社会労働委員会 第8号
- 発言数
- 164 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/04/11
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川俣健二郎君。
○川俣委員 児童手当、思うに昭和四十年ごろから佐藤総理が選挙目当てだろうが、児童手当制度、児童手当制度と我々が吹き上げたものですから、公約せざるを得なくて、それから四十二年の選挙が終わってからもやろうとしない。四十四年の選挙が終わってからもやろうとしない。ようやく四十六年に出てきたわけでございますが、その際に不肖私が、ここに当時の筆頭理事の小沢辰男先生がいらっしゃいますが、生き証人がおりますが、次の大臣、内田大臣でしたか、これから小さく生んで大きく育てる、任せておけ、どんどん大きくなるから、こういうことでございましたが、どうもそうかなと、純真無垢の一年生の私が、その大きく育てるというのは、二百五十万人という対象児童を指すのか、九百億円という総額を指すのか、こう突っ込んでみた。内田国務大臣いわく、「正直に申しますと私は両方を考えております。先のほうは三年半計画で自動的に当然成長いたします。あとのほうのことにつきましては、」いわゆる金額ですね、「最初に申し述べましたように、これは国民なり政治家のこういう児童手当等を含む社会福祉に対する意識の伸び方に従って私どもは対応できるものと考えております。」こういう議事録でございます。 ところが、私は今回大臣の方から出された改正案を見てどうしても考えられないのは、なぜ三歳未満にしたのだろうか。もっと突っ込んで言うと、今第三子は五千円ですが、これをいきなり額面は一万円にして三歳未満だ。今までは六歳末満で五千円。三歳で一万円。これは掛ければ総額同じ金額だなと思いながらも、いきなり一万円にしないで六千円や七千円にしてでも、なぜ今のままの小学校入学までの六歳末満にしなかったのだろうかなということを、私は実は当初から見てきた児童手当だけに感ずるわけでございます。その辺はいかがですか。
○土井政府委員 ただいま川俣先生から児童手当創設当時以来の経緯等についてお話をちょうだいいたしました。私ども先生からずっと変わらずこの制度につきまして御指導賜っていることを心から感謝をするわけでございます。 ただ今回、改正内容をどのような形で固めるかという点につきましては、私どもの中央児童福祉審議会におきましていろいろな角度から御議論をいただきまして、今御指摘がございました年齢の問題については、三歳未満の時期というのが人間形成の基礎として非常に重要な時期であるというような点、それから育児に大変手がかかり、あるいは生活上の制約が大きいこと、親の年齢も若くて収入も低いといったような全体的な事情を考えまして、支給期間を三歳未満に重点化することもやむを得ないのではないか、そうした中で毎年生まれる子供の約四三%になります第一子に手当を拡大していく。それから、今お話がございましたが、支給金額につきましても、ある程度価値ある額というような形でいろいろ検討しまして、現在御提案申し上げているような内容にしたらどうかというような形で、全体としてそのような案が妥当であろうという考え方のもとに、現在御審議を賜っております改正内容を固めた次第でございますので、御理解を賜りたいと思います。
○川俣委員 いや大臣、言葉というのは重宝というか調子がいいことを言うものだなと思ったのは、うちの方の土肥君が質問したのに、今の土井さんが、児童の発達学とか医学的な見地からは、この三歳未満の時期が非常に大事だ、それだけ見るとなるほどと思う。ところが、二十年前の四十六年に内田大臣は、義務教育終了前の期間が最も児童の将来の人間形成にとって一番大切な時期でありまして、こういうことに着目いたしまして、この期間以前の子供たちを対象とすることにいたしました次第でございます、こう書いてある、議事録が生きてある。そう思いますか。
○土井政府委員 確かに児童の成長にとりまして、それぞれの年齢がそれぞれの意味で大切であるという点については、私どももそのように考えております。 ただ、例えば私どもの母子保健行政という点で、乳幼児健診でありますとか、一歳半健診でありますとか、三歳児健診といったような形で、児童家庭局でいろいろな専門家の御意見も体しながらいろいろな施策を講じておりますけれども、その中で、医学的に見ても人間形成にとって非常に重要な時期は、生まれてから三歳ぐらいまでの時期というような考え方もございまして、先生御指摘のとおり、その後学校へ行く時期はそれなりにまた重要な時期ではあると思いますけれども、今回、全体としてどのような考え方で改正内容を固めたらいいかという御議論の中では、先ほど私が申しましたような形で御提案をし、そして、中央児童福祉審議会からもそのような御意見をちょうだいしたということでございます。確かに言葉の上では違う点がございますけれども、御理解を賜りたいと思います。
○川俣委員 そうすると、厚生省にお願いして「主要国の児童手当制度の概要」というのを皆さんにお配りしましたが、資料二のところを見ていただいても、まず、三歳未満というのは、このほかにいろいろと国がありましたが、見当たらないのだ。土井さんがどういうように説明しても、国際性とか国際感覚とかと都合のいいときは言うが、ちょっと見当たらないでしょう、三歳未歳というのは。ぜひこれはかなり考えなければならないだろうと思いますので、この論争しておったら時間が足りなくなるので次に譲ります。とにかくないでしょう。これだけは確認できますね。三歳未満というのはない。大臣ないんですよ。児童手当というものにない。三歳未満でちょん切るというような国はない。 そこで私は、素直に言うと、こんな児童手当はやめた方がいいんじゃないかという声が聞こえてきたことだけは事実です。なぜかというと、この金を出すのは社会保障じゃなくて事業主が七割も出す、こういうことですから、出す方からいえばそうも言いたくなるかもしらぬ。各企業ごとにやっている場合が多いですからね。それに乗ったのが、だんだん大きく育てるどころか小さくなっちゃって、とうとう児童手当よりも乳幼児手当に名前を変えた方がいいのではないかなというように自分なりに感じましたが、しかし、委員会の各委員の人方の意見や、特に理事の皆さん方の意見でかなり前向きにこれから検討するように方向づけられておるようでございますから、これ以上言いませんが、今回は大臣、むしろ財界の方が一・五七人出生率、私は一・五七人ショックと言うのですが、あのショックから、これは大変だ、将来使い手がなくなるわけですから、働き手がなくなるわけですから。したがって、私はこの一・五七人ショックというのは、児童手当であり育児休業であり時間短縮である、この三つの法案だろうと自分では思っているのでございますがね。そうすると、人口の置きかえ水準、二・一人だそうですが、下回っている。こういうことを考えると、いよいよ出生率の低下をこの児童手当の法案改正で救われるだろうか、こういうように思うのですが、その辺のお話を、もちろん局長でいいですよ。
○土井政府委員 御指摘のとおり、平成元年の合計特殊出生率が一・五七ということに相なりまして、各方面から子供の問題、二十一世紀の日本の社会の問題について議論が高まっていると認識をいたしております。 私どもも、最近における核家族化、女性就労の増大等々、児童や家庭を取り巻く環境の変化を踏まえまして、二十一世紀の社会を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを総合的に推進することが非常に重要であるというふうに考えております。今回は、このような総合的な子育て環境づくりの一環といたしまして、今お話がありました幾つかの施策と並びまして、その重要な一つの柱として児童手当制度の改正案というものをお願いしている次第でございますが、ただ、出生率との関連で申し上げますと、結婚、出産という問題はプライベートな問題でございまして、行政が直接関与できる分野ではないというふうに認識しておりますが、そういう意味では、直接的には出生率に結びつかないと思いますけれども、初めに述べましたような、二十一世紀の社会を担う子供たちの健全な成長のための環境づくりの重要な柱、そのような位置づけで私ども努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○川俣委員 行政側が干渉するという、どうもそれが皆さんの優秀な行政官の施策が欠けていると思うのです。結局、一・五七人じゃなくて二・一人産め、こういうことを命令するならこれは干渉になるかもしらぬが、自然と出生率がふえるような施策が厚生行政じゃないの。そうでしょう。どうですか。
○土井政府委員 おっしゃいますとおり、子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりというのは、今先生御指摘のとおりの意味合いだと私どもも理解をしておりまして、私どもの立場で申し上げますと、児童手当の問題のほかに、例えば保育行政、これをいかに充実していくかということも非常に重要な課題であると認識しておりますし、また、ほかの省庁でございますけれども、育児休業制度の問題とかあるいは住宅の問題等々、それぞれ全体として取り組む必要があるのではないかというふうに考えている次第でございます。そういう結果として、今お話がありましたような形になることが一番望ましいことではないかというふうには考えている次第でございます。
○川俣委員 それじゃ結果論、ちょっと見てみましょうか。皆さんに見てもらっておる資料一、これは私が配らせてもらったけれども、厚生省、間違いありませんか。担当、いかがですか。
○土井政府委員 間違いないと思います。
○川俣委員 昭和四十七年に、中学校卒業まで第三子、昭和五十年に五千円。ここまではなるほど小さく生んで大きく育てるという気がしてきたのですよ。ところが六十年に、段階実施ですが、ここでまた小学校入学までとダウンさせたのですね。こういう経過を経ています。 これを見ると、総額で言うと千五百億円前後が千四百五十億円に下がったが、しかし、改正は千九百億円になったじゃないか、一・三倍になったんだから、大分大きく育ったんじゃないか、こうおっしゃる。三歳、六歳論争は一歩下がってやめるにしても、大蔵省も来てもらっていますが、やはりこれは出す方の財界、いわゆる経済界などに対する配慮からこういうようになってきたわけでしょう。というのは、千五百億、千九百億と言うけれども、ちょっとここで聞いてみたい。生活水準というか貨幣価値というか、物価スライドでいうと、この昭和五十年の千五百億が今どのぐらいになるものですか。
○土井政府委員 消費者物価でございますけれども、今概数でございますが、昭和五十年時点と今日の時点とを比較すると、約六〇%程度上昇しているというふうに認識をいたしております。
○川俣委員 そうすると、金額的に教えてくれませんか。
○土井政府委員 今おっしゃられたのは千五百億の六〇%増の金額がどの程度になるかという御趣旨だと思いますけれども、六割増ということで計算をいたしますと、九百億金額がふえますので、それを加えますと約二千四百億程度の金額に相なるというふうに思います。
○川俣委員 二千四百億でしょう。そのまま直さないにしても、総額的には二千四百億になって初めて同じ支出なの。これから社会保障費の比較とか厚生省の総額の比較とかやりたいのだけれども、時間が大分流れているからきょうはやめますけれども、千五百億そのまま五十年の段階と同じ金額にしても、物価スライドを考えると二千四百億にならなければならない。ところが、この額面を見ると、千五百億が千九百億だから、一・三倍になったんだから、こう胸を張れない。一般の人方は胸張ってもうんと言うかもしらぬけれども、専門委員会としてはこれはそうはいかないよ。そうでしょう。その点どうですか。
○土井政府委員 ただいま御指摘の点は計算上お話のとおりの数字に相なると思いますが、ただ、この間子供の数が相当減っているという一面もございまして、ちょっと今昭和五十年との比較の数字ではございませんが、昭和五十五年と今日の時点、約十年間の比較でございますけれども、子供の数で見ると、これは年齢をどのような区切りにするかという点もございますけれども、二〇%程度減少しているというような事情もございます。それと同時に、単純に今先生物価スライドという観点から御議論をおっしゃっておられると理解しますけれども、児童手当制度につきましては、昭和五十年代後半あるいは六十年代の初めごろにおきましていろいろな制度についての議論がございましたが、日本の諸制度の中で税制との関係あるいは家族手当との関係等々の事情を考慮すると、児童手当制度について比較的冷たい見方といいましょうか、そんなような見方も幾つかの方面からは指摘をいただいたというような時代もございまして、結果として先ほど御指摘をいただきましたような資料の金額に相なっているところでございますが、今回私どもといたしましては、従来の経緯を踏まえながらも将来の日本の社会を担う子供たちのためにどうすればいいかということで御提案申し上げているような案を考えまして御審議をちょううだいしているところでございまして、御理解を賜りたいと思っている次第でございます。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○川俣委員 随分苦しい答弁だね。そんなことを世間で言っていると言うけれども、制度審議会ではそんな意見はなかったよ。制度審議会のあれがこの法案の一番後ろについているのですが、私も制度審議委員を一緒にやってきましたから、そして我々の会長の隅谷さんから下条大臣に答申申し上げたわけでございますが、入る前にここでちょっと聞いてみたいのですが、私は国土審議と制度審議と二つしか経験していませんが、意見が出たらメモ的に意見を出させてもいいんじゃないかと私は思うのですよね。ところが、時の事務局長の采配というか好みで一切文字にしたものは審議会に出せないという鉄則があると言う人とないと言う人がいるのです。この辺は総理府が来ているからちょっと聞いてみたい。
○清水(康)政府委員 お答えをいたします。 先生御存じのとおり、制度審の場合は各省庁にあります個別の専門の審議会と若干審議、答申のやり方が異なっておりまして、例えば個別の審議会ですとよく両論併記といいますか、少数意見を書きまして答申をするというふうなことがあるわけでございますが、制度審の場合は慣行的にいわゆる一本答申、少数意見は記載しないでできる限り意見の集約を図るというふうなやり方でやっておりますし、また、委員さんみずからが答申案を起草するといったような特色もあるわけでございます。もとより各委員さん方の御意見については口頭で自由に御発言をいただき、また、それを補足するような意味でのメモを出していただくというふうなことはあるわけでございますが、原則的には口頭で十分意見を言っていただいて、そこでディスカッションをするということがこれまでの慣行のように理解をしております。もとより過去においては会長さんの方の御意見で積極的に各委員さんから文書で意見を出していただくというふうなことも四十年代ごろあったようでございますが、近年では今私が申し上げたようなやり方をさせていただいております。
○川俣委員 それで、制度審の事務局長を煩わせましたが、この文書を答申に載せろというようなことを言うているのではない、今言ったようにメモ的なものぐらいならということだから、私は出してもいいんだ、出させるべきだと思います。やはり世論というのは、わかりやすく、わかるようにメモでも出させた方がいいんだと思います。 そこで、皆さんも記憶にあると思いますが、昨年でしたか、年金支給年齢の引き上げの際に労働三団体が退場する騒ぎがありましたね、大臣も御記憶あると思いますが。その際に私たちは、国会議員代表だから退場はしません、しかし、私たちの考え方はこういう考えだといってメモを出したら、時の事務局長は、困ります、配りません、こうおっしゃる。隅谷さんは、どうしたらいいんだろうかと思って、いや実は配らないことになっているので、こうおっしゃる。ところが、その後約半年たって老人保健法の審議になったらメモが出てきた。どっちなんだろうか、こう思うのですが、事務局長もう一遍、悪いけれども……。
○清水(康)政府委員 お答えをします。 ただいま御指摘の老健法の審議の際には、委員さん三名の方から共同で意見を言いたい、ただ、その日当日どうしても御都合が悪いのでお一人の方が代表して意見を言われるというふうなお申し出がございまして、私どもとしましてはそういうことを配慮して、口頭で御説明していただくものの、いわば補足メモといいますか、そういう形で文書をお出しすることについて会長その他とも御相談をして、差し支えないのではないかという取り扱いをしたわけでございます。
○川俣委員 そこの続きを黙って聞いていてくださいね。そういうような補足的なメモを、私と参議院の山本審議委員と二人出ていたのですね。そうしたら一人がどうしても参議院の本会議の関係で出れないというのだ。だから二人のものをまとめてメモを出したんだ。当然受けるべきでしょう。メモは配ってもいいでしょう、あなたのメジャーからいうと、基準からいうと。どうですか。
○清水(康)政府委員 お答えいたします。 そういう意見書の扱いをどうするかということは、その都度事務局も判断し、過去の慣例なども調べながら会長さんあるいは総合委員長さんと相談をしてやるわけでございますが、ことし二月の老人保健法の審議の際については先ほど御答弁をしたような扱いにさせていただいたということでございます。
○川俣委員 あなたもいろいろなことを言うね、そのときの判断だとかなんとかと言うけれども、それで済むのですか、あの場面は。どうなんですか、何となく答えたがっていますね、どうぞ。
○岸本政府委員 先生今の御質問になっている点につきましては、当時私が事務局長の職にありました関係で事実を中心にして若干御説明をさせていただきたいと思うわけでございます。 先生長年社会保障制度審議会の委員をなさっておりまして、大変な御苦労をいただいているわけでございます。この制度審議会の審議の運営の仕方については十分御承知のことであろうと思っているわけでございます。制度審議会は御承知のように四十年余りの歴史を持っているわけでございますけれども、今まで、先ほど清水事務局長からお答えがあったように一本答申といいましょうか、意見の一致できる部分というものを集約をして、少数意見等を併記しない、こういう形で最大公約数的な意見というものを答申する、こういうことで伝統を持ってきているわけでございます。これは、総理大臣の諮問機関といたしまして、各大臣のいわゆる専門的な審議会というものをある意味では前提とした仕組みであろうと思っているわけでございます。そこで、一本答申というのは、意見が分かれたような場合にはまとめが大変に難しい、先生十分御承知のとおりなのであります。 平成元年の二月から三月にかけてのことを先生が今御質問になっているわけでございますけれども、この問題につきましても、厚生年金の支給開始年齢の段階的な引き上げということをめぐりまして非常にいろいろな対立的な意見があったわけでございます。そういう中で審議の円滑化を図っていく、委員さん方の自由な活発な御議論をいただくというためには、従来から慣行といたしましては、文書で自分の意見をまとめて言うということになりますと、どうしても結論が固定をしてしまうということがあって、議論がいわば硬直化をするのではないか、こういうことを恐れる余りに、慣行としては文書というものは出してもらわない、文書に書いてまとめていらっしゃる委員さんにも、それを中心にしてその場で自分の意見として口頭でいろいろと御議論をしていただくということにしてきたと思っています。
○川俣委員 それが意識過剰というか官僚的な言い方ですよ。いいですか。世論の代表の意見を聞くのが審議会でしょう。こちらの方の今の事務局長は、老人保健のときはメモをもらいました、あなたのときはメモも一切もらいません、こういう態度は変わっているんじゃないの。 それから、私は何回も言うように、我々の文言を答申の中に二本立てで入れてくれという意見じゃないんだ。メモというのはあくまでもメモなんだ。だから、もう少しフランクに皆さんの意見を聞くという態度になるべきじゃないかというんだ。そうだろう、少なくとも厚生省関係の審議会は、児童審議会でも制度審議会でも。そうでないかい。そうでしょう。それだけ言ってくれ。
○岸本政府委員 委員の活発な御議論をいただいて審議をするということは、先生のおっしゃるとおりだと思っております。それで、今申し上げましたようなことがございましたので、慣行的には文書という形でないということだったのでございますけれども、そのときの先生の御希望もございまして、その場では先生はいろいろと御発言をいただいた、その日の終わりに、先生のおつくりになった文書を各委員全員にまたお配りをするという処理をさせていただいたわけでございます。そういうことで、委員の先生方の活発な意見をお願いをしている、こういうことでございます。
○川俣委員 大臣はその場面を余り詳しくわからぬだろうけれども、もう少し率直に皆さん方に意見を聞くという場を審議会というのはつくるべきだと思う。もっと言うと、厚生省にはないと思うが、あらかじめ根回しして、諮問どおりに審議会でこのように決めてくれよと言わんばかりの審議会もあることはあるのです。厚生省関係にはないと信じますよ。老人保健法はこれからどうなるかわかりません、今国会では容易でないと思うが、やはりもう少し国民の意見というのを素直に聞くべきではないかというのを大臣にだけはひとつ。 それから、せっかくですから最後に大臣にもう一つ聞きたいのです。 本論に戻りますが、我々の制度審議会が大臣に答申した最後のところに、「支給期間を三歳未満までに限定したことなどには問題が残る。また支給金額については考慮を要するが、税の扶養控除などとの関連を無視することはできまい。したがって、今回改正の効果を見据えつつ、今後とも児童手当制度の在り方について検討を行うよう要望する。」こういうのをつけ加えたのです。これはいいんですか。これで終わりますから、大臣ひとつ。
○下条国務大臣 委員にお答えいたします。 最初の審議会の運営についての御意見、まことにごもっともなことと思います。 広くいろいろな各界各層の学識経験者の方々の御意見を拝聴するがために審議会があるわけでありますから、御意見が十分出るような運営方法が望ましいと思います。ただ、私も具体的にどの審議会ということは申し上げにくいわけでありますが、それぞれの審議会にはそれぞれの会の運営のしきたりとかいろいろございましょうから、それはその会の運営の自主性にお任せするしかないと思いますけれども、抽象論として、審議会の運営方法はどうあるべきかということを申しますならば、私は、今委員の御説のことに対しては全く同じような気持ちでございます。 それから、今最後の方でお尋ねございました審議会の方からの答申でございますが、一番最後のところに、確かに今委員御指摘のような「支給期間を三歳未満までに限定したことなどには問題が残る。」とか「今後とも児童手当制度の在り方について検討を行うよう要望する。」という点は、非常に重く受けとめております。
○川俣委員 どうもありがとうございました。岸本さん、清水さん、ありがとうございました。 終わります。
○石破委員長代理 永井孝信君。
○永井委員 前回の委員会の質疑を通した問題点あるいは今我が党の川俣先生からもお話がございましたので、そういうものを受けながら質問をしてみたいと思うわけであります。 まず初めに、この改正案の基本的性格にかかわっての問題でありますけれども、もう既に質問の中でも触れられてはおりますが、日本のこの児童手当制度というのは昭和四十七年一月に発足したわけですね。それから二十年たっている。この制度発足時の社会保障制度審議会の答申は、児童手当制度は将来飛躍的に発展させなければ本来の目的を達成できないと指摘しているわけですね。 今回の改正案を含めて、この二十年間の経緯をたどってみて、この答申の趣旨が生かされてきたと認識しているのかどうなのか、まず冒頭に大臣にお伺いしておきたいと思います。
○土井政府委員 四十六年に御指摘のような御答申をちょうだいをいたしておりますが、その後、児童手当制度のあり方につきましてはさまざまな議論がございまして、四十七年創設当初は、第三子以降の児童を対象に中学卒業までという手当の支給内容でございましたけれども、これを小さく生んで大きく育てたいというような気持ちでスタートしたわけでございますが、制度創設後の推移を考えてみますと、オイルショックでありますとか、あるいは児童手当制度の関連とも言うべき企業の家族手当の問題、税制の問題等々、我が国に諸外国と比較して違ったような諸条件もございまして、また五十年代後半におきましては、児童手当制度に対してはかなり厳しい議論というものも各方面からあったというふうに理解をしております。そういう意味では、今日までの制度の推移を見ますと、当初の答申でうたわれたような形になっていない側面もあるというふうに私どもも認めざるを得ないと思っております。ただ今回、最近における子供を取り巻く諸状況の変化を踏まえまして、できるだけこの制度の充実を図りたいという趣旨から、御提案のような改正内容のものを御審議いただいているわけでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○永井委員 趣旨が十分に生かされ切ってはいないということについて、認めざるを得ない、こういう御答弁なんですね。そうすると、認めざるを得ないような状況になっておれば、本来は今回の改正でそれを完全に取り戻すといいますか、そういう立場でなければいけないのじゃないですか、どうですか。
○土井政府委員 児童手当制度につきましては、今日の時点においてもいろいろな考え方があると私どもも承知をしております。特に、先ほども触れて恐縮でございますが、税制の問題あるいは企業における賃金の問題等々の事情を考えますと、私どものいつも参考にして議論をしているヨーロッパにおける制度と比べますと、置かれている諸条件の違いというものもあるのが事実であろうと思っております。そういう意味で、今回改正内容について、審議会におきましていろいろな形で長い期間をかけて御議論をいただきましたけれども、その中で、昨年末にちょうだいをいたしました意見具申の考え方に沿って改正内容を固めたという経緯でございます。確かにそれ以外のいろいろな考え方があろうかと思いますけれども、現時点における最善の努力であるというふうに思っておりますので、御理解を賜りたいと思います。
○永井委員 それでは具体的に聞いてまいります。 まず、一番問題になっている支給期間の問題ですね。今回の改正は御案内のように支給期間を義務教育の就学前から三歳未満に圧縮したのですね。これが最大の問題になっているわけです。改善するのですから、支給期間を従来どおりにして第一子に与えるとか、金額をふやすとかいうことになればこれは一切問題ないのでありますが、三歳未満としたところに一番問題がある。これは各委員の質問の中にも全部出ているわけでありますが、なぜ三歳未満でなければならないのかという明確な理由をひとつ伺いたいと思うのです。
○下条国務大臣 この点は大変大事なポイントでございますので、お答えさせていただきます。 この支給年齢の問題でございますけれども、政府といたしましては、今日の社会経済状況を勘案すれば、支給対象をまず第一子に拡大した方がいいのではないかということで、支給額を倍増することにいたしますとともに、支給期間を三歳未満に重点化することを内容とするということで、今お尋ねのような改正をすることにいたしたわけでございます。この考え方は、これまでの国会での御意見もありまして、また、社会保障制度審議会でも残された問題となっていることは承知いたしておりますが、支給期間につきましては、この児童手当制度の目的を踏まえまして、社会経済情勢の推移、制度改正の効果等を勘案しつつ、給付内容及び費用負担のあり方を含めて、制度全般にわたりまして検討として取り上げてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○永井委員 三歳未満とした理由は大臣がそれぞれ述べられているわけでありますが、どう聞いてみても、私どもはそのことがとっくりと腹におさまって納得できる理由にはなっていかないわけです。ちまたで言っていることは、乳幼児手当だ、こういうのですね。今度の制度は乳幼児手当だ、児童手当じゃない、私もそのとおりだと思うのです。 したがって、この社会保障制度審議会の答申の経過を見ましても、「支給期間を三歳未満までに限定したことなどには問題が残る。」と、この答申の中に明記してありますね。こうした世論の強い要望に対しては政府ほどのように認識されておるのですか。
○下条国務大臣 この問題については、審議会の答申の中に今お触れになりましたような文言が入っております。したがいまして、今回の改正は、先ほど来お話が出ておりますように三歳未満というところに重点化するという方向の改正案ではございますものの、今の答申に出ております点が一つの問題点であることは承知いたしておりますので、その審議会の御意見は今後十分配慮してまいりたい、検討課題といたしてまいりたい、このように考えております。
○永井委員 問題点が残って、そのことを十分受けとめてこれから十分に検討してまいりたいということですから、これは私は非常に重要なことだと思っています。大臣の今の答弁は重要に私は受けとめます。そのことを踏まえてこれから質問を続けてまいりますので、ひとつその辺のところは私の質問時間中に明確にさせてもらいたいと思います。 ところで、三歳未満に限定したことによって支給の対象になる児童数ですね。これは平成元年度の事業実績から見ますと三百八十五万人が対象になるわけです。ところが、今回の三歳未満ということで線引きをいたしますと、推定数でありますが二百七十万人になります。要は百十五万人も対象者数が減るわけですね。前回のこの委員会でもこのことについてかなり議論がされたわけでありますが、その議論された中に浮き彫りになっておりますように、現行制度による期待権、金額にして大体九万五千円ということになりますが、これも期待権が失われる。そして、そういうことでだんだん児童手当に対する国民の関心とか信頼感というものが薄くなっていく。だから、我々としては少なくとも現行の義務教育就学前を維持すべきだと主張してきているのです。 例えばこの厚生省の出しました予算関係の資料を見ましても、昭和六十年の改正時点で、平成元年度の実績では給付総額は千四百五十億になっている。これが、今度の改正案では第一子が入りますから、そして第二子、第三子はそれぞれ倍額に引き上げますから、全部で千九百億円、現行の一・三倍だ。金額としては四百五十億円ふえることになっているわけです。これがどんどん厚生省の方からはPRされていくわけですね。ところが、実際にマイナス面になる、そういうことについてはあえてPRする必要がないと思っているのでしょうけれども、明示がされていない。言いかえれば、この法案を作成し、閣議決定し、法案として国会に提出する、その過程では、まあ言えば、余り知られたくない部分は知らさずにいいところだけ知らせていこうという,国民に対する背信行為を行っているのではないかとさえ私は思うわけです。これについて、局長どうですか。
○土井政府委員 おっしゃいますとおり、今回の改正案によりまして、受給児童数は三百八十五万人から二百七十万人に減少するというふうに推計をいたしております。 私どもとしましては、従来は第二子以降ということでございまして、毎年生まれる子供の約六割の子供たちが小学校へ入るまで支給を受けるというような形でございましたが、今回、残りの四割強の第一子に拡大をするということで、全体として制度の改善に結びつくような姿になっているものと考えておりますけれども、現受給者の立場から見ますと、期間が短くなるという観点からは確かにマイナスの影響が出るわけでございます。その点につきましては、例えば昭和六十年改正の際も似たような仕組みで手直しを行いましたので相当大きな影響が出てまいったわけでございますけれども、今回、経過措置を設けることによりまして、この現受給者に対する影響を極力小さな形で抑えるというような形で経過措置を設計しているわけでございまして、確かにお話しのとおり一部マイナス面というものは出てまいりますけれども、全体としての制度の新しい制度への移行という点からやむを得ない側面でございますので、御理解を賜りたいと思います。
○永井委員 繰り返して恐縮ですが、これはもう議論の場ですから私は率直に申し上げるんですが、給付総額ではふえますよ、六歳の線引きを三歳にいたします、しかし支給総額はふえますよ。第一子はゼロだったけれども、第一子も当たりますよ。いいことはどんどん国民の耳に入っていくけれども、今言ったようなマイナス面があるなら、ここはしかしマイナスですと率直に初めからそのことを国民に明示するぐらいのことがないと、福祉の問題なんというものは今のこの日本の国の実情ではなかなか国民から信頼を得ることができない、そこのところを私は問題にしているわけですね。だから、義務教育の就学前までを維持できないという理由はそれなりの理由として明確にここでもう一回言ってもらいたいんですね。
○土井政府委員 義務教育就学前の現行の支給期間をなぜ維持できないのかというお尋ねかと理解をいたしますが、今回私どもの中央児童福祉審議会におきまして、すべての児童養育家庭に手当を支給するという観点を踏まえまして支給対象を第一子に拡大する、そのことが優先すべき課題というふうに考えました。それから、それと同時に支給金額につきましても、価値ある額ということで、従来の月額五千円、二千五百円という金額についてこれを価値ある額にしたい、そういう前提の中で全体の給付規模、財源負担という問題を考えまして、どうしたらいいかという議論の中で、経済的な支援の必要性の高い三歳未満の支給期間に重点化をするということがやむを得ないという形で全体としての新しい設計図を御答申いただいたような経緯がございます。そのような事情から、私どもとしては今回の改正案は最善の努力をしてお願いをしているという気持ちでございますので、御理解を賜りたいと思います。
○永井委員 理解を賜りたいと言ってもなかなかここはかみ合わない、理解ができないんですね。正直言って理解ができません。 そこで、野村証券の調査というのはかなり信頼が持たれているわけですね。その野村証券の「家計と子育て費用調査」というのがございます。平成元年にやっているんですが、そこで教育費を含めて計算をしてみますと、乳幼児が月一万一千円、これは平成元年で一万一千円。小学校の低学年では二万七千円。同じく小学校の高学年では三万七百円というふうに養育費がどんどんかさんでいくという資料がございます。これは平成元年の調査です。 また、非常に古い資料で恐縮ですが、厚生省が昭和五十九年度に行った「全国家庭児童調査結果」というのがありますね。それ以降新しいものを厚生省はやってないものですから、この古い資料を使わないとしようがないわけでありますが、それで見ますと、未就学児童の養育費は月額三万三千百円、月額ですね。義務教育期間は五万六千円となっているわけです。これは厚生省の資料ですから間違いないと思うのですが、三歳未満の養育費はたとえ政府が、厚生省が言うように、親御さん、御夫婦が若い時代でありますから、若くて経済基盤が弱い世帯であって、だから三歳未満には必要な手当を重点的に、こういうふうな御意見でありますけれども、その養育費、教育費から見ていきますと、三歳前よりももっと上へ行くほど実際は生活設計を立てる上では大変なんですね。思想的に言いますと、三歳未満よりも三歳を超えたところの方が大変なんですよ。だから、乳幼児手当じゃなくて児童手当ということで就学前までを今まで措置してきているわけですね。この辺の関係は、国民の生活の実態面から見て、今度の政府の提案というのはその国民の生活実態を無視するものになっていかないかと思うんですが、どうですか。
○土井政府委員 おっしゃいますように、昭和五十九年以来私どもの細かい調査をいたしておりません。その点は反省をしておりますけれども、最近における調査としては民間の会社の調査、御指摘の野村証券あるいはピジョン株式会社の「赤ちゃんとお母さんの白書」といったような中に金額が入っております。それで、確かにお話がございましたように小学校入学後の負担が大きくなるという側面がございますが、これは主として教育費の増大という面を反映している点がございまして、そういう点では私ども確かに先生の御指摘のような傾向があるということを否定するわけではございませんけれども、一方、その原因たる教育費の問題ということをどう考えればいいのかという時点でこの問題をとらえるべきであるというふうに考えている次第でございまして、なぜ三歳未満に重点化をするのかという点につきましては、先ほど来お話を申し上げていますような考え方に基づいて、全体としての今回の制度の見直しの設計の中でそのような選択肢をとらせていただいたという経緯でございますので、御理解を賜りたいと思います。
○永井委員 児童手当法を見ますと、第一条にはこのように書いてあります。児童手当を支給する目的として家庭生活の安定と次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上の二つが第一条の中にはうたわれていますね。じゃ、今局長が言われたような理解あるいは政府自身の持っていらっしゃる思想、こういうものから考えて、この第一条の目的規定に合致していると言えるのでしょうか。言えますか。私は、その第一条の目的規定にむしろ大きく背くものではないかと思うのですが、どうですか。
○土井政府委員 第一条の御指摘の目的規定は、御指摘のとおり児童の健全育成と資質の向上ということを児童を養育する家庭に対する経済的な支援を通じて行おうという趣旨が述べられております。そういう趣旨からいいますと、広く児童全般を対象とすべきであるという御議論があろうと存じますけれども、今回私どもとしては、非常に育児に手がかかり、また、親の年齢も若くて収入の低い経済的にも支援を非常に必要としている時期に重点化を図りたいという側面から今回の制度を位置づけるものでございまして、そういう意味では確かに不十分だという御指摘があろうかと思いますけれども、ある意味では、別の角度から見ると前進した側面もございますので、両々相まって御理解を賜りたいと思っている次第でございます。
○永井委員 時間の関係で走りますが、それでは具体的に給付額の問題を質問してみたいと思います。 第一子が今度五千円、第二子も五千円、引き上げてね、第三子が一万円、こういう一子、二子、三子によって給付額が違う。その給付額の違いというのはどこから出てくるのか、なぜ一緒にできないのか、あるいはこの給付額の算定基準、これはどこに求めているのか、これを明らかにしてください。
○土井政府委員 現行の給付金額は御案内のとおり第三子以降は五千円、それから第二子は月額二千五百円と二分の一という金額に相なっております。この五千円という水準は昭和五十年に設定をされた水準でございます。それで、昭和五十年以降今日までの消費支出の傾向を見まして約二倍の割合になっております。それをもとにいたしまして現行の五千円の金額を一万円に引き上げるという考え方をとりました。それから第二子につきましては、現行は五千円対二千五百円と一対二という考え方でございますので、同じ割合を用いて五千円という金額を考えました。それと同時に、新しく支給対象となります第一子につきましては第二子と同額とするという考え方で、現在御提案申し上げております五千円、五千円、一万円という金額にいたしたわけでございます。 なお、先ほどお話がありました幾つかの民間の調査データ等を参考にしながら見てみますと、これは正確な金額ではございませんけれども、大体二万円前後というのが小さい子供にかかる一カ月の養育費というデータもございますので、それをあわせ考慮しながら今の金額がおおむね妥当であろうというふうに考えた次第でございます。
○永井委員 その言葉を日常我々が使う言葉に置きかえますと、じゃ、目安ということになるわけですね。目安ということになりますね。どうですか、目安ということなのですか。
○土井政府委員 今回の改正案における金額をなぜ今のような形にしたかという考え方でございまして、私どもとしては、経済指標の動向を参考にし、かつ、いろいろな養育費の実態を参考にして御提案申し上げる金額にいたしたということでございまして、目安という言葉が適切かどうかちょっと私もわかりませんが、あるいはそういうような考え方であろうと思います。
○永井委員 老齢基礎年金でも、生活保護も、その他の給付も、総理府などの公の調査に基づいて一応の基準が設定されているのですよ。だから児童手当だけ何で基準がなくて目安なのか、ここが私は問題だと思うのですね。だから少なくとも、例えば一般の養育費がどの程度かかっているかということで、あるいは消費者の消費伸び率などが仮に調査で数字が把握できるとするなら、少なくとも国民の消費支出の伸び率に合わせて改定するとか、あるいは養育費で言えば養育費の五〇%なら五〇%、何か基準というものをきちっとつくるべきではないか。この制度だけ何で基準がないのか。この辺の関係ほどのように考えられますか。
○土井政府委員 確かに、例えば社会保険を仕組みとしております年金でありますとかそういうものの中には、金額についての一定の基準というものが定められているわけでございます。ただ、この児童手当制度につきましては、御案内のとおり児童に着目した我が国の社会経済の仕組みの中に、家族手当でありますとか税制における扶養控除でありますとか、そういう関連する施策というものも同時にあるわけでございまして、一定の基準で児童手当だけを抜き出して、このような形で考えるべきだという物差しと申しましょうか、なかなか現実問題としてはそれを定めにくいというのが実態ではなかろうかというふうに思っているわけでございまして、先ほど申しましたように、今回の案につきましては先ほどのような考え方で設定をしたということでございますけれども、それは今回の一つのプロセスの説明でございまして、それが今後ともそういう考え方でいいかどうかという点については御議論がある点ではなかろうかと思っております。
○永井委員 今の答弁を聞きますと、じゃ、そういう基準のつくり方、あるいは基準を設けるべきだという私の問題提起について検討はしていくわけですか。検討されるのですか。一言だげ答えてください。
○土井政府委員 将来における検討すべき課題の一つであろうと思います。
○永井委員 今の御答弁の中で、家族手当という問題が出ました。たくさん質問したいことがあるのですが、時計とにらめっこをやっているものですからもう十分に全部触れることはできませんけれども、この家族手当の関係でいいますと、企業によって金額が違う、あるいは家族手当を実際に実施をしていない企業もあるわけですね。三十人から九十九人という零細企業をとりますと、大体三割近い企業が家族手当というものの制度をとっていないのですね。だから、その家族手当という問題はあっても、家族手当と児童手当とは全く違うものだ。日経連などは、児童手当をよくするのなら家族手当は廃止すべきだし、家族手当があるのなら児童手当は要らぬのじゃないかという乱暴な論議まで提起していますから、そのことについては、そうではないのなら、ないということを国としては明確にしておきませんと、児童手当を論じるときに家族手当の問題が出てきたのではこれは迷惑千万な話でありますから、この辺の関係はどうですか。
○下条国務大臣 お答えいたします。 今委員の御指摘の家族手当あるいはまたそれに関連する税制上の措置、こういったものが全く関係がないかどうか、これは必ずしもそう言えないと思います。しかし、逆に言えば、それじゃ、その家族手当がどのくらい普及しているか、それがどのような効果を及ぼしているか、こういうことになりますとまたこれも問題でございます。したがいまして、今後の制度のあり方につきましては、企業の家族手当の動向等を踏まえつつ、今後の社会経済情勢の推移、今回の制度改正の効果等を勘案して検討してまいりたい、このように考えております。
○永井委員 課税所得の関係についてちょっと確かめておきたいのですが、課税総所得三百万円、そして片方七百万円、仮の数字で。三百万円と七百万円の勤労者の場合の扶養控除による児童一人当たりの税の軽減額は幾らになりますか。
○土井政府委員 課税総所得金額三百万円の場合でございますけれども、税率を所得税、住民税それぞれ一〇%ということで当てはめて計算をいたしますと、三百万の場合は六万五千円というのが税額の控除金額になっております。それから七百万円の場合でございますけれども、この場合は税率の適用区分が上へ上がりまして、所得税におきましては三〇%、住民税におきましては一五%、これを適用して計算をいたしますと児童一人当たりの扶養控除の効果額は十五万円という計算に相なります。
○永井委員 今お示しをいただいたとおりでありまして、そうすると、これは逆進性になっているわけですね、明らかに。収入の少ない者は、税の軽減額でいうと収入の多い人よりもその効果というものは数字が非常に低くなっていく。だから、低所得者の場合はなおさら問題が残ってくるわけですね。さらに、この課税軽減ということについてはいわゆる低所得者、所得税のかかってこないところについては何の恩典もないわけです。これは税の一番問題点なんです。 そう考えていくと、税の扶養控除というものは児童手当制度にかわるものではない、そういうものになっていかない、私はそう思うのですが、その辺の関係は既にこの児童手当制度の発足当時に十分議論されて克服済みであると私は思うのですが、再確認をしておきたいと思います。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○土井政府委員 税制面における扶養控除と児童手当との関係についての御指摘でございますが、かつて中央児童福祉審議会におきましてこの問題を問題提起をいたしました。一方、税の立場からは課税最低限というような考え方から、そういったものは最低生活保障という観点から必要なんだという違った考え方が示されたという経緯がございます。ただ、私どもヨーロッパ諸国における児童手当制度と税制との関係を比較してみますと、例えばスウェーデンやイギリスにおきましては税制の扶養控除をやめてその財源を児童手当の創設あるいは拡充に充てるというような経緯で対応をしてきているというような状況もございます。したがって、事柄としては児童手当の問題と税制面における扶養控除というのは別々の、それぞれの制度における考え方があると思いますけれども、結果として全体の構造を見る場合には、やはり基本的な部分で相互に関連する側面があるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○永井委員 しかし、今私が指摘してきましたことは、要は、家族手当や税の扶養控除というものがこの児童手当制度とは全く無関係だという理解に立っていきませんと、この制度の目的を果たすことはできない、このことを私は指摘を申し上げているわけです。今ヨーロッパの先進諸国などについての税の控除などの話がございました。これもいいところどりでありまして、例えば主要国で児童手当の支給額がどういうことで改定されるかと見てみると、ベルギー、カナダ、デンマーク、フランス、イタリー、ルクセンブルク、オランダ、スウェーデン、これらのOECDに加盟している国のほとんどの国が自動的に物価指数やあるいは消費者物価の動向によってスライドで引き上げられていくという。日本は今回十六年ぶりの改定でしょう。片方はこういうものは一切伏せておいて、片方ヨーロッパでは税の控除がないからそれを対象にできないということだけで問題点をすりかえるようなことがあってはならない。これはもう答弁要りません。時間がありませんから、指摘をしておきたいと思うわけであります。 そこで、前回からずっといろいろな質問が問題点を提起しながらされてまいりました。そこで、これから先は今までの議論を踏まえて、きちっと厚生省、大臣に対して確認をしておきたい、いわゆる確認質問をしてみたいと思うわけでありますから、ここはひとつきちっとお答えをいただきたいと思うわけであります。 まず一つは、今回の改正で支給期間を三歳までに引き下げるのは問題があります。少なくとも、現行の義務教育就学前までとすべきではないか、私はそう思うのです。今後、諸外国の支給期間が義務教育終了までとされていることなどを念頭に置きつつ、支給期間を引き上げるべきではないかと思いますが、これについて明確にお答えをいただきたいと思います。
○下条国務大臣 政府といたしましては、今日の社会経済状況を勘案すれば、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増するとともに、支給期間を三歳未満に重点化することを内容とする今回の改正案は妥当なものと判断いたしております。 御質問の点につきましては、これまでの国会での御意見もあり、また社会保障制度審議会でも、残された課題とされていることは承知いたしております。支給期間につきましては、今後児童手当制度の目的を踏まえ、社会経済情勢の推移、制度改正の効果等を勘案しつつ、給付内容及び費用負担のあり方を含め、制度全般に関して検討する中で取り上げてまいりたい、このように考えております。
○永井委員 ただいま大臣から答弁があったわけでありますが、その答弁では給付内容及び費用負担のあり方を検討と言われているわけですね。給付内容の中には支給期間、給付水準、所得制限のあり方などが含まれると理解してよろしいですか。
○土井政府委員 給付内容の検討課題の中には、支給期間、給付水準、所得制限のあり方が含まれるものであります。
○永井委員 それでは、この児童手当の給付の実質価値を維持するために、物価水準の変動に対応して給付額が改定されますように、私今ちょっとヨーロッパの例を取り上げたのでありますが、完全自動物価スライド制を導入することが必要だと私は思うのです。次回の改正の際には、完全自動物価スライド制を導入することも検討課題の一つとして取り上げるものと理解してよろしいですか。
○下条国務大臣 児童手当に完全自動物価スライド制を導入することにつきましては、さきの質問で答弁したとおりでありますけれども、今後児童手当制度の目的を踏まえ、社会経済情勢の推移等に応じ、制度全般に関する検討の中で、完全自動物価スライド制も検討課題の一つとして取り上げてまいりたい、このように考えております。
○永井委員 検討課題の一つというよりも、むしろそこを重視をして扱ってもらいたい、検討してもらいたいということをさらにつけ加えておきます。 そして、次回の制度改正はいつ行う予定にしているのか。改正案では経過措置が終了して新制度に完全に移行するのは平成六年度でありますけれども、経過措置の終了後速やかに制度の見直しを行うべきだと考えますが、どうでございますか。
○土井政府委員 児童手当制度のあり方につきましては、児童手当制度の目的を踏まえ、社会経済情勢の推移、今回の制度改正の効果等を勘案し、できるだけ早期に必要な見直し等の検討を行うよう最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○永井委員 できるだけ早期という言葉が出てまいりましたけれども、このできるだけ早期ということでは見直しの時期が明確になったとは言えません。したがって、厚生省としても見直しの時期をさらに明確にする、それに向けて努力すべきではないかと思うのですが、どうでございますか。
○下条国務大臣 お答えいたします。 今後の社会経済情勢がどのように推移するか不明である現段階におきまして、見直し等の時期を具体的に明らかにすることは困難かと思います。なお、厚生省といたしましては、御意見の趣旨も踏まえまして今後の社会経済情勢の推移等を見る必要があるが、経過措置終了後最も早い時期に必要な見直し等の検討を行うよう、最大限の努力をする所存でありますので、御理解を賜りたいと思います。
○永井委員 それでは所得制限の問題ですが、所得制限の限度額は政令で定めておるのでありますが、今後とも従来の支給率が維持されるように定められるものと理解してよろしいですか。
○土井政府委員 これまでの支給率は七割から八割程度になっているものと見込まれますが、こうした支給率の実績を維持してまいりたいと考えております。
○永井委員 所得制限の問題は、今言われたように支給率の実績を維持してまいりたい、こういう答弁でございますから、ここのところはひとつ七割から八割というあいまいなことではなくて、もっときちっとこれを把握をした上でその実績というものに基づいて対応してもらいたいということをさらにつけ加えて申し上げておきたいと思います。 その次、この児童手当を受給するためには、受給者が申請することが必要なんですね。だから、新制度の実施に当たっては、新しい受給者が漏れなく手当の支給を受けられるように、当然のことでありますけれども、制度の周知徹底を図るべきだと考えますが、どうでございますか。
○土井政府委員 厚生省では、従来から未請求者の解消のため広報等を行いますとともに、都道府県、市町村に対して制度の周知徹底を指導しているところでございますが、新制度の実施に当たりましては、対象者が児童手当を漏れなく受給できるように制度の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○永井委員 大体以上の問題点を確認をさせてもらったわけでありますが、短い時間で十分な質問ができませんでした。しかし、この中で私が特に触れたいと思って重視をしましたことは、御案内のように社会保障制度審議会の答申の精神、これはやはり厚生省が大切にしてもらわないと、大切にしてくれるところはないわけですね、政府の中では。だから、大蔵省とのいろいろな関係で、予算をふやすにしても、支給額を改定するにしても、いろいろな障害も実態的には出てくると思います。しかし、それを乗り越えてこの目的を達成できるようにしてもらいたい。ここのところだけ、ひとつこれからの問題として大変な問題が提起されているわけでありますから、大臣からそういう決意だけをさらに再度述べてもらいまして、私の質問を終わりたいと思います。
○下条国務大臣 お答えいたします。 今回の法律改正に当たりましては、いろいろな状況を十分踏まえましてこの案を出させていただいておるわけでございますけれども、先ほど来お話がございましたように、審議会の御意見は非常に大事なものである、しかもその中に、今回の改正に絡んでまたさらに検討すべき項目も提示されておりますので、そのような御意見は今後とも大事にしながら将来の課題として考えてまいりたいと思っております。
○永井委員 終わります。
○浜田委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私は、この児童手当制度の歴史を踏まえまして、児童手当制度という本来の趣旨とは一体何になるのかということを確認をしたいと思います。 この児童手当制度が発足をいたしましたのは昭和四十七年でございますが、このときには御承知のとおり義務教育が終了する前の第三子以降一人につき月三千円の支給でございました。それから、昭和四十九年になりまして第一次の改正がありましたが、このときには同じく義務教育終了前の第三子以降一人につき月四千円、それから、昭和五十年に第二次の改正がありまして、義務教育終了前の第三子以降一人につき月五千円、それから、少し飛びますけれども、昭和六十年に第十二次の改正がありまして、このときに義務教育就学前の第二子以降といたしまして、第二子は月二千五百円、それから第三子以降は一人につき月五千円、こうなったわけですね。そして平成三年度、今回の改正、第十八次改正でございますが、三歳児未満の第一子以降といたしまして、第一、第二子はそれぞれ月五千円、そして第三子以降は一人につき月一万円となったわけでございます。この歴史的な変化を踏まえますと、支給期間だけを見ると義務教育終了前から義務教育就学前になりまして、そして、さらに三歳児未満と短縮され続けているわけですね。その反面、支給対象は第三子以降から第二子以降になりまして今回の第一子以降、こういうふうに拡大されているわけでございます。 それで、この児童手当制度とは一体どういう趣旨の制度かということを考えますと、初めの義務教育終了前から就学前、そして三歳児未満というふうに支給期間が短縮されてきたことを見ますと、何か児童手当制度の趣旨そのものが変化したのではないかという印象を持つわけでございますが、この辺を踏まえまして、児童手当制度の本来の趣旨とは一体いかなるものなのか、その辺から質問をいたしたいと思います。
○土井政府委員 児童手当制度の目的、趣旨でございますが、児童手当の支給によりまして児童養育家庭の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全育成及び資質の向上に資することを目的とした制度であると認識しております。お話がありましたように、過去幾つかの変遷がございましたが、基本的な目的においては変わりがないというふうに認識をしているところでございます。
○遠藤(和)委員 その趣旨に変更がないのに今回三歳児未満にした、この理由は特別な理由があるのですか。
○土井政府委員 支給期間につきまして中央児童福祉審議会の御意見をちょうだいいたしまして、三歳未満の時期に重点化をするという形で御提案を申し上げているわけでございますけれども、私ども、繰り返しになってまことに恐縮でございますが、この時期が人間形成の基礎として非常に重要な時期であるということ、あるいは育児に手がかかり生活上の制約が大きい、あるいは親の収入が少ないといったような状況等を勘案して考えた次第でございます。 なお、児童手当の趣旨、目的においては変わりはございませんが、全体として第一子に拡大をしたいということを第一義的に考えまして、かつまた、今回支給金額につきましても倍増を図るというような全体の設計の中で今のような選択をさしていただいたという経緯でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○遠藤(和)委員 支給期間が短縮されたということで、この児童手当制度が乳幼児手当制度にその趣旨を変更したのではないか、このようにも考えられるわけですが、今の御説明だといたしますと、乳幼児手当に趣旨を変えたのではなくて、児童手当の趣旨はそのまま堅持するけれども、今回は財源の関係でそうならざるを得なかった、このように理解するべきものなんでしょうか。
○土井政府委員 児童手当制度の支給財源というものは、国民の税及び事業主の拠出金というものを財源として行っておりまして、御指摘がありましたように、そういう面もあわせ考慮しながら今回の改正案を取りまとめたという経緯でございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○遠藤(和)委員 趣旨を変更したのではないというので私は安心をしているわけですが、そうすると、財源が将来豊かになればといいますか、財源の調整も含めながら、これは三歳未満じゃなくて、もう一回就学前の全児童に支給する、こういうふうな見直しも当然考えられる、このように理解してよろしゅうございますか。
○土井政府委員 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたが、今後の状況の推移、新しい改正制度の実施状況等を勘案しながら、今後とも御指摘がありましたような諸点につきましては十分検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○遠藤(和)委員 ここに、平成二年十二月十八日の中央児童福祉審議会が行いました意見具申の中に、支給期間についてでございますが、「以上のことから、三歳未満の時期に給付を重点化して、育児支援を強化することも妥当と認められる。」と書いてありますが、この後に「なお、これに対して、少なくとも現行の義務教育就学前を維持すべきという意見もあった。」このように意見もあるわけでございますし、国会の審議を通しましても、当然就学前の全児童を対象とすべきである、こういうふうな意見もたくさんあったわけでございます。私は、この児童手当制度本来の趣旨が変更していないのであれば、財源を勘案しながらの話になりますけれども、こういった見直しは当然行うべきだ、行うのが当然である、このように理解をいたしたいと思いますが、この私の理解に間違いはございませんか。
○土井政府委員 御指摘のとおりであると思います。
○遠藤(和)委員 それで、この見直しの時期の問題でございますが、経過措置が三年間行われるわけですね。この経過措置が行われる間は見直しというのはなかなか難しいと私は理解をいたしておりますが、経過措置が三年後に終わるわけでございますから、この三年後にやはりきちっと見直すべきである、これは当然財源も考えながら見直すべきだと私は理解をいたしておりますが、この見直しの時期について明言化できますか。
○土井政府委員 今後の社会経済情勢がどのように推移するか不明である現段階におきましては、見直し等の時期を具体的に明らかにいたしますことは困難であると考えております。なお、御意見の趣旨も踏まえまして、今後の社会経済情勢の推移等も見ながら、経過措置終了後最も早い時期に必要な見直し等の検討を行うよう最大限の努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○遠藤(和)委員 最も早い時期ということでございますので、三年後というふうに私は理解をしたいと思います。 その際、ぜひ念頭に置いていただきたいことは、公明党といたしましては、この児童手当制度、当初公明党の千葉県市川市の一市会議員がこの制度をつくりました経緯がございます。それから全国の制度にこのように大きく育ってまいりまして、今度は日本国の全児童の第一子から対象にしたわけでございまして、その部分は一歩前進でございますけれども、公明党といたしましてはぜひ就学前の全児童に一万円を給付してもらいたい、こういう強い念願を持っております。第一子が五千円、第二子が五千円、第三子以降一万円というのは子供に何か金額の差があるようでございまして、いろいろ第三子以降は経済的に大変だからということで一万円にしたと理解するわけでございますが、私は、本来この差別を行うべきではないのであって、就学前の全児童に対して一万円を給付すべきではないのか、このような公明党の考え方を持っておりますが、その見直しのときにぜひ私どもの案も念頭に置きながら努力をしていただきたいと要望いたしますが、いかがでございましょう。
○土井政府委員 今後における児童手当制度のあり方につきましての御意見だと伺いましたが、私どもとしましては、財源の問題とも密接に関連をする問題ではございますけれども、社会経済情勢の推移、今回の改正の効果等を踏まえまして、給付内容、費用負担のあり方を含めた制度全般についての検討をする際に、御指摘の点も念頭に十分置きながら議論をしてまいりたいと存じております。
○遠藤(和)委員 今私がかなり歴史的な話をいたしましたけれども、今回の改正は第一子からというふうに、長年の念願でございましたがそこに到達をした。そういう意味では、児童手当制度の歴史の中から見て大きな意義があると思うのですが、これを終着点にしては断じてならないと思うのです。この児童手当制度をさらに大きく拡大するための新しい出発点に位置づけるべきではないのか、このように考えているわけですが、大臣の決意はいかがでございますか。
○下条国務大臣 今回の児童手当制度の改正は、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりの重要な柱でありまして、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視いたしまして、我が国の実情に即した制度とするものであります。 今回の改正の結果、これまで支給対象となっていなかった、児童数の約四割程度を占める第一子が支給対象になること、今委員が御指摘になりましたが、制度の定着が図られるものと期待しておりますが、今後、社会経済情勢の推移、制度改正の効果等を勘案しつつ、給付内容及び費用負担のあり方を含め制度全般に関してさらに検討を進めてまいりたい、このように考えております。
○遠藤(和)委員 それで、一・五七ショックというのがございましたね。日本は高齢化社会に突入しておる。その半面、もっと深刻な問題はやはり少子化社会の傾向が出ているということでございまして、少子化社会対策というものを厚生省が音頭をとってやるべきである、私はこう思うのです。その中でこの児童手当制度をどう位置づけるかということが大事でございまして、例えば総合的な出生率低下を打開する考え方といたしまして少々考えたことがあるものでございますから、御披露させていただきたいと思います。 ライフステージに合わせまして、例えば結婚をしたときにどういうふうな制度が必要かといいますと、住宅環境の整備がありますね。住宅制度の充実。そのためには、家賃補助制度を創設したりあるいは超長期住宅ローン制度を創設したり、新婚者に公営住宅の優先入居を行う、こういう制度があります。 それから、妊娠あるいは出産をしたときに、妊娠や出産における保健サービスといたしまして母子保健法があるわけでございますが、これを改正いたしまして、例えば保健指導、健康診断を健保で無料でできるようにするとか、健康診査の拡充強化を行うとか、あるいは母子保健サービスの充実を行うとか、妊婦検診の一部健保適用をできるようにする、こういう制度があります。 あるいは分娩費給付の問題ですね。これは現行二十万円、健保でございますが、社会保険制度の中で分娩費、助産費の給付を実勢価格にする。そのために、健保の最低保障額を例えば二十五万円にアップする、あるいは国保の助産費を平均十五万円にアップする、こういう制度があります。それから、所得税の中では扶養控除の拡充をするべきだ。 あるいは、今まさに、育児あるいは義務教育期における児童手当としては、第一子から支給をして、所得制限を緩和して、支給額を大幅アップして全児童に一万円ということを考える。そして、この制度に対して国庫補助をかなり増額していく、こういうことが考えられます。 あるいは、これから議論になっていきますけれども、育児休業法の制定ですね。あるいは、保育制度という面から見ると、母子及び寡婦福祉法という中で保育環境を整備していく。乳児保育あるいは延長保育、夜間保育の特別保育、こういうものですね。それから、保育所の補助制度の創設だとか、児童公園、児童センター、相談事業、母親クラブ、こういうものを充実していく。 あるいは、もう少し大きくなって、子供さんが高等教育期になると、親御さんのパート所得に対する所得税法のパート減税を百万円から百二十万円に控除額を上げる。あるいは、教育費については、日本育英会法の中で無利子奨学金制度を創設していくとか、所得制限等を廃して全員に貸与していく。あるいは、大学とか短大等の定員の枠を拡大していく、あるいはダブル入学金の寄附金の控除をしていく。そういうふうなライフサイクルに応じていろいろな、総合的な政策が考えられるわけでございまして、そういった広い視点から厚生大臣に閣議等で発言していただきまして、少子化社会対策十カ年戦略のようなものをぜひお立てになっていただきたいと要望するわけです。 高齢化社会に対するゴールドプランというのがあるわけでございます。こちらの方はゴールドじゃなくてプラチナプランでも結構ですが、片や高齢化社会に対しては十年間で六兆円という財政出動があるわけでございますが、こちらの方はまだ、例えば児童手当だけを見ると一年間で一千九百億円ですから十カ年で一兆九千億円にすぎないわけです。こちらの方の児童手当制度も六兆円を超えるくらいの規模で十カ年計画をつくる、少子化社会対策総合プラン、こういうものをぜひ厚生省が音頭をとっておつくりになるべきではないのか、その中で児童手当制度が中心的な役割を果たしていくんだ、こういう展望を持つ政策をぜひ要望したいのでございます。長くなりましたけれども……。
○下条国務大臣 今委員の大変に広範にわたるいろいろな環境づくりの御意見、非常に貴重なものと拝聴いたしました。 御承知のように、今回の児童手当の改正、これは全体の環境づくりの中の一つである、このように我々も受けとめておるわけでありまして、この改正だけで今の問題になっております出生率の低下を阻止するということは十分行えない、このように考えております。したがいまして、あらゆる角度から、税制面におきましても、厚生行政におきましても、あるいはその他の環境づくりに関係ある諸問題をすべて解決しながら、その中で子育て、健やかに生み育てる環境づくり、これを築き上げていかなければならない、このように考えております。ただいまお示しなさりましたプラチナプランなども一つの大きなサゼスチョンとして拝聴いたし、今後また検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 今私、たくさん思いつくままに言ったわけでございますが、私が話した中で特に厚生省としてできることがたくさんあるわけですね。母子保健法も厚生省でございますし社会保険制度も厚生省でございますし、あるいは児童手当法も厚生省ですし、それから母子及び寡婦福祉法、これも厚生省でございますね。ですから、厚生省が、赤ちゃんからお年寄りまで本当に日本の全国民の福祉の向上をつかさどる役所であれば、当然そういった政策をお出しになっていくべきだ、このように思うわけでございますが、重ねて、このプラチナプランでございますが、そういうものを念頭に置いて、一年以内ぐらいにあらかた構想が見えてくるのかどうか、その辺の決意をぜひ伺っておきたいものだと思うわけでございます。
○下条国務大臣 ただいまお答えいたしましたように、高齢化社会の中で、しかもその後に続く若人、さらにまた、若人の後に続く赤ちゃんが、先ほどお示しになりましたように最も最近の数字で一・五七、委員はこれを一・五七ショックというふうにおっしゃいましたけれども、そういう形であり、さらにまた、その後の傾向はさらに低下が続くのではないかと、確報ではございませんけれどもそういう懸念すらあるという中で、やはり健やかに子供を生み育てるということは非常に重要な政策の位置づけがなければならない、このように考えておるわけでございます。しかも、ただいまお話にございましたように、これは厚生省関係だけでもかなりの問題もございますし、また、厚生省のみならずほかの官庁も関係ある問題も多々あるわけでございますので、今後十分に慎重に検討しながらこの問題の解決に努力してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 一点確認をし忘れておりましたものですから、ちょっと確認をさせていただきます。 今回の改正で「現金給付と現物給付を総合的に実施する」という研究会報告を踏まえたとされているわけでございますが、三歳児未満は児童手当という名前の現金給付を行う、三歳児以上は健全育成サービスとして現物給付を行う、こういうふうな考え方を今回の改正案では整理しているようでございますけれども、これは具体的にどのような考え方に基づくものであるのか、そしてまた、この現物給付のサービスは具体的にどういうふうなサービスが予定されているのか、この辺を確認させていただきたいと思います。
○土井政府委員 研究会報告におきましては、お話がございましたように、年齢によりまして現金給付と健全育成サービスの給付というような二つの給付を将来考えたらどうかという研究会の取りまとめと相なっております。この研究会報告につきましては、中央児童福祉審議会におきましてこの研究会報告が示された内容につきまして十分御審議をちょうだいいたしまして、それを今回の制度改正の考え方の基礎としたという経緯がございます。 その中で、三歳以上の児童に対するサービスの問題でございますけれども、保育サービスの充実というのがやはり一番大きな柱でございまして、ことしの秋以降、夜十時以降の保育サービス等々の新しい保育サービスというものもそういう一環として予算に盛り込み、実施をしようとしているものでございます。そのほかにも、児童の健全育成サービスといたしましては各種の児童施設の整備等々につきましてさらに力を注いでまいりたい。新年度の予算におきましても所要額が盛り込まれているところでございます。 そういう意味で、研究会の報告そのままではございませんけれども、中央児童福祉審議会の意見等におきましても取り上げられ、また、政府としてもそういう考え方に沿った形で今後とも努力してまいりたいと考えているところでございます。
○遠藤(和)委員 スライド制の話が先ほどございましたけれども、社会保障給付の中でいろいろな制度があるわけでございますが、スライド制がないのはこの児童手当制度だけなのですね。やはりきちっとスライド制というものを見直しのときに含めて検討されるべきではないのか、このような考え方を持っておりまして、他制度との整合性を担保する上からも、ぜひこの児童手当制度の中にも物価スライド制を導入するべきではないのか、このように考えておりますが、この点を確認させていただきます。
○土井政府委員 児童手当制度における物価スライド制の問題でございますが、私ども、先ほどお答え申し上げましたとおり経過措置終了後の時点においていろいろ制度の見直しにつきまして検討をいたしますけれども、その中の検討すべき問題点の一つとして取り上げてまいりたいと考えている次第でございます。
○遠藤(和)委員 それでは、時間も参りましたものですからこれで終わりたいと思います。 児童手当制度が今回第一子に拡大した点を大きく評価させていただきます。そして、支給期間が大変短くなったということは残念なことでございまして、これは財政の要素によるものである、このようなことも確認をさせていただきました。改正案の前に比べて財政的には三割増ということでございますから、この点は一応評価できるわけでございますが、引き続いて、厚生省はよく、小さく生んで大きく育てるということを言っているわけでございまして、やはりそれが国民の皆さんから見て本当に積極的に行っている、こういうことを評価いただくためにも、次期の見直しのときにはぜひ大きくさわってもらいたい。支給する期間についても就学前全児童になるように強く要望をいたしまして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○浜田委員長 児玉健次君。
○児玉委員 児童手当の支給を第一子までに拡大しようとすることは極めて当然のことであって、私はむしろ遅きに失したと言いたいと思います。問題は支給期間の短縮です。時間がありませんので、きょうの質問はこの点に絞ります。 先日の質問でも触れましたが、児童手当法では明確に「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。」このように記されております。国際的にも多くの国が義務教育終了時まで支給を行い、そして、義務教育が終わった後も引き続いて教育を受けようとする場合に、二十一歳まで支給する国が私たちの調査で十六カ国、二十四歳あたりまで支給する国が十六カ国あります。今回の改正はそういった国際的な水準、国際的な趨勢から余りにかけ離れていると思うのですが、その点いかがですか。
○土井政府委員 ヨーロッパ諸国における児童手当の中身と今回の改正内容との比較のお話かと存じますが、児童に係ります税制上の措置の問題でありますとか賃金体系の問題等々をあわせ考慮することが必要であると私どもは考えておりまして、単純に制度内容を比較することは必ずしも適当ではないのではないかと思っているところでございます。御案内のとおり、スウェーデンやイギリスにおきましては税制における扶養控除を廃止して、その財源を児童手当の充実に充ててきたというような経緯があると承っておりますし、また、我が国では多くの企業において家族手当が支給をされている、こういう社会経済情勢の違いを踏まえまして、今回、我が国の実情に即した形で御提案申し上げているような内容の改正案を取りまとめた次第でございますので、御理解を賜りたいと存じます。
○児玉委員 税制上の相違、それから企業における家族手当の支給、それは今厚生省のお話しのようなことになっておりますね。端的に聞きますけれども、そのことが日本の児童手当制度の発展を阻害しているとあなたたちはお思いであれば、その点にメスを入れて国際的な趨勢に近づく児童手当の改正をする用意があるかないか。あるかないか聞かせてください。
○土井政府委員 ただいまの件につきましては、かつて中央児童福祉審議会から意見具申をちょうだいしておりまして、その意見具申を踏まえながら私どもは検討すべき課題であると思っております。
○児玉委員 先日の質問で、私は幼稚園、小学校、中学校、高校と教育費が順に重くなっていくということを文部省の資料で指摘しました。読売新聞がこの三月十二日に発表した出生率に関する全国世論調査の中で、この出生率低下への対策として「教育費の負担を軽減する」これが六一・八%で第一位ですね。今回の改正はこういった国民の期待に全くこたえられないと思うのですが、いかがですか。
○土井政府委員 今回の改正におきましては、中央児童福祉審議会の御提言を踏まえて三歳未満の時期に給付を重点化した次第でございます。御質問の小学校入学以降の負担の増大の問題でございますけれども、主に教育費によるものと考えられますが、一般的に親の収入も年齢とともに増加するという点もございますし、また、教育につきましては社会保障と異なる観点からそれなりの財政措置が講じられているものと考えております。したがいまして、私どもとしては児童の健全育成上最も重要と考えられる時期、また、経済的支援の効果が高い時期、そういう必要性の高い時期に給付の期間を重点化をしたいという考え方に基づいて御提案している次第でございます。
○児玉委員 教育費に対して今厚生省がおっしゃったような措置が講じられていないからこそ、多くの親が小学校、中学校、高校に行くにつれて負担が重くなるというふうに実感しているわけだし、そして、確かに収入は年齢に応じて一定限度上がりますけれども、それより子供たちが高いレベルの教育を受けるにつれて教育費の増額はむしろ親の収入の増額を上回る、その点を見なかったら、言っていることが全く実態から外れますね。 それで、厚生省は先日から支給を三歳未満とすることを合理化しようとする余り、母親の就業率の低さ、親の年齢が若くて収入が相対的に低い、こういうことをあれこれと並べ立てておりますけれども、第二子、第三子、第四子と子供を生み育てる親のことをあなたたちは無視していませんか。
○土井政府委員 御質問の趣旨をちょっと理解し違えているかもわかりませんが、私ども、むしろ従来支給対象になっていなかった、毎年生まれる子供の四三%程度を占める第一子を今回制度の対象としてぜひ取り入れたいというような観点から取り組んだ次第でございまして、今御指摘がございました点、ちょっと私理解しかねますので恐縮でございますが、そのような考え方で子供の出生順位については考えたという次第でございます。
○児玉委員 前回一部触れたのですが、現に児童手当を受けている子供というのは第二子以降ですね。その子供たちが今回の改正によって受給額を減らされるということはこの前の御答弁で明らかになりました。今回の改正、これには括弧をつけなければならないけれども、今回の改正で減額される児童数は何人か、そして減額される金額のトータルは幾らですか。
○土井政府委員 今回の改正での比較でございますが、現受給者というのは影響を受けるということに相なります。ただ、現行制度と新制度を比較すると一つの家庭が受ける金額というものはふえるという仕組みに相なっております。具体的な人数あるいは具体的な金額でございますが、ちょっと手元にございませんが、個別例でございますが金額で申しますと、現行の第三子以降の子供でありますと一人当たりの影響金額は一万五千円から七万五千円程度の間、これが減額という形の影響を受けるというふうに考えております。
○児玉委員 私たちが承っているところによると、約三百二十万人、そして減額される金額は約一千億というふうに承知しておりますが、どうですか。
○土井政府委員 失礼をいたしました。 支給人数、支給対象の子供の数でございますけれども、現在三百八十五万人、この子供たちの数は二百七十万人になるということでございます。ただしこの場合に、一人の子供が受ける期間が従来は六年余ということでございますので、新しい子供たちが対象として入ってくるという経緯がございます。 金額につきましては、私ども一千億という金額は承知をしておりませんが、現時点では試算が困難というふうに考えている次第でございます。
○児玉委員 昨日、この質問の準備のために厚生省の担当者からいろいろ詰めてお聞きした数字ですよ。約三百二十万人、金額の総額にして約一千億、再度確かめます。
○土井政府委員 失礼をいたしました。 三百二十万人というのは子供の数ではございませんで親の数でございます。現在の受給をされている親の数というのが三百二十万という数字でございます。それから、受取金額の減少分については推計が困難であるというふうに考えております。
○児玉委員 言っていることがどうも、推計困難とおっしゃるのですけれども、今、ある産み月の子供が幾らで、ある産み月の子供は幾ら、そういうことが言われましたね。それをある程度平均的に、まあ子供でなくて親だという訂正がありましたが、その親で掛けるとこの金額になるんですよ。どうですか。
○土井政府委員 非常に粗っぽいマクロ的な推計でございますけれども、先ほど一人当たりの影響額が一万五千円から七万五千円程度と申し上げました。一方、現在の受給者の数が三百二十万人、したがって、三百二十万人に例えば影響額を何万円と仮定をして掛けると一定の数字が出てまいりますけれども、それは私どもの方で積み上げをして押さえた数字でないという意味で試算が困難ということを申し上げている次第でございます。したがいまして、仮に何万円というのをどの程度に置けばいいかという根拠がないものですから、仮の数字をここで申し上げるのは大変失礼でございますので、申し上げてないわけでございますけれども、影響金額が一万五千円から七万五千円に三百二十万人を掛けますと、三百二十億から二千億くらいの間になるというような意味でございまして、それを幾らと見るかというのが、私ども根拠を持ち合わせていないということを申し上げております。
○児玉委員 私たちが私たちなりに推計したところでは、約三百二十万、一人当たり三万一千二百五十円、そういうことになりますね。 そこで、子供の権利に関する条約が一九八九年三月八日国連総会で全会一致で採択されました。正訳がまだできていないけれども、私は子供の権利に関する条約といいます。この国連総会で採択された日、各国の多くの子供が総会議場に集まって、オードリー・ヘップバーンが、一九五九年に採択された国連子供の権利宣言を一語一語かみしめるように朗読したそうです。 この条約では、「子どもの最善の利益」「ザ ベスト インタレスト オブ ザ チャイルド」、こういう文言がたびたび出てきます。「子どもの最善の利益」この文言を厚生省はどのように受けとめていますか。
○土井政府委員 児童の権利条約におきましては、すべての児童がいろいろな形で福祉面、その他の面におきまして保障されるというふうに考えておりまして、子供の最善の利益というのは言葉どおり受けとめておるところでございます。
○児玉委員 第三条にわざわざ「第三条(子どもの最善の利益)」という場所があります。そこでこう書かれていますね。「締約国は、親、法定保護者またはその他の子どもに法的な責任を負う者の権利および義務を考慮しつつ、子どもに対し、その福祉に必要な保護およびケアを確保することを約束し、この目的のために、あらゆる適当な立法上および行政上の措置をとる。」こうなっています。そして十八条では「この条約に掲げる権利の保障および促進のために、締約国は、親および法定保護者が子どもの養育責任を遂行する際に適当な援助を与え、」云々、こうなっている。そのほか第二十六条「社会保障への権利」第二十七条「生活水準への権利」、日本政府はこの条約について署名をしております。そして、海部首相は国会の答弁の中で、できるだけ速やかに批准したいと言っています。今回のこの児童手当の改正の中身は、子供の権利に関する条約とこれは内容からして幾ら何でも貧弱ではないかと思うのですが、どうですか。
○土井政府委員 子供の権利に関する条約でございますけれども、児童に対する個々の制度が十八歳末満のすべてを対象としなければならないということを定めたものではないと思っております。各般の児童のための施策がその趣旨、目的に沿って適切に行われることにより、社会保障制度全体としてすべての児童の権利を保障しよう、そのようなものと理解をしている次第でございまして、今回は第一子への支給拡大ということ、あるいは支給金額の改善ということを中身としておりまして、三歳未満に重点化をするということが、そのような条約上、特に問題になるというふうには考えていない次第でございます。
○児玉委員 大臣にこの点は申し上げたいのですが、今のようなお答えでは子供の権利に関する条約に対する福祉を担当する厚生省の御理解としてはやはり不十分だと私は思いますね。 児童手当、この点について国際的な水準もこれあり、支給期間は十八歳まで、そのことを明確に志向しつつ、当面義務教育終了前までとする現行の支給期間を維持すべきだ、そのように私たちは考えます。もし、そのようにしたとしても、先日来いろいろ計算をしてみたのですが、初年度において四十五億円、平年度において五百三十億円でそのことは可能だというふうに推計するのですが、いかがですか。
○下条国務大臣 今の支給期間の問題でございますけれども、今回の改正の検討過程におきましてさまざまな考えがあったことは事実でございますが、すべての児童養育家庭に手当を支給する観点から、支給対象の第一子拡大を優先すべき課題といたして、支給期間につきましては、経済的な支援の必要性が高いと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化することが妥当と考えた次第でございます。したがいまして、御意見のようにこれをさらにもとどおりにするとか、あるいはその他のことを考えるということは、今この中で取り上げるわけにはまいらないわけでございます。
○土井政府委員 金額の問題でございますけれども、私ども、義務教育に、学校へ入るまでということで推計をいたしますと、全体として約四千億所要金額が必要、したがって、今回の改正案が千九百億でございますので、それの二倍強というものが必要になるというふうに見込んでおりますが、そのうち国庫負担分としてどのくらいかというのは、ちょっと今手元に数字を持ち合わせておりませんので、後で御説明をさせていただきたいと思います。
○児玉委員 そのうちで国庫負担分は、初年度において四十五億、そして平年度において五百三十億です。後ほどその点は皆さん確かめていただきたい。 そこで、今回の改正案を見てみますと、八五年六月の前回改正における、支給対象は第三子から第二子までに拡大する、そのことと引きかえに支給期間を義務教育終了時から義務教育就学前に縮小する、この手法が単純に繰り返されてはいませんか。支給範囲は拡大するけれども、期間をぐっと縮小していく、この発想の繰り返しというのがどうしても理解できないのですが、どうですか。
○土井政府委員 今回の考え方の基本に、世代間の助け合いということを非常に重要な要素として考えておりまして、その場合、子供の生まれる順番によって差をつけないというようなことが非常に重要な観点である。そういう意味でぜひ第一子に拡大をいたしたいという考え方で今回いろいろな議論に取り組んでまいりました。ただ、結果としてその手法が先生おっしゃるような姿になっているという側面はあろうかと思いますけれども、私ども、全体として制度をどのように構築するかという中で、財源状況も勘案しながら、最も現実可能な、妥当な案という形で、御提案申し上げているような姿の改正内容を考えておる次第でございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○児玉委員 今度の三歳未満というのは、明らかに児童手当としての性格を喪失して、出産促進手当といった方がいいものに変わった、そう考えます。 それで、私が言うような手法だと今厚生省もお話しになったけれども、この手法でいえばもう改善の道はないのですよ、第一子まで行ってしまったのだから。そうすると、これまでのそういった発想を改めて、思い切って国際的な流れを見ながら義務教育終了時まで、そして十八歳を展望する、そういう形で厚生省としては検討を進めるべきだと思うのですが、その点いかがでしょう。
○土井政府委員 今回、年齢の問題につきまして三歳未満にするという点につきましては、結果として先生がお話しのような見方があるいはできるのかもわかりませんけれども、むしろ中央児童福祉審議会における専門家のいろいろな御意見の中から、最も必要な時期に重点化をするのはやむを得ないのではないか、そういう時期に重点化するという一つの考え方に基づいてやっているわけでございまして、そこの点は御理解を賜りたいと存じます。 それから、まことに恐縮でございますが、先ほど五百三十億円のお話がございましたが、手元にあります私どもの推計で申しますと、義務教育就学前までということにいたしますと、国の負担額の見込みでございますが、八百六十億円程度というふうに見込んでおります。したがって、現行が約三百億円の国庫負担でございますので、これは国家公務員の子供を除いた数字でございますが、その差額約五百数十億円というオーダーの数字かと存じます。
○児玉委員 そのことを私はさっきから言っているのです。そして、これは、その点の決意というのは、下条厚生大臣、今やろうとしているものに対してあと五百何がしか積めばいいのですから、これに対して反対する国民というのはいないと思いますね。この面で改めて私は、厚生省のこの支給期間の縮小ということについては再検討を求めたいということを強く主張しまして、質問を終わります。
○浜田委員長 柳田稔君。
○柳田委員 今回、児童手当法の改正ということで、第一子さらには増額ということで私どもも評価したいと思っております。ただ、期間を三歳未満に区切ったということは、大分不満が残ったわけでありますが、先ほど各党に対する答弁の中で、給付及び費用負担のあり方を含め全般的に検討しますという御答弁でありました。時期については定かではないようではありますけれども、先ほどの答弁、実際に実行できるように強くお願いをしたいと思います。 用意してきた質問はほとんど出尽くしたわけでありますけれども、若干またほかの方を聞かしていただきたいと思います。 今回、厚生省といたしまして、この児童手当と同時に保育の問題についても手を差し伸べていらっしゃるかと思うのですが、それについて御説明をお願いします。
○土井政府委員 児童手当の改正内容と並行いたしまして、児童手当制度における福祉施設事業というものがございますが、その中で新しい保育サービスを新年度の事業として新規に実施をいたしたいと思っております。 その一つは、夜十時まで一般保育所が子供たちをお預かりするという、夜十時までの特別の新しい保育というのが一つでございます。 もう一つは、社会福祉法人が企業から受託して、深夜でありますとか休日における保育サービスを実施しよう、そういう場合に、その社会福祉法人に対して一定の補助金を出したい、そういうような二つのタイプの新しい保育サービスを新年度の予算におきまして実施をしたいと考えておる次第でございます。
○柳田委員 夜間保育、今の多様化した職業形態を見ますと適切な処置だとは思うのですが、逆に、これで女性の労働時間、夜までやってもいいと、労働時間が大分長くなるというふうな面に使われてもらっては逆効果かなと思うところもあるのですけれども、普通に考えていけば非常にいい処置だとは思っております。 この保育について若干質問したいのですけれども、まず、保母さんのマンパワーといいますか数なんですけれども、昼間保母さんを従来どおりやる、そして夜も延長するということになれば大分数が必要になるかと思うのですが、その辺はどういうふうに考えていらっしゃいますでしょうか。
○土井政府委員 新しい長時間保育サービスのための保母さんの配置でございますけれども、私どもといたしましては、二人の保母さんをそのために配置をしたい。そのうちの一人は常勤の保母さん、一人は賃金職員における非常勤の保母さん、一保育所二人の保母さん、そのほかに夜の食事を出すものですから、そのための人件費一人というようなものを考えております。 なお、保母さん全体につきましては、最近人材確保難というような状況がございますが、常勤の保母さんにつきましては、一般の保母さんと同じような給与内容というものを前提にして考えておりますので、専任の保母という観点から何とか確保につきまして努力してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○柳田委員 今給与の問題が出たわけですけれども、看護婦さんよりも安いというような声を聞いたことがあるのですが、給与水準というのはどれくらいな感じで今あるのでしょうか。
○土井政府委員 ちょっと手元に数字を持っておりませんので恐縮でございますが、短大を卒業して保母の資格を持っている方、それの勤続年数がたしか七年程度の勤続年数ということで、国家公務員の給与表を当てはめて格付をいたしているところでございます。
○柳田委員 ことしのこの長時間保育サービス事業に対する予算は幾らでしたでしょうか。
○土井政府委員 二百カ所分を予定しておりまして、四億五百万円というのを予算額を計上しております。
○柳田委員 全国で二百カ所ということになるわけですけれども、この分、全国で二百カ所、都道府県で割ればどうなるのかと考えていきますと、まだまだこれから充実していかなければならないなという気がするわけであります。予算が四億五百万円、これを考えていきますと、これから充実をしていこうとしますと、この額だけでは到底難しいだろうというふうに考えますと、この予算の面に関しても、数に関しても、これからどんどんふやしていくという感じであるのでしょうか。
○土井政府委員 新しい保育サービスの実施箇所数につきましては、ことしの秋から初めて実施をいたしますけれども、関係者の御要望等十分実情を掌握しながら今後必要な予算措置については努力をしてまいる考えでございまして、将来増額が必要ということに相なりますれば、そのような金額を私どもとしてはぜひ確保して実施をしてまいりたいと思っております。
○柳田委員 今度は企業内保育所のことなんですけれども、それだけ女性といいますかお母さんの数が集まっていればそういう企業内の保育所もできるかと思うのですけれども、逆に従業員の数が少ないところ、中小零細企業、この辺まで及ぶのかな、どうかなという懸念があるのですが、いかがでしょうか。
○土井政府委員 企業内保育でございますけれども、病院等のような特別の措置がなされているような事業所もございますが、私ども一般の企業で女性の職員の多いところということになりますと、例えばデパートでありますとかスーパーでありますとか、そういったところで今回の新しい仕組みにつきましてかなり会社側も関心を持っておりまして、どういう中身なんだというようなことを私どもの方にも照会等がございます。今後、よく関係者の御要望等をお伺いしながら、どういう程度が実態的に必要であるかということも掌握しながら、この点につきましてはいろいろな問題点の御指摘もいただいておりますので、無理のない形で事業のスタートに臨んでまいりたいと思っておる次第でございます。
○柳田委員 中小零細企業、いろいろなところも利用できるように今後努力をしていただきたいと思います。 先ほどありましたけれども、一・五七ショックというお話がありました。これも一つの話題ではあるかと思うのですが、今後やはり子供を健やかに育てる環境づくりというのも重要視されるべきであろう、そういうことで、内閣で十四の省庁から成る連絡会議をつくって、いろいろな面において総合的に真剣に取り組んでおりますというお話でありました。 こういうふうな子供を健やかに育てるいい環境づくりということを考えますと、中心は厚生省であろうというふうな気がするわけであります。中心というと、すべてが厚生省に関係するという意味ではなくて、中心的に音頭をとって皆さんいろいろ御協力をお願いしますという、そういう意味の中心なんですが、この連絡会議においていろいろと問題点は提起されている、住宅問題もあるでしょうし、女性の労働環境もあるというふうなお話でありますが、この辺について厚生省として各省庁に対して強力なお願いをしていってもらえないかな、言葉をかえますと、リーダーシップをとってやっていただけないものかなという気がしておるのですけれども、いかがでしょうか。
○下条国務大臣 この問題は、今委員御指摘のように、全般的な政策を総合的に行って初めて環境づくりができるわけでありますので、厚生省のみで目的を達成するわけにまいりませんし、また、今回の児童手当の改正問題はその一つであるという位置づけで御理解をいただきたいと思います。 都市化の進展、女性の社会進出の増大、出生率の低下などの子供を取り巻く環境の変化の中で児童福祉の向上を図っていくためには、まず第一に子育てに対する経済的な支援、また次に、保育サービスの充実、今御指摘の点でございます。それからさらには、遊び場の確保等健全育成対策の推進などの厚生省施策の推進と同時に、ゆとりある教育の確保や住環境の整備、家族がともに暮らす生活時間の確保など幅広い分野での取り組みが必要であると認識しております。このため、委員御指摘の、内閣においても関係十四省庁から成る健やかに子どもを生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議を設けまして、総合的な視点から検討を行い、去る一月二十三日に検討結果の取りまとめを行ったところであります。今後は、この取りまとめの内容を踏まえまして、児童対策に総合的な視点から一層努力するとともに、児童福祉の向上を図る立場から、教育行政あるいはまた住宅行政等に対しましても当省から積極的な取り組みをお願いしてまいりたいと思っております。
○柳田委員 今、参議院の方で育児休業法も審議をされております。これもその一環だと思うわけでありますが、きょうはそれについては深く追及するつもりはないわけですけれども、厚生省の方からも、健やかに生み育てる環境という点から、もう少し強く要求をしていただきたいというのが私の感じであります。中身についてはそれ以上申し上げませんけれども、そういう気がいたしておりますので、児童手当の今後の充実というものも含めますと、育児休業法制定、中身、この辺も厚生省の方から強力にお願いをしていっていただければなということがございます。 時間は大分残っているのですけれども、これで終わりたいと思いますが、先ほども申しましたように、児童手当の改正はこれで終わったのではなくて、これを最初として、出発段階として、今後さらに充実をしていただくことを強くお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○浜田委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○浜田委員長 この際、本案に対し、野呂昭彦君外四名提出の修正案及び児玉健次君提出の修正案が、それぞれ提出されております。 提出者より順次趣旨の説明を求めます。遠藤和良君。 ───────────── 児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○遠藤(和)委員 ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、児童手当制度の目的を踏まえ、この法律の施行後における児童手当制度の実施状況、社会経済情勢の推移等を勘案し、給付及び費用負担のあり方を含め、その全般に関して検討が加えられ、その結果に基づき、必要な見直し等の措置が講ぜられるべきものとすることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願いいたします。
○浜田委員長 児玉健次君。 ───────────── 児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○児玉委員 私は、ただいま議題となりました児童手当法の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党を代表して、その趣旨を説明いたします。 本改正案は、現行児童手当の支給期間が義務教育就学前までとなっているのを、三歳未満へと短縮しようとしております。これは現行制度からの大幅な後退です。さらに、多くの国で児童手当を義務教育終了時まで支給しているという国際的趨勢からも、大きくかけ離れたものであると言わなければなりません。 したがって、修正の第一は、とりあえず手当の支給期間を三歳未満から義務教育就学前に延長することとしております。 第二は、手当額の完全自動物価スライド制の導入であります。総務庁が実施する年平均の全国消費者物価指数が前年の物価指数を超え、または下るに至った場合においては、その上昇し、または低下した比率を基準として、政令により、その翌年の四月以降の手当の額を改定することといたします。 第三は、老齢福祉年金の本人の所得制限限度額を勘案して定めることとしている所得制限にかかわる特例を、当分の間、継続することといたしております。政府は、この厳し過ぎる所得制限さえ削除しようとしておりますが、このねらいは、第一子から手当を支給すると若い夫婦が多くなり所得が低くなるので所得制限を厳しくして受給者数を少なくしたいというところにあります。老齢福祉年金横並びの所得制限の特例は、所得制限の下支えの役割を果たしており、これをなくし、政府が自由に所得制限強化ができるようにすべきではありません。 また、支給対象の拡大及び支給期間の延長は、平成四年一月一日から施行することといたしております。 なお、本修正によって必要となる経費は、初年度において約四十五億円、平年度においては約五百三十億円の見込みであります。 以上が本修正案の内容であります。 何とぞ委員各位が御賛同くださるようお願い申し上げます。 以上です。
○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、児玉健次君提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。下条厚生大臣。
○下条国務大臣 児童手当法の一部を改正する法律案に対する日本共産党の御提案による修正案については、政府としては反対であります。 ─────────────
○浜田委員長 この際、日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の協議により、御遠慮願うことにいたしましたので、そのように御了承願い、直ちに採決に入ります。 まず、児玉健次君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。 次に、野呂昭彦君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○浜田委員長 内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案、内閣提出、参議院送付、救急救命士法案及び内閣提出、老人保健法等の一部を改正する法律案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。下条厚生大臣。 ───────────── 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案 救急救命士法案 老人保健法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○下条国務大臣 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、今回、年金等の支給額を引き上げるとともに、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給範囲を拡大することとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部改正であります。これは、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げるものであります。 第二は、戦傷病者等の妻に対する特別給付金支給法の一部改正であります。これは、昭和五十八年四月二日以後に戦傷病者等の妻となった者に対し、その特別な労苦に報いるため、特別給付金として額面十五万円、五年償還の国債を支給するものであります。また、昭和五十八年四月一日から昭和六十一年九月三十日までの間に、夫たる戦傷病者等が平病死した場合、その妻に特別給付金として額面五万円、五年償還の国債を支給することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。 次に、救急救命士法案について、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 救急医療につきましては、受け入れ側の医療機関の体制はおおむね整備されてきておりますが、病院または診療所に搬送されるまでの間の傷病者に対する救急救命処置については必ずしも十分でなく、その確保が重要な課題となってきております。 そのためには、医師が救急自動車等に同乗して必要な処置を行っていく体制を確保するとともに、医師の指示のもとに、搬送途上において必要性の高い救急救命処置を行うことができる新たな資格制度を設けることが必要であります。 このような現状にかんがみ、新たに救急救命士の資格を創設し、この制度を活用することにより消防機関の救急業務等の向上を図り、もって搬送途上の医療の充実を図ることとし、この法律案を提出することとした次第であります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律案において、救急救命士とは、厚生大臣の免許を受けて、救急救命士の名称を用いて、医師の指示のもとに、救急救命処置を行うことを業とする者をいうこととしております。 第二に、救急救命士になるためには、救急救命士国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととしております。 第三に、救急救命士国家試験につきましては、厚生大臣が行うこととすることとしております。また、国家試験を受験することができる者として、高校卒業後、二年以上救急救命士として必要な知識及び技能を修得した者並びに一定の実務経験を有する救急隊員であって所定の期間救急救命士として必要な知識及び技能を修得した者等を定めることとしております。 第四に、救急救命士の登録に関する事務及び国家試験の実施に関する事務につきましては、厚生大臣の指定する者に行わせることができることとしております。 第五に、救急救命士は、医師の具体的な指示を受けなければ、高度の救急救命処置を行ってはならないこととし、また、救急救命士は、原則として救急用自動車等以外の場所においてその業務を行ってはならないこととしております。 第六に、救急救命士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととするとともに、救急救命士以外の者は、救急救命士という名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないこととしております。 なお、この法律の施行期日につきましては、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、老人保健法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 本格的な高齢社会に向けて、国民が健やかで安心して老後の生活を送ることができるよう、お年寄りの保健、医療、福祉全般にわたる施策の充実を図っていくことが重要な課題となっております。 このため、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定し、その推進を図っているところでありますが、老人保健の分野においても介護に関する総合的な体制づくりを行うとともに、老人人口の増加に伴い老人医療費の増大が見込まれる中で、国や地方も、お年寄り自身も、制度を支える現役世代もその費用の負担を適切に分かち合い、制度の長期的安定を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、老人訪問看護制度の創設であります。心身の機能の低下した状態にある在宅のお年寄りに対する総合的なケアの体制を整備するため、在宅のお年寄りが都道府県知事の指定する老人訪問看護事業を行う者から看護サービスを受けたときには、老人訪問看護療養費を支給する制度を導入することとしております。 第二は、国及び地方公共団体の負担割合の拡大であります。現在、国及び地方公共団体は、老人医療に要する費用の三割を負担しておりますが、今後の老人問題の中心的課題である介護の重要性にかんがみ、介護に着目して公費負担を拡充することとし、老人保健施設の療養費及び特例許可老人病院のうち政令で定める看護、介護体制の整った病院に係る入院医療費について、その割合を五割に引き上げることとしております。 第三は、一部負担の見直しであります。現在、一部負担の額は、外来の場合一月八百円、入院の場合一日四百円となっておりますが、老人と若人のバランスや、他施設や在宅のお年寄りとのバランス、前回改定以来四年以上経過していること、高齢者の生活実態等を勘案し、定額負担制を維持しつつ必要な受診を抑制しない範囲でこれを改めることとし、外来については一月千円に、入院については一日八百円に改定することとしております。また、将来にわたり、老人医療費に占める一部負担の水準を維持して、老人と若人との間の負担の公平が確保されるよう、外来、入院それぞれ、一件当たり外来医療費及び一日当たり入院医療費の変動に応じて一部負担の額が改定される仕組みを法定することとしております。 さらに、初老期痴呆により痴呆の状態にある方も老人保健施設を利用できることとし、この場合の療養費の支給に関する規定を整備するため、健康保険法等の改正を行うこととしております。 以上のほか、老人の心身の特性に応じた医療サービスの提供が行われるよう、看護の方法や介護用具の研究開発に努めること、また、医療の質の評価方法の研究に努めること、医療に要する費用の額の算定のあり方についての検討等を行うこと、病院における付添看護に関する施策の推進に努めること等についての規定を設けることとしております。 なお、この法律の施行期日は、本年七月一日からとしておりますが、老人訪問看護制度に関する事項、老人保健施設の利用者の拡大に関する事項等は平成四年一月一日から、その他の事項は公布の日からとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○浜田委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、明十二日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時五十九分散会