社会労働委員会 第10号
- 発言数
- 287 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/04/16
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤卓二君。
○加藤(卓)委員 議題となっております中小企業労働力確保法案につきまして質問させていただきます。 なお、本法案は商工行政、労働行政一丸となって、両省共管の法案になっております。商工委員をも代表させていただきまして質問いたしたいと思います。 小里労働大臣は、先日の提案理由説明の中で、生産年齢人口は今後減少に転ずるなど、我が国が戦後初めて経験する状況の中で、中小企業における労働力の確保が長期的かつ構造的な課題となっている、それに対応しなければならないという問題について述べられました。私も同感であります。縦割り行政の障害を乗り越えて、労働、通産両省が本法案を提出されたことは、まことに時宜にかなったものと考えております。しかしながら、本法案については幾つか確認しておかなければならない点もありますので、労働大臣及び労働省、通産省の関係政府委員の方々にお考えをお尋ねしたいと思います。 まず、本法案の背景になっていると思われます事情についてであります。戦後の荒廃の中から我が国をここまで発展させ、活力を与え続けてきたのは、工業生産の拡大やサービス業の発展、雇用機会の増大など、さまざまな面で中小企業によるところが大きいと考えられます。そこで、戦後四十五年を過ぎた現在、中小企業が我が国の経済及び雇用に果たす役割がどうなっているのか、そのことをまずお尋ねしたいと思います。
○高橋(達)政府委員 ただいま加藤委員からもお話がございましたように、私どもも、日本の経済における、あるいは雇用における中小企業の役割というのは大変大きいものと認識をしているところでございまして、ちょっと数字を挙げて御説明をさせていただきますと、二、三年前の統計になりますが、事業所数でまいりますと、一次産業以外の全体の事業所が日本で大体約六百五十万ございます。六百五十万の事業所のうち、九九・三%、六百四十万強が中小事業所でございまして、事業所の数でも大変大きいものがございます。また、従業者数で見てまいりましても、全従業者が四千九百万人でございますが、そのうちの約四千万人、八〇・六%が中小企業で働いている方々でございます。また、出荷額で見てまいりましても、全製造業に占める中小企業の出荷額のウエートは五二%でございまして、卸の場合には六二%、小売の場合には七九%ということで、これは大変大きいものがございます。 戦後のお話もございましたけれども、最近では二度の石油危機あるいはその後の円高不況、そういったものを乗り越えて今日の繁栄につながっているのも、一つには中小企業の機動性あるいは企業家精神を発揮いたしまして、こういった構造変化に機敏に対応してきた結果とも言って過言ではないと思うのでございまして、こうした役割は今後とも続くものと私ども考えております。労働面でも地域に密着した企業としての、あるいは大企業にない小回り性を発揮して労働者が個性と能力を発揮する職場を数多く提供しているということ が言えるかと存ずるのでございます。
○加藤(卓)委員 近年中小企業において人手不足は大きな問題となっております。昭和四十年代初めのイザナギ景気のころにも人手不足が騒がれたことを記憶しておりますが、中小企業はそれも立派に切り抜けて頑張ってきたわけですが、最近の雇用失業情勢、人手不足状況は、イザナギ景気のころに比べてどうなっているのか、また今後二十一世紀に向かって人手不足状況がどうなるのか、その考え方、認識についてお伺いしたいと思います。
○若林政府委員 最近の雇用失業情勢を見ますと、景気の持続的な拡大を背景といたしまして、求人が堅調に推移するなど有効求人倍率は高水準で推移いたしておりまして、現在一・四倍台でございます。完全失業率も低い水準になっております。こうした中で労働力が不足する事業所の割合が増加いたしまして、特に中小企業を中心に企業の人手不足感が広がっておるわけでございます。 ただいまお尋ねの四十年代のイザナギ景気のころとの比較でございますが、有効求人倍率を見ますと、ほぼ同じ水準であるわけでございますけれども、完全失業率につきましては、イザナギ景気のときは一・一から一・二%で推移しておりましたが、最近におきましては二%でございまして、相対的に高い水準でございます。これは労働力の高齢化、高学歴化、地方定住志向の高まりなどを背景といたしました就業者のニーズの変化でございますとか、あるいは企業側の方で専門的、技術的職種への需要の高まりがありますなど、労働力の需給両面の構造的変化が進展していることによりまして、労働力需給のミスマッチが拡大しているために労働力の確保が当時と比較しまして困難になっているというふうに考えておるわけでございます。 今後につきましては、出生率の低下等を反映いたしまして、若年者を中心に労働力人口の伸びの鈍化が見込まれるわけでございまして、労働力不足基調が続きまして、労働力の確保は特に中小企業を中心にして構造的な課題になっていくというふうに考えております。
○加藤(卓)委員 労働力不足基調が続くとなると、中小企業、ひいては我が国の健全な発展を考えると、この問題は何とかしないといけない、政府もそのように考えて本法案を提出したのだろうと思います。 そこで、本法案の趣旨と、これに基づく施策の内容についてお聞かせ願いたいと思います。
○若林政府委員 ただいま申し上げましたように、近年の景気の持続的な拡大を背景といたしまして、人手不足感は中小企業に広がっておるわけでございまして、今後の労働力需給の見通しを踏まえますと、中小企業におきます労働力の確保は中長期的かつ構造的な課題として対応しなければならない問題でございます。 また、先ほど来御答弁ありましたように、中小企業は従業者数、付加価値額等において我が国企業の中で極めて大きな比重を占めておりますとともに、企業家精神の発揮等により新たな経済発展の契機を創出するなど、我が国経済の発展基盤でございまして、中小企業における労働力確保の円滑化は我が国経済の重要な課題の一つでございます。 中小企業が労働力を確保していきますためには、国民のゆとりと豊かさ志向の高まりを反映いたしまして変化している働く方々の意識に対応していくことが必要でございまして、大企業に比して立ちおくれております労働時間の短縮でございますとかあるいは職場環境の改善、福利厚生の充実等雇用管理の改善に取り組みまして、魅力のある職場づくりを進めていくことが何よりも重要であるというふうに考えております。 こういった観点に立ちまして、このたび労働省と通産省で、まず第一といたしましては、労働力の確保を図りますために、中小企業者が行います雇用管理の改善に係る措置に関しまして、通産大臣及び労働大臣による指針の作成をいたします。 第二点といたしましては、構成中小企業者の雇用管理の改善に関する事業につきまして、事業協同組合等によります計画の作成、都道府県知事の認定というものをいたします。 第三点といたしましては、計画の認定を受けましたこういった事業協同組合等及びこれを構成いたします中小企業に対しまして、財政上、金融上、税制上にわたります総合的な支援措置を講ずるということを内容といたします法案をただいま御審議を賜っているわけでございまして、魅力ある職場づくりを通じて労働力確保に努力する中小企業者を総合的に支援していくということにいたしたものでございます。
○加藤(卓)委員 中小企業の労働力を確保していくためには、中小企業を魅力ある職場とすることが重要であるということは、そのとおりだと思います。その際、勤労者の意識変化、我が国がその経済的地位にふさわしい豊かな国民生活を実現し、経済の調和ある発展を遂げていくということを考えなければなりません。先ほど御答弁にもあったように、全従業者の八〇・六%を占める中小企業における労働時間の短縮が重要な課題だと私は考えます。 そこで、今回の対策において労働時間を短縮するためにどのような施策が用意されているのか、ぜひひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 先生御指摘のとおり、労働時間の短縮は職場の魅力向上の重要な要素の一つでございまして、本法に基づきます認定を受けられます計画の多くは、労働時間の短縮をその内容の一つとするものと考えておるところでございます。このため、労働時間の短縮を内容とする計画を策定されました団体に対しましては、全国労働基準団体連合会に委託いたしまして、労働時間短縮の取り組みに対しまして積極的に助言指導、情報資料の提供等を行いますとともに、当該認定されました団体を構成する中小企業者が労働時間を短縮するために必要な省力化設備等を導入した場合につきまして、中小企業金融公庫等が低利で融資を行う労働環境整備貸付制度あるいは中小企業等の基盤強化税制の適用などの支援措置を講ずることとしておるところでございます。
○加藤(卓)委員 今お答えがあったわけですが、中小企業が実際に労働時間の短縮をするためには幾つかの問題があると思います。 第一に、中小企業者の中には時短をすると生産が減少するのではないかという不安を持っている人も多いと思います。かといって、合理化や省力化投資をするためには多額の資金が必要です。職業安定局次長から融資、税制という言葉が出ましたが、時短を促進するための省力化、合理化に対する施策は、どんなことを用意しているのか、できるだけ具体的にお聞かせ願いたいと思います。 また、例えば中小企業事業団の融資などは実際に融資を受けるまでに相当手続に時間がかかるというような問題もございますが、施策は大変充実されて中小企業事業団の成果は大いに評価されるものでございますが、できるだけ使いやすい制度にしていただきたい。特に、言ってみるならば、手続の簡素化、時間の短縮がまず重要だと思いますが、それについての御答弁を願う前に、この中小企業という考え方をぜひ拡大しておいていただかないといかぬなというのは、流通だけだとかあらゆる製造だとかという分野よりも、むしろサービス業だとかそういう分野にも転換していかなければならない。というのは、今大店法というのが出て、流通関係に関しては、どうも中小企業が必ずしも有利でないのではないかというふうに考えられるときでございますので、ぜひこれらに関しても、サービス業なりまた中小企業に向く業種に転換するための施策や何かも考えていただけないとなかなか中小企業の生きる道が考えられないのではないかと思います。きょうはそれについてひとつお答えを願いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、中小企業が労働時間の短縮等を行いますときに、当然のことながら合理化 投資あるいは省力化投資が極めて重要な要素になることは御指摘のとおりでございます。このような考え方に立ちまして、平成二年度から、通産省におきましては、中小企業金融公庫等政府金融機関から時短を促進するために必要な省力化投資等に対しまして低利の融資制度を創設したわけでございますが、法律に基づきまして、それを今回さらに低利に拡充いたしますとともに、例えば自動塗装ロボットとかあるいは自動検査装置等々労働力不足対応に必要な設備につきまして、新たにリース制度を創設いたしまして高度化融資を行う、こういう新たな制度を創設いたしますとともに、こういった労働力確保対策に必要な設備につきましては、これを取得いたしましたときに中小企業等基盤強化税制の対象にするといったような施策の拡充に努めたわけでございます。これらを活用いたしまして、新たな法律のもとに相当程度中小企業の時短促進のための設備投資に対しまして思い切った助成を行うことができる、かように考えておるところでございます。 それからもう一つ、御指摘のありました高度化融資に関します手続の簡素化等スピードアップの問題でございますが、これにつきましては、従来からいろいろ御指摘いただきまして我々努力をいたしておったわけでございますが、特に今年度、平成三年度から二つの点におきまして思い切った簡素化をいたしました。 一つは、実施計画書その他の記載項目につきまして思い切った項目の削減をいたしますとともに、届け出書等々の部数を削減いたした次第でございます。それからもう一つ、先ほどお話がありましたが、中小企業事業団に診断申し込みが来ましてから、それに応じて出かけていくまでの期間を短縮いたしますとともに、高度化融資にかかる時間を思い切って削減するということで、従来に比べて飛躍的なスピードアップを図る、かように意欲的に行っておるところでございます。
○加藤(卓)委員 次に、中小企業が労働時間の短縮を進めるについては、取引企業との関係、特に元請企業、親企業の調整が大変重要です。例えば発注者側が在庫を持たずに、多頻度小口の発注を行おうというような状況でございますが、中小企業は、発注されるたびに工程を変えたり少量の対応をしなければならない。中小企業から荷物を運んだトラックが日本じゅうを細かく走り回り、道路はますます渋滞する、そのような状況ですから、このような問題は製造分野だけではなく、デパートの納品や返品等のシステムにも言えるわけでございます。 このような問題点は、皆さんも認識しているとは思いますが、それを解決するためには、親企業、元請企業に一定の在庫保有を義務づける法律を制定し、また、このような在庫保有のための倉庫の設備に対する融資を行うなど思い切った対策が必要であると考えられます。これらの点を踏まえ、流通、サービス業を含めた親企業、元請企業の発注方式の改善などについてどのような措置を講じているのか。また、親企業と関連企業が共同で在庫保有のための倉庫を建設するのは、この問題解決に私は大いに役立つと思います。というのは、先ほど申した倉庫を建設するということが一番大事なことじゃないか。具体的にその施策についてお聞かせ願いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 下請企業の時間短縮を推進するためには、親企業等の発注方式の改善が重要であるというのは御指摘のとおりでございます。これにつきましては、従来から下請中小企業振興法という法律がございまして、これで振興基準を定めまして、親企業それから下請企業それぞれ努力し、協力するべき事項を定めまして国が指導をする、こういうシステムがございます。 これにつきまして、昨年の十月以来半年間鋭意検討してまいりまして、本年の二月でございますが、下請振興基準を改正いたしました。例えば、親事業者から下請企業への週末の発注、週明けの納入、あるいは就業時間が終わった後発注し、翌朝納入といった納入制度のような時短の妨げになるような発注の抑制とか、あるいはあらかじめ将来の生産計画をできるだけ親事業者が下請事業者に情報を提供することによって計画的な生産ができるように努めることといったような、もろもろの時短推進のための親子の関係の改正を行うような改善を行ったわけでございます。特にその中に、親子で、親事業者は、下請中小企業の労働時間の短縮のため、下請事業者の要請に応じて生産、配送システムの見直し等の取り組みを共同して行うものとするという新たな基準を一つ加えまして、これをもとにいたしまして、下請企業と親事業所が共同で時短を推進するということをできる根拠をつくったわけでございます。これをもとにいたしまして、現在親事業者団体、さらには中小企業関連団体等に対しまして数多くの通達を出し、さらに説明会等々においてそれらを浸透させていきたい、かように現在施策を進めておるところでございます。御指摘の共同配送システムあるいは共同倉庫といった問題も、これらの基準をもとに指導いたしますとともに、あわせて、しかるべき計画に対しましては高度化融資の対象等々で支援してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○加藤(卓)委員 さらに取引関係については、まず官から襟を正さなければならないのじゃないかと思います。公共事業の発注官庁の発注方式についてもいろいろ問題が大きいと思います。公共事業の発注のしわ寄せが民間企業の、しかも下請、その中小企業に集中してくるわけでございます。下請企業の労働時間の短縮を阻害している一番大きな状況がそこに見られるわけでございまして、この点についてどんなふうに取り組んでおられるか、お伺いしたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 ただいま御指摘の点につきまして、労働省の対応を私から申し上げたいと存じます。 御指摘のように、建設業のような受注型産業、公共工事の発注がこれに当たるわけでございますけれども、その発注を受けた下請企業が労働時間の短縮を進めるに当たりましては、発注者側の配慮ということが大変重要であることは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、昭和六十三年に策定をいたしました労働時間短縮推進計画においても、十分認識をいたしまして、そのことを書いているわけでございますけれども、特に労働省では、建設業の労働時間短縮を推進する場合に、建設業が抱えている労働時間短縮のための各種の課題について実践的な調査研究を行ってきたわけでございます。さらに、このたび学識者それから建設業界団体の協力も得まして、業界や企業が労働時間短縮のために取り組むべき課題等を内容とした労働時間短縮指針というものを策定をいたしました。この中には、発注者に対しますいろいろなとるべき施策についても提案をしているわけでございますが、この指針の中で、総合工事業者、いわゆるゼネコンに対して、中小企業に工事を発注する際には適正な工期の確保等発注条件の改善に配慮するよう求めているところでございます。今後は、さらにこの指針を踏まえた建設業の時短のためのマニュアルを作成いたしまして、労働時間短縮推進員の選任等により適切に対応したいというふうに考えております。 それから、特に公共工事に絞った問題でございますけれども、公共工事の週休二日制につきましては、建設省で平成二年度からモデル工事現場というものを設定しております。ここでは完全週休二日制を義務づけまして、これを試行する、その完全週休二日制も見込んだ工費、工期の設定を行っているわけでございます。 労働省としましても、今後とも建設省、関係団体とも十分連携をとりながら、建設業の労働時間短縮の実効が上がるように、その発注者側の問題も含めまして適切に対応してまいりたい、かように思っております。
○加藤(卓)委員 次に、三Kと言われている状況についてお伺いしたいと思います。 中小企業において労働力を確保するためには、三Kと言われているような職場環境の改善を図ることが最も重要だと思います。この点については どのような措置を講ずることとしているのか。また、先ほどサービス業の話もいたしましたが、これから中小企業が生きていくためにはサービス業の分野が非常に重要です。今の状況を見ると、大企業は、やりたくない分野、いわゆる三K分野を中小企業に押しつけているのではないかというような感じがいたします。そのような仕事を大企業はロボットでやればいいではないか、こういうふうに思うわけでございます。中小企業の先見性、創造性はむしろサービス業分野へ出てくるべきではないか、サービス業分野でこそ力を発揮できるのではないかと思います。このような意味で、中小企業の小売・サービス業の三Kのイメージを払拭するためにも、やはり共同店舗か何かをつくる、そして立派なデパートと対抗できるような、業種がいろいろ集まってつくるサービス業を、複合企業体の共同店舗を設置するようなことが助成できなければならないと思います。 以上の点についてお答えいただければと思います。
○高橋(達)政府委員 中小企業の労働力を確保するために職場環境の改善が重要であるというただいまの委員の御指摘でございますが、まさに私どもも同じ認識でございまして、御審議いただいております本法案並びに関連諸施策をもちまして、何とか中小企業の職場環境の改善を実現していきたい、かように考えておるところでございます。 具体的には、本法案におきまして、認定計画に従って職場環境の改善を図るための設備を導入いたしますと、低利の融資を行う、さらにはリース事業に対しまして高度化融資を行う、あるいは税制をもちまして強力に優遇措置を講じていくなどの措置を講じます。またさらに、この法律に基づきます認定組合が、経営コンサルタント等を活用いたしまして、構成の中小企業者に対して職場環境改善のための指導助言、あるいは技術の開発を行っていく場合の助成を行うというような対策も講じているところでございます。また、技術に関しましては、中小企業が独自で開発することが困難であるというような場合には、国の委託事業でその開発を進めるということも考えているところでございます。これらの施策を活用することによりまして、中小企業の職場環境の改善の促進が図られ、職場としての魅力が向上することを期待しているところでございます。 また、サービス業の振興について、あるいは重要性についてお触れになられたわけでございますが、この点についてもまさに同感でございます。雇用の場の創出等を考えましても、中小サービス業を含めてサービス業の振興というのは極めて重要でございまして、私どもも、今後この振興に力を尽くしていかなければいけない、かように考えておるところでございます。 御指摘の中小小売・サービス業が一体となった共同店舗を設置する場合の助成でございますが、従来から一定の条件のもとに中小企業事業団の高度化融資の対象としてきたところでございますけれども、特に昨今の消費者ニーズの多様化あるいは消費者の物離れの状況などを勘案いたしまして、本年度より融資条件の見直しを行うことによって中小サービス業者がより参加しやすくなるような措置をすることとしておりますので、御理解を賜りたいと思うのでございます。
○加藤(卓)委員 さて、法案の目的に関連して質問したいと思います。 本法案は、今指摘されたような労働時間とか三K、そのような雇用管理面の改善を通じて労働力を確保していこうということだと思いますが、その意味で非常に息の長い政策と思われるわけです。本法でどの程度雇用管理が改善され、本法の精神が生かされるか、その結果どの程度中小企業の労働力の確保が見込まれるのか、その点についてひとつお考えを問いたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 本法案は、労働時間の短縮、職場環境の改善あるいは福利厚生の充実等雇用管理の改善に関するさまざまな事項につきまして、例えば労働時間を何時間とすべきであるというような具体的な目標を国が示すものではございませんで、中小企業者みずからが企業の実情等を踏まえまして雇用管理の改善に自主的に取り組んでいただくことに対しまして、国がこれを支援する、こういうことによりまして、中小企業が魅力ある職場となることを通じて労働力の確保に結びつけるということをねらいとしているものでございます。 したがいまして、この法律によりまして、数量的にどの程度雇用管理の改善が進み、あるいはその結果どの程度中小企業に労働力が確保されるかということを明確にするのは甚だ困難ではございますけれども、平成三年度におきましては、おおむね二百五十から三百団体程度が本法に基づきまして雇用管理の改善に取り組むものと見込んでいるところでございまして、その波及効果を含めますと、中小企業におきます雇用管理の改善が促進され、中小企業の職場としての魅力が向上することにより、新規労働者の応募の増加あるいは既に働いている労働者の定着が図られまして、全般として中小企業における労働力の確保に資するものと考えているところでございます。
○加藤(卓)委員 そうはいっても、何百万の人が簡単に集まるとは思えませんので、今後その人手不足がまだ続くという中で、中小企業における人手不足の対策のために、労働力の需要面では供給面との構造がやはりなかなか難しい。これはマクロ的な対策も必要だと思いますが、特に需要面では合理化、省力化の推進が中心の課題と思われます。特に、省力化だとか合理化だとか、こういう問題に関しての対策についてひとつお尋ねいたします。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 今委員御指摘のとおり、労働力不足解消のためには、労働力をふやす方と労働力の需要を減らす方と両方必要なのではないか、全くもう御指摘のとおりだと思います。特に今お尋ねは、産業界、特に中小企業の方から、労働力需要を減らすために今後省力化投資、合理化投資等をいかにすべきか、こういうことでございます。一見迂遠なようでございますが、合理化、省力化の投資を行って人手を減らすというのは、結局は一番最後の近道になるのだろうという考え方のもとに、我々としましては、先ほど申し上げましたように、平成二年から環境整備貸付制度を動かし始めました。また、平成元年度からは、国と地方公共団体が共同、協力いたしまして、中小企業の体質強化を図るための融資制度というのを各県単位で行っておりまして、これも低利融資で約二十八都道府県で人手不足解消融資制度が動いております。 こういった既存の制度の努力に加えまして、先ほど申し上げましたように、高度化事業の対象として、設備リース制度を動かすとか、あるいはさらに低利融資制度の利子をさらに下げるといったような法律に乗っかりまして、新たな施策の拡充に努めたわけでございます。 加えまして、私どもの意識といたしましては、省力化、合理化の設備を導入、促進することはもちろんでございますが、そもそも省力化、合理化に結びつくような技術開発そのものをこれから前向きに展開していく必要があるのではないか、このような考え方に立ちまして、平成三年度におきましては、国が主体となりまして、国立試験研究機関、大学等の協力を得ながら労働力確保の省力化技術等の技術開発を図る、こういったような制度を新たに創設したわけでございます。これに必要な予算等も六億前後計上いたしております。 こういうような各種施策を総動員いたしまして、御指摘のような長期的な構造対策に取り組んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○加藤(卓)委員 よくわかりました。 次に、中小企業の重要な役割については今冒頭に述べられたとおりでございますが、中小企業を取り巻く情勢の中では、国際化の進展が大変叫ばれているとき、近年企業の海外進出がなされる、また発展途上国を初めとする我が国に対する一層の国際貢献を求められる声が高まっております。こうした中で、今後我が国として、特に人づくり の面に貢献していくことが重要であり、その有効な手法として外国人研修生の受け入れを通じて我が国の企業において培われた技術を移転する、技術移転できるということは非常に有意義だと考えます。外国人研修生の受け入れについて、中小企業においては研修生を受け入れる施設やノーハウが十分でないため、受け入れ企業に対する総合的な支援が不可欠であると考えます。 現在、労働省、通産省、外務省、法務省で外国人の研修に関する財団法人の設立に向けて準備をしていると聞いていますが、この財団の役割について両省はどのように考えているか、お伺いしたいと思います。
○菊地(好)政府委員 今回設立を予定しております外国人の研修に関する財団法人の役割につきましては、中小企業を初めといたしまして、研修生受け入れ企業等に対しまして、研修希望者等に関する情報提供あるいは入国・在留手続の支援、公共訓練施設の利用の援助あるいは研修生に対する技能評価の実施援助など各般の援助を行うものであります。 労働省といたしましては、職業能力開発を所管する立場から、長年にわたり蓄積された人材育成に関する経験、ノーハウを生かしまして、この財団法人による援助業務の実施を通じまして、外国人研修が効果的に推進されるよう努めてまいりたいと考えております。
○棚橋政府委員 お答えいたします。 私どもも技術移転を通じて発展途上国の工業化等に大きく貢献するという意味で外国人の研修生を大いに受け入れていくということについては極めて重要であると考え、一昨年来外国人の研修生の受け入れを大幅にふやすという御提言を関係方面からもいただいておりまして、ここ二、三年労働省、法務省、それに私ども通産省も参加して、その努力が実り、研修生が大いにふえておるということは喜ばしいことだと思います。しかしながら、研修生の受け入れにつきましては、なお海外の情報の収集等いろいろノーハウが必要となるものと考えております。 今回関係省で検討しておりますこの財団は、このようなノーハウを持たない研修受け入れ企業等に対し、情報の提供とか研修モデルプランの提示あるいは福利厚生対策についての助成等必要な支援を行うものになると認識いたしております。 通産省といたしましても、この財団の設立につきまして、労働省初め関係省庁と密接に連携をしながら積極的に参画してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○加藤(卓)委員 最後に、積極的雇用対策に関して、大臣に決意のほどをお願いしたいと思いま す。 供給面に関しては、そうたやすくできないので、高齢者や女性の働きやすい職場づくりが大切だと思います。さらに、労働力が減少していく中で、労働者に対しての尊重、企業の対応、これらもまた重要な問題だと思います。このような労働力尊重の時代に向けて積極的な雇用政策を展開していただきたい、かように思うわけでございますが、最後になりましたが、ひとつ労働大臣に決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○小里国務大臣 まず、本法案の立法に際しまして、先ほどから基礎的に大事な諸点をいろいろ御指摘いただき、またお聞かせいただいておるところでございます。特に、最後に雇用政策についての大臣の決意をというお話でございますが、まさに積極的に推進、解決を見るべき最も大きな課題でございます。 先ほどからいろいろお話がございましたように、労働力の需給関係等、当面におきましても大変大きな課題でございます。そしてまた、お話にございましたように、中期的にこれが展望を見てまいりましても、依然として引き締め基調が存在するわけでございまして、そのような意味におきまして、まさに産業優先の時代から労働力尊重の時代ですよ、国民の中にそういう大きな声が高らかに出てくる今日の実情でもございまして、産業も大事にしながら、またこれに劣らず労働力を尊重する時代へと、一つの大きな政策的節目にも来ておるな、そういう心得で私どもは認識をいたしておるところでございます。言葉をかえて申し上げますと、いわば人間中心の雇用システムの構築をこれから根本的に始めるところの第一歩でございまして、こういうふうにも申し上げたい次第でございます。 もう一つは、やはり質が高い、個々の労働者の就業ニーズにマッチした具体的な施策が必要だろう、こういうふうに考えまして、先ほど通産省でもお答えいただきましたように、また私ども労働省でもそのような観点に立ちまして対応を急いでおるところでもございます。 以上、もろもろのことにつきましては、それぞれ御説明も申し上げましたので、省略をさせていただきます。
○加藤(卓)委員 どうもありがとうございました。 以上で終わります。
○浜田委員長 池端清一君。
○池端委員 最近の我が国の経済は、設備投資、個人消費等を中心とする内需主導型の息の長い拡大を続けておりまして、このような中で労働力不足、人手不足が大きな社会問題となっていることは御案内のとおりでございます。 そこで、現在の雇用失業情勢、まずお伺いをしたいと思うのでありますが、とりわけ深刻になっております中小企業における人手不足の現状をどのように認識をし、今後の見通しについてどのように考えておられるのか、まず、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○若林政府委員 最近の労働力需給の状況を見ますと、景気の持続的な拡大を背景といたしまして、有効求人倍率は高水準で推移をいたしております。現在一・四倍台でございます。特に中小企業の人手不足感に広がりが見られるところでございます。 中小企業の労働力不足の現状について申し上げますと、日本銀行の企業短期経済観測調査によりますと、昭和六十二年十一月に労働者が不足と判断する企業の割合が過剰と判断する企業の割合を上回りまして以来、ほぼ一貫して人手不足感は広がりを続けておりまして、平成三年二月調査におきましては、本年六月までの予測におきましても、さらに人手不足感は広がる見込みになっておるわけでございます。また、中小企業金融公庫の中小企業動向調査によりますと、昭和六十三年度第三・四半期以降、十期連続して労働力不足が中小企業の最大の経営上の問題となっておるわけでございまして、中小企業におきますこういった人手不足問題というのは大変に厳しいものがあるわけでございます。 今後の労働力需給の動向につきましては、景気の動向に左右されるものでございますけれども、近年の出生率の低下等を反映いたしまして、労働力人口の伸びの鈍化が予想されます中で、基本的には労働力不足基調で推移していくものと見込まれております。中小企業におきます労働力確保は、そういった面で中長期的かつ構造的な課題として対応していかなければならない問題であるというふうに認識をいたしております。
○池端委員 ただいま御答弁ありましたように、中小企業では労働力不足が経営上の最大の問題点であるということでございます。このように、中小企業において人手不足が顕著になっている要因、とりわけ若年労働者がなかなか中小企業に就職をしないという要因は那辺にあるか、要因は何だというふうにお考えか、その点についてお尋ねをいたします。
○伊藤(欣)政府委員 中小企業におきまして労働力の確保が困難となっている背景といたしましては、まず中小企業においては、求人活動面におきまして、大企業に比べまして情報の収集であるとかPR活動等の面で非常に不利な立場にあるんじゃないかと思われることがございます。また、国民のゆとりと豊かさ志向の強まりを背景に、特に若年層におきましては、就職に際しまして、短い労働時間、良好な職場環境、充実した福利厚生 施設などが重視される傾向にある中で、これらの分野におきます大企業と中小企業の格差が大きく、大企業に比べまして、中小企業は職場としての魅力が乏しいものが多いというようなことが考えられると思います。
○池端委員 中央職業安定審議会は、本年一月十七日の建議におきまして、雇用管理面における大企業と中小企業との格差の拡大を指摘しております。そして、「このような中小企業における雇用管理全般の遅れが、最近の週休二日制、福祉の充実等を求める労働者のニーズを満たすものとなっていないことから、労働力が確保できず、また、定着しないという労働力不足問題を引き起こしていると考えられる。」こういうふうに指摘をしているわけでございますが、この雇用管理面における格差の実態をどのように把握しておられるか、その点について承りたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘の中小企業と大企業との間の雇用管理面の格差の現状につきまして統計的に見てみますと、おおよそ次のようになるのじゃないかと思われるわけでございます。 まず、採用面では、採用計画を有する割合は、五千人以上規模の企業で九八・二%、ほとんどがそういう計画をつくっておるわけでございます。これに対しまして、三十人から九十九人規模の企業では七九・八%である。 また、労働時間について見ますと、何らかの形で週休二日制を導入しております企業の割合は、千人以上の規模の企業で九五・五%。一方、三十人から九十九人規模では四九・五%ということになっております。また、完全週休二日制を導入しております企業の割合は、千人以上規模で四八・四%であるのに対しまして、三十人から九十九人規模で五・七%と、非常に少なくなっておるわけでございます。 また、労働災害の度数率につきまして、製造業について見てみますと、千人以上の企業では〇・四一というような数字であるのに対しまして、三十人から九十九人規模では五・八九と、非常に高くなっておるわけでございます。 文化、教養、娯楽、余暇施設等の福祉施設の保有率について見ますと、五千人以上の規模の企業におきましては九九・六%とほぼ一〇〇%でございますが、三十人から九十九人規模では四〇・六%と約四割でございます。 また、教育訓練の実施状況について見ますと、千人以上の規模で九七・五%に対しまして、三十人から九十九人規模で六八・五%になっているわけでございます。 以上のように、大企業と中小企業との間には雇用管理面におきまして相当の格差が存在するというふうに考えておるわけでございます。
○池端委員 先ほど若林職業安定局長からもお答えがありましたように、中小企業金融公庫の中小企業動向調査によりますと、求人難は一九八八年第三・四半期以降十期連続経営上の問題点のトップに挙がっているわけでございます。中小企業におきましては、今働いている人をどう定着させるか、そして若年労働者をどう確保するかということがまさに死活問題になっていると言っても決して言い過ぎではございません。したがって、労働力確保を図るという上で諸対策が講じられなければならないわけでございますが、とりわけ労働時間短縮、時短を推進することが極めて重要ではないか、こう私は思うのでありますが、これについて労働省と、きょうは中小企業庁からもおいでをいただいておりますので、両方からお答えをいただきたいと思います。
○若林政府委員 御指摘のとおり、労働省の調査によりますと、就職予定の新規学卒者の八割が就職に当たりまして週休二日制であるかどうかを重視するということを言っておるわけでございまして、労働時間短縮は職場の魅力向上の重要な要素の一つであるというふうに考えております。中小企業事業主の方々も、今日の労働力確保対策の中でこの時間短縮というものを重要なファクターというふうにとらえておるわけでございます。したがいまして、この法律に基づきます認定を受ける計画の多くは、労働時間短縮をその内容の一つとするものというふうに考えておるわけでございます。そのような計画を策定しました団体に対しましては、積極的に労働時間短縮の指導援助を行うことといたしておりまして、そういう意味で、この法律は中小企業におきます労働時間短縮の推進のための大きな方策となるというふうに考えておるわけでございます。
○高橋(達)政府委員 私ども通産省といたしましても、ただいま池端委員から御指摘ございましたように、中小企業の労働力を確保する上で、この時間短縮、労働時間の短縮を推進することは極めて重要な問題であると認識をしております。 当省の関係におきましては、通産大臣の諮問機関でございます中小企業近代化審議会におきまして、昨年来中小企業の労働力不足の問題を御審議を賜ってまいりましたが、この一月に御答申をいただいております。その中でも、ゆとりと豊かさを志向する人々の価値観の変化、こういうものに中小企業としても対応していかなきゃいけないという指摘がございまして、そのためにも時短の推進に対し中小企業が積極的に取り組んでいくことが必要なんだというふうにも指摘をされているわけでございます。 御審議いただいております本法案の中で、労働時間の短縮という問題は、その助成対象として重要な課題として位置づけられておるわけでございまして、法律に基づきまして、認定計画に従って行われる労働時間の短縮に対しまして、政府としても、財政、金融、税制上から支援をしていく構えでございます。これらの施策の活用によりまして、労働時間の短縮に取り組む中小企業の自助努力を私どもとしても積極的に支援をしていく方針でございます。
○池端委員 ところで、昭和六十三年の五月二十七日に閣議決定をされました経済運営五カ年計画、これは一九八八年から一九九二年までの経済運営計画でございます。これは経済企画庁が明らかにし、閣議決定されたものでございます。 〔委員長退席、加藤(卓)委員長代理着席〕 この閣議決定によりますと、一九九二年度において週四十時間労働制を実現し、年間総労働時間は千八百時間程度に向けて短縮をする、こういうふうにこれには書かれているわけであります。これが閣議決定の内容でございます。 しかし、実態はどうかといいますと、この目標にはほど遠い状態、こういうふうに言わなければならないと私は思うのであります。百年河清を待つというような状態ではないにしても、牛の歩みにも似たような状況ではないか、今日、時間短縮をめぐる状況はそういう状況ではないかというように私は思うのでありますが、中小企業における労働時間の現状と今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 ただいまの御指摘にございましたように、現在の経済計画では、年間総労働時間を計画期間中に千八百時間程度に向け、できる限り短縮する、このように書かれておるわけでございます。 現状でございますが、昭和六十三年の四月に改正労働基準法が実施をされましてから労働時間は着実に短縮をしております。規模三十人以上の事業所をとりますと、平成二年の年間労働時間は平均二千五十二時間ということでございます。着実に減少しているというふうに申し上げましたが、このテンポは御指摘のように十分ではございません。なお積極的にこの短縮のための施策を進めるべきものというふうに思っております。 事業所の規模別に見ますと、いずれの規模におきましても減少してきておりまして、実労働時間では大きな差はございません。いずれの規模でも前年に比べ三十時間から四十時間程度短縮をしております。 しかしながら、中小企業で目立ちますのは、大企業に比べまして週休二日制の普及がおくれているということで所定内労働時間が長いわけでございます。完全週休二日制の普及率を見ますと、千人以上の企業では六四・一%、百人から九百九十 九人規模では二一・七%、三十人から九十九人規模では六・五%と非常に大きな差がございます。 今後の見通しでございますけれども、この四月一日から法定労働時間が四十六時間から四十四時間に短縮をされたというようなこと、それから三百人以下の中小企業についてとられておりました年次有給休暇の最低付与日数の猶予措置が一段階とれまして、従来の六日から八日になるというようなことも含めまして、今後とも労働省といたしまして、中小企業に対してきめ細かな指導援助に努めていくということで、できるだけ速やかに目標の達成に至るように努力を続けたいと思っております。
○池端委員 ただいま佐藤労働基準局長は、労働時間短縮は中小企業でも着実に進展している、こういう御答弁があったように私は聞いたわけでありますが、果たしてそうでありましょうか。そうであるとするならば、私はあえてお尋ねをしたいのでありますが、現在、法定労働時間の猶予措置及び特例措置の対象となっている事業所、雇用労働者数の割合はどういうふうになっているか、この点についても明らかにしてもらいたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 ただいま御指摘のように、法定労働時間につきましては、一定の産業あるいは規模によりまして、実態を考慮しながら猶予措置、特例措置がとられているわけでございます。 その数字でございますけれども、平成五年三月三十一日まで週四十六時間とされているいわゆる猶予措置の対象となる労働者数は二千百六十五万人、全体の四九・六%、事業所数は約百六十七万事業所で全体の四五・二%でございます。さらに、週四十八時間とされておりますいわゆる特例措置、これは一人から九人規模という、言ってみれば零細な商業、映画・演劇業、保健衛生業、接客・娯楽業といったようなところが対象でございますが、これの対象になっております労働者数は六百十三万、全体の一四・一%、事業所数は百七十万事業所で全体の四五・九%というふうになっております。
○池端委員 ただいまお答えありましたように、猶予措置一つをとってみましても対象労働者数は全体の四九・六%、約五割ですね。人数にして二千百六十五万人。極めて膨大な数に上っているわけでございます。そして、そのほとんどが中小企業、こういうような状況でございます。このように、中小企業において労働時間短縮がなかなか進展をしていない、こういう要因は一体何だろうか、真剣に考えていかなければならない問題だと私は思うので、それについて明確なお答えをいただきたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 先ほど、中小企業につきまして所定労働時間が大企業に比べまして長いというふうに申し上げました。その辺の原因が週休二日制等労働時間制度についておくれておるということでございますが、その理由としましては、私どもが考えておりますのは、大企業に比べまして資本力あるいは場合によっては技術力等の経営基盤が弱い。それから同業他社との横並びでなかなかできない事情がある場合が多い。さらに、下請の中小企業につきましては、親企業の発注方法等によって制約をされるということで、なかなか単独に進めることができないというような事情がございます。さらには、労働力不足のために交代要員が確保できないというようなことが調査の結果で明らかになっておるわけでございます。私どもはこういった実態をとらえまして、これに対応した施策を進めたいというふうに思っておりますが、現状については以上のような認識をいたしておるところでございます。
○池端委員 先般、経済企画庁が行った企業アンケート調査、この結果が一週間前の新聞に報道されておりました。その結果は「人材確保は時短がカギ」、こういうふうに出ておるわけでございます。そういう結果が出ているわけでございますが、中でも省力化投資などをしにくい非製造業では八三%の企業が時間短縮を挙げている、こういう結果が出ているわけでございます。 そこで私は、中小企業におけるこのような労働時間の現状から考えて、この労働時間短縮、時短促進のための対策の現状、これについて労働省とそれから中小企業庁から、その対策の現状についてお尋ねをしたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 中小企業の労働時間短縮のための対策の現状につきまして労働省としてのお答えを申し上げます。 中小企業の労働時間短縮に当たっての問題は、先ほど御説明したようなことでございますけれども、そういう点を踏まえて考えますと、やはり中小企業につきましては、集団的な取り組みを促進するということが基本になろうかと考えております。そのために同一業種あるいは同一地域といった中小企業の団体をとらえまして、週休二日制の導入等に向けて集団的取り組みを促進するためにいろんな助成、援助策を講じております。 例えば、時間短縮アドバイザーといったものを派遣をいたしまして、これによる指導援助を行う。それから下請企業の問題といたしましては、親企業も含めまして、系列企業ごとの集団をとらえて、週休二日制の導入に取り組むよう指導援助を行うというようなことでございまして、平成二年度におきましては、約六百三十の同一地域、業種等の中小企業集団や約五十の企業系列集団を対象に指導を行ってきたところでございます。 また、個別の企業につきましても、労務管理の専門家である社会保険労務士等によって時間短縮に向けての診断、指導、助言を行って、これによって各企業で時間短縮の措置がとりやすくなるように、これを助けるというような措置を行ってきたところでございます。
○渡辺(修)政府委員 中小企業の時間短縮に対します施策の現状についてのお尋ねでございます。 先ほど来申し述べておりますように、中小企業が時間短縮を行いますためには、当然のことながら合理化、省力化を促進して生産性の向上を図ることが不可欠でございます。 中小企業施策におきましては、従来から金融、税制あるいは高度化事業等を通じまして、各種近代化、生産性向上に努めてきたわけでございますが、先ほど来委員御指摘のような昨今の情勢を踏まえまして、時短促進の重要性を我々痛感いたしまして、平成元年度の補正予算で、中小企業の体質強化資金助成制度というのを活用いたしまして、国と地方公共団体の支援のもとに中小企業人手不足緊急融資制度というのをまず動かし始めたわけでございます。 さらに昨年、平成二年からでございますが、中小企業金融公庫及び国民金融公庫で省力化、合理化のための設備導入に関します低利融資制度、これは労働環境整備貸付制度と呼んでおりますが、これを平成二年度から創設いたしまして、現在これが大変活用されておりまして、相当の融資実績になっておるということでございます。 このほかにも、下請関係、特に親企業の発注方式等々が下請製造事業者その他に対しまして大変な影響を持つものでございますから、この点についても鋭意施策の強化に努めておるというのが現状でございます。
○池端委員 ただいま両省からるるの対策が述べられました。このことはもちろん重要であり、私は結構なことだと思います。しかし、このような行政指導なりあるいは融資あるいは税制上の支援措置だけではなかなか事態は進展をしないのではないか、こういうふうに思うわけでございます。やはり中小企業の労働時間短縮を推進するには、法的な措置を強化する必要がある、私はこう思うわけであります。 昭和六十三年の四月一日から施行されました改正労働基準法の附則七条にも、「政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という「検討」の条項が一項入っておるわけでございます。私はこの改正労働基準法附則第七条による労働基準法見直しの時期に入っておると思うのでありますが、いつ見直しを行うのか、この現状についてお答えをいただきたいと思います。 〔加藤(卓)委員長代理退席、石破委員長代理着席〕
○佐藤(勝)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの御指摘のような附則の規定がございまして、その法律施行後三年と申しますと、この前の三月末で三年を経過したわけでございます。私どもはできるだけ早く検討を始めたいということで、実は明日中央労働基準審議会を開催させていただきまして、検討に着手をすることにいたしております。そこでは当面、特に改正された事項を中心に、施行の状況について御検討をお願いする、このように予定をしております。
○池端委員 明日から検討に着手する、こういうことでございますので、速やかな検討を終えられて、しかるべき対応をやっていただきたいということを強く申し上げておきます。 先ほど労働大臣からも御答弁がございました。労働力尊重の時代の実現あるいはゆとり、豊かさの実現、産業優先から人間優先、こういう課題は今日喫緊の国民的な課題でございまして、労働時間短縮や魅力ある職場づくりは、単なる労働力確保の手段として考えられるべきものではない、こういうふうに思うのでございます。現在の人手不足状況は、そうした方向を全社会的に定着させていくためのチャンスである、こういうふうに受けとめなければならない、私はこういうふうに思うわけでございます。 したがって、今度出された法律、私は積極的に評価をするわけであります。特に労働省と通産省の共管の法律だということを非常に敬意を表するわけでございますが、単なる一時的な雇用対策にとどまらず、そうした方向性をリードしていくものと私は期待をしたいわけでございますが、この点についてはきょうは通産省から棚橋産業政策局長もお見えでございますし、通産省の御見解と、それから小里労働大臣の御所見も承りたいと思います。
○棚橋政府委員 通産省といたしましても、産業構造審議会という審議会で、既に一九九〇年代の通商産業政策のあり方についていろいろ御検討いただきましたが、その中で、特に国民生活のゆとりと豊かさの実現が我が国におきますこれから十年、二十一世紀にかけての国民的な課題である、こういう御指摘をいただいておるわけでございます。私どもといたしましても、このゆとりと豊かさのある生活を実現するためには、先生御指摘のように、労働時間の短縮が非常に大きな要素である、こういう考え方でございまして、時短問題についての取り組みを一層強化をしてまいったわけでございまして、先ほど高橋中小企業庁長官から申し上げておりますように、今回労働省と御一緒に、中小企業につきまして時短促進のための環境整備を図るというこの法案を御提出申し上げ、ただいま御審議をいただいておるところでございます。 産業界全体の時短問題につきましては、一昨年来既に時短経営問題懇談会を通産省において開催をさせていただきまして、各界からの識者の御意見をちょうだいいたしておりますが、この御提言を踏まえまして、業界全体として時短推進体制の構築が必要である、こういうことで御認識をいただきまして、相当進展をいたしておると見ております。 既に、九一年の春闘の労使のお話し合いにおきましても、鉄鋼、電気、自動車等の主要業界におきまして、労使双方のお立場で、この労働時間短縮の問題が強く認識をされまして、相当重要な進展が見られておることは御高承のとおりでございますが、さらに、主要業界におきましては、この問題につきまして研究会あるいは検討委員会、さらにはいろいろの提言を検討していくということで、非常に前向きに取り組んでいただいているわけでございます。 通産省といたしましても、時短促進はあくまで産業界、労働界の自主的なお話し合いが中心になるわけでありますが、この時短が一層進展し、ゆとりと豊かさのある国民生活が実現するようにいろいろ努力をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小里国務大臣 先生が極めて総括的に重要な一つの基本を御指摘になりました。お尋ねいただいたという実感でございます。 お話にございましたように、豊かなゆとりのある時代を築く、そういう勤労者の生活実態を必ずつくりましょう、そういうような観点からもろもろのお話があり、また御答弁申し上げたところでございますが、そういう一つの私どもが理想として、また具体的に手がたく目標とするものに向かいまして、今一番指摘されておる問題は、労働者不足の問題でございます。しかしながら、ただいま先生が重ねて御指摘になりましたように、その労働者不足を何とかひとつ解決しよう、その対処のみが今次の法案の目標であってはならない。もっと幅広い、先ほど申し上げましたような、いわゆる産業も大事であるが、それ以上に労働力尊重の時代がもう名実ともに現実の問題としてやってきましたよという、その視点に立った今次の私どもの立法措置である、こういうふうに明確に申し上げる次第でございます。 なおまた、先ほどからもろもろの施策についてもお話を申し上げておるところでございますが、私どもは、これを原点といたしまして、そしてより一層その所期の目的が達成でき得まするように、これからもうんと知恵を絞りまして、御指摘のような諸問題点に焦点を合わせて努力をしてまいる所存でございます。
○池端委員 先ほどから申し上げ、またお答えもございましたように、本法案における労働時間短縮の位置づけというものは極めて重要でございます。したがって、その労働時間短縮、時短の趣旨が明らかになるように、法案の第三条を見ますると、基本指針というものを今度は明らかにするようになっておりますので、この基本指針の中で労働時間短縮を明記する、こういうようなことも必要ではないかと思うのでありますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
○若林政府委員 国民のゆとりと豊かさ志向の高まりの中で、中小企業者が取り組むべき雇用管理の改善が必要な事項は、各企業の実情によりましていろいろあるわけでございますけれども、中でもただいま御議論ございましたように、労働時間の短縮というものは職場の魅力向上の重要な要素の一つであるわけでございまして、この法律に基づきまして定めますところの基本指針におきましても、中小企業者が取り組むべき雇用管理の改善につきまして、改善が必要な事項、改善の基本的な方向を明らかにすることになっておるわけでございますけれども、労働時間の短縮は、雇用管理の改善として極めて重要事項と認識しておりまして、基本方針でも時短の必要性、その方向を明記する予定でございます。
○池端委員 その姿勢を私は評価をしたいと思うのでありますが、ただ、その場合、労働時間短縮については、単に一般的な内容ではなくて、週休二日制の実施であるとか連続休暇等の問題であるとか具体的な方向を示すべきではないか、こう思うのでありますが、これについての御見解はどうですか。
○小里国務大臣 労働時間短縮につきまして、一般的な施策としては、先ほど関係局長が御答弁申し上げましたように、率直に申し上げましていろいろな事情もございましたけれども、先ほど先生お話のような要旨に沿いまして、そしてまた、内外の熾烈な要請もございましたので、所定の法律に従いまして、可能な限り早い時期に、その労短の計画策定に取りかかろうということで、御説明申し上げましたごとく、明日私の方から中央労働基準審議会に御相談をする、こういう段取りであることを御承知をいただいておるところでございます。 なおまた、その一般的な方針は方針として進めながら、なおかつまた、重ねてただいま先生がお話しになりました今次の問題でございますが、もとより一般的な内容でなくて、例えば完全週休二日制の問題にいたしましても、あるいは年次休暇を大幅に増大して、これを完全に消化する問題、あるいはまた連続休暇の拡大の問題、そのほか時間外労働時間を短縮しようとか、いろいろ個々の問題が御指摘のようにございますから、私どもはこれに具体的に対応していく必要がある、こういうふうに考えております。 なおまた、先生の方からただいま重ねてお話がございました、また局長も御答弁申し上げましたが、いわゆる雇用管理の改善を的確に進めていくという、ここに一つの施策の焦点を置く必要があると考えます。雇用管理の改善の基本的な方向あるいは実現のための方策をきちんと示せということでございますから、その期待に沿うように努力をいたしたいと思います。 さらにまた、ちょっとくどいようでございますが、お話がございました基本指針において示される労働力の確保のための雇用管理の改善のうち、労働時間の短縮につきましては、ただいま申し上げましたような内容を、具体的な項目を念頭に置きまして、具体的な方向を示していきたい、かように考えております。
○池端委員 この法律の趣旨は、先ほどから答弁ございましたように、労働力の確保、定着の前提となる魅力ある職場づくりに積極的に取り組もうとする中小企業団体及びその構成員たる中小企業主に対して財政、税制面の優遇措置、その他の援助措置を講じようとするものでございますが、この場合基本的に重要なことは、まず第一に、中小企業団体や個別事業主はもとより、そこに働いている労働者も含めて、やる気と合意、これをどう引き出していくかということではないかと私は思うのであります。第二には、この法律による助成や融資が本来の目的に沿って厳格に活用されるかどうかということだと思うのでありますが、この二点についての労働省と中小企業庁との御見解を承りたいと思います。
○若林政府委員 まず第一に、この改善事業に取り組むに当たりまして、みんながやる気を持って進めていくということについての労働省の考え方を申し上げたいというふうに存じます。 この法律に基づきます改善計画が事業協同組合等及び個別企業におきまして適切かつ効果的に実施されますためには、関係労使が相協力して雇用管理の改善を進めていくことが重要であるというふうに認識をいたしております。したがいまして、中小企業者が雇用管理改善の目標等を定めます場合には、その改善のねらいが労働者にとりまして魅力のある職場をつくることでございますので、必要に応じて関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることが望ましいというふうに考えております。 構成中小企業者が行います労働時間の短縮でございますとかあるいは職場環境の改善に関する改善事業につきましては、労働時間の短縮等の改善目標につきまして当該事業所において労使の合意や労働者への周知が図られるようにしてまいりたい、そのように考えております。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 委員御指摘のように、中小企業の魅力ある職場づくりのためには、経営者が強い意志を持って経営改善、雇用管理の改善に取り組まなければならない、そのとおりでございますが、あわせて、労働者の協力を得て、労使双方合意のもとに進めなければいけない、全く御指摘のとおりだと思います。 我々といたしましては、本法律が成立した暁には、中小企業団体が団結して時短その他魅力ある職場づくりに取り組みやすいように、まず都道府県を通じまして、中小企業中央会を通ずる指導とかあるいは労働力診断アドバイザーとかといったものを大いに活用いたしまして、あらゆる段階で助力を差し伸べ、また、一たびこの法律に基づきまして認定されましたら、さらにきめ細かく、コンサルタントをつけて、時短あるいは省力化等々の設備についても、必要ならば指導していきたいと思っております。助力を惜しむつもりは全くございませんが、あわせて、しかしながら我々が用います各種施策は、この法目的に応じて厳格に運用されなければならない、先生の御指摘全くそのとおりでございます。きめ細かく指導しつつ、かつ法目的に基づいて厳格な運用をしていきたい、かように考えておるところでございます。
○池端委員 重ねてお尋ねしますが、今お答えいただきましたように、労使の合意が重要であるということであるならば、この法律に基づいて改善事業に取り組むに当たっては、職場環境の改善や労働時間の短縮がどう具体化されるのか、前もって職場の労働者に示して、その確認を得ることが大事ではないか、こう私は思うのでありますが、その点についてはいかがでしょうか。
○若林政府委員 ただいま、労働者に示して、その確認を得ることが重要ではないかということでございますが、基本的には、先ほど申し上げましたように、この事業というものは労使相協力して進めていくということでございまして、必要に応じて関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることが望ましいと考えておるわけでございます。構成中小企業者が行います労働時間の短縮ですとかあるいは職場環境の改善に関します改善事業につきましては、労働時間の短縮等の改善目標について、その事業所におきます労使の合意でございますとかあるいは労働者への周知が図られるようにしてまいりたい、このように考えております。
○池端委員 時間も参りましたので、最後にお尋ねをいたしますが、今のことに関連をして、この事業についての周知徹底等、啓発を図るためには、各段階、各レベルでの労使の意見交換と合意の形成が不可欠、極めて重要な問題だ、私はこう思うわけであります。特に、個々の計画内容についてどの程度労働力確保に役立っているのか、進まない事例の問題点は何なのかなどの点について意見交換を行うということは、次年度以降の計画作成や認定に際しても資するところが大きいと思うのでございます。したがって、都道府県段階に協議会のようなものを設けて、労使代表の意見を聞くことが極めて望ましいことだ、私はこのように考えますが、この協議会設置について労働大臣の御所見を承りたいと思います。
○小里国務大臣 極めて大事な問題点の御提起であると思います。 申し上げるまでもなく、本法が目指す労働力確保のための、例えば、ただいまも局長の方からお話ございましたように、職場環境の整備等々魅力ある職場づくりは、お話がございましたように、労使双方の理解と協力がなければ進められないものであると考えております。そのためにさまざまなしベルで本法の施行状況等について関係労使の意見交換等が行われることは有益である、このように考えております。 労使にわたる問題に関するいわゆる政労使間の意見交換は、本来から地域の実情に応じた形で進められているところでありまして、この点も踏まえながら、本法の施行に関するいわば都道府県レベルの意見交換の場の確保についても検討してまいらなければならぬ、かように考えております。
○池端委員 関係労使の意見交換が行われることは極めて重要であり、したがって、都道府県レベルでの意見交換の場の確保について検討する、ただいま労働大臣の御答弁がありました。そのことを了とするものでありますが、ぜひその点についても実現できるように、今後とも努力をしていただきたいということを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○石破委員長代理 五島正規君。
○五島委員 ただいま我が党の池端議員が本法案の全体的な問題について質問いたしたわけでございますが、私はこの法案の具体的な内容についてお伺いしていきたいと思います。 まず、この法案の対象団体は第二条に掲げられているのでございますが、全国で何団体ぐらい存在しているのか。また、第二条第一項第六号に「その他の特別の法律により設立された組合及びその連合会で、政令で定めるもの」とございます が、どのようなものを想定しておられるのか。さらに、第二条第二項の「政令で定める要件」とはどういうものを指しているのか。お伺いいたします。
○小川説明員 お答え申し上げます。 法律の定義に関します技術的な事項でございますので、私の方からお答えさせていただきます。 法案第二条第一項第六号の「特別の法律により設立された組合及びその連合会」についてのお尋ねでございますが、これにつきましては、今後関係省庁とも相談しつつ検討していくことといたしておりますが、私どもといたしましては、この法律のもとで取り組まれる事業の性格等も考えまして、事業協同組合、商工組合、商店街振興組合といった中小企業の組合とその連合会を頭に描いております。 なお、これらの組合の数についてでございますが、平成二年現在で、例えば事業協同組合では全国約三万九千組合、それから商工組合では全国で約千八百組合という状況でございます。 また、法律の第二条第二項の「政令で定める要件」についてでございますが、この政令はどんな社団法人であればこの法律の対象になるかというものを決める物差しを示すものでございます。これにつきましては、今後実態上のニーズ、さらには過去の立法例等を参考にいたしまして決めることといたしておりますけれども、私どもといたしましては、やはり中小企業の社団法人と言えることが必要であると考えておりまして、その社団法人の直接または間接の構成員の三分の二以上がこの法律の対象となります中小企業者であることというものを今要件として考えているところでございます。
○五島委員 全国レベルの団体とか複数の県にまたがって設立されているようなものあるいは商工会議所といったようなものも対象となるのでございましょうか。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 本法におきましては、地区の大小により計画の適否を判断するといったようなことは考えておりませんで、例えば全国レベルの団体であるとか複数県にまたがる団体といった広範囲にわたる組合でございましても、それが法律に基づく認定要件を満たすものであれば計画の認定を受けることができる、かように考えておるわけでございます。 また、商工会議所あるいは商工会についてのお尋ねがあわせてございましたが、これらの団体につきましては、一定の地域の商工業全体の改善、発展を図ることを目的といたします広域的な性格のものでございまして、中小企業の相互扶助団体として共同で何らかの経済事業を行うといったような、例えば事業協同組合等々とは基本的にその団体の目的を異にいたしておりますので、この法律にはなじまない、かように考えておるわけでございます。
○五島委員 第三条の「基本指針に定める事項」の第二号に「中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置の内容に関する事項」が挙げられているのでございますが、この指針による改善計画の目標が達成された段階では、当該企業において、例えば六十歳定年制であるとか六十五歳再雇用制度あるいは勤務の延長、時間外労働の目安といった労働省が既に通達で示している水準をクリアした結果となるようにするべきではないかと考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 この法律は、中小企業におきます労働力の確保を図るために事業協同組合等及びその構成中小企業者による雇用管理の改善の自主的な取り組みを支援するものでございますが、労働力の確保のための雇用管理の改善として考えられますものは、労働時間の短縮、高年齢者の就業の円滑化など従来から別の法体系に基づきまして指針あるいは指導基準等が定められているものが多いわけでございます。これらの指針等につきましては、この法律の施行にかかわらず、その水準を達成するようにそれぞれ努力をしてまいるべきものでございまして、これら指針等に定められた水準そのものがそのままこの法律の目標の水準になるのではないわけでございます。例えば、ただいま先生の御指摘がございました時間外労働の目安の問題でございますが、この時間外労働の目安時間を満たさないものは認定しないというようなことを考えております。この法律に基づきまして中小企業が取り決めます雇用管理の改善によりまして、そうした指針等で定められる水準が、今申しましたような時間外労働の目安といったものにつきましては、達成に寄与すると考えております。
○五島委員 この法案が実効あるものとなるためには、事業協同組合あるいは個別の企業の双方のレベルにおいて、経営者だけでなく、そこに働く労働者がこの計画の内容を熟知していることが極めて重要である、労働条件改善の見通しについて労働者自身が十分に理解を持つことが重要であると考えるわけでございますが、この基本指針の「配慮すべき重要事項」において労使の事前の合意の形成ということを明確にすべきであると考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 この法律に基づきます改善計画が事業協同組合及び個別企業におきまして適切かつ効果的に実施されますためには、関係労使が相協力して雇用管理の改善を進めていくことが極めて重要であると考えております。したがいまして、中小企業者が雇用管理改善の目標等を定めます場合には、その改善のねらいが労働者にとって魅力のある職場をつくることにありますので、必要に応じまして関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることが望ましいと考えております。 基本指針におきましては、「中小企業者が雇用管理の改善に係る措置を行うに当たって配慮すべき重要事項」というものがただいま先生御指摘のようにございますが、これにつきましては、改善事業の内容を労働者に周知すべき旨を記述することを検討したいと思っております。
○五島委員 改善事業の内容を労働者に周知すべき旨の記述を検討ということでございますが、ぜひそれは実現していただきたいというふうに考えるわけでございます。 また、この改善計画の認定についてお伺いしたいわけでございます。 労働環境の改善にはさまざまな要素があるのは当然でございます。しかし、中でも労働時間短縮の持つウエートは極めて大きいと考えるわけでございますが、事業協同組合にかかわる計画の作成には、週休二日制などの労働時間の短縮を必須要件とすべきではないかというふうに考えるわけでございますが、どのようにお考えでございましょうか。
○伊藤(欣)政府委員 職場として魅力を向上させる、その取り組みは単に労働時間短縮のみならず、多面的に進めていくことが重要であるというのは先生御指摘のとおりでございます。そのような観点から、本法案は雇用管理の改善に総合的に取り組みます中小企業者を支援し、中小企業におきます労働力の確保にも資そうとするものでございます。このように本法案は、労働時間の短縮のみならず、雇用管理の改善を総合的に進めていこうというものでございますので、労働時間の短縮のみを改善事業の必須の要件とするというのは考えていないわけでございますけれども、御指摘のとおり、労働時間の短縮は職場の魅力向上のために極めて重要な要素であると考えております。そういう意味で、本法に基づく認定を受ける計画の多くは、労働時間の短縮を事業内容の一つとして位置づけるものと考えております。そのような計画を策定した団体に対しましては、積極的に労働時間短縮の指導援助を行うこととしておりますので、本法によりまして、中小企業における労働時間の短縮が促進されるものと考えておるわけでございます。
○五島委員 職場環境の改善や労働時間の短縮を具体的に実施するのは、個別構成員である中小企業でございますが、この団体の認定に関しては、構成員である個別企業の計画が重視されていなけ ればならないというふうに考えるわけでございます。この個別の事業の計画達成が奨励金の支給の条件というふうになるわけでございますが、この個別の企業のその計画が具体的に示される必要があると考えるわけでございますが、その点についてはどのようになっているのでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 本法におきまして、改善計画の認定制度というのを採用しておりますのは、事業協同組合等ないしは構成する中小企業の事業主の方々が作成する改善計画において選択されました雇用管理改善の目標、内容等が労働力の確保に効果的であるか否か、それから本法に基づきます支援措置を講ずる上で適切なものであるかを判断することが必要であるというような理由によるものでございます。したがいまして、改善計画におきましては、雇用管理改善の目標、それを実現するための事業協同組合等及びその構成企業が講ずる措置をできるだけ具体的に記載させることを予定いたしております。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○五島委員 この基本指針に照らして適切であると判断される団体の改善事業、もし、こういう団体がかなりの数出てきたということになった場合に、この認定については一定の指定枠をつくるのかどうか。またその場合、どのような基準でその認定を行うのか。その点はどのようになっているのでございましょうか。
○伊藤(欣)政府委員 改善計画の認定につきましては、先ほどお話ございました基本指針に照らして適切なものであると、法令に基づき厳格に運用いたしたいと考えておるわけでございます。そして改善計画がその要件に該当するものでございましたら、その計画は認定されるものでございまして、認定件数に縛りがあるものではございません。 なお、中小企業人材確保推進事業助成金につきましては、本年度二百五十から三百団体に対して助成金の支給を予定しているところでございまして、助成金の支給団体につきましては、計画内容、雇用管理改善に取り組む等意欲を的確に判断しつつ決定してまいりたいと考えるわけでございます。
○五島委員 この法案による施策によりまして最も心配される問題の一つは、暴力団関係者や過去において職安法違反の活動に関係した者たちがその組合もしくは連合会を結成し、そしてこの団体認定を受けようとした場合であると考えるわけでございます。そうした場合、そうした団体の排除というのはどのように行うのか、この点を団体認定に際しても明確にすべきであるというふうに考えるわけでございますが、第四条第三項第四号の「政令で定める基準」に明記すべきではないかというふうに私は考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 この法律は、中小企業におきます労働力確保のために職業安定法では許可制となっております労働者の委託募集を、この法律に基づく計画の認定を受けました事業協同組合等につきましては、届け出制によって行えるという措置を講じておるわけでございますが、このような労働者の募集の活動に係ります規制の緩和を、過去に職業安定法違反活動に関係した者が悪用するようなことは、厳しく抑制しなければならないというふうに考えております。したがいまして、この法律に基づいて行われます委託募集は、まず労働者の利益に反しないようにすべきである、これを法律上明記いたしております。さらに、ただいま御指摘のような、過去に職業安定法違反の活動を行ったような者が結成した事業協同組合等というものにつきましては、この法律に書いてございます改善事業の内容等が、その「目標を確実に達成するために適切なものであること。」という認定基準がございますけれども、これを満たすにつきましては信頼性が乏しいわけでございますので、そのような計画を認定することは適当でないというふうに考えておりまして、認定制度の運用に当たりまして、その点は十分適切に対処したいと考えております。
○五島委員 過去に職安法違反の活動をした人物が挙がっていないとしても、暴力団等がこれに対してさまざまな形で関係してくる危険性というのは現実に存在するのではないかというふうに考えますので、その点についてはくれぐれも十分な対応をお願いしておきたいというふうに思います。 魅力ある職場づくりの支援という本法の趣旨からいたしまして、少なくても過去一年間に組合つぶしやあるいは不当労働行為、また労基法違反や商法違反といったような不正を行った企業に対しては、融資や奨励金の支給の対象から外すべきではないかというふうに私は考えるわけでございます。この点についても、団体認定に際しても考慮すべきではないかというふうに考えます。第四条第三項第四号の「政令で定める基準」に、この点についても明記すべきではないかというふうに考えるわけですが、この点は極めて重要な問題だというふうに考えますので、大臣、どのようにお考えかお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 五島先生にお答え申し上げます。 せっかくのこと、より充実した法律、そして高い行政効果を期待する、そういう観点からもろもろ御指摘をいただいておるところでございまして、特にただいまお話がございました問題点でございますが、まず、この法律の目的である労働力を確保する、この観点から、例えば労働時間の短縮あるいはそのほか職場環境の改善等魅力ある職場づくりを進めていく上におきましては、先ほどもお答え申し上げましたように、労使双方等の御意見なども十分お聞きし、あるいはまた理解を得て進めてまいることは極めて大事なことだと思っております。 さらにまた、ただいまお尋ねがございましたいわゆる本法の、いわば本法に基づく施策として計画の策定を受けました団体の構成企業に対しまして中小企業雇用環境整備特別奨励金等を説明申し上げましたように用意いたしておるところでございますが、御指摘のような不当労働行為等労使紛争が激しいような企業などに対しましては、労使の理解と協力が実際問題として不可能となると思われます。本事業の実施は困難と考えられることから、実態上融資あるいは奨励金等の対象から外されることになると思われます。 なおまた、その構成企業のうち、労働基準法違反等の企業が多数含まれている団体について計画を認定することが適当でないことは御指摘のとおりであると思います。しかしながら、本法に基づく改善計画は、事業協同組合等の中小企業団体が策定するものでございまして、多くの雇用管理改善に積極的に取り組む企業を対象とした団体の計画を認定することは、本法の趣旨にも合致するものと考えておりまして、政令において一律に基準を定めることは適当ではないだろう、ケース・バイ・ケースで判断してまいるのが至当ではなかろうか、そういうふうに考えておるところでございます。
○五島委員 本法によりまして、現在の中小企業の労働力不足という状況の中で、職場環境を改善して人材の確保を進めていこうというねらいがあるわけでございますが、現行の中小企業人材確保推進事業というのは実施されているわけですが、これの実施状況は現在どのようになっているのでございましょうか。また、この事業とその認定団体は、この法律の施行によりましてどのように影響を受けていくのか、お伺いしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 現行の中小企業人材確保援助事業につきましては、平成二年度から実施しているところでございますけれども、その事業の前身でございます特定業種人材確保援助事業というものが平成元年度から実施されておりまして、この対象団体として四十五の中小企業団体を指定しております。そして支給実績、助成金の支給総額は一億九千五百万円となっておるわけでございます。また、平成二年度におきましては、御質問のように、中小企業人材確保援助事業というものが発足したわけでございますけれども、先ほど申し上げました前年度か らの継続団体を含めまして百四十四団体を指定して実施しているところでございます。計画額といたしまして約九億六千万円の助成金の支給を予定しているところでございます。なお、現行の中小企業人材確保援助事業の指定団体につきましては、本法の施行後におきましても、中小企業人材確保推進事業助成金は、従来どおり支給されることとなるわけでございます。なお、当該指定団体のうち、本法にかかわります改善計画の認定を受けた者につきましては、この法律に基づく支援措置を受けることができるようになるわけでございます。
○五島委員 本法によりますと、改善計画が要件に適合しなくなった場合や認定団体またはその構成員が計画に従って改善事業を実施しない場合は、認定を取り消すというふうになっているわけですが、その確認の手続、どのような方法によるのかお教えいただきたいと思います。
○野寺説明員 認定計画に従いまして改善事業が行われるわけでございますけれども、認定計画の期間内におきまして財政上、金融上、税制上の支援措置を講ずるということにいたしております。したがいまして、認定計画は、この期間全体を通じまして認定要件に適合していることが必要でございます。改善事業は、計画どおりこの期間実施されているというふうに考えるわけでございます。したがいまして、認定組合等もしくはその構成中小企業者が認定計画に従って改善事業を実施していないという場合その他につきましては、計画が取り消されるということになるわけでございます。 その発見の方法は、こういったことにつきまして法第十七条に基づきまして報告を徴収することになっておりますので、この報告に基づきまして判断をさせていただくということになるわけでございます。
○五島委員 本法案と関連いたしまして、外国人労働者の問題について若干お伺いしたいと思います。 中小企業における昨今の労働力不足ということによりまして、外国人の労働力によってその労働力不足が補われているという実態が見られるわけでございますが、外国人労働者に対しても、この労働時間を含む労働環境の改善というものが当然適用されるべきだというふうに考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 この法律に基づきます改善事業は、労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等のメニューごとに事業協同組合等の中小企業団体、またその構成企業が進めるものでございまして、この事業によりまして、そこで働く労働者一般について労働環境の改善が図られるというものでございます。したがいまして、計画の認定を受けました事業協同組合等の構成企業において働いております外国人労働者につきましても、労働環境の改善が図られるもの、このように考えております。
○五島委員 今局長のお答えでは、外国人労働者は、そこに働いていても、当然この法案の改善計画によって外国人労働者もその恩恵を受けることができるという御答弁でございますが、ということは、いわゆる不法就労者と言われている外国人労働者がそこで働いていたとしても、そのことは認定の要件にはならないというふうに考えていいわけでございますか。
○若林政府委員 先生御承知のとおり、外国人労働者の問題につきましての政府の基本方針と申しますものは、専門技術的な職業につく者、あるいは外国人ならではの感性を有する者などにつきましては、積極的に受け入れていくということでございますけれども、いわゆる単純労働者と言われる者につきましては、西欧諸国等の経験に照らしまして十分慎重に考えていくべきであるというのがこれまでの政府の方針でございます。ただいま御指摘の、もしこういうような団体、それを構成する企業に外国人労働者、それが不法就労として働いている場合にどうか、こういうお尋ねでございますが、基本的に労働条件といいますか労働環境というものにつきまして、これは我が国、自国民の労働者でありましても、他国の労働者でありましても、これを区別しないで、その労働条件を確保していくということが基本でございまして、そういった観点でこの問題も考えるべきであろうと思いますが、これはやはり入国管理法という問題もございますから、ケース・バイ・ケースで判断していかなければならない問題だろうというふうに思っております。
○五島委員 この外国人の問題に関係いたしまして、外国人研修生を受け入れる中小企業というのがふえてきておるわけでございます。我が国の中小企業の中には非常に技術的なしベルが高い企業もございますし、そういう意味におきまして、技術を外国に移転していくという意味からも、そのこと自体が極めて大切であり、いい方向であるというふうに考えるわけでございますが、その一方で私どもが心配するのは、受け入れた研修生を実務研修の名のもとで、劣悪な労働条件のもとで外国人を就労させるというふうなことが起こらないかどうかという心配でございます。とりわけ日本の研修制度というのはオン・ジョブと言われておりますように、机の上での勉強というよりも、実務についての研修というふうな形で実施されることが非常に多く、その意味におきましては、実態というのがかなり具体的にきちっと整備していないと、その内容として現実的には研修生の名のもとにおいて労働をさせているという結果が起こりかねないというふうに考えるわけでございますが、こうした研修の名のもとにおいて劣悪な労働条件で外国人を就労させているというふうな事実があった場合、これは認定要件を欠くのだというふうにすべきではないかと考えるわけでございますが、その点についてどのようにお考えでございましょうか。
○若林政府委員 外国人の研修生の問題につきましては、国際協力という観点からこれを大いに充実していくべきものであるというふうに考えておるわけでございますが、事業協同組合等の構成企業のうちに、先生ただいま御指摘のように、外国人を実務研修という名前で劣悪な労働条件で就労させるような企業が多数含まれているという団体につきましては、団体の定める改善事業の目標を確実に達成するという点についても信頼性が極めて乏しいと考えられるわけでございまして、そのような計画の認定を行いますことは、この法律の趣旨に合致しないわけでございまして、計画が認定されないものというふうに考えております。
○五島委員 本法と若干外れますが、もちろん関連あるわけでございますが、実務研修中の外国人労働者、来られる外国人が、日本のような研修の主たる内容として実務について研修するという研修習慣の必ずしもない国の人たちも多うございます。そういう意味におきましては、この実務研修中の外国人労働者に対して、例えば労働基準法が適用されるというようなことを明確にすべきではないか。もちろん研修生でございますから、これは労働者じゃない、そういう論理はわかります。しかし、内容として、それが労働であるかあるいは研修であるかというものが極めて不明確な場合、あるいは結果的に、例えば事故が起こって、後で見てみると、それが労働であったというふうな事態も考えられるわけでございまして、そういうふうな場合、労働基準法が適用される、具体的な個々の実態に照らしてみて、その研修の内容が事業に使用され、賃金を受けているのだというふうに評価されるような場合、そういうふうな場合は当然労働基準法が適用されるということを明確にすべきではないかと考えるわけでございますが、局長、どのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 外国人研修生につきましては、出入国管理法上報酬を受ける活動は禁止されておるわけでございますし、法務省令によりまして定められた研修の基準の中で、活動内容が技能の修得等を目的としていること、実務研修が含まれる場合でも、その時間が制限されていること等からいたしますと、一般的には労働基準法上の労働者 には該当しないというように考えているわけでございまして、これは先生御指摘のとおりでございますが、研修名目でありながら労働の実態がある研修生というものにつきましては、基本的には、まず出入国管理法等の基準に沿った内容になるように指導をしなければならないわけでございます。 私ども、日ごろ研修生を受け入れている事業主の方には、このことを繰り返しお願いを申し上げておりますし、現実に、そういうような事態を発見いたしました場合には、そういった指導をいたしておるわけでございますが、個々の事態に照らしまして、事業に使用されて、その対価として賃金を受けているという評価がされた場合には、これは労働基準法上の労働者に該当するということで労働基準法を適用することにいたしております。例えば、ただいまおっしゃいました災害の場合でございますが、災害が起こった場合に、その災害の起きた現場におきまして、これがやはり労働者として働いていて災害が起こったのだということでございましたならば、これは労災法を適用するということにいたしております。
○五島委員 少なくとも本法が適用されます団体の構成員の中で、研修生の名目で非常に劣悪な労働賃金のもとにおいて外国人労働者を使っていくというふうなことが起こってこないようにぜひよろしくお願いしたいと思います。 いずれにいたしましても、この法案の実施をもちまして、労働者の労働条件そして中小企業における労働環境が改善されるということが非常に大切でございます。そのためには、そこに構成される中小企業における労働者のさまざまな意見あるいはその目的の周知徹底、先ほど大臣からも御答弁がございましたけれども、極めて重大で大事な問題であるというふうに考えます。とりわけそうした中小企業の中において労働組合が存在しないという企業も多うございます。そういうふうな状況の中において、そこに働く労働者の意見を十分にくみ上げる、あるいはそれら個別の労働者に対して本法に基づく計画の目的、目標が十分に徹底できるような措置をぜひお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○浜田委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時七分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。永井孝信君。
○永井委員 午前中の私どもの同僚の質疑に引き続きまして、具体的な問題点について質問をしていきたいと思います。 まず、この法第七条第一号にかかわる助成金そして援助についての問題でありますが、補助金や助成金が、認定計画にかかわる改善事業とは直接関係のない、いわゆる事業協同組合の日常の運営費や、あるいは認定団体に置かれている労働力確保推進員の人件費の一部として、いわば目的外で使用されることはないのかどうか、そこはまず明確にしてもらいたいと思います。
○若林政府委員 この法案に基づきます中小企業人材確保推進事業助成金につきましては、事前に当該年度の事業実施計画を提出していただきまして、事業内容等が効果的かつ適正なものであるか審査いたしまして受給資格の認定を行うわけでございます。さらに、支給に当たりましては、単年ごとに事業が実施計画に基づいて適切に実施されたか審査をいたしまして、実施に要した費用に係る特別会計帳簿、領収証等経費の支出を証明するものの写し等を提出させました上で清算払いをすることにいたしているわけでございます。したがいまして、改善事業とは直接関係のない事業協同組合等の直接の運営費として使用されることはないと考えております。 ただいま御指摘の人材確保の推進員につきましては、改善事業の円滑な実施を図るために認定組合等に設置を義務づけておるところでございまして、その人件費につきましても一定の範囲内で助成対象といたしているわけでございますが、助成金がいたずらに人件費ばかりに使用されることのないよう審査をいたしまして、改善事業の効果的かつ適正な実施を図ることといたしたいと存じます。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 通産省関係におきましても、認定を受けました団体に対しまして中小企業労働力確保推進事業費補助金を交付することになっておりますが、本件の交付要領等は、先ほど労働省の方からお答えしたとおり、厳格な運用をしてまいる所存でございますので、そのようなおそれはないと考えております。 なお、我々の補助金の方は、個別事業の実態に即しまして、詳細な実施計画の作成等に技術関係の経営コンサルタントを雇いまして、それに所要の経費等も補助対象にすることにいたしておりますが、組合その他の日常経費に充当されるというようなことはございません。
○永井委員 それでは、これらの補助金や助成金の支給という問題が労働者福祉の向上にとって実効をもたらすように厳しいチェックと監査がなされなければならないと思うのですね。その万全のチェック機能をどの機関でどのように行うのか、これも明らかにしてもらいたいと思います。
○若林政府委員 この法律に基づきます中小企業人材確保推進事業助成金につきましては、中小企業の労働者福祉の向上に実効あるよう厳正に運営がなされなければならないというふうに考えております。このために、この助成金は雇用保険三事業として行われるものでありまして、その目的や要件に従って厳正に運営されているかどうかにつきまして、他の助成金と同様行政当局の内部監査をまず行うことは当然でございますけれども、さらに、最終的には会計検査院の会計検査を受けるということになるわけでございます。
○渡辺(修)政府委員 中小企業労働力確保推進事業費補助金の場合におきましても、今労働省の方からお答えになりましたと同様、各段階できちんとしたチェックシステムを確立したいと思っております。
○永井委員 ところで、労働省にお伺いしますが、この助成金の支給団体数の問題であります。原則として各県六団体というふうに私は承知しているのでありますが、その一団体について通産省の補助金も支給するものと聞いているわけでありますが、その補助金の支給団体を選定する際の基準と方法はどういうところに置かれているのか、これは通産省にひとつお答えいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 中小企業労働力確保推進員補助金に関する御質問でございます。我々認定されました団体、認定した計画につきましては補助金を交付することにいたしておりますが、先ほど申し上げましたように、おおよそ各県一つくらいは頭に置いて予算上積算をしておるわけでございますが、その選定に当たりましては当該組合の計画の熟度あるいは組合の実態あるいは当該地域への波及効果等を総合的に勘案いたしまして最終的に選定してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○永井委員 労働省、通産省両方にお聞きいたしますが、中小企業の人材確保の援助事業、今後長期的に必要であるということについては大方の意見が一致しているわけでありますが、今私が問題にしております助成金、補助金の支給団体は今後積極的に拡大していく必要があると思うのですが、これらについて基本的なお考え方を聞いておきたいと思います。
○若林政府委員 この法案に基づきます中小企業人材確保推進事業助成金の支給対象団体につきましては、平成三年度に二百五十から三百団体程度予定しておるわけでございますが、今後も中小企業におきます労働力の確保対策を一層推進いたしますため、関係方面とも調整を図りながら支給対象団体の拡大に努めてまいりたいと考えておりま す。
○渡辺(修)政府委員 御指摘のように、魅力ある職場づくりというのは現在中小企業におかれました喫緊の要務でございます。本法律に基づきます各種助成措置、極めて魅力ある職場づくりに重要と考えておりますので、今後我々も補助金の交付団体の拡大等について全力的に努力いたしたいと思っております。
○永井委員 労働省にもう一度重ねてお伺いしますが、この人材確保の援助事業いわゆる助成金、補助金の支給団体、私が最前質問いたしましたように、原則としては各県で六団体というふうに承知しているのですが、これに間違いございませんか。
○若林政府委員 平均いたしますと六団体ということになるわけでございまして、全体として先ほど申しましたように平成三年度二百五十から三百団体を予定しているということでございます。
○永井委員 最前申し上げましたように、できるだけ拡大するという前提で取り組んでもらえませんと、法に基づいて積極的な対応をとろうとしている事業者数あるいは事業団体が数多くあるのに、片方では対象になるけれども片方はいつまでたっても対象にならない、これでは問題が残ると思うのですね、圧倒的な数が中小零細企業でありますから。そう考えますと、その辺のところはさらに積極的に拡大していくということをもう一回確認しておきたいと思うのですが。
○若林政府委員 これは初年度のことでございまして、これからの実績等も十分見ていかなければならないと思いますけれども、そういったものを見ながら御指摘のように拡大のために努力をしたいと思っております。
○永井委員 それでは、この団体の融資問題についてお伺いをしておきたいと思うのでありますが、中小企業庁は従来から、中小企業の事業協同組合に対しまして共同施設事業への融資や設備リース事業を行ってきているわけですね。今までずっと行ってきているわけですね。現行の制度の概要とその利用状況について、まず御説明願いたい。 また、この法律による認定団体というのは、これらの融資面でどのように優遇されるのか、これもあわせてお答えをいただきたいと思います。 〔委員長退席、粟屋委員長代理着席〕
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 中小企業事業団におきましては、従来から高度化事業ということを基本に置いて、中小企業の高度化、近代化に資してまいったわけでございますが、大きく分けまして二つございまして、一つは、中小企業の組合員が共同で利用する施設、つまり共同施設でございます。これを設置する事業と、それから、組合員が使用いたします機械を一括して組合が購入いたしまして組合員にリースする、いわゆる設備リース事業と、大きく二つの種類がございます。まず、前者の共同施設事業でございますが、これにつきましては、施設の設置に必要な土地購入費、あるいは建物建設費といったようなものを対象にいたしておりますし、また設備リース事業につきましては、その時代、その時代の政策的な課題に対応いたしまして、例えば省エネルギー設備、あるいは公害防止設備等につきまして、政策的必要性にかんがみましてリース制度を導入してきておるということでございまして、これらにつきましては、六五%の融資比率で年利二・七%、償還期限十五年以内ということで融資をしてきておるわけでございます。 平成二年度末までの累計でございますが、第一のタイプの共同施設事業につきましては七千百三十五件、トータルで四千四百四十四億円という実績がございます。また、設備リース事業につきましては三百五十六件、七百四十六億円を融資してまいっておるわけでございます。 さらに、今回この法律の対象になります認定計画に基づきましてどのような融資制度が行われるかという点でございますが、まず第一は、共同事業のうちの共同施設につきまして、研修施設あるいは従業員の宿舎、食堂あるいは託児所といった福利厚生施設が共同施設事業として行われます場合には、貸付割合、融資比率を八〇%に引き上げまして、かつ金利については無利子にする、これが一つの大きな柱でございます。それからもう一つは、昨今の重要性にかんがみまして、労働力不足対応設備という新たなリース制度を創設いたしました。したがいまして、本計画の認定に係ります組合が、当該労働力不足対応設備リース制度を導入する場合には、従来の融資比率を引き上げまして、七〇%の融資比率にまで引き上げたい。金利は二・七%、かように考えているわけでございます。
○永井委員 それでは次に、第七条の第二号に係る助成、援助について伺いたいと思うのであります。 認定組合の構成事業主が、中小企業金融公庫の融資を受けたことによって改善計画の目標を達成した場合に、中小企業雇用環境整備特別奨励金を支給するという制度を考えているようでありますが、この奨励金について、融資を前提としているのはなぜなのか、この辺のところを明確にしてもらいたいと思います。
○若林政府委員 具体的な運用基準につきましては今後検討することといたしておりますが、中小企業雇用環境整備特別奨励金につきましては、特に資金面で問題を有する中小企業が、雇用環境の改善に取り組むためのインセンティブとなることをねらいとしたものでございまして、自己資金のみで設備等の設置、整備を行えるような事業者に対してまで助成するよりも、何よりもこういった資金面で問題を有する事業者が融資を受けることを前提としたい、こういうふうに考えたところでございます。
○永井委員 ところで、今言われたように、自己資金で対処できる事業主まで助成する必要は、極端に言えばないという前提に立っていらっしゃるわけですね。そうすると、圧倒的な数の中小零細企業が、自己資金で対処できるほど資本力のしっかりした、あるいは営業内容のしっかりした企業はそう多くはないと私は見るのですね。その場合に、冒頭から申し上げておりますように、対象が余りにも少ないので、そこに不公正が生じてくる。これでは法の目的を達成することはできない、こう思うのですが、その辺のところをもう一度答弁を願いたいと思います。
○若林政府委員 中小企業雇用環境整備特別奨励金の支給要件に該当する中小企業者に対しましてはこの奨励金が払われるわけでございますけれども、これは予算の範囲内でこの奨励金が支給されるということになっておるわけでございまして、そこにはおのずと優先順位というものはあろうかというふうに考えております。
○永井委員 だから、極端に言えば、予算の範囲内ということはわかっておるわけだから、予算の拡大にどこまで努力するかということを僕は聞いておるわけですよ。その辺のところの決意をきちっと示してもらわないとだめなんですよ。
○若林政府委員 ただいまの特別奨励金につきましては、中小企業におきます労働時間短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等を促進するために、支給要領等に基づきまして適正な運用に努めますとともに、ただいまは初年度でございますので、今後の利用実績等も踏まえまして、予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○永井委員 ひとつ思い切って努力をしてもらうことを重ねて要望しておきたいと思います。 さて、奨励金支給の際の計画目標の達成の確認でありますが、どのような方法でその確認をなされるのか。あるいは福祉施設や職場改善施設といったハード面については客観的に判断ができるといたしましても、労働時間短縮、これは午前中池端委員のこれに集中した質問がございましたから、重ねて同じことを繰り返しはいたしませんけれども、労働時間の短縮などは労働者の確認を求めるのか、あるいは労基署に問い合わせるのか、その方法について御説明を願いたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 御質問の中小企業雇用環境 整備特別奨励金は、御案内のとおり、労働時間の短縮等職場環境の改善に資する設備の設置または整備を行いますとともに、あわせて福祉施設を設置または整備し、認定計画に定めます目標を達成した中小企業に支給する制度でございます。 先生御指摘のとおり、設備投資がそのまま労働時間の短縮に結びつくか否かは明らかでないわけでございますので、労働時間の短縮という目標の達成の確認につきましては、労働時間を定めております就業規則の変更を確認するということにより行いたいと考えているわけでございます。
○永井委員 ところで、就業規則で確認をすると言うのですが、就業規則をまともに労基署に提出しないとか、あるいは労働組合の存在しないところでは、従業員の過半数を超える人々の代表の同意を得て一応就業規則がつくられていくわけでありますが、その就業規則をつくるに当たって、労働組合のない場合に全く従業員の意思も聞かないという実例だって、労働省先刻御承知でしょうけれども随分あるのですよね。その場合に、具体的にどのようにやっていくのかということは非常に大事なポイントになってくると思うのですが、その辺の関係はどうですか。
○伊藤(欣)政府委員 この奨励金の支給の前提といたしまして、当然改善計画の認定というものがございます。その改善計画の作成の際に、午前中にもお話がございましたように、職場における意見の聴取、合意、協力、そういうものを前提とした上での計画の作成であり、それを厳正に審査して認定をしていく、こういうことでございますし、個別の企業につきましても、計画の作成の際にはそういう手続がとられるものと考えておるわけでございます。そういう意味で、この目標達成の確認につきましては、就業規則の変更、もしそれがない場合には支給できないということでございます。
○永井委員 そこはざるから水が漏れないように、ひとつきちっと対応してもらいたいということを要望しておきたいと思います。 さて、この奨励金の支給でありますが、目標を達成した企業が請求すればすべて対象になるのかどうなのか、この辺はどうですか。
○若林政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、この特別奨励金につきましては予算の範囲内で支給するということになっておるわけでございまして、そこにやはり認定計画に対する取り組み等に応じまして優先順位を考えていかなければならないというふうに考えております。
○永井委員 最前の質問と同じ趣旨になっていくわけですが、繰り返して恐縮でありますが、要は、同一の条件で同一の努力と同一の成果を上げている企業間で対象となるところとならないところが出てくる、これは法のもとにおける平等の精神に反するわけでありますから、あえて私はここでさらに問題にしているわけです。この予算の範囲を拡大するように、予算そのものを拡大するように、ひとつここでも重ねて要望しておきたいと思います。 さて、この奨励金の金額ですが、職場改善のインセンティブとなるほどの額と言えるのか、疑問なしとはしないと思うのですが、支給額の区分けと水準はどういう根拠によるのですか。
○伊藤(欣)政府委員 御質問の中小企業雇用環境整備特別奨励金は、中小企業人材確保推進事業助成金の支給を受けた中小企業団体の構成員である中小企業者であって、労働時間の短縮等職場環境の改善に資する設備の設置または整備を行うとともに、あわせて福祉施設を設置、整備し、認定計画に定める目標を達成した中小企業者に対して支給する、そのかかりました設備施設の設置、整備に係る費用の額に応じて二十五万円から二百五十万円を支給するということを考えておるわけでございます。本奨励金の支給額につきましては、雇用保険三事業の他の奨励金等の水準も勘案して決定したものでございまして、労働時間の短縮等職場環境の改善のインセンティブになると考えておるわけでございます。 具体的には、施設及び設備の設置または整備に係る費用につきまして、五百万円以上千万円未満の場合については二十五万円、千万円以上二千万円未満につきましては五十万円、二千万円以上五千万円未満につきましては百万円、五千万円以上につきましては二百五十万円を支給することを考えておるわけでございます。
○永井委員 次に入りますが、現行の労働環境整備貸付、これは通産省にお伺いいたしますが、その概要と利用状況について御説明願いたい。この法律の施行によってこの制度にどのような影響が出てくるのか、これもあわせてお答えいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 労働環境整備貸付でございますが、これは中小企業における労働時間の短縮を図るべく労働環境改善を図ろうということで、平成二年度から中小企業金融公庫及び国民金融公庫に創設されたものでございまして、中小企業者が向こう二年間において所定内労働時間を二時間以上短縮しよう、こういう計画を持って、必要な省力設備、職場環境設備等福利厚生施設の導入を行おうとする場合に必要な資金を低利融資しよう、こういう制度でございます。現在、申し込みが大変多うございまして、平成二年度におきましては一千三百八十三件ということで九百五十三億円という貸付実績に上っております。 〔粟屋委員長代理退席、委員長着席〕 今御審議いただいております法律の施行によりまして、法律の認定計画に基づきまして構成中小企業者が時短を行おうという場合が出てくるわけでございますが、これにつきましても、向こう二年間以内に二時間以上の時短を行おうという時短計画が内容に含まれておりました場合には、この環境整備貸付で従来よりも利率を下げまして、現在は七・一%で貸しておりますけれども、これを当初三年間に限りまして六・六%の優遇金利を適用しよう、かように考えておるわけでございます。
○永井委員 この二年以内に二時間以上の所定労働時間短縮ということが今言われた条件になっている。そうすると、法定労働時間を上回っている企業、これは明らかに基準法違反でありましょう。そうすると、その基準法違反は直ちに改められなければならないのでありまして、そのような基準法を犯している企業が週二時間短縮するからといって、この貸し付けで融資面での優遇が行われることは不合理だと私は思うのですね。この辺の関係はどうですか。
○渡辺(修)政府委員 委員御指摘のとおり、労働基準法に定められました法定労働時間違反の中小企業者に対して時短に係る優遇措置が講じられるべきではない、我々もさように考えておりまして、現行の労働環境整備貸付の運用に当たりましては、まず、その貸付対象企業を決定する際に、借り入れを申し込みに来ました中小企業者に、それが労働基準法に定める所定労働時間を遵守しているかどうかを確認することにいたしておりまして、その手段といたしましては、当該者の就業規則を提示していただくということになっております。それで確認をいたしまして御指摘のようなことにならないように遵守しておるところでございます。
○永井委員 それでは、労働基準法では週四十時間というふうに原則が定められているわけでありますが、所定労働時間が労使の努力によってこの四十時間よりもさらに短くなっている企業についてもこの制度は適用されるのか、ひとつここは確認をしておきたいと思うのです。
○渡辺(修)政府委員 現在の、つまり平成二年度に創設いたしました労働環境整備貸付制度におきましては、所定労働時間が四十時間以上で、業種ごとに上限がございますけれども、その範囲内に入っておる中小企業者、それの申し込みに係る場合を対象にいたしておりまして、そういう限りにおきまして、今委員御指摘のように、四十時間を下回る所定労働時間の中小企業者が現行の環境整備貸付を申請してきた場合には対象にならないわけでございますが、今回のこの法律に基づきます計画につきましては、労働時間短縮を一定の水準 までに限定しようとか、そういう考えは持っておりませんで、中小企業の団体がみんなで相談をいたしまして、こういう目標を立ててここまで時間短縮をしようということであれば、それはそれで確実であり所定の要件に該当すれば認めよう、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、例えば所定労働時間を四十時間よりも下回るようなそういう時間短縮を当該組合としてやりたい、こういう認定計画の申請がありますれば、それは認定が認められることになるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、今回、この認定計画に見合います構成中小企業者がこの労働環境整備貸付を受けるときには六・六%で優遇して行うことになっておりますから、それにつきましては、今の四十時間を下回るものにつきましても今回の貸付制度が法律の認定計画に従ってフォローしていく、こういうふうに現行よりも改まってまいると考えております。
○永井委員 今の御答弁を確認をしておきたいと私は思うわけであります。 次に、第十七条では、都道府県知事が認定組合等に対しまして改善事業の実施状況について報告を求めることができる、こうなっているわけですね。 この報告はどのような内容と頻度で行う考えなのか、あるいはまた労使関係者の意見をそのときに参酌すべきだと思うのですが、この関係については簡単にお答えを願いたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 認定計画に係ります改善事業に対しましては、その計画的かつ円滑な実施を図るため、予算措置、税制措置、融資等の各種の特段の助成措置が講ぜられることとなるわけでございますけれども、このような助成措置を受けて実施される認定計画に係ります改善事業が認定計画に沿って行われておるか否かにつきましては、十分把握しておく必要があるわけでございます。このため、当該計画についての認定権者であり、当該計画の実施についての第一義的な監督責任を有します都道府県知事に報告聴取権を付与することによって、当該計画の的確な実施を確保しようということで措置をいたしておるわけでございます。 具体的な内容といたしましては、認定組合等に対し、毎事業年度終了後、当該事業年度における改善事業の実施状況についての報告書を提出させることを考えているわけでございます。また、報告を聴取する際に労使関係者の意思を参酌すべきという点につきましては、改善事業の実施状況についての報告は、例えば労働時間の短縮の目標の達成状況など、客観的な資料で事業の実績を求めることを予定しておるわけでございます。また、これまでも各種団体等に対しまして助成金の支給等をやっているところでございますけれども、これらにつきましても、実施状況報告等に関しまして労使関係者の意見を従来聞いておりませんし、本法に基づく報告聴取についても従来の考え方で対処していきたいと考えておるわけでございます。
○永井委員 どうももう一つぴんとわからないのです。的確な実施を確保したいというのでありますが、最初に私が指摘しましたように、報告する段階で労使関係者の意見というものは一体どう参酌されるのか、そこのところはどうなんですか。
○若林政府委員 ただいま御答弁申し上げましたように、都道府県知事が聴取いたします報告というものは、実施状況についての事実をきちっと把握するということでございます。したがいまして、いろいろな金銭関係等はもとより、事業の推進の状況についても、例えば労働時間の短縮でございますれば、どこまで進んでいるかということをいろいろな資料に基づいて提出をさせて、それがきちっと進んでいるかどうかを判断するということでございます。あくまでもそういった状況の把握でございますから、同様の制度についてもこれは行政が責任を持って遂行するということでございまして、労使の関係者等の意見の聴取というようなことは行っていないわけでございまして、今回についてもそういったことで進めたいと思っております。法の執行全体という問題については、いろいろな形で労使の方々の御意見を承る、都道府県レベルでもそういったものができてくるわけでございまして、そういったところでいろいろな御意見を拝聴するということは当然あろうかと思います。
○永井委員 次に、第十三条の問題でありますが、十三条では委託募集にかかわる特例が規定されているわけですね。これに関連して、就職情報紙誌の問題を私はここで提起しておきたいと思うのであります。 新聞広告を含めまして、最近の就職情報紙誌の中には、時間外や休日労働を初めから見込んで、そしてその賃金を提示するということが間々見受けられるわけであります。具体的にそういう広告資料を持ってこいというならばわんさと持ってきますけれども。これは労働省としては非常に耳ざわりな言葉でありますけれども、かつてこの就職情報紙誌の問題で、リクルート問題でこの委員会で厳しく追及したことがございました。そういうことも過去にあるだけに、これらの傾向に対して、大企業はもちろんのこと、就職情報紙誌の側に対してもさらに規制が強化されなくてはいけない、こう思うのですが、労働省の見解を求めておきたいと思います。
○若林政府委員 就職情報紙誌につきましては、これまで倫理綱領、掲載基準の作成や内部審査体制の強化など、就職情報紙誌関係業界による広告内容の適正化のための自主的努力を促すなど、指導に努めてまいったところでございます。また、労働者募集の適正な実施の確保のために、公共職業安定機関を通じまして、労働条件等の明示や情報内容等の的確な表示など、職業安定法に規定する諸事項について、いろいろな機会をとらえまして事業主に対して啓発指導を実施してまいりました。また、募集主や就職情報紙誌等の媒体事業者に対します集団指導、個別指導を行ってまいりました。今後とも、こうした対策を進めていくことによりまして、求人広告内容の適正化を図りますとともに、ただいま先生御指摘になりましたようなケースも含めまして、求人側及び就職情報紙誌等の媒体事業者に対しますなお一層の指導を強化してまいりたいというふうに考えております。
○永井委員 ひとつ厳正に、的確に対処してもらいたいことを要望しておきます。 さて、次に、法案作成に先立つ中小企業近代化審議会の審議の中で、労働力確保にかかわって、労働時間短縮にとって障害となる下請取引の方向が示されているわけですね。そして、下請振興基準が改正されました。労働力の確保のための施策と下請取引改善の施策が密接に関連していると私は思うのです。この法律の運用において、この視点はどのように具体化されていくのか、あるいは認定団体に下請企業団体、いわゆる協力会というのがございますが、これも対象として加えるべきだと思うのですが、どうでございますか。
○渡辺(修)政府委員 労働時間の短縮と下請関係の発注の適正化とが密接に関連するという委員の御指摘、まさにそのとおりでございまして、審議会においてもそのような指摘、答申をいただいておるわけでございます。 我々は、先ほど来御説明申し上げておりますように、約半年間の審議を経まして、本年二月に下請振興基準というのを改正いたしました。これは週末発注・週明け納入あるいは終業後発注・翌朝納入といったような、現在間々見られる発注形態を改めることとか、下請企業者が計画的に生産を行えるようにできるだけ発注の事前情報提供をするとかいったような幾つかの極めて重要な改善点を指摘したわけでございます。現在、これに基づいて一斉に通達を出しまして、かつまた説明会等を設けまして、全国の親事業者団体及び下請事業者団体にこれらを周知徹底しておるところでございます。 先生御指摘の、この法律に基づきまして下請関係がどういうふうな位置づけになるのかということでございますが、今申し上げましたような振興 基準の改正とあわせまして、親事業者と下請事業者が共同で時間短縮を行おうとか、職場環境の改善を図ろうとか、そういう計画がございますと、かつ、それが申請に基づいて所要の基準に適合いたしますと、この法律でもそれを認定できることになっております。 ただ、今先生御指摘ありましたいわゆる下請協力会というのは任意団体でございまして、この法律の対象にはなりませんけれども、下請団体でも既に事業協同組合という法人格を持っておるものが全国で約六百六十あるわけでございますから、その中で意欲的な事業協同組合が申請が出てくれば、法律の適格要件は十分備えておる、こういうことでございます。
○永井委員 協力会は任意団体であることはわかっておるのでありますが、実態的に対応するようにしてもらいたいし、そのために必要であれば、通産省がみずから協力会を下請協同組合化するような指導も当然必要だと私は思うのです。一言で言って、その辺はどうですか。
○渡辺(修)政府委員 おっしゃるとおりだと思います。我々、幾つか、つまり認定をしてくる前の団体に対する指導、例えばアドバイザーとか、いろいろな制度を設けております。そういうものを通じまして、おっしゃるような協力会の法人化等、必要があれば大いに御支援してまいりたいと思っております。
○永井委員 今の御答弁を聞いておりまして、中小企業近代化審議会の報告では、御案内のように、下請企業の労働時間短縮のための親企業、下請企業共同の取り組みに対して支援措置を行うべきである、こううたっているわけです。 ところで、ここに通産省が昨年の十月に調べた「下請取引条件の実態」という資料がございます。これは同じ資料だと思うのですが、中小企業庁では昨年十月同じ調査をした資料がございます。傾向は大体似通っているのですが、数字が違うのですよね。なぜ違うのかわかりませんけれども、大きな違いではありませんけれども全部数字が違っていますから、どちらの資料をもとに私が質問をすればいいのかちょっと戸惑うわけでありますが、例えば今御答弁がありましたけれども、休日前の発注であるとか休日後の納入の状況、この中小企業庁の調査によりますと、「しばしばある」「時々ある」というものを含めまして四二・三%という数字になっております。これだけが休日前の発注であったり休日後納入の状況になっているわけであります。あるいは発注変更の状況でいきますと、「しばしば変更がある」と「ときどき変更がある」と合わせますと、これまた六〇・七%という数字が出てまいります。 これは中小企業庁の調査でありますから間違いないと思うのでありますが、そういう状態の中で、ここで中小企業近代化審議会の報告に言われているような、親企業と下請企業共同の取り組みに対して支援措置を行うことについて、的確にそのことが生かしきれるのか。今のこの実態はこういう状態でありますから、労働時間の短縮ができないのでありますから、その辺の関係をひとつお答えをいただきたいと思うのです。
○渡辺(修)政府委員 今先生御指摘ありました休日前発注・休日明け納入、「しばしばある」「時々ある」という数字は、私の持っておる数字と同じ数字でございます。我々で調べた数字でございまして、先ほど申し上げますように「しばしばある」「時々ある」というので大方五割になるようなものとか、相当な数字があることは事実でございます。 これにつきましては、基本的にはまさにそこに焦点を当てて、本年二月に下請振興基準を改正したわけでございます。まさにそこの点を指摘いたしまして、現在約三千に上る親事業者団体に全部通知を出しておりますし、それから、下請事業にもその周知徹底を図りまして、さらに平成三年度予算におきましては、これにつきましてフォローアップ調査を行うあるいは立入検査の回数を相当ふやせる、それから改善指導を行う、さらには、その中で幾つかの業種につきましては、業種別マニュアルをつくるといったような形で、平成三年度の下請行政の基本をここに置こうと思って、予算も相当大幅に計上したわけでございまして、それで全部なくせるのか、これは物事でございますから、全部なくすぐらいの強い意気込みで我々取り組んでまいりたい、かように考えているわけでございます。
○永井委員 この下請振興基準の改正というのは、今言われたように、時短を進める上で大きな意義を持っていると思います。その範囲は製造業に限定されているわけですね。 ところで、下請代金支払法にかかわる附帯決議というのがございまして、これは一九六五年五月十八日でありますが、それによりますと、下請取引の範囲の拡張について、製造業、修理委託に限らず、運搬、土建もその実態に即して運用することを速やかに検討することとうたわれているわけですが、これについて公正取引委員会はどのように対応されてきているか、お伺いいたします。簡単にお答えください。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、四十年五月に衆議院の商工委員会における下請法の一部改正案の議決の際に、今おっしゃいましたような附帯決議が行われております。これを受けまして、公正取引委員会では次のように対処してまいりました。 まず建設業でございますが、昭和四十四年から五年にかけまして、三回にわたりまして建設業における元請事業者と下請負業者との間における取引につきまして、一般的な調査を行い、実態把握に努めました。その後、昭和四十六年に建設業法が改正されまして、下請代金の支払い遅延の禁止、不当に低い請負代金の禁止等の下請負業者を保護するための規定が設けられたところでございます。さらに、同法には、特に悪質なものにつきましては建設省あるいは都道府県知事から公正取引委員会に対しまして、独占禁止法に基づく措置をとるよう措置請求の手続が設けられております。 公正取引委員会ではこれを受けまして、昭和四十七年の四月に、建設業の下請取引においてどのような行為が独占禁止法に違反するかを具体的に示しました建設業の下請取引に関する不公正な取引方法の認定基準を作成して公表しているところでございます。 運送業につきましては、昭和四十五年四月に貨物自動車運送事業、それから四十六年九月に港湾運送業、それから四十八年十一月に通運業及び内航運送業の四つの業種につきまして一般的な調査を行って実態把握に努めてまいりました。当時の状況におきましては、大手の業者が中小の運送業者を下請取引として利用するという形は余り一般的には認められなかった、そういう結果が出ております。 最近におきましては、昭和六十年から六十一年にかけまして、貨物自動車運送業の委託取引についての実態調査を行いました。その結果、独禁法の優越的地位乱用行為の禁止に違反するおそれのある行為が認められましたので、これらにつきましては関係業者に是正するよう指導をいたすとともに、関係団体あるいは関係官庁等に今後このような問題の行為の再発防止について指導方をお願いしたところでございます。 このほか、昭和六十年度以降非製造業におきます委託取引の実態調査を毎年継続的に行っております。委託取引の実態を把握しますとともに、発注者の優越的地位の乱用行為が見られました場合には是正方を指導するほか、かかる行為を未然に防止する観点から、関係団体に参加会員に対する指導方を要望することとしております。 公正取引委員会といたしましては、今後とも非製造業におきます委託取引の実態把握に努めますとともに、優越的地位の乱用防止に努めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○永井委員 ちょっとそこにおってよ。余り長い答弁をされると、時間がないので時計とにらめっこしているんだから。 それでは、この流通などの取引関係について、 その適正化はどのように対策を講じておるのか、ポイントだけ答えてください。
○鈴木説明員 公正取引委員会におきましては、現在、流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針というものの作成作業を進めているところでございます。消費者利益とかあるいは市場の開放性を確保するためには、公正かつ自由な競争が非常に重要であるという観点から、我が国の流通、取引慣行についてどのような行為が独占禁止法に違反するのかといったことを具体的に明らかにする、そういうことを指針に示そうと今作業をしているところでございます。 こういった指針ができますれば、独禁法違反が未然に防止できると考えております。近く正式にこの指針というものを公表する予定でございます。
○永井委員 時間がありませんので走りますが、商慣行の改善指針というものを策定して周知を図っているところというお答えがありました。 じゃ、通産省に聞きますが、その周知徹底とその指導の強化を図るべきだと思うのですが、通産省、お答えください。
○渡辺(修)政府委員 おっしゃるように、昨年六月商慣行改善指針というのを作成いたしまして、我が省の所管にかかわります百四十一団体に周知徹底を図っておるところでございます。現在、その中で、自動車、家電、アパレル、合成洗剤、化粧品というそれぞれの物ごとにメーカーも含めまして、卸、小売、消費者、有識者からなる業種別の懇談会を設けておりまして、ことしの夏ごろをめどにそれぞれ具体的にどういう措置をとればいいかというのを答えを出していただこうと思っておりまして、それらの答えが出たところで、さらにそれらの合理的な流通、慣行のあり方について強力に指導を続けていきたい、かように考えておるわけでございます。
○永井委員 ところで、国や自治体などが発注するいわゆる公共事業がありますね。官公需の発注、その工期や工費の積算におきまして休日や労働時間はどのように配慮されているのか、簡単にお答えください。
○高橋(達)政府委員 中小企業向けの官公需の発注につきましては、毎年法律に基づきまして国では閣議決定をしております。また、地方公共団体につきましても、その方針を参考にして中小企業の分を措置を講ずるように要請しているところでございますけれども、御指摘の、労働時間の短縮関係の配慮につきまして、平成二年度の方針におきましては、官公需の発注に当たりまして計画的にこれを行うようにしております。また、適正な納期、工期を設定するようにも配慮してございまして、そのほか、適正な発注価格を設定するようにも定めております。関係機関におきましても、公共工事等、週休二日制を前提として積算を組む等、労働時間の短縮に配慮しているところでございまして、今後ともこうした取り組みの推進を通しまして時短のための官公需の発注の改善に努力していく所存でございます。
○永井委員 建設省にお伺いいたしますが、適正な休日を見込んだ工期あるいは工費の設定に向けてどのような方針で臨んでいらっしゃるのか、これも簡潔にお答えください。
○青山説明員 お答えいたします。 建設省におきまして、直轄事業において工事を発注する場合の工期設定は、建設労働者の健康保持、災害防止の観点から建設労働者の休日日数、降雨日、出水期等の作業不能日数等を見込んで適正なものとすることとしておりまして、それを積算にも取り込んでおります。
○永井委員 今の答弁にありましたように、中小企業庁長官あるいは建設省の答弁でありましたけれども、例えば官公需の発注については毎年契約方針を閣議決定するとかあるいは適正な工期、価格の設定を明記するとか、こう言われているのでありますが、実態と大きくかけ離れているわけですね。だってそうでしょう、本予算が決まった、六月ごろに割りつけをする、いよいよそれで具体的な発注に移っていく、どうしてもこういう官公需の発注というのは下半期に集中するのです。しかも年度末になりますと、やれ年度末までに完工させなければいかぬということで突貫工事になっていく。これは全部下請にしわ寄せが来るのですよ。 話は全く違いますけれども、この間の広島の橋げた落下事故、私はこの委員会でちょっとポイントだけ質問しましたが、あれだって工期が短縮される、そこに集中的な人の配置が要る、人手不足である、だから孫請、ひ孫請まで動員して工事にかかる、そこには技術能力もない、あるいは適正な指導もない、工事の仕方の進捗についての指導もない、こういうことからああいう事故も発生してきたことは疑いのない事実なんですね。 しかも片方ではジャスト・イン・タイム、いわゆるかんばん方式というのが大手を振って歩いている、こういう状況でありますから、中小零細企業についてはすべてそのしわ寄せが来る、時間短縮もできない。労賃だってそうでしょう。労賃だって一番元請が受けたときの労賃で計算をして工費を決めていく。ところが、実際に下請、孫請、ひ孫請になるとだんだん労賃が削られていくわけだから、まともに労働力が確保できるわけがない。だからこういう法律も必要になってくる、このように私は実は理解をするわけであります。 したがって、そういうことも含めて最後に総括的にひとつお伺いしておきたいと思うのでありますが、この中小企業における人手不足感は御案内のように物すごく高いのですね。人手不足感というのはきわまって高い。したがって、労働時間短縮や福利厚生施設の拡充などを先手を打って実施する。そうしないと労働者が集まらない。今申し上げたように、ジャスト・イン・タイムなどのあり方については、これはどうあるべきなのかということを徹底的にここらで検討し、そして、その内容についてそれぞれの企業の、あるいは労使の協力を求めていかなくてはいけないし、そのための取り組みの絶好のチャンスになっていると私は思うのですね。したがって、そのチャンスを逃がさないようにするためには労働省及び通産省の積極的なリーダーシップが必要である。この法律は労働省と通産省の共管法でありますから、その意味では高く評価するのでありますが、具体的にそういう問題点を含めて法律の実効性のある運用と総合的な施策の強化に向けて労働大臣と中小企業庁長官からひとつ決意を披瀝してもらいたいと思うのです。
○小里国務大臣 全く先生御指摘のとおりでございまして、いわば本法の運用上実効性を期すること、そしてまた、労働省のみならず通産省初め関係省庁と連携を密にして、その総合的な一つの成果を上げられるように努めなさいというお話でございますが、まさにそのとおりでございます。そしてまた、本法はいわゆる労働時間の短縮あるいは福利厚生施設等の充実などに積極的な中小企業者に対しまして、財政上あるいは税制上あるいは金融上支援措置を講ずるものでございまして、そして、いわば中小企業の振興と中小企業に従事する労働者の福祉を増進していこう、そういう一つの目標のもとに実効ある運用に努めてまいりたいと思っております。 なおまた、申し上げるまでもなく、世はまさに労働力尊重の時代でございますから、そのような基調に立ちまして、本法を軸にさらに中小企業におきまする所期の目的達成のために努力を尽くしてまいりたいと思っております。
○高橋(達)政府委員 ただいま永井委員から御指摘のあったとおりでございます。また、労働大臣から御答弁のあったとおりでございます。当省といたしましても、今後本法及び関連施策の実効ある運用に努めてまいりますとともに、労働省初め関係省庁との連携を図ることによりまして、中小企業における労働時間の短縮、職場環境の改善等の一層の促進に努力してまいる所存でございます。
○永井委員 時間が来ましたので、終わります。
○浜田委員長 吉田和子君。
○吉田(和)委員 私は、東京の下町、主に製造業を中心といたします中小企業の密集地域を活動の拠点とさせていただいております。そして、商工委員会に所属をさせていただきまして、商工委員の立場から今度のこの法案に関しまして各省庁に御質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、日本の国民がゆとりと豊かさを実感するためには、四千八百万人の労働者の八〇%以上と言われますこの中小企業に働く労働者の労働環境、そして労働条件の改善がまず第一に不可欠であるというふうに考えられるわけでございます。 きょう実は一枚のポスターを持ってきたわけでございます。このポスターをまずごらんいただきたいと思います。連合は、親企業と下請中小企業の取引の公正化について、下請中小企業振興法の振興基準改正を契機に、傘下の労働組合のある企業に振興基準の遵守について申し入れを行いまして、さらには日経連に共同の取り組みを申し入れるなど、労働組合の立場からも行動を行い、開始しているところでございます。また、この法律の趣旨の徹底のためにキャンペーンを開始したところでございます。労働者側からも既にこのようなアクションを起こしている。そういう状況の中で、中小企業庁として周知徹底を図るためにどのような方策をとろうとお考えになっているのか、まず最初に、中小企業庁長官のお答えをいただきたいというふうに考えます。
○高橋(達)政府委員 御指摘ございましたように、下請振興基準につきましては本年の二月に改正をしたところでございますが、委員から御指摘ございましたように、この基準を改正するだけでなくて、その内容を関係者に周知徹底を図っていくということは極めて重要であるという認識を私どもも持っているわけでございます。このために、本年二月振興基準の改正をいたしました直後に、親事業者及び関係団体等約三千の者に対しまして振興基準の改正の内容を遵守徹底するように通達を行っております。また、本年度に入りまして、振興基準の指導、普及のために、一つは個別に親事業者及び関係団体に対して通達を行うこととしておりまして、また、振興基準の内容を紹介するパンフレットとそれに基づく説明会を開催しようという考え方を持っております。また、業界等の代表を集めまして、発注方式等取引条件改善指導会議というものを開催いたそうという考えもございます。そのほかに、振興基準遵守のための業種別のマニュアル作成等も実施していきたいと考えております。これらに加えまして、諾々の指導啓発普及事業の成果を把握し、今後の指導等に生かすために下請事業者を対象とするフォローアップ調査を行うこととしておりまして、今後の参考としたいと思っております。これらの活動を通じまして、振興基準について広く普及が図られるように全力を挙げてまいりたいと考えております。 なお、委員御指摘がございました連合での振興基準改正を契機とするキャンペーンの実施をなさるということでございますけれども、同基準の普及啓発を図る上で大変有意義なことと考えておりまして、その活動に対しまして御労苦を多とさせていただきたいと思うものでございます。
○吉田(和)委員 法案以前の問題といたしまして、次に、下請の取引の実態についてお聞きをしたいと思います。 コック在庫方式というふうに呼ばれているのだそうでございますが、親会社に納品した部品のうち使った分だけ代金が支払われるという、いわば富山の薬売りの方式があるというふうに聞いております。これは親会社の優越的な地位の乱用ではないのでしょうか。不公正取引ではないかどうか、まず公正取引委員会にお伺いをしたいと思います。
○鈴木説明員 お答えします。 納入業者に対しまして発注者の倉庫に常時一定数量の生産資材を納入させておきまして、発注者が必要の都度これを使いまして、その使った分についてだけ代金の支払いの対象とする、いわゆる水道のコックに見立てましてコック在庫方式というようなことを言われておりますが、取引の簡素化とか棚卸資産の削減等を図るために用いられていると聞いております。しかし、この方式を下請取引に取り入れました場合には、下請事業者の納品後六十日以内に下請代金を支払わないと支払い遅延になるという下請代金支払遅延等防止法のルールがございまして、それから見ますと問題が多い方式ではないかと考えております。したがいまして、公正取引委員会といたしましては、このコック在庫方式を下請取引に適用しないよう関係業界を指導してきたところでございます。今後この方式を下請取引に適用して下請法違反が生じている事例がございますならば、厳正に対処してまいりたい、かように考えております。
○吉田(和)委員 親会社が下請企業のうち資本金一億円以上のメーカーに対しまして検収された分の三分の二ずつ手形で支払う、下代法逃れで常にその未払い分を抱えさせるというふうなこと、一億円以上ということで中小企業の範疇に入らない下請企業にこのような支払い方法を押しつけることになれば、その企業はまたその下の孫請企業にさらにしわ寄せが行われるということは火を見るよりも明らかなわけでございます。この問題に関しましてはいかがでございましょうか。
○鈴木説明員 下請代金支払遅延等防止法の適用対象は、資本金一億円を超える事業者が一億円以下の事業者に、また一千万円を超えて一億円以下の事業者が一千万円以下の事業者にそれぞれ製造を委託するとか、あるいは修理を委託する場合に適用になるわけでございます。公正取引委員会は、現在この下請法の適用されない分野について、とりわけ資本金一億円を超えて五億円以下の中小親事業者が、それより規模の大きい事業者と外注取引をしている場合におきます支払い条件がどのようになっているかを調査中でございまして、調査の結果優越的地位乱用行為に該当するような事例がございますれば、独占禁止法の問題として対応してまいりたい、かように考えております。
○吉田(和)委員 今回の本法案は中小企業での人材確保という大変立派な目的を持つ法律なわけでございます。この法律が成立したとしましても、それを運用する側に怠慢があるとすれば、それらは実効を上げることは本当に難しいのではないかというふうに考えるわけでございます。本当にこの現実が放置されていることを見逃すということは行政側の怠慢ではないか、そのようにも考えるわけでございます。この法律の制度をきっかけに、このような現実の根源を絶つためにはどのような施策が必要とお考えになっていらっしゃいますでしょうか、さらにお答えをいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 先ほど来委員御指摘の幾つかの事案、下請関係取引におきます問題点の非常にごもっともな御指摘でございます。例えばコック在庫方式の件でいきますと、これも我々毎年行います下請取引改善講習会あるいは下請取引適正推進講習会、これは全国各ブロックでやっておるわけでございますが、それの教材の中に具体的に書き込みまして、そういうことのないようにというのを徹底しておるわけでございますけれども、つい最近も、去年の一月でございますけれども、近畿通産局が立入検査をしましたときに、某化粧品メーカーでそのようなものがあって、直ちに指導して改善させたというような事例の報告も受けております。御指摘のような点はまだ各地に見られるんだろうと思います。 この法律の制定を機会に我々は、先ほど申し上げましたが、振興基準を同時に改正いたしました。先ほど来連合でキャンペーンを張っていただいているようでございますけれども、我々も思い切って予算を増額いたしまして、立入検査回数の増、あるいは従来から報告を求めておりました書面を改善いたしまして、違反事例等が的確に把握できるようないろいろな工夫をいたしております。思い切った下請代金法の運用の強化を図ってまいる所存でございます。あわせまして、新しい 法律に基づきます各組合の計画の認定等、通常の法律の運用に際しましてもあわせて下請企業等に対する、中小企業に対する指導をする機会がふえてまいると思います。そういう機会もつかまえまして、両方あわせて万全を期してまいりたい、かように考えております。
○鈴木説明員 公正取引委員会は中小企業庁と連携いたしまして、資本金一千万円を超える親事業者を対象に毎年定期的に調査をするとともに、毎年七万社の下請事業者に対しまして調査票をお送りして、下請法のルール違反の行為がないかどうかを調査しているわけでございまして、法に違反する疑いがあった二千社前後を対象に問題の行為を是正するように指導しておるところでございます。今後とも、今御指摘になりましたジャスト・イン・タイムあるいはコック方式、そういったものに関連します問題点を把握するために、こういった調査の機会を活用して違反行為、問題行為の発見に努めますとともに、そういった行為の迅速かつ効果的な排除、それから何よりも再発防止を図るということで下請取引の適正化を推進してまいりたいと考えております。
○吉田(和)委員 調査票を親会社に持っていって親会社が記入をするというふうな実例も耳にしているわけでございます。引き続き御努力をお願いをしたいというふうに考えます。 次に、リース事業に入ります。法案の細かい内容に入らせていただきたいというふうに考えます。 現行の団体へのリース事業は数々あるわけでございます。昭和四十八年創設の公害防止設備リース、そして昭和五十五年創設の省資源・省エネルギー設備リース、昭和五十六年創設の安全衛生設備リース、そして本法案との関係で新たに労働力不足の対応設備リースが創設をされるわけでございます。どのような設備が該当するのか。そこの中に「等」という言葉も入っているようでございますが、それはどういうことを指すのか、まずお答えをいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 答え申し上げます。 御指摘のように中小企業事業団の高度化融資におきましては、そのときそのときの経済社会環境において政策的に極めて重要であると思われる政策課題に対処するためにリース制度というのを適宜導入、創設いたしております。公害防止施設、省資源・省エネルギー、それからガス爆発事故等の発生を契機に安全衛生設備等につきましてリース制度を採用してきたわけでございますが、昨今の状況にかんがみまして今回労働力不足対応設備リース制度を創設した、こういうことでございます。 どういうものがその設備の対象になるかということでございますが、詳細はこれからいろいろ個別に当たりながら指定していきたいと思っておりますが、今考えておりますものとしては、例えば環境三K対策等々で重要になってくるところでございますが、鋳物の砂を自動的にまぜ合わす装置、鋳物砂自動混練装置というのだそうでございますがそういうもの、あるいは幾つかの検査を行う場合の自動検査装置、あるいは塗装を行う場合に、塗装というのは大変人手を食いますし、かつまた、いわゆる三Kと言われる要するに環境の悪いところでございますが、自動塗装ロボット等を対象にする、その他もろもろの品物をこれから指定していきたい、かように考えております。
○吉田(和)委員 大変間口が広い、これからもいろいろな開発をされる機械に関しても該当するようにというふうな御配慮かというふうに考えているわけでございます。 特に中小企業はほかの融資をなかなか利用できない、本当に借りたい中小の事業体に借りられるような制度であってほしいなというふうに私は考えているわけでございますが、この制度を利用するのには大変事務作業が出てくるというふうに考えているわけでございます。私も身近にある団体にも聞きますと、専従がいないので、書類を作成するのは一番若い自分が仕事の合間でやるというふうに話をしておりまして、事務作業が大変であって途中で投げ出したくなるよというふうなお話を聞いているわけでございます。事業協同組合の事務能力や体制などの団体の成熟度によって、有効に利用できる団体とできにくい団体が出てくるのではないかというふうに考えるわけでございます。まず、その場合の指導はどのように行っていかれるとお考えなのでしょうか。 それから、個別企業への融資制度との関連で、確かに本法案は金利を大幅に引き下げるなど助成の効果は大変大きいわけでございますが、組合から個別企業がリースを受ける場合、条件や手続においてはほかの融資制度に比べむしろ事務手続もろもろが非常に煩瑣になっているのではないか。そういう点に関しましてはどういうふうにお考えになっておられますでしょうか。本当に優劣があってはならない、本当に借りたいと思っているところに、弱いところにむしろ制度が適用されるようにというふうに願っております。その点に関してお答えをいただきたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 中小企業の事業協同組合等の第一線の現場を実地に歩かれた先生の御指摘でございまして、まことに教えられるところ大でございます。中小企業の事業協同組合、大きいしっかりしたものから事務局の非常に乏しいものまでございます、我々も十分よく承知いたしておるところでございます。 今回の労働力不足対応設備リース制度でございますが、設備リース制度で組合が組合員にリースをするために制度を動かすわけでございますから、当然のことながら個々の構成中小企業者が自分で銀行からあるいは中小企業金融公庫からお金を借りるといったような小回りのきく単独でやる場合とは違ってまいります。したがいまして、これは何人か、例えば最低四人以上の構成員が一緒になりまして、どういうものを入れるか、共同でどういうものを入れるか、組合にまず購入してもらうかといったような相談がどうしてもその間で必要になってまいります。それの取りまとめを行うというところで一つ組合の事務局の仕事が出てくるだろうと思います。また、高度化事業を導入いたしますときには、それが過大な投資にならないように、これは過大な投資になりますと結果的に将来当該事業協同組合あるいは中小企業者に迷惑がかかるというケースが従来も多々ございます。そういうことがないように都道府県を通じて診断事業を行うということになっておりまして、それが的確なものかどうかという診断を受け入れていただく、こういう事務も発生するわけでございます。そういう二点におきましては確かに御指摘のような通常の金融措置とは違う場合があると思います。 これに対しまして、我々といたしましては問題点を十分認識いたしておるつもりでございまして、都道府県の中小企業中央会からそれぞれの組合に対して集中指導事業を行うことに、今回そういう指導制度を創設いたしますとともに、労働力確保についての専門知識を有する労働力確保推進アドバイザーというのを都道府県及び政令指定都市に、初年度でございますが全部で百五十人ぐらいを設置するつもりをいたしておりまして、彼らを動員いたしまして今御指摘のありましたような事務能力の乏しい組合に対して御支援をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。 それから、現実に高度化事業を行うときのその融資に当たりまして、いろいろな書類を書いていただくとか、それに対して審査を行うという手続が煩瑣であるというのは随分前々からも聞いておりますし、その都度直してきておるわけでございますが、今回、思い切って実施計画書の項目数を削減するとか部数を減らせるとか、あるいは診断申し込みがあって現実に出かけていって診断するまでの期間を思い切って圧縮するとか、いろいろ工夫をしたところでございます。 こういうことを通じて我々といたしましても、せっかくつくりましたこの制度が、かつまた通常の金融では考えられないような、つまり二・七% の金利でかつ十五年という非常に有効な、運用の仕方いかんによっては大変な低利の金融措置でございます。大いにこれを活用していただくように全力を挙げてサポートしていきたい、かように考えております。
○吉田(和)委員 次に、返済の問題についてお聞きをしたいと思います。 二年の据え置きということがございます。最長で十五年の償還、利率が二・七%という大変優遇措置は評価をするものでございますが、リースを受けようとする企業にも、この制度を活用して一層の生産の高度化を進めて短期に返済して機械を更新していくという余裕のある企業は元金均等のリース、そして余裕のない企業及び設備、機械の性格によっては元利均等の長期のリースが必要ではないかというふうに実態を見て考えるわけでございます。個別の企業向けの融資制度では併用の制度になっているものもあるというふうに思います。この点に関しまして、長期、短期どちらも選択ができるような、そういうふうなシステムをとられてはいかがと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 今回の労働力不足対応設備リース制度でございますが、高度化資金を返済いたしますときに、御指摘のように元金均等返済方法をとったわけでございます。したがいまして、元金が比較的大きい、つまり返済が後年度で小さくなれば金利分も小さくなるわけでございますが、元金が大きい時代には、当初数年間においては返済完了直前の数年間に比べて元利合計返済額が大きくなるということは御指摘のとおりだと思います。 ただ、本制度、十五年以内の償還期間でございますし、かつ当初二年間据置期間というのを置いておりますので、当初二年間は払わなくて、返さなくていいことになっておりますけれども、現実には今まで、先ほど省力、省エネルギー設備とか公害防止整備とかいろいろございましたけれども、どういうふうにやっているかといいますと、当該組合としては組合員から据置期間の二年間もある程度、組合からは返さないのですけれども、組合自身が組合員からある程度当初の二年間も少し返してもらうことによって、結果的に十五年間というのをならすような形で元利均等を償還して大きな負担にならないようにするといったような運用も行われておりまして、結果的には少し工夫をすれば私はそんなに大きな問題は起こらないんではないかと思っておるわけでございます。現実に我々も本制度を採用いたしますときに具体的なケーススタディーを行いまして、元利均等償還の場合と元金均等償還の場合を比較いたしましたが、十数年をならしてみますとほとんど差が出ないというようなことにもなってきておりますので、今回はこういうことで制度を発足させたわけでございます。 しかしながら、今これは先生御指摘のとおり、これを運用してみましていろいろな弊害が、もし我々が予想しておらないような弊害が出てくるようなことが将来ございましたら、それはその際十分考えまして、しかるべく関係方面ともよく折衝して、制度のよりよい運営に努力してまいりたいと思っております。
○吉田(和)委員 これまでもそれぞれの省庁でさまざまな支援策があったわけでございます。本法案は、通産省と労働省、共管法案として、これまでばらばらに運営、運用されていた各種制度の上に発展させたものとして評価をするものでございます。しかし、今答弁にもあったように、まだまだ各種の融資制度を初め活用できる制度がございます。本法案の成立を契機に法案外の制度についても中小企業が活用しやすいように利用者側の立場に立った制度の再編整備を図らなければならないと考えるわけでございます。 さらには、広く利用を呼びかける宣伝活動を行うなど、総合的に中小企業の労働力の確保を図ることが必要ではないかというふうに考えるわけでございます。特に、中小企業団体、事業団体におきましては、従来工場などの生産設備中心の融資を行ってきているわけでございます。労働環境改善のための設備や社宅などの設備についても積極的に高度化融資を行っていくべきではないんでしょうか。また、魅力ある職場をつくって労働力の確保を図るという法案の趣旨からすれば、現実に働いている労働者がゆとりと豊かさを実感できる労働条件の改善が義務的に伴わなければ、この法案の意味はないと考えます。日本の労働者の八〇%と言われます中小企業に働く労働者に資するよう最善の努力をしていただきたい、そのように考えるわけでございます。 この融資を受けることによって事業主が優遇をされる、そして、そこに働く労働者が本当にそれによって労働条件の上でも楽になるというふうな施策でなければならないというふうに考えるわけでございます。この問題につきまして、中小企業庁の長官と、そして労働大臣の答弁を求めたいと思います。
○小里国務大臣 本法は、もう既に御承知のとおり、ただいまお話がございましたように、労働者を基本に考えてあるわけでございますから、例えば労働時間の短縮あるいは福利厚生等に対する積極的な施策、職場環境の改善等々、いわば魅力ある中小企業づくりに積極的に姿勢を示す中小企業者に対しまして財政上あるいは金融上、税制上特別に政府が支援措置をとりましょう、これが大前提になっておるわけでございまして、それによりまして、いわゆる中小企業の振興あるいは先生が今特に強調なさった労働者の雇用条件の整備を図る、そこに主眼点があるわけでございますから、そのような考え方が大きな柱になって手がたく推進されるように努めなければならぬ、かように考えます。 なおまた、後の方で御指摘になりましたように、本法以外にいろいろな数多くの諸制度、諸施策があるではないか、これもあわせ広報、啓発並びに具体的に中小企業の現場でこれが完全消化をされるように総合的にミックスして行うべきだという御指摘のようでございますが、全くそのとおりであろうかと考えます。さらにまた、これはひとり労働省あるいは通産省のみで推進できる問題ではないのでありまして、関係省庁、通産、労働が主軸になりますけれども、挙げまして取り組まなければならぬ、おっしゃるとおりでございまして、心得てまいりたいと思います。
○高橋(達)政府委員 国の諸制度が利用者の立場に立って改善をされていかなければいけない、これはまさに私ども行政を担当するものが常に肝に銘じておかなければならない問題であろうと私どもも考えておるところでございます。 本労働力確保のための融資制度につきましても、これまでに利用者である中小企業者の利便を図るために制度の見直しや、あるいは事務の合理化が行われてきたところでございますが、今後ともこの面でできる限りの努力をしてまいる所存でございます。 御指摘がございました中小企業事業団の融資でございますけれども、本年度抜本的な拡充を行いまして、先ほど委員からも御指摘がございました労働力不足対応の設備リース事業を創設するとともに、本法の認定計画に基づいて設置される従業員宿舎、食堂あるいは託児所につきましては、無利子融資の対象とする措置が講じられておりまして、今日的な中小企業者のニーズに機動的に対応することにいたしております。 いずれにいたしましても、中小企業者がこの魅力ある職場づくりに取り組むということは、日本経済における中小企業の位置づけを考えてみますと、まさに国民的な課題であろうかと思っておりまして、一方におきまして、ゆとりと豊かさの九〇年代において我が国が国際的に求められております社会経済の環境を実現していくためにも大変重要な一歩であろうかと思っております。今後とも本法及び関連諸施策の実効ある運用に努め、現実に働いている労働者がゆとりと豊かさを実感できるように、労働省初め関係省庁とも連携をいたしまして、中小企業における時間短縮あるいは職場環境の改善等に一層の努力をしていく考えでご ざいます。
○吉田(和)委員 それぞれ再度の決意表明を伺ったというふうに受けとめさせていただきたいと思います。引き続き御努力をよろしくお願いを申し上げます。 次に、中小企業の求人活動における格差の問題につきまして、労働省にお伺いをしたいと思います。 中小企業にさまざまな助成措置を講じまして、中小企業を魅力ある職場にするという法の趣旨には基本的に賛成でありますが、それだけで果たして中小企業に人材が集まるかどうか。そもそも企業の求人活動の部分で大きな格差が現在あるのではないか。我が国における労働力の需給システムは大別をいたしますと、公共職業安定所による公的な職業紹介、それから民間の職業紹介あるいは文書募集など、公共と民間の二つに分けられるわけでございます。雇用動向調査によりますと、公共職業安定所を経由して入職している労働者は二〇%強、そして大部分が民間の労働力需給制度を通じて入職をしているというふうなことに数字の上からはなるわけでございます。 この点について、平成二年に発表されました民間労働力需給制度研究会報告書が指摘をしておりますように、公共職業安定所が行う職業紹介以外に、それが職業紹介に当たるかどうかの議論は別といたしましても、労働力の需給に関与する媒体は限りなく多様化し、拡大しているわけでございます。しかし、このような状況の中で法案が具体的に触れているのは、第十三条において認定組合が労働者募集を行う場合には職安法の三十七条一項の労働大臣の許可が必要という規制を外すという部分だけで、果たして求人という問題においてこれで十分対応できるかどうか、どういうふうにお考えになっていらっしゃるかどうか、労働省にお伺いをいたします。
○伊藤(欣)政府委員 お答えいたします。 中小企業におきましては、大企業と比較いたしまして募集時の知名度が不足している、また募集人員、職種等も少ないことから、効果的な募集活動ができないというのが実態であろうと思います。このような状況の中で、本法に基づきます認定組合等が構成中小企業者の労働時間の短縮や職場環境の改善等魅力ある職場づくり等をあわせまして共同募集に取り組みますことは、個々の中小企業の募集時の知名度不足を補い、募集人員、募集の職種を多くすることによりアピール度を高め、募集にかかる事務や経費等を節約でき、労働力の確保に資するものであると考えております。このため、本法におきましては委託募集につきましての規制緩和、公共職業安定所によります認定組合等に対します雇用情報の提供を行うことといたしておりますほか、中小企業人材確保推進事業助成金におきまして、共同募集にかかわりますパンフレットの作成費であるとか共同説明会等に要する経費の一部を助成することとしており、これらにより中小企業における労働力の確保に寄与し得るものと考えておるわけでございます。
○吉田(和)委員 時間の関係で進めさせていただきたいと思います。また、この問題は後に触れさせていただきます。 次は、特に新卒者の採用にかかわる就職の協定について伺いたいわけでございます。 ここ数年、就職協定についてマスコミがさまざまな形で取り上げまして、四年生の会社訪問解禁日のはるか以前から、あるいは三年生、二年生の時期から企業が学生と接触をする、解禁日には研修などの名目で泊まり込みで拘束をしてほかの企業が接触できないようにするなど、協定が有名無実化をしているというふうな現実について、どういうふうにとらえておられますでしょうか。また、協定を破ることの不当性は、とにもかくにも資金力や人材に乏しい中小企業が俗に言う青田刈りに参入をできるような状況ではないわけでございます。就職協定におきましても、中小企業の人材確保についての優遇措置を設けないまでも、せめて機会均等という立場から労働省、文部省の指導をさらに強化すべきではないかというふうに考えているわけでございますが、この点に関しまして、労働省から現状の把握、そしてどのように考えておられるか、その点につきましてお伺いをしたいと思います。
○若林政府委員 就職協定の問題でございますが、平成二年度の就職協定につきましては、協定の遵守につきまして企業側、大学側、双方から強い決意の表明がなされまして、遵守方策及び体制の強化が図られました結果、前年度と比較して協定遵守に一定の前進が見られたものと考えております。また、平成三年度の就職協定につきましては、就職協定遵守懇談会における申し合わせに基づきまして、遵守方策の一層の徹底を図ること等によりまして、より一層の遵守が図られるよう企業側及び大学側の努力がなされているところでございます。 就職協定の本来の目的は、先生御承知のとおり、企業によります過度の求人活動が大学教育を阻害することを防止することにあるわけでございまして、これが結果的に中小企業、大企業との募集活動に差がありますためにいろいろな面でのそっちの方の問題も起こっているというのは御指摘のとおりでございますけれども、基本は学生さんの勉強を邪魔しないという点で大学と企業が協定を結びまして、それを推進しようというものでございまして、労働省としては求人、求職の秩序の維持という観点から大学側、企業側がみずからの協定としての遵守の意欲を高め、就職協定が維持されるように引き続き文部省、日経連等関係機関との連携のもとに事業主等に対します周知等の環境づくりに努めてまいりたいと存じます。しかし、これにつきましては、この協定問題と申しますものは、企業と大学とがともにこれを守っていこうという姿勢を持つということが何よりも前提であるというふうに私ども理解いたしております。
○吉田(和)委員 昭和二十七年でしょうか、労働省の通達によってつくられているこの協定でございますので、強化をしていただきたい、監視を続けていただきたい、見守っていただきたいというふうに希望を述べさせていただいておきます。 時間の関係でちょっと大急ぎ伺っておきたいことがございます。 労働省が管轄をするオンラインシステムというのは、労働保険関係のデータを全国的なコンピューターネットワークで捕捉するとともに、その一部であります総合的雇用情報システムにおいて全国の公共職業安定所での求人、就職情報をデータとして統一処理できる容量とシステムを保有しているというふうに聞いております。このコンピューターシステムのデータ量は世界一と言われているそうでございます。これを活用して求人、就職のマッチングをさらに発展させるべきではないかというふうな御提案でございます。民間の労働力需給のシステムは、求職者にとって本当に明るさ、そして手軽さなどによりその需要が拡大をしているわけでございます。しかし、求人側からするその費用の負担、特に中小企業にとっては小さいものではないわけでございます。もうそこでお金を使い果たして、その次に資金不足になるというふうな話も聞いております。また、新卒者募集にかかる費用負担については到底中小企業がたえられるものではないわけでございます。法案のさまざまな助成を最大限活用し企業自身が努力したとしても、その結果、魅力ある職場を求職者にアピールする手段において中小企業は絶望的とも言うハンディを背負っていると言っても言い過ぎではないと思います。求人の機会均等という考え方のもとに、労働省が管轄をする総合的雇用情報システムを活用して法案の目的を全うする環境をつくるという必要があろうというふうに考えるわけでございます。 具体的に、次の施策は実現不可能でしょうか。 まず第一に、本来の職安行政の職業紹介という任務の一部を求人情報の提供ということに割り切って求職者への情報提供活動を行うこと、労働省の外郭団体である雇用情報センターが発行する情報誌であります「エンプロイ」は高齢者や障害者の求人、求職情報を掲載し、そして情報提供を 行っているものでございますが、それに準じたもの、それに発展をさせるような制度ができないかどうか。 そして二つ目には、それを具体化するためには警察署と交番、郵便局と特定郵便局の発想に基づきまして、総合的雇用情報システムの末端を学校、大学や高校でございますが、そして労政事務所に、区役所、出張所も含めるわけでございますが、などに配置をして、求人情報を手軽に求職者に伝達するシステムは考えられないでしょうか。特に、学校につきましては、職安法三十三条の二におきまして無料の職業紹介事業として認められているものでございまして、法的な整合性は何ら問題はないというふうに考えているわけでございます。情報提供に割り切ることで一般の就職情報誌と同様の問題が発生することも考えられる可能性は否定できないわけでございます。公共職業安定所の任務として、一般の求人情報におけるトラブル解決も含めてカウンセリングと違反摘発機能を充実させることも可能になってくるわけでございます。 これらの施策は実現ができないだろうか、そういう案に対しまして、労働省ではどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、最近求人難、人手不足感が広がる中で、求人活動にかける経費負担も増大してきており、資金力の小さな中小企業においては十分な求人活動が行えないというようなことで、公共職業安定所の行う職業紹介事業に対する期待も非常に強まってきておるというふうに認識しておるわけでございます。 現在、先生御指摘のように総合的雇用情報システムということで、全国で約六百の公共職業安定所をオンラインで結びまして求人、求職に関するデータを一元的に把握して利用者に提供するというようなシステムをとっておるわけでございまして、このシステムの充実を図っていきたいと思うわけでございますけれども、本来職業安定行政なり行政が国の責任としてやっております職業紹介というものは、やはり専門の職員を配置し、求人、求職者それぞれの側の職業相談、雇用管理、適格紹介、また高齢者や障害者また若年者層、安定所に対しまして積極的に相談援助を求める層に対しまして適格紹介を図るためのいろいろな指導相談に応じる、これがいわゆる職業紹介の基本的な任務と考えているわけでございます。 なお、労働市場におきます情報化が急激に進展する中で、求人者、求職者のニーズにこたえるよう雇用に関する情報を積極的に提供するということにつきましても、先生御指摘のように、行政の役割として極めて重要なことだとは考えておるわけでございます。このため、現在安定所におきましては、求人情報を求職者へ提供するために総合的雇用情報システムを活用した求人の検索であるとか公開求人、展示等を行っているところでございまして、今後とも求人情報の求職者への積極的な提供をやってまいりたいと考えるわけでございます。 なお、先生御指摘の、いわゆる警察署、交番、郵便局、そういうような発想に基づいて学校とか労政事務所、区役所等に端末を置くことにつきましては、先ほど申し上げましたように求人情報を広く求職者に提供するということは重要であると考えますけれども、単なる求人情報ではなく、まさに求人者の内容を熟知し、労働条件、雇用関係、そういうものを十分熟知した上で、また求人側の適性なりニーズなりを十分把握した上でそのマッチングを図る、その職業紹介の一環としてこのシステムは基本的に利用されるというようなことでございます。そういう意味で、できるだけ情報を広く把握するというような点には努力してまいりたいと思いますけれども、安定所以外の施設にシステムを配置することは困難であるのではないかと思うわけでございます。 なお、最後に、先生御指摘の、いわゆる安定所の任務として一般の求人情報におけるトラブル解決を含めましてカウンセリング等を充実させることはできないかということでございますけれども、安定所におきます求人、求職者から労働者募集広告等に対する苦情、相談等に対しましては、職業安定行政は当然でございますけれども、労働基準監督機関、婦人少年室、労政事務所その他関係機関と連絡をとりつつ的確な処理に努めてきたところでございますし、また、労働者募集の適正な実施の確保のために労働条件の明示であるとか業務内容の的確な表示など安定法に規定する諸情報につきまして、各種の機会をとらえまして事業主に啓発指導をやってきたところでございます。今後ともこうした対策を進めていくことによりまして求人情報の適正化を図っていくこととしておりますけれども、民間の労働力需給のシステムが非常に拡大しているという中でこれらに対する指導監督を実施していくことは当然だろうと思うわけでございます。御指摘のように、求人情報誌等に関連したトラブルの防止、解決のための苦情処理、相談等につきましては、安定所における取り組みを積極的に図ってまいりたいと考えるわけでございます。
○吉田(和)委員 時間が過ぎておりますので私の質問を終わらせていただきたいと思いますが、企業の求人活動と労働者の求職活動が構造的にとらえられる必要がある、縦割り行政では解決のできない構造的な問題であるというふうなことを考えまして、労働省の職業安定行政の一層の強化の必要があるということを再度お考えをいただきたい、その要望を残しまして私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○浜田委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 まず最初に、本法制定の背景、それとその目的、それから本法の趣旨について簡単に御説明をいただきたいと思います。
○小里国務大臣 では、基本的な問題でございます、簡潔にちょっと整理して申し上げたいと思います。 中小企業におきまする労働力の確保は中長期的かつ構造的な課題として対応していかなければならぬ問題である、これが一つでございます。もう一つは、中小企業におきまする労働力の確保、そしてその円滑化は、いわば我が国経済の重要な当面の課題の一つである。もう一つは、中小企業は労働力を確保していくためには、大企業に比べましておくれている労働時間帯の問題あるいは短縮、そのほか雇用管理の改善に取り組み、あるいは魅力ある職場づくりを進めていくというようなことなどが極めて重要である、そしてまた、そのために労働時間の短縮等魅力ある職場づくりに積極的に取り組みたい。そのような観点に立ちまして、財政、金融、税制上の支援措置を講じようとするところにこの法案の大きな趣旨がございます。
○石田(祝)委員 全体的に現在の状況を見ますと、一九八六年の十一月を底といたしまして十二月より景気が持続的に拡大をしておるわけでございます。そして、現在一九九一年三月までをとりますと五十二カ月間の景気の拡大ということで、五十七カ月間景気の拡大をしましたイザナギ景気に迫る、こういうふうな状況の中で労働力人口の逼迫、こういう前提でこの法案が出てきている、このように私は理解をいたしております。今労働大臣の方から簡潔に、また、要点を押さえた御説明をいただきましたけれども、この労働力人口、現在だけではなく、将来に向かって非常に逼迫するだろう、特に中小企業においてこれは中長期的かつ構造的な課題として将来にわたって問題となっていく、こういう観点からだと思います。 それで、お伺いをしたいのですが、この労働力人口の逼迫、伸びの鈍化ということは経済成長率と非常に密接な関係があると私は思います。ですから、この考え方の根本になった経済成長率は一体何%程度というものを頭に描かれてやられているのか、それをまずお伺いをしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 現在、イザナギ景気に匹敵すると言われる長期の経済成長が続いており、今後とも労働力人口の伸びが鈍化するというような傾向の中で、特に中 小企業における労働力不足が顕著になっておる、今後ともその傾向が続くであろうという前提で本法案を御提案申し上げておるのは御指摘のとおりでございます。その場合に、長期的な政府の経済計画というものを勘案いたしまして、おおむね経済成長四%程度で成長するという前提でいろいろ物事を考えておるわけでございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、この法案が通りましたら、もちろんある程度の法案としての寿命をもって運営されるわけですけれども、この経済成長率が年四%程度ということでシミュレーションをやられてすべて計算をされていると思いますけれども、果たして、この四%というものに妥当性があるのかどうかということは別といたしまして、これは四%で未来永劫いくのかどうか、あらゆる不確定な要素をはらみながらこれからいろいろ推移していくわけですから、果たして四%だけの考え方に基づいてやっていいのかどうか、私は一つの疑問がございます。 そういう意味で、そんなにかけ離れた、高度経済成長の時代みたいに二けた成長ということは考えられないと思いますけれども、例えば四%の上、下でシミュレーションなりをされてお考えになっているのかどうか、それをひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 今後の労働力の需給の動向につきましては、本年一月に公表されました労働力供給構造の変化に対応した雇用政策のあり方に関する研究会という報告によっておりますけれども、これによりますれば、近年の出生率の低下等を反映いたしまして労働力人口の伸びが鈍化していくことが見込まれる中で、四%程度の成長が続くと前提いたしますと、完全失業率は現在の二%程度から二〇〇〇年には一・八%程度へと低下すると推計されておりまして、労働力は不足基調で推移するものと考えられているわけでございます。 なお、御指摘の経済成長率は、労働生産性の動向にも左右されるものでございますけれども、この報告におきましては、最近の生産性の伸びの動向を勘案いたしまして、四%程度の成長で推移する場合について推計したものでございまして、それ以外の成長率における推計は行っておらないところでございます。ただし、成長率が御質問のように四%をやや下回るケースにつきましては、これが上回る場合には労働力人口の制約から人手不足感が一層強まるということが考えられますし、また下回る場合におきましては人手不足感がやや緩和するというようなことも考えられますが、いずれにしましても、今後の労働力人口の伸びの鈍化を考慮すれば、労働力は不足基調で推移するものと考えられるわけでございます。
○石田(祝)委員 初めに申し上げましたように、私は四%が妥当性がないとか、そういうことではございません。そういうことを言いたいのじゃないのですが、あらゆる場面を想定して推定するのがそんなに非合理だというふうな数字でない限り、あらゆる数字を検討してみて、じゃ、大差がないな、こういうことであればいいと私は思いますけれども、今お聞きをいたしますと、四%以外の数字では推計をしておらない、こういうふうなお答えだったと思いますが、なぜその前後で推計というものをとられなかったのか、これについてひとつお伺いしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 労働力の需給の見通し、それに合わせました経済成長率の関係でございますけれども、現在までの五年間で労働力人口は年平均で約一・五%の増でございます。また、九五年までは〇・八%の伸びになるであろう、九五年から二〇〇〇年の時期につきましては〇・四%の伸びであろうということで、伸びが鈍化するというようなわけでございます。ただ、経済成長は先ほど申し上げましたとおり労働生産性の動向に非常に影響される面もあるわけでございまして、労働力不足基調下におきましては就業者数というのは労働力人口に大きく規定されるものと考えられるわけでございますので、たとえ成長率が若干低下したり上昇したりしたとしても、そのことが失業率に大きな影響を与えるものとは考えづらいということでございます。
○石田(祝)委員 四%の多少の前後であっても特に影響がない、こういうことで推計をされなかったということでありますので、それはそれで置きたいと思います。 それで、私、この経済成長率と労働力人口の伸びについてもうちょっとお伺いをしたいのです。GNPと労働力人口の弾性値の問題につきましてちょっとお伺いをいたしますと、例えばGNPとの関係で見ますと、労働力人口の伸びの大体四倍くらいが経済成長率になるのじゃないか、こういうふうに私は理解をしておりますが、この理解でよろしいでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 過去の八〇年から八五年の実績ないしは八三年から八八年までの五年間の実績、労働力人口の伸びが一・一%で、就業者一人当たりのGNPが三%というところになっておるわけでございます。 ただ、過去の四十年代の高度経済成長におきましても、人手不足基調が非常に強くなるという時点におきましては省力化投資等の伸びも非常にございまして、労働生産性が高まるというようなこともございまして、その辺のところはただ数字的に一概には言えない、今後のいわゆる省力化投資なりのいろいろな労働生産性の伸びに影響されるところも大きいのではないかと思うわけでございます。
○石田(祝)委員 労働生産性の伸びがどのくらいになるか、私もはっきりわかりませんが、その伸びによって弾性値等も変わってくる、こういうお答えでございます。 続きまして、現実に労働力が明確に不足しているのかどうかということは別としまして、現在労働力不足感が非常に強い、このように言われております。そして現在のこの状況というものは、ある意味で言えば一つは労働力がふえている中での労働力不足というふうな状況がある。また、もう一つは需給のミスマッチが非常に拡大をしている、こういうふうなことをおっしゃっている方がおります。例えば有効求人倍率が一・四倍台、一・四四とかそういう数のときは、例えば石油危機以前でしたら大体一%くらいの失業率であった。しかし、現在では同じような有効求人倍率のときに二・一%から二・二%の失業率がある、いわゆる労働力需給のミスマッチというものがある、こういうふうな大きな二つの特徴があるのではないか、こういうふうに指摘をされる方もおります。そしてその方はどういうふうに位置づけているかといいますと、現在の労働力不足というものは、いわゆる豊富な労働力が供給されているその中での労働力不足だ、しかし一九九〇年代の後半からはいわゆるミスマッチとかそういうものではなくて、本格的に足りない、全く足りない、こういうふうな状態がやってくると言われておりますけれども、これについて労働省のお考えはいかがでしょうか。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、現在一・四台の有効求人倍率でございますが、失業率は二%でございます。しかし、過去におきましては一・四台の有効求人倍率でございまして、失業率は一・二%ぐらいということでございました。これは、やはり労働力の構造が変化していることでございまして、高年齢者が多くなっている、あるいは高学歴者が多くなっている、あるいは労働力の中における高齢者、女性のウエートが高くなってまいるに従いまして労働力の移動が難しくなっている、こういったような点があるわけでございまして、そういった意味でミスマッチがより多くなってきている、御指摘のとおりでございます。したがいまして、私どもの今後の雇用政策の重点というのは、やはりこのミスマッチをできる限りなくしていく、少なくしていく、そういう環境整備をつくるということが基本であろうというふうに思っているところでございます。 現在の時点におきましては、確かに相当の労働 力が供給されておりまして、それでもなお需給が逼迫しているということでございますけれども、現時点におきます需要がかなり大きいという点もございまして、こういったような労働需給であろうというふうに思います。 今後につきましては、仮に四%というような形で推移いたしてまいりますと、先ほどお話し申し上げましたように二〇〇〇年で一・八%ぐらいということでございまして、引き続き人手不足基調でございますが、しかし、それは省力化の推進でございますとか、あるいは高齢者、御婦人等の参加しやすい環境の整備でございますとか、あるいは生産拠点の移転でございますとか、そういったいろいろなものを有効に、強力に推進していきますならば、これはまた活路はあるというふうにも考えております。
○石田(祝)委員 それでは続きまして、この条文に従っていろいろとお聞きをしたいと思います。 まず最初に、第三条の「基本指針」のところで、この基本指針というのは通産省と労働省でそれぞれ定められるのでしょうか。それとも、両方が今回の法案みたいに共管でお定めになるのでしょうか。どちらでも結構ですからお答えを……。
○若林政府委員 基本指針は通商産業大臣と労働大臣が定めるということになっておるわけでございます。
○石田(祝)委員 済みません、ちょっと私理解できなかったのですが、一本ですか、二本ですか。
○若林政府委員 一本でございます。
○石田(祝)委員 この中で、第三条の二項第三号でございますけれども、「配慮すべき重要事項」、こういうように書かれておりますけれども、これは具体的にどういうことを指すのか、お願いします。
○若林政府委員 この法律において策定いたします基本指針は、中小企業が労働力の確保を進めていく上で重要な雇用管理の改善の基本的な方向及びそれを実現するための一般的な方法を示すものでございます。ただいま御指摘の第三号でございますが、「中小企業者が雇用管理の改善に係る措置を行うに当たって配慮すべき重要事項」ということでございますが、これといたしましては、この法律に係ります国の施策を活用すべきこと、いろいろ施策を用意してあるわけでございますが、この施策が有効に活用されるべきこと、改善事業の内容を労働者に周知すべきこと、その他中小企業が雇用管理の改善に係る措置を行う場合に留意すべき事項を記載するというふうに考えております。
○石田(祝)委員 これはそうしたら、中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置を周知徹底をする、こういうことをこの中に盛り込むということですか。
○若林政府委員 今回の改善事業と申しますものは、労使を初めとする関係者のみんなが協力して施策を進めていくということが必要でございますし、また、その事業の内容というものは働く方々にとって魅力のある職場をつくっていくということでございますから、働く方々にもそういったことを十分に理解していただいて事業が進められていくことが望ましいだろうというふうに考えておるわけでございまして、そういった面で、働いている方々に事業の内容が十分にわかるように、そういう考え方でこの重要事項の中に盛り込むということを考えておるわけでございます。
○石田(祝)委員 続きまして、第四条の三項の四号「その他政令で定める基準」、こういうふうに書かれておりますけれども、これは具体的にはどういうことを予定されておりますか。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 四条三項の第四号「その他政令で定める基準」として現在考えておりますのは、同条の二項四号の「改善事業を実施するために必要な資金の額及びその調達方法」というのが計画の中に入っているわけでございますけれども、その資金の額が適正であるか、また調達の能力等について基準等を定めたいと考えておるわけでございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、続きまして、第六条の「国は、認定計画に従って改善事業を実施するために必要な資金の確保又はその融通のあっせんに努めるものとする。」この条文の意味するところはどういうことでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 第六条の規定でございますが、これは改善計画の認定を受けました中小企業団体及びその構成中小企業者が、認定計画に従いまして労働力確保のための改善事業を実施いたします。それに必要な資金の確保及びその融通のあっせんについて国の決意と責務を宣言した規定であるということでございます。 具体的に、この規定を踏まえましてどういう中身があるかと申し上げますと、認定組合が行います例えば食堂とかあるいは宿泊施設等の共同施設を設置する事業でございます。それに必要な資金を無利子で融資する高度化事業の融資がございます。あるいは設備リース事業、人手不足、省力化設備のための設備リース事業の融資制度がございます。また、中小企業団体の構成中小企業者が省力化投資等を行う場合の労働環境整備のための融資制度、貸付制度がございます。さらに、中小企業団体が各種の技術開発事業等々を行いますときの必要な資金手当てもこの規定に基づきまして用意されておるものでございます。
○石田(祝)委員 これは国の決意と責務を述べたものだというふうにおっしゃいました。そういたしますと、改善計画を都道府県知事が認定をします。そして、その後で認定を受けた改善計画に従ってその事業を実施するに際して、必要な資金の確保と融通のあっせんをする、こういう決意と責務を述べたものだ、こうおっしゃいました。 そういたしますと、予算に限りがあるわけですから、例えば認定を受けても、さあ、こういう改善事業をやりますよ、人手不足を解消するためにこういう事業をやりたい、そして認定を受けた、しかし今年度の予算はなくなりました、こういう場合もあり得るわけですね。そうした場合にはその認定を受けた事業は、結局は認定を受けたままで何もできない、こういうこともあり得ると思いますけれども、そういう場合はどういうことになるのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 先ほど例を挙げました幾つかの具体例で申し上げますと、例えば共同施設事業、宿泊施設だとか食堂とか託児所とか、そういったものをつくります共同施設事業、無利子融資でございます。それから、設備リース事業に必要な、これも高度化事業でございます。これにつきましては、現在中小企業事業団の高度化事業というのは、こういう事業も含めまして全体の高度化事業というのは、その他この法律にかかわりのない高度化事業も含めまして相当大きなどんぶりになってございます。したがいまして、現在我々が想定いたします限りにおきまして、その大きな懐の中から高度化事業につきましては十分対応できるのじゃないかと考えておるわけでございます。 それから、先ほど申し上げました中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫の構成中小企業者に対する個別の貸し付けでございますが、これも平成二年度の資金手当て及び今年度の一連の出資等の予算措置において大幅な手当てを行っておりまして、これも相当の懐を持っております。したがいまして、我々考えておりますところでは、想定いたしますところでは、おっしゃるような懸念はまずないのではなかろうか、かように考えておるところでございます。
○石田(祝)委員 非常にしつこいようで申しわけないのですが、例えばそういうことが起きた場合、青天井に予算があるわけじゃないわけでしょうから、当初当局がお考えになっている範囲というのももちろんあると思います。それを超えた場合、人手不足というのがもう非常に身にしみている、この際何とかしようということで、ともかく枠を超えてあった場合というのは、結局それはどういうふうになるわけですか。
○渡辺(修)政府委員 御指摘の点、ごもっともな御心配だと思います。現在ございます、平成二年度から動かしております中小企業金融公庫及び国民金融公庫の環境整備貸付、人手不足対策のための環境整備貸付ですが、先ほど来申し上げておりますように大変需要が多うございまして、当初予測しましたよりもはるかに大きな需要で、九百五十億を超えるものが既に初年度入ってきております。これにつきましては、先ほど申し上げましたようなどんぶりの中で、当初上回りましたけれども、十分対処しておるわけでございます。 今おっしゃっておりますのは、当面我々想定できないのでございますが、万が一そういうことが起こった場合にどうするのかという、論理上といいますか仮定上の御質問でございます。それにつきましては、我々行政を運営しております責任者といたしまして、常にそういう予算手当てあるいは全体の事業見通し等を見計らいながら融資をしておりますものですから、例えば財政当局によく御相談申し上げながら、必要な手当てをどういうふうにするかということは、既存の他の財源をうまく融通することもございましょうし、あるいは新たな何らかの対策を講ずることもございましょうし、いずれにせよ大目的において世の中の労働力不足対策のために行われようとすることが阻害されることのないように、我々として善処してまいりたいと思っております。
○石田(祝)委員 そういう強い御決意を伺いまして、ともかく予算がないために認定をおくらすとか、そういうことは万が一にもない、このように理解をいたします。 続きましてお伺いいたしますが、この改善計画を例えば会社、事業組合等が立案をいたします。その場合に、それの認定の過程と申しましょうか、改善計画を立案する際に、例えば労働者側の意見が反映されるような、そういうものがあるのかどうか。 また、改善計画が出てきたときに、都道府県知事が認定することになっておりますけれども、これは第三者の意見を聞くとか、例えば労働者側の意見を入れて、現在審議会等でとられているように、公益側代表とか学識経験者、また、労働者側、そういった三者等が入って認定作業等をするとか、そういうお考えはありませんか。
○若林政府委員 改善計画の認定は、各種助成、融資、税制等の施策の適用の前提となるものでございまして、通産大臣及び労働大臣の機関たる都道府県知事が責任を持って行うこととなっておるわけでございます。この法律によって促進しようとしております魅力ある職場づくりへの取り組みは、中小企業経営に当たる者がみずからその必要性を十分認識して主体的に推進するものでございますけれども、しかし、それによって働いている方々の福祉を向上し、魅力のある職場をつくるということでございますから、やはり労使を初めとする関係者が相協力してこの事業を進めていくということが必要でございまして、基本的に必要に応じて関係労働者の意見を聞くなどの手続をとることが望ましいと考えております。 具体的に、都道府県知事がその計画を認定をします場合に個別に関係者の意見を聞くかということでございますが、これは都道府県知事が責任を持って行えば足りるというふうに考えておりますが、しかし、各レベルでこの法律の施行全般に対しまして、労使を初めとする関係者の御意見を十分伺って反映していくということはございましょうから、法施行全般というところではいろいろと御意見を伺うことだろうというふうに思っております。
○石田(祝)委員 ともかく大企業と中小企業を比較した場合に、労働環境また福祉面での充実がおくれているということで本法が制定される、私はそのように理解をしております。ですから、現実に働いていらっしゃる方々の御意見を入れていかない限り、これはその職場が魅力あるものには当然なり得ないんじゃないか、そういう気がしますので、ぜひとも実際に働いていらっしゃる方の意見が反映されるようなシステムでやっていただきたいと思います。 続きまして、例えば今日本法を施行した場合に、労働時間等で大企業との格差がどの程度縮小するのか。せっかく法律をつくってやるわけですから、それぞれにおいて実効が上がった、効果が上がった、こういうふうなことがなくてはならないと思いますし、それがどの程度にまでこれで担保されるのか、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○若林政府委員 この法律は労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等雇用管理の改善に関します種々の事項につきまして、中小企業者が各企業の実情を踏まえて雇用管理の改善に自主的に取り組むことに対しまして国が支援をするということになっておるわけでございます。このため、この基本指針では、労働時間の短縮等を雇用管理の改善の内容として明記する予定でございますが、労働時間の短縮を具体的に目標値で示すことは予定をいたしておりません。したがいまして、数量的にどの程度時短が進んで大企業との格差がどのくらいになるか、縮まるかというようなことにつきまして、これを明確にすることは困難でございますけれども、平成三年度におきましては、おおむね二百五十から三百の団体をこの法律に基づく雇用管理の改善、とりわけ労働時間短縮に取り組むものと考えて見込んでおるところでございまして、二百五十から三百団体程度でございまして、その波及効果も含めると、中小企業におきます労働時間短縮に寄与するものというふうに考えております。
○石田(祝)委員 ありがとうございました。 以上で終わります。 〔委員長退席、野呂委員長代理着席〕
○野呂委員長代理 森本晃司君。
○森本委員 今同僚の石田委員から幾つかの質問が行われましたが、私は、商工委員という立場から通商産業政策について数点お尋ねを申し上げたいと思います。 まず第一に、労働時間の短縮の問題に関してでありますが、今後の通商産業政策の基本的なあり方についてお尋ねを申し上げます。 我が国の経済のパフォーマンスがGNPや企業の事業実績で見た場合、実にすぐれた実績を今日まで残してきたことは紛れもない事実であります。その点については私としても大いに評価されるべきものだと思います。 経済の中でいろいろな変化がございまして、厳しい時代もございました。例えば八〇年代前半における高水準の石油価格の問題あるいはその後半に起きてまいりました円高という大変厳しい環境を乗り越えて、産業構造の調整、企業経営の効率化が促進されてきたわけであります。しかしながら、その反面、我々は本当に豊かになったのであろうか、経済発展に伴う生活実感が私たちの生活の中に現実にあらわれてきているのだろうか、こういった点について頻繁に自問自答されるようになってきたのではないかと思うわけであります。殊に、国際的に見ても長く改善への足取りが遅々として進まない労働時間の短縮の問題、それが非常にいい例でございまして、ゆとりや豊かさを経済発展に伴って感ずることのできない一つの因ではないかと思います。経済発展の成果がそのまま国民生活に還元されるという、いわば予定調和的な考え方が必ずしも妥当しなくなった今日、通商産業政策も、また国民経済のパフォーマンスのみならず、これらの究極の目的である国民生活への視点をより明確に打ち出した形で、一層幅広い政策を展開していただきたいと思うところであります。やはり何といっても、経済発展に伴って生活者のための政治という視点を私たちは考えていかなければならないのであります。 そこで、お尋ねしたいわけでございますが、通産省の九〇年代の目標の一つとして、産業政策の中で国民生活のゆとりと豊かさの実現をうたっていると聞いております。その際、先ほど申し上げましたように、我が国の労働時間は国際的に見ても長く、その改善が国の内外から望まれているところであります。時短の実現は国民生活のゆとり と豊かさの実現の大きな位置を占めるものである、先ほど来申し上げておるとおりでございます。しかも、この問題は大企業、中小企業を問わずに進めていかなければならない。この国民生活のゆとりと豊かさの実現を踏まえて、通産省として今後労働時間短縮の問題にどのように取り組まれていくのか、お伺いしたいと思います。
○棚橋政府委員 お答えをいたします。 森本先生御指摘のように、通産省の政策は、一九七〇年代、八〇年代、それぞれの時代の要請にこたえて力点を少しずつ変えてまいりましたけれども、基本的には我が国の産業の競争力を高め、経済発展に資するという政策が中心であったことは御指摘のとおりでございます。それはそれなりに我が国の昨今の経済力の向上に大きく貢献したと考えておるわけでございます。 昨今、私どもは産業構造審議会の御答申をいただきまして、二十一世紀に向けての九〇年代の十年間は通商産業政策のあり方の重要なポイントとして、先生御指摘のように、国民生活のゆとりと豊かさの実現を重視した政策を展開していくべきである、こういう御指摘をいただき、既にその具体的な政策の展開に入っておるわけでございます。このようなゆとりと豊かさのある生活を実現するためには、労働時間の短縮が必要不可欠な重要要素であるわけでございまして、当省としてもそのための取り組みを強化しているところであります。 現在、ここで労働省と御一緒に御提案申し上げております中小企業の時短促進を図るための本法案もそのような取り組み強化の一環としてお願いしておるわけでございます。一昨年来、通産省に時短経営問題懇談会という時短問題についての各界の権威者にお集まりいただいて、主として経営のサイドから時短を進めるための具体的方策について貴重な御意見をちょうだいしたところでございます。平成二年六月の懇談会の報告におきましては、業界全体としての時短推進体制の構築の必要性、中小企業については特に、時短推進に対する政府の積極的な支援が重要であるという御提言をいただいたわけでございます。現在、時短問題につきましては、あくまで経営者側と労働者側が自主的に協議してその解決を図っていくのが基本であることは当然でございますけれども、当省としても、この御提言を踏まえて、業界ごとの時短に向けた取り組みの状況等について詳細な実情調査を行っておりまして、業界ごとの事情を踏まえた自主的な時短推進体制の構築を強く要請しておるところでございます。 御案内のように、九一年の春闘の労使の話し合いの場所におきまして、特に鉄鋼業界、電機業界においては時短推進について大幅な進展がありまして、また、自動車業界においても残業の大幅短縮等の時短推進のための合意がなされておるわけであります。あるいはまた造船重機、電力業界においても時短のための労使の検討委員会の設置が話し合われて、近く実現することになっておると承っております。こうした産業界の動きは通産省としても大いに歓迎するところでありまして、私どもも今後の進展を大いに期待し、かつ政策的にもできる限りの努力を尽くしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○森本委員 今基本的なお考え方を述べていただきましたが、本法案に係る措置についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 中小企業が現実に労働時間の短縮あるいは環境改善を図っていく上で何といっても重要なのは、これらに必要な設備投資、それから技術開発を進めるということであります。先ほども設備投資に要する資金負担についての融資あるいは税制上の支援措置について御答弁があったわけでございますが、そういったことが用意されているということでありますけれども、それでは技術開発についてはどうなのかという点についてお尋ねをさせていただきます。 労働時間の短縮や環境改善のために工程の大幅な革新が必要な場合が多いわけであります。しかも個々の企業においては、資金力も技術力も中小企業は非常に弱いところでございますので、技術開発に取り組むのに非常に難しい問題が多々あるかと思います。こういった問題についてどのように考えておられるのか、通産省のお考えを伺いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 中小企業の労働時間の短縮や職場環境改善には中小企業者の工程等の抜本的な革新もしくは思い切った技術開発というものが求められるのではないか、全く先生の御指摘のとおりだと我々も理解いたしております。しかも中小企業におきましては、個々の中小企業者は必ずしも資金面あるいは能力面においてみずからそれを行うのは難しいのではないかということでございまして、我々といたしましては、技術改善費補助金とか各種の中小企業に対する技術開発助成政策を従来から進めておったわけでございます。 特に、昨今人手不足関係が中小企業の非常に重要な課題になってきたことを踏まえまして、平成二年、昨年からでございますが、技術改善費補助金の中に国民生活基盤強化枠、省力化技術枠という一つの枠を設けまして、これに対して中小企業者への技術開発の補助制度をつくったわけでございます。さらに、都道府県の公設試験研究機関で、地域の中小企業者と公設試験研究機関と地域の大学とが一緒になりました技術開発制度、これも平成二年度から地域人材不足対策技術開発事業等を行ったわけでございます。 平成三年度におきましては、今回新たな法律を制定し、抜本的な中小企業者の時短促進を図る考え方のもとに、昨年から動かしました施策を拡充いたしますとともに、新たに今度は国が国立試験研究機関、大学等を全部束ねまして、非常に波及効果の多い、例えば職場環境の改善に結びつく新たな技術といったようなもの、例えばメッキの関係の技術でありますとか鋳物でありますとか、全国多数の中小企業者がおりますから、そこで開発された技術がたちまち全国のそれぞれの中小企業者に波及する、そういう新たな技術のニーズを見つけまして、それについて開発しようということで、六億強の予算を組んで新たな制度の発足をしたわけでございます。 こういうことで予算制度においても充実させますとともに、この法律に即して申し上げますと、認定を受けました中小企業団体が具体的に時短のための計画をつくる過程におきまして、どういう設備を入れればいいかというのをそれぞれ相互に研究いたします。計画をつくりますけれども、その段階で民間のコンサルタントを導入し、きめ細かな工程等の管理を行いながら設備を入れる、こういうような補助事業もあわせて導入することにいたしておりまして、法律に基づいて、おっしゃるような中小企業者の技術開発力の劣勢を十分支援してまいるつもりでございます。
○森本委員 次に、中小企業、なかんずく下請企業が時短を進める場合には、元請企業、親企業との調整を図ることが極めて重要な課題になります。通産省は下請振興基準を改正して、それに基づく指導を強化されるということで、そうした方向で十分努力をしていただきたいと思います。 しかしながら、公正取引委員会からお見えいただいているのでお伺いをしたいわけでございますが、取引適正化施策というのは、下請振興基準のみではありません。殊に悪質なものについては、下請代金支払遅延等防止法の運用強化で対応することが必要ではないか、そのように思います。公取の考え方をお伺いいたします。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 公正取引委員会といたしましては、下請取引適正化のために中小企業庁と協力して、下請代金支払遅延等防止法の厳正な運用に努めてきたところでございます。今後も同法を積極的に運用しまして、悪質な下請いじめを排除していきたいと考えております。また、短納期発注とかあるいは小口多頻度配送によりまして、下請取引上の問題が生じているということでございまして、現在こういった実態把握を行っておりまして、これをもとに下請法の運用基準の見直しについて検討を行っ ていきたい。できるだけ早く結論を出したい、かように考えております。 〔野呂委員長代理退席、委員長着席〕
○森本委員 親企業に対する指導と同時に、下請企業自身の取引条件面の交渉力を強化していくということは極めて重要だと思います。 通産省にお伺いします。そのための施策を何か用意されているのかどうか。
○渡辺(修)政府委員 御指摘のように、下請企業が親企業に対して自立していくあるいは力を強くしていくということが親子関係、下請関係のこれからの事業の発展を図る上で非常に重要ではないか、そのとおりだと我々も認識いたしておりまして、下請企業自身の取引条件面の交渉力を強化するという観点から、例えば下請振興協会というのが全都道府県にございます。そこの都道府県にあります下請振興協会が下請取引のあっせん事業を行うというのを毎年相当大幅に行っております。 それから、下請企業が開発いたしました製品、これは新たな商品あるいは新技術、いろいろございます。中小企業、特に下請企業はそれをうまく販売する機会というのはないわけでございまして、年二回一堂に会しまして、相当の親企業あるいは消費者を集めましてテクノフェアを開催いたしております。昨年もこれは東京と大阪で開催しましたが、相当なにぎわいを見せておりまして、その場での売り上げがかなり出たような事例もございます。 そのほか共同受注を行う下請企業相互間のネットワークの研究会をつくりまして、相互に異業種が入り合って共同受注をしていくような形とか、あるいは販路を確立するために自立化販売開拓支援事業といったようなのを、これも平成三年度から新たに助成をして推進しようとしておるわけでございます。こういうように、各種の施策を行いまして、下請企業自身が足腰を強くするというところに全力を投入してまいっておるところでございます。
○森本委員 中小企業は事業者数あるいは従業員数において我が国の企業の中で極めて大きな比重を占めるとともに、企業家精神の発揮によって経済発展の契機を創出するなど、我が国経済を根底から支える基盤にあります。中小企業の健全な発展なくして我が国の健全な発展はあり得ません。戦後のいろいろな危機等々も乗り越えてくることができたのも、やはり中小企業の柔軟な対応があったなればこそだといっても過言ではないのではないかと思います。 中小企業が事業活動に必要な人材を確保するためには、本法が目的とする職場としての魅力も重要でありますが、これとあわせて経営体としての企業の魅力、すなわち企業自身が活力にあふれ、働きがいのある職場となることが極めて重要であります。そのために経営の多角化、また新分野への進出、企業イメージの向上に取り組むことでありますが、こういった中小企業に対して通産省としては積極的な支援をすべきだと思いますが、見解を伺います。
○高橋(達)政府委員 日本経済において中小企業が果たす役割、まさに大きなものがあることについては、ただいま委員から御指摘のあったとおりでございまして、何とかこの人手不足の時代に中小企業の労働力を確保して、さらに日本経済に貢献をしていっていただきたいというのが私どもの念願でございます。 さて、就職をしようとする人たちが就職先を決定する際に、当然のことながら賃金水準であるとかあるいは労働時間、福利厚生施設の整備状況等々の労働条件を重視するわけでございますが、加えまして、御指摘ございましたように企業としての将来性がどうか、あるいは働きがいのある職場であるかどうか、こういった問題が非常に大きな不可欠な条件になってくるわけでございます。したがいまして、中小企業が積極的に経営の多角化あるいは新分野への進出を進めることによりまして、企業イメージの向上を図るべきことこそが経営の根幹をなす優秀な人材の確保に当たっての要諦であると考えるわけでございます。 現実におきましても、一般的に申し上げまして、中小企業においては技術、デザイン、情報等のいわゆるソフトな経営資源、このソフトな経営資源のポテンシャルは向上してきているわけでございまして、私ども通産省といたしましても、従来から中小企業の新製品の開発であるとかあるいは需要開拓等に対する助成あるいは新事業を積極的に開拓する中小企業者に対する支援等の施策を講じてきたところでございますが、今後ともこうした施策の充実に努めまして、中小企業の経営の多角化や新分野への進出が一層促進されるように進めていく所存でございます。
○森本委員 最後に、通産省、労働省の本法に対する協力体制についてお伺い申し上げます。 先ほど申し上げましたように、本法は、中小企業行政を担当する通発省と労働行政を担当する労働省が一致団結して施策を講じられるというものであります。今後、中小企業政策と労働政策、ますます密接な関係になると考えられるわけであります。その意味で、これらを担当される通産省と労働省が、今般互いに協力し合って中小企業とそこに働く労働者のために総合的な対策を講じようとしていることは、大いに評価されるものでありまして、縦割り行政を行っている各省間のよき模範になるのではないかというふうに思います。 そこで、確認しておきたいのでありますが、本法案において都道府県知事が改善計画の認定を行うことになりますが、通産省、労働省という中央省庁間の連帯が都道府県における計画認定と法律の施行にどのように反映されていくのか。まず通産省に御答弁いただき、最後に労働大臣にも御確認をいただきたいと思います。
○高橋(達)政府委員 本法案は労働力確保のための中小企業者が行う雇用管理の改善を総合的に支援していこうとするものでございまして、そのために中小企業の振興及び労働者の福祉の増進という観点から、従来からこれを進めてまいりました通産省と労働省の施策を統一的かつ体系的に講じることとしたわけでございます。本法がその趣旨を全うしまして実効を上げていくためにも両省の連携は極めて重要であるというふうに私ども考えておりまして、中央のレベルでの連携が大事であることは言うまでもございません。例えば両省の担当部局で協議の場を設けるのも一案、有益かと存ずるのでございますが、御指摘ございましたように、都道府県のレベルにおきましても、知事が計画認定、指導、その他本法案の施策施行に関する事務処理を行うに際しましても、商工、労働両部局に連絡協議会を設ける等によりまして密接な連携を図りつつ進められるよう、当省としても指導していく所存でございます。
○小里国務大臣 ただいま高橋長官がお述べになりましたことと全く同感でございます。 申し上げるまでもなく、目的達成のためにさまざまな支援措置をしてございますが、この前提となるいわゆる改善計画認定は通産大臣あるいは労働大臣の機関委任事務として都道府県知事が執行する形になっておりますから、その前提から見ましても、当然一衣帯水でそれらの基本的なことは相提携して行われる。申し上げるまでもなく、通産省は企業政策でございます。私どもは労働政策あるいは雇用政策でございますから、これまたまさに一衣帯水の単一事業である、こういうふうに私どもは判断をいたしておるわけでございまして、都道府県段階におきましても、一つの仮定でございますが、例えば商工部局、そして労働部局、それらのたぐいの一つの機関が相提携をいたしまして、これが執行に当たる、その円滑な連携は重要なものであるという認識は行政官にとりまして最も基礎的な要諦でございますから、確信をいたしておるところでございます。 なおまた、本法案のいわゆる立法手続段階においても、通産省の多大なる御助言をいただきながら非常に円滑に今日まで運んでおりますことも御承知のとおりでございます。
○森本委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 児玉健次君。
○児玉委員 中小企業の労働力確保が非常に深刻な状態にある。この法案はそれを打開しようとする一つの努力だというふうに私たちは受けとめております。 さて、先日来この法案の審議のために何人かの中小企業経営者、そして中小企業の団体の方々とお会いしたのですが、きょうの午前中からたびたび議論のある、魅力のある職場がどうしても必要だ。それは働く人にとっては、なぜこんなことをさせられるんだという疑問が自分の心の中から突き上げてくるようでは、これは仕事のやりがいということにならない。そして、ある経営者団体の方は、若年労働者を入れたいという思いは痛切だが、とりあえず今一番我々が一生懸命やっているのは、現にいる労働者を抜かれないことだ、労働者のシフトということを一番恐れているというふうに申します。そういった状態を改善していく上で、下請中小企業の労働時間の短縮、それから働いている人たちに自分の仕事が社会的に意味があるものだということを十分自覚させるような仕事内容、これが今非常に重要だと思います。 さて、そこで、下請代金支払遅延等防止法が成立して既にたしか三十五年になると思います。書面の交付だとか親事業者の遵守事項というのがそこではある程度明記されております。それから下請中小企業振興法が成立して二十一年になりますか。そういったこれまでの法律上の若干の努力にもかかわらず、例えば、ずっと何回か国会で論議もしてきているジャスト・イン・タイム方式、それからきょうも議論になりました多頻度小口納入方式、これらが労働時間の問題は言うに及ばず、例えば高速道路の休憩スペースを占領してしまう問題、そして道路の混雑を非常に加重している問題。建設省ではロジスティクス研究会というのを、聞くところではきのうかおととい初会合をやったというふうに承知しております。そういった中で通産省が今度下請中小企業振興法における振興基準について新たなものをお出しになりました。読ませていただいたのですが、週末発注・週初納入、終業後発注・翌朝納入等が適当でないという非常に具体的な指摘もありますが、なぜ、例えばジャスト・イン・タイム方式だとか多頻度小口納入方式、これらについても明示して、それを減少させていく、おいおいはやめさせていくという方向を出さなかったのか、その点を伺います。
○渡辺(修)政府委員 お答え申し上げます。 今御指摘のジャスト・イン・タイム制度あるいは多頻度小口納入制度等々に対する御意見、承りました。確かにそういう問題意識が今問われていることは十分認識するわけでございますが、同時に忘れてはならないのは、八〇年代を通じまして、消費者ニーズの高まりに応じて、我が国の製造業を中心にいたしまして多品種少量生産の時代に突入したわけでございます。消費者ニーズにより的確に合わせるために、産業活動すべてを総動員いたしまして多品種少量生産に対応する、こういう形で生まれてきた一つの産業構造の合理化の過程でジャスト・イン・タイム制度等々が出てきた。これがまたある意味で日本の八〇年代を通じた競争力の強化につながってきたという一面があることも、我々忘れていけない要素であろうと考えております。そういうことで八〇年代を走ってまいりましたが、今おっしゃるように、労働力不足という問題、昨今のこういう状況の中で行き過ぎた多頻度小口納入、ジャスト・イン・タイム、そういうものに対していかがなものかということから現在議論が行われている、こういうふうに我々考えているところでございます。 以上のような考え方に基づきまして、半年間、中小企業近代化審議会下請部会でけんけんがくがく議論いたしました。その結果、先ほど御指摘がございましたように、下請振興基準を大きく言って三つのポイントで変えたわけでございます。一つが、週末発注等と先ほどおっしゃられた例でございます。もう一つが、下請企業が計画的に生産活動ができるように事前に発注情報その他を親から流しましょう、こういうことでございます。三つ目は、その上においてもなおかつ多頻度小口納入等々がある場合においては、それらに要するコストが的確に下請代金の単価に反映されるようにしようではないか。この三点について振興基準の改正をしたところでございまして、本件につきましては、いずれも的を射たものであろうと我々は考えておるわけでございまして、あとはこれをいかに親事業者及び下請事業者に普及徹底していくかというところでございます。そこにつきまして現在全力で普及浸透に努力しているところでございます。
○児玉委員 今の御答弁、八〇年代云々とおっしゃいますが、昭和五十三年二月三日に予算委員会でこの問題の議論を行っています。質問者は私どもの不破委員長ですが、それに対して公正取引委員会の当時の橋口委員長、この方がジャスト・イン・タイム方式に触れて、昭和五十二年三月七日にトヨタを口頭で注意した、そして最終的には七月に問題の解決を見ておるというふうに、今から十二年前に述べておりますね。私たちはその問題の解決を見ていないというふうに思っております。 そこで橋口公取委員長が言われていることは、第一に注文書の記載事項を明定することだ。第二に納入の内示量というのを決めて、それを勝手に変更させることができない、内示数量とかんばん数量との一致を図ること、これが第二だ。第三はかんぱん方式を強制しない。第四はモデルチェンジ等の理由で発注した部品を引き取らない場合は適正な損害賠償をする。こういう方向で問題の解決を見たと橋口さんは言った。問題の解決を見ていないから今日依然としてこの問題が非常に重要な問題になっている。だから部長がおっしゃった三つの点がそれぞれ是正を図らなければならないものだという点では私も全く同感です。と同時に、このジャスト・イン・タイム方式というのは八〇年代に出てきたものでなく、既に七〇年代から出てきていて、その段階で一度公取の委員長が明確に注意をして解決を見たと言っているのですから、その立場から後退するということは妙なぐあいじゃありませんか。どうですか。
○渡辺(修)政府委員 今御指摘のありました当時の公正取引委員長がいかなる客観的な事実関係に基づいてそういう御答弁をされたのか、私現在資料を持っておりませんので、それについて云々すべき立場にはございません。 先ほど私が申し上げたのは、当時から、あるいは五〇年代から通じて行き過ぎた親事業と下請事業との関係、あるいはそれが優越的地位を利用するような問題とか、それは多々あったと思いますし、それを改めなければいかぬということは我々も重々承知しておりまして、そのような行政に鋭意尽くしてきたわけでございますが、同時に、先ほどちょっと申し上げましたのは、特に八〇年代の我が国の製造業を中心にした競争力が世界に冠たるもの、強くなっていったその過程において、産業構造の転換と合理化の過程において、一昔前のいわゆる少品種大量生産でスケールメリットを確保するといった時代から、個々の消費者ニーズに応じて多品種少量生産時代に急速に移っていった。そこに的確に対応していった過程が流通業あるいはサービス業と製造業との密着化とかそういった弾力的な産業構造政策であったのではないか、そういうことがよく言われておりますし、現に一部の諸外国の研究によりますと、日本で行われているのは、まさに多品種少量生産という現代の消費者ニーズに合った生産が行われているんじゃないか、我々はそれについていけてないんじゃないかというのが諸外国にあるという一面を申し上げた点でございまして、先ほど先生の御指摘あった一連の親子関係の行き過ぎた優越的地位の問題についてさらさら否定するつもりはないわけでございます。
○児玉委員 さらさら否定するつもりはないとおっしゃるので、私もそんなに蒸し返し繰り返して言うつもりはないのです。ただ、この点は労働省、通産省もはっきりさせていただきたいのです が、ジャスト・イン・タイム方式というのは、生産ラインに対して必要な部品を必要な数量、必要な時間にジャスト・イン・タイムで届けさせるやり方ですね。そして、もちろん電機産業、自動車産業、態様はいろいろありますけれども、もし生産ラインを遅延のためにおくらせるとすれば罰金、それはどんな形で出てくるかというのも、これはなかなか巧妙に仕組まれておりますけれども、そういったものがやはり依然として今重要な問題になっている。そして、多少調べてみたのですが、その代表であるトヨタ自動車自身が昨年の暮れあたりからいわゆるかんばん方式の見直しということをみずから発言なさるようになっている。しかし地元では、いわゆるかんばん方式の見直しというものが非常に多数に及ぶ関連下請企業の抜本的な再編成の契機になりはしないか、こういう危惧が今生まれているような状況です。 ですから、私はこの点で総括的に伺いたいのですが、皆さんが去年なさった中小企業を対象とした調査で私非常に興味があったのは、発注の変更です。それに対してどういう対応をしているかというと、自動車の場合は四六・九%の企業が残業、休日出勤で対応しているという調査結果が出ています、皆さんからいただいた参考資料の中に。そういった中で、週末発注・週初納入だとか終業後発注・翌朝納入、そういったものと同様のカテゴリーとして、多頻度小口搬入だとかジャスト・イン・タイム方式だとか、そういったものについて必要な是正措置をしなければ中小企業が浮かび上がっていかない、そういうふうに思うのです。この点で簡潔なお答えをいただきます。
○渡辺(修)政府委員 御指摘の多頻度小口納入、週末とか終業後とかいう特定をしないで全般的なと言った方がいいと思います。そういうものについても、あるいは発注方法の変更とかいうことについて、固有にそこのものを下請振興基準に挙げるべきではないかという御指摘かと理解いたします。 我々これは中小企業近代化審議会で過去半年議論をいただきまして、その点につきましては、先ほど来申し上げておりますように、親子関係というのはいろいろな関係がございます。したがいまして、第一点、第二点の固有の事例を挙げて指摘できるように書くことができる振興基準もございますけれども、今申し上げたような一般的なゼネラルな多頻度少量生産あるいは受注の変更に伴うコスト増、そういった問題につきましては、これをすべてそれに伴う下請企業のコスト増、当然コスト増に結びつくわけですから、そのコスト増が的確に下請単価に反映できるようにするのがまず第一ではないか。それが行われればおのずとそこで経済合理性を通じて相当程度改善されるだろう。こういう考え方で、今の御指摘の点は、大きく申し上げた第三点、納期の長短、納入頻度の多寡に応じた単価の設定等を親企業の協力すべき事項として追加する、こういうことで整理をいたしたわけでございまして、これに基づきまして我々は全面的にその浸透に力を尽くしていきたいと思っているところでございます。
○児玉委員 その点では、やはり通産省の態度に後退があるというふうにあえて指摘せざるを得ません。事実関係を指摘しておきます。 昭和五十二年の三月七日に、公正取引委員会はトヨタ自動車工業のかんばん方式について問題点を指摘して口頭で注意をしています。最終的にトヨタ自動車は七月にそのことに対して一定の回答をして、公取は問題の解決を見たというふうに考えているようですが、解決を見ていないから今日に至っているのです。しかし、公取自身がトヨタのかんぱん方式に対して不適切であるという意思表示をしている事実を指摘して、この点は通産省の今後の努力の中でそれを前進的に取り入れていただきたいということを述べておきます。 そこで、次の問題ですが、皆さんの振興基準の中では、労働時間の短縮が可能となるよう下請事業者と親事業者が協議をし、納期、納入頻度等を決めると言いますが、この協議は対等の立場で行われるでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 単価その他一連の親子の契約取引関係につきましては、親子で話し合い、そこで一連の契約行為を結んでもらう、こういうことになっておりますけれども、御指摘のように、従来特に単価の反映の面につきましては、必ずしもそこが意図したように効果を見ていない、成果が出ていないというのが実態でございます。そういうこともございまして、今回の下請振興基準におきましては、特に単価の契約のところで書面による契約を結ぶというところが現在の実態調査によりますと非常に数少のうございまして、まず、そこの普及を図ることによってコスト意識をしっかり身につけていただいて、さらに現在の労働力不足環境下で親子の関係も相当変わってきておりますので、そういう状況を踏まえて下請代金に的確に単価が反映されるように相互の協議の場も側面的に環境づくりに努めよう、かように考えておるところでございます。
○児玉委員 週末発注・週初納入、終業後発注・翌日早朝納入、もちろん単価の面で反映されなければなりません。と同時に、下請の中小企業の労働者にとっては、何の因果で突然の注文が来て徹夜で仕事しなければいけないんだ、そういう問題があります。何の因果で土曜、日曜にみんなが休んでいるのに働かされなければいけないか、その点もこの振興基準は着目されているでしょう。単価からくるものというのは経済的に若干の間接的なクッションがありますよ。その点の必要性を私は認めますが、同時に労働力、労働時間短縮という点で、直接的な効果を皆さんはこの振興基準の中で見ていると思うのです、そうでしょう。
○渡辺(修)政府委員 御指摘のように、今回の振興基準の改定に当たりましては、通常のといいますか一般的なといいますか、経済的な合理性の話以上に、物理的な、時間短縮により効果のあるものを的確に、まずそこを指摘しようという意図が働いたことは御指摘のとおりだと思います。
○児玉委員 下請中小企業振興法の第四条に、「主務大臣は下請中小企業の振興を図るため必要があると認めるときは、下請事業者又は親事業者に対し、振興基準に定める事項について指導及び助言を行なうものとする。」とあります。皆さんは、この振興基準をお出しになった。この後大いにPRに努める、そしてパンフレットもおつくりになるそうです。そういった御努力にもかかわらずさっぱり事態が解決されない。特定のいわゆる親事業者がそれに対して非常に非協力的であるというふうな場合に、この下請振興法の第四条が当然発動されると思うのですが、いかがですか。
○渡辺(修)政府委員 おっしゃるように、下請振興法というのがまさに振興基準を物差しにして、それが親子の間で円滑に浸透していくようにというのが本来の法目的でございまして、それがうまくいかないというときに第四条が働くというのは当然のことかと考えております。
○児玉委員 労働省に対する質問が遅くなりまして、労働省にお伺いしたいのですが、労働省からいただいた資料で、事業所の規模別で所定内、所定外労働時間の合計した資料をいただいております。それを見ますと、一九八九年、五百人以上の事業所の総実労働時間が二千八十七、内訳は省きます。百人から四百九十九人が二千七十六、三十人から九十九人が二千七十二、この状況は昨年も基本的に変わっていませんね。一般的に言って大企業は所定内労働時間が若干短いけれども、所定外労働時間が長い、トータルではむしろ五百人以上のところが三十人から九十九人のところよりトータルな労働時間は長くなっている。その点はお認めになりますね。
○佐藤(勝)政府委員 そのような傾向が出ております。
○児玉委員 そこで、労働基準法では、週四十時間に向けて労働時間が段階的に短縮されていくことになっています。現にことしの四月一日から新しい段階に入っている。中小企業は業種別、規模別に非常に細かな猶予措置を受けています。そして年休の付与日数においても猶予日数があるということは、きょうの午前中の御答弁でも明らかで す。さらに今参議院で審議されている育児休業法案、ここでは附則第二条で三十人以下の事業所の適用が猶予されています。私が意見を聞いた中小企業団体の幹部がずばりこう言いました。こういうふうに猶予措置、猶予措置で取り囲まれたら若い労働者が猶予措置が終わるまでは中小企業に行ったらまずい、こういう気持ちを起こしてしまう。そういう指摘があります。確かにそうだろうと思う。そして、その幹部は私に、労働時間短縮や年次有給休暇の付与日数における若干の猶予だとか、育児休業の問題もそうですが、大企業と同時にスタートさせてほしい。もっと言えば先行させてほしいと言いましたよ。その方が中小企業の労働力確保にとっては好ましい。経済的基盤の弱さに対する国の補助としては別の形態をとってほしい、こういうふうに指摘されたんですが、この点、労働省いかがでしょうか。
○佐藤(勝)政府委員 私の方からは労働時間の点についてのみお答えさせていただきます。 おっしゃるような、ただいま御質問の、御指摘のような猶予措置がとられておりますけれども、その考え方についてまず申し上げますと、御承知のように、労働時間の実態、我が国では大変いろいろでございます。そういうことからして、ある程度高いレベルの法定基準を設けるためにはおくれている部分について猶予措置を設ける、これによってある程度高い基準を設けて、これを円滑に行うことが可能であるというふうに考えられたためでございます。ただ、この点につきましては、いろいろ御意見がございまして、この四月一日から実施をされます法定労働時間四十四時間の政令の改正の際にも、この猶予措置を取り払うべきであるという御意見がある一方で、さらにこの範囲を拡大をして、猶予措置をとるべし、あるいはまたその期間にいたしましても、これまで三年間猶予措置がとられてきたわけですが、この四月一日からの猶予措置もしたがって三年必要だという御意見もあれば、あるいはもっと短くするべし、あるいはなくなすべし、こういういろいろな御意見がありまして、結局現在とられておるような猶予措置を二年に限りとる、こういう形になっておるわけでございます。ただ、この猶予措置をとられているからということで、原則四十四時間のところをいつまでも四十六時間でいいというふうに労働省は考えているわけではございませんで、四十四時間原則のところを、猶予措置をとられているところは、四十四時間を超えて四十六時間を超えなければ違法にはならないということでございますけれども、指導、助成措置といたしましては、できるだけ早期に四十六時間はもちろんでございますけれども、これをクリアして四十四時間にこの計画期間中にいくように集団指導を実施する、あるいは中小企業時短促進援助事業の対象にするということで、一刻も早く原則の時間に追いつくようにという指導を鋭意やっているところでございます。
○高橋(柵)政府委員 先生御指摘の育児休業等に関する法律案におきましては、常時三十人以下の労働者を雇用する事業所において適用猶予の期間が設けられているところでございますが、これは、育児休業が労働者の申し出だけに係る権利でありますことから、育児休業が直ちに認められる場合に、雇用管理の面におきまして、この種規模の企業において種々の困難が予想されますので、準備期間として適用猶予期間を設けることとしたわけでございますが、このような事業所につきましても、猶予期間内においてなるべく早期に制度の確立を図ることは、中小企業の労働条件の改善等に重要なことでございますので、行政としても指導援助を行うことが必要であるというふうに考えているところでございます。
○児玉委員 では、先ほど御紹介した声を今後の労働省の施策の中で取り入れていただきたい、強く要望して質問を終わります。
○浜田委員長 柳田稔君。
○柳田委員 この中小企業労働力確保法案、非常にいい法案ということで評価をまずしたいと思います。きょうは特に労働時間の短縮を中心に質問をさせていただきたいと思います。 中小企業、我が国で全事業所の九九・三%、そして従業員ベースでいきますと八〇%を超えるという人が中小企業で働いていらっしゃる。また、日本のこれまで来ました発展に対しても相当の寄与をしているというふうに私は思っているわけなのですが、この労働力不足、非常に大きな声が中小企業から聞かれるわけでありますけれども、この中小企業の人手不足について、現状、そしてその原因、さらには今後の見通しについて、まずお答えください。
○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。 最近の労働力需給の状況を見ますと、景気の持続的な拡大を背景といたしまして、有効求人倍率が高水準で推移し、特に中小企業の人手不足感が強まっているところでございます。 中小企業の労働力不足の状況につきましては、日本銀行の企業短期経済観測調査、いわゆる短観によりますれば、昭和六十二年十一月に労働者が不足とする企業の割合が、過剰と判断する企業の割合を上回って以来、ほぼ一貫いたしまして人手不足感が広がり続けまして、平成三年の二月調査におきましては、本年六月までの予測においてもさらに人手不足感は広がる見込みとなっておるわけでございます。 このように中小企業におきまして労働力の確保が困難となっております背景といたしましては、まず中小企業におきましては、求人活動面におきまして大企業に比べまして情報の収集とかPR活動の面で不利な立場にある。また、国民のゆとりと豊かさの志向の強まりを背景に、特に若年層におきましては、就職に際しましても、労働時間の短いこと、職場環境が良好なこと、福利厚生施設が充実していることなどが重視される傾向が非常に強くなっておるわけでございまして、このような傾向の中で、これらの分野における大企業との格差が大きく、大企業に比べまして職場としての魅力が中小企業は乏しいものが多いと考えるわけでございます。 今後につきましても、出生率の低下等を反映いたしまして、若年者を中心に労働力人口の伸びの鈍化が予測されているところでございまして、基本的には労働力不足基調で推移していくものと見込まれており、中小企業におきます労働力確保は構造的な課題になっていくものと考えております。
○柳田委員 現在も厳しい、そして将来も厳しいということでありますけれども、そういう中で今回の法案の策定ということになったかと思うのですが、この法案の趣旨、そして施策の内容を手短に説明をお願いします。
○若林政府委員 ただいまのような状況を反映いたしまして、中小企業が労働力を確保いたしますためには、国民のゆとりと豊かさ志向の高まりを反映して変化している働く人の意識に対応していくことが必要でございます。大企業に比しておくれております労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等、雇用管理の改善に取り組んで魅力ある職場づくりを進めるということが重要でございます。このため、このたび労働省と通産省が共同いたしまして、労働時間の短縮など魅力ある職場づくりに積極的に取り組む中小企業者に対しまして、財政上、金融上、税制上にわたる総合的な支援策を盛り込んだこの法案を提出し、御審議を賜っているところでございまして、魅力ある職場づくりを通じて中小企業における労働力の確保に資するものというふうに考えております。
○柳田委員 この法案の中で、基本方針を定めるとありますけれども、その中身を具体的に御説明をお願いします。
○伊藤(欣)政府委員 ただいま局長申し上げましたように、本法律は中小企業における雇用管理の改善によりまして魅力ある職場づくりを進めて労働力の確保を図ろうとするものである、このような観点から、基本方針におきましては、中小企業が労働力の確保を進めていく上で重要な雇用管理の改善の基本的な方向及びそれを実現するための一般的な方法を示すこととしておるわけでござい ます。このような雇用管理の改善のうち、特にいろいろ現在焦点となっております労働時間の短縮ということが魅力ある職場づくりを進める上で極めて重要な事項と認識しており、基本方針におきましては時短の必要性、あるいは時短の方向及び推進方法等を書き込みたいと思っておるわけでございます。
○柳田委員 今お答えがありましたように、労働時間の短縮を明記していただけるとのことでありますけれども、今若い人たちが仕事を選ぶ際に一番最初に考えることが、どれだけ休みがあるだろうか、そしてその次が、給料はどれぐらいだろうかということになるかと思うのですが、以後は労働時間の短縮のみに絞って質問させていただきたいと思います。 今回の法案、名前が労働力確保ということでありまして、労働力確保が何か前面に出るような感じがするわけですが、中身は雇用管理の改善というのが中心だろうと思うわけでありますけれども、そういうことでこの法案、労働力確保という視点からよりは労働者の福祉向上、まあ労働時間の短縮という視点を中心にとらえるべきだというふうに思うのですけれども、いかがでしょうか。
○若林政府委員 御指摘のとおりでございまして、今後は労働力が貴重となる中で、働く人々を一層大事にする労働力尊重時代への転換を図ることが重要でございまして、そうした観点から雇用政策等を推進していくことは必要でございます。今回の法案も労働力尊重の時代の観点から魅力ある職場づくりを通じて労働力確保に努力する、そういう中小企業者を総合的に支援していく、これにより労働者の福祉の増進を図ることを目的としたものでございまして、その運用に当たりましては、この趣旨を十分に実現するように施策の運営に努めてまいりたいというふうに考えております。
○柳田委員 今回この法が制定をされて施行される、そういう状況で今後中小企業の職場環境がどれぐらい改善され、労働時間の短縮が進むのか、どういうように考えていらっしゃるか、お答えください。
○伊藤(欣)政府委員 お答えを申し上げます。 この法律では労働時間の短縮、職場環境の改善等、雇用管理の改善に関する事項につきまして直接的に、例えば労働時間を何時間とすべきであるというような具体的目標、国が示すのではなくて、中小企業者が自分たちの企業の実情を踏まえ、雇用管理の改善に自主的に取り組んでいただくことに対して国が支援したいということでございます。このため、数量的にどの程度雇用管理の改善が進むかということを明確にするのは困難ではございますけれども、平成三年度におきましてはおおむね二百五十から三百団体程度が本法に基づきまして雇用管理の改善に取り組むものと見込んでいるところでございまして、本法により中小企業におきます雇用管理の改善が促進されるものと考えておるわけでございます。 また、中小企業における雇用管理の改善が広く進みますように、このような団体による取り組みの成果が中小企業一般に広く波及していくように、行政としても最大限努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○柳田委員 今、この法は側面的には労働時間短縮へ向けての力があるという御答弁でございましたけれども、千八百時間、公約もあります。特に厳しいのが中小企業だろうと思うのですが、これを達成するためにどのようにされるのか、またどのように進めていくつもりなのか、お答えをお願いしたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 昭和六十三年四月に改正労働基準法が実施をされまして以来、労働時間は着実に減少してきておりますけれども、ただいま御質問で触れられました目標を達成するためには、なおそのテンポを早めるべく努力をする必要があるというふうに考えております。このため、ことしの四月一日から法定労働時間を週四十六時間から週四十四時間に短縮をしたところでございます。 特に中小企業につきましては、労働時間を進めるに当たって集団的な取り組みが効果的でございます。そういうことから、同一業種、同一地域等の中小企業の週休二日制の導入等に向けて集団的取り組みを促進するため、時間短縮アドバイザーを派遣するなどの指導援助を行っております。また、それとともに、親企業も含めまして系列企業ごとに集団的に週休二日制の導入に取り組むよう指導援助を行っております。特に労働時間短縮がおくれている業種につきましては、また業種ごとに業界内の推進体制の整備を図るというような施策も実施をしているところでございます。 さらに、年次有給休暇の取得の促進それから連続休暇の普及、拡大を図るため、昨年七月に連続休暇取得促進要綱を策定いたしましたが、これに基づく指導を推進する。また、平成三年度におきましては、所定外労働時間の短縮を図るために、その上限の目安時間を定めた現在の大臣告示の内容の見直しについて検討いたしたいというふうに考えておりますし、また、所定外労働時間の削減に取り組む際の目標と方策を示す所定外労働時間短縮促進要綱の策定などに取り組んでいく所存でございます。また、ただいま御審議をいただいておりますこの法案成立後は、このための施策がさらにまた充実をされるというふうに期待をいたしているところでございます。
○柳田委員 週四十時間、年間総労働時間千八百時間、以前からこの話はあるわけですが、所期のこの時間達成の目的の時期といいますか、年度はいつだったでしょうか。
○佐藤(勝)政府委員 現在の経済運営五カ年計画では、その計画期間内、すなわち平成四年度までに年間実労働時間千八百時間を目指してできるだけ短縮するというふうに書かれているところでございまして、これを目標といたしておるところでございます。
○柳田委員 先ほど御答弁がありましたけれども、今おっしゃいましたように平成四年、もう時間がないのでありますが、これで達成できるのでありましょうか。
○佐藤(勝)政府委員 この経済計画の期間五年のうち三年を経過したところでございますが、先ほど申しましたようになお一層の努力を要するというふうに考えております。また、これも繰り返しになりますが、この四月一日から法定労働時間が短縮されること、また、中小企業についての年次有給休暇の付与の最低日数が二日多くなるというようなことも含めまして、またさらには、ことしの春闘におきまして労使とも労働時間短縮に真剣に取り組む、これを大きなテーマとしていろいろ話し合いを行われた、そういうような実績を踏まえまして、今後はさらに労働時間短縮のテンポが早まるものと期待をいたしております。具体的にどのくらいになるかということはさておきまして、この段階では我々としてはもう一層の努力をさせていただくというふうに申し上げたいと存じます。
○柳田委員 中小企業というと、おやじさんがいて隣の会社と競争しながらやっているわけでありますが、隣がしないのにうちはできない、こう言いながら労働時間は長く長くなっているというのが現状だろうと思うわけなのです。今いろいろと御説明がありましたけれども、そういう中小企業のおやじさんたちの考えを聞いておると、何かぴしっと皆さん一緒のレベルですよということで決めなければ、前に進みそうもないな。そうしますと、平成四年度の千八百時間達成、相当強い姿勢でこの千八百時間達成に臨まなければ、中小零細企業、千八百時間達成は非常に難しいのではないかというのが私の感じであります。 また、先ほど来から質問がありましたけれども、かんばん方式とかジャスト・イン・タイム方式、週末発注等いろいろとございました。もう答弁は先ほど聞きましたので割愛をさせていただきますけれども、労働力尊重の時代ということが先ほどございました。非常にいいことでもあるし、進めていっていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、何か一つ労働時間短縮を とってみても、ふがいないという言葉は適切ではありませんが、歯がゆいという気が若干するわけであります。 そういうことで、この労働時間短縮そして職場環境の整備、魅力ある職場づくりということを考えていきますと、労働省一つだけでやるというのも難しいだろう、通産省と力を合わせて二つでやるということもまた難しいだろうというふうに思うわけです。となれば、いろいろなところの省庁、必要な省庁の力を全部集めて魅力ある職場づくり、労働時間短縮を達成していかなければならないと思うのですが、このことについては、大臣、いかがに考えておりますでしょうか。
○小里国務大臣 先ほどから先生真剣に御討議ございました、すなわち労働時間短縮の問題一つ取り上げてみましても、なかなか大きな問題でございます。しかしながら、ぜひ政府の計画に従いましてこれを遂行しなければならないという観点でございまして、労働時間短縮の問題のみならず、雇用条件の改善あるいはそのほか一般的な福利厚生の充実を図るというがごとく、ただいまお話しの魅力ある職場づくりに積極的に対応する中小企業者に対しまして、財政、税制、金融上の支援措置をとりまして、企業の政策あるいは私どもの雇用政策を提携させて充実した迫力のある新しい制度でその目的を達成したい、こういう私どもの念願でございます。 先生、お話がございましたように、ひとり労働省あるいは通産省のみが幾ら力んでみても、これはそんなに単純にできる問題であるとは考えておりません。お話にございましたように、政府を挙げましてこれらの問題に取り組んでいただけるよう、それらの啓発あるいは雰囲気づくりの主役になりまして頑張っていかなければならぬ、かように考えておるところでございます。
○柳田委員 どうもありがとうございました。 最後に、平成四年の千八百時間達成でございますが、このことについて大臣の御所見を賜りまして、質問を終わりたいと思います。
○小里国務大臣 完全週休二日制そしてイコール年間総実労働時間千八百時間、これはもう御案内のとおり平成四年度中にこれを達成いたしましょうということを目標にしてやってまいっておりましたが、いよいよ最後の手段として、あと約二十カ月間ございますが、その間にどのような具体的な手だてをもってこれに対応するか、いよいよ明日私の方から中央労働基準審議会に諮問と申し上げますか、正式に言いますと諮問ではございませんが、御相談をいたします。そして、集中的に御検討をいただきまして、政府の計画達成に大きな推進力になっていただきたい、かように期待を申し上げておるところでございます。
○柳田委員 ありがとうございました。
○浜田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○浜田委員長 この際、本案に対し、加藤卓二君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。永井孝信君。
○永井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、我が国経済及び雇用における中小企業の重要な役割にかんがみ、中小企業における労働時間の短縮等を促進し、職場としての魅力を高め、中小企業に労働力を確保し、中小企業の振興と中小企業労働者の福祉の増進を図るため、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 中小企業労働力確保対策を促進するに当たっては、労働政策と中小企業政策との連携をはじめ関係行政の十分な連携の確保を図り、総合的な施策を講じること。 二 本法が目的とする中小企業における雇用管理の改善の実効が確保されるよう本法の施行に関し労使関係者の意向が十分反映されるよう配慮すること。 三 本法により実施される委託募集が職業安定法の規制の趣旨に反することのないよう配慮し、また、公共職業安定所の職業紹介の強化とそれに必要な行政体制の充実に努めるとともに、就職情報誌紙をめぐる諸問題に対応するため、掲載企業及び関係業界に対し必要な規制を行うこと。 四 下請中小企業における労働時間の短縮の促進に当たっては、親企業による発注方式の改善が重要であることにかんがみ下請中小企業振興法の振興基準に基づく指導の徹底に努めるとともに、下請代金支払遅延等防止法の運用強化に努めること。 五 本法に基づく各種助成金、融資、税制制度については、中小企業における雇用管理の改善が確実に促進されるよう適切な運用に努めること。 六 法定労働時間の適用猶予期間であっても、できるだけ早期に法定労働時間の水準が実現されるよう、関係中小企業等における労働時間短縮の促進策を拡充すること。 七 適正な商慣行の確立に向けた指針等を速やかに整備し、周知徹底及び指導を強化するよう努めること。 八 官公需の発注に際しては、労働時間の短縮に配慮し、可能な限り計画的な発注を行うとともに、適正な工費、工期を設定するよう努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 加藤卓二君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。
○小里国務大臣 まず、先ほど御提案申し上げておりました案件に対しまして御決議をいただきまして、ありがとうございました。 なおまた、ただいま決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。 ありがとうございました。 ─────────────
○浜田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、 そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○浜田委員長 次回は、来る十八日木曜日午後一時四十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会