環境委員会 第5号
- 発言数
- 235 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/04/26
会議録
○小杉委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として熊本県環境公害部長魚住汎輝君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小杉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ─────────────
○小杉委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前田武志君。
○前田(武)委員 ことしは環境庁発足以来二十年がたち、今週発表された白書は、たしか記念すべき二十年目の白書ではなかったかというふうに思うわけでございます。考えてみれば、昭和四十六年の七月に環境庁が発足したわけですが、その前年の四十五年の臨時国会、そして四十六年の通常国会、まさしく公害国会と言われたあの当時の高度成長の中で、いろいろなツケが回ってきた。国民が公害関係で、水俣であれ四日市であれいろいろな被害が出てきた中で、官民一緒になって解決の策を見出そうという中での環境庁の発足であったわけでございます。 それから二十年たって、その間、環境庁も国民の期待にこたえて、その時期その時期のいろいろな問題について対処をしてきていただいたわけでございまして、その間の環境庁の果たしてきた役割に対し、私は大きな評価をし、また、ここまでやってこられた皆様方に敬意を表する次第でございます。そういう中で、新しい役所でございましょうから組織であれ人員であれあるいは予算であれ、期待が大きい割にはなかなか満足なものが整備されなかった。そういう中で、ここまでやってきたそういう皆様方の御努力というものを我々も推測する次第でございます。 さて、そういう中で新しく就任されました愛知大臣、就任早々たしか一月三十日でしたか、OECDの環境関係の閣僚会議に早速御出席をされ、そしていよいよことしはまさしく地球環境時代という中で、来年のブラジルにおける国連環境会議に向けて日本も非常に積極的な取り組みをなさっておられるというふうに聞いております。まず、そういう中での大臣のお取り組みについて、所見を含めてお伺いをしたいと思います。
○愛知国務大臣 御指摘のとおり、ことしは環境庁ができまして二十年、その間いろいろな経緯がございました。今お褒めの言葉もございましたが、おかげさまで二十年、環境庁としても精いっぱいの努力をさせていただいてまいりまして、その役割を果たしてきたと思っております。ただし、反省をするところもいろいろございまして、この二十年間にまだ解決がつかない、残っている問題もあるわけでありまして、こういう問題にさらに力を入れて努力をしてまいりたいと、決意を新たにいたしております。 同時に、発足をいたしました当時、いわゆる公害防止というのが主な役割だったわけでございますが、ここ数年と申しましょうか、二、三年と申しましょうか、急に地球規模での環境問題が課題になってまいりまして、環境庁の役割がまことに目まぐるしく大きくなっているわけでございまして、御指摘のとおり環境庁の人員、組織、予算の規模では、最近の環境庁に求められる役割にとても追いついていかれない側面がございまして、非常に苦労いたしておりますが、その中で精いっぱいの努力をさせていただいております。 国内的な公害の防止あるいは自然保護を求める国民の大きな期待にこたえていくという従来からの役割のほかに、世界の中で日本が果たしていく役割の中に、この公害を防止していく、克服をしてきた過程の中で技術革新もございましたし、あるいは人材の育成もございましたし、国全体としての経済力も大変ついてまいりました。こういうものを総合いたしますと、この環境という分野で世界に大きな貢献ができるのではないか。また、これが日本にとってもふさわしい世界に対する貢献策の中の柱にできるのではなかろうか。また、特に発展途上国に対する環境面での日本の援助、貢献といったようなものは大変大事なことではなかろうか、こういう認識をもとにいたしまして、限られた規模、予算その他の中ではございますけれども、大きな使命感を持って、こういう問題に取り組んでいく決意を新たにいたしております。 発足二十年、環境庁ができましてから新たに入ってまいりました職員も大分育ってまいりまして、ついせんだって、ことし入ってまいりました新しい職員との懇談会などもいたしましたけれども、非常な使命感を持ってそういう人たちが入ってきておりまして、大変心強く思ったわけでございますが、そういう人たちの先頭に立って私自身も大いに頑張っていきたいと、決意を新たにいたしているところでございます。
○前田(武)委員 苦難の歴史と、そしてまた成果を踏まえた上での地球規模に対する取り組み、非常に力強く感じた次第でございます。 今週、環境白書が発表されたわけでございますが、今年度の環境白書の主なねらい、そういったことについてひとつ簡潔に御説明を伺いたいと思います。
○渡辺(修)政府委員 環境白書は大きく二部からできておりますが、中心は平成二年度、昨年度についての年次報告の部分でございます。ここが総説と各論に分かれておりますが、この総説が毎年毎年の特色のある部分でございます。今回は、環境に優しい経済社会への変革を目指してというテーマのもとで、三つの柱について記述をいたしました。 第一は、地球的視野で見た環境問題と社会経済システムの変革という点でございます。 地球的視野で環境問題を見ますと、人口、都市化、経済成長、エネルギー、こういったことに深くかかわっておりまして、こういうものを背景に南北問題、世代間の問題、人類と他の生物との共存の問題、紛争と環境、こういった要素を考慮して、従来の発生源規制といったような手段に加えまして、経済政策、交通政策、エネルギー政策などと密接な連携を図って経済社会システムの変革を行っていく、そういう方向で対処をすることが必要だということを述べております。 第二は、来年のブラジルで開かれます環境と開発に関する国連会議について、その課題、準備状況等について述べさせていただきました。 第三は、このテーマ、環境に優しい経済社会の変革を目指してというテーマとかかわりのある個別の二つの問題を取り上げさせていただきました。それが自動車と自然とのかかわりでございます。 以上三つの柱を中心に述べております。
○前田(武)委員 ただいまの御答弁、それからまた大臣のお話の中にもあったわけなんですが、環境庁発足の当初の時期のことを考えますと、個々にいろいろな問題が出てきた、そういった個々の公害に対していかに対応するかということで、その当時はむしろ個別の問題の原因を分析的に究明して対応策を立てていくというような形でやってきたように思うわけです。それが今や、もっとトータルの環境というものを考えて地球規模でやっていかなければいかぬ、そういう大きな流れも感じておるわけでございます。 さて、我が国のそういう公害対策、環境政策の中で、非常に厳しい規制をやったり、あるいは現実の社会システム、経済・技術状況、そういうものをにらみながらの政治、行政の指導、そういった中で、やはりある面ではその結果として環境の改善になるとともに、技術革新というものも大きく促進させたという面が大きかったように思います。それを通じて経済社会が発展してきたということも、これはもう皆さんの認めるところであります。 具体的に言えば、例えば水質規制などに伴って下水道整備も随分進みました。瀬戸内海のああいう総量規制的なものもあり、そういう中で個別には水処理技術などというのも随分と進んでおるわけでございまして、けさ新聞をちょっと見たら、松本城のお堀をきれいにするような新しい水処理のシステムをベンチャービジネスが開発したというようなことも載っておったようでございます、まあこれは余談になるわけですが。 そのほか、ただいまお触れになった排ガス規制だって、日本の自動車産業を世界に冠たるものに仕上げたというのは、まさしくあの当時の環境行政あるいは国民一体となった努力のたまものだろうというふうに思うわけでございます。 そこで、特に今局長が指摘された排ガスについて、日本の車というのは確かに相当改良はされておるわけでございましょうが、やはり車社会のますますの発展、特にディーゼルトラック等のこともありまして、排ガスについては総量規制をやっていかなければいかぬというふうな認識になってきたと思います。そしてそういう中で、この排ガス関係について環境庁が今具体的にどういうような認識であり、どういうような取り組みをしておられるのか、これも簡潔にお願いしたいと思います。関連する分野が、役所でいえばあらゆる役所、あらゆる面にわたると思いますので、ひとつ簡潔にまとめてお答えを願いたいと思います。
○古市政府委員 今お尋ねの単体規制につきましては、平成元年十二月に問題のディーゼル車の規制を答申をいただきまして、長期、短期、世界一厳しい規制に今向かっているわけでございます。既に平成三年度の規制というものは、運輸省と一緒になって規制値を告示いたしました。ただ、それだけでは現在の物流、人流の自動車の総量の増加というものがその規制値の効果を相殺しますので、新たに大都市を中心に排ガスの総量規制というものが必要であるという観点から、現在具体的な案の検討を進めております。各関係業界、各関係省庁に影響するところ非常に大きゅうございますので、現在いろいろ意見をヒアリングしておりまして、具体的に実現可能な案を得て法案に持っていきたい、このように考えているわけでございます。そのほかにも低公害車、電気自動車を中心に大量普及を図っていきたいと考えております。
○前田(武)委員 次に、ちょっと水質関係について、具体的なことについてお尋ねしたいわけですが、私の郷里の奈良県吉野郡というのは、もともと大台ケ原原等非常に降雨の多いところでございまして、水資源の宝庫でございます。高度成長の時期に、十津川水系、熊野川水系というのですが、随分と電源開発あるいは平たん部に農業用水、生活用水を送るそういう総合開発が行われまして、実は私の本籍地も風屋ダムという大きなダムに没しております。そして今、山の非常にきれいな渓流、山林、温泉、そういった中で新たな観光リゾート基地として脚光を浴びているわけなんですが、実はここに大きな問題が生じております。 それは赤潮、赤潮というと何か海のように聞こえがちなんですが、実はダム、湖、淡水の閉鎖性水域における赤潮問題というのがあちこちに発生しておりますが、特にこの十津川水系、十津川・北山・熊野川水系の赤潮問題というのは、なかなか原因の究明、対策等が難しいようでございます。こういった問題が非常に難しいということはよくわかるわけでございますが、これも関連する分野が非常に多いわけでございまして、環境庁におかれまして今どういうような把握をされ、どういう対応をされておられるか、お聞きしたいと思います。
○武智政府委員 お答えいたします。 先生御指摘ございました、熊野川水系といいますか十津川水系といいますか、風屋ダムの貯水池におきまして五十四年の五月以降淡水赤潮が発生いたしまして、その後も毎年発生しておるというようなこと、それからまた、二津野ダム等の付近のダムでもやはり淡水赤潮が発生しておるというような状況でございます。そのほかの琵琶湖なりあるいは霞ケ浦等の内水面におきましても発生しておるというような状況でございます。 こういった湖沼ですとかあるいはダム湖におきます淡水赤潮につきましては、これは海と違いまして、先生の方があるいはお詳しいわけでございますが、海の場合には富栄養化された海水のところで発生するわけでございますが、淡水の場合には必ずしもそうじゃございませんで、中的な栄養湖、まだある程度きれいなところでも発生するというふうに言われておるわけでございまして、いまだ発生のメカニズムにつきまして必ずしも明快でない部分が多いわけでございます。 それで、そういったようなこともございまして、環境庁としましては、この風屋ダムを中心にしまして、国立環境研究所なりあるいは関係の自治体の参加も得まして六十三年度から調査を実施いたしております。これからも、ほかの湖沼も含めまして淡水赤潮の発生のメカニズムにつきまして、建設省なりそのほかの関係省庁とも連絡をとりながら検討を進めていきたいと思っておるわけでございます。 なお、こういった富栄養化のおそれのある湖沼につきましては、昭和六十年の七月から水質汚濁防止法に基づきまして窒素と燐の排水規制を実施いたしております。これが淡水赤潮の防止に役立つということでございまして、この風屋ダム等につきましても燐については規制しておるというようなことでございまして、これからも規制の的確な運用に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○前田(武)委員 今のお答えを聞いておりまして、やはり非常に複雑な難しい問題であるということはよくわかるわけですが、これは要望でございますけれども、こういう問題というものは、ある意味では個別のマイナーな問題でございますから、先端の若い優秀な学者、技術者等が、この解決に向いて人材を投入するというようなことがなかなか難しい。予算の制約もございましょう。しかし、考えてみれば、こういった問題こそ学際的に総合的に対応して解決する、そういうシステム自体が多分、町の環境、先ほど申し上げた松本ではございませんが、都市、あるいは日本国内のみならず東南アジア等においても、そういう水質の問題というのは各所にあるわけでございまして、こういうものを率先して解決して対応するシステムを開発していく、これはやはり地球環境時代の日本の責務ではないかと思いますので、もっともっと総合的に、そして力を入れて御対応を願いたい、このように思うわけでございます。大臣に一言お答えを願います。
○愛知国務大臣 そのとおりだと思いますので、その方向で私どもも努力をさせていただきます。
○前田(武)委員 まことにありがとうございます。 さて、余り時間もないのですが、ここでひとつ我々の日本の国の環境であり、国土の成り立ち、そういったものについての議論を進めながら、環境庁並びに政府のこれからの環境行政といいますか、地球環境に対する基本的な考え方、理念と申しますか、そういったことについて議論をさせていただきたいと思うわけでございます。 今までのお話、御答弁の中で、そういう公害防止から個々の問題から人間社会、地球、そういった総体に対しての環境のあり方、対策、そういったものに日本の環境行政というのも大きく次元を高くして展開がされつつあるというふうに心強く感じるわけであります。 ただ、公害白書のところでもちょっと申されておりましたが、環境に優しい、まさしくそういうことで大いに対応していただきたいわけでありますが、これはもともと自然に対して、人間文明が自然を収奪し、征服してというヨーロッパ型の国土の利用であったり、あるいは結果として自然環境の破壊であったり、これは現実にアメリカ等においても土壌浸食なんというのは非常に大きな問題になっているわけでございます。そういう中から出てくる反省としては、こういう方向に行きがちでございましょう。 しかし、日本の自然というのが本当にそういうものであったかということを考えるわけでございます。たしか、白書等を見ておりましても、循環型社会システムというようなことを御指摘になっていたと思うのですが、日本の国土の成り立ちというものを考えますと、これは非常に小さな流域に分かれて、その流域ごとに海に近いところに小さな平たん部があり、そして里山があって、そのあとは全部山というようなことでございます。こんなことを申し上げるのは、私も川が好きで、外国の川というのはあらゆるところを見てまいりました。 一番特徴があるのは、大陸諸国というのはほとんどが大流域であります。いわゆるライン川だとか黄河だとかミシシッピ川だとか、そういう非常に大きな流域で構成されていて、例えば韓国であってもそういう大きな流域になっております。日本は、利根川でさえ日本の国土面積からいうと大したことはないわけでございまして、非常に小さな流域が本当にしわしわの国土を刻んで、その中で自然の循環の中で水をうまく管理して水田農耕をやり、そしてその水源を養う山には山村があって、その山の幸というものをうまく生かしながら、上下流一体となっていわば自然の循環システムというのを利用し、その中にビルトインされて共生しながらやってきたというのが日本の国土のあり方ではないかなというふうに思うわけでございます。 ここにちょっと農林省の方で調べてもらった資料があるのですが、大体日本の面積が三十七万平方キロですが、そのうち五万三千平方キロぐらいが農地のようでございます。そのうちの三万三千平方キロぐらいが水管理システムができておるのですね。水田を中心とする用排水系統ができ上がっておりまして、結局そこを通じて水を取り、そして水を供給し、排水し、それが小川に集まり、川に流れていくというようなことになっておるわけでございます。残りの大部分の面積が山林であり、そしてわずかな面積が都市、こういうふうになっておるわけでございますが、実は我々の住んでいるこの平地部なんというのは、平地部といいますか、かなりエレベーションの高いところまでも、レベルにこうやって水田をつくり、ずっと農耕、水田をやってきた。水管理システムがぴっちりとでき上がっているわけでございます。最近、都市化したところでございましても、我々の奈良県もどんどん都市化しております。しかし、住んだ人たちは、雨が降ったら水は勝手に流れているものと気楽に思いがちでございますが、それは、大抵はそういう農業の排水路に入り、そしてそこにはちゃんと管理している方がおられるわけでございます。この水システム、約三万三千平方キロの水管理がなされている、それにかかわる農業の方々が約四百六十万人だ、こういうふうに言われておるわけでございます。 そのほか、山村、これはちょっと林野庁の方にもお聞きしたいわけでございますが、多少マクロな資料でございますので私の方で申し上げますと、振興山村という制度がございまして、過疎地というものがこういうことになっておるわけなんですが、それが十五万平方キロに近い山村部分を占めておるわけですね。日本の約六七%の山林のうちでも五割近い面積が振興山村ということになっております。そこに住んでいる人たちが約五百十万ぐらい、人口で言うとわずかなものでございます。 私が申し上げたいのは、こういうわずかな人たちが農林業を営みながら日本の国土の大部分を、実は我々都会に住む人たちが余り気づかないところでお守りをしていただいている。それが日本の国土の実態であり、環境管理の実態ではないかなと思うわけでございますが、この辺について簡単に、国土庁の国土管理からのお立場で御答弁をいただきたい。
○長田説明員 お答えします。 先生のおっしゃられるように、振興山村、全国で千百九十五の市町村がございますが、国土の半分、約千七百九十万ヘクタールを……(前田(武)委員「それはいい。ちょっとそのお答えだけ」と呼ぶ)こういう非常に大事な山村でございますが、今森林・林業の停滞とか若者の減少ということで、山村地域において森林の質等の保全を図るということが緊急の課題になっておるわけでございまして、それで先般、先生方のお力で議員立法で山村振興法を直していただきまして、若者を定着し、森林保全等を図る仕組みを第三セクターという形でつくらせていただいたわけでございまして、それに必要な税制措置、財政措置等を講ずることとしております。 今後とも、このような方向で各省力を合わせて山村振興に努めていきたいという所存でございます。
○前田(武)委員 時間もないので、少し急がせていただきます。 実はここに一つ、割りばし問題というものがあります。ここにも資料を持ってきておるのですが、当初、割りばしというのがまるで熱帯雨林を破壊する元凶のようなPRがちょっとなされて、新聞論調を読んでおりましても、その後大分冷静化しておるようでございますが、これも実態はある程度把握しております。輸入も多いのですが、中国がほとんどであり、インドネシアもあります。しかし、そういうはしに使う材木というのは、まさしく松根油を取った残りの、本当にほっておけば利用価値のないようなものを使ってはしとして日本に輸出する。 それから、我が地元の奈良県の吉野というのは実は割りばしの産地でございまして、もともと後醍醐天皇が使い始めたということで、そのぐらいの歴史を持っておるわけでございますが、これは材木を、吉野杉等を使った端材、丸い材から四角の材を切り出したら必ず端材が出ます。それを利用しての、まさしく資源の有効利用であったわけでございます。 こういうものについて、若干私は環境庁に疑問を呈しますのは、元年度の環境白書かどこかにこの割りばしの問題についてちょっと付言しているところがございます。こういう資源のむだ遣いというようなニュアンスの言い方でちょっと付言しておるところがございます。こういうものも、今の日本の国土の成り立ち、そういったものをよく考えていただきたい。 例えば利根川流域、それから木曽川流域等にいたしましても、これは先人たちが営々としてつくり上げてきた水管理システムの中で技術が進歩し、そういった自然の猛威とうまく調整しながらやってきたことでございまして、あの地域の農業生産の向上、人口のふえ方、そういうものはまさしくあの地域の水管理システムの進歩と一体になっておるわけでございます。当然そういった中での河口ぜき問題ということもあるわけでございまして、要するに結論としては、我々の国土というのは、私たちがそういう自然観の中でうまく水管理、そして森林、これを管理しながら自然の中に共生するような形でやってきた結果、これだけの大きな人口がこれだけの大きな経済活動を営みながら、しかも非常に自然に対して被害を受けやすい地形、雨、気候、そういう特性の中でここまでやってきた、そういったところをぜひ環境庁においても御認識をされて、そういったことをむしろ体験する機会の少ない子供たちに、教育という面でもぜひPRをしていただきたい、こういうふうに思う次第であります。 時間がなくなって非常に残念なのですが、もう一点だけちょっとお許しをいただいて指摘しておきたいのは、そういった山村農業というものが、実は今まさしく崩壊しようとしておるわけでございます。そういう意味で、米の問題にしろ何にしろ、もう少し、環境庁が日本の農林業が持っているすばらしい環境のお守り役、いわばレンジャーみたいな仕事をしておるわけでございますから、その辺のことについて声を大きくしてPRもしていただきたい。外国に対してもしていただきたい。そして、こういうことが恐らく、二十一世紀の地球環境という場合、この日本の持つ文化そのものが、それをもっとリファインしてきちっとしたシステムとしてやっていけば、二十一世紀の地球に大きく貢献できる、発進できる文化のリソースになるのじゃないかと私は思います。 最後に、お願いといたしましては、この一番大きな面積を占める山村において何が一番問題かといいますと、実は十五年、二十年たった間引かなければいかぬ木が、利用がなくなったために放置され、それが今、山を腐らせようとしております。これの利用というものは、実は林野庁あるいは農林省のいろいろな農業整備、それから建設省関連の河川の護岸であるとかあるいは道路ののりどめであるとか、そういったことも含めまして、随分と利用の道があるわけでございまして、これこそ自然に優しい用い方ではないかな、こういうふうに思うわけでございます。 各省に来てもらっているのですが、時間がありませんので、最後に大臣に、御所見を含めて御回答をいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 今先生御指摘になりましたことは大変重要なことでございまして、具体的に割りばしの問題あるいは水田の問題等々、お触れになりました。私も、水田の点から申しますと、宮城県でもございますので、この農業の果たす自然環境を守るという環境の面での重要性というものは非常に認識をしているつもりでございまして、個人的にも機会をとらえてそのような話をいたしてまいっておりますが、その重要性を私どもとしても大いにまたPRをしていきたい。 一つ、農業で申し上げますと、最近は少々肥料をやり過ぎるということで、若干その辺の問題はあるとは思いますが、その点のことは指摘をさしていただいた上で、この農業の問題というのは、環境の面からも大変大事だということを私ども認識をいたしているつもりでございます。 最後に、文化のお話がございました。 せんだって、環境庁でいろいろな幅広い方々にお集まりをいただきまして、二年ほど前から環境と文化に関する懇談会というのをやっていただきまして、中間報告をまとめていただきましたけれども、まさに文化の問題だ、いよいよこの日本の古来の文化のいいところをこの際見直していくということが大変大事なことではなかろうかというような御指摘もございました。 環境の問題というのはいろいろな切り口がございますけれども、大変奥深い問題だということを改めて認識をいたしたわけでありますが、今先生の御指摘の点をよく踏まえまして、私どもも今後とも頑張らせていただきます。
○小杉委員長 時間ですので、済みません。
○前田(武)委員 終わります。
○小杉委員長 衛藤晟一君。
○衛藤(晟)委員 地球環境保全問題についてお尋ねをいたしたいというように思います。 環境庁長官は所信でも、地球環境保全問題が、我が国が最も国際的に貢献できる分野であるというぐあいに決意を述べられております。私ども、そういうように思っております。 一昨年、マルタで会談を持たれました。マルタでの会談はまさに第二次大戦後の世界のいわゆる管理というか支配を決めたヤルタ、その中から起こってきた冷戦構造、その終えんをマルタで宣言をし、新しい世界構造ができつつあるのだということを宣言した画期的な会談でもありましたが、いま一方で忘れてならないのは環境問題であったというように思います。まさに、マルタにおいて米ソ両大国、ブッシュさんとゴルバチョフさんが地球環境保全について高らかに宣言をし、スタートした。そういう意味では、特に環境問題についてはマルタの意義は大きいのじゃないのかというように私どもは思っております。 そこで、内外の最重要課題であります地球環境問題に取り組まれる環境庁長官の決意を一言お伺いいたします。
○愛知国務大臣 先生御指摘のとおり、地球環境問題はまことに重要な課題になっておりますが、先生御自身も新地球環境議連などを通じて大いに議員の立場からこの問題に取り組んでいただいておりますことをこの機会に心から感謝を申し上げ、また敬意を表したいと存じます。 御指摘のとおり、まさに地球環境問題、これは再三申し上げておりますけれども、日本が国際社会の中で果たすべき役割の中で大きな柱に据えていくにふさわしい課題であろう、このように考えます。そういう考えをもとにいたしまして、これからも全力を挙げて取り組んでいく決意でございます。
○衛藤(晟)委員 ありがとうございました。 私どもも、まさに日本が世界に向かって貢献できる最も大きな分野だ、経済と技術というのは大きいわけですが、これをどちらの方向に向けるかというと、日本は、軍事ではなくてやはり環境問題であるというぐあいに思っております。長官のまさにダイナミックな活躍を御期待申し上げる次第でございます。 二番目に、積極的な環境外交を展開されております長官が、四月末から五月初め、この連休にかけてインドネシア、中国等へ海外視察に出かけられるというぐあいにお聞きをいたしておりますが、その目的は何なのでしょうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○愛知国務大臣 明日出発をいたしまして、インドネシア、中国、シンガポールを訪問する予定にいたしております。 日本にとりましては、いわゆる発展途上国に対する環境面での支援、協力というのがやはり、先ほど申しました日本の国際社会における役割の大きな柱で、その中でも発展途上国に対する支援、協力が大変大事ではなかろうかという認識をもとにいたしまして、とりあえずこの両国を訪問することにいたしました。 インドネシアにおきましては、カリマンタンにおける熱帯林の現地視察を行っていきたいと思っております。また、その視察をもとにいたしまして、インドネシアの指導者といろいろ意見交換をしてまいりたいと考えております。また、我が国の協力で環境管理センターを計画しているわけでございますが、こんなような問題についても話をしていきたいと思っております。 中国につきましては、御承知のとおり大変多くの人口を抱えた中国でもございますので、今後、中国が環境問題でいろいろな問題に直面する可能性がございます。そういうこともございまして、実は日中友好環境保全センターというのを既に日本の協力で建設することが決定をいたしておりまして、ことしの秋にはそれが着工されることになっておりますが、このプロジェクトに関する点、またさらに、もっと幅広く、これから中国と日本との間で環境問題にどのような協力体制が組めるか、その体制づくり等につきましても中国の指導者と意見交換をしてまいりたいと考えております。 シンガポールにつきましては、ああいう土地柄でございますので、自動車交通量、自動車の公害の問題がシンガポールでも発生をいたしまして、これをいわゆる総量規制等を講じて先進的な取り組みをしているわけでございまして、逆にシンガポールにおきましては、いろいろとこれからの日本の自動車の総量規制、大気汚染の取り組みに関するそういう対策についてかなり参考にできることがあるのではなかろうか、こういうこと。また、あそこの、シンガポールの方が、来年の国際会議における重要な役割を果たす方がおられると聞いておりまして、こういう方々との意見交換あるいは人間的な交流などを図ってまいりたい。 ごく概略、このような目的で行ってくるつもりでございます。
○衛藤(晟)委員 大きな成果を期待いたしています。 さて、地球環境保全に向けては各省庁がさまざまな施策を行っています。私どもも一応これを見させていただいておるわけでございますが、どうもこれらの施策についてどのような整合性を持たせているのか、本当に地球環境保全という目的に向かって各省庁の連絡が密になり、ちゃんとした一本のテーマのもとにそれが進められているのかどうか、何かある意味では、各省庁がやりやすいところから勝手にやっているというような感を受けないわけでもありませんので、そのことについてどうされているのか。また、現状そのような取り組みで世界に貢献する我が国の取り組みとして十分と言えるのかどうか。それについてお聞かせをいただきたいと思います。
○加藤(三)政府委員 先生御指摘のとおり、環境問題、なかんずく地球環境問題はいろいろな省庁にまたがっております。例えば温暖化一つとりましても、エネルギーに絡まりますし、それから都市住宅問題にも関係いたしますし、交通、運輸にも関係いたします。廃棄物にも関係いたしますし、植林とか緑、そういったもの、あるいは調査研究、いろいろな分野にかかわっております。 そういう意味で、先生御指摘のように、それぞれの部門部門をつかさどっております関係省庁がそれぞれいろいろなことをしておりまして、一見何かばらばらにやっている、そういう印象があるいはあるのかもしれません。しかし、私どもといたしましては、特に環境庁といたしましては、政府部内におきまして環境政策を調整する立場、基本施策を企画し、そういった関係省庁のいろいろな諸施策を調整する立場から、私ども、微力ながらも奮闘しているつもりでございまして、例えば地球温暖化防止行動計画をつくり、昨年の十月に最終的に決定いたしましたが、それに至るまでの四カ月間、すべての関係する省庁と綿密に練り上げまして、私ども、その役割をさせていただきまして、一つの政府として整合性のとれた行動計画をつくっておるわけでございます。 また、今回の湾岸問題につきましても、環境という立場では、環境庁それなりに役割を演じているというふうに自負をいたしておりまして、今後とも、非常に幅広い分野でございますので、いろいろな省庁ともちろん協力関係を保ちながらも、調整のとれたきちっとした政策をまとめ上げるように努力をしてまいりたいと思っております。
○衛藤(晟)委員 ありがとうございました。 そこで私は、環境庁はどちらかというと今まで規制官庁で来過ぎたのではないのか、そういう意味では、もっと事業をダイナミックにできる官庁に脱皮する必要があるのではないのかというぐあいに一つ思っています。 そこで、長官に私、お尋ねしたいというか、自分の意見を申し上げながら長官のお気持ちをお聞きしたいわけでございますが、やはり世界に貢献するということになりますと、今ある、例えばシステムというかでは、国立環境研究所の中にある地球環境研究センターではちょっと足りないし、あるいは地球環境財団なんかを見ましても、基本財産は二億程度で事業費も二億五千万程度なんですね。とてもこんなレベルでは足りないのではないのか、最初のシステムづくりにおいてもっとダイナミックさが要るのではないのかなという感じを正直言って持っています。やはりどちらかというと今まで、過去三年くらい前までは公害規制の方に重点が行っていて、どうもただ守ればいい、規制すればいいという感で来たからこういうぐあいになったのではないのか。せっかくマルタでも、世界的な環境問題における一大転機が来たということは間違いのないことですし、国内的にもそういう合意がやっとでき上がりつつあるというときに、もっともっとダイナミックなシステムづくりが私は必要であるというように思っています。 そこで、例えば酸性雨等に関してはやはり中国——我が国でいきますと、東欧というよりむしろお隣の中国と、十億トンも石炭を燃やしているわけでございまして、単に技術供与したからといって、恐らく粉じんやあるいはSOxやNOxを回収する装置をつけないと思うのですね。そうしていくと、やはり日本の方からむしろODA絡みでもいいから供与、設備を提供するということが必要になってくるのではないのかという感じがいたします。 砂漠化の防止につきましても、砂漠は具体的に緑化していくことが必要だし、あるいは熱帯雨林が伐採されている。特にブラジルなんかでは、最近言われているのは、一体切ったのはだれなんだ、材木を使ったのはだれなんだ、日本じゃないのかというふうに世界の中で言われているわけでございまして、それであれば、砂漠化の問題にしろ、日本が思い切って世界じゅう造林をして回る、植林をして、造林をして育林をしていくというくらいのことはやらなければいけないのではないのかという気がするのですね。 あるいは低公害車にいたしましても、アメリカでも相当な技術開発がなされていますが、日本の役所においても十カ年間計画くらい組んで、このうちで、余り長距離でないところについては完全に役所の車をかえようじゃないか、あるいはその技術開発について思い切った資金をメーカーに対しても提供していく、それを進めていくんだという意思をはっきりとメーカーに対しても宣言するというくらいのことは、私は必要だと思うのですね。 そういうことをやろうとするのであれば、二億くらいの今の財団法人の地球環境財団くらいではとても足りない。やはり一千億とか二千億とかという単位の基本財産を持った、こんな地球環境保全センターみたいなものが必ず必要だし、またこいねがわくは、大きい話かもしれないけれども、先ほど言ったような話を実現していこうと思えば、GNPの一%くらいは環境関連の事業に投入する。ODA絡みを入れて、あるいは役所に低公害車を導入するにしても、現状では二、三倍の値段がしますし、また大量生産されるようになっても二、三割はどうしても高くなるわけですから、そういうような関係に思い切ってやるためにGNPの一%くらいは投資するんだ、投入していくんだというような形で、そういう合意づくりを今からしていくべきではなかろうか。それをぜひ環境庁長官にやっていただきたい、そんな財団をつくるためのスタートをしていただきたいなというふうに思っているわけでございますが、そこのところを長官に、リーダーの役割を果たしてもらいたいという願いを込めまして、ひとつ決意のほどをよろしくお願いいたします。
○愛知国務大臣 先生がかねてからこの環境問題、特に地球環境保全のためにはもっとダイナミックなシステムをつくっていかなくちゃいけないと御提唱されておられることを伺っておりまして、その構想の壮大なこと、まことに傾聴すべき御意見だ、このように考えております。現実問題として直ちにそれがすぐできるということも難しい面もございますが、しかし、その先生のアイデア、構想そのものにつきましては、私は個人的には大変敬意を表したいと思います。 そのゴールに到達する間でそれなりに環境庁としてもいろいろと施策を講じてきておるわけでございますが、確かにその都度、資金の問題などでも壁に突き当たりまして、なかなか思うようにいかないところがございますが、最近、おかげさまで民間でもいろいろと新しい財団をつくっていただいたり、いろいろな動きがございますので、当面はそういうことを大いに推奨していきながら、最終的には先生が言われるような大きな、それをまとめ上げていくというものができれば理想的ではなかろうかと思いますが、私も、長官としてもそうではございますが、また個人的にも、政治家の一人としてこれからも頑張っていきたい、このように考えます。
○衛藤(晟)委員 長官、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、我が国におきましては、やはり世界に先駆けて環境保全型社会を実現するためにも、国内的には地球温暖化防止行動計画等の着実な推進が必要であるというぐあいに思っておりますが、地球温暖化問題は、生活と産業のあらゆる分野と深くかかわっています。政府だけではなくて、産業界を挙げて、あるいは国民をも挙げて取り組んでいくことがどうしても必要なことだというように思っておりますが、そのことについてお答えいただきたいと思います。
○加藤(三)政府委員 先生おっしゃるとおり、地球環境問題、非常に幅広くかかわっております。特に温暖化問題、先ほども触れましたように、大きくはエネルギー問題から、ごく身近な問題としては私どものライフスタイルの問題まで、非常に幅広くかかわっております。したがいまして、地球温暖化防止を実際に実施しようということになりますと、とてもこれは政府や地方公共団体だけでできることじゃなくて、産業界はもとよりですが、国民各界各層の方の御理解と御協力をいただかなければどうにもならぬというふうに思っております。 私どもといたしましては、そういったことができますように、できるだけ世界の動き、国内の動き、そういったことを適時適切にいろいろな形で、例えばパンフレット、シンポジウム、講習会、研修会、いろいろなタイプのメディアあるいは機会を使いまして、国民各界各層の御理解をいただくべく努力をしていきたいというふうに思っております。また、そういう趣旨で平成三年度の予算も組まさせていただいております。
○衛藤(晟)委員 つい先日、経団連も地球環境憲章というのを発表いたしました。各企業内において必ず環境保全のための人をつけよう、そして内部監査もやっていこうということの話でありましたし、また、いろいろお話を聞いておりましても、日本の持っている公害技術を世界に移転したいな、そうすれば相当また、国内的でなくて国際的にも貢献できるんだがというぐあいに思っているようですが、そこの中におきましても、やはりつまるところは資金の問題と、技術だけの移転では無理で、具体的な設備移転までやらないと無理だというように考えておられるようであります。そのことについて、どうですか。
○加藤(三)政府委員 先生お触れになられましたように、経団連が四月二十三日付でもちまして地球環境憲章というものを取りまとめておりまして、産業界の立場から、かなり踏み込んだ、画期的と言ってもいいような御提言を盛り込んでおられる。私どもとしては、この趣旨が産業界の隅々まで徹底して、非常に効果が出ることを期待しておるわけでございます。 その中で、先生お触れになりましたように、単にノーハウの移転のみにとどまらないで、いろいろな施設、そういったものについても移転に努めるべきだというような趣旨が出ておりますが、私どもといたしましても、政府のODAの活用によりまして、例えば専門家の育成、あるいは私どもの専門家の途上国への派遣、そういったことを通じまして技術のノーハウの移転には努めておるわけでございますが、それだけではなくて、施設も、例えば場合によっては無償援助、ある場合には有償というような形で、いろいろな公害防止施設、あるいはモニタリング施設、そういったものが施設としても途上国に行くということが適当だというふうに考えております。先ほど大臣がお触れになりました日中友好環境保全センターもその一つでございまして、これは政府レベルでやっている話でございますが、約百億円を超す規模で、無償で中国の環境モニタリングを中心とする施設をつくろうというものでございます。 民間でも、民間が海外に施設を投資します場合に、場合によっては国内と同じような内容の公害対策を実施したいということでございますので、当然そういった公害防止施設もそちらの方につくられていくものというふうに考えております。
○衛藤(晟)委員 どうぞよろしくお取り組みの方をお願いいたします。 湾岸環境問題についてお尋ねしたいと思います。湾岸の環境汚染は極めて憂慮すべき事態であるというふうに考えておりますが、まず、どのように認識しておられるのか、お尋ねいたします。
○加藤(三)政府委員 湾岸での環境破壊、これはもう前例のない、しかも極めて大規模な、何といいましょうか未曾有の環境破壊というふうに私ども受けとめております。 すなわち、大量の油がペルシャ湾に流れ出ておりまして、しかも今でもなお流れておる。と申しますのは、流出の発生源が海中にございまして、例えばクウェート沖のシーアイランドにあります原油積み出し基地、そういうところからいまだに流れておりまして、なぜとめられないのかといいますと、あの地域に多数機雷が浮遊しておって、通常の対策、活動ができない、そういうようなことで、現状でもまだ流れておる。 それから一方、クウェートにおきます油の炎上でございますが、これはテレビ等でも国民にも詳しく伝えられていますような状況でございます。私自身も三月の半ばにあの地域をつぶさに見て回っておりますが、その後の情報もいろいろと聞いておりますと、依然として深刻な状況にあるというふうに受けとめております。いろいろな対策をやってきておりまして、時間の関係で詳しくは御説明できませんが、二十二日に、環境庁といたしまして、政務次官を団長といたしまして、あの地域に、油にまみれた野鳥などの保護のためのチームを派遣いたしております。現地からの連絡によりますと、政務次官は二十四日から、現地の油の状況、海岸の汚染の状況、あるいは野鳥などを保護するレスキューセンターなどを訪れて現地の政府の方々と協議をし、あるいは現地で働いております日本人の激励などをいたしておるようでございます。 それから、二十五日ですので昨日でございますが、クウェートでの大気汚染の影響を調査し必要な対策をとるための、いわゆる健康影響チームが二十五日、環境庁を中心に六人のメンバーで出発いたしております。そういうチームから新しい情報がいろいろと入ってくると思っておりますが、少なくとも現状におきましては、先生お触れになりましたように非常に深刻な状況だというふうに考えております。
○衛藤(晟)委員 大変な努力をされているわけでございますが、例えば野鳥のチームにいたしましても、外国の場合、非常にやはり早いし、大量に行かれているということを考えますし、また油井の炎上にいたしましても、どうもやはり日本の場合は遅いし、人員の数も少ないし、目につきにくい。せっかくやっているのだけれども、また大変な技術や資金を持っていくのだけれども、どうもやはり国際的な評価としては、それに伴って上がってこないというぐあいに思います。そういう意味では、取り組みの実態とともに、ちゃんと周りにも理解させるということもひっくるめてやっていただきたいなというぐあいに思うわけですが、今後どういうぐあいに取り組んでいかれる決意か、それとまた、いかれようとするのか、そこをお答えいただきたいと思います。
○加藤(三)政府委員 今先生お触れになられましたように、確かに国内での印象としては、何か日本のこういった支援が遅いのではないか、規模が小さいのではないか、そういう印象で伝えられ、あるいは報じられ、あるいはまた識者からそういったコメントが出たりなんかしておりますが、私自身は、現地での評価を聞きますと、日本は比較的早く来てくれた、もちろんアメリカのように直接あのところにたくさんの人を派遣して、いわゆる連合国軍としてやっているというわけじゃございませんので、確かに現地に入るのは若干アメリカ、イギリスなどに比べれば遅かったけれども、日本としては最も早い時期に来たグループであり、かつ大量の資材、それから少しおくれましたが、人も続々と、原油回収チームその他も出ておりまして、それなりの評価は現地ではされておるというふうに感じてはおりますが、しかし先生御指摘のように、そういったものをよく内外に説明する、日本がやっていることを、日本の貢献をよく説明をする必要はまことに私ども痛感いたしておりまして、それなりに今後とも努力をしていきたいと思っております。 また、その地域の環境改善についての取り組みでございますけれども、中長期的にはやはり国連を中心とした取り組み、それに日本が入っていく、日本がその中で、私どもの技術なり資金力なり、そういったものにふさわしい貢献をしていくというのが基本だというふうに思っておりまして、私どもといたしましては、UNEPを中心とする国連での取り組み、そういったものを促し、そしてそれに対する資金供与もいたしておりますが、そういうものが実際に動き出したときには、私ども、また新たに人材を送り、人的な面でも貢献をしていきたいというふうに思っております。
○衛藤(晟)委員 最後になりますけれども、もちろんこの湾岸における戦争自身が最大の環境破壊でもありますが、フセインは、油井を爆発させる、炎上させる、あるいは油を流すというようなことで環境破壊を戦闘の手段として使った、極めて卑劣といえば卑劣というか、まさに人類に対する一つの挑戦だったというふうに思いますが、いかなる戦闘においてもこういうことを絶対しないという国際的な合意をやはり早く取りつけなければいけないのじゃないのかというぐあいに思うわけでございますが、長官、そこのところはどうでしょうか。
○愛知国務大臣 まさに委員御指摘のとおり、私も、あのフセインの行動というのは人類に対する犯罪行為である、このように思います。私も、こういうことが二度と起こらないように国際合意をつくるために、これから、国連の場を中心にするのが適当だとは思いますが、できれば条約のようなものをつくって、世界的にこういうことをしないという合意づくりができるのが一番いいのではないかと思いますが、日本では、外交を担当している外務省などにもそんなことを機会あるごとに言っておりますし、総理にもそんなような話を意見として申し上げておきました。この五月に国連の軍縮会議が京都で開かれますが、そんな場をとらえてそんな問題提起をしてみようかと総理も言っておられましたが、これから、時間はかかるかもしれませんけれども、機会あるごとにそういうことをむしろ日本から積極的に提案をして、そういう合意づくりの指導的な役割を果たすということが大事ではなかろうか、このように考えている次第でございます。
○衛藤(晟)委員 どうもありがとうございました。
○小杉委員長 斉藤一雄君。
○斉藤(一)委員 東京湾の汚濁防止対策を中心にお尋ねをしたいというふうに思います。 最初に、東京湾全体のCODは、昭和五十年代から全体として横ばい傾向にあります。排水規制、下水道整備等の水質汚濁防止対策の効果が上がっていないという理由は何なのか、お尋ねをしたいと思います。
○武智政府委員 東京湾の水質問題についてお答えいたします。 東京湾の水質につきまして、ちょうど総量規制が導入されましたのが昭和五十四年度でございますけれども、その当時と現在とを比較いたしますと、若干ではございますけれども、〇・五ミリグラム・パー・リットルぐらいでございますが、少しは改善を見ておるわけでございます。 ただ、そうはいいましてもまだまだやっていかなきゃいかぬということでございまして、例えば環境基準の達成率について見ますと、十九の基準点があるわけでございますが、そのうち十二で達成して、まだ七つは残っておるというようなことでございますので、これからもさらに努力をやっていかなきゃいかぬというふうに思っておるところでございます。 お尋ねの問題でございますが、こういった東京湾等におきます閉鎖性水域の水質の汚濁の機構、メカニズムでございますけれども、入ってくるいわゆる汚濁負荷、これを総量で規制しておるわけでございますが、いわゆる内部で発生いたします有機物の生産もございますし、それからまた、底質から溶出するといいますか出てまいりますというようなものもございまして、かなりその要因が複雑だというようなこともございまして、規制してきておるのですが、今言ったような水質の状況になっておるわけでございます。
○斉藤(一)委員 第三次総量規制による埼玉、千葉、東京、神奈川の都県別の削減量及び削減率はどうなっているか。
○武智政府委員 各個別の県に入ります前に、第三次の総量規制の全体的なことでございますけれども、昨年の六月に水質汚濁防止法の改正をやっていただきまして、一応生活排水対策についての枠組みを整備いたしてもらっております。したがいまして、そういった意味での生活排水対策をきちっとやる。それから、あわせて産業系の排水対策についても強化をするということで、一応全体としてバランスのとれた削減計画にいたしたわけでございます。 平成六年度を目標年度といたしておるわけでございまして、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海と三つやっておるわけでございますが、東京湾につきましては、全体的に平均的で一三%の削減率にいたしておりまして、発生源別に見ますと、生活系が一六%、産業系が九%というようなことで、第二次よりも厳しい規制にいたしております。 お尋ねの各都道府県別のCODの発生負荷量でございますが、まず埼玉県につきましては日量で百十九トンから百六トンということで十三トンの減、一一%でございます。千葉県につきましては日量で六十三トンから五十八トン、七トンの減で八%でございます。東京都が日量で百十九トンから九十八トン、二十一トンの減で一八%でございます。それから神奈川県が五十四トンから四十六トンということで八トンで一五%ということでございます。
○斉藤(一)委員 千葉県、埼玉県が低い理由は何か。
○武智政府委員 これは生活系と産業系に分けて試算いたしておるわけでございまして、例えば生活系について申しますと、人口の増加を予測いたしまして、それに下水道の普及率なりあるいは合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の普及状況等を勘案して決めております。 それからまた、産業系につきましては、製造品の出荷額の伸びを勘案いたしまして、それにいわゆる総量規制基準といいますか、要は規制も強化いたすわけでございますので、そういった規制のあり方、あるいは水濁法の直接的な規制がないわけでございますけれども、都道府県で適用前の小規模の未規制事業場につきましても対象にするというようなことでございますので、こういったそれぞれを各県別に積み上げますと、結果として今申し上げたような数字になった次第でございます。
○斉藤(一)委員 第三次総量規制で規制強化になる部分、削減量を含めて説明してください。
○武智政府委員 これは大きく分けて二つあろうかと思いますが、一つは水濁法に基づきまして規制強化に伴う部分、それからもう一つは小規模事業場なりあるいは未規制の事業場なりに関する部分に分かれようかと思います。 そこで、まず一つ目のいわゆる日量五十トン以上の通常の水濁法に基づく規制を受けておるものでございますが、これにつきましては、昨年の十二月に環境庁の告示の改正をやりまして、規制基準の強化を行ったわけでございます。いわゆるC等の値ということで、一応国が基準を決めまして、その基準の範囲内で都道府県が弾力的に地域の実情に応じて採用するというようなシステムになっておるわけでございます。これでいきますと、例えば既設の施設に係るものにつきましては、現在二百七十七業種につきましてそれぞれ決めておるわけでございますが、例えば上限値につきましては百四十八業種につきまして強化し、また下限値につきましては五十五業種につきましては規制を強化いたしておりまして、それぞれ二割なり二五%程度強化をいたしております。それからまた新増設に係るものにつきましても、二百七十七業種区分のうちで、上限値につきましては百五十二業種、それから下限値では九十八業種につきまして規制を強化いたしております。それぞれ二割ないし三割の強化を図っておるところでございまして、現在これらに基づいてその基準の範囲の中でどの基準をとろうかということで関係都県で検討いたしておるところでございます。 それから、もう一つの小規模の工場なり事業場でございますが、これは各都道府県の条例によって規制対象となっておるわけでございまして、例えば第二次のときで申し上げますと、埼玉県におきましては、新設のものにつきましては、排水量が一日十トン以上、既設のものにつきましては、排水量が三十トン以上の事業場につきまして規制をいたしておりますし、また東京都につきましては、新設のものにつきましては排水量に関係なく規制の対象とするというようなことで第二次もやっております。したがいまして、第三次につきましては、これは近くまたそれぞれの県が決定いたすわけでございますが、引き続いてやってくれるものというふうに思っておるところでございます。それとはまた別に、環境庁といたしましては、一昨年に小規模事業場排水対策指導指針というのをつくりまして、これに基づいて行政指導を進めております。それで、ことしの三月に各都県におきまして総量削減計画というのをつくったわけでございますが、そういった中におきましてもそれぞれこういった指導方針にのっとって規制を強化するというような趣旨になっております。 それとはまた別に、環境庁におきましては、こういった小規模事業場の排水対策というようなことにつきまして改めてさらに検討を加えていきたいというように考えておるところでございます。
○斉藤(一)委員 今もちょっとお話がありましたけれども、現在総量規制基準の適用されない小規模工場、事業場から東京湾に流入する汚濁負荷量は全流出負荷量の一一%、産業系排水負荷量の五〇%も占めているわけであります。したがって、対象範囲を拡大するということを含めた対策強化がどうしても必要になってきているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○武智政府委員 先ほど申し上げましたとおり、御指摘のようなことで日量五十トン以上のものにつきましては一律規制というようなことになっておるわけでございますが、東京湾の場合には、生活系の排水が七割ぐらいあるというような状況、したがいまして、産業系は三割というようなことでございます。しかもまた、三割の中の半分近くが小規模事業場でございます。したがいまして、東京湾をきれいにしますためにはどうしてもそういったことに対する対応も厳しくしていかなければいけないというようなこともございまして、これは関係県が東京都、千葉県、神奈川県、埼玉県の一部でございますが、既にそういった関係県とも打ち合わせをしまして、先ほど申しましたような既に第二次で規制をやっておるわけでございますが、さらに第三次に当たりましても、こういった小規模事業場等につきましても規制を厳しくするというようなことで運用する方向で、関係県において現在検討いたしておりまして、七月から実施に移すことにいたしておるところでございます。
○斉藤(一)委員 自治体の条例なり指導要綱で一部やられているというお話ですけれども、環境庁としてはその辺のことについてどのような指導といいますか、要請をしておられるのでしょうか。
○武智政府委員 この問題につきましては、おととしでございますけれども、小規模事業場排水対策指導指針というのを出しまして、都道府県が小規模事業場等についてどういうような形で処理すればいいかというような指針を出しておるところでございます。したがいまして、今回、ことしの一月に総量削減基本方針を内閣総理大臣が関係県に指示いたしたわけでございますが、それに基づきまして関係県で総量削減計画というのをつくりまして、既にことしの三月に承認いたしております。東京都なり千葉県なりあるいは埼玉県なり神奈川県なり、それぞれの中で小規模事業場につきましては、国の示しましたような排水対策指導指針のラインに沿って規制を強化していくというようなことになっております。 それからまた、あわせまして環境庁におきましても、さらにもっといろいろな勉強をしなければならないというようなこともございますので、いわゆる小規模事業場等の排水対策を強化いたしますために、これはどうしても中小企業でございますので、そういった中小企業に及ぼす経済的効果との関連も考えなければならぬわけでございますが、そういうことも考えながら、どういうような規制方法でやっていけばいいかというようなことについて検討いたすことにいたしております。
○斉藤(一)委員 総量規制基準の設定について、工場、事業場等の排水水質の実態、排水対策に要する費用等を勘案しながら公平性の確保に努めるという立場でやられていると思うのですが、今申し上げたように、排水水質の実態とか排水対策に要する費用とか公平性の確保とかというような点に余り配慮し過ぎますと、基準が非常に甘くなってしまうのじゃないか。これは第一次、第二次においても、私も地方議会でかかわってきたことがあるのですが、その点についてどういうふうにお考えでしょうか。
○武智政府委員 規制につきましては、これは中央公害対策審議会の中で水質部会というのがございますが、その中に総量規制の専門委員会というのをつくっていただいておりまして、各大学の先生方や関係省庁の、国の機関の部長さん等で構成いたしておるわけでございますが、そこでいろいろな排水処理技術、各業種ごとにこれまで実態が違っておるわけでございますが、そういったような技術の水準の問題、これは法律にも実現可能な範囲内というのが入っておるわけでございまして、排水技術からいってどうか、あるいはそれぞれの業態ごとの経済効果とどこまで規制を受忍、許容できるかというような観点も含めまして議論をしてもらったわけでございまして、御指摘のように余り配慮をし過ぎると緩まるというようなこともございますが、我々としましては、水質をきれいにするというような前提で、かつどこまでが可能であるかというような観点からの議論をしていただいたというふうに思っております。
○斉藤(一)委員 建設省の方にお尋ねしたいのですが、東京湾のCOD負荷量から見ますと、仮に下水道の普及があっても、汚濁のひどい初期雨水が未処理のまま公共用水域へ出てしまう、いわゆる合流式下水道の問題は解決できないわけであります。その現状と対策について説明願いたいと思います。
○松井説明員 お答えいたします。 先生御指摘のように、下水を排除する方式に合流式と分流式がございまして、我が国では、下水道による雨水排除、浸水防止が重要でございましたため、古くから事業を実施しております東京都、大阪等は合流式下水道を採用しているところが多いのが実情でございます。例えば管渠延長で見てみますと、東京都の区部では九〇%が合流式でございます。また川崎市は四二%、横浜市では三六%となっております。 合流式下水道は、雨水と汚水を同時にその問題を解決しますし、下水道の普及を大きく促進し、水質保全効果があったことは事実でございますが、先生御指摘のように、雨天時に増加した下水が未処理のまま公共用水域に越流することも事実でございます。このため建設省におきましては、最近新しく下水道に着工する都市では、分流式を原則として採用するように指導しているところでございます。 また一方、現実の合流式下水道の雨天時越流水によります公共用水域の水質汚濁負荷を削減するために、その改善をしなくてはいけないという方向で認識をしております。現在におきましても、重要な視点におきまして改善事業を推進しております。例えば、雨水滞水池をつくりまして初期の汚濁した雨水をためて、処理場で後で処理をするとか、あるいは遮集管渠の能力をふやす等の措置を現在もやっております。 なお、平成三年度から始まります第七次下水道整備五カ年計画におきましては、合流式下水道の改善を主要な施策の一つとしておりまして、公共用水域の水質保全のためにその推進を図ってまいりたいと思っております。 以上でございます。
○斉藤(一)委員 環境庁、建設省にお尋ねしたいのですが、御承知のように東京湾は窒素、燐の濃度レベルが高く、富栄養化が進行し、毎年赤潮が多量に発生している。窒素、燐にかかわる環境基準及び排水基準の設定についてどのような検討が進められているか。
○武智政府委員 お話しございましたとおり、東京湾におきましても、少しずつ減ってはおるのですが、まだ毎年赤潮等が発生しておることは事実でございます。したがいまして、赤潮の発生の防止ですとかあるいはCODに係る環境基準の達成のために、御指摘ございましたような窒素、燐の流入抑制をやることが非常に重要であるというふうに考えております。したがいまして、今までも地方公共団体に対する指導ですとか、あるいは下水道の高度処理について建設省にお願いするとかというようなことでやってまいったわけでございます。 そういいましたような取り組みと並行いたしまして、御指摘にございました窒素、燐の環境基準の設定について、重要な課題として検討いたしてきておるわけでございます。ただ、まだまだ検討しなければならない問題といいますか、いわゆる海域におきますプランクトンの発生と窒素、燐の関係ですとか、あるいは全国の海域の窒素、燐の水質の状況ですとか、そういったまだ詰めなきゃならぬ問題がございまして、今のところまだ設定できていないわけでございます。 そんなこともございまして、今までの知見に基づきまして、とりあえずの指針となります水質目標を決めたらどうかということで、昨年の四月に、自然環境の保全ですとかあるいは水浴等の利水目的別の窒素なり燐の水質レベルにつきまして中間的な報告をまとめたわけでございます。これらによりますと、例えば自然環境保全でいいますと、全窒素が〇・二ミリグラム・パー・リットル以下、あるいは全燐が〇・〇二ミリグラム・パー・リットル以下、あるいは水浴の場合でありますと〇・三ないし〇・四ミリグラム・パー・リットル以下、全燐でありますと〇・〇三ミリグラム・パー・リットル以下というような一つの水質目標を設定いたしたわけでございます。ただ、水産につきましては、そのときにいろいろまだ知見が足りないというようなことがございまして積み残したことになっておりますので、水産としての望ましい水質レベルを設定しようということで、大学の先生に集まっていただきまして、現在調査をいたしております。できれば今年度中に水産につきましても設定いたしたいというふうに考えておるところでございます。 また、窒素なり燐の排水規制につきましても、規制の指標の検討ですとかあるいは工場の実態等を順次調査をやることにいたしておるところでございます。
○松井説明員 お答えいたします。 下水道法におきましても、下水処理場から排出します処理水の基準がございますが、現在、窒素、燐にかかわる基準は持っておりません。この理由といたしましては、窒素、燐に要求されます水質基準が、放流先の水域の条件、閉鎖性水域等非常に限定されておりますので、全国一律の基準にはまだ早いと考えております。 しかしながら、下水道法におきましては、水質汚濁防止法により決められました窒素、燐の規制がありました場合は、その基準がそのまま下水道法の放流水についても適用されるような法体系を持っておりますので、現在は、湖沼等におきましてその規制を受けているところでございますが、将来、海域等におきまして水質汚濁防止法におきます排水規制が決められましたら、下水道法もそれを受けましてその処理をしてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○斉藤(一)委員 建設省にお尋ねしたいのですが、窒素、燐の流入源として下水処理水が占める割合が五〇%、高いわけであります。この下水処理において、窒素、燐を除去する施設の設置についての現状と対策を述べてください。
○松井説明員 現在、我が国におきましては、湖沼等の閉鎖性水域の富栄養化防止が重要な課題となっておりまして、建設省におきましては、それらの湖沼等の富栄養化防止のための高度処理を現在実施しておりまして、琵琶湖流域下水道、霞ケ浦流域下水道等、十カ所の処理場で高度処理を実施しておりますが、いずれもこれは内陸の湖沼を対象としております。ただ、第七次下水道整備五カ年計画におきましては、水利用の活発な水源あるいは東京湾、伊勢湾、瀬戸内等の閉鎖性海域についても高度処理の地元の要請があれば実施するように現在計画を進めております。これにつきましては、平成三年度から湖沼とか閉鎖性水域、水源河川等におきます高度処理の基本計画の策定に対する補助制度を設けまして、公共団体から要望がございましたらその策定を補助し、統一がとれた形で高度処理の導入を図っていきたいと考えております。
○斉藤(一)委員 厚生省にお尋ねしたいのですが、合併浄化槽の窒素、燐除去対策はどうなっているか、その問題点と対策。
○佐藤説明員 御説明申し上げます。 浄化槽には、トイレの排水のみを処理する単独処理浄化槽と、トイレの排水とあわせて生活雑排水を処理する合併処理浄化槽がございます。厚生省といたしましては、公共用水域の水質保全の観点から、より効果が大きい合併処理浄化槽を普及させたいと考えまして、合併処理浄化槽の設置、整備に対する補助制度を設けまして、その推進を図っております。 合併処理浄化槽の窒素等の除去につきましては、大型の浄化槽については生物学的脱窒素法等によりまして除去技術が実用化されております。また、小型のものにつきましては、これまでも研究を進めてきておりますけれども、今後とも研究開発を進めまして、より高性能な合併処理浄化槽が普及するよう努めてまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 運輸省にお尋ねしたいのですが、東京湾の海底汚泥の堆積状況、性状調査による現状について御説明いただきたいと思います。
○高井説明員 運輸省におきましては、昭和六十一年度までに東京湾全域にわたりまして底質を調査しております。その結果によりますと、多摩川の河口付近から市原市沖にかけましての湾奥部の海域におきまして、有機物を含む堆積物が分布していることが確認されております。また、窒素、燐につきましても同様の傾向が見られます。
○斉藤(一)委員 それについて、今後どのようなお考えをお持ちなんでしょうか。
○高井説明員 調査につきましては、当面実施する計画はございませんけれども、今後東京湾の水質等の改善のためには大量の海底の汚泥しゅんせつや覆砂なども実施をすることによって改善することも考えられるわけですけれども、そのためには、しゅんせつしました汚泥の処分、覆砂材料の確保など必要不可欠でありまして、直ちに実施に移すことは困難と考えられております。 そういうことから、まずは流入負荷量を減少させる対策が重要であろうというふうに考えておりますけれども、運輸省におきましては、今までに公害防止対策事業としまして、東京港、横浜港におきまして堆積汚泥のしゅんせつを実施してきております。今後ともこれらの事業を引き続き推進してまいりたいと考えております。
○斉藤(一)委員 環境庁にお尋ねしますけれども、臨海部の開発に伴って人工海岸が全体の八六%、内湾の九五%を占め、水際への立ち入りができない海岸線が内湾の七九%に及んでいる。これで水と親しめる東京湾ということが言えるかどうか、海本来の姿と言えるかどうかという点についての認識なり考えを聞かせてください。
○武智政府委員 先生御指摘になられましたように、東京湾につきましては、非常に人工化が進みました結果、いわゆる自然の海岸といいますかなぎさといいますか、そういうものが非常に減ってきておることは事実でございます。これはさまざまな要因があるわけでございますが、経済活動なり土地利用が非常に進んだ結果、今日の姿になっておるのではないかというふうに思うわけでございます。 環境庁におきましては、総合的な東京湾水域の環境保全といいますか、再生の方向性を探りますために、六十三年の十二月でございますけれども、大学の先生あるいは一部漁業の方々、そのほか有識者等から成ります東京湾水域環境懇談会というのを持ちまして、自来二年半ぐらいにわたりまして十一回ぐらいいろいろ意見を聞きまして、昨年の七月に中間の報告をいただいております。 この報告の中を読んでみますと、その粋の部分が、「海に自由に、直接アクセスできるなぎさ環境」の増加の必要性ということで指摘を受けておるわけでございまして、我々も全くそういうような認識でおるわけでございます。このほか、現在あります干潟や浅瀬の保全ですとか、人工的海岸におきます自然浄化機能ですとか親水性等を考慮したなぎさの環境の積極的な創造、あるいは東京湾への関心を高めること等について提言をいただいたわけでございます。 環境庁といたしましては、関係の県あるいは市といった関係の自治体と協議いたしまして、こういった提言、すぐできるものといいますか、非常に実施の難しいもの等も含んでおりますけれども、できる限りこれらが早く具体化できるような方向で努力をいたしたいというふうに思っておるところでございます。
○斉藤(一)委員 今もお話がありましたけれども、東京湾の干潟、浅瀬、砂浜といった自然のなぎさ、その面積と主な所在地及びそれが東京湾の環境を守る上で果たしている役割について述べてください。
○武智政府委員 東京湾のなぎさについて、面積そのものは、申しわけございませんがちょっと把握いたしておりませんけれども、延長といたしまして、浦賀水道まで含めた東京湾全体で海岸延長八百キロあるわけでございますが、いわゆる満潮時におきまして自然の状態にあるなぎさというのが約百キロ弱あると考えております。このうち主なものでございますけれども、浦賀水道の両岸の大半の部分あるいは富津岬周辺あるいは木更津市の地先のいわゆる盤洲干潟といいますか盤の洲干潟といいますか、そういうところであろうかと思っております。 それで、干潟の環境保全上の役割でございますけれども、干潟は干潮時に干上がるわけでございまして、非常に多量の酸素供給が得られるわけでございます。それらをもとにしまして、バクテリアですとか底生生物が非常に豊富に存在するというようなことで、水質浄化の場として非常に役立っておるんじゃないかというふうに思いますし、また、そのほか魚類ですとか鳥類の生息の場としても大きな役割を担っておるんじゃないかというふうに考えております。
○斉藤(一)委員 そこで、運輸省、建設省にお尋ねしたいのですが、今お話がありました東京湾のなぎさの保全及び拡大のための施策についてどうお考えでしょうか。
○高井説明員 東京湾には東京港、横浜港を初め六つの港湾があります。これらの港湾におきましては、首都圏という人口集中地区を背後に控えていることから、良好な環境の保全と創出を図るため、これまでも港湾整備事業、あるいは海岸事業の一環として人工海浜や干潟づくりに努めてまいりました。具体的には、東京港における野鳥公園、千葉港の中央、稲毛、幕張、検見川の各地区における人工海浜などがこれまでに既に整備され、供用されております。 運輸省といたしましては、今後とも東京湾内の港湾におきまして、港湾環境整備事業や海岸環境整備事業による海浜づくりを積極的に行うとともに、東京湾の水質、底質の浄化に資する事業の実施についても検討してまいりたいと考えております。
○葛城説明員 御説明いたします。 海岸の砂浜は、波の打ち上げを防止する防災機能を有しておりますほかに、海水浴等に使われる貴重な空間と認識をしております。 建設省といたしましては、離岸堤や人工リーフというものによりまして、海岸侵食から砂浜を保全するとともに、侵食を受けて砂浜が消失した海岸におきまして、砂浜をよみがえらせるため海岸事業を実施しております。また、あわせて養浜工を実施することによりまして、砂浜の積極的な拡大に努めているところでございます。その結果、なぎさの保全、回復に努力しているところでございます。東京湾沿岸におきましては、平成三年度現在、六海岸におきまして建設省所管の海岸事業を実施しております。このうち二海岸におきましては、砂浜の維持回復のための離岸堤の整備を実施しております。 以上でございます。
○斉藤(一)委員 先ほどもお話があったのですが、例えば水浴等の水質目標を設定するというようなことがございました。これについて、具体的にはどういう施策を進めていくということになるんでしょうか。
○武智政府委員 先生お尋ねの水浴場の件でございますが、現在、各都道府県で毎年水質調査をやっていただいております。これは、いわゆる公共用水域の水質調査とは別に、水浴のため、水泳場のためだけでやっておるわけでございます。別途環境庁が定めました水浴場の水質の判定基準というのがあるわけでございまして、これは、いわゆるふん便性の大腸菌群数ですとか、あるいは油膜の有無ですとかCODとか透明度、そういった主として四つの項目の判定基準から成るわけでございますが、それらによりまして、いわば水泳に適するようなところと不適のところを一応分けております。それから、適するところも、水質によりましてAAからAとBという三つの地区を分けてございますが、それらに該当するかどうかにつきまして県で調べてもらいまして、関係者に対して必要な指導をやっておるわけでございます。 全国的に見ますと、少しずつ水もきれいになっておるというようなこともございまして、例えば昭和四十八年には、不適とされたのが二カ所、それから改善を要するとされたのが三十八カ所あったわけでございますが、それが平成二年で見ますと、不適とされたのはございません。改善を要するのが四カ所というようなことで、徐々にではございますけれども改善を見てきておるというふうに考えております。
○斉藤(一)委員 東京湾の気候緩和効果について、評価を聞かせてください。
○渡辺(修)政府委員 一般的に海面には、気候変化を緩和する、あるいは海陸風、風を発生させる、さらには湿度を保持するといった気候緩和機能があるわけでございますが、東京湾のように広大な海面を有するところでは、気候緩和という観点からも重要な役割を果たしているとまず考えております。 具体的に、私ども、大都市圏の環境保全に関する有識者の懇談会というものを設けておりますが、そこの東京湾部会の報告書にございます文言を御紹介いたしますと、仮に東京湾を大規模に埋め立てた場合の気候変化を予測すると、沿岸部の高温域が拡大する、さらに風速の低下、こういった影響もあると言われております。幾つか前提を立てて推計をした数字もございます。 仮に東京湾の全域を埋め立てるとどうなるかという形で予測をしたものでございますが、東京都心部の夏の最高気温は、埋立地の人工熱発生量を幾つか仮定をしまして、それが都心の三区程度だとすると一・二度上昇する、それから東京臨海部副都心規模の埋立地の利用状況を前提に考えると、東京都心部で一・六度も温度が上昇するのではないかということでございます。 さらに、風でございますけれども、東京都心部では風速が低下をいたしまして、大気汚染物質の拡散が弱くなる、その結果、汚染物質濃度がかなり高くなるおそれがある、こういうような推計をしております。
○斉藤(一)委員 東京湾を全部埋め立てる場合の推計というのはともかくとして、今、臨海部規模の埋め立てということで一・六度も温度が上昇するというお話がございましたけれども、環境庁としては、この臨海部開発あるいは東京湾の港湾改定計画といったようなものを含めて、基本的にどういうお考えを持っているのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 東京湾は、私どもが住んでおります首都圏での限られた貴重な水面空間でございまして、私どもとしては、基本的にかけがえのない自然環境だというふうに認識をしております。先ほど申しました有識者懇談会の報告書におきましても、東京圏の機能分散を進めて東京湾の開発圧力を軽減化しなければいけない、さらには、まだ利用されていない土地ですとか、あるいは今の土地の再開発を進めまして、東京湾での埋め立てを抑制すべきであるというような提言をいただいており、私どもとしてはそのように考えているところでございます。
○斉藤(一)委員 そういう提言があって、環境庁としてはそのように考えるということは話としてはわかるのですが、具体的に各省間なり政府部内で環境庁としてのそういう立場を明らかにして、あるいは対策を講じているというようなことはないのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 東京湾の埋め立て等に関連をして、関係行政機関と私どもとの関係でございますが、いろいろな機会がございます。幾つか申し上げますと、港湾計画を決める、あるいは改定をするという場合に、港湾審議会という場を使いまして環境保全上の意見を述べる、さらには、首都圏の整備計画につきましても関係省庁に私どもとして配慮を要請しております。あるいは、土地白書にそのような立場からの記述をお願いいたしました。また、関係の自治体に対しましても広域環境管理に係る施策の実施状況を調査するようにお願いをいたしました。近々、関係の課長会議を開きたいと思っているところでございます。あらゆる機会をとらえて東京湾の自然環境の保全に最大限の努力をしているところでございます。
○斉藤(一)委員 例えば新しく埋め立てをするという計画に対して、その自然環境への影響を事前に予測、評価をするというようなことは、環境庁としては当然やらなければならないことではないかと思いますが、それについてはどういうふうにお考えですか。
○渡辺(修)政府委員 東京湾を埋め立てます場合には、現に公有水面埋立法という法律で手続をしなければいけないわけでございますが、その手続の過程におきまして、先生御指摘の環境影響についての予測評価というものをすべきことになっております。俗に言う環境アセスメントでございますが、事業者によるそのような評価が適切に実施されますように、関係の行政機関と私ども十分に連携をとりまして努力をしてまいりたいと思っております。
○斉藤(一)委員 その場合の、例えば埋め立ての規模等については、どこまでが対象になっているのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 制度的に私どもが意見を聞かれるケースはいろいろ限定がございますけれども、事業者による環境影響評価の実施というのは特段規模にかかわりなく常に行われるべきことになっております。
○斉藤(一)委員 そうすると、埋め立ての場合は、その規模にかかわりなく環境アセスメントがやられている。そして、環境庁がそれを把握しているというふうに理解していいのですか。
○渡辺(修)政府委員 事業者によりまして調査、評価をする点につきましては今申しましたとおりでありますが、私ども環境庁にそういう図書といいますか、が提出をされまして、私どもとして意見を述べることになっているものは、規模についての一定規模以上ということになっております。これは港湾関係と建設、海岸関係で少し違っておりますけれども、私どもが意見を述べるというケースはすべての場合ではございません。
○斉藤(一)委員 このアセスメントは、事業者の任意で、やってもやらなくてもいい、あるいは法的な義務づけということでやられているのでしょうか。
○渡辺(修)政府委員 事業者の立場からしますと、公有水面埋立法上、すべての場合に調査をしなければならないということになっております。
○斉藤(一)委員 先ほど来いろいろお尋ねしてきたのですが、東京湾の自然環境あるいは水質汚濁防止対策がいかに重要であるかということなんですが、それぞれの施策なり事業が縦割り行政になっておりまして、個々ばらばらに開発が計画されたりあるいは事業が進められたりというふうになっていると思うのです。 それで、環境庁の立場から、先ほど言ったようによほど本腰を入れてこの東京湾の自然環境を守る、あるいは水質汚濁防止対策上ぐあいの悪いものについてはこれをびしびし抑制していく、あるいは要請していく。同時に、それは地方自治体、都民あるいは県民の協力を得てやっていくということでないと、今お話を聞いた限りでは、東京湾の自然環境の破壊はますます進む一方だなという感じがいたしました。水質汚濁も、先ほど来御答弁がありましたけれども、CODの環境基準がいまだに六三%というようなことで、総量規制も第一次、第二次、第三次というふうにやってくるわけですが、一向に効果が上がらない。環境基準を達成するなんということはもう夢物語というような感じになってきているように思うわけです。これでは環境庁の存在価値が問われると私は思います。そういう基本的な点について、大臣はどのようにお考えになっておられるのでしょうか。そして、少なくとも大臣としては今後どのように環境行政を強力に進めていこうとされるているのかという点を御見解としてお伺いしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 東京湾地域につきましては、御指摘のとおり依然として赤潮、青潮が発生するなど水質保全上の問題を抱えている上に、各種プロジェクトによる開発構想が実施されておりまして、こうした中で東京湾地域の環境を守るためには、東京湾を含む首都圏の広域環境管理の考え方に立って適正に環境を保全していくことが重要であると私どもも認識をいたしております。 環境庁といたしましては、従来より東京湾の水質改善のための総量規制を実施するなど、各般の水質保全対策に努めてきているところではございますが、今後ともこうした施策を一層推進していくと同時に、関係行政機関と連携を図りつつ、環境アセスメントの適切な実施、あるいは首都圏整備計画等各種開発計画における環境配慮の充実等によりまして、東京湾地域の総合的な環境保全に努めてまいりたいと考えております。関係行政機関における取り組みの成果を十分調査、分析の上で、今後東京湾の環境保全の推進方策についても検討してまいりたい、このように考えております。
○斉藤(一)委員 以上で質問を終わります。
○小杉委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ────◇───── 午後一時開議
○久間委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。馬場昇君。
○馬場委員 長官、私も久しぶりにこの環境委員会に来たのですが、来てみますとあなたが大臣で、非常に内心うれしく思っているわけでございます。 お世辞を言うわけではありませんけれども、あなたはこの間まで自民党の国際局長か何かやっておられて国際派でありますから、今から先議論する世界の環境とか地球環境というのは適任じゃないかと非常に期待をしておるわけでございます。また、あなたとは長い間文教で一緒にやっておったわけですけれども、文教というところは物とか金とかじゃなしに教育とか文化とか、どちらかというと心を大切にする委員会で仕事をするわけですが、そういう意味で、ずっと心の問題などあなたと話をしてきて、あなたがこの施政方針で言われました人に優しい環境づくりとかあるいは環境に優しい社会づくり、こう言われたが、もうまさに適任だ、こういうぐあいに思っております。そういう意味で、きょうはもう攻撃とか防御とかじゃなしに、同じ土俵に上がって真剣に環境問題を議論してみたいと思います。 それから、熊本の魚住公害部長さん、聞くところによりますと、きょう非常にたくさんの日程が入って立て込んでおった中を万障繰り合わせてこの委員会においでいただきまして私どもの審議に協力していただく、心からまずお礼を申し上げておきたいと思います。 そこで長官、先ほど十時から最高裁判所で、いわゆる水俣病待たせ賃訴訟の判決が第二法廷で出たわけでございますが、けしからぬと思うのですけれども、原審を破棄して高裁へ差し戻す、こういう判決が出たようでございます。これに対して環境庁長官としての所感をまず伺っておきたいと思います。
○愛知国務大臣 まず最初に、馬場委員、長くこの環境委員会で活躍をされてこられて、環境問題に対して大変高い御見識をお持ちと伺っております。文教委員会で御一緒でございましたけれども、またこういう形で御一緒させていただくことは私にとっても大変ありがたいことでございまして、大先輩にいろいろと教えをいただきたいと冒頭にお願いする次第でございます。 さて、先ほど最高裁判所におきまして、水俣病認定業務に関する熊本県知事の不作為違法に対する損害賠償請求事件について、原告の請求を認めた控訴審判決を破棄し、福岡高等裁判所に差し戻すという判決が言い渡されたわけでございます。 判決の詳細につきましてはまだ承知をいたしておりませんけれども、結論を見る限りでは、国及び熊本県の主張が認められたものと理解をいたしております。 いずれにいたしましても、しかし、この水俣病問題は、環境行政の最重要課題の一つと認識をいたしておりまして、環境庁といたしましては、今後とも関係県と連携を十分とりながら、認定業務の促進につきましては最大限の努力を払ってまいりたいと考えます。
○馬場委員 判決について熊本県の公害部長さんの所感を聞きたいと思います。
○魚住参考人 熊本県の環境公害部長の魚住でございます。よろしくお願い申し上げます。 先ほど最高裁で、破棄、差し戻しという判決をいただきました。これは、我々の主張が理解をされたものだと理解をしております。 いずれにしましても、今後水俣病問題は県政の大きな問題でございますので、認定業務を初め今和解の話も進んでおりますが、水俣病問題の全体的な早期解決を目指して努力をしてまいりたいと思っております。
○馬場委員 大臣も部長も十分承知と思いますけれども、水俣病が公式に発見されてからでさえも、三十五年たってまだ何一つ完全に解決されてはいないのです。異常なことだと私は思うのですが、この認定業務のおくれは行政の怠慢だ、違法だ、この判決が出たのは昭和五十三年ですよ。この判決は、しかし不作為違法の判決が確定しておるんだ。そして、きょう判決がありましたこの問題は、昭和五十八年に裁判で、熊本地裁が申請を認めて、申請してから大体二年たてば処分はできる、それをこんなに引っ張っているのは違法だ、だから月に二万円の損害賠償を支払え、こういう判決を昭和五十八年に熊本地裁がやっておる。昭和六十年に福岡高裁は、申請してから六カ月からあるいは二年四カ月間あれば処分はできるんだ、それをやらないというのは違法だ、これは月に五千円の賠償金を支払え、こういう経過があっておるわけでございますが、この本日の判決というのは、福岡高裁が判決をして国と県が控訴したわけですが、それからでも五年四カ月かかっているのですよ。二年とかなんとかでもう認定できるんだ、処分できるんだと言っておるのに、それから最高裁が持っておった時間も五年四カ月、こういう状況というのは、そしてこういう判決を出す、この判決をちょっと先ほど聞いたんですけれども、まさに時計の針を逆さまに戻すような状況で、本当に被害者の心というか、被害者の苦しみというのは全然わかっていない、血も涙もない判決だと私はこれを受けて感じました。 長官も十分御承知と思いますけれども、公害健康被害補償法のこの法律の目的というのは、被害者を迅速に救済するというのが第一条の目的にあるわけですから、迅速に救済するというのは、この健康被害補償法の目的で、これを、行政がやっていることも、裁判所がやっていることも、最高裁がやっていることも全然補償法を無視しておる、法律を大切にしていない、そのとおり行っていない、こういうぐあいに私は感じるわけでございますが、この補償法の迅速に救済をするということに照らして、今のこの認定業務のおくれについて大臣はどう考えておられますか。
○愛知国務大臣 一日も早く解決をしてほしい、患者の方々のお気持ちというのは痛いほど私もわかるつもりでございます。 ただし、今度の裁判のことにつきましては、先ほどちょっと申し上げましたとおり、詳細まだ判決を見ておりませんので詳しくコメントする立場にはございませんが、最高裁判所が法律に照らして適正に判断を下したものと考えますので、日本の裁判というのはそういう点では公正に行われていると思っておりますので、その裁判の判決を十分これから見させていただきたい、このように考えます。
○馬場委員 余り形式的でありまして、裁判が公正に行われていると言うなら、熊本地方裁判所も裁判所ですよ。福岡高等裁判所も裁判所ですからね。そこもよく考えてもらわぬと、今ごろ、上になるにつけて国民のために悪い判決を出す、そういう評価さえあるわけですから、ぜひひとつ今後は、認定業務促進については、行政として一生懸命やればこういう裁判にもならぬわけですから、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。 そこで、環境庁、愛知さんの所信表明もここで聞きました。その前に、ことしは環境庁が昭和四十六年に発足してからちょうど二十周年に当たりますね。環境庁ができて大体環境行政の体制が整ったと言われておるのですけれども、二十年になる。環境庁はいよいよことしで成人になったわけですな。成人になれば、子供と違うんだから、成人らしい環境行政というのをやっていかなければならぬ。そのことはしかし、長官の所信に十分出ておりました。私は感心してこの所信は聞いたわけでございますけれども、大臣の所信でも言われましたように、私も全くそう思うのですけれども、二十一世紀を前にして、このごろの地球環境というのは大変な問題がある。地球の温暖化だとかオゾン層の破壊だとか熱帯林の減少だとか酸性雨だとか、また地球の砂漠化だとか、それから有害廃棄物等々とか、まだ数え上げれば切りがないわけですけれども、大臣も言われたように、まさに人類の生存基盤にかかわる異常な状態が進行している、これは認識は一致して私もそう思います。 そしてまた、国内におきましても、大都市地域の窒素酸化物による大気汚染の問題だとか、あるいは生活排水等による水質の汚濁、貧弱な生活環境など、改善しなければならぬたくさんの問題があるわけでございます。 そこで、大臣が言われたのに感心したのは、「地球規模で考え、地域から行動を」ということを言われまして、いい言葉だなと、それはそのとおりだと私も思いました。こういう考え方に立って、大臣はさらに、種々の環境問題に対して一貫した包括的な政策を展開する、こういうぐあいに言われたわけですね。 ところが、現在の環境に対する法体系では、大臣の所信は貫かれないと私は今考えておるわけでございます。御存じのように、昭和四十二年に環境政策の基本として公害対策基本法が制定されておるわけですよね。これが大体環境行政の基本法みたいにしてきているわけでございますけれども、公害対策基本法が制定されてから二十年以上もたっているわけでございますが、その間の経済社会の発展とか大量生産、大量消費、車社会などが物すごい発展をしてきておるわけですから、この公害対策基本法ではカバーできないような状態になっておる。そこで、二十一世紀に向けて環境に優しい社会をつくる、環境保全型社会をつくるためには、やはり新しい価値観といいますか、さらに言えば環境倫理といいますか、そういうものを盛り込んだ環境基本法というものを制定する必要があるというぐあいに、その環境基本法を制定して、大臣が所信で言われましたことを遂行していく、これは実に大切なものではないか、これを社会の進歩に合わせた環境行政の基本にすべきではないか、こういうことを思うのですが、環境基本法をつくって、そしてそれに基づいて関係諸制度を改善して二十一世紀に向かう環境行政をやったらどうかと思うのですが、大臣、どうですか。
○愛知国務大臣 先生御指摘のとおり、公害対策基本法制定以来、もう二十年以上経過しているわけでございます。この公害対策基本法をもとにいたしまして環境行政は行われてまいりまして、それなりの成果が上がってきたと自負をいたしております。 しかし、御指摘のとおり、環境問題を取り巻く環境がまた急に変わりまして、地球規模で考えていかなければならない、そういう時代になりましたことも事実でございまして、この公害対策基本法に基づいて環境問題に取り組んでいくということが少々時代の要請に合わなくなってきているという感じは、正直言っていたしております。特にまた、地球環境問題に関しましては、来年にまた大きな国際的な会議もございますし、さらに、こういった環境問題を取り巻く環境というのは急速に変化をしていくことが予想されます。 したがいまして、先生御指摘の基本法の制定につきましては、確かにこれは御見識だと思いますので、今後十分検討を進めて取り組んでいきたいと考えております。
○馬場委員 私は、時間は待ってくれないと思いますが、経団連さえも、さえもと言うとあれですけれども、僕は二十年近く環境問題をやっているのに、非常にブレーキになってきたところですよね、この経済界、経団連とかなんとかというのは。これがこの間、二、三日前ですかね、四月二十三日に、地球規模で環境保全に取り組むことを抜きにして今後の企業活動はあり得ない、生態系への配慮を経営方針に取り入れることとして、地球環境憲章を制定したということが伝わってきている。経団連さえこういう地球環境憲章というのをつくるのだから、もうぜひ早くその環境基本法というのを政府はつくって国民をリードしていただきたい。検討するとおっしゃいましたけれども、急いでいただきたいということをまず申し上げておきたいと思います。 次に、もう一つ。環境アセスメント、環境影響評価法について申し上げたいと思うのですが、私は環境アセスメントについては非常に深い思いを実は今持ってここに立っておるのです。 昭和五十五年、大平内閣のときにこの場所で、時の環境庁長官は土屋さんでした。現在の参議院議長。あの人とこの環境アセスメントでここで大いに議論したことを実は思い出して立っているのです。それからその明くる年の昭和五十六年に鈴木内閣のときの環境庁長官は、鯨岡さんが環境庁長官でございまして、あの人はああいう人ですから、あの人とはもう白熱の議論をしたことを実は覚えておるわけでございますが、そういう中から政府が昭和五十六年に環境アセスメント法を閣議決定をして国会に提出したわけですね。そのときに私はこの環境委員会の理事をしておりまして、その環境アセスメントの中には電源開発の部分を対象から除いた、もと入っておったのを除かれた、こんなずさんなアセスメントがあるかと言って、ここで大分やったわけでございます。 そういうこともありまして、しかし、結局その時点では、この環境アセスメント法は廃案になって成立をしてこなかった、こういう経過をずっと思い浮かべながら今物を言っているわけでございますけれども、その後、しかし、こういう法律がないものだから、先ほどもちょっとここで斉藤さんからも議論があったのですけれども、政府は法律を制定しなかったものだから、五十九年八月に、国の関与する大規模な事業に係る統一ルールとして、環境影響評価実施要綱というのを閣議決定で定めて、今環境アセスメントがそれによって行われておるのですね。 しかし、この要綱というのは、今見てみますと実は重大な欠陥を持っておるわけでございます。結論から言うと、大臣にも環境庁にもかかわりますけれども、この環境アセスメントから環境庁を排除しようというような思想がこの要綱の中に入っていますね。 例えばどういうことかといいますと、私たちがここで議論しましたアセスメント法律の中には、環境庁長官は、必要に応じて評価書について意見を述べることができるとなっています。環境庁長官は主体的に意見を述べることができるとなっています。ところが、この閣議決定の要綱によりますと、主務大臣は、その実施によって環境に及ぼす影響について特に配慮する必要があると認める事項があるときに環境庁長官の意見を求めることができる、主務大臣が必要があると認めたときだけ環境庁長官の意見を求めることができる、環境庁はそのほかはもう意見は言えないというような格好になっております。 そして、政府が閣議で決定いたしました環境影響評価実施要綱のその後の実施状況を見てみますと、大体この要綱に照らして四十件以上が、例えばダムの建設工事だとか道路の新設、埋立事業に適用されております。最終的に環境庁長官の意見を求められたのはその中でたった一件ですよ。それは東京湾岸横断道路建設事業、ここでは環境庁長官に意見が求められた。ほかはさっと三十九件ぐらい。何一つ環境庁長官の意見をアセスについて求めていない、そういう状況もあるわけでございます。 そこで、この前アセスが流産しましたときには産業界のいろいろな反対があったのですが、今のような事情も踏まえながら、経団連のこの間の地球環境憲章の中に、その行動指針として、事業活動の全段階で環境影響評価を実施するということが入っています。もうこれは積極的にやるということを言っておるわけでございます。そこで、国も法律として環境影響評価法というものをこの際制定する必要があるのではないか、こういうことを思うのですけれども、大臣、いかがですか。
○愛知国務大臣 先生お述べになりましたような経緯を踏まえて、五十九年八月に閣議決定されました環境影響評価実施要綱に基づいて、それと同時にまた、個別法等に基づきまして、また、地方公共団体においては条例、要綱等に基づきまして、このアセスメント問題の推進が図られて今日に至っておるところでございます。 先生がちょっと、この閣議決定に基づく環境アセスメントにつきまして、環境庁がいささか排除をされているような形になったのではないか、こういうことでございますが、確かに主務大臣より意見を求められれば環境庁は必要に応じ意見を述べる、こういうことになってはおりますが、意見を求められなかった場合におきましても、主務大臣から環境影響評価書は送付されることになっておりますので、環境保全上の問題がある場合には、主務大臣に対してその旨指摘するなどの対応は可能、こういうことと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、こういう経緯があって今日に至っているわけでございますが、世の中が非常に変わりまして、先ほど御指摘のとおり、経団連があのような憲章を発表する、私どもも時代が変わったということを非常に感じておりまして、大変ありがたいことだと思っているわけであります。そういう意味で申しますと、このアセスメント法案が提出され、それが廃案になりといったような時代に比べますと、方法として閣議決定の方法ではございますが、実際の実効の方は、世の中が変わっておりますのでかなり上がっているのではないか、一方ではこのような感じがいたします。しかし、なお、法制化の問題につきましては、今後の状況等を見つつ、引き続き検討してまいりたい、このように思います。
○馬場委員 少しトーンが下がったような感じがするのですが、何回も大臣言っておられますように、来年は国連開発会議がブラジルで開かれるわけですね。大臣は所信でこういうことを言われて、これは立派だなと思ったのは、「環境保全は、平和国家を標榜する我が国が、世界に貢献するに最もふさわしい分野であると私は考えております。」「世界に先駆けて環境保全型社会の実現に邁進してまいる所存であります。」環境基本法も持たずに、環境アセスメント法も持たずにのこのことブラジルに行ったって、それでこの長官の言う所信が貫かれると思われますか。そういう意味で、ぜひ環境基本法、環境影響評価法を成立させて、それを持って国連環境開発会議に臨まれたならば、大臣の所信で言われた、世界に貢献できる最もふさわしい日本だということが言えると私は思いますから、この両法案の成立についてはぜひ全力を挙げて努力してください、早くやってください。再度念を押しておきますが、決意のほどはどうですか。
○愛知国務大臣 世界に貢献する日本の立場ということを私も所信で申し上げましたとおり、その後も機会あるごとに申し上げておりますが、そのとおり考えておるわけでありまして、そのためにこの法律をつくり上げて臨むということも姿勢を示す意味であるいは大事なことかと思います。実際例えば、今度の国会でおかげさまをもちましてリサイクル法なども成立させていただきました。これなども日本の社会を環境保全型の社会に変えていくというための大きな前進であったと思うわけでありまして、こういうようなものも世界にアピールできる一つの材料ではなかろうかと考えておりますが、なおしかし、先生の御指摘の点につきまして、私もよく肝に銘じて全力を挙げて努力をさせていただきたいと思います。
○馬場委員 次に、水俣病の和解問題について質問をしたいと思うのです。 もう大臣に説明する必要もないと思いますけれども、水俣病は世界の公害の原点と言われ、歴史上最大の水汚染公害ですよね。その水俣病が公式発見から三十五年経過しておる。その前にも、二十七年にもおかしかった、二十六年にもおかしかった、それで三十一年が公式発見ですけれども、三十五年かかっておる。しかし、その三十五年たった今日も被害の全体像というのが、その広さとか深さとかまだ全然明らかになっていないんですよ。水俣病の全体像というのはこうなんだということがだれも説明し切らない、明らかになっていない。責任の所在というのも全然まだ明らかになっておりません。病像さえも明らかになっていない。救済を求める人も数千人いる。地域社会の問題もいろいろあるわけでございますが、私は、この世界の公害の原点の水俣病問題を完全に解決せずして、世界の公害だとか環境だとか宇宙の環境だとか——おまえのところの水俣病はどうなんだと言われたときに、宇宙環境のこと、世界の環境を言うときにどういう思いがされると思いますか。私は、世界の水俣病を解決しないならば、環境とか公害とかを語る資格がないとさえ実は思っておりますが、長官の環境行政の中に占める水俣病問題の位置づけというのは、私が今言ったように考えておられますか。
○愛知国務大臣 水俣にお生まれになり、お育ちになりまして、また御関係の方々の中にも大勢水俣病の被害をお受けになっていらっしゃる馬場先生が、今日まで長い間この問題に取り組んでこられたことに関しまして、まず敬意を表させていただく次第でございます。 水俣病問題は我が国公害問題の原点ではなかろうかという御指摘、私どももそのとおり認識いたしておりまして、一日も早くこの問題の解決ができるように努力をすべきだと考えております。そのために、行政施策として所要の対策を着実に進めていくことが大事ではなかろうか、こういう認識でございます。 このために、今後とも国、県一体となりまして水俣病患者の認定業務の促進に努めていくこと、そして残された問題の早期解決を図るための総合的な対策につきまして、平成四年度からの実施を目途として検討を進めているところでございます。 ことしの一月二十二日に中央公害対策審議会環境保健部会が開催されまして、ここで総合的な対策について調査、審議するための水俣病問題専門委員会が設置をされたわけでございますが、ここに今審議をお願いしているわけでございますけれども、この答申をいただいて、平成四年度からの実施を目途といたしまして総合的な対策を講じていくつもりでございます。
○馬場委員 よく水俣病の早期解決という言葉が使われますし、私どもは早くしなきゃならぬということはわかるのですが、私は、早期に完全に解決しなきゃいかぬ、こういうぐあいに思っておるわけでございますが、水俣病問題については、さっきから言っておるようにたくさんの課題があります。被害者の救済、被害者の救済というのも補償金を払えばいいという問題じゃない。一日も早くもとの体に返してくれという、治療方法を開発してくれというのもあるわけでございますが、そういうのも含めて。それから、認定未処分者もまだたくさん、二千名以上おるわけですから、そういうものの処分。裁判の紛争、裁判はまだいっぱいかかっている。裁判していない患者でもいろいろな要求を出しておる。健康不安者があの地域には、二十万ぐらい暴露されたわけですが、いっぱいおる。環境はまだまだ二五ppm以下のところでいっぱい汚染されておる。地域はこのために非常に疲弊しておる。県債はどんどん、何百億と熊本は出してやっておるとか、それから、最近IPCSの問題が出てきましたから、今から水俣病に、こういう基準ならば理解をするんじゃないかということですね。それから、新潟の水俣病がありますし、第三水俣病というのが昭和四十八年ごろありましたけれども、これはまだ私は残っておると思うのですが、数えれば切りがないほどたくさんの問題があるわけですから、こういうものをすべて解決しなければ完全解決と言えない、私はこういうぐあいに思うのですけれども、これについて、私が今言ったのを繰り返す必要はありませんけれども、環境庁も大体そういうぐあいに考えているのか、こういうものを解決しなければいかぬ、私が言ったようなものはやはり課題として解決しなきゃならぬと思っておるのか、これはどうですか。
○柳沢(健)政府委員 今先生がお述べになられましたいわば水俣病問題の完全解決の問題でございます。 水俣病問題につきましては、患者救済を初め地域振興でありますとか、あるいは環境復元等、関係県あるいは関係省庁におきましてさまざまな対策が講じられているというふうに承知しておるところでございますけれども、環境庁といたしましては、主として水俣病問題の中心でございます患者救済など健康上の問題、これに対処しているところでございます。 このため、これまで関係地方公共団体と一体になりまして、法律に基づきまして水俣病患者の公正な救済、これを進めてまいったところでございます。今日まで二千九百名余の方々を認定してきたというところでございます。 しかしながら、先ほど来の議論にも出ておりましたように、なお相当数の認定申請未処分者が残されているということ、あるいは地域住民の間に水俣病に関連いたしました健康不安があるなど、なお対応しなければならない問題が残されているわけでございます。水俣病問題の解決のためには、これらの問題に対応していくことが必要であろうというふうに考えておるところでございます。 このため、先ほど大臣も申されましたように、水俣病問題の早期解決を図るための総合的な対策につきまして、現在鋭意検討を進めているところでございます。
○馬場委員 熊本県の公害部長さんにお尋ねするのですが、熊本県議会は昨年の十月に、地方自治法九十九条の二項によりまして意見書を国に提出されておるわけでございますが、それを読んでみますと、一つに、水俣病問題の早期解決のための諸施策を推進してくれ、二番目に、地域における健康不安解消のための諸施策を実行してくれ、三番目に、地域活性化のための施策を推進してくれ、こういうことを意見書として国に出しておられるわけでございます。 そこで、ここで具体的にお聞きしたいのですが、今和解をやっておられるのですけれども、この和解というのは、一番目の水俣病問題の早期解決のための諸施策の推進、そこに、国が和解に参加しろとか言っておられるのですから、入っておるのかどうか、これはどうですか。
○魚住参考人 一応含んだ上でお願いをしております。
○馬場委員 それでは、例えばこの一の和解が成ったと仮定しても、その二番目の健康不安解消のための諸施策というのは、これはまた施策としてやらなければならぬ、これは別の問題だ、こう考えておられるわけですか。
○魚住参考人 和解は、今原告で約二千人です。私たちの考え方としまして、その他、先ほど先生御指摘のように裁判をされていない団体の方、人々がいらっしゃるわけですね。だから、そういう方々も含んでどう水俣病の問題を解決していくかということを考えるならば、ただ単に和解が終わった、でき上がったことで水俣病問題が解決するという問題じゃないと思います。 そういう意味から、地域の健康管理というとおかしいですが、何か健康対策、いわゆる健康被害の問題でございますので、そういう健康対策なりなんなりの施策を県としてもやらなければいかぬだろうし、国の方にもぜひ御援助をお願い申し上げたいというような趣旨でございます。
○馬場委員 それでは、少し基本的な和解の問題についてお尋ねします。 熊本県は、裁判所の和解勧告に応じて今和解の交渉を行っておられるわけでございますが、この裁判所の和解勧告を受諾された理由、そして和解交渉に臨むに当たっての熊本県の基本方針、そういうようなものを伺わせていただきたいと思います。
○魚住参考人 水俣病問題、公式発見、来月の五月一日で三十五年になるわけでございますけれども、非常に長年月未解決のままで残っておるというようなことが一つございます。そうすると、いわゆる水俣病の認定審査会、熊本県の審査会でございますが、鋭意認定促進のための努力はしてまいっております。大体五十九年の終わりから六十年の初めにかけて五千人以上の未処分者の方がいらっしゃったわけでございますが、ことしの三月現在では二千五百を割るというような形で非常に処分が促進できたわけでございますけれども、その二千五百のうち約半数近くの方が再申請の方々である。そうすると、裁判で二千人くらいやっておられるというような状況がございますので、必ずしも水俣病問題が解決に至っていないというようなこと、まだまだ解決への問題が非常に多いというようなこと。これは先ほど先生の御質問にありましたように、熊本県議会を初め熊本県内の九十八市町村のうちの大半の議会で早期解決を願うというような形の陳情なり請願なりが出てまいっております。特に水俣、芦北地域は、ここ二、三年非常に地域的なまとまりを見せておりまして、早く何とか全体的な解決ができぬだろうかというムードが出てまいっております。 これは福岡高裁の「和解勧告の趣旨」の中で、ちょっと読ませていただきますが、「和解における決断には各当事者の法的責任の有無・程度だけが基準とされるのではなく道義的責任や広い意味での政治的な判断が加味されるのが通常である」という御指摘がなされました。そういうことで、県といたしましても、この水俣病問題の解決のために何とか話し合いによる解決の方法はないかということを考えて和解に応じておるわけでございます。 もう一つ、これはこういうことを言っていいのかどうかよくわかりませんが、やはり判決となりますとシロとクロをはっきりさせるというのが一つあると思います。また、先ほど先生御指摘のように、長時間裁判がかかっております。だから、今から高裁、最高裁という形で争っていって、あと十年なり十五年なり裁判が決着するまでかかるということ、そうすると、原告二千人だけ解決してもまだその他いらっしゃるというような問題もありますので、全体的な水俣問題を解決するためには、裁判所の和解、話し合いによるものが一つの方法としてはいいのじゃないかなというのが、今回熊本県が和解に乗っていった基本的な考え方でございます。
○馬場委員 それでは、ちょっと具体的にお聞きいたしますけれども、熊本県は裁判所に和解案というものを出しておられるわけでございますが、その中で、解決金として一人に百万から三百万、解決金として出す。裁判をしている者には二百万から三百万、裁判をしていない、例えば今交渉なんかによって補償を求めておる人たちには百万から二百万だ、そういうことで百万から三百万解決金を出すということを言っておられますが、この解決金というのは補償金ですか、賠償金ですか。何かこの法律に基づいた金という法的根拠があるのですか。解決金というのはどういうお金ですか。
○魚住参考人 今回の和解に入りました基本的なことといたしまして、やはり裁判所、三つ問題があります。責任論、平等論、損害論だと思います。その中で、責任論につきましては、私たちは行政といたしまして国、県の国家賠償法上の責任はないという基本前提でおります。和解の中でもそういう考え方で入っていっております。そうすると、平等論につきましては、いろいろまたあれでございますけれども、そういう基本的な認識でありまして、だけれども何とか解決する方法はないかということで、現在裁判所の場で原告側と話し合いをしておるつもりでございます。 そういう意味で、解決金という表現がいいのかどうかというのは一つ問題があると思いますが、全体として水俣病の裁判という一つの紛争状態があるわけでございますので、それをどう解決するかという形で、解決金という言葉がいいのかどうかは別にしまして、そういう形の金ということを考えて私は使っております。それで、解決金というのは余りはっきり出しておるわけではございません。 もう一つ御指摘の、原告者、その他、三百万と二百万、百万、二百万ですか、実は新聞等ではそういう報道がなされておりますけれども、熊本県の解決案といたしましては、それは区別をしておりません。私たちは、裁判上の原告と今話し合いをしておりますので、原告とその他という分け方というのは非常におかしな話なので、その辺は、原告をということで考えております。
○馬場委員 私は、前の公害部長さんから和解案の内容のメモをもらっておるのですが、これによりますと、解決金をやる人は大体五千人だ、救済の対象者は約五千人内外と考えられる、こういうぐあいに書いてございます。それで、総額が大体百三十一億円だ、こういうぐあいになっておりまして、では、この五千人というのはどうやって計算したのだと聞きましたら、裁判をしておる人が二千人、特別医療事業費をもらっておる人が二千人おる。漁協からいろいろ要求がある人で計算すると四百人ぐらいおる。それから、交渉で座り込みなんかをやって交渉している人が四百人ぐらいおる。その他は若干名として五百名ぐらいとして、五千人程度だ、こういうことで百三十一億というのは出ておるのだ、こういう説明を実は聞いておるのです。 そうなってきますと、裁判をしておる人、特別医療事業をもらっておる人、交渉で補償を求めておる人、漁協の人にもそういうぐあいに解決金を出すというような考え方で今和解に臨んでおられるのですか。
○魚住参考人 この和解につきますとき、普通、裁判であれば原告と被告の間で話し合いがつけばいいということなんだと思います。そうですけれども、水俣病という、特別といいますか、非常に大きな紛争になっております。そして、その原告だけを視野に入れた形で物事を話し合っても解決しない。先ほど申し上げましたように、水俣病問題の全体的な解決を図るためにはどうすべきかというのが大きな視点としまして、これは裁判所にもお願いを申し上げまして、原告以外にもそういう今先生御指摘のように漁協四百、交渉団四百というような方々がいらっしゃるわけですね。これは現実に裁判はされておりませんが、そういう方々にもやはり救済要求がありますので、その辺の方々も視野に入れて、和解交渉の場で交渉をしていただきたいということで裁判所にお願いをしております。 先ほど原告だけと申し上げましたけれども、そういう方々を視野に入れますと、私も五千人という人数は確定的に申し上げることはできません。原告団としまして大体五千人くらいかなという発言は合っております。私たちも、あと五千人いらっしゃるのか、一万人いらっしゃるのか、その辺の数の把握は今のところできておりません。ただし、そういう今申し上げたようなことで原告以外に相当数いらっしゃるということは認識しております。
○馬場委員 現在、認定審査会に約二千人くらいの人が認定審査をやってくれというぐあいに申し込んでおられますね。まだ処分ができていない人がおられますね。こういう人は和解の対象になるのですか。
○魚住参考人 その辺は、今後の和解の話し合いだと思います。だから、過去一万二千八百くらいの方が申請をされていらっしゃるわけですね。これは熊本県だけですが、その中で一千七百人ほどが認定されて、八千五百人くらいが棄却というような状況にございます。そして現在未処分が二千四百くらい、二千五百を若干切る程度ですが、その辺の中で今特別医療事業という形で事業が実施されておりますが、そこに二千人くらいいらっしゃるわけですね。だから、まあその辺を今後和解の中でどう考えていくかということが問題としてあるわけですけれども、そういう方を全く無視してやろうとは考えておりません。
○馬場委員 時間がございませんので先へ進みますけれども、実は今和解の話し合いの中で、裁判所から、熊本県の和解案は見直しなさいと言われて、見直しますと約束をなさっておるようでございます。見直しをなさるのですか。そうすると、見直し案というのはいつ裁判所に出されるのですか。その予定はどうなっているのですか。
○魚住参考人 新聞等では、いかにも熊本県が見直し案を提出するような報道がなされておりますが、私が裁判長にお願いしておりますのは、昨年の十二月に先ほど先生御指摘のような形で、非常に未整理な形で和解案、県の案が出ております。だから責任論なり平等論なり損害論なりをきちんとした形で整理をいたしまして県案を提出いたします、こういうことを申し上げております。だから、金額面で三百万、今県として出しておりますが、それは改めて六百万にしようとか一千万にしようとかという考え方は持っておりません。そういうことで、できるだけ早い機会に提出いたしますということで裁判所とはお約束しております。そういうことで、先日東京地裁で、六月末をめどにということがございましたので、できるだけ努力をしたいと考えております。
○馬場委員 それから、今原告も和解案を出しておりますね。私もいただいて承知しておるのですけれども、原告は解決四つの基本原則というのを言っておられます。「水俣病患者であることを認めること。被告等の責任に基く解決であること。救済の体系は賠償一時金(千六百万)、継続的給付(月五万六千円)、医療費の三本建とすること。司法救済システムの確立による迅速な解決を図ること。」こういう和解案を原告は出しておられますが、この原告の和解案に対して裁判所で県と話し合いをされたことはあるのですか、あるいは、これに対してどういう態度をとっておられるのですか。
○魚住参考人 原告案は原告案としていただいておりますが、到底これは合意できるような案ではないと考えております。 と申しますのが、一千六百万というのは一次判決、これは補償協定の中で、その水俣病の典型的症状、いわゆる重症例の補償金であると私たちは理解をしております。その他、二次判決で六百万という一つの判決が出ました。そして三次の熊本地裁、今福岡高裁で争っているものでございますけれども、感覚障害のみに三百万というのがあるわけですね。だからそういうことを考えますと、現在の原告の人たちが、日常生活の支障の程度ということを考えれば、中には重症の方もいらっしゃると思いますが、軽い人が多いというのが一つ。そうすると、原告の要求としまして一千六百万に年金、医療費という要求がありますが、訴訟の中で訴訟物として今提出されているのは一千八百万の要求なんですね。それにプラスアルファの一割の弁護費用ということで、これをずっと考えますと、その一千八百万を上回るような和解案になっておるというようなことですね。だから、いずれにしましても、私たちの立場としては議会を初め県民の納得が得られるような解決案というものをつくっていかにゃいかぬ、やはりそれには一つの常識的なものが必要であろうと思いますし、また国が現在参加されておりませんので、ぜひ参加をしていただいてということでお願いはしておりますが、国抜きの和解案というものはまずできないと考えております。
○馬場委員 その国でございますけれども、国はもうあらゆるところから和解に応じなさい応じなさいという話があっているわけですけれども、国が和解交渉に応じない理由は何ですか。
○柳沢(健)政府委員 水俣病につきましては、先ほど来申し上げましたように法律に基づきまして救済制度が整備されているわけでございます。それで、数にいたしましてもこれまで二千九百名余の方々を認定しているわけでございまして、そういう公正な救済を一定の制度のもとに進めてきたということがございます。 訴訟におきましては、認定されていない方々が、これが水俣病による被害を受けたといたしまして、国に損害賠償を求めておられるわけでございます。国の基本的な考えは、国には損害賠償責任がないということ、それから国の水俣病に関する判断条件は適切なものであるということ、こういうことを主張してきたところでございます。 これらの争点につきましては国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございますので、裁判所の判決をいただいた上で判断していくべきものというふうに考えているわけでございまして、現時点では和解勧告に応じることは困難ということになるわけでございます。
○馬場委員 今の話を聞いておりますと、責任という問題、こういう問題について、それから病像論という問題について、従来隔たりが大きいから和解で話し合って合意を得られる見込みがないから応じないんだと言っておられたのと同じようなことを今言われておるわけでございます。しかし責任といいますと、これは私はこの問題で五十回ぐらいここで質問しているのですが、責任はあると、各大臣、歴代大臣は言っているのですね。 ここにその記録を持ってまいったのですが、ちょっと読み上げますと、大石元環境庁長官、これはここの答弁ではありませんけれども、国連人間環境会議に行かれましたときに、こういう演説を公式日本国代表として言っておられる。「「水俣病」と呼ばれる有機水銀中毒事件は」「原因の究明がおくれたこと、政府を含め関係者による対策が手ぬるかったこと等により多数の悲惨な犠牲者を出しました。さらに阿賀野川流域でも同じような水銀中毒による死者、患者の発生を見るに至りました。早期に十分な救助の手をさしのべ得なかったことに政府は責任を痛感いたしておりますが、まことに遺憾のきわみであります。」こういうことを言っておられます。 それから昭和四十八年四月六日の本委員会における社会党の島本委員の質問に対して、島本さんの「政府のこれまでの水俣病対策、公害対策を深く反省し、その責任を明らかにすべきである、」こういう質問に対して、当時の三木環境庁長官は、「行政も責任を持っておる。」「認識の甘さといいますか浅さというものに対しては、その責任について深く反省するところがなければならぬと考えておる次第でございます。」こういうことを言っておられます。 それから昭和五十二年五月二十六日、これは私の質問に対して、時の石原環境庁長官が、私が、「行政というのは加害者という立場に立っておったのじゃないか、そういうような真剣な反省というものが非常に必要ではないか、」長官が水俣に行かれて帰ってこられた後ですけれども、「長官の水俣を見られた後の御感想を聞きたいのです。」石原さんは、「未必の故意と申しましょうか、結果としては行政が知るべきことをある時点では知っていながら、それが行政のすべき処置、たとえばあの水域における漁獲の禁止であるとかそういったものにつながらずに、不作為に終わったということの責任は、私は十分感じておる次第でございます。」それからさらに、「おっしゃるような意味では間接的な加害と申しましょうか、」「あるケースに関しては加害、あるいは要するに加害を全くしていないかということになれば、間接的なつまり加害と言われても仕方のないケースもあったと私は思わざるを得ません。」こういうことを言っておられます。 昭和五十三年の二月二十一日、これは同僚の岩垂委員の質問ですが、「行政的な対応のおくれに対する責任という問題について、大臣の御答弁を再度煩わしたいと思います。」当時の山田環境庁長官は、「いろいろわれわれの中にそういう足りなかった点、その点については、十分その点での責任を感じ、」こういうことがあります。 それから昭和六十年の二月二十六日、これは私の質問に、「水俣病に対する行政の責任というものについてどうお考えになっておられますか。」そのときの石本環境庁長官は、「もとをただしましても、そういうものの経過を考えましても、責任はあるというふうに私も思います。」こう言っておられますし、それから昭和六十二年五月十五日、私の、「被害を発生させて、拡大させて、放置して、患者救済をおくらしておる、こういう責任が問われておることについてどうお考えですか。」これはちょっと問題を起こされた稲村環境庁長官ですけれども、「行政としての責任はもちろん感じております。」こういうふうに言っておられます。 それから、これは昨年の六月五日のこの委員会で、私が大石環境庁長官の言葉をかりて、「十分に対策をとっておれば水俣病患者は十人の単位で済んだかもしれない、あるいは百人の単位で済んだかもしれない、それが千人になり、万単位に広がろうとしておる、」これに対して北川国務大臣は、「早く対応しておれば少数の被害で済んだのではないか、全くそのとおりだと思います。」こういうぐあいに言っておられるのですよ。 だから、これについては愛知さん、この従来の環境庁長官が言った行政の責任というのはあなたもそのとおりに考えておられますか。 〔久間委員長代理退席、佐藤(謙)委員長代理着席〕
○愛知国務大臣 この行政責任ということにつきましては、再三、これはもう先生に申し上げるまでもないわけでございますが、当時の制度では法的な規制権限はなく、国は当時水俣病の原因物質も明らかでなかったけれども行政指導を中心にできる限りの対応をしてまいった、こういうことでございまして、賠償責任ということに関しましてはその責任はない、こういうことでございまして、この責任の問題は、国民の活動をどこまで規制するかという国の行政のあり方の根幹にかかわる問題であるということで、話し合いによって妥協を図る性質のものではないというのが国の基本姿勢でございます。 したがいまして、そういう過去の、当時のことから申しますと、責任は国にはない、こういう判断でございますが、この問題の長年にわたるいろいろな経緯を、私は長い間この問題に取り組んできたわけではございませんので、まだまだ深いところまでの理解ができていないかもしれませんけれども、非常に教えられるところが多かったことは事実だ、このように考えます。
○馬場委員 裁判とか和解とかあるものだから、何かそこに頭が向いちゃって、本当にあの悲惨な状況を見ながら、これは政治に携わる者、行政に携わる者、あるいは人間として、防ごうと思えば防げたわけですから、それをしなかったというのは、責任があるというのは、歴代環境庁長官で、三木さんなんかはあそこへ行きまして、悲惨な状況を見て、もう言葉も出ないというぐあいにして心の底から責任を認め、反省をしたのですよ。石原さんだって同じですよ、私はいつも一緒に行っているんだから。そういうことを考えました場合に、とにかく責任というのは行政にありますよ。そのことと和解とをどう考えるかということは、話し合いをすればいいわけですけれども。 そこで、時間がありませんから進みますが、現時点では和解に応じないと言っておられますね。「現時点」というのをつけておられますけれども、「現時点」というのは時間の現時点ですか、あるいは取り巻く状況とか環境の時点ですか。「現時点」ではというのはどういう意味ですか。
○柳沢(健)政府委員 国として和解交渉に応じることが困難であるというのは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、その際、現時点では応じることは困難であるというふうにいたしておりますのは、これら争点に関する主張や立証、それからまた訴訟の経過等の状況、これらを総合的に検討し判断しているものでございまして、単なる時間的な問題によるということではございません。
○馬場委員 答弁を聞いていますと、国民の世論とか、あるいは患者の気持ちとか、熊本県民の気持ちとか、例えば熊本県はもう必死になって——熊本県は委任事務の立場ですね。だから、解決するためにはやはり国が参加しなければいかぬ。だから国に和解に参加をしてくれと粘り強く求めるということを熊本県は言っている。責任論とか病像論とか言いますけれども、やはり国は大所高所に立って和解交渉には参加すべきだ、こういうぐあいに思うのですけれども、そういう点についての見解は変わりませんか。
○柳沢(健)政府委員 従来どおりで変わりはございません。
○馬場委員 熊本県は、和解の見通し、そして今言いました、これはもう血も涙もないような答弁ですけれども、国に参加してくれと今言っておられるその見通し、この和解の見通し、こういうものについて、今の段階で言えるか言えないかわかりませんけれども、どういう決意を持っておられますか。
○魚住参考人 見通しでございますが、これはなかなか難しいと思っております。先ほども申し上げましたように、やはり熊本県とチッソだけで和解ができるという問題ではございません。やはり国、県、特に国の御援助がなければこの問題は解決しないと考えておりますので、そういう意味で、国の参加をぜひお願いをしたい。 ただし、これは言っていいかどうかわかりませんけれども、国の立場として、やはり行政の全般的なものを眺めた中で、この和解の話に入れるかどうかというのは、理論的にはやはり国の立場が正しいかなという感じはせぬでもないわけです。 熊本県は、やはり地元の問題としてひとつ何とかしたいという気持ちでやっておるわけでございますので、ぜひひとつよろしくお願いを申し上げます。
○馬場委員 和解の問題は、今度はまた別の角度から質問をしてみたいと思うのです。 この間、中公審の環境保健部会に水俣病問題専門委員会を設置されました。中公審というのは、公害対策の基本的事項、重要事項を調査審議するための一番権威のある機関なわけですね。水俣病は世界の公害の原点です。環境庁の最も重要な行政であると言っておりながら、中公審に現在まで一回も諮問していないのですよね。これまたおかしなことだ。 ところが、ようやく今度水俣病問題専門委員会をつくって調査をやっておられるわけでございますが、もう時間がありませんから端的に質問いたしますが、この水俣病専門委員会では、判断基準というのが厳し過ぎる、五十三年通達はだめなんだ、四十六年通達に返せという話もあるのですが、この判断基準の変更もここで検討されるのですかということと、重ねて質問しますが、この水俣病の和解の動きとこの中公審の審議というのは関連づけておられるのですか、関連はないのですか。 それから、公健法の枠内でここは議論されているのですか、あるいは公健法を改正してでも水俣病を総合的に解決するということを考えておられるのですか、あるいは公健法から水俣病を抜き出して特別立法をつくってでも水俣病を解決しようと思っておられるのですか。そういうことを審議されるのですかどうですか。
○柳沢(健)政府委員 中公審で審議をしていただいております水俣病問題について幾つか御質問をいただいたわけでございます。 その中で、判断条件の問題がございましたけれども、判断条件の問題は、判断条件を今回変えよう、判断条件をいじろう、そうい前提でこの検討はいたしておりません。 それから中公審の審議と和解の話でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、国には損害賠償責任がないこと、それから判断条件が適切なものであるというふうに主張しているわけでございまして、今回の中公審の検討、これは水俣病に関しまして現在残されている問題の状況に照らし、行政として行い得る施策、これを幅広く検討して適切かつ公正な対策を講じようとするものでございまして、和解とはかかわり合いのないものでございます。 さらに、新規立法の話でございますけれども、専門委員会におきましては、認定未処分者や地域における健康不安者、これの存在とか、あるいはその他残された問題に対します対策のあり方、これにつきまして、現行制度にとらわれずに幅広く検討していただく、そういうことでもって御検討をお願いしているわけでございます。
○馬場委員 長官、持ち時間がないものだから今は言えないのですけれども、聞いておって、早期解決、完全解決というのに対して、やはり環境庁の熱意とかというのを私は感じられないのですよ。 言いましたように、地球環境とか世界の環境と言っても、この足元の世界の公害の原点を解決せずしてそんなことを言う資格はないとよそから言われたら、そうだと思うのですよ。そういう意味におきまして、水俣病の早期解決のためには全力を挙げて、あらゆる角度から大臣が主体的に努力してもらいたいということを最後に要望しておきますが、どうですか。
○愛知国務大臣 この早期解決の必要性につきましては十分認識しているつもりでございますが、先生のお立場からごらんになってまだまだ、こうお感じになるかもしれませんが、とにかく平成四年度から総合対策を実施するということで、不退転の決意で取り組んでまいります。 今部長から、この法的な枠組みの問題につきましても、現行の法律、必要とあらばこれを変えるのか、新しいのをつくるのか、その辺はまだ結論は出ておりませんけれども、それにとらわれず議論をしていただいて、出た結論に対しましてはそれを全面的に推進していくという構えでございますので、私どものこの決意もひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○馬場委員 次に、時間がありませんから、IPCSの問題について質問するわけですが、この問題については環境庁は、現在の毛髪水銀量の五〇ppm、これを厳しくしようという方向でIPCSの報告書が来ているのに非常に消極的であるわけでございますが、この前ここで質問いたしましたので答弁があっております。このIPCSの、妊婦においては例えば一〇とか二〇ppmで胎児には発症する可能性がある。こういうことで、現在五〇ppmの毛髪水銀量ですけれども、非常に厳しくなっているわけですが、そういうことが載っているんですけれども、これは早急に公開で検討して国民の納得するような結論を出しなさいということをこの前この委員会で言って、十分、直ちに研究に取りかかりますと言われましたが、これがどうなっているのか。 それから、妊婦に対して、現在妊娠しておられる方について毛髪水銀量をはかりなさい。これは前向きにひとつ検討させてくださいと言われましたが、これはどうなっているのか。 それから、IPCS、まあこれ国民の前に明らかにしてこういうのは議論しなきゃいかぬわけですが、環境庁は何でも秘密裏にする癖があったんですが、これは全部日本語に訳して国民の前に明らかにしなさいということも言ったら、それはやります、努力しますという約束だったんですが、この三点、どうなりましたか。
○柳沢(健)政府委員 IPCS、国際化学物質安全性計画の問題についてでございます。これにつきましては、昨年本委員会におきましても先生からいろいろ御指摘いただいたわけでございますけれども、早速、水俣病発生地域における調査手法の検討とも関連がございますので、環境庁より委託してございます通称重松班、財団法人放射線影響研究所理事長の重松逸造氏が班長である水俣病に関する総合的調査手法の開発に関する研究班、ここにこの検討をお願いいたしているところでございます。で、現在、このIPCSクライテリア、メチル水銀に記載されている内容につきましてどのような対応があり得るか、検討していただいているところでございます。 さらに、これに関連いたしまして、妊婦の毛髪水銀値の調査でございますけれども、この水俣病に関する総合的調査手法の開発に関する研究班で検討していただいているところでございますし、環境庁といたしましては同研究班の検討結果を踏まえまして、適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。 なお、このIPCS、メチル水銀の最終報告の公表の問題、これにつきましては現在翻訳中でございます。鋭意翻訳の作業を継続中でございますけれども、この翻訳が完成した時点で公表いたしたいと考えております。時期的にはもう非常に大詰めに至っておりますので、これからはそれほど時間がかからずに公表ができるものというふうに考えておるところでございます。
○馬場委員 IPCSの環境基準を強化する問題、重松委員会に調査研究してもらっておると言いますが、それから毛髪水銀量もはかるかはからないかもそこに相談していると言っておられますが、これは結論はいつ出るのかということと、翻訳したのは何月までに出すということをはっきり見通しを言ってください。 そこで、今重松委員会の話が出たんですけれども、私は去年もこの委員会で、「水俣病に関する総合的調査手法の開発に関する研究」、通称重松委員会、これは実は私が非常にかかわっているわけでございまして、五十三年に本委員会で私が「水俣病問題総合調査に関する件」という決議案をつくって出して、満場一致でここで決めてもらって、それに基づいて昭和五十五年から重松委員会が設置されて研究を続けておるわけですが、これが秘密で研究してきておったわけですよね。秘密はおかしいじゃないかということで去年質問をして、そして五十五年からですからもう十二年たっているんですよね、国会決議してから。当時、私が決議案を出して決まったときには山田長官は、速やかに実行しますという答弁もしているんですよ。十二年たった。そういうことです。 もう議論する時間余りありませんが、このいわゆる「水俣病に関する総合的調査手法の開発に関する研究」、これは大体いつ報告書ができ上がるのか。これは秘密でやったわけですけれども、報告書が出たらきちんと国民の前に公表するのか、これが一つ。もう一つは、この重松委員会の研究の内容、報告の内容の主なものはどういうものか。立法を含めて成案を得るということに、この決議をしたときになっておるのですが、立法問題がそれに含まっておるのかどうか。これについて、先ほどのと、この三点について答えてください。 〔佐藤(謙)委員長代理退席、委員長着席〕
○柳沢(健)政府委員 IPCSの翻訳公表の問題につきましては、できるだけ早急に、ここ一、二カ月のうちにはそれが公表できるように努力いたしたいと存じます。 それから重松班の件でございますけれども、今御指摘のように、十年余りの重松班の成果でございます。これにつきましては平成二年度の委託事業として、平成二年度の報告書に加えまして、五十五年度から平成元年度までの研究要約の取りまとめをお願いしているところでございます。これにつきましても五月あるいは六月を目途に報告書がいただけるものだというふうに考えておりまして、近々公表できるものというふうに考えておるところでございます。 なお、重松班の最終結論についてでございますけれども、できるだけ早く結論を出していただけるよう、班員の先生方にお願いしてきているところでございまして、現在は平成二年度分の研究報告書について最終的な段階に至っているということでございます。 この水俣病の発生地域におきましては今後いかなる調査が必要であるかにつきましては、平成三年度も引き続き研究をお願いいたしたいというふうに考えているところでございます。
○馬場委員 ちょっとわからなかったんですけれども、この重松委員会の十年間の研究成果というのはいつ出すのか、五十五年から平成元年まで、これはいつ出すのか。それがさっき五、六月ごろと言われたんですか。それとも、さっきはそれが何か平成二年度分を出すんだなんということを言われましたけれども。それから、その十年間の成果というものの研究内容はどうなっているのか、その十年間の経過なんですよ。
○柳沢(健)政府委員 先ほど申し上げましたように、五、六月ごろまでに十年分の成果を公表すると同時に、平成二年度からは、もしやった場合には単年度ごとに公表するというふうに昨年申し上げてございますので、それについてもあわせてその時期に公表できるように努力しているところでございます。
○馬場委員 それでは、内容については公表するということでございますから、ぜひひとつ公表していただきたいと思います。 そこで、今度は水産庁に来てもらっておるんですが、第三水俣病が大変問題になりました後、昭和四十八年から水産庁は熊本県に委託して、八代海の魚の総水銀濃度の平均値の調査をなさっておるわけでございますが、この平成元年度の調査で、八代海で十一カ所、三十一魚種七百七十一検体を分析したら、七魚種二十一検体から暫定基準の〇・四ppmを超える総水銀を検出した、最高は〇・八二ppmだった、こういう報告がなされておるわけでございます。 ここでこの経過をずっと見てみますと、八代海の魚介類に含まれておる総水銀の濃度は、昭和六十三年が最低で、それからずっと平成元年、平成二年と水銀量は上がってきているのですね。ヘドロ処理が行われる、そうするとそのヘドロが拡散されて水銀濃度が上がるというのですが、ヘドロ処理が終わった後水銀濃度が上がる傾向になってきておる、こういう調査データが出ておるわけでございまして、やはりここでは水産庁の発表でも、八代海域では今後の対応を検討する必要がある、そして化学物質魚介類汚染検討委員会に諮ってみる必要がある、こういうことなんかが発表されておるようでございます。 結論だけお聞きしますけれども、それだけ暫定基準を上回る水銀を含んでいる魚がふえつつある、こういう傾向について、それを摂取すると長期微量汚染で水俣病が発症する危険があるのじゃないか、あるいは、水俣湾のヘドロ処理でヘドロ拡散したものだから、余計八代海の魚には水銀を含むものが多くなったんじゃないか、こういう心配がありますが、そういうことについて今後検討するのか、心配がないように何か措置をなさっているのか、その辺の事情をお聞かせください。
○吉崎説明員 八代海において〇・四ppmを超える水銀濃度の魚介類が一部出ていることは事実でございます。しかしながら、水銀による人体への健康被害が生じないものとして設定されました暫定的規制値を超える場合とは、同一魚種について原則として十検体、最低五検体の魚介類の総水銀含有量の平均値が〇・四ppmを超え、かつメチル水銀含有量の平均値が〇・三ppmを超えるものをいうと定められており、これに照らし、八代海では昭和四十八年度以降暫定的規制値を超える魚介類は全くなく、住民の健康に影響はないものと考えております。 水産庁の調査は、食品としての魚介類の安全性を確保する観点から、厚生省が設定しました暫定的規制値を上回る魚介類がいるかどうかを明らかにし、漁獲の自主規制の必要性の有無を判断するため実施しているものでございます。このため、水産庁の調査結果のデータによりまして直ちに水銀汚染の推移を判断したり、ヘドロ処理の影響を判断することは不可能でございます。
○馬場委員 これは長官も聞いてもらいたいのですが、私はきょうの新聞の朝刊を見てぞっとしたのです。これは部長もよく見ていただきたいと思うのですが、熊本県が水俣湾からとれた魚を猫に与えて水俣病が発症するかどうかということを、いわゆる猫実験をやっている。これはまさに秘密でやっておられて、まだ公表されてないのですが、ある新聞がそれを出しておるわけでございます。 猫実験といいますと、これは大臣御存じか知りませんが、昭和三十一年が水俣病の公式発見、その後あそこの水俣のチッソの附属病院の細川博士が猫を持ってきて、これは水俣の猫はだめですから、天草とか山の中の人吉とかから猫を持ってきて、それに排水をかけた食べ物を食わせる、それから魚をとってきて食わせる、そして猫が水俣病になって狂い死にする、そういう実験をされているんですよ。これは熊本県に報告されている。厚生省にも報告されている。それを握りつぶして公表していない。 水俣病は、原因を水銀だというのを発見するまでに九年かかったんです。そして、毒を流している、水銀を流している排水をとめるのに十二年かかったんです。それを初めにとめておったら、この猫実験があったころとめておったら、こんなに水俣病が悲惨にならなかったのです。十二年間ですよ。原因を隠し続けたのが九年間で、水銀を流し続けたのが十二年です。それを思い起こして、この猫実験をやっているということを何で秘密でやらなければならぬのかというのが第一の問題。 第二の問題は、この記事によりますと、これは国の補助事業だそうですよ。六百万くらいかでやって、国が三百万くらい補助している事業ですから、国も知っておらなければならぬ問題です。これは平成元年の七月から去年の九月まで、公害医療研究事業として日本公衆衛生協会に依頼してやっている。筑波大学の藤木先生なんかが中心になってやっている、こういうことでございます。 これはどうやったかといいますと、猫を五匹ずつくらいで四群に分けて、この猫に暫定規制値の〇・四ppm以下を含有している、ガラカブと向こうでは言うんですが、その魚を食わせる、ある一群には〇・四ppm前後を食べさせる、もう一群には〇・四ppmを超えたやつを食わせる、そして、それを食わせておいて実験して、それを解剖して内臓を調べていく、これは内臓に無機水銀が非常に蓄積されておることがわかったと書いてあるわけでございます。 問題は、これは熊本県ですが、何でこんなのを秘密でやったのかということと、何の目的でこの調査をやったかということ、それから、これはいつ公表するのか、この点についてお聞きしておきたいと思います。
○魚住参考人 ただいまの猫実験でございますが、ヘドロ事業が昨年の三月終了するということで、やはり魚の問題が一番原因でございますので、今はあそこでそれほど高濃度の魚はございません。ただし、どういう形で安全性を確認するかなどというのは、形を考えておりまして、一つのやり方として猫実験をやってみよう、だから、何も先生おっしゃるように秘密に、隠してやったわけじゃございません。 きょうの新聞も大分事実誤認がございまして、今、魚を食べさせまして何か三つぐらいのケースで実験をやってあります。非常に高濃度に、大量に食べさせた部分と中程度と少量というような形の分け方でやってあると思います。 その中間報告の中で、猫の臨床症状面から見れば特別異常はないという報告を受けております。それを現在病理解剖しまして、その辺の学問的な整合性をとった上で公表をしたい、それで、その解析評価というものを本年やっていただこうということで考えておったわけでございます。それができ次第、公表したいと考えております。 その辺誤解を受けるとあれなんですが、猫にどの程度、そこで何ppmと書いてございますけれども、それはちょっと事実誤認だと思いますけれども、どれだけの水銀量を食わせたかというのが一つあると思います。 これは私、まだちょっと詳細聞いておりませんので、その辺も解析をきちっとした上で公表したいと考えております。
○小杉委員長 もう時間が……。
○馬場委員 はい。時間が来ましたから、最後にチッソの経営状況と累積債務、それから水俣の地域振興に今後どれだけ投資するとか雇用を増進するとか、そういうことを考えておられるのかということを、通産省来てもらっておりますが、簡単にひとつ説明してください。
○作田説明員 御説明いたします。 まず、決算が確定しております平成元年度の数字から申し上げますと、一九年度の売上高は千三百八十六億円、期間の利益を示します経常利益は七十三億円。ただ、水俣病補償等の特別損失等がございますので、最終的な損益はマイナスの三十八億円でございました。 一方、平成二年度の見通しでございますけれども、売上高につきましては、内需拡大等の環境を受けまして、大体千五百億から千六百億程度の増収になります。しかしながら、最近の原料ナフサの高騰あるいは金利の上昇等の影響を受けまして、経常利益につきましては五十億円から六十億円程度と、若干低下するのではないかというふうに見込まれております。 なお、特別損益は、ほぼ前年度並みの損失が見込まれますので、最終的な損益は五十億円から六十億円程度のマイナスと、昨年度に比べますとやや悪化するということでございます。したがいまして、累積損失でございますが、平成元年度は千百六十五億円ございましたけれども、平成二年度はさらにこれが拡大いたしまして、千二百億円台程度の累積損失になるのではないか、かように考えております。 なお、チッソの水俣地区におきます最近の投資動向でございますけれども、最近チッソは水俣地区で新規事業等をやっておりますので、投資は若干ふえる傾向にございます。私ども通産省といたしましても、チッソの水俣地区におきます大きな役割にかんがみまして、今後の経営の改善等の過程におきまして、水俣地区を中心にその改善を図ってまいりたい、かように考えているところでございます。
○馬場委員 最後に一言言って終わります。 長官、お聞きになっていたと思うのですけれども、さっきの猫実験を含めて見て、私はこういう心配をするのですよ。あそこはヘドロの工事が終わったわけです。だから、早く魚なんかの調査をして、ヘドロの処理も終わりました、魚は全然水銀を含んでおりません、大丈夫でございました、そういうことをして安全宣言を出す。そして、申請している患者もみんな切り捨ててしまって、申請して滞留している患者ももうなくなりました、来年あそこで国際的イベントをいたします、公健法から、水俣病、あの地域は汚染地域でなくなりましたとこれを解除して、そして水俣病の終結宣言、幕引きをしよう、こういう一連の動きということで疑われるような動きがあるんです。そういうことに絶対にならぬように、環境庁は新しくあれしたんだから、そういうことで幕引きとかなんとか、そんなばかげたことにならぬように、全力を挙げて完全解決のためにひとつ努力していただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○小杉委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 文化遺産及び自然遺産保護条約の批准に関連をして質問をいたしたいと思います。 自然保護なんかに関係のある国際条約というのは、ワシントン条約それからラムサール条約、そして、まだありますけれども、主なものはこの遺産条約だというふうに思います。前の二つは解決を見ました。日本の国際的な責任を果たす上でもそのことは大変よかったと思います。 問題は、遺産条約というのが残っているものですから、この批准の問題について、実は私は十数年粘り強く発言をしてまいりました。少ししつこいのかもしれませんけれども、やはりこれをやりおおせたいという気持ちでいっぱいでございます。そこで、時間が二十分という時間なものですから、駆け足で質問をさせていただきたいと思います。 去年、たしか五月の二十五日、環境委員会で、北川環境庁長官、そして文化庁、外務省の鈴木課長にこの問題を質問させていただきました。そのときに文化庁は、問題はないということを表明されまして、クリアされていると理解をしております。環境庁は、環境庁長官が、正確な文章を読んでもいいのですけれども、次の国会ということを私がかなりしつこく迫ったものですから、次の国会に向けて提案をするように努力しますということをおっしゃっていただきました。 その国会から臨時国会を経て、通常国会が今終わろうとしています。いろいろな経過があることはわからぬわけではないのですが、十年前に、今社会党の委員長の土井たか子議員と大来外務大臣とのやりとりのときにも、次の国会でということをおっしゃっておるのですね。そうすると次の国会というのは十年くらいかかるのかな、十年間国会が開かれていないのなら話は別だけれども。そういうやりとりというのをいつまでもしておるということは、実は御存じだと思いますけれども、この遺産条約の国際会議なんかがあるわけでして、日本はどうなっているんだという御指摘を受けるわけです。だからこの辺で、かなりいろいろな問題の解決が進んでいるわけですから、目標を決めて追い込んでいくということがとっても必要じゃないかというふうに思うので、最初に環境庁長官にお願いをします。 この前の北川さんの御答弁、つまり、環境庁として各省庁との調整を図りながら次の国会ということに、余りそのことを追い詰めて物を申し上げるつもりはありませんけれども、時間的にはやはり次の国会ぐらいのところをめどにして努力をするということを御答弁いただきたいなというふうに思うのです。それと、恐縮ですが、質問通告をしてございますので、この条約自身の長官の受けとめ方、これもちょっとお尋ねしておきたいと思います。
○愛知国務大臣 この問題に先生が長年取り組んでこられたことを伺っておりまして、まことに、その御努力に感謝を申し上げたいと存じます。 私ども環境庁といたしましても、この条約の趣旨は望ましいと考えておりまして、これまでも外務省に対しまして、締結のための検討を再三お願いしてきたところでございます。私自身も前の長官と同様、この条約の早期締結が必要であると認識をいたしておりまして、長官に就任をいたしましてから間もなくのころ、中山外務大臣にも直接お会いをいたしまして、ぜひこの作業を進めてほしいとお願いをいたしました。 二月の初めに開かれました衆議院の予算委員会でも、外務大臣からも前向きの答弁をしていただいておりますが、今回の国会でこれができなかったことはまことに残念ではございますが、できる限りの早い時期にぜひこの条約の締結ができるように、直接は外務省の作業が必要になってまいりますけれども、なお私の立場からも全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えます。
○岩垂委員 世界で加盟をしているのは百十五カ国なんです。たまたまある団体が私のところへ加盟国の地図を持ってきてくれまして、ごらんいただけばおわかりになりますように、世界じゅうはもうほとんど加盟している。加盟していない国というのは、先進国と言われる国で言うと、日本とオランダくらいですね。あとはもう全部加盟しています。こういう状態なんですから、これは確かに外務省の問題ではありますけれども、条約の問題ではありますけれども、環境行政の基本にかかわる問題として、つまり、それのバロメーターとして重い認識を持っていただいて頑張っていただきたいなというふうに思いますので、後ほどまた少し時間を区切ってお話をしたいと思いますが、申し上げておきたいと思うのです。 外務省の鈴木さんがお越しでございますから、この前の質問に関連をして質問をいたします。 昨年の答弁では、「三月の段階で主要三十八カ国に対しまして訓令を発出しておりまして、特に各国でこの条約に基づいてリストをつくるということでございますので、リストの整備状況がどうなっておるのか、それからユネスコの委員会に対しましてそのリストに基づいて目録を出す、」こうなっていて、その目録の選定基準を調査中であるというふうに答弁をされています。 御努力をいただいていることはわからぬわけではないのですが、この調査の結果を公表していただきたいなというふうに思います。 同時に、いわゆる選定基準というのは、いわゆる遺産条約の総会や委員会で言われているクライテリアのことですか、何かその点を明らかにしていただきたいと思います。
○鈴木説明員 お答えいたします。 昨年の御審議の際に、私の方から御紹介いたしました各国への調査の内容でございますが、三十八カ国すべての回答を得られたわけではございませんが、各国の国内関連法令がいかなるものであるか、それから国内リストの作成状況がいかなるものか、またその根拠は何であるか、それから目録の提出、この方法といったものについて調査をいたしました。 すべてをかいつまんで御報告する時間はございませんけれども、国内関連法令との関係では、既に持っております国内法で対処するという国がかなりの数に上っておりますが、他方、アメリカそれからオーストラリア、ベトナム等、数は限られておりますが、この条約の締結の前後に新たに国内法を整備している例がございます。 他方、国内リストの作成の点でございますが、例えば、この国内リストというものを条約上定めなければならないという義務は書いてございません。先生御承知のとおり、ユネスコに目録を提出するということでございます。この国内リストを作成するかどうかといった点については、各国でそれぞれ対応が異なっております。中にはイギリス、フランスのように、国内リストを作成しまして、そのリストをそのまま目録としてユネスコに提出している例がございます。また、国内リストというものはつくらずに、目録をそのまま作成して提出している国々もございます。 これは三点目の目録の提出状況といったものにもかかわるものですが、目録の作成の基準、これはまさに先生の御質問の点でございますけれども、各国でどのような基準を設けているのかいないのかといった点でございます。この点につきましては、国によりまして、国内法のレベルでこれを規定している国もございます。他方、国内法が授権をしまして、審議会等で検討してそれを決めていくといった例もございます。 細かい点は省きますが、以上が調査の結果でございます。
○岩垂委員 鈴木さん、そのデータというのは公表というか、私に見せていただけますか、今でなくてもいいから。
○鈴木説明員 後ほど御提示することにいたします。
○岩垂委員 鈴木課長おっしゃるように、おおむねそのリストを出してそれを委員会でチェックする、一つ一つクライテリアにマッチするかどうかということを審議して、そして登録指定するというふうな形が多いようですから、国内法の条件がきちんと整っていないから、あるいは登録の地域を指定しなければ加盟できないということでもなさそうですから、その点をぜひ、いろいろ方法があると思います、各国の状況があると思いますから、御検討を煩わしたいというふうに思っています。 それで鈴木さん、その分担金というのは拠出金の一%ですから、この前もあなたおっしゃいました、三十万ドルぐらいだと。確かにいろいろODAの金額も切り詰められているけれども、それほど金額的な意味では加盟に障害があるとは思っていないというふうにおっしゃっていますが、その点はそのとおり理解してよろしいですか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 分担金の点につきましては、昨年も御説明をさせていただきましたが、予算と絡んでくる点でございます。額としては非常に大きなものではございませんけれども、現在予算枠が非常に厳しい状況で、その点、財政当局とも検討する必要がございます。
○岩垂委員 私、率直なところ、ことしの概算要求に間に合わせていただきたいなと思うのです。というのは、御存じのように一九九二年の例の国連環境開発会議のときまでに、例の国際自然保護連合なんかが中心になって、自然植生のいわばネットワークづくりを進めようとしているでしょう。あなた御存じでしょう。やはりこの中に参加していけるような体制をつくってほしいな、こんなふうに思うのですけれども、それまでには詰まりませんか。
○鈴木説明員 先生御指摘の予算の、また分担金の点でございますけれども、これはこの条約の締結の可能性について検討する際の一つのポイントでございますが、その点と並びまして、私ども今そのほかの条約上の点、特にどのような義務が締約国に課されるのかといった点を検討しております。そういう点と相まって、この条約の締結のための国内法制の体制がすべて問題がないという時点になりますれば、予算上の点も検討していきたいと思っております。
○岩垂委員 鈴木さん、今の検討の中で問題だと思われること、これをちょっとリストアップしてくれませんか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 昨年の先生の御指摘もございまして、私ども、先ほど御紹介いたしました各国への調査、これに基づきまして、環境庁さん、それから文化庁さんとともに三省庁の間で、この条約上どのような義務が課されるのかといった点についての実態的な検討を開始いたしました。まだ完全にその作業が終了しているわけではございませんで、一応第一条から第三十八条まで逐条ごとに、どのような問題点があるかということについて、一通りの第一回の勉強をいたしました。 その結果、幾つかの主要な検討事項があるということがございまして、例えば第三条の国内遺産の認定に関する主体、その認定の基準、これが一つのポイントでございます。 それから第二点として、この条約の第四条、それから第五条の保護、保存、活用等の措置に関する既存の国内法での担保状況、つまり国内法で実際にどの程度の措置がなされているかといった点でございます。 第三点目に、第十一条に目録の作成が書いてございますが、その目録の作成の主体、それからその基準といったポイントがございます。 それから第四点、最後の点でございますが、これは先ほど先生からも御指摘がございました分担金の支払いの点でございます。
○岩垂委員 余り時間がないものですから、もうこれで二問ぐらいでやめますが、かなり煮詰まってきている感じがするのですね。そして、この条約というのは余りきっちりしたものではなくてかなり幅を持っているように、私もそれなりに勉強させていただきました。だから、批准をやはりする。もちろんその上でいろいろな交渉の余地はあると思います。だから、あなた御存じのように、義務的なあれではないわけですから、そういう点を含めてぜひ作業を急いでいただきたいなというふうに思います。 それで、今三者で頑張っていらっしゃるというのはわかるのですが、どうも外務省の条約案件のプライオリティーが少し低いんじゃないかという感じがするのだけれども、そんなことは余り心配しなくていいかな。それから、いつごろまでにどんなめどで三省庁間の作業を終えたいという目標を、鈴木さん、あなたも忙しいらしいけれども、ちょっと力を入れてほしいな、十年間の課題でございますから。その辺も含めて、三省庁間で大体いつごろまでに結論を得たいと思っているのですか。
○鈴木説明員 お答えいたします。 まず結論から申し上げます。ただいま三省庁間で具体点な点についていろいろ検討しているわけでございまして、細かい点の作業というのがかなり詳細な作業を必要としておる、こういう認識でございます。私どもとしましては、今国会での外務大臣の答弁等もございます。できるだけ速やかに検討を進めていきたいと考えておりますが、現在作業のめどといったものを先取りして、どの時点で可能であるかといった点については、残念ながら申し上げる状況にございません。ただ、できるだけ速やかに作業を進めていきたいと思っております。 なお、先生御指摘のこの条約上の締約国の義務の点でございますが、先回も御説明申し上げましたとおり、余り大きな、また多くの義務は課されておりません。 他方、この条約の第四条でございますが、第四条には第一条、二条の遺産につきまして、その遺産を認定し、保護し、保存し、整備活用することが義務であることを認識するとございまして、この第四条と、それからそのほかの第五条以下の努力規定、この関係がどうなるかといった点についてのさらに詳細な検討が必要でございます。 少なくとも第四条では、今申し上げました点については各国の義務が課されておりますので、この義務の範囲がどういうものであるかといった点については、さらに各国の履行状況等も、この点について詳細な調査をいたしたいと思っております。
○岩垂委員 最後に大臣にお願いをしますが、私、ユネスコで発行したリストがあります。本当に世界じゅう、私どもちょっと行ったことのあるような場所も含めて、実に見事なリストがピックアップされて、国際協力でそれを残していこうという努力があります。 日本人は外国へたくさん行っています。そして、そういう歴史的な遺産や自然の遺産というものに触れています。だけれども、日本の方も私は決してそれに見劣りのしない歴史や文化や自然やそういうものをやはりちゃんと保存をしていかなければいけない。と同時に、そういうものがちゃんとやはり認識として、世界に誇ることのできる認識をお互いに持つことが必要じゃないかというふうに思いますので、できるだけ早くという一般論でなくて、これはやはり次の国会には大臣としても各省庁を督促して、特に外務大臣との話を詰めながら、提出ができるように努力をしたいという御答弁をいただきたいものだというふうに思っています。
○愛知国務大臣 先生おっしゃるとおりでございまして、私もこれはやはり早く締結を、加盟をすることが、しないと世界にとっても恥ずかしい、こんな感じがいたしますので、私としても全力を挙げて取り組ませていただきます。
○岩垂委員 ありがとうございました。
○小杉委員長 長谷百合子君。
○長谷委員 十分間ですので、ちょっと簡単にお答えを願いたいというふうに思います。 現在、新石垣空港の建設ですけれども、その建設候補地の一つとなっているカラ岳東の土地は、八九年ごろから無届けで売買が繰り返されている、そういうことで短期間のうちに土地が十七倍にもはね上がったというふうに言われております。 この問題は、昨年の四月二十七日に岩垂委員がこの委員会でもいろいろ質問されたものですけれども、昨年五月に沖縄県は、この無届け売買をした光建設などを国土利用計画法違反の容疑で沖縄県警に告発をいたしました。その後、そして十一月に沖縄県警は、その三業者を那覇地検に書類送検、十二月になって那覇地検はこの事件を東京地検に移送したというふうに聞いております。 ところで、この国土法違反の土地転がしは、従来から新石垣空港建設の変更も絡んで県内外の政治家の関与が、そういった疑惑がいろいろ言われております。一昨日のテレビの報道でも、この事件に関しまして、本来地価の抑制に力を注がねばならない当時の国土庁長官佐藤守良識員が、これは本当にあろうことかと思うのですけれども、国土法違反の土地転がしで地価を高騰させた業者の告発を、沖縄県知事に慎重にするように電話をしていた、そういった事実がスクープされております。この事実を東京地検は認識していらっしゃいますでしょうか。 また、告発から間もなく一年になりますけれども、捜査の状況、どこまで進んでいるのか、お願いいたします。
○鶴田説明員 お答えいたします。 お尋ねの事件につきましては、今先生おっしゃいましたとおり、警察から国土利用計画法違反等の容疑で那覇地検が送致を受けまして、その後十二月二十五日、東京地検に事件を移送いたしまして、現在東京地検において捜査中でございます。 捜査中のことでございますので、それに絡むいろいろなことについては何とも申し上げかねるところでございまして、東京地検としては、今後引き続き鋭意捜査をいたしまして、事案に即し、法と証拠に照らして厳正に処理を行うものと考えております。
○長谷委員 この事件につきましては、新石垣空港問題との関連からも、国民はその決着に大きな関心を持っておりますので、表面的な土地転がし業者の訴追ということだけではなくて、背後関係にもしっかりメスを入れて全面解決に力を注いでいただきたい、こういうふうに思います。 候補地が、今沖縄県の方では五案ということで提示されております。そのうちの一つのカラ岳東案ですけれども、カラ岳東案は、今申し上げたように違法な土地であるというようなことがございますので、こういうことは、ここにもしできるということになれば、これはまさしく国民の税金で、補助金で地方自治体が不法な土地投機を認めるというふうなことにもなりかねない、こういったこともあるので慎重にやっていただきたいというふうに思っております。 それで、代替の案が全くないというわけではございません。五つ示されておりますので、あとの四つということも含めてきちっと検討していっていただきたいというふうに思っておりますが、どうでしょうか。これを使うのは、やはりカラ岳東案というのは非常にまずいのじゃないか、こういうふうに申し上げているのですけれども、その辺はどうでしょうか。
○小坂説明員 今先生おっしゃられましたとおり、今まで進めておりましたカラ岳東の海岸部の案につきましては、新知事のもとに今検討が進められているということで、現在地元では、地元合意形成のための説明会等が進められているようでございます。 設置管理者である県が建設場所を現在確定しておりませんので、私ども何とも言えませんが、慎重に進めてもらいたいというふうに考えております。
○長谷委員 今のそういう違法な土地取引というのがあるのですけれども、別に今この土地は、ファーイーストリゾートという会社が所有しているということですけれども、昨年十二月に白保の住民百一人がその持ち分共有権の確認を求めて裁判を起こしていますけれども、このことは知っていらっしゃいますでしょうか。
○小坂説明員 周辺の土地の問題につきましていろいろな問題があることは、新聞等でも、県からも聞いて承知しております。その関係につきましては、先ほどの答弁もございましたとおり、厳正な、それの方向での手続が進むものというふうに考えております。
○長谷委員 運輸省は沖縄県を指導していく立場である、そういった立場にあるわけですから、この問題点の指摘があるという、今お答えでしたので、ぜひそこは沖縄県に対して事前にヒアリングをすべきだと思いますし、それからカラ岳東案については、自然保護上の問題もありますので、撤回するように助言すべきである、私はこういうふうに思っております。 それから、現在では新空港の建設地として、カラ岳東海上案というのが今言ったようにいろいろな問題がございますので、カラ岳東陸上案というものが最近また取りざたされているというふうに聞いておりますけれども、運輸省はこの案についてはどうでしょうか、沖縄県の方から何か提示されたとか、こういったことはありますでしょうか。
○小坂説明員 現在のカラ岳の東側の陸地を使ってという案だというふうに理解しますけれども、私ども県にも問い合わせましたけれども、そういうことについて特別の話はございませんでした。承知しておりません。
○長谷委員 ありがとうございました。 では、環境庁にちょっとお伺いいたします。 白保海域ですね、最初の案を、あそこを撤回したときに海中公園をつくるというような構想が提示されましたけれども、現在どこまで進んでいるのでしょうか。
○伊藤(卓)政府委員 お答えいたします。 御案内のように、海中公園地区の指定に向けての作業を進めておりますけれども、具体的には、自然公園法に基づいて陸域、海域の区域を拡張する、その海域の区域内に海中公園地区を指定するという方向で検討中でございますが、いずれにしましても、指定を進めていく過程で、地元県、市の協力を得ることも不可欠でございますので、この点も踏まえながら着実に作業を進めていきたいと考えております。
○長谷委員 着実に進めていっていただけるということで、大いに期待をいたしております。 それからカラ岳東を含む白保海域、今申し上げてきました白保海域には、昨年十二月のIUCNの総会で、このIUCNというのは御存じだと思いますけれども、これは六十一の国家、百二十八の政府組織、四百十六の非政府組織と二十九の支部が加盟している、こういった会議でございますけれども、ここで、日本政府、沖縄県に対して白保の海の保全を求める勧告が満場一致で採決されていると思います。環境庁の方からもこの会議に出席をされているというふうに伺っておりますけれども、今や白保海域の保全というのはもう国際社会の要請、こういうふうになっておると思います。これをどのように実現していくのか、日本の環境行政が世界から非常に大きな関心を持って見詰められているということだと思います。 きょうは掃海艇が出動するというようなこともあるかと思うのですけれども、国際貢献というようなことが、こういった掃海艇などの自衛隊の派遣だけというわけではありません。この白保の海域、アオサンゴ、サンゴはユネスコの世界の遺産にも匹敵するほどの価値がある、こういうふうに言われているわけですから、この貴重な白保の海全体を永久に保全していく、そしてそれに向けて全力を尽くす、こういったことを日本はやっていかなければいけないだろう、こういうことをすることがまさに国際貢献の道というふうに私は思います。 IUCNの勧告、決議を十分に尊重して、環境庁としてもカラ岳東海域を含む白保海域の保全に全力を挙げて取り組んでいただくということを心よりお願いして、私の質問を終えさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○小杉委員長 斉藤節君。
○斉藤(節)委員 本日の本委員会の一般質問は、環境保全の基本施策に関する件ということになっておりますが、自然環境を外的環境といたしますと、私どもの体を内的環境ということができると思うわけであります。それで私は、内的環境の保全という観点から、ポストハーベスト農薬及び合成ホルモンに関する問題について、短い時間でありますが、質問をいたしたいと思うわけでございます。 そもそも食品は、人間にとりまして最も基本的な必需品の一つであることはもう申すまでもありません。その品質は飲料水及び大気の純度とともに、私たちの体の健康に重要な影響を与えるものであります。それで、健康を保ち、病気を避けるためには、十分な量と種類に富んだ、しかも栄養豊富で汚染物質を含まない食品を十分にとることは生活の大きな目的の一つであろうと思うわけであります。 それで、申すまでもなく、我が国は食品大量輸入国であるわけであります。その輸入食品にもし国民の健康を害するような物質が含まれていたとしたら、それは極めて重大な問題だと言わなければならぬと思うわけであります。検疫所における輸入食品の農薬の残留検査は、食品衛生法に基づく食品及び添加物等の規格基準、これは昭和三十四年、厚生省告示第三百七十号でありますけれども、これにおいて定められている食品、農薬等を中心に行われているわけであります。 ここで強調しておきたいのは、この三百七十号に定められている食品、それから農薬、これを中心に行っているということを私はまず強調したいと思うのです。また、都道府県の保健所を設置している都市では、国内産の食品について食品衛生検査を同じように実施しておるわけであります。しかし、この規格基準において規制対象とされていない農薬等がもし使われている場合には、その農薬がどういう食品に、また、どの程度残留しているかの実態把握は十分ではないと思うわけであります。 さて、農林水産省のお話によりますと、我が国の農産物につきましてはポストハーベスト農薬を使用していないということでありますが、諸外国では、一般に農産物の貯蔵、輸送中の殺虫、殺菌、発芽防止等を目的にポストハーベスト農薬を広範囲に使用しているのが実態であります。特に米国では、六十品目が許可されておるということでございます。 それで、この六十品目をつらつらと眺めますと、私たちにとってちょっと厳しい、非常に危険であると思われる、私どもに言わせれば薬品、化学薬品が存在しております。例えばシアン化カリウム、これは青酸カリでございます。それからこれはガスでありますけれども青酸、それから、特に私はここで注目したいのは2・4Dですね。これはもう申すまでもなく、ベトナム戦争で使われておりました大変危険な除草剤でございます。そのほかいろいろ、ちょっと食品にこんなものを使っていいのだろうかと思うようなものがたくさんあるわけでありますけれども、そういうようなものが許可されているわけでございます。 それで、そういうようなことから、新聞その他マスコミ等が大変大きな問題として取り上げまして、社会的関心も高まり、消費者からは健康に影響があるのではないかなどの不安に対する問題等が提起されましたことから、厚生省は、一昨年でありますけれども、平成三年度からポストハーベスト農薬の農産物への残留実態調査を実施されるようになったということであります。大変遅まきでありますけれども、結構なことだと私は思うわけであります。しかし、その初年度の実施状況を見ますと、これは総務庁の報告でございますけれども、情報収集対象国ですね、これは、ポストハーバスト農薬を使用している国のうち米国及びオーストラリアの二カ国であるということです。また、しかも、対象品目は小麦、大豆及びバレイショの三品目となっているわけであります。 そこで、ちょっと厚生省さんにお尋ね申し上げたいのですが、ポストハーベスト農薬を使用している諸外国、いろいろたくさんあると思うのでありますけれども、どのような国がございますか。特に我が国で輸入している国はどのくらいあるのか、まずお知らせ願いたいと思うのです。
○牧野説明員 農産物の収穫後に使用するということでポストハーベスト農薬と称しているものでございますけれども、国際的には収穫後農産物の貯蔵あるいは保管のために使用していると聞いております。ただ、法文上明確にその使用を認めておりますのはアメリカだけでございます。 アメリカにつきましては、CFR・米国連邦規則集一九八八年版によりますと、ポストハーベスト使用できる農薬といたしまして六十品目がリストアップされております。 そのほか、法文上明らかではございませんけれども、カナダ、オーストラリア、イギリス等で使用されているというふうに聞いております。
○斉藤(節)委員 アメリカだけだということでありますが、そのほかにこれはポストハーベスト農薬として許可している、六十品目あるということをお話ししましたけれども、じゃ、それ以外はポストハーベスト農薬としては使わないで、ただポストあるいはプレハーベスト農薬として使っているのではないですか。
○牧野説明員 アメリカの場合でございますと、今約四百の農薬が使用されておりまして、そのうちポストハーベスト使用が認められているのは六十でございます。
○斉藤(節)委員 じゃ、それ以外にいろいろたくさんほかの国は使っているというわけで了解してよろしゅうございますね。 そこで、先ほども申し上げましたように、我が国は、いわゆる農薬を使用している国の中で対象品目として小麦、大豆及びバレイショの三品目にしているわけであります。これは私、大変不満足に思うわけでありますけれども、昨年度並びに今年度はどんなふうになっておりますか。これ以外に品目をふやしておりますか、それともどうでしょうか。
○牧野説明員 調査をいたしております農産物につきましては、今先生御指摘のとおり、平成元年度の調査は小麦、大豆、バレイショでございました。平成二年度におきまして、前年度に引き続きまして、さらにプラス、トウモロコシなどを追加してございます。 平成三年度でございますけれども、今年度につきましてはポストハーベスト使用農薬の対策費が大幅に増額されたこともありまして、現在実施計画を検討中でございます。
○斉藤(節)委員 最初に申し上げましたように、厚生省告示三百七十号で、食品及び添加物等の規格基準で検疫所で検疫しているわけでありますけれども、それは主にどういったものについてやっておりますか。
○牧野説明員 検疫所におきます輸入食品の検査でございますけれども、今御指摘ございました規格基準に定められているもの以外にも、例えば最近問題になってございますポストハーベスト農薬、あるいは食品中に残留する農薬、こういったものにつきましては、輸出国において使用されていると考えられるものにつきまして必要に応じて検査を実施しているところでございます。 なお、仮に輸入農産物に農薬が発見された場合でございますけれども、この場合は、ADI、一日摂取許容量などとか、FAO、WHO、国連食糧農業機関、世界保健機関、こういったところで定めた国際基準などを参考にいたしまして安全性評価を行っているところでございます。
○斉藤(節)委員 そこでちょっとお聞きしたいのですけれども、我が国は農薬の残留数値、それから使用月日で制限しているというようなことが言われているわけでございますが、それはどのようなことでございますか。いわゆる残留農薬その他諸外国からいろいろ入ってくるわけですけれども、それについて抜き取り検査なんかやっておりますね。それについて何か使用した年月日が非常に経過しているから大丈夫だ、あるいはこれまでは大丈夫だという基準というものがあるというふうに言っておるのですけれども、それはありますか。
○牧野説明員 輸入農産物でございますので、農薬をいつ使用したかは私ども把握できませんけれども、実際分析した結果につきましては、先ほど申しましたように、ADIであるとか国際基準等を参考にいたしまして、安全性評価をしているところでございます。
○斉藤(節)委員 都道府県の昭和六十三年度の食品衛生検査結果の報告によりますと、輸入食品から、現在我が国では登録されていないポストハーベスト農薬が検出された事例、それから我が国では食品残留基準が設けられていない農薬が残留していたという事例が二十八件報告されているわけであります。このようなことからも、やはりこの問題に対して強力に取り組まなければならないのではないかなと思うわけでありますけれども、平成年度に入ってからこのような例がほかにありましたでしょうか、これは今六十三年度について申し上げたのですが。
○牧野説明員 私どもは、都道府県に対しまして農薬などの分析を行った場合にはその結果を報告していただくようにお願いしておるところでございますけれども、最近はそういった例はございません。
○斉藤(節)委員 では、ポストハーベスト農薬問題につきましては、時間もありませんので、大体この辺で終わります。 次に、肥育あるいは成長、いわゆる太らせるあるいは成長させるというようなことを促進させるために、それらのことを目的といたしまして合成ホルモン等が使用されているわけでありますけれども、その使用された牛肉の安全性が国際的にも大変問題になっておるわけです。特に、アメリカとECにおいて大きな問題になったということは御承知だと思いますけれども、FAO及びWHOでは一九八六年に合同の検討機関を設置して、諸外国で使用が認められている合成ホルモン三成分、ゼラノールとトレンボロン、それからメレンゲステロール、このうちゼラノール及びトレンボロンの許容残留水準の設定等について審議検討してきていたわけでありますが、残念ながら基準等の設定までには至っていないというふうに報告されているわけであります。 このことは大変残念なことでありますけれども、しかしアメリカ及びオーストラリアでは独自にいわゆる許容残留量を決めているわけであります。例えばゼラノールにつきましては、アメリカのFDAは二〇ppb、それからオーストラリアでは二〇ppbで同じです。それからトレンボロンにつきましては、米国は五〇ppb、オーストラリアは決めてない。それからメレンゲステロールは、アメリカは二五ppbですね。それに対してオーストラリアは決めてない、このようになっているわけでありますけれども、果たしてこの数値が安全かどうかについてはわからないわけであります。 また、屠殺前の休薬期間というものを設けているわけでありますけれども、ゼラノールにつきましては、オーストラリアは六十五日としているわけであります。つまり、殺す前六十五日からは使わない。それに対して、アメリカはゼロなんですね。屠殺する前の日まで使ってもいいというような状況になっているようであります。それからメレンゲステロールについては、アメリカでは二日としているわけです。 また、今申しましたように、合成ホルモンのうちゼラノールについては、米国とオーストラリアとでは休薬期間が非常に大きな差があるわけでありますけれども、このようなことで果たして安全かどうかということになりますと、私は大変心配に思うわけでありますけれども、厚生省は平成元年度にこれら三成分の合成ホルモンすべてについて〇・一ppbまでの検出方法を確立したということでありまして、これは大変すばらしいことであると私は思うわけであります。しかし、せっかくすばらしい成果を上げておられながら、ゼラノールについてのみ残留状況を調査しておられるということでありますので、これはほかのトレンボロン及びメレンゲステロールについても残留調査を行うべきであると私は思うのでありますけれども、その辺は、どのような理由でなさっておられないのでしょう。
○難波説明員 お答えを申し上げます。 先生御指摘の食品中のホルモンにつきましては、六十三年度以降検査法の開発あるいは残留調査ということで進めているところでございますが、先生御指摘のゼラノール以外の合成ホルモン二成分につきましては、平成元年度末に先生御指摘のように〇・一ppbの検出限界の検査方法を開発したということで、平成二年度に実態調査を行っておるところでございます。 なお、ゼラノールにつきましては、従来から既存の一〇ppbという検出限界の検査法がございましたので六十一年以降やっておりましたけれども、平成二年度におきましては同じように〇・一ppbのレベルの検査法によりまして、三物質とも実態調査を行っておるところでございます。
○斉藤(節)委員 今お聞きして大変安心したわけであります。平成二年度からゼラノール以外のトレンボロン及びメレンゲステロールについてもやっているということで大変安心なんですけれども、ちょっとそこでお伺いしたいのですが、〇・一ppbということで決めているわけです。検出限界そこまでいくようになったわけですけれども、もしこれが多く入ったようなものを我々が食べた場合、我々の健康の上にどんな影響があるのか、その辺おわかりでしょうか。
○難波説明員 お答えいたします。 合成ホルモンが食品に残留した場合、それをとることによる人体影響については、先生先ほど御指摘のように、FAO・WHO合同食品規格計画において、トレンボロン及びゼラノールについての検討が進められておるところでございます。 現在の検討段階、まだ最終段階に至っておりませんけれども、現在の段階では、一日許容摂取量がトレンボロンにつきましては体重一キログラム当たり〇・〇二マイクログラム、それからゼラノールについては体重一キログラム当たり〇・五マイクログラムというようなことで評価がなされているところでございます。 これらに伴う肉中の許容されるレベルについても今検討が進んでおりますし、厚生省といたしましては、実態調査とあわせて、これらのFAO、WHOの検討の動向も見きわめながら、残留基準の設定等、所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(節)委員 農水省さんからいただきましたデータによりますと、天然ホルモン、これは我が国でも使っているということでございますけれども、天然ホルモンの場合はどうなんでしょうか。厚生省としてどんなふうに考えているのでしょうか。
○難波説明員 天然ホルモンにつきましては、私どもの実態調査におきましても微量の検出はあるわけでございますが、本来、生体自体、人間もそうでございますが、一定量は持っている、特に妊娠でございますとか分娩とかというようなときには雌の場合は非常に高くなるということでございまして、FAO、WHOで既に検討が終了しておりますけれども、正常な使用に伴う残留については特に規制の必要がないというような結論になっております。それらを参考にして対処してまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 もう時間になってしまいましたのでこれで終わらせていただきたいと思いますけれども、私は、これまでの議論の中で、我が国は輸入食品に対するポストハーベスト農薬及び合成ホルモンのチェック体制がまだ不十分じゃなかろうかと思うわけであります。特にポストハーベスト農薬について、そんなふうに思うわけであります。最初に述べましたように、食品は栄養豊富で汚染物質を含まないものでなければならないと思うわけでありまして、そうでありませんと国民の健康は守れないと思うからであります。 それゆえに、我が国に輸入されている食品の中で、今まで申し上げましたような危険のおそれのある食品に対しまして何らかの措置を講ずる必要があると思うわけであります。例えば、これら農薬とか合成ホルモンに対する諸外国の各種規制の状況等の実態を的確に把握し、これを踏まえて残留実態調査を実施していただきたい、そしてまた、規格基準を早急に設定すべきだと思うわけであります。 その辺要望いたしまして、御答弁いただきたいのですけれども時間がありませんので、これで終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○小杉委員長 東順治君。
○東(順)委員 私は、産廃物の最終処分場の問題で質問させていただきたいと思います。 実は、私の住む福岡県の嘉穂町という筑豊地帯にある田舎の農村ですけれども、ここに産廃物の最終処分場が現在建設中ということで、これがいろいろな波紋を呼んでおるわけでございます。福岡市の産業廃棄物を小一時間ぐらいかけて嘉穂町というところに運んでまいりまして、そして山の中に今つくられつつある処分場で処分をする、こういう状況でございます。 それで、この最終処分場は、処分場施設の埋め立てから、埋め立て完了後も業者の責任で管理する管理型と言われるものでございますけれども、まず最初にこの管理型処分場の具体的な法規制、こういったところを伺いたいと思います。
○三本木説明員 現在の廃棄物の処理及び清掃に関する法律におきましては、まず産業廃棄物の最終処分場を設置する場合には都道府県知事にあらかじめ届け出るというふうになっております。その産業廃棄物の処分場は、通常投入する産業廃棄物の種類によりまして、いわゆる管理型の最終処分場、安定型あるいは遮断型というような三つのパターンに分けて規制が行われることになっております。 具体的には、届け出がありました最終処分場につきましてはそれぞれの処分場の構造基準というのがございますが、それに応じた形で適合しているかどうかを審査するというような仕組みになっております。さらには、この基準に適合していないと認められる場合には、都道府県知事は計画の変更ないしは計画自体の廃止を命ずることができるというような規定がまず置かれております。 さらに、最終処分場が完成いたしまして使用されることになるわけでありますが、その際におきましても、実は施設を適切に維持をしていく、環境に問題のない形で管理をしていく必要がございます。法律におきましては、そのような維持管理基準と呼んでおりますが基準がございまして、その基準に従って管理者は埋立地を管理していかなければならない、このようになっております。当然のことながら、その維持管理基準に合わないようなことになりますれば、都道府県知事は改善命令ということをかけることができております。 特に、先生御指摘の管理型の最終処分場につきましては、まず公共の水域あるいは地下水の汚染を防止するといった観点から、具体的には他の処分場のものとは異なりまして、例えば底の方に遮水シートを敷くとか、あるいは粘土質でもって水が地下にしみ込まないようにする、さらには、出てきた水を公共用水域に放流する場合には、ある程度集水をしなければなりません、そういうような設備を設けなさい、さらには、集めた水について、放流する場合には水処理施設でもって適切な浄化をいたしまして放流する、そういったようなことがこの法律の中では規定されておるわけでございます。
○東(順)委員 よくわかりました。 それで、ここ嘉穂町の最終処分場というものが、今地元の住民の皆さんと業者との間で大変なトラブルといいますか、非常に困難な状況に至っておるわけでございます。 いろいろな原因があるのでしょうけれども、一つには、建設業者が保健所に処分場建設の申請をして、そして県が受理をした。この申請が昨年の十月二十日、そして、県が受理したのが十一月六日。これも、今御説明いただきましたように、届け出内容、ペーパー上不備がなければ受理せざるを得ないわけですけれども、これで県が受理をして、そして十一月十四日に工事着工、ということで工事が始まって、この後地元の泉河内というところなのですけれども、この住民が初めて気づいているわけですね。これは一体何ができているんだ、聞いたら、産廃物の最終処分場だということで、飲み水が汚染されて、しかも区有林の作業道、道を業者が無断使用しているということで、この作業道にくいを打ってこれを封鎖して、この時点で今度は町、地元の町ですね、住民というのが初めて知ったわけでございます。 それで、区長会で反対を決議をする、嘉穂町の自然を守る町民会議等が結成をされる、これが十二月十四日ということで、要するに流れが、地元の住民が知って驚くというのが一番最後に来ておるわけです。驚いたときにはもう既にすべて手続が終わって、工事が始まってしまっておるという、ここに地元の住民というものを中心にした視点というものが大変欠けておるわけでございます。法的に不備がない云々ということだけでやはり済まされないのが、何もこの嘉穂町の産廃物処分場の問題だけではなくて、全国的にこれが大きな問題になっておるわけでございます。結局、もし汚染等が現実に起こったときに一番被害を受けるのは、そこに住む付近の、地元の住民ということになるわけでございます。 したがって、早速反対署名なんかが始まりまして、実に町の全人口の八割強が反対に署名をするというような事態になっておるわけです。六千九百九十五人という人数でございます。それから、町長あるいは町議会を初めさまざまな団体、PTAだとかいろいろなところで反対の声が上がって、それで専門家を呼んで講演会を開いてみたり、県への陳情をしたり、デモをしたり、あるいはまた反対集会をやったりということで、今盛んに行っているところなのです。私も現地に行ってみましたけれども、ほとんど全町民そういう雰囲気の中で、非常に反対の声が強いわけでございます。 したがって、この産廃物の処分場の問題というのは、産廃物処理法、今改正が検討されておるわけでございますけれども、やはりざる法とも言われてきたこの法からくるところの、生み出した社会問題、こういう思いを一段と深くするわけでございます。したがって、今日本の社会の中で、いろいろなところで直面しているこの産廃物の最終処分場の問題、しかも地元の住民の八割強ですから、ほとんどの人たちが、もう困る、やめてくれという反対の声を上げている。これは大変大きな社会問題である。 しかも、嘉穂町という今の現実の中に、その典型的な例があるというふうに私は思います。これをただ一地域の限定した問題というふうにとらえるのではなくて、これは下手をすると、どこだってこういう形でトラブルが生じていく可能性を持った大きな社会問題としてとらえなければいけないと私は思います。したがいまして、厚生省のこの問題に対する御所見なり、思いなりを伺いたいと思います。
○三本木説明員 ただいま先生御指摘のように、産業廃棄物の処分場の設置をめぐりまして、全国各地で、かなり多くのところで地域の住民の方々の反対がありまして、思うように処分場の整備が進まない、そういう実態があるのは私どもも十分承知しているところでございます。 基本的には、産業廃棄物対策におきまして最も重要なことは、やはり産業廃棄物の処理施設あるいは処分場をどのように円滑に確保していくかという視点も、実は大変重要なポイントであることは間違いないわけであります。さらにまた、それを進めていく中で、周辺の住民の方々の理解ないし協力をどのように得ていくかということも、私どもとしては大変関心を持って対策を立ててきておるところであるわけでございます。 実際問題、どのような対応策を講じてきているかということにつきましては、まず、従来より各都道府県におきましては、御案内のとおり、廃棄物処理法は届け出制でございますので、届け出に際してのいわば事前の指導をするというようなこともあります。その指導を適切かつ公正に行っていくというような観点から、地域の実情を十分勘案した形で周辺住民との事前協議が行われるよう、こういったことなどの指導が行われてきております。 この点につきましては、各都道府県それぞれ指導の内容は少しずつ異なってはおりますけれども、ほぼ多くの地域において行われてきております。しかしながら、周辺住民の理解がなかなか得られにくいということ、そういう実態がございます。これには、近年の産業廃棄物の処理に対するいろいろな問題提起から、処理が適切に本当に行われるのかどうか、そういう信頼性といいましょうか、これが低下しているというようなこともございまして、大変設置が難しい。 そこで、現在、厚生省におきましては、この国会に廃棄物処理法の改正案を提案させていただいておるわけでございますが、その中では、最終処分場の設置につきましては、現行の届け出制から知事の許可制に切りかえるということを一つ柱にしてございます。 さらには、その許可制の内容といたしまして、許可基準について技術上の基準とともに、災害防止のための計画の作成をその設置者に義務づけるなどといったような措置を講じさせることにしておりまして、こういったことを通じまして周辺住民の理解が得られるよう、必要な規制の強化を図りたいというふうに考えておるところでございます。
○東(順)委員 そこで、今局長がおっしゃいました届け出に際しての事前の指導ということと、事前協議ということを一つのルールにしている、こういうお答えでございましたけれども、実際やはりこの問題はここが一番抜けていたのですね。それで、単に処分場をつくる土地の所有者あたりに少し了解をとる。現実的には届け出に際して、そこがどういう地域なのか、住民のどういう反対が起こり得る可能性があるのかというような事前の指導もほとんどない。 私は県に行って聞いてきました。本当にスピード、スピードで、非常に拙速的に書類だけぱんぱんとそろえて、ぱっと工事に入っている。事前の協議に至っては、もうこれは本当にありませんでした。そういうところから、最初のボタンのかけ違いから物すごいねじれてきて、今抜き差しならないデッドロックのような状況になっておるわけでございます。したがって、事は非常に深刻な状況であるというふうに判断をしておるわけでございます。 大臣、こういう問題に対する大臣の御所見も伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 産業廃棄物の最終処理場の設置に当たっての今の御質疑だと思いますが、地元の対応につきましては、御指摘のとおり地元に対して十分説明を行って納得をしていただくということが極めて大事だと認識をいたしております。
○東(順)委員 済みません、ちょっとこれを大臣に渡してください。今現地の写真を……。 今見ていただいております同じものでございますけれども、これが現地で今建設中の最終処分場なんですね。この大きさが縦約二百五十メーター、それから横が三十メーター、それで深さが二十メーターという大変巨大なものです。 それで、先ほど遮水シートという御説明がありましたけれども、この遮水シートというのはこれです。つまり内側にこれを張っております。これは最終的には全部、内面すべてに張るわけですけれども、これがこれなんですね。一・五ミリの遮水シート、こんな薄いものなんです。これは一応法的にはクリアされておるわけですけれども。 そこで、今お答えになりました、法的には確かに問題ない、ペーパー上は。ところが現実上では大変に大きな問題になっているというこの矛盾点ですね。それを具体的に言いますと、一つはこういう建設地の選定の問題なんです。なぜこの建設地を選んだのか。この建設地は、実は一昨年このすぐ近くにやはり安定型の最終処分場の建設話が持ち上がっている。ところがこの下流住民の強い反対で、この計画がもうとんざしてしまっているのですね。とんざしてしまって、そしてしかもその予定地が農地であったために農事組合の同意が必須条件というようなことが幸いして、一回持ち上がった話がつぶれているすぐ近くの地域なんです、つまりこれは。だから、もうその時点で、この地域を選定するというのは何で選定するのだろう、もう既に反対されてつぶれた地域じゃないか。これが一つ。 それから、この現地は、実は北九州というところは、筑豊から北九州に至って遠賀川という大きな川がずっと流れておるわけです。これは北九州の人たちの飲料水の源になっている川ですね。この遠賀川にやがて注いでいく千手川という川があります。その水系の山手の嘉穂郡中部地域というところの水源地になっているところなんです。それで、しかもこのすぐ近くに、すぐ下にこういう水源涵養保安林があるわけです。こういう地域でございます。それで土の質は浸透性が非常に高い。粘土質とは逆で浸透性が非常に高い真砂土ですね。さらさらした砂なんです。砂地のような土です。したがって、一たん地下水の汚染が起これば永久的に続くであろうと言われるような土質ですね。しかもこの周辺に住んでいる人たちは、約二百人の住民は上水道がないわけです。つまり井戸の水やこの川の水を飲料水としておるわけですね。 しかも、この建設予定地が山間部で非常な急傾斜地で土壌基盤が大変弱い。その上、この地区一帯は災害の多発地なんです。それで、この嘉穂町という町はこの五年間で実に三百八十四カ所がこの災害に遭っておるのですね。内訳をいいますと、農林災害が二百二十二カ所、林道災害が十四カ所、河川災害が百六カ所、道路災害が四十二カ所、合計三百八十四カ所、こういう状況のところなんです。何でこんなところを選んだのかなというふうに、私も本当に憤慨をしました。これは地元の町民の人たちが八割強反対するのは当たり前だなというふうに、本当に痛感いたしました。 そこで林野庁に伺いたいのですけれども、森林法第十条の二というのがございますね。ここで都道府県知事が、以下のものがある場合は許可できないという部分がございますね。「当該開発行為をする森林の現に有する土地に関する災害の防止の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域において土砂の流出又は崩壊その他の災害を発生させるおそれがあること。」それから「当該開発行為をする森林の現に有する水源のかん養の機能からみて、当該開発行為により当該機能に依存する地域における水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがあること。」それから三番目に「当該開発行為をする森林の現に有する環境の保全の機能からみて、当該開発行為により当該森林の周辺の地域における環境を著しく悪化させるおそれがあること。」この三つの場合は、都道府県知事は許可の申請があった場合にも許可できないという項目がございますね。これに照らして、こういうふうにもう大変に災害のおそれのある地域についてどのように見られるのか、お伺いしたいと思います。
○弘中説明員 御説明申し上げます。 先生のお話の中で条文をお読みいただきましたので、詳しくはそのとおりでございますが、保安林以外の森林におきましても、土石または樹根の採掘、開墾その他の土地の形質を変更する行為で、森林の土地の自然的条件その他の行為の態様等を勘案して、政令で定める規模を超えるものにつきましては、林地開発に当たって森林の開発行為により森林の有する水源の涵養、災害の防止等の公益的機能に悪影響が生じないように、都道府県知事の許可を要することとしております。 災害の防止の観点からは、許可に当たっては洪水調整池、沈砂池等の防災施設の設置がされること、水の確保の観点からは必要に応じ貯水池、導水路等が設置されること、環境保全の観点からは一定規模以上の森林が周辺等に適切に残置または造成されること等の措置が適切に講ぜられることを許可の要件としているところでございます。
○東(順)委員 いや、それで要するに、こういう場合はどうですかと伺っているわけです、この森林法から照らして。
○弘中説明員 具体的な先生御指摘の福岡県嘉穂町の産業廃棄物処理場の建設の件につきましては、詳しいことにつきましては現在県で調査中でございますが、私どもが現時点で県から聞いておりますところによりますと、建設に当たりまして業者の申請は、先ほど申し上げました森林法の許可の対象となる規模を超えてないということで、許可の手続をしておりませんでした。 ところが、地元の住民等の反対の意見等が上がる中で、森林の開発行為の規模について疑義があるというところから、現在県の指導によりまして工事を中断し調査をしている段階であると聞いております。 この当該開発行為が森林法による許可を得る必要がある基準を超えているということが明確になりましたら、林地開発許可制度に基づく手続が行われるものと考えておりますし、その時点で必要であれば林野庁といたしましても適正な措置がとられるよう県を指導していく考えでございます。
○東(順)委員 大臣、今答弁いただきましたけれども、実はこういうことなんです。 一つは、この建設業者が去年の十一月、総面積が四千九百五十八平方メーター、埋立可能面積が一千二百六十九平方メーターの計画で処分場の建設を始めたわけです。ところがその後、進入路の建設等の必要性なんかいろいろなものが出てきて、森林を切り崩してずうっと広がっていってしまったわけです。そして、余り当初の建設の面積と違う広さなので住民が疑念を持って、そして町が県や業者に測量の再調査を要請したわけです。そして地元住民それから町、県、業者、この四者立ち合いのもとに再測量したわけです。したところが、今御答弁いただきましたように、一万平方メーターを実は超えていたわけですね。ところが、一万平方メーターを超えた場合は森林法に基づく県の許可が要るわけです。県の許可を得ないままやっていたわけです。それで、県の方が工事を今一時中止ということで指導して中止させておるわけです。こういう状況なわけでございます。したがって、最初の届け出のペーパーだけ出してざあっと工事に入ってしまって、それで後からこういうことが現実の問題として出てきておるわけです。 それからさらにこの業者は、独自に里道——里道というのは国の所有権にあるわけです。そして財産管理というのは県、それから維持管理は町に委託されておるわけです。国の所有権のこの里道を無断で削って拡幅して車が通れる作業道にしているわけです。これも後からまたわかったわけです。これも今、県の土木事務所あるいは町が文書でこの業者に原状復帰の行政指導を行っている状態なわけです。だから、事ほどさようにすごく拙速過ぎて、後から後からそういう形でぼろが出てきておるわけです。 さらに、こういうこともあったのです。その土地を購入をして、そして作業をずうっと始めたところが、その中に個人が持っておるほこら、二十七平方メーターの広さなんですけれども、神様みたいなのを祭っているほこらがあって、そしてこの業者はこのほこらを、もう亡くなった故人の方ですから、その故人の方の相続人から移転の承諾書を取りつけた、こういうことで作業をやっておったのですけれども、実は取りつけたはずのその人が真実の相続人じゃなかったわけです。本当の相続人が別にいたわけです。だから、今度はその本当の相続人の方が怒って、もう今そのほこらの周りに縄を張って、ここだけは絶対に譲らない、こういう状況になっているわけです。 そういうことで、問題をすごくたくさんはらんでいるわけです。そして、それでも何とか何とかと言ってこの工事を進めたいというような形でおるわけです。したがって、こういう状況ですから、当然のことながら現地では地元住民と業者の間がもう完全に岩に乗り上げてしまって一歩も動けない状態になっているわけです。実際は県も困惑をしておるわけです。 したがって、長官、また厚生省から伺いたいのですが、ぜひ現地視察をやっていただきたいと思うのです。そして、よく現地をつぶさに視察をしていただいて、業者や町やそういう言い分をしっかり聞いていただいて、県に適切な助言とそういうアドバイス、指導というものを行っていただきたい、こういうふうに思うのですけれども、まず厚生省はいかがでしょうか。
○三本木説明員 ただいま先生から、事実関係につきまして御説明があったわけでありますが、一つだけ補足して説明をさせておいていただければと思います。 それは、まず住民の反対があったということによりまして、当該処理業者が実は搬入路の一部変更をした。埋立地自体の面積の申請を拡大しているということではなくて、搬入路も開発の許可の対象といいましょうか開発のいわば対象になっているということで、住民の反対運動によってといいましょうか反対によりまして搬入路の変更をしたために、開発面積が一ヘクタールを超えることとなったということを県の方から私どもは聞いておるわけであります。 さらには、現在の状況では、搬入路となります林道でございます、これは嘉穂町が管理をしておるわけでありますが、実にこの幅員の二メートルの幅に町自体がくいを打ちまして、なるべく工事が行われないようなために、重機あるいはその他の運搬のダンプのたぐいのものの通行をいわば阻止をしているという状況で、そのために現在いろいろと建設工事がストップしているというのが実態でございます。 実は、この点に関しまして、この処理業者がこの四月の十一日に裁判所に、このようなくいの撤去であるとかあるいは住民の処分場建設予定地への立入禁止につきまして、現在裁判所に仮処分の申請を処理業者のサイドから出しているというのが実態でございます。 このような状況でございますので、私どもといたしましては、この問題、極めて地域の問題であり、法律上も都道府県知事への機関委任事務といいましょうか、都道府県知事の権限として、こういった問題が処理がなされるというのが法律的に定まっているというようなこともございます。そういったこともありますが、私どもの方といたしましては、県の対応を十分見きわめながら、県の方から今後とも情報の収集に努めていきたいというふうに思っておりますが、あるいはまた、この手のたぐいの問題が、言ってみますれば全国的な問題としての何らかの判断を示さなきゃならないような、そういった参考になるような事柄でございますれば、先生御指摘のような線に沿いまして、県とも相談の上で適切に対応していきたい、このように考えております。
○東(順)委員 作業道を変更して、それで一万平方メーターを超えた、今こうおっしゃいましたね。それはそのとおりなんですが、なぜ作業道を変更しなければいけなかったかという問題も、またもう一つあるのです。つまり、無断で車両の通行用として、区有林を勝手に作業道として最初使っていたわけですね。区有林の作業道、それを住民が反対したために変更した、変更して、今度はさっき言ったように里道の一部を無断で削って拡幅をした、なおかつ一万平方メーターまで広がってしまったというようなことで、二重三重のミステークなんですね。だから、事は非常に重大なことだと僕は思います。 それで、今おっしゃいましたように、見きわめながら十分な情報収集をして、なおかつ全国的な参考にしたい、こうおっしゃいましたけれども、もうぜひお願いしたいと思います。 大臣、大臣にもぜひお願いしたいのですが、これはどうでしょうか。本当にこれからの参考にもなりますし、しかも、地元に住んでいる人たちが、八割強の人たちが反対をしているというような状況で、今私が説明しましたように、こういうさまざまなミステークをいっぱいはらんで中断になってしまっている状況ですので、どうですか、一度現地にぜひ行かれて視察をしていただけませんでしょうか、環境庁として。いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 いろいろ今経緯を聞かせていただきまして、地元の住民の方とのトラブルがあるということをまことに遺憾に思いました。 廃棄物の最終処理場というのは、廃棄物をできるだけ出ないようにしよう、環境保全型の社会にしようというのが私どもの立場で、今回もおかげさまでリサイクル法などをつくっていただきましたけれども、そうはいっても人間生きていく以上必ず廃棄物が出るわけでございまして、その処理というのはこれまた大事な問題で、そうなりますと、どこかに処理場をつくらなきゃならないということがございますから、やはり地元の皆様方の了解をいただいて十分納得をしていただいた上でつくる、また万全の策を講ずる、こういうことが大事だ、ここで先生のいろいろなお話を聞きながら、そのことを改めて痛感をしたわけでございますが、現地へ行ってみるべきだというお話につきましては、この時点でスケジュールをお約束するのはなかなか困難ではございますが、十分頭には置かしていただきたい、このように考えます。
○東(順)委員 ぜひ頭に置いていただいて実現をしていただきたいと思います。 それで、私も現地に行ってみて初めてわかったんですけれども、恐縮ですが、大臣、もう一回これを見ていただけますか。この左側のシートを張ったところが、ちょっと裏側がくぼんでいますね。これは要するにシートを張ってしまったんだけれども、既に土が粘土質じゃなくて真砂土なものですから、もう内側から崩れ始めてきているんです。それでくぼみみたいな形になっておるわけです。だから、こういう一・五ミリのようなシートさえ張っておけばいいんだと、法的にはそうなんだけれども、現地に行ってみますと、確かにこれを張っているわけです。張っているんだけれども、下の土地が弱くてもうぼろぼろ崩れてきていて、それで空間ができてくぼみみたいになってしまっている。こういうところに産廃物を、灰とかばいじんを入れるわけですけれども、そういうのを入れて、そして例えばそこに危険な物質をはらんでいたときに、こういう真砂土質ですから地下にどんどん浸透していくということが十分考えられる。建設段階から、もう既にこれは間違いなく汚染の不安があるわけですね。こういうのは行ってみて初めてわかったんです。これはただ単に張っておけばいいという問題じゃない、下の土地の土のかたさも非常に重大な要素だ、こういったことがわかったわけでございます。 したがって、やはり環境庁としてこれから国民にリサイクル社会ということを訴えて、そしてよく理解をしていただいて、国民の協力のもとにリサイクル社会というのをつくっていかなきゃいけない。あるいはまた産廃物の処理の問題にしても、住民が勝手に迷惑施設だから要らない、そんなもの来てくれるなということだけを言っているわけじゃないんですよ。つまり、最初からよく説明をされて、絶対心配ありませんよと、絶対心配のない施設のようにつくっていきますよというようなことがきっちり説明をされて、そういうところから出発しておけば何もこんなにこじれることはないわけですね。ところが、それがなされてないということでこういうことになっているわけで、したがって、これからリサイクル社会になっていくので国民の皆さんはよく理解してくださいと幾ら叫んでも、嘉穂町の皆さん理解してくださいと言ったって、一番大事なときに環境庁とか厚生省の偉い方たちが現地に来て私たちの現実を見て、そして対応してくれるのだったらわかるけれども、それもしないで、そしてこれから理解してくれと言って、新しい法律つくるからと言ったってそうはいきませんよというような反応にどうしてもなっちゃうわけですね。 そういう意味で私は、環境庁の大きな仕事というのは、大臣にこんなことを言うのは失礼ですけれども、一つはこれからは非常に大事な環境警察というような意味合いがあると思います。これはやはり現地に行って状況をよく確かめて、その上で誤りのない判断の上からきちっとした法案をつくっていく、そして国民に納得を与えていく、そういう積み重ねが大変大事ではなかろうか。そういう意味でぜひ行っていただきたいし、また情報を的確に収集していただいて、そして県の方に的確な助言、アドバイスを行っていただきたい。もう切なる願望というか願いでございますので、いかがでしょうか、大臣、ぜひ検討していただけませんか。すぐにでも行けなければ、情報を県からしっかりとっていただいて、そして一度検討をいただけませんでしょうか。そして全国のこれからの一つのよき例にしていただけませんでしょうか。いかがでしょうか。
○愛知国務大臣 この廃棄物の問題につきましては、国民の御理解と御協力がどうしても必要でございます。また、私どもが目指しております環境保全型社会をつくり上げていくということについても同じでございまして、今後とも環境庁の立場から国民に対する啓蒙、啓発運動に全力を挙げていく決意でございますが、こういう逆の例でございますが、そのことにつきましても十分関心を持ち、可能な限りの情報も私どもとしても集めさしていただき、また、先ほど申し上げましたとおり、私自身の行動につきましては、この時点でお約束はちょっとできませんけれども、十分頭に置いてまいりたいと思います。
○東(順)委員 じゃ、以上で終わります。ありがとうございました。
○小杉委員長 寺前巖君。
○寺前委員 わずかの時間ですが、国連決議やフロンの削減の問題での環境保護の問題について、きょうはちょっと聞いてみたいと思います。 まず最初に、外務省お見えですか。昨年の十二月三日に第四十五国連総会で「軍事活動への割り当て資金を環境保護の市民的努力に利用する方針の作成」という決議案が圧倒的多数で採択されましたが、決議案の内容と、日本政府のそれに対する態度はどうだったのかということを御説明いただきたいと思います。
○神余説明員 御説明申し上げます。 御質問の決議は、昨年の第四十五回国連総会におきまして、スウェーデンほか九カ国から提出されて採択されたものでございます。委員御指摘のとおりでございます。 この決議の内容につきましては、簡単に申しますと、まず第一に、専門家の助力を得て、現在存在します資源を利用しながら、環境保護のために、現在軍事用に供されております資源の利用に関する研究を行うよう事務総長に要請する、これが第一点でございます。それから第二点目は、すべての政府に対し、このような研究の目標が達成されるよう事務総長に協力することを慫慂する、この二つでございます。 この決議の投票結果は、委員御指摘がございましたけれども、賛成百三十八、反対三、棄権十二ということで成立いたしたわけでございますけれども、その反対の三カ国につきましては、アメリカ、イギリス、フランスというふうになっております。日本につきましては、カナダ、ドイツ、イタリア、オランダ、パキスタン等と全部で十二カ国でございますけれども、同様棄権をいたしました。 次に、その理由を申し上げますと、この決議につきましては、その基本的な趣旨については理解ができるというふうに考えております。しかしながら、次に申します三つぐらいの理由から、日本といたしましては棄権をした次第でございます。 第一に、今回の決議は、国連の第一委員会というところに出されております。この第一委員会という委員会は、核兵器あるいはその他大量破壊兵器、通常兵器等々の問題を扱います軍縮、安全保障問題に関する委員会でございまして、このような決議のテーマを扱うことが適当かどうかといったような問題が必ずしもはっきりいたしておらないということが、まず一点として指摘されるかと思います。なかんずく近年、国連総会決議の本数をなるべく減らそうということで、第一委員会におきましても簡素化に取り組んでおる中で、軍縮と何々、軍縮と福祉あるいは軍縮と環境といったような類似の決議がどんどん出てきておるという状況にございまして、簡素化、効率化の観点からいっても若干疑問なしとしないというのが第一点。 それから第二点目は、より内容にかかわる問題でございますけれども、国連環境開発会議というのが開かれるわけでございますけれども、この会議の事務局が次回の準備委員会の会合までに環境保護に使用することができる資源等々につきまして、あるいはその他の問題につきまして、一連の研究を行う権限を与えられております。この決議が目的とする研究とそちらの研究との重複の可能性もあり得るわけでございまして、これもまた国連財政の効率的な使用の観点といった観点からいっても、若干問題があるのではないかというふうに考えた次第であります。 第三点目には、軍縮と環境保護、これはどちらも非常に重要な問題でありますし、またそれぞれ独立した性格を持っている問題でもございます。このような軍縮につきましては、環境といった点ももちろんあるのでございましょうけれども、より各国の安全保障の観点といったものを踏まえて議論する必要があるということでございますけれども、この決議は必ずしもそういった面を十分に踏まえておらないという欠点があるといったことから、中身につきまして特に異存はあるわけではないのですけれども、我が国といたしましては棄権をするという立場を、以上のような理由からとったわけでございます。 長くなりますけれども、日本といたしましては、環境保護を極めて重要な問題と考えておる、この点についてはいささかも変更はございませんし、従来から積極的に取り組んできたところでありますけれども、途上国の支援の重要性あるいは途上国の環境保全の努力を支援するといった観点から、今、日本の政府開発援助の中あるいは政府開発援助の実施に際しまして、環境に対する配慮の強化といったような施策にこれまでも随分取り組んできておるわけでございますけれども、今後また、特に途上国への環境分野での技術移転を促進するといった観点から、国連の環境計画、UNEP、環境計画というのがありますけれども、それの地球環境技術センターを日本に設置するという構想も推進中でございます。 また、今後とも地球の温暖化の対策とかあるいは森林保全等々のための国際的な枠組みづくりに積極的に参加いたしていくわけでございますし、また、冒頭申し上げました環境と開発に関する国連会議というのがブラジルで九二年に予定されておりますけれども、これにつきましてもその成功に向けて積極的に貢献していく、こういう考えでございます。
○寺前委員 いろいろおっしゃいましたけれども、しかしこの決議が、こういう軍縮と環境問題を結びつけてきちっと位置づけた決議をやったというのは国連では初めてのことなんです。これは整理しようじゃないか、いっぱい決議があるからという性格じゃなくして、今の中心的課題の問題になってきているのだ。そして国連として、今もお話がありましたように、環境開発会議というのを来年ブラジルでやろうというところまで来ているわけでしょう。そういうときに、経済大国と言われている日本が一体どうなっているんだよ、そうだと積極的に言えないのかいな、これはだれだって思うのです。私も不思議でかなわないのです。 それで、これに積極的に成功するためにという、会議の成功のためだったら日本の国内においてもやはりそれにふさわしいことをやらなかったら恥ずかしい思いをすると思うのです。 第四十五回国運総会に提出された「上下水道の国際十年」、その結果と現状という事務総長報告を、この間私読ませてもらったのです。十年間、一体どうだったんだろう。日本の側で言えば、この十年というのは国家予算は、ふえたのは軍事予算が八割ぐらいふえています。ODA予算が二倍からになった。減ったのは、食糧管理予算が六割、七割と減ったのでしょうか、中小企業予算が二、三割近く減ったのでしょう。福祉、教育切り捨てとまで言われたわけですけれども、さてこの「上下水道の国際十年」の結果報告を読みますと、一九九〇年から二〇〇〇年に、上水道施設がない都市人口は八三%、下水道がない住民は六八%も増加すると推定され、今世紀末までに住民の九〇%に上下水道を整備するには、年額二百八十二億ドルの資金が必要だ、それは平均年間融資の三倍に匹敵する、積極的に金を組まなかったらこれは大変なことになりますよ、住環境は非常に悪いことになりますよという警告的な、そういう報告を事務総長がやっています。 なるほど、それでは日本のような、世界の人が経済大国と言う日本では、どういうふうに世界的な貢献をする立場にあるんだろうか、日本自身はどうなんだろうかということを私は振り返らざるを得ないわけです。 先ほど、ここでごみの問題が出ましたが、例えば、ごみの問題についてどうだろうか。昨年十二月に厚生省が全国の市町村での焼却場の建設計画を調査したのがあります。これを見ると、新設を百八十一カ所をやる必要がある、事業費総額は一兆円に上る、こうなっているのです。これは焼却場だけの話ですよ。最終処分地、今話題になった話とは違う。そこだけの話だけで一兆円かかる。 さて、今度の国会に廃棄物処理法の法改正が出されました。関連して、第七次廃棄物施設整備計画というのが、これは閣議決定でしょう、出されていますよ。そうすると、これは従来の継続事業を含めて、五カ年計画のことしは初年度で、法律改正もやって、何ぼの金額を組んだんだろうか。六百九十四億円です。焼却場だけで一兆円、こう言われておる。せっかく第七次の計画初年度、出発する。来年国際環境会議、国連で最初のものに出ていく。さてそのときに、これ、日本はこんな恥ずかしい計画でよかったのかいなと私は言わざるを得ないと思うのですが、大臣、この国連での決議で、日本はそうだと言えなかった、そうして国内ではこの第七次計画、これではつじつまが合わぬのではないだろうか。第七次計画の二年度以後の分について、否、初年度分についても、もっと積極的に改善を提起するということが環境庁長官として必要なのではないだろうか、いかがでしょう。
○愛知国務大臣 国連の決議の件につきましては、先ほど外務省からるる御説明がありました。内容については特に異存はないけれども、いろいろなほかの事情からこれに賛成するわけにいかなかったということでございました。 外交の担当者がそう言うのでありまして、その話を聞いてなるほどそうかなと思いましたが、私も正直言って少し残念な気持ちはいたしましたけれども、また別な方法でこういう趣旨が実現できる方法がないものか、私自身も考えてみたいと思っております。また、こういうような環境の問題で世界に貢献するというのは日本にとって大変大事なことでもございますので、そういう趣旨で努力をしていきたいと思っております。 なお、それにしては国内の体制が十分ではないではないか、こういう御指摘でございまして、予算の問題につきましては、ことしの予算はおかげさまで成立をさせていただきました。また来年度以降の話ということになろうかと思いますが、限られた予算の中でそれをどういうふうに使っていくかという政府全体の話かと思いますが、しかし環境問題になるべく重点を置いていくべきだ、こういうことにつきましては、私どももそういう認識でございまして、これからもそういうことを政府の中でも大いに発言をして努力をしていきたいと思っております。
○寺前委員 防衛計画の方は、計画的に予算は金額的にふえていっておるのです。せっかく法改正をやってまでの第七次の廃棄物施設整備計画の方は、言いましたように非常にお粗末だ。国際的にも軍事費を削って環境を、こう提起されているのです。だから来年の国際会議に出られるに当たって、私どももこれを抑えて環境整備の計画、積極的に第七次計画を見直してきましたと報告できるように国内整備をぜひやってほしいと、あえてもう一度私はお願いをしておきたいと思うのです。後からまたお話しをいただいたら結構だと思います。 そこで今度は私は、フロンの問題についてお聞きをしたいのですけれども、特定フロンは、昨年の六月の「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」の締約国会議で、九九年末までに全廃することになりました。要するに二〇〇〇年までには全部特定フロンについてはやめよう。 そこで、特定フロンにかわる代替フロンの開発が活発に起こってくるわけです。通産省にお聞きしますが、ここ一、二年の代替フロンの新規プラントの設置状況とそれぞれの代替フロンの毒性試験、これらのもののオゾンへの破壊状況はどうなっているのか御説明いただきたい。
○小島説明員 御説明申し上げます。 代替フロンの製造プラントの建設状況でございますが、現在までのところ、確定した事実として承知をしておりますのは、これから申し上げます三件でございます。うち二件はHFCの134aと呼ばれる代替フロンでございまして、いずれも本年十月を完工予定といたしまして現在建設が進められておりまして、その製造能力につきましても、これもいずれも年間五千トンという能力を有しておるというふうに承知をしております。また、三件目につきましてはHCFCの142bと呼ばれる代替フロンでございまして、これにつきましては昨年の五月に完工いたしまして、生産能力年間で五千トンというプラントであるというふうに承知をしておるわけでございます。 また、代替フロンの安全性評価並びにオゾン層を破壊する能力についてでございますけれども、まずHFCの134aと呼ばれる代替フロンでございますが、これにつきましては一九八八年一月よりPAFTと呼ばれます国際的な安全性に関する試験組織ができておりまして、この組織におきまして安全性評価を現在実施しておるというふうに承知をしております。現在までのところ、急性毒性また亜急性毒性、そういった試験項目についてはすべて終了しておりまして、これまでの試験結果から見まして、冷媒その他の一般的な用途への使用に関しては安全であるという評価が得られておるというふうに承知しております。ただし、医療用等の特殊用途への使用に関しましては、万全を期するためにさらに試験が継続をされておるところであるというふうに承知をしております。 このHFC134a、HFCと申しますのは、やや専門的になりますが、ハイドロフルオロカーボンと呼ばれます炭素と弗素と水素によって構成をされる化合物でございますが、オゾン層を破壊する原因は、フロンその他の物質の中に、分子中に含まれております塩素が紫外線の力によって分離をいたしまして、その塩素がオゾンと反応をしてオゾンを破壊するというふうに言われておりますが、このHFC134aの場合には分子中に塩素の原子が含まれておりませんので、オゾン層を破壊する能力はゼロということになっております。 それからHCFCの142b、これはHCFCでございまして、化学的にはハイドロクロロフルオロカーボンと呼ばれまして、炭素と塩素、弗素そして水素によって構成をされる物質でございます。これにつきましては従来から使われておりました物質でございまして、改めて安全性の評価をやり直す必要はないということで国際的なコンセンサスが得られておるというふうに承知をしております。 なお、このHCFC142bにつきましては若干のオゾン層を破壊する能力があるわけでございますが、先ほど御指摘ございました昨年六月に合意をされましたモントリオール議定書の規制の強化の中で、オゾン層を破壊する力が非常に強いフロン、すなわちクロロフルオロカーボンでございますが、これについては二〇〇〇年以降、生産、消費をゼロにするということで合意がなされたわけでございまして、そのためにはただいま申し上げましたような代替フロンを活用してまいるということが必要になってまいるわけでございますけれども、ただ、その中でも塩素を分子中に含んでおりますHCFCにつきましては、塩素を含んでおる関係上、CFCに比べますとそのオゾン層を破壊する能力が若干ではありますが残っておるということで、その数量が非常に多くなってまいりますとオゾン層に与える影響というものも無視ができなくなるということから、一つには国際的に数量のモニタリング、監視をするということをモントリオール議定書に基づいて行うということが決定をされたわけでございまして、他方また、そういった物質でございますので、これを野方図に使用していくということは必ずしも好ましくないということから、このHCFCにつきまして回収、再利用等のいわゆる使用上の十分な注意を払っていくということが決議をされたわけでございまして、そういった国際的なモニタリングの必要上、また野方図な使用を抑制していくという観点から、今国会において審議成立させていただきましたオゾン層保護法の改正におきまして所要の規定を整備させていただいておるというところでございます。
○寺前委員 私は新聞報道だけしかよく知りませんが、今おっしゃった134aの新規プラントというのが、旭硝子でもダイキン工業でも三井デュポンでも昭和電工でもずっといろいろつくられてきているようですね。それでかなりの量の生産に取り組んでいます。それから225caを旭硝子が、あるいは225cbあるいは123あるいは141bとか142bとか、これも次々とやはり新規プラントをつくっておやりになっている。 そこで、134aの場合はオゾン層破壊力はないと言われるけれども、他のものは、今もおっしゃったように、オゾン破壊は小さいとはいってもやはり十分の一とかいう力量を持っていますからね。そういうのは気安う気安う次々新設させておっていいのかね。そこへもっていって、毒性試験というのが必ずしもすべて完全にやられているというふうにはまだ言えないと思うのですね。 私、気になるのは、かつて、今から何年前になるでしょうか、五、六年前になるでしょうか、国際的に特定フロンの削減が進められておったときに、日本の国内では、オゾン層を破壊するからもうフロンの11や12というのはあかんのや、国際的にはフロンの113はこれもやめないかんで、代替品だというてやっているけれども、あれもあかんと言われている最中に、日本では113を大量に新規プラントを増設して、そして、国際会議で何だという批判を受けた、ラストランナーだというふうに批判を受けたというような経過も私は聞かされていますよ。こういうことを考えると、特定フロンは二〇〇〇年までに処理するにしても、今全体として、特定フロンに限らず、そういうフロンはやめようじゃないかといって、二〇二〇年ごろまでにとか話がいろいろ出てきているわけでしょう。ですから、先々を読んで、本当に抜本的にフロンの生産については考え直すというようなことを今から手を打たなければあかんのやないだろうかということを私は気になっているのですよ。これは気になっておるということを一つ問題提起しておきます。 そこで今度は、日本の国内でもそうやって気になることがなされているわけですけれども、日本の企業が外国に対してどういうことをやっているのだろうか。特定フロンを発展途上国に対して日本で輸出していると思うのですね。これが一体どういうふうに輸出されているのだろうか。私はちょっと調べてみたら、九〇年の輸出量は一万三千五百五十トンで、八九年、前年の八千五百四十九トンと比べると五八%も急増している。特に多いのはアジア諸国向けで、シンガポール向けは九〇年に四九%増、中国向けは十二・七倍、タイには六二%増、こういうふうに輸出量がどんどんふえてきているのですね。 その場合に、日本の国内では一九九九年に向かってもうやめる方向で、現実的には、私は三菱電機なりあるいはオムロンなり行って見てきましたけれども、みんな切りかえて、日本の国内ではもう全然違う角度でやりますのやと言うておるわけですけれども、輸出品としてそういうものがなされていっているということは、日本の国内ではちゃんとしてまんのや言うけれども、そういうフロンを輸出しておったら、日本というのは自分のところだけきれいやったらええのかいな、こういうふうに外国では言われることになるのじゃないだろうか、これは私は気になる話ですよ。 特にモントリオール議定書でも、発展途上国には特例として十年間おくらせる、しかし南朝鮮や中国や香港は、九三年にはもう輸出しないようにするのだという方向が差をつけて出されていますけれども、日本の企業の側からいえば、相手国がどうあろうと、世界の環境を破壊するようなことはもうやれませんのやという立場からこの問題に対処していかなかったらおかしいのじゃないだろうかということを考えるのが一つなんです。 それからもう一つは、タイにソニー、東芝、沖電気、日立製作所など二十社の電機産業が進出しています。自動車用の冷房装置の製造や冷蔵庫用冷却機の生産などをやっています。そうすると、日本の企業は、日本の国内ではもうそういうものをつくらない方向で工場をやっているけれども、外国へ出ていってつくっている工場ではそういうことをやっていたら、これまた、人の環境は知ったことじゃない、地球環境全体から見たら日本の企業というのは勝手なものだ、ここでもそういうことを言われるのじゃないだろうか、これはどうも企業活動のあり方として基本的におかしいと私は思うのですね。 昨年の九月にシンガポールで開催されたASEAN諸国のセミナーで、日本電機工業会企画部長の藤本さんが「東南アジア、ASEAN諸国に進出している企業は、「公害の輸出」などという悪評を受ける前に、地球環境保全のための技術移転を積極的に行ない、地球環境問題に対し、より鮮明な姿勢を示すことが、無用の日本批判やバッシングを防ぐこととなるものと考えられ、産業界のいま一層の努力が期待される。」ということをおっしゃっています。私はそうであろうと思うのですよ。 そういうことを考えると、今フロンを全廃しようというときに、日本企業が外国へ売るのは構へんのやという態度は改むべきじゃないだろうか。あるいはまた、向こうでつくっている工場が日本と同じ規制をされるような、そういう方向に持っていかなかったら非難を受けるという立場になるのじゃないだろうか。 もう時間が来ましたのでやめますけれども、通産省としてはどんな措置をとっておられるのか、それを聞いた上で、ひとつ大臣、このことに対する御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○小島説明員 この問題につきましては、御指摘のとおり、我が国といたしまして、特定フロンの削減技術を開発途上国に対して速やかに移転をしてまいるということが肝要であるというふうに考えておるわけでございまして、このため、当省におきましても昨年七月、これはその前の月の六月にロンドンにおきましてモントリオール議定書の改定が合意をされたその翌月であったわけでございますが、当時の大臣でございます武藤通産大臣から、産業界に対しましてその旨要請を行っておるところでございます。 しかしながら、一般論として申し上げますが、脱フロン技術につきましては、我が国の大企業においてさえ、その多くが現在まだ確立の途上にあるわけでございまして、このため、途上国におきましてフロンの実需が増加をするといった状況になりました場合には、そういった全廃のための技術が我が国において確立をされまして開発途上国に移転されるまでの間の過渡的な状況といたしまして、一時的に、我が国を含めました先進国からのフロンの輸出の増加ということが生じるということはあり得ることではないかというふうに考えております。こういった開発途上国におきまして実需が生じた場合の供給ということにつきましては、モントリオール議定書におきましても肯定的に取り扱われておるところでございます。 また、他国に親会社がある企業の場合でございますが、親会社の意向によりまして、工場の稼働率の維持等の経済的な理由から、途上国向けの輸出を親会社に肩がわりをするという例もあるというふうに承知しておりますが、これ自体はモントリオール議定書の手続に従って行われておるものでございまして、何ら問題はないというふうに考えております。 いずれにいたしましても、当省といたしましては、特定フロンの削減あるいは全廃のための技術というものは、これが我が国において確立されましたものを速やかに途上国に対して移転をされるということが肝要であるというふうに考えておりますし、また、産業界におきましても、先ほど御指摘ございましたように、その趣旨は十分理解をされておるというふうに考えておりますが、今後とも引き続き産業界に対しまして、途上国に対する脱フロン技術の移転というものの促進に努めるように指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○愛知国務大臣 委員も御承知のとおり、二、三日前でございますが、経団連が「地球環境憲章」なるものを発表いたしまして、産業界、経済界といたしましても、日本の海外における、特に海外における企業活動についての姿勢を発表いたしております。 これを拝見をいたしましても、私はこれは大変評価できると存じます。これをぜひ、経済界としましてもこの方針に沿いまして、海外での企業活動におきましても、日本の国内でこの環境を守り、その分だけ海外で環境を破壊をするというようなことの決してないようにしてほしい、また、環境庁の立場からも、そのようなアドバイス、助言等を今後ともしていきたい、このように考えます。
○寺前委員 終わります。どうもありがとうございました。
○小杉委員長 次回は、来る五月八日水曜日午前十時五十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十二分散会