商工委員会 第3号
- 発言数
- 250 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1991/02/18
会議録
○奥田委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。甘利明君。
○甘利委員 久しぶりに質問をさせていただきます。 内外ともに多難な折に、中尾通産大臣におかれましては本当に連日連夜御苦労さまでございます。今や御案内のとおり外事は内事、外交は内政、国際政治経済はまさに内政と直結をしているという時代でありますし、そういった大変に重要なときに、まさに政界きっての国際通であります中尾大臣が通商産業大臣に就任をされたということは非常に喜ばしいことでありますし、商工委員の一人としても心から歓迎をする次第であります。同じ派閥でありますからというお世辞ではございませんで、心からなる真情の吐露でございました。多少政治的配慮はありますけれども。 今や国民の最大関心事というのはもちろん中東戦争の行方だと思います。中東戦争の行方に関して国民感情がいかがなものか、ある国会議員がその辺を探るために、タクシーに乗りまして、運転手さん、湾岸情勢はどうですかと聞きましたら、きょうはスムーズに走ってますという回答があったそうであります。まだまだ日本国民は対岸の火事としてとらえているのかと嘆いておられましたが、これは職業的な反応であろうと思いますし、今一億二千万国民すべてこの中東戦争を我が事として深刻にとらえていると思います。 この戦争が一月十七日に始まったという誤解がありますけれども、本当はこの戦争は昨年の八月二日に始まったわけでありまして、五カ月間ずっと平和的にありとあらゆる対応をした、国連を中心に対応をした、経済制裁その他考えられる限りの排除措置をしたわけでありますけれども、イラクのクウェートからの撤退というのは実現をしなかったわけであります。そこで、最後の最後の手段として国連安保理決議六百七十八号の履行ということで武力行使に入ったわけでありました。 それから約一カ月がたちました。先般イラクの、これはフセイン大統領名ではありませんでしたけれども、イラクの革命評議会名で、国連安保理決議第六百六十号を受け入れる準備があるという表明がありました。しかし、子細に検討をしてみますと、この安保理決議の六百六十号というのは即時全面無条件撤退というはずでありまして、これを無条件で受け入れることを六百六十号を受け入れるという理解だと思うのですが、この無条件でというのに次から次へと条件がついてきているわけでありまして、例えばイスラエルのアラブ占領地からの撤退等々後から後から三つも四つも条件がついてきた。そうすると、一体全体本当にまじめに正面から受けとめていいものだろうかと大分懐疑的になってくるわけであります。このイラクの六百六十号条件つき受け入れ準備という表明について政府はいかがな評価をされているか、それをまず伺います。
○中尾国務大臣 甘利委員にお答えさせていただきます。 まずもって、こういう紛争と申しましょうかインシデントというのはあらゆる形で、あらゆる角度でとらえられるものだなと私も甘利委員と同じ、軌を一にするものでございます。先ほどタクシーの運転手さんのお話が笑い話のようにも出ましたが、これは現実でございまして、例えば六百六十号安保理決議というものの性格が発表されまして、イラクがあのように、私どもぬか喜びみたいな状況で喜び合いましたのが一昨夜だったと思いましたが、そのときのテレビをずっと拝見させていただいておりましても、例えば、イラク側の言うていることは別といたしまして、多国籍軍側の考え方においてもいろいろあるものだなとも思いました。 例えば、アメリカ国民のあのテレビの中における世論調査で八五%はまだ継続しやっていくべきである、とことんまで交戦すべきことであろう、こういうニュアンスの声が街頭録音でも男女ともにはね返ってきたような感じがいたしましたし、また、イギリスも同様であったような気がいたします。フランスも同様でございましょう。しかし、多少なりとも、日本の街頭録音を聞いてみますると、男女多少差があるかな、例えば女性の場合などは戦争は反対ですというごく当たり前の表現が返ってくるわけでございます。それだけに、何が何だということにおけるディミニュティブな答えは別といたしまして、いろいろな受けとめ方があろうと思います。 しかし、私はただいまの質問に率直に答えさせていただきますならば、安保理決議六百六十号というのは無条件の撤退でございまして、これに対して、御案内のとおり、あのような数種にわたる条件が付加されたということは、これはちょっとのみ得ない状況下の中に多国籍軍側は受けとめたのであろう。また同時に、そのような形がなくて、ただ単に撤退だという無条件の形が整うならば、これは大いに歓迎されたことであろうなと思いますると、まことに残念至極のあり方だったなという感じがいたします。ただ、何人かから声も出ておりましたが、このような形がイラク側からなされたという所作はある意味における一つの動向、山が動いたといいましょうか、少しでも微動であれ動きがあったということは無視してはならぬと思うのでございまして、これをどのように的確にとらえながら、きょうもアジズ外相がモスクワの方に伺うようでございますけれども、そういう意味におきましては、何らかの進展で、何らかの形をもって、何らかの形の解決の方途の糸口がつかみ得るならばな、このように私は期待するものでございます。 以上です。
○甘利委員 余り過大な期待はしてはいけないと思いますけれども、しかし、多少なりとも変化があるということはそれを糸口として局面打開に向ける努力は続けていただきたいと思うわけであります。 この戦争が長引いてきますと、いろいろな評論をする方が出てきます。しかし、そういうときにはこの戦争の原点は何であったかという基軸をしっかりと踏まえていなくちゃならない。それが遠い過去になってしまうと、だんだん今の状態からスタートしているというような錯覚に陥りがちですから、そこのところは、この戦争の原点は一体何であったのかということをしっかりと常に把握して基軸をぶらさないようにする必要があると思うのです。昨今では、よく出る話が、イラクも悪いけれどもアメリカが悪いとか、甚だしいのはけんか両成敗なんという、その原点を忘れ去ってしまった論調が出てきているわけです。要はイラクが八月二日に武力でもってクウェートに侵攻して膨大な数の市民の生命と財産を剥奪して婦女子を凌辱し、そしてもうこの世からクウェートという国は消滅しましたということを世界に宣言をしたわけです。そんなことは果たして今の国際社会が許していいのか悪いのか、これが原点であろうと思います。許していかぬのであるならば、国連加盟国日本も何らかの意思表示をしなくちゃいけない。つまり武力でよその国を侵略して、その国民の生命、財産を剥奪し、婦女子を凌辱する、そしてその国を消滅させてしまう、そんなようなことをするならば世界じゅうが許さないぞというルールをつくっておかなくちゃいけない。そんなことをすれば世界じゅうから袋だたきに遭うんだというそのルールをつくっておかなかったら、第二、第三のクウェートは出てくると思うわけでありまして、その辺の基軸をぶらすことなくしっかりと対応していただきたいと思うわけであります。 本委員会は外務委員会でも内閣委員会でもありませんので、この辺で油の流出事故について伺いたいと思います。 事故といいますと過失によって起こったみたいに聞こえますけれども、真実はその後の調査で明らかなように、イラク側のこの戦争の戦略上の故意でありました。これは事故というよりはまさに犯罪と呼んだ方がいいかと思うわけであります。日本もこの環境破壊犯罪に対する対応の立ち上がりはかなり褒めていいんじゃないか。オイルフェンスもすぐ空輸で運びましたし、対応措置もどんどんとっていらっしゃるようであります。 このオイル流出問題に関しての対応、現状どういうふうに運んでいるかという点についてまず伺います。
○中尾国務大臣 前段でございます甘利委員の考え方そのものに対しましてもちょっとコメントさせていただきたいと思いますが、私は全く同感の思いでございます。昔の政治家というよりは明治時代の日本の勃興、復興のみぎりに一貫した富国強兵とかあるいは殖産興業という言葉もございましたが、それより前提になった言葉の中に、黒白弁じかたきは亡国の兆しなり、という言葉がございました。黒白弁じがたきは亡国の兆しである、まさに黒も白もはっきりできない者がどうして国を復興することができるか、これは前提でございました。そういう意味におきましては、安保理決議に掲げてございますような国際の平和と秩序というものは、ただ安楽死したような形で座してこれを見詰めているだけで汗もかかず、また何もせずにできるものではない、けじめをつけることだと思います。そういう意味においては、このような凌辱と、しかも無秩序の中に略奪し侵略したということを野方図にしておくならば、次のサウジはどうなるんでしょう。次の隣国はどうなるんでしょう。そういう意味からいきましたならば、そのような形においてのけじめをつける、国際的な平和を達成するためには汗もかく、このことこそがはっきり世界に対する、いわゆるアメリカでよく言う、欧州国家でよく言う平和の秩序といいますか、あるいはまた平和裏における正義感はどのように遂行すべきかというものを前提に政治家は心の中に秘めるべきものである、私はそのように感ずるものでございます。 さて、そこで、ペルシャ湾の原油流出問題に対する日本の状況いかんという御質問がございました。 私どもといたしましても、サウジアラビア等からの要請があればできる限りの協力を行うこと、これが前提であるということでやってまいったつもりでございます。オイルフェンスにつきましては緊急に必要であるということの先方の要請を受けまして、石油産業界の協力を得ましてサウジアラビア、バハレーン、カタールへ提供することとしておりまして、現在順次輸送中でございます。 これがどちら側がやったのかとかなんとかいろいろと一時期言われました。しかしもう既に、バグダッドの方の声明でもあのような形をとらしたのはだれかというような、前提として自分たちがやったことを認める発言も出ておりますことですから、これはもう何の疑う余地もない、御案内のとおりの所業であったと私は思うのでございます。 また、サウジ環境保護庁から追加要望のございましたオイルフェンス等の提供につきましては、通産省としましては現在我が国の提供の可能性についても鋭意検討するとともに、またこの資金、運搬等については関係省庁各位とも協議中でございます。同時にまた、淡水化プラントの問題、火力発電所を流出原油から保護するための措置につ きましては、現在外交ルートを通じましてサウジアラビア政府に具体的な要望を照会中である、このようにお答えさせていただきたいと思っている次第でございます。
○甘利委員 私はオイルというのは比重が水よりも軽いから永遠に海面に漂っているものと思っておりましたら、そんなに甘いものじゃないのだそうでありまして、揮発油性のものが蒸発をしてしまうと今度は残りの塊というのは重くなってずっと沈んでいく、それで海底に沈んでそれが環境汚染の元凶となるということを伺ったわけでありまして、海水淡水化プラントについても単に取水のところのスカート部分をうんと下に伸ばしていけば油は上に浮いているから当然そこから入ってこない、簡単じゃないかと思っておりましたら、そうもいかないのだそうでありまして、当面のところはオイルフェンスを何重にも張っていくということしかないのかなとも思うわけであります。また、それ以外の問題についても、今大臣からサウジから要請がある項目については全力を挙げて機敏に対応するということでありますので、その方向でぜひお願いをしたいと思います。 さっきの答弁のところ、ちょっと私一部聞き漏らしたかもしれませんが、サウジ以外からの要請についてはどう対応されていますか。
○畠山(襄)政府委員 お答え申し上げます。 バハレーン、それからカタールからオイルフェンスの供与依頼がございまして、これに積極的に対応いたしております。オイルフェンスを今それぞれの国に七キロメートル分ずつ供与するということでやっております。当初サウジへ三十キロメートル供与するということであったわけでございますけれども、そのうち約十四キロメートル分をこの両国に供給するということでございます。それから、今のが両方の分でございますけれども、バハレーンは三・八キロメートル分、具体的にはそういうことでございまして、もう二月十五日に送りました。カタールについても今送ろうとしておりますが、カタールにつきましては、オイルフェンスだけではなくて、さらに日本製の分析機器のマニュアル提供の依頼も受けておりまして、そのマニュアルも先方へ送ったところでございます。
○甘利委員 我が国の技術を駆使して、できることについては全面的に引き続き対応していただきたいと思います。 これはわかっている範囲でいいのですけれども、二月十三日付で米国の国防総省の統合参謀本部のマコーネル情報部長が、クウェート国内の油田、油井、石油施設に火災が起きている、もちろん多国籍軍の空爆によって引火したものもあるけれども、大多数はやはりこれはイラク側が戦争遂行上の戦略として空爆から目標を隠すということで火を放ったということが報道されております。油田の火災事故というのは、本体に火がつきますとなかなか消すのが技術的に大変でありまして、油の量自体は今サウジの増産等で確保されておりますけれども、戦争終結後の復旧作業ということになりますと、この油田火災がかなりの障害になってくるのじゃないかと思うのであります。この消火作業等なかなか大変になってくると思うのですけれども、この情報は通産の方あるいはエネ庁の方で入っていますでしょうか。
○緒方政府委員 御指摘の油田の火災につきましては、私どもは新聞で報ぜられている以上の特別の情報は持ち合わせておりません。 ただ、消火のお話がございましたけれども、仮に油田、油井から火が出ているといたしますと、これを消すのには独自の技術を持った消火作業というものが必要になりますが、アメリカでそういう消火を専門にする会社があるということは承知をしているところでございます。
○甘利委員 私がこういうことを申し上げましたのは、これから戦争が仮に終結をした、そうすると、その後に来るのが、今度原状復帰の作業に我が国がどう貢献できるかということになると思うのです。 私は、八月二日にイラクのクウェート侵攻があった直後に開かれました、閉会中でありましたけれども、商工委員会でも質問に立ちました。そのときに、次なる事態の変化が来たときには対応をできるだけ素早くやる方が、同じことをやっても評価は大きいよという話をいたしました。八月二日に戦争が勃発して、日本の対応が、量的、質的にかなりのものを考えたわけでありますけれども、国際評価がそんなに高くならなかった。それは、右往左往していて決断がなかなか決まらなくて対応がおくれた、即断できなかった、そういうところから、日本は同じことをやっても損をしたじゃないか、だから、次なる変化のときには即断して、やれることはぱっとすぐ提示をする、そうした方が、例えばお金を出すにしても同じ協力をするにしても評価は高いですよという話をしたことを思い起こします。 この一月十七日の事態も新しい変化でありましたし、そしてこれから先に、またいい意味でのもっと違った変化が出てくる。そのときにはぜひいろいろな状態を想定して、政府として政府内で即決してできることについてはもう早く詰めておいて、立ち上がりをできるだけよくしていただきたい。それが、同じことをやるにしても日本の評価が高くなるか、あるいは半分ぐらいの評価しか得られないか、そういう分かれ目になると思いますので、その辺のところはぜひ今から準備をするぐらいの気持ちでやっていただきたいなと思うわけであります。 時間がなくなってきましたので、湾岸関係はそのくらいにいたしまして、次に美浜の原発の自動停止の問題について質問をさしていただきます。 連日新聞の一面あるいは社会面のトップをにぎわせておりましたこの美浜の事象であります。このトラブルは、我が国原発史上初めてECCS、緊急炉心冷却装置が作動したということで、深刻に受けとめなければならないということは私も同感であります。しかしながら、深刻に受けとめるのは当然でありますけれども、どうも事実と違うような話が流布されて、いたずらに国民の不安をあおるというようなことは適切なことではないと思いますし、特に商工委員会では、事実以上でも事実以下でもない、事実を正確に把握して、それに対する対応をしっかりと決めていくということを図らなければならないと思っておるわけでありまして、この事象を甘く見てもいけないし、あるいは過大に不安をあおってもいかぬ、事実を事実として正確に把握をして正確に対応するということが大事かと思います。 そこで、まず第一点。トラブルの原因、恐らくまだはっきりわかりましたという状態ではありませんと思いますけれども、当初この蒸気発生器の細管の一部に亀裂が入って水が漏れた、しかしそれにしては急激に大量過ぎる、どうも穴があいた、相当大きい穴があいたんじゃないだろうか。現実に調べていくと、細管自体が輪切り状態になって、全面的に流出の原因になってしまったということのようでありますが、こういう事態に至ったこのトラブルの原因について、わかっている範囲で伺いたいと思います。
○中尾国務大臣 甘利委員の最初のコメントの方の問題でございますが、私もこのような緊急事態が国際的にいろいろと起こる場合、即断即決、それには十分なる資料に基づいて正しい判断、これこそが一番大事でありまして、それにはディターミネーション、決断力も必要でございましょう、それが欠如しておるやに見えるという御指摘も踏まえまして今回の一月十七日はできる限り早くということで形をつくりましたが、その前においての否定的な見地というものは否めない事実かとも思います。そういう意味においては私どもそれに十分即応するような形で努めていきたいと思います。 また、なお原発の問題につきましての詳細にわたっての報告はエネルギー庁長官からさせたいと思います。
○緒方政府委員 関電の美浜二号機でございますが、御指摘のように二月九日に定格運転中のところ、午後一時四十分に最初の警報機が作動いたしまして、その後手動によりまして出力を降下させておりましたところ、一時五十分に至りまして原子炉が自動停止をし、引き続き緊急炉心冷却装置が作動した。その時点で蒸気発生器伝熱管の損傷ということが当然考えられましたので、これを隔離をいたしましてプラントを安全な状態に移行するための操作を行いまして、プラントを安全な状態で停止をしたわけでございます。 一部放射性物質が環境に微量でございますが放出されたわけですが、敷地の周辺に設置をしてあります放射線監視装置の指示値には異常は出ておりませんで、環境の放射能による影響というものは認められなかったわけでございます。 さて、事故の原因をその後究明中でございますが、新聞等で報ぜられておりますように、損傷したと見られる蒸気発生器、二つありますうちのAという方につきまして水による漏えい検査で場所を確認いたしまして、二月十五日にその漏えいが認められた管の中にファイバースコープを挿入いたしまして、損傷状況、つまり開口部の形状でありますとか大きさ等の観察を行ったわけであります。その結果、損傷した伝熱管は破断をしておりまして、上下に分離をしている状況であることが判明をいたしました。 その損傷の原因でございますが、現段階においてこれを究明するのはまだ非常に困難でございまして、私どもといたしましては引き続きこの原因の究明に鋭意当たってまいりたい、こういう段階でございます。
○甘利委員 定検、定期検査が十三カ月ですかごとに行われますね。日本の原発の定検というのは世界で一番丁寧にやっていると私は思うのです。だからこそ世界で一番故障率が低い、これは事実であります。しかしそれでも、例えばクラック、ひび割れが入っていると、施栓をしてその管を使わないようにする。定検で細かい点検をして事故を未然に防ぐための措置をする。しかし、ひび割れを探すための定検で、破断、まるっきり管が上下が分離をしてしまうというようなトラブルの予兆がなかったのかなということを、どうしてなのだろうということを少し疑問に思うわけでありまして、定検が問題なかったかということと、それからもう一つ、トラブルが発生をしてから原子炉の停止に至るまでの一連の作業、これもどうだったろうか。 私の調べました限りでは、トラブル発生から原子炉の停止に至るまでの一連の作業はかなり迅速に行われている。一次冷却水が二次側に漏れて、二次側の数値が上がったのでサンプリングをして、調べていっておかしいなということで始まったわけでありますけれども、その辺の作業は迅速に行われている。あとは定検でこれだけの大きな破断が事前に感知できなかった。定検についてもこれからさらに、原因究明の後に定検のあり方についてもしっかりと詰めていただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、これが故障なのか事故なのかというのは論が分かれるわけでありますけれども、事故ということになると、具体的にどういう被害が出てきたかということになりますが、まず一番心配なのが放射能の問題であります。これは海水と大気に分けて管理をされているわけでありますけれども、さっきもちょっとごく微量という話がありました。我々もそうですが、国民はそれが具体的に例えばどのぐらいの数値、体感できる、数字ではなくて、例えば管理目標値自体非常に日本の場合はうんと低く抑え込まれているはずでありますけれども、管理目標値に対して何%ぐらいしか出てませんよ、あるいは自然界にこうしていても放射能が来ているわけです。自然界放射能というのがあるわけでありまして、ゲルマニウム温泉なんというのは、あれはまさに放射能に当たって健康になろうという温泉だそうでありますけれども、自然界に放射能が現実にある。その自然界放射能と比べてどのくらいですよということになると、安全感覚というのが、安全度合いというのが体感できますので、その辺のところで一体どのぐらいの放射能が出たのか出ないのかということを、ちょっとわかりやすく御説明をいただきたい。
○緒方政府委員 放射線の御質問でございますが、先生御指摘がありましたように、地球上では自然界に自然放射線というものがあります。――放射線がございます。それで、日本の場合平均して通常の人間が年間に一・〇ミリシーベルトという、ふだん余り使わない単位で恐縮でございますが、一・〇ミリシーベルトの放射線を宇宙空間あるいは大地からのもので受けているわけでございます。 それで、これは一・〇と申しましたけれども、地域によって多少のばらつきがあります。例えば東京では〇・九一ですが、大阪では一・〇八ということで二割ぐらいぶれております。それから、天候によって放射線の量が変わったりもいたします。そこで、自然界で当然変動があるわけでありますが、原子力発電所のような人口的なものをつくる場合に、それの管理目標としては自然界のばらつきの範囲内におさめよう、以下に抑えようということで原子力委員会が原子力発電所を設置した場合の敷地の境界線で受ける放射線の目標値、限度額というものを〇・〇五ミリシーベルトというふうに定めてございます。一に対して〇・〇五でございます。これは被曝線量で表示いたしますので、現場で出します放射線量については別途、保安規定に基づいて管理目標値を設定しております。それで、原子炉等規制法に基づきましてこの保安規定で管理目標値を定めておりますが、数値は省きますけれども、希ガス、液体についてそれぞれ目標の数字を決めておりますが、これが先ほどの〇・〇五と比べてどうかといいますと、その管理目標限度いっぱい放出したとして、その〇・〇五をさらに一けた程度下回る数字になっております。 さて、今回、環境に出ました放射線の量というものはまだ正確には掌握しておりませんが、暫定的な評価で五掛ける十の九乗べクレル、昔のキュリーでいいますと約〇・一キュリー程度と言われております。これを先ほどのシーベルトの方で評価をして管理目標と比較をいたしますと、放出管理目標値の数十万分の一、正確にいいますと希ガスで数十万分の一、液体の方では数万分の一というオーダーでございます。 もう一度繰り返しますと、自然界にミリシーベルトでいいまして一のものがあり、それが〇・二ぐらいはばらついているものでありますが、それを原子力委員会の規制というものは〇・〇五以下に抑えるといい、その管理目標はそれをさらに一けた程度下回る管理目標値を設定してあるところを、今回出ましたものはその管理目標値を数万分の一あるいは数十万分の一というオーダーの量であった、こういうことでございます。
○甘利委員 要するに、計測不能なくらい微量な放射線量である。新聞にも放射能という表現で全部書いてあるものでありますから、ちょっと訂正をいたしますけれども、どうもこういう原発の原子炉の停止事象がありますと、やれ、大量の放射線が云々という話になるわけでありますが、その辺は事実として影響は全くない、計測不能なくらいな微量であるということはしっかりと今把握をしなければならないと思います。 新聞の見出しに「がげっぷちで止まった」とか「最後のとりで」とかいろいろ書いてあるわけであります。ECCSが働いてあたかももう半歩でスリーマイル、もう一歩でチェルノブイリというような印象を与えているわけでありますけれども、私が調べた限りでは半歩どころか一歩どころか、スリーマイルからはるかかなた手前というふうに思えるわけでありますけれども、このスリーマイルとどう違うのか、これをわかるように国民に説明する必要があると思います。その辺のところをお願いします。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、今回の事象とスリーマイルの議論がよくされております。そういうことで、スリーマイルにつきまして御説明申し上げ、それとどういう状況にあったかというのをよく理解していただく必要があるということでございます。 一九七九年に発生しましたアメリカのスリーマイル島の原子力発電所の事故でございますが、これは二次冷却水を循環させます主給水ポンプの停止、これに端を発したものでございますが、さらに運転員が判断を誤りまして、作動していた非常用炉心冷却装置、ECCSを停止するなどいろいろ各種の運転員の操作ミスの結果、一次冷却水が大量に流出、それから炉心損傷に至ったというものでございます。 我が国といたしましては、このスリーマイル島の事故を教訓といたしまして、誤操作の防止など、その他事故時の運転手順書の見直し、それから計測機器等の信頼性の向上、それから中央制御室のレイアウトなどの改善等、五十二項目にわたりましていろいろな対策をその後とったわけでございます。 それから、今回、美浜二号の伝熱管破損事象でございますが、現在までの調査結果では、まず一点でございますが、一次冷却水の流出量が大幅に少ないということで、そもそも、十分な余裕を持った設計において、想定された範囲内でとどまったということでございまして、炉心損傷に至る事象では全然なかったわけでございます。それからもう一つは、非常用炉心冷却装置が完全に作動しているということでございます。それから三番目でございますが、運転員による操作ミスもなく適切に対応がなされているということでございまして、十分余裕を持った設計において、ほぼ想定した範囲内で推移した事象でございまして、スリーマイル島事故と比較されるべき事象とは考えておりません。 以上でございます。
○甘利委員 予算委員会で総理が、幸いスリーマイルみたいな事態にならなくてよかったという発言をされたそうでありますが、要するに、幸いではなくてもスリーマイルなんかにはならないというほど、相当距離がある事象であったということと理解していいかかと思います。通産省もちゃんと総理には御説明をされたと思いますけれども、商工委員に説明するようなつもりではなくて、総理でありますから、親切丁寧、わかりやすく、ちゃんとその事実関係がはっきり把握できるように御説明をお願いしたいと思います。 最後に、いずれにしても初めてのECCSの作動でありますから、それなりに深刻に重大に受けとめなければいけないということで、一部新聞報道もありますけれども、原因究明のための委員会の設置についてもう御計画はありますか。
○中尾国務大臣 先ほどのお言葉にもございましたように、総理にも的確に、適正に、わかりやすく、なおかつ十分に脳裏に入れていただくべく私どももやります。 私は、二月九日午後二時ごろでございましたが、この事象発生の通報を受けまして以降、直ちに対応をすぐに命じたつもりでございます。そして、本省の総括電気工作物検査官を直ちに発電所に向かわせることをいたしまして、同時にまた、野党の各位の方々も大変に御協力を賜りそれぞれ行っていただいたことも、これまた事実でございます。そして、大変に参考になる意見も聞かせていただきましたが、現在詳細な状況把握とその分析には専門的に詰めている次第でございます。同検査官などの報告も踏まえまして、そして今後原因究明を進めていく上で、専門的、技術的な立場から御審議をいただく特別委員会を設ける必要があると私は判断しております。そして、近日中にこれを必ず発足させる、そのくらい私どもは厳重に、なおかつ、深刻に受けとめて対処していくことが国民のためにもなる、同時に私どもの安全保障のためにもなる、私自身はこのような考え方に立つものでございます。
○甘利委員 よろしくお願いいたします。 以上、終わります。
○奥田委員長 渋谷修君。
○渋谷委員 先ほどの質疑の中にもお話がありましたし、また予算委員会でも既に何度も議論が繰り返されてきているわけでありますが、湾岸戦争の本質について大臣はどのように認識されていらっしゃるか。まずそれをお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 お答えをさせていただきます。 まず第一に、湾岸戦争、これは世界的に見まして不幸な出来事ではございました。しかし、世界は相当に、ある意味においてこの二、三年が、微動というよりは激震のような激動期を迎えたということも事実でございましょう。今までは権力的な対立、思想的な対立というものをもって世界が、ある意味においてフィアフルバランスといいますか、バランス・オブ・フィアフル・パワーと言いましょうか、非常に恐怖の均衡の上に立って対立しておったということは事実でございましょう。それがあのようなペレストロイカあるいはまた中国のあり方等々をめぐりまして、世界の全体のバランスが大きく変わってまいりました。その上に立って、よく我々が言うておりまするデタントという空気は、むしろもう雪解け以上に、私どもはその物の考え方のコンセプトのファウンデーションさえも変えなければならぬ、その基礎までも変えなければならぬというところまで来たと思います。 そういう中にあってこの中近東の問題が起こったということは、ある意味における平和の確立と秩序というものをある程度破壊する行為にイラクが出てきた、その認識はここに改めて言うまでもないと思うのでございまして、これに対してイラク側が安保理の決議に基づいてクウェートから無条件に撤退するということが前提であったろうと思うのでございます。これがいまだに守られておらないというところに今回のこの不祥事の継続があるわけでございまして、でき得べくんば安保理事会決議というものを尊重していただいて、六百六十号に即座に従っていっていただくということが大きな意味における前進であり、解決の道のいそしみである、私はそのように確信するものでございます。 以上です。
○渋谷委員 今、大臣の方からは、八月二日以降のいわばイラクによるクウェートの侵攻、これ以降のいわば分析についてお話をいただいたわけでありますけれども、イラクがなぜクウェートに侵攻したか、その政治目的、その背景について大臣のお考えを御説明いただけますか。
○中尾国務大臣 これはそれぞれいろいろ見方もあろうと思います。しかし、御案内のとおり、イラク自体がクウェートに侵攻したというのは、イラク側の発表も時にいろいろの形で変革をいたします。 しかし、何はともあれクウェート側がイラクを侵略する意図であるとかあるいは対決する志向であるとか、あるいはまた湾岸諸国全域にわたって自分の権益を主張したということのないことだけは前提条件になっております。そういう意味において、イラク側が今回クウェートを侵攻したという目標の中には、全体的なグローバルな視野に立った彼らのいわゆる独自の考え方があったに違いないと思います。しかし、いずれにせよ他国を武力行使において侵略したということは紛れもない事実でございますから、その点においては、これは私どもの国連の安保理決議に考えていってしかるべきことではないか、ここに六百六十号から六百七十八号の問題に至るまでの問題点が惹起された、こう言うても差し支えないと思うのでございます。
○渋谷委員 海部首相の国会での発言を聞きましても、八月の二日にすべてが始まったという言い方があります。大臣もそんなふうな御認識ですか。
○中尾国務大臣 総理と寸分考え方に違いはありません。
○渋谷委員 先ほど、イラクがなぜクウェートを侵攻したかということについて、言ってみれば戦争というのは自然現象じゃないのですね。突然雨が降りました、雪が降りました、地震が来ましたという代物じゃありません。戦争というのは国家行為でありまして、国家の政治目的があり、その政治目的を実現する手段として戦争に訴えるわけですね。これはてにをはです。イラクがどういう状況にあったか。例えばイラク・イラン戦争で、イラクはどれだけの借金を背負ってきたか。外務省の方来ていただいていると思うのですが、概算でいいです。
○大木説明員 イラクがどれだけ対外的な債務を抱えているかというようなことについては、必ずしもイラク政府自身が発表しているわけではないので、推測されている範囲では、八百億ドルとか九百億ドルとかという債務を抱えているというふうに言われております。
○渋谷委員 そこで、イラク・イラン戦争で八百億ドルから九百億ドルのいわば債務を背負っていった。イラクの国家財政の状況というのもなかなか表に出てきていないわけでありますけれども、当時イラクの国家財政というのは、概略どのような状況になっていたか。
○大木説明員 これもイラクの体制から財政状況がどういうふうになっているかということは発表しておりませんけれども、我々の把握している限りで推測する九〇年の財政というのは、歳出の方が相当超過していたのじゃないか、ドルベースで二百億ドルぐらい歳出超過であった、そういうふうに承知しております。
○渋谷委員 イラクの国家財政で歳入の財源というのは主に何でしたか。
○大木説明員 御承知のとおり歳入の大きな部分は石油の収入でございます。
○渋谷委員 石油で年間大体どのくらいの歳入を当時イラクは得ておりましたか。
○大木説明員 これも正確な数字はないのですが、大体歳入の七割ぐらい、二百億ドル強じゃないか、そういうふうに思われております。
○渋谷委員 といたしますと、石油の市場での価格が一ドル下がると、イラクの国家財政にどれだけの影響がありますか。――委員長、この時間もカウントされるのですか。――委員長、時間がもったいないからいいです、それじゃ。 一ドル違いますと、イラクの国家財政に大体十億ドルの損害を与えるというぐあいに言われています。違ったら後で訂正をしてください。 つまり、当時でありますけれども、この石油価格市場の動向というのは、イラクにとりましては大変重大な課題であった、関心事でありました。ところが、OPECにおけるそういう生産のカルテルといいますか、お互いの約束について、クウェートとアラブ首長国連邦はこれに従わない、増産をして、そのために当時の石油価格が値下がりをする、そういう状況がありましたね。何ドル下がりましたか。
○黒田政府委員 概算でございますけれども、この八月二日の侵攻前のレベルというのが、ドバイの原油なんかで申しますと、バレル当たり大体十五ドルでございます。それで、これがOPECで言うその前に予定していた十八ドルというのと必ずしもリンクいたしませんけれども、やはり数ドル下がっていた。特に六月ごろは、たしかドバイの原油というのは十三ドル台に行っていたと思います。したがって、OPECが目標としております価格から比べますと、数ドル下がっていたということではないかというふうに思います。
○渋谷委員 そういう経過がありまして、実は四ドルからあるいは五ドル石油価格が下がる。大臣、わかりますか。つまりイラクは一ドルについて大体十億ドルの損害を国家財政に受ける、四十億ドル。先ほどイラクの国家財政についてお話しいただきましたけれども、大体二百億ドル。油ではそれほどの歳入はないはずでありますが、一方で歳出の方は、イラン・イラク戦争の後の経済復興も含めて金はかかる。それだけの金が入ってこない。一方でクウェートやあるいはアラブ首長国連邦などは増産を図って、本当言えばイラクとしては二十一ドルぐらいの相場を望んでいたでありましょう。しかし、もちろんなかなかそうはいきません。こうした中でイラクがクウェートに対していろいろな形で主張します。その当時どういう主張をしていましたか。
○大木説明員 イラクはクウェートに対して、クウェートは自分の領土である。そして石油との関連では、クウェートの領内にある油田は自分たちのものである、イラクとクウェートの間にまたがっているルメイラ油田というのがございますが、クウェートはここから石油を盗掘しているということを言っております。
○渋谷委員 後でつけた理由は私が質問はしていないのです。石油の価格問題だけで今質問しているわけです。後でつけたことは特別ここで細かく議論するつもりはございませんでした。 石油問題については、クウェートやUAEによる石油価格の破壊は、イラクを背後から短剣で刺すようなものだという非難を、これは日本の新聞でありますが、昨年の七月の二十日時点でもう既にそういう警告を発しています。言葉で解決できなければほかの効果的な手段で損失が回復されなければならないということで軍事行動に出る可能性さえちらつかせた。昨年の七月の段階であります。もうこの時点で国境線に向けて軍隊は動いていたでしょう。外務省に対しては、例えば大使館からいつの時点でどういう報告が、あるいは同盟国たるアメリカからいつの時点でどういう報告が来ていましたか。
○大木説明員 イラクがクウェートとの国境に軍隊を集結していたというのは事実でございます。そしてその後また集結を解除したりしているわけですけれども、七月の下旬の時点で我々にはそういう報告は入っております。そしてそのルートは公開情報であれ非公開情報であれさまざまなルートから我が大使館等を通じて入ってきております。
○渋谷委員 大臣、つまり八月の二日にすべてが始まったというわけではないわけであります。その前から既にイラクとクウェートとの間でのやりとりがあり、あるいは軍事行動に踏み切る――軍事行動自体を私はいいと言っているわけじゃありませんよ。武力行使を容認する、そんなつもりで発言しているのではありません。そういう事の経過があって軍隊集結が行われていた。それで、若干私が質問していこうという趣旨とは違ってくると思いますけれども、この軍事行動については、当時現地にいた商社マンだとかがバスラのあたりに出張に行って、どんどんどんどん戦車が国境線に集結していく状況などを見ていて、本社に全部打電してきているのです。だから八月二日に突然イラクの部隊が降ってわいたなどという話ではないのです。 問題は、このときの日本の危機管理でありますが、当時のイラクとクウェートの大使はどうしていましたか。
○大木説明員 この時点で当時のクウェート大使であった黒川大使は日本に休暇帰国しておりました。しかしながら、その後この事件が起こってすぐ――七月二十日に休暇で帰国しておりました。
○渋谷委員 黒川さんは七月二十日からどれだけの期間の休暇をとっていましたか。
○大木説明員 二十日からの休暇は、結局八月三日に休暇を取りやめたものですから――当初の予定は九月二日までいる予定でございました。
○渋谷委員 新聞報道によっても、もう七月二十日の時点ではそういう報道がなされている。その以前からも実はイラクとクウェートの関係あるいはイラクの主張などは行われておりました。ましてや八月二日にだれも知らずに突然起こったという話ではない。その前日の八月一日にはジッダで行われました会談が成果なく終了した。そして、例えば日本の新聞でも、この一日の時点でイラクの攻撃が予想される、イラクがクウェートに対して限定的な攻撃をしかける可能性を全面的には否定できないという報道などがなされているわけですね。その時点でも、例えばクウェートの大使はいなかったわけでしょう。
○大木説明員 確かに軍隊が集結している等の情報は我々も入手しておりました。しかし、一つつけ加えておきたいのは、この事件が起こった八月二日、この事件が起きたときに、その近隣のアラブ諸国の首脳でさえも非常に驚いたということを 我々も承知しております。
○渋谷委員 イラクとクウェート国境をめぐって緊張が高まっている、そうしたときに黒川大使が、いわば現地から逐一そういう情報を送ってこなければならないその統括責任者が休暇でいない。一方でイラク側の片倉大使も域外出張ということでたしかいなかったはずであります。したがいまして、戦争が起きましてから泡を食って片倉大使はヨルダン・アンマンから陸路でバグダッドに入る。黒川さんはバーレーンから入国しようとしましたが飛行機は飛ばず、そこで十日以上滞在していましたね。どうにもならぬ。そこでヨルダン国境に行って入ろうとしたけれども、もうその時点では遅しです。当然イラクは入国を認めてくれません。大臣、危機管理という観点でこういった事態をどんなふうに考えますか。
○中尾国務大臣 私は委員の御指摘の中で、私も初めてのことも多々ございます、また十分知っておることもございました。しかし、なかんずく大使のこの休暇というのは何も勝手ほうだいにとっているわけではない、定期的にとっているものではございましょう。また同時に、帰国報告という立場もございましょう。 しかし、それは外務省の責任においてやることといたしましても、いずれにせよイラクが相当の、二百億ドルになんなんとする借財というものも持っておったことは事実でございます。それにはいろいろな理由もございましょう。そこにこの間のアメリカの民主党ではございます、ケネディ政権時代のシュレジンジャーにいたしましても、あるいはまた最近のキッシンジャーにいたしましても、いずれにせよ、理由は何であれ、やはりこのような事態が起こったといういきさつは唖然とする以外にないということを残しております。この言葉も私どもは忘れてはならないことで、というのは、それだけの借財を負っている国が世界最強の軍隊というものを備蓄する、この行為というものもこれまたやはり考えておかなければならぬ問題点かな、私どもはかように考えるものでございます。
○渋谷委員 私は、一生懸命働いている役人の方に休暇をとるなと言っている話じゃないのです。現実にそういう国際的に緊張が高まっている地域はおいて、言ってみれば情報を逐一報告してこなければならない立場にある人が、周辺でそういういろいろな事件が起こっている、ジッダで会談が行われていればジッダの会談の状況がどうなっているか、それは地元のいろいろな情報ルートを通じて把握しなければならないでしょう。例えば庭先の三十センチの物体まで識別できるというアメリカの軍事偵察衛星なら軍隊がどうなっているかなんというのは全部把握しているはずであります。そうでしょう。当初三万と言われていましたが、侵攻時点ではたしか十万の兵隊になっていたはずであります。軍事力集結というぐあいに言われています。本来であればこの時点で、後から泡を食って五十万を超す兵隊を投入する、今これだけのいわば労力やあるいはとうとい人命が失われているわけでありますけれども、未然に防止するということであれば本当はその時点で、これほどみんなが投入している労力をその時点で、例えば国連という役割を通じながら、あるいは世界の国際警察としての役割を自任しているアメリカが対応すれば、あるいは事態は違っていたかもしれません。ましてや小国クウェートが、今お話がありましたけれども、百万の軍隊、その隣に小国クウェートがありまして、これとの外交交渉、いわば展望なしの外交交渉ですよ、これを誤ったということも言えるかもしれません。 ここは私の演説です。特別あなたから答弁をいただこうとは思いません、その次へ参りますけれども、先ほど大臣がおっしゃいましたように、けじめが大事だ、政治家は。とても大事です。例えば先ほどの黒川大使のように、一番大事なときにいなかった。その後の展開の中でも入れない。今は日本に帰ってきているのでしょうけれども、これが一体どういう信賞必罰が行われているかわかりませんが、今後の危機管理ということを考えた場合に、大臣はどんなふうなお考えをお持ちになりますか。
○中尾国務大臣 まさにそういう問題点というのは重大視して考えることでございましょう。同時に、これだけ宇宙衛星放送等で熟知でき得る立場というのが今の世界の現況でございますから、そういう点においてはコミュニケーションをもっと密にして考えていかなければならない、こう思っておりますから、その点におきましての御指摘というものは非常にある意味における断層性をも感ぜざるを得ません。そういう点におきましては、危機管理という問題点に一点集中して考えるときにはこの点は十分に私どもは意を尽くすべきである、このような認識に立っておる次第でございます。
○渋谷委員 石油問題については後ほどまたお伺いいたしますけれども、この事件が起きましたときに、まさに通産省としては特に、例えば価格が暴騰するかもしれない、あるいはもしかしたら最悪の事態、イラク、クウェートだけではない、他にも戦火が拡大したら石油の輸入はどうなるだろうか、いろいろな議論があったはずであります。その時点での通産の態勢、対応といったものはどういうものでしたか。
○緒方政府委員 御質問は、八月二日のクウェート侵攻以前の緊張状態の中での対応という御趣旨かと思いますが、私どもあの時点では、生産調整をめぐるOPECの中での意見の確執、対立というふうにとらえておりまして、生産調整をどのように進めていくのか、クウェートが生産調整枠を守らないで増産をしていることに対してイラクが非難をする、その非難が場合によっては武力行使も辞さずというようなことを示唆するような発言があったのも事実でありますけれども、非常に多くの関係著は、まさか本当にそのために武力を行使するというふうには受け取っていなかったのが実情でございました。ただ、従来から、不幸にして過去二回のいわゆる石油ショックの経験から日本の国内では、中東地域における政治的不安定が起因となって石油の供給に支障が生じた場合に、石油の備蓄を有効に活用するという方法その他一連の国内的な手段というものが法制的にも整備をされてございましたので、そういうものについては、点検といいましょうか、どういう状況になっていて、どういう事態になればどうなるというようなことを内々勉強はしていた、こういう状況でございました。
○渋谷委員 石油の問題については後ほどまた質問いたしましょう。 ちょっとこれはきょうの質問の主題とは違うんでありますけれども、確認をしておきたいことがありまして、外務省に聞いておきます。 昨年の九月に私もイラク、ヨルダン、エジプトと回ってまいりましたが、バグダッドに参りますときに日本の人質、クウェートから連れてこられた人、バグダッドの在住者、おりました。そして、行く前にそれぞれ家族の方から病気の方々の診断書を預かりまして整理をし、そしてバグダッドに入りましてバグダッドのイラク大使館の方々とその詰めをやりました。なかなか難しかったのではありますが、ぎりぎりでラマダン第一副首相と会談することになりました。その前の時点で詰めを終わりまして、全部でたしか三十名以上の病気のリストを整理をし、そしてその中で特に重い方四人を特定いたしまして、ただし、大臣、これは個人のプライバシーにかかわる話、病気にかかわる話でありますから、こうこうこうだと新聞などに発表するわけにはまいりません。隠密で持ってまいりまして、そして大使館筋ときちんと打ち合わせをして、ラマダン第一副首相に対しこうこうこういう理由だ、特に病人の方は解放してほしいということをお願いをし、特にその中の四人を名前を挙げて特定をいたしました。そしたら、ラマダン第一副首相はそこで日本語の発音を通訳を聞きながら、通しながら書きとめておりました。私どもがホテルへ帰りましたらその後にすぐまた担当者が飛んでまいりましてそのことを確認する。その四人が解放されたのは十月の中旬であります。社会党が頑張ったからだとかそういう報道はありません。私どももそういう意味での記者会見などはしませんでした。なぜならば、個人の病気のプライバシーにかかわるからであります。 ところが、最近、実は人質の方がみんな帰ってまいりまして、大使館の人も帰ってきている。変な話を聞きました。当時イラクがこの四人を解放するに当たって、社会党の代表団の要請により解放するんだという文書を作成した。そしたら、大使館筋からそれは困る、それは外してほしいということでの要請を行い、結果としてあのときに一体どういう理由で、どういう背景で解放されたかさっぱりわからない。新聞の報道では病気の重い方四人が解放されたという形だけで報道されたのでありますが、外務省は例えばそういうことについて、これはすぐ事実がわかる話ですから、戦争が終わればすぐ確認できる話でありますから、そういうことがあったのかなかったのか、ないならないとはっきり明確に答えてください。
○内藤説明員 そのような事実はございません。また、当時この四人の方、十月十八日、二つの飛行機で出国されましたけれども、それぞれ立場が異なっておられまして、そのような介入が起こり得る状況もございませんでした。 若干御説明さしていただきますと、四人の内訳は、一人はバスラに拘留されていたいわば人質の状況。もう一人は、高血圧ということでかねてからマンスールメリアホテルで療養中といいますか、自由は束縛されながらもバグダッドの市内で療養していた方。もう一人は、心臓病ということで、一たんは人質にはなりましたが、九月の二日以来バグダッドの市内でいわば在留邦人として生活しておられた方。四番目は――そういうぐあいでばらばらに出られたわけでございまして、もともと声明等という行為はございませんでした。
○渋谷委員 今の件は事実がなければないでいいのであります。いずれこれは時間が来ればはっきりする話でありますから、いずれその時点でまた問題として、もし問題があったとすれば取り上げることにいたしましょう。 観点を変えまして、このアメリカのいわば国際政治における行動であります。これについてちょっとお話をしてみたいと思うんですが、アメリカによりましてグレナダの侵攻あるいは例の米ソのマルタ島会談後のいわば東西緊張緩和ということがみんなが期待をする、世界が期待をしたそのわずか三週間後にアメリカのパナマ侵攻があります。この二つについてかいつまんで御報告いただけますか。
○坂場説明員 お答え申し上げます。 米国のグレナダ侵攻の件でございますが、八三年十月発生した事件でございますけれども、この際は米軍の侵攻が始まります前にグレナダの首相が殺害されるという事件が起こり、グレナダもメソバー国とします東カリブ海諸国機構というのがございますが、これが安全の維持のため米国に対して派兵を依頼したという事実がございます。また近隣のカリブ諸国もジャマイカ等参加いたしまして、グレナダにおける治安維持のために出動したということでございますが、米国から以上のような説明がなされておりますけれども、私どもといたしましては、この前提となっている事実関係の詳細まで承知しているわけではございませんので、最終的に法的にどのようになるかという判断をする立場にはないというのが当時御説明申し上げました日本政府の立場でございます。 またパナマにつきましては、一昨年の十二月発生した事件でございますが、この際には米国の方は自国民の保護ということで出兵したというふうに発表いたしております。当時の状況は、パナマの方から戦争状態宣言というものがアメリカに対して発出されておりまして、米海兵隊等が現地で殺害されるという事件が起こった中でのことでございまして、そういう自国民保護という立場から米国の方が行動をとらざるを得なかったという立場は理解するということでございますけれども、この点も詳しい背景を私ども存じているわけではございませんので、最終的な法的判断はいたしておりません。
○渋谷委員 それだと、そういう理由をつけられれば他国を、独立国を武力侵攻することは許されるという話ですね。
○坂場説明員 先ほども申し上げましたとおり、米国によってどういう状況下で行動がとられたかという詳細を承知しているわけではございませんが、国際法上、自国民保護という立場につきまして、急迫でかつ不正の侵害があると判断された場合にはそういう自衛権というものの部分的な行使があるということはあり得ることだという立場をとっておりますが、先ほど申し上げましたとおり、詳しい状況を知っているわけではございませんので、最終的な法的判断はできないという立場でございます。
○渋谷委員 日本という政府の立場ではどうですか。国際紛争を解決する手段としては武力の行使あるいは武力の威嚇は行わない、これが基本的な我が国の外交政策の前提であります。一般的に国連憲章やあるいは国際法上、例えば自国民保護のために他の国が出すか出さないかというのはそれは他の国の判断の問題でありましょう、我が国はどうですか。
○坂場説明員 お答えいたします。 当時のグレナダ侵攻及びパナマの際、日本政府の方で明らかにした立場でございますが、そういう武力行使という事態に至ったということについては遺憾の意を表明したわけでございます。ただし、背景等詳しい状況については私どもは理解できるという部分があったというふうに当時立場を明らかにしたところでございます。
○渋谷委員 例えばグレナダの問題に関しては国連で決議が行われていますが、賛成百八、反対九、圧倒的多数で可決されているんですね。このとき、大臣、先ほどの関連なんです、つまり武力行使、どういう理由つけようが独立国たる他国を武力によって侵害してはならないと大臣おっしゃったでしょう。これは普遍性のある言葉です。これは当然守らなければなりません。そして国連では圧倒的多数でアメリカのグレナダへの侵攻、これはけしからぬじゃないかということでの決議がされている。ところが、棄権した国の中に日本が入っているんです。遺憾の意も実は出していないという当時の新聞記事があります、日本は。そうじゃないですか。
○坂場説明員 お答え申し上げます。 当時の国連決議等の件につきましては、米国の行動のみを取り上げましてその背景等に対する言及が一切ないということから、日本政府としてはグレナダの際に棄権という立場をとったわけでございます。
○渋谷委員 今のお話をお聞きになって、大臣、おかしいと思いませんか。いいですか、八月二日からすべてが始まった、イラクがクウェートを侵攻した、これが絶対にけしからぬという議論で今やっていました。ところが今の、例えばグレナダやパナマの侵攻についてはなぜ侵攻したかというその背景が重要だということです。背景がそれなりに納得できる話ならば、それはそれで日本政府としても対応を考えなければならないということを言っているわけです。わかりますか。私は、例えばパナマあるいはグレナダについては、アメリカは自分の庭だと思っている、独立した国だなどと思っていない。パナマにしたって、パナマ運河の権益の問題がありますから、コロンビアからパナマが独立するときに、アメリカが黒幕になって一九〇三年パナマを独立させたという話もあるくらいであります。これがアメリカの正義の論理です。力の論理です。大臣、自分に都合の悪い政権ができたら武力介入してこれをつぶす、こういう国家行動について、大臣はどう思いますか。
○中尾国務大臣 これは、多少私見が入りましてまことに申しわけないのでございますが、それでもよろしゅうございましょうか。――これは外務省と見解は異にするかもしれません。あるいはまた私自身の政府の立場からいきますと、したがって私見ということでお許しを願っておきたいと思いますが、私は、今回のイラクの問題、グレナダの問題、これはそれぞれ立場あるいはその時代を異にいたしましょう。しかし、いずれにしてもいわれなぎ武力行使は私は認めるべきものではない、これは一貫した方針でございます。したがって、いまだにアメリカの遺憾の表明ということだけではなく、これは現在ともにこの問題点については遺憾の表明は受けているものの、内容というものを知悉していないということにおいてはこれはまた我々の立場では遺憾なことでございますから、これは考えていかなければならない問題だと思います。 しかし、伝統的に言うて、自国の国民を侵害され、殺害され、場合によっては殺りくされ、人質にとられた場合、これにおいては断固として立ち上がっていくということはあっても、いわれなき形における侵攻というものの歴史というものはアメリカの歴史を振りかえってみても、その一国を奴隷のようにし、占領し、なおかつ隷属せしめたという歴史は余り残っていないと私は思います。そういう意味においては、私はそれ相応の理由というものは外務省を通じての見識を十分把握した上でないとお答えすることはなかなか難しい問題であるわな、こう考えます。私なりの考え方は持っておりますけれども、ここで言うことは、コメントとしては差し控えたいと思います。
○渋谷委員 私は、今度の問題もそうでありますけれども、今度の戦争はよく正義の戦争だなどという話をいたしますが、今度の、言われている正義は普遍性のあるものではない。戦争の本質は何かということは後ほどまたお話を申し上げたいと思いますけれども、例えば今度の国連決議、後生大事に私どもはもちろん考えております。とても重要なことであります。国連決議で経済制裁を打ち出す、ところが昨年の九月に私がイラク、バグダットの国営ホテル、アルラシードホテルへ泊まりましたときに、通用している国際カードがあるのです。物を買ったり宿泊費を決済するときに通用しているカードがあるのです。大臣、どこのカードだと思いますか。
○中尾国務大臣 残念ながら知りません。
○渋谷委員 アメリカンエクスプレスであります。アメックスです。 もう既に国連における経済制裁の決議も出ている。余り時間がありませんから詳しい話はこれ以上聞くことはできませんでしょうけれども、日本では当然それを遵守し、日本企業の人質が向こうにいる、生活費にも困る、いろいろなものを買わなければなりませんから。あるいはイラクの働いている従業員に給料も払わなければならない。ところが送金まで、これは通産省やあるいは外務省もというぐあいに聞いていますけれども、指導を行ってストップさせる。向こうにいる人質は本当に生活には困ったという話を私どもは聞きました。一方では、アメリカは例えばアメックスのそういうカードの決済について、当然これは保証されなければイラクがあるいはイラクの国営ホテルがそんなカードでの決済を認めるわけがないでしょう。そういうことが行われているのです、現実に。 また、アメリカは国連への拠出金でありますけれども、年間の拠出金、大体日本は一億五百万ドルですが、アメリカは二億七千二百万ドルです。一九八〇年代ぐらいから滞納が始まりまして昨年末で二億九千六百万ドルの滞納があります。第三世界がだんだん発言力を持ってくる、自分たちの思うように国連が動かない。そうなればアメリカは協力しないのですよ、国連に。ところが、今度のこのような問題が起きたら国連を徹底的に利用する。私は、こういうアメリカの大国主義、アメリカの押しつける正義というものについて私どもがもう少し冷静に分析する必要があるんではないかというぐあいに思います。そうしなければ、例えば日本にアメリカの気に食わない政権ができた、CIAがその転覆を図る。それでもうまくいかなければ日本に展開されている米軍を使って力で転覆をすることだってあり得るわけでしょう、かつてもグレナダやパナマであったわけですから。そういうことを大臣、どうお考えになりますか。
○中尾国務大臣 渋谷先生、大変に正義感を持ったお考え方に立って主張されていることはよくわかります。しかし、私たちの立場で自由と民主主義と秩序ということを守っていくという方向づけの中において私どもは考えていった場合に、私なりのセオリーというものもこれまた持っておるわけでございまして、これが一貫して海部内閣においても主張し続けておる考え方であろうと私は思っているわけでございます。 したがいまして、その点において歴史観、世界観あるいはまた倫理観の上においても多少の違いが出てくるかもしれませんが、その点はぜひともひとつ、見解の相違ということではなく、むしろ物の考え方のアングルの相違である、このように御理解賜りたい、こう思います。
○渋谷委員 我が国も我が国の周辺をめぐって紛争の火種を幾つか抱えております。一番有名なのが北方領土ですね。しかし、韓国との間にも、我が国は固有の領土だと主張している竹島、韓国はそれは我が国の領土だと主張している独島、これがありますが、このことについてかいつまんで御報告いただけますか。
○竹中政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、竹島は現在韓国が各種の施設を構築しておりまして不法占拠を継続しております。日本側の累次の巡視によりまして、竹島には現在韓国によって灯台、見張り所、丘舎、コンクリート製の建物、鉄製のやぐら、アンテナ等の建造物が構築されており、警備員も配置されていることが確認されております。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○渋谷委員 大臣、今お話を聞かれましたですか。我が国の領土が不法に侵略されて、私が知っている限りは韓国の警察隊が実効支配しています。これについては返還要求とかあるいは撤退要求、期限を切っての撤退要求などをしたことがありますか。
○竹中政府委員 お答えいたします。 我が国としましては、竹島は歴史的事実に照らしましても、また国際法上も我が国固有の領土であることは明白であり、政府は韓国による不法占拠及び各種施設の構築をまことに遺憾であるという立場でございます。こういう我々の立場は、各種の機会をとらえて韓国側に伝達してきております。昨年十一月の日韓定期閣僚会議の際の外相個別会談におきましても、韓国側に申し入れを行っているところでございます。 政府といたしましては、竹島の領有権に関する日韓間の紛争はあくまでも平和的手段によって問題の解決を図るとの基本的な立場に立って、今後とも粘り強く問題の解決を図っていく所存でございます。
○渋谷委員 車の重大さの違いというのはあると思うのですけれども、こういう形で、例えば我が国の領土が実効支配されている、半年内に撤退をしなければ国連決議を求める、国連決議を求めまして、我が国は武力行使によって問題解決できませんから、アメリカを中心とする多国籍軍の出動を求めまして、これを撃退する、イラクのクウェート侵攻の問題についての議論を発展させればそういう話でしょう。大臣、どう思いますか。
○中尾国務大臣 私は、かつて自分の体験もございますが、竹島の問題のときにも、自民党の少数のグループではございましたが、有志議員としてこの問題は相当に訴え続けたことがございました。そしてそれと同様に、韓国からの反応のないことに対しても再び訴えたことがございました。今の御指摘のとおりでございまして、これが実効支配として、それがその妥当性があるかのように行われているというならば、これは一国の存立権の問題でございますから、そのレーゾンデートルからいってもきちっとした対応をすべきである、これは私の一貫した考え方でございます。したがいまして、今のような形自体がそのまま定着していくということのなきよう、これは当然のこと、外交ルートでもってきちっとした対応をしていくべきことである、私はそのように感じておりま す。
○渋谷委員 大臣、武力行使によって国際紛争をすべて解決するなどということは不可能なんですよ。例えば、今度のこの竹島の問題につきましても、長い年月をかけてお互いに話し合いをしていく以外にないでしょう。北方四島の問題もそうであります。イラクのクウェート侵攻というのは、もちろんこれらの問題とは相当質は違います、質は違いますが、私は選択の幅があったというぐあいに考えておるわけです。 先ほどからなぜこういう話をしているかと申しますと、戦争というのが八月二日に起こって、それがすべて本質ということではなく、イラクはイラク側の政治目的があって行動する、戦争という手段に訴える、これは非常に限定的なものであります。自分の国内経済の状況、クウェートとの歴史的な関係、あるいは油田の問題。ところが、それに対してアメリカはなぜあそこにあれほどの軍隊を集結させたか。これは議論で明らかにしようという話じゃなくて、私の考え方ということで聞いていただきたいのですが、一つはやはりイスラエルです。イラクがクウェートを侵攻いたしまして併合する。ほっておけば力が強くなる。イスラエルの安全を脅かす存在になりかねない。もちろん油の権益という問題もありましょう。しかし、我が国はイスラエルという問題について、イスラエルを助けるために国民の税金を集めるなどということは、とてもじゃないけれども言うことができません。ですから薄っぺらな、八月二日にすべてが始まったなどという、これは本質じゃなくて事の経過を言っているにすぎないんです、大臣は、総理はね。事の経過を言っているだけでそれを本質だと言い、人道的な見地から、正義の見地からということで国民に負担を求める、私は、これは基本的に違う。アメリカとの、対米関係は経済的には相互依存関係になっているのです。ところが政治的には従属関係です。中東における対応も、すべて対米関係で判断をして、今度の対策を決めています。 そうすると、例えば、戦後の対応について随分のうてんきな議論があります。戦後日本は復興に一生懸命協力しなければならない――アラブ世界から簡単に受け入れられますか、イスラム世界から簡単に受け入れられますか、私はそう単純にいかないと思うのです。我が国がどういう行動をするかということについては、今は完全にアメリカの属国、アメリカに追随している姿勢としかとられていないのであります。 もう余り時間がありませんから、この辺の議論を延々とやっているつもりはありませんけれども、そうした観点から、今度の例えば財政支援などにつきましても、私は、もちろん党としての主張もありますが、私は納得がいかない、こうした形で国民に負担を求めるなどということも納得するわけにはいかないわけでありますけれども、現実には例えば石油増税という形で国民に広く負担を求めるなどという話になっております。 この増税につきまして、今政府部内では、一つはこのことでしわ寄せを受けるであろうたくさんの中小の石油販売事業者あるいは今物価の動向につきましても、日銀あたりからは、経済企画庁はそんな心配ないと言っていますが、日銀などは、卸売物価が非常に心配だという発言をしておるわけですね。こうした時期に当然転嫁されるであろうこういう増税が行われる、こういうことについて今どういう対策を考えておられますか。
○棚橋政府委員 私どもは、今回のこの湾岸対策の財源として、法人税、石油税につきまして臨時の課税が行われる、これに伴いまして、石油製品と石油製品以外の物資にこれがどのように波及していきますか、転嫁をするための、円滑化を図るための対策はいろいろ講じておりますが、他方便乗値上げについてはこれを厳に監視していくという方向で、LPG、灯油等について消費者価格モニター制度、石油化学製品、紙、鉄鋼などの基幹物資需給価格情報ネットワーク制度等の調査により、十分卸売業、小売業各段階において情報を収集し、対処していきたいと考えております。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○渋谷委員 かつての増税のときと、それから例えば消費税を導入したときに、カルテルを一部認めたりあるいは幾つかの対策を講じてまいりましたけれども、今度の増税に当たってはそういったことは一つの参考になりますか。
○棚橋政府委員 渋谷先生御指摘のように、消費税導入の際には、確かにこの円滑かつ適正な転嫁を図るための対策として、転嫁カルテル等独禁法の適用除外を初めパンフレット、ポスターによる広報活動、各種の事業者に対する説明会の実施等、相当広範な転嫁対策を講じております。 今回の石油税等の増税につきましては、今後、まだ検討中でございますが、私どもやはり円滑かつ適正な転嫁を国民に御理解いただくための広報活動を中心に考えていきたい。増税の期間が一年間の限られた短期のものでもありますので、そういう方向を中心に対応していきたいと考えております。
○渋谷委員 中小の石油販売事業者、ガソリンスタンド経営ですね、経営状況は大変厳しい。これまでも厳しいんです。卸売の方は足切りは簡単でしょう。ところが現実には、過当競争になっているそういう中小の石油販売事業者がこの増税によってきちんと転嫁ができない、自分がかぶらざるを得ない、そのために経営が圧迫されるということがないように、きちんとした配慮をするということはできますか。
○棚橋政府委員 今後国会で御審議いただきます臨時特例のこの増税法案では、石油につきましてはキロリットル当たり千二十円、つまり、リットル当たり一円二銭の増税になることが予定されております。先生御指摘のように、確かに末端のスタンド等においては従来から競争も非常に激しいことがございますので、その転嫁について危惧する産業界の意見もございますが、私どもは、ガソリンを初め全石油製品につきまして原則一円二銭の転嫁が円滑かつ適正に行われるように、よく周知徹底、お話し合いをさせていただきたいと考えております。
○渋谷委員 この湾岸戦争の展開がどうなるかはまだまだ予断を許しませんけれども、あるいは戦争が長引けば今以上に財政支援を要求されるのではないか、その新たな追加財源ということになりますと、また石油に負担を負わせるというのは多分なかなか通らないということになるだろう、そうなったら、一番いいのは消費税の税率を上げることだなどという議論があるのですが、大臣、そのことについてはどう考えますか。
○中尾国務大臣 これはまだ全く不透明な話でございますから、私の立場としては何ともお答えすることは差し控えたいと思う次第でございます。いずれにしても、一刻も早く停戦に持っていける状況をつくっていくことが先決だ、こう私は思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○渋谷委員 便乗値上げを防ぐためにも、つまり、転嫁を円滑にやる、転嫁がわかるようにやる、そういうことにしませんと、何が便乗かわからないでしょう。中小小売業者の利益だけ守って消費者の利益はどうでもいいという話をしているのじゃないのです。転嫁の方法がはっきりわからなければ、消費者の側も、一体それが本当に税によって上がったものなのかそうではないのか、あるいは人件費か、あるいはその他の諸費用によって値上がりしたのかということがわからないのですね。便乗値上げというのは何ぞやということもひっくるめまして、それから国民に対するこういう周知、そういう便乗値上げみたいなことがあったら即通報して、役所の方がきちんと対応するという体制づくりも必要でありますし、そういった点につきましてはどんうふうに考えていますか。
○棚橋政府委員 確かに、石油について申し上げれば一円二銭でございますので、大変末端価格においてわかりにくい面もあろうかと思いまして、その表示を店頭にする等、これにつきましては、独禁法上の問題あるいは徴税当局のお考えの問題もございますので、現在関係当局と国民の皆様方にこれを御理解いただいて、転嫁を受けとめていただくための普及、周知徹底等についてのお話し合いをさせていただきまして、渋谷先生御指摘のような形で、転嫁が円滑に行われるように進めてまいりたいと考えております。
○渋谷委員 今の話は、同僚議員からもお話がありましたように、基本的に私は、こういう形での財源措置には納得いきません。なぜならば、ただ単に、日本は何もしなくてもいいという話ではなくて、そもそもこの戦争の本質があるからであります。 先ほど大臣は、あるいはそのほかの方も言いましたけれども、五カ月も待った、五カ月にすべての対応をした、冗談じゃない。竹島の問題だってあるじゃないですか。半年やそこらですべての問題に対応できたというようなことが本当に言えますか。そういう中で、武力行使で何でも問題を解決できるというような話ではない。ましてや、例えば相手がソ連のような強国であれば、キューバ危機のときもそうでありますし、ベトナム戦争のときもそう、アフガンのときもそうであります。もしアメリカが短気を起こして、例えばソ連を攻撃する、今と同じですね、クウェートの解放でありながら、本国イラクを攻撃するわけですね。同じような形でアメリカがそういう論理展開をしたらどうなりましたか。そんなことをアメリカもしないからこそ、四十五年間の歳月をかけてマルタ島会談になったわけでありましょう。イラクとクウェートの関係についても同じであります。 確かに、百万の軍隊を擁するとはいっても、大臣、これは孫子の兵法じゃありませんが、百万の軍隊を食わせなければならないという経済的な負担をイラクがしょっていることになります。そうでしょう。そしてまた、クウェートを併合いたしましても、石油をたくさん抱えたといたしましても、それを売ることができなければ、彼らの財政、経済は成り立たないわけであります。経済制裁という効果をわずか五カ月、半年ですべてをやったなどという議論は、薄っぺらな議論であります。もう少し状況を見るということはできたはずでありますし、それはしかし、実はアメリカ側の戦争の本質で言えばそれはできなかった、つまりイスラエルに対する脅威を残すことになるからであります。今度の戦争はフセイン政権打倒までいかざるを得ない、私はそう思います。 これを果たして私ども日本がどうとらえるのかという観点で、これからの対米関係を含め――私は、アメリカとのつき合いはどうでもいいという話を言っているんじゃありません。対米関係が今後の世界の中での非常に重要な要素であることは私自身も認めています。しかし、アメリカとの関係、経済的に言えば相互依存関係でありながら、政治的には従属関係である。同僚の自民党の国会議員でさえ、これは屈辱的な関係だということを言っているのであります。やはりそういう点について、私どもは何も自民党と社会党という、立場が違うという話ではなく、そういう基本的なスタンスを考えていかなければならない。そういったことをきちんと国民に示し、国民のコンセンサスを得ずして、安易にこういう形での財源を求めるということが私はどうにも納得いかないということを最後に申し上げまして、大臣から何か御所見がありましたらお伺いして、私の質問を終わります。
○中尾国務大臣 歴史的な日米関係の問題も御指摘なさいましたが、思い出せばキューバ問題のとき、すなわちケネディ時代のときをさかのぼって考えましても、当時キューバにイリューシン機四十二機あるいはIRBM二十五基というものを持ってきて対応しようとしたことがございました。そのときに、アメリカのケネディ大統領はクァランティーンという言葉を使いまして、これ以上持ってきた場合には検閲もし、査察もし、攻撃も加える、これをやったわけでございます。それでフルシチョフはその後、これをそのままイリューシン機を撤退いたしました。そのために、すべてが撤退したことによって平和がいわゆるリカバーできたわけでございます。その歴史的事実の背景を考えましても、決してただグレナダの問題、パナマ問題、今回の問題だけでアメリカを律することもいささか早計かもしらぬなと私は思い出しながら、なおかつ、渋谷先生の言われたことは十分情理を尽くした話でもございますから、その点の見解をも十分に脳裏の中に刻みつけ、そしてあくまでも話し合いをしながら、そしていわゆる平和の中における正義というものはあくまで十分なる話し合いの上においてなされるべきであるという見解においては一致点があるということを十分申し上げておきたいと思います。
○渋谷委員 ありがとうございました。
○奥田委員長 鈴木久君。
○鈴木(久)委員 十二時までの時間で区切られますので、一つの問題だけ午前中は質問させていただきたいというふうに思います。 私は、第一に対ソの経済外交といいましょうか、協力問題についてお伺いしたい。第二に、今湾岸戦争にかかわる石油の問題を含めたエネルギー等については、今もお話がありましたし、後からまた御質問いたしますので、これが第二点の問題。さらに第三点目の問題としては、ECCSが作動したという重大事故になった美浜原発事故。この三点についてただしていきたいというふうに思います。 その第一の対ソの経済協力についてでございますけれども、外交の基本的な問題については当然外務省のかかわりになるだろうと思いますが、経済活動の責任ある立場ということで、大臣に幾つかお尋ねをしたいというふうに思います。 昨年の世界の激動というのは、先ほどもお話がありましたけれども、第二次大戦後の世界史の中でも最も激しく変動した年ではなかったのか。ソ連のペレストロイカから始まって、米ソの和解、東西関係の冷戦から協調へという新しい時代を迎え、さらに東西ドイツの統一など、東欧の変化というのは予想を超えるものがあった、こういうふうに認識をいたしております。こんな中で中東湾岸戦争が行われて、この冷戦から協調という流れにブレーキをかけたような形になったこと、平和を大きく脅かしていること、これは極めて残念でなりません。この戦争の貢献をめぐる九十億ドル問題、戦費支出の問題や自衛隊の海外派遣に関する問題については、もう既に予算委員会等で激しい議論のやりとりがございました。私自身も、日本の今日まで平和国家として歩んできた、そういう道からいえば、これらの二つの問題については極めて憂慮にたえないというふうに思っている次第でございます。しかし、今ほど渋谷議員からもいろいろとこの問題の基本的な部分に対するやりとりがありましたので、私は本論に戻して議論したいと思います。 いずれにしても、このあらしのような変化というのはいずれアジア地域にも及んでくるというふうに思っております。そういう意味では、ことしは日本にとって二つの大きな政治日程が待ち受けていると思うのです。一つは、もう既に昨年の秋の自社と朝鮮労働党との共同宣言に基づくところの日朝の国交回復問題が政府間レベルで話が始まったというふうな、いわゆる日朝の新しい時代を迎えようとする一つの動きであろうと思っております。本問題はまだ交渉が開始されたばかりでございますから、対外経済協力等の関係についてはまだまだ不透明なことがございますので、本日は直接お伺いをしませんけれども、今後は極めて重大な問題になってくるであろうというふうに思っておる次第でございます。 第二の問題は、四月十六日から訪日を予定されておりますゴルバチョフ大統領が日本に来るという、この関連で、日ソ間には今まで懸案の北方領土問題が横たわっておりまして、いまだに平和条約というのが結ばれておらない。この念願の北方領土問題を含めて、日ソ間の新たな友好関係、これも政治的な問題、経済的な問題、文化的な問題、これは多方面にわたって交流が進展する重要な意義を持つものになるだろうというふうに私は思っております。そういう意味で、四月のゴルバチョフ大統領の訪日という問題について通産大臣の立場からどのように認識をしておりますか。まずその点をお伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 まずポイントでございますが、ゴルバチョフ大統領が日本に来日をされるという、この点においてはある意味における大変な出来事でございまして、日本にとっては、この新生ソ連というものになってからの初の来日でございますだけに、なおかつ私どもは真剣に受けとめ、そして言うべきことは言わせていただくが、向こうのいわゆる私どもが御支援させていただくような現象面というものがございましたらば、これはまた徹底的に相互協力の上でやっていかなければならない、こう考えておるわけでございます。しかし、その中の大きな前提としての話としても、当然北方領土の問題も加味されなければならぬということは言うまでもないわけでございます。 先ほど委員御指摘のとおり、我が国がアジアの一員であることは申すまでもございません。したがいまして、同地域の発展と安定というものは私どもの国にとっては極めて重大事である。そういう上に立って、東西対立の終えんというものが生まれたわけでございますから、アジア地域におきましても、モンゴルなどにおいての民主化、市場経済化というものが見られているところでございますから、先ほど御指摘もありました韓ソ関係の正常化等も踏まえたり、緊張緩和の動きも生じているわけでございますから、今後関係国と十分話し合いつつ本地域の国際経済協力がより一層安定する方向に努力していく所存でございます。 なお、アジアは世界の中でも経済成長率が高く、APEC、あるいはまたアジアンソルダリティー、あるいはまたパシフィックリムというような問題もございますから、そのアジアにおいての自由な貿易、投資の流れを確保するとともに各種の経済的な交流を進めていく、このような考え方もゴルバチョフ大統領をお迎えしたときには大きな話題でなければなるまいな、このように感じておるわけでございます。
○鈴木(久)委員 日ソ関係の外交の基本に政府は依然として政経不可分の原則がある、そこがずっと前提になってきている。ゴルバチョフ大統領が訪日をする、日ソ間に新しい歴史の一ページを切り開こうというときに、この政経不可分の原則ということをいつまでも振りかざしていて具体的な前進というのはあるのだろうか。私は、もっと現実的な柔軟姿勢というのをとるべきなのではないかと思っております。特に北方領土問題については、最近のソ連側の高官のいろいろな発言を見る限り、そんなにすぐ決着のつく問題ではない。この問題については時間がかかる、ゴルバチョフ大統領の訪日というのはその意味でもっと幅の広い交流を続ける中でこの解決困難な問題、いわゆる領土問題も解決が図られるのじゃないかというふうな意味での発言がほとんど主要な内容になっていると思いますね。その幅広い活動という中に最も強く求めているのが文字どおり経済協力あるいは、特に大型プロジェクトを含めて今まで日ソ間には大変な懸案の問題がありましたので、そういうものにより強く交流を求めてきているのじゃないかというふうに思うのですが、その点についてはどんなふうに認識されておりますか。
○中尾国務大臣 私は委員と全く同感の思いでございますが、重ねて私どもの方で申し上げますると、何といたしましても日ソ間の戦後最大の懸案でございます北方領土の問題、これを解決して、そして日ソ関係の正常化と抜本的な解決を図るためには日ソ関係全体の均衡のとれた形というもので増大させていくことが肝要である、このように考えることが前提でございます。そしてまた、私どもの通産省といたしましては、人的交流や、互恵的な、可能な商業ベースという形での経済関係等の促進に努めてまいることは言うまでもございません。しかしながら、政経不可分というのは我が国としての基本方針であることも、これまた申すまでもないわけでございますから、北方領土問題の解決を棚上げしたままで経済関係のみを突出させることはいかがなものであろうか、このように感じます。しかし、さはさりながら、委員御指摘のように人的交流の促進であるとかあるいは文化交流その他を含めての大きな交流というものは極めて大事である、こう思っておりますので、私は、その方針には絶対に乗っていかなければならぬ、このように考えるものでございます。
○鈴木(久)委員 十二時からのようですから、一問、これで終わらせていただきます。 より具体的にお伺いしたいのですが、去る一月三十日から二月一日までの三日間、日ソの経済合同委員会が開かれました。これは御承知のとおりです。サハリンの石油の問題、シベリア資源の問題、天然ガス開発の問題あるいは石油化学の近代化の問題あるいは鉄道交流、そういういろいろな大型プロジェクトのテーマがここでは議論になりましたけれども、懸案はほとんど先送りになってしまいました。ゴルバチョフ大統領が訪日したときにこういう問題がもう一度大きなテーマとして出されるというふうに言われておりますけれども、いずれにしても、これらの大型プロジェクトに関して言えば政府が支援のかぎを握っているというふうに言ってもいいと思う。次の五カ年間の通商協定の調印も含めてソビエト側は大変意欲的になっている、こういうふうに思います。ですから、そういうことを含めて今後のいわゆる政府の対応、長期的に見ればこうした大型プロジェクト問題についても積極的に政府はもっと前に進むべきなんじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、大臣の考えをお尋ねします。
○麻生政府委員 日ソ経済合同委員会でございますけれども、御指摘のように三日間にわたりまして活発に議論をいたしましたが、残念ながら具体的な成果ということになりますといま一歩ということでございました。これは一つの理由は、日本の産業界がソ連の国内情勢あるいはいろいろな制度の混乱をもう少しよく見守らなければなかなか前に進めないという慎重な姿勢をとったというような事情もあるわけでございます。 今後の問題でございますが、いろいろなプロジェクトを積極的に進めるために政府がいろいろな支援を行うということにつきましては、今申し上げましたような産業界の慎重な姿勢ということに加えまして、御承知のとおりソ連の国内は非常に混乱をいたしておりますし、また対ソの金融支援につきましては国際的にも非常に慎重な姿勢がとられておる。さらに今大臣が御答弁申し上げましたように、日本は北方領土問題を含むいろいろな特有な日ソ関係を持っておるという点を慎重に考慮しまして検討していく必要があると考えているわけでございます。
○鈴木(久)委員 午前中は終わります。
○奥田委員長 午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ────◇───── 午後零時三十三分開議
○奥田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴木久君。
○鈴木(久)委員 私は美浜の原発事故についてただしてまいりたいと思います。 この事故は原子力発電所の事故としては極めて重大な事故だというふうに私は認識をいたしております。それは日本で初めてECCSが作動して、原子炉が緊急停止をしたということ、そしてさらに加圧水型原子炉の構造的な欠陥としてかねてより指摘されていた蒸気発生器の細管がギロチン破断をした、しかも分離をしたような形に破断をして、一次冷却水が大量に流れ出たということと、もう一つは安全装置であった圧力逃し弁が作動しなかったというこの三つをもっても極めて重大である。もともとECCSの作動というのはいわゆる原子炉の運転の中ではぎりぎりの状態になって、火事で言えばもう手をつけられなくなって、スプリンクラーが作動して何とかとまったというふうな状態のものでありまして、これは極めて最悪の事態、スリーマイル島の事故の一歩手前というところで、今度の事故は何とか不幸中の幸いの状況になったのだという認識なのですけれども、まずその辺の今度の事故に対する通産省の受けとめ方、どんなふうに受けとめておられるのか、まず伺っておきたい。
○中尾国務大臣 委員の御質問にお答えいたします。 今回の美浜発電所二号機の事象は、放射能の放出もごくわずかではございましたが、環境への影響も認められなかったということも、これまた事実ではございますが、その実、非常用の炉心冷却装置というものが、すなわちECCSが実作動するに至るということになって、今までに例がないものであることはもう偽りない事実でございますから、国民の皆様に不安を与えたということだけは大変なことでございまして、遺憾に存じております。 今後は徹底した原因究明を行うことによりまして、原子力発電の一層の安全並びに最大限の安全確保のためには努力を傾注していきたい、このような所存でございます。
○鈴木(久)委員 そこで、具体的に事故の正確なことを把握するために幾つかお尋ねをしたいのでありますけれども、その第一は蒸気発生器の細管の破損状況、これを正確にまずお示しいただきたい。第二は、漏れた放射能、放射性物質の核種並びにその濃度、第三は圧力逃し弁が作動しなかったという理由は何か。第四に、一次冷却水の流出量というのはマスコミでは二十トン程度というふうにお話しになっていますけれども、これがどのような流出量なのか。もう一つはECCSが働いて流入した水の量、まずこの正確な数字をお示しいただきたい。
○向政府委員 お答え申し上げます。 美浜二号機につきましては、二月九日に、午後一時四十分でございますが、空気抽出器ガスモニターの警報が発生したということで、手動によりまして出力を下げたわけでございますが、午後一時五十分でございますが、加圧器圧力低位によりまして原子炉が自動停止し、引き続き緊急炉心冷却装置ECCSが動作したということでございます。それで、蒸気発生器伝熱管の損傷ということが考えられましたので、当該蒸気発生器を分離いたしまして、隔離いたしまして、プラントを安全な状態に移行するための操作をやったわけでございます。 それで、本事象におきます放射性物質が一部環境は放出されたわけでございますが、敷地周辺に設置してあります放射線監視装置の指示値、これは通常値と変化がなかったわけでございます。環境の放射能の影響は認められなかったというふうに考えております。 それで、現在プラントは安全な状態に停止しておりまして、今いろいろな原因調査をしているわけでございますが、一本の伝熱管におきまして周方向の破断が認められたということで、これはファイバースコープによりまして確認したものでございます。約二センチぐらい離れていて見つかったということでございます。それで、これにつきましては、今後その部分を取り出しまして、金属組織その他材料検査をやる。それによりまして、どういう組織でどういう原因であったかということが必要なわけでございまして、それにつきましては鋭意これから進めていきたいと考えております。 それから、御質問のございました加圧器逃し弁がその冷却のプロセスで作動しなかったということでございますが、これは加圧器逃し弁、二個ついてございます。それで、これをあげようとして作動しなかったので、冷却という観点で考えますと、加圧器のスプレーというのがついております。それで、これを作動させることによりまして一次系の冷却というのがなされたわけでございます。それから、圧力上昇という観点から考えますと、逃し弁のほかに安全弁というのがまだ加圧器についております。そういうことで、圧力上昇に対しては安全弁があったわけでございますが、我我といたしましては、この逃し弁が二個なぜ作動しなかったか、これにつきましてはやはり徹底した原因究明の中でぜひ調べたいと思っております。 それから、流出量でございますが、これにつきましては、詳細な解析はまだこれからするわけでございます。それで、今回の事象の、圧力の低下のプロフィールというか状態がとらえられております。それから関口部分の面積を想定し、流出量というのを大急ぎでチェックした結果では、二十数トンが一次系から二次系に流れた、入ったということでございます。 〔委員長退席、額賀委員長代理着席〕
○鈴木(久)委員 ECCSの流入した量。
○向政府委員 ECCSの流入した量につきましてはこれから詳細にチェックをする必要もございますので、今ちょっとここで数値を申し上げるものがございませんし、不正確でございますので、後日詳細に調査した中でその数値も明確にしたいと思っております。
○鈴木(久)委員 ECCSが流入した量というのはマスコミでは七十トンというふうな数字が出されておるのですけれども、それを把握しておりませんか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先ほどもお答え申し上げましたように、一次冷却水の二次側への流出というのを先ほど申し上げましたような前提で計算いたしますと、二十数トンということが計算でとりあえずわかったわけでございますが、ECCSがどれだけ流入したかというのは今後きちっと状態を解析し、数値を確定していきたいということで、現在のところはまだ確定されていないわけでございます。
○鈴木(久)委員 これは、新聞ではもう既に七十トン近い流入ということは発表になっているのですね。推定でも全然わかりませんか。 なぜこれを聞くかというと、一次系から二次系に逃げた、先ほど言った二十トンクラスの数字と流入した七十トンということになると、全然これは数字が合わないのですね。だから、そういうことを含め私はただしたいので、これが全然わからないというはずはないのですよね。ECCS系にかかわっている水がどのぐらいあって、それがどのぐらい中に入ったのかというのは、これは残った量からいったってわからないはずはないのですけれども、どういうことなんですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 ECCSの注入量というのは先ほど申し上げましたように、きちっと状態を把握して計算をしなければいけないわけでございまして、我々は数値は持っておりませんが、関西電力が燃料取りかえ水タンクの水温が三十度C前後ということで、水の比重を一というふうに考えますと、ECCSの注入量は約三十トンぐらいでないかなという数値は聞いておりますが、これはやはり先ほど申し上げましたように、きちっと計算をして示すべき数値であろうというふうに我々は考えております。
○鈴木(久)委員 ECCSの流入量については、タンクのレベルから推定して、全体七十トン、こういうふうに言われているのですけれども、そのことも把握しておらないですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘のタンクの目盛りからというお話がございましたが、それは物すごくラフで誤差が相当大きなことでございますので、我々安全という観点でこの事象を解析しますためには、きちっと状態を把握して、前後関係をきちっとして計算をすべき数値でございまして、余り計算に基づかないラフな数値というのがひとり歩きするのはいろいろ問題が起こると思いますので、今の七十トンというような数値は、そういう数値から出されたようでございますが、我々としましては、流入量というものは今後調査の段階できちっと確定していきたいと考えております。
○鈴木(久)委員 なぜ私はこの問題に少しこだわっているかといいますと、先ほど言ったように、破断をして、一次から二次へ流入して逃げた水が二十トンだ。この間、現地へ私どもの党の調査団も行きましてこの問題での質問のやりとりを現地でもやっているのですね。それで、ほぼ七十トンであるということは、多分電力事業者の方は確認しているんだろうと思うのです。あとの五十トン、どこへ行っちゃったんだという問題を含めて、これは現地ではちゃんと質問、やりとりしているのですよ。これは結局のところ、その数字がこんなにあいまいなままですと、その状態を含めて私どもは正確に把握できない。それでECCSが働いて、例えば七十トンというこの想定が正しいとすれば、二十数トンとの差に余りにも大きな差がある。大体、原子炉の全体の水の量を考えたってこれは百七十トンぐらいですから、あとの水はどこへ行っちゃったのかという問題を含めてこれは疑問が残っているのです。今は、このやりとりをしているとどうしても時間がありませんから、ここは正確に出してもらって、今言った私の疑問も含めて解いてもらわなければ、これは住民の方々がきちっと理解はできない。一体その水、どこへ行っちゃったんだろうかというふうなこと、特にこれは放射性物質を含んでいるというふうに十分に考えられますので、この点についてはいずれにしても明確にしていただきたいというふうに強く要求をしておきたいと思います。 今数字がいろいろ明らかになりました。冒頭にも申し上げましたけれども、いわゆる蒸気発生器の細管の事故というのは、外国でも日本でも加圧水型の典型的な欠陥として今日まで事故を続けてまいりました。最もそういう意味では関係者の皆さんからすれば起きてはならないところで事故が起きて、そしてこのECCSが作動したということになるんだろうと思うわけですね。原因について、皆さん現状で、破断をしたという状況から見て原因は何だというふうにまず考えておられますか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 原因につきましては、我々は早急に出したいというふうに考えておりまして、きょうこの委員会の中に調査特別委員会を設置するということも決めておりますし、近日中にその調査特別委員会を開催したいと考えております。そういう中で、今まで得られた情報に基づきまして、専門家の知見をおかりして本原因等も究明していきたいというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 いずれ調査委員会のことについては後でおただししたいと思いますけれども、原因究明、特に破断をした細管の分析その他は、これはどこでおやりになりますか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 これから当該配管について取り出す作業をやるわけでございますが、取り出し方、それから取り出した後どういう検査でどういうふうにやるかということにつきましては、その調査特別委員会でもいろいろ議論していただきまして、客観的にきちっと調査ができるように、そういうようなスペックというものは決めて、それで、それにつきましては事業者にやらし、報告書を求めたいというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 私は、なぜこの問題を質問したかといいますと、科学技術庁にいわゆる金属材料の研究所というのがおありでしょう。この種問題については、こういう問題を調査するときに、個個のメーカーがこの問題を調査するなどということになれば、それは極めて問題があろう、国民から見ても第三者から見てもやはり問題があると私は思っています。世界的に権威ある人々もこの研究所にはいらっしゃるわけですから、ここでおやりになりますか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、調査のやり方あるいはどういうふうに資料をとってどうすべきかということは、我々が調査特別委員会の専門家の御意見も踏まえてきちっと指示をし、電気事業者が調査をし、その報告をまとめて我々が判断するということでございますので、関西電力がメーカーと相談して、このチェックが今のようなスペックに基づいて実際に電子顕微鏡その他で調査をして、その報告が出てくるというふうに思っております。
○鈴木(久)委員 私は今申し上げましたけれども、調査委員会の問題は後でちょっと触れますけれども、この種の検査とか調査をつくったメーカーにやらせるなどというのは、これは極めて問題があろうというふうに思っておりますので、やはり第三者で、特に政府がきちっとこういう問題には結論を出すべきである。特にこの問題については構造的な問題としてこれまでもいろいろ言われてきただけに、なおさら今度の事故の問題というのは極めて大きな意味を持っているわけですから、これは国民に納得ができるような原因究明をしなければならないと思うので、そのことだけは強く申し上げておきたいと思っています。 それで、原因はこれからだ、こういうふうなことをおっしゃっておりますけれども、この事故は、いわゆる一本の細管が破断をしたということによって冷却材が一気に二次系へ行ってほとんど人間の操作で間に合わないような状態でECCSが働いたというふうに私は思わざるを得ないくらい、一本の破断の大きさを改めてこの事故で知りました。そういう意味で、チューブの総点検をしなければならないのだろうというふうに私は思うのですけれども、この点についてはいかがですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生おっしゃるように、蒸気発生器の細管につきまして徹底した点検をすべきということで、我々といたしましても、運転中の原子力発電所のプラントにつきましては、過去の定期検査時に渦電流探傷検査、ECTというのをやっております。その検査記録をぜひもう一遍再点検するということ。それから先ほども御指摘ございました、加圧器逃し弁が作動しなかったということもあるわけでございますので、加圧器逃し弁の作動関係の点検強化、それから過去の点検記録の確認ということもやらせたいと思っておりますし、非常用炉心冷却装置、ECCSの関連機器につきましても、点検の強化、それから過去の点検記録の確認ということも進めたいと考えております。それから運転中のものについては、二次冷却水の水質等パラメーターの監視強化ということを求めまして、有意な変化が認められた場合には原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずることなどの対応をとらせたいと考えております。 それから、停止中の原子力発電所につきましては、入念なECTをやるということとか、あるいは過去の記録の再点検もそうでございますし、非常用炉心冷却装置につきましての関係機器の再点検、それから加圧器逃し弁につきましての再点検、それからその他異物管理もさらに徹底させようというようなことで、我々こういうような対応をまとめたところでございます。
○鈴木(久)委員 今お答えがありましたけれども、いわゆる定期検査における細管の検査というのは渦電流探傷方式ということでおやりになっているでしょう。これはいわゆる管の軸方向のチェックにはかなり有効な能力を発揮する。しかし、今回破断したように、横の傷、こういう問題についてはほとんど十分にチェックできないという欠陥があるというふうに言われています。そういうことで、今度の場合はいわゆる完全に破断をしましたね、横に。これは定期検査で見つからなかった原因はその辺にあるんじゃないかということも言われているのですけれども、だから定期検査の見直しも含めて、今の試験の方法をもう一度根本的に見直さなければいかぬというふうに思うのですが、いかがですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今細管の点検で周方向のECTが難しいというお話がございましたが、確かに周方向というのは難しくて、それに適した特殊点検、ECTというのが必要なわけでございます。そういうことで、最近は特殊なECTというのが開発利用されてきております。そういうことで、そういうような周方向についてのインディケーションも十分キャッチできるようになってきておりますので、そういうのをやらせたいと思っておりますが、しかし減肉とか割れというのはつかまりやすいわけでございますが、今回のような事象は、今後原因を究明して、どういうことでなったかということは十分検討すべきだと考えております。そういうことで、今後原因究明をやるわけでございますが、その中で今お話のございましたような定期検査のやり方等で考慮すべきことが出てくれば、我々はぜひそれを取り入れたいと考えております。
○鈴木(久)委員 結局のところ、今いろいろ御答弁になりましたけれども、今度の事故は前の定期検査で見つからなかったところへ起きたのでしょう。ですから、私が今指摘しているのは、見つからなかった原因の中に定期検査のやり方の中身を含めて問題があるというふうに申し上げているので、これはしっかりと今後の定期検査の中でこの方式だけでいいなんということで済まさないでいただくしかない。 もう一つ細管の問題で言えば、構造的だと言われている幾つかの事象はあるわけですね。今日までも、例えば細管のピンホール等で栓を詰めて、実際はもう使えなくなったようにしている率というのは、加圧水型は物すごく多いわけです。美浜一号やその他の四つくらいの原子炉では施栓率だけでも一〇%を超えているものが四つ以上ある。ただ、いろいろ補修をして何とかそれを使っている部分もありますけれども、いずれにしても、この問題には極めて構造的な欠陥があるわけですね。現在、主に高い施栓率と言われている原子炉について、数字を含めてちょっと挙げてください。
○向政府委員 お答え申し上げます。 まず高浜二号機でございますが、この施栓率が一七%ということでございます。それに対しまして、ちょっとつけ加えさせていただきますが、安全性の観点から冷却材喪失事故におきます解析で施栓率というのを使っております。計算の前提でございますが、これは二五%というプラグ率で計算をしておるものに対して、高浜二号は一七%ということでございます。それから大飯一号でございますが、これは施栓率が一五・七%ということでございますが、先ほど申し上げました冷却材喪失事故の解析、安全解析の前提というのは一八%ということでございます。それから玄海の一号、これが一二・五%ということでございます。これに対しまして安全解析では、一五%という率で計算をして安全性というのは確認しておるわけでございます。
○鈴木(久)委員 そこでこの施栓率の問題、今それぞれの原発で安全率が二五だったり、一八だったり、一五だったりいろいろしていますね。もともと施栓率については、一番初め設定したときよりもずっと後退して、今や一番高いのは二五というお話でしょう。外国の例を見ても、既にフランスなどでは施栓率じゃなくて損傷率で、修理をした分も含めて損傷率で一五%を最高限度としている、そして一〇%から一二%ぐらいになったら全部発生器そのもの本体を取りかえる、既にもう取りかえている。今、全部について全体を取りかえる計画をしている。それは御承知でしょう。アメリカは既に八基も、こういう欠陥が見つかった、施栓率の高い、損傷率の高い発生器は全部取りかえている。こういう作業をやっているわけですけれども、今回の事故を考えてみて、どうしても今の高浜二号や美浜の一号、大飯一号、それから玄海一号など、もう施栓率だけでも一五%を超えている部分も多い。こういう問題については、総点検すると同時に、今私が申し上げましたような蒸気発生器そのものを全部取りかえるという作業を私はすべきなんだろうと思う。そうしなきゃ信頼をおけないぞ。大臣、これはどうですか。ずっと話聞いていておわかりいただけると思うのですけれども、そのぐらいのことをやらなきゃこの問題については国民は納得しませんよ。
○緒方政府委員 施栓率と安全性の問題でございますが、先ほど審議官が御説明をいたしましたのは、原子炉の安全性という純技術的な観点から、施栓率が高まってくると安全性の面で問題があるのか、あるいは安全性の面で問題がある程度まで日本の加圧水型の原子炉の蒸気発生器に問題があるのかという点で、そうではないという御説明をしたわけでございます。 なお、今回の美浜の二号については、施栓率は先生御案内のとおりむしろ低い部類に入っておりまして、今回トラブルを起こしましたものの施栓率は六・三%という率でございました。したがいまして、安全性の議論、なかんずく美浜二号の問題について施栓率の関係でどうなのかという点は、なお今後の原因の究明を済ませた上でないと軽々に言えないわけでございますけれども、先生御指摘のように、施栓率がある程度上昇して高まってまいりますと、一般の方からは安全上について不安があるという御指摘がございます。また会社の方では、施栓率が上がってまいりますと、定期検査の時間が非常に長くかかるという問題が出てまいります。そこで、その辺を総合判断をして会社側の方針としてある程度のところで具体的に蒸気発生器を総交換しようという検討が行われているわけでございまして、諸外国の例を参考にしながらそういう検討が行われていることは承知をしているところでございます。私ども、安全性の観点から総点検をしてある一定率以上のものをすぐに全部かえなければならないのだというふうには今の段階で認識をしておりませんけれども、蒸気発生器をある段階で企業側が独自の判断で総交換、取りかえをするということについては、そういう御相談があれば前向きに受けていきたい、対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○鈴木(久)委員 それは私は逆なんだと思うのですよ。監督官庁として、あればというのじゃなくて、今度のこういう事故を見て、もう外国でもそういうことをどんどん行っているわけですよ。多分資源エネルギー庁の方でも、この高浜の二号と大飯一号についてはもうやらなきゃだめだというふうな判断に立っておりませんか。この施栓率の高い――これだけでない、もっと、四つありましたね。これはもうむしろ逆に通産省の方からそうしなければだめだというふうに私は言うべきなんだと思うのですよ。何か企業者がやるのを待っておるなんという、そんなものじゃない。今度の事故はそういう意味でいわゆる欠陥が具体的にこういう形になってあらわれたわけですから、それを未然に防ぐためにはそのぐらいやらなければどうしようもないじゃないですか。大臣、どうですか。
○中尾国務大臣 先ほど委員が検査の段階の中でもメーカー、会社などはその調査の対象に入れるべきではない、またそういう形で検査をさしむるべきでもない、非常に大変な、うがった考え方と私も考えております。しかし、今度の事件はいまだに、まだ完全に私どもは掌握しているわけではありません。したがって、現在吸い込み中でございまして、これも急ぎやらしておりますので、それに基づいてそのような全体のスコープをとらえていくべきだと私も責任上考えておりますから、そのように御理解いただきたいと思います。
○鈴木(久)委員 大臣、今私が言ったことについては、これは監督官庁としてしっかりやってほしい、このことを強く要請しておきたいと思っています。 余り時間がなくなってしまいましたけれども、定期検査の話にもう一度戻って恐縮なんですけれども、いわゆる細管の破断した理由、原因究明、これについては先ほどは検査をどこにするかという話しか私は申し上げませんでしたけれども、今度の原因調査のための調査委員会、こういうものはどういう人々で調査委員会をおつくりになりますか。
○向政府委員 お答えいたします。 通産省、こういう原子力の問題につきまして技術的、専門的な御意見を伺うということで、原子力発電技術顧問というのをお願いしております。八十数人ほどいらっしゃるわけでございますが、それはそれぞれの専門家がおられまして全体として顧問会というのを形成しているわけでございますが、その中に今回の美浜二号につきましての調査特別委員会をつくって本問題を精力的にやっていただきたいということで考えておりまして、専門分野、金属材料とかあるいは非破壊検査あるいは構造強度、流体力学それから放射能あるいは安全評価、原子炉工学等の各分野につきましての専門家に入っていただきまして本問題の調査を進めていきたいと考えておりまして、人数につきましては十数名から二十名程度というふうに今考えているところでございます。
○鈴木(久)委員 この事故が起きたときに、安全チェックをする安全委員会の方は、今度の事故については独自に調査する気はないというふうな内田委員長のお話がございました。私は今の話、答弁をずっと聞いている限り、極めて重大な事故である、これから原因究明をしなければならぬ、わからないことがいっぱいあるということを次々に皆さんおっしゃっているでしょう。にもかかわらず、起きた途端に安全委員会の委員長がそういう発言をするというのは、私は本当に残念でならない。調査委員会のあり方についても、東京第二原発、いわゆる再循環ポンプのときにも皆さんおつくりになった、調査をした。調査委員会報告としては何にもお出しにならない。責任はみんな資源エネルギー庁にありますといって皆さんの報告になっちゃっている。結局、第三者が見ても、この調査はまあ国民的に信頼がある調査だというふうに思えるような形での調査委員会の構成、あり方、こういうものになっていませんね。前にも私は東京第二の原発事故のときにも前の通産大臣とやりとりをいたしましたけれども、航空機事故調査委員会なんというのはちゃんと法的に認められている調査委員会を設置してやっているのですね。この原子力発電所に限って言えば監督官庁が結局のところは責任ですということになっちゃう。事業者と監督官庁だけで調査をやってみたって、それは国民から見たら本当に信頼される調査委員会にならないのですよ。これはならないですよ。技術顧問百人くらいいるからその人たちだけでやるということだけれども、これはもう少し、今度の事故が重大で、スリーマイル島に起きた、そして今度の日本のこのECCSの作動、こういう問題は重大な事故だけに、またかねてより加圧水型のいわゆる細管の腐食というのは構造的な問題であるというふうに言われてきただけに、徹底した究明をすべきだ。今までと同じような東電第二でつくったのと同じような調査委員会の形をとって、最終的には資源エネルギー庁の責任でございますというそういうやり方にまたなってしまうのですか。
○緒方政府委員 私ども、もちろん徹底した原因の究明を進めてまいるわけでありますが、今の原子力規制に関する法律上の枠組みといたしまして、安全性につきましては原子力安全委員会というものが公正な第三者機関として設置をされておりまして、原子力安全委員会設置法という法律に基づいてつくられているわけであります。ある意味では航空機事故調査委員会にまさるとも劣らない立派な、中立性のある行政機関であると考えております。事務局は科学技術庁がやっておりますので私がお答えするのは不適当かと思いますけれども、日本の原子力安全の根本につきましては、法律に基づくそういう機関が判断をしているということでございます。 さて、通常の行政面では私ども資源エネルギー庁が設置法に基づきまして原子力の安全規制についての責任を有しているわけでございます。したがいまして、私どもが行政的に、行政でございますからもちろん中立で、中立的に公正に行政を進めているつもりでありますけれども、内容的に大変専門的な事項が多うございますので、私どもの職員の中にももちろん技術の専門家を多数そろえておりますけれども、なお至らない点について顧問という形でそこを補っていただくということで顧問会が設けられ、その中の専門調査委員会が設けられているわけでございます。形は御指摘のとおり福島第二発電所のケースの場合と同じでございますけれども、これはその顧問会議の中に設けられた調査委員会の報告を受けて、法律に基づく責任ある行政庁である資源エネルギー庁が判断をし、その判断が適当であったかどうかということを法律に基づく独立の、独自の機関である原子力安全委員会が報告を受け、それでその是非を答える、こういうことで判断をしたわけでございますので、決して私ども国民の御理解が得られないような形で処理をしているというつもりはないわけでございます。今回の原因究明につきましても、従来以上に国民の皆様の御理解が得られるような形で公正に原因の究明、対策の確立をしてまいりたいと考えております。
○鈴木(久)委員 その安全委員会が、事故が起こった途端に、先ほど私が申し上げましたけれども委員長が言っているのですよ、今回の事故は我々は調査しなくてもいいんだみたいなことを。それはあなたたちの監督官庁じゃないからといえばそれまでかもしらぬけれども、これは余りにも今度の事故を甘く見ている証拠ですよ。そんなばかな話はないわけでして、これは調査委員会のあり方も含めて、私どもはしっかり見守っていますからね。この間の第二のときだって、結局のところは調査委員会なんか何の機能も、最終的には私どもの責任ですと皆さんエネルギー庁が全部引き受けたじゃないですか。客観的に見た調査委員会というふうに私どもはどうも思えない。これは時間がありませんから、そこだけしっかり私どもも調査委員会のあり方については見守っていますから、国民が理解できるようなやり方をしていただきたいというふうに思います。 今度の問題で、やはりまた通報がおくれている。そして、ECCSが作動する前の段階でのやり方について極めて問題がある。いわゆる放射能が検出をされたという時点で、警報が鳴っても炉をとめない。運転してしまった。それで作動したのですから。ここはマニュアルに完全に違反しているでしょう。運転マニュアルに違反しているでしょう。ここは厳重にチェックをしてほしい。違反しているかしてないかも後で答えていただきたい。 もう一つ。このECCSが作動して原発が警報が鳴って大混乱をしているときに、子供たちが見学をしている。これに対しては今の事故の状態も何も一切報告をしない。子供たちに何も言ってない。帰るまで何もしてない。検査も何もしないで帰したと言われる。これはどうなんですか。放射能漏れをしたかしないかというよりも、ECCSが作動した途端に避難の問題ですね、避難の問題。これは極めて緊急事態でしょう。これも見直さなければならない。緊急事態に対する避難のあり方。これは放射能漏れが検知されなかったから一切そういう体制をとらないでいい、こういうふうに皆さんお答えになるのかもしれませんけれども、少なからずあそこのコントロールタワーはもう警報の中でてんやわんやだ。にもかかわらず、そういう状態が表には一切知らされていない。これは幾ら原子力発電所をとめるのがいろいろ難しいとは言いながら、典型的な経済性優先、安全性よりもはるかに経済性優先の中身になってしまっている。今度の一連の事故の発電所の操作のやり方、あるいは避難の問題、子供たちがいてもそれに何ら対応もしなかったということは極めて遺憾でございます。これらについてどのように把握をして、どんなふうに今後考えますか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今回の事象、放射線の環境への影響は認められなかったわけでございますし、ECCSも設計どおり作動したということで、プラントの安全な状態に移行はしたわけでございますが、しかしECCSが実作動したということは我が国でも例のないことでございます。そういう意味で、関西電力が見学者に対して格別の措置をとらなかったということを聞いておりますので、これに対しましては、見学者に対し本事象の発生について何も言わなかったことはやはり配慮が欠けていたというふうに我々も考えておりまして、今後こういった場合における措置につきましては、事業者を指導していきたいと考えております。
○鈴木(久)委員 配慮とか何かという問題じゃないんですよ。ECCSが作動したということは、さっき私冒頭申し上げましたけれども、ギロチン破断をして一瞬に一次系の水が二次系へどんどん流れていく。もう操作ができなくていわゆる最後の最後の、炉が空だきになるその寸前でECCSが作動したからとまったんですよ。ECCSというのはそういうものでしょう。そうじゃないですか。その認識がなければ、ECCSが作動しても子供たちの見学に何も対応しなくていいなんというふうに監督官庁が認識しているとすれば極めて問題。私は、配慮に欠けたなんということではなくて、言っているのは、そういう緊急事態に対する対応の仕方です。ECCSが作動したら、もうこれはみんな避難ものでしょう。それを、通報もずっとおくれている、マニュアルだってみんな間違ったのでしょう。そういうふうなことを考えますと、今の緊急対応と避難、そういう問題について、配慮に欠けたなんという問題ではなくて、根本的に見直すべきだと私は思います。時間がなくなりましたから、それにしっかり答えていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○緒方政府委員 ECCSの作動につきましては、日本で初めて実作動ということで、我々はそれなりの重大視をしているわけでありますが、先生おっしゃいましたように、これが最後で一歩間違えばというところは、ECCSという装置については私、素人なりに、技術の専門ではありませんけれども、このECCSというものは、要するに二系統の異なるものが、三種類のECCSが二系統それぞれついておりまして、ECCSが全く作動しないということは非常に考えにくいような状況になっているそうでございます。したがって、ECCSが作動したということ自身が即その当該原子力発電所の安全運転上、もう紙一枚で、もう危機一歩手前であるということなのかといえば、必ずしもそうではない設計になっているということでございます。 そして、先ほど見学者のお話がございました。見学者について、先生の御指摘は避難等をさせるべきではなかったかという含意かと思いますけれども、そういう避難をさせるべきかどうかというような緊急事態というのは外部に放射能が大量に放出されるという意味での緊急事態であります。今回の場合はそういうことではありませんでしたので、避難をさせる必要性というものは結果としてなかったのだろうと思います。ただ、何も、事後的に何の説明もしなかったということは配慮に欠けていたのではないかと私どもは考えておるわけでございます。 なお、経済性優先という御指摘がございましたけれども、福島第二発電所の場合に事象の異常に気づきながら数日間にわたって運転を継続したということがあの事件を巻き起こした原因であるということが指摘をされ、その教訓というものは他社にも十分生かされているわけでございまして、今回の運転員の操作につきましては、なお詳細調査をする必要があろうかと思いますが、これまでのところ大きなとがめるべき理由というものは見当たらないのではないかというのがとりあえずの所見でございます。
○鈴木(久)委員 もう時間がありませんからやめますけれども、納得できません。と同時に、大臣、これから、長期エネルギー見通しを皆さんがお立てになっている。それで、脱石油、石油から脱却しようという動きの中で、皆さんは二〇一〇年までに原発をあと四十基もつくろうという計画を持っていらっしゃるが、今のような国民に対して信頼を失いつつあるやり方では、私は長期見通しそのものも極めて、この問題もやりたかったのですけれども、時間がありませんからやりませんけれども、今のような答弁をしている限り、国民に原発行政がしっかり信頼されるなんて思いませんので、これはもう時間がありませんからやめますけれども、今後とも、この原因究明を含めて、私どももしっかりと監視をし、皆さん方の内容というものも見守ってまいりますので、しっかりやっていただきたい。 以上、終わります。
○額賀委員長代理 小岩井清君。
○小岩井委員 私は、最初に、経済運営について伺いたいと思います。 経済企画庁長官の経済運営についての所信が述べられておりますけれども、政府は平成三年度の実質成長率を三・八%程度と見込んでおりますけれども、これは極めて楽観的な見方じゃないかと思うのです。そこで、この実質成長率三・八%に届かないのではないかという要素が最近たくさん出てきているということを指摘しながらお考えを伺いたいと思います。 今後の経済運営のポイントについては、まず最初に、物価上昇の懸念を抑えるということが必要ですね。そして、成長を実現するということが必要であります。さらに外需、国際関係が極めて厳しい、したがって内需を拡大していくことが不可欠だと思うのです。こういうことだというふうに思うのですけれども、政府は物価につきまして、平成三年度、卸売物価についてはマイナス〇・一%、消費者物価については二・四%程度と見通しております。これは大変甘い見通しじゃないかということがつい最近発表された数字でも明らかになっているわけですけれども、日本銀行が二月十四日に発表した一月の卸売物価統計によるのが最近の数字なんですが、前年同月比二・六%上昇しております。これは十年ぶりの高い上昇率だと言われておるのです。それで、卸売物価は消費者物価の二、三カ月先の指標だと言われておるわけですね。そういうことが一つある。それからさらに、日経新聞の一九九一年度の民間設備投資動向調査の中間集計がきょうの新聞に出ておりますけれども、企業の設備投資が九〇年度見込みに比べて一・六%の微増となったというふうになっておるのです。これは過去三カ年一五%以上の伸びがあったというふうに言われておりますけれども、個人消費とともに、内需を中心とした景気の持続的拡大には設備投資が大きな要素だと思うのです。これが大きく後退しておるという現状があるわけです。 したがって、この物価と設備投資という両方の状況を踏まえて質問いたしたいと思いますけれども、第一点として、卸売物価上昇の原因は何であるのか、これの消費者物価に対する影響はどうなのか、今後の物価動向の見通しと成長に対する影響についてお答えいただきたい。それから、設備投資の後退が内需にどう影響するのか、この二つの要素から見ても実質成長三・八%の達成は極めて困難ではないか、この点についてまず最初に伺いたいと思います。
○越智国務大臣 委員御指摘のように、ただいま日本の経済は拡大局面が五十一カ月目に来ておりますので、それなりに経済として成熟してまいりましたから、いろいろな点で注意していかなければならない。 御指摘のように、経済運営の基本的な問題としては成長と物価と国際収支、それにあと財政と労働、ここらのところに目配りしながら持っていかなければならないと思っておりますが、今お問い合わせの、御質問の物価の問題でございますけれども、確かに心配いたしております。心配いたしておりますが、私どもとしては、経済見通しで考えました程度の、平成三年度、卸売物価がほぼ横ばい、そして消費者物価が二・四%ぐらいの上昇でとまるだろう。 それじゃ、それに対してこの間の卸売物価の上昇をどう考えるか。対前年同期比で二・六%、前期比に対して〇・二%くらいのアップだったと記憶いたしておりますが、一つには、一月の卸売物価は、実は湾岸紛争が起きましてから石油の値段が七月末から十月にかけて上がりまして、その後徐々にまた下がってまいりまして、紛争発足時と武力行使をいたしました一月十七日とちょうど同じくらいのレベルに戻ってまいりました。そしてその後、ここまで約一カ月でございますが、その間に石油の値段がかなり下がりまして、バレルで大体十ドルくらいさらに下がっておる状況でございます。ちょうど十月ごろの一番ピークのあたりのものがいろいろな二次製品、石油化学の二次製品等に反映いたしまして、一月の卸売物価を押し上げているのではないか、こんなふうに感じているわけでございます。なお、卸売物価と消費者物価、おっしゃるとおり先行指標ではございますけれども、必ず一定のタイムラグを持って、同じパターンで動いてくるものではございません。そのときの状況によりまして卸売物価の描くカーブと、小売物価と申しますか消費者物価の描くカーブとは必ずしも合っておりません。消費者物価でいえば、実は一月の中旬に東京二十三区の分の速報値が四・二と高く出ておりますが、あれは生鮮食品を除きますと約三・四ぐらいでございまして、暖冬でございましたものですから秋まきの野菜が十二月中に早う大きくなりまして、むしろ品がすれが初荷から起こりました。そんな影響もあると言われておりますが、なお慎重に見詰めていきたい。次の統計の数字は三月一日じゃないと私どもアベイラブル、使えるような状態になりませんものですから、今は慎重に物価の動向を見ておりますが、今直ちに平成三年度の私どもの考えておる物価見通しが大きく動くという懸念はないものと判断いたしております。もちろん心配いたしております。 それから設備投資でございますが、日本経済新聞がけさほど出しました。これは、実はみんな意向調査するわけでございますが、各銀行等もいたしております。大体対象会社数が千、多いところで三千でございますが、日経さんは少ない方の千社ぐらいだと思います。実は、今の段階で意向調査をいたしましたものと実勢とはかなり狂うケースが多うございまして、過去の経験で申しますと約数%、それも大体多くなる方でございます。先生御高承のとおり、実は今回の景気拡大局面が始まりました六十一年暮れと申しますか、六十二年年頭当たりの設備投資というのは、法人統計ベースでクォーターで約六兆円ぐらいでございます。GNPベースでは十兆ぐらいでございますが、それが今日ではその後の設備投資が毎年一三、四%ぐらいのペースできたものですから、約五年たっておりますが、五年間で大体倍のペースになっておりまして、法人統計ベースで、今クォーターで、四半期別で十三兆、GNPベースでいくと二十兆ぐらいのペースで走っておりますので、カーブとしては緩んでまいりましたけれども、私どもはそんなに心配していない。ことしの、平成三年の三・八%の成長率のベースになっておる設備投資は六・八%の伸びで計算してございます。したがいまして、実績の一三、四%に比べますとかなりダウンするであろう、また、それでも三・八%の成長は可能だという計算でやっておりますので、けさほどの日経さんが一・六でございますけれども、ある程度上方修正してくれれば、私どもは成長率は保てるものと、このように計算しているところでございます。 なお、細かい数字がもしあれでございましたら、政府委員から答弁させます。
○小岩井委員 今、長官から御答弁いただきましたけれども、物価にせよ設備投資にせよ、それぞれ大変甘い見通しではないかというふうに思いますけれども、これは具体的には別の機会にいたしたいと思います。 第二点として、湾岸支援の九十億ドルの財源の調達としての増税、これは石油税については後ほど詳しくやりますけれども、この増税全般について伺います。 これは消費に大きく悪影響を及ぼすのではないか、国民生活を直撃するのではないかというふうに言われています。物価に対するはね返りが当然起こってまいります。我が国経済に対する影響も起こってまいると思うのですけれども、この認識はどうしているのか、お示しをいただきたいということと、あわせてもう一点伺っておきますが、内需拡大に密接不可分の要素として国民の生活状況があるわけです。春季生活闘争における賃金増額、そして時間短縮などは、消費、内需拡大それから経済成長に先ほど申し上げた不可分の問題だというふうに思うのです。この点についてもどう御見解を持っておられるか、伺いたいと思います。
○越智国務大臣 二つ御質問ございまして、第一点の九十億ドルの点でございますが、先ほどこの支援対策の大綱が訂正になりまして、一兆一千七百億という計算をしてございます。それの中で、まず第一に法人税の増税でございますが、これは付加税で二・五ということにいたしまして、基本税率に直しますと〇・八でございます。御存じのとおり四二%の法人税を三七・五に下げていく中途の段階で四〇という税率の段階に今差しかかっておるわけでございますが、これが配当軽課をやめますから、実効税率で見れば三九%ぐらいのところでございます。したがいまして、三七・五に一たん直しておいてそれに〇・八を足しますと三八・三というのは、決して今の実際に行われております実効税率が上がるのではなくて、むしろ中段のところがちょっと下がって一年延びるという感じでございまして、法人の経理からいいますと、そんなに圧迫しないのじゃないか。先ほどの設備投資との関連もございますが、このことが法人の企業マインドを非常に押しまして、設備投資を差し控えるという格好にはならないのじゃないか。むしろ設備投資の判断要素としては、金利水準の方が企業家の心理としては影響していくのじゃないか、こんなふうに見ているわけでございまして、その面での成長への影響は少ないものと考えております。 それから物価の面でございますが、石油の方にかかりますのが、このたびリッター一円二銭ということになりまして、これはバレルに直しますと、そのときの為替その他でいろいろ変わりますが、大体バレル一ドルちょっとということになるわけでございます。先ほど御紹介申し上げましたように、大変大きな波、波というか値幅をもって石油は動くものでございますので、ドバイ相場で申し上げますと、紛争発生時の十五ドルぐらいが三十五ドルまで一たん十月のはなに上がりましたけれども、武力介入当時において十五、六ドルに戻りました。今日現在、たしか十三ドル台まできょうはきているのじゃないかと思っておりますが、その中での一ドルでございますので、これは石油業界の中でどのように処理されますか、もちろんこの増税分については適正な転嫁が行われていっていただきたいわけでありますが、御存じのとおり、かなりの部分、電気とかガスの原料になっている部分がございますものですから、電気料金、ガス料金にどのようにはね返ってくるか、これはまた通産行政の中でのいろいろ認可の問題等もございますので、余り物価には影響は出ないで済むのじゃないか。直接消費者がお買いになります灯油などは、現にあれ以来、あれ以来というのは武力行使以来下がっておりまして、暖冬ということもございますので、物価面での影響は少なくて済むのじゃないか、このように考えているところでございます。 なお、第二の問題でございますが、賃金の決定はあくまでも労使間の民間の問題でございますので、私どもの方からどのくらいというような話は到底できる話でございませんけれども、適切なる労賃ということ、そしてまた労働時間の短縮ということは、これは千八百時間を含む週休二日制の完全実施に向かって、その方向で動いていることは事実でございますので、ぜひその方向の中で、こうありたいということと、そこまでできるかということと、そしてその後ろ側には、労働力の不足という今日本経済の直面しているいわば一番大きな課題があるわけでございますので、その中におきまして、健全なる判断を労使間において下していただきたいものと、このように考えている次第でございます。
○小岩井委員 物価に対する影響は少ないということで御答弁がありました。法人税についても、これが設備投資に影響はないのではないかというお答えがありましたけれども、私は、物価に対するはね返りはある、そして日本経済に対する影響は極めて大きいというふうに考えておりますが、このやりとりは改めていたしたいというふうに思います。 続いて、石油について伺いたいと思います。 まず、今も答弁の中でありましたけれども、原油の価格動向について、湾岸危機発生以来の動向 を今御答弁ありましたけれども、戦争勃発時において価格が高騰をするという予測に反して、原油価格が低落し安定している、そのように推移している理由が伺いたいということです。要するに、現象は伺いましたが、理由について伺いたい。 二点目は、今後の価格見通し、これはイラクの国連安保理決議六百六十号の条件つき受け入れという新しい動きが出てきておりますね。これについて今、ソ連におけるゴルバチョフ大統領とイラクのアジズ外相との話し合いも行われている、新しい動きがあるわけでありますけれども、この新しい動きが平和解決につながるということを期待をいたしますが、これが政治解決につながらないで戦争が長期化した場合、価格の動向はどうなるのかということ、この二点についてお伺いいたしたいと思います。
○緒方政府委員 昨年の八月以降の原油価格の動向につきましては、先ほど経済企画庁長官からお話があったとおりでございまして、ドバイ原油の場合に、開戦前の八月二日以前十五ドル程度であったものが、ピーク三十五ドルを超える水準までになりまして、その後産油国の増産あるいは暖冬という影響もありまして、一月の平均価格が十九ドル、先週末の値段が長官御指摘のように十三ドル台まで下がっている状況でございました。それで、一月十七日に武力紛争、戦争が起こりました直後、大方の予想に反して原油価格は大幅に下落したわけでございます。 この理由でございますが、しかとは説明できませんが、一つには、多国籍軍が圧倒的優位のもとで戦況が展開されているという報道がまずなされたということ、それから、あらかじめ石油の供給不足が生ずる場合に備えまして日本、アメリカ、EC等が協調して石油の備蓄の放出を決定して、西側の各国で石油の安定供給が確保されている、そういう安心感が世界的に広がっていたことなどがその原因として通常挙げられているところでございます。 今後の見通しでございますが、これは今後の見通しを申し述べることは大変難しいわけでありますけれども、大きく申しますと、一つは、これから、春から夏に向かいまして石油は不需要期に向かってまいります。それから、これまでの戦争でサウジアラビアあるいはUAE等の原油の供給施設に大きな被害は出ておりません。したがいまして、現在のような状況が続いている限り、当面原油価格が急騰するという可能性は非常に小さくなっているのではないかということでございますが、いずれにいたしましても、中東情勢、御指摘のようなモスクワにおける話し合い、あるいは国際石油需給動向等を注意深く見守っていく必要があろうかと考えております。
○小岩井委員 現況、価格の動向について御答弁いただいたわけでありますが、需給の状況について伺います。 ペルシャ湾地域におけるタンカーの運航状況は今どうなっているか。それから、原油が流出したわけですけれども、漂着原油などの原因による石油積み出しへの影響があるのかないのか、この点についても伺います。それから、保険と運賃と輸入コストの状況はどうなっているか。この三点についてお伺いしたいと思います。
○黒田政府委員 お答えを申し上げます。 まず、タンカーの運航の状況でございますけれども、御承知のように、この戦争が勃発する直前の一月十四日に海運労使によりまして、いわゆる我が国の船舶がペルシャ湾の東経五十二度以西には航行を見合わせることになったわけでございます。その結果、サウジアラビアあるいはバーレーン、カタールあるいはイランへの航行が我が国のタンカーについてはストップをいたしたわけでございます。しかしながら、その間、例えばイランにつきましては、主な積み出し港がカーグ島というペルシャ湾の奥の方にあるわけでございますけれども、もう少しペルシャ湾の入り口に近いUAEの対岸にありますラバン島というところまでイラン側でシャトルサービスということで小型のタンカーで油を運びまして、そこで日本が引き取るというようなシステムが導入されたわけでございます。また、海運労使の取り決めにつきましても、一月三十一日にペルシャ湾の中の制限水域を従来の東経五十二度以西へは行かないということから北緯二十七度三十分以北には行かないということに改めるような合意ができたわけでございます。この結果、我が国のタンカーがほぼ二週間ばかり行っておりませんでしたサウジアラビアあるいはカタール、バーレーン、こういうところへも行けるようになっているわけでございます。したがいまして、現在のところは原油積み出しは特段の支障がなく行われているのが現状でございます。 それから、原油流出の積み出しへの影響ということでございますが、流出原油、現在のところはサウジアラビアの原油の主要な積み出し港でございますラスタヌーラというところまではまだ到着していないわけでございます。また、仮に流出原油が到着したといたしましても、タンカーのスクリュー等に問題が生ずるとは余り思われないわけでございますし、また、原油流出直後はともかくといたしまして、ある程度時間がたってまいりますと揮発油分が蒸発してしまうといったようなこともございまして、流出原油が発火する可能性もほぼないというふうに予想されます。したがって、特にこの面からも原油の積み出しに問題は生じないものと予測いたしているのが現状でございます。 それから、第三点目の運送コストに絡みます運賃あるいは保険料等の問題でございます。運送コストにつきましては、船積みを行う港あるいはそのときどきの紛争状況によって保険料が戦争保険ということで去年の八月以降設けられたものの料率がかなり大幅に上下いたしております。それからスポット用船を行う場合の運賃というのもかなりそのときどきの状況によりまして上昇いたしております。一概には申し上げられないわけでございますが、昨年の八月の紛争勃発以前に比べまして総じてこの面ではコストアップになっているのが現状でございます。
○小岩井委員 時間がありませんので急いで次の状況について伺いますが、石油製品の需給状況について伺いたいと思います。 湾岸危機発生後の石油製品の輸入の状況、それから国内生産の動向についてどうなっているか、この点をお答えいただきたい。 それから、危機発生後の原油安・製品高の要因、製品が高くなっているということ、それから世界的な精製能力不足ということが言われていますね、これが招く製品高の可能性、それから今戦争をやっているわけでありますから、軍事燃料需要がこの需給にどう影響してくるか、この点についても伺いたい。 三点目として、石油精製設備の稼働状況、それから設備の増設が必要ではないかという声があるし要求も起こっているわけでありますけれども、その点について。それと、外資系の石油企業が石油精製設備をつくるという進出意向があるというふうに聞いているのですけれども、これについての政府の対応について。以上、三点まとめて伺います。
○黒田政府委員 お答え申し上げます。 まず第一点の、石油の需給の問題でございますけれども、当面原油につきましては問題なく輸入されているということでございます。それで、石油製品につきましては、若干先ほどの御質問の順序をまとめてお答えするような形になるかもしれませんけれども、もともとイラクがクウェートに侵攻する以前から世界の石油精製能力というのはかなり手いっぱいの状況にあったわけでございます。そういう中で、クウェートというのは非常に大きな製品輸出国でございまして、こういう大きな製品輸出国が国際石油市場の中での供給ソースとして消えたということでございまして、その結果、御承知のように、昨年の八月から秋にかけまして原油の価格を相当上回る大幅な高騰を示したわけでございます。 それで我が国の場合には、そういう状況を予測いたしまして、八月のクウェート侵攻直後、八月十六日だったかと思いますけれども、国内の精製設備にまだ若干余力があるということで、国内の生産を大幅にふやす、そして結果として製品という形での輸入が減っていく、こういう方向を志向いたしたわけでございます。具体的には、国内の生産面では八月の半ばに三百五十万キロリットル、大体年間の需要に対しまして二%くらいでございますけれども、この増産を石油各社にお願いをいたしたわけでございますし、十月以降のいわゆる下期の原油の処理、石油製品の生産につきましても、下期全体で大体一一%くらいの増加にしよう、こういうことで石油各社にほぼフル稼働の生産をお願いしてきている次第でございます。この結果、先ほど申し上げました製品輸入の方は、前年に対しまして十月が八五%くらい、十一月が七三%くらい、十二月が五七%くらいということで、かなり石油製品という形での輸入は減少してきているのが現状でございます。それで、そういう国内石油精製設備の稼働をできるだけ多くしようということで石油会社にはお願いしているところでございまして、精製設備の稼働状況につきましては、十月から十二月にかけまして約八五%、これは定期修理期間を含んだベースでの数値でございますので、実際の稼働はほぼフル生産に近い、こういう状況でございます。 それから外資の問題でございます。御案内のように我が国の場合には石油元売会社あるいは石油精製会社におきまして、いわゆる欧米のメジャーズと言われている大きな会社がかなり既に進出をしてきているわけでございます。そういう中で今後どういうふうに考えていくかということでございますが、今まで私どもいろいろ話を聞いておりますところでは、そういうことをいろいろ勉強している場合にも、我が国企業との合意というものを前提に合弁的な形態を、今後あり得るとすれば考えてくるのではなかろうかと考えられるわけでございます。そういう中で、私どもこれを受け入れていくかどうかという点につきましては、今回のような緊急事態においても原油が安定的に調達できるような先であるかどうかとか、あるいは我が国の国内の石油産業の構造改善に寄与するようなものであるかといったような視点を踏まえまして、ケース・バイ・ケースに今後とも対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小岩井委員 需給状況についての御説明、御答弁をいただきましたが、今度は価格動向を伺いたいと思います。 石油製品価格の三回目の値下げが実施をされておりますけれども、これまでの値下げの店頭価格への反映状況、この点について伺いたい。それから、原油価格の下落を受けた今後の原油入着価格の見通しと再値下げの考え方、以上について伺いたいと思います。
○黒田政府委員 お答え申し上げます。 国内の卸売価格につきましては、原油価格の変動あるいは輸入製品価格の変動等を反映いたしまして、主として十二月、一月、そして今月二月、引き下げが行われているのが現状でございます。それで、大体その都度私ども数値を公表いたしておりますけれども、十二月の場合には元売の仕切り価格がキロリッター当たり二千百円から三千五百円の引き下げがございまして、リッター当たりにいたしますと二・一円から三・五円ということになりますが、これに対応いたしましてガソリン、軽油、灯油等、大体三円程度の値下がりになっているのが現状でございます。また、一月につきましては三千三百円から三千九百円くらいの卸売価格の変動がございましたけれども、この段階でも、今申し上げましたガソリン、軽油、灯油等につきまして約三円程度の値下がりとなっております。今月は十六日ないし二十日に実施、または実施を予定いたしておるわけでございまして、これが今後店頭価格にも反映していくのではないかというふうに思っているところでございます。 全体を通じまして、私どもこの国内の石油製品価格の問題につきましては、マーケットメカニズムで決定されるのが原則でございますけれども、こういった国際石油情勢のもとでいろいろ価格の乱高下がある、それが国民生活あるいは国民経済に大きなウエートを占めている製品であるがゆえに、便乗値上げがないようということを昨年の九月から石油元売会社等に指導をいたしておるところでございます。その結果、九月、十月と値上がりし、十一月はほぼ横ばい、そして十二月以降ただいま申し上げましたような状況で卸売価格の改定が行われ、またこれが店頭価格に反映しているということでございまして、今後につきましても、国際原油価格あるいは輸入する石油製品の価格の動向等に応じまして、その範囲で円滑に卸価格の改定が行われるよう引き続き業界を指導してまいりたい、このように考えております。
○小岩井委員 石油の原油並びに製品の需給状況や価格の動向について今御答弁いただきましたけれども、これらに対する影響についてそれぞれ伺っていきたいというふうに思います。 この価格の動向について、国民生活に密着した事業、電力、ガスにどういう影響をもたらしてくるのか、今後の影響について伺いたいと思います。
○川田政府委員 お答え申し上げます。 中東の情勢が電力、ガスの需給、価格に与えている影響でございますけれども、まず需給面につきましては、基本的に直接のそれほどの影響は生じていないというように見ております。ただ、御指摘のように、湾岸危機以降の原油、石油製品の価格の上昇、これはLNGも含めまして、電気、ガス事業者の事業収支にマイナスの影響を与えていることは事実でございます。今後これがどういう影響を与えていくか、今のところ必ずしも確たる見通しができる段階でございませんので、私ども、事態の推移を引き続き注視をしてまいりたいというように思っております。しかしながら、電力、ガス会社においてはできるだけ料金安定ということを図っていくということから一層の経営努力が行われることを私どもとしても期待をしたいというように思っております。
○小岩井委員 需給には影響はないけれども、価格の動向はLNGを含めて影響はある、しかし経営努力で料金の安定を要請しているということでありましたけれども、その御答弁を受けて、特に規模の小さい中小ガス事業者に対する影響が懸念をされていると思うのです。中小ガス会社については、LPGを主原料とする事業者が大変多いわけですね。ガス事業者二百四十六社のうち百五十一社はLPGを主原料としております。ということで、この影響について伺いたいということが一つです。 それから、LPGに限って申し上げますと、輸入量の四五%はサウジアラビアに依存しているわけですね。供給構造の脆弱性が言われているわけですけれども、この点について、今民間備蓄だけですけれども、国家備蓄の必要性はないのかということも言われております。この点についてもお伺いをいたしたいというふうに思います。 以上、お答えください。
○川田政府委員 お答えを申し上げます。 LPG国家備蓄その他につきましては後ほど石油部の方から答えていただきますが、中小ガス会社についての御質問にお答えをさせていただきます。御指摘のとおり中小都市ガス会社の多数はLPGを主原料としている会社でございます。この需給面につきましては、先ほども申し上げましたが、また先ほど話題にもなっておりましたが、湾岸戦争の開始後ペルシャ湾への日本船の配船が停止された時期も含めまして、原料調達は特に問題なく行われております。安定供給というのは基本でございますので、これは今後とも我々も事業者もともに努力をしてまいりたいと思っております。 しかしながら、これらの中小都市ガス会社の一部には、昨年秋からのLPG価格の上昇で収支面への影響が非常に強く出てきている事業者もいることは、私どもも承知をいたしております。こういった事業者の方々につきましては、それぞれのときどきの情勢を踏まえながら、また事業者ごとの事情もよく見きわめて適切に対応してまいりたいというように考えております。
○黒田政府委員 LPGの安定供給に絡む備蓄の御質問についてお答えいたします。 先生御指摘のように、我が国の場合、輸入は大体LPG四分の三、国内生産が四分の一くらい、そしてその四分の三のうちの最近の時点では四五%ぐらいがサウジアラビアに依存しているのは御指摘のとおりでございます。数年前ですと、サウジアラビアへの依存度というのはもっと高かったわけでございますが、インドネシア等がかなりふえたということもございまして、四十数%といるのが現状でございます。確かに、備蓄の増強、現在大体法定備蓄も含めまして七十日分ぐらいの備蓄を保有しているわけでございますけれども、今申し上げましたような供給ソースの多様化といった面、あるいは備蓄の増強、しかしそれはどういう形でだれが負担していくのかという面も含めまして、種々の角度から総合的に検討していく必要があろうかというふうに考えているところでございます。
○小岩井委員 今御答弁いただきましたけれども、ガス事業者について事業者ごとの事情を見きわめて適切に対処をするということでありますね。サウジからの積み出しが一時停止になりましたね、これについての供給、価格面への影響は実際あったのですか。これはどういうふうに把握をしているのか、伺いたいと思います。 それと、今事業者ごとに事情を見きわめて適切に対処するということですけれども、中小ガス会社は本来このLNGに天燃ガス化をしていくべきだという転換を進めていくわけですけれども、これはまだ進んでいない状況ですね。これについてどう指導していくのか。 したがって、LPGの使用量が多いということで、そういう面から先ほど言ったようなこの価格上昇ということになって大変経営が苦しくなってきているところがあるというふうにも御答弁いただいたわけですけれども、その上に石油税、今度増税になるわけですね。私どもこれは断固阻止をするという考え方ですけれども、増税になる。これも転嫁されることになると思うのですね。そういういろいろな問題から含めて非常に困難がある。それから、料金改定の動きなどもあると聞いているのですけれども、そういう動きについてどう対処をされますか、この点について伺っておきたいと思います。 〔額賀委員長代理退席、委員長着席〕
○川田政府委員 三点御質問があったかと存じますが、まず第一、湾岸の積み出し停止の事態が生じたときの供給面、価格面への影響というのは、先ほどもお答えいたしましたとおり都市ガス事業者という立場から見ると格別な動きはなかったというように承知をいたしております。 それから、LNG転換の問題でございますけれども、これは天然ガスの持ついろいろな特性から考えまして私どもとしては基本的にはこれを推し進めるという方向で今後とも努力をしていきたいというように考えております。ただ、何せ現在、安定供給及び収支面への安定した状況、経営ということは必要でございますので、現時点で申しますと、LPGの価格がどう動いていくかということを見きわめながら、先ほどお答えしたとおり適切に対応してまいりたいというように考えておるわけでございます。 最後に、石油税増税分の扱いについてお話がございましたが、これは考え方としてはガス需要家に転嫁されていくべきものというように思っております。一方、公共料金の安定を図るという観点からは、私どもとしては基本的には当面、各社の企業努力でこれを極力吸収していただくことを期待したいという立場を持っております。ただ、先ほど申しましたように、現在非常に苦しい状況にある事業者もあるわけでございますので、そういう場合に、仮に価格改定の申請が行われますと、この増税分も含めて原価の中に入れて議論をするということになるものかというふうに承知をしております。
○小岩井委員 ということは、石油税の増税の問題が直接国民にはね返るということなのですね。ですから、その面で続いて石油税の増税問題について伺いたいと思います。 先ほど法人税と石油税の増税、この九十億ドルの財源としてのお話がありました。これはリッター当たり一円二銭というふうに答弁がありました。しかし、この増税分が一円二銭なのであって、そうすると、いかにも極めて低いような印象を受けるわけですけれども、実際には石油は生活必需品なのですね。諸物価に直接影響を与える。価格安定を求められているのですけれども、逆行しているのじゃないか。ことしの平成三年度予算で見ると三兆九千七百七十五億円、売上高の約三割が石油関係諸税なのですね。これは直接税が中心の我が国の税制で極めて特異な存在で、それだけ負担をこうむっているということになるのですね。その上に消費税が併課されているのですよ。あわせてその上にかけられている。不公平で大きな矛盾を持って、これはさらに拡大をすることになるのじゃないか。そういうことからいって、この石油税増税について大きな問題があるというふうに申し上げざるを得ないわけです。 先ほど一円二銭と言いましたけれども、では増税分一円二銭であれば、従来までの税金、消費税をかけて幾らになりますか、御答弁ください。そして、私は、こういう税制上の矛盾を解消していかなければいけないと思うのですが、どう対応するのか、お答えをいただきたいと思います。
○緒方政府委員 先生御指摘のとおり、石油関係につきましては石油産業の総売り上げ約十四兆円のうち、石油の税が三兆七千億余り、それに消費税がありますので、約四兆円が税ということになります。 ただ、石油関係の諸税と申しますのは、消費税の場合と趣旨を異にいたしまして、受益者負担という観点から道路整備でありますとかエネルギー対策などの財源に用いるということで課せられているわけでございます。したがいまして、税の負担水準というものも使途との関係において定められておりまして、そういうことから、消費税が導入されましたときにも単純併課ということになった経過があったわけでございます。 今回の石油臨時特別税につきましても、その負担というものは確かに国民に転嫁をされ、痛みを伴うものではありますけれども、まず国際正義の観点から行うもので、貢献策上、貢献策に必要な財源を広く負担をするという趣旨でございますし、また一年に限った限時的な制度でございますので、国際社会に積極的に貢献する我が国としてぜひ国民の皆様の御理解と御協力を得てお願いをしたいということでございます。 なお、石油税の税収でございますが、今回、一円二銭の増税で見込んでおります収入税額は二千三百億円ということでございます。もともと石油税がリッター当たりにしますと二円四銭ございますので、その二倍程度のものは現行の石油税の負担になっている、その上に二千三百億が加えられる、こういうことでございます。
○小岩井委員 今の答弁だと、石油税は目的税だというふうにおっしゃりたいわけですね、道路だとかエネルギー対策ということですね。しかもその上に消費税がかかっている。さらに増税だということについて極めて大きな問題がある。国際正義のため広く税金を国民から負担してもらう。広く負担じゃないんじゃないですか、石油税と法人税だけじゃないですか。これは物価に直接はね返ると思うのですよ。物価にはね返るという影響について、国民経済に対する影響について先ほど御答弁いただきましたけれども、今度具体的にこの石油税の国民生活に対する影響についてお答えください。
○越智国務大臣 ただいまの湾岸対策の大綱に従いましてこれから諸法案が出まして、全部通りました段階で私どもは正確に計算をさせていただきたいと思っておりますが、二千三百億円の増税そのものが物価に与える計算につきましては、試算をいたしますと〇・〇幾つ%ぐらいの影響であろうかと思っておりましたので、先ほど申し上げました消費者物価の二・四に対しては、そのもう一つ下の数字で影響してくるくらいかな、その程度の認識で、これは、対策が全部きちっとしました段階で正式に計算させてみたいと思っております。
○小岩井委員 午前中も質疑の中に出ておりましたけれども、この増税分が石油製品に転嫁をされる、要するに事業者に吸収してもらいたいという話もありましたけれども、転嫁をされるとすれば、これは転嫁開始がいつになるのか。その上で、これは転嫁ができないとすれば、今度は石油企業に対する影響があるわけですね。このあたり、どう考えておりますか。
○緒方政府委員 石油税の増税の転嫁の時期の点でございますが、これは一義的には石油の元売各社の価格政策の一環として決めるべき問題ではございますけれども、当省といたしましても、転嫁の時期について、適正な転嫁という観点から現在検討しているところでございます。まだ法律の御審議にも入っていない段階でございまして、私どもも今検討しているというところでございます。 それから、転嫁されなかった場合にどうなるかという御指摘でございますが、私どもは、この石油税の増税分については、今回の趣旨から申しましてもやはり転嫁していくべきものであって、この転嫁が円滑に行われるように政府としても所要の指導などを進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○小岩井委員 私は増税をしろと言っているわけではありませんから、そういう面で誤解のないように申し上げますけれども、今一年限りと言っていますけれども、一年限りということは間違いありませんね。その上で、今湾岸戦争が新しい事態に発展をしてきているわけですね。この戦争終結の動きが非常に大きく広がっているわけです。こういう動きもあるわけですし、それからもともとこの九十億ドル拠出については問題があるわけでありますから、この際石油税の増税は撤回してはどうですか。この点についてお伺いをいたしたいと思います。あわせて、今この新しい動きと九十億ドル拠出について、この是非についてもお答えいただきたいと思います。これは通産大臣からお答えください。
○中尾国務大臣 これは総理が何回となく答弁をさせていただいているような形で、その片言隻句そのままとらなければならぬ立場でございますけれども、どちらかといいますと、広く国民各般にわたって平和と秩序を守っていくという方向にはお互いに貢献すべきであるという方向における石油税ということになったわけでございまして、これはなるべくもう法人税も含め何も含め、私どもの範疇におきましても相当多岐にわたってこの問題は課税をさしていただこう、こういうことで考えに考えた形でございまして、確かに石油税だけに集中していくということになりますと、アメリカ等も言っておりましたような、あるいはほかの国でも声が上がっておりますような、あるいはまた中近東の近辺諸国も言うておりますような、ノー・ブラッド・フォー・オイルといいますか、石油のために血を流すべきものじゃない、その考え方は全く私どもきちっとしておるわけでございますが、そういう意味におきましては、この石油税という形に一つの方向づけがあったことも事実だという過程を申し上げておきたいと思う次第でございます。
○小岩井委員 今大臣の答弁にもありましたけれども、湾岸支援、いわゆるこの戦費というのに拠出をするのはけしからぬということでありますけれども、そういうふうに申し上げたいわけでありますけれども、その財源を石油税の増税に求める政府の対応について国際的批判が高まってきませんか。国際正義だとさっき言われましたね、答弁で。中東に対する貢献策だと言われたけれども、単に石油を確保する目的のために石油税を増税をしてこの財源を拠出をするんだという印象を強く与えませんか。 この点について、国際的批判についてどうお考えになるのか、もう既にそういう批判があるというふうに聞いておりますけれども、考え方を承りたいと思います。
○中尾国務大臣 今回の追加支援措置というのは、不法な侵略に対し平和と安全を回復するべく方向づけをしていく、国際正義の観点から行うこととしている、全く回りくどい言い方でございますが、そのようにずっと答弁させていただいております。決して石油のための戦いではない。私ども、我が国としてはその方針はもう世界の各国にある声のように全く一貫しているものでございます。 ただ、財源についてのあり方そのものは、あくまでも先ほど申し上げましたように、国民にわかりやすい形で、広く、できるならば浅く負担を求めていくということにどのような税目の増税が適切かという観点に立って検討をしていく、また行ってきたというところでございます。この結果、確かに複数の税目を組み合わせて増税を行うこととしました。またその一つとして、臨時的、時限的、限時的な――時限的なと言った方がいいでしょうか、石油臨時特別税というものを創設したものでございまして、この点を説明することによりまして諸外国の理解も得られておるものと考えております。 ただ、確かにある国においてはその点においての非難があるということは承っておりますが、直接に私どものところにその声として反映をされている国はないということでございますから、直接的に政府筋の我々に対して声としては出てきておりませんので、この点も私どもが知る由はございませんが、ただ、マスコミュニケーションなどに対する私どものリアクションは、そのまま受けとめるならば先生の御指摘のとおり幾つかの声となっていることは事実でございましょう。
○小岩井委員 国際的批判が直接的にはない。しかしマスコミなどを通じて承知をしている。国際的批判が高まったときにどう対応しますか。直接政府にそういう対応を求めてきた場合、どうしますか。
○中尾国務大臣 これはまだ仮定の話でございますから、私としては何とも申し上げられませんが、現在の段階では、全くサウジアラビアからもどこからもその声というものが政府筋を通じて来たこともなければ、あるいは外務省の大使館経由で私どもが聞き及んでいることもございません。したがいまして、マスコミといいましてもいろいろとございましょうけれども、その中において一部の報道機関というものが外国でも報道したということは聞いてはおります。しかしいまだに伺ってはおりません。したがいまして、仮定のことでございますだけに、私どもそれをどのように扱うのかということにはちょっとお答えにくい問題ではなかろうか、こう思っております。
○小岩井委員 篤とそういう批判があるということを受けとめて対応なさった方がよろしいのではないかというふうに申し上げておきます。 最後に、独占禁止政策について伺いたいと思います。 独占禁止法の一部改正については、今国会で提案され、審議が行われますので、細部にわたる質疑はその場に譲りたいと思いますけれども、基本的姿勢だけは明確にしておいていただきたいというふうに思います。 独占禁止法については、あえて私から申し上げるまでもありませんけれども、私的独占、不当な取引を制限して不公正な取引方法を禁止し、事業の支配力の過度の集中を防止する、競争条件を維持することによって市場での競争が活発に行われることを期待して、それを通じて資源の適正配分、効率の達成、消費者利益の保護を達成して、国民経済の民主的で健全な発展を目的としているわけであります。しかし、公正取引委員会の、現在までも、この独占禁止法に基づく独占禁止政策について、これについて違法行為の抑止、排除、実効ある運用についてなされているとは思えません。これがアメリカから日米構造協議として、あるいは他の国からの国際批判として受けているわけであります。そして課徴金を行政上の措置として決めています。さらに制裁措置として刑事罰を決めています。そしてこの二つをカルテル禁止規定の実効性を確保することを目的としているわけでありますけれども、実効性は全く、あるいは言い過ぎかもしれませんけれども全く上がっていないのが実態ではないか。この点がアメリカから指摘をされると右往左往する醜態をさらけ出しているということについてまず基本的にどうお考えになっているのか伺いたい。 それから、今国会には課徴金について提案をされるということであります。これから法案が出てくるでしょう。しかし、この内容は課徴金のみであります。しかも、この独占禁止法の実効性を高めていくということについては課徴金と刑事罰が二つの柱になっているわけです。にもかかわらず、しかもこれは専属告発ですからみずから告発しなければできない、刑事罰の適用を今まで全くしていない、過去一件だけであります。そして現在まで、この公正取引委員会の運用について問題点を指摘をされると、本年、まだ最近ですよ、一月二十九日に刑事罰強化の研究会で検討を開始する。日米構造協議でずっとこれは詰めているわけですから、なぜ一緒にできないのか、刑事罰の強化について。しかも、刑事罰の強化をしても公正取引委員会が告発しなければ刑事罰の適用はできないわけでありますから、そういう一貫性のない独占禁止法について極めて大きな問題がある。しかも、独占禁止法改正の取り決めについて、経過と今後の対応についても公正取引委員会の基本的態度を明確にしていただきたい。この基本的態度をきちんと聞いた上で法案審議に臨みたいと思います。徹底してやります。
○梅澤政府委員 独占禁止政策の強化について一貫した方針で臨むべきであるという御指摘はそのとおりかと存じます。 そこで、今我々が進めております施策につきましてごくかいつまんで御説明を申し上げまして、ぜひ御理解を賜りたいと存じるわけでありますが、一つは、守るべき競争ルールというのが一体何かということを具体的に明確にする、それを我が国の事業者なり取引社会により深く浸透させるという意味で、今ガイドラインの作業をやっておるわけでございます。 もう一つは、仰せのとおり、この秩序を乱した場合にそれに対して厳正な措置を講じる、それに対して抑止措置があるということが秩序維持の保障になるわけであります。この点につきましては、御指摘のとおり、まず第一点課徴金につきましては、近々政府提案に係ります法律改正案が提出されることと存じますが、いずれ当委員会におきましても慎重に御審議を賜りまして、ぜひこの改正法案が実現することを私どもは切に念願をしておるわけでございます。 刑事罰の問題でございますけれども、制度の話と告発の問題、二つ御指摘になりました。制度につきましては、実は今回課徴金の改正と同時並行的にこの刑罰の強化の検討を行ったわけでございますけれども、現在専門の学者の方々での研究会による作業が既に始まっておるわけであります。我が国の独占禁止法における刑罰というのは、自然人と企業とが量刑の水準が全く同じになっておる。これは先般の法制審議会におきましても、今後企業の違反行為に対する刑罰措置を一体どうするのかという基本問題がございまして、独占禁止法につきましても、学者の先生方の御意見の中では、もう少しこの点について時間をかけて抜本的な見直しをやった方がいいということでございます。しかし、我々はこの作業をいたずらに先送りする気持ちは毛頭ございませんで、遅くとも秋ごろまでには御結論をいただき、関係当局とも連絡を密にしながら、これが立法化していただけるように早急に作業を進めていきたいと考えておるわけでございます。 最後に、告発の問題でございますけれども、五十二年、課徴金の制度が導入されました時点におきまして、むしろ独占禁止法の抑止措置としては刑罰よりも課徴金を優先して行うということで従来我が国の独占禁止行政は進んでまいったわけでございます。そのためにこの十数年間告発が一件もないということは御指摘のとおりでございますけれども、課徴金制度が今や定着した段階におきまして今後これを機動的に発動する、そのためにはあたかも脱税事件による告発事件と同じでございまして、やはりこれは随時機動的に、効率的にこの刑罰権を発動するためには、検察当局と行政庁である公正取引委員会との間で緊密な連絡体制をつくる必要がある。これを今年早々準備を完了したわけでございます。今後はこの実施の状況について私どもは前向きで努力していかなければならない。そのことについての我々の努力のほどというものを今しばらくぜひ御注視願いたいと思います。
○小岩井委員 時間がオーバーいたしましたから、答弁不満足ですけれども、これでやめます。
○奥田委員長 森本晃司君。
○森本委員 まず、通産大臣、昨年の暮れに御就任になりまして、その後湾岸戦争が勃発し、さらにまた今美浜原発の事故が発生した。大臣、御就任早々日本のエネルギー問題に関して大変御心労をいただいており、また、非常に大切なときに入ったかと思います。各閣僚の中でも今度の通産大臣、先ほど甘利さんから国際性があるとおっしゃいましたが、それ以上に極めてどの大臣よりもエネルギッシュな大臣ではないかな。見るからにエネルギーがあふれているようでございますけれども、どうぞその通産大臣、そのエネルギーを十分発揮されましてこのエネルギー問題に取り組んでくださることを、また和平問題に取り組んでくださることをまず期待申し上げる次第でございます。 まずお伺いしたいわけでございますが、私たちはこの地球上から戦争を永遠になくさなければならない。これはだれもの悲願であります。しかしながら、デタントの方向に向かっているさなか、八月二日イラクがクウェートに侵入し、さらにまた本年一月十七日の多国籍軍の武力行使を得て今日に至っていることは極めて残念であり、心を痛めているところであり、一日も早い停戦を望んでいるところであります。しかし、先ほど来いろいろと議論もされておりますが、この戦争は何といっても国連加盟国であるイラクがそのまた加盟国であるクウェートに武力で侵略した、不法な行為を行った、これはいかなる理由をもっても正当性を持つことのできない行為であると私たちは思っているところでございます。その行為に対して国連決議が行われた、そして多国籍軍が出動し今日の状況に至っているところ、こういった点から考えると、これは両成敗ではなくして、まずイラクがクウェートから撤退することからすべてが始まるものであると私は認識しておるところでございます。 また、そういった国連決議に基づいて我が国のなさなければならないことが多々ある。しかし、平和憲法の原理原則に基づいて、あるいはまた私たちは軍事的行動はとることはできない、そういった観点から考えてみますと、何らかのそういった平和原則にのっとり、そして軍事的行動をとらないという意味での何かの貢献をしていかなければならないと私たちは思うところであります。我が国の石油は七〇%を中東地域から輸入している、そして今日の経済大国と言われる状況に入っている、しかも資源小国である我が国がこの中東地域の紛争を無視しあるいは平和回復への貢献することなくして我が国の今後もあり得ない。しかるに、こういう状況の中で日本のみが一国平和主義に陥ってしまうこと、このことは国際社会から孤立して日本の経済、社会生活に大きな影響を及ぼしてくると思います。そういった意味から、九十億ドルについては我が党も賛成の意向を示した次第でございます。 ちょうどその議論をしている真っ最中に、イラクからの停戦かというのが飛び込んでまいりましたけれども、それは一瞬のぬか喜び的ではあったかもわかりませんけれども、数多くの条件がつけられていた。しかし、これは今すぐに戦火がおさまるとは思いませんけれども、何らかの和平へのサインが出たと思っております。こういった問題について、今後も私たちは真剣に日本の国として取り組んでいかなければならない。いわんやまして、経済、産業のかなめである通産大臣が、またきょうゴルバチョフとアジズ外相との会談が行われているようでございますけれども、この現状をどう見ておられるか、お伺いしたいと思います。
○中尾国務大臣 ただいま森本委員から大変含蓄のある、しかもなおかつ私にとりましては激励と受けとめさせていただきたい言葉を述べていただきまして、本当に感謝にたえない次第でございます。ただこの冒頭、私の就任以来いち早くこのクウェート侵略問題が起こりまして、さらに原発の問題が起こりまして、またさらにはいろいろの諸事万般の問題がある中で、本当に一つ一つを片づけていくということがいかに多岐にわたって大変なものかということが私自身も身にしみてわかっているわけでございますが、なかんずく今回のこのイラクの問題は戦争に、紛争といいましょうか、あの地域における激烈なる武力行使ということにつながってしまったわけですから、これはもう私どもの考えている以上に悲劇的な形が生まれてきたということで、深刻に、真剣に毎日受けとめておる次第でございます。 しかし、先ほど森本委員が御指摘をされましたように、これはまさに世界の平和と秩序を守っていくというその観点に立ちましては、この以外に方法はなかった。何回となく安保理事会においても勧告もし、イラクの方にも申し上げ続けてきたわけでございますが、少なくとも二十八カ国の多国籍軍が一様にして一つの結論を出していったということは、これは武力行使以外にある意味においてクウェートから引き下がっていただく道がない、ここに結論したからでございましょうのその結論としては私どもも賛意は示しながらも、私どもには憲法の制約があることもただいま御指摘のいただいたとおりでございます。これは厳守しなければなりません。したがいまして、私どもといたしましてもでき得る限りの貢献をする気持ちは持ちながらも、そこに制約がある。そこに私どもの後方支援と申しましょうか、少なくとも戦争に参画をしない形における貢献とは何物であるのか、どういう形で貢献できるのか、ここに深く深謀遠慮しながら、なおかつ、どの形において世界的に孤立しない形で生き得るのかという、ここに課題があるわけでございまして、先ほど来森本委員の一言一言、かみしめながら聞いておりましたが、全くその意を体する意味においては同感の至りでございます。 同感の至りではございますが、さはさりながら、私どもがちょうどこの九十億ドルという形を出しておったときにイラクの、ある意味における譲歩的と一番先とられた報道が流されたわけでございます。ちょうど私はあのときに閣議がございまして、閣議でその支援体制が決まった後、恒例の記者会見をやって、記者会見をやっているさなかにあの情報が入りましたものですから、何かぼやけたような感じの記者会見にはなったのでございます。しかし、その後引き続いて入ってきました情報を聞いておりますると、どんどん、どんどん内容が変化をいたしました。数種にわたる、今までは三つか四つの条件でございましたのが、さらにそれに三つ、四つつけ足されたような、例えて言うならば、イスラエルはレバノンから撤退しろとか、シリアの問題はさることながら、このことはもう前から世界的に言われてきたことでございますし、国連の安保理事会の中でもいろいろと話をし続けられてきたことでございますだけに、またそれを盛り返してくるのかという印象をあえなくしたのでございますが、さらにかてて加えて、今までのイラクに与えた損害賠償はすべて払えとか、言うなれば攻撃をする材料であったスカッドミサイル、それが撃ち落とされなければイスラエル、サウジの国民は大勢が死傷していくそのパトリオットミサイルを直ちに撤退しろと、こういう条件をつけるに至っては、これはもういささか論外ではないのかという考え方に立たざるを得ない状況に立ち至ったわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、あらゆる形における貢献は、ただいま森本委員が御指摘のとおりさしていただく、ただし憲法は遵守する、この点においては私どもは覚悟は腹構えとして持っておるつもりでございますことをここにお伝え申し上げまして、私の決意のほどの一端も述べたいと思います。
○森本委員 一日も早い停戦を私たちは望んでおるわけでございます。先ほどサインが出たと言っておりますが、そのための外交努力を全力でやっていただきたいと思うと同時に、この問題が停戦に向かったとき、まだこのことを提案するのは早いかもわかりませんけれども、この中東という地域、またさらに恒久平和を築いていくということから極めて大事でございます。停戦に至った段階、また中東湾岸地域の復興と民生の安定のために、私は中東平和復興基金、まあ仮称でございますけれども、こういったのを設立してはいかがということを、これは総理に尋ねることかもわかりませんけれども、この委員会、また経済復興に一番関係のある通産大臣でございますので、大臣にその点を御提案申し上げたいと思うのです。 同時に、この政治的安定と恒久平和秩序促進のために、経済問題の解決に取り組むことが不可欠でございますし、我が国がそういった基金を設けて、そしてその中心的役割を果たして、関係諸国にもそのことを呼びかけていく、その役割を通産大臣にまず国内で果たしていただいてはどうかという点と、さらにまたこの早期終結に努力いたしまして、九十億ドルについては、もし残余が出た場合に、その出た残余の分をこの復興基金の原資の一部に充てるということを考えてはどうかと御提案申し上げたいわけでございますが、通産大臣の考え方をお伺いしたい。
○中尾国務大臣 森本委員が先ほど御指摘になりましたように、確かに日本の国は今や世界で孤立して生きるわけにはいきません。そういう意味においては、資源小国という言葉を使っていただきました。まさに小さな資源小国でございます。そういう意味においては、私どもの戦後四十数年を振り返ってみましても、外国から資源を輸入し、再加工し、それをまた自由主義圏の市場においてさばいていただく。これによって大きく日本の国の繁栄を堅持してきたことは間違いございませんし、同時にまた私どもも、そういう中にあの灰じんに化した日本の国をここまで築き上げてきたという道のりも決して忘れてはならぬことだと思います。それだけに孤立することはできない。そして、国際社会において、どういう形において自由主義経済を守るかというところに徹しなければなりません。 そういう意味で、先ほど委員が御指摘いただきましたような、湾岸の問題というものを前後における処理、特に後の処理までも含めて考えろよというお言葉は、これは大変に大事な言葉であって、私どもはその使命に燃えていなければならぬ、私は不退転の決意でこれは考えておりまして、戦争が始まったときにも既に戦後のことをどのように考えていくのかということに大きく役割を果たすのも日本の道のりである、こういうようにも私の腹構えでも考えておった次第でございます。 イラクにおける撤退声明が出されましたから、先ほど申し上げましたように、多くの条件が付加されたということにいささか残念な気持ちではございますが、先ほど委員申されましたように、アジズ外相がきょうモスクワに行っておる。そしてまた、ゴルバチョフにも会っておる。これはやはり今までとはちょっと次元が多少動いたという次元であることも喜ばしいことかもしれません。これをどのようにさらにエンカレッジし、さらにこれを勇気づけ、さらにまたそれをずっとエスカレートしていって和平につなげるかということも委員と全く同一で考えていきたいと思っておるのでございます。 そこでもとより、イラクのクウェートからの無条件撤退が実現して、そして湾岸戦争が終結した暁には、できるならば安全保障、軍備管理並びに軍縮、そういう点に向けての国際貢献に加えまして、さらにイラク、クウェートを含む当該地域の戦後復興と長期的な安定の道のりのために、適切な協力を行っていくことが必要であると考えるものでございます。ただ、現段階において戦争終結後の問題について具体的な議論を行うのは、まだ時期尚早であるかなという感じも私なりにもしておりますので、不透明な部分が多いだけに断定的なことを言うことはできませんが、その感を免れることができ得ないことが残念でございます。 また、そういう意味におきましては、湾岸の平和復興のためにあらゆる力を入れていくことが、むしろ今まで戦争参加の許され得ない日本の大きな、どちらかといえばクウェートから見れば隣国に近い日本の立場としては、当然私どもの果たすべき役割であるという点においては、委員と全く同義語で物事を考えていきたいものだと考えておる次第でございます。
○森本委員 激動の中で、しかも今動きが微妙なときだけに、復興のことについてはなかなか大臣も、提案した平和復興基金については御答弁しにくかろう、その点については私もわかります。どうぞ、これも一つの提案としてきょうの委員会で述べさせていただいたことを通産大臣よくまた肝に銘じていただきまして、いずれ終わるときがやってくると確信しておりますので、そのときはどうぞそういった考え方に立っていただくようにお願いするところでございます。 ところで、先ほど来石油精製の石油製品の問題で議論がございまして、灯油等々は値段が下がっているので心配がないというお話もございました。現実は国内において幸いにもそのようになっておりますが、きのうの新聞を見ますと、この湾岸戦争によって「イラクとクウェート 石油精製施設の九割壊滅」という大きな見出しで載っておりました。「供給、完全にマヒ 灯油など価格に影響、長期化」、この九割崩壊、これは石油業界筋がキャッチしたということでございますが、この九割崩壊の状況をエネ庁はどのように見ておられるのか。また、もしそういうことであれば、どういう影響を及ぼすのか。先ほど灯油の価格がそれほど変わっていないとおっしゃったのは、二割程度を製品のまま海外から高値で買い付けているけれども、湾岸危機で一たん高騰した原油がその後急落して輸入価格の上昇分を帳消しにしている、こういうところからここ三カ月連続で石油製品価格の値下げを実施しているということになっているかと思いますが、まず、こういう「九割壊滅」という見出しが出ましたが、この辺の情勢をエネ庁としてはつかんでおられるのか、今後価格にどう影響するのかということについてお伺いしたいと思います。
○黒田政府委員 まず、最後のイラクの石油精製施設の問題でございますけれども、石油関係の世界的に有名な業界誌と申しますか、PIWというウイークリーの業界誌があるわけでございます。それからミーズという中東関係、石油関係のこれも業界誌でございますけれども、これによりますと、イラクの場合には七、八割が壊滅と申しますか、あるいはコントロールセンター等がやられて機能を失ったと申しますか、いろいろな形での報道があることは事実でございます。また、クウェートの製油所につきましても、既に補修部品等をイラク側に持っていっているとか、あるいは壊滅しているとか、いろいろな報道があることは事実でございますけれども、私ども、この報道以上には現在のところまだ確認はいたしておりません。 それで、仮にそういう事実があった場合の影響ということでございますけれども、まず、クウェートの製油所につきましては、現在のところは、八月以来既に操業を停止しているわけでございまして、これにイラクの製油所がまた加わった場合にどうなるかということでございます。 〔委員長退席、額賀委員長代理着席〕 短期的には、そもそもクウェートからかなりの石油製品を我が国は輸入をいたしておりましたけれども、その後国内生産は切りかえる等により大過なく過ぎているのが現状でございます。また、イラクの製油所につきましてはそもそもほとんど輸出が行われていない、少量であったようでございます。特に我が国の場合には、イラクからの石油製品の輸入というものはこれまでございませんでした。そういうことで、直ちに短期的にそれが影響が出てくることはないのではないかというふうに思っております。 それから、この石油製品、世界的なこの精製所の不足の中で、昨年の秋、非常に石油製品の価格が国際石油製品市場におきまして高騰いたしたわけでございますが、その後かなり落ちつきまして、またこの一月の半ばごろから、つまり恐らく軍事事情等を背景といたしまして逼迫ぎみになってきた。しかしそれが昨年の秋ごろですと灯油とか軽油というのはバレル当たり七十ドルぐらいまでいったわけでございますが、最近の動きはバレル当たり四十五ドル前後、こういう動きになっております。仮に今後長期的に、何らかの形で戦争が終わった場合にはそういう需要というものもかなり減ってくると思われるわけでございますし、それから今申し上げましたようなイラクあるいはクウェートの製油所の状況というのもはっきりしてくるのではないかと思います。 いずれにいたしましても、これもまたデータが非常になくて不明確なんでございますけれども、イラクの製油所の能力というのはいろいろなデータがございます。先ほど申し上げましたミーズという情報では六十八万バレル・パー・デーの能力と言われておりますし、クウェートの方もいろいろなデータがございますが七十五万から八十万バレル・パー・デーぐらいではないかと思われます。そういう中でどの部分が世界の精製能力から短期的に抜けていくかということでございますけれども、全体といたしましては自由世界全体で五千五百万バレル・パー・デーぐらいの精製能力があるわけでございまして、この両国の精製能力、イラク、クウェートの精製能力というのは先ほどのような数字を前提にいたしますと世界全体としては二%ないし三%ぐらいになるのではなかろうか、こういうふうに思います。そういうことで、しかしながら長期的には世界の需要も伸びていくわけでございまして、そういう中でやはり世界的な精製能力の不足にとって長期的にはマイナスの要因になっていくのではないか、こういうふうに思います。
○森本委員 次に、今月は省エネ月間でもあるわけでござしまして、そういった中でこの石油の問題がどうなっていくかという不透明感がある。さらにまた、美浜の原発事故で今後のエネルギー政策に影響があるということを考えるわけです。そういった意味からもっともっと私たちは省エネ対策をやっていかなければならない。通産省の方も先般、一月十八日に省エネ徹底を三千業界団体へ通達を出されたというわけでございますけれども、省エネに対する感覚が国民の中にまだまだ定着していないように私は思うのであります。石油が一時この戦争で足りなくなるのではないだろうかという不安が国民の中にあったけれども、結局石油価格もそのままうまくおさまっているという状況から、石油は大丈夫なんだということでまた省エネに対する感覚が極めて弱まっているというふうに実感してならないわけです。日本のこのエネルギー問題、大事な問題でございますから、特に今月の省エネ月間を迎えておりますが、通産省としてどういう対策を講じておられるのかお伺いしたいと思います。
○緒方政府委員 先生から御指摘いただきましたように、省エネルギーと申しますのはこれからの我が国のエネルギー政策を進めていく上でやはり一番大事な基礎となるべき事項であろうというふうに考えているところでございます。そこで、イラクのクウェート侵攻以来、昨年の八月及び十月に既に関係省庁の次官クラスで構成しております政府の省エネルギー・省資源対策推進会議で省エネルギーの問題申し合わせをし、国民各層、産業界への周知徹底をいたしております。内容は、冷暖房温度の調整、夏の場合冷房温度二十八度以上、冬になりまして暖房温度を二十度以下にするようにということを申し合わせ、お願いをしているのを中核にして周知徹底を図っているわけでございます。 今回、一月十七日の戦争の開始に伴いまして、御指摘がありましたように十八日に総合エネルギー対策推進閣僚会議を開きまして、ここで当面は十月に決定した省エネルギー対策の徹底等これまでの省エネルギー対策の着実な実施を図るとともに、必要に応じ一層の省エネルギー対策について検討する、そういう方針が了承されたわけでございます。これを受けまして、御指摘がありましたように各省庁にお願いをし、合計で約三千の団体に省エネルギーについての一層の徹底の呼びかけを行ったわけでございます。また同時に、各省庁が実施をしておりますいろいろな広報活動の中にこの省エネルギーの問題を大々的に取り組むように申し合わせをしたところでございます。現在二月が省エネルギー月間ということで重点的な運動をやっているわけでございますが、これの実施状況についてアンケート方式でいろいろな調査を進めております。呼びかけはしたけれども、実施がどれだけ行われたのかということのフォローアップでございますが、既に各地方公共団体における実施状況についてはアンケート結果がまとまりまして先般発表させていただいておりますが、おおむね御協力をいただき、相当の成果を上げているというような結果でございます。他の点についてもおいおい調査結果をまとめていきたいと考えております。 なお、例えばこの国会におきましても議事堂のライトアップをされておられましたけれども、これを契機に今回ライトアップの全面的な中止という形で省エネルギーに御協力をいただいているところでございます。私ども、今後とも省エネルギー対策の着実な実施を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 やはり省エネというのは目に見えた形であらわれてこないとなかなかその気にはなってこないと思うのですね。国民にはわからないと思うのです。 省庁への暖房、今通産省と科学技術庁は省エネの関係で二十度にされているというふうには伺っているわけですけれども、先ほど来私、この部屋も一体何度だろうかと思ってそこを見たら、これは湿度であってなかなか温度ははっきりしない。ここもじっとしておられる方にとっては大変かもわかりませんけれども、ここ一つとっても暑過ぎるぐらいな感じもする。むしろちょっとぐらい寒いなという感じで、ああそうだ、今省エネ月間でこうなっているんだということがわかっていく。 それから大臣も、いろいろ御事情があって大変恐縮でございますけれども、予算委員会等々終わると閣僚の車がだあっとあそこに並んでいる、そして議員会館まで、歩いても知れているのにだあっと皆さん車で行かれる。これは警備上の問題もあるかもわからないけれども、私は一日ぐらい、きょうは省エネ月間で省エネ日だ、全閣僚が歩いて議員会館へ行こう、それぐらいの姿が、まず隗より始めよというところでそういう姿があってなればこそ国民はわかってくる。そして、議事堂のライトアップを消したけれども、ここのところはもう夜になるともともと余り通ってないところですから、もっと見えるところ、例えばこれは営業活動もあるかもわからないけれども、営業活動ですから余り規制をすることはできませんが、東京タワーが何で七時ぐらいに消えてしまったんだろうか、ああそうだ省エネだ、そういった形での見えるもの。テレビは夜中まで湾岸戦争のニュースの関係で延びているかもわからないけれども、一晩ずっとやっている。これではなかなか国民の皆さんに省エネということはわかってこないのではないかと私は思うのです。 そこで、そういった状況を加味しながらやっていきますが、最近、ガソリンスタンドの二十四時間営業が逆にふえてきているのではないですか。私の知っている町でガソリンスタンドが十六軒あります。去年からその十六軒のうち五軒が二十四時間営業に変えてしまった。それは何でですかと言って聞きますと、そこの店主さんは非常に困っておるのです。二十四時間営業にしたのは決して好んでやっているわけではありません。エネルギーがむだだという点、さらにまた夜ガソリンを入れに来るのはほとんど若い人たちでありまして、青少年の育成の上から、さらに経営上から考えると、人手不足のときに二十四時間やらなきゃならないということはもう大変なことですというお話が出てきました。よくよく聞いてみると、元売会社が営業成績を上げるために盛んに二十四時間営業を推進している。これは商売のことですからそういうことがいろいろあるかもわかりませんけれども、例えば、人を二十四時間体制にすると求人募集に金がかかる、募集のために金がかかる。募集の案内を出した、三十万円かかった、それじゃ、うちが十五万円出してあげるからとか、あるいは、そういうことに協力するならば、年間五十万円を半年間あなたのところにいろいろな補助の形で出そう、ありとあらゆる形でガソリンスタンドが二十四時間営業をせざるを得ないような状況に入っていると私は聞いているわけでございますけれども、私は、このガソリンという問題、石油という問題を考えたときに、こういった点からも、事業との関係はありますけれども、そこを何とか指導していく必要があるのではないかと思いますが、ガソリンスタンドの最近の営業時間、去年、おととしと比べてふえているかどうかというデータはあるのでしょうか、あれば示していただきたい。なければまた後日調べていただいて結構です。
○黒田政府委員 ただいま長官からお答えいたしました昨年十月の末の「当面の省エネルギー対策について」の中で、深夜営業等について再検討を呼びかけるというような趣旨のことが決まっているわけでございます。それを踏まえまして私どもといたしましては、全国のガソリンスタンド業者で組織されております全国石油商業組合連合会及び各元売会社に対しまして、二十四時間営業の自粛を検討してみたらどうかというのを呼びかけたところでございます。これを受けまして全国石油商業組合連合会におきましては、省エネルギーの観点に加えまして、最近の人手不足対策といったような視点も交えまして、傘下の組合員に二十四時間営業の自粛等を呼びかけているというふうに報告を受けているところでございます。 それで、先生御指摘のように、営業時間の問題につきましては、一方で消費者、需要家の利便といったようなこともあるわけでございます。省エネルギーの問題もあるわけでございます。それから、先生今御指摘いただきましたように、設備投資の回収と申しますか、事業の円滑な活動といったような面もあればいろいろな面があるわけでございまして、私どもが強権的に介入するというのは慎重な配慮が必要であるというふうに考えておりますけれども、他方で、今申し上げましたような省エネルギーあるいは石油販売業界の人手不足対応といったような課題の重要性をも踏まえまして、元売会社を含む関係者の理解の増進に努めてまいりたいと考えているところでございます。 なお、最後にデータの問題でございますが、若干手元にございますのは、平成元年度でガソリンスタンドの営業時間を調査したものがございますが、これによりますと、一番多いのが九時間から十二時間で五二%、それからその次が十三時間から十六時間くらいということで三九・四%、今先生がおっしゃいましたような二十四時間を含みます十七時間以上、十七時間から二十四時間というのが四・二%というデータがございます。これはちょっと時系列的につながるのかどうかについては後ほど検証してみたいと考えております。
○森本委員 利用者の利便ということもあるとおっしゃいましたけれども、利用者がちょっと不自由だなと感じるぐらいにならないと省エネは実現できないと私は思うのです。それから、二十四時間は今四・二、これは平成元年度でございますけれども、恐らくこういった元売業者がいろいろと 推進をしていったのは昨年ぐらいからと聞いておりますが、もう一度新たなデータをとっていただいて、またよく通達をしていただきたい、指導をしていただきたい、このように思うところであります。 次に、美浜原発の問題について質問をさせていただきたいと思います。 二月九日、美浜原子力発電所二号機で放射能を浴びた一次冷却水が二次冷却水に漏れて、我が国で初めてECCSが作動した、このことは極めて憂慮にたえない問題であります。ECCSが作動したので大事故にはならなかった。同時に、放射能汚染が微量であったということが不幸中の幸いでありますけれども、この問題を我々は看過するわけにはいかない。また、その後の調査の結果、けさからも議論されておりますが、細管が輪切りになって二つに分裂する、いわゆるギロチン破断が起こっていたということが確認された。この細管の破断も国内では初めてであり、アメリカのノースアナ原発一号機に次ぐ世界で二番目の事故となっているという状況であります。これは極めて重大なことでございまして、資源エネ庁は、これは相当深刻に受けとめておる、私はそう思うわけでございますけれども、どうも先ほどからの答弁、いろいろと後でまたお尋ねいたしますが、何か一生懸命カバーしているだけで、本当に深刻に受けとめてこの問題を、再び事故を起こさないようにしようという構えであるかというのは、確かに今調査の段階でいろいろと言えないところもあるかもわからないけれども、私は、見られてならないような気がいたします。これから我が国は、原発というものがなくなってしまえば大変な状況でありますし、今も二六%ほど依存しておりますし、原子力発電というのがなしで電力あるいはエネルギーの需要供給が賄えるかというと、そうではない。そういう状況であるだけに今回のように信頼性をなくした事故が、不安を与える事故が起きたということは、信頼性の回復のために全力を注いでいかなければならない。 二月十一日、我が党の視察団が美浜原発へ行きまして、そして十二日に私と科技特の部会長とともに通産大臣の方に我が党の申し入れをさせていただいたところでございますが、この重大な、厳しい事故について通産大臣はどのように考えておられるのか。
○中尾国務大臣 森本委員にお答えさせていただきます。 この問題が起こりましたときに、私もエネルギー庁長官もともども、いち早くエネルギー庁の幹部各位を集めまして、そして強くこの任に当たれ、当たるというよりは、究明調査というものはもう一刻も早くするべきである、こういう認識の中で解明もさせていただきましたが、それと相前後して公明党さんにおきましても大変な鋭意努力、しかも二回にわたって行って、そして現地調査のみならず、御報告も丁寧に私も承りました。この問題でもう直ちに私はエネルギー庁の方にも申し伝えましたし、同時に、通産省全体を挙げて深刻に受けとめるべき問題であるということの訓話もしたつもりでございます。 と申しますのは、これまた原因究明がそのまま速報されておりませんので、私としてこのようにいたします、あのような形でございますからこのように対応しますということの具体的な、コンクリートな問題としてすぐに答えることができません。このことがまことに残念でございますが、いずれにしても、今まであり得なかったことができたという、この出来事における真実性は事実でございますから、この点において深刻に受けとめることはごく当たり前でございます。現在、このような作動する、このエネルギーに頼っているのが二六%とただいま先生おっしゃいました。委員の御指摘のとおりであるならば、ますますこれに、ある意味における国民の期待感、同時に安定感、それからある意味における国民自体の信頼感というものをかち得ずしてこれが遂行できるなんということはできるわけはございません。したがいまして、あくまでも信頼を基礎にするということを条件にするならば、私どもはこれに向かって鋭意探求、究明、そしてまた、それに対して断固たる行動をとっていかなければならぬという考え方に立ったものでございますから、これはひとつ次の機会を得てまた御答弁もさせていただくこともあろうかと思いますけれども、現時点の中におきましては、この間委員から直接に私も御指摘をいただきましたことはそのままエネルギー庁並びに通産省全体にわたっても行き渡らせしめておるということだけは、かたく申し上げておきたいと思う次第でございます。
○森本委員 通産大臣においては、早速その問題に取り組んでいただいているということでございます。申し入れのときにも記載させていただいたわけでございますが、我が国内で十七基のPWRが稼働しているわけでございますが、この際、この十七基の同型機、一層の点検強化が必要ではないかと思うわけです。本来は、こういうことになったんだから一斉に全部とめて一挙に点検をせよと言いたいところでありますけれども、そんなことをやってしまいますと、関西方面の電力はもうほとんどストップしてしまいまして我が家も真っ暗になりかねないという状況でございますから、一斉点検は望むところでありますけれども、そういった需要供給のバランスを考えるとそうはいかない。したがって、同型機の順次点検を早急に進めていく必要があるのではないだろうか。また、現在点検中のものがありますが、それはさらに、この状況を見て点検を強化する必要がある。さらにまた、点検が十三カ月に一回というふうに聞いておりますけれども、まだその点検期日に来ていないものも、需要と供給のバランスを考えながら漸次繰り上げて点検する必要があるのではないかというふうに思います。また、この美浜原発二号機の場合には、昨年の七月に点検をしてわずか七カ月で事故になっておりますが、この二号機を含む同型機について検査記録の再確認をする必要があるのではないだろうか。データは全部残っておりますから、もう一度同型機も含めて全部再確認をしてもらいたいというふうに申し上げるところでございますが、答弁をお願いします。
○緒方政府委員 初めに、大臣からもお答えをいたしましたけれども、私ども事務当局といたしましても、今回の美浜二号機の破断事故と申しますもの、これはもう日本で初めての経験でございますので、徹底した原因究明をすべき重大な事象であるという認識で、その原因の究明とそれに基づきます的確な対応策の確立というものに真剣に取り組んでいるところでございます。 会社側に対しましても、御案内のとおり二月十三日に当該関西電力の社長が私のもとに報告に参りましたので、私の方からも、原子力発電の開発利用に当たって安全の確保というのが大前提であって、今回の事象に伴って国民の間に不安を与えたということは大変遺憾なことであるということを強く申し上げ、したがって、当該企業として安全確保に全力を挙げ、徹底した原因究明と、運転中、稼働中の発電所について運転監視の強化等、入念にするようにということを指示したところでございます。 その後、午前中も御答弁がありましたように、この原因の究明については、私どもが担当するだけではなくて、技術的な知見を補っていただくために顧問会の中に調査特別委員会を設置をして、専門家の方々約二十名程度、十数名から二十名程度と考えておりますが、専門家の方にお集まりいただいて技術的なアドバイスをいただく態勢をつくり、第一回の会合も早急に開催するように目下準備をしているところでございます。 また、他の電力会社に対しましても、これは明日になりますが二月十九日、同じ加圧水型の原子炉PWRを持っております関係会社の原子力担当の副社長を招集することにしておりまして、これに技術的な点で蒸気発生器細管損傷時の対応策の周知徹底を図るとともに、暫定的な措置としてどうすべきかということについて指示をする予定にしてございます。 それから、定期検査でございますが、現在鋭意進めております原因究明が進みましたところで、この定期検査のあり方等も含めてその改善方策について検討するわけでございますけれども、今申し上げましたように現在PWRは十基、試運転も含めて稼働をしているわけでございます。御指摘のように一斉に点検するというのは、なかなか、いろいろの問題がございますので、当面これらについては、明日担当副社長を集めましたときに、蒸気発生器細管損傷時の対応策の周知徹底を図るとともに、暫定的な措置としては、二次冷却水の水質等のパラメーターに有意な変化が認められた場合には原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずるということを指示することにしております。 それから、なお運転中の原子力発電プラントにつきましては、御指摘がありましたように過去の定期検査時のECT、渦電流探傷試験による検査記録を再点検をする、それから、今申し上げた二次冷却水の水質等のパラメーターの監視をする、それから、非常用炉心冷却装置関係の機器の点検の強化、これらについての過去の点検記録の確認をする、それから、今回ふぐあいが発見された加圧器の逃し弁作動関係機器の点検についても強化をし、また、稼働中のものについては過去の点検記録の確認をするという方針を確立をしております。また、現在定期検査をしている最中のプラントもございますので、これらについては渦電流探傷試験検査をさらに入念に実施をすること、それからさらに、過去の定期検査時でのこの検査の記録を再点検をし、今回のものとよく照合して判断をすること、それから、ECCS、蒸気圧力逃し弁の点検等をやること、それから、異物の管理をさらに徹底をさせること等の措置を講ずることにしているところでございます。 〔額賀委員長代理退席、委員長着席〕
○森本委員 アメリカのノースアナの原発事故、それを当初は、もうこんなことはめったにあり得ないという考え方でエネ庁がおったのではないかな、あの事故に真剣に、これはどういった原因で起きてきたのかということに取り組むべきであったのではないかなというふうに考えるわけであります。ノースアナの事故以降三年半起こらなかったので、あれを特異な例と見ていたことはなかったのか。この点について、私はもう一度、ノースアナあるいは今回起きたものを教訓にして、徹底的分析をやらなければならないというふうに思います。 ノースアナは、一九七八年六月六日に運開されて、一九八七年七月十五日に事故が起きました。九年間であります。私の調べましたところによりますと、連続運転時間が五万時間。美浜二号は、一九七二年七月二十五日から九一年二月九日まで十九年間、そして連続運転時間は十万時間に及んでいます。十万時間ですから、ノースアナの倍の連続運転時間が行われている。私はこれは、何ぼ元気な人でも使い過ぎるとどこかで体がおかしくなるように、この原因は、これからいろいろと調べられると思いますけれども、やはり一つは経年変化というものがあったのではないだろうか、当然金属疲労もあったのではないだろうか。こういったことに対する検査方法、並びにこういったことが考えられる分野につきましては、私は、大変粗っぽい言い方ではありますけれども、蒸気発生器を安全の上からも、何年連続運転時間がたてばあるいは取りかえる、自動車の部品みたいなわけにはなかなかいかないかもわからないけれども、それぐらいの発想があった方が国民の皆さんの信頼をかち取っていくのではないだろうか。先ほど施栓率は余り関係ないかのようなお話がございましたけれども、美浜一号は一八・四、今回の事故を起こした美浜は六・三、高浜二号一五・五、大飯一号一四・四、玄海一号一〇・五。極端に申し上げますと、六・三を上回る施栓率のところには何かがあるというぐらいに動脈硬化が起き始めているのではないだろうか。一度CTを撮って全部検査する、それぐらいの心構えが必要ではないか。今経済効率の上から考えても、とめてそして一本一本管を見ているよりも、ひょっとするとすぽんと発生器を取りかえた方が経済効率の上からもいいのじゃないだろうか、そして信頼をかち取ることができるのではないだろうか。もう一回、その経年変化という角度、それから何年たっているかという角度からもそういったものを点検する必要があると思いますが、どうですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のノースアナの事象でございますが、当時資源エネルギー庁におきましても検討はしたわけでございます。デンティングに伴います高サイクル疲労が原因という評価でございまして、我が国は水処理を徹底してやっておるということでデンティングの可能性が低いということで当時判断していたわけでございますが、今お話がございましたように、円周破断という同じような事象であります。そういうことで、ノースアナの件も含め今回の事象の原因究明におきましては、十分いろいろな前例も勉強いたしまして、それから先生御指摘のありましたような検査のあり方、これらも含めて多方面に検討していきたいというふうに考えております。
○森本委員 次に、一時間前に予兆があったという報告でございますが、その段階で停止することはできなかったのか。私が手に入れた資料によりますと、二月九日十二時四十分ごろにそのR19の指示値が若干の上昇を示しているのを発見したということであります。それで、その後そこでサンプリングを十三時に実施した。そのときのプロセスモニター記録というのを私も手に入れてまいりましたけれども、このずっと数値があるのが十二時ぐらいから、やはりこれは結果としてかもわかりませんけれども上がり始めております。この表を見ると、私、素人でありますけれども、あ、上がり始めているなというのは気がつきます。まずこの段階で、これは経済効率の問題もありましょうし、運転員の人が、ここでとめて何もなかったら後でまたおしかりを受けるということで迷うかもしれないけれども、まずこの点でとめることができないものなのかという点。 それからもう一つは、その次の段階でサンプリングをした。サンプリング分析の結果、これは十三時二十分でございますが、若干高目であったために再度サンプリングを実施することにした、これは水質検査の方法だと思いますけれども、若干高目であったからもう一度やっている間にどんときたわけです。再度サンプリングではなしに一度目のサンプリングで高目であったというこの十三時二十分の段階でとめることができなかったのか。その後十三時四十分に注意警報が鳴って十三時五十分にストップしているわけです。 私は、運転員の方はやはり安全には全力を挙げておられると思いますが、その辺でとめるというのは自分の判断でもしなければならない。これは運転員の人にとって、私はその教科書どおりの作業をされたと思っております。しかし、その教科書に、もっともっと早い時点でとめるということが書いてあったならば、今回はその時点でとまったかもしれない。話を聞きに行くと、いやいやそこでとめたからといって今回の破裂があったかなかったかわかりませんという話になりますけれども、それをやるべきではないかと私は思うのですけれども、どうですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今、先生御指摘のように、十二時四十分からブローダウン水モニターの指示値が若干上昇しているということで、通常値三十五CPMに対しまして数CPM上昇していたわけでございます。それで、その後サンプリングを行っていて、御承知のような経過になったわけでございますが、先ほど我々当面の対応方針ということで御説明申し上げましたが、明日PWR各社の副社長を集めまして指示する中で、暫定的な措置として、二次側冷却水の水質のパラメーター、これに有意な変化が認められた場合には原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずること、この文言は、今御指摘のようなこういう数CPMのインディケーションに対しても十分留意してこれをシグナルとして対応しなさいということを指示しているものでございます。そういうことで、今回のことを十分反映して今後の緊急の、暫定の措置でございますが、対応しているところでございます。
○森本委員 時間がなくなってまいりましたので、急いで、そして私の方からは警告ということで申し上げたいわけでございます。 先ほど来、連絡、報告体制の話が出ていたかと思いますが、私は今回、県には報告があったけれども、美浜町への報告が大変おくれたということ、これはせっかく原子力に一生懸命原子力発電の必要性を感じて協力をもしている町の人たちの信頼を裏切った行為になる。これはおくれた原因はいろいろありますけれども、新聞を見ていると、混乱していたのでおくれたとかと書いてあります。事故が起きたときは混乱するのが当たり前です。だから連絡をしようという形になっているのです。事故が起きて混乱しなかったらそれは事故にはならない。だけれども、どんな混乱状況にあろうともその県や町の人に連絡が真っ先に行くということ、この大原則が今回は忘れられていたのではないか。このことに関して私は、エネ庁のさっきちょっと答弁を聞いていると、余り熱心じゃないなというふうに言うたのはなぜかというと、そのことに関してエネ庁はまだカバーをしようとするこの姿勢が私は問題だと思う。 それから、先ほどの話の中で、見学者がその後引き続いて入った。先ほどの答弁は、大気中に何も出ていなかったので入れたと思いますということですが、そうじゃない、もうそういう事故が起きた段階、蒸気がざあっと出ている段階で、私は、もうすぐにでも見学者をそこでストップして、今原因を調べておりますところでございますが、こういう状況が発生いたしましたので今日の見学は打ちやめます。翌日には四百五十人来ている。四百五十人の人に、せっかく来たんやから見たいという気持ちはあるかもわかりませんけれども、そうじゃなしに、四百五十人の人に、きょう一日、もう一日待っていただけませんか、そしてその人たちを、そのときはしかられるかもわからぬけれども、帰すぐらいのそういった考え方があってならばこそ、そして何もなければ大気には何もなかったということを通知すればいいのです。何もなかったからいいというのじゃなしに、あったらどうするのですか、この問題は。 私は、今回の連絡通報体制、それからその当日も見学者を入れていた、翌日四百五十人入れていたということ、これは怠慢であり傲慢だと思う。おごりだと思う。そういった点について、エネルギー庁は今後事故のことも考えて、それは希有の状況あるいは要らぬ心配をしているかもわからないけれども、そういったところから、そういった姿勢から原子力に対する信頼回復がなされてくると思うのですが、どうですか。
○緒方政府委員 まず、地元の関係市町村等への連絡でございますが、原子力の利用に当たりまして地元の住民の方々の理解と信頼をかち取るようにする、これはもう何にも増して必要なことでありまして、地元への適切かつ迅速な連絡というものが必要であることは御指摘のとおりでございます。 こういう観点から、今回の美浜二号機の事象発生に際しまして、土曜日の午後であったとかいろいろな事情はあったのかとは思いますけれども、結果として地元自治体に対する連絡が一部おくれましたことは、こういう信頼関係を確保するという観点から大変好ましくないものであるというふうに考えておりまして、私ども、電気事業者が地元との間で結んでおります安全協定等に基づきまして、より適切かつ迅速な連絡がとれるように検討していくように指導してまいりたいと考えております。 先ほどの見学者の点につきましては、私、若干誤解を招く御説明をしたのかもしれませんけれども、結果として環境に影響がなかったので、何も説明をしないでそのまま現場にいた見学者を帰したのは配慮に欠けるのではないかということを申し上げたわけでございますけれども、こういう、何しろ初めての事象でございますので、こういう場合の措置についても今後適切な措置が講ぜられますように、よく検討してまいりたいと思います。
○森本委員 初めてのことではありますけれども、たびたびあったら困る問題でございまして、初めてあったときに万全を期せるように指導していかなければならない問題だと思います。 時間が参りました。最後に、原子力に関する世論調査では、九割の人が何らかの不安を抱いておるという総理府のデータがございます。しかし一方、原発は必要だという人が六割方ある。今後、ことしもまた暑い夏を迎えるわけでございますけれども、これは、原発は必要であるかと私も思います。それだけにもっともっと、広報活動のあり方や信頼をかち取るためにも、安全管理には今後さらなる注意を払っていかなければならないということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○奥田委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、時間もありませんので、二点に絞ってお尋ねをしますので、ひとつ簡潔な答弁をお願いしたいと思います。 まず、関電美浜原発二号機事故についてであります。まず大臣にお尋ねをします。 これは我が国原発史上最大級の事故だということは先ほどから指摘をされております。ところが、大臣の所信ではこの事故について「自動停止等に係る事象」と表現されております。先ほどから聞いておりますと、どうも通産省は全部事故と言わずに事象と言っているわけでありますけれども、これはもうこの種の事故に対する通産省の根本的な姿勢の反映ではなかろうか。できるだけ事故と見せまい、小さく見せたい、こういう気持ちの反映じゃないかと思うのです。私、さっき岩波書店の広辞苑を引いてみたら、事象とは単なる「ことがら。事実と現象。」というふうに述べられております。 大臣にお尋ねしたいのですが、通産省としてこの事故がそういう最大級の事故だという認識をお持ちなのかどうか、それだったら今後は事象と言うべきではないんじゃないか。それから、党としては、事故に対する徹底した原因究明と対策を確立すること、これを順次明らかになり次第公表していくこと、それまで二号機は絶対に動かさないというようなことをまずお願いをしたいと思いますが、大臣のお答えをお願いいたします。
○中尾国務大臣 私に対する御質問でございますから、率直に申し上げたいと思いますが、一つ一つの片言隻句をとらえて言うわけではございません。ただ、この間の私の所信表明をした段階では、調査中の段階で、まだ私のところには一言半句も向こうの調査の結果が来ておりませんでした。したがいまして、一般的に事故あるいはまた故障、トラブルというようなさまざまな言葉が用いられておるわけでございますが、これらの言葉そのものが、必ずしも明確なディフィニティブな言葉があるというわけではございません。ただ、その事象という表現はこれらの言葉を包括的に表現したものだということでございまして、この意味で、事象の一部として事故が当然含まれるということは間違いございませんので、そういう点では、これは改めて私のところにも報告が来て以降、そして、これはもう事故であるということが全く明解なときに、と思っておるその前段の段階の中で、原発事故の起こったその翌日でしたか、ここに商工委員会でやったということで、まずそのような言葉を使わせていただいたということでございます。問題点はもうこれだけ拡大したことでございますから、委員の方々から事故と言われ、我々がまた事故と答えてもこれはもう当然のことかと思いますけれども、そのような表現法の問題であったと、こうお考えいただきたいと思います。 ただ、シリアスな、非常に深刻な真剣な問題であるということは、先ほど来の応酬の中でも当然委員にも御理解賜ったのではないか。私もそのように強く通産省内部においては勧告をしており、またアドバイスもしていることだけは、これは論をまたないことでございます。そんな認識でおり ます。
○小沢(和)委員 対策に対する決意は。
○中尾国務大臣 この対策に対する決意そのものは、私どもはこれを深刻に受けとめまして、先ほど森本委員への答弁でも答えましたように、これは、もう既にこの活用している素地が二六%にもなるんだということから考えましたら、たとえ今暖冬の時期ではあるからまだそれほどの必要性がないというような感覚ではなく、ますますもって今からこれを必要とする、必須条件になってくるということから考えましたらば、これは、単なる一つの事件が起こって、そしてそれで、起こったということでもって、これをある意味において安定せしめたから終わりということじゃない。これは継続的に、絶対に不信感、不安定感を与えない形が我々の政治の使命でございますから、そのような方向においてこれは深刻に受けとめ、なおかつ、これをあらゆる形において生かしていく。同時に、この事故を決してむだにしない事故にして、そしてこれを生かしていき、なおかつ、安定と信頼性を取り戻していく作業に我々は作動していくということに全力を注ぐつもりでございます。
○小沢(和)委員 それでは、幾つか具体的な点をお尋ねをしたいと思います。 一つは、先ほど森本委員も触れられたんですが、十二時四十分ごろからこのモニターに異常があらわれたのではなくて、私どもの調査でも、十二時ごろから既に異常があらわれておったのではないか。それで、十二時四十分ごろに至って、これは相当に重大なトラブルが起こっているのではないかということで水の検査をやったわけですが、この水の検査というのは日常やることではなくて、定期検査のときぐらいしかやらない。だから、もうそれをやろうということ自体が、非常に重大な事態が起こっておるということの認識があったからではないのですか。だから私は、そういう意味で、もう予兆があったというふうにその職場の人たちも認識しておったと思いますし、あなた方も今それが予兆だったというふうに認識をしておるのではないかということをひとつお尋ねしたい。 そして、予兆が起こったならば、先ほどもちょっと問題になったかと思いますが、いわゆるあの東京電力福島第二原発の事故のときにも、予兆があったにもかかわらず何日間か運転をして非常に重大なことになったという教訓から、もう本当に予兆のごく初期の段階でこれはもうとめるべきだということが当時問題になり、東電などはマニュアルをそういうように書きかえたというように私は聞いておるのです。通産省がこの教訓をほかの会社にも全体として普及しておったら、今後はわずかな数値の変動でもとめるようになるといって改めて指導しなくても、今度もとめることができておったんじゃないですか。
○向政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘のとおり、当日、十二時四十分ごろでございますが、常時蒸気発生器、二次側の水の放射性物質をはかっております蒸気発生器のブローダウン水モニター、この指示値が若干上昇したということで、通常値三十五CPM程度でございますが、それが数CPM程度上昇したということでございます。それで、運転員はこの時点で、プラントの主要パラメーター、これは加圧器の圧力とか水位等でございますが、これには異常がなかった、しかし、二次系の水のサンプリングを行い、化学分析を実施したということでございます。 ということで、我々はこのプロセスをずっとレビューいたしましたが、このプロセスというのは適切なものと考えておりますが、ただし、先ほども申し上げましたが、やはりこういうような蒸気発生器細管損傷の事象が生じております。そういうことで、これからいろいろ原因究明はもちろんするわけでございますが、暫定的な措置として、今回この二次側の水質のパラメーターの変化、これをやはり有意な変化としてキャッチしまして、それで必要なアクション、原子炉の運転を停止する措置を直ちに講ずるというようなことを指示したわけでございます。 そういうことで、我々としては、運転員がこういうような予兆に気づいて水分析をしたということは適切だとは思いますが、繰り返しになりますが、今後の運転管理で暫定的な措置としては、この有意な変化、これをやはりキャッチして適切に対応していくことは大変重要だろうというふうに現在は思っております。
○小沢(和)委員 私の質問にずばっと答えていただきたいのですよ。あなた肝心なことを答えてないでしょう。私が聞いているのは、これは明らかに重大な予兆があったということでしょう。何しろ定期検査のときぐらいにしかやらないことをそのときやったのですから。しかも二度やっているのですよ。二度目の途中でこの事故になってしまったわけですね。だから、東電の事故の教訓に基づいて、東電はマニュアルを書きかえたけれども、関電などに対してもそういう指導をしておったら、ここまでは至らずにその手前で食いとめることができたのではないか、ほかの社に対してどういう指導をしたかと聞いているのですよ。全然あなたの言っておることは違うんじゃないですか。私の質問に答えてください。
○向政府委員 お答え申し上げます。 まず、先ほどの三十五CPM、それから数CPM上昇したというのは、警報値に比べますとずっと低い数値でございます。この低い数値の変化をとらまえまして、二次系のサンプリングを行って、蒸気発生器の二次側の状況をチェックするということでございますので、これは、こういうような変化に気づいたときにはサンプリングを行うということはプロシーデュアとしてあるわけでございます。 そういうことで、福島第二の三号機の場合とはやや異なってはおりますけれども、先ほど申し上げましたように、この予兆というのは、今後の緊急暫定的な措置に対してはやはり有効に活用していく、きちっとキャッチしていく、そういうことが必要だというふうに我々考えているところでございます。
○小沢(和)委員 私に対して答えてないじゃないですか。私は何と聞いているのですか。東電の教訓に基づいてマニュアルをほかでも、予兆があった場合には書きかえるようにという指導をしておったら、もっと手前で食いとめることができたのではないですかと聞いているのですよ。
○奥田委員長 向審議官、小沢先生はわずか三十分しか質問時間がありませんしね、的確に答弁をしてください。
○緒方政府委員 御指摘のように、福島第二の三号機の事故の教訓を踏まえて、事故が発生するおそれがある予兆を把握した段階で早目に運転をとめるようにという指導は、各社に対してその時点でいたしております。問題は予兆の把握ということで、事実関係の確認であろうと思います。 先ほど来審議官御説明しておりますブローダウン水モニターの通常三十五CPM程度であるものが数CPM程度上昇したというものを、予兆としてその段階で断定できたかどうかという問題でございまして、これは私ども現段階での評価ではそこまで期待するのは無理であろう。したがって、運転員はこれは何か計器のミス、あるいは単なる自然のばらつきであるのか、そうではなくて有意な変化であるのかどうかということを確認するために、念には念を入れる観点から水のサンプリングテストをやったわけでございまして、これは非常に的確な行動だったのだろうと思います。 その的確な行動をとったということでございまして、残念ながら二度目の分析をしている最中に警報が鳴り、警報が鳴った段階で停止をする判断をして、十三時四十八分から出力を降下させていたところ、五十分になってスクラムが発生し、引き続きECCSが作動した、こういう状況でございますので、私ども、その過程においては福島第二の教訓が生かされていなかったと断定するのはやや酷ではないのか、そういう感じがしておるわけでございます。
○小沢(和)委員 時間がありませんから、今の答弁でも非常に不十分だと思いますが、次の質問をします。 今回事故を起こした蒸気発生器の細管は、直前の定期点検では健全とされたのに我が国で初めての破断事故を起こしたわけであります。これはこれまでの渦電流探傷法では不十分だということを示したものだと思いますし、先ほどの答弁では、周方向で不十分さがあるのでECTという方式を開発したと言われましたが、関電あるいはほかの社も含めてこれまでこの方式はやっていなかったのかどうか。やっていなかったのなら、じゃ今後はこの方式を取り入れるのかどうか。さらに、緊急に加圧水型の全原発についてこのECTの方法で細管をチェックすべきではないかということをお尋ねします。
○向政府委員 お答え申し上げます。 美浜二号機につきましては、前回の定検におきまして十六本の伝熱管についてインディケーションがあったということでプラグをしたわけでございますが、減肉、割れにつきましては現在のECTでも十分チェックできるわけでございますが、周方向につきましての特殊なECT、これは私ちょっと記憶では数年前から利用されている、ただし減肉とかそういうものでございまして、今回の事象、これから原因究明いたしますので、どういうメカニズムでどういうことであったかというのはちょっとよくわかりませんが、周方向につきましての特殊ECTについても開発されておりますので、それも踏まえて今後の検査には取り入れていかせたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 さっきも出ましたけれども、加圧水型の全原発について順次緊急にこの細管のチェックをすべきではないか、私もそう強く要求をしておきたいと思うのです。 ところが、さっきの話では、いろいろいわゆる緊急の対策として指示はしたけれども、どうもお話を伺っていると、結局今のままで定期点検のときまでみんな運転をした上で、そこで十分なチェックをしなさいというようなことにしか聞こえなかったのです。これでは私は国民の期待にこたえてないんじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○緒方政府委員 現時点では、原因の究明をしているさなかでございます。原因が究明されませんと的確な対応策というものが確立をされません。的確な対応策を講ずるためには、今回の事象の原因がわかり、それに有効な対策というものを絞ってそれをやらせるために検査をする、こういうことが必要でございます。残念ながら、これは急いでやりますけれども、現段階ではできておりません。 そこで、それができていない段階で全部の炉をとめて従来の方法でもう一度検査をするということについてはいかがなものかということでございますので、それは現状で運転中のもの十基につきましては慎重に管理をしながら運転をしていくという方針でございます。慎重にという意味は、その原因についてまだ特定されておりませんので、若干の想像が入ってまいります。 そういうことでございますので、一番安全サイドに立った対応策、先ほど私、予兆として見るには酷ではないかということを申し上げましたけれども、現在やろうとしております、指示をしようとしておりますことは、その酷なことを強いようということでございまして、いささかでも予兆らしきものがあれば、従来ならばそこからさらに慎重な分析をしたりするわけでありますけれども、今回は中身がまだ十分わかっておりませんので、いささかでも疑わしいことがあれば安全サイドでとめる方向でやれということを指示しようとしているわけでございます。
○小沢(和)委員 そこで、もう一遍お尋ねしますけれども、今鋭意原因と対策、検討中なわけですね。それで、大体これが原因だということがはっきりしたら、じゃ、それに従ってすぐ順次とめて点検せよというふうにその段階でなら踏み切るわけですか。
○緒方政府委員 原因究明の結果、出てまいりました原因と、それに必要な対応策というものとの兼ね合いで決められるべきことであろうかと思っておりますので、結果が出ました段階で、御指摘のような点を踏まえて対応の仕方というものを慎重に検討していきたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 次に、先ほど施栓率が高くても安全性に問題がないというような発言がありましたけれども、私はこれは奇怪な話じゃないかと思うのです。大体施栓率が高いということは、全体として蒸気発生器の細管が腐食しつつあるあるいは減耗しつつあるということを反映して施栓率が高くなるわけでしょう。だとしたら、この施栓率が特に高い幾つかの原発、私の地元に比較的近い玄海一号などという名前も出ているから、私にとってもこれはいよいよ自分の問題でもあるわけですけれども、これは緊急に取りかえるように積極的に国の方が指導するのは当然じゃないですか。相談があったら前向きになんてさっき言っていたけれども、こういう姿勢ではだめじゃないでしょうか。
○緒方政府委員 純粋技術論についてもし必要でございましたら審議官の方からお答えをいたしますが、私の理解している限り、従来やっております施栓というのは、細管の事故としては現象として、例えばピンホールのような損傷事故でございますね、今回は破断事故でございますが、ピンホールがあくというようなものに対応するものとして、施栓あるいはスリーブ補修ということで対応してきたわけでございます。今回問題になっております美浜の二号については施栓率は低い、ピンホールの率というのは低いわけでございますが、過去の玄海一号を含む施栓率の高いものについて見てまいりますと、材料の劣化というような問題もあるのかもしれませんけれども、それよりはむしろ水の管理といったようなことに大きな原因があったケースが多いようでございます。 今回の美浜二号は、ピンホールではなくて、先ほど運転員がいささかの予兆ではないか、慎重に判断をしたということを申し上げましたけれども、ピンホールがあいていたとしても同じような現象が出てまいります。ピンホールであった場合には、今回の運転員の対応というのはまことに適切な対応でございまして、何ら問題がなかったはずでございます。急激に進行するものではないからであります。今回そういうことで従来のピンホール、それを想定した施栓あるいはスリーブ補修というものとは違うタイプの破断事故でありますので、これについてはやはりその原因を徹底究明をして、それにふさわしい対応策というものを考えていかなければならない、こういうふうに考えているところなのでございます。 それでは、ピンホールが多く施栓率が高くなっているものについて、安全上の観点から、ある率になったら取りかえたらどうかという御指摘でございます。住民の方のお気持ちその他を考えますと、ごもっともな点もあるように思います。先ほど来御説明をしておりますのは、それでは国として、安全性の観点から、ある一定の率以上になったら危険であるからかえなければいけないということを言わなければならないかということになりますと、それはそうではないということを申し上げているわけでございまして、総合判断と申し上げたのはそういう観点からでございます。
○小沢(和)委員 もう一点この関係でお尋ねしたいと思いますが、私は、経過を見ておりまして、会社の安全に対する感覚あるいは誠意というものを疑わざるを得ない問題も幾つもぶつかるわけであります。先ほどからお話が出ているように、美浜町に対しては安全協定で即時通報することになっていたのに一時間四分もおくれた。あるいは隣の敦賀市に対しては翌日連絡をした。これなど本当に誠意がないと言わざるを得ないわけです。私、記事を読んでびっくりしたのですが、敦賀市とは安全協定がないらしいのですね。ところが、地図を見ると敦賀市と隣町だといっても本当に近いんですね。これは敦賀市とも安全協定も結び、ここに対しても即時連絡が行くように国として積極的に指導すべきではないですか。 それから、見学者の問題についても先ほどからいろいろ議論されております。今回の場合はECCSが作動しても、それで事故の進行がそれ以上いかなかったからいいけれども、あれはあくまでそれ以上いかないという保証は、あの事態のもとではだれもしばらくは見きわめがつかなかったわけでしょう。それであるのに見学はそのままやらせておった。これは私はやはり全く手落ちというか、重大なミスだと思うのですね。今後はこういうような点については改めるように、はっきり指導すべきじゃないですか。
○緒方政府委員 地元町村への連絡がおくれたことにつきましては、先ほども申し上げましたように、これは信頼関係の点から好ましくない事態であると認識をしております。敦賀市との間に安全協定を結ぶべきかどうかというのは、一義的には当事者間の問題でございますけれども、安全協定というのは連絡だけではなくていろいろなことを取り決めておりますから当事者間の問題かと思いますが、連絡につきましては御指摘のように広く行うことが適当ではないかと思いますので、その点も含めて関西電力の方でよく改善方検討するように指示をしたいと思います。 見学著の点についても、安全性という観点のみからは特段の問題はなかったのであろうと思いますけれども、住民感情、あるいは地域の住民の方への信頼関係というような点を含めてどうなのか、そういう点の再検討というものをさせてみたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 では、その問題はこの程度で終わりまして、次に、昨年出されました大店法の運用通達の問題についてお尋ねしたいと思います。残念ながら、この問題についてはもう時間が非常に足りなくなってまいりました。それで、きょうどうしてもお尋ねをしたいと思う点一、二に絞ってお尋ねをしたいと思うのです。 私は、この大店法通達の運用については新潟が一つの典型的な事例じゃないか。とにかく十一店も出店して、十一万平米の拡張が計画をされている。しかもその中にトイザラスが含まれているので、アメリカもこの調整の成り行きに注目をしているということですね。ですから、私この新潟の状況を調査しに行ってみたのですが、そこで明らかになったことは、一つは、どこでも地元と出店者の話し合いというのが事前説明でもう形式的にやられたからいいじゃないですかということで、いろいろ交通問題とか商調協などの調整の対象にならないような問題について説明や話し合いを求めても、とにかく一切応じないというような状況があるわけです。この点については、私が昨年の六月八日に武藤通産大臣にお尋ねをしたときにも、何も当事者間で話し合ってはいけませんというようなことではない、その辺は常識的に話し合って理解が深まれば結構なことだというふうに言っておられる。ところが、こういうことで全く話し合いに応じておらない。これでは事態はこじらすばかりではないかと思うのです。あくまで大臣もお答えになったような方向で指導していただきたいがどうかということですね。 それからもう一つは、商調協の中で調整の活動が行われているわけですけれども、特にその中で、大型店が出店をした場合に地元の商店街にどういう影響が出るかということで、いわゆる通産省自身がつくったハフモデルを少なくとも検討した上で結論を出すべきだということが大きな問題になっております。この点については、地元新潟県の議会でも金子知事も国に対して早くそれを出してもらうように要請したいということを答えているわけですが、いまだにそれが提出されておらないわけであります。一体今どうなっているか、この二点お尋ねしたいと思います。
○中尾国務大臣 先ほど武藤前通産大臣のことも出ましたから、私の方からまずその問題点も踏まえまして後段の方からお答えをさせていただいて、武藤通産大臣の件もお話しさせていただきたいと思います。 昨年五月三十日以降、大店法の運用適正化を実施したところでございますが、その中で、出店者側は六カ月以内という間に地元に事前説明を行うこととされておりまして、それに続いて八カ月以内の間に事前商調協において調査審議が行われるもの、こうなっておるわけでございます。ただし、以上の制度は当事者同士が自主的に話し合って理解を深めることを否定するものではない、こういうことから、前通常国会における委員からの御指摘だったと思いますが、武藤前通産大臣の答弁もこのような趣旨を述べたものでございまして、私も全く同様の立場をとるものでございます。 さらに、新潟市のケースを委員御指摘でございましたから、その点についてもお話し申し上げたいと思うのでございますが、新潟市における大規模小売店舗の出店計画の場合は、まず第一には事前説明段階において四十八商店街に個々の説明が昨年の四月から五月に至って行われました。昨年五月には四回にわたる関係者の合同説明会が実施されているわけでございます。事前商調協における調査審議の過程におきましては、新潟市の商店街連盟、五団体と考えますが、意見聴取が行われた次第でございます。これらを通じまして関係者間の十分な意思疎通が図られているものと考えておりまして、特に行政側としては改めて当事者側との話し合いを求めなければならないという状況にあるとは考えておらないわけでございますが、今委員の御説明等を聞いて、さらにこの点も深くちょっと研究してみたい、こう思っておる次第でございます。 以上でございます。
○坂本(吉)政府委員 委員御質問のハフモデルの提供の問題でございます。この点、御承知のとおり影響度の把握につきましては、もともとこれは大規模小売店舗審議会における審査要領として、私どもの資料として持っておるものでございます。商調協においても参考としてごらんいただいても結構である、こういうことでございますけれども、本件につきましては、先ほど御指摘のとおり新潟県から特にこれについての資料提供の要請がございました。したがいまして、私どもといたしましてできるだけ早くこの影響度指標というものの調査、算出を行いたい、かように考えておるところでございます。
○小沢(和)委員 時間も来たようですから、最後に今の問題についてもう一度お尋ねをしますが、新潟の商調協では二十六日に中間報告の最終的な取りまとめを行うなどというような新聞記事が出ております。そうなりますと、ごく最終段階なんですね。だから今のハフモデル、それに間に合うように検討をさせるためにはその前に届けていただかなければならないと思うのです。さっき、事前にどうなっているかを聞いたら、もうごく一両日のうちにもまとまるような感触を私は電話で得たのですが、そうならば、すぐにも出していただきたいが、どうですか。もう一遍お尋ねして、終わります。
○坂本(吉)政府委員 できるだけ早く、商調協の審議の参考になるように提供いたしたい、かように考えております。
○小沢(和)委員 終わります。
○奥田委員長 川端達夫君。
○川端委員 大臣、御苦労さまでございます。よろしくお願いします。 私も時間が限られておりますので、できるだけ簡潔に御答弁をお願いしたいと思いますが、まず初めに美浜の原発の事故でございますが、今回の事故は、従来基本的にはあり得ないと言われてまいりました細管の破断、そしてECCSの作動という、日本の原発史上かつてない大きな事故を起こしたわけであります。この部分を聞いていますと、従来の定期検査のあり方、いわゆる危険予知というのですか、そういうもののあり方、あるいは安全基準のあり方、先ほど来議論になっていますように、そういういわゆる危険な状態で停止をするというマニュアルのあり方等々、根底からいろいろな問題提起をした非常に大きな事故だというふうに思います。一刻も早く徹底した原因究明とその対策、そして何よりも、約三割といわれるエネルギーを原子力に頼っているわけです。国民の不安のない、信頼されるエネルギー供給の一翼を原子力が担えるように、御努力をお願いしたいというふうに思います。 先ほど冒頭、甘利委員も、こういう問題はいわゆる公平公正に、事実に基づいて、客観的に冷静に判断をしていくべきだろうということをおっしゃっております。私も全く同感でありますけれども、この事象を考えますと、場合によっては、原因の究明の進展によっては、現在動いている加圧型の原子炉を総点検せざるを得ないということも起こり得るかもしれない。概算しますと約十数%、加圧型の原子力発電でエネルギーを頼っているという状況だとすると、大変なことだなというふうにも思うわけですけれども、そういう部分で技術的な問題はまだまだいろいろ調査を続けないとわからないというのが現状だというふうに思います。 そのときに、初めに政府としての現時点でなすべきことということについてお伺いをしたいのですが、当然ながら原因の徹底的な究明――事故が起こりました後の新聞でいいますと各紙ともに一段の大見出しでいろいろな報道がされていまして、大変なことが起こったということで、ひとしく国民はかなり心配というか不安を持ったということではないかなと思います。そういう意味で、そういう報道をずっと調べましたときに、原発が、非常に大きな事故が起こった、そして非常に心配だな、大丈夫なのかなという思いで国民が報道に接するときに、政府のこの事故に対する声が余り聞こえてこないというのが現実ではないかなというふうに思います。そういう意味で、国民の皆さんに政府として今回の事故を今の時点でお話をされることというのはどういうことなんでしょうか、非常に難しい言葉ではなくて、今の時点でこうでございますということをぜひともお聞かせをいただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○緒方政府委員 いろいろ先生に御心配いただき恐縮でございますが、御指摘もありましたように現在原因の究明中の段階でございまして、政府の口から今どこがどうなっているのか、何が原因でこうなっているということを国民の皆様に広く御説明ができる段階にはなっていないわけでございます。そうは申しましても、もちろん私ども、原子力に関しまして国民の間に不安が広がることは適当ではありません。それを解消するためには、やはり正確な情報を広く、わかりやすくお知らせをしていくことが何よりも大事だというふうに考えているわけでございまして、先生御指摘のような政府としての情報の提供というものを今後いろいろ考えていかなければならないのだろうと思っております。 現段階では、先般来、きょうも一日そうでございますが、国会での御質疑にできる限りでのお答えをさしていただいているというのもその一つと御理解をいただきたいわけでございますが、同時に報道機関に対しましても、事故のこれまでわかっています状況、あるいはそれに対して政府としてとろうとしている施策を御説明をしているわけでございまして、先ほど来答弁の中で御説明をしております調査特別委員会の設置でありますとか、当面の稼働中の原子炉に対する運転上の注意事項でありますとか、現在定期検査中でありますプラントの検査をいかに入念にやるべきかというようなこと等について、プレスにも同時に相当詳しく御説明をしているところでございます。また、このような事故、故障がありますと、評価尺度、地震の震度のようにゼロから八段階までの評価基準に基づきまして、より客観的な情報提供をするということを先般来実施をしているわけであります。これは外部に委託をいたしまして、客観的に評価尺度、評価を決めますので、数字が出るまでにはなお若干の時間がかかるわけでありますが、恐らく事故の評価尺度としては三あるいは二というような評価になるのではないかというふうに想像しておりますけれども、そういうものが出次第、またそれを提供、御説明をしていくということもあわせて行っていきたいと考えております。
○川端委員 大臣、今御答弁されたのですが、私は今この場で、この時点でこういう事故が起こったというときに、通産省、エネ庁も含めまして、いわゆる国民の皆さんに細かいことも含めて、今審議会か何か、研究会、検討会ですか、という話ではなくて、もう少しきちっと言わなければ、プレスにいろいろ細かく言っていますということではなくて、言っていただきたいというふうに思うのです。 そういう意味で、今の時点で私はやはりこれは非常に大きな、想像をしていなかった大きな事故である。そして、その原因もわからない。したがって、総力を挙げて徹底的にその原因を調べる。それでたちまち、今の部分でいえば、もしものときには、原因によっては全部点検するということもあり得る、私はそういうレベルだと思います。というのが、破断をしたという部分の状況ということは、これは事実だと思うのですね。それと同時に、しかしそういう状況の中で不幸中の幸いといいますか、設計上、装置上、そういうものが起こったときに緊急的にその装置が働いて、外部への環境汚染を最小限に食いとめるという部分は十分に機能をしました、そういう部分では今回の事故に関しては周辺の部分では安全でございました、この二つのことをはっきりと言われない。プレスにいろいろ言われるということではなくて、国民にエネルギーの一〇%か二〇%をその分頼るというときに、それぐらい重要なことであるというならば、もっと前向きに、積極的に私は訴えるということをされるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○中尾国務大臣 川端委員にお答えいたしますが、これは私も通産省を預かる責任者といたしまして、これははっきり申し上げておきたいと思います。 いかに何であれ、今まで起こったことがない問題が起こったということは、これはもう掛け値なく大変なことだと認識しなければなりません。同時に、もしこれが、何といいますか、被害がないままにとどまったからいいというものの、またそれで片づけるべき問題ではないと思っております。すなわち、原因を徹底的に追及する、これは第一条の私どもの箇条でございましょう。それから、その結果がわかりましたならば、直ちにそれに対しての原因というものがどのような中に起こり、またどのような角度でこれが再び起こり得る可能性があるのか、あるいはまた、これが今から波及しないのにはどうしたらいいのか、対処の仕方も綿密に考えていくということが私どもの使命でなければなりません。そのために私は、通産省各位に、エネルギー庁だけの問題ではない、通産省全体に向かっても、これは我々自体の課題であるということで下命をしたつもりでございます。同時に、もう既に各政党もそれぞれの立場で御言及を賜り、私にも御報告いただいている立場でございますだけに、私もこれをしかと受けとめまして、そして逐一この問題点というものを明らかにしていきたいという考え方にはもう立脚点は一致している点がございます。 そして、かといって、原子力のこの問題を含めまして、日本の国が今から将来のエネルギー源を考えていったときに、電力の二十数%というものを頼っておる、三割近くも願っておる。しかもこれも四割以上頼らなければならないというのが二〇一〇年の構図でございましょう。そういうことを考えていった場合に、これはおろそかにしないまでも、なおかつこれは重大事である。そのときに不安感を国民に与えながらこれを増大していくことが、増幅していくことができるかというならばできるものではありますまい。とするならば、私どもはこぞってこの問題の問題点の追及と同時に、これに対してもう二度と再びこういうことが起こり得ないという形における責任も私自身は感じざるを得ないということがございますから、これはひとつ徹底的な原因追及をするとともに、私自身もこれにおいて、また皆様方にもこのような形でございましたという経過報告もできるような形をはっきりとこの場でも申し上げ、なおかつまた、これに対する、国民に対する遺憾の意というものをはっきりと申し上げておかなければならぬ、責任を痛感する次第でございます。 以上でございます。
○川端委員 ありがとうございます。 それで、ちょっとそういう国民の意識の部分で、先ほどからずっと、朝から議論を聞いておりまして、冒頭甘利委員は、これはスリーマイルの一歩手前なのかということでは、いやいやそうではないという御答弁がありましたけれども、いろいろ受けとめ方によっては、ぎりぎりのところでとまったんだという御意見も先ほどの質疑の中にありました。 そういう意味で確認をしておきたいのですが、御認識としてお伺いをしたいのですが、ECCSが作動をしたという部分が、いわゆる危険という意味で、安全性という意味で一歩手前のぎりぎり、車がぶつかりそうになって急ブレーキで急停車して、危うく死ぬところだったのに事故を免れたというものなのかどうかという認識をお尋ねをしたいというふうに思います。
○緒方政府委員 先ほども御説明をしたわけでありますけれども、ECCSが実作動をしたことは日本でこれまで例がありませんで初めてのケースでありますから、それなりに重大な関心を持って見ているわけでありますけれども、御指摘のようにこれがぎりぎりの、俗に言いますがけっ縁一歩手前までいってあわや大惨事となるところであったのかといいますと必ずしもそうではなくて、先ほども御説明しましたようにECCSというものは多重性を持っております。複数のシステムがそれぞれ独立に作動をすることになっておりまして、各系統ごとに独立をしたポンプを複数個設けて多重性がある。それで、加圧器の圧力、水位の変動等の事象の変化を計器が測定をして、設定条件を満足すると自動的に作動することになっているわけであります。したがいまして、自動的に作動をするというところが今回は予想よりも早く作動をしたといいましょうか、原子炉を停止させる運転操作を始めておったわけでありますけれども、手動でとまるより前に原子炉が自動停止をし、それに引き続いて自動的にECCSが作動をしたということでございます。 それで、ECCSが作動をしなかったらどうなるのかという御質問が先ほど来いろいろあるわけでありますけれども、そういうことで多重性のある装置の一つでございまして、正常に機能したというふうに見ているわけでございます。
○川端委員 私が聞きたかったのは、そういうこともそうですけれども、このECCSという部分が、どんどん事故が起こって大変になりそうな部分に緊急的に対応するために設計されているというものなのか、機械的な部分で言えば、そういうことが発端として起こりかけたら、いわゆる未然にということじゃないかもしれませんが、その時点でとまってしまうものだということ。いわゆる急ブレーキをかけて車が危うく事故を逃れたなということと、免許証を取りにいきますと、自動車教習所に横に指導官が乗っておりまして、本人がぶつかりそうだったけれども横で勝手に教官がブレーキ踏んでとめたというときに危機一髪で危なかったなとは言わないわけなのでして、その部分の認識というのは僕はもう少しはっきりしていただきたい。そうでないと非常に不安が増大する。あれが動いたら大変だという、事故が大変なことは間違いないのですけれども、そういうことが何か混乱をしている部分があるのではないかなというふうに思います。 時間がありませんので、あと要望だけしておきますが、例えば「原子力発電」という資源エネルギー庁がお出しになっているものでも、こういう「日常生活と放射線」、先ほども少しお話がありましたけれども、外から受ける放射線量と云々という部分があります。この前も、私もきのう行ってきたのですが、いろいろ聞いたときに、いわゆる線源としての放射線の漏れの量と被曝という部分とは単位というか尺度が違うわけですけれども、それを、あえてその線源に近づいていたとしたときでも間違いなく胸部エックス線の被曝量の一万分の一以下、多分三十万分の一ぐらいだろうというふうなことを伺いました。そういう身近にわかりやすいような表現を、確定して言うのは難しいかもしれませんが、ということで結果としてはあったとかいうもう少しわかりやすい話をしていただかないと何かよくぴんとこないという部分は御配慮をいただきたいし、先ほど御答弁の中にお触れになりました基準、事故・故障等評価尺度、外部機関なのでもう少し暇がかかるということでございましたが、少なくともこの基準一、基準二、基準三という部分に合わせて、今の時点でも恐らく、確定はしないけれどもこの基準よりは下回るとかいうことは言えるのではないかな。先ほどから申し上げているように、今の時点、刻々その時点で、今こういう手だてを打っていればこうはわかりません、しかしこの部分に関してはこういうことですという、いわゆる客観的な情報というのはもっと前向きに流していただきたい、これだけは要望として申し上げておきます。 時間が、欲張ってたくさん質問しようと思いますのでお許しいただきたいと思います。 それで、全く違うことでございますが、今回の土地税制改革で買いかえ特例の措置の整理という問題が出ております。先般の予算委員会でも我が党の米沢委員が質問いたしまして、大蔵大臣には御答弁をいただいたのですが、そこで時間が終わってしまいました。 今までの制度での、十年以上保有した部分で土地を買いかえ資産に活用する場合には一〇%の税率であった。法人税が五〇%とした場合ですけれども、一〇%だった、八〇%圧縮されますから。それが今回、指定地区域外から指定地域内に、誘致区域内に行く場合には二二%だけれども、それ以外の区域へ移る場合には六二%ぐらいになる、これは概算ですけれども。ある場所から、引っ越しする場所によって二二%と六二%というのは随分差があるではないかというふうなことに結果としてなるという仕組みであります。そういう部分でこの買いかえ特例措置という部分、これは実際いろいろな企業、特に中小零細企業等々も含めまして、今までの実績を含めると非常に大きな影響を与える制度の変更であるわけですが、この買いかえ特例措置の整理に関して大臣の御所見をお伺いをしたいというふうに思います。
○中尾国務大臣 川端委員にお答えいたします。 事業用の資産の買いかえ特例というものにつきましては、国土利用政策あるいは土地政策というものの観点から特別に課税の繰り延べを認められてきたものではございます。しかしながら、本特例によりまして土地の資産としての有利性が助長される等の問題点が指摘されてきたことを踏まえまして、土地税制改革の一環として見直しを行ってきたというものと御理解を賜りたいと思うのでございます。 なお、中小企業や構造的な改善を必要とする産業等につきましては、通産省としては、その発展を図るための種々の施策をこれまで講じてきておりまして、今後ともこれらの施策の充実に努めてまいる所存でございます。
○川端委員 土地が土地神話を持っているというそういう部分で、一種の不労所得というのですか、そういうものがむやみに投機の対象として土地の値上がりを助長するというふうなことを避けるという側面からのこういう考え方自体は、一つの考え方として理解をするわけです。しかしその中で、今回の法改正の部分で言いますと、現実に移転をする地域、行き先あるいはもともといた場所によって課税が二二%と六二%というふうな非常に差が出てしまうという部分ではこれはいかがなものかなということが一つ。 それから、本来そういう部分で土地を持って利益を得るという、いわゆる投機目的にマンション を買ったり、いろいろな部分で資産を持つということで本来の事業活動でない部分で利益を得るというふうなことが、国民の土地に対する価格つり上げということで迷惑をかけているということが大きな背景であるならば、そのことに中心的な施策を講じるべきであって、だからといって全部一網打尽にするというのはちょっとやり過ぎではないかな。特に通産省といういわゆる産業政策を担われる省として今いろいろな中小企業とかの対策は講じているとおっしゃいましたけれども、例えば構造不況業種は、現にその産業を守っていくという意味で非常に厳しい環境の中で努力をしておられる。通産省も非常にバックアップしていただいている。そういう中で現実には、例えばこの技術近代化の中で老朽した設備を持っている、そしてなかなか事業も構造転換が図れないというときに、既存の敷地の例えば半分を売却して、そして新たな設備を導入することによって雇用を守り産業を守るというそういう形でのこの特例が果たしてきた役割というのは非常に大きいと思うのですね。その部分はどう評価されておるのでしょうか。今までの現行の仕組みというものが構造改善を必要とする産業に対して、通産省の所掌される観点でこれは非常に役割を果たしてきたのか、いやいや土地の値上がりでえらいぼろもうけしておった、けしからぬと思っておられるのか。どちらなんでしょうか。
○棚橋政府委員 川端委員御指摘のように、従来ございました長期所有土地、十年以上持っていた土地について減価償却資産への買いかえの特例がおっしゃるような目的、効果を持っていたことは御指摘のとおりでありますが、この制度は、国土利用政策、土地政策の観点として租税特別措置として認められてきたものであることは先生も先刻御承知のとおりだと思います。 今回、土地の高騰の際にこの制度が、言うなれば一たん実現した値上がり益も課税を繰り延べるということでこれがマンション等に買いかえられていくということから、土地の資産としての有利性が非常に助長される、それで都心部の地価高騰が周辺及び地方にも波及していった原因の一つではないかという問題点が各方面から指摘をされまして、今回土地税制の抜本的見直しの一環として買いかえ特例の見直しがこういう形で行われ、長期保有の土地等の買いかえ特例、一般的な特例は廃止をされたわけでございます。ただ、これも先生御承知のことかと思いますが、土地政策として地方振興、その他例えば誘致促進のための土地を中心とする買いかえとか、言うなれば追い出し促進、地域分散というような、そういう観点で行う買いかえにつきましては従来の制度を拡充しておりまして、全面的にカバーしておるわけじゃございませんが、そういう効果を持つ買いかえ特例はむしろ拡大をされている面もあるわけでございます。 また他方、今おっしゃいました中小企業対策あるいは構造改善事業に取り組んでおる産業界について、この制度が持っていた役割について、これが廃止されたら問題があるんではないかという御指摘かと思いますが、確かにこの制度がなくなって別の施策が全部カバーできるわけじゃありませんけれども、例えば繊維産業の構造改善のための制度としましては、御承知かと思いますけれども、各般の政策が金融面、課税面でなされておりまして、試験研究とか機械の割り増し償却とか固定資産税、事業所税等、地方税法上の優遇措置等も構造改善事業に講ぜられておりますし、中小企業につきましてもそうした税制上の特例が組合を中心として行われることになっておりまして、そういういろいろの対策、彼此融通して補っていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○川端委員 ちょっと質問はもっと違うことも含めて聞いたんですが、今まで間違いなく構造不況業種、例えば繊維というのを今例におとりになりましたけれども、繊維産業が長らく、明治維新以来日本の経済を支える非常に重要な柱であった。繊維産業が、今日輸入超過、輸入の方が上回るというふうな状況の中で非常に厳しい環境に置かれていることは事実だと思うんです。そういう中で、何とか雇用を守り産業を守るという観点から、設備を近代化しよう、構造改善をしようという努力、そして通産省も非常にバックアップをしていただいた。しかしその中で、結果としてはこの特例制度が非常に大きな役割を果たしたことは私は事実だと思います。この十数年間の中で、昭和四十八年から平成二年までで全産業は売上高が二・九倍になり、経常利益も二・九倍になった。繊維産業自体は売り上げが一・五倍、経常は一・一倍にしかなっていない。こういう非常に四苦八苦の産業の中で、売り上げは全製造業中繊維は四・六五%です、売上高は。しかし、特別利益資産処分益というのは一三・一五%を占めている。ということは、売り上げあるいは経常利益は全産業の三%を占めて、売り上げが約四・六五%、経常利益が三%という中で、この特別利益資産処分益というのは一三%ということは、いかにその部分で必死に体質改善をやっているかというのは紛れもない事実であります。 そういう意味で、この仕組み自体が今までの産業の中で結果的に果たしてきたのは非常に大きいというときに、今おっしゃったいろいろな施策を講じるということで、果たして本当にバックアップできるんだろうかという意味では非常に不安に思います。新しい時代を乗り切るために新たに借金して将来見込めるという産業でないようなそういうその他の不況業種を含めての施策として、この部分は――先ほどおっしゃいましたようにマンションとかそういうもので不当に利益を上げるというのはけしからぬというのはおっしゃるとおりです。だから、そういう部分に限定して、私は産業政策としてはこういう部分はもっと配慮が必要ではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○棚橋政府委員 若干繰り返して恐縮でございますが、川端委員がおっしゃいますこの買いかえ特例が、確かにそういう資産を持っておっていろいろ合理化、近代化に努めておられる繊維産業の設備投資の資金源として非常に有益な働きをしたことはおっしゃるとおりでございます。ただ、これは恐縮ですが、他方、この制度がそういう形で土地の値上がり益をそちらの方に活用する、それが地価の高騰の原因になったということを指摘する面もいろいろたくさんございまして、今回のこの税制改正になり、他方また、先ほど申し上げました買いかえ特例の中のある部分は、地方分散、一極集中排除、地方産業振興という観点から拡充されている面もありまして、そういう政策的な配慮でこの改正になったものと承知いたしております。先生御指摘の繊維産業等、特に構造改善に努めておる産業に対する対応策としては、御指摘の点を踏まえまして、また通産省として今後いろいろの角度から十分検討してまいりたいと思います。
○川端委員 時間が来ましたので終わりにいたしますが、そういう土地の高騰、そして買いかえでいろいろいわゆる土地投機をしているという部分を抑えなければいけない、これは事実であります。その部分に手を打つのと全部それにひっくるめてという、実際に役割を果たしてきた部分というのは、私はちょっと乱暴な処置ではなかったかということでは、何とかこれを御検討いただきたいということ。 それから、確かに誘致地区に移る分についてはそういう助成をしていると言いますけれども、現実には中小の場合は、そんなに地方都市の場合に果たして工業団地とかそういうところにすんなり移るだけの機会があるかどうかという部分でいえば、そういうところに移った人はいいけれども、そういうところでないところへ移った、あるいは自分の土地をもう半分売ってしまってそこで何とか立て直しをしようという人は全く関係がないというふうな部分の不公平といいますか、その部分に関してはこれも考えていただきたいことである。同時に、果たしてこれからそういう部分がこのまま行ってしまったとすれば、実際にいろんな構造改善とかそういうことも含めて、よほどのてこ入れをしていただかないと、とてもじゃないがだめになってしまう、こういうことだというふうに思います。ぜひともによろしくお願いします。終わります。
○奥田委員長 江田五月君。
○江田委員 中尾通産大臣の所信に対する質疑を行います。 大臣は、通商産業行政については大変造詣も深くていらっしゃるので、今回の登板、まさに満を持してのことだと思います。ひとつぜひ大活躍して、すばらしい通産行政を行っていただきたいと思います。私どもも意見の違うところはいろいろ注文もつけさせていただいたり、しかし今、通産行政、大変与野党とも共通の土俵が随分広がっているんじゃないかという気もいたしますし、応援をさしていただくところは大いに応援もしたいと思っておりますが、この所信で私は大変共感を覚える部分もございます。ただ、共感を覚えながら、あるいはひょっとして違うことを思っているのかなと思ったりするところもありまして、二、三ただしておきたいのですが、大臣が冒頭に、世界は大きな歴史の転換期を迎えておる、変化はきしみを伴うものであるが、同時に躍動の源にもなるんだ、こういうことをお話しになっておられるわけです。歴史の転換点、確かに今いろんな意味で歴史の転換点ですが、大臣のおっしゃる「転換点」というのは一体何か、「きしみ」というのは一体何か、「躍動」というのは一体何か、ちょっと大きな話になってしまうのですが、できるだけ短く要約してお教えをいただきたいと思います。
○中尾国務大臣 一つ一つの言葉の解釈というよりは、全体のグローバルな見地として言わせていただいた、こうお考えいただくことが最初かと思いますが、江田委員に率直に申し上げますと、まさに今までの権力的対立思考であるとか、思想的対立思考であるとか、特に権力的対立思考というのは、あすに自分に不利であり、またあすに自分に有利であるという場合には妥協が行われる場合もございますが、今までの経緯からいきますと、思想的対立思考というものはなかなか雪解けが起こらない。お互いに原点の違う世界観、歴史観、倫理観、国家観というようなものに閉ざされておったような弊もないわけではございません。それがある意味においては一昨年ごろからそういう世界的な激動期を迎えてくると、今まで七十有余年という歴史的過程を経たあの革命的ソ連の中における歴史観も大きく変動を余儀なくされてくる。また、生き方自体も、イデオロギー自体も変動を余儀なくされてくるというような嫌いが見られてまいりました。中国といえども閉ざされた社会の中から開かれた社会に移行ということが急激に高まりますると、ある種の変動も余儀なくされるというようなことも各所で見られるように相なってまいりました。 そうすると、ヨーロッパはそのままの形態でいいのか、こう言いますると、ヨーロッパ自体も一国中心主義的に生きられるのではなく、ミッテランが主導していったあのヨーロッパ型の民主主義経済あるいは市場経済というものは、今やドイツが主導的に、ある意味においては東ドイツをも席巻して、そしてECが九二年に向かってある種の躍動をつなげていく。こういう形になりますると、今までの一つ一つの局面でアメリカ、日本ということを核にした二つのポールは、そのままECという一つの統合体の中で、この間まではイギリスもやや遅疑逡巡しておるところがございましたが、今や一緒になって躍動していこう、進んでいこう、前進していこう、こういうことからイギリスも中心になって、やはり九二年の変革はヨーロッパの一つの大きなポールとして生きていくことも事実でございます。というような世界的な躍動というものはそのような形で大きく変わってきております。 同時に、人種的な大きな面におきましても、これもあらゆる形で、偏見という言葉が出ておりますように、これまた大きな意味で蠢動を迎えておることも事実でございましょう。 それからまた、アジア一つを見ましても、アジアの中における考え方もパシフィックリムみたいな、APECみたいな、こういう大きな躍動感とECとは違う形における道のりも生まれてきておる。それを私はとらえながら、現在の転換期というものをあるいはきしみというものも含めて述べた、こう御解釈賜りたいと思う次第でございます。
○江田委員 大臣に大演説をやっていただくような質問をしてしまいまして、どうもお答えが長くなってしまって、私の質問時間は二十分ですので、ひとつテンポの速い質疑をやっていきたいと思うのですが、確かにおっしゃるような転換点であろうと思います。 今例えば、きょうも原発の問題、ECCSの作動というところまでいって本当に大丈夫なのかということとか、あるいは大店法のことであるとか、いろいろな議論がございました。また湾岸戦争、これも大変な事態であって、私どもは、しかし木を見て森を見ざるということではいけないので、これらが木であるから軽視していいということではありません、木も大変に重要ですから、一つ一つの木を十分見てそれへの対応を考えなければなりませんが、同時に、大きな歴史の流れというものがある。冷戦後という世界の構造の変化、冷戦後というのは決して軍事対立が終わったというだけでなくて、体制の違いというものが乗り越えられようとしている。そして、その中で対立的契機がなくなっていき、イデオロギーも大きく変化をしていって、大臣は今七十年余続いたソ連の体制というものが変化をしてきたということをおっしゃいましたが、私は、もっと長く、一七八九年のフランス革命から始まるいわば人類の近代史というものが終わって、新しい二十一世紀という時代に入りつつある、その意味では二百年ぐらいのタイムスパンで考えるような大きな転換期だという気がいたしております。 その中で、きしみというのはもちろん湾岸戦争であるとか、私たち毎日の社会の中におけるいろいろな問題もありますが、躍動の源、これはやはり今までの産業社会、産業重視型の歴史の発展モデルが大きく変わっていわば生活重視型といいますか、あるいは効率重視型のモデルから大きく変わって自然と人間であるとか男女であるとか、すべてのものがともに生きていく、ともに生かされていく、そういうモデルへの大きな転換である。そういうモデルに大きくこの九一年から二〇〇〇年までの十年の間に私たちが変わっていければ、そうすると二十一世紀はまさに経済ではなくて人間というものが躍動する、そういう世紀へ移っていけるのではないかということを考えておりまして、その意味では通産行政は、人間の、私たちの毎日の生き方あるいは社会のタイプ、こういうものを変えていくという点で非常に重要だと思っておりますが、一言、そういう点について大臣のお考えを聞かせてください。
○中尾国務大臣 簡単に申し上げます。 一時期豊かの中の貧乏というような言葉もはやりました。まさに豊かの中にも必ずしもそれが実りある豊かさ、実意のある豊かさにつながらない貧困の場合もございます。それは心にもあらゆる形にもつながりましょう。そういう意味におきましては、私どもは実意のある、実のある豊かさというものを健全に育てていくということが二十一世紀の課題である、先生と全く同一な見解でございます。
○江田委員 そこで、今世界の大きなきしみとしては湾岸戦争がございます。一体どういう推移をたどるのか、これは世界が今大いに関係しているわけで、私たちも決して部外者ではない、当事者であって、当事者として一体何ができるかということを真剣に考えなければならぬわけですが、ここは外務委員会ではありませんし、通産行政ということで考えますと、私は、この湾岸戦争に際して私どもが、こういう言い方をしていいか悪いかわかりませんが、これをチャンスとして、ひとつ我が国のエネルギー構造というものを変えるきっかけをつかむ必要があるのではないか。省エネルギー政策ということが課題ですが、もっと具体的に私は、石油の消費を少なくしていく。今石油の備蓄も現実にはふえている、しかし、国際的にはむしろ石油の備蓄を減らしていこうじゃないかというような方向にもあるわけで、省石油という、言葉としてはなじんでいないかもしれませんが、省石油という、そんなことをやらなければならぬ時期が来ていると思うのです。 そこで、ちょっと具体的なことを聞きますが、八月二日のイラクのクウェート侵攻以来、我が国の石油消費量というものは一体どういう推移をたどってきているか、これを教えてください。
○黒田政府委員 石油消費の動向でございますけれども、昨年の四月から九月まで、年度の上期におきましては、石油製品全体で前年同期比で七%の伸びでございました。これに対しまして十月以降、最新のデータでは十二月まででございますが、いわば年ベースの最後の四半期でございますけれども、この段階では暖冬の影響等もございまして、前年同期比で二%の減ということになっております。特に十一月、十二月が前年同月に対比いたしまして減少いたしているのが実情でございます。
○江田委員 石油消費が減っているということですが、しかし、これは暖冬というわけで、湾岸戦争というものが多少でも国民の毎日の生活に心理的な影響を与えて省エネルギーあるいは先ほど言いました省石油、そうしたことに効果が上がった、そんなようなことがあるのかどうか、逆に言えば湾岸戦争が終わったら石油消費はまたもとの状態に戻ってふえていく、そういう見通しになるのか、そこはどうですか。
○黒田政府委員 ただいま私の答弁の中で、暖冬の影響等もございましてと申し上げたわけでございますが、石油製品の種類別に見てみますと、非常に需要が落ちているのが灯油あるいはA重油ということで、恐らくその影響が大きいということで申し上げたわけでございます。ただ、例えばガソリンでありますとか軽油でありますとかほかの油種についても伸び率は若干鈍化しているように統計上はあらわれてきております。ただ、それが今おっしゃいましたような省エネルギーというような効果であるのかどうかという点についてはもう少し推移を見きわめていく必要があろうか、こういうふうに考えております。
○江田委員 石油の消費の、ちょっと数字で言って多少中長期の見通しを伺いたいのですが、一九八八年度が二億七千六百万キロリットル、八九年度は二億八千九百万キロリットル、九〇年度は一体どの程度の石油消費の見通しになりますか。
○黒田政府委員 私どもが昨年発表いたしております石油供給計画におきましては、燃料油、石油製品全体で二億二千万キロリットルと見込んでおります。前年度同期比四・一%増、こういうふうに見込んでおりました。
○江田委員 私は昨年の秋、通産省の方から総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しの説明を受けましたが、これによると、八八年度の石油消費実績二億七千六百万キロリットル、しかし二〇一〇年度には石油消費見通しが三億六百万キロリットル。この三億キロリットルという数字は今の四・一%増ということですと今年あたりには湾岸戦争がなければもうとっくに、とっくにではありませんか、ぎりぎり超えてしまっているような、そういう数字なんですね。そこで、こういう湾岸戦争という機会にもっと省エネルギーを進める、あるいは代替エネルギーの開発も進める、CO2排出量の削減も進める、原子力発電をどう位置づけるかというのは、これはなかなか難しい問題がありますが、石油の消費を減らしていかなければならないいろいろな施策を構ずべきだと思います。具体的に数字で見ると、どうもこういうきしみの時期に、そのきしみを禍を転じて福となすというような社会構造の変革あるいは生活パターンの変化、こういうものに生かし切っていない。生かし切っていないどころか、実は何も政策的な知恵を発揮していないような気がいたします。 政府の広報がありまして、最近、もう週刊誌どれを見ても出ている。もっともこれは環境庁の広報だといえばそうですけれども、地球が悲惨である、少しずつですが人類の一人一人が対策を考え、行動を起こし始めているので、だから地球と人類の幸せな未来のために私たちはまず身の回りのことから改善を続けていくつもりだから、人類に失望せず、かけがけのない地球、あなたに対する私たちの真心を、愛を信じてください、こういう広報をやっているのですが、こういう広報に対応するような通産行政というものがないという感じがするのですが、最後に大臣からこの見解そして御覚悟のほどをお伺いをしたいと思います。
○中尾国務大臣 総合エネルギー調査会が昨年六月に中間報告で、国民生活におけるゆとりと豊かさというものを追求しながら、資源制約の懸念及び環境保全とあるいはまた持続的経済発展の両立というエネルギーをめぐる課題の克服を目指す総合エネルギー政策の推進の必要性というのを提言されました。そこで私どもは、本中間報告では未利用エネルギーの活用等徹底的にエネルギー利用の効率化を一つの柱として位置づけている次第でございます。したがいまして、通産省としましては、総合エネルギー調査会中間報告の実現に向けまして全力を挙げて総合的なエネルギー政策の推進に最大限の努力を払うということをお誓い申し上げたい、こう思っておる次第でございまして、江田委員が先ほど来言われておりますことの意はよく体して頑張っていくつもりでございますから、よろしく御指導お願いしたいと思います。ありがとうございました。
○江田委員 そういう御覚悟のほどを伺いまして大変心強く思っている次第ですが、簡単な仕事じゃありませんが、やはり非常に重要な仕事だと思いますので、ひとつよろしくお願いします。 終わります。 ────◇─────
○奥田委員長 次に、内閣提出、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。中尾通商産業大臣。 ───────────── 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○中尾国務大臣 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 オゾン層保護問題につきましては、オゾン層の保護のためのウィーン条約及びオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の採択を受け、我が国におきましても、昭和六十三年五月に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され、平成元年七月より同法に基づく特定フロンの製造の規制等を実施しているところであります。 しかしながら、我が国を含めた世界各国によりオゾン層保護問題への対応のあり方について改めて検討が進められました結果、昨年六月に規制対象物質を追加すること等を内容とするモントリオール議定書の改正等が採択されました。 以上にかんがみ、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、製造等の規制の対象となる特定物質にトリクロロエタン、四塩化炭素等を加えることとしております。 第二に、新たにクロロジフルオロメタン等の物質を指定物質として規定し、その製造、輸出または輸入に関し、数量等を通商産業大臣に届け出なければならないこととしております。また、これ ら指定物質につきましても、特定物質と同様、排出の抑制及び使用の合理化の推進等に関し、所要の措置を講ずることとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○奥田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十日水曜日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十九分散会