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120回国会衆議院1991/03/07

科学技術委員会 第3号

発言数
263
登壇者
19
会派数
5
開催日
1991/03/07

会議録

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 これより会議を開きます。  この際、さきの理事会の協議に基づいて行われました関西電力株式会社美浜発電所視察につきまして、その概要を私から御報告申し上げます。  本年二月九日に起きた美浜発電所二号炉の事故を重視いたしまして、去る三月四日に同事故の実情を現地で調査するとともに、関係地方自治体から要望等を聴取いたしました。  当日の参加委員は、私のほか、渡海紀三朗君、光武顕君、村井仁君、山本有二君、関晴正君、辻一彦君、近江巳記夫君、小沢和秋君、永末英一君の十名でありますが、現地におきまして山本拓議員が参加されました。  私どもは、まず、美浜発電所に赴き、会社側から、今回の事故の経過、運転員のとった措置、放射能の外部への影響、事故後の会社側の対応、特に二月十九日に通商産業省から受けた指示事項に対する実施状況、事故原因究明の実施状況等について説明を聴取した後、二号炉の中央制御室における事故当時の監視盤での操作状況、復水器等の二次系設備、放水口及び放射線監視のモニタリングポストを視察いたしました。  また、視察後、各委員から会社側への質疑を行いましたが、その主な内容は、異常時における関係地方自治体への通報のおくれの原因と今後の対策、通商産業省から指示を受けた「二次冷却水水質に有意な変化が認められた場合に原子炉を停止する措置を講ずること」を実施する際の有意な変化の判断方法、原子炉圧力容器の中性子照射による脆化の可能性等であります。  引き続き、美浜町中央公民館において、地元自治体から福井県副知事、美浜町長、美浜町議会議長等関係者の出席を得て、今回の事故に対する地元の意見、要望を聴取いたしました。  福井県からは、速やかな原因調査、定期検査のあり方、加圧水型軽水炉の安全性についての再確認、防災訓練のあり方について要望がありました。  また、美浜町からは、原子力に対する信頼性を維持するため、事故原因の徹底的な究明と、美浜一、三号炉の健全性についての再確認の要望がありました。  各委員からの質疑の主な内容は、関係自治体への通報のおくれ、隣接市町村への通報体制、住民参加の防災訓練等についてでありました。  以上であります。      ────◇─────

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。光武顕君。

光武顕自由民主党

○光武委員 本日、私は、さきの第百二十回国会における科学技術庁長官所信表明を受けまして、まず第一点、科学技術政策一般について、それから第二点といたしまして、今委員長からお話がありました今回の美浜発電所第二号炉の事故について、お尋ねをしたいと思うのであります。  戦後、瓦れきの中から立ち上がった日本が世界の奇跡ともいわれる経済の繁栄を続けまして、そして今日経済的には世界の第一等国になったということについては異論のないところであろうと存じます。これは何よりも日本人の知的水準の高さ、それに勤勉さ等々によるものであると思うの でありますが、しかし、経済の発展を支えた一番大きな柱は、何と申しましても科学技術振興にあったということもまた異論のないことだと思うのであります。  この点に関しましては、政府も民間も本当にゼロであるという状況から出発をいたしまして、懸命な努力を払いまして、そして今や科学技術というものの水準は世界の一等国の仲間入りをしたということ、私はそう思うのでありますけれども、こうした科学技術の振興も、歴史的に戦後を振り返ってみますと、かつてデュポンのナイロン製造技術の導入を初めとして科学技術の応用ということが華々しく展開されたわけであります。そして、それは今日もやはり日本の主流となっているのでありますが、その中で、一方では基礎研究ただ乗り論と申しまして、どうも日本はこすっからい、他の国々の基礎的な研究を、特許費を安く払って、そしてそれを応用して大金持ちになったといったような批判も実はよく聞くわけであります。  そういう中で、今日政府も非常に努力をされまして、確かに一時そういう評価があったにもかかわらず、今日では基礎的な研究に対しましても日本が徐々に世界に追いついてきたということは、私は否定できないと思います。これは政府の努力のたまものでありますし、また民間も同じように基礎的研究に力を入れた結果であると思うのでありますが、この基礎的研究というのは、何と申しましても世界が、それぞれが共有する財産であり、公共財的な性格を持つものでありまして、これから世界の中で科学技術一等国として君臨するためには、この基礎的研究といったことに重点を置いてやっていかなければならない。その点に関しましては、まだ我が国の政策の重点がここにあるようには思えません。  そこで、先般大臣から所信表明があったわけでありますが、創造的・基礎的研究の推進をすることは確かにそうであると思いますが、具体的にはどういう方策を考えておられるのか、振興局長にまずお尋ねをしたいと思うのであります。

林昭彦科学技術庁科学技術振興局長

○林(昭)政府委員 先生御指摘のとおり、今後二十一世紀に向かってより豊かな社会を築き上げていくということのためにも、また国際的に日本が国力に見合った貢献を果たしていくためにも、我が国の創造的・基礎的な研究の推進が不可欠であるというふうに認識をしているところでございます。  このために、私ども科学技術庁におきましては、これまで、新技術事業団によります創造科学技術推進制度でございますとか、あるいは理化学研究所におけるフロンティア研究システムの展開でございますとか、さらには科学技術振興調整費を活用いたしまして、国立の研究機関の研究活動を活性化いたします重点基礎研究及び省際基礎研究、また国際的な施策といたしましては、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを実施する、さらには創造性豊かな若い人材を育てるということを目的といたしております基礎科学特別研究員制度及び科学技術特別研究員制度といったような基礎的研究の推進のための諸施策を推進しておるところでございます。  また、平成三年度の予算案におきましては、先ほど申し上げましたような施策の拡充を図るとともに、新たに独創的な発想を持つすぐれた研究者を厳選してそういう個人の自由な研究を実施させるための独創的個人研究育成制度、これは私ども「さきがけ研究21」というようなニックネームをつけているわけでございますが、こういった制度を創設するための経費を計上しております。  また、国立研究機関におきます創造的な活力を涵養するために必要ないわゆる人当研究費というものを、前年度に引き続きまして各省庁統一いたしまして単価アップを図るということのための経費も計上をしております。今後とも、我が国の創造的・基礎的研究の強化のために一層努力をしてまいりたいと考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 創造的・基礎的研究の具体的な方策については今お話がありました。その中で、局長は、国際的に貢献をするというお話が一節の中にあったわけであります。  確かに科学技術については、今や一等国になったとはいえ、これは我が国だけの財産ではなくて、広く世界に貢献をしていかなければならないと思うわけです。我々の身近な問題を取り上げましても、つい最近、例えばフロンガスによるオゾン層の破壊、あるいは炭酸ガスがふえ続けることによって地球全体の温度が高くなっていくであろう。これは科学的にいまだきちっと証明されたわけではないのでありますが、つまりそういった問題に取り組むということは、実は我が国一国の科学技術の振興のみならず世界と共同歩調をとると申しますか、世界に対する貢献がなければならないわけであります。  そこで、今お話がありました国際貢献という一節、これをもう少し、今後科学技術分野においてどのような国際貢献策が考えられるのか、その点を振興局長から再度お願いしたいと思います。

林昭彦科学技術庁科学技術振興局長

○林(昭)政府委員 御指摘のとおり国際社会において果たすべき我が国の役割というのは増大をしておりますので、これに対応いたしまして、私どももいろいろな国際協力の施策を講じているわけでございます。  我が国は二国間で科学技術協力協定を多数の国と結んでおりますし、また多国間のいろいろな科学技術の協定にも参加をしておりまして、こういった協定の枠組みのもとで幅広い協力を実施しております。  具体的な施策の重要なものといたしましては、まず、さっきもちょっと触れましたヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進でございます。これは我が国が大部分の必要資金を拠出をいたしまして、全世界の研究者を対象に生体機能の解明を図る研究の助成をしているわけでございます。また、新技術事業団によります国際研究交流促進事業というものも推進をしております。これによりまして、外国からよく指摘をされております研究者の受け入れが日本は十分でないというようなものにこたえて、外国の研究者を円滑に受け入れるためのフェローシップ事業でございますとか、我が国の科学技術情報をもっと提供してもらいたいというような要請にこたえる情報提供事業、あるいは国際共同研究事業といったものを実施しております。  また、ただいま先生御指摘の地球環境問題に対処するために、人工衛星等による地球観測技術の開発あるいは地球規模での諸現象の解明、研究といったようなことも推進をしております。さらに、宇宙の面での国際協力といたしまして宇宙ステーション計画に積極的に参加をしております。  それから原子力の分野におきましても、先進国との間ではいわゆるITER計画、核融合炉の開発計画へ主体的、積極的に参加をしておりますし、放射性廃棄物の処理処分等の分野における協力も実施をしております。また、原子力の分野では開発途上国との人材交流とか研究協力といったようなことも推進をしておるわけでございます。  なお、国際貢献の今後のあり方ということにつきましては、ことしの一月に科学技術会議に報告され、了承されました科学技術会議の中の国際問題懇談会の報告書、「科学技術のグローバル化に向けて」という標題でございましたが、ここにおいて基本的な国際貢献の指針を示していただいております。私どもとしては、これを基礎に各種の施策の充実拡充を図ってまいる所存でございます。

光武顕自由民主党

○光武委員 今振興局長から二点、基礎的研究の振興、それから国際貢献のための施策、こういったようなことについていろいろお話を伺ったわけであります。いずれも政府が今日科学技術振興の重要性を認識をして、そのために多大の努力を払っておられる、そのことには心から敬意を表するわけであります。  しかしながら、こうした科学技術振興というものはどんなに力を入れても入れ過ぎるということはないのでありまして、特に軍事大国という意思を放棄した我が国にとりまして、例えばある経済 学者などは二十一世紀は日本の時代といったようなことも言われますが、その一番基本になるのは、日本の持つ科学技術のすばらしさにある。これは一刻も停滞をすることは許されないのでありまして、そうした意味では、これから二十一世紀をにらみまして十年間、さらに一層の努力の積み上げが必要であると私は思うのであります。そうした意味で、これから二十一世紀を見据えた確固たる科学技術政策、こういうことが本来政府になければならぬと思うのでありますが、そうした課題にどう取り組んでいくのか、ひとつ御意見を聞かせていただきたいと思います。

須田忠義科学技術庁科学技術政策局長

○須田政府委員 現在政府が行っている各省庁科学技術政策というのは、今から六年前、昭和五十九年の科学技術会議の基本答申、我々は十一号答申と呼んでおりますが、それに基づく政策大綱の閣議決定、それに基づいて行っておるところであります。  ただし、先生御指摘のとおりそこからもう六年経過いたしまして、その間、日本の国際社会における責任の増大、それから先生先ほどおっしゃいました地球規模のフロンガス、温暖化問題、地球規模で解決されていかなければならぬいろいろな課題、世界内外の科学技術を取り巻く情勢が非常に大きく変化しております。したがって、こういう認識のもとに、我々、昨年六月、科学技術会議に今後二十一世紀を見据えた科学技術政策の基本方向というものを実は諮問し、それ以来科学技術会議で今鋭意審議を重ねているところでございます。  したがいまして、二十一世紀の姿を描きながら、今後十年間どういうことを重点に、どういう理念のもとにこれを推進していくかというのを科学技術会議の総合計画部会で鋭意審議し、ことしの年末にも答申をいただくということで作業を進めてまいっております。こういう答申等に先生のような御意見を十分踏まえて進めてまいりたい、こう思っております。

光武顕自由民主党

○光武委員 今、二十一世紀に向かっていろいろの施策を講じているというお話がありました。ひとつこの点に関しては気を緩めることなく科学技術政策の振興を図っていただきたいということをお願いするわけであります。  一方で、今日までのこの科学技術振興については、政府はそれなりに努力はしてまいったと私は思うのでありますが、他の国々と比べますと総体的に政府の果たす役割、具体的に申しますと金の問題でありますが、予算等については、他国に比べるとなお劣っているのではないかという印象を持つのであります。  それは、一つには、例えば今日研究費の総額は平成元年では約十二兆円、絶対額で申しますとアメリカに次いで二位でありますし、それはそれなりに大変な額が投じられているわけですね。ところが、その政府の負担する割合というものを見ておりますと、先進国に比べて特に低いわけであります。例えば、研究者一人当たりの研究費は先進国の三分の二ぐらいである、あるいは基礎研究の研究費の割合は西ドイツあるいはフランスに比べて六〇%ぐらいということで、科学技術の振興がどちらかというと応用の面、特に産業の面で生かされてはいるけれども、実際に政府がそのことを負担している割合というものは、科学技術の振興という度合いから比べますと低過ぎるという感じがいたしますし、さらに基礎研究費の割合が低いということは、これはやはり私は政府の責任だと思うのですね。  どうしても企業というのは、利益を追求するということからいきますと基礎的研究費、最近はそうではなくなったと思うのでありますけれども、これまでの過程では確かにそういうものに金を投じることは少なかった。したがって、本来は公共財的な性格を有するこの基礎的研究というものについては、政府が責任を持ってその費用を背負っていくという姿勢がなければならない、こう思うわけなんであります。  いろいろと比較の仕方があるのでありますが、例えば研究開発投資というものがGNPに対しまして欧米諸国が一%、それに対して日本は〇・五%であるというような比較もあります。今日アメリカが経済的に非常に疲弊し切って、そして財政も赤字であります。したがって、財政赤字を削減するということで、例えば九二年度の予算は全体として二・六%ぐらいしかふやせない、非常に厳しい予算になっているわけですが、その中におきまして研究開発費はアメリカの場合一三%増、まことに大きい伸びでありまして、それは経済が衰退することに対し、やはり基礎的な研究をもっと盛んにしなければならないというアメリカの国家の意思のあらわれであると私は思うのですね。  そういう意味におきまして、今、我が国を振り返ってみますときに、確かに御努力は評価いたしますものの、しかし、こうした思い切った政策をとらなければ、二十一世紀は日本の時代ということにはならないと私は思うのであります。日本でも特にODAあたりは最近急速に予算が伸びてまいりました。それには一つの目標を立て、きちっとその目標に向かって前進しているわけでありますが、こうした科学技術予算も抜本的にその額をふやしていくということでなければならぬと思うのであります。  そうした意味におきまして、これは特に大臣にそうした問題に関しまして決意のほどをひとつお伺いしたいと思うのでありますが、いかがでしょうか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 光武先生のおっしゃるとおり、我が国は応用術にたけている国であると評価されてきたわけでございますけれども、これだけの大国になった以上、これからはやはり創造性豊かな科学技術の振興ということが非常に重要なポイントになってくるのではないかと思います。  従来から、大変厳しい財政状況の中、科学技術関係予算につきましては一生懸命その充実に努力をしてきたところでございますけれども、政府といたしましては、昭和六十一年三月に閣議決定されました科学技術政策大綱に基づきまして、基礎研究の強化、そして科学技術面での国際貢献など、これを基本方針といたしまして、その一層の推進を図ってまいりたいと思っております。  しかし、先生おっしゃるとおり先立つものはお金でございまして、その予算の拡充につきましては今後とも最大限の努力を払ってまいる所存でございます。よろしくどうぞ先生の御支援もお願いを申し上げます。

光武顕自由民主党

○光武委員 ただいま大臣から決意のほどを伺って、非常に共感するところがあるのでありますが、我々もひとつこの問題に関しては真剣に取り組んで、名実ともに二十一世紀は日本の時代だという、そういった時代を築き上げたいものだと思いますし、そのために、先ほど来何回も申し上げましたように、その柱となるのはまさしく科学技術の振興である、その確信を私は持っておりまして、どうかひとつ今後も科学技術庁挙げましての御努力を心から期待したいと思うのであります。  科学技術政策一般については質問を以上にとどめまして、次に、今回の美浜発電所の事故についてお尋ねをしたいと思います。  先般私どもも現場に調査に行きまして、先ほど来委員長から御報告があったとおりでありますけれども、この問題に関しては、それ以外にもこれまでいろいろと報告を受けております。きょうは、まず質問する前に、今日まで判明している状況について要点を整理してまず御報告をいただきたいと思います。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  美浜発電所二号機の件でございますけれども、二月九日午後一時四十分に復水器空気抽出器ガスモニター、復水器の空気抽出器から大気に放出される系統がございますが、その途中につけてありますモニターでの警報が実は発生したわけでございます。その後、手動によりまして出力を降下させるという操作をしていましたところ、同午後一時五十分に加圧器圧力低という信号が出まして原子炉が自動停止、さらにECCSが作動ということになったわけでございます。  現在、原因究明のための必要な調査を実施して いるところでございまして、詳細については今後の調査を待つ必要があると考えておりますが、損傷しました伝熱管一本をファイバースコープなどで観察したところでございますが、その当該伝熱管は破断しておりまして、上下に分離している状態にあるということが判明いたしました。その後、二月の十五日から二十八日にかけまして当該伝熱管の抜管作業を実施しまして、現在その損傷部分の確認作業を行っているところでございます。  今回の事象でございますけれども、全体的に見てどうなのかということでございますが、今回の事象によりまして敷地周辺に設置してあります放射線監視装置の指示値は通常と変化がないということで、環境への放射能の影響は認められなかったと考えております。また、非常用炉心冷却装置、ECCSと言っておりますが、これが設計上期待されたとおり作動し、プラントは安全な状態で停止しているということでございます。  しかしながら、ECCSが実作動する、過去には誤作動ということがございますけれども、実作動に至ったということは我が国においてこれまで例がないということでございまして、徹底した原因究明を要する重大な事象だと通産省では認識しております。  このような観点から原子力発電技術顧問会、私ども通産省の中で原子力安全行政の際に専門的に知見を得るために、八十人以上の先生、研究者等のそういう知見を得ながらやっているわけでございますが、その顧問会の中に調査特別委員会を設置しましてその原因究明等を進めているわけでございまして、今後その調査特別委員会の意見を踏まえながら、引き続き原因の究明、再発防止対策の確立に努めていきたい、このように考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 今回美浜発電所二号炉のいわゆる蒸気発生器細管の破断ということに端を発した一連の事象は、一番大きな問題は、何と申しましても原子力発電所に対します信頼性が大きく損なわれた、先般私どもが調査に行って現地の皆さんのお話を聞いた中でもそれが出てくるわけであります。  細かい技術的なことは後ほどお尋ねいたしますけれども、専門家から見た所見はともかく、一般国民それから地域住民に与えた不安感、不信感というものは非常に大きいわけでありまして、安全性という立場からこうした問題を、今の倉重安全管理課長の答弁をあわせ聞きまして、大臣はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 原子力の開発利用に当たりましては、とにかく安全確保に万全を期すことが大前提でございます。そして、最近の世論調査におきましても国民の六五%が原発の必要性というものを認めている中で、今回美浜のような事故が起きましたことは、私は非常に残念なことだと思っております。  現在、通産省並びに原子力安全委員会におきましてそれぞれ調査委員会を設けられまして、事故の原因の徹底究明をしているところのようでございますけれども、やはりそれにあわせまして、私どもも今後このような事故が再発しないように最大限の努力をしていかなければならないと考えておる次第でございます。

光武顕自由民主党

○光武委員 少し細部にわたってお尋ねいたします。  まず、加圧器逃し弁というのが実際に開こうとして開けなかった。これは二つあるのですが、その二つとも開かなかったという報告があります。これは七カ月前ですか、定期検査が行われているわけでございまして、その定期検査があったときにそのふぐあいが発見されなかったか、ないしはそのことについて本当に通産省としては、きちんとそこのところの調査と申しますか検査がなされていたのか、まずそのことをお尋ねしたいと思います。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  加圧器逃し弁の件でございますけれども、これにつきましては、当該炉、先生おっしゃるように二つございます。事故の過程におきまして本来作動すべきものでございますが、それが作動しなかったということも事実でございます。  これにつきましては、この当該逃し弁、二つございますが、前回の定期検査で、これは昨年の四月五日から七月二十五日までの間の定期検査の中で機能検査等必要な検査をしておりまして、実際にその際には問題がないということで私ども報告を受けております。しかし、今回なぜそれが作動しなかったのかということについては私ども重大な認識を持っておりまして、そういう面で徹底した原因の究明をしていきたい、このように考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 実はここが一番問題になるところなのですね。定期検査をやるということは、その定期検査を行うことによってすべての機器は健全であるという判断を下すわけです。その判断のもとにこれから一年間運転をしても結構ですよ、こういう話になるわけですね。しかも、この加圧器逃し弁というのは、一たん運転を開始したらその中途で開いたり閉じたりという操作が現実にはできない、そしていよいよ一連の事象が起きたときに、それを必要とするときに初めて健全性が確かめられる。こういう機器というものについてはよほど丹念に、入念に検査が行われなければならないと思いますし、今のお話を聞いているとそれを行ったということなのです。  問題は、そうだとして、それじゃどうして起こるのか。しかも、いってみれば途中でそれの検査もできないということであるとするならば、ほかの機器もまたそうであるのではないかという疑問がまた出てくるわけですね。ここが一番難しいところでありまして、実際にこういうことになりますと、検査ということに対して、これは後ほど出てきます破断の問題でも一緒でありますけれども、いってみれば検査の限界というものが感じられるし、そこに信頼性が失われるということになると、これまた不安の種になるわけですね。そういった問題に対してはどう対応するわけなのですか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  加圧器逃し弁、先生おっしゃるように運転中にそれを動かしたりすることはなかなかできかねる状況にございます。運転中に吹かしますと、そこから蒸気が漏れまして一次冷却材が流出するという状況になりかねませんし、また弁がきちっともとに戻るかどうかという面がございますので、そういう面ではそれぞれの機器におきましてその検査の限界といいますか、特に運転中につきましてその健全性を確認するかどうかという面では限界のあることは御指摘のとおりでございますが、可能な限り運転中にも点検をするということでやっております。  今回この事象にかんがみまして、特に加圧器逃し弁が二個とも作動しなかったということで、ほかのプラントにつきましても至急点検するようにということでございまして、運転中のプラントにつきましてはできる範囲内できちっと確認するようにということで指示しまして、その報告を受けましたところ異常がないという報告を受けているわけでございますが、しかしなぜ二つとも作動しなかったかということで、それは原因のいかんにもよろうかと思いますが、その検査のあり方とかチェックの仕方等々につきましては今後も少し前広に検討していきたい、このように考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 私は、加圧器逃し弁が二つとも作動しなかったということはやはり重大なことだと受けとめなければならないと思うのですね。  工学的に申しますと、これが働かなくても、いってみれば多重防護という思想によって別なシャワーが働くということによって、連続して次から次へと好ましからざる事象が起きるとは私は思ってはおりませんけれども、しかし二つながらに動かないなどということになりますと、これは一般的に申しますと、よくわかった皆さん方にとっては、いやいやこれは働かなくてもこういうものがあるんだよ、だから大丈夫だよということ は言えても、定期検査の信頼性を失わせる、そしてそのことはまたひょっとしたらという気持ちを持たせるわけでありますから、ひとつこの点については非常に大きな責任があるということを受けとめて、今後定期検査等については厳重にひとつやっていただきたいということを要望いたします。  それから報告書によりますと、十二時四十分に現場の運転員が異常を感知した、こういうことなんですね。その後の対応に問題がなかったのか。と申しますのは、十二時四十分にそのことがありまして、第一回目のサンプリングを行っているわけですね。ところが、そのサンプリングを行ってその結果がわかったのがたしか一時四十分ではなかったでしょうか。それで、一時四十五分に二度目のサンプリングを実施しようという指令を出しているわけですね。  私は先般調査に行ってよくわかったのでありますが、あのサンプリングをする場所と、実際に運転員と申しますか、その人との場所が離れていて、慌ててだっと下っていってそれをやるにしたって結構時間はかかるし、確かに結果がわかるまで一時間ぐらいかかったということについてはあの現場を見ればそうだと思うのですが、実際にはもう四十五分になりますと警報が、かなり高い警報が発しられておりますし、さらにそれから数分後には、今度はもう既にカウントとしましては十万倍以上の警報が発せられているわけです。つまり、二度目のサンプリングというのは、いってみれば泥棒を捕まえて縄をなうようなもので、実際にはやっている間にどんどん事柄は進行してしまっているわけですね。  ですから、私は今回の処置について、二回目のサンプリングをやる暇がなくて手動でもって制御棒をおろしていった、そのことは現場の判断としては正しかったと思うのですが、実際にマニュアルとしては関西電力ではそのような形になっているわけなんですか。例えばサンプリングを一回やった、そうすると、二回やらなければ実際には制御棒を作動させるとかそんなことはやらない、そんなふうになっているわけですか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  事実関係でございますけれども、まず先生おっしゃいますように十二時四十分ごろに、Rの19という蒸気発生器のブローダウン水のモニターでございますが、その指示値が若干上昇しているということを発見いたしまして、サンプリングを実施する、そういうことになったわけでございます。一時に実施し、その結果が出たのが一時二十分でございます。一回目のサンプリングでははっきりしないということで再度サンプリングを依頼しまして、再サンプリングを十三時四十五分に実施しているという状況でございまして、まだ二回目の結果が出る以前の状況で先生おっしゃるように警報が出て、今回の原子炉が急速停止、ECCSの作動という状況になったわけでございます。  それで、このときの運転員の対応について問題はないかという御指摘でございますが、過去我が国で蒸気発生器の損傷という事例が幾つかございます。その事象でございますが、いずれも今回のような破断というような事象ではなくて、いずれもリークでございます。現在までの調べでは十三件ございまして、当該美浜の二号機でも実は三件リークというのはございました。その蒸気発生器の損傷の特徴といいますのは、時間的な余裕といいますか時間的な変化が非常に緩やかなものでございまして、いずれもこれまでの事例は非常に緩やかに推移しておりまして、急速に進展するというものではなかったわけでございまして、当然今回の事象が発生したときに運転員は、これも微少なリークであろうという判断のもとに対応していったわけでございます。  それで、関西電力の運転マニュアルがあるわけでございますが、その中には、復水器空気抽出器ガスモニターRの15、それから蒸気発生器ブローダウン水モニターRの19というのがありますが、その指示値に変化があれば、当然その制御員が、担当員が当直課長に報告をする。その報告を受けまして当直課長がRの15とか19の指示値が上昇傾向、あるいは原因不明の不規則な動作をした時点から担当課と連絡をとりながら原因の究明に努めるということでございまして、担当課には、先ほどサンプリングを依頼するというそういう担当課がございまして、放射線管理課ということになるわけでございますが、そこで実施をするということでございまして、マニュアル上は、原因の究明に努めている最中に実は今回の事象が起きたというものでございます。  では、一回目の結果が出た時点で停止操作等をすればよいではないかという御議論もあるわけでございますが、マニュアルとして明確にしておりませんけれども、これまでの関西電力の所内のルールでは、サンプルは二回ぐらいやるというのをルールとしているというふうに聞いております。

光武顕自由民主党

○光武委員 サンプリングでは二回ということになっていたのですが、それでも警報装置が高い値を示したということから現場でそれなりの対応をしたということであります。  私はこういった問題については、過去にもそうであったのですが、破断という現象がなかったがゆえに初めての経験である。そこで、今までのマニュアルとして、例えば二回サンプリングをするということが、実際には破断の場合には役に立たない。そういうことから、やはり今までの経験と違った新しい事象が起きるということを予定して、そしてそれはそれなりにマニュアルをきちんとすべきであるというふうに思うわけですね。それはひとつ関係当局の方できちんと整理をしてやっていただきたいと思うわけであります。  次に、いわゆる細管破断についてであります。  これは先ほど倉重課長さんからお話がありましたけれども、我が国では初めての事例である、世界では過去にベルギーに一件それからアメリカで七件、計八件あるというふうに伺っておりますけれども、この問題が実は今回の一番大きな焦点になるわけですね。先ほど逃し弁のふぐあいということについて、これが定期検査によって発見されなかった、そしてそれはまた通常運転中にはこれを確かめることができないということなんでありまして、この蒸気発生器の破断ということは、それと比べますとはるかに重大な事故につながる可能性があるということで、今回非常に問題になっているわけなんですね。私はその中で、実はこの間調査に参りましたときに、現地の方々からいろいろお話を伺った中で渡辺副知事さんがこういうことをおっしゃっているわけです。  今回の事故は我が国では起こり得ないと言われてきた細管の破断だけに、蒸気発生器の細管破断だけに県民は非常なショックを受けている。定期検査のわずか七カ月後に事故が起こったことや事故の通報がなかったことなど、原子力への信頼を大きく傷つけた。別な新聞にも同じ記事が出ておりますから、この発言、間違いなかったと思うんですね。私がお尋ねする最も中心的な課題は実はここにあるわけでして、我が国におきます原子力の設置許可申請については、その内容の中には、蒸気発生器の細管の破断ということは当然ある。当然と申し上げると語弊がありますが、これはあり得ることだということを前提にして、そうした場合に、例えばECCSが働いて最終的な重大事故にはならないといったようなことが一連の申請書の中に書いてありまして、それを安全委員会等で審査をした結果、許可をしているわけです。  技術的な見地からしますと、そういうことはあり得るということは私どもにはわかるのですが、ところが、先ほどの渡辺副知事のこの発言を見ますと、現地の人はこういうことはあり得ないというふうに受け取っている。あり得ないというふうに受け取っているのにそれが起こったということで非常にショックを受けているというのですね。  これから原子力の発電所をつくっていく上において一番考えなければならぬのは、実はこういう技術的見地と現場の住民の受け取り方にギャップがある。そして、いつの間にやら、最初のうちはあり得るんだということがあっても、それが薄め られていって、それを進めるためには、いやいやもうそういうことは起こりませんよ、日本では起こったことはないんですよ、こういう話になって、そして住民に受け取られる。ところが、実際にこういうことが起こりますと、その渡辺副知事さんみたいな発言になるわけです。これは、地域の住民の人の声を代表していると私は思うのですね。そうした問題についてはどのようにお考えになっているのか、ちょっと伺いたいと思います。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明申し上げます。  先日、先生方が現地御視察の際に随行させていただきまして、私自身も渡辺副知事の御発言なりを承らせていただきました。  今先生御指摘のように、私どもの原子炉設置許可申請書上は、今回の事象のような蒸気発生器の伝熱管一本が破断するということについては想定しておりまして、その結果においても、周辺公衆に対しましては、ある基準範囲内で大丈夫であるということを確認しておるわけでございます。  このようなことにつきましては、実は公開ヒアリング等の場で説明はいたしておるわけでございますけれども、ただ先生御指摘のように、必ずしも地元の方でこれが起こり得るものというふうな理解に立っていたかどうかということについては、渡辺副知事等の御発言にあるような内容だと考えておりますので、私どもといたしましては、これまでの安全審査の考え方の内容等にとどまらず、異常等の拡大防止策等についても、どういう事象が起きた場合にはどういうことになるのかということにつきましても積極的に御説明申し上げまして、今後とも原子力施設の安全性に関する国民の皆様方の御理解を賜るよう努力したいと考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 この蒸気発生器の細管の、例えばこれまで出てまいりましたひび割れあるいはピンホールということについては非常にそういった事象が多いのでありまして、この原子力安全年報によりましても、平成元年の四月二十七日に九州電力玄海原子力発電所一号機で起こりました「渦電流探傷検査の結果、管板上面直下部及び管支持板部に有意な指示を発見。」こういうふうに載っておりまして、それが平成元年の四月から平成二年の関西電力高浜発電所四号機に至るまで、元年から二年までにかけまして実に九例あるわけです。  その他の原子力の解説書等を読んでみましても、特にこの加圧水型、いわゆる軽水炉ですね、PWRですが、これについては、この細管の事故と申しますかトラブルが極めて大きい。そこで、それについてかくかくしかじかの事柄を施して、最近はそういったトラブルがないようになっておりますと書いてあるのですね。書いてあるのですが、実際には今までピンホールとかひび割れですから大した印象も受けなかったのですが、今回みたいに破断といったようなことが我が国で初めて起こったということでありまして、どういう検査を行っているのか、そしてその検査というものは実際にどれだけ有用であるのか。ここも、先ほどの実は逃し弁と同じ問題が出てくるわけですね。  つまり定期検査の場合に、定期検査をやりまして、健全でありますよという報告が出て、例えば渦電流によりますと減肉が二〇%以上あったら発見されるといったようなことが書いてあるわけですが、実際にそういう方法を用いてもこういった事故につながるような原因は発見できなかった。そこが実は問題でありまして、一体どんな検査方法でもってこの場合やったのか。そして、それ以上に今日検査技術水準を上げてそういった事故の前触れとなります原因について究明できるのか、その辺、ひとつまとめて御見解を伺いたいと思うのです。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  蒸気発生器についての検査の仕方等に関する御質問かと思いますが、これまで蒸気発生器のトラブル、多いわけでございます。先生御指摘のようにたくさんのトラブルがございますが、その都度それがなぜ起きたのかということを、それぞれ原因を究明し、実は対策をとってきたということでございますが、結果的に見ますと数としては多うございまして、PWRの約半分ぐらいが蒸気発生器の細管に関連するものでございます。  では、どのような検査をしているかということでございますが、蒸気発生器一基当たり約三千二百六十本、当該機の場合に三千二百六十本、約三千三百本ぐらいの細管がございます。我が国の場合には毎年一回法律に基づいて定期検査をやらせまして、その一本一本、それから全部につきまして、現在考えられる検査技術の最高のものを使うということでやっております。  具体的にはECTという渦電流の探傷検査をやっておりまして、これは、細管の中に一次側の方からコイルを流しまして、電磁誘導の原理で細管に何らかの傷とか変形等があればその渦電流が変化する、その変化をつかまえて有意な変化がないかどうかということを判断するわけでございますが、これは非常な、渦電流でございますから微弱な電流でございまして、その検出限界、検出の精度には限界がございます。これまでのところでは、減肉につきましては二〇%程度、それからクラックにつきましては約四〇%程度の、要するに肉厚に対しましてそれ以上のものは検出ができるというそういうデータがあります。そういうことで、検出限界ぎりぎりのところで実は判断しているという状況でございます。  当該機につきましても、昨年の四月五日から定期検査をやりまして、その細管全数につきましてECTというのですか渦電流探傷検査をやりました。その結果、実は十六本の細管に有意な指示ということで、貫通したものではございませんけれども、細管にわずかなクラックが入っているという信号がございまして、その十六本については施栓をするということをしたわけでございます。  当該の細管、これは従来余りない完全破断ということでございますので、じゃ、なぜそれが検査で見つからなかったのかということでございまして、今原因を究明中でございまして、その関連で検査の仕方等もし必要があれば当然見直すということも考えていきたい、こういうふうに思っておりますし、またその検出限界等さらに開発が必要であれば、先ほど言いました調査特別委員会の先生の御意見も踏まえながら私ども進めていきたい、このように考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 今答弁がありましたけれども、なおこの問題はただいまの答弁だけで私は十分納得がいったとは思わないのですが、お話がありましたように、事故の原因究明を行った後、さらに有効な検査技術の確立をひとつ早急に図っていただきたいということを要望いたします。  ほかに幾つもあるのですが、時間が参りましたので、この間の調査に参りました際に、住民の避難訓練について、やはり渡辺副知事から次のようなことが出ておりますね。どういった事故が起きたときにどういった避難が必要なのかという見解を国が示さない以上、訓練を実施しますとは言えない、まずどんな事故が起きるのかといった想定を国にしてもらいたい。そういう中で、ここには出ていませんでしたけれども、大体事故はないという話だったじゃないか、事故がないのに何で避難訓練をしなきゃならぬのかといったような事柄も実は出てまいりました。  そこで科学技術庁にお尋ねでありますが、この問題については現在どういう形、つまり今まで実施されたところがあるのか、あるいはこれからどんなふうにして現場に対して答えを示すのか、その点をちょっとお尋ねしたいと思います。

長田英機科学技術庁原子力安全局次長

○長田政府委員 我が国の原子力発電所につきましては、安全第一でということで規制をやっているわけでございますが、万が一にも放射性物質の大量放出があった場合ということを想定いたしまして、万全の措置を講ずるように防災対策をやっているわけでございます。  それから、先生今御指摘の自治体の方から要望がございました、国で基準と方針を示すべきではないか、どうやっているのかということでございます。この防災対策につきましては、住民参加の問題を含めまして基本的にどういう形でやるかというのは、その地域の社会的ないろいろな実情、 環境、そういうことを非常に熟知しております実施主体である自治体が判断してやることだと思います。そのような性格の防災訓練につきまして、国が一律にこういうふうにやったらいい、ああいうふうにやったらいいということを決めるということはなかなか難しいわけでございまして、むしろ私どもが地方公共団体の相談に乗りまして、そちらのこともよく考えながら、そのケースに応じて防災訓練をどういうふうにやっていったらいいかという点で、技術面あるいは資金面という面から協力をしていく、そういうふうにやっているわけでございます。

光武顕自由民主党

○光武委員 最後になります。  今お話がありましたけれども、地域住民の対策を含めまして、さらにはまた原子力の安全性というものに対する国民の不安がある中で、これは今後よほど引き締めてやらなければ原子力の推進は難しくなると思うのですね。しかしまた一方でエネルギー対策として考えますならば、原子力発電ということの必要性は今後ますますふえてくると思うのであります。  そこで最後でありますが、この原子力発電所の推進についてどういったお考えを、今日までの一連の事象にかんがみて大臣はお考えになっているのか、そのことを最後にお尋ねして質問を終わりたいと存じます。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 原子力は供給安定性にすぐれ、主要なエネルギー源の一つであるということは多くの方々に認識をされているところでございますけれども、しかし何よりも大切なことは、やはり国民の理解と協力というものが不可欠でございます。そのために、安全確保に最大限の努力を今後とも払ってまいります。そして着実にそれを推進してまいりたいと考えております。

光武顕自由民主党

○光武委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 辻一彦君。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 きょうは長官の所信表明に対する質疑でありますので、若干大事な問題を伺って、あとは美浜の原発に絡む現地の調査に我々参りましたので、それらを踏まえて若干の質問をいたしたいと思います。  第一にエネルギーの問題ですが、その中で核融合の問題があります。エネルギーの将来を考えると、宇宙の太陽エネルギーを生かして太陽光電池によるところのエネルギーの開拓は非常に大事だと思いますし、また、地上の太陽を実現するために核融合が非常に大事になろうかと思います。  私は去年の七月にロンドンの郊外にあるオックスフォードのECのJETという、日本と競い合っておりますが、核融合の施設を一日見てまいりまして、そしてレビュー所長と思ったのですが、一日案内をしてもらっていろいろ懇談をしました。その中で彼らも、日本の核融合のレベルについては高い評価をしている。特に日本原研にあります那珂の核融合炉は今度改造しまして、あれが実現すれば大体ECと同じぐらいのデータが出るだろう、そういうようなECも評価をしておった、こういうことを聞いたわけであります。  今日本とEC、それからアメリカ、ソ連と、この四極が、特に日本とECがトップ争いをやっております。これはぜひひとつ推進すべきであると思いますが、核融合について大臣もちょっと所信でお触れになりましたので、所見を伺いたいと思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 核融合につきましては、私が当選をいたしました十七年前に、核融合の現場というものを東海あるいは筑波で見まして、本当に究極のエネルギー源であるなということを私どもも思いまして、今日までその推進のお手伝いをしてきたところでございます。  辻先生おっしゃるとおり、本当にこの核融合の研究開発というものは、人類が恒久的エネルギー源を確保することを可能とするものであると思っておりますけれども、我が国におきましては、原研が臨界プラズマ試験装置、いわゆるJT60を用いまして臨界プラズマ条件目標領域に到達するなど、世界の最先端レベルの研究開発を実施中でございます。今後の目標は、核融合実験炉によりまして実際に核融合反応を起こしまして自己点火条件を達成することでございますが、このために研究開発の効率化などの観点から、委員もお触れになりましたように、日、米、EC、ソ連の四極間で、一九八八年から核融合実験炉、いわゆるITER計画を実施しているところでございますけれども、今後とも核融合の研究開発を積極的に進めてまいる所存でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 私は三年ほど前ですが、昭和六十二年でありましたが、チェルノブイリに視察に行きまして、そのときにソ連の科学アカデミーや原子力省というのと随分懇談もしたのです。ウォローニンさんというのが次官だったと思うのですが、ソ連のゴルバチョフ大統領が当時のレーガン大統領に首脳会談で、国際的な協力によって核融合の研究を進めていこう、こういう提案をした、だから日本もぜひひとつそれに力を入れてやってほしい、こういう要請を懇談の中で受けたことがありますが、私は、一国がやるには、これから積み上げていくにしても長期かつなかなかな巨大プロジェクトであると思うのです。  そういう点で、やはり日本が独自の分野を積み上げていく、これも非常に大事なことで、協力にはまた自前のものがなければ本当の意味の協力はできないと思いますから、我が国独自の努力をするということもまず第一に大事でありますが、あわせて、今長官がお話しのように、四極は、日本、EC、アメリカ、ソ連ですね、こういう力を合わせてやっていくことが大事ではないか。特に今、ITERの概念設計が三月で終わって、いよいよ工学設計に入ろう、こういう中でありまして、なかなか今微妙な時期でありますから多くに言及することは私も避けますが、ぜひ国際協力の中で日本が主導的な大事な役割を果たしてもらいたい、このように思います。  特に我が国に対して科学ただ乗り論という批判があります。応用は大変すばらしくて成果を上げておるが、いわゆる基礎的な面になるとどうも弱いのではないかという批判があり、そういう大事な基本的なものにはただ乗りをするという批判を受けております。私は、現状を見れば必ずしもそうじゃない、もう基礎の面でも相当な成果を我が国は上げておると思いますが、こういう国際的な科学技術ただ乗り論にこたえるためにもこのITER、いわゆる国際的な熱核融合の研究の推進には日本は大きな力を入れて大事な役割を果たすべきである、こう思いますが、もう一度ひとつ長官の所信をお伺いいたしたい。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 ITERの計画は、昨年末に概念設計活動が成功裏に終了いたしまして、現在第二段階である工学設計活動の進め方について四極間で交渉を開始したところでございますが、やはりITER計画は、資金、人材の効率的活用にとどまらず、環境に優しい人類究極のエネルギー源である核融合エネルギーを四極で開発していこうとするものでございますし、国際協力プロジェクトとしても大変有意義なものであると思っております。  今後、ITER工学設計活動に積極的かつ主体的に参加をしていきたいと思っておりますが、委員のおっしゃいますようにやはり相手のあることでございますので、私どもはぜひとも我が国に誘致をしていきたいと考えておりますけれども、サンジエゴであるとかあるいはECのガルヒンクとか、なかなかライバルもたくさんあるところでございますので、今後四極間の協議により決定をされるものということになっております。そのために私どもも努力をしてまいりたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 どこでしたか、過日ECの方で四者が集まって随分と論議をされたようでありますが、ぜひひとつ日本も力を入れて頑張っていただきたい。私も一遍また那珂の改造後の状況を見たいと思っておりますが、ひとつ科学技術庁の方も力を入れてもらうように、これは私の方から強く要請しておきたいと思います。批判ばかりでなしに要請もありますので、よろしくお願いします。  さて続いて、この間委員長一行十名で美浜の原発二号炉の状況を調査されまして、かなりな資料が、当時はそう十分とは言えませんが出されましたし、一日にはプレスの方にかなり詳しい資料が出ております。私も予算委員会等で二回ほど触れましたから、一日に出された資料をもとにして二、三点伺いたい。そして何としても安全性を確立して、こういういろいろな不安や批判にこたえる、そのためには資料を広く公開して論議の輪を国民的な土俵に広げていく、こういうことが安全性を高めるゆえんでもあろう、また論議をする大事な点ではないか、国会もそういう役割を果たさなければいけない、こういう観点で二、三伺いたいと思います。  ちょっと簡単な事実関係の数字を伺いたいのですが、この間の発表で、加圧型でありますから、圧力との関係で弁の開閉といいますか、こういうものが非常に重要な役割を占めております。きょうはそれに深く触れる時間がないのですが、当初発表されたよりも放射能の放出量は若干変わっておると思います。放出をされた放射能の量は幾らと見ているかということを、数字だけちょっと伺いたい。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  今回の事象によりましてどの程度の放射能が放出されたかという件でございますけれども、これは事象が起きたときに非常に暫定的な推計をしたわけでございます。現在非常に詳細な評価をしておる最中でございますので、将来的にはこの数字が変わり得るかもしれませんが、その前に行いました暫定的な推計でその数字を申し上げますと、希ガスで五掛ける十の九乗ベクレル、それから液体で七掛ける十の六乗ベクレルという数字でございます。  この数字は発電所ごとに保安規定で年間の放出管理目標値というものを定めておりますが、その数字が約二・一掛ける十の十五乗ベクレルということで、先ほど言いました希ガスで十の九乗でございますから、十の九乗と十の十五乗ということで十の六乗のオーダーの差がございます。そういう面で、通産省では数十万分の一の放出量であるというふうに申し上げましたけれども、これは現在詳細に評価をしておりますので将来的にまた変わった数字が出るかもしれませんが、そのときはまたその段階で公表し御説明させていただきたいというように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 既に発表された数字ならば何回も聞いておるのですからいいのでありまして、きのうあたり、けさの新聞に一部出ておりますが、関電はまた通産の調査委員会に新たな数字を報告して、前の数倍の量が出ているというようにも報道されているので、今そこに新しい数字があるならば発表してほしい、なければ後でまた聞かせてもらえばいいです。  それから、ECCSが作動したのですが、ECCSで注入された水の量を幾らに見ているか。それから、第一次系から二次系に漏れた水の量は幾らか。それも前に聞いた数字ならもう結構ですが、最近の新しい数字を伺いたい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 倉重課長と同様の答弁で申しわけございませんが、現段階では鋭意評価中でございますので、まとまり次第公表して御説明したいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは読売ですが、けさの朝刊によると、放射能漏れは推定の四倍、それから第一次冷却水量は約五十五トンが漏れた、それから一次冷却水は前に発表のあった約倍に当たる、こういう数字が出ております。当初にいわゆるECCSは約二十数トン漏れたと言われておりましたが、かなり大きな水量になっているということ。前は、細管破断は三分の二か三分の一というふうに、二平方センチぐらいだから、そこから漏れた量は、安全審査に想定する三十九トンの六割ぐらいですから大体二十数トン、こういうように言っておったのですが、実際は五十数トン。詳しい数字は聞かなければわからないのですが、かなり大きな量が動いておる、こういうことが言えると思うのです。  そこで私は、その数字は後で聞けばいいのでありますが、今回の事故で原子炉のいろいろな細管の破断、これは今研究所で調査中である、分析している。それから、外へ出た放射能であるとか水がどのぐらいか、いろいろありますが、本体の原子炉に何らの異常はなかったのかどうか、こういうことについて今我々は安全性確保という観点から関心を持っております。そこで、原子炉の水位がそういう意味で一番大事な点であると思いますが、加圧器の水位がゼロになっていく、原子炉の水位は見ることができないのですが、それは何かの方法で見ておったのかどうか、ちょっと伺いたい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明申し上げます。  原子炉の炉心の状態につきましては、先般関西電力から報告を受け、かつ公表されました各種チャート類、それから運転記録の概要等によりますと、少なくとも水位につきましては加圧器水位ということで見ておるわけでございますが、これが下限のところにいってわからない。したがいまして、私どもとしましては、炉心がいわゆる沸騰前の飽和温度状態以下であったかどうか、こういうことで判断しているところでございます。  関西電力からのこれまでの報告によりますと、炉心が沸騰する前の飽和温度、これと実際のループ内の一次冷却水の温度がどうであったかということの差を見ますと、あそこは蒸気発生器が二台ございまして、Aループ、Bループというのがございますが、ちょっとAループとBループと違った温度の状態を示しております。損傷しておりません蒸気発生器のBループを見ますと、その飽和温度との差は約二十度近くございますけれども、Aの方は、新聞等でも書かれておりましたが、飽和温度に近くなっておる。こういう意味で、実際の炉心の状態がどうであったかというのを、今詳細にコンピューター解析等を使って分析している最中でございます。  しかし、この図表を見る限り、少なくとも飽和温度より以下にあったのではないかと推察されておりますので、燃料は健全であったのではないかと思います。しかし、これはあくまでも推察でございますので、今後詳細な評価によってこれを決めていきたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 原子炉の水位は非常に重要であって、スリーマイルの事故のときには、加圧器の水位を読んでおったのですが、ECCSが作動して水位が上がっていっていっぱいになった、だから安心というので手でECCSをとめたのです。ところが、ゲージの機械が傷んでおったために実際は炉の中は満杯でなしに水がなかった。だから空だきになってあれだけの大事故に暴走していった。ところが、ギネイの原発はやはりこういう細管の問題で大きな事故が二回ほど起きておりますが、そのときには水位がゼロに近い非常に低いところにずっととまった、だからこれを引き上げるのにどうするかということに運転員、現場は非常な腐心をしたわけです。  言うならば、スリーマイルの例からもギネイの例からも、原子炉の水位、加圧器の水位でありますが、それで読み取れない原子炉の水位を何か見る方法はないか。そういう点で、アメリカのNRC、原子力規制委員会は、スリーマイルの事故後早々と原子炉水位がわかるような装置をつけるといいますか改善をしろ、こういう指示を出した。しかし実際は、これはなかなか難しいということで行われていない。  我が国は、私も聞いた話でありますが、日本の原研でこういう面を開発して、オランダの原子炉に一遍つけて実験をするというところまで話が進んだが、それで立ち消えになっておる。これは確認した話ではないですからわからないのですが、いずれにしても、こういうことで各国は原子炉の水位を読めるようなものは開発をしていないわけです。日本は、スリーマイルの大事故の経験から学ぶとすれば、原子炉の水位等は一番重要なファクターであるのですが、これについて何らかの実質的な改善策がなかったのかどうか、この点ちょっと伺いたい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明申し上げます。  スリーマイルアイランドの事故の教訓事項として、確かに先生御指摘のように原子炉水位の状態がわかるように、こういう指摘がございまして、私ども、先ほど申しました原子炉内の飽和温度との実際の温度の比較ができるようにサブクール度をはかる計器といいますか、こういうものを設置したわけでございます。  なお、今回の事象につきましては、いろいろ今後とも安全解析を詳細に進め、安全解析との比較あるいは詳細な安全評価を進めていかなければならないかと思いますが、その結果を踏まえていろいろ検討させていただきたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 原子炉の水位は、なかなか中をのぞくわけにはいかないわけだからわからないとすれば、原子炉の冷却材の温度、これが一つの目安になるのですね。もう一つは、中性子源の領域の中性子束がどういう変化を時間的にやっているか、これも一つの目安になるはずですね。  そこで、飽和温度に非常に接近して、これは細かいデータを見ないと、この粗っぽいグラフだけではわかりにくいですが、その状況を見ると、かなり今のお話のとおり接近をしている。そうすると、どこで温度をはかったかによって、これぐらい接近をしているといろいろな変化があるのですね。炉心の周辺、中にも何十カ所か温度をはかるところがあるし、あるいは第一次冷却水の出口、一番熱い水と冷たい水がまざって出ていく、そこの温度もあるし、どこではかっているのか、ちょっと伺いたい、簡単で結構ですから。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 確かに炉心の温度を想定するためには、一体これまで得られているデータの温度なるものはどこで計測されているかということと密接に関連するかと思われます。御指摘のように、こちらの、今まで出ておりますいわゆる温度と申しますのは、原子炉から出ます、蒸気発生器へ参ります高温側の配管出口、ここに一つ温度計がございます。それから一方、蒸気発生器から一次冷却材が戻ってまいります低温側配管、こちらの方にも一つ温度計がございます。それから、炉心の燃料の上部のところに熱電対、これが設置してございまして、これで部分的ながら温度をはかれるようになっております。(辻(一)委員「炉心では幾つ温度をはかっているの、何カ所」と呼ぶ)三カ所だと今までのところは、聞いております。ただ、ここは私どもまだ今調査の最中でございますので、これらとの比較、それから実際には炉心の温度はどうであったか、この辺を詳細に評価してまいりたいというふうに考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 関電から資料の提出をこの間も求めて説明を聞いたのですが、これは御承知のように、今お話のあったのは、原子炉の右側が高温側ですね、だからここで温度をはかっておるのですね、出口で。しかし、これは今言ったように熱い水、冷たいといっても冷たいわけではない、かなりな高温ですが、とにかく三百二十度とかそれに比べれば冷たい水がある。それがまざって出てきた温度をはかっていますね。  しかし、今言われたように、この図にもありますが、炉心の何カ所かで温度をはかっておるわけですね。そこはもう少し違った状況があるかもわからない、だからここの温度が明らかになれば、平均的に言えば沸騰点に非常に近づいたけれども、ある部分によっては沸騰点に達しておったかもわからない、そういう可能性がなしとはしないという感じがするのですね。したがって、この炉心の中にある温度のコンピューターに打ち込まれたデータを私は提出をしていただきたい、いかがですか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 まず最初に、ちょっと先ほどの発言で訂正したいことがございます。熱電対三カ所程度と申しましたが、三十数カ所というふうに聞いておりますので、訂正させていただきます。  それから、確かに委員御指摘のように、実際の燃料の状態はどうであったのか、部分的に沸騰したのではないか、この辺はいろいろ解析を進めなければなりませんし、温度状態のデータもあるやに聞いておりますので、その辺はまた詳細に検討の上、資料の提出等についてはまた御相談させていただきたいと思います。  以上でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 何か昨日説明をちょっと聞いたら、十三時五十分から十四時、一番大事な十分間に、コンピューターは優先順位があって、たくさん仕事が出てきたので、これは後回しになって打ち出しができなかった、こう言っておるのですね。十分間のときには、一遍にいろいろ全部動いておるわけですから、それを皆コンピューターが処理をする、だから手が回らなかった、優先順位が高くない、だからこの打ち出しができないと言っておるのですが、私は中にデータとしては入っておると思うのですね。打ち出すのは順番に打ち出したとしても、データとしては入れられておるのではないか。それをしっかり調べて、とにかくこの温度が、きちっと生データを見れば、これは部分的に炉心沸騰があったのか、あるいはそれがなかったのか、こういうことは私はすぐわかると思うので、こういうデータを公開してもらえば、この論議は、十分どうであったかということは明らかになると思う。これはぜひ提出してもらいたい。  それから同時に、温度は圧力によって変わるわけですから、ここには分厚い提出された資料がずっとありますが、簡単に言えば、プレスに発表されたこの一覧表が一番わかりやすいわけですが、冷却材の温度はこういう変化をしておる。確かに、粗っぽく言えばこれなのでしょうが、これがどれぐらい、データとして点検をしてみたときに、非常に接近したときに、これは圧力がちょっと下がっていけば温度はすぐ上がるわけですから、だから沸騰のことも圧力のいかんによってはあり得るわけだから、今言った炉心の温度と圧力の、特に百十気圧以下から蓄圧系が動くに至る――動かなかったわけですが、五十二気圧という、振り切れた下の百十気圧以降、このデータ、資料に出ているそのあとの、線では出ておりますが、これをひとつ生データを出してもらいたい。そうすれば、炉心が沸騰したか沸騰しなかったかということは、そう多く論議をしなくてもわかるのではないかと思うのです。それは出せますか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明申し上げます。  先般、関西電力から報告を受けました資料が全部だとは私ども思っておりませんでして、今後安全性の評価等におきまして必要とあれば資料をとるつもりでございますけれども、今先生の御指摘の点、本当にそういうデータがあるのかどうか、コンピューター内で、プログラムでどういうふうに処理されているのか、この辺を調べてみませんと、ちょっとこの場ではお答えできませんので、検討させていただきます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 あれば、入っておれば出せるということですね。これはもう一分間置きとかいろいろデータのとり方があるのでしょうが、その点をずっと手で書いて示しているわけですから、ある意味では非常に粗っぽいグラフなのですね。だから、生データがあれば私はよくわかると思うのです。これはぜひ提出してもらいたいと思うのです。それから、今申し上げたとおりですが、冷却材圧力が百十気圧以下に下がった領域のデータを一緒に出してもらえば様子がわかると思うのですね。  それから、炉心沸騰があったかどうか、そういうことを明らかにするためには、あわせていま一つは、この炉心の温度の測定のデータ、出口の温度の生データ。それから、百十から五十二気圧の間の変化のデータ。それからもう一つ、さきにちょっと申し上げました中性子源、領域中性子束の時間的に変化をしている様子のわかるデータを出してほしい。これも要求した中ではなお調査中とかいうことで出ていないのでありますが、出力がどういう状況であったかということ、水との関係があるわけですから、これらの数字がそろえば、私は、原子炉の中は中に入ってのぞかぬでも大体わかるのじゃないかと思う。それはいかがです。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  先生、私どもより先になかなかよくいろいろお調べのような感じでございますが、御指摘の点は問題としてよくわかっておりますので、調査の上、検討させていただきます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 それから、ECCSについて伺いたいのです。  プログラムどおり作動したというのですが、果たしてそうなのかどうか、ちょっと私、疑問があるのです。ECCSのポンプの能力は百六十立方メーター・パー・アワーで、一時間に百六十立方メーターの水が、そういう速度で中に送る力がある。記録を見ると、これは三月一日に発表されておるのですが、ECCSに入った水の量がここに出ておりますが、これを見ると、一時間当たり五十立方ぐらいの速度で入っている。それが二十にも落ちておるし、もともとこれは加圧器の水位がゼロになってそして振り切れている。圧力は百気圧前後、百気圧を切っている、こういう状況ならば、ECCSは百六十立方メーターのパー・アワー能力いっぱいに水が入っていかなければいかぬのに、これを見ると入っていない。これは一体どういうことなのか。  私も素人だから、こんなことは大変素人的な質問かもわかりませんが、水位がゼロで圧力は百気圧を切っておれば、このECCSは百二十数気圧で入るはずですから、だからどんどん入らなければならぬのが五十あるいは二十、途中数字を見るとゼロという時間があるのですね。なぜECCSは能力どおり水を送り込まなかったのか。これは設計ミスなのか、あるいはオペレーターのミスなのか、どっちなのか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  私ども、現在解析中でございます。ただこの高圧注入ポンプ、私の理解では、ある圧力になれば直ちにフル容量で全部注入できるということではなくて、注入すべき相手の圧力に応じてポンプで送り込める容量が変化してくるのではないか。通常ポンプといいますのは締め切り圧から運転状態での圧力、それからさらに、相手の圧力がゼロになればということで、どんどん容量が増していくわけでございますけれども、ポンプ設計上、これがどのような状態で注入されていたかということも含めて解析しなければならないと思っております。したがいまして、必ずしもECCSの高圧注入ポンプが働かなかったのではないかということにはならないと、今のところ解釈しております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 今あなたは相手のあることだと、相手というのは圧力の関係ですよ。だからECCSは、低ならば百二十八、異常低ならば百二十一かぐらいで動くはずですから、百気圧に下がっておるのですよ、そのグラフ、一覧表を見ればずっとそのとおりですね。そして加圧器の水位はゼロになっている。だから満杯にしなくちゃならない、ゼロであって、そして気圧は百気圧を切っておれば、相手はもう水の来るのを待っておるような状況にあるわけなんで、その中で全能力が発揮されてないというのはどういうことなのか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  私どもまだ評価が進んでおりませんのでこの場でお答えしづらいのですが、SGの細管部の損傷部から二次側に漏れているわけでございますけれども、そちらから漏えいしていく量、それからそのときに発生している圧力、これとの関係で、このECCSがどれくらい注入できるかというのは決まってくるのではないかと思います。したがいまして、破断しているところからある一定量が漏えいしていくはずでございますけれども、それ以上のものを一生懸命ECCS、高圧注入ポンプで送りましてもかえって今度は圧力が上がって入らない、こういう現象もあり得るかとも思います。いずれにしましても現在評価中でございますので、いましばらくお待ちいただきたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これは三月一日に関西の方ではプレスに皆発表しておるわけですね。だからこれは図を見ればある程度のことはわかるわけだから、これは今調査中ということですが、一遍よく検討して、どうせこれから解析するのでしょうが、どういう状況であるのかということをきちっと説明をしてもらいたいと思うのです。  それから、作動中のECCSを手順書に定められたよりも早く手動で停止させているが、その理由は何だったのか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  現段階で聞いている範囲内といいますか、私どもが大体推定しておりますのは、高圧注入ポンプを停止する以前の状態でございますが、一次側の、損傷側でございますが、Aループの方がなかなか圧力が下がらない。一方、加圧器の水位を見ますと大体立ち上がってきておりますし、飽和温度との比較で原子炉内に水が十分あるかどうかというのを見ますと、かなりの飽和温度との差がございますので、炉心は十分水に浸されておる、こういうところで、むしろ損傷蒸気発生器内での一次側から二次側への漏えい量を低めるためにという理由がございまして、この段階で高圧注入ポンプを停止した、それによりまして一次側と二次側の圧力が均衡に向かっていくようにした、こういうふうに聞いております。なお、これらにつきましては、なお詳細な評価が必要でございますので、そういう段階のコメントということでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 スリーマイルの場合は機器が傷んでおって、それでもう水がいっぱいになったと思って手でとめたのですね。だから、これを手順以前に手でとめるにはいろいろな判断があるわけですが、これは非常に大事なことだと思う。  というのは、今回は一本の破断で終わったのですね。しかし仮に、今言われておるように金属疲労等が一つの原因であるとすれば、この破断が一本で済むとは限らない。もう少し、複数だってないとは言えないわけですね。そういうときにこのECCSを、ほかの要件があるにしても手で切るということは、原子炉の安全という点から言うと非常に問題があるように私は思うのですね。それは飽和温度と、このAループの冷却材の温度をグラフで見ながら差がある、こう見たのかもわからないと思いますが、とにかくECCSを手動で切るのはいろんな意味で非常に大きな問題でないか。だからこれは、マニュアルでは定まっていないことをそのときの判断で運転員がやったので、それは必要な判断であったかもわからないが、十分これは点検をする必要があると思います。  そういうふうに二つ、三つを挙げてみると、まだまだ解明しなくてはならない非常に大事な問題が後に残されている感じがするので、これは早急にひとつ政府側としても、せっかく調査委員会があるのですから、ぜひ努力をしてやってもらいたいと思います。指摘をしておきます。  内田安全委員長にちょっとお尋ねしたいのですが、今回のこのSGの細管破断の事故をどういうように認識していらっしゃるか、安全委員長に伺いたい。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の美浜二号炉の蒸気発生器伝熱管の周方向破断事故でございますが、御存じのように設置許可におきましての安全審査、基本的設計方針の安全審査におきましては、原子力安全の確保のために安全設計がどのように対応できるかということをチェックするのが一番の目的でありまして、その際に設計基本事象というものを仮想いたしまして、そういう事象が起こったときに、どういうようにこの安全設計が十分に機能と性能を発揮するかという基本設計を審査するわけでございます。  その基本設計事象の一つといたしまして、蒸気発生器伝熱管の両端破断事故が入ってございます。今回の美浜の二号の蒸気発生器伝熱管の周方向破断の事象は、その設計基本事象に十分包絡される問題であると思います。その結果といたしまして、放射能の放出が有意なものでなくて、環境に対しては放射能の影響はまず無視されたというように聞いておりますし、それは事実だろうと思いますが、仮に、放射能の放出が有意のものではございませんでしたけれども、従来の蒸気発生器細管の損傷と比較いたしますと、円周方向の破断というものは日本にとりましても初めての経験で ありまして、私たちも大変重大な事象が起こったものと認識しております。その設計基本事象でございましたが、ECCSが作動するような事象にまで、事故にまで発展いたしましたものでございますので、大変残念に思いまして、今後十分に調査、審議を進めたいと思っております。  そのために、安全委員会の下部組織でございます原子炉安全専門審査会の発電用炉部会に特別な作業グループを鋭意早期につくりまして、これから調査審議を、専門家の意見を十分聞きたいと思っておるところでございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 内田委員長は、やはり重大なる事故である、こういう認識を示されたのですが、私もそう思うのですね。なるほどECCSは働いて、それほど大きな放射能の放出もなかったし安定をした、これは大変結構ですね。しかし、この間も私は予算委員会でもちょっとその例を引いたのですが、谷底につり橋をかけてたくさんの橋げたがある。それを毎年一枚ずつ全部点検をして一年間大丈夫だと保証する。これは定期検査ですね。その橋げたを渡っておるときに折れかかったら、音が早くわかるから予知されて危険を警告する。だから折れる前に引っ返せば落ちることのないようになる。これはLBBの原則ですね、小さな漏れをブレーク、破断の前にキャッチをして安全対策をするという。この二つで大丈夫だと言っておったのですね。  ところが、安心して渡ってみたら、途中で橋げたが一本折れて谷底へ落ち込んだ。命綱があってそれにぶら下がって助かったのですね。だから、ECCSで助かったといいますか安定したといっても、人間が命綱で宙ぶらりんになって寿命が縮まると同じように、恐らくその原子炉にもいろいろな影響が出ると思うのですよ。だから、ECCSが作動するというようなことにならないように、その事前にいかに抑えるか、キャッチをして安全対策に対応するか、こういうことが安全の非常に大事なことでないか。  そういう意味で、結果としてはまあ大きな暴走的なことにはならなかったけれども、命綱で助かったということは極めて重大なことである、こんなことを何回もやっておったら人間も寿命がだんだんなくなるし、原子炉も四、五回そんなことをやったらこれは寿命がやはり来てしまうかもわからない。古いのはなおだと思うのですよ。そういう意味で、この事故の持つ重要さを特に私も強調しておきたいと思うわけです。  そういう認識を示されているのですが、科学技術庁も通産省もこの事故は事象という言葉を使っておるのですね。関電自体は、事故という言葉をもう初めから使っておるのですが、この間行ったら、その事故がいつの間にか事象になっておるのですね。これは政府のあしき指導の結果じゃないかと思うのですが、とにかく、事象と言うことによって重大な事故であったという認識を何か薄めるようなことになりはしないか。事象と事故をどういうように考えていらっしゃるか、お伺いしたい。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申し上げます。  通産省の見解につきましては後ほど通産省から御説明があると思いますが、科学技術庁並びに原子力安全委員会事務局といたしましては、本件は、先ほど内田委員長も御答弁されましたように、蒸気発生器細管の円周方向の破断事故である、こういう考え方に立っております。  それから用語の問題はいろいろございまして、私どもの方としては、昨年原子力施設のいわゆる事故尺度をまとめました際に、こういう場合には事故と呼ぶのが適当だろうということの用語の整理を既にやっておりまして、それに基づきましても今申し上げたような解釈でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 安全委員長は重大な事故であると認識をされておるのに、段階的に見ると日本語の難しい定義づけですね、事象になるというのはちょっと理解しかねるのですが、いかがでしょうか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 通産省の方でちょっと補足して説明させていただきます。  通産省の方では、今回のトラブル、事象という言葉で表現しております。これは二年前に起きました福島第二原子力発電所三号機の再循環ポンプのトラブルでも事象という言葉を使って説明させていただきましたけれども、事象という言葉、なぜ事故という言葉を使わないのかという御指摘でございますけれども、一般的に、通産省としまして、事故とか故障とかトラブルとかいろいろ言葉がございます。その言葉の定義というのが必ずしも明確なものになっていないというふうに私どもも認識しておりまして、そういう意味で事象というのは非常に幅広い意味で使われているという認識で、それらを全部包絡するような形で事象という言葉を使っております。  したがいまして、意図的に事故を隠すとかそういう意味合いは毛頭ございません。そういう意味で、受け取っていただく側に事故というふうに受け取っていただいてもその辺は私ども構わないという認識でございますが、私どもその辺の、ある事象は故障、ある事象は事故とか等々、その辺の線引きが今まだ成熟していないという認識でございまして、そういう意味でもう一括事象という言葉で通させていただきたい、このように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 名は体をあらわすというので、これは事象と言うと何かそれほどでもない、事故、重大な事故であると言えばやはり問題が随分あったのだ、こういう認識を常識的にはする。やはりこれは国民の皆さんに理解をしてもらうような、名は体をあらわす言葉を使うべきである。だから事故という言葉を明確に使うべきであると思いますが、いかがですか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 御説明します。  私の説明がやや上手でなくてあれでございますが、先ほど申し述べましたのは蒸気発生器細管円周方向破断事故ということに委員長もお答えをいただきまして、私どもそういうふうにしております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 推進する通産それからダブルチェックをする安全局の意見が違うのですが、これは通産も事故としますか、どうなんですか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  この件は福島第二発電所三号機のときにも、それから今回でもいろいろなところで御質問をいただいたわけでございますけれども、先ほど申しましたように、事象という言葉は幅広い、全体を包括しているということで今のところ事象という言葉で私ども使いたい、こういうように考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 原子力の安全問題はやはり最終的には原子力安全委員会ですね。これが別個の機構としてせっかく確立されたんだから、そこで事故と明確にその言葉を使っているならこれは統一してもらいたいと思うのです。通産省は事象、科学技術庁は事故、これは非常に不統一だと思うのです。だから、これは今それはどうするかということはあなたはなかなか言いかねると思いますが、帰ってよく相談して、いずれまた機会があったら聞きますから、きちんとしておいてもらいたいと思います。  これについてもう一つ聞きたいのですが、これは八七年の八月七日、朝日の記事に「ノース・アンナ破断のあとで」、エネルギー庁は、日本では入念な定検で大事に至る前に見つかるはず、こう言って、いずれもこういうものは起こらないという言い方をずっとしてきたのですね。特に大事なのは、伊方原発の裁判において国側の主張としてこれは裁判所の記録に出ているのです。参考に読んでみますが、「蒸気発生器細管破断の非現実性」こういう見出しで、   本件原子炉において使用されている蒸気発生器については、前述したように、原子炉の過渡状態も含め、運転中に予想される機械的応力や腐食に対しその健全性が損われることのないように十分余裕のある設計がなされているだけでなく、従来発生した事象に対してもこれを防止するための適切な配慮がなされている上、定期的に実施される精密な検査によってその健全性 が確認されるとともに、仮に細管に漏洩が生じたとしても直ちに検知され、所要の措置が講じられるので、細管の破断は起こり得ない。   特に、蒸気発生器細管には、強度上十分な余裕を持ち、その材料(インコネル)が延性に富んでいるため、瞬時に多量の漏洩が生ずるような形態の損傷(破断)が過去において起こったことがないのはもちろん、将来においても右材料の性質に加え損傷防止のための諸々の対策が講じられているため数本はおろか一本の破断も起こることはない。  裁判所へ行ってこういう証言をしておるのです。ところが、具体的な事実として細管破断が日本において起こった。これは今まで主張してきたことと、それから現実の具体的に起きた事実をどういうように説明するつもりなのか、ちょっと伺いたい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  ただいま伊方原発裁判での国側の証言等についての御指摘がございましたが、私ども当時の知見に基づきまして――当時の知見と申しますのは、SGの細管で損傷がある場合にはリークから始まって、それで事前にそれが予知でき、そしてそれを停止することによって未然に防止できるというふうなことを考えて主張していたものでございますけれども、今回このような両端破断が起きたということについては、これは現実に起きたわけでございますので、私どもとにかく今回のなぜ起きたかという原因を徹底的に究明した上で、今後の国側の主張等についても検討はしたいと思っております。  ただ裁判の場におきましては、そういうことが起きるとは考えてなかったけれども、安全審査上は一本の細管が瞬時両端破断したとしても安全であるということを言いたかったというふうに私の方は聞いておりますので、趣旨としてはそういうことでございますが、表現方法等につきましては、今後、現実にこういう問題が起きておりますので、検討さしていただきたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 ノースアンナの事故が起きたのは八七年、四年前ですね、七月の十五日。だから、外国では当時、小さな漏れから予知をするという原則は一つ崩れて、破断が起きたという具体的な事実がアメリカにあったんですね。ところが、我が国は世界一入念な検査を一本一本全部やっているんだ、アメリカは全細管の審査を義務づけていないが、我が国は全部一遍点検をする、こういうふうにして、また安全対策にも非常に力を入れておるから起こらない、こう言い続けてきたんですね。それが裁判所の記録として出されておるのですからこういう表現になったと私は思うのですね。だからそういう点で、あり得ないということが起こったという認識、破断というのはそうですね。日本ではない、こういうふうに言っておったのがあったということですね。  それから、今まで安全審査は想定事故ですね。これは説明は、起こることはない、しかし、念のためにそういう仮想的な事故を想定して、そのときにどうなるかを解析しているんだ、ここまでやっているんですから、起こり得ないことまでやっているんですから心配ないんです、こういうことですね。安全解析が安全審査の中でされているということは、破断が現実に起こるということを説明する内容ではない、起こらないんだけれども念のためこれだけやっているんだ、こういう説明を私はずっと聞いてきたのですね。だから、苦しい答弁はそれなりにわかりますが、破断というような日本では考えられなかったことが事実としてあったということをしっかりと認識して、これからの安全対策、これはもう絶対というのはあり得ないわけですから、万全を期するということが、念には念を入れるということがまさに大事である、こういう努力をぜひひとつ通産省も科学技術庁もお願いしたいと思うのですね。  そこで、今通産省は調査をやっておるわけですが、調査委員会をつくられたというのですね。原子力安全委員会の方はワーキンググループを、予備調査のような形でグループをつくって対応しているということですが、アメリカはスリーマイルの事故の後に、当面は当時の大統領の任命した調査委員会がつくられたのです。そしてその後に非常にしっかりした報告書を出しておるのです。私は、福島第二の三号炉も東の非常に大きな、いわゆる東電系のB型の重大な事故であったと思うのですが、これは必ずしも調査委員会としての権威ある報告書がまとめられて報告されておるようには理解をしていないのです。今回は権威のある報告書を通産並びに安全委員会はきちっとつくって国会に提出をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  現在通産省では、原子力発電技術顧問会の中に調査特別委員会を設けて、原因の究明、それから再発防止対策の確立ということで作業をしている最中でございます。その原因が確定し、また対策がとられましたら、まだ確定的なことは申しませんけれども、節目節目にその結果を取りまとめて資源エネルギー庁として公表等を考えているわけでございまして、もし国会の方から御要求がありましたら当然報告させていただきたい、このように考えております。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答えします。  安全委員会の調査報告書につきましては、先般の福島の事故の調査のときと同様に、グループの報告書がまとめられましたら安全委員会で御審議され、当然その結果は公表されることになります。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 安全局長は前の国会答弁で、福島に関連しての質疑の中で、安全委員会は航空事故調査委員会に匹敵するような機能、権限を持っておる、こういうことでしたが、どうも報告書は、通産から出てきたのを承認するというような状況になっているのじゃないか。今度は安全委員会としてきちっとした報告書を国会に提出されるべきであると思いますが、いかがですか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 安全委員会と御相談の上、適切に対応したいと思っております。(辻(一)委員「出すの」と呼ぶ)先ほど御説明申し上げましたように、安全委員会の決定、報告書等はすべて公表になりますので、当然提出することになると思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 いや、しっかりしたのをつくってくれと言っておるんですよ。出すのはそれは今までも皆出ていますから、内容を、航空事故調査委員会に匹敵するくらいの権威を持ってその報告書をきちっと出してもらいたいということです。いいですね。――はい。  あと時間が少しになったんですが、原子力防災と地域の安全協定等について触れたいと思うのです。  この間委員長一行、一日美浜原発の現地を見て、その後福井県並びに地元の美浜町の町長や議会一同の皆さんとお会いをして、いろんな率直な意見を、事情を聞いたわけでありまして、それをちょっと踏まえて申し上げたいんですが、やはり外国で起こっておるような大きな事故が万が一という場合、あってはならないんですが、日本に起こり得ない、絶対ないとは言い切れない、そういうことが今回は一つ明らかになったと思いますが、万が一に備えた防災訓練、これを住民参加の避難訓練等も含めてやる必要があるんではないかというように私は今強く考えております。  チェルノブイリを私が見に行ったときに、事故当時、所長さんはどこかに逃げて後で裁判にかかったんですが、副所長は数日前に転勤をしておったというのでほかにおったんですが、後の収拾対策に直ちに二日目に呼び帰されてこのチェルノブイリに入った。後対応したその当時の状況をいろいろ聞かしてくれたんですが、ああいう事故が起きると職員もとにかく余裕を失う、人間は余裕を失ってしまう、だから職員に対しては事故が起こればどうなるか、どうするかということをよく教育していくことが大事だし、住民に対してもよく内容を知らして、そういう日ごろの対策、住民の訓練等をやっておくことが非常に大事だ、こういうことを涙を流しながらにその当時のことを 述懐をして、いろいろ話を聞いたんです。私も、事故があってはならないんでありますが、やはり万が一ということを考えると、これは住民参加の訓練等も含めた原子力防災ということをもっと真剣に考えなくてはならない時期に来ておる、こういうように思います。  立地の自治体が住民参加の防災訓練等を必要である、こう思いながらためらっている事情は、これはこの間も美浜でいろいろ率直に聞いたんですが、一つは、安全であり心配がないといって原発を建設してきた、今さら避難訓練をやれば、やはり安全ではないのか、こういう住民の不安を説得する自信がなかなか持てない、これが一つですね。自治体としてはなかなか大変だということ。それから、加えて同様のことですが、かえって不安を与えるんではないか、こういうためらいがあるので、やる必要はあると思いながらなかなか踏み切れないというのが状況であったと思うのですね。  それから県の方は、これは渡辺副知事も見えて言っておりましたが、やはりこれはどういう事故が起こってどうなるんだというような想定を国にひとつ示してもらって、そういう基準というものを示してほしい。でないと、自治体だけでそういう基準を示してやるには荷が重いというかなかなか困難さがある、だから国の方針と基準を示してほしい、こういうことを言っている。それから、これは科学技術庁に対してもこういう問題を提起したのだがまだ返事がもらえない、新聞にこう出ておるのですね。  それから、二十八の原子力を立地しているところの市町村でこういう要請書を出しておるのですね。全国原子力発電所所在市町村協議会、会長は敦賀の市長さんがやっておりますが、これは「関西電力(株)美浜発電所二号機の事故にかかる申し入れ」というのを三月一日に科学技術庁長官あてに出しておるのですね。一、二、三とありますが、再発防止、定検の見直し等原因究明、しっかりやってくれという一と、二は未然に事故を防止して、重大な予知があれば直ちに原子炉をとめてくれ、これが第二です。第三は「重大事故発生初期時点に於いて、立地市町村はもとより周辺市町村を含め緊急通報連絡体制の確実化を図るとともに、」これは関電の現地へ行っていろいろ説明を聞くと、今かなり対応しておるのですね。何とか通報体制を確立しなければいかぬと努力しておるようでありますが、「原子力防災を国の一元的責任とし、原子力災害対策特別措置法(仮称)を制定されたい。」こういうことを二十八の立地の原子力発電市町村長と同二十八名の議会の議長、それから十一の近くの市町村長が連名で要請をしている。  これらを踏まえて私は、今住民参加も含む原子力防災体制の確立をもう一遍再検討して十分な対応をすべきときに来ておるのじゃないか、こういうふうに思いますが、長官いかがですか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 原子力防災訓練につきましては、その特殊性と一般防災との共通点があることを踏まえまして、指導的立場にある防災業務関係者を中心に、モニタリングであるとかあるいは除染などの訓練を行うことが第一義的には重要であると思っておりますけれども、これ以上に住民参加も含めましてより具体的な防災対策を、防災訓練をどのように実施するかにつきましては一律に規定するのはいかがかなと思うのでございます。やはりそれぞれの地域の実情などを踏まえまして、実施主体である地方公共団体が判断をして計画をするものと認識をしております。  当庁では、各地方公共団体が行う原子力防災訓練につきましてその計画段階から相談を受け、そして指導を行うとともに、実際の訓練でも現地に職員を派遣をするなど十分に協力を行っているところでございますけれども、既に一部の地方公共団体におきましても住民参加の訓練も行われております。今後とも関係省庁、そして地方公共団体ともよく協力しながら防災対策の充実に努めてまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 その書き物は何回も大体聞いたことなんだ。そういう状況ではないんだ。二十八の全国の立地の市町村長、議長が全部、この状況の中でやはりもう一歩進めてくれ、こういう要求をしておるのですよ。それを何年越しの、多少は前進がどこかにあったようには思いますが、数年私が予算委員会で、六十三年もこの間も論議をしたのと余り変わっていないですね。これは一遍こういう時期に再検討をして、自治省もかなり前向きに、これをしばしば自治大臣も答弁をしておる。科学技術庁は、私はそういう面では非常に消極的であると思うんですね。だからこれは政府部内でもう一度よく検討してもらいたい。検討できますかどうか、それを伺いたい。

長田英機科学技術庁原子力安全局次長

○長田政府委員 第一に、今大臣が御答弁されましたことにちょっと補足させていただきますと、大臣からは特別立法の御答弁をされませんでしたけれども、特別立法につきましては、私ども災害対策基本法という法体系を持っておりまして、国、自治体がそれぞれの役割を分担しながら行っていくということで、地方の実情をも反映しながらそれを運用していけば十分ではないかというふうに考えておりまして、特に特別立法の必要性はないと考えております。  それから、住民参加の防災訓練の点につきまして、私どもは自治省と科学技術庁との間で特段見解が違っているというふうにも余り理解してないのでございますけれども、それぞれ、私どもはいわゆる放射線観点、自治省の方は自治体を指導しているというそれぞれの観点でございますので、これからもよく連絡をとり合いながら防災対策に対応してまいりたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 国土庁が所管している、私も災害にずっとおりましたからよく知っておりますが、災害基本法の中にずっと並べておるんですよ、火山から雷からずっと。そのところに原子力災害というのは挙げてないのですね。だから、災害基本法でいくのならば少なくも列挙しなさい。国土庁は、それはひとつ次期の見直しの機会に一遍考えたい、検討したい、こう言ってそのままになっておりますが、単独法であるか、あるいは現在の災害基本法の中に原子力災害を明確に書き上げてそれに対して一定の体系を整備をするか、いずれにしても私はもっと踏み込んでこの原子力災害に対処する時期に来ておる。既存のことだけを言っておったのでは十分に満たされないと思いますが、その答弁は極めて不満であるということで、いずれ機会を改めてこれについてまた論議をするということにしたいと思います。精いっぱいひとつ勉強しておいていただきたいと思います。  それから最後に、二月の十四日に、九日のあの事故の後ですが、福井県内と県外の原子力立地の周辺の市町村が七つ集まりまして、準立地市町村連絡協議会というのを結成したんですね。そしてここで県と関電に対して申し入れをしておるのです。時間の点からもうその内容を全部申し上げるのは割愛しますが、ポイントだけを申し上げますと、通報をひとつちゃんと非立地のところにも、なかったわけですから通報してくれ。これは関電も通報体制は別個にひとつ強化をしたいと言っておるので十分政府の方も指導してもらいたいのです。関電も取り組んでおるのですが、問題は、これらの七つの市町村、自治体の要求に対して関電は、安全協定については県や自治体と相談をして、御指導を受けてやりたいと考える。やるということは、御指導を受けて相談したいという意味で、実施するとは言っていないのですが、こういう発言を我々調査団に対してもしておるわけですね。  だから、国の方が私は指導をして、非立地の市町村も、この記事にもありますが、今まで随分協力をしてきた、隣の町村として非常に協力してきた。だけれども今度は、こんな扱いならばこれからはもう協力しませんよと言いかねない、こう言っておるわけですね。そういう点で私は、ぜひひとつ非立地の隣接町村に対しても電力会社と安全協定を結んで、そういう要望を満たすようにしてもらいたいと思うんですね。  この点で、電源立地の周辺に助成をする法律が ありますが、あのときに立地市町村と、それからあのときの法律の中に入れたのは、隣接の市町村も何かそれに準じた扱いをしてほしいと言うので、これにこたえるために隣接市町村という名前を使ってこの法律の中に書き込んだのですね。だから立地市町村に準ずる扱いがいろいろな面で、電源の交付金等々の場合にも出されておるのですが、今回も隣接市町村として立地市町村に準じた安全協定等が結ばれるように指導すべきであると私は思います。これは通産の所管ならば通産からちょっと一言聞きたい。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  原子力の開発利用に当たりましては、地元の理解と信頼が不可欠であるということでございまして、このために電気事業者は、地元自治体との間で緊急時の連絡等を内容とする安全協定を結んでおるわけでございます。その安全協定には、トラブルが起きたときの連絡等以外にもさまざまな項目があるわけでございまして、そういう中身につきまして国が一律にここまでしなさいというのも、なかなかそこは個別の事情、例えば社会的な条件、地理的条件等々あろうかと思いますので、国が一律にどこまでやれというのはなかなかなじまないものであると私は思いますが、安全協定の有無にかかわらず、電気事業者は地元住民の理解と信頼を得られるようにすべきであるということでございまして、それは先生御指摘のとおりでございます。そういう面で通産省としては、電気事業者をそのように指導してまいりたいと考えております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)委員 これで終わりますが、ここにエネルギー庁長官の出席を求めておいたのですが、今ほかの委員会が優先度があってそちらの委員会にどうしても出なければならぬということで、残念ながら政策的な見解はただすことができなかったのですね。この問題は、先ほどと同様に、改めてまたエネルギー庁長官の出席を求めて政策的な見解をただしたいと思います。  以上で終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 近江巳記夫君

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 きょうは長官の所信表明をお伺いしたいと思うわけでございますが、中でも原子力の問題、特に美浜の今回の事故につきましては、国民の皆さん方も大変な衝撃を受けたわけでございます。最後のとりでと言われたECCSが作動した、これはもう極めて重大なことであると受けとめておるわけでございまして、まずこの点に関しまして、長官、そして内田さん、通産省から御感想をひとつお伺いしたいと思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 最近の国民の世論調査におきましても、原子力発電所の必要性ということは国民の六五%が認めております中でこのような事故が起きましたことは、私どもも非常に残念なことでございます。  現在調査委員会が設けられまして、いろいろ事故の原因の徹底究明を図っているようでございますけれども、今後このような事故が再発しないように私どもも最大限の努力を払っていかなければならないと考えております。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の美浜二号の蒸気発生器細管破断事故につきましては、先ほども申し上げましたように、安全評価におきます設計基準事象の一つの事故として細管の破断を取り上げてございますが、従来蒸気発生器の細管の損傷のないようにということで、定検時等におきまして全数の細管について十分な検査をしました。漏えいが発見されない細管でありましても、損傷の影響があると判断されましたものは施栓、スリーブ等の補修をすることによる予防保全に徹するようにしておったと私も思っておりましたし、事実努力が続けられたと思うのですが、そういった予防保全の対応にもかかわらず今回の破断事故が起こりましたことを大変残念に思い、重大な問題と認識しておるところでございます。  安全委員会としましては、早速安全専門審査会の中の発電用炉部会に特別な作業グループをつくりまして、調査、審議を開始したところでございます。通商産業省から詳しい調査の内容が参りましたならば、それを踏まえまして、安全委員会としての見方、見解等をもとにしまして、改めて調査、審議をその作業グループにしてもらうつもりでございます。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 御説明申し上げます。  今回の件で、敷地周辺に設置してあります放射線監視装置の指示値は通常と変化はないということで、環境への放射能の影響は認められない。またECCSは設計上期待されたどおり作動して、プラントは安全な状態で停止しているということでございます。しかし、そのECCSが実作動したということは我が国においては初めてであるということで、徹底した原因の究明を必要とする重大な事象だというふうに通産省は認識しております。  このような認識のもとに、調査特別委員会を原子力発電技術顧問会の中に設けまして、今現在鋭意その原因の究明を進めているところでございます。節目、節目でその結果等判明しましたらその都度また公表してまいりたい、こういうふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 こういう破断、ギロチン破断ですね。これは先ほども出ておりましたけれども、伊方訴訟におきましても絶対の自信を持って政府側もまた裁判所も同じ見解を出しておられますが、現実にこういうことが起きておるわけですね。だから、皆さん方がそういう安全性ということにつきましてそれだけの確信を持っておられても、現実にこういうことが起きるのですよ。この点につきまして、内田さん、また通産省はどのように受けとめておられるか、お伺いしたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 先ほど来申し上げましたように、設計基準事象の一つとしては、蒸気発生器の細管の瞬時破断を事故事象としてとらえまして、それに対する対策をとっておるところでございます。加えまして安全の確認というものは、そういう設計基準事象が発生いたしましても、最終的に放射能の有意な放出があって、環境にあるいは人に影響がないということを確認することでございます。  そういうような方針をとっているわけでありますけれども、安全には念を入れるということで、細管の破断が起こりますことを想定いたしまして、そのときに燃料のかなりの、具体的に言いますと一%でありますけれども、そういう損傷があることまで前提に見まして、いろいろな厳しい前提を入れて評価をして、放射能の放出がどの程度であるかということを評価しているわけであります。  今回の美浜の原子力発電所の細管の円周方向破断事故は、その漏えいが発見されましてから一時間ぐらいで破断をしたと今のところ理解しております。事実そのような破断の事故が起こりましたことは、設計基準事象の中に含まれておりますが、日本の今までの方針といたしまして蒸気発生器は一切漏えいは認めない、漏えいなしで運転をするということであります。世界的には、各国は大体一ガロン・パー・分とかあるいは三分の一ガロン・パー・分ぐらいの漏えいは認めて運転をしているわけであります。日本では漏えいを一切認めないで運転をしておるような対策をとっておりますし、また一方、燃料が非常に健全性が高いものでありますので、一時冷却材の放射能レベルはもともと低く維持されております。したがいまして、破断が起こりましたけれども、放射能の放出は極めて少なかったということに結びついたものと理解しておるところでございまして、これらにつきましては十分まだこれから調査、審議をしたいところでございます。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  今回の事象でございますが、従来の蒸気発生器の損傷の仕方と非常に異なるというふうに私ども考えております。従来ですと時間的な変化が非常に緩やかでございまして、これまでの例でもピンホールみたいなリークでございました。そういう面で今回非常に進展が速かったということでございまして、現実にその細管の破断が生じたということでございますので、私どもこれを謙虚に受け とめまして、その徹底した原因の究明また再発防止対策をしていきたい、このように考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 ちょっと確認しておきたいと思いますが、放射能の放出量、それから一時冷却水の漏れ、これは現時点においてはどのように把握されておるのか、確認したいと思います。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  先ほど辻議員にもお答えいたしましたが、当初関西電力から報告がありました量の段階から、私どもとして確定した量を出すにはまだ至っておりません。先週ちょうど関西電力からいろいろな事象にかかわります時間的な変位のデータ、それからチャート類、生データをいただきましたので、現在これをもちまして、先ほど御指摘の定量的な放射能放出量、それからECCSからどれだけ注入されたか、それから損傷したSGの細管におきまして一次側から二次側にどれだけ漏出したか、こういったことを確定作業中でございますので、これがまとまりましたらまた御報告したいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 当初の推定値よりも何倍か高いということは間違いないと思うのですが、大体のことはつかんでいるでしょう。もう何日たつのですか。もう少しきちっと、正確に答えなさい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  時間がかかって申しわけございませんが、今回私どもが出す数字というのは確定的な数字になると思われますので、現段階での私どものドラフト的な数字というのを申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいと考えております。ただ、感じとしましては、近江先生御指摘のとおり、数字等につきましては変化し得るものと現段階では感触を持っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 こういう我が国初めての事故が起きたわけでございます。ここでいろいろと究明をしていかなければならないわけでございますが、一つは、この蒸気発生器の構造、設計そしてまた材質。今御承知のように、施栓率にしても大変古いタイプについては高まってきております。一四、五%とか大変な施栓あるいはスリーブ、施しというのは上がってきておるわけでございます。また、絶対破断なんかしないと言っておった。それは安全設計でそういうことも想定してECCSが働くということもやっておられるわけでございますけれども、しかし、破断は起きないんだと言っておりながらこういうことが起きてきておる。ですから、そういうことを本当にもっと究明をしていかなければならぬと思うのです。  この蒸気発生器自体の構造、設計また材質というものについてどういう検討をされておるのか、また心配がないのかどうか、どういうように改善すればいいのか、その点についてお伺いしたいと思います。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明申し上げます。  現在のSGの設計あるいは材料等につきましては、まず原子炉等規制法に基づきます設置許可の段階で基本的な設計方針、これについての妥当性を確認しているところでございます、例えば伝熱性能であるとか。次に電気事業法に基づきまして工事計画認可の際に、これは技術基準が別途ございますので、その技術基準に照らしまして材質、寸法等につきまして技術基準を満たすものであるかどうかについて応力解析等を行いまして、その設計の妥当性についてチェックしているわけでございます。もちろん、材料につきましてもこの技術基準の中におきましてこういった蒸気発生器に使用できる範囲の、つまり靭性とか耐食性にすぐれたようなもの、こういった使える材料を列記しておりまして、この範囲内で材料が十分使用に耐えるものであるということを確認しておるわけではございます。  ただ、今回のような事象が起きたこと、これは現実問題でございますので、果たして今回の事象の原因が何であったのか、設計に問題があったのか、材質に問題があったのか、あるいは加工、施工、いろいろな分野から原因を徹底的に究明していきたいと思います。その結果必要があらば、先生御指摘のような意味での設計あるいは材質等もし反映するべき事項があれば、これを検討したいと考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 同じ質問を内田委員長にさせていただきますので、答弁をお願いしたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 蒸気発生器の安全上の技術的な問題はいろいろございますけれども、例えば蒸気発生器の材料の問題、それから加工の問題、それから、具体的にはそれが施栓率、スリーブの数の問題になりますが、基本的設計方針をチェックして、それが安全上どういう位置づけにあるかという立場で審査する私たちの立場といたしますと、蒸気発生器一基当たり三千本以上の本数がある細管、伝熱管でございますので、それが全く損傷なく使用されるということは、技術的にも難しい問題であろうと思います。  そこで、施栓がどの程度されていて、あるいはスリーブがどういうふうにされたときに安全上どういう問題があるかということを中心にして検討しているわけでございます。施栓がふえますと、もちろん熱交換器でありますので熱交換の量の問題が一つでございます。それから、仮に冷却材喪失事故が起こりましたときのECCSの評価の修正といいますか変更が、もちろん量的にはわずかでありますけれども、起こるわけであります。大きく分けますとそういうような二つの見地から安全上問題がないということを、施栓率が変わりました都度検討しているところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 水質の管理の問題も非常に大事な問題だと思うのですが、これは昔は燐酸ソーダを使ったと思うのですけれども、現在はヒドラジンですか、今どういうように水質の問題について改善されているのか、この点を通産省それから委員長にお伺いしたい。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  蒸気発生器の二次側の水の水質管理のお話だと思いますが、この水質管理は当初、例えば海水がもし復水器等から漏れた場合に備えてということで燐酸ソーダを入れまして水質管理をしたり等々しておったわけでございますが、それが蒸気発生器の細管の支持板等で濃縮されまして、それによって損傷が生じる、減肉が生じるとか等々ございまして、その水質管理を厳しくしてきたわけでございます。蒸気発生器の損傷、いろいろな損傷モードといいますか、発生箇所、発生部位、それからそのメカニズム等いろいろなものがございますが、その都度その原因を究明し、対策をとるということで非常に厳しい水質管理をしております。  また、細管の材質等も向上しておりますし、支持板の仕方、それから細管の支持の仕方等も改良してきておるわけでございます。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 ただいま通産省からお話があったことと同じことでありますけれども、蒸気発生器の、美浜の一号でもって最初に使われ、それがトラブルを起こしましたのは、先生御存じのように燐酸ソーダによる減肉現象でございます。  そこで、燐酸ソーダをやめましてAVTに切りかえて品質の管理をしておるわけでありますが、それと同時にスラッジの問題がございますので、蒸気発生器の管板へたまりましたスラッジをブローさせるということ、これも日本ではほとんどの発電所におきまして常時ブローをしておるところでありまして、そのブローによる水質のモニターから今回のリークが発見されるわけであります。常時ブローしておるというような保守のやり方というのは、多分日本以外の国ではほとんど行われてないのではないかなと思いますが、そういう常時ブローの方法と、それからAVTに切りかえたということで、ほぼ減肉現象はなくなっているのではないかと思います。  そして、残りましたのが腐食に基づきますSCCの問題でありまして、通産から細かく説明されればその方がおわかりいただけるかと思いますけれども、SCCの問題によります割れ、腐食等の問題であると思います。  今回の美浜発電所の円周方向の破断というのは、そういう問題だけが影響したのか、あるいは それではなく、またよく新聞等に出ております高サイクル疲労による原因なのか、あるいは疲労による原因でありましても、その発端が一体腐食なのか、あるいは何らかの欠陥があったのかという複合した原因がもとで細管の破断ということは起こるのだろうと思いますので、これはやはり十分に調査しないとわからないところだと思っておりまして、その点をこれから十分きわめたいと私も期待しておるところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 定検を終えて、あれは昨年の七月に終えておるわけですね、そしてこういう破断が起きておる。  そこで、この検査方法、またこの判定基準。相当綿密に検査をした、そんな報告も聞いておるわけですけれども、現実にこういうことが起きてきておる。したがいまして、現在のそういう検査方法あるいはまた判定基準、それが非常に欠陥があるのじゃないか、このように思うのですね。見落としたからこそこういう事故が起きてきておる。それについてどういうように今後なさっていくのか、お伺いしたいと思います。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  当該プラント、昨年の四月から定期検査を行いまして、蒸気発生器の細管一本一本綿密に調べたわけでございます。その結果、残念ながら細管の一本につきまして破断が起きたということでございますが、その原因につきまして今鋭意究明中でございます。  その原因が、例えば検査の仕方が悪かったのか、検査限界の問題であったのか、検査の外の問題であったのか等々いろいろ推論はあるわけでございますが、そこは今後原因をきちっと究明して、その段階で必要があれば、また先生おっしゃる検査の方法とか判定基準等しっかり私ども検討していきたい、こういうふうに考えております。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 確かに先ほど申し上げましたように、定期検査でもって全数の検査をしているわけでありますが、そこで発見されなかったものが今回の破断に結びついたんだろうということはもちろん間違いないわけでございまして、確かにその検査の方法、それから検査で発見されなかった原因が何であるか、その原因はどのようにして防ぐことができるかということは、これから調査、審議しませんとわからない問題でございまして、今回の事故におきまして大きなテーマだと認識しております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 この施栓の問題あるいはスリーブの問題等々考えていきますと、いわゆる施栓率、これが非常に上昇してきているわけですね。一遍加圧型について最も多いところから五位ぐらいまでまず報告してください、何%に達するのか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  現在、加圧水型原子炉で蒸気発生器の施栓率の高いもの順とおっしゃいました。上からまいりますと、美浜一号が約一八%でございます。それから高浜二号が約一五%だと考えております。それから大飯の一号は約一四%である、玄海の一号は約一〇%である、大体そんなところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 高い美浜一号は十八%に達する。一〇%以上というところはもう既にこれ出てきているわけですね。それは、熱交換の効率だとかいろいろなそういうことの方に頭が向いているように私は思うのです。もっと安全性ということに、この施栓率というものが高まってきたときに、安全性について一体どうなるんだというそこに観点を持ってこなければいけないと思うのです。これだけ施栓率が高まってきておるということについて、安全性という観点からどのように受けとめておられるのか、これをお伺いしたいと思います。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  確かに、蒸気発生器、これだけ多くの施栓がございますと望ましいことではございませんが、ただ、安全性という意味からは、まず安全審査段階では、これだけ施栓をしたときに事故時ECCSがちゃんと機能を働かせるか、そのときの伝熱性能は維持されるかどうかということを確認しておりまして、先ほど申し上げました実際の施栓率を上回る施栓率を安全解析上仮定いたしまして、そのときでも原子炉の安全性は確認されるということをまず行っているところでございます。  それから、実際の細管の強度等はどうか、こういうことでございますが、電気事業法に基づきまして、施栓をやった場合にはそれは機能しておりませんので特段強度上の評価は必要ございませんが、例えばスリーブを、さや当てでございますね、内側にした場合に、その部分の内圧等によります対強度上の問題は大丈夫かどうかということを確認しているところでございます。その上で、そういうスリーブあるいは施栓をした状態でも安全上は問題ないというふうに私ども現時点で判断しておるところでございます。ただ、今回の美浜の細管の破断事象と申しますのは、まだ原因を究明し終わっておりませんので、果たしてこれと施栓率の関係がどういうことになるのかというのは、今後こういった徹底した原因究明を待って評価していきたいというふうに考えております。  私が申したいのは、施栓率が高いから今回のような細管破断の事象につながるのかどうか、こういったところは原因を究明した上で評価してまいりたいと考えておるわけでございます。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 施栓率が安全性の問題にどういうように影響するかということは先ほどちょっと申し上げたつもりでございますが、安全性の見地からの蒸気発生器の施栓の問題といいますのは、常時の熱交換の問題よりも、むしろ仮に冷却材の喪失事故のような現象が起こったときに蒸気発生器の流動抵抗がどのように変わるか、あるいは冷却のための伝熱面積の減少がどういうふうに響くかというようなことが安全上の問題でございますので、それを審議することでございます。  それから、それとは別に、細管の破断事象というものは、施栓の問題とは別に頭から想定しているところでございまして、これが設計基本事象の一つでございます。今のところは施栓の問題と破断の問題が直接結びつくかとは思っておりませんが、それもこれから十分技術的な調査あるいは検討をしたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 世界各国、相当数の原発が稼働しておるわけでございますが、同型のもので蒸気発生器を交換しておるのがあると思うのですね。その交換をする場合、どういう基準で交換しておるのか。外国の事例、例えば施栓率が一〇%以上であれば交換するとか、そういう基準を設けているところはあるわけでしょう。どういうようになっておるか、説明願いたい。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  現在、フランスあるいはアメリカ等で蒸気発生器を確かに交換いたしております。私どもが知る限りにおきましては、安全上の観点からある施栓率に至れば取りかえるということではなくて、それだけ施栓があれば定期検査期間も長くなるとか、あるいは作業者の被曝量もふえる、こういった観点からむしろ取りかえた方がより経済的でもあり、被曝低減の観点からも望ましいということで、その蒸気発生器を使用しております事業者側の経営判断として取りかえているというふうに伺っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それで、蒸気発生器を今まで世界で何カ所ぐらい交換したのですか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 現時点で私ども知る限りでは、十一件あると伺っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 今回の美浜も我が国では二番目の、非常に古いタイプですね。非常に年数もたってきておる。したがいまして、こういう事故というのは、人間の体だって青年から壮年、老年と入ってくるわけです。健康そうに見えておったっていろいろとそこにはまた微妙なものがあろうかと思うのです。これは生き物だって機械だって、劣化といいますか、私は通ずるものがあると思うのです。そういう点を私は非常に心配するのです。古いタイプの中でこういうような破断が起きた。これはあらゆる複雑なそういうものが組み合わさってなったんじゃないか。これは今後の究明にまつしかないわけですけれども、やはりそれは全体の老化現象といいますか、そういうものも背後の大 きな原因になってきておる、私自身はこのように思うわけです。  そういう点で、こういう古いタイプのものにつきましては早期交換をするとか、健全性を維持していくためにはどうしていくか、少なくとも今十七、八年、二十年近くなってきておるわけですから、真剣に検討しなければいかぬと思うのです。その点、今どうなっているか、お聞きしたいと思います。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  原子力発電所、たくさんの部品で構成されているわけでございまして、そういう面でその部品のチェックというのは非常に大事なわけでございます。発電所の中でいろいろ部品があるわけでございますが、予防保全という考えで早目、早目に部品を取りかえるという対策をとってきておるわけでございます。一般産業と比べますと、そういう面では余裕のあるといいますか、早目の計画的な取りかえということをしているかと思います。さらに、定期検査ということで、一年に一回法律で義務づけましてきちっとチェックをしていくという姿勢でやっているわけでございます。  先生御指摘の蒸気発生器につきましても、一年ごとにきちっと検査をし、今後一年間その安全性が確保できるかどうかという面できちっと確認し、もし異常があればきちっと対策をとるということをしているわけでございまして、そういう面で私ども十分やってきたつもりでございますが、しかし、たくさんの部品等ございますので、この問題は私どもさらに今後もきちっと強力に研究していきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そういういわゆる旧型の蒸気発生器、それから施栓率の高いもの、こういうものについてはやはり交換をしていく、こういう観点から真剣な検討が必要じゃないかと思うのですが、この点についてはいかがですか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申し上げます。  蒸気発生器の交換の問題につきましては、先ほど委員長から安全面の観点からお話ございましたけれども、この二面についての安全面の観点が確保されている限りは、SG交換そのものについては安全委員会として交換した方がいいとか、交換しない方がいいということを言う立場にはないと思います。  ただ、一般的に言いますと、相当に施栓率が進んだりいたしますと、一本一本のチューブの検査等で作業員の被曝が非常にふえるわけでございますので、いわゆるALARAという、できる限り被曝線量を低くするという観点からは交換する方が適当ではないかと思いますが、この点については先ほど通産省の方からも被曝低下の観点からという御説明があったところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 この原子炉の細管の問題でございますけれども、ECCSが作動した、そうしますと圧力、熱、もう二十年たってくれば老化してきているわけですから、そこに急激なこういう変化というもの、これはもう大変な影響が出ておると私は思うのですね。この点についてどういう危惧をお持ちか、大丈夫なのか、あるいは相当心配なのか、その点について委員長と通産省、まずどうぞ。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の事故におきまして、ECCSの低温の水がどの程度どういう分布で圧力容器等に入ったかということはもちろんまだわかりませんし、解析コードの究明である程度わかるかと思います。しかしながら、低温の水が高温の中に入ったときのいわゆる熱衝撃ということが、安全上の問題として国際的にも一つのテーマになっておりますけれども、それは大きな冷却材喪失事故が起こったような、ほとんど空になったような圧力容器の中に冷たい水が入る、直接それにぶつかるというようなことが大きな現象でございますので、今回のようなほとんど満水して、先ほどお話がございましたように一部局部的に沸騰があったかとも思いますけれども、圧力容器の中にほぼ満水した状態のところにECCSが入りましても、そう熱衝撃の問題に結びつくものとは今のところ考えられないと思っておりますが、これも専門家の意見を十分に聞いて調査、審議したいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 この圧力弁が二つとも作動しなかったとか、原子炉全体に安全性という問題が非常にたくさん出てきておるわけでございます。  チェルノブイリあるいはスリーマイル島のこういう事故を考えていきますと、設計上はそういうように細管一本にしても破断はありませんと言っておっても、現実には起きてきておる。絶対安全ということはあり得ないのですね。ですから、まずそういう姿勢に立たなければいけないと私は思うのです。今の安全委員会の行き方というものは、大体そういう安全思想というものに凝り固まっておるように私は思うのです。とんでもないことですよ。こんなECCSが実作動したということをどれだけ真剣に、私は予算委員会でも申し上げたのですけれども、背筋が寒くなる思いをして、本当に関係者は真剣にこのことを受けとめなければだめですよ。まず安全委員会自体の安全思想に凝り固まっておるという考え方を変えてもらいたいと思うのです。いかがですか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 原子力安全を一般に考えますときに、今先生がおっしゃいましたように、安全思想の徹底と、原子力安全というものはどこまで安全を確保すればよいかという問題意識につきまして、十分検討を経なければならないことは申すまでもございませんで、及ばずながら安全委員におきましても、また専門家グループにおきましても、安全レベルの設定、どこまで安全を確認しなければならないかということを常に議論しているところでございまして、これはまた通常の安全規制行政とは違った立場でございます。先生のお話も十分体しまして、ますますこの方面の検討をしたいと思っております。     〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 過酷な事故がやはり起こる。現実にチェルノブイリやスリーマイル島ではこういう事故が起きてきているわけですから、そういう考えをまず持たなければいけないと思うのですね。それは起こったら大変なことですけれども、しかし安全ということから考えたら、そういうことが起き得るのだという考えに立たなければいけないと思うのです。そうでなければ前へ進みませんよ。その点についてはいかがですか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 先ほど来申し上げましたように、蒸気発生器細管の破断というものは起こり得るという前提に立ちまして、設計基準事象として取り上げている、こういうふうに私は理解しております。ただ、そう簡単に起こるものとは思っておりません。何分にも蒸気発生器の細管の数が三千本以上ございますし、蒸気発生器の数が日本でありましても幾つぐらいございましょうか、三十とか五十とかあるかと思いますので、そういうような中での一本の破断でございましたが、これは起こり得るという前提で、基本事象として取り上げているわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 そうすると、委員長は過酷なそういう事故は起きるものだ、そういうきちっとした前提に立って一切進めておられるのですね。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 先生のおっしゃる過酷事故というのがどういうような定義といいますか、御理解なさっているかわかりませんが、今回の蒸気発生器周方向破断事故は、決して過酷事故とは思っておりません。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それで、特に非常に普及しております軽水炉、こういう安全審査の中で、今回の事故にもかんがみ、この安全審査基準はやはり当然見直しをしなければいけないと私は思うのですね。これについてはどのようにお考えでございますか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、直後に作業グループを設けていただきまして、今専門家で検討に入ったところでございますので、この調査、審議を待って必要があれば当然見直しが行われるものと理解しております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 この過酷な事故を今後防いでいくには複数の事故原因、それから人的要因を含めたそういう審査基準、そういう指針というものを今後 きちっとしていかなければいけない、このように思うわけですね。これについてどうお考えか、一点。  それから、現在の原子炉の立地審査指針によりますと、原子炉施設の人口排除区域と低人口地帯、現在の基準では狭いのじゃないかという指摘がされているわけでございますが、これはやはり見直しをされる姿勢があるかどうか。  以上、二点についてお伺いします。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申し上げます。  先生御案内のとおり、現在の原子力発電所のいわゆる安全審査と申しますのは、異常な過渡変化という物理的事象から、今回の蒸気発生器の細管の破断事故等々含めた各種事象、それにさらに放射能がそれよりたくさん外界に漏れるというふうに仮定いたしました重大事故、さらにそれを上回る量の放出を仮想した仮想事故というものそれぞれについて評価をして、そのすべてにおいて満足される範囲内に原子力発電所が置かれるということで審査が行われ、基準を満足すれば設置の許可が出されているわけでございますので、今回の事故の結果は、御案内のとおり有意な変化を与えるものではございませんでしたけれども、今回の事故の結果を踏まえて、そういったいわゆる立地の問題にまで見直しをする必要がございました場合には、当然やることになると思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それから、格納容器の機能の評価につきまして、ガス爆発ですね、こういうことが指摘されておる、そういう事象を想定して今後――そういう対圧あるいは対衝撃等につきましての研究はほとんどやっていないと私は思うのですね。それについてはどういうように今研究を進めておられるか、お伺いしたいと思います。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 御説明いたします。  今先生御指摘の、格納容器内可燃性ガス等の爆発とか、そういういろいろな指摘もございますが、そういったことにつきましては、日本はもちろん各国とも関心を持っておりまして、一種の国際協力のもとに現在研究を進めているところでございます。決して研究をやっていないというわけではございません。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 現地に参りましたときに、全国原子力発電所所在市町村協議会の方から陳情を受けたわけでございます。  それは、  一、事故原因の徹底究明及び定期検査の見直しを図る等、全国各原子力発電所での再発防止策を早急に確立されたい。  二、蒸気発生器や原子炉再循環ポンプ等、重大事故に繋がる機器の異常徴候発見初期段階において、直ちに原子炉を停止する等、事故の未然防止に万全の処置を図られたい。  三、重大事故発生初期時点に於いて、立地市町村はもとより周辺市町村を含め緊急通報連絡体制の確実化を図るとともに、原子力防災を国の一元的責任とし、原子力災害対策特別措置法(仮称)を制定されたい。 以上がこの主な柱でございます。  そこで、非常に現地の人が言っておりましたのは、通報体制にしても、地元の美浜であっても一時間を超えてから通報が来ておる。隣の敦賀も、確かに関電はありませんけれども、通報もしてもらえなかった。もうそういう不満が非常に渦を巻いておったわけです。それは関電側にも申し入れをして、今後は改善をすると言っておりましたけれども、何もあの原発地帯は御承知のように関電だけじゃないのですよ。国として、こういう隣接市町村を初め周辺市町村に対する通報体制、しかも自主、民主、公開、いろいろな原則に基づいて、通報だけではない、さまざまなそういう原則に基づくことがあるのですよ。それについて今後どう改善をするか、これが一点です。  それから、この仮称原子力災害対策特別措置法等の制定について取り組まれるかどうか、以上二点についてお伺いいたします。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。私の方でまず前者の、最初の方の御指摘の点につきまして御説明申し上げたいと思います。  先生御指摘のように、今回の件で安全協定を結んでいない敦賀市には協定に基づいた通報が行われていないのは事実でございますし、また、安全協定を結んでいる美浜町、福井県にはそれぞれ連絡しておりますが、連絡が遅い、そういう御指摘も一部あったわけでございます。原子力の開発利用に当たりましては、地元住民の理解と信頼というものが不可欠でございますので、何らかの異常が生じた場合には、地元自治体に適切な連絡が行われるということが重要であるというふうに私ども考えております。  二月十九日に通産省では、当面の講ずべき措置を、PWRのある各社に指示をしたわけでございますが、その際にも、異常が発生した場合には、地元自治体への迅速かつ適切な連絡をとるようにということで電気事業者を指導し、また、三月一日に各電力会社から報告があったわけでございますが、そういう趣旨で社内周知徹底するということで、具体的な連絡の仕方等については早急に検討するという報告を受けておるわけでございます。  先生御指摘のように、当該福井県には関西電力以外にもございますので、そういう面で同様の指導をしていきたい、このように考えております。

長田英機科学技術庁原子力安全局次長

○長田政府委員 第二点目の問題についてお答え申し上げます。  防災対策につきましては、国、地方公共団体、県とか市でございますが、それぞれ責任と役割分担を決めまして行っているわけでございます。こういう点から、現在私どもが持っております災害対策基本法ということで適切に行われているというふうに考えているわけでございます。しかし、原子力の特殊性と申しますか、そういう点に着目いたしまして、国といたしましては、中央防災会議あるいは原子力安全委員会におきまして、防災対策について基本的な方針を決めております。こういう基本的な方針に基づきまして支援体制を組んでおりますとともに、また財政上の助成も行っております。したがいまして、防災対策につきましては、現行の体制で行って十分対応できるというふうに私ども考えておるわけでございまして、先生のお話でございますが、特に特別な法的措置を講ずる必要があるというふうには考えていないわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 通産省、PWRの設置のところなんて言っておりましたけれども、これは何もPWRであろうが何であろうが、原発を置いておるところは全部ですよ、全国。言われたからそこだけを、また特定の機種のところだけを、そういう場当たり的なことではだめなんです。一つのことを通じてどうするか、そこが大事なんです。その点はどうなんです。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  先生御指摘のように発電所は全国にございまして、私申し上げましたのは福井県だけという趣旨ではございませんで、全国ベースでそのような趣旨で指導してまいりたいということを申し上げたわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 長期エネルギー需給見通しのことについてお伺いしたいと思いますが、現在、御承知のように、運転中三十九基三千百四十八万キロワット、建設中十一基千八十九万キロワット、建設準備中三基三百五十三万七千キロワット、合計しますと五十三基四千五百九十万キロワット、昨年の六月に改定されたわけでございますが、二〇〇〇年度では五千五十万キロワット、二〇一〇年度は七千二百五十万キロワット、今後原発を四十基つくっていく、こうなるわけですね。だから、現在運転中のものに比べまして二〇〇〇年までに千九百万キロワット、二〇一〇年までに四千百万キロワット、こうなるわけです。  実際今回の美浜の事故もこのように起きているわけですね。実際に安全性ということを、石橋をたたいて渡る。何よりも安全性ですよ。そういう中でこういう計画はこのまま進めていかれるのですか。まずこの長期エネルギー需給見通しについてどのようにお考えなのか、それをお伺いします。

梅村美明資源エネルギー庁長官官房企画調査課長

○梅村説明員 お答え申し上げます。  エネルギーの安定供給の確保、それから地球環境の保全と経済の安定的発展という課題を踏まえまして、総合エネルギー調査会の長期エネルギー需給見通しをもとにいたしまして、石油代替エネルギーの供給目標というものを改定したわけでございます。これは二十一世紀初頭におきますエネルギー需給に関しまして、官民挙げての最大限の努力により達成されます長期的目標という性格のものでございます。  通産省といたしましては、原子力の安全確保等はもちろんのことといたしまして、今後ともこの供給目標の達成に向けた総合エネルギー対策の推進に努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。     〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 原発の比率が非常に高まってきているわけでございますが、一九八九年、この発電電力量で見ますと、関電が四〇・五%、九州電力が四〇・二%、四国が三八%、東京二八・七%、中国二五%、こういうようになっている。そうしますと、定検のときにはもちろん稼働しない、夏場はピークになってくる。そうなってくると、常にそこにてんびんにかけられるのが経済性と安全性なんです。電力は電力供給の義務があるわけですね。原発がどんどん高まっていく、安全性ということはシビアになってくる。そういう各電力会社の原発がどんどんウエートが高まってくるということ、それは常に微妙に安全性ということとの非常に難しい兼ね合いになると思うのですね。この辺についてはどう考えますか。

山本貞一科学技術庁原子力局長

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  先ほど資源エネルギー庁から長期需給見通しについてお話がございました。それから近江先生からも、将来の原子力の比率あるいは現在既に各社別にもう原子力発電の比率がかなり高くなっている、それとの関係で安全と電力供給、この問題は資源エネルギー庁、私どもも常に確かに頭にある問題でございます。しかしながら、私原子力局長でございますが、私どもといたしましては、原子力発電、かなり高い比率でエネルギー需給の中で期待されておる、それを踏まえて考えますが、やはり原子力発電の安全というのは何にも増して一番大事なことですから、安全をまず基軸に据えて考えていくという姿勢で今後とも考えてまいりたいと思っておる次第でございます。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  通産省は、今回のように原子力発電所の安全性、それから当然また電力供給という面、二面あるわけでございますけれども、安全性をないがしろにして供給を優先させるということではございません。安全第一で最大限の安全を確保するということで、また地元の皆様にも信頼をいただくような安全性確保ということで私どもやっていきたい、このように考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣に「むつ」のことについてちょっとお伺いしたいと思います。  「むつ」が実験航海へ入っておるわけでございますが、今どうなっておるのか、また科学技術庁では何か国内寄港をしたいような検討をしておるということも漏れ聞いておるわけでございますが、その点につきましてお伺いしたいと思います。

山本貞一科学技術庁原子力局長

○山本(貞)政府委員 ちょっと事実関係の御説明を申し上げたいと思います。  御案内かと思いますが、原子力船「むつ」、昨年暮れまでに海上試運転と出力上昇試験を終わりまして、今年二月の中旬に科学技術庁から原子炉等規制法に基づく認定、それから運輸省から船舶安全法に基づく認定をいただきまして、現在一人前の船になっておる次第でございます。昨年の試験航海、出力上昇試験では、原子炉が非常に健全に作動するということ、それから放射線漏れ、前問題がございましたが、その点も一〇〇%大丈夫であるという結果が出たわけでございます。実験航海に今出ておるところでございますが、これから一年ぐらいかけて実験航海を行うという予定にしておる次第でございます。  最後に、先生御指摘がございましたどこかに寄港するかどうかという点につきましては、一部ちょっとそんな報道もあったのを私も拝見いたしましたが、日本原子力研究所の中で一部そういうアイデアがあって報道されたように承知しておりまして、まだ具体的にどこへ寄港する、あるいはぜひ寄港しようというふうに決めたり交渉しているわけではございません。ただ、先ほど申し上げましたように、この船は正式の船として認知されましたので、港則法とかあるいは炉規制法の所要の手続を経て、その港の地元の御了解を得られれば寄港ができるという仕掛けにはなっております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 長官はこの件についてはどうですか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 現在順調に航海中であるということを聞いておりますけれども、まず安全第一に一年間、かわいい子には旅させろ、言葉どおりしっかりと実験に力を入れて成果を上げて帰ってきてもらいたい、そのように現在考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 もう時間ありませんので終わりますが、いずれにいたしましても今回のことを――とにかく時間が経過するにつれてまた希薄になるわけです。そうであってはなりません。あの事故が発生したあのときに受けたそういう衝撃、それをいつまでも関係者は毎日思い起こして、本当にこの安全性ということをどのように展開していけばいいか、真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思います。  最後に、その決意を大臣と内田さん、お二人にお聞きして終わります。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 先生のおっしゃるとおり、安全の問題は原子力発電の稼働につきまして非常に大事なことでありまして、規制法にも書いてございますように、私も安全第一を念頭に置いておるところでございます。今回の事故の原因調査を十分に踏まえまして、専門家の意見も十分聞きまして、将来こういうことが二度と起こらないようにどういう対策をとったらいいか、慎重に調査、審議したいと思っております。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 とにかくこのような事故が起きましたことは大変遺憾なことでございます。今後このような事故が再発しないようとにかく事故の原因究明を徹底的に図り、そして万全の安全対策がとられることが重要であると思っておりますし、今後とも原子力の安全確保につきましては最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 吉井英勝君。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 今回の関電美浜原発の事故に際しまして、私は改めてTMIの事故の記録などを読み返してみました。そこで幾つか大事な点が浮かんでくるのです。  スリーマイル島の原発事故のときは、一つは二次冷却水用のポンプが故障したといいますね。それから二次冷却水循環補助ポンプを作動させたんだけれども、肝心の弁が閉まったままだった、これも二つ目に大事な問題だと思います。それからもう一つ、加圧器の水位計が原因不明で振り切れてしまってECCSがとまってしまった、最初は作動しておったのですけれども。そういう問題などがあったわけですが、私は今回の事故を考えましても、原子力安全委員会は、安全審査をされるそのときの大前提の一つというのは、あくまでも機械的なミスがないということ、設計上のミスがないとか人為的なミスがないとか、そういう故障がないということがこれはあくまでも大前提だと思うのです。  この点でまず第一点に伺いたいのは、加圧器圧力逃し弁が二個とも作動しなかったということ。それから主蒸気隔離弁、自動操作で閉まり切らなかったという問題。加圧器の水位計の指示がどうも正確じゃなかったんじゃないか、誤指示だったという問題が指摘されておりますし、それからECCSについても手動で操作をやったということも言われておりますが、私はこれらの一連のこと は、これは原子炉にとって重大な問題であったということを指摘しなければいけないんじゃないかと思うのですが、まずこの点についての委員長の御見解を伺っておきたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 安全確保の前提には基本的設計方針が妥当であるということをチェックしなければなりませんが、もちろんそれの前提としましては、機器のでき上がりが非常によいものである、機器に故障がないということ、あるいはないように予防、保全に徹するという前提、それから運転員の訓練も十分に高度のものである必要がある、もちろんそういう前提がございますので、今回の事故が起こりました経過の中に、まだ十分調査しているわけではございませんが、加圧器の逃し弁が、二個とも開放しようと思ったが動作しなかったということは非常に残念な大きな問題であろうと思っておりまして、どのような原因であるかということを早急に突き詰めなければならないと思っております。  ただ、別に言いわけめいて言うわけではございませんけれども、加圧器の逃し弁というのは、TMIの事故が起こりました後に、加圧器の逃し弁が開固着しまして、それが事実上の小LOCAになって発展しまして、その開固着をTMIのときには認識できなかったということが非常に大きな問題になったわけであります。その後、加圧器逃し弁の安全上の位置づけというものはどういうものであるかということを各国並びに日本でも十分審査いたしまして、結局加圧器逃し弁というのは、もちろん加圧器には安全弁がございますが、その手前に、圧力が上がり過ぎますといけないということで、手動で開に駆動することができるように逃し弁がついているわけであります。でありますから、この逃し弁は一つの圧力の調整の役も果たしておりますし、常時運転中にもそれを使ってはならないということにはなっておりません。  しかしながら、TMI以降の調査におきまして、安全弁の開の問題というのは、開くということは安全上そんなに大事な問題ではなくて、むしろ開があった後に閉じるということが非常に重要な機能であるということで、逃し弁に要求する機能としまして、開に要求する機能と閉に要求する機能と多少違っているところでございます。  でありますので、今回逃し弁が開きませんでしたが、逃し弁が開くことによって圧力を下げ早く冷却することができるわけでありますが、それにかわりまして蒸気発生器を使って、あるいはBの蒸気発生器からの蒸気の放出、それからタービンの復水器によります冷却という別の方法でもって十分冷却を達することができたわけでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私が今お聞きしたことで一番大事ないただいたお返事というのは、機器の故障等が原子炉にとって非常に大きな意味を持っていたということです。それを委員長が認められたことが一番大事な点だということを私はまず申し上げておきたいと思うのです。  実は、これは原子力委員会の月報の六八年のナンバー五です。美浜の事故を審査されたときのものであります。このときの部会長として内田先生がなっていらっしゃいました。そこで、重大事故を想定されて、その重大事故の中には蒸気発生器細管の破損事故を想定されて、そういう事故があっても二次側の蒸気隔離弁を閉止するので、だから余り大きな問題はないのだ、安全だということをそのときは指摘しておられたのです。  ところが、今回はその肝心の、今言いました主蒸気隔離弁、これが自動操作では閉まり切らなかったという問題が出ているのです。つまり、あなたの方は審査のときは大丈夫だとおっしゃったのだが、現実にはそうはなっていなかった。それぐらい機器類の故障というのは重大な問題なんだということを、やはりまず最初にしっかりと認識をしておいていただきたいというふうに思うわけです。これが狂ってしまうと、幾ら安全審査で安全だ安全だと言っても、根底が狂ってくるわけですから、これは極めて重大なんだということを私は重ねて申し上げておきたいと思います。  次に、もちろん先生も関西電力の運転記録を見ていらっしゃると思いますが、私も見ました。大体この記録を見ていて、十三時五十四分ごろと十四時〇三分の二回ぐらい、冷却材圧力急降下に伴う飽和温度の低下により、冷却材温度、これはAループの方の温度で見ていくと、温度差はわずか三度Cぐらいに接近しているわけです。温度差が逆転ということになりますと、これはもちろん先生御専門でありますが、これは沸騰現象が起こるわけであります。そうなりますと、沸騰状態になると、ひどい状態になりますと、沸騰によってさらに圧力で水位が押し下げられていくとか、そういう問題が出てまいりますと、最悪の場合は核燃料の溶融、メルトダウンという問題にもつながる、それぐらい大変な問題であったわけですね。  つまりこれは機器の操作、スリーマイルのときのように人為的なミスとか、既に故障があったわけですが、設計上のミスとか幾つか重なったときには、幾らスクラムが働いてECCSが作動しておったといっても、しかしそのときにはやはりスリーマイルの事故と同じような、大変危険なところへ、いわば寸前のところへ行っていたんだ、私はここのところをやはりきちっとつかんでおく必要があるんじゃないかと思うのです。私は、スリーマイルと全く同一のことが起こったとか、そんなばかなことを言っているんじゃないですからね、それぐらい大事なところへ行っていたんだ、まずこの認識は私どもは共通のものとして、これからの原子力の安全ということを進めていくときには、まずこのことを共通の認識として持っておく必要があるんじゃないかと思うのですが、この点についての委員長のお考えはどうでしょうか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今先生もおっしゃいましたように、機器の故障がないということ、機器の信頼性が高い必要があるということが安全の大前提である、これはもうまことにもっともなことでございまして、今回の事故の経過を詳細に調べませんとまだわかりませんが、加圧器の逃し弁が開かなかったこととか、あるいは蒸気のとめ弁が完全に閉まらなかったということの原因を調査する必要がありますし、これは大変な一つの大きなテーマだろうと思っております。  それから、先生のおっしゃいました、この事故が一体どこまで進展する可能性があったかということは、これは十分今度の事故事象につきまして解析コードで検討しないとわかりませんので、今直ちにお答え申し上げる知識は持っておりません。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私は、スリーマイルと同じようになったというふうに言ってくださいと言っている意味じゃないのです。それは先生も聞いていただいてよくおわかりのことだと思いますが、温度差が三度近くになったということは、もし逆転しておれば沸騰という現象が起こっておりますし、それは単なる核沸騰じゃなくて膜沸騰になって、燃料体そのものが沸騰蒸気の膜に包まれてしまいますと伝熱が全くだめになるわけですし、さらに蒸気圧によって水位が低下してしまうとかなりますと大きな問題になっていたわけですから、まさに今回の事故というのは、よく言われております不幸中の幸いなんですが、一歩進めばスリーマイルの事故と同じようなところに行ってしまっていたんだ、それぐらい大変な問題を持っていたんだということを、先生は御専門家ですから多分おわかりだと思いますが、やはりそのことを認識の大前提としてこれからの原子力安全行政を進めていかないことにはだめだというふうに思うわけです。  話を進めまして、ギロチン破断が起こりました。それは、先ほど来施栓率のお話がありましたけれども、先生は多分この図は御存じだと思うのですが、前回の定期点検の後、これは細管マップですね、どの細管に施栓をしたかというのは黒丸でつけてあるわけですね。これではっきりしていることは、今回のギロチン破断が起こった箇所というのはまさにこの施栓した、施栓したという意味は、損傷しているから施栓したのです、損傷の集中しているところでギロチン破断が起こったわ けですね。もちろん先生は安全審査の中でこういうのは見ていらっしゃると思うのですが、この細管マップをごらんになられたとき関電に対して、この損傷の集中したところについてどういう調査をしたのか、あるいはどういうふうな調査を進めようとしているのか、徹底した特別の調査検討が必要だという御指示をなさったのかどうか、これを伺いたいと思うのです。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今度の事故の調査結果につきましては、調査の過程において通産省から何回ももちろん報告は受けております。安全委員の一人としてよりも、むしろ専門家としまして、先生の御指摘のようにそのマップを私最初に見せてもらいまして、施栓しているところの近くに今度の破断の問題があるというので、この施栓の本数の集中したところは全体から見ますと流動現象が変わっているであろう、それが何らかの影響を与えたのではないかという問題意識は当時持ちまして、通産省にその点も調査するように要求してございます。まだ、もちろん結果はなかなかわからないだろうと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 私が申し上げておりますのは、今回の事故があってからの後の話をお聞きしているのではないのです。つまり昨年の定期点検が済んだ後、この細管の損傷している箇所は異常に集中しているわけですね。私、このメーカーである三菱重工の研究レポートなんかも読ませていただきました。この細管の高温側で重力速度分布がどういうふうになっているかとか、その論文も読ませていただきました。それから細管損傷が重なっているところは、この部分では沸騰現象が起こらないし、健全管の方では沸騰現象が起こるわけでありますし、当然ボイドの発生によるさまざまな影響が違ってくるということも明らかなわけであります。  ですから、この事故が起こってからの判断ではなくて、昨年定期検査の後、こういう細管マップを見られて、そしてそのときにこれは関西電力さん、特別の検討が必要ですよ、そういう注意を与えられたのかどうか、私はそこをお伺いしたいと思うのです。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 そこの流動現象の変動が、平均から見まして、変動がどういう影響をするかということは、これからの調査の問題だと思っておりまして、残念ながら従来そういう問題がありそうだとは私まだ認識しませんでした。これから十分勉強したいと思います。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 実は原子力安全委員会ですから、本当ですと諸外国のように原子力規制委員会というふうな名前で、推進側に立って物を見るのではなくて、推進側に対してチェック・アンド・バランスといいますか、チェックする側で見ていただきたいと思うのですよね。それが今回、これからの検討課題というのでは、私たちは何を信頼して原子力の安全性というものについて考えていったらいいのか、そういう問題が出てくると私は思うのです。まさにこれは事故が起こってから、これからの課題だでは困るのです。  こういう問題をまず見られたとき、私も技術屋の端くれですが、この図を見ただけで、損傷がこれだけ集中しておれば何か問題があるなと思うのが科学者であり、技術者である者の普通の発想だと私は思うのです。しかも、それが日本の原子力の安全という一番大事なところを担っていただいているわけですから、そのことについてなぜ関西電力に対してその時点で特別の検討を命じられなかったのか。検討してなおかつこういうふうになったというのは、それはそれとしてわかるわけですが、その時点で注意をしていなかったというところに、やはり今日のあり方として問われるべき問題があるのではないか、私はこのことを指摘しておきたいと思います。  次に、私は先日、関西電力の美浜の調査の後、関西電力の本社へも参りまして、そして原子力担当の本部長代理を初めとする常務の皆さんなどともいろいろなお話もしたわけですが、ギロチン破断を想定した点検については、関電の皆さんは今一体何をしたらいいのかわからないのだ、これは関電の幹部の方のお話なのですね。今のところ、そういうギロチン破断のことなんかを考えた点検のやり方もわからぬ、これは正直なお言葉だと私は感じました。  実際、今度の細管についても、大臣、物すごい距離なのですよ。七十キロになるのです。細管の総延長は七十キロメートル、伝熱面積ですから表面積は、大体A、B二つありますが、二つ足して東京ドームぐらいの面積になりますかね。そのAの蒸気発生器の細管を検査するだけで七十キロメートル調べなければいけないのです。  その中でどこに問題ある箇所があるかといいますと、それは腐食であれ何であれ、いわば大体一ミリぐらいのものを見つけなければいけないのですね。七十キロといいますと、私は大阪ですから大阪――京都間で、委員長、あれは五十キロぐらいですかね、京阪、阪急で。七十キロですからまだ長いです。それだけ長い距離を調べて、大体一ミリぐらいの傷を見つけなければいけないのです。細管の中へプローブを入れてそれで調べるのですが、表面はまだ全く調べておりません。現在のやり方では、定期点検のときに表面は調べられないんだ。中から調べるものですから、そのECTのやり方で、大体傷が肉厚の二十ミリ以上はないとノイズが入ってきて、それが傷なのかノイズなのかわからない、これも関電の方は非常に正直に言っておられました。  つまり、現在ギロチン破断に発展するおそれのあるところを事前に一〇〇%見つけ出せる検査方法は確立していない。しかし、安全審査の上では、安全委員会の方は大丈夫だということを言ってこられたわけですね。これは非常に恐ろしいことだと思うのです。  そこで、私は原子力安全委員長に伺いたいのですが、定期点検のやり方とそれから先生方のこの安全審査の進め方、今根本的に問われる問題を抱えていると思うのですが、どんなことを今お考えなのか、これを伺いたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 事前にどうしてそういう勉強をしなかったかというおしかりを受けるのはまことに申しわけありませんが、ともかく破断の原因というのが単なる高サイクル疲労なのか、高サイクル疲労にしましても、その発端とする原因が腐食なのか流動現象なのかあるいは加工の傷なのか、いろいろな原因がふくそうして起こった珍しい現象だろうと思いますので、やはり調査結果を見て、それが非常に一般的な問題を提供したのか、あるいはこれは予防、保全によって防げる問題であったのかという等も十分検討しなければ何とも申し上げることが現在できないところでございます。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 今回の事故については、これは先生おっしゃるようにこれからの調査検討も必要でしょう。しかし問題は、今次々と出てくる原発の新設、増設あるいは定期点検の後の処理について、今先生の方は審査をしていらっしゃるのでしょう。そういう問題はわからないからこれからの結果を見て、そんなことでは国民の方は安心して見ていられないのじゃないですか。だから私は、今この点検のやり方とともに安全審査の進め方ですね、これは何も今回のギロチン破断のことだけじゃなしに、全般的に今日の原子力安全委員会の安全審査の進め方そのものに根本的な問題がある、やはりそのことを厳しく見てもらわなければいけないと思うのです。  実は「蒸気発生器の信頼性実証試験に関する調査報告書」というのがありますが、この調査報告で、日本の蒸気発生器細管は安全だ、大体そういう結論を出していらっしゃった方の中に、このメンバーに都甲先生が入っていらっしゃるのですね。この先生は同時に、これは関西電力を初め電力会社の皆さんと一緒にいろいろ調査検討をされて、安全だ安全だと言われて、その方が今度は原子力安全委員会に入って審査をして、どうしてここは問題があるということを言えるでしょうか。私は、やはり日本の原子力安全委員会というものはもっと公正に、推進側の立場じゃなくて、まさにチェック・アンド・バランスのチェックの機能を果たせるような、諸外国における規制委員会の ような仕事をしてもらわないと困るし、そういう気概を持って委員長に取り組んでいただかないことには、これは本当に大変なことだと思うのです。  なかなか企業の方は正直なんです。三菱原子力の方のほかの論文も読みましたが、「原子力工業」に書かれたものの中でも、実はこんな事故になるとは思っていないものですから、三菱の日下部さんという方が蒸気発生器について書いておられるのですが、「瞬時破断に至るまでにまず一部が貫通して微少漏えいを生じるため事前の検知が可能である。したがって微少漏えいを検知した時点でプラントを停止すれば伝熱管破断事故は生じることはない。」まさに今度リークがあったのですが、プラントをとめなかったから破断になったわけですね。今、関西電力など電力会社にしても、メーカーの方にしても、本当に根本的に考え直さなければいけないし、行政側がそれに対して厳しい行政指導もしなければいけないし、また安全委員会がきっちりした、本当に客観的で公正な、国民の信頼するに足る検査をしなければいけないと思うのです。この点についての委員長と大臣の、最後にこれからの審査体制、私は抜本的に強化し検討し直さなければいけないと思いますが、この点についてのお考えだけ伺って質問を終わりたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 安全委員会の職務は科学技術的な客観的な審査、評価をすることに徹することであると認識しておりまして、今後も今回の事故の教訓を十分体しまして、安全審査を厳重に進めたいと思っております。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 原子力の開発利用に当たりましては安全性の確保が大前提でございます。今後ともいろいろな角度からその安全確保に最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。

吉井英勝日本共産党

○吉井(英)委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十一分休憩      ────◇─────     午後二時二十三分開議

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。関晴正君。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 原子力安全委員長が時間の関係でどうしても三時までには退席しなければならない、こういう事情にありますので、先に原子力安全委員長にお尋ねをしたい、こう思います。  まず第一は、今度の美浜の原発事故、この事故はどうあれば災害を招かず防止できた、こう見られるものか、その点については委員長どう見ておるのかということを先に伺いたいと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の事故をどうすれば防ぐことができるかという御質問だと思いますが、何分にも破断したところの調査がまだ終わっておりませんし、それの報告も受けておりませんので、破断の原因がどこにあるかということがわからない現在でありますので、何ともお答え申し上げることができないわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私ども科学技術委員会があの事故を見まして、直ちに現地調査をしなければならない、こう思いながらずっとおくれて行くしかなかったわけですが、こういうような事故について最も安全性を重んずる当該機関である原子力安全委員会は現地調査においでになっていないと聞くわけなんですが、どうしておいでにならないのかということを伺っておきます。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 現在事故が収束しておりませんならば、もちろん安全委員会としても調査に行く必要があるかと思いますけれども、現在はその破断の原因等の技術的な調査でございまして、私たちがそれと並行的にやるということは事実上不可能でございますので、これは狭い意味での専門技術者の調査結果を踏まえまして十分検討するのが一番よい方法だと思っております。もちろん将来必要があれば、安全委員なりあるいは作業グループの専門家の現地調査は当然行うつもりでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 安全委員会というものはこういうような事態が発生した場合にはすぐ行かないんだ、落ちついた後ゆっくり行くことにしているんだ、そういう方針なんですか。――いや、私、委員長に聞いているんですよ。あなたに聞いているんじゃない。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 ちょっと事務的な話だけで御説明申し上げますけれども、事故の場合、緊急の場合に原子力安全委員会から派遣することは、制度としてはいわゆる災害対策基本法に基づいております事故が発動されたような場合は緊急助言組織というのを実は既に設けておりまして、これがすぐ行くようなことになっておりますけれども、今度のような場合でございますと、先生御案内のとおり原子力安全行政というのは一義的には所管行政庁がまず規制するということになっておりまして、それを行政庁から一たん離れた立場で安全委員会がいろいろ意見を言うということもございまして、今委員長がおっしゃいましたように今回の場合にはすぐ行くことはなかった、こういうことでございますので、事務的なことでございますが……。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の事故につきましては、現在の時点では安全委員会としまして直ちに現地を視察する必要があるとは思っておりません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 これは委員長の考えで行く、行かない、そういうふうに決めているのかどうか知りませんけれども、言うなれば重大事故ですよね。事故であったのか事象であるのかという言い方もあってもやもやしているものもあるけれども、ギロチン破断が起こるなんというようなことはもう間違いなく重大な事故である。そういう重大な事故が起こる原因は何であったかということもさることながら、こういうことを未然に防ぐことができなかったかということについての分析ぐらいは、それなりにやはり現地を訪ねれば、私どもと違って委員長というのは我が国では一番高い見識を持って存在している方なんですよね。それだけに委員長が行かないというのは不思議でならないのですよ、私にとっては。行かないことに決めているんだ、ゆっくり落ちついた後行くことにしているんだ、こういう方針だとするならばそれなりにわかるのですが、行く、行かないというのはどこで決めるのですか。委員長個人が決めるのですか、委員会が決めるのですか。そういう場合に、この事象はゆっくり行こうじやないか、こうお決めになったのですか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 安全委員会としまして、今回の事故、直ちに行く必要があるかないか、まだ議論する必要も私たちの間には出ておりません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私は、どこが行く、ここが行くというよりも、原子力安全委員会が出かけていくということはそれほどに大きな重みがあると思うのです。重みがあるんだけれども、一向に動こうともしない、それを議題にもしていない、悠然としているというのはまことに解せないことであります。  そこで私から申し上げたいのですけれども、私どものような素人が参りましても変だなと思うことがございます。それは関西電力が発表しているところの事故が起こっている分刻み、秒刻みの一つのチャートがありますね。記録があります。それによりますと、全部一時四十分から出ているのですよ。しかし、実際に起こった事故のそういう兆候があらわれたのは十二時二十四分ですよ。そして十二時四十分。そして記録的に言われている分析の事態というのは一時四十分からですよ。この間一時間有余ありますね。この時間はどうしておったんだろうか。この時間に適切な一つの方途を講ずれば防ぐことができたのかしらん、それともそんなことをしたって、これはどうにもならない運命的なものなんだよ、こう判断しておられるのか、その辺はどうですか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 私の言葉が足りないかと思いますけれども、事故につきましての今のチャートとか現在わかっています情報、資料等につきましては、通産省なり私たちのスタッフを通じて十分時宜に適した時点で報告を受けておりまして、また意見も十分申し上げております。でありますの で、今まで事故に全く手を触れてない、そういう意味じゃございません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 とにかく原子力安全委員会というものは、こういう事故があった場合には事故調査委員会の役割も果たさなければならないんじゃないかと思うんだけれども、その進め方なり取り組み方というのは、国民から見ても安全委員会は何をしているんだろうか、こうみんな思うわけですよ。行く必要がない、ゆっくりだ、こう言っているんだけれども、私はこれじゃまずい、こう思います。  それから、今私が聞いたように、事故が起こるような模様が事前にあった、その事前にあったところから実際に事故に至るまでの間に何をすべきだった、こう思っていますか。ここをお考えがあるならば示していただけませんか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 今回の事故の発端をいつから考えるかということですけれども、やはり一次冷却水が破断したところのチューブを通しましてリークが始まった状態からだろうと思います。そのリークが始まった状態をどのようにしてモニターし、リークが始まったということをどのようにして判断するかということは現場の技術者が行うことでございまして、時間的に言いますと恐らく十二時四十分よりも一時間ぐらい前、今から考えればそのくらいの時点で漏えいが始まっているということはわかるわけであります。  漏えいが始まったということがわかりましたならば、どちらの蒸気発生器から実際に漏えいしているかということを判断するのは次の手段でございます。そして、実際にどちらかの蒸気発生器からリークが始まっているということが判断できましたならば原子炉をとめる動作に入りまして、その漏れている蒸気発生器を隔離することがまず第一の手段でございます。その手段は今回の方法でも踏まれてきているように判断してございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 それから、私は一番わからないのは、あれほどの蒸気発生があって、そして空高く飛んでいって、それでいて放射能の影響、放射能の濃度が影響ないんだ、放射能はほとんどないんだ、こういう発表をされていますね。この発表をどう見ますか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 放射能は一次冷却系に入っているわけでありまして、午前のときにも申し上げましたが、日本では通常運転のときに蒸気発生器からわずかのリークもない状態でしか運転を許可しておりません。リークが発見されたならばとめるという動作をしております。したがいまして、二次系の、要するに蒸気発生器の後の二次系の水なり蒸気の中には燃料から来る放射能は入ってないのが原則でございまして、現在でも実際そうでございます。  それで、先生がおっしゃいました蒸気を逃がしたのにどうかというのは、蒸気が逃げたのは二つの方法、手段がございまして、一つは、まずAの蒸気発生器から漏れたということが判断されますとAを隔離したわけであります。Aの蒸気発生器を隔離しますと、一次系の圧力が高いものですから、漏えいによって二次系の蒸気発生器の隔離までのところの圧力が常時よりも上がるわけであります。したがいまして安全弁が自然に吹いて、それが放出される。これは今までの報告によりますと、一分間ずつぐらいの範囲において三回出たということであります。  それからもう一つ、Bの蒸気発生器から、これは逃し弁を手動で故意にあけまして放出いたしました。これは一次系を冷やすために放出するわけでありまして、その蒸気の中には放射能はバックグラウンド以上には入っておりません。でありますので、新聞等に出ております蒸気の放出というものは、今のBの蒸気発生器からの放出量は確かに多うございます。これは冷却の手段としてでございます。Aの蒸気発生器からの放出量は、今までの報告によりますと、一分間ずつ三回ぐらいというふうに聞いております。それが放射能の放出に影響しているわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 一分間ずつ三回発生しているそのときに、一分間という時間で放出の量、それから放出の内容、そういうものについて把握する場合に、モニターがないものだから放射能がある、なしということがわからないということにはならないのですか。わからないからないと言っているのか、ないからないと言っているのかが定かじゃないと思うのですが、その点はどうです。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 その事故の経過と常時運転中の一次系の放射能のレベルというのは測定してございます。でありますので、その水がリークを通しまして二次系に入った量、したがいまして、それに含まれて一分間に三回出た量というものは計算できるわけでございます。現在それを十分解析しているところでありますので、いずれ通産省から詳しく評価した結果が出ると思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 放射能を帯びている、そのことについて、ない、大したことがない、こう発表されているんだけれども、それは測定することなくて、手が及ばなかったからないと言っているんじゃないだろうかと思うんだけれども、その点はどうですか。

森信昭資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全審査課長

○森説明員 放射能濃度のことでございますので、ちょっと通産省は差し出がましゅうごさいますが御説明させていただきます。  今、内田委員長から説明がございましたけれども、漏出が始まった時点、たしか十二時二十四分ぐらいからでございますが、その時点でコンピューター等で捕捉されておりますのは、通常値、約三十五CPM程度、信号設定値が六十CPMぐらい、こういうふうな濃度でございます。この三十五CPMと六十CPMと申しますのは、先ほど委員長もおっしゃいましたように自然界にあるようなバックグラウンドに近い数字でございます。したがいまして、この状態で二次系に漏れたとしても二次系側の水の放射能濃度というのはそう濃くない、これが前提でございます。  それから、もちろん二次系側に漏れておりますのは、いろいろ測定器具でどの程度の放射能濃度の状態にあるのかというのは測定しておりますので、先ほどの逃し弁から逃げた蒸気量に放射能濃度を掛けまして、それによりまして放射性物質がどれだけ外界に漏れたかというのは計算できます。その上で被曝量等を計算いたしまして、通常管理目標値と比べまして数十万分の一ぐらい程度であるという一応の計算根拠をもちまして関西電力から現在報告を受けているわけでございますけれども、なお、そのバックとなりますデータ等につきましては、通産省といたしましてもコンピューター解析等によりまして確かにそうであるかどうかということを現在確認中でございまして、この確認が終われば正式な数字は出ると思っておりますが、いずれにしましてもオーダー的にそう変わることはないというふうに現在思っております。確定し次第御報告するつもりでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 モニターがあって、モニターでとらえたものの濃度は、それはわかるでしょう。しかし、モニターがなくて蒸気発生した、そして空高く上がっていった。この測定は測定器がなかったんだからなかった、しかし測定器があってもなくても本当にないんだと言えるかどうか。わずか一分の間、それが三度続いていますよね。そして一次冷却水から走っていっているわけですから、その点は把握できなかったからなかったのではないのか、こう言いたいところです。でも、この論はまだまだ続く論でもありますので、委員長おられる時間もありませんから、そこのところできょうはとどめておきます。  そこで、私はきょうぜひ委員長に出てきてもらいたい、こうお願いをして、委員長に忙しい中をおいでいただいたわけなんですが、一番聞きたいことは、青森県の六ケ所の村に低レベルの廃棄物の貯蔵センターを設置する、その申請に対する許可を至当である、こういう判断を原子力安全委員会がとったわけですけれども、その中に、私は特別に委員長には昨年の委員会のときに来ていただいて、一次審査における科技庁の審査というものは極めて不十分なものがある、したがってあなたの方の二次審査においては一次審査において不足 しているもの、また吟味すべきもの、そういう点についてよほど念を入れてやっていただきたいということを申し上げました。また委員長も、しかとその意を承知いたしました、こういうことであったと思います。  ところが、今回の委員会の許可の内容を見ますと、言うなれば会社の申請している内容というものは、立派である、これであれば大丈夫であるということのようであります。あの地下水の高い六ケ所の地層です。そして、これにコンクリートで包んで、そのコンクリートの上をさらに透水性のないベントナイトをまぜたものを二メートルほどの厚さにして包んで、そしてその上を土壌で四メートル覆って、そうしておけば心配がないんだ、こういうことをお通しになったわけですよね。  しかし、しからばそういう実験をあの六ケ所の土地においてやったのか。何の実験もしていないということを見ますと、これは軽率なことではないのか。科学というものはやはり実験の裏打ちがあって初めて一つの結論が出せるものだと私は思うのです。何の実験もしない、そしてよろしい。とてもとてもこれは合点がいかないわけであります。そうして、あなたの方でよろしいと言うものだから、さきの長官である大島さんが許可をしたのだろうと私は思うのです。どうして実験をしないのですか。その実験をあなたは必要ないとお思いになってやらないのですか。この点を委員長から私は――要らない、委員長に聞いているんだから。委員長にお答えいただきたいのです、わざわざ来てもらっているのですから。あなたの話は後でいい。

鈴木治夫科学技術庁原子力安全局原子力安全課原子力安全調査室長

○鈴木説明員 まず、委員長のお答えの前に事務的に御説明します。  廃棄物埋設施設の固有の安全性につきましては、行政庁からの資料について原子力安全委員会は学識経験者等から成ります核燃料安全専門審査会に調査、審議を指示し、同審査会において慎重な審議を行っております。  この審査会における審議におきましては、埋設地の地質、地盤等の調査結果、廃棄体に係る技術的基準、管理技術等に対して最新の技術的な知見及び試験研究成果等をもとに審査を行っております。  行政庁における審査結果においては、廃棄物埋設施設において使用されるコンクリート、ドラム缶等について、早期に著しい劣化を仮定して評価しておりまして、この場合においても一般公衆に与える線量当量は十分小さく、問題となるものでないということを確認しております。  また、廃棄物埋設施設は、既存の土木技術ですとかあるいは施工管理技術あるいは安全管理技術等を利用することにより安全性を十分確保できるというふうに審査会において判断しております。さらに、それをまた安全委員会も現在の技術で十分判断できるという判定をしております。  したがいまして、先生おっしゃるような新たな実証試験を実施しなくても、安全性評価は十分行えるというふうに判断しております。  まず、事実関係でございます。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 六ケ所村におきます低レベル廃棄物の貯蔵施設の構造等は今先生おっしゃったとおりでございますが、一つつけ加えたいのは、そういうようなコンクリートで覆いまして、その上にさらにベントナイトの透水性の少ない土で覆いまして、その上に土を覆っているわけでありますが、それでも万が一水が廃棄物の周りを通って漏れたらばどうなるかということで、御存じと思いますけれども、排水管をめぐらせまして、その排水管の中をモニターする点検路を設けているわけでございます。でありますから、そういう常時の管理はこれまた十分ではないかと思っております。  それから土質あるいはコンクリート等の透水性の問題等は、その現地の土質そのものでやる必要があるかないか、これは専門家の意見を聞いて十分判断したつもりでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私は細々としたことは後で事務局から聞きます。しかし、あなたは委員長なんですから、しかも我が国の最高の学識経験を持つお方なんです。あの六ケ所というところは、あれはまた日本一土壌の悪いところなんです。そしてまた飛行機の飛ぶところです。飛行機の飛ぶ回数だって年に四万三千回も飛ぶということで、そういう空の下につくられるものなんです。ですから、飛行機が落ちたときはどうするかというのも一つ解析としてあったでしょう。  しかし、一番大事なことは、あそこは地下水が高いところなんです。それで、あなたの方ではあそこの鷹架層の岩盤であれば透水性も低いからいいだろう、こういうことで当初の予定というものをずっと変更して、それで申請書も出て吟味もされたわけなんです。だけれども、あの岩盤がN値が五〇あるから非常にかたい岩盤だなどと言って甘く見て過ごしている傾向もあると私は思うのです。あそこの岩盤は間違いのない軟岩なんです。軟盤です。硬盤じゃありません。N値五〇と言えば硬盤のように見えるけれども、あそこは硬盤じゃないのです。弾性波速度を見ればすぐわかるとおりです。しかも割れ目の多い岩盤です。ですから地下水が多いのです。表面における地下水と深層における地下水とそれぞれあの場所にはあるわけなんです。  ですから、あそこの場所にああいうようなものでやったから大丈夫だろうなんと言うなら、このとおりやってみたところこのとおりじゃないか、これが裏打ちされなければならないと思うのです。科技庁の方はその裏打ちも何もしないで申請書のとおりオーケー、あなたの方も申請書のとおりオーケーじゃ、二重チェックの機能を果たしてないのじゃないかと言いたい。ですから、これからでも遅くないですよ。やってみて間違いない、こう言えるようなことの上で許可相当、こう持っていったらいいのじゃないかと思う。  私は、あそこの場所の地盤というものは、複雑怪奇という言葉がありますけれども、本当にあの地盤ほど複雑怪奇なものはないと見ていますよ。そうして、当局の説明はいつでも、地下水というものは天から降った、空から降った水だけである、こういう分析で当たっているわけです。そうじゃないですよ、あそこは。上部における地下水、中部における地下水、岩盤の底にある地下水、非常に地下水が多いところです。それを、あなたが今いみじくも言いましたね、もし水が入ってきたとしても、ポーラスだか何だかのコンクリートでやるから、抜けて通って出すようになっているから、こう言っていますよね。実際にやってみたらどうです。  そして、その場合大事なことは、あそこに点検路がありますね。あの点検路というのはどういう役割を果たすのでしょう。非常に強い放射能があって、そうしてガンマ線がコンクリートを抜けます、コンクリートを通ってガンマ線が出てきますよ。そういう放射能濃度の濃いものが出てきた場合にあの点検路、人が歩けるだろうか。人の歩ける点検路間違いなし、そうして放射能濃度ゼロ、こう見て許可されたのですか。それから、コンクリートのピットの中に水が入った場合排水すると言うのだが、排水の道や排水の方法はどういうようにするということになっていましたか。その点の吟味というのは、今のお答えからしても私は非常に軽率に扱ったのじゃないかという感じがするのです。  何せあなたの方が許可するとなれば、科技庁長官というのはストレートにこれをのみますよ。科技庁長官にそういう才能があるわけじゃないし、あなたの判断というものを受けて長官は出す。だから、大島長官は大分心配されましたよ。大分心配されましたけれども、権威ある原子力安全委員会が出したのだからということでお答えになっているわけです。ですから私は、安全委員会なりまた委員長というものは、本当に信頼できるようなことをして国民を安心させなければならないと思う。  何の実験もしない。これが科学ですか。あなたは科学者だと言うのだから、実験の裏打ちがあっ てしかるべしというふうになぜやれないのですか。これが残念でしょうがないのです。もっと合理主義に徹して、業者が試験した結果がいいからといってうのみにしてオーケーじゃ、何の用足しにもならないのじゃないですか。ロボットかと言いたいぐらいですよ。決してあなたはロボットじゃないでしょう。これぐらいのことはやらなければいかぬと言ったらいいじゃありませんか。なぜそれが言えなかったのですか。どうしてそれが言えないで大丈夫だと言えるのです。これが科学ですか。  科学の最高の責任者が政治判断までして事を構えるようになったら何をか言わんやと言わざるを得ません。もう一遍考え直して、あの場所に同じようなものをつくって、全部のピットをつくってやれとは言いません。一つのピットには三百二十本のドラム缶を入れるというのですから、ドラム缶を入れてみたらいい。そうして、水がどの程度の姿を示すのかを見たらいい。あわせて、放射能もどのくらいあらわれてくるものか見ればいい。点検路というものが人の歩ける点検路になって、大丈夫なものなのかどうかということについても吟味しなければならない。何も知らない人が、水が出ればちゃんとバケツでくんで捨てます、捨てるためには点検路がありますからいいでしょう、こう言われれば、ああ、そうかな、こう思いますよ、正直なものだから。  しかし、そこには怖い放射能が常時待ち構えているわけですよ。今度は二十万本でしょう。今のところそのうち五万本やると言うのでしょう。その五万本のうちの一つのところの区画十六、十六分の一のところが三百本でしょう。大変なおびただしいドラム缶の放射能がそこに横たわっていることになるのです。そういう放射能の分析なんかもどうしたのだろうかということもまた聞きたいと思いますが、あと五分しかあなたを制限しておりませんのでこれは仕方ない、約束した以上退席してもらうしかないけれども、何とかここで、そうだなと思って、もう一遍これは吟味しなければならぬかな、こう思っていただけないでしょうか。  矢は既に弦を離れたりでどうにもならないということじゃなくて、まだまだ時間はあると思うのです。そういう点については、きずのあるものはやはり直さなければならない、瑕疵のあるものはやはり取り消さなければならない、私はそう思うのです。そういう意味において、実験をしてその上で一つの結論を出す、そういう道をとるようにされないでしょうか。この点について委員長からのお考えをいただければと思います。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 実験をしなければという直接のお話でございますけれども、コンクリートや土質の透水性の実験とか低レベル廃棄物の処分についての本質的な実験研究等は、原研等あるいはそれぞれの専門家グループで十分やっているわけでございます。それが反映しまして核燃料安全専門審査会の中で専門家グループによりました判断を受けているわけでございますので、十分安全は確保されるものと確信しておる次第でございます。  もちろん、これからつくります段階においては、科学技術庁の行政庁としての公認のといいますか実際の細かい審査もございますし、それから事業者によります管理もあるわけでございますが、それら全体をまちまして安全の確認がされるものと考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 この人ちっとも私の聞いているのに答えていないですよ。あなたの論でいけば何も六ケ所でなくてもいいでしょう、置くところは。そう理解してよろしゅうございますか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 原子力安全委員会は、申請されました施設申請書に基づきました行政庁の審査報告書を中心にしまして審査するわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 申請書の場所における調査は何もしないじゃありませんか。あなた方は一つの実験をしてみて、そうして権威ある見解と意見というものを受けて判断をしてやった、こう言うのです、わかりますよ、それは。わかりますけれども、じゃ、それは何も六ケ所でなくてもいいじゃないかと言われれば、そうですとお答えになれることになりませんか。どうです。どこでもいいということになるのじゃないですか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 六ケ所でなければならないか、どこでもよいかということに対しまして、安全委員会としてはお答えする知識も権限も持っておりません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 大変な答弁です。六ケ所の問題ですよ、申請しておるのは。  じゃ、その六ケ所の申請についての許可に当たって、六ケ所の現地についての実験というものも何もしないで知見だけでやったでしょう。知見だけでやるというのは危険というものです。科学じゃないですよ、これは。そういうやり方というのは、青森県民は納得しませんよ。だれだって、ここで聞いておられる人みんなそう思うでしょう。何で実験しなかったのだろう。恐らく長官だってそう思っておられると思いますよ、後で聞きますけれども。私はそういう委員長というもの、何とのんきなものだなと思いますね。ちっとも厳粛な感じがしませんね。残念でしょうがありません。あなたの見解によると、何も六ケ所でなくてもいい、どこでもいいのだ、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。

内田秀雄総理府原子力安全委員会委員長

○内田説明員 ちょっとよくわからないのですけれども、低レベル廃棄物の処分を六ケ所でなければならないかとか、そのほかではどうなのかということについてはお答えできませんということを申し上げたわけであります。六ケ所の貯蔵センターの安全の問題につきましては、直接そこで埋めて実験することは、むしろこれから実際にやれば管理の段階でよくわかるわけでありまして、それを前提としまして、土質の専門家もおりますし、コンクリートの専門家もおりますし、透水の物理化学的な専門家もおりますので、そういう人の知見をもって六ケ所村の実際の土質とかあるいはコンクリート構造等に当てはめました結果が安全であると判断しているわけでございます。差し支えないと思っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 これは大変に当たり方というのが科学的でなかったと思います。六ケ所から申請されているわけですから、六ケ所の状態というものを十分に把握して、それでしかるべしという返事を出したものだと私は思うのです。思うのだけれども、今お答えを聞けば、これだというと何も六ケ所でなくても、その方式をとればどこへ埋めて捨てたっていいじゃないか、こういうことになるのじゃないのか。とするならば、これは次はあなたの方の問題じゃありませんよ。何も青森県の六ケ所まで持っていかなくても、それぞれの原子力発電所のサイトで今のような方法で技術を生かして処分すればそれで間に合うのじゃないか、こういうことに進めてもまた何とも言えないことになりゃせぬか、こういう意味で私は今委員長に聞いておったわけなんですが、これ以上の委員長との論はまたいずれします。  だけれども、いみじくも委員長が、この後にそういうことがだんだんわかってくるのじゃないか、こうおっしゃっています。それじゃ遅いのです、あなた。決めてしまってからよく吟味しろなんて、これは後先間違っていますよ。これは科学じゃありません。何といったらいいでしょうね。学の方じゃない、あべこべ学とでも言った方がいいかもしれませんね。いずれにしても、私はやり直しをするようにされないかということを求めます。きずのある合格は不合格にしてもらって、そうして時間をかけていただくようにされないか、これは委員長の方に希望であります。  あとは科技庁の方にお聞きしたいと思いますから、これでどうぞお帰りください。  科技庁長官にお尋ねしたいと思います。  新しく長官になられて、さぞかし胸を張って日本国民の将来にかかわる科学の振興のためにお心を使っておられるだろう、こう思います。  そこで、私は長官に聞きたいことは、今原子力安全委員長のお答えもお聞きになったと思うのですが、あなたの前の長官である大島さんが、昨年の十一月十五日に六ケ所の低レベル廃棄物の貯蔵 センターをよしとする許可書を出されました。私はこのとき、長官、何でこんなことを国会のさなかにやらないで、国会が終わってすぐやらねばならなかったのだ、我々委員会としては現地調査も何もしていない、しかも委員会としては現地調査もする、六ケ所の地質調査もする、そういう上で私は許可が至当であれば許可となるのであろうとも思っておりました。ところが、我々の調査も、これは委員会の怠慢だからあなたの責任じゃありませんよ。今度の委員会は委員長を初めとしてみんな立派な方々ばかりだから、近く現地調査もする手はずにはなっております。  あそこの場所はとにかく、あなたも北村知事の応援で青森においでになりましたね、そうして現地もごらんになりましたね。せっかく現地をごらんになったのだから、あそこに地下十二、三メートルに大きな穴があります。あの穴をくぐってくれば、こういう穴の中にそういう廃棄物を置いていいだろうかという疑問が出るはずですよ。固い岩盤のところにピットを張ってぴっとやるからぴっといくだろうなんて言うけれども、これはぴっといかないのです。  コンクリートというのは水を通すでしょう。ドラム缶は鉄ですから鉄は水を通さない。通さないけれども、時間がかかればさびますよ。ですから、こういう放射能に満ち満ちたドラム缶、低レベルというけれども、本当に低レベルかといえばこれも低レベルじゃありません。相当なレベルの高いものです。当初の考え方からはずっと変わりました。でも表向きは低レベル、中身は中レベルもいいところというのが実態だろうと思います。  そこで、そういうものをそこにぶち込まれて、そうして水が通りませんよと言ってみたところで、通らないことはないのです。雨は降る、雪は積もる、そうして自然の地盤じゃありませんよね、手づくりの地盤と申しましょうか、盛り土ですよ。そうして粘土質のものだと言うのだけれども、一体どれくらいの粘土質になるのか。一五%程度でしょう。そういうようなものを巻いて覆って、二メートル、四メートル、六メートルもあるのだから大丈夫、水は行かないだろう、こう言うのだけれども、やってみたかと言うのです。何の実験もしない。何の裏打ちもない。それで、今の委員長も言うように、大丈夫でございます。村上安全局長も大丈夫ですと前にも答えていましたよね。聞かなくてもわかっている、だけれども、やってみもしないで大丈夫と言うのはこれは科学じゃない。これは危険というものですよ。そんな危険は聞けぬ。  そこであなたは、初めて科技庁長官になって今一番純粋なお心持ちで当たっていると思うのです、右にも左にも左右されないで。私はあなたが長官になったときに、ああ、いい方がなったなと思った。これは純粋に物に当たっていただければいいな、こう思った。しかも今、日本のお母さん方というのは、子供の将来のためにあそこが、次は再処理工場の問題もありますから、あの場所がそういうふうに放射能がどんどん出るような場所にされたらどうなるのかという心配がたくさんあるのです。ですから、今のようなことできちんと整理していかないと不安で不安でしようがないのです。  知事は北村さんが上がりましたよ。あなた、応援しに行ってあげましたよね。あげましたけれども、取った点数は四四%です。五六%のあの選挙に臨んだ県民というのは、白紙撤回、凍結、その諸君なんです。比較多数制で知事になるのだから、なるものはこれは仕方がない。だけれども、青森県民の意思というものは非常に強いものがある。核燃反対、白紙撤回、凍結。あそこの村長さんは今、凍結論で一昨年の十二月に当選した人ですよ。したがって、今日、ウランの濃縮工場の問題についても安全協定が結ばれない、結べないでいるために、施設はできたけれども動くことはまだまだでしょう。そういう現況にあるわけですよ。  ですから、この低レベルの廃棄物というものも、低レベルの内容も中身がずっと変わったのです。それだけに吟味というものが科学的になされなければとても承服できない。一たん許可したものだからしょうがないなんて言わないで、この許可について再吟味をする、そういうような構えで当たっていただけないだろうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 関先生の核燃サイクル問題に対しての御見識あるいは情熱に関しましては、過去の議事録をひもとくまでもなく、私ども、先輩や同僚からいろいろと、有名な関先生の音に聞こえたその御意見ぶりというものは十分承知をしている次第でございます。そして私自身も、就任をいたしました直後に、並みいる科学技術委員のメンバーの中でも特に関先生は怖いよ、だから一生懸命この問題を勉強しなければだめだよと言われまして、私自身もビデオを見たり関係者の話を聞きましたり、あるいは今お話がございましたように早々と青森に参りまして、六ケ所村も見てまいりました。  先生が御指摘の点につきましては、残念ながら、ちょうど雪の深い時期でございましたので、余りその実態というものを、実情を把握することができませんで、果たして本当に先生のおっしゃるとおりか、あるいはいろいろ今まで言われて、適切であるかどうか、それは私自身、まだそういう意味では実情を、実態を見ることはできませんでしたけれども、これまで御承知のように安全委員会が各分野の専門家を結集いたしまして、科学的知見に基づき厳正に審査をした結果安全であると評価したものでございますので、私は専門家ではございませんけれども、科学というもの、今までこの科学技術の発展というものは、やはりいろいろな分野の専門家が英知を結集して今日のいろいろな研究の成果というものも上がっているのではないかなという気がいたしております。そういう観点から、やはり私は十分なものではないかなと確信をしているような次第でございます。  なお、先生から御指摘がございましたように、特に地元の皆様方の御協力あるいはこの問題に関してのいろいろ不安感というもの、だれしもお持ちのことであろうかと思いますので、これはもう関先生を含めまして、青森県民の皆様方に少しでもその不安感というものを払拭していただくために、厳正な、そして公正な審査というものを今後とも続けていきたい、そんなふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 科技庁長官は、原子力安全委員会が認めたものでもあるから、私のような考えだけでどうかとも思うから、御理解をしてくれないかというのがお答えのようです。でも私は、自分のやったことを取り消したり、あるいは撤回したりするということはなかなか至難のことだと思います、行政の継続性というものもあるから。あなたの責任でやったことじゃない、前任者の長官の仕事だからどうにもならないんだということも言えるかもしれません。だがしかし、きずのある審査の仕方ということになりますと、現実に最高責任者は今あなたなんですよ、山東昭子科学技術庁長官が我が日本における最高責任者であります。この方が、我々委員会の論議を通じて問題があるなと思ったら、これはやはり考えなければならないんじゃないか、方法を別にして考えなければならないんじゃないかということぐらいは私は持っていただきたいと思うのです。  それで、現実に今あなたも雪の中を訪ねたものだから、地下の方を見てくることをしなかったと言いました。ぜひ見てください。これからでも遅くはありません。これは私も参りましたし、それから、我が委員会は行くべくしてまだ行かない、宿題が残った今格好になっておりますから、許可になったとしても近いうちにこれは行かなければならないし、行ってもらえるもの、こう思っております。  ここで、なぜ当初の申請の内容が――これは八八年の四月二十七日に出されたものです。そうして八九年の十月二十七日に、一年半たってぐるっと向きを変えちゃったのです。これまで出した内容を変えちゃった。これまでの内容というのは、 わずか四、五メートルのところへ投げ捨てておこうという計画でありました。それが今度は、水が大変だ、帯水層だ、こんなところにそうやっちゃ困るというので、もっと深く掘ったところの鷹架の岩盤のところに持っていこうじゃないかということで、岩盤ならいいだろう、こう言って十一メートル下げます。当初の五、六メートルの計画から十一メートル下がったところにコンクリートの箱をつくる、その箱の中に投げ込む、こうなっているわけです。投げ込んだ口のふたをしなければなりません。このふたをするのに二メートルの厚さで包むものと、四メートルの厚さで包むものとがあるわけです。  ところが、水があるからやめた、では今度はそのくらい掘ってやれば水がないのか。同じように水はあるのです。度合いは違います。度合いは違うけれども水がある。そこで、その水を防ぐために防水の対策、止水の対策、水をとめる、水を防ぐ、その対策というものをいろいろなことを研究してやったのです。やった結果今の線というものを認めたのですが、私は今の線でやっても水は通っていくと思います。そこで通っていくか通っていかないかというのは、思うだけではだめですよ。実際にやってみて、なるほど通ってきた、通らないできたというのが言える。知見では、大丈夫通らないだろうと言う。しかし、やってみたら通ったといったときは、知見が適切でない知見であったということになるでしょう。そうなってから是正するなんということはまずいですから、今のうちに早いところ、許可はしたが許可を取り消す、場合によってはしなければならないということも考えながら、実験的な措置だけでもひとつ早目にやってみたらどうか。  現在、仕事は何にも進んでいません。十一月十五日に許可はしたものの、何の工事もしておりません。穴掘り一つしておりません。建屋をつくるということで今進めておるようですけれども、埋設の方には何にも手がついていません。いろいろな問題がここにありますので、とにかく申請しているとおりの内容のモデルを早急にあの場所に置いてみて、それまで許可はあったけれども許可を保留しておこう、これで合格したならばさせるというぐらいに考えて当たる必要があるんじゃないだろうか。  そうでなければ、何も青森県の六ケ所にそういう施設を持ってこなくてもいい、全国から遠い青森に高い金をかけて。それよりは、そういう技術がここで成功するというならば、何も青森県の六ケ所でなくてもいいのです。それぞれの原子力発電所のサイトに、敷地に穴を掘っておけばいいのですよ。六ケ所よりもみんないいところですよ、掘ってみたところ活断層もあるわけではないし。あそこは、地盤からいっても活断層もあります、飛行機も飛びます、地下水も高いです。こんな劣悪な条件下のところに、経済的にも大変な負担です。電力会社もかわいそうなものですよ、幾ら金があるからといって。それよりは、今の技術がいいというならば、これでそれぞれのサイトでおさめるようにしたら一番いいんじゃないかと思う。そういうような考えは成り立たないものかどうか。これは大臣でなくてもいいです、科技庁の方からでも結構ですよ。

山本貞一科学技術庁原子力局長

○山本(貞)政府委員 お答えをいたします。  先生先ほど御指摘のように、現在原子力発電所で発生する低レベル廃棄物は、主としてというか、発電所の中で保管をしておるわけでございます。ただ、分散して発電所の中にためているという現状でございますが、これは今後ともまた量的にもふえてまいります。  考え方としては、特定の専門事業者に専門の技術者をつけて、できるだけ一カ所でまとめて管理をするというのが技術的にも安全という面から見てもより合理的である、私どもはそういうふうに考えております。電気事業者も、この日本原燃産業という会社を電気事業者が中心になってつくってこういう一元的なことをやろうというふうに始めましたのも、そういう発想だと承知する次第でございます。もちろん発生者は、その費用の負担なり、あるいは円滑に埋設の事業が進むように適切な支援を与えるという必要はありますし、そのような指導をしておる次第でございます。  六ケ所村につきましては、先ほど先生いろいろ御指摘がございましたが、答弁もありましたように適切な審査、十分な審査をやった上で、あの地域で埋設事業を行うことが適当であるという御審査をいただいて進めている次第でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 厚子力局長、適切な審査だと思っているんですか、あなた。審査はされたけれども、適切な審査ではないじゃないですか。それを適切だと胸を張られれば、何が適切ですか。あなた方の一次審査では適切と思ってやったでしょう。しかし、あなた方の審査においても何の実験もしていませんよね。あれが大丈夫だ、雨が降っても水は下に入りませんよ、こう言えるのですか。その実験はされましたか。それから、コンクリートの中に水が入った場合に、透水性のコンクリートだから抜けていきますという実験をされましたか。されたならば、その実験の実態をひとつ教えてください。

山本貞一科学技術庁原子力局長

○山本(貞)政府委員 私は、安全審査の専門の方でもございませんし、そういう立場でもございませんが、それぞれの部局で、あるいはそれぞれの委員会で安全審査をされてオーケーをいただいたということを申し上げた次第でございます。先生先ほど問題点を御指摘であることは十分伺っておりますけれども、政府側の答弁あるいは安全委員長の御答弁からいたしましても、私素人としてはそういうふうに申し上げた次第でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私のさっきの質問に答えてください。安全局長でもだれでもいいよ。科技庁ですよ。実験したのかしないのか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申し上げます。  先ほど安全委員長も安全委員会のダブルチェックの結果の際にお話がございましたように、この設備の安全性は、先生御案内のとおり昭和六十三年の四月以来平成二年の十一月まで、私どもの科学技術庁の方で行政庁審査を専門家の意見を聞いてやりまして、その結果を安全委員会で再度核燃料安全専門審査会の専門家の意見を聞いて、基準に合致しているということで御答申をいただき、大島大臣が、先生御指摘のように昨年十一月に許可したものでございます。  その行政庁の審査の際も、それから、先ほど安全委員長もおっしゃいましたように安全委員会のダブルチェックの際においても、あの場所においていろいろな問題についての安全性の評価は安全上支障ないという判断を下しまして、その前提として、特段先生が今おっしゃっておりますような試験を、実験をやらなくとも、専門家として十分判断できるのだという御答申をいただいて、その結果に基づいて長官が許可をしたわけでございまして、私どもとしては十分厳正に審査を行いましたし、また安全委員会の方も十分御審議の結果答申をいただいたものと理解しておりますので、私どもとしては試験は要らないというふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 何でそんなに威張るのですか、何でしなくていいと威張るのですか。実験をしたらいいでしょう。少なくとも追認のためにも、いや実験は直ちにする、そのくらいはあってもいいでしょう。それを軽視して実験するようなことがあなた方ができないならば、許可したけれども、後追いながら実験してみる、そのくらいのことはしてもいいのじゃないですか。どうですか、それもできませんか。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 御答弁申し上げます。  私どもはいわゆる規制行政側でございますので、先ほど安全委員長も同様なことを申しておりましたわけですが、事業者の申請についてそれが適切かどうかということで、その範囲内において厳正な審査を行い許可をした次第でございます。これが国の設備でございますれば、自分たちの計画なり予算の範囲内でいろいろなことができるわけでございますが、私どもの方としては、その申請の範囲内を厳正に審査いたしまして許可をしたことから、別に威張って申し上げているつもりは 全くございませんですが、試験は審査の際には必要でなかった、こういう判断を下したということを御説明申しているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 それならば、その必要はないと言うなら、必要でないというデータをどうぞ出してください。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申します。  行政庁の安全審査書並びに安全委員会の安全審査書は既に公表されているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 そんな答弁で納得しません。少なくとも実験したものがあるのでしょう、六ケ所では実験しなくても。それぞれのデータぐらいはあるんでしょう、何ぼでたらめでも。科学的な実験ぐらいはしたのでしょう。六ケ所での実験はできなかったけれども、実験室における実験ぐらいはしたのだろうと思う。そのくらいのデータは、いつなされて、どういうことであったかということぐらいは示してくださいと言うのですよ。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 技術的な細部の中身につきまして、行政庁審査を担当しました室長から御説明させます。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 今先生の御質問にありましたように、全く同じ場所で同じような形の施設をつくりまして安全性を実証する必要があるかないかということでございますけれども、私どもの安全審査いたしました埋設設備につきましては、既存の土木技術を用いることによりまして十分建設が可能なものである、特にコンクリートにつきましてはもう十分な施工管理の経験等も積み重ねられておりますし、十分確実に行うことによりまして、長期にわたりましてその強度と耐水性を確保し得ると判断をいたしました。  さらに、その埋設設備の安全性というものは、鉄筋コンクリートとかモルタルそれから覆土など、個々の材料及び機能を組み合わせて確保されるものでありますけれども、個々の材料とか機能にかかわる性能といいますものは、具体的な研究の成果等の科学技術の研究の知見に基づいておりますし、確実に期待できる性能をもとに安全性の評価を行っております。さらにまた、それぞれのパラメーター等につきましては十分な余裕を持って安全の確保が可能であると考えておりまして、したがって、全く同じ場所で全く同じモデルをつくって安全の確認を行う必要はないだろうと思っております。  さらに、建設時におきましても、以上の性能が確保されていることを必要に応じまして現地等に行きまして確認しますとともに、埋設後におきましても、万一埋設設備に設置しました排水監視設備、先ほど先生の言われました点検路等でございますけれども、早期に異常な放射性物質の漏出が検出される場合などは、場合によっては修復等の措置がとられることになっております。  さらに、全く同じ建設実規模のモデル試験ではございませんけれども、実際に現地の覆土等、岩石等を用いまして、この放射性核種がどのように移行していくかあるいは分配していくかなどは、まさに現地の材料を使って行っております。さらに、先ほどのベントナイトの水を通しにくさというものは、現地での透水性の試験データ、これは当庁の担当官が立ち会っておりますし、そういうことで十分実証試験をやらなくても安全性を確保できるというふうに認識いたしております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 どこでいつそれをおやりになったのです、その実験を。いつどこでおやりになったのですか。どういう方法でおやりになったのですか。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 具体的な日時につきましては、これは後刻、当省の担当官が行っておりますので御連絡いたします。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私の聞いておるのは、そういう実験はどこでどのようにしてなされたのですかと聞いているのです。つまり、ベントナイト質の土壌それから一般の土壌、そしてそういうようなものを張ってそして水をかけて、水がどのくらい浸透するか、それを何日間やったのか。そして三百年大丈夫だという知見をそのときに持ったのか。とすれば、いつどこでそういうことをして、だれがそれに立ち会ってその実験をよしとするように理解されたのか。その点、あるならばひとつ示してください。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 今申しました個々の施設に使われております材料の試験につきましての特に非常に大事なパラメーターの一つでございます分配係数につきましては、申請書の参考資料ということに詳しく書いてございます。これは公表されております。  それからもう一つ、現場試験で先ほど申しましたベントナイト混合土の透水試験につきましては、この日時等につきましては今僕の手元にありませんので、後刻、だれが行ったか、これはもちろん現地に行っております。現地の六ケ所村の実際に埋設する場所での試験データをとるときに立ち会っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 科学というものは、構成する個々のものについてそれぞれ立派であるとしても、実際に総合的な活動をした場合にうまく機能するかどうかということになると、これはやはりきちんと実験してみなきゃならないのです。机上プランあるいは一つの室内実験あるいはまた科学的な数字、そういうことでいいからいいと言えるかといえば、そういうものではない。しかも、あの土壌のモデルなんというものはないでしょう。どこでどんな実験をしてみたか知らぬけれども、六ケ所村のような地質条件のモデルなんというのはモデルとしてもつくられますか。その次に鷹架層というところの岩質、これだってつくられますか。それから地下水の存在、上部、中部、下部、これだってどういうふうにして見ますか。  それから点検路、つくった点検路に入ってみましたか。排水はどういうふうにしてできるのか。そのパイプはどういうふうにしてつくられてあるのか。どのくらいの水が出ると想定してパイプがつくられて、ぽたぽた水が落ちてくるのかどうか知らぬけれども、そこにバケツを置いて、あるいはおけを置いて、そうして点検路を歩いてみて、あれば取り下げてくるとか持ち去るとかいうことなんでしょう。ポンプアップするわけでもない。水が出たからといって引き揚げるような技術をそこに施すわけでもない。大体、前提は水が出ないだろうという前提でやっているでしょう。点検路をつくって、その点検路の中を歩いてみましたか。この点検路は立派な点検路だな、道としては立派かもしれませんよ。その点検路に放射能が来ないのですか。どのくらいそこに放射能来ますか。計算していますか、計算しているならば示してください。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 先ほどのまず最初の実証試験につきましてですけれども、六ケ所村の廃棄物の貯蔵施設につきましては安全評価をして、全く問題ないということを行政庁としては確認しておるわけでございます。  安全評価のモデルがあるかないかにつきましては、非常に早い段階で、これは段階管理ということで第一段階、第二段階、第三段階、それでおよそ三百年後には管理の手から外すということでございますけれども、安全評価に当たりましては、第一段階が終わった後、すなわち埋設を開始しまして十から十五年後には、そういうコンクリートあるいはドラム缶の中のセメントモルタル等がもう砂程度にばらばらになる、ぐずぐずになるというような仮定を置きまして、その中の放射性物質が外に漏れ出すという非常に厳しい仮定を置いております。     〔委員長退席、渡海委員長代理着席〕  ところが、それが埋設を開始しましてから十から十五年でそういうふうに砂程度に透水係数が非常に大きくなるという仮定を置いておりますけれども、現実に先ほど申しましたようにコンクリートについての施工管理というものはかなりの経験を持っておりますし、そんなに早い期間に劣化するということは考えられないのですが、そういうような非常に厳しい仮定を置いているということがございますし、それからもし万一第一段階なんかでその中の放射性物質が外に漏れるようなことがございましたら修復をするということからも、そういうような実証試験の必要性はないだろうと いうことでございます。  さらに、点検路にどのくらい水が漏れてくるかということでございますけれども、これは実際にはほとんど出ないと思っておりますが、仮定試算を、非常に厚いコンクリートの壁、ピットの壁が大体五十センチから六十センチあります。さらにその外側には、先生御承知のようにベントナイトと土をまぜました層で包んでおりますが、そこで出てくる一つのパイプの中の水というものは、多く見積もりましても一日に数リットル程度以下であろう。これは詳しい数字が御必要でしたらまた別途お示しできますけれども、そういう試算値というものは……(関委員「一日幾ら」と呼ぶ)一日数リットル程度、ちょっと細かい数字は忘れましたけれども、もし必要であればそういう試算した結果というものはございます。  以上です。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 とにかく科技庁の側は、実際に当てはめて現地に実験をするようなことはせぬでもいいということの一点張りです。この一点張りから、そんなに言われるならばやってみますというふうにやってみませんか。そんなに疑うならばこのとおりやってみました、やってみましょうと踏み込んでみたらどうです。そのくらいのことはしたらいいでしょう。なぜそういうことをしようと言わないのです。あなた方は大丈夫だ大丈夫だと言うけれども、我々の方から見ればちっとも大丈夫だとは思っていないのです。そう疑うならやってみましょうと言ったらいいじゃないですか。実験も必要である、わかりました、取り組んでみます、許可した後だけれども取り組んでみます、そういきませんか。  大体どんな実験したかも知らぬけれども、あなた方、書類に書いているからそれ見ろといったって、あれ見たってわかりませんよ、どんなやり方したのか。それよりも実際にやってみて、とにかく三百年守らなきゃならないんでしょう。どうして三百年先が、それらの業者の実験であるかどこの実験であるかわからぬけれどもやったもので、よくわかりますと言えるものですね。別に業者からわいろもらったんだろうとは言わないけれども、医学大学の先生じゃないけれども、癒着しているものでもあるのかなという感じさえしますよね。  何も原燃産業にべたべたする必要ない。おまえたちのこの実験で、これで支持されているけれども、こういうのをつくってひとつ見せろ、こう言ったらいいじゃないですか。なぜ見せろと言えないのです。見る必要ない、やる必要ない、知見が大丈夫でございます、それぞれ権威あるものが立派だと言っていますから、これで通そうといったって、とても了解できませんよ、これは。それほどにあそこのところの立地条件というものはどこから見たってよくないんです。  今水だけの話で論していますけれども、水だけじゃないですよ。断層もあるでしょう、あそこには。飛行機が飛ぶでしょう。埋設の過程の中に飛行機が落ちてきたらどうなるんですかという心配がある。三百本のドラム缶のところにどっと落ちてきたらどうするんだろう。三百本だけじゃない、五千本もあるところに。そういうようなことを考えれば、とりあえず恐ろしいとして言われているのは水の方だけれども、実験してまずやってみろよ、それで合格したならばそこを認めてあげると言ってもいいんじゃないですか。そんなことをどうしてやれないのですか。信なくんば立たずという言葉があるけれども、とても信頼できませんよ。  大体ああいう地下水の深いところに持ってきているのが誤りなんです。そういうところへ許可申請しているのが間違っているんです。もっと別なところを選べと一言言っておけばそれで済むんですよ。一緒になってこれを認めようとするものだからくみしてしまっているでしょう。審判官の側にあるべき者がプレイヤーの側と一緒になってしまっているんじゃないですか。言葉が悪いかもしれませんよ。プレイヤーと審判官が一緒になって大丈夫だ大丈夫だと言っているようなものでしょう。大丈夫ならばちゃんと示せと言ったら、はい、わかりました、示しますと示したらどうです。  三百年先大丈夫でございますと言えますか。はしなくも十五年、せいぜい四十五年、そこまでのところで打ち切ることになっているんでしょう、この計画は。大丈夫、それでもう減衰するであろう、こういう一つの判断もあるわけだから。しかし三百年間管理することになっているんだ。三百年後どうなるかという見通しぐらいこの実験によって示してもらわなければ、わかりましたということにはならないじゃないですか。個々の実験だけではとても承服できませんよ。ぜひひとつ、これは実際に同じものをつくってその実験をするようにされませんか。お答えください。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答えします。  どうも私どもの説明が余り上手でないかと思ってあれでございますが、先生御案内のとおりこの事業はいわゆる行政行為でございまして、許可は行政行為でございまして、申請者は、そもそも禁止されている行為である低レベルの埋設処分という事業を国会で御審議いただいて、事業ができるという法律を改正していただいて、その改正していただいた手続に基づいて事業者というのはいわゆる申請を出してきまして、先ほど申し上げましたように二年二カ月の間慎重に、厳正に、私どもは行政庁としてその申請に基づいて審査をして、私どもとしては適当であるという安全審査書をつくりましてダブルチェックを、これも法定行為でございますが、ダブルチェックを受けまして、安全委員会の方からも答申をいただいて、それに基づいて行政処分、すなわち許可という事業を行ったわけでございます。  このいずれの過程においても、今先生がおっしゃいましたようないわゆる実証試験というものの必要性は認めておりませんで、またそのようにするということも必要性が認められておりませんし、かつ公開ヒアリングの段階でいろいろ御説明もしましたし、それから行政庁審査の中身については地元、県当局にも十分御説明いたしましたし、それからダブルチェックの結果も地元に出向いていって十分御説明しました等々のことで十分厳正な審査をしておりますので、そこでもう一度何かやってそれから許可をし直したらいいんじゃないかということについては、ちょっと制度論といいますか手続論という点から見ても私どもとしてはとり得ないということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 あなた方が許可してしまったから、もう一遍やり直して実験してみるなんというのはこれは言えないですよ、口先だって言えないでしょう、きっと。でも、実験していないんだよと言われたら、よしよしでは、その論は内部ではしたけれども、必要ないということにはなったけれども、そう言われるならばしてみようか、してみたらいいじゃないですか、急いで、遅まきながらも。何でそれをやれないのです。やってみようとしたらいいんじゃないですか。難しいことじゃないんですもの。じゃ、やってみますか。できませんか。  返事ができないようだから、長官、これは長官しかない。さきの長官のしでかしたことだけれども、言われてみれば問題もあるので、遅まきながら実験ぐらいは急いでしてみようか、こういうことをさせるようにしたらどうですか。それも拒否しますか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 とにかく専門家が大勢集まりましていろいろな角度から英知を結集して、そして今日厳正に審査をした結果のことでございますので、私はその報告に関して信頼をしております。そして、まだまだ関先生のようにふるさとを愛するお気持ちというもの、それからやはり不安感をお持ちの方もたくさんいらっしゃいましょうけれども、私自身も青森県を含めて日本の国を愛しております。そして、日本の国のエネルギー供給というような大きな観点から、やはり青森県民の、特に地元の皆様方の御協力をいただきまして、この核燃料サイクルを推進しようというお気持ちを皆様方が持ってくださるように、私どももこれから厳正に、公正に最大限の安全確保ということに努力をしていきたいと思っておりますので、多く の皆様方に御理解が得られますように今後も努力を続けてまいる所存でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 まだ核燃サイクルまで話をしていないのです。サイクルまでいっていないのですからね、長官。サイクルの前なんです。  それで私は、とにかく何の実験もしないで、そうして知見、知見と言って、権威ある者がやったからいいじゃないかということだけで押しまくろうとするけれども、これはやはり正しくないですよ。後になったけれどもやはり実験はしてみようか、そんなに疑念がおありならば、こういうことでやることぐらい何が難しいのです。あくまでもそういうことで許可の取り消しを求めるのが私の要望ではありますけれども、あなた方が許可するに当たってなすべきことを怠って、我が方から言わせれば怠ってですよ、あなた方の方からいけば自信をお持ちなんだろうけれども、これは全然違うわけであります。  しかも、どこでどういう実験をしたか、どのくらいの水をそこに注いでみたのか、何日、何時間注いでみたのか、その膨張係数はどうであったのか、何もわかりませんよ。しかも、自然地盤じゃなくて人工地盤になりますよね、ふたをする土盛りなんというのは。そういう人工地盤のところに雨が降った場合、雪が降った場合、その浸透率というのはどこまでいってどうなるのか、全然水漏れはしないんだよ、こういうふうにあなた方は思っているのでしょう。コンクリートなんかには水は届きませんよ、こう思っているのでしょう。どうですか。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 今設置地盤が人工地盤で非常に軟弱ではないかというような御質問ですけれども、現実に支持地盤の試験としましては、埋設設備の設置位置におきまして標準貫入試験と岩盤支持力試験を実施しております。  その結果でございますけれども、標準貫入試験結果によりますと、埋設設備の支持地盤でございます鷹架層は、表層部を除きますと、先ほど先生おっしゃっておられますN値は五〇以上ございます。少なくとも五〇です。それから、埋設設備設置面の地盤は、N値五〇以上を確認した位置と比較しまして同程度以上に新鮮かつ強固であることを確認しております。さらに、岩盤支持力試験結果によりますと、支持地盤となっております鷹架層の砂質軽石凝灰岩及び砂岩とも上限降伏値が一平方センチメートル当たり三十六キログラム以上、それから最大荷重が五十以上でありまして、埋設設備の荷重一平方センチメートル当たり三キログラム、これは十倍以上あるわけですけれども、それと比較しましても十分な支持力を有しておる、こういうことでありまして、これらのデータにつきましてはいずれも申請書に記載されておりまして、公表をされております。  以上でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私が次に聞こうというのを先に答えているようですが、私は岩盤の質を聞いているのじゃないのです。ふたをします、それで二重にしますよね。そのふたというものは、コンクリートのふたの上に土盛りするわけですから、その土盛りは自然地盤じゃなくて人工地盤でしょう、こう言ったのです。おわかりですね。あなたは逆さまの話をしたから、その点で認識を新たにしてください。  それで、そういう土盛りをしてふたをするのだけれども、雨が降っても雪が降っても三百年コンクリートには水は行きません、こういう知見ですか。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 これは先ほど来申しておりますように、点検路というものを設けておりますけれども、そこで外からの水が廃棄体の中に入りまして、その中の放射性物質が外に出るかどうかということを監視しておりますけれども、三百年間にわたりましてずっと外からの水が廃棄体の中に到達しないという評価ではございません。  これは先ほど申しましたように第二段階、これは埋設を開始しまして十から十五年後には、廃棄体あるいはコンクリートのピットが砂程度に透水係数が劣化したということを想定しまして、それから周りの地下水がその中に入りまして、それで地下水が少しずつ外の環境に出まして、それが最終的には鷹架沼の方に流れていくわけですけれども、そこからいろいろな三百年後の周辺の住民に与えます被曝線量というものを評価いたしまして、それが安全委員会のお決めいただいた目安の線量、これは一人当たり年間十マイクロシーベルト、これは古い単位で申しますと年間一ミリレムでございますけれども、自然放射線量の百分の一以下であるということを評価しておるわけでございます。  それからさらに、三百年後におきましては、そういう埋設設備が、これは三百年後の世の中というものはなかなか不確定的な要素があるだろうということで、そういう埋設設備というものが万一の場合掘り返されたというような、これは相前後しますけれども、実証試験なんかをやらなくてもいいという大きな理由といいますものは、三百年後には埋設設備というものが何らかの理由で全部地表にあらわれるような、ひっくり返されるような事象まで包絡したような評価をしておりまして、その値も十分小さいということを確認して安全性を確認しておるわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 聞いていることを答えてください。四メートル、二メートルとふたの上に土をかぶせますよね。そのかぶせた土の効力があって、降った雨にしても積もった雪が解けたとしても、そのコンクリートのピットの方には水は行かないんだ、三百年行かないんだ、こういうふうに思っているのですか、そういう知見ですか、こう聞いているのです。何年で水がコンクリに行くようになるのか、少なくとも行かないということはない、幾らかは行く、行くとすれば何年でどのくらいで到達するようになっているのか、そういう知見があるのかという点を先に答えてくれればいいのです。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 現実に埋設設備を地下に埋設した後、さらに先生が言われますように、ピットというものをまず最初に約二メートルの厚さのコンクリートと覆土との混合土で覆いまして、その後約四メートルのその付近の覆土と大差のない透水係数を持った覆土で覆いますけれども、その後外から雨が降った水がピットの中に入るか入らないかという判断につきましては、その埋設設備を覆っております付近の土壌とか、ベントナイトあるいはコンクリートの透水係数、水の通しやすさというものによるわけでございます。  そこで、まず地表から約四メートルの厚さの覆土につきましては、透水係数が、これは大まかですけれども、一〇のマイナス五乗センチメートル毎秒という値よりも小さくなるということと、それからベントナイトの場合にはこれよりもさらに二けたぐらい値が小さくなっております。コンクリートの場合にはさらにこれよりも三けたか四けた小さくなるということで、雨などの降りました水は大半がベントナイトの上の覆土の方を流れるということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 だから、あなた方の方では、コンクリートのピットには水は行かないのだ、今の計算でいけば何年行かないということになって、何年たてば水が行くということに計算していますか。透水係数から計算していけばどういうことになるのですか、教えてください。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 先ほどもちょっと申しましたけれども、点検路というものは外からの水、なかなかベントナイトの層なんかは通りにくくなっておりますけれども、なおかつそれが非常に、透水係数が一〇のマイナス十乗とか十一乗センチメートル・パー・毎秒ということになっておりますけれども、そういうものが入り込んだときに、一ピット当たり、先ほどちょっと申しましたけれども、正確な数字でないのですけれども、一日せいぜい数リットル以下であろうということを評価しております。  いずれにしましても、第二段階当初になりますと、ピットを構成します鉄筋コンクリートとかセメントモルタル等というものが透水係数が非常に小さい。これは砂程度ですから、一〇のマイナス五乗よりもっと大きいというような透水係数にな ることを想定しておりまして、そこの中では水がかなり通りやすいというような評価をして、三百年後の周辺公衆に与える線量を評価しておる。その結果でも、安全上支障がないということを確認しておるということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 どうも答弁が食い違っておる。私は安全上どうかと聞いているのじゃないのです。コンクリに水が到達することが三百年ない、こういうことになっておるのですか、それとも、そうはいきません、何年後ぐらいには水が行きます、こういう計算になっていますというならばそれでいいのです。あなたたちの話を聞けば、幾ら雨が降ろうと幾ら雪が降ろうと何年たとうと、この体制ではピットの方に水は行きません、こういうふうにお考えになっているのかどうか。そこです、聞いているのは。そうなっているのですか。水は絶対行かないことになっているのですか。十五年にしても四十五年にしても三百年にしても、第一段階、第二段階、第三段階まで管理するとすれば、その管理期間中には水は行かないのだ、こう見ているのですかと聞いているのです。行くからこそ次の点検路の必要もあるのでしょう。それは後の話なんです。先の話を答えてください。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 確かに私の説明で若干わかりにくいということは、実際に安全評価でモデルとして考えている事象ということと、現実に過去のコンクリートの施工管理などの経験によります品質管理等の信頼性というものとはかなりギャップがあるといいますか、現実には非常にコンクリートは長期間にわたってもつだろうということが容易に予測できるわけですけれども、安全審査の過程におきましては非常に厳しい仮定を置きまして、十から十五年後にそういうピットなんかが早期に劣化するということでございますが、現実には点検路というものは、これは第一段階及び第二段階、そういう排水監視とモニタリング等をやりますけれども、それにつきましては先ほど申しましたようにせいぜい一日当たり数リットル程度以下であろうと予測をしております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 いずれにしても地下水対策というもの、あるいは水対策というものは非常に大事なことなんです。放射能と水は両立しない、これは絶対に共存共栄じゃなくて相反する仲なんです。私どもが昨年フランスを訪ねまして現地を調査したときにも、水と放射能は共存できない、特に廃棄物の処理に当たっては絶対に水の関係は断ち切らなければならない、こういうことが強く言われてきたわけです。というのも、その水がやがて飲料水に供せられるようなことがあった場合には大変なことになる、それだけに余計考えなければならない。また、その水がやがて湖沼にあるいは川にあるいは海につながっていくことになったら、これはまた大変だという環境汚染からいってもこれは両立しないのだというところで、水問題と、低レベルといえども放射能の関係というものは本当に断ち切っておかなければならない。  それだけに、今青森県の六ケ所村に申請書としては二十万本だけれども、やがてこの二十万本が三百万本までいくわけですよね、今ここを許せば。三百万本もそこに捨てられるんだなということを思ったときに、我々の論議がそのときになって立派であったと言えるか。やはりあのとき議論したとおり大変なことになったじゃないか、こうなったのでは申しわけが立たないと思うのです。ですから私は、今科技庁がお答えになっているように水は大したことない、また年数は長期にわたる、言葉じゃだめなんです、これは。長期とは何年か、少しとはどのくらいの量か、その量というものは大したことがないのかということになるとまた分析しなければならないでしょう。いずれにしても私は、今の許可をしている内容というものは非常に不十分だと思います。それは何らの実地実験をしていない、その土地に見合った実験をしていないということが一番の欠陥だと思います。  それから、二番目は点検路です。点検路のところにこれは放射能が行かないのですか。これはさっきも聞いているのだけれどもお答えがなかったようですが、全然そこには放射能は行かないのだ、放射線はそこには至らないのだ、こう見ていますか、ここをお答えください。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 先ほどからお話しになっておられます点検路といいますのは、段階管理の第一及び第二段階におきまして、排水監視設備からの水に含まれる放射性物質の濃度を測定するために設けられておる設備でございます。  この設備におきまして万一有意な濃度の放射性物質が確認された場合は、埋設設備外への放射性物質の漏れがないかどうかというものを監視しまして、さらにその漏出等があったと認められた場合には修復等やりますけれども、そのときに放射性物質があった場合には、これは当然しかるべき放射性物質の除去等をやりまして周辺環境に放出するということになります。ですから、当然そういう意味では放射性物質としての取り扱いを水に関しましてはやりまして、外に放出する場合には放射性物質の濃度を十分確認して放出するということにしております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 これも聞いていることに答えていない。ピットの隣に点検路がつくられて、その点検路もコンクリですよね。コンクリとコンクリがくっつくのです。その点検路に放射線が届かないことになっているのか届くことになっているのか、届くとすればどのくらい届くことになるのか、それを聞いているのです。全然そこには放射線は来ませんよ、こうなっていますか、どうです。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 まず埋設設備の点検路にございます排水監視設備から排水されます水は、施設の外部からの進入水、入ってきた水がございまして、万一ピットなんかにクラックが入った場合には、ポーラス・コンクリートを通って廃棄体に到達する前にその排水監視設備の方に流れてくる、そういう仕掛けになってございますので、そこから採取されました水の中には放射性物質というものは含まれないと考えられますけれども、先ほど申しましたようにこれは必要な分析等を行った上で、液体放射性廃棄物として適切な管理をするということでございます。  さらに、点検路の中の放射線レベルの御質問でございますけれども、これにつきましてはまずコンクリートのピットの厚さというもの、これはポーラス・コンクリートの外側の部分でございますけれども、その厚さが約五十センチございます。さらにポーラス・コンクリートがございまして、そしてその中に約四十センチのセメント系の充てん材というものがありまして、その中側の方にいわゆる廃棄体がございます。結局、合計で約九十センチメートル以上のコンクリートを挟んで人間が点検路の中に入るということで、この点検路の中の放射線レベルといいますものは、管理区域の設定基準、これは一週間に〇・三ミリシーベルトという値がございますけれども、これらの値に比べましても非常に低いということで、点検路内に立ち入ります要員の被曝管理の必要性はないと考えております。  なお、点検路内の放射線レベルにつきましては適時測定して確認することとしております。また、排水設備は外部に漏えいしないような十分な設計管理というものが行われることになっています。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 回りくどく言わないで、いいですか。不測ながらも、若干ながらもその点検路には放射線が入ります、ガンマ線が行きます、その量は微々たるものであるならば微々たるもの、今いみじくもあなたは数字を言いましたよね。その数字が妥当であるかどうかわかりませんよ。少なくとも計算して数字があるということは、放射線がそこへ来るということでしょう。何も首をかしげなくてもいい。来ないなら来ないと言えばいいし、来るなら来ると言えばいいし、微量だから大したことないというのなら大したことないと言えばいい。だけれども、微量といえども来るとすれば大変ですよ。また微量でなければなお大変ですよ。そこを言えますか、言ってください。     〔渡海委員長代理退席、委員長着席〕

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 お答え申し上げます。  先生の御質問が余りにもきつうございまして、 しどろもどろの回りくどい答弁でまことに申しわけありません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 今の答えも回らないというのに回した。これは大変な話ですよね。問題は点検路というものの役割なんで、それが負うている役割を果たせるだろうかというのが私の言いたいところなんです。点検路で点検するのはいいけれども、そこに放射線が入ってきたら、点検路だって一回りぐるっと回ったら何メートルありますか、三百六十メートルぐらいはあるでしょう。走るのが速くて、余り放射線に当たらぬように走ってこい、見てこいといったって相当なものを受けますよ、これは。点検路じゃなくて危険路になってしまうじゃないですか、その辺の分析はどうなんです。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 これは再三申し上げましたけれども、埋設設備の外側に約五十センチメートルの鉄筋コンクリートの厚さがあります。さらにその内側にこれは約十センチ弱のポーラス・コンクリートの層があります。さらにその内側に約四十センチのモルタル層があります。その内側に放射性廃棄物があるわけですけれども、結局四十センチメートル以上のコンクリートの壁があります。そういう意味で、個々の点検路の中の放射線レベルというものは、これは厳密に計算しておるわけではありませんけれども、全く無視し得る、バックグラウンド程度でありまして、かなり長時間点検路に入りましてもこれは無視できるだろう、そういうふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 今のお答えは、これまでの中で論じられた一つの分析したものとして出ているのですか、今お答えしたように出ているのですか。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 これは、約九十センチメートル以上の壁と申しますと、一般の放射線に関する初歩的な知識を持っている者であれば容易に想像ができる値でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 これは、一般的な一つの知見ということで答えたのかもしれません。しかし、ガンマ線は何メートルでとまりますか、コンクリート九十センチでとまりますか、そうなっていますか、どこでそんなことを教えていますか。

伊集院宗昭科学技術庁原子力安全局原子力安全課放射性廃棄物規制室長

○伊集院説明員 ここは、具体的には後続の安全規制の手段でございますけれども、保安規定の認可というものが運転に先立ちまして事業者の方から役所の方に認可申請というのがございます。そうした場合には、具体的に中で働きます作業者の放射線被曝の観点から、必要な場所におきましては放射線管理区域というものを設定してまいりますけれども、現在事業者から聞いた範囲ですと、ここを放射線管理区域にする予定はないというふうに聞いてございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 今の点検路、道ですね、この点検路に三百本も、ピットが一つ三百本なんだが、これが全体的に見ますと相当な量になりますね、一区画ごとに五千本ですからね。そうすると、その周りをぐるっと点検するという場合に、ドラム缶の与える放射線の影響というものが、今の点検路のところに全然ない、人が歩いても心配ない、したがって保全区域にもならないんだ、こういうお話のようですけれども、これには問題があると思いますので、そのお答えが妥当かどうか、これは私どもの方でも吟味してみたいと思いますので、一応お答えとしては理解できないなと思いながらも、お答えがあったということだけを承知しておきます。  次に、ほとんど時間がなくなってしまいましたから、いろいろの問題がありますけれども、特にこの際お呼びしている皆様方もいるわけだけれども、どうしても聞いておきたいなと思うのが一つ二つございます。  それは、我が国の今後の科学技術の振興において、私もことしの長官の所信表明というものを読んではみたのですが、個々の部面においても弱いなと思ったことは、いかにしてこの新しいエネルギーを我が国が率先して開発していくかということなわけです。この点については、何をおいても、我が国の科学技術の粋を世界的に貢献するためにも、新エネルギーの開発を優先すべきものだと思うのです。そういう意味においては、太陽光発電が具体的に到来してきているし、あるいはまた我が国の研究の部面においてもNEDOにおいても、水素エネルギーの効果的な成果というのもまた出ているようであります。  とにかく今大気が侵されておる、そういう意味からいっても環境をきれいにしなければならない、クリーンエネルギーをいかにして創造するか、ニューエネルギー、クリーンエネルギーを何に求めて、いかにこれを発展させていくかということが私は非常に大事な仕事だと思うのです。食糧も大事であるし、同様に燃料も大事だ、我々人間の生活にとって欠くべからざるものは食糧であるし燃料だ、こう思っているのです。そういう意味において燃料革命を早急にしなければならない、その能力は我が日本にある、こう思うのです。特に今の世界的な規模において、地球全体がどこにでもエネルギーを届けられるような時代を早くつくろうじゃないかという夢のような計画もまた今あるわけです。  そういうことを眺めながら、我が国の科学技術振興における燃料対策、エネルギー対策というものでもっと突き進んで、予算的にも百億や二百億というものじゃなくて一兆円、少なくとも一兆円規模のものでニューエネルギー、クリーンエネルギーを創造するというところに踏み込むべきときではないだろうか、こう思うのですが、こういう点についてはどんな態度で我が国があるのか、考えであるのかという点について伺っておきたいと思います。

須田忠義科学技術庁科学技術政策局長

○須田政府委員 先生御説明のとおり、我が国のエネルギーの安定供給、非常に重要な問題だというふうに考えておりまして、そのためにはエネルギーの研究開発、これも我が国として非常に重要な分野として位置づけてございます。そのため政府としては、エネルギーの長期研究開発計画というのを定めて積極的にこれに取り組んでおるところでございます。具体的には、先生今おっしゃった太陽光、地熱、波力、風力等の研究開発を長期的な観点から進めておるところであります。  しかしながら、現状では原子力、石油等にかわり得るだけの研究成果は残念ながら得られておりません。したがって、今後とも積極的にこの新エネルギーの研究開発を推進していくつもりでございますけれども、やはり当面はあくまでも原子力、石油等のエネルギーを補完する形での利用にならざるを得ないのじゃなかろうかというふうに現状考えております。しかし、長期的には非常に重要な問題なので、政府も一生懸命やっているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 科技庁長官、新しくなった長官、あなたのところで新しいエネルギーをつくることについて思い切って力こぶを入れる、こういうお考えを持って臨んでいただけないだろうかと思うのですが、いかがですか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 基本的には御承知のように通産省がやっておりますけれども、科学技術庁といたしましても、各省庁と話し合って協力をしていきたいと思っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 先ほどのお答えの中にも、太陽エネルギーにしても新エネルギーにしても、とても原子力に及ばないというお答えがありました。今の日本のエネルギー政策というものが、今日の原子力発電所をさらに倍にしようという計画でおりますね。でも、そういう時代に向かっていくとしても、それがまた新しいエネルギーをつくる阻害者になる傾向もあると思う。  ですから、青森県の核燃サイクルの問題だといって、再処理工場をつくってここからプルトニウムを生産し、このプルトニウムをやがて使う時代というものを想定して核燃サイクル、核燃サイクルといってやっているのですが、このことだって、具体化し高速増殖炉にはめ込むようなことになるというと、四十年後でなければペイしない、こう言っているわけですよ。四十年もの間になお核燃サイクルで日本のエネルギーを持っていこうなんということは、私は妥当でないと思う。やはり新エネルギーに真剣に取り組まねばならない。  少なくとも国内を走っている自動車はもう太陽 エネルギーでやろうや、あるいは水素エネルギーで持っていこうよ。暖かい国、光の多い国の方には太陽光発電を普及するような方針をとって、今日の火力発電や原子力発電の利用をぐんぐん下げていく、そういうような計画も私は進めていかなきゃうまくないと思います。金がないからとってもそこまでは行けないというのではいつまでたっても行けません。石油に頼らない時代をつくるんだ、そういう大構想のもとに突き進むことが今何よりも求められている、またそういう求めに応じてこたえられるのは私は日本だと思うのです。そういう意味では、ひとつ山東長官、三等国じゃなくて一等国にすべく取り組んでいただきたい、こう思うのです。  なお、最後に言葉を返しておきたいことは、あなたはきょう、かわいい子には旅をさせなきゃならないといって原子力船「むつ」のお話を言ったが、あのくらい道楽息子はないんです。あんな道楽息子、むだ遣いの最たるものなんだ。あなたはかわいい子には旅させなきゃならないと思って見ているかもしれないけれども、これほどの道楽息子はない。道楽息子をかばうほど愛情は持たぬでもいいだろう、こう私は思います。  あと質問する時間もなくなりましたからこの一点だけを申し上げておいて、もっと高邁なところに、あなたでなきゃできないんだ、山東によって一等になったよ、このくらいの科学国日本をつくるように私は取り組んでいただきたい。だれもやれないことをやるのが大臣の仕事ですよ。せっかく大臣になったんだから、私はやるわということで取り組んでいただきたいな、こう思うのです。次に大臣やめるまでにこれ一つやればあなたは立派ですよ。そう思うのですが、いかがですか。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 さまざまな科学技術の振興があるわけでございますけれども、基礎研究であるとかあるいは国際交流であるとか、それから先生おっしゃいましたけれども「むつ」も、やはり手間のかかる子供ほどかわいいということもございますし、いろいろな角度から科学技術全般に関しまして最大限私なりに、女性ではございますけれども割合力こぶは出る方でございますので、一生懸命努力をしてまいりたいと思っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 川端達夫君。

川端達夫民社党

○川端委員 長官、御苦労さんでございます。私で最後でございますのでどうぞおつき合いをいただきたいと思います。  先般週刊誌を見ておりましたら、長官がお出になっておられました。見出しが「原発は安全よ でも飛行機は少し怖いわ」と書いてありました。非常に心強くして読ましていただきました。申すまでもなく原子力発電、きょうもいろんな議論があったと思いますけれども、やはり国民のエネルギーを確保していくという観点で、よりクリーンなエネルギーを安定的かつ安全に供給するという面で、現時点で原発が担っている役割というのは非常に大きいと思います。そういう面で、国民の理解の中でいかに原発を安全に操業していくか、そして理解を得ていくかということは非常に大事なことだと思います。こういう観点で、マスコミにも登場されているということで心強く思いました。  ところがすぐに、これが出た直後に美浜で事故が起きたという報がありまして、今いろいろな原因調査、検討をされているのですけれども、国民的にも、非常に安全であるという部分をかなり信じたいという思いも含めていたのが事故が起こったということで、非常に不安も持っていることも事実だというふうに思います。そういう意味で、長官がこの事故に関してどのような御感想と御所見をお持ちかということをまずお伺いをしておきたいというふうに思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 とにかく我が国で初めて非常用炉心冷却装置が作動する事故が起きたということは、地元を初めといたしまして多くの皆様方に大変な御心配をおかけしたわけでございますし、大変遺憾に思っている次第でございます。ただ、不幸中の幸いで、環境に与える影響がなかったということが本当にほっと一息というところでございますが、とにかく原子力行政を預かる者として、まことに残念でございました。  現在、今御指摘がございましたように、いろいろな調査委員会を設けまして事故原因の徹底究明が図られているところでございますけれども、そうした調査が終わった段階で、いろいろな万全の安全対策というものが図られることがとにかく重要であろうと考えております。  とにかく、原子力の開発利用の推進に当たりましては、今後とも安全の確保というものが大前提であるということ、そして、それに当たって今後とも最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

川端達夫民社党

○川端委員 この原発問題に関してはさまざまな運動もあり、国民の意見もあるというのは御承知のとおりだと思いますし、長官もこの対談の中で、いろいろ世の中に言われている情報の中にはかなり不安をあおってしまうような、私はこういう問題は、事実は事実以上でもないし事実以下でもない、冷静な客観的な判断の中で進めていくべきだというふうに思いますが、初めこの報道に接した部分でいえば、今にもとんでもないことが起こるがけっ縁でとまったとか、私はかなり扇情的であるのではないかという個人的な感想を持ったような報道があるのも事実でございます。  そういう中で、いわゆる役所という立場でいえば、この事故が、本来事前の定期検査などで予測もできなかった破断、しかもギロチン破断を起こしたということにおいては非常に重大な事故であった、このことに関しての事実の究明とその対策というのは、本当に万全を尽くしてやっていただかないと困るということと同時に、緊急炉心冷却装置が働いてというのは、これはそういうものが作動するというのは設計をしてあるわけですから、そういう部分で基本的には、いわゆる安全装置というのはそういうもので、それが働いて原発というものは安全であるという両面の部分を、きっちりと対外的にもいろんな角度で言っていただきたいということを特に御要望をしておきたいというふうに思います。  そのときに、わかりやすく言っていただきたい。自動車教習所へ運転を習いに行きますと、横に指導官という方がお乗りになる。本人は行こうと思うのに進まなかった、横で指導官がブレーキを踏んでいたというのがあります。町を走っているときに、何かにぶつかりそうになって急ブレーキを踏んで危機一髪でとまった。ああもう少しで大事故を起こすところだった、助かった、これはまさに危機一髪だったと思う。ところが、本人はそろそろとまろうかなというときに指導官が先にとめたといったときに、ああ危なかった、危機一髪だったとは私は言わないと思うのですよ。その部分が危機一髪だ危機一髪だというのが世の中に割に流布されるときには、私は長官の立場でも積極的にそうではないという部分をもっと言っていただきたいというふうに思います。これは、事実関係をはっきりして二度と起こさないということと同時に、現実に原子炉がどう作動したのかということも含めて私はそういうことを要望をしておきたいというふうに思います。  そういう中で、いろんな官庁も含め、当事者である関電も含めて、原因、対策ということに関して今いろんな努力がされているところでありますが、科学技術庁という立場で、今回のこういう原因究明をやるというときにどういう役割をお果たしになっておられるのか、今後も含めての科学技術庁の果たす役割ということについてお聞かせをいただきたいと思います。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 御説明申し上げます。  まず、科学技術庁の役割の前に、既に先生御案内のとおり原子力安全委員会が、本件問題については、法定の原子炉安全専門審査会の中に専門家十二名から成る作業グループを設けまして、特に再発防止対策に重点を置いた調査に着手しておりますことをまず冒頭に御報告を申し上げます。  本件につきましては、現在原因究明が十分進んでいない状況でございますものの、これまでに得 られました情報からいたしますと、原因の特定、再発防止対策の確立、さらには事故の教訓の反映等に当たっては、金属材料の損傷メカニズムや冷却水の流動状態等に関する知見が重要な役割を果たすものと予想されます。  科学技術庁におきましては、科学技術庁の国立研究所でございます金属材料技術研究所、それから特殊法人でございますが日本原子力研究所等において、これら金属材料の特性や原子炉プラントの熱水力挙動等に関する研究をこれまでも実施してきたところでございます。  今後、必要に応じメーカー、それから事業者を主体とするこれらの問題に対処する場面、それから通産省での調査、それから先ほどの原子力安全委員会の調査等におきまして、これらの研究の成果が十分生かされることを期待しておりますし、必要に応じましてさらに強化して進めていきたい、こういうふうに思っているところでございます。

川端達夫民社党

○川端委員 科技庁の立場として、ダイレクトに何か具体的に原子炉のいろいろな部分のテーマについて研究するというよりも、むしろベーシックな部分の分担が主なところであるというふうにも理解しております。そういう部分で地道な、どちらかといったら地道な分野が多いかなというふうに思いますが、やはり実際に原因を見ていくときには、そういうベーシックな部分が一番大事なことであるという意味で、他省庁、他機関とも、それから民間等も含めてまたがる問題でありますが、横断的に十分な御活躍を期待しておきたいというふうに思います。  そういう中で昨日、調査特別委員会が六日に開かれたという報に接しているのですが、今、どうしてギロチン破断をしたかということが一番の焦点になっていると思うのですが、きのうの特別委員会の議論の概要といいますか、簡単にその部分に触れてのことでお聞かせいただけることがあればお願いしたいと思います。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  今回なぜその蒸気発生器細管の破断が起きたか、その原因についての関係でございますが、昨日、調査特別委員会が開かれました。  その原因に関する調査といいますのは、先生御案内のように当該管を抜管いたしまして、その部分を現在ホットラボといいますかそちらの方で今詳細に調査中でございます。まだその調査が終わっておりませんので、その結果はきのうの調査特別委員会には報告するような状況になっておりません。したがいまして、その原因については、昨日についてはまだ議論をされておりません。きのうの調査特別委員会では、これまでに判明しました事象の経過でありますとか、ないしはその損傷状況のこれまでの調査結果等を御説明して議論していただいた次第でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 報道でしか我々も今知るところがないのですが、いわゆる金属疲労ではないか、あるいは振動の部分もかなり関与しているのではないかということでありますが、大体どれぐらいのめどで、今いろいろ分析をされているときに、原因というのはこういうものではないかというふうなことがわかりそうなんでしょうか。

倉重有幸資源エネルギー庁公益事業部原子力発電安全管理課長

○倉重説明員 お答えいたします。  その原因につきましては、いろいろ推測、憶測等あろうかと思いますが、私ども責任官庁としましては、きちっとした事実に基づいて判断し、それをお伝えするという役割があろうかと思いますので、そのある過程での話とか等々は御容赦願いたいということでございます。当然、今鋭意調査をしておりますので、その結果に基づきまして、その原因がわかり次第、また皆様にお伝えするということを考えておる次第でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 断定するまでには相当な時間がかかるかもしれないということはあると思うのですが、実際に、これはいろいろな御意見の中で、全部取りかえたらどうだという御意見もあれば、一回全部調べろ、とめて調べろというお説もあります。しかし調べようがない、今まで調べていた検査方法でわからなかったものを、原因がわからないのにとめて調べても調べようがないというのも事実でございます。それと同時に、どういう原因にあるかその対策を講じていくということでないと、再起動もできないのではないか、あるいはほかのもとめざるを得ないのではないか。そういう意味で、今は電力的にはいわゆる非需要期でありますけれども、これからいろいろな部分で定期点検が入ってくる、そういう部分での電力需要という部分の国民生活への影響というもので言うと、本当に総力を挙げて原因究明を急がなければならないという環境であると思います。  いつごろになるかというのは難しいことは難しいのですが、報道でもデンティングであったのではないかという、凹凸が破断面にあったという報もありますし、あるいは金属疲労じゃないか、いろいろな説があると思いますが、そういう部分で見たときに、ノースアンナの事故、これが現象的には、破断という部分では完全破断というのが非常に似ている。原因としてはデンティングであったというふうに言われているのですが、あの事故の原因がデンティングであるということを踏まえて、あの原発自体はどういう対策を講じて再起動したのかということについての知見をお知らせいただきたいと思います。

村上健一科学技術庁原子力安全局長

○村上政府委員 御説明申し上げます。  御指摘のノースアンナ一号機におきますいわゆる破断、蒸気発生器伝熱管の破断事故につきましては、一九八七年七月十五日に、米国バージニア州にありますバージニア電力会社のノースアンナ一号機、電気出力九十七万キロワットの加圧水型原子炉の蒸気発生器の伝熱管に起こったものでございまして、私どもといたしましては、米国の原子力規制委員会を通じて情報を収集しているところでございます。  それによりますれば、原因は、当該伝熱管が第七の部分の管板の支持板のところで発生いたしました今先生がおっしゃいましたデンティング、これは腐食が膨張する現象でございますが、このデンティングによりまして伝熱管が固定された状態になりましたために、流力弾性振動による振動の応力が伝熱管の疲労強度を超えて、すなわち非常に速いフリークエンシーで高サイクル疲労破損に至ったものであるとNRCは確定しております。  どのような対策をとったかということでございますけれども、ノースアンナ一号機におきましては、この高サイクル疲労による損傷防止のために以下の対策を講じました。  まず第一点は、蒸気発生器のダウンカマー部、下降管部にもともとつけてあったのですが、その後取り外されておりました降水抵抗板、すなわち水がおりてくるための抵抗板を再設置いたしまして、伝熱管のU―ベント部での冷却水の流速の低減を図る措置を講じました。それから、流力弾性振動の発生する可能性がある伝熱管は予防的に施栓いたしました。それから三番目といたしまして、放射線モニターの監視を強化して、漏えい量を注意深く監視することをとりました。これは、けさほど安全委員長も申しておりましたように、日本はリークなしの運転でございますが、アメリカではある一定量のリークを認めておるので、この漏えい量の監視強化を行ったわけでございます。  この対策を講じることによりまして、米国の原子力規制委員会は、ノースアンナ一号機に対しまして同年の十月八日、すなわち事故から二カ月半後でございますが、五〇%出力の運転再開を認めた上で、約一カ月後に一〇〇%の出力の運転を許可したところでございます。  なおNRCは、他の同種の原子炉の設置者に対しましても、流力弾性振動を解析した上で、必要があれば予防施栓をすること及びそれまでの間、漏えい量放射能の監視を強化することなどを求めた次第でございます。

川端達夫民社党

○川端委員 今までから、このアメリカの事故と日本の部分というのは、水質の問題、いわゆるデンティングが起こる最大の原因である水質の問題を含めて、非常に日本はきれいな水を使っている、あるいは構造的にも支持している部分の構造 が違う等々でこれは起こり得ないのだということであったのですが、事故の発生の場所等々あるいは破断の状況から見るとかなり似ているのではないかということも言われているということでありますので、これからの原因究明それから対策のときに、この部分の知見は可能な限り生かしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  時間が限られておりますので、こういう意味で、先ほどもいろいろな議論を聞いておりましたけれども、現時点で地球環境を含めて一番クリーンなエネルギーは原子力発電であるというふうに私は確信をいたしておりますし、近い将来にそれにかわり得るエネルギーが見つかればいいというのは、理想の話としてはそれはそのとおりでありますが、現実にはなかなか難しいというのも事実だと思います。  しかし、その部分でまさに科学技術庁は地道な立場で、しかし相当なお金を費やして脱原発、そして中東の状況を見ますと脱石油という部分でのエネルギーの確保という研究開発に相当力を入れていくべきであろう、核融合も含めてそういう次世代エネルギーというものに対して、これは相当な決意で、相当なお金で長官としては頑張っていただかなければいけないのではないかと思うのですが、これからの次世代エネルギーという部分での科学技術庁の姿勢というものをお聞かせをいただきたいというふうに思います。

山東昭子自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○山東国務大臣 先生御指摘のように、とにかくエネルギー資源の約八割を海外からの輸入に依存している我が国でもございますし、欧州のように陸続きの国はやはりよその国からエネルギーというもの、原子力発電を輸入することができますけれども、我が国においては、島国でございますのでそれができません。そういう意味では、できる限り原子力というものを中心に考えていかなければいけませんけれども、供給安定性、環境影響の面ですぐれた原子力の開発利用を進めるとともに、太陽、地熱、波力、風力などの自然エネルギーなどの研究開発を長期的な観点から推進しているところでございます。  未来のエネルギーといたしまして、エネルギー研究開発基本計画を科学技術庁としては策定をするなど、各省庁の研究開発の総合調整を図るとともに、核融合を初めとする先端的な研究開発などについても独自に取り組んでいるところでございます。今後ともこれらを一層強力に推進をしていくつもりでございます。

川端達夫民社党

○川端委員 ありがとうございました。終わります。

中馬弘毅自由民主党

○中馬委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十五分散会

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