運輸委員会 第7号
- 発言数
- 181 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1991/03/12
会議録
○亀井委員長 これより会議を開きます。 議事に入るに先立ち、この際、御報告申し上げます。 本委員会の委員でありました速見魁君が、去る八日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。 ここに、委員各位とともに故速見魁君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。 御起立をお願いいたします。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○亀井委員長 黙祷を終わります。御着席願います。 ────◇─────
○亀井委員長 内閣提出、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案の各案を一括して議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。春田重昭君。
○春田委員 政府は、JRの本州三社ですね、東日本、東海、西日本の三社に対しまして、既設の四新幹線であります東北、上越、東海道、山陽のこの新幹線を譲渡する計画を打ち出しておりますが、その背景並びに趣旨を大臣から簡単に御説明いただきたいと思います。
○村岡国務大臣 JRの株式の売却、上場は、JRの完全民営化の道であるとともに、株式売却収入によりまして清算事業団の長期債務の円滑な処理を行うことができますので、国鉄改革の一層の進展を期待できるものであると思っております。 本州三社の株式の売却、上場に際しては、現在、保有機構から借り受けております巨額の新幹線資産とこれに係る債務の確定がなされていないこと、設備の維持更新に必要とされます内部留保が十分でないという財務体質上の問題があることによりまして、今回、保有機構が保有する新幹線施設を適正な譲渡価額その他一定の譲渡条件で本州三社に譲渡するものであります。
○春田委員 ただいま大臣からも御答弁がありましたように、今回の新幹線の譲渡については、株式のいわゆる売却、上場というのは表裏一体として考えていいのですか。
○大塚(秀)政府委員 今回の新幹線鉄道施設の譲渡については、法案の第一条にもございますように、上場のための環境の整備を目的としたものでございます。
○春田委員 だから、表裏一体として考えていいのですね。
○大塚(秀)政府委員 そのようにお考えいただいて結構だと思います。
○春田委員 株式の売却が今年度不可能だった場合、この譲渡はどうお考えになるのですか。
○大塚(秀)政府委員 上場のための環境の整備を行うためでございますので、環境の整備はできるだけ早くすべきだと考えております。
○春田委員 ある民間の有力な研究所では、JRの株式売却は九一年度では早いのではないかという提言をしております。もし、株式売却が九一年度不可能となれば、この譲渡案は、手続は、早いのではないかという考えになりますが、いかがでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 ただいま運輸省では、平成三年度にJR株式が上場できるように所要の準備、検討を進めているところでございますが、上場の時期と関係なく、まず新幹線鉄道施設の譲渡を行って環境の整備を行う必要があるということが、JR株式基本問題検討懇談会の場等でも議論されているところでございます。
○春田委員 今、大臣もまた総括審議官もおっしゃったように、今回の譲渡案の第一条には、株式売却が大きな条件となっているのです。要するに、六十二年の四月に国鉄からJRに移行した、そしてここ三年間非常に経営が黒字になってきた、したがって、株式売却、上場の条件がそろってきた、売却することによって清算事業団に債務を返還する、そしてそれが、いわゆる純然たる民間へ移行する条件はそろってきた、こういう形に なるわけですから、株式売却というのが大きな条件であろうと思うのです。 ところが、先ほど言ったように、民間の研究機関、また専門家の間では、かなりこの九一年度のいわゆる株式売却については無理ではないかという説がある。よく調べてみますと、本州三社の中でも西日本におきましてはまだ上場の条件がそろってない、東証のいわゆる審査基準に必ずしもマッチしない点があるのです。そういったことから考えれば、JRの本州三社が一括して上場できるかどうか、そろってない面もあるのです。そうしたら、この譲渡案については、今言ったように早いのではないかという説があるのです。どうお考えになりますか。もう一回御説明いただきたい。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道施設の譲渡問題というのは、上場に当たって巨額の新幹線鉄道施設という資産の債務の確定がなされていないこと、またこの巨額の資産のうち、償却資産についてはできるだけみずから減価償却費を計上して維持更新の内部留保を行っていくという趣旨でございますから、上場に備えて一刻も早く新幹線施設を譲渡する。この新幹線施設の譲渡に伴う損益への影響等についても投資家にディスクローズしていかなければならない、このためにもできるだけ早く急ぐという必要性があると考えております。これは、実際に上場の時期がいつかということにかかわらず、上場の時期は早期に行うという前提である限りは、一刻も早く法案を成立させていただいて譲渡することが損益に関するディスクローズ等にとって必要だと考えております。
○春田委員 株式売却の問題だけじゃないのですね。この法案をよく調べてみますと、三法案をよく調べますと、要するに整備基金の問題とか、またJRの要するに建設負担金の問題とか、また整備新幹線をつくった後も、いわゆる譲渡、貸与の問題とか、さまざまな問題が残っておるわけですよ。必ずしも整理されてない。必ずしも関係者の間できちっと、何といいますか了解されてない面がある。そういった点では、非常に私は、いわゆる譲渡法というのは拙速じゃないかという感じを持つのです。 確かに、新幹線保有機構法の第二十一条には、「貸付期間が終了したときは、」云々ということで最後にJRに譲渡するものとなっておりますけれども、しかしこの法律が制定されたのは、御存じのとおり昭和六十一年十二月なんですね。したがって、まだ四年しか経過してないわけですよ。四年しか経過してないのに、いわゆるリースから譲渡と、このように非常に早くなっている。こういった点では非常に私は運輸省のいわゆる見通しが甘いのではないかという感じを持つのですが、これは大臣、どうお考えになりますか。
○村岡国務大臣 今、総括審議官からお答えがありましたように、先生は、四年しかたってないのに甘いのではないか、こういうようなお尋ねでございますけれども、私もいろいろ事務当局の方からお聞きをいたしまして、十分協議をいたしまして、そしてJR各社も完全民営化のためにはぜひそうしなければいけないというような状況のもとでやりましたので、御心配の点もあろうかとは思いますが、私どもとしては、この譲渡、あるいは将来それに伴って起こってまいります株式の売却、上場、そういうもの、また清算事業団の債務を減らす、こういう点でやっていきたい、こう思っております。
○春田委員 そうしたら、この新幹線保有機構法の二十一条をつくったときには、もう早々に譲渡するんだというお考えでこれをおつくりになったのですか。
○大塚(秀)政府委員 国鉄改革時におきましては、まず、国鉄の再建のために新しい経営形態が順調に経営ができるようにというところに改革の内容の検討の重点があり、上場される場合には、上場の条件等はまたそのときにさらに検討しなければならないという認識であったのではないかと我々は考えております。 また、新幹線鉄道保有機構法をつくりましたのは、当時、上越新幹線、東北新幹線の開業後日も浅く、新幹線それぞれの将来の輸送量の見通し、収益の見通しが十分立たなかったというようなこともあり、新幹線鉄道施設に係ります収益と債務の調整を行うのに新幹線鉄道保有機構をつくり、これが一括保有する、それで貸付期間を三十年という前提にした結果として二十一条もできたと考えますが、今日、上場に当たってさらに学識経験者等で検討した結果、このまま債務が確定しないよりも、現時点で新幹線鉄道施設を譲渡することが経営基盤を強化する、あるいは完全民営化への道であるという結論が出ましたので、新幹線鉄道保有機構法をここに廃止するということで、この法案を国会へ提出させていただいたわけでございます。
○春田委員 当初運輸省が考えた以上に、私は、JRの経営が非常に順調にいっている、黒字が大きく出てきた、ここに大きな今回の譲渡案が出てきた背景があろうと思うのです。そういった面ではJRの御苦労に感謝すべきである。ところが、今回はそういったJRの御苦労に対しまして一兆円の上積みをするなんということをお考えになっているわけでございまして、非常に納得されない面がたくさんございます。 そういった面で、まだまだこの三法案とも非常に不整備な点が多々ある、こういった点で随時私は質問させていただきたいと思うのですが、この譲渡構想につきましては、運輸省から出されたものなのか、それともJRの方から、ぜひとも貸し付けから私たちの方に譲渡していただけませんかということが出されたのか、どちらからなんですか。
○大塚(秀)政府委員 そもそもの最初のこのような構想から申し上げますと、JR東海が、自己の収入の八五%程度を東海道新幹線に依存し、また、東海道新幹線に利益の大部分を依存しているにかかわらず、これをリース制にしているために減価償却費が立たない。しかも、既存の鉄道施設の減価償却費というのが極めてわずかであるために、今後上場のための経営基盤を強化していくためには、どうしても東海道新幹線の譲渡が必要だという問題提起をしたわけでございます。 その後、私どもこの問題を検討し、またいろいろな学識経験者の意見を徴した結果として、JR東海のみならず、本州三社について先ほどから申し上げておりますように巨額な資産の債務を確定する必要があること、また、それぞれにおいてこの巨額な資産について維持更新等を行っていく上で、償却資産についてみずから償却していくことが今後の上場を前提とした経営基盤の確立の上で必要であると認識した結果、新幹線鉄道施設の譲渡構想が固まってきたというわけでございます。
○春田委員 これは、JR三社とも改善については積極的だったのですか。
○大塚(秀)政府委員 これはいろいろ非公式にもJR各社と協議をいたしましたが、確かに当初はJR東海が積極的だったのに対し、他の二社は余り積極的でない、いろいろと問題点を提起したということもございます。しかし、その後の各社との協議の結果、現在ではそれぞれ今回の譲渡について合意、賛同をしているところでございます。
○春田委員 JR東海は積極的だった、あとJR東日本、そして西日本に対してはお話をされたということでございますが、これは運輸省から相当説得し、説得というか押しつけたということでいいんですか。
○大塚(秀)政府委員 決して押しつけたわけではなしに、この新幹線鉄道施設の譲渡というのが、それぞれのJRの上場のための基礎づくり、環境の整備でございますので、そういう問題点についてJRとも積極的な議論を展開したということでございます。
○春田委員 この法案については、JRにとってはプラス面もありますしマイナス面もある。JR東海が積極的だった、こういうことで、あと東日本、西日本を説得されたということで、JRにとっても早く民間会社へ移行したい、株も売却したい、そういう気持ちがありますので、そこへ運輸省がうまく乗った。そして、譲渡する以上は、要 するに再評価いたしますよ、こういうことで一兆円の上積みが出てきたと思うのですが、さて、この譲渡価額でございます。 確認しておきますが、この東京—上野間が六月二十日に開業される。この路線はJR東日本に譲渡されますね。ところが、この東京—上野間では、薬液の注入不足によって御徒町で大事故があった、御存じのとおりでございます。この事故によりましてJR東日本は施工業者のゼネコンより工事代金の返還と延滞金等を納付させたはずでございますが、この額はいわゆる再調達価額の中にきちっと入っておりますか。
○大塚(秀)政府委員 御徒町の薬液注入不足に伴いまして請負業者である熊谷組に対してJR東日本が請求した損害賠償金額は、工事の未実施分として約四億五千万円、工期がおくれたことなどに伴います延滞補償として約一億九千万円を請求したところでございます。 新幹線鉄道保有機構は、JR東日本が業者から受け入れたこれらの金額について、JR東日本より工事未実施分約四億五千万円については昨年十一月三十日に受け入れました。また、延滞補償分のうち、JR東日本の陥没事故に伴う営業損害分約三千万円を控除した約一億六千万円については、昨年十二月二十七日に受け入れております。 この結果、工事未実施分約四億五千万円が、帳簿上は新幹線鉄道保有機構の資産価額として減少することとなりますが、昨年十二月に算定した再調達価額九・一兆円におきましては、この減少分を織り込み済みで算定したところでございます。なお、約一億六千万円の延滞補償金につきましては、工事費そのものの修正ではございませんので、資産価額に変更を加えるものではなく、新幹線鉄道保有機構の雑収入として計上されているところでございます。
○春田委員 さて、譲渡価額でございますが、今日までの同僚議員の質疑の中でいろいろな問題点が挙がっておるわけでございますが、特に問題のあるのは二点あろうと思うのです。一つは一兆円の上積み分、さらにもう一点はJR三社への配分率の問題ですね。この二点があろうかと思うのです。 そこで、第一点の一兆円の上積み分。JRの資産というのは昭和六十二年の四月に八兆五千億円と算定されている。さらに平成二年十二月には九兆一千億円と再評価されたわけです。四千億は返済されておりますので、結果的にいわゆる一兆円の上積みになったわけでございますが、その根拠についてそちらの方から御説明いただけますか、簡単に。
○大塚(秀)政府委員 これはJR株式基本問題検討懇談会に新幹線鉄道施設の譲渡に関するワーキンググループを設けまして、そこで価額の評価方法を検討した結果を計算したものでございますが、基本的には六十二年四月の評価額と同様な方法で、市区町村別、そして用途別に新幹線鉄道施設を分けてその平均の価額を求め、面積等で若干補正をしまして、それをことしの十月一日譲渡時点における価額に伸ばした、こういう計算結果を得ております。
○春田委員 譲渡時点のことしの十月、この時点に大体伸び率を掛けたということでございますが、この伸び率は大体何%ぐらいに想定されたのですか。
○大塚(秀)政府委員 今申し上げました計算は、まず平成二年四月時点における地価公示額をもとにしておりますので、その後の土地に関する点につきましては約二%としております。
○春田委員 再精査の時期は大体いつごろなんですか。
○大塚(秀)政府委員 この法律案が成立しましたら、できるだけ早く新幹線鉄道保有機構に審議会を設置したいと考えております。
○春田委員 具体的に何月ぐらいなんですか。
○大塚(秀)政府委員 十月一日に譲渡時点を予定しておりますので、なるべく早く再精査したいために、これは法律案がいつ成立するか私の方からはわかりませんが、成立後直ちに手続作業を開始したいと考えております。
○春田委員 公示価格は平成二年の四月の時点でこれを出したということでございます。平成三年の公示価格もこれは一月一日に国土庁が調査しておりますよね。ただ発表が四月になるだけであって、今日においてある程度わかるんじゃないですか。そういうふうに調べてないのですか。
○大塚(秀)政府委員 現時点ではわかりませんが、評価審議会が検討する時期には明らかになるかもわかりません。
○春田委員 要するに公示価格を大体基準としてお出しになっているわけですね。したがって、平成二年の一月の公示価格、四月に発表される。平成三年の一月の公示価格、これは四月に発表される。この伸び率が二%であれば運輸省が試算したあれと合致するわけですね。そう見ていいわけですか。
○大塚(秀)政府委員 そういうことでございます。
○春田委員 平成三年一月の公示価格というのは、一時かなり地価が高騰したのが、いろんな、金利の高目、また不動産業界に対する総量規制、こういった点で、私は平成三年一月の公示価格は相当低くなっていると思うのですが、今言ったような理由でいわゆる金利が下がってくる、総量規制が緩和される、また地価税が余り効果がないということを考えれば、譲渡時点の十月時点には相当上がってくるのではないか。二%で果たしておさまるかどうか私は心配しておりますが、どうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道施設のございますところは都市部だけではございませんので、農村部その他全体の平均を考えなければならないことでございますし、また、最近の地価動向等も十分検討した上、専門家に一つの伸び率を推計してもらったわけでございますが、新しい地価公示額が出てくれば、当然それも参考にしなければならないと考えております。
○春田委員 新幹線の中でも西日本や東海道、それから東日本においても東京や関東方面というのは相当地価が上がっているわけですから、東日本の、何といいますか、東北方面はそう地価は上昇しないとしても、残りの今言ったようなところは相当地価が上がると予想されます。そういった点で、私は二%ではおさまらないのじゃないか。これが二%以上上がった場合は当然再精査価額は九・一兆円から上がるわけですね。こう見ていいわけですか。
○大塚(秀)政府委員 今回の価額の計算におきましてはそういう地価の動向も十分織り込んで検討したものと思っておりますけれども、実際の新しいデータが変わってまいりましたら、そういうものも含めて再精査しなければならないと考えております。ただ、私どもはそう変わらないつもりで検討したものでございます。
○春田委員 私は、そう上がらないと思っても、二%以内ではおさまらないのじゃないかという感じを持っております。 さらに、配分率の問題ですが、平成元年に出されたリース料と今回譲渡する配分率が違っております。すなわち、JR東日本では三〇・〇九%が三三・七一、東海は五九・四三から五五・六八、西日本は一〇・四八から一〇・六一となっております。そのリース料と実際の譲渡時点の配分率が違った理由として、収益の見通し及び維持更新を考慮した、こういう答弁でございました。これは、二十五年先の収益の見通しが正確にわかるのですか。
○大塚(秀)政府委員 確かに先生御指摘のとおり、それだけ先の輸送量の見通しが絶対大丈夫かと言われるとなかなか難しいところでございますけれども、現時点における見通しとしてできるだけ正確を期したということと、その見通しについてJR各社とも十分協議して、それぞれの納得を得ているという数字でございます。
○春田委員 JR東海やJR西日本は、JR東海は下がったわけですからこれは納得するでしょう。西日本もそう率は変わってない、これもある 程度了解するでしょう。しかし、東日本におきましては約三%上がっておるわけですね。これは本当に快く納得というか、了解したのですか。
○大塚(秀)政府委員 それぞれJR各社も民営化を目指した企業でございますから、企業としての意見はいろいろ厳しいものを相互に交換し、我々にも提出したことは事実でございますが、その議論の結果として各社とも合意したというふうに考えております。もちろんこれは、合意というのは予算上の合意でございまして、また、この法律案が成立しました場合には法律に基づいたJRの意見を聞くという手続もございますので、改めて制度的にもJR各社の合意を得るということになると思っております。
○春田委員 必ずしも三社とも快く納得したとは言いがたいと思うのです。 時間がありませんので結論を申し上げますと、この一兆円の上積み分といい配分率の件といい、まだまだ不明確な点が多い。そもそもJRの経営が黒字になったのは、JR労使の必死の努力というのが結果としてあると思うのです。確かにJRの前身の国鉄は国民の財産ではありました。しかし、国鉄時代の債務は借金として残って、JRが現在必死になって返済している。しかも返済してまだ四年しかたっていない、八兆五千億円のうち四千億円しか返済してない。その上に一兆円の上積みをしていくやり方というのは、JRにとっては非常に厳しいのです。酷なのです。JRとしては一生懸命努力する、それが一兆円の上積みになっていく、やりがいがないじゃないかという声もあるのですよ。その点、大臣どうお考えになりますか。
○村岡国務大臣 この委員会を通じましてさまざまな論議がございました。九・一兆円で安いのではないか、あるいは高いのではなかろうか、こういうような御議論もございましたが、今総括審議官が、いろいろな議論はあったけれども、そういうような作業をいたしまして精査をして九・一兆円というものに決めた、現時点でそういう額に決めたということで、私はこの額が正当である、こう考えております。
○春田委員 一兆円の上積みというのは、JRの汗の結晶といいますか、努力の結晶ということで出てきたのです。これが整備基金に入ってまいりますが、JRの言い分としては、少なくともその一兆円についてはJRの整備新幹線並びにJRの在来線のいわゆる近代化といいますか、そういった面に使ってもらいたい、そういった声もあるのですが、この点、どうお考えになっていますか。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道施設というのは新幹線鉄道保有機構が現在保有しております準国有財産という性格もございますので、これの譲渡額のうち債務相当額を除いたものにつきましては国の助成に充てるという意味もございますが、先生御指摘のように、JR各社が一生懸命新幹線鉄道を運営してきた結果としてその評価額が上がったという面もございますので、今回はその譲渡代金の一部をもって整備新幹線の整備におけるJRの負担分にも充てるという形にしたわけでございます。
○春田委員 整備基金の三分の一は整備新幹線ですね、今年度予算では。しかし、これは全部が全部JRのいわゆる整備新幹線なり在来線の整備には使われていないという点があるのですが、いわゆる一兆円については、少なくともJR分、要するにJRの新幹線、既設新幹線また整備新幹線また在来線、それに使っていただきたいということですが、再度御答弁いただきます。
○大塚(秀)政府委員 そのように考えております。
○春田委員 さて、JR三社はこの譲渡価額が決定すれば支払う義務が生ずるわけですが、この一兆円の上積みにつきましては六十年間で返す。年間七百八億円ですか。当初運輸省は、六十年で返済する案を百年で打診したと伺っているわけでございますが、なぜ六十年になったのですか。
○大塚(秀)政府委員 通常、債務は長期間に分割して償還することの方が債務の償還義務を負った者にとってはより有利といいますか楽であろうということで、百年としたわけでございますが、なかなか百年という償還期限のあるようなものは国の財投その他にもございませんので、そういう国の財投等の仕組み、また一方ではJR側も、当初の私どもの意図とは若干違うのですけれども、余り長過ぎると経営上のめども立てにくいというような、いろいろな意見を総合的に勘案して六十年としたわけでございます。
○春田委員 これは、返済は前倒しも認めているのですか。
○大塚(秀)政府委員 今のところ六十年ということで考えておりますが、もし将来そのような要請が返済義務者であるJRから出てきた場合には、そういう問題についても検討できるような仕組みにはしたいと考えております。
○春田委員 さて、大臣にこの点確認しておきますが、今までの同僚議員の質問でも再三でてまいりましたけれども、JR三社というのは大きな負担を背負うことになるわけです。一兆円の上積み、従来なかった支払い金利、それから減価償却分がかかってくるわけですね。これらが順調にいった経営に大きなおもしとなって、第二の国鉄にならないかということが再び心配されております。また、運賃値上げ、計画していた設備投資の繰り延べ、こういった面も出てくるんじゃないか、支障があるのではないか、こう言われております。こういった点で、断じてそんな心配はないと大臣はお考えになっておりますかどうか、お答えいただきたい。
○村岡国務大臣 この前もお話しいたしましたけれども、第二の国鉄にはしてはならないというような考えのもとでこの譲渡に伴いましてのお考えであろうと思いますが、本州三社は現在順調な経営状況にあります。また、新幹線の譲渡による経営への影響等を勘案いたしましても、所要の利益の確保は可能と考えております。今回の譲渡によりまして、本州三社は減価償却費を計上し内部留保もできるわけでございますので、その結果、設備投資が逆に行いやすくなる効果も出てまいります。 したがって、御指摘されておりますようなこの譲渡によっての運賃値上げあるいは設備投資の削減という事態は生じないと考えております。
○春田委員 運賃値上げが一番国民の関心のあるところだと思うのです。 過去の運賃値上げを調べてみますと、国鉄時代の昭和五十五年からJRに移行するまでの六十一年度、この間を見ますと、値上げがなかったのは昭和五十八年のみなんですね。五十五年から六十一年度まで五十八年のみ値上げがなくて、毎年値上げになっていた、これが国鉄の客足が減少した原因となっていたわけです。ところが、六十二年四月JRに移行後から一回もない、再び利用者のいわゆる足が伸びてきた、これが黒字経営の最大の原因じゃないかと思うのです。そういった点で、このことを忘れて安易に運賃値上げは断じて避けるべきであろう、こう私は思うのです。 しかし、その一方でこんな意見もあるのです。運賃値上げや料金の変更については、経営の自主性を尊重するためにもある程度JRに弾力的な運用を認めるべきではないかという声が一方でありますけれども、この点どうお考えになりますか。
○大塚(秀)政府委員 鉄道事業につきましては、その公益性、利用者に対する影響の大きさから、現在、鉄道事業法でいろいろな規制があり、そのうちに運賃の認可制度もございますが、私どもとしては、過去の鉄道事業法の改正等において運賃についても事業者の自主性で対処できるような余地を相当設けております。今後そういう問題が出てきた場合においては、一方では利用者の保護との関連において我々も十分検討しなければならないものと考えております。
○春田委員 先ほども触れましたが、株式の売却、上場の問題について若干お尋ねします。 この売却する会社名、また時期についてどのようにお考えになっておりますか、お答えいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 JR七社のうち、上場についてのもろもろの基準を早い時期にクリアできるのは本州三社でございますが、その本州三社についていつどういう形で売却するかにつきましては、JR株式基本問題検討懇談会で現在検討中であり、各社の経営動向あるいは株式市場の動向等を見きわめつつ、適切かつ慎重に判断してまいりたいと考えております。
○春田委員 JR本州三社の中でも、西日本につきましては、純資産や利益の額において、東京証券取引所の審査基準がございますが、この審査基準に該当しない。東日本と東海については上場の審査基準を満たしているわけですが、西日本についてはこの二点について満たしていない。ところが、JR本州三社は同時に上場したいというお考えがあるみたいです。九一年度早期にやりたい、こういうことでございますが、市場の動向を見て、その辺も上場する時期があろうかと思うのですが、上場する以上、この三社は同時上場と考えていいのですか。
○大塚(秀)政府委員 どこを上場するか、どのように上場するか、その具体的な方法については、今申し上げましたように懇談会等で検討しておりますが、その際は、JR三社全体の株式数、それが株式市場に与えるインパクト等も総合的に勘案しなければならないと考えております。
○春田委員 私の要望でございますが、JR本州三社が同時に上場するのがJR全体にとってもプラスになるのじゃなかろうかと思いますので、そういった面で運輸省も努力していただきたい、こう思います。 さて、株でございますが、JR三社分八百二十四万株ございますが、これは一括して売却するのか、それとも分割して売却するのか、この方針もまだ定まってないのですか。
○大塚(秀)政府委員 先生御案内のように、NTTについては分割売却が行われているわけでございますが、JRについては、NTTを先例としつつ、どのような形、一括売却がいいか、分割売却がいいか等について現在懇談会でいろいろな意見も出、それを検討しているところでございます。
○春田委員 今総括審議官も御答弁いただいたように、NTTの株というのは、第一次放出分については非常に高かったけれども、第二次、第三次に至って下降してきているわけです。そういった点で、一般投資家に大きな迷惑をかけたという点で、この二の舞だけはしてもらいたくない、このように要望しておきたい。 さらに、一般投資家のいわゆる投資判断の事柄についても、私は、わかりやすい形で公開してその判断を仰ぐべきである、こう思っておりますが、この点どうお考えになっておりますか。
○大塚(秀)政府委員 JRは企業としてもそれぞれ大変企業規模も大きゅうございますので、その内容については、株主、投資家の保護のためにも、できるだけオープンにディスクローズしていくべきであると考えております。
○春田委員 いずれにしても、JR株式を売却、上場するということは、私は非常に結構なことだと思うのです。かつて国のお荷物と言われた三K、国民健康保険、米、そしてこの国鉄、その中の一つの国鉄がいわゆる株式が公開されるという点は非常に大変なことだったろうと思うのですが、私は、関係者の皆さん方に心から敬意を表していきたい。そういった点で、条件がそろえば早急に売却、上場していただきたいと要望しておきます。 続いて、鉄道整備基金の問題です。 構想が発表されましたけれども、この基金で整備新幹線が建設されることが決まりました。この建設の負担について、国と地方とJRがそれぞれ分担していく、こうなっております。その割合をまずお述べいただきたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線の整備に関する基本スキームに沿って今後整備していくわけでございますが、我々のスキームにおきましては、国と地域がその五〇%を持ち、平均しますと国が三五%、地域が一五%、かつ、JRが残りの五〇%を負担する。このJRの五〇%については、将来整備新幹線が開業しました後の貸付料を相当分として、当面は借入金等で賄う、また、それ以外については新幹線譲渡代金の一部を充てる、そういう仕組みになっているところでございます。
○春田委員 国の負担率三五%という御答弁がございましたが、これはすべて一般会計のいわゆる公共事業費という形で出資されるのですか。
○大塚(秀)政府委員 平成三年度は、これはNTT・Bでございますが、国の公共事業費が百二十八億円計上されておりまして、これは建設費に対しては二一%程度に当たります。
○春田委員 そうしたら、国が三五%と言っておりますが、残りの一四%ですか、これはどこから出てくるのですか。
○大塚(秀)政府委員 新幹線譲渡代金の一部を充てることとしております。
○春田委員 国が三五%という以上、これは当然一般会計から出すべきじゃないかと私は思うのです。この一四%は、一兆円の上積み分の一部が特定財源という形で入ってくる、これが一四%で、合わせて国は三五%と言っているわけですが、しかし、先ほどから言っているように、この一兆円の上積みというのはあくまでもJRが努力した結果のいわゆる一兆円の上積みであって、国として三五%と言う以上は、これは当然一般会計から出すべきではないか、こう思いますが、どうですか。
○大塚(秀)政府委員 公共事業費についても、平成二年度七十一億円でございましたので五十七億円増加しております。しかし、先生御指摘のとおり、建設費の二一%に当たりますので、残りは新幹線の譲渡代金を充てておりますが、新幹線の譲渡代金につきましては、先ほども申し上げましたが、新幹線鉄道施設が新幹線鉄道保有機構の保有する準国有財産という面を持っているところから、これの代金の一部については国費に充てるということが適当であると考えております。 しかし、先生もおっしゃいましたように、新幹線鉄道施設については、JR各社の運営努力の結果として施設の評価が上がった面もございますので、同時にJR負担分にも充てているという形にしております。
○春田委員 したがって、正確に言ったら、要するに国の負担率は平成三年度においては二一%だ、残り一四%については、いわゆる一兆円の上積み分、それが特定財源として入ってきて一四%、合計三五%ですと、これがいわゆる本当の姿ではないかと私は思うのですよ。 ところで、平成三年度ではそういった形ですけれども、これは平成四年度以降はどうなるのですか。平成三年度ではいわゆるNTTのBで百二十八億円、これが二一%でございますね。これは平成四年度以降ではどうなるのですか。
○大塚(秀)政府委員 平成四年度以降につきましては、公共事業費がどのような伸びになるか、またシーリング等の関係もございますので、今の時点で何とも申し上げられませんが、いずれにしても、我々としては公共事業費の確保には引き続き努力してまいりたいと考えております。
○春田委員 特定財源が毎年七百八億円入ってきますね。平成三年度は十月一日からですから半年分ということで半分になりますが、平成四年度以降はもう毎年入ってくるわけですよ。したがって、シェアがぐっと伸びて、いわゆる国の公共負担というこの二一%はさらに縮まってくるのではないですか、この点どうお考えになりますか。
○大塚(秀)政府委員 そういう場合も考えられますが、私どもとしましては、先ほど申し上げましたように、この新幹線鉄道施設というのは準国有財産とも言うべきものでございますので、新幹線譲渡代金の一部を活用した特定財源というものは、国の負担分にも充当してしかるべきだと考えております。しかし、いずれにしましても、公共事業費の確保には我々今後とも努力してまいりたいと考える所存でございます。
○春田委員 なかなか運輸省も頭がよくて、国は三五%出すと言っておりますが、中身を精査してみますとそういった形になっているのですね。 ところで、JRの負担分五〇%は、特定財源が三〇%、残り二〇%は開業後の貸付料相当分となっております。この二〇%の根拠は何なのか、御説明いただきたい。
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線三線五区間につきまして基本スキームをつくりました際に、これらの整備に要する建設費とその充当方法の中で、JRの負担分については、将来の貸付料に充てる部分が平均して二〇%あるという計算をいたしましたが、この二〇%というのは、将来の貸付料を受益の限度で取った場合に、五区間平均して建設費の二〇%になるというのが根拠でございます。
○春田委員 受益相当分ということですが、今後、整備新幹線は大体十年で仕上げるという形でお答えになっております。この十年間で人件費が上がる、資材も上がる、それから国の負担、地方の負担、相当厳しくなって、この辺のいわゆる負担率が変わる。さらに、ミニやスーパー特急という形で今お考えになっている区分もございます。これがフルになる。例えば長野—軽井沢間では、ミニ新幹線であれば大体六百億ですか、それから、フルになれば三千億円上積みされて三千六百億円という形になる。したがって、今、計画ではフルとして一兆六千五百億円、これが十年かかれば、過去の数字を見ても大体二倍とか三倍に上がっているのですね。こういった形で変化しても受益相当分ということは変わらない、こう考えていいのですか。
○大塚(秀)政府委員 建設費につきましては、一方で物価の騰貴によって上昇する要因を含んでおりますが、他方で最近の技術成果を取り入れて建設費を削減する、そういうことによってできるだけ一兆六千五百億円の範囲内でとどめるということを我々は今検討しているわけでございます。そして、この建設費いかんにかかわらず、先ほど申し上げました貸付料というのは受益の範囲であり、これについては開業までにJRと協議して決めるわけでございますが、このスキームは変えない前提で今後整備を進めてまいります。
○春田委員 大臣に再度御答弁いただきたいと思うのですが、これは断じて変えない、こう考えていいですね。
○村岡国務大臣 この前からもこの問題の御質問が出まして、総括審議官からもお答えがありました。十分に十年間のことも考慮に入れて一兆六千五百億と見込んだ、こう思っておりますので、今総括審議官の答えたとおりだと、こう思っております。
○春田委員 さて、JRは、整備新幹線は銀行から借りて建設していく、十年で工事を終わる、いよいよ開業する。開業したら、いわゆる在来線の収入と整備新幹線の収入、その差、受益相当分で返済していく形になるわけですが、これは返すのに大体何年くらいの見通しをお立てになっているのですか。
○大塚(秀)政府委員 三十年間を想定しております。
○春田委員 三十年間でこの返済が終わった場合、その整備新幹線の取り扱いについてはどうお考えになっておりますか。
○大塚(秀)政府委員 国費等を相当投入した新幹線でございますので、引き続き鉄道建設公団が保有することを考えております。
○春田委員 そうしたら、鉄建公団からJRにいわゆる貸与していくという形になるのですか。
○大塚(秀)政府委員 そのとおりでございます。
○春田委員 その辺の問題についてはJRときちっと話し合いされているのですか。
○大塚(秀)政府委員 現在のスキームに基づきまして鉄道建設公団が保有し貸し付けることとなっておりますので、この点についてはJRとの問題はなかろうと思いますが、具体的な貸付料等については開業までにJRと十分詰めなければならないと考えております。
○春田委員 そういった細かい点については、建設着工前に十分JR三社と話し合いして取りかかっていただきたい、このように要望しておきたいと思います。 さて、鉄道整備基金が発足いたしますが、この人員は何名ですか。
○大塚(秀)政府委員 役員五名と職員六十名でございます。
○春田委員 そうすると、合計六十五名ということですか。これは新幹線保有機構の職員がそっくりそのまま移行するのですか。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道保有機構は廃止されますが、その業務のうち、債務の償還業務、また、残っております新幹線鉄道施設の登記業務等が新しく設立されます鉄道整備基金に承継されますので、そういう業務に関連して、相当な職員は新幹線鉄道保有機構から鉄道整備基金に移行されるものと考えております。
○春田委員 基金の方に行きたいという人、または清算事業団に行きたいという人、本社に帰りたい、いろいろ要望があろうかと思うのですが、そういった職員の意向は十分酌み取っていただきたい、このように要望しておきます。 基金の業務の内容を見ますと非常に多岐にわたっておりますね。これだけのいわゆる膨大な業務をわずか職員六十五名でこなせるのですか。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道保有機構と鉄道整備基金を比較しますと確かに職員数は減少しておりますけれども、新幹線鉄道保有機構のうちの上野—東京間の新幹線工事業務、これがなくなりますし、また、新幹線施設の保有に関係します業務もなくなるというようなこともありまして、新幹線鉄道保有機構の業務の減少分と、それから鉄道整備基金が新たにふえる業務、これはできるだけ助成業務、実務等を効率的に行うことによって、先ほど申し上げました職員で問題なく運営していきたいと考えております。
○春田委員 これは運輸省当局の、何といいますか、そういった応援がなかったら、これだけの業務はこなせないのじゃないですか。
○大塚(秀)政府委員 当然、運輸省としても干渉しない範囲で指導、応援していきたいと考えます。
○春田委員 この職員の待遇の面とか労働条件が過重にならないようにしていただきたい、こう思います。 今、総括審議官もおっしゃったように、この基金ができることによって運輸省本省から統制とか管理とか、そういったことはやはり避けるべきだと思うのですね。やはり、自主的な運営に任せるべきじゃないかと思うのです。しかし、今言ったようにかなりの業務ですから、そういったアドバイス等、指導等をやるべきじゃないか、こう思っておりますので、まあこれからこの基金が膨大なそういった権限を持つことにも心配される面もあるわけですが、そういった公正な運営ができるように、ひとつ適宜運輸省の方から指導をやっていただきたい、こう思っております。時間がなくなってまいりましたので、この問題についてはこれで終わります。 それで、基金ではさらに大都市圏の鉄道整備の業務が入っておりますが、大都市圏の通勤通学混雑の緩和対策、これにつきましては同僚議員からも質問がありまして、現在運政審の小委員会で鋭意検討しているということでございますが、この対策は早急に私は立てて発表すべきだと思うのですね。その辺の見通しがありますか。いつごろ大体立てて、いつごろ発表できるのか。 また、この検討委員会の中には当然運輸省の方もお入りになっているだろうし鉄道事業者も入っているだろうと思うのですが、利用者の方とかまた働く組合の皆さん方とか、そういったメンバー等が入っているかどうか、この辺もあわせて御答弁いただきたいと思うのです。
○佐々木(建)政府委員 今先生御指摘のように、今回の整備基金の目的の一つは大都市鉄道の整備ということであるわけでございますけれども、今先生御指摘の、運輸政策審議会において大都市鉄道の整備方策をどのように議論しておるか、どういう見通しかということでございますが、地域交通部会の大都市鉄道整備小委員会という小委員会がございまして、その中で、大都市におきます通 勤通学等の鉄道の混雑、それから通勤時間の増大といった問題に対処するために鉄道の着実な整備を行う必要があるわけでございますけれども、用地の取得難、建設費の高騰等の問題がありますので、こういった問題に対応しまして、長期的な視点に立った鉄道整備の促進方策を議論する必要があるという問題意識のもとに議論をしていただいておるわけでございます。整備方策については幅広く議論をしていただいているわけでございますが、本年前半といいますか、五、六月ごろには一応の答申をいただくというような目途でやっております。 なお、地域交通部会には交通関係事業者あるいは関係の組合の方、もちろん学識経験者という立場でございますけれども、御参画いただいておるわけでございます。そういった議論の中でいろいろな議論があるわけでございますけれども、今回の鉄道整備基金の設立というのは、そういった審議会の審議の趣旨にも沿ったものだというふうに理解をしております。
○春田委員 この問題は直接運輸省所管じゃないのですが、大臣、閣議等でも御発言いただきたいということで御提案申し上げますが、通勤手当の問題です。 現在、五万円が非課税の限度額になっておりますが、公務員の場合は三万五千円を上限として出ていないのですね。この五万円の範囲は、新幹線で行けば、今新幹線の通勤が非常にはやっていますが、東京から行ったら熱海までなんですね。できたら東京からいわゆる三島、静岡、東京—静岡間でも一時間で行けるのですが、これをやったら五万円をオーバーしてしまうのですね。そういった面で、五万円の限度額もふやしてほしいし、さらに、現在限度額となっている公務員の三万五千円、これは民間のそういった通勤手当を大体参考にして、その真ん中をとって大体三万五千円にしているみたいですが、公務員が先頭立って五万円ぎりぎりまでやっていく、また、五万円で完全実施されていない企業も数多くありますので、そういった徹底、こういったことをあわせて、私は関係各省間で十分この通勤手当の非課税が徹底されるように、さらに充実強化されるように大臣の方から主張していただきたい、こう思っておりますが、どうお考えでありますか。
○佐々木(建)政府委員 お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、通勤手当の所得税の非課税限度額でございますけれども、六十四年の一月一日以降、それまで月額二万六千円であったものが五万円に引き上げられたという状況にございます。 それから、通勤手当の支給状況でございますけれども、民間と公務員に分けて申し上げますと、まず民間について申し上げますと、通勤手当を全額支給している事業所における手当月額の最高支給額の中位階層、ちょっとわかりにくいわけですが、最高支給額の順に全事業所を並べたときに、そのちょうど真ん中に位置する事業所が支給している額でございますけれども、これが御指摘のように三万円以上三万一千円末満というふうになっております。これはかつては二万円程度で推移した時期があるわけでございますが、民間につきましてはそういったことで通勤手当を増額するというような傾向にございます。それから、公務員につきましても、先生今御指摘のように、三万円を超えるときに三万円とその超える額との差額の二分の一を三万円にオンした額ということで、最高限は三万五千円というふうになっておるわけでございます。 そういったことが実情でございますが、運輸省の所管であるかどうか問題はございますが、私どもで努力できる範囲のものは努力したいと思っております。
○春田委員 大臣としてもそういった形でひとつ各省に呼びかけていただきたい、こう思っております。 また、在来線の近代化、スピード化も大事でございます。したがって、在来線のいわゆる改良、新車両の開発、フランスは在来線のスピード化が盛んなんですね、こういった点も見習って、私は、整備新幹線のみに力を入れるのではなくして、こういった在来線にもひとつ力を入れていただきたい、このように要望しておきます。 時間が来ましたので、この整備新幹線の問題については深く入れませんけれども、今までの論議で問題になりましたいわゆる並行在来線の問題、これにつきましては必ずしも同意を得ていない地区があるわけです。そもそも建設着工費がつくということは、いわゆる地元の同意があって初めて建設着工費がつくわけでしょう。ところが、東北新幹線では一戸町で反対運動がある。また、北陸新幹線の中でも、小諸市や御代田町ではまだ反対しているわけですね。ところが、もう既に建設着工費がついている。本来ならば建設調整費でいいわけですよ。ところが着工費とついている。こういった地元ときちっと問題解決されてないところでついている。そういった点で私は、着工費がついたからもう建設していくんだということじゃなくして、十分地元の意見をくみ上げて、そういった見切り着工はしない、こういった点を運輸省としてもやっていただきたい、こう思っておるわけでございます。 また、JRの貨物についても、迂回という話がございましたけれども、JRの貨物についても十分その路線が保てるように、支障がないようにしていただきたい、この点をあわせて御答弁いただきたいと思います。
○村岡国務大臣 在来並行線の取り扱いの問題でございますが、東北新幹線の地元で反対があるとも聞いております。したがいまして、この前も答弁をいたしましたが、今後また地元と十分協議をして、見切り発車はしない、こういうようなことを考えております。 同時に、貨物線をどうするか、迂回か、第三セクターを通すか、あるいはもう一つはフルのところを通すか、いろいろな方法はあるわけでございますが、それにつきましても十分協議をしてやっていくようにいたしたい、こう思っております。
○春田委員 これで終わりたいと思いますが、いずれにしても、この三法案につきましては、先ほどから限られた時間で何点か質問させていただきましたけれども、必ずしも私もすっきりしない面があるわけですが、各党の皆さん方と話し合いをして附帯決議というものを出させていただいて、その附帯決議を運輸省としてきちっと遵守することを私は要望をして、この質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○亀井委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 法案質疑に入ります前に、緊急に解決を図るべき問題がありますので、大臣にお尋ねをいたします。 昨日、東京弁護士会が財団法人鉄道総合技術研究所、前身は国鉄鉄道技術研究所です、に対しまして勧告書を出しました。それは、分割・民営化以前、この国鉄鉄道技術研究所に勤務していた佐川徹二さんという方でありますが、一九八七年の三月、宮崎県の日向市にあります宮崎浮上式鉄道実験センター、ここに配置転換をされたわけです。以来、三年を過ぎまして四年になろうとしている。単身赴任をしているわけです。奥さんとお子さん二人は東京におられます。こういう事態に対しまして東京弁護士会は、 貴研究所が申立人佐川徹二を長期にわたり単身赴任をせざるを得ない勤務地に配属したままにすることは、前記の家族の本質を軽視し、家族と共に過ごすという人間としての基本的な権利を侵害するものといわざるを得ません。 よって、当会は貴研究所が申立人佐川徹二を速やかに家族と同居することが可能な勤務地に配置するよう、勧告する次第です。 こういうものであります。 これは、けさの各新聞に大きく報道されましたので、大臣も当然お読みだと思いますが、ここに勧告書並びに調査報告書、これを私、持ってきておりますので、大臣にお読みいただきたいと思います。委員長よろしいですか。——これはあくま で人権上の問題として、四年になるわけです。しかも、いつまでそこに転勤かということも明示していない。いまだに本人には何らそういうことも伝えられていないわけですね。ですから、家族も非常に不安が強まっておりますし、そういう点で早急に解決を図っていただきたい、そういう方向に措置をしていただきたい、そういうように思いますが、いかがでしょう。
○村岡国務大臣 今先生がおっしゃいましたこと、けさほど新聞でも見ました。しかし、詳しい内容につきましては、先生から、東京弁護士会から財団法人鉄道総合技術研究所へ勧告書が出た、こういうことで、私もこれを調査いたしまして検討いたしたい、こう思っております。
○佐藤(祐)委員 今すぐ結論というわけにもいかないと思いますが、よく調査をしていただいて、問題点は非常にはっきりしておりますし、その中にいろいろな側面から、単身赴任がいかに人間としての暮らしを破壊するものか、だから単身赴任がやむを得ざる場合もできるだけ短くする責任があるんだと、経営者側には。しかも今回の場合には、いつまでということを明示してない。私は、これは非常にあってはならないやり方だというふうに思っております。ですから、速やかに解決の方向で検討していただきたい。重ねて要望したいですが、大臣、いかがですか。
○村岡国務大臣 私も、まだ入ってあれでございますので、明示するかどうかという点についても、これまたしているのかどうか、これも調べますし、また、単身赴任というのは、従来、ここばかりでなく方々で行われていると思いますけれども、先ほどお答えしましたように、十分調査をいたしまして検討をいたしたい、こう思っております。
○佐藤(祐)委員 速やかに人権上の問題として解決を図っていただきたいということを申し上げておきます。 法案関連に入りますけれども、今回の法改正、整備新幹線中心といいますか、また、主要幹線鉄道、大都市鉄道の整備、こういうことも課題に上がっております。私は、大都市部での混雑緩和でありますとか安全対策、こういうものも非常に急がれている、あるいは高齢者対策、障害者対策という問題があると思います。 そういう点でお尋ねをしたいのですが、特に障害者施設の整備状況、これを先日お伺いしましたが、JRの状況は、総駅数が四千六百八十九ありますが、そのうち身障者が容易に利用できる改札口を設置している駅数は八百九十、エスカレーターは百五十八、エレベーターは百四駅しかないというのが現状です。 このエスカレーターの問題につきましては、非常に要望も強いわけでありますが、運輸省でエスカレーター設置についてのガイドラインを決められたとか検討中とか聞いておりますが、どうなっておるでしょうか。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。 先生今御指摘ございましたのですが、近年におきますところの駅の特徴といたしまして、橋上駅だとかあるいは高架駅または地下駅等が増加している状況にありますことから、先ほども御指摘ございました高齢者等交通弱者の方々を含めました利用者の利用上における負担が大きくなってきておる状況でございます。 このような駅の状況にかんがみまして、輸送サービスの改善向上を図る必要性が大変増大をしている状況でございますが、このような点も踏まえまして、従来から駅の新設等に際しましては、鉄道事業者に対しエスカレーターの整備等を指導してきておりますけれども、一方、これまで国会におかれましてもエスカレーターの整備の必要性が指摘されておるのであります。また、平成元年九月の鉄道事業に関しますところの総務庁の行政監察におきましても、鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針の作成につきまして勧告をいただいたところでございますが、運輸省といたしましてはエスカレーターの設置指針の策定を行う旨回答いたしておるわけでございます。 したがいまして、現時点におきましては駅の高低差あるいは利用状況、乗りかえ駅におきますところの旅客流動の連続性等に着目をいたしまして、身体的負担の少ない方法で移動ができるよう、利用者の利便を配慮して、エスカレーターの設置の指針につきまして現在鋭意検討中でございます。
○佐藤(祐)委員 報道などによりますと、五メートル差以上とかいろいろ検討されているというようにも聞いておりますが、一つ提起しておきたいのは、都内で見ましても、JR、私鉄、地下鉄と、それぞれにそういう基準でということではなくて、実際に連結していくところが多いわけですね。ですから、一体的にとらえるというか、そういう視点でこれは進められるべきだというように考えておりますが、その点はどうですか。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。 今我々が考えておりますエスカレーターの設置指針につきましては、先生御指摘でございましたように一体的に全体的な中から考えていかなければならないと考えております。今御指摘がございました、例えば乗り継ぎ駅のような場合におきましてエスカレーターの設置をどうするか、こういう点につきましては、やはり当該駅から乗り継ぎ駅へ、その間にありまして高低差があるような駅があった場合につきましては、乗り継ぎ施設としてのエスカレーターの設置も検討課題として考えておる次第でございます。
○佐藤(祐)委員 それを申し上げましたのも、例えば、都内に浅草橋駅というのがありますが、ここの場合には下に都営地下鉄が走っているわけですね。地下鉄のホームから地下鉄の改札までが階段が二十七段、改札から路上までが四十三段になりますかね。それからまた、路面からJRの改札までが二十八段、合わせまして、地下鉄のホームから総武線の上りのホームに上がるまでにはなんと百三十九段の階段があるのですよ。これはビルでいいますと八階建てぐらいの高さになるのですね、階段数でいいますと。ですからここは非常に要望が強い。地下鉄のホームから改札までは今エスカレーターの工事がやられていますが、その上の方は全然まだ手がついていないという状況であります。 実際に大変なところがほかにもいろいろありますから、具体的に調査をして、一般的な基準じゃなくて、必要性によって積極的に進めていただきたい、そう思いますが、どうですか。
○松波政府委員 お答えをいたします。 今先生具体的に駅の名前を挙げて御指摘ございましたが、その中でもお触れになりました当該駅について少し申し上げますと、エスカレーターの設置をすべく既に工事中の部分もございますし、なお、その上部階段になりますと、少し設置に当たりましては関係者とも協議をするべき問題もございますので、そういう協議をしていく予定だとも伺っております。 いずれにしましても、きめ細かい、やはり少しでも利用される方の身体的な負担が軽減できることが一番大事でございますので、我々、今ガイドライン、設置指針につきまして鋭意検討中でございますが、今後どう運営するかにつきましては、先生の意を踏まえながら適切に対処してまいりたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 なかなか力強い調子の御答弁で、実現の方向でお願いいたします。 エスカレーターともう一つ、エレベーターの問題というのも私は非常に大事だなというふうに思っています。といいますのも、この前ワシントンで地下鉄に乗りましたら、ワシントンの地下鉄、ほかもそうであろうと思いますが、各駅に地表からおりるエレベーターがみんなついているのですね。緊急の場合でも使える、そういうことになっている。各駅ごとにこれはあるのです。非常にそういう点では行き届いているなという感じがしたのです。 これもたまたま地元でもあるのですが、北千住駅というのがあります。今工事中なんですね。経過は省略しますが、あそこは東武が走っておりま して、また日比谷線が走っている。これが大変大混雑で、運輸大臣も視察に行かれた。前の大野運輸大臣は行かれた、その前にも行かれた方があると思います。大混雑で、ホームを拡幅するということが今やられておるわけですが、さらに三層構造にしようということで着工を始めているのですね。一番上、三階が日比谷線、真ん中がコンコースになりまして、下が東武線。そうしますと、今よりもはるかに高いところにホームが上がることになるのです。 東武本社にも行きまして状況もお尋ねしましたが、エスカレーターは設置する計画があるということでありました。しかし、エスカレーターでは乗り継ぎがまた大変なんですね。そういうこともありますから、障害者対策としてはエレベーター設置を検討していただくことが本当の意味で大事じゃないかと思うのですが、このエレベーター設置、補助も若干出されるようになったとも聞いておりますけれども、そういうことも含めてお願いしたい。
○松波政府委員 お答えいたします。 まず最初に、前段のエレベーターについての考え方等につきまして御説明を申し上げたいと思います。 先生も御高承のとおり、先ほどワシントンを例に挙げて御指摘がございましたが、鉄道駅におきますところの昇降システムには、構造上の特性に着目いたしますと大別して二つあるわけであります。その一つは、先ほど来お話の出ております、一般的には大量の連続輸送に適しておりますエスカレーターでございますが、もう一つは、比較的少量の間欠輸送に適しているエレベーターでございます。 したがいまして、エレベーターの設置につきましては、駅舎の構造面あるいはスペース面からの制約、費用面での制約等によりましていろいろな問題がございますけれども、これらの特性を勘案しつつ、利用者利便の観点から、駅の新設、改築等の機会に合わせて整備を進めてまいりたい、今後ともその促進を図ってまいりたいと一般的に考えております。 今御指摘のございました東武北千住駅の件でございますけれども、これも今先生から具体的にお話がございましたように、現在、東武鉄道北千住駅の大改良工事につきましては特定都市鉄道整備事業計画の認定を受けているものでございます。その事業の前段階といたしまして、当面の混雑緩和のためにホームの平面拡張工事を実施し、既に平成二年十二月に使用を開始していることは御承知のところでございますが、特定都市鉄道整備事業計画としての駅の抜本的な改良工事計画では、先ほど御指摘ございましたが、東武伊勢崎線と営団日比谷線を、立体化して分離することとなっております。したがいまして、当該駅施設の具体的な配置に係りますエレベーターの設置に関しましては、物理的空間確保も含めました技術的可能性を関係者間で検討していると聞いている次第でございます。 したがいまして、運輸省としても、乗りかえ利便等を勘案しながらエレベーターを設置するよう指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○佐藤(祐)委員 この問題で大臣にもお聞きしておきますが、いよいよ国際障害者年の最終年ということであります。日本は経済大国ということで大変そういう意味での注目もされておるわけですが、やはりこういう基本的な人道、人権にかかわるような設備、これがおくれておったのではお話にならないと思うのですね。そういう点で、大臣としても鉄道分野における障害者対策、高齢者対策、そういうものに大いに力を入れていかれるべきだと思いますが、いかがですか。
○村岡国務大臣 佐藤先生が指摘されましたように、JRあるいは民鉄大手十四社、駅だけでも六千三百以上あるわけでございまして、身体障害者用のトイレがまだJRで二百八十二とか、エスカレーター、エレベーターの設置も、徐々にふえてはきておりますけれども、その進捗率はまことに微々たるものであります。 費用も大変かかりますけれども、運輸省といたしましては、各運輸事業者に対しまして、障害者の方々が交通機関を利用して移動する際に安全かつ身体的負担の少ない方法で移動できるよう、鉄道駅等の施設の整備、利用しやすい鉄道、バス車両の導入について配慮するよう指導しているところでございますが、今後とも、これら障害者の方々の対策の一層の推進を図ってまいりたい、また指導もしてまいりたい。そして、近く私も混雑度あるいはまた高低差があるようなところも現場に行ってみたい、こう思っております。
○佐藤(祐)委員 積極的な姿勢でぜひ取り組んでいただきたいと思います。 次に、ホームの安全問題に関連してお尋ねをします。 これは昨年の十二月十五日ですが、東京、JRの新橋駅ホームで、六十四歳だったと思いますが、その方が転落をされました。それを助けようとして三十代の方が飛びおりたところへ列車が入ってきて、列車に二人ともはねられて、助けようとしておりた人が亡くなったのですね。最初に落ちた方は大けがということがありました。これは当時も大きく新聞報道にもなっておりましたし、何か今夜もどこかのテレビでこの問題を取り上げるというように聞いております。 この事故と関連してなんですけれども、この事故が起きましてすぐに国労の組合で山手線の全駅の調査をしたわけですね。今回の事故との直接の関連はまだはっきり言える段階でもありませんけれども、何の調査をしたかといいますと、ホームの下に何かの場合に退避できる、何と言うのですか、へこみがあるんですね、退避ごうと言ったりもしているようですが、これが新橋の駅の場合にはそういう構造になっていないのですね。すとんと落ちているのですよ。逃げ場が全然ないような構造なんですね。この構造もいろいろな形がありまして、穴のように掘られているとか、割合長い三十メートル幅でずっとへこんでいるとか、駅によっていろいろです。 それを全部調査をしたわけですが、この山手線の各駅のホームで、内回り、外回りとも退避のへこみがないという駅が九つあるのですね。それ以外にも片側は全然ないというところがたくさんあります。こういう問題、やはりそういう事故の場合の対策という意味もありますし、また、職員が線路で作業して退避するということも工事などの場合には往々にしてあるわけです。 こういう点で、私は、ぜひそういうものを各駅に、特に混雑の激しい、列車本数の多い山手線などはもちろん必要じゃないか、やるべきじゃないか、そういうふうに思うのですが、そういう問題点、いかがですか。
○大塚(秀)政府委員 先生御指摘のように、新橋駅についてもホームの下に退避場所があれば、この痛ましい事故も回避できたかもわかりません。 そこで、ホーム下を退避可能な構造とすることが技術的に困難な場所も多うございますが、可能な場合にはできるだけ空間を確保して退避できるようにしたいと考えておりますし、また、構造的に退避が不可能なところでは、転落検知装置などの整備を進めまして、このような事故の起きないよう安全の確保を図ってまいりたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 これは本当に大事な人命にかかわる問題ですから、促進していただきたいと思います。 それと、この事故との関連でもう一点あるのですが、ホームの安全要員の問題ですね。民営・分割化以後、ホーム要員というのがどんどん削られてきているわけですよ。いわゆる合理化が進められて、山手線で見ましてもラッシュアワーしかいないという駅が非常に多いわけですね。人数的にもうんと減らされています。せいぜい一人とかそういう状態になっている。 この事故が起きました際も、ホームに一人、要員の人はおられたそうです。しかし、一人だけですから、しかも転落があった場所と離れた反対側 にしかおられなかったのですね。だからとっさの対応がおくれたわけです。私も改めて聞きましたが、そういう危険な事態が起きたときには、ホームの側で非常列車停止装置ですか、そういうものを作動させる仕掛けがあるということです。それがこの場合には、ホームに要員がいて早く気づく状況であればそれが未然に防げたかもしれない、早く措置をとって。ところが、反対側にいてそこがおくれた、これはもう一つの大きな問題だと思うのです。 ですから、合理化、効率化ということでどんどんホーム要員が減らされている、実情がそうなっているわけですが、やはり国民の安全、乗客の安全を守るというのは何よりのサービスの一つの重要なポイントなんですね。そういう点で、ホーム要員についてもっと見直していくということが必要だということを私は強調したいわけです。本当に私なんかもよく目撃しますが、なれない方とかお年寄りの方とか、どっちに乗ればいいんだとかどう乗りかえればいいんだとか、これまでホーム要員がいたときには聞く方が多かったわけですね。ところが、聞く人がいないものですから、いろいろ慌てるというような事態もある。 この点は、今専ら合理化の方ばかりが追求されている感じがするのですが、本当に安全、サービスということを重視して考えるならば、これもなお見直し、再検討が必要だというふうに思うのですが、どうですか。
○大塚(秀)政府委員 ホームの安全対策につきましては、先ほど申し上げました転落検知装置の整備など、きめ細かく安全の確保の面から今後もJRを指導していくつもりでございます。
○佐藤(祐)委員 ちょっと時間がなくなってきたのですが、もう一点お聞きしたい問題があったのです。 それは鉄道部の問題なんですが、これはJR西日本で相当精力的に進めておられるわけです。去年、たしか十だったと思いますが鉄道部がつくられて、ことし四月から十五、もう一つ九月からやるのですが、ことしは十六になるというふうにも聞いています。要するに、独立採算的なやり方といいますか、ある区間については何々鉄道部ということで、そこで収支をうまく帳じりを合わせようというようなことが中心になっているものです。これがことしの第二次分が実施されますと、JR西日本の新幹線を除く総営業キロは四千五百六十ですが、その五二・九%が鉄道部に移管というのですか、会社内支社みたいな形になるのですけれども、移管されるということになるわけです。 この問題ではこれまでも国会で若干やりとりはありましたが、大塚総括審議官が昨年衆議院決算委員会で、効率的にやるということと、地元の意見が反映できるような運営を行う、こういうふうに言っておられる。しかし、私たちが調査をしましたところ、地元からは、関係市町村、むしろ反対の意見が強い、反対の意見書が運輸省にも上げられているというふうに聞いておりますが、どうですか。
○大塚(秀)政府委員 鉄道部制につきましては、一部から反対の御意見があることは事実でございますが、先般私が申し上げましたように、効率の悪い、採算性の悪い地方交通線を多く抱えるJR西日本として、このようなローカル線区において、効率のよい、また小回りのきく組織をもって運営することが、かえって地元の住民の足の確保、サービスの改善のためにもプラスになるのではないかと考えております。もちろん、この組織が個別に安全面で支障が出てくるというようなことがございましたら、我々としても適切な指導を考えなければならないと思っております。
○佐藤(祐)委員 運輸省の方はそうおっしゃるのですが、地元との合意がやはりこの場合も非常に不足している。地元のためになるんだというふうに言っておられるが、地元の議会からは、関係自治体からの意見書というのも、私も現物を幾つも持っておりますが、相当出ておるわけですね。大臣はたしか党で過疎対策特別委員長もなさっていたと思うのですが、私は、すべての線区、路線が黒字ということはもともとあり得ないのだと思うのですよ。赤字のところもあるけれども黒字のところはある、全体として国民の足を確保するというのが国鉄ですね。JRになったといっても、その責務といいますか、それは変わらないと思うのですね。これは国鉄改革法の四条でしたか、そういうことでも言われておりました。 ところが、最近はその基本がどうも忘れられて、とにかく黒字にせよ、黒字にせよということが強引に進められている。これはやはり逆行するものだ。国民の足を本当にしっかり確保するという観点で対策が進められるべきだというふうに私は思いますが、大臣に御所見をお伺いしたい。
○村岡国務大臣 鉄道部制につきまして、今私も初めてお伺いをいたしました。総括審議官からのお答えもあったようでございますが、地元からも反対の要望があり、いろいろ影響が出ているとすれば、調査をしてまた検討を加えてまいりたい、こう思っております。
○佐藤(祐)委員 もう時間が来ましたので、最後に、今回の三法案、これは国民の貴重な財産である新幹線を事実上一兆円でJRに売り渡す、株上場の条件整備を進めるなど、専らJRの利益のためものであるという点がまず第一点。 また、その一兆円を基金の柱として行われる整備新幹線は、前回御質問しましたように、政府・与党申し合わせをもとに住民の十分な合意を得ずに強行されようとしている。既設新幹線にはなかった地元自治体負担ばかりか、並行在来線切り捨ての問題、これは極めて重大だということを言わなければなりません。私は昨年の本委員会で、今のJRは、大量解雇された労働者の汗と家族の涙、また国民の巨額の債務の上を走っている、こういうふうに指摘しましたが、さらに新たな自治体負担と途中の町村の犠牲の上を走らせようとする今回のやり方は、絶対に認めることはできない、法案には反対だということを申し上げたいと思います。新幹線が通って地域は滅ぶということであってはならない、このことを重ねて指摘をして、質問を終わります。
○亀井委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 新幹線の関係三法案につきまして、前回に引き続き質問をいたします。 前回は鉄道整備基金の法案に言う「大都市」とはどの範囲を言うのか、こういうところまで終わりました。 この新幹線関係法案の大きな目玉は何といっても今後の新幹線の整備にあるわけでありますが、基金法に言うもう一つの大切な趣旨、目的というのは、新幹線鉄道を初めとして主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進する、これも忘れてはならない重要な案件だろうと私は思っております。そういう意味で、今後ますます都市鉄道、大都市鉄道の整備におきましても、特に通勤通学の混雑解消という意味で公共投資をさらにつぎ込み、あるいはまた既存の助成制度を拡充するということが必要だと思っておりますが、その点についていかがお考えか、まずお聞きをいたしたいと思います。
○佐々木(建)政府委員 先生今御指摘の首都圏に代表されるような大都市圏におきまして、通勤通学者の増加によりまして都心部へ乗り入れる鉄道が大変混雑をしている、従来から輸送力増強には私ども努めてきたわけでございますが、なお混雑率がいまだ相当高いという状況にありまして、その一層の改善がぜひ必要だというふうに考えております。 このような大都市におきます状況に対応していくために、鉄道を中心とします公共交通網の計画的かつ着実な整備が不可欠であると考えておりまして、従来から、御承知のように都市圏ごとに策定されました鉄道網整備計画に基づきまして、各種の助成制度を活用するなどによりましてその進捗を図ってきたわけでございます。例えば東京圏につきましては、昭和六十年七月の運輸政策審議会の答申に基づき、複々線化や新線の建設に努めるというようなことによりまして鉄道の混雑の緩 和対策を進めているわけでございますが、今般の鉄道整備基金の設置に伴いまして、無利子貸付制度の導入であるとか地下鉄の補助金の制度の拡充あるいは金額の増加というようなことが今回の措置に伴いまして実施されることが予定されているということで、今申しましたようなことが私どもの方針でございます。
○高木委員 特に私が指摘をしたいのは、基金の設置によりまして、地下鉄整備を含むこの鉄道整備というのが大きく今要望されておるわけでございます。特に、この基金法に言うところの財源なんですが、特定財源あるいは一般財源の区別を明確にしてこれに当たらなければならないと私は思いますけれども、地下鉄等大都市鉄道の整備についてどう取り組んでいくのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○佐々木(建)政府委員 大都市鉄道の整備は、多額の資金を要する上に懐妊期間が非常に長いというような問題がありますので、これを克服するために、大都市鉄道の整備を促進するための所要の助成措置を講ずるということが必要になってくるわけでございますが、平成三年度の予算案では、従来地下鉄に出しておりました一般会計の助成のほかに、さらに特定財源を財源とします無利子貸付制度を設けるということで、いわば財源の多様化を図ったわけでございます。 それで、まず公営地下鉄につきましては、一般会計の財源を充当いたしまして、前年度四百一億円の額であったものに対しまして六百五億円と、五一%の大幅な増額をするということにいたしました。今の額は、厳密に言いますとそれぞれ営団の額が若干入っておりますけれども、一般会計の地下鉄の補助ということにつきまして、大変手厚い助成を行うというふうにいたしております。 それから、営団の地下鉄につきましては、従来は公営の地下鉄の助成制度とほぼ同様な制度であったわけでございますけれども、新幹線譲渡収入に伴います特定財源を財源にいたしまして、助成対象建設費に対して四〇%の無利子貸付制度を設ける、それから、東京都からも同様の無利子貸し付けを受けるというような制度に改めまして、御趣旨のような線に沿って努力をしていきたいと思っています。
○高木委員 通勤混雑緩和対策につきましては、格段の取り組みを要請をしておきたいと思います。 次に、全国新幹線鉄道整備法、いわゆる全幹法の改正についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 この全幹法の沿革でありますが、既に御案内のとおり、昭和四十五年五月十八日に法の制定がなされまして、その中には、「国土の総合的かつ普遍的開発を推進し国土利用の抜本的な再編成をはかる」とともに、「将来の高度に発達した経済と豊かな国民生活にふさわしい高速高能率の新しい輸送体系の整備が要請されている。」こういう趣旨がうたわれておるわけでありますが、今回全幹法が改正をされるその趣旨、概要につきまして、まずお尋ねをいたします。
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線につきましては、平成三年度予算案におきまして、標準軌新線、いわゆるフル規格に加えまして、新幹線鉄道規格新線、いわゆるスーパー特急、それから新幹線鉄道直通線、これはいわゆるミニ新幹線でございますが、これらによって北陸新幹線、東北新幹線、九州新幹線の建設に着工するために必要な経費が計上されたところでございます。 このため、運輸大臣は、当分の間、新幹線鉄道フル規格に準ずる高速鉄道である今申し上げました新幹線鉄道規格新線と新幹線鉄道直通線についても、フル規格の新幹線鉄道と同様の手続、助成措置により建設することができるように、整備新幹線の路線の全部または一部の区間について、JRの同意を得て、これらミニまたはスーパー規格の建設に関する暫定整備計画を決定することができることとし、また、これに基づいて建設します際には、フル規格の新幹線と同様の助成措置、日本鉄道建設公団に対する国の公共事業費、いわゆるNTT・Bの制度、あるいは鉄道整備基金からの交付金の交付等について同様の取り扱いを行うことができる、このような趣旨を盛り込んだ法律改正でございます。
○高木委員 前回私は運輸大臣から御答弁をいただきましたが、いわゆる国の総合交通体系というのが一つありまして、その中で幹線鉄道網をどうしていくのか、こういう一つのきちっとした考え方も当然あるべきだと私は思います。 そういう意味で、この新幹線問題は、これまで長い間いろいろな変遷をたどってまいりましたが、今日現在、総合交通体系における整備新幹線の位置づけというものについてどう考えておるのか。
○村岡国務大臣 昭和六十二年六月に閣議決定されました第四次全国総合開発計画においても示されているとおり、質の高い高速の幹線交通体系を整備することによりまして、多極分散型国土の形成を図ることは我が国の重要課題であると考えております。 整備新幹線は、中距離、大量輸送機関としての鉄道特性を発揮することによりまして、航空あるいは高速道路とともに、多極分散型国土を形成する幹線交通ネットワークの重要な柱として位置づけられるものと考えております。
○高木委員 全幹法が制定された趣旨と、当時と今の情勢というのは、まあ大きく時代が変わっておりますが、その交通体系の整備という意味では、とりわけ今の方が要求をされておるという事態でございます。そういう中にありまして、今後整備新幹線を進めていくということにつきましては、私は大きく賛意を示すわけでございます。 そこで、今回、暫定整備計画というのが出てまいりましたが、この暫定整備計画の内容についてはどうなっておるのか、その辺お尋ねいたします。
○大塚(秀)政府委員 暫定整備計画におきましては、新幹線鉄道規格新線及び新幹線直通線を整備すべき区間、またその走行方式、最高設計速度、建設費の概算額などについて定めることを予定しております。
○高木委員 この中で「当分の間」という用語がございますが、これについては具体的に一体どういう時期を指すのか。
○大塚(秀)政府委員 整備新幹線をフル規格で建設するということについては、財源問題あるいはJRの経営問題から大変難しい状況にあることを前提に、当分の間、運輸省の規格案を中心として必要な区間を整備していくこととしておりますが、この「当分の間」というのは、将来運輸省案での、つまり基本スキームに従った整備新幹線の進捗状況、またフル規格についての財源問題、採算性、国民経済への投資効果等を勘案して、その本来のフル規格を整備するまでの間というような意味合いでございますので、時期を明示することは現在のところ困難だと考えております。
○高木委員 この現行整備計画はどう取り扱われるのですか。今、暫定整備計画というのがこれから歩き出しますけれども、現行の整備計画は一体どうなっていくのか、これとの関連について。
○大塚(秀)政府委員 新幹線鉄道に準ずる新幹線鉄道規格新線あるいは新幹線直通線を整備するための暫定整備計画でございますので、今まで策定されておりますフル規格についての整備計画はそのまま生きているということでございます。
○高木委員 「当分の間」のことですけれども、財源問題あるいはまた投資効果、そういうことがいろいろ要素になるわけでありますが、そういうものがクリアされるかどうかということについて、どういう場所でどなたがこれを決定していくのですか、判断をされるのですか。
○大塚(秀)政府委員 将来の問題ではございますが、いろいろな角度から検討しなければならないと思います。例えば交通体系のビジョンとしてのフル規格新幹線のあり方等については、運輸政策審議会で議論する中で取り上げられるであろうと考えられますし、またその財源対策等については、将来の予算要求過程その他で検討される問題 かもわかりませんし、そういうことを総合的に今後どう考えていくか、手法そのものについても検討課題だと思います。
○高木委員 今回の整備計画では、九州新幹線の八代—西鹿児島、東北新幹線の盛岡—青森、それから北陸新幹線の軽井沢—長野、こういうところが平成三年度から本格着工されるということになったわけでありますが、当然のことながらJRの経営に対して足を引っ張らないようにすべきだと思っておりますが、この建設がJRの経営悪化にならないかどうか、その辺の確とした今のお考え、決意をお聞かせいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 今回の整備新幹線の整備は、基本スキームに基づく負担割合等を前提として行うものでございますので、この負担割合においてJRが負担しますものは、貸付料につきましても受益の限度と考えており、JRの経営にとって圧迫にならない形で整備されていくものと考えております。
○高木委員 その点は十分配慮をいただきたいものだと思っております。 次に、先ほどからも出ておりますが、並行在来線についてお伺いをしてまいりたいと思いますが、並行在来線のJRからの経営分離については、地域によって差があるようでございます。その点について、どうしてそういう差があるのかお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 並行在来線の取り扱いにつきましては、基本的にJR及び地元で十分に話し合って適切な結論を得る必要があると考えておりますが、現時点で申し上げますと、九州新幹線鹿児島ルートについては、川内—西鹿児島間は、JR九州が今後徹底した合理化をすれば維持可能としたことから、JRで引き続き経営するという方針を出しております。 また、これはまだ地元の一部市町村の反対がございまして並行在来線問題について結論が得られておりませんが、これも現時点でございますが、篠ノ井—長野間については、篠ノ井線との直通運転の関係でJR東日本が維持継続したいという意思表示をしているように聞いております。 また、これは着工調整費のみが計上されておりますが、金沢—高岡間については、このうち津幡—金沢間は、七尾線との連絡の関係上、JR西日本において引き続き経営を維持したいという意思表示があるように聞いておりますが、いずれにしましても、軽井沢—長野間、金沢—高岡間についてはまだ地元で並行在来線問題の結論が出ておりませんので、これから具体的にJRの意思が表示されるものと考えております。
○高木委員 並行在来線問題につきましては、岩手県の方でも住民の反対意見があるようでございます。ぜひ、地元の意見を十分調整しながら対応していただきたいと思いますし、また、大きな問題としましてのJR貨物、この輸送体制、路線の確保という意味におきましても、私は十分検討されまして支障が出ないように強くお願いをしておきたいと思います。 次に、私は九州新幹線の長崎ルートについてお尋ねをいたしますが、先ほども触れましたけれども、今回の全幹法の改正は九州新幹線長崎ルートにも適用されるのか。また、今回の財源措置の対象となる新幹線の範囲とは一体どういうものか。長崎ルートにおきましても対象になっていくのか、この点どうお考えでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 今回の全国新幹線鉄道整備法の一部改正は、整備計画が策定され、建設の指示が鉄道建設公団に対して行われております整備五線を対象としておるものでございますから、法律上は長崎ルートも入ってくるわけでございます。 ただ、今回、平成三年度におきます財源措置というのは、北陸新幹線、東北新幹線、九州新幹線鹿児島ルートの三区間について着工するということであり、今回の財政措置も、当面はこれら三区間と基本スキームで決まっております二区間、合わせて三線五区間を念頭に置いたものでございます。 なお、九州新幹線長崎ルート等につきましては、平成三年度予算において、整備新幹線建設推進準備事業費として二十億円が計上されているところであります。
○高木委員 この長崎ルートの件でございますが、このルートにつきましては、昨年の十二月二十四日の政府・与党の申し合わせの中で今触れられましたとおりのことが出ておるわけであります。地元におきましても、昭和四十七年に基本計画の決定があります。そして四十八年の十一月には整備計画ということになっておりましたけれども、昭和五十七年には国の財源状況から整備計画は当面の間見合わせるということもあったわけであります。しかし今回、鉄道整備基金がつくられまして今後の建設に大きく光が差してきたわけでありますけれども、地元にいたしましては長年の念願でございます。 そういう意味で、私は、今後この整備新幹線の建設につきましては、フル規格でいくのかあるいはスーパー特急になるのかミニ新幹線になるのか、そういうことが言われておりますが、残る二線につきましてどういうお考えなのか、現在の考え方について明らかにしていただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 北海道新幹線、九州新幹線長崎ルートにつきましては、基本スキームにおいては所要の準備、調査を行うこととされております。 そこで、平成三年度予算におきましても整備新幹線建設推進準備事業費が計上されているところでありますので、長崎ルートにおきましても、この推進準備事業費により環境影響調査、経済設計調査、設計・施工法等調査、計画調整調査等の調査を鋭意行っていきたいと考えておりますし、この調査に当たっては、JR九州あるいは地元の関係県とも十分御相談するつもりでございます。
○高木委員 はっきり申し上げまして、整備五線のうち、当初の建設費は、これは昭和六十二年四月時点でありますが、フル規格で建設した場合には五兆三千三百億円、整備三線約八百キロをフル規格で建設した場合は二兆九千二百億円、そして今回運輸省案、いわゆる長野—軽井沢をフル規格で建設した場合、一兆六千五百億円、こういうふうに建設費の問題についてはいろいろ考慮されておるわけであります。 そういう中で、一体、残る二線、長崎ルートを初めとして北海道ルートもありますけれども、見通しはどうなんでしょうか。どんどん進んでいくのでしょうか。もちろんことしはそういう建設着工の路線について集中的にやっていくのですけれども、私は、地元の話をいろいろ聞いてみますと、今回の政府・与党の申し合わせでは、そしてまた、今回の整備新幹線のいわゆる関連三法案につきましても、長崎新幹線は大きく前進したのだ、こういう受けとめ方をしておるわけでありますが、そういうことでいいのか、見通しについてどうなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 今回の予算で長年の懸案でございました三新幹線の三区間について着工する運びとなったということをまず評価していただきたいと思いますが、その後に続くものについても、建設の推進のための準備事業費による調査をできるだけ今後も進めていきたいと考えております。また、長崎ルートについては、地元の公共団体でもいろいろ研究を開始されていると聞いておりますので、運輸省として、また鉄道建設公団として御協力できる面があれば積極的に御協力していきたいつもりでございます。
○高木委員 再度お尋ねしますが、建設推進事業費というそういう呼び方が出ておりますが、これは一体具体的にどういうことがなされていくのか、その整備計画との整合性は一体どうなのか、そして今後、地元あるいはJR九州そして運輸省、そういうそれぞれの関係については一体どのような段取りでこれが進んでいくのか、その点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 建設推進準備事業費と申し ますのは、所要の準備調査を行うための費用ということでございますが、実際には、整備計画が策定された後、鉄道建設公団が工事実施計画認可申請をするために必要なもろもろの調査を行うことになっており、現在そういう調査を行っているところでございます。しかし、一方、基本スキームにおきましては整備新幹線のうち特に緊要な区間について運輸省案というのが出されたものでございますから、その他の区間についても、そういうことも念頭に置きつつ、今後調査をしていかなければならないと考えております。
○高木委員 時間もございませんので、前回から今回にかけましていろいろ質問をしてまいりましたが、この新幹線ができたときからそして今日におけるまで、この恩恵というのも私ははかり知れないものがあろうと思っております。幸いにして安全に運行されてきたことにつきましても私は評価をするわけでありますが、多極分散型国土の形成あるいは地方の活性化という意味に向けては、財源問題等難しい問題はあるにせよ、日本の国としてのそれなりの総合交通体系の位置づけをされるこの整備新幹線の推進については、今後さらに政治的にも強力な姿勢で取り組むべきと私は思っておりますが、この際、運輸大臣の決意のほどについてお伺いをしておきたいと思います。
○村岡国務大臣 先生の意見を踏まえまして一生懸命頑張っていきたい、こう思っております。
○高木委員 これで終わります。
○亀井委員長 これにて各案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○亀井委員長 これより討論に入るのでありますが、理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、御了承願います。 これより順次採決に入ります。 まず、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、鉄道整備基金法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀井委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○亀井委員長 ただいま議決いたしました三法律案に対し、柳沢伯夫君外三名から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。柳沢伯夫君。
○柳沢委員 ただいま議題となりました鉄道関連三法案に対し附帯決議を付すべしとの動議につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案、鉄道整備基金法案及び全国新幹線鉄道整備法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本鉄道関連三法の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。 一 鉄道の整備に関する中・長期的な計画について、運輸政策審議会等を活用しつつ、検討すること。 二 今後、整備新幹線の建設を進めるに当たっては、本鉄道関連三法案に関する国会における議論に十分に配慮すること。 三 整備新幹線の建設及び運営に当たっては、整備新幹線を運営する旅客鉄道会社が貸付料として負担する建設負担割合が受益相当分を超えないようにすることなど、旅客鉄道会社の経営に悪影響を及ぼすことがないよう十分に配慮すること。 四 既設新幹線の譲渡後においても、経営の安定を図りつつ、運賃・サービスの維持・改善及び安全・防災対策等に万全を期するよう旅客鉄道会社を指導すること。 五 整備新幹線の建設に際し、並行在来線の取り扱いについては、地方公共団体及び旅客鉄道会社の意見を十分に配慮するとともに、貨物鉄道会社の輸送に係る対策に万全を期するようあわせて配意すること。 六 大都市圏の鉄道整備については、今後とも積極的に推進し、通勤・通学混雑の緩和対策の促進を図ること。 七 鉄道軌道整備法に基づく大規模な鉄道災害復旧事業の助成については、できる限り速やかな適用が図られるよう十分に配慮すること。 八 鉄道整備基金に対して、その業務を適正に運営するよう責任をもって指導するとともに、新幹線鉄道保有機構の職員の雇用・処遇に万全を期するよう同機構への指導等適切な措置を講ずること。 九 旅客鉄道会社及び貨物鉄道会社に対して、健全な労使慣行の維持発展を図るよう指導すること。 以上であります。 本附帯決議は、当委員会における法案審査の過程におきまして、委員各位からの御意見及び御指摘のありました問題点を取りまとめたものでありまして、本鉄道関連三法の実施に当たり、政府において特に留意して措置すべきところを明らかにし、新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備の促進等の実施に遺憾なきを期そうとするものであります。 以上をもって本動議の御説明を終わります。(拍手)
○亀井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 柳沢伯夫君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○亀井委員長 起立多数。よって、三法律案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村岡運輸大臣。
○村岡国務大臣 ただいま三法案につきまして、慎重御審議の結果御可決をいただき、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、政府として十分の努力をしてまいる所存であります。 本当にありがとうございました。(拍手) ─────────────
○亀井委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○亀井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○亀井委員長 次に、内閣提出、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。村岡運輸大臣。 ───────────── 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○村岡国務大臣 ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明を申し上げます。 初めに、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 港湾は、交通、産業、住民生活等の諸活動を支える重要な基盤であり、その整備の推進が国民経済の健全な発展にとって、必要不可欠であることは申すまでもないところであります。 このような見地から、政府は昭和三十六年度以来七次にわたり、港湾整備五カ年計画を策定し、港湾の整備の計画的な実施を鋭意推進してまいりましたが、効率的な物流体系及び快適な旅客交通体系の形成、港湾の利用の高度化への対応、地域の活性化等の必要性が増大しており、港湾の整備に対する要請は量的に増大するとともに、ますます多様化し、かつ、差し迫ったものとなっております。 このような情勢にかんがみ、港湾の整備を引き続き強力かつ計画的に実施するため、このたび、港湾整備緊急措置法の一部を改正し、平成三年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を策定することとした次第であります。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この案件は、運輸省の地方支分部局として、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所を設置しようとするものであります。 すなわち、岐阜県の飛騨地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域の住民の利便を増進するため、岐阜県高山市に、中部運輸局岐阜陸運支局の下部組織として、飛騨自動車検査登録事務所を設置する必要があります。 以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、中部運輸局岐阜陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
○亀井委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十四分散会