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120回国会衆議院1991/03/26

社会労働委員会 第7号

発言数
207
登壇者
16
会派数
5
開催日
1991/03/26

会議録

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井隆憲君。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案が提出されているわけでありますので、その法律について御質問したいと思います。  現行の地域雇用開発等促進法は、四年前の昭和六十二年三月に成立したものでありますが、当時の我が国の経済状況を見てみますと、昭和六十年以来の急激な円高がありまして経済の拡大テンポというのは鈍化していたわけであります。さらに、造船など構造的な不況業種の発生がありまして、雇用需要の減退、失業率の上昇等、非常に厳しい状況で推移していたわけであります。特に、地域における雇用情勢は、当時は労働力需給の地域間格差が拡大すると同時に、雇用情勢が極めて厳しい地域が見られて、地域の雇用問題が深刻化していたわけでありまして、そういう中でこの地域雇用開発等促進法が成立したわけであります。  それで、四年前と現在とを比較しますと、最近の雇用情勢を見ますと、景気の拡大局面の中で求人が引き続き堅調に推移しておりまして、ことしの一月の有効求人倍率を見ますと、一・四四倍と引き続き高水準となっております。人手不足感が広がるなど、昭和六十二年当時の状況と比べると非常にさま変わりの状況だと思います。このような状況の中で今回法律の一部改正をするということでありますが、現下の雇用情勢、特に地域的な雇用状況をどのように認識し、また、今後の見通しについてどのように考えてこの法律改正を行おうとしているのか、大臣の御見解を伺いたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 お答え申し上げます。  いわゆる最近の雇用失業情勢について、中でも地域におけるそういう状況についてのお話でございますが、御案内のとおり、景気の持続的拡大の中にありまして求人はおおむね堅調に推移いたしておる、こういうふうに申し上げられると思うのでございます。有効求人倍率におきましても、あるいはまた、雇用者数が増加を続けてまいりまして完全失業率も低い水準にありますことも、御承知のとおりでございます。  こうした中におきまして、労働力の不足する事業所も増加をいたしてまいっておりますし、また、多くの地域におきまして企業の人手不足感が広がりつつありますことも御承知のとおりでございます。しかしながら、北海道、九州など一部の地域におきましては、雇用失業情勢の改善が依然として緩慢である、そして、全国的に見た地域間格差も大きくなりつつある、そのほか、総量といたしましては雇用機会不足は解消されたと見られる地域におきましても良質な雇用機会が乏しい、そして、若年者を中心とした労働力が流出するなどの問題が見られるところでございます。  今後については、労働力人口の伸びの鈍化が見込まれることから、これは大体一九九五年を分岐点にいたしましてこれからは微増でございますが、そういうこと、あるいは経済が安定した拡大を続ければ全体としては労働力需給は不足基調で推移するものと見込まれるわけでございまして、地域間の雇用機会の格差の拡大も懸念されるところでございます。その是正が必要な政策課題となってきた、こういうふうに考えておるところでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 雇用機会の格差が地域間において依然として大きいし、また懸念されるということは、確かに御指摘のとおりだと思います。そのような雇用情勢の中で、今回のこの一部法律改正ですけれども、法改正における施策の概要はどのようなものであるのか、お聞かせ願えればと思います。簡潔で結構です。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 それでは、時間の関係もあられるようでございますから、簡潔に要点を整理して申し上げますが、新規学卒者、Uターン就職希望者の地元就職を促進いたしたい、今般の改正法においては、地方圏においてこれらの者の能力等にふさわしい職業の雇用機会を創出するための諸施策を講ずるというのが主なる一つの目的でございます。  概して申し上げまして恐縮でございますが、時間の関係あるとおっしゃいますから……。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 雇用環境整備地域というものを設けるというふうに伺っておりますが、指定地域としては何カ所ぐらい予定されているのか、また、具体的にはどのような地域を想定されているのかを教えていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域としての指定を受けますには、道府県が自主的にその地域に関します雇用環境整備計画を策定するなど、地域の創意と努力を前提とした主体的な取り組みが必要になるわけでございます。私どもといたしましては、こうしたことを踏まえまして、初年度におきます雇用環境整備地域は約十カ所程度を見込んでおるわけでございます。  また、こういった地域は、全体としての雇用機会不足は解消されたわけでありますけれども、職種別に見た場合の雇用機会が不足しておるわけでありまして、新規学校卒業者等の若年者が他地域において就職する傾向が見られるなどの要件を満たす地域であって、また地域における一極集中を排除するといった観点を加味いたしますと、一つの具体的な例としては、県下第二、第三の都市というものを中心とする地域が一応の具体例というふうに考えられるわけでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 今回の改正によって、魅力のある雇用機会が不足していることから、労働力の流出が続いている地域を雇用環境整備地域として指定して、種々の施策を講ずるということでございましたけれども、地方で聞いておりますと、本人もですけれども、お父さんたちも強く地元に子供たちが定住して勤務されることを希望しているような感じであります。そういう意味で、地域社会のあすを担う新規学卒者等の若年層の流出状況、そしてその背景、そういうものがどうなっているのか教えていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 先生がただいま御指摘のとおりでございまして、新規高校卒業者は地元で就職したいという気持ちを強く持っているわけでございますが、文部省の平成二年度学校基本調査報告書によりますと、平成三年三月の新規高校卒業者の うちで県外に就職した者の割合は、全国平均で二三・八%でございまして、約四人に一人が県外に就職をいたしておるわけでございます。この割合は北東北とか山陰、九州等で特に高い傾向にあるわけでございまして、これらの地域におきましてはほぼ四〇%を超えるような状況になっておるわけでございます。  このような新規学校卒業者が就職に当たりまして重視しております点を見ますと、仕事の中身や自分の能力が生かせること等を挙げる者が多いわけでございまして、また希望する職種も、事務職とか専門職を挙げる者が多いわけでございますけれども、地方圏におきましてはこれらの雇用機会が少ない現状にございまして、どうしてもやはりこういった関係から新規学校卒業者は域外に出ていってしまう、こういう状況にあるわけでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 新規学卒者は、確かに今おっしゃるとおり私の地元でもかなり県外に流出しております。私の同級生自身も県内に残っておるのがかなり少ない状況でございまして、そのような新規学卒者等若年者の地元定着対策としては、現在労働省はどのような施策を講じているのか、教えていただきたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。  最近の若者、労働省の統計で見ましても、地元定着の希望が、若干ではございますがふえてきておるようでございます。そういうことで、公共職業安定所では、まず学校と密接な連携を図りまして、これら新規学校卒業者の希望に沿うように、地元で就職をなさるように援助を行っておるところでございます。  具体的には、新規中学、高校卒の就職希望者につきまして、学校の就職担当の先生方と協力いたしまして、職業適性検査を活用した職業指導によりまして適切な職業選択を行うように促しますとともに、本人の希望に応じました職業情報を提供し、あるいは希望に応じた求人がないかどうか、求人開拓を行い、また、地元の企業に一堂に会していただきまして合同の選考会等をを開きまして的確な職場をあっせんする。さらには、地元に就職されました方々の定着を図るために職場適応指導をするなど、一貫した援助を行いまして、新規学校卒業者の方々の適性、希望に合った就職の定着の促進に努めているところでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 若年労働者の地元定着を促進するためには、若年者の就業ニーズを踏まえた魅力のある雇用機会の開発が重要であるということでございますが、今回の法律改正では、そのような雇用機会を開発するための支援措置として具体的にどのようなものを用意されているのか、御答弁願いたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、新規学校卒業者は専門的な職種等を希望しておるわけでございます。また、労働条件面でも魅力のある職場を期待しておるわけでございまして、そういった職種、労働条件等質的な面におきまして、その地域雇用開発に大きなインパクトを与えるようなモデル的な雇用機会を提供するという事業主につきましては、五年間にわたりまして計一億円の助成金を支給するということを盛り込んでおります。  考えられますことは、例えば研究所を設置してもらうとか本社機能をつくってもらう、あるいはソフトウエア等の情報関連職種等が考えられようと思いますけれども、そういったようなモデル的な雇用機会を提供する事業主に対して助成をするというものでございます。  また、そういったモデル的ということではございませんでも、地域の策定する雇用環境整備計画に適合する雇用機会を提供いたしまして、かつ、福祉施設等を充実させる事業主に対しましては、日本開発銀行等による低利融資をするようにしたいと思っておりますし、また、新たに設けます基金制度によります資金の融通の円滑化を図るための債務保証を行うことによりましてバックアップをしていきたいというふうに考えております。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 この地域雇用開発等促進法が成立した昭和六十二年ですけれども、このときに第四次全国総合開発計画が閣議決定されているわけであります。この第四次全国総合開発計画においても、東京一極集中の是正が緊急な課題として位置づけられておりまして、政府全体として各種施策が強力に推進されてきているところであります。  例えば、東京圏への人口転入超過数というものは、平成元年においては約十二万人と幾分低下しているものの、なお大幅な流入が続いております。こうした人口または産業の東京圏への一極集中の結果、地価が高騰している、過密がある、そのような弊害が生じておりまして、こうした首都圏における過密による弊害の結果、首都圏労働者を中心に、より豊かな勤労者生活を求めてUターン志向など地方定住志向が高まっていると思われます。  例えば、雇用問題研究会が実施した「大都市圏と地方圏の労働力需給の不均衡と勤労者生活に関する調査」というものがありますが、その調査によりますと、東京の勤労者のうち、地方出身者は五四・三%とかなり多くの人がUターンなど地方志向を持っております。また、地方志向の者の中では、二十から二十四歳の人たちよりも四十代の人がUターン志向が強く、五十五歳から五十九歳の定年を迎えるころの年齢の人にも四〇%を超える地方志向が示されております。具体的にも、私の先輩なんかでやはり東京に住んでいて、定年退職を迎えるころに東京からかなり離れたところに住んでいても、その辺で東京まで二時間もかかって出てくるぐらいだったら田舎に引っ込んだ方がましというような考えを持っている人がいまして、したがって、地域雇用対策としては、新規学卒者だけでなくて、中高年の都市圏勤労者のUターン対策も全体として必要とされると思うわけであります。  現在、労働省は、このあたりについてどのような施策を講じていらっしゃるのか、御答弁願いたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 先生のお話のとおり、最近、Uターン希望者というのは、単に新規学校卒業者のみならず、中高年齢者を含めてその意欲は非常に強いようでございます。従来、職業安定機関におきましては、学生職業センターという形で、特に若年、新規学卒の方々を中心とする職業センターをつくりまして、Uターン等についてもお手伝いしてきたわけでございますけれども、平成元年度から人材地方還流促進事業というものをスタートさせまして、その具体的な実施機関といたしまして、東京都内にございます飯田橋の公共職業安定所と同じ建物の中に人材Uターンセンターを設置いたしまして、各地方の職業安定機関との密接な連携のもとに、先生御指摘の、中高年齢者の方を含めましてUターンを希望している方々に対しまして、現在、地方におきまして企業が新たに立地しているとか、現存の企業がどういう人を求めているのかとか、それから、技術革新等に伴う新たな事業展開をしておるのでこういう人材を必要としているというような情報を提供いたしまして個別の相談に応じますとともに、反面、地方におきましてUターン希望者を採用している企業につきましても、こういう希望者がいる、こういう人材がいるというような情報も提供いたしまして、その採用等についての相談を行っているところでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 今回の法律改正に当たって、若年者の地元定着対策と並んで、ただいま御答弁にありましたように、都市圏勤労者のUターン対策も念頭に置いているということでありますが、そのような都市圏勤労者のUターンを促進するため、魅力のある雇用機会の開発のほかにどのような支援措置を用意しているのか、御答弁をお願いします。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 都市圏の勤労者のUターンを促進するための具体的な施策といたしましては、雇用環境整備地域において造成されます基金によりまして、この地域へのUターン就職希望者に対し てこの地域における求人情報等を提供する業務を行うこととしておりますが、そのほかに、雇用促進事業団によります移転就職者用の宿舎の設置におきましては、この地域に特別の配慮を行うことといたしております。また、入居者要件の緩和によりまして、他の地域からのUターン就職者に対して、公共職業安定所の紹介を得ないでも貸し付けが行われるようにいたしますなどの措置も用意をいたしております。また、Uターン希望者の多くは、地元において文化的な施設等も求めておるわけでございまして、やはり雇用促進事業団の設置いたします福祉施設の設置につきましても特別の配慮をしてまいる考えでございます。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 ただいま御答弁にありましたように、Uターン希望者の中には、確かに地元の方で住宅とかいろいろな附帯的な施設を要望している人も非常に多いと思います。そういう点についてもこれから十分配慮していっていただきたいと思いますけれども、基金で行う人材確保事業においては、どういった職種に携わる者とかどういった年齢層の者をターゲットにしているのか、そしてまた、そうしたUターン希望者をどのように把握し、かつ把握したUターン希望者をどのように当該地域において創出した魅力ある雇用機会に結びつけ、地元定着を図っていくつもりなのか、お答え願いたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 基金で行います雇用情報の提供におきましては、そのような各地域の必要に応じまして地域ごとに職種を、場合によりましては年齢も含めて定めて事業を実施していくことになるわけでございますが、一般的に申し上げますれば、専門的、技術的な職業でございますとか、あるいは事務的職業等の職種が考えられるわけでございます。Uターン志向が強い二十代後半から三十代の年齢層が中心になろうかというふうに考えております。  また、都市圏在住のUターン希望者の把握方法といたしましては、地元に住む父兄等の親類縁者の方や、あるいは出身校の関係者から幅広く情報を提供していただくことを考えております。そうしまして、こうして把握しましたUターン希望者を地域において開発されました雇用機会に効果的に結びつけますために、全国の公共職業安定所のネットワークもこういった基金と有機的に連携をとって仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 Uターン対策については、まず、今御答弁ありましたように、実際の実情、どういう人が希望しているのか実情を把握することがまず先決でございますから、今御答弁にありましたように、十分これから念頭に置いて対策を講じていかれることを心から念願する次第であります。  ところで、先ほど、昭和六十二年に決定しました第四次全国総合開発計画のことを申し上げましたけれども、この第四次全国総合開発計画とか、あるいは昭和六十三年に閣議決定された経済運営五カ年計画、この計画にも人材の地方定住促進ということがうたわれております。当該計画と今回の地域雇用環境整備構想、その関係がどうなっているのか、その点についてお聞かせ願えればと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 第四次全国総合開発計画におきましても、地方圏において若年者、高学歴者等にとっての就業の場がふえ、若年層を含め人口の地方定住が進むということが一つのビジョンとして考えられているわけでございまして、今般の地域雇用環境整備構想は、東京一極集中の是正や国土の均衡ある発展を直接的な目的としたものではございませんけれども、魅力のある雇用機会が少ないこと等から東京圏へやむを得ず来ている若い方々の地方定住や、都市圏在住のUターン希望者等の地方還流を促進するための雇用環境を整備することによりまして、勤労者の職業及び生活の安定の実現を図ろうとするものでございます。  したがいまして、今回のこの地域雇用環境整備構想というものは、地域の活性化を図り、人口及び産業の東京一極集中を是正いたしまして国土の均衡ある発展を実現するという、この第四次全国総合開発計画等の基本理念にも沿うものであるというふうに考えております。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 我が国において国内的な大きな問題は、やはり東京に一極集中している、いろいろな、人口も、そしてまた産業も一極集中が図られている、地方は農業問題もありますし、いわゆる過疎が進んでいるということが非常に問題だと思います。そのために、先ほどから何度も申し上げるように、若年者の地元定着、そしてまたUターン対策、そういうものを進めていって、そして人材の地方定住促進というものを通じた地域の活性化ということが国政上の喫緊の課題であると強く感ずるところであります。雇用機会の開発とあわせて、各種生活環境の整備などの魅力ある地域づくりも含めた我が国全体の総合的な全体的な取り組みが必要でありまして、そのためには、まさに人を扱う労働担当大臣として、労働大臣が各省庁の先頭に立ってかかる総合的な政策を推進していくべきだと思います。  そういう意味で、ぜひ大臣の熱意ある御答弁、決意のほどをお伺いして、最後の質問としたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 先ほどから坂井先生、地域雇用法、新法の趣旨につきまして基礎的なところをいろいろ御指摘をいただいておるところでございますが、特に、ただいま御指摘、御質問いただきました、いわゆる今回のごとく一工夫をいたしまして、あるいは二工夫をいたしまして、魅力ある地域におきまする雇用の機会の拡大も大事であるけれども、同時にまた、その地域全体の各種の環境整備も必要ではないか、そういうお話でございます。私も全く同感でありますと同時に、あわせまして私ども労働省、労働行政の観点から、各関係機関、団体等に、際立ってこの機会に、この法案が成立をいたしまするなれば、基礎にいたしまして、一段と努力を積み上げてまいらなければならないと思う次第でございます。  殊に、地方に、いわゆるゆとりと豊かさのある勤労者生活の実現に向けまして、平素私ども申し上げておりまするように、今や産業優先の時代からいわゆる労働力尊重の時代、そういうふうに地方におきましても大きな変貌を遂げつつある、かように私どもは考えておりまして、ただいま先生御指摘の関係機関等との連絡を密にいたしながら努力を続けてまいりたい、かように考えております。

坂井隆憲自由民主党

○坂井(隆)委員 どうもありがとうございました。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 岩田順介君。     〔委員長退席、石破委員長代理着席〕

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 ただいま坂井委員が御質問なされましたが、若干ダブる部分があると思いますけれども、なるべく割愛をしてまいりますが、ぜひともよろしく御答弁のほどをお願い申し上げておきたい、このように思うわけであります。  この地域雇用開発等促進法、これは六十二年に制定をされたところであります。この制定された当時の経済状況は、私が言うまでもないわけでありますけれども、円高不況のもとで大変な雇用調整が行われた時代でありました。例えば、当時、中小企業庁の調査がございますが、これは昭和六十年から六十一年、輸出型、輸出に依存をしておる産業の、とりわけ中小企業が最も打撃を受けた時代ではなかったか、こういうふうに思うわけでありますが、例えばパート化が積極的に進められる、これはやがて特殊地域、特定の地域だけではなくて全国的に蔓延をしていくという状況になっていくわけであります。同様に、その時期は新規採用が全く手控えられた、こういう産業も多く出ているわけであります。もちろん人員削減、さらには六十一年の秋以降というのは解雇、一時休業、こういったものが全国に広まっていく、そういう状況の中でこの法律は制定をされたわけであります。  四年後、経済は一変をいたしましたけれども、総務庁の統計によりますと、これは昨年の十二月の統計でございますが、全体的には雇用情勢は非 常に好調になっております、回復をしておりますけれども、しかし、一定の地域には完全失業率、さらには有効求人倍率が依然として上がらない、こういうことが明確になってきておるわけであります。  さらに心配しますのは、今後、経済の推移のいかんによらず、そういった不況地域、いわゆる回復の遅い地域の中での格差がもっともっと広がっていくのではないか、こういうことが心配をされるわけであります。経済の動向とこの雇用情勢というのは表裏一体のものでありまして、湾岸戦争後の経済がどうなるのか、とりわけアメリカ経済が回復するかどうか非常に議論が集中しておるところでありますが、しかし、我が国にとってはこの日米経済摩擦というのは、けさのニュースでも、自動車等のアメリカにおける深刻さが報道されておりましたが、米に加えて、一層逼迫するものになるのではないか。一方、東アジアのASEAN、NIES等の台頭やECの統合、こういったものと絡み合って、果たして日本の経済はどうなっていくかという心配がありますけれども、とりわけここでは、現在のこの労働情勢、特に地域別に見た雇用の状況がどうなっているのか、さらに、今後の見通しについてまずお伺いをしたい、こういうふうに思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 最近の雇用失業情勢は、景気の持続的拡大の中で求人が堅調に推移いたしておりまして、求人倍率も一・四倍台の高水準で推移をいたしておりますし、雇用者数も増加を続けておるわけであります。完全失業率も二・〇から・二%の低い水準となっておるわけでございまして、労働力不足の事業所が増加をいたしまして、多くの地域で企業の人手不足感が広がっているわけでございますけれども、ただいま先生御指摘のように北海道、九州等の一部の地域におきましては、有効求人倍率がまだかなり低い水準にございます。現在は全国の有効求人倍率、一・四四でございますけれども、北海道は〇・六八でございますし、九州は〇・九八でございます。依然として雇用情勢の改善が緩慢でございまして、全国的に見た地域間格差も大きいわけでございます。また、全国的には雇用情勢はよくなっておるわけでございますけれども、総量としての雇用機会不足は解消されましたけれども、地域的に良質な雇用機会が乏しいということから、若い方々を中心に労働力が地方から出てきてしまう、こういう問題も見られるわけでございます。  今後につきましては、若年の労働力が減少していくなどによりまして、労働力人口の伸びが鈍化していくことが見込まれておるわけでございまして、経済が安定した拡大を続けますれば、全体としては労働力需給は不足基調で推移することが見込まれるわけでございます。  そういうことで、労働力不足の基調で推移することが見込まれるわけでございますけれども、しかし、やはり政策の的確な対応をいたしませんと、地域における格差といったようなものが拡大するということは十分に考えられるわけでございまして、こういった点への対応がただいまから十分に行われるべきであるというふうに考えておるわけでございます。このような状況を踏まえまして、今後とも雇用対策の適正な運用を進めてまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 今、見通しについてお話がございましたが、なおかつその中で心配いたしますのは、全体的にもそうでありますが、地域における中高年の対策です。これはなお厳しいものがありますが、これから先の対応には十分な御配慮をいただきたい、かようにお願いをしておきたいと思います。  次に、地域雇用対策の現状についてお尋ねをいたしますけれども、まず政府は、昭和六十四年度の予算で大規模雇用開発モデルプロジェクトにかかわる大規模雇用開発促進助成金というものを支給をされております。これは百名以上の雇用の場の開発を行う事業者に対して助成を行う、こういうふうになっておる事業でありますが、私の地元、北九州におきましても、新日鉄が行いましたスペースワールド、これが計画をされまして、今オープンをしておりますけれども、この大規模雇用開発モデルプロジェクトの概要及びその事業内容も含めた実施状況についてお伺いをしておきたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。  大規模雇用開発モデルプロジェクトは、地域雇促進法に基づきます雇用開発促進地域内におきまして、地域の関係者が一体となって推進します大規模で良質な雇用機会の開発を促進するための取り組みに対しまして援助措置を講ずることによりまして、効果的な地域雇用開発の促進及び地域の活性化に資することを目的として発足、運営されているものでございます。具体的には、今お話ございましたように、百人以上の雇用の場の開発を行い、かつ地域の経済、雇用への相当程度の波及効果があることなど、雇用開発に特に資すると認められるものを対象とすることといたしております。認定した計画につきましては、関係の道府県、関係の公共職業安定所、計画を策定いたしました事業主等を構成員とする推進会議を設置いたしまして、そのプロジェクトに求職する方々の職業能力の開発、就職の促進を図りまして、計画を元了した事業主に対しましては、雇い入れ規模が百人以上の場合は二億五千万、二百人以上の場合は五億円の大規模雇用開発促進助成金を支給することといたしております。  この大規模雇用開発モデルプロジェクトといたしましては、これまで北海道のMt.レースイ・スキーリゾート計画及び製紙工場の建設計画、先生お話ございました福岡県のスペースワールド建設計画、大分県の一村一品クラフト公園のハーモニーランド計画及び熊本県のマリンレジャーボート工場建設計画の五つについて認定しているところでございます。なお、現在まで製紙工場建設計画、及びスペースワールド建設計画につきましては、既に計画を完了いたしまして営業を開始しております。そしてこれらの計画によりまして、それぞれスペースワールドは四百七十八名、製紙工場につきましては百一名の雇用機会の開発が行われているところでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 次に、先ほども議論がありましたが、我が国は昭和三十七年に全国総合開発計画が発足いたしまして、現在四全総が実施をされているところであります。以後、政府として均衡ある国土開発を進めてこられた、こういうことになっておりますが、例えば地域振興対策につきましては、私の出身であります産炭地域の産炭法を初め、過疎地域対策さらには多極分散型国土形成促進法と、これはたくさん施行、実施をされているわけであります。また、産業振興対策につきましても、特徴的なものは昭和四十年代に、四十七年でありますが、工業再配置促進法、こういったものがかなり出されまして、これが総合的に実施されているかどうかということが一つ問題でありますが、しかし現実としては、一極集中主義というものが前進をして、必ずしも国土の均衡ある発展というふうになっているかどうか、非常に疑問な点があるわけであります。現状、雇用の問題でまいりますと、地域格差はなお依然として解消されていない。むしろ、申し上げましたような産炭地だとか過疎等はなお厳しい状況にある、こういうことだろうというふうに思います。  そこで、政府は平成二年度の予算で、地域活性化のための地域雇用開発プラン策定援助事業、こういったものを実施をされておりますが、これを含む過疎地域等開発プロジェクト、これらも創設をして、現在実施をされておるところでありますけれども、これらの事業は都道府県段階で地域雇用開発協議会、これに委託をして事業を推進することができる、こういうふうになっておりますけれども、その後、この事業についてどういうふうに実施、運営されているか、その状況についてお尋ねをしたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように近年、地方圏におきましては、過疎地域を初めといたしまして、雇用就業の場の絶対数が不足しているというような構造的な 雇用問題を抱えまして人口の減少等が生じている地域が見られるところでございまして、これらの地域におきましては、まず雇用就業の場を確保するということが非常に重要となっているわけでございます。このため平成二年度より、過疎地域等の雇用開発の必要性が特に高い地域につきまして、過疎地域等雇用開発プロジェクトというものを新たに設けまして、地域的な雇用構造の改善を図るべく努力しているところでございます。  具体的な事業といたしましては、まず第一段階として、当該市町村の雇用開発のためのプランの策定に必要なソフト面の援助を、お話ございましたように、道府県の雇用開発協議会に委託して行うわけでございます。また第二段階といたしまして、当該プランに基づきます雇用開発の事業の具体的な実施に対しまして、日本開発銀行等政府系金融機関を通じた長期、低利融資などの資金面の援助を行うほか、公共職業安定所、人材Uターンセンターを通じました人材あっせん、さらに、事業主等への委託訓練等による人材育成を行う人材面の援助を行うこととしております。平成二年度は初年度でございまして、現在第一段階でございます地域雇用開発プランづくりを全国で二十八市町村を対象として実施しており、今年度中にそれぞれの結果が得られることになっておるわけでございます。今後におきましても、過疎地域を含む雇用開発の必要性の高い地域を対象といたしまして、この事業を効果的に逐次実施してまいりたいと考えておるわけでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 今、御説明をいただきましたけれども、全国でいろいろ活動されているということは資料もいただいておりますが、中でもとりわけ、比較的活発に行われている、そういった報告もいただいております。聞くところによりますと、北海道等ではこれを法人化してやっていっておる、さらに他の県も、こういった動きに続いて活発化するというような県もあるやに聞いておりますけれども、これらについて、もうひとつ詳しく協議会の活動、さらには構成等についてお聞かせをいただきたい、かように存じます。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 まず、地域の雇用開発を効果的に推進していくためには、何よりも地域の関係者の皆様方がみずからの創意に基づき、主体的にこの雇用開発に取り組んでいただくことが重要であるわけでございます。そういうことで雇用開発促進地域ごとに地域雇用開発会議を設置いたしておるわけでございますけれども、さらに道県レベルにおきましても、具体的な地域雇用開発のための取り組みについて国として積極的に援助する必要があるということで援助策を講じているところでございます。このため昭和六十三年度から、地方自治体や労使団体等が構成員となり、当該道県におきます地域雇用開発の方向やあり方等の検討や提言を行うなど、県レベルで雇用開発の推進に取り組んでいただいている団体でございます都道府県の地域雇用開発協議会におきましては、まず雇用開発アドバイザー、そういう専門の方を置きまして、関係企業、地域等の相談に応じ、また指導をする、また地域雇用開発の具体的な推進方策とか可能性につきましての調査研究を行う、さらには地域の雇用開発を推進するに必要な、その中核となる人材の育成のための研修会を実施する、また促進地域ごとに置かれております地域の雇用開発会議との情報交換、意見交換等の交流を行う、また具体的に市町村が雇用開発プランを作成する際のソフト面の援助を行うというような事業を実施しておりまして、国はその活動につきまして指導援助を行っているところでございます。  なお、現在地域雇用開発協議会、道県レベルの協議会でございますが、北海道、東北、九州地域などを初めといたしまして、全国で十八の道県において設立されておりまして、それぞれ地域の実情に応じた活動を積極的に行われているところでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 今御答弁をお聞きしまして、地域の実情に応じて地域の皆さんの自主的な対応を促す、さらにはアドバイザー等もこれに参加をさしていくという話でありますが、地方というのは情報化時代、国際化時代というふうに言われておりますけれども、やはり非常に立ちおくれているというのが現状ですね。どのようにノーハウを指導していくのか、環境をつくっていくのかというのが大変大きなこれから先のポイントになるんではないか。例えば、過疎地においても優秀な、熱心な方々が集まってイタリアと直接デザインの交渉をして縫製業をやるというようなことは発想として考えられるのですけれども、そういった能力というか、いわゆる基盤がないんですね。そうすれば金も物も伝票も、一回東京から外国ということではなくて、直接やれるというようなことを考えていくことも、やはり国際化時代と言われるこれから先の一つの発想であろうというふうに思うのですが、これは私の意見でありますので申し添えておきたいというふうに思います。  大規模雇用開発モデルプロジェクト、さらには過疎地域対策雇用開発プロジェクト、こういったことについて今御説明をいただいたわけでありますが、また労働省として地域雇用に関する指導援助の状況の御説明もお伺いをいたしました。この間の経済変動、産業構造の変化に対応して効果のある施策が講じられてきたんではないかというふうに私は評価をするところでありますが、何度も申し上げますけれども、中職審の建議にも触れておりますように、それでもなおかつ立ちおくれた地域も相当ある、これが実態であります。私は、これらの状況を踏まえた上で今後なお一層こうしたプロジェクトの計画や実施、展開、こういったものが必要になってくるであろうというふうに思います。日本は小さな国でありますけれども、やはり小さいだけに地域状況と環境の格差が歴然としている。これにつきましては、なお地域に応じた多角的というのか、多様なプロジェクトも今後検討されていいんではないかというふうに思いますけれども、いかがでありましょうか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 ただいまの御質問にお答えいたします前に、先生が地域雇用開発協議会の仕事について、なかなか地域にはそういったノーハウを持っている人がいない、そういうようなノーハウを地域に持ち込んで新しい仕事をつくっていくべきではないかというようなお話がございました。デザインのお話もございましたけれども、私ども全く御指摘のとおりだというふうに思います。地域雇用開発協議会の仕事も、いろいろな方面からの人々の知恵を集めまして、そこに新しい仕事を創出して魅力のある雇用をつくっていくということであろうというふうに思っております。今後ともそういった方向で地域雇用開発協議会の仕事を盛り上げていきたいというふうに考えております。  大規模雇用開発モデルプロジェクトは、雇用失業情勢が厳しい地域について地域関係者が一体となって大規模な雇用開発をするものでございますし、また、過疎地域等雇用開発プロジェクトは、雇用失業情勢の特に厳しい地域について、地域の皆さんがみずからの創意に基づいてそういう雇用開発のプランづくりをしようというものを援助する、こういったことによりまして地域に根差した真に望ましい雇用開発を推進しようというものでございます。  全国的には雇用失業情勢は改善をされておるわけでございますけれども、先ほど来御指摘のような、依然として雇用失業情勢が厳しい地域も残されておるわけでございますし、今後ともそういった地域間の格差が広がっていくというようなことも考えられるわけでございます。できる限り早く適切に施策を打っていくことによりましてこういったことを解消していかなければならないわけでありますが、このようないろいろなプロジェクトのように、地域関係者が一体となって主体的にその地域に根差した雇用開発を推進していくことは、ある意味ではますます必要になっていくだろうというふうに考えておるわけでございまして、その意味でこういったやり方の雇用開発の施策を今後とも推進してまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 先ほどから何度も局長が強調されておりますように、この地域間格差をどういうふうに解消していくのかということについて御答弁がございましたが、平成元年度の地域雇用関連助成金の活用状況を見ましても、局長も、九州や北海道はなおかつ有効求人倍率が上がってないとおっしゃいましたが、それに比例をしてこの助成金の活用状況も群を抜いております。なぜこういうふうになったかというのは、長いこれまでの、日本の戦後の歴史といってもよろしいのでありますが、北海道、九州にいわゆるエネルギーの大部分を依存してきたということがありまして、昭和三十年代にこれが転換をいたしまして、しかも内陸部あたりが空洞化する、なおかつこれらが、放置されているとは言いませんけれども、残っている、こういう状況を如実に示しているのではないかと私は思うのであります。  しかし、いずれにしましても雇用情勢の回復が今もって厳しい地域には、北海道、福岡、東北、いろいろ指摘がございますけれども、それなりの事情と構造的な条件というものがあるだろうというふうに思われます。これらの地域には現在実施されております諸施策を初め、引き続きこの地域雇用対策を強力に推し進めることが言うまでもなく必要だろうというふうに思います。  今般の法改正によって、建議にも示されております先ほど申し上げましたような地域における施策、これはどのような影響を受けていくのかお聞かせをいただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 北海道、九州等の一部の地域について依然として厳しい雇用失業情勢が続いている、地域間格差はむしろ拡大しているという認識をいたしております。こうした地域は総量としての雇用機会が不足しておりまして、依然として求職者が多数滞留している地域でございますので、今回の法律を改正していただきました後におきましても、引き続き、事業所の設置、整備を行い雇用機会の拡大を行います事業主に対しまして、地域雇用開発助成金でございますとか、あるいは先ほど来お話のございました大規模雇用開発促進助成金を支給するなどいたしまして、雇用機会を増大させるための直接的な手厚い援助措置を講ずることによりまして雇用開発を推進していきたい、これは従来と同じでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 何度も産炭地の問題を出して恐縮でありますが、これは出身であるということよりも、むしろこれほど構造的な打撃を受けた地域はないだろうというふうに思っておりますから申し上げるのでありますけれども、産炭地や過疎地域というのが最も雇用情勢、失業情勢というのが厳しい。これらの地域の共通点は、たくさんありますけれども、今日的な問題でいいますと高齢化社会の問題が一つあると思います。これらの地域は、やはり高齢化社会を先取りをしているという現状にあることは説明の要はないと思います。もう一つは、地方財政の現状は極めて脆弱であって、みずから地域における基盤整備をするという余力がない、こういうことが言えるのではないかというふうに思います。  過日、衆議院では産炭法を通していただきましたけれども、この産炭法は十年延長となっておりますけれども、合わせますと四十年の臨時措置法になるのですね。異例な法律なんですよ。こういうことはあってはならないというふうに私は思っておるわけでありますが、なおかつやはり疲弊が残っている、こういうことだと思います。  先ほど、いわゆる各省庁間の連絡協調を大臣も御答弁になっておられましたけれども、たくさんの施策が行われておりますが、必ずしも重なっているかどうかということが一つは問題がある。先ほども御質問申し上げましたが、だれが何を指導するのか、ノーハウという問題がありましたけれども、こういった点も今後の地域雇用問題についても重要な問題になっていくんではないかというふうに私は考えるわけであります。そういった意味で、当該地域にとってはこれから先の地域活性化の問題というのは切実な問題でありますけれども、この点につきましては大臣から、これまでも積極的な見解が示されておりますけれども、あえて方針と決意を表明をいただきたい、かように思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 率直に申し上げまして、岩田委員はこの道の専門家であり、かつまた、そのような地域社会を背景にされまして造詣の深いところをお聞かせいただいておるところでございますが、ただいま御指摘になりました問題、特に先ほど局長の方からも御説明申し上げたところでございますが、依然として雇用失業情勢の厳しい地域、この一つの地域社会に対しましては、ただいま御指摘のように、いろいろ私ども制度としてあるいは行政事業として経験を進めてまいっておるところでもございますが、あわせまして、今次のような一つの法改正、趣旨、目的のもとにいわば新政策を起こしてまいりますけれども、それを御指摘のように、これでもか、これでもかと、言うなれば多段階にわたりまして集中的にその地域の雇用開発対策を強力に進めていく必要がある、かように考えておるところでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 次に質問を移りたいと思います。  現行法におきましては、一定の有効求人倍率等を基準に雇用開発促進地域等が指定をされている、こういうふうになっておるわけであります。今般の改正によりますと、名称が変わりまして雇用機会増大促進地域というふうに改められるわけであります。法改正の背景としては、先ほどからも出ておりますように、四年前の経済情勢と現在の経済情勢並びに雇用情勢が違うということがあることだろうと思いますけれども、この改称された理由、定義を変更するという理由は一体何なのか、これをお聞かせをいただきたい。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用開発促滝地域と雇用機会増大促進地域でございますが、両地域の考え方やこれらの地域において講ぜられます施策につきましては基本的には変わってないわけでございますが、その地域が総量として雇用機会が不足している地域であるということをはっきりいたしますとともに、構造的に雇用機会が不足している地域を対象として施策を講ずることといたしましたために、定義規定を若干変更することにいたしますとともに、その名称も雇用機会増大促進地域というふうにしたわけでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 この地域雇用という名称が使われた法律というのはこの法律が初めてでありまして、後ほど時間があれば触れてみたいとは思いますけれども、先ほどの坂井委員の御質問にもありましたが、人を中心とした雇用政策をどうするのか、その意味では雇用基本法みたいなものに発展をさせてほしいというふうに私は思って質問をしているわけであります。  次に、今御答弁がありましたように、この名称を変更することの意味、定義を変えることの意義について御説明がございましたが、現行法に基づくこの雇用開発促進地域、これは附則二条にかかわるみなし地域を含めて当然新法に基づく増大促進地域に改めて指定されるというふうに考えられるわけでありますけれども、念のために確認をしておきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 先生ただいま御指摘のとおりでございまして、新法の施行に伴う施行措置といたしまして、現行法に基づきます雇用開発促進地域はすべて、当初付されました指定期間が終了するまでの間、新法に基づく雇用機会増大促進地域とみなされるということになっております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 続いて関連した御質問をさせていただきたいと思いますが、現行の雇用開発促進地域につきましては、特段短縮期間が決められていなかったと思いますね。一応五年という指定期間がございましたけれども、短縮をする、卒業させるということは決めておられなかった、かように思うわけであります。ところで、今般、雇用機会増大促進地域というふうに変わるわけで、それにかかわって指定期間を短縮することができる、こういうふうにされているわけでありますが、その理由は一体何なのか、お聞かせをいただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用機会増大促進地域の指定期間内にその地域の雇用失業情勢が著しく改善されまして、雇用構造が改善されたと認められるに至ることはあるわけでございまして、現行法におきましても、指定の当時に求人倍率が一を切っておったところが現在二を超えてしまっているというようなところが現実にあるわけでございます。こういう場合に雇用機会増大のための措置をとり続けますと、かえってその地域の労働力需給バランスを乱すことにもなるわけでございます。こういったような地域雇用開発の対策というものは、機動的であることが必要でございます。こうしたことにかんがみまして、雇用失業情勢によりまして的確に対応していくために、この地域の雇用構造が改善されてない場合に指定期間を延長できることとしていることに加えまして、ただいまお話ございましたように、雇用構造が改善されました地域につきましての指定期間の短縮ができる、そういう規定を設けることにしたものでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 機動的であることが必要であるというふうにおっしゃいましたが、いつまでも続けていくということではありませんから、これは理解をするわけであります。また、確かにこの指定地域における雇用の情勢というのはそれぞれ地域における特性や地場産業等の動向によって、短期間の間に地域における経済状況さらには有効求人倍率の変動というのがあることは想定される、かようには思っているわけであります。しかしその際、短縮基準についてはどういうものをお考えになっているのか、若干御説明はございましたけれども、短縮する場合どのような地域となるのか、お尋ねをしておきたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 御質問の短縮の基準につきましては、現在、当該地域におきます求職者が相当数減少する、かつ、求職者の総数に比しまして雇用機会の不足する状況が著しく改善された、非常によくなったと認められること等を考えておるところでございますが、現在指定を受けております雇用開発促進地域の中にもこうした地域が見られるというふうに考えておりますけれども、具体的な地域につきましては、この法律の施行後、それまでの状況を見て確定していきたいと考えておるところでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 この法律の後に決定をするということであります。先ほども申し上げましたように、地域指定というのは一定の基準のもとに指定を行ったわけでありますから、雇用対策の実行に伴って状況が好転すれば卒業もあり得る、これは当然のことであろうというふうに思うわけであります。しかしながら、これまた何度も申し上げておるところでありますけれども、現在指定されている地域はそれなりにかなりいろいろ難しい問題を抱えているということが想定をされるわけであります。したがいまして、多少改善が見られた、好転をした、こういうことになっても基盤そのものが安定しているかどうかという点ではなお不安が残る地域も多いのではないかというふうに思います。  したがって、安易に指定の期間の短縮、さらには解除、これは果たしてどうか、こういうふうに心配をするわけであります。もし短縮措置を講じようとする際には、地域の実情を勘案し、慎重に、しかも地域の関係者の意見を聞くことは言うまでもありませんけれども、また経過措置等についてもこれは当然とられてしかるべきではないかというふうに考えておりますけれども、いかがでありましょう。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 指定期間の短縮につきましては、ただいまお答え申し上げましたように、雇用失業情勢が著しく改善するなど、その地域の雇用構造が改善されたと認められることをその条件とすべきであると考えておりますが、この指定期間の短縮の際には関係者の意見をよく配慮すべきであるということは御指摘のとおりでございます。この点につきましては、指定期間というものは政令の中に盛り込まれるわけでございまして、短縮もまた政令によって行うものでございます。それまでの過程で中央職業安定審議会の意見を聞くことになりますし、また政令で行うということでございますので、法律上も「都道府県知事の意見を聴かなければならない」ということになるわけでございます。こういったような十分慎重な手続をもって対応すべきものというふうに考えております。  さらに、指定期間が短縮されました場合には、この法律の二十七条の規定に基づきまして適当な経過措置を設けることといたしております。したがいまして、先生ただいま御指摘のような御趣旨は当然でございまして、この経過措置の中で十分そういったことを考えていくべきであるというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 この間のこの法律による影響というのは極めて大きかった。とりわけ中小零細企業の方々がこの法律で援助を受けたという実態は、御説明がありましたとおり、極めて大であったというふうに思います。これは地域においても事業主においてもそうであります。したがって、この法律の改正によって短縮されるのではないかという心配を持っている地域と雇用主というのは、大変多くの地域の方々に及ぶのではないかというふうに思います。そういった意味では重要な問題でありますが、今局長から御答弁いただきましたけれども、大臣からも、短縮措置を講ずる場合についての見解について、決意についてお願いをいたしたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 御指摘のように、地域の雇用構造が改善された、そういうふうに認定される条件が、局長も明確にお答え申し上げましたように、前提であると思っております。もちろんのこと関係機関、団体等ともしかるべき連携をとらなければならないし、さらにまた、ただいま局長答弁申し上げましたように、経過措置等におきましても説明のとおりでごぎます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 よろしく御配慮のほどをお願いをしておきたいと思います。  次に、雇用環境整備地域の問題に質問を移りたいと思います。  この四年間の経済情勢は、何度も言われておりますように、一変をしたというふうに言ってもよろしいと思います。好景気の持続が記録的なほどに続いている、こういう時代であります。しかしこの間、雇用状況もかつてないほど変わりましたけれども、とりわけ若者を中心とする勤労者の労働に対する意識も多様に変化をしてきた、こういうことも言えるのではないか。三K時代というふうに言われて久しくなっておりますけれども、いずれにしましても、今回の法律改正というのがこういった好景気のもとに行われる。今般の法改正では、新たに雇用環境整備地域を設定して地域の雇用促進を支援する、こういうふうに目的がなっているわけでありますが、新しい発想として環境整備地域を設定された眼目、ねらい、これらについて御説明をいただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 全国的に地域の雇用情勢は改善されてきておるわけでございますけれども、多くの新規学校卒業者の方々が、地元で職を得たいという強い希望を持っておられるにもかかわらず、新規高校卒業者の場合四人に一人は地域外に出て、県外に出て就職をされるというような実情でございます。多くの都会で働いている方々が、豊かな居住環境を求めて、あるいは自然の環境を求めて、ふるさとに帰りたいという希望を持っておられるわけでありますけれども、なかなかそういった方々が受ける魅力のある雇用機会と申しますか、こういった方々を引きつける雇用機会が乏しいというのが現状でございます。若い方々も専門的な職業等につくことを希望されるわけでございますけれども、現実に地方の職業構造を見ますと、間接的な職業というもののウエートが少のうございまして、直接的な職業というもののウエートが高くなっているというようなことでございまして、やはりなかなか若い方々を引きとめることができないという現状でございます。したがいまして、こうした人たちの能力にふさわしい職業をつくっていく。  これまでは地方における雇用の不足ということ で、量的なものを拡大しようということで政策を進めてまいりましたけれども、ある意味で質的なものを目指す、こういった方々にふさわしい魅力のある雇用機会を創出していくということを目的といたしまして雇用環境整備地域をつくりまして、この雇用環境整備地域に立地する事業に対しまして必要な援助を行う、あるいは福祉施設の設置を進めていく、こういったような助成、援助、配慮を行う、こういうことによって若い方々、Uターンの方々を地域に呼び戻し、定住の促進を図ろうというものでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 次に、今申されましたが、若者の流出現象、これについて労働省がどういうふうに把握されているのかお伺いをしたわけでありますが、調査室からいただきました資料にも、「大学生の就職実態調査」というのがございまして、時間がありませんから詳しくは申し上げませんが、例えば出身県で就職をすることに対して、視野が狭くなるとか自分のイメージに合う会社がない、それから希望する仕事がない、将来性がない、雇用条件のよい会社がない等々多岐にわたっているわけでありますけれども、さらに平成三年の大卒の就職先地域の調査も同時に出ておりますが、これなどを見てみますと、首都圏の就職が五四%を超えていますね。これに京阪神を入れますと七〇%を超すわけです。ちなみに、私の福岡県などに首都圏から来る人はたしか一人か二人しかいないですね。これはいろいろな意味で大変でありまして、雇用の問題も大変でありますが、自治体やその他企業もそうでありますが、頭脳の集積も東京一極集中、これもやはり大変な問題だというふうに改めて心配をしているわけであります。  ところで、こういった実態について労働省はどういうふうに把握をされておられますか、御質問をしたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 若者はどうして出ていくのであろうか、また若者にとってどういう職場が魅力ある雇用機会であろうかというようなことで、労働省の委託調査をしたわけでございますけれども、やはり地方出身者が現に大都市圏で就業をしている。その理由といたしましては、まず第一に挙げられますのは、地元に勤め先が少ないから、働く場が少ないからというのが四一%でございます。また、自分の能力を生かせる仕事につきたかった、能力に合う仕事が地元になかったということでもあるのでございましょうが、これが三六・八%となっておりますが、このように積極的に大都市に志向しているというより、むしろ地元に良好な就業の場が少ないということで大都市圏に就職する方が多いというふうに考えられるわけでございます。  また、近年の所得水準の向上、あるいは勤労者の意識の変化等を背景といたしまして、若者にとって魅力ある雇用機会の条件というのは一体何であろうかということを考えてみますと、まず自分の能力、経験等を十分に発揮することが期待できる職業であること、また賃金水準や週休二日制等の労働条件面でも一定の相当程度の水準であること、あるいは福祉施設を含めた福利厚生制度及び自己の能力を開発してくれるような能力開発制度が整備されていること、そういうような条件の整ったところが若者にとって魅力ある雇用機会というふうに言えるのではなかろうかと考えておるわけでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 Uターンの志向者というのは年々ふえているという御説明がございました。これもいただきました資料によりますと、首都圏に勤務する地方出身者の中で、勤労者の三人に一人はUターン志向希望がある、こういうふうにも言われております。ところで、既にUターンした者の動機を見てみますと、両親と一緒に住みたいとか、生まれ育ったところに愛着を持つとか、ゆとりだとか自然だとか、こういうことが主になっておりますけれども、やはり大都市と地方の自然環境の問題、それから物価等の問題、さらには大きくは心の問題、ゆとりの問題、こういったことが言えるのではないか。そういった意味では、今次長からも御答弁がありましたが、地域における環境の整備いかんによっては随分効果があるというか、人の多極分散が進むのではないかと考えるわけであります。したがって、この傾向は続くというふうに思いますけれども、今若干御説明がございましたが、労働省としてはどういうふうに把握されているのか、今後の傾向も含めてひとつお尋ねをしておきたい。Uターン志望者の動機、動向、こういったものについて御説明をいただいておきたいと思います。

青木豊労働省職業安定局業務調整課地域雇用対策室長

○青木説明員 先生御指摘のように、平成元年に民間調査機関が調査いたしました調査によりますと、首都圏に勤務する地方出身の勤労者の三四・二%は出身地への就職意向というものを持っております。また、六十三年に私どもが委託調査をいたしたところによりますと、東京におります勤労者のうち、いい仕事があれば地方に移住して地方で働きたい、あるいは老後地方で働きたいと思うなどの何らかの意味で地方志向を有している者の割合というのが四二・七%、四割強に上っているわけでございまして、基本的には、こういった傾向はこのままであれば続いていくのだろうといううに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 高齢化社会の進展、それから自然環境の問題が大変問題になっております。さらに、住宅事情や通勤事情等々を勘案すると、それらを背景にUターン志望者の増加というのは今後も引続き考えられるわけであります。しかしながら、現実問題としてUターン志望者がUターンを決意するというのはやはりなかなか困難な状況がある、なお多くの問題がある。教育があり、文化があり、生活環境全体の問題があるし、福祉、医療の問題もあるわけであります。考えられることはたくさんありますけれども、労働省としては、Uターンを妨げている主要な原因について、総合的に見ますといろいろお答えになっておられると思いますけれども、改めてお聞きをしたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 労働省が委託いたしました調査結果によりますと、Uターン就職など地方就業が困難な理由としては、まず自分の希望する仕事が地方には少ないというものが六三・七%、三分の二ぐらいあるわけでございます。また地方の求人等の情報が少ない、どういう職場があるのか、そういうような情報が少ないというのが五六・七%となっておるわけでございます。また同じ調査によりますと、Uターンなどの志向者が地方に望む環境整備といたしまして、まず自分に合った仕事の場というのは当然でございますが、交通及び生活の利便さ、公共施設、上下水道、病院等、文化的な活動のための施設、子供の教育環境等に関するものが先生御指摘のように多くなっておるわけでございます。そういうことから見ますと、やはり総合的に見まして、地方においては勤労者の個々人に適した雇用の場が少ない、あるいは医療、文化、教育等のいわゆる定住条件が不十分であるということがUターンを妨げる理由になっているのではないかと思われるわけでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 中央職業安定審議会の建議では、「地方圏においては、高度な技術や技能を有した勤労者を受け入れるに足る雇用機会、文化施設や医療・教育施設の整備を含めた定住条件、種々の情報に接することによって行われる自己啓発の機会が十分でないことから、地方圏での定住に踏み切れないでいるケースが多くあることも指摘されている。」こういうふうにこの建議では指摘をしておられますけれども、若者の地方定着あるいはUターンを実現するにはやはり多面的な対応、つまり総合的な地域づくりといったものがなければ、個々の政策をそれぞれにやっておったんでは大した効果、意味をなさないということはこれまでの施策でも明らかであります。それには地元自治体、企業、こういったところの積極的な参加は言うまでもありませんけれども、何よりも労働省を中心とした他省庁との連携が不可欠であることはもう言をまたない、かように思うわけであります。この点について労働大臣の決意のこもった御答弁をお伺いしたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 先生御指摘のように、若者の地元定着あるいはUターン等を促進するためには多面的な対応、あるいはまた、その地域の個性に応じたいわば地域政策づくりと申し上げますか、そういうような広範な一つのすそ野に立たなければいけない、そういうお話でございますが、全くそのとおりであろうかと思います。同時にまた、これらの若い人たちが魅力を持ち、そしてまた、能力にふさわしい一つの雇用開発、その道を講じていくことが必要であるわけでございまして、先ほども先生御指摘でございましたように、例えば教育、医療、文化、そのほかいろんな生活環境等の整備も進めていかなけりゃならぬということをお話がございましたが、まさにそのように認識いたしております。  したがって、新法の施行に当たりましても、いわば地域の政令指定や私どもの指針の策定におきましても、その段階で関係省庁と十分な連絡をとりまして、そして協議を行いながら、ただいま申し上げましたような意味におきまして、その地域の産業政策はもとより、その他の地域振興施策とも連携をとって対応していかなけりゃならぬ、かように考えております。     〔石破委員長代理退席、委員長着席〕

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 ぜひ御努力をいただきたいと思います。  昨年の十二月の十四日、十五日、社会党は地域介護システムの問題につきまして、大分県の西国東郡の真玉町というところに視察に行ってまいりました。私も参加をしてきたわけでありますが、ここは人口が四千六百七十九人、高齢化率が何と二八%になっておるわけですね。それから、十年後のいわゆる統計上の予測によりますと高齢化率は五〇%を超えることは間違いない、こういう状況です。全国でも有数の高齢化社会を形成しているわけですね。農村地域でありますが、減反で百姓をする、農業をする若手がいないのです。お年寄りはもうできない。  そこで、お年寄りの生活実態について私も幾人かの方々、お年寄りとお会いしてまいりましたが、そこでは比較的こういう方が多いですね。私はおやじが生きているうちにぜひとも帰ろうと思って田舎に帰ってきました。息子や娘は北九州や大分や大阪に行っています。大体そんな調子なんですね。そして、自分たち夫婦はもうここで、この自然の中で余生を送りたい、終わりたい。息子や娘が別府に出てこいとか大分に来ないかとかというのはあるけれども、もうあんなところには行きたくない、あんなところというか都会には行きたくない、ここで余生を送りたい。かといって、かつてのように定年間近になって、定年になったら帰って後を継ぐとか農業するとかという農業がないわけですからね、こういう状況なんですよ。じゃあ、おじいちゃんおばあちゃんは今後どういうふうにするんですか、動けなくなったら何とか考えていきましょうというのんびりした御返答もありましたけれども、町長さん以下この地域活性化には大変なわけなんですね。  そこで、今大臣が御答弁いただきましたが、大規模開発プロジェクトができる、今回の促進地域ができる、そして、その他幾つかの過疎山村などがありますけれども、それでもなおかつ残っていく、こういった地方をどうするか。この愛情こもった目でもって地域活性化のための御努力をしてほしい。大分に行ってつくづく再確認をしたのは、高齢化社会というのはやっぱり雇用の問題ではないか、こういうことなんですね。先ほどもお尋ねした中にあるわけでありますが、Uターン志向者の中で、また、このUターンを現実にして地域に帰った方の中で比較的多いのは、両親と一緒に暮らしたい、これはやっぱり日本人として安心をいたすわけでありますが、高齢化社会は突き詰めていくとやっぱり雇用の問題ではないか。したがって、そういう意味では労働省の果たされる役割は極めて大と言わざる得ない、かように思いますので、改めて御要望しておきたいというふうに思います。  次に、今般この法律を改正をして新たに実施されようとしております施策は従来のものと違いまして、従来は失業の予防とか失業者の再就職の促進、言ってみれば消極的な側面が多かったのではないか。今回のそれは地方に魅力をつくる、こういった雇用政策で積極的に取り組まれようとしている。しかも、大臣の御答弁もありましたように、労働条件や生活環境も含めた幅広い視野を入れた積極施策であろう、こういった点では評価をするわけであります。そうすると、この法律の目的規定、先ほども若干環境整備地域についての御答弁ございましたけれども、法律の趣旨がはっきりわかるように改めたらどうかというふうに思いますけれども、いかがでしょう。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 今回の改正は、御指摘のように、従来の施策と異なりまして、全体としては雇用機会の不足が解消された地域について魅力ある雇用機会をつくるということを促進していこうというものでございます。  で、目的規定につきましては、今回第一条におきまして、新たに雇用環境整備地域というものについても地域雇用開発のための措置を講ずることを明記することにいたすとともに、この地域雇用開発の概念につきまして、二条において、従来の内容、つまり総量として雇用機会が不足しております地域について雇用機会を創出するということに加えまして、魅力ある雇用機会を創出することをも含むそういうような措置を講じたわけでございます。  いずれにいたしましても、これらの施策はいずれも究極の目的としては労働者等の職業及び生活の安定に資することを目的とする、これは第一条に書いてあるわけでありますが、「もつてこれらの者の職業及び生活の安定に資することを目的とする。」というふうになっておるわけでございまして、現行法の目的規定に十分含まれているというふうに考えまして、この部分につきましては特段改正する必要はないと判断したものでございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 この間労働省は各般の施策を講じてまいられたわけでありますが、この法律の改正で一方新たな雇用政策が展開される、こういうことになるわけであります。四つの区分を指定して、均衡ある雇用を目指していく、こういうふうになっておるわけでありますが、さらには、雇用というのは産業政策と表裏一体のものでありまして、ぜひとも総合政策、地域の基盤整備にも特段の配慮を払った御努力をお願いをしておきたい。  さて、何度か出ておりますけれども、やはり東京一極集中という問題は大きい問題でありまして、今回労働省が推進していこうとする政策構想とも密接に関連をする問題である、かように私は思うわけであります。中職審の建議でもそのことは触れざるを得ない、こういうふうになっているところではないかというふうに思います。いろいろな多極分散型の国土形成をしてきたけれども、なおかつこの人口集中は依然として進行している、問題の大きさを指摘をしておられるわけであります。土地の問題等々ありますけれども、資本の論理というのは、水の流れと同じようにお金が集まるところ、人が集まるところ、流通がいいところ、ますますこれは集中をするわけでありまして、したがって、結果今日のような状況になっているわけであります。  今国会の冒頭で海部総理大臣も、今の経済は維持しながらもやはり国民一人一人が平等で公正な社会をつくっていかなければならぬ、こういうふうにも言われておりますが、これを図るためには果たしてどういうふうにしていくのか。多極分散の問題というのは労働省も大変大きな課題ではないか、かように思うわけであります。それで、こういった問題意識のもとにおける労働行政が果たす役割について大であると思いますが、御答弁をいただきたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 地域に産業を興しまして経済を活性化する、言うなれば、ただいまお話のございました一極集中を多極分散の方向に展開をしていく、その上におきまして労働行政、殊に地域にお きまする労働者の雇用開発ということは非常に重要な側面を持っておる、したがって、そういう観点から労働行政はもう少し地域の総合振興計画等に積極的に参加するべきではないか、また、そういう意欲を持つべきであるという一つの啓発を含めました先生の御指摘でございます。まさに御指摘のとおりでございまして、今次の法改正を皆様方の御了解をいただきまして成立を得ましたなれば、今回の法改正の趣旨もまたその方向にございますから、大いに地方の開発、発展のためにも貢献を申し上げていく、こういうような心得で当たらせていただきたいと思います。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田委員 ありがとうこざいました。  国土開発の問題、それから多極分散の問題というのは、日本だけではなくて先進諸国が抱えている共通の問題でもあるわけですね。例えばフランスのパリでどういうふうにしていくのか、ロンドンでどうなのか、それからドイツのボンがどうなのか、いろいろ国土計画の中で多極分散という問題が問われているというふうに私は思うわけであります。例えばイギリスにおいては戦後、一九四五年に工業配置法というのができておりますが、これが一九六〇年には地方雇用法に変わるわけですね。時間がございませんから多くは申し上げることができませんけれども、地方雇用法に工業配置法が変わった幾つかの特徴点を私なりに申し上げてみますならば、つまりロンドン白書というのが出ておりますけれども、ロンドン等の大都市の集中を規制をする、そして政府機関を可能な限り分散をする、これが積極的に行われている点が日本の現状とは一つ違うのではないか、こういうふうに思うわけであります。  大都市集中の規制が行われている。それから政府自身が地方開発に当たってみずからの機能を縦割りから一極になるべく集中をする、こういったことも大胆にやられている点がまず目につくわけであります。さらに、これは私の感想でありますが、勤労者を大事にする、労働者を大事にする。極端に言えば、日本のように不況になって産業が東京に移る、臨海地方に移る、そうしたら労働者がそれに後追いしていくんじゃなくて、労働者がいる、勤労者がいるところに産業を誘致する、こういった点では勤労者、人を大事にするというこが大変問題になって、さらにそれに福祉政策が加わって地方雇用法になっていったんではないかというふうに思うわけであります。東京についてはどう規制するかというのは大変な問題でありますから、これは私はきょう議論することを考えてはいないわけでありますけれども、諸外国の状況についてもひとつ御賢察をいただければというふうに思います。  最後になりますけれども、今般のこの改正によりましてぜひとも、先ほど申し上げましたようこ、私の理想でありますが、地方雇用法じゃなくて雇用法というような、いわゆる豊富な政策、法律になっていくような、そういったことを念願をしておる、こういう心境でございます。ある意味では日本の雇用政策というのは産業政策の副次的なものではなかったか、私はこういうふうに言いたいわけであります。労働力の尊重の時代、こういうことも言われておりまして、確かに労働市場の構造的な基調変化の中で、方向も変わり出した、こういったときであるからこそ、労働省がむしろ各省庁を引っ張っていく時期になってきたのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。  先ほど御答弁いただきましたが、再度、最後に労働大臣の決意をお聞かせいただき、私の質問を終わりたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 最後の締めくくりのところで、大変基本的な私どもの労働行政に携わる要諦と思われるところを御指摘いただいておるかと思います。言いかえますと、労働行政はいよいよ重要な国家政策の最たるものになってきた、したがって、根幹である、そういう御指摘でございます。特に先生お話がございましたように、従来はえてして国の経済産業政策の受け皿的一つの立場にあったかとの御指摘がございましたが、決してそれを否定できるものでもなかろうと思う次第です。むしろ、今日におきましては労働市場のいわば構造的変化等を考えてまいりますと、産業優先の時代から労働力尊重の時代へと誇りを持って、自信を持って、そして国民の期待におこたえしなければならぬ、かように考えております。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 午後零時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十九分休憩      ────◇─────     午後零時三十三分開議

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。網岡雄君。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 午前中同僚議員から、雇用情勢そして従来の雇用開発促進地域についての質問がございました。私は、今回の法律改正によりまして新たに設けられることになりました雇用環境整備地域について基本的な考え方をお尋ね申し上げ、かつ雇用環境整備計画の策定、同時に雇用環境整備基金の運用などについてお尋ねをしてまいりたいと思います。  まず最初でございますが、この法律によりまして新たに雇用環境整備地域というのが設定されることになったわけでございますが、この環境整備城になりますためには、その前提の条件といたしまして、まず特定雇用機会不足地域の政令指定を受けるということが前提条件となっておりまして、さらにもう一つの条件としては、都道府県、関係市町村協議の上でつくられる地域雇用環境整備計画がつくられて、これが労働大臣の承認を得た段階で雇用環境整備地域というのが生まれることになるわけです。  まず第一にお尋ね申し上げたい点は、雇用環境整備地域になる前提条件といたしまして、特定雇用機会不足地域というのが政令で指定されることになっておるわけでございますが、この指定をされる際の指定基準というものは一体どういう内容を持っているものか、この際明らかにしていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 特定雇用機会不足地域といたしましては、人口等の一定の集積がある一つの労働市場圏としてのまとまりのある地域でありまして、全体としては雇用機会の不足が解消されましたものの、職種別に見た場合に雇用機会が不足しており、若年者を中心に労働者が他地域に就職していく傾向が見られる地域を考えております。その基準といたしましては、職種別に見た雇用機会の不足状況を見るために職種別有効求人倍率等、また、労働力の移動状況を見るために求職者の域外就職率等を勘案することといたしております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 そこで、重ねてお尋ねをいたしまけれども、雇用環境整備地域の定義といたしまして、今御答弁にもありましたが、「その適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業に就くことを促進する必要があると認められる求職者に係る」ということで法第二条第一項第三号の二に規定されているところでございますが、これについては具体的にどのようなものが考えられているか。特に今御答弁にもございましたが、望ましき職種というものがどういうものを実際に地域の若者が望んでおるのか、雇用側の考えというものを、この際、労働省がどういうふうに把握をされているか、明らかにしていただきたい。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 お答え申し上げます。  若者がその地域から大都市圏へ流出していく原因の一つとして、その適性、能力にふさわしい適合した雇用機会が乏しいということが挙げることができるわけでございますけれども、具体的には各地域それぞれによってその特性、状況が違いますので異なるわけだろうとは思いますが、一般的に申し上げますと、それはやはり専門的、技術的な職業あるいは事務的な職業といった職種にかかわる雇用機会が不足しているのではなかろうかということで、雇用環境整備地域においてはこうした職種の雇用機会を創出していきたいというように考えておるわけでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは次に、雇用環境整備地域は、一体労働省としては今日の時点でどの程度の指定をされるお考えを持っておみえになるのか、その辺を明らかにしていただきたい。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域は、全体としての雇用機会の不足はないものの、職種別労働力需給の不均衡の程度が高いこと、若年者の域外就職の程度が高いこと等、一定の要件を満たす地域について人材の確保、定着を図ろうとするものでございます。また、このための促進策も、道府県が自主性を持ちながらその創意と努力を前提として国がこれを支援しようとするものでございます。私どもといたしましては、これらのことを考慮いたしますと、初年度は約十地域程度が指定されると見込んでおります。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 今、初年度としては十地域程度というお答えがあったわけですが、これは地域雇用開発等促進法の一部改正に伴う法律案の参考資料として私どもに配付をいただいたものでございますけれども、「一般就職者の地域別受入・送出率」という表がございますが、それを見ますと、送出をしている、よそへ行っている率というものが高いところは、東北の二四・五、そして南関東が比較的高くて一二・九、北陸が八・二、近畿が六・七、山陰が五・三、四国が六・〇、北九州が八・三、南九州が一四・三、沖縄も非常に高くて五七・一、こういうふうになっているわけです。別の言葉で言えば流出ということになると思いますが、こういう非常に高い流出率、送出率というものを持っている地域が今申し上げましたようにかなりあるわけでございます。労働省はこういう統計数字をお持ちになっているわけでございますから、先ほど言われたように、いわゆる魅力のある雇用というものに飽き足らず、結局魅力のある雇用条件のあるところに、東京その他のところに集中していく、こういう現象が出ておるわけでございますが、そういうことからいいますと、今言ったような地域というのはやはり今お答えいただいたところに該当すると思います。そうなりますと、今年度十地域の指定ということは、初年度でございますから、私も率直に言って、出発点としてはこんな程度かなというふうに理解をいたします。しかし、これは後でまたお尋ねをしたいと思っておりますが、来年度から積極的に今度の法律で新しく想定されたこの雇用環境整備地域というものを設定をされて、そして魅力ある雇用、魅力ある地域づくりということに、新しい雇用体制を築くための第一歩をしるされようとしているわけでございますから、そういう観点で行政を進めていくということになれば、少し回りくどいお話ですが、さっき言ったような流出地域があることから見ますと、かなりの地域が該当してくるというふうに思うのでございます。そうなりますと、次年度からもやはり相当の地域指定というものが必要になってくるというふうに思うわけでございますが、これらの点について、今言った現状の把握をした上で、労働省としては一体将来どういうお考えをお持ちになっているのか、この辺をひとつ明らかにしていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 ただいま先生御引用になりました「一般就職者の地域別受入・送出率」の表を見ましても、相当の地域で送出が多いという状況でございます。十地域と申しましたのは初年度のことでございまして、今後とも地域の雇用状況、若年者の流出状況等を十分勘案しながら特定雇用機会不足地域の指定等を行ってまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、雇用環境整備地域における施策と申しますものは地域の熱意と努力が前提でございます。今後とも私どもそういった地域における高まりを期待をいたしておりまして、そういう中で積極的に展開してまいりたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、地域雇用開発指針という問題について若干御質問申し上げたいと思います。  地域雇用開発指針というのが法の第六条に規定されているのでございますが、この点について、お伺いいたしますけれども、第六条では、この地域雇用開発指針においては、雇用環境整備地域における地域雇用開発の促進に関する基本方針や地域雇用環境整備計画の指針となるべき事項について定めるものとされていますが、労働省は、この地域雇用開発指針の内容としては一体具体的にいかなるものを考えておいでになるのか。第七条の二の第二項の内容について具体的に御説明をいただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 地域雇用開発指針の内容は、雇用環境整備地域における地域雇用開発の促進に関する基本方針及び地域雇用環境整備計画の指針となるべき事項でございます。  具体的には、一つには、地域別に見ました有効求人倍率など労働力需給その他雇用の動向でございます。二点目は、適性、能力等にふさわしい職業につくことを促進する必要があると認められる求職者の特定及び職種、労働条件、福利厚生水準等を含めた開発が望まれる雇用機会の内容等、この地域におきます地域雇用開発の方向についての基本的な考え方でございます。第三点は、職業能力開発の推進を含めました地域雇用開発の目標達成のための方策でございます。四点目は、計画期間の定め方でございまして、そういったものが記述されることになるわけでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 そこで私、特に質問で労働省側の考えを確認しておきたいことでございますが、御案内のように、労働者が希望を持って職場に定着し、また、大都会からUターンするのを促進するためには、当然魅力ある労働条件というものが前提になっているわけでございます。そういう意味で、その最も核ともいうべき週休二日制の推進などを中心といたします労働時間の短縮、そして賃金といったような労働条件の改善の項目を積極的に取り入れることが不可欠だと思うのでございます。こうした点が含まれるのかどうか。特に私が指摘をいたしました週休二日制の推進などを含めました労働条件の改善について、きちっとこの点が位置づけられていくものになっているのかどうか、その点についての労働省としての基本的な考え方をお伺いしておきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 若い方々が地域に定着をするという場合に、その魅力ある雇用機会と申しますものは、仕事の内容、それから、ただいま先生御指摘の労働条件でございます。都会からUターンを希望する方々も同様でございます。したがいまして、地域雇用開発指針の中の、週休二日制の推進等労働条件の改善は、魅力のある雇用機会として重要な要素でございまして、地域雇用開発の目標に関します事項にそれを位置づけることを考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは、この際、職業訓練について若干御質問を申し上げたいと思います。  御案内のように、今日の時代というのは技術革新の時代とも言われているわけでございますが、この技術革新などが急速に進展していく一方で、中小企業を中心に労働力不足が深刻化していることは御案内のとおりでございます。特に地域の中小企業を中心に、経営者側は腕のよい、質のよい技能労働者を欲しがり、労働者もみずからの技能を高め、その技能を十分に発揮し、充実した職業生活を送りたいと考えているところでございます。  このような中で、魅力ある雇用機会の開発、魅力ある地域づくりを実現していくために、地域ニーズに応じた能力開発施策の整備が極めて重要な問題であるというふうに私は思うわけでございます。このために、先ほども答弁がございましたが、地域雇用開発指針において職業能力開発に関する事項をはっきりと位置づけるとともに、公共職業訓練施設を核として、中小企業人材育成プロジェクトなどの民間における職業訓練をも十分に活用した地域の職業能力開発システムというものを早急に構築していくことが極めて大切だというふうに考えるわけでございます。  そこで、労働省にお尋ねをいたしますが、今般の法律案により指定された地域に対して具体的にどのような体系でこの能力開発施策、職業訓練行政というものを推進されようとしているのか、お伺いをしたいと思います。

菊地好司労働省職業能力開発局長

○菊地(好)政府委員 お答えいたします。  労働省では、地域ニーズ、特に地域の中小企業やその労働者のニーズへの対応を重点といたしまして各種の職業能力開発施策を展開しているところでありますが、特に本法により指定される地域に対しましては数々の配慮をする所存であります。  まず、教育訓練を計画的に行ったり労働者の自己啓発の努力に対しまして援助を行う事業主などに対して、訓練コストや賃金の一部を助成する生涯能力開発給付金等の積極的活用を図っていくことはもちろんでございますけれども、御指摘のございました公共職業訓練施設における現に働いている在職者などの訓練につきましては、その地域の訓練ニーズを踏まえまして、訓練科目あるいは訓練を受ける時期あるいは訓練の期間、長さなどを設定するなど公共訓練の一層の推進を図っていくこととしております。  さらに、多様な職業能力開発の場を提供するための施設でございます地域職業訓練センターを設置する場合には、当該指定地域に対しまして特別の配慮を行い、そして中小企業の高度化、高付加価値化のために計画的な人材育成を行おうとする中小企業団体に対しまして特別の助成を行う中小企業人材育成プロジェクトにつきましては、対象団体としての優先指定を行うなどの手厚い措置を講ずるほか、教育訓練を行う民間事業者に対する施設整備のための低利融資を行うこととしております。  このように地域ニーズに対応した職業能力開発施策を行政、民間が一体となって弾力的かつ積極的に講ずることによりまして、雇用環境整備地域における職業能力開発ニーズに十分こたえてまいりたいと考えております。  なお、特に御指摘のあった点と関連しますが、地域に必要な職業能力開発を図っていくためには公共職業訓練施設の果たす役割には重要なものがあると認識しておりまして、今後のあり方を含めまして、公共職業訓練全般のあり方について現在関係審議会で御議論いただいているところでございまして、その報告を踏まえながら、御指摘の点を参考にしながら対処してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 これは私の考え方を述べて、ひとつ参考にしながら職業訓練行政に努力をしていただきたいと思います。  公共職業訓練施設が中心になることは当然でございますが、しかし、先ほどもお話がございましたが、中小企業人材育成プロジェクトというのは民間の特に中小企業が行う職業訓練の場といたしましては非常に重要な役割を持っているところでございます。したがって、やはり公共の職業訓練と民間の職業訓練が両輪のように回転をするということが大事でございますので、その辺も頭に入れながら、全体の能力開発が前進をするようにぜひひとつ心がけていただきたいということを申し上げておきます。  次に、地域雇用開発指針の策定に当たっては当然関係省庁の諸施策との連携が大切だと思うのでございますが、この点について労働省側のお考えをお聞きしたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 地域雇用開発指針の策定に当たりましては、法律上も第六条三項におきまして関係行政機関との協議が義務づけられておるわけでございます。これによりまして関係省庁との諸施策の連携が図られるわけでございまして、私ども、そういった形で関係省庁との連携に努めてまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 今まで、地域雇用開発指針の問題、それから週休二日制を中心といたします労働条件の改善に特に意を用いながらやってもらうという問題、それから職業訓練の問題、それから今の地域雇用開発指針の策定に当たって関係省庁との諸施策の連携が非常に大事だということは中央職業安定審議会でも建議の中で明確に入れられているところでございますが、この際、労働省の最高の責任者であります労働大臣の所信をお伺いいたしたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 先生御指摘の週休二日制の問題、あるいはまた各地域におきまする経済産業政策と十分連携をとりながら進めていく、あるいはまた、ただいま具体的に地域雇用の策定を進める上におきまして指針づくり等においても十分地域と連絡をとって進めなければならないという御指摘、全くそのとおりでございまして、先ほどからもろもろ局長が答弁申し上げましたような姿勢におきまして、十分御指摘のことを留意しながら進めてまいりたいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは、問題の地域雇用環境整備計画について若干お尋ねをしてまいりたいと思います。  地域雇用環境整備計画は、従来の雇用開発促進地域では一定の条件のある地域を政令で指定し、必要な援助措置が講じられていたわけでございます。今回新たに設けられることになりました雇用環境整備地域につきましては、特定雇用機会不足地域、先ほどの質問の中にも申し上げましたけれども、不足地域として政令で指定するだけではなくて、当該都道府県に地域雇用環境整備計画を策定するということが実は必須条件になっているわけでございます。これを承認するということになって初めてこの条件が整っていくわけでございますが、承認制というところまでのこのような、言うならば非常に丁寧な、今まで申し上げた全体のシステムがとられたということは、労働省側の判断としては一体どういう判断があってこういう制度をつくられたのかという点についてお尋ね申し上げたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 現行の地域雇用開発促進法の制度は、量的に雇用が不足しているところについて雇用を創出していこうというものでございます。この地域については政令による地域指定というものに係らしめておるわけでございまして、承認はございませんが、今回の雇用環境整備地域において魅力ある雇用機会を開発して若い方々の地元就職やUターン就職を促進していこうということについては、地方公共団体等地域関係者の自主的な創意や努力が不可欠でございまして、国としてはこうした地域の自主的創意とか努力を支援する形で施策を講ずるということにいたしておりまして、ここが基本的に違っているところでございます。そこで、雇用環境整備地域としての客観的条件を満たしておる、それは政令で指定してということになるわけでございますけれども、それに加えて、地元の熱意と努力、創意の上に立った自主的な計画の策定を求めまして、国としてこれを承認して援助、助成を行う、こういう構成にしたものでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 御答弁があった理由につきましては、私どもある程度理解をするわけでございます。  後でちょっと申し上げますけれども、次に質問をいたします。地域雇用環境整備計画に係る第二条第四項の政令で定める期間としては、一体どれぐらいの期間を想定されておみえになりますか。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 今回の雇用環境整備地域におきます地域雇用開発も、現行法の雇用開発促進地域の場合と同様、都道府県の策定する計画に沿いまして中長期的な視点で行われるものであるというふうに考えております。したがいまして、施策を講ずべき期間も現行の雇用開発促進地域と同様に中長期的な期間を考慮すべきであり、したがって、政令で定める期間としては五年程度の期間を予定しておるわけでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、整備計画の策定及び実施に当たりまして、当該地域の労働団体を初め関係労使の意見を十分反映させるようにすることが非常に大事なことだというふうに私は思うわけでございますが、この点についてどのようになっておるのでしょうか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域に対します施策は、地域の自主的創意及び努力を前提として地域のさまざまな自主的な動きを支援しようというものでございまして、その効果を高めるためには、地方公共団体、労働組合を含めた労使関係者等地域関係者が広く協力することが肝要であるというふうに考えております。地域雇用対策につきましては、従来からも労働組合関係者にも御参加 をいただいております地域雇用開発協議会や審議会等の場を通じて広く関係者の協力を得て施策を進めてまいったわけでございまして、新法の実施に当たりましても、指針及び計画の策定段階、実施段階においてこうした場を通じて関係者の意向が十分反映するように配慮してまいりたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次の質問に移ります。  従来、雇用開発促進地域におきましては、地域雇用開発を効果的に推進するために地域の労働団体も参加する形で地域雇用開発協議会活動が運営されてきたわけでございます。今回設けられようとしている雇用環境整備地域につきましても、従来の雇用開発促進地域について都道府県雇用開発協議会、それから市町村段階での地域雇用開発会議の設置が指導されてきたように、新たな観点から都道府県地域雇用開発協議会や地域雇用開発会議のような組織の設置を推進すべきだというふうに思うわけでございますけれども、これは後でまた質問申し上げますが、基金の運用などでもその位置づけがやや漠然としておる嫌いもありますし、労働組合の立場からいきますとその辺がかなり心配をされているところでございます。したがいまして、この都道府県地域雇用開発協議会それから地域の雇用開発会議というものはこれからもあるわけですが、こういう中で労働組合側から発言された問題について今後一体どういうぐあいに労働省が対応なさっていくか、前の答弁を踏まえながらひとつ御答弁をいただきたい。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 今回の雇用環境整備地域の設定に伴う地域雇用対策の推進につきましては、基本的に地方公共団体、労使関係者等地域関係者の意向が十分反映するように配慮してまいりたいというふうに考えております。この点は先生御指摘のとおり審議会の建議においても触れられているところでございます。雇用環境整備を推進する組織につきましては、地域の実情に応じてそれぞれの地域において判断されるべきであるというふうに考えておるわけでございますが、その際、労使関係者の意向が十分に反映されるように指導してまいりたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 ぜひひとつ今最後で述べられた点については特に留意をしていただいて、運用の面でこれは注意をしてやっていただきたいということを要望します。  次に、雇用環境整備地域において直接的に雇用機会を開発するための措置として雇用構造改善モデルプロジェクトや開銀などの融資が用意されているが、それぞれについて措置の内容及び要件がどんなものか、この際お尋ねをいたしたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 お尋ねの点につきまして、まず開銀等の融資につきましては、雇用環境整備地域において事業所を設置、整備して地域の雇用環境整備計画に適合する職種等の雇用機会を提供する事業主に対して低利の融資を行おうとするものでございます。また、雇用構造改善モデルプロジェクトは、こうした雇用機会の開発を行う事業主であって、かつ当該地域の雇用開発に当たって地域におけるモデルとなるような事業主に対しまして、五年間にわたり総額一億円の助成金を支給しようというものでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、雇用環境整備地域の中で何らかの意味で雇用機会が不足している地域であり、直接的に雇用機会を開発するための措置を講ずることが重要であることから、地域雇用開発助成金あるいはこれと同様の効果を有する助成金を措置すべきだと思うのですが、どうでしょうか。  これは先ほどの質問をいたしました中で、中央職業安定審議会の建議の中にもありますが、地域の自発的な創意といいますか、そういうものを特に強調なさっておいでになるわけですが、私はこれは別に否定するものではございません。ですが、極端に言うと、地域の自発的な創意というものにもたれて、地域頼りということになると、やはりこの新しい時代での雇用創出をしていく内容を持った本法案の中身というものが相当薄められていく可能性が出てくるわけでございます。そういう意味で、私、今こういう質問をさせていただいたわけでございますが、そういう意味で、今言った質問をしているわけでございますが、それらの点について労働省側のお考えをこの際明らかにしていただきたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 雇用環境整備地域におきます助成金が、魅力ある雇用機会としてのモデル性のある事業主に限って支給されるのに対しまして、先生先ほど御指摘の地域雇用開発助成金というのは、広く雇用機会を提供する事業主全体に支給されることとなっておるわけでございます。これは、現行の雇用促進地域が全体として雇用機会が不足しており、求職者、失業者が多数滞留していることにかんがみまして、ともかく雇用機会を増大させるために、より直接的な手厚い措置が必要だという考えからでございます。  しかしながら、今回の雇用環境整備地域におきましては、その地域における自主的な創意や努力が基本であり、それを支援する形で施策を講ずるべきだというのが基本だと考えているわけでございまして、こうした考えから助成金の支給をモデル事業に限定しているわけでございますけれども、先ほど申し上げました開銀等による低利融資度を今回創設した。また、地域の自主的な活動を支援するための基金制度、この基金制度の運用によって、地域の自発的な活動を財政的にも御援助できるのではなかろうか、そういう基金の創設についての援助、そういう形で広く援助をしたい、こういうことで考えておるところでございまして、これらの制度を活用していただければ、地域雇用開発の推進に十分な効果というものをもたらすことができるのではなかろうかと考えておるところでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次の質問に移ります。  雇用環境整備基金の方に質問を移していきますが、基金の創設につきましては、基本的には私ども評価をしておるところでございます。しかし、その内容については、なお若干不明な点もあるわけでございます。  そこで、お尋ねをいたしますけれども、法律条文には基金については実は一カ所しか出てこないわけでございます。「事業主に対する資金の融通円滑化」など第七条の二第三項に規定がありますけれども、つまり第二十一条の四において、これを行う者のその業務に係る基金への拠出金については、損金扱いをする、税制上の恩恵を与えるいうことのようでありますけれども、この基金を創設する目的と使途をこの際お尋ねをいたします。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域におきます地域雇用開発を促進いたしますためには、地方公共団体等地域関係者の主体的な取り組みが不可欠でございますが、この基金は地域関係者のこういった主体的な取り組みを推進するものになると考えております。  基金によって行います業務といたしましては、一つは債務保証でございます。第二は雇用情報の提供等の人材確保事業でございます。三は調査研究でございます。  第一の債務保証業務は、雇用開発に当たりまして福祉施設を設置、整備することが重要であることにかんがみまして、それについての債務保証を行おうというものでございます。  二点目の雇用情報の提供等の人材確保事業でございますが、雇用環境整備地域求職者のための雇用機会を開発する一方で、その地域の求人情報を入手することが困難な、大都市圏などその地域以外に居住する求職者に対して、そうした求人情報を提供すること等を目的といたしております。Uターンの人材確保事業でございます。  三番目は調査研究業務でございまして、雇用環境整備地域におきます地域雇用開発を促進するための方策に関する調査研究を行おうというものでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 そこで、さらにお尋ねいたしますが、基金創設への援助措置としては、一体どういうようなことを労働省としてはお考えになっていますか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 まず一点といたしまして、基金への出損を行います地方公共団体に対しましては、三年間で計四億円を限度といたしまして、補助率二分の一の補助金を交付することにいたしております。  二点目といたしましては、基金に対しまして負担金を支出いたします事業主等に対しましては、税制上の特例措置を適用する等によりまして支援を行うことを考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、雇用環境整備計画の策定と雇用環境整備基金の創設、造成とは、実は両々相まって所期の目的が初めて達成されると思うのでございます。両者がセットとなったものと私は考えるのですが、そのことについて労働省側としてはどんなお考えを持っていますか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 法律制度上は、基金につきましては必ずこれを創設しなければならないという仕組みにはなっていないわけでございます。しかしながら、先ほど来お答え申し上げておりますように、基金は地方公共団体等地域関係者の主体的な取り組みを促進することが期待されるものでございますので、その創設について地域関係者が取り組まれることを私どもとしては期待をいたしております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、この基金の管理運営については、聞くところによりますと、公益法人を設立してそれが当たるということになっているようでございますが、これらの点についてどうでしょうか。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 基金を設置される団体といたしましては、基金によって行われることになります、先ほど局長から申し上げました債務保証制度、雇用情報の提供等の人材確保の事業、調査研究等の事業、もろもろのものがあるわけでございますけれども、これらの事業を適切に実施し得ることが見込まれる、かつ、基金でございますので、適正に基金の管理をなし得ると認められるというようなことから、先生御指摘のように公益法人を想定しているところでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、先ほどもちょっと質問の中で申し上げたのですが、この基金は公益法人ということになることもございまして、この基金の管理運営につきましては、直接的には労働組合の代表がその公益法人に入って物を言うということはできるところとできない地域となると思いますが、私ども心配しているのは、そういうところに発言の足場というものがなくなる心配というのはかなり私はあるというふうに思うのでございます。  そこで、ある労働組合の代表が公益法人の中の役員として入って発言ができる場が確保されている場合はいいのですけれども、地域によってはそうでない場合も出る可能性もあるわけでございますが、その場合でも中職審、中央職業安定審議会の際に職業安定局長が御答弁になっていますように、労働者側の代表の発言というもの、意見とうものを酌み取ることについては御答弁をなさっておるわけでございますが、こういう基金の運用、使い方などについてやはり労働者側の意見が反映できるような方法というものをぜひひとつこれは確保していただく、ある程度そういう物を言えるような状況というものを何らかの形でやっていただかなければならぬと思っておりますが、一体公益法人の中に入れなくて、ある地域については労働者側の意見というものがどう反映されていくのか、その辺のところを労働省としてどういうお考えになっていますか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 地域雇用環境整備計画の策定段階、実施段階等におきまして、地方公共団体あるいは労使関係者等の地域関係者の意向が反映されるようにすることが基本であるということは申し上げたとおりでございますが、この基金の運用に当たりましても、労使関係者等地域関係者の意向が十分反映されるように配慮してまいりたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 その点でございますが、要望も含めてちょっと御質問申し上げたいのでございますが、先ほども申し上げたように、都道府県協議会、それから地域の協議会、こう二段、二層になっていますね。ここへは労働省の代表は入れますわね、そこで、そこの協議会で当然資金の、基金の運用についても私はやはり発言をされると思うのでございます。その場合に、基金にはおらぬわけですから、そのおらぬ場合に、例えば県の段階で行けば、知事を代表して労働部長なら労働部長あるいは労働調整の機関の長とかそういう方が入っていると思うのですが、あるいは市町村の長とかそういうのが入っている。そういう人たちがその協議会で労働者側が発言したことについてそれぞれの行政の守備範囲の中で物が言えるという、ポストを通じて、今言った労働者の意見が反映されるように具体的な保障となった運用がされることが、言葉ではなくて大事だと思うのでございます。その辺について、今後の課題でございますけれども、労働省は、具体的にあれですが、これはどういうお考えを基本的にお持ちになっているか、その辺をお聞かせいただきたい。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 この雇用環境整備地域につきまして、基金をつくるという場合には、先ほど申し上げましたように公益法人という一つの形ができるわけでございます。しかし、そのほかにつきまして、現在ございますような雇用開発会議といったようなものができるかできないか、これはそれぞれの地域の判断によるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、先生今御指摘になりましたような形での労使関係者の意向が十分に反映されるような形を実現していくように、今後私ども、その辺は十分知恵を出してまいりたいというふうに考えております。     〔委員長退席、石破委員長代理着席〕

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは、最後でございますが、労働大臣から最後の締めくくりの御答弁ということでいただきたいわけでございますが、今まで申し上げました雇用環境整備地域の問題あるいは雇用環境整備計画の問題、それから基金の運用について、特に私が前に質問いたしました問題、そういうことについて最高の責任者である労働大臣としてどうされるか、この際、所信を明らかにしていただきたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 新法を推進する上におきまして最も基礎的なところを先生御指摘いただいておると思う次第でございます。  ただいまお話がございました環境整備にいたしましても、あるいは基金問題にいたしましても、また、先刻お尋ねがございました地域の産業、経済、政策等もろもろの関係機関、団体等との連携等におきましても、当然のことその地域全体が主体的に意欲を持ち、そしてまた一つの方針を持ち、自立、自主的な一つの行動、姿勢というものが最も基本にならなければならないわけでございまして、そういう観点から申し上げましても、ただいまお尋ねの労使の関係等の意見を十分反映をさせる、これは最も大事な一つの基礎である、かように考えております。もろもろの機関、機構あるいは会議、いろんな機会等が設けられるでございましょうが、先ほど局長答弁のとおり、可能な限りそれらの意見が採択、反映をされるように努めなければならぬ、かように思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 質問を終わります。あとは、永井先生にお任せいたします。

石破茂自由民主党

○石破委員長代理 永井孝信君。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 大臣、最前我が同僚の岩田議員の質問に対しまして、最後に非常にいい答弁をしていただきました。産業優先ではなく労働者優先の労働行政を進める、思わず拍手をしたのでありますが、ひとつぜひこのことを貫いてもらいたい。労働省ここにありという対応をまず求めていきたいと思うわけであります。この地域の活性化、経済振興のための地域雇用の開発は極めて重要でありますから、その立場でひとつ重ねて強く要望しておきたいと思うわけであります。  しかし、その片方で、大臣が言われておりますように、労働者優先の労働行政を進めるとされているのでありますが、現実、この社会の中では、三K問題と言われるように非常に汚い仕事、きつい仕事、危険な仕事、こういうことがたくさんございまして、そこに働く労働力が極めて不足して いるという実態にあります。そんな中で、今回広島で例の橋げたの落下事件というのが起きました。この事故は極めて労働省にとっても大きな問題だと思うのでありますが、この事故に関して大臣はどのような所見をお持ちになっているかお聞かせください。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 日ごろ私ども労働省といたしましても、労働災害防止は最も重要な重点事項である、かような観点に立って進めてまいっておるところでございます。中でも特に死亡災害というのは根絶を極めて最重要課題として努力をしてまいっておるところでございまして、ただいま先生御指摘の、今回のような痛ましい事故が発生いたしましたことはまことに遺憾でありまして、御遺族の方々に対しましても、本当にその心中察するに余りあるものがございます。今後事実の的確な把握に努めますと同時に、徹底的な原因の究明あるいは調査をいたしまして防止対策を樹立しなければならない、そしてまた、再びこのような事故が発生しないように心がけなければならないと思っております。特に、痛ましい、大変な事故でございましたと申し上げる次第でございますが、私ども労働省といたしましては、今次の事故発生と同時に、省を挙げまして、現地におきましても事故調査本部を編成し、あるいはまた、省からも局長をじきじきに現場に派遣をいたしまして、これが原因の調査と同時に再発防止に努めておるところでございます。  くどいようでございますが、このような多数の死亡者を発生せしめた今次の事件はまことに遺憾であると重要視いたしておるところでございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 重要視していただくのはもちろんのことでありますから、適切に対応してもらえると思うのでありますが、幾つか問題点を指摘しておきたいと思うのであります。  今回発生しましたこの橋げたの事故、この同種類の工事は、私も現地に調査団として行ったのでありますが、現在二百三十カ所ぐらい同種の工事が行われていると言われているわけであります。考えられないような事故だ、こう言われているのでありますが、あのような高所であのような重量物の据えつけ工事を安全に進めるために労働安全衛生関連法令は適切に対応できるようになっているのかどうなのか、これを簡単にお答えいただきたいと思います。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 御指摘の、高所におきます重量物の据えつけ工事に関しましては、現在労働安全衛生法に基づきます労働安全規則におきまして、墜落災害を防止するための作業床、手すり等の設置及び安全帯の使用等の措置、それから、物体の落下災害を防止するための立入禁止区域の設定等の措置、さらには、橋梁の組み立て作業における作業主任者または作業指揮者の選任、作業計画の作成、作業方法の周知等の措置を事業者に義務づけているところでございます。  今回の事故につきまして、こういった措置義務との関係がどうなるかということにつきましては、現在その原因調査を進める中で検討いたしている段階でございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 原因の調査はもちろんとことんやってもらわなくてはいけません。警察当局あるいは同じく司法権を持っている労働基準局あたりが合同で調査をしているとは聞いているのでありますが、例えば、物体の落下災害を防止するための立入禁止区域の設定等の措置というのは五百三十七条に規定されております。では、あれだけの危険な箇所で、私も現地を見てびっくりしたのですが、曲線美を誇るような非常にすばらしい構造物でありますが、素人目に見て、ああいう逆三角形のような、積み重ね方式の組み立てが果たしていいのだろうかということを非常に疑問に持ちました。  ところで、この立入禁止区域の設定等でありますが、あの事故が起きて以来同種の橋げたの横取り方式をとっている箇所で、下の道路を同じようにどんどん車両が通行しているというところをそれ以降もテレビで見ることができました。では、この立入禁止区域の設定などは警察署が許可条件を満たしているかどうかを見て許可をするのでありますが、現地で聞きますと、絶対安全な工法であるという工事施工者側の説明を信頼して通行規制をしなかったと現地の警察当局は私どもにそう事情説明をいたしました。そうすると、五百三十七条等でこういう落下災害を防止するための規制措置がとられておったとしても、その法令が実際には死文化されてしまっているということに結果としてはなってくる、私はここが非常に重要な問題だと思うのですね。だから、私はあえてこの関連法令が適切に対応できるようになっているかどうかを実はお聞きをしているわけであります。  それで、この事故の関係から施工業者の関係についてお伺いしたいと思うのでありますが、今回事故が発生した現場における請負関係はどうなっておったのか、現在までの調査の内容を教えてください。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 今回の事故発生現場におきます請負関係は、これまでの調査の結果では、元請が株式会社サクラダ、それから一次下請が川鉄運輸、二次下請が大成建設工業、三次下請は日拓工業、横田工業、下川工業というふうになっております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 大臣、今局長から答弁がありましたけれども、元請サクラダに対して一次下請が一社、二次下請が一社、三次下請が三社も入っているわけですね。いわば混成チームなんですよ。混成チームがこの重量物をあれだけの危険な箇所で据えつけ工事をするという、こんな工事に完全にチームワークがとれるわけがないと私は思うのです。まず基本的にそう思います。この建設工事は全般に重層下請構造となっているわけですね。これは日本独特のものだと思うのであります。では、元請企業の下請企業の労働者に対する安全面その他の指導が極めて重要だと思うのですが、果たしてそういうことがなされておったのか、あるいはまた、なされるようなそういう人員配置、要員配置がなされておったと見られているのか。現在までのところでわかっているところを答えてください。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 御承知のように労働安全衛生法二十九条で元請企業に対して、下請企業に対します必要な指導あるいは必要な指示といった措置を義務づけているところでございますが、現在までの調査によりますと、災害のあった現場におきましては、災害発生当日、元請企業の労働者三名が配置をされておりました。そのうちの二名は年齢がそれぞれ四十七歳と四十一歳、それぞれかなりの経験を有しておられる方のようでございます。入社歴あるいは一級土木施工管理技士といった資格もかなり長期間にわたって持っておられるようでございます。  今後さらに元請企業の労働者につきまして、災害が発生した作業と同様の作業の経験、それから災害発生時におきます作業の指示状況等を詳細に調べまして、元請企業の下請企業の労働者に対する安全面その他の指導が十分できる体制にあったのかどうかということを追及してまいりたいと思っております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 では、その追及をして、元請企業が完全に安全作業を遂行するための手だてを怠っておったということがあった場合は、当然警察だけではなくて労働省も刑事責任を追及するのですね。どうですか。     〔石破委員長代理退席、委員長着席〕

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 安全衛生法あるいはそれに基づきます規則に違反する事実があれば、厳正に対処いたしたいと考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 ところで、この下請企業の中の重傷を負った人の中に十六歳の年少者もいたというふうに私どもは把握をしているわけでありますが、このような危険な作業を行うのに十六歳の少年が十分な労力を持っておったかどうか、あるいはこれは定かでありませんけれども、十六歳の少年がこの現場に採用されたのは数日前だというのですね。数日前に採用されて、あの高いところで、あの重量物の据えつけ工事をすることに元請企業が 何らの監督責任を感じなかったのかどうなのか、この辺はどうでございますか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 御指摘のように、下請企業の労働者の中に十六歳の年少者がおりました。このことは既に確認をしておるわけです。それで、年少労働者に対します法適用の関係につきましては、現在なお調査をすべき点が残っておりますが、この現場におきます労働者の状況、ただいまの御質問では十分な経験のない者が従事をしておったのかどうか、こういうような観点からの御関心であると思いますが、これまでの調査によりますと、事故発生当日はこの工事現場では下請で合計五社、二十七名の労働者が作業を行っておりました。  その年齢構成を申し上げますと、ちょっと細かくなりますけれども、ただいまの十六歳が一名、それから十八歳が一名、二十歳代五名、それから三十歳代七名、四十歳代七名、五十歳代六名ということでございます。また、経験年数につきましては、十六名について判明をしておりますけれども、その内訳を申し上げますと、三年未満が四名、三年以上五年未満が二名、五年以上十年未満が二名、二十年以上三十年末満が四名、三十年以上が四名というふうになっております。また、いろいろ機械を扱う上において、物によっては就業の資格というものが必要とされておるわけでございますけれども、この点につきましては、玉掛け技能講習修了者が九名おりました。それから移動式クレーン運転士が二名、クレーン運転士一名、足場の組み立て等作業主任技能講習修了者二名、二級建築士一名というようなことになっております。  しかしながら、こういった下請企業の労働者の資質等が今回の橋げたの架設作業を安全に行うに十分であったかどうかということにつきましては、なお個々の労働者の作業内容、現場における作業指揮系統、こういったものにつきまして詳細に調査をする必要があるというふうに考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 今言われたように、十六歳が一名でしょう、十八歳が一名、二十歳代が五名、そういう年齢構成になっているわけでありますが、三十年以上の経験者が四名、こういうことになっています。  ところが、あの工事はつい最近取り入れられた施工の方法なんですね。今全国で二百三十カ所も、ブームになってそういう工事が進められています。主として交通の頻繁な道路上の工事をやる場合に、極めて短時間で作業が遂行できるということから、この工法が取り入れられたと聞いているのですね。両方からクレーンでつっておろせばこの種の事故は防止できることは当然なことなのでありますが、それをやると交通渋滞が起きるということから、横取り方式をとっているわけです。この横取り方式そのものが、業界でも非常に経験が浅いのですよ。ところが、絶対安全な工法であるという施工業者の言い分を関係当局が全部信頼して通行どめにしなかったために、あの悲惨な事故が起きたわけですね。どうも考えてみたらこの事故だけは、ふんまんの持っていき場所がないような事故なんですね。遺族からすれば、なおそうでしょう。  ところが、この重層下請構造というのは日本の典型的な構造でありますが、考えてみますと、これだけの大きな工事を請け負う元請は、資本力も技術力もすべて、その工事を請け負うにふさわしい条件というものを具備している。だから指名競争入札でも落札することができているわけですね。ところが、実際作業に当たっている者は、このときでもそうであり、今も答弁がありましたけれども、当日の作業者は元請はたった三名、一次下請が二人、二次下請が十人、そのうち二人が死亡。そして三次下請の一つの日拓工業は八人の作業者で死亡三人、負傷三人、そしてもう一つの横田工業という第三次下請が六人。考えてみると、技術力も資本力も持っていない小さな零細企業がほとんど実際の工事に携わっているわけです。これがまかり通っている建設業界だからいろいろな事故が起きるのですよ。その事故を防ぐための法整備も、不十分ならもちろんきちっとやらなくてはいけないし、地域における労働基準監督署なども適切に指導していくということがなければ、この種の事故の再発を防ぐことは不可能になっていくと私は思うのですね。この辺の関係について、大臣、どうお考えになりますか。  これは直接の刑事責任は警察当局も追及しておりますから、それはそれで工事のどこにミスがあったということを、これは調査の結果、刑事責任を追及されるでしょう。しかし問題は、作業ミスの当事者だけに歪曲されたり集中されたりしたのではこの問題の根本的な解決になっていかないわけですね。その下請重層構造という構造自身のあり方を問うこと、あるいは本当に安全指導が徹底してできているかどうかということをきちっと点検し、再発防止を図ること、あるいは警察当局にすれば、業者の報告を信頼して通行どめにしなかったというのですが、果たしてそれがよかったのかどうなのか全面的に見直すこと。  当然他の場所で、私は、この問題については別の委員会で追及しますけれども、きょうは労働省としてこの関係について、大臣のお考えをひとつ聞いておきたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 今次の事故現場におきまして、作業工程等が構造的に、あるいは作業上、具体的にどういう状況であったのか、それらは先ほど局長答弁申し上げましたように、目下調査中でございますから、ただ先生、基礎的なところでお話ございますように、いわゆる重層下請構造という我が国の建設業界におきまする特性、これはなるほど、先生のただいまのお話をお伺いいたしておりまして、私は専門家ではございませんけれども、現場の安全衛生、これをきちんと守らなければいかぬよ、そして、それが担保できる一つの現場の工程上の構造、そういうものが一体どういうふうになっているのか、これは非常に注目をするべき一つの御指摘であると思います。  同時にまた、私どもはそういう特性と、さらにまた建設業というのは、クレーンなど非常に大型機械、危険な機械、そして言うなれば運転操作等も非常に高い技術を要する機械等を使用しておる状況等にかんがみまして、平素、労働災害防止という中におきましても最重点事項として対処いたしてまいっておるところでございますけれども、まあ残念ながら今回はこういう事故が起きてしまったということでございます。  今般は、先ほども若干申し上げましたように、即座に関係業界団体等に対しまして緊急の安全総点検の指示及び全国一斉調査の実施等の安全対策を行ったところでございますが、今後、これら一連の事故の原因を徹底的に究明をいたしまして、このような事故が再び発生しないように、建設業における労働災害防止対策に積極的に努めていかなければならぬ、かように考えております。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 もう一つは、初歩的なことでありますが、あの十数メートルの、十五メートル以上あるのですが、あの橋脚上で作業をする労働者が命綱もつけていなかったのですね。そういう場所で命綱をつけるようになっていないという答弁も現地の調査ではありました。しかし、安全の上に安全を確かめるための初歩的なことでさえ、なれになって見逃していくというところに大きな事故につながっていく原因が存在すると私は思うのです。  また、工事は広島新交通システムでありますから発注者は広島市なんですね。ところが、これはアジア大会をそこに誘致するという日限もありまして、工期が極めて圧縮されて、何が何でもこの日までには完工させなくてはいけないという、いわば突貫工事のような形になっている。これは何もこの広島新交通システムだけではなくて、国が行う事業でも、地方公共団体が行う公共事業もそうでありますけれども、えてして予算の配分などから短期間に集中をする、年度末に集中するということがありがちなことなんです。そのことが無理に無理を重ねて、経験の足らない者も集めてきて危険な作業に従事させるということになってい くと思いますので、広島市当局に対してもそうでありますが、国自体の、地方公共団体に対するそういう公共事業のあり方についても根本的に見直しをするような勇断をもって労働大臣は当たってもらいたいと思います。  また、三月十四日のこの事故が起きた直後に、立川市では十六日に、くい打ち機が倒れて二名死亡する、こういう事故がありました。また、十九日には品川区でこれまたクレーン車が倒れるという事故がありました。こういう事故は、これからも公共事業がどんどんふえていく、四百三十兆円の日米構造協議の関係もあってどんどん建設工事がふえていくということになると、なおさらそういう機会が多くなってくると思います。  それだけに、今回の事故を、大臣もう一回最後に締めくくりでお伺いしたいと思うのでありますが、徹底して労働基準監督署も当たっていく。あるいはこの関係、通産省なり警察庁なり関係当局と十分連携をとって安全の上に安全を求めていく。自動車がたくさん通るから困るから通行どめにしなかったということが存在をしているわけでありますが、私が現地に行ったときは全部通行どめになっています、その現場を確保するために、証拠を確保するために。それじゃそのときに通行どめにしておって通行は困っているかといったらそんなに混乱は起きていないのですよ。安全の上に安全対策をとっていこうとすれば、通行どめにしたって結果としてそう心配するほど支障が起きていない、多少は不便になるだろうけれども。こう考えていくと、労働行政の最高責任者として思い切った対応を関係当局にも求めてもらいたいし、労働省自身も指導を徹底してもらいたい。再び事故があったときは労働省のかなえの軽重を問われるぐらいの気持ちで当たってもらいたいと思うのですが、どうですか。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 本来、労働者の安全衛生、健康を基本的にきちんと守る、これは私どもの労働行政の最要締でございます。  今次の場合、先生はわざわざ現場に足をお運びをいただきましていろいろ精査いただいておるようでございまして、敬服もいたしながら、また、先ほどさまざまな問題点等を御指摘をいただきましてお尋ねをいただいておるところでございます。  特に最後のところで、もう一回この辺で、そのような現場におきまする、特に建設業界等におきまする事故発生状況等にかんがみまして、根本的に反省、総括をするべきところは謙虚にいたさなければならない、同時にまた、厳粛にこれが万全を期していくための施策を検討もしなければいかぬ、創意も必要だ、そういうようなことを感じた次第でございまして、御指摘の点ごもっともでございまして、質問をお聞かせいただいたような次第でございます。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 一応時間が来ましたので終わります。また改めて別の箇所で質問したいと思います。ありがとうございました。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 遠藤和良君。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 私も広島市の新交通システムの橋梁の転落事故に対する質問を最初に行いたいと思います。  労働省は現地に調査団を派遣したということを聞いておりますが、特に作業の仕方、作業の手順に問題はなかったのか、労働安全衛生法上問題がなかったのかという点に絞ってちょっと質問をしたいのでございますが、横取り工法という工法自体に大変問題があるのではないか、私はこのように思います。それに対する見解。  それから、広島市が決めました施工計画、これは、その作業手順を見ておりますと、橋げたを橋脚上におろす際のワイヤーによる固定やストッパーなど特別な落下防止策が指示されていないということは労働安全衛生法上大変問題があるのではないか、このように思います。それから、落ちた橋げたに、本来サンドルという鉄製ブロックをすべて取り払った後にボルトで締めて固定するはずの沓座が先に取りつけられていたと言われているわけでございますが、これは作業手順にミスがあったのではないか。あるいは、設計書では九台のジャッキで操作を行うようになっていたわけでございますが、実際は八台のジャッキでやっていた。しかも、その八台それぞれレンタルで、強度が違うしピッチも違う、こういうものを手動式で互いにレシーバーで連絡をとりながら作業を進めていた。こういうようなところからこの事故が起こる原因になったのではないかというようなことが指摘されているわけでございますが、この問題点につきまして労働省の現在までの調査の結果を報告願いたいと思います。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 ただいま工法の詳細につきましての御質問でございますが、一般的には、あそこでとられておりました据えつけの方法自体はいろいろ数多く行われているというふうに言われております。しかしながら、現実にあのような災害が起きたわけでございますが、そこで、なぜ起きたかというところが究明しなければいけない点でございます。  先生おっしゃいましたように、私どもこの事故の特別調査団を編成をいたしまして、事故発生の翌日に現地に派遣をいたしまして現地調査を行いました。その現地調査では、そこでありましたいろいろな事実についての知見を収集をするということを行ったわけでございまして、現在その調査結果に基づきまして、作業方法、作業手順が適当であったのかどうか、それから、ジャッキ、架台等の、架台というのはジャッキの支えでございますが、架台等の構造、強度等に問題がなかったのかどうか、さらには、風その他気象条件による影響がなかったかどうかという点を重点に検討を行っておりまして、調査団が現地で集めました知見に基づきまして、どういうようなシナリオでこの事故に至ったのかということを現在検討いたしておる段階でございますので、先生せっかく非常に詳細な点にわたって個々にその手順、内容等についてお尋ねになりましたけれども、現在そういう段階でありますので、お答えは以上のようなことで御了解いただきたいと存じます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 これは厳正に対処をしてもらいたいわけでございますが、やはり早く結論を出すということも大事だと思うのです。  今後の見通しですけれども、大体いつごろまでにこの結論が出て、きちっとした労働省としての態度が決定するのか。この辺の見通しを確認したいと思います。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 この種の調査の結果が直接法律による、場合によっては司法処分に影響いたしますので慎重にやらなければいけませんが、一方また、迅速にやらなければいかぬということがございますので、漠然とした表現でございますが数カ月、できるだけ早くやりたいと思いますが、二、三カ月のうちには結論が出るのではないか、かように思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それで、全国でも同じようなケースの工事が行われている箇所があるわけです。二百カ所とも二百三十カ所とも言われておるわけでございますが、やはり二度とこうした不幸な事故が起きてはならないわけでございまして、これに対して労働基準局は、三月二十日からきょうまでですか、一週間にわたって全国の現場の一斉臨検を行った、千人ぐらいを動員してやったというふうに伺っているわけでございますが、具体的にどういう中身の問題についてチェックをしたのか、あるいはどのように指導したのか、そして、二度と起こらないようにどういうふうな担保措置をとったのか。この辺の報告を願いたいと思います。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 労働基準監督署では、通常、災害に関しましては、災害の発生の可能性が高い事業所等を計画的に監督をいたしておるわけでございますが、今回の災害につきましては大変重大な事故であるという認識を持ちまして、同じような工事をやっております現場、今先生がおっしゃいましたように全国に約二百余りございますけれども、そこを対象にいたしまして、三月の二十日から二十七日までといいますから現在やっておる最中でございますけれども、緊急に全国一斉 監督を行っているところでございます。  この内容でございますけれども、一斉監督に当たりましては、鉄骨の組み立て等の作業における危険の防止措置等を重点事項といたしております。この監督に際しましては、労働安全衛生関係法令違反が認められた場合には、所要の是正措置を求めることはもちろんでございますが、危険な機械設備の使用停止あるいは危険箇所への立入禁止を直ちに命ずるなど、そういった厳正な対処を行うということで実施中でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 調査は慎重にやらなければいけないことはよくわかるわけですが、少なくとも事故の再発防止ということは緊急にやらなければいけないことでございまして、この再発防止のためのマニュアルなりそういうものを緊急に通達等で出すとか、それを早くやらなければならないと思うんですね。全国で二度とこういうことが起こらないように、労働省としては早急にこういうしかるべき対策をとりましたと、これを国民の皆さんの前に公表できなければ、いたずらに調査のみに時間をかけているというのでは、行政はまことに怠慢である、このように言われてもしようがないと思うんですが、こういうふうな実効のある通達なりマニュアル、こうしたものを労働省としてはいつごろまでに出すつもりなのか、確認をさしてください。

山口泰夫労働省労働基準局安全衛生部長

○山口説明員 お尋ねは、調査結果を待つまでもなく手を打つべきではないかという点が一点であったかと思いますが、その点に関しましては、事故発生の翌日十五日に関係の団体に対しまして、同種の工事を行っているところに対しまして直ちに安全総点検をするようにということを要請をいたしております。そのことは、各都道府県の労働基準局長に対しましても通達をいたしたところでございます。ただいま行われております特別調査団の原因究明と再発防止のための検討はできるだけ早くやるようにいたしますが、それが出た暁には、直ちに所要の措置をとってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 今度の事故で一番悲劇的であったのは、いわゆる交通規制をしていなかったために一般の通行者がたまたま事故に遭遇をした、そして信号待ちの自動車が、十一台ですか、押しつぶされた。こういうこととともに、先ほども話がありましたが、十六歳の少年が転落をして死亡する。そしてまた、死傷者のうち八名の作業員が全員下請の業者、下請の作業員であった、しかも、ほとんどの方が九州等地方からこの現場に来ていた人たちだ。こうした建設現場で事故が起こるたびに、本当にいつも下請の方々が被害に遭うわけでございますが、建設業は今人手不足でございまして、何とか人を集めなければならない、こういうふうな状況にあります。そして公共事業はどんどん発注されておる。そうすると、若い経験の浅い未熟練の方々がこうした工事を担う、こういうふうなところですね。重層的な下請構造、そして未熟練の皆さんが作業員としてこうした現場で危険な作業に直接携わる、こうしたものが非常に構造的な危険をはらんでおると思うわけでございます。  これはひとり建設省が考える問題ではなくて、どのように労働者の安全を確保していくかというのは労働省の非常に大事な取り組むべき課題でございますから、こうした建設業界の重層的な下請構造並びに未経験者の就業、こうしたものについて抜本的な対策を考えなければ、構造的に危険がある、このように理解をせざるを得ないわけでございますが、こうした現状をかんがみて労働省としては今後どういう対策を展開をしていく考え方なのか、ここを確認いたしたいと思います。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 御指摘のように、いわゆる重層的下請構造というのは建設業だけではございませんが、ほぼ建設業に特有の状況でございまして、同一の現場にいろんな企業、事業所の労働者が混在して働く、それから適切な対策を講じなければ危険な作業もあるということで、このことが労働災害の中でも建設業における災害が多発をしておるということの原因になっているかと思います。また一方におきまして、最近労働力不足ということがございまして、これに対する適切な対策がなければ、これまた災害の発生につながる要素の一つでございますけれども、そういうような建設業の実態にかんがみまして、現在の労働安全衛生法では、元請事業主にこの安全衛生上の措置についての義務を幾つか課しておるわけでございます。私どもは、こうした義務が果たして適正に実施をされていたのかどうかということをまず究明をしなければいけないというふうに思っております。そうした行政機関としての調査、それに対する措置のほかに、関係の事業主団体あるいは災害防止団体に対しまして事業場の点検をやる、再度見直しをする、また、中にはなれによって起きる災害もあろうかと思います。そういう点を今回の事故を契機にいたしましてもう一度見直して、果たして今の対策で十分であるのかどうかという点も含めましてよく検討いたしたい、かように思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 これは業界の努力に任せるばかりではなくて、国の政策としても熟練した労働者の育成をどのように図っていくかとか、あるいは建設現場でどのように人材の配置を図っていくかとか、これは大変重要なテーマだと思うんですね。これから、日米構造協議の話もありましたが、日本では生活関連の公共投資だとか、あるいは道路をつくる、橋をつくる、そういう工事が多彩に展開されていくわけでございますけれども、それをつくるのは人でございますから、人の安全、技術の向上、そして人材の配置、こうしたものをやはり総合的に国の政策として展開をしていく、そういうシステムづくりを行っていく、これは非常に大きな課題だと思うわけでございますが、労働大臣、そういうふうな労働省としてやれる範囲での政策の展開について決意をお聞かせ願いたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 今回の事故をめぐりまして、あらゆる角度から大変参考になる御意見をお聞かせいただきながら御指摘もいただいておるところでございます。私どもといたしましては、労働者の安全衛生あるいは健康を守るという労働行政の側面から、今次の事故に対しまして、まず厳正に、そして具体的に事故の原因を究明をすることが最も大事である、こう考えております。また、先生が先ほど、事故調査、事故調査と称して余り時間をかけるのもどうかというお話でございますが、これは技術的な問題等もありましょうけれども、可能な限り、できるだけ早目にこの種の事故の調査というものは終結をいたしまして、その功罪を、功はないわけでございますけれども、いわゆる原因をあるいは元凶をきちんと国民の前に明確にする。そのこと自体がまた他の一般業界に対しましても重大なる一つの注目あるいは反省を促すことにもなると思います。  加えまして、また先ほど局長答弁いたしましたように、かりそめにも不当なり不正な違法な問題等があったといたしますと、これは厳正に、国民が納得するように措置しなければならぬ、こういうふうにも思っております。  同時にまた、後段の方でお聞かせいただきました、多面にわたるこの種の事故防止のために労働者の訓練、再教育あるいは事業主に対する啓発等も含めてのお話のようでございますが、それらの問題あるいは労働者の配置の問題、レベルアップの問題等々、お聞かせをいただきたいところでございますが、参考にいたしながら再発防止に努めてまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それでは、法案の審議に入らせていただきます。  この法案の審議に入るに当たりまして、私、先週、地元の徳島県に帰りました際に、徳島県の雇用政策、労働省の関係のところをずっと回ってまいりまして、徳島労働基準局、それから婦人少年室、それから徳島県の商工労働部、あるいは公共職業安定所、あるいは職業訓練校、あるいは社団法人の雇用対策協会等ずっと回ってまいりまして、徳島県としてはどのような努力を地域の雇用振興促進のために行っているのか聞いてまいりま して、きょうの審議に備えたいと思ったわけでございます。いろいろ聞いてまいりますと、たくさん資料もいただきましたが、現地では本当に涙の出るような努力をしているわけです。  例えば、ここに「事業所案内’91とくしま就職ガイド」というのがあるのです。こういう厚い本を県内の中学校、それから高等学校を卒業して就職を希望する方、それから大学を卒業して就職を希望する人、あるいは職業訓練校を卒業する人、あるいは短大だとかいろいろ専門学校を卒業する人全部に無料で配っております。そればかりではなくて、県外の大学を卒業する県出身者、その父兄のところ、あるいは本人のところに全部配って、ぜひ徳島県で就職してください、こういうことをやっているわけです。それで八千部ぐらい毎年配っていると言っておりました。  それで、効果はどうですかと言いますと、大体県内に帰っている人は中をぱらぱらとめくって、自分の要望に合わないということでほとんどが効果がない。その御父兄、県外に行っている人の御父兄の皆さんは、ぜひ息子や娘を徳島県に帰したい気持ちがある。このごろ子供の数が少ないものですから、ぜひ帰ってもらいたい。しかし、その大学を卒業した皆さんと徳島県の企業の魅力といいますか、そういうものにどうもミスマッチがある。したがって、努力はしているのだけれども、なかなか努力が報われていない。こんな状態がありました。  それで、いろいろな皆さんと地域雇用政策を考える場合にどうしたことが大事でしょうかということを考えたのですけれども、やはり地域の振興だとか地域の雇用の機会の増大だとか、新規に大学を卒業する人に魅力ある職場をつくるとか、こういうことは労働省の政策だけでは無理ではないのか。当然これは税の制度も一つ考えなければいけないし、それから産業政策というものも考えなければいけないし、総合的な国の政策として展開していくものでなければ、なかなか地域の雇用の増大あるいは魅力ある職場をつくるということは難しい、こんな話が出てきたのでございます。  昔は、国破れて山河ありと言ったわけでございますが、今まさに国栄えて山河なしというか、日本の国は栄えているのでございますが、地方はもう、若年の労働者はみんな東京の方に行ってしまって、何か口が悪い人は人さらい政策だというようなことを言っておりましたが、地方はみんなおじいちゃん、おばあちゃんが一生懸命に働いているのだけれども、若い人は全部都会に行ってしまう、こういうふうなことの意見がたくさんあったのでございます。  それで、お聞きしたいのでございますが、労働省としてはいろいろ頑張って今度の法律をつくっているわけだけれども、この地域雇用政策と他省庁が行っている地域振興政策、この間に連携があり整合性がある一体となったものでなければ地域の振興に役立たない、こういうふうな思いがするわけでございますが、この辺の問題から質問をさせていただきたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 地域におきます産業基盤の整備でございますとか新たな事業の展開などは、この地域での雇用機会の拡大をもたらすものでございまして、また、地域における雇用の安定を図ることは地域社会の活力ある発展の基盤となるものでございます。このため、地域におきます雇用問題に適切に対処いたしますためには、勤労者の適正、能力等にふさわしい雇用機会の確保という観点に立って総合的に施策を進める必要がありまして、これは単に雇用対策のみにとどまりませんで、ただいま先生御指摘のように、他省の行いますさまざまな地域振興等の関連諸施策との連携を図っていくことが必要でございまして、この点につきましては、中央職業安定審議会の御審議におきましても、そういった点の重要性がたびたび指摘されておるところでございます。  したがいまして、この法律におきましても、この地域の指定をまず政令で行うということにいたしまして、まずここで関係諸施策との調整が行われるわけでございます。また、地域雇用開発指針を関係行政機関との協議のもとで策定することにいたしておりまして、政府部内におきますコンセンサスを十分図った上で対策を講じていくことにいたしております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それで、大臣に聞きたいのですけれども、四全総というのがありましたね。多極分散型の国土をつくろう、こういう趣旨があったわけですが、今回のこの改正法は、この四全総に基づく地域政策の流れの中でどのような位置づけになるのか、この辺を大臣の見解を聞きたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 先生も御承知のとおり、ただいまお尋ねの四全総は昭和六十二年閣議決定されたものでございますが、この大骨と申し上げますか、一つの骨格というものは、東京を中心にいたしました首都圏、これらにいろいろな機能が集まり過ぎておる、だから、先ほど先生のお話がございましたように、地域間格差が出てまいっておりすよ、だから、この一極集中を是正して、そして均衡ある国土の発展を促していこう、促していくというか強力に推進していこう、そういうような一つの目的を持っております。  今回私どもが法改正で御相談申し上げておるところでございますが、これもあるいはその趣旨を調和させると申し上げますか、例えば若者のUターンも促進をいたしますよ、そしてまた、本来地域のふるさとにあって、地元で就職をして定着を図りたい、そして地域やふるさとの発展に貢献をしたい、そういうような人々に能力にふさわしい雇用の機会をつくりましょうという考え方でございますから、趣旨としては四全総の流れと同一にするものでありまして、私どもは、それを具体的に促進する、ある意味ではまた、その地域の立場からいいますと大きな役割も果たさせていただけるのではなかろうか、こういうふうにも考えるわけであります。  また、ただいま申し上げましたように、首都圏等に逆に流出をする若年者やUターン希望者等を地元に確保、定着をさせていくという所存でもございますから、四全総の基本理念である一極集中の是正等によりまして国土の均衡ある発展に貢献できる、こういうふうに考える次第でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 少し具体的な話を聞きたいと思います。  今回の法改正によりまして、雇用環境整備地域というのを新しくつくったわけですけれども、これは聞くところによると初年度に大体十カ所ぐらいをつくりたいという話でございますが、四国で引き合いは来ておりますか。それから、基金をつくる、二分の一は国が出す、それで公益法人にその基金を設置するんだということでございますが、この公益法人というのは一体どういう法人を想定しているのか。この二点について。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域といたしましては、一つの労働市場圏としてまとまりのある地域でございまして、総量においては雇用機会の不足が解消されたわけでありますけれども、職種別に見た場合に雇用機会が不足しており、若年者を中心に労働者が他地域において就職していく傾向が見られる地域を考えているわけでございます。その基準としては、職種別に見た雇用機会の不足状況を見るために職種別有効求人倍率等、また、労働力の移動状況を見るために求職者の域外就職等を勘案することといたしております。そこで、ただいま先生御指摘のように、初年度につきましてはこの地域を十地域程度考えておるわけでございます。  そこで、このように雇用環境整備地域は総量としての雇用機会の不足が解消されていることを前提としているわけでございますが、四国の場合につきましては、雇用失業情勢の回復のテンポがまだ遅いわけでございまして、なお総量としての雇用機会の不足が解消されていない地域が多うございます。したがいまして、該当する地域が存在するかどうかにつきましては現段階では明確に判断はできないわけでございます。いずれにいたしましても、この地域に該当しますためには、総量と しての雇用機会の不足が解消された地域がさらに雇用環境整備計画を策定いたしまして、積極的に自主的に雇用環境整備に取り組むということが前提になっているわけでございます。今後の雇用失業情勢、地域の取り組みの状況などを見てまいりたいというふうに考えております。  基金を設置いたします公益法人について、どんな法人を想定しているかというお尋ねでございます。  基金につきましては、業務は三つございまして、債務保証の業務、雇用情報の提供等の人材確保事業の業務、調査研究の事業を予定しているわけでございますが、こういったような事業を適切に実施し得ることが見込まれ、かつ、適正に基金の管理をなし得ると認められます公益法人を想定いたしております。これにつきましては、既に幾つかの道府県におきまして、先ほど来議論がございますが、地方自治体、同種団体等から成ります都道府県の地域雇用開発協議会を設置いたしまして、その道府県にふさわしい地域雇用開発の方向やあり方について検討、提言を行うなどの事業を行っているところがあるわけでございまして、こういったところが法人化されたものも考えられるというふうに考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 この基金で、人材Uターン事業、都会に行っている人がふるさとに帰る事業をやるというふうなことを書いてあるのですけれども、既に労働省の役所の中で飯田橋にも人材Uターンセンターというのがあるし、各県でもUターン対策事業というのをやっているわけですね。私も窓口に行っていろいろ見てきたのですけれども、これと基金でやる人材Uターン事業との整合性はどうなるんだろうか。既に労働省でやっているハローワークですか、職安のところに参りましたら、全国オンラインでコンピューターでつないでやっているわけですね。既にデータバンクも労働省の方にあるのですけれども、新しく基金でやる人材Uターン事業というのはそれとどう違うのか、ここのところがいま一つはっきりしないのです。ここのところはどういうふうに特色を持たせるのですか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 現在労働省では、人材Uターンセンターを中心に各県下に置かれております公共職業安定所、人材銀行を活用いたしまして、各県のUターン対策事業と連携を図りながらUターン対策を行っております。恐らく先ほど先生お示しの徳島県の企業の資料なども人材Uターンセンターに置かれておりまして、そこに来られた方がお持ちになるというようなシステムになっていると思います。  基金で行います人材Uターン事業は、こうした一般的なUターン促進対策に加えまして、特にこの雇用環境整備地域に関してはより積極的な形でUターン希望者に働きかけを行うことによりまして、Uターン就職をその地域においてより一層強化していこうというものでございまして、具体的に基金で行います事業といたしましては、Uターン希望者に対しまして人材のデータバンク事業を行う。この人材データバンクを行うにつきましては、例えば都市圏在住のUターン希望者の把握方法として、地元に住む父兄等の親類の方々でございますとか、出身学校関係者等幅広く情報を提供していただいて人材のデータバンクをつくっていくということが一つございます。また、Uターン希望者に対しましては、ダイレクトメールで求人情報等を送るということも考えております。また、企業の実地見学会などもこういったような基金の事業として実施することを考えております。  いずれにしましても、こういうような特別な事業を推進いたしますが、各公共職業安定所はこの基金の行いますUターン事業と密接連携して事業を進めてまいりたいというふうに考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 いま一つよくわからないのです。整理すると、今職安等でやっている事業は窓口に来ていただいて登録をしていただく。人材Uターン事業というのは、私、最初にこういうのを見せましたけれども、どんどんと積極的に掘り起こしをしていくといいますか、ダイレクトメールで配って、潜在的なものを全部登録していただく。こういう受け身のものと積極的なものというふうな感じになるのでしょうか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 一言で申しますればそういうことかもしれませんが、公共職業安定所が決して受け身ということではございませんけれども、やはりそういう人材のデータをつくるにつきましても、先ほど申しましたように、いろいろな方々に積極的に働きかけてそういった希望者を出していただくというところまでやろうということでございます。それから、今先生御指摘のように、希望者に対してはどんどん情報を提供していくというところでございまして、現時点で私どもが公共職業安定所でやっておりますのは、窓口においでになりました方を登録していくというところでございまして、そこにはやはり事業の深さ、幅というものがあろうかと思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、雇用構造改善モデルプロジェクト推進事業、これに対して雇用構造改善促進助成金を支給する、こういうふうなことを言っているのですが、投資規模は十億円以上であるとか雇用は五十人以上とか、こういう条件があるようですけれども、そうすると、どうしても大企業の方に有利な状態になってしまうのではないか、こんな感じがするのですね。この事業に対して、中小企業にどう配慮していくのかということが第一点。それからもう一点は、地域の振興ということをいえば、資本とか人とかも全部地域に根差した企業に支援をしていくというのが本来のあり方ではないかと思うのですね。東京に本社があって地方に新しい工場をつくるとかいうものがある、それに対して支援をするという形になりますと、結局法人税は全部東京に落ちてしまうわけですね。ですから、富が地域で還流しないわけです。それはお給料はその地域に全部落ちるわけですけれども。やはり地域の振興ということを真剣に考えるならば、その富がすべて地域で還流するような企業に対して支援をしていく、こういうのが正しいあり方ではないかと思うのですが、その辺はどういう縛りになっていますか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用構造改善促進助成金モデルプロジェクトの推進のための助成金でございますが、これは雇用環境整備地域において事業所を設置、整備して、雇用環境整備地域求職者を雇い入れて、かつ、その雇用する労働者のための福祉施設を設置、整備する事業主に対して助成をするというものでございまして、その提供する雇用機会が職種、労働条件等、その質的側面において地域雇用環境整備計画に適合し、かつ、この地域の地域雇用開発に大きなインパクトを与えるモデル的なものに対して支給されるということになっております。  ただいま御指摘ございましたように、五十人以上の従業員規模ということで、これは大企業だけではないかという御指摘でございますけれども、企業規模の大小は支給条件となっていないわけでございます。したがいまして、地元の中堅企業でございましても、この条件に該当すれば対象になるというものでございます。大企業だけに限られるというものでは決してございません。  しかし、企業というのはいわば地域に根差した企業でなければいけないのではないだろうか、地域にいろいろな資金その他の還流があるべきではないかという御指摘でございますが、何と申しましてもこのモデルプロジェクトというものは、その地域に魅力のある雇用をつくるというところに着目をしているわけでございまして、その魅力ある雇用をつくるということによって、その地域に貢献をしていただくというところにポイントがあるわけでございますので、立地した企業が仮にその地域にいわば本拠地がないというものでございましても、現実にそこに魅力のある企業ができ、若い方々がそこに定住すればモデルプロジェクトとしての目的を達成するわけでございますので、そこのところは、本社がその地域にあるかどうかとか税金をその地域で納めているかどうかということは条件にしていないわけでございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 結局これをやると、雇用の機会は確かにあるかもわからないのですけれども、やはり東京が栄えていくような形にならざるを得ないという側面もあるような気がするのですね。ですから、その指定に当たってできるだけ東京に本社がない、ないと言ったら、それを限定することは法律上は難しいかもわかりませんけれども、指定に当たって特に地元の企業を優先するとか、地元の積極性を優先するとか、あるいは東京に本社があっても分業のような経理の状態にするとか、そのような形で富が地元にも還元できるようなやり方をぜひ考えてもらいたい、こう思います。  それから、魅力のある雇用機会をつくるということも大事なんですが、このごろ就職する人の希望を聞きますと、給料を一番に挙げる人というのは案外少なくなってきた。むしろ、どういうふうな環境に住むのか、快適性だとかそういうふうなものを求める若い人もふえているわけでございます。そこで考えてもらいたいのは、雇用促進住宅、これは私も徳島に帰って全部見てきたのです。建ってかなり古いのがあるのですね。一番古いのは昭和四十二年に建った二Kですね。二つの部屋しかない。そういうのがずっとその後余り手が加えられなくてきているわけです。入居率はどのぐらいあるのかなと聞いたら、大体平均で七六%。これは平成三年二月十九日のデータですけれども、七六%。理想的にはどのぐらいの入居率がいいのですかと聞いたら、やはり九五%ぐらいで、ちょっと、三つか四つぐらいあいているというのがいいのですけれども、なかなか九五%にならないというふうな状況なんですね。  それで現地の声で一番直してもらいたい点は、例えばもっと部屋を広くする、二つを一戸にするとかいう方法もあるのですが、改造するということ、もう一つは入居条件、これは次のような方は申し込めませんと書いてあるのですが、単身者というのは申し込めなくなっているのですね。大学を卒業して帰ってきて住宅がない、こういう人は入れないわけですよ。奥さんがいる人でなければ入れない。だけれども部屋が二つしかないのですね。子供が一人できたらもう出なくちゃいけない。こんな状態があるものですから、やはり現在の住宅の事情に合わせて本当に家族が四人ぐらいでゆっくり住めるような雇用促進住宅に改造していくということが一つと、それから、今ある二部屋しかない住宅については単身者も入れるようにする、こういうふうなことが大事じゃないかと思うのですが、この辺もっと柔軟な発想で雇用促進住宅の入居率を高めるような努力をなさったらいかがか、このように思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 御案内のように、移転就職者用宿舎、雇用促進宿舎と言っておりますけれども、昭和四十一年度から住宅建設五カ年計画の中で設置してきているわけでございます。その計画に合わせまして居住水準も向上に努めておりまして、現在は三DK規模の宿舎を整備しているところでございます。平成三年度におきましても、新設に当たりましては同計画に基づきます居住水準の確保を考慮しつつ、居住性の向上に努めてまいりたいと考えておるわけでございます。  また、先生御指摘の既存の宿舎の修繕、整備等につきましても、経年劣化の著しい、年月が大分たちますとやはり汚く、暗くというようなことになるわけでございますけれども、そういうものにつきましても順次修繕等を行っているところでございます。また、昭和五十年からは狭隘、老朽化している二K宿舎、先生御指摘の二K宿舎につきましては、それを対象といたしまして二戸を一戸に改造するという、二戸一と我々言っておりますが、二戸を一戸に改造する工事を積極的に推進しているところでございまして、平成二年度までに従来の二K宿舎一万二千戸を六千戸の三DKにするというようなことでございます。今後におきましても、入居者等の協力を得ながら、必要に応じまして宿舎の修繕、整備を順次進めていきたいと考えているところでございます。  また、居住要件につきましては、移転就職者用宿舎というのは、発足の経緯から、世帯で移転する場合にとりあえずの宿舎がないというようなことで暫定的に入居するという形で設置されて運用されてきたという経緯もあるわけでございます。そういう中で、今回の法律につきましては、従来、安定所の紹介により移転して就職した者に限るという法律上の要件があったわけでございますけれども、先ほどの自主的な努力、基金の運用その他の整備地域における自主的な運用あるいはUターンで自主的に戻った者、安定所長の紹介によらないものであっても必要と認めれば入っていただけるような、若干ではございますけれども、前向きの改善を法律上も図りたいと考えているところでございます。今後につきましても、できる範囲で逐次居住性の改善なり要件の緩和等についても努力してまいりたいと考えておるところでございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 徳島の話ばかりして申しわけないのだけれども、僕は見てきた話だから言うのだけれども、宿舎が一、二、三、四、五、六、七つあるのですね。そのうち六つまでが全部二部屋なのですよ。最近できたのが一つだけ三DK、こんなことで、二部屋というのは六畳と四畳半だけですから、これではちょっと魅力がないと思うのですよ。ほかの県営住宅と市営住宅とを見ても、全然見劣りするし、しかも、空き室がたくさんあるということですから、単身者を排除する理由はないのじゃないか。むしろ、大学を卒業して宿舎のない人はどんどんいらっしゃいよということで、空き室でほうっておくのはもったいないわけですから、そういうふうな過去の経緯にとらわれないで柔軟に対応していくということが大事じゃないのか、こういうふうに思います。それにしかるべき手を打ってくれませんか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 ただいまの改造の点につきましては、これは入居者のいろいろな御希望あるいは御承認、そういったものを前提にして進めていくわけでございますが、必要に応じて改善を進めてまいりたいというふうに考えております。入居要件の問題につきましては、やはり全国的な問題でございます。長い制度の経緯も持っているところでございまして、この点につきましては先生の御要望、御提言を承らせていただきます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 そういう硬直した頭やから、労働省が何かえらい古ネズミやとかいう評判があるのですよ。やはりもっと斬新な考え方を持って対応すべきだと思うのですよ。空き室をほうっておく手はないですよ。そう思います。えらい言葉が悪くなって、申しわけありませんでした。  それと、職安のハローワーク、私、行ってまいったのですが、最近は電算化も進んで女性の方も窓口にたくさんお見えでございます。やはり職安という言葉も余りなじみが、昔の話を連想するわけでございまして、ハローワークとして女性の職員の配置をもっとたくさんされたらいかがかな、そして、何か暗いユニホームじゃなくて、明るいユニホームを着て、ちょっとコーヒーでも飲めるかなというサロン風の雰囲気にするとか、労働省は変わってきたなと。このごろ郵便局の窓口が大分変わっておりますから、おくれないように、余り昔の考えがこうでございましたからということばかり言うていると国民の皆さんに見放されてしまうのではないか、このように思いますので、窓口の現代化といいますか近代化といいますか、その辺もぜひ努力してもらいたい、こう思います。どうでしょう。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 昨年の一月からハローワークという愛称で事業を進めておるわけでございまして、働く者一人一人もそういうサービスに徹しなければならないと思っておりますし、また、職場のレイアウトもそのように改善をすべきだと思っております。既に建っております庁舎につきましても、予算を合理的に使いましてレイアウトの改善に努めておりますし、新しい庁舎につきましては、職員がいろいろと工夫をいたしまして、かなり斬新なデザインで評判をいただいております。東京でも、新宿につくりましたハローワークなどはその一例でございます。今後ともそういった意味での努力を重ねてまいりたいと思っておりま す。レイアウトも働く者一人一人の気持ちも、そういった意味でサービスに徹していきたいと思っております。  それから、女子の職員でございますが、これはそのウエートが年々高まっております。一線で女子の活躍が目立っておるわけでございまして、今後もそういった傾向が高まっていくと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 最後に大臣に決意をお聞きしたいのですが、今度の法改正は、地域でやる気のあるところは国がうんと応援しましょうという話になると思うのですね。そうすると、やる気のあるところというのはほうっておいてもやる気があるわけでして、やる気のあるところとないところとますます格差ができるのではないか。やる気のないところにもやる気を起こさせるようなものが国の政策であって、そういうふうな運用を私はぜひお願いしたいと思うのですよ、これは運用でできるわけですから。そして、地域を指定いたしました。指定しっ放しじゃなくて、指定した地域が全国のモデルになるような指定のあり方、そしてフォローアップ、こういうふうなものを行うことが大事なわけです。そうすると、労働省はホームランは打たないけれどもヒットをよく打つな、こうなってくるわけでございまして、そういうふうな法の運用のあり方をぜひ大臣にお願いを申し上げたいと思います。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 やる気のあるところ、これはお話しのとおりさることながら、やる気のないところも、雇用機会の開発、推進を図る必要があるところは、私ども労働行政の一環として当然でございますから、その整備地域におきましては、各政策の有効な展開によりまして、先ほどもろもろ申し上げましたような事業目的の達成に向かいまして善処、努力をしてまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 以上で終わります。ありがとうございました。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 一九八七年の三月にこの法律はできたと思います。ちょうど四年が経過しました。一九八五年、八六年と異常な円高が進行する。当時、経済構造調整という名のもとに極めて大規模な人減らしが行われました。この委員会でも論議しましたが、鉄鋼で四万人、造船で三万人、そのほか炭鉱、大変なことだ。とりわけ中高年齢層の労働者が長年にわたって頑張ってきた職場を追われる、こういう事態が生まれました。それらについて、例えば経済審議会昭和六十二年四月二十三日の「経済構造調整特別部会報告—構造調整の指針—」の中で、今読み返してみましても非常に興味のある指摘を随分しています。例えば、「産業間、職業間、年齢間、地域間など多様な分野で需給」、労働力の需給でしょう、「需給の不適合による失業が発生する可能性がある。」このように指摘をして、その上で「地域経済への対応」という箇所では「地域間の労働需給の不適合を解消するため、総合的雇用対策を早急に講ずる必要がある。」そして、その総合的雇用対策の一環として、立法措置の重要な一つとして、経済審議会は地域雇用開発等促進法等の活用によって地域対策を進める必要があると述べておりますね。そこで、今改正案が審議されようとしているわけですが、この産業間、職業間、年齢間、地域間といった分野における労働力需給の不適合が現状でどうなっているか、労働省の認識を伺いたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 ただいまの雇用失業情勢は大変に改善をされてきているわけでございますし、今後、若年労働力の不足ということを考えますと、中長期的にも人手不足基調で推移するということが考えられるわけでございますけれども、しかしながら、こういった中で、まず高齢者の雇用問題というのがございます。今後、労働力人口の伸びが鈍るわけでございますけれども、その労働力人口の伸びが鈍る中で高齢者のウエートが急速に高まっていくわけでございまして、こういった高齢者の雇用の場を確保していくということが大きな課題でございます。  また、職種間につきましても、どちらかと申しますと、いわゆるホワイトカラー的な職種につきましては求人が少ないわけでございまして、技術職といったところでの不足が出てきている。そういった面で職種間でのミスマッチも出てきておるわけでございます。また、かつてと比べまして大変学歴が高くなってきておりますので、そういった面での職種についてのミスマッチが高まってきておるということもあるわけでございます。  また、地域の問題につきましては、高齢化をしていくということとか、あるいは女性の社会進出が進んでくるということに伴いまして、やはり労働力の地域間移動が難しくなってくるということでございますから、どうしても傾向的に地域間のミスマッチが強くなってくる、こういう問題があろうかと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 地域間の不適合の問題と年齢間の不適合の問題、そのことを議論を速くするために私は皆さんの資料でちょっと拝見をしたのです。例えば「労働省職業安定局編 地域別雇用データ 一九九二」の中で、私のおります北海道の雇用状況についてこういうふうに述べていらっしゃる。「地域別労働市場の特徴」で幾つか代表的な地域を分けまして、道央地域、札幌その他が含まれるところですが、そこで常用労働者は「炭鉱、鉄鋼等の構造的な不足業種を抱えている地域の雇用情勢が厳しいことから、」北海道内の「六地域で最も低い〇・四八倍となっている。」事実ですから、そのとおりで、私は事態を正確に言い当てているというふうに思います。  それから、年齢間のいわゆる不適合のことについては、北海道商工労働観光部が「商工労働観光白書」九〇年というのを出しています。その中で、「特に、五十五歳以上の高年齢層は〇・一三倍」有効求人倍率が。前年が〇・一一倍ですね。「前年より〇・〇二ポイントの上昇にとどまって、その水準は極めて低く、高年齢層の雇用機会が大幅に不足しており、離職した場合の再就職は依然として厳しい状況となっています。」こういうふうに述べています。これは何も北海道だけに限らないことだろう。特に、今雇用状況の厳しい九州などでも同様の事態が生まれていると思うのです。そういった状況について、この後の労働政策といいますか、雇用政策としてどういう点を重点的に今お考えになっているか、伺いたいと思います。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 ただいま年齢別のミスマッチの問題、地域別のミスマッチの問題についての御指摘がございました。  年齢間のミスマッチの問題は、先ほど申し上げましたように、労働力人口の伸びが鈍化する中で高齢者のウエートが高まってくるということでございます。これにつきましてはたびたび申し上げておりますように、まず六十歳の定年延長を基盤といたしまして、六十歳代前半層、六十五歳までの雇用を確保する、六十五歳までの雇用システムを確立するということでございます。これは団塊の世代が入ってまいります二十一世紀の初頭までにかけてこの六十五歳の雇用システムを確立するということが大きな目標であろうかと思いますし、昨年十二月に策定いたしました改正高齢者雇用安定法に基づきます計画におきましても、五年間で顕著な前進を図るということを目標にいたしているわけでございます。  地域間の問題につきましては、随分地域間におきまして状況は変わってきておるわけでございまして、北海道、九州のような引き続き雇用失業情勢の厳しいところにつきましては、これまで現行の地域雇用開発促進法が大変に大きな力を発揮してきたと私どもは思っておりますけれども、引き続き従来の雇用促進法の制度を十分に活用いたしまして、その地域の雇用の量的な創出、可能ならばもちろん質的な向上でありますが、まず量的な創出を引き続き続けてまいりたいと考えております。雇用の数がかなり多くなってきたというところにつきましても、仕事の内容によりまして若い 人が地域から流出をしているという現状がござますから、この問題につきましては、今回の雇用環境整備地域を設定いたしまして、若い方々の地域への定着を図り、また、都会に出た方々のUターンを図って魅力のある地域づくりを進めていく、そういう方々の地域への定住の促進を図っていくということを進めてまいりたいと考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 九州や北海道というのがなかなか雇用情勢が改善されていかない。労働省のさまざまな御努力もありますし、今若林局長の話もよく承りました。なぜ全国的な雇用における地域差があるのか。これは私が述べるまでもないことですけれども、雇用の吸収の力が最も大きかった鉄鋼、造船、炭鉱等、そういった産業が急速に、先ほど述べた経済構造改善と称する一連の経済政策の中で状況を一変させたところ、もっと端的に言えば、姿を消していったところ、そういうところで雇用のミスマッチというのが大きな傷跡として今でも厳然として残っている。そこに着目をしなければ事態の大きな改善というのは困難だろう。その意味では、これは政府全体の課題にもなるという点を一つ指摘しておいて、改正案の中身に触れたいと思うのです。  今回の改正案について、適性、技能の程度等にふさわしい職業につくことを促進する必要があると認める求職者という説明がよく出てまいります。ここで程度というのがもし両方にかかるのだとすれば、適性の程度と技能の程度、それにふさわしい職業につこうと思うが、なかなかそういう職業がない。どのような労働者像を想定すればいいのか、いかがでしょうか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 これは地域によっていろいろと差は出てこようと思いますけれども、全国的な傾向として考えますと、若い方々は地元にとどまりたいと思いながら県外に就職せざるを得ない。その原因を聞きますと、自分に合う職業がないということでございまして、どういう職業を希望するかということを聞きますと、やはり専門的な職種というようなことを言われるわけでございまして、一般的に言えばホワイトカラー的な職種、こういったものを若い方々は求めているということであろうと思います。したがいまして、地域に差はありますけれども、全体像としてはそういうものをお考えいただければいいのじゃなかろうか、こういうふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 労働省に昨日大変興味深い資料をいただきまして、「都道府県別職業別常用新規求人倍率」、そこで今のお話なんですが、職業の区分で「専門的・技術的」と称する区分がありますね。それから「事務的」という区分があります。そのあたりを皆さんは考えていらっしゃるのですか。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 この区分の仕方はいろいろあろうかと存じます。今先生が御指摘ございましたような専門的技術的職種でございますとかあるいは事務職種、こういったものが考えられようかと思います。こういった職種の求人倍率というのは地方においては大変に低いわけでございます。全国平均と比較いたしますと、そういうところが低いということがございます。  もう一つの分類の仕方といたしましては、間接生産職、直接生産職というのがございます。これも地方の都市と東京とを比較いたしますと、間接生産職、これは専門職、技術職、事務職、こういうものを含めたものでございますけれども、間接生産職というものの比率が東京では大変高いわけでございまして、地方都市は低いということでございます。この辺が一つのメルクマールではないかというふうに思っております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 そこで、改正案の構造的な問題に一つ触れたいのです。  今御指摘になった労働者、勤労者と言ってもいいのですが、けさ来の御答弁で若いという言葉も随分出てきまして、言ってみれば比較的、何というのか青年層、せいぜい壮年層、それから「事務的」「専門的・技術的」、今おっしゃった間接的、直接的もいろいろ考えられますが、率直に言って比較的労働力市場においては競争力の強い部分が想定されていると思うのです。この法自身の構造としては、さっき言いましたように、四年前にこれができたとき、いろいろ地域指定がありますが、その地域指定の中でいわゆる重厚長大と言われた産業が消えていく、そこに対する労働省としての緊急の施策という性格がかなりあったと思うのです。雇用調整助成金なんかにはそれがうかがわれますね。それで四年前の地域指定は、多分適用が五年ですから、あと一年ですね。場所によってはもう一年あるところもあるようですが。そして、今度新たに雇用環境整備地域が指定されていく。既に指定されている地域、それぞれの地域には経済的な条件があります、特徴がありますね。今度皆さんが指定されようとしているところもある一定の条件を想定されているようですが、それらの重なり、または重ならない、そして時間的な指定の差、それらは構造的に言ってどうなっていくのか、ちょっと妙な質問で恐縮ですけれども。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 まず第一に、先ほど若い人がという話がたびたび出るというお話がございまして、確かにそうでございますが、四全総におきましても、その一つのビジョンとして若年層を含めた人口の地方定住が進むということでございまして、そういうことが一つのポイントだろうと思います。  ただいまのお話の地域の指定のいわば構造でございますが、御質問を正しく理解しているかどうかわかりませんが、まず重複はないということでございます。そして、これまでの雇用開発促進地域、いわば今度の雇用機会増大促進地域でございましても、それが雇用条件がうんとよくなってまいりまして雇用機会増大促進地域である必要がなくなった、しかも雇用はかなり改善されたのだけれども若い人がどんどん流出してしまう、こういうところは新しい雇用環境整備地域の対象になり得るわけでございまして、いわば時間的にこっちからこっちへ移っていくということはあり得るわけでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 この法の運用の問題として私は労働省に強く要望したいのですが、先ほどお話のあった適性、技能の程度等にふさわしい職業につくことを促進する必要があると認める求職者、この求職者を考えていく場合に、年齢でもって余り厳しく切るべきではないのではないか。私、この点、けさ最初に質問に立たれた坂井委員の御質問は非常に私の問題意識と一致しているのですよ。さっきの事務職、それから専門職技術職的なもの、そういう非常にすぐれた経験と能力をお持ちで、たまたま年齢が比較的高いないしは五十五歳、五十八歳、そういう方々は、この法の改正案に十分乗ると私は思うのです。その点の運用を思い切って心がけていただきたい、この点、いかがでしょう

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 若年者ということをたびたび申し上げますのは、一つのポイントではございますけれども、決してそこにとらわれるべきものではないだろうというふうに思います。中高年の方でUターンをしたいという方は多くいらっしゃるわけでございますし、その思いは同じであろうと思います。そして、そういう方々がふるさとに帰られて、その地域の活性化に大変に大きな力を発揮されることは当然でございますので、そういったことも当然にこの制度の趣旨の中に含まれていくべきだというふうに考えております。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 終わります。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 次に、柳田稔君。

柳田稔民社党

○柳田委員 質問に入る前に、私も広島県選出の議員として一員強く要望をしたいと思います。平成六年のアジア大会に向けて、この成功が広島県民にとっては大変な夢だと思っております。ただ、残念なことに今回の事件が起こった、非常に残念に思うわけであります。今回の事故の徹底した原因の究明、さらには適切な、的確な処理、また、今後の対策を強く要望をしたいと思います。よろしくお願いします。  法案についてでございますけれども、まず現行の地域対策、その推進体制及び実情についてお尋 ねをしたいと思います。  地域雇用開発を効果的に推進するために、まず地域内のコンセンサスづくりが必要であろう、そのため雇用開発促進地域ごとに設置されております地域雇用開発会議の実施状況はいかがか、また県レベルに設置されております地域雇用開発協議会の実施状況も教えていただきたいと思います。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 地域雇用開発を促進するためには地域関係者の主体的な取り組みが非常に重要である、その取り組みをいろいろ御援助することも必要であるということで、六十二年から、法発足後でございますけれども、雇用開発促進地域ごとに、市町村や労使団体あるいは公共職業安定所の所長さん方約十人の委員で構成する地域ごとの地域雇用開発会議を設置いたしまして、年に平均して六回程度の会議が開催されているところでございます。  具体的な会議の活動といたしましては、地域における産業及び雇用の動向の把握、これは企業に対してのアンケート調査等もやっておるようでございます。また、雇用開発に関する情報や、国や自治体の各種施策などについての情報を事業主の方々に提供するというような仕事、また、求職者に求人動向を提供するというような仕事、あるいは市町村等の地域関係者の意向を踏まえました雇用開発の具体化の方向、市町村はどういう雇用開発の施策を考えているかというようなことと、その方策の検討等をやってきておるわけでございます。これらの会議の活動によりまして、地域におけるコンセンサスづくりというのは着実に成果を上げてきているのではないかというふうに思うわけでございます。  また、第二点の県レベルにおきます地域雇用開発協議会でございますけれども、これも県レべルにおきまして具体的な地域雇用開発のために自主的な取り組みをやっていただくという意味で、国が積極的に援助しているわけでございます。これも同様六十二年度から実施されておりまして、地方自治体、労使団体等が構成員となりまして、具体的に雇用開発アドバイザーの設置による相談、指導、あるいは地域の雇用開発の具体的な推進方法や可能性の研究調査、あるいは人材育成のための研修会、先ほど申し上げました各種、各地域の雇用開発会議との情報交換、あるいは具体的な開発プランを作成する際のソフト面の援助等、いろいろ幅広い活動をやっているところでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 今答弁の中にございましたけれども、労働組合の方も大分参加をしているということでございますけれども、各地域、また協議会で十分な意見の反映がなされているのか、お尋ねしたいのですが、よろしくお願いします。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 景気の持続的な拡大という背景もございまして、最近雇用失業情勢が非常によくなっておる。これは過去四年間の成果でございますけれども、いろいろな、先ほど申し上げました今回の法律の前提となる雇用開発促進地域における雇用開発がいろいろな面で三十万人、四十万人というような実績を上げていることは事実でございます。これの実績の背景といたしまして、地域の雇用開発会議あるいは県のレベルにおきます雇用開発の協議会、そういう分野でもろもろの雇用開発のアイデアを出したり、企業の相談に応じたりというようなことを含めまして、また労使のコンセンサスづくりにも非常に大きな役割を果たしてきたというふうに考えておるわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 この地域の問題、やはり役所もそうですし、経営者側もそうですし、労働団体の意見も今後十分に取り入れていただきたいというふうに思います。  また、先ほど答弁の中にございましたように、各地域間のコンセンサスづくりといいますか、各地域間でいろいろとお話し合いをしながら、うちの地域ではこういうことをやって成果を上げたとかというところもやっておりますということでございましたけれども、その現状、どれくらいやっていらっしゃるのか、また、今後推し進める計画なのか、教えてください。

伊藤欣士労働省職業安定局次長

○伊藤(欣)政府委員 先生御指摘のとおり、地域雇用開発会議あるいは地域の協議会の取り組みも年々成果が上がってきており、その成果も着実に蓄積されつつあるわけでございます。これらの成果を他の地域におきましても十分に参考にしていただき、また有効に活用していただくということが、今後の全国的な視野における雇用開発、地域の雇用開発を包括的に進める上で重要だと考えておるわけでございます。  具体的には、各地域におきます協議会における調査研究事業等の報告書などを他の地域に送付したり、また、先ほど申し上げました雇用開発アドバイザーによる先進地の事例の見学、実地視察などを相互に行うというような形、あるいは各地の協議会などの指導担当者などが年に一回ほど集まりまして、事業の効果的な運営についての情報交換などを行っているところでございます。今後、地域雇用開発を進めるに当たりましても、今までの蓄積、成果を十分に活用するべく努力してまいりたいと思うわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 次に、雇用環境整備地域対策についてお尋ねをいたします。  新規学卒者等の若年者や都市圏在住のUターン志向者等の就職ニーズを踏まえて、雇用環境整備地域においては魅力のある雇用機会の開発が重要であるということでございますけれども、魅力のある雇用機会とはどういうことなのか、教えてください。

若林之矩労働省職業安定局長

○若林政府委員 雇用環境整備地域におきまして魅力のある雇用機会と申しますのは、近年の所得水準の向上、勤労者の意識の変化等を背景といたしまして、自分の能力、経験を十分に発揮することができるという職業、仕事の内容は一つ大きなファクターであると存じます。また、週休二日制等の労働時間短縮も含めた労働条件が良好であって、社宅や福利厚生施設等の福利厚生制度などが十分に整備されている、あるいは能力開発制度が整備されている、こういうようなことによって勤労者が真に就業したいと思えるような雇用機会、こういうものを魅力ある雇用機会というふうに概念づけているわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 その中で特に労働時間短縮についてお伺いをしたいのですが、現状、まだそんなに進でいないような気がいたします。また、労働省も目標を立てております千八百年間総労働時間、これに比べてまだまだ大分おくれているなという感じがするわけですが、今後具体的にこの目標に向かってどのように進めていくのか、教えてください。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 労働時間でございますが、現在の改正労働基準法が昭和六十三年の四月から実施をされておりますけれども、それまでほぼ十年、大体横ばいでございました総実労働時間が、改正労働基準法実施以来着実に減少してまいっております。平成元年度の数字が現在出ておりますが、平成元年度では二千七十六時間ということでございまして、おっしゃいました千八百時間の達成ということになりますと、まだまだ一層の時短の促進が必要でございます。このために、この四月一日から政令改正によりまして、週四十六時間の法定時間を週四十四時間に短縮をするといったことが一つございます。それから、労働時間の短縮は特に中小企業においてはなかなか困難な面が多うございますので、この中小企業の同一の業種あるいは地域、同一企業系列といったそういう集団をとらえまして、労働時間短縮アドバイザーなどによる指導援助を行うというようなことで、週休二日制の普及促進等を図っているところでございます。この種の施策を今後とも充実していきたいというふうに考えております。  また、時間短縮のためには年次有給休暇の取得促進あるいは連続休暇の普及拡大ということが必要でございますけれども、これにつきましては、昨年七月に専門家会議によりまして連続休暇取得促進要綱といったようなものを策定しております。こういったものを用いまして、具体的に企業あるいは企業集団の指導に努めたい。  それから三番目に、全体の労働時間の短縮を進めますためには、所定外労働時間の短縮が不可欠でございますけれども、そのために現在労使協定の届け出がありましたときに労働大臣の定めます目安によりましてその最高限度時間についても指導しているわけでございます。この指導基準につきましても、ことしは見直しをやりたいということで現在検討中でございます。こういった施策を総合的に進めることによりまして時間短縮のスピードを速めてまいりたい、かように考えております。

柳田稔民社党

○柳田委員 週四十時間の目標はいつごろに置いていらっしゃいますでしょうか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 御承知のように、現在の経済計画ではその計画期間中、つまり平成四年度末を目標に千八百時間を目指して短縮をする、こうなっております。率直に申しまして、現在のスピードではまだまだ十分ではございません。実態としてはそういうことでございますが、一方、週四十時間ということに向けての法律的な整備という点になりますと、現在の労働基準法の附則の規定に基づきまして改正労働基準法施行後、この三月末で三年たちますけれども、この附則の規定によりまして四月以降、改正労働基準法の労働時間関係の規定の内容についての検討を始めるという段取りにいたしております。そのことによりまして、この問題についての議論を進めながら今後の方向を定めていきたい、かように思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 若い者の立場に立ちますと、給料も一つの目安になりますが、労働時間というのも非常に大きなウエートを占めておりますので、また時間があればこの労働時間短縮に向けては再度質問をさせていただきたいと思います。  最後になりますが、今回のこの法案、できた当初、私も会社内で働いておりまして、給付をいただきました。若干、一年ほど息は延びたのですが、その後も景気が回復しないということで苦しい状況下にありました。今は景気がいいということで安心はしておりますが、いつ何どきまた円高構造不況のような不況に見舞われるともわかりませんので、今後も鋭意努力をしていただきまして推進をしていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 以上で本案に対する質疑は終局い たしました。     ─────────────

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ─────────────

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 この際、本案に対し、加藤卓二君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。永井孝信君。

永井孝信日本社会党・護憲共同

○永井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、地域における雇用問題が地域経済の振興、地域の活性化にとって極めて重要であることにかんがみ、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。  一 我が国の勤労者が、その経済的地位にふさわしい真の豊かさとゆとりを享受できるような地域社会を実現するため、雇用情勢が改善されていない地域に対する従来の施策及び新たに設けられる雇用環境整備地域に対する施策の積極的な推進等地域雇用対策を総合的かつ強力に推進していくこと。  二 地域雇用開発を促進するに当たっては、地域活性化のための諸施策と十分な連携を図ること。  三 本法の施行については、関係地方公共団体の意見を十分尊重するとともに、地方公共団体がその自主性を十分発揮できるよう、施策の効果的な運用を行っていくこと。  四 地域雇用対策を推進していくうえでは、労使関係者の意向が十分に反映されるよう配慮すること。  五 地方公共団体と公共職業安定所等職業安定機関との連携のもとに、Uターン就職希望者等のニーズに即した求人情報等の提供に努めること。  六 各種助成金、融資制度については、地域の雇用失業情勢その他雇用の動向に的確に対応した適切かつ機動的な運用が図られるよう努めること。  七 地域における職業能力の開発が重要であることにかんがみ、公共職業訓練施設の充実・強化、民間各種職業訓練施設の積極的活用等職業能力開発体制の整備を図ること。  八 本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政体制の充実・強化を図ること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  加藤卓二君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 まず、法案を御可決いただきましてありがとうございました。  なおまた、ただいま決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。     ─────────────

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕      ────◇─────

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 この際、内閣提出、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。小里労働大臣。     ─────────────  中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

小里貞利自由民主党労働大臣

○小里国務大臣 ただいま議題となりました中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  近年の景気の持続的拡大を背景に特に中小企業において人手不足感が広がっているとともに、近年の出生数の減少に伴い、我が国の生産年齢人口は一九九五年をピークとして減少に転ずるなど我が国が戦後初めて経験する状況となることが見込まれます。  一方、国民のゆとりと豊かさ志向の強まりを背 景に、就職に際しても短い労働時間、良好な職場環境、充実した福利厚生施設等が重視される傾向にありますが、これらの分野における中小企業と大企業との格差は大きく、中小企業は労働力の確保に当たって不利な立場に置かれているとともに、今後の労働力需給の動向にかんがみると、中小企業における労働力の確保は、中長期的かつ構造的な課題として対応していかなければならない問題であります。  このような状況にかんがみ、中小企業における労働力の確保を図るためには、中小企業者が行う労働時間短縮等労働条件の向上、職場環境の改善、福利厚生の充実等雇用管理の改善に係る措置を促進し、中小企業の職場としての魅力を向上させることが重要であり、そのための支援策を総合的に進めていくことが重要な課題となっております。  政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、中央職業安定審議会及び中小企業近代化審議会での御議論を踏まえつつ、労働省と通商産業省が協力して労働力の確保を図るために中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置を総合的、体系的に促進するための法律案を作成し、中央職業安定審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。  次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明いたします。  第一に、労働力の確保を図るために中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置に関し、通商産業大臣及び労働大臣による指針を作成することとしております。  第二に、構成中小企業者の労働力の確保を図るための労働環境の改善、福利厚生の充実、募集方法の改善その他の雇用管理の改善に関する事業について事業協同組合等が計画を作成し、都道府県知事の認定を受けることができることとしております。  第三に、計画の認定を受けた事業協同組合等及びその構成中小企業者に対し、雇用保険法の雇用福祉事業としての助成及び援助、雇用促進事業団による資金の貸し付け等、中小企業信用保険法の特例措置、中小企業近代化資金等助成法の特例措置、中小企業投資育成株式会社法の特例措置、委託募集の特例等の措置を講ずることにより、中小企業が行う雇用管理の改善に係る措置を総合的に支援することとしております。  なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。  以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。  何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

浜田卓二郎自由民主党

○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る四月九日火曜日午前九時四十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十三分散会

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