商工委員会 第15号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/04/24
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、商標法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田範君。
○安田(範)委員 おはようございます。商標法の一部を改正する法律案の質問をいたすわけでありますが、参議院の本会議の関係がありまして、大臣が三十分程度しかここにおられない、こういう話なものですから、質問の順序が変則になりますけれども先に大臣に質問させていただきたい、かように考えるわけでございます。 商標法の問題、後でずっと触れたいと思うのですが、その前に、会期も終了に近いという状況なものですから、今懸案になっております日米半導体の協定の問題につきまして初めに若干お尋ねしておきたいと思うのです。 御承知のように、五年前に大変な貿易摩擦というようなことを中心にしまして、半導体が象徴的なものとして取り上げられてまいった、こういう関係がありましたり、さらにまた、その協議の中で、通商法の三〇一条、こういうことの圧力といいますか、そういうものをちらつかせられながら交渉してまいった、こういう経過の中で今日の協定ができてまいった、言うならば、状況としては大変悪い状況の中で今日の協定が出てまいったと思うのですね。しかし、協定をしたからには、日本としてはそれなりに大変な苦労をされ、特に通産省としましては、自動車、電気業界とか家電関係、そういう関係についても大変な強い指導なんかもしながら、アメリカのシェア拡大、こういうことに協力をしてまいったと思うのですね。 しかし、結果として考えますと、今日の状況は、当初の思惑どおりなかなかアメリカのシェアが広がっていない、こういうような関係があるようであります。したがって、なお一層のシェアの拡大、こういうことについての要請が高まっているというふうに聞いているわけなんですけれども、七月が期限切れという状況になるわけですね。したがって、この状況の中で今日の日米半導体協議の状況、これについて若干御説明をいただきたい、かように思います。
○中尾国務大臣 冒頭に安田委員に、きょう参議院の本会議もかみ合わせているものでございますから、本当に思いやりのあるやり方で感謝申し上げたいと思います。 日米半導体の問題に対する、特に二〇%シェアの確保の問題についてのお尋ねでございますから率直に申し上げますが、本年七月末の現行協定終了の後も、現在軌道に乗っております日本及び外国の半導体関連企業間の協力関係を継続、発展さ せていくための新たなフレームづくりというものを目指していかなければならない、現在両国政府間でその話し合いを行っているところでございます。目下事務レベルでも相当詰めております。新たなフレームワークに関しまして、米国との間でどのような方向で決着を図るかにつきましては、交渉中であるので申し上げにくいのでございますが、いずれにいたしましても、そもそも自由貿易体制のもとで特定の市場シェアというものを政府が保証できるものではないということは言うまでもないことである、こう思っておるわけでございます。 以上でございます。
○安田(範)委員 大臣からそういうような答弁をいただいてほぼ了解はするのですけれども、ただ、五年前の協議の中では何か秘密文書なんて言われたものがありまして、言うならばその二〇%シェアというものを五年後には確保するというようなことが約束をされた、アメリカの方ではこれはもう約束だということでしょうか、日本の方では努力目標だ、こういう関係で大分やりとりが続いているという状況が伝えられているわけですね。したがって、私ども考えてみますると、アメリカの方でそういうふうな二〇%のシェアを五年間で確保する、しかも数字を明確にするということになりますると、これは言うなればブッシュ大統領が言っている管理貿易を排除しようという考え方に大変矛盾をする話ではないかなというふうに率直に感ずるわけなんですが、そういうアメリカの出方があるとすれば、極めて問題が多いな、こんなふうに感じますし、同時にまた、日本の方の受け方としましては、そういう二〇%のシェアというものをきちっと定めるなどということは、あってはならない話だと思うのですね。あくまでも自由貿易の枠内で精いっぱいの努力をして何%までたどり着くということならば至極当然だと思うのですけれども、あらかじめ枠を決めてしまうなんということは、日本の主体性にもかかわる問題だと思います。 そういう問題で大臣の方ではどういうふうな認識を持っておられるか、同時にまた、二〇%というものを協定に入れるか入れないかという問題があると思うのですが、これらについての感想をお聞かせをいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 これはもう委員御指摘のとおりでございまして、そもそも五年前にこういうことがありき、決まったというわけでは全くないわけでございます。これは私の任に当たりますから私どもも書類も全部チェックもいたしましたけれども、そのようなことはないわけでございます。その点においては、英語のニュアンスの違いがあるのかどうか知りませんが、向こうでは、思い込みといいますかパーセプションというのでしょうか、非常に思い込んでいる節もないわけではない、その点を払拭することは大事だなという感じはいたします。 そこで、今度私が行きましても当然その話し合いにはなろうと思いますが、私も重ねてその点だけは、委員のただいま御指摘賜りましたこともしかと十分心にとめまして、そして、協議がこのスタートから始まったんだよということは決してない、すなわち、すべてが交渉事でございますから、今の交渉事の中で進めてもらいたい、最初に二〇%ありきとか二五%ありきとか、そういうような形で進んでいるものではない、ひとつこれだけは私も確信を持って行きたい、こう思っております。
○安田(範)委員 その関係についてはこの程度にいたしますけれども、今、大臣が答弁なされましたように、大臣自身が訪米ということになろうと思うので、その時期の日本の国内状況、特にそれぞれのかかわる産業の実態、こういうものを考えまして、少なくとも後になって管理貿易というような形で指弾をされるというようなことがないように、ひとつ十分な努力をしてもらいたいと思います。同時にまた、アメリカに対してもしっかりした主張をすべきであろう、かように思います。 新聞の論調をずっと見てまいりますと、どうしても二〇%というものを入れろという雰囲気といいますか、そんな状況が大分強い、こういうふうな感触を受けておりますものですから、これについては特段の御努力をいただきたい、このことだけ申し上げておきたいと思うのであります。 それで、本論に入らせていただきます。 商標法の一部を改正する法律案の関係なんですけれども、その前に、実は国会決議があったわけですね。昭和五十年の第七十五回国会、これは衆参ともにそれぞれ国会決議をやりまして、そのときの内容というものは、サービスマーク等の登録に関する法的保護について速やかに検討すること、こういう内容の決議だと思います。したがって、こういうものを考えますると、それから随分久しく日時が過ぎているわけなんですが、速やかにという文言がそこに入っているわけでして、これについて、特許庁もそうなんですけれども、大臣としましてはどういうふうな考え方をお持ちなのか、特に国会決議そのものについての認識といいますか、これは大変恐縮なんですけれども、これはごく常識的な話なんですけれども、再度この問題についてお考えをお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○中尾国務大臣 これは委員から御内示をいただいておったということで、私もその当時の書類も全部読ませていただきました。 そこで私なりに考えるのでございますが、昭和五十年の附帯決議そのものは、当時ドイツや英国等におきましてもいまだサービスマークという登録制度が導入されていなかった中でございましたが、将来サービスマークの重要性が高まるであろうということに着目しながら、政府に対しその適切な法的保護というものにつきまして速やかな検討を行うことを求められたものと理解したわけでございます。 政府におきましては、本決議を受けまして、サービスマーク登録制度の導入というものについて多面的な検討を重ねてきたところでございますけれども、近年のサービス業の発展にはまことに著しいものがございまして、本決議の持つ意義はますます重大かつ大きなものとなっておるということはつとに認識しなければならぬと考えておる次第でございます。今般の改正法案は、関係者の意見を十分に踏まえまして検討の上提出申し上げたものでございまして、本決議の持つ重みを踏まえた内容になっているものではないかな、このように判断もし、思料しているわけでございます。 以上でございます。
○安田(範)委員 当時決議をしたその周辺の状況と申しまするか、国際的な関係あるいは国内の情勢からなかなか、言うならば機が熟していなかった、こういうふうな説明であろうと思うのですけれども、率直に言いまして、それも一つのお話かなというふうには承りますけれども、今日の状況の中で、だれももう承知しているんですが、日本とスイスだけが立ちおくれている、こういう状況ですね。これはやはり何といっても大変なおくれ、これだけは否定し得ない事実じゃないかと思うんです。なぜおくれたのかな、こういうこともいろんな私なりの検討はしてまいりましたけれども、これは長官にひとつ具体的に、なぜおくれたのか、この辺についてもちょっとお聞かせいただきたいと思います。 同時にまた、これは大臣の方には、今回この法案を出してこられたわけなんですが、この法の目的、趣旨、これについては提案理由の説明で若干承りましたけれども、再度、今後の審議のためにこれらについても大臣からひとつ所信をお聞かせいただきたい、かように思います。
○中尾国務大臣 これは政府委員にまた今までの経過のことも述べさせたいと思いますけれども、後半の特に法の目的及び提出したその趣旨といいましょうか、改正法の施行後の重要な考え方というものは一体何なんだ、こういう御指摘に対しては私の責任においても答えたいと思いますが、近年のサービス取引の著しい発展の中にありまして、サービス事業者がその提供するサービスについて使用するマークにつきましては他人の不正使 用から守って、また、消費者の適切な判断にも資するようにする必要があるのではないかという判断でございます。また、経済活動の国際化が進む中にございまして、我が国に対してサービスマーク登録制度を導入するように海外からも要請が高まってきておるのが現状でございます。このような状況に対応いたしまして、商品について使用する現行の商標と同様にサービスマークを登録制度のもとで保護することによりまして、サービス事業者の業務上の信用の維持、それからまた需要者の利益の保護ということを図ることが本法律案の趣旨であろうと思うのでございます。 また、この法律の施行後につきましては、この登録制度をいかに円滑に運用いたしまして、そしてどのように行っていくかということが重要な視点であると考えておるわけでございます。そのために、この登録制度につきましても十分な周知活動を行うことが何よりも重要でございまして、その徹底を図るとともに、審査体制の充実にも努めてまいりたい、またそのようにいたしたい、このように考えておる次第でございます。 前段につきましては政府委員から答弁させます。
○植松政府委員 お答えいたします。 御指摘の点はまさにそのとおりでありまして、昭和五十年に衆参両院商工委員会におきましての附帯決議におきまして早急に検討を開始すべしという御決議をいただきました。それを受けまして、特許庁におきましては直ちに関係サービス業界に対するアンケート調査を実施いたしますと同時に、庁内に商標制度検討委員会を設けまして検討を開始した次第でございます。 たまたまそのときに行いましたアンケート調査の結果は、回収率が五〇%程度の中で保護を強化すべしというのが四六%台、逆に現状のままでいいというのは四〇%程度ということでございまして、まだ強化をすべしという声は必ずしも強くなってなかったというような状況が一つございました。庁内では別にまた当時商標の出願件数の増加とともに未処理件数、いわゆる滞貨が非常に増大いたしまして、審査処理期間が四年を超えるというような時期が一時ございまして、そういう点でそちらの処理に追われたということもあり、両面から検討がややじっくり型になってしまったということでございます。 その間に御案内のとおり、特に一九八〇年代に入りまして経済のサービス化が進む、また国際化が進むという中でサービスマークにつきましても登録制により保護を強化すべしという声が高まる中で、検討の方が逆に言うとスローであったためになかなかニーズに逆に追いつけなくなったというような状況が発生したことはまことに遺憾であったと存じますが、そういった事情がございまして今日まで至ってしまったということでございます。
○安田(範)委員 大臣の方の答弁の中にこの目的、趣旨そして施行後のことにまで触れられて答弁がなされたわけですね。特に施行後の問題につきましては業界に対する趣旨の徹底、法律の内容の徹底ですね、これが一つの大きい眼目である、さらにまたもう一つはその処理体制についての整備、これが極めて重要だ、まさにそのとおりだと思うのです。この二つの問題を中心にしまして後からまた十分質問をしたいと思うのでありますが、大臣については以上のところで一応ピリオドを打っておきたい、かように思います。あとは長官その他政府委員にお答えをいただく、こういうことで進めさしていただきたいと思います。 それで、具体的に今度法律案の内容に入らしていただきたいと思うのでありますが、一つは「役務」ということで条文上全部一貫して貫ぬいてあるという状況ですね。役務というものは一体何なのか、役務の範疇は何なのか、こういうことでいろいろ疑念を抱かざるを得ないようなそういう部分もあるように思えてならないわけです。したがって、まずは役務についての考え方、これについてひとつ長官から答弁を願いたいと思います。
○中尾国務大臣 これは実は私も、何といいますか党人派で出てきたものでございますから、役務という言葉に対しましても、官吏言葉というのが時々何だかわからない場合がある。特によその省でもそういう言葉でわかりにくいなあと思うこともございますが、通産省でもそういう言葉が時々ありまして、私も何回となく質問もし、同じような疑義を呈したこともございますし、また前にも委員からもその御指摘もあったような感じも覚えておるのでございますが、何でサービスと言わないで役務と言うんだ。役務というのはちょっとわかりにくいのでありますけれども。 御指摘ではございますが、本法律案はサービスマークを登録により保護するための法律案でございまして、国民の権利関係に重大な影響をもたらすものと考えているわけでございます。したがいまして、権利をめぐる法律上の争いや刑事罰の適用の判断基準ということになることも考慮いたしまして、極力法令用語として定着した疑義の生じない用語を用いることが肝要だと考えているわけでございます。このような観点から、役務という用語を用いたものと理解もし、また聞いてもいるわけでございます。 しかし、御指摘のとおり、国民一般に広く理解をしてもらうことが必要でございまして、周知活動に際しまして使用する解説書などでは、サービスというわかりやすい文言を使用することとしたいものだなと思っております。また、そのようにいたさせる方向に進みたいと思いますが、ただサービスというような問題だけでこれが裁判ざたのようなことになった場合に、このサービスをどのように解釈し、これをインタープリテーションするのかということになると、役務という方が今までの法令用語としてはきちっとした言葉になるのだそうでございます。私も聞いた範囲でございまして、よく自分でもわからないので、そういうものかなとうなずく以外にないので、これ以上私に質問されましても、私も委員と多少同感の思いがございますので、これは政府答弁もさせたいとは思いますが、どうかひとつ法令用語だと思って御理解賜りたい、こう思っているわけでございます。
○安田(範)委員 先走って答弁されては大変迷惑なんですけれども、役務というのは、私、聞き方が悪かったかどうかは別にいたしまして、この法律上使用されている条文上の「役務」なんですけれども、これは役務という言葉がありますね。言うならば、置きかえればこの条文上はサービスということに相なろうと思うのですね。それはそれとしておいておいて、もう一つは、役務という言葉そのもの、今大臣が言われましたけれども、そのことが言うならば今後の権利義務の関係とか、いろいろ裁判上の関係とか、法律の整合性といいますか、そういうものを全体として考えた場合にはどうしても役務がいい、こういうような判断のようなんですけれども、ただ役務という言葉そのものが普遍化しているのかどうかという問題が一つあると思うのですね。 先ほど大臣が言われましたように、とにかく周知徹底がまずは最重点の課題なんだ、こういうわけですね。周知徹底というものは、言うならば特許庁なり官側の方で一生懸命押しつけても周知徹底にはならないと思うのですね。受ける側がなるほどなということで十分理解をし得る、こういう条件がなければ周知徹底にはならない。そういう面からしますると、その言葉自体があるいは文言自体が一般の国民の中に生きているかどうかという問題が一つあろうと思うのですね。そういう面で、やはりこの役務というものについての議論はひとつ考えてみなければいけない。これは後で法制局の方にもお聞きをしたいと思っているのですが、そういう一つの側面がある。 もう一つの意味は、言うならば条文上にある役務の範疇です。言うならばサービスというものはどういう範疇なんだ、その範疇以外のサービスというものはないのかどうかという問題があるわけですね。したがって、それは二つに区別をしてこの問題についてはお聞きをしたい、こう考えているわけなんですね。したがって、まずはその範疇 について長官の方から答弁をいただきたい、こう思うのです。
○植松政府委員 お答え申し上げます。 本法案におきます「役務」という言葉でございますが、これはいわゆるサービスマークの対象となる役務、つまり取引の対象となる役務でございまして、無形の財である労務または便益、こういったものを考えております。法案におきましても、現在ございます商標は商品について使用する商標、標章ということになっておりますが、商品に対する言葉として、役務について使用する標章としての商標を考えておるわけでございまして、一言で申しますと、取引の対象となる役務について考えておるというわけでございます。いわば商品が有形の財でございますので、今回加えますものは事業者が使います取引の対象としての自己の財と他人の、また無形の財とを識別するマークとしてのマークという意味でございますので、そういった取引対象になる役務というふうに考えておるわけでございます。
○安田(範)委員 それでは、こういうことが想定されるのじゃないかと思うのですが、例えば百貨店、スーパーなんかにおきまして多数の商品があるわけです。衣料だとか食料だとかあるいはおもちゃのたぐいだとかもう無数に商品がある。そういう商品はそれぞれサービスマークを出願をする、こういう状況になってくるのは当然だと思いますね。しかし、例えば百貨店なりスーパーとしてそれらの異なる商品を一括してサービスマークにできるのかどうかという問題が一つあると思うのですが、この辺についてはどういうふうなお考えかひとつ、長官でいいですよ、どうぞお聞かせをください。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま先生が御指摘になった点でございますが、あくまで物に、商品に関しましては、従来の商品についての商標というものが適用されるわけでございます。したがって、その百貨店でございましょうと、そのスーパーでございましょうと、物について、商品について扱っていれば、やはり商品についての商標を出願していただく、こういうことになります。 ただ、先生が今おっしゃいましたことは大変専門家的なところを含んでおりまして、商標等に関係している人々の間でも、百貨店等はただ物を売るわけではなくて非常にサービス的な要素を、お客さんを楽しませたり、そういうことで販売をしている。したがって、商品についての商標よりはそのサービスマークということで一つとればいいのではないかという意見も実はあるわけでございます。御承知のニース協定に基づく国際分類の改定におきましても、そのような意見を一部の国が言ったことがございまして、ただ結論的には、やはり商品を扱っている者は商品についての商標を取得するべきであるということで、その国際会議においてもやはり圧倒的多数で百貨店やスーパーについても商品についての商標を取得するべきである、こういう結果になって現在に至っております。したがって、私どももやはりそのような考え方に沿っていきたい、こう思っておるわけでございます。
○安田(範)委員 これは今の関係なんですけれども、言うならば多角経営ですな。これについての事業活動全体に需要者に標章するためのマークそのものは商標登録の対象にはなっていないということですね。そういうわけですね。
○大塚(和)政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、その多角経営によりまして商品の販売以外にサービス的なことを行っている部分がございますれば、例えばデパートなどでも旅行のあっせんをやっていたりサービス的なことをやっているということになりますれば、その関係について別途サービスマークを取得する、こういうことは可能でございます。
○安田(範)委員 その別途という話なんですが、それを包括的にサービスマークというとらえ方はできないのかなという一つの問題点があろうかと思うのですね。それともう一つは——今の話はどうですか、今の包括的に一つのサービスマーク、こういうことで可能かどうか、そういう問題と、もう一つは——それちょっと答えてくださいませんか。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの点でございますが、包括的にやると一つになってしまうというのも、実は社会の実態としてはちょっとおかしなことがございまして、例えば二、三種類の事業をやるといたしまして、それがそれぞれ分類が違っておりますと、それぞれマークを取得いたします。それが全部広がって物すごく大きくなってしまいますと、突如一つに転化するという考え方もやはりおかしいものでございますので、現在の分類の考え方は、あくまでも商品の区分、サービスの区分というものに沿ってサービスマークなり商標を取得する、こういう考えででき上がっておるわけでございます。
○安田(範)委員 なかなか難しい話なんですけれども、今回の改正の商標法によってすべての事業者が自己の営業を表示するためのマークの登録を受けられるということになるのか。あるいはまた今までのように、サービスマークの登録制度というものはなかったわけですね。そういう中で制度枠外の事業者、こういうものがあったようなことがこの法律でこれからも残っていくのかな。いいですか、今度新しくこの制度が導入された、それで導入されない以前に営業をずっと継続をしていて、そういう中でサービス業の中で枠外にされるようなものはあるのかないのかということなんです。すべてサービス業というものは登録ができる、こういう状況になるのかどうか、言うならばその範疇の問題なんですが、その辺についてちょっと説明をいただきたいと思います。
○植松政府委員 一言で申しますと、全部が対象になるということでございます。従来は有形の財である商品について使用する標章について商標登録をしておったわけでございますが、そうしますと、商品を扱わない、つまり商品そのものあるいは商品の包装等に付さないでマークというのは登録の対象になりません。したがいまして、純粋サービスと申しますか商品を必ずしも伴わない純粋のサービス業につきましては、そのマークが登録の対象にならないという分野がございました。今回、その無体の財につきましてもそれに使うマーク、つまり提供するサービスについて使用するマークについても登録の対象にするということで、商品を伴うものに加えて商品を伴わないような純粋のサービス事業につきましてもそれが使っておるマークについて登録の対象になるということで、すべてをカバーするということになります。
○安田(範)委員 そうしますと、すべての営業行為、そういう中でサービス関係についてはすべて含まれますよ、こういう形で解釈してよろしいという状況ですね。では、そういうふうに承っておきましょう。 それでは先ほどの役務の関係に入りたいと思うのです。 その役務ということについて、法制局おいでになっていますかな、法制局にお聞きをいたしますが、先ほど通産大臣から、よその法律との整合性等々がありましたりあるいはまた権利の関係に重大な影響を及ぼすので、こんなことも含めて説明があったわけなんですが、私ども一般の国民レベルといいますかそういう形で考えますると、この役務という言葉が即サービスということで置きかえられる、この感じがちょっとなじまないような気がしておるのですが、これについてのお考えはいかがなものでしょうか。
○越智政府委員 お答え申し上げます。 まず一般論から入らせていただきますと、まず法律案である用語を使う場合には、主管官庁の原案、それを表現の厳密性であるとか他の用語例との整合性であるとかわかりやすさ、そういった観点から内閣法制局で審査をいたしまして、それが適当であるという場合にはその案を採用し、適当でない場合にはまた議論した上で他の用語を使うというのが一般的でございます。 お尋ねの役務という言葉でございますが、いわ ゆる取引の対象となる無形の財を包括的に指す用語でございまして、既存の法令、例えば独占禁止法でありますとか訪問販売法でありますとか割賦販売法でありますとか、いわゆる商品と対として使っている場合、これはサービスということでなくて役務という言葉を使っているのが一般でございまして、サービスという言葉を法律で使ってないかと言われますとこれはまたいろいろ例がございますが、一般にサービスという言葉が法律で使われている場合には、いわゆるサービス業だとか福祉サービスだとかそのサービスという言葉に形容句あるいは限定されて使っているというのが一般でございまして、裸でサービスというふうに使っている例は非常に少ないというふうに承知いたしております。
○安田(範)委員 ただいまの答弁によれば、これは言うならば所管する官庁ですかな、ここで言うと特許庁ですな、特許庁の原案に対して法制局の方で法文の整理をする、こういうような答弁でありますからそういう意味では特許庁がその震源地ということになりましょうか、そういう面でお聞きをしますけれども、先ほどの大臣答弁の中で、この法律が成立をし施行されるということになって、そして、来年の四月からということになりますが、その間に十分国民に周知徹底をしてまいろう、これが考え方ですね。そういう面で考えますると、法律はできたけれどもどのくらい国民あるいは事業者に受け入れられるのかどうか、これが極めて重大なポイントだ、かように思うんですね。そういう面からしまして、この条文の改正というものは言うならばだれが見てもわかる、こういうことでなければいけないと思うんですね。だから、今の法制局の話はお聞きをいたしましたけれども、役務というものが、今日の通常の社会、例えば事業者なり一般の国民が聞いた場合サービスそして引き続いてのサービスマーク、これに合致するのかどうか、そういう形で素直に受け入れられるのかどうか、この辺について非常に疑問を実は持つわけなんです。 時間ばかり過ぎては困りますからそういう意味でちょっと注釈をいたしますると、国会の質問やなんかにおきましては、字源であるとか字淵だとか、言うならばその言葉の源泉といいますか歴史的な変遷といいますかそういうもの、やはり出典のもとを話をして展開をするというのがよくあるのですけれども、それも一つの方法であろうし、あるいは一つの価値があろうというふうに思うのです。ただ、それと同時に今私ども考えますのは、通常法律をつくる場合に、どれだけ多くの国民の皆さんがその法律を理解し、そして法律に伴う行動なりあるいは社会生活というかそういうものを送ることができるか、こういうことになってくると思うんですね。そういう面からしますると、やはり今日常識的に考えてだれもがわかる、こういうことでなければいけないと思うのです。 そういう面で考えまして、私は、広辞苑だとか字林だとかというものと、もう一つは一般的に今日使われている言葉としての、これは新選国語辞典というものなんですが、どういうふうな内容かということでちょっと「役務」というものを見たわけなんです。ちょっと読みますが、ここに「役務」という言葉があります。「労働力を必要とする作業」それから「役務賠償」「技術・労務を提供する形でする賠償」「労務賠償」これがこの「役務」の内容なんです。これは通常国民の間に通用している辞典ですね。それで、役務というものは一体何だろう、一般の事業者あるいは国民がこれを開いてみたということになると、これはさっぱりわからないということになるのじゃないかと思うんです。そういう面からしますると、このサービスと役務というものがえらく隔たりのあるものといいますか、受け入れられない、あるいはなじまない、こういうことにつながってくるんじゃないかと思うのです。そのことはイコールの問題として周知徹底に大きな障害になってくるのではないか、こういう心配も出てくるわけですね。 したがって、これはなぜサービスという言葉に片仮名であっても置きかえられなかったのだろう。長い日本の歴史というものがありますから、そういう面では一つの慣習で、あるいは惰性でいろいろな形でお使いになったのかどうかわかりませんけれども、いずれにしても今日の社会、特に通産の場合は国際社会だとか国際関係だとか、いろいろな言葉をしょっちゅう使わざるを得ないような今日的状況があるわけですね。同時にまた、パリ条約やあるいはニース協定にしましても、やはりサービスマークという形で通常使用されております。サービスというものは今や外国語というよりは日本に定着した一つの言葉なのだろうと思う。そういう面からしますると、新しく導入する今回の法律改正の中で改めて考え直して、一番国民に受け入れられやすい、そういうものをやはりきちんと整理をして取り入れる必要があったのではないか、こういうことを強く思うのですけれども、これに対してはいかがお考えでしょうか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思う。
○植松政府委員 御指摘のとおり国民経済に非常に深いかかわり合いを持ちます商標法でございますので、そこで使われます言葉はそれぞれユーザーである出願者あるいは消費者等々にわかりやすい言葉を使うということが重要であるということは、私ども全くそう思うわけでございますが、一方、先ほども大臣が申しましたように、これは無体財産権を付与し、かつ保護するということからいいますと、無体財産権をめぐるいろいろな民事上あるいは刑事上の訴訟にも上ってまいります。そういたしますと、特に刑事上の刑事罰も用意されておるわけでございますので、その無体財産権の侵害、つまり商標権の侵害というような事態が起こった場合に、それが本当に侵害しているかどうか、つまり他人の登録された商標を使用しているかどうか、その使用に当たるかどうかというようなところで争いが起こり、またそれに刑事罰の適用の問題も出てくるわけでございます。 そういたしますと、その用語自身が非常に多義的であったり、不明確な言葉でございますと、またそこで紛議を一層拡大するというようなことにもなるという意味で、法的な安定性に欠ける面があるという点から、法律上の用語としてはどうしても厳密な、できるだけ多義的でないような言葉を使うべし、こういうことが従来から行われておるわけでございます。そのために、独禁法でも実は競争の定義の中で、もう御案内のとおり商品に対する言葉としてやはり役務というのをサービスについて使っておるわけでございまして、そういう点からこの法案でも役務という言葉を使わせていただいたわけでございます。 一方、先生御指摘のとおり、対象となりますのは国民全般でございますので、できるだけわかりやすく理解していただかなければならないという点から、私どもこれからいろいろと説明会あるいは解説書等を通じまして、広くこの制度について周知徹底を図っていかなければいけないというふうに思いますので、その点につきましては、できるだけわかりやすい言葉を使いながら、今おっしゃられたサービスという言葉も使いながら、役務というのはこれはサービス、いわゆる普通に使われているサービスという言葉であるという点で、国民には誤解のないようによくわかりやすくこの制度の普及、説明に努めてまいり、運用面で支障のないように努力をしてまいりたいと思います。
○安田(範)委員 通産省あるいは特許庁の今日的な状況の中で使う言葉ではないな、これはもう率直に申し上げておきます。 今のお話の中でも、例えば刑事あるいは民事、そういう諸事件の中で、サービスよりも役務の方が厳格性があるみたいな、そういうふうな話がありましたけれども、そんなことは全然関係ない話だと思いますよ、率直に言えば。役務であろうと、あるいはそれが置きかえられてサービスマークの侵害であろうと全く関係のない話でして、やはりその辺がどうしても一遍提出したものだから、何としても守らなければならない、こういう姿勢があろうと思うので、それはお話は承りますけれども、論理的には決して一貫性があるものではない、 こう言わざるを得ないと思います。 もう一つは法制局の方なんですけれども、法制局も最近大分柔軟になりましたよね。自衛隊法百条の五の解釈なんかを見てもわかりますように、大変柔軟な姿勢が出てきておるのですが、そういうものと比較をしまするとやはり何かえらくかたい判断といいますか、旧来の流れ、そういうものを一歩も出ない、こういう考え方が非常にあるのじゃないかな、こんなふうに感じざるを得ません。これはさっきの説明からするとむしろ特許庁の方に言わなければいけない言葉なんですけれども、そんなに責任があるよというふうに言っているわけじゃありませんから、それは理解をしますけれども、いずれにしましても、今日の段階で法律を新しく制定したり導入するという場合には、やはり国民になじみやすい法律あるいは条文の文言の使い方、こういうものを考えてやってもらわなければ困る、このことだけは強く申し上げておきたいと思うのです。 だれかがどこかで踏ん切らないと、こういう問題はいつになっても変わらないということなんですね。昔から、知らしむべからず寄らしむべし、その思想が抜け切っていない、こういうふうな感じを強く持ちますものですから、これをひとつやはり与えられる側といいますか受け入れる側、言うならば事業者である国民、そういうものをいつも頭の中に想定して法律というものをつくってもらいたいな、これだけ強く申し上げておきたいと思うのです。 それで、大分時間が過ぎてしまいましたので、次に今後のスケジュールの関係についてお聞きをしたいのです。 これからこの法律案が多分成立するのだろうと思いますけれども、その後準備期間があるわけですね。来年の四月施行、こういうことになってまいると思うのです。この準備期間の間に何と何をやらなければいけないか。例えば政令であるとか省令であるとか、あるいは要綱であるとかいろいろな指針だとか、たくさんあろうかと思うのですが、これらはどのくらいのものがあるのか、これをひとつお聞かせいただきたい。 同時にまた、この準備期間のうちにそれらのことが十分に準備ができて、国民の周知徹底ができるのかどうか、こういうことについてもお聞かせをいただきたいと思います。四月以降はこれは施行ということになるわけですから、そうすればもう出願の時期に入るわけでしょう。とすれば、それ以前にやはり周知しなければいけない、こういうことになろうと思います。これは外国からの出願もあるわけですね。そういうことも想定して、準備期間ということでひとついろいろお聞かせをいただきたいと思います。
○植松政府委員 今御指摘がありましたように、私どもとしましては、この法律が制定されましたら来年度から実施に踏み切りたいというふうに希望を持っております。それまでの間にどういう準備をするかということでございますが、今御指摘がありましたように、サービスマークの商標登録出願が参りますと、これは現在の第六条に基づきまして、それぞれ政令で定める区分内における役務を指定しましてその商標を出願してくるということになりますので、まず政令案をつくらなければなりません。それから、政令は非常に大きな区分でございますので、これを区分けしたそれぞれ具体的な役務名を、それぞれの区分の中にどういうものが入るかということを省令におきまして規定をいたします。まずこういった政令、省令を制定することが第一でございまして、現在既に政省令につきましては素案はできておりまして、昨年の夏以降公表いたしまして関係業界には示し、それぞれ問題点等の指摘を受けながら、今最後の仕上げを急いでおります。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕 また、いよいよ審査になりますと、それぞれ判断の基準となります審査基準をつくらなければなりません。これはサービスマークについての審査基準と同時にそれぞれ指定役務との関係がございますので、類似サービスはどういう分野になるかということについて、類似サービスの審査基準もつくらなければなりません。こういった二つにつきましても既に本年春に公表いたしまして、関係業界あるいは団体等の御意見を求めながら、最終的な固めに今入ってきております。いずれも秋までには確定をいたしまして公表し、少なくとも半年は、最終的に確定しだものをそれぞれ出願者、関係業界等がよく理解、把握できるようにということで、秋までにはこういった政省令、審査基準等の確定をする予定で進めております。 また、その後、秋以降につきましては、それぞれ全国各地で説明会を開催し、また発明協会等の各関係団体を通じていろいろな形で普及、指導事業を行う予定といたしておりまして、来年の四月には十分制度について徹底した上で施行に入れるように準備をしてまいりたいと考えております。現段階の進行ぐあいを見ますと、十分来年の四月までには円滑な施行に入れるのではないかというふうに考えております。
○安田(範)委員 その場合に、全国的に業界が非常に多いわけですね。業界団体からのいろいろなPRといいますか、特許庁から出して、そして業界団体がそれを受けてそれぞれの加盟業者にいろいろ話をする、そういう方法も一つの方法だと思うのですが、それだけではなかなか困ると思うのですね。そういう団体に所属をしていない事業者も相当おりましょうし、その団体自身もどういう活動をやっているか、言うならば特許庁の方針を受けて万全の態勢でPRをするという形になっているのかどうか、これらについても大変疑問もあるところですね。したがって、そういう面ではよほど真剣に考えて、全国的な規模ですから、これはきちんとPRをする、周知徹底をせしめる、このことはえらい大変なことだと思いますけれども、これは遺漏なくやってもらわないと困ると思うのですね。今長官が言われるような形で大丈夫かなというような気持ちは、やはりぬぐい去ることはできません。率直に言って、精いっぱいの努力をしてもらう。 それと、引き続いてなのですけれども、登録出願の場合なのですが、今回のサービスマークにつきましては、できるだけそれぞれの事業者に出願をしなさいというPRをするのか、あるいは継続使用ができるという条項がありますから、そういう面ではPRしなくてもまあまあいいや、こういうふうな考え方なのか、その辺はどちらに力点を置かれるのですか、ちょっと説明願います。
○大塚(和)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいまの御指摘の点でございますが、継続的使用権、もう既に御指摘になりましたが、そういうものを設けておりまして、登録する必要がないという判断をすれば、営業の範囲内であればそのまま使い続けられる、こういう権利を与えるようにしておるわけです。 その場合に特許庁としてどう考えるかでございますが、例えば現在の商品に関する商標でございましても、登録する場合もあればあるいは登録しないでそのまま使うということもあるわけでございます。そのあたりというのはそれぞれの企業がそれぞれの自分の営業戦略等を考え、かつ世の中にどういう商標が出ているか、登録されているか、そういうのを調べながら企業として判断をするものであって、サービスマークにつきましても、やはりそのあたりは出願側である企業の判断ということにゆだねるのが当然ではないか、かように考えておる次第でございます。
○安田(範)委員 ただ、その問題につきましては業者自身の判断だという話なのですけれども、実際にはPRが行き届かないで、本来ならば出願をしたかったのだけれども、こういうことも必ず出てまいるのじゃないかと思うのですね。その辺が先ほどの周知徹底との兼ね合いということになってまいります。これは当然みずからの権利にかかわる問題ですから、後で継続的使用権があるからと言いましても、本来の出願登録をした権利とは異なるわけですから、そういう意味におきましては、自後の問題がありますからできるだけ周知する、出願すべき者は、されたい方といいますか、 むしろできるだけ出願をしてもらう、こういう積極的な姿勢が正しい姿勢なのじゃないかな、こんなふうに考えるものですから、これは意見として申し上げておきたいと思います。 さらに、加工の関係。加工の言葉が今回の一部改正では削られたわけです。だから、この加工は削られてしまってあと支障がないかどうかという問題が一つ出てまいると思うのですが、これについての考え方はどうでしょうか。ちょっと簡単でいいですからお答えいただけませんか。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 おっしゃいました点は、現行法から改正後の法律の移行の問題でございまして、実は今までの商品についての商標から今度はサービスマークについても登録できるようにいたします。そのとき、その定義の関係で、従来、加工と商品の商標についての関係で入れておりましたのが、今度サービスマークを登録できるようになるものでございますから、そちらの条項の方にそれが含まれるようになったということでございまして、加工が落ちたということではございません。
○安田(範)委員 それは話としてはわかるのですが、大塚部長、例えば今の話でまいりますと、加工はそのまま残るというふうに理解してよろしいかと思うのですが、ただ十年後にこれは更新されるわけでしょう。その場合に、加工というものがないということになりますと、例えばモザイクなどがありましたな、分類の中に。そういうものについても加工という枠がないよというような話になってくるのかどうか、更新は今後運用の面でカバーできるという形になるのかどうか、その辺についても若干説明をいただきたいと思います。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの点は、あくまでも更新の際の使用の要件はその商品について使っているというふうになっておるわけでございます。したがって、その商品について使用していたということを証明していただければ、これは当然に更新の登録が受けられるという扱いにして、運用上遺漏なきを努めたいと考えております。
○安田(範)委員 次に、今度現行の商標法を国際分類の方に移行するということになるわけですね。その際に、現行商標法の区分と国際分類というものは必ずしも一体ではないわけですね。性格も大分違うような感じがするわけです。こういうずれのある部分については今後どういうふうな処理をしてまいるのか、いつごろまでにそれをきちんと移行させるのかという問題が一つあろうかと思うのです。この辺についてお聞かせをいただきたいと思います。
○植松政府委員 御案内のとおり我が国もニース協定に加盟いたしまして、現在副次体系という形でそれを履行いたしております。つまり、今御指摘の日本の独自の分類を中心にして出願をしていただき、こちらも整理をいたしておりますが、その出願のときには国際分類もあわせて表記をするというような形で公報等に載せております。これをできるだけ早い時期に主体系、つまり国際分類により出願し、国際分類によって登録するという形にしていくことが望ましいということで準備を急いでおります。現在、登録制が今度しかれますと、サービスマークについては日本の分類がございませんので、サービスマークの登録制につきましては、国際分類に従ってやることが妥当であると思いますし、またその準備も容易である。 問題点は、商品の商標について現在の日本分類から国際分類への移行をするのに相当の準備が必要であるということになるわけでございまして、これは現在ニース協定によります国際分類と我が国の分類による商品区分との間の対照表の作成、さらにそれぞれ出願をしていただきます場合の政令の別表、さらに省令、こういったものについても再編をしなければいけません。現在、そういったものについての素案が既に何度かできておりまして、これも関係業界、関係者にお示しをしながら昨年来、内外の意見を求めて改良を進めながら確定を急いでおります。これらができましたところで、現在さらに新類似商品審査基準、新しい商品分類に従います類似商品の審査基準もつくらなければなりません。これも現在素案ができまして、関係方面と調整をしておるわけでございます。それができますと、次はまた類似商品の審査基準、さらに今度はそれに基づく移行表、これは、日本の分類から国際分類への移行表、さらに逆から、国際分類から見た日本の商品がどういう分類に入るかという両面ができませんとそれぞれユーザーサイドからもいろいろ不便があるということで、こういった移行表、逆移行表についても現在準備を進めておりまして、こういったものの準備が整ったところで、主体系という形でのニース協定への加盟をいよいよ本格的なものにしていくということで現在準備を急いでおるところでございます。
○安田(範)委員 主体系と申しますか、言うならば国際分類に移行する、これは間違いない話ですね。 それで、特許法の四十三条では、パリ条約の規定によりということで明確になっているわけですね。そういうことからすると、今回の改正法案の六条であったと思いますが、その中に、ニース協定によってという何かの文言があればもう少しすっきりした形になるのじゃないかな、こんな印象を持つのですが、特許法と比較をしてみた場合にはこの辺がどうもちょっと抜けているような感じがするのですが、いかがなものでしょうか。
○植松政府委員 一言で申しますと、登録のための出願をいたします場合に、現在六条という規定がございますが、その政令の区分内の一または二以上の商品を指定して出願するということになっておりまして、その政令が現在は日本の商品分類になっております。これを国際分類に直すわけでございますので、政令の内容の具体的な表現方法の問題という技術的な問題であるということで特に法律上は明記をされておりませんけれども、それぞれ政令及び省令を中身を変えるという形で作業を進めておるところでございます。
○安田(範)委員 では、それは政令で明らかにしてまいるということで受けとめさせていただきます。 あとは少々なのですけれども、和田委員から時間を調整させていただいておりますので御了承いただきたいと思います。ありがとうございます。 それで、今度この一部改正の法律の中で、「著名」と「周知」ということがあるわけですね。著名の場合は全国ネットだよ、周知の場合は二、三県を対象にしたシェアと申しますか、そういうことで大体それを分けているという状況だと思いますが、そういう分け方は非常に難しいのじゃないか。時間がありませんので簡単に言うならば、周知の部分の事業者がなかなか外に伸びられないような制約というものが出てきてしまう心配があるように思うのですね。もちろん、事業活動の活発化によって使用権が大変広がる、こういうことも想定されるわけです。その場合に、拒否権といいますか、著名な方から、これは困るよという差しとめの申し出が出てくるということもあるのじゃないのかなということになりますと、周知と著名、今日の段階で物を判断するのではなくて、将来に向けてこの問題については相当検討する余地のある話ではないか、このように一つは考えられます。 もう一つの問題は、外国商品なんですけれども、これはどういうふうに理解をしたらよろしいのか、著名と見るべきなのか、周知と見るべきなのか。これは言うならばこの商工委員会の中でも大店法で大変議論をしました。大店法については、外国からの商品をどんどん日本で売ってほしい、代理店の出店も認めてほしい、こういうことでこの間大変議論をしたところですね。そういうことになりますると、外国の商品も相当入ってくるもの。それからもう一つは、大型小売店舗も非常にあちこち出てくる、こういう状況になると思うのですね。だから今日段階で考えられるものと、もう一つは新たな事態として考えなければならないもの、こういうものがあろうかと思うのですね。その場合に、外国商品が出てまいった、このこと は言うならば著名という形の範疇か、あるいは周知という形で範疇を決めなければいけない、その辺の基準は何であろうかということについてはどう御判断なされますか。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの著名、周知で、最初は御指摘になりましたその周知が伸びられないのではないかという点でございますが、これは経過措置の関係で、いわゆる全国的にだれにでも知られているような感じの著名のもの。それから地方的なものとなりますと、どうしても消費者の立場からいえばこれはもうこの人のマークであろうという方を登録せざるを得ないという観点で著名の方が登録になるということがございます。ただ、その場合、同じようなサービスについて競合して著名が登録になった場合は、周知のマークにつきましては現在三十二条という条文がございまして、先使用権というのがございます。それが適用されるものですから、全国的に使える、継続的使用権的な権利を与えられることになります。したがって、その周知のマークにつきましても、そういう場合まず支障は想定されないと私どもは判断しております。 それから、外国のものにつきましてはまさしく御指摘のとおりでございまして、非常に国際化しております中で外国のマークというものをよく把握しないといけない。そこで、予算措置なども講じまして、かつ商品に関しても、商標法は百年以上の歴史がございますので、相当な資料の蓄積をしております。そういう中で十分熟練した審査官が判断をしていくということになります。あくまでも著名、周知を判断いたしますのは、外国ではございませんで日本の中で著名であるか周知であるかといった観点から判断をするわけでございまして、そのあたりも今申し上げましたような資料に基づいて十分審査官の経験に基づいて判断をしたい、かように考えております。
○安田(範)委員 確かに日本での著名に違いないのですね。違いありませんけれども、言うならばブランド商品なんという形で今日本人で受けとめられている商品が幾つかありますね。それと同じような形で、あるいは商品名ですから商標か何かわかりませんけれども、それ以外のサービスの関係でも、やはり日本の国内でも外国のサービスで極めて活発にシェアが広いというようなものもあるであろうと思いますが、そういうものの取り扱いはどちらの範疇に入るのかな、これはどうお考えですか。
○植松政府委員 御指摘の点は恐らく、商品なのか、それともサービスなのか、いずれにもまたがるようなものもあるじゃないかという、それほど有名なブランドマークがあるのではないかということではないかと思います。 現在も商標法の第四条の一項の第十五号という規定がございまして、「他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標」については、同じマークについて登録出願が参りましてもこれは拒絶をすることになっております。今度の改正によりまして「他人の業務に係る商品又は役務」と役務も入りますので、サービスの方で有名なマークを持っております企業のそのマークについて、余りにこれが有名であるために同じサービスだけでなく、他の商品についてももしもそのマークを使って販売いたしますと、当該有名なサービス事業から提供されているものではないかというような誤解が生ずるような、そういう混同を生ずるようなものにつきましては、この条文によりまして拒絶されることになります。したがいまして、商品と役務いずれでも、非常に有名になったマークにつきましては、我が国で有名であればそれぞれの相互関係におきまして相手を排除していくというような形になるような規定になっております。
○安田(範)委員 なかなか難しい話なんですけれども、時間も参っておりますので最後の質問にしたいと思うのでありますけれども、一つは、先ほど話のありました重要な視点としての一つであります処理体制の問題だと思います。 今日までずっと、通常の話としまして出てまいっておりますのは、滞貨がおおむね四十万件ということですね。それに加えまして毎年滞貨が残っていく。四十万件からどんどんふえていくという状況が一つはあると思いますね。それと加えまして、新たに今回の一部改正、サービスマークの導入、こういうことになりますから、著しく事業量といいますか仕事の量がふえる、こういう事態になってくることは当然ですね。しかも、法施行の来年の四月以降、六カ月間のうちに同時出願ということになりますから、どっと集中的に六カ月間出願が出てくる、こういうことが当然予想されると思いますね。それから通常ベースでまたふえてくる。こういうことになりますると、えらい大変な処理体制というものが要求されてまいるんじゃないかと思うのですね。 今の状態で、審査官が多分百十六名ぐらいだと思いますけれども、毎年滞貨がたまっているということを想定しました場合に、今後現状であった場合にはどのくらいの審査期間が必要になってくるか、この問題が出てまいると思うのですね。今までは一番長くて大体二年九カ月ぐらいですか。三十七カ月が一番のピークだったようですが、現在は二年三カ月ぐらいに縮まってきているようではありますけれども、しかしなかなか円滑な処理というわけにはまいらない。このことは極めて重大な問題だと思うのですね、特に事業者、一般国民の権利関係に及ぼす問題ですから。可能なのかどうか、言うならば、新しい法施行になって審査体制、処理体制というものが並行して整備されているのか、あるいはされつつあるのかどうか、この辺が極めて疑問に思うのですが、いかがなものでしょうか。
○植松政府委員 御指摘のとおりでございまして、新しいサービスマークの登録制を導入いたしますと、その分だけ出願量がふえ業務がふえるわけでございます。特に、御指摘のとおり、導入当初というのは出願が集中するということが考えられまして、相当の出願がたまっております、現に使用されているものについての出願が集中する、しかし、二年度目以降についてはかなり平準化するであろうというふうに考えておりまして、一つの試算でございますが、二年度以降大体三万ないし五万件程度の出願量になるかというふうに予測をいたしております。 初年度の集中でございますが、特に経過期間中の制度導入実施後六カ月間に相当の集中が予想されますが、この六カ月間につきましては、経過措置によりまして重複登録等も認めるというような形、それから、すべて出願は同日扱いにするというような形にいたしておりますので、特に後者の関係では先願と後願とのいわゆる先願主義に基づきます審査が必要でなくなりますので、件数は多いけれどもその分だけ審査負担は軽くなるという点もございますので、量的に見られるほどの審査負担にはならないかと考えております。 現在までのところ、公務員の定員は非常に抑制をされてまして、私どもの方の商標審査官も百十六名でございますが、こういったものにつきまして、現在その同じ人員でも、できるだけ機械化等による効率アップによりまして生産性を上げておりまして、まず商標につきましては、文字による商標が商標全体の八割ぐらいを占めておりますが、この文字商標について、先願あるいは先登録のものとの検索をいたします場合に、コンピューターを使いまして機械検索を既に昭和五十三年ごろから手がけておりまして、現在では相当の成果を発揮をいたしております。また、残りの二割程度の図形の商標につきましても、検索の機械化を既にシステム開発を始めておりまして、平成五年度には稼働できるような状況になってきております。 こういった、まず機械検索等を使った効率化、さらに審査官のロードを軽減するために、審査官でなくても実施できるような予備的な審査部門等につきましては外注に出すということで、民間の活力も活用しながら審査の能率を上げていこうというようなことを現在実施中でございまして、そういった総合的な効率化対策、それとあわせて、来年度以降につきましては、必要な人員の確保に も努めながら、全体として審査期間が延びることのないように万全の努力をしてまいりたいと考えております。
○安田(範)委員 今、答弁いただきまして、それぞれ人員の確保など頑張るという話なものですから、おおむね了解いたしますけれども、ただ、出願件数が平成二年度で十七万一千七百十二件だそうですね。これに対応する審査官は百十六名、審査処理件数は平成元年度十六万一千六百八十六件で、一人当たり千四百件審査をしている、こういうふうな状況のようですね。同時にまた、未処理件数は先ほど申し上げましたように四十万件ある。四十万二千三百六十七件だそうであります。間違いないようですね。 それでどうやっていくかということになりますと、今答弁がありましたような検索システムだとかあるいはコンピューターの導入だとかあるいは一部委託だとか、いろいろ総合的な対策でやろうというような話なんですけれども、要は人がかなめになってやらないとこの問題は解決しないということ。同時にまた、新たなサービスマークの導入で、一時的には大変な出願量、処理件数ということになってまいる。これを遅滞なく処理するというのはよほどの決意がないと困難ではないかな、こういうふうに感じます。 したがいまして、これらの面につきましては、例えば審査室を設けるとか、あるいは既にある審査長であるとか、そういう責任体制というものを明確にしながら需要に応じてまいる、こういうことが必要ではないかと考えるわけであります。せっかくこれを導入するわけですから、これが本当に事業者間に十分浸透する、理解してもらえる、お互いの権利はそれぞれ守り合える、こういう形で適切な運用ができるように、心から願ってやまない次第であります。最後ですが、大臣いらっしゃいましたから、処理体制の確立強化につきまして一言御決意を述べていただきたい、かように思います。
○中尾国務大臣 ただいま、委員と政府委員とのやりとりを聞いておりましても、また委員の御指摘のとおり、一人当たりが大体千四百件、大変な処理件数だと思います。そういう意味においては絶対値、人員が少ない、数が少ないということはもうちょうちょう言われながらもなかなかの問題がございますけれども、これは私もこの省を担当させていただきまして、一番それを痛切に感じておることでございますから、より国民に迷惑のかからないように、できる限り補充、補足、さらにまた一刻も早く処理をする、懸案事項を私どもも胸中に秘めまして、十分なるこれに対して、対応とまではいかないまでも、一生懸命でこれにからかってみたいという決意だけは申し上げておきたい、こう思っている次第でございます。
○安田(範)委員 大変ありがとうございました。 時間を調整してくださいました和田先輩に敬意を表して、感謝を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○奥田委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 このサービスマークの登録制度の導入につきましてはむしろ遅きに失しておりまして、過去の国会におきましてもこの導入について検討しろという附帯決議もあったわけでございます。そこで、新しくサービスマークの登録制度の導入について、せっかくのことでございますから、法の施行が一年先としても、今まで議論されておりましたようにやはり周知徹底をするということがこれほど肝要なことはないと思うんで、特に六カ月間に特例制度の中でそれを設定しておかなければ、六カ月経過したときにこれはいろいろと問題が起こるというようなことが出てくるわけでございますから、どうしても新しい制度の導入に当たっては周知徹底を図ってもらいたい。 それからさらには、一番大事なのはこの審査体制。今もお話がございましたように、そのためには新しい制度の導入だけじゃなくて、今までの特許庁の窓口あるいはこの審査体制、処理体制、そのことをこの機会に十分庁内で議論をして、そしてきちっとその整備の体制というものを整えないと、結果的に新しい制度が導入されたことによって全体にやっぱり特許庁自体が出願人に対して迷惑をかける、ひいては国際的に信頼度を失うということにもなりかねないわけでございますので、しかも商品登録を含めまして国際分類の導入も図っていくということでございますから、これらに対するところの事務処理体制も含めて、きちっと機構の充実、そういうようなところにも目を向けて、もちろん審査官とかあるいは審判官あるいは事務屋さんを含めて増員ももちろんのことでございますが、増員がスムーズにいけないということであれば、それにかわるところの例えば時間外の手だてを講ずるというような、そういう処遇の面も含めて、ぜひともこの機会に充実するということでなければ、これ自体が賛成であっても、これを導入することによって全般の出願人に迷惑をかけるということになるわけでございますので、まずそのところから大臣の方からひとつ決意のほどを示してほしいと思います。
○中尾国務大臣 ただいま和田委員からもお話がございましたように、庁内の体制が整わなければ、庁内の整理整とんのみならず、ある意味においては出願者に対しても大変な大きな迷惑になって、それは何の意味もないじゃないか、こういう話でございます。全く同感でございますので、先ほどもちょっと申し上げましたが、それにこたえ得るような対応策を庁内の中でも大至急こういう点では詰めまして、そして必ず御期待に沿うような方向でやっていくということもつけ加えさしていただきまして決意のほどにかえさしていただきたい、こう思います。
○和田(貞)委員 そこでひとつ、体制を充実させ、機構整備をしていかなくてはならないというところから、昨年の十二月から新しく電子化によって従来の書面出願制度を電子出願制度に変えていった。それに伴って一つは電子出願固有の問題点が起こっておりやしないか、あるいは電子出願の導入によって従来の書面出願者に対して問題点が起こっておらないかということについてひとつ議論してみたいと思うわけでございます。 まず電子出願固有の問題点として、たまたま出願者の方からのミスもあって、そしてあなた方の方は窓口を置いて指導しているというように言われると思うわけでございますが、もちろんあなたの方でJIS規定外の文字、外字使用によって判読が不能になったというのは、これはまあ出願者のひとつミスでもあるわけでございまして、それはやむを得ないといたしましても、外字以外の文字についても判読不能の面が起こっておるというように聞き及んでおるわけです。このようなことについての取り扱いというものを明確に決めておかなければ、判読不能のままに取り扱うのか、あるいは一定の要件を満たす裏づけ書類があればその書類に記載されている文字として取り扱うのかをきちっとしておかなくてはならぬと思うのでありますが、その点はどうですか。
○辛嶋政府委員 先生の御指摘のケースというのは、書面で出願された場合に例えば手書きで書いてくる、手書きで書いてきた場合になかなか読めないということだと思いますけれども、まあ我々自身が読めないという場合はともあれ我々自身は読める、しかしながらOCRという読み取り装置にかけますとなかなか読みにくい、こういうようなケースを言われているのではないかと思っております。そのような場合には、私どもの機関では一々ワープロにもう一回打ち直しまして、そしてデータエントリーをしております。 それからFD出願などの場合に、今度は、先ほど申し上げましたように外字を用いてきた場合には確かに読み取りにくいという問題がございますが、そのような場合には、もともと副本というのを出されておりますので、副本に合わせて訂正する、こういうことをやっております。
○和田(貞)委員 そうすると、外字以外の文字を使っての判読不能というのは起こってないですね。
○辛嶋政府委員 書面出願の場合についていいますと、先ほど申し上げましたように人間自身が読 めないというのはこれは判読不能でございますけれども、通常の人間が読めるというような場合には機械といいますかタイプで打ち込みまして処理しておりますので、そのようなことは現在聞いておりません。
○和田(貞)委員 それでは、弁理士会が発行しておるパテントという雑誌がございますね。この四月号の五十四ページ、読みはいたしませんが、内容はシャープ製の機器でつくったFD、フロッピーディスクですね。富士通製機器でつくったフロッピーディスク、アイドルワールドというソフトでつくったフロッピーディスクは、相互に他社の機器で読めないことが実証されている、こうある弁理士さんが書いているのですね。あるいは、A社、B社という言葉を使っておりますが、A社というのは東芝ですね。東芝のオンライン端末機でダウンロードしたフロッピーディスクがB社、これは富士通です、富士通のオンライン端末機で読めないとも記載されておりますね。これはもう全くうそなんですか。そんなことはないのですか。
○辛嶋政府委員 先生の御指摘の点は、例えば甲社のワープロなどで作成したFDが乙社のワープロあるいはオンラインの端末で読めない、読み取り不能、こういう御指摘だと思います。これは互換性を確保する、お互いに甲社がつくったものでも乙社がつくったものでも読めるというような互換性を確保するソフトの開発あるいはシステムの開発ということが必要になっておりまして、私ども各会社に、メーカーにそういう互換性のあるソフト、システムの開発を要請してきております。したがいまして、昨年中にはほとんどの機器が改良されておりまして、現時点ではほとんど読める、こういうふうに考えております。ただ、すべての機器が読み取り可能かと聞かれますと、ごく一部の機種につきましては、昔の機器であったりそういうようなことがございまして、開発されていないというようなものもございます。
○和田(貞)委員 それは聞くところによりますと、あなたの方のメーカーに対するその仕様がいかにとも読み取れるというような点からこのようなことが生じておるということも聞いているのですが、そういうことはないのですか。
○辛嶋政府委員 機器特有の制約から他社の機器の作成のFDが読み取り困難ということは伺っております。
○和田(貞)委員 これがやはり一つ電子出願の固有の問題点としてある。まだ四カ月しかたっておらないわけですが、うそであればこういうことは書かないはずなんですね。弁理士さんが、四月号です、今月号に、お互いに業務をする中でこういう問題があるということを訴える意味でこう書いているのですから、これはひとつ素直に読んでいただき、取っていただいて、そういうことのないようになお努力してもらうということで、ひとつお願いしておきたいと思うわけでございます。 引き続いて、電子出願制度導入によっての書面出願の問題。書面出願は、あの法律を審議する中で、書面の出願者についてはできるだけ負担をかけないように、負担を軽減するようにという附帯決議も出ておったというように思うわけでございますが、今日段階でいわゆる指定情報処理機関に対する納付の手数料、大体どのぐらいになっているか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○辛嶋政府委員 書面出願の場合におきます電子化手数料というのは、実費を勘案いたしまして一件につきまして基本料金として四千三百円、それから明細書一枚につきまして八百円、従量料金でございますが、その加えた額を徴収しております。平均的な特許出願というのは十二枚から十三枚程度でございますので、電子化手数料はそれで計算いたしますと、一万一千五百円から一万二千三百円、約一万二千円、こういうことになっております。
○和田(貞)委員 一万一千五百円から一万二千三百円、これが電子出願者以外に負担をしているわけですね。これが指定情報処理機関に納入されておる。そういう負担をしておる書面出願者が、従来でありましたならば、この本人の申し入れによって、請求すれば出願をした際の受け付け番号通知を大体二、三週間程度でもらえた。ところが三カ月ぐらいかかっておる。なお、書面の出願者についてはこれは大丈夫だというものの、やはり私ら自身でも、機械のすることだから、これは特許というのは権益を他人から排除してという性格のものでございますから、一体どうなっているのやろなという心配もあるので、出願をしたというその証明をいただきたいというように言うても、もう既に十二月から今日まで五カ月たとうとしておるのですが、この出願証明がまだもらえないという状態であるらしいのですね。書面出願者から余計に金を取りながら、書面出願者に対してこういうような扱いということは、まさに電子出願制度の導入によって、従来からの出願をしておる者について甚だ迷惑をかけておるのじゃないですか。これは一体どこに原因があるのですか。
○植松政府委員 書面出願された場合の番号通知あるいは出願証明の発行でございますが、おくれている原因は、現在例えばこういった出願の番号通知につきましては、電子出願の受け付けを開始した後は、出願が電子ファイルに記録された後に出願番号通知を送付、通知することとしております。ところが、電子化の手続が従来のペースに比べておくれておるために、従来二、三週間で出されていたものが二カ月程度おくれておるということでございます。 それでは、なぜ電子化の手続がおくれておるかということでございますけれども、これはやはり電子出願のスタート早々でございまして、一つは出願者サイドにおきまして申請書類等に不備がある、そのためにコンピューターへの入力を可能にするためのデータエントリーがその分余計かかっておるということ。それからこのデータエントリーは工業所有権電子情報化センターにおいて行っておりますけれども、発足当初、業務体制が必ずしも十分でなかったというような業務体制の問題も若干ございました。 さらにその上に、実は出願につきましては今御指摘のとおり有料でデータエントリーをすることにしておるわけでございますが、その他書面で、例えば納付書、登録の設定料金でございますとか年金、こういったものの納付書を中心に無料で書面手続を、データエントリーをいたしております。こういったものは、出願の方はオンラインあるいはFDを使って出願をしますが、納付書等の書面手続については無料であるということも手伝いましてそちらの書面手続件数が非常に多くなっておるということで、電子情報化センターへの書面手続件数が当初予想しておりましたよりもかなり多くなってしまっておるというような問題がございまして、全体でデータエントリーがおくれる。データエントリーがおくれますと、特許庁に参りまして、これは磁気テープで参りますけれども、コンピューターのファイルに記録されるタイミングがおくれますので、そのために実は出願番号通知等がおくれておるというのが実情でございまして、現在、まず工業所有権電子情報化センターの方には業務体制の整備を指示いたしまして、システムの改良、さらに人員の増加等により処理能力のアップを図るというようなことをやっておりますし、また出願以外の納付書につきましてもオンラインあるいはFDを使えるものについては、無料であるから書面手続でやるというようなことでなくて、できるだけオンライン機器を持っている弁理士、出願人につきましてはそういったものを利用していただくというようなことで、一日も早く適正な時期に出願の番号通知、あるいは出願証明が必要な場合につきましてはその出願証明が出せるようにということで、現在、改善努力中でございます。
○和田(貞)委員 あなた、言いわけがましいような答弁をするんじゃなくて、指定調査機関や指定情報処理機関が発足して間がないので委託量がほおばって十分にできないのでおくれているんだ、これを充実しなければいかぬのだ、こういうふうに言ったらよろしい。何かわけのわからぬようなことを並べるのじゃなくて、さっき冒頭に申し上 げているように、出願者に迷惑をかけぬようにやっていこうじゃないか、こういう問題があるからこうしなければいかぬじゃないかということを言っておるのだから、言いわけするんじゃなくて、きちっと言ってもらった方がかえってあなたのためになりますよ。 そういうようなことで、指定情報処理機関がやはりおくれる原因をつくっておるのです。だから、そこにはもっと充実するように予算も上げなければいかぬ。それと同時に、本体の、あなた方の方の事務官だとか審査官だとか審判官だとかというようなものもこの機会に充実していかないと、この商標法の改正によってサービスマークを新しい登録制度として導入する以前の問題でこんなに出願者に迷惑をかけているんだから、新しい事業がほおばってくればこのままでは余計に迷惑をかけるんだから、この機会にきちっと処理機関に対して、処理期間の遅延を防止するために充実をさす、あるいは本体自体の審査官、審判官、事務官の充足をしてこの充実をするというようなことをはっきりここで言いなさいよ、あなた。 〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕
○植松政府委員 先ほどちょっと言いわけがましく申し上げたのは大変失礼でございましたけれども、私どもも、今おくれておりますのを取り戻すということで全力を尽くしております。その中で、先ほどちょっと申し上げましたように、データエントリー機関自身への入ってまいります書面の量と処理能力との間にギャップがあるということでまず処理能力の向上を図るということで、一つは、システムの開発、改善をする分野があれば改善をする、さらに人員の足りない部分については増員をいたしまして、現に能力アップを図っているわけで、これからもさらに能力アップを図るべく指導してまいりたいと思います。 さらにその他の面、周辺分野につきましても、ふなれのためにそういった御迷惑をかけておるというようなことにつきましてはできる限り体制の整備で対応できるところは現在内部でも体制の整備を図りながらやっておるところでございまして、今後も一層努力をしてまいりたいと思っております。
○和田(貞)委員 さらに、私、二つ要望もし、聞いておきたいと思うのです。 一つは、町の発明家だとか中小企業の出願者というのは出願料は安い方がいいわけですけれども、大きな企業になればなるほどこの手数料というのは本当に大きな企業から言うならば安いのですよ。余り安いものだから大きな企業がこれもしておこう、あれもしておこうということで、取捨選択しないでどんどん出願するのです。だから、あなたの方の出願の半分以上、五二%までが上位百社で占めているのです。これはあなたの方の資料です。しかも、出願が五二%だけれども、審査請求をしておるのは四四%。これだけ空鉄砲を撃っておる。アメリカやその他の国のそれと比較いたしますと、日本の場合は大企業が非常にむだなことをしておるために、それが事務量の増大ということにもなって、全体に迷惑をかけておるのです。この点をやはり大企業に対してもっと指導していく必要があるんじゃないですか。これが一つ。 もう一つは、先ほども申し上げたように、やはり一〇〇%機械に頼るというわけにはならぬわけですよ。やはり機械自体がミスをする。人間がミスをするのではなくて、機械自体がミスをするという点がある。したがって、私が聞くところによりますと、特許庁の方は平成四年から現在の電子出願制度をオンライン機器をさらに向上させて強化して、むしろ特許庁の方から書類をオンラインを通じて送れるようなことを考えておるというようなことも聞いておるわけです。そうすると、これは新たなそういう制度の変更をしていくわけですね。そういうようなことで、この前の電子化のときにやはり出願者やら、あるいは出願者の代理人からいろいろと苦情があった。というのも、やはりそれらの情報を出願者や出願者の代理人に対してきちっと与えておらなかったためにそういう問題が起こったんじゃないかと思うのです。だから、そのような新たな制度を導入しようとするのであれば、どんな機器が必要なのかとか、あるいはどういうようにするんだとかというようなことを今から出願者や出願代理人に対して情報の提供というものをして、スムーズにそのことができるようなことが必要ではないか、こういうように思うのですが、この二点についてひとつお答え願いたい。
○植松政府委員 お答え申し上げます。 第一の御指摘でございますけれども、確かに御指摘のとおり上位百社で出願の五〇%以上を占めておるというのは現実でございます。実は国際的に見ますと、我が国は出願は非常に多いわけでございますけれども、実際に審査の結果、特許、実用新案を取得できるものの比率は国際的に見ますと、逆に著しく低いというのが現状でございます。これは大手のみならず、中小も含めての現状でございます。 私どもとしましては、そういった出願の多い大手と申しますか、上位百社に対しましては特別お願いをいたしまして、よく出願の管理をしていただいて、出願件数はもちろん、特に審査請求件数を厳選してほしいということで、現在行政指導を行っております。それによりまして、少しでも特許取得比率の高いよい出願、よい発明を審査請求をしていただく、こういうことでその効果がかなり上がってきております。恐らく御指摘の、今審査請求が四四%で少ないではないかというのは、そういった審査請求につきまして、できるだけ厳選をしていただくということの成果が出てきておるわけでございまして、これによりまして、審査処理の全体の遅延が少しでも解消するようにという努力をしておるわけでございまして、これはどちらかといいますと出願件数の多い大企業に対して抑制的な指導を行っておるわけでございます。現在でも審査処理期間は十分に短縮されておりませんので、いろいろな意味で審査処理促進のための努力をさらにしなければならないと思っておりますが、出願なり審査請求の適正化の点ではそういうことをやっております。 それから、新しい制度を導入する場合に、よりユーザーに迷惑をかけないようによく情報提供をすべしというお話でございました。 これは昨年の特例法の御審議のときにもおしかりをたくさんいただきました。私ども十分肝に銘じまして、今回のサービスマークの法案につきまして、法案を固める過程では十分に関係方面に御意見を伺いながら法案をまとめてきたということでございまして、今後電子出願、ペーパーレス計画につきましても、まだ第一段階が終わったところでございまして、本当にユーザーのために役立つペーパーレス計画にするためには、ユーザーのサイドからオンラインでも閲覧ができる、また単に出願だけがオンラインやFDでできるというだけではなくて、特許庁からの発送業務につきましてもこのオンライン等を使ってできるようにというふうにしなければ、また処理能率も上がりませんので、そういった面の不備を直していく。さらに、審査処理自身につきましても、さらに効率アップを図る、こういったユーザーに対する情報提供あるいはユーザーの便宜を図りながら、特許庁の処理効率も上げていくというのが、これからのペーパーレス計画の目標でございまして、これを実施する場合には、前回の経験にもかんがみまして、できるだけユーザーサイドの御意見も十分に拝聴して、それを取り入れながらよりスムーズに移行できますように十分な注意を払ってまいりたいと思います。
○和田(貞)委員 昨年の十二月から導入された電子出願制度の導入というのは、一つはやはり審査処理期間を短縮して出願者にできるだけサービスをするということと、あわせて日米構造協議の中での日本側の約束、審査処理期間を五年以内に、二十四カ月にするということもあるわけですね。このままではアメリカに約束したことさえもこれはできないでしょう。そこで、ひとつ大臣、アメリカと約束したとおりに五年以内にするということ であれば、この際新しい登録制度の導入をする以前に、もう既にこういう体制なんですから、それに加えて新しい登録制度を導入ということであれば、ここらあたりで、ただ今大企業の方から空打ち的なそういう出願を、これは金が入ってくるからどんどん受け付ける、そういうようなことじゃなくて、やはりサービスを第一義的に考えて、全体的な出願者に迷惑をかけぬようにきちっと大企業に指導するということもこの際はきちっとやってほしい、こういうふうに思います。 問題は、先ほど申し上げましたように、委託をする指定調査機関あるいは委託をする情報の処理機関、それに対して督励をし、ただしりをたたいて、早くやれ、早くやれということだけじゃなくて、そこの機関に処理能力を持たすように資金の支援もしてやらなければいかぬ。そして、本体自体がやはりスムーズに事務処理ができ、審査処理ができるように事務官の増員あるいは審査官の増員、審判官の増員、これをきちっとこの際やってもらわなければいかぬ。そして、一挙にそのことができないとするならば、年間計画を立てて、その間は増員はできないけれども、ひとつ残ってもやってもらわなければいかぬでということになれば、やはり職員に対する処遇も改善しなければいかぬわけでしょう。そういうこともこの際きちっと考えていく。そして、機構全体を万全な機構にこの際充実して整備する、さあ、いらっしゃい、こういう体制をきちっとしてもらいたいなという気持ちなんです。 それに加えて、私は前から言うておるのだけれども、出願者の三〇%から三五%、大阪を中心とした関西なんですよ。一極集中排除ということを言うておるのだから、これぐらい、三分の一の機構でもぜひとも大阪へ持ってきたらいい。そういうようなことも含めて、この際特許行政というものを抜本的に中尾大臣の間にきちっとするということを、ひとつ決意のほどを含めてこの際御答弁願いたい。
○中尾国務大臣 人員の問題やその他を含めまして、官吏の立場ではなかなか言いにくいことでございましょうし、これは政治的課題でございますから、私からずばりと申し上げ、また同時に私もその方向に沿いたいと思っておりますから、決意のほども含めまして申し上げてみたいと思います。 先ほど先生おっしゃいましたように、五年以内に二十四カ月に減ずる、これは国際的な約束事でございますから、これをまずともかく実行しなければならぬ、もう本当にそのように思うわけでございます。ペーパーレス計画の推進に当たりましても、出願人等の立場を十分に考慮する必要があるものと考えておりますし、ただいま委員のお話を聞いておりますると、なかんずく大きな、大手の会社ばかりが同じような安い値段でどんどん出して、私的、個人的な、プライベートな出願というものは数が少ない。しかも、なおかつ一極集中主義的な東京という、このことを考えて、これを多極分散型にしよう、声ばかりかけたって、関西で四〇%になんなんとするものが、これこそ多極分散型の活性化につながっていくような、そのことまでも未熟児的に扱っていくということは私も納得できないということからいきますれば、これは大きな政治課題だと思っておるのです。 したがいまして、これは人間の問題でございますし人事的な問題でもございますし、増員の問題にもなりますから、もう本当に実力者であられる和田先生等にもお力をかりながら、与党も野党もこぞってこういう問題点については、私も決意をいたしますから、日本のものはよその国から比べましても大変に件数が多いということを踏まえまして、私も今回お約束もいたしたいし推進力にもなりますから、どうかひとつお力添えも賜りまして、その方向で私も片づけていく決意をここで披瀝申し上げておきたい、こうかたくお約束申し上げたいと思います。
○和田(貞)委員 それでは終わります。
○逢沢委員長代理 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ────◇───── 午後一時一分開議
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。権藤恒夫君。
○権藤委員 質問申し上げます。 今回の改正法案につきましては、内外の強い要請にこたえるものと理解をいたしております。若干遅きに失したという感じもありますけれども、それだけ十分に時間をかけて慎重な検討を行ったものと思います。外国のサービス業者も含めまして、これまで長い間本制度導入を待ち望んでおりました出願人の期待を裏切ることのないよう、円滑な導入に万全を期してほしいと思います。 そこで、今回のサービスマークの登録制度の導入が具体的に出願人にどのような影響を与えるかという観点から、幾つかの点について確認をいたしたいと思っております。 まず第一番目でございますが、出願人側といたしましては何よりも気にかかることがあるのではないかと思います。それは審査処理が円滑に進むかどうかということであろうと思います。実際に登録がされて権利が発生するまでに長期間を要するということになりますと、せっかくの待望のサービスマーク登録制度が導入された意味がなくなってしまうのではないかと思います。初年度はもちろんのことでございますが、通常年におきましても相当数の出願があると予想されておりますが、これらの審査体制の整備は大丈夫かどうか、その点についてお伺いをいたします。
○植松政府委員 御指摘のとおりでございまして、制度はできたけれどもその審査処理が遅いということでは本当の意味で制度を実施することになりません。御懸念の点でございますけれども、サービスマークの登録制度を導入いたしますと、導入当初はおっしゃるとおり出願が相当集中するであろうと予想されますが、二年目以降は比較的落ちついた、平準化した形での出願になろうと予想をいたしております。これは実は、ほかの国々が同じようにサービスマーク登録制を導入したときどんな状況になっておるかということの事例などにかんがみまして、私どもなりにいろいろな試算をしてまいりますと、初年度は十万ないし十二万件ぐらい出てくるかな、次年度以降は三万ないし五万件程度かなというような試算が一つの試算としてございます。 初年度に大変集中するわけでございますけれども、初年度の大半はまた、制度導入後六カ月間の特例期間中に従来登録制度がないために出願されなかった分が一遍に来るであろうということが予想されるわけでございますが、この六カ月間における審査は通常の審査と違いまして、先後願の審査はしない、逆に言うと重複の登録も認めるということでございますし、また、その六カ月間に出願されましたものにつきましては同日に出願したとみなしまして先後の関係を見ません。したがって、先願、後願の順序の審査をしなくていいことになりますので、通常の出願に対する審査に比べますとかなり負担が軽減されるであろうというふうに見ております。 いずれにいたしましても、現在商標の方で出願されておりますのが年間約十七万件出てまいりますので、それに加えて三万ないし五万件程度が平年度ベース出てくるということはかなり大変なことでございます。特許庁といたしましては、これまでも商標につきまして、文字商標について既に検索の機械化等を実施しておりまして、かなりの効率アップの成果を上げております。この検索の機械化に当たりましては、機械検索用のデータベースづくりというのをその前にやらなくてはいけないわけでございますが、その負担増については既に外注化を図っております。またこれから、先後願あるいは先登録の商標との対比評価だけでなくて、その他いろいろと登録要件についての基準がございますのでそのための審査がございますが、比較的簡単なものにつきましてはこれも外注、 外部に委託するという形で審査官のロードの軽減を図ることといたしております。 こういったいろいろな事務処理の効率化を図りながら、そういった総合対策とあわせてまた必要な人員の確保ということも今後努力をし、審査処理体制に、処理が非常におくれるということのないように万全の努力をしてまいりたいと思っております。
○権藤委員 次に、本法律案におきまして、既に使用されておりますサービスマークの適正な保護を中心にしていろいろと経過措置を講じていらっしゃるようでございます。このこと自体は、既に築かれておりますサービス取引秩序に混乱を招かないための措置として、出願人の立場からは評価できると思っております。ただ、このうち重複登録でございますが、この重複登録においてマークの知名度により扱いに差を設けていこうということが予定されておるようでございます。出願人側といたしましてはこの辺のところが若干気にかかるのではないかと思われます。こうした措置を講じました理由及び著名と申しますか、周知といった知名度の判断についてどのような基準を設けられたのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま権藤委員から御指摘ございましたように、このたびのサービスマークの制度と申しますのは、既にもう方々でサービスマークが使われているわけでございまして、そういった取引実態が発展している中で新しい制度を導入するものでございますから、思わぬ不公平なことが生じたりあるいは取引秩序を乱したりあるいは消費者にいろいろな迷惑をかけたり、そういうふうなことがないようにかなり注意をして経過措置を用意いたしました。 おっしゃいました点でございますが、例えば重複登録などというのをどうして設けたかでございますが、それはやはり同じように信用を蓄積した既に使われている同じようなマークがあった場合、そして消費者も同じように知っているというような場合、これをどちらかを登録する、これは商標法は実は一商標一登録というような、一つだけ登録をするという原則があるわけでありますが、この原則をそのまま当てはめますと、既に発展して営業をきちっとやっている人たちの間で非常に不公平を生んでしまいます。そこで、知名度が同じような場合には、そして既使用である場合には重複登録というのが一番いいやり方ではないか、こう考えました。ただ、その中で知名度がずっと違うというような場合におきましては、やはり消費者の立場から見ましてこのマークは出所はあそこであろうというようなときにはそちらだけを登録するということでやりませんと、今度は消費者に迷惑が生ずるわけでございます。そこで、著名、周知といった概念を使いまして登録の際に優先関係を設ける、そういうことを行ったわけでございます。 最後のお尋ねの著名ということでございますが、これは法律論をいたしますとちょっとごちゃごちゃしてまいりますので省略いたしますが、平たく言いますと、地域的な観点から申しますと、例えば全国で非常に知られているといったようなものを著名という概念で私たちは呼んでおります。それからそこまで至らなくても一つの地方、これは判例などもいろいろございまして、二、三県の範囲とか言ってみたり、いろいろございますけれども、業種、業態によってかなり違いますが、そういった一地方的なものは、やはり周知という概念という区別をしておるわけでございます。 そして、その判断でございますが、私ども予算措置なども講じまして、内外の著名なマークとか周知なマークを審査資料として非常に蓄積をしておりまして、そういった資料を活用する、あるいは提出された取引書類とか、あるいは広告の印刷物等々、そういった資料を活用いたしまして、そして経験を積んだ審査官が総合的な観点から判断をしていくというやり方をしたいと考えております。
○権藤委員 よくわかりました。 それでは次ですが、会社ですとか商店等で、普通、屋号とか商号といった名称を看板や広告に使っておるようでございますが、これらと商標やサービスマークとでは、目的でありますとかあるいは法律上の保護の仕方についてどのように違いがあるのか、その辺のことを御説明いただきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お尋ねの商号でございますが、商号は商法の中に出てまいりますが、商人がみずからを表示するために用いる名称といったような言い方をされております。つまり、商店とか会社などの名前でございます。文字であらわされた名前というものでございまして、そしてその商法の中に商号の保護のための規定があるわけでございます。規定もかなりいろいろ書いてございますが、簡単に申し上げますと、原則として一つの市町村の中で排他的に使う権利が認められているというのが商号でございます。一つの市町村内で排他的に使うというのが原則でございます。 一方、商標でございますが、これは今回の改正法をお認めいただければ、今度はその中に商品だけではなくサービスマークも入ってまいりますが、その商標と申しますのは、これは自分がつくったり売ったりする商品あるいは提供するサービスを他人の商品とかサービスから識別するために使う、そういったマークでございます。これは文字だけではございませんで、図形とか記号とか、あるいはそういったものの組み合わせ、あるいはそれに色を施したものといったようなものがございます。こちらの商標の方は商標法に基づきまして、そして登録をなされますれば、全国的に通用する権利として保護されるようになります。 ただ、これを通して申しますと、商号でございましても、商標法の登録の要件を満たして登録されるということとなりますれば、また商標ともなるということが可能でございます。そういう商号を用いた商標のことを商号商標などと俗称したりもしております。
○権藤委員 そうなりますと、例えば一社で地域と全国的に二つになるような、そういうことが考えられるわけでありますが、これは現在の縦割り、法務省と通産省ということもございましょうけれども、将来こういう混乱をなくすようなことでお考えがあるかどうか、お伺いしたいのです。
○大塚(和)政府委員 確かに先生御指摘のとおり、サービスマークの場合には商号がサービスマークとして出願されることも多いのではないかという見方がございます。ただ、そこの点につきましては、程度の差はございますといたしましても、従来の商品に関する商標についても同じでございまして、やはり商号が商標として登録出願されるかされないかといったような問題があるわけでございます。 そこで、既に現行の商標法の中に、商標と商号の関係に配慮した規定がございまして、それをちょっと簡単に申しますと、商標登録を受けることができないものを列挙した第四条第一項というのがございますが、その中で他人の名称などはその他人の承諾がなければ登録を受けられないという規定がございまして、その中に商号が含まれておるわけでございます。したがって、他人の商号はその他人の承諾がなければ商標としてほかの人は登録できないというか、他人の承諾がなければ本人は登録できない、こういう話になるわけでございます。 それから、仮にその商号が商標として登録されてしまったケースが生じた場合でございましても、実は第二十六条第一項という規定がございまして、その商標権の効力が他人の商号には及ばないように、こういう規定がございます。また、御承知のとおり今度のサービスマークにつきましては経過措置といたしましていわゆる継続的使用権という、法施行後六カ月経過する前から使っておりますれば継続的に使えるということもございますので、こういった継続的使用権によっても、商号をサービスマークとして用いるものは守られるという形で調整が図られることになっており ます。
○権藤委員 サービス事業者の中には、自分の商号をサービスマークとして出願するケースも多いと思います。これからの出願がそのまま登録されてしまいますと、今お答えいただいたわけでございますが、もう一回念を押して聞いておきたいと思います、全国的に非常に強い権利が及んでくると思います。したがいまして、地方の市町村の範囲内で同じような商号を今までは何の争いもなく平和裏に使っていたわけでございますが、それが変更を余儀なくされるというような、そういう不都合が生じる場合があると思うのでございますが、これらについて十分に周知なり啓蒙していく必要があると思います。具体的にどのようなことをお考えになっておるか、御説明をいただきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま法的な側面については若干申し上げたわけでございますが、やはり実務上も、商号が商標として登録されてしまって、そして思わぬことが生じないようによく注意をしないといけないと考えております。現在も、商号がそのように登録されない、あるいは不当な登録がなされないように、熟練した審査官が非常に目を配っておるわけでございますが、さらに今回サービスマーク制度を導入するに当たりましては、特に予算措置をいたしまして、そしてNTTからちょっと協力と申しますか、そちらから資料などを購入いたしまして、全国の政令指定都市の電話帳のデータをざっと打ち出したものを買いまして、その中から、これは商号的なものがたくさん入っておりますので、それをリストアップして、そして先生がおっしゃったような問題が生じないように実務上も十分に注意していきたい、こういうことも考えておる次第でございます。
○権藤委員 それから、外国のサービス事業者等との関係についてでございますが、今回のサービスマークの登録制度の導入につきましては、諸外国からも強い要請があっておるようでございます。まさにウルグアイ・ラウンド等での知的所有権の問題がこれであるわけでありますが、また外国のサービス事業者も、我が国におけるサービスマークの保護が十分ではないということで、相当不満を抱いておるというということは聞いております。 それで、具体的に今日まで日本に対しましてどのような要請や不満が寄せられておったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○植松政府委員 御案内のとおり、米国を初めといたしまして最近の世界情勢、経済が大変グローバリゼーションが進んでおるということを反映するのと同時に、それぞれの貿易収支あるいは国際収支のこともありまして、割合知的所有権、工業所有権の面での保護のレベルを上げるということが国際的な課題になりつつございます。サービスマークも商標の一部として国際的に諸外国、既に八十八カ国がサービスマークの登録制を導入いたしておりまして、先進国の中ではスイスと並んで日本だけが取り残されておるという状況でございます。 こういうことを反映いたしまして、特に一九八八年以降米国の国内における知的所有権あるいは工業所有権の保護の強化を国内でも図ろう、また世界市場においても強化を図るべしという米国の世論の動向が強まりまして、またそれを受けてヨーロッパ諸国でも同様な動きが出始めるというようなことから、我が国に対しましてサービスマークの登録制を導入すべしという要請が強まってきております。 例えば、一九八八年の八月でございますが、日米貿易委員会の知的所有権作業部会におきまして、商標に関する関心事項といたしましてサービスマークの登録が欠如しているということが挙げられておりますし、その後国務省のカントリーレポート、これは八八年あるいは八九年それから九〇年、さらに九一年、ことしの一月にも同様のレポートが出されておりますが、その中にもサービスマークの登録制がないということが指摘をされております。また、USTRのレポート、これは外国貿易障壁に関するUSTRのレポートでございますが、この中でも日本においてサービスマークの登録制がないということが指摘をされております。この状況は、本年になりましてからも同じようでございまして、たまたまこの三月に出されました外国貿易障壁に関するUSTRのレポートにおきましても、サービスマーク保護のための商標法改正につきまして強い関心が示されておるというような状況にございます。 また一方、EC関係でも、日・ECの不正商品専門家会合、また日・ECの貿易問題作業部会、それぞれ一九八八年末あるいは一九九〇年の七月に行われましたそれぞれの会合で、やはり我が国にサービスマークの登録制がないということが指摘をされております。 なお、外国の具体的なサービスマークをめぐりまして、日本の国内市場におきましてもそれが模倣されてフリーライドされておるというようなことで、不正競争防止法を根拠に具体的に訴訟に持ち込まれているような事態もございます。
○権藤委員 今、御説明があったとおりでございます。そのような要請や不満の背景には、現在トラブル解消のためには幾つかの方法がとられておりますけれども、この不正競争防止法による保護だけでは必ずしも十分でないということがその結果としてあらわれておるわけでございます。 そこで、具体的に不正競争防止法による保護だけではどのような点に限界があるのかどうか、もう少し詳しく御説明をいただきたいと思います。
○植松政府委員 不正競争防止法によりまして訴訟が既に起こされていると申し上げましたが、この不正競争防止法によりましてサービスマークの保護を図ろうとした場合、現在の不正競争防止法におきましては、それぞれ不正の競争行為に対しまして差しとめの請求権ですとか損害賠償請求権、さらに信用回復措置請求権といったような民事上の請求権を与えるような条項がございます。 ただ、問題点は幾つかございまして、それが今日サービスマークの登録制の導入をすべしという声につながっておるわけです。 一つは、サービスマークが不正競争防止法で保護されるためには、訴訟におきまして被害者の方が自己の営業上の利益が害されるおそれがあるということをまず立証しなければならないということ、それから、自己が使っておりますサービスマークが周知のものであるということでなければならない。こういった点で、特にサービスマークが周知であるということを立証するという点から申しますと、まだ我が国の国内市場に進出して間もないもの、あるいは国内でも中小企業などで、成長、発展途上にはありますがまだまだ十分な宣伝が行き届いていない、こういうようなものでございますと、不正競争防止法上は保護されません。さらに、その周知のマークにつきましても、損害賠償請求あるいは信用回復措置の請求をするに当たりましては、侵害者の行為が故意または過失に基づいているということを立証しなければなりません。 こういった点から、商標法の登録による商標権の保護に比べますと、時間的にも金銭的にもかなりの負担をこうむるということになりますし、また時間的におくれるために、被害の未然防止あるいは拡大の阻止に支障を来すというようなことになるわけでございます。 御案内のとおり、商標法におきましては、マークを登録しておきますと指定商品あるいはその類似商品、サービスマークで申しますと指定または類似の役務、サービスにつきまして、他人がその登録マークを使用いたしますと直ちに商標権の侵害ということで差しとめ請求等ができるということで、簡易迅速な救済が図り得るということになるわけでございます。
○権藤委員 今回のこのような我が国のサービスマーク登録制度の導入の動きにつきまして諸外国はどのような評価をしておるのか。また、外国のサービス事業者の有名なマーク、これが無断で使用されているようなケースもよく見受けますけれ ども、サービスマーク登録制度が導入されますと、このような好ましくないこと、信用を失墜するような事柄が改善できるかどうか、その見通しについてお伺いしたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど長官が既に申し上げた点でございますが、アメリカの通商代表部、USTRでございますが、本年三月の終わりごろに出しました外国貿易障壁に関するレポートで、政府が本年の国会に法案を提出する意向であるということをはっきり書きまして、大変強い関心を示しております。それから、ニューヨークに本拠を置きますアメリカの商標協会というのがございまして、これは商標に関する法律家とか実務家とか学者などの団体で、世界的にも大変有名なところでございますが、そのアメリカの商標協会からも、日本政府が法案を国会で提案中ということで非常に結構だといったことが伝わってまいっております。そして、法案がなるべく早く成立すればいいというようなことも伝わってきておるわけでございます。ヨーロッパからも同じような反応が絶えずございます。 それから、先生おっしゃいました後段でございますけれども、確かに外国の有名なマークに対して、フリーライドとかいろいろ呼ばれますけれども、それを無断で使う、それで不当に利益を得る、こういったことは非常によろしくないことでございまして、先ほど長官が答弁申し上げましたように、従来でございますとサービスマークの場合は不正競争防止法で争うしかなかったわけでございます。それが今回サービスマークの登録制度が導入されることになりますれば、外国の企業がみずからのサービスマークを商標登録をいたしましたら、そのサービスマークと同じあるいは似たようなマークを類似のサービスとか商品にほかの人が使う場合にそれを差しとめたりすることができるようになります。それから外国がこっちへ登録をいたしませんでも、日本側の企業が日本でもよく知られている外国企業の有名なサービスマークについて商標登録出願をしようとした場合、登録を受けられないという法律的あるいは制度的な手当てもなされるという形で十分に守られるようになる、こうなっております。
○権藤委員 よくわかりました。 それから、外国では立体商標でありますとか色彩等につきましても商標として認められておるような例があるようでございます。我が国といたしましてもこれらの商標を今後保護の対象として取り入れていくのかどうか、その点はいかがでしょう。
○大塚(和)政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、確かに立体商標、例えば外食のレストランのところに立っている人形だとか、あるいは商品の場合でございますと薬の広告のための人形とかあの手の立体商標、これを登録対象としております国としては、例えばアメリカ、カナダ、フランスあるいはベネルックス諸国といったところがございますし、それからアメリカはこういった立体あるいはまた御指摘の色彩などについても非常に熱心でございまして、例えば薬のカプセルについてそのピンクの色を登録を受けつけたとか、あるいはこれはコダックのフィルムでございますが、あのケースの黄色の登録を受けつけたとか、これはイギリスなどで、むしろヨーロッパで登録された例でございますが、アメリカを筆頭にして非常に熱心でございます。ちょっと敷衍いたしますと、アメリカではさらに音の商標の登録をしたりしております。テレビの放送でチャイムでソミドという音を、それを商標として登録したとか、あるいは香りを登録いたしまして刺しゅうの糸などに、プルメリアの花をしのばせる新鮮な香りというのですけれども、それを香りとして商標登録したり非常に熱心でございます。 これに対して日本でございますが、私ども今度そのサービスマークの検討の際にいろいろな方の御意見を伺ったわけでございますが、確かにその立体商標に関して若干御意見のある方々もおられましたが、総じて言うと、まずはこのサービスマークをしっかりすることという御意見でございまして、今回のこの法案の提案をさせていただくに至ったわけでございますが、ただ国際的な動向といたしましては立体商標とか色彩などについてWIPO、世界知的所有権機関のいわゆるハーモ条約、ハーモニゼーションの条約だとか、あるいはガットのウルグアイ・ラウンドのTRIP交渉などでも検討の課題とされておりまして、日本の場合もこういう交渉に今非常に前向きに熱心に参加しておりまして、ぜひ今後国内のニーズとか国際的動向を踏まえながら十分検討いたしたい、かように考えております。
○権藤委員 今までいろいろとお伺いしました。このような新制度の導入ということで、いわば目先のきくような人が得をするようなことがあってはならないと思うわけでございます。そこで地域の隅々まで経過措置を含め制度について周知徹底がなされるように万全を期していただきたいと思います。また、特に一種のブローカーのような人がよさそうなサービスマークを先に押さえてしまいまして、そうして何らかの利益を得るというようなことがあってはならないと思うわけでありますが、これは考え過ぎかと思いますけれども、新しい制度でございますのでその点についても十分に配慮をしておく必要があると思いますが、何かお考えがございましょうか。
○植松政府委員 御指摘の点、我が国の商標制度は先願登録主義をとっておりますので、米国のような使用主義をとっておりません。したがいまして、先に出願した者が実際には使用していないにもかかわらず既に使用している者に対して優先をしてしまうというような事象、事態が起こりかねません。そこで、サービスマークの登録制度を導入するに当たりましても、まず経過措置について十分な対応をしなければならないということでいろいろな経過措置を講じておるわけでございますが、この経過措置も含めまして本来の制度につきましても、おっしゃられるとおり地域の隅々までよくこの制度が徹底、周知が図られなければならないということは言うまでもございません。 そこで、制度の導入に当たりまして私どもといたしましては、まず制度の趣旨、内容について全国それぞれ都道府県での説明会の開催を行う、さらに発明協会等の団体を通じましてまた普及指導事業を行う、これらのために必要な予算措置も講じてございます。それだけでなく、サービス業は中小関係の事業者も多いわけでございますので、商工会等の経営指導員あるいは中小企業団体等を通じましてもこのサービスマークの登録制度あるいはその経過期間の経過措置等につきまして十分な普及事業をいたすべく準備を進めております。さらに政府広報の活用等も含めまして施策、制度の普及の徹底に努めてまいりたいと思っております。 それから、いわゆるブローカーのような者が先に使用もしないのにマークを登録してしまって、本当に使いたい人が使えないというようなことがあってはならないわけでございまして、この点につきましては、先願登録主義をとりながらも、我が国の商標制度につきまして実は昭和五十年の法改正におきまして使用主義的な面での強化を図っております。例えば商標の有効期間が十年でございますが、十年たちましたときに更新の申請が参りましたときに実際にその商標を使っているかどうかというチェックをいたしますし、また十年たたないうちにおきましても不使用の商標については取り消し審判の請求ができるようになっております。それから、出願時におきましても出願人が自分の業務に係る商品についての商標であるということで業務記載の義務づけ等をいたしております。こういった制度をサービスマークについても同様に適用されますので、これらの制度の運用を十分に図っていきたいというふうに考えておりますが、今後、商標の登録要件といたしまして自己の業務に係るものであるということが要件になっておりますが、この辺の取り扱いも従来以上に厳格化できないかということで現在内部でも検討中でございまして、できるだけ御指摘のような問題 が生じないように努力をしてまいりたいと思っております。
○権藤委員 よく理解をいたしました。 今回のサービスマークの登録制度導入と今後予定されておる国際分類の主たる体系への移行によりまして当面の懸案に一応の対応が図られた、このように評価をいたしておりますが、商標制度等工業所有権をめぐる国際的な調和の動きはまさに進行しておるわけでございます。世界の工業所有権大国として積極的にこれらの動きに対応すべきと考えます。そこで、最後に大臣の御認識を承りたいと思います。
○中尾国務大臣 権藤委員にお答えさせていただきます。 最近の経済のグローバリゼーションと申しますか、その進展に伴いまして、工業所有権制度というものにつきましても各国が極力その内容を調和させて、保護のレベルを共通化させる必要性があるという声が高まっていることは委員御指摘のとおりだと思うのでございます。このためにWIPO、俗に世界知的所有権機関、こう申し上げておりますが、あるいはまたガットの場などで工業所有権制度の国際的ルールづくりが進められるべきではないかという声も上がり、なおかつ、それは進行中でございます。 我が国におきましては、かかる制度の調和に向けまして、サービスマークの登録制度の導入等、積極的に改善に努めているところでございまして、今後とも国際的なルールづくりに向けまして関係各国ともともどもに積極的に貢献いたしまして、これらの検討が十分なる成果を上げるように努力していく所存でございます。 以上でございます。
○権藤委員 御丁寧な答弁に感謝をいたしまして、少し時間があるようですが、以上をもって質問を終わります。ありがとうございました。
○奥田委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 本年二月二十七日付の日本経済新聞によれば、米国商標協会が日本を商標登録や登録手続で世界で一番問題のある国とする意見書をアメリカ通商代表部に提出したということになっております。この米国商標協会の指摘は当たっているのかどうか、まずお尋ねします。 日本はアメリカの圧力に大変弱いわけですが、本法はこのような外圧によるものではなく日本経済の今後の発展にとってどうしても必要なものだと言い切れるのかどうか、あわせてお尋ねをします。
○植松政府委員 今、御指摘の新聞報道でございますけれども、これは結論だけ申しますと、当たっている部分と若干誤解に基づく部分があるかと思いますけれども、この調査自身は米国の商標協会が昨年の夏でございます、一九九〇年の夏に会員の約二千五百社に対してアンケート調査をいたしました。これは登録制度や手続、それから使用の要件あるいは権利の失効、不正商品、四つのテーマにつきまして問題があると思った国をリストアップしてほしいというようなアンケート調査をしたようでございまして、全体では日本は五番目に頻度が高かったようでありますけれども、この登録制度、手続に関しましては日本が第一位であったということでございます。この点につきまして同協会に対しまして照会をしてみたところ、日本に対する不満というのは、一つはサービスマークの保護の制度がないということ、それから国際分類を採用していないということ、第三番目に審査の遅延、この三点が特に不満の原因であるというような情報を得ております。 一方、このサービスマークの登録制の導入でございますけれども、もちろん経済が国際化し、我が国の市場も開放していかなければならない、また外国の市場への日本企業の進出もますます積極化しているという中で考えますと、むしろサービスマークにつきましても諸外国と同様の制度を、登録制度を導入することが国際的にも必要であるという点がございますし、また我が国国内におきましてもサービス取引が著しく発展をし、しかもマスメディアの発展あるいは情報化、交通手段の発達という中でサービス業につきましても全国的な展開が図られ、また激しい競争が行われるという実態から申しますと、サービスについて使用しますマークについても他人の不正使用から守り、また消費者の選択におきましても適切に消費者が判断ができるというようなためには、サービスマークの保護につきまして商標と同様に登録制度を導入することが我が国の経済の発展、ひいては消費者の利益にも合致するということで御提案を申し上げたわけでございまして、我が国の経済の発展のために必要であるというふうに認識をいたしております。
○小沢(和)委員 既に特許庁としてはニース協定への加盟により、平成四年四月一日から、商標登録について国際分類を主たる分類とする体制に移行することになっております。今回の法改正によって、これと同時にサービスマーク登録制度も発足することになるわけであります。一度に二つも大きなことを実施するために現場に非常な無理をさせているのではありませんか。二つの準備作業を並行して進めるため審査官定数百十六名の中から十六名、これはすべてがこれに当たるというわけではないかもしれませんけれども、その人たちを抜いてプロジェクトチームをつくったと聞いております。その影響はてきめんで、残りの人たちが幾ら奮闘しても未処理件数は、昭和六十一年度三十五万百五十件だったものが六十二年度三十六万二千七百七件、六十三年度三十八万二千四百五十一件、平成元年度四十万六千九百六十三件とふえ続け、年ごとにその増加のテンポもふえているわけであります。要処理期間の方を見ると二年二カ月から二年九カ月に延びております。その間、庁舎の移転問題なども絡んでいたことは承知しておりますけれども、こうなった決定的な原因はやはり十六名も現場の処理業務から外したことではないのか。これを改善するために今どう取り組んでいるのか、次にお尋ねします。
○植松政府委員 ニース協定への加盟に伴いまして国際分類を採用するというそのための準備あるいはサービスマーク登録制度を導入するための準備というために、商標審査官が何人かそちらの事務に食われているというのは事実でございます。また、それがなければ商標の審査がもっと進んでいたであろうということも御指摘のとおりでございます。ただ、いずれも国際分類の採用あるいはサービスマークの登録制の導入、国際社会の中で我が国経済も国際化をしていくために必要でございますし、それぞれやはり国民のニーズであろうということで対応しなければならないということでございます。しかし、そのために本来の商標の審査がおくれるということではぐあいが悪いわけでございまして、私どももできるだけ審査官の無用と申しますか、比較的審査官に頼らなくてもできるような分野は例えば外注をするとか、あるいは審査官の仕事自身についても、できるだけ審査官の能率が上がるようなコンピューターの活用等につきまして、十分にそれを利用することによって審査能率を上げるというようなことができないかということで、従来からも大変工夫をしてまいりました。審査官のロードが実際に一番かかっておりますのが、既に登録されておりますあるいは出願をされております先行の商標、これの検索に非常に時間がかかるわけでありまして、この検索をコンピューターを使いましてできるだけ機械化し能率を上げるということを既に昭和五十三年度から実施を始めております。すべてというわけにいきませんで、文字商標関係が既にそれで稼働いたしております。図形の商標につきましては現在システムを開発中、図形は全体の中の二〇%程度でございますので、現在この検索の機械化によって相当の成果を上げつつございます。 また、機械検索に移すためにはデータベースをつくらなければいけませんが、このデータベース等はできるだけ外注により審査官のロードを軽減するということの工夫をいたしまして、それによって審査処理のおくれが出ないようにという努力、工夫をいたしておるところでございます。
○小沢(和)委員 次に、サービスマーク登録業務 の体制についてお尋ねをいたします。 あなた方の予想では、初めの六カ月間に八ないし十万件の出願が集中し、初年度は十ないし十二万件になる、以後は年間三ないし五万件で推移するということになっております。政府が厳しい定数削減を続けている中で、初めにきちんと要員を確保し体制をつくることが非常に重要だと思います。特にスタート段階で膨大な件数を処理しなければならないので、特別の要員配置などが必要になるのではないかとも思いますが、どのような要員、体制を考えているのか、お尋ねをします。
○植松政府委員 御指摘のとおり、サービスマーク登録制度を採用することによりまして、従来、商品について登録しております商標出願の上にサービスマークの出願がネットでふえることになります。私どもの試算では、今先生御指摘のとおり、初年度には相当数の件数が出てくるということが当然予想されますが、平年度ベースに直しますと三万件から五万件程度年間に出願が追加されるということになろうかと想定をいたしております。現在十七万件の商標出願が出されておりますので、その上に二割ないし三割程度の増加ということになるわけでございます。 先ほど御答弁申し上げましたように、一方で能率のアップということで機械検索がようやく本格稼働に入ってきているということ、それからデータベースづくりの方は、従来審査官が実施しておりましたのを外郭機関の方に外注いたしましてその負担の軽減を図るというようなこと、さらに、従来予備的な審査のための調査事項などについてはこれも審査官が実施しておりましたが、これも外郭機関に委託をするということで、仕事の中身、審査官の業務としては純粋に審査官でなければできない判断業務にできるだけ絞り込みまして、周辺業務は外注等によってカバーする、それから機械検索化をさらに徹底するということによって、両面から審査官のロードを軽くしながら増大します出願件数に対処しようということで考えております。 ただ、もちろん最終判断は審査官がするわけでございますから、これだけ出願件数が増大いたしますと、果たして審査が商標まで含めて遅延しないかどうかということについては当然の心配がございます。この点については、必要な人員につきましては当然これから確保に全力を尽くしてまいりたいということで、統合的な対策及び必要な人員の確保の二本立てで審査処理の円滑化を図っていきたいと考えております。
○小沢(和)委員 現段階では予測に基づいた要員配置しかできないわけでありますけれども、出願件数が大幅に上回ったりした場合には当然改めて増員を要求する必要が出てくると思います。また、機械の導入もするということを言われたんですが、その効果を過大に見込んで現場を苦労させるというようなことがしばしばあります。現に商標登録の機械検索システム、先ほど採用したというようなお話があっておりましたけれども、これなども検索結果リストの打ち出しが二、三カ月おくれるとか出願人名が空欄になっていたりして、今のシステムは使えないというような不信の声などもあるということも聞いております。ですから、現場にしわ寄せしないようにひとつ機敏にこういう点、対処をしていただきたい、このことは要望しておきます。 私がこの点に関連してもう一つお尋ねしたいと思いますのは、昨年末いわゆる特許出願のペーパーレス化を開始したわけでありますが、当時も当局は、電子出願と従来の出願との二本立てになれるまでは大変だけれどもしばらくすれば軌道に乗るというふうに極めて楽観的なお話だったわけであります。しかし、五カ月たった現在でも、直接の窓口である出願課の一部などは連日残業で追いまくられていると聞いておりますが、この解決のため今どうされているか、見通しはどうなのかということもこの機会にお尋ねをいたします。
○辛嶋政府委員 ペーパーレスに伴いまして、御承知のとおり出願人はおのおの番号をつけて申請する、こういう仕組みをとっております。これをいわば識別番号と我々言っておりますが、識別番号を付与してこない場合には私どもの方で職権で識別番号を付与するというような手続が必要になってまいります。あるいは、識別番号を持っているにもかかわらず書いてこないというような場合にはまた我々はそれを調べて識別番号をつけるというようなことが必要になってきまして、それらの数が予想より非常に多いということ、あるいは、包括委任状というのを弁理士に与えることになっておりますが、その包括委任状の提出件数が予想以上に非常に多いというようなことで、現在出願課では残業が続いているという実態でございます。 私どもは、人員面での増強対策あるいは申請人に対して例えば識別番号を書いてくるようにというような指導をしたりして解決していきたいと思っておりまして、現在のところこれは、要するに識別番号の付与とかあるいは包括委任状というのは当初の問題でございますので、次第に解消していくと思っております。
○小沢(和)委員 では、これで最後にしたいのですが、大臣に今後の商標審査の体制全体の強化についてお尋ねをいたしたいと思います。 先ほど私がいただいた資料を見ますと、欧米各国に比べて我が国の商標審査の体制が余りに貧弱であります。アメリカは出願件数七万六千八百三十に対して審査官が百三十三名。ですから、審査官一人当たりの件数が五百七十七件であります。西ドイツは二万九千七百一件に対して三十八名ですから一人当たり七百八十一件。イギリスは三万七千九百九十七件でありますから、八十名ですと一人当たり四百七十四件。これに対して日本は十七万二千八百十三件、これを百十七名で処理しておりますから千四百七十七件ということで、大体イギリスの三分の一以下です。ところが、審査官以外の要員も含めて比較をしてみますと日本はイギリスの約八分の一というような状況です。余りにも違いが大き過ぎるわけであります。今後も審査官たちに無理をさせて、それでカバーをしていくというようなことでは、私は、経済大国日本という看板が泣くと思うのです。この際、ぜひ抜本的な要員の拡充を行って、この面でも欧米並みの水準に緊急に引き上げていただきたいと思いますが、大臣にその決意があるかどうか、最後にお尋ねをいたします。
○中尾国務大臣 よく行政改革という言葉を使いますが、行政改革というのは、これはやるべきところはぴしっとやってむだ遣いを省くということが肝要でありましょう。しかし、必要なところを何も行政改革して、そして国民にある意味において負担をかけさせたり、また遅滞をさせたりなどということをすること自体が行政改革の本義ではないと私は常日ごろ思っておるのです。 私は、自分のことを申し上げて恐縮でございますが、先ほど和田委員の質問にもお答えしたいと思いましたが、時間の関係ででき得ませんでしたが、かつて十二、三年前に私の所属する政党で、外交関係で、ともかく外交官が、イタリアが五千名おるのに日本は二千四百名という時代がございまして、こんなことで本当の外交ができるのかということで外交機能強化委員会というのを私はつくりました。自分が言い出しっぺでありましたから私が初代の委員長にもなりまして、そしてどんどん、年々歳々ふやしていきまして、現在四千八百名ぐらいになったでしょう。私はそうやるべきものだと思うのです。政治家である者、当然のこと、必要なことをやるんだという決意でやることが必要であって、先ほど来お言葉にございますように、日本は一人当たりが千四百件以上片づける、イギリスは一人当たりがその三分の一で済んでいる。そんなべらぼうな話はどこにもないんで、そんなことでもって本当の意味で行政として国民のために任に当たっておるのか、こう言われたらばノーと返事をせざるを得ないわけでございますから、これは、私ども命がけでやらなければいかぬ。 現実の段階で、私は今まで特許庁にも余り関係ありませんでしたから知りませんでしたけれども、所管大臣としてこれを預かる立場上、私は全 力を挙げていそしみますし、それから努力もいたしますし、商工委員会の先生方にもお頼みいたしますから、どうかそのときには私も旗振り役の一人に加えていただいて、全力を挙げて予算の計上に努力をしたいと思っておりますが、よろしくお願いを申し上げたいと思っております。私の決意の一端を述べました。
○小沢(和)委員 終わります。
○奥田委員長 高木義明君。
○高木委員 商標法の一部を改正する法案につきましてお尋ねをいたしますが、私は主に三つのポイントからお尋ねをしてまいります。 まず今回のサービスマークでありますが、いわゆるサービスを識別するサービスマークを登録をして法的に保護をする制度をつくる、このことがサービス産業の発展あるいは需要者利益の擁護、こういうことにつながるものでありますので、私はその点、理解を示すものでございます。とりわけ、情報化社会あるいは国際化社会と言われておる今日、このことは特に要請をされることだろうと考えておるわけでございます。 そこで、まず大臣にお伺いをしておきますけれども、今回のサービスマークの登録制度の導入というのはむしろ遅きに失した感があるというふうに考えております。しかし、このおくれた理由の一つには日本人の知的所有権に対する認識の低さがあるという声もございます。もしそうであるとするならば、我が国は、御承知のとおり、いわゆる世界の中の経済大国、そしてまた国際社会においての工業技術先進国であることは間違いないわけでありますから、そういうものに対して、この意識の低さといいますか、認識の低さがあるとすればそれは情けない話ではないか、こういうふうに思っております。今後は、この工業所有権の分野におきましてもむしろ世界においてのリーダーシップをとるべきではないか。そういう意味では、今後まさに啓蒙活動、そういう努力が必要ではないかと思っておりますけれども、今回までにおくれた理由を踏まえての大臣としての所見をお聞かせいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 高木委員にお答えいたします。 おくれた理由のことについて少し寸足らずの点がございましたら、これは政府委員に後で補わせますが、私自身は、従来欧米諸国に比しまして我が国の知的所有権に対する認識が低いという指摘があることは事実であろうと思います。また、委員のお示しになられた見識はほぼ正しい、こう私も思うのでございます。 そういう意味において、近年における我が国の技術革新あるいは経済発展というものは目覚ましいものがございます。今や世界のGNPの一五%程度を占めているということを見てもこれはもう明らかにわかるわけでございますが、特許、実用新案の出願件数も平成元年度で約五十万件と、世界の約四割を占めるに至っておるわけでございます。他方、経済のボーダーレス化が進展する中にありまして、工業所有権制度及びその運用につきましても、国際的ハーモナイゼーションといいますか、国際的調和を図ることが強く求められておりまして、御指摘のとおり、今や経済大国であり、経済の国際化を進めている我が国がかかる分野において積極的な役割を果たすことを期待されておることは十分認識しておる次第でございます。 このような観点から、我が国としましては、世界知的所有権機関、WIPOあるいはガットなどの場におきまして積極的に参画してリーダーシップを発揮していくことが極めて重要であり、そのイニシアチブをとっていくことに私どもやぶさかではない、この決意の一端も述べておきたいと思う次第でございます。 以上でございます。
○高木委員 そういう立場で今後ともひとつ御努力をいただきたいと要望しておきたいと思います。 次に、審査に当たっての透明性の確保という観点からお尋ねをしてまいりたいと思いますが、このサービスマークにつきましては、これまでのいわゆるトレードマーク、商標と同じような枠組みで適用されるわけでありまして、審査についても基本的には商標と同様に行われると聞いております。商標の審査におきましてはもちろん審査官の責任というものが重大でありますが、そのための研修とかあるいはもろもろの条件整備というのが必要であると私は考えるわけでございます。 一方では、その際、当事者あるいは第三者、こういった方々の意見も十分に反映されなければならない。いわば審査の透明性あるいは客観性、こういうことが確保されてしかるべきであり、またされなければならないというふうに思います。 そこで、今回の経過措置におきましてはマークの知名度についての判断が重要になるわけでありまして、特に用語としても著名であるとか周知であるとか、同じような言葉でも意味はかなり違うような表現がされておりますが、そういう判断が重要になるケース、大企業あるいは中小企業、あるいは、中央において、地方において、こういう多岐にわたっての一つの見識というものも持ち合わさなければならないわけでございます。そういう意味で、特にこの辺は大丈夫なのか、そういう気持ちがしてなりません。したがいまして、十分な審査の透明性が確保できるかどうか、その点について率直なお考えをお聞きをしておきたいと思います。
○植松政府委員 三つの点の御指摘がございましたが、まず第一点の職員の審査官の研修でございますが、御指摘のとおり基本的にはトレードマークの商標審査と同様でございますけれども、対象分野が新たなサービスということでございますので、特に類似役務あるいは指定役務の区分の仕方等については十分に徹底を図らなければなりません。そういった点から、特許庁には工業所有権研修所というのがございまして、それぞれ職員の研修をふだんから行っておりますが、特にサービスマークの登録制の実施に当たりましてこの研修所を活用いたしまして、十分審査基準等につきまして審査官に徹底を図ってまいりたいと思います。 第二番目の審査の透明性の問題でございますが、御案内のとおりサービスマークの審査につきましてもトレードマークの商標の場合と同様でございまして、それぞれ出願を審査いたしました場合に、登録要件に反するというようなことで審査の結果登録を認めない、つまり拒絶をする判断をする場合がございます。こういう場合には、出願人に対してその拒絶の理由を明らかにいたしまして、出願人に意見を述べる機会を与え、意見書が出されれば再度審査を行うようなシステムにまずなっております。逆に、今度は拒絶の理由がないということで登録をいたします場合には、これは出願公告をいたしまして商標公報に掲載をいたしますが、その上で第三者から登録について異議があれば登録の異議の申し立てができるようなシステムになっております。 最後に、経過措置につきまして、知名度等の判断基準についての透明性の確保でございますが、この点につきましては、審査基準をつくって、その審査基準に基づいて個々の判断をいたすわけでございますが、その審査基準につきましては、関係業界あるいは弁理士会等関係者の意見を十分に聞きながら審査基準あるいは類似役務の審査基準等つくっておるわけでございまして、それぞれ素案ができますとこれを公表し、意見を聞き、最終的に固まった際にはまたこれを公表して周知徹底を図るということをいたしておりますので、そういう意味でも透明性が確保できるのではないかというふうに考えております。
○高木委員 知名度の判断基準でございますが、今後審査基準をつくるということでございますので、中央のみならず地方におきましても、あるいは大企業のみならず中小企業、零細企業を含めまして十分な透明性が確保されるように、客観性が確保されるように、私は今後の対応を望んでおきたいと思います。 次に、三点目の質問になるわけでありますが、いわゆる審査期間の問題でございます。現行法のもとで管理している商標の場合におきましても、申請されてから登録がなされるまで大体二年半以 上の期間がかかると聞いておりますが、これは本当でしょうか。もしそれが本当であれば、何が理由なのか、まずお尋ねをしておきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 まさしく高木委員御指摘のとおり、私たちが持っております最新の、平成二年の資料で審査処理期間三十一カ月、つまり二年七カ月ぐらいでございまして、先生がおっしゃった数字に一致しております。確かにこれはアメリカとかヨーロッパ諸国に比べればかなり長い期間でございます。 その理由でございますけれども、一つは、出願件数が日本の場合大変に多くなっております。年間平均いたしまして十七万件ぐらい出ております。これはアメリカの約三倍でございますし、イギリスの五・五倍、西ドイツに比べれば六・六倍という大変に多い出願があるわけでございます。それに対しまして片方で、審査する側でございますけれども、審査官の人数がかなり減ってきておりまして、そして一人当たりの処理件数では世界の中で際立って多く処理をしておるのです。大変健闘しております。しかしながら、やはり出願には追いつかないという形で現在かなり審査期間がかかっている、こういう事情でございます。
○高木委員 ただいまの御答弁を聞いてもわかりましたけれども、サービスマークにつきましても、商標と同じ手順を踏むのであればまた同様の事態を招くであろうと私は予測するわけでございます。せっかく法を改正してサービスマークについても登録をしていくのですから、この際、法案の中に、ある意味の審査期間に関する縛りを入れたらどうかというふうに思うわけでございますが、その点どうでしょうか。
○大塚(和)政府委員 ただいまの御指摘でございますが、先ほどちょっと触れましたように国によりまして出願件数なんかも非常に違いますし、あるいは審査官数も違いますし、一人当たりの処理件数も違います。あるいは審査をどれだけしっかりやるかという制度的な違いもございます。したがって、これをストレートに比べましてどの程度が適正かというのは非常に言いにくいところでございます。 それから、こういった期間というのは大変不確定要因に左右されるわけでございまして、例えば私ども今大変コンピューター化を進めておりますが、そういったことが効果をまたさらにあらわしますと、いわば分母の方、つまり処理する分母が大きくなりまして、滞貨の分がいわば分子でございますからそこはどんどん縮まってくるとか、そういう要因が非常に積み重なって出てくる結果としての数字が処理期間に当たります。したがって、処理期間を法律的にある一定に縛ったところで、それを達成するというのはいろいろな要因の組み合わせ等の結果として出る数字でございますから、これはかえって努力目標的に私どもが心の中で思って一生懸命努力をするという性格のものではないか、かように考えております。
○高木委員 行政として審査期間はおおむねどのくらいが適当だと考えておられるのか。できれば諸外国のケースを含めてお答えいただきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 少し古い資料でございますが、世界知的所有権機関、WIPOが調査いたしました資料、これは八八年の暮れに入手したものでございますが、それによりますと、各国の商標の審査処理期間は、アメリカの場合十四カ月、イギリスが十八カ月、フランスが十八カ月、カナダが二十一カ月、西独が十八カ月、それからオーストラリアが、これは日本より長いようでございますが三十三カ月ということになっております。 それで、この期間でございますけれども、先ほどちょっと触れたところでございますが、各国によってどこまで審査をするかといった制度的な差がございます。例えばフランスは無審査国といってよく例に挙げられる、イタリアなどもそうでございますが、ある程度の方式的な要件を満たして、あとは簡単なチェックでおしまいにしたりいたします。そこで、その場合の審査処理期間と、それから日本のようにしっかりした審査をする国の審査処理期間というのは、そのまま並べて論じられないところがございます。したがって、私どもの審査処理期間について、外国を例にしてこれぐらいでなければという感じというのはちょっと私たちとしては持っていないと申し上げたいと思います。
○高木委員 時間も参りましたので、この制度が十分に機能できますようにそれぞれの御努力をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○奥田委員長 菅直人君。
○菅委員 今回の改正はサービスマークの登録制度を導入したということで、主要国においては既にほとんどの国がもうこの制度を持っているということを見ますと、率直に言って今回の導入は遅過ぎたのではないかという感じがいたしております。しかし、そのことはもう今さら言っても仕方ないことですので、今回の登録制度についての幾つかの点をお尋ねしたいと思います。 サービスマークは、ある意味ではこれまでの商品に係る商標の場合と異なって商号とダブるケースがより多くなると思います。商号登記においては大体二、三週間で法務局の方からの結果が出るというふうに聞いておりますが、現在、商標の出願に関しては先願のものの公開が半年近くかかるというふうに理解しておりますけれども、この先願の出願をもっと早く公開できないものか。例えば二、三カ月というぐらいで公開できないものか。この点についてまずお伺いをしたいと思います。
○大塚(和)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま菅委員御指摘の商号登記でございますが、これはもう菅委員よく御承知のとおり、同一の市町村内での排他的権利というのが基本になっております。したがって、いわばサーチをする範囲というのは非常に狭いものだと考えております。商標の場合は、もちろん全国的な権利でございますので、大変複雑で精緻な審査制度というものを経てまいります。したがいまして、その期間二、三週間と商標の期間というのを比べるのはなかなか難しいことかもしれませんが、おっしゃいました出願の速報の期間でございますけれども、やはり御指摘のように六カ月程度かかっておるわけでございます。これは、特許庁の中で方式審査をいたしましたり、あるいは出願審査カードを作成いたしましたり、あるいは外部に委託して称呼を起こしたり、そういう非常に長いプロセス、どうしても時間をとるプロセスを経て、そしてそれが編さんされて出されるわけでございます。したがって、私どもこれを今なるべく短縮しようと思っておりますが、現在のところ残念ながらそれぐらいかかっているというわけでございます。 今後のサービスマークについて、それではどうかということでございますが、現在のような速報を出す体制がまだ、デザイン保護協会を中心とするような体制がございませんので、どうやろうかということを今一生懸命考えております。その場合、その速度がなるべく早く民間の利用に供せられるようにというそういった観点から、部内のプロジェクトチームにおいて既に検討しております。一生懸命ここは考えてみたい、かように思います。
○菅委員 商号の制度と商標の制度が違うから長くかかる、それは理解できないわけじゃないのですが、私が申し上げたのは、例えばお店などをつくる場合に、同じ名前を商号に使うと同時にサービスマークに使おうというケースが、これまでの商標以上にそういうケースが多いであろう。だからそういう意味で、例えば新しい会社をつくるときに商号と同時に同じサービスマークもとろうというケースがふえると思われるので、一方商号登記はしてみたけれども、株式会社はつくってみたけれども、サービスマークは出してみたけれども、後になってだめになったということのケースにならないように、そういう点も含めて、できるだけ制度を合わせるべきじゃないか、あるいは合わせるように努力すべきではないかという意味ですから、その点をよく念頭に置いて努力をしていただきたいと思います。 それから第二点として、今度は新しい制度の導入ですから、当然審査基準や運用指針等また新たにいろいろとつくられることになると思うわけです。そういう点で、実際にサービスマークを使用している人とかいろいろな関係者、民間の意見を含めて、広く意見を聞かれてこういうものをつくられるべきだと思いますが、その点についての見解を伺っておきたいと思います。
○植松政府委員 新制度を導入いたしましてそれの円滑な運用を図るためには、また新たな審査基準、運用指針等をつくってまいらなければなりません。既に現段階でも審査基準、これは役務の区分に関するサービスマークの審査基準と同時に類似役務の指定のための審査基準、こういったものも現在素案をつくり、関係業界、団体等に提示いたしまして意見を伺いながら最終確定を急いでおるところでございます。そういう意味で、先生の御指摘のとおり審査基準等については素案の段階から関係方面の意見を求めながらよりよいものにしていくということで、広く意見、要望を承りながらまとめていきたいと考えております。
○菅委員 それと、今回のサービスマークの導入と並行するのかしないのかわかりませんが、国際分類の導入という問題が検討されていると聞いております。これは、このサービスマークの導入と軌を一にして国際分類を導入されるのか、その点明確にしていただきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 御指摘の国際分類でございますが、ただいま副次的体系として使用しておりまして、それを主たる体系に移行する。これは私どもは、できればサービスマーク登録制度を実施することを希望しております来年度当初、つまり来年の四月一日からこの主たる体系の移行についても同時にできれば、かように考えております。
○菅委員 なかなか大変な作業だと思いますが、その意欲を買いたいと思います。 それから、この制度の導入に伴って現行の商標法の幾つかの問題点、改革をされた面もありますしまだされていない面もあるように思います。一つは、更新登録の出願期限が期間満了時まで認められるということは、これは前進であったというふうに思っております。しかし、まだ幾つかの問題点があると思います。三点、私の方から申し上げますので、時間が余りありませんから一括してそれぞれお答えをいただきたいと思います。 一つは、現在の連合商標制度を使って実際には使われていない商標を存続させる、更新とか取り消し審判の対象から外れるという形で利用している、こういった意味で連合商標制度の権利の乱用に当たるのではないかという感じがする面があるように思います。この点についての見解が第一点です。 第二点は、いわゆる類似範囲について排他権を認めている三十七条の「侵害とみなす」という範囲ですけれども、これも同じように、使用されていない商標であっても使用されている商標と同じように排他権が認められる規定になっていて、若干行き過ぎではないか。たしか弁護士会かどこかから、「みなす」という規定をせめて推定をするという規定にして反証を認めるべきではないかという意見も出ているようですが、この点が第二点です。 第三点は、商標権の移転に伴う条件として、日刊紙への公告が必要条件と現在の法律ではなっております。しかし、実際にはこのことは形骸化をしておりまして、実際のマークは表示されないで書誌的事項だけが業界的な新聞に載せられているという状況が現状ですので、これなどは完全に廃止する、あるいは廃止しない場合には公報への掲載などで十分ではないか、このように考えます。 この三点について簡明にお答えをいただきたいと思います。
○大塚(和)政府委員 ただいま御指摘の初めの二つでございますが、これはいわばそれぞれ意味のある制度、しかしながら、それについてはある程度弊害も生ずる可能性があるという点だろうと思います。連合商標の制度につきましても、これは非常に意味があると思いますけれども、確かに御指摘のような点というのはしばしば指摘されております。そこで、この点は実情をよく調査いたしまして、関係業界への行政指導ということを私どもはやっていきたいと思います。そして、その結果次第ではございますけれども、不使用商標を法的にどう扱うか、連合商標制度との関連を考慮しながら必要に応じて検討したい、かように思います。 それから、二番目の不使用商標でございますが、おっしゃるとおり現在の商標法の三十七条というのはかなり強い規定、みなし規定になっております。それを推定のように少し和らげたらいかがという意見が日弁連等からございました。それにつきまして、審議会の関係の方々に非常に広く諮ったところ、やはりこれは従来の商標の権利にも非常に影響するところから、今回はちょっと大き過ぎるということで見送ったりいたしました。しかしながら、いずれにしても、こうした点につきましても今後ぜひ検討対象としていきたいと思っております。 それから、最後の移転公告の点でございますけれども、これは菅委員御高承かと存じますが、昭和三十四年法で、商標を営業と切り離して譲渡を認めるということにいたしましたときに、そのことを一般大衆に周知させるということで、こういう公告ということ、これは法務省からの強い要請もありまして設けたものでございます。やはりそれなりの立法趣旨に沿ったものでございますので、それなりに意義があると考えておりますけれども、これもぜひ実態について十分調査の上、取り扱いについて検討したい、かように思います。
○菅委員 三番目の移転公告については、実態そのものが極めて形骸化をしておるというのは、これは多分だれが見ても明らかだと思うのです。とてもそれを一般消費者が見て、ああ、これはAという会社からBという会社に商標が移ったから今度はこの会社じゃないものだな、なんということがわかるような、それはいわゆる朝、毎、読なんかにこんな大きな広告を打つならともかく、私などもうほとんど見たことがないようなところでしか出てないわけです。ですから、そういう法律的な趣旨はわかりますけれども、それをさっき言いましたように公報への掲載のような形で変えていくということも検討していいのではないか。この点は検討するということですので、一応そこにとどめておきたいと思います。 最後に大臣、先ほど来私も同僚委員のいろいろな質問を聞いておりましたけれども、大臣も通産大臣になられて日米構造協議のいろいろな側面での最前線に立たされておられると思います。ある意味で工業所有権制度は、そういった日米間だけではなくて、まさに国際的な問題の真っただ中にあると言っても決して言い過ぎではないと思うわけです。先ほどからWIPOとかガットの話を大臣もいろいろされておりますけれども、率直に言って日本の商標ないし特許、こういった問題に対する対応は、どこかの国が言ったことに対して状況対応的に何とかついていくというか、そういうところはありますけれども、日本の方から積極的に、こういうふうにいこうじゃないか、こういう形で調和を図っていこうではないかということを主導的にやっているのかというと、必ずしもそういう感じが率直に言ってしないわけです。 しかし、先ほど来大臣自身あるいは長官自身言われているように、特許、実用新案にしても世界の四割を占め、あるいは商標の出願にしても大変大きなウエートを占めているわけです。そういう点でもう少し我が国が構想を持ってそういった国際的な調和に対して主導的な面も発揮していっていい場面が多いのではないか、こういうふうに思いますけれども、そういった面での大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 私も菅委員に率直にお答えいたしますが、特許庁が通産省の中にあって、特に知的所有権的なこういうものが、ある意味においてはこんなにまで遅滞しているものなのかということを今さらながら知るのはおかしな話でございますが、一番極端に言うならば、率直に印象を言え というならば、私自身はこんなにも人数が足りないところでこんな形でやっておったのかな、どちらかというと日本人の特有性としてはブレーンストーミングというのでしょうか、クリエーティブな頭、創造力というものに欠けているというのが日本人、それがこんなにまで特許の件数が多いのかということにまず唖然としたということがあったわけでございまして、それだけに私としてもこれは急ぎ、なおかつこの問題には取り組まなければならぬなという決意には燃えているわけでございます。 近時の経済のグローバリゼーションの進展に伴いまして、工業所有権制度につきましても、各国が極力その内容を調和させて、保護のレベルを共通化させる必要性が高まっているということは現実の姿でございます。このために、先ほど委員御指摘の世界知的所有権機関WIPOあるいはガット等の場で工業所有権制度の国際的ルールが現在進行中で、目下進められておるわけでございます。我が国におきましては、かかる制度の調和に向けましてサービスマーク登録制度の導入を積極的に取り上げて、また改善に努めていかなければならぬところであるな、このように認識する次第でございます。 今後とも国際的ルールづくりに向けまして関係各国とともに積極的に貢献いたしまして、なかんずくちょうど五月ごろから十月ごろまでが国際会議の非常に多い場面でございますから、あらゆる場面でそれを生かしながら、これらの検討課題を十分に成果を上げるように努力してまいる所存でございますと同時に、決意の一端を述べさせていただきました。
○菅委員 それでは、終わります。
○奥田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○奥田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 商標法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○奥田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○奥田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、甘利明君外五名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 商標法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 サービスマーク登録制度の導入に当たっては、関係事業者等にいたずらに不安を抱かせることのないよう、本法の内容等を周知徹底するとともに、出願人等の事前対応が可能となるよう審査基準を速やかに策定・公表すること。 二 サービスマーク登録制度の導入に伴う登録出願の増加に的確に対処するため、効率的な事務処理体制の整備を一層促進するとともに、審査官等必要な人員の確保を図ること。 三 国際分類への移行に当たっては、出願人等の負担を極力軽減するため、移行表、審査基準を速やかに整備し、出願人等に対する周知・指導・相談事業を適切に実施するとともに、商標検索システムの早期構築に努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 甘利明君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○奥田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、中尾通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾通商産業大臣。
○中尾国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、万全を期する所存でございます。ありがとうございました。 ─────────────
○奥田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○奥田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時四十二分散会