商工委員会 第5号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/02/22
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。
○大畠委員 日本社会党の大畠でございます。私は、私の持ち時間の中で、基本的に四つの点についていろいろ討論をしたいと思います。 最初に、湾岸戦争に関する件でございますけれども、湾岸戦争に突入してから既に一カ月過ぎました。きのうも、夜といいますかけさの二時に、今まで私も起きていまして、テレビ等の情報を聞きながら、朝方は朝でまた変わった情報を聞いて、非常に憂慮している一人でございます。私としては、対立から対話への世界的な流れが出てきたんじゃないかとこれまで思っておったのですけれども、いわゆる人類もやっと、有史以来初めて平和を話し合いで維持するという新しい時代を迎えたのではないかと思っておったのですけれども、この一カ月間の動きというものは大変残念な状況でございます。 その中で、日本の貢献策として日本政府は新たに九十億ドルというお金と自衛隊機の派遣を決定しているわけでありますが、この行為はまさに多くの良識ある国民の声を無視して、また日本国憲法の前文の都合のいい文章だけをもてあそんで、日本国憲法の理念を忘れて、あの三百万人の犠牲を出した第二次世界大戦の教訓等も捨て去って、いかに多国籍軍に貢献せんがためというような状況であり、また日本国民の血税を違法にも戦費として支出することになるのではないかと思うところであります。この問題は私は非常に重要だと思いまして、この間、予算委員会でも今質疑がされておるわけでありますけれども、通産大臣はこのような状況について、日本がとろうとしている状況について、国会議員として、また政治家として、一体今どのようにこの状況を認識されておるのか、まずお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 前半の部分は私も全く大畠委員と気を同じゅうして、同じ考え方でございまして、昨日も十二時半の発表があるというので、フセインさんの演説も聞かせていただきました。フセイン大統領はどうも人を寝不足にするんじゃないかと思うぐらい、夜三時くらいまで私もいろいろとフォローしておりましたけれども、残念ながらあの演説の内容では、快く受諾しているとは思えないような内容でございました。がっかりしたことだけは正直そのまま伝えたいと思います。ただ、けさ方になりますと、ちょうど私どもの八時半の閣議をやっておりますころに入ってきましたニュースは、ソ連の報道官を通してのニュースでございますからまだまだ不透明な部分が多うございますけれども、しかしそれによりますと、ややまた全面撤退、ただしそれに付加条件はまだついておるということで、これがどのような形で明快なものになっていくかということは定かでございません。しかるゆえに、もうちょっと様子を見なければならぬかなという感じがいたします。 ただ、問題点は、あらゆる形においても理念としての平和、これはもう憲法の理念でもございま すから、そういう点においては、もうそれを達成していくということにおいては私ども何ら変わることはございませんが、私どもとしてはやはり国際的な意味における平和並びに秩序というものを考えますると、一カ国とて武力行使によるある国における席巻、そしてまた居座りということは許すまじきことかな、そういう意味においてはずっと委員も予算委員会の答弁のやりとりを聞いていたかと思いますが、私どもは海部総理の答弁に尽きる考え方で考えておる、こう申し上げた方が早いのではないか、こう思っておるのでございます。
○大畠委員 そうすると、大臣は世界平和というものは武力なくして維持できない。要するに、武力こそが逆に言えば平和を維持する手段であるというような、そういう認識を持っておられるのでしょうか。
○中尾国務大臣 武力なくして平和は維持できないという考え方には全く立っておりません。まず第一に、世界の歴史の流れを見ておりますると、もちろん世の東西を問わず、歴史の古今を問わず、まず武力が先んじてやっていったという歴史の繰り返しはあったと思います。しかし、御案内のとおりに、一九二五年のジュネーブ議定書あるいはまたそれに続く一九二〇年代における不戦条約、特にパリで開かれた、これは憲法の前文、九条の前文にも掲げておるのは、そのままパリの不戦条約を取り入れたと思われるほど見事なものでございまして、そういう点においてはまず自分から手を出していくというようなことは厳に戒むべきものである。その前段として話し合いの中でもってやっていかなければならぬ、これは前提だと思います。話し合い、ネゴシエーションというものの継続の中において一縷の望みを託していく、全幅の望みを託していくと言った方がいいでしょうか。その上に立って、なおかつある型の外れたアウトローみたいな方がおられたといたしましょうか、そして平和と秩序というものを乱したといたしましょうか、その場合に彼は武力をもって相手を屈服せしめ、あるいは席巻したとする。その場合に、私どもが以前に私どもの内容において、世界の良識また英知としてつくられていった国連というあの場において十分これは勧告すべき要素はあろうかと思います。国連の安保理事会という決議というものを、そのために存続するわけでございますだけに、それを通じてのネゴシエーション、それを通じての勧告あるいはアドバイス、これはもう一番基本的に大事なファンダメンタルなものであると考えなければならぬと思うのです。しかし、それが再三にわたる勧告に従わなかった場合、それでもなおかつ武力行使において相手を屈服し、威嚇し、なおかつまた席巻し続けていくという場合には、この勧告を聞き得なかったという場合、一体果たして国際秩序は守り得るのか、あるいはまた国際的な平和を維持でき得るのか、このメーンテインというものが極めて大事でありまして、そのメーンテインでき得ないという場合に、今回の場合このような行動体系が行われたと私は解釈する者の一人でございます。
○大畠委員 大臣の言われることもよくわかるわけでありますが、やはり私はこのような状況になったケースの場合は、日本の動きといいますか、日本の行動というのは本当に大事だと思うのです。いろいろ私もこの湾岸戦争が勃発してから勉強させていただきましたけれども、戦後四十五年間、結果的に中立的な外交をしいてきました。資源外交とアジア外交、それからアメリカ協調外交、この三つの外交方針が日本のベースになったと思います、第二次世界大戦の反省を踏まえて。その関係が非常に中立的な、どの国にもフリーハンドで日本人ならば歓迎してもらえるというような状況が生まれてまいりまして、私の友人で商社に勤めている人もいますが、アメリカ人もシャットアウト、ソビエト人もシャットアウトだけれども、日本人なら受け入れてくれる、この四十五年間でそういうものができたんだ、ぜひこれを崩さないでほしいという意見も強くいただいておるところであります。したがって、私は、今回アジア外交と資源国に対する外交というものをちょっと忘れてしまってアメリカ協調外交のみに走ってしまったことは非常に残念だなと思うのです。 それで、私はまさにきのうのといいますか、けさの二時のフセイン演説、そしてまた、きょうの朝八時三十五分のソビエトでの報道がございましたけれども、これから日本はどうするんだというのは、アメリカも中東も余り期待してないかもしれませんけれども、日本としてやはりきちっと考えて行動をすることが本当に大切かなと思うのです。アメリカの方でも、議会でも大変議論が進んでおりまして、新聞報道によりますと、一月の議会の中では戦争か否かで三日間徹夜で国会をやり、全議員が発言したというのですね。こういう真剣さが私はこの議会でも求められるし、また国民の中でも求められているんだと思うのです。そういう意味では、今予算委員会をやっておりますけれども、とにかく九十億ドルというのは戦費じゃないんだ、後方支援だといってもだれも通らないですね。マスコミでもだれも信じていません。よくお金に色がついてないという話がございますけれども、これは国際的にもまず認められてないし、逆に言えば、これも報道でありますけれども、あなた方がお金を出さなければ米国は戦争ができずに結果的に息子は死ななくて済んだのにというようなことで日本が言われた場合どうするんだ。要するに日本の九十億ドルというお金でもって少なくともイラク兵が死に、またアメリカ兵も死に、戦争国の方が何人かといいますと、何十人か何百人かが血を流していることも事実でありますので、この事実を私たちは踏まえて、一生懸命商工委員の一人としても頑張らなければならないと思っているところであります。 そこで、そういう中で通産省として、非常に厳しい状況でありますけれども、いわゆる日本の憲法の範囲内での非軍事的な貢献策、和平へ向けての貢献策、いろいろなことがありますけれども、通産省としてこれまでどういう努力をされてきたのか、少し伺いたいと思うのでありますけれども、私はこの九十億ドルという問題についても、日本がお金を出すことを、これは私の個人的な意見でありますが、反対しているのじゃなくて、この九十億ドルあるいは前の四十億ドルと合わせますと百三十億ドルという形になりますが、そういうものを非軍事的なもの、例えばペルシャ湾の海洋汚染に対してイギリスが調査したところによると回復するのに約五十億ドルかかるという報道もございました。また私は、難民救済に二十億ドル出すとか、周辺国の経済救済に二十億ドル出すとか、あるいは戦後の復興なんか言うとまた不謹慎だという話がありますけれども、そういうものにも五十億ドルぐらいかかる、もっとかかるかもしれませんが、いずれにしても、そういうふうに前向きな形でのお金の支出だったら日本人はみんな国民の方も理解してくれると思うのです。そういう意味で、まず通産省として、このペルシャ湾の海洋汚染の回復作業等も含めて通産省として何ができるか、どういう検討をして、今どういう状況にあるのか、現状についてお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 まず第一に、私どもの通産省がどういう格好でどういう形においてこれを後方的に支援をしておるか。アメリカの報道官も言っておりましたが、何かロジスティックスという言葉を使っておりました。確かにロジスティックスという言葉には兵たん基地という言葉もございましょう。しかし、その前段には後方支援という言葉もあるわけでございまして、そういう点では私どもはあくまでも後方支援という形でやってくれということは強調しておるわけでございます。 さてそこで、ただいま御発言ございましたように原油の流出の問題、そういう問題で現今の段階だけでもそれにまつわることにいろいろな形で補助するだけでも数十億ドルがかかると御指摘賜りました。全くそのとおりだと思うんです。輸送にしてもそうでございましょう。そういう点におきましては、私どもとしては、まず通産省側として平和的にこの問題点でやっていかなければならないという形においては、まず第一に我が国としてやりました問題、特に通産省主管としてやりまし たのは、原油流出による影響を強く受けておりますサウジアラビアからの要請があるならば、できる限りの協力をしていこうという基本方針に立ったわけでございます。 ただ、私も過去の私自身の体験ではございますが、二十七から二十八くらいまで一年間近くでございましたが、ちょうどエジプトに私もいたことがございました。確かに民族も風習もそれぞれ違うのでございますね。だから、それだけに受けるニュアンスも違うかもしれません。しかし、人道的な立場で救っていくという点においては、やはりだれしもが納得でき得るというものに私どもは協力しようという考え方がありましたがゆえに、まず向こうから一番応援をしてくれと言われましたオイルフェンスの問題、これなどは緊急な課題として取り上げるということで直ちに、先方の要請を受けるや否や、石油産業界の協力を得ましてサウジアラビアあるいはバハレーンあるいはカタールなどに提供することといたしまして、現在順次これを輸送中でございます。それからまた、サウジの環境保護庁等からの追加要望がございました油防除資機材、私もいつもポケットに持っているのでございますが、こんな機械に油のついたのが使えなくなってしまう、それを掃除するといった方がいいんでしょうか、それを削除する、そういうようなちょっとピンボールみたいな格好をした油を吸い上げるものでございますが、そういうものの提供につきましては、通産省としては提供可能なオイルフェンスあるいはまたオイルスキマー、今申し上げたもの、それから油吸着材等をサウジアラビアに対しまして現在も輸送準備中でございます。もう既に何便かにわたってはこれは輸送されたこともございますし、三十キロにわたるオイルフェンスというものは大変に感謝をされ喜ばれたということも私も承っております。
○大畠委員 通産省としてもいろいろ検討されているということですが、いろいろ海外の声なんかを聞いていますと、金なんかじゃなくて人間が動かなきゃいかぬというようなことも言われています。これは私もそうだと思います。 そこで、先ほども申し上げました海洋汚染対策ですとか難民対策、周辺国の経済援助あるいは戦後の復興政策等についても、やはり銀行を通じてお金だけが行くというのではなくて人間がかなりやらなきゃいかぬと思うのですが、通産省としてこの湾岸の戦争対策のための情報収集のために、どのくらいの方々が関係国に今派遣されておるか、まず実態を教えていただけますか。
○麻生政府委員 通産省からは現地の大使館に外務省を経由して出ておるわけでございますが、この地域ではサウジに一人、オマーンに一人、それからUAEに一人、それからイラク、クウェートにそれぞれ一人、外交官という形で出ておるわけでございます。
○大畠委員 今、各大使館に一人ずつ通産省の担当者、これはこの湾岸戦争が勃発してから派遣したんですか、それとも前々からいる方々ですか。
○麻生政府委員 戦争勃発以前から駐在しておった者でございます。
○大畠委員 それはわかりますが、それでは人が動いたことにならないのですよね。その方々も前から仕事を持っていた、この湾岸戦争が勃発したらまたいろんな新たな任務が始まるんで、逆に言えば、湾岸戦争対策用として例えば何人かの方々を派遣して、いろんな情報を収集するためにおまえ行ってこい、通産省としてどういうできることがあるんだ。例えば犬養さんの向こうの避難民の最前線のリポートというのがありまして、例えば現地で非常に風が強いんでテントが寒くてしょうがない、ケロシンのストーブとか、火事に備えての消火器、どんな粗末なものでもなべとか、あるいは風にも負けないロープとか、こういうものはどこから来ているかというと、日本から来てない。日本からも出しているという話もあるのですが、私は、この湾岸戦争が始まってから、先ほどのアメリカの話じゃありませんが、この行動というのは本当に人の命がかかっているんだ、そのくらいに真剣に日本も受けとめて通産省も動くんだというのを示すためには、やはり通産省として何ができるか、通産省からもそれを派遣して新たに情報を調査する、そのくらいの真剣な行動がなければなかなか評価されないかと思うのですよ。それはどうですか、その方々がそういうことで兼務みたいな形でやっていても大丈夫なんですか。
○麻生政府委員 湾岸戦争が始まりました後のいろんな現地の情報収集につきましては、基本的には現地の大使館の外交ルートを通じて相手側の政府の判断なり意向を把握するということを基本にやってまいったわけでございます。難民の問題になりますと、ちょっと通産省といいますよりも外務省一般の仕事になってくるわけでございますが、今問題になっておりますような石油の流出問題なんかにつきましても、特にサウジ政府環境保護庁などと緊密に連絡をとりまして、向こう側の具体的に要望するものは何かということを把握いたしまして機敏に対応してきたと思っておるわけでございます。具体的にいろんな形で調査をするという必要性も生じてくる場合もあるわけでございますけれども、現在のところはそういうことでこちらから特に担当官を派遣せずに、現地の館員を通じてやっておるわけでございますが、言われますように情勢の把握が非常に重要でございますものですから、今後、湾岸情勢あるいは戦闘の状況というようなことの推移を見ながら、あるいは今後の和平の状況を見ながら、そういう点につきましても十分検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
○大畠委員 いわゆるそういう行動が、真剣さが足りないと言われているんじゃないでしょうか。やはりエマージェンシーなんですよ。事故なんですよ。事故というか、戦争なんですよ。やはりそれはそれなりの体制を組んで日本も動くという、そういう姿勢を示さないから、こうやって日本は金だけじゃないか、自衛隊機を派遣すればそれで済むのか、それ以外のことをやらなきゃいかぬじゃないかと言われているわけですよ。やはり人が見えない。例えばきのうからきょうにかけても大変いろんな動きがあったわけですけれども、そのために日本は何をやったらいいんだ、その九十億ドルでもって人の命がどんどん失われているのも事実なんですよ。それを早く抑えなければならない。あるいは日本は軍事行動できませんから、非軍事的な面で何ができるか、それを真剣に考えるために日本の通産省あるいは外務省、いろんなセクションが十人ぐらいで来た。何か我々としてできることありませんかと一生懸命聞き回っている。あるいは難民キャンプへ行ってどうですかと言って情報を聞いては、英語じゃなくて日本語でどんどん情報が入ってくる。通訳を通してじやなくて生の声が日本人の声として入ってくる。じゃ通産省としてこうしよう。だからそこは本当は真剣にやるべき事態だと思うのですよ。今お話がありましたけれども、そういう意味では非常に真剣さが足らない、私はそういうことを指摘したいと思うのです。ぜひとももっと真剣に通産省としても、通産省だから、外務省じゃないんだからおれたちにできることないんだ、あるいは大使館から情報を聞けばいいんだ、そういう態度じゃなくて、ぜひとももっと積極的にやっていただきたいと思うところでございます。この問題についてはこのくらいにしたいと思うのですが、いずれにしても、今日本人の行動、日本の行動というのが非常に問われていますので、本当に真剣な、目に見える官庁としての体制を組んでいただくよう要望して、次の質問に入りたいと思います。 次の質問は、やはり湾岸戦争に絡んで私たちの国民生活と資源エネルギーについてお伺いしたいと思うのですが、討論したいと思うのですけれども、この湾岸戦争が勃発してから、今マスコミ等でもいろいろ、あるいはちまたでも私たちの生活をもう一回見直さなければならないんじゃないか、こういうことも言われております。すなわち、私たちは資源を持っていません。エネルギーも持っていないのですね、どちらかというと。そういうことで、大概輸入した資源とエネルギーで生活しているわけで、そういう意味ではもっと省資 源、省エネルギーというものを、この湾岸戦争を契機に私たちの生活自体も見直す必要があるんじゃないか。 例えば今通産省の中でも暖房温度を下げようという話がありますが、例えば私も昨年スウェーデンに行ってまいりました。スウェーデンという国も一生懸命省エネルギーに努めているわけでございますが、断熱材が建屋の外側五十センチぐらい入っています。日本の基準は五センチか十センチという話が今出ていますが、そのくらい一生懸命やろうとしていますし、窓は三重枠、三重の窓ガラスになっているのです。それから電気の節約に努めたり、あるところではお湯を沸かすときも、コップ三杯分のお湯を沸かすときは三杯はかってあと蒸発量分だけちょっと足してやかんでお湯を沸かしてそれを使うとか、そこら辺まで非常にエネルギーに対してあるいは資源に対してもいろいろな配慮をしているわけでありますが、日本として、この状況になって今普通の生活と同じような形が行われているのですけれども、通産省として何か国民の皆さんに呼びかける、こういう状況であります、中東ではオイルをめぐって人の命がどんどん失われている、こういう状況で日本は経済的に豊かなために何とか生活、現状維持していますけれども、エマージェンシーだから少しこういうことをぜひ国民の皆さんも考えていただきたい、こういうような呼びかけといいますか、消費動向に対する警鐘を鳴らす必要があると思うのですが、どのように今考えておられるかお伺いしたいと思うのです。
○緒方政府委員 先生御指摘いただきましたように、省エネルギー問題は非常に重要な問題でございます。これは湾岸危機がなくても日ごろからやらなければならないことでありますけれども、特にお話がありましたようにイラクのクウェート侵攻以来その重要性、意義が高まっているわけでございまして、私どもその事件が起こりました直後の八月及び冬場に入ります十月に各省庁の次官レベルから構成されております省エネルギー・省資源対策推進会議というものを開催をいたしまして、八月の場合には冷房、十月の場合には暖房温度の調整等を内容とした省エネルギー対策の申し合わせをいたしまして、各省庁の協力を得て国民各層、産業界への周知徹底に努めているわけでございます。今回、一月の段階では、一月十八日に総合エネルギー対策推進閣僚会議を開きまして、そこで当面、十月に決定をいたしました省エネルギー対策の徹底等、これまでの省エネルギー対策の着実な実施を図ることが必要であって、今後さらに必要が生ずれば一層の省エネルギー対策を検討しよう、こういうことで方針が了承されたわけでございます。これを受けて一月の十八日以降でありますが、政府関係省庁からそれぞれの関係団体、関係業界に対しまして省エネルギーの一層の徹底の呼びかけを行いますとともに、各省が実施をしております政府の広報活動の中で省エネルギーの普及広報活動を一層強力に取り組んでもらう、こういうことを実施いたしておりまして、今後とも私ども、省エネルギー対策の実施を着実に図ってまいりたいと考えているところでございます。
○大畠委員 これもいわゆる参戦国といいますか、例えば世界の中から日本は金だけ出せばいいというのじゃなくて、日本国内も一生懸命に努力しているというのをもっと見えるように、もっと徹底した、例えば過剰包装とかごみの減量とかありますが、これも大変重要なんです。でもやはり今はそれ以上に、何かちょっと踏み込んだ抑制策といいますか、国民に呼びかけというものが必要じゃないかと思いますので、今後それをぜひ検討していただきたいと思うのです。 それから、今アメリカでは、湾岸戦争が始まってから輸入原油の依存度を縮小しようということでいろいろ検討を開始しました。余り一カ所に依存し過ぎていたということで、それをもうちょっと見直しをしようということなんですが、日本としても、中東は確かに産油国として重要な地域でありますが、ほかにも天然ガスだとかあるいはまた新たな石油のベースですとか、日本としてなるべく他国に頼らない形での資源エネルギー政策というものを検討すべき段階に来たのじゃないかな。いわゆる金さえ出せば資源が入ってくるんだということじゃなくて、ぜひそういう意味で日本の資源エネルギー政策そのものをもう一回検討すべきじゃないかなと思うのですが、そこら辺は今どういうふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 こういうときでございますから、資源の多様化あるいはまた日本のエネルギーの確保、依存は基本的な問題になるという感じがいたしますので、私から答弁させていただければと思います。 私どもの国は過去二度の石油危機というものを体験をしておるわけでございます。そういうことを踏まえまして、エネルギーの安定供給に向けて石油代替エネルギーの導入あるいはまた省エネルギーの推進等を行ってきたことは先ほど政府答弁でも申し上げたとおりでございます。このため、今回の湾岸危機に際しましては冷静な対処が非常に可能となっているものだと認識せざるを得ません。それだけに私どもも、このエネルギーの問題はもう委員御指摘のとおりに、あるときには省エネ対策ということも率先垂範して、先ほどの諸外国の例を委員が述べていただきましたように、私どもがまず率先垂範しなければいかぬ。そこで、小さな問題ではございますが、ネオンサインの問題から冷暖房の問題から、これは省庁の中から始めていけということで、先ほど来私どももそのような形で、隗より始めよというようなこともございますから、エネルギー庁あるいは通産省こぞってあの大きな建物の中からも始めている、こういう状況でございます。 しかしながら、我が国のエネルギーの供給構造は約八割を海外に依存しておる、また原油は七割方を依存しておる、こういう極めて脆弱なものであることは申すまでもございません。今後とも引き続きエネルギーの安定供給というものの確保が極めて重要な課題であるという認識に立つものでございます。また、地球温暖化の地球環境問題というものも顕在化してきておりまして、経済の安定的な発展と地球環境保全の両立を図るエネルギー政策そのものが必要になってきておるなと認識をする次第でございます。 通産省では、こうした課題を踏まえまして、昨年十月の閣議の決定を経まして石油代替エネルギーの供給目標というものの改定を行ったところでございます。同目標におきましては、エネルギー利用のより一層の効率化とともに、原子力、新エネルギー等非化石エネルギーを初めとした石油代替エネルギーの積極的な開発導入を通じました石油依存度の逓減を目指しているというのが現在の立場でございます。我が省といたしましては、今後とも同目標の達成に向けた総合エネルギー政策を積極果敢に推進していくということにおきましては、委員のサゼスチョンそのまま率直に受け取りたい、このように感じておる次第でございます。
○大畠委員 いずれにしても、今大臣から答弁がありましたけれども、これから湾岸から入ってくるオイル等は、本当に人の命がかかった、失われた方々の命がまざった形のエネルギー源でございますので、本当に日本の国内でもそれを大事に使う。省資源に努めながら、今お話がありましたように八割ぐらい依存していますけれども、なるべく日本独自の資源エネルギーというものの確立をすることがやはり大切かなと思いますので、ひとつそういう方向で御検討をお願いしたいと思います。 次の三つ目の質問に入らせていただきますが、これは日本の技術者の育成、確保という問題でございます。 これは、私も四年前まで技術屋をやっておりましたけれども、日本はこれまで技術立国と言われてきました。日本の経済を支えてきた、いろいろな形でのメーカー、いろいろな方たちが貢献されておりますが、やはり技術立国ということで今お 話がありましたように資源を持ってきては加工して売るという、そういう形で日本の経済が成ってきたのかなと思うのですが、最近、大学の工学系の学生がどんどん工学系の企業以外のところに就職する傾向が続いておりまして、私も非常に憂慮しているところではございます。 そこでお伺いしたいのですが、ここら辺の問題を通産省はどういうふうに見ておられるのか。これは決して文部省の問題ではなくて、通産省が進めようとしておる方向の基盤を培うものでありますから、これをどういうふうに見ておられるのかというのと、どういうふうに対応されていくおつもりなのか、それをお伺いしたいと思うのです。
○高島(章)政府委員 委員御指摘のとおりでございまして、製造業はおっしゃいましたように戦後の経済発展を支えてきた、まさに牽引車でございましたし、また、その中心になります技術革新をも支えてきたのは製造業でございます。したがいまして、その製造業に従事する者、実際に物づくりに携わる技術者をいかに育成して確保していくかというのは現下における非常に重要な課題だと考えております。 そのためにどういう方策が必要かということでございますが、まず第一義的には、製造業みずからが賃金を初めといたします労働条件あるいは労働環境等といった面での改善を進めることでございまして、そのために通産省としてできる施策を十分に充実強化していくことが必要だと思います。また、先ほど先生から文部省というお話が出ましたけれども、物づくりの重要性ということはやはり教育面でも十分に浸透させていく必要があると考えておりまして、関係方面への働きかけを積極的に当省としても行っておるところでございます。また、中小企業等を中心にいたしました人材確保につきましては、その充実に今努めているところでございますし、さらに、業種ごとのイメージをいかに上げていくかということにつきましては、製造業の今後におきます重要性を明確に示しながら、通産省として大いに協力をしてまいりたいと思っております。
○大畠委員 第二のアメリカといいますか、アメリカはだんだん物がつくれなくなってきたという話がございます。図面があってもそれをつくるだけの技術がなくなってきたというような話も、これはオーバーな話ですが、されているわけであります。日本がそういうことにならないように、ぜひとも積極的なそういう対策をとっていただきたい。 本来もうちょっと質問したかったのですが、これは要望にさせていただきます。 ソフト技術者といいますか、きのうの夜もやっておりましたけれども、過労死じゃないかということでソフト技術者の家族の方が訴えておられました。私もいろいろお話を伺っておりすと、今大変な状況になっておるというのを聞いておりまして、ぜひこのソフト技術者の育成、確保対策について、現状を調べて、どうしたらいいんだ、どういう手を打ったらいいのか、それを真剣に考えて通産省としても手を打っていただきたい。これは要望にとどめておきますが、ぜひそれを心してやっていただきたいと思います。 次に、原子力産業の課題について質問させていただきたいと思います。 今回の美浜の事故については、大変残念な状況になりました。現在関係者が、通産省も関電も含めて、多分ほとんど不眠不休体制で事故原因の究明をされていると思いますけれども、その努力に敬意を表しますとともに、ぜひ徹底的な事故原因の究明、そして対応策等も含めてやっていただきたいと思うのです。この件につきましては、後ほど安田委員の方から集中的に質問がされると思いますので、私は全体的なことについて二、三御質問をさせていただきたいと思います。 何といっても原子力の信頼性を向上せしめるには、新プラントにいろいろ工夫することも必要ですけれども、既設の原子力発電所の信頼性を確保すること、向上させることが一番だと私は思うのですけれども、通産省としてこれまでどういう対策を、概略ですけれども、とってこられたのか。それから、原子力発電に対する国民の信頼性の向上というものがいろいろ言われておるのですけれども、どういう対策をとってこられたのか。この二つについて、現状等についてお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 二点御質問でございます。 第一点の既存プラントの安全確保にどうやっているかということでございますが、御指摘のとおり、原子力についての国民の信頼を獲得するためには、安全の実績を積み重ねることが何よりでございます。そのために、もちろん設置の段階から厳重な審査をやり、監督をしているわけでありますけれども、必要な定期検査をしっかりやらせること、運転中のいわゆるソフトウエアと申しましょうかマニュアル類の整備、職員の訓練等に万全を期するというようなことが現在行われているところと申し上げてよろしいのではないかと思います。 それから第二点目の、国民に対するPAといいましょうか御理解を得るためにどのような方法をとっているかということでありますけれども、これはいわゆるPA対策ということで、それぞれ関係の、原子力関係施設がある地元の市町村だけではなくて、全国的に各種の広報活動を努力をしているところでございます。と申しますのも、原子力発電の推進に当たりましては、安全の確保に万全を期し、国民の皆様の御理解と御協力を得ることが不可欠だからでございます。そのために例えば、二、三例を挙げますと、一般の問い合わせに直接お答えをするテレホン質問箱というようなものを設置をするとか、あるいは全国のオピニオンリーダーにエネルギー情報紙ニューズレターというものを配付をし、広くわかりやすい形での情報の提供に努めるというようなことをやっております。また、最近では、昨年の九月からでございますが、パソコン通信を使いましてアトムネットというのを始めております。これは、原子力関係の故障、トラブル関係の情報を初めといたしますエネルギー、原子力関係情報に一般の人がパソコンを使って自由にアクセスできるというようなことでございまして、開設以来一月末までに累積で七千三百件余りの問い合わせがあったということで、一日平均にすると約五十件ぐらいの利用がされております。さらに、平成三年度においては、こういうエネルギー、原子力関係の情報のデータベースをより一層充実させて、図書館でありますとか公民館で端末を設置するなど、国民各位の情報入手がより容易になりますように、情報提供基盤の整備を図るようにしているところでございまして、今後ともいろいろ工夫を凝らして、広く御理解を得る努力を続けていきたいと思っております。
○大畠委員 原子力については、信頼を得るためには、やはり情報というものをタイムリーにわかりやすく真実を伝えるというのが一番だと思うのです。そういう意味では、最近、今回の美浜の事故でも周辺の市村町に対する通報がおくれたんじゃないかというお話もありましたけれども、この情報化の時代ですから、一部には通告したけれども一部は通告しないとかいうんじゃなくて、もっと広範囲にぱっと情報が伝わるような、もうちょっと広報体制といいますか、情報の連絡体制を整える必要があるんじゃないか。パソコンという話がありましたけれども、私はそのような方法は非常にいいと思うのです。ぜひもうちょっと事実がタイムリーに詳細にわかりやすくわかるように、この情報の伝達については一段の工夫をしていただきたいと思います。 時間が参りましたので以上で質問は終わりますが、いずれにしても原子力発電というのは、私ども日本社会党としても、既存の発電所については安全性を追求していく、より向上させるという姿勢をとっておりますので、ぜひそれを肝に銘じて一生懸命頑張っていただきたい。いずれにしても、今日本の電力の三〇%近くを担っていることも事実でありますし、その一方ではいろいろな御意見があることも事実であります。そういうことから、ぜひ今回の原子力発電の事故については慎重にき ちょうめんに対応して、国民の多くの方々の信頼を得られるように、大変だと思うのですけれども、全力で取り組んでいただくよう要望しまして質問を終わります。大変ありがとうございました。
○奥田委員長 安田範君。
○安田(範)委員 私は、今回の質問で、中心的にはガット体制と新ラウンド、ウルグアイ・ラウンドですが、それらの問題について質問をいたしたい。さらにまた、ただいまありました美浜原発の事故の問題について、さらに加えまして将来のエネルギー中長期需要、こういう問題等について質問したいと思うのでありますが、大臣は午後ちょっと留守にされるそうなので、お帰りになりましたら、ウルグアイ・ラウンド、新ラウンドの関係について、特にガット体制の問題について集中的にお尋ねをしたい、かように考えているわけでございます。 まず最初に、ただいまの美浜の第二原発の事故の問題についてお伺いしたいと思うのであります。 これにつきましては、過般、十八日そして二十日ということで、本委員会におきまして私どもの同僚鈴木委員を中心にいたしましていろいろと事故の詳細等についても御質問申し上げた、こういう経過があるわけであります。したがいまして、その事故内容等につきましては、今後さらに早急に綿密な調査検討の結果、こういうことで答弁がありましたから、余り詳しくはお聞きをしたくはないと思うのでありますが、ただ、その中で気になりますことは、原子力発電所の寿命というものは大体四十年ぐらいというふうにお聞きをしておるわけでありますが、今回の事故については、二号機は大体二十年ぐらい経過しておるのでしょうか、そういう中で今回の事態になったという形があるわけであります。 定期検査というものは非常に重要だ、このことについては今長官もお話しされたとおりでありますが、定期検査というものは大体どういう形でやられているのかな、率直に申し上げまして、新しい建設のものがある、あるいは古い部分のものがある、こういうものがあるわけでありまして、そういうものについての定期検査は画一的にやっているのかどうか、これらについてもう少々詳しくひとつ御説明をいただきたいと思います。これが一つ。 さらに加えまして、これは想像でありますけれども、詳細はいろいろ、私もデータは少々は持ち合わせておりますけれども、この三千数百本の管が相当破損されたということで、栓をしてその分については使わないようにしている、こういうようなものが大分あるというふうにお聞きをしているわけでありますが、それは大体何%ぐらいが限度なんだろう、こういうことも考えられるわけでありまして、そういう面からしますると、今日の二号機同型等につきまして、大体六%だとかあるいは一〇%なんという話もありますけれども、どの辺が限界なのか。 さらにまた、どの辺までくればエネルギー庁としては、これはひとつ定期検査以外にさらに点検あるいは保修を要する、こういうような指導をされるのか、この辺についてまずはお聞きをしておきたいと思うのであります。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今御質問ございました定期検査の実態でございますが、先生御承知のとおり、原子力発電所は毎年一回定期検査をするということになっておりまして、原子力発電所の運転をとめまして各部を点検するわけでございます。これは約三カ月かけまして各部を精緻に点検をするということになっておりまして、諸外国に比べても相当長い期間をかけてやってきているものでございます。 それで、今回に関係します蒸気発生器、これにつきましては、蒸気発生器には細管がたくさんございますが、これにつきまして全数渦電流探傷検査、ECTでやってきておるということで、一〇〇%の細管調査をするということは日本だけでございまして、ほかの国は抜き取りで検査をしているという実態でございますが、我々、やはりこの細菅の重要性ということで一〇〇%やってきているわけでございます。 それから、この細管が定期検査で損傷等が見つかりますと、プラグをするなり対応措置をとってきているわけでございます。それで、今御質問がございました、どの限度になれば安全性あるいは取りかえということになるのかという御質問でございますが、我々、例えば、これは極端な例でございますが、五〇%プラグをしたような状態で炉心の冷却、ECCSの機能的に見まして問題がないかどうかというレビューをしておりますが、五〇%プラグをしても、ECCS、炉心冷却という観点では問題ないという確認をしております。 それから、出力の維持ということを考えますと、炉によっていろいろ違うわけで精密な計算をする必要がございますが、約三〇%ぐらいまでがプラグをすることで定格出力が維持できる限度ということでございます。それで、今原子力発電所につきましてプラグをやっておりますのはこれよりも低いレベルでございますが、定期検査で期間がかかるとか、あるいはもう少し、経済性その他の観点から、低いレベルでも蒸気発生器の取りかえという議論も電力会社の一部ではなされているわけでございます。それで、そういうことにつきまして海外ではかなり実績がございますし、電気事業者からそういうような申請が出てくれば、我々は、その取りかえについても厳正な審査をしてやっていきたいと思っております。 以上でございます。
○安田(範)委員 話はわかるのですけれども、先ほど申し上げましたように、例えば相当初期につくった原子力発電、比較的新しい原子力発電、そういうのがありますね。それを今御答弁のように、一年に一遍ということで押しなべて画一的にやっているのかどうか、これはひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。 もう一つの問題としましては、まさに今一年に一遍ということの話がありましたけれども、今回の事故発生機は、昨年の四月五日から七月二十五日まで停止をして検査をした、こういう経過があるわけですね。それから考えますと、今日まで約六カ月ですね。そういう短期間のうちに、しかもそのときには、健全管、こういうことで結論は出されているはずなんですね。そういうことを考えますると、定期点検の権威といいますか、定期点検の結論というものはどれほど信憑性があるのか、こういうことについても疑念を持たざるを得ない、こういう状況にもなってこようかと思うのであります。したがいまして、この辺についてはエネ庁としてはどういうふうな御判断を持っておられるのか、これをひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘の、運転の年数によって定期検査がどう変わるかということでございますが、我々、原子力発電所を、毎年どの炉につきましても一年一回とめまして徹底的に点検をするということで、どの炉についても同じ考え方でございます。しかし、過去にいろいろトラブル等がございましたものについては、そこを徹底して毎年毎年チェックするという、重点はいろいろ変わってくるわけでございます。 それから、定期検査でどのぐらい蒸気発生器の細管をチェックできるかということでございますが、我々、いろいろ検査設備等の検出感度を上げる努力をいたしまして、蒸気発生器細菅の減肉とか割れという事象につきましてはかなりチェックができて、それによりまして、その検出によってプラグをしたり対応してきているわけでございます。しかし、今回美浜二号で起こりましたのは、鋭意これから原因究明するわけでございまして、我々の今までの検査では健全管ということでございますので、その原因の中で、定期検査のあり方等まだ議論すべき点につきましては、いろいろ改良、改善していきたいというふうに考えております。
○安田(範)委員 そういうことで、押しなべて古いのも新しいのも一年に一遍、こういう答弁が あったわけなのですけれども、御承知のように、すべての機械に通ずる話だと思うのですが、金属疲労という話がありますですね。そういう面からしますると、十年、二十年あるいは三十年、こういう単位での話でありますから、あるいは寿命四十年ということになりますれば、相当の金属疲労というものも想定されるのじゃないかということも私どもとしては考えられるわけであります。したがって、そういう面につきましては、ただ、最初新設をした当時には一年に一遍、これは確かに新しいのですから関係ない話だと思うのですが、やはり今日までの経過の中では、既に十年、二十年と経過をしているということになりますれば、当初発足時と状況は随分違う、こういうことはあり得ると思う。したがって、そういう面からしまするならば、これは定期点検の仕様といいますか仕方といいますか、そういうものにつきましてはもう一遍改めて検討し直す必要がある、特に古い原子力発電につきましてはそういうことを重点的にやっていかなければいけない、こんなふうに考えるわけでありますけれども、この辺についてはどうでしょう。時間がないものですから、大変恐縮ですがひとつ簡潔にお答えいただきたいと思う。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘がありました金属疲労、ノースアナが金属疲労ということでそういう前例があるわけでございますが、金属疲労につきまして、今回美浜二号を徹底して原因究明をいたしますが、一つは設計的な面での配慮というのが必要でございますし、もう一つは、今先生がおっしゃったような、定期検査でどういうふうにキャッチできるか。検査器具等の問題もございますが、定期検査の改良、改善という中で、十分そういう問題についても検討していきたいというふうに考えております。
○安田(範)委員 ただいまの答弁につきましては、ぜひ、今後定期検査につきましては改めてもう一遍検討し直す、こういうことで強く要望申し上げておきたいと思うのであります。 それで今度は、言うなれば行政姿勢といいますか、そういうものについてお尋ねをしたいと思うのです。 この間の十八日、二十日の当委員会の質問、そしてまた大臣以下答弁を聞いておりました。そういう中で、大臣、大変深刻に受けとめて、しかも誠意を持って答弁されていたように私は受け取りました。大変失礼なんですが、長官、審議官ともにどうも答弁が、私どもの十分な理解といいますかそういうことに、私自身としましては、そういう理解ができないような印象を深く持ったわけであります。 端的に申し上げますけれども、あの美浜の二号機の、私は事故だと思っていますけれども、専ら事象ということで表現をしておりました。その事象の中で、いろいろ委員からの質問もありまして、事故というものは事象の中に含まれる、こういうような御答弁もあったのを私も承知をいたしております。しかしこれにつきましては、やはり大変な問題があるのではないかと思うのですね。というのは、ここにもありますけれども、当時関電の副社長ですか、記者会見をして所信を述べられました。究明に半年かかるのはたまらない、あるいはまた、失礼だが大したことじゃないんだ、こういうような暴言とも言えるような無神経な記者会見での発言をされているわけです。これはどういうところに起因するんだろうか。なぜこうなんだろうか。私もいろいろ考えてみました。 一つは、経済性というものを考えて、あるいは企業というものを中心に考えてみてこういう答弁になるのかなというふうに考えたのですが、それ以前の問題として一つ大きな問題があるのではないか。というのは、監督官庁としての通産省なりあるいは資源エネルギー庁の態度というものが、あるいは今回の事故に対する認識というものがまだまだ甘い。言うなれば深刻さというものを真剣に受けとめていない、こういうところにあの副社長の表現というものが出てきたんじゃないか、こんなことを実は私は強く感じたわけであります。率直に国民があの問題についてどう認識をしたか、あれはまさに事故だ、これは報道関係もすべてそうでありますし、地元の人たちも、広く国民全般があの問題は事故だ、こう言い切っていると思うのであります。それを通産省やあるいはエネルギー庁だけがあれは事象だ、こういうことで言うのはどういう感覚なのか、私は理解に苦しむわけなんです。したがいまして、あのような副社長の表現が、これは各社同じように報道されているわけですから誤った報道ではないと思うので、こういう表現をされるその根拠というものについて、やはり根本的には通産なりあるいはエネ庁なんかの基本姿勢というものが起因するのではないか。言うなれば、国民のレベルからしますると通産なりあるいはエネ庁の責任というものが追及されてしまうのではないか、こういう心配を私は非常に強く持ったわけであります。 したがいまして、大変恐縮でありますが、もう一遍この事故あるいは事象、これの問題についてどのような御判断を持っておられるのか、十分に納得できるような御答弁をいただきたい、かように思います。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○緒方政府委員 私の過去の答弁で、何か今回の事態を余り重視してないような印象を与えたとすれば、私の御説明の仕方が悪いわけでありまして、おわびをしなければならぬわけであります。 ただいま御指摘の言葉の問題、事故あるいは事象という言葉の使い分けの点について、私どもの立場といいますか、説明をさせていただきますと、今回の件に限らず原子力発電所についていろいろな故障、トラブル、それから先生おっしゃるような意味での事故、いろいろなものがあり得ます。それらについて、どの段階のものを事故といい、どれを故障といい、どれをトラブルといい、どれをふぐあいというかということについて、言葉の厳密な意味での定義というものがまだ社会的に厳密に確立をしていないんではないか。そこで何が起こりましても、全体をとらえて事象という非常に広い概念で私どもは呼ぶことにしております。したがいまして、これは事態を軽視するということではなくて、非常に幅のある言葉で受けとめているということであります。 今回のでは、例えて言いますと、昨日ありました柏崎刈羽の原子炉の、これは蒸気タービンの方のトラブルでありますけれども、これらについても事象という言葉を使います。何が起こっても事象ということでとらえまして、問題は、ですから事象という言葉ではなくて、その事象がどれだけの重要性を持ち、重みを持つかということなんでありまして、私どもは今回のことが起こりましてからすぐに言っておりますのは、非常用炉心冷却装置が実作動したというような今までに例のないものでありますので、徹底した原因究明を要する重大な事象であると認識をしておるということは冒頭から繰り返し申し上げておったわけであります。そして、今まで十八日に当面の対応策を決定し、十九日に関係の各社の副社長を集めて当面講ずべき措置について指示をし、二十日には特別調査委員会を発足させる、こんな経緯でございました。 そして、御指摘の関電の副社長発言、これはその後本人、真意ではないということで釈明がございましたし、私どもの方も公益事業部長から関電の社長に対しまして厳重注意をし、社長が陳謝をし、通産省の指示は徹底的に厳守するという旨言明をしておりまして、実態上問題はないと思いますけれども、新聞の報ぜられたところでは――私ども先ほど申し上げましたように、言葉は事象という言葉を使っておりますけれども、重大視をし、徹底的な原因究明をし、それから当面稼働中の原子炉については非常に慎重な運転を要求したわけでありまして、新聞報道によりますと、当該副社長は役所の指示が厳し過ぎるということで何か不満を述べられたような報道になっております。真意はわかりかねますけれども、決して私どもが甘い姿勢をとっていたということではないことはぜひ御理解いただきたいと思います。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○安田(範)委員 答弁がありましたのですが、お言葉を返すようではございますがということもありますけれども、長官、今もこの事象ということにこだわっているのですけれども、適切な表現というものは確立されていない、こういうお話の中で事象というものを広く一般的に使っているという話なんですが、やはりそういうことであれば、国民が一番なじんでいる言葉、わかりやすい言葉、こういうことを選ぶことが一番適切なんじゃないかと思う。役所だけが別にあって政治が流れているわけじゃない、そういうわけでしょう。特に、原子力行政ということになれば、国民の理解と協力はもう当然の話でありますから、そういうことから考えますると、国民が一番理解、納得がしやすい言葉、こういうことを念頭に置いてこういう問題についてはしっかりした受けとめ方、あるいは今後の対策、こういうものをやっていく必要があろうと思うのです。何か聞いておりますると、企業を守るといいますかな、あるいは原子力政策というものがありますから、これはひとつこういう形でやっていかざるを得ないというようなこの問題に対する非常に消極的な立場、こういうものが見られて仕方がないように思うのであります。したがって、これは要望いたしておきたいと思いますが、ぜひ国民レベルで物を判断する、こういう視点にひとつ立っていただきたい。このことを強く申し上げておきたいと思うのであります。 ちょうど時間ですかな。五十一分だそうでありますので、あとは午後に入りますので、ひとつ午前中はこの程度にしておきます。失礼しました。
○奥田委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ────◇───── 午後一時二十分開議
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。安田範君。
○安田(範)委員 先ほど、美浜事故に関連をいたしましてエネ庁の行政指導の姿勢等について所見を申し上げ、そしてまた要求もいたしたわけでありますが、ぜひこれらの問題につきましては、今後のエネルギー問題等の政策の遂行等につきましても多くの影響がある、かように考えられますので、十分心して今後ともお取り組みをいただきたい、このことを申し上げておきたいと思うのであります。 それで、大臣がおりませんので、エネルギーの関係につきまして若干お尋ねをしておきたいと思います。 先ほど同僚の大畠議員からも御指摘がありましたけれども、日本のエネルギーというものは非常にひ弱いといいますか、エネルギー基盤というものが脆弱である、このことは御承知のとおりでありますが、そういう意味から私ども考えますのに、エネ庁、通産省といたしましては二〇一〇年までには新たに四十基の原発を、こういうふうな計画と申しまするか努力目標を設定をしておられる、御案内のとおりであります。当初は政策ということで出したようでありますが、いろいろな専門家からの疑義も提出をされて、それが努力目標、こういうふうに変わってまいった経過があると思うのでありますが、そういうことを考えましても、この間の美浜原発の事故等も考え合わせますると、そう簡単に、二〇一〇年とはいえども四十基の原発施設の設置、これはなかなか困難な話ではないかと思うのであります。 率直に申し上げまして日本も大変国土が狭い、同時にまた立地すべき条件というものも決してそろっているわけではない。加えまして日本は世界最初の被爆国、こういう事情もありまして、核につきましては大変な懸念を持っておる。国民感情として当然の話でありますから、そういう幾多の条件から考えますると努力目標とはいいながら、四十基を新たに設置をするというのは極めて困難な数字ではないか、かように考えられるわけであります。この算定の基礎と申しますか、それをひとつもう一遍お聞きをしておきたいと存じます。 同時にまた、これと関連をいたしまして、日本のエネルギー政策、このことについてもう一遍検討し直す必要があるのではないか、かように考えるわけであります。もちろん湾岸の戦争等もありまして、原油、石油の輸入、こういうものについてたくさんの心配すべき状況というものが出てまいったことは御承知のとおりでありますが、先ほども大畠委員から中東にだけ原油、石油を依存する、こういう状況でいいのかという意味の御指摘もあったわけでありますけれども、私もそういう面では同感なんであります。 日本のエネルギー政策というものにつきまして、一つは、エネ庁としましては、先ほどの非石油と申しまするか、あるいはまたなるべく地球の温暖化、環境汚染なんかを通じましていろんな批判のないような形でエネルギー政策を新たに展開をする、こういうふうな方向になってきている、そのために原子力発電をこういう形で直結をさせているのが今日の発想ではないか、こんなふうにも考えられるわけでありますけれども、それでいいのかな、こういう気持ちも率直に言ってございます。 したがいまして、通産省としては、大臣も所信表明の中で触れられておりましたけれども、新たなるエネルギーの確保、研究開発、こういうものについても十分意を用いたいという意味の話があったわけでありますけれども、そういうことで今日の状況からしますると、日本における新たなエネルギーの開発研究といいましても、例えば太陽熱だとかあるいは風力、波力、地熱だとかたくさんの問題がありますけれども、しかしそれがすべて産業政策と申しまするか、産業に直結をするようなエネルギー源にはなっていない、こういう事情もありましょうし、これからが実際には問題点かなというふうには思うのですけれども、こういうものを見通して原発の問題あるいは新たなるエネルギーの開発、こういうことを含めてエネ庁の今日的な所信を明らかにしていただきたいと思うのであります。
○緒方政府委員 御質問の点、大変多岐にわたっておりますけれども、要すれば、今後の総合エネルギー政策いかにあるべきか、その主要な点を挙げて説明せよということであろうかと思います。 御指摘のように、私ども現在、二〇一〇年までを展望いたしますエネルギーの計画を持っております。これは、昨年の十月に閣議決定をして、その後通産省で石油代替エネルギー供給目標ということで定めたものでございます。これの背景にありますのは、昨年の六月まで約一年間の時間をかけて総合エネルギー調査会で議論をした長期エネルギー需給見通しというものがございます。 これらを通じて底辺にあります問題意識、エネルギーの現状並びに将来についての考え方というのは、先生お述べになりましたように、石油については中東に依存をしている度合いが非常に高い、そして中東というものには政治的な不安定さというものがどうしてもつきまとう、それでは中東から脱却できるかといえば、世界の石油の賦存量の約七割は中東にあるわけでありますから、これは非常にマクロで考えますとやはり石油ということに関する限り中東から完全には離れることはできない、そういう問題があります。 それからもう一つは、地球温暖化問題でございまして、石油、石炭といった化石燃料は、いかに注意深く使いましてもどうしても二酸化炭素が出てまいります。これが地球温暖化の原因になり、その使用というものを総量として抑制していかなければいけない。こういう問題が全地球的な課題としてございます。そうすると、そういう化石燃料への依存というものから脱却をしていかなければいけない。それではエネルギーの消費量の全体が落とせるかというと、これはやはりゆとりと豊かさを求めている国民の願望、そして経済成長というものを考えますと、それはエネルギーの使用の面でそう落とせるものではない。もちろん省エネルギー努力というものは目いっぱいやるわけでありますけれども、それでも必要なエネルギーとい うものは供給していかなければならない。御指摘のように、それでは第三の新しいエネルギーというものがどれだけ提供できるのかといいますと、太陽エネルギーでありますとかいろいろな新しいものは考えられるわけでありますけれども、これはコストもかかり、また存在をしている密度というものが非常に限定をされますので、最大限見込むにいたしましても、これだけに頼るというわけにはまいりません。 そこで、昨年の六月に答申が出ました総合エネルギー調査会の中間報告、あるいは長期エネルギー需給見通し、その後策定された石油代替エネルギー供給目標というものは、考え方としてこれらのものをいわばベストミックスをして総動員する、最適の組み合わせで総動員していくという考え方になっております。その中で、化石燃料についてはその使用を極力抑えていくということでございまして、石油だけをとりますと、石油に対する依存度、第一次石油ショックのころには七七%ありまして現在五八%程度になっているものを、二〇一〇年には五〇%を割る、四五%台まで下げていこう、こういう計画を立て、他方、新エネルギー、水力、地熱、そして原子力といった非化石エネルギーの依存度というものを現状の約一五%程度から二〇一〇年には二七%程度まで高めていこう、こういう計画を立てているわけでございます。 そして、太陽エネルギーを初めとする新エネルギー、水力、地熱というものについても大幅な増加を見込んでおりまして、例えば太陽等の新エネルギーについても二〇一〇年には、一次エネルギー総供給の五・三%はこれで賄っていくようにしよう、こういう位置づけを与え、それらと並んで原子力についても、現状、一次エネルギーの中の八・九%であるわけですけれども、これを二〇一〇年には一六・九%まで高めていこう、こういう導入計画を立てているわけでございます。一六・九%のシェアになりますものが発電の規模で七千二百五十万キロワットということでございまして、先生が御指摘になった百万キロワットの原子力発電所に例えますとこれから四十基相当分程度のものをつくっていかなければならない、こういうことになるわけでありますが、私どもそういう全体を眺めながら、そして地球温暖化問題等も考えながら、安全性に最大限の努力を払いながら、原子力にも一定の非常に大きな役割を期待をしている、こういうことなんでございます。
○安田(範)委員 エネルギー問題につきましてはいろいろな議論があろうかと思うのですが、特にただいま長官から答弁があったように、計画的に原子力エネルギーに頼る、こういう方向が策定されているようでありますけれども、今日的な国民感情あるいは地域の実情、こういうものを十分に理解をしていただく中で、特に新しいエネルギー、地球環境に悪化の影響を与えないような新エネルギーの開発、このことにつきましてはぜひ精いっぱい御努力をいただきたい、このことを強く要請しておきたいと思うのであります。 原油、石油の輸入等につきましても、今お話ございましたように、中東に六〇%あるいは七二、三%を依存をしているという今日の現況があるわけでございますけれども、これにつきましてもやはりもう一度検討する必要がありはしないか。今の答弁の中にもありましたように、中東が極めて政情不安、これはだれでも承知のはずであります。同時にまた別の観点からしまして、日本はこれから世界のすべての国々と信頼関係をきちんと確立をして友好関係をさらに増進をする、こういう立場からしますと、やはり経済性だけでエネルギーを中東に求めるということでよろしいのかどうか。これは、企業としてはそういう形にならざるを得ないと思うのですが、国のエネルギーの確保という政策面から考えますともう少し視野を広めまして、一つの政策としての原油あるいは石油の確保、こういうものについて検討する必要がありはしないかと思うのであります。 この間もちらっとベネズエラの日本の大使の人ともいろいろと話をしました。そういう中で、ベネズエラもぜひ日本に原油を輸出をしたい、強い希望を持っているのですがという話だった。かつて、何年前か私、定かではありませんけれども、ベネズエラからも少々は輸入をした、こういう実績もあるようであります。とにかく地球が狭いという状況は今日の常識でありますから、そういう意味におきましてはできるだけ広い産油国の中から、少々は分散をしても、それを輸入をしてお互いの友好関係、そういうものを確立をする。同時に、必要がありますれば技術的にも経済的にも援助をしていく、こういうことが日本にとって大変必要ではないのか、こんなことも考えられるわけであります。したがいまして、そういう面も含めましてこれからの日本のエネルギー政策なりあるいはまたエネルギー源の確保の問題、こういうものについて再考を煩わしたい、このことだけを指摘をしておきたいと思うのであります。 ちょうど大臣がおいでになっておりますものですから、今度は話をガット体制の方に変えたいと存じます。 ガットにつきましては、専門家でありますから御承知のとおりでありますけれども、発足が一九三〇年代。そのころは経済はブロック経済ということで進んでまいったと思いますし、同時にまた、それぞれの国々の産業ベースというものは重商主義といいますか、そういう方向でほとんどくくられていた状況であると思うのですね。そういうことで三十年間にそれぞれの国々の貿易というものは非常に窒息をするような状況になってまいった。こういうことで第二次世界大戦の引き金になった、こういうことが言われていると思うのであります。そういう一つの反省の中から、戦後、一九四八年にガットの協定という形に発展をしてまいったと思います。そういう面からしますると、それ以前の問題として、アメリカが主張いたしまして国際貿易機構ですか、そういうものを設置をしようと思ったのですが、アメリカの議会の方でなかなかそれが承認をされないという一つの経過があって、経過措置としてガット制度というものが取り入れられた、こういう背景があろうと思います。 そういう面で考えてみますると、戦後のガットの体制、一つのきっかけというものは、やはり経済的な摩擦によって戦争が再び起こってはならないという一つの基盤というものはあったかと思うのでありますが、しかしそれと同時に、例えば日本であるとかあるいはドイツであるとか、戦いに負けた、敗戦した国についてはさっぱり考慮されるところがなくて、言うなれば戦勝国の間でこれらの問題が話し合われて体制ができた、こういうことも事実経過としてあろうかと思うのであります。 そういう面からしますると、今日のガット、そしてそれぞれのラウンドがありますけれども、そういう中でいろいろな協議がなされる、そういう推移を見ますると、どうしても日本の立場というものが弱い。アメリカなんかではウエーバー条項なんかあるわけでして、そういう面からしますると日本としては非常に立場が弱い形になってきている、これも否定できない現状であろう、かように思うのです。 そういう面から考えまして、今回行われておりましたウルグアイ・ラウンド、これも決裂という形でしょうか、協定成立せずということで中断をして、これからどうなっていくか、言うならばウルグアイ・ラウンドというのは決裂かあるいは期間延長になるか、こういう今日の状況にある、かように考えるわけでありますけれども、今日、通商産業省として判断をしまするのに、あのウルグアイ・ラウンドはどういうふうな決着になっていくんだろうか、これをひとつまず最初にお聞かせをいただきたい、かように思います。
○中尾国務大臣 委員御指摘のとおり、確かにガットの起因するところは間違いなく一九三〇年というころでございますから、フーバー大統領のころ、本当に不況で悩んでおったアメリカの国、しかも酒の輸入までも禁止をしなければならない、そういうような不況下にあったころに生まれていった、フーバーからルーズベルトでニューディール 政策がとられていった、こういうふうなカテゴリーの中で考えますと、まだそのころの日本の経済というものはそれほど世界的に輝ける現在のような姿ではなかったと思うのでありますが、ちょうど相まって国連というもののニュアンスを考えますると、国連というものも第一次大戦の大きな反省から生まれていったという中に、敵国条項といいましょうか、日本の国がいまだにあの中に、これだけの拠出金を出していながら常任理事国にもなり得ない、これはもうそういう点においては多少戦勝国としての名残というものがそのまま類型的に流れておるということを否定することはできないなという感じは委員同様に率直に私も感じております。かといいまして、ウルグアイそのものの今度の問題というのは、もはや先進途上国にある日本ではなく、もう実り切った日本の国がこのウルグアイ・ラウンドに逢着した、こういうように考えますると、相当にやはり問題提起、各国に与えた影響も大きかったのかなという感じもしないでもないわけでございます。 そこで、このウルグアイ・ラウンドに関しましては、昨年の十二月のブラッセルの閣僚会議で交渉が終結する予定でありましたが、これはでき得ませんでした。これはいろいろと言われている諸般の事情そのままであったと思います。そして継続ということになったろうと思うのでございます。その後も、各国とも、米国における一括無修正承認手続、すなわちいわゆるファーストトラックと俗に言っておりますが、そのファーストトラックを適用する上での期限である本年三月一日の最終決着を目指して調整努力を行ってきたところでございますが、残された時間との関係上、あとわずか一週間足らずでございますから、今月中の終結というものは極めて困難な事態に至ったなということを感ぜざるを得ないのでございます。 そこで、米国通商法上、三月一日までに米国大統領がそのファーストトラックの延長という要請をまず行いまして、それで五月末までの間に米国議会との対決になろうと思います。その五月末までに米国議会が要請を否認をしなければ、最大二年間の延長が認められるということに相なるわけでございましょう。ところが、米国行政府としては、現在のところウルグアイ・ラウンドに関しこの延長要請を行うことを決定しているというわけではございませんけれども、まだ発表はしておりませんが、三月一日までに何らかのアクションを行うのであろうということを考えているわけでございます。万が一にこの延長要請というものが米国議会によって否認された場合、不承認に至った場合と言った方がいいでしょうか、この場合には、事実上ウルグアイ・ラウンドの崩壊というものを招くことに相なるわけでございますが、米国議会の状況は必ずしも、これは私見も交えて申し上げますが、楽観を許さない状況にあるということだけは事実であろうと思うのでございます。 具体的な動きにつきましては、二十日からジュネーブにおけるダンケル・ガット事務局長のもとで非公式の協議がもう既に始まっておりまして、そしてこれを受けて来週早々にも公式の貿易交渉委員会が開催される。ただいまここへ来る直前にニュースを受けますると、大体もう二十六日の開催は決定しておる、そのステージには乗ったということの報道が私の耳には来ておりますが、まだ私も具体的に確かめてはおりません。交渉再開が正式に宣言されることだけは事実であろう、こう見ております。 こうした動きがファーストトラックの期限の延長にとりましてもプラスの判断材料になるとは考えられますけれども、依然不透明の中における交渉でございますから、いずれにしましてもウルグアイ・ラウンドの可能な限りの、最終決着のためには、我が国としては最大限の努力をあらゆる角度で、いろいろな意味においてあらゆる国を通じても払っていかなければならぬものだな、このように理解をし、解釈しておる次第でございます。
○安田(範)委員 そこで、ちょっとだけお伺いしておきますが、例のあのダンケル事務局長のたたき台ですかな、その中には、言うならば今日の農業関係で大変問題になっております食糧安全保障ですね、この項が入るかどうかが極めて重大だというふうに、すべての農民団体、農業団体等々の関心の的だ、これはもう御承知のとおりであります。大臣の今日の見通しではダンケル局長はたたき台に入れられるというような見通しはあるのですか、ないのですか、その辺について。
○畠山(襄)政府委員 お答えを申し上げます。 今の委員御指摘のダンケル事務局長のつくりますたたき台というのは、プラットホームというものをつくろうとしていたわけでございますけれども、つくろうとしておりましたらECとアメリカとの間で主としてもめまして、そのプラットホームづくりは断念をいたしました。確かに委員御指摘のように、そのプラットホームの中に食糧安保を入れるということが非常に重要な点であったわけでございますけれども、そういう日本の主張もさることながら、アメリカとECとの対立が激しゅうございまして、そのプラットホームづくりはダンケルさんは断念をいたしました。 そのかわりに、ついこの間、二十日でございますけれども、ダンケルさんが一方的に、非公式に開かれました農業関係のグループの会合、正式のジュネーブの機関ではございますけれども非公式な会合でございましたが、そこで陳述をいたしまして、そこでは輸出補助金とか国内支持とか国境措置とかそういうものを別々に保護を削減いたしましょうということと、それらをやるには、中間取りまとめというのが一九八八年の末と一九八九年の四月にございましたが、その中間取りまとめの骨格に沿ってやりましょうということを言いました。その中間取りまとめの骨格の中に、今御指摘の食糧安全保障が入っておりますので、したがって御指摘の日本の最大の懸念でありましたところの食糧安保というものは、一応そういう間接的な形ではありますけれども、ダンケルが一方的に述べたその陳述の中に入っておりましたから、一応日本の懸念はそこの中で問題にアドレスをされたというふうに考えております。それで、そのダンケルの陳述に対して、米国もECも日本も異議を唱えませんでした。
○安田(範)委員 全く時間がありませんので当惑をするわけでありますけれども、今大臣からお答えありましたように、ガットの体制、それと今日のウルグアイ・ラウンドを見ましても、率直に言って、ガットの理念と今日実際に推移している状況、これはそう完全に一体化しているような状況に見られないという状況があろうかと思いますね。簡単に言うならば、アメリカとECとの対立が非常に厳しくなってきている、そういうことが言えようかと思います。 そういうことになりますると、それぞれの約定国と申しまするか、それぞれの国々の協定も非常に難しい環境というものが生まれてきておるわけでありまして、そういう面からすると、経済圏というのは、もう一度EC経済だとか、あるいはアメリカは南北アメリカ全体をひっくるめて、この間ブッシュ大統領が話ししたのは、多分北はカナダからホーン岬といいますか一番南米の岬だと思いますが、あそこまで全部、言うならば北南半球を全部まとめたブロックということで、大変意義のある一つの出発点になったなんという演説をどこかでしたようにお聞きをしましたけれども、そういう形になって、経済ブロックというものが、言うならばガットの考え方、理念というものと大分違った形で動き出している、世界全体がそういう形になっている、こういうようなことはやはり否定できない現実としてあると思うのですね。そういう形になりますると、日本のこれからの通商産業というものは一体どうなっていくんだろう、どういうところに基盤を置いていったらいいのだろう、こういう一つの問題点が出てこようかと思うのであります。もう一つは、そういう形で経済ブロックがそれぞれにできてしまうということになりますると、日本の工業というものが一番もろに被害を受ける、こういうことも実態となってあらわれてくるのだと思うのですね。 そういう面からしますると、ここのところはや はり日本としてはよほど本気になって、自国の経済成長やなんかそういうものも含めて、産業も含めて守っていくためにはガット体制をどうしていったらいいのか、もしガット体制というものが崩壊だという状況になるとすれば、新たな経済体制の仕組みというものを日本が指導的な立場でどうやっていくか、こういうことも必要になってくるのじゃないか、こんなふうに実は私は考えているわけであります。 したがいまして、国際貿易機構だとかあるいは国連貿易機構だとか、いろいろな今日までの経過というものがあるわけでありますけれども、そういうものも蘇生させるなんという話もありますけれども、そういうものを想定しながら、経済大国日本と言われているような今日の状況でありますから、もうちょっと世界の経済の枠組みについて、特に東西関係の対立の解消という今日の状況におきましては、もっと日本が世界の経済の枠組みの指導的な立場をとる、このくらいの自信と誇りを持ってやっていったらいいのじゃないかな、こんなことも考えるわけでありますが、そういう面について、時間がありませんので恐縮でありますが、大変抽象的な話になりましたが、大臣の所信を承りたいと思います。
○中尾国務大臣 大変示唆に富んだ安田委員の御指摘でございます。私もこの問題には率直に述べたいと思います。 一口で言うならば、一体このGアンドGといいますか、ガルフ・アンド・ガット、こういうふうに俗に言っておりますが、ガルフも確かに問題ではございますが、ガットは全く並ぶ大きな問題でございますから、本当にもしこれが万が一決裂していった場合、日本の国は一体孤立化の道を歩まざるを得なくなってしまうのじゃないか、あるいは、ある意味においてはアメリカやその他においてもプロテクショニズムの全く完全な保護主義に入ってしまうのじゃないかということになると、貿易立国の日本は一体どうなるのだ、この御心配は、もう安田委員お申しのとおり、私も認識しておるわけでございます。そこにいろいろの面で、自由貿易体制の信頼を失ってしまう、あるいは結果的には一方的措置の頻発、あるいは地域ブロック化の傾斜、保護主義勢力の急速な台頭、これはもう目に見えるようにわかるわけでございます。そこに今御指摘の農業問題というのがございます。 この農業問題はヨーロッパも抱えておりますから今対米関係でもやっておりますけれども、ただ一点私どもが心配なのは、これは延長されてもこれが消えるわけではございません。消えなくてどうなってくるかというと、今度はバイラテラルで、今度は一国一国の間で交渉していこうということになったら、日本の国はますます、マルチのときよりも苦しい立場に追い込まれることも事実でございます。それだけに、私どもも自分たちの国会決議がございますから、哲学は失わないままにもこれをどのような打開模索をしていくか、これはかかって大きな問題であろうと思いますので、これまた日を改めても先生からもいろいろ御示唆を賜りたいと思っておる次第でございます。
○安田(範)委員 時間が参りましたものですから、一言だけ要望させていただきたいと思います。 大臣からそのような御答弁がありましたものですから、時を改めましてまた私の意見を申し述べさせていただきたいと思うのですが、ただ先ほどもちらっと話が出ましたけれども、ガットの体制の問題、言うならば今後続けていっていいのかどうか、どれほどの効果があるのか、価値があるのかという問題をひとつ考えてもらいたいと思いますし、そういう中で、例えば世銀の場合は六千五百人の人員を擁しているわけですね。あるいはIMF、これは千七百人の陣容、ガットの場合はわずかに三百五十人、こういうような陣容ですから、ガットのウエートというのは世界の中で一体何なんだろうか、こういうふうな印象も非常に強く持っております。したがいまして、いろいろこのガットの問題あるいはウルグアイ・ラウンドの問題等について日本じゅうひっかき回されているような、そういう状況だってあるわけですから、そういう面からすると、ひとつこの体制というものについてもう一遍見直す、このぐらいの気持ちを持ってくださるように、これはひとつ要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○奥田委員長 森本晃司君。
○森本委員 今世界じゅうが今度の和平がもたらされるかどうかということで注目を集めているところでありますし、昨夜来、イラクの回答がソ連に持っていかれた、またそういったことでいろいろと動きがあり、果たして今度はアメリカが、多国籍軍がどういう反応を示すのか、もうあと数時間のうちで和平に向かうか地上戦に突入していくのかということが決まっていくのではないかと思われる情勢であります。先ほどの本会議の席上においても、今の時点を見ての所感を総理の方からも御答弁がございましたが、何といってもやはり我が国経済に与える影響が極めて大きいところでございます。一昨日の委員会のときにも通産大臣に現時点における状況をお答えいただきましたが、今また改めてきょうの状況を通産大臣としてはどのように見ておられるのか、お伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 まず第一に、率直な話でございますが、昨夜私も十二時半でございましたか、フセイン大統領の話をじっくり承りたいと思って待機しておりました。聞いた瞬間は本当にがっくりしたというのが実情でございます。それから二時三時と時間を追って夜明けごろになりましたらば、ソ連の報道官の提案等々を聞いておりますると何やら希望が持てるような感触に受けとめて、これまた不透明な部分が多いなということの印象は否めない事実として率直に感想として申し上げておきたいと思います。 現在の撤退提案というものが、まだ内容は定かでないだけに十分に分析しなければならぬ点が多いかと思いますけれども、ただ、無条件撤退というものを宣言していくという予定があるように受けとめ得る感触もあることに期待を寄せますと、私はこれは一歩も二歩も前進、話し合いがステージにのっているだけでも前進なのかなということでの安堵感を持ちながらも、かといってまたその後に続く諸条件がまだ全部発表されているわけじゃございませんから、これまた何とも言えない状況だというところの、とつおいつの悩みを持ち続けていることだけは事実でございます。 しかし、いずれにしましても地上戦は何としても避けたいものだ、何とか地上戦を避けるような方途はないのだろうか。それには、まあこれだけ、ある意味においては特使をソ連のところに二回にわたって送るくらいでございますから、ソ連の果たす役割も大きいわけでございましょう。それだけに、私どもの当省としてやるというわけにはいきませんけれども、そのしかるべき筋合いあるいはまた官邸、外務省を中心にしながらこれに対するさらなる努力をやっていかなきゃいかぬなという感触はそのまま率直に受けとめており、また私どももできる限りの、こうはやりながらも大きく周辺諸国は痛めつけられている原油みたいな問題がございますから、そういう問題では、和平段階の中における問題も想定しながら、なおかつ今救える次元においては救っていきたいということにおいての心は一つも変わっておらないつもりでございます。
○森本委員 私も大臣も、一日も早い、もう今にも停戦であってもらいたい。ただし、それには余計な条件が余りつけられると本当の平和に向かわないのではないかと一面はらはらもしながら思っておりまして、これは願っている気持ちは全世界同様のものであろうというふうに思います。 ところが、我々の心配している、テレビに映っているのは、そういった状況がニュースに流されると、必ずしもとうとい人の命が現実には流されているという状況を感ずることがなく、むしろスイッチを入れるとミサイルや戦闘機やあるいは戦車が画面に映ってしまう。ともすれば子供たちの目から見ると、子供たちは決して平和を望んでいないわけではありませんけれども、何となくかっこよいというふうに映ってしまうのではないか。 そして、砂漠のところでは命が流されてやっているにかかわらず、私たち日本の中ではまるでゲームを見るように、ぬくぬくとしたところでそういった状況を見ている。こういう状況を私は非常に憂うるものであります。じや、それを、そういうニュースを見て子供たちがかっこいいと思っているのを、大人が子供たちを責めることができるのかということになってくると、これは責めることができないというふうに私たちも思います。むしろ大人が積極的に平和という問題について子供たちに問いかけていくというくらいの姿勢が今大事ではないかと思うのです。 そうした中で、この湾岸問題を契機にして戦争に関するさまざまな商品が今人気を呼んでいるということが新聞に報道されております。戦争グッズ、これがもう大変な売れ行きであるという状況であります。中にはパソコンゲームで湾岸危機をシミュレートする具体的なパソコンも販売されているという状況下であります。例えば先日の新聞を読んでみますと、こういう状況があります。「「中東パソコンゲーム」が流行 東京・秋葉原で大モテ 今、パソコンを使った「中東戦争シミュレーションゲーム」が人気を博している。 秋葉原の電気店街では、中東戦争を想定した」、名前は省略させていただきますが、何々が「バカ売れ。近代的な兵器を駆使するウォーゲーム。「緊急収録、中東危機への米軍投入、中東をシミュレーション」というタイトルで、アラビア半島図も入った地図データ集も別売りされている。このデータ集を使うと戦争地域が広がり、古今東西のさまざまな戦場での近代戦に挑戦できるという。」こういう記事が掲載されておりました。 また、テレビ等々でもそういった日本のパソコンがよく売れている、あるいはそういった戦争グッズが売れているということで、ある新聞の声の欄に、二月十三日付ですが、カリフォルニアにおける中学生、十三歳の子供が、「”戦争”で遊ぶ日本人に怒り」ということで投書を寄せているわけです。この子供は今アメリカに行っているわけですけれども、アメリカでは、「車にはアンテナにも黄色いリボンを結び付け、家々の庭先には星条旗をかかげている。アメリカ人のだれもが戦争の行方を心配している。 ところが今日の朝、日本語のニュースで、日本では湾岸戦争そのもののテレビゲームが発売され、人気があると言っていた。そのとき、ぼくは叫びたくなった。家族をのこして戦場に行った人たちのことを思うと、そんなゲームなどゆるせないことだと思う。 この大きな戦争での日本の役割を、ひとごとと思わないで、真剣に考えてほしいと思う。」 カリフォルニア州に住む日本人の中学生からこういった投書が寄せられております。確かに新聞を読むと、戦争プラモデルが人気が出ている、あるいは一方そういった投書欄にはそういった状況を悩む声が数多く寄せられているわけであります。これは営業の自由という問題もありますし、あるいは表現の自由という問題があるかと思いますけれども、こういった問題にやはり私たちは何としても警告を発していかなければならないのではないだろうか。玩具並びにこういったパソコンゲーム、ソフト等々の製作者に警告を発することができる所管はどこか、これは文部省なのかあるいは通産省なのかという問題がありますけれども、やはりこれは、こういったものを製造、販売しているところを管轄しているのは通産省でございます。こういった現象について通産省はどう考えているのかという点についてお尋ねをしたいと思います。
○中尾国務大臣 これは国民に対する基本的な政治、社会課題でございますから、私から答弁させていただきたいと思います。 森本委員御指摘のとおり、たとえ商売とはいえ、あるいはまた利益追求のための手段、便法とはいえ、このような形で戦争を知らない世代の子供たちにそのようなインフルエンス、インパクトを与えていくということは一体いいのかということになったら、これはもう全く大きな責任を感ぜざるを得ないわけであります。さらにまた、私も言いにくいことではありますが、日本の国民性というものの一つの考え方の中にいささかファッショナブルな面がありまして、ダッコちゃんがはやれば北海道から沖縄までダッコちゃんばかりみんな飾る、フラフープがはやれば、もう朝から晩まで、大人も子供も、北海道から九州までフラフープ、これはある意味における日本人の、単一民族的なといえばそれまでのことですが、特異性であるような感じさえいたします。そこに何か一片の良識が出てきて、それに対する批判の声が起こるとするなら、むしろ外国から、今ロサンゼルスに住んでいるカリフォルニアの方からそのような指摘が行われるなんということになると、まことに甚だ恥ずかしい感じが私はするわけでございます。 それだけに、これは今文部省か通産省かというようなお言葉がございましたが、これは利益追求の段階での、言うなれば商法としてやっていくという段階においては、商業法として考えていくなら、これは当然のこと商売上の責任問題としてきちっとした対応をすべきだよ、これを勧告するのは通産省の所管であろうと私は思っております。そういう意味においては、ある新聞にそういう問題の幾つかの事例も、私もたった今いただきましたが、これを見ましても、全く考えられないようないろいろとおもちゃ、テレビゲーム、あたかもまるで戦争そのものが大変楽しくて、おもしろくて、何かそれに参画しなければ自分自身のエンジョイメントがないみたいな感じ、このような印象を与えていくような、エスカレートしていくようなものには、私はある意味においてこれはもう厳重に勧告を発し、そして、一体こういうことによって次の世代というものをどう考えているんだということを投げかけていくような責任は我が省にもあるという感じがいたしますので、これは私も率直にお言葉どおり受けとめたい、同時にまた、私もそのように指導していきたい、このように考えております。
○山本(幸)政府委員 基本的な考え方は今大臣が申し上げたとおりでございますが、具体的にとったアクションをちょっと御紹介いたします。 先ほどのような新聞にも出ましたし、そういう報道がございましたので、直ちに通産省としましては、一月三十日に個別の企業に対して慎重な行動を求めるということで厳重な通告をいたしました。また第二番目に、ゲームソフトの作成流通会社を会員としているパーソナルコンピュータソフトウェア協会というのがございますので、そこに対して会員企業に軽率な行動を慎むことを徹底するようにということで要請をいたしました。その結果、これを受けて二月四日に、その業界では文書でもって会員企業にそういうことを慎むようにということでやっております。
○森本委員 大臣から、これは通産省の範囲内で受けとめて、そして勧告をしていくというお言葉をいただきました。やはりこういう事態のとき本当に私たちは真剣に取り組んでいかなければならないと思いますし、いろいろな大事な命が失われていくということについて、これは単に商売だから営業の分野を侵さないということだけで済ませることなく、これからもまだまだこれに類する問題が起きてくるかと思いますが、通産省としての指導また勧告等々をよろしくお願いしたいと思います。 次に、先般質問をさせていただきましたが、美浜原発の問題でございます。エネルギー庁も非常に厳しい態度をとられまして、またモニターにあらわれてくる数字に対しても厳しく守っていくようにという指導があったようでございますけれども、その翌日にまた逆なでするかのように関西電力の副社長の発言がございました。けさもまた一部の新聞でいろいろなことが報道されております。これは私はその一つ一つを詰めていくことは今ここでは、それぞれの言葉の違いあるいは受けとめ方の違いがあるかと思いますけれども、やはりこういった国民が不安を抱いているときにきちんと指導し、きちんと受けとめて回答をしていくべきではないだろうかと思います。関電の副社長発言についてエネルギー庁はどのようにされて いったのかという点についてお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 関西電力の美浜二号機につきましては、現在徹底的な原因の究明をしている最中でございます。その中で、十九日に、この件に関しまして当面とるべき措置を関係の各社に指示するということで、五社の副社長を集めて指示をしたわけでございますが、その後、関電の副社長が厳し過ぎる内容であるということで不満を述べたというのが新聞で報ぜられたわけでございます。十九日に指示をいたしました際には、同副社長は真摯に受けとめて真剣に対応していくという御返事があったわけでございまして、翌日御本人から私どもの方に、報道ぶりが副社長の真意とは違うという釈明の連絡もあったわけでございますが、私どもの方では、公益事業部長から関西電力の社長に対しまして厳重注意をし、同社長は陳謝をされ、通産省の指示を徹底遵守するというふうに言明をされたわけでございます。 私ども通産省といたしましては、今後とも各社、関係の五社でございますが、指示を着実に、確実に実行されるように指導をいたしますとともに、徹底した原因の究明に努め、再発防止策の確立を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○森本委員 そういう不安を抱いている中で、今度また二十一日、東京電力柏崎の原子力発電所二号機が事故を起こしたように報道されております。こうして連続して起きた原子力発電所の事故、今回の柏崎の事故はまだ起きたばかりでございまして調査中ではありますけれども、エネルギー庁としてはどう受けとめておられるのか、お伺いしたいと思います。
○向政府委員 お答え申し上げます。 東京電力柏崎刈羽原子力発電所二号機の自動停止でございますが、これは蒸気タービンに関しますトラブルということで、蒸気タービンに潤滑油を送っておりますポンプ系統の設備に問題が生じ、潤滑油を送っております圧力が下がったということで蒸気タービンが自動停止し、これに伴いまして原子炉が自動停止したということで、原子炉本体に直接関係する問題ではないわけでございますが、しかしながら、タービンの自動停止、それに伴います原子炉の停止というものでございますので、我々といたしましては、原因を十分調査いたしまして所要の対策をとっていきたいと考えております。
○森本委員 いずれにしましても、こういうときは重なるものであります。こういうのはただ単に重なるものと受けとめていると、これは反省をしないことになっていくのではないだろうか。こういった事故が連続して起きたときに、一番大事なことは、その事象を、その起きてきた現象を見てどう受けとめるか。たまたま西で起きて、また今度東で起きた、違う形であるけれどもたまたま起きたと受けとめるのか。そうじゃなしに、この起きてきた事態を本当に真剣に受けとめて、もう一度安全管理を精魂を込めて取り組まなければならない、そしてその上で今後どうするかということを考えなければならないと思います。 この二つの問題の原因究明がまず第一でありますけれども、姿勢として、これは今我が国の原子力発電に対する大変な警告がされているのだというふうに受けとめて、これからも通産省もよき指導に当たっていただきたいし、国民の原子力に対する不安を取り除くと同時に、原子力が今後の日本のエネルギーの中で大事な役割を占めるものでありますから、信頼を回復していただきたい。開き直ったりしてしまうと信頼を回復することができなくなってしまうのではないか、連続して起きた事故について、私は今そのように痛感しているところでございます。 そこで、それをもう一度総点検といいますと、今度はこれは北も南もそれぞれ形の違うものがこういう状況になったので、その形のものを全部総点検となるとエネルギーに大変な影響を及ぼしてくるわけでございますけれども、その原子炉が配置されている分布図をよくよく見てみますと、例えば先般の事故を起こしたPWR、これは関西電力がすべてこの加圧式をとっております。一方、東京電力ならば全部BWRという炉を使っているわけでございます。今回、この事故は真剣に受けとめなければなりませんけれども、まだ不幸中の幸いであった点を考えてみますと、これがもし大きな事故につながっているならば、例えばすべてP型のものであればP型のものを全部とめなければならないという状況になります。電力会社では、関電、東電はそれぞれP、Bを使っております。一方、そうでない原子力発電でPもBも使っているところがあります。今後二十一世紀、さらに二〇一〇年に向かって、この原子力の計画があるわけでございますけれども、西日本に全部Pが偏って、東日本にBが偏っているという場合には、何かあったときにエネルギーのバランスを欠くのではないか。それをうまく今後の計画の中で、西日本にもっとB型がある、そして東日本にP型があるという形のものができないかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○緒方政府委員 電力会社が原子炉の炉型を選定するに当たりましては、技術とかノーハウの習得、蓄積、人材の確保、品質管理等、さまざまな点を総合的に勘案する必要があるわけでありまして、各電力会社はそういう点を検討した結果、ある会社はPを選び、ある会社はBを選ぶということで、それぞれに原子炉の炉型を選定しているのだろうと思います。 そこで、御指摘のような点についてでございますが、いずれにいたしましても、今回の事象はまだ原因究明を急いでいるところでございまして、その原因が究明され、対応策をとる過程でとめて一斉点検をしなければならないものなのか、その点も含めて検討していくわけでありますので、当面は、運転につきましては、先ほど来申し上げておりますように、非常に慎重な対応をしながらこの運転を続けているところでございまして、原因究明がされた段階で所要の対策を講ずるようにしたいと考えておるわけでございます。 全国的な需給の問題につきましては、この炉型の問題だけではなくて、広域運用、相互融通というような問題も別の観点から考慮に値するのではないかと考えております。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○森本委員 次に、中小企業問題について質問をさせていただきたいと思います。 最近の景気拡大などを反映いたしまして、人手不足が大変深刻な状況になっているわけであります。特に、中小企業では人手不足倒産が発生するなど、大きなダメージを受けているところでございます。今大企業と中小企業の最大の格差は何かというと、やはり労働力の確保にあるということが言えるのではないか。また生産年齢人口が九十五年をピークに減る見通しでありまして、中小企業にとって労働力の確保はますます大変な問題になってくると思います。 私の手元にあるデータによりますと、昨年十二月、帝国データがまとめたのでは、企業倒産は四五%ふえている、それから負債総額は五倍増になってきておりまして、人手不足倒産年間数推移を見ますと、いざなぎ景気のときに人手不足がありましたが、それからだんだん解消してきたわけでございますが、特に八九年―九〇年に至ってはその件数が大きく伸びているわけです。七四年では一九だったのが八八年では五一、八九年で一二八、九〇年で三一〇と伸びてきています。この人手不足による倒産、それから来春新採用ゼロというのが三割が予想されておりまして、中小企業にとっては大変な危機感があります。 一方、産業別欠員率で見ますと、殊に建設業は、一九八三年が欠員率が一・六であったのが、八八年から八・一、八九年八・一、九〇年で一〇・八になっております。そのほかに製造業では八八年が三・〇、八九年が五・四、九〇年が六・五というふうに、建設業、製造業を主体として伸びております。 一方、規模別欠員率を見ますと、千人以上の企業では、八七年では〇・四、八八年では〇・九、八 九年では一・五、九〇年では一・八。三十人から九十九人の企業で見ますと、八九年は七・八、九〇年は七・四。それから五人から二十九人の企業で見ますと、八八年五・七、八九年八・〇、九〇年八・七。 本当に、今中小企業の皆さん方が一番悩んでおられるのは、人手不足、そして人手不足による企業倒産という点であります。最近、殊に若い人たちの間では三Kの職場には行きたがらない傾向がますます強くなっている状況でありますが、中小企業庁としてはこの人手不足の現状を、実態をどのように認識されているのか、お伺いしたいと思います。
○高橋(達)政府委員 中小企業の人手不足問題につきましては、ただいま森本先生からいろいろなデータもお挙げになられまして御指摘があったわけでございますが、私どもまさに同じ認識に立っているところでございます。 日本経済全体が好調でございまして有効求人倍率も大変上がってきておりますし、また完全失業率も下がっているわけでございますけれども、そういう中で、特に今先生が御指摘ございましたように大企業との格差がこの人手、労働力確保の問題に出ておりまして、中小企業の約四割が経営上の最大の問題点としまして求人難を挙げている実態にあるわけでございます。倒産件数につきましても今御指摘がございましたけれども、確かに従業員の退職やあるいは後継者難等、広く人手不足を主因といたします倒産がふえてきておりまして、データによりますと、ただいま先生からもいろいろ御指摘がございましたけれども、私どもの方のデータによりましても、例えば昭和六十三年には全倒産件数の中でいわゆる人手不足倒産というものは〇・六%しかなかったわけでございますが、これが平成二年、最近の二年でとってみますと五・九まで上がっておるということで、二十件に一件は人手不足倒産というふうに、全体が基調としては倒産が減っている――最近財テク倒産、不動産倒産等で若干ふえておりますけれども、基調としては減っている中で人手不足倒産というのがふえておるという認識を持っているところでございます。 また、長期的に見ましても、先生から御指摘がございましたとおりでございまして、厚生省の人口問題研究所の推計などを見てみましても、一九九五年で生産年齢人口はピークに達しまして、その後は減少に転ずるという長期的、構造的な問題も抱えているわけでございます。まさに私どもといたしましても、中小企業における労働力不足というのは現下の最大の課題であるのみならず、中長期的に見ても大きな問題だという認識を持っているところでございます。
○森本委員 「人手不足の理由」という統計が出ておりますが、この統計によりますと一番多いのは「労働時間が長い・休日が少ない」、これが四二・八、それから「企業の知名度が低い」が四〇・一、これは中小企業なのでそういう状況であるかもわかりません。「福利厚生制度が整っていない」二二・九、「仕事が過酷である」一七・五、それから「賃金が低い」というのが二五・六であるわけでございますけれども、何といっても労働時間が長い、休日が少ないというのが最大の原因になっているのではないかと思います。 こういった点を踏まえて、今回これは商工と社労で新法が出されるというふうに伺っておりまして、詳しいことにつきましてはそれぞれ社労の中でまた議論がされてくるかと思いますけれども、どういった新法を考えておられるのか、お願いしたいと思います。
○中尾国務大臣 まず、私も議員でございますから、各地を回っておりますと森本委員御指摘のとおり中小企業、あるいは零細企業というとちょっと言葉に問題があるかもしれませんが、そういうところに行くほど必ず私は呼びとめられて、その深刻な悩みを訴えられます。これはもうまさに政治社会問題、先ほどもそうでございますが、この問題こそ全く実態としては大企業の中における板挟みのような格好で悩んでいることを痛切に感じます。 そこで、現在の経済情勢、あるいはまた今後の中長期的な労働力の需給というその動向にかんがみますと、労働力確保対策が中小企業においては最大の課題になってきた、私はそのように受けとめておるわけでございます。特に中小企業近代化審議会の答申にもございますように、中小企業が労働力を確保していくためには、国民のゆとりと豊かさの志向の高まりを反映いたしまして、変化している就業者の意識に対応していくことがこれまた必要なんだなと。先ほど委員が幾つかの例を挙げられましたが、その中でも賃金が安い、二五・何%、こう言われる。それからまた知名度がない。やはり人間としての誇りの問題でございましょう。そういう意味においては、一つ一つうがったそれぞれの理由があるなということを感ずるわけでございます。 そこで私といたしましては、まず大企業に比しておくれている労働時間の短縮、それからまた職場環境の改善、あるいはまた福利厚生施設の充実などに取り組む。いずれにしても三Kと言われております、きつい、汚い、危険といいましょうか、こういうような問題をできるだけ除去していくような形における魅力ある職場づくりこそが大事なんだなということを痛切に感ずるわけでございます。このために通産省といたしましては、全く労働省とも、他の省との関連もございますが、いろいろ関係いたしまして、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案、中小企業労働力確保法案と言っておりますが、これを今国会に提出をいたしましたところでございますし、魅力ある職場づくりを通じまして、労働力確保に努力する中小企業者を総合的に支援しなければならぬということで、先ほど中小企業庁長官からもお答えもあったかと思いますが、今回は思い切ったある意味における大幅な予算も、それはもうこれで満足だというものではございませんが、あらゆる角度においてこれを助けていく支援体制というものはとらせていただいた次第でございます。
○森本委員 ほかに数多く通告をさせていただいたわけですが、時間が参りましたので最後にこの点だけ。 今度出た法案の中身については、これからまた先ほど申し上げましたように、私も場合によっては社労委員会に出席させていただいて質問をさせていただきたいと思いますが、考えるに、新しい法律や制度をつくるといかにも問題が解決するかのように思われるわけでございます。中小企業に関する法律も三十ほどありますけれども、結局それらが果たして有効的に生きているのかなという疑問、もう死んでいるのではないかと思うような法律も数多くある。もう法律自体を整理するだけでも大変だという点がありますが、今後その効果を、やはり新法を導入するならばきちんと見定めていっていただきたいと思うところでございます。 労働時間が長いということに関してでございますが、けさの新聞で、ジャスト・イン・タイムを見直す必要があるということで日本自動車工業会の会長さんが、とにかくこのかんばん方式が採用されているけれども社会環境が変わってきた、それから部品納入が頻繁になるので、そのためトラック輸送するために交通混雑や大気汚染につながる、あるいは夜中に突然の連絡で部品を持ってこさせるようなことは見直す必要がある。この親企業と下請企業との問題について、ジャスト・イン・タイムをもう一度見直そうという方向に向かい始めた。私はこれは一つの大きなチャンスであるかと思います。 同様に、こういったかんばん方式は、二十四時間営業しているコンビニエンスストアでもとられておりまして、一日何回も少量ずつ納品することになっておりまして、これまた交通の混雑あるいはエネルギーのむだになってくる。また、それに対する人員確保が非常に困難になってきた。こういう事態に備えて先ほどの新しい法律、これから審議される法律と同時に、下請振興基準を見直す 方向だと聞いておりますけれども、これはちょっと通告していなかったのですが、きょう聞いた問題でございますので、こういう発表があったのでお伺いしたいわけでございますが、いつごろをめどにどういう方式で下請振興基準を見直そうとされているかをお伺いして終わりたいと思います。
○高橋(達)政府委員 御指摘ございましたように、中小企業における時短の推進につきましては、親企業と協力をして進めていかなければならない部分が多いわけでございまして、ただいま先生からお話しございました中小企業の下請振興法の振興基準を改正いたしまして、そういった面での親企業の発注方式の改善を前面に打ち出すということで、かねてから中小企業近代化審議会の下請中小企業部会で検討を行ってまいりましたけれども、その結果が今年一月にまとまりまして、その趣旨で既に下請振興基準を改正しておりまして、ただいま先生からもお話がございましたように、要はこれから実効を上げることが大事かと思っておりますので各親企業、業界を私どもとしても十分に協力を要請し、また必要があれば指導していくという体制でやっていきたいと思って、既に基準は改正してございます。
○森本委員 きょう労働省お見えいただいておりましたが、時間の関係で質問できません。お許しください。ありがとうございました。
○甘利委員長代理 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、二点お尋ねしたいのですが、初めに、関電美浜二号機事故のことで一つだけ質問をいたします。 私は、前回の質問で敦賀市と関電の間に安全協定が結ばれていないことを問題にしたわけであります。その後、我が党の渡辺福井県議に問い合わせましたところ、同県議の質問に対し福井県当局が、周辺市町村全体との通報、連絡の体制を改善したいとの態度を表明されたと伺っております。考えてみますと、原発災害が広範囲に及ぶ可能性が大きいわけであります。そこで、国としても敦賀市とだけでなくて、周辺の市町村全体と関電が安全協定を結ぶように指導していただきたいと改めてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○緒方政府委員 原子力発電の運営に当たりまして、地元住民の方々の理解と信頼が不可欠でございまして、そのために安全協定を結ぶほか、いろいろ緊密な連絡体制をとるというようなことをやっておるわけでございますが、どういう範囲で、どういう内容でこの安全協定を締結するかということにつきましては、当事者間の交渉ということになっておりまして、一律の規制、指導は行っていないのが現状でございます。そして、先生御指摘の点は、実は安全協定とおっしゃいましたけれども、安全協定があるにせよないにせよ、先ほど申し上げましたように電気事業者は地元の住民の方の理解と信頼が得られるような努力をすることは当然のことでございまして、そしてまた、何か重要な事象が発生した場合に連絡をするということで、これに至らない点があれば改善をするのはもちろん必要なことでありますので、安全協定があろうとなかろうとそういう連絡体制のあり方について、地元の方々の理解と信頼を得るという観点から適切な措置をとるように、こちらの方はしっかりと指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○小沢(和)委員 では、次の質問に参りたいと思います。 昨年五月に出されました大店法の運用についての通達で、前回に引き続いて全国的なモデルケースともいうべき新潟を調査した結果に基づいて質問をさせていただきたいと思います。 まず、特定市町村の扱いについてであります。私は昨年の当委員会で、今回の通達によって事実上出店抑制地域が廃止されてしまうと指摘をいたしました。これに対し、当時の山本商務流通審議官は、基本的枠組みは残すと、事実上廃止になるという指摘を強く否定されたわけであります。しかし、実際には私が予想したとおりになっております。新潟は出店抑制地域で、つまり今度の通達で言う特定市町村であります。だから出店表明のあった十一店について、確かに関東通産局が市や商工会議所に意見を求めております。それに対して市は、「本出店計画について、貴職におかれては、計画提出者に対して自粛するか、または、法三条の届出に際して店舗面積の縮小及び開店日を遅らせる旨、指導されたい。」という意見を上げております。この意見を恐らく局も相手に伝えたには違いないと思うのです。その法三条による届け出がなされた内容を見ますと、十一店とも出店表明のときと同じものであります。つまり、完全にこういう市の意見が無視されております。 これまでだったら、出店抑制地域なら通産局自身が出店の自粛を指導して大体これでストップをしていたと思いますが、ただ市などの意見を伝えるだけになった途端にこの仕組みが全く無力なものになってしまったこと、つまり事実上廃止ということになっていることは明白ではないでしょうか。どうお考えでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま小沢委員御指摘の点につきましては、私ども、新しい昨年の五月三十日からの運営適正化措置におきまして、特定市町村の扱いにつきまして、今委員御指摘のような手続を大店法三条届け出前に導入をいたしたところでございます。確かに新潟のケースにつきまして、新潟市長に伺いましたところ、その他の点もございますけれども、ただいま小沢委員御指摘のような意見が関東通産局長あてに出されてございます。 一方、このシステムでは、市長のみならず商工会議所にも意見を聞くということにいたしておりまして、商工会議所の方ではただいまのような市長の意見とはまた違いまして、この新潟市というものが、その人口の推移あるいはこの新潟市に期待されている将来の都市機能の集積といった相当成長性を見込んだ側面も考えてこの売り場面積というものを考えなければならないという商工会議所会頭の意見も一方に出されておりまして、その結論におきましては、後日、いわゆる商調協、商業活動調整協議会の場で、これらの点を踏まえて慎重かつ十分な審議の上適正な結論を出してほしいという意見が、関東通産局あてに一方においても出されておるわけでございます。私どもといたしましては、これらの意見を出店者側に伝えたところでございます。 そもそも本制度におきましては、できるだけ早い段階で出店者側に地元の事情あるいは地元の関係者の意向というものを伝えるというところに主眼を置いておりまして、しかしながら、結局は届け出というものを、だからといって我々が受け付けないというような法的な手続は行わないということは鮮明にいたしているところでございます。したがいまして、申し上げれば、この商調協の場において調整が行われるに当たって、これらの意見を踏まえてかなり厳しい調整が行われるだろうということを出店者側に推定してもらう、こういうようなところにねらいがあるかと思います。その点は、先国会におきまして山本前審議官の答弁にも同じような趣旨のことをお答え申し上げていると存ずる次第でございます。
○小沢(和)委員 結局、今までだったら、通産局自身が出店抑制地域であれば自粛するように求めたけれども、今度の場合はそれがそのまま出るような仕組みになったということだと思うのです。だから、どこか今言われるような市や商工会議所などの意見を聞いて、縮小したという形で法三条の届け出をしたというようなところはありましょうか。私は恐らく全然ないのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 この制度を使いまして、出店表明をされた者が出店を辞退したというケースはございます。
○小沢(和)委員 次に、調整手続の透明度を高めるという問題についてお尋ねをします。 この通達が出されたとき、当局が盛んに言いましたことは、当事者同士の話し合いにより商調協という場で調整をした方が透明度が高まるということでありました。つまり、調整手続をだれもが 理解できるようにガラス張りにするということだったわけでありますけれども、新潟の場合を聞いてみますと、実際にはいつどこでやるかも公表されず、事後に審議内容を公表することもない。だから今までと何も変わりがないように思います。ほかのところを聞いてもやはりどこも同じような状況のようですが、どう指導しておられるのでしょうか。 〔委員長退席、佐藤(謙)委員長代理着席〕
○坂本(吉)政府委員 お答え申し上げます。 今、小沢委員御指摘の透明性を高めるという点につきましては、大型店の出店調整手続全般につきましてだれが何をどこでやっているか、またその期間はどれくらいにするかという点につきまして、従来ややもすればわかりにくいシステムでありましたのを、全体系にわたってトランスぺアレンシーを高めるというふうに大きく変えたところでございます。その点は、例えば事前説明の趣旨というものは何か、商調協というものは何をやるところか、時間はどれくらいかけるかというようなことを明確にしながら、わかりやすいシステムというものをつくったつもりでございます。例えば当事者間の話し合いという点につきましては、一つの機会といたしまして事前説明というのがございます。しかしながら、これは前国会における答弁におきましても、事前説明はそこは合意を得る場ではありませんということをはっきりさせたわけでございまして、調整はいわゆる正式の機関としての商調協において行いますということを明らかにし、また、従来必ずしもその審議経過その他につきましては特別のケースを除いて開示する必要がないというふうにしておったわけでございますけれども、商工会議所等の長が大規模小売店審議会に意見を提出いたしました場合のすべてにつきまして、その意見及び理由及び審議の概要というものを開示することを指導するようにいたしたわけでございます。 かような点で、私どもといたしましては従来に比べまして全体系において格段の透明性を高めたものというふうに考えているところでございます。
○小沢(和)委員 時間が余りありませんので、枝葉の話はしないで、私が聞いたことにずばっと答えるようにひとつお願いしたいですね。 それで、今お話がありましたように、調整は商調協でやるということでしょう。だからその商調協の中身がだれにでも明らかになるようにするということが透明度を高める核心の問題なんですよ。そうすると、商調協がいつどこで開かれるかというようなことを明らかにして、そこを公開してみんながその過程を知ることができるようにするということが一番肝心なことじゃないんですか。それはどうもどこでもやっておらないようなのですが、その点についてもう一度、そういう指導をしているかどうかお尋ねをしたい。 それから、今もう既にあなたが言われましたけれども、審議が終わった段階でその経過を公表するようにしておるというふうに言われたと思うのです。私もそれが今回の場合ただ一つ透明度を高める措置だというふうに思うのですが、そこでお尋ねをしたいのは、これはどの程度詳しく書くのか。本当に結論だけ一言ずつ書くようなものであれば今までと大して違いがないと思うのです。だから毎回、ここでこういうふうな審議がなされた、こんなような意見が出た、最低それくらいは明らかにしていただく、それからこの審議のためにこういうような資料を使ったというような資料なども、この経過や結果の公表とあわせて出していただく、せめてこれくらいのことはしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 お答え申し上げます。 商調協と申しますのは、御承知のとおりできるだけ各分野の方々にお集まり願って客観的に公正に審議を行ってもらいたい、可能な限り外部の意見によっていわば余り左右されることのないようにいたしたいという側面もまたこういう機関には必要なことだと私どもは思っております。過去、全国におきましていろいろ事件に至るようなこともございまして、委員のみなさんもできるだけ客観性を保つためには、いつどこでどういう人が集まって何をやるかということをあらかじめ一般に知らせることは果たして妥当かどうかということを考え、過去の経験に基づきまして今のようにしておるわけでございます。そういう意味で、商調協がいつどこで何が行われるかということは明らかにするようにはいたしておりません。むしろそういうことを通じて、商調協における審議ができるだけ外部の声によって左右されることのないよう、客観性、公平性を保てるように配慮をいたしておるところでございます、 それから、その審議内容を公表すべきという御指摘でございますが、この点につきましては、できるだけ審議結果につきまして、審議途中におきましては先ほど来申しておりますような配慮から、順次審議途中を公表するというようなことは私は適切でないというふうに思っております。どこまでどういうふうに審議資料を公表すべきかという点につきましては、御承知のとおりこの点について日本商工会議所及び全国商工会連合会の方から各地の商工会議所、商工会に対しましてただいま標準例が示されているところでございまして、各地におきましてはこれに沿って公表がなされているところでございます。そういう意味で、私どもといたしましては、出店調整手続というものをできるだけ透明性を向上させるということによりまして、公表すべき内容、だれがどういうふうに言ったということが余りにも詳細に出されるということによって客観性が果たして確保されるかどうかという点で、現在程度の標準例が一つのモデルとして適切なものではないかというふうに考えているところでございます。 また、委員御指摘のように、内容にどういう資料が使われたかという点につきましても、やはり審議の内容が客観性を保つ、商協調の皆さん方がいろいろ審議をされるときの参考としてどういう資料を使われたかという点につきまして、これを必ずしも審議途中あるいは審議結果において公表すべきものかどうかという点についてはおのずから限度があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○小沢(和)委員 今のお話を伺っていますと、客観的な審議をするためには外の意見で左右されないように配慮することが大事だというお説のようですけれども、私はこれは全く間違っているのじゃないかと思うのです。外部の意見というのは何かといったら、そこに大型店が出てきては困るというような地元の商店街の運動であったり、あるいはそういうような関係者の声でしょう。これをまじめに聞いて、それが妥当かどうかというようなことを検討するということが実は商調協に求められているのじゃないんですか。何かそういうような声そのものを雑音扱いにするような考え方ではないかという点で、私は今のお話は全く誤りではないかということを申し上げておきたいと思います。 それから、経過と結果の公表の問題ですけれども、標準例を示してあるといいますが、標準例というのは年月日、回数、調査、審議の概要というふうにそれだけ書いて枠が囲ってあるだけなんですね。だから、これはどの程度詳しく書くかということは全くそれぞれのところに任されているとすれば、本当に三くだり半というか簡単に片づけられてしまう可能性もあるのではないかという点で私はできるだけ詳しくというふうにお願いをしたわけです。 それから資料の公表というのは、今の審議官のお話ではこれは公表するという意味に私には聞こえたけれども、いいんですか、全部とは言えないけれども、できるだけ公表するようにした。
○坂本(吉)政府委員 申し上げましたのは、商調協におきまして使われる資料の公表には限界があるということを申し上げたつもりでございます。
○小沢(和)委員 いや、だから、限界があるということは、全面的にもう資料というのは出さないという意味だとは私はとらなかったということなんですよ。だからその点は私はそういうふうに理 解をして、次にお尋ねをしたいと思いますが、前回約束していただいた新潟商調協へのハフモデルの提供がどうなったか。既にでき上がったのであれば私も勉強してみたいので、提供していただけるかどうかお尋ねします。
○坂本(吉)政府委員 小沢委員前回御指摘のいわゆるハフモデルというものにつきましては、二十一日午前中に、関東通産局を通じまして、新潟県、新潟市、会議所、商調協会長にあてて、あくまでも審議の参考としてお渡しした次第でございます。
○小沢(和)委員 いや、だから私にもそれを勉強のためにいただけるかということをお尋ねをしておりますので、次の質問に対する答えのときおっしゃっていただきたいのです。 このハフモデルというのは、通産省が大型店の出店による地元商店へのお客減少の程度を調べる方法で、通産省が定めた出店調整審査基準の一つになっております。実は新潟で大学時代に数学を専攻した人が通産省のやり方どおりに計算したらこうなるということで一つの結果を出しております。これがそのビラです。新潟市大型店対策協議会の方々がその内容をこうやって発表しております。 これを見ると、市内四十一商店街のうちたった一つを除いて他はすべて客が減るということになっております。一番減るのはジャスコの進出地に近い大形本町商店街で、マイナス七八・九%、八割くらい減るということですね。続いてトイザラスの予定地に隣接する出来島商店街、マイナス六七・〇。三番目がイトーヨーカ堂予定地に近い木戸地区商店街、マイナス四九・六%。全商店街平均はマイナス二六%ということになっております。これでは地元商店街は共存共栄どころか完全につぶされてしまうということになるのではないでしょうか。この地元のハフモデルの計算結果は通産省にも参考に差し上げてありますが、大体これと同じ結果かどうか、違うというならやはり出していただかないと私たちもちょっと勉強のしようがないのでさっきお願いしたのですが、その点もう一度、いかがでしょうか。
○坂本(吉)政府委員 いわゆるハフモデルにつきましては、ただいま委員御指摘のように、審査指標体系につきまして、いろいろ指標をとりまして、九つとか十個とか、その程度の指標を我々持っておるわけであります。その中の一つとして、今おっしゃった影響度指標というものをあくまでも一つの参考として計算をいたしてみるという対応を私どもいたしておるわけでございます。モデルでございますので、その中にインプットする基礎データ、資料、そのとり方によっていろいろ結果は変わってくるのは御承知のとおりでございます。 ただいま委員お話しになられました一つの計算の結果につきまして私どももいただいておるわけでございますけれども、おのずからどういう範囲の資料をとるかというのは、その資料のとり方についての考え方の差が出てくるのは、一般的にモデルというものの持つ限界でもございますし、それはモデルという性格上やむを得ないことではないかと思っております。 先ほど御指摘になられましたハフモデルの公表ということにつきましては、これはあくまでも審議の途中における審議の資料でございまして、また商調協に対しましては、あくまでもこれは参考ですよということで、使っておられる商調協もあり、使っておられない商調協もあるというような性格のものでございますので、公表につきましてはこれを差し控えたいというふうに思っておる次第でございます。
○小沢(和)委員 では最後に大臣にお尋ねをしたいと思います。 商調協では、出店面積の削減や出店時期の延期などの調整を行うことになっておりますが、前任者である武藤大臣は、一年半と期間は短くするが、必要な調整はきちんとやると言明していただいたわけであります。実際、その調整が行われなかったら新潟の場合も今大変なことになるということを申し上げました。ついでにあと一言言わしていただくと、私の地元の福岡県飯塚市、これは中小都市でありますけれども、ここも、調べてみますと出店抑制地域なんですが、今でも大型店の比率が四五・八%と半分近いのに、さらに二店、合わせて五万五千平米の超大型店が既存の商店街を挟むような形で出店しようとしております。このまま認めたら大型店の比率が六三・四%、三分の二近いというすさまじいことになるわけです。これではとても共存共栄どころではありません。 中尾大臣にも、それぞれの地域の実情に見合って既存の地元商店街が今後もやっていけるように調整するのは当然だということを確認していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中尾国務大臣 大型店の出店調整に当たりましては、地元関係者の意見が十分に反映されていくことが肝要であることは申すまでもございません。 現行の大型店の出店調整というものは、このような考え方の上に立って、昨年五月末から実施している運用適正化措置のもとで行われているところでございます。具体的には、地元関係者に対する事前説明あるいはまた地元の消費者代表あるいはまた小売業者代表、学識経験者代表、こういうものによって構成される事前商調協及び正式商調協の各手続を通じて調整が進められているところでございますが、武藤前大臣の引き継ぎでございまして、私もよく承知しております。その点においては私も継続的にそのような気持ちを持って当たっていきたいものだな、このように考えておるわけでございまして、私としては、このような手続の過程で関係者の努力によって可能な限り地元意見が反映された形で、全体として一年半という期限内に十分な調整が進められるように、先ほど来委員が申されておりますように、過重な、一店の大きな店が出るがゆえに七割、八割の犠牲を払っていく、これではもう全くもって生存権の問題になってしまいますから、そういう意味においての十分な意見を反映しながら調整していきたいものだ、私もこのように考えております。
○小沢(和)委員 ありがとうございました。
○佐藤(謙)委員長代理 伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず最初に、労働力の確保の問題についてお伺いをいたします。 今、日本は長期にわたる経済拡大の中で人手不足が各方面で問題となっておりまして、いわゆる人手不足倒産というような事態も招いているわけでありますけれども、当面の労働力需給の状況についてどのように見ているか、まず伺います。
○中尾国務大臣 伊藤委員にお答えさせていただきます。 労働力需給の動向はいかん、こういうことでございますが、最近の雇用情勢全般を見ますと、内需主導による景気拡大が確実に続いているわけでございまして、有効求人倍率は年々上昇を続けておりますし、昭和六十三年には、一倍を超えたということもおかしな言い方ですが、そういう状況でございました。その後にまた、平成二年には一・四〇倍というものに達している、これはもう御案内のことかと思います。かといって、失業率も非常に減殺されておる、これも事実でございましょう。平成二年には二・一%、現在、きょう時点で二・二%と私記憶しておりますが、昭和五十五年以来の低い水準になるなど、労働力需給は依然として引き締まり基調で推移しているものと認識はしております。 さらに中長期的に見ますると、厚生省の人口問題研究所の統計によりますと、一九九五年に生産年齢人口、すなわち十五から六十四歳ということになりましょうかはピークに達しまして、その後減少に転ずると見込まれるなど、労働力需給は中長期的にもいささか引き締まり基調で推移するものだな、このように認識をしているものでございます。
○伊藤(英)委員 今の人手不足の状況は、特にまた規模別に会社を見てみますと、いわゆる中小企業においてはますます大変だという状況であります。これは、私が地元の方の会社をいろいろ見たりしましても、いわゆる中小企業というところは、全体的にももちろん大変でありますけれども、特 に大変だなということを痛感をいたしますし、これからどういうふうにしていったらそれぞれ人材の確保ということができるのかなということを非常に痛切に感じたりするのですね。 そういうときにいつも思うのは、ともかくいわゆる魅力ある企業、そういうような形にならなければ人は集まってこない、こういうふうに思いますね。そういう意味で大臣、魅力ある中小企業像というのはどういうものなのかな、そしてまた、そのためにはどういうことをしたらいいと考えられるか、それについてお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 私も父親が零細企業でございましたものですから、そういう意味におきましては、ある意味においては中小企業、まあ今は零細企業という言葉は使いませんけれども、その悩みというものはよくわかるわけでございます。まず、そういう点においては、論議の対象にいつもなりますのは、やはり大企業に比してみますと非常に労働時間が長過ぎるな、あるいはまた福利厚生施設が充実されてないなとか、あるいは三Kと言われておりますが、汚いとか、あるいはそういうきれいでないようなことに携わるということにいささか抵抗を感ずるとか、いろいろそういう面も多数あろうと思うのです。なかんずく給料も安いということもそのうちに入るでしょう。 そういう点では、先ほど委員のお言葉にもありました魅力のある企業体、そこの環境づくり、そういうものによって初めて育成といいますか活性化というものにつながるわけでございまして、それだけに現在の経済情勢あるいは中長期的な労働力需給の動向にかんがみますと、労働力の確保対策は、全く中小企業にとっては必要欠くべからざる対策の一環をなければならぬ、一番重大な課題だと思わなきゃなりません。 〔佐藤(謙)委員長代理退席、委員長着席〕 このために通産省としましては、中小企業が活力ある運営体として持ち前の機動性と創造力を十分に発揮して、その魅力を高めることが御指摘のとおりにできるように、技術開発、設備投資、研修などに対して各種の支援措置というものを講じてまいったわけでございますが、それをさらに延長線上にのっけていこう、そしてまた、特に中小企業近代化審議会答申にもございますように、中小企業そのものが今後労働力を確保していくためには、国民のゆとりある豊かさの志向の高まりを反映いたしまして、変化している就業者の意識に対応していくことの、このこちら側の意識もまた必要だな、こういうことを感ずるわけでございます。大企業に比しておくれている労働時間の短縮であるとか、先ほど申し述べた職場環境の改善、福利厚生施設の充実等々の取り組み、そういう形によって魅力のある職場づくりというものを考えていくのが先決だ。 このためには、労働省と共同で中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案、すなわち中小企業労働力確保法案を今国会にどうしても提出したというのはそこに理由があるわけでございまして、魅力ある職場づくりを通じて、労働力確保に努力をする中小企業を総合的に支援してまいるという所存はそこにあるわけでございます。もちろん法案ですべてが解決できるというものではございますまいが、しかし、そういうベースにおいて、プリンシプルをそこに置いて考えていくという一つの大きな基準、スタンダードにはなる、こういう考え方で私どもは真剣に取り組んでいきたい、このような気持ちでございます。
○伊藤(英)委員 先ほど申し上げましたように、私も随分各企業のあるいは工場の中等も見たりしているつもりでありますけれども、これは本当に大変なことだなということを痛感いたします。そしてまた、これはなかなか大変な仕事でありますけれども、ぜひ鋭意よろしくお願いしたい、このように思います。 それで、その中小企業問題にも関連するわけでありますが、私は最近いわゆる製造業の実態について非常に心配をするわけであります。申し上げるまでもなく、日本にとって製造業の重要性そしてまたその役割、これはどんなに強調しても強調し過ぎることはない。日本がこれから生きていくためには、私はいつもこういうふうに言っているのですが、何といっても世界の技術先進国として日本は生きていかなきゃならぬ、そして、その技術先進国なるものをちゃんと維持していくためには、これまた製造業が健全にちゃんと発展をしていなければ、そういう日本の経済力を維持していくこともできない。もちろん世界の中で、通商関係も含めてこの製造業が健全に発展をしていかなければ、これは大変なことになるという認識であります。 そういうふうに考えたときに、じゃ、その製造業の将来を担う人材、特にその技術分野の人材というものが十分に確保していけるだろうかという意味でこれは心配するわけでありますが、御承知のとおりに、例えば大学で工学部関係の学部を卒業をした人が最近はかなりの部分が金融業にも入っていくということですね。これは調査結果なんかに出たりしておりますけれども、東京の有名大学の工学部の卒業者が、聞くところによりますとあるところでは二五%ぐらいが金融業に行くんだとか、あるいは平均的に見ても二〇%くらいの人が金融業に行くというようなことも調査結果として出たりしておりますね。そういう意味で大丈夫かなということを痛切に思ったりいたします。 では、どうしてこういうふうになっているんだろうかということもあります。この辺のことも大臣にお伺いしたいと思いますが、そのうちの一つでは、私は賃金、労働条件にしても、これは中央労働委員会の調査資料の中にも出ておりましたけれども、例えば大卒で事務、技術労働者の男子の人を比べて、四十五歳の人の基準内賃金が、製造業ですと月四十万円。ところが銀行関係になりますと、グラフで見ますと約六十万円ぐらいという状況になったりしておりますね。なぜこうなっているんだろうか、そしてこういうのはいわば通産省なり役所から見て妥当な状況にあると考えられるのかなということを思ったりするわけでありますが、大臣、いかがですか。
○中尾国務大臣 これは大変に難しい問題でございまして、これは年代の差あるいはもちろんゼネレーションの差もさることながら、ある意味においては時代に応じての、業種、業界というものの発展あるいはまた遅滞、こういうものも大きく影響するということを私は率直に感じます。 私どもが学校を出たてのころはある意味においてはマニュファクチャリングの非常に盛んな時代でございまして、それに就職することさえも難しい時代でございました。ところが、その当時は金融はそれほど魅力のある場所ではございませんでした。人間の生きる社会というものにおける自分を満足させるという個人差もございましょう。あるいは官庁関係に働いている人たちが必ずしもいい給料ではないかもしれません。しかし、彼らには国家観といいますか、ある意味における国家を自分たちが担っているんだという誇り、こういうものも一つの生きがいとして持っておりましょう。これはこれとして、ただ金だけの感じで考えるならば、自分が出て、終わっていくときに言うならば退職金をいただく、それまでも換算するとこのくらいもらえるんだという形の中でもって考えると、今きわめつけの金融とか損保とか証券会社はいいなという魅力に駆られて行ってしまう。ところが、現実にはハイテク産業が将来性があるからということで行かれる方もいましょう。あるいは先ほども言った官吏のように国家をしょって立っているんだという意識で、薄給であっても自分たちは生きがいを感ずる、こういう方もいましょう。一概に言うことはできませんけれども、これはやはり人間が豊かな実りある社会の中でも、なかんずく金目というか、自分自身の家族の生計を立てていくのにはある程度の余裕がある金が欲しい、余裕のものが欲しいということになると、金というものと全く決別した形でもって生きるわけにはいかないという観点で考えますと、通産省というものが所管官庁である限り、委員御指摘のとおり果たすべき役割は大きいと思うので す。 そこで、それではどのような考え方になるかということになりますると、これは一概に私個人の考え方を言うわけにもいきますまいが、やはりこれは全体のバランスの中でそういうもののニーズを踏まえながら、サプライ・アンド・デマンドというものも十分に踏まえながら、需要と供給のバランスを考え、そしてそれに見合った形のバランスのとれた社会構造を構築するということに全力を注ぐことが私の少なくとも任たる役割かな、このようには感じておる次第でございます。
○伊藤(英)委員 今のお話は必ずしも通産省プロパーの業務ということではないのですが、先ほど私は特に金融関係のことを申し上げました。そのときには、これは大蔵省が中心になりますが、国というものがいろいろな問題に関与します。そういう意味であえて申し上げるわけでありますが、企業の行動ということを考えたときに、例えばその労働条件だとかサービスとか、そういうものの水準を考えるときに、ざっと言えばこういう考え方が私はできると思うのです。企業が活動する、それがどういうものに反映するかというと、大きく分けると三つだと私は思っているのです。一つは、商品とかそういうものを消費者に提供いたします。だから消費者にどういうふうに還元をするかという概念のものがあります。これは価格であったりサービスであったり、そういうことがあります。もう一つは、従業員にどういうふうに還元するんだろうという二つ目の柱があります。もう一つは、では企業の株主に対してどういうふうに還元するかというものが考えられると思うのです。 だから、そういうふうに考えたりするときに、世の中を見ていて、ああこのくらい労働条件が高くていいんだろうか、製造業はこういうふうになった方がいいんじゃないか、あるいは金融関係は現在の状況を見るともう少しこうなった方がいいんじゃないかというようなことを見てもいいんではないかと思うのです。そういうふうに見て、国家全体のそれぞれがどんな感じでうまく進むかなという見方を私はするんだろうと思うのですが、そういう意味で今の理工科系の学生の就職の行動は各企業の労働条件等の状況によって反映されているというようなことを思えば、通産大臣はいろいろな思いでいらっしゃるんじゃないかなと思ってお伺いしたのです。
○中尾国務大臣 委員御指摘のとおり、確かに今の消費者のニーズにいかように還元するのか、あるいはまた株主に還元をするのか、またそういう業界そのものに還元をしていくのか、こういうような問題点は当然御指摘のとおりでございまして、そういう形の中で金融問題だけに偏っていくというようなアンバランスな形というものはいかがなものだろうかという御意見は十分にわかります。それだけに、ある意味においてバランスある社会の構築というものはやはり私ども商工関係における任に当たる者はそれを頭の中に十分にしまいながら考えていくべき措置が必要かな、その関連の中で労働省、文部省あるいは自治省等々とも話し合いながらやっていかなければいかぬなという、これは大きな課題であると私も認識しております。
○伊藤(英)委員 今の人手不足の問題で、これからどうしてもますます考えなければならぬのは女性の労働力の問題だと思うのです。これは女性の労働者を確保するという意味でも、あるいは逆に言えば、どういうふうに女性が働きやすくするのかという意味で、今育児休業法という問題が出ております。労働省案というのも新聞にも報道されたりしておりますが、この育児休業法に対してどのように考えられますか。
○横田政府委員 お答え申し上げます。 育児休業制度の導入促進という点につきましては、現在、お話ございましたように労働省の婦人少年問題審議会、その婦人部会の場で検討が行われている最中と承知いたしております。通産省といたしましては、女性の継続的な就労意欲にこたえるという観点も含めまして、育児休業制度の導入等の女性の働きやすい環境整備に積極的に取り組むことが大切、こういう認識でございます。そういう意味で、この制度につきましてもその具体的なあり方につきまして、今後労働省とも連携をとりながら、また中小企業等産業界の実態をも十分踏まえて検討してまいる所存でございます。
○伊藤(英)委員 次に、貿易保険のことについてお伺いいたします。 今、中東戦争もまだ起こっている、あるいは世界の経済というのはなかなか大変な混乱期にある、こう思いますけれども、この貿易保険制度の果たす役割と、現在、今申し上げたように湾岸戦争なんかも起こっているわけですが、貿易保険の健全運営というのが果たせる、確保されている状況にあるかどうかお伺いいたします。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 最近の債務累積問題を見ますと、一九八二年以来ますます深刻化をしておるわけでございます。特に、最近の湾岸情勢あるいは東側経済におきます市場経済志向という動向は、発展途上国あるいはLDCに対して大変大きな資金需要をもたらしているわけですが、一方でリスクを拡大しているという相矛盾した動きがあるわけでございます。そういう中にありまして、貿易保険の果たす役割というのは大変難しくなっている一方、非常に要望、需要も拡大しているわけでございまして、現在、公的債務、国が債権を持つという意味での公的債務の中でウエートを見ますと、約七〇%くらいを占めるという大変大きな役割を果たしているわけでございますが、一方で状況が悪くなっている分だけ大変仕事の難しさというのが出ていることは先生御案内のとおりでございます。 こういう状況の中にありまして、最近の保険会計の運営状況を見ますと、元年度におきますと、借入金というところで見させていただきますと約二千九百四十一億円の借り入れをしていたわけでございますが、二年度におきますと、補正後では七千六百億円、それから三年度予算におきましては九千億円を若干上回る程度の借入金が必要になってきておるという状況にございまして、これは保険会計としても従来の努力以上の努力をしなければいけないということを痛感しておる次第でございます。 具体的には……
○奥田委員長 もう時間が大分過ぎましたから、簡潔にお願いします。
○堤政府委員 保険の具体的な内容といたしましては、保険金の回収あるいは短期総合保険制度の導入あるいは一般会計からの繰り入れ等を行いまして、財政基盤の強化を行うということから、自助努力を前提としました財政基盤の強化を今後とも図ってまいりたいというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 あと幾つか質問をしようと思っておりましたけれども、時間が参りましたので、終わります。どうもありがとうございました。 ────◇─────
○奥田委員長 この際、先刻付託になりました内閣提出、再生資源の利用の促進に関する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。 ───────────── 再生資源の利用の促進に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○中尾国務大臣 再生資源の利用の促進に関する法律案の提案理由を説明いたします。 再生資源の利用の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 我が国においては、主要な資源の大部分を輸入に依存していることに加え、近年の経済成長、国民生活の向上等に伴い、廃棄物の発生量の増大等廃棄物をめぐる問題が深刻化しております。このような状況に対応して、生産・流通・消費の各段階にさかのぼって資源の有効な利用を図るととも に、廃棄物の発生の抑制及び環境の保全に資するため、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、本法律案は、使用された後の物品または工場等で発生する副産物のうち原材料として利用できるものを再生資源とし、通商産業大臣、建設大臣、農林水産大臣、大蔵大臣、厚生大臣、運輸大臣及び環境庁長官が主務大臣としてその利用を総合的かつ計画的に推進するための基本方針を定めることとしております。 第二に、再生資源の利用の促進には関係者がおのおのの立場から努力を行うことが不可欠であることを踏まえ、事業者、消費者、国及び地方公共団体の責務を定めることとしております。 第三に、事業者の再生資源の利用の促進の努力を最大限に引き出すため、政令で指定する業種及び製品について、事業を所管する主務大臣が事業者の判断基準等を定め、それに基づき指導助言を行い、必要な場合には、勧告等の措置をとり得るよう規定を設けることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時二十八分散会