社会労働委員会 第6号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/15
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口俊一君。
○山口(俊)委員 恐らくこの中にもおいでになろうかと思いますけれども、実は私は四人の子持ち議員でございまして、六歳を筆頭にすべて乳幼児というふうなことで、児童手当はいただいておりませんけれども、特にこの問題に関しましては終始興味を持って見さしていただいておりまして、そうしたことで、この改正法案につきまして、極めて限られた時間でありますけれども若干質問をさしていただきたいと思うわけであります。 御承知のごとく、児童、育児といった問題は、これまでどちらかといえば老人問題とか高齢化の問題といった陰に隠れがちで、若干そうした点で問題はあったわけでありますけれども、あるいは女の人の問題だとか個人の問題だという意識も強かったんではなかろうかと思うわけでありますが、突然最近脚光を浴びるようになってきた。昨年六月の厚生省の発表の例の出生率一・五七、これがその原因ではなかろうかと実は思うわけであります。児童手当の問題に関しても急浮上をしてきた。しかし、私としては、世界的に見てこの一・五七というふうな数字が特に低過ぎるんではないんじゃないかと実は思っております。いわゆるゆゆしき事態とまではいっておらないんじゃないかというふうな感じがするわけであります。事実、いろいろ見てみますとイギリスが一・八五、フランスが一・八一、西ドイツ、当時でありますけれども、一・三九、イタリアが一・二九等々であります。いわば先進国レベルでありまして、ライフスタイルとか価値観の変化等を考えてみますと許容限度内ではなかろうかと思っております。 ただ、もし問題があるとすれば、確実にこの出生率というのが長期低落傾向にある、結果、人口動態に変化を来し、高齢化にますます拍車がかかるのではないかというふうな点であります。また、児童手当の増額によって出生率が上がるとも思えないわけであります。ただ、この一・五七ショックによっていろいろな問題が顕在化をして、なかんずく児童手当法改正にまで波及をしたというふうなことは歓迎すべきことであり、育児、児童といった問題について社会全体で考え、児童や家庭に関する総合的な施策、環境づくりを進めるよい契機になったんではないかと考えております。そのためには労働時間短縮も含めた家族が一緒に過ごせる生活時間の確保、特に女性のために職業と家庭との両立支援、これには育児休業制度もあるでしょうし、多様な保育サービスの強化も考えていかなければならないわけであります。また、男性の家庭生活への参加促進、住環境の整備、さらに子供の遊ぶ環境の整備もあるわけであります。そして児童手当等、子育てに伴う経済的負担の軽減であります。こうした総合的な環境づくりを進めることによって初めてそうした目的が達成できるわけでありますし、しかも、その結果として多少は出生率も向上を見るのではないかと実は考えております。今回こうした総合的な環境づくりの一環として児童手当法の改正が提出をされたところでありまして、この意味において評価をいたしておるところであります。若干の疑問もありますので、以下その内容についてお伺いをいたしたいと思います。 まず最初に、もともと児童手当制度というものにつきましては、その目的、趣旨について、賃金政策との関係とか人口政策との関係等、いろいろな考え方があるわけでありますけれども、御承知のとおりフランスなどでは明らかに人口政策というふうな形でこれが発生をしたわけでありますけれども、我が国の児童手当制度のもともとの立法趣旨、その目的は何か、果たして多少は人口政策的な考え方もあったのかどうか、そうしたことについてまずお伺いをいたします。
○下条国務大臣 お答えいたします。 最近、出生率の低下に伴って各家庭において児童が少なくなってきている、こういう中で、委員は四名の子持ちでいらっしゃる、大変心強く思う次第でございます。また、今児童手当に関する全般的な背景についてのお尋ねもございますので、お答え申し上げます。 我が国の社会保障制度は、昭和三十年代に国民皆保険、皆年金体制が整備されるなど、逐次整備されてきましたが、児童手当制度はこうした社会保障の制度、体系を整備する観点から昭和四十七年に創設されたものであります。本制度は、児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としたものであります。なお、出産等の問題は直接行政が関与する問題でないことは御承知のとおりでございます。
○山口(俊)委員 人口政策的というよりは、むしろ福祉政策的なニュアンスが日本の場合は強いのではないかと考えておりますけれども、ただ、外国との比較というのがよく出てくるわけで、外国の児童手当制度というのは発足の経緯とか社会的、経済的状況の違い等によって給付内容もまちまちになっておるわけであります。その主要国の現状について若干お知らせをいただきたいと思うわけです。 また、外国の児童手当制度と我が国の制度を単純に比較するというのは、逆に危険があるのではないかと実は考えております。そうした意味合いから、我が国の制度との違いというのは果たしてどのような理由によるものかお伺いをいたしたいわけであります。
○土井政府委員 外国の児童手当制度でございますけれども、ヨーロッパの主要国、ドイツ、スウェーデン、イギリス、フランス等でございますけれども、それぞれの国の社会経済状況等の違いによりましてその制度の沿革や給付内容等も異なっていると考えております。 ある程度具体的な事例で御説明を申し上げますと、支給対象についてでございますが、フランスでは第二子からとなっておりますが、その他の国では第一子からということになっております。支給期間につきましては義務教育終了までということになっております。支給金額でございますが、為替レート等の問題がございますけれども、第一子はおおよそ一万円前後の金額となっておりまして、イギリスを除きまして二子目、三子目になると支給額が逓増するという形になっております。なお、ドイツの第一子の支給金額は四千円程度でございます。財源は、フランスは制度発足時の経緯等もございまして全額事業主等の負担となっておりますが、その他の国は全額国庫負担という形で賄っております。 このように、西欧諸国の児童手当制度はかなり手厚い内容となっておりますけれども、御案内のとおり、我が国の制度と比較する場合に、税制上の扶養控除が日本には存在しているということ、あるいは企業の七五%程度が家族手当として子供に着目した賃金構造で手当を支給している、そういう社会経済情勢の違いもございまして、これらの事情を考慮いたしまして単純に比較をすることは必ずしも適当でない部分があるのではないだろうか、そのように理解をしているところでございます。
○山口(俊)委員 まさにお話のとおりであります。単純に比較とか、あるいは呼応することには問題があろうといったことで私はお伺いをいたしたわけであります。 そこで、今回の制度改正についてでありますが、御承知のとおり、第一子への支給対象の拡大、支給金額の倍増等、全体として制度の充実を図ったものというふうに理解をいたしておりますけれども、今回のこの制度改正をするに至った考え方、その目的についてお伺いをいたしたいと思います。
○下条国務大臣 お答え申し上げます。 今の目的、経緯等についてお話し申し上げますが、核家族化、女性の就労増大、出生率の低下等、児童や家庭を取り巻く環境は著しく変化しておりまして、二十一世紀の社会を担う児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進することが甚だ重要な課題となっております。今回の児童手当制度の改正は、このような総合的な環境づくりの重要な柱として、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視いたしまして我が国の実情に即した制度とするものであります。この具体的な内容は、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものであります。これが今回の主要な柱でございます。
○山口(俊)委員 今お話がございましたけれども、倍額、倍増ということですけれども、果たしてこの五千円があるいは一万円が本当にそうした家庭の援助になるのかどうか、いろいろ議論があろうかと思うわけであります。私としては、この制度についても時代とともにいろいろな意味合いというのが付加されてくるんじゃないかと実は考えております。ですから、社会福祉的な意味合いプラス最近のいろいろな時代の流れを踏まえて、やはり社会が、国が、地域が、児童あるいは児童を育てる家庭を温かく見守っておるんだ、そうしたシンボリックな意味合いも今回の改正にあるんじゃないかと考えておるわけであります。 その内容につきまして今も大臣の方からお話がありました。重点的にというふうなお話がありましたけれども、この支給期間につきましては、今までは小学校入学前というふうなことでありましたけれども、三歳未満に重点化をしておるわけであります。三歳未満といいますと一歳と二歳だけというふうなことになるわけでありますが、ゼロ歳も入るわけですか、これについてはそれこそいろいろと議論の分かれるところであろうと思います。本当に必要なのは、じゃ、果たして何歳なのか、ゼロ歳なのか一歳なのか二歳なのか、あるいは四、五歳なのか、予算がないのであれば、じゃ、どこへ重点を置くのかというふうなことであろうかと思いますけれども、この三歳未満にあえて給付を重点化なさったその理由というものについてお伺いをいたします。
○土井政府委員 支給対象の年齢につきまして三歳未満に重点化をする点につきましては、ただいまお話がございましたように、いろいろな議論があることは私どもも承知しております。中央児童福祉審議会におきまして一年有余にわたりましてこういう問題を中心にいろいろな角度から御議論を賜りました。そして、昨年十二月の意見具申をちょうだいして今回の改正内容を固めたわけでございます。 ただいまお話しの三歳未満の点の考え方でございますけれども、一つは、人間形成の基礎となる極めて重要な時期であること、二つ目には、母親の就業率が低い実態にあるなど生活上の制約が非常に大きいということ、それから三点目は、育児に手がかかる時期でございまして、例えて申しますと、保育所の場合の取り扱いでございますが、児童数に対する保母の割合は六人対保母一人というふうに手厚くなっております。また、三歳児の場合で申しますと、それが二十対一というふうな状況になっておりまして、これを反映して保育単価等も大きな違いがあるということ、四点目といたしまして、親の年齢も若く収入が低い時期にあると考えられますので、経済的な負担も相対的に大きいというふうに考えられます。これらの事情を考慮いたしまして三歳未満に給付を重点化することとした次第でございます。 なお、支給期間の改正に伴いまして、既に支給を受けている方々に対する配慮として所要の経過措置を設けますとともに、一方では児童手当制度の中の福祉施設事業におきまして新しい保育サービスを実施するなど、育児支援サービスの一層の充実を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○山口(俊)委員 今いろいろとお話をいただきました。確かにそうした背景もあろうかと思いますけれども、ただ、父兄の方々の負担感というか、それは意外と幼稚園に行き出してからとか、そうしたあたりにもあるわけでありますので、確かにより有効な金額にしていくというのはわかるわけですけれども、本当はもっと予算が欲しいというのが本音ではなかろうかと実は推察をいたすわけでありまして、私どももまた今後の課題として考えてまいりたいと思っておるわけであります。 また、この支給金額についてでありますけれども、御案内のとおり五千円の水準が昭和五十年以降ずっと据え置かれていた、ある意味で異常な事態であったのではないかと思うわけでありますけれども、ようやく今回の改正で倍増をしております。支給額はどのような考え方で五千円、一万円になさったのか、また、それによる対象児童の増減、さらには支給総額がどうなっていったのかということについてもこの際お伺いをいたしておきます。
○土井政府委員 まず、支給金額でございますけれども、第三子以降五千円というのが昭和五十年に設定をされて以来、お話しのとおり据え置かれているところでございますが、昭和五十年から今日までにおける消費支出の上昇率、これは家計調査を基本にして推計をしますと約二倍の状況になっております。したがいまして、この金額を一万円に倍増するということにいたした次第でございます。なお、第二子につきましては現行は月二千五百円でございますが、同じ倍率で五千円ということにいたしました。また、新しく対象につけ加わる第一子につきましては、第二子と同じ金額を支給するということにいたした次第でございます。 次に、対象児童の数でございますけれども、平成二年の時点で現在支給対象は三百八十五万人という人数になっております。これが支給期間の短縮に伴いまして、平年度ベースで見ると二百七十万人に減少するというふうに見込んでおります。これまでは二番目以降の子供が長い期間にわたりましてこの手当の支給対象となっていたわけでございますけれども、今度は毎年毎年生まれる子供の数の四二・七%を占めております第一子に拡大するという意味では、新しく支給を受ける対象範囲は拡大している。ただ、一人の子供が長くもらうという意味では、従来は学校へ行くまで約六年数カ月という期間が短くなるという意味で、ただいま申しました毎年毎年の支給対象児童数は減少すると推計をいたしているところでございます。 次に、給付規模の問題でございますけども、最近の給付実績は千四百五十億円でございますが、今回の改正を平年度化した場合には約一千九百億円、現在の給付規模の三割増というふうに推計をしているところでございます。
○山口(俊)委員 まさにこれは重点投資というふうなことではなかろうかと思います。 時間がありませんので次に進みますけれども、ただ、支給総額が約三割ふえるというふうなことであります。基本的にはこれは決して後退したことではない、後退しておらないというふうな印象も受けるわけでありますが、実は御承知のとおり、支給額がふえるということは、地方あるいは事業主の負担がそれだけふえるというふうなことでもあるわけであります。昭和五十七年以降、行財政改革の一環として所得制限の強化と全額事業主負担による特例給付というものが実施をされておるわけでありますが、今回の改正では、特例措置の扱いはどうなっておるのか、また、費用負担の見直しはどうなるのかということであります。つまり、児童手当の財源は御案内のとおり企業が大半を負担しておる、しかも、企業の多くは給与体系の中に家族手当やそういったものを盛り込んでおるがために不満が相当強いのじゃないかと考えられます。また、中央児童福祉審議会の答申にも自営業者の費用負担のあり方は今後課題であるというふうな答申もあるわけであります。そうしたことに関する考え方をお聞かせいただきます。
○土井政府委員 まず、特例措置でございますけれども、ことしの五月までで期限が切れることに相なります。この特例措置につきましては、被用者と非被用者の支給割合が一つの所得制限でやりますと大きく異なるということで、これを調整する役割を果たしているわけでございまして、今回お願いをしております法律案におきましては、当分の間継続をいたしたいという内容でお願いをいたしておるところでございます。 それから、費用負担のあり方の問題でございますが、お話にありましたとおり、中央児童福祉審議会におきましてもこの議論がなされまして、自営業者の費用負担等の問題につきましては、今回はそれについての結論は得られていないけれども、今後の残された課題ということで中央児童福祉審議会の意見具申もちょうだいいたしております。したがいまして、今回の改正案におきましては、費用負担の割合は国、地方公共団体あるいは事業主側、いずれも現行どおりという費用負担の内容でお願いをしているところでございます。なお、自営業者の費用負担等の問題につきましては、今後、この改正制度が御承認をいただきまして、その上でスタートをした後その定着状況がどうなるかといったようなことも見きわめながら、さらにまた、国民のコンセンサスのあり方がどうなるかということも見きわめながら、将来の問題として検討させていただきたいというふうに思っております。
○山口(俊)委員 これはいろいろ問題があろうかと思いますけれども、将来的にどうか御検討方をお願いいたしておきます。 さらに、今回の制度改正に伴いまして、一つには事業主への還元というふうな意味合いもあろうかと思いますけれども、児童手当の財源を活用して夜十時ころまでの保育サービス等々、いわゆる新しい多様な保育サービスを実施をするというふうなことになさっておるわけでありますけれども、女性の就労が増大をする中で、こうしたきめ細かな保育サービスを今後ともに推進をしていただきたいと思うわけですけれども、その点につきましてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
○土井政府委員 女性の方々の就労形態の多様化に伴いまして、保育需要もまた多様化をいたしております。私どもとしては、このような状態に対応すべく、乳児保育とか一時的保育事業といったようなものを従来から特別保育対策に力を注いできたつもりでございます。 平成三年度におきましては、お話がありましたように、新しい保育サービスを展開いたしたいということで、一つは夜十時まで一般の保育所をオープンしたい、一定の条件を備えた場合に十時まで子供を預かるようにいたしたいというのが一点でございます。それからもう一つは、一般の保育所では対応できない深夜や休日における保育ニーズに対応するために企業が社会福祉法人に運営を委託して、そういう企業委託型の保育サービスを展開いたしたいという二つの新しい事項を新年度予算におきまして実施をいたしたいと考えているところでございます。今後とも社会経済情勢の変化を十分見きわめながら、新しい保育需要に応じたサービスの多様化につきましては、最大限の努力を払ってまいりたいと考えているところでございます。
○山口(俊)委員 さらに、これは需要がいろいろと高まっていくということでもあろうかと思いますので、質量ともに充実強化をしていただきますようにお願い申し上げておきます。 もう余り時間がございませんので、最後に、二十一世紀の我が国の社会を担う児童、もう言い古された言葉でありますけれども、この児童が健やかに生まれ育つための、大臣もおっしゃっておられました総合的な環境づくりが一番大事であろうかと思うわけでありますが、それに対する大臣の基本的なお考え方をお伺いいたしたいと思います。
○下条国務大臣 児童を取り巻く環境として、児童が健やかに生まれ育つ総合的な施策をいかに考えるかという御趣旨だと思いますが、核家族化や都市化の進行、女性の社会進出、出生率の著しい低下等、子供と家庭を取り巻く環境は近年大きく変化してきております。このような環境の変化を踏まえ、未来を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりが一層大切になってきております。このため、内閣におきましても、昨年の八月に関係十四省庁から成る健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議が設置され、総合的な視点から検討を行ってまいりました。それに基づきまして、去る一月二十三日にその検討結果の取りまとめが行われたところであります。 厚生省におきましては、平成三年度予算案においても、一つは児童手当制度の充実、また次は、多様なニーズにこたえるきめ細かな保育サービスの実施、そのほかにまた、育児に悩みを抱えられる親御さんたちに対する相談支援体制の整備、さらに放課後児童対策等、地域における健全育成対策の推進、また、市町村を中心とした母子保健対策の充実等を盛り込んでいるところであります。今後とも労働行政や教育行政等、他の行政分野とも連携を図りながら、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりに総合的な視点からなお一層努力をしてまいりたいと考えております。
○山口(俊)委員 大臣から御答弁をいただきましたけれども、要はそうした御努力をこつこつと続けていくというのが大事ではなかろうかと思っております。また、働く女性が、そして男性もでありますけれども、安心して子供を産んで、あるいは育てられる、そのようなハード面あるいはソフト面、両面での社会的環境を整備していくべきであろうと思っております。いわゆる産めよふやせよというのでは、これは物笑いの種になるのではないかと思います。 当初申し上げましたように、私も四人の子持ちとして大変興味を持って拝見いたしております。また、いろいろとそうした問題にも取り組んでまいりたいと思っておりますので、どうか厚生省としても格段の御努力をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○浜田委員長 土肥隆一君。
○土肥委員 私どもは後ほどの伊東秀子委員と分担してやりますので、一人で全部やるわけにいきませんので、私は主に前半部門を持つということになっております。 まず、先ほどから山口委員に対して答弁がございましたけれども、この児童手当法の目的、それから、今回の改正の趣旨を簡潔にもう一度述べていただきたいと思います。
○下条国務大臣 お答え申し上げます。 児童手当法は、「児童を養育している者に児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会をになう児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的」といたしております。 今回の制度改正は、核家族化、女性の就労の増大等、児童や家庭を取り巻く環境の変化を踏まえ、児童が健やかに生まれ育つための環境づくりの重要な柱として、世代間における助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視して所要の改正を行ったものであります。その内容は、支給対象を第一子に拡大し、支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいと考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものであります。
○土肥委員 もう少し簡潔に言いますと、要するに、児童手当法の目的からいいますと、児童養育家庭の生活の安定、社会を担う児童の健全育成、資質の向上、これが目的であるかと思います。 それから、今回の改正の趣旨でございますが、それは育児支援の強化ということになっておりますけれども、この児童養育家庭の生活の安定とか育児支援というときに、子供を今育てている家族の何を支援し、そして何を強化しようとしているのか、お答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 児童を養育している家庭に対する生活の安定に寄与する、あるいは健全育成、資質の向上に資するということでありまして、具体的に何をという形ではなくて、そういうふうな目的のもとにこの児童手当制度というものはあるということを示したものだと理解いたしておるところでございます。
○土肥委員 そういうふうに抽象的におっしゃいますと、もらう側も何のためにもらったのだろうということなるわけです。 それじゃ、三歳未満ということに移りましょうか。今度、第一子から児童手当を支給する、そうすると、すべての子供に児童手当が支給されるわけですが、なぜ第一子なのか。そして、すべての子供に児童手当が支給されるわけですが、それはなぜそういうふうにすべての子供に、あるいはなぜ第一子からも含めてそういうことになったのか、お答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 児童手当の支給対象につきましては、現在は第二子以降とされているところでございますが、世代間扶養を通じた児童の健全育成及び児童を養育する家庭に対する育児支援の観点からは、第二子以降に限定せずにすべての児童を対象とし、第一子からとすることが必要であると考えておりまして、中央児童福祉審議会におきましても従来から、制度の趣旨からすれば第一子から支給すべきであるというような提言をちょうだいいたしておりまして、今回の改正においても支給対象を第一子に拡大するということを最大の眼目として私どもも取り組んできたところでございます。
○土肥委員 そういたしますと、所得制限はあるにいたしましても、すべての子供に児童手当を支給しようということでございますが、すべての子供というところが非常に大事に私は思うのでありまして、どうも国がお金を出すということになればそれは福祉という視点があるのですけれども、児童手当というのは福祉的な視点よりも日本に住むすべての子供、それはどんな子供でも大切にするという、子供を大切に思う国の基本的な姿勢をあらわすわけでありまして、その非常に象徴的なのが児童手当だと私は思うのです。ですから、すべての子供というのはすべての家庭ということになりまして、そうなりますと、それじゃ何のためにということになりますと議論が非常に分かれてくるわけです。 先に議論を進めてからまた討論させていただきますけれども、今回、三歳と年齢を切られたわけでありますが、なぜ三歳未満になったのかということについてお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 今回、世代間の扶養、育児支援の強化という点から、第一子に拡大、支給金額倍増という改正内容とともに、経済的な支援の必要性が非常に高いと考えられる三歳未満に重点化することとしておりますけれども、その考え方は、中央児童福祉審議会の意見具申にもございますように、「人間形成の基礎となる極めて重要な時期」であるというふうにこの時期を認識しております。また、育児に手がかかり、母親の就業率も低い実態にある、そういうように生活上の制約が大きい時期であるということ、さらに、親の年齢も若くて収入が低い時期にあると考えられますので、経済的な負担も相対的に重い時期である、そういった事情を考慮して三歳未満に重点化したいという考え方で案をつくったところでございます。
○土肥委員 三歳未満が人間形成の基礎となる極めて重要な時期だ、そういうふうにおっしゃるわけですけれども、この三歳未満が人間形成に最も重要な時期というのは、何か教育学的な、あるいは何か科学的な根拠がございますのでしょうか。
○土井政府委員 児童の発達学とか医学的な見地からは、この三歳未満の時期は極めて重要な時期であるということが通説になっていると私どもは認識しておりまして、そういう意味で極めて重要な時期ということを申し上げております。最も重要な時期かどうかという点については、これはいろいろな御議論もあるのではないかと思いますが、この点につきましては、専門のそういった方々の御意見等をいろいろ御議論いただきまして、極めて重要な時期というふうに認識しておる次第でございます。
○土肥委員 子供は乳児期から幼児期、そして児童期を経て青年期に入っていくわけでありまして、どんな時期も大切なんですね。したがって、三歳未満ということを打ち出されて、また、それは極めて重要な時期だというような説明をなさいますと、ではほかは、四歳以上はどうなんですか、就学前はどうなんですか、義務教育以降はどうなんですかというような話になるわけでありまして、こういう理由づけというのは余り意味がないのではないか。すべての子供が大切だ、そして大人になるすべての段階が大切だということを前提にいたしまして、しかし、とりあえず三歳までをというならわかるのですが、その辺は、局長、御意見がありましたら、どうぞ。
○土井政府委員 子供の成長にとりましてどの年代も非常に重要であるということはおっしゃるようなことかと思います。しかし、三歳未満の時期が極めて重要な時期であるということもまた争いがたい事実であろうと思います。それと同時に、先ほども申しましたけれども、母親の就業実態が、例えばM字型カーブと言われるように、こういう時期には家庭に入っているというような実態の一面もございますし、また親の年齢も若くて、経済的にも力が弱い年齢層である、そういったことを総合判断いたしまして、今回の改正案においては三歳未満に重点化をしたという考え方でお願いをしているところでございます。 〔委員長退席、加藤(卓)委員員長代理着席〕
○土肥委員 この議論は長時間かかりますから、これくらいにしましょうか。しかし、私はどうも、三歳未満で切るということについては異論がございまして、せめて就学前までこれは支給すべきものである、そういうふうに私は考えております。厚生省も、できるならばというところだろうというふうに思います。 それから、今三歳児というときには、どうなんでしょうか、ほかの理由も挙げられましたが、例えば母親の就業率が低いとか、あるいは生活上制約が大きいとか、親の年齢が若くて収入が低い時期であるとかおっしゃいましたが、要するに、三歳までぐらいは家に母親はいてほしいというふうにお考えなんでしょうか。
○土井政府委員 母親が家にいた方がいいかどうかといった問題につきましては、行政としてはどちらがいいとか悪いとか言う立場にはないと認識しております。ただ、実態を見るとそういう実態があるという点に着目をしたというふうに申し上げているところでございます。
○土肥委員 結局、今行政としては価値判断ができないということでありますが、常識的に、三歳未満というのはやはり母親が密着して子育てをするということが理想的でありまして、これは父親でも構わないと思うのですけれども、授乳の間はやはり母親だろうというふうに思います。そうなりますと、就業率が低いとか、あるいは経済的な負担も相対的に大きいというのでしたら、手当がこれでは到底そういう若い夫婦の子育てを支援することにはならないのではないかというふうに思うわけです。 したがいまして、どうも働く婦人が多くなっている、もう五〇%以上が社会に出ている、就業しているという状況、あと半分が、言葉は悪いですけれども、いわば専業主婦といいましょうか、あるいは子育てに専念している主婦がいる。両方に児童手当が行き渡るわけでありまして、行政としては両方にまたをかけて支援をしたい、そういうお気持ちであろうと思いますけれども、特に三歳というふうなところにこだわりますと、一体何をどのように支援しようとしているのかわからなくなってくるわけであります。それは結局もらう側も、児童手当というのは何のためにもらったんだろうということがわからない。くれるからもらっておこうというようなことでは、この児童手当の制度が情けない、私はそういうふうに思うわけです。 それで、今の給付額、今回の改正給付額で結構ですが、生活の安定とか育児支援といったときに、今三歳未満の子供たちが一カ月に一体どれくらいの生活費が必要なのか、もし、そういう統計がおありでしたらお示しいただきたいと思います。
○土井政府委員 民間の最近の調査でございますけれども、平成二年でございますが、ピジョン株式会社「赤ちゃんとお母さんの白書」というものが出されております。それによりますと、これは首都圏とか東海、京阪神の地域での調査でございますが、一カ月の平均の支出額が三歳未満の乳幼児一人当たり二万三千九百五十七円という調査結果が出ております。また、野村證券「家計と子育て費用調査」というのを平成元年に実施しておりますけれども、これは教育費を除いた児童一人当たりの費用ということでございますが、一万三百円という調査が出ております。なお、この野村證券の調査の中には食料費も除かれておる調査でございます。 以上のような統計がございます。
○土肥委員 ピジョンの場合は食料費が含まれているわけですね。そういうふうに考えますと、私も野村證券の資料を持っておりますけれども、食料費は除いて一万三百円、ピジョンが二万三千円ですから約一万三千円が食費ということになりますね。そうすると、食費は除いて一万三百円、あるいは食費を入れてビジョンで言えば二万三千九百五十七円、こういう費用がかかるところに五千円ないしは一万円、二人おれば一万五千円、平均すればそれくらいになりましょうか、一人と計算して、半分とって、七千五百円、これをもらいますと、家庭の主婦はどんな感じになるのでしょうか。ありがたい額だ、つまり、今度の児童手当はそういう育児支援あるいは生活の安定というようなことから言えばどういうふうに寄与しているのでしょうか、その辺をお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 ただいまのピジョンの数字で中身を見てみますと、大体五千円、一万円という金額を当てはめてみるとどの程度のものかというのがある程度類推できますけれども、そこでミルク代でありますとか、おむつ代あたりを足してみると大体五千円ぐらいの見当になっている。それから、それに衣類なんかを加えると一万円ぐらいの金額になる、このピジョンの数字の中ではそういう姿がうかがわれます。ただ、これは、親たちが子供のためにどういう形で使うかというのは親たちの御判断によるわけでございまして、私どもは、できるだけ子供の将来の健全な資質の向上というようなことに活用していただくようにこいねがっている次第でございます。 なお、今言ったように、これらの調査を見ると、二万円前後というような一人当たりの一カ月の費用が出ておりますけれども、一万円という金額はおおむねその二分の一程度には相当するのではないかというふうに考えているところでございます。
○土肥委員 乳幼児が極めて重要な時期であって、母親も働きに出にくい時期で、若夫婦も経済的な負担が大きい、そういう中で余り経済的な心配なく子育てをしてくれというふうな意味になりますと、どうもこれは乳幼児手当みたいなにおいがしてくるわけです。乳幼児手当というふうに言ってしまうと私は反対でありまして、児童手当というのはやはり児童、民法上の児童という年齢を含めて全体的に見なければいけないわけでありまして、実は先ほども山口委員の方から質問がございましたが、乳幼児期はまあまあ何とかやっていけるわけです。その先が大変なんでありまして、ここに、民間のあるシンクタンクがいろいろ調査をしました、教育に関する意識調査というのがございまして、一番重くなってまいりますのは何といっても高校、大学です。例えば幼稚園の時期で、公立の幼稚園に行っても年間三十五万一千円、私立に行きますと四十七万、こうなりまして、中学校で五十万、高校で六十万大体かかるような調査が出ております。つまり、幼稚園から大学まで、大学四年までですけれども、すべてを国公立で済ませれば約一千万、そして、これを私立で全部やってしまいますと約二千百万かかるわけであります。 ですから、児童手当といえば、私はせめて就学以前、六歳までどうしても出してほしいというふうに思うのでありますが、本格的な経済的な支援が必要な時期にはこの手当がないわけであります。そういうことから考えますと、児童手当ということは三歳児未満対策ではないわけでありまして、厚生省としては、児童手当は本来的にどのあたりまでいくべきなのか、いってほしいというふうに考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。
○土井政府委員 今回は私ども限時的な案といたしまして、第一子への拡大、金額の倍増、それから年齢の三歳未満支給というような組み合わせで御提案を申し上げているところでございますが、先生のお話は、児童手当自体として一体どういう姿がいいのかという御指摘だろうと思います。 諸外国、特にヨーロッパとの比較というようなことを申しますと、確かに我が国の今回の改正案では見劣りがする点があると思います。ただ、私どもとしては、社会経済の中に、税制の問題あるいは賃金構造の問題と、いろいろな要素がございまして、それらと総合勘案しながら、どういう姿が我が国においては一番妥当なのかという問題は残されていると考えております。中央児童福祉審議会におきましても、あるいは社会保障制度審議会におきましてもそのような指摘をちょうだいしているところでありまして、将来の課題という問題はあろうかというふうに認識をしております。
○土肥委員 ぜひとも年齢の、三歳未満ではなくてせめて十歳、あるいはせめて就学前までぐらいは、家庭支援の意味であるならば児童手当を支給し、その額も検討していただきたいと思うのですが、平成元年七月に出ました児童手当制度基本問題研究会の冊子を見ますと、そもそも「児童手当の支給額の水準については、当初、児童の養育に係る費用の半分程度を手当として支給するとの考え方に」基づいている。そのときには額は三千円でございました。児童手当法の基本的な考え方は、すべての児童に、そして養育の費用の半分は負担するというのが基本的な姿勢ではないかと思うのですが、そういう意味では乳幼児期における、三歳未満における生活費の半分は見た、じゃ、それから先の三歳以上はどうするのかということが、これから児童手当を考えていくときの重要な視点になるんじゃないかと思うのです。 しかし、その半分程度というのは極めて厳しい条件でありまして、それを反映して、いかに厳しいかというのはこの児童手当の額の推移を見れば、それを如実にあらわしているわけであります。先ほども御質問がございましたように、三千円の時代が三年間、四千円が一年、それから五千円は何と十一年間続いているわけです。その間全然額が動いてないということは、児童手当の持っている難しさ、あるいは限界というようなものをあらわしていると私は考えるわけですけれども、例えば、他の国では物価上昇率等に比例して引き上げていくという制度もあるわけでありますけれども、こういうふうにして、極めて固定したような支給が続くというのは一体どういうことなのか、お答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 お話がございましたように、児童手当の支給金額、今先生が御指摘のとおりの推移で今日に至っているわけでございます。私どもは、昭和五十年を基本に置きまして、五千円がスタートしましたものですから、五十年から今日までの経済指標の動向というものを十分勘案して、一万円という今回の金額にした次第であります。その際、先ほど来お話がありました、最近の養育費の実態はどうなっているかということも十分参考にしながら金額を決めたつもりでございます。 ただ、お話がありましたように、物価を基準にして五十年から今日までを推計いたしますと、約六〇%CPIが上昇しているという状況でございまして、そういう意味では今回の金額の説明ができないというような状況でございまして、総理府でやっております家計消費支出、これをベースにして今回の積算を置いた。したがいまして、そういう意味からいいますと、先生から今ありました自動物価スライド制といったような考え方はなじみにくいのではないかというふうに私どもは考えているところでございます。
○土肥委員 それじゃ、ずっと、例えば五千円時代が十一年続いて、今度スライド的な判断が加味せられたとおっしゃいましたけれども、それは三歳未満に切って言ってみればそういう結果が生まれたのであって、それじゃ、この五千円を十一年間据え置かれたということはどういうことなんでしょうか。国民の生活実態はこの十一年間全く変わらなかったというふうに考えていいんでしょうか。
○土井政府委員 昭和五十年から今日まで十数年経過をしておりますけれども、その間にいろいろな経済状況は変わっていると思います。ただ、児童手当につきましては、その間、昭和五十年代の中ごろでございますけれども、低所得者かさ上げという形の措置がとられた時期もございました。しかし、その後、第二子に支給対象を拡大する際に、低所得者かさ上げというのをやめまして今のような金額になったという経緯がございます。 なぜこの間据え置かれてきたかという事情でございますけれども、率直に申しまして、児童手当制度に対する社会的な評価というものが、恐らく第三子以降が支給対象であったということで、固まっていなかったのではないだろうか。すなわち、三番目以降の子供というのは、御案内のとおり一八%、全体の子供の中の二割弱という状態でございまして、したがって、児童手当の支給を受ける家庭も非常に少ないというような形で制度がスタートして、それが昭和六十年ごろまで続いていたというようなことから評価が定まらなかったという点が一点。 それと同時に、児童手当について、その間は昭和五十年代、例の特例公債の時代でございまして、いろいろな福祉制度についての見直しの議論が行われておりましたけれども、児童手当に対する一般的な見方といいましょうか、これが、私どもから見るとかなり冷たい見方をする方々が多かった時代ではなかっただろうか、そんなふうに認識しております。そのような事情から、残念ながら今日まで据え置かれた状態が続いたというような経緯であると認識しております。
○土肥委員 臨調行革の時代、つまり福祉が冬の時代を過ごしておって、ここで児童手当をいじることは非常に難しかった、そういう意味では大変お気の毒だというふうに思うのでありますが、今度全部の子供にとにもかくにも児童手当が出る、所得制限の問題はありますけれども、出るということは、国民的な意味からいいますと、大変これは関心の高まるいい時期だというふうに思うわけであります。しかし私は、この児童手当法の財源の基本的な構造を見てまいりますと、後ほど福祉施設の方でも質問いたしますけれども、冬の時代とはいえ、これは企業の拠出金でほぼ賄われる事業でございますが、この拠出金率というのは、五千円時代からいいますと千分の一・二がしばらく続きまして、そして低所得者層の支給がストップいたしましてからは千分の〇・九に下がりまして、そして今日まで千分の〇・九、そしてこの改正時でも千分の〇・九というふうになっているわけですが、実はここのところがネックで結局児童手当の額をいじるのは非常に難しかったんではないかと私は思うのです。つまり、財源的な意味で企業に拠出金を依存する、この制度のゆえにこういう固定化された額しかできないんじゃないかというふうに考えているのですが、局長の意見をお聞きいたします。
○土井政府委員 財源につきましては、事業主の拠出金率、これは昭和五十年代の中ごろは千分の一・二でございましたが、最近では千分の〇・九という御指摘のような姿になっております。これは、これまでの給付見込みというものを前提にしてやっているわけでございまして、最近における子供数の減少というものを反映して、結果として低くなっているという姿であろうと思います。 なお、私どもとしては、先ほど申しました事情で今日までの十数年にわたって、昭和六十年の改正は別としまして支給金額面では手直しができてこなかったというふうに認識しておりまして、拠出金があるからできなかったんだというふうには考えていないところでございます。
○土肥委員 これは私としてはどうもその辺は意見が分かれるところでありまして、結局企業に財源を仰ぐ、私は企業がお出しになるのは結構だと思うのですね。したがって企業に、特に日経連などもさまざまな意見をおっしゃっているようでありますけれども、どうなんでしょうか、今回の三歳未満そして五千円、五千円、一万円という制度は、この額は一体これから何年くらい同額で続くんでしょうか。現行制度が、今度の改正ですけれども、この改正された制度が何年くらいの見通しで引き続き実施されるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
○下条国務大臣 この今回の改定は、各般の事情を考慮いたしましてとり行ったわけでございます。この児童手当の支給額の水準につきましては、今いろいろ論議があったわけでありますが、税制の扶養控除や企業の家族手当との関連等も考慮する必要がありまして、単純に支給額についての議論を行うことは必ずしも適当ではない面があるわけでございます。支給額につきましては、税制の扶養控除や企業の家族手当との関連を考慮しながら、今後の社会経済情勢、制度の定着状態を踏まえてさらに検討を続けてまいりたい、このように考えております。
○土肥委員 そうしますと、例えば中長期的な展望を持ちながら児童手当を発展させていくというふうなビジョンみたいなものは、この児童手当制度の中からは出てこないのでしょうか。つまり、時代的な、国の経済的な状況に応じて変動はするけれども、そもそも児童手当法の目的である養育費の半分は見ようというふうな姿勢、そしてこれは、福祉というよりは子供のサービスといいましょうか子供を大切にするという基本的な認識からいえば、日本の子供をどう扱おうとしているのかということにもかかわりを持ってくる重大な制度だと思うのでありますが、必ずしもそういう中長期的な見通しというのは立たないのですか、この制度からは。
○土井政府委員 御案内のとおり、例えば税制の問題を参考に申し上げますと、所得税では子供一人の扶養控除額三十五万、住民税ではことしから三十一万で今までは三十万。したがって、仮に平均税率一〇%というほどほどの階層で考えてみますと、年間六万五千円、これが税制面で配慮されている。それから家族手当という面、これは大体企業の七割強が出しているというふうに労働省の調査に出ておりますけれども、子供一人について約三千円から五千円の間というようなものがございます。したがいまして、児童手当だけで日本のこれからの行く末を見るのか、そういう税制問題あるいは賃金構造の問題という兼ね合いで考えるのかというのは、社会全体の動向というものの中でお考えいただく問題ではないのだろうか。そういう意味で、児童手当単独でこれからこうだと言うのは難しいのではないかというふうに私どもは考えている次第でございます。
○土肥委員 そういうことであれば、さまざまな見直しが今後も行われる、特に所得税、住民税、それから企業の家族手当等も含め、あるいは費用を負担する問題等々も含めて、この児童手当の額や年齢の問題を考えていきたいということであろうかと思います。 じゃ、仮に義務教育就学前までで今のベースで支払うと、一体平年度の支給額は幾らくらいになるんでしょうか。
○土井政府委員 義務教育就学前までという支給期間とした場合の給付総額でございますけれども、約四千億円というふうに推計をしておりまして、現在の支給規模の二・八倍という状況であろうというふうに見込んでおります。
○土肥委員 四千億円、そして今の支給額の二・八倍という額であります。私がなぜこういう質問をするかというと、この児童手当というのはすべての子供なんですね。片親であろうとあるいはどんな子であろうと、障害児であろうと、施設にいる子供であろうと、どんな子供もひとしく大切にされるという意味では、国民の皆さんがこれはそういう子供をどう見るかということを考えている施策なんですよということを認識していただくためには、やはり義務教育就学前までは支給すべきものだ。それくらい拡大しないと、ああ赤ちゃんのミルク代になったわくらいでは、私は国民の認識が変わらないだろう。そうすると非常に不幸な制度というふうに思えるわけです。 それで、仮に四千億円払うとしたら、そのときの企業の負担率はどれくらいになるんでしょうか。
○土井政府委員 拠出金率だと思いますが、これは標準報酬がどう動くかあるいは子供の数がどうなるかということで単純な推計はできませんけれども、単純に例えば現行の○・九という拠出金率を二・八倍という形で計算いたしますと、千分の二・五というレベルになります。
○土肥委員 企業の皆さんに千分の二・五をお願いするというのはかなり問題であろうというふうに思います。千分の一・二という時代がございましたからその倍強ということになりますが、それはやはり会社の経営内容にも影響を及ぼすのかどうか、その辺私詳しく分析はできませんけれども、一体企業の皆さん方はこの児童手当において、数字から見ますと一・二、一・〇、〇・九、低い方が企業としては助かるわけでありますけれども、どのくらいお願いできるのかということが私はよくわからないのです。出す側の論理というのはありましょう。恐らく企業としては余り出したくない。そうであるならば、公費をどれくらいこれにつぎ込むかということでありまして、今のような負担率、負担割合では、到底無理だと思うのです。 そこで私は、平成三年二月五日に出ました社会保障制度審議会の「児童手当制度の改正について(答申)」の中で、政府は新しい時代を担う子供たちのために努力しなければならない、「支給期間を三歳未満までに限定したことなどには問題が残る。また、支給金額については考慮を要するが、税の扶養控除などとの関連を無視することはできまい。したがって、今回改正の効果を見据えつつ、今後とも児童手当制度の在り方について検討を行うよう要望する。 なお、特例給付を当分の間継続することは妥当な扱いといえよう。」非常に慎重な物の言い方でありますけれども、この年齢制限、三歳未満ということ、それから支給額についてもこれではだめだ、もう少し努力をしなければならないというふうに社会保障制度審議会は答申を出しておりますが、これについてのお考えをお聞きいたします。
○土井政府委員 社会保障制度審の答申につきましては、ただいま先生お話しになりましたような御指摘をいただいております。私ども、今回の改正案につきまして、制度審からは、妥当な内容という考え方は基本的にはちょうだいしたというふうに理解をしておりますけれども、今先生お話しになりましたような点について、残された問題点があるので今後検討を要望するという注文をいただいている、宿題をいただいているというふうに受けとめているところでございます。
○土肥委員 いずれにしましても、企業がどれくらい拠出率を上げてくれるかということも含めて、やはりこれは我が国の児童手当制度の位置づけが明確でなくて、そして、国民全体のコンセンサスを得ていないというところに問題があると思うのですね。これが本当に日本の子供たちを健全で、そして健やかな、すくすくと育ち、体力も気力も十分充実した子供に育てようということであれば、これは国も企業も一体となって、国民も一体となって支援するだろうと思うのであります。ぜひとも、今回の改正においてとりあえずは全児童に児童手当が出るということになったわけでありますから、これを突破口にしてますます日本の子供がだれも平等に扱われ、大切にされる児童政策をとっていただきたい、このように要望いたします。 さて、福祉施設の方について御質問をさせていただきます。昭和五十三年から福祉施設が導入されたわけでありますが、なぜ福祉施設という事業がこの年から始まったのか、その目的、趣旨を述べていただきたいと思います。
○下条国務大臣 お答え申し上げます。 児童手当制度は、児童を養育する家庭の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全育成及び資質の向上を図ることを目的といたしております。このような目的を効果的に達成するためには、児童手当の支給と相まちまして、児童の健全育成に資する施設の整備、各種サービスの提供などの施策をあわせて行うことが適当と考えられ、昭和五十三年福祉施設が導入されたものであります。 この福祉施設の内容といたしましては、現在事業所内保育施設等に対する助成、児童館の整備、子育て相談その他児童の健全育成に資する各種事業に対する助成などを行っているところであります。
○土肥委員 これは、私の理解では福祉と言っていいのかということも一つ議論としてあるわけです。福祉といいますと社会福祉が中心でありますけれども、これはむしろ子供への配慮であるとか子供へのサービスであるというふうな面であって、福祉施設と呼ぶのは妥当ではないのじゃないかと私は自分では考えます。しかし、五十三年に決まったことですから、名前はいずれにいたしましても、次に進めさせていただきますが、つまり児童手当制度のいわば顔といいましょうか、児童手当というのは各家庭に給付されますので、消えていく性質のものでございますね。しかし、人間はやはり顔が必要で、具体的に見えるものがそこに実現しなければなかなか理解できないし、それから、その制度も見える形で見ないとそのよさがわからないわけでございます。 しかし、この福祉施設の導入を考えますと、こういうふうに書いてありますね。児童手当の本来の趣旨、つまりすべての児童を対象とする限り、受給しない子供へのサービスが不可欠である、こういうふうになっておりまして、これはすべての子供にサービスを展開する、そのための事業である、こういうふうに理解していいのでしょうか。
○土井政府委員 この福祉施設が法改正で入りました昭和五十三年というのは、昭和五十四年の国際児童年というものを目前に控えたときでございました。一方、児童手当制度の給付対象というのは、当時は第三子以降ということで、約二割弱の子供が対象になっていた。そのような背景から、広く児童全体にいろいろ寄与できるような形のものはないかということでこのような法律改正が実現できたのだと理解をしております。 おっしゃいましたように、非常に重要な事業であると認識しておりますので、努力をして今日に至っているところでございます。
○土肥委員 ところがもう一つ、この福祉施設施策をやるときには児童手当の支給に支障がない限りにおいてやる事業である、こういうふうに書いてあるわけですね。そうすると、すべての子供、児童手当をもらっている子ももらっていない子もすべてを含み、そして子供への重要なサービスとして福祉施設事業をやる。ところが、財源的にいいますと、まず児童手当が支給される、そして、それは余ったもの、言葉はちょっと悪いかもしれませんけれども、余ったものの範囲内でやる事業、このように理解していいのでしょうか。 〔加藤(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
○土井政府委員 児童手当本体の給付規模に見合う拠出金率というものを厚生年金の保険料に上乗せして徴収して実施しておるわけでございますが、現実には若干の余裕が出るというような実態がありまして、その範囲内でこの事業をやろうということで関係者の御同意をちょうだいしてスタートした事業でございまして、今日においてもその考え方は変わっておりません。
○土肥委員 「厚生保険特別会計児童手当勘定福祉施設費(予算額)の推移」というのを私手元に持っているのですが、六十年度から平成三年度(案)まで出ております。額は若干異同がありますけれども、この福祉施設事業を本格的に集中して、例えばここに、こどもの国あるいはこどもの城というふうなのがありますが、こどもの国というのはすばらしい設備でございまして、私も一度見に行かせていただきたいと思っておりますが、これは横浜市にございますね。それからこどもの城、これは東京にあるわけですけれども、この設備等を見ますと、これは自然型がこどもの国、そして都市型がこどもの城かというふうに思いますが、こういうものを画期的に展開したいともし思うならば、この財源では到底及びもつかないわけでありますが、そういう何かに集中して事業を展開する、特に自然が今都会ではないわけでありまして、このこどもの国のようなこんな大きなものでなくていいのですけれども、あちこちに自然に親しめるようなこどもの国の構想があったり、それから都会のコンクリートジャングルの中で子供たちがさまざまな、心をわくわくさせるような、そういうプログラムに接することができるというようなことはとても大事なことだ、こういうふうに思うわけでありますが、そうしたいわば集中的、弾力的な運用というのはこの会計ではできるのでしょうか。
○土井政府委員 今お話しいただきました青山にありますこどもの城、これにつきましてはこの児童手当勘定の福祉施設費を集中的にそこにつぎ込みまして、相当の期間かかりましたけれども、昭和六十年度ぐらいまで毎年度相当額の予算を計上して、今のような形のものがつくり上がったという経緯がございます。その後でございますが、今度はそれぞれの地方に拠点的な施設がつくれないかということで、都道府県版こどもの城と俗称しておりますけれども、都道府県がそういう事業をやっていただく、それに対する補助をしようという形で、各県における拠点施設という形の整備を初めて今日に至っているところでございます。したがって、スケールは青山に比べるとかなり小さくなりますけれども、それなりの広がりを今度は全国的に持ちたいということで、現段階ではやっているところでございます。
○土肥委員 先ほど引用しました児童手当制度基本問題研究会の報告書によりますと、この健全育成サービスの中で、やはり財源として事業主拠出金だけでは積極的な事業はできないのじゃないか、総合的な実施のためには公費負担導入の是非を含めて安定的な財源確保についても検討する必要があるであろうというふうに書いてあります。 それで、私はこの児童手当の制度からいえば、子供があらゆる地域でもっと健全な、そして子供の基本的な喜びを満たすような、そういう施策として今申し上げたようなこどもの城、こどもの国といったようなことを急いでやっていただきたい。そういう意味では、例えば日米構造協議で四百三十兆円の問題がございますけれども、こういうところに積極的につぎ込んでいって、そして、今非常に少なくなってきております子供たちをもっともっと豊かにしてあげたい、このように思うわけであります。 さて、この社会福祉について少し、一つ一つ全部挙げるわけにはいきませんが、職域児童健全育成の施設ということについて質問申し上げます。 これはどういう事業を考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 最近における都市化の進展などに伴いまして、児童の遊び場等が減少しております。そこで、企業が地域や職域の子供を両方対象にしたような、そういう遊戯室などの児童の健全育成のための施設をつくる場合にこれを助成しようという趣旨でございまして、平成三年度の新規事業として考えているわけでございます。
○土肥委員 そうすると話が随分みみっちくなってくるといいましょうか、都市型、町内会型こどもの城とまでもいかないような感じがするわけでありますけれども、これはどうなんですか。一般事業主と書いてありますけれども、どういう人がこういう事業をしようとするときにいわば補助をなさるのか、説明していただけますでしょうか。
○土井政府委員 企業を考えておりまして、例えばスーパーなどで近所のお子さんたちも職員の子供も一緒の遊戯室をつくるといったような場合にそれをやろう、職員の子供さんだけというのではぐあいが悪かろう、地域の子供も一緒に利用できるような、そんな形のものをやる場合に助成をしたいという考え方でおります。
○土肥委員 そうすると、例えばスーパーならスーパーの経営者が自分のところにちょっと土地を持っている、だから、そこへ子供のいわば集まる場所をつくりたい。そこには職員等は配置するのですか。
○土井政府委員 これは施設整備についての助成を考えておりまして、運営費の助成は考えておりません。なお、実際に職員を置くか置かないかというのは、どういう設備をそういう事業主が考えるかということにもかかわりがあると思いますが、そこら辺は企業側の御判断ということになろうかと思っております。
○土肥委員 どうも私のイメージが貧困なのかもしれませんけれども、よくスーパーなんかの横に幾つか遊戯が置いてあって、十円か二十円入れたら使えるとか、まあいわばそれは自由に使ってくださいというわけですね。しかし、この場合は何か建物を建てるのですね。そして、そこに子供が出入りして、それも自由に出入りして、管理者を置くか置かないかはその事業主の独自の判断でよろしい、そういう施設でございますか。
○土井政府委員 建物を建てるというほど大げさなものを考えているわけではございませんで、そういうような企業の事業所の中に工夫をされていろいろ地域の子供にも開放できるような遊戯室というものをつくるような場合に、数百万円オーダーの単価で助成をしていこうという程度の規模を考えておるところでございます。 なおこれは、そのもの自体は非常にスケールの小さいものだと思いますけれども、子供に優しい町づくりというような観点から、いろいろな地域の方々、企業の方々も子供に対する配慮をこれから考えていただきたいというような大きな考え方を考え方として持っていますけれども、そういう中の一こまというふうに受けとめていただければありがたいと思います。
○土肥委員 そうすると例えば建物、建物と言っていいのか、これは建物でなくても広場でもいいのか、あるいはどんな遊具を置くのかとか、そういうふうな一定の基準というものはあるのでしょうか。
○土井政府委員 具体的には財団法人児童手当協会、先ほどお話のこどもの城を運営しているところでございますけれども、ここにお願いをして、いろいろな事情をよく聞きながら今後そういう基準を定めてまいりたい、そして新年度に実施をしたいというふうに考えております。
○土肥委員 そうすると、余り規制のない自由な発想で子供が喜ぶようなことをやってほしい、それには若干の補助金を出しましょうと。例えばスペースなんか何かお考えがあるのでしょうか。それともどんなスペースでもいいのでしょうか。それから、建物でなければいけないのか、建物でなくてもいいのか。その辺ちょっと確認しておきたいと思います。
○土井政府委員 建物を考えておりまして、一人当たりの面積を大体四・六平米程度を考えております。それで十五人ぐらいの利用ということで、平米当たり十二万円ぐらいの単価を想定しまして、その二分の一の四百万円強を一カ所に補助をしようというような考え方で積算をしております。具体的には今後児童手当協会と協議をして定めてまいりたいというふうに思っております。
○土肥委員 どうもまたわからなくなってきたのですけれども、児童手当協会がいろいろ指導をなさるということかもしれませんが、普通、国が何か設備をつくる、例えば福祉施設を建てるというときにはもう厳格な設置基準というのがあるわけですね。そして、それにちょっとでも従っていないと、それは厳しい指導とやりかえを求められるわけでありますけれども、私は、例えば商店街がある敷地を持っていてそういうものをやるというのはいいことだと思うのです。しかし、どうもそれを運営する側のセンスといいましょうか、商店街の皆さんが、あるいはスーパーの経営者がこんなものでどうだというようなことでつくり、それを運営していく。一人当たり四・六平米とおっしゃいましたでしょうか、そして不特定の子供たちが大体十五人くらいが出入りして使えるようなスペース、そこに遊具等が置いてある、これはまあ何だろうというふうに思うわけですね。新規事業でございますからそのイメージがわかないわけでありますが、例えばその十五人くらいの子供がというような場合には、別に特定した子供じゃないと先ほどおっしゃいましたが、例えば事故とか、あるいはそこに何らかの管理監察がないと、自由に使えといっていいものかどうかということも心配ですし、それが二階建てでいいのかどうかとか、やはりある程度の設置基準というものがないと、私は規制というのは余りしない方がいいと思うのですが、しかし、ある程度のものがないとどうもうまくいかないのじゃないか。その辺はどうお考えでしょうか。
○土井政府委員 先ほど来御説明申し上げますとおり、まだ具体的な中身を固めていない段階でございますので、ただいま先生おっしゃられましたような御意見も十分念頭に置きまして、これから基準をつくってまいりたいと思います。
○土肥委員 それではもう一つ、これも新規事業でありますけれども、企業委託型保育サービスということについて質問させていただきます。これを八十二カ所展開する、深夜、休日などのニーズにもこたえる、これをして民間保育サービスと、こういうふうに考えまして、そして、これを民間福祉法人に委託するというふうな趣旨でございます。この企業委託型保育サービスということで、企業は大体こういう福祉サービスをどれくらい必要としているのか、そのニーズのことについてお聞きしたいと思います。
○土井政府委員 企業側のニーズについてでございますけれども、今日までのところ、百貨店とか航空会社、スチュワーデスさんでございますが、そういったところでこういう問題、新しいこの事業につきまして関心を示されておりまして、具体的にどういう中身だ、どういう運営になるかといったようなお話を伺っているところでございます。 なお、私ども、こういう新しい事業につきましては、経済団体の中でこういう事業はどうだろうかというような御相談を申し上げながら、予算上この事業を積算をいたしましたので、企業の方ではそのような事業についてある程度希望をするという背景があるものというふうに認識をしております。
○土肥委員 既に企業が設備を持っているのでしょうか。
○土井政府委員 運営の形態につきましては、企業の中でやるのか、例えば一例で申しますと、保育所なら保育所が日曜、祝日等の休みの場合に児童福祉施設に預かるということにするのかといったような、いろいろな運営形態が起こり得るのではないだろうか。そこら辺はそれぞれのケース・バイ・ケースで、適切な形で指導を行いたいと思っておるところでございます。
○土肥委員 そうすると、民間福祉法人、民間福祉施設がケース・バイ・ケースで、自分のところの保育所に預かる場合もあるし、企業が持っている保育施設に人員を派遣したりあるいはその管理運営を行うということだろうと思いますが、この民間福祉法人というのは、御承知のように、ここも人手不足の時代が来ているわけでございまして、しかも、民間福祉法人だからといって、日曜、祭日、深夜というようなところまで本当にその民間福祉施設、民間福祉児童施設と申しましょうか、主に保育所ですけれども、そういうことが果たして可能なのだろうか、万一それを引き受けたとして、福祉法人にどんなメリットがあるのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
○土井政府委員 具体的な引き受けをする条件というのは、これは企業側と社会福祉法人との契約に基づくものということで、そこには公費を助成するとかなんとかという考え方ではございませんので、したがって、メリットがあるかないかというのは個別契約の中身の話になろうかと思います。ただ、企業側にはかなりメリットがあるような仕組みでございますので、そういう意味では、逆に福祉法人側にメリットがあるような形の契約が結ばれる可能性は十分あるのではないかと思っております。
○土肥委員 そうすると、民間福祉法人が企業と個別契約をする、そして委託契約を受けて保育所をやる、それに補助金を出そうというときに、それは何の意味がある、どういう意味でお出しになるのでしょうか。
○土井政府委員 これは、社会福祉法人における受け入れ態勢をきちっと整備する、したがって、社会福祉法人の本来事業というものをやりながら、片一方いろいろな条件を話し合った上でそういう事業に手を出すという場合に、やはり本体事業にもいろいろな影響が出るだろうということで、受け入れ態勢の整備ということで社会福祉法人に対して若干の助成をするという考え方でおります。
○土肥委員 そもそも民間福祉施設というのは措置費によって運営されているわけでありまして、その民間福祉施設が企業と個別的な契約をしていわば発展的な保育サービスを展開する、そうすると、措置費で運営することを義務づけられている民間福祉法人の立場は、これはどういう立場になるのでしょうか。つまりそれは、例えば収益事業というふうなものとして事業法上認められるわけでしょうか。
○土井政府委員 公益事業であるか収益事業であるかということは、具体的な事業の中身にかかわるものでございますので一概に決めつけられないと思っておりまして、今後検討してまいりたいと思っております。
○土肥委員 そうすると、この民間福祉法人、社会福祉法人が企業と個別契約をするときの受け入れ態勢の整備のための費用というときに、これは人件費ですか、それとも建築費ですか、それとも事業費ですか。
○土井政府委員 人件費が主体になっております。
○土肥委員 そうしますと、社会福祉法人で人件費補助という場合には、大体何カ月分とかというふうないわば臨時雇用、パート等に充てられると思いますが、しかし、実際は正規の保母さんがやるだろうというように思うのですね。そういう詳細な実施要綱というのはまだ決められていないということですか。
○土井政府委員 今申しました人件費補助というのは、そのような受け入れ態勢を整備するための人件費補助でございまして、ある意味では準備経費、準備のために超勤が必要になったりいろいろするための準備経費というふうにお考えいただきたいと思います。実際に引き受けた後実施するための必要な経費というものは、企業からお金をちょうだいするというふうに考えているところでございます。
○土肥委員 やっとわかりました。そうすると、そういう契約をする段階でいろいろ人員の配置や調整やさまざまな時間がかかるだろうから、そういう準備のための経費に充てなさいということですね。そして、この社会福祉法人が企業と受託契約をするときの契約の内容とか契約のあり方ということについては指導なさらない、全くこれは自由になさるわけですか。
○土井政府委員 ことしの秋以降実施をしたいと考えておりますが、私ども、社会福祉法人に対して、先ほど申しましたように、最初の準備のための経費について助成するという形でタッチができますので、適切な指導運営がその後において行われるように配慮をしてまいりたいと思っております。
○土肥委員 そうしますと、例えば非常に商売がうまい福祉法人がいて、企業からごっぼり委託費を受けて大繁盛というふうな福祉法人が出たり、あるいは経営能力のさっぱりない法人がいまして、企業の言いなりになるというようなことが起こらないとも限らないわけですが、そういう私的に法人が企業と契約をするということの能力が備わっているかどうかということも心配なのが一つ。それから、果たしてそこまで民間の保育所なり法人が手を広げるような、人員なりそういうものが可能かということも非常に疑問に思うわけですね。 そういう中で、確かにこれで社会福祉法人が、これは収益事業として認められるでありましょうから法人の経営的なメリットはあるだろう。だけれども、本当に企業と組んで、そして人員配置なり、よき児童サービスが行われるかどうかということについては大変疑問があるわけですが、これは法人としては収益事業に入れていいのですね。
○土井政府委員 その点につきましては、先ほども御説明申し上げましたが、収益事業か公益事業かという点については、その事業の中身というものを中心に判断する必要があろうと思いますので、いま少し時間をかしていただきたいと思っております。
○土肥委員 社会福祉法人が今ある意味でピンチを来しております。それは、児童数の減少と、それから社会構造が非常に変わってきて、財政的にも人員的にも非常に難しい時代を迎えているわけでありまして、財政的な意味からいうと、私はある意味で、福祉法人の財政的な支援という形でいいことだなと一面的に思うのですけれども、しかし、そこまで手を広げるだけの人材やら職員が確保されるかどうか。それから、社会福祉法人、民間福祉法人といえ、やはり土日、祭日は休みがあるわけでありますし、そこを変なローテーションを組みまして、本体の福祉法人、福祉施設をカットして、そして民間へ回して、限られた人数で回そうとすれば、これは労働基準法的な問題も当然触れてくるわけですから、それをクリアしなければならないことは常識でありますけれども、どうもそうなると、この民間福祉法人のいわば職員の労働の質を変えるような事業にもなりかねない。そういう意味で、この企業委託型保育サービスを展開しよう、発展させようということの裏には、そういう極めて深刻な問題があることを御指摘したいのですが、それについて御意見をお伺いさせてください。
○土井政府委員 民間の社会福祉法人でございますので、本来の事業、使命であるその事業をきちっとやる、そして、それについてはきちっとした財源手当てをしていくということは基本であろうと認識しております。それに加えて、先ほどのお話にもありましたけれども、最近における児童数の減少等々で若干の余力が出ているところもあるわけでありまして、そういうところが、自分のところの実情にマッチした形で新しいサービスの展開ができるかどうかという御判断の問題になるのではないか。私ども、本来の事業を若干手を抜いてそっちにやれというようなことは決して申しているのではありませんで、むしろ若干の余力がある場合にそういう方面を工夫をして、両々相まっていい運営ができないかということを考えている次第でございます。
○土肥委員 これ以上は、今度は社会福祉法人あるいは措置費にかかわってくる問題にもなりますので御質問いたしませんけれども、いずれにいたしましても、この企業型の育児サービス、児童福祉サービスにこたえようとすると、かなりいろいろな問題が出てくるということでございますので、児童家庭局など、あるいは障害関係の皆さんともよく御検討いただいて、問題の出ないような施策にしていただきたい、このように思います。 以上をもって終わります。
○浜田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十六分休憩 ────◇───── 午後零時三十分開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。伊東秀子君。
○伊東(秀)委員 私は、出生率低下の問題についてまず御質問いたしたいと思います。 さきの厚生省の発表で、出生率は一・五七である、人口の再生産に必要な二・一という数から見てこの間ずっと低落傾向にあり、この歯どめはかからないのではなかろうかという大変悲観的なことが言われておりまして、政府も、労働力人口の減少あるいは社会保障における負担者の減といった大変社会問題であるというような憂慮を表明しておられます。これは今までの時代の変化、特に女性が働きながら、かつ家庭も持ち、子供も育てながら暮らしていきたいという女性の意識や行動あるいはライフスタイルの変化に行政がきちんと対応できなかった結果が回答としてはっきり出てきているのではなかろうか、そういうふうに私は考えるわけでございます。その原因といたしましては、さまざまなものがございますが、女性が子供を欲しくなくなったということが根本にあるのではなくて、これからでも改善可能なさまざまな事柄が大きな原因であるというふうに考えるわけでございます。 まず、女性は子供を欲しがっているのだということなんですけれども、日経連が平成二年十月十六日に発表いたしました「働く女性の意識に関する調査」というアンケート調査の結果では、これは日経連関東経営者協会に加盟する会員企業の中から三千四百四十四名の女子労働者に回答を求めておりますが、子供を欲しくないと答えた女性が八・八%、二人欲しいという女性が五三・二%、三人欲しいという女性が二〇・四%、つまり、子供を二人ないし三人欲しいと答えている女性が回答者の約四分の三になっている、こういった結果になっております。しかし、なぜ出生率が一・五七というような状況が生じているのか。これについて、私自身ずっと働きながら子供を育ててきたものでございますけれども、かつ、保育園にも子供を預けてきたわけでございますけれども、大きく分けて四つの原因があるのではなかろうか。 一つは、雇用環境が非常に悪い。時間短縮あるいはフレックスタイム制の導入という労働者側に非常に有利な導入ということにおいても職場はなかなかそのようにならず、男性の時間外労働が非常に多い、そのためのしわ寄せが女性に来ている。さらに、女性が妊娠したということが職場でわかった時点で、これは大変困った、女を雇うとこれだから嫌だなというような雰囲気が職場全体に生まれる。そういった職場、雇用環境の問題です。二つ目には、経済的な問題ですけれども、教育費の負担が大変重くなっている、さらには住宅難も一層進行しているというようなことです。三つ目には、社会的な条件として保育所が足りない、近くにない、さらに保母さんが足りなくて保育環境も大変よくないというような問題、こういった働きたい、しかし、保育園がない、保育園も余り預けたいような保育園でないというような問題です。四つ目には、一たん働き、かつ子供も育てるとなったときの家事、育児の負担が女性にずっしり重いといった家庭的な条件の悪さです。そういったことから、女性が自分の人生を自己実現したいと思ったときに子供はもう能力を超えているのじゃなかろうかとか、子供を産みたいけれども産まないという選択をしてしまうという現実があるのではなかろうかと思うわけでございます。 この子供を産みたいという願いから結婚への動機というものも女性の場合は生まれるわけでございまして、やはり好きな人と結婚して子供を産みたいという動機というのは大きいわけですから、今二十代の未婚率は三七・七%というふうに高率になっておりますけれども、この未婚率の高さ、晩婚率の高さあるいは出生率の減少、こういったことが今の女性の置かれている状況と非常に深くかかわっている。これは短期的な対応ではもうどうしようもない、非常に大きな政治問題だと私としては考えるわけでございます。 そこで、お尋ねいたしますけれども、こういった出生率の低落傾向の原因を政府の側ではどのように把握しておられるのか、お答えをお願いいたします。
○熊代政府委員 出生率低下の原因についてでございますけれども、人口学的に見ますと未婚率と夫婦の出生児数と生涯未婚率、この三つの要素が非常に大きな影響があるということで、この三つを検討してきておるわけでございますが、最近の出生率の低下は晩婚化による二十歳代、三十歳代前半の女性の未婚率の著しい上昇に起因しております。二十歳代後半では三七・三%が未婚であるというのは御指摘のとおりでございまして、二十歳代前半では昭和五十年の六九・二%から八五・七%、さらに、三十歳代前半についても昭和五十年の七・七%から一二・〇%というふうに、いずれも平成元年度の数字でございますが、未婚率が著しく上昇しております。 この晩婚化の要因、なぜ晩婚化になるかということでございます。これも先生からいろいろ御指摘がございましたけれども、人口問題研究所等で分析した結果でございますが、一番目に、女性の高学歴化が職業キャリア志向を促すなど女性の職場進出が増加しておる反面、女性の就業と家事、育児の両立支援体制が依然として不十分であること、二番目に、若い女性にとりまして独身生活は経済的自立や行動、見方の自由等が保障されるなど魅力が相当に増大したということでございますが、その反面、職場中心主義によります家庭の軽視とか固定的な男女の役割意識が依然として存在しているというようなことで、それを前提といたしますと結婚家庭生活の魅力は相対的に低下していること、三番目に、若い男女の結婚に対する意識が変化していることがございます。結婚適齢期という意識があったわけでございますが、それが希薄化しているということと、さらに、極めて具体的なことではございますけれども、見合い結婚が非常に減少しておりますが、それは社会慣行としての見合い制度というものが制度的に非常に減少している。このようなことが原因かというふうに考えております。
○伊東(秀)委員 なぜ女性の未婚率が高くなってきているのか、出生率低下の原因の一つであるその未婚率について、家庭と職場の両立可能な体制が整っていないというようなことも今おっしゃられましたけれども、こういった事柄に対してどういうような対策を講ずるべきであったとお考えでしょうか。
○土井政府委員 出生率低下の対策でございますけれども、ただいまいろいろお話がありましたとおり、女性の社会進出の増大でありますとか、都市化、核家族化の進展等、子供と家庭をめぐる状況が大きく変化しておりまして、そうした中で子供を養育する家庭に対する支援策を充実するということで、今日まで私ども保育サービス等々の面で努力をしてまいったところでございます。特に、今お話しの平成元年の一・五七というような合計特殊出生率を背景といたしまして、一体これからどうしたらいいのかということが私どものこれから努力しなければならない非常に大きな課題であると認識しているところでございます。 本日いろいろ御審議をいただいております児童手当の充実の問題のほかにも、保育サービスの問題、子供に対する相談支援体制の問題等々を中心にしまして、私どもも最大限努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○伊東(秀)委員 私の質問は、先ほど述べられた原因があるという、四点ほどおっしゃられましたけれども、その原因を生んだ背景というか、どのような対策を講ずるべきであったというふうにお考えであるかという点、具体的にお尋ねしたわけでございますけれども、お答えをお願いいたします。
○土井政府委員 どのような対策を講ずるべきであったかという御質問でございますが、私ども、今申し上げましたような、例えば仕事と家庭との両立支援策というような点では保育サービスの充実というような努力をしてきたつもりでございます。しかしながら、全体の傾向として、先ほど申し述べましたようないろいろな社会的な背景のもとで、結果として出生率が極めて低くなっているという状況が出てきたのだろうというふうに考えている次第でございます。
○伊東(秀)委員 といたしますと、この出生率の低下の傾向は、努力したけれどもさまざまな背景で食いとめようがなかったから、今後もこれは食いとめようがないであろうという見通しをお持ちであるということなのでしょうか。今後の見通しについてお答えをお願いいたします。
○土井政府委員 子供を産む産まないという問題は、これはプライベートな問題でありまして、私どもは、子供を取り巻く状況の変化を踏まえて今後どのような環境づくり、子育て環境づくりとしてどう対策を講じていくか、そういう環境づくりが出生率にどういう影響を及ぼすかというのは結果であろうと考えております。子供を産むための対策ということではなくて、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりという形で行政としては努力をするというのが行政の守備範囲ではないかというふうに考えている次第でございます。
○伊東(秀)委員 今後の出生率の問題については、政府はどのような見通しを持っておられますでしょうか。
○熊代政府委員 先生お尋ねの、今後変わり得るものか変わり得ないものかということでございますが、御承知のように、平成三年一月に「健やかに子どもを生み育てる環境づくりについて」という各省連絡会議の報告が出されまして、非常に多方面にわたる総合的な施策で、先生御質問のように、よい環境になればそれに応じた人々の行動のパターンがまた生まれるということでございまして、そのように基本的に考えております。 それで、現在、将来の人口の推計でございますけれども、昭和六十一年度に厚生省人口問題研究所は将来人口推計を出しております。これは、大体五年に一度推計を出しているものでございますけれども、今度は昭和六十六年、平成三年度が一応の五年度期になっております。それで、六十一年推計によりますと、しばらく合計特殊出生率は下がるけれども、その後に二・〇ぐらいまで回復してくる、そういう推計の見込みを持っております。現時点におきましてその推計と比べまして、一・五七ということは推計の想定しましたものとやや乖離いたしておりますけれども、今後新しい推計でどういうふうに見込むかというのは今検討中でございますが、冒頭申し上げましたように、環境によりまして人の意識、行動パターンは変わり得るものであると考えております。ですから、そういうことで、どういうふうになるということを今の時点で新しい推計に基づいてのことは申し上げられませんけれども、変わり得るものであるというふうに考えております。
○伊東(秀)委員 この出生率の問題は、人間が生活しながら子供も育てたい、男も女も子供の親になって、子供も育てながら、かつ労働もしながら生活していきたいというごく自然な要求、欲求をどういう形で社会がきちんと保障してくれるか、子供を社会の子供として大事にしてくれるかということともやはり大変密接に絡んでいると思いますし、今回の児童手当もその一環として経済的支援ということを打ち出されたのだと思うわけでございますけれども、ぜひとも今後ともそういった環境整備、特に今、時短の問題や、あるいは厚生省の管轄としては保育所の充実の問題等出ておりますので、なお一層努力していただきたいと思います。 次に、保育所の問題に移りたいと思うのですが、先ほどの厚生省の御回答では、今回の児童手当を三歳未満児に限った理由として、三歳までの子供は人間の性格形成上大変重要な時期であるということ、さらには、この時期には若い両親の経済的な負担力が乏しいから経済的な支援の方が大事なんだという考えに立って今回支給期限を三歳とし、かつ支給額も若干増大したというようなお答えだったと思うのですけれども、これは国民の側のニーズとずれているのではなかろうかというふうに私は考えるわけでございます。 日経連が行いましたアンケート調査によりますと、これは出産と育児のために必要な環境整備についてのアンケート調査でございますけれども、結婚している女性が最も強く望んでいるのは、保育所であるということの回答が五四%、その次に、労働時間短縮やフレックスタイム制の導入である、五三%、三位が児童手当など経済的援助で一四%となっております。つまり、妊娠したということがわかった途端、あるいは妊娠しようかというか子供を持とうかというふうに女性なり男性なりが考えた場合に一番に頭に来るのは、保育所があるだろうか、これは働く女性の場合ですけれども、これが一番大きい問題である、そしてさらには、その保育園に預けて子供が本当にいい保育環境で育てられるという保証があるだろうか、このことではなかろうかと思うわけですね。そういう意味では、今働く女性がどんどんふえている中で三歳未満児にとって一番大事なのは、乳幼児期の大事な時期に本当に人間性豊かな、その子の個性を大事に発達状況に見合った保育を与えてほしい、そして、その場をきちんと確保してほしいということではなかろうか。 これは働く女性の側からの問題ですけれども、もう一つ、専業主婦といいましょうか家庭にいる女性の場合には、子供が生まれると朝から晩までぴったり子供に拘束されて自分の自由な時間がなくなる、例えば、たまには人間として音楽会にも行きたいとか、あるいはお葬式その他どうしても子供を連れていきたくないような会合があるとか、そういったときにもずっと子供の問題がつきまとう、ああしんどいなという思いじゃなかろうかと思うのですね。ですから、保育園の整備と同時に、働いている働いていないにかかわらず、時間帯にもあるいは保育形態にも多様なニーズに応じられるような保育施設を充実させるという、この二つのことが大変重要なことになっているのではなかろうかと私は考えるわけでございます。 それで、昨年の三月に厚生省でも二十五年ぶりに保育指針を全面的に改定なさいました。そこでは一応乳児保育を充実させる、それから子供の発達段階、年齢別の到達度に応じた子供の個性を尊重した型にはめない柔軟な教育を行おうというような姿勢から、このような保育指針の全面的な改定を行ったというふうに聞いております。 そこで、お伺いしたいのですが、この保育指針の改定、これに当たってそれまでの制度に対するどのような現状認識から保育指針の改定に至ったものなのか、その点を簡潔にお答えいただけたらと思います。
○土井政府委員 今お話しの新しい保育指針でございますが、昨年四月から実施をいたしております。昭和四十年から約二十五年経過しておりまして、御質問のありました見直しの背景といいましょうか、その前提になる問題意識といたしましては、児童と家庭を取り巻く環境の変化、乳児保育等保育需要の多様化、学問的研究、保育実践の進歩、幼稚園教育要領の改定、こういったような状況の変化を踏まえまして、新しい保育指針が必要ではないかということで、専門家の方々にお集まりいただきましていろいろ御検討をいただいて、昨年の四月から実施に移したということでございます。
○伊東(秀)委員 この指針が新しくなったという段階で、指針に基づいてさまざまな施策の方も新しくしなければならないのではなかろうかというふうに思うわけでございます。それにしては、指針はそういう乳幼児保育の充実とかさまざまなものを打ち出されたわけでございますけれども、例えば保母さんの要員配置基準は昭和四十三年のまま据え置かれて二十二年間経過している。保育所施設設備の最低基準の見直しもずっと行われていないという事実はあるわけでございますけれども、二十二年間も据え置かれたままのこの保母要員配置基準の見直しは、児童、家庭を取り巻く環境の変化に対応してやはり必要ではなかろうかと当然考えるわけでございますけれども、それについてはいかがでございましょうか。
○土井政府委員 御指摘のありました新しい保育指針でございますけれども、この保育指針の具体的な内容は別といたしまして、これはガイドラインということで各保育所に示しているものでございまして、これを参考として保育所の運営をしていただきたいという性格のものでございます。したがいまして、この保育指針が変わったから直ちに保母の配置基準に影響が出るのかというような性格のものではないというふうに私ども考えております。 いずれにいたしましても、この改定保育指針が実施をされてからまだ一年弱の時期でございますので、今後この指針が実際の保育所にどのように受け入れられているかという実情等もよく勉強いたしまして、今後の問題については研究をいたしたいと考えております。
○伊東(秀)委員 この保母の要員配置基準が四十三年の基準のまま全く見直しがなされていない。一方では、大変な保母さんの人手不足と言えばいいのでしょうか、どこの保育所も保母探しに四苦八苦している状況にあるということが言われております。 現に、これは厚生省の調べですけれども、一九八七年十月現在、資料がちょっと古いのですが、十七万八千人、これは保母さんの数です。二年前より千人減っている。さらに最近の資料でも、保母養成所を出たり、あるいは福祉関係大学を出ても、かつては五割合の福祉医療関係への従事者の就職率だったにもかかわらず、今は三割しか保母さんあるいは福祉関係施設に就職しない。それだけ保母さんの労働環境が悪いということが問題になっている。この根本に、やはり要員配置基準がかかわっているのではないかと考えているわけでございますけれども、厚生省ではこの要員配置基準が現行のままでよいというふうにお考えなのかどうか、具体的にお答え願います。
○土井政府委員 保母さんの配置基準でございますが、お話のように現在、三歳未満児は六対一、三歳児は二十対一、四、五歳児は三十対一という基準になっております。 ただ、配置基準はそのように定められておりますけれども、例えば乳児保育という観点から、それに加えて来年度の予算案では五千六百六十二人保母さんを乳児保育のために上乗せをするというような形で、加配という形で実情に合うような運営を行って今日に至ってきているということでございます。 基本的な配置基準につきましては私ども、これを直ちに見直しをするという考え方はございませんけれども、今申しましたような乳児保育あるいは障害児保育等々の実際に必要な多様化された保育需要に見合った形での要員の加配という形で、実情に合うように運用して今日に至ってきているというふうに考えております。 なお、全体的な保母さんの状況でございますけれども、初めにお話がありましたように、全体の子供の数が減少する中で、保育所に入ってくる子供の数も減っております。現在、定員の約八五%の入所実績というのが全国平均の状況でございます。地域によりまして保育需要はいろいろな違いがあると思いますけれども、全国的な姿としてはそのような状況にありますので、先ほど申しましたような方法で私どもとしてはやっていけるのではないかというふうに考えているところでございます。
○伊東(秀)委員 今のお答えでは子供の数がどんどん減ってきているということでございますので、これまでの要員の配置基準を本当に子供にとっていい保育が受けられるという状況に見直す大変いい好機ではなかろうかと考えるわけでございます。特に今の御答弁では、実情に見合った加配を行っているということでございますけれども、加配を行うことが実情に合うのであれば、実情に沿った基準づくりを行って、やはり預ける側の父母にとって、ああこれなら保育園に預けたいなと思うことができるような実態に変えていかなければならないのではなかろうかというふうに思うわけでございますが、その点についてはいかがでしょうか。
○土井政府委員 ただいま申し上げましたのは、保育需要の多様化に対応した人員配置ということで、最低基準に対して上乗せをしているということを申し上げたわけでございますが、私ども、保育所の運営を考えます場合に、やはり入ってくる子供の状況がどうなっているか、人数がどうなっているかという問題、それから保母さんの勤務の問題、親が負担する保育料の問題、全体的なものを考えながら保育所の行政というものは運営すべきであるというふうに考えておりまして、現在まで行っている保育所運営の姿というものはそれほど大きな問題は生じていないというような考え方で見ております。ただ、保育指針等につきましては、先ほど来お話があるように、新しい形で、できるだけいい保育内容が実現できるようにという形で検討もお願いし、昨年から実施をして、そういう方向に持っていきたいということでいろいろ努力をしているところでございます。 運営面の問題として、保母さんが非常に少なくて困るというような実態にはなっていないんじゃないかというふうに考えている次第でございます。
○伊東(秀)委員 私の知る限りでは保母さんの数が足りない、正規の保母さんがなかなか見つからないのでとりあえずパートでの保母さんを時間外等には充てるとか、あるいは保母の週休二日制が出てきた場合には土曜日の保育をパートで何とか充てているとかというような実情がございまして、保母さんがこれで十分と言える状況にはない。もしそういうふうに、厚生省の方でこれで十分なんだという認識をお持ちであるとすれば、もっともっと現場の方々の実態を把握する努力をしていただきたいというふうに思います。 先ほど御答弁の中に、子供の数が最近は大変減ってきているというようなことでございましたけれども、こういう状況の中で、まさしく子供があふれている状況ではないところで、さまざまな多様化した保育ニーズに合った保育所の設置ということが可能な時期に至ったのではなかろうかと思うわけでございます。厚生省としましても、障害児共同保育とか長時間あるいは夜間保育とか一時保育とか、さまざまな試みをなさっておられることはわかるのでございますけれども、例えば一時保育にしても、四百カ所ですか、それが四百五十カ所にことしふえるというような、数としては非常に微々たるというか少ないものではなかろうか。この一時保育を今もっともっと拡充すべきではないかと考える根拠としましては、冒頭にも申し上げましたように、例えば専業主婦の方々でも子供連れでは行けないようなところというのはやはりある。そういう場合に、お年寄りで言うデイサービスとかあるいはショートステイとか、そういった子供の、乳幼児のデイサービスを需要に応じてやれるような体制というものが今後必要ではなかろうか。特に、子供は社会の子であるという立場に立てば、なおさらそういった観点からの保育所の充実ということが必要になるのではなかろうかと考えるわけでございます。 そうなれば、児童福祉法の二十四条の保育所入所基準、保育に欠ける子ということの、解釈といえばいいんでしょうか、そういったものも変えなければならない。「保育に欠ける」とはどういうことなのかということを問い直さなければならないのではなかろうかとも思うわけでございますが、そういった多様なニーズにおける保育所の充実という点では、厚生省はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○土井政府委員 ただいまお話のありましたいろいろな、多様な保育ニーズというのが出てきているというふうに私どもも考えております。それで、今お話がございました一時的保育事業等の特別保育対策というものも昨年度からスタートしまして、今余り伸びてないとおっしゃられましたが、新年度予算案では五十カ所ふやして四百五十カ所というような予算を計上しているところでございます。 それからまた、午前中も議論がございましたが、新しい保育サービス、夜十時くらいまでの保育サービス等々の事業も展開をいたしてまいりたいというふうに考えております。私どもといたしましては、今後とも保育サービスの多様化ということについては、実情に即して格段の努力を傾注してまいりたいと考えております。 ただ、お話がありました児童福祉法二十四条の「保育に欠ける」という問題の御指摘でございますけれども、私どもとしては、この児童福祉法の規定は、例えばそのような状態にある子供を福祉の施策としてきちっと守っていくという規定でございまして、それに必要な経費は全額公費で保障していくという規定であろうというふうに理解しております。したがいまして、親の所得による今の徴収基準でございますけれども、仮に所得がなければ保育料ゼロで責任を持って預かるというような前提で、「保育に欠ける」ということが今の法律の仕組みの出発点になっているんだろうというふうに理解をしております。したがいまして、いろいろな多様な事情のうちどの部分までを保育所としてサービスとして引き受ければいいのかということには、おのずからその背景になる事情によって異なる点が若干出てくるのではないだろうかという考え方でおるところでございます。
○伊東(秀)委員 今出ました、一時保育を含め、障害児保育、夜間保育、長時間保育、こういったことが行われるようになった点は評価できるものの、非常に補助単価が低い。そのために、現場では正規の保母さんでは賄い切れなくて、ふえた業務の分はパートで賄っているという実態があるわけでございますけれども、この補助単価の引き上げがどうしても必要じゃなかろうかと、より保育サービスの拡充という点からは考えられるわけでございますけれども、その点についてはいかがでございましょうか。
○土井政府委員 特別保育対策事業のうち、例えば乳児に着目した保母さんというのは、正規保母さんという形で先ほど申しました五千六百六十二人というものの人件費を措置費として計上しております。 それから、一時的保育事業等の多様な保育サービスの点につきましては、今御指摘がありましたように、正規の人件費ではありませんで、非常勤、あるいは常勤的非常勤といいましょうか、そういう形の積算になっております。これは両面ございまして、正規の保母さんで永続的に、そういう形で保育所経営という面から見ていいのかどうかというふうな一面も他方にございます。それから、実態的にどれだけの業務量になるかということも一応基準計算という形で私どもなりに測定をいたしまして、そのような形で実情に合うような運営が図られるのではないだろうか。ただ、現実問題として、最近の雇用情勢の中で、そういう非常勤保母さんの確保という形になると非常に難しいというような一面も出てまいっていることも承知しておりますので、これらの中身についてはよく事情を聞きながら改善を図る必要があると思いますけれども、大きな仕組みとしてはそういう形でやるのが適当なのではないかと思っているところでございます。
○伊東(秀)委員 今費用の問題が出ましたので、措置費について次にお伺いしたいと思うのですけれども、この措置費の単価内訳の決定の仕方が現場での保母配置の実態とかけ離れている。つまり現場では、一年目の保母さんが二年目になり、あるいは十年目になり十五年目になりというふうになると、ベースアップのほかに定額昇給があり、高年齢の保母さんの多い保育所ではそれだけ人件費が高くかかる。ところが、厚生省が措置費の積算をする場合には、保母何人、主任保母何人、所長、園長一人とかいう形で非常に機械的に、定額昇給分は一切見ない形で、あるいはどういう保母の年齢層の人たちが現実にその保育園にいるかの反映のない形での措置費の決定のされ方がしている。そのために市町村の負担が重くなっている。つまり、保母さんが集まらないために、保母を確保するためにはどうしても、きちっとした人件費の支払いは当然のことなわけですけれども、措置費では賄えなくて過重な負担をしているという実態があるわけでございますが、措置費の決定の仕方、これを改めなければいけないのじゃないかというふうに私は考えるわけでございます。 そこで、今の措置費の決定基準と言えばいいのでしょうか、積算方式はいつ決定されたものであるか、さらには、これの積算が実情に合わないという批判に対して改定するつもりがあるのかないのか、その辺について御答弁をお願いいたします。
○土井政府委員 措置費の中における保母さんなどの給与の格付の問題だと思います。これにつきましては、私ども現在の仕組みの上では、例えば主任保母さんは何等級何号俸、保母さんは何の何というふうな形で基準を定めております。現在のところ、主任保母さんについては経験年数十四年、それから一般の保母さんにつきましては七年というのを措置費上の基準として格付をしているところでございます。 それでこの点につきましては、地方団体の方から、保母さんの給与水準、給与実態と今私どもの格付している基準との間に違いが出てくるという場合には、地方団体の方から、違いが出てきているということを背景にしまして超過負担の実態調査をしろというような要請を私ども受けるわけでございますが、現在の一番新しい時点では、五十九年度にそのような調査に基づいて改定をした。これは厚生省のほかに大蔵省、自治省三省一緒になりまして、その時点における保母さんの経験年数を調べまして、その平均的な姿と私どもとの基準が合っているか離れているか、離れている場合にそれを実情に合うように手直しする。それで昭和五十九年度におきましては、六十年度、六十一年度の二年間で毎年約四十億円くらいずつの費用をふやしまして改善措置を講じた。その後今日までにおきましてはその実態調査は行っていないという状況でございます。
○伊東(秀)委員 今のお話では五十九年以降実態調査は行われてないということでございますけれども、五十九年から現在まで約七年近く経過しておりますし、この間の経済情勢の変動というのは大変著しいわけでございますので、ぜひとも近い時期に再度実態調査をしていただきたい。それに合わせた措置費の決定、積算を合わせていただきたいということを強く要望しておきます。 次に、保母さんの労働時間の短縮、完全週休二日制についての問題ですが、これについてはどのようにお考えでしょうか。
○土井政府委員 保育所の運営費につきましては、毎年度改善措置を行うなどの努力をしてきているつもりでございますが、特に職員の勤務条件の改善というものには配慮をしてきているつもりでございます。保育所等の現行の措置費の上では、国家公務員の勤務時間を勘案しまして週四十四時間という勤務体制を前提にして計算をいたしております。ただ、最近における一般産業界や国家公務員の時間短縮あるいは週休二日制の推進等の動向を踏まえまして、平成三年度におきましては一週間当たり三十分の時間を短縮するという形で措置費の予算を計上しているところでございます。今後ともそういう方向に沿いましてさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○伊東(秀)委員 今のお話で三十分時間短縮を今年度から行う方針であるということでございましたけれども、保母さんの完全週休二日制、つまり四週八休ということの確立にはこの三十分の時間短縮で足りるというふうに厚生省ではお考えなのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○土井政府委員 保育所の保母さんの配置人数というのは規模の小さい保育所ほど非常にわずかであるというような実態もありまして、保育所によっていろいろな置かれている条件は違うと思いますけれども、私ども基本的には、国家公務員の勤務時間が現在四十二時間ということで、四十四時間から四十二時間に週の勤務時間が決められて、それでもって現在の週休二日制という、四週六休制でございますが、そういう格好でやっておりますので、私どももこれは計画的に保育所もそういう方向へ持っていきたい。したがって、それで十分か十分でないかという、個別保育所の事情というのはいろいろあろうと思いますけれども、基本的な措置費の基準としては同じような方向に持っていく、そこへ向かって新年度予算で第一歩を踏み出したという状況でございます。
○伊東(秀)委員 国家公務員の週定労働時間に比べても保母さんはまだ一時間三十分多い状況でありますし、労働が大変デスクワークと違って職業病の腰痛とかあるいは頸腕とかいうような女性の体に負荷を与えている部分もございますので、ぜひとも早い時期に時間短縮への一層の実現をお願いしておきたいわけでございますが、あわせて保育園の土曜閉庁については厚生省としてはどのように考えておられるのか、お答えお願いいたします。
○土井政府委員 土曜日保育所を閉めるという問題だと思います。私ども労働省の調査を拝見いたしますと、例えば三十人以上の労働者を雇用する企業で働く労働者のうちで完全週休二日制を取り入れているものは二九・五%というふうに、その調査の結果には相なっております。したがいまして、残りの勤労者の方々は働いておられるというような実情が今日まだあるというふうに思いますので、保育所を閉めるわけにはまいらぬだろうというのが率直な気持ちでございます。現時点ではまだ早いのではないかというふうに思っております。
○伊東(秀)委員 とすれば、一応保育園は土曜日も開園する、しかし保母さんの労働は完全週休二日制を目指すというふうに解釈してよろしいのでしょうか。
○土井政府委員 保育所の土曜閉庁という問題は、今申しましたとおりになかなかできないだろうというふうに考えております。それから、完全週休二日制を目指すということではありませんで、保育所の保母さんの勤務時間の積算の基礎として先ほど申しましたように時間を週三十分短縮した、そして計画的に国家公務員と同じような勤務時間を取り入れるべく今後努力をしたいということを申し上げたつもりでございます。 それから、それと同時に、先ほど申し忘れて失礼しましたが、業務省力化等の勤務条件の改善費あるいは年休代替要員の確保といったようないろいろな形で、そういう保育所の保母さんの勤務条件がより時短というような流れにふさわしいものになるように、さまざまな面で努力を積み重ねてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○伊東(秀)委員 次に、今年度の新規事業ということで打ち出されております夜間保育サービスあるいは企業委託型保育サービスについて伺います。 今回この新規事業につきまして、保育所を活用した長時間保育サービス、これを初年度に二百カ所、総額四億円強が計上されているわけでございます。先ほどおっしゃられた保育ニーズの多様化に応じた保育所の設置という観点から考えれば、当然この事業も本来的には一般会計でもって行うべきではなかろうかと考えるわけでございますけれども、この事業は今回児童手当特別会計で行うということになっているわけでございます。その点について、なぜ特別会計にしたのか、保育ニーズの多様化に応じた保育所という原則に立ち返れば一般会計で賄うべきであるとは考えないか、その二点についてお願いいたします。
○土井政府委員 ただいまお述べになられました新しい保育サービスについては、児童手当特会の福祉施設事業としてやりたいということで予算をお願いいたしております。この背景といたしましては、全国統一的なサービスではなくて、残業等の突発的な労働力確保の問題、あるいは企業側の特別の事情に対応してそのような必要が生じてくるであろうというような背景から、私どもとしては特別会計の中でその予算を計上しているところでございます。 ただ、一般会計におきましては国の予算として保育所の経費二千数百億円というものを計上いたしておりますが、先ほど来申しておりますさまざまな保育サービスというのは一般会計の中でやってまいっておりますけれども、今回のような企業側のニーズにマッチしたようなものにつきましては、ある意味では一種の共同事業的な位置づけというような性格もございますので、特別会計の中で予算を計上したというような考え方でございます。
○伊東(秀)委員 この長時間保育サービスのニーズについての実態調査なんですけれども、これを新規事業にするに当たってどのような実態把握をなさったのか、その調査方法、調査結果について御報告をお願いいたします。
○土井政府委員 新しい保育サービスの実態調査は、この制度をスタートさせる前提としていたしておりません。ただ私ども、地方団体その他の動きで、例えば東京都の中でこのような、同じような考え方でいろいろな関係者の意見を総合してやりたいというような背景が地方団体の中に現実に起きているという状況を踏まえて、それからまた、一方では企業側あるいは連合の方々等々の御意見もよく伺い、御相談をしながら、こういう事業が必要であるというふうに考えてお願いをしているところでございます。
○伊東(秀)委員 予定する保育所に補助金を出す場合にどのような基準で出すのかということが第一点、それから児童手当特別会計で行うとすれば被用者の子供を対象にするということになるのではなかろうかと思うのですが、そうなれば自営業の子供の取り扱いはどうなるのか、この点についてはいかがでしょうか。
○土井政府委員 私ども現在考えております条件といたしまして、夜八時以降お預かりする子供の数が六人を超えるということを条件と考えております。したがって、通常六時で終わりますけれども、六時から八時の間は十人ぐらい子供がいて、八時以降六人ぐらいいる、そして親の方々が、例えばうちの子は九時、うちの子は九時半というような時間帯においてとりにこられるという姿を想定しております。その場合に、保育所に対しましては保母さん二人、それから炊事をする方一人、計三人の人件費を見ようという形で、一保育所五百万程度、五百万余の経費でこれをやっていこうというふうに考えております。 それから、これは先ほど来申しましたように事業主の拠出金を財源としてやっていることから、サラリーマンの被用者の子供さんたちというものが原則的な対象であろうと思います。ただ、保育事業というものは地域のニーズがさまざまであろうと思いますので、これにつきましては市町村の自主的な判断ができるような弾力的な運用というものを考えていく必要がある。したがいまして、実情においては自営業者の方々もお困りにならないような配慮を市町村の御判断でできるような道を開く必要があるのではないかというふうに思っている次第でございます
○伊東(秀)委員 次に、企業委託型の保育サービス事業についてお伺いします。 今回、八十二カ所、一億五千万円の補助金が計上されており、一カ所百七十万円という大きな補助額が予定されているわけでございますけれども、これを設けるに当たってやはり実態調査をしたのかどうか、それが第一点、二つ目には、補助金を出す場合の基準、それと何ゆえに社会福祉法人に支出するのか、この三点についてお伺いいたします。
○土井政府委員 第一点目の実態調査でございますが、いたしておりません。ただ、こういう形で新しい保育サービスを展開するに当たりまして、関係者といろいろ御相談し、お話を伺いながら必要であるというふうに考えた次第でございます。 それから、百七十万でございますけれども、これは午前中もございましたが、新しく社会福祉法人がこのような受託をしてサービスを提供する場合に、社会福祉法人内部の事前の準備経費が必要だろうということで、これは定額でございますけれども、一カ所当たり百七十万、超勤でありますとか旅費、消耗品費等々、いろいろな諸経費が、そういう形で社会福祉法人が引き受けるに当たっては事前に必要であろうということに着目をして定額の補助を行うというものでございます。これは社会福祉法人側の体制整備のために助成するものでございます。企業側としては、企業に働く方々の子供さん方を社会福祉法人に委託をするわけでございますけれども、この委託につきましては、事業所内保育所というのが既に一部企業でございますけれども、それは企業の責任において実施をしているということと同じように、企業の負担において社会福祉法人に委託をするという考え方でございますので、企業に対する補助ということは考えていないところでございます。
○伊東(秀)委員 としますと、この企業委託型保育サービスをより今後導入を図っていきたい、そして、そのインセンティブと言えばいいのでしょうか、奨励金的な形で新規開拓に努める社会福祉法人に援助しましょうということのように受けとめられるのですが、それでいいのかどうかということが一つと、じゃ、この事業がある程度定着した段階ではこの補助金を廃止する予定なのかどうか、その二点について伺います。
○土井政府委員 この補助金につきまして今後どのような運営をするかということは、私どもも最初に実態調査をしておりませんで関係者のお話を聞いてスタートをした事業ということから、今後のこの事業の推移を見きわめながら、今後どうしたらいいかということにつきましては、実際にそういう事業がスタートする、そういう実情をよく調べながら今後の展開を図っていきたい。来年度以降どうする、将来的にどうするというところまで今決めかねている状況でございます。
○伊東(秀)委員 新規の事業を導入し、かつ、そこに多くの補助金を出すという段階で実態調査をしていないということは非常に問題ではなかろうか、やはり新規事業を行うに当たっては、どれだけの需要があり、どれだけ需要にこたえる必要があるかということをきちんと実態調査した上で、その結果に基づいてやっていくということが当然ではなかろうかというふうに私は考えるわけでございます。 さらには、措置費に関する、措置費の単価内訳が実情に合わないというようなたくさんの不満や要望が各地から上がっているにもかかわらず、長年その実態調査も行っていないということでございますけれども、世の中が、時代が生活スタイルも国民の需要もどんどん変わってきている段階で、そういった国民の生活レベルでのニーズにきちんとこたえる厚生行政という意味でも、厚生省としてはより一層実態調査をすべきではなかろうかというふうに思いますので、強くその点は要望しておきます。 最後になりましたが、今回改正する児童手当法の件についてでございますけれども、今回の児童手当法の改正案は主に大きな柱としては四つある。一つは支給対象を拡大した。支給金額も若干拡大した。しかし、支給期間は短縮した。そして新規事業を設けたという点ではなかろうかと思うわけでございますけれども、本来児童手当というのは、諸外国に比べて日本の場合は非常におくれて出発し、常におくれておくれているというのが実情ではなかろうかと思うわけでございます。 それで冒頭に出生率の低下の問題を取り上げましたけれども、このように子供がなぜ減ってきているのか、子供が減少していくということは大変ゆゆしい社会問題だ。何としてでももう少し子供がふえていくような社会に変えていかなければならないというところから今回の改正案のもともとも出発したのではなかろうかと思うのですが、とすれば、もう少し厚生省、政府としては、児童手当法というのは何のために設けてあるのか、そういった根本的な理念というものをきっちり国民に見せる必要があるのではなかろうか。今回、額はふやしたけれども、三歳までに短縮しました。産んだらその当座だけ御褒美を差し上げる、だからとにかく産んでくださいというような、非常にこそくなという言い方はオーバーかもしれませんけれども、理念のないやり方に見えるわけでございます。短期的な対応しかしないという言葉に言いかえた方が正確かと思うのですが、今後高齢化社会に向かって子供がふえないということ、出生率が減少するということが国全体にとっての政治問題であるという立場に立てば、この根本的な理念が何なのかというところをもう少し明らかにしてもらいたい。厚生大臣にその点について中長期的なビジョンも含めてお伺いしたいと思います。
○下条国務大臣 お答えいたします。 働きながらお子様を育てられた貴重な御経験からの先ほど来のお話、よく承っておりました。児童を取り巻く環境が、必ずしも健やかに生み育て、健やかに成人に導いていくような環境づくりというものが十分整っていないじゃないかというようなお話などいろいろございました。今ここで御審議いただいております児童手当はこれだけですべての問題を解決するものではない、これはやはり全体の諸条件を整える中の一つとして考えていくというような立場をとっているわけでございます。 それで、児童手当のあるべき姿についてのお尋ねでございますけれども、企業の家族手当や税制の扶養控除等の関連もございますので、それらの諸施策との関連、社会経済状況の変化などを十分踏まえまして、これから常に検討を加えながら考えていきたいと考えております。また、児童手当制度のあり方については財源問題とも密接に関連するものであり、現時点で中長期のビジョンをこうだと全部明らかにするのは非常に困難でございますが、今後の社会経済状況、制度の定着状況、今回の制度改正の効果等を踏まえまして、関係者の意見を承りながら制度のあり方を引き続き勉強してまいりたい、このように考えております。
○伊東(秀)委員 児童手当というのはなぜ必要なのかということをもう少しお伺いしたいと思うのですけれども、その一つの例として、これはある著名な社会政策学者であるグンナー・ミルダル氏の言葉なんですが、「予防的社会政策は、家族とか将来の人的資源たる児童に向けられなければならない。」と前置きした上で「児童手当は一国の人的資源への投資である。」というふうに述べていらっしゃるわけでございます。つまり、今回厚生省は改正案をお出しになりましたけれども、児童手当は何のためにあるのか、この博士は「一国の人的資源への投資」という考え方をとっておられるわけでございますけれども、こういった観点に立てば、三歳までなどというやり方はとても出てこない。児童が義務教育を終了するまでとか、あるいは修業時代と言われる学生生活を終えるまでとかなるのが当然であるわけでございますが、政府はこの点についてどういう位置づけをしているのか、お答えをお願いいたします。
○下条国務大臣 先ほどこのお話の前提に出生率のお話が出ました。一番新しい資料として利用されております数字が一・五七だと、将来のことを懸念されたお話も承りました。要するに、今、日本は高齢化社会を迎えておりますが、それを前提にしながらも望ましい人口構成というものも頭に描いていかなければならない。そういう点から考えますと、出生率が低下していくことは一つの大きな問題である、こういう認識は私も持っているわけでございます。 その中で児童の健全な育成、そしてまた、それを一番世話をしていただく御家庭のお立場、それらを考慮いたしまして、我々は児童手当が幾ばくかの貢献をするものであるという見地からこの児童手当を持っておりますし、また、それの改正を今度お諮りしているわけでございます。
○伊東(秀)委員 幾ばくかの貢献をしたいという、その貢献する中身が何かということが問題なのではなかろうかと思うわけでございます。つまり生活費の補助なんだということであれば余りに微々たるものである。本来は児童の健全育成ということに重点を置いているのではなかろうかと思うのですけれども、その点がどうなのかをもう少しはっきりお伺いいたしたいと思います。
○下条国務大臣 これは午前中の御審議でも問題が出たわけでありますけれども、今回の児童手当の額の改定、第一子まで拡大し、そして、それぞれ給付される金額が従来の金額に比べまして倍になったというような御説明もいたしておりますが、その前提として、いろいろ御質問の中で担当局長がお答え申し上げたのは、一応の数字の裏づけを御説明申し上げて、所要額のおおよそ半分ぐらいかなというようなところがめどだというような説明もあったわけでございます。これは一つの見方でございます。 それらを総合して今回の結論を出したわけでございますが、児童がどの段階が一番手がかかるかということになりますと、これはそれぞれどの時期もみんな大事でございます。しかし、赤ちゃんがお生まれになったそのときには、やはりお母様の手当ては一番貴重なことでありますし、また、お働きに出る場合も働きにくいとか、あるいは出られても給料が低いとか、いろいろな条件から考えますと、我々といたしましては三歳未満のところに重点的にこの制度の適用を図るように今回の改正をお願いする、こういうことに結論をしたわけでございます。
○伊東(秀)委員 今の御答弁を伺っていますと、どうも一番手がかかる時期に負担を軽減するためにというような形といえばいいのでしょうか、どうも生活保障という部分に厚生省は力を置いているというふうに受けとめられるわけでございますけれども、本来、子供を大事にするという社会的な風潮を一つの手当という形で政策としてここに出しているのが私は児童手当ではなかろうか。つまり、子供は本当に社会が待ち望んでいたこの次の将来を担う非常に大切な資源なんだ、だから子供は生まれてもらいたいし、大事に育てたいし、大事に大きく大きく元気に育ってほしいということの一つのあらわれが、金額だけの問題ではない児童手当の中にあらわれているのではなかろうかと思うわけでございますけれども、その点についてはいかがなのでしょうか。
○下条国務大臣 児童が非常に大事であると、今のお話全く同感でございます。それであるがために、ともかくも一番手のかかる、そしてまた、奥様方も大変に御負担が多いその時期に重点的に今回の制度を改正して、その全体の皆様に御奉仕するというような体制を進めていく、こういうことでございます。
○土井政府委員 若干補足させていただきます。 二十一世紀を担う子供たちのためにどのような施策を今講ずるべきか、私どもとしてはその環境づくりということに最大限力を注ぐ必要がある、その大きな柱の一つが児童手当であり、また労働省で今検討されている育児休業制度であり、あるいは先ほど来いろいろ御議論がございました保育サービスの充実と、いろいろな柱があろうかと思います。その中で児童手当は非常に大事な制度であるということで、先ほど来御説明しているような改正案をお願いしているわけでありまして、御理解のほどを賜りたいと思います。
○伊東(秀)委員 私が今この質問をしつこくしている背景には、本当に児童は社会が大歓迎する、非常に将来の担い手として大事に育てなければいけないという観点からの児童手当制度であるとするならば、やはり支給期間というのは人間が児童である期間にあるのが原則ではなかろうか。つまり、今回の子供の権利条約では十八歳までになっておりますし、諸外国の例を見るとほとんどが十六歳、学生である期間は二十歳とかあるいは十九歳とか、ドイツあたりでは二十七歳までというぐらいに補助を与えている。つまりこれは哲学というか政治理念の問題で、やはり児童が健やかに将来の担い手になってもらうための一つの政策表現という意味の手当であれば、金額は非常に少ないけれども、せめて支給期間だけはそれできちんと手当てする、それが政府の一つの意思表明であるということが大変強く望まれるわけでございます。 そういう観点から見ますと、今回の、額は若干上げたけれども、就学前から三歳に圧縮したというのは、非常にその理念のなさといえばいいのでしょうか、何か産めよふやせよをちょっと短期的にフォローしたかのような、大変残念な形に受けとめられるわけでございます。財源の問題もあり、この金額をもっともっとふやすべきであるということについては幾らかの制約があることはこちらも了解はできるわけでございますけれども、期間については、せめて就学前、児童を本当に社会の子として大事にするための一つの施策であるというのであれば、就学前までということは現状を維持してもらいたい、それを強く要望いたしまして今回の質問を終わらせていただきます。
○浜田委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 まず若干お話をさせていただきまして、−それから厚生大臣にお伺いをしたいと思います。 また、きょうは午前から質疑が行われておりまして、同じような質問も中で出るかと思いますけれども、ひとつ御容赦いただきましてお答えをいただきたいと思います。 六十五歳以上の老年人口というのは、現在総人口の約一一%余、こういうことで、二〇二〇年ころには二三・六%、大体四人に一人は六十五歳以上になるだろう、このように言われております。一方、年少人口、ゼロ歳から十四歳は減少傾向にあり、この割合は、二〇一〇年には一八・六%、そして老年人口の割合と逆転することが予想されている、こういうふうな指摘がされております。これは、平成元年七月の中央児童福祉審議会児童手当制度基本問題研究会ですか、ここの報告書でこういうことになっております。 私は、去年も機会がございまして児童手当に触れさせていただきました。そのときにも、この高齢化社会というのは少子化社会だ、お年寄りがたくさんふえるということではなくて、それとともに子供が少なくなる社会なんだ、こういうふうにとらえることが正しいと私は申し上げました。 また、アメリカの人口学者のプレストンという方が、高齢化社会における児童の問題を社会資源の配分という観点からとらえて、高齢化社会の中で高齢者がふえると社会資源の配分も高齢者中心になるという見解を示しております。すなわち、年少人口が減少すれば、その数の少なさのゆえに一人当たりのパイは大きくなり、さまざまな面で児童は恩恵を受けるものと一般には考えられているけれども、実際はこれとは逆に、総体として人口のサイズが小さくなるために児童はむしろ割を食う状況になる、このように述べているのであります。具体的には、高齢者のための医療や年金といった領域が拡大する一方、年少人口の減少により、育児や教育などの産業分野に対する需要は減退し、衰退化していく、こういう指摘であります。 我が国においても、高齢者関係給付費のウエートが増大しているのに対して、児童関係給付費のウエートは減少しているのが現状でございます。こういう状況を踏まえまして私は質問をいたしますが、厚生大臣は朝から何回もお答えになっていると思いますが、私は二点お伺いをしたいと思います。まず第一点は、児童手当とはそもそもどういうものであるのか、また、今回の改正の目的は何か、この二点について大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○下条国務大臣 お答え申し上げます。 今回提案いたしております児童手当の改正についての基本的な考え方のお尋ねでございますが、児童手当制度は、社会の連帯に基づき、児童養育家庭に対し経済的な支援を行い、児童養育家庭の生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としております。今日のような世代と世代が相互に助け合う社会にあっては、世代間扶養の観点から児童の養育に関して社会的な支援を行い、児童の養育にかかる費用の一部を社会的に分担する児童手当制度は、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりの重要な柱として意義あるものと考えております。
○石田(祝)委員 私は最後にお伺いしたいとも思っておりますけれども、大臣が申されましたように、この児童手当は、世代間扶養の考え方に基づいて、いわば我々から見たときに次の代の社会を担う児童の健全育成のためのものであると。私は、それとともに高齢者に対するいろいろな給付とか手当というものも、我々の前の世代というのですか、私たちの先輩の世代に対する世代間扶養である、そういう意味で私たちは両方の世代に対して責任を持っている。世代間扶養の精神に立って給付なり手当なりをしていかなくてはならない、このように私は考えておりますので、最後の方で高齢者の問題についても若干お聞きをしたいと思っております。 実は、この児童手当というものが一九七二年の四月に施行されて以来、いろいろな改正が行われてきました。その中で、財政事情が厳しくなったときには不要論だとか、いろいろな流れがあったということでございます。これはもう大臣も当局の方も御存じだと思いますが、その中で、新潟大学の教授の方がこういうことを述べられております。私は全面的にこの意見に賛成ではございませんけれども、一つの意見としてちょっと御紹介をさしていただきますと、この方は、児童手当は、制度施行後、書いたときに十八年だったようで、十八年目に入った現在も定着していない、こういう考え方で次のように主張をされております。 この方が言うには、「児童手当は、「小さく生んで大きく育てる」という厚生省の判断でスタートした。」しかし、この「児童手当が、当初の意図に反して「大きく育てる」ことに失敗した」、そしてその土壌として、次の二つが挙げられる。一つは、「子どもの養育という生活上のプラスのできごとにたいする保証の必要性をめぐる一般的でかつ世界的な傾向としての合意をうることの難かしさである。」そして第二点目は、「子育ては親の責任であることを強調する特殊日本的な考え方である。」こういうふうに不要論の土壌、また厚生省が児童手当制度そのものを育てるのに失敗したということで、この二つを述べております。 そして、なぜそういうことになるかというと、子育てはプラスだ、こういうふうな考え方があるということですね。その中でお年寄りに対する問題、例えば傷病、老齢というのは、当事者の意思とは無関係な出来事だ。これに対して、子育ては、当事者の意思の結果である恣意的な出来事である。したがって、当事者にとって喜びでもある望ましい出来事に対応する家族手当は、国民の総体的賛同を得にくい。これがまず第一点だ。そして第二点目の理由として、子育ては親の責任であるという日本的特殊要因が非常に強い、こういうことを述べられております。 そしてさらに、この児童手当がみずからも制度の定着の足を引っ張った。その中で、児童手当の設計と施工の二点においてミスを犯した、こういうふうに言っているわけですね。そして、そのミスとは三つある。第一に支給対象である子供さんの順番、そして第二番目に所得制限、第三番目に支給期間の設定、この三つのミスが、児童手当の正体をはっきりしないものにしてしまった。 ちょっと長くなりますけれども、もうちょっと読ましていただきますと、要するに一番最初に制度が発足したときに三人目の子供さんから支給することにいたしました。そのとき三人のお子さんがいる家庭というのは大体二〇%弱の御家庭だったそうです。ですから、児童手当制度の発足のときにその対象となる方が二〇%もいない部分に対して設定をした。これがまず第一点目の失敗で、児童手当は多子家庭対策、要するに子供さんを多く生んでいただく対策にしてしまった、こういうことがまず第一だ。そして、所得制限を設けたことだ。この所得制限を設けたことにより児童手当は低所得者対策とみなされるようになった、これが二点目であります。そして第三点目、これが今回も私は大事な問題だと思いますけれども、支給期間の設定。当初、児童手当の支給期間は中学校卒業前まででした。義務教育終了まで、こういうことにたしかなっておったと思います。生活費のピークというのは教育費等も考えますと、大体四十歳代、しかし、この一番お金のかかる時期が外れているわけですね、今回も。就学前の六歳までということに切ってしまった場合には非常にお金のかかるところが外れて支給されるようになってくる。そういう意味で、家計上の必要度が高まってくると支給しなくなる、こういうふうな児童手当の制度になってしまっていた。 この方に私は全面的にすべてがすべて賛成ではありませんけれども、一つが第三子目からスタートしたということ、それから所得制限、それから支給期間、この三つがともかく児童手当制度のスタートからまずかったのではないか、こういうふうな御意見なわけです。これについて御感想なりお考えがありましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○土井政府委員 大変厳しい御指摘をちょうだいいたしました。 第一点目の第三子目から制度がスタートしたという点につきましては、私どもも当時を振り返ってみて非常に残念であったというふうに考えております。昭和六十年の改正の際に、第二子に拡大できましたが、今回ようやく第一子に拡大をしようということで御提案を申し上げておりますので、ぜひとも御理解を賜りたいと存じます。 二点目の低所得者対策の関係でございますけれども、これは私ども、支給対象児童の七割から八割というものが支給できるようなそういう所得制限をやっていこう。特にサラリーマンについては二段階の所得制限というような形で、結果として同じような支給割合に持っていこうというような所得制限をしこうという考え方でおりますので、今日のレベルでは、必ずしも低所得者対策という観点だけではなくて、相当の子供たちが受給対象になるというふうに認識をしているところでございます。 それから、支給期間の問題でございますけれども、今回の三歳未満という点につきまして御議論が大変集中しているということは承知をしております。ただ、我が国の税制の問題あるいは賃金構造の問題等々を考えますと、全体として、今回限られた財源の中でどのような案がつくられるかというような形で、今回御提案申し上げましたような形の案が一番現実的だということで御審議をお願い申し上げているところでございまして、御理解を賜りたいと存じます。
○石田(祝)委員 もうすぐ児童手当の制度も成人を迎えるわけですね、来年になると制度発足して二十年ということになるわけですから。ここまで育ててこられた。これから大人になって本当に活躍してもらわなくちゃいけないわけですが、そのことについて大臣、ちょっと御感想ありましたら……。児童手当の制度、今度二十年目をもうすぐ迎えますが。
○下条国務大臣 お答えいたします。 児童手当の問題は、子供を大事にしていくという原点からスタートしておるわけでございまして、よい子供を生み育てる、こういう条件を各般の見地から考慮していく、その政策の一環であるということでございます。 先ほども御説明しましたように、この児童手当だけで全部済むかというと、それはいかないわけでありまして、税制上でも扶養控除がありますし、あるいはまた、各企業の約七割は家族手当の中に含めておるというような制度もございますから、それらを全部総合した中で今の先生の言われましたような目的に向かって措置が講じられている、こういうことだと思います。 今お話しの二十年、これは歴史として二昔ということに相なるわけでありまして、この大事な児童を我々は守っていく、また健やかに育つような基盤をつくっていくという見地から、この制度はやはり充実した形で今後も大事にしてまいりたい、このように考えております。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○石田(祝)委員 ぜひともこれからますます立派にしていただきたいと私は思います。 今回三歳までということで第一子から支給をする。金額も五千円、五千円、それから三子以降は一万円。我が党が当初から主張しておりますのは、全児童に支給すべしと、そして全児童一万円、支給期間も義務教育就学前まで、こういうふうな主張をしておるところであります。これは、きょうだけではなくてまだ委員会を持たれるようでありますから、そういう質疑の中でどんどん我が党の主張も述べていきたいと思いますけれども、我が党としてはこういう考え方を持っております。 そういう考え方に立っていろいろとまだ質問をさせていただきますけれども、去年の十二月のある新聞の社説に、一人の女性の方が産む数というのは平成元年で一・五七人になった、そして、その中で理想とする子供数と現実に産む子供数との乖離、この乖離が少なからずある、そして、その乖離の主な原因として、一つは子育てにお金がかかるということ、そして育児の肉体的、精神的負担、そして三番目に家が狭い、これは日本の土地問題も関係していると思いますけれども、そういうものが主な阻害要因、こういうことになっておるわけであります。そういう点を踏まえて、それぞれがお互いにリンクをしていると私は思うのですが、やはり経済的な負担というものが理想の子供数と現実にお子さんを産む数の大きな差になってきている。こういうことは間違いないところでありますから、そういうこともひとつ念頭に置いてやっていただきたいと思います。 それから、今回の改正の内容について若干お伺いをしたいと思います。 給付の規模が平成元年度で千四百五十億円、そして今回の改正によって平年度ベースで一千九百億円、こういうふうにお伺いをいたしました。そういたしますと、平年度ベースで国庫負担金、地方負担、そして拠出金、これはどういうふうになっていくだろうか。実はそれは国の負担が十分の二で拠出金が十分の七、こうありますけれども、所得は伸びておりますので、特例給付の方にかかってくるという方がどんどんふえてくるのじゃないか。そういう意味で、平年度ベースというのは千九百億円の中で必ず予想されている割合になるかどうか。ですから、ちょっと数字を教えていただきたいと思います。
○土井政府委員 平年度改正法案を実施した場合に、総額千九百億円の財源所要見込みでございますが、その内訳について御説明申し上げますと、まず給付総額でございますが、公務員分を除きますと千六百四十億円という金額でございます。そのうち、事業主の負担金が一千四十億円、国が四百億円、地方団体が二百億円という内訳になっております。そのほかに公務員分として二百六十億円というものを考えております。この二百六十億円のうち、四分の一が国で、四分の三が地方公務員の子供さんたちというような内訳を現在のところでは見込みとして持っておるところでございます。
○石田(祝)委員 私は、個人の問題についてちょっと絞ってお聞きをしたいと思います。 この手当は今の制度だと、自分は子供が何人いて何歳までもらえるから大体これぐらいもらえるだろうと、これは私はいわゆる既得権とは申しませんけれども、個人の期待権というのでしょうか、こういう言葉が法的にはあるかどうかは知りませんけれども、個人にとっていわゆる自分の生活設計を立てる上で児童手当というものを一つの要素と考えた場合には、幾らもらえる、これはやはり大きな問題であろうと思うのです。その場合に、現行支給している人はプラス・マイナスもちろんあると思いますけれども、もらってない人は全部プラスでしょうけれども、最大限どこまでマイナスがあるのか。前の改正のときは何十万か期待権が損なわれたということを聞いておりますけれども、前回の改正と比較して今回はどうか、これをちょっと教えていただけますか。
○土井政府委員 前回改正のときには、義務教育終了までということでございますので十五歳、これを六歳に下げたということで九年間下がりましたので、一番大きいケースでは個別ケースで五十四万円の三角というような影響が出ております。今回でございますけれども、一番大きいケースで、生まれ月によって異なるわけでございますが、九万五千円の減額になります。一番少ないケースで一万五千円、生まれ月によりましてその間の数字に相なっております。ただ、現在は小学校へ入るまでという決め方になっておるものですから、生まれ月が四月の子供と三月生まれの子供で十一カ月、金額にして第三子であれば五万五千円の支給金額の違いが既に現行制度においてあるという事情で、今申しましたように金額も生まれ月によって影響する度合いが違ってくるというような状況でございます。
○石田(祝)委員 そうしますと、前回の改正時と比べてダメージは少ないわけですが、極端に言うと、現在受給している人は全部三角ということですね。程度の差はあっても現在もらっている人は全部マイナスになる、これはそういうことだろうと思います。 それで、私は、現行法と新法と子供の数によってずっと見ていってみました。子供の数を十人までやってみたのですが、今十人まで子供を産む人はいないと思うのですが、八人目になったら現行法と新法で一・五万円の差が出るということになっておりますね。これは間違いないのでしょうか。
○土井政府委員 一つの世帯単位で、これから子供を産む場合に、現行制度を適用した場合と改正制度を適用した場合の比較のお話だと思います。今先生のおっしゃいましたとおり八人目以上になると、現在の受給期間を六年六カ月というふうに平均値をとりまして比較をいたしますと、子供が八人ということになると三角が出てくる。子供が一人の場合は十八万円、子供が二人の場合は十六万五千円というふうに、子供が七人目までは新しい制度の方が金額がふえるというような中身に相なっております。
○石田(祝)委員 そうしますと、今度の新法が仮に成立したとしますと、現在受給している人はすべて三角、マイナスですね。これから結婚して子供さんをもうけられる、こういう人は、七人までだったら得と言ったらおかしいのですけれども、プラスになる、こういう結果になるわけですね。 それと、私は、あと諸外国と比べてどうか、これをちょっとお聞きしたいと思います。 今までも随分質問もあったと思いますが、いろいろな意味でまたこれからもお聞きしたいと思いますが、私がいただいた資料で、ドイツとスウェーデンとイギリスとフランス、この四カ国が出ておりまして、これをぱっと見たとき、日本と比べて随分恵まれているな、逆に言えば日本はこの諸外国から見たら、同じ先進国、世界第二の経済大国の日本としては非常に寂しい、こういう感じが率直に言っていたします。局長も多分同じ表を持っていらっしゃると思いますが、ぱっと見られて、どうでしょうか。
○土井政府委員 ヨーロッパの主要国の児童手当制度の中身と今回の改正内容を比較しますと相当な違いがあるという御指摘は、そのとおりだと思います。 ただ、私どもといたしましては、ヨーロッパの諸国では、例えばスウェーデンにおきまして児童手当制度を創設するときに、税制の扶養控除を廃止してその財源を児童手当制度に充てた、イギリスにおいては税制の扶養控除を廃止してその財源で児童手当制度を充実したというような、財源選択という形の国民的合意のもとで、この児童手当制度が諸外国においてはでき上がって今日に至っている、そのような税制面における取り扱いの違い、あるいは賃金構造の違いといったような社会経済構造の違いという一面もありますので、単純に比較をする点で必ずしも適当でない面もあるのではないだろうかというふうに思っておる次第でございます。
○石田(祝)委員 今局長がスウェーデンの例を挙げられましたので、私もちょっと突っ込んでお聞きをしたいと思います。 私がいただいているのでは、スウェーデンが一九九〇年で第一子から第五子まで出ております。レートは日本銀行の九〇年十月の為替レートで書いておりますが、一子と二子が一万二千八百六十九円、三子が一万九千三百三円、四子が三万七千三百二十円、五子以降が四万三千七百五十四円、こういうふうになっております。例えば、日本の場合、この児童扶養控除、これはいろいろ計算もございましょうが、児童扶養控除を外してやった場合に、結局それがどれぐらいのインパクトというのですか、どれぐらいの数値の上乗せになってくるわけでしょうか。ちょっと質問が逆だったかもしれません。この日本の児童扶養控除、子供の控除の部分というのは年額三十万ですか、その部分を月に直した場合、実際の支給にした場合にどれだけの効果があるのか、それを上乗せした数をちょっと言っていただけますか。
○土井政府委員 所得税における扶養控除額は三十五万でございますので、税率一〇%ということで仮定をいたしますと三万五千円、地方税は三十万という所得控除額でございますので、同じく市町村民税、都道府県民税合わせて一〇%というところで見ますと三万円、計六万五千円でございます。したがいまして、十二月で割りますと約五千円程度というふうに換算することができるのではないかと見ております。
○石田(祝)委員 そうしますと、大体五千円程度のプラスになる、それだけの控除は税金等でやっている。そうしますと、スウェーデンは第一子から十六歳未満の児童まで、日本は、今回の改正案ですと、第一子から三歳未満、こうなりますが、第一子が、スウェーデンは一万二千円で日本は五千円、五千円足せば一万、二子も一万、三子が日本が一万円ですから一万五千円、ずっとやっていけばやはりどうしても若干差が出てきますね。金額自体も少ないし、また、支給の対象期間、これも三歳と十六歳ですから五分の一なわけです。いろいろな日本の児童扶養控除等もあると思いますが、私は、家庭政策と申しましょうか、家庭児童手当というのでしょうか、世界的に比べた場合ちょっと少ないのじゃないか、これは率直に言って感じます。 ここのところはまたこの次にも続いてやりますけれども、また、ドイツ、スウェーデン、イギリス、これは全額国庫負担でやっておりますし、フランスはちょっと違いますけれども、そういう意味で税法上の控除等も勘案しても、やはり日本の児童手当、この部分は少ない、私はこう言わざるを得ないのであります。これは今後の一つのまた大きな課題ともなりましょうが、そのことはひとつ明確に御認識をいただきたい、私はこのように思います。 続きまして、同じような形になりますが、ILOの第百二号条約というのがございます。この条約は一九五二年にILOの第三十五回総会で採択されまして、その内容は、医療給付、疾病給付、失業給付、老齢給付、業務災害給付、家族給付、母性給付、廃疾給付及び遺族給付の九部門の社会保障給付について、給付事由、保護対象者の範囲、給付内容、資格期間、支給期間について最低基準を規定したものであります。我が国は疾病給付と失業給付、老齢給付及び業務災害給付の四部門について義務を受諾して昭和五十一年二月二日に批准しております。しかしながら、この条約の第七部はいわゆる家族給付、これは日本では児童手当になるわけでありますけれども、この家族給付に関する最低基準を定めております。これに対応する国内制度は児童手当制度でありますけれども、給付費総額が条約の基準に満たない、そのために現在のところ家族給付部門についてはまだ義務を受諾する体制は整っていない、こういうふうな状況にあると言われております。 そこで、お聞きをいたしますけれども、本条約批准国は三十二カ国と言われておりますが、この第七部のいわゆる家族給付の部分の受諾国、これは何カ国で、どういう国が主な国として挙げられておるのか、これをまずお教えをいただきたいと思います。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○土井政府委員 家族給付部門について受諾している国は二十二カ国でございますが、主な国を申し上げますと、フランス、西ドイツ、スウェーデン、スイス、イギリス、オーストリア等々でございます。
○石田(祝)委員 我が国はこの第七部の義務の受諾についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○土井政府委員 先ほども御議論がございましたが、税制面における問題あるいは賃金構造における問題等から、我が国においては家族給付部門の義務受諾ができるような状況にはなっていないというふうに考えているところでございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、現在はなかなか難しい状況だ。一つの姿勢として、一つの方向性としてこのILO百二号条約の第七部を受諾できるような方向に持っていくお考えなのかどうか。それとも我が国は他の国と違っていわゆる企業の家族手当とか子供さんの養育手当、また、税法上の扶養控除とかそういうものがあるので、そういうことを前提として進めていくから、もう第七部の義務の受諾ということは考えていらっしゃらないのかどうか。これについて、将来のこととしてお伺いします。
○土井政府委員 一例で申しますと、中央児童福祉審議会におきましては、税制面の扶養控除の問題と児童手当の問題を関連づけて検討すべきではないか、これはもう十年ぐらい前でございますけれども、そういう御意見を私どもちょうだいいたしました。一方、それに相前後して政府の税制調査会では、税における扶養控除というものは基幹的な取り扱いであるということで、児童手当制度というものとは独立した制度であると、相異なる見解が税調の方からは出されております。 そういう経緯を見ますと、私ども、先ほど来議論があります児童手当あるいは子供にかかわるその他の諸制度とのかかわりを我が国のコンセンサスとしてどう考えるのかというのは、今日の段階ではなかなか見通しがつかないのではないかというふうに率直に感じておりまして、そういう意味合いから、今先生お話がありました将来この家族部門の義務受諾はどうかという点につきましては、現時点でお答え申し上げれば、消極的な見通しということを申し上げざるを得ない状況だと思っております。
○石田(祝)委員 この義務の受諾の場合、給付費の総額でクリアをしなければならない、私もこういうふうに聞いておりますけれども、将来の問題、まだなかなか厳しいというお答えでありましたけれども、一つの数字として、この給付費総額というものは幾らになったらこれはクリアできるという数字なのでしょうか。
○土井政府委員 私どもの試算でございますけれども、約一兆一千億という試算をいたしております。
○石田(祝)委員 そういたしますと、現在、今回の改正案で千九百億ということですから約六倍、六倍の手当を出すか、支給期間を六倍に延ばせば、まあ極端な話、いいということですね。そうすれば、このILO百二号条約は晴れて批准をできる、義務の受諾ができるという、なかなか厳しい状況で、一千九百億と一兆一千億ですから大幅な乖離がありますので非常に難しいかもしれませんけれども、私はなぜ話をしたかといいますと、日本独特の制度ということで日本にはこういう扶養者に対する所得の控除とか住民税の控除があるんだ、私はなかなかわかりにくいと思うのですね。 それで、国際的に見た場合に、そうすると日本が家族給付、この部分だけの義務を受諾しない、そのまま進んでいる。そして、そのILOの「社会保障費の国際比較」なんかも見ますと、数字として出てくる数字が「社会保障給付支出の制度別割合」というところを見ると日本は○・五%、こういう数字として出てくるわけですね。ですから、私もぱあっと見させていただきましたら、制度として日本以下の国というのは、私のいただいている資料の中ではスイスしかないのですね。日本が家族手当ということで○・五%、高い国は一五%とか、そういう国もあります。日本以下の国というのはスイスが○・三%、これしかございません。 そうしたときに、やはり国際的に見た場合に、日本の制度をすべて理解していただいた上で○・五ということは、日本はほかの制度もあってこの数字に出てこないのがあるのだな、こういうことをわかっていただければいいわけですけれども、なかなかそういうふうにいかないのじゃないか。いろいろな意味で日本が注目をされているときにこういう数字を見たら、日本というのはおくれているなと誤解というのですか、あらぬ誤解を受けるのじゃないか。そういう意味で、この数字というものはなかなか厳しいでしょうけれども、そういうものが国際的にILOというところで出ている以上は、やはり何らかの形で日本の制度も入れてもらうか、その数字に反映されるように制度を直してもらうか、私はいろいろすべきであろうと思います。 それからもう一つ申し上げますと、この「給付目的別割合」というところがありまして、その中でもやはり家族手当は日本が〇・九%、日本以下の国というのはスイスとメキシコだ、こういうふうなILOの資料として、数字として出てくるわけであります。日本は国際的に数的に比較したときにこういうふうに出ているのだ、こういうこともぜひ御認識をいただきたいと思います。 児童手当の問題は、また後日同僚の議員もやりますので、これくらいにさせていただきまして、私は最初に申し上げました、児童手当の問題は我々の世代の次の世代に対する社会的な責任だ、逆に我々の先輩の世代、その世代に対する責任も当然社会的な扶養ということで、世代間扶養ということであるのだ、こういうことで、ちょっと時間をちょうだいいたしまして、年金のことを若干、あと残りの時間でお伺いをしたいと思います。 私もパンフレットをいただきまして、勉強させていただきました。大臣ももうごらんになっていると思いますが、この「地域型国民年金基金」、立派なパンフレットができてきております。この年金は四月一日からで、これにも書かれておりますが、「自営業などの方々がゆとりある老後を過ごすことができるように、基礎年金の上乗せ給付を行う新しい公的な年金制度です。」こういうふうな説明でございました。そして、この大きな特徴は、年金額や給付の型を加入する人が自分で選択できる、こういうことが大きな特徴である、このようにも書かれております。 そこで、私が心配するのは、ちょっと率がよ過ぎるのじゃないか。極端に言いますと、この制度で運営していくと成り立つのかなということが非常に心配であります。大臣、このパンフレットをお持ちでしょうか。(下条国務大臣「今ここには持っていないです」と呼ぶ)ちょっと見せていただきたいと思います。これで月々の掛金が六万八千円以内になるように選んでください。なかなかたくさんメニューがありますけれども、一つの例として、ことし三十歳の加入の人が、三十歳の年齢のところを見ていただきますと、ずっと横に数字がずらっと九つ並んでおりますが、一口目にB型というのを選択します。そうすると、これは四千五百円であります。それから二口目以降、右の方のグリーンの地の模様のところが二口目ですけれども、ここのB型を選択しますと、これが一口が一千五百円であります。最大六万八千円までの掛金にする場合に、一口目にB型に入りますと四千五百円、二口目以降には四十二口入れるのですね。一千五百円掛ける四十二で六万三千円、両方合わせましたら毎月六万七千五百円ということで、月々の掛金が六万八千円以内、これには合致するわけです。この方が三十歳から六十歳まで三十年間掛ける、そして六十五歳からもらえる金額は幾らか、月々四十五万円であります。これを私は年金課の方に聞いて教えていただいたのですが、厚生年金の掛けられる最高額、標準報酬が五十三万円だそうです。このときに本人負担分と事業主負担分を合わせますと、最高の掛金が七万六千八百五十円、そして、それを三十五年間掛けて二十一万四千円だそうです。ですから、この年金基金というのは六万七千五百円で三十年かけて四十五万円もらえる、計算上は。そして、厚生年金の方は、本人と事業主両方合わせて七万六千八百五十円の掛金を毎月三十五年間掛けて二十一万。これはどういうふうな計算をもとにしてこういう設計をされておるのか。これだけ見たら、これは将来ちょっと切り下げになるのじゃないかと非常に心配をいたします。私の計算が間違っておったら教えていただきたいし、間違っていなかったらこれでやっていけるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○末次政府委員 国民年金基金の給付につきまして、厚生年金と比較してのお尋ねでございますが、厚生年金は物価スライドあるいは再評価など給付の実質的価値を維持するために、常に安定した保険集団が構成されますように、強制加入ということを前提といたしましたいわゆる世代間扶養が可能になるような仕組みをとっておりまして、保険料は年齢にかかわりなく一律の保険料率のもとで、これは料率そのものは段階的に引き上げてまいるつもりでございますが、国民生活の向上に応じまして給付水準の改善あるいは物価スライドを行うこととしておりまして、将来受給する時点では給付額は今よりも増加しているというのが通常の姿でございます。 他方、国民年金基金は加入が任意でございます。したがいまして、世代間扶養という仕組みをとることがきませんので、給付そのものは原則として定額ということにいたしております。また、掛金につきましても、加入者間の公平を保ちますために、掛金は加入年齢別に定めております。このようなことから、若い年齢で加入した場合には、掛金を払い込む期間が相当長くなりますので、一月当たりの掛金は確かにかなり安くなるわけでございますが、他面、高齢で加入いたした場合の掛金は高くなる。例えば今例に挙げられました同じB型で、三十歳の場合は確かに月千五百円でございますけれども、五十歳の場合は月八千円の保険料ということにいたしておりまして、それぞれ数理的に計算がなされて、その給付設計をしておるわけでございます。こういうふうに厚生年金と国民年金基金で掛金と給付に違いがありますのは、今申し上げましたそれぞれの仕組みに基本的に大きな違いがあるわけでございまして、私ども、それぞれの性格に照らしましてそれぞれ妥当なものというふうに考えております。
○石田(祝)委員 私はなぜこういうことを言うかといいますと、年金の再計算を前々回ですか、やったときに、いわゆる標準報酬に対する負担の割合、この割合を決めるので失敗しているのじゃありませんか。本来もうちょっと高く厚生年金等の割合を、本人の負担割合等、パーセントを上げなければならないのを、年金の再計算のときにどういうふうに御計算されたか知りませんけれども、実際より低くしてしまった。そのために年金財政自体が見込みが非常に狂ったというように私は聞いております。 私はそういう意味で、先ほどいろいろと御説明にもありましたけれども、厚生年金はスライドしていって給付も上がっていくんだとおっしゃいますけれども、それは掛金も年々上がっていくわけですよね。掛金も上がっていくから、当然最後のいただくときにも物価スライドなりなんなりして上がっていくわけです。ですから、現在の価格において比較をしていかなければならないわけですよね。国民年金だって、掛金だけが例えば上がっていって、それで四十五万円なら四十五万円だけ据え置きだったらそういう話も成り立つかもしれませんけれども、厚生年金だってずっとスライドさせていくわけですから、掛金自体が上がっているわけですから、そういう話は説得力がちょっと弱いのじゃないか。それから五十歳とかの例を出されて、八千円だとかいうお話がありましたけれども、そういう時点というのは厚生年金加入期間に足りないわけですから、比較の対象にならないわけですよね。ですからあえて私は、三十歳という一つの同じ年代をそろえて計算をしたらこうなる、やり方をうまくやらないとこれは維持できなくなるのではないか、これは私は指摘でとどめさせていただきたいと思います。また折がありましたらぜひとも詳しくやらせていただきたいと思いますけれども、出発に際してけちをつけるみたいで申しわけないのですが、一つの心配として私はきょうお聞きをしたわけであります。 それから最後になりますが、この四月から同じく国民年金の学生加入の問題がございます。私も当時学生のときには年金なんということはさらさら頭になくて、就職するまでもう無年金で行っておりました。そういう意味で、いろいろな新聞等を読みましても、ある新聞社で三月二日の新聞の投書欄にこういうふうに書いておりました。最後の方だけ読みますと、「とにかく厚生省は、年金は自分で働いて収入を得た時点から収める方向で改正してくださるようお願いします。私は息子の年金加入は拒否します。」こういう投書があるのですね。 私は、国民年金の学生加入はいろいろな問題があると思いますけれども、やはり万が一のときに、私の友達も事故に遭ったときに年金の対象になっていなくて今非常に苦しんでいる。そういうことも見ておりますので、制度上無年金者が事故に遭ったときに障害年金が出ないという制度が動かせない以上は、やはりこれはPRしてやっていただく以外にないと思うのです。しかし、この四月からスタートに当たって、なかなか理解も得られていないし、また学生に対しても、春休みとかゴールデンウイークとかいろいろありますからなかなか徹底がされずに加入率が心配だ、こういうふうな意見も出ておりますが、これに対して具体的に、漏れなくやっていただくためにどういうふうな手だてをとられておるのか、時間いっぱいお願いをしたいと思います。
○大西政府委員 お答えを申し上げます。 学生適用のPRが非常に重要である、特に制度改正の趣旨、加入手続等について十分周知徹底していくべきであるということ、御指摘のとおりでございまして、このため昨年秋ごろから新聞やラジオ、テレビ等、いろいろな媒体を使いまして加入促進の一般的な広報をまずやってまいっておりますし、大学等の協力も得まして各構内にそういういろいろなパンフレット、チラシの類も置かしていただいておりますし、それから、大学生が読みそうな雑誌等に広告を出すとか、大学新聞に広告を載せるとか、予算の制約もあるものですから十二分というわけにはいきませんが、いろいろ知恵を絞って広報に努めてきたつもりでございます。 これから四月の実施にかけまして、特に今御指摘のありましたように、家族としての収入に限りがあって保険料負担にたえられないという方もいるわけでありますが、そういう方々は免除基準によりまして免除されるわけでありますし、その形で加入していただいても当然障害になった場合も保護されるわけでありますので、そういういろいろな加入手続や給付の内容等につきまして十分説明していく必要があるわけですが、四月以降は各市町村あるいは親御さんがお勤めになっております会社等を通じまして対象になる方々一人一人に説明した書類等をお送りしまして、個別に加入勧奨してまいりたいと思っておりますので、先生御懸念のような漏れということはできるだけないように全力を尽くす考えでおります。
○石田(祝)委員 終わります。
○浜田委員長 児玉健次君。
○児玉委員 現在、全国で非常に数多くの母親、父親がこの委員会の論議をすがりつくような思いで注目しています。非常に重要な法案であり、十分に審議を尽くせば児童手当の制度改善の現実の道が見出せるのじゃないか、けさからの論議を聞いていて私はそのように思いました。私たち自身も具体的な改善の提起をしたい、こういうふうに思っています。委員長に冒頭強く要望しますが、慎重な審議をこの法案については求めたいということです。 さて、多くの人は、第一子から支給が開始される、金額は五千円、五千円、一万円、そういうふうに聞きますと、これで少しはよくなるかもしれない、そのように思います。ところが、支給期間が三歳未満になることを知った途端に喜びが怒りに変わります。厚生省に最初にお聞きしたいのですが、児童手当法第三条の冒頭に何と書いてあるでしょう。
○土井政府委員 「この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。」と書いてあります。
○児玉委員 法律では明確に「十八歳に満たない者」と書いてある。三歳未満といったらそのほんの一部をカバーするにすぎない。これは非常に残念な、一何というのかな、皮肉だとしか言いようがない。先ほども質疑の中で、生まれた月でこれまでも多少受給期間が変わってきたということが言われていますが、さしあたって今この法律が目指しているのは三十六カ月支給です。これまでの平均支給期間は何カ月分でしたか。
○土井政府委員 誕生月により異なるわけでございますが、平均的に六年と六カ月ということで見ますと、七十八カ月でございます。
○児玉委員 半分でなくて、七十八カ月から三十六カ月になる。児童手当は子供の養育を社会的な責任とする制度、国際的には短く言えばそういうふうに言われています。そうであるなら、現行の支給期間、小学校入学前までという国際的に見て極めて貧弱な内容を三歳に押し下げてしまう。三歳より上の子供はこの後どうなっていくのか。 広島市の佐々木緑さんという方の手紙が私のところに届いております。 この手当が三才までで打ち切りになりますと、私達のくらしはたちまち赤字になります。 児童手当の年令をもう少し上げてもらわないと、私の家庭では学校へ行ってる子の方が、お金もかかるし、正直言って、三才までは、食事にしても、衣服にしてもそんなにかかりません。 こう言っています。 今、さまざまな世論調査で、教育費に対する負担感が親の間に非常に強いという結果が出ております。幼稚園と小学校と中学校、高校の教育費、大臣のごく大まかな感覚でいいのですが、月々大体どのくらいかかっているとごらんになっていますか。
○土井政府委員 昭和六十三年度の文部省調査でございますけれども、公立小学校の場合四千四百五十円、公立中学校の場合八千八百六十円、公立高等学校の場合二万五百六十円という統計が出ております。
○児玉委員 えらい低いのを持ってきましたね。文部省の「保護者が支出した教育費調査」というのがあります。三つの要素です。学校教育費、学校給食費、家庭教育費。一番新しいものが一九八八年度のものですね。あなたのはもう歴史的なものを持ってきた。それで月々を割りますと、幼稚園の公立は月一万五千六百三十円、私立は二万九千九十円、小学校の公立は一万五千六百八十九円、中学校の公立は一万九千三百六十九円、高校の公立は二万五千百九十三円、私立は五万二千三百十三円。ここに対して社会がどのように連帯して責任を負うのか、これが今問われています。 そこで伺いますが、とりあえず皆さんの提起されている内容で義務教育入学前まで支給期間を延ばすとすれば、所要額は新たに幾ら必要ですか。
○土井政府委員 平年度化ベースで申しますと、所要総額が四千億でございますので、今回の改正案との差は二千百億という推計でございます。
○児玉委員 その二千百億は国民から非常に喜ばれる二千百億だという点を一つ指摘しておきま しょう。 そこで、三歳未満に引き下げることによって、現に児童手当を受給している保護者がどうなっていくのか。私のところに、Aさん、Bさん、二世帯から自分のことについて計算したのが来ました。Aさんの場合、二人目の子供が八七年十一月十三日生まれ、三人目の子供が九一年二月一日生まれ。結論だけ申しますと、−この方の場合で、第一子について一万二千五百円の減額、第二子については五万五千円の減額です。二人合わせて現行制度より六万七千五百円減ることになります。B家の場合は、第二子が八九年二月十三日生まれ。この方の場合で二万七千五百円減額になります。 期待権というものがあります。現に児童手当を受けている、政府の勝手な都合によって児童手当を改める、そのことでこういうマイナスが出てくる、こういうことはやるべきではないと思うのですが、大臣、いかがですか。
○土井政府委員 御指摘のとおり、現受給者につきましては、支給期間が、経過措置がございますけれども、五歳未満、四歳末満、三歳未満と段階的に切られる関係上、一人一人について生まれ月によって若干違いますが、減額が生じます。昭和六十年の改正の際の影響に比べるとその影響額は非常に軽減されておると認識しておりますけれども、このような形で第一子を新しく支給対象として取り入れようという全体の中でやむを得ないことだと考えておる次第でございます。
○児玉委員 やむを得ないでは済みません。支給期間の引き下げをやめることで、今私が提起した問題はなくなる。 次に、児童手当給付総額に対する国庫負担率の問題です。 皆さんから資料をいただきました。ずっと四五%前後で推移してきたわけですが、前回の改悪以後、負担率が減少する。八九年度で二四・四%、そこまで落ちております。金額でも、七八年度の七百七十三億円が三百五十四億円まで、二分の一以下になってしまっている。なぜそうなったのでしょう。
○土井政府委員 おっしゃるとおり、国庫負担額は減少してきております。一つは、昭和五十七年度から特例措置ということで財源手当てが変わった、一つは、児童数の状況が減少してきておる、この二つが原因であると考えております。
○児玉委員 その特例措置はサラリーマンが対象。一方、自営業の方たち、いわゆる非被用者の方、この非被用者の給付率とサラリーマン等被用者の給付率はどのように推移しておるでしょうか。
○土井政府委員 現在の共通の所得制限三百六十万弱でございますが、約七〇%強、七十数%というふうに理解しております。それから、その場合にサラリーマンは非常に少なくなるということで六百二十万という所得制限でございますが、その結果、ほぼ同じレベル、七割台の支給状況というふうに認識しております。
○児玉委員 私が調べたのと少し違いますね。自営業の場合は対象児童の中で給付率が大体七四%から七五%で推移している、そして特例給付の場合は大体八〇%ぐらい、そこに明らかに五%ぐらいの違いがある。そうでありませんか。
○土井政府委員 大変失礼いたしました。手元に正確な資料がございませんでしたが、およそ先生が今おっしゃったような状況になっております。
○児玉委員 大臣、ここがこの制度の一つの重要なポイントだと私は思っております。結局、自営業の場合は国庫負担が大きくそこに注がれていきますから、特例給付の方はいってみれば使用者負担ですから、それで自営業に対する所得制限が全体として厳しくなってきている、その結果が給付率の七四、五%と八〇%の違いになって現実にあらわれているのです。 そこで、今度の改正では、所得制限は老齢福祉年金と横並びに現行法ではなっておりますが、それ自身が自営業の所得制限を低く下げてきたのですけれども、その部分さえ今回法律から削除してしまう。そうなりますと、この後、行政の自由な裁量で所得制限が決められる、財源がこうだと財界から大きな声が来たらそこで蛇口の栓を絞ればいい、こういうことになるのじゃありませんか。
○土井政府委員 昭和五十七年の特例措置を導入する際に、所得制限の基準として老齢福祉年金を基準に、勘案してというような規定がございましたが、今回削除をいたしております。私どもは、これまでの支給割合というものを実績として今後とも維持していきたい、支給率維持という基本的な、他の諸制度における所得制限と同じような考え方で臨みたいと考えておりまして、今先生おっしゃられましたが、裁量によって非常に低くするというようなことは毛頭考えていないところでございます。
○児玉委員 皆さんの予算積算のときの受給率のコンスタントは何%でしょうか。
○土井政府委員 平成三年度におきましては、見込み児童数の八〇%を掛けて計上いたしております。
○児玉委員 大臣、ここのところは確かめておきますが、今の局長のその受給率を下げることはない、将来にわたって確かにそうなのか、大臣のお答えを聞きたいと思います。
○土井政府委員 ただいま申し上げました、これまでの支給実績というものを維持していくという考え方でこの問題には対応してまいりたいと考えております。
○児玉委員 支給期間の短縮で、先ほども御答弁がありましたが、受給者数が大幅に減少します。その上、所得制限の額が少なくとも法定事項ではなくなります。そういう中で非常に重要なのは、現に児童手当を受けている両親が、彼らの生活設計をこれで崩されてしまう、こういう状況では到底改善などと言えません。大幅な見直しが必要だと思うのです。その点いかがでしょうか。
○土井政府委員 今回の改正案によりますと、平年度ベースで全体として給付規模が三割増という見込みになっております。確かに先生おっしゃいますとおり、年齢の問題を見ますと現行に比べて悪くなるという面はございますが、今まで、毎年生まれる子供の約四三%になる第一子、この子供たちが支給対象になっていなかった、これを取り入れようということを考えておりまして、全体として今回の改正案につきまして御理解をお願い申し上げたいと思います。
○児玉委員 今の点が最も重大な問題であって、次回の審議でまたその点については触れましょう。 そこで、最後に申し上げたいのですが、先刻来出生率の減少をめぐって論議がありました。一・五七人、都道府県別に見ますと、最低が東京の一・二四、その次が私のいる北海道の一・四一、その次が京都、大阪の一・四六ですね。そういう状態の中で、これも既に皆さんよく御存じのように、同様の苦労をしていたスウェーデンで、一九八三年に一時出生率が一・六一まで下がった。それが一九八九年に二・〇二までドラスチックに上昇しました。 昨年八月、私は、そのあたりの状況も見たいと思って、厚生省の方にもいろいろお世話になりましたが、出かけて、そしてスウェーデンの二つの行政官庁の担当者から、かなりじっくり話を聞かせていただきました。この人たちの発言は慎重です。どうしてそんなにドラスチックに上がったのかと言ったら、目下研究中である、どれか切り離された一つの施策でこういうふうに上がったわけではない。そしてその上で、カールソン首相のアドバイザーをやっているアグネット・タムさん、彼女はこう言うのです。自分の意思で子を生む社会で出生率が下がるということは、人々が未来に希望が持てないことのあらわれです。 二十五歳までの未婚率、既婚率、いろいろあります、それも確かに一つの要素でしょう。しかし、より根源的には、将来の社会で子供を送り出して立派に育て得るという若い男女のパースペクティブがあれば、出生率は上がっていきます。その面で、例えば育児休暇制度の問題。生まれて三百六十日は月収の九〇%が保障されるスウェーデンでは、一九八五年に保育所の大増設を国会が決議をしました。そして、この児童手当についていえば、学生は二十歳まで、かなり大胆な多子加算がある。こういう総合的な政策の中で、育児手当がこそくな小手先であってはなりません。育児手当ではなくて、これは出産促進手当に、狭いものになってしまっています。そこのところを変えなければいけない。 大臣どうでしょう、アグネット・タムさんの言う、自分の意思で子を産む社会で出生率が下がることは、人々が未来に希望が持てないことのあらわれだ、この言葉についての大臣の御感想を伺いたい。
○下条国務大臣 児童の将来の問題について我々も、先ほど来出生率を含めて今の日本の問題をいろいろと御論議いただいておるわけでございますが、長寿社会と申しましても、やはり若い方を含めた人口構成が最も望ましい姿は那辺にありやという総合的な観点から考えていかなければならないと思います。その中で、ただいまの出生率が下がっていくことについての御意見でございますけれども、将来の展望がどういう展望であるかどうか、また、その方の世界観がどうであるか、さらにはまた、生活を取り巻く諸条件、これは、今の児童手当のこともございましょうし、税制のこともございましょうし、あるいはまた給与のこともありましょうし、それらの総合的な問題、さらには御本人の哲学、価値観というものもいろいろ含めてそういう問題の方向がつけられるのであろう、私はこのように思われる次第でございます。
○児玉委員 哲学とか価値観というのは、ある分野では非常に重要ですが、この場合は、先ほども言いましたように、若い男女が自分たちの後継者を安心して社会に送り出せる、こういう環境をつくらなければなりません。その面で、今提起されている児童手当の改正案は、到底児童手当の名に値しない、ぜひ具体的な改善の方途を厚生省としても次回の審議までに探っていただきたい、そのことを述べて終わります。
○浜田委員長 柳田稔君
○柳田委員 今の児玉先生の方からもありましたけれども、合計特殊出生率が一・五七と下がった、非常にゆゆしき事態だ、こういう背景があってこの児童手当の改正が出たとは私は思っていないわけですけれども、一つの要因にはなっているなというふうには感じております。また、子供を産み育てる環境、これも女性の社会進出や家庭環境、非常に変わってきたなという感じがしているわけでありますが、こうした中で児童手当や保育サービスの充実など、総合的な児童対策を展開することが私も重要だと考えております。このような総合的な児童対策の一環として今回の児童手当制度の改正が行われたものというふうには理解をしているわけでありますが、今回の改正の位置づけ、また基本的なスタンスを教えていただきたいと思います。
○下条国務大臣 今回の児童手当の改正についての基本的な考え方のお尋ねでございますが、御承知のように、今、家庭が核家族化しておりますし、女性の就労の増大も進んでおりますし、それらに伴いまして、出生率の低下の問題など、児童や家庭を取り巻く環境は著しく変化いたしておりまして、二十一世紀の社会を担う子供が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進していくということは甚だ重要なことである、このように考えております。 今回の児童手当制度の改正は、このような総合的な環境づくりの重要な柱といたしまして、世代間の助け合い及び児童養育家庭に対する育児支援の強化という面を重視いたしまして、我が国の実情に即した制度とするものでございます。 その具体的な内容は、支給対象を第一子に拡大いたしまして、さらに支給額を倍増させるとともに、育児負担が相対的に大きいといろいろな観点から考えられる三歳未満の時期に給付を重点化するものでございます。これが今回の骨子でございます。
○柳田委員 一つ突っ込んでお尋ねしたいのですけれども、これは子供がすくすく育つ環境づくりの一環だというふうにおっしゃいました。言葉を変えて言いますと、では親の家計を助けるためのものでございましょうか、それとも子供が育つために子供に与えられるものでしょうか、どちらでしょうか。
○土井政府委員 児童手当の受給者は親でございます。しかし、その実態は、子供の成長を願ってのものでございますので、目的は子供であるというふうに認識はしております。 ただ、全体として、ヨーロッパの諸国におきましてはファミリーポリシーというような形で、これは親だ、これは子供だというような論理的な区分ではなくて、親子を含めて、ファミリー政策というようないろいろな政策のアプローチの仕方というのがだんだん進んでくるというふうに理解をしておりまして、そういう方向に我が国も本来進んでいくべきものではないかという考え方については、私どももそういうふうにしたいというふうに思っているところでございます。
○柳田委員 中心は子供だ、家計を助けるだけではなくて、家族中心、いい生活ができるようにというお考えだとお伺いをいたしました。 今回の改正は、第一子まで来た、増額という点でそれなりの評価はしなければならないのかなというふうには思うのですけれども、やはり子供を育てる親としては、一人前にするまでが親の責任だろうと私も思っております。先ほど言った家族がという観点に立てば、期限を言いますと、やはり子供を社会に出すまで育てるのが親の、家族の責務かなという気がするわけですけれども、今回三歳未満ということに区切ったことについては若干不満も残っております。今後、この辺の改正も含めて厚生省としても努力をしていただきたいというふうに思うのです。 そういう観点も含めてですけれども、今ゴールドプランというものがございますが、今福祉政策を見ておりますと、大体が老人対策が中心になっておりまして、児童、子供、十八まで行けば子供と言っていいのかわかりませんけれども、子供に対する対策というものが大分おくれているような気がしてなりません。二十一世紀になれば大変な高齢化社会が来る。その辺も考えてみますと、老人対策と同様に、子供に対する対策も十分なてこ入れをしていかなければならないというふうに考えるわけですけれども、二十一世紀の社会を担うこれからの児童に対して、長期的、総合的な対策を推進しようというお考えがあれば、ちょっとお話をしていただければと思います。
○土井政府委員 今後、我が国が高齢化社会を明るい長寿・福祉社会としていくためにも、高齢者対策と並んで、次代を担う子供たちに対する健全育成対策を一層推進していかなければならないと考えております。 近年、今お話がありましたような状況のもとで、健やかに子供が生まれ育つための環境づくりということが極めて重要な課題となってきておりますが、内閣におきましても、十四の省庁から成ります連絡会議をつくりまして、去る一月二十三日に取りまとめを行っております。この取りまとめの内容で、御案内のとおりでございますが、労働行政、教育行政等々、他の行政分野との連携も図りながら、児童が健全に育成されるための諸施策を中期的、総合的に真剣に取り組んでまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○柳田委員 その具体的な例が出るというのはいつごろぐらいがめどでございましょうか。
○土井政府委員 ただいま申しました取りまとめの中では、例えば育児休業制度の法制化の問題、児童手当の改正の問題、保育サービスの充実の問題、子供の多い家庭に対する公的住宅の配慮の問題、教育問題というふうになっておりまして、既に国会で御審議をお願いしているものもあれば、近くお願いしたい、あるいはもっと中長期的な課題として取り組むべきもの、多々あると思いますが、いずれにいたしましても、それぞれのところで最大限の努力を傾注するという覚悟で取り組んでいる次第でございます。
○柳田委員 いろいろとやらなければならないことが多いかと思うのですけれども、私も子供を二人持っておりまして、また申しますが、ことし三人になる。今よく言われておりますように、シングルとか、またディンクスですか、子供を持たないで共働きをする若い夫婦、この辺が大分ふえてきているというふうに感じます。私が子供を持っているからそう思うわけではないのですけれども、子供を生んで育てて社会に出すまでに、相当な費用もかかると言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんが、費用、そして精神的なもの、肉体的なもの、大変なものがかかるような気がするわけなんです。これが一人であれば一人で済むのでしょうけれども、二人、三人となってきますと、この期限たるや相当な時間にわたります。子供を育てるために、先ほども申しましたように親として大変な労力を使う。ところが一方、子供を持たない共働きの夫婦というのは、その負担を一切負わずに、いろいろ自分たちの人生設計ということで楽しんでいらっしゃる。 その辺に手を当てていただきたいというのが私の主眼なんですが、もう一歩目を転じてみますと、お年寄りになった場合に、年金もありますし医療の保険もございます。これは世代間扶養といいますか、働いている人たちがお年寄りの面倒を見るという面もあるというふうに思うのですが、子供を持たないで一生過ごして、年金をもらって、医療を受ける、片や、若い時代大変苦労して、子供を持たない人と同じように医療を受けるということを考えますと、利己的と言われるかもわかりませんが、何か割り切れないような気がするわけなんです。友だちといろいろ話をしてみましても、最初に来るのは、教育のことで頭が痛いというふうなことが来るわけでありますけれども、この辺の情報が今の若い人たちにはたくさん伝わっている。そんなに苦労するのだったらつくらない方がいいじゃないかという話も出てくるわけです。これは、子供のいる人いない人の不公平が大分出てきているのではないかなという気がするわけですけれども、このことについてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
○土井政府委員 今お話がありましたディンクスとかシングルとかいう新しいライフスタイルといいましょうか、物の考え方、人生観というものが一部にはだんだんふえてきているということは私どもも伺っております。その結果、有子家庭と無子家庭というものを社会的に見た場合に、若干の不均衡、アンバランスというものがあるのではないかという御指摘かと思います。私ども、今回、児童手当をぜひ第一子に拡大したいという考え方は、そのような子育てに対する社会的支援というものは、第二子以降というような形で子供の出生順位によって差をつけるのは問題ではないかとのかねてからの指摘もございましたけれども、やはり世代間の助け合いという考え方に基づけば、ぜひ第一子に拡大したいという考え方が一つ出てまいります。そういう意味で今回のような改正内容のものを御提案いたしているところでございます。 それと同時に、子育てに伴ういろいろな苦労、精神的にはかり知れないほどの大きな苦労があると思いますけれども、これにつきましては、いろいろな形で相談支援体制の強化等各般の施策を最大限の努力をして充実してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○柳田委員 私とちょっと違うところは、若干の違いの若干にあるかと思うのですが、決して若干じゃなくて大変な相違があります。子育てをしておりますと、遊びに行きたくても遊びに行けない、お隣はいいですね、子供がいなくて遊びに行ってと言われることも多々ありますので、この差は非常に大きいと思うのです。 いろいろなことを考えていきますと、やはり公平な負担、そして、その負担に支えられていることも考えていきますと、もう少し、児童手当もその一つだとは思うのですが、今回は前進だと思って評価はするのですけれども、さらなる改善といいますか見直しもお願いをしたいなという気がするわけなんですけれども、いかがでしょうか。
○土井政府委員 この児童手当の改正問題につきましては、例えば社会保障制度審、中央児童福祉審議会等におきましても、今先生御指摘がありましたような幾つかの宿題が残っていると私ども認識しておりまして、今後ともそういう問題に取り組んでまいりたいと思っております。
○柳田委員 この問題に限って言いますと、例えば、そのうちに三歳未満を見直してまだ先までいってほしいなというのも一つでございまして、これからの課題になるかというふうには思うわけなんですが、いろいろなことがあるかというふうに思います。先ほど局長お答えになりましたように、厚生省だけでは前には進まない面があると思うわけです。例えば、教育の問題の文部省でもあろうし、働くところの労働省でもあろう、さらには、その費用の負担を考えてくれる大蔵省も考え直しをしていかなければならないというふうに考えますので、明るい二十一世紀が迎えられますように厚生省の努力を心からお願いしまして、質問を終わらさせていただきます。ありがとうございました。
○浜田委員長 次回は、来る二十六日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時十四分散会