社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 13 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1991/02/14
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件並びに労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、厚生大臣及び労働大臣から、それぞれ所信を表明したいとの申し出がありますので、順次これを許します。下条厚生大臣。
○下条国務大臣 昨年末厚生大臣を拝命いたしました下条進一郎でございます。 第百二十回国会における社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを兼ねまして所信の一端を申し述べたいと存じます。 このたび、厚生大臣を拝命し、お年寄りから赤ちゃんまでの幸せを政治信条としてまいりました者として、大変うれしく思うとともに、責任の重さを痛感しているところであります。 さて、我が国は、国民の英知とたゆまぬ努力により、世界でも指折りの繁栄を亨受するまでになりましたが、今日、だれもが豊かさを心から実感できる社会を築き上げ、子の世代、孫の世代へと引き継いでいくことが国民的課題として求められているところであります。同時に、今私たちは、世界がいまだ経験したことのない速度で進む人口の高齢化と、徐々に進行してきている出生率の低下という社会の構造的な変化に対応し、国民の四人に一人が六十五歳以上という本格的な高齢社会にふさわしい社会経済の仕組みをつくり上げていかなければなりません。 国民一人一人が心から豊かさを実感でき、生涯を通じてその能力と創造性を発揮できる、明るく豊かな長寿・福祉社会を築き上げるため、国民生活の基盤となる社会保障制度の安定的運営の確保、きめ細かな保健福祉サービスの提供、子供が健やかに生まれ育つための環境づくり、二十一世紀の地球を考えた生活環境の整備など、国民生活に直結した厚生行政の担う分野の全般にわたりまして、全力を傾注してまいりたいと考えております。 以下、平成三年度における主要な施策について申し上げます。 まず、事業開始第二年度目を迎える「高齢者保健福祉推進十か年戦略」につきましては、地域における保健、福祉の連携のとれた総合的なサービス提供のための基盤整備を進めるため、在宅福祉サービスの大幅な拡充、施設の緊急整備、寝たきり老人ゼロ作戦の展開など、目標の達成に向け、最大限の努力を払ってまいります。さらに、十カ年戦略の着実な推進のため、保健、医療、福祉マンパワー対策に積極的に取り組んでまいります。 老人保健制度につきましては、介護体制の充実を図るため、老人訪問看護制度を創設するとともに、制度の長期的安定を目指す観点から、介護に着目した公費負担の拡大、必要な受診を抑制しない程度の患者負担の見直しなど所要の措置を講ずるべく改正案を提出したところであります。よろしく御審議をお願い申し上げます。 一方、女性の社会進出や出生率の低下を初めとする子供と家庭を取り巻く環境の変化の中で、次代を担う子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりも、ますます重要になっております。このため、他の行政分野とも連携しつつ、子育て環境づくりに向けて、保育対策の拡充、家庭支援相談体制の充実を図るとともに、その重要な柱である児童手当制度につきまして、世代間の助け合いや育児支援の観点から、支給対象の第一子への拡大、手当額の倍増、三歳未満への給付の重点化などを内容とする改正法案を御提出申し上げているところであります。よろしく御審議いただけるようお願いいたします。 地域における生活環境に目を向けますと、増大、多様化し適正な処理が困難になってきている廃棄物の問題に対応することは重要な課題となっております。この問題に適切に対応し、二十一世紀に向けた廃棄物処理制度を確立するため、廃棄物の排出の抑制、再生利用の促進、処理施設の設置の促進などを内容とする、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の改正案を本国会に提出し、御審議をお願いすることとしております。また、第七次廃棄物処理施設整備五カ年計画を策定し、処理施設の整備の一層の促進を図ってまいります。 次に、医療供給体制につきましては、医療をめぐる環境の変化に対応し、良質かつ適切な医療を効率的に提供していくための医療施設機能の体系化などを内容とする医療法の改正案が、現在継続審議となっておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。また、搬送途上における医療の充実を図るため、搬送途上において救急救命処置を行う救急救命士の資格を整備するための法律案を提出すべく準備を進めているところであります。さらに、不足が問題となっている看護職員を確保するため、養成力の拡充や就業の促進を図るとともに、看護の日を制定するなど諸対策を推進してまいります。 また、人生八十年時代の国民の健康を確保するため、成人病、難病対策などの各種疾病対策や精神保健対策を進めるほか、栄養、運動、休養のバランスのとれた健康的な生活習慣の確立を目指した健康づくり対策を展開してまいります。 老後の所得保障の柱であります年金制度につきましては、年金の実質的価値を維持するため物価スライドを実施いたします。また、自営業者の所得保障を充実させるための国民年金基金制度と年金保障に万全を期するための国民年金の学生適用が四月一日よりスタートします。これらの円滑な運営と年金制度の安定に努めてまいります。また、医療保険制度につきましては、医療費適正化に引き続き努めるとともに、国民が安心して医療を受けられるよう制度の安定的な運営に努力してまいります。 また、だれもが生きがいを持って明るく暮らせる福祉社会の実現に向けて、住民の積極的参加に支えられた福祉サービスがきめ細かにかつ総合的に提供される地域づくりに取り組みますとともに、障害を持った方の地域社会の中での自立生活を支援してまいります。 薬務行政につきましては、医薬品、医療機器などの安全性の確保、研究開発の促進、血液製剤の国内自給対策の推進を図るとともに、麻薬等の不正取引防止を目的とした麻薬新条約への対応について検討を進めてまいりたいと考えております。 援護施策につきましては、援護年金の額の引き上げと新たに戦傷病者等の妻になった者等に対する特別給付金の支給のための法律改正案を提出することとしておりますほか、中国残留孤児、残留婦人等の援護の一層の充実に努めることとしております。 その他、輸入食品や食鳥肉の安全対策などの食品保健対策、環境衛生関係営業の振興を一層推進するとともに、安全でおいしい水道水の安定的な供給に努力してまいります。また、原爆被爆者対策として、諸手当を大幅に改善し、原爆死没者の慰霊等のための事業を実施いたします。さらに、長寿科学の総合的な研究の充実や国際保健医療協力の一層の拡充にも努めていくこととしております。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、社会労働委員会の皆様の御理解、御協力を賜りながら、国民生活に直結した厚生行政の課題一つ一つに全力を挙げて取り組み、二十一世紀に向けて真に豊かで明るい長寿・福祉社会の建設を進めていく決意でありますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○浜田委員長 小里労働大臣。
○小里国務大臣 労働大臣を拝命いたしました小里貞利でございます。 社会労働委員会の御審議に先立ち、就任のごあいさつを申し上げますとともに、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。 我が国経済の今日のたくましい発展は、勤労者一人一人の創意工夫と汗のたまものであります。私は、こういった勤労者一人一人に豊かさ、ゆとりを還元していくことが労働行政の使命であると考えており、このために全力を尽くしてまいる所存であります。 近年の我が国経済の長期にわたる持続的な景気拡大に伴い、中小企業を中心として人手不足感が一段と広がってきております。一方、中長期的には高齢化、国際化、技術革新や女性の職場進出など大きな構造変化が進んでおります。このような変化に的確に対応し、我が国の経済的地位にふさわしいゆとりある勤労者生活を実現するため、次の事項に重点を置きつつ積極的に労働行政を推進してまいります。 第一は、魅力ある中小企業づくり、地域づくによる人材の確保、定着の推進であります。 中小企業における人手不足は一層深刻な問題となっておりますが、中小企業において労働力を確保し、定着させるためには、労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実等雇用管理の改善を図り、中小企業を魅力ある職場としていくことが重要であります。 このため、中小企業者が行う雇用管理の改善に係る措置についての労働大臣及び通商産業大臣による指針の作成、雇用管理の改善に関する事業を行う中小企業組合等に対する助成、援助などを内容とする法律案を今国会に提出することとしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 また、人手不足に対応するためには、中小企業労働者の職業能力の開発、向上が重要であり、中小企業の人材育成対策を積極的に推進してまいります。 さらに、最近の雇用失業情勢の全般的な改善の中にあって、総量としての雇用機会不足は解消したものの、望ましい雇用機会が乏しい等の理由から若年者を中心とする労働力が流出している地域が見られるところであります。 こうした地域において、その発展を担うべき人材の確保、育成、定住を促進するため、雇用環境整備地域を新設し、当該地域における魅力ある雇用機会を開発するモデル的な取り組みに対する助成及び援助、雇用促進事業団の行う施設等の設置に関する特別の配慮などを内容とする法律案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。 第二は、女性が働きやすい環境の整備であります。 今後、労働力供給の伸びの鈍化が見込まれ、さらに減少に転ずることも懸念される中で、女性が働きやすい環境を整備することが、我が国経済社会の活力ある発展を維持していくためにも重要な課題となっております。 特に、子供を育てながら働く人にとって、その能力と経験を生かしつつ職業生活と家庭生活との調和を図ることができるよう働きやすい環境づくりを進めることが重要であります。 育児休業制度については、参議院社会労働委員会育児休業制度検討小委員会の結論等も踏まえ、その確立に向けての法的整備のあり方について、現在、婦人少年問題審議会で精力的に検討を行っていただいているところであります。同審議会で新たな立法を行うべきであるとの結論が得られれば、法案の今国会提出に向け鋭意作業を行うことといたしておりますので、よろしくお願いいたします。 また、男女の均等な機会及び待遇の確保対策、総合的なパートタイム労働対策を推進してまいます。 第三は、労働時間の短縮や勤労者福祉対策の総合的推進であります。 労働時間短縮は、真に豊かでゆとりある勤労者生活を実現する上でぜひとも達成しなければならない国民的課題であります。 このため、法定労働時間を本年四月より現行の週四十六時間から週四十四時間に短縮することとしたところでありますが、今後とも、経済計画等で示されている週四十時間労働制、年間総労働時間一千八百時間程度という目標の実現に向け、労働時間の短縮に全力を傾注してまいります。 また、勤労者の福祉の向上のために総合的な勤労者福祉対策に取り組んでまいります。 特に、勤労者財産形成促進制度につきましては、最近における勤労者の持ち家取得の困難化、高齢化の進展、教育費用の高額化等の社会経済情勢の変化に対応し、勤労者の財産形成を一層促進するため、一般財形貯蓄の契約締結の年齢要件の撤廃、勤労者財産形成給付金・基金契約の受益者となる勤労者要件の緩和、財形進学融資の財形教育融資への拡充、勤労者に貸し付ける住宅に係る融資制度の新設等を内容とする法律案を今国会に提出しておりますのでよろしく御審議をお願いいたします。 第四は、高齢化社会の到来に対応した高年齢者のための対策であります。 我が国においては、諸外国に例を見ない速度で高齢化が進展していますが、高齢化社会のもとで経済社会の活力を維持していくためには、高齢者の雇用の場が確保され、高齢者が長年にわたり培ってきた知識経験を発揮できることが必要であります。 このため、六十歳定年の完全定着と六十五歳までの継続雇用の推進、高年齢者の早期再就職の促進、生涯にわたる職業能力開発などを一層積極的に推進してまいります。 第五は、勤労者の安全、健康確保対策と労災補償対策であります。 心身ともに健康で安全な勤労者生活を実現することは、勤労者のみならずその御家族にとって最も大切なことであり、死亡災害を初めとする労働災害撲滅のための対策、心身両面にわたる総合的な健康保持増進対策を強力に推進してまいります。 また、不幸にして労働災害をこうむられた勤労者やその御家族に対しては、必要な保険給付を迅速かつ適正に行う等の措置を講ずることとしております。 このような労働行政の展開に加え、国連障害者の十年の終期である平成四年を間近に控え、障害者の働く場を広げることに全力を尽くしていくこととしているほか、経済社会の変化に的確、柔軟に対応した職業能力開発対策、外国人労働者問題への適切な対応、外国人研修生受け入れ企業等に対する助言、援助等国際化の進展に対応した労働行政の展開などの重要課題に的確に対応してまいる所存であります。さらに、良好な労使関係の維持発展を図るための環境づくりにも努めてまいります。 以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信の一端を申し述べました。委員長初め、委員各位の一層の御理解と御協力を賜りまするようよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○浜田委員長 次に、厚生、労働両政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。伊吹厚生政務次官。
○伊吹政府委員 長らく当委員会でお世話になっておりましたが、昨年末、厚生政務次官を拝命いたしました伊吹文明でございます。 昭和の時代、私たち日本人は一生懸命働いてすばらしい経済大国をつくりましたが、この国の豊かさを国民一人一人が実感できる日本社会をつくり、なおかつ活力を失わない日本国であるために、私たちは懸命の努力をいたさねばならないと考えております。そのような観点から、先ほど大臣が申しましたように、厚生省が所管をいたしております年金、医療、福祉等、まことに重大な仕事だと存じます。 委員長初め委員の先生方の御指導を賜りながら、大臣を補佐して懸命の努力をいたす所存でございますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。(拍手)
○浜田委員長 松浦労働政務次官。
○松浦(孝)政府委員 このたび労働政務次官を拝命いたしました松浦孝治でございます。 ただいまも労働大臣の方からいろいろ申しましたように、労働行政には重要な問題が山積をいたしておるわけでございます。 微力な私でございますが、小里労働大臣のもとで一生懸命労働行政推進のために頑張ってまいりたいと考えておりますので、委員長初め委員の先生方のなお一層の御指導と御鞭撻を賜りますようお願いいたしまして、簡単でありますが、あいさつとさせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。(拍手)
○浜田委員長 次に、平成三年度厚生省及び労働省関係両予算の概要について、順次説明を聴取いたします。近藤厚生大臣官房会計課長。
○近藤(純)政府委員 お手元の資料によりまして平成三年度の厚生省予算案の御説明をさせていただきます。 まず、厚生省所管一般会計予算の規模でございますが、総額十二兆一千八百十九億円、対前年度六千百六十七億円、五・三%の伸びとなっております。以下に厚生省予算の主な内容を主要事項といたしまして十一項目に整理してございますので、これに従いまして御説明をさせていただきます。 第一の柱は、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の展開等でございます。 (1)の在宅福祉サービス関係の施策についてでございますが、十カ年戦略の第二年次分として、ホームヘルパー等在宅三本柱の整備や在宅介護支援センターの拡充等を図るとともに、新規事業といたしまして、市町村の在宅福祉サービスの普及促進を支援する在宅福祉サービス推進等事業、地域社会のボランティアを活用したふれあいのまちづくり事業を実施することとしております。また、(2)の特別養護老人ホーム等の緊急整備として、十カ年戦略の第二年次の施設整備を着実に進めるほか、(3)の寝たきり老人ゼロ作戦の一層の推進を図ることとしております。二ページに参りまして、(4)の痴呆性老人対策の推進、(5)の高齢者の生きがいと健康づくりの推進につきましても所要の経費を計上しております。さらに、在宅福祉サービスを担うマンパワー対策を強力に進めるため、(6)にございますように、福祉マンパワーの登録、あっせん等を行う福祉人材情報センター等を新たに設置することとしております。あわせまして、(7)の長寿科学総合研究費を増額しております。 第二の柱でございますが、老人保健制度の見直しでありますが、老人訪問看護制度を創設するとともに、介護に着目した公費負担割合の引き上げ、患者の一部負担の見直し等を内容とする制度改正を行うこととしております。 三ページに参りまして、三番目は、子どもが健やかに生まれ、育つための環境づくりの推進であります。 (1)の家庭や育児支援のための基盤整備につきましては、児童手当について、第一子への対象拡大、手当額の倍増、三歳未満への給付の重点化などを内容とする制度改正を実施するほか、子どもと家庭一一〇番の拡充や二十一世紀の子どもと家庭フォーラムの開催等を盛り込んでおります。(2)の健全育成対策につきましては、児童館等の整備、放課後児童対策の充実を図るほか、父子家庭等児童夜間養護事業を新たに実施することとしました。(3)の保育対策の充実につきましては、乳児保育の拡充を図るほか、保育所が地域における保育センターとしての役割を担う活動を充実するとともに、長時間保育サービス事業等新しい保育サービスを展開することとしております。このほか(4)の母子保健対策につきましては、市町村が実施する母子保健活動のメニュー事業の充実等を図るとともに、(5)にありますように、ひきこもり・不登校児童の問題に対しまして、新たに児童福祉施設の有する機能等を活用した各種モデル事業を実施することとしております。 四番目は、障害者等へのきめ細かな施策の展開でありまして、まず(1)の身体障害者の社会参加の促進につきましては、新たに重度の障害者が可能な限り地域社会で自立した生活を営むことができるよう支援する身体障害者自立支援事業や視覚障害者に対する点字図書の給付事業等を実施することとしております。四ページに参りまして、(2)の在宅障害者対策の推進につきましては、新たに精神薄弱者通勤寮等に職員を置きまして、ひとり暮らしの精神薄弱者の生活支援を行う事業を実施するとともに、引き続きグループホーム事業を拡充することとしております。このほか、身体障害者等の小規模作業所の拡充、重度障害者施設の緊急整備、精神障害者社会復帰対策の充実、難病対策を推進することとしております。 五番目は、年金・手当の改善等でありますが、年金及び各種手当額につきましては、平成二年、暦年の消費者物価上昇率により三・一%の改定、生活保護基準につきましては、国民の消費水準の動向等を勘案し、一級地の一の場合で三・四%の改定をそれぞれ行うこととしております。このほか、年金関係につきましては、平成三年度に発足する国民年金基金の運営費助成を行うほか、年金積立金の自主運用額の拡大を図っております。 六番目は、医療供給体制の充実でありますが、まず、看護職員の確保対策としましては、看護職員の養成力の拡充強化、未就業看護職員の再就業の促進強化、看護職員の離職防止対策の強化を三つの柱といたしまして、養成所運営補助金や貸費生貸与費の充実、ナースバンク事業の拡充等を行うこととしております。五ページに参りまして、看護に対する国民全体の理解を深めるため、看護の日を制定し記念行事を実施するとともに、国立病院・療養所の看護婦の処遇改善として夜間看護手当の増額を図っております。次に、救急医療体制の充実強化につきましては、従来から進めている初期、二次、三次救急医療体制を拡充整備するとともに、新たに救急車と全国の救命救急センターとをホットラインシステムで結び、必要に応じまして医師、看護婦がドクターカーで現場に駆けつける救急現場医療確保事業を実施することとしております。 七番目は、健康づくりと疾病対策でありますが、健康づくりの推進につきましては、飲食店におきます栄養成分表示の普及促進事業や健康のための運動普及事業等を推進するとともに、疾病対策の推進につきましては、がん対策、腎不全対策等のほか、新たに骨髄データバンク事業の実施等、骨髄移植の推進を図ることとしております。 八番目は、安全で快適な生活環境の整備であります。 まず、廃棄物処理対策につきましては、増大かつ多様化する廃棄物の処理に対応するため、ごみ処理施設、合併処理浄化槽等の整備促進を図ることとしております。また、総合的な廃棄物処理対策を進めるため、ごみ減量化対策の推進や、次のページになりますが、産業廃棄物処理対策の強化を図ることとしております。なお、水道事業につきましても引き続き施設整備等を進めるため所要の経費を計上しております。(2)の輸入食品等安全確保対策の推進につきましては、輸入食品・検疫検査センターの設置や食品衛生監視員の大幅増員等検疫所機能を強化するとともに、収穫後使用農薬等の残留基準の設定やOECD加盟国との分担によります既存化学物質の安全点検を実施することとしております。 九番目は、有効で安全な医薬品等の確保でありますが、引き続き医薬分業など医薬品の安全対策の推進、医療機器対策や出融資制度の充実等を進めるほか、麻薬・覚せい剤対策として新たに啓発用キャラバンカー事業を実施することとしております。 十番目は、国際協力の推進でありますが、WHO活動を積極的に支援するため拠出金を増額するとともに、引き続きポリオ根絶計画の推進、開発途上国の保健、医療、福祉、マンパワーの養成、研修等を実施することとしております。 このほか、原爆被爆者対策につきましては、諸手当につき所要の改善を図るとともに、新たに原爆死没者に対する慰霊等の諸事業を実施するほか、環境衛生営業対策、中国残留孤児、中国残留婦人等及び戦傷病者戦没者遺族対策等の推進を図るために必要な経費を計上しております。 以上が、平成三年度の予算の主要事項でありますが、以下に各対策別にその概要を整理してございます。また、各特別会計及び公庫、事業団の予算等につきましても資料を添付してございますが、説明は省略させていただきます。 以上、簡単でございますが、厚生省関係予算案の概要説明とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○浜田委員長 中井労働大臣官房会計課長。
○中井政府委員 お手元の資料に従いまして、労働省関係の平成三年度予算案の概要について御説明申し上げます。 初めに一ページ目でございますが、予算規模について御説明申し上げます。 労働省所管の一般会計は、四千八百六十九億円で前年度とほぼ同額となっております。労働保険特別会計につきましては、労災勘定にあっては二兆三千九百七十四億円で前年度に対し千八百四十一億円、八・三%の増となっております。また、雇用勘定におきましては二兆六千十一億円で前年度に対し千六百九十一億円、七・〇%の増となっております。次に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の石炭勘定は、炭鉱離職者の援護対策等に必要な経費として百八十七億円を計上しておりまして、前年度に対し十八億円、八・六%の減となっております。 これを主要事項別に見ますと、二ページにございますけれども、大きく分けて六本の柱から成っております。 以下、その主要な内容につきましては、新規事項を中心に御説明を申し上げます。 まず、三ページ目をお開きいただきたいと思います。第一は、魅力ある企業づくり、地域づくりによる人材の確保・定着の推進でございまして、その一は、中小企業における魅力づくりのための施策の推進でございます。中小企業の労働力の確保、定着が困難となってきている大きな要因として、大企業との間の労働時間、作業環境、福利厚生等雇用管理全般について格差が存在していることがございます。こうした格差を是正し、中小企業で働く人々がその能力を十分に発揮でき、豊かな勤労職場生活を送れるような環境整備を図っていくことが重要な政策課題となっております。このため、既に中小企業団体に対し実施しております中小企業人材確保援助事業を拡充するとともに、中小企業雇用環境整備特別奨励金の創設等、中小企業団体の構成員たる中小企業者の雇用環境の整備促進に向けての取り組みに対する助成等を積極的に実施することとしています。なお、これらの施策を統一的、体系的に推進するため、中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律案を今国会に提出することとしております。 四ページ目をお願いいたします。その二は、地域における魅力ある雇用機会づくり等総合的な地域雇用対策の確立でございます。地域の活性化を図り、地域における魅力ある雇用機会を開発していくための政策も重要であります。このため魅力ある雇用機会が不足しており、若年者等を中心に労働力が流出している地域を雇用環境整備地域として設定し、雇用環境整備のための計画策定に対する補助事業を実施するなど、その地域において取り組む事業を援助することにより地方における魅力ある雇用機会の開発や人材の確保、育成、定住の促進等を図ることとしております。そのための地域雇用開発等促進法の一部を改正する法律案を今国会に提出することとしております。 五ページ目でございます。五ページは、これらの人材確保対策を推進するためハローワーク・ガイダンス事業の推進等公共職業安定所の機能強化を図るものであります。また、建設業における技能労働者不足の解消を図るため、建設雇用近代化モデル事業の創設等各種助成措置を充実することとしております。 六ページをお願いいたします。第二は、多様な働き方を可能とする社会の形成であり、その一は、女性が働きやすい環境の整備であります。我が国経済の活力を維持するためには、女性の活力を十分発揮することができる社会システムを構築することが必要であり、特に働く女性が家庭生活と職業生活の調和を図りつつ就業を継続することができるような環境を整備することが重要な課題となっております。このため、ハローワークによる女性の再就職援助事業の実施等の総合的な女子就業援助対策や、中小企業集団における仕事と育児支援トータルプラン事業の実施等による育児休業制度の確立に向けての普及促進施策を積極的に推進するなどの女子労働者の就業環境の整備を図るとともに、七ページ目でございます、七ページに参りまして、パートバンクの増設等パートタイム労働対策を総合的に推進することとしております。 その二は、本格的な高齢化社会の到来に向けた高齢者対策の展開でございます。本格的な高齢化社会の到来を迎え、特に六十五歳までの継続雇用を中心とした雇用就業の場を確保することが重要な政策課題となっております。このため、六十歳定年の完全定着の推進や、高年齢者雇用についての国民的コンセンサスの形成のための高年齢者雇用推進国民会議の開催、六十五歳までの継続雇用推進のための助成制度の活用等の施策を推進するとともに、再就職を希望する高齢者の再就職の促進。八ページに参りまして、今後ますます増大する高齢者の臨時短期的な就業のニーズに適切に対処するためのシルバー人材センターを大幅に拡充することとしております。 九ページ目をお願いいたします。職業生涯を通じた職業能力開発の推進でございます。若年期からの計画的な教育訓練の促進、技術革新、情報化等に対応した職業能力開発を推進するとともに、労働力不足に対応するための人材育成対策等を推進することとしております。 十ページをお願いいたします。第三は、ゆとりある豊かな勤労者生活の実現でございまして、その一は、「ゆとり創造社会」の実現に向けた労働時間の短縮でございます。労働時間の短縮は国民的課題でありまして、本年四月一日からは週四十四時間労働制への移行により週四十時間労働制に向けての第二ステップに入ることとなっております。このため、労働時間短縮等の援助を必要とする中小企業集団を対象とした援助事業の実施や、主要産業分野の業界団体による労働時間短縮に向けた活動の促進や、連続休暇の普及拡大のための事業等を実施することにより労働時間短縮をさらに推進することとしております。 十一ページをお願いいたします。その二は、勤労者福祉対策の総合的推進でございます。勤労者財産形成制度につきましては、大都市圏における勤労者の持ち家取得の困難化、高齢化の進展に伴う退職後の生活資金ニーズの多様化、教育資金の高額化等の社会経済情勢や勤労者ニーズの変化に対応した制度の改善を図ることとして、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところでございます。 その三は、労働者の安全と健康確保対策の推進でございます。死亡災害の中でも大きな比重を占める建設業における安全対策を推進するとともに、中小企業の安全衛生水準の向上を図ることとしております。 十二ページに参ります。労働者の健康確保問題は社会的にも大きな関心が寄せられているため、作業関連疾患等の予防、治療等の総合的な調査研究を進めるなど、労働者の健康確保対策を推進することとしております。 その四は、労災補償及び労働条件改善対策の推進でございます。労災補償対策につきましては、被災労働者の早期社会復帰対策等を総合的に推進することとしております。 十三ページをお願いいたします。第四は、国際社会への積極的な貢献でございます。我が国の国際的地位の向上に伴い、労働分野におきましても、その地位にふさわしい国際協力が求められております。このため、職業訓練分野における国際協力の推進や、国際機関を通じた技術協力を積極的に推進することとし、特に東欧諸国の変革と最近の国際情勢を踏まえ、ILOを通じた技術協力の拡大等、東欧諸国に対する国際協力を推進することとしております。 十四ページをお願いいたします。開発途上国への技術移転を積極的に推進する見地から、外国人基礎技能研修生の受け入れ事業の拡充を図るとともに、外国人研修の適正かつ効果的な実施を確保するための指導援助事業を実施することとしております。 次に、外国人労働者問題につきましては、事業主指導を中心とした外国人雇用対策を的確に推進するとともに、最近特に増加している日系二世等に係る相談体制の充実等に努めることとしております。 次に十五ページをお願いいたします。第五は、障害者雇用対策等の推進でございます。障害者雇用対策につきましては、雇用率制度等に基づく障害者の雇用促進、職業リハビリテーション体制の強化を図るとともに、重度障害者対策として重度視覚障害者の雇用促進を図るためのプロジェクト事業を実施することとしております。 十六ページ及び十七ページをごらんいただきますと、特別の配慮を必要とする人々に対する職業生活援助等対策につきまして、これを推進することとしております。 なお、失業対策事業制度につきましては、今後五年間において紹介対象者数等の最大限の減少を図り、平成七年度をもって事業を終息させることとしております。 以上をもちまして、労働省関係予算案の概要の説明とさせていただきます。
○浜田委員長 以上で、両大臣の所信表明並びに両省の平成三年度予算の概要についての説明は終わりました。 次回は、来る二十一日木曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時四十三分散会