商工委員会 第7号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/06
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、再生資源の利用の促進に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森本晃司君。
○森本委員 きのうから我が国にとって大変大事な、言うならばごみ問題、さらにいかにリサイクルをしていくかということを御討議いただいておりますが、私もきょうはいかにリサイクルをすべきかという、政府の法律に対して質問をさせていただきたいと思います。 我が国の経済が大きく発展するにつれまして、豊かになればその反面、物を簡単に捨ててしまうという流れが今でき上がってまいりまして、東京都初め全国、大変なごみ問題が大きな課題となっているわけでございます。このままいけばごみに酔うとかあるいはごみに埋もれてしまう日本列島ということにもなりかねないのではないかと思います。一方、このごみは私たちにとって大事な資源でもあります。捨てればごみ、生かせば資源、あるいはまた分ければ資源、まぜればごみ、こういうふうにも言われるようになっておりますが、いかにこの大事な資源をごみとして捨てないで社会にまた還元していくかという点でございます。私はこういった今抱えている課題で私たちがリサイクル社会を構築しなければならないということはもはや我が国の国民的合意の段階に入りまして、今はいかに公平にリサイクル社会を構築するかという具体的な取り組みの段階になったのではないかと思います。 そこで、法律論に入る前に基本的な考え方を私自身も認識しておきたいと思います。私は、このリサイクル社会の構築に関しては環境と経済の両立に配慮するという基本理念が確立される必要があると考えております。ただ資源を経済的に生かすという形だけではなしに、いかに環境を保全するのか、こういったことがこのごみ問題のリサイクルとあわせて考えなければならない問題と思います。基本的理念について大臣のお考え方を伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 森本委員にお答えさせていただきたいと思います。 特に環境と経済の面そのものの両立に配慮する基本的理念を問うというお尋ねでございますが、再資源化ないしは再資源そのものの利用というものの促進が進めば進むほど資源の有効利用というものによる経済社会に多大な便益がもたらされるということは、先ほどの御指摘のとおりだと思います。全体として経済社会が及ぼす環境への負担が低減されまして環境保全にも資することになることも、これまた事実として認めなければなりません。したがいまして、生産、流通、消費、その各段階におきまして再資源化が実現される経済社会においては、環境と経済は相対立する概念ではなくしてその両方に望ましい成果がもたらされることになりまして、環境と経済の両立という経済社会運営の基本的理念の実現に大きく資するものと考えておりますので、先ほど冒頭に森本委員から御指摘賜りましたように、このままでいけば粗大ごみ社会国家になってしまうが、その活用次第によってはエネルギー資源化していける、この両立をどのようにバランスを保ってやっていくかということに理念を持っていきたい、このように考えている次第でございます。
○森本委員 今、大臣から環境との両面で考えていくというふうに御答弁をいただきましたが、リサイクルについての欧州の基本的理念には大きく分けて二つの流れがあると思います。一つは北欧、スイスなどの環境保全優先型、二つはイタリア、英国などの非規制・非禁止型というのに分けられるかと思います。北欧、スイスでは法律でごみの減量化、再資源化を強制的に図っていくという手法であります。これに対してイタリア、英国は、余り規制や禁止などをせずに、リサイクルの目標を設定してそれを産業界や消費者の自助努力で達成させようという流れであります。我が方、今回出された法律は果たして北欧・スイス型なのかあるいはイタリア・英国型なのか、一体どちらの選択をされたのか、またどう受けとめておられるのか、政府の考え方をお伺いしたいと思います。
○岡松政府委員 ただいま森本委員の御質問で二つのタイプに分けてというお話でございましたが、その幾つかの流れがあることは確かでございますが、我が国として今回廃棄物処理・再資源化対策というものをまとめました発端になりますのは、昨年十二月にまとめられました産業構造審議会の答申に準拠しているわけでございまして、ここでは基本的には業種ごと、製品ごとの特性を踏まえた事業者の自主努力を重視するという考え方でございます。ただし、その自主努力を促していくためにはさまざまの政策を講ずる必要があるということでございまして、資源の有効利用と廃棄物の発生の抑制に資するという諸施策を実効あるものとするためには事業者に対して再生資源の利用または利用の促進に関する責務を課す、このための法的措置を講ずることにしたということでございまして、この意味では欧米に例のない法制かと存じます。 以上のとおり、我が国の廃棄物処理・再資源化対策というものは対策の分野ごとにやや異なる性格を有していると言えますが、いずれにいたしましても今回の法律はあくまでも事業者みずからの積極的な取り組みが基本的に重要であるという認識のもとに、事業者に対しまして再生資源の利用の促進のために必要な範囲内の措置を講ずることというふうにしているものでございます。
○森本委員 スイス、ドイツではリサイクルは経済システムの中にビルトインしているというふうに聞いております。具体例では、家庭から出る一般廃棄物を収集してそれをすべて再資源化するプラントが民間ベースで完成して稼働しているというふうに聞きます。一般家庭からのごみが焼却もされず、また埋め立てもされず、ほとんど再資源化されていると聞いているわけであります。 けさの新聞を見ますと、消費生活コンサルタントでつくるゴミ問題研究会のアンケート調査が発表されておりました。それで、ルートのできている新聞あるいは酒の瓶は回収率が八割前後、しかし再利用が叫ばれているアルミ缶の場合、燃えないごみに出してしまう人が五六%で、再生ごみに出す人は一七%、自治会の回収に任せる人は二〇%と、これは日本の場合には回収率がまだまだ非常に低いということ、それからルートができていると極めて高い回収率になってくるというわけであります。 そういった回収ルートがまだまだ不十分ではないかと思いますが、我が国はスイスと同様に狭い領土でありますので、このスイスで行われているやり方というのは注目に値すると思います。短期間に制度化することは無理としても、長期展望としてこうしたリサイクル社会の構築を国、企業、地方自治体そして消費者が一体となって築いていかなければならないときがやってきたと思いますが、こういった状況を考えて、大臣はどのようにお考えなのか、お伺いしたい思います。
○中尾国務大臣 森本委員、けさほどの新聞等の引例も出されまして、特に狭い国土の日本がどのように対応すべきかという御指摘でございましたが、まさにそのとおりでございまして、領土の狭い我が国にとりましては、長期的展望のもとにリサイクル社会というものを構築していくことが全く肝要である、このように考えます。 その場合に、企業、国あるいは地方自治体あるいは消費者がそれぞれの役割分担のもとに一体となってその達成に努力をすべきであるという考え方は、全く御指摘のとおりかと考えている次第でございます。この法律では、自然の経済原則にゆだねるというところでは実現されにくいような部分に事業者を初め関係者の多くの努力を傾注いたしまして、再資源の利用を促進しようとする新たな試みであるということは申すまでもないことであろうと思うのでございますが、短期的にはコストが高くなりましたり、あるいは困難に直面することがあり得ると思います。しかし、時間をかけて事業者の活動の中に定着をさせて、行く行くはある意味においては経済システムの中に織り込んでいく、織り込み済みに持っていくということを私どもは期待しているわけでございまして、そのためにも本法の適正な運用を図っていくように努めていくことがまことに肝要ではなかろうか、このように御指摘のとおりに考えている次第でございます。
○森本委員 次に、この法律の中に入っていきたいと思います。 まず、この法律の第一条「目的」でございますが、法律をつくられるときに、目的の場合に、第一目的、第二目的、第三目的という目的、そしてそこに一番基軸を置いている究極目的ということに基本を置いて法律はつくられていくのではないかと思いますが、そういった角度から考えてみますと、「資源の有効な利用の確保を図る」、これが第一目的ではないかと思うのです。それから、「廃棄物の発生の抑制」、これが第二目的、そして、「及び環境の保全に資するため、」これが第三目的になるのではないかと思うわけです。そして、「もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」これが究極目的ではないかと思うのですが、今私の申し上げました立て分け方、目的に対する立て分け方、それはそれでよろしいのでしょうか。
○岡松政府委員 御質問の法第一条の「目的」の解釈の問題かと思うのでございますが、「資源の有効な利用の確保を図る」という第一目的と、それから第二、第三と御指摘ございましたが、「廃棄物の発生の抑制及び環境の保全」、これは同格といいますか、第二の目的、これを合わせまして、最終的な目的である「国民経済の健全な発展に寄与する」というところにつながっている、そういうふうにこの法律の「目的」は記載されているというふうに考えております。
○森本委員 最初に大臣に基本理念について私はお伺いいたしました。私は、そのとき環境と経済の両立ということは極めて大事ではないかというふうに申し上げたわけでございますが、今の私の第一目的、第二目的、そして究極目的というふうな角度から見ますと、「もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」というのは究極目的になっておりまして、大事な環境の保全、環境という部分がここに抜けているのではないだろうか。今回の法律の基本的理念というのは、当然リサイクル、資源を経済発展のために生かすということもありますけれども、事の起こりはやはりただ単にリサイクルだけじゃなしに、環境の保全を図らなければならないというところから、私はその角度を決して見落としてはならないと思うのです。それはこの第二目的の中にあるとはおっしゃいますけれども、やはり究極目的にしなければならないのではないだろうか。 そこで、私は、ここの「環境の保全」という部分を取りまして、「国民経済の健全な発展」、この前に、「もって」との間に、「環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与する」、こういうふうな書き方を「目的」としてすべきではなかったのだろうか。これでは、要するに環境の保全というのは間接目的になっている。経済発展と環境の保全というのを究極目的にしなければ、この法案の本来の趣旨が、基本的理念が欠けていくのではないか、このように私は考えるのですが、その辺について答弁願います。
○岡松政府委員 本法のねらいといたしますところは、あくまでも再生資源の利用の促進のために所要の措置を講ずるということでございますが、これがいかなる目的のためかということについて、この第一条で規定しておりますのは、「資源の有効な利用の確保を図る」こととあわせて「廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資する」ことというのを書いているわけでございます。そして、それらを通じて何につながるかということは、究極の目的として、先生御指摘のとおり「国民経済の健全な発展に寄与する」というところにつながってくるわけでございます。 そこで、この「国民経済の健全な発展」という文言でございますが、これを本法の究極の目的としておりますのは、国民経済の健全な発展のために欠くことができない再生資源の利用の促進また廃棄物の発生の抑制、環境保全が図られる、これらを通じて国民経済の大きな制約要因の緩和に資することになるということから、これらを含めまして今後の我が国の健全な発展に寄与することをねらったわけでございまして、「国民経済の健全な発展」、「健全な」という言葉の中に環境の保全が図られることも含むということで最終目標としてこれを掲げておるわけでございます。
○中尾国務大臣 森本委員ただいま申し述べていただきましたように、まさに文言の中にも指摘されておりますような「国民経済の健全な発展に寄与する」として、環境の保全という目的が本法律案の究極の目的になっているという、このことがまずファーストステップではないのか、そのファウンデーションの上に立ってこそ再資源化、リサイクルというものがあり得る、これはもっともの考え方でございまして、何のためのあれかといったら、最初に経済の発展ありき、それから環境の問題が二次的なものなんだという考え方はいささかどうかと思う、この考え方はよくわかり得るわけでございます。したがいまして、本法によって実現されました、ただいま政府委員からも答弁させましたように、再資源化の利用の促進というものが、資源の有効利用というよりも、直接的な効果に加えて新規資源の調達のための開発に伴う環境の負担そのものの低減でございますとか、エネルギー使用量の減少等を通じまして環境の保全にも好ましい効果を有することを法律上有意義なこととしたものとして明確に位置づけていくということが大事である、さらにそうした再資源の利用の促進の環境保全上の意義を明らかにして、その知識の広く国民への普及を図っていくということが所管大臣の私なりの実施する対策の円滑な遂行にも有益である、この観点から、基本方針の内容として織り込むこととしたわけでございます。このような意味で、この法律では資源の有効利用の確保と並んでというか、その基礎として環境の保全の重要性が十分認識された上で本法案の規制というものがされているんだ、こう御認識賜って結構だと私は思っている次第でございます。
○森本委員 今、大臣の御答弁の中で国民経済の健全な発展の中に環境保全が当然入ってくるんだという御答弁をいただきました。後の第二条から続いてまいるところでもそうでございますけれども、ともすればこの法律は経済というのが表に出まして、環境というのは後ろ回しにされかねない感があると思います。今の御答弁をいただいたので、この健全な発展の中に環境が含まれるということでございます。その点はこれからこの法律を施行するに当たりましても十分その意を踏まえて、経済の発展があるから環境保全がなくなるということのないように、逆にこれを逆さにとられて、これは経済発展でありますから環境保全は次の問題ですよということのないように、今後の施行の段階でその推進方をお願いしたいと思います。 私が申し上げました、ここで環境保全というのを取って後ろの方に入れるという議論を行っておりますと、きょう一日この議論でやってもかみ合わない問題ではないかと思います。大臣からいただきました答弁で、私はそれを解釈させていただきますが、どうぞ今後の施行に当たっては、そのことを、今の大臣の答弁を軸として法律の施行に当たっていただきたいと思うところでございます。 次に、この法律の中には支援策を行う規定がないわけでございます。いろいろとガイドラインあるいは目標値等々が決められてはいきますが、支援策がこの法律の中では欠けているのではないだろうかと思います。 廃棄物問題というのは今日までどちらかといえば業界などの自主性に任せるだけでありました。しかし、今後この法律を根拠に、生産過程から流通過程まで幅広い範囲でごみの減量化、リサイクル化を促進して、ごみ処理にかかる自治体のコストを軽減していくべきであると私は思います。今回も、当初はそれぞれの業界にいろいろな規制をかけるのではないだろうか、あるいは業界自身がその回収をすべきではないかというふうに期待もされておりましたが、この法律ができ上がりましたときに、確かに五十万円以下の罰則がついているものの、そういった業界の自主努力に任せるところがまだまだ非常に多い。これは経済発展のいろいろな問題もありましょうし、まずそこからやらなければならない問題でございます。これは、そういった業界の自主努力の回収だけに任せないで、もっともっといろいろと積極的に国としてやっていくべきではないか。殊にごみ処理部分にかかる自治体に対する負担は大きな問題でありまして、この法律あるいは八日に閣議決定されるという厚生省から出てくる法律等々を見ますと、自治体や企業だけに任せていくという国の方針で果たしていいのだろうか、そのように思います。 きょうは厚生省もお見えいただいているかと思いますが、まず地方自治体、企業に任せるだけで果たしていいのか、通産省としての考え方はどうなのか。それから、八日にかかる閣議決定の中で、果たして地方自治体に対して国はどのような支援策をやろうとしているのか。これは今のところ私の方では、新聞ではいろいろ見たり聞いたりはしておりますけれども、明確に見ていないわけでございまして、この点について通産省並びに厚生省の考え方をお伺いしたいと思います。
○岡松政府委員 この法律は、廃棄物問題への対処という観点から、主として廃棄物となる以前の生産、流通、消費における再資源化に向けての事業者の努力を促すものでございまして、このような事業者の努力の結果として廃棄物の発生の抑制が図られる、さらに廃棄物処理にかかる地方自治体等のコストの軽減に資することになるという考え方でございます。 また、本法によるこのような効果がより大きくなるように、必要に応じまして所要の予算措置等を適切に講じてまいる所存でございます。
○坂本説明員 近年、家庭等から出てまいります一般廃棄物は大都市を中心にいたしまして増加の傾向を示しております。この適正な処理のためには焼却、埋立処分とあわせまして、ごみの減量、再資源化が重要となっております。このため、大型ごみ等の粗大ごみ処理施設等に付設されておりますごみの資源化のための設備だとか、それから廃棄物再生利用総合施設といいまして、いろいろごみの中からまた資源をつくるようなことをやる施設、こういうものの整備に対して国庫補助を今まで行ってきておるわけでございます。 また、平成三年度でございますが、市町村によるごみの減量化に関する啓発活動、それから住民団体等による古紙、空き瓶、空き缶等の集団回収の支援等を推進いたしますために、新たにごみ減量化促進対策費補助金というのを平成三年度一億五千万円予定させていただいておりますが、これを創設することといたしております。 さらに、今先生お話のございました点でございますが、廃棄物の減量化、再生利用の推進を柱の一つとしました廃棄物処理法の改正案を今国会に提出すべく作業を進めているところでございます。この改正案の内容等につきましてはこれからまた閣議決定等々ございますが、今考えております事務方の案といたしましては、柱を三つに分けられるかと存じます。一つは、減量化、再生の推進ということ、二つ目が適正処理の確保ということ、それから三つ目が埋立地だとか焼却場だとかいう処理施設の確保、この三点が大きな柱になろうか、かように考えております。
○森本委員 国が産業廃棄物だけではなしにいろいろ廃棄物処理について許認可権を持っているけれども、なかなか金は出さない、後は地方自治体に任せていくんだということでは、その財政的な支援策は極めて消極的ではないかというふうに私は思うわけであります。 一方、今の厚生省の答弁の中に啓蒙、啓発ということがありました。私は啓蒙、啓発というのは極めて大事であると思うのです。今度の平成三年度の立地公害局の予算を見てみますと、省資源・再資源化対策として六億円、これは五倍であるというぐあいに書いています。その中の啓発・普及推進というのは七千万円、これで四千万円ふえたんだからすごくふえているなという考え方なのか。私は、この啓発・普及推進というのは、七千万円で果たしてこれでやっていけるのだろうかというふうに不安でしょうがないのです。当然、啓蒙、啓発というのは極めて大事でございますけれども、こういうリサイクル活動等を推進していく場合に、今の場合、地方自治体あるいは国民の中に再生資源の利用促進を積極的に行っている人あるいはボランティアの人々が数多くいて、そういった人々がこのリサイクルの大きな担い手になっているということは言えると思うのです。 私の住んでおりますのは、この日本で歴史の一番古い奈良県でございます。この奈良県には、日本の国道の第一号というべき山の辺の道というのがございます。これは非常に長い道で、歴史の一番古い道でございますが、ここは毎年——もう間もなく春がやってきます、あるいは秋になりますと山の辺の道を訪れる観光客が非常に多いわけでございます。悲しいことに、地元の人ではなしに、せっかくの自然を楽しみにして来た人々が、空き缶を捨てたりごみを捨てたりするわけでございます。私は私の仲間とこの山の辺の道のクリーンキャンペーンというのを始めまして、毎年年に一回、ことしは二回にしようかなと思っているのですが、仲間と空き缶を拾ってもう七年続いております。その空き缶回収等々は自然を守るという意味で行っているわけでございますが、私は、そこでただ単に缶を集めて持っていくということよりも、むしろそれに参画した人々の気持ちの中に、そういったキャンペーンあるいはボランティアに参画した人々が、そういう意識を日常生活の中に持ち始める、私はこのことがまた極めて大事なことではなかろうか。私自身も、そういうクリーンキャンペーンを計画して参画するまでの間は、空き缶に対してもそんなに関心は持っていなかったというのは、率直に言ってそうです。アルミ缶かスチール缶か、そんなこと余り関心も持ったことがなかった。だけど、そういったことに参画することによって、日常の中にそういう意識が入ってくる。これは最大の啓蒙、啓発ではないかと思うのです。 ところが、ボランティア活動をいろいろとされている人々が、例えば乾電池の回収をやった、回収をやって、じゃどこへそれを持っていこうかというときに、私の仲間も一生懸命乾電池の回収をやったけれども、持っていくところがない。そこである乾電池の会社に宅急便で詰めて送った。そうすると、その会社から今度は包装紙の表だけ変えてそのまま宅急便でまた送り返されてきた。一生懸命ボランティア活動している人々もだんだんいなえてくるというか、そういう状況になりかねないと私は思うのです。今このリサイクル法を提出するときに、私たちはボランティア活動をなさっている人々も、もう一度今ここで頑張らなければならないという気持ちになっていかなければならないと思う。そういったボランティア活動を行っている人たちは私は何かの援助を直接もらってやろうと思ってはいないと思います。しかし、例えば私たちが山の辺のクリーンキャンペーンをするときに、地方自治体、桜井市から、最後は返すのですけれども、軍手の手袋をいただき、ビニール袋を御提供いただき、それから挟む物をいただく、これは言うならば我々のキャンペーンを一つは認識していただいて、最近そういう形になってきたわけであります。こういう支援策を積極的に、これは厚生省の管轄になるかわかりませんけれども、私は通産省もリサイクルをやっていこうという以上はそういう支援策をやっていかなければならないのではないだろうか。そうしないと、国民の自主的な取り組みだけに任しておくのは、私は片手落ちになっていくのではないだろうかと思うのです。啓蒙、啓発と同時に、私はそういったことに対する支援策を考えていかなければならないと思うのです。 それで、財団法人クリーン・ジャパン・センターというのがその普及向上に当たるというふうに書かれておりますが、伺うところによると、あるフランチャイズ店がこのクリーン・ジャパン・センターに四億円の寄附をなさったというふうにも伺っております。そういった企業からのいろいろな寄附も含めて、国がボランティアの人々に積極的に支援をしていく考え方、どう思っておられるのかというのをお伺いしたいと思うのです。
○合田政府委員 先生御指摘のように、再生資源の利用の促進を図るために広く一般消費者からの協力を得ながらこれを進めていくということが必要であるという観点から、通産省といたしましては、国や関係団体が行う再生資源の利用の促進に関する普及啓蒙活動に当たって、自主的な市民や消費者の皆さんの団体の活動を十分念頭に置きながら、必要に応じて連携を図ることといたしております。 このような連携の一環として、先生先ほどいろいろ事例を御紹介になりましたけれども、通産省といたしましても、市民や消費者の方々の団体に対する支援として、一つは先ほど御指摘になりました財団法人クリーン・ジャパン・センターを中心といたしまして、クリーン・ジャパン国民運動による啓発活動をやっております。同時に、やはり同じクリーン・ジャパン・センターの事業といたしまして、散在性廃棄物対策のボランティア活動への支援事業ということで、先ほど先生が御紹介になりましたリサイクルに役立つような用具への補助等を進めているところでございます。今後ともこのような市民の皆様方の意識の啓発に資するような事業につきまして、より拡充を予算面において措置をしてまいりたいというふうに考えております。
○森本委員 私は、その国民の皆さんの自主的な取り組みを支援するということをむしろこの法律の中に書き込まなければならないというふうにも思っているのです。そうしないと、法律に書かなければ、財政に余裕があるときというのは出していくわけでございますけれども、そうでないとき、不況になったあるいは財政が困難になってきたときに、そういった支援策が真っ先に削られてしまうのではないかというふうに思います。 そういう意味では、私は特にきょうの質問の中でこの点について申し上げたいわけでございますが、国民の理解を深めるための措置として国民の自主的な取り組みを支援するように努めなければならない、これぐらいの文章を書き込んで活動への支援をしていかなければならないと私は思っておるわけですが、いかがでございますか。
○合田政府委員 国民の理解を深めるための措置の必要性につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、この法律との関係でいいますと、このような支援策につきましては、第六条に「国は、再生資源の利用を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。」という規定がございまして、この中で位置づけられているというふうに考えております。
○森本委員 第八条の中に、教育活動、広報活動を通じて国民の理解を深める云々とあります。この点につきましては、本当に今申し上げた支援をするよう努めなければならないという文言も入れて——「協力を求めるよう努めなければならない。」というふうに書いてあるわけでございまして、自主的な取り組みを支援するとはこの文章の中には書いてないわけであります。そうしますと、これは私は財源の裏づけがないのではないかというふうに解釈いたします。 いずれにいたしましても、ボランティア活動等々で汗を流しておられる人、そういった人々は決して報酬を求めてされているのではない、ボランティア活動で一生懸命汗を流すことに同時に喜びを感じてくださっているわけでございますが、そういった人たちに本当にこたえることのできるような支援策をこれからもやっていき、大いに国民の中にそういうものが啓蒙、啓発されて定着していくように今後も通産省としての支援策をお願いしたい、このように思います。大臣、いかがでございましょうか。
○中尾国務大臣 森本委員、幾つかの例を出されまして、特に先ほどの乾電池の問題もそうでございますが、これは私も思い当たる節が幾つかあるわけでございまして、こん包がさらにこん包を重ねてまた戻される、これはボランティアをやっておられる方にとっては、もう屈辱というような気持ちと同時に何とも情けない気持ちになりまして、やる気がなくなってしまう、これは当然のことであろうと思います。 そういう意味におきましては、私もこの間その事例の中におきまして通産省にもよく言いつけておきましたが、これはあらゆる角度においての支援策、こういうものはこの中に含んで対応するようにということは、私の気持ちとしてもまた通産省の基本方針としても理念としても必ず先生の意見は遂行するつもりでございますから、どうかそのようにおくみ取りを願いたいと思う次第でございます。
○森本委員 次に、今度のリサイクル法というのは、出たいろいろな廃棄物をどう社会に還元するかという一つの流れをつくるためにでき上がった法律でございますが、今企業の中にもようやく環境の保全を考える部局が生まれてきたようにも思います。先日もテレビでいろいろとやっておりましたけれども、オフィス町内会というのを東京でつくりまして、ある電力会社を中心としてごみの回収を一生懸命されている。あるいはあるコンピューター会社が建物を建てるときに、もう既にそれぞれのテーブルの横に紙を分別して置けるようにしてあるとか、あるいはその売った代金を集められて、三千万円を達成したときには全社員にティッシュペーパーを配る、それからその次、一億達成したときには何か辞典をお配りになった。間もなく五億円が達成するので今度は何がもらえるのか、社員の皆さんも喜んでそういった活動に参加されているというふうにも聞いております。そういった流れと同時に、環境保全を配慮した経営方針を策定するところもふえておりますが、しかし採算ベースが合わないというような理由で本格的な取り組みはまだまだ十分ではないと思います。 巷間、静脈産業という言葉が今はやっております。いわゆる生産、供給の動脈産業に対したリサイクル産業、エコビジネス産業のことでございますが、通産省の産業政策の中にこの静脈産業を育成しようとする視点はあるのかどうか。私は、この際静脈産業育成計画を本格的に検討してはどうか。また通産省も新たな、極端に申し上げますと静脈産業局とか部とかいうものを設けてはというわけでございますけれども、これはなかなか実現が厳しい。そういう流れの中から考えてみると、それぞれの今の原局行政の中にこの静脈産業について考える位置づけ、位置を明確にしていくべきではないだろうか、このように思うわけでございますが、御見解をお尋ねします。
○合田政府委員 先生御指摘になりました静脈産業の事業の拡大というのは再資源化の進展と軌を一にして実現をされるものであろうと考えております。したがいまして、この法律の適正な運用によりまして再生資源の利用が今まで以上に進むことになり、結果として先生の御指摘のような静脈産業が発展する上で良好な事業環境がもたらされるということにつながっていくものと考えております。 具体的に申し上げますと、静脈産業というのは非常に幅広い分野から成り立っておるわけでございますが、現実のいわゆる原局行政の中でも、例えば古紙の回収業につきましては既に事業用施設の事業税の減免が講ぜられているところでございますし、これに加えまして、来年度の税制改正によりまして廃棄物再生処理用の設備の特別償却制度の対象といたしまして新たに金属製の缶の回収設備等を追加する等の措置を講ずる予定でございまして、再生資源の利用の促進の観点からいわゆる静脈産業に対しまして所要の支援を講じておるところでございます。したがいまして、いわゆる動脈産業に対して静脈産業という概念が言われておりますけれども、動脈も静脈も両方の産業は物資の生産、流通、消費そのものにかかわり合いのあるものでございまして、通産省の所掌に属する事業につきましては通産行政の中で明確に位置づけられていると考えております。
○森本委員 静脈産業、一説には四兆円の産業であるとも言われております。どうぞこの静脈産業発展のためにこれからもいろいろと通産省として計画を立て、行ってもらいたいと思います。 それから、先ほど答弁の中でそういう静脈産業のために古紙回収業の方に税制措置を講ずるというふうにおっしゃいましたが、それはどんな措置ですか、もう一度答えていただけませんか。
○合田政府委員 古紙回収業の事業用施設の事業所税の減免措置を講ずるということでございます。
○森本委員 それは古紙回収の問屋ですか、どうなんですか。回収業でも、問屋もあればリヤカーとか車で回収される人々もいらっしゃいますけれども。
○合田政府委員 古紙回収業そのものに対して今の措置を講ずるということでございます。
○森本委員 これは今議論するあれはありませんけれども、一度、その税の優遇措置を受けておられる——というのは事業税を少なくするのですか。その税措置に該当していらっしゃる方が実際は一体どれほどいらっしゃるのか。恐らく一番前線で回収業をされている皆さん方にはその税の優遇措置が適用される人はほとんどないのじゃないですか。そういった形だけの税制措置を講じておりますということで何か施策を講じていると考えてしまうと大変なことになる。答えてください。
○南学政府委員 今の税制の問題でございますが、古紙の回収卸業者に対しまして事業用施設の事業所税の減免措置を講じているということでありますので、その法人が赤字かどうか、それは無関係にこの税の適用が行われるわけでございます。この事業所税は市町村税でございます。
○森本委員 卸業者、問屋さんへの措置ですね。今一番問屋さんも大変困っているのです、そういう措置はありがたいかもわかりませんけれども。今古紙をリサイクルしようとしても、集めてくださる人が極めて少ないというのが実態ではないだろうか。これは事業ですから、もうからなければだんだん人は少なくなっていくわけでございますけれども、今、例えば古紙をリサイクルしようといっても、その辺が、そういった働く方々に何らかの措置を講じていかないと、実態は大変です。仕事をやめたいと思っておる人が圧倒的に多いわけです。 今、古紙の場合、仕切り場で一キロ当たり六円、ダンボールの場合は仕切り場で、新聞紙の回収は立て場というらしいのですが、それから古紙問屋に行きますと十円、そしてメーカーへ十七円で卸されるというふうに聞いています。東京オリンピック当時、一キロ当たり四十円だったそうですね。物価は四倍になっておりますが、ダンボールの古紙の値段は七分の一に下がり続けている。もうほとんど回収してくれる人も少ない。それから、古紙の値段というのは、いろいろとそのときそのときの外国との関係で値段が上がったり下がったりするということです。 その辺をしっかりと講じていき推進をしていかないと、ここの産構審から出ました表の中に、ガイドラインのところで、古紙利用率、平成元年度五〇%を平成六年度五五%にという目標を掲げておられる。アルミでは四三%を六〇%。私は一つ一つ今このことを申し上げる時間がございませんけれども、要するに、古紙回収率を五年後に五五%までしようとしておりますけれども、この五五%の中に輸入が最近ふえてきていると伺っているわけですけれども、輸入の分も入っているのですか。古紙がもう日本で回収されていないのに、どんどん輸入されている。私の手元に古紙輸入実績というのが入っておりますけれども、昭和六十一年が三・三%から、今平成二年四・四%、六十二年は五・三%まで、だんだん古紙の消費量に対する輸入比率というのは非常に上がってきているわけです。一生懸命古紙回収だ、回収だと言っても、古紙を使うところの率を五五%にしようというわけですけれども、輸入したものをばんばんこれから使っていけば、数字は上がるかもしれないけれども、実際に我が国のリサイクルにさほど役には立たないと思う。その辺はどうですか。
○南学政府委員 古紙の輸入、平成二年で六十三万トンでございまして、古紙消費量に対する輸入比率は四・四%、過去数年間も大体三%から五%台という程度にとどまってきておりまして、これが最近急増しているというような事態にはなってないと私ども考えております。製紙メーカーとしては、製紙原料の供給源の多角化対策の一環として一部輸入をやっているわけでございますが、こうした事情も御理解いただきたいと思います。特にアメリカ等から古紙として輸入されるダンボール等はバージンパルプで製造されたものがほとんどでありまして、ダンボール製造等の際のバージンパルプの代替原料として使用されているという面もあるわけでございます。 いずれにせよ、古紙の国内の回収を進め、これを使用していくのは極めて重要な課題であると思いますので、私どもは基本的に、古紙の需要をふやすような政策を、いろいろ啓蒙普及等を積極的にやってまいりたいと思っております。これによりまして国内の古紙に対する需要も順調にふえていくことを期待いたしております。
○森本委員 いずれにしても、古紙回収業者の皆さんに対する対策を積極的に講じていかなければならないと私は思います。 同時に、先ほど来、五〇%を五五%、それからスチール缶四四%を六〇%、アルミ缶四三%を六〇%。アルミ缶にしましても、これは輸入のアルミ缶が相当また日本へ入ってきているようにも私は伺っております。 そこで、聞きたいのですが、この五〇%とか五五%という数字ですが、この五〇%という数字は通産省がお調べになったのですか。基礎データはどこから来ているのでしょうか。業界の数字ですか。
○南学政府委員 現在の古紙利用率五〇%弱という数字は、通産省の調査統計部で調査している紙・パルプ統計による調査結果でございます。
○森本委員 いずれにしても、私は、この静脈産業についての統計の整備を今図っていき、その統計によってまた次の施策を講じていかなければならないと思います。いろいろな方に聞きますと、私は業界の数字を信じないというわけじゃありませんけれども、通産省独自のデータのとり方、数字というのは今のところ極めて弱いのではないだろうか。業界は業界の数字というのを信用していかなければなりませんが、今度の予算措置の中でデータ・ベース・システムの構築調査、これが二千万円挙げられております。これは新規でございまして、これからこういったものは毎年毎年重ねられていくと思うのですが、この際もう一度、静脈産業について統計のデータ・ベース・システムの構築の予算がついたことを含めて、静脈産業の統計整備を図っていかなければならないと思いますが、いかがですか。
○岡松政府委員 先生御指摘のように、この問題について取り組んでまいりますと基本的なデータが十分でないということを痛感しておるわけでございます。一部のデータにつきましては既に調査統計部の調査においても行われているわけでございますが、全体をカバーするものがないということも御指摘のとおりでございまして、その意味で、再生資源の現状について実態把握を一層充実させる重要性はつとに認識しているところでございます。したがいまして、御指摘のデータ・ベース・システムの構築というのを平成三年度予算で要求をさせていただいておりますが、ぜひとも来年度以降この予算制度を活用いたしまして統計の整備に努めてまいりたいと考えている次第でございます。
○森本委員 時間が参りました。最後に一点だけお伺いしたいと思います。 デポジット制度でございますけれども、北欧、スイス、ドイツ、アメリカの十三州で法制化されて、成果を上げております。我が国でも地方自治体の先行例がありますが、国のレベルで対応を検討してはどうなのか、日本政府としてはどう考えられるのかという点をお聞きし、最後に、このリサイクル法が運営されて、そして本当に再資源化され、私たちの大事な大事なエネルギー、それからあわせて環境保全に全力を挙げなければならない、これを機会に取り組まなければならないと思います。デポジットについてはどなたかお答えいただき、大臣の最後のまとめをお伺いしたいと思います。
○合田政府委員 御質問のデポジット制度につきましては、廃棄物の減量化と資源の有効利用に寄与する面があるわけでございますけれども、問題点としましては、回収による手間とコストが大きいこと、販売店の中で保管場所を設置しようといたしましてもスペースのない場合が多いこと等が問題点として指摘されておりまして、特に中小企業者に対しましてはかなり大きな負担になるというふうに言われております。また、地域によりましては、回収量に比べまして輸送コストが大きい等の回収により新たな資源を浪費するという場合もありまして、全国一律にデポジット制度を導入することは適当ではないと考えております。ただ、先生御指摘のように、各地域でいろいろ実験事例も見られておりますので、地域の特性を反映して、自主的に柔軟にデポジット制度は行われるべきであるというふうに考えております。
○中尾国務大臣 きょうは森本委員にむしろいろいろと大変に参考な意見を一つ一つアイテムごとに取り上げていただきまして、参考にならせていただきました。 なかんずく、今も政府委員の答弁にもございましたように、幾つかの諸点にわたってまだまだ考えなければならない、またこれを付加しなければならないという問題もございましょう。これは私も今十分に書きとどめてもおきましたから、これは同時に通産省の遂行者各位にもきつく申し入れるつもりでもございます。 同時にまた、デポジット制度におきましても、それは総括的に見たらばいいことでございましょう。しかし、中小企業者に対する負担あるいはまたそれに類型するような方々に対する欠点もないわけではございません。そういう意味におきましては、そういう点も含めまして考えていければ、こう考えておる次第でございます。 その意味におきましては、本法はいずれにいたしましても再生産資源の利用を促すためには総合的な基本方針を定めまして、そして事業者、消費者、国と地方公共団体にまず幅広く協力を要請いたします。そして、さらに事業者に対しましては、再生資源の利用というものに対して最大限の事業活動面での努力を求める。しかし、その根底には、先ほど冒頭に委員がお触れいただきましたように、環境の整備というものをファウンデーションに置くんだということを基礎にしなければなりますまい。このような法律は、再生資源の利用を促す上で必要不可欠なものでございまして、かつ十分な効果の期待されるものであると確信しておりますので、どうぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをこいねがいたいと思っている次第でございます。ありがとうございました。
○森本委員 どうもありがとうございました。
○奥田委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 初めに、政府がこの法案を提出した動機、背景についてお尋ねをいたします。 本法第一条には、「再生資源の発生量が増加し、その相当部分が利用されずに廃棄されている状況にかんがみ、」云々と述べられております。あたかも資源として再度活用できるものが捨てられているのがもったいないから利用を促進しようとする、大変高邁な立場からこの法案が提案されたかのように読み取れるわけでありますが、これはちょっときれいごと過ぎるのではないかと思うのです。 今、ごみ問題、とりわけ産業廃棄物処理の問題が危機的な状況にあり、特に首都圏では産廃処理場はあと半年分しかスペースがないと言われております。このため各地で不法投棄が行われたり、私の地元であります福岡県の旧産炭地にまで東京の産廃が持ち込まれようとしておるわけであります。このままでは、遠からず日本じゅうがごみであふれて、もう経済活動そのものが成り立たなくなる。こういうせっぱ詰まった状況に置かれたために、今回のこの法案が提案されることになったのではないかというふうに私、理解いたしますが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 まず小沢委員にお答えさせていただきたいと思います。 この施策をつくっていく背景、そのものの理念あるいはその政策を確立していくプロセスといいますかそういうことについてのお尋ねかと思いますが、私も、先ほどもそのような答弁もさせていただきましたけれども、まず私どもは、山積する環境汚染あるいは環境破壊、こういうものに対して、これはもう人類のある意味におけるチャレンジである。これは、この間、先生方にも御協力を賜りましたオゾン層の問題等でもそのとおりでありますが、今や一地域でこの問題を片づけていく問題ではない、まさにごみくずかご日本になってしまっては大変なことに相なる、この発想からしてこのような問題点を、さらになおかつこのごみをある意味においてこれだけ能知の発達した人類社会でございますから、これを再利用、再活性化していく方途というものはあるまいかということの中身から生まれてきたということからこれが出たわけでございまして、近年の経済社会状況を見ますると、国民経済の発展あるいは消費者生活の多様化、ライフスタイルの変化に伴いまして再生資源の発生量が全く増加したことはもう否めない事実でございます。その相当部分が利用されずに廃棄されているという状況にあるわけでございますから、このような状況を放置することは資源の大きな、これまた資源そのものの損失でもある、こういうことに私どもは思いをいたし、廃棄物の発生を増加させ、環境の悪化を招くことに相なりはすまいかというこの不安も増大させているわけであります。 通産省としましては、従来からも省資源、省エネルギーを実施しつつ、国民生活の向上を図るためには各般の諸政策を講じてきたところではございますが、昨年末に産業構造審議会からいただきました答申にも示されておりましたので、これを、再資源化を一層強化、強力に推進していくことが緊急の課題である、こういう認識のもとにこの法律を制定することとした、この理念のほどは御理解のほどを願い上げたい、こう思っておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私は、今日の深刻なごみ問題を引き起こしたのは、政府の長年にわたる経済成長至上主義と大企業の後は野となれ山となれ式の無責任な利潤第一主義であったのではないかと考えます。どんどん生産をふやし、それに見合う需要をつくり出すために、国民には使い捨て、浪費の生活スタイルが強制されたわけであります。その結果として大量のごみが発生するようになり、その量が加速度的にふえ、限界に達しているというのが現状ではないでしょうか。きのうから何か国民の意識が低いことが問題であるかのように言われておりますが、これは私は、原因と結果を逆立ちさせた議論ではないかと思います。これまで政府がとってきた対策に対するこのような抜本的な反省を踏まえない限り、私は解決の方向というのは見出せないのではないかと思いますが、重ねてその点、大臣にお尋ねをいたします。
○中尾国務大臣 これは、先生のお言葉にも大変に私はうなずける面があるわけでございます。人間でございますから、当然のこと、試行錯誤の中に絶えず人類の歴史の過程というものがあるわけでございまして、よもや四十数年前の日本の国がこれほどごみ粗大な国になって、そして経済の発展の中に伴って、経済の繁栄を喜ぶだけではなくてこのようなごみ社会の中に埋もれてしまうなんということは夢だに考えたことがないわけでございます。それだけに、確かに御指摘のとおり、そういうものの廃棄ということから発想が始まったと言われれば、全くそういう観点もないと言ったらこれはうそになります。しかし、そういう中にあっても、さらに人知の、英知を尽くしましてこれを再生化し、リサイクル化してなおかつこれをエネルギー化していくような方途はなかろうか、こういうものをミックスアップしたような形の中においてこの想定が始まった、私は、こう言うても決して委員の御指摘に否定的な態度をとるものではございません。
○小沢(和)委員 そこで、具体的な問題に入りたいのですが、このリサイクルの対策というのは、結局ガイドラインとして私たちに今示されている中身なんだと思うのです。これが抜本的な対策となり得るのかどうか。これについて、産廃の総量がどの程度減るのかという数字的な検討がなされていれば、このように減るから、だからこれで将来についても不安がないようになる、こういうふうに御説明をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○岡松政府委員 先ほどの御質問にもございましたが、産業廃棄物がどのくらいこれによって減ってくるかという総量の試算につきましては、まず土台になる統計が必ずしも十分でないというわけでございまして、私どもは、むしろ個別のものについて一つ一つ再資源化に取り組んでいくべきであるというところから、個別のものについての一つの目標を決めながらその達成に努めていくことによって全体としての資源の有効活用を図っていきたいというふうに考えている次第でございます。それによりまして当然のことながら全体としての再資源化、リサイクル率が向上してくるということになるわけでございますが、具体的な数字については、総量の数字を目標にして進めていくということにはなっておらないわけでございます。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○小沢(和)委員 しかし、そういう数字的な検討がなされておらないと、個々の、例えば紙あるいは瓶というようなものについてはリサイクル化を進めてこの程度圧縮するということはわかるのですが、それによって今深刻なごみ問題が抜本的に解決をするのかどうかということは何ら検討ができないのじゃないでしょうか。
○岡松政府委員 現在、問題になりますごみの排出量といたしましては、一般廃棄物と産業廃棄物があるわけでございますが、産業廃棄物につきましては、事業者の中でかなりの程度のリサイクル化が行われているけれども、これをさらに進めていくということが必要でございます。一般廃棄物につきましては、むしろこれを個別の、廃棄されていく家庭なり事業所なりというところで対応をとっていく必要があるわけでございますが、これについてはむしろ物に即して率を決めていくということを考えておるわけでございまして、紙については五〇%を五五%に上げていく、あるいはアルミ缶については四三%のものを六〇%に上げていくといったような個別の目標を決めることによりまして全体の効果を上げていくということを考えているわけでございます。ただ、その場合にも、数字を挙げて目標にするということよりは、むしろ体系としてのリサイクル社会実現のための政策手段を用意するということが重要であると考えておるわけでございまして、本法の構成もそのようなところから、事業者の自主的努力を主軸にして政策を展開することにより全体としてのリサイクル効果を上げていこうという考え方でございます。
○小沢(和)委員 私は、この程度の目標では非常に甘い、恐らく今後数年して結局矛盾が爆発する、あるいは、また爆発しかけて次の策を講じなければならないということになるのではないかというふうに心配せざるを得ません。ですから、このガイドラインの目標数字自体を再検討してさらに引き上げるべきだし、またその気になればそれが可能だと思うのです。 例えば古紙の回収率でありますが、これは平成元年度五〇%のものを五年かけて一%ずつ上げて五五%まで持っていくということになっております。しかし、今一般廃棄物で最も急増して大問題になっているのがOA用紙のごみであります。この投棄で東京湾の処分場は真っ白だというふうに言われているほどなのでありますけれども、これを今までのように一般廃棄物扱いするのではなくて、産業廃棄物として排出者にその責任を全面的に負わせて処理をさせるという仕組みに変えれば、それだけで一般のごみが減るというだけでなく、私は、オフィスなどでは組織的にOA用紙のごみを分別もして大量に回収する仕組みがすぐできると思うのです。そうすれば、年に一%ずつなどというようなことではなくて一挙に大幅に引き上げられる可能性があるのではないかと考えますが、こういうふうな点はいかがでしょうか。
○南学政府委員 古紙の利用率を毎年一%ずつ向上させながら五年後に五五%に持っていきたいというのが私どもの希望であり、また業界の希望でもありますが、これは我々決して生易しい数字ではないと認識をいたしております。我が国では早くから紙の分野において古紙の利用に取り組んできておりまして、現在では古紙の利用率、回収率とも世界的に最高の水準に達しております。日本では今古紙の利用率五〇%という水準でございますが、例えばアメリカでは二七%にとどまっております。それだけに、現状の古紙利用率をさらに引き上げていくというには相当な困難を伴うと思うわけでございますが、あえて達成のために相当な努力を要する目標をここに掲げましてこれから大いに努力していきたい、このように認識をいたしておるところでございます。 先生御指摘のOA用紙の急増の問題でございますが、確かにOA用紙は最近急増をいたしております。これが都市におけるごみ処理問題の深刻化に拍車をかけているということも事実でございますが、我々としては、この急増するOA用紙の回収が円滑に行われますよう今いろいろと勉強をしておるところでございまして、平成二年度におきましては、東京都とも協力をしながら都内のオフィスビル十カ所でオフィス古紙回収システムの確立のためのモデル事業を実施いたしているところでございまして、今後このモデル事業の結果を踏まえて古紙回収のマニュアルを作成し、効率的な古紙回収システムの確立に努めていきたい、このように考えておるところでございます。 〔高村委員長代理退席、甘利委員長代理着席〕
○小沢(和)委員 家庭ごみになっている紙の回収が世界最高の水準にあるということは、私も事実だと思うのです。だから今後紙の回収率をこれ以上高めていくことは大変困難だ、それをこれから努力するんだというような話は、私は違うのじゃないかと思うのです。なぜかというと、私がさっき申し上げたいわゆるOA用紙のごみ、これは今までほとんどそのための対策に取り組んでこなかったわけでしょう。だから、そういうようなオフィスでは焼却に、業者に頼んでどんどん持ち込んで、あるいはそれで焼却し切れないものはあの東京湾の処理場が真っ白になるほど捨てておったわけでしょう。これはやる気になったらどれぐらい劇的な効果があるかということは、厚生省や環境庁が入っている東京・霞が関の中央合同庁舎五号館、ここで最近始めたら、そのモデルケースの一つかもしれませんけれども、一カ月で八十四トンもの紙の回収に成功した。これは、オフィスで体系立って分別回収をやる気になれば一挙にこういうことになるわけです。だから、全体をそういうふうにやったら劇的にこの問題については事態を改善できる、このことをそれは証明しているのじゃないですか。
○南学政府委員 我々の目標の数値は、古紙の回収率でなくて古紙の利用率を一%ずつ高めていこう、こういうことでございまして、一方においてオフィスの古紙の回収の必要性というのは当然我々も認識いたしておるわけでありますし、それがゆえに今モデル事業等を推進しているわけでございますが、こうしたメーカーの方の古紙の利用率の向上の努力と、それから分別回収、事業所等におけるオフィスのごみの回収の努力、こういうものが相まって初めて利用率の向上も図られるものと認識をいたしております。
○小沢(和)委員 だから、私が言うように回収そのものは劇的に高めることができるわけでしょう。だから、あとメーカーの方にこの古紙を使って処理をする体制を急いでつくらせるということを突破できたら、次はその紙が、本当に市場が確保できるように手を打っていくということで、こういうようなことは事態をもっと急速に改善できるのではありませんか。そして、よく古紙の方が新しい紙よりも高くなってしまうというような話もあるのですが、このOA用紙のごみをそういうふうに回収するルートを太くつくることができたら、コストだって大幅に下げて十分に経済的にも成り立つようにできると思うのですが、どうですか。
○南学政府委員 OA用紙は確かに最近急増いたしておりますが、全体の紙の生産に占めるウエートを考えてみますと、全体の年間の紙の生産高は二千八百万トン、そのうちコピー用紙、コンピューター用紙等の情報用紙は八十万トンでございます。これが最近ふえておることは確かでありますが、この回収が急速に進むということによって回収率が劇的にふえるというような事態になるとは思われません。しかし、一部においてもこうした努力は我々は続けるべきと認識をいたしまして努力をしているところでございます。
○小沢(和)委員 次に、大型ごみの問題についても一言お尋ねしたいと思うのですが、家電製品、大型家具、自動車などについては、ガイドラインでは「販売ルートによる回収体制の整備」というふうになっております。これは当然の方向だと思いますが、それならば、もう一歩進めてメーカーに回収を義務づけるというような措置まで踏み切っていいのではないのでしょうか。 さっき私、OA用紙の産廃扱いをすべきだということも言ったわけでありますけれども、新聞報道では、厚生省はそれを廃棄物処理法改正案に盛り込みたいというふうに考えていたというけれども通産省の反対で見送ったというふうに書いてありますが、こういうような通産省の消極的な姿勢というのがこの大型ごみの回収の義務化という問題でも同じように見られるのではないか、全体として新聞報道など見ているとその辺が非常にネックになっているのではないかということを感ずるのですが、いかがでしょうか。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○岡松政府委員 自動車及び家電についての回収に絡みまして、メーカーに引き取りを義務づけたらどうかという御意見でございますが、廃掃法の第三条の考え方にもございますように、あくまでも排出者が責任を持つという考え方に立っているわけでございます。すなわち、一般廃棄物につきましては、主として家庭が出すわけでございますが、家庭にかわって市町村が処理をするというのが通常の形でございますし、事業者が出しますごみにつきましては事業者が最後まで責任を持つということでございまして、あくまでも排出者の責任であるということでございます。したがいまして、車あるいは家電製品につきましても、それを使った人が排出者になるわけでございまして、やはり排出者の責任ということを明確にしておく必要があろうかと思います。 そのような考え方に立って、車につきましては、排出者が回収業者に持っていくなりして処理しているわけでございますが、実際には社会的問題といたしまして不法投棄が行われるという実態があることも認識をいたしております。そこで、このようなことのないように、先生も引用されました産構審の答申のガイドラインの中にもございますが、販売ルートによる回収を進めていこうということを考えておるわけでございまして、家電につきましては、近くの販売店に持っていけば引き取るようなシステムを考えていく、車につきましては、ディーラーに持っていけば引き取ってもらえる。実際は、車につきましては、約九割が下取り車という形で新車の購入に当たって回収されるわけでございますけれども、残りの一〇%につきましては使い切ってしまうというユーザーがいるわけでございます。こういう人につきましても、新車の購入がなくてもディーラーに持っていけば引き取るという引き取りルートの確立を図ることによりまして不法投棄車をなくす体制づくりをしていくということによりまして、粗大ごみの回収に当たってメーカーとしての協力体制を整備するという形で対応していこうということでございます。
○小沢(和)委員 きのうの朝日新聞にも「不満残した製造業規制」ということで、これを見ますと、冷蔵庫やテレビなどのいわゆる大型家電製品、自動車、タイヤといった処理困難な廃棄物等々についてメーカーなどに回収を義務づけることを目指していたが、通産省などの反対で直接的な規制は盛り込むことができなかったというような記事が載っているんですよ。 だから、私お尋ねしたいのは、今言われたように、排出者が責任を持つべきだということで回収体制を整備するというのだったら、もう一歩進んで、厚生省と歩調を合わせて義務化をすることに何ら支障はないんじゃないだろうか。それを何で反対をして、そういうような義務づけはしない、その方がなぜいいというふうにお考えなんでしょうか、そこのところが納得できません。
○岡松政府委員 先ほど御説明を申し上げましたように、車あるいは大型家電につきましては、製品が回収されやすいような仕組みづくりをするということを考えているわけでございますが、これはあくまでも事業者の自主的な努力による市町村の回収に対する協力であるということで位置づけられるべきものであるというふうに考えておるわけでございまして、その意味で、事業者が引き取り責任を持つという考え方はとるべきではないと考えまして、今回のガイドラインに沿った指導を行っておるところでございます。
○小沢(和)委員 時間が迫ってきたから、残念ながら、もう一つ次の問題をお尋ねしたいと思うのです。 それは、家庭ごみ関係で今一番ふえているのが過剰包装あるいはアルミ、スチールなどの缶、さらにペット容器というようなものであります。しかし、こういうのを使うまいと思ったら、実際上スーパーなどで買い物一つできないし、生活ができないような現状になってしまっておると思うのですね。だから、これはこういうような過剰包装あるいはペット容器とか、そんなようなものを使用しなくて生活できるようにルートも確立すべきだし、また、そういうようなことを積極的に抑えていく、あるいは過剰包装などさせない、こういうような指導がもっと強力に行われなければならないと思うのですが、この点いかがなっておりましょうか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、過剰包装の問題というのは、都市におけるごみ処理問題の深刻化等を考えますと極めて重要な政策課題であると認識いたしております。このため、私ども通産省といたしましては、昨年八月に社団法人の日本包装技術協会に対し、包装適正化のための方策について検討していただきまして、その結果を踏まえまして、通産省としては、流通業者なり商品メーカーなりいろいろな関係団体に対して協力要請を行ったところでございまして、関係業界においては、今その包装の適正化のための具体的な実施計画を策定しているところでございまして、我々、これからも包装の適正化のために大いに努力をしてまいりたいと考えております。
○小沢(和)委員 厚生省、お見えになっておるでしょうか。厚生省にこの機会に産業廃棄物処理のことでお尋ねをいたしたいと思います。 先ほど、私の地元にも産業廃棄物が持ち込まれようとしているというようなことも言いましたが、この関係のトラブルが、ここ数年非常に頻発をしております。そこで、そこから得られる教訓をぜひ廃棄物処理法の改正などに反映させていただきたいと思って質問をするわけであります。 その一つは、産業廃棄物を排出する事業者の責任をもっと明確にすべきだ。今は確かに、原則はそうなのですけれども、この排出した事業者がいわゆる処理業者に任せると、それで大体責任を免れるようになっております。ところが、この処理業者が倒産して夜逃げをして、山のように持ち込まれたものをほったらかしてしまったとか、あるいは有害な産業廃棄物を処理もしないで一般の産業廃棄物処理場に捨ててしまって、これどうするんだといっているうちに、それもまた倒産してしまったとか、そういうような問題がしょっちゅう起こっているわけですね。だから、処理業者に頼んでも、最後までそれについて排出事業者は責任を逃れることができないように仕組みをつくる必要があるのではないか、これが一つです。 それから、二番目の問題として、同時に、そういう悪質なあるいは脆弱な処理業者を横行させておいてはならないと思うのです。これを質的にどう向上させて安心して産業廃棄物の処理ができるような体制をつくっていくかという点について、今度の法案の中に、例えば保証人や供託金制度を制度化するとか、あるいは適切な処理能力がないと認めた業者については許可を取り消すとか、こういうようなこともすべきではないかというふうに考えますが、どうでしょうか。 それから、最後に三点目、産業廃棄物処理場の建設をめぐってしばしば反対運動が起こるのです。私もその処理場というのを見に行ったことがあるのですが、これはいわゆる無害物を捨てる処理場でしたけれども、要するに、厚手のビニールシートをそこに敷いているだけなのですね。そしてそこから出てくる汚水については、ちょっと沈殿をさせてペーハーだけ調整して出してしまう、こういうようなことでは確かに住民の人たちが心配するような事態が起こるのです。現に、その下流では稲が枯れたというような騒ぎになっているのですよ。だから、こういうような点についても厳しい基準を設けて指導していくべきではないかというふうに考えますが、以上三点お尋ねいたします。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 先生御指摘の事業者の責任の問題、それから処理業者の責任の問題、さらには施設の設置に当たっての周辺環境への問題等々のお話でございますが、私ども、産業廃棄物を適正に処理していく上では、排出する側、処理する側、それぞれがそれ相応の責任を持って対応していくというのが、あるいはそれが一体的な対応をとっていくということが極めて重要なことだというふうに考えております。したがいまして、処理業者の責任の強化ということはもちろんでございますが、改めましてその排出事業者におきましてもそれ相応の責任を明確にしていく必要はあるというふうに考えております。それから、施設の設置に当たりましても、周辺の環境への配慮というものを適切に行っていかなければ、なかなか地域住民の皆さんの了解を得られない、こういうような事情もございまして、現在いろいろな角度から廃棄物処理法の改正につきまして検討を行っているという状況でございます。 細かな点につきましては、例えば排出事業者の責任の問題につきましては委託基準の強化の問題であるとか、あるいはまた、大量に出す産業廃棄物の排出事業者に対しまして計画的な処理をある程度考えていただく必要があることとか、さらには、物によりましてはマニフェストシステムを導入いたしましてその流れをきちんと管理していくようなそういったこととか、あるいは処理業につきましても許可の要件をいろいろな角度から厳しくしていくとか、そういったことを現在検討しているところでございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○奥田委員長 川端達夫君。
○川端委員 大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願いいたします。 ごみの問題と資源の再生利用、資源再生という問題はあらゆる手段を講じて解決していかなければならない国を挙げ、国民を挙げての非常に重要な課題だと思います。今回、再生資源の利用を促進しようということで法律をつくるという動きが出てきたということは、それなりにやはり評価すべきことであると思います。いろいろな御努力のことは評価をさせていただきたいと思うのですが、いろいろな切り口でこの問題を考えていかなければならない、そういう意味で、この法律自体も含めましてこういう再生資源の問題あるいはごみの問題を総合的にどう考えていったらいいのかということで、この法律を進めていくに際しても恐らくまだいろいろと課題も多いというふうに思っております。 そういう意味でお尋ねをしたいわけですが、今回、通産省が主務、いわゆる主管官庁として法案を提案されるわけですが、出す側という意味でいいますと、いろいろな担当官庁があるという意味で、建設業であれば建設省がというふうにいろいろな分での御苦労も多かったというふうに思うのです。結局、この法律に基づいていろいろ指導していこうというときに、省庁間でばらつきがあるということがあってはいけない。おのおの目的とするところは当然一つなわけですから、そういう意味でうまくやらないとばらばらになってしまうというふうなことに関してよく調整し、総合的に、そして横断的にやはりこの法律がうまく機能していかないといけないと思うのです。その分に関してのお考えといいますか、決意といいますか、リーダーシップは通産省がとっていただかなければいけないと思うので、その分だけひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 まず端的にお答えをさせていただきたいと思いますが、あらゆる法案、それぞれ今やこれだけ多極的に話をせざるを得ない、またそういう意味においては基本的な理念を我々掲げても、それが他の省にもいろいろな形において影響あるいはお力添えを賜らなければやっていけないというものが多うございますけれども、今回のこの問題、この法案に対しましても、全く考えられない四十数年前、何にもなかった日本の国からこのような粗大ごみ、ごみ社会日本というような、こうなってきたということはだれしも考えなかったことでございまして、それだけに全くもって通産のみならず、農林省においてもあのような包装用紙から何から大変な問題になってきておる。あるいはまた、当然のことながら他の省においてもそのことはあらゆる形で、厚生省もそうでございましょうし、環境庁などはその任に当たる省としても一番の大きな課題でございましょう。 しかし、何といいましても、この問題点における産業構造の中からこのような問題が生まれてきたという点におきましては、図らずもこの商工委員会で取り上げられている現場を見てもおわかりいただきますように、これは主管でやらなければならぬのはこの商工委員会であり、なおかつ、主務大臣は私であるということからいたしましても、この問題点において、ある意味において責任問題として遂行する牽引車ということにならなければならないのは私どもの省ではないかな、このように私もこの任を感じておるわけでございます。 そのような意味において、本法による再生資源の利用を総合的に計画的に推進する上では基本方針というものが重要でございますが、基本方針の策定に当たりましては、確かに私を含めまして七人の主務大臣共同でこれを行うことになっていることは事実でございます。その際、各省庁間で十分に連携を密にいたしまして、そしてひっかけ合いあるいはまたその任務遂行の上に立っての、俗な言葉で言うと、なすり合いというようなことは決してないようにスムーズな運営を対応していかなければならぬことは当然でございます。その場合にまず通商産業省が連絡役となり、また潤滑油となって必要に応じて各省庁の連携を図っていきたい、またその線に沿っていきたいというこの責めは私自身も負うつもりでございます。
○川端委員 ありがとうございました。通産省及びこの商工委員会もその責務があるというふうに思います。ぜひともの御活躍を期待をいたしております。 さて、この法律自体は資源の再利用という観点にウエートを置いて立法されているわけですけれども、いわば病人で言えば対症療法という部分にどうしてもなるというふうに思います。やはり究極的な資源の効率的運用あるいはごみ問題というのは、可能な限りごみとならないようにするというのが一つの大きな原点ではないかな、そういう部分で根治療法というのですか、そのもとを絶つという部分で、この産廃にかかわる部分というのはそういう観点を随分取り入れていただいておるというふうには思うのですが、ごみを出さないという社会というのを見た場合に、個人的ないわゆる消費者のレベルで見ますと、この前のオゾン層のときも同じことだと思うのですが、やはり地球を守り資源をうまく使うという意味では多少の不便が出てくる。いろいろ個人生活においては今よりは多少不便を感じながらでもそういうことに、資源を再利用する、あるいはごみを出さないという生活をしていこうということはみんなやっていかなければいけないことだというふうに思うのですが、そういう意味で国民に対するいわゆる啓蒙教育等々を一生懸命やろうということはそれが大事なことだと思うのですが、一方、先ほども少し議論がありましたけれども、ごみを少なくするという意味でのいわゆる過剰包装の問題であるとか、容器が昔に比べれば、例えばお酒というのは一升瓶に入っているもの、そしてそれは、一升瓶はまた何回も使うものというのから、いろいろな紙パックの容器から化粧瓶からいろいろデザイン的に豊かになってきたという部分ではやはりそういう部分のことをそういう観点で考えたらどうなんだろう。牛乳というのも昔は瓶に決まっておったのですが、今は牛乳瓶を探すのが珍しいぐらいになってきた。そういうふうな部分で企業としての、出てきたごみをどうするかという前にそういう意味での、そのいろいろな多少の不便さとか美的感覚とかいう部分との調整をこれからやはり考えていかなければいけないのではないか、あるいはそういう観点に立ったときの、出さないあるいはリサイクルしやすいという施策がどういうふうに考えていかれるのかな、これからの大きな課題ではないかと私は思うのですが、その点に対してはどうなんでしょうか。ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○岡松政府委員 廃棄物の減量化につきましては、法制的に見ますと廃棄物の適正処理の一環といたしまして厚生省の廃掃法の三条一項で手当てをされているわけでございます。ただ、各事業者に対しましては、私ども昨年十二月の産構審の答申を受けまして、自主的な取り組みを求めているところでございます。以上のような廃棄物の減量化につきましては、既に他の法令で手当てされていることあるいは各事業者において自主的な取り組みがなされているというところから、本法の対象そのものとしては取り扱っていないわけでございますが、先ほど来御説明申し上げておりますように、包装の簡素化ということを通じましてごみを出さないという方向への努力は今後とも続けてまいることは非常に大事であるということは委員御指摘のとおりでございます。
○川端委員 そういう意味で、いわゆるごみを再利用する、再生利用するということと同時に減らすということと、ほかの法案にもかかわるわけですが、これからの一つの大きな課題だと思うわけです。そういう観点も含めて、冒頭通産省がかなり責任を持ってリーダーシップをとっていく役所であるという中で、例えばいろいろな運動をしていく中で通産省あるいは官庁というものがこういうごみ、資源の再利用をかなり先頭を切ってやっているなどいうことは国民の啓蒙という意味もひっくるめて非常に大事なことだというふうに私は思うのです。通産省ということでお伺いするのがいいのが、中央官庁ということでお伺いするのかはいいですが、例えばこういうOAも含めての紙なら紙を年間にはこれぐらい使っている、そしてこれをこういう目標でこれぐらい減らしていこう、あるいはこういう再生利用のシステムをつくっていこうとか、そういうことを検討をされている、あるいは実行されている機能というのはあるのでしようか。
○南学政府委員 紙の例についてお答えをいたしたいと思いますが、昨年の三月に省エネルギー・省資源対策推進会議というのを中央官庁の中で設けまして、それを開催いたしまして申し合わせを行いました。今後中央官庁が率先して再生紙の使用を進めていこう、あるいは古紙の分別回収を実施していこう、さらにまた関係各省が地方公共団体、政府関係機関あるいは民間企業等に対しましてこうした再生紙の使用なり古紙の分別回収の推進を働きかけていこう、こういう申し合わせを行いまして、今その線に沿って大いに各省とも努力をしているところでございます。
○中尾国務大臣 ただいま政府答弁もいたしましたが、さらにもうちょっと言及をさせていただきますると、今委員が御指摘のように、これはどうしても広範囲にわたってPRの作業も必要なんじゃないのかというようなことから顧みまして、廃棄物の減量化は全国民がこれに取り組まなけれぱならぬ問題である、これはもうまさに御指摘のとおりでございます。そこで昨年の十二月の産業構造審議会の廃棄物処理・再資源化部会の答申におきまして、学校、家庭あるいは職場において廃棄物の減量化あるいは再資源化の考え方が浸透するように幅広い意識の啓発こそが極めて大事である、このような趣旨で指摘されているとおりに私どもは考えておるわけでございます。 政府みずからがごみの減量化あるいは再資源化を推進するためには、例えば昨年三月の省エネルギー・省資源対策推進会議等の、このそのままの申し合わせといいましょうか、それを受けまして通産省側といたしましても、本年度からは省内で発生する古紙の分別回収に取り組むことなどを考えておるわけでございます。通産省としては、産業構造審議会の答申を踏まえまして、政府がリーダーシップをとりまして廃棄物の減量化あるいは再資源化を進めることは国民運動の展開である、このように認識しておりまして、そしてこれは最も重要だと考え、率先垂範してこれに対応するということは言うまでもございませんが、広く国民に向かいまして廃棄物の減量化、再資源化を、ちょうど私どもがここ最近の省エネルギーの問題を、二月が省エネルギー月間でございますが、それを広くずうっと一年にわたってやってき続けましたけれども、それと同様な、その大きな可能性を秘めながら、減量化、再資源化の重要性についてPRを行っていくことが厳に必要であるということも申し上げておきたいと思う次第でございます。
○川端委員 ぜひともに国民の範たる活動をお願いをしたいと思うのですが、そのときに、やはり現状と目標と実績と中身があまねくPRできるように、なるほどという姿が見えるようにひとつお願いをしたいな、御要望申し上げておきたいと思います。 実際に今までの動きでいいますと、やはり外に見えるという意味では、個々のいろいろな民間企業等の方が熱心におやりになっているのではないかなというふうに思います。内々いろいろ御検討もされていることでもございますし、ぜひともに国民の側から見て、なるほど、さすがはだな、随分頑張ってやるんだな、見本にしたい、我々もそういうふうにやろうというのが啓発の一番大事なところではないかというふうに思います。よろしくお願いをしておきたいと思います。 そういう中でございますが、今省エネのお話がありましたけれども、昔、省エネが一時期随分叫ばれ出したときに、当時の大平総理が、省エネルックというのですか、背広の半そでみたいな服をお召しになって、率先して頑張ろう、こんなことを一種おやりになりましたけれども、そこまでのパフォーマンスをどうかということは別にしまして、例えば、今再生紙の問題でありますと、いわゆる教科書、国公立の小中学校の教科書は再生紙にしようとか、あるいは中央官庁が今も御努力されていますが、いろいろな再生原料を使ったものを積極的に使うとか、そういうふうな部分も含めて、ひとつお願いをしておきたいというふうに思います。 それで、このリサイクルのことに関して触れてみたいと思うのですが、リサイクル社会をつくって、出たごみがぐるっと回って戻ってくるということをやはりそれなりに社会に定着をさせなけばいけない。そういうときに、今回の法案というのは、おのおのの責務は書いてありますけれども、産業にかかわる製造業から出てくる部分に関していろいろなことをやろうということ、これは一つはやはり非常に大事なことだと思います。ただ、リサイクルですから、ぐるっと回らなければ意味がないというときに、全体的にフローを考えて、法律がこういうふうに構成さるべきだというよりは、むしろイメージはあるのでしょうけれども、ここの部分だけがこの法案になっているということだと思うのですが、全体的なイメージをこれからどういうふうに考えるかということについて、ひとつお聞かせをいただきたいというふうに思います、法の構成上。
○岡松政府委員 再生資源につきましても、廃棄するだけでなくて、原材料として利用するということが、資源の有効利用を図り、かつ廃棄物の発生を抑制し、環境の保全に資するという上で、国民的な課題であるというふうに考えておるわけでございます。このために、製造販売業者だけでなく、消費者、回収業者、行政に携わる者も一体となりまして、それぞれが役割分担をして実行していくことが重要であるというふうに考えております。 この法律におきましても、再生資源の利用を促進する多くの関係者の協力を得るための責務規定をその意味で広く設けておるわけでございまして、さらにそれを促進するために、再生資源の原料としての利用を確保すること、あるいは取り扱われる製品が再生資源として利用されやすくすること、表示によって分別回収がなされやすくすること、あるいは副産物についてはそれが利用されやすくすること等が不可欠であると判断しておるわけでございまして、こうした措置を実施するためには、事業者に対して法律上の特別の努力を求めることが必要と考えまして、所定の規定を盛り込んだわけでございます。このような措置は、再生資源の利用を提起いたしまして、ひいては再生資源の需要量を増加させることになるために、経済活動全体の中で、再生資源の利用が伸展していくための良好な環境づくりになるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○川端委員 ちょっと質問が悪かったかもしれませんが、それはよくわかっているのですが、そういう言い分でいくと、要するにごみとなる可能性のある物を出すときの話としていろいろ押さえられた、これはそれで意義のあることだ、結構なことだと私は思います。 しかし流れなければいけないという部分で、実際に今の現実はそこから消費者に渡り、また戻っていくというところに関して非常に大きな役割を担っているのが自治体であり、それから消費者であるということに関しては、責務規定はあるのですけれども、個別の問題としての部分では、今のこの法案では仕組みとしては基本的には触れないという形になっていると思うのですね。 そういう意味で、具体的にお伺いをしますと、例えば一般の消費者がそういうものを再生利用するのに協力をしようとボランティア活動をしておられる方がいっぱいおられるわけです。そういう部分に関して法的に国としてバックアップをするということが、これからどうしても不可欠になる。結局そこが隘路になってしまう。現実には今一生懸命集める。そうすると、その集めた物を置く場所がない。何とか努力して集めてそれを置くと、だれも取りに来てくれない。そんなことで、かえって苦情を言われる。そんなことだったら、もうやめた方がいい。これの背景には、一つにはやはり経済性で動いている部分に任せているということがやはり大きな問題ではないか。先ほども御議論がありましたけれども、一生懸命古紙をボランティアで集めて回る、そうするときに置き場所がないというので随分苦労されるのですが、置き場所を見つけてそれを引き取ってくださいというときに、引き取り業者は、そんなものはこのごろはもうペイしないから引き取りにも行きませんということで、野ざらしになる。結局はごみをそんなところへ置かれたら困るということになって、何のことはない、市役所が来て焼却するごみになってしまうというふうなところがやはりネックになっていることは事実なんですね。 そういうリサイクルというのを考えるのであれば、そこの部分をどういう仕組みで流れるようにするのか。一つの経済的な仕組みが今ある。回収業者に任してしまうと、値段の高いときは取りに来ますけれども、値段の低いときは取らない。現に最近ではちり紙交換の車はほとんど見かけないのが現実だと思うのですね。そういう意味で、その部分に地方自治体とボランティアの部分を含めて、いわゆる回収資源の置き場であるとか輸送システム、それから処理する設備というふうなインフラに関して、どういう手だてをするのかということは、ただガイドラインでこういうふうにあるべきだという話とは私は違うのではないかな。そこに関して、これからの問題かもしれませんが、どういうふうに考えていかれるのかをお聞かせをいただきたいと思います。
○岡松政府委員 先生お尋ねのとおり、ボランティア活動をしている人たちを支援していくような全体としてのシステムづくりが重要だということはそのとおりでございまして、この再生資源の利用を促進していくためには、広く一般消費者からの協力を得ながら進めていくということが大事であろうというふうに思っておるわけでございます。当省といたしましても、国や関係団体が行う再生資源の利用の促進を図るための普及啓蒙活動等を行っているわけでございますが、これらに当たりまして、自主的な市民、消費者団体の活動を十分に念頭に置きながら、必要に応じて提携を図るようにしてまいりたいと思っております。 また、場所をどうするかというお話がございましたが、やはりこれを促進していくためにはさまざまな具体的な助成が要するというふうに考えておりまして、各種の再資源化機器設備の導入、整備が行われるということも大事でございまして、これらに対しまして税制、金融、財政上の支援措置を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○川端委員 この部分が仕組みとしてうまく機能しないと、幾らつくった人がどんどんいろいろマークを入れてやりましても、結局はみんな集めて燃やすか埋めるか捨てるかするというふうな仕組みしかできないということで、今おっしゃいましたけれども、産構審の終わりの方にも「消費者への提案」ということでこうある。こういうことで分別しましょうというかごみの集団回収に参加しましょう云々というのを一生懸命協力しても、最後は市役所の車がまとめて持っていって燃やすだけだということになってはいけない。しかし、現実にはやはりそういう要素が随分あると思います。そういう意味で、これは非常にきめ細かい問題でありますが、税制云々ということと同時に、やはり自治体に対する助成というものをこれからきめ細かく考えていっていただきたい、そのことを特に御要請をしておきたいというふうに思います。 自治体に対してという部分で具体的に何かお聞かせいただくようなことがございますでしょうか、今の観点に関しては。
○岡松政府委員 御指摘のように、リサイクルを進めていくためには、最終的には再生資源の利用が進む、すなわち再生資源に対する需要がついてくるということが大事であろうというふうに考えておるわけでございまして、この利用を促進していくということを図らなければならないと思っておるわけでございます。これらは経済活動全体の中で再生資源の利用が進むようにしていく、そのような環境づくりをしていくということが基本的には大事なことであるというふうに思っておりまして、本法の施行を通じましてそのような環境づくりをし、需要を喚起し、それによって再生資源の回収がまた進んでくるという体系づくりをしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○川端委員 まあいいですけれども、自治体に助成ということを聞いたのですが、ちょっと違ったかと思います。 それで、今のお話で、サイクルをつくっていく分に、そういう需要を喚起していく。例えば古紙の混入率をふやすとかいうことで再生紙の需要がふえるというふうなことでそのサイクルをつくることは一つの考え方かもしれません。しかし、それはかなり経済原則に任せるということになってしまう。そうしますと、一つは資源を買う、買い取り回収業者がペイしなかったら取りには来ない、こういう部分で、やはり別に再生資源の市場というのを相場と関係ない部分で政府で何かつくることをむしろ考えないと機能しないのではないかなというふうにも思います。同時に、経済性ということで任せてしまうとほとんど動かないだろう。例えば今、再生紙をみんな使いましょう、恐らくここにおられる方とかもたくさん、この名刺は再生紙を利用していますとかこの紙は再生紙をというのがあります。しかし、普通の紙より再生紙の方が高いのですね。これはどういうふうにお考えですか。 結局これは、再生紙というものの市場が先ほどありましたように値段が随分下がってしまった。いわゆる需給バランスの観点でいいますと、それからコストの観点でいえば、再生紙を使うというメリットは経済性上基本的にはほとんどないのですね。そういう意味でどんどん値段が下がる、現に下がっている。そういう意味で僕は、市場メカニズムに任せた中で再生紙がどんどんリサイクルできるという仕組みは今のベースにはないのではないか。それを変えて、一方で需要喚起としてみんなが高いお金を出してでも再生紙を使うことで回収しようというのは果たして理屈に合うのかなというのが疑問に思うわけですけれども、そこにメスを入れた仕組みを何かつくらないとこれはうまくいかないのではないかと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○岡松政府委員 ただいまの質問にお答えする前に、先ほどちょっと自治体の関係で答弁漏れがございましたので一言触れさせていただきますと、自治体につきましても一般廃棄物の処理事業の実施を通じて再生資源の利用に大きく貢献してきておりまして、また、地元住民にとっても大変身近な存在であるわけでございますので、住民意識の啓発等に当たって重要な役割を担っていただくと同時に、自治体が再生資源の利用を促進するためにさまざまな政策を講じてまいりたいと思っている次第でございます。 それから、ただいまの経済性の問題でございますが、確かに御指摘がありましたように再生紙については従来一般紙よりもやや割高だということがあるわけでございますが、経済原則だけにゆだねていたのでは十分成果が上げられないというところから、この法律により強力に再生資源の利用を推進するということによりまして再生資源の活用を図ってまいりたいというのが本法を制定するねらいであるわけでございます。そういう形でまた運用もしてまいりたいと考えております。
○川端委員 時間が参りました。とにかく一歩前進しながら考えていかなければいけない問題がいっぱいあるというふうに思います。また我々も勉強していきたいと思いますし、通産省におかれましても大臣におかれましてもなお一層の御努力をお願い申し上げて、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○奥田委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十六分休憩 ────◇───── 午後二時四十三分開議
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 本法案は、この法案だけをとってみると、これは通産行政としてかつてない極めて前向きの法案であるというように評価するわけですが、いわゆるごみ三法と言われたこの法律案を通産省でつくるに至った過程で、どうも率直に言って、廃掃法の改正案がまだ出てきておりませんが、厚生省所管の廃掃法の改正案が後退をして、そしてその中で通産省のこのリサイクル法が生まれてきた。はたから眺めてみますと、いわば厚生省が通産省に負けた。基本法をつくらなくてはならない環境庁が、先ほど連合審査の中でいみじくも極めて消極的な姿勢を示されたことでわかるわけでございますが、手を施すこともできなくて、三法が二つの法律になってあらわれてきた。こういうことになっておるということを、これは私だけじゃなくて、昨日の朝日新聞にもこういう記事が出ておるわけですね。それは私としては、ごみ三法が三省にわたって出てくる過程の議論を見てみますと、全体としたら非常に後退をしたこういう形の中でこの法案が生まれてきたというように受け取るべきであって、せっかくのことであったにもかかわらず、まことに残念に思うわけであります。しかしながら、冒頭申し上げましたように、通産行政としては極めて前向きの姿勢を示されてこのリサイクル法案を出されたことに対して一定の評価をしたいと思うわけであります。 そこで私は、まずお尋ねしたいのは、いつものことでございますが、法律をつくるに当たりまして、どうやら最近の法律を成文化するに当たって政令あるいは省令、あるいは法律の中でそのまま文案化しないで政令にゆだねる、省令にゆだねるという事項が多くなってきておる向きがあるのですが、御多分に漏れずこの法案につきましても、実に政令にゆだねる箇所が十七カ所、省令にゆだねる箇所が六カ所に及んでおるわけであります。条文を見てまいりましたら、政令で定める何々、政令による事項ということで、その文をそのまま読んでも何が何だかさっぱりわからぬということでございます。本来的に言うならば、このような政令とか省令とかというものは、せっかく新しい法律を提案されたわけでございますので、完全な政令、省令になっておらなくても、少なくともそのアウトラインだけでもこの法案と同時に出されるということが極めて親切なやり方ではないかと思うのですが、そのことも非常に残念に思うわけです。 そこで、第二条の二あるいは第二条の三、第二条の四、第二条の五で言われておるところの特定業種あるいは第一種指定製品、第二種指定製品、指定副産物、これにつきまして、政令がまだできておらないといたしましても、大体それぞれについてはこれこれという端的な一つ、二つの例をこの機会に挙げていただきたい、このように思います。
○岡松政府委員 まず特定業種でございますが、現在考えておりますのは、産業構造審議会の答申にございましたところによりまして、紙・パルプ製造業及びガラス瓶製造業等を念頭に置いております。次に第一種指定製品でございますが、これにつきましては、同じく答申に取り上げられております大型家電製品、自動車、ガラス瓶等を念頭に置いております。次に第二種指定製品でございますが、これにつきましては、同じく答申に取り上げられておりますアルミ缶及びスチール缶を念頭に置いております。最後に、指定副産物でございますが、ここでも答申で取り上げられております鉄鋼スラグを念頭に置いているということでございます。
○和田(貞)委員 第六条の「国は、再生資源の利用」云々という条文並びに第六条の二についてでございますが、先ほど連合審査の中で、環境庁長官並びに渡辺局長が、この第六条でうたわれておる「必要な資金の確保その他の措置」ということは、この再生資源を利用させるためにボランティアの活動は、それぞれ市民団体等々でやっておられるが、これらに対するところの支援の資金であるという、そういう答弁が先ほどなされたわけでございますが、通産省としてもそのように御確認いただけるわけですね。
○合田政府委員 ボランティア活動によります再生資源の利用促進のための措置等は、国としても非常に必要であるというふうに考えておりますので、それに必要な資金の確保その他の措置をこの条文に基づいて講ずるように努めてまいらねばならないというふうに考えております。
○和田(貞)委員 なお、六条の二の条文の中で、国は、物品の調達に当たって云々必要な考慮、この「必要な考慮」という意味をひとつ説明しておいていただきたいと思います。
○合田政府委員 六条第二項におきます物品調達に当たっての「必要な考慮」と申しますのは、再生資源の利用に当たってはいろいろ関係者がございますが、そのうち国の責務について規定をしたものでございます。具体的に申し上げますと、国の物品の調達に当たって再生紙、つまり古紙を利用した製品でございますが、そういうものを使用すること等を念頭に置いているものでございます。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○和田(貞)委員 そこで、この十二条、十五条、二十条における勧告、公表の対象として一定規模以上の事業者を考えておられるわけですが、これはもちろん「政令に定める」の中に入るわけですが、これは一体どの程度の事業者を対象にしようと思っているのか、この機会に明らかにしておいていただきたいと思います。
○合田政府委員 お尋ねになりましたように、本法では十二条の特定業種の関係、それから十五条の第一種指定製品、二十条の指定副産物に関係する事業者につきまして勧告、公表等の対象となりますのは、政令で定める一定規模以上の者に限定をいたしております。この趣旨は、こういう措置によりまして零細事業者に過度の負担が不当に課されることのないようにするためのものでございます。具体的にどの程度の規模を政令で定めるかということにつきましては、この法律の施行時までに検討をいたすことになるわけでございますが、おのおのの事業の経営の実態でございますとかあるいは勧告等の対象となります事業者の範囲等を総合的に判断をいたしまして、対象となる事業ごとに決めていくことになるものと考えております。
○和田(貞)委員 例えば中小企業基本法でうたわれているところの中小企業の規定、これは何かの基準になりますか。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○合田政府委員 例えば、十二条の冒頭を見ていただきたいわけでございますが、主務大臣は、特定事業者であって、その製造に係る製品の生産量でございますとか、あるいは建設工事の場合でございますと施工金額が政令で定める要件に該当するものについて云々という書き方になっておりまして、中小企業基本法で定められておりますのは、資本金でございますとか従業員の規模で一定以下のものを中小企業と規定をいたしておるわけでございますが、これは、それとは別途の角度から、先ほど申し上げましたように、その事業の経営の実態とかあるいは勧告等の対象となります事業者の範囲等から総合的に判断をして定めてまいるというふうに考えております。
○和田(貞)委員 くどいようでございますが、この一定規模以上という、一定規模というのは比較的大きな企業を指しておるのか、小さな企業を指しておるのか、その点だけひとつお答え願いたい。
○合田政府委員 勧告、公表等の措置によりまして、零細事業者に過度の負担が課されることのないような配慮から一定の規模を考えてまいるということでございます。
○和田(貞)委員 できるだけひとつ小さな企業を基準に置いてやらないと、大きな企業をそれ以上ということになりますと、どうもこの法律の趣旨にそぐわない点が出てくると思いますので、その点は十分ひとつ政令づくりの際に考慮してもらいたいと思います。 なお、十一条、十二条、十四条、十五条、二十条でのいわゆる政令づくりあるいは判断基準づくり、あるいは十七条に言うところの表示事項、遵守事項、それらをつくる際に通産省としては、先ほども議論されておりましたが、環境保全という立場に立って環境庁長官の意見を聞く、そういうお考え方があるかどうかということをこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
○岡松政府委員 環境庁長官が参加いたしまして基本方針を定めるわけでございますが、この基本方針の中に、法文で申しますと三条の二項になりますが、「環境の保全に資するものとしての再生資源の利用の促進の意義に関する知識の普及に係る事項」を記載することになっているわけでございますが、この基本方針を定めるに当たりまして、環境庁長官を主務大臣として参加をしていただくわけでございます。この基本方針にのっとりまして特定業種判断の基準を定めてまいりますので、この判断基準を定めるに当たりましては、それぞれの産業を熟知いたしました事業所管大臣が定めていくということを考えております。
○和田(貞)委員 環境庁長官の意見を聞かない、こういうことですね。
○岡松政府委員 環境庁長官の意見は基本方針の中に反映されておりまして、その基本方針にのっとって定めていくということでございますので、個別の判断基準を定めるときには環境庁長官の意見を聞くという形にはなっておりません。
○和田(貞)委員 時間がありませんので次に進みますが、先ほど来より議論されておりますように、やはりそれぞれの個別の判断基準をつくる際にも、環境保全という立場に立つならば環境庁長官の意見を聞くということの方が、せっかく新しい法律をつくるわけでございますのでその方がいいのではないかというのが私たちの意見でございますので、ひとつ参考にしてもらいたいと思います。 次に、先ほど六条の質問で、ボランティア活動等に対するところの支援が、この六条で言うところの「必要な資金」もそれらに充てるということを御答弁いただいたわけでございますが、私は、この再生資源を確保するためにどうしても受け皿づくりというのが必要じゃなかろうかと思うのであります。それがなければ、これも先ほどから議論をされておりましたように、再生資源というのはなかなか回収するに当たって、回収に当たられるこの事業者の方々がそんなに喜んでやられる事業でもないし、生活の糧ということになろうともそんなにもうけがいいという事業でもない。むしろ事業者が減っていくという傾向にあるわけでありますから、どうしてもこの再生資源が相場によって左右されて、せっかくこの法律ができましても受け皿づくりがないためにそれがごみの方に、じんあいの方に流れていくということが考えられるわけです。この法律ができて再生資源が現在よりも、紙にいたしましても鉄くずにいたしましてもその他にいたしましても、より量がふえるということが、またそのための法律でありますから、ふえるということが予想されるわけです。そのふえた量が、相場によって回収が左右されるわけでありますから、事によってそれがごみの方にずっと流れていくということになりますと、これは末端の自治体の処理機構、処理施設、処分場、それが今でこそ限界に来ておるからこの法律もできてきたにもかかわらず、自治体に対してそれ以上の迷惑をかけるということになることを非常に憂うわけであります。 したがって、これらの再生資源をストックさせるための場所、これは自治体の方に国の方が資金を支援いたしましてその場所を確保するというようなこと、あるいはこの回収業者に対しまして、先ほど来税金の面で考慮しているというようなことが言われましたけれども、それには恩恵がないわけであります。どうしてもこれらの回収業者に対しまして、むしろ再生資源を回収するということを主に置いて、一定の補助金、助成というようなことをしていって再生資源を確保していく、ごみの方に流れていかないように努力をするということが必要じゃなかろうか、このように思うわけであります。この点についてのお考えをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○岡松政府委員 再生資源の利用の促進を図っていきますためには、御指摘のように、そのままごみになってしまうものを少しでも減らして、資源として利用できるものは利用していくという体制をとる必要があるわけでございます。この法律でねらいとしておりますのは、事業者に一定の努力を求めることによりまして再生資源の活用、すなわち利用が拡大することによって需要が拡大する、その結果再生資源業者もそれに合わせて事業の発展が図られてくるということを考えておるわけでございます。そのような良好な事業環境をもたらすようにするのが本法のねらいといいますか、効果であるわけでございます。 具体的にまた個別の業種に沿って申し上げますと、古紙回収業につきましては、既に事業用施設の事業所税の免除等の措置が講ぜられておるところでございますし、またこれに加えまして、来年度から廃棄物の再生処理用設備の特別償却制度の対象として新たに金属製の回収設備等を追加することといたしております。また、これらを通じて円滑な再生資源の利用の促進が図られるような所要の措置を講じてまいりたいというふうに思っておるわけでございまして、今後とも再資源化事業者等の発展と再生資源の利用の促進と双方が円滑に行われるように図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
○和田(貞)委員 今申し上げておりますストックをする場所の確保というのがなければ、いかに言われたところで、せっかく回収してきてそれを今直ちに引き取らすためには、手間賃も出ない、幾ら税金等々言われたところで、それ以上に回収してきても相場の値下がりによって出すことさえもできないといった場合に、一定の時期まで保管をしておくという場所がなければどうにもいかぬわけなんです。 環境庁、来ておられると思いますが、環境庁の方の法律を出すことにならなかったわけでございますけれども、当初あなた方の方で考えておった中には私が今申し上げておりますストックの場所、自治体にリサイクルセンターを資金援助のもとにつくらせていくというようなことを考えておったかに仄聞するわけでございます。環境庁からお答え願いたい。
○長谷川説明員 御説明いたします。 ただいま御指摘ありましたような考え方というのは、私どもが庁内に設けました検討会の中での御議論にはそういうのがありましたけれども、最終的にはそういうこと、同じような目的のために税制上の優遇措置を講ずるというようなことが重要ではないかと考えまして、関係省庁とともに働きかけまして、平成三年度の税制改正で都市部の再生資源業者について特別土地保有税の非課税措置を講じるというような見込みが現在立っております。具体的に申し上げますと、現在検討中の廃棄物処理法の改正案の中で、廃棄物再生業者の登録制度を検討中でございますけれども、これとあわせましてこういったことが講じられるというふうに聞いております。こういった措置によりまして再生資源業者の経営基盤の強化が図られるのではないかと考えておりまして、先生御指摘のような点につきましては——税制上の措置としては考えておりました。
○和田(貞)委員 そうじゃない、税制上の措置じゃないよ、リサイクルセンターをあなた方の方は考えていたでしょうと言っておるわけだ。
○長谷川説明員 御説明いたしますと、私どもは検討会で御議論があった時点におきまして確かにそのようなことを内部で検討しておりましたが、最終的には今申し上げましたようなことで経営基盤の強化を図ることが適切だと思っております。
○和田(貞)委員 もう環境庁は当てにしません。極めて消極的です、先ほどの連合審査の中でも。あなた方は少なくともその案が出れば、今度のこの通産の法案の中にそのことがなければ、このことがある方がいいというくらいの答弁をするのが当たり前じゃないですか。そういうことだから、もう環境庁は当てにならぬのです。これ以上環境庁には言わぬけれども。 しかし通産省、今最終的にそのような法案が出なかったためにこれが生かされておりませんが、少なくとも環境庁ではこのリサイクルセンター、ストックする場所というものがなければ、せっかくこう法律をつくってリサイクル化さそうと思っても、再生資源を保管する場所がないためにごみの方に流れていくというところから議論されたわけなんです。せっかく法律つくるのですから、少なくとも自治体に対して支援活動を行って、これがごみの方に流れていかないために回収したものが再生資源化していくように、ぜひともこれは、当初この中に考えておらなくても、近い将来にそのことを含めてやらないとこの法律の趣旨というのは生きてこないわけなんですね。その点、大臣、ひとつ前向きでお答えいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 和田委員の先ほどからおっしゃっておることは、まさに前向きの質問でございますから、私どもそれに対応するべく全力を投球して考えていきたいと思っております。
○和田(貞)委員 ひとつよろしくお願い申し上げたいと思うわけでございます。 さらには、リサイクル業者、回収業者にただ税金の面だけで優遇する、そういう対象者じゃないわけです。先ほどそれぞれの委員が申されたように、回収業者というのは税制の面で優遇されても恩恵をこうむらないという立場に置かれている事業者ばかりなんですよ。だから、回収ということ、再生資源化していくということ、このことに熱意を持つならば、私は後で一、二の例を挙げますけれども、ただこの古紙を回収するあるいは鉄くずを回収するというそういう回収業者だけでなくて、例えば、これは農水の関係でございますが、魚のあらを集めてこれを飼料に再生資源化していこうという回収業者もあるわけです。あるいは、お豆腐をつくった残りかす、おからですね、これは従来比較的都市の近郊に肉牛だとか乳牛だとか割に飼育しておった農家があったわけです。ところが、だんだんと遠隔の地に場所を移していくために、都市の中でつくられるお豆腐屋さん、これらのお豆腐屋さんというのは極めて小規模な事業者ですね、そしてできたおからを捨てる場所がない。生ごみとして自治体の焼却場が受け取ってくれないのですよ。どうするかというと、埋立地に使っておるのです。そうすると、それが腐敗をする、悪臭を放つ、そして悪臭を放つだけでなくて埋め立てた土地がおからが入っておるためにがたがたになるというようなことで、非常に迷惑をこうむるというような結果を生んでいるわけですね。あるいはお魚のあらも、お魚を解体するお魚屋さんというのは小さい業者ですから、そのあらを生ごみに引き取ってくれないから川に捨てるあるいは山間部に捨てている節もあるというようなことが現実に起きているわけですね。あるいは、食堂の残飯、レストランの残飯、これも従来は養豚場があったためにこれが飼料として活用されておったけれども、これは現在ない。 そうすると、この残飯を回収する回収業者、魚のあらを回収する業者あるいはお豆腐のおからを集める回収業者というのはあるわけです。排出する業者が極めて小さい。そして集めてもこれが商売にならぬ。そうすると、再生資源化のためには、そういう回収業者に資金的な援助をしてやらないと成り立っていかぬわけでしょう。だから、どうしても資金援助をしてやる必要があると思うのですよ。例えば、お魚のあらを集めている大阪の業者が協同組合をつくりました。そして今一生懸命やってくれているんだけれども、今申し上げているように、なかなか商売にならぬのですよ。ところが大阪府下では、お魚のあらを回収して、そして飼料に再生資源化していくのは全国一なんです。それだけ業者も努力しているわけですから、ぜひともこれらについて資金的な援助ということを考えてやらないと、せっかくの法律が生きてこないということになるわけでございますので、この点ひとつ前向きな答弁をこれまたぜひとも大臣、してもらいたいと思います。
○中尾国務大臣 まず、政府答弁させたいと思います。それから私の所見も述べたいと思います。
○岡松政府委員 ただいま御指摘の事例は、いずれも農水省関係の事例でございましたが、今回の法律の中にはそのような支援措置は含まれていないわけでございますけれども、広い意味では、第六条の「国は、再生資源の利用を促進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めなければならない。」という規定があるわけでございますので、それぞれの省庁におきまして、資源の有効利用を促進するために必要な範囲におきましてこの規定に則して努力をしていくように努めてまいりたいと思っております。
○中尾国務大臣 率直に感想を述べさせていただきますと、おからを穴ぼこに埋め立てて、そして、それをある意味における土地改良的な事業に浴するというわけでございますから、悪臭は放つわ、でこぼこは出るわ、これはなっちゃないと思うのです。 そういう意味においては、私ども考えても、それはもう委員の言われることはよく理解できるわけでございますが、所管としては、これはどうしても農水省になるということになりましょうけれども、それだけに、先ほど来問題になっておりまする七つの主務大臣がそういうものを分かち合いながら、密度濃く話し合いながら、そして、先ほどの六条にも示されておるような支援措置も含まれているわけでございますから、そういう点においても、なるべく皆様方に満足のいくような形における前向きな姿勢というものは崩してはならぬ、私は主務大臣としてそう確信しております。
○和田(貞)委員 きょうは農水大臣が見えておらないわけでございますので、主務大臣の一人でもございますので、ぜひとも通産大臣の方からよろしくお願いしたいと思うのです。農水の方が来ておられたら、ひとつ。
○竹本説明員 まず、おからの件でございますが、先生御指摘のような状況に立ち至つておりまして、このため、平成二年度からでございますけれども、おからの効率的な回収システムのあり方あるいは飼料や肥料としての有効な利用方法、さらに新たな食品等への活用の可能性等につきまして検討を行う事業を推進しているところでございます。 それから、魚のあらについての御指摘でございますが、魚のあらにつきましては、従来化成工場等への委託処理によりまして、飼料でございますとか肥料への再利用が図られてきたところでございますが、近年、個々の店舗等から排出されます量が少なくて回収率が悪いという事情がございます。さらに製造されます飼料なり肥料の価格が不安定であるというような事情にあるわけでございまして、そういう点で魚のあらの処理が困難な状況になってまいっているわけでございます。このため、従来から卸売市場における魚のあらの処理施設への助成措置、主要産地を対象とする水産廃棄物処理施設への助成措置を行ってまいったわけでございますが、さらに加えまして、平成三年度からは、新たに鮮魚小売店等から廃棄されます魚のあらの共同処理施設に対します助成、卸売市場における魚のあらの再利用を図るための市場廃棄物高度利用施設に対する助成等を行うこととしているところでございます。
○和田(貞)委員 厚生大臣、農水大臣にひとつ言うておいてください。 それからつけ加えて、先ほど例を挙げなかったけれども、てんぷら油等の廃食用油、これの処理の回収もやはり同じことです。十分な補助金等の対象にしてやって遺憾のないようにしてやってほしいと思います。 ついでに、大臣、厚生省関係の医療廃棄物は、これまた今の農水関係とちょっと違いまして、注射針とか注射の容器とか極めて危険度を伴うわけですね。これがたまたま大阪で、電炉の中小の鉄鋼業者が、注射針を初めとした医療廃棄物を再生資源化、というても、小さなものですからわずかであってもそれは再資源化になっていきますが、それとあわせて汚染物の処理にもなるわけですね。これはある鉄鋼業者が考えついてくれているわけです。これは非常に願ったりかなったり。ところが、注射針を病院や診療所で集めていっても引き合うような値段で鉄鋼業者は引き取らぬでしょう。これもやはり、その回収業者というのは非常に難しいわけなんです。したがって、これは再生資源化のためとあわせて、この医療廃棄物は感染性のあるものでございますから、それも一緒に処分をするという意味でございますので、これはぜひともこれらの回収業者に対するところの資金的な支援ということもあわせて考えていただきたいということをお願いしたいと思うわけでございます。 もう一つこの機会にお願いしておきたいと思いますのは、厚生省所管のいわゆる廃掃法の改正案がまだ閣法として出てきておらないわけでございますが、これが出てくるということになりますと、憶測するところでは、最終的な廃棄処分のために自治体と企業が、いわゆる自動車であるとか電化用品であるとかという処理困難な廃棄物、これが当初企業で引き取るということが、金を出して協力をするということに変わってきたわけでございますので、第三セクターとしての処分センター、処理センターをつくろうという構想らしいのであります。 ところが、本来一般廃棄物の処理処分というのは自治体によるところの市町村の固有の事務になっているわけですね。したがいまして、一般廃棄物の焼却場、処分場ということになりますと自治省の方から補助金があるわけですが、産業廃棄物がこれに伴うために、一般廃棄物が一緒に処理されても自治省の資金的な助成の対象にならなくなってしまうわけです。そうすると、本来自治体の事業がいつの間にやらそうでなくなっていくような可能性にもなりがちでありますので、もしもそういうことであるならば、この第三セクターでつくる処理センターというのは産業廃棄物だけに限るというようにすることが一つの案であります。さもなければ、県も参加をして市町村の自治体の、県自治体の一部事務組合として、第三セクターじゃなくてその処理センターをつくる、そういうようにすると国の方からの補助の対象にもなるわけでありますし、本来の自治体の固有事務というのはそのまま継続し守られていくということになるわけでありますので、きょうは自治省の方に来てもらっていることと思いますが、第三セクターでこれらの処理センターをつくるというよりも、県も絡んで一部事務組合でそのようなセンターをつくっていくという方がいいのではないかと思うわけでございますが、自治省の考え方をまずお聞かせ願いたいと思います。
○岩崎説明員 お尋ねでございますが、現在厚生省におきまして廃掃法の一部改正法案が検討中でございますが、私どもが説明を承る限りにおきましては、特別の管理を要する廃棄物等の処理を行う民法法人につきまして廃棄物処理センターとしての指定を行いまして、国からの一般廃棄物についての国庫補助金を受け入れてその業務を運営しよう、こういうものだと承っておるわけであります。そこで、業務の内容といたしまして、特別の管理を要する廃棄物に一般廃棄物も産業廃棄物もともにあるというところから、一般廃棄物及び産業廃棄物についてもともにセンターで処理しようというように検討されておられると聞いておるところでございます。 それから、産業廃棄物の処理につきまして県と市町村とで一部事務組合をつくって処理するというようなことはいかがかというお話でございました。それも一つのお考えかと思いますけれども、私ども産業廃棄物処理につきましては基本的には事業者処理原則というものを十分に踏まえて対処することが必要であると考えておるわけでございます。そこで、実際に産業廃棄物につきまして県と市町村が一部事務組合等の共同処理をするかどうかにつきましては、あくまでも事業者処理原則を踏まえつつ県や市町村の自主的判断におきまして地域の実情に即して判断されるべき問題である、こういうように考えております。
○三本木説明員 先生御指摘の二点につきまして御説明をさせていただきたいと思いますが、まず第一点の医療廃棄物の処理の問題でございますが、これは廃棄物処理全般にわたります基本的な考え方といたしまして、産業廃棄物につきましてはやはりその排出事業者の責任ということが大前提にあるわけでございます。したがいまして、こういった観点からは、費用の負担についてはやはり排出事業者が負担すべきものである、こういうふうな考え方でおりまして、したがいまして国庫補助をするということはなかなか困難ではないかというふうに思っておりますが、ただ廃棄物処理業者あるいは再生利用を行う業者さん等につきましては、例えば公害防止事業団等々の政府系の金融機関からの融資というような道も現在残されておるところでございます。 それから第二点目の、現在、廃棄物処理法で第三セクターをつくりまして廃棄物の処理を行っていこうという考えを私ども持っておりまして、現在検討中ではあります。これは、産業廃棄物の処理を中心にした考え方で、あわせて、個々の市町村ではなかなか処理が難しい、一つは技術的に、あるいは量的にも個々の市町村では極めて量が少ない、そういったような現実がございます。それで、かなり高度な技術あるいは経済的合理性を持ちながらやらなければならないというようなものもございますので、そういう意味でこの第三セクター等について現在検討を行っているところでございます。
○和田(貞)委員 時間が来ましたのでやめますが、ひとつ厚生省、先ほどから農水とかあるいは通産と違って、あなた方の方は産業廃棄物のうちの医療廃棄物の、いま一点の答弁、極めて後退的な、消極的なあれですね。これは、農水だとか通産のように前向きになって、回収業者に同じ法律で、あの産業廃棄物は排出者の負担ということはわかっているわけです。しかし、これのリサイクル化をさせていくということとあわせて、あなた方の方は汚染化された医療廃棄物を処理をしてやろうという業者が生まれたら、これは願ったりかなったりではないですか。要はそれを集めるという回収業者に対して、せっかくできる法律なのだから、農水のように前向きになって、回収業者に補助をしていくということで成果を上げるようにやはり考えなさい。 二点目は、これは今自治省と話がありましたけれども、一つの市町村では難しいから、だから第三セクターではなくて、県も入って複数の市町村が集まって事務組合をつくって、そして産業廃棄物もあるいは一般廃棄物も一緒に処理するような処理センターをつくる方が望ましいのではないか。これは本来の自治体の固有事務である廃掃法に基づくところのごみの焼却処分、処理、この事務を損なうということにならないから、同じセンターをつくるのならばそういう形ですべきではないかというのが、大臣、私の意見であります。 したがって、ひとつぜひともそのことを踏まえて御検討いただきたいと思いますが、この法律の施行に当たりまして、せっかくの法律でございますので、環境の保全というものを十分に念頭に置きながら、リサイクル化しようと思ってつくった法律が、かえってごみが川に流れていく量がふえていって自治体が困る、困らすということのないように積極的にひとつ運営をしてもらいたいということを最後に申し上げたいわけでございます。その点の決意だけをひとつ大臣の方で述べていただきまして、終わりたいと思います。
○中尾国務大臣 和田委員、先ほどから大変に参考になる意見を賜りまして、ありがたく拝聴させていただきました。 二点ございまして、一つは何はともあれ、環境の破壊をしてはならない、環境をきちっとしろということから始めていくという主体性を失ってはいかぬ、これが認識の一点。 それから、経済要素もございますが、エネルギー源、その他代替エネルギー、いろいろとございますけれども、それも当然のことながら並立両輪、輪のごとくやるべきことではございますが、ともかく基本的理念というものは先ほど委員の申し上げられた環境の保全というものから出発点があるのだぞ、その考え方は十分認識させていただいておりますから、そのような方向で、七省が主管ではございますけれども、特に私も責任を持ってこの七省の主務大臣それぞれにもよくお伝えさせていただきたいと思っておる次第でございます。 ありがとうございました。
○和田(貞)委員 終わります。
○奥田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○奥田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 再生資源の利用の促進に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○奥田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○奥田委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、甘利明君外五名より、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提案者より趣旨の説明を求めます。竹村幸雄君。
○竹村委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 再生資源の利用の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、再生資源の利用の促進が廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資するものであるとの認識に立ち、特に次の諸点につき適切な措置を構ずべきである。 一、再生資源の利用を促進するためには、消費者を含めた広範な関係者の協力が必要であることにかんがみ、基本方針にその趣旨を明確にするとともに国民の理解を深めるよう積極的な指導に努めること。 二、特定業種、指定製品、指定副産物の指定については、それぞれの固有の事情にも配慮しつつ、可能な限り広範囲に行うとともに、判断基準については、事業者の一層の努力を促すものとなるように定めること。 三、再生資源の発生及び利用の状況等に関する情報の収集・提供に努めるとともに、再生資源の利用の促進についての国民の自主的な努力に対し、積極的な支援を行うこと。 四、環境の保全に万全を期する観点から、本法及び廃棄物の適切な処理・処分のための施策を関係行政機関の連携を密にしながら総合的かつ効果的に実施するとともに、今後良好な生活環境の確保に必要と思われる諸施策の充実強化に引き続き努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 甘利明君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○奥田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、中尾通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中尾通商産業大臣。
○中尾国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して、本法案の適切な実施に努めてまいる所存であります。 ─────────────
○奥田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○奥田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○奥田委員長 次に、先刻付託になりました内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案並びに和田貞夫君外十名提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより両案について順次趣旨の説明を聴取いたします。坂本内閣官房長官。 ───────────── 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○坂本国務大臣 ただいま議題となりました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 独占禁止法は、公正かつ自由な競争を維持、促進することにより、一般消費者の利益を碓保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を図るものであります。政府は、国民生活を一層充実し、我が国経済を国際的により開かれたものとするため、独占禁止法違反行為に対する抑止力の強化を図ることを重要課題の一つと位置づけております。その一環として独占禁止法で禁止されている不当な取引制限等に対して課せられる課徴金を強化することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、課徴金額は、売上額に一定の率を乗じて算定することとしておりますが、この率を現行法の原則一・五%から原則六%に引き上げ、小売業と卸売業についても、それぞれ二%、一%に引き上げることとしております。また、企業規模の小さい事業者に対しては、別に率を設定することとしております。 第二に、課徴金の算定の基礎となる実行期間については、現行法では特に限定がありませんが、法律関係の社会的安定等を図る観点から、三年を限度とすることとしております。 第三に、現行法では、課徴金の額が二十万円未満の場合には納付を命じることができないとされておりますが、この額について、経済実態の変化等を踏まえ、五十万円に引き上げることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いをいたします。
○奥田委員長 次に、小岩井清君。 ───────────── 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○小岩井議員 私は、ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同提案の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、提案者を代表いたしまして、提案の理由及び内容の概要について御説明申し上げます。 御承知のとおり、独占禁止法は、私的独占、不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業の支配力の過度の集中を防止して、事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正かつ自由な競争を促進し、それを通じて事業活動を盛んにし、雇用と国民実所得の水準を高め、もって一般消費者利益を保護し、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的として制定された法律であります。このため具体的には、違反行為者に対して違反行為の排除措置、刑事処罰の規定を置くほか、カルテル禁止の実効性を確保するため、昭和五十二年の法改正により、カルテルによって得た不当な経済的利得を国が徴収する課徴金制度が導入されたのであります。 しかるに、その後の法の運用状況を見ておりますと、カルテル事件の発生状況、とりわけ同一の事業者が違反を繰り返す業種があることなどにあらわれておりますように、現行法の規定では、違反行為を抑止する効果がなお不十分であると言わざるを得ないのであります。また、違反行為者に対する刑事告発については、昭和二十八年の法改正前の事業者団体法違反事件を含めても、法制定以来今日までにわずか六件、それも昭和四十九年の石油やみカルテル事件以後は一件もないという状況であります。こうした中で国際的にも今日、我が国の経済社会における排他的で不透明な流通・取引慣行というものが強く批判を受けているところであります。 かかる実情を見るとき、カルテル等の違反行為を一層徹底して抑止し、法の実効性を確保するためには、現行独占禁止法を積極的に見直し、改正する必要があります。これがここに独占禁止法一部改正案を提出する理由であります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、課徴金の額の引き上げであります。現行課徴金は、カルテル実行期間中の対象商品の売上額に百分の三、製造業は百分の四、小売業は百分の二、卸売業は百分の一を乗じて得た額の二分の一に相当する額とされておりますが、これを当該売上額に百分の十を乗じて得た額とし、ただしその額が当該行為により当該事業者が不当に得た利益の額を上回ると認められる場合には、当該不当利得の額とするものとしております。 第二に、原価の公表であります。昭和五十二年の法改正により、一定の高度寡占市場で同調的値上げが実施された場合に、公正取引委員会は値上げの理由の報告を求め、これを公表することのできる制度が新設されました。しかし、その報告内容は、値上げの当否を判断できるだけのものとは言いがたく、同調的値上げに対する十分な抑止効果を持つに至っていないのであります。これを是正するため、公正取引委員会は、同調的値上げが一般消費者等の利益を不当に害していると認めるときは、当該事業者に対し、当該商品等の原価について報告を求め、これを公表することができるものとしております。 第三に、確定審決前置の廃止であります。現行法第二十五条は、私的独占、不当な取引制限、不公平な取引方法については、事業者が被害者に対して無過失損害賠償責任を負うものとしております。しかし、その反面、第二十六条で、当該請求権の行使について確定審決前置主義がとられております。したがって、この制度の実効性を一層高め、国民・一般私人の発意によって法の運用を強化するため、確定審決前置を廃止するものとしております。 第四に、前述した損害賠償請求においては、違反行為が存在すること、当該行為によって損害が生じたこと、損害を金銭に換価した額の三点について原告側による立証が必要であります。現行法では、損害額について裁判所は遅滞なく公正取引委員会の意見を求めなければならないとされておりますが、これに加えて、事業者につき審決が確定したときは、当該審決により認定された違反行為等があったものと推定する規定を新設しております。 第五に、確定審決前置の廃止に伴いまして、第二十五条の規定による損害賠償に係る訴訟の第一審の裁判権は東京高等裁判所に属するとする規定も削除することとしております。 第六に、不公正な取引方法に係る罰則の新設であります。不公正な取引方法を用いた者等を五百万円以下の罰金に、また不公正な取引方法に該当する事項を内容とする国際的協定または国際的契約をした者を三百万円以下の罰金に、それぞれ処するものとしております。 第七に、告発請求制度の新設であります。審決により違反行為があると認定された場合には、何人も、法第九十六条第一項に規定する罪となるべき行為があると思料するときは、公正取引委員会規則の定めるところにより、公正取引委員会に対し、告発するよう請求することができるものとしております。また、この請求があった場合において公正取引委員会が告発をしないことに決定したときは、その旨及びその理由を文書で当該請求をした者に通知しなければならないものとしております。 その他、必要な規定の整備を行うこととしております。 また、この法律の施行期日は、公布の日から起算して、三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○奥田委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十三分散会