社会労働委員会 第13号
- 発言数
- 158 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/05/07
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、育児休業等に関する法律案を議題といたします。 本案は、参議院で修正議決の上送付されたものでありますので、まず政府から趣旨の説明を聴取し、引き続き参議院から修正の趣旨について説明を聴取いたします。小里労働大臣。 ───────────── 育児休業等に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○小里国務大臣 ただいま議題となりました育児休業等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 育児休業制度は、労働者が育児のために雇用を中断することなく、その能力を有効に発揮することを確保するための制度であり、労働者はもとより企業にとっても役に立つ制度として広く認識されてきたところであります。その結果、近年労使の自主的話し合いにより育児休業制度を導入する企業が相次ぐなど、同制度への社会的関心が急速に高まるとともに、その法制化を期待する声が広がってきたところであります。 このような育児と就業に関する労働者の意識の変化等に対応し、育児期の労働者が職業生活と家庭生活をそれぞれ充実して営むことができるような働きやすい環境づくりを進めることは、労働者の福祉の増進の観点はもとより、我が国経済社会の発展のためにも重要なことであると考えます。 こうした背景のもとに、政府としては、昨年十二月より婦人少年問題審議会において育児休業制度確立に向けての法的整備のあり方について御検討いただいてまいりましたが、本年三月同審議会から建議をいただきましたので、この建議に沿って法律案を作成し、同審議会にお諮りした上、ここに育児休業等に関する法律案として提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、育児休業の権利であります。 一歳に満たない子を養育する労働者は、期間を明らかにして事業主に申し出ることにより育児休業をすることができることとし、事業主は、育児休業を理由として労働者を解雇することができないこととしております。また、育児休業制度の円滑な実施のため、育児休業中の待遇に関する事項等の周知等の措置及び配置その他の雇用管理等に関して必要な措置を講ずることを事業主の努力義務としております。 第二に、勤務時間の短縮等の措置であります。 事業主は、一歳に満たない子を養育する労働者で育児休業をしないものに関して、勤務時間の短縮その他の就業しつつ子を養育することを容易にするための措置を講じなければならないこととしております。 第三に、一歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置であります。 事業主は、これらの労働者に関して一歳に満たない子を養育する労働者についての育児休業制度または勤務時間の短縮等の措置に準じて、必要な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。 第四に、指針及び国の援助であります。 育児休業制度の円滑な実施のために事業主が講ずべき措置、勤務時間の短縮等の措置に関して、労働大臣が指針を定め、これに従って助言、指導または勧告を行うほか、国は事業主に対し必要な援助に努めることとしております。 最後に、この法律の施行は、周知に必要な時間を考慮し、平成四年四月一日からとすることとともに、常時三十人以下の労働者を雇用する事業所については、施行の日から三年間育児休業の権利等に関する規定の適用を猶予することとしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○浜田委員長 次に、参議院社会労働委員長代理者理事前島英三郎君。 ───────────── 育児休業等に関する法律案の参議院修正 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○前島参議院議員 育児休業等に関する法律案に対する参議院の修正部分につきまして、その内容を御説明申し上げます。 修正の要旨は、政府は、この法律の施行後適当な時期において、育児休業の制度の実施状況、育児休業中における待遇の状況その他のこの法律の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点からこの法律に規定する育児休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浜田委員長 以上で本案の趣旨の説明は終わりました。 ─────────────
○浜田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。外口玉子君。
○外口委員 私は、本法案の審議をしていく上で、出産、育児という人間的な営みが働く者にとってハンディキャップとなるような社会の仕組みを変えていかなければならないと考えるものでございます。なぜなら、これまで私は、ハンディキャップを持ちながらもみずからそれを克服しようとする人々を社会全体で支えていく仕組みづくりに取り組んでまいりました。その中で、ハンディキャップを持った人たちが困難を乗り越えていくための政策の実現こそが、だれもが安心して暮らせる社会をつくることにほかならないと感じてきたからであります。本法案をそうした方向において実のあるものにしていくことの重要性をまず初めに強調しておきたいと思います。 したがって、今回おくればせながら、女性の多様な生き方を保障する選択肢の一つとして育児休業が制度化されることに対しては一定の評価が与えられるべきと考えます。そして、本法案は改めて日本の雇用形態を基本的に問い直すものであります。本法案をきっかけにして我が国の硬直した労働提供のあり方をより柔軟なものに転換していくことこそが今の私どもに求められていることと思います。個々人の負担を社会が増幅することに歯どめをかけ、より縮小軽減することによって、それぞれの職業選択の幅を広げ、社会参加の可能性を高めていくための第一歩となるような制度にぜひつくり上げていきたいと願うものであります。労働大臣、いかがでしょうか。まずは、ここで政府の本法案に対する基本的な考え方と、法の必要性について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 今次の法案を提出するに至りましたその前後における社会的なあるいは労働雇用政策上の背景等につきましては、ただいまも先生お話がございましたように、依然として労働力需給関係は極めて厳しい引き締め基調にございます。そしてまた、広く社会的な問題としてとらえてみましても、産業優先の時代から労働力尊重の時代へという、私は、歴史的な極めて大きな節目をある意味におきましては迎えておる、かように政策的にも見詰めておるところでございます。特に、ただいま先生お話がございましたこの育児休業制度の問題につきましては、国会内外におきまして早くからこれが本格的な制定化を期待をされてまいったことは御承知のとおりでございます。特に衆議院の社労委員会等においてもそのとおりでございますが、あるいはまた、一方参議院等におきましても、先ほど経過報告がございましたとおりのような形に至っておるわけでございまして、私どもは、そのような国民世論の熾烈な要請を背景にいたしまして今次法律を提出するに至ったということでございます。 さらにまた、男女労働者がいわゆる権利として労働者の福祉の増進を図るためにその法制化を促進するという側面も持っておりまして、労働者がその能力と貴重な経験を生かしながら仕事も家庭も充実をした生活を営むことができるような、いわゆる働きやすい環境づくりを進めていく上でも大きな具体的な一つの前進策である、かように考えておるところでございます。
○外口委員 今の大臣のお答えにありますように、大きな前進として位置づけられるとすれば、育児のみならず介護休暇制度あるいはまた障害者権利法などをも含むトータルな生活支援法の制定といった重要課題が今後に残されていることを指摘しておきたいと思います。 このような展望に立って一連の労働施策を進めていくために、法の「目的」に明記されているように、労働者の福祉の増進に向けて、本法案の実効性の確保に焦点を当てて私は質問を続けさせていただきたいと思います。 さきに参議院で審議の争点となったのは、第一点、育児休業中の経済的保障措置の問題、第二点、不利益取り扱いの禁止等、より実効性を確保するための措置の問題、そして第三に、中小事業所への適用猶予の問題であります。これらの問題を十分に論議する時間を衆議院の当委員会において持てないことはまことに残念なことです。 限られた時間の中で、特に私は、働く者の権利行使が円滑に行われることを重視して、不利益取り扱いの禁止の規定が設けられるべきではなかったかと考えます。なぜ規定されなかったのかについて政府の姿勢を問いたいと思います。御見解をお聞かせください。
○高橋(柵)政府委員 先生お尋ねの不利益取り扱いの禁止につきましては、育児休業の法的整備のあり方について御検討いただきました婦人少年問題審議会等におきましても議論のあったところでございますが、何が不利益であるのかの判断が難しく、ケース・バイ・ケースの問題でありますので、一律に法律で規定することは適当でないとしたところでございます。しかしながら、この問題につきましては、法の施行に伴い趣旨の徹底を図るべき重要な事項であるというふうに考えているところでございます。
○外口委員 ちょっと納得がまいりませんが、現在でも特定職種の育児休業法や四月一日の人事院の育児休業法制定の意見書などにおいても不利益取り扱いの禁止が規定されています。本法案の実効性を確実なものにするためにさらに検討することが必要と思われますが、この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 国家公務員につきましての育児休業法制につきましては、現在人事院の意見申し出に基づきまして総務庁において検討されているものと了解いたしておりますが、公務員につきましては、法令によりそもそも身分保障がされておりますこと、さらには特定職種の公務員等に関します現行の育児休業法においても同様の規定を確認的に置いていること等も考慮いたしまして人事院の意見の申し出が行われたものと理解をしているところでございます。 民間部門におきましては、その身分や勤務条件等が個別の労働契約や労使協定で定めるところに従うものでありますことから、不利益かどうかを判断するための比較の対象をどこに求めるのか。また、そもそも当該取り扱いが育児休業を理由としているものか否か等について、その判断がケース・バイ・ケースとならざるを得ないわけでございまして、かなりの困難を伴うものと考えられますことから、法律で規定することは適当ではないというふうに判断をいたしたものでございます。
○外口委員 ただいまのお答えだけでは、働く者の立場からすると納得のいかない点があります。不利益のないようさらに徹底していく方向で努力していくというお話ですが、その徹底の方法が重要かと思われます。 育児休業を請求する働く側にはさまざまな困難が予想されます。それを十分に支えるだけの強力な行政指導のあり方、すなわち指導や助言にとどまらない勧告などの手段を用いて臨むべきではないかと思いますが、大臣、法の実効性を高めるためにぜひとも必要な手だてだと思いますので、責任ある御答弁を大臣からお願いしたいと思います。
○小里国務大臣 基本的に、もうすぱっと申し上げますと、先生のおっしゃるとおりでございます。少なくとも不利益取り扱いとなるもの、あるいはそれらしき疑いを起こさしめるようなことがあってはならない。もっと具体的に申し上げますと、育児休業の申し出をいたしました、あるいはまた、それらの協議が調って育児休業をいたしました、そのような事由によりまして不利益取り扱いが行われてはならない、これは当然でございまして、申し上げるまでもなく育児休業が労働者の基本的権利として今回認定をされるわけでございますから、それ以上申し上げることもなかろう、私はさように思います。 さらにまた、先生が重ねて念を入れておられるように、いかなることがあってもならないというきちんとした労働省としての方針を明確にするべきではないかというお話のようでございますが、法律案第十二条でおわかりいただきまするように、労働大臣が、ただいま先生が御指摘になりましたことなどを特に重視いたしまして、指針をきちんと厳正に執行していただけるものと期待のできるものを整理いたしたい、かように考えております。
○外口委員 もう一度重ねて、勧告などの強力な措置による徹底した指導をされるということを確認したいと思います。大臣、お答えいただけますか。時間がありませんので、確認するということでよろしゅうございましょうか。——ありがとうございます。 次に、不利益取り扱いと同様に、あるいはまたそれ以上に、休業中の労働者にとって極めて重要な意味合いを持つ所得保障の問題に入らせていただきます。 まず、現段階で所得保障についてはどのようにお考えになっているのか、制度の実効性確保の立場からの御見解をお伺いいたしたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 育児休業期間中の労働者の経済的援助につきましては、一方で、安心して育児休業が取得できるように所得保障を行うべきであるという御意見があり、また他方、いかなる支払いも事業主に法律で義務づけるべきではないあるいは育児休業が任意的、選択的でありますことから、他の労働者などとのバランスを考える必要があるなどの見解も見られるところでございまして、このようにさまざまな意見、見解の違いが見られる中では一定の方向を定めることは困難な状況にあると考えております。 なお、現実に企業におきまして労働者福祉や人材確保の観点から何らかの給付が行われておりますけれども、これについては、今後それぞれの労使間で育児休業制度の趣旨を十分踏まえ、妥当な方向を見出していくべきことであるというふうに考えております。
○外口委員 今後、恐らく一定期間を経ての見直しが本法案についても行われると思いますが、その際には当然に所得保障についても労働者の希望する状況を踏まえた上で検討をされると思いますが、どのように進めていかれるのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 休業期間中の経済的援助措置の問題は先ほど申し上げたとおりでございますが、見直しの問題につきましては、参議院における修正によりまして「政府は、この法律の施行後適当な時期において、育児休業の制度の実施状況、育児休業中における待遇の状況その他のこの法律の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点からこの法律に規定する育児休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」こういう規定が設けられたところでございますので、この規定を踏まえて対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○外口委員 ただいまお答えいただきました今後総合的に検討を加えて見直しをするという点ですが、その見直しに向けては法施行後も国の責任で実態を正確に把握していくことが不可欠だと思います。利用者の側の声を直接に聞く国の基本姿勢として当然のこととして、福祉の場合のオンブズマン制度と同じような育児オンブズマン制度ともいうべきフォローアップをお考えいただいていると受けとめさせていただいてよろしいでしょうか。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○高橋(柵)政府委員 法律の施行状況の把握につきましては種々の方策が考えられるというふうに思いますけれども、この法律の適切な実態を把握するための方策は、今後私どもも十分に検討してまいりたいというふうに思っております。
○外口委員 では、その検討をよろしくお願いしたいと思います。 時間がありませんので、次に移らせていただきます。 特に、これは中小事業所の適用猶予の問題として重要ですが、働いている事業所の規模によって育児休業がとれるか否かが決まってしまうということは、労働者の権利に差別を設けることになると思います。先ほど大臣がおっしゃいましたように、労働者の福祉の増進という法の目的にも反する重大な問題だと考えます。したがって、中小事業所においても直ちにこの制度が導入されるよう積極的な援助を国の責任で進めていくことが大切なのではないでしょうか。政府の御見解をお伺いいたしたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 常時三十人以下の労働者を雇用する事業所におきましては、育児休業が直ちに認められた場合には雇用管理の面において種々の困難が予想されるということでございます。したがいまして、準備期間として本法律案では三年間の適用猶予期間を設けることといたしたものでございます。この常時三十人以下の労働者を雇用する事業所につきましても、猶予期間内においてなるべく早期に制度の確立が図られますよう指導援助を行うことが必要であるというふうに考えております。
○外口委員 本法案を定着させていくためには今のお話だけでは不十分であると思います。既に民間大手企業の中では育児休業期間を三年までとれるような制度の充実が図られている例もあり、とりわけ中小の事業所の育児休業希望者に差別なく制度の運用が図られるような助成制度が今回こそ必要なのではないかと考えます。もう一歩踏み込んでの御答弁を期待しますので、労働省、いかがでしょうか。
○高橋(柵)政府委員 現在育児休業制度の導入促進のために設けております育児休業奨励金制度というのがございますが、これは法律の施行に伴って基本的にはその使命を果たしたことになるわけでございます。しかしながら、施行後におきましても、適用猶予期間中の事業所において育児休業制度の導入を促進することは重要な課題であるというふうに考えておりますので、そうした事業所の事業主に対する制度導入促進のための助成措置を平成四年度予算の中で労働省として要求をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○外口委員 そうしますと、少なくとも当面の措置として実質的に休業期間中の労働者のためになるような財政的な援助措置が図られるべきではあるということでしょうか。労働省としてはどのように実行されるつもりでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 先ほどのお尋ねは、この法律案が可決、成立いたしまして施行の段階におきまして、三年間の適用を猶予される中小企業について、できるだけそういう事業所におきましてもこの制度が早期に導入を図られるよう必要な援助をしてまいりたいということでございます。 そのほか、この育児休業というものは比較的長期の休業期間でございますので、労働者の円滑な職場復帰が図られますよう私どもも事業主に対して必要な情報提供あるいは研修等を行うよう努力を求めたいというふうに考えておりますので、そのような努力を行う事業主に対して私どもの方も国として援助をするべきではないだろうかという考えに立ちまして、労働省としてもそういうことを平成四年度の予算要求の中で努力をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○外口委員 ぜひとも今おっしゃいました積極的な促進を今後お願いしたいと思います。 続いて、今回法案の中で勤務時間の短縮の措置を事業主の義務として規定したことは、働く者にとってその選択の幅を広げる余地ができたという点で評価できます。しかし、労働者の請求権として規定されなかったことは大変、残された重大問題であると考えるものでございます。かねてより労働時間の短縮は我が国の労働者すべての切実な課題であり、その実現は国際的にも注目を浴びているところでございます。本法案によって労働者の請求権として確立することは、労働形態を今後柔軟なものにしていく好機と私は考えますが、労働省としての御決意のほどをお伺いいたしたいと思います。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○高橋(柵)政府委員 一歳に満たない子を養育する労働者にとりましては、勤務時間の短縮その他の就業しつつ子を養育することを容易にするための措置というのは、育児休業と並んでその雇用の継続のために必要性が高い措置であるというふうに考えております。したがいまして、事業主にその実施の義務を課したところでございます。施行に当たりましては、その趣旨を十分徹底するよう指導を行ってまいりたいというふうに存じております。 なお、今回の法律案におきまして、勤務時間の短縮等に関します事業主の義務の内容でございますが、事業の種類、労働者の状況等によって、そのニーズや対応可能性がさまざまでありますことから、必ずしも特定したものとはしなかったところでございまして、御指摘のように直ちに請求権とすることは適当ではないというふうに考えております。
○外口委員 請求権としてということを今後の課題とさせていただきたい。 本日、傍聴席にも働く方々の代表者が多くおいでになりますが、その前で改めて労働大臣から責任ある御答弁をいただきたいと思います。ぜひとも労働省の責任において、労働時間の短縮の定着に向けての努力を重ねてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小里国務大臣 先生、時間の関係もありましょうから、一応この段階では時短の問題につきましてお答え申し上げておきたいと思います。 ただいま婦人局長御答弁申し上げましたような心得で、積極的に対応していかなければならない課題の一つだ、かように思っております。殊に、労働大臣指針におきまして、それらのことも包括して措置することになるわけでございますが、ただいま御要請のあったこと等は当然のことでございます。なおまた、一般的に申し上げましても、労働時間一千八百時間を目指しての政府の、これが可能性を目指してのより早い時期を目標にしての作業に入っておりますことも御承知のとおりでございまして、これらの問題等、背景も非常に積極的な雰囲気が出てこようかと思っておりますから、ぜひその方向で実現を期していきたい、かように思っております。
○外口委員 では、その点よろしくお願いしたいと思います。 時間もそろそろありませんので、大変残念ですが、十分に審議をし尽くせなかった点、この後の岡崎さんに具体的な点については触れていただきたいと思います。 最後に、冒頭で私の基本的な考え方を述べさせていただきましたが、私は、典型的な交代制職場である病院、あるいはまた福祉ホームなどにおいて長い間仕事をしてまいりましたが、人のお世話をする者たちに対し、国が責任を持って身分の保障や柔軟な勤務体制をいまだ実現していないことに大きな憤りを覚えている者の一人でございます。人の手助けが最も必要とされる介護などの人間的な営みを支える社会の仕組みづくりと、それを担う人たちが各ライフサイクルのそれぞれの時期に応じて、その人らしい労働提供ができるような、そのような柔軟な労働形態の実現こそ、これからの私たちに迫られている重要課題であると考えるものでございます。本法案の定着にますます努力されて、本法案が二十一世紀の保健、医療、福祉の仕組みを構想していけるような一石を投じられるものとなるように、厚生省、そして最後に労働大臣の責任ある御答弁を伺い、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○中村説明員 先生の御指摘は、高齢化社会が進む中で、介護等の問題が生じてきた場合、その介護に従事する福祉労働者あるいは一般の在宅でお年寄りを看護する家庭介護、そういった状況に即した労働行政あるいはその雇用条件というものが設定されるべきではないか、その点について厚生省はどう考えておるのかというお尋ねであると思います。 保健医療、福祉のマンパワーの確保対策につきましては、これは重要であるというふうに認識しておりまして、かねてから処遇の改善等も図っておるところでございます。省内でもこの三月に保健医療・福祉マンパワー対策本部の中間報告を出しまして、その線に沿いまして、福祉労働者の雇用環境の改善、こういったものについては努力してまいりたいと思っております。また、在宅でお年寄りの介護をするという問題につきましては、何よりもまず必要な在宅福祉サービスというのが家庭で受けられることが緊要と考えておりまして、今年度で二年目になりました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づきまして、在宅福祉サービスの推進、充実に努めているところでございます。 介護休業というような問題につきましては、直接的には労働省の御所管の問題であると思っておりますが、女性の社会参加が増す中で、老親等の介護というのは大きな問題になっておりますことから、介護休業といったようなものにつきましても、普及促進が図られるべきであるというふうに厚生省としては考えて念願しているところでございます。
○小里国務大臣 人口の高齢化、そして核家族化、さらにまた女子労働者、いわゆる就業機会の増加等々によりまして、老親等家族介護の責任あるいは負担量というものは、お話ございましたように、顕著な勢いでふえてまいっております。そのような見地から考えてみましても、ただいまお話しの介護休業制度の必要性及びこれを高度化していくということは極めて大きな問題でございまして、私どもも日ごろ労働行政の中におきましてそのような観点で対処をさせていただいておるところでございます。
○外口委員 時間も私に与えられました時間が過ぎましたので、これで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浜田委員長 岡崎宏美君。
○岡崎(宏)委員 外口議員に引き続いて質問をいたします。 私は、私自身二人の子供を育てながら働き続けてまいりました一人の労働者といたしまして、親も子も人間としてゆとりを持った生活をしていくための一つの手だてとして本当に長年多くの労働者の皆さんが要求をし、また運動をしてきたことを背景にしてきょうこうして育児休業法として法制化されようとしている、そのことについて評価をする立場で、しかし本当に実効性のあるものとして、また周知が足らないために誤解を生じ、あるいは混乱が起きるということのないように、こういう立場で幾つかの点について確認を込めまして質問をしていきたいというふうに思います。何点かございますので、時間の関係もあります、できるだけ端的にわかりやすくお答えをいただきたいと思います。 まず、育児休業に関する定めと就業規則との関係についてです。 労働基準法の第八十九条第一項第一号の規定では、就業規則に必ず記載しなければならない事項として休暇に関する事項が挙げられておりますけれども、育児休業はこの休暇に該当するかどうかお伺いをいたします。あわせて、もし該当をするなら、常時十人以上の労働者を使用する使用者は、育児休業に関する就業規則を作成して、行政官庁に届け出なければならないことになると思いますけれども、この点についてもお伺いをいたします。
○佐藤(勝)政府委員 労働基準法の八十九条の一項一号の休暇には、従来から育児休暇も含まれているものと解釈をしております。したがいまして、ただいま審議されております育児休業法案によります育児休業もこの育児休暇に含まれるものというふうに考えております。 また、育児休業につきましては、これは就業規則に記載することが必要でございますけれども、その記載の仕方はいろいろございますが、例えば育児休業法案の内容のとおりのものを付与するということであれば、その旨が就業規則上明らかになっていれば与えられるものというふうに考えております。いずれにしましても、就業規則としてはこれを行政機関に届け出る必要があるということは労働基準法の定めるとおりでございます。
○岡崎(宏)委員 次に、先ほど外口議員の方からも勤務時間の短縮、労働時間の短縮について指摘をさせていただいているわけですが、今回勤務時間の短縮について育児休業を選択しなかった人の手だてとして法制化されますことは、私も実際子育てをしながらこれが一つの選択の方法として確立をされるということについては基本的に評価をいたします。ただ、場合によって使用者が育児休業の取得ではなくて勤務時間の短縮の方で育児を行いなさい、こういうふうに労働者に何らかの圧力をかけるおそれがないとは言えないのではないか、そのようなことがあっては困るわけですので、これは労働省としても使用者を十分指導をしていただきたいと思うわけですが、これについてはいかがお考えですか。
○高橋(柵)政府委員 先ほど申し上げましたように、一歳に満たない子を養育する労働者にとりまして、勤務時間の短縮等の措置は育児休業と並んでその雇用継続のために必要性が高い措置であるというふうに考えられますことから、法律案では事業主はこれらの措置を講じなければならないとしたところでございます。もちろん育児休業を申し出るかあるいは勤務時間の短縮を申し出るかというのは、あくまでも労働者自身の選択にゆだねられているわけでございまして、事業主により強制させられるものではございません。労働省といたしましても、その趣旨を十分徹底すべきものと考えているところでございます。 また、勤務時間の短縮につきましては、法案文上も労働者の申し出に基づく勤務時間の短縮としての措置が予定されているわけでございまして、これにつきましても、そのような措置を講じる事業主に対しまして趣旨の徹底を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○岡崎(宏)委員 特に、今回労働者の対象といいますか性別の枠がないわけですから、父親も母親も子育てに、家庭責任に参加をしていく意味において、あくまでも育児休業を選択あるいは勤務時間の短縮を選択、これが確実に広がった場合に私は実効あるものになっていくというふうに考えますので、十分に周知徹底を図るというお答えでしたけれども、先ほど外口議員の方から、直ちにではないとしても今後の課題として、請求権として考えていってはどうか、こういう指摘もさせていただいております。 重ねてお尋ねをいたします。今の時点で請求権ということではないにしても、この勤務時間の短縮を選ぶかどうか、これはあくまでも労働者の選択に任されるべきである、選択の権利に使用者は干渉することはできない、このことを明確にお答えをいただきたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 先ほども御答弁を申し上げましたが、育児休業をとるかあるいは勤務時間の短縮をとるか、どちらを申し出るか、これは労働者自身の選択でございますので強制させられるものではございませんし、また、勤務時間の短縮につきましても、労働者の申し出に基づくものでございますので、そういった趣旨を十分にこの法律の施行の段階において徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 次に、これは、今の実際選択をというふうな場合にもいろいろなケースがこれから出てくるだろうと思うのですが、実際に制度を活用をしていく段階でこの法律の趣旨が生かされなければならないと思うのです。そのために行政として関係労使に十分制度の周知を図っていただかなくてはなりません。これは、実際、これから具体的な事例が多く生まれてくるたびに一つ一つの問題点も出てくるであろうかと思われるわけですが、早急にそうした事例について収集をして活用の促進のために関係の人たちにその資料を提供する、マニュアルを出すというようなことをしていただきたいと思うわけですが、これについてはどんな準備をされているでしょうか。
○小里国務大臣 全く先生おっしゃるとおりでございまして、仮に本院で可決をいただきまして、いよいよ本格的な制度として発足をするにいたしましても、これが関係者の労使を初め広く国民各層に徹底をいたさなければこの実効を期することができないわけでございます。具体的に好事例集等でどうかというお話でございますが、もとより、そのようなことも大事な資料としながら大いにこれが啓発宣伝に努めてまいりたい、かように考えております。
○岡崎(宏)委員 ぜひ急いで仕事にかかっていただきたいと思っております。 次に、育児休業中の社会保険の扱いについてお尋ねをいたします。 まず、雇用保険の関係ですが、育児休業中の雇用保険料負担、それから休業中または休業の直後に非常に不幸にして企業の倒産などによって失業に陥った場合の失業給付額の取り扱いはどうなりますか。
○若林政府委員 育児休業中も雇用関係は継続するわけでございますので、雇用保険の被保険者資格は継続するわけでございます。 育児休業中の被保険者の雇用保険料の負担額は、一般保険料額表によりまして計算された額というふうになるわけでございますが、育児休業中、仮に無給の場合は保険料はゼロでございます。 給付の方でございますが、例えば無給の育児休業中に失業しました場合におきましては、育児休業前の六カ月間を基礎として、また、育児休業直後に失業いたしました場合におきましては、育児休業直後の期間と育児休業前の期間、つまり育児休業期間を除きましたものの六カ月間を基礎としまして受給資格の判断や給付日額の計算が行われるわけでございます。
○岡崎(宏)委員 それでは、休業の終了直後に労働災害に遭ってしまった場合、休業をせざるを得なくなったような場合の休業補償額はどういうふうになりますか。
○佐藤(勝)政府委員 休業補償給付の給付額の算定の基礎となります給付基礎日額でございますけれども、原則として労働基準法第十二条の平均賃金の額によることとされているところでございます。この平均賃金は、原則としまして被災日の前、被災日以前三カ月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額をその期間の日数で割って得た額というふうになっているわけでございますけれども、ただいま御質問のケースのような場合に、平均賃金の算定期間中に育児休業期間がある場合には、この原則に従って算定をしますと、平均賃金額は著しく低くなるということが考えられます。このため、ただいま御審議中の法案の附則の三条によりまして、労働基準法の第十二条、今申しました平均賃金の算定の規定でございますが、これを改正をいたしまして、育児休業期間につきましては、その日数それからその期間中の賃金を、平均賃金の算定の基礎となる期間それから賃金総額から除くということで、その部分を除いた上で算定をするということにしておりますので、これによりまして休業補償給付の額が適正に算定できるものと考えております。
○岡崎(宏)委員 次に、社会保険の扱いについてお尋ねをいたします。 民間の企業が育児休業制度を導入した場合、育児休業期間中の健康保険それから厚生年金保険の適用について現行の扱い、簡単でいいですからお願いします。
○堤説明員 健康保険及び厚生年金保険は被用者を対象といたします社会保険でございますので、育児のために一時的に休業している者でございましても、実質的な使用関係が存続すると認められる場合には、その休業期間中においても被保険者資格を喪失しないという扱いをとっております。
○岡崎(宏)委員 それでは、育児休業が法制度化された場合、子が一歳に達するまでの間で労働者が希望する期間、育児休業が権利として全労働者にこれで認められる、こういう事態になったときに、そうなった場合、社会保険の適用についてはどういうふうに考えていますか。
○堤説明員 今回、育児休業法が制定されるということになりますと、この法案の内容を見る限りにおきましては、育児休業法に基づく育児休業期間中も実質的な使用関係が存続すると認められる内容でございますので、その期間中におきましては社会保険の被保険者資格は継続するという取り扱いになるものと考えております。
○岡崎(宏)委員 民間では既に子供が三歳に達するまで育児休業を認めているところもあります。今回育児休業法が施行された場合でも、それを上回って保障をしているところについてはどういうふうになりますか。
○堤説明員 従来から個々の民間企業で育児休業制度を設けられておりました場合に、先ほど申し上げましたような取り扱いをいたしておりますので、育児休業法に基づきます育児休業期間を超える育児休業期間につきましては、それが個々の企業でどういう内容の制度として設けられているかということを判断いたしまして、従来の取り扱い方に沿いまして個々の制度の内容に応じて判断をするということになると思います。
○岡崎(宏)委員 わかりました。 それでは、これは子供を育てていきます場合に、一歳までが何とかなればそれでよしというものでもありませんので、特に保育にかかわる部分が非常に大きな問題になってくると思います。そこでお尋ねをしたいのですが、育児休業の終了に伴う保育所への途中入所について、保育所に入所をしたい、入所をします、こういう場合に前もって入所の受け付けをすることができるとか、あるいは定員を超えても受け入れることができるようにするとか、これは親の方にしましたら非常に大きな問題ですので、これについて厚生省としてはどういうふうにとらえておられるか。特に、この制度の定着や普及を図るために、育児休業終了後の保育所への途中入所を制度化する、あるいは地方の公共団体に通達を出すなど、そういった手だてを急いでするべきではないかと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○小島説明員 育児休業制度の普及、定着を図るためには、育児休業後の職場復帰の際、児童の保育所への入所措置を円滑に進めることが極めて重要であると認識しております。育児休業明けとなりますと、ほとんどのケースが保育所への入所が年度途中になるわけでございますが、育児休業が法制化された場合には、先生御指摘の趣旨を踏まえまして保育所入所措置が円滑に進むよう、都道府県を通じまして市町村を鋭意指導してまいりたいというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 この保育の問題については参議院の方でもかなり指摘をさせていただいているわけですが、特に途中からでも入所するということを確実にしていただく場合に人の問題も出てくるだろうと思うのです。保育所の措置費の支払いの仕組みについて、育児休業が終了すると年度途中からでも措置をされるというふうに考えるわけですが、定員を超えても措置できるということは、措置費の支払い、当然子供がふえた分だけ支弁をされるというふうに考えていいわけですね。これについてお尋ねをいたします。
○小島説明員 保育所の措置費につきましては、月ごとに実際に保育所に在籍した児童の数に応じて支払われることになっております。よって、年度途中で児童がふえた場合にも、そのふえた児童の数に応じまして措置費が多く支払われるということになっております。
○岡崎(宏)委員 当然その中には人件費も含まれている、こういうふうに考えてよろしいわけですね。
○小島説明員 保母等の人件費も含まれております。
○岡崎(宏)委員 保育所に入ってくる子供というのは、年間を通して見ると四月が最も少なくて、そして次第に増加をしていって三月が最大になる、こういうふうに説明を聞いているわけなんですが、育児休業の法制化に伴ってその変動の幅はふえていくのではないかというふうに考えます。児童数がふえれば当然それに伴って保母さんを初め職員をふやす必要があると思うのです。これについて御見解をお尋ねいたします。
○小島説明員 保育所におきます職員の配置基準につきましては、児童福祉施設最低基準に定められておりまして、入所児童数の増加に対しまして、この基準に照らして必要な職員数を確保していくことが必要であるということになっております。
○岡崎(宏)委員 最低基準に照らして必要な職員を確保するということは今見解を伺ったわけです。しかし、今この保育の職場も職員の確保が非常に難しいというふうに言われております。ですから、措置費は子供の数に合わせてふやしているからいいでしょうということでは、いざというときに肝心の人の確保がなかなか難しいこともあります。ですから、保育所への年度途中入所がこれからもふえていくことは明らかになるわけですから、その途中での保母など職員の確保を円滑にする手だてを早急に講じていただきたいと思います。そのための手だてについて厚生省の御見解をお伺いしたい。 それから、これは地域にも非常に差があると思いますけれども、人口が急増していっているというふうな地帯、特にこれが問題になっていくと思いますので、これについての対策をお伺いしたいと思います。
○小島説明員 年度途中の保母の確保についてでございますが、近年の人手不足の影響を受けまして、地域によっては保母の確保が非常に困難になっている状況が生じているというように聞いております。厚生省といたしましては、保母の確保のためにはまず保母の処遇改善が重要であると考えておりまして、平成三年度予算におきましても、業務省力化等勤務条件改善費の改善、年休代替要員費の増加、事務職員雇い上げ費の引き上げ等々の処遇改善の対策を講じているところでございます。御指摘の年度途中の保母の確保につきましては、今後どういった実効ある対策が必要かはさらに検討をしてまいりたいと考えております。 さらに、お尋ねの人口急増地域における保育所の問題でございますが、全国に二万三千カ所ありまして、全国的にはほぼ数は充足していると考えておりますが、御指摘のように人口急増地域等には保育所の新設が必要な場合もございます。六十三年度には全国で五十三カ所、平成元年度は四十九カ所、平成二年度は五十六カ所にわたって新設または定員の増を認めているわけでございまして、今後とも都道府県、市町村とよく相談して、地域の実情に応じた対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 幾つかの点をそれぞれ関係の省庁にお尋ねをしたわけですが、休業制度ができたからすべてうまくいくというわけではありませんで、その休業制度を本当に働く人たちが選んで、そして親も子もゆとりを持って働き、あるいは生活をする、それを保障していくためにはまだたくさんの取り巻く状況というものを変えていかなければならないということを私は痛切に感じますので、ぜひこれから問題点が見つかればそれを改善をしていく、この努力をお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○浜田委員長 池端清一君。
○池端委員 ただいま同僚の外口、岡崎両委員からいろいろお尋ねをしたところでありますが、私も若干の点について確認的な質問をいたしたいと思います。 まず最初に総務庁にお尋ねをいたします。 育児休業法制度は官民同時に施行すべきものと考えるものであります。したがって、政府、関係各省庁は公務員関係の法律案を可及的速やかに国会に提出すべきであると存じます。また、この法案を取りまとめるに当たっては、今回の育児休業法制化問題の経過等を十分に踏まえるとともに、公務員法制の一環であることを考慮し、職員の平等取り扱いの原則に抵触しないようにすべきであると考えますが、この点についての総務庁の御所見を承りたいと思います。
○畠中説明員 お答え申し上げます。 国家公務員の育児休業制度につきましては、去る四月一日の人事院の意見の申し出を受けまして、政府部内で鋭意法案化の作業を進めているところでございます。法案の作成に当たりましては、現行の特定職種を対象とする育児休業法の取り扱いや、特別職及び地方公務員の取り扱いなどにつきまして、関係省庁との間でなお検討、調整を行う必要がございます。 総務庁といたしましては、国家公務員の育児休業法案も、民間の労働者を対象とする育児休業法案の施行日に合わせることが重要であるというふうに考えておりまして、成案を得られれば速やかに国会に提出するよう、引き続き努力したいと考えております。 なお、法案の内容につきましては、人事院の意見の申し出の内容に沿って措置してまいりたいというふうに考えております。
○池端委員 ただいまも答弁ありましたけれども、可及的速やかに国会に提出するよう、重ねて強く申し上げておきます。 次に労働大臣にお尋ねをいたします。 参議院での修正によりまして、この法案は適当な時期に見直す旨の規定が設けられたわけでございますが、適当な時期というのは、小規模事業所の適用猶予期間が三年とされておるわけでございますので、私は三年後と理解しておるわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○小里国務大臣 ただいま先生お触れございましたように、非常に多岐にわたりまして長時間をかけて論議をされました参議院の審議の経過におきまして、ただいま先生お尋ねの見直しの時期は大きな焦点の一つであったわけでございます。 そこで、私、現段階におきまして申し上げられるぎりぎりのところを率直に申し上げてみたいと思うのでございますが、まず、育児休業制度の実施の状況、あるいは休業期間中の待遇の実態と申し上げますか状況、その他、この法律の施行状況を見ながら、三年間の暫定措置が取れて全面的に適用される時期をも念頭に置きながら、必要な場合には総合的な見直しを行う、これが私の今日のぎりぎりの表明できる考え方でございます。
○池端委員 今回の法制化に当たって、私たちは終始一貫、休業期間中の何らかの所得保障が必要であるということを主張してきたわけでありますが、残念ながらこの点は盛り込まれておりません。私も連休中に地元へ帰っていろいろな人の御意見を聞いたのですが、これでは中途半端ではないか、実効が上がらないのではないかといういろいろな意見を聞いたわけでございます。私も率直に言って、仏つくって魂入れずという感を免れ得ないというような気持ちを持っておるわけでございます。 そこで、率直にお尋ねをしますが、この三年後の見直しに当たってはこの問題、いわゆる所得保障問題を最優先に行うべきであると思いますが、この点についての大臣の所信を承りたいと思います。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○小里国務大臣 ただいまの問題も先ほどのお尋ねの問題に劣らず極めて重要な、そしてまた、相当な論議が尽くされてまいっておるところでございます。御承知のとおり、婦人少年問題審議会の審議でもさまざまな意見、見解が述べられたところでございます。そしてまた、率直に申し上げまして、それぞれの立場におきまして意見が余りにも懸隔がある、そういう感じを受けるようなさまざまな意見が出された状況でございまして、私ども労働省といたしましても、公正な、しかも前向きな気持ちを持ちながらこれを拝聴し、そしてまた、労働省自身の本来の労働者の福祉を守るという基本的な原則に常に立ちながら検討をいたしたつもりでございますが、現段階におきましては一定の方向を定めることは困難な状況でございまして、今後、多角的かつ広範な観点からこの問題につきましても論議が、あるいはまた一つの意見が高まることが必要と私どもも痛感をいたしておるところでございます。 特に見直しにつきましては、参議院におきまする修正におきまして、「政府は、この法律の施行後適当な時期において、育児休業の制度の実施状況、育児休業中における待遇の状況その他のこの法律の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、子を養育する労働者の福祉の増進の観点からこの法律に規定する育児休業の制度等について総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」との規定が設けられましたところでございまして、この点も先生御承知の上でお話があったと思う次第でございますが、改めて申し上げまして、先生御指摘の問題についてもこの規定を踏まえ、対応をしてまいる所存でございます。
○池端委員 法律の実効性を確保するためには育児休業を労働者の権利として規定するだけでは不十分であります。不利益取り扱いを禁止する明文規定や原職あるいは原職相当職への復帰を保障する規定を盛り込むべきだと思うのであります。その点、先ほど、不利益取り扱いの禁止については指針に明記するとともに、行政指導を徹底する旨の答弁がございましたが、単に指針に禁止の文言を盛り込んでもこれは精神的規定にすぎず、指導の実効性は上がらないのではないか、こういうふうに思われるわけでございます。もっと具体的に、どういう場合が不利益取り扱いになるのか、不利益取り扱いとして禁止をされるのか、これを提示する必要があるのではないか、こう思うわけであります。 例えて申しますと、育児休業を八カ月とった、そして復職をしましたところ、休業前の賃金よりも二割低かった、こういうような場合、あるいは休業前は本社の事務部門の勤務であった者が復職後は転居しなければ通えない支社勤務を命ぜられたというような場合は、明らかに育児休業取得を理由とする不利益取り扱い、こういうふうに私は考えられると思うのであります。こういうような具体例を示すことによるて初めて企業に対する指導の効果も上がるのではないか、こう思うわけでありますが、この点についてはいかがでございましょうか。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○小里国務大臣 労働者が育児休業を申し出をする、あるいはまたその協議が相調いまして休業をいたした、そのような事由によりまして不利益取り扱いが起こってはならない、まかり違っても決してそういうことがあってはならないと、私どもは労働行政を取り扱う立場の者といたしまして、そういう気迫であるいはまた姿勢で対応いたさなければならぬと思うのでございます。また、御承知のとおり労働者の権利として育児休業が今回改めましてきちんと確立されるわけでございますから、その趣旨を徹底するためにも、方法としては、法律案第十二条で労働大臣が、ただいま先生お話しの指針でその旨を明記して行政指導を徹底いたします、こういうふうにお答え申し上げておりますし、そう考えておるところでございますが、さらに一段と厳正にその趣旨が徹底されますよう努力をいたしたいと思います。 なおまた、その際、御指摘のように具体的例も含めさまざまなケースについて不利益かどうか、育児休業を理由としているか否かを判断する基準を設ける必要があるのではないかという御議論も十分傾聴に値する御意見であると思います。いずれにいたしましても、今後婦人少年問題審議会にお諮りをいたしまして、そして検討いただきたい、その際にも検討のテーマとして特に列記申し上げたい、かように思います。 なお、指針はできる限り早急に審議会にお諮りした上で、そして決定、公表し、施行までに十分その内容が徹底するように努力してまいりたいと思っております。
○池端委員 ただいまの問題とも関連するわけでありますが、休業後原職あるいは原職相当職に戻ることを保障することは、育児休業を権利として認めることから当然導き出されなければならない結論であると思うわけであります。不利益取り扱いの禁止と並び、これが実現されるような必要な措置を講ずべきだと思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○小里国務大臣 原職または原職相当職に復帰させることは、企業にとりましてもそれからまた労働者にとりましても、人材確保あるいは能力発揮といった観点から望ましい、私はそういうふうに判断をいたします。これを画一的な法制度とすることは難しいと思われるところでございますが、労働省といたしましては、育児休業制度の法制化の趣旨を踏まえまして、可能な限り原職または原職相当職に復帰が実現するような啓発指導を行ってまいりたいと思っております。
○池端委員 先ほども答弁がありましたが、この法案の第十二条で指針を労働大臣が定めることになっているわけであります。この指針を定める基本的な考え方は何か、また、不利益取り扱い以外の内容はどのようなものがあるのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○小里国務大臣 指針は、先生御承知のとおり第八条から第十一条までに規定される事業主の行うべき努力義務と申し上げますか、等に関しまして、その努力目標や努力するに当たり配慮するべき事項を明示することにより、これらの規定に従ったいわゆる事業主の努力等が円滑に進むことを目的として策定することとしたものでございます。具体的には、御指摘の不利益取り扱いの問題のほか、子の養育を容易にするための勤務時間の短縮あるいは休業申し出及び育児休業後の就業が円滑に進められますための措置等、育児休業の制度をよりよく機能させるためのもろもろの工夫について幅広く検討し織り込んでまいらなければならないと思っております。
○池端委員 次に、育児休業は比較的長期間の休業でございますから、休業期間中の労働者が経済的不安とともに、将来の職場復帰が円滑に行えるかどうかという不安を抱くことは私は当然のことであると思うわけでございます。そのために第九条で、事業主は休業中の労働者の職業能力の開発及び向上等に必要な措置を講ずるよう努めなければならない、こういうふうに規定をしておるわけでございますが、具体的にどのような措置をお考えになっているのか、また、それに対して政府はどのような援助を行うつもりなのか、お答えをいただきたいと思います。
○小里国務大臣 私は率直に申し上げまして、ただいまお話がございました問題等を法律の起案を始めました前後に考えましたことは、一つは、概念論になるかもしれませんけれども、休業許可をとって休業をしておる休業中の労働者も、私は今休業しているけれどもやがて所定の期限が来たらまた職場に復帰しなければならない、復帰したときの職場はどういう状況になっているだろうか、あるいは約束どおり復帰できるだろうか、いろいろな不安等もあるだろうと考えました。ですから、その辺の不安を払拭をし、きちんとした安定した休業ができ得るようなことにもつながるような研修、啓発も必要だな、実はそういうことも考えたいきさつがございます。 ただいま先生お話しの、そういう労働者の能力維持あるいは回復のための研修、情報提供等を行うことについて努力を促すとともに、これらの努力を行う事業主に対しましては、必要な資料、情報の提供を行うほか、一定の助成制度を設ける等、積極的な対応をしていかなければならぬ、かように実は考えておるところでございます。そのようなことで、特にこの助成制度の内容、金額等についても、先生あるいはお尋ねになったのかもしれませんが、今後具体的に検討を行い、平成四年度予算の中で要求してまいりたい、かように考えております。
○池端委員 次に、小規模事業所に対する適用猶予措置についてお伺いをいたします。 育児休業の権利は本来就業先事業所の規模によって左右されるものではない、私はこのように考えるわけでございます。仮に百歩譲って今回の政府案のような措置にするにしても、国としてはできるだけ早くこのような権利保障の不安定な状態を解消する、解消を図っていく、こういうことが必要ではないか、こう思うわけでございます。したがって、中小零細企業に対して助成措置を講ずること、それも、できるだけ早く本則どおり実施したときにはそれに応じて助成措置も手厚く措置をするなどの措置が重要ではないか、こう思うわけでございますが、これについての、指導の問題等も含めて政府の考え方をお聞きしたいと思います。
○小里国務大臣 まず、端的にお答え申し上げまして、私は、助成制度も当然必要であり、また先刻も局長が答弁申し上げたところでございますが、同時にまた、事業規模三十人以下の企業の現場でありましても、できるだけ早く、三年といわず二年といわず、あるいは一年といわず、可能な限り早急に本制度の活用をしていただくように奨励することが先決問題だ、かようにも思っております。 なおまた、準備期間として、本法律案では、ただいまお話し申し上げましたように三年間の猶予期間を設けたところでありますが、その事業所についても、申し上げましたようにできるだけ早くひとつこれが活用を行うように、制度の早期導入を促進するように督励をいたします。 そしてまた、大企業の支店等では本店、本社と同時に育児休業制度が導入されることが多い、私どもはそういう分析を最近いたしておりまして、そういうことから考えましても、三十人以下の支店等を持つ企業においては統一的に導入されるよう指導を行ってまいるつもりでございます。
○池端委員 与えられた時間がもう過ぎてしまったので、最後に一問お尋ねをいたします。 この法律の実効ある運営を確保するためには、都道府県婦人少年室を中心とした行政体制の充実強化を図る必要があるというふうに考えるわけでございます。聞くところによりますと、婦人少年室は今年度からようやく最低四人以上の配置となったばかりである、こういう現状は非常に不十分な体制ではないか、まだまだ不十分なものだ、こういうふうに思うわけでございますが、今後計画的にこの婦人少年室の充実強化を図る必要があるというふうに私は思うわけでありますが、大臣の所信を承りたいと思います。
○小里国務大臣 仮にこのたびこの法律をお認めただきまして実施するとなると、なかなか二万五千おります労働省の職員をして事務量も画期的に大きくなるな、責任ある大臣として私もその点いろいろ心配をいたしております。お説ごもっともでございまして、可能な限り積極的にさような方向で督励そしてまた努力をしてまいりたいと思っております。
○池端委員 小里労働大臣初め労働省の皆さん方の今日までの御努力に私は心から敬意を表するものでございますが、やはり実効ある措置が何としても確保されるようにしなければならない、こう思うわけでありますので、今後とも最大限の努力を傾注されるよう強く要望しまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○浜田委員長 大野由利子君。
○大野(由)委員 今回の政府案によりますと、「期間を定めて雇用される者」は育児休業の申し出対象者から除く、そのようになっておりますが、実際には反復契約によりまして十年、十五年と勤めていらっしゃる方がいらっしゃるわけでございます。一般の女子労働者の平均勤続年数は現在七年でございますが、この方たちが育児休業が認められて、そしてそれ以上勤めていらっしゃる方が育児休業が認められないということは大変な不公平ではないか、そのように思いますが、労働大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 本法案におきまして、育児休業の対象から、「期間を定めて雇用される者」を除外申し上げましたが、これは通常、最長一年という契約期間をもって雇用が終了し、当事者の意思で契約を更新するか否かを決める、こういう雇用形態でございますので、子が一歳に達するまでの長期的な休業という育児休業の性質にはなじまないというふうに考えたものでございます。
○大野(由)委員 今ちょっと、私の質問の回答をしていただいてないのではないかと思いますが、実際には十年、十五年継続して勤務していらっしゃる、事実そういう方がいらっしゃるわけでございますが、こういう方は、育児休業をする権利が認められないのかどうか、それについてお尋ねしております。労働大臣にお尋ねしたいと思います。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○高橋(柵)政府委員 先生のお尋ねは、有期雇用が反復した場合に、その育児休業の取り扱いがどうなるか、こういうことでございます。 この有期雇用が反復した場合の育児休業の取り扱いにつきましては、当該契約が期間の定めのない労働契約と見られるかという観点から、実態に応じて個別に判断すべきものであるというふうに考えておりまして、一般的には、ただ継続をしたことだけで直ちに期間の定めのない労働契約と同様に取り扱うべきことにはならないものと考えております。ただ、それぞれの事業所におきまして、これらのことがどういうふうに定められるかということも関係するというふうには考えられるところでございます。
○大野(由)委員 反復雇用している場合は個別、実態で判断、そのように参議院で労働大臣が答弁をされていますが、この個別、実態で判断ということは、具体例を挙げて説明をしていただきたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 この反復更新をした場合に、実際にその契約が期間の定めのない労働契約と見られるかどうかということにつきましては、それぞれケース・バイ・ケース、実態においての判断にもなるというふうに考えますので、一般的に申し上げることはなかなか難しいというふうに考えております。
○大野(由)委員 労働大臣いかがでしょうか。
○小里国務大臣 ただいま局長、御説明、御答弁申し上げたとおりでございます。
○大野(由)委員 今それぞれ個別に判断とおっしゃいましたけれども、実際には、そのお伺いいたしましても判断のしようがないわけでございますので、こういう場合はどうなるのかというふうなことをあわせて御検討をぜひしていただきまして、指針等にこういうこともあわせてぜひ盛り込んでいただきたい、そのように要望させていただきたい。そして、「期間を定めて雇用される者」であっても、一年以上とかまた三年以上とか既に勤続している人に対しては、育児休業を権利として認める、育児休業が適用されるということをぜひ明確にしていただきたい、そのように要望させていただきたいと思います。 それから、第二条で労働者の休業の権利を定め、そして三条で事業主の責務を定めておりますが、これが守られなかったとき、すなわち事業主が同意しなかったとき、労働者が婦人少年室に申し出たら、行政はどのように機能をするのか。十二条二項の「労働大臣は、事業主に対し、必要な助言、指導又は勧告を行うことができる。」このように出ておりますが、これと同じかどうかをお伺いしたいことと、もう一つ、今回の法律に不利益取り扱いの禁止が明記されていない、また原職または原職相当職への復帰も規定されていないわけでございますが、これが育児休業法の実効性を欠くわけでございますが、例えば育児休業期間を終了して復職したときに、事務職から現場の職へ移転になったとか、また本社から地方へと配転されたとか、それを不満に思った労働者が婦人少年室に申し出たときに行政はどのように対応をされるのか、お伺いしたいと思います。
○高橋(柵)政府委員 この育児休業制度というのは、事業主は、この法律案の定めるところによりまして労働者が育児休業を申し出れば、これは断ることができないものでございます。したがいまして、労働者は事業主の同意がなくても休業することができるということでございます。お尋ねのような場合に、全国四十七都道府県にございます婦人少年室といたしまして、事業主に対し法の趣旨等の徹底を図るための指導を行ってまいりたいというふうに考えております。 なお、法案の第十二条に基づく助言、指導、勧告というのがございますが、これは法案の八条から十一条までの規定に基づきまして事業主が講ずべき措置に関して適切かつ有効な実施を図るための指針に従って行うものでございます。御指摘のようなケースとは側面が異なるものというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても、婦人少年室を通じましての法の趣旨等の徹底、さらに不利益取り扱いの問題等、これは当然制度上許されないことでございますので、大臣のされます指針等に従いまして十分な指導を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大野(由)委員 今回、育児休業が法的に権利として認められ、公的な枠組みができたという意味では一歩前進、そのように受けとめておりますが、今回の政府案に所得保障が全く入っていないということに加えまして、解雇以外の不利益、つまり遠方への配置、配転とか賃金カットなどの不利益取り扱い禁止条項、また原職または原職相当職への復帰保障、また違反企業に対する罰則規定、また休業期間の勤続年数への算入に関する規定など、労働者にとって極めて重要な部分が骨抜きになっています。これがまさに絵にかいたもち、実効性が乏しいものになっているわけでございます。また、育児休業の取得に不可欠な問題の大半が労使の自主的な話し合いや協定にゆだねられているということは、いわゆる労使の力関係が大きく作用してくるという問題をはらんでいる、そのように言わざるを得ないわけでございます。 そこで、見直し時期も含めまして、これらの問題について早急な取り組みをぜひ検討を始めていただきたい。労働大臣の御所見、御決意、いつからこうした問題について検討を始められるのかということについてお尋ねをしたいと思います。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○小里国務大臣 時間の関係もございましょうから要約してお答え申し上げますと、見直しの時期につきましては、先ほどからお話し申し上げておりまするように、中小企業云々の事項もこれあり、それらの三年経過、その時点を念頭に置きながら私どもは考えてまいりたい。もとより、その見直しの客体となるべきもろもろの事項も出てまいるでございましょうから、その時点におきましては真摯に、かつまた積極的にその法律の実施状況の功罪を率直に振り返りながら総括して対応しなければならない、かように考えております。 なおまた、近々法律が仮に認定された場合に、確立された場合に、これが実施に伴うもろもろの附属の、附属というような言葉はどうかと思いますが、いろいろな要項等についての問題につきまして婦人少年問題審議会等にもお諮りする事項等も出てまいります。それらの問題も、ただいまお話しのようなことなども含めまして積極的に前向きで、今次の法律を制定する段階におきまして望むべくして残念ながら実現できなかった問題等もあり得るとするなれば、それらも素直に積極的に取り入れて審議をしていかなければならぬ、さように考えております。
○大野(由)委員 今回の育児休業の施行に当たりまして、国会における審議の経過を十分に留意して、特に育児休業を理由とした不利益取り扱いをしてはならない旨を指針に明記する、そして事業主に対する指導等を徹底するとともに、年次有給休暇の付与に当たっては、権利として認められる育児休業の期間を出勤率の計算上欠勤扱いとしないよう十分指導するよう格段の努力をしていただきたい、そのように思いますが、労働大臣の御所見を伺いたいと思います。
○小里国務大臣 ただいま先生御指摘、要望のありました問題も最大に参考にしながら対処させてもらいたいと思います。
○大野(由)委員 ぜひよろしくお願いをいたします。 続いて、厚生省にお尋ねをいたしますが、今回の育児休業法を実効性あるものにするための基盤整備に重要なものが保育所の入所問題でございます。最近ある新聞の投書欄に次のような読者の声が掲載されておりましたので、一部読んでみたいと思います。 二人目の出産を目前にして「育休をとれない」と嘆く知人がいます。 彼女が住む地域では、産後八週間以上休むと、上の子供は保育園を退園になるのです。育休後復職するとき、同じ保育園にはまず入れないし、もしかすると、どこの保育園にも入れないかもしれません。 福祉事務所でも「保育園の席を確保したいなら育休をとらないこと」と指導されたそうです。 「保育園は家庭で保育ができない子供のためのもの。親が休業中の子供には資格がない」とも福祉事務所は言います。けれども現実に育休制度を利用する立場になれば、親の職場確保と共に子供の保育環境の継続性を保障することが必要となるのは明らかです。 育休制度を実効性あるものにするため、行政の柔軟な対応を望みます。 こういう内容でございますが、私もお母さん方と話をしていてこういう要望をたびたび伺ってまいりました。行政の柔軟な対応が求められるわけでございますが、この問題について厚生省はどのように考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○小島説明員 育児休業中の上の子の保育についてのお尋ねでございますけれども、保育所は、共働き等の理由によりまして現実に家庭で育児ができない乳幼児を保育するというのが制度の基本となっております。一方、育児休業は、育児のために仕事を休むということがその趣旨であると理解しておりまして、御指摘のような児童につきましては、原則として保育所の入所措置の対象にはならないというふうに考えております。しかしながら、育児休業中であっても母親の健康状態その他家庭の状況によっては入所措置の対象となる場合もございまして、育児休業中だからといって一律に保育所に入所させないといった取り扱いをするのではなく、個別のケースに即した判断をするよう、従来から都道府県を通じまして市町村を指導しているところでございます。 また、育児休業前に保育所に入所していた児童、御指摘の児童でございますが、施設の定員等に余裕がある場合には、措置児童としてではございませんけれども、引き続き当該保育所に通所することを認めておりまして、今後とも育児休業の実態に即した配慮がなされるよう、都道府県を通じまして市町村を指導してまいりたいと考えております。
○大野(由)委員 既に入所している乳児や児童を保育園から追い出すというのは余りにも温かみのない、硬直した行政の姿勢ではないか、そのように思うわけでございます。 ところで、厚生省では昭和五十一年に「育児休業法の施行に伴う保育所の入所措置について」という通知、正式には内簡を市町村に対し出されておりますが、現場のお母さんや保育所、また福祉事務所にほとんど知られていない、そういう実情でございます。ですから、先ほど紹介いたしましたような投書の内容があるわけでございますが、今回の育児休業法が成立し施行されますと、このような問題がさらに深刻になってくる、そういうことが予想されます。育児休業法を実効性あるものにするための基盤整備として保育所への入所措置の充実を図るべきだ、そのように思いますが、厚生省はどのように対応をされるのか。厚生省は周知徹底を図る、そういう義務があるのではないか、そのように思いますが、御意見をお伺いしたいと思います。
○小島説明員 今回の育児休業等に関する法律が成立をいたしますと、全産業を対象に新たな育児休業制度がスタートをするわけでございます。この施行に伴う保育所の入所措置等の取り扱いにつきましても、新たな育児休業制度の趣旨に沿ってその取り扱いを検討していく必要があると考えておりまして、御指摘の内簡を含めまして関係通知の見直しについても検討をしてまいりたいと考えております。
○大野(由)委員 これは昭和五十一年の例の教師、保母、看護婦さん等の三業種の公務員に対する育児休業法が施行されたときのそういう内簡でございます。今回育児休業法が成立いたせば新たに通達が出されるということが必要ではないか、そのように思いますが、もう一度このことを確認をさせていただきたい。既に入所している上の子供が追い出されることはない、引き続いて保育所へ通所できる、そういうふうな実態に即したきめ細やかな措置が行われるというふうに理解していいかどうかお尋ねしたいと思います。
○小島説明員 育児休業中の親の子につきましては、先ほど申し上げましたように保育所の定員に余裕がある場合ということでございまして、これは保育所制度の本旨ということから定員を超えてというのはなかなか難しいものであるというふうに考えております。しかしながら、御指摘の御事情も十分理解できるところでございまして、私どもとしましては、私的契約児といいますか、そういった配慮が市町村におきましてきめ細かくなされるよう、さらに通知等によりまして指導いたしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大野(由)委員 これから育児休業がふえてまいりますと途中入所という問題もふえてまいります。今おっしゃったような定員というものをどういうふうに見るかということでございますが、この辺をもっと柔軟に対応をしていただかないと育児休業が全くとれなくなってしまう、そういうふうな実態になると思います。厚生省、労働省、これは縦割り行政ではなくて国の総合的な立場から育児休業法が実効あるものにできるように厚生省の御努力をぜひお願いをしたい、そのように思います。 ところで、今、上の子がそういった場合私的契約児童という扱いになる、そういう厚生省の御見解のようでございますが、私的契約児童というのは保育料はどの程度になりますでしょうか。
○小島説明員 私的契約児の取り扱いにつきましては、従来から他の措置児童の処遇の確保という観点から、定員の範囲内で、かつやむを得ない場にのみ認められておりまして、費用につきましては保育単価の全額を保育料として徴収するようにという指導を行っているところでございます。保育単価につきましては、地域によりましてあるいは施設の規模によっていろいろでございますが、ちなみに九十人定員の場合、東京ですと四歳児以上、平成二年度で三万九百二十円ということになっております。
○大野(由)委員 四歳児ですと三万幾らのようでございますが、二歳児だったら七万円からするのではないでしょうか。いかがでしょうか、七万四千円程度になると思いますが。
○小島説明員 三歳児未満児ということで七万三千四百八十円ということになっております。
○大野(由)委員 今育児休業をとりますと、ゼロ歳から三歳までの乳幼児についての必要経費が月二万四千円程度でございます。そのほか母親の社会保険料が二万一千円から二万二千円。これは民間で、平均でございます。それ以外に地方税が一方数千円かかってくるわけでございます。それに加えて、私的契約児童になりますと四歳児で三万幾ら、また二歳児ですと七万四千円近いものがかかってくる。なおかつ、労働者である母親には全く所得保障がない。こういう状況でありますと、本当に育児休業をとりたくても、とてもじゃないですけれどもとれない。そういう本当に厳しい状況があるということをぜひ認識をしていただきたいと思いますが、労働大臣、この辺いかがでしょうか。
○小里国務大臣 具体的にいろいろお聞かせいただきましたような、労働者あるいは家族の皆様方の周辺にはそういう複雑な問題があるんだなということも十分認識をいたしながら、きめ細やかな対応をしてまいらなければならぬと思います。 なおまた、先ほど先生お話しの総合行政云々のお話でございますが、御見解をお聞かせいただきましたように、それらの問題等も厚生省と十分、助言あるいは協力をいただきながら進めてまいりたいと思います。
○大野(由)委員 育児休業を終えて職場に復帰する、これからそういう方たちがふえると想定されるわけですが、途中入所を希望されるお母さん方が今後急激にふえてくるわけでございますが、厚生省では昭和五十七年に「保育所への年度途中における入所について」という通達を都道府県並びに指定都市に出されております。この中には育児休業期間の満了に伴う途中入所が想定されておりません。これからの育児休業によります途中入所が円滑に進められるように、改善されるべきではないか、指導が徹底されるべきではないか、通達を改めて出し直される必要があるのではないかと思いますが、この件についてどのように対応されるかお伺いしたいと思います。
○小島説明員 育児休業制度の普及、定着を図るためには、育児休業後の職場復帰の際の児童の保育所への入所措置を円滑に進めていくということが極めて重要だと認識しております。 御指摘のありましたように、五十七年のこの通知はベビーホテル対策として保育所の緊急入所について定めたものでございますけれども、新しい育児休業制度の発足に伴いまして、関係通知の見直し等を含め必要な対応を検討してまいりたい、このように考えております。
○大野(由)委員 育児休業法の施行に伴いまして育児休業中の短時間労働等の多様な労働形態がこれから生まれてくるわけでございます。そういった意味で、午前中だけとか午後だけとかといった、そうしたさまざまな保育制度もこれから必要になってくるのではないかと思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○小島説明員 先生御指摘のように、女性の就労形態の多様化に伴いまして女性のアルバイトといいますか、ふえております。こういった例えば短時間就労に対応するために、平成二年度から厚生省におきましては一時的保育事業というものを創設しまして、全国の市町村でやっていただいているということでございまして、今後ともこういった柔軟な保育に対応できるよう、全国に広がるように指導をしてまいりたいというふうに考えております。
○大野(由)委員 昨年からこの一時的保育事業がスタートしたということでございますが、昨年の実績等、東京等の実績等についてお伺いしたいと思います。
○小島説明員 この一時的保育事業の実績は、全国で平成二年度百五カ所となっております。東京を初めとして大都会は、準備等の都合がありましてスタートがちょっとおくれているという状況でございます。
○大野(由)委員 まだまだ実際の施行が少ないのではないか、そのように思いますので、ぜひお願いをしたいと思います。 それから、短時間労働に対応する短時間保育というだけではございませんで、実は私は、この育児休業中二人目の子の出産で育児休業をとる方、上の子が保育園でそのまま継続して保育していただくという方が当然いらっしゃるわけです。今、先ほどの質問でも伺いましたけれども、その場合は私的契約児童ということで、七万円とか三万円とか大変な保育料がかかる、そういう状況があるわけでございますが、お母さんが一年間家庭で下の子の育児休業をとっている間、上の子は短時間保育でもいい、そしてその分保育料も半額になるとか、そうしたことをお母さんも、やはり経済的には育児休業、所得保障が今回入ってないわけでございますので、お母さん方が自由に選択をして、そしてどちらでも自由に選ぶことができる、そういうことも、この一時保育事業の中にこうした制度も、今回の育児休業法の施行に伴い一時保育もそれにあわせてぜひ柔軟に対応をしていただきたい、そのように思いますが、厚生省の御意見をお伺いしたいと思います。
○小島説明員 私的契約児の保育料が高いので、例えば午前中だけとかある日時だけということで保育所で預かりまして保育料が安くならないかというふうなお尋ねでございますが、私的契約ということでございますので、保護者と保育所の間でいろいろな取り決めがなされる可能性はあると思いますけれども、ちなみにそれに対応する保母さんの方は、なかなか何日だけとか午前中だけとかいう保母さんの確保というのは難しゅうございまして、私どもは、他の措置児童の処遇を低下させないためにも一定限度の保育単価ということで保育料を納めていただかなければ、保育所全体の保育能力というものが低下するおそれがあるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。 また、一時保育でこれを受け入れられないかということでございますが、一時保育につきましても、お母さんがパートタイマー等で仕事に出られる、あるいはお母さんが病気だとか冠婚葬祭その他一応保育に欠けるという状況のもとで一時保育の対象児童を受け入れておりまして、これが要件がないということになるとなかなか難しいと思いますが、今後さらにきめ細かな対応ができないかどうか検討してまいりたいというふうに思います。
○大野(由)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、育児休業中のお母さんが、子供に関しては私的契約児童としてしか扱えないということも含めて、ぜひ育児休業は権利としてとれるわけでございますので、その辺の見直しと、また厚生省、労働省、総合的に、本当にこの育児休業が定着ができるように、安心してとることができるように、もっともっと柔軟に対応を要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○浜田委員長 児玉健次君。
○児玉委員 労働省が今回提出された法案は、労働者が切実に求めている休業中の所得保障、かわりの要員の確保、不利益取り扱いの禁止、そういった点で不十分な内容になっていると言わざるを得ません。我が党が参議院で提出した修正案が実現していたら、労働者の切実な願いにこたえる内容とすることができた。その点で、参議院で否決されたことは残念だと言わざるを得ません。多くの問題が既に議論されていますから、一、二、具体の問題について触れたいと思います。 まず一つは、育児休業を取得した労働者の翌年度における年次有給休暇の請求資格の問題です。労基法三十九条において、年休の請求資格要件、それは継続勤務と、そして出勤率算定を挙げています。育児休業は新たにつくられる制度ですから、これまで労基法上にこのことについて規定がないというのは当然のことです。しかしこのままでは、継続勤務と出勤率算定を理由にして、育児休業を取得した労働者が翌年度年休の請求資格を失う可能性があります。 そこで労働省にお尋ねしたいのですが、労働基準法は三十九条で、出産休暇の期間等については出勤したものとみなすとしております。労働省が出している「労働基準法」いわゆるコンメンタールです。この中では、「継続勤務は出勤を意味するのではなく、労働契約の存続期間すなわち事業場における在籍期間を意味するものと解される。」このように述べて、そして三十九条ですが、「本条の継続勤務は単に形式的にのみ判断すべきものではなく、勤務の実態に即し実質的に判断すべきものと解される。」と明快に述べていらっしゃいます。それから、八割出勤の算定について、詳しいことは省きますが、これは出勤率の低い者を除外する立法趣旨であって、正当な手続により労働者が労働義務を免除されているときはこれは当たらないということも皆さん既に明らかにされている。そういう面からいえば、育児休業法に基づく権利として育児休業を取得した労働者を出勤とみなす扱いにすべきである、私はそのように考えます。来年の四月から制度が走り出すわけですから、これらの点について指針、通達等で明確にすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○佐藤(勝)政府委員 育児休業をとった労働者が、育児休業期間以外の期間の出勤状況がどうであるかにかかわらず年次有給休暇がとれなくなるというような事態が生ずることには問題があるというふうに考えます。それで私どもとしては、出勤率の算定に当たりましては育児休業期間を労働日に算入しないという取り扱いをする、このことを通達で明確にしたいというふうに考えておるところでございます。
○児玉委員 継続勤務については、その措置で満たされるわけですね。
○佐藤(勝)政府委員 具体的に申し上げれば、要するに労働日の日数で出勤した日数を割るわけでございますが、その割る数、割られる数両方から引くということでございます。
○児玉委員 次に、この点は大臣に伺いたいんですが、我が国の労働者の約半数、四七%が三十人以下の事業所で働いています。午前中からの議論でもありましたが、この三十人以下の事業所を外すということになれば、同一企業でも勤務箇所により適用される労働者と適用されない労働者が出てくる。いわゆる転勤の前は適用されていて転勤後小さな事業所に移ったために適用されない、こういうふうなケースも生まれる。そして中小企業について言えば、さきの労働省の法案で私述べたんですが、中小企業の働き手を確保するためにもこれは猶予するのでなくて同時適用とすべきだと考えるのですが、この点いかがでしょうか。
○高橋(柵)政府委員 この法律案におきまして、三十人以下のところに適用猶予をいたしているわけでございます。したがいまして、御指摘のような御意見等もあるところでございますけれども、労働基準法におきます有給休暇等に関します適用猶予の規定にも見られますように、労働条件等に関します雇用管理面での困難性に着目をして規模別にとられる適用猶予の措置、これは通常事業所単位で行われるものということでございますので、常時三十人以下の労働者を雇用する事業所に対して適用猶予することとしたものでございます。しかし、同一企業内で事業所によって適用の有無が分かれるような場合、なるべくそこに働く労働者が同一の取り扱いを受けることができますよう、猶予期間内におきましても制度の導入を図るための指導援助を行うことは必要であるというふうに考えているところでございます。
○児玉委員 育児休業法ができて、これまで労働省が実施してきた、それなりに積極的に活用もされてきた育児休業奨励金制度、それから特定職種育児休業利用助成給付金制度、これらがこの後どうなっていくのか、大いに関心が集まっています。新しく法律が走り出すわけですから、その内容に即した発展充実がなされるべきだ、このように私は考えるのですが、中小企業に対して育児休業制度の導入を促進するために、これらの制度について今後どのような構想を労働省はお持ちなのか、この点は大臣に伺いたいと思います。
○小里国務大臣 お答えを申し上げます。 この法案におきまして三年間の猶予をされた事業所におきましても、できるだけ早くこの法律の活用をしていただきたい、これがまず私どもの第一の念願でございます。したがいまして、三年間という猶予だけれども、ひとつその範囲でゆっくりという、のんびりしたそういう雰囲気は余りよくない、可能な限りこれを早期に採択、適用してもらうように努めたい、これが一つございます。そのために、労働省といたしましても積極的に指導、奨励を行います。また、そうした事業所の事業主に対する制度等の促進のための、先生がおっしゃったのは助成措置のことだろうと思うのでございますが、これも当然可能な限り行いまして、先生のおっしゃったような本法律施行の穴埋めに可能な限り努めていかなければならぬ、かように思っております。
○児玉委員 最後に二つばかりお伺いしたいのですが、一つは、参議院でもずっと論議になってきた問題で、育児休業中の待遇の問題、給与保障の問題です。北海道のある私立学校の学園では、ボーナスも含めて年間の給与の三割を保障するということが既に何年か前から実施されています。育児休業をとろうと思うと、その前にかなりの貯金をしておかなければ休業に入れないという声が非常に多いですね。そのあたりについて、この後積極的な対応をなさねばならぬというのが一つです。 もう一つは、育児休業の期間一年ということが前提になってずっと論議されていますが、産後の休暇が含まれています。ヨーロッパなどではそろそろ一年でなくて一年半とか二年とか、日本の民間企業でもその期間をもう少しゆとりを持ってとる企業が生まれています。そういう先進的な傾向に倣って、この育児休業の期間についても今後積極的な検討をされるべきだと思うのですが、以上の二点について伺って終わります。
○小里国務大臣 休業中のいわば所得保障の問題でございますが、これは先刻からいろいろ御説明申し上げておるところでございますが、大変、率直に申し上げまして、それぞれの立場でさまざまな意見がなされてまいりました。殊に、一方におきましては、先生おっしゃるように、休業中のいわゆる労働者の生活が安心して、そして、かつまた職場復帰が極めて自然な形ででき得るように考えるべきではないか、これも相当意見があったこと、御承知のとおりであります。また、一方におきましては、特定の企業に対しましていかなる法律といえども負担を強いることは、これは論理として通りませんぞという意見も相当ございました。あるいはまた、片や、原則ノーワーク・ノーペイであるべきだ、この論理も相当展開されましたこと、御承知のとおりでございます。あるいはまた、先ほど局長も答弁いたしましたように、この制度の活用が任意選択的である、そういう一つの条件から考えると、非活用労働者に対する均衡の問題もあるではないか、そういうお話等もさまざまございました。 端的に申し上げまして、私どもは、気持ちとしては、ただいま先生もお触れになっておられましたように、育児休業は休業そのものをせさしめるものであるから、あとはというわけにはいきません。あくまで大事な我が国の産業人であり、遠からずまた職場復帰をして貴重な産業者として、あるいは労働者として貢献をいただかなければならないのだから、温かい目で見守っていくべきである、そういう観点も堅持いたしておることは一応御理解をいただきたいと思う次第でございます。 なおまた、今次におきまする法制定が国会内外の熾烈な要請を受けまして私ども対応いたしたところでございますが、決して拙速でございましたと申し上げておるわけではないのでございますが、可能な限り精いっぱいの努力を各方面に折衝これ相努めましたが、現段階におきましてはこのような姿で一応御理解をいただかざるを得なかった、こういう状況でございます。決して私どもはこれが完全無欠な法律でありますなんという気負った気持ちは毛頭持っていないわけでございまして、今次国会におきましてこの法律を御制定いただきましたなれば、直ちにこれが施行に努めまして、そして謙虚に国会及び広く労使関係あるいは国民各層の切磋琢磨をいただきまして、よりよい育児休業制度として労働者あるいは国民大衆の生活に根差した賢い法律としてこれが切磋琢磨されて成長することを念願をいたしておるところでございます。
○高橋(柵)政府委員 育児の休業期間、現在の民間の状況を見ますと、約八割が一歳ということでございます。これ以上、一歳という期間を与えているところもございますけれども、なお民間の実態、施行の状況全般をにらみながら今後とも研究をしていくべき課題ではあるというふうに考えております。
○児玉委員 終わります。
○浜田委員長 柳田稔君。
○柳田委員 今回の法案には、我々が出してきた共同法案の中に盛り込んできた休業期間中の所得保障措置、不利益取り扱いの禁止、罰則規定、休業期間の勤務期間への通算など、安心して休業できる実効ある育児休業制度の確立のための重要な規定がなく、不満に思うわけでありますけれども、大枠の制度化ができるということでそれなりの評価はしたいと存じます。 育児休業制度の目的は、勤労者が職業生活と家庭の調和を図り、雇用を継続しつつ安心して子供を生み育てる環境づくりを進めることにあります。そして、女性が主に担っている家族的責任を軽減し、男女がともに社会参加できるようにして実質的男女平等を確立していくことにあると考えます。このことは急速な高齢化社会を考えると、今後我が国が実現していかなければならない最も重要な課題の一つであるというふうに思うわけであります。この意味で、安心して休める育児休業制度の確立は、社会全体の相互扶助の精神に基づくべきものであり、休業期間中の所得保障の問題も、社会保障の観点から考慮すべきものと考えます。 そこで、参議院の審議の確認になると思いますが、参議院で修正の上盛り込まれた附則の見直し規定の中で「育児休業の制度の実施状況」云々という文言がございます。その中で「状況を勘案し、必要があると認めるときは、」云々「総合的に検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる」と書いてあるわけでありますが、このことは、法施行後、できる限り早い時期に、育児休業を取得した者についての実態調査を行い、その結果に基づき、特に改善すべき要望の多い事項については必要な見直しを行うことを検討していき、法改正も含めて行うというふうに理解してよろしいわけでありましょうか。
○小里国務大臣 率直に申し上げまして、言葉の上でぎりぎりの詰めを行いながらただいまここで即答申し上げるわけにはいかないと思うのでございますが、参議院の審議の経過からいたしましても、ただいま先生いろいろと先生なりに感じておいでになる問題点を列挙なさったようであります。また、要約して、そういう問題点があるにしても、一応評価をする法律案であるというお話もお述べいただいたようでございます。私どもも、率直に申し上げまして、先ほども若干申し上げたところでございますが、今回のこの法律提出に当たりまして、全知全能を絞って、そして各方面のさまざまな御意見を可能な限り聴取を申し上げまして、そしてそれを調整をして一本化しなければ、責任ある国会に対する法律案の提出ができませんので、いろいろと労働省の職員自体も苦労をしていただいたところでございますが、そういう一つの雰囲気でこの法律を出した、こういうことも御理解いただきたいと思います。同時にまた、見直しの時期につきましては、この法律の実施の状況あるいはまた処遇状況等を具体的に勘案をしながら、必要があるときには素直に、そして積極的に、総合的にこれを見直す必要がある、私はそういうふうに考えておるところでございます。
○柳田委員 今、必要があるときという御答弁でありましたけれども、どういう状況が必要があるときというふうに判断をされるわけでありますか。
○小里国務大臣 これは、まず行政機関の建前から申し上げますと、この法律をお認めいただきましたと仮定いたしますと、直ちに具体的な実施要綱等につきましての細則を決めなければなりません。それはまず、国民世論を代表する一つの立場として公労使三者から成る婦人少年問題審議会という公正な機関がございます。この機関は、御案内のとおり大所高所から、しかも将来を長期的に展望しながら現実に可能な範囲で適切な助言をいただいておる、私どもにとりましては非常に有効な機関であると評価を申し上げておりまして、ここにお諮りをする。また、もう一つは、国会内外を初め、広く国民各層の御意見もお聞かせいただきながら、常に素直に、そして積極的に前向きで、本当にこの育児休業制度が労働者の生活に根差した賢い法律であるように念じながら、努力をしなければいかぬ、かように思っております。
○柳田委員 審議会、国会内外、国民の声、積極的に、前向きにという御答弁でありましたが、正直申し上げましてぴんときていないわけであります。国民の声ということもあったわけですけれども、ここは改善をしてほしいという声が大きく出てくれば改善の対象になるというふうに理解をしてよろしいわけですか。
○高橋(柵)政府委員 まだこの法律が具体的に施行される前に施行後の状況を予測することは非常に困難でございます。この法律が施行されました段階におきまして、総合的に、全体の施行状況をにらみながら、婦人少年問題審議会等の御意見等も十分に拝聴して検討してまいりたいと考えております。
○柳田委員 時間がありませんので、審議会の声も大事でありますけれども、実際に働いておる皆さんの声も最大限重要視をして、積極的に前向きに改善をお願いしたいと思います。 もう一つ、第三条で休業権を労使協定で制約することを認めております。この中ですけれども、労働者の代表という文言があるわけでありますけれども、これが果たしてそれなりの代表者であるかという問題も一つあるかと思うこともありますし、もう一つ、八条の周知等の措置も休業中の労働者の不安を取り除くために非常に重要な事項であり、また、第十条の勤務時間の短縮に関する規定も同様だと思います。このため第九条の雇用管理に関する措置に対し第十三条での国の援助がなされるが、その申請の際、これらが確実に担保されているか確認できるよう、現在の奨励金の申請の際に行われているように、申請書に就業規則、労使協定の写しを添付すること、また国の援助する費用が労働者のために使われていることをチェックする項目を設けた方がいいのではないかと考えるわけでありますけれども、いかがでしょうか。
○高橋(柵)政府委員 労働省といたしましては、御指摘のように、休業期間中の労働者に能力維持、回復のための研修等を行う事業主に対しまして助成制度を設ける必要があると考えているところでございまして、添付書類を含めた支給申込手続を含めまして、その内容等について今後具体的な検討を行い、平成四年度予算の中で要求してまいる所存でございます。
○柳田委員 時間が参りました。今回の育児休業法、勤労者の長年の強い希望でもありました。今回労働省の御努力によりまして育児休業法が成立をするだろうという運びにまでなってきたこと、努力に対して本当に心から敬意を表したいと思います。また、この育児休業制度が今後本当に実効ある、そして子供を生んで健やかに育てられるような状況が早急に確立されることをお願いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浜田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、参議院送付、育児休業等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○浜田委員長 次に、請願の審査を行います。 本日公報に掲載いたしました請願日程千四百三十七件を一括して議題といたします。 まず、審査の方法についてお諮りいたします。 各請願の趣旨につきましては、既に文書表等によって御承知のところでありますし、また、理事会等において慎重に御協議いただきましたので、その結果に基づき、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 これより採決いたします。 本日の請願日程中 保育所制度の充実に関する請願五十五件 看護職員確保対策に関する請願八件 看護婦等の確保対策の充実強化に関する請願十三件 骨髄バンクの早期実現に関する請願二十四件 安全な食べ物に関する請願十八件 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願百八十四件 造血機能障害者対策の充実に関する請願一件 公的骨髄バンクの早期実現に関する請願三十件 公的骨髄バンク早期実現に関する請願八件 建設産業労働者の後継者養成制度の拡充に関する請願十三件 理学療法士及び作業療法士の養成力拡充に関する請願十三件 国立腎センター設立に関する請願四件 軟骨異栄養症患者の医療向上に関する請願九件 小規模作業所等成人期障害者対策に関する請願百件 脊髄神経治療の研究開発促進に関する請願二十四件 以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○浜田委員長 この際、御報告いたします。 本日まで本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、国民健康保険財政の健全化に関する陳情書外二十九件であります。 ────◇─────
○浜田委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 まず、第百十八回国会、内閣提出、医療法の一部を改正する法律案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立多数。よって、そのように決しました。 次に、内閣提出、老人保健法等の一部を改正する法律案について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立多数。よって、そのように決しました。 次に 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び廃棄物処理施設整備緊急措置法の一部を改正する法律案 内閣提出、麻薬及び向精神薬取締法等の一部を改正する法律案 内閣提出、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律案厚生関係の基本施策に関する件 労働関係の基本施策に関する件 社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件 並びに 労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件 以上の各案件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 なお、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。 まず、閉会中委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、期間、派遣地等その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 また、閉会中審査におきまして、参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十五分散会