決算委員会 第3号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/04/24
会議録
○渡辺委員長 これより会議を開きます。 昭和六十二年度決算外二件及び昭和六十三年度決算外二件を一括して議題といたします。 本日は、総理府所管中科学技術庁及び会計検査院所管について審査を行います。 この際、お諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として日本道路公団理事木内啓介君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ─────────────
○渡辺委員長 次に、山東国務大臣及び中村会計検査院長の概要説明並びに会計検査院の検査概要説明につきましては、これを省略し、本日の委員会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○渡辺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 ───────────── 昭和六十二年度科学技術庁決算に関する概要説明 科学技術庁の昭和六十二年度決算につきまして、その概要をご説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。 昭和六十二年度の当初歳出予算額は、三千三百三十六億七千三百七十四万円余でありましたが、これに予算補正追加額二百七十一億二千八百十一万円余、予算補正修正減少額六十七億二千四百六十六万円余、予算移替え増加額五千九百六十八万円余、予算移替え減少額五十六億五千七百二十五万円余、前年度からの繰越額一億二千八百二十四万円余を増減いたしますと、昭和六十二年度歳出予算現額は、三千四百八十六億七百八十五万円余となります。この予算現額に対し支出済歳出額三千四百七十億五千六百二万円余、翌年度への繰越額八億八千二百四万円余、不用額六億六千九百七十八万円余となっております。 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略をご説明申し上げます。 第一に、原子力関係経費といたしまして一千八百億二千八百十二万円余を支出いたしました。これは、日本原子力研究所における原子力施設の工学的安全研究、核融合の研究、高温工学試験研究、原子力船の研究開発等の原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉及び新型転換炉の開発、使用済核燃料の再処理技術の開発、ウラン資源の探鉱、ウラン濃縮技術の開発、放射線医学総合研究所における放射線による障害防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、民間企業等に対する原子力に関する試験研究の委託、原子力安全行政の強化等原子力平和利用の促進を図るために支出したものであります。 第二に、宇宙開発関係経費といたしまして九百七十五億六百五万円余を支出いたしました。これは、宇宙開発事業団における人工衛星及びロケットの開発、打上げ及び追跡並びにこれらに必要な施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケットエンジン等に関する基礎的、先行的試験研究、種子島周辺漁業対策事業の助成等のために支出したものであります。 第三に、海洋開発関係経費といたしまして百億五千四百二十一万円余を支出いたしました。これは、海洋科学技術センターにおける深海潜水調査研究、潜水作業技術の研究開発等のほか、関係省庁の協力により実施した海洋遠隔探査技術の開発研究等のために支出したものであります。 第四に、試験研究機関経費といたしまして、当庁の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所における短距離離着陸機の研究開発、金属材料技術研究所、国立防災科学技術センター及び無機材質研究所における各種試験研究及びこれに関連する研究施設の整備等を行うための経費として二百六十八億五千六百五十四万円余を支出いたしました。 第五に、科学技術会議の方針に沿って我が国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費、理化学研究所における先端的基礎研究推進のための国際フロンティア研究等を行うための経費、新技術開発事業団における流動研究システムによる創造科学技術推進事業等を行うための経費、日本科学技術情報センターの事業を行うための経費等として三百二十六億一千百五万円余を支出いたしました。 次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。 まず、電源立地勘定につきましては、昭和六十二年度歳出予算現額は、百四十七億七千七百三十九万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額百十億三千二百二十一万円余、翌年度への繰越額二十一億一千四百八十九万円余、不用額十六億三千二十九万円余となっております。 支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、電源立地促進を図るため、地方公共団体に対する電源立地促進対策交付金及び電源立地特別交付金の交付並びに原子力発電所等の施設、設備の安全性を実証するための試験等を行うために支出したものであります。 次に、電源多様化勘定につきましては、昭和六十二年度歳出予算現額は、九百七億六百五十六万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額八百三十二億六千五百四十三万円余、翌年度への繰越額六十七億二千四百十七万円余、不用額七億一千六百九十六万円余となっております。 支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、基軸エネルギーたる原子力に係る技術開発の推進を図るため、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉原型炉の建設、新型転換炉原型炉の運転、使用済核燃料の再処理技術開発、ウラン濃縮原型プラントの建設等のための経費並びに原子炉の解体技術開発の委託等を行うための経費として支出したものであります。 以上簡単でありますが、昭和六十二年度の決算の概要をご説明申し上げました。 よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。 昭和六十三年度科学技術庁決算に関する概要説明 科学技術庁の昭和六十三年度決算につきまして、その概要をご説明申し上げます。 まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。 昭和六十三年度の当初歳出予算額は、三千四百四億一千九万円余でありましたが、これに予算補正追加額百六十四億三千八十四万円余、予算補正修正減少額六十五億二千三百三十六万円余、予算移替え増加額六千四百六十四万円余、予算移替え減少額六十億八百三十一万円余、前年度からの繰越額八億八千二百四万円余、予備費使用額一千八百三十万円を増減いたしますと、昭和六十三年度歳出予算現額は、三千四百五十二億七千四百二十五万円余となります。この予算現額に対し支出済歳出額三千四百四十一億七千二百十万円余、翌年度への繰越額二億六千四百四十万円、不用額八億三千七百七十四万円余となっております。 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略をご説明申し上げます。 第一に、原子力関係経費といたしまして一千七百十六億八千七百九十六万円余を支出いたしました。これは、日本原子力研究所における原子力施設の工学的安全研究、核融合の研究、高温工学試験研究、原子力船の研究開発等の原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉及び新型転換炉の開発、使用済核燃料の再処理技術の開発、ウラン資源の探鉱、ウラン濃縮技術の開発等のほか、放射線医学総合研究所における放射線による障害防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、原子力安全行政の強化等原子力平和利用の促進を図るために支出したものであります。 第二に、宇宙開発関係経費といたしまして一千百二十一億五千三百三十四万円余を支出いたしました。これは、宇宙開発事業団における人工衛星及びロケットの開発、打上げ及び追跡並びにこれらに必要な施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケットエンジン等に関する基礎的、先行的試験研究、種子島周辺漁業対策事業の助成等のために支出したものであります。 第三に、海洋開発関係経費といたしまして九十二億四千六十一万円余を支出いたしました。これは、海洋科学技術センターにおける深海潜水調査研究、潜水作業技術の研究開発等のほか、関係省庁の協力により実施した海洋遠隔探査技術の開発研究等のために支出したものであります。 第四に、試験研究機関経費といたしまして、当庁の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所における短距離離着陸機の研究開発、金属材料技術研究所、国立防災科学技術センター及び無機材質研究所における各種試験研究及びこれに関連する研究施設の整備、科学技術政策研究所における各種調査研究等を行うための経費として百九十億二千六十八万円余を支出いたしました。 第五に、科学技術会議の方針に沿って我が国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費、理化学研究所における先端的基礎研究推進のための国際フロンティア研究等を行うための経費、新技術開発事業団における流動研究システムによる創造科学技術推進事業等を行うための経費、日本科学技術情報センターの事業を行うための経費等として三百二十億六千九百五十万円余を支出いたしました。 次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。 まず、電源立地勘定につきましては、昭和六十三年度歳出予算現額は、百七十一億四千六百七十七万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額百十四億一千五百九十九万円余、翌年度への繰越額三十七億二千五百四十八万円余、不用額二十億五百二十九万円余となっております。 支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、電源立地促進を図るため、地方公共団体に対する電源立地促進対策交付金及び電源立地特別交付金の交付並びに原子力発電所等の施設、設備の安全性を実証するための試験等を行うために支出したものであります。 次に、電源多様化勘定につきましては、昭和六十三年度歳出予算現額は、八百六十七億七千五百六十九万円であります。この予算現額に対し支出済歳出額七百九十四億一千七百三十万円余、翌年度への繰越額六十二億八百二十九万円余、不用額十一億五千九万円余となっております。 支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、基軸エネルギーたる原子力に係る技術開発の推進を図るため、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉原型炉の建設、新型転換炉原型炉の運転、使用済核燃料の再処理技術開発、ウラン濃縮原型プラントの建設及び運転等のための経費並びに原子炉の解体技術開発の委託等を行うための経費として支出したものであります。 以上簡単でありますが、昭和六十三年度の決算の概要をご説明申し上げました。 よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。 ………………………………… 昭和六十二年度決算科学技術庁についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十二年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 昭和六十三年度決算科学技術庁についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十三年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ───────────── 昭和六十二年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算に関する説明 昭和六十二年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千三百十八万余円に対しまして、収納済歳入額は二千六百三十三万余円であり、差引き三百十四万余円の増加となっております。 収納済歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千五百五十四万余円であります。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百九億七千三百十万余円でありますが、これに予算補正追加額五千六百十二万余円、予算補正修正減少額二千二百八十三万余円、差し引き三千三百二十八万余円を加えた予算現額百十億六百三十九万余円に対しまして、支出済歳出額は百二億九千七百三十七万余円でありますので、その差額七億九百一万余円を不用額といたしました。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費九十億四千八百二十万余円、検査旅費五億九千八百二十万余円となっております。 以上、簡単でございますが、昭和六十二年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。 昭和六十三年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算に関する説明 昭和六十三年度会計検査院主管一般会計歳入決算及び会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千七百四十万余円に対しまして、収納済歳入額は二千七百六十万余円であり、差引き十九万余円の増加となっております。 収納済歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千五百五十九万余円であります。 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額百十一億七千九十八万余円でありますが、これに予算補正追加額一億百三十九万余円、予算補正修正減少額二千四百六万円、差引き七千七百三十三万余円を加えた予算現額百十二億四千八百三十二万円に対しまして、支出済歳出額は百八億一千六百六十九万余円でありますので、その差額四億三千百六十二万余円を不用額といたしました。 支出済歳出額の主なものは、人件費九十五億八千三百八十一万余円、検査旅費五億九千八百十九万余円となっております。 以上、簡単でございますが、昭和六十三年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。 よろしく御審議のほどをお願いいたします。 ………………………………… 昭和六十二年度決算会計検査院についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十二年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 昭和六十三年度決算会計検査院についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 昭和六十三年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。 ─────────────
○渡辺委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
○後藤委員 きょうは、内田原子力安全委員長がおいでになっておられますが、時間の御都合がおありのようでございますので、最初に内田委員長に御質問をしてみたいと思います。 原子力安全委員会が設置をされたときに、私も原子力委員会とあわせて、あの法律なり設置の過程でかかわってきたことがあるわけでありますが、昭和三十年ですか、それから長い歴史の中でいろいろ御苦労をなさっていると承知をいたしておりますが、最近の原子力安全委員会が原子力発電所の設置に対して、あるいはその後の状況に対してどういうかかわりを持っているのか。まず基本設計に対してかかわっていくと思うのですけれども、それぞれの段階で原子力安全委員会というのはどういうかかわりを持ってきているのか、これは簡単で結構でございますから、御説明をいただきたいと思います。
○内田説明員 内田でございます。 原子力安全委員会は、原子力発電所の設置許可申請に関しましては、原子力安全から見ました施設の基本設計並びに基本的設計方針に関しまして審議しておるところでございます。その設置許可がおりました後の詳細設計並びに品質管理、保証、それから使用前検査と運転の一貫した規制行政に関しましては、これは商業用発電所に対しましては通産省が行っていることは御存じのとおりでございます。原子力安全委員会が行います基本設計の枠の中で、それ以降の詳細設計、工事計画、品質保証等が行われるものと理解しておりますので、設置許可におきましては、基本設計並びに基本的設計に関することに限られているわけでございます。 また一方、設置許可後におきましての詳細設計あるいは運転にかかわります事故・故障、トラブル、定検等に関しましては、その都度通産省から報告を受けまして、適切な審議とアドバイスを行っているところでございます。
○後藤委員 そうしますと、設置をされた後は、主として報告書に基づく書類審査といいますか、その審査の過程での勧告なりをしていくということが主たる任務になっているということでございましょうか、それとも設置法、法律に基づきますと、必要があると認めるときには能動的に原子力安全委員会としてチェックをしていくなり、あるいは検査をするなりということがなされていいと思うわけですけれども、そういう点はどうなっているでしょう。 特に最近の、例えば福島の事故あるいは美浜の事故等に対して原子力安全委員会としてはどのような対応をされたのか、お聞かせいただきたいと思います。
○村上政府委員 安全委員会のお仕事のあり方でございますので、事務局の方から簡単に御説明申し上げます。 冒頭に御質問されましたいわゆる設置許可以降の仕事については書類を見るだけかということに対しましては、必要に応じて所管行政庁の担当を委員会の席に呼びまして報告を受け、その都度適切な指示をされるなり、継続審議をして結論を得た段階でまたアドバイスをする、こういうことでございます。また、必要に応じて現場に視察、調査に出向く場合もございます。 それで、今回の美浜事故に関しましてこれまで原子力安全委員会がどのように対応してまいりましたかということにつきましては、所管行政庁であります通産省から事故の経緯、それから原因調査の進捗状況等々につき報告を受けまして、これまでの間、九回にわたり委員会として審議を行っております。 それから、委員会といたしましても、法定の原子炉安全専門審査会という下部機関がございますが、この法定の専門審査会の中にワーキンググループを早速設けまして、現在十二名の専門家から成るワーキンググループによりまして、関連する内外の事例、それからこれまで原子力研究所等で行ってきました研究成果等を踏まえまして、主として通産省でやられておりますけれども、安全委員会としてもこの専門家のワーキンググループによりまして事故原因の究明、それから再発防止対策に関して調査審議を今行っておるところでございます。 このワーキンググループは、既に四月十七日にメーカーの検査機関でございますところで破損しました伝熱管の金属組織の検査等について調査を実施いたしましたし、また今週には美浜の発電所にも調査に行くことになっております。それから、委員長みずからも既に現地に視察に参っておるところでございます。 美浜については、このような対応になっております。
○後藤委員 委員長が現地に行かれての御感想を最初にお伺いしたいと思います。いかがですか。
○内田説明員 私は、美浜原子力発電所の今回の蒸気発生器伝熱管損傷事故に関しまして、現地に参りましたのは四月三日でございますが、通産省を経ました調査あるいは現地のデータ等詳細な資料が一応出そろいましたのが三月末から四月にかけてでございますので、一応事故の内容につきましての勉強をそれなりに終わったところで現地に参りまして、実際のものを見て、あるいは運転員の操作についての話を聞きたいということで参ったところでございます。 主として得ました知見といいますのは、加圧器逃し弁の分解点検の状況、それから蒸気発生器の出口の隔離弁の状況並びに原子炉主任技術者を中心にしました運転操作が事故状態でどう適切に行われたかということなどを現地で聞いてきたところが非常に印象が強いところでございます。
○後藤委員 長い歴史を経てきたわけでありますけれども、原子力安全委員会が基本設計の段階において相当詳細にチェックをされているということは承知をしているわけですけれども、どうもその後のフォローが十分になされていないのではないだろうかということが大変気になるわけであります。 原子力というのは基軸のエネルギーとしてこれからも大切なエネルギーだと私は思っているわけでありますから、それだけに一番肝心なのはやはり国民の信頼だろうと思うのです。そこで、原子力安全委員会というものがある。これに対して権威を持って常時チェックをしていくという体制が確立されていかなければ、また、原子力安全委員会も能動的にこの動きを示していかないと、国民の皆さん方の原子力発電に対してあるいは原子力に対する心配というものあるいは信頼関係というものが十分にできていかないのではないかというように私は考えるわけであります。 特に最近の、いろいろ事故・故障等が起こってまいります際に、どうも原子力安全委員会というものが十分に国民の前に見られない。企業の安全に対する努力あるいは通産省の方の努力、それに加えて原子力安全委員会がクロスチェックをしていく、あるいはダブルチェックをしていく、こういうような構造になっているときに初めて国民の皆さん方は、なるほど、安全に対してはいろいろな角度からチェックをしているんだなという安心感を持つと思うのです。その点では、どうも原子力安全委員会というのは、設置を終わってしまいますと、行政の縦割りもいろいろ配慮をするのか、あるいはどういう関係かで非常に遠慮があるように思えてならないのです。 そういう点では、アメリカのNRCですか、そういうところの能動的なチェック行動というものはもっと学んでいいのじゃないかと思います。行政的にはあるいはアメリカのような形にはなかなかいかないような制度になっているのかもわかりませんけれども、だとすれば、この法律をまた改正強化をしていかなければならぬ、このように思っているわけですが、改めて委員長に、こういった問題に対して全くやりにくい面はあるのかないのか。 それからまた、いろいろな事故があった場合にスタッフを、プロジェクトチームをつくってやるわけですけれども、そういうスタッフに優秀な人材が今きちっと確保できる状況にあるのか、それとも、どうもそういった問題に対するチェックしていくスタッフが人材に欠けている面があるということはないか、こういった点について委員長からお聞かせいただきたいと思います。
○内田説明員 御存じのように、原子力安全委員会は、安全規制行政を行います行政庁の規制行政に対して科学技術的な見地から意見を申し述べる、いわゆるダブルチェックをするのが基本的な姿勢でございます。 今先生の、能動的にもう少し動けというお話を受けまして、非常に感銘深く感ずる次第でございますけれども、今回の美浜の事故に関しましては、通産省の調査審議とはまた別の立場、特に基本的設計方針等に関する見方からダブルチェックをする体制を整えたいと思いまして、急遽原子炉安全専門審査会の中にワーキンググループを早くから設置しているわけでありまして、多少今までよりは姿勢が変わっていることではないかと思っております。 スタッフのことでありますが、もちろんスタッフが十分整えられればそれにこしたことはないことは当然でありますが、原子力安全委員会は、必要な場合には、日本原子力研究所、放医研等の研究能力を十分に利用することができることでありますので、今回の問題につきましても原研等に解析、実験等を頼んでおるところでございます。
○後藤委員 四十基を超える原子力発電所がありまして、そして、もう早いものでは二十年の経過をしようとしているわけです。そうしますと、どうしても経年変化というのですか、当初は基本設計の段階、あるいはそういう原子力機器に対しましても大変品質管理なりあるいは機器に対する詳細な注意がなされて、いい原子力発電所が設置をされている。今日、世界的にも軽水炉原子力発電所というのは高く評価されている面があるわけです。しかし、年月が経てまいりますと、例えば美浜の場合は十八年というふうに聞いておりますが、経年変化を起こしてくるということになると、常時やはりチェックしていくという体制をとっていかなければならないと考えるわけです。 こういった、原子力安全委員会が詳細な設計以降の事項に対しまして、美浜にいたしましてもあるいは福島にいたしましても、そうした状況が生まれてきているわけですから、こうした原子力安全委員会が経年変化に対してどういうように対応していくかということについて、単に定期検査の報告書を見ていくとか、あるいは事故が起こった場合に頻繁に報告書の提出を求めて勧告していくとかいうことよりも、事故の起こらないその段階におけるチェックをもっと積極的に進めていく必要がある。 これはチェルノブイリのときもそうですし、あるいはスリーマイルのときもそうですけれども、ある程度の検討をした結果を報告書を出し、また、それぞれの関係者に勧告をしていることはあるわけですけれども、そういった経験をもっと大切にしながらこれから頻繁に目を光らせていく。つまり国民は、そうしたダブルチェック機能、クロスチェック機能が働く制度になっているんだというところにまず信頼を寄せるわけでありますから、どうも設置してしまったら全くそれに対して関心がなくなってしまうということになりますと、やはり国民の不満は解消されていかないわけですから、この点を原子力安全委員長からお伺いをしておきたい。
○村上政府委員 委員長の御見解の前に、安全委員会の成り立ち等に関しまして若干御説明をさせていただきたいと思います。 御案内のとおり、原子力安全委員会は、今から十四年ほど前に内閣総理大臣の私的懇談会として開催されました原子力行政懇談会における十分な御審議の後に、国会での御審議を経て、当時ございました原子力委員会のいわゆる安全規制面の機能を分けた格好で独立して設置されました内閣総理大臣の諮問機関として総理府に設置された国家行政組織法第八条の機関でございます。 したがいまして、法律で与えられましたこの安全委員会の仕事の基本的なところは、先ほど委員長が申し述べられましたように、原子力発電所等を含みます主要な原子力施設の設置許可の段階、増設の段階の基本的な事項に係るダブルチェックというのがまず第一の仕事でございまして、それからその次は、いわゆる第二次公開ヒアリングと申しておりますが、安全委員会が所管行政庁の大臣に答申をする前に地元住民の方々から安全性についての意見を十分に受けとめてそれを審査に反映させるという意味での公開ヒアリングの開催、それからいわゆる行政庁が審査を行いますに当たって用いるべき基準、指針類の制定、大きく分けまして、この三つが基本的なことでございます。 この委員会が設置されましたときに、行政庁に一貫して規制を任せるということの対応として安全委員会ができましたことの、より効果的に仕事をしていただくということで、実は両委員会からそのとき附帯決議が出ておりまして、今先生が御指摘になりましたように、その基本的な事項のところだけでなくて、もっと後の段階においてもちゃんと仕事ができるようにという附帯決議をいただいているところでございます。関係行政機関が行う原子炉の設置許可以降の規制全般についても必要に応じ原子力安全委員会が調査、審議をするようにという附帯決議を当時いただいているわけでございます。 これを受けまして原子力安全委員会は、設置当時から、いわゆる基本設計のダブルチェックの後にも、安全委員会として非常に重要と思われるものについては、所管行政庁が行います詳細設計や検査の段階で十分に注意すべき事項というのをあらかじめ摘出しまして、私ども、俗っぽい言葉で恐縮でございますけれども、いわゆるあらかじめツケを出しておきまして、そのツケについて所管行政庁が持ってくることをさらに審議し、また必要に応じて意見を言うというような仕組みでこれまでやってきているところでございまして、福島の事故の際、それから今回の美浜の際も、このラインに乗って、いわゆる基本的な事項のみならずかなり能動的に仕事をしていただいているというふうに私どもは理解しておるところでございます。
○後藤委員 委員長、時間がないようでございますので、退席していただいて結構でございますが、申し上げたいことは、これだけ二十年――四十年の耐用年数と言われておりますけれども、もう半ばに達している原子炉、原子力発電所も出てきているわけでありますし、いろいろなこれからもそういう経年変化というものは予想している以外にまた起こってくる可能性もあるだろうと思うのです。 そういうものを事前にきちっとチェックできる体制というものをもっと積極的にとってもらわなければ、国民の原子力に対する信頼を回復することは大変難しいだろう。したがって、今お話がございましたようないろいろな機構なり、あるいは所掌事務というものはわかりますけれども、もっと積極的に、これは国民の大きな関心の的でございますから、安全委員会としては安全チェックのために努力をしていただきたいということを強く要望を申し上げておきたいと思います。 退席していただいて結構でございます。
○内田説明員 今委員のおっしゃいましたように、現在の原子力発電所、四十基稼働しておるわけでありますが、使用期間の約二十年に相当するものがぽつぽつふえているところでございます。したがいまして、経年変化が劣化に及んで故障、トラブル等が起こることについては非常に心配をしておりまして、常日ごろから行政庁であります通産省を通じまして十分にその対策を要望しているところでございまして、刻々報告等も受けておるところでございます。 何分にも安全委員会が、これはまことに自画自賛で恐縮でございますけれども、安全委員会が行政庁に対しまして申しておりますいわゆるアドバイスといいますか意見等は、やはり行政庁を通してそれが電気事業者に反映しているところでありますので、安全委員会はかなりいろいろ意見も言っているつもりでございますが、表に出ないのは残念でございます。 今後も、委員のおっしゃるとおり、十分に、もう少し能動的に行政庁に対する意見の具申等をして、原子力発電所の安全確保に万全を期したいと思っております。
○後藤委員 では、結構です。 この間、ソビエトの元首として初めてゴルバチョフ大統領が来日いたしまして、多くの日ソ関係の文書、協定がなされ、あるいは覚書が合意されてきているようでありますが、科学技術庁にかかわる協定あるいは覚書はどういうものがあって、一応マスコミ等では若干報道されておりますので承知をいたしておりますが、原子力なり、あるいはチェルノブイリの発電所事故に対する影響緩和のための対策といいますか協力、こういったことが覚書あるいは協定文書でなされた、こういうように承知をいたしておりますが、その内容について御説明をお伺いしたい。これは外務省の方ですか、それでは外務省の方からどうぞ。
○太田説明員 お答え申し上げます。 ただいま御質問の、先般ゴルバチョフ大統領が参りましたときに日ソ間で締結されました科学技術関係の協定、覚書としては、まず日ソ原子力協定がございます。 この日ソ原子力協定の内容でございますけれども、これは六条から成るいわゆる行政取り決めでございまして、まず第一条で、両国政府がそれぞれの国の法令及び予算の範囲内で、かつ、関係する国際約束に従って、原子力発電所の活動における安全性等原子力の平和的利用に関する一定の分野における協力を発展させるように努力する、こういうことが協定の主な目的でございます。 さらに、協定では、その協力の具体的なやり方について規定をいたしておりまして、例えば、この協力というのは、両国の政府、政府の権限のある当局または公の研究機関の間で、情報の交換あるいは専門家の交流等の方法によって行われるということが規定をされております。そのほか、両政府は原則として毎年交互に日本及びソ連におきまして、ただいま御説明いたしましたような内容に関する協議を行うということが記されております。 以上が日ソの原子力協定の主な内容でございます。 それからもう一つは、チェルノブイリの事故の対策に関しまして日ソの外務大臣間で覚書が取り交わされました。 この覚書の主な内容でございますけれども、チェルノブイリの原発事故の結果生じた事態の克服に当たりまして、同事故の被災地域の住民の健康に対する影響、これを緩和するために日ソ両国の協力が有益である、そういう認識に基づきまして、情報の交換あるいは専門家の交換あるいは共同研究等を行うということで、主な協力の分野といたしましては、甲状腺及び人体の被曝線量の推定及び再現、それから甲状腺障害の疫学的な調査、予防、診断及び治療、それから前白血病状態及び白血病の疫学的調査、予防、診断及び治療、それから放射線被曝及びその人体の健康に対する影響に関する情報の収集、処理及び利用、こういうのが協力の主な分野ということになっておりまして、今後、関係省庁とも協議をしながら、日ソ双方の専門家から成る作業グループをつくりまして、具体的な協力を進めていくということになっております。
○後藤委員 チェルノブイリの方で、今四点ばかりの分野で適切な協力を行うということで読み上げられましたが、甲状腺及び人体の被曝線量の推定及び再現以下四項目、それぞれ対象のどういうところがこういう分野で協力していくかということは、科学技術庁の方ではある程度この覚書の際に話があったかと思いますけれども、どういうところがどういうように対応していくのか、もしここで御説明できればお伺いをしたいと思うのです。 〔委員長退席、魚住委員長代理着席〕
○山本(貞)政府委員 お答えいたします。 チェルノブイリ事故につきましては、これまでも日ソ二国間の協力あるいは国際機関を通じた協力を行ってきておりまして、今後とも可能かつ適切な協力を積極的に進めてまいるつもりでございます。 具体的に少し申し上げますと、まず、我が国は、原子力平和利用を進める国として我が国が有する経験と知識を活用することが有益であると考えまして、これまでも日ソ科学技術協力協定に基づく二国間協力による協力をやっております。それから、国際原子力機関、IAEAを初めとする国際機関等を通じて、科学技術庁の放射線医学総合研究所等の関係機関により放射線被曝に関する科学的知見の提供あるいは技術協力を行ってきておるところでございます。 また、昨年九月にシェワルナゼ外相が来日されたときに外相間で本件日ソ協力に関する覚書も締結されまして、その覚書に基づきまして昨年十二月、それから本年三月に開催されました両国間の会合におきまして、専門家の間で協力の具体的な進め方について意見交換を行ったところでございます。 さらに、先ほど外務省からも御説明がございましたが、ゴルバチョフ大統領来日時に、このような専門家間での意見交換の結果を踏まえまして、今後の具体的な協力分野等を規定したチェルノブイル事故の住民の健康に対する影響を緩和するための日ソ協力に関する覚書が署名されたところでございます。 私ども科学技術庁としましても、先ほど申し上げました放射線医学総合研究所等を中心にいたしまして、現地の、被災地の状況、それからソ連側の必要性というのを勘案しつつ、人道的見地から可能かつ適切な協力を行ってまいる考えでございます。
○後藤委員 今ちょっとお伺いしておったのは、甲状腺及び人体の被曝線量の推定及び再現であるとか、甲状腺障害の疫学的調査、予防、診断及び治療とか四項目ばかり挙げておったわけですが、我が国におきましてもそれぞれの大学あるいは研究機関等があるわけでございますから、そうした大学であるとか研究機関というものがこうした分野に対する対応措置が十分にできるような体制になっているのかどうかということが一点。 それから医療機材等も、単なるシンポジウムであるとかあるいは専門家の研修であるとかいうことを超えて、そうした医療機材を供与することによってお互いに医療に対する救助の体制をとるのだろうと思うのです、単なる助言をするとか意見を交換するとかということを超えて。そういたしますと、この種の医療機材というのは大変高度な技術を持った機器であろうと思うのですけれども、米ソの冷戦構造が終結をいたしまして、ココムの問題等についても、今それの見直しなりあるいは廃止なりという声も上がってきております が、こういった放射線機器あるいはこういう医療機材等がココム等にかかわってくる問題はないだろうか。これは科学技術庁ということではなしに、通産省の方の所管にもなっていくのかと思いますけれども、また外務省もきょう来ておいでになるわけですから、こういった問題もクリアしていかなければならぬですが、そういったことは全くもう障害なしにこれから進めていけるというように判断をなさっているのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○太田説明員 お答えいたします。 ただいま先生御質問の医療機材の点についてお答えを申し上げますと、チェルノブイリの事故に関する協力の中で、医療機材の供与につきましては、昨年の十二月にWHO、世界保健機関、ここからの依頼がございまして、我が国もこの依頼にこたえまして、平成二年度の補正予算におきましてチェルノブイリの被災地に対する医療機材供与のため約二十六億円をWHOに拠出したところでございます。したがいまして、当面は、医療機材に関する我が国の協力というのはこういうWHOを通じた形で行った次第でございまして、今後につきましては、状況を見て、またどういう協力の方法が必要とされるか、日本にとってどういう協力の方法があり得るかを随時検討していきたい、そういうふうに考えております。
○山本(貞)政府委員 協力の体制の点でございますが、先ほど申し上げました科学技術庁の放射線医学総合研究所、それから広島にございますが、財団法人放射線影響研究所というのがございまして、それぞれ専門家を相当抱えておりまして、適時、協力しながら協力をしておる次第でございます。 その他厚生省の関係の機関等も含めて、場合により大学の先生の協力も求めて行う体制をつくっておる次第でございます。
○杉本説明員 ただいま先生の方からココムの規制についての御質問がございましたので、その点について答えさせていただきます。 御案内のとおり、現在ココムにおきましては、昨今の東西関係の変化を踏まえて、規制を真に必要な品目に限るということで、いわゆるコアリスト作成作業を行っております。この作業は近々完成をする予定でございまして、それが完成いたしますと、現行の規制に比べて全般的にいわゆる大幅な緩和がなされる、こういう状況になっております。 他方、先ほど、チェルノブイリ等の事故が起こった場合にいろいろな協力が求められるというお話でございますけれども、ココムにおきましも、今後チェルノブイリ事故のような緊急事態が発生いたしました場合には、これらの事態に迅速に対応するということで、通常は輸出が認められてないようないわゆるハイテクの機器についても一時的にその輸出を認めるというような特例措置を講じております。 以上でございます。
○後藤委員 日ソの原子力に対する取り決めなり覚書なり、こういうことにつきましては、特にチェルノブイリの大変大きな事故があったということも、これからの原子力の開発に対して影響を与えたわけでありますし、その後の対策というものは、日本の技術と総力を挙げて積極的にやはり協力をしていくことが、また日本の原子力開発に対していい効果をもたらす、こういうように判断をいたしますので、ぜひ積極的な対応をこれから進めていくように要望を申し上げておきたいと思います。 次に、関根浜に私は先般伺いまして、原子力船の「むつ」を見てまいりました。幸いこれが洋上試験の方に入っておるようでありますけれども、来年ですか、これは何と言うの、解船と言うのですか、これで終わると、あとは貴重なデータだけが保存されるということのようでありますし、科学技術白書等を見てみましても、ごく数行、数行でもない、本当に簡単に「むつ」のことは書かれておる。確かに途中では、もうやめてしまえと現外務大臣等もそういう発言をされておりますし、国民世論もこういうことに金を使うということは税金のむだ遣いであるというようなことまで言われたわけでありますけれども、海洋国日本として原子力船の研究開発というものは大切だということで船出をしたのが大変な回り道をいたしましたし、そこでかかわっておった研究者、技術者等々関係者は本当に苦労されたと思うのです。 これがいよいよ洋上試験を終わってその任務終わり。後は何も考えていないのでしょうか。まず最初にそのことをお伺いしておきたい。特にこれは大臣もこの「むつ」に対しては関心がおありだと思いますけれども、すべていい研究成果を、放射能漏れ等もあって苦労しながらも上げたということで終わっているのか、これから大臣はこうした舶用炉等についてどのように考えておられるのか、まず最初にその点をお伺いしておきたいと思います。
○山東国務大臣 「むつ」につきましては、おおむね一年間の実験航海を終了いたしました後、関根浜において解役をする予定でございますけれども、実験航海が終了いたしました後には、やはり多くの皆様方の御意見を聞きながら、今後どのような形でそれを生かしていくか、今検討中でございますけれども、現在、原研におきまして活用方策を含め、種々の解役方法につきまして検討を進めているところでございます。
○後藤委員 大変な予算を投じてこの原子力船「むつ」は今日まで研究開発をしてきたわけでありまして、私も途中では、一回もとに戻して、研究室に戻して、そしてあんな無理をしてこの洋上における研究なりあるいは試験なり実験なりやらなくていいじゃないか、一回ちょっと失敗したのだからもとに戻して、研究室に返ってもう一度初心に返ってやるべきであるという考えも実は持っておったわけですけれども、しかし、原子力船にかかわっている皆さん方とお会いしていろいろな話を聞いておりますと、その情熱には実は打たれたわけです。 情熱だけでこうした舶用炉が安全に稼働していくということにはならないかわかりませんけれども、それには長い年月にわたる研究開発の苦労が集積をされていかなければならぬのですが、ただ私は、これから二〇一〇年にはさらに百万キロオーダーの四十基も原子力発電所をつくり上げていかなければならない、そうはいってもその適地が十分にあるわけではございませんし、そうした中で、もう少し中小炉といいますか、中型炉、小型炉の開発等もこれからは研究課題に上していくべきではないかなという気がするわけです。 そういう意味では、舶用炉とそういう中型炉あるいは小型炉とは設計なりあるいは利用分野において違うんだということもあるかもわかりませんけれども、今度の「むつ」の研究成果というものを、研究資料というものを十分に踏まえていきながら中小型原子炉の開発というものも考えていく必要があるだろうという気がするわけですけれども、この点については局長でしょうか、どのようにお考えになっていらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。
○山本(貞)政府委員 今先生御指摘の「むつ」の成果の活用の一環としての御指摘だと思いますが、その前に舶用炉の将来の私どもの考え方も一つ申し上げたいと思います。 先ほど大臣からもお話がございましたが、現在ほぼ一年かけて実験航海をする、その中で具体的ないろいろなデータなり知見、ノーハウを取得するわけでございますが、それとあわせまして、今科学技術庁で舶用炉改良研究の勉強会、これは大学の先生等にお願いいたしまして、今それを進めておるところでございます。同時に、日本原子力研究所でも、将来のあり得べき舶用炉についての研究を今進めておるところでございます。その実験航海と今の研究をあわせまして、将来に備えた改良型の舶用炉の設計研究を今進めておる、そういうところでございます。 今先生御指摘の中小型炉の研究開発、これからそういうビジョンもあるのではないか、それに関連しての御質問でございますが、原研の今研究しております、今申し上げました舶用炉の設計評価研究によりますと、将来の改良舶用炉としては、一つは受動的安全性を持つもの、それから二つは軽量小型化、この二つの特徴を持つ炉を想定しておりまして、これはまさに今先生御指摘の、陸上炉でも今後の中小型炉という発想とまさに合うわけでございまして、私どもとしてはこの舶用炉の研究が今後の一般的な中小型炉の研究開発に大きく貢献するものだと考えておる次第でございます。 〔魚住委員長代理退席、委員長着席〕
○後藤委員 この間、「原子力工業」という雑誌、これはおととしの十二月号ですか、これを見ておりますと、中央大学の武谷先生がレポートを詳細に書いておるのを見て、なるほど中小型炉については、国際的にも、ほとんど今まで大型炉の方が、百万キロオーダーの方が安全の面においても、あるいは経済性の面においても効率の面においてもいいということで、中小型炉はそれほど関心がなかったのかな、こう思っておりましたら、この論文を見ますと、一九八七年の八月にスイスのローザンヌで第一回中小型炉に関する国際セミナー等が行われて、あるいは八八年にアメリカ原子力学会が主催して国際トピカルミーティングの次世代炉の安全性等がシアトルで開催をされて、世界の十九カ国、二百五十名以上が参加した、日本は参加したのかどうか知りませんけれども。それから、日本でも一九八七年に将来炉の安全性調査専門委員会、これは原子力安全委員の都甲先生ですかが委員長で、この中小型炉の固有の安全炉と言っているようでありますけれども、経済性について調査検討をしたとか、こういうことがレポートで報告されているのを読みまして、これからはやはり中小型炉に対しましても真剣な研究がなされていっていいだろうと思う。 私は、昨年スウェーデンとフランスとイギリスの、主として廃棄物処理の問題について勉強に行ってきたのですけれども、スウェーデンは御案内のように二〇一〇年に原子力発電所すべて廃止をするという国民投票、あるいは国会決議をなされて、一体これから二十年足らずの間にそれを廃止して、スウェーデンのエネルギーが確保できるのかどうかということに大変興味を持って行ったわけでありますが、このことをきょう申し上げるつもりはないのです。 ただそこで、ABBというのですか、スウェーデンの原子力プラントメーカー、ここも国内の原子力市場が閉鎖されてくる。これが実際に見直しの意見も今出てきておりますから、ちょっと難しいと思うのですけれども、そうした中で輸出を目指していく、あるいはこれからの国内におけるそうした中小型炉の開発が大切ではないかというようなことを関係者が言っておったのを私は耳にしたわけであります。 工場できちっと中小型炉をつくり上げて、それを運搬して設置をするということの方がより安全の面においても、素人ですけれども、いいと思いますだけに、こうした中小型炉の開発は主として科学技術庁がもっと先進的に取り組むべき課題ではないかなということを私は感じたものですから、この武谷先生ですかのレポートを読んでみましても、これからは中小型炉の開発は相当国際的にも真剣に取り組まれていくべき課題であろう。 特に、発展途上国であるとかいうところのエネルギーの確保、原子力の開発ということには技術的に習熟していない部分が非常に多い中で、中小型炉がコンパクトにつくられていく、そして安全の面において、また経済性の面において十分に評価をされてくるというようなものは、日本の技術をもってやはり進めていくべきではないかというように考えておりますが、その点はいかがでございましょう。
○山本(貞)政府委員 一般に中小型炉と言われておりますのは、電気出力が六十万ないし七十万キロワット程度以下の規模のものを大体言っておると思いますが、最近の科学技術的知見を反映させることによりまして、機器とか設備を単純化するということが一つ。それから信頼性、安全性を向上させるということで原子炉の設計を考えようという考えだと承知しております。 中小型炉につきましては、今先生からも御指摘ございましたが、世界各国でさまざまな特徴を有する炉について考案がなされております。アメリカでもウエスチングハウスあるいはGE、それから日本でも日立、東芝、三菱等でそれぞれいろいろなアイデアのものがなされておりまして、それから先ほどございましたスウェーデンのABBアトムPIUS炉、それから原研、東大等でもいろいろな考案が発表されておるわけでございます。 ただ、この中小型炉の研究というのは、まだ設計段階と申しますか、設計的あるいは基礎的な段階でございますので、まず当面は安全性とか経済性の向上といった点からいろんな研究を進める、その上で安全性が十分確保されるということが確認されてから実際に進める、そういうことになろうかと思います。 科学技術庁といたしましては、いろいろな世界の状況なり立地の状況なり、あるいは発展途上国の将来の需要なりという点を十分考えながら、現在の軽水炉の改良ということのほかにもそういう研究は今後ともいろいろなことを考慮しながら努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○後藤委員 中小型炉の問題はまだ関心が薄いようでございますけれども、特に安全の角度から考えていって、これはひとつ研究課題として科学技術庁としても真剣に取り組んでいくべき課題ではないかと思っておりますので、大臣、この点について舶用炉の問題から出発したわけでございますけれども、先ほども言ったように科学技術白書ではごく簡単に四行ばかり「海上試運転を経て一年間の実験航海を行う予定である。」これは白書じゃないのですよね。ですから今度、平成三年度ではどういうようにここのところが書かれていくかというのを大変楽しみにいたしております。 大臣、今の中小型炉等あるいは舶用炉の研究を発展させるといいますか、そういう意味でどういうようにお考えになっているか、ちょっと興味を持っておりますので、次の科学技術白書、その後どういうように書かれていくかということも興味を持っておりますので、お伺いをしておきたいと思います。
○山東国務大臣 いずれにいたしましても、中小型炉の研究というものはいまだ基礎的な段階でもございまして、当面は安全性あるいは経済性などの向上の観点を中心といたしまして、実現の可能性につきこれから勉強中というようなところでございますので、大いに多方面あるいは専門家の方たちと舶用炉の件も含めまして今後とも検討を進めてまいりたいと思っております。
○後藤委員 最近、科学技術の国際協力が非常に積極的に進められ、特に米ソの冷戦構造の緩和、あるいはベルリンの壁が破られるということの中から、今までは国際的に軍事利用というものが大変大きな障害になっておりまして、なかなか科学技術の国際交流というのは口で言うほど進んでいない面もあったわけですが、これから私は、そうした国際プロジェクトがいろんな課題として俎上に上ってくるだろうと思うのです。 それで、これは四月二十二日、おとついでしたかの日本経済新聞にも「強力なレーザー光やイオンビームで核融合をおこす慣性核融合の研究を、国際共同利用の大型実験炉を開発して進めようという動きが」出てきて、IAEAが大阪で開いた研究会議でもほぼ認識が一致した、こういう記事が出ておりました。 御承知のように、日本とアメリカとECとソビエトが協力いたしまして八八年からITER、国際熱核融合実験炉の計画が実施され始めてきているわけでありますけれども、こうした国際的なプロジェクトというのは、単に核融合の問題だけじゃなしに、遺伝子の解読ですか、ヒトゲノムとかいうようでございますが、あるいはアメリカのSSCの素粒子加速器の建設協力もアメリカは強く求めてきておりまして、その約八十億ドルのうち、日本は二十億ドルぐらいはひとつ協力してもらえぬかというような要求も出てきております。 こうした国際的な大きなプロジェクトに対して、世界の科学者、技術者が協力していくということは、私は大変結構だと思うのです。特に、九十億ドルの湾岸のああいうのに対して実に簡単に提起をしていくということを考えていけば、このような、これから人類が共生をしていくという立場に立ち、特にまた国際的にいろいろな環境問題等も大きな研究課題になってきておりますときに、このような国際協力というものに対しては日本としても積極的に進めていくべきであろう、こういうように考えております。 もちろん、そうしたプロジェクトそれ自身がすべてどれもこれも協力していくべき研究課題であるかどうかということは、研究者あるいは学者等の厳しい調査といいますか、検討にまたなければならないと思いますけれども、しかしこれからはこういう課題がいっぱい出てくるのではないか、そういうように考えております。 そうしますと、そうでなくても今の基礎研究費なり科学技術研究費というものは諸外国に比べて決して自慢ができるような額ではない、そこへ国際研究で出ていく。そういたしますと、これは国際的な約束事になってくるわけでありますから、ほかの基礎研究費なり科学技術研究費を犠牲にしてそこに対応するということは大変難しいと思いますので、当然国際技術研究に対する国際的な貢献という立場からいって別枠にこれから考えていかなければならない。 後で会計検査院の方にもお伺いをしたいと思うのですが、ODAと同じような形でこれは取り組んでいかなければならない。早晩訪れてまいると思います。大臣、この点についてはいかがお考えでございましょう。
○山東国務大臣 御指摘のような大型国際協力プロジェクトというものは、資金あるいは人材また技術、いずれの観点から申しましてもなかなか一国で実施するということは困難でございますけれども、しかし人類の未来に対する新たな可能性を追求するという点からは期待をされているわけでございます。 我が国の対応を検討するに当たりましては、個々のプロジェクトの目的であるとか、あるいは内容などに十分留意しつつ広く研究者の意見交換を行うことが重要であろうかと考えております。また、対応には先進国としてふさわしい役割を国際社会において果たすとともに、他の研究活動を圧迫することのないよう、資金の確保のあり方を含めまして、やはり生きるお金であるかどうか、そういうことを計画的な取り組みについて検討していくことが必要であろうと考えております。こうしたことを踏まえまして、今後適切に対処していきたいと思っております。
○後藤委員 適切程度ではない形が押し寄せてくると思いますよ、大臣。ですから、ひとつ相当省内においても十分こうした国際技術協力については真剣な論議を進めておいて、そして単に国家プロジェクトではなしに国際プロジェクトとして考えていかなければならない、そういった点について適切以上の心構えをひとつしっかり持っておいてもらわぬと、大臣は一年ぐらいでおかわりになるかわかりませんが、ひとつ外務大臣のようにしっかりと何回もやっていくくらいの気構えでやってもらいたいというように考えているわけであります。 次に、高速増殖炉「もんじゅ」の開発についてちょっと一言お伺いしておきたいのですが、実は私、この間、いよいよ燃料を搬入するということになりますと全部閉じてしまいますので中に入れないということを聞いておりましたので、もんじゅについこの間行ってまいりました。まだ中を十分に見ることができたわけでありますけれども、これは実験炉の常陽を中心として研究開発がなされて、それの技術を引き継ぎながら、これからいよいよ我が国においても高速増殖炉の「もんじゅ」が、来年ですか、臨界に入っていくということのようです。 私は、フランスのスーパーフェニックスがちょうど臨界に達しました翌々日、一人でちょっと見てきたわけでございますけれども、その後ナトリウム冷却のところで故障をして、長い間とまっておった。最近また動ける段階に来たというように聞いておりますが、このナトリウム冷却型の炉と軽水炉の炉というのは安全上どのような特徴があるのかということが一つと、それからプルトニウム利用を推進していく上で、国民の皆さん方はやはりプルトニウムというとウラン燃料よりももっと心配をしている方々が非常に多いわけであります。核不拡散の問題ともあわせて、これからいよいよプルトニウムを利用していくということになるわけでありますけれども、こうした平和利用とあわせて核不拡散の問題等に対してどのようなきちっとした保障措置、担保がなされていくのか、こういった二点についてお伺いをしておきたいと思います。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 まず、先生御質問の、ナトリウムと水、両方の冷却材の利害得失でございます。御承知のとおりに水の冷却、軽水炉の場合でございますと、どうしても軽水自身を高い圧力にしなければならないという問題がございます。それに対しましてナトリウムは、それほど圧力が高くなくていいということもございますので、ナトリウムはナトリウムなりの特徴があろうかと存ずる次第でございます。ただし、ナトリウムは水と反応いたしますと非常に激しい反応をいたしまして、その取り扱いはかなり難しいのじゃないかということを言われてきておったのも事実でございます。 先生御指摘のように、動力炉・核燃料開発事業団におきましては、茨城県大洗町に設置いたしました常陽あるいは常陽の周辺機器等を用いましてナトリウムの取り扱い技術につきましては十分の経験を重ねてまいりました。おかげさまで現在動燃事業団ではナトリウムは適切に管理し得る、そういうことになっておりまして、それを踏まえまして、「もんじゅ」の一連の建設の工事を進めてまいりまして、ナトリウムも搬入しつつあるところでございます。 そういうことで、ナトリウムに関します一連の技術的問題につきましては見通しを得つつあるわけでございますが、高速増殖炉のもう一つの課題はプルトニウムの取り扱いにありますことはこれまた御質問のとおりでございます。プルトニウムにつきましては、これまた、動燃が東海事業所におきます一連のプルトニウム加工等におきまして長い間プルトニウムとつき合ってまいりました。現在、動燃事業団の技術者は、注意深く取り扱えばプルトニウムは安全に取り扱い得るという自信を持っておるように私ども存じております。 なお、プルトニウムにつきましては、先生おっしゃいましたように、核不拡散防止のための保障措置を適切に講ずることも必要でございます。これにつきましては、事業者たる動燃事業団自身の努力もございますし、国際原子力機関とも十分協議いたしまして、しかるべき保障措置の体制を講ずることは可能でございますし、その準備も着々といたしておりますので、動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖原型炉「もんじゅ」は、そういうことを経まして来年の秋に臨界に達し得るものと期待しておるところでございます。
○後藤委員 特に、「もんじゅ」がうまくいくかどうかということは国際的にも大変注目されておりますから、ひとつ科学技術庁といたしましても、この成功のために努力をしていただきたいということを要望をしておきたいと思います。 あと幾つか科学技術庁関係に対する質問を用意しておったわけですが、特に、日本から諸外国に研究者、技術者が最近は相当多数出ているわけでありますけれども、外国からの研究者、技術者の受け入れ態勢が十分に整備されていない。そこに一つの閉鎖性の問題もありはしないかと思うんですが、そのことは抜きにいたしましても、やはり外国からの研究者、技術者をもっと受け入れていくということは、単に日本が科学技術の面において大変高い地位にあるということじゃなしに、もっと学ばなければならぬことがあるわけでありますから、こうした受け入れをできるような態勢を大学なりあるいは研究機関なりあるいは民間もそうでありますけれども、積極的に取り組んでいただきたい。 そうしなければ技術のただ乗り論ということで、応用の面、実用の面においてはすばらしいものがあるけれども、基礎研究はすべて外国のすぐれた頭脳に頼ってやっているという非難も受けるわけでありますが、こういった点に対して最後に大臣からお答えいただきまして、科学技術庁の方の質問を終わりたいと思います。
○山東国務大臣 我が国の経済の発展と科学技術のレベルアップに伴いまして、日本に対する海外諸国の関心と期待が増大をいたしております。このため、科学技術面における国際交流を一層促進していくために、昭和六十三年度に外国の研究者を我が国の国立試験研究機関などに受け入れる科学技術庁フェローシップ制度を創設したことに加えまして、平成元年度からはそれに必要な宿舎やあるいは日本語研修などの受け入れ環境を整備しております。しかし、今後とも科学技術を通じまして国際社会に積極的に貢献をしていくため、海外からの研究者の受け入れ態勢の強化に努めてまいりたい、そのように考えております。
○後藤委員 次に、もう時間がなくなってしまいましたので、会計検査院の方には大変失礼をいたしました。私は幾つかお聞きしたいことがあったわけですけれども、きょうはひとつODAの問題だけについてお伺いをしておきたいと思うんです。 これまでODAの問題については御指摘がございました。また、日本の会計検査がこのODAに対して、主権の問題であるとかいうことも絡みましてなかなか難しい点がたくさんあると思いますけれども、八九年度の決算報告ではODAに対する指摘がなかったかと思うんですが、それまではごく簡単に指摘をされておりましたけれども、ODAの会計検査といいますか、これはもう最近は、ことしの予算で幾らでしたか、一兆数千億以上になってきているわけでありますから、ただ国内では検査をしっかりやる、しかし一方、海の外に出ていくと手が及ばないということでいいのかどうか。 やはり国民は、納めた税金が有効にどのように使われていくのか、途中で消えてなくなってしまうということがあってはならぬし、あるいはまたそれが軍事利用に使われておったということであってもならないわけでありますけれども、一応の限界もあると思いますが、諸外国のこうしたODA、海外経済協力の援助に対する、資金援助に対する監査とそれから日本のあり方、今日の現況、問題点等についてお聞かせをいただきたいと思います。
○中村会計検査院長 御指摘のODAの検査の重要性につきましては、私どもとしましても十分に認識しておりまして、そのための機構改革ということも行ってまいりましたし、各種の研修その他も行いましてODAの検査の充実を図ってきたところでございますが、外国の状況を見ましても、それぞれ若干の違いはありますけれども、大きな面におきましては日本と異なるところはないというふうに認識しております。 先ほど先生がおっしゃいましたように、主権の制約は確かにありますけれども、私どもとしましては、その主権の制約という与えられた条件はありますけれども、その条件のもとで実績を積み重ねながら、また内部の研修を充実いたしまして、今後ともODAの検査の充実を図っていきたい、こう考えております。
○後藤委員 院長、今ごく常識的な御答弁をちょうだいしたわけですけれども、この間、「会計検査研究」第三号、これは会計検査院が出しておられるあれですか、この中で東京工業大学の助教授の中川先生の論文をちょっと読みました。 これは大変示唆に富んだ論文であったと私は拝読したわけでありますけれども、これを読んでみまして、それぞれの政府開発援助の管理体制の中で、各国で今どういうような方法でこの会計検査をやっていくべきかということで幾つかの例題を出しているわけですが、第一に、交換公文で日本側の会計検査の実施を義務づけるという政策も一つ考えられる。第二に、米国式に交換公文で日本側援助担当機関による相手国における会計検査を含めた内部監査の実施を義務づけるという政策も考えられる。第三に、相手国会計検査機関と日本側会計検査機関との共同検査を義務づけるという政策。それから第四番目に、相手国会計検査機関に日本の会計検査手法、検査基準を伝えて、我が国としてはそれにのっとった検査結果の報告を相手国から受けるにとどめるという政策。第五に、現状維持。 これらのうちで、第一の日本側の会計検査の実施を交換公文で義務づけていくということは、これは相手国及び日本側の援助担当機関の強い抵抗が予想されてその実現は難しかろう。それから第二の選択肢の成否も、日本側援助担当機関が米国の監察総監のように内部機関でありながら独立性の高い監査機関を設けられるかどうかにかかっておって、大規模な機構改革を必要とする点でこれも実現可能性は低い。政策妥当性と実現性を考えてみれば、第三と第四の選択肢、第三というのはつまり、相手国会計検査機関と日本側検査機関との共同検査を義務づけるという政策、それから第四は、相手国の会計検査機関に日本の会計検査手法、検査基準を伝えて、我が国としてはそれにのっとった検査結果の報告を相手国から受けるにとどめるという政策、私も少なくともこの二つの点はできるんではないだろうか。 しかも、院長も十分に御理解のように、日本の会計検査の技術というのは非常に高いのだろうと思うんですね。こうしたことを発展途上国なり政府開発援助対象国にこれからもしっかりとそういう技術移転というか、ノーハウを移転をしていくということも必要だと思うんですが、この先生の御指摘を私は興味深く読んだわけであります。 大体私どもも、ODAはもっとたくさん出すようにしろ、あるいはひもつきなんか余りつけるな、こうは言いながら、一方においてそれが有効に働いていかない。さらにまた、いろんな商社であるとかあるいはイベント屋さんですか、そういうようなところが自分で売り込んでいって、向こうとうまく話を合わせてこちらに援助費が取れるようなものを持ってきているということで、どこかで消えてなくなっていくというようなことが、あのマルコス、フィリピンの場合でも問題になりましたけれども、あちこちにある。それを恐らく検査院としては、もし検査ができれば立派にそういった問題がなくなるようにやりたいと思われるでしょうけれども、それがいろいろな状況でできない。 しかし今挙げたようなこの先生が御指摘になっているようなことは相手国に対してもそれほど大きな抵抗がないのじゃないだろうかなというように私は読み取ったわけでございますけれども、院長、いかがでございましょうか。
○中村会計検査院長 私ども、一般的な態度としましては、やはり第三者の意見に対しては十分に耳を傾ける、そういう態度はぜひ今後ともとっていきたいというふうに考えております。 そこで、先生御指摘の点でございますが、第一に被援助国の会計検査院と共同して検査をすることはできないだろうか、こういう御質問でございますけれども、それぞれの国の会計検査院というのは、言うまでもないことでございますが、国家機関の一つでございますので、他国の会計検査院と共同して行動するという場合には、やはり両国間の条約その他の合意というものが前提になるのではないだろうか、こういうふうに考えております。 そこで、第二の点でございますけれども、被援助国の会計検査院の活動に対して会計検査院が何らかの形でもって共同するというかお互いに歩調をそろえていくという点でございますけれども、この点につきましては、会計検査院は世界で百二十カ国ばかり加入した世界的な国際機構がございますし、その下にアジア・太平洋地域の二十三カ国を含めましたやはり国際機構がございます。私どもはそこに積極的に参加いたしまして、ODAも一つの例になるかと思いますが、どういうふうにしたらその効果を上げることができるかという点についての検討はやっておりますし、それからさらに私どもとしましては被援助国の研修に対しましては講師を派遣するというふうな形でそのレベルアップを図っておりますし、それからさらに会計検査院としましては公共事業の検査あるいはコンピューター検査というものにつきまして各国から毎年研修生を集めましてそして日本で研修をする、こういうふうなことを通じまして被援助国の事業の適正な、そして効率的な、さらには効果的なそうしたものを期待している、こういうことでございますが、いずれにしましても先生の御指摘の点はごもっともでございますので、私どもとしましては今後とも十分検討させていただきたい、こう考えております。
○後藤委員 ありがとうございました。終わります。
○渡辺委員長 長谷百合子君。
○長谷委員 きょうは美浜の原発事故に関連いたしまして幾つか原子力安全委員会の方に質問させていただきたいと思います。 原子力安全委員会はこの美浜の原発事故について独自の調査を始められたということですけれども、独自調査の方法について伺いたいと思います。原子力安全委員会による立入調査とか破損部分や破損箇所の確認、原因究明の方法、実験、解析などはどのように行われるのでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 原子力安全委員会としましては、所管行政庁である通商産業省から事故の経緯及び原因調査の進捗状況等につき報告を受け、これまでに九回にわたり調査審議を行っているところでございます。安全委員会としても、今回の事故は環境に影響を与えるものではなかったものの、初めて非常用炉心冷却装置が実際に作動したものであることは重大であると認識し、今後とも通商産業省等から調査状況について報告を受けるとともに、委員会としても早急に検討に着手するため、下部機関である原子炉安全専門審査会に調査審議の開始を指示したところでございます。 これは福島の原子力発電所の再循環ポンプの事故の際には、けさほど委員長も御説明申し上げておりましたけれども、あの場合は一年ほど後に通産省の報告書ができた後でこれをダブルチェックするという意味で検討部会を設けて検討したわけでございますけれども、今回はより能動的に取り組むという観点から、既にこのワーキンググループが設置されて検討を行っているところでございます。このワーキンググループは原子炉安全専門審査会の発電用炉部会のメンバーでございまして、十二名の専門家から成っておりまして、関連する内外の事故・故障の事例、これまでの研究成果等を踏まえまして事故原因の究明、同種事故の再発防止対策等について現在調査審議を行っているところでございます。 なお、このワーキンググループでは、日本原子力研究所の研究ポテンシャルを活用するなどによって安全解析、それから模擬実験を通じまして安全規制への反映事項について検討するとともに、蒸気発生器伝熱管の破断のメカニズムなどについても検討していくことにしております。また、ワーキンブグループでは四月十七日にメーカーの検査機関において破断伝熱管の金属組織検査等について調査を実施いたしました。また四月二十六日には美浜原子力発電所に赴きまして、事故時の状況、分解点検中の加圧器逃し弁、主蒸気隔離弁等について調査を行う予定でございます。 なお、四月三日には内田原子力安全委員長及び佐藤原子炉安全専門審査会長が現地を訪れ、事故時の状況、分解点検中の加圧器逃し弁及び主蒸気隔離弁等について現地視察を行ったところでございます。
○長谷委員 今原子力安全委員長も視察に行かれたということでしたけれども、そのときに原子力安全委員会に責任はなかったというような発言を委員長がされているのでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 新聞報道でそのようなことがあったということは承知しておりますけれども、委員長がお話しになっておりました真意が十分に伝わらなかった点もございますけれども、今回のAVBと言っておりますが、振れどめ金具がああいう形で設計どおりに入っていなかったということについては、いわゆる行政庁の所管する事項であるという意味において安全委員会の問題ではないということでございまして、今度の事故について責任がなかったとかあったとかというようなことでおっしゃったものではないというふうに伺っております。
○長谷委員 そうすると、それは安全審査の後の問題だからというようなことで、基本的なところでは原子力安全委員会には責任がある、こういうふうに考えてよろしいわけですね。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 けさほど委員長からもお話しございましたが、責任があるとかないとかということではなくて、安全委員会なり所管行政庁のいわゆる安全規制の各面にかかわる仕事の基本的なかかわり方というところでこの振れどめ金具の詳細な問題は一義的には所管行政庁の問題である、こういうふうな意味でおっしゃったものだと聞いております。
○長谷委員 ちょっとわかりにくかったのですけれども、各行政省庁にだけ責任があるのか、あるいは原子力安全委員会にも責任があるのか、私はやはり原子力安全委員会がきちっと責任を持っていってもらいたいというふうに思うのです。 美浜二の設置時の安全解析というものがもちろんやられているわけですけれども、今回の事故は大分解析結果とは様子が違うように思うのですが、どうでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 原子炉の安全審査の際に、いわゆる異常な過渡事象の解析、それから各種事故の解析というところで、幾つかのケースについて解析をし、評価を行って答申が出されているわけでございます。今回の蒸気伝熱管細管の破断事故につきましては、やはりその事故解析の一つとしてあらかじめ想定されて解析されておるものでございますが、そのシナリオの中の一部、逃し弁が働かなかったというところの一部合わない点はございますけれども、いわゆる事故解析という、コンピューターを使っての全体的なプロセスの解析という点からは、ほぼ大体合っている、こういうことでございます。
○長谷委員 安全解析によりますと、外部電源が喪失しなかった場合はタービンバイパス系が使用できて、そして蒸気発生器から蒸気の大部分は復水器に回収される、こういうふうに書いてあるわけですけれども、今回の事故では、実際には外部電源は喪失しなかったわけですよね。しかし、タービンバイパス弁の操作が事故から一時間三十分もたった後、三時十三分だったと思いますけれども、こうなったのはどういうわけだったのか、この辺はちょっと御説明願いたいと思います。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 若干技術的な細かいことで恐縮でございますけれども、今回の安全注入信号の発信といいますのは、今回の事故の場合では、加圧器の圧力が低下したという信号と加圧器の水位が下がったという、いわゆるアンド回路でございますが、両方の信号を受けて発信されております。この場合には、ECCS系統すなわち緊急冷却注入系などの工学的安全施設が非常用母線から給電されているために、常用母線あるいは常用母線より給電されている機器のトラブルなどによって非常用母線の健全性が損なわれないようにすること、それから、小破断冷却材喪失等の際に、一次冷却材ポンプが動いていると一次冷却材の漏出量がふえまして一次冷却材保有量の減少を招くこと、及び一次冷却材ポンプを停止したと仮定しても炉心の露出、燃料の損傷を招くおそれがないことにかんがみ、事象発生とともに一次冷却材ポンプを停止することを目的として常用母線を遮断しております。その結果、タービンバイパス弁の操作は不能となっているものと承知しております。少しわかりにくい御説明で恐縮ですが……。
○長谷委員 本当に難しくて、なかなかわかりにくいんですね。 ですから、外部電源が喪失していないとすれば、弁の操作は非常に簡単にいきますので、せいぜい十分とか十五分で復水器の方に放射能で汚れたものが回収できるということかと思うのですけれども、今難しい御説明もあったのですが、それがわざわざ複雑なそういう形で時間をかけて、一時間半もかかったというところをもう少し御説明願いたいと思うのです。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 今度はちょっと大ざっぱで申しわけないのですが、要するに一言で申し上げますと、非常用系に給電することのために他の余計なことを切ってしまう、こういうことであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○長谷委員 そうしますと、他のところというふうに今言われたのですけれども、わざわざ非常用の電源に切りかえてしまって外部電源の喪失という状況をつくったわけです。そのために充てんポンプや給水ポンプなどほかのものが働かなくなっちゃったという状態だと思うのですね。 こういう状態になってしまえば、危険といいますか、やはり放射能が大気に、外に出てしまうというようなことも起こってくるわけですし、機械自体は守れても外には大きな環境的な問題が起こってしまうのではないか。それに、やはりコンピューターなんかも全部接続していると思うのですけれども、そういったものの容量不足とかこういったことが起これば、大切な記録というものもなくなってしまうのではないか。そういうふうに思うわけですけれども、そこらあたりはどうでしょうか。
○村上政府委員 繰り返しになりますが、いわゆる非常用注入装置系とそれから原子炉の停止操作系に重点を置いて操作した結果であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○長谷委員 そうしますと、日本の他のPWRもECCSが働いたら非常用電源に切りかわる、そういうことでしょうか。
○村上政府委員 先ほど御説明申し上げましたいわゆる注入信号がアンド回路で出るわけでございますが、出た場合にはどの炉でも同様のことになると承知しております。
○長谷委員 先ほども私が言いましたように、そういうのは余計に危ないんじゃないかというふうに思うのですけれども、見直しは検討されていますでしょうか。
○村上政府委員 御説明申し上げます。 先ほど申し上げましたとおり、あらかじめ想定した範囲内の出来事ではございましたけれども、一部違うような事象も入っていることもございまして、御指摘の点も含めて今後の詳細な解析にまちたい、こういうふうに考えております。
○長谷委員 それからもう一つ、今回の事故では、ECCSが十分に注水できなかったことが事故を大きくしたのではないかというふうに見られております。注水量でございますけれども、それは幾らというふうに把握されていますでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 今回の事故におきましてECCSは、先ほども申し上げましたように、加圧器圧力低という信号と加圧器水位低というアンド信号によりまして、安全審査において想定されたとおり、ECCS系統のうちの一系統でございます高圧注入系が作動しております。また、この高圧注入系からの注入量は、解析によりますと約五十トンであると行政庁からの報告を聞いているところでございます。さらに一次系には、高圧注入系以外に、高圧注入ポンプの作動の前後に、常用系の充てんポンプと言っておりますが、充てんポンプからも注入されていると聞いているところでございます。 以上によりまして、炉心冷却に必要な一次冷却水は確保されており、さらに、サブクール度にも余裕があることから、安全上問題はなかったものと考えておりますけれども、今後安全委員会としましても、先ほど申しましたように事故シークエンスの安全解析等を行いまして、ワーキンググループによる事故による炉心の健全性についても検討してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○長谷委員 この美浜二のECCS、高圧注入ポンプの安全注入特性はきちっと把握されていますか。そして、原子炉の中が百三気圧では、ここにちょっとそういう資料があるのですけれども、百三気圧以上では注入量はゼロというような資料があるのですけれども、それはそういうふうに考えてよろしいでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 本件についての先ほど御説明申し上げました原子力安全委員会のワーキンググループにおける審議は、まだそこのところまで進んでおりませんので、この注入特性等の十分な把握はまだできていないわけでございますけれども、私どもとしては、いわゆる電気事業者が作成いたしました高圧注入ポンプの圧力流量線図についてそこらの状況を把握しているところであります。高圧注入ポンプの締め切り圧力は百五キログラム・パー・スクエアセンチメートル・ゲージと聞いております。したがって、原子炉内圧力が百五キログラム・パー・スクエアセンチメートル・ゲージ以上では水は注入されない、こういうふうに理解しております。
○長谷委員 そうしますと、百五キロですね。百五キロでは水は注入されない。 その事故のときの記録があるのですけれども、これを読んでいきますと、十三時五十分に百二十八、それから五十一分に百五、五十二分に九十九と、このあたり低いですけれども、五十五分に九十五・二、そしてまた五十八分に九十九・二、それから十四時三分になるとまた九十一・九というふうに、気圧が上がったり下がったりというようなことが起こっていて、ECCSと原子炉の圧力が押し合い、押しくらまんじゅうみたいな感じになっていたというふうに思うのです。 そうしますと、このグラフもずっとあるのですけれども、入ったり入らなかったりというような感じですから、水は余り入らなかったんじゃないかというふうに想定されるのですけれども、そこらあたりどうですか。常識的に考えてもなかなか入りづらいというふうに思うのですけれども。
○村上政府委員 先ほど申し上げましたように、充てんポンプからの注入量も含めまして、私どもとしては、十分入っているものというふうに承知しております。
○長谷委員 だから、入っているものと承知されていても、このグラフを見ましても、理屈として、常識といいますか、そういうところからいって非常に働きにくいという感じになっていると思うわけですね。高圧注入ポンプの容量というのが、美浜二の設置許可申請書では百二十五気圧というふうになっていますけれども、実際には百五気圧の力しか出せないものがついていた、その理由というのはどうしてでしょうか。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 設置許可申請書の添付書類第八に記載されております百二十五キログラム・パー・スクエアセンチメートル・ゲージ、すなわち約百二十五気圧でございますが、という設計圧力は、ポンプの定格能力ではなくて耐圧設計上の最高使用圧力であると承知しております。ポンプの定格能力につきましては、同じ欄に揚程、これは水を押し上げる力でございますが、揚程として約七百六十二メートル、すなわち約七十六気圧と記載されております。圧力がこの定格能力より高くなるに従いましてポンプが送ることのできる水の容量は少なくなりまして、百三・五キログラムを超えると注入量がゼロとなります。この圧力を締め切り圧力といっているわけでございますが、これが設置許可申請書に記載されているポンプの耐圧設計上の最高使用圧力である百二十五キログラムより低いというのは、これは設計上当然のことであると思っております。
○長谷委員 耐圧ということだと思いますけれども、そうすると、原子炉の内圧が普通は百五十七気圧、そうしてどうなるのですか、圧力が下がって百三、だから、このポンプがつながった瞬間に、百三ですか、百三になるまでは働かない、でも、ポンプがつながる、非常用のポンプですから、事故が起こってつながった途端にポンプが壊れてしまう、そういうふうな心配はないでしょうか。
○村上政府委員 御説明申し上げます。 御心配は当然だと思うのですが、よく設計されておりまして、ポンプと原子炉本体の耐圧設計並みの逆止弁というのがついておりまして、反対の方には行かないようになっておりまして、一たん入れる場合には、相手の入れるべき方の圧力が下がる、すなわち、先ほどアンド回路の信号というようなことを申し上げましたけれども、入れるべきところの圧力がある一定以下の圧力になれば押し込む、こういうような設計になっておりまして、他方の方には逆止弁で行かないようになっております。
○長谷委員 まあ安全弁がついていて逆流はしないということかと思うのですけれども、要するに、私もう一番心配しているのは、やはり冷却を急激にしなきゃいけなかった、水がたくさん入らなきゃいけないんだというふうに思うのですけれども、そこのところが非常に、この間出た資料からしても、今の御返答からしましても、すっと一気に入らないというような設計といいますかポンプの状態についてまだまだ不安も、私、すべてがなくなったわけじゃございません。 こういうところのポンプは、美浜のものだけじゃなくて、ほかのところのポンプはこの美浜に比べてどうでしょうか、全く似たようなものが使われているのでしょうか。
○村上政府委員 委員御承知のとおり.原子炉ももちろん出力を初め少しずつ違っておりますので、それに応じていろいろな機器やその機器の動作のいわゆる設定値も違うわけでございますけれども、基本的には、ECCSの作動という面からは、同様なメカニズムがすべての加圧水型炉にはついております。
○長谷委員 その解析結果と、それから実際に起こる事故との差というものも今回浮き彫りになってきましたので、その辺も含めまして、もう一度よく安全審査基準というものについても見直していただきたいと思うのですけれども、それについてはどうでしょうか。
○村上政府委員 先ほども御説明申し上げましたとおり、安全委員会に設けられましたこのワーキンググループの仕事の一つに、そういう点の詳細な検討というものも含まれております。
○長谷委員 そうしましたら、美浜のことはとりあえず終わらせていただいて、柏崎原発の六号機の建設許可についてちょっとお伺いしたいのです。 今、世界は大体脱原発というような流れになっているかと思うのですけれども、日本はまだまだそういうふうになかなか動いておりません。柏崎六号機が、ことし三月から原子力安全委員会に安全審査の審議が諮問され、柏崎では着工間近というように聞いております。原子力安全委員会の審議も終了するんじゃないかと言われております。 一つには、百三十五万キロワットで沸騰水型としては初めての規模である、それから、再循環ポンプがインターナルポンプという圧力容器内部のポンプに変わる。今までにこれはもう経験のないような建設、運転ということになると思います。 これについてですけれども、インターナルポンプについての安全上、これはどのような問題があって、そしてどのように克服されたのか、これをちょっと御説明していただきたいというふうに思います。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 柏崎六、七号の安全審査につきましては、昨年の二月に通産省から原子力安全委員会の方に諮問がございまして、それ以降、原子炉安全専門審査会の方で審議が鋭意進められているわけでございますが、その中の部会の報告書が、今週月曜日に安全委員会の方に報告がされてきている段階でございます。 御質問の柏崎刈羽六、七号につけられますインターナルポンプの安全性の確認の点でございますけれども、まず、このインターナルポンプといいますのは、外国では既に十二基のプラントで使用され、一番長いものは最長で十五年間良好な運転実績を有しているということを私どもとしても把握しているところでございます。また国内では、昭和五十二年度から六十二年度にかけて電気事業者とメーカーによります研究、それから昭和五十六年度から昭和六十一年度にかけましては、国が財団法人原子力工学試験センターに委託して行いました原子炉内蔵型再循環ポンプ設備確証試験などによりまして、その試験や解析によってインターナルポンプの健全性、信頼性について確認しているところでございます。 これらを受けまして、原子炉安全専門審査会では、柏崎刈羽六、七号炉のインターナルポンプについては、ポンプごとにその運転状態を振動、回転速度、温度及び流量などで監視できる設計となっていることを確認しております。それから、ポンプ故障が発生いたしましても迅速な検知、対応がとれる設計になっていることを確認しており、また点検も十分に行えるようになっていることを確認しておりまして、十分な対策がとられているものと判断しているというふうに承知しております。
○長谷委員 本当にチェルノブイリの事故というのがいまだに大きな影響を与えて、世界の脅威になっておるわけです。こういう事故がもう起こってはならないということはだれもが願っていることでございますので、ぜひぜひ、さらに慎重の上にも慎重に安全委員会が審査をして、厳しくやはりチェックをしていっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○渡辺委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○渡辺委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小川国彦君。
○小川(国)委員 最初に私は、建設省、それから日本道路公団に要請をしたいと思うのでありますが、昭和六十年、日本道路公団が財団法人高速道路調査会に対しまして、フランス、イタリアにおける有料道路事業の経営に関する基礎調査、委託金額一千二百万円。六十一年、米国における有料道路事業の経営に関する現況調査、委託金額一千九十九万円。六十二年、欧米における有料道路事業の経営手法に関する調査、委託金額六百万円。この三つの調査報告書について、私ども国会議員の立場で、有料道路事業のあり方というものを研究調査し、そしてまた国の立法にこれを役立てていくという観点から、この資料の提出方をお願いしたわけでありますが、これに対して今日に至るもこの資料の提供を得られないわけでありますが、このことについて、建設省の担当者、道路公団の担当者からそれぞれ、この資料が提出できるのかどうか、その点についての見解をまず建設省の方から伺いたいと思います。
○荒牧説明員 ただいま御指摘の調査報告書についてでございますが、調査結果を公表するか否かの判断につきましては、その内容に応じまして個別の事案ごとに対応しているところでございますが、調査結果の内容が、職務上知り得た個人または企業等の秘密を含むものである場合や非公表を前提として収集した他人または他の機関等の情報が含まれている場合、あるいは検討途上のものが含まれている場合などにつきましては、その公表を控えざるを得ない場合があってもやむを得ないものと考えております。そういったことで、こういう基本的な考え方に基づきまして調査結果の公表の可否につきまして日本道路公団を指導しているところでございます。
○木内参考人 ただいまの建設省からの御答弁と全く似た趣旨でございますけれども、私どもといたしましても、調査内容に企業や個人の情報に関するものがある場合とか、あるいは非公表を前提 に資料を収集したような場合、あるいは検討がまだ十分でないようなものが含まれている場合等につきましては、慎重に対処すべきであるというふうなことで、こういった観点から個々の調査報告書等を吟味した上で御提出に応じているわけでございますけれども、本件につきましては、以上の理由からも、この際、御提出を御勘弁願いたいという事例に該当するということで、御提出の御勘弁のお願いをしているわけでございます。
○小川(国)委員 では、六十年の調査報告書はどういう理由に基づくものですか。
○木内参考人 お答えいたします。 フランス、イタリアにおける有料道路事業の経営に関する調査報告書でございますけれども、高速道路のプール制における内部補助あるいは財政負担のあり方、それから民間活力の導入の方法その他、有料道路の経営に係る基本的な問題につきまして検討していくために、従来から有料制度を広範に採用しておりますフランス、イタリアについて調査研究を行ったものでございまして、その内容は、フランス、イタリアにおける道路事情、有料制度の歴史、有料制度の内容、それから財務、経営状態及びそれについての調査担当者の識者の私見を取りまとめたものでございます。
○小川(国)委員 六十一年の調査報告書の提出できない理由はどういう理由でございますか。
○木内参考人 六十一年の調査報告書でございますけれども、米国における道路整備財源の不足を原因とした道路の荒廃がございまして、有料制の議論が非常に高まっているわけでございますけれども、そういった中で有料制度の経営の実情と問題点を調査研究したものでございまして、その内容は、米国の道路事情、有料道路制度及びその実施手順、事業主体、料金のシステム、有料道路の経営状況、資金調達、健全性確保及びそれらについての参加した識者の私見を取りまとめたものでございます。 お出しできない主たる理由は、先ほどのものも同じでございますけれども、欧米における会社の経営内容、財務内容等、そういったものを、外に出すということでなくて、未公開ということでいろいろ教えていただいた資料とか、そういった調査したところのいわば企業秘密的なものが入っているということが一点。それから、それを取りまとめてコメントをつけていただいた識者等の意見が、これは検討用の資料でございますから、公式のものでなくて、自由に討論していただくという意味もございまして、かなり私見が入っているというふうなことが主な理由でございます。
○小川(国)委員 六十二年の調査報告書を提出できない理由はどういう理由でございますか。
○木内参考人 六十二年の報告書は、先に申し上げました二つの報告書の調査結果に基づきまして、それをまとめて討論したものでございます。したがいまして、同様に、第一、第二の中に入っておりました個別企業の経営問題とか企業秘密に属する事項あるいは学者先生方の私見にわたる部分がこの中に当然のこととしてまとめられておりますので、そういう意味で御勘弁願いたいということでございます。
○小川(国)委員 そうしますと、三番目のは外国に行っての調査ではなくて一、二の報告書をまとめたものである、こういうふうに理解してよろしいですか。
○木内参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 その一の調査に当たりまして派遣されました調査団の代表者及び団員、それから調査期間、訪問先、訪問相手、それを教えていただきたいと思います。
○木内参考人 フランス、イタリアにおける有料道路につきましては、海外出張者は四名でございます。調査会の常務理事の武田さん、それから主任調査役の村上さん、それから安斉審議室主幹、これは道路公団でございます。それから田中、総務課の職員でございます。それから米国につきましては、武田調査会常務理事、村上主任調査役、それから佐藤、これは公団の用地二課長でございます。それから審議室の児玉でございます。以上それぞれ四名でございます。 行き先につきましては、最初のイタリア、ローマが、ローマアウトストラーデ社とか公共事業省道路庁、その他幾つかございます。それからパリのAM&ENSI社、それから、あとの訪問先、いろいろございますけれども、ワシントンでIBTTA、ニューヨークでニューヨーク・ステート・デパートメント・オブ・トランスポーテーション、すなわちニューヨーク州の交通省ですね、それからボストンの有料道路当局等がございます。非常に立て込んだ訪問先でございますので、ちょっと表か何かで提出させていただきませんとわかりにくいので、こんなところが主なところでございます。
○小川(国)委員 その中で、六十年の中で調査なすった中で、六十一年で言うとわかりいいのですが、会社の業務内容、財務内容を公開しないという約束で面会なすったのはどういう会社でございますか。
○木内参考人 先生の御質問で、詳しくは調べてまいっておりませんけれども、ただ一般常識的にも一々公開しないから出してくれと言ったかどうかまでは、私、一緒に行っていませんからわかりませんけれども、会社はありますけれども名前が言っていいのかどうかもちょっと問題でございまして、フランスのある有限会社とか、それから第三セクターみたいなものもございますし、株式会社等もございます。 個別の名前はちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 その私見をお聞きした人というのはどういう方々でございますか。私見というか見解をお伺いした方ですね、その訪問先で。
○木内参考人 私の説明が悪かったと思います。私見といいますのは、調査団が調査してきたものにつきまして、例えば学者の先生方がそういった資料等をもとに分析してコメントしたということで、日本の人でございます。メンバーでございます。言ってみれば、この調査会のメンバーであります岡野先生等の方々でございます。
○小川(国)委員 国会議員が国政調査の上で調査の資料を請求しましたときに、これは外国企業に対して公表しないという約束であるから提出できないとおっしゃるときには、どういう相手にそういう約束をしてあるから出せないという根拠が明確でないと、その人の名前は言えないとか、行った先も今あなたの報告を聞いているとちっとも明確でないのですよ。 訪問先の名前が、あなた自身がたどたどしく申し上げて、正確に企業なり団体の所在地、代表者、それからそのときに文書でそういう約束をしたのか口頭で約束をしたのか、それから、もう少しあなたの方が親切であれば、こういうことを国会議員から提出を求められて、この資料を読みたいということなんだけれども同意が得られるかどうかというところまでやってもらう必要があると思うのです。 あなたの方で、今、国会で少なくとも答弁されている中で、先方に公開しないという約束をしたということを理由で述べられるなら、どういうところの人にそういう約束をしてきたんでという根拠がないといけないと思うのですね。その名前は言えないということで、そういうことではちょっと通らないのじゃないでしょうか。どうなんでしょうか。
○木内参考人 この検討会もそうでございますけれども、調査団の外国へ行く場合もそうでございますけれども、もともとこの調査あるいは委員会の検討というふうなものにつきましては、内部検討、調査であるということを前提にこの委員会が成り立ち、また調査団が行っているわけでございます。 したがいまして、一つ一つの訪問先でどういうふうに会話されたかということは、年代も古いし、行った人にずっと聞き取りをすればできないことはないと思いますけれども、そういう前提で委員会が開かれ、調査されているということでございますから、そういうふうな前提でなければ得られない資料というふうなものが中に入っておるわけでございますので、そういうふうなことで、聞いてきた場合の相手先あるいは内容というふうなものは、やはり公団の信頼関係というふうなものもこれありまして、私の方から申し上げるのはいかがかというふうに思うわけでございます。
○小川(国)委員 根拠が不明確でございますね、それでは。少なくとも公費を使って調査に行って、そしてどういう方々に会って、その会った中でこういう約束があった、だから出せない、これ私、納得するのですよ。ところが、会った人も、団体も名前も出さないで、内部資料なんだから出せないというのでは、これ、納得できないですね。 もう一つ、では伺いたいのですが、そこが不明確なのですが、その調査報告書は、六十一年で言いますと、何部、どういうところで印刷して、そしてどういうところに配付なすったんでございましょうか。
○木内参考人 その調査報告書は、全部でそれぞれ百部印刷しておりまして、公団の内部及び建設省の関係部局、それから経営問題等を議論、検討する際の基礎的な資料というふうなことで活用する必要最小限の部局に配付しております。配付先は、また非常に細かくなるのでございますけれども……
○小川(国)委員 結構です。お願いします。
○木内参考人 よろしゅうございますか。 フランス、イタリアについては、公団の役員会メンバーが十三部、部長会メンバープラス課長で二十二部、現地、公団の現場でございますが二十一部、外部委員が二部、建設省が二部、その他公団の関係課が二部ずつ、メインの審議の対象でございますあの事務を担当しました公団の審議室メンバーが三部、その他若干部数が残ってございます。それから、ほとんど同様な関係で関係のところ、百部が公団の実際担当したところ、役員メンバー、部長メンバー、建設省、それから外部委員等に配られております。もしあれでございましたら、ややこしくなりますので、別途数字の資料を御提出させていただきたいと思うわけでございます。
○小川(国)委員 数字と氏名を確答していただきたいと思うのですが。
○木内参考人 ただいま手元には氏名は持っておりませんけれども、先生どうしてもということになれば、氏名を書いてお持ちすることもやぶさかでないと考えております。
○小川(国)委員 相手方の企業に対して、団体に対して公表しないという約束で国会にも提出できないような重要な資料でございますから、それを配付した先というのは、私は氏名が特定できると思うのですよ。ですから、その名簿を提出願いたいと思いますが、いかがですか。
○木内参考人 関係の部局でございますので、よく調べればわかると思いますので、わかる範囲内でできるだけ提出したいと思います。
○小川(国)委員 国会にも提出できない、相手方の企業、団体の立場を尊重して公開しない、こういう約束があるという、それだけの内部検討の重要な資料であれば、配付者の名前がわかる範囲ということはないと思うのですよ。そんなずさんな取り扱いをなさる道路公団ではないと思うのですが、これは全部わかるのでございましょう。
○木内参考人 組織で持っていますので、人事異動とかいろいろございますからちょっと時間がかかるかもしれませんけれども、できるだけ正確なものを出したいと思います。
○小川(国)委員 配付者名簿はつくってないのですか。
○木内参考人 配付者名簿と称するようなものはつくってございません。
○小川(国)委員 そうすると、百部の中で配付先が不明なものが出てまいりますね。
○木内参考人 ここで断言できませんけれども、よく調べさせていただきたいと思います。
○小川(国)委員 不明なものが出たらどういう責任をおとりになりますか。
○木内参考人 どういう責任というのはよくわかりませんけれども、調べてみたいと思います。
○小川(国)委員 皆さんの方で、昭和六十一年度では日本道路公団の調査委託請負費というものが八十九件、十五億三千九百九万円出ておりますが、この八十九件の調査委託をなすったもののうち、公表されたものと未公表のものの仕分けはどういうふうになっておりますか。
○木内参考人 委託報告書につきましては、基本的には公団内部における勉強とか検討のための基礎資料が非常に多うございます。これらの報告書の外部への公表につきましては、先ほど申しましたように、調査内容、企業や個人の情報に関するものがある場合及び非公表を前提として収集した情報を含んでいる場合あるいは検討途上のものが含まれている場合等もありますので、慎重に対処しているわけでございますけれども、御質問に係る八十九件の報告書の中には公表を控えざるを得ないものが少なからずあるわけでございます。 公表を積極的と申しますか、公表をしたものは二件でございます。積極的に公表ということはしませんけれども、外部からの求めに応じて先ほどの考え方から支障ないというふうなもので資料を提供したものは二十三件ございます。
○小川(国)委員 公表、非公表についての法的根拠とか内部的規約とか、そういう基準はございますか。
○木内参考人 法的根拠というのはいろいろな法律があるからよくわかりませんけれども、私どもの直接関連する法的な根拠は特にございません。それから、内部の規定でも具体にこういう場合はこうだという規定はございません。 ただ、先ほど申しましたような点に該当するものにつきましては、それぞれ逐一資料についての判断を個別に行いまして処理しているところでございます。
○小川(国)委員 この六十一年での調査報告を提出できないという判断はどういう方がなすったのですか。
○木内参考人 だれがということではございませんけれども、公団が監督官庁である建設省等と御相談して判断しているところでございますけれども、責任者というふうなことになれば、当面、私ではないかと思われます。
○小川(国)委員 少なくもこういう資料を国会議員なり、これは私、決算委員会を通じて九〇年の十月十九日に請求しているわけですね。今日まで出さない。そういうときの判断というのは、そうすると公団の一理事の判断で決まるのでございますか。提出すべきかどうかについては基準がないと、基準がないということになると、逐次そのときの例えば公団の理事、あなたが責任者だというと、あなたの判断を中心にしてこういう国政調査に必要な、しかも国費を使って行われた報告書を提出できるかどうかという判断が公団の理事の判断でできるのでございますか。 それともあなたが何名かの方と相談をして決められるということになると、その何名かというのはどういうところで決められるのか、これは非常に重要なことなので、公団の理事会の中にあなたがこのことについて報告をして理事会がそういう決定をしたのか。あなたが責任者であなたが提案者であるのか、あなたが決定者であるのか、そこをはっきりしてください。
○木内参考人 当然関係省とも協議しますから、関係方面とは協議しますけれども、担当の理事は私だということを申し上げただけでございます。必要に応じて総裁等にもお話をして了承等はとっております。
○小川(国)委員 そうすると、こういう国費を使って調査をして、少なくも六十一年でいえば一千九十九万という税金を使って調査した資料、そういうものがあなたの判断で出すとか出さないとか基準がなくて結局決められる、こういうことになるわけですか。
○木内参考人 申すまでもないことで口幅ったいのでございますけれども、先生に対しましては、こういう事情がございますので提出を差し控えさせていただきたいというお願いをしておりますけれども、やはり委員会としての要求とかいろいろなことになってまいった場合には、私がどうのこうのという判断ではないのではないかというふうに考えております。
○小川(国)委員 それでは、この問題についてもう一度判断を仰ぎたいと思いますが、ただしかし、その前に私、会計検査院にお伺いをしたいと思うのでありますが、こういう調査委託を受けた成果物が適正に活用されているかどうかということは検査対象になると思うのでございますが、いかがでございますか。
○中北会計検査院説明員 これらの調査委託費は当然会計検査の対象になりまして、その内容についても当然検討させていただいております。
○小川(国)委員 今回のこういうこと、いわゆる報告書を未公表として取り扱っているということは、予算執行のあり方として適正なのかどうか、こういうことについて会計検査院の判断を仰げるのではないか、こういうふうに思うのでございますが、いかがでございますか。
○中北会計検査院説明員 確かに法令等で公表すべき義務があるものについては公表しないと当然問題になりますが、先生御指摘の本件につきましては、公団が公団側の判断というのでしょうか、そういう問題でありますので、本院としてもそれを公示するというのですか、公表するという判別というのは非常に下しかねると考えております。
○小川(国)委員 例えば、先ほど会計検査院は、調査委託を受けた成果物が適正に活用されているかどうか、これについては検査対象になる、こういうふうにおっしゃいましたね。この点は間違いございませんか。
○中北会計検査院説明員 そのとおりでございます。
○小川(国)委員 そうすると、例えばここに百億かけた橋ができた、そうすると、その橋は百億かけた橋として本当に国民に利用されて役立っているかどうか、、無用なものではなかったかどうか、それは会計検査院は、その予算の執行は適正かとか、経済的であったか、効果的であったか、それは皆さんの検査対象の中としてあるわけですね。 それと同じように、形に見えない人間の知的作業によって行われる知識の集積物、こういうような報告書です。こういうようなものが、ここだけでも十五億という予算が使われているわけです。これは一つの集積物ですね。知的な成果物です。そういうものが、果たしてこの研究の調査の内容というものは、それだけの費用をかけただけの中身であるのかどうか。それから、そのつくったものが国民に活用されて本当に生かされているのかどうか、それも予算の適正な執行の中、皆さんの検査の中に入ってくると思うのですが、いかがでしょうか。
○中北会計検査院説明員 確かに先生のおっしゃるとおり、そういう事業につきましては有効性の観点というのですか、そういう観点からも判断させていただいております。もちろん、積算内容とかその実物についても検査会場では提示を求めて検討いたしております。
○小川(国)委員 例えば、六十一年度の調査委託の十五億三千九百万について、八十九件ある、これは検査院の検査対象になりますね。
○中北会計検査院説明員 六十一年分についても検査は実施いたしております。
○小川(国)委員 こういうものは、ひとり建設省、公団のみならず、各省庁にわたって相当な調査委託費というものを出されていると思います。その額を累計したら大変な金額になると思います。そういうものについて、皆さん方は、いわゆるそれだけの研究費、調査費を使ったに値する調査を行ったかどうか、こういう調査はなさっておりますか。
○中村会計検査院長 私どもの検査としましては、ハードといいますか、それからさらにはソフトといいますか、あらゆる成果物につきまして検査を実施するということで一貫しておりまして、本件の場合も当然その検査の一環になるかと考えております。
○小川(国)委員 それからもう一つ、よってそういう調査が的確に行われて、その調査費にふさわしい調査研究がなされた。なされた報告書は、やはり国民の税金を使ってつくられたからには多数の国民に利用され、活用され、生かされなければなりませんね。そういう皆さんが、予算の適正な執行が行われたか、効果的な執行が行われたかということは検査院の検査対象になってくるわけですから、こういう調査報告書が本当に国民のために活用されているのかどうか、経済的に効率的に生かされているのかどうか、ここも検査対象になりますね。
○中村会計検査院長 調査報告書について検査の対象になるということは当然でございますけれども、ただ問題は、私どもとしましては、あくまでも検査を実施する検査の必要性から受検庁の方々に提出していただいているものでございますから、その結果について、それが直ちに外部に公表すべきものであるかどうか、これはもう個々に判断しなければならない、こういうふうに考えております。
○小川(国)委員 ちょっともう一遍答弁を教えていただきたいのですが、個々に判断をされなければならない、こういうことですか。
○中村会計検査院長 繰り返すようでございますが、私どもが受検庁から成果物なり、その他各種の資料を提供していただくというのは、あくまでも検査の必要性ということで提出していただいておるわけでございますから、その提出していただいた資料をさらに外部に公表するかどうかということは別個の問題である、こういうふうに考えております。
○小川(国)委員 私の言っている意味は、公表、未公表ということではなくて、いわばこういう報告書、そういう報告書は、例えば学会の人にも、あるいは一般の市民にも議員にもいろいろな面で活用されなければなりませんね。国の予算を投じて行った仕事というものは、例えば橋が一つできれば、自転車も通る、リヤカーも通る、乗用車も通る、トラックも通る、いろいろな形でその橋が利用されるわけですね。 それと同じように、こういう報告書が一つできたら、それはひとり役所の人たちではなくて、民間の市民にも学者にも議員にも、あらゆる人たちにそれが利用されてその税金が生きてくる、こういう面を会計検査院も検査の考え方として持たなければならないのじゃないでしょうか、それはお持ちになっているのでしょうね、こういうふうに伺っているのです。
○中村会計検査院長 私どもの検査というのは、一般的に申しまして国民の皆さんにかわって検査をするということでございますから、おっしゃるとおり、その成果物が真に国民の皆さんに役に立つということであればこれは公表すべき問題だと思いますけれども、ただその場合に、公表すべきであるかどうかということは私どもの判断すべきことではございませんで、私どもとしましては、あくまでも検査の実施過程において検査の必要性から提出していただくということでございます。繰り返しになりますが、そういう観点から従来も検査をやってまいりました。
○小川(国)委員 まだちょっとかみ合わない感じがするのですが、検査の必要性というのは検査の観点というものがあるわけですね。何のために検査をするのか。むだ遣いはないか、本当にその予算が適正に使われているか、そういうことからいいますと、公表とか非公表とかではなくて、そういう資料はどんどん国民に利用されなければならない。 例えば十五億三千九百九万円かけた八十九件の調査報告書が、先ほど伺いますと、八十九件のうち公表したのは二件で、あと求めに応じたのが二十三件、こういう状況ですよね。これらの資料を点検していけば、これは今申し上げたように、恐らくいろいろな各層の人に利用されるべきものじゃないのか、私はこういうふうに思うのですよ。少なくも、十五億のお金をかけたこういう調査報告書が百部しかつくられない、しかも限定された人たちの内部検討資料だ、しかもこれは公然とし た調査委託費で行われているわけですよね。そういうものが、しかも依頼先を見ると、そんなに秘密を要するような調査内容ではないというふうに思うのです。国際交通博覧会協会とか、日本海難防止協会とか、国土開発技術研究センターとか、ずっと見てまいりますと、長野県、新潟県、滋賀県、岡山県、こういう都道府県に調査依頼したのもたくさんあるわけです。 そういうことも含めますと、こういうものは国民の税金を使って調査をしたからには、少なくもそれがやはり公表され利用されていくという観点というものが当然なければならないのじゃないかと思うのですよ。これが役所の人の専有物のように、内部検討資料、内部検討資料で、全部そういうことになっていったら、国民の税金はある役所の特定の人たちのためにだけ利用されて、国民の税金として利用されていない、こういうふうになってしまうのじゃないかと思うのです。この点は、会計検査院もしっかり検査をしていただいて、こういうものはもっと利用すべきではないのか、こういう観点を持っていただきたいと思うのですが、いかがでございましょう。
○中村会計検査院長 一般論としましては、先生のおっしゃる意味も十分わかりますけれども、本件の場合につきましては、具体的な内容については承知しておりませんので一般論になりますけれども、私どもとしましては、あくまでも一定の金を使って委託したということであれば、その成果物がきちんとでき上がっているかどうかということを検査するわけでございまして、その上にさらにそれを広く国民に公表するかどうかという問題は、これはあくまでもその当局といいますか、公団側といいますか、そうしたところの判断になるのではないか、こういうふうに考えております。
○小川(国)委員 でき上がりだけを見て活用の状況を見ないということでは、橋が立派にできたというでき上がり状況だけを見て、全然人が通らないところにこんな多額の金をかけた、これは会計検査院、指摘なさいますね。 それと同じように、十五億三千九百九万円という国民のお金を使って調査したものは、やはりそれが本当に生かされているというところを見なかったら、これは先ほどの御答弁のように、ハードのものは見るけれどもソフトのものは見ない、こういうことになってしまうのじゃないですか。会計検査のあり方としては、やはり両面をしっかり見据えてもらう、会計検査のあり方というのは本質的にこうあるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○中村会計検査院長 ただいま申し上げましたように、私どもとしましては、税金を使って委託した以上、その成果物について果たしてそれだけの成果が上がっているかどうかということであって、それは先ほど申し上げたソフトの検査についての問題でもあるわけでございまして、繰り返しますが、それについて、それがさらに国民に広く公表すべきものであるかどうかという問題につきましては、これはやはり公団なら公団で検討すべき問題である、こういうふうに考えております。
○小川(国)委員 これは何遍も繰り返しますが、やっぱり利用、活用ということもなければならないんじゃないでしょうかね。その利用、活用が限定された人に――橋ができても、これはお殿様以外は通らない、一般庶民は通っちゃいけないという橋はないと思うのですね。橋は、お殿様も通れば商人も町人もみんな通るわけです、古い例えで恐縮ですが。 それと同じように、こういうふうな知的成果物も、やっぱり一部の人が独占するのではなくて、いろいろな方々に利用される、そういうことを会計検査の中で加えてもらう必要があるんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○中北会計検査院説明員 調査委託費の内容につきましては、その執行が適正かとか、経済的、効率的に使用されているか、こういうハード面と、その成果が有効に活用されているかどうかというソフト面でしょうか、その両面について、在来、検査をやっておりますし、今後もやっていく予定でおります。
○小川(国)委員 十五億三千九百九万円の昭和六十一年度決算の中でのこの調査委託費、これの適正な利用、活用がなされているかどうか。それから私の指摘いたしました三つの有料道路の調査報告、これの利用、活用が適正なのかどうか。それからもう一つ、この作成の内容が本当に予算にふさわしい内部的なものが行われたのかどうか。先ほど伺っておるところだと、どうも、訪問先も、訪問企業も、訪問団体も、それから訪問者名も明確じゃない。こういう予算の使途はあり得ないと私は思うのですよね。 少なくもこういう出張旅費を使ってフランス、イタリアとか米国を調査なさったのであれば、そういうところの訪問先、私がさっき伺った訪問先の住所、団体名、どういう人に会ってどういう意見交換をしてきた、これは当然中身にあると思いますから、そういうものもひとつ検査をいただいて、それが適正に行われたのかどうか、それから、そういうことからこれは百部に限らざるを得ないのもやむを得ないのかどうか、あるいはその内容から見れば、これは当然公表できる内容のものであるにもかかわらず、百部というふうに限定して、しかも不明確な対象の人に――ここで配付者名簿もわからぬというようなことでございますから、そういうような配付の仕方でいいのかどうか、そういうものを国会なり国民なりにも公表しないというやり方がいいのかどうか、やはりこれは、私は、会計検査院の検査対象としてしっかり検査を願いたい、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○木内参考人 先ほど訪問先等についてややあいまいな答弁をしたのは申しわけないと思いますけれども、先生突然の御質問でございましたので、訪問先の正確な資料をお持ちしないで概要でお答えさせていただいたのであいまいでございましたのですけれども、訪問先がどこで、どういう人と会ったというのは、調べればわかることでございますので、それはきちっと御報告したいと思います。
○中北会計検査院説明員 先生御指摘の点を念頭に置きまして今後検査をやっていきます。
○小川(国)委員 委員長、ただいまの問題については、建設省、それから道路公団の答弁を踏まえまして、理事会でもこの提出方についての取り扱いを御検討願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○渡辺委員長 今御発言のあった点については、理事会で協議をして、即刻とは言えないけれども、なるべく早い機会に回答できるように相談をさせていただきます。
○小川(国)委員 よろしくお願いします。 次に、私は国会の決算審査のあり方、それから決算報告書の提出のあり方について質問をさせていただきたいと思うわけであります。この問題については、国会の決算審査というものを我々国会の中でも努力をして充実したものに高めていかなければならない、このように思うわけでございますが、もう一つ、国の決算報告書の作成作業といいますか、こういうものももっと迅速にしていただく必要があるのではないか、こういうふうに思うわけです。 現在、毎年度三月三十一日で各省の決算が締め切られる。それから各省の作業、大蔵省を含めての作業が五カ月、それからまた、さらに大蔵省のまとめで二カ月、会計検査院で二カ月、九カ月かかって決算報告書は出てくる。大体十二月の末の通常国会の開会当初に間に合う、こういう状況なのですが、私どもはこれをもう二カ月ぐらい早めて、財政法とか予決令とか会計法とかいろいろな規定がありますが、こういうことの今後の改正も含めて、少なくも十月末ぐらいに国の決算報告書を国会の審議に付する。十一月、十二月に当決算委員会が決算の審議をすれば、それは少なくとも予算が執行された翌々年度の予算編成には反映させることができる。 翌年に反映するというのは物理的に不可能なことでありますが、翌々年に反映させるためには、 現在九カ月かかっている作業を七カ月に短縮できないか。こういうためには、コンピューターの導入ということが非常に必要なのじゃないか。どうも、私ども各省庁伺った中では、まだ手作業の決算報告書の作成が行われていて、コンピューターの導入が非常におくれている感じがするわけであります。 この点について、厚生省おいでになりましたら、まず厚生省では例えばコンピューター化の作業が今どのくらいの割合になっていて、それから厚生省の持っていらっしゃるコンピューターのいろいろなものを駆使してコンピューター決算ができる、そういう見通しや展望はないかどうか、ちょっと伺いたいと思います。
○近藤(純)政府委員 厚生省関係の決算のことを申し上げますと、厚生省にはコンピューターといたしまして各種の統計情報の処理とか行政情報、こういったもののために統計情報部に汎用のホストコンピューターがございます。そのほかに、大きなものといたしまして、社会保険庁におきまして各種の届け出とか裁定請求とか、あるいは年金相談のための大きなコンピューターがございますが、これを決算に使ったらどうかというふうなお尋ねであろうかと思うわけでございます。 厚生省の場合、各出先機関ではかなりのところでコンピューターの処理というふうな形で行っているわけでございますけれども、全体をオンラインで結びまして、コンピューターで全体で処理するということにつきましてはまだ検討が十分進んでないわけでございまして、現時点で具体的な方針を持っているわけではございませんので、今後の検討課題と考えているわけでございます。決算の事務は計算の迅速性というものが重要だというのは我々重々認識しているわけでございますけれども、決算の本当の重要な使命は正確性ということでございまして、対照書類等によりましてチェックするというのが非常に重要な部分を占めているわけでございますので、どこまでコンピューターで処理できるかどうかというのは今後の検討課題というふうに考えております。
○小川(国)委員 厚生省で言えば、一般会計のほかに社会保険特別会計があったり病院の特別会計があったり大変コンピューターを使っていらっしゃる。こういうところを当然一般会計の計数処理にも使えるんじゃないか、決算報告書にも使えるんじゃないかというふうにも思うのですが、郵政省はいかがでしょうか。郵政省も郵便とか保険とか貯金とか、こういう中で、特に貯金とか保険とかではコンピューターを相当持っていらっしゃるのですが、これを活用してコンピューター処理の決算報告ができないかどうか、いかがでしょうか。
○伊藤説明員 郵政省の会計課長の伊藤ですけれども、お答えを申し上げたいと思います。 郵政省では、特別会計というのが郵政事業特別会計、貯金の特別会計、そして保険の特別会計三つの特会と、それから一般会計、会わせて四つの会計を持っておるわけですけれども、大略申し上げれば、いずれの会計においても、程度の差はありますけれども、コンピューターの活用は決算関係の処理については行っております。それで、例えば郵政事業特別会計の方なんですけれども、本省郵政局の方に配備をされております中型のコンピューターを使いまして歳入歳出決算額の集計などはやっております。 しかしながら、そのほか、先ほど厚生省の方からも申されたチェックの関係、債権債務、固定資産の関係等ございまして手作業の部分が相当あるということで、私の方としてはできるだけ短縮については工夫を凝らしてやっていきたいとは思っておりますけれども、いろいろとそういうふうな事情があるということでございます。 郵政事業の関係ですけれども、大体六割ぐらいはコンピューター化されているんじゃないかというふうに思っております。
○小川(国)委員 時間がございませんので大蔵省にお聞きしたいのですが、民間ですと、三月の決算が終わりますと三カ月以内に株主総会を開くということで、三月決算したのは少なくももう六月末には株主総会で詳細な決算報告書が出されるという状況ですね。日本では役所はその三倍の九カ月かかっている、こういう実情にあるのですが、今後、今の帳簿処理の方式をコンピューターのオンライン化の方向に持っていけば当然決算審査を充実させるための決算報告書の作成、検査期間の時期を早めることができる、こういうふうに考えるのでありますが、大蔵省としては、コンピューターのオンライン化の中で各省の決算をもっと効率的に早める、こういう方策は立てていらっしゃるのかどうか、その点、伺います。
○設楽説明員 国会に決算を早期に提出するための決算処理につきましては、既存の各省各庁決算担当者会議等あらゆる場を有効に活用いたしまして種々工夫を凝らし、今後とも努力を続けていきたいと考えております。
○小川(国)委員 この問題についてはまた改めた機会にあれをしたいと思いますが、科学技術庁長官、せっかくおいでいただいていますので、最後に先ほど私ども伺いました点とか、こうしたオンライン化の問題等について御所見があったら承って終わりたいと思います。
○山東国務大臣 決算の国会提出時期にはおのずから限度がございますけれども、今後とも早期提出につきましては御指摘の電算化をさらに進めるなどの工夫を凝らしまして政府としては努力をしてまいりたい、そのように考えております。
○小川(国)委員 終わります。
○渡辺委員長 北側一雄君。
○北側委員 それでは、私の方からは美浜発電所の二号炉事故についてお聞きをさせていただきます。 御承知のように、本年の二月九日に美浜発電所の二号炉におきまして蒸気発生器の細管が破断をして、ECCS、非常用炉心冷却装置が作動するという事故が起きてからもう既に二カ月半がたっております。この間、電力会社はもちろんのこと、国においても徹底した事故調査がなされていると思います。これまでの報道等によりますと、伝熱管の振動を抑えるための振れどめ金具がきちんと入っていなかったことに大きな原因があるようであるというようなことを聞いております。まだ現在調査中だと思いますが、現時点でこの事故原因について明らかになっていることをお伺いしたいと思います。
○倉重説明員 お答えいたします。 美浜二号機のトラブルの件でございますけれども、調査特別委員会を設置いたしまして、その審議を踏まえながら鋭意原因究明を続けておるわけでございます。 現在までに判明した主な事項としましては、放射線の影響の評価、加圧器逃し弁の開不能の原因、振れどめ金具の挿入状況、それから破断した伝熱管の破面の状況等々それぞれについて判明しております。 先生御指摘の伝熱管損傷の原因につきましては、伝熱管の振動を抑える振れどめ金具、AVBと言っておりますが、振れどめ金具が設計どおりの範囲にまで入っていなかったことが確認されておりまして、このため伝熱管が疲労により破断に至った蓋然性が極めて高い、このように判断しているところでございます。また、これまでの調査結果からは、破断に関係する応力腐食割れ、SCCと言っておりますが、それから粒界腐食割れ、IGAと言っておりますが、及びデンティング等は認められていないということでございます。したがいまして、振れどめ金具、AVBが設計どおりの範囲にまで入っていれば伝熱管が破断するようなことは極めて考えにくいというような判断をしている次第でございます。 今後は、振れどめ金具が設計どおりの範囲まで入っていなかったことから破断という結果に至るまでの具体的なメカニズムにつきまして鋭意解明を進めていく予定でございます。
○北側委員 要するに、今回の事故の原因は、伝熱管の振動を抑えるための振れどめ金具が設計どおり入っていなかった、それも製造当初から入っておらなかった、それに基づいて今回の事故が起きた、これがほぼ唯一の原因というふうに言えるという御判断なわけですね。
○倉重説明員 お答えいたします。 この原因につきましては、今申し上げましたように、当該美浜の二号機で振れどめ金具が異常な形で挿入されている、当該破断した管の両わきには振れどめ金具が入っていないということ、それからその破断した管の破断面につきまして研究所に持っていきまして調査をした結果、高サイクル疲労であるということが判明しております。そのようなことからしますと、振れどめ金具が設計どおりの範囲にまで入っていないことから高サイクル疲労によって破断したということは、私ども、調査特別委員会にも御審議いただいて専門家の判断としても皆さんそのような判断になっている次第でございます。
○北側委員 大臣、今のお話では、一つは設計どおりにつくられていない原子炉があるということがまず第一点。それから、そうした原子炉が昭和四十七年に運転を開始されてから、その部分においては振れどめ金具が外れたまま運転されていることになるわけなんですね。 これまでメーカーも電力会社も国もこの不備がわからなかったこと自体に私はやはり大きな問題があるのではないかというふうに思うのですけれども、今の事故原因、途中経過でございますけれども、大臣、お聞きになられていかがでありましょうか。
○山東国務大臣 とにかく今回の事故に関しましては、やはり美浜だけではなしに、全国の原子力発電所の現場で働く職員、メーカーあるいは事業者、そして関係省庁に本当に大きな衝撃を与え、そしてまた不幸中の幸いで環境に与える影響がなかったものの多くの皆様方に御心配をおかけしたということに対しまして、本当に残念でならないわけでございます。 私ども、それぞれメーカー側の技術であるとかあるいは管理体制であるとか、そうしたものを今日まで信頼して対処してきたわけでございますけれども、今後、今現在原因の徹底究明がなされているところでございますけれども、再発防止に対しまして万全の対策をとることが重要であろうと考えておりますし、私どももこれからやはり原子力に対する不安の解消のために最大限の努力を払ってまいりたい、そのように考えております。
○北側委員 ちょっと細かく聞いていきますけれども、私が今申し上げましたように、今回の事故の教訓としてやはり重大に受けとめていかないといけないと思いますのは、設計どおりにつくっていない原子炉があるんだということと、そしてそれを二十年近くも見過ごしていた、理由はそれぞれあるのでしょうけれども、見過ごしていたという事実、これをやはり今後の非常に大きな教訓としていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。 それで、この振れどめ金具なんですが、今回のこのような事故は振れどめ金具が仮に外れていれば起こり得る事故として事前に予想し得るものではなかったのでしょうか。いかがですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 この振れどめ金具といいますのは、蒸気発生器の細管の振動防止のために設けてあるものでございます。蒸気発生器の細管は高さで約九メートルぐらいございますので、この支持の仕方は一番下の二点で支持されておりますので、それの振動防止のために、上の方ではこの振れどめ金具というもので振動防止というものでございますから、その振れどめ金具が入っていなければ振動によって何らかの損傷が起こるということは当初から考えられていたことではないかと考えております。
○北側委員 それでは、どうしてこの振れどめ金具につきまして発電所の建設時に行われる安全審査の対象となっていないのか。また、定期的な、毎年行われております定期検査の項目に入っていないのか、これはいかがですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 この振れどめ金具でございますけれども、今先生おっしゃいましたように、通産省ではその設置の許可、それから工事計画の認可の対象としてはおりません。それからさらに使用前検査、定期検査の対象ともしていないということは事実でございます。 ただし、通産省令で電気事業者が遵守すべき技術基準というものを実は定めておりまして、その中には、抽象的ではございますけれども、「一次冷却系統に係る施設に属する容器、管、ポンプ及び弁は、一次冷却材又は二次冷却材の循環、沸とう等により生ずる振動により損傷を受けないように施設しなければならない。」ということを電気事業者に義務づけておるわけでございます。これは非常に抽象的でございますけれども、そのようなことで施設しなさいということを命じておるわけでございます。 そういうことで、従来、国としては直接これについてはチェックをしておりませんけれども、今後、国がどうかかわるべきかということは、この事象の原因をはっきり確認し、今後どうしていったらいいかということを前向きに検討していきたいと思っております。先生今御指摘の定期検査のあり方等々、審査のあり方も含めてよく検討してまいりたいと思っております。
○北側委員 私が今お聞きしていますのは、今後のこと、非常に大切なのです。それが大切なのですけれども、どうしてこれまで定期検査項目に入ってこなかったのか、また建設時の安全審査の対象になぜ入らなかったのかということを聞いておるのです。
○倉重説明員 お答えいたします。 先生御存じのように、原子力発電所はたくさんの機器から成っております。たくさんの部品から成っておるわけでございまして、実はその部品一つ一つ国が全部チェックするというのは、事実上不可能であろうかと思います。そういうことで、しかし電気事業者はみずからの施設であるわけでございますから、当然チェックすべきものではございます。 では、国がどこまで関与するかということでございますが、これまでの考え方は、安全上重要な機器については、国はそこを審査し、また検査等しようということでございます。この蒸気発生器につきましては、この一次冷却材のバウンダリーと私ども言っておりますが、この蒸気発生器につきましては細管の内側がこの一次冷却材バウンダリーというものになるのですが、そういうものに着目して、そのバウンダリーの健全性が確保できるかどうかという観点から実はチェックをしていったというものでございまして、今回、その細管の外側にあるものによってこの細管の健全性が損なわれたというものでございます。 今後、再発防止対策ということで私どもよく検討してまいりたいと考えております。
○北側委員 要するに、この振れどめ金具については、今おっしゃられた安全上重要な機器というふうな御認識がなかったというふうに理解してよろしいのですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 原子力発電所の安全性といいますのは、燃料に入っております放射性物質による影響を食いとめるということでございまして、そういう面では、燃料から漏れて出てきます放射能をいかに食いとめるかということで、私、先ほど申し上げましたように、一次冷却材バウンダリーというものが着目すべき点でございまして、そういう面では蒸気発生器細管そのものがバウンダリーになっておるということで、それに着目した審査をし、また検査をしていったというものでございまして、その外側のAVBにつきましては安全上重要なものという認識はしていませんでした。
○北側委員 設計どおり入っていないことなど一〇〇%あり得ないんだというふうな過信、それから振れどめ金具ぐらいではこのような事故は起こり得ないであろうという、これも過信かもしれません。こうしたものがやはり根底にあるのではないかというふうな気が私はするのですけれども、いずれにいたしましても、原子力発電所の国民の信頼をこの事故は大きく失ったこと自体は、これは否み得ないと私は思います。 この信頼を高めていくことが非常に大切でございますので、私は、この安全審査、定期検査というものの強化、抜本的な改善を信頼性を高めていくためにもしていかないといけないのではないかというふうに考えております。大臣、いかがでしょうか。
○山東国務大臣 原子力の安全確保に当たりましては、やはり予防、保全ということが大切であると考えております。今回の事故のみならず事故あるいは故障などの教訓を踏まえまして安全確保の充実を図ることは当然の措置であると認識をいたしております。 今回の事故につきましても、原因究明の結果を得て、事業者及び所管行政庁において所要の措置がとられることとなると考えますけれども、原子力安全委員会といたしましても、それらの措置の妥当性につき、科学的知見に基づきまして十分審議をしていく方向になっているわけでございます。
○北側委員 今回の事故が起こってからのその後の処置の問題なんですけれども、モニターに異常値が出ましたのが十二時四十分、その後、冷却水の分析を始められたのが十三時、分析結果が出ましたのが十三時二十分、その分析結果は通常の検出限界に比べて二倍程度の放射性物質の数値が出ておったというふうに聞いております。そして、十三時四十八分に手動で停止作業に入られる。そのような経過になっておるというふうに聞いておるのですけれども、実際に異常値をモニターで確認されてから停止操作を始められるまでに一時間以上かかっておるわけなんですね。 ここのところに一つ問題点がありやしないか、今後の問題といたしましてももっと短縮がなされるべきではなかったのか、この点、いかに考えておられますか。
○倉重説明員 お答えいたします。 今回のトラブルの際に、十二時四十分ごろ、先生おっしゃるように蒸気発生器二次側の水の放射能濃度、これは蒸気発生器ブローダウン水モニターでございますが、その数値が若干上昇している、通常約三十五CPMのところ、数CPM程度上昇しているということでございまして、それに運転員が気がついたわけでございます。この時点でプラントの主要パラメーター、加圧器の圧力でありますとか水位等は異常がなかったわけでございますけれども、二次側の水のサンプリングを行い化学分析を実施したわけでございます。その結果が出ましたのが十三時二十分でございまして、蒸気発生器AとBがございますが、Aという蒸気発生器の二次側の放射能の量が通常のバックグラウンドよりわずかに高いということがその結果出てまいりまして、再度その分析をしていた最中に今回、十三時四十分、十三時五十分というふうな段階に至ったわけでございます。 今回の事象は、従来の蒸気発生器の細管損傷に比べますと非常に進展が急でございまして、これまで蒸気発生器の損傷によるリークというものが十三件あるわけでございますが、それらはいずれも非常に緩慢な変化でございまして、急激に進展するというものではございませんでした。この運転員は当然ながら過去のその事例が頭に入っておりまして、これにつきましては、蒸気発生器の過去に経験したリークではないかという判断のもとに対応措置をとっていったわけでございまして、そういう面ではこの措置自体は何ら問題はないというふうに思いますが、しかしこの美浜の二号機のトラブル、蒸気発生器の細管破断ということがございましたので、今後の再発を防止するという観点から、関西電力を含めまして、PWRを持っているほかの電力会社に対しましては、二次側の冷却水の放射能濃度が有意な変化をすれば速やかにとめるようにという通産省として指示をした次第でございます。
○北側委員 電力会社の方では、この原子炉停止作動をする場合のマニュアルといいますか手順といいますか、そういうものをつくられておられるかと思うのですけれども、今御答弁がございましたように、これまでは今回のような細管の破断というようなことなんか一度もございませんし、予想されておりますのはピンホールとかひび割れ等の損傷があった場合に徐々に漏れていくというようなことを予想されてこのようなマニュアルがつくられているのではないかと思うのですね。 今回のような破断があった場合にはそのようなマニュアルが全く妥当しないことになるわけで、そういう意味では今回の事故を通して、このような細管の破断のような事象が起こったような場合にはこれまでのマニュアルでは妥当しないわけですから、新たなマニュアル、手順というのを検討しないといけないのではないか、そのことを国としても電力会社に指導をしていかねばならないのではないか。先ほど有意な変化というふうにおっしゃったのですけれども、やはり具体的にその辺の指導をなされないといけないのではないかと思いますけれども、いかがですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 発電所で起こりますいろいろなトラブル、あるわけでございますが、それの典型的なトラブルにつきましてはマニュアルを設けまして、トラブルの収束操作が確実にできるようにということをしているわけでございます。 それで、今先生おっしゃいました蒸気発生器の細管破断のときのマニュアルがあるかどうかということでございますが、実はそのマニュアルはございます。蒸気発生器細管破断をしたときにECCSが作動する場合、これのマニュアル、この美浜の発電所にはございます。それから細管からの漏れ、リークがあった場合の対処の仕方についてもこのマニュアルがあるわけでございます。 そのマニュアルとどうかというお話でございますが、今回の蒸気発生器の細管の、当初はリークということで対応しておったわけでございまして、その対応の仕方と、蒸気発生器の漏れに関するマニュアルとは何らそごを来すものではなく、そのマニュアルに基本的に従った対応をしていたというものでございます。
○北側委員 ですから、私が聞いているのは、これまでのマニュアルというのはピンホールとかひび割れ等の細管の小さな損傷の場合、そういう場合を予想されてつくられているものではないでしょうか。今回の破断のようなことは全く予想されておられないわけでしょう。 ですから、そういう破断という、実際、事象が起こったわけですから、より具体的なマニュアルづくり、原子炉停止に至るまでのマニュアルづくりをしないといけないのではないですかというふうに質問しているわけなのです。
○倉重説明員 お答えいたします。 先ほど私の説明が悪かったのでしょうか、蒸気発生器の細管が損傷してECCSが注入される場合についてのマニュアルはございます。ですから、ECCSが作動する十二時五十分に原子炉がスクラムしてECCSが作動という後は、そのマニュアルに従った対応ということで、このときにもされたと聞いております。
○北側委員 だから、そのことを今私聞いているのじゃないのですよ。そのマニュアルに従ってなされたということはよろしいのです。そうじゃなくて、そのマニュアル自体を見直す必要があるのではないかというふうにお聞きしているわけなんです。 先ほど有意な変化があったような場合には停止作動を速やかにするようにというふうな指導をなされているというふうにおっしゃられませんでしたかね。その有意な変化というのは何ですか。
○倉重説明員 通産省がPWRを持っておる各電力会社に指示した内容でございますけれども、二次冷却系の放射能濃度が有意な変化、有意な上昇をすれば原子炉を速やかにとめるようにということで指示したわけでございます。 その有意な変化とは何かということでございますが、放射能というのはそもそも非常にばらつきのあるものでございまして、特にその二次冷却水の場合には非常にきれいな水ということでございまして、バックグラウンドの線量率になっておりまして、そういう面で非常にわずかなものが起きてもなかなかこれが本当にリークかどうかわからないというものがございまして、そういう面であえて有意な変化と具体的な数値で言えば約二〇%程度の上昇かなと。これは何も瞬間的な値を意味するものではなく、全体的な傾向として約二割程度、二〇%程度上がればその原子炉をとめたらどうかということでございまして、今回の美浜の二号機のトラブルにかんがみれば、十二時四十分に運転員が若干上昇しているということを判断できた、意識したわけでございますので、そういう面で、このような時点でもしほかのプラントでも同様な事象が起これば、十二時四十分の時点でとめるべきであるという指示をしたわけでございます。
○北側委員 今のお話では、二〇%程度全体的な傾向として放射性物質の数値が上がったような場合には原子炉の停止作動を始めるんだということですよね。そういうことを今回の事故の教訓として各電力会社の方に指導をしたということですね。確認ですけれども。
○倉重説明員 お答えいたします。 今回、二月九日に起きまして、指示したのが二月十九日ごろだったと思いますが、そのときにはまだ何も原因がはっきりしているような状況ではございません。それで、今回の事象が非常に進展が急であるということでございまして、二度とこのようなトラブルは起こさないということをするためにも早目早目にとめた方がいいという判断で出したわけでございます。 それで、このトラブルに関します教訓としましては、当然幅広く私ども考えていきたいと思っております。先ほど先生おっしゃいました定期検査とか審査のあり方等々を含めまして、管理の仕方等も含めまして、先生の御指摘を踏まえて、よく教訓として導き出して、今後の安全確保対策の万全を期していくためにやっていきたい、このように考えております。
○北側委員 もう一つ。加圧器の逃し弁の作動不良があったわけなんですが、報告書によりますと、前回の定期検査終了段階で誤って当該加圧器逃し弁を作動させるための空気元弁を閉鎖していたというふうに報告されております。もしそうであるならば、非常に単純な人為的なミスによって加圧器逃し弁が閉まっていたということになります。これが、人為的なミスというのはある意味ではあり得ることですから、これをチェックできる体制というのはなかったのですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 この加圧器逃し弁でございますが、これは二つあるわけでございまして、二つとも作動しなかったということでございます。このような蒸気発生器の細管破断の場合には、この加圧器逃し弁を使って一次系の圧力を二次系と同じように下げるということが必要なわけでございます。そういう面で、本来動くべき弁が動かなかったということで、通産省としてもこれは非常に重大視をしておるわけでございます。 それで、その原因を究明したわけでございますが、その原因は、今先生おっしゃいましたように、逃し弁は空気で作動するものでございますので、その作動用空気の供給系の中の元弁が閉まっていたというものでございます。 それで、じゃ、これはなぜ閉められたことがチェックできなかったのかということでございますが、弁の開閉の状態というのは非常に大事なことでございますので、定期検査の終了後、原子炉を起動する場合に弁の開閉状態を逐一全部チェックをすることになっております。この美浜の二号機につきましても起動する前に全部チェックをしたわけでございます。それで、さらに念入りに空気供給系につきましてもチェックをしたときに、その空気供給系の本来運転中に使わないところの部分につきまして、その元弁というのがございますので、その元弁を閉じる、それを念入りに閉めるということをしたわけでございまして、たまたま今問題となっております閉じられていた弁は、間違って運転員が閉めてしまったというものでございまして、最後の最後に実は閉めてしまったものでございます。 閉めたということはその運転員の記録に実は書いておりまして、それが発電所の中でこの弁を閉めましたということが記録として残されたまま、本来ならば次の上司の方、その上の方ということでそこでチェックされて直されるはずのものがそのまま、チェックされないままに起動してしまったということでございまして、本来のチェック体制がなっていないということで、この作業チェックシステムをしっかり改善するように、それから操作しない部分につきましても施錠管理しなければいけない、それから運転員の教育訓練の徹底など改善対策を講ずるようにということで、関西電力にはその旨指示をしている次第でございます。
○北側委員 最後に一問だけ質問させていただきます。 要するに、今回の事故、二つミスがあるわけですね。一つは、設計どおりに振れどめ金具が入っていなかった。これが一つ。もう一つは、今申し上げました加圧器逃し弁がこれも非常に単純な人為的なミスによって閉まっておった。これは二つとも、本当にこちらにおられます皆さんからはとても信じられないような単純な人為的ミスであるというふうに言えるのではないかと私は思うのです、予想できないような。やはり事故というのは、私はそんなものではないかと思うのですね。原子力発電所のような高度な科学技術に支えられているということに余りに過信し過ぎてしまって、その過信がやはり事故につながってくるのではないか、このような非常に信じられないような単純な人為的なミスが起こり得るのであるということをしっかり認識していかないといけないと私は思うのですね。そういう意味でも、これは一般論になるかもしれませんけれども、ヒューマンファクターの研究をしっかりなされるべきではないかというふうに私は思います。 その点と、今回の事故後、地元への連絡がおくれたところもございますね。例えば敦賀市等は翌日になっております。安全協定を結んでいない自治体に対しても今後は連絡体制、通報体制を整備していかねばならないというふうに私は考えております。この点について、できれば安全委員会の方から御答弁いただければと思います。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 ヒューマンエラーの問題につきましては、安全委員会としてもその重要性を、特にTMI事故以来、マン・マシン・インターフェースといいまして人間と機械との関係の重要性を重視いたしまして、最近特にこの検討を鋭意進めているところでございますので、今回の美浜の逃し弁を閉めてしまったことについても、審議の過程で十分に検討して十分な対応をとる必要があるというふうに考えております。 それから、自治体への通報体制については御指摘のとおりでございまして、私どもといたしましても、安全協定のあるなしにかかわらずかかる情報は至急伝達されるべきものだと考えておりまして、通産省の方では、即刻関西電力のみならずすべての事業者にそのような改善措置を指示されたというふうに承知しております。
○北側委員 以上でございます。
○渡辺委員長 東祥三君。
○東(祥)委員 科学技術庁に対して初めに質問させていただきます。 会計検査院の方にも来ていただいているのですけれども、時間の都合で入らなくなるかもわかりませんので、そのときは御容赦願いたいと思います。 科学技術庁、厚生省関連でがん制圧十カ年総合戦略について主に質問させていただきます。 初めに、我が国の疾病死亡原因の第一位ががんであると聞いておりますけれども、現在のがんによる死亡数、死亡率並びに治癒率について、過去と比較して厚生省よりお答えいただきたいと思います。
○有川説明員 がんの御質問でございますが、平成元年度におきまして、がんで約二十一万人の方が亡くなられております。これは全死亡者の二七%に相当いたします。 御指摘ございましたように、がんは死亡原因の第一位でございます。このうち、部位別に見てまいりますと、胃がん、子宮がんといったものは減少する傾向にございますが、肺がん、乳がん、大腸がん、肝がん、こういったものが増加の傾向にございます。人口十万当たりで年齢を訂正した死亡率で申し上げますと、昭和五十五年と六十三年を比較いたしますと、全がんについて、五十五年が人口十万対八二・七でございましたが、昭和六十三年におきましては七九・一というふうに減少しております。 それから、治癒率についてでございますが、全体に改善を見ておるというふうに言えますが、悪性新生物実態調査というのをおおむね十年ごとに行っております。五十年の数字と六十年の数字を三年生存率ということで比較いたしますと、胃がんにおきましては三九・五から四五・二、乳がんにおきましては八〇・〇から八五・八%、これは三年生存率の数字ですが、こういうふうに向上しているというふうに言えます。 ちなみにもう一つ、国立がんセンターにおきます胃がんの治癒率を、同一施設におきます数字ですが、五十年と五十七年で比較したものがございますが、胃がんについて、男性では四九から五九・九への向上、女性では四九・〇から五八・三への向上がございます。
○東(祥)委員 今、部位別死亡率についてもお答えしていただいたのですけれども、胃がんあるいは子宮がん、こういった死亡率は減少傾向にあって、逆に肝がん、肺がんあるいは大腸がんといったものは死亡率が高くなってきている。この原因は一体どういうところにあるのでしょうか。
○有川説明員 原因は、難しい面がございますが、胃がんは減少傾向、あるいは大腸がんは今お話しのように増加の傾向にございますが、こういったものにつきましては、国民の食生活の欧米化といいますか、食塩の問題あるいは脂肪の摂取の問題、こういったことが関与しているというふうに見ることができます。 その他のものにつきましては、総括的に申し上げれば大変難しい面がございます。 〔委員長退席、萩山委員長代理着席〕
○東(祥)委員 対がん十カ年総合戦略についてお伺いいたします。 これは、昭和五十九年よりスタートしましたけれども、本年で八年目を迎えるわけです。現在がんの本態解明についてはどの程度進んでいるのでしょうか。さらにまた、そこから解明されてくるものにおいて、治りやすいがん、治りにくいがん、あるいは減りつつあるがん、ふえつつあるがんの現状について御説明願えますでしょうか。さらにまた、治りにくいがん、ふえつつあるがんについての何らかの対策がありましたら、それも含めてお答え願いたいと思います。
○有川説明員 対がん十カ年総合戦略についてでございますが、これまで不明であった数々のがんにつきまして発がん機構の解明がなされてきつつございます。言葉で申し上げると、がんの本態が見えてきて、発がんのシナリオというのが解明されつつあるというふうに言えるのではないかと思います。 具体的に申し上げますと、遺伝子の変化によってがんが起こってくるということですが、一つの変化ということではなくて、複数の遺伝子の異常によって正常な細胞ががん化すること、また、これらの遺伝子変化を引き起こしますウイルスとか発がん因子の発見などによりまして、今後どういったふうに研究を進めていけばがんの治療ができるかということが解明されつつあるというふうに申し上げられるのではないかと思います。 それから、そういった成果というものを診断とか治療ということにどう反映させるかという点の御質問でもございましたが、それにつきましては、診断の機器としての開発がこの十カ年総合戦略を通じましていろいろございます。気管支用のテレビ内視鏡の開発あるいは被曝量の少ないエックス線診断装置の開発といったことがございます。また、治療法としまして、温熱療法あるいは重粒子線がん治療装置の開発などが行われてきております。また一方、成人T細胞白血病ウイルスやB型あるいはC型の肝炎ウイルスの発がんの関与を明らかにすることで感染防止によります予防を可能にしたことなど、多くの成果ががんの診断、治療に応用されつつあるというふうに言えます。
○東(祥)委員 治りにくいがん、ふえつつあるがんについての対策という面についてはどうでしょう。――課長、先に進んでしまっているのですけれども。
○有川説明員 先ほど、よくなりつつあるがんとして胃がん、それから子宮がんを申し上げましたが、肝がん、それから肺がん等が治りにくいがんでございます。肝がんにつきましては、先ほど、これまでの研究の成果から、B型、C型肝炎に関しては具体的な成果の応用が可能でございます。 また、肺がんにつきましては、大変治りにくい、治癒率がよくないわけでございますし、年次的に見ましても向上が十分でないわけでございますが、診断方法、放射線による診断、治療の向上といったことによりまして、今後の改善が期待できるものと考えます。
○東(祥)委員 基本的に戦略は着々と成果がある、成果が出ている、このように理解してよろしいですか。
○有川説明員 対がん十カ年総合戦略の成果について、先ほど若干触れさせていただきましたが、診断、治療の面、本態解明を含め、その成果の診断、治療への応用といったすべての面を通じまして、このがんの戦略を進める趣旨に沿って非常に大きな成果が得られたものというふうに認識しております。
○東(祥)委員 疾病死亡率第一位ががんである、そして、がん制圧というのは基本的に優先順位が極めて高い。エイズ問題が出てきておりますけれども、エイズをちょっとおいておけば、がんに対しての優先順位が一番高いのではないか、そういう意味で、これはせっかく長官いらっしゃいますから、この戦略のための予算をさらに大幅にアップしていけば、その成果も極めて高いものになるのではないか、この点についてどのようにお考えになりますか。
○山東国務大臣 日ごろから人間福祉に貢献する科学技術のあり方というものを追求しておりますけれども、その中でもこのがん対策、この問題に関しましては非常に関心が深い私でございますけれども、政府は昭和五十八年にがん対策関係閣僚会議により対がん十カ年総合戦略を策定いたしまして、科学技術会議においては、がん研究推進の基本方策に関する意見を内閣総理大臣にも述べているわけでございますけれども、これらに基づきまして、科学技術庁では放射線医学総合研究所におきまして難治性がんへの適用が期待される重粒子線がん治療装置の建設などを認めております。平成五年度には建設をされることになっております。 それから、理化学研究所におけるがん化やがんの転移の機構解明などの研究及び科学技術振興調整費を活用いたしましたがん関係の基盤技術の開発に取り組むなど、がんの関連研究を強力に推進をしているところでございます。 もちろん、今後とも予算の拡充とともに、やはりこの問題に非常に情熱を燃やしておられます人材養成の確保、そういうことにも力を入れて、なお、基礎研究という問題にもいろいろ関係がございますので、多角的にこうした問題に取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
○東(祥)委員 対がん十カ年総合戦略に関連して、がんの本態解明に今後極めて重要と思われているヒトゲノムの解析研究についての取り組みは、現在どうなっているのでしょうか。
○井田政府委員 お答え申し上げます。 ヒトゲノムの研究でございますが、これはヒトの全DNAの配列を読み取るということでございまして、ヒトの全DNA遺伝子の配列は三十億あると言われておりますが、この配列を読み取ることによりまして、それがちゃんと読み取れますと、人類の四千を超えます遺伝病でございますとか、遺伝的複合疾患、そういうものに対する理解が深まるということでございまして、さらには治療法の発見が可能になる、こういうことでこれは大変重要な研究分野でございます。今委員御指摘のとおり、がんに関連する遺伝子の網羅的解明のためにも大変重要な研究でございまして、これはがんの本態解明にもつながるものと考えているわけでございます。 我が国のこのヒトゲノムの解析研究でございますが、これにつきましては、私ども科学技術庁、それから厚生省、文部省と関係省庁がそれぞれ協力して今推進しているところでございます。ただ今後大事なことは、こういった研究が各省庁ばらばらに行われたのではなかなか方向性が得られないということでございますので、各省庁のヒトゲノム研究をどういうふうに一つの方向づけをするかということが大事な問題でございます。そういうことで科学技術会議にヒトゲノム解析懇談会というものを昨年九月に設けられたわけでございまして、この懇談会に我が国のヒトゲノムの解析の専門家を集めまして、座長には元東大学長で科学技術会議議員であります森先生になっていただきまして、今後の展望について意見交換を行いまして、我が国として一つの方向づけを行っていきたい、このように考えているわけでございます。 こういったことで、ヒトゲノムの研究については我が国のこういった研究を振興するとともに、これはアメリカにおきましてもヨーロッパにおきましても大変重要な項目とみなされておりますので、こういった国際的な展開をも踏まえまして今後とも積極的に推進してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○東(祥)委員 厚生省マターになるかわかりませんが、戦略についての国際協力というのは現在どのような状況になっているんでしょう。そして、国際協力を通じてどんな成果を上げられているんでしょうか。
○有川説明員 厚生省が対がん十カ年総合戦略の、厚生省、文部省、科学技術庁、こういった省庁の事務局を務めておるという関係から、厚生省分だけではございませんで他省庁分も含めて申し上げますが、国際協力は対がん十カ年総合戦略の大変重要な柱でございます。 これまで海外の研究者を招いた国際ガン研究講演会というのをやっておりますが、二十二名に至っております。また、欧米のすぐれた研究者の招聘をいたしておりますが、現在までに百六十四名の招聘を行い、国立がんセンターなどにおいて研究に従事していただいております。こういったことによりまして内外での最新の研究手法とかあるいは知見の相互の交流といったことが図られるなど多大な成果を上げております。
○東(祥)委員 科学技術庁、厚生省にお伺いいたしますけれども、戦略を進める過程において、八年目に今度入っているわけですけれども、当初予定していなかった、予想していなかった新たなる問題だとかあるいは課題、支障というものが出てきたんでしょうか。もし出てきていたらその点についてお答え願いたいと思います。
○有川説明員 いろいろな面がございますが、課題として、私どもスタートの時点から現時点までの成果を踏まえまして考えておりますことは、当初予定しなかったようなという意味で言うと、がんが治った後にさらにまた次のがんが起こるといった二次あるいは三次の多重がんといったこと、こういうものを考えなければいけない時代になってきているといったこと。そして、先ほども触れたわけですが、がんの中では克服することができたとまで言わないとしても取り組めたというもののほか、肺がんあるいは膵臓がん、肝がんといったものはこれまでの成果によってもなかなか人を救うということが難しい、まあ難治がんと言っておりますが、そういったふうなことが挙げられると思っております。
○東(祥)委員 このグラフをつくってきたんですけれども、「早期発見による治癒率」ということで、一九五〇年代は早期発見による治癒率というのはわずか四%くらいだったんですけれども、九〇年代になると八〇%から九〇%に上がっている。いかに早期発見が大事かということはこのグラフが物語っているわけですけれども、私は専門家でないので、この早期発見というのはまずどういう意味なんでしょうか、ちょっと教えていただけますか。
○有川説明員 がんの予防を一次、二次というふうに言います。二次の予防が今先生お話しの、がんになることは防げないとしても、早く見つけることで命を落としたりすることのないようにする対策を二次対策と申します。これに対して、がんそのものにならないということは難しいわけですが、ならないための努力また施策、これが第一次対策と申します。 そういった意味で、がんは本態が解明されていないことから、本質的にならない対策が完全に行われることができないことから早く発見するという方法でがんを克服する研究が大変進んでおりまして、胃がん、子宮がん等はそういった方法で相当いける。一方、逆に言うと胃がん、子宮がんは治るというものの、早期発見されない胃がん、子宮がん等はやはり現在でも治せないとも一方言えるわけで、そういう意味で早期発見が大変大事であるというふうに言えます。
○東(祥)委員 そうしますと、早期発見するためには当然すぐれた機械だとか施設といったようなそういうハード面と、それから早期発見してくださるお医者さんの診断技術といったそういうソフト面、それからもう一つは、我々潜在的患者にとってみれば定期的に健康診断を受けてない限り早期発見しようと思ってもなかなかできないわけですけれども、この点についてはどうですか。
○有川説明員 御指摘のとおり、早期発見ということはがんの小さいときに見つけようとすることですから、発見することが大変難しいという意味で技術的に高度なものが要求されることになります。その内容は、御指摘のございましたように、一つは施設であり、そして先端的な医学医術の進歩を取り入れた機器の整備といったことがございます。一方、それを使いこなす、そしてその発見後、治るというところまでつながる技術を持った人が大事であり、その全体のシステムを完成することが重要でございます。
○東(祥)委員 そうしますと、診断技術というソフト面からいきますと一般のお医者さんが現代のがん制圧のための進歩している技術、情報に常に接している、また最先端のそういう情報をちゃんと受け入れている、勉強している、こういうふうに判断してよろしいんですか。また、そのためにしかるべき対策をちゃんと得て追いついていけるようにお医者さんたちが常に訓練をしているという、そういうシステムはあるんですか。
○有川説明員 早期発見から早期治療までに至るいろいろな過程におきましてはいろんな場面がございますが、まず最初に先生御指摘ございましたように、早く発見するというところがやはり入り口で、重要でございます。発見した後、正しく治療するという点も、そういう意味では病院の医療になっていくわけですが、一方、早期発見の技術と申しますと、一般的にお医者さんが普通に勉強されるものではないことから、医療関係者の、これは医師だけでないわけですが、医師あるいはレントゲンを撮るものについてはレントゲン技師さんあるいは細胞を見て判断するものはそういった専門の方がいらっしゃいますが、そういった方々の研修会を私どもやっております。
○東(祥)委員 じゃあ国民の側から見ますと、例えば家庭の主婦だとかは家事や子育てに追われてなかなか定期検診しようとしてもできない、また忙しさになかなか定期検診を受けられない、そうすると、早期発見の機会を失ってしまうわけですけれども、こういう方々に関してがんの予防についてどのような方法をおとりになろうとしているのか、おとりになっているのか、この点について広報活動も含めて御答弁願いたいのです。
○有川説明員 大変難しい質問でもあるわけですが、まず第一は、正しい知識を持っていただいて、そして先生お話のございましたような早期発見の重要性というか、あるいは日常生活のがんとかかわりの深いいろんなものについての正しい理解、例えばその中で喫煙といったことが因果深いものの一つでございますが、そういったものに対しての自分の行動を決めていくといったことの理解がまず第一であり、そういったものは普及啓蒙活動、健康教育といったことを通じて私ども国民に呼びかけをすることにしておるわけです。 一方、検診の機会というものがいろいろ用意されており、一応網羅的に制度的には完成いたしておるものでございますが、受診されない方がいらっしゃる。その中の理由には忙しいとかいったことも一つの理由になるわけでございますが、その機会をいろいろ設け、また受診しやすい状況、そういう方法を講ずるといったことなどを含めて、先ほど申しましたようにがんの第二次レベルにおきます早期発見事業が効果的に進むようにもろもろの事業を行っておるということでございます。
○東(祥)委員 私も肺がんと深くかかわり合う嗜好品の愛好者なんですけれども、がんになるかもしれないと思いつつもつい嗜好品を愛してしまう。基本的には具体的に予防行動が活発になっていないのですね。これは私自身の意志が弱いということに帰してしまうのかわかりませんけれども、より積極的なPR活動、例えばテレビを使った広報活動だとかいったことを積極的にやられる段階が来ているのではないだろうかというふうに思うのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○有川説明員 先生御指摘のように、国民の皆様にマスメディアを含めていろんな方法を通じて正しい知識と正しい実践ということにつながるように運動をいたしておるわけでございますが、自分のライフスタイルを変えるということはなかなか難しい面がございます。そういったことから、今後はより効果的に進める上からも、一人一人の方の食生活を含め運動あるいは喫煙を含めたいろんな生活習慣、そういったものを改善するために支援するいろんな効果的な方法はないだろうかといったことを検討し、そういったものの中から効果的な施策に結びつけられればいいなというふうに考えておるところでございます。
○東(祥)委員 今現在考えている中で、テレビを使った政府広報というのを考えられていますか。
○有川説明員 テレビは大変影響力の大きいメディアでございますので、健康教育のソフトの開発をいろいろ進め、そういったものの活用を進めております一方、テレビの、一般的な教育用だけによりませんで、もう少し個人の現在の生き方と直接かかわった指導のできるようなプログラムというものも開発されてきておりますので、そういったものの活用といったことも考えられるというように思っております。
○東(祥)委員 ぜひとも積極的なPRを考えていただきたい、このように切望いたします。教育チャンネルだけでやるのではなくて、スポットでもいいですから、断続的に、また継続的にやっていてくだされば意志の弱い私みたいな人間もやはりやめようかなという方向に進むかもわかりませんので、よろしくお願いいたします。 最後に、がん撲滅あるいは制圧に向けての将来の展望について、長官、よろしいですか、お願いします。
○山東国務大臣 もちろん科学技術庁あるいはその他の関係省庁と力を合わせて考えていかなければならないと思いますけれども、今東委員もおっしゃられましたように、やはり一人一人のがんというものに対しての自覚ということが一番大切ではないかと思います。そして、今風の言葉で言えば、一年に一回三十歳を過ぎたらヘルスチェックをするのがおしゃれなんだ、そういうような環境整備というものをつくっていくことも大切ではないかな、そのように考えております。
○東(祥)委員 お言葉ですけれども、一年に一回でよろしいのですか。
○山東国務大臣 ある程度年をとると半年に一回ぐらいの方がよろしいそうでございますけれども、一応基本的には一年に一回でよろしいんじゃないかなと考えております。
○東(祥)委員 ありがとうございました。 〔萩山委員長代理退席、委員長着席〕
○渡辺委員長 寺前巖君。
○寺前委員 私は、きょうは科学技術庁の所管についてお聞きをしたいと思います。といいましても、美浜における原発の問題、それとの関連についての二つの点で、時間の都合もありますので、お聞きをしたいと思います。 一つの問題は、振れどめ金具が随分先ほどからも話題になりましたので、この振れどめ金具のあり方の問題について聞きたい。それからもう一つは、原子力発電所の事故というのは日本だけではなくして、アメリカのスリーマイル島の事故とかソビエトのチェルノブイリなどあります。わざわざ科学技術庁もそういう国際的な教訓を学びに行っているのだから、そういう教訓を十分酌み取っているのかどうか、この二つの点に絞って私はきょうは聞きたいと思うのです。 そこで、まず最初に、関西電力美浜原発二号機の蒸気発生器細管の破断事故で細管の振動抑制のために取りつけられている振れどめ金具の差し込み不足が問題になっているけれども、この振れどめ金具を最近改良型にしてきていると思うのです。なぜ改良型に変更してきているのか、どれだけの発電所で改良型に現在しておるのか、しようとしておるのか、まず実態を聞かしてほしいと思うのですが、これは通産省ですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 従来、振れどめ金具、AVBと言っておりますが、それと伝熱管との間には若干のすき間があるわけでございまして、この振れどめ金具と伝熱管の間隔の状況によりましては、伝熱管が振動することによりまして振れどめ金具との接触摩耗によって伝熱管側の減肉が発生するというものでございます。今先生おっしゃいましたように、この理由によりまして振れどめ金具を取りかえたというものがございます。これまでに関西電力の高浜の三号機、四号機、それから日本原子力発電の敦賀の二号機の三つのプラントにつきましては振れどめ金具を取りかえた実績がございます。
○寺前委員 今も話がありましたけれども、摩耗減肉損傷抑制対策として細管の耐摩耗性を向上させるために、振れどめ金具の材料をインコネル600からSUS405に変更するとともに、細管とのすき間がなくなるような改良型にしていったというふうに私は報告を聞いているのですが、それで間違いございませんね。
○倉重説明員 お答えいたします。 今先生おっしゃいましたように、振れどめ金具の材質をインコネルからステンレスに変える、それからそのすき間をなくすような方向で固定支持をするような形の振れどめ金具に改良したものでございます。
○寺前委員 最初に改良型にかえたのは、関西電力の高浜原発四号機が昨年二月の定期検査のときにやったという報告を聞きました。蒸気発生器細管の材質及び形状の変更ということになるわけですから、当然原子力の安全委員会においても報告を受けておられると思うのです。細管の耐摩耗性を向上させることについてどんなふうに原子力安全委員会は聞いておられるのか、材料の根本的検討をやる必要があるということを原子力安全委員会でも確認しておられるのか。私は、安全委員会というのをわざわざつくられている以上は、こういうことについて御検討なさっているんだろうと思うのですが、いかがですか。
○村上政府委員 本件についての安全委員会の対応について事務的に御説明申し上げます。 今通産省から御説明がございましたように、高浜三号、四号及び敦賀二号といった比較的新しいプラントで発生している蒸気発生器伝熱管の振れどめ金具との接触部における損傷と、その対策として実施されている新型振れどめ金具への取りかえについては、安全委員会としても通産省から説明を受け、了承しているところでございます。 なお、伝熱管の損傷につきましては、これ以外にも比較的古いプラントに顕著に見られている管支持板部の腐食減肉、それから粒界腐食割れ、管板拡管部の応力腐食割れ等がございまして、安全委員会としてもその都度説明を受け、その対策の妥当性について所要の検討を行っているところでございます。
○寺前委員 そこで、私がわからないのはここからなんです。改良しなければならないという時点になってきているのに、それじゃなぜ、先ほど通産省、三カ所だというお話がございましたけれども、加圧水型の原発は各所にあるわけでしょう、それをそのまま放置しておいていいのでしょうか。そこはどんなふうになっているのですか。あるいはこういう報告を聞いて、原子力安全委員会の方はどんな対処をする必要があるという見解にお立ちになっているのか。安全性の問題というのは、一カ所で出てきた問題の教訓を即座に生かさなかったら、まさかがまさかになってしまうという事態を生むと思うのです。その点で、どういうふうにまず通産省はお考えになっているのですか。
○倉重説明員 お答えいたします。 この振れどめ金具による摩耗減肉でございますが、私、先ほど申し上げました高浜の三号、四号、敦賀の二号というのは非常に顕著にあらわれているプラントでございます。それ以外に古いプラントでは、伊方の一号とか美浜の二号とかということであるわけでございますけれども、その発生本数は非常にわずかでございまして、継続して発生しているというものではございません。 なお、もう少し御説明申し上げますと、今申し上げました高浜の三号、四号、それから敦賀の二号等のこれらのプラントは古いプラントと違いまして、蒸気発生器二次側の管板上のスラッジと言っておりますが、そのスラッジの堆積を防止するために蒸気発生器の二次側の流速を増加させるような設計をしたわけでございまして、それによりまして振動が従来のものより激しくなってそのようなAVBの摩耗減肉が生じたというものでございます。したがいまして、ほかのプラントを全部取りかえなければならないというものではございませんが、今後の損傷状況を見ながら必要があれば取りかえるというふうに考えていきたいと思っている次第でございます。
○寺前委員 損傷があったら取りかえるといったって、あなた、そんな悠長なことを言っていられない事態がいろいろ事故を起こしていく、みんなが不安になる原因になっているんだから、改良しなければだめだということになれば、即座に――全部で何ぼあるのですか、加圧水型の原発が十七基か十八基あるのでしょう。それに対して振れどめ金具のすき間のあるところがあるかないかだけじゃなくして、全面的にそれが細管の中にも重大な影響を及ぼしていくんだという関係があるということを感じたら、直ちにそれに全面的にメスを入れなかったらこれは不安で仕方がないですよ。 こういう問題について報告を受けている安全委員会の方はそれに対して待てよと思われるのか、それはそれで結構ですと言われるのか、その問題を原子力安全委員会はどういうふうに見ているのですか。
○内田説明員 原子力安全委員会は、原子力施設の基本設計、基本的設計方針が原子力安全の確保のために必要であり十分であるかということを審議するところでございまして、通商産業省の詳細設計以降の規制行政の結果を踏まえまして、それをダブルチェックする立場にあるわけであります。 蒸気発生器に関しましてそれを踏まえますと、蒸気発生器の伝熱管が遭遇いたします物理的化学的環境が大きな損傷を与えないということが基本的な方針でありまして、それに対してどういう設計をするかということは詳細設計マターでございまして、メーカーあるいは電力会社のオプションであると思っております。したがいまして、改良される内容が、例えば振れどめ金具の提案がございましたならば、それについて十分通産省から報告を受けて、それぞれ検討、また意見の具申をしているところでございます。
○寺前委員 よくわからないのですけれども、原子力安全委員会というんだから安全に関する最高の役割を果たすものだというふうに期待もしているし、そういうふうに私らは思っています。 現に原子力基本法の一部を改正する法律案が原子力安全委員会を設置したときの国会の附帯決議にも、「原子力安全委員会の運営にあたっては、その設置の趣旨にかんがみ、原子炉設置許可以降の各段階において、関係行政機関が行う規制全般についても、原子力安全委員会が必要に応じ調査、審議を行うものとする」とまで決議を上げさせていただき、また大臣もそれに対して、「ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたします」とまで決意を示されておるわけですけれども、私ら専門家でもない人間が見たときに、加圧水型原発を改良型にかえなければならないという事態が振れどめ金具の問題で出てきたら、ほかのところの古いものからずっと全部、いろいろあるのだけれども、その報告を聞いてなるほどと思われたら直ちになるほどを生かしていただいて、そして関係省庁に広い角度から、どうなんや、おまえのところ、これ指導せないかぬのと違うかというような指導をなさってこそ、なるほど安全委員会値打ちがあるなと、私たちはそう思いますんやで。違いますか。――言い分ありまんのやな。
○村上政府委員 お答え申し上げます。 安全委員長の御答弁が少しまじめといいますか、四角四面だということの裏腹でございますが、今委員が御指摘のとおりのことを、その附帯決議をいただきまして以降、ずっとやっているわけでございまして、それで、おかしいと思ってこうこうしたらどうかということを所管行政庁である通産省に各段階、全面的に申し上げておりまして、その結果が通産省から発表され、かつ、メーカー、電力事業者がみずから改めていくというような格好で具現されてきておるということでございます。御指摘のとおりのことをやってきております。
○寺前委員 指摘どおりやってくれるんやったら、何で三カ所ぐらいだけのところで改良型にして、ほかのところを改良型にせえへんのやと、私は不思議でかなわぬのです。しかも、素人なりにそこらの本をずっと読みあさってみると、欧米では十カ年ほど前からそういう方向になっておるのに日本はおくれているでと書いてあるんや。大体、物を書くときには扇動的に書くから、それは問題意識を強調するための強調点かもしらぬよ。そこらは私らは素人なんだから、専門家が冷静に、そうだ、これは全面的に改良型にかえるべきだ、重大な問題そこにありと、こうやって安全委員会の方が通産省に、これはあなた、指摘されていいんと違いますか。 期待しておりますのに期待どおりにならぬと、正直言うと私らは心配ですわ。そこはどうなっていますんやろ。なあなあでごまかしておったらあかんわな。そこははっきりしてもらわんと。
○倉重説明員 私の方からもう少し詳細に御説明をした方がいいかと思います。 このAVBの摩耗減肉といいますのは、蒸気発生器の細管の損傷の一つのモードであることは先生御存じのとおりでございますけれども、我が国では比較的少ない事例でございます。 これまでに摩耗減肉の生じましたプラントは七つございます。美浜の二号機、美浜の三号機、伊方の一号機、大飯の二号機、高浜の三号機、四号機、敦賀の二号機というものでございます。これは、私は損傷と申し上げましたけれども、摩耗減肉によって穴があいたというものではなく、蒸気発生器の細管の肉厚が少し薄くなったというものでございまして、これは振動の回数によってそれがだんだん薄くなるものでございますので、急にそれが壊れるとか、そのようなものではございませんので、ある程度の累積の振動数によってどの程度薄くなるかということは大体想像がつくものでご ざいます。 それで、これまでの発生件数を見ますと、美浜の二号機につきましては、八六年と八七年に五本の細管に減肉しましたよという信号が出ました。それから、美浜の三号機では八五年に二本です。伊方の一号機につきましては、八一年に九本出ました。大飯の二号機につきましては、八六年に一本、八八年に七本、八九年に五本というものでございます。高浜の三号機、四号機でございますが、これは比較的新しいプラントでございますけれども、先ほど言いましたように、蒸気発生器の二次側の水流を少し速めるようなことを、そういう設計をいたしましたので、八九年に二十三本、九〇年に二本、それから高浜の四号機では八九年に二十一本、敦賀の二号機では九〇年に二本ということで、その高浜の三号機、四号機は前のプラントに比べると比較的たくさんの数の信号の指示が出ましたので、将来的に同様なものが出てくることも予想されますので、早目にAVBを取りかえるということをしたものでございまして、今すぐ安全上問題云々ということではなくて、その信号が出ればこれまで、プラグをするとかスリーブ補修をするとか等々、いろいろな損傷モードをしているわけでございますけれども、今回の場合には、AVBのフレッティング摩耗の場合はプラグをするということになるわけでございますが、それによっても安全上何ら問題になるものではないと思いますが、今後も引き続き、その発生が予想される場合に早目に取りかえた方がいい、そういう面で取りかえるものでございます。
○寺前委員 そんなあなた、安全だという結論を先に出しておいて、心配することございません。心配するさかいにそれをあえて言いはんのかもしれませんで。だけれども、やっぱり改良しなかったらあかんということが事実になったのははっきりしておるでしょう。だから改良型にかえているんや。金をかけてまでかえなければいかぬのや。そしたら、古いものは少なくとも改良型にしていかなかったら大変なことになるでと予想せにゃいかぬわ。予想して手を打つというのが指導性やんか。予想もせんといて結果は土壇場まで待とうかというのは指導性じゃあらへんがな。それでは不安でしゃあないということになりますやろ。だからそういう意味では、とりわけ古い原発などについては、私はやっぱり改良型にぱっと指導するという指導性を発揮してほしいというのが感じておる一つです。これは後で大臣にも聞きますからね。 それからもう一つは、調べてみたら、スリーマイル事故のときに五十二項目にわたるところのいろいろ検討する事項というのをおやりになっていました。ところが今回、私も現地へ二日ほど後でしたかに行きましたけれども、ともかく、あの事故が発生したときに、みんなばっと総立ちになって何をしたらいいのかわからぬという瞬間が生まれるわけでしょう。通報がおくれるというのも、そういう結果の中で起こっている一つの事実ですよ。だから、それは大変なんだ。ところが、スリーマイル事故のときに、いろいろ検討しなければならないという事項が載っていますが、その中で私が気になって仕方がない一つに、事故当時、運転員は炉内の状況を的確に判断できるような状況にあったのかどうかという問題なんです。 いろいろな先生の論文を読んでいますと、炉内の状況がわからなかったら対応できないのは当たり前だと書いているのですね。例えば藤本陽一さんという早稲田大学理工学研究所の教授が、「スリーマイルでもチェルノブイリでも、要するに事故における重要な問題なんですが、異常が発生した時に、まるで状況が分からなくなる、ということです。正常な時にはすべてがちゃんと作動しているわけですから、炉心がどういう状態になっているかなどがよく分かっている。ところが異常時に、運転者が事故の状況下での運転をどれだけ把握できているのか。これは非常に重要なことなんです。」という指摘をしているのです。だから、この炉内の状況がわかっていたのだろうかということが私も関心事項なんですよ。 それで、現地へ行きまして、その問題を聞きました。確かにはっきりしないんですね。スリーマイル事故時、運転員のミスで緊急炉心冷却装置をとめた。このために炉心が露出して溶融したというふうになっていくわけですが、その状況把握というのが緊急事態におけるところの非常に重要なことだ。 安全委員会は五十二項目を挙げて、炉内の状況をわかるようにということが、その中の指摘にありましたよ。そして、その一つに、炉心水位計新設プラントにおける実現可能性の研究開発に加え、改造の技術的可能性等も勘案し、検討した結果を反映させるというような項もわざわざ入っていましたわ。それはそうやと思う。炉内の事態が、水位がどうなっているのかわからぬままではどうもならんやないかというのがそのとおり出ているんです。 ところが、原子力安全年報の平成二年版を読んでみると、そこには、そういう五十二項目を設けて「原子力安全確保対策に反映させているところ」であります、こう書いてある。反映しているんだったら、炉内のそれが見えるようになっているのか。現地へ行ってみたら、そんなのはわかりませんのや、だから総立ちになりましたんや、こう言っているわけです。そうすると、原子力安全年報に書いてあるのは、安心しなさい、もうちゃんと反映できてますと書いてある。反映できてますといって、現地へ行ったら反映できてません。どないなっとるんや。そんないいかげんな報告を出してもらって、これは責任を果たしているということになりますのかいな。 さっきもマニュアルの話を聞いてはりましたが、こういう事態に対応するところのマニュアルなんて、内容がつかめないものに対するところのマニュアルなんてあり得ないです。内容が把握できる状態をつくっておくということは、これは外国の例から研究から五十二項目まで挙げて積極的な役割を果たされた安全委員会ですよ、安全委員会がそのことの責任を最後まで、反映されているところでありますで済ましておくというわけにはいかぬのと違うやろか。私は、これは安全委員会は責任をあいまいにしていると思いますよ。そんなもの通産省の責任ですと言うわけにはいかぬがな、報告書にそこまで出ているんだから。だからあなたたちは、それでちゃんと中の水位がわかるようになっているというふうに分析しておられるのか、あるいは炉心の中の温度がどういうことになっていっているのか不安でかなわない問題について、どういうふうに現状なっているというふうに認識をしておられるのか。 この温度の問題一つについても、私は現地に行っていろいろ聞いてみましたよ、専門家でないけれども。専門家でない人間が聞くのはなかなか難しいんです。それを向こうで話を聞いておりましても、こう言っていました。炉内の水の位置をはかる装置がついていないというのは事実だ。炉心の真上の温度を計測しているわけでもない。温度をはかっているのは出口の高温側配管温度を測定しているんです。だから炉心の温度との間には差があります。だから今回の事故は原子炉内の水が沸騰していたのか沸騰していなかったのか、それが大問題になります。だから現地におる私たちは、その当時何もわかりません、わからない事態において操作を、よくぞあれでおさまったことだ。僕は安全委員会として、これは責任ある問題だと思いますよ。私らみたいな人間が言うのと違って、大専門家の内田先生が現地にぱっと飛んでいかれたのは、私はそういうところからだったのだろうと思うのですよ。 ところが、福井新聞で、先生が言われたことが問題になっておるわけですな。安全委員会には責任ないとおっしゃったというような、こんなもの、大体新聞というものは断片をとらえて書くもんやと言うてしもうたらそれでしまいか知らぬけれども、そうはいかぬのですわ。現状、あれだけのパニックに近い状態があそこで起こった。外では連絡が来ない。こういう事態というのはただごとでない。それは五十二項目が正確に今に生きていない。そこのところの問題を生かすように、すぐに研究調査をしていただきたい。私は要望したいのですが、いかがなものでしょうか。
○森説明員 御説明いたします。 ただいま先生の御指摘の、TMI当時五十二項目を抽出いたしまして、これが現実に反映されたかということでございます。国内のPWRにつきましては、その五十二項目のうち、先生御指摘のように、原子炉水位がはかれるようなものについて研究すること、それからもう一つ、サブクール度計をつけたらどうか、こういう話がございました。 加圧水型の原子炉内の水位をはかるというのは、炉頂部分と炉底部分の圧力差を引っ張り出しまして、これの圧力差によって原子炉内の水位を測定するというような一つの方法が考えられるわけでございますけれども、過渡変化時には、この水位が必ずしも原子炉内の水位を正確にあらわすものであるかどうかが非常に難しい。そのほかの方法によりましても、原子炉内が高温高圧であるためになかなか信頼性ある計測機器ができづらいということで、実は今なお研究中であることは間違いございません。私ども、引き続きこの努力を続けたいと考えております。 ただ、この炉内の水位計にかわりまして、炉内の状況、すなわち沸騰しているのかどうか、こういったところをはかるために、原子炉内が飽和温度以下にあるかどうかということをはかるためにサブクール度計というのをつけております。今回の事象におきましては、このサブクール度計を運転員はよく注視しておりまして、炉心が冠水状態にあるということを見ながら適切に対応したと私ども聞いております。 そういう状況でございまして、決して五十二項目を反映していないというわけではございません。なお、先ほど申しましたが、水位計のところにつきましては今後とも研究を続けてまいりたいと思っております。 それから、炉心の温度でございますが、これも別の委員会等で私ども答弁申し上げましたが、確かに炉心上部と申しますか燃料集合体の直上部に熱電対をつけまして温度を測定しております。この温度が実はコンピューターの処理容量上、当初十分間程度データが欠落しておるということがございましたが、その間におきましても制御盤上には炉心の温度計が出ておりまして、これを見ながら運転員は運転をしておった、こういうふうに聞いております。したがいまして、炉心の状態につきましては、先ほど申しましたサブクール度計、あるいは温度、圧力、こういった諸パラメーターを監視しながら適切に対応したものと考えておるわけでございます。 それから、こういう蒸気発生器の細管破断というような事象につきましては、もちろん事前に安全審査等におきましても各種事故というような形で安全解析をやっておりまして、その状態でも安全に停止される、しかもなお基準を満たして大丈夫であるというようなことを確認しておるわけでございますが、そういったことを踏まえまして、実際の運転訓練あるいはマニュアルといった中でもこういった蒸気発生器細管破断という事象を想定しまして、マニュアル上できるようになっているわけでございます。 なお、今回の事象につきましては、一部そのマニュアルから外れた点はございましたが、全体としましてはおおむね安全審査上想定したような範囲内でおさまっていたのではないかというふうに考えております。
○村上政府委員 五十二項目対応について御批判がございましたので、お答え申し上げます。 水位計等の反映項目については、これの設置の可否を研究するということが取り上げられた次第でございまして、実態としては、今通産省の方から報告がありましたとおり、検討して幾つかのものにはつけたけれども、ほかのものにはつけない方がいいという結論であったというエンジニアリングジャッジメントを安全委員会も聞いて了承しているというところでございます。そういうような状態を踏まえて、今回美浜の二号炉の、当時の対応は、運転員としては非常によくやったというのが私どもの所感でございまして、委員も現地に行かれまして、そのようなお褒めの言葉があったというふうに聞いております。
○寺前委員 お約束の時間が来ましたのでやめますが、大臣、せっかく最後に一言だけ。 原子力発電所というのは、まだまだ材質の問題といい、今も話があったようにいろいろ研究せんならぬものいっぱいあるわけでしょう。安全性というのは研究に研究を重ねていかなんだらいかぬので、まだ未完成のものだという前提に立って仕事をやらないと、安全という立場からいったら大変なことになるということについて、未完のものなんだという立場をおとりになるのかどうかを私は大臣に最後にお聞きをしたいと思うのです。
○山東国務大臣 原子力の開発利用に当たりましては、やはり安全確保ということが第一義でございまして、そのためには、さまざまの歴史と、そしてすばらしい人材によっていろいろな研究がなされて今日に至っているわけでございます。 チェルノブイリの事故がございましてから、特に原子力発電所に対しての不安感というものは多くの国民の方々もお持ちになったようでございますけれども、やはり御承知のように、チェルノブイリに使用されております原子炉と我が国の原子炉とは型式も違いますし、その防護というのも、二重にも三重にもいろいろな角度で安全ということには力を入れているわけでございます。 ただ、念には念を入れ、そして慎重を期しまして、今後とも安全確保に全力を挙げて邁進をしていきたいと考えております。
○寺前委員 時間が来ましたので、やめます。 ただ大臣、未完成のものだという態度は堅持してほしいということをあえて言っておきたいと思います。
○渡辺委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十二分散会