。コアになるものは何かというと、さっき申し上げたようにインフラだと思うのですけれども、それでもたくさんあると思うのですね。ですから、これだけ、中心になるもの、これはどうしてもやらなければならぬものを一つつくり上げていく。 そうすると、それは国の方の力で採択をしていただいて、関係する市町村でなくて道県、県や国で実施をしていただく。しかしそれだけではいけませんので、それを今度は、その波及効果が出てくるように市町村がそれを中心として補完の事業をやるということが必要じゃないでしょうか。その補完の事業をやるという場合と、それから、どうしても単独の市町村でこのインフラをやらなければ自分たちの市町村がそれと連携ができない、こういうこともあり得ると思うのですね。 この産炭法では、実施をした実績に対してはそれなりの相応分の助成をすることができております。そういう制度が現行ございます。ですから、恐らくこれも続いていくだろうと思うのですが、それが厚くなるか薄くなるかということだけだと思うのですね。例えば、今まで事業費全体の九〇%まで面倒を見ます。例えば、今二分の一の補助が大多数ですから、五〇%だけは国庫で見ますが、あと残りの五〇%のうちの四〇%までこれで、産炭法の関係で助成をしましょう、こういうようになるのが九〇までいくのか、八〇までいくのか、七〇までいくか、その濃淡だけだと思いますね。 しかし、これは事業を実施して初めてその助成が出るものであるのです。ところが、その事業を実施するためには、九〇%までいっても残りの一〇%は残るわけですから、この一〇%は義務負担になるわけですね。この負担をしないとその事業を実施することができないわけですから、この義務負担をするその財源が脆弱な市町村にはないということです。したがって、それでは振興ができないだろうということで産炭法が今、この前の十年のその前のときに、それは五年間だったと思うのですが、延長したときに、産炭補正というもので、地方交付税でこれを面倒を見てあげましょうということになったわけです。ところが、それを延ばし延ばしお願いをしてきたんですけれども、平成三年度でそれがゼロになる、これはもう先生方御存じのとおりなんですが、それが私どもにとっては財政上のかなりのインパクトになっていったわけなんですね。ところが、それがなくなってくるものですから、他に財源を求めるにも求めようがない状態ですから、何らかの形で、産炭補正をそのまま続けてくださいということは言えないかもしれませんが、それにかわるべき何らかの地方交付税での面倒を見て、手当てをしていただけないだろうか、こういうことです。 ですから、それがない限り、幾ら計画をつくっても実施ができませんから、この援助も受けられない、こういうことになるわけですから、先ほどから、脆弱な市町村ですからぜひお願いしたい、こういうことでございます。
○東(順)委員 弓削田参考人にお伺いをします。 鉱害復旧と地域振興事業の整合性を持った事業展開をということで、そのためには鉱害地を含めた総合的な土地利用の策定をというお話が先ほどございました。これからの非常に大事な視点だというふうに私も思います。したがいまして、ある程度の具体的なイメージですね、どういう感じのイメージを描かれておられるのか、よろしかったら御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○弓削田参考人 これまでも鉱害地、例えば農地等を住宅あるいは工業用地等へ、小規模でございますけれども転換をしていくという例はあったわけでございますが、これまで大規模にやった例というのは非常にございませんで、ただ一つ、今具体的に進行形の事業としてございますのは、先生御承知かと思いますが、鞍手郡小竹団地の奈良津地区を中心にしまして、御案内のとおり非常に広範囲の農地の被害地がございます。この一部を地域公団が団地として造成し、その残余を農地として復旧するという共同事業を地域公団と私どもの一つの共同事業として今進めているところでございます。準備作業として既に河川の改修事業等が始まっているわけですが、私どもできるだけ早く事業着手に持っていきたいということで、今地元との調整を急いでいる問題でございます。 具体的な例として申し上げましたのですが、例えばこういうことをイメージして申し上げたような次第でございます。
○東(順)委員 では、最後に能登参考人にお伺いしたいと思います。 八次策のもとでの閉山ということで、大変な御苦労だ、今その真っ最中であろうというふうに思います。先ほど人口減の問題や未就職あるいは工業団地、さまざま述べておられましたけれども、当面、こういうのに優先順位というのは難しいのでしょうけれども、今何に一番力を入れて取り組まれておられるか、その辺のところをお伺いしたいと思います。
○能登参考人 先生方に大変お世話になりまして今、閉山対策を進行中ですが、まだまだ問題が残ってございます。 今取り組んでおりますのは、民生対策問題では、まず離職者の生活問題をきちんと位置づけたいと思っておりますが、住居問題で、先ほどちょっと申し上げました電気、水道を今公共の形に、炭鉱改良住宅に入居している人たちの生活環境整備を実施いたしてございます。それから、私どものところは特に離職者あるいはまた再就職された方が地元に残っていただくために、改良住宅の住宅料を大幅に軽減して、現在地元にとどまっていただくための特別施策を実施いたしてございます。それは段階的に解消いたしますけれども、黒手帳を受けられる間、初年度は五五%、次は二五%、次は一五%の軽減率で住宅料を軽減して、そしてほかへ流出しないようにという施策もやっておりまして、それがまた一定の住宅に集約いたしませんと方々に空き家ができて住宅関連に経費がかかりますから、今そちらの方を重点的にやっているのですが、なかなか思うようにはいきません。しかし、そういうことも着実にやりながら、まずひとつそういう生活安定、住居安定のことをやりたいということです。 それから、好景気でございますから、まだ景気は続いておりますけれども、やはり年齢の問題があったり、あるいはまた業種が、雇用のミスマッチ等がありましてなかなか思うようにいきませんが、いずれはそれらの問題についても解決ができるのではないかなというような見通しに立っているわけでございます。 なおまた、たくさん課題がありまして、これからとにかく町をイメージ転換することが何よりも大事です。先ほどもちょっと申し上げましたように、炭鉱町といったら、いやとってもという印象にとられることは住居を求めるための障害になります。それから企業誘致も、ああ炭鉱の町ですか、こう言われますとイメージが大変上がりませんし、それで下水道ありますかとか、いろいろなことも盛んに聞かれますので、そういう意味ではそういうもののインフラ整備だとか環境整備、道路、河川も特にそういうものが一挙に推進されることが何よりでございますので、自治体もしっかりやらなければならぬと思いますが、各省庁の方々にも、お世話になっておりますが、そういう面を重点的にやっていただければいろいろな面に波及効果が出てくるのではないか、こういうふうに考えております。よろしくお願いします。
○東(順)委員 ありがとうございました。
○麻生委員長 中沢健次君。
○中沢委員 各参考人の皆さん大変御苦労さまでございます。私は、約二十五分時間をいただいておりますから、いろいろお尋ねをしたいと思いますが、結果的にはすべての参考人の皆さんに質問ができないかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。 まず最初に、笹生参考人にお尋ねをしたいと思います。 私は北海道の夕張の人間でありますから、八次政策の中で閉山が二つあった、選挙区だけでも四つの閉山がある、炭鉱はまだ三つ残っておりますが、辛うじて残っているという状態でありまして、大変な生産その他の縮小が余儀なくされている、俗に言えば、八次政策の被害を一番受けた産炭地を多く抱えておりますので、とりわけきょうの参考人の皆さんと議論をする機会を得まして大変ありがたく思っているわけです。 そこで、具体的にお尋ねをしたいと思いますが、産炭法の答申まで大変御苦労をされてきた、特に私どもも間接的に主張してまいりましたけれども、やはり八次の石炭政策で大変な影響を受けた地域には、この際新しい産炭法の中で重点的な制度あるいは政策を展開してもらいたい、こういうことなども申し上げてまいりましたが、その趣旨につきましては大体答申として出されてきた、このように総論的には私なりに評価をしているわけなんです。 ただ、問題は、新しい答申あるいは新しい政策、それには財政的な裏づけという非常に現実問題がなければどうしても絵にかいたもちになってしまいかねない、私はそのように率直に思います。 そこで、笹生参考人は、もう小委員長として御苦労されまして、そういう議論も随分くぐられてきていると思うのでありますが、特に新政策に対する財政的な裏づけについて、この際、国会あるいは政府に対する率直な御意見があればお聞かせをいただきたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 先生御指摘のように、産炭地域の振興の一番基底的なものは自治体の財政力の強化に尽きると言ってもいいであろうかと思います。そのために、答申におきましても、対策の第一項としてそれを掲げているところでございます。さらに、これまでの財政力の強化につきましては市町村を対象としておりましたが、答申の審議過程で、それに加えて道県につきましても財政力の強化を図り、広域的な効果を上げるということを加えておることをつけ加えておきます。 以上です。
○中沢委員 ありがとうございます。 それに関連いたしまして、引き続きお願いをしたいと思いますけれども、今度は振興計画をつくるときは国の役割分担と地方自治体の役割分担を線引きをされました。私は、問題は財政的な裏打ちがあればということが前提でありますけれども、それは結構だと思うのですね。同時に、今までの産炭地振興策というのは、どちらかというと、閉山後の後対策ということでどうしても後手に回ってきた。これは別に参考人の責任とかなんとかという意味じゃなくて、我々にも一方の責任がありますから、やはり国全体の政策の展開が非常にテンポが遅い、政策の先取りがなかった、これが指摘できると思うのですが、その辺はいかがでしょうか。
○笹生参考人 お答えをいたします。 私も先生御指摘のような認識を持っております。特に八次策影響地域につきましては、私は、脱石炭という概念とは少し違った超石炭政策ということで、石炭産業とともに地域のリニューアルをいかに図っていくかということであろうと思います。 そういった意味合いですと、他の産炭地域以上に八次策地域については、地域の新しい産業軸をむしろ中心として展開をしていかなければならないと考えておりますので、これらにつきましては、今後の実施計画の策定、さらには実施計画の原案をもとにした各省庁間との調整というところでより現実的な詰めがなされることを強く希望しております。 以上です。
○中沢委員 重ねて、今のにも関連をすると思うのでありますが、既に閉山されて大変な疲弊をこうむっている地域の振興策、これはもちろん重要である。同時に、まだ山が残っている地域、先生おっしゃるように、脱石炭じゃなくて超石炭という概念で言えば、石炭産業も残しながらも同時に必要な産業構造の転換もやっていく、こういう御趣旨だと思うのでありますが、例えばその中では、今度の新年度予算でいいますと、石炭企業の多角経営に対する資金的な援助というのは初めて出てまいりました。これも広い意味で言うと、これからの問題として産炭地振興の一つの柱にはなっていくと私は思いますが、その辺についての先生の評価といいましょうか、見解なんかもお尋ねしておきたいと思います。
○笹生参考人 お答えをいたします。 実施計画の立案、実施の問題は今後にゆだねられることでございますし、特に地域地域におきましてその状況は変わりますから、一概に私がどうのこうのということはございませんが、今回の改正の指定地域の見直しという大変厳しい考え方から御承知いただけるかと思いますけれども、今後の十年、あるいは例えば五年と言っておりますけれども、この期間というのはかなり明確なターゲットであるというふうに思います。それから重点地域、その他の地域、それから重点地域の中でも八次策影響地域と、これまでの閉山の影響が著しく残っている地域というのは、基本的に施策自体がその三つの類型によって変わってしかるべきであろうというふうには私は思っています。 したがって、これからいろいろ法改定の細部にわたって御検討をいただく際に、私は個人的には、例えば八次策地域においては十年なら十年で最も実効が上がる、あるいは閉山後相当たっていてもなおかつ鉱害等の影響で色濃く残っているところでは、もう既に五年か十年の主要なプロジェクトというのはお決まりだろうと思うのです。それに有効なことを第一に考えていかなければならない。私どもは地域計画を考える場合に、大づかみには三つある。一つは経済振興政策、一つは地域振興、それから社会政策的なもの、この三つの組み合わせというものは、私は産炭地域一般と一般が決して同様ではないというふうに思っていますので、したがって、施策あるいは計画の中身もその個性に合うような形をお考えをいただき、推進をしていただきたいと思っております。 以上です。
○中沢委員 ありがとうございました。 それでは次に、公団の田中参考人にお尋ねをしたいと思います。 先ほどの意見陳述の中にも触れられておりましたけれども、公団のいろいろな事業の中身で言うと、産炭地に対する必要な工場団地の造成ということも非常に大事な柱ではないかと思うのです。特にその中で、この際新しい計画を立てながらやはり優先順位も含めていろいろ考えていきたい、私は、それはごもっともなことだと思うのです。事実に照らしてのお話もございました。特に私の北海道でいいますと、平成三年度はおかげさまで閉山地区を中心にいたしまして三カ所工場団地の造成の決定もいただいた。問題は平成四年度以降が一体どうなるか、依然としてまだ閉山地区の希望なんかも出ておりまして、直接公団側にはそれぞれ陳情なんかされているわけなんでありますけれども、平成四年度以降の工場団地造成について、もう少し具体的な中身があれば、この際お聞かせをいただきたいと思います。
○田中参考人 ただいま先生から御指摘ございましたように、平成三年度におきましては、新規地点三カ所ということで、特に疲弊の著しい八次策のもとで閉山・合理化が進んでおります芦別、赤平、歌志内の各地域で新規の団地の造成を行うということを決めたわけでございます。先ほどの意見陳述でも申し上げましたとおり、私ども公団としましては、産炭地域振興施策の実施機関という役割を十分踏まえまして、認識いたしまして、今後とも産炭地域におきまして企業を誘致する用地が不足する、そしてそのことによって産炭地域の振興の障害になるということは避けなければならないというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、若干繰り返しになって恐縮でございますが、第一には、なお手持ち工事がございますので、それを急ぐということがございますし、第二には、やはり産炭地域振興という観点から地元の実態を十分踏まえる必要もありますし、地元の実態には雇用問題等々もあろうかと思いますが、また全体的な経済の動向等を踏まえながら、今後工業団地の造成につきましては計画的に長期的な視点に立って考えていきたい、かように考えておるわけでございます。 以上でございます。
○中沢委員 もう一つお尋ねをしたいと思いますが、先ほどのお話の中では、総合的な地域振興のために新しい事業展開も必要だ、こういう趣旨のお話があったと思うのです。公団としては地方都市のニュータウンなんかというノーハウ、いろいろな実績をお持ちなわけですね。私も委員会の中でもいろいろ指摘してまいりましたが、全部の産炭地に住宅団地をつくるということはなかなか面倒だとしても、例えば閉山跡地の地域の総合的な開発の中で工場団地も必要、同時にそこに働く人たちの住宅団地も必要だ、こういう具体的な地元における地域開発の構想なんかは、例えば私の夕張あたりは持っているわけです。夕張に限らず、恐らくそういう構想はこれからだんだん具体性を帯びてくるのではないでしょうか。 もっと言いますと、産炭地域に進出をしている企業連合会の木曾参考人からもその種の発言があったということを、私、ちょっと中座をしておりまして失礼いたしましたが、聞いたわけでありまして、進出する企業側としてもそのことを希望している、自治体側も希望している、公団としてはまだそこまで本格展開はないにしても、一つの新しい事業分野の展開として、あるいは地方都市のニュータウンを既にやっているという実績に照らしまして、かねて通産当局にはその必要性は指摘をしておりますが、この際でありますから、参考人の方からそういう状況についての認識と、それから公団側の、ある意味で希望的な見解といいましょうか、そういうことでも結構でありますが、お示しをいただきたいと思います。
○田中参考人 ただいま御指摘いただきましたように、私どもといたしましては、今後の私ども公団の事業展開の一つといたしまして、総合的な地域開発という意味での新しい事業展開を行いたいというふうに考えておるわけでございます。 その中の一つは、先ほど申し述べましたとおり、産炭地域の街づくりの基盤整備事業、あるいは未利用の旧炭鉱跡地の利用ということを含めて幅広く検討しようということでございます。 実は、私ども公団の業務といたしましても、ただいま先生の御指摘の住宅につきましては、工業用地の造成に際しまして、地形あるいは工法等から見て付随して造成することが適当な場合には、私どもの事業の範囲は限定されておりますけれども、住宅地の造成ができるということになっておるわけでございます。ただ、過去三十年の私どもの事業の展開におきましては、何分にも工業団地をつくるということが優先しておりまして、ただいま先生から御指摘のございましたように工業団地に付随して住宅用地をつくる、またその必要性が必ずしも強くはなかったのではないか、これは私十分調査しておりませんけれども、そういう状況にあったのではないかというふうに考えられるわけでございます。 今後は、そうした現地の実態をよく踏まえまして、仮に住宅団地が工業団地に付随して必要であるということになりますれば、十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○中沢委員 どうもありがとうございました。 それでは、最後になると思いますが、能登参考人と山本参考人、お二人にお尋ねをしたいと思います。 実は大変恐縮でありましたけれども、隣の部屋で地方行政委員会がありまして、産炭地財政問題の質問もありまして、そちらに行って今大臣といろいろやりとりをして戻ってきました。田中参考人の方からも、もちろん学識経験者という見識のある御指摘もありまして、産炭地の地域振興というのはそこの地方自治体の財政の確立が不可欠である、私ももちろん同感です。それぞれ首長のプロでありますから、同感だと思うのですね。しかし、通産行政としては、正直言いましてそこのところに現ナマが行くという仕組みがなかなかない。自治体に入るのはせいぜい閉山の臨交金ぐらい。そうすると、それ以外は、縦割り行政の弊害がちょっとあると思うのでありますが、自治省側のわけですね。全鉱連としては一月に全国の鉱業市町村会の陳情を自治省に出されている。内容もその後の経緯も私は承知をしています。地方行政委員会で自治大臣といろいろやりまして、御承知のように産炭地補正、今度国調の速報値が出ましたが、軒並みに人口が減った。ルールによるところの人口急減補正、六十二年から入りました短期人口急減補正、この三つの必要性は大臣も認識をして、できるだけその是正についても努力をするという、やや前向きの御答弁もいただいています。 さてそこで、それぞれ三笠なりあるいは山本町長のところでは大変な御苦労をされていると思うのでありますが、今の交付税のルールの人口急減補正にしても、人口の減った部分を五年間全部カバーするという制度ではありませんね。九割から始まって一番最後のは一割でありますから、激変緩和といいながら十分カバーがされていないと思うのですよ。まず、そこのところについて、両参考人としてはどういう見解と、政治に対するどういう希望を持っていらっしゃるのか。もっと言えば、それにかわる新しい、産炭地を一応位置づけをした、自治体財政の国の責任による、あるいは地方税という共有の、一般財源でありますが、地方交付税という制度による財政的な新しい制度について何かお考えがあれば、この際、専門家としてぜひお聞かせをいただきたい。
○山本参考人 お答え申し上げます。 今先生から御指摘ございましたように、それらの要望については陳情書を持って自治省の方にお願いを申し上げております。 先ほども私申し上げたのですけれども、産炭地補正が地方交付税の中に組み込まれておりまして、最初五年でこれは終わることになっていたのが、御承知のようにずっと延びてきまして、最後は六年で終わるようにしていただいたのです。それが平成三年になるわけです。二〇%に、当初の一〇〇は二〇に落ちてくるわけですが、そこで産炭地補正をそのまま延長してくれというのはちょっと言いづらい内容を持っているわけですから、できれば、産炭地域の市町村の人口急減率が一般市町村よりもぐっと高いとかということであるならば、人口急減率をもって補正をするというような制度を組まれたらどうかなと思うのですが、むしろそれよりも過疎の市町村の方がうんと高いかもしれませんので、そこらあたりの数字を持ちませんから何とも言えません。しかし、産炭地補正にかわる何らかの措置をしていただかないと、せっかくこの産炭法をつくっていただいてもその効力を発揮することがかなり薄れてくるのではないかという心配をしているのです。 それで、今のところこの産炭地補正にかわるどんな策があるのかということを、きのうも実は関係者の皆さんと協議をいたしました。できるだけ早い時期にいい策を考えてお願いに行こうじゃないかということにしておりまして、きょう現在ではこれが一番ベストであるというものは持っておりませんので、そういうことしかお答えできませんが、お許しください。
○能登参考人 財源問題のことについてお答えしたいと思います。 先ほども私申し上げたのですが、やはり一般財源をいかに人口急減による影響から脱していただけるかということが一番大きな問題でございます。今までも大変御配慮をいただいておったわけでございますが、今回の国勢調査の結果によって相当の影響を受けることをもう手元に持ってございます。今の方法を講じていただいたとしても、既に私どものところで二億七千七百万ぐらいの影響がございます。五市一町の全体からいきましても、先ほど申し上げましたが七・一%にも相当するということでございますから、もはやこのような状態が現実のものとなった場合については、財政運営は全く機能しないということになるわけでございます。 それからもう一つ、これは公債費率の問題でございますが、一般経常財源と公債償還一般所要財源との比較、相関関係で比率が出てくるわけでございますから、そうすると、そのような不活用施設が残ることによる地方債の償還分、それが全然活用されないで償還金だけが残る、それはもう完全に償還していかなければならない。一方には一般財源が減ることによりまして、もう二〇%をゆうに超えてしまうということになります。そうしますと、もう計画を立てて事業を実施しようといたしましても起債が許可になりません。そうなりますと何もできないという格好になってまいりますので、そういうことをぜひひとつお考えをいただいて、やはり地方交付税による財源保障をこの機会に、しかも産業構造の転換の問題でございますから、ぜひそのような産炭地域として特別な対策が講ぜられるように、そのことが財源措置の中でも最も重要な問題であろう、このように考えておりますので、よろしくその辺のところをお願い申し上げたいと思っております。
○中沢委員 時間が参りました。ありがとうございます。
○麻生委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 参考人の皆さんには大変御苦労さんでございます。私の時間もごく限られておりますので、ひとつ簡潔なところでお答えをいただきたいと思うのです。 まず、地域振興公団の田中参考人にお尋ねをいたしたいと思います。 先ほどから、新しく工業団地の造成を四カ所で進めたいというようなお話があったのですが、私の地元に小竹団地というのがあります。これは十年ぐらい前に私が国会に出てきた当初からずっと懸案になっておるのですが、いまだに着工もされない。それで計画が次々縮小されていくばかりというような状況なんです。大体の状況から見ると、もう今度あたりはいよいよ着工になりはせぬかなというふうに私は期待しているのですが、今の四カ所に入っているのかどうかわかりませんけれども、これはどういうことになっているのか。それから、古河の社有地。今までこれも計画の対象であったものが今度外れるということになります。これは地元に大きなショックを与えているわけですが、これについてはどうなさるつもりか、あわせてお尋ねをします。
○田中参考人 今先生御指摘の小竹団地につきましては、もう既に御存じのとおりに、昭和四十八年に通産大臣の承認を得てスタートしたわけでございますが、一つには用地買収等の面でかなり難航いたしまして今日まで遅延しておったわけでございます。ただ、これも御存じのとおり、皆様の御協力によりまして昭和六十二年に土地改良区が設立されまして、換地の手法が導入されたわけでございまして、これも間もなく終了するというふうに承知しているわけでございます。したがいまして、一、二工区につきましては、私ども地元の皆様の御協力を得て、また十分御協議をしながら設計、造成工事を鋭意進めていきたい、なるべく早期に団地の完成に向けて努力をしてまいりたい、かように考えているわけでございます。 また、第二に御指摘のありました古河の社有地、第三工区でございますけれども、第三工区については既に先生御存じのとおり大変技術的な問題がございまして、この計画から外したわけでございます。しかし、私どもといたしましても、あの地域の開発、振興という観点から何らかの方向を見出す必要があるのではないかというふうに考えておりまして、県、地元の小竹町、そして私どもも入りまして検討のための委員会を設けておりまして、なるべく早い時期に皆様の御協力を得て方向づけを行い、第三工区、古河の社有地につきましても開発のめどを立てるようにいたしたい、かように考えているわけでございます。
○小沢(和)委員 田中参考人に重ねてお尋ねをしますが、今早期にというお話だったのですが、もう今までこれだけずっと時間がたっておるのですよね。だから、早期にと言うのなら、私が見るところもう今度の年度ぐらいから着手できるぐらいに大体なっているのではないかと思うのですが、いかがですか。
○田中参考人 私が早期にと申し上げましたけれども、今いろいろ設計等は実は始めておりますが、先生これはよく御存じのように、あそこの池はなかなか難しい技術的な問題も多々あるようでございます。したがって、実際に工事に入りまして、あれは盛り土をかなり運んでくる必要もございますので、そういった造成上の技術的制約がございます。私どもとしてはなるべく早く、これはもうかねての懸案でございますので前向きに努力してまいりたいというふうに考えておりますが、それを実施するにつきましては何分にも地元の皆様の御協力がぜひとも必要と思いますので、この点についてもよろしく御配慮をいただきたい、かように考えております。
○小沢(和)委員 では次に、高田知事にお尋ねをしたいと思うのです。 先ほどのお話の中で、地域振興公団の機能を強化する必要があるというお話だったのですが、どのような点でまだ強化をしなければならない問題点があるとお考えになっておられるのか、お尋ねをします。
○高田参考人 地域振興公団に公団の用地をいろいろ造成していただいておりますことについては私どもも大変感謝して、私どもの佐世保における地域においても該当の地域があるのでございます。こういう地域につきまして製造業以外の、最近におけるいろいろな地域的なあるいは社会経済の変化に応じた業種の変化があるのでございます。そういう製造業以外のものについても、情報あるいはサービスあるいはその他の産業についてもその造成の対象にしていただきたい、こういうことで私どもはそれを申し上げたのでございまして、実際問題として、地域振興公団にやっていただいておりますこの造成というのは、地域にとっては大変に有効であると思います。私ども、もう間もなくこれが造成の、何というか、予約と申しますか、こういったものも終わってくるのではなかろうかと期待もいたしておるくらいの有効な地域だと思っております。
○小沢(和)委員 次に、三笠市長の能登さんにお尋ねしたいと思います。 先ほどお話の中で、旧炭鉱の土地の担保を抜くということについてお触れになりました。私の地元でもそういう問題がたくさんあります。例えば、さっきも話が出ましたトヨタの進出がもう決まっております宮田町などの場合、旧貝島の用地の担保のことが大きなネックになっているわけですね。そこで、どういうふうにしてこれを解決したらいいとお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。
○能登参考人 私どもは、前々から用地関係の問題について取り組みをしてございました。幸いにいたしまして、通産御当局の方もいろいろと御心配をいただいておるわけでございますけれども、何せその会社が非常に大きな負債を抱えているということでございます。したがって、そのことについて解決ができれば簡単に物は処理できるわけでございますけれども、それがそういきませんので、私どもといたしましては、現在、一定の土地評価を自分の方でやらしていただきまして、債権者の方々に御理解をいただいて、市が一括買収をいたしたいのでぜひ御理解をいただきたいということでお願いをいたしてございます。 今、その取り組みは進んでございまして、いずれ御返事をいただけると思っているわけでございますが、そちらの方も金融機関がたくさんございますので、それぞれのお立場があるようでございますけれども、地元地域の開発のためにその用地を何とか譲っていただきますように、これからも関係の方々の御協力をいただいてぜひ進めてまいりたい、このように考えております。
○小沢(和)委員 終わります。ありがとうございました。
○麻生委員長 高木義明君。
○高木委員 参考人の皆様方には、貴重な御意見をお聞かせいただきまして大変参考になりました。心から敬意を表する次第でございます。 私は、時間も限られておりますので、お二方の御意見をさらにお聞かせいただきたいと思うわけであります。 まず初めは、笹生小委員長のお話の中で、産炭地域振興対策の取りまとめをされたその責任者というお立場でお伺いしたいわけでありますが、この取りまとめに当たりましては、特に八次策の影響地域が重点地域とされておること、あるいは実施計画の原案を地元知事が策定するということ、あるいは鉱工業以外の職種についても振興策が講じられること、そういったいろいろな面で非常に画期的な施策が講じられておりまして、その点については私は高く評価しておるわけであります。 しかし、先ほどからもいろいろ質問があっておりますように、何といってもこの施策を実行するための財源の裏づけというのが大きな課題であるわけでありまして、特に石炭政策の中においての地域振興ということで枠がはめられておりますので、その限度、限界は十分理解されますが、特に今の予算的裏づけとなる石特会計の範囲内では今日段階においてはなかなか対応できない面が多々あるのではないか、そう私はかねがね思っておりますので、この石特会計を超えたところの財源裏づけの御論議なり御意見がございましたらお聞かせいただきたいと思うわけであります。
○笹生参考人 お答えをいたします。 広い意味での産炭地域振興施策につきましては、石特会計の数倍を超える各省の御協力が加わっております。したがいまして、今先生御指摘のように石特会計で強力なてこ入れができることが最も望ましいわけでありますけれども、各省庁との協力ということが一層不可欠である。 そのためには、一つは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、実施計画の推進過程の中で他の地域政策をどう組み込むかという問題と、それから、各省庁との協議をより継続的な形で確認し合いながら協力推進体制をする一つの考え方として、実施計画の計画目標というものを、一般的な指標ではなくて、その計画期間中に達成すべきプロジェクトというくらいのイメージの具体的な指標をまず設定するということと、それから、ローリングシステムの導入を検討していただきまして、例えば十カ年の中で四カ年、三カ年、三カ年、そういった時期で、単に十年後のあるいは計画の最終年次の計画目標、計画というだけでなくて、その中間、中間で確認し合いながら進めていくという一つの現実的なあるいは計画論的な方法というものも今後御検討いただければというふうに考えております。 以上です。
○高木委員 先ほども出されておりましたが、地元知事が計画原案をつくるということになりますと、ある一面ではいわゆる地方自治の精神にのっとって非常にいいことでありますが、そうなりますと、同時に財源の地方負担がますますふえるのではないか。もちろんその配慮も地方交付税等でされるとは思いますけれども、さらに地方財政を圧迫する要因になるのではないかという危惧も一部にされるわけですが、その辺についてのお考えなりあるいは論議の経過なりありましたらお聞かせをいただきたいと思います。
○笹生参考人 お答えいたします。 小委員会の過程におきましては基本的な方向ということの論議が中心でございまして、今先生御指摘のような問題についてのさらに具体的な検討というのは必ずしも十分に尽くされていないというのが実態ではなかろうかと思います。ですから、先生の御質問に直截にお答えができませんけれども、計画をつくる段階では、主として国が分担をするであろうところの根幹事業、それから地方が負担すべき事業のうちで地域振興に戦略的な意味を持つ、あるいはそれを戦略プロジェクトといいましょうか事業といいましょうか、これを明確に区別しつつそれを組み合わせていく、組み合わせの仕方の中で今の財源とのかかわり合いの協議がなされていくというふうな論議というのは、これは今回よりは前回の、十年前の延長の後で議論があったように記憶をしております。 以上です。
○高木委員 次に、地域振興整備公団の田中副総裁にお伺いをいたします。 整備公団の前身は昭和三十七年に設立をされまして、企業誘致のための工場団地の造成ということが大きなねらいであったわけでございますが、現実に今、公団のいわゆる機能強化、すなわち、やはり地方の自治体との連携の中で、例えば流通とかレジャーとかあるいは情報産業等についても誘致ができる、そういう体制を臨機に考える、そういう意味では、先ほども公団の機能拡充強化というのが出ておりましたけれども、副総裁としてのお考えをこの際お聞かせいただきたいと思うわけであります。
○田中参考人 先ほど申し上げましたとおり、私ども地域公団の今後の事業展開の一つといたしまして、総合的な産炭地域の振興に役立つ新しい事業の展開ということを考えておるわけでございますが、その一つが、先ほど来お話がございますように国民経済のサービス化、ソフト化を反映した情報産業あるいはレジャー産業、流通業等についても十分対応していこうということでございます。 私どもといたしましても、既に工業団地の造成を進めておりますけれども、その中で例えば流通向けの団地を既に造成した経験がございますし、または現にそうした団地を造成中でございます。また情報関係につきましても、最近の変化を踏まえまして、団地の一角は情報関係のゾーンにするという形で対応を行うということを進めているわけでございまして、先生御指摘のように、今後の産業構造、経済社会の変化を踏まえまして、工業団地だけでなくて幅広い団地の造成、展開を考えていきたい、かように考えております。
○高木委員 終わります。ありがとうございました。
○麻生委員長 以上で参考人に対する質疑を終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げたいと存じます。 本日は、御多用中のところ当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございました。また貴重な御意見をいただきまして、心より厚く御礼を申し上げるところであります。委員会を代表して心より御礼を申し上げます。(拍手) 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会をいたします。 午後零時五十五分散会