社会労働委員会 第5号
- 発言数
- 194 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/12
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩屋毅君。
○岩屋委員 おはようございます。 労働行政の進展のために日夜御尽力を賜っております小里大臣初め労働省幹部の皆さんに、まず心から敬意を表する次第であります。 きょうは私、時間が限られておりますので、財形法の一部改正につきまして数点にわたって質問をさせていただきたいと思います。 国民の約九割が中流意識を持っていると言われる、総理府の調査に見られますように我が国の国民生活は、健康、教育、治安等の多くの面で豊かな安定したものとなってきておりますが、これは戦後の我が国における国政の安定を前提にした経済の飛躍的な発展によるところが大きいと考えられます。この国民生活を一層豊かで安定したものとしていくためには、国民の約七割を占める勤労者の皆さんの生活が豊かであることが極めて重要であると考えております。 そのための大きな柱の一つとして、労働条件の改善、社会資本、社会保障の拡充とともに勤労者自身の貯蓄や持ち家などの財産形成を進めていくことが何よりも肝要だと思っているわけであります。このために財形促進法が昭和四十六年に制定されたわけでありますけれども、最近における高齢化の急速な進展、地価の高騰等によりまして、勤労者の財産形成をめぐる環境は大変厳しくなっている、こういうふうに認識をしております。今後、勤労者の財産形成を積極的に進めていくためには、まず、その現状を的確に把握をした上で適切な施策を展開していくことが必要不可欠と考えます。 そこで、まず勤労者の財産形成の現状について労働省としてはどのように把握をされておるのか、お伺いをしたいと思います。
○清水(傳)政府委員 先生御指摘いただきましたように、豊かでゆとりのある勤労者生活を実現していく、そのためには、まず勤労者自身のみずからの努力ということがなければやはりできないことであろうかと思うわけでございますし、そうした自助努力によります財産形成を促進していくということがこうした課題に向けて必要不可欠の事 柄であろう、このように存じております。 最近の所得水準の上昇に伴いまして、勤労者の貯蓄につきましても近年かなりの水準に達しているわけでございますが、一般世帯等と比較をいたしますと、そうしたところの格差そのものはむしろ開きつつある、こういう面も見られるわけでございます。そうした中で、御指摘のように高齢化が進展をいたしてまいりますし、また、住宅価格の高騰、こういったことを背景といたしまして、退職後の生活の安定とかあるいは持ち家の取得、こうしたことのための貯蓄の重要性というのはさらに増してきている、このように認識をいたしております。 持ち家につきましても、勤労者の持ち家率は自営業の世帯と比べまして二〇%以上も低い。特に大都市圏ではほぼ半数が持ち家を持たない層である。やはり何と申しましても生活安定の基盤となるものでございますので、そういった意味合いからいきましても勤労者の持ち家取得の促進を図っていく必要がある、このように考えているところでございます。
○岩屋委員 ただいまお伺いをしたわけですけれども、勤労者の生活が豊かになってきたと言われる世の中におきましても、貯蓄の面だけではありませんで持ち家取得の面におきましても、今お伺いしたように自営業者と比べますと勤労者の世帯は依然立ちおくれている、二〇%くらい低い、大都市においては半数くらいが家を持っていない、こういうことであります。さらに、最近におきましては、先ほど申し上げましたように大都市圏を中心として勤労者が家を持つということがほとんど困難になっておる。日本のサラリーマンの夢は、一生働いて我が城を築くということであったわけでありますが、それもほとんど困難になってきているという現状であります。しかも、高齢化が急速に進展をしてきておりますから、老後資金ニーズが一層高まっております。さらに、教育資金が高額化する等の大きな環境変化も見られるわけであります。 そこで、事業主が行っている福利厚生対策、とりわけ住宅対策等、勤労者の皆さんの生涯生活設計を支援するための福利厚生対策も新たな展開を示していると聞いております。勤労者財産形成促進制度としても、このような状況の変化にかんがみて、勤労者の方々のニーズに合った新しい政策を打ち出していく必要性が高くなってきていると思います。そういうわけで、今度の勤労者財産形成促進法の改正は極めて時宜を得たものと私は思いますが、この改正の趣旨、そして、その内容について詳しくお聞かせをいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、勤労者財産形成促進制度、勤労者の自助努力をベースにしながら国及び企業が一定の援助を与えていく、そういったことによって計画的な財産形成を促進していくということでございますが、既に制度発足以来六次にわたる法改正も行われまして、内容の充実が図られてきたわけでございます。しかし、ただいま御指摘のように、最近におきまして勤労者の持ち家取得が非常に難しくなってきている、特に大都市圏域において難しくなってきている、また、高齢化の進展あるいは教育資金が高額化している、こうした情勢の変化に対応いたしまして、また、そうした勤労者のニーズにこたえまして、より一層の改善を図っていかなければならない。こうしたところから、昨年の十二月に勤労者財産形成審議会から建議をちょうだいをいたしました。こうした状況に対応いたしまして、大都市圏を中心といたします住宅問題への対応、また退職後の生活の安定のための対策、教育費用の高額化に対する対応、こうしたところを重点とした制度の改善を速やかに行って、財形制度の魅力ある発展を図っていくべきだ、こういった全会一致の建議をいただいたわけでございます。 これを受けまして法律案を作成いたしまして、今般御提案を申し上げた次第でございますが、内容といたしましては、第一点といたしまして、一般財形貯蓄制度の改善、これは具体的には、一般財形貯蓄を開始をいたします年齢要件、五十五歳が上限ということになっておりましたが、これを撤廃をするということ、それから、社内預金が廃止をされた場合におきます一般財形貯蓄への預入制度を創設をするということ。二点目が、財形給付金あるいは基金制度の改善でございまして、こうした制度を企業が導入をする場合の要件というものの緩和を図っていく、それから、満期になりましたこうした給付金を原則として財形貯蓄へ一括預入をする制度を導入をするということ。三点目が、財産形成融資制度の改善でございまして、一つは持ち家融資の貸付限度額につきまして、従来ございました貯蓄残高によります区分制を廃止するということ、また、進学融資制度を教育融資制度へと拡充を図るということ、それから、共同社宅用住宅についての融資制度の創設をする、こういったことを内容とする法改正をお願い申し上げているところでございます。
○岩屋委員 改正の内容については大体理解できましたけれども、最近私、都内に住んでいる友人たちに、サラリーマンですが、聞いてみますと、厳しくなったとはいえどもやはり東京で家を持ちたいという希望者が多いのです。とりわけ私の郷里、大分ですけれども、地元からもたくさんの若人が東京で働いておるわけでありますが、彼らに聞いてみると、もう半ばあきらめているというような状況であります。昔は、私たちのおやじの世代は東京へ行って一旗上げよう、こういうことだったのだと思いますが、今は東京へ出てきて、もう白旗を上げているのですね。そのぐらい厳しい状況にあるのだと思います。 東京圏を中心とした地価高騰は大変著しい。例えば国土庁の地価公示によりますと、東京圏の住宅地につきましては昭和五十八年の地価と比べると二倍以上の上昇となっておりますし、最近若干鎮静化が見られているところでありますが、一般のサラリーマンにとってはやはり住宅取得というのは極めて困難な状態にあるわけであります。最近における大都市圏を初めとする現実の勤労者の持ち家取得の状況はどのようになっているのか、この点をちょっとお伺いをしておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 御指摘いただきましたように、住宅地の地価の大幅な上昇、特に東京圏におきましては六十一年から平成二年にかけまして、五年間で約二倍という非常に著しい上昇を見せておるわけでございますし、こうした地域におきます住宅価格の平均も、昭和六十一年の三千四百八万円から平成元年の五千九百三十五万円と大幅な上昇を示しております。これは年収に対しまして八倍ないし九倍程度、こうした状況になっておるわけでございまして、勤労者の持ち家取得ということが極めて困難な状況になりつつある、こうした現状はまさに御指摘のとおりでございます。現在の勤労者世帯の持ち家率の状況でございますが、特に京浜大都市圏におきましては昭和五十八年が五一・五%でございました、それから六十三年で五〇・八%、こうした半分という状態で横ばい状態が続いておるわけでございまして、こうした現状から見ましても、大都市圏におきます勤労者の持ち家を取得することが困難になっている状況に対応するための住宅対策ということの充実がまさに喫緊の課題である、このように考えておるところでございます。
○岩屋委員 労働省の皆さんの意欲は大変よくわかるわけでありますが、聞くところによりますと、アメリカの平均的なサラリーマンは一生のうちに三回家を建てるという中にありまして、我が国のサラリーマンは一生働いて家の一軒も持てない、こういう現状を放置しておくわけにはどうしてもいかない、そう思いますので、そのための今回の財形法の改正だと思うのでございますけれども、今回の改正によりますと、直接持ち家を取得する、この促進のためにつながる対策として勤労者財産持ち家個人融資の貸付限度額について、例えばこれまでは財形貯蓄残高が五十万円以上で百万円未満の場合についは五百万円、それから百万円以上 で二百万円未満の場合については一千万円といったように、政令で定めるところによって貯蓄残高の区分に応じて五倍から十倍に相当する額、こうしていたわけでありますが、今回から制度を簡素化して、公平にして多くの人が有利な融資を受けられるようにするということで、貯蓄残高の一律十倍にするというふうに手当てがされております。この点は高く評価したいと思うわけでありますが、しかし、これだけではやはり不十分でありまして、こういう手当て以外の手当てをどのように今回の制度改正の中で盛り込んでおられるのか、お伺いしたいと思います。
○清水(傳)政府委員 今般の財産形成促進制度の改正につきましては、昨年末の予算措置あるいは税制改正、そうしたものも含めまして全体として対応していく形をとっておるわけでございまして、そうした中で財産形成促進法の改正によって対応しなければできない分野を今般の財産形成促進法の改正でお願いする、こういうことにいたしておるわけでございます。 したがいまして、持ち家取得に向けまして全体として今般の改善で講じようとする事柄の内容につきまして御説明させていただきますと、法律以外の措置といたしまして、一つは、退職後の居住型住宅融資制度の創設を図るということでございます。これは、従来ですと、住宅取得を融資制度によって行いますと、すぐそれに住む、こういうものでないと融資の対象にすることができなかったわけでございます。しかしながら、最近のようなこうした状況の中におきましては、やはり定年退職後、大都市圏域にはなかなか家を持つことが難しい、あるいは自分のふるさとでございますとか、あるいは自然環境の良好な、大都市圏域から少し離れたところに退職後の住宅を持ちたい、それで、勤労者生活を営んでいる間につきましては、それまでの間財産形成、蓄積を図っていきながら、あるいは家賃住宅に住んでいながら、その後にそうした手当てをしていきたい、こういうふうなライフスタイル、居住スタイルの変化なり勤労者のニーズの変化というものが見られるわけでございまして、従来の仕組みの上だけからまいりますと、こうしたものに対応することが難しかったわけでございますが、これを可能にするような融資制度の新設を図ってまいりたいということが一つでございます。それから、個人の融資の親子リレーの償還を導入してまいるということが第二点目でございます。それから、持ち家個人融資につきましての利子補給の対象額につきましても一定の引き上げを図っていく、こういう制度改善を法律以外の措置として講ずることといたしております。 また今般、法律改正の内容として、共同社宅用住宅融資制度の創設ということもお願いいたしております。これも、共同社宅用住宅融資制度ということではございますが、大都市圏におきます持ち家を取得することが困難である、こうしたことに対応するために持ち家取得に向けた財形貯蓄を行っている勤労者に対しまして、良質で低廉な賃貸住宅を事業主の援助のもとに提供する、その間勤労者に蓄積を行っていってもらう、入居中に計画的、継続的な財産形成をやっていってもらう、これを促進し、それから、先ほど申し上げましたような退職後居住型の融資制度にこれをつないでいくというふうな形になりますれば、こうした最近の状況に対応した一つの選択肢として活用することができる、勤労者の持ち家取得につなげていくことができる、こういうふうな意味合いを持つものでございまして、こういう共同社宅用の融資制度につきましても、あくまでも勤労者の持ち家取得を促す制度として運用をしてまいりたい、こういう考え方でございます。
○岩屋委員 今お話がありました共同社宅用住宅融資制度、それから高齢の皆さん方の持ち家取得を促進するための退職後居住型住宅融資制度、それから親子リレー償還、これは新しい取り組みとして高く評価したいと思います。 ところで、貯蓄制度なんですけれども、今特に財形貯蓄制度につきましては、国として非課税の援助を行いながら住宅取得のための頭金をためてもらおう、こういうことでやっているわけであります。ところが問題は非課税限度額ですね。これが昭和四十九年から五百万円にずっと据え置かれたままであります。もちろん地価というのは地域差があるわけでありますが、東京のちょっとした住宅地ということになりますと、五百万円といえば一坪か二坪ぐらいにしかならぬということでありますから、これは地価が高騰を続けている昨今、もうちょっと引き上げを図っていくべきではないかと考えております。また、もう一つの財形年金貯蓄でありますけれども、これも公的年金、企業年金等とあわせて退職後に必要な生活資金を十分に確保するという役割を果たしてきているわけでありますけれども、それも今の五百万ということではちょっと低過ぎるのではないかなというふうに私は思っております。この両方の引き上げが必要なんではないかと思うわけでありますが、その点いかがでございましょうか。
○清水(傳)政府委員 財形年金貯蓄制度、それから財形住宅貯蓄、この非課税限度額の引き上げにつきましては、ただいま御指摘いただきましたような同じ問題意識を私どもも持っておるわけでございます。今般の制度全体の改正の建議を財産形成審議会からいただきましたが、そうした中にも当然こうした事項が含まれておったわけでございますし、私ども関係方面との折衝も行ってまいったわけでございますが、今般の税制改正におきましては、残念ながらその引き上げの実現を図ることができませんでした。現段階におきまして、この貯蓄額が非課税限度額、いわゆる五百万の近くに達している勤労者が必ずしも現実の実績としては多くはいない、それからまた、一人当たりの平均貯蓄額も、年金貯蓄、住宅貯蓄双方とも百万円前後というふうな現段階の状況にある、こういったところからその引き上げの実現ということができなかったわけでございます。 しかしながら、御指摘のように高齢化が一層進展いたしてまいります。安定した老後生活を送ってまいりますためにも、いわゆる公的年金あるいは企業年金、こうしたものを補完する勤労者自身の自助努力による個人年金、この重要性は非常に高いものがあるだろうと思うわけでございまして、そうしたための年金原資というものも非常に増大をするわけでございます。また、今まで御指摘のとおり、土地住宅価格の高騰の中でそうしたものの自己資金を計画的に積み立てていく、いわゆる頭金対策といたしましても財形住宅貯蓄についての勤労者の自助努力を引き続き援助をしていく必要がある、このように考えておりまして、昨年末の税制改正におきましては実現ができませんでしたが、引き続き今後ともその引き上げについて努力をいたしてまいりたい、このように存じております。
○岩屋委員 今回の財形法の改正による持ち家取得促進の方策につきましてずっと聞いてきたわけでありますけれども、臭いにおいはもとから断たなければだめだということでもありませんが、要するに地価の高騰をどうやって抑えていくかということが一番大事なんだと思います。地価の高騰の方をほったらかしにしておいて制度の方だけそれにスライドして合わしていくということでは際限がありませんから、そこが一番のポイントだと思うわけであります。今もお話がありました、従来から土地取引の適正化でありますとか、昨年来議論が続いておりました税制面での対応を初め、政府全体としていろいろな方策を講じてきてもらっているわけでありますけれども、しかし、これは他省庁任せではなくて労働省こそが、やはり勤労者の立場に立って、先頭に立ってやってもらわなくちゃいかぬことだろうと思います。そういう意味では、これから政府部内において小里大臣の大いなる御活躍に期待するところ大なるわけであります。 そこで、最後になりましたけれども、勤労者の財産形成は豊かで安定した勤労者生活の実現に必要不可欠であり、このことはこれからの日本の国の発展にとって極めて重要なポイントだと私は思っております。勤労意欲が非常に高い、労働者 の質も高いということで今日の経済繁栄を迎えているわけでありますから、その労働者、勤労者の意欲を減退せしめるような今の状況はこれは放置することはできないだろう、こう思うわけであります。そこで、今回の改正事項について、制度をせっかくつくったのですから適正、的確に運用していただいて一層内容の充実にこれからも努めていただきたい、こう思うわけであります。また、今回の法改正にとどまらず、今後とも制度全般の基本問題についても引き続き見直しを行って抜本的な改革をしないと、今度は確かに一歩も二歩も前進したとは思いますけれども、やはりまだ十分ではないだろう、こう思うわけでありまして、今後の御尽力を期待しておきたいと思います。こういう点につきまして、最後に労働大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○小里国務大臣 財産形成法改正をめぐりまして、勤労者のいわゆるゆとりのある、そしてまた、豊かさを実感できる生活体系構築ののためにいろいろお話をお聞かせいただき、また御指摘もいただいたところでございます。殊に、先ほど先生もお触れいただきましたように、この制度は昭和四十七年創設以来二十年になんなんとするところでございますが、過去六回、時代の変化あるいはまた勤労者ニーズの具体的な変化等に対応いたしまして改正を進めてまいられ、そしてまた、今日このように改正内容を盛りまして御相談申し上げておるところでございますが、せっかく皆様方の御同意をいただきましてこの改正法案がきちんと調いました暁には、ただいま基礎的にいろいろ御指摘いただきましたことなどを大事に踏まえながら、これが適正、かつまた活発なる運用の促進に努めてまいらなければならないと考えております。なおまた、末尾の方で御指摘いただきましたようにまさに経済、産業、社会は日進月歩でございます。したがいまして、今次の改正法案が成立をいたしましても、決して私どもは完全無欠なる法律であるとは考えておりません、制度であるとは考えておりません。絶えず機敏に動く情勢の変化に対応いたしまして大いに研さんを重ねてまいらなければならぬと思っております。 なおまた、一言申し添えますが、今次の改正法案作成の過程におきまして審議会の意見等を伺いましても、今度の改正案、とりあえずひとつ実施してみましょう、そしてまた、そう遠からず、いろいろな諸情勢の変化等を踏まえながら我々は謙虚にその変化に対応する一つの措置も考えていこうじゃないか、そういうニュアンスも背景にあることを私は伺っておりまして、大変結構なことだと存じておるところでございます。
○岩屋委員 いずれにいたしましても、勤労者、サラリーマンが一生働いて家の一軒ぐらいは持てるように、そういう労働行政をこれからも多いに進めていただきたい、こういうふうに思います。我々国会議員も、まじめに国会活動をずっと続けておれば東京に小さな家ぐらいは持てるということでなければ、何か悪いことをしなければ家も持てないということでも困るわけでありまして、今後の御活躍に大いに期待をさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○浜田委員長 永井孝信君。
○永井委員 日本が経済大国と言われるようになり、その反面、高齢化社会が到来をいたしまして、勤労者の老後の生活を考えるときに大変な状況に今直面していると思うのでありますが、そういうときにこの財形法の改正がなされるということは、私は非常に適切なことであるとして高く評価をしておきたいとまず冒頭に申し上げておきます。 そこで、時間の関係もありますから、具体的に問題点について御質問申し上げ、あるいは提起を申し上げたいと思うのでありますが、まず第一番目に、財形貯蓄についてお伺いをいたしておきたいと思うわけであります。 各勤労者が働いている企業において社内預金というのがずっと長い歴史を持っておりますが、高度成長期以降、労使が合意いたしまして勤労者の貯蓄を援助する制度として一定の大きな成果を上げてきた、役割を果たしてきたと思うのでありますが、これについて、特に今回財形貯蓄への一括預け入れを認めることとした理由はどこにあるのか、これをまずお伺いしたいと思うのであります。あわせて、社内預金というのにもいろいろな性格やタイプがございますが、どのようなものについて対象とされるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 社内預金につきましては、これは性格といたしまして勤労者が事業主の援助を得ながら賃金の一部を積み立てていく、そして企業の方はこれを預かる、こういうふうな形のものとして勤労者の財産形成あるいは福利厚生、こうしたものの推進に寄与してきたものであろう、このように思うわけでございます。 ただ、最近この社内預金の実施事業所数、あるいは全体の額というようなもの、これが減少傾向にございます。恐らく企業としての資金調達手段の多様化を背景としてこうした傾向が見られるのではないか、このように見ておるわけでございますが、勤労者の財産形成という観点からいたしますと、こうした社内預金が廃止をされるような場合には、これが今まで計画的な積み立てという形で行われてきた、やはり勤労者本人が希望すれば社内預金の残高を財形貯蓄に預入をする、今まで社内預金として行ってきた継続的あるいは計画的な財産形成努力というふうなものを財形制度の中で受けとめていく、こういったことが適切な対応策ではないか、こういうところから、今般社内預金が廃止をされました場合には、勤労者が希望すればその預金残高を一般財形貯蓄へ預入することができるよう制度を改めさせていただきたい、このようにいたしたわけでございます。 御指摘のように、社内預金と一口に申しましてもいろいろな性格なり仕組みのものがあるわけでございますが、そうした中で今般、一般財形貯蓄で受け皿としていくものにつきましては、やはり財形貯蓄という事柄の性格、計画的な財産形成、こういうふうな同じような性格の社内預金といったものを対象としていくことにいたしたい。具体的には賃金の一定額を事業主の賃金控除によって定期的に積み立てられてきているもの、こうしたものを一般財形貯蓄で受けとめていくという形にいたしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○永井委員 計画的に勤労者が財産形成ができるように、そのことを容易に促進できるという立場から改正されたと思うのでありますが、考えてみると、今までの社内預金というのは、ちょっと横道にそれて恐縮でありますが、企業にとっては重要な資金調達の手段だったわけですね。ここで、直接財形法の改正に関係はないのでありますが、やはりここでも勤労者が一面、企業の発展のための道具に使われてきたという指摘もできないわけではないと思うのです。それだけに、この勤労者の財形に重点を置いていくということは非常にすばらしいことだと思うのでありますが、だからといって、社内預金の預れ入れを一般財形貯蓄だけに認めるのであっては、勤労者にとってメリットは比較的小さいと私は思うのです。社内預金の中には、特に目的を定めていない預金も非常に多うございますが、中には労後の年金のため、あるいは住宅の取得のための預金も含まれているわけでありまして、これらの預金については、今回の改正の趣旨からいっても財形年金貯蓄あるいは住宅貯蓄に預け入れができるようにすることが必要である、その方がむしろ勤労者にとってメリットが大きいのではないか、こう思うのですが、どうでございましょう。
○廣見政府委員 お答えいたします。 社内預金につきましては、今もお話しございましたように勤労者の財産形成に資するものであるという面はございますが、一般的に申しまして、その目的は制度的には必ずしも限定されてはおりません。また、いつでも引き出せるということが通常の形でございます。そういう意味では目的が非常に限定されておりまして、それ以外の引き出 しが禁止されているといったような厳格な意味での財形年金貯蓄あるいは財形住宅貯蓄とは大分性格も異なるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。 また、社内預金は当然利子課税ということになる預金であるわけでございますが、財形年金あるいは財形住宅貯蓄につきましても、今お話しのように仮に社内預金の預入は認めるということになってまいりますと、従来、利子課税であったものを非課税の対象にしていくというような点もございまして、税法上の問題もある。こんなようなところから、なかなか難しい問題ではないか、このように考えておるところでございます。
○永井委員 難しいという話でございますが、勤労者の財産形成という目的あるいは老後の生活の安定、こういうことを図っていこうとすれば難しいだけでは済まぬと思うのですね。そこをひとつ踏み切ってこそ労働行政に血が通うのではないか、こう私は思いますので、さらにもう一回お伺いいたしますが、何とか住宅貯蓄などに預け入れができるようにすべきではないか、努力すべきではないかと思いますが、どうでございますか。
○廣見政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、性格論あるいは技術論等、大変難しい問題がございます。ただ、先生の御指摘、勤労者の財産形成をできるだけ促進していく、こういう趣旨から今のような御指摘、御提案だというふうに考えますと、そういったような趣旨からは理解できるというふうにも思います。したがいまして、大変大切な問題点あるいは課題の御指摘があったものとして承らせていただきたいと存じます。
○永井委員 この問題ばかりやるわけにいきませんので次に移ります。 財形年金、そして住宅貯蓄、この現状についてまず説明をしてもらいたいと思うのです。 最前も自民党の委員から質問が出ておりましたけれども、特に貯蓄額が四百万円以上の者はどれくらいになっているのか、あるいは近々五百万円を超えそうな者はどれくらいいるのか、これについて把握されている内容をお聞かせいただきたいと思います。
○廣見政府委員 財形年金あるいは財形住宅貯蓄の現状でございます。 年金貯蓄につきましては五十七年十月に発足いたしておりますが、昨年の九月末現在で契約者数が約三百七十四万人ございまして、貯蓄残高が約三兆五百億円というふうになっております。 また、財形住宅貯蓄につきましては六十三年四月に発足したわけでございますが、同じく昨年の九月末現在で見てみますと、契約者数が二百九十八万人、貯蓄残高約三兆五千億円というふうになっております。 また、後半でお尋ねの、四百万円以上の貯蓄を行っている者はどれくらいいるのかということでございますが、これにつきましては正確な数値を調査してはございませんけれども、私どもの金融機関その他からの資料で推計をしたものによりますと、年金貯蓄につきましては約六万九千人、それから住宅貯蓄につきましては約十一万四千人が四百万円以上というふうになっております。 また、平成三年度に限度額を超える者がどの程度いるのかということを、同じく金融機関の資料等に基づき推計してみますと、約七万一千人になるのではないかというふうに見込まれるところでございます。
○永井委員 今数字をお聞きしたわけでありますが、これに関連をして、昨年発表されました財団法人生命保険文化センターの試算がございますが、その試算によりますと、夫が六十歳、妻が五十七歳のサラリーマン夫婦の場合、老後の必要生活資金は総額で七千三百五十万円という数字を出しております。公的年金による収入見込み額、これは平均でありますが五千六百七十八万円、こういう数字が出てまいっております。これを差し引きますと千六百七十二万円を自分自身で用意しなければ老後の必要生活資金を賄うことはできないということになってくるわけです、単純計算ですけれども。住宅の取得に必要な資金も同じでありまして、土地が上がってきた関係もありまして年々増大しております。 勤労者の置かれた状況がそういう現実であるにもかかわらず、財形年金や住宅貯蓄の非課税限度額は、最前も自民党の委員から出ておりましたけれども、一九七四年に五百万円に引き上げられて以来十七年間据え置きになっているのですね。これはどう考えても政治の怠慢だとしか言いようがないと私は思うのであります。しかも今説明がありましたように、平成三年に五百万円を超える者が七万人という予想がされているというふうに廣見部長からお話がございました。この際、財形年金、住宅貯蓄の非課税限度額というものを思い切って大幅に上げることはできないのか、また上げるべきではないのか。この前百万円から五百万円に引き上げたその年数は、最初一九七二年に百万円を非課税限度額にした。そのわずか二年後の七四年に五百万円に引き上げているわけです。今度は十七年間据え置きだ。 私は、ここで具体的な金額をどこまで引き上げるのが妥当かということは、もちろん根拠を明確に持って示すことはできないのでありますが、今のこの社会状況、経済状況から考えて、少なくとも倍額の一千万円ぐらいにまで引き上げるべきだと考えますが、労働省はどうでございますか。
○清水(傳)政府委員 これは先ほどの岩屋委員の御質問にもお答えをさせていただいたとおりでございますが、私ども自身といたしましても、財形年金あるいは財形住宅貯蓄の非課税限度額の引き上げということにつきましてその必要性を痛感をいたしておるわけでございまして、今般の改正に当たりまして財形審議会からいただいた建議にもそうした御指摘をいただいておるところでございます。 そうしたところから、現行の五百万という限度額につきまして、倍額の一千万の実現を目指しまして昨年末関係方面と折衝をいたしたわけでございますが、結果といたしましては、今般の税制改正におきましては現行どおり、こうした形に帰着をいたしております。先ほど申し上げましたように、現段階におきまして非課税限度額近くに達している勤労者の割合というものが必ずしも多くはないということ、また、一人当たりの平均貯蓄額が百万円前後、こうした状況でございまして、こういった状況の中で、いろいろな他制度とのバランスというふうなこともあるいは考慮の中にもあったかとは思うわけでございますが、実現をすることができなかったわけでございます。 しかしながら、御指摘をちょうだいいたしておりますように、安定した老後生活を営んでいくということのために、公的年金を補完をするための勤労者自身の自助努力による個人年金的なそうしたものの必要性ということも非常に強いわけでございますし、そのことのために必要とされる年金原資というふうなものも増大をしている、また、住宅取得の場合の頭金対策としての住宅財形貯蓄というものの必要性も非常に高いわけでございますし、こうした面における勤労者の自助努力の援助を引き続き行っていく必要性は非常に強い、このように認識をいたしております。さらに一層の努力を行ってまいりたい、このように考えております。
○永井委員 大蔵省はどうでございますか。
○神原説明員 財産形成住宅・年金貯蓄非課税制度につきましては、一般の預貯金利子を原則課税といたしております中で、勤労者に限りまして住宅貯蓄及び年金貯蓄につきまして特に元本五百万円までの利子を非課税とさせていただいておるということで勤労者の方々に対しましては十分配慮しておるところでございます。 先生の、非課税限度額をさらに引き上げるという御提案でございますが、この限度額をさらに引き上げることにつきましては、このような利子非課税制度を利用できない方々とのバランスを失することにもなりかねないという点にも留意をする必要があるのではないかと考えております。また、先ほどもお話がございましたように、現在財形住宅・年金貯蓄の平均残高はおよそ九十三万円程度 にすぎないというような点もございます。 いずれにいたしましても、財形非課税制度を含めまして、利子課税のあり方につきましては昭和六十二年九月の改正法附則におきまして平成四年に見直しを行うこととされておりますので、大蔵省としてはこの見直し規定の定めるところに従って対処してまいりたいと思いますが、その際は、先ほど申し上げた点に留意しなければならないというふうに考えております。
○永井委員 バランスを欠くおそれがあるということで大蔵省のガードは非常に固いのでありますが、これは中小零細企業も含めてこの財形制度を実施できるようにもっともっと努力をすれば、対象者の数がぐんとふえてくるわけですね。また、事業者などについては税制上の優遇措置もとられています。サラリーマンの場合は収入が一〇〇%捕捉をされて、所得税というものはいわば全部チェックオフで、全部天引きですから、そういう関係からいくと、むしろそういう所得税の現在のあり方の方が公平を欠いていると私は思うのです。それを放置したままで、単にこの財形に入れる者と入れない者とのバランスを欠くという大蔵省の説明は、私はどう考えても現実に即していないと思うのです。 そこで、労働大臣に所管大臣として決意を伺いたいと私は思うのでありますが、この非課税限度額の引き上げというのは非常に要望が強いわけです。この審議会でも、そういう経緯を見てみますと、強く要望が出されているという経過があります。したがって、住宅取得や老後の生活に必要な費用が片方で増大しているのに、今も申し上げたように依然として十七年間五百万円の非課税限度額が据え置きのままということについては、これは財形制度の趣旨に反すると私は思うのです。財形制度というものが何で生まれたのかという、その原点に立って考えていかないと、単に税制上のバランスを欠くということだけの視点で問題の処理はすべきではないと私は思うのです。したがって、所管の大臣として、まあ大蔵省もありますけれども、ひとつ重大な決意を持ってもらいたいと思うのですが、どうですか。
○小里国務大臣 結論から申し上げまして、情勢判断としては全く同感でございます。先生も御指摘になりましたように、本制度は昭和四十七年、そのときには百万円でございました、今日は五百万だ。一体五百万円に訂正されたのはいつだったのかなということで、私も大臣に就任いたしまして事務方の説明を受けました。先ほどお話しのように二年たった昭和四十九年だったと。それからもう既に十七カ年も経過をいたしておるという状況、その十七年間の我が国の経済、産業の諸情勢、勤労者の生活レベルアップ等々見てまいりますときに、なるほど隔世の感があるな、そういう感じを受けたのが私の率直な所感でもございます。 また、先ほどからいろいろお話がございますように、今日、財形法にかかわる貯蓄のトータル関係者は一千九百万人にも及んでおります。あるいはまた、その対象貯蓄高が全体でおよそ十四兆前後だ、そういうような状況でございますから、勤労者の財産形成につきましては大変決定的なボリュームを持つ、影響力を持つこの財産形成法でございます。なおまた、先ほど局長も答弁いたしましたように、関係各方面の要望がこの問題につきましては集中的にあるようでございます。財産形成審議会等でいろいろ御苦労いただいておるところでございますが、また、たまたま今次の国会にこういう改正法を出しておるその最中に私の立場からこれ以上踏み込んで申し上げるのはどうかと思いますが、お許しいただきまして、先ほど先生御指摘のような四囲の圧倒的な世論、状況というものをよく勘案いたしまして、なおかつ平成四年の税制、財政、あるいはもとより予算編成等は今夏から始まるわけでありますから、私どもはそれらを射程に置きまして鋭意努力をしてみたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○永井委員 ひとつ大臣は思い切って、政治家の立場からも勤労者財形の原点に立って対応してもらいたいということを重ねて要望しておきたいと思います。 大蔵省に対しても重ねて御要望申し上げておきたいと思うのでありますが、税の不公平感というものはいろいろな意味で国民の中に浸透しているわけですね。だからこそ、この勤労者財形の問題についても、非課税限度額の引き上げが強く要望を出されてきているという実態です。必要経費を認めてもらえる事業者と、必要経費がそういう面では全く見られていないという現実にあるサラリーマンとの違いでもありましょうか、そういう問題も含めて、私は、この問題については積極的な対応を大蔵省に求めていきたいと思います。 あわせて、この非課税制度のもう一つのあり方について、これは税制の専門家としてではなくて一政治家の感覚としても問題提起をするわけでありますが、この非課税制度というのは、限度額を超えた途端に貯蓄の全体について課税の対象になっていくわけですね。これでは貯蓄を奨励しているのか抑制しているのか、わからなくなってしまう。五百万円を十円でも超えれば全額に利子が課税される、じゃ、そこでやめておこうかということになりかねない。これでは私は、この財形貯蓄の制度からいって、奨励どころかむしろ後退を余儀なくされていくという感を持たざるを得ないわけであります。したがって、これは素人目といっては恐縮でありますが、私どもから見ましたら、限度額を超えた分には課税するのは、これは当たり前でしょう、しかし非課税限度額までは課税の対象にしないというのが本来のあるべき姿ではないかと思うのですが、大蔵省どうでございますか。
○神原説明員 ただいま先生から御意見ございました限度額の仕組みについての問題でございますが、先生の御提案ですと、いわばこの限度額を基礎控除的なものに改めよというような感じのことかと思いますが、しかしながら、この現在の非課税貯蓄制度は、いわゆる老人等のマル優制度と同様に、本来少額の貯蓄を行っている方々を優遇するというようなものでございまして、例えば高額な貯蓄を有する方々にまで一定額の元本部分の利子についてまで非課税とすることはいかがかというような観点から現在の制度になっておりますので、何とぞ御理解をいただきたいと存じております。
○永井委員 非課税限度額の引き上げの方についてはさらに強く私は要望したのですが、どうですか。
○神原説明員 その点につきましては、繰り返しになりますが、利子課税のあり方につきまして、この財形の非課税制度を含めまして昭和六十二年九月の改正法、先生御存じと思いますが、附則におきまして平成四年に見直しを行うこととされているところでございまして、大蔵省としては、この見直し規定の定めるところに従って対処してまいりたいと思いますが、その際、既に勤労者の方々に対しては十分配慮しているという点、また、繰り返しになりますが、こういう非課税限度額をさらに引き上げることにつきましては、利用できない者とのバランスというようなこともあわせ考えなくてはいけないというような点にも留意する必要があるのではないかというふうに考えております。
○永井委員 どうもすっきりしないのですが、最前、大臣から労働省としての見解を承ったわけでありますが、今申し上げましたように非課税限度額を超えた分についてのみ課税すべきではないかという私の提起に対して労働省はどうお考えですか。
○廣見政府委員 今お話のございました限度額を超えた貯蓄の取り扱いの問題でございますが、税制度の基本的な考え方ということからまいりますと、先ほど大蔵省の方からお話のあったようなことで従来理解されておるところでございます。 ただ、先生先ほどのお話にもございましたように、財産形成をどのように促進していけるのかという観点からの御指摘だと思います。こういった問題も含めまして、今もお話がございましたようなことで利子課税のあり方について本格的な議論 が行われていくということになろうかと存じます。そういった中で、私どもといたしましても、関係各方面の御意見もまた参考にさせていただきながら財形年金あるいは財形住宅貯蓄、こういったようなものの非課税限度額のあり方というものも検討を続けてまいりたい、このように考えております。
○永井委員 この財形制度の所管省庁である労働者、そして税制当局、大蔵省ですね、今の段階では両省、意見はうまく合ってはいないのですが、課税のあり方については、私の問題提起も含めてさらにしっかりと検討するように、この際強く両省に求めておきたいと思います。 時間の関係もありますから次に入ります。 財形住宅貯蓄で増改築等のために払い出しをする場合、工事費百万円以上というのが要件になっているわけですね。この工事費要件についてはさらに引き下げてもよいのではないかと思いますし、また引き下げてもらうべきだという要望が勤労者の間では非常に強い、これが実態でありますが、このことについて労働省はどうお考えでございますか。
○澤田説明員 御説明申し上げます。 財形住宅貯蓄の適格払い出しにかかわります増改築の工事費要件、先生御指摘のように現在百万円以上という工事費要件でございますが、これは平成二年度の税制改正におきまして住宅取得特別控除、いわゆる住宅ローン控除にかかわります増改築の工事費要件がそれまでの二百万円以上から百万円以上に引き下げられたということに連動いたしまして、財形制度としても百万円以上になった次第でございます。これをさらに引き下げることにつきましては、平成二年度以降の新しい制度における払い出し実績を見る必要がございますし、また、住宅取得特別控除との均衡ということも考える必要があろうというふうに考えておりまして、慎重に検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○永井委員 余り慎重慎重に過ぎないように、ひとつ積極的な検討をお願いしておきたいと思うのです。 もう一つは、この問題に関して払い出し手続が非常に複雑なんですね。現行で見ますと、工事の請負契約書、登記簿の謄本、住民票、建築確認通知書、あるいは検査済み証の写しか建築士の増改築工事証明書、これだけのものを出さないと払い出しを受けることができない、これをもっと簡略化できないものかと思うのですね。目的外に流用するということは問題でありますからその証拠というものは必要でありましょうけれども、こんなにもたくさんのものを出さなくてももっと勤労者が簡略に払い出しの手続ができるということにすべきじゃないかと思うのですが、どうですか。
○澤田説明員 御指摘の点ですが、住宅貯蓄が非課税貯蓄であるという基本的な性格から、その適格払い出しにつきましては厳格な手続を要するということはある程度やむを得ないだろうというふうに私ども考えております。 そこで、現在は御指摘のような幾つかの書類が必要なわけですが、それの目的としては、増改築等の内容がどういうものか、それから二点目には、そういう増改築をする家に御本人が本当に住んでいるのか、持ち家であるのかという点、こうしたことをやはり最低限確認する必要があるということは御理解いただきたいと思います。ただ、こうした点についてより簡易な方法で、かつ確実にできる方法があるのか、その工夫がし得るかという点につきましては十分検討してまいりたい、かように存じております。
○永井委員 できるだけ勤労者の要望が実現できるように、これもまた強く求めておきたいと思います。 さて、一般財形貯蓄の開始について今回は五十五歳末満という年齢要件を撤廃するということになっておりますが、財形年金・住宅貯蓄についても貯蓄開始の年齢要件を緩和すべきではないかと思います。特に五十五歳末満からの貯蓄開始を要件としなければならない根拠は一体何なのか、時間の関係がありますから簡潔にお答えいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 一般財形貯蓄と異なりまして、年金貯蓄それから財形住宅貯蓄、これは目的が限定された貯蓄ということでございまして、そうした事柄の性格上、一定の長期にわたる貯蓄の実施ということが必要である、こういう性格のものであろうかと思うわけでございます。それからまた年金貯蓄につきまして、年金の支給開始年齢が六十歳ということを考えますと、五年以上の貯蓄が義務づけられている、そうすると少なくとも五十五歳末満で貯蓄をスタートするという必要もございますし、住宅貯蓄につきましても、住宅取得の困難化の中で頭金の蓄積を行っていくにはやはり五十五歳末満程度からの継続的な努力というものが必要であろう、こうしたところから、これらにつきましては五十五歳末満ということといたしておるところでございます。
○永井委員 五年間の貯金の期間が必要という義務づけ、わからぬことはないわけでありますが、高齢化社会を迎えて雇用関係もどんどん高齢化されていく、あるいは今人手不足でありますが、むしろ高齢者の雇用を開発することに力点を置くべきだという各界からの非常に強い指摘も存在をしているわけであります。そう考えますと、五十五歳まで財形に加入できないところに働いておって、五十五歳過ぎてから改めてこの財形に加入ができるという企業に就職したといたします。この人は今の年金制度からいきまして六十歳から年金の支給を受けることはできますけれども、基本的には六十五歳までは働ける者は働くというのが今の社会的な常識ではないかと思うのです。そうなりますと、その人たちは対象外になってしまう。これは私は個人の権利を抑制してしまう問題でもあろうと思いますので、何とかこれを対象にすべきではないかと思うのですが、どうですか。
○清水(傳)政府委員 御指摘のような状況なり背景ということも十分理解することができるわけでございます。ただ、開始年齢を五十五歳以上に緩和をいたしますと、例えば、それまでに既にこうした住宅貯蓄あるいは年金貯蓄を行っていて据置期間に入ってきている、その後五十五歳以上で他の事業主の方に転職をする、そうすると、その据置期間に入りますと企業による限度額管理から離れていく形になるわけでございます。そうした事態になりますと二本立ての非課税貯蓄が場合によってはできないわけでもない、こうした技術的に非常に難しい問題を抱えておる側面もございます。そうした点からいきましても、御指摘のような背景ということも考慮しなければならない状況がだんだん進展をしてくるとは存じますが、現状におきましては現行の措置でやむを得ないじゃないか、こんなふうに考えられるところでございます。
○永井委員 また、高齢化が進む中で高齢者介護問題も大きな社会問題となってきておりますが、大臣のこの法案に対する提案理由の説明でも、最近における勤労者の持ち家取得の困難化、そして、その次に高齢化の進展、こう挙げていらっしゃるわけですね。そういう関係から考えまして、老後の生活の安定を図ることを目的とするこの財形制度においても、それに直接、いわゆる高齢者介護問題などに対して直接対応できるような改善を図るべきだと思いますが、労働省としての考え方を簡潔に明らかにしてもらいたいと思います。
○廣見政府委員 今まさに先生御指摘のような視点から、法律改正ではございませんが、予算措置等によりまして財形年金貯蓄につきまして二点の改正を行いたい、このように考えております。 そのうちの一つは、財形年金貯蓄につきまして、年金支給が開始された後に本人あるいは配偶者の方が、例えば介護状態になるといったようなやむを得ない事由が生じましたときには相当多額の費用も必要となりますので、年金支払い開始前に設定いたしました支払い方法を変更するということで、一定額を従来決めた額に上乗せすることができるようなことに改正いたしたい、これが一点でございます。 それから、二点目につきましては、従来の年金の支払いは定額型あるいは逓増型の二つしか認められておらなかったわけでございますが、これに前厚型のメニューを加えたいということでございます。これは高齢期の前半の方は比較的いろいろな意味での費用も多く要する、生活費もかさむ点もあるというようなこととか、あるいは前厚で支払われる年金給付を利用いたしまして老後における介護保険を購入できる、こんなようなことも想定いたしまして、前厚型の支払いも加えていきたい、このような改正を行いたいと考えておるところでございます。
○永井委員 時間の関係で急がせて恐縮でありますが、その次に財形給付金・基金関係についてお尋ねしたいと思うのですが、この財形給付金・基金制度は労働者にとっては非常に期待している制度なんですね。しかし、この制度は次第に普及をしていくのかと思うと近年はこの制度を取り入れる企業が非常に減ってきているわけですね。この統計資料を見ましても、実施企業数は昭和五十七年をピークにいたしまして、現在では三分の二以下。もう少し下がりますと半数になるというぐらい実は減少してきているわけです。したがって、財形給付金・基金制度が労働者の貯蓄を事業主が援助するための大変重要な制度でありながら、中小企業には非常に普及率が低い、ほとんど普及していないのではないかと思われるほどなんですね。したがって、今回この改正に当たってぜひ手をつけていただきたいと思うのでありますが、中小企業、零細企業における給付金・基金の普及促進について一体どのような効果を持つものと考えているのか、この点について簡潔にお伺いいたしたいと思います。
○清水(傳)政府委員 今般の改正におきまして、この給付金・基金制度について、財形法の趣旨に沿いましてより直接的に勤労者の財産形成に寄与するような方向で、満期となった給付金は原則として財形貯蓄へ預入するという方法により支払う、こういう旨の規定を置くことといたしております。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕 それからまた、給付金の支給につきましては、従来は財形貯蓄を一年以上実施している、こういう事業所を対象としておったわけでございますが、これを一年以上という要件を改めまして、財形貯蓄と給付金の導入ということが同時に可能になるような、そういう措置をとることといたしておるわけでございます。 それからさらに、特に中小企業に対する給付金に対する助成についても見直しを行いまして、財形助成金制度を改善をして満期の給付金を財形貯蓄へ預入をする、こういう方法をとる。そういう給付金・基金契約を導入をした事業主等に対しましては助成率について五割アップを図っていく、こういう率の引き上げを行うことといたしております。 こうした改善措置を総合的に行うことにより、給付金・基金制度の普及、特に中小企業に重点を置いて勤労者全体の財産形成がよりよく推進されるように、こういうことを期待をいたしておるところでございます。
○永井委員 さらに積極的な対応をこれからも深めてもらいたいということをつけ加えて申し上げておきたいと思います。 なお、念のために聞いておきたいと思うのでありますが、今回の法改正では財形給付金・基金の満期給付金についてですが、勤労者の財形貯蓄に預入することを原則としているわけですね。使途については、今までは自由に選択できたものを財形貯蓄への預入に限定すれば財産形成につながることは間違いないのでありますが、このことによって逆に他の用途に充てたいと考えている勤労者が困るという事態が生じるおそれはないかどうか、念のために伺っておきたいと思います。
○廣見政府委員 財形給付金・基金契約におきます満期給付金につきましては、今お話のありましたようなことで財形貯蓄に預入するということにいたしておりますが、これはあくまで原則ということに考えてございまして、法律では「勤労者の申出に基づき他の方法により支払うことができる旨を定めた場合」にはその他の方法、要するに勤労者が直接満期給付金を受け取ることもできるような道を残すということにしてございますので、そういう希望のある方はこの方法が利用できるもの、このように考えております。
○永井委員 次に、持ち家融資関係についてお尋ねしておきたいと思いますが、財形融資の中心である持ち家融資についてはどのように改善されるのか、具体的にポイントだけを説明してください。
○清水(傳)政府委員 今回の制度改善におきましては、現在法改正でお願いをいたしております以外のものも含めて全体として申し上げますと、第一点は融資限度額の区分制を撤廃をして一律十倍とする、これは法改正でお願いをする事項でございます。それから、退職後のためにあらかじめ現在の居住地以外の地域に住宅を取得するためのいわゆる退職後居住型住宅融資制度を新設するということ。三点目が、いわゆる親子リレー償還制度を選択できるようにするということ。それから四点目が、利子補給の対象額を六百二十万から六百四十万円へ引き上げるということ。以上でございます。
○永井委員 大臣にこの関係についてお伺いしておきたいと思うのでありますが、この利子補給対象額を六百二十万から六百四十万に引き上げるということになっておりますが、この持ち家融資は財形融資の中心なんでございますから、利子補給対象額をさらに引き上げるなど、なお一層改善すべきだと思うのですが、大臣、どうでございますか。
○小里国務大臣 先生がただいまお触れいただきましたように、本融資制度の柱は教育と持ち家でございます。さらに割り込んで申し上げまして、その柱はあくまで持ち家だ、そういう実態であろうかと思う次第でございます。御指摘になりましたようなことなども参考にしながら、これが活用を有効にとり行っていかなければならぬと思います。
○永井委員 さらに、持ち家融資でございますが、一般的に賃金や貯蓄水準が低いという中小企業勤労者の実情にもっと配慮すべきだと思います。そしてそのために、配慮した上で融資限度額の設定を現行制度のように貯蓄残高によるのではなくて貯蓄期間によるようにはできないか、そういう要望が非常に強うございますが、この点についてどうお考えになりますか。
○澤田説明員 財形制度におきましては今回、融資額を貯蓄残高の一律十倍というふうにしておるところですが、その考え方を申し上げますと、財形持ち家融資制度は金融機関に集まっております勤労者の財形貯蓄の一部を勤労者に還元する、それによって持ち家取得を促進するといういわば還元融資としての性格を持っております。したがいまして、個々の勤労者の財形貯蓄残高を公平に反映した融資制度、融資額とするためには、残高比例が適当であるというふうに考えておるところであります。 ちなみに、年金福祉事業団が年金被保険者に対しまして住宅資金融資制度を行っておりますが、こちらの方は国民皆年金という仕組みの中で保険料が一定の額に決まっておる。したがいまして、被保険者期間の長短がいわば住宅資金融資の原資に対します寄与の大小をあらわすという関係になっておりまして、財形制度で申しますと、先生御指摘のように貯蓄期間に比例して貸すという仕組みになっているわけです。ところが、繰り返しになりますが、財形制度はあくまでも勤労者が貯蓄額を自由に設定できるということで、年金融資の保険料とは全く異なった性格を有しておるという点がございます。したがいまして、貯蓄額を自由に設定し得るような制度におきまして融資額を貯蓄期間に比例させるということは、勤労者の公平という観点からは適切ではないというふうに考えております。
○永井委員 そのことは難しいということでありますけれども、いろいろなことを考えて、多角的 に検討するということがあってしかるべきだと思うのです。そのことは、単に年金融資の場合と違いますよということだけで済まぬと私は思いますので、これについてもやはり積極的に今後検討を進めてもらいたいと思います。これは要望しておきたいと思います。 さて、持ち家融資について、これも既に議論も出ておりましたけれども、大都市部では地価の高騰によって三千万、四千万では住宅取得など夢のまた夢なんですね。そう考えていきますと、現行の融資限度額三千万というのは大都市部においてはまさに非現実的そのものと言わざるを得ないと思うのでありますが、これを思い切って引き上げることはできないのか、お答えをいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 融資限度額について、言うならば地域によって貸付限度額を区分する、こういうような形のものになろうかと思うわけでございますが、これまた、ただいまさきの御質問にお答えをさせていただきましたように、財形貯蓄還元融資としての性格に照らしますと、やはり勤労者の公平を確保するという観点から、ただいまの御指摘をそのまま実現するということはなかなか困難ではないか、このように存じます。
○永井委員 大蔵省もそうですし、労働省もそうですが、制度をさらによくするためにという要望をいたしますと、この公平という問題が出てくるんですね。 では大臣、これまたとっぴもない話になって恐縮でありますが、例えば国家公務員が東京に勤めていらっしゃる、あるいは出先機関で言えば沖縄や北海道にも勤めていらっしゃるわけです。大都市では都市手当というものも存在はしておりますけれども、そんなにびっくりするほど手当がつくわけではない。しかし、日本の国民として日本の政府が発行する紙幣を、一万円札なら一万円札を給料でもらった場合に、北海道や沖縄やあるいは私の地元の兵庫県で使う場合と東京で使う場合と、住宅取得という関係からいえば、とにかく比較にならぬわけですね。同じ国民でありながら、私の地元で通用する一万円札と東京で通用する一万円札は全く大きさが違う。こんな不公平なことがありますか。その不公平な現実の中で、大都市などについては住宅取得が非常に難しいんだから、せめてそういう大都市だけにでも融資限度額を引き上げるべきではないかというのは、これは無理な注文なんでしょうか。大臣、どうでございますか。
○小里国務大臣 人口集中都市とのいわば環境条件の格差、そこを基準にしての先生のお話でございますが、なるほど実態としてはそのような状況である、こう思います。先生も先ほど若干触れておいでになりましたが、今回共同社宅用の住宅建設融資関係の制度をお諮り申し上げておりますが、これらがいわば先生が今御指摘になりました発想により絡む一つの考え方ではないか。大都市におきまする勤労者住宅問題大変至難でございますよ、その辺を少しでもひとつカバーさせていただいたなれば、そういう一つの精神も、趣旨も入っておりますことも申し上げられるのではないかと思う次第です。
○永井委員 重ねてこの問題について御要望申し上げておきたいと思うのですが、例えば年金住宅融資というのがありますね。この年金住宅融資の場合は、一般貸し付けのほかに特別貸し付けとして、少しは利子が高いのでございますが、そういう貸し付けの制度がございます。今の土地の事情から考えまして、やはり財形の方にも、そういう例も参考にしながら大都市部における勤労者の要望を満たしていくということを考えるべきときに来ているのではないか。この辺について、その制度面からもやはりいろいろな立場から工夫をしてもらいたい、こう思うのですが、再度お答えをいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 ただいま御指摘いただきました方法も一つの考え方であろうかというふうに思うわけでございます。ただ、財形融資の限度額、現行でもほかの公的融資の限度額よりも既にかなり高額になっている、こういう面がございまして、それ以上にこれを引き上げるということ、これはやはり限度額を引き上げるということになるとそれだけ返済もしなければならない、こういう面もございまして、家計の健全性を保つという意味合いからも、あるいはまた、他の公的融資との均衡という点からも慎重な対応を必要とする、このように思いますが、今後の研究課題ということにさせていただきたいと存じます。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○永井委員 積極的に研究をしてほしいと思います。私どもも、そういう立場から、研究の成果が上がるような御支援を積極的に申し上げたい、こう思っています。 いずれにいたしましても、財形制度の改正というものが、勤労者が非常に大きな期待を持ってきただけに、非常に高く評価できる部分もあるんですが、強いて言えば、さらにこの点は足りないではないか、今申し上げたように、非課税限度額の引き上げもそうだし、融資額の引き上げもそうだし、あるいは中小零細企業に対する国の助成を拡大するということもそうだし、いずれにいたしましても、四千万も五千万もいると言われている雇用労働者がこぞってこの財形貯蓄あるいは財形制度の恩恵が受けられるような、そして所期の目的が果たせるような、そういう頑張りをできるように、ひとつ今後の扱いも、法改正についても、制度改正についても積極的な対応をしてほしいと思うのです。 時間が来ましたので、まだ随分と質問事項が残りましたけれども、またあとは同僚議員に引き継いでもらうことにいたしまして、大臣の決意だけ聞いて、終わりたいと思います。
○小里国務大臣 まず、先生豊富な経験にお立ちいただきまして、財政、金融、税制、各方面より具体的に御指摘をいただきました。十分傾聴させていただいたところでございまして、今後の私どもの施策の参考にさせていただきたいと思います。
○永井委員 終わります。
○浜田委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十九分休憩 ────◇───── 午後二時十一分開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小松定男君。
○小松委員 日本社会党の小松定男でございます。午前中の永井議員の質問の残余と申しますか、重複しないで質問をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず最初に、共同社宅用の住宅融資関係についてお伺いをいたしたいと思います。 これは、御承知のとおり、大都市圏の住宅事情などを勘案いたしますと、住宅政策の抜本的な拡充を図らなければならない、そのことは政府の最大の課題であろうかと思います。中でも、低廉、良質な賃貸住宅の供給は大変必要であるわけでございますが、その意味で、共同社宅用住宅融資は一つの試みではあろうかと思います。ただ、ここで私が多少この問題を質問したいのは、本来勤労者の財産形成を促進するというこの融資制度のことに当たって、この融資というのは直接勤労者の財産となるようなものではないわけでございます。そこに若干の疑念があるわけでございますが、その点伺いたいと思いますが、この共同社宅用の融資制度と財形制度の目的との関係、これをどういうふうに理解したらいいのか、この点まず伺っておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 確かに先生御指摘のように、共同社宅用任宅の融資は直接勤労者を融資対象とするものではございません。今御指摘がございましたように、最近の大都市圏域におきます持ち家取得も非常に難しくなっている、在職中に持ち家をつくるということが非常に難しくなってきている。そうした中におきまして、勤労者としてみずからのよりいい生活を求めて自分の蓄積に励 む、そういう財形貯蓄を行っている勤労者を対象にいたしまして、在職中、良質かつ低廉な賃貸住宅を事業主の援助のもとで提供する、そしてその間、その住居に入居している間に勤労者が計画的、継続的な財産形成を行ってもらう、そして、例えば退職後持ち家を取得する、こういうふうな一つの居住スタイルの変化と申しますか、そうしたニーズにも財形制度としてこたえていく。そういう意味合いにおきまして、この融資制度が、勤労者の計画的な財産形成を促進する融資と、実質的にそうした形で少しでも持ち家取得につながる、そういう選択肢の一つとしてそういう方法も提供していこう、こういう考え方のもとに今般その融資制度の新設をお願い申し上げておるところでございます。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○小松委員 ただいま説明がございましたが、そうした趣旨に沿ってこの制度をするためには、低廉な家賃でこれを確保するということが必要ではないかと思います。 実は、一昨日、埼玉県におきまして、地元の埼玉新聞ですけれども、かなり大きな記事で、今住宅問題で特に空き家が大変少なくなっているということで、これはいろいろ原因があるわけですけれども、必要なアパートができても今までの大体六割か七割くらいしかできない、そういう中では、不動産屋さんでこれを店頭に出しますと瞬く間にいっぱいになってしまうという状況でありまして、このことは、先ほど来いろいろと発言されておりますように、持ち家ができない、なかなか難しいということで借家あるいはアパート、こういうことを求めるわけですけれども、それも大変数がないというような状況で、これは一面では、そのほかにも、家賃が非常に高い、こういうことになっておることも事実でございます。 そこで、この制度が家賃を低廉で貸すということをぜひ、この目的から、先ほどの説明からいってもそういうふうにしていただきたいと思いますが、果たしてこの家賃の補助についてどの程度を予定しているのか、このあたりをまず、先ほどの趣旨に沿っていくならばお伺いいたしたいと思います。
○廣見政府委員 御指摘の点につきましては、政令によりまして、事業主が建設主体から借り受けます家賃についてどの程度負担をしていただくかということを決める予定にいたしております。その率は、三分の一以上事業主が負担をするということを政令で決めたい、このように予定いたしております。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○小松委員 ぜひひとつ低廉な家賃でこれが活用できるように、強く要望しておきたいと思います。 そこで三点目でございますが、特に今社宅をつくるということ、これは大企業においてもあるいは中小企業においても人材確保のためには欠かせない問題でもございます。ところがこうした面におきますと、大企業は社員の厚生施設など含めてかなり中小企業から比べると進んでいるわけでございますが、特に私は、中小企業に働く人たちの低廉な家賃、これをこの制度を大いに活用してぜひやってもらいたいということをあわせまして、この点について労働省の考え方を伺っておきたいのでございます。つまり中小企業事業主にこれを賃貸すべきではないかというふうに考えるわけでございますが、この点についてはどういうふうに考えておりますか。
○廣見政府委員 社宅につきましては、企業内福祉の中でも特に規模間格差の大きい分野であるというふうに私ども思っております。そういう意味におきまして、中小企業は単独では社宅をつくることがなかなか難しいという事情にもあるわけでございまして、そういう点から、今回考えておりますような共同社宅は、まさに今先生御指摘のように中小企業を念頭に置く、中小企業を中心として考えるというのを制度の一つの大きなねらいといたしております。したがいまして、本融資により建設されます共同社宅用住宅は中小企業を重点に貸し付けることを考えてまいりたい、このように思っております。
○小松委員 ぜひひとつ、そういった配慮を含めてお願いをしたいと思います。 そこで、これに関連して今回、日経連タイムスですか、あるいは全国版にもかなり報道されましたが、日経連と連合でこの共同社宅といいますか共同住宅の問題については意見の一致を見たということで大々的に報道をされております。これは今日までこの問題が、地価の上昇やその他の原因によりまして社宅を社員に提供するにしても大変苦労があるということなど含めて、日経連も連合もたまたま意見の一致をこの点では見たのではないかというふうに私どもは理解をしているわけでございますが、そうした今回の計画に対しまして、これとの関連、この点についてはどういうふうに考えているのか、これもあわせて伺っておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 最近日経連と連合の間で、最近の傾向といたしまして、対立すべきところは対立する、しかし、一致して取り組めるような、そうした事柄については勤労者の福祉のために一致して取り組んでいく、こうしたスタンスなり傾向が出てまいってきておるわけでございまして、そうした中の一つのプロジェクトとして、共同で財団法人を設立して勤労者のための共同賃貸住宅の供給の促進なり、あるいはその建設、管理運営等の事業を行うことを計画しておられるということは私どもも承知をいたしておるわけでございます。 ここで計画をされております共同賃貸住宅は、複数の企業が借り上げてそれぞれの従業員に貸し付けるための賃貸住宅でございまして、まさにこの新たな融資制度の対象として想定をされているものと同じ性格のものでございます。したがいまして、日経連、連合が共同で設立しようとしている団体がその事業の一環としてみずから共同賃貸住宅を建設する、こうした場合におきましては、もちろんこの融資要件に適合していただくことは必要でございますが、その要件に該当するものであれば当然にこの融資の対象としていく、こういうことになるわけでございます。
○小松委員 せっかくこうした共同住宅の融資制度ができるわけですから、この機能を十分発揮させなきゃならない。そのためには今問題になっております、まず用地の確保にそれぞれ頭を痛めていることもこれまた事実でございます。そうした立場で政府も、公有地の貸与とか農地のあっせんとか、あるいは企業の遊休地、これらの活用などにつきまして積極的な役割を果たしてほしい、こういうような要望がございます。そうした点について政府の方はどういうふうにこれを考えているのか、用地、この点について伺っておきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 この共同住宅の建設につきましては、特に大都市圏という特性からいたしますと、やはり御指摘のように用地の取得ということが大きなかぎを握っているものと思うわけでございます。もちろん用地の取得は、基本的には今回認められました共同住宅の建設主体が自主的な努力によって手当てをしていくべきものである、このように思います。しかし、大都市圏におきます用地難、こういう実情を踏まえますと、この共同住宅の建設主体が用地の確保に非常に苦労をされるという事態も当然に予想されるわけでございます。私ども今後この制度の運用に当たりましては、労働省といたしましても、関係団体である雇用促進事業団、また、そうした共同住宅の建設主体との間で密接な連携を図りまして、さらには関係方面とも密接な連携を図って、そうした用地の取得というふうな面について側面的な、何と申しますか、所期の目的が果たせられるような努力というふうなものも必要ではないか、このように考えております。
○小松委員 それに関連して伺いたいわけですけれども、この共同社宅の建設に対する融資でございますが、この点で、これは特にそうした人たち、あるいはまた企業も含めていろいろと私どもの方にも要請が来ているわけでございますが、その利 子についてぜひ国の方で補給できないかどうか、少なくともこの融資の利率をせめて住宅金融公庫並みぐらいにしてもらえないだろうかというような意見も出ているわけでございますが、その点についてはどのように考えていらっしゃるのか。
○清水(傳)政府委員 この融資制度につきましては、性格として財形貯蓄の実施者に貯蓄の利益を還元をする還元融資制度、これが骨格の一つということにいたしておりまして、この共同社宅用住宅につきましても財産形成が困難な勤労者の財産形成を促進する、先ほど申し上げましたようなそういう性格として位置づけておるわけでございます。したがいまして、その利率につきましては財形制度の基本的な金利、これは調達金利であるわけでございますが、やはりこれを基本として考えていくことが適当である、こういう考え方のもとにおるわけでございます。 他制度との関連を見てまいりましても、我が国の社宅関係の融資につきまして、例えば住宅金融公庫の産業労働者住宅融資あるいは年金福祉事業団の住宅融資につきましても利子補給という形はとられていないわけでございまして、こうした我が国全体の住宅関係金利のバランスから考えますと、この際、このたびの社宅融資について利子補給、こういうふうな形をとることは適当とは言えないんじゃないか、このように考えておりますので、ひとつ御理解をちょうだいをいたしたいと存じます。
○小松委員 この問題だけやっておりますと時間がかなりたってまいりましたので、次に進んでまいりたいと思いますが、教育融資制度関係について伺いたいと思います。 子供の教育というのは今勤労者にとっては住宅問題とあわせて大変大きな負担になっておりますし、多額の出費を要しているわけでございます。そこで、今回提案されておりますのは従来の進学融資ということより一歩進めまして教育融資、すなわち在学中にもこれを融資をする、こういうようなことでは一歩前進を見た感がございます。しかし、まだまだ内容的には不十分な点もあるわけでございますが、私はここでこの教育融資の具体的な内容、この点についてまず伺いたいと思います。 そこで、まず第一に教育融資の対象ですね。これは従来は進学時だけだったわけですけれども、今回はそれを在学もあわせてやるわけでございますから、かなりそれなりの検討もされているわけであると思いますが、対象の点についてどの程度のことがされるのか、まずこの点を伺っておきたいと思います。
○廣見政府委員 今先生御指摘いただきましたように、今回私どもは従来の進学融資を拡大いたしまして、在学中の教育費用も融資対象とする教育融資に広げたい、このように考えております。 その際の具体的な融資対象でございますが、授業料であるとか施設整備費であるとかいったような教育施設に納付いたします資金、これは当然のことといたしまして、さらに学校への通学費あるいは下宿代といったような教育を受けるために必要な資金、こういうものも融資対象にしてまいりたい、このように考えております。こういうことによりまして実際の教育費用の大部分はカバーされるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○小松委員 その点の対象を広げるということはわかったのですけれども、ちょうどこれから入学の時期になりまして、せんだって私立大学の総費用がマスコミでもいろいろと報道されておりました。そこでは入学をするのに私立大学でも総費用が二百万円程度その年にかかるというふうに言われておるわけでございます。 そこで、枠を広げるわけですから、授業料だけではなしに、もちろん通学に対する経費、あるいはまた地方から東京の学校へ来ますと下宿もしなければならない、そういったことも含めますと大変な費用もかかるわけでございますが、そのあたりも含めてこの対象になるのか。極端なことを言うならば、通学をするにしても、今新幹線なら例えば宇都宮から東京まで通うのに一時間程度で通えますから、下宿をするよりも家から通わした方がいいというようなケースも出るわけでございますが、そうした際にもこの枠が広げられてきているのかどうか、このあたりをお伺いしておきたいと思います。
○廣見政府委員 教育融資がどの程度まで融資をなし得るのかということでございますが、基本的にはこれは還元融資の一つでございますので、それぞれの勤労者の貯蓄残高と関係させておりまして、貯蓄残高の五倍までということにいたしております。ただ、そのときに限度額が問題になります。現在の進学融資の限度額は三百万円ということにいたしておりますが、先ほど御説明申し上げましたような融資対象の拡大を行いますので、これを四百五十万円に引き上げたい、このように考えておるところでございます。そういった中で具体的に、これまた先ほど申し上げましたが、通学あるいは下宿に要する費用も一定の審査を経て融資対象とされていく、このように考えますので、このような限度額の中で個々の融資が行われていく、このようになると理解いたしております。
○小松委員 そうしますと、限度額の範囲においては私が先ほど指摘したような点は一応理解してよろしいのですか。要するに三百万を今度四百五十万にするわけですが、その限度の範囲内ではそういうことまでも一応枠内として考えていいのか。そういうふうに理解していいのか、ひとつ伺っておきたいと思います。
○廣見政府委員 基本的には枠を抑えるということでございますので、その中で下宿代あるいは通学費は基本的には対象になるということでございます。ただ、例としてお挙げになりました通学ということについて、現実にどこまで範囲として認めた方が適当なのかという問題は若干残るかと思います。非常に遠方からの通学ということになった場合はどうすべきかという問題は残るかと思いますが、このあたりの具体的な細目の詰めは今後にいたしていくということでございますので、基本的な考えは今申し上げたとおりでございます。その中で、さらに御指摘等の点も踏まえ十分検討してまいりたい、このように考えております。
○小松委員 その点で、今度限度額が四百五十万に拡大をされました。そうしますと、いずれにしても、これは勤労者が借金をするわけでございます。大変負担も多くなるわけでございますが、これも従来と比べますと、今度は据置期間も幾らか延びたようでございますが、この点の償還期間を長くするということ、そして、返済の負担をできるだけ軽くしてもらいたいというような声もあるわけでございまして、そうした制度の有効的な利用と返済するに当たっての利便をぜひ考えてもらいたいということもあわせて、この点についてはどのように考えているのか、伺いたいと思います。 〔委員長退席、石破委員長代理着席〕
○澤田説明員 御説明申し上げます。 現行の進学融資制度につきましては、その償還の考え方として、それを借り入れた勤労者が通常の生活をしながら適切な負担で返済を可能とするよう五年という期間を設定しております。今回、教育融資に拡充することにかんがみまして、限度額の引き上げ等ございますので、償還期間を一年延長いたしまして原則六年ということにいたしております。なお、国民金融公庫の方でも現在進学融資というものを制度化しておりますが、財形法の改正と同じように、国民金融公庫法の改正を国会に御提案しておりまして、その中で国民金融公庫としての教育融資を設けるということにしておりますが、そちらの方も償還期間は原則六年ということになっております。それで、償還期間は長ければ長いほど負担が軽いというわけではございませんで、償還が長くなりますと、返済する元利合計がふえるという面もございまして、もう一点、教育融資は無担保融資でもあるということでございまして、償還期間にはおのずと限度があろうというふうに考えております。
○小松委員 確かにそういう見方もあるわけでございますが、場合によると、返還しながら在学を しなければならないというようなこともあるわけでございまして、これを借用する立場からいえば、せめて働き出してから返済をしたいという人もおります。その場合には据置期間というのがありますから、そういうことも多分とれるのだろうと思いますけれども、そういった立場において、この在学中に対しての猶予といいますか、この点はそういう考えでよろしいのですか。
○澤田説明員 現在の進学融資では据置期間は一年ということになっておりますが、今回、教育融資に拡充することに伴いまして最大四年という据置期間を設けたいと思っております。 それでその趣旨は、先生御指摘のように、大学生でありますと、卒業してから本人が返済に参加することが可能となるようにという意味を込めております。ただ、これは元金の返済を最大四年据え置くということでございまして、金融の通常のルールから申しますと、据置期間中でも利息は返済する、その方が後年度の返済負担が少なくなるという点で、そこはお願いいたしたい、かように思っております。
○小松委員 次に進みますけれども、今度中小企業の勤労者の対策関係に移らしていただきたいと思います。 これは中小企業勤労者の福祉向上を図るために中小企業勤労者福祉サービスセンターというのがありますけれども、ここでの財形貯蓄契約を認めてもらいたいというような要望が寄せられておりますけれども、これについてどういうふうに考えているのか、伺っておきたいと思います。
○廣見政府委員 今先生お尋ねの中小企業の福祉サービスセンターでございますが、これは労働省といたしましても、こういったようなセンターを通じて中小企業の従業員の方々の福祉の増進が図られるようにということで補助金制度も実施しておるところでございます。 ただ、お尋ねの財形制度との関係でございますが、特に財形貯蓄ということになってまいりますと、この一つのポイントは、事業主が賃金を控除し、本人にかわって金融機関に払い込むというところにございます。そういう意味で、労働基準法等の要請もございまして、勤労者を雇用している立場の事業主がみずから責任をもって行う必要があるということにあるわけでございます。その雇用している事業主が財形貯蓄契約にかかわっていくということでございます。したがいまして、賃金を支払う立場にはない中小企業勤労者福祉サービスセンターが事業主にかわって財形貯蓄契約等を行うということは大変困難な面があるということになるわけでございます。
○小松委員 今度は特に中小企業の問題に移っているわけですけれども、この財形貯蓄制度の導入ということに関して、その率が大変規模が小さくなればなるほど加入率が少ないということだろうと思うのです。この点については、中小企業に働く勤労者にとってもそれだけの劣悪な労働条件の中で働いておりますし、ぜひこの加入の、導入率を高めてもらいたい、零細企業まで含めて高めてもらいたいということでお伺いしたいわけでございますが、その状況が一体どういうふうになっているのか、そして、その対策がどういうふうに講じられているのか、この点について伺いたいと思います。
○清水(傳)政府委員 財形制度の普及状況を規模別に比較をいたしますと、財形貯蓄制度、融資制度あるいは給付金・基金制度、いずれも企業規模間に格差が見られるわけでございます。一千人以上で見てまいりますと、例えば財形年金貯蓄を行っている割合というのが八七%でございますが、百人未満でございますと四〇%弱とか、それぞれの制度でそうしたかなりの差が見られるわけでございまして、中小企業に対しまして政府の普及促進ということは非常に重要な課題である、このように考えております。 従来とっております施策といたしまして、例えば財形持ち家融資制度につきましては、中小企業の勤労者については特別の利子補給制度を設けておるわけでございますし、また財形給付金・基金制度を導入した中小企業についてはこれまた助成を行っている。さらに、中小企業団体を通じまして財形制度の普及促進事業、これは一定の委託費を組みまして中小企業団体が傘下の企業に対して財形制度のPR、普及、周知、加入促進、こうしたことを団体を通じて行っていく、こういう事業を行ってまいってきておるところでございます。また、今回の制度の改善におきましても共同社宅用住宅融資、これは中小企業勤労者を重点として実施をすることといたしておりますし、財形給付金なり基金制度につきましても、受給要件の緩和を図り、あるいは満期となりました給付金を財形に導入をする、こういう措置をとられる中小企業に対しては助成率を高める、こんなふうな措置を行うことといたしておりまして、こうしたことを総合的に行ってまいりまして、中小企業への普及ということを一層進めてまいりたい、こういう考え方でございます。
○小松委員 労働大臣にこの問題についての決意といいますか、これをお聞きしたいわけですけれども、ただいま説明がありましたように、中小企業、零細企業へ行きますとだんだん加入率が低くなっているというのは御承知のとおりであります。そういった立場でぜひ普及について大臣の決意を確認をしておきたいと思いますので、ひとつその決意をお聞かせいただきたいと思います。
○小里国務大臣 まず、先生先ほどから今次の新制度執行について、この段階で基礎的にきちんと整理しておかなければならない数多くの問題を系統立てて解析をし、また問いただしていただいておりまして、非常に感謝申し上げておるところでございますが、中でも、ただいま中小企業に対する制度の導入が大変鈍い、これをどういうふうに改善措置するかというお話でございますが、大変ごもっともな御注意でございまして、全勤労者中、中小企業に所属する勤労者がおよそ八〇%という実態から見ましてもまさに御指摘のとおりでございまして、特に今次の財形制度審議会答申がありました前後を見ましても、制度に対する直接的な御提言、同時にまた、ただいま御指摘の中小企業に対しては格別努力を払うべしという提言などもいただいておるところでございまして、御指摘のとおり十分留意をしながら努力を払っていきたい、かように考えております。 〔石破委員長代理退席、委員長着席〕
○小松委員 大臣の決意をお聞きしましたので、ぜひそういった前向きの積極的な形でこの点については取り組んでいただきたいと思います。 そこで、この財形融資全体の額ですけれども、たしかこれは十四兆円近くという午前中の説明もございました。いわゆる財形融資が勤労者のために使われるというのは、たしか三分の一程度だと思います。ところが、私どもがいろいろとお聞きいたしますと、この三分の一も本来使われていないというふうに伺っているわけでございますが、せっかくそういった三分の一を勤労者の融資制度として使えるわけですから、それをぜひそのようにしてもらいたいと考えるわけですけれども、この点について活用の仕方、PRの仕方、こういった点をあわせて、それから、今私が申し上げましたようにどの程度これが活用されてきたのか、割合も含めて、できたらお聞かせいただきたいと思います。
○廣見政府委員 今先生御指摘のように、確かに財形貯蓄全体といたしますと貯蓄残高約十四兆円近くになっておるわけでございますが、それを原資といたします融資、これは今までの累計で一兆円強というところになっております。融資制度といたしますと、三分の一まで調達して融資し得るという仕組みでございますので、こういったような点も考えながら、さらに一層融資制度が有効に活用されますよう、今回も今まで述べてまいりましたような幾つかの改善を行っておるところでございますが、そういうものの有効な活用ということも含めまして私どもも一層努力してまいりたい、このように考えているところでございます。
○小松委員 そうすると、確認いたしますけれども、原資としては、実際に使われて利用されてい るのは一兆円ということで、本来の枠というのは幾らなんですか。
○廣見政府委員 融資の制度といたしますと、貯蓄残高の三分の一まで調達し得るということになっております。したがいまして、融資の希望申し込み等がございますと、三分の一に達するまで、先ほどの例で申し上げれば十四兆近い総額がございますので、その三分の一ということになりますと五兆弱というところまでは、御希望その他がございましたらそれにこたえて融資していける、こういう制度でございます。現実は、今までの融資をしました現実の総額が一兆円強という状況になっておるわけでございます。
○小松委員 そういたしますと、実際の枠から見ると、実際にこれが活用されているのは約五分の一、五兆円近く枠としてはあるわけですから、それが一兆円程度しか活用されていないということにとれるわけですけれども、その原因は、何かいろいろ問題がそこにはあるのじゃないかという気がしてならないわけなんですが、その点はどういうふうに理解しているのでしょうか、この点ちょっと伺いたいと思います。
○廣見政府委員 融資の現状は申し述べたとおりでございますが、これは基本的には還元融資という性格から調達金利でもってお貸しするというのは基本的な原則でございます。この調達金利の考え方、とり方、技術的な問題もございます。いろいろ従来努力してまいりまして、六十二年のときにかなり大幅な改善をいたしました。具体的には、債券と短期借り入れを混合する、ブレンドすることによって調達金利を算定するという方式に変えまして、従来よりも調達金利をかなり下げることができたわけでございます。そういうようなことによりまして、最近、いろいろな実際の需要もございますが、例えば持ち家融資について見ますと、ここ二、三年かなり各年倍ぐらいになるような勢いで伸びておるわけでございます。そういったようなことで、制度の改善あるいは使いやすくしていくということもこの融資を活用していただけるということに結びついていくわけでございますので、先ほど申し上げましたように、今回の制度改善と相まって一層努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○小松委員 大臣、今お聞きのとおりなんです。ですから、PRなりあるいはその活用のやり方なりを工夫すれば、今も二倍ぐらいに上がってきたと、しかし二倍に上がっても、今私が指摘したとおりしかまだ活用されておりません。したがって、そういうPRなりいろいろな点についてもっともっと積極的にやる必要があるのではないかというふうに私は理解をするわけですけれども、この点についても大臣の決意をひとつお聞きしたいと思います。
○小里国務大臣 御説明申し上げましたように、だんだん融資枠は拡大の方向に進みつつはございますけれども、しかし、分母の十四兆という金額からいたしますと、ただいま先生御指摘の感覚なりあるいは勤労者の立場からの要求度合い等にもよるかと思うのでございますが、まだいささか距離がある、そういう感じを受けます。お話ございましたように、あくまで勤労者財産形成のための還元融資でございますから、その辺を基本的によく踏まえながら、なおかつ、また新しい勤労者のニーズと申し上げますか、それらに的確にこたえるためにはいかなる対応を措置するべきか、よく検討いたしたいと思います。
○小松委員 それで、これのあとの約十兆円近く、いわゆる三分の二は、扱っている金融機関あるいは保険会社等がこの金をいろいろ運用しているわけでございますが、この三分の二の運用の仕方、これは全部お任せをしてしまってあるのかどうかわかりませんけれども、大体流れとしてはどういうふうにこれが使われているのか。私が若干危惧するのは、今回土地の異常な値上がりで、金融機関が非常に責任があるわけなのですね。こういうところに金をどんどんつぎ込んでおったために、大蔵省からその点をブレーキかけてもブレーキがかからない。一方、金が余っていますから、こういう財形貯蓄なんかでも。そういうところにどんどん使われたり、あるいは外国へ持っていって、そして外国なんかの資産に投資したりしている。これは別に使ってはいけないという規定があるわけではございませんから、そういった点で自由にこれを使っているのだろうと思うのですが、そのあたり、どういうふうにこれが活用されているか、もしおわかりになれば、ひとつ聞いておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○澤田説明員 先生のお尋ねに的確にお答えできない面がございますが、財形法の仕組みといたしましては、金融機関に集まっております貯蓄残高の三分の一までを雇用促進事業団が資金調達できる、資金調達の仕組みは先ほど部長から御説明いたしましたように、債券発行と短期借り入れのブレンド方式で、住宅融資で申しますと、通常の市中の住宅融資は長プラ連動ということで動いておりますが、財形の調達金利はそれよりかなり低い、いわば低利で調達をするということで、勤労者が貯蓄をしたということのメリットをそこで一部勤労者に還元しているということが言えると思います。 残りの三分の二あるいは現実にはそれ以上になっておりますが、それは金融機関が通常の預貯金と同様の運用をしております。財形法上、財形貯蓄だけを別管理するという規定にはなっておりませんので、私どもとしては、それがどのように運用されているかわかりませんが、一般的な考え方で申しますと、金融機関の運用益が財形貯蓄の利子の方に反映されている、こう考えております。 それからなお、先生の御指摘ございました各種投資活動等に回るのではないかという点につきましては、大蔵省の銀行局の方で金融機関の適正な融資行動のあり方について日常的に指導されておるということで、そちらの方に私どもとしては大いに期待をしておるという点でございます。
○小松委員 ちょっと端的に聞きたいのですが、今財形貯蓄の方の利率が非常に高いということで、還元しているということを言われたのですが、最近銀行あたりでも、MMCなんか、スーパー関係でいきますとかなり六%を超えているのですが、この利率と比べてどうなんですか、今現在のこの利率というのは。
○澤田説明員 御説明申し上げます。 財形貯蓄につきましてどういう金利がついているかについてお話しいたしますと、取扱金融機関によって大分違っております。都銀、地方銀行等のいわば短期中心の貸出金融機関におきましては、三年物定期預金とほぼイコールの金利ということになっておりますし、長期信用銀行とか証券会社、生保等はそれより若干高い金利ということになっております。財形年金貯蓄あるいは財形住宅貯蓄につきましては、都市銀行系の金利と長信銀、生保、証券等との金利に格差がございますので、そこを埋める意味で、都銀では、財形住宅貯蓄、財形年金貯蓄については特別の金利の上乗せを行っておるという形で、財形貯蓄勤労者への還元も一部なされておる、こういうふうに理解しております。
○小松委員 時間もあと二、三分しかございませんので、最後に、これは一応大臣に質問しておきたいと思うのですが、いろいろと今質問してまいりました。この法律の第四条に、勤労者の財産形成政策基本方針というのがございます。すなわち労働大臣、大蔵大臣、建設大臣もそうですけれども、これに当たっては、勤労者の財産形成に関する施策の基本となるべき方針を定めるものとする、こういうふうに明記されております。これの第四項に、この明記されております規定は、策定し、公表されなければならないということが明記されておるのですけれども、これについてどういうふうになっているのか、最後に。
○小里国務大臣 先生もただいま御発言の中でお触れいただきましたように、今次の答申を受けまして、そしてまた制度の改正を行う、それで万事これよしとして完了するものではなくて、これからも引き続きただいま先生御指摘の基本に立って検討を進める、そういうような一つの流れになっ ているかと理解をいたしているところでございます。 先ほどもお答え申し上げましたように、また先生の数多くの御指摘などいただいたようでございますが、決してこれが完全無欠な制度であるとは考えておりませんし、そのような実態等から考えましても、さらにあしたの前進を期して努力を払ってまいりたい、かように考えております。
○小松委員 以上、質問を終わります。どうもありがとうございました。
○浜田委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 今回の法律の改正は、昭和四十七年の一月と承知しておりますがこの財形制度が発足をしまして、それ以来、数次にわたる改正があったわけでございますが、第七次の改正であると思います。この改正のたたき台になっているのは、勤労者財産形成審議会が昨年の十二月十八日に行った建議を踏まえたものである、このように私は理解をしているわけですが、この建議が今回の法案にすべて映し出されているのかどうか、端的に申し上げまして、百点滴点で何点くらいの法案になっているのかどうか、まず大臣の所見を伺いたいと思います。
○小里国務大臣 先生も御承知のとおり、公労使三代表による審議会におきまして、公正にかつまた積極的に前向きの姿勢で御検討いただきました一つの建議を得まして、それらを基本にいたしまして私どもは対応をいたしたつもりでございます。率直に申し上げまして、建議の数多くにわたる重要な項目を丹精込めまして検討し、具体的に改正素案の中に、原案の中に導入をした、こういうふうに私どもは認識をいたしておるところでございます。しかしながら、きょうも午前中の当委員会でお話がございましたように、他の法律にかかわる事項、問題等で、一つ二つ御期待にこたえられなかったのかな、そういう感じがしないでもないところでございます。 申し上げるまでもなく、租税特別措置法にかかわる年金あるいは住宅等の課税限度額五百万の引き上げの問題等は、私どもも大変気にかかるところでございまして、これらの事項を除いてはおおむね審議会の建議を基調にして十分前向きで検討さしていただいたつもりでございます。
○遠藤(和)委員 この財産形成制度、これは当然労働省が主管をしているこの法律で運用しているわけでございますが、制度というのは、やはり他の役所が所管しているいわゆる租税特別措置法の範疇のものですね、それも全部踏まえた上で労働省がリードしていくべき立場にある、こういうふうな理解のもとに私は質問さしていただきます。 先ほどの勤労者財産形成審議会が行った建議によりますと、「大都市圏を中心とした勤労者の住宅問題への対応」ということがまず一番に書かれております。「第一に、持家取得のために必要な自己資金の額が、最近急激に上昇していることを踏まえ、財形年金貯蓄と合わせて五百万円となっている財形住宅貯蓄の非課税限度額を大幅に引き上げる必要がある。」このようにまず第一の項目に挙げているわけでございますが、これが今度の租税特別措置法の改正には盛り込まれませんでした。甚だ遺憾であると思うのでございますが、この非課税限度額を例えば五百万円ではなくて一千万円にするとか、そういうふうな主張というものは労働省としてきちっと予算折衝の間で行ってきたのかどうか、これを確認したいのでございます。それから、大蔵省が何でこれを頑強に認めないのであるか、これも、大蔵省さんは後で聞きますけれども、労働省が努力したのかどうかということをまずお伺いさせていただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 財形年金貯蓄、財形住宅貯蓄の利子の非課税限度額の引き上げにつきましては、財形審議会の建議もいただいたところでございますし、昨年末、関係方面との折衝、最重要課題の一つとして最大の努力も行ってまいったわけでございますが、結果といたしまして、今般の税制改正におきましては引き上げの実現を見ることができなかったわけでございます。 現段階におきまして、貯蓄額が非課税限度額の五百万、この限度額近くに達している勤労者が必ずしも割合として多くはいない、あるいはまた一人当たりの平均貯蓄額が百万円前後というふうなところで、現時点ではさほど高くはない、こういったこと、あるいは他の非課税制度とのバランスの問題等もあったのかと思うわけでございますが、こうした状況で実現を見ることができなかったわけでございまして、その過程におきましては私どもといたしましても最大の努力を傾注したわけでございますが、結果としてこういう事態になっておるところでございます。 ただ、御指摘のように、最近のような土地価格の上昇あるいは高齢化社会を迎える中で、勤労者のストックという面についての自助努力、これについて引き続き援助を行っていく、そういう必要がある状況下にあると思うわけでございまして、さらに今後とも努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○遠藤(和)委員 この五百万円の非課税額ですけれども、昭和四十九年以来ずっと据え置かれているわけですね。その間、大蔵省は何で据え置いておるのか、その具体的な理由をこの際明らかにしていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。
○黒田説明員 ただいまの財形住宅貯蓄非課税限度額につきましてのお尋ねにお答えいたします。 御案内のとおり、一般の預貯金の金利というものは現在原則課税ということになっておりまして、その中で勤労者の方に限って今申し上げた住宅貯蓄について年金貯蓄と合わせて特に元本五百万円まで利子を非課税にするという扱いをしているわけでございます。そういう意味で、いわば勤労者に対する特別の配慮であるということが第一でございます。 そこで、今お尋ねの非課税限度額の引き上げということにつきましては、当然今申し上げたような勤労者に限っておるということから申しまして、利子非課税制度を利用できない方々とのバランスということもございます。そもそも利子というものについての課税の問題ということもございます。したがいまして、こういった全体的なバランスに配慮する必要があるということが第二の点でございます。 いずれにいたしましても、御案内のとおり昭和六十二年の九月に成立いたしました所得税法等の改正法の附則におきまして平成四年に利子課税は全般的に見直すということになっておるわけでございまして、大蔵省といたしましても、この見直し規定の定めに従って対処してまいりたいというふうに考えております。
○遠藤(和)委員 その見直しの仕方なんですけれども、二通りの考え方があると私は考えています。一つは、五百万円の非課税限度額を例えば八百万円にするとか一千万円にするというやり方です。それからもう一つは、今の制度は五百万円を例えば一円オーバーしても、根っこから全部その利子には二〇%の課税がかかるわけです、これを直して、五百万円を超えた分だけ二〇%利子課税をする。こういう二つの選択があると思いますけれども、大蔵省の考え方はどちらの方がよりやりやすいと考えておりますか。
○黒田説明員 お答えいたします。 御案内のとおり、この制度は勤労者に限って、しかも貯蓄先を一種類一店舗という形で限度管理が適正にできるという担保のもとで行われている制度でございます。その趣旨は、御案内のとおり、勤労者に対して少額と申しますか、五百万円が少額というのはいろいろ御議論あろうと思いますけれども、いわば一定額までの預金についてそういう非課税を認めようという趣旨でございますので、それを超えて大きな貯金を積み増していくという場合まで非課税を認めるということは適切でないということで、そういう限度を超えるような預金については全体として非課税ということを認めないという基本的な考え方に立っておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 大蔵省の現時点での言い分はよくわかるわけでございますが、見直しという話を されたものですから、見直しはどういう方向で見直すのかということを私は伺っているわけでございまして、五百万円の上限を六百万円、七百万円、八百万円あるいは一千万円にするという手法をとるのか、あるいは五百万円を超えたら根っこからかかるわけですね、これを、五百万円を置いておいて、その超えた分だけ利子課税する、こういう手法をとるのか、どちらの選択を大蔵省としては見直し時点で考えますか、こういう質問でございます。
○黒田説明員 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、この法律の規定で平成四年に見直すということになっておりまして、ただいま委員がお述べになったような御趣旨もございますし、先ほど私が申し上げた、これまでの大蔵省としての考え方というものもございますし、現時点でどういった方向で見直しをするというふうに大蔵省として決めているわけではございませんので、いろいろな御意見を伺いながら平成四年に見直しをしてまいりたい。ですから、その内容について、今の時点で大蔵省として決めているわけではございません。先ほど申し上げましたのは、これまで私どもが考えておった制度の趣旨はそういうものであるということを申し上げた次第でございます。
○遠藤(和)委員 先のことでございますから、今直ちにこういう選択があるということは恐らくお答えにくいことであるということは私もよく理解できます。ただ、見直しをするということを言明されましたから、これは、こちらといたしましてはよりよい方向に見直しをするのであろう、ということは今のままの五百万円を据え置くということはまずないだろう、このように理解してよろしゅうございますか。
○黒田説明員 現時点で見直しの内容について大蔵省として確たる成案がございませんので、ただいまの御質問に適切にお答えするということは大変難しいわけでございますが、委員の御指摘のような意見が当然出てくるということはあろうかと思いますけれども、まあ引き下げという議論はなかなかないと思いますけれども、利子課税全体についてどういう制度にするかということとも当然関係してまいりますので、非課税制度それから利子課税全体のあり方、課税利子についての制度のあり方まで含めた議論があろうかと思いますので、この五百万円の限度についてだけ据え置きとかあるいは引き上げといったことについて現段階で確たる方向をお示しする立場にないということを御理解いただきたいというふうに思います。
○遠藤(和)委員 もともとこの財形法が発足した趣旨は、昭和四十一年に勤労者財産づくり懇談会というものを労働省がおつくりになりました。そして、まず労働者の住宅不足の解消をしよう、こういうことから始まったわけです。したがって、この財形法というのは、昔も今も、またこれからもやはり持ち家政策というものを中心に据えていかなければならないと思います。最近地価の高騰等がありまして、労働者が持ち家を取得することが本当に困難な状況にはなっていますけれども、そういう状況の中でも、持ち家政策を放棄したのでは財形制度そのものの崩壊を招きかねない、このような危惧を持っているわけでございます。 この審議会の建議にもございましたけれども、まず第一にと言っていることから、いつも忘れないで労働省としては頑張っていくことが大事だと思うのです。持ち家制度には非課税限度額の上昇それからあるいは融資制度だとかいろいろなことがございますけれども、今も大蔵省さん、平成四年度に見直しを行うというふうなお話もございますし、第一の課題である非課税限度額のさらに上昇、これを目指してぜひ頑張ってもらいたい。 最初に恐縮でございますが、持ち家政策、この充実に向けてこの財形制度をさらに推進していくという大臣の断固たる決意を伺っておきたいと思います。
○小里国務大臣 先生のお話しいただきましたように勤労者の住宅難は大変深刻ですよと。これを何とか打開しようじゃないか、このいわゆる大きな課題というものが俎上に出てまいりまして、大変長い沿革を持っているな、そういう感じを受けております。もとより私は素人でございますけれども、ただいま先生お話しのとおり昭和四十一年前後、勤労者財産づくり懇談会というのを労働省が提唱いたしまして、それから先輩各位いろいろな角度から御検討いただきまして、そして、それがやっと昭和四十七年にこのような制度の開幕となりました。そして今日に至っておるわけでございますが、いろいろな項目について改善措置が行われてきておるところでございますけれども、今回で七回目。しかし、先生がおっしゃるように、なるほど持ち家制度を促進する基本的な要素の一つと思われるその課税限度額の問題、確かに昭和四十九年に改正いたしまして今日までそのままだという状況でもございますし、私どもは、先ほどいろいろ答弁もございましたが、それはそれなりに国の財政あるいは予算という全体から考えましてのお考えもおありであろうと思うわけです。同時にまた私どもは、勤労者の住宅というものを、おっしゃるように大根幹に据えましての制度でありますから、鋭意努力をいたしまして、そして今日もう本当に内外の世論も高まっておりますから、しかも平成四年という一つの制度見直しの手続も設定されておるわけでございますけれども、このこと自体が今度の通常国会が終わったら直ちに作業を開始しなければ間に合わないわけでございますから、そのような意味合いにおきましても、私どもは積極的に、集中的に、この問題につきまして関連機関とも相談をしてまいりたい、かように考えております。
○遠藤(和)委員 それでは法律の改正に即して具体的に伺いたいと思いますが、今度の法律改正で共同社宅用の住宅融資制度を創設いたしました。これは具体的な姿として伺いたいのでございますが、この制度を新設することによりまして、例えば東京都下に三LDKの共同社宅ができます、それは大体家賃が幾らぐらいを想定しています、そして家賃補助は幾らぐらいになります、したがって、勤労者の皆さんは実質自分が払うのは幾らぐらいで入れます、こういうような具体的な姿を、モデルケースで結構ですが、示してもらいたいと思います。
○廣見政府委員 お答えいたします。 今のお尋ねの件でございますが、確かに先生も申されましたように、立地条件であるとか、あるいはいろいろな条件が異なりますと家賃も異なってまいりますので大変難しゅうございますが、標準的なケースというふうにも御指摘がございましたので、東京都下におきまして六十平米程度の住宅、これを自己所有地に建設する、こう仮定いたしまして全く標準的に計算してみますと、月額十三万円程度のものが試算されるわけでございます。また、借地に建設すると仮定いたしまして試算いたしてみますと、月額が十七万円程度のものが計算できるわけでございます。一方、家賃の補助、事業主の援助につきましては、三分の一以上負担してほしいということを義務づける予定でございますので、一応その最低の三分の一の補助がある、こう仮定いたしますと、今申し上げました十三万円であれば勤労者の本人が負担される月額は九万円程度、それから借地に建設した十七万円ということを仮定いたしますと、御本人の負担は十一万円程度、こういうことに計算ができるわけでございます。
○遠藤(和)委員 その家賃補助制度でございますけれども、法案を読むと家賃補助という言葉は明言がないのですね。恐らくここで読むんじゃないかと思うのですが、法案の第十条の三、「事業団の行う進学融資」を「事業団の行う教育融資等」に改正し、共同社宅用住宅建設主体となる事業主団体、福利厚生会社、日本勤労者住宅協会に対しても融資することができることとしている、そして資金の貸し付けは、「雇用する勤労者の財産形成を援助するための計画を作成しており、」「住宅の貸付けを受ける勤労者の負担を軽減するために必要な措置として政令で定める措置を講ずる事業主に対して、当該住宅を貸し付けることとしてい る場合に限り行うものとする。」、こういうふうになっているわけですね。これはちょっと「等」の中に含めているというものも問題なんですけれども、この「勤労者の負担を軽減するために必要な措置として政令で定める措置を講ずる」、ここの中に家賃補助制度、このように理解していいわけですか。
○廣見政府委員 御指摘のとおりでございまして、今先生がお読みになりました条文のところで、事業主が家賃を負担するという負担軽減の措置を書いてあるということでございます。
○遠藤(和)委員 私は何でも政令に任してしまうというのはおかしいと思うのですね。家賃補助制度の導入というものをやはりこの際法律で明記すべきではなかったのか、こう思うわけでございますが、この政令の案はどのようなことを考えておりますか。
○廣見政府委員 政令につきましては、事業主が建設主体から借り受けます家賃の三分の一以上を勤労者のために負担するという趣旨を書きたい、このように予定いたしております。
○遠藤(和)委員 それで、もしこの三分の一以上を負担しない場合のペナルティーとか、あるいは家賃補助制度の担保の仕方はどういうふうになるのでしょうか。これも政令ですか。
○廣見政府委員 今お尋ねの担保ということでございますが、この共同社宅用住宅の融資はあくまで還元融資の制度でございます。したがいまして、貸し付けるということの契約を通して実質的には違反のないような形を担保していきたい、このように考えております。具体的には、融資を受けましてこの共同社宅用住宅を建設する建設主体が事業主にそれを貸すわけでございますので、そこに一つの契約がございます。その契約の中で、事業主がさらにその雇用する勤労者に貸す家賃の軽減措置を明記していただく、こういうことで契約を通すことによって、しかるべき違反措置条項等も含め、これによって実質上の担保をしていく、このように考えているところでございます。
○遠藤(和)委員 その契約が妥当であるのかどうかというのはどこで判断をするのか。それは融資をする人ですね、雇用促進事業団でしょうか、そこが、労働者と中小企業の皆さんが賃貸契約を結ぶ、これが明らかに三分の一以上の家賃補助制度を導入しておるかどうか、これを全部見た上で雇用促進事業団が適正と認めたものについては融資をする、もしそれが適正でなければ契約違反ということでペナルティーがある、こういう形になるのですか。
○廣見政府委員 御指摘のとおりでございます。雇用促進事業団が建設主体に融資をする、第一段階はそこから始まりますので、雇用促進事業団が実際の融資に当たっていろいろ審査をする、そのときの融資の条件ということになるわけでございます。さらに、それを借り受けて建設した建設主体は事業主に貸していくということで、契約を通して実行上の担保がなされていくということでございます。
○遠藤(和)委員 わかりました。 あと、この法律が施行されるというのはことしの十月一日と書いてありますけれども、これができますと、例えば今の共同社宅が大体毎年どのくらい建設されるのか。初年度の予算に準じて戸数が決まると思いますけれども、大体毎年どんなペースでふえていくのか、計画の概要を教えてください。
○廣見政府委員 共同社宅用住宅の融資につきましては、平成三年度の途中からの法施行ということを考えておりますので、この事情も勘案いたしまして同年度中に、三年度中に八百戸程度の融資枠を見込んでおるところでございます。
○遠藤(和)委員 次に、財形進学融資制度について聞きたいのですが、今回の改正で入学時の費用だけではなくて在学中の費用についても融資をする、こういうふうな制度に拡充されたことは評価できるわけでございますが、少し利子が高いのではないかと私は思うわけでございます。 それからもう一つは償還期間の問題ですけれども、これが六年、しかも在学中の四年間は据え置きになるわけですが、据え置きの期間も利息を払わなければいけない、こんな状態になっているわけですね。これは例えばこの利息を雇用促進事業団の調達金利程度にする、程度にするといっても、これ以上低くはできないと思いますけれども、例えば七・一七%に置くとか、あるいは据置期間を在学中は完全な据置期間にして利子払いもなしにする、あるいは六年というのを十年にする、こういうふうに考えるべきであると思いますが、そこら辺の考え方はどういうふうになっていますか。
○廣見政府委員 教育融資の金利の問題でございますが、確かに私ども想定いたしております教育融資制度の金利は、現在の進学融資の金利と同様の、現在の利率で申し上げれば八・五八%ということで、調達金利よりも若干高い金利を想定いたしておるところでございます。これは進学融資が住宅関係の融資と若干性格を異にする面もございまして、融資の技術的な点もございますが、住宅を担保とすることはできないというようなこと、それから、この融資の資金を確実に回収していく必要がある、こういうためには融資を受ける勤労者にある程度のリスクを負担していただく必要があるというようなこと等を考えまして、この制度の性格上から今申し上げましたような利率で運用してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 担保に対する考え方なんですけれども、要するに住宅に融資をするときは調達金利でする、それは担保があるからだ。進学に融資する制度は担保がないから高いのだ、こうなるわけですね。しかし、担保というのが土地であったり、住宅であったり、いわゆる不動産ですね。これが本当は大蔵省的な発想でありまして、もう少し労働省は、労働省というのは、日本の国は狭い国土の中で人間だけが財産です、人間が資源ですというようなことをいつも言っているわけですが、担保になるとみんな土地とか家になっちゃうのですね。やはり人間の頭脳とかそういうものが担保となるというようなものを労働省としては考えていくことが必要ではないのかと思うのでございます。 私は、日本の経済のシステムがどうも土地本位制であるとか何でも不動産に担保が偏っているというのではなくて、進学融資制度というのは国全体の頭脳、人間づくり、そういうものが大きな資産になっていくわけですから、そういうものを担保としていく考え方といいますか、労働省はこういう考え方で行くんだ、そういう考え方を示してもいいのではないか、そして、その調達金利の間のところを何かの考えをもって埋めていって、住宅と同じ金利で進学も融資制度を行っていく、これが一つは労働省の労働省たるスタンスになるのではないか、このように考えますが、いかがでございましょう。
○清水(傳)政府委員 せっかくの御指摘であるわけでございますけれども、ただいま部長が答弁をいたしましたように無担保の融資、こういう簡便に融資を行っていくという事柄の性格上、こうした利子の面につきましては他の同様の進学、教育融資、国民金融公庫と同じようにこれも無担保融資ということになっておるわけでございますし、この程度の利息でもって行わせていただきたい、その辺はひとつ御理解ちょうだいいたしたいわけでございます。 また、いわゆる据置期間の問題とかそうした点につきましても御指摘がございました。今般の改善におきましては、元金の返済を有する期間を現在の一年以内というところから最大の四年間とする、それから償還期間も六年間というふうな形で延長する、こういうふうな改善措置も講じておるわけでございまして、この改善措置の中身も、六年間というのは、例えば入学、一年生のときから六年間ということになるのでございますけれども、二年生のときに借りる金額にしたらさらに六年間、順繰りに行きますと合計九年間、こんなふうな形の運用措置にもなってくるわけでございまして、こうした全体の改善措置でもって勤労者の 教育資金の高騰に対応する手段として対応させていただきたい、このように存じております。
○遠藤(和)委員 すぐ横並びの論理というのは私は本当は理解したくないのですね。進学融資制度にしても、国民金融公庫の制度はこうなっている、それでその利息よりも低くはできないのだとか、私は、労働省は労働省としてのスタンスがあっていいのではないかと思うのです。労働省というのは人間を一番大きな財産とする役所だと私は思うのですね。そういうことでございますから、土地とか住宅とかそういう担保がなくても優秀な人材に対して思い切って融資をしていく、こういうふうな決断が人々の心を明るくするのではないか、こういうふうな気持ちがするのでありますが、一層の御努力をぜひ要請をしたいと思います。 それから最後に、この制度を少し聞きたいのですが、退職後居住型住宅融資制度というのが今度できるわけですが、これは今度の法律改正によらないでできるのですね。であればもっと早くできていいのではなかったかと思うのですが、今までどうしてできなかったのかということもちょっと聞きたいのです。融資の条件だとか限度額とか返済の条件、あるいはこの制度の導入によって退職後に生まれ故郷に帰ってそこで老後の生活を送っていきましょう、こういうふうになると、自治省とよく連携をとれば、その地域のふるさと創生事業までいきなり行くかどうかわからないのですが、少なくとも過疎地の農山村を大きく潤していくような事業にもなるのではないか。そして地方自治体も何らかの助成を行うということになると、新たな地域政策の展開につながるのではないか、このように考えているわけですが、この制度の見通し、それから今後自治省とよく連携をとって地域の政策展開まで進めていく気持ちがあるのかどうか、この辺を伺いたいと思います。
○清水(傳)政府委員 この制度の趣旨につきましては、特に大都市圏におきまして在職中に住宅を取得することが非常に難しい状況になってきている、あるいは現在の勤労者のパターンといたしまして、いろいろ転勤を重ねる、どこかで生活の本拠を持たなければならないけれども、なかなかそういうチャンスに恵まれない、こういうふうな方々も多数おいでになるわけでございます。従来の場合でございますと、融資制度によって住宅を取得すると、これをそのままあげておくということができなかった。直ちに入る。これは又貸しとかその他のことがあってはならぬというふうな縛りの関係もいろいろあったろうと思うわけでございますが、特に最近のこうした居住スタイルの変化、あるいはやむにやまれずそういうふうなニーズが生まれてくる、こうしたものに、財形制度としてそういう選択をされる勤労者の方々にも対応してくるような仕組みを持っていかなければならぬだろう、こういう趣旨から今般のこうした制度を新設させていただくことにしたわけでございます。 具体的な法律上との関係から申し上げますと、法第九条第一項第三号、財形持ち家個人融資、この中の一形態としてある、こういったことで特段の法改正は不要であるという考え方から、具体的な形といたしましては、雇用促進事業団の業務方法書のレベルでこういうパターンを決めさせて制度化させていただきたい、このように思っておるわけでございます。金利につきましては、財形融資の基本的な金利である調達金利、それから、貸付限度額なり償還期間は一般の財形持ち家個人融資と全く同じ内容のものとして考えております。 それから、ただいま最後に御指摘になりました、これと地域政策との関連の問題でございますが、この融資があくまで定年退職後の居住する住宅を取得するパターンを想定いたしておりまして、恐らく自分のふるさとも考えられる勤労者の方々もおありでございましょうし、あるいは大都市圏から若干離れた良好な自然環境のそうした地域に住宅を取得しよう、こういうふうに考えられる方もおられるだろうと思うわけでございます。したがって、ふるさとへのUターンといったものにも何らかの影響が出てくるともこれは考えられます。ただ、退職後どこに居住するか、これは勤労者の自主的な判断によるわけでございまして、ここからどのような新たな地域政策の展開をもたらすか、あるいは必要になってくるか、まだまだ未知数な面もあるわけでございますが、この制度の具体的実施に当たりまして、その施行の実施の状況、こうしたものも見守りながら、さらにどういった地域政策上の観点が必要になってくるか、そうした点もよく研究をし、関係各方面とも必要な連携を図りながら、御指摘のような課題へ向けての検討も深めさせていただきたい、このように存じます。
○遠藤(和)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 児玉健次君。
○児玉委員 まず、財形持ち家個人融資制度についてですが、労働者の最大の関心事は貸付金利、現在の貸付金利はどのぐらいか、この後の見通しはどうですか。
○廣見政府委員 現在の財形融資の貸付金利、基本的には調達金利ということでございますので、原則は七・一七が基本になるわけでございます。ただ、現実には、例えば持ち家個人融資の場合でございますと、利子補給等を行っておりますので、それぞれの条件に応じまして、例えば六・一五あるいは中小企業の勤労者の方であれば五・五〇といったような金利があらわれてくるということでございます。
○児玉委員 国家公務員等共済組合連合会の住宅貸付利率はどのくらいになっておりますか。
○澤田説明員 お答えいたします。 国家公務員等共済組合連合会が公務員に貸します住宅貸付の利率は年五・七六%ということになっております。
○児玉委員 そこで、私は労働省に求めたいのですが、一件当たりの利子補給の対象が六百四十万円だと、きょう午前中も議論がございましたけれども、この制度の政策的な配慮が及ぶ範囲が狭過ぎると思うのです。この貸付金利、利子補給の分もありますけれども、その範囲というのは非常に狭い。一つは、この利子補給の対象を広げることと、そして、金利については住宅金融公庫並みというのが当然だと私は思うけれども、さしあたり国家公務員等共済組合連合会、そこまで下げられないですか、いかがですか。
○澤田説明員 お答えいたします。 財形融資制度の貸付金利の仕組みについて御理解いただきたいと思うのですが、金融機関から調達する金利とイコールで貸し出しをするという原則になっております。それで、財形制度は変動金利制でございまして、住宅金融公庫あるいは年金融資のように固定金利制でございません。したがいまして、現在七・一七という比較的高い金利でございますが、四月に入りますと六%台の中ごろに下がるということで、償還期間二十五年とか三十年をならして考えますと、住宅金融公庫と比べてどうかという点についてはなかなか判断しがたいということでございまして、私どもはそうした観点から現在の金利の仕組みは適当なものであると考えてございます。
○児玉委員 この制度を活用したいという労働者にとっては適当なものでないので、そこのところの引き下げについては、私は努力を改めて求めておきます。 次に、財形持ち家分譲融資制度で勤住協や指定福利厚生会社に対して貸し付ける十年までのところの金利は幾らですか。
○澤田説明員 今御指摘の団体に貸し付けます金利につきましては、住宅金融公庫の基準口金利、当初十年間の最優遇金利とイコールにしております。
○児玉委員 だから何%ですか。
○澤田説明員 現在は五・五%ということでございます。
○児玉委員 さて、その五・五〇%で現在融資しておる、ところが、この持ち家分譲の実績は一九八九年度が八件八戸、一九九〇年は十一月までのところで三件三戸、これでは制度として機能して おるとは到底言いがたいと思うのです。なぜこういう状況になっておるのか。
○澤田説明員 御説明いたします。 財形持ち家分譲融資制度は昭和四十八年度から発足いたしました。当時は、事業主みずからが融資を受けて従業員のための分譲住宅を建てるという形が企業の福利厚生としてかなり多うございました。しかしながら、その後、勤労者の意識も変わり、その後財形持ち家個人融資が制度化されましたので、そちらの融資を使って勤労者が自分の比較的選択の幅のある範囲で住宅を取得できるという方が勤労者のニーズにより合ってきたということだろうと思います。 もう一点、近年分譲住宅をこれまでやっておりました住宅事業団体が住宅不況等の影響から分譲住宅事業を抑え目に推移してきたという点もこの戸数の減少に大いに影響しておるというふうに考えております。
○児玉委員 制度を活用していくという点で言えば、あなたが後段で言った問題というのは、この制度に期待を持っている勤労者にとっては大変不都合なことですね。 それで、今回の改正の中で恐らく一つの制度的なポイントとして共同社宅用住宅融資制度があります。皆さんの説明によっても、主として中小企業等を対象にする、ここに対する貸し付けは変動制で七・一七%である。なぜ持ち家分譲融資制度並みの五・五%にできないのでしょうか。
○廣見政府委員 共同社宅用住宅の融資は、基本的にはやはり社宅ということがございます。この性格と、個人の持ち家そのものに対する融資というものとはやはり基本的な性格を異にする点もございますので、そのあたりを勘案いたしまして、0金利とすれば別な形にならざるを得ないのではなかろうかというふうに考えております。
○児玉委員 労働省の今度の提起の中で私が興味を持っているのは、社宅を一カ所に集中してしまうと、会社の狭いコミュニティーというか、それが住居にまで及んでしまう、だから任意の幾つかの中小企業が言ってみれば寄り合う形でここに入ってくるんだ、そうすると地域社会にもうまく適応していくだろう、非常に興味深い提起だと思うのです。だからこれを単純に、あなたが言うように、社宅というふうにすべきでない。 それから、先ほどの五・五〇でやっている勤住協のところでさえなかなか戸数がふえていかないですね。相手は主として中小企業、しかも先ほどの御答弁にあったように、三分の一程度の家賃も補助する、そうなってきますと、せっかくのこの制度が機能するかどうか大いに危倶を持ちますね。大臣、ここのところは先ほどの勤住協、指定福利厚生会社並みの金利とするように労働省としては努力すべきだと思うのですが、どうでしょう。
○小里国務大臣 先生のお話、傾聴させていただいておるところでございますが、心情的にはなるほどそのとおりなのかなという感じがいたしますが、共同社宅という性格からいたしましても、いかなるものであろうかと考えるところでございます。よくよく検討をさせていただきたいと思います。
○児玉委員 ちょっとここは肝心のところですから、労働省の政策的なイメージとして私は聞きたいんだけれども、大企業は確かに一定の社宅を持っていますね。ところが、中小企業についてこういう試みというのは恐らく初めてだろうと思います。そういう場合に、従来の社会常識で言う社宅とは違うものを皆さんお考えになっている。しかも、そこで主たる対象になる中小企業というのは、大企業に比べて、こういった事業に乗り出す上での原資が非常に薄い、そこに対する政策的な対応としては、私の主張しているところは無理ではないと思うのですが、どうですか。
○清水(傳)政府委員 確かに私どもこの制度新設を考えましたのは、特に最近のこうした人手不足その他の関係で、ある種の社宅ブームと言われておるように、そうした面での対応に各企業とも非常に力を入れておられる。中小企業の場合にはやはりいろいろな面で制約がある。そういう中で、これのみがそうしたことの解決策になるということではございませんけれども、そういう方向へ向けての一つの道を開いていく、そういった意味合いで中小企業を重点として共同社宅用住宅の融資制度を新設する、こういうふうな問題意識も当然あるわけでございまして、特に持ち家取得が非常に難しいそうした方々が共同社宅用住宅に居住しつつ、低廉な家賃で、財形貯蓄に計画的に進んでいってもらう、こういう性格づけをいたしております。 ただ、やはりこの融資制度そのものが財形貯蓄の還元融資である、こういう位置づけになるわけでございまして、そうした性格からいたしましても、財形制度の基本的な金利である調達金利というものを基本として考えざるを得ない。 それからまた、いろいろな社宅関係の融資を見ましても、これらについてそうしたものを利率を下げるというような意味の、利子補給的なそうしたたぐいのものは行われていない。あくまでもやはり社宅ということの全体的な金利のバランスという中で合理的な位置づけを求めていかなければならない、こういったものであるということについてもひとつ御理解をちょうだいいたしたいと存じます。
○児玉委員 今の点はこの後の政策的な焦点だと思うので、私は、検討を求めます。 最後に、貯蓄広報中央委員会が、自宅購入計画を持っている人たちを対象にしてしばらく調査をやっています。それによると、マイホームを持ちたいと希望してきた人たちの二人のうちの一人が、取得をあきらめるか、または取得時期の繰り延べ、こういう結論を出しています。もちろん原因は土地の高騰にあります。 勤労者福祉懇談会が昨年の七月労働大臣に提出なさった「ゆとり社会とマイライフの創造」を拝見したわけですが、その中に企業と土地との関係について非常に興味深い箇所があります。もし大臣がお持ちであれば三十四ページのところです。二つ、企業と土地とのかかわりを言っています。「第一に、地価高騰の責任の一端は企業の不動産投資活動にあり、そのうえ企業は保有土地の含み益、担保価値の上昇という形で地価高騰の利益を享受している側面がある。」まずそう言っています。「第二に、企業は東京への集中により、情報、金融等多くの面で大きなメリットを享受しているが、一方で、東京集中は住宅難、混雑現象などの外部不経済を生んでおり、その多くを従業員たる勤労者が負担している。」なかなか率直な指摘だと思うのです。そこから導き出す結論として「企業は従業員の住宅について企業内福祉の視点から積極的に対策を講ずるべきであり、また、企業の保有する低未利用地の宅地への積極的活用を促進する法制、税制や東京都の都心区で行われているような新たなオフィスビル建設の際の住宅付置指導の制度化が検討されてよい。」こういう内容で昨年の七月三日に労働大臣に意見を出しています。この方向で労働省は大いに努力をすべきだと思うのですが、大臣のお考えを伺います。
○小里国務大臣 先生からただいまお聞かせいただきました企業内福祉を増進する、そのための啓発なり奨励策というものを検討するべきであろうという一つのお気持ちのもとにお尋ねになったと思うのでございますが、特にその中で勤労者住宅の問題は、企業内福祉の中におきましても最も重要視されるべき事項だろうと考えまして、十分留意しながら検討させていただきたいと思います。
○児玉委員 終わります。
○浜田委員長 柳田稔君。
○柳田委員 今回の財形法の改正、いろいろなところで前進があるというふうに思うわけであります。少し要望をさせていただきたいと思いますので、御答弁の方もできるだけ前向きな御答弁をお願いしたいと思います。 まず、共同社宅用住宅融資制度の対象地域といいますか、大都市圏、どういうところか、まずお聞かせ願いたいと思います。
○廣見政府委員 共同社宅用住宅の融資制度は、最近におきます大都市圏の土地あるいは住宅価格 の高騰から、勤労者が持ち家を取得することが大変難しくなってきている、こういう事情を踏まえて緊急的な対応をしていこうということでございますので、融資の対象地域といたしましてはこういった必要性の高い三大都市圏、具体的には東京圏、中京圏、大阪圏とする予定でございます。
○柳田委員 勤労者が住宅を持ちにくいというのは、特に顕著に三大都市圏というのは理解ができるのですが、地方の大都市、広島県でいいますと広島市、私がおります福山の方もそう簡単に持ち家ができるような状況にはございません。三大都市圏ということで限っておるわけなんですが、地方の土地の値上がりも考えていただきまして、今後地方まで膨らませていただきたいというのが私の要望の一つなんですが、いかがでございましょうか。
○清水(傳)政府委員 近年の地価高騰がいわゆる三大都市圏以外の圏域にも波及をしている、これは御指摘のとおりでございます。ただ、最も地価の高騰が著しく、住宅取得が非常に難しいというのもやはり三大都市圏、こういうふうにもなるわけでございまして、この点を踏まえまして、このたびの共同社宅用住宅融資制度につきましては、まずは三大都市圏を対象として制度をスタートをさせていただきたい、このように思っているところでございます。
○柳田委員 今回は三大都市圏で結構ですから、今後地方の方にも目を向けていただきたいと思います。 次に、財形年金貯蓄についてお伺いをいたしますけれども、五百万という限度額があるというふうに聞いているわけですが、その限度額をオーバーした際に解約になるということも聞いておるわけなんですが、その辺の状況について御説明をお願いします。
○廣見政府委員 今先生御指摘のとおりでございまして、現在、財形年金貯蓄及び財形住宅貯蓄の非課税の限度額は五百万円ということになっております。この五百万円の非課税枠をオーバーいたしますと、原則的に、住宅貯蓄につきましては以後すべてについて課税がなされてくる。それから財形年金貯蓄につきましては非課税限度額を超えたときに解約となりまして、解約の日以前五年以内の利子等につきまして遡及課税がなされるというのが現在の取り扱いでございます。
○柳田委員 その際の対処策ですが、どのようにされておるのでしょうか。
○廣見政府委員 基本的には五百万円の非課税枠の問題であるかというふうにも考えます。けさほど来いろいろ御議論ございますように、労働省といたしましても、この問題につきましては今後積極的に取り組んでまいりたい、このように考えております。 一つ具体的なことといたしまして、財形年金貯蓄につきまして先ほど、現在の取り扱いを御説明させていただきました。これにつきましては、今後取り扱いを近々改めるということになってございます。具体的には財形年金貯蓄につきましても財形住宅貯蓄と同様に、非課税枠を超えましたときに、超えました時点から以後、元本すべてから生ずる利子について課税がなされていくようになる、すなわち解約と五年間の遡及課税という取り扱いはなくする、こういう形で改善するということにいたしておるところでございます。
○柳田委員 いろいろと改善策を考えていられるようですけれども、財形年金の限度額が五百万という額なんですが、年金五百万ということで、自分の生活設計を考えてみて、この五百万という額が多いか少ないか、私は非常に少ない額だなというふうに感じるわけでありますけれども、大臣、この辺の、五百万についてもっと上げてもいいんじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
○小里国務大臣 しばしば、率直に申し上げまして、先生御指摘の五百万課税限度額引き上げの要望は極めて熾烈でございます。本委員会のみならず内外にわたりまする世論の傾向もその方向にあると思っております。いわんや、五百万という課税限度額、御承知のとおり昭和四十九年に改正措置されましてずっとそのままの、据え置きの状況を見ますと、物価指数、経済諸情勢の変化等を勘案いたしましても、既に改正の時期に来ておるかな、こういう感じを受けております。 なおまた、先生御承知のとおり、これが改正の方向と申し上げますか、平成四年には見直しますよ、そういう手続もきちんと処理されておりますから、私どもは今国会が終わり次第直ちにその改正の方向に向かって着手することであろう、そういうふうに考えておるところでございます。
○柳田委員 よろしくお願いをいたします。 それから、最近財形貯蓄の伸びというのが少し落ちているのではないかな、魅力がだんだん欠けてきているのかなという気がするのですけれども、この財形貯蓄の実施の状況はどうなのか、御説明願えますでしょうか。
○廣見政府委員 昨年九月末現在におきます財形貯蓄の状況を簡単に申し上げますと、一般財形貯蓄につきましては契約者数が約千二百四十一万人、貯蓄残高が約七兆四百七十四億円となっております。それから、財形年金貯蓄でございますが、同じく昨年の九月末現在で契約者数が三百七十四万人、貯蓄残高が三兆四百八十三億円でございます。また、住宅貯蓄につきましては、契約者数二百九十八万人、貯蓄残高が三兆四千八百五十八億円、同じく昨年九月末現在の状況でございます。
○柳田委員 今お話がありましたように、余り魅力が、余りと言うのはちょっと語弊があるかもしれませんが、だんだん魅力が乏しくなっているような気がしないでもありません。一つは、金利の問題、さっきから出ておりましたけれども、金利のことやら限度額のこともあるかというふうに思うのですが、その辺も含めまして今後この財形貯蓄に対して一層の改善を行っていただきたいと思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
○清水(傳)政府委員 財形制度につきましては、これまでも数次の法改正によりまして充実を図ってまいりました。今般も最近の社会情勢、それから、さまざまな勤労者のニーズにこたえるために、持ち家取得の困難化、高齢化の進展あるいは教育資金の高騰、こういったものに財形制度としても対応できるような、勤労者のニーズに合うような仕組みを導入いたしてまいりたい、こういったことでこの法律改正を含めまして今般の改善を御提案さしていただいておるわけでございます。 みずからの生活を少しでもよくしていきたい、ゆとりのある豊かな生活にしていきたい、これが勤労者の切なる願いでございますし、そうした面の自助努力というものを基本とするのがこの財形制度でございまして、そうした自助努力をできるだけ援助、助長していく、こういうことが極めて重要であろうかと思います。これからも制度を取り巻く環境の変化、ニーズに対応した財形制度の改善につきまして、さらに今回の改善にとどまることなく、より基本的な問題も含めまして検討を深め、そうした要請にこたえられるように努力をいたしてまいりたい、このように存じます。
○柳田委員 私も、こういう立場になる前はサラリーマンでございましたので、今のお答えをさらに進めるように努力をしていただくことを心から念願をしまして、時間は余っておりますが、以上で終わらしていただきます。
○浜田委員長 以上で本案に対する質疑は終局い たしました。 ─────────────
○浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○浜田委員長 この際、本案に対し、加藤卓二君外五名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。永井孝信君。
○永井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。 一 勤労者財産形成促進制度については、高齢化の進展等今後の社会経済情勢の変化に即応し、引き続き制度全般の整備充実を図っていくこと。 二 共同社宅用住宅融資制度については、制度の実施状況等を踏まえ、融資対象地域の拡大等この制度をより実効のあるものとするよう必要な施策に努めること。 三 勤労者の住宅取得を促進するため、財形持家融資の一層の充実、貸付手続の簡素化等に努めるとともに、合理的な地価の形成等土地対策の強化を図ること。また、財形持家分譲融資により日本勤労者住宅協会が建設する財形住宅については、地方公務員にも分譲できるよう努力すること。 四 勤労者の財産形成の一層の促進を図るため、勤労者財産形成貯蓄を原資とする還元融資の内容の改善に引き続き努めるとともに、その利用の促進を図ること。 五 財形給付金制度及び基金制度について、事業主がこれらを積極的に活用するようなお一層努めること。 六 企業内の福利厚生に関する企業間格差の是正を図るため、中小企業に対する勤労者財産形成促進制度の普及促進に一層努めること。 七 勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置を充実するよう、さらに一層努力すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 加藤卓二君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。小里労働大臣。
○小里国務大臣 ただいま決議を賜りました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、誠心誠意努力してまいる所存でございます。 ─────────────
○浜田委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○浜田委員長 この際、内閣提出、地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。小里労働大臣。 ───────────── 地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○小里国務大臣 ただいま議題となりました地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 最近の雇用失業情勢を見ると、一部の地域を除き、全般的には改善されてまいりましたが、多くの地方圏において、専門的、技術的職業や事務的職業等自己の適性、能力等にふさわしい職業の雇用機会が少ないことから、やむを得ず、新規学卒者等若年者が、他の地域において就職していく傾向が見られます。 また、近年、豊かな居住環境、豊かな勤労者生活の実現を求めて大都市圏よりも地方圏において就職しようとする勤労者がふえてきておりますが、そうした勤労者の能力等にふさわしい職業の雇用機会が乏しいことから、これらの者の就職が円滑に進んでいないという実態が見られるところであります。 政府といたしましては、このような課題に適切に対処していくため、中央職業安定審議会の建議を踏まえ、これらの者がそれぞれの地域において、その能力等にふさわしい職業につくことを促進するための諸施策を講ずることとし、関係審議会に諮った上、この法律案を作成し、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。 第一に、この法律で新たに対象とする地域として雇用環境整備地域を加えることとしております。雇用環境整備地域は、その適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業につくことを促進する必要があると認められる求職者にかかる雇用機会が不足している状況にあり、かつ、当該求職者等に関し地域雇用開発のための措置を講ずる必要があるものとして政令で指定する地域であって、都道府県の定める地域雇用環境整備計画が労働大臣の承認を受けているものとしております。 この雇用環境整備地域に対しては、当該求職者の能力等にふさわしい職業の雇用機会を創出していくため、地域雇用環境整備計画に沿って事業所を設置または整備する事業主に対する必要な助成及び援助、雇用促進事業団の行う施設等の設置に関する特別の配慮、雇用促進住宅の入居範囲の拡大及び事業主に対する資金の融通の円滑化等の業務を行うための基金の造成への支援等の措置を講ずることとしております。 第二に、現行の雇用開発促進地域等を雇用機会増大促進地域等に整理するほか、雇用失業情勢に的確に対応するため、その指定期間について延長し、または短縮することができる旨の規定を設けることとしております。 なお、この法律は、公布後三月を超えない範囲内において、政令で定める日から施行することとしております。 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る十五日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十二分散会 ────◇─────