公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1991/03/06
会議録
○石井委員長 これより会議を開きます。 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武村正義君。
○武村委員 三十分間、御指名をいただいて、政治改革、特に衆議院の選挙制度の改革について大臣にお尋ねをいたします。 大臣は御就任になってもう数十日ぐらいになるのでしょうか、海部総理大臣が内閣の命運をかけて取り組む、不退転の決意で取り組むとおっしゃっております政治改革、なかんずく選挙制度の改革について御所感をいただくわけでございますが、数十日やられて、いよいよこれから秋に向かって国内の政治課題としては最大のテーマになってこようかと思いますが、吹田大臣の御所見をお伺い申し上げます。吹田大臣は、市町村の政治、都道府県の政治、そして国の政治と、いわば日本の統治構造を三段階すべてくまなく御経験をされた大臣でございます。そんな意味で、御期待を込めて御質問を申し上げます。
○吹田国務大臣 おはようございます。 お答えいたしますが、ただいまの武村先生のお話は、政治改革というものへの取り組みの姿勢についてであります。このことにつきましては、特に基本理念として、政治は国民のものであるという基本的な理念に立ちますと、まず何といっても、従来から国会でも決まっておりますが、政治倫理の確立という問題が、まずそこに基本がなければなりませんし、そして政治資金制度の問題、さらに選挙制度の問題、国会の改革といったようなことが政治の改革の中で今日最も大事な要素ではなかろうかなと思っております。 そういったことから、今後も私は政治家としてこの問題に全力を挙げて取り組んで、立派にその実を上げていかなければならぬ、こう思っておりますが、いずれにしましてもやはり議員の皆さん方の御理解と御協力をいただかなければできません問題でありますから、今後ともよろしくひとつお願いを申し上げたい、かように考えております。
○武村委員 どうぞ、大変難しい課題でございますが、文字どおり全力投球で御苦労を、心からお願いを申し上げます。 さて、この政治改革の論議の中でたびたび私どもに聞かされる言葉でありますが、経済大国になった日本を例えて、内外からの批評であろうかと思うのですが、日本は経済は一流である、そして政治は三流だというふうな、我々にとっては大変悔しい、残念な言葉をちょいちょい聞くわけであります。確かに、政治改革がなぜ必要かということを振り返りましても、最大の理由は、昨今の国民の政治に対する不信にこたえる、真剣にこたえていくというのが動機でございます。戦後四十六年を迎えているわけでございますが、さまざまな仕組みが改革の対象になってきている中で、日本の政治もまた例外でない。内外の批判にこたえて真剣な、新しい政治のシステムの構築が必要になってきております。 そういう背景の中に、国外からの日本の政治を見詰める目というものもだんだん厳しくなってきているのではないか。自民党の羽田選挙制度調査会長はたびたびおっしゃっておりますが、国外に行かれても、あるいは国外のさまざまな政治家に会われても、いよいよ日本の政治の仕組みとか体質に先進国の政治家の目が向きつつあるのではないか。私もそう感じておる一人であります。 日米構造協議がございましたが、あのときには、主としては大店法の問題でありますとか独禁法の問題でありますとか予算、三点が焦点になりました。大店法も、その奥を見詰めれば我々政治家にとっても大変大事なテーマでありますように、日本の政治と大きなかかわりがございます。同時にまた、独禁法には建設業界の談合が云々されますように、これまた政治との関係がないとは言えない、そんな批評が新聞紙上ではされているわけでありまして、あのときの日米構造協議のテーマを振り返ってもやはり、裏と言うと変ですが、表裏一体の中で政治が大きくかかわっているということがアメリカからも見詰められているわけであります。 日本は異質な国である、変わった国である、そんな国とは対等につき合えないという理屈が欧米で出ているわけでありますが、そんな中で、遠からず日本の政治の特異性というものが世界全体の中で一つの問題にされることも考えられると私は思います。世界から言われる前に、日本みずからが、もちろん国内の期待も受けながら思い切った改革を断行すべしと思いますし、我が自由民主党としましてはそういう意気込みで政治全般の改革について今日まで真剣な論議を重ねて取り組んできたところでございます。 先般自民党にイギリスのジェフリー・アーチャーという作家がやってまいりました。ちょうどメージャー首相が誕生した翌日ぐらいでありましたか、話を聞いておりまして、最後に私が、日本の政治についてどういう感想をお持ちですかと簡単に聞いてみたのでありますが、彼の答弁は、サミットにしろいろいろな国際会議にしろ、会議が開かれるたびに日本の大臣はかわる、「アイ アム ニューミニスター」ということで新しい名刺を出して大臣があいさつしているのがおかしいということを言いながら、最後にずばり言いましたのは、日本にも四十七歳の――メージャーが四十七歳ですから、四十七歳の女性の総理大臣が誕生することですねと、何か皮肉を込めて、最後はそう結びました。政治改革を象徴している言葉、批評でもあろうかと思って聞いておったのですが、とにかくそういう中で経済一流、政治三流という批評、大変心外ではありますが、半ば認めざるを得ない状況もあると思いますし、この点について、国外からの政治改革の要請といいますか、日本の政治批判を踏まえた要請から出たこの言葉について、吹田大臣、どうお感じでございましょうか。
○吹田国務大臣 ただいまの、経済は一流であるけれども政治は三流であるということの国外からの声があるではないかということでありますが、確かに経済につきましては、戦後の四十数年間でここまで成長したということを考えますと、これはまさに一流の経済大国になったことだけは間違いありません。しかし、政治が三流であるとは私は思っていないのでありまして、やはりそれは基本的には政治体制というものがそれなりにしっかりしており、政治家もそれなりに非常な努力をして、今日の勤労意欲、そして資源のない国家としてここまで盛り上げるというところに政治の大きな力が注がれておるということは、これは否定できないと思っておるわけであります。 しかし、政治家そのものでなしに、政治の制度というものを、少なくとも今日の時点まで参りますと改革をしなければならないという声は、今や国民の中にほうはいとして起きておるわけでありまして、そういう意味では、この際取り組むべきものは取り組んでいくという姿勢をとることが、みずからそれを改革していくことが必要であるという考え方でありまして、これだけすばらしい政治家がたくさん我が国にはいらっしゃるわけでありますから、その政治家の英知と努力を結集してこの際政治改革を推進していくということが必要ではなかろうかな、こう思っているわけであります。
○武村委員 さて、去る二月八日でございますが、東京高裁が判決を下しました。昨年の私どもの衆議院選挙の憲法違反に基づく無効訴訟でありますが、結果は、公選法の定数配分の規定は憲法の規定に違反していたものということはできないという判決でございました。理由はいろいろ述べられておりまして、もう一つこの要旨を読んでも鮮明ではないなという印象を私個人は持ったのでありますが、特に、六十一年の定数是正の努力、そして昨年の衆議院の状況が三・一八でございましたか、という状況であったことや、あるいは六十一年の国勢調査で見れば三対一の枠内にはまるということが前提にございまして、そんなことから違憲とは言えないという判決になったわけであります。他方、この判決の中では、御承知のように格差の問題にも触れておりまして、一対二を超えないものとすることが、その性質上当然に要求されるというふうにも述べております。 そんな判決でございましたが、この判決について大臣の御所見をまず承ります。
○吹田国務大臣 お説のように、平成二年の二月選挙というものに対しましてのこの二月八日の東京高裁の判決というものは、確かに人口当たりは当時二・九九倍、選挙の当時の一人当たりの有権者ということになりますと三・一八倍であるということでありまして、このことから合憲の判断を下したものでありますけれども、これはもはや放置できないということで、国会の裁量権を超える著しい不平等とは言えないという前提で、しかしながらということで、今お話がありましたようなことで出ております。したがいまして、私どもとしましては、速やかにこの定数是正の問題も、国会決議もこれあり、是正して少なくとも一対三未満、願わくば一対二という割合にこれを推し進めていくという努力をみずからしなければならない、こう思っております。
○武村委員 そこで、この定数是正に関連してでありますが、各党の方針がまだ出そろっていない嫌いがございますが、新聞紙上で拝見をしておりましても、野党の御主張の中には定数是正が先であるという御見解がちらほら出るわけであります。自民党は、もちろん定数是正を軽視しているわけではありません。定数是正も、国会決議がございます以上、最も大事な改革のテーマの一つではありますが、同時に、あの決議が行われてかなりの時が流れております。その間、特に事件も起こりまして、政治倫理が問われ、政治家と金のかかわりが国民の皆さんから厳しく御批判を受けてきているわけであります。そういう時の流れの中で、国民の皆さんの世論を受けながら、定数是正だけ取り組めばいいという考え方はもはやあり得ないという認識を持つものでありますし、定数是正も一体に政治改革あるいは選挙制度全般に真剣に取り組んでいくことが大変大事だという認識を持つものであります。 何となく定数是正か抜本改革かというふうな二者択一のような問いかけもあるわけでありますが、私は、五年前の定数是正だけやって済まそうという考え方は国民の御期待にこたえる姿勢ではないというふうに思いますし、また、定数是正が先であるという御主張もあるわけです。先、後の問題もありますが、これは論議はあるにしましても、何か消費税のときもそうでございましたが、間接税の導入というと不公平税制が先だ、こういう主張もありました。いささかそんな感も私ども自民党の立場ではしなくもないわけでありますが、同時に、リクルート事件以来の今申し上げた政治全般、各政党の体質や国会運営まで含めた国民の御批判に真剣にこたえていかなければいけない状況に立っております。 そういう中で、我が自民党としましては、全般の改革の中にこの六十一年の国会決議も消化をして取り入れて取り組んでいこう、定数是正抜きの選挙制度改革だけを主張しているわけじゃありません、定数是正、格差是正も包含した全体像として選挙制度の改革に取り組んでいこうというのが自由民主党の考え方でございます。今後この公選特の委員会を通じて、各政党の考え方についても議員同士で意見交換、意見討議をぜひさせていただきたいと私どもは願っておりますが、そういう意味で、定数是正と衆参の選挙制度、これにはもちろん政治資金も入りますが、全般の改革とやはり一体に取り組んでいくことについて、野党の主張も踏まえながら、吹田大臣の御所見を承りたいと存じます。
○吹田国務大臣 今先生のおっしゃるとおりでありまして、定数是正という問題等を含めて、六十一年の五月の国会決議があることも私、承知しております。それはあくまでも中選挙区の現行制度の中においてこれを是正しようではないかというような考え方が前提に置かれておると思っております。しかし、先ほどお話がありますように、答申から出ました一対二というような割合等から考えますと、もうこの場合、抜本的にこの制度の問題について、選挙制度そのものから検討しかえなければならないという時期に来ておるのではないかというふうにも思っておりますし、特に私は、さっき申し上げましたけれども、政治改革という問題は、自治大臣を拝命いたしましたときも、そのように公開の前で国民に向かってはっきりと、これは推進し、是正いたしますということを申し上げておりますし、断じてこのことにつきましては推進しなきゃならぬ、それはただ単なる小手先で事を進めるということでは、もうこの事態まで参りますといかぬであろう、何としても抜本的にその制度そのものから見直す時期が来ておるのではないかというふうに思っておりますから、そういう意味では武村先生と意見はおおよそ一致しておるのではないかなというふうに思っておりますが、頑張っていくつもりであります。
○武村委員 ありがとうございます。おっしゃるとおりここへ来ますと、私は家の改築か新築かというふうな例えをしてみたりしているのでありますが、思い切ってこの際は古い家を、新しい時代に合った設計を基本にして建てかえるべきだという考え方であります。 御承知のように明治二十二年に我が国の選挙制度がスタートを切りました。当時は三百議席の小選挙区制でありました。そして明治の後半で大選挙区制度に変わりました。そして大正年代に入りますと再び小選挙区制に戻りました。それが大正十四年、普選法の制定と軌を一にして現在の中選挙区制に変わってきているわけであります。戦後二十二年、一時都道府県単位の選挙制度が一年だけございましたが、それを除けば大正十四年から今日までざっと六十数年間、我が国は中選挙区制、世界にもまれな現在の定数三、四、五を基本にした中選挙区制を進めてきたわけであります。 一軒の家に例えますとちょうど六十数年ですから大分傷みました。雨は漏れるし、柱は虫が食っているし、壁は汚れているし、家具、調度品も時代感覚に合いません。そういう意味で、後藤田先生は金属疲労という表現をされましたが、家に例えるなら、定数是正という考え方は雨が漏れないように屋根だけ直そうという考えのようでありますし、いや腐敗防止もやろうということになれば壁も直そうということになります。あるいは私どもが主張しておりますように選挙制度そのものも変えようというのは、大黒柱を初めとして、家の骨格も虫が食っているし、思い切ってこの際は新しく取りかえようという主張にもなるわけでありまして、その方が効率的でもありますし、全体を思い切って改革するためには一番すっきりする。屋根だけ直してみても、選挙制度や政治資金や腐敗防止の問題に一体的に取り組まなければなかなか効果が上がらないということにもなるわけで、そんな意味で、自民党としては政府の審議会の答申を受けながら全体として思い切って取り組むという姿勢を一貫しているところでございます。それに、定数是正だけを取り上げるというといかにも抜本改革よりは、全体の改革よりは簡単でやりやすいような印象を与えがちでございますが、私は政治の経験は浅うございますが、それでも先輩のさまざまな経験を伺っておりますと、五年前の八増・七減一つとっても、ある政治家の言葉をかりると、おれの政治生活で一番しんどい、難しい仕事だったということをおっしゃった方がありましたが、そのぐらい直接議員の利害にかかわる変更、改革というのは難しいということだと思うのですが、これを例えば自民党が主張しておりますように定数四百七十一、本則定数で二対一という先ほどの判決の趣旨、あるいは野党の皆さんの御主張にそろえた前提で計算をいたしますと、もう九十とか百とかいう百三十選挙区の大半を増減でいじらなければならない。単にふえる、減るということでありますが、やはり合区、分区、境界変更どれ一つをとっても私どもの政治的生死がかかわっておりますだけに最大の関心を向けることになりますし、同時にまたその利害によってさまざまな衝突が起こります。これをどうして調整するか。特に定数が減る、不利な方向で境界変更が行われるというような場合に、これをどう民主的な話し合いで調整ができるだろうかというふうに想像いたしますと、言葉で定数是正と言いましても、百近い選挙区を大きくいじるということは、逆に定数是正だけで取り組むならこれはもう不可能に近いぐらい難しいこと、道のりである。むしろ選挙制度その他の制度を思い切って改革する中で利害調整をしながら定数是正も思い切って実現することの方が私は道はなだらかで容易であるというふうに思っております。 ところで、自民党は御承知のように十二月二十五日でございますが、党の政治改革基本要綱を決定をいたしました。これも野党の先生に言わすと党利党略だと一刀のもとに切り捨てたような言い方もされますが、自民党とてもといいますか、自民党であるからこそ、この選挙制度の改革は大変苦しい決断でありました。むしろ、できないことをどうにか決めた。個々の議員の利害から見れば、本当は今の制度は、なじんでおりますし自信がある、現職の代議士は大半がそうでございます。しかし、国民の批判にこたえなければいけない、新しい時代の政治をつくり上げていかなければならない、そういう思いで、みずから血を流しても、どんなに苦労を強いられても、やはりこの際は政治改革を進めていかざるを得ないという立場から、まさに小異どころか中異、大異も捨てて大同について要綱が決まったというふうに私は認識をいたしております。 ところが、私どもは政府の答申も最大限尊重をさせていただく前提で真剣な論議を展開してきたわけでありますが、何点か答申を修正する内容になっております。これは党略で修正したというよりも、現実の政治の場にいる者が政治や選挙の現実を踏まえて真剣に議論をして、この方がベターではないかということで合意をしたものであります。 例えば総定数は、国民のまず議員の数を思い切って減らせという強い御意見がございます。そのことに真剣にこたえることも含めて本則定数の四百七十一で決定をいたしております。これは大変つらい決定でありますが、数の問題は諸外国と比べましても必ずしも日本が多過ぎるということはないのでありますが、まずみずからが一番つらいことを決断するという意味で本則定数に戻そうということを内容にいたしております。 定数の配分につきましても、国会決議もございますが、小選挙区三百を、まず都道府県に一名ずつ優先配分をいたしまして、残る二百五十三名を人口比で配分する、こういう前提で割り振りをしていこうということであります。都道府県という政治的単位の重みを率直に認識をするということも一つの理由でございますし、国会決議の過密・過疎に配慮するということや、いささか激変緩和というふうな現実的な考え方もありまして、こういう判断をしているわけでございます。 また、比例の問題につきましては、まだ党としては論議が続いているところでございますが、答申は十一ブロックに割ってそれぞれ定数を定めて、集計も名簿もブロック単位で行うということでございました。そのことの是非も議論をいたしましたし、また都道府県単位でやったらどうだろうという、その利害得失も議論をいたしました。そして全国一本でやった場合はどうだろう、こんな議論が続いているところでございまして、まだペンディングでございますが、近々党としては最終の決定をすることになろうかと思いますが、この点が答申と変わる可能性もございます。 最後に二%、一%という論議でございますが、比例区の中で、参議院の現在の定数が五十ということを前提にいたしますと比例区は事実上二%条項が働いているとも言えるわけでありますが、そのことも踏まえながら、答申は一%でございましたものを、党としては政治の安定といいますか選挙の後の責任の遂行ということに焦点を置きながら、二%ぐらいがいいのではないかというふうな、いわば答申の――今四点申し上げましたが、修正して要綱を決定いたしております。 るる申し上げましたが、この自民党の政治改革基本要綱について、答申とのかかわりも踏まえながら吹田大臣の御所感を承りたいと存じます。
○吹田国務大臣 ただいま武村先生るるお述べになられましたが、今日まで党内におきまして非常に意欲的に先生自体もこのことに長年取り組んできておられますし、まさにおのれをむなしゅうしなければできないこういった制度に熱心に取り組んできていらっしゃることにつきましては、本当に心から敬意を表するわけであります。特に自由民主党が自民党としての基本要綱というのを定めるまでの御努力というのは、私も党内におりましてよく承知しておるわけであります。 この要綱案とそれから選挙制度審議会が出しました答申案というものにつきましては、一致しておる点もありますし一致していない点もあります。しかし、何といっても原則的ないわゆる個人中心主義と言われておる現制度については、これはひとつ政策中心あるいは政党中心に基本的に切りかえていこうではないかという考え方だけはきちっとしておるわけであります。ただ、さっきお話がありました、まあ古屋の造作と申しますか、そういった表現の中身につきましては、私もこれにはこれなりのまた意見があるわけでありますが、現在の中選挙区がすべて悪い、古屋だということには必ずしも申し上げにくいわけでありまして、これはこれとして今日まで厳然としてその制度が今存在しておるわけであります。ですから、それはそれとして大事にしていかなければなりませんし、また国会の決議というものもこれまた全会一致でなされておる問題でもありますから、それも尊重していかなければならぬという立場もあります。政府という立場からいたしますと、何としましても選挙制度の問題を中心とする、この政治資金規正の問題等を含めて政治改革という問題はぜひとも実施してもらいたいものだな、やらなきゃならぬというふうに、我々としてはそういうことで答申もきちっと位置づけておりますから、それを尊重していかなきゃならぬ義務もあります。したがいまして、国会における各党各会派の御論議というものがなされまして、この委員会におきまして速やかにひとつまとまるように御配慮いただければというふうに考えておるわけでありまして、どうぞ皆さん方の御理解と御協力をお願いしたい、こういうことで私としては意見を申し上げておきます。
○武村委員 ありがとうございました。
○石井委員長 次に、戸塚進也君。
○戸塚委員 まず、昨年十月の国勢調査の結果につきまして、俗に言う違憲状態というような現にそういう数字になっているのかどうか、それから参議院の逆転現象があるかどうか、簡単にお答えください。
○吉田(弘)政府委員 平成二年の国勢調査人口によりますと、衆議院議員一人当たりの人口による選挙区間格差でございますが、最大で三・三八倍になっております。八選挙区で三倍を超えている状況になっているところでございます。 過去の最高裁判決で違憲が出された例も幾つかございますが、それらとの関連でございますが、昭和五十八年十一月及び昭和六十年七月の最高裁判決でございますが、このとき衆議院議員の定数配分に関しまして、国会における裁量権をしんしゃくしても、それぞれ一対三・九四あるいは一対四・四〇という格差、これは当時の選挙人の数でございますが、これを国調人口に置き直しますと、国調人口でございますとそれぞれ一対三・七二とかあるいは一対四・五四でございましたが、これらにつきましては合理性を有するとは考えられないということにいたしておりまして、一方最大格差を一対二・九二といたしました昭和五十年の定数是正につきましては、この改正によりまして投票価値の不平等状態は一応解消されたものと評価をいたしているわけでございます。 なお、昭和六十三年十月二十一日の最高裁判決でございますが、六十一年の選挙当時、議員一人当たりの選挙人の格差でございますが、これは一対二・九二、また人口にしますと一対二・九九になっていたわけでございますが、この格差が示します選挙区間の投票価値の不平等の問題につきましては、「不平等が存するものというべきであるが、その不平等は、」「国会において通常考慮し得る諸般の要素をしんしゃくしてもなお、一般に合理性を有するものとは考えられない程度に達している、とまではいうことができない。」という判断を示しております。 現在の選挙区間格差でございますが、先ほど申し上げましたように一対三・三八になっておりますが、これはまだ、当然のことでございますが最高裁の判断は示されておりません。また、私どもが違憲状況か否かを判断すべき立場にもないわけでございますが、これまでの判決内容を総合的に勘案してみますと、現状において定数訴訟が出されました場合には、最高裁として厳しい判断がなされるのではないかと考えているところでございます。 なお、平成二年の国調人口によります参議院選挙区選出議員の都道府県別の議員一人当たりの人口の格差でございますが、これは六・四八倍でございます。また、人口が多いにもかかわらず配分された議員数が少ないという、いわゆる逆転でございますが、これは七府県で生じております。
○戸塚委員 法制局に伺いますが、仮に今度このままの形で解散があって新しい議員ができた、そこでいわゆる違憲訴訟が起こって最高裁判決でこれは違憲だと出た場合に、その違憲だと言われた選挙区だけが議員の身分を失うと考えますか、それとも全部の衆議院議員が身分を失うと考えますか、法制局のお考えを伺いたい。
○大森(政)政府委員 ただいま委員のお尋ねは、仮に定数規定が違憲であると判断された場合ということでございますが、当該訴訟の対象となった特定の選挙が失効して当該選挙で選出された議員は失効するかどうかということにつきましては、何分にも最高裁判所でこれまで定数訴訟において当該選挙が無効であるというふうに判決が下された例がございません。そしてまたお尋ねの問題と申しますのは、判決の主文でどのように宣言するかということと密接に関連する問題でございます。したがいまして、現段階で一般論として意見を申し上げるということは差し控えさせていただきたいと考える次第でございます。
○戸塚委員 グレーゾーンだと思いますので、私は全部の議員が身分を失うという心配もある、こういう事態に現在が立ち至っている、そのように認識しております。 そこで大臣、やはりこういう状況でありますので、ともかくこの選挙法を何らかの形で改正しなきゃならない。その方法としては、各党が各党の案を出す方法もあるでしょう。しかし、私はやはりできるだけのコンセンサスを得て、できるなら政府が提案されて選挙法の改正を出されることが好ましいと思うが、この点については大臣どうお考えになりますか。また、その目安、めどがあったらお聞かせ願いたい。
○吹田国務大臣 お説のとおりでありまして、これはできるだけ早いにこしたことはないと思いますね。私の方は御承知のような答申もいただいておるわけでもありますから、それに基づきましてなるべく早い時期に成案を得るようにしなきゃならぬというふうな努力を重ねてまいりたいと思います。ただ、こういう問題につきましては、先ほどからも武村先生にお答えいたしておりますように、各党各会派でひとつよくお話し合いを進めていただいて、速やかにそういった問題が一つの成案として――強引にこれを引っ張っていくというものでもありませんから、やはりできるだけ理解と協力の中で、こういうおのずと議員の身分に直接関係してくる問題でもありますから、よろしく御協力を願いたいものであるな、こういうふうに思っております。
○戸塚委員 各党各派の考え方、すり合わせ、話し合い、当然でございます。しかし、大臣みずからもあるいはまた選挙の問題を所掌していらっしゃる自治省みずからも、野党の関係の皆様の意見を十分お伺いなさる、そういう姿勢は私は必要だと思いますが、いかがですか。
○吹田国務大臣 全くお説のとおりでありまして、私もこれからそういう点について各党各会派にお伺いいたしまして、そうして関係の皆さんの御意見を伺いながら、事務局に対しまして十分の督励をしていきたい、こう思っております。
○戸塚委員 仮に現行の中選挙区で二倍以内にとどめるということになりますと、私がどこか新聞か何かで読んだ、どこかで試算をしますと、現在の選挙区の中でそのまま現行どおりの定数でいけるのは十二、三といったか、一割か一割五分かぐらいしかなくて、あとは全部総変えせなければならぬというふうなことを聞きましたが、自治省では試算しておられますか、おられるとするならば幾つぐらいの選挙区が変わりますか。
○吉田(弘)政府委員 現行の中選挙区制のもとで二倍以内におさめるために是正をした場合にどの程度の選挙区に影響が出るかということでございます。手法はいろいろあると思いますが、仮に、総定数を現行の五百十二人というままで平成二年の国調の要計表人口を使いまして、選挙区ごとの議員一人当たり人口の多い順、そしてまた少ない順に順次同数だけ増減をしていくという方式をとった場合でございますが、そして格差を二倍未満とするということにいたしますと、五十二の選挙区が影響を受けることになります。さらに、六人区を解消するとか二人区を解消するというようなことをあわせてやりますと、現行の百三十選挙区のうちの約半数程度の選挙区について定数の増減または区域の変更等が生ずるというようなことがございます。 なお、いわゆる逆転というのはその上でもなお残っているというような状況でございます。
○戸塚委員 ですから、ほとんどの選挙区が大きな影響がある。大臣も選挙なさっていらっしゃって、政治家でいらっしゃいます。この間の八増・七減のときに、俗に死人が出るじゃなかろうかというくらいに自民党内のあの委員会でも大変なことでした。これは与党だけではない、野党の議員さんだって人数が極端に減ってくるとかふえてくるとかということになれば、あるいは選挙区の区割りが全く変わってしまうとなったら、これは私は死活問題だと思う。すると、八増・七減でもそういう状態であるのに、こんなたくさんの選挙区があっち行ったりこっち行ったりするような選挙が、事実上区割りが可能でしょうか。私は、不可能だ、不可能に近い、こう思うけれども、どうでしょうか。
○吹田国務大臣 このことにつきましては、私が一概に不可能であると言い切るわけにもまいりませんが、今お話がございましたように、非常に困難な作業になってくるであろう。しかも、地域地域によってそれなりに今日までの選挙区割りを定めておるものを是正していくという話になりますと極めて難しい。抜本的な制度の改革によって事を進めるということであれば、むしろその方があるいはやりいいというようなことも考えられないことはないと思うのです。 それにしましても、今自治省から選挙部長が答弁しましたように、百三十のうちの半分を区割りを変える、定数を変える、その他もろもろの問題を起こしてくるということになりますと、これは容易ならざる問題であるというふうに私は思っておりますので、極めて困難な作業になるなという感じを持っておりまして、その点は先生のお考えと全く同一でございます。
○戸塚委員 先日、委員長招待のパーティーのときに、社会党の堀先生が、自分は政治家としての長い期間すべて公選特におって、そして政党本位の選挙を目指してこられたというスピーチをなさって、私本当に感激しました。立派な方だなと思いましたけれども、仮に政党本位で選挙をしていくということであるならば、これは中選挙区でお互い同じ政党同士が相戦うような形よりはやはり小選挙区にして、そして少数政党の死に票をなくすために比例代表も活用してやっていくといういわゆる欧米型の選挙方法。と同時に、大臣に特にここで申し上げたいのは、政治改革がこれだけ国民的に議論があったのは、やはりリクルート事件とかそういう一連の問題だと思うのですよ。政治家が朝から晩まで金のことばかり考えていなきゃいられないなんというようなことじゃとても立派な政治はできない。 そこで、公的助成の問題、その法案等のことも含めて、これはペアで、この小選挙区比例代表制の提案ということは非常に意義があると思うし、私は政府はそういう決断をしてほしいと思っていますが、大臣いかがですか。
○吹田国務大臣 公的助成というものにつきましては、それぞれ御意見はあると思うのですけれども、個人中心の選挙というような立場で事を進める場合は、この問題は非常になじみにくい問題ではないか。やはり政党本位の、政策本位の政党というものに対しての公的助成ということであるとすれば、それはそれなりに非常な理解と協力ができる問題ではないかなというような感じを私は持っております。選挙制度審議会の答申におきましても、小選挙区比例代表並立制が適当である、そういう場合の公的助成という問題もそれなりに取り上げているわけでありまして、私も長い政治活動を続けておりますが、そういう点につきましては、まさに今日の選挙制度の姿から、そのまま公的助成を取り入れるということについてはいかがであろうかなという感じを持っております。
○戸塚委員 小選挙区の制度の場合の区割りの問題ということが話題になっておりますけれども、これについて仮にもし国会の方が、審議会の方にお任せするからひとつすぱっとやってくれ、こういうことを委任した場合は、大臣、これは公平に責任を持ってやっていただくことができますか。
○吹田国務大臣 これは一番大事な問題で、非常に困難な問題ですね。ですが、それだけに私はやはり第三者に公正に取り扱ってもらうということでなければならないであろうと思いますね。そういう意味からいたしますと、少なくとも審議会の方にこれを委任するということで進めていかなければ、これに私心が入るというようなことになってまいりますと、それだけで問題になるわけでありますから、そういう点では公正無私な立場で第三者の機関においてこれを決定していくということが必要であろうと思います。
○戸塚委員 地方議員とか市町村長、知事等に対しても公的助成が必要だという声が全国かなり多いのですよね。だから、国会議員だけが公的助成ということじゃなくて、それを機会にしてそうした地方の問題についても真剣に考える必要があると思いますが、大臣、この点はいかがですか。
○吹田国務大臣 公的助成という問題につきましては、国会の段階で今どうするか、この選挙制度の問題等を含めて制度の改革ということになれば、当然政治資金の問題に入り、同時に一体のものとして考えていくわけでありまして、国の段階でまだ結論が出ておりませんし、いわんや首長やその他地方議員に対する問題というのはその後の問題としてこれまたそれなりに検討されるべき問題だと思いますが、現時点では国の段階の問題をまず先につくっていくということから手がけていかなきゃならぬのではないか、こう思っておりますものですから、まだ首長の問題あるいは地方議員に対する公的助成の問題等は現時点では我が方は検討されておりません。
○戸塚委員 私は、個人の意見として、将来この必要があるということを私が考えているということを申し上げておきたいと思います。 そこで、仮に今度の選挙制度が政党本位で理想的になったといたしますと、少なくとも個人の議員に対するいわゆる寄附とかなんとかというものは相当に締められるし、自粛も考えられる。しかし、政党本位である以上、どの政党であっても政治活動に必要な資金を集めなきゃいけません。仮にもしこういう選挙法が整ったと仮定し、議員個人に対する入りの方は厳しくされたと仮定した場合に、政党に対するいわゆる限度額の拡大とか税金関係の問題とかということは、やはりこれは拡大されなきゃならぬと思いますが、いかがですか。
○吉田(弘)政府委員 今回の改革によりまして政党に対する寄附が集中してくるということで、それにインセンティブを与えるという意味で税額の特例措置等を設けてはどうかというお尋ねかと存じますが、現在企業等の行っております政治献金につきましては、個人が政治献金をする場合と異なりまして税制上特段の優遇措置というのはとられていないわけでございますが、教育、文化、社会福祉等の一般の寄附と同様に取り扱われているということでございまして、寄附金の損金算入限度額の範囲内で損金算入の対象になっているというのは御承知のとおりでございます。今回の政治資金制度の改革の基本といたしましては、これまた御案内のとおり、政治資金の調達を政党中心とするということ、このため企業等の団体の寄附は原則として政党に限るというのが答申の考え方でございます。したがいまして、企業等の行う寄附を政党に出しやすいような仕組みにする、そういうことが必要ではないかというような御指摘もあるわけでございます。 いずれにせよ、税負担の公平の問題にも配慮しながら政治資金制度の改革の一環として今後検討すべき課題であると考えております。
○戸塚委員 参議院の選挙制度でございますが、大臣、衆議院が小選挙区比例代表とか仮になった場合、これは参議院と全く同じだというのでは二院制度の意味はないと思う。参議院というのはもうそもそも根本的に選挙制度を変えるべきだという意見がかなり高い、あるいは参議院のあり方についても、これについては大臣どうお考えになりますか。やはり自治省としても参議院の選挙のあり方というものを抜本的に考える、こういう方向でお考えになる気持ちがありますか。
○吹田国務大臣 ただいまお話ございましたように、衆議院のみならずこうした選挙制度を抜本的に改革するということであれば参議院はどうだというお話でありますが、このことにつきましては私もそう思いますけれども、特に選挙制度審議会、この方からも二年の七月三日に答申が出されておりますが、それによりますと、参議院の比例代表選挙については、現行制度について指摘されている問題を解決する見地から個人名の投票の導入を基本として改善を行うこととされているところであります。政府としては答申を尊重する立場にあるものでありまして、審議会においても、参議院議員の選挙制度の望ましいあり方につき比例代表選挙の廃止を含めいろいろな観点から検討がなされていると伺っておるわけであります。したがって、私どもとしては、そういった性格を十分配慮しながら各党の御意見を伺い、また各党で御論議願いたい、また我々はその御論議を尊重していきたい、こう思っております。
○戸塚委員 今度の統一地方選に間に合わないで残念ですが、開票事務というものが各市町村職員の相当大きな負担になっている。しかもこれは速報しなければいけない。そこで、カードの時代だとかコンピューターの時代になっているのにいまだに名前を書きなさい、戸塚進也なら戸塚進也、戸塚進也様とか戸塚進也先生は無効だとか、こんなことをやっているのはまことにおかしい。これはもう全部記号式とかやって、そして機械でぱたぱたっとやれば今まで八時間かかったのが一時間でできる、こういうふうにすべきだ、私はそう思うけれども、大臣、基本的な考え方としていかがですか。
○吹田国務大臣 記号式の問題は、確かに欧米で取り入れられておるところでもありますから我が国でも検討はされておるところでありますけれども、今日の段階では、まだ現状の氏名を書くというのが今日までの日本の長い期間における一つの慣行にもなっておりますし、そういったことでなじんでおりますものですからその制度が取り入れられておるわけでありまして、これから研究問題であるとすればそれはそれなりに検討すべき問題であろうと思いますが、また審議会の考え方等も十分に取り入れて、あるいはまたそういったところにも諮問しながらこういった問題は結論を出すべきであろうと思います。
○戸塚委員 もう一つ、テレビの問題なんですが、これからはテレビ時代でございまして、テレビを活用した候補者の政見のあり方なり日常の活動の状況の紹介なり政党のPRなり、もし小選挙区制度ができた場合には政党本位ですから、無所属の候補者との間には当然格差があってもいい。そういう意味でも、テレビというものをもっともっと活用できる方法を考えるべきだ。大臣が大臣の諮問機関でもおつくりになって、テレビと政治活動、テレビと選挙活動、そういうもののあり方についてじっくり各専門家から答申をもらう、そういう気持ちはありませんか。
○吹田国務大臣 お答えする前にちょっと、先ほどのお答えで答申七月三日と申し上げたそうでありますが、これは七月三十一日の間違いでありますから、謹んでお断りを申し上げ、訂正さしていただきます。 今のテレビを活用したらどうだという問題でありますが、今日まさに情報化社会であり、またテレビというものは極めて大事な国民の情報化社会の中に取り入れられた要素でありますから、これは今後も有効な方法として考えていかなければならぬというふうに思っております。そういったことにつきましても今後関係機関で十分検討を進め、これをお説のような方向で努力していきたいものだと思っております。
○戸塚委員 大臣もあるいは個人でお持ちかもしれませんが、私は国会議員になりましてからずっと街頭遊説車というのを一台持っております。それで、前には戸塚進也街頭遊説車と書いてよかったのですけれども、最近の選挙法によって戸塚進也という名前を車に書いてはいかぬ、こういうことだものですから、国会報告と書いてあってもだれの国会報告だかさっぱり何もわからない、こういう状態なんですね。ところが今度の選挙だって、ポスターの方は何千枚でも何万枚でも張りほうだいだ、だから名前をPRするには幾らでも問題はない。この車の遊説がだれの遊説だかわからぬなんという、そんなばかばかしい法律があるのかと思うのだけれども、仮にもしあるとしたらこれは改正すべきだと思うが、どうですか。せめて一台ぐらいは戸塚進也街頭国会報告車とか、そのぐらいのことを書けるぐらいのことは当たり前だと思うが、どうですか。
○吉田(弘)政府委員 議員の政治活動用遊説の車に氏名を表示するという問題でございますが、御案内のとおり、政治活動は本来自由であり、選挙運動用にわたるものと認められない限り規制を受けないというのが原則でございます。ただ、政治活動として行うものであっても、選挙目当ての単なる氏名等の普及宣伝と紛らわしいものが多いということ、あるいは政治に金のかかる要因にもなるというようなことがいろいろございまして、金のかかる政治を是正してきれいな選挙を実現するというような立場から、昭和五十年の改正によりまして、立候補予定者や後援団体等の政治活動用文書図画でその氏名や名称が表示されているものにつきましては、次の四つの場合を除きましてこれは何人も掲示をしてはならないというふうに変わったわけでございます。その四つというのは、一つは、立て札及び看板のたぐいで政治活動のために使用する事務所において掲示をするもの、二番目が、ベニヤ板等で裏打ちされていないポスター、三番目が、演説会、講演会、研修会等の集会の会場において開催中に使用するもの、四番目が、確認団体が使用することができるもの、この四つを除いてはできないというような格好になったわけでございます。 そういう意味で、御指摘の事例が禁止されています立て札、看板のたぐいに関するものと考えられますが、五十年改正で金のかからないきれいな選挙を実現するという趣旨からこれが見直されたわけでございますので、今後この取り扱いにつきましてはやはり慎重な検討を要するのではないかと考えている次第でございます。
○戸塚委員 金のかからないことをやるからポスターは枚数もある程度規制すべきだと思うので、遊説車で街頭で国会報告するのにだれだかわからぬような車を持っていくなんて常識外れもいいところですよ。大臣、これはやはりぜひ次の法改正のときには重点的に考えてください。せめて議員一人一台ぐらいの、鑑札つきでもいいですよ、当然じゃないでしょうか。 同時にあわせて、最後になりますが、この統一地方選でもポスターがあふれていますけれども、今や金のかからない選挙で、寄附も大分少なくなって本当はありがたい。原則的に寄附なんかないですよ。しかし、残っているのはポスターで、あれをともかくああやって張り回るではとてもたまりませんよ。野党の方の一部に、いろいろ表現の自由とかおっしゃるけれども、別にポスター一枚も張っちゃいかぬというのじゃなくて、ある一定のルールのもとに張るとか、枚数も決めるとか、そうしないととてもこれじゃ美観の面から見ても金の面から見てもやりきれぬじゃないかと思うのですね。これについてはひとつ、むしろ規制の方向をもう一遍大臣、検討していただけませんか。
○吹田国務大臣 今の自動車に看板の問題につきましての御意見は、それはまたよく検討を当局ともしていかなければならぬと思いますが、現行法ではこれはだめだということになっておりますが、確かにお話しのとおりでございますから、そいった点も研究させてもらいたいと思います。ただ、ポスターにつきましては、これは今ずっとあれに近寄って見ますと、個人演説会の御案内のポスターになっておるのですね。ですが、実際はそれなら個人演説会のところが最も大きく、広いスペースでとっておらなければならぬわけでありますが、それは極めて近寄って見なければわからないというような状況なものですから、そこらに一つの問題があるということはよく私も聞いております。そういう話は伺っておりますが、ポスターそのものにつきまして、これは確かに規制をすべき問題ではないか。確かに美観からいきましても環境問題からいきましても、余り格好のいいものではないというふうに私も思っております。
○戸塚委員 終わります。
○石井委員長 次に、浅野勝人君。
○浅野委員 政治改革は、国会に与えられた最大の課題です。今、議会で議席を占めている私たちは、与野党を問わず、多かれ少なかれ政治改革を訴えて選ばれてきた議員ばかりです。政治改革と真剣に取り組むことが、みずからの公約に対する責任のあかしでもあります。政治改革は、選挙制度の改革を柱に国会の改革、政治資金規正法や改正公選法のあり方、新たな政党法や政治倫理規定などが総合的に機能し合う、今はやりの言葉で言えばリンケージすることによって達成されていくものと考えます。元来、これらの問題、なかんずく選挙制度の改革につきましては、政党と政党の間で協議を重ねて政党間でコンセンサスを得て進めていくべきもので、どちらかといえば議員立法になじむテーマという気がいたします。したがって、政府に見解を求めるのはいささか方向違いという気がしないでもありませんけれども、内閣官房長官がそう遠くない時期に改革案を国会に出すということでございますので、これまでの質問と重複をするかもしれませんけれども、まず最初に政治改革と取り組む政府の基本的な考え方をたださせていただいておきます。
○吹田国務大臣 このことにつきましては、先ほど武村先生にもお答え申し上げたわけでありますが、私が十二月二十九日に自治大臣を拝命いたしました際に、総理からも、内閣にとって極めて大事な問題であり、自治大臣として、担当大臣としてこの政治改革というものは全力投球をしてひとつやってもらいたいということの御指示もありましたし、私もこれは私の持てる力を、全力を発揮して、この際国民の御期待に沿うようにやっていかなければならぬということについては覚悟いたしておりますということを申し上げたわけであります。 そういった意味からも、先ほど政治というものは国民のものであるという基本的な理念に立ちますと、政治倫理の確立、これはさきにも国会でも決まっておるわけでありますが、その哲学に基づきまして、政治資金の制度の改正もやらなければなりませんし、一体性のものとして選挙制度という問題もこれは取り組んでいかなければならぬ。さらに加えて国会改革という問題もございます。そういった一連のものが政治改革だと考えておりますが、こういった点について、国会改革は私の自治省の直接の担当ではございませんけれども、当初の二つの、政治資金の問題と選挙制度の問題というのは私の所掌事務でございますし、これにつきましては、各党各会派の御協力をいただき、御理解をいただいて頑張っていかなければならぬ。そのためには、私もそれなりに各党各会派に出向きまして、今後お願いをし、また御理解をいただくべく努力をしていこう、こういう考えでおります。
○浅野委員 選挙制度の改革につきましては、自民党は長い党内論議を経て小選挙区比例代表並立制の導入を決めております。これは政府の選挙制度審議会の答申を受けて論議をした結果であります。政府も答申を尊重するということを繰り返し言明してきていますから、どうやら改革案は小選挙区比例代表並立制ということになると予測されるわけであります。 そこで、この制度が幾つかの問題点をはらんでいるにもかかわらず、なぜすぐれて政治改革の目的に沿うものと考えるか、見解を伺いたいと存じます。 ちなみに幾つかの問題点と申しますのは、先ほども指摘がありましたけれども、衆議院を現行の参議院と本質的に同じ制度にして二院制の意義が失われることにはならないか、政界再編の起爆剤という見方がある一方で、中間政党にとって極めて不利なシステムになることの是非、小選挙区では公認候補以外の新人が当選することはまず困難で、結果として政治の活性化が失われ、政治改革に逆行することにならないか、地方議会を現行のままとすると国と地方との整合性をどう考えるかなどなどですが、にもかかわらず小選挙区比例代表並立制への移行が時代の要請にこたえるものとお考えになる理由をお聞かせ賜りたいと存じます。
○吹田国務大臣 この今日の中選挙区制というものは、えてして同じ政党内で個人の争いというような形にも、よく批判されているわけでありますが、今度のこの小選挙区比例代表制という問題につきましては、政党政治の基本理念に基づいて、政党本位であり政策本位であるということでの選挙ということでありますし、そういった意味が特に大きな意義を持っておると思います。 金のかからない政治活動という問題につきましては、それは必ずしも小選挙区だったら絶対に金がかからないとか中選挙区なら金がかかるとかいうことで決めつけるわけにいきませんけれども、制度の改革をやることによっておおむね金のかからない政治体制というものはできるのではないかということだけは言えるわけでありますから、その意味では総合的な金のかからない選挙制度、政治体制というものをつくっていくことが必要だろうと思います。特に小選挙区の場合は、各政党におきまして一人ずつの候補者を各選挙区に立てるわけであります。そういった意味から、この場合は政党主義あるいは政策主義ということになってまいります。 さらに並立制の問題でありますが、我々が並立制というものを答申で出されておるところをよく調査してみますと、この並立制につきましては、政権の交代による緊張をもたらすという小選挙区制の特性、いわゆる民意を明確な形で示すことができるということと、もう一つは少数勢力というものの議席を確保し得る比例代表制の特性というものが加味されているというふうに伺っておるわけでありまして、そういった意味から死票と申しましょうか、そういったことをできるだけ防ごうという意味でのこの並立制という、いわゆる比例代表制という問題を加味されているというふうにお考えいただければ大変結構だと思っておりますが、私どもそういう答申の方向でできるだけ今検討を始めておるところであります。
○浅野委員 衆議院の総定数の変化の推移をお示しください。
○吉田(弘)政府委員 我が国の衆議院創設以来もう百年以上を経過しているわけでございますが、その定数の変遷でございますが、明治二十二年の衆議院の創設当時の定数は三百人でございました。明治三十三年の改正で三百六十九人、そして三十五年の改正で三百八十一人、大正八年の改正で四百六十四人、そして大正十四年の改正で四百六十六人とされました。昭和二十五年の公職選挙法制定時の定数も大正十四年と同様四百六十六人とされていたわけでございますが、昭和二十八年には奄美復帰に伴いまして一名増いたしまして四百六十七、そして三十九年のいわゆる定数是正で増員がございまして四百八十六人にふえております。そして四十五年には沖縄復帰に伴いまして五名ふえまして四百九十一名、そして五十年の定数是正でまたふえまして五百十一人、そして御案内の六十一年の改正で一名増となりまして現在五百十二名ということになっているわけでございます。
○浅野委員 明治二十二年の三百人から今日まで二百十二人定員がふえてきているわけでありますけれども、今本則で四百七十一議席ということになっておりますね。この四百七十一議席という根拠はどういうことでございますか。
○吉田(弘)政府委員 現在、御承知のとおり、本則定数は四百七十一名でございます。これは公職選挙法が制定されました昭和二十五年に先ほど申しましたように四百六十六名としておりましたが、それに沖縄の復帰に伴います五名を加えまして四百七十一になっているわけでございます。なお、昭和二十五年の総定数が四百六十六でございますか、これは先ほども申しましたように、大正十四年の衆議院議員選挙後の改正に際して定められた定数の四百六十六人と一致しているわけでございますが、この大正十四年の法律改正というのは、御承知のように普通選挙法の、そしてまた中選挙区制度が導入されたときでございますが、そのときの総定数については改正前の定数四百六十四人がその直前の定数でございましたが、その定数になるべく変更を来さないこととして、各府県に人口十二万人につき人員一人を配分することとした結果、四百六十六人になったと承知をいたしております。
○浅野委員 ちなみに選挙制度審議会が五百人程度とした、これは選挙制度審議会に聞くべきですけれども、理由は何だと承知しておいででございますか。
○吉田(弘)政府委員 選挙制度審議会の答申では、衆議院議員の総定数は五百人程度ということになっておりますが、これは一つにはこれまでの衆議院議員の定数増が大部分暫定的な定数是正に伴って増加されてきたというようなこと、それからもう一つは行財政改革の状況を考慮する必要があるというようなことでありまして、そういうことを総合的に勘案した結果、こういう五百人程度という答申になったと承知をいたしております。
○浅野委員 私の承知している限り、全国二千五百八十六の町村議会の九〇%、それから六百五十五市議会の八〇%余りがこれまでに減員条例を採択して議員の定数を削減しています。今日まで何らかの理由をつけて総定数をふやし続けてきたのは国会だけであります。 定数を減らせというのは、国民の方々のいわば天の声であると承知をしております。自民党は既に政治改革大綱と政治改革基本要綱で本則の四百七十一議席に定数を減らして、戻すのがあるべき姿だという基本的な考え方を表明をしております。四十一議席の削減というのは私たち国会議員にとっては革命的な数字でありますけれども、例えば向こう三回の総選挙で四十一を十四、十四、十三と順次減らしてソフトランディングしていくなどの工夫は凝らすとしても、今や小手先だけの是正では許されるところにおりません。思い切った減員をしない限り、国民の期待にこたえることにはなりません。この数字について、大臣、どんな感想をお持ちでございますか。
○吹田国務大臣 ただいまお説ございました総定数の問題でありますが、確かにお話ございましたように、地方自治体におきましては、その議員の定数が順次少なくなっているという事実は私も承知しております。 これは私事にわたりますが、私が町長として町村合併しました昭和三十年のときには、私の小さな町でも、町議会の議員は合併当初は全部だということになりましたから一定期間四十六名くらい。小さな一万八千くらいの町でありました。しかし、その後、まず二十六名にし、それから二十四名にするというふうにして、今や十八名くらいまでになっておりますから、相当な数が絞られている。したがって、何百名に一人というような割合に選良されていくということになるわけでありますが、そのことはそれとして、確かに私は立派なことであると思いますが、ただ、余りその数が少なくなればいいというものでもない、民主主義の建前から。そういった意味で、首長という選挙と議員という地方選挙の姿から見ますと、選挙自体が違うものですから、それなりに執行権を持っておる自治体の長に対しまして十分な審議をする機関としては適正規模の議員の数というのは必要であろうと思っておりますが、国の場合はまた趣が違うわけでありますから、私は答申で五百名ということが適当ではなかろうかというふうに出されておることも承知いたしております。さらに、自由民主党におきましては、本則に戻すべきであるという考え方をお示しになっていらっしゃることも承知いたしております。こういったことにつきましては、私どもが今いずれをとるかということをとやかく申し上げることはいかがかと思いますが、少なくとも答申の筋には沿わなければならない。それ以上に置くということはできるだけこの際改めて、最低答申の線には持っていかなければならないなという感じを持っておるわけでありまして、この点もまた議会の皆さん方の、各党で御協議をいただき、御理解を願いたいと思っております。
○浅野委員 もう一つ大事なことは、その総定数の減らし方であります。裁判所の判断が気になるものですから、一票の格差をどうするかで考えがちです。一対三でおさめるにはどうしたらいいかというようなことをすぐ考えます。ですから、四増・四減とか増減の論議になりがちであります。何のことはない、ふたをあけてみたら、総定数は減らさずに一票の格差を一対三におさめてめでたしめでたしということで終わってしまいます。これでは世論にこたえたことにはなりません。今回の選挙制度の改革を含めた政治改革に当たっては減員のみによって、減らすことのみによって総定数を削減していき、同時に格差を是正するという強い決意が求められていると考えます。 総定数を、例えば四十一議席削って四百七十一にすれば格差は一対二・五六となります。これを例えば三回に分けてソフトランディングする一方で、一対三にこだわるのなら次回総選挙で十五議席減らせば一対二・九九になりますし、その次に十三減らせば一対二・七三、最後にもう一度十三議席減らして四百七十一に着地すると一対二・五六となるというぐあいであります。これがいいとかどうだとか言っているわけではございませんで、あわせて定数の是正と選挙制度の抜本改革の二者択一を求めているわけでもありませんけれども、一般論としての定数の削減の仕方として問題提起をさせていただいているつもりですが、大臣、この増減という考え方と、今回はふやすところなしで減らすことだけで問題解決を目指すという一般論としての定数是正の仕方について、どんなお感じをお持ちでございますか。
○吹田国務大臣 政治改革からくる話でありますから、政治改革は、最初申し上げましたように今の選挙制度というものを一つの問題としてこれでいいのか、これを見直さなければならぬではないかという前提にも立っておるわけであります。したがいまして、答申の筋からいえば小選挙区制を取り上げていき、しかも五百名というものが適当であろうかという答申もなされておることでありますから、私どもとしましては、その答申というものは十分尊重していかなければならない問題でございます。したがいまして、その程度を一つのめどとして検討されるべきではなかろうか。ただ、あとは議会の各党各会派の御協議によるところが非常に大きい問題でありますから、私どもがいずれをどうすればいいというふうにこの場で、まだ法案自体ができ上がっておるものでも全然ございませんから、お示しを申し上げるということは非常な僣越な話でございまして、今申し上げたような答申の線を極力尊重していきたいものだなというふうな気持ちで申し上げさせていただきます。
○浅野委員 確かにまだこれから法案の中身をどうしようかという段階でありますので、今回はこれ以上触れることを一たん避けます。 改正公選法で一つ、ささいなことというとすべてが重要ですから小さな点、大きな点と言うのは避けますけれども、日ごろの政治活動の中でちょっと気がつくことをただしておきたいと思います。 首長が、市長さんや町村長さんたちが自分の名前を書かずにどこどこ市長と書いて、例えば清酒、お酒のようなものにそう書いて祭礼や老人会の会合に出すのは許されているわけですね。
○吉田(弘)政府委員 現行の公職選挙法の寄附禁止関連の規定との関係でございますが、公選法の百九十九条の三という規定がございます。これは公職の候補者等が役員等である会社その他の法人または団体は、候補者等の氏名を表示し、または氏名が類推されるような方法で寄附はしてはならないということになっているわけですが、この中に地方公共団体、都道府県でございますとか市町村でございますとか、これはここに言う「会社その他の法人又は団体」には含まれていないというふうに解されているわけでございます。したがって、その限りで言えばそういう百九十九条の三の問題は出てこないわけでございますが、ただ、地方公共団体がそもそも外れているといいますのは、地方自治法上におきまして地方公共団体は、都道府県、市町村は、その公益上必要がある場合において寄附または補助をすることができるというような規定もございます。当該住民に対していろいろな活動をするわけでございますが、そういうことになっていることからこれが除外されているということでございます。 そういう中で、首長もしかし公職の候補者であることには変わりはないということではあるわけですが、このため、地方団体が団体として出した場合と、個人の候補者なら候補者が出した場合と非常に紛らわしいというような問題もございます。そこで均衡上、私どもとして従来から首長の氏名は差し控えるようにということを指導してきたところでございます。しかし、さらにその趣旨を徹底しなければならないということで、○○市とか○○県とかいうことでどうしても必要な場合には出していただくことが適当であると考えられますので、現在はそうした方向で指導をしているということでございます。
○浅野委員 今の御答弁を要約しますと、地方自治体はみずからの判断で、この会合には寄附をする必要があるという判断をした場合、○○市長とか○○町長とかいう名前で、自分の名前じゃありませんね、その地名で出すのは今の百九十九条の三項ですか、そこからは除外されているので直ちに法律違反にはならないというお考えと承りました。 しかし、その地域において首長さんというのは一人なわけですから、札幌市長といえば札幌の人たちはだれだということは容易に連想されるわけでありますから、どうしてもやはり地方自治体がそれが必要だというときには、長をとって○○市とか○○町ということでおやりになることがぎりぎりの実態に合った解釈だろうと思います。 公選改正法は、私ども議員にとって、これは地方議会の議員にとっても同じですけれども、一切の寄附行為の禁止というのが徐々に有権者の中にも浸透し始めておりまして、お金のかからない政治ということでは大変すばらしい効果を上げつつありますので、一層これを徹底していくことと、この点だけは議員はだめだけれども首長はいい、もっと下世話の言い方をさせてもらうと、○○市長さんはお酒をくれたけれども、衆議院の先生はくれぬ、けちだね、こういうことにぶつかる。現場というのはそんなものなんです。現場というのは、大同小異みんなが経験するというのはそんなものでありますので、きめの細かい、細部にわたって今おっしゃるような指導を、法改正が必要なら一部してもらわなければいけませんし、行政指導のようなことで済むことならびしっとさせていただくということが一層改正公選法の精神を有権者の中に浸透させる道かと存じます。大臣の御感想を一言承って、質問を終わります。
○吹田国務大臣 ただいまの浅野先生のお話はごもっともであります。確かに何々市長とか何々県知事ということになりますと、そのことはおよそ固有名詞にそのままつながるという感じがいたします。ですから、何々県あるいは何々市ということで出すのが適当ではないかというお話は私もそのとおりだと思っております。特にこれから小選挙区制というような制度を、選挙区を縮めて考えていく場合には、確かにそういう点が大いに出てくると思います。さらにもう一つは、これは別かもわかりませんが、私もよく感じておることは、長い知事さんや市長さんになりますと、表彰状、感謝状が随分出るわけであります。何々市市長何の何がしと、こうなるわけで、これが随分と各家庭にかかっているわけであります。私もよく見ます。この点も、今後の選挙制度の改革ということまで持っていく場合には、何々市あるいは何々地、県ということでとめるということも、これまたひとつ考えなければならぬ問題ではないかということも、小選挙区制からくる問題からしますと、私は検討の余地はあると思います。これは私の私見にかかわることでありますけれども、十分御趣旨の点につきましては検討を加えていきたい、こう思います。
○浅野委員 終わります。
○石井委員長 これにて午前中の質疑は終了いたしました。 午後零時十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時三十二分休憩 ────◇───── 午後零時十分開議
○石井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。仙谷由人君。
○仙谷委員 午前中の議論を拝聴いたしておりまして、自民党の諸先輩それぞれ御論客でいらっしゃいますので、私もなるほどというふうに感じていた部分も多々あるわけでございます。とりわけ政治の世界に緊張感がやや欠けるのではないか、あるいは政党間の競争になってないんじゃないか、こういう議論を私も常々、まだ一年でございますけれども、国会に参りまして感じておった部分でございます。ところが、一点だけその競争問題で私が感じましたのは、やはり競争という以上は公正な競争でなければならない、このことにお触れになった諸先輩がどうもいらっしゃらなかった、甚だ残念だな、こういう感を強くしておるわけであります。 といいますのは、昨年の五月三十日のこの委員会の席上で、きょう先ほどもお見えになっておりましたが、奥田自治大臣に対しまして私が今度のこの選挙制度審議会答申、これについて質問をさせていただきまして、今度の政治改革と言われるものは、いわゆる選挙制度をいじるだけではなくして特に腐敗防止の問題、政治資金規制の問題、公的助成の問題、つまり公正な競争を担保するための条件をどうやってつくるのか、ここが非常に重要であって、これをまとめて昨年の秋までに、内閣の命運をかけた海部総理大臣とともに、奥田自治大臣もみずからの地位をかけて秋までに成案を国会に出したい、こうおっしゃっておったわけでございます。ところが、秋になってもそのような成案は出てこない。現時点でも出ていない。 それで、ワンパッケージで成案を提出したいという奥田自治大臣の御決意が、今度の自治大臣をお務めいただいております吹田自治大臣、どのような引き継ぎをなさってどういう決意でいらっしゃるのか、その点を承りたいと存じます。
○吹田国務大臣 ただいま御意見がございましたことにつきましては奥田自治大臣とも引き継ぎをいたしましたし、特に長年のいろいろと関係を持っておる前大臣でありましただけに、ざっくばらんにいろいろなことを話し合った中に、この政治改革問題についてはひとつしっかりした姿勢でやるようにと、自分もそういう姿勢で頑張ってきたけれども、ぜひ吹田自治大臣もその姿勢については継続して頑張ってもらいたいというようなことでございましたし、党へ帰った自分としても、またこれから大いに応援をする、バックアップをする、こういうことも激励を受けておるわけであります。 それにつきましても、私は先ほど他の議員にお答えを申し上げましたように、就任の際に特に総理から、昨年十二月二十九日でございますが、拝命の際に、この政治改革という問題は内閣の命運がかかっておるということを前提にひとつ力強く頑張ってもらいたいということでの御意見がございまして、これに対して全力投球をいたしますというお答えを実はいたしておるわけであります。それだけに今先生のおっしゃいましたことについては私もぜひともこれを実施いたしまして、これからの日本の将来にわたって、私どもの時代のみならずこれから先の日本の将来に向かってこれを進めることに大きな意義を持っておるだけに、ぜひともこの際実現に向けて努力しなきゃならぬと思っております。なかんずく選挙制度の問題と政治資金という問題は、政治倫理の基本の哲学に基づいてつくられていくわけでありますから、この点について十分意を注いでいきたいものである、かように今考えておるわけでありまして、できるだけ御期待に沿うようにいたしたい。 ただ、若干予定が、昨年の暮れまでというようなお話もありましたことからしますとおくれておるということは事実でありまして、そういった点については私ども大変残念に思っておりますが、何と申しましても政党間の問題もこれあり、こういった問題はただ単に役所の方で事を進めるというわけにもなかなかまいりません。したがって各党間で御協議を願い、各党間の御意見というものがまとまっていかなければ法案になってまいりませんものですから、私どもとしましても鋭意努力をし、これからも関係各党にお願いに回ったり、また御意見を伺ったりして、そうして中正公平な立場からきちっとした制度をつくるということに努力をいたしたいと思いますが、今日までおくれておりますことにつきましては極めて残念に思っております。
○仙谷委員 ただいまの自治大臣のお答えで選挙の腐敗、違法行為に対する防止策、これについても鋭意取り組んでいかなければならないというお気持ちであるということは十二分にわかりました。そしてまた入りの方、お金の入ってくる政治資金の規制の問題も、現状のままではいわゆる政治不信を払拭するという制度と実態になってない、こういうことも御理解をいただいておるのではないか、そういうふうに感じます。 そこで、まず選挙制度審議会の答申でございますが、これに「第五 選挙の腐敗行為に対する制裁の強化」というふうに書かれた部分がございます。「基本的考え方」「連座制の強化」「免責規定」、4として「連座裁判の促進」、それから三として「制裁強化のための新たな措置」、こういうふうに書かれております。後で個別にもお伺いをしたいと思うのでございますけれども、まず大臣、総論的に選挙の腐敗行為に対する制裁を強化する必要があるのかないのか、あるいはあるとすれば現行制度の何が問題なのか、この辺をお聞かせいただければと思います。
○吹田国務大臣 先生から先ほどお話がございましたように、公平、公正ということが大事であります。特に選挙のいわゆる選ぶ側と選ばれる側でありますから、こういった場合に公正、公平な、しかも平等な立場に立って行われる、こういうことが選良として最も大事な選挙の制度ではないかなと思っておりますが、そういう立場に立ちますと、そこに決められたルールに反するということになれば、これは当然罰せられなければなりませんし、またそういう方々が非常に悪質な方法を加えて当選するというようなことは厳に戒めなければなりませんし、そういう方が正しい選挙をやって出てきた人と同じ立場に立って国民の代表であるというのは、これはいかがであろうかということからも連座制等も厳しくしていかなければならないし、裁判の場合におきましても、これは私の範囲ではありませんが、できるだけ早く結論を出していくということも必要でしょう。ですが、私は法律家ではありませんものですから詳しいそういった内容については御説明は他に譲るとしまして、少なくとも公正、公平を旨として、その機会均等ということからの選挙ということに実を上げるような方法をとっていかなきゃならぬ、かように考えておりますし、特に今度の改正しようなどと考えております私どもの考え方というものは、答申に基づくものでありますが、これについては極めて従来のやり方と違って政党政治を中心としていく、したがって政策を掲げて争っていくということでなければならないという前提がかかっておりますだけに、答申の趣旨に基づいて鋭意これから検討し内容を整えていきたいものだ、かように考えるわけであります。
○仙谷委員 お気持ちはわかるのでございますけれども、実態との関係においてそうはなってないというのが現在の問題、そして選挙制度、特に選挙区制度をいじればきれいな選挙ができる、あるいは政党本位の政策本位の選挙ができるかというと、必ずしもそうではないということが問題であろうと思うのですね。特に小選挙区論議、これはいわばお金との関係で言いますと、比例代表の並立型という小選挙区制でもあるいは併用制と言われる選挙でも、腐敗防止の問題がきちっとできてない限りは選挙区が小さければ小さいほど、つまり働きかける対象が少人数であればあるほどお金の効果は大きいわけですから、だから選挙制度がこういう制度になったから政党本位の選挙ができる、政策本位の選挙ができるというのは、これは夢か幻想だと私は思っているのですね。やはり国民の政治的な成熟ということも必要でしょうが、制度として特に議員が自律的にこれだけは守るのだ、ここからOBをしたら、外へ出たらバッジを外してもしようがないんだということがないと、選挙が公明正大に行われるかあるいは政治不信を払拭できるかということにならないのじゃないかと思うのですね。 例えば、今私持っておりますのは、財団法人明るい選挙推進協会というところが出していらっしゃる「第三十九回総選挙の清潔度の印象」、片一方は「第十五回参議院選挙の清潔度の印象」というのでございます。国民がどちらの選挙をどういうふうに清潔度を感じたかということでございます。衆議院選挙の方は三二・八%、つまり中選挙区は三二・八%の方々がまあまあ清潔だった、こう言っておるのですね。参議院選挙は四七・六%、清潔だと感じておったのは。この調査によりますと、ですよ。したがいまして、相対的には、小さい選挙よりも真ん中ぐらいの選挙エリア、あるいは参議院のようにまあ大きい選挙区、それから比例代表がついておるという、実態としては、どうも私が選挙を初めてやってみた実感としても、大きい選挙であればあるほどお金の力といいますか金を使う人が少なくなる。町会議員の選挙なんかを見ていますと、一人一票一万、四年分の歳費を全部持ってこいと言う地元のボスがおって、それを全部配って何百票か集めて当選ということが平然と語られておるというのが今の日本の選挙ですね。だけれども、衆議院は町会議員の選挙よりもお金で買収するというふうなことが恒常化していない。それよりも参議院の方がまだまだ金の効き目は薄い、現在の制度のもとでですよ、そういう実態があるわけですね。 それで、今のこの実態を払拭するために、まあ衆議院と参議院に限ってもいいですけれども、現行の連座制あるいは現行の当選無効、こういうものが機能として法律に規定されておる機能を十全に発揮しているかどうか、この点について、できれば自治大臣のお答えをいただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 現在、御承知のように連座の規定があるわけでございます。これは機能しているかどうかというお尋ねでございますが、連座の規定が働いて実際に当選無効になったケースもございますし、また確定前に御本人がそれを有罪にあるいは資格剥奪になるということを意識して辞職をするというケースも見られまして、それなりに働いているというふうには思います。
○仙谷委員 なかなか楽天的なことをおっしゃると思うのですが、私はもうこの当選無効あるいは被選挙権の停止という制度がいわば機能停止に近い、瀕死の状態にあるのではないか、こういうふうに考えています。 それで、それを倍加しておるのが今の恩赦の制度なんですね。せっかく当選無効になって公民権が停止された、つまり国民の側から見ればそういう汚い選挙をやった人は当分の間選挙に出られないということがあるにもかかわらず、ついせんだっての皇室行事に伴う恩赦で復権して今度の統一地方選挙に出るとおっしゃる方がいる。これは我が徳島の例でございますけれども、お父さんが買収やって、自分も逮捕されて当選無効になって公民権停止されたにもかかわらず今度の統一選挙に出られる、こういう国民から見ればまことにばかばかしい事態も一方では起こる。一方では、御承知のようにいわゆる現在の当選無効制度、公民権の停止、被選挙権の停止が刑事裁判の結果待ちである分だけ、どうも特に当選無効の関係では任期中に当選無効にならないということが多いんじゃないかと言われておるわけでございます。私もそのように感じております。その点は自治省選挙部長、いかがでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 過去の連座の適用の事例の手元に持っている資料で御説明を申し上げますと、五十一年から六十二年くらいに行われた各種選挙でございますが、その間で起訴をされた者が十二件ほどございます。そういう中で議員がみずからそういうことで辞職したというケースもございますし、それから当選無効が確定をしたというケースもございます。そういう格好で、それぞれ何らかの格好で身分を失うというようなケースが、今言ったようなケースで十二ほどございます。
○仙谷委員 何か客観的な事実だけでお考えをお漏らしになりませんが、ちょっと時間の関係で、次に進みます。 この選挙制度審議会の答申の中に書いてある、例えば「連座制の強化」の中で「連座制の対象となる者の範囲の拡大」、ここに「立候補予定者」というのがございます。この立候補予定者、私は昨年のこの委員会で浅野選挙部長とこの場で議論したことがあるわけでございますけれども、これについてどういうくくり方をするのかということなんですが、何か今審議会の中の議論とか、あるいは自治省内部での検討、くくり方といいますか、絞り方ができておりますでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 御案内のように、先般の選挙制度審議会の答申で連座の対象の拡大をしたわけでございます。そういう中で立候補予定者の親族を連座の対象にする、あるいは立候補予定者の秘書を連座の対象にするということになっているわけでございまして、それを受けてこれから成案化に努めているという段階でございます。どういうものかということでございますが、現行法におきましても、例えば寄附禁止の規定百九十九条二の規定にも「公職の候補者となろうとする者」というような規定があるわけでございます。そういうことも勘案しながら、立候補予定者を具体的に規定するに当たりましては今のような規定等も十分参考にしてこれから詰めてまいるというように考えている次第でございます。
○仙谷委員 今のお答えは昨年の浅野選挙部長のお答えと全く一緒なんですよ。全く進展がないというふうに考えざるを得ないわけです。やはりこの辺は実態の中でくくっていきませんと、概念で幾ら絞り込もうとしても、では候補者となろうとする者と立候補予定者を同じにするとしましょう。候補者となろうとする者というのはどこからどこまでいうんだ、こういう話になりますね。まさに候補者となろうとする者がどの範囲なのか、ここが問題なわけでしょう。ましてやこの選挙制度審議会の答申でいけば、これは刑事罰の規定の適用対象になるということですから、余りあいまいな、望洋とした外延があるような、こういう概念では困るわけですね。 そこで、もし立候補予定者、候補者になろうとする者というふうなことであれば、例えば記者会見をして発表したという社会的事実があれば候補者となろうとする者、こういうふうに認めるんだ、解釈規定ですね。あるいは記者発表をした、あるいは政治資金規正法上の確認団体の届け出をした、ある人を候補者として担ぎ出すために、清い政治をつくる会でもあすの東京をつくる会でもそんなことがありますね。そういう確認団体の届け出をした、あるいは政治資金規正法上の政治団体としての推薦候補者として名前が出た、新たな政治団体がつくられてそういう届け出がなされた、そういういろいろな徴憑を並べてみてどれか一つに該当する場合には候補者となろうとする者である、あるいはそのうちの二つに該当すれば候補者となろうとする者である、あるいは立候補予定者という概念にするんだというふうに考えないと、とても絞り切れないと思うのですね。その点いかがですか。
○吉田(弘)政府委員 どの辺で絞り込むかというような話でございます。今いろいろ客観的なメルクマールとして一つの指標をお挙げになりましたが、そういうことも一つであろうと思いますが、公職の候補者となろうとする者とは、立候補の意思を有している人は当然のことでございますが、客観的に立候補の意思を有していると認められるような者も含まれるというのが従前からの考え方でございまして、今回もそういう考え方でまいりたいと考えております。
○仙谷委員 私の方から提案的に意見を申しておきますけれども、先ほど申し上げたメルクマールとともに、これはもし選挙犯罪、つまりそういう犯罪構成要件との関係でお考えになるとすれば、それにプラスして期間、つまり告示の、あるいは公示の何カ月前からは客観的に、それ以前からずっと先ほど申し上げたような徴憑があって政治活動をなさっておる方で、現職の候補者ももちろん含まれますけれども、それで告示期間から二カ月なら二カ月、一カ月なら一カ月、公示期間から一カ月前の段階から立候補予定者あるいは候補者となろうとする者という要件のもとに犯罪の主体として考えられ得る可能性が出てくるんだ、こういうふうにしたらいかがかと思うのですが、御意見ございましたらいただきたいのです。
○吉田(弘)政府委員 一つのお考え方かとは存じますが、いろいろ選挙によりまして任期満了の選挙もございますし、解散の選挙もございますし、また立候補をする方々もいつの時点で、直前に意思決定をするとか、あるいは相当前からとかいうのがありまして、一律にそこで決められるかどうかというのもなおよく検討してみなければいけないかなという感じがいたしております。
○仙谷委員 余りできないできないとおっしゃったら何もできないので、どこで区切りをするかという問題だと思います。 次に、先ほど秘書のお話が出ました。「連座制の対象となる者の範囲の拡大」の中に秘書が出てきますけれども、秘書はどういうメルクマールで秘書であるか秘書でないか決めるのでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 今回の答申でまた秘書が連座の対象になってくるわけでございますので、この秘書の範囲ということを決めていかなければならないわけでございます。これはどういうものを具体的に決めていくかということはやはり成案化の段階で十分検討をしていかなければならないと考えておりまして、今の考え方としましては、いわゆる公設秘書に限らないで、社会観念上公職の候補者の秘書としての実体を有している者を対象にすることが適当ではないかと考えているところでございます。
○仙谷委員 社会観念上、社会通念上実体を有しておるということになると、やはりこれも実体としての何らかのメルクマールが要ると思うのですね。その議員の、あるいは議員候補予定者の後援会事務所から給料をもらっておるとか、あるいはどこそこの企業から派遣をされて秘書的な仕事に従事しておるとか、あるいは秘書の名刺を使っておる、公設秘書以外の者ですよ、秘書の名刺を使っておる、あるいは私は秘書ですということを、業としてと言うとおかしいかもわかりませんけれども、法律用語としては業としてでしょうね、業として秘書名称を使用しながら業務を行っておる、こういうことになろうかと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 いろいろな要素があろうかと思います。単に肩書とか名刺とかということだけではなくて、実際にどういう業務に従事をしているか、一口に秘書といっても、単純なお茶くみのような人から、もう少し代表的に選挙運動にタッチするというようなものがあると思いますので、実際にこの対象ということになりますと、連座の対象ということでございますので、それなりのものを観念して、社会通念上秘書というものに該当する者を対象にしていかなければならないと考えております。
○仙谷委員 この点についてもこの程度で時間の関係上置きますけれども、この秘書と立候補予定者の問題については、作業としては進められておるというふうにお伺いしていいですか。
○吉田(弘)政府委員 内部的に今検討をしているところでございます。
○仙谷委員 次に、この選挙制度審議会の答申でいきますと、「制裁強化のための新たな措置」というところで書かれておる部分についてお伺いをいたしたいと思います。 ここで書かれておるのは、刑事罰を科すことなく公民権停止等の資格剥奪あるいは刑事裁判とは別に迅速に処理するということが書かれておるわけですね。それから、二の4でも「裁判所に選挙違反事件に専念できる部を設け、」「迅速な審理を行う」こういうふうに書かれております。この点についても昨年この委員会で私議論をした記憶があるのでございますけれども、現在の当選無効、被選挙権の停止についての結論がどうも遅い、国民の政治不信を払拭するような制度として機能していないという理解がここにあるのだと思うのですね。それでこういう答申が出ておるのだと思いますけれども、今選挙制度審議会あるいは自治省内部でこの点について何らかのお考え方といいますか、方向性が出つつあるのでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 これも先般の答申で「制裁強化のための新たな措置」ということで、公職選挙法に違反した者のうち特定の者には刑事罰を科さずに公民権の停止という資格剥奪だけにとどめる、また連座による当選無効の処分を刑事裁判とは別に迅速に処理することなど、制裁の強化のための方策について司法制度の基本的なあり方との関係もあり、引き続き検討することが適当であるという答申をいただいておりまして、現在、選挙制度審議会の第二委員会で、この問題についてどういう対応をしていったらよろしいかということを鋭意検討をされているところでございます。
○仙谷委員 自民党の政治改革基本要綱というのができまして、いわば自民党内では、私どもが理解する限り、政治資金規制については、これは非常に自民党としては血の出るような厳しい問題なんだ、そういう改革要綱を決めたんだというふうにおっしゃっておりますけれども、これは自民党の党内の話でございますから我々はほとんど関係ない話です。ただ、選挙の腐敗行為に対する制裁の強化という点については、これは自民党の議員の方々の問題だけでもなければ、あるいは我々と無関係であることもないわけですね。非常に関係がある。ところが、十一月二十七日に出された自民党の政治改革基本要綱を拝見しましても、いわば選挙制度審議会の答申、検討課題とされたようなところについての答えはほとんどございませんね。ほとんどというか全くない。選挙制度審議会の答申にしても検討しなければならないとか、いわば抽象的なことが書いてあるだけで、具体的にどうやったらここに書かれてある実効性のある、効率性を有する腐敗防止のシステムをつくることができるのかというのはこの中にはないですね。考えましたら、これはもうほぼ一年が来ようとしているのですよ、平成二年四月二十六日ですから。にもかかわらず、今おっしゃったような、この審議会の中で議論しているというだけの話で全く我々のところには見えてこない。見えてこないから議員同士で、政党間でそういう協議、議論をやってくれということならば、もうその選挙制度審議会もやめていただいて、自民党、我が党、公明党、民社党、共産党、これでやらなければいけないと思いますけれども、本当にこれは何らの方向性も今の段階で出ていないのですか、第五の二と三に係る新たな措置あるいは連座裁判の促進。
○吉田(弘)政府委員 審議会も鋭意検討をしているところでございまして、御承知のように、特に「制裁強化のための新たな措置」というところの答申の中にも書いてございますように、「司法制度の基本的あり方との関係もあり、」ということも書いてございますが、現行の司法制度、裁判制度と大変大きな関係があるわけでございます。先ほど御指摘ございましたように、現在の連座等によりましてはまず刑事を確定させて、それから資格剥奪の方へいくというようなことでございますので、それを促進するということになりますと、そこの部分をどうするかという問題にもかかわってくる問題でございまして、審議会の方では各委員それぞれ鋭意御審議をいただきまして、また外部からも関係の学識経験者等もおいでいただきまして意見の開陳も願っているということで、鋭意、今検討しているというような段階でございます。
○仙谷委員 その具体的内容については全く把握ができないわけでございまして、私といたしましては極めて残念と言わざるを得ないわけであります。 当選無効、連座についての効率性といいますか、あるいは実効性といいますか、こういう観点から考えますと、どうしても刑事裁判とは別の制度をつくるしかないのではないか。と申しますのは、刑事裁判というのは、これは基本的人権の、特に刑罰を受けるということですから、まず犯罪構成要件が特定していて、明確であって、厳格でなければいかぬ、こういう要請がございます。それから審理においても、当然のことながら法定手続が保障されなければならない、適正手続が保障されなければならない、憲法上の要請でございます。そして、手続の中でも採証法則といいますか、証拠法則は厳格でないと、これは犯罪になるためには少なくともその三つの要請が必要なんですね。日本の裁判制度でそれを満たすとなりますと、これはどうしても時間がかかる。むしろ刑事裁判はある程度時間をかけていいんだ、争う裁判は。そういう前提でないと成り立たないと思うのですね。 おとといのテレビでございますか、百二十二人の選挙違反が全部無罪になったというふうな驚天動地のことも起こり得る。それから冤罪事件を調べますと、これは冤罪を被告人が粘り強く主張して時間を長くかけたから冤罪であることがわかるのですよ。田中ロッキード事件でも、皆さん検察官にでたらめの調書をつくられたということを言っているじゃないですか。それはうそか本当は私は申しませんけれども、法廷で言っている。つまり、調書のつくり方に無理がある場合もあって、それを争うのが刑事裁判だというふうにしませんと、警察官や検察官がつくった調書がすべてそのとおりでございますと言うのだったら裁判は要らなくなりますから。そんなことで刑事裁判との関連性を断ち切る。そのことがまず選挙の腐敗防止、政治浄化にとっては非常に必要なんじゃないか、そういうシステムをつくるべきだと私は思います。 一つは、構成要件を少し緩めてやる、あるいは形式化してやるということがまず実体法上といいますか、どういう場合に当選無効になるのかという問題としては必要なんじゃないか。もう一つは、刑事裁判と別の手続にしてやるということだと思うのです。三つ目には、一番目の実体要件とも関係するわけでありますけれども、選挙運動費用の制限、例えば制限という、超過というものをこれは三木私案という、郷里の徳島出身の三木武夫元首相がつくった私案のようでございますけれども、その私案でいきますと、それを今度は調査する独立の機関をつくってやる、この三つがあればちょっと違った方向に動くのではないかというのが一年間勉強してみての私の実感なんですね。 一つお伺いしたいのは、その三木私案との関係もございますのでお伺いをいたしたいのでございますが、選挙運動費用制限額の違反というのが、これは公職選挙法上百九十四条、百九十六条あるいは罰則規定としては二百四十七条ですか、これも当然出納責任者が犯罪を犯した場合には連座適用、当選無効という可能性があるわけでございますけれども、この構成要件といいますか、犯罪として問われたケースというのは戦後あるのでしょうか。
○石附説明員 お答えいたします。 選挙運動費用制限額違反の検挙例とのお尋ねでございますけれども、戦後昭和四十九年までの間に二十四件、二十三名の検挙がございます。 以上でございます。
○仙谷委員 おわかりになる範囲で結構なのですが、それが当選無効裁判まで、検挙だけじゃなくて起訴それから有罪、当選無効というふうになったケースもあるのですか。
○石附説明員 お答えいたします。 その内容につきましては、検挙時期が大変古いということでございまして、詳細不明でございます。
○仙谷委員 私の感じではどうもこの規定も実効性を持って機能しておるように見えないのですね。それはやはり選挙費用、この構成要件の中に含まれる選挙費用というものがどの範囲なのかというのが法文上は非常にわかりにくい体裁になっておることもありまして、例えばある陣営が買収事件を起こした、供応事件を起こした、その費用はここで言う選挙運動費用に含まれるのですか、含まれないのですか。
○吉田(弘)政府委員 選挙運動の場合、候補者なり出納責任者と意思を通じて行われた場合には選挙運動費用に入るというような判決もたしかあったと存じます。
○仙谷委員 今おっしゃった判例は多分昭和三年の判例だと思うのですね。要するに今の捜査の実態としても、買収、供応事件があっても、それが今おっしゃったように意思を通ずるというところが非常にネックになって、選挙運動費用制限超過罪といいますか、そっちの方へはどうも持っていってないというふうな実感を持って私は受けとめておるのですけれども、そんなことだろうと思うのですね。 ところが、反対に考えますと、これは割と形式犯ですよね。選挙運動費用の上限額を決めておいてそれをはみ出す。今の選挙運動費用の報告書を拝見しますと、自分のことにも関係するのですが、大体皆さん上限額のちょっと下目あたりを書いていらっしゃる、つじつまをどこで合わせておるのかは知らぬけれども書いている、こういうことになっておるわけですね。だからその場合に、例えば一千万単位の、一千万じゃなくてもいい、二、三百万単位の買収、供応事件が発生した場合には選挙運動費用超過になる。さっきおっしゃった意思を通ずる通じないという、ここの問題さえクリアされれば制限額超過になるということになると思うのですね。私は、三木私案というのもまさにその点について着目して、早期に当選無効というところへ持っていくためにその形式性に着目して、どうもこういうことをお考えになったのじゃないか、これは一つの卓見だなというふうに感じたわけでございます。この点を、今の選挙費用の制限の百九十四条、百九十六条、この辺を改正して別途の当選無効訴訟、あるいは今からまた私、提案しますけれども、立候補制限の訴訟というふうなところへ持っていくというお考えはございませんでしょうか。あるいはそれについてどういう御意見をお持ちでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 御承知のように現在は連座の規定でいっておりまして、刑事裁判が確定してから民事裁判へということになりまして、この辺の問題は、先ほども申し上げましたように現在選挙制度審議会の第二委員会の方で鋭意御審議を願っているところと承知しております。 問題は、現行の我が国の司法制度の問題ともかかわる問題もありますが、そのほかにも、仮に民事の方に持っていった場合に、刑事と民事を切り離して持っていった場合に十分な証拠収集能力があるかどうかというような辺もクリアしなければならない問題の一つではないかというような気はいたしております。
○仙谷委員 ちょっと角度を変えてお伺いするわけでございますが、公職選挙法百九十三条というのがあります。それから、政治資金規正法でいいますと二十九条、三十条あるいは十二条というのもございましょうが、あるいは三十一条というのが存在をするわけでございます。公職選挙法百九十三条、これは「都道府県の選挙管理委員会は、」という主語ですが、「報告書の調査に関し必要があると認めるときは、公職の候補者その他関係人に対し、報告又は資料の提出を求めることができる。」こういうふうになっておるわけですね。ここは政治資金規正法の三十一条のように形式的審査権ではなくして、本当は実質的な調査もできる可能性がある、そういう条項になっていると私は思うのですね。これを発動をしているのかいないのか、実質的な調査を行うというようなことがあるのか、あるいは実質的な調査を行うことが妥当でないのか、その辺、自治大臣でも自治省の方からでも結構ですが、お答えをいただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 御指摘ございましたように、公職選挙法上もそれから政治資金規正法上もそれぞれ調査権というのがございますが、これは実質的調査権でなくて形式的な調査権というふうに私ども理解をいたしております。
○仙谷委員 公選法百九十三条の方を政治資金規正法の三十一条に比べますと、私は形式的審査権というふうにだけは読まなくてもいいと思うのです。だけれども、行政権力が選挙なり政治に介入していくという、これは乱用されると大変な問題になるということがありますね。権衡的でなければならないということになると思うのです。 ところが、国民感情からいいますと、選挙運動費用の届け出、報告書ですね、それから政治資金の報告書、こんなインチキなものないだろうというのは、国民に聞いたら、多少選挙にでも行く人に聞いたら八〇%以上だと思うのですよ。それで、私は先ほど申し上げた選挙運動費用の制限超過を、これを後から申しますけれども、立候補制限との関係で何らかの新たな訴訟の枠組みをつくって、そして行政権力ではない独立の行政委員会がこの選挙運動費用と政治資金についての報告書、これについて実質的な審査権、調査権を持つ、こういうふうにしてはどうか、あるいはした方がいいのではないか、そうするしか方法がないのではないかという見解に今到達をしておるわけでございますけれども、現行法上といいますか、現行憲法体系上、そういう選挙運動費用の実質的な調査権を持つ独立の行政機関、こういうものをつくることは現行の憲法上問題がございますでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 現在私ども、政治資金規正法等で自治大臣あるいは都道府県選挙管理委員会の調査権は形式的調査権になっておりますが、実質的調査権を持つと、本来自由であるべき政治活動の世界にそういう行政権能が入っていく、それはいかがかということで形式的な権能にとどまっているというふうに理解しておりますので、その辺をどう考えるかという問題はあろうかと存じます。
○仙谷委員 行政権そのものであれば、自治省がやるということになると問題があると思うのですね、自治大臣がやるということになると。第三者機関、独立の行政機関、独立性を持たせた機関をつくれば、行政権力の介入という問題は少なくとも制度上は一応払拭できるといいますか、カバーできるといいますか、コントロールできるのではないか。例えば今公正取引委員会というのが日本にはございますけれども、あるいは、まあ国税庁はそうは言えないかもわかりませんけれども、独立の権能を持ったそういう機関というのはあるわけですね。これが行政権力の意向に左右されずに業務が遂行できるシステムであれば、この選挙運動費用あるいは政治資金の届け出、報告書、これらについてむしろ調査をすることの方が、国民感情から見ても、あるいは選挙運動費用とか政治資金とか言われるものの公共性、公益性から見ても、その程度の規制はやむを得ないのではないか。むしろそれは我々国会議員がみずからの自浄作用、自律機能として受け入れた方がいいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 時間が余りありませんので話を変えますけれども、フランスで今度選挙運動費用収支報告及び政治資金全国委員会というのがつくられた。「外国の立法」というのに書いてあります、二十九巻四号でございますが。この説明書きを見ますと、「同委員会は、選挙運動収支報告書を承認又は対審手続きにより却下若しくは訂正するほか、限度額の超過が明らかになったときは選挙裁判官に審理を求め、また各種の違反を発見したときは記録を検事局に送付する等の職務を行なう。」と書いてありまして、「選挙運動費用の限度額」というところでは、限度額を超えた場合には「候補者は一年間被選挙権を持たないものとされた。」というふうになっておるわけですね。 私は、すべてフランスに做えなんということを言うつもりはありませんけれども、日本の場合にも、この選挙運動費用を超過した、それだけで、私が申し上げる第三者たる行政機関が裁判所にその人の当選無効と立候補制限を提起して、そこでそういう結論が出ればある期間だけ、ある選挙区からのみ立候補することを禁止するというふうにすれば、何とか政治浄化といいますか、あるいは腐敗防止についての一般予防的、特別予防的効果があるのではないか、こんなふうに今考えておるわけでございます。 それで、当選無効と今の被選挙権の停止といういわば一律全面的な基本的人権である立候補権の制限というよりも、当該選挙区からのある期間を限っての立候補制限、こういう考え方は、今の当選無効あるいは被選挙権の停止、いわゆる連座の規定によるペナルティー、制裁ですね、これとの関係でどういうふうにお考えになりますでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 制裁強化の一つの考え方として、全面的に被選挙権の停止ということではなくて一定の選挙区からの一定期間の立候補制限というような考え方は、これは実は答申の方の今回の立候補制限についても、全面的な被選挙権の停止じゃなくて、制裁強化の措置としては立候補制限の資格剥奪ということでございまして、その限りではまさに先生のおっしゃることと答申の考え方は一致しているということかと存じます。
○仙谷委員 今の立候補制限の問題は、ペナルティーのレベルが低いペナルティーで、なおかつ選挙浄化あるいは腐敗防止という観点からはむしろ効果があるのではないか、特にそれが効率よく早期にそういう結論が得られるとなれば政治腐敗の防止にとっては役立つのではないか、こんなことになろうかと思います。そのシステムをどう考えるかということじゃないかと私は思いますけれども、いずれにしましても今回のこの政治改革というのは、選挙制度審議会の答申にも書いてありますようにもともとは政治と金が問題だったわけですね、リクルート事件。ところが、何か政治と金の問題だけ置き去りにして、今選挙制度だけを小選挙区比例代表並立型というのに持っていけばすべてがうまくいくような幻想を唱えたり、あるいはそこまで言わなくとも、何か小選挙区制にすることが政党本位の選挙になって、自民党の特に各派閥間の政策とは関係のない個人的な票の取り合いを防ぐことになって政治浄化につながるんだなんという議論がございますけれども、私は決してそうでないと思う。やはりこの問題は腐敗防止の問題で、つまりイギリスより百年おくれておりますけれども、今こそ本格的に取り組まなければならない、こういうふうに思います。 それと、委員長。先ほど浅野議員からも御発言があったわけでございますけれども、この問題につきましては、やはり私ども議員の自浄作用といいますか、自律的な機能として国民の政治不信をどういうふうに我々が考えて払拭していくのか、こういうことだと思いますので、政府委員が出席できない、あるいはなさらない場合でも、あるいは大臣が出席できない場合でも議論を、政治改革論議をいわば議員間で活発に行うという委員会運営をぜひ行っていただきたいと要望して、質問を終わります。
○石井委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○石井委員長 速記を起こして。 それでは次に、佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 第十二回の統一自治体選挙もあと十二日で始まるわけでございますけれども、この統一自治体選挙の執行予定といいましょうか、実施率といいましょうか、ほとんど統一というのが崩れてくる。一番残っているのが都道府県議会の議員ではないかと思いますが、十一ある政令市ももう一つになっているということで、私のように選対の実務をやる者からいいますと、確かに統一自治体選挙というのは国民の皆さん方に自治の意識、観念、これをしっかり持っていただくという面では、ある意味では大変評価すべきやり方ではないか。 しかし一方、これが崩れてくるのも、例えば政令市の場合には、合併があってという場合もあるだろうし、議会の解散やあるいは不幸にして首長の汚職事件とかいろいろな事情があって統一が崩れてきておるわけでありまして、その意味ではよく我々の議員の中でも議論があったわけでありますけれども、一回だけ、もう一回統一自治体選挙ということで整理ができるならば、これはこれなりに一つの物の考え方ではないかと私は個人的には思っているのです。ただ今度また統一しましても、首長にいたしましても議会にいたしましても、また新たな解散ということになってまいりますと、これはそれだけやっただけの価値がないのではないか、あるいは残存任期をどうするかとか細かくは――細かくないのかもしれませんけれども、議員の方の年金をどうするかとかいう問題にまで波及してくるわけでありまして、かつて政府あるいは自民党さんの中といった方がいいかもしれませんが、もう一度十月何日に自治の日をつくって全部統一するようにしたらどうか、しかも、一年に一回にして、四年に一回ということの統一日ではなくて調整日を一年単位でやったらどうか。もちろんその間には残存の職務代理者をどうするとかいろいろ新しい問題も発生してきますが、そんな問題も言われたことがあるのでありますけれども、現在この統一自治体選挙というものがこういうふうに統一ということでだんだんなくなってきているということについて自治省はどういうふうに、新たに何かもう一回統一しようというお考えがあるのか、いやそれはやっても結局またむだな努力になるというお考えなのか、その点はいかがでございますか。
○吉田(弘)政府委員 ことしは第十二回の統一地方選挙を四月に迎えるわけでございますが、ただいま御指摘ございましたように、この統一地方選挙の実施率といいますか件数も回を追って減ってきているというのが実態でございます。その原因は、御指摘ございましたように市町村の合併でございますとか任期満了前の長の退職ですとかあるいは死亡、議会の解散等の理由によって減ってきているということでございます。このように減ってきている状況の中で、私ども自治省としても今後の統一地方選挙のあり方につきまして、問題意識は持っているわけでございます。 御案内のように、既に五十一年の第十六次の地方制度調査会では、毎年十月五日を地方自治の日とするというようなことで、すべての地方選挙を統一して地方自治の日に実施するというような答申もかつてあったこともあるわけでございます。そういう格好で再統一なり実施率を高めるという方法はないわけではないのですが、やはりその場合は任期の特例を設ける必要があるというようなことがあるわけでございます。 それから、長い間行われてきた地方選挙の仕組みを変えることについての関係者への影響も大変大きいものがあるということもございますので、この問題につきましては、やはり各党の御意見はもちろんでございますが、当事者である地方の方方の意見を十分拝聴しながら検討をすべき事柄ではないかと考えている次第でございます。
○佐藤(観)委員 次に、私も長いこと当委員会におらせていただいているわけでありますが、先輩各位と我々の国政選挙の公営の拡大ということは随分進めてきたわけであります。私のように貧乏候補というのは大変それで助かっているわけでありますけれども、絶えず言われますのが、国会議員の選挙の公営はやるけれども、我々つまり地方議員、自治体議員の方々の公営はちっともやってくれないではないか、こういう声を聞いているのは私だけではないと思うわけであります。既に最近の国会に対しても、各県や市の決議案あるいは陳情書、請願、こういったものも随分上がってきているわけですね。 そういった意味では、選挙に出たい人が最低限必要なポスターの印刷、はがきの郵送料、それから選挙運動をするための自動車の借り上げを国政では認めているわけでありますけれども、せめて選挙に必要ないわば三種の神器ぐらい公営化ということを進めていいのではないかというふうにかねがね言っているわけでございます。確かに問題は公選法の百四十一条、百四十二条、百四十三条で、今のシステムでは、法律体系ではこれができないことになっているわけですね。地方自治体がみずから条例をつくっても、公選法でそういう窓が開かれていないということになっているわけでありまして、これはやはり地方自治体、地方議員の方々をなるべく出やすくするという意味において、もちろん供託金を没収される方についてはこれは支給をしないというのはその方式でいいと私は思うのでありますけれども、この地方選挙の公営の拡大、これはやはり自治体がそれをやらないのじゃなくて、法律でそれができないことになっている窓だけはあげるべきではないか。そして、おのおのの自治体でやることが決議をされたらば、それはやる。 例えば、御承知のようにポスターの掲示場の設置、それから選挙公報の発行というのは、自治体が条例を決めればできることに公職選挙法上なっているわけでありますけれども、確かにお金がかかるということかもしれませんが、ポスターなりはがきなり、あるいはいわゆる候補者カーの借り上げというのは法律上許可されないということになっているわけでありまして、これはぜひ、何も統一自治体選挙に間に合わなくたってやるべきではないかというふうに思うのでありますが、なぜこれを許可できないのか、その点についてお伺いをしたいと存じます。
○吉田(弘)政府委員 地方公共団体の選挙の公営の問題でございますが、この選挙公営につきましては、金のかからない公正な選挙の実現という見地から逐次拡充がされてまいってきたところでございます。現在、地方の選挙におきましては、例えば御指摘ございました自動車の使用でございますとかあるいはポスターの作成等、国の選挙では公営が認められているけれども地方では認められていないというものがございまして、必ずしも同種の公営が実施されているわけではないわけでございます。 これは選挙が行われる区域の広狭、選挙運動期間の長短ですとか、あるいは選挙運動費用の多寡の問題、候補者数の相違等、それぞれの選挙に応じまして対応が異なるというようなことが一点と、それからさらには、財政措置の問題等もございまして、そういうことを総合的に勘案されてそういう結果になっているというようなことでございます。 そういうことでございますので、公営の拡充ということはそれは必要なことかと存じますが、やはり今言ったような問題を十分踏まえながら、今後慎重に検討をしていかなければならない問題だと存じております。
○佐藤(観)委員 一番肝心な公営を拡大をした場合に、その費用をどこで持つかというのはいろいろ議論があろうかと思うのです。既に県知事のはがきにつきましては、これは県の費用としてやっているということがあるわけでありますから、一体その費用をどこで持つかということは非常に重要な問題としてあると思います。 しかし問題は、一番重要なことは、今選挙部長が言われたけれども、その選挙の態様に応じてどうするかということはそれこそまさに自治で、自治体が決めればいいのであって、何も国がそれをやっちゃいけないということで公選法でそれを事実上禁止をすることは必要ないのではないか。あのポスターの掲示場についても条例でできることになっておるものですから、四十人も五十人も出るような掲示板を、大きな掲示板を、あそこまでいくとポスターを張っても意味がないんじゃないかと思うのですが、これを条例をつくってやっているところもあれば、それはやはり無意味だと思ってやらないところもあるわけで、私は法律で縛る必要はないのではないかということが一つであります。 それともう一つは、私はその態様について、先ほどから言っておりますように選挙運動用の自動車とはがきとポスターの作成、この範囲を言っておるのでありまして、例えば公営で我々の選挙でやります政見放送とか経歴放送とかあるいは乗車券の無料交付、こういったものまで自治体選挙の場合に広げろと言っているわけじゃないので、これは実務的になかなか難しいですからそれはなしにして、せめて選挙に必要な三種の神器ぐらいは地方自治体がやりたい、あるいはその財政力に応じてやるという場合には、これはその地域の議会を通じて条例を変えてやることができるならば、そういう要求があればやればいいのであって、何も国で公選法で締め切ってしまってできなくするという必要はないのではないかと思いますが、いかがでございますか。
○吹田国務大臣 ただいま佐藤先生のお話を私も伺っておりまして十分理解できるわけであります。特に私も地方自治体の責任者であった時代もございまして、そういう点は十分理解できます。ただ、今選挙部長からもいろいろと申しておりましたが、そういった問題点もあるようでありますから、ひとつ私の方もできるだけ、今回の中央における選挙制度問題もここで、非常に難しい問題であってもみんなで研究していこうということでありますから、こういった地方の問題につきましても今お話がありましたような形で、できることから、全部を一遍にやるということでなくてもできるものから一つ一つ片づけるというような方向にでもなればと思いますもので、前向きにひとつ検討だけはさせていただきたいと思います。
○佐藤(観)委員 大臣からそういう力強い答弁をいただきましたのでもう繰り返しませんけれども、これは一体幾らぐらいのお金がかかるのだろうかと思って専門家にはじいていただきました。ただ、いろいろな仮定があるものですから、一体候補者が何人出るかとか、あるいは自動車の場合に日にちが短いのでどういうふうに、我々の国政並みの一日の借り上げ賃というもので済むのかどうかということはいろいろありますが、例えばそういう我々の費用で計算するとかあるいは、はがきはわかっていますね、四十一円ですからわかっているし、ポスターは何も二種類は要らないので一種類でいいわけですから、そしてその枚数等々をかけて専門家に計算していただいたら、どうはじいても総額四百億円ではないか。つまり四年間で地方自治体で行われます自治体選挙の全部が四百億ですから、この数字をどういうふうに見るか。四年間で割れば百億ずつですし、三千三百の自治体でございますからそれで割ってみれば、民主主義を進めるという意味においては四百億というのはそう高い金額ではないんじゃないだろうか。しかも供託金を没収された人は当然交付をしないということですし。それから、やはり基本的には費用は地方自治体が持つべきものではないか。ただし、基準財政需要額に入れる。そして、初めのうち、促進させるという意味においては、例えば国が半分持つということも一つの考え方だろうし、それはいろいろこれから議論があると思いますが、いずれにしろ国会議員ばかり公営化を進めて、我々が地方議員の方々から全く後ろ指を指されるというようなことはいかぬ。しかも、禁止をしなくたって――禁止をしているという認識じゃないのかもしれませんが、禁止をしなくたって、地方自治体がおのずと条例を変えてやろうというところはやっていいのじゃないでしょうかね。 大臣からそういう御答弁をいただきましたので、自治省内部におきましても十分御検討いただきたいし、私も、きょうは塩崎理事もいらっしゃいますので自民党さんにもいろいろ働きかけをして、国会議員だけ公営化をどんどん進めるということじゃなくて、ひとつ自治体議員の方々でも出られる人は最低の運動はできるという体制にしていきたいと思うわけでございます。 次に、政治改革の問題についてお伺いをしたいわけでありますが、先ほど仙谷議員からも御指摘がありましたように、どうも政府の選挙制度審議会、自民党の案、どちらを見ても何か選挙制度さえ変えればバラ色の日本の政治ができるがごとく見えるということについて私も大変疑問を持っておりますし、政治改革の基本は政治資金規正法の問題だ。やはり企業献金をどう遮断をしていくのか。ロッキード事件あるいはリクルート事件というもののことを挙げるまでもなくそう思っておるわけでありますが、政治資金規正法の問題をきょうやりますと、残念ながらちょっと時間がないものですから、選挙制度論の問題について、いわば大臣の民主化度といいましょうか、小選挙区比例代表制というものについて、大臣はどういうふうに考えていらっしゃるのか、若干お伺いをしたいと思うのであります。 この選挙制度審議会の案の三百一対二百にいたしましても、あるいは自民党さんがお決めになる総計四百七十一の三百対百七十一にいたしましても、これは基本的に格好は一緒なので、その数字はいいのでありますけれども、一体小選挙区というものは、やっている国がないわけではありませんけれども、大臣どうでしょう、首長というのは一つの決裁をして、一つの物をつくるにいたしましても制度をつくるにいたしましても最終決裁をして、そして行政を進めなければいかぬという立場でありますから、その意味では、一票の差でも一つの決裁者としてそれは制度上認められるということは私もわかるわけでありますけれども、議員というのはいわばその地域におきますいろいろな声というものを反映していく、議会の中で反映をしていくというのが議員の職務、職責ではないか。その意味では、一つの地方から一人だけ選ぶ、つまり一つの意見しかその議会に反映をしていかないというのは、逆の言い方をすれば、極端な話、五党が均衡しておれば二一%の票でも、極端な話ですよ、出れる。現に大都会では、失礼ながら自民党さんでもそういうふうなところがある。そうすると、残りの、正確に言うと七九%というのでしょうか、その意見というのは全く議会に反映されない制度というのは、自由民主党の「民主」からいってこれは民主的な制度だというふうに大臣はお考えでございましょうか。 これは、選挙制度審議会の担当である自治大臣という意味とは別にして、選挙制度審議会は選挙制度審議会なりのお考えを持っていらっしゃるわけでありますが、それとは別にして政治家吹田自治大臣という立場で、そういうように一つの議会の意見というものがその地方から全く一つの、しかも絶対過半数ではない意見だけで一体民主主義というものが健全であると考えていらっしゃるか、その点はいかがでございますか。
○吹田国務大臣 先ほどから私もたびたび申し上げておるわけでありますが、選挙のみならず政治というものの基本からひとつ将来に向かって考えてみなきゃならぬなということは、国民から信頼される政治ということから起きてきておるわけであります。それにつきましては、従来たびたび国民から信頼を失うというような問題もこれあり、この際、二十一世紀へ向けての問題でありますだけに、この時点でやはりきちっと我々の時代につくり上げておく必要があるのではないかということから、選挙の浄化という問題から、政治の透明化というような問題から、この政治倫理の哲学に沿って選挙制度と政治資金規正法の問題を一体のものとして考えていこうという中に、実は選挙制度については今の制度でどうであろうかということについての研究がなされてきたわけです。このことは、今佐藤先生おっしゃるとおりでありますが、ただ、私も決して、小選挙区というものの答申が出たからこれを実施しなければ他の選挙方法は全部だめです、悪ですということを申し上げておるわけではございません。今の中選挙区制度だってこれも非常に立派な得るべき長所を持っておると思います。それによって今日までの、戦後の日本というものは推進されてきたというふうに、一番最初は大選挙区でありましたけれども、その後はずっと中選挙区制度をとられてきておるわけでありまして、したがいまして、私としましては、決して今の制度ですべてがだめであるというふうには考えませんけれども、現状の年々変わってくる社会情勢、あるいは選挙民と被選挙民との関係、あるいは問題が起きております諸問題等を考えていきますと、人口の異動等も相当なものでありますし、だんだんとその関係も深まっておるということから、憲法にまで触れるのではないかというような問題等も出てくるということからいたしますと、この際、相当抜本的な改革を定数問題等を含めて、配分の問題もやっていかなければならぬ。それには選挙区というものもかなり手をつけなければならないというような問題がございます。そういったこと等を含めて総合的に判断すると、この際、むしろ思い切って制度の改革ということに踏み切って考え方を持つということも適当ではないか、そういうことを考えてみると、このたびの審議会から答申されておる内容というものもこれは十分傾聴に値するのではないかということで、私ども担当の省としてもこれに研究を加えておるわけであります。 自由民主党の方もそれなりに、私が自民党に所属しておりますから申し上げるわけではありませんが、自民党の方も、私が聞き及んでおります範囲からいたしますとかなりの検討もされておりますが、またそれにはそれで別の意見も党内に今ありますから、いろいろな面で党内におきましても御論議が進んでおるというふうに伺っております。 ですから、このことはそれぞれの党内におきまして御意見のあるところであろうと思うのであります。それだけに非常に困難な、これを統一して一つの法案にまとめるには困難な問題だと思いますが、長い目で見れば、この際、きれいな政治活動というものが日常において実施されていくということになってくるとすれば、政党政治でありますから、政党とその政策というものを基本に置いて進めていくのが最も妥当な方法ではないかという意見に私も賛成をし、私もそういう考え方に今立脚しておるところでありまして、これには、まだこれからも研究の段階でいろいろと御意見を交わしていく問題でありますから、本日の段階でこれ以上のことを申し上げるのはいかがかと思いますが、まだ提出段階まで法案が成っておりませんし、そういう意味においてこの程度で御了承いただければと思っております。
○佐藤(観)委員 この中選挙区制もいいところもあれば悪いところもある、そのとおりですし、制度というものは、絶えず言われておりますように完璧なものはない、こう言われているわけですが、いやしくも代議制度である限り、国民の意思をできる限り正確に反映をする制度でなければ、これは負託を受けて全く国民の意思と違う格好で出てくるような制度では、極端な話です、全く違うというのは極端な言い方でありますけれども、その国民の考えているいろいろな意見の形成というものと違う、それがほぼ相似形になってない形で出てくる制度というのではこれはいかぬのじゃないか。ですからそれは、もちろんその中には投票価値の平等もあれば、死に票ができる限りないこともあれば、候補者というものは当然顔が見えるということもなければいけませんが、いずれにしろ一番重要なことは、国民の考えているいろいろな意見というもの、あるいはそれはいわば政党に代表されるわけでありますけれども、政党の支持される率というものが、そのままその比率が議会の議席数に正確に、できる限り正確に反映をしていくという制度でなければいかぬじゃないだろうかということで、私は制度論からいえば比例代表制がその意味では一番正確ではないか。ただ、比例代表制もいろいろ難点がありますから、それはちょっとまだ先の議論といたしましても、私が大臣にお伺いしたいのは、大臣の言われたそこまでは御発言として理解するにしても、問題は、一体その小選挙区というものは、いかにこの比例代表をくっつけてみたってその小選挙区部分では、第二党の意見、第三党の意見――第一党の意見だけが議席に反映をしてくるという制度であるわけですね。そのことについてはどういうふうにお考えでございますか。
○吹田国務大臣 その選挙区だけをもってすればそうなります。その第一人者に、一人に決定されるわけでありますから、それは間違いありません。しかし、そのために比例制というものをここに加味して――単純小選挙区ということになってまいりますと確かに佐藤先生のおっしゃるとおりじゃないかと思いますね。ですけれども、比例代表制をここに加味するということは、あとの票がまた別の面で十分反映できて、国民の代表としてそこに死に票にならないでこれが生かされていく、こういうことになっていくんだと思いますね。そういう意味では、小選挙区と比例代表制を加味していこうという考え方が答申である、こういうふうに受けとめております。
○佐藤(観)委員 小選挙区部分では、とにかく、極端な話を申し上げましたけれども、五党が本当に均衡しているという前提に立つならば二一%の支持率で一議席をとっていく、その方がとにかくその地域の代表として議会の中に意見を述べる権限を持つことは間違いないわけですね。それで、大臣は比例代表で補うと言われるけれども、比例代表というのは、西ドイツ方式のように全部で比例代表をやってみるというのなら話は別ですけれども、初めから四割の議席しかありませんとか三割五分しかありませんという中で比例代表をやったって、それはしょせんその中での各政党の比率になるわけですから、その意味では極めて圧縮された格好でしか、つまり議席の割合で言えば四割なり三割五分の中での初めて比例代表制になっているだけでありまして、だから小選挙区で他の声というものは一切、その一人の当選者以外の声というのは届かない形で権限を議席として持つということには変わりないわけで、比例代表で補うと言われるけれども、その比例代表の議席数自体が初めから限られた四割あるいは三割五分というのは、これではとても補い得るものではない。西ドイツの方式は全く別ですから、全部比例代表でやって、小選挙区で当選した人は優先的に議席を持つということですから、それは比例代表の枠の中で議席が原則的に決まる、若干過剰議席という問題は起きますが、その話は今別にいたしましても、ですからその意味では、本当に国民の民意を反映するには、木に竹を接いだような格好になる。しかも、極端な話、二一%の支持率で全国例えばずっと自民党さんが当選をしたとする。そうすると比例代表では、今度は正確に言えば二一%の議席しか比例代表部分はないわけですね。そうしますと、確かに小選挙区部分では多くの議席をとった、過半数以上の議席をとったが、比例代表部分では二一%しかなかったということになりますと、内閣を構成する衆議院という第一院の選挙として、一体民意はどちらが正確なんだろうか。小選挙区であらわれた議席の割合の方が民意なのか、あるいは比例代表でとった方の比率が民意なのか、これはまさに木に竹を接いだような制度で、内閣を構成する第一院としては極めていびつな制度と言わざるを得ないと思いますが、いかがでございますか。
○吹田国務大臣 お断りしておきますが、詳しいことは当局から答弁さすとしまして、今お話しになりましたことは、既存の、現状の立場から先生おっしゃっておられるように思いますが、今度の小選挙区比例代表制というのは、常に政権の交代ということが実施できるようなということにこの問題の基本が置かれておることも御承知のとおりであります。 そういった形から考えてまいりますと、決して常にそこで第一番に得票数を得るのが自由民主党であるということではないわけでありまして、これはもう長い政治活動をしていらっしゃる佐藤先生、御理解いただけると思うのでありますが、そういったこと等を考え、あるいはまた二一%をそこで得票したから全国もそうだというわけのものではないわけでありまして、そのままではないわけですから。そういったことで、これからの問題につきましては十分御検討いただいて、各党でこれを御協議いただき、御理解をいただかなければ法律になりませんが、いずれにしましても私は、政権交代していくということが非常に大事な要素ではないか。 例えば、これは私の口から申し上げることはいかがであろうかと思いますが、一昨年の参議院選挙というのは、消費税問題からああした大きな変動がありました。そういったことからいたしますと、まさにあれが衆議院であれば政権交代しておるわけであります。しかし、昨年の二月の選挙は我が自由民主党の方が勝利したということで政権維持ができておるわけでありますが、そういったことで、大きな政策問題を掲げてやる場合に、必ずしも今までのような姿で、第一党は必ず第一党になれるということが固定化された姿ではなくなってくる。今の中選挙区制度でいけばそういった面が非常に強いということからいたしますと、この際、政界の再編成という問題もいろいろありますけれども、まず選挙制度というものから、ひとつここに正しく国民の意見というものが反映されるような姿で工夫はできないかということから検討された審議会の皆さんの御意見でありますから、私は私なりにそれをよしとしておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 一昨年の参議院の場合には確かにシングルイシューともいうべき消費税の問題これあり、それから野党は、とにかく四十七都道府県のうち二十六が一名区ですから、いろいろな格好で力を合わせて頑張ったということもありますし、もう一つやはり比例代表の部分が、社会党が二十、自民党さんが十五ということがありまして、比例代表という極めて正確に民意が反映をしてくるものがあるから参議院の与野党逆転というのができたわけでありまして、その意味では、選挙制度を直す場合には、比例代表というのを基本、これは世界各国等いろいろなやり方がありますし、国民にわかりやすいやり方、これからいろいろ研究しなければいけませんけれども、この小選挙区比例代表制という制度自体が、確かに大臣言われましたように、自民党だけが二一%でトップということに限らないわけで、社会党がある地域によっては二一%でトップになって議席を得るだろうけれども、しかし、制度的に残りの意見というのは抹殺しちゃう、実際には議席に結びつかないという制度そのものが果たしていいものかということになると、私は極めて非民主的な制度だと思っているわけであります。それはとても比例代表で補えるものではないというふうに思っているわけであります。 その議論だけ進めておれないものですから、そこで選挙制度審議会も第二次の答申まで出ているわけでありますが、残された課題があり、なおかつ一体四十万人に一人の選挙区というのはどうやってつくるのだろうかというのは極めて興味津々でおるのでありますが、今後の選挙制度審議会のスケジュールそれから特に区割り案というのはどういうふうに、いつごろ出てくるのでございますか。
○吉田(弘)政府委員 選挙制度審議会の今後のスケジュールでございますが、御案内のように第一委員会、第二委員会ございますが、現在、選挙制度審議会におきましては、選挙の腐敗行為に対する制裁強化のための新たな措置、先ほど来いろいろ御議論が出ておりましたが、この問題につきまして引き続き審議をしているところと承知しております。 また、衆議院議員の選挙の小選挙区の区割りの問題につきましては、いずれしかるべき時期に同審議会から適切な案が示していただけるものと期待をしている次第でございます。
○佐藤(観)委員 いずれしかるべきときにというのは、これは時期設定にはならないのでありまして、私たちが外から見ていて非常に不審に思いますのは、自治省の選挙制度審議会というのは自民党の選挙制度審議会じゃないわけですね。それなりに御見識を持った方が、私たちと若干意見が違うところがありますけれども、おのおの審議をされて、小選挙区比例代表制の問題についても参議院の問題についても、あるいは政党への公的補助にいたしましてもそれなりの考えを出しているわけで、自民党さんは自民党さんで党内的に研究なされて進めていらっしゃるわけでありますけれども、どうも自民党さんの方の審議の状況を見ながら自治省の選挙制度審議会というのはスケジュールをつくっているのじゃないだろうかという感がしてならぬのであります。小選挙区比例代表制が自信を持って、四十万人に一人の選挙区で議員を選ぶということが大変すばらしいことだとお考えになるのだったら、具体的な区割り案というのを、自民党さんの審議にかかわらず堂々と国民に問うて、これは具体的にこうなるのですと言うと国民の皆さん方も非常にわかりやすく、これではひどいではないかということになると私は思うのでありますが、答えまで言う必要ありませんけれども、しかし、いずれにしろ自治省のもとで御意見をいただく選挙制度審議会が、与党の審議のあり方を横目に見ながら、とまったり進んだり、慌ててやってみたりするのは、これは政府の審議会の審議の進め方としては極めておかしいと私は思いますが、大臣いかがでございますか。
○吹田国務大臣 別に横目で見ておるわけではありませんが、何としましても、政府を持っておる自由民主党が要綱も出しましたし、その後具体的な内容も決めつつあるということは、私も党員の一人として十分理解していかなきゃなりません。ただしかし、その内容が党利党略に流れるような方法であるとすれば、これは断じて許すわけにいきませんし、また国会で通るべきはずもないわけであります。ですから、その辺は、自治省といたしましても中正公平な立場から、将来に向かって悔いのない、きちっとしたものをつくり上げていくということは、私は責任を持って進めていかなきゃならぬと思います。 特に、今、佐藤先生おっしゃったが、区割りの問題になりますと、これはまた大変なことで、一つ誤りますとえらいことになるわけでございますから、区割りの問題あたりというのは、総体的な御意見、各党の御意見がこの選挙区制度の問題についてかなり煮詰まっていく大勢の中でできていく、第三者によってつくられていく問題であると思うのでありまして、これが今から出てくる。ある雑誌にもそういうのが過般出たことがありますが、それだけでも各党とも大騒ぎになるわけでありますから、これはやはり慎重の上にも慎重を重ねていかなきゃなりませんし、自治省におきましてもまだ全然そういったものは案のアの字にもなっておりません。ですが、いずれは第三者の手においてこれが公正につくられていくべきはずでありますし、そうなければならない。 それと、やはり私は次の選挙までにはぜひこれを進めていかなきゃならぬということで、この国会におきましても皆さん方にお願いをするわけでありますけれども、それが予定どおり物事がきちっと進むものであるという前提ならいいのですけれども、予定がどうしても予定どおりいかないという場合もあるわけであります。そういったようなこと等も考えてまいりますと、この選挙区割りというようなものが早々と出るということは、よしんば、今の中選挙区で想定して申し上げるのじゃありませんけれども、もしもやるというようなことが万一あるということになりますと、その問題と前後の問題から、現在の選挙を進めておられる現役の方々にしてもあるいは新しい方にしましても、選挙というものは非常にやりにくい状態になってくるということもありまして、こういった点からいたしますと慎重の上にも自治省としましては担当者は慎重に事を進めてくれるように私からも申しつけておるわけであります。
○佐藤(観)委員 皆さん方が、あるいは選挙制度審議会の委員の方が自信を持って出されたのなら、それに伴うところの区割り案も自信を持って出せばいいと私は思うのであります。 それで、大臣今、次の選挙までにということを言われたわけでありますが、私はとにかく政治改革というのは、政治倫理の問題もそうですし政治資金規正法の問題についてもさらに煮詰めなきゃいけませんし、先ほど仙谷議員から御指摘があったように選挙腐敗というものに対してどういう処置をしていくことが一番いいのかという選挙腐敗防止の問題もございますし、もちろん政治改革という中には国会改革の問題があると思いますけれども、とにかくやはり我が委員会としてあるいは国会として急がなきゃいかぬのは、私は定数是正の問題だと思うのであります。私も、この前の八増・七減案、その前の当委員会に出た六増・六減案、このときからもタッチしておる者として、あのときには六十年の国勢調査が出た、そして結果的には八増・七減をしたわけでありますけれども、そのときの決議は、言うまでもなく次のときには早急に抜本是正をするということを国会でお互いに決議をしているわけですね。ところが、もう六十年の国調どころか六十五年の国勢調査が出て、現に八選挙区においては俗に言うところの憲法違反、三倍を超えるというようなところまで出てきたわけであります。 ここでよくもう一回振り返ってみなければいかぬのは、八増・七減案という案が議長裁定で出た、そしてその前には六増・六減というので、当委員会でやりましたけれどもなかなかいろいろ難しい問題がありまして、これは六十年の国勢調査の速報値で解決を見ることができなかった。そのときの議長見解というのが非常に私は重要だと思うのでありますけれども、これはその是正の枠として現行の議員定数は五百十一、それから一人当たり人口の格差は一対三以内ということと小選挙区制はとらないものとするというのが、六増・六減ができなかったときの後の議長見解になっているわけですね。そして八増・七減になって、それからとにかく抜本是正をしなければいかぬということで今日まで来ている。六十五年の国勢調査も結果も出て、とても私たちは三倍以内ならいいとは思いませんけれども、憲法違反だと俗に言われております三倍を超えるところも八選挙区も出てしまったということでありますから、その意味ではとにかく、私たちも定数是正さえすればいいというふうに思っておりません。私は基本的に比例代表制度というものを考えるべきだと思っているわけですが、選挙制度論もそれはいろいろ議論を深めるのはいいのですが、国会の責務としてお互いにこれは定数是正の抜本是正をすると決議をしたわけですから、これはぜひ各党全部含めて国会決議をした重みから考えてみまして、また国民への約束、また六十五年の国勢調査が現に出ている、三倍を超えているようなところももう八選挙区も出ているということからいうならば、抜本定数是正というものを早急にやるべきである。これは自治省が案を出すか、我が公選法の委員会が案をお互いに持ち寄ってつくるか、まあこれはいろいろなやり方があると思いますけれども、とにかく国民に信託を受けた我々としてやらなきゃいかぬものはまず定数是正、もちろん政治資金規正法の問題もいろいろな課題はありますが、とにかく迫られているのは定数是正の問題であるというふうに、私はこの六年、七年の経過だけ見ても、あるいは議長見解というこの重みからいいましても、小選挙区制をとらないということは議長見解の中に入って、その当時は各党党首がそれに合意をして進めてきている経過から申しまして、やるべきはとにかく選挙制度ではなくて定数是正の問題に早急に取り組まなきやいかぬと思いますが、大臣はいかがでございますか。
○吹田国務大臣 議会における各党が一致して決議しました決議というものは、これはお互いに守らなければなりません。そういった意味からいたしまして、六十一年の五月に決定した国会決議というものは、私は大事に進めていかなきゃならぬと思います。ただその場合に、今申しましたようなこと等から勘案いたしまして、やはり国会において各党各派の御意見というものをできるだけ早くこういった問題で御協議され、まとめていただくということが必要ではないかな、こう思つておるわけでございます。
○佐藤(観)委員 まだまだたくさんの課題があり ますけれども、きょうは時間が来ましたので、私の質問をこれで終わらせていただきたいと思います。
○石井委員長 次に、河上覃雄君。
○河上委員 時間も限られておりますので、早速質問に入りたいと思います。 「選挙権の平等の確保は議会制民主政治の基本であり、選挙区別議員定数の適正な配分については、憲法の精神に則り常に配慮され」るべきである。これは御承知のとおり六十一年の国会決議の一文でありますけれども、冒頭、この点を確認いたしながら、まず定数是正問題について大臣並びに関係者にお尋ねをしたいと思います。 昨年の二月に執行されました総選挙の結果をめぐりまして、首都圏四都道府県の合計十七選挙区で、定数配分の不平等を放置したままの選挙であり、これは違憲である、こういう訴訟があったわけでございます。この選挙において、御案内のように最大格差は神奈川四区と宮崎二区の間の三・一八倍であったわけでありますけれども、この違憲訴訟の判決が去る二月の八日東京高裁におきまして合憲との判断が示されました。合憲との判断が示されたわけでございますが、まずこの点につきまして大臣の御感想をお聞かせいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 これは平成二年の二月選挙に基づきます問題でありますが、せんだっての二月八日の東京高裁の判決というものは、議員一人に対する人口最大格差が二・九九倍である。そして、その選挙区の当時の議員一人当たりの選挙人、いわゆる有権者、これは三・一八であるということで、これは必ずしも憲法違反ではない、合憲であるということなのですけれども、しかしながらということで、ここには必ずしもこのままで放置してよろしいということではない、むしろ現状を早く改正してもらいたいという前提がついておるわけでありますから、私どもといたしましても、国会において抜本的な改正に取り組まなければならないという気持ちでおります。先ほども佐藤先生にお答えいたしましたように、少なくとも国会での決議もあります、抜本改正という。これは中選挙区を前提とした決議であります、当時六十一年のことでありますから。しかしながら、昨年は、御承知のように、選挙制度というものを政治改革の中で最も大きな位置づけとして改正するべきであるという答申がなされまして、しかもそれは小選挙区ということが出たということは、抜本的に今の定数配分等の問題や定数そのものからの改正をやっていくということになりますと、現在の選挙区を、現状からいきますと少なくとも半分以上を改正しなければならぬという抜本的な問題になってくるものですから、それならばむしろ思い切って制度の改正ということに答申が踏み切ったものであるというふうな考え方で、私もその方向をもってこれからこの国会はおける選挙制度というものを抜本的に改正したいなというふうに思っておりますが、これは何と申しましても、国会の皆さん方の御意見を十分徴してやるべき問題でありますから、皆さん方の御意見をこれから伺いながらまた進めてまいりたい。この判決の結果につきましては、私も、決してこれをよしとしないで、直ちにこれについでは手をつけるべきであるという考え方でございます。
○河上委員 今具体的なお話をいただいたわけでございますが、この判決の中身に若干触れながら、さらに御感想を求めたいと思っております。 この中に、数値のみをとらえれば違憲と判断すべき状態にあるとも言えなくない、こうした見解が述べられております。さらに加えて申し上げますと、国会に一定の裁量権の幅があるとはいえ、純粋に投票価値平等の観点からすれば、格差は少なくとも一対二を超えないことが当然要求され、三・一八倍の現状はもはや放置できない、国会は速やかに定数配分について抜本是正の最善の努力をすることが強く期待される、このように述べられているわけでございます。今二点申し上げました。この部分についての御感想をさらに大臣に求めたいと思います。
○吹田国務大臣 国会の裁量権を越える著しい不平等とは言えないということでありますから、一応合憲であるという解釈でもあります。ただ、さっき先生からお話がありましたように、最大格差が三・一八倍にまで至っている状態はもはや放置できない事態であるということを前提に国会で速やかに云々、こういうふうになっているわけでありますから、その趣旨に沿って国会において一日も早くこれが是正できますように御協力、御理解ある御審議を願いたい、こう思っておるわけでございます。
○河上委員 今感想をお伺いしてまいりましたが、それを踏まえながら大臣等のお考えを今度はお伺いしたいと思います。 今申し上げましたように、今回の判決が、六十一年の定数是正で違憲状態が一応解消された後、さほど格差が広がったとは言えず、不平等状態は国会に許された裁量権の限界を超えていない、最終的にこのような判断に立っているわけでございます。その上で合憲となったわけでございますが、その具体的な理由といたしましてさらに三点挙げられているように思っているわけでございます。 その一つが、六十一年是正で最大二・九九倍に格差が縮小した後に、昨年の二月の選挙で二・九九倍を超えたのは二つの選挙区しかない。二つしかないんだ、これが一つでございます。さらに、この格差拡大は六十一年是正後、次の国勢調査の間に生じているんだ。国勢調査の直前であってこれはよし、こういう考え方も織り込まれております。さらに、定数配分規定是正の際、国勢調査結果を待つことには理由がある。このような視点からの見解であると感じられるわけでございます。 簡単に申し上げますと、「五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」という定数配分規定があるんだから、その間に拡大した格差があって、しかも二・九九倍を超えたのは二選挙区しかないんだからよしとする、こうした考え方であると思われます。ある意味では非常に技術的な考え方、逆に申し上げれば、次に行われる選挙に対しては三倍を超える選挙区が二つ以上あった場合どうするんだ、是正しなければならないのではないか、このような趣旨とも解されるわけでございます。 こうした判決が出た後に、その後十二月には国勢調査速報値が発表されておりまして、今佐藤先生からも御指摘がありましたけれども、一票の価値が最も重いのは東京八区、逆に軽いのは千葉四区で、最大格差は三・三八倍と、前回の総選挙時の格差三・一倍がさらに広がっているわけでありまして、しかも三倍を超える選挙区は二選挙区から八選挙区へ広がっておる。こうした状況を考えますと、いわば定数是正待ったなしの状態にあるのではないか。総理大臣も投票価値の平等が確保されるよう不退転の決意で取り組むとしておりますけれども、この問題の所管であります自治大臣に、最大格差何倍ならば妥当と考え、最大格差何倍になれば是正するのか、この問題にどう取り組んでいくのか、重ねて所見を求めたいと思います。
○吹田国務大臣 先生御承知のように、審議会の方におきましては一対二の割合で進めてもらうということで答申が進められております。そういったことから考えてまいりますと、この際、私どもとしては一日も早くこの定数是正という問題はいたさなければならない。最大限幾らだということは私から申し上げるべきものでもない。少なくとも答申の線が一対二であるということを前提に示しておるわけでありますので、その線に従って進めていきたい、かように考えておるわけであります。
○河上委員 戦後三回定数是正が行われておりまして、ベテランの諸先生でございますので御存じのとおりだと思いますが、昭和二十二年、一九四七年を起点とすれば、その当時の格差は一・五一倍であります。ちなみに、このときの定数の配分は、昭和二十一年四月二十六日の人口調査をもとにして、先ほどの話にもございましたように、総定数四百六十六を議員一人当たり約十五万人を基準として各都道府県に配分をして選挙区割りが行われたわけであります。御承知のように、この二十一年四月というのは終戦の翌年で、大都市は戦火による大被害を受けたわけでございまして、人口の大部分はそのときは農村部に移っていた。その後二十二年から二十四年にかけて、疎開者の都市への復帰、あるいは引揚者の帰国、さらに二十五年の朝鮮戦争を契機といたしまして経済復興がありました。その後の高度経済成長に伴いまして、だんだん都市部へ人口が集中し始めた。その時点では出発当初、二十二年当時は農村部の方が人口が集中しておったわけですが、だんだん逆転し、都市部へ進んでいく、こうした背景を持っているわけであります。そして第一回目の改正が三十九年、これは一・五一倍であった格差がこの十七年間で三・二一倍に広がる。第二回目が五十年でございまして、これを是正してこの格差が四・八三倍とまた大きく広がっているわけでございまして、格差増は一・九一倍と二倍近い状態にもなっているわけでありますが、このときこの是正の対応といたしまして総定数を増加させることで処置し、そして格差を三倍以内におさめている。さらに三回目が六十一年、これはもう御案内のように八増・七減ということでございますが、この十年間の格差はさらに開いて五・一二倍とこれは戦後最大の数値になっております。これも前二回いずれも総定数増ということで処理、対応してきたわけでございます。この時点でも総定数は一名ふえたわけでございまして、五百十一から五百十二。しかし、八増・七減、初めて減らすという考え方が採用されましたことは、これは非常に特徴的であろう、このように考えているわけでございますが、格差間は一・七から四・八三、そして五・一二倍と上昇傾向をたどってきているわけでございます。 私は思うわけでございますが、こうした背景、実情を踏まえながら公選法別表の原則が貫かれていたならばこうした現象は起こらなかったのではないか。従来のこのような小手先の手法を繰り返すならば、今後こうした傾向というものはさらに続くと思われますし、人口と定数の比率のアンバランスはさらにまた拡大していくことも、これは明白であると思います。 〔石井委員長退席、武村委員長代理着席〕 そして、またさらに格差を是正する措置として実質的には総定数の増加によるものである、言ってみればちょっとした手直し、さらに後手後手の繰り返しだったとも私は思えるわけでございますが、このような実態では国民の皆さんの信頼は得られない。またさらに政治不信は強まることになるであろうし、選挙無効の確認を求める訴訟は後を絶たないのではないか。そこで一票等価の原則を遵守し不均衡を是正するためにも公選法の別表、すなわち「この法律施行の日から五年ごとに、直近に行われた国勢調査の結果によって、更正するのを例とする。」との趣旨に沿いながらこの原則を励行することが必要なのではないか、こう考えるわけでございますが、大臣の所見を伺いたいと思います。
○吹田国務大臣 先生のお話のとおりでありまして、常にこういう点につきましては指摘されておる問題であります。ところが、なかなかこの定数問題ともなりますと全体の御意見が、議会でも御協議の機関はあるわけですけれども、まとまっておりません。一日も早くこれはやらなければならないわけでありますけれども、今の体制からいたしますと、いわゆる選挙制度審議会が指摘しておりますように、答申で出してきておりますように、全体の格差というものを一対二というような割合で進めるべきである。人口異動というのはまだまだこれからも進むでありましょうが、これは多極分散型にして国土均衡という発展制度の方式を行政にとることによってある程度はとめることができるとは思いますけれども、それでも異動は決してストップするということは言い切れないわけであります。 そういうこと等も考えあわせますと、二対一の割合で進めようということを考えますと、この場合、一日も早く答申の線というものを各党派において御協議されて、抜本的な方法でこの際御研究を賜ればということが私の願いでありまして、これ以上のことはこの問題については申し上げることができないわけでありますが、ぜひひとつ御理解ある御協力を願いたい、こう思います。
○河上委員 この議論を進めてまいりますと各党派御協議をと、これが一定の結論のような話になってしまうわけでございます。私は、定数是正の問題は単に制度上の問題だけではない、このように考えておるわけであります。むしろ国民の基本的権利であります選挙権が実質的に不平等になってしまう、法のもとの平等に反するという憲法の問題にもかかわる問題ではないか、このことを指摘したいわけでございます。その上で定数是正問題は、午前からの議論にもございました、政治改革、選挙制度の改革の一環ではなくて国会決議を実行することなんだ、私はこう思うわけでございます。もちろんリクルート疑惑等を再発させないためにも政治改革は徹底してやらなければならないと考えておりますけれども、それに優先して定数是正は実施すべきだ、このように考えますが、大臣、いかがでございましょうか。
○吹田国務大臣 先生おっしゃるとおりでありますが、この定数是正というのは国会決議でもございますから、私どももこれは非常に大事な問題として受けとめておるわけであります。したがいまして、先ほどから申し上げますように、いずれにしましても、国会での各党各会派の御論議によって問題の解決を図ってもらうということに一歩前進していただきたいと思うわけでありまして、これを多数決で押し切るなどというような問題でもありませんし、強行突破するなどというようなとんでもないことでこの問題の解決を図るわけにもまいりませんから、ぜひひとつ御理解ある御協力によって各党で御協議をいただければと考えております。
○河上委員 まあ繰り返しでございますが、各党の協議が例えばまとまらなかった、そうした場合、次の総選挙が直近に来てしまった場合は、次回の総選挙を現状のまま行うことになるわけなんです。これに対する大臣の認識を伺いたいと思います。
○吹田国務大臣 これは私が申し上げるまでもないと思うのでありますが、国権の最高機関が国会であります。国会で法律はつくっているわけでありますから、国会で法の改正が行われない限り現状の法律がそのまま生きていくと考えられるわけでありますから、お説のことにつきましてもそういった意味で理解しております。
○河上委員 定数是正を行わずにこのままの状態であれば解散権も制約されると考えられますけれども、この点についての認識、御感想でも結構です、自治大臣お願いいたします。
○吹田国務大臣 これは海部総理も過般申し上げておりますが、国会の解散権というものは内閣に与えられました独自の権能でありまして、これを制約することはないと思います。ただ、それはそれとしまして、現実問題として今の姿はさきの最高裁の、高裁の判決からいきましても適当ではございませんから、一日も早く国会の皆さん方の御議論を重ねていただきまして、早急にひとつのせていただければと、かようにお願いするわけであります。
○河上委員 これ以上進めるのはやめにいたしまして、私からは速やかなる是正、この点を強く主張いたしまして次の質問に移りたいと思います。 次に、選挙権と選挙人名簿に関する問題をお尋ねしたいと思っております。 まず、衆議院、参議院の選挙権は満二十歳以上の者、こうされているわけであります。年齢の要件、これが明確にされておるわけです。これに対しまして地方公共団体の議員及び長の選挙権に係る要件は、引き続き三カ月以上市町村の区域内に住所を有する者と、こう居住の要件が加えられているわけでございます。そこでお尋ねしたいわけでございますが、国政選挙に係る選挙権と地方公共団体に係る選挙権の要件に違いを持たせた理由、御説明いただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 御指摘の国政選挙と地方選挙の選挙権の要件が異なっております。地方公共団体の選挙の選挙権は、三カ月の住所要件が設けられているわけでございます。これは国政選挙にはないわけでございますが、これは憲法が地方公共団体の長や議員の選挙については九十三条でその住民がこれを選挙するというふうな規定を置いておりますし、また地方自治法におきましても、市町村の区域内に住所を有する者を住民として、この住民がその団体の住民として選挙に参加する権利を認めているということによるものでございます。
○河上委員 次に御説明いただきたいわけですが、市町村を越えても同一県内への移転であれば地方公共団体に係る選挙権は有する、こうされているわけであります。同一県内への移転であればなぜよいのか、その理由について御説明いただきたい。
○吉田(弘)政府委員 お尋ねの、都道府県の選挙につきまして同一の都道府県内の市町村間で住所を移動した場合に投票がなぜできるのかということでございますが、実は昭和三十七年の改正で現行のような格好になったわけでございますが、その改正前におきましては、一の市町村で当該市町村の議会の議員及び長の選挙権を有する者は、その市町村を包括する都道府県の議会の議員及び長の選挙権を有することとするとされておりまして、同一の都道府県内の他の市町村に住所を移転した場合には、当該市町村の選挙権を失うのはもちろんでございますが、三十七年改正前は、その都道府県の選挙の選挙権も失うという規定になっていたわけでございます。ところが、それはなかなか実情に適したものではないということで、昭和三十七年の改正で現在のような法体系になったということでございまして、すなわち、市町村の区域内から引き続き同一都道府県の区域内の他の市町村に住所を移転した者は、当該都道府県の選挙の選挙権を引き続き有することとされているわけでございます。もっとも、その選挙権の有無の認定など技術的な面がございますので、住所の移転は市町村を単位として一回限りというようなことにはなるわけでございます。
○河上委員 さらに、なぜ三カ月以上居住しなければ選挙権が与えられないのか、その理由は何か、これを伺いたい。
○吉田(弘)政府委員 地方選挙の住所要件といたしまして三カ月を置いておりますが、この三カ月という期間を要することといたしましたのは、地縁的な関係などから見て少なくとも引き続き一定期間その地域に住んでいる者にその地域の住民としての権利を与えるということが住民自治の趣旨にかなうと考えられたからというふうに理解をいたしております。
○河上委員 そこで、これは具体的にお尋ねしたいわけでございますが、例えば二十年間北海道の札幌に住んでおった、この方をAさんといたしますと、Aさんは転勤を命ぜられまして二月の末に神奈川県横浜の方へ移り住んだ、移転後直ちに住民登録をいたしました。横浜市民になったわけでございますが、この年たまたま四月に統一地方選挙が行われる、こういう前提を想定いたしたいと思います。この場合、Aさんが横浜市の選挙人名簿に登録される時点はいつなのか、そしてAさんは北海道、神奈川のいずれで選挙権を行使できるのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 お尋ねの、札幌市に住んでおられた方が二月の末に住所を移転して横浜市の方に移られた、それで三月一日に転入届をされたというケースだと存じますが、選挙人名簿に登録されるためには、当該市町村の区域内に住所を有する年齢満二十年以上の日本国民で、その者に係る住民票が作成された日から引き続き三カ月以上当該市町村の住民基本台帳に記載されていることが登録要件とされております。したがいまして、御質問の場合には、横浜市の選挙人名簿の登録というのは引き続き三カ月以上住所を有することになります六月一日以降の定時登録なりあるいは選挙時登録のときに登録をされるということになるわけでございます。
○河上委員 もう一点御答弁漏れておりますが、いずれの地で……。
○吉田(弘)政府委員 失礼しました。 この場合にいずれの地で投票できるかということでございますが、地方公共団体の選挙の選挙権の要件につきましては、先ほど申し上げましたように、引き続き三カ月以上市町村の区域内に住所を有していること、そういう住所要件が必要になっておりまして、札幌市あるいは横浜市のどちらにおきましてもその方は地方公共団体の選挙を行うことはできないということでございます。地方選挙についてはそうでございます。
○河上委員 それでは、全く同じケースで、四月の統一選挙を総選挙、衆議院選挙に置きかえましょう。事例は全く同じでございますが、この統一選挙を衆議院選挙に置きかえた場合、北海道そして神奈川、いずれの地でAさんは選挙権を行使できることになるわけですか。
○吉田(弘)政府委員 国政選挙の場合には選挙権に住所要件というものを置いておりませんので、転出された方が札幌市の選挙人名簿に登録されている間、すなわち転出をされますと表示というものがされますが、転出後四カ月はそちらの方の名簿に載っているわけでございます。そういうことで、四カ月を経過するかあるいは新しいところの市町村の名簿に登載されるまでの間は札幌市において投票を行うことができることになりますので、四月に選挙があれば札幌市の方で選挙権を行使できるということになります。
○河上委員 これもさらに参考としてお伺いしたいのですが、これはまだ歴史上ないようでございます。衆議院、参議院のダブル選挙というのはあるのですが、衆議院選挙と統一地方選挙が仮にダブル選挙となった場合、今のケース、いかがなものか、お尋ねしたい。
○吉田(弘)政府委員 ダブル選挙、同日選挙で衆議院と統一地方選挙も行われたというケースでございますが、国政選挙は国政選挙、地方選挙は地方選挙というようなそれぞれの選挙権によって行使されますので、地方選挙については、今のケースについては投票ができませんけれども、国政選挙については選挙権の行使が札幌市の方ではできるというようなことでございます。
○河上委員 もう一遍整理して確認の意味でお伺いしますが、最初のケースは、統一地方選挙でありますので、いずれもできない。第二のケースは、衆議院選挙でありますから、居住要件がないのでもとの札幌でできる。こういうことでございました。この二つを単純に組み合わせれば、三つ目のケースです。統一選挙と衆議院がダブルになった場合、これは統一選挙はできないけれども衆議院選挙はできる、その場は札幌である、こういう認識でよろしいですね。そうしますと、投票所は同じでございまして、仮に、まだ例がないわけでございます。統一地方選挙ができなくて、そして国政選挙はできる、投票所は分かれておりません。非常に何か不可思議な現象がここに起こるような気がいたしますが、これは感想で結構です、お述べいただきたい。
○吉田(弘)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、国政選挙には住所要件がなくて地方選挙には住所要件がありますので、そういう問題が生じてくるわけでございます。実際の管理上いろいろ問題が生じないかというお話でございますが、選挙人名簿の方に転出については表示をしてありますので、その表示によりまして、国政選挙については選挙人名簿に登録されているけれども、投票ができるけれども、地方選挙については、表示をされたことによって投票ができないというような仕組みはなっておりますので、管理執行上、執行できないというわけではないということでございます。
○河上委員 非常に問題は大きいですね。札幌まで神奈川から行って、そして選挙権を行使しようと行きましたら、はい、国政選挙の分です、投票券をいただく、書きました、今度統一地方選挙もありますのでと、はい、統一選挙の方に行ったらあなたはできませんと、本人は非常に複雑な心境になられるのではないか。 こうして今三つぐらいの具体的なケースを挙げましたけれども、なぜこうしたケースの違いによってこうした問題が起こってくるのか、この点についてどうお考えになりますか。
○吉田(弘)政府委員 今のケースで、札幌の方へ行って投票ということを私申し上げましたが、それは原則でございますが、不在者投票の道もあることはございますので、新住所地の方で不在者投票することもできます。 それから、どうしてこうなるかということでございますが、やはり地方選挙には、先ほど来申しましたように一定の住所要件というものを設けております。少なくとも、一定期間そこに住んで地縁的な関係も深くて、ある程度当該団体の事情にも通じているということが必要であるということから、三カ月の要件というものが設けられているわけでございまして、一方、国政選挙にはそういうものがないわけでございます。そこでそういう国政選挙と地方選挙の違いというものが出てくるわけです。したがって、地方選挙の方は国政選挙に比べて厳しい制約になっているじゃないかというようなことかと存じますが、やはり地方選挙の特性といいますかそういう選挙の性格から考えましてやむを得ざる制約ではなかろうかと考えている次第でございます。
○河上委員 議論を今まで進めてきたわけですが、やはり一般の方々は非常にわかりずらいだろうし、私どもでも余りよく理解できない。そういう意味で私はこの規定ができた背景を御説明願ったわけであります。 それによりますと、地方自治という地域の自治の絡みあるいは事務上の問題、こういう点が今選挙部長からも指摘をされたわけでありますけれども、私は、それはそれとして、これは改良の余地があるわけでいろいろやり方もたくさんあるわけでありますから、それよりもっと守られるべきもの、本来保障されるべき選挙権の行使が阻害されるという事実、これをやはり指摘しておかなければならないのではないか、こう思うわけでありまして、この観点からすれば、今具体的に申し上げましたこの問題もやはり制度的なある意味では欠陥があるのではないか、このようにこれもあわせて指摘をしたいわけであります。 さらに、統一地方選挙は四年ごと四月に実施をされるわけですね。この四月という時期がまたさまざまな要素を多岐にはらんでおりまして、この問題を考えるに当たって。多くの人にとって転勤等の異動の時期にも当たっているわけであります。この点についても十分考慮がなされるべきなのではないか、このようにも考えております。その上で、選挙権を持つすべての人がすべての選挙を等しく行使できるような制度に変えるべきではないだろうか、このように私は思うわけでありますけれども、これについての見解をお尋ねしたいと思います。 〔武村委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田(弘)政府委員 国政選挙については問題ないわけでございますが、地方選挙について住所要件を持っていることからくる制約があるわけでございます。それをなくそうとすれば住所要件そのものを外すということの方法しかないのかもしれませんが、それは先ほど来申し上げましたように、やはり地方公共団体の住民としての権利を行使するということで、その場合にある程度その地域社会に住んでいただいて、そこで地縁関係もでき、ある程度その団体の事情にも通じるというようなことから三カ月要件というものを設けてやっていることでございますので、その期間もそう長い期間ではございませんので、一定のそのぐらいの期間というものは置いておかないといけないのではないかなということを感じている次第でございます。
○河上委員 非常に感想的だと思われますが。その地域に住む方々がその辺の期間がなければそこに住んでいる人とはまだ言えない。それでも選挙権が本来行使できるものができなくなるような事実は、これまた非常に難しい問題をはらんでいるのでありまして、憲法からくるこうした選挙権を守るのか、あるいは今申されたようなそういう側面だけの手当てでいいのか、やはりいろいろ考える必要があるのではないか、私はこの点指摘をしておきたいと思うのです。 その上で、事務上の問題。これはもうさまざまなやり方、方法、工夫をすればいろいろできるのではないか。今たまたま住所要件を外せばと――外したことに伴う問題も私自身十分理解しているつもりでありますが、もっと時期を短縮するということもやはりその工夫の一つであると思いますし、いろいろな工夫をなされて、本来行使できる選挙権が守られるようなシステム、制度をつくるべきであろう、私はこのように重ねてこの点は訴えておきたいと思います。 質問は次に移りますけれども、公選法の四十六条で、衆議院、参議院については投票用紙に候補者名、あるいは参議院の比例区は政党名を書くことになっているわけでございますけれども、四十六条の二で地方議員または長の選挙については記号式投票、こううたわれております。国政と地方で投票記載事項に相違があるのは、またこれは何の理由によるのか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 地方選挙のみに記号式投票が可能であるのはなぜかというお尋ねでございますが、そもそも記号式投票の制度は、非常に投票が簡単にできるとかあるいは投票の効力判定がわかりやすくなるなどの利点があるわけでございます。一方、候補者数が多い場合には、投票用紙が非常に大きくなりますし、短期間に、誤りなく投票用紙に氏名を記載した、そういう用紙ができるかどうかといった実務上の問題もあるわけでございます。 地方公共団体の選挙につきましては条例で定めれば採用できることとしておりますのは、首長の選挙には候補者が比較的少ないということでございますし、また議会の議員の選挙でも、規模の小さい団体では候補者数が比較的少ないところもあると考えられますし、また補欠選挙なんかの場合もございます。 そういうことで、実務上の問題も含めまして、各団体のそれぞれの事情に応じまして、採用するか否かを判断できるように決めてあるというふうに承知しております。
○河上委員 およそ三千三百の地方公共団体があるわけでありますが、その中でこの記号式投票、これを用いて行っている団体数は幾つありますか。
○吉田(弘)政府委員 地方公共団体の議会の議員と長の選挙について記号式投票を採用している団体でございますが、平成二年十二月三十一日現在で、都道府県知事の選挙は五団体、市区町村の長の選挙では五百五十五団体、それから市区町村議会議員の補欠選挙では三十二団体でございまして、それから都道府県及び市区町村の議会議員の一般選挙、補欠選挙ではない一般選挙の方では、採用している団体はゼロでございます。ございません。
○河上委員 日本は、明治二十二年法以来、投票の記載については自書主義を採用してきたわけでありまして、世界的に見ましてもやはりこの例は極めて少ない、少数勢力でございます。この自書主義の問題点、さまざまいろいろございますけれども、投票の無効、有効の判定が難しくなるというところにございます。また、日本の姓名の書き方、読み方というのは非常にバリエーションに富んでおりますものですから、誤りも多々出てくるわけでございまして、また同一選挙区内に同姓の立候補者がいた場合は、その判定等にかなりいろいろと問題が出てくることもございます。 即日開票が大勢を占めている今日にありましては、開票の合理化、そして時間の短縮にもこれはつながることだと思いますけれども、この際自書主義を改めて記号式投票に一本化してはどうなのか。もちろん、行く行く将来はカード方式という道もありますけれども、まず当面このような考え方に立った方が逆によいのではないか、こう思いますが、見解を伺いたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 記号式投票につきましては諸外国で多く採用されていることは承知をしております。この制度は、先ほど来申し上げておりますように、投票が簡単にできる、あるいは投票の効力の判定がわかりやすいというようなメリットはあるわけです。 しかし、我が国では、もう地方団体の長の選挙についてもこの導入が条例でできることになっておりまして、候補者の氏名を自書する方式になじんでいるということもあろうかと思いますが、例えば知事選挙に行きましても、現在記号式投票を採用している団体は、四十七都道府県のうち五団体ということにとどまっております。また、その候補者数が非常に多い場合には、用紙が異なって、短時間に誤りなく投票用紙をつくれるかという実務上の問題もあるわけでございますから、やはりすべての選挙に一律にこの制度を採用するということについては、慎重に検討すべき課題であると考えている次第でございます。
○河上委員 時間も追ってまいりましたのでもう一点だけお尋ねをしたいと思います。 選挙運動の自由化の問題でございますが、今の公選法は、選挙運動の自由というものを広範にわたって厳しく規制をしているわけでございます。例えば、限定的に許されている場合でも、そのほとんどは候補者中心、主権者である国民が活用できるものは余りない、こう言えるのではないか。もちろん選挙運動にとって候補者が中心的役割を果たすことは否定するものではないわけでありますが、主権者である国民の側から見た場合、自由な選挙運動が著しく損なわれているのではないか、私はこんなふうに考えます。 それで、公正を保つためには一定の法規制はいたし方がない、こういう考え方もございまして、個々面接やら電話である、あるいは選挙用はがきの譲り受け、応援弁士、幕間演説等、これが保障されていると言われるわけでありますけれども、しかし今列挙した中でも、主権者である国民が主体的に活用できる方法というのは、実態的には電話以外ないわけでありまして、かなり制限されているのではないかと思っています。つまり、今の選挙運動は、主権者である国民から見た場合、極めて限られた受動的な側面でしかなくて、本来の、政治的見解を表明したりあるいは相互に交流したりする自由、能動的かつ主体的な側面が乏しい、こう思うわけでありますが、まず選挙運動の自由化の一端として、この点についての御見解を伺いたいと思います。
○吹田国務大臣 選挙は、もとより自分でだれに投票するかという選択の自由は当然与えられておりますし、被選挙者におきましても本来は自由であってほしいわけでありますけれども、それでは野方図な姿になりますから、ある一定の規制は加えていかなければならぬ、こういうことになっているのが現状だと思うのであります。 先生のおっしゃるのは戸別訪問等の問題だと思いますけれども、私も、戸別訪問自体は、これは本当に選挙だと思いますよ。ところが、日本の場合は、戸別訪問することでどうもその他の弊害が出てくるということからの問題で戸別訪問に一つの歯どめがかかっておるのだと思いますが、選挙自体からいえば、個々にお伺いして、訪問してお願いするということが選挙運動であってほしいなという気持ちは私個人は持っております。けれども法では今そういったととで、特に我が国の場合は家庭の構成が複雑であるというようなこと等からじゃないかと思うのですけれども、とにかく戸別訪問というものは禁止、こういうことになっておるわけですが、お説のお気持ちにつきましては十分私もわかるような気がいたします。
○河上委員 時間が超過して大変申しわけございません。以上で終わります。
○石井委員長 次に、東中光雄君。
○東中委員 定数是正問題についてお聞きしたいと思うのですが、御承知のように昭和六十一年五月二十一日の衆議院本会議で定数是正に関する決議が採択されました。「選挙権の平等の確保は議会制民主政治の基本であり、選挙区別議員定数の適正な配分については、憲法の精神に則り常に配慮されなければならない。」二人区・六人区をなくする、それから総定数、それから選挙区の見直し、これをやって定数の配分を適正にやるということが決議されました。この決議に対しまして、八八年四月十五日、当時梶山自治大臣が当委員会で塩崎さんの質問に答えて、議員定数の「定数是正、これはまさに焦眉の急、一番重要な課題でもございます。そして、衆議院の本会議の決議、六十一年五月二十一日に決議をされたその中身に忠実でありたい、これがまず第一の原則であろうかと思います。」こう言ってるる答えておられます。そして、昨年の五月三十日にこの委員会で奥田自治大臣に私はこのことについて聞きました。そうしたら奥田自治大臣は、「梶山元自治大臣が、」「そのような答弁をなさったというのは、まさにそのとおりだと思います。私もその気持ちです。これはもう速やかにやるべきである。これは国会、また党、また各党間での協議を踏まえて緊急にやるべき課題である、これはもうそのとおりです。」あといろいろありますけれども、こういうふうに答えておられます。これは速記録を引用したのです。 国会決議、二人区・六人区をなくして定数を抜本的に是正する、それが議会政治の基本にかかわるものだ、速やかにやらなければいかぬ、忠実にその内容を実施することが必要だ、こういう流れがあるわけです。吹田自治大臣、この点についてどうお考えでしょうか。
○吹田国務大臣 東中先生にお答えしますが、今の梶山元自治大臣のお答えになりましたときと、それから奥田前自治大臣のお答えになった時期とは、もう年数におきましてかなりのずれがありますが、特に私の場合は、御案内のように選挙制度審議会の答申がなされて後におきましての自治大臣就任でありますし、特にそういった面からいたしますと、片や国権の最高機関であります国会におきまして、六十一年五月にそのような決議が全会一致でなされているわけであります。それがそのままになっているわけであります。 ところが、昨年は御案内のように選挙制度審議会の答申もきちっと二対一の割合に重点を置いてやるようにということが出ておるわけであります。そういったこと等を勘案いたしますと、六十一年の時点は、二人と六人の中選挙区制に当てはまらないような制度は、中選挙区というものを前提でありますから、定数の問題と、それをできるだけ中選挙区の線にはめるようにということでの抜本改正問題が当時は出ておるわけでありますが、その後において今のような答申もなされたことでもありますし、特に二対一だというような話になってまいりますと、現在の選挙区を、区割りの問題から始めてすべてに手を入れなければならぬということになりますと、半数は手を入れなければならぬということも言われておりますものですから、それであれば、この際、私はむしろ小選挙区比例代表制というのを答申しておりますこの選挙制度審議会の答申というものを十分頭に置きながら考えていかなければならぬ。決して国権の最高機関である国会での決議というものを軽視する意味で申し上げておるわけではありません。それはそれで大事であります。しかし同時に、私ども自治省としましての立場からいたしますと、政府はこの答申も尊重していかなければならぬという立場でもありますから、どうかひとつそういった点に御理解をいただいて、このままにしないで、各党でひとつこの問題について真剣に御論議をしていただいて、一つの成案に向けて御協議をいただければと思っております。
○東中委員 奥田さんの去年の答弁は、先ほど言いましたように五月三十日ですから、答申が出た後なんです。だから、その後はいろいろあったと言ったのはそこなんです。答申が出たということでということを言われました。しかし決議自体については梶山自治大臣が言ったとおりなんだと先ほど繰り返し読みましたから、もう言いません。だから、その立場に立たなければおかしいのではないかということなんです。その点はどうなんですか、梶山さんが言った、その中身に忠実でありたい、それが第一である、こう言っているのですよ。総定数の問題もあるし、二人区・六人区をなくするという問題もあるし、それは国会の決議なんですから。自民党だけの方針じゃないんだから。それに忠実でありたい、それが第一であります、そのとおりだと奥田さんも言っているのです。ところが今吹田さんは、それはそのとおりだと言われないのですね。もう立場が違うんだ、こうおっしゃるから――一緒ですね。横向いたらあかんです。真っすぐに向いて言ってください。
○吹田国務大臣 奥田前大臣のおっしゃったことと梶山元大臣がおっしゃったことにつきましても、私は決して否定しておるわけじゃありません。それはそれなりに国会の決議というものは非常に大事に、私もこれを尊重していかなければならぬということは、自治大臣という立場からいたしますともう全くそのとおりであります。 ただ私も今日の五百十二名の国会の構成員の一人であります、国会議員として。その立場からいさましても、これだけの決議がなされておるんだということの自覚に立てば、各党各会派が、六十一年からですから、前向きで検討してそれなりの結論が出ていなければならぬわけであります。しかしそれがなかなか出ていないというところに問題が、複雑なわけでありますから、今回新しく出た答申というものも考え合わせてひとつ前向きに御協議していただかないと、これを私の方で自治省が多数決でいくとか、無理やりに提案するとかという問題じゃないわけですから。
○東中委員 ところが、自治大臣が言ってきたことと違う方向へ行くのに、その間に自民党の方針の転換があったというだけなんですよ。 申し上げます。六十二年九月十六日の公選特の委員会ですけれども。定数是正が六十一年にありましたね。確定値を待って抜本的に改正をやるということで、その最初の六十二年九月十六日の公選特で選挙部長はこういうふうに言っているのですね。定数の是正という問題というのは非常に重要な問題です。それは選挙制度にかかわる問題なんだ。そこでこう言っているのです。「やはり選挙制度というのは国会の構成の基本に関することでございますし、また、各党の土俵づくりといいますか選挙のルールづくりの問題でございますので、選挙制度審議会で論議をするのも一つの方法かもしれませんけれども、やはり各党間で論議をするということが最も民主的なしかも現実的な方法ではないであろうかというふうに考えておるわけでございます。」「各党間でいろいろ御審議いただいた原則に基づいて選挙制度審議会でさらに具体的な審議をするというようなことが起きてきますれば、それも一つの考えではなかろうかと思っておりますけれども、」「選挙制度審議会をどういう前提もなしに開くということは、いろいろ問題が」あります、これが自治省の見解なんです。この見解は梶山自治大臣のときにも梶山さんが、塩崎さんが選挙制度審議会にかけたらどうだということを言われたのに対して、八八年ですよ、これはやはり方針出さなけりゃ選挙制度審議会、第三者機関というようなことを言うたってそれは無理だ、そんなことやったら国会決議からそれてしまうかもしれぬ、だからだめです、各党間で方針を出してやってくれということを筆頭理事の塩崎さんの質問に対して答えてますよ。ところが、今言われておる選挙制度審議会の答申なんというのは、どうでしょうか。全然国会での審議も何もされないで、自民党の政治改革大綱が出されたという中で出てきた線じゃないですか。国会で進めてきた線とは違うのです。だから私は言うのですよ。小選挙区制の導入を基本にした比例代表制を加味するというような、小選挙区制中心のそういう方針を自民党が政治改革大綱として出したからといってそこでずっと動いていくようなやり方というのは、これは前向きじゃなくて横向きですよ、私に言わせれば。国会決議からいえば、これは定数の是正をやれ、そしてそういう方向で出しておるわけでしょう。だから定数の是正というのは、審議会の方針、審議会にかけるということではなくて、選挙制度審議会というようなものじゃなくて、各党間で協議をしてやっていただきたい、それが民主的かつ現実的であります、こういうふうに自治省の担当部が言うてきたことを、今まるっきりこの方針は、この国会に対する答弁は覆されているというふうに思うのですが、いかがでしょう。
○吹田国務大臣 先生の言われんとするところはわかりますが、私は少なくとも選挙制度審議会の方で、これを諮問した時点から見まして極めて格差の問題というのは大きくなってきたということからいたしますと、いよいよそれがだんだんと進んでいるという状況からしますと、中選挙区でのあの国会決議、六十一年の状況というもので果たしていいのかということで、しかもそれが現実問題としてやれるのかということを考えてまいりますと、二対一というような制度からいきますと先ほどから申し上げるようにとても全体の半分以上を手を加えなきゃならぬ、しかもそれは選挙区の線引きまでやりかえなきゃならぬというようなこと等考えてまいりますとこれは容易なことではないということから、それほどならもうこの際将来に向かって、次の時代に向かって、ここで思い切った選挙制度の改革ということで制度の問題に入った方がむしろ合理的ではないか、整合性の上からもその方が正しいのではないかということからこういった答申がなされておるということを申し上げたのであって、私は決して国会決議を全く無視しますよということを言っておるわけじゃありません。それはそれで尊重しますよ。しかし、その後においてこういった立場から答申もなされておるということから考えると、自治大臣はその答申というものを尊重するというのは私の立場でありますから、そういった意味を申し上げておることを御理解願いたいわけであります。
○東中委員 私は定数是正について聞いておるわけでありまして、選挙制度の抜本的改悪なんということは毛頭議論にしているわけではありません。(「改悪」と呼ぶ者あり)私たちから見ればそういうことであります。 ところが、その定数是正についてどうするのかということで、定数是正小委員会というのをこの委員会でつくりましたね。つくって審議をやったんですよ。その一回目の審議のときに、今鹿野さんがおられますけれども、当時の鹿野自民党総務局長が委員として小委員会に出てこられまして、それで各党で協議してと言われますけれども、そのときに鹿野さんが言われた会議録を私ここへ持ってきておりますけれども、いろいろ言われておりますが、結論的にはこうですよ。「以上のような状況でありまして、現段階で我が党といたしましてのまとまった考え方を申し上げることはできないところでありますが、今後さらに党選挙制度調査会の小委員会におきまして精力的に審議を進めてまいらなければならない、このような考え方でおるところであります。」こう言われているのです。これが六十三年五月十八日です。忠実にやるんだと梶山さんが言うた、そのすぐ後なんです。ところが、是正については忠実に第一にやらなければいかぬと言うているのに、自民党は、党内でまとまっておらへんのや、だからどうも進めようがないんだと言って、後もう去年まで開かれていないのですよ。 こういう格好になって定数是正は棚上げされてきたという状態で、さきの五年前の国勢調査に基づく確定値が出たら抜本的にやるということを言うてから、今度あのとき八増・七減でああいう暫定的なことをやったから抜本的にと言ってもう五年たって、この間速報値が出ました。その結果はどうでしょう。衆議院の格差が三・二八倍までいってますね。そして一対三を超すのが八選挙区もある。それから一対二を超すのが、たしか三十五あったと思います。こういう選挙権の平等といいますか、あるいは一票の価値の平等という原則からいって憲法上の原則に違反する状態が起こっておる。しかも国会決議に反しておる。これで、ただ全然違う選挙制度についての諮問があったからといって、そしてそれを優先するんだでは、これは私は余りにも筋が通らないんじゃないかというふうに思っております。この点を指摘したい。 今の時点で言えば、選挙制度の問題については、これは意見がいろいろあるでしょう。それは別に、定数是正ということについてたくさんの定数是正をせないかぬと言われましたが、たくさんやらなければいかぬかったら、やったらいいじゃないですか。だから、自民党としての定数是正の成案を得ておらぬから鋭意検討していくというんだから、そして伊東正義さんも、いよいよ検討していくということでこの間の政治改革フォーラムでも言われていますよ。それをやって定数是正をやる、九〇年国調の速報値が出た段階でそれを進めるということについてお考えをお聞きしたいんです。
○吹田国務大臣 私も先ほど申し上げましたように五百十二名の構成員の一人であり、特に自由民主党の議員でもありますから、そこの辺自民党に云々ということであるとすればその責めの一人であることは間違いありません。しかし、これからは私としてはその責任についても十分しっかりした考え方で事を進めていきたい。したがって、今の定数是正という問題を決してやらないとか無視するとかということを一度も申し上げたわけじゃないのでありまして、それはそれでやりましょう、それもやりましょう、しかしながら、さらに一歩前進してやる方法すらあるのではありませんかということもあるから、総合的に各党各会派で検討してください、私もそういったことについて各党各会派にお願いにも回りましょうということを再三申し上げておるわけでありまして、定数是正はその中の一つとして重要な要素を持っておるということは間違いありません。
○東中委員 具体的な定数是正と、先ほど言った国会決議の中には議員総定数ということも入っていますね。そこで、今日本の衆議院は議員総定数五百十二でございます。あなたの言われる第八次選挙制度審議会の答申案なるものによれば五百一がいいというようなことを言っています。それで、自民党の改革要綱では四百七十一、いろいろ出ています。 私聞きたいのですが、一億二千三百六十万を超しておる日本の人口で、五百十二という下院の定数はヨーロッパ各国と比べて多いと思っていらっしゃるか、少ないと思っていらっしゃるか、そこらどうでしょう。
○吉田(弘)政府委員 日本の衆議院議員の定数五百十二名でございまして、人口は一億二千三百六十一万ということでございますので、これと対比で、アメリカの場合は下院議員四百三十五でございまして、人口は二億四千六百三十三万ということでございます。イギリスは逆に六百五十人の下院議員で人口は五千七百八万人、ドイツが六百五十六人で七千七百八十七万人、フランスが五百七十七で五千五百八十七万人ということでございます。それぞれ比率にいたしますと、議員一人当たり人口で、日本は二十四万一千人強でございまして、アメリカは五十六万六千人強で、アメリカの半分以下ではございますが、逆にイギリスやドイツ、フランスに比べれば多いというようなことになっております。
○東中委員 アメリカのことを盛んに言われましたけれども、私はヨーロッパのことを聞いたのです。アメリカだけが日本より多い、それはアメリカは大統領制で連邦制ですから、全然日本と事情が違うわけです。しかし、ヨーロッパでいえば、西ドイツも、西ドイツ時代ですが、西ベルリンを入れるならば日本よりは多い五百十八の定員です。イタリアは六百三十です。そしてイギリスは六百五十、フランスは五百七十七、全部多いでしょう。 それから、一議員当たりの人口割りでいけば、日本は、この間の速報値で計算すると二十四万一千四百二十八人、毎日変わっていくでしょうけれども、そういう数字が出ます、五百十二でですよ。もし、自民党の言うておるような四百七十一にすれば二十六万二千四百四十四とえらい高くなるのです。ところが、西ドイツは十二万三千、イタリアは九万一千、イギリスは八万八千、フランスは九万六千、カナダは八万七千、オーストラリアは十万九千、オランダは九万八千、ベルギーは四万七千、スウェーデンなんかだったら二万四千、これは八七年における世界年鑑八九年版によるものですけれども、こういうことなんですよ。 だから、日本の定数が多いなんということを言うのは、アメリカと全然国情が違うのですから、大統領制で連邦、ステーツでしょう。それを何とかかんとかいって下げて、福島さんのこの前の小委員長としての説明を聞いていましても、定数を五百十二から四百七十一まで減らすということで、そういう党の方針で今度は定数是正をやるとすれば、百近く動かさなきゃいけない分があるのです。定数を減らすことを前提にして定数是正をやれば、物すごくたくさん動かさなきゃいかぬのです、不可能に近いのです。だから、今度は選挙制度そのものを変えるんだ。これは本当に、まともに高等学校の生徒に説明したら、政治的な判断は別ですよ、まともに説明したら、これは非常におかしなことだ、納得できませんよ。そういうことになっているということを指摘をしておきたい、こう思うわけであります。 もう時間があと五分ですので、最後にお聞きしたいのですが、この選挙制度の改革について、自由民主党幹事長小沢一郎さんの第五十三回自由民主党大会での「党情報告」というのを私はさっと目を通させてもらったら、これについてこう書いているのですね。「政治改革へのわが党の取り組みについて申し上げます。」それでずっと昨年四月からの経過があって「そして昨年十一月、衆議院総定数四百七十一、小選挙区・比例代表並立制を柱とする「政治改革基本要綱」を、海部総裁に答申し、」ちょっと中略しますが、「これを党議決定したのであります。この基本要綱をさらに具体化するためには、参議院の改革も同時に行うことを前提とした、精力的な審議を行わなければなりませんが、法案作成に至るまでには、党内はもちろん、野党とも十分な論議を重ね、納得のいくものとしなければなりません。」野党も納得するものでなきゃいかぬ、そうでなかったら法案にはしないというふうにもとれるし、「法案作成に至るまでには、党内はもちろん、野党とも十分な論議を重ね、納得のいくものとしなければなりません。しかしながら、政治改革、とくに選挙制度の抜本改革は、」中略しますが、「どんな困難があろうともこれを克服し、来るべき二十一世紀の激動期にも、政治を有効に機能させる、万全のものとしなければなりません。」何としても二十一世紀までにやっちゃうんだ、こういうことになっているわけですね。これは野党の納得を得られないようなものは法案にしないということなのかどうか、これは政府案として出すのか自民党として出すのか、これもまだはっきりしていないわけですからね。自治大臣としてそういう点はどう思われますか。
○吹田国務大臣 小沢幹事長がお話しになっておられることにつきましてはそれなりに私も理解しておりますが、特に幹事長はこの政治改革というものについて強力に進めなきゃならぬということで、これが政治そのものに最も大事なことであるということで、今東中委員のお読みになった中に改悪という言葉がありましたが、そういうことは言っていないので、改正と言っておるのでありまして、あなた改悪というふうに読み上げられましたが……(東中委員「いや改革、改革と読んだ」と呼ぶ)改革ですか、それじゃ私の聞き違いでありまして、御無礼しました。 そういうことで、少なくとも改正をして進めていくということについて申し述べておるわけであります。ですから、私どもも、法案を提出できるという段階で、議員提案になるのかあるいは政府提案になるのか、そこもまだ決まっておりません。そういう段階でこれに口を挟むということはいかがであろうかと思いますが、いずれにしても、各党の御理解と御協力がなければこの政治改革はできない、こう思っておりますから、その点は全く小沢幹事長の意見と私の意見が特別に相違しておるというものではないと思います。
○東中委員 最後に、この「財界と政界 再編への胎動」毎日新聞政治部、経済部、このごっつい本が出ているのですが、ことしの二月何日かに出ました。この中に、鈴木永二日経連会長と小沢自民党幹事長との対談があるんです。そこで「選挙制度改革で政界再編を」という項がありまして、小沢さんの言うているのは、私はこんな考えがあるのかと思うて、ちょっと自治大臣の御意見を聞きたいのですが、こうおっしゃっているのですね。鈴木さんが「国民の政治改革への期待は非常に大きい。これはぜひやっていただきたい。」ということを言われた。小沢さんは、「今の中選挙区制では、選挙運動も資金集めもすべて個人に負っている。この制度は遅くとも今世紀中には行き詰まり、維持できなくなると思う。資金集めなんかに絡むスキャンダルがいろいろ出てきて、政治不信は、その極に達しちゃいますよ。」鈴木さん「「これでいいのか」となるでしょうな。確かに、今の制度は問題が多い。」それで小沢さんは、「第一、議員の支出は今後も増える一方だろうけど、経済界の政治献金は減りこそすれ、増えることはないですよ。そうなると、議員個人も派閥のリーダーも、いままでのようなやり方は遠からずできなくなる。そこで自民党が行き詰まった時には、「混乱の政界再編成」はあるかもしれない。だけど、それは、正に日本の悲劇です。激変する国際情勢から完全に取り残されてしまう。」だろう、時間がありませんから、だから政治の大改革が必要なのだと、「政治の根本の仕組み、選挙制度を変えなきゃいけない。今の体制の中でも、時間をかければ、徐々に改めていけるかもしれないけど、時間がないんです。」だから大改革をやるんだと。これじゃあね、自民党は金集め大変やから、金集められぬようになってくるから、もう選挙負けちゃうぞ、そしたら大変なことになるから大改革をやるんだと、こう言っているんですよ。これは公にされているんですからね。私は、これはどうかなと思うのですが、自治大臣の御所見を承って、質問を終わります。
○吹田国務大臣 承りました。
○石井委員長 それでは、まあ時間が相当オーバーしましたから……。 川端達夫君。
○川端委員 大臣、御苦労さんでございます。もう私で終わりですので、もう少しおつき合い願いたいと思います。 冒頭、今も話題になっておりました定数是正についての大臣の御見解をお尋ねをしたいと思うのですが、先日、東京高裁で、いわゆる定数、一票の格差の判決が出ました。格差が三・一八倍というのは国会裁量の範囲というふうには言っておられますが、もはや放置できない事態であるということで、いわゆる国会としてきちっとやりなさいよという司法からの御要請といいますか、そういうようなことを言われたということでもあります。同時に、六十一年の国会決議においても、先般の八増・七減案の直後の部分で、要するに定数の是正をきちっとやりなさい、二人区・六人区を解消しなさいということで、決議も我々自身がしているわけです。この決議と、それからこの東京高裁の判決も踏まえて、定数是正に関してどのように受けとめ、どう対処されようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
○吹田国務大臣 御答弁申し上げます。 東京高裁の判決というのは二月八日に行われたわけであります。このことにつきましては、平成二年二月の総選挙に基づくものでありまして、当時の状況からいたしますと、議員一人当たりの人口というものの最大格差が二・九九である、そして選挙の当時の議員一人当たりの有権者数というものは三・一八倍であったということで、一応合憲という判断が下されたものでございます。そのことにつきましては、今先生からお示しがありましたように、国会の裁量権を超える著しい不平等とは言えないという、極めて消極的ではありますが一応認める、しかし、最大格差が三・一八倍にまで至っている状態はもはや放置できない状態であるので、国会において速やかに抜本改正のための最善の努力をすることを強く期待するということを言っておるわけでありますから、これはもうそのまま受けとめなければならぬと思いますね。 それで、この定数の是正というものにつきましては、ぜひとも国会の皆さん方の御論議をさらに重ねていただいて、成案を得るべく御協力いただきたい、こういうふうに私どもも思っております。さらに加えて申し上げれば、先ほど東中先生にも申し上げたわけでありますけれども、その後においての、この国会決議がありました以後においての問題としましては、御案内のような答申もなされておるものですから、それとかてて加えての考え方で整合性のある結論を出したい、こう思っているわけであります。
○川端委員 今からの議論をやりますと先ほどの繰り返しになりますのであえてやりませんが、各党の意見の中に、いわゆる国会決議というものを、定数是正を真っ正面からとらえ、今回の判決も踏まえて定数是正をやれということは、とにかく現行中選挙区における部分できっちりやるべきだ、私たち民社党もそういう考えで、こういうふうにやるべきだという案も既に具体的に出しておりますけれども、そういう意見と、それから選挙制度審議会、私は諮問の仕方にもよると思いますが、答申あるいは自民党さんの要綱も含めて、この際全部見直して小選挙区制に変えたらどうだという議論があることも承知をいたしております。我々は我々の立場の主張がございますが、そういう中で、しかこれは真っ正面から議論をしていくべきだ、この委員会も含めてやっていくべきだと思うのですが、多少の暇がかかるのではないか、時間的にかかるのではないかなというふうにも思います。 しかし、そういう中で、裁判で示された部分の意を解すれば、もはや次の選挙までに定数是正を放置しておくことは許されないのではないか。法的な解釈は別にしまして、解散権というのは総理の専権的な権限かとも思いますが、客観的には全く自由ではなくて、やはり司法の場からかなり警告を受けている状況の中では、現実に中選挙区制を選挙区と言える基本的な選挙制度の改正に取り組む時間的な部分と一方で迫られているという部分では、現実には現行の定数是正に取り組まざるを得ないのではないかと私は思うのですけれども、解散権に対する考え方も含めて、いま一度所見をお聞かせいただきたいと思います。
○吹田国務大臣 解散権につきましては、さきに海部総理からも述べておりますように、これは総理が持っております独自の権能でありまして、このことはこのことでこういった定数問題で云々ということではないと思います。しかし、今先生がおっしゃるように、全然、だからどうこうというようなことでこれが実施できるという問題でも、簡単にいく問題ではないと思います。したがいまして、定数是正というものは一日も早く整合性のある姿に持ち込まなければならぬということで私も従来お願いをしておるわけでありまして、確かに次の選挙というのがいつかはわかりませんけれども、いずれにしましても、こういう状態でいつまでも放置することが一番問題であると考えております。したがいまして、一日も早くその是正を図らなければならぬと思っております。そのことだけはきちっと、私も考え方は一致しておるわけであります。
○川端委員 それでは次に、昨年選挙法を改正しまして、大きな観点としては、政治家の寄附行為に関してかなり思い切って改正を行った。当委員会の委員長提案での法改正でありました。候補者あるいは候補者となろうとする者はとにかく周辺に対して、いろいろ今までの日本の地域社会の慣習等々あるけれども、お金は出さない、そういう人なのだということで、思い切ってやろうといういろいろな議論の中で、我々が当委員会として成立をさせたのでありますが、約一年経過をいたしました。この部分で、自治省の観点から、この法律のもたらした効果といいますか、影響といいますか、評価、そういう部分に関してどのように認識をされているか、お聞かせをいただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 公選法の寄附禁止の強化措置は、一昨年の改正で昨年の二月から施行されておりますので、約一年が経過をしたわけでございます。私どもといたしましても、この寄附禁止の規定を実効あらしめるためにいろいろと啓発活動を進めてまいりました。政治家あるいは候補者の方々を初めとする政治に携わる方々はもちろんのことでございますが、有権者一人一人にその認識を高めていただきまして、その自覚を促すことが大変重要であると考えておる次第でございます。このような観点から、自治省といたしましては、財団法人明るい選挙推進協会というのがございますが、そこと協力いたしまして、新聞あるいはテレビ等の各種の広報媒体を通じまして、あるいは地下鉄、電車の中づり等もやっておりますが、広く一般国民に寄附禁止の規定の周知を呼びかけてまいりましたし、またその遵守についての呼びかけもしてまいってきたところでございます。また、各都道府県、市町村の選挙管理委員会もそれぞれの地域の推進協議会とも連携をいたしまして、各種の手段、手法を用いましてこの寄附禁止の周知徹底を図ったり、あるいは地域における研修会とか話し合い活動の場においてこういうものを積極的に話題に取り上げてその周知の運動を進めてまいってきたわけであります。その結果、国民のこれに対する御理解も次第に深まってきているものと私どもは考えております。
○川端委員 今いろいろなPRをしている手法に関してはお聞かせをいただいたのですが、具体的にどの程度周知をしているか、理解をされているかということを何らかの機関で調査をされる、あるいはされたか、あるいはされる予定がないのか。それと同時に、これは我々政治家にもかかわる部分でありまして、おのおの、ここにおられる委員の皆さんも含めて、大臣も含めて、いろいろな所感あるいは経験をお持ちだと思いますが、そういう部分を情報として積み重ねていくことが大事ではないかなと思うのですが、そういうことに関してこれからの御予定等々お聞かせいただきたい。なければやっていただきたいという意味でお願い申し上げたいと思っております。
○吉田(弘)政府委員 周知徹底の手法手段等につきましては、先ほども申し上げたとおりでございます。これからも積極的に展開をしてまいらなければいけないと思っております。 国民の方々への周知徹底の度合いがどのくらいかということについて私ども非常に関心もございまして、これも明るい選挙推進協会を通じまして、現在どの程度こういうことについて認識をしていただいているかということについて調査をやっている最中でございます。(川端委員「政治家の方は」と呼ぶ)政治家の方々への周知は皆さん……(川端委員「周知じゃなくて実態という調査」と呼ぶ) 政治家の方々への調査は、皆さん方もこれは周知徹底をしているわけでございまして、私ども特に調査をしようという気持ちは今のところございません。
○川端委員 私なんかの経験ではもともとそうたくさんお金は使っていないのですが、かなり皆さんに徹底はしてきたな、それとそういう分での、余分なお金と言うと語弊がありますけれども、そういうことではそれなりの効果があったのではないかなと思っておりますが、参考までに、一年経過をして、この寄附禁止規定に違反をして検挙された数あるいは起訴ないし有罪になった件数の実態をお知らせいただきたいと思います。
○石附説明員 お答えいたします。 お尋ねの件につきましては、昨年二月一日の改正後本年三月五日までの間、四件、五名の検挙というふうになっております。 その内容につきましては、候補者等が選挙区内にある者に対して清酒を配ったり、あるいはさかなを供与、あるいは現金を配ったというような事例というふうに承知しております。
○川端委員 検挙だけですか。起訴にまでいっていないということですか。
○石附説明員 お答えいたします。 処分結果でございますが、四件のうち三件までは起訴猶予になっております。一件は処分未済でございます。それから、警告指導の関係でございますけれども、実は、昨年の二月から八月末まで当庁におきまして指導警告の件数を調査しましたところ、五十八件、六十七名の警告というふうになっております。 なお、候補者等の方から違反になるのかどうかというような相談を事前に受けるケースもかなりあるというふうに承知しております。
○川端委員 統一地方選挙が直前に控えております。初めて候補者となろうとする方等々、いろいろまだ戸惑いを含めてあると思います。これは何も立件することが目的ではないと思いますけれども、格段の御努力をお願いしたいと思いますが、去年、おととし、当委員会としてもいろいろな議論をしながら、婚礼、葬儀に本人が拠出する分以外の一切の寄附をしないでおこうではないかということで法律を決めました。しかし、実際にこういうことを初めてやったという部分で、いろいろ運用していく中で周辺からいろいろな形で疑問なりを提起されているのも事実でありまして、また知恵を出してよりよいものにしていかなければいけないと思うのです。 その中で一つ二つ御見解をお伺いしたいのは、共同募金です。選挙区で赤い羽根を買うといけない、寄附禁止に引っかかる。私は東京じゃないですから、東京で買ったらいい。あるいはその他災害が起こったとかそういうふうなものへもあらゆる寄附はやめようということで整理をしたわけですから、そういうときに国民感情の素朴な疑問としてそういうものもいけないのかというふうな部分、それからいわゆる信仰とのかかわりという部分で、厳密に法を解釈しますと、初もうでに行っておさい銭に百円玉を入れても本当は違法行為であるというところで、憲法で保障された信教の自由に附帯する寄附行為が公職選挙法で禁止をされるというのは本当にどうなんだろうというふうな疑問も提起されているわけでありまして、これから議論をしていかなければいけないのではないかなと思います。 今所管の官庁といたしまして、例えばそういう共同募金あるいは災害地への寄附、学校、神社、お寺への寄附等々というものに関してどのようなお考えをお持ちかということが一つと、税法上所得控除の対象となる特定寄附金はいいのではないかという意見もあります。この点に関しても、要するにこれは今の法解釈では全部だめな話ですからあれなんですが、これからの検討として、いろいろな学識経験者等とも、それこそ審議会も含めて議論をしていくべきではないかなというふうに思うのですが、御所見はいかがでしょうか。
○吹田国務大臣 前段の寄附の問題で、選挙区においての赤い羽根の共同募金に出すことまで云々ということ、あるいは災害の見舞い、これは私も自治大臣というよりは本当に国会議員としまして、東京ではいいわけですから、選挙区の山口へ帰りましてそんなことをしますと問題があるということは、私も本当に困るわけですよ。困っています。困っていますが、しかし、一たんこういうことが決められたからには、これを何としましても国民の皆さん方に理解をしてもらわなきゃならない。そういう意味では若干の時間はかかると思いますね、長い間の慣行ですから。そういう意味において、この点をそれではまたもとへ戻して緩めるかというわけにはいかない。これをいかにして多くの皆さん方に理解と協力をしてもらうようにしていくか、自然の姿にしていくということで、こういったことができないことが自然であるというような形に持っていくための創意工夫をこれから図らなきゃならぬのではないかな、こう思っております。 税法上の問題につきましては担当者からお答えをいたします。
○吉田(弘)政府委員 寄附禁止の強化措置に関連いたしまして、例えば所得税法上の税の控除の対象となるような特定寄附については公選法上の寄附も外したらどうかというお尋ねかと存じますが、これはなかなか難しい問題がございまして、今回の改正によりまして政治家の方々、公職の候補者の方々の寄附が大変大きな制約を受けることになったわけでございますが、今回の改正の趣旨が金のかからない政治の実現と選挙の公正を確保するという観点から、ごく一部の例外、御本人が結婚式、結婚披露宴に出席した場合の祝儀であるとか葬式等における香典とかを除きまして、あとは一律に禁止をし罰則をつけるというような格好になっておりますので、御指摘の点については、今言ったような改正の趣旨から考えてもなお慎重に検討していかなければならない問題かなと思っております。
○川端委員 立法したときの議論でいいますと、いろいろあるけれども、とにかく出さないという種族だというふうにしようということが非常に議論の焦点だったというふうに思いますので、軽々に私自身は譲るべきでないというふうに思います。しかし、いろいろ時間がたてばということで解決できるかどうかというのは、信仰上の問題とかいうことに関して、やはり一度どこかでいろいろ学識経験者の方を含めた御議論をされるべきではないかなという御要望を私は申し上げておきたいというふうに思います。 時間が限られておりますので次に行きますが、今まさにもうすぐ統一地方選挙が始まるということで、これも前回の寄附禁止を含めた公職選挙法の改正の当委員会の議論で随分議論になりました事前ポスターという件であります。今町じゅうにあふれております。一つには、やはり新しい方も含めて、こういう集会をやる、こういう報告会をやるということの告知のポスターでありますので、そのこと自体私は禁止すべきでないという意見を持っておりますし、現行でいいと思うのですが、そのポスターが町の景観なりを著しく損ねるという意味で、既に選挙法が改正をされ、いわゆるベニヤ等の裏打ちをしたものはやめようということが禁止規定として規定をされております。百四十三条十五項で裏打ちされたものは掲示することができないということになっているのですが、現実に町を見ますと、結果としてそういうものがあふれているというのが実態であります。結局、そういうものをみんなでやめようということを法で決め、そういう世界にいる政治家が選挙をやるときにはほとんど何も守らないというのが町じゅうにあふれているということで、結果的に政治家が国民から信用を落とすということになるわけです。ちょっと参考のために、町にそういう違法な、例えばベニヤ板あるいは厚紙で裏打ちをしてフェンスなんかにかけてある違反ポスターが掲示をされていたときに、どのような手続がとられるのかということを簡単にお教えをいただきたい。とりあえずどういう手順、手続をとるのか、警察と選挙管理委員会と両方あると思うのですが、簡単にお知らせいただきたいと思います。
○吉田(弘)政府委員 政治活動用の裏打ちポスター等、公選法百四十三条十五項の規定に違反して掲示した者の問題でございますが、そういう百四十三条違反の文書が掲示されましたときには、公職選挙法百四十七条の規定によりまして、都道府県及び市町村の選挙管理委員会はあらかじめ警察署長の方に通報いたしまして、その掲示責任者に対して撤去命令を出すということにされております。さらに、その撤去命令に従わない者につきましては、公選法の二百四十四条の規定で処罰の対象にもなるということでございます。 また、選挙管理委員会は、撤去命令に従ってはがさなかった場合には行政代執行法の手続によりましてみずから撤去することもできるということになっております。
○川端委員 ということでありますが、それでは、行政代執行で撤去した事例とか違法ポスターで告発を受けたというのを寡聞にして聞かないのですけれども、実態としては、恐らく比率として、選管等々がこういう違法掲示ポスターがあるということで連絡された場合に、実際にはそういうケースがほとんどないと思うのですね。ということで結果的にはやり得という、これはみずから天につばすることかもしれぬ、私の部分にゼロであるという自信はございませんが、結果的にはその法の規定というのが意味をなしていない。こういうことからやはりアリの一穴でありまして、ああいうものでもやり得よ、ばれなかったらいいのよということで、そのとき幾ら反省をし、また法律をつくってもまただめということになるのではないかな。 それでひとつ、これは実際に有権者の方々も、そのポスターがベニヤで裏打ちしたのは違法だとか、期限切れのものは違法だとかいうのは、選挙にかかわる者は知っていますけれども、町の人は知らないということが実態であります。そういうときに、ちょっとお尋ねなんですけれども、これは思いつきみたいな話で恐縮なんですが、例えば道路に違法駐車をしてある車には、たまでありますが、駐車違反のステッカーが張ってあり、輪っかがはまるということがございます。見たときに、ああ、あの車、駐車違反しているなというのがわかる。そういう意味で違法ポスターに、このポスターは違法掲示をしているということを表示することはできないのでしょうか。法的に何か問題があるのでしょうか。
○吉田(弘)政府委員 そのポスター自体が違法であるかどうかは別にいたしまして、所有権者がって、そこへ選管が何か張るというようなことだろうかと思いますが、この問題につきましては、そういう違法ポスター自体につきましては先ほど申しましたように撤去命令が出せるような仕組みになっておりまして、公選法の建前としてはそういう格好になっている。そのような御指摘のような方法で何かシールを張るような方法につきましては、それによって直ちに違法状態というものが除去されるわけでもないわけでございます、張ったからといって。それからまた、選挙管理委員会以外の者がいわばいたずらにそういうようなことをやることを誘発するおそれがないか等の問題もありまして、なお慎重に検討を要する問題だろうと思います。
○川端委員 時間がありませんのであれですが、今莫大な労力をかけて違法、違反ポスターを調査はしておられるのは承知をいたしております。大変な御努力をされて、何丁目何番地何の何、何がしの家のどこの塀にどういうポスターが張ってあるかというのを克明にお調べになっております。それで警告をお出しになる。そしてきかれないときには撤去命令が出る。しかしそれまで、それだけの話ということでありまして、やはりみんなが守ればいいのですが、何かやり得であればやってしまうという風潮が現実にあるという中で、このポスターは違法であるというときに有権者にそれを知らしめ――確かにそれはいたずらでほかの人がするかもしれません。そこら辺は知恵の出しようなんですけれども、そういうことで張られるということであれば、そういうポスターを張ったら有権者にそれこそこの候補者は違法行為をする候補者だというのをみんなに知らしめるということでは、やらなくなるという効果は非常に私はあるのではないか。そういう意味でいろいろな法的な部分で、器物破損であるとかそういう類似のことについて、ほかの人が同じようなシールをつくって張るとかいうことに関する知恵は要ると思いますが、ひとつ前向きにお考えいただくべきではないか。何か法的に非常に問題があるということがないのであれば私は考えていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。慎重にではなくて……。
○吉田(弘)政府委員 今御提案の問題でございます。先ほど申し上げたような問題点があるわけでございますが、それも含めてよく検討をさせていただきたいと思います。
○川端委員 終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○石井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 公職選挙法改正に関する件の調査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選及び日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○石井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 次回は、来る三月十三日水曜日委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十三分散会