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119回国会参議院1990/10/22

予算委員会 第1号

発言数
448
登壇者
23
会派数
7
開催日
1990/10/22

会議録

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を開会いたします。  一言ごあいさつを申し上げます。  私、去る六月二十六日の本会議におきまして、皆様方の御推挙により予算委員長の重責を担うことになりました平井卓志でございます。当委員会の運営につきましては、公正中立を旨として円滑に進めてまいりたいと存じます。  何とぞ皆様方の御指導、御協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  現在理事が四名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に沓掛哲男君、坂野重信君、藤井孝男君及び宮澤弘君を指名いたします。     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、予算の執行状況に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。  質疑を行う期間は本日二十二日の一日間とすること、質疑割り当て時間の総計は百四十一分とし、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党・護憲共同それぞれ四十九分、公明党・国民会議十五分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ八分、参院クラブ四分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。  ただいま御報告いたしました理事会決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。佐藤三吾君。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私は、まず総理にお伺いしたいと思いますが、梶山法務大臣の差別発言についてです。  この点については、御案内のとおりに、アメリカの下院で満場一致で譴責、非難決議がされる、こういう事態になっております。これはあなたが首脳会議に出て、その際にCBSテレビで遺憾の意を表明しておりますね、アメリカ国民に対して。その後、先週は本人並びにまた総理から陳謝の書簡を送って、そしてこの問題に関する理解を深めた上で下院で満場一致可決と、こういう経緯であるようですね。  私は率直に言って、梶山さんが法務大臣であるという立場もあるでしょう。しかし、この種の問題については中曽根元総理、渡辺自民党政調会長と、こういう言うならばたびたびというか、その都度陳謝をし、謝罪をしておるんですよ。しかし、再三にわたって行われておる。しかも、それが法務大臣、人権を守る法務大臣。こういうことに対してアメリカの下院なり各国の皆さんから、一体日本という国はどうなっておるんだ、こういう叱責を含んだものが込められておる、こういうふうにとらなきゃならぬと私は思うんです。  したがって、この差別の発言の問題については謝罪で済む性格のものじゃない。むしろそれを根絶する、そういった意味でのしっかりしたものがなきゃいかぬのじゃないか、そう思います。月末にはネルソン・マンデラ氏も来日して国会で演説なさるそうです。私は、梶山さんも、事は人権に係る差別発言ですから、法務大臣であるだけに責任については重大です。私はみずからもやっぱり決断すべきだと思います。  そういう意味で、ひとつ総理並びに御本人の見解を承りたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 梶山法務大臣の問題について御指摘をいただきましたが、梶山法務大臣の過般の発言は極めて不適切なものであり、私もまことに遺憾なことであると厳しく受けとめております。早速本人には厳重に注意もいたしましたし、本人もまた記者会見で発言を取り消して陳謝をいたし、また多くのアメリカの方々に極めて心を傷つける発言をしたというので、アマコスト大使を訪ね、その旨陳謝をしてきたわけであります。  私も、御指摘のとおり、日米首脳会談で参りましたときに、記者会見あるいはただいまのテレビのインタビュー等を通じ率直にこの気持ちを表明し、おわびをいたしましたが、またアメリカのNAACPというグループ、ここから私に対してもいろいろな手紙も来ておりましたから、それに対する御返事も出しまして、今後は厳しく戒めていくということを申し上げました。  また、梶山法務大臣に対して今後厳しく注意をすると同時に、政府といたしましては、御指摘になったように、いろいろマイノリティー問題につきます正しい認識をもっと啓蒙していくために先頭に立って努力をしていかなければならない、このように考えております。

梶山静六自由民主党法務大臣

○国務大臣(梶山静六君) 過般の私の発言は、人種差別を意図したものでは全くございませんでしたけれども、結果としてアフリカ系米国人を初めとする関係者の皆さん方を傷つける結果と相なってしまいました。私の発言は誤ったものであり、甚だ不適当であったと考えております。まずもってそのことを率直におわび申し上げ、私は今回の事件を深く反省いたしまして、ただいま総理からも御報告がありましたとおり、去る九月二十五日、記者会見の席でさきの発言を全面的に取り消すとともに、関係者の皆様方に深くおわびをしたところであります。  また、九月二十七日にはアマコスト大使をお訪ねし、同大使におわびを申し上げ、私の謝罪の意を同大使を通じましてアメリカの国民並びに関係者の皆様方にお伝えいただくようにお願いを申し上げました。さらに、内閣を通じまして、外務省を通じまして私に抗議のありました米国黒人議員連盟のデルムズ会長にもおわびの書簡を差し上げた次第であります。  私は、すべての人間は平等であり、ひとしくその人権が尊重さるべきものであるというふうに考えております。今後、人権の尊重の立場から種々の啓発活動を実施いたし、今後とも差別の根絶の啓発を行ってまいりたいと考えております。先日の衆議院の予算委員会でも山口委員の御質問にお答えを申し上げ、私自身は深い自己反省のもとに、ただいま私が置かれている針のむしろに座るような思いで受けたこの啓発の事実を率直に直視いたしまして、私は人種差別問題あるいは少数民族問題に対して、全力を傾けてこの解消のために先頭に立って努力することをお誓い申し上げました。私はそのことによって責任を果たしてまいりたいと考えております。御了解を願います。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私は、針のむしろに座るという心境で、そして辞任をするという表明かと思ったらそうじゃなかったんですが、これは総理、あなたがさっき言ったように、陳謝をし、そしていろいろなテレビ放映を通して遺憾を表明して、なおかつ満場一致で下院が議決したところに重さがあるわけです。これはそんな軽く済むものじゃない。しかも、これだけの問題を日本の国会は一体どうしているんだろう、こういうものが込められておると私は思うんです。そういう意味では、私は事内閣の問題だけで片づかない、そういうものに発展するように思うので、もう一遍ひとつきちっとした経緯を示してください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 本人が厳しく反省をしてその旨の陳謝の意思も表明をし、また議員おっしゃるように、アメリカの国会がそういった行為を踏まえて本人に対して厳しく叱責されるべきであるという決議をされたことは、アメリカの議会の関心が極めて大きいものであるということは、これは率直に受けとめさせていただきますが、その決議の趣旨に踏まえられておる問題については、私自身が発言の直後に文字どおり厳しく注意をし、本人も率直に反省をしておるわけでありますので、今後こういったことが行われないようなマイノリティー問題に対する正しい認識の啓発を政府は先頭に立って行っていかなければならない、こう考えておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 委員長、総理は今言ったような回答ですが、私はこの問題は今まさに日本の国会自体も問われておる。この人の事件だけじゃない。中曽根、渡辺、そして法務大臣、こうきておるわけですが、これはひとつぜひ理事会でも検討してもらって、そして国会としても意思表示をすべきときにあるんじゃないかと思うんです。いかがですか。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。  ただいまの件につきましては、理事会におきまして後刻協議いたすことといたします。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 それはそれでひとつよろしくお願いします。  次に、国連協力法問題についてお尋ねいたします。  総理、平和解決は皆、口では言うんですが、そのための具体的提案や努力が重要だと思うんです。経済制裁とか軍事的な圧力、これについてはそれに対する協力に日本自体動いておるようでありますけれども、事態の打開のためにどのような御提案をなさろうとしておるのか、またどのような行動をしようとするのか、この点をお聞かせください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今度起こっております湾岸危機というものを平和的に解決しなければならないというのは、まさに大きな国際世論であろうと思っております。あくまで今回の湾岸危機の原因をつくったものはイラクによる突然のクウェートに対する侵略と併合であるということも、これは明白な事実でありますから、その根本を取り除くことがまさに今委員のおっしゃった平和解決ということでありまして、これを国と国との紛争という次元で取り上げるのは、私は今回は適切ではないと思います。  国連が決議をして、国際社会全体の声として、まず直ちに無条件にクウェートから撤兵すべきだ、これが問題解決の第一歩だということは国際社会全部で認めておるわけでありますし、また考えてみますと、戦後そういう平和的な解決をねらって国連というものができて四十五年たちましたが、東西の対立、対決といういわゆる冷戦時代には、五つの常任理事国の間に東西それぞれの陣営の代表者が入っておりましたために、国連が決議をして平和的に解決をする、問題を根本的に片づけるということはほとんど機能されなかったのですが、今回は相次ぐ決議によってそれが機能し始めてきておりますし、世界の国々も国連の機能を中心にして平和的に解決させようという大きな流れになっておることは御承知のとおりと思います。  日本といたしましては、この国連の決議を支持するという明確な立場に立って、新しい冷戦後の世界の秩序というものは、どんなことがあっても力によって国を侵略、併合することを見逃してはいけない、それは許されないことだ。だから、国際連合の決議に従って根本的な解決をしなければならないから、クウェートからの撤兵、クウェート政府の復帰と人質問題の完全解決、これをまず当面の原理として掲げておるわけでありますから、日本もこれに従った行動をイラクがとることを強く求めておるわけでありますし、私自身もラマダン副首相に会ったときには、この原則の解決をまず決断することが今日イラクのみがなし得る局面打開の道筋であると、このことは強く言いました。  そのことと、それからさらに今後続いていきます中東の恒久和平の問題、それらのことについては私自身も、日本が国連決議二四二号の精神に従ってこの根本的な解決を願っておるんだということも、これはラマダンさんとの会談のときにも申し上げておることですし、また日本とイラクは経済協力、技術協力の面では非常にかかわりの深い、関係の多い国であったはずであります。むしろイラク側から見ると、いろいろな面で日本は非常に大きな協力国、援助国であったはずであります。ですから、今度の場合でも、民間と政府と合わせてまだ七千億円にも上る債権債務関係が残っておるということも明白な事実であり、またそういったことを通じて今後この問題が原則的な解決をしたならば、日本もイラクとの関係を再構築し、国際社会に復帰して、ともに世界の平和と安定のために力を合わせていきたいという用意のあることも私からは明確に申し上げたわけであります。  また、それはアメリカのブッシュ大統領もニューヨークの国連演説で提案をいたしております。私もその国連に出席をして聞いておりますけれども、まず原則的に決議に従って撤兵をしなさい、そしてクウェートに政府を復帰させる、そういったようなことがあれば、イラク・クウェート紛争やパレスチナ・アラブ紛争問題の解決に向かってもあらゆる機会が提供されるであろうということを提言しておるわけでありますから、やはり問題は、国連決議に従って、今できております緊急異常なこの状態をまず局面を転回して話し合いのできる状況に返す、その行為を国際社会が力を合わせてイラクに決断を求めておる。これから粘り強く平和的解決への努力を続けていかなければならないと私は考えております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 今あなたがおっしゃったように、日本とイラク、アラブとの間については、石油危機以来、信頼関係、友好関係を築いてきておる。そういう実績を持つし、手も汚れていない、武器も売っていない。ところが、そういう日本の立場であるだけに、私はイラク自身もかなり期待の夢もあったんじゃないかと思う。きのうのNHKのインタビューの状況を見ても、そのあらわれを表示していますね。  そういう中で、ミッテラン提案なりというのが行われてきた。これはイラクの撤退だけを言っておるわけじゃないんです。言うならば、パレスチナ問題やレバノン問題等も解決するという、そういう意味ではまさに中東地域全体の軍縮を含めた提案なんですね。あなたは今言うように、解決したらという表現で言っていますけれども、なぜそういう有利な立場を持つ日本が提案をしないんですか。そこを聞きたいんです。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) ラマダン副首相には私自身が直接私の考え方、今申し上げたようなことは二時間も話し合ったわけですからもっと具体的に申し上げておりますし、しかしあの一回だけではどうしても政治的な対話としては完結しませんから、だから引き続いてこういった問題については話し合いたい、きょう話し合えたことはうれしいという表現までありましたから、私は政治的対話の道は閉ざすものではないということで終えておりまして、平和的な解決のための努力は粘り強く続けていきたいと考えております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 粘り強くはいいんですが、やっぱり問題をきちんと提起して、その上で粘り強くやってほしいと思うんです。  そこで、次に移りますが、人質問題です。この事態については平和的な解決以外に全面的な解決は私はないと思いますけれども、社会党の代表団がイラクを直接訪問しまして、そして交渉して、具体的に四十三名の病人リストを示して、さらに病状の重い四人を特定して即時出国を求めた結果、先ごろ四名の方が帰国することができたわけです。政府は、この平和的な解決にあわせて、きめ細かな人権上の問題も含めてやっていかなきゃならぬと私は思うんですが、そういう点はほとんどやっていない。余りにも米国追随、邦人保護の責任さえ放棄しておるじゃないかとさえ思われるんですけれども、この点はいかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 邦人保護の問題につきましては、現地の大使を督励して、きょうまでもいろいろな情報収集とか必要とされる物の差し入れとか、いろんな努力をし、面接を求め、どのような状況になっておるかを把握したいと思って再三申し入れておりますけれども、イラク当局がその要請にこたえてくれないという壁もございます。そのために、一〇〇%確実にどのような状況になっておるかという情報をまずとるための努力は引き続き続けさせていくつもりでございます。  また、邦人のみならず、これはすべての国々の人の自由が拘束され、人質状態に置かれておるわけでありますけれども、大体こういう行為そのものが国際法上も人道上も間違った行為でありますから、問題の根本的解決をすることによって、要するに国際社会の大義のもとに決めた原則、国連決議の決定に従ってそれは行われる、これが根本的解決に一番つながる道であると私は考えておりますので、そういった方面についての大きな努力を続けていくとともに、現地の大使館、あるいは特に我々が接触しましたときなんかにもこのことは再三にわたって申し入れをしておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 この問題については、また現地に参りました矢田部さんの方からもあると思いますが、現地の声を聞くと、何にもやっていない、そういう声しか届いておりません。その点はひとつまた後ほど議論をしていただきたいと思います。  次に移りますが、四十億ドルの問題についてお聞きしておきたいと思うんです。  もう既にこのうち十億ドルは支出をしたわけですね、予備費から。私は、本来ならこの予算委員会にその経過を含めて報告すべきだと思う。それがなされていない。三十億ドルの拠出を含めてどういう状況になっておるのか、まず報告をいただきます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 湾岸におきます平和回復活動に対する協力につきましては、八月三十日に発表いたしました十億ドルの協力につきまして、その若干部分を既定予算から支出をいたしますと同時に、その大部分を九月二十一日の閣議におきまして予備費支出の決定を行いました。また、その後の中東情勢等にかんがみまして、湾岸地域における平和の安定の回復のための各国の国際的な努力というものに対し我が国としてもさらに積極的に貢献していく必要があるという見地から、去る九月十四日、さきの十億ドルに加えまして、今後の中東情勢等の推移などを見守りながら新たに十億ドルを上限として追加的に協力を行う用意のある旨を表明することとしたところであります。  しかし、この財源につきましては、直ちに追加の協力を行うことはなかなか容易ではありません。今後の中東情勢の推移を見守りながら、財源事情を見きわめた上、適切に対処していきたいと考えておるところでございます。  なお、その九月十四日の閣議におきまして私からは、こうした状況を踏まえまして、各省庁におかれてはこれまでの執行の留保に加えてさらに各種既定経費の見直しを行っていただき、一層徹底した経費の節減に努めていただく必要がある旨の発言もいたしたところでございます。  また、これは予備費を既に使用したわけでありますから、財政法三十六条の規定によりまして、内閣は次の常会において国会にその内容を提出し、御承諾を得なければならないことにかかわってくるということでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 その二十億ドルのうち十億ドルは今後ということですが、十億ドルについては、これはどういう法的根拠、積算根拠、その財源、支出内容になっていますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) この十億ドルを支出いたしました内容としては、湾岸の情勢を考えるとき、その平和回復の一日も早い必要性ということ、さらに、まさに予見せざる事情の発出ということから予備費の使用に踏み切ったわけでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 多国籍軍ですか、これに対する支出については、法的根拠はどうなりますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 法的根拠につきましては、国連の決議を受けてその実効性を確保するためにこのような支出を行ったというのがその背景にございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 もっときちっと言ってくれませんか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) イラクのクウェート侵攻によりますこの湾岸危機について、先般国連の安全保障理事会で行われました安保理六百六十号並びに六百六十一号、これを受けまして、この地域の平和の確保、さらにイラク軍がクウェートから一日も早く撤退をする、人質の無条件解放、また正統政府の復活ということのために我が国が国連加盟国として協力すべきことであるという認識に立って行ったものでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 六百六十号のどこに金を出せと書いてあるんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 六百六十号は御案内のようにイラクのクウェートからの即時撤退、また、人質の無条件解放、正統政府の復活ということを決めたものでございます。  条約の法律上の問題につきましては、政府委員の条約局長から答弁をさせます。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘の点が国内的な法的根拠ということでございますならば、これは我が国が、ただいま外務大臣がおっしゃいました背景、国連の諸決議を受けてその実効性を確保するために各国が行っている活動に対して援助するということを我が国が自主的に判断いたしまして、予算の範囲内でこれを支出する、国会の議決を経て御承認いただきました予算の範囲内で資金を提供するということでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 今の説明を聞きますと、国連決議に基づいていないと私は思うんで、そういうことで受け取っていいですね。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  国連決議そのものには、各国がどのような支援をすべきであるというところまでは規定しておりません。先ほど外務大臣から何度か御説明申し上げましたが、我が国としてはそのような国連決議を受けまして、我が国として自主的に何をすべきか、どういう貢献をすべきかということを判断して決定したものでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 大臣、これは重要な問題でございますから、関係資料を含めて要求しておきたいと思いますので、ぜひひとつ出していただきたい。よろしいですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員の御趣旨を含めて、資料を提出させていただきます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 この十億ドルを出す際に、経過を見ますと、新聞報道でございますけれども、一応国連に持っていって受け皿を探したけれども国連の方で拒否されて、そしてGCCですか、そちらの方に持っていったという経緯があるんですが、なぜ断られたんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 渡辺中近東局長から、その経過について御説明を申し上げます。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 事実関係でございますので、私から御答弁申し上げます。  この十億ドルの貢献に関しましては、その一部は我が同政府がみずから行う輸送協力、医療協力等に使っておりますが、その他の資金協力、物資協力の分につきまして、御指摘のように、国連その他国際機関に拠出をするということでいろいろ検討をいたしました。国連の場合には、国連自体の財政規則上の問題等で今回のような場合に基金をつくりにくいということでございまして、他方、今回の我が国の貢献はまさに湾岸の平和と安定の回復のためということでございますので、同じような目的のために湾岸で活躍をしております湾岸アラブ諸岡協力理事会、いわゆるGCCに基金を設けて、それに拠出を行うのが適当というふうに判断をした次第でございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 さっきは国連の決議に基づいて出したと言って、その国連が要らぬ、困ると言っておるんです。おかしいじゃないですか。何を言っているんだ。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 先ほど来大臣の御答弁にございましたのは、今回の我が国の貢献が国連の安保理決議を受けまして活動をしている国々に対する協力として行っているということでございまして、その根底にはそういう意味での国連決議があるわけでございます。ただ、具体的に基金をつくるかどうかということにつきましては、国連としてはそういう直接の決議はございませんので困難であるということであったと理解をしております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 なぜ国連の基金の受け皿ができぬのか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 国連では、そのような基金をつくる場合にそのような基金をつくるという決議が必要であるというふうに理解をいたしております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 今言ったとおりに、この基金の問題について決議はないわけですよ。ないから受け皿ができない、こう言っておるんです。それをあなたは六百六十号でできるんだ、受けたんだ、こう言っておる。その点ひとつきちっとしてください。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今回の安保理決議六百六十号の実効性を確保するために、このような判断を日本政府はしたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 それは、六百六十号はさっきからあなた何遍も言いよるけれども、しかし今ございましたように、やはり国連自体がお金を受け取るなら受け取る決議をきちんとしなければ受け取れないと言っておるわけでしょう。だから湾岸基金の方に回ったんでしょう。いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この湾岸協力機構に政府が資金を提供するということになりました背景には、この地域の平和の回復と安定ということが我が国にとっても国連にとりましても極めて重要なことでございますから、政府としてはそのような判断をいたしたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 さっきから言っておるように、あなたは国連の決議に基づいてと、こう言っておる。受けてと言っておる、六百六十号。しかし、それは日本政府の勝手な判断であって、国連の方は、こういうお金をもらっても対応できない、こう言っておるわけでしょう。そこら辺から言うと、国連と日本政府ということじゃないじゃないですか。日本政府の勝手な判断でしょう。どうですか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 改めて御答弁申し上げますが、先ほど来御説明申し上げておりますことは、我が国の今回の湾岸危機に際しましての貢献そのものにつきまして、これは国連がそもそもイラクのクウェート侵攻を不法である、したがってイラクはクウェートから撤退すべきであるという趣旨の決議、それからそれを実現させるために経済制裁を行うという決議、そういう決議がございまして、これを受けまして、これらの決議の実効性を確保するために各国は活動しておる。それに対して協力を我が国の判断として行うということでございます。  他方、この基金との関係で申し上げておりますのは、この拠出金の管理、運営のための基金を置くということ自体については、国連にそういう決議はございませんから、それは国連はできないということが一つと、それから、いずれにいたしましても、この基金の目的から申しますと、これは湾岸の平和と安定の回復を目的とするものでございますので、そのような意味で湾岸にございますこのGCCに基金を設けることが最も適当である、そういう判断をいたしたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 だから、日本政府の勝手な判断なんだ。だめだよ、それじゃ。納得できない。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 国連の安保理が、御案内のように、イラクのクウェートからの即時撤退、また人質の無条件解放あるいは正統政府の復活ということを決めた六百六十号の決議をいたしております。また、六百六十一号は経済制裁、これを決めた決議をいたしておりまして、この国連の決議を受けて、日本政府はこの湾岸の平和の確保が我が国の国民生活に重大な関係があるという判断で、我が国の判断でこの拠出を行ったということでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 わかりました。言うならば、国連の決議をあなたは盛んに強調するけれども、そうじゃなくて、我が国の判断で多国籍軍に出した、それが六百六十号にもかなうことだという意味でしょう。それならそれできちっと言えばいい。  次に、GCCに日本政府の要請で、国連から断られたものですから、平和基金というものをそこにつくった。そこに日本以外にどの国がどれだけの拠出をしておるんですか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) GCCに設けられました湾岸平和基金と申しますのは、我が国の資金協力、物資協力のための拠出金を管理、運営するために設けられた基金でございます。したがって、拠出者は我が国だけでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 それでは、もう一つ聞きますが、この基金は加盟国支援という交換公文になっておりますが、どういう支出内容になっていますか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) お答え申し上げます。  最初に、この基金に対する我が方の拠出金の使用先でございますけれども、これは今回の湾岸の平和と安定の回復のために累次の国連決議を受けて活動しております国に対して使用するということでございまして、必ずしもGCCの加盟国だけということではございません。  それから、その使用方法でございますが、これはこの基金の通常に責任を持ちます運営委員会というものを設けております。これは日本政府代表と、それからGCCの代表から成っておりまして、日本政府代表は我が方のサウジアラビア駐箚大使、それからGCCの代表がGCCの事務局長でございます。  それで、この基金は、一つにはいわゆる資金協力という形で資金をそのまま支出するという方法と、それからいわゆる物資協力と申しておりますが、この資金を使って特定の物資を購入して提供するという方法と二つの方法で使用することとなっておりますが、いずれにいたしましても、この資金の運用は先ほど申し上げました運営委員会が責任を持ってやるということになりますので、例えば各国から運営委員会に要請が出され、運営委員会で審査の結果適切と認められた場合にその支出を行うということでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 具体的にほどうなっているんですか。お題目聞いているんじゃないんです。中身だよ。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 具体的にという御質問の意味があれでございますが、まず資金協力の部分につきましては、幾つかの国からの要請が運営委員会に出されておりて、それを運営委員会として検討しておるというふうに承知をいたしております。  それからいわゆる物資協力の分につきましては、これまでに、一つは日本からの四輪駆動車約八百台、七百八十五台の提供、それから給水車七十五台、冷凍車五十台、これは近く提供される、そのほかに建設用の鉄板加工機械、その附属機器等の提供が運営委員会において決定されているというふうに承知をいたしております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私が聞いておるのは、多国籍軍のうちどの国にどれだけやったのか、それをきちっとしなさいと言っておるんです。この八百台という車もどの国に渡したのか、きちっとしなさいよ。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) ただいま申し上げました三件の物資協力につきましては、これはいずれも米国が相手国でございます。ただ、これは米国以外の国から要請がありました場合に、それに対して協力することを排除しているものでは全くございません。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 総理、今言うように、国連とかGCCとか理事国とかいろいろ言うけれども、中身は簡単なんです。アメリカの軍隊に金も自動車も物資も全部渡っておるんですよ。どうですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) いや、それは、多国籍軍というのはあくまで、政府も何回も答弁しておりますように、恣意にこちらから勝手に出ていくというよりも、まず多国籍軍ができたときに国連決議というものがあって、そしてこのためにということでいわゆる多国籍軍ができたわけですから、イラクのクウェート侵攻という暴挙さえなければ国連決議もないし、国連決議がなければこれを支持しようという多国籍軍もできなかったわけですから、そのできた多国籍軍に対して日本としてできるだけの協力をしなきゃならぬということを考えたんです。そして、いろいろ資金面の協力や要員派遣の協力や物資の協力やいろいろなことができないかを考えたわけです。  アメリカが中心になって行動をしたということはこれは事実でありますけれども、それはヨーロッパ諸国もその他のアラブの国もアジアの一部も、みんなこれが国際社会の大義だといって出かけていって多国籍軍をつくり、これ以上広がることを抑止しようという、アメリカに評価されるされないではありません、国際社会の大義の立場に立って日本が自主的に行動するんですから、そこまで卑下した別の考え方を持たれることは私はここで厳しく御注意をさしていただきたいと思うし、それから資金のことについても先生いろいろおっしゃるが、私が党首会談したときに、社会党の委員長は私に、それは少な過ぎる、遅過ぎるとおっしゃったじゃありませんか。(「触れてない」と呼ぶ者あり)  いやいや、おっしゃったから、私がその場で、それじゃ先生、私は御批判は甘んじて受け入れますけれども、御批判はいただきますが、じゃどれくらいやったら少な過ぎると言われないで済むのか先生の頭の中にある数字をできたら教えていただけませんでしょうかといってお願いをしたことも事実であるし、それから遅過ぎるとおっしゃるが、日本が決めた後でECも決め、ドイツも決め、韓国も決め、みんな日本が決めた後でそれぞれの国はこういった資金援助の額を決めて発表しておるわけでありますから、私は遅過ぎるとか少な過ぎるからとは思いませんし、教えてくださいといってもそれは会談の中でも出てこなかったという事実もあるわけでありまして、日本は独自の考え方でいろいろしておる。ただ、重要な国際関係については、アメリカともECともいろいろ協議、相談、連絡しておることは、これは事実でございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 これは海部さんいろいろ力説なさるが、もう明らかに完全な軍事援助ですね。今土井委員長の話が出ましたが、恐らくそういうことをまた言うんじゃないかと思ってあらかじめ聞いておきましたよ。この多国籍軍の問題について一言も触れていませんよ、土井委員長は。言うなら、難民の救済なりそういったところにどんどんもっとやるべきじゃないかということは言ったと、こう言っていましたよ。そこら辺は、何か話の端をとって言いくるめるような言い方はやめた方がいいんじゃないですか。  いずれにしましても、はっきりしたことは何かといえば、多国籍軍とかそれから国連の決議、こういろいろ言っておりましたが、そうじゃなくて、国連自体が資金を受けない、受けられないという実態も明らかになりました。しかも、これは完全な軍事援助だということも明らかになった。こういった問題について、私はもっと別の角度から日本の対応があるんじゃないか、そう思うんです。そういう意味で、今後ともこの問題について、さっきのお話のように、ひとつ日本独自の発想を持って対応していただきたいというふうに思います。  関連質問で矢田部さんの方にお願いします。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 関連質疑を許します。矢田部理君。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 総理は先ほどイラクのラマダン副首相との会談の経緯に触れましたが、その翌々日、私もラマダンさんとお会いしました。日本に対して、総理も含めて大変な批判でした。私は、イラクの態度は非難されなければならないと思いますが、今大事なのは、その上に立ってどうやって平和の道筋を立てるのか、そのために具体的な提案をするのか、もっと突っ込んだ話を期待していたのではないでしょうか。どうしてそれができなかったのか、まず伺いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) イラクのラマダン副首相は、私にるる説明されたのは歴史の上の事実であるとかきょうまでの行動であるとか、いろいろなことに随分時間をお割きになりました。そして、随分長い長い説明ですから、要約すると言葉が粗っぽくなりますので誤解を招くかもしれませんが、私はこの二つだったと思うんですよ。イラクの意見、言い分は、アラブのことはアラブで片をつけるからアラブ以外の国はいろいろなことを言ってくれるな。要するに、いろんな提案とかなんとか言ったってアラブだけでやるんだというのがまず第一の長い長い歴史的経緯に基づいての主張でした。  歴史的にたしか一九一七年までさかのぼって、あのときはあれはイラクの半島の一部であったというようなことにまでお触れになったことを私は記憶しておりますけれども、アラブのことはアラブでとおっしゃって、アラブの首脳会談なんかが前進をしていって、アラブの中だけのお話し合いが詰まっていっておるということがだれの目から見てもわかるような状況ならば、要するにあの侵攻当時の事態ならば、それもある意味では説得力があったと私も率直に思うんですけれども、その後アラブ自体が分裂をしてアラブ首脳会談もできなくなって、アラブの中にアラブ連合軍ができて、多国籍軍の一翼となって今展開をして、これ以上の侵攻はいけない、やめなさいということをアラブも今言っておる状況のもとでは、ラマダン副首相がそれを幾ら言われても、アラブで片をつける能力があるから任しておこうという国際世論にはならないと思うから、国際世論が納得するような方法で解決していただくためには、アラブのことはアラブでというのはこれはもう経過としてできなかった話になりましたから、今は国連決議に従った根本的、原則的な解決をしていただかなければいかぬのでないかということを強く申し上げました。  同時に、もう一点は、パレスチナ問題というのがあるんだ、イスラエル・アラブ問題というものがあるんだ、これと一緒でなければ根本的な解決を図るようなことにはならないという点もいろいろ強くおっしゃいました。私は、歴史の上でいろいろ経過のあったことも申し上げました。一九一七年よりもっとさかのぼると、イラクが別の国の勢力下に入っておったこと等も歴史の上ではあるわけですから、そこまでさかのぼっていって、あれはトルコの時代だとかなんとか言い出したらこれは際限なくなりますから、そういったことではなくて、きょう現在のこの状況の中で、しかも近い歴史の中でイスラエル問題については国連決議も二百四十二号を決めて、私どももそれを支持して、根本的解決はそれをやろうとし、またアメリカだってベーカー提案とか、エジプトだってムバラク提案とか、きょうまで恒久和平についていろいろ提案し努力してきたことは、これは委員も御承知のとおりだと思います。  そういったものを話し合いをするためにも今の緊迫した局面は転回しなきゃならぬのではないか。この局面を転回することができれば、その先の問題についてはいろいろお話の契機が出てくる。ミッテランの提案も、ブッシュ大統領の演説も、日本のきょうまでの立場も、いろんなことをそのとき申し上げて、じゃ、引き続きそれはいろいろな場面に話は続けていきたいということになっておるわけでありますから、あのときにいろいろのお話し合いをしましたが、ただ原則をお互いに守って、原則を主張して、具体的な事実の転回はあの会談ではなかったかもしれませんけれども、しかし、両方の立場をきっちりと述べ合って、同時にそれに従って平和的な解決をやろうということについても今後話し合っていこう、その点について共通の認識を得たということは、それはそれなりの値打ちがあった、私はこう思っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 ミッテランは四段階の解決案を提案しておるわけですね。あなたは第一段階しか言わないんです。それ以降どうするかがこれからの和平策にとって極めて重要なのであります。そこが問われている。だから、イラクも、ヨルダンやPLOも当然でありますが、ミッテラン提案を支持する、イラクも評価するという立場に立った。こういうことを足場にして、ミッテラン提案が全部完璧だとは思いませんけれども、重要な参考にして平和への方策を徹底的に追求し、その具体的な提案をしていくことこそが日本にとっての最大の貢献策ではないでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ミッテラン大統領の提案は、委員も私もよく存じておりますけれども、ミッテランはこの九月二十四日の国連総会の演説で行いました和平提案について、まず最初に、イラクが安保理によって採択された立場を受け入れない限り妥協することは絶対ない、こういうことをミッテラン大統領は言い切っているわけでありますから、この前提を解決するのはイラクの立場にあると私は思うんです。それを解決して初めてミッテラン提案は次の段階に行く、私はそのように認識をいたしております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 余り力まなくてもいいんですよ。第一段階は、イラクが軍隊を撤退する意向を明確にしなさい、意向ですよ。そして人質を解放する、そうすればすべてが可能になると言っているのであります。それが第一段階なのであります。そこをよくしかとお読みいただくことを注意しておきたいと思います。  そこで次に行きますが、二つばかり問題があります。  イラクには人質を含めて三百名余りの日本人がおります。この人たちが、いつ戦争になるかわからぬ厳しい情勢下で大変に不安を持ち、恐怖におののいていると言ってはなんでありますが、非常に厳しい状況に立たされているわけであります。この人たちにどうして日本政府はもっと手を差し伸べないのか、救出、救援策を講じてくれないのか、日本政府は見捨てたのではなかろうかとすら感じているのであります。多国籍軍にばかりてこ入れをしないで、自分たちのことを考えてほしいというのが率直な気持ちなのであります。その点では在イラクの日本人も、食糧も蓄積が少なくなりました、資金も動かなくなってしまった、大変困り果てておるのでありまして、このための具体的な救援策、救出策をやっぱり早急に講ずるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) そのような問題が起こった根本の原因を解決することが完全解決にとっては一番大切だと私どもは思っておりますから、武力解決をしないで、平和的な話し合いによってこの問題が解決するように国際社会が一致してイラクに反省と決断を求めておるというのが今の状況であって、日本はああいったことを、国際社会の正義に反することを仕方がないといって認めてしまうわけにはどうしてもまいりません。したがって、問題を根本的に解決するためにはイラクにその反省を求める、これだけのことをやったことを反省して問題を根本的に解決してもらうことが一番大切だと思ってその問題に触れておるわけであります。  現地の大使を通じていろいろ面接を求めたり差し入れをしたり、それなりそれなりの努力でもって配慮しておることもこれは当然の大使館の業務として行わせておるわけでありますが、そういう国際法上、人道上の問題についても、なかなか面接がそのときどきの都合によって十分行われないという壁もございます。それを取り除くようにせいということもどうぞひとつ強く主張してください。それをあわせて根本的に問題が解決されるように、自由を奪われておる邦人の皆さんやその御家族の皆さんの立場に立つと私も本当に心痛む思いがいたします。一日も早く平和的にこの問題が片づくように、問題の根源、原因をつくったもとを取り除くことが本当の世界の平和と安定のためにも大事なことであり、人質問題も当然それによって完全な解決ができると思いますから、それに向かって努力をしていきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 私も言っているんですよ。だから、アメリカに加担することだけではなくて、それ以上に平和解決策を具体的に出しなさい、そのための努力をしなさい、それが私の基本なんですよ。同じ認識です。それをもっともっとやるべきだということです。  もう一つ避難民対策と経済支援でありますが、避難民の救出、送還のためにヨルダンは大変な苦労をしております。ところが、ここになかなかお金が届かないのです。もっと資金が直接届く援助をすべきだと思います。それから、飛行機も三機出しました。常時張りつけてピストン輸送ででも送ったらいいじゃありませんか。それこそか本格的な中東貢献策だと私は思います。  経済支援もそうであります。みんな随分多くの借金を抱えている国々でありますから、この上に借金の上乗せで借款をするのではなしに、贈与比率を高められませんか。エジプトは既に三十万の避難民を抱えております。あと百万イラクにいます。この人たちは帰っても職もなければ家もない。ここにもっと届く援助はできませんか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 避難民のために日本政府はいち早く二千二百万ドルの拠出を実は決定いたしました。そして、民間航空会社に頼んでこのアジア系の人たちを母国に帰らせるために飛行機をお願いいたしましたが、民間航空機は政府の命令に服従するという体制にございません。あくまでも民間企業の立場で出せるだけのものしか出してくれないというのが現状でございます。  率直にきょうは申し上げます。こういう状況の中で政府はできる限りのことをいたしておりますけれども、我々はそれでもまだ足らないということはよくわかっております。しかし、これをどうして解決するのか。こういうところにこれから我我全体が、こういうふうな国連の決議の中で、地域紛争が起こったときに発生する難民をどのようなことで救済していけるのか、あるいは祖国へ帰らせるのか、こういう方途が実は現在の日本の政府にはもうこれ以上の手段はないわけであります。ここが一番の大きな問題点。つまり、民間企業は企業の考え方あるいは従業員組合の考え方、いろいろございます。こういう考え方で、政府は強制権がございません。これだけはひとつ御理解をいただきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 もうちょっと知恵がありませんかね。船をほかの国から借りて配船したっていいじゃありませんか。飛行機だってチャーターできるじゃありませんか。どうしてそういう知恵を絞らないんですか、そういうことを言うのなら。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 各国とも航空機の確保あるいは船舶の確保にはいろいろ苦労をいたしております。私どもも、公開をしておりませんけれども、外交ルートを通じていろいろとこのチャーターのあり方というものを検討いたしました。しかし、現在国際航空は大変航空機が不足をしておりますし、限度がございますので、我々としてはできるだけのことをやりましたけれども、十分この問題が解決するための満足な成果は得られなかったかもわかりませんが、フィリピンあたりでは、日本の日航機に乗って難民が帰ってきたときにサンキュージャパンという声を出したということをこの間マングラプス・フィリピン外務大臣が私に直接言ってくれました。  我々の善意だけはわかっていただきたい、そのように思っております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 さらに、この支援策をアジアの人人も含めて大いに強化をしていただきたいということを強く要望し、具体的な提案がありますから、後で私は政府の方に別途申し上げたいと思っております。  次の課題に移ります。  政府が、山口書記長の質問に答えて多国籍単に関して統一見解を出しました。どうも国連決議をはみ出しているのであります。今度の国連平和協力法もそうでありますが、それから先ほどの佐藤さんとの議論もそうでありますが、国連決議に基づいていない。基づかないものを、国連決議を受けてとか、国連決議の実効性を確保するためにと称して何でもできる体制をつくってしまう。ここが問題なんです。これをどうお考えですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) まず事実関係について私の方からお答えを申し上げます。  ペルシャ湾岸に展開しておりますいわゆる多国籍軍の活動は、次のとおり、国際の平和及び安全の維持のために国連安全保障理事会が行った累次の決議を受けたものでございまして、国連平和協力法に基づく我が国の協力の対象として考えているものでございます。  第一は、ペルシャ湾の洋上に展開している兵力及びサウジアラビアの要請に応じまして同国内の陸上に展開している兵力の双方は、クウェートを不法に占領しているイラク軍を含めイラクに不断の圧力を加えることによりまして、イラクによるクウェートよりの即時無条件撤退を求める安保理決議六百六十の実効性を確保することに貢献しているわけでございます。  第二に、このような洋上兵力及び陸上兵力の双方は、経済制裁措置を決定した安保理決議六六一の実効性を確保することに貢献しているわけでございます。  第三に、ペルシャ湾の洋上兵力の活動につきましては、経済制裁措置の厳格な実施を確保するために、安保理の権威のもとに、必要とされる一定の措置をとることを洋上兵力を展開している各国に要請する安保理決議六六五に基づくものと位置づけられているわけでございます。  我が国としては、このような国際社会の一致したイラクに対する制裁措置、このような国際社会の努力にできるだけ貢献するということでいろいろな措置をとっているわけでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 端的に伺いますが、多国籍軍の展開、アメリカの中東展開は国連決議のどこに書いてありますか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  国連決議そのものには直接そのような規定はございません。しかしながら、先ほど御説明申し上げましたように、これに実効性を与えるために各国が努力をしているということでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 国連決議に全く書いてない。国連決議に基づいていますか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 繰り返しになりますが、国連決議の実効性を確保するために国連加盟国が努力しているわけでございます。例えば、六百六十五号という決議がございますが、ここには、例えばでございますが……

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 基づいているかとだけ聞いているんです。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) そこには、洋上兵力を展開している各国にその援助を要請するということが書いてございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 サウジに展開しているアメリカ軍、その他の多国籍軍は基づいていますか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 明文の規定はございませんけれども、先ほど申し上げましたように、これらの決議の実効性を確保するというために各国が努力しているものでございます。  ここでやはり基本的には、イラクの侵略ということがもとにございまして、これを国連安保理が侵略であると認定いたしまして、これに対して措置をとっているということでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 国連決議に多国籍軍の展開は、内容にないのはもとよりでありますが、基づいてもいないんです。  国連は明確に、幾つかの決議がありますが、三本柱です。一つは、イラクの侵略はだめだ、撤退しなさい。撤退しないから経済制裁を加えます。そして、一部海上兵力の、海軍力の展開を認めております。それだけなのでありまして、多国籍軍の展開などは要請もしていないし、国連決議の内容にももちろんなっていない。アメリカの判断、サウジの要請に基づく判断であります。ここがやっぱり問題、非常に厳密に考えなきゃならぬのであります。  私たちは国連決議を尊重します。しかし、尊重する以上は、国連決議の枠組みの中で解決策を求めるべきなのであって、それを超えて、国連決議を受けているとか、その実効性確保だとか勝手に判断して問題を立てるから、あなたは平和解決の道筋が示せないのであります。アメリカに一方的に加担するこういう政策を根本的に改めるべきです。その意味では、この統一見解は大変問題がある。無制限に、受けたとか、実効性の確保だとかということで日本は兵を出したり金を出したりできることになってしまう。これがだめだと私たちは言っているのであります。こういうことになれば、アメリカがクウェートに侵攻する、奪還する、バグダッドを攻撃する、このことだって容認し、協力することになってしまいますよ。こんな統一見解を私たちは認めるわけにはいかない。直ちに撤回してしかるべきだと思いますが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 平和的な解決をしたいと思っておりますから、私たちは平和的な手段で解決ができるように、今の段階の国連決議の実効性を高めていこうとする努力をでき得る限り成功させたいという願いがあり、この後は政府委員に答えさせますが、もし経済制裁の国際的な努力が実らなかったときには、国連憲章はその次の条文で軍事制裁の決議をするんですよと。委員、わかってください。軍事制裁の決議をしたら軍事的な行動になるから、そこへ入っていく前に今の経済制裁の段階で撤退をしなさい、八月一日の線まで撤退しなさいということのその実効性を確保していくということが、踏みとどまらせるための、平和解決のための努力の重要な一つではないでしょうか。私はそのように考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 アメリカの世論調査を見ましても、アメリカのサウジ展開は間違っておる、経済制裁の効果をもっと見きわめるべきだったと、世論調査で七〇%以上の支持率ですよ。この状況を見るべきなんです。  国連は、経済制裁でまずこの問題を処理しよう、海上の面では一定の海軍力の行使を限定的に認めよう、臨検その他の措置を講じようと。ここでどうしてもう少し時間が待てないのですか。どうしてこの道を追求しないのですか。これが国連じゃありませんか、これこそが国連中心主義じゃありませんか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国連加盟国がみんな力を合わせて、その国連の決議の趣旨が実効性を上げるように今みんなが集まって努力をしておるさなかではございませんか。それをやっておるのがまさに今現在であるわけでして、軍事的な解決に踏み込んではいけない、平和的な解決でいこう、経済制裁の実効性を上げて、その経済制裁の実効性の上がる中でイラクに対しても反省と決断を求めようというのが国際社会の今の努力であると私は受けとめております。  したがって、もうそれ以上の戦線拡大ということよりも、むしろ撤収をして、国連決議の最初の線に戻るというそのことが局面転回のために大事で、その局面転回をできるのは多国籍軍ではなくてイラク軍だということも私は特に強調しておきたいと思うんです。それが根本的な解決につながる。その平和的な根本的解決のために、軍事手段の決議に入らない前の国連のその中で経済制裁の実効性を高めるために多国籍軍が出ておるわけでありますから、私はその実効性はあくまでも確保していきたい、確保していくのが平和の理念に徹することになる、私はそう信じております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 私も国連を大事だと思っているんです。だから、国連中心主義も国連の尊重も唱えておりますけれども、しかしその枠組みというものもまた大事にしなきゃなりません。実力でやるか、経済制裁で行うか、非軍事的手段を使うかと非常に慎重に国連は論議しているんです。その合意ができた範囲でやっぱり日本も対処すべきなんであって、合意を超えてアメリカのイニシアチブでこれをやることが問題なのであります。特にアメリカのサウジ進駐は決して国連の名のもとにやったんじゃありません。サウジの要請に基づく集団自衛権の行使、そのためにやったのであります。それが本質であるにもかかわらず、国連の名をかぶせる。これを受けたとか実効性確保だというのは後からつけた理屈なんです。そこの本質を見誤ってはならないと思うんです。いかがでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) お言葉を返すようで申しわけありませんが、国連決議の方が先にございました。平和の破壊者であるという認定を国連がいたしました。そして、それをやむを得ないことだといって見逃してしまったら、初めて国連が平和機能を果たそうとしておる世界の歴史の大きな転換で、冷戦後最初に迎える国際的秩序のあり方を厳しく問われておるときに、これはアメリカがやったことが決議を受けていないとは思わない。決議を受けて、この決議の趣旨に賛成したからこそサウジの要請を受けてまずアメリカが出たんですが、出たのはアメリカだけじゃなくて、ヨーロッパの国も、アラブの国も、アジアの国の一部もみんな出ていった。ソ連まで軍艦が出ていって、そして海上封鎖、経済制裁の実効性を高めるためには世界じゅうが、ほとんどの国が協力をしておると言って言い過ぎではありません、私に言わしむれば。  ですから、そういう意味ですから、あくまでイラクのクウェート実力侵略、併合ということが平和の破壊で許せないんだという国連決議に従って、みんながそれぞれの国の意思と決議に従ってあのような行動をとった。これはやっぱり平和を守れという国連の決議に従った行動である、国連決議も何にもなしで突然ああいったことが起こったものではない、原因はぎちっとあったんだということも私はあえて申し上げさせていただきたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 この論争は余り繰り返したくありませんが、国連は、イラクは撤退をしなさい、その撤退を促進する手段として経済制裁とか実効措置を決めたのであって、それ以上に派兵だとか力の解決の路線をとることは国連は決めておらないのです。そこをしかと押さえてください、こういうことが第一であります。事実、派兵のときにブッシュ大統領が演説しました。国連の決議を受けてなどとは一言も言っておりません。サウジの要請を受けて出動する、サウジ防衛の目的で出動する、これだけが彼らの根拠だったのであります。ここはしかと押さえていただかなきゃ困るのでありまして、これを実効性確保だとか受けてということで中東展開を全面的に支援する、それを合理化するような政府の統一見解を私は容認できない、牽強付会、こじつけそのものである、再度撤回を求めたいと思います。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 事実関係について一つだけ御答弁申し上げたいと思いましたが、八月八日のブッシュ大統領演説の中で、ブッシュ大統領は、サウジアラビアの要請にこたえて空挺師団がサウジに行くということは言っております。ただ、同時に、「去る月曜日には、国連安保理が、二十三年ぶりに国連憲章七章のもとでの強制的制裁措置を承認した。自分は、本日、米国がこれら制裁の実効性を確保し、及びイラクによる遅延のないクウェート撤兵をもたらすため、米国としてなし得ることをする旨誓う。」ということも言っております。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今局長がお答えいたしましたように、ブッシュ大統領は、先ほどのとおり、「自分は、本日、米国がこれら制裁の実効性を確保し、及びイラクによる遅延のないクウェート撤兵をもたらすため、米国としてなし得ることをする旨誓う。」ということを言っておるわけでありますから、これで明確に国連の決議の実効性を確保するためにやったという判断をいたしております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 もう繰り返しになりますからあれですが、外務省も私たちにそう説明しておったんですよ。今ごろになってから国連を次々に引き出してきて、あたかも国連がにしきの御旗のごとく言うのは正しくない。国連は大事だけれども、国連を利用するのにも限界がある。必要があるならば国連に論議を持ち込めばいいんだ。国連で決まったらやったらいいんです。その道筋を歩まないと、国連尊重と言いながら逆に国連を壊す結果にもなる、権威を弱める結果にもなる、このことを指摘しておきたいんです。その点で統一見解は認められません。少なくとも出し直さなきゃならぬと私は思いますが、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) お言葉を返すようでございますが、政府の統一見解をこの際出しかえる用意はございません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 こういうことで、内容でもない、基づきもしないで、受けたとか、それから実効性確保だとかということで何でもできる体制になったら、国連協力法もまさに同じ思想であります。これから無制限に日本がずるずるとのめり込むことになってしまう。その点ではこの問題は厳格に処理しなきゃならぬから、私は了解できません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 答弁を整理してもらうのと、私が言っているのは、あの政府の見解では歯どめがないじゃないか、どこで抑えるんだということを聞いているんですが、そこを明確にしてほしい。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 歯どめの問題に入ります前に、まず国連の問題を整理させていただきたいと思います。  国連の決議は、八月二日に決議六百六十号が出まして、イラクのクウェート侵攻を非難した決議をやっているのは御案内のとおりであります。八月六日になりまして六百六十一号の決議が出て、これはイラクに対する経済制裁をやっている、この決議をやった。それから六百六十二号は、これは八月九日でありますが、クウェートの併合は無効である。これはイラクがクウェートを併合する、こう言っているんですが、それは無効だという決議をしている。それから十六日になりまして、在留外国人保護に関する国連事務総長への申し入れを行う。  こういう経過をたどって、十八日に六百六十四号の決議で在留外国人の保護というものを国連が満場一致で決議をした。それから今度は、六百六十五号の決議を八月二十五日にいたしまして、先生も御案内のように、海上に関する制裁の実効性というか、この文章をもう一回申し上げますと、安保理は、対イラク経済制裁の実効性確保のため、海上部隊派遣国に対し必要な措置をとることを要請、並びにすべての国に援助の提供を求める旨の決議六百六十五号を全員賛成で採択した、こうなっております。これが国連決議の一連の流れでございます。  こういう中で、アメリカはアメリカの国連決議の実効性を確保するために制裁をやっているということであります。  第三に、それじゃ日本政府は何をやったかということでございますが、日本政府は、先ほども申し上げましたように、イラクのクウェート侵攻に対する国連の決議の実効性確保のために協力を行うことを決定した。  このようないわゆる三つのチャプターに分かれる、こういうふうに御理解をいただければ結構だと思います。(「歯どめは」と呼ぶ者あり)  無制限に政府が援助をやるのではないかということでございますが、私どもは、まず第一に、国連決議ということが最大の問題点であろうかと思います。第二点は、武力による威嚇または武力の行使は絶対にやらないという日本の憲法の枠内でこれを必ずやる。これが二つの大きな基本の原則ではないか、このように私は認識をいたしております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 政府の見解には依然として歯どめがない。私は、少なくとも日本の動きは国連決議に基づかなきゃならぬ、それ以上に勝手に拡大解釈してやることに対しては大変な反対の意見を持っております。その点で議論を留保して、次の問題に入りたいと思います。  一つは海外派兵です。アジアの諸国が大変敏感に反応しています。憂慮の念を表明していますが、どう受けとめますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) アジアの各国の政府関係者が日本の国連決議に関係する今回の国連平和協力隊法の審議について注目をしていることは事実であろうと思います。私は、アジアの近隣諸国が去る第二次世界大戦において大変大きな被害を受け、迷惑をこうむった方々がおられるという観点から、この法案のいわゆる成立については、これらの国々の指導者に十分理解が得られるような説明を日本政府はしなければならないと考えております。  また、私は先般の国連総会に出ましたときに、中国の銭外相を初めアジアの外相にはいろいろとこの法案を提案する政府の考え方について既に説明をいたしております。中国の外相からは、ひとつ慎重にやっていただきたい、こういう御意見もちょうだいしておりまして、私はそのような趣旨に基づいて、外務大臣として近隣諸国に、日本は国連の決議に基づいた、国連の決議を受けた形でのいわゆる平和協力隊というものが国際の平和と安全を確保するために動く、また平和維持活動に協力をするということをよく説明しなければならない、このように考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 説明が不足だから憂慮の念を表明しているのじゃないんです。彼らは、本質を見てアジアの人たちは大変に心配をしているのであります。  その一つに、総理のふらつきがあります。八月二十三日の記者会見では、自衛隊の海外派遣などは考えていないと言明したじゃありませんか。どうしてふらつきながらこんなひどい法律を出したのですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 当初私が、協力をしなければならぬ、それはお金の面だけじゃなくて、汗をかく、人の面の協力もしなければならぬというときに、いろいろ探しましたけれども、日本国内にはそういったことを可能とする法律の仕組みも体制も全くできていない状況でございましたから、すべてこれは、輸送協力にしろ物資協力にしろ医療協力にしろ、資金協力は別でございますが、これは民間の皆さんの志に訴えてお願いをしなければならぬということを当初に思ったことも事実でありました。スタートさせまして、率直に申し上げていろいろの問題があって、これは極めて難しいことがわかってまいりました。  したがって、今後日本が行うべき平和的な協力というものはどの分野であろうか。今貢献策でやろうとしておることが想定される問題ではないでしょうか。したがって、物資協力とか輸送協力とか医療協力をやるために、それを効果的に行うためにはどうしたらいいだろうかということを、政府部内でもいろいろな意見がありましたから、それを慎重に討議をし、判断をいたしました。そうして提案したような協力法案になったわけであります。  この問題については、自衛隊の問題について今憂慮の念が非常に強いとおっしゃいましたけれども、私どももそのことについては十分理解できるわけでありますから、したがって、自衛隊から平和協力隊本部の方に来てもらう。そして指揮監督のもとに入る。やるべき業務内容はこれとこれということは平和協力隊の本部の方できちっと決める。当然のことでありますが、平和協力隊は武力による威嚇、武力の行使を伴わないものであるという大前提をきちっと置いて、そして許される協力の範囲は何であろうかということを模索したわけであります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 その問題の重要な一つでありますが、この平和協力隊は武装して行くことになります。小型武器が貸与され、携行を許されることになるわけでありますが、この小型武器とは何ですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 武器の定義は後ほど説明させますけれども、原則非武装ということでいきたいと思います。そして、平和協力隊の隊員に貸与するものは、あくまで本部長がこれが必要であると認定をしたときに、現地の状況等を踏まえてそこで貸与をするわけでありまして、現地で貸与するもの、それから、輸送するときに船とか飛行機とかいうものを、先ほどもちょっと話題になりましたが、なかなか効果的に直ちにというわけにまいりません。いろいろな御意見を野党からも出していただいて研究もしましたけれども、船をつくり、飛行機をつくり、それを操艦する人々に集まってもらい、訓練をし、実行に移すということは、極めて時間もかかるし資金も必要とすることであります。  効果的に迅速にやろうとすれば、平和協力隊というのは、これは常設機関じゃありませんから、具体的なときにその期限を区切り目的を区切り行うものでありますから、日ごろの蓄積された組織としての機能や訓練の結果をそのまま平和協力隊として参加をしてもらって、平和協力隊の業務として協力活動に入るということにしたわけでありますから、そのときにも、もともと輸送船とか輸送機というものは、ほかの海上保安庁の船とか民間の飛行機、船と同じように武力の行使を目的としたり戦闘用の武器を積んでおるわけではありませんから、そういったようなものによって、それが直ちに武力による威嚇とか武力の行使ができる程度のところまでいくものとは私は考えておりませんし、また、武器使用の問題についても厳しくきちっと歯どめをかけて制限をしておるわけであります。  そういったような心配がアジアの国に懸念として起こらないように十分の歯どめもつけておりますし、派遣をするときには、派遣先の国とまたその業務の内容その他について十分打ち合わせすることもこれは当然の前提でありますから、それらのことを御理解いただければ、これが軍国主義の復活であるとか、日本が軍事大国になることを願っておるとか、ねらっておるとか、そういう角度の御批判はこれは当たらないと思いますから、十分そこのところは具体的内容を説明していきたいと思います。  小型武器の説明。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま総理から御説明ございましたところに尽きているわけでございますが、法案の第二十七条において規定しておりますことは、現地の秩序が十分に維持されていない、治安上の不安があるというような場合におきまして、政府としては派遣される隊員の安全ということも考える必要があるわけでございます。そこで、例外的に必要があると認められる場合には護身用の小型武器を貸与するということを考えているわけでございますが、その範囲はけん銃と小銃にとどめる考えでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 機関銃は入るんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま申し上げましたのは法案の二十七条で規定しております護身用の武器でございまして、これは小銃どまりでございます。  なお、船に積載する武器の問題につきましては、防衛庁の方から答弁させます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 この法案の特徴は、自衛隊が個々の参加だけではなくて部隊として参加をするというところに大きな特徴がある。部隊として参加をする自衛隊も小型武器で統一するんですか、それともまた、独自の道を講じることになるんですか。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) ただいまお話がございましたように、自衛隊が参加をいたします部隊の代表的なものとしては、補給艦とか輸送機がございます。こうした船につきましてはもともと大砲等は装備をしておりませんけれども、自衛隊法九十五条という規定がございまして、当該船とか飛行機が破壊されたり奪取されたりすることのないように、その船、飛行機の警護に当たるための武器を積むということになっております。それで、現に積んでおります兵器は、補給艦「とわだ」の場合は機関銃、小銃、けん銃、散弾銃でございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 とりわけ陸上自衛隊が部隊として後方支援の任務に当たる同能性が想定されますが、この場合はどうなりますか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 詳細は防衛庁の問題になるかもしれませんが、法案との関連で私の方からお答えさせていただきますが、陸上自衛隊の場合にはけん銃と小銃ということを考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 この問題点は、陸上自衛隊が部隊として参加する、自衛隊はその身分をあわせ持つ。自衛隊の身分を持っているわけでありますから、自衛隊が固有に持っている武器がこの際持ち込める可能性が残されてはいないかということでありますが、その点はいかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国連平和協力隊に参加してもらうときは、国連平和協力本部長の指揮監督に従ってもらいます。したがいまして、戦闘行為をやろうとか、武力行使を目的として派遣するものではありませんから、具体的にどのようなことがあるかということも今の段階で一々限定して言うわけにいきませんが、それは護身用の小型武器に限るべきである、その場合は、個人の場合は小銃とけん銃であるということを私は念頭に置いております。  それから、部隊を出す必要というのは、自衛隊の協力業務として想定できるかどうかということはそのとき個々の問題によるべきでありますけれども、武力行使をするために部隊を出すことは絶対にありませんから、医療班とかあるいは拠点に対する輸送ということを考えた場合に、今いろいろの想定問答を仮定の問題としながら、具体的に検討し、詰めた結果を表明いたしましたが、協力のありようとして、今おっしゃるような現に戦闘部隊として武装しておるものを持っていくというようなことは全く想定しておりませんし、政府はそのような業務を認めるはずがありません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 ならば伺いますが、自衛隊法の八十七条で、「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」と書いてある。この規定はどこで排除されますか。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) 確かに今先生お読みになりました規定によりまして武器を保有することはできます。同時に、その武器を使用する場合につきましても法律上の制限がございます。  それで、今この平和協力法に基づきまして参加する自衛隊でございますけれども、例えば防衛出動を行うとか治安出動を行うとかいうことは全く考えられないわけでございまして、使えますとすれば、先ほど私の申し上げました自衛隊法九十五条の、自分たちが持っております船とか飛行機が破壊されたり奪取されたりすることを防ぐ場合、これのみにしか使用できないというふうに考えております。  それで、船とか飛行機の場合につきましては、先ほど申しましたように、機関銃以下の兵器を持っておりますし、陸上につきましては、先ほど外務省の方から御答弁がございましたように、小銃、けん銃程度のものというふうに考えておるというところでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 自衛隊は必要な武器を保有できるという規定があるが、この規定はどこの条文で排除されるかと聞いている。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) 自衛隊は一般的に武器を保有することができるわけでございますが、八十七条は、「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」というふうに書いてございます。したがいまして、平和協力隊に参加いたします自衛隊は、あくまでもその平和協力隊としての任務の遂行に必要な範囲内でしか保有はできない、こういうことに相なります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 これは排除できずに、持てることになりませんか。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) 再三繰り返しの御説明になって恐縮でございますが、自衛隊の武器は使用する条件というのが厳密に決められております。したがいまして、先ほど来申し上げました……

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 そういうことを聞いているんじゃない。持てるか持てないかの違いだ。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) その使用条件に当たらないものを持っていっても、そういう任務がございませんから、したがいまして、平和協力隊に参りますときには持っていかないということでございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 午前の質疑はこの程度といたします。  午後一時から再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時二分開会

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。  佐藤三吾君の関連質疑を許します。矢田部理君。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 午前中の質疑で、自衛隊の武装問題について質疑をしてきました。その中ではっきりしましたのは、平和協力隊員になって小型武器を貸与され、かつ携行することができるのが一つ。それから、自衛隊の艦船や航空機が出向く場合には、その艦船や航空機が固有に持っている武器をそのまま持っていくことができる、二番目。三番目に聞きたいのは、後方支援部隊あるいは施設大隊等が出向いていくときに、それらが固有に持っている武器をこれまた携行できるかどうか。自衛隊法上は、必要な武器は保有できるとなっているのでありまして、それに対する法的な歯どめ措置があるのかどうか、そこを明確にしていただきたいと思います。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) お答えいたします。  自衛隊が国連協力隊に参加をする場合には、その身分は自衛隊としての身分もございますけれども、平和協力隊としての任務を遂行するわけでございますから、したがって、その協力隊法に基づく与えられた所持すべきものは所持する、こういうふうな見解を持っております。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま防衛庁長官が仰せられましたとおり、陸上自衛隊が参加する場合も、これは平和協力隊として平和協力隊の任務を遂行するために参加されるわけでございます。したがいまして、そういう観点から携行する武器というものも限定されるわけでございまして、けさほど御答弁申し上げましたように、けん銃と小銃ということを想定しているわけでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 法的な抑えがあるかどうか、自衛隊法八十七条。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど申し上げましたように、この平和協力法に基づいて平和協力隊の一員として、一部として自衛隊から参加していただくわけでございますから、この法案の第三条に列記してあります任務の遂行上必要なものだけを持ってきていただく。必ずしも武器が必要でない場合もございます。そのような場合には何も持ってこないということもございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 自衛隊法八十七条を排除する規定、法的根拠があるかと聞いている。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) もう一つ補足させていただきますと、平和協力隊を派遣いたします場合には、協力業務につきまして業務計画というのを決定いたします。これは平和協力会議の審議を経て閣議決定いたしますが、そこで決める一つの項目といたしまして隊員の装備というものがございます。そこできっちりと決めるというふうに考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 運用や行政サイドで何を決めるか、どうやるかを聞いているんじゃなくて、法律的な歯どめがあるか、無制限に持っていけるんじゃないか、軍艦は、輸送船は独自の武器を持っていけるんだから陸上自衛隊だって同じじゃないか、こう聞いているんです。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) ただいま委員、自衛隊法の八十七条を引いての御質問でございます。  自衛隊法の八十七条におきましては、「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」、かように書いてございます。自衛隊としましては、当然自衛隊法の三条に書いてありますような任務、これの遂行のために必要な武器ということで、八十七条は確かにオーバーオールに武器を保有することができるということを書いてあるわけでございます。それに対しまして、それ以下の条文におきまして、こういう使用ができるということで、広い使用の範囲ができる場合、それから警察的行動のときに警察的行動の範囲で使用することができる場合、こういうふうに書いてございます。そういう意味におきまして、当然保有できる、既に任務の範囲で保有できるということと、それから使用する形態というのと分けて書いてあるわけでございます。  今回の国連平和協力法案におきましては、三条でその任務が限定されているわけでございます。しかも、その任務を実際上発動いたします場合には、法案の十七条で実施計画というものを定めることになっておりまして、その中に平和協力隊の装備というものが書いてある。したがいまして、任務なりそれを遂行するために必要な範囲、こういう意味での当然の限定が加わっている、かように思います。法的にはさように思いますし、運用につきましては先ほどお答えがあったとおりでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 排除されていないじゃないか。だめだ。排除されていない。全然了解できません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) いま一度申し上げます。  先ほど申し上げましたように、自衛隊法の八十七条、ここにおきましては、自衛隊の任務遂行に必要な武器を保有することができるということで、自衛隊の任務として与えられております三条関係等につきましてのオーバーオールな規定がまずございます。それから、その武器の使用につきましては、例えば防衛出動のときの武力行使、こういうことで八十八条、あるいは治安出動時の権限として八十九条等がございます。自衛隊法の使用の形態としましては、今申し上げました八十八条以下九十五条あるいは九十六条に至りますところで書いてございまして、これが自衛隊法上の武器の関係の保有と使用の関係になっているわけでございます。  仮に今回の場合九十五条というものが想定されました場合に、これはその使用の形態と使います武器の関係、これは自衛隊法上の体系からいえば、当然のことながら、その使用することができる、例えば警職法を準用するとか、あるいはその限りにおいて合理的に必要とされる限度においてというふうな限定がございます。そこで、使用と、当然それを持ってまいりますあるいは持っております武器との関係が規定されている、これが自衛隊法上の構造だろうと思います。  そういう意味におきまして私は先ほど御答弁申し上げたところでございまして、今度の国際連合平和協力法案で自衛隊が部隊として参加してまいります場合も、ここで当然にその任務としているところ、それに従って武器は持っていくし、またその限度においてしか使用できない。そこは当然警察行動の限界がございますし、当然その警察行動としての限界の範囲内に武器の持てる範囲はとどまる、これが従来の自衛隊法上の構造でもございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 全く納得できません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。  再答弁いたさせます。工藤内閣法制局長官。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答えいたします。  国際連合平和協力法案の中におきましては、そのような形での明確な意味での、何といいますか、制限といいますか、そういうふうな形はございません。ただ、任務なり、二条の二項で書いてあるような「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない」、あるいは先ほど申し上げました実施計画、こういうものによりまして当然の限定が加わってくる、かように考えておりまして、先ほどのように、この法案自身に何かあるかと言われれば、それは表現上そういう形で書いたものはない、こういうふうなことでございます。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 総理、こうなったら歯どめなく武装自衛隊を配置することが可能じゃありませんか。それでいいんですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 何度も申し上げておりますけれども、武装自衛隊を歯どめなく派遣するなんということは、これは絶対に考えておらぬことであるし、それからここの中にも、武力による威嚇もしくは武力の行使を伴わないものというのを大きな大前提として歯どめをかけておるわけでありますし、それから原則非武装であるけれども、行き先の治安状況その他等を考えて必要と認めるときには特に小銃、先ほどけん銃と言いましたけれども、そういった護身用の武器を持たせるかどうかについても、これは二十七条で特に認めた場合のみ携行することができるときちっと歯どめをしておりますし、さらに言えば、十七条において実施計画に当たってはその装備の問題もきちっと書きますし、ですから、自衛隊が参加をして、そして平和協力隊の枠組みの中に入って一元的な指揮監督に服してもらうわけですから、ここの平和協力隊で決める一元的な指揮監督に従って、小型兵器の問題についてもこれは厳重な歯どめがこの法律でもかかっておると、私こう思います。(「かかっていない」と呼ぶ者あり)  いや、かかっておると言っております。だから、明確なそういう規定はないが、二条、三条に書いておる。まず大前提として武力の威嚇はしない、武力の行使を目的としていない。だから、この任務、作業では持たせない、これは明らかにしておる大前提でございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 質問を続行してください。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 自衛隊法八十七条で明確な武器保有の規定があるのに、それを排除の明文がなければ排除できないというのは、これは当たり前の話ですよ。解釈や運用の問題じゃないんです、これは。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。  委員長から申し上げます。  ただいまのやりとりの武器使用の制限ないし歯どめの問題につきまして、総理大臣より再答弁をいたします。海部内閣総理大臣。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 小型武器をどのようにして携行させるのか、またこの歯どめの問題について、特別委員会の答弁に際して明確にしたいと考えております。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔午後一時三十九分速記中止〕    〔午後二時五分速記開始〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。  ただいまの武器携行の質疑につきまして、内閣総理大臣より答弁いたさせます。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 法案の中には、自衛隊の部隊派遣に伴う武器携行につき明文上の規定はありません。しかし、第二条の武力の行使に当たらないこと、三条で任務が平和目的に限られていること、具体的には十七条の実施計画で装備の内容が定められていることとなっておりますことから、歯どめになっているものと考えております。  なお、法案の審議の際に改めてこの歯どめについて明らかにいたしたいと思います。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 今の総理の答弁に納得したわけではありませんが、問題点を留保して次に進みたいと思います。  ただ、一言だけ申し上げたいのは、自衛隊の海外展開を決めただけでなしに、歯どめなき武装自衛隊の海外展開の危険が高まっている、そういう内容をはらんでいるということを私は重大な問題として指摘しておきたいと思います。  もう一つの問題点は、このようにして展開した自衛隊を含む平和協力隊が後方支援をやります。安全な場所にしかやらない。紛争地域で安全とか危険とかという区別はできるでしょうか。サウジはイラクのミサイルの射程下にあります。戦争になったらどうするんですか。攻撃を受けたら応戦するんですか。応戦するとすればその根拠は何か、含めてお答えください。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 平和協力隊の派遣につきましては、具体的な案件に即しましてその都度業務計画を閣議決定いたしまして、その前に平和協力会議に諮りますが、閣議決定いたしまして、具体的に定めて実施するわけでございます。その際、やはりこの平和協力隊の基本的な性格、武力を行使しない、武力による威嚇は行わない、そういう限定がございますので、そういう基本的な性格にかんがみまして、現に戦闘が行われている場所あるいは非常にその蓋然性の高い場所については派遣しないという方針でございます。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 平和協力隊を派遣いたします場合には、今局長が答弁いたしましたように、あらかじめ実施計画を本部で協議して決定をいたします。そして、派遣の目的地あるいは派遣の規模、このようなものを明確にした上で派遣をいたしますが、例えば現地において攻撃をされる危険が発生した場合には方針を変更いたすこともあり得るというふうに考えております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 攻撃を受けた場合、交戦、応戦するんですかしないんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 交戦はいたしません。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 後方支援をして、総理、安全地域、危険地域は何を基準にして決めるんですか。危険地域にはやらないという法律上の制度、保証がありますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) これは当初の貢献案を作成しますときからもいろいろ政府部内で研究をしたところでありますが、武力行使を目的と思って行くわけじゃありませんし、武力行使に参加するわけでもありませんし、それはもともと許されないことでありますから、そういう第一線とか戦闘の行われておる具体的な地域へ初めから協力作業として行くことは想定いたしておりません。  そうして、そういう第一線とか危険を当然予測されるところじゃなくて協力の拠点、ここの拠点にこういった輸送協力をしたらどうだろうかということを具体的には想定をすることになろうと思いますけれども、今から戦闘を予測したり、戦闘があるところへ好んで行かせようとか、いわんや応戦とか言われますけれども、携行武器も小火器しか持たせないわけですから、それで応戦できる能力を持っておりませんし、そのようなことは協力業務の内容には少なくとも全然想定をいたしておりませんから、実施計画をつくる段階で慎重の上にも慎重にその点は対応していく、これは当初から申し上げております。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 後方と前線の区別がわかっていないんじゃありませんか。今、戦争は前線も後方も一体となってやるんです。後方こそ攻撃されやすい。安全地帯だの、来たら逃げるというような生易しい状況でないことをやっぱり認識すべきだと思うんです。そういうところに自衛隊を含む日本の人たちが展開をする、この危険が大変な間違いである。自衛隊の海外派兵、集団自衛権の行使に深くかかわる重大な問題をはらんでいることを私は強く指摘しておきたいと思いますが、いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 平和協力隊を平和の維持のために派遣する場合には、隊員の生命の安全保障ということは政府が当然責任を持たなければならないと思います。そのようなことで、護身用のいわゆる小火器以外携行しない隊員をいわゆる戦闘状態に入り得るようなところに置くわけにはまいらない、こういうのが基本的な考え方であります。

矢田部理日本社会党・護憲共同

○矢田部理君 いろいろな危険や問題が山ほどありますが、他は委員会の審議に譲ることといたしまして、私の質問を終わります。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 先ほど昼のテレビで見ましたら、総理が私に対する答弁の中で何か注意というところまで言ったんだけれども、その後がぽっと録音が切れたんですが、私に何か注意しましたか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 何をお尋ねになったのか私もよく存じませんので、もう少し御説明いただけませんでしょうか。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 昼のテレビであなたが私の答弁に立っておって、注意というところまでは聞いたんだけれども、そこで後はもう録音がとれていないのですね。何かあなた言うた覚えがありますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 午前中もここでいろいろと御質問に答えてしゃべっておりますから、速記録でもできたときに一回それを十分検討させていただいて、何を御注意したのかそこのところはきちっと判定をして申し上げます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 じゃ、いいでしょう。それならば注意をした覚えはないわけだからね。それでいいでしょう。  そこで、総理の本会議並びに予算委員会の答弁の中で気にかかることがありましたので質問申し上げたいんです。  参議院のいわゆる五四年の決議の問題についてあなたの答弁を聞きますと、あの当時と世界情勢も違うし、それから武力行使を目的にしたんじゃないんだとか、もしくは、いわゆる協力隊員だから、したがってあの海外派兵、出動ができないということについては、これはその対象範囲ではないんじゃないか、これらしき言辞を再三繰り返しているわけですね。この点いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のような趣旨で私はお答えをしております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 どういう趣旨ですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 今御指摘をいただいたような趣旨で、あの海外出勤という昭和二十九年の参議院の決議でありますけれども、昭和二十九年というのは、当時の国際情勢とか、まさに自衛隊法が国会を通って新しく自衛隊がスタートをするという情勢のときの決議でございました。  衆議院でもこのことについては議論がありましたが、そのとき例に引かれましたのは、大正七年の陸海軍の出動の問題であるとか、あるいはたしか昭和六年の陸海軍の出動の問題等に触れて、この出動禁止はそうではないかという御質疑もありましたので、私は当時としてはそれらのことを念頭に置いていろいろ御議論になったという背景はわかるんですけれども、その後きょうまで随分世の中が変わり、またごく最近は米ソの二大勢力の対決、対立という時代が終わったことも事実でありますし、冷戦後の初めての世界情勢の中で、その国連の決議の実効性を確保するための行動というもの、そして平和のために抑止力として展開しておるというこの現実、それに対して平和協力隊を考え、そこに平和協力業務に隊員として加わってもらうことまで想定をされての御決議ではなかったのではないかと私は考えておりますと、こういうような、正確には一字一語は違うかもしれませんが、そういう趣旨でそういったことの答弁をしてまいりました。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私も、あなたがああいうふうに何回も繰り返しますから、「自衛隊の海外出動を為さざることに関する決議」、一九五四年六月二日の参議院ですが、この決議の提案者である鶴見さんの趣旨説明等をよく読ませてもらいました。  ところが、読んでみますと、決して一時的な情勢で提起をしているわけじゃないんです。それはなぜかといいますと、あの趣旨説明を見てみますと、国家の基本にかかわる問題で、未来永劫の選択としてこの決議案を提出したんだ、こういうことが前提になっておるわけです。そして、これは自衛隊を創設するときの決議ですから、この自衛隊は日本の国土を守るためのものであって、海外出動はいかなる場合であってもあってはならないということを強制している。そして一度この線を越えると、十五年戦争が証明しているように再び泥沼の中に入っていく、こういうことまでつけ加えられておる。  こういった趣旨からいいますと、これはあなたが恣意的な理解で変更されるような、そういう軽いものでは決してないんじゃないか。それに答えて木村国務大臣も、あなたがよく衆議院で使っておりましたが、派兵じゃなくて派遣だと言うけれども、海外派遣についてはありません、自衛隊の海外派遣はございません、こういう点をきっぱりお答えになっておる。こういった点について、それでもあなたはそういう認識ですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 何度も繰り返すようですが、あの昭和二十九年のときの決議は、そのときの情勢、背景からいさますと、今日のようなことは想定されていなかったと私は考えておりますということを申し上げました。  この参議院の決議の有権的な解釈は参議院でお決めになることであろうと思いますけれども、しかしその後いろいろな国会の議論等を通じて、いわゆる海外派兵、これは武力行使の目的を持って武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣することである、武力行使の目的を持たないでそして部隊が出るということは、これは派兵とは言わずに派遣だというふうに議論が分かれてきておることも国会の速記録等を通じて私も読ませてもらっておりますが、いわゆる海外派兵をしてはいけないという強い趣旨が昭和二十九年のときの趣旨ではなかったろうか。軍事力を持って自衛隊が自衛隊のままで出動していく、これは明らかにいけないのではないか、こういう趣旨の御決議であったのではないかと私は考えておるということを申し上げたのです。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私もよく調べてみたのです。  我が国が国連に加盟を申請したのは五二年の六月十六日ですね。これが衆議院で山口書記長との間で、留保条件をつけた、つけぬという議論がございましたが、この申請をしたのが五二年の六月十六日です。そうして、国連の加盟が承認になったのが五六年の十二月十八日です。その間に約四年間かかった。その真ん中、五四年六日二日にこの参議院の決議がなされている。いいですか。ですから、四年間国連に申請をして国連の承認がもらえない、その中で参議院でこの決議がされておるわけです。そうして、それを受けて五八年三月二十六日に岸首相が答弁の中でまた明確に海外派兵を否定しておる。それらを証言したのが六〇年八月十日の憲法調査会における西村局長の証言なんです。  こういう経緯を考えてみますと、そういう一時的なものではない。まさに趣旨説明にありますように、未来永劫という前提を強調なさっておりますけれども、そういう趣旨で満場一致であの参議院の本会議の中における可決になったという経緯を私は尊重しなきゃならぬと思うんですが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 当時の背景その他については御説明をされたとおりであると思いますが、当時予想もできなかったような東西対立の終わり、冷戦の終結という状態もまた当時は予想されなかったもので、この国際情勢の変化について対応することが全くできないというところまでお考えになっておったのかどうか。こういうときに、海外派兵、武力行使の目的を持っては行かないけれども、日本の立場ででき得る限りの平和的な協力はしなければならないんだ、そういうときのことまでこれは想定されておったのだろうかというと、私にはやはり、今後どのように劇的に世界というものは移り変わっていくかわからないときでありますから、もう一回これはそういう立場に立って私なりに判断させていただくと、どうしても海外派兵、武力を持っての海外出動は認めないという点に重点があった御決議ではなかったかと、こういう考えでございますが、参議院が有権的に御解釈なさるべきことだというのは私も冒頭に申し上げており、その点についてはそのとおりでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 総理、これは参議院の本会議で決めたことですから、参議院が有権解釈すべきものです。三十六年間も自衛隊は海外派兵をしていないし、同時に、そういう意味ではこの決議が定着をしておるわけです。それを今回あなたが勝手に解釈して、そして自衛隊の海外派兵は決議に抵触しないと、こういう論理を展開されたんじゃ、これはもう越権行為も甚だしい。  一つ聞きますけれども、これはあなたがこの解釈の内容について参議院議長か何かに確かめた上でそういう御発言をなさったのですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 特に参議院議長のところへそのことの確認には出かけておりません。私はあくまで、申し上げたように、有権的な解釈は参議院がおやりになることでありますがという、そういった原則、前提だけは踏まえて、しかしお尋ねがありますから、私はこのように思いますと言って、その後の国会議論による海外の派兵と派遣の問題についての考えを述べ、派兵はいけないが、派遣は認められた例もあるし、また現にしたこともあるわけでありますし、これから変わっていく世の中でいろいろと協力すべき部面が出てくるという可能性が、例えばPKOの問題なんか一つとらえても現実的な問題としてあるわけでございますので、そのような考え方を率直に申し上げたわけであります。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 それがあなたの早稲田の雄弁会の論理かもしれませんがね、それは総理、そんなことを言っちゃいけませんよ。PKOだって自衛隊は派遣していないんです。そうでしょう。それから、衆議院の中で法制局長官が前例があるような言い方をしました。南極の調査ですか、こういう問題とこのことは全然違いますよ。  いずれにしても、三十六年間、派兵については派遣を含めてないわけですから、まさに私は定着しておると思うんです。その定着しておるこの決議をあなたのように勝手に解釈されては、まさに私は越権行為だと、そう思うんです。これは率直に言って許すわけにはいかないぐらい怒りを覚えます。こういう状態の中で、参議院の決議の解釈確認をせずに衆議院段階で審議をするわけには私はまいらないと思うんですね。  委員長、この問題について、私は議長を中心とした院の有権解釈、これをやっぱり出すべきだと、そう思うんですが、いかがですか。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔午後二時二十七分速記中止〕    〔午後二時四十二分速記開始〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。  ただいまの件につきましては、理事会において直ちに協議することといたします。  暫時休憩いたします。    午後二時四十三分休憩      ─────・─────    午後五時二分開会

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  委員長から一言申し上げます。  先ほど佐藤三吾君から提起されました件につきましては、理事会において協議の結果、議長に御検討願うことが妥当であるとの結論を得ましたので、早急に検討を願うよう私から早速議長に申し入れましたので、御報告を申し上げます。     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) それでは、休憩前に引き続き質疑を行います。佐藤君。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 理事会の確認については、今委員長から議長の方に検討を早急にということで伝えておるようでございますから、それはそれとして結構ですが、私は、参議院の決議という重さからいっても、行政府が一方的に解釈し空洞化を図るということについては許せない内容のものだということを指摘したわけでございます。審議の方は進んで、そうしてまた有権解釈が出てこないうちにどんどん進んでいくということでは、これは院の決議そのものが空洞化されるということにもなるわけでございますから、どうぞそこら辺はひとつ早急な有権解釈を出されるように委員長に特に要請しておきたいと思います。  それから、総理にこの際申し上げておきたいと思いますが、五十七年十二月二十一日に、やはり予算委員会で、国会決議に対して行政府としてどうあらねばならぬかという我が党の赤桐議員の質問に対して、当時、中曽根総理でございますが、こう言っております。   行政府といたしましては、国権の最高機関である国会の諸決議については原則としてあくまで尊重していくべきものであり、政府はそのようにいままで答弁してきておると思います。その答弁は遵守していかなければならないと思っております。 こういうことが一つ。  さらに、それに対して赤桐議員から、   そうすると、政府としては対外的な各種いろいろの折衝がございますが、こうした国会決議等できちっと決まっているものについては、この枠を超えることはない、こう判断してよろしいわけですね。 こういう質問に対して、   原則として枠を超えることがないようにすべきである、これが基本的立場でございます。もしいろいろな変化が出てくるという場合には、これは国会は政党間の交渉によって事実上機能が形成されておるわけでございますから、それらの諸手続を行うことが好ましいことであると考えております。 こう言っております。  この点については私はあなたと随分違う内容と受けとめますが、総理、こういうことで確認いただけますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 国会の決議を政府としては尊重しなければならないというこの今お読み上げになったこと、私はそうだと思いますし、ですからこそきょうも冒頭に、参議院の決議について、これは有権的に解釈なさるのは参議院であると思いますがと、そして私はこう考えますという私の考え方を率直に申し上げた次第でございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 今言った確認というものをぜひひとつ踏まえて、今後お言葉を選んでいただきたいと思います。  そこで、先ほど私が申し上げましたように――議事録を取り寄せてみました。その議事録を読んでみますと、私がいろいろ午前中の質問の中で四十億ドルの使途の問題について、特に十億ドルの多国籍関係の使途の問題についてただした中で、政府側の答弁として、確かに湾岸基金の中で多国籍軍、とりわけアメリカ軍に車、金、物資の面において使われております、こういう答弁があったので、私がそれに対して、それでは結論からいえばアメリカ軍によって処理されておる、こう理解してよろしいんですなと、こういった質問に対する総理の答弁の中で、「卑下した別の考え方を持たれることは私はここで厳しく御注意をさしていただきたいと思うし、」と、そして土井委員長の話が出てくるわけですね。「社会党の委員長は私に、それは少な過ぎる、遅過ぎるとおっしゃった」、こういうくだりが出てくるわけです。これは私は、極めて心外でございますし、取り消してもらいたい、こう思うんです。  私は、政府答弁を聞いた中で、政府答弁自身が、実は事実上アメリカに渡っておりますということを言ったわけですから、そういうことですなという確認をしたわけです。それを「卑下した別の考え方を持たれることは私はここで厳しく御注意をさしていただきたい」ということはどういうことですか。これは取り消してもらいたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 長時間にわたっていろいろなやりとりをいたしました中に、確かに厳しく御注意を申し上げるというような言葉は適切でございませんから、これは取り消しをさせていただきます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 次に、矢田部質問の中でお聞きしまして、二、三お尋ねしておきたいと思いますが、護身用の武器を持っているが、応戦はしない、こういう御答弁がございました。その武器は護身のために使わない、こういう解釈にもなるわけでございますが、これはそういうことでよろしゅうございますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 平和協力隊員が現地でこの保持を必要とする場合に、その管理者が武器を貸与するわけではありますけれども、それはあくまでもけん銃あるいは小銃という範囲が限られておりまして、これの使用につきましては、みずからの身が危険にさらされた場合、あるいは付近にいる人が危険に遭うといった場合にのみ合理的な判断に基づいて使用が認められるというものでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 その合理的な判断に基づいて使用が認められる、これは個々人が自分で判断してやる、それともだれかが指示する、どちらですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) あくまでも個人の判断によるものと考えております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 そうしますと、武器を使う場合は、法的な根拠とかそういうことではなくて、自主的に本人の判断でやる、こう理解していいんですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 前提といたしまして、まず、そのようないわゆる戦闘状態にあるようなところには最初から行かさないという基本的な考え方をそのいわゆる会議で決定して、方針を決定するわけでございます。そういうその派遣された国、地域においてみずからの身が危険にさらされる、あるいは隣にいる人が危険にさらされるといった場合に、その状況を判断して初めて使用が認められるというものでございまして、あくまでも正当防衛という観念に基づいたものでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 わかりました。この問題についてはこれからまた委員会の中で議論があると思いますから、時間の関係で次に進みます。  憲法確認の問題で二、三お聞きしておきたいと思います。  憲法第九条で「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」、こうございます。これはいかなる国際紛争にも我が国はいかなる形でも武力の行使はしない、こういうふうに解されると思うんですが、総理、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 武力による威嚇もしくは武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、これを永久に放棄する、御指摘の言葉は憲法九条そのものでございまして、私もそう考えております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 これは私の質問に答えてないので、よろしいですね。  今あなたがおっしゃったように、憲法のその規定に基づくと、したがって他国を巻き込んだ国際紛争に当たって日本が武力を行使すること、これは第九条からあり得ない、集団的自衛権が憲法上禁止されておるという根拠も九条のこの規定にある、私はこういうふうに思うんですが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の点は、そういうことでありますから、その趣旨を受けとめて今回もこの法律の第二条にそのことを明らかにしておるところであります。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 国連憲章第四十二条に言う国連軍が結成された場合、その任務は、平和に対する脅威、平和の破壊または侵略行為などの国際紛争を武力の行使によって鎮圧することが規定されると思うんです。この場合も国際紛争の解決のための武力行使である、これは私は間違いないと思うんです。集団的安全保障と言って合憲化できることではない、こう思うんですが、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな場合が想定されておるわけでありまして、国際紛争を解決するために武力行使はしないということはそのとおりでございますが、いろんな場合がありますので、その点については法制局長官から答弁をいたさせます。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) これは実は衆議院におきましても私お答えしたところでございますが、国連憲章の第七章に基づく国連軍、今四十二条をお引きになりましたが、四十三条で、そういうときに特別協定に従って各国が利用させることを約束するというような規定もございます。国連憲章の第七章に基づく国連軍というのは、現在のところまだ、第七章の四十二条、四十三条といったところの国連軍は現実のものとなっておりません。したがいまして、我が国がこれに関与するその仕方あるいは参加の態様というものが現実の姿となっていない以上、明確な形で申し上げるわけにはまいらないと思います。  ただ、こういうことだけは申し上げられるということで、従来思考過程あるいは研究過程ということで申し上げましたが、まず、先ほど委員仰せられましたように、自衛隊につきましては、我が国の自衛のための必要最小限度の実力組織である、そういう意味におきましていわゆる憲法九条に違反するものではない、こういうことは従来から申し上げてきているところでございます。  これから派生するといいますか、そういう自衛隊の存在理由からまいりまして三つだけ、まずその系といいますか、そういう形で申し上げられると思うんですが、まず、武力行使の目的を持って武装した部隊、これを他国の領土、領海、領空に派遣するという、いわゆる海外派兵と言っておりますが、この海外派兵は一般に自衛のための必要最小限度を超えるものだ、かように観念できますので、憲法上許されないということを申し上げてきているわけでございます。  それから次に、集団的自衛権、これは今総理も申されましたが、自国と密接な関係にある外国、これに対する武力攻撃を、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず実力をもって阻止する権利、かように定義いたしますと、我が国は国際法上こういう権利を持っていることは主権国家という意味におきまして当然ではございますけれども、その権利を行使することは、先ほど出ました憲法九条のもとで許されている我が国を防衛するため必要最小限度、こういうことの範囲を超えるものであって憲法上許されない、これが従来の解釈だろうと思います。  それから三番目は、国連の平和維持活動を行う従来のいわゆる国連軍と称されるものがございます。これはさまざまな形態がございますので一概に言うわけにはまいりませんが、その中で、その目的、任務が武力行使を伴うものであればこれに参加することが許されない、これも従来申し上げてきているところかと思います。  そのような憲法九条あるいはそれに関連する事項の解釈なり適用、こういうものを積み重ねてきているわけでございますが、こういうものから推論いたしますと、任務が我が国を防衛するものとは言えないいわゆる、いわゆるというか、正規のと申しますか、そういる国連憲章上の国連軍に自衛隊を参加させること、これについては憲法上の問題が残る、こういうふうなことを申し上げたところでございます。  それで「冒頭も申し上げましたけれども、国連憲章の第七章に基づきます国連軍、これはまだ設けられたことはないわけでございます。四十三条で特別協定を結ぶということになっておりますが、その四十三条の特別協定の内容につきましても、どのような内容になるか、具体なものがまだないわけでございます。また、国連憲章の四十三条におきましては手段として三つのことが書いてありまして、その貢献の中身として兵力、援助及び便益を利用させること、こういうふうな三つのことが書いてございます。この三つは必ずしもそのすべてが満たされなければならないとは解されていないようでございます。そういう意味におきまして、この三つが絶えずペアでと申しますか、絶えず一体となっている必要はないというふうな解釈もございます。  さらに、国際情勢、これは急速に変化しつつある。そういう意味で、今後この四十二条、四十三条というふうなものも含めましてどのような形になっていくか、そういったことを全体として考えますと、将来この国連憲章第七章に基づきます、特に四十二条、四十三条に基づきます国連軍の編成が現実の問題となる場合に、従来の憲法解釈、積み重ねというのはそういうことがございますから、その時点でこれとの適合ということを総合勘案して判断すべきである、かように考えているところでございます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 今、法制局長官の最後の後段のくだりがなかなか意味不明のところでよくわからないのですが、しかし、いずれにしても、参議院の決議やこの加盟の際におけるいわゆる留保問題なり条件なり、こういった経緯からいってみても、国連軍ができたらという前提の中で集団安全保障が合憲だという論理には飛躍がある。そういう意味では、法制局長官の御説明の中にもそれらしきものもあったように記憶をするのです。  ところが、きょうの矢田部さんに対する答弁の中で、総理はこういう答弁をしておるんですね。経済制裁が成功しなかったら次は軍事制裁は必至ですよと、委員わかりますかと、こういう答弁をさっきしたんですけれども、これはどういう意味ですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 経済制裁の決議、それの実効性を確保するために今いろいろ多国籍軍が抑止力として、また制裁の効果を上げるために頑張っておるわけです。これを成功させることがこの問題の根本的な平和解決に役立つということを申し上げました。そして、経済制裁の実効が上がらないときには、これは正確な表現はまた長官からしてもらいますが、軍事行動を伴う制裁決議が出てくるわけです。そんな決議が出てきてはいけないと私は思ったので、その前の段階で経済制裁をきちっとしていかなければならぬから、今の段階での指示は平和解決への努力だと、こういうことを申し上げました。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 総理、あなたはくるっと変わったような言い方をしますけれども、さっき言ったのはそうじゃないのです。経済制裁が成功しなかったら次は軍事制裁は必至ですよと、委員わかりますかと、こう言ったんですよ。これは何を根拠に言ったんですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) それは、いろいろと書いてある条文を見ていきますと、経済制裁の実効が上がらないとなったときは、次は軍事行動の決議ができることになっておりますから、そんなところまで行ってはいけない、こういうことで、その前のところでとめておかなきゃならぬから、だからこそ今、国連決議の現状の効果を上げて、イラクにその転機をつくるという決断を迫るように国際社会の協力をさらに推し進めていかなければならぬ、こういうことを考えておって言っておるわけです。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 これはあなた、率直に言って、こういうことを一人で思いついたのじゃなくて、日米首脳会議かでブッシュさんと話したときにそういう話を聞いたことが頭に残っておったからぽっと言ったのじゃないですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) それは全く違います。日米首脳会談でそんな込み入った何条、何条という話じゃなくて、この問題は粘り強く交渉をして、平和的に解決されなきゃならぬといることを私は強く言ったわけであります。  また、国連憲章の条文については、いろいろ私も、これだけ問題になっておることでありますし、国連というものがこれだけ中心的な活動ができるようになってきた、冷戦後の初めての経験でありますから、いろいろなことを勉強したことはそれは事実でありますけれども、それは結論を出したわけでもなく、今なお研究中でありますが、そういう順序の仕組みの中でまず決議があるが、それは経済制裁、今の決議、それがどうしても実効性が上がらないときは、次のステップとしてこういったものが国連憲章には用意されておるんです。そこまで行っては危険だから、今の状況のところで何とかおさめなきゃならぬということであります。  長官から答弁させます。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) 今の国連憲章の条文の関係を申し上げますと、今総理が言われたのは、四十一条を意識して言われたものと思います。四十一条は「安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。この措置は、経済関係及び鉄道、航海、」云々でずっと書いてございますが、これこれの「中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。」という条文がまず四十一条にございます。それを受けまして四十二条におきまして、「安全保障理事会は、第四十一条」、今読みました条文でございますが、「第四十一条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍又は陸軍の行動をとることができる。この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。」、かような条文の関係を仰せられたものと考えております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 時間もありませんから、またこれも今後議論が続くと思いますが、一つだけ最後に聞いておきたいんです。  そういうふうに軍事衝突なり、それから国連軍で仮に派遣してそこで軍事鎮圧にかかる、そういう場合に、あなたは、それについて日本は参加し、武力衝突を一員としてやる、こういうお考えなのですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) そういう考え方でこの法案をお願いしておるわけでは決してありませんし、念のために申し上げさせていただきますが、先ほど来御議論になっておることの中で、私は、そういうような国連決議ででもそういう軍事力での解決を考えるようなことになってはいけないから、その前の段階で何とか解決をしていかなきゃならぬという強い願いを持っておりますということを改めて申し上げさせていただいておきます。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 だったら、さっきみたいな、次は軍事制裁必至ですよと、こういう言い方をしてみたり、それから国連軍は四十五年間できてないんです、そういうものを想定しながら、国連軍ができたら参加について研究中とか、そういう言葉はひとつ取り消しなさいよ。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 将来のいろいろな場合を考えて研究し、勉強するのはどうぞお認めをいただきたいと思います。だからどうしようとか、だからこうすべきだとか、そんなことを決めたり言ったりしておるわけでもございません。あくまで将来の問題として時間をかけて研究したい、私自身のためにもそれは必要なことだと思っております。

佐藤三吾日本社会党・護憲共同

○佐藤三吾君 私は、先ほどから申し上げましたように、我が国の場合は憲法九条がきちっと存在しておるし、しかもそれを前提として国連加盟の場合も留保条件をつけたし、参議院の決議もやられておる。こういう経緯から見ると、歴史的にはもう決着済みである、海外派兵ができないということについては。この点はぎちっと踏まえて今後とも対応してほしいということだけ私はつけ加えておきたいと思います。  終わります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で佐藤三吾君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、宮澤弘君の質疑を行います。宮澤君。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 私は、自由民主党を代表いたしまして、幾つかの問題について質問をいたします。  本日の当委員会の議事の状況によりまして、私に割り当てられておりました質問時間を大幅に短縮せざるを得ないことになりました。したがいまして、本日は二、三の項目について質問をいたしたいと思います。  まず、国連平和協力法案でございますが、これにつきましては、総理もしばしば憲法の枠内でと言っておられますように、どうかひとつ総理、私どもが戦後四十五年育ててまいりました平和憲法というものを大切にしていただきたいと思います。そういうことで憲法の枠内でとおっしゃっておられると思うのでありますが、憲法の枠内で国連を中心とする国際協力をどうしたらよろしいかということについていろいろ検討された結果の成果であると思います。私どもはその点理解をし、基本的に賛成をするものであります。しかし、なお幾つかの大いに議論をしなければならない問題がございます。本日はそのうちのごく一、二だけについて質問をし、見解を承りたいと思います。  一つは、自衛隊の派遣の問題でございますが、総理はこの協力隊構想を打ち出されて以来、自衛隊の海外派遣は考えていないということを当初おっしゃいました。新聞にも出ておりましたが、私は恐らく青年海外協力隊のようなボランティアの組織を当初お考えになったのではなかろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、その後いろいろ検討をされて本日提案されましたのは、自衛隊を海外派遣するということが一つの骨子となっております法案でございます。  そこで、なぜ初めに自衛隊は海外派遣をしないというふうにお考えになったのがこういうことになったのか、ひとつその辺の総理のお考えを、お考えの変化と申しますか、私に答弁をいただくのでありますけれども、どうかこの機会に国民にもよく訴えるという意味で御説明をいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 八月の二日にイラクのクウェート侵攻がありましたとき、国連がいち早く決議をして、これはもう一国と一国のというよりも、むしろこの冷戦後の時代に力でもって国を侵略して併合する行為は平和の破壊だから許してはならない、直ちに撤兵すべきだということを国連が決議で決めて、その決議の精神を受けて各国がいろいろ多国籍軍を出して戦争のこれ以上の拡大を抑止する努力を始めた。日本としても国際社会に貢献をしていかなければならぬと思いましたから、私は当初、御指摘のように、どんな貢献策があるのだろうか、これはやっぱり端的に言って物資協力とかあるいはその物資を輸送する輸送協力とか医療の協力とかいろいろあると思って、民間のボランティアの方々を対象に頭に描きながらいろいろお願いをいたしました。それは、そのような手段方法しか今我が国には全くないわけでありまして、それでお願いをしたわけです。  実施段階に入ろうと思ってもなかなかそれにはいろいろな問題がありまして、できにくいこともございました。そこで、政府部内でいろいろ検討をし、慎重な討議をしました結果、冒頭におっしゃったように、憲法の枠内での平和協力、武力行使や武力の威嚇を伴わないという大きな前提を置いて、そして自衛隊を自衛隊のままとしてそのまま出ていってもらうんじゃなくて、例えば海上保安庁であるとかその他の公務員の皆さんや一般の人や、既に今も参加してやってもらっておるごく一部の方々はあるわけでありますが、国を挙げてのそういう協力体制をつくって、なるべく迅速に、そして合理的に活動ができるようにしなければならぬという点から考えますと、例えば一定の拠点に対する輸送協力にしましても、今やっておるものについていろいろ問題がございます。  新しく飛行機を買ってきて新しく乗員を集めてきて、あるいは船でも新しく買ってきて新しく乗員をまとめてということになりますと、これは非常に時間がかかったり費用がかかったり、あるいは訓練を強制することが難しかったり、お医者さんに集まってもらうというときも率直に言っていろいろな問題があり、現場で御協力願う仕事についてもいろいろ難しい問題があることを、私はサウジアラビアでもヨルダンでも今回も肌でもって体験もしてまいりました。いろいろな御意見も聞いてまいりました。    〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕  そういったことから、長年培われてきた練度と経験で自衛隊から参加してもらう、自衛隊から平和協力隊の中へ一たん入ってもらって、平和協力隊の指揮下に入って、ほかのいろいろな人々とともに平和協力隊、この法律のいろいろな定めや規定に従って、憲法の枠内で許される協力をしてもらいたい、このように思って、提案した法案にはそのことになっておるわけでございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 自衛隊の派遣はこの法律の根幹でございますから、どうかひとつ今後ともあらゆる機会を通じて国民によく理解を求めていただきたいと思います。申し上げるまでもなく、国民の理解がなければ法律の円滑な執行はあり得ないわけでございますから、それを特に要望しておきたいと思います。  そこで、自衛隊関係の今回の法律規定でございます。今の総理のような所信をお持ちならば、何かこっそりと言っては悪いのでございますけれども、少し遠慮しいしい法律改正をなさっているのではなかろうか、私はどうもそういう気がしてしようがない。  と申しますのは、今回の自衛隊の派遣につきましては、この法律の附則で自衛隊法を直しておいでになりますね。附則で自衛隊法の第八章雑則に百条の六として自衛隊の海外派遣というものを規定する、こういうことになっております。総理は法例集など余りごらんにならないと思いますが、これは雑則に入っているんですね、自衛隊法の雑則に入っている。  その辺の前後を見てみますと、これは百条の六として入ったわけでございますが、百条の三というのは自衛隊の運動競技会に対する協力、運動会に協力をする。それから、百条の四が南極地域観測に対する協力でございます。それから、百条の五が国賓等の輸送。私は、こういう仕事を自衛隊がやっておいでになりますけれども、これは自衛隊の一種の余技、余技と言っては悪いかもしれませんが、余技だと思うんですね。そういう仕事と、今回国連に協力をするために海外に出ていくという仕事とは私は性質が違うのじゃなかろうかと思いますが、いかがでございましょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃいますことも確かに一理ある御議論であろうと考えます。しかし、私の考えで申し上げさせていただきますが、これはあくまで法律改正というものの中で国会でこうして御審議をいただいておることでございますし、また、厳しく問い詰めていくと、自衛隊の本来の目的は国民の生命、財産のために国土を防衛してもらう、こういう崇高な、大きな任務がございます。そのために自衛隊に入るときに宣誓して、宣誓義務に従った決意を持って自衛隊に入っていただく方であります。  今おっしゃったように、その後いろいろな事情の変化があって、都道府県の知事からの要請があれば、訓練を兼ねて災害復旧に行くとか土木工事をするとか、あるいは国賓の送迎等も担当してもらうとか南極観測も担当してもらうとか、いろいろ出てまいりました。二十何万の自衛隊を自衛隊そのものとしてこちらへも全部使えるようにというような大それたことではなくて、そのときそのときの具体的な要請に応じて一定の期間一定の規模の人が平和協力に参加をしてもらうということで、終わればまた自衛隊に当然戻ってもらわなければ、自衛隊からの参加者はそうなるわけであります。  ですから、そうなりますと、常に常備的に置いてあるものでございませんし、今後ずっと何万というような数で常備していくようなものでもございませんし、必要があったときに一定期間御協力を願うということの参加ですから、この平和協力法案の制定に伴ってこれと一体不可分をなすものでありますからこの法律の附則の方で改正を行うこととしたものでありますが、これは法律の改正をお願いするというその手続や院の御審議をいただくという重みにおいては、私は変わるものではないという受けとめ方をさせていただいております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 私は、今法律の改正の形式等を申し上げましたけれども、実はその形式の問題を議論しているのではございませんで、自衛隊というものについての観念というものが変わったのじゃないかということを申し上げたいんです。  と申しますのは、自衛隊法第三条を見ましても、「自衛隊は、わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務」とする、こう書いてございます。自衛隊法や防衛庁設置法を読んでみましても、急迫不正な直接間接の侵略に対して我が国を守るというふうに書いてございますし、自衛隊というのは、少なくとも今までは領土、領空あるいは領海、これを舞台とする専守防衛の一つの組織である。これが恐らく私ども常識的に考えておりましたところでございますし、歴代内閣も自衛隊の任務というのは専守防衛である、こういうふうに観念をしていたと思うんですね。  ところが、今回は国際的に協力をする必要がある、そのために自衛隊が隊として平和的な行動をするんだ、こういうことでございますから、私は、先ほど申し上げました運動会であるとか南極観測とはやはり質の違うものであって、自衛隊が専守防衛、我が国の防衛を図るということは基本でございますけれども、非軍事的な行動を通じて国際協力をするという新たな任務が加わったのであって、そういう意味で自衛隊の性格も少し変わったのではなかろうか、こういうふうに思うのでございますが、御所見はいかがでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるように、専守防衛という原則、そして日本の国の防衛のために自衛隊があるんだという根本的な任務はそれが一つだと私は思いまして、その自衛隊の任務が根本的に変わるとか、専守防衛を変えて力をもって外へ出ていこうとか、武力による威嚇をやろうとか、そういうところへいっておるわけではございませんので、この法案に出しましたように、武力による威嚇や武力の行使を伴わない、そして平和協力業務というものをきちっと作成して、それに従った限りの協力を一定期間して、終わったらまた自衛隊に戻ってもらうわけでありますので、これはこのような取り扱いにさせていただいた次第でございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 自衛隊員個人は戻ったり行ったり来たりすると思いますが、自衛隊が隊として新たにそういう任務を与えられたということは事実だと思うんです。しかし、今時間がございませんのでこれ以上ここでは議論はいたしませんけれども、私は、今までの自衛隊の任務に新たな任務が加わった、専守防衛に新たな任務が加わる、こういうことではなかろうかと思いますが、いずれまたこの点は機会を見て御意見を伺い、私の意見も申し上げたいと思います。  それから次に、中東貢献策についての資金協力について伺いたいんですが、今決まっておりますのは十億ドル、これは予備費から支出をなさいました。  そこで、事務当局から簡潔に承りたいんですけれども、今、十億ドルのうち何にどう使っておりますか、何にどう支出をしておりますか、それを承りたいと思います。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) お答え申し上げます。  いわゆる我が国の中東貢献策のうちただいま先生御指摘のございました十億ドル、これは予備費から千三百五十五・六億円の支出をいたしております。    〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕 この十億ドルの使い方については四つの分野がございまして、そのうち一つは、日本政府が民間の航空機、船舶を借り上げて輸送を行う輸送協力、これについて百十八億円。それからいわゆる医療協力、これも日本政府が行うわけでございますが、これに対して八億五千万円。この二つにつきましては、今のところ合わせましておよそ五十億円程度が執行をされております。それから、その残りの千二百二十八億八千万円につきましては、これはいわゆる資金協力及び物資協力分として湾岸アラブ諸国協力理事会の湾岸平和基金に九月二十五日に拠出をいたしております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 この十億ドル、日本が拠出をしておりますが、使途はだれがどこで決めるんですか。

渡辺允外務省中近東アフリカ局長

○政府委員(渡辺允君) 使途とおっしゃいます意味をあるいは私正確に理解いたしておりませんかとも思いますが、ただいま御説明申し上げましたように、いわゆる輸送協力、医療協力については、これは日本政府自身が実施をするわけでございます。それから、資金協力、物資協力の分につきましては、これはいわゆるGCCにこの基金の運用に責任を有する機関として運営委員会というものを設置いたしております。この運営委員会は、日本国政府の代表としてサウジアラビア駐箚の日本大使、それからGCCの代表としてGCCの事務局長がメンバーになっております。この委員会は、日本国政府の拠出金が、日本とGCCの間で交換公文が結ばれておりますけれども、そこで決めております資金協力及び資機材の調達、輸送及び据えつけに係る協力という使途に使用されるように確保するという責任を持っておるわけでございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 もうここでこれ以上議論をいたしませんが、私が申し上げておりますのは、十億ドルといえばこれは容易でない金でございまして、たまたま今我が国は裕福でございますから十億ドルぐらい出すのはわけはないということかもしれませんけれども、これはやはり数千億の国民の血税でございますね。したがいまして、出しまして何にどう使うか、それが現実にどう使われたかという後のフォローまでちゃんとしていただかなければ、税金を出す国民はこれはかなわないと思うんです。  そういう点で、これ以上きょうはもう申し上げませんけれども、ぜひその使い方というものをきちんとしていただいて、それをまたしっかり報告を受けていただく。必要があって国会が伺うときには、それをはっきり出せるように資料もちゃんと整えていただく。場合によっては、それは会計検査院も必要な検査をなさるかもしれません。その辺をひとつしっかり押さえておいていただきたいと思います。総理のひとつお気持ちだけを、これについてのお考えだけを承りたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) せっかく国連協力のためにいろいろ出ている多国籍軍の活動に対する資金を出したわけでありますから、それがどのように使われたかということはきちっとわかるように努力をさせていただきます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 もう一つ、日ソ関係について二点ばかり伺います。  ゴルバチョフ大統領来日が来年の四月でございますか、総理は、この訪日を機会に日ソ関係の抜本的改善の契機としたいと言っておいでになります。日ソ平和条約の締結に向かって大道が開かれることを期待いたしております。  そこで、第一番目の質問は北方領土の返還の問題でございまして、政府は従来四島返還ということを基本に主張いたしているわけでございますが、最近二島返還というような声も向こうから投げかけられておりますし、あるいは四島を経済特区にする、ごく最近もモスクワの市長でございますか、そういう提案があったようであります。この問題は四島返還ということを基本にやっていくんだということであろうと思いますけれども、ひとつその辺の御決意を承りたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 北方領土問題を解決して日ソ平和条約を締結して、日ソ間が真に安定した関係を確立していきたい、この願いは従来から変わったものではありません。その領土問題というのは、御指摘のように、北方四島の返還を求めるものであるという基本も変わりありません。そして、このことについては、シェワルナゼ外務大臣が来日のときに私との対談において明確に申し上げてありますし、また、ゴルバチョフ大統領の来年四月の訪日を日ソ関係の根本的な改善のために大きな節目にしたい、転換期にしたいということについては共通の認識を得ておりますので、その基本姿勢に従って政府は努力を続けてまいる決意であります。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 もう一つ伺いたいことがございます。  それは、平和条約締結を目指して今後両国が対話と協調を拡大していくわけでありますが、私は、この際、ソ連との間に一つけじめをつけておくことがあるように思います。総理は、きちっとするという表現をよく使われますが、きちっとしておかなければならないことがあると思います。  まず、外務大臣に伺いますが、一九四五年八月八日でございますか、ソ連は日ソ中立条約を破って日本を攻撃してまいりました。これは国際法上明らかに違法かつ不当な行為であると思いますが、いかがでございますか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) お説のとおりであります。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 そういう行為を前提にいたしまして、日本の敗戦に伴って、ソ連は数多くの我々の同胞をシベリアに抑留して強制労働をいたさせたわけでございます。過日、シェワルナゼ外相が来日をいたしましたときも、私が見ましたシェワルナゼ外相の新聞発表の中に、日本側が日本人捕虜の死亡者の埋葬場所等を明らかにすることを求めたというような簡単な発表がございました。まことに事務的で他人事を言っているような言い方だと私は思います。私どもの友人、知己もシベリアに長く抑留をされて、幸いにして命を全うした者もございますけれども、不幸にしてシベリアの土と消えた者もある。これはもとより人道上あるいは国際法上も許しがたい行為であると私は思います。  そこで、これから日ソについて平和条約を結ぶためにいろいろ交渉がおありだと思うのでありますけれども、私は、これらの二つのことを前提にして、ソ連は我が国に対して遺憾の意を表すべきではなかろうか、同時に、亡くなられた方の墓地でありますとかその他についてデータを速やかに出さなければいけない、そういうふうに私は思います。そうして初めて日ソ間の新しい時代の友好が深まっていくのではないかと私は思いますが、外務大臣、まずそれについての御所見を承りたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) シベリアに抑留された方々の戦後の状況も、私はまだよく頭に印象を持っております。大変御苦労されて舞鶴に引き揚げ船で帰ってこられたお姿も実はきのうのように思うわけでございますが、このようなことは人道上まことに遺憾なことであったと私は思っております。  なお、ポツダム宣言を我々は受諾をいたしました。その宣言第九項に、「日本国軍隊は、完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し、平和的且生産的の生活を営むの機会を得しめらるべし。」と規定されております。我々はこれを受諾したわけでありますし、連合国はこれを我々に受諾させたわけであります。そういう中で、私は、このシベリア抑留ということはポツダム宣言の掲げた条項に違反をしているということを率直に言わざるを得ないと思います。今後、日ソ間の真の友好が確立されるためには、やはりソ連においても、我々がこのような考えを、感じを持っている国民の感情というものに対して、ソ連政府として真の日ソの友好を望まれるならば、機会を見て真意を述べていただきたいと心から念ずるものでございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 総理、いかがでございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 最初に、真に安定した友好関係を日ソの間に築き上げたいと私は申し上げましたけれども、外務大臣は外務大臣の立場で外相会議できちっと申し上げておりますし、また、最近ソ連の中にも学者等いろいろな意見が出てきておるということも承知しております。ソ連がひとつこの問題についてきちっと取り組んでくれるように心から期待をしております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 終わります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で宮澤弘君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、峯山昭範君の質疑を行います。峯山昭範君。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 十五分という非常に短い時間でございますので、端的にお伺いをさせていただきます。  きょうは朝から、総理、今回の中東問題に関する国会ということで始まったわけでございますが、だんだん議論をしてまいりますと、中東問題というよりも日本の自衛隊を海外に派遣するということに焦点が絞られた国会になってきたように私は思います。そういうふうな意味では、戦後四十五年間、本当に重大な国会になった、そういうふうに私は考えております。そういうふうな意味では、本当に自衛隊を海外に派遣することがいいのかどうかという点からどうしてもこれは議論をしなくちゃいけない、こういうふうに考えております。  そこで、本題に入る前に一言総理にお伺いしたいのでありますが、現在のイラクにおける人質の問題であります。  私の調査によりますと、クウェートからイラクに移されて今人質としてとられている人が百三十九名、そして在イラクの人が百六十六名、合計三百五名とお伺いをいたしております。総理の午前中の答弁をずっと聞いておりましたんですが、とにかく人質の皆さん方に対する人間としての温かい総理の言葉というのが全く見られないわけであります。といいますのは、この問題を起こしたその一番の原因はイラクが悪いんだと。その問題を解決するまでは、これは無理だとは言いませんが、それに近いような表現でずっと今まできております。そういうふうな意味では、実際に人質になっておる皆さん方というのは、この中東貢献策というものを進めれば進めるほど大変な思いをしているわけでございまして、本当に総理の人間としての温かいメッセージというのが必要じゃないか、こう私は思います。  そういうふうな意味で、現在のイラクの人質の皆さん方の状況がどういうふうになっているかという現状をまず外務大臣、そしてそのメッセージについてのお考えを総理にお伺いしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) イラクに人質として出国を拒絶されておられる方々について、政府としては衷心より遺憾に思っておりますし、この方々が安全に出国されるように政府としてのとり得る手段を既に幾つかやっております。国際赤十字を通じての呼びかけあるいは国連事務総長を通じてのイラク政府への依願、いろいろと努力をいたしてまいりましたが、今日なお出国を許されない方方が多数おられる。安保理の六百六十四の決議で外国人の出国の自由を求めた決議が全会一致で行われておりますが、私どもはそのようなことはできない。まことに残念でございまして、この方々に対する医薬品の問題、食糧の問題につきましては、在イラクの大使館を通じて格段の配慮をいたしております。私どもは、今後ともこの方々が一日も早く出国ができますように努力いたしますとともに、御心配をされている御家族の方々のことも政府は十分配慮して、関係企業にも十分連絡しながら最善の努力を尽くさなければならないと考えております。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 人質として拘束されてしまった人や、あるいは自由を奪われて出国できない人、これらの方々に対し、またその家族の皆さんの心中を思いますと、本当に胸が痛みます。そして、日本食の差し入れとか面会求めとか手紙のやりとりとか、いろんなことについて現地の大使が何回も足を運ばせて調査をしておりますということも午前中も申し上げたはずであります。また、私自身が大使館へお電話したときに、ちょうどそこに日本人会の会長もいらっしゃったので、電話でいろいろとお話も聞き意見も申し上げました。  そういったことで、私は、その根本が片づくことがこの問題のすべての解決につながるということは申しましたが、それまではだめだなんということは決して言った覚えはございません。できるだけ、一日も早く、邦人はもちろんのこと、第三国のすべての方が自由になることを願ってこそ粘り強い交渉をしておるわけでありまして、人質問題が人道上、国際法上許されないものであり、この原因をつくったのがイラクだということもどうか忘れないでくださいということは確かに申しましたが、それは事実だと私は思うんです。  したがって、イラクに対していろいろと根本的な問題解決を強く追っていくことも当然でありますが、私としては、人質状態になっておる皆さん、出国の自由を奪われておる皆さんに心を痛めながら、一日も早くその解放ができることを心から願いながら、今後とも、あらゆる国際機関あるいは関係国との協調等を通じ、イラクに対して要求を続けていくつもりでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理、今回の中東問題に関連をいたしまして、総理は初め、自衛隊を海外に派遣することは考えていないと、これは先ほども御質問がございました。しかも、この総理の発言というのは公式の記者会見の席上であります。したがって、一国の指導者、総理としての発言というのは、私は大変重いと思っております。これは弁舌のさわやかさというよりも、やはりその言葉の信頼性というのがこれから大事になってくるわけであります。そういうふうな意味では、総理が自衛官を海外に派遣しない、こう言っておきながら、直ちに今回の法案では自衛隊中心になっている。ここのところは重大な問題であると私は思っておりますが、総理の御見解をお伺いしたい。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 貢献策を最初に考えましたときに、先ほども申し上げましたが、お金だけというのではなくて、人も出て、汗をかいてこの平和回復に協力しなきゃならぬ、イラクの行った行為が間違っているということを国際社会の中できちっと身をもって示していかなければならないという角度で、当初は確かにおっしゃるとおりのことを私も思った時点がございました。そして、最初の貢献策はそれでやろうと鋭意努力をしたんですが、どうしてもなかなかそのようなことが、強制力のない、あるいは組織や体制のできていない中ではできませんでした、結果として。  そして、拠点の輸送とか医療協力とかいろいろなことを考え、何とかしなければならないというので政府部内でいろいろ慎重な意見の交換があり、幅広い議論をしました。そして、結果として法案を提出するときには自衛隊から平和協力隊に参加をしてもらって、平和協力隊の指揮に入ってこれだけの業務に協力をしてもらおうということになったわけでありまして、自衛隊の派遣といいましても、自衛隊そのものをそのまま何の変化もなく出すというのではなくて、法律の中で武力の威嚇、武力の行使は伴わないという大原則をまずきちっと立てて、それから一々の計画、どんな協力ができるのかということも内閣で検討をして、最後は閣議決定になるという歯どめをかけてこのようなことにしたわけであります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理、総理の言葉の重みという問題について、総理はやはりもう少し真剣に考えていただきたいと私は思います。  そこで、きょうは時間がございませんので端的にお伺いします。  今回のサウジに出ております米軍、これはその任務、目的が武力行使を伴うものと考えていらっしゃるのかどうか、この点どうですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  ただいまペルシャ湾地方に展開しておりますいわゆる多国籍軍、その中心は米軍でございますが、これは累次の安保理決議を受けて、これらの実効性を確保するために展開しているものでございます。  軍隊でございますから、当然武力は持っております。そして、これは安保理決議六百六十号によりまして、イラクによるクウェートの占領、これからの撤退を要求しているわけでございますし、また六百六十一号は、これに対する経済制裁を決定したわけでございますが、これに対する実効性を確保するということでございまして、アメリカ軍を含みます多国籍軍は、イラクに対して軍事的な圧力を加え、これらの決議の実効性を確保するという目的で展開しているわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 ですから、任務、目的の中に武力行使が含まれているかいないかということを明雄にしてください。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) この軍隊の任務の中には、武力行使も必要があれば行うという任務が含まれていると思います。それゆえにこそイラクのこれ以上の軍事的な拡大を抑え、またクウェートからの撤退を促すという抑止力になっていると思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 とすれば総理、こちらが何ぼ非武装といいましても、武力行使を前提にした多国籍軍に対していろいろな支援をするということは、従来の憲法解釈と違っているのじゃありませんか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) まず私の方から、法案に則して考え方を御説明させていただきたいと思います。  先ほど来総理も何度か御答弁になっておられますように、この法案の基本原則は、武力による威嚇または武力の行使を行わないということでございます。そして、この平和協力業務あるいは任務は、三条の二号で列記しておりますように、停戦の監視あるいは物資の輸送、その他医療活動等々でございまして、これらはこの条文からも明らかでございますように、武力を行使するというようなものではないわけでございます。したがいまして、仮にこの平和協力隊が多国籍単に対する協力を行います場合にもこのような限定の中で行うわけでございまして、このような任務自体が実力の行使あるいは武力の行使に当たるものではございません。  ただ、このような任務を遂行するに当たりまして、場合によりまして武力の行使と一体とみなされるようなことがあってはならないということで、具体的な場合にはそのようなことにならないように業務計画を決定し実施するという考えでおります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 答弁になっていません、全く。違うことを答えていますよ。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま私お答え申し上げたことをいま一度補足させていただきます。  端的に言いまして、この平和協力隊の任務には武力の行使に当たるようなことは入っておりません。そして、これは基本原則として、「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」ということが明記されておるわけでございます。  多国籍軍につきましては、先ほど私……

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 多国籍軍は入っているでしょう、武力行使。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 多国籍軍は軍隊でございますから、これは武力行使を行う場合があり得ます。あり得ますが、この平和協力隊が多国籍軍のために何らかの協力を行うという場合におきましても、平和協力隊が多国籍軍の中に入って参加して協力するということではございませんで、あくまでも平和協力隊が行う協力業務というのは、三条の二号に掲げておりますような物資の協力でございますとか物資の輸送でございますとかあるいは医療活動、そういうものであるということでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 多国籍軍は武力行使がその任務の中に入っている。そうしますと、国連決議に基づくその他の活動、この第一条で言ういろんな活動というものは、結局はこちらが何ぼ非武装とかどんなことを言ったにしても、相手が武力行使を伴うものというふうになっているわけですから、従来の政府見解と違いますと私言っているわけです。この問題についての政府の見解をお伺いします。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  従来私どもが申し上げておりますのは、その任務または目的が武力の行使を伴うもの、これに参加することは憲法上許されない、こういうふうにお答えしております。また一方で、仮に補給といったようなことであっても、補給それ自身がすべて許されるわけではない、他方、補給すべてが悪いわけではない、こういうふうな趣旨のことを申し上げております。したがいまして、その場合に行いますものが武力の行使と一体となる、武力行使そのものと密着している、こういうふうなものは許されないということを申し上げているわけでございまして、今回の行いますものも、先方の多国籍軍が仮にそういうものであるとしても、それに対してそれと一体になるようなことは許されないであろう、こういう趣旨だと、今の条約局長のお答えもそういうふうに考えております。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 多国籍軍につきまして、いま一度整理して答弁申し上げます。  ペルシャ湾岸に展開しているいわゆる多国籍軍の活動は、次のとおり、国際の平和及び安全の維持のために国連安全保障理事会が行った累次の決議を受けたものでございまして、国連平和協力法に基づく我が国の協力の対象として考えられているものの一つでございます。  第一は、ペルシャ湾の洋上に展開しております兵力及びサウジアラビアの要請に応じまして同国内の陸上に展開しております兵力の双方は、クウェートを不法に占領しておりますイラク軍を含めまして、イラクに不断の圧力をかけることによりましてイラクによるクウェートよりの即時無条件撤退を求める安保理決議六百六十の実効性を確保することに貢献しているものでございます。  第二に、前述の洋上兵力及び陸上兵力の双方は、経済制裁措置を決定いたしました安保理決議六百六十一号の実効性を確保することに貢献しているものでございます。  第三に、ペルシャ湾の洋上兵力の活動につきましては、経済制裁措置の厳格な実施を確保するために、安保理の権威のもとに必要とされる一定の措置をとることを洋上兵力を展開している各国に要請する安保理決議六百六十五号に基づくものと位置づけられるものでございます。  この法案との関係で申しますと、この法案の中に明記してございますように、この平和協力業務は「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」という基本原則が明定されております。また、この平和協力業務として掲げられておりますいろいろな任務、このいずれも武力の行使に当たるようなものではございません。そのような枠組みの中で我が国としてはこの平和協力法のもとで協力を行っていくということでございます。その対象が多国籍軍の活動に対する支援、協力というものになります場合におきましても、この平和協力法の定めます基本原則、すなわち、武力の行使または武力による威嚇は行わないという原則にのっとって行うことになる次第でございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 私のさきの答弁の中で、多国籍軍は武力を行使することがあり得る、軍隊でございますからそのような能力を持っているということを申し上げた次第でございます。ただいま整理した中で特にそれに触れませんでしたけれども、それは前提として考えておったことでございます。この際、その点をもう一回確認させていただきます。  その場合におきまして、我が国がこの多国籍軍にどのように協力するかということでございますが、この平和協力法におきましては、武力の行使または武力による威嚇に当たるような行為は行わないということでございますので、この平和協力隊が何らか武力の行使に当たるようなことを行うということはこの法律上認められておらないわけでございます。したがいまして、そのようなことはないということを申し上げる次第でございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 少なくとも先般の統一見解の中身を見ましても、多国籍軍あるいは国連軍、国連軍はなかなか結成されておりませんから多国籍軍でいきますが、その任務、目的が少なくとも武力行使を伴うものということが明確になったわけでありますから、武力行使を伴うこの多国籍軍に後方支援なりいろんな協力をする、これはこの統一見解の二項の(2)に当たるわけでございます。そういうふうな意味でいきますと、いかなる協力をするにいたしましても、例えばその中へ入らなくても、少なくともその多国籍軍の指揮系統の中に入らなくてもそばにいるわけですから、そういうふうな意味では明らかに戦争に巻き込まれるおそれもありますし、従来の統一見解と違う。したがって、この国連決議に関する政府の統一見解も、これは撤回をしていただきたいということであります。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  平和協力隊が協力をいたします場合に紛争に巻き込まれるのではないかという点の御指摘でございますが、この点につきましては、この平和協力隊の基本的性格が武力行使をしないというものでございますので、これの派遣に当たりましては、第一に、現に戦闘が行われているような場所あるいは戦闘が発生しそうな蓋然性の高いようなところ、そういう場合には派遣しないという方針でおるわけでございます。  にもかかわらず、そのような紛争が起こった場合にどうするかということでございますが、その場合には極力そのような事態に巻き込まれないように回避をするということでございます。  いずれにいたしましても、この平和協力隊は武力を行使する集団ではございません。したがいまして、集団的自衛権に関する従来からの憲法解釈を変えるものではございません。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 今のは全く答弁になっておりませんし、平和協力隊が武力行使を行うなんて私は一言も言っていませんよ。平和協力隊はそんなことができるわけはない。だから、いずれにしてもこれは今の局長の答弁だと、サウジにもどこにも行けませんよ。そんな政府見解、全く従来の政府見解を変更いたしておりますし、そういうふうな意味では今の答弁では私は全く納得できません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) いま一度補足させていただきます。  この多国籍軍に協力するという場合におきましても、この平和協力隊が武力行使をしないことは当然でございますが、この多国籍軍の武力行使を援助してそれと協力するという、武力行使と一体となすような行為はしないということははっきり申し上げておきたいと思います。私のさきの答弁、そして法制局長官の御答弁の中にもございましたように、この平和協力隊の業務そのもの、例えば輸送というような行為そのものは別に武力行使ではございませんけれども、状況によりましては武力行使と一体となすようなことがあり得るというのも事実でございます。したがいまして、そのようなことも行わないということでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 今の答弁もちょっとまた問題が新しく出てきたわけでございますけれども、従来の政府の統一見解、いわゆる後方支援についてもこういうようなものは一切行わないということになっていたわけです。ところが、それを新たに多国籍軍に対してそういうことをするということになりますと、従来の統一見解の変更になるわけであります。  そういうふうな意味で、それじゃ戦争が起きるか起きないかわからない、前もって判断ができるのか。あるいは多国籍軍に対して、この統一見解では、国連平和協力法の統一見解の中に1の(2)にその実例を書いてあります。「「多国籍軍」の活動はこのような活動の一例である。」というふうに書いてありますが、この中身は一体どういうことをするのか、具体的におっしゃっていただきたいと思います。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  政府統一見解の一の2というところで述べておりますことについての御指摘だと思いますが、「サウディ・アラビアに駐留する「多国籍軍」は、同国と協力しつつ、イラクによるサウディ・アラビア侵攻等の軍事行動の拡大を抑止してきているところ、イラクによる軍事行動拡大の抑止は決議六六〇の求めるイラクのクウェイトよりの無条件撤退を実現するための不可欠の前提である。」、こう述べております。「これに加えて、同「多国籍軍」は、イラクに対しクウェイトよりの無条件撤退を実現すべく不断の圧力を加えてきている。かかる意味において、サウディ・アラビアに駐留する「多国籍軍」は、決議六六〇の実効性の確保のための役割を果している。」、こうございます。  この「イラクに対し」多国籍軍が「クウェイトよりの無条件撤退を実現すべく不断の圧力を加えてきている。」というところは、まさに軍事力を背景とした抑止力でございます。この抑止力によってイラクに対して不断の圧力を加えているというのが現状でございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔午後六時四十六分速記中止〕    〔午後七時速記開始〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 原則といたしまして、この平和協力隊を出す場合には、平和協力隊の本部の前に会議がございます。その会議で派遣地域等に関しまして計画を決定いたします。そのようなところで、戦争に巻き込まれる危険のあるような地域には派遣をしないという考え方でこの方針を決定するというのがまず出発点にございます。  そういう中で、現地に参りまして、委員がお尋ねのように、多国籍軍に支援をするということが、それでそばにいて戦争に巻き込まれるんじゃないか、こういうお尋ねでございますけれども、私どもは平和協力隊をつくるという中で原則非武装と。何といいますか、そこに書かれておりますように、武力による威嚇または攻撃は一切いたさないというのが我が国の憲法の定めでございますから、そので、当初から戦闘に参加するという意思は全くないわけでございます。たまたま危険が起こるといった場合には、現地の司令官がその判断において直ちに移動するという考え方で対処しなければならないと考えております。  なお、先ほどお尋ねの多国籍軍等に関する政府見解におきまして、従来のいわゆる見解との差異があるという御指摘でございますが、この点につきましては、調査の上、改めて御報告を申し上げたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 この問題につきましては、いずれにしましても、私は従来の統一見解の変更である、こういうふうに思っております。精査をして出すということでございますから、次に進みたいと思います。  それから次に、先ほどからいろいろと答弁があるわけでございますが、いわゆる平和協力業務、これはいろんな歯どめをしている、こういうふうにおっしゃっておりますが、実際に第三条の第二号を見てみますと――これは一遍第三条第二号について具体的御説明いただきたい。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 三条の二号は、  イ 停戦(武力紛争の停止、兵力の撤退その他これらに類するものをいう。)の監視  ロ 紛争終了後の暫定政府等の行政事務に関する助言又は指導  ハ 紛争終了後の議会の選挙、住民投票等の監視又は管理  ニ 物資協力に係る物品の輸送その他の輸送、通信又は機械器具(物資協力に係る物品を含む。)の据付け、検査若しくは修理  ホ 医療活動(防疫活動を含む。)  ヘ 紛争によって被害を受けた住民その他の者の救援のための活動  ト 紛争によって生じた被害の復旧のための活動  チ イからトまでに掲げる業務に類するものとして政令で定めるもの と書いておりますが、これにつきましては、例えば調査団の派遣とか、あるいはカンボジアの国民のための物資の集積業務、管理等を意味しておると御理解をいただきたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、大臣、カンボジアの問題とかいろいろおっしゃっておりますが、法律は生き物ですからね、今おっしゃっていることは何の役にも立たない。法律はひとり歩きするんです。そういうふうな意味では、このチで、イからトまでを何となく詳細に決めているような気がいたしますが、実際はチで「業務に類するものとして政令で定める」なんということになってまいりますと、法律はもう幾らでも拡大解釈ができるわけですから全く歯どめにはならない、いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員から歯どめにはならないという御指摘でございます。私は、この法案の審査の経過におきまして、外務大臣としてどのようなことがこのいわゆる政令に定めるものに含まれるか、このようなものを明確に答弁して明らかにさせていただきたいと考えております。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の点につきましては外務大臣から御答弁がありましたとおりでございますが、若干技術的な補足をさせていただきたいと思います。  三条二号のいろいろな任務につきましては、外務大臣が先ほどお述べになりました。そして、いわゆる歯どめでございますが、これはこの法案に幾つか組み込まれていると考えております。  第一は目的でございまして、第一条にございますように、「この法律は、国際の平和及び安全の、維持のために国際連合が行う決議を受けて行われる国際連合平和維持活動その他の活動に対し適切かつ迅速な協力を行うため、」の実施体制の整備をする等となっております。したがいまして、まず第一に、国連の決議がなければこの法案に基づく協力はそもそも行わないという一つの歯どめがあるわけでございます。  第二点は、二条の第二項にございますように、「海外派遣に係る平和協力業務の実施等は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」という点でございます。これが第二の歯どめでございます。  それから、第三条二号で先ほど外務大臣がお述べになりましたいろいろな任務がございますが、これにはこの柱書きにございますように、「平和協力業務」というのは、「国際の平和及び安全の維持のための活動に係る次に掲げる業務をいう。」ということで、この基本的な性格と申しますか、縛りがかかっているわけでございます。  なお、このイロハニホヘトチのチのところにございます「政令で定めるもの」と申しますのは、「イからトまでに掲げる業務に類するものとして政令で定める」というものでございまして、これが際限なく広がるというようなことはないと信じております。  それから、さらに手続的な歯どめといたしましては、第四条にございますように、内閣に国際連合平和協力会議というものを置きます。これは閣僚レベルの会議でございます。そして、実施計画を作成いたしまして、これは本部で作成いたしますが、その実施計画は閣議決定を経て決めるということでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、こんなものは、「政令で定める。」というのは、いろんなことを言ったにいたしましても、これはもう歯どめには全くなりません。そのことだけ申し上げておきたいと思いますし、自衛隊法の中でも、先ほど同僚委員の方から質問がございましたが、例えば運動競技会に対する協力とか南極に対する支援とか、そういう細かいところまでうたっておりまして、政令というのはないんですね。そういうような意味では、この平和協力隊の業務につきましてもきちっと法律でうたってしまう、それが筋だと私は思うんですが、いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今御指摘のいわゆる政令で定めるのを法令で定めるべきではないかという御指摘でございます。法令にするか政令でいくかという問題、法律で行うか政令で指定するかということにつきましては、法制局長官からその点について再度御答弁を願いたいと考えております。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) 二点ばかり申し上げたいと思います。  先ほどの外務大臣の答弁等にもございましたように、この最後のところは「イからトまでに掲げる業務に類するものとして政令で定めるもの」、そういう意味で、いわゆるその他政令で定めるというような裸で政令委任しているわけではございません。あくまでも「類する」というその類し方でございます。それが一つ。  それから、ちょっとこれは恐縮でございますが、自衛隊法でも例えば百条の「土木工事等の受託」というようなときは「土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、」というふうな規定もございまして、あるいは運動競技会でも、その「運営につき、政令で定めるところにより、役務の」云々その他の協力というふうなのがございます。したがいまして、だからというわけではございませんが、「掲げる業務に類するものとして政令で定めるもの」、このようなことが一つでございます。  それからもう一つは、いわゆる今後のこういう派遣関係につきまして具体的にどこまで上がってくるか、そのときに、例えば停戦でありますとか医療行為でありますとか、そういうふうなものは当然これまでのものから想定されるわけでございます。それに類する程度にしかここは行わないんだという意味での逆の申し上げ方もあろうかと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 今の答弁は納得できません。  大体、「類するもの」なんというのは、法制局長官、どのくらいあると思いますか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  「類する」ものが数として幾つあるか、こういう御指摘に対しては幾つというふうに申し上げるわけにはまいらないわけでございます。ただ、一方におきまして、かつて問題になりました、これは極端な例でございますが、例えば地雷の除去というふうなものがもしありました場合、これはこのイからトまでいかようにも類しようがないんではないか、かようには思います。  そういう意味で、いわゆる戦争あるいは戦闘行動に直接関係するようなものはここで当然含まれてこない、かように考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これはもう私は、想像に絶するほど、法案そのものができてしまえば、このニの「物資協力に係る」、この物資協力の物資の中身とか、あるいは通信の中身とか機械の中身ということになってまいりますと、法律そのものからいろんな問題が出てくることは明らかであります。そういうような意味では、私はこの三条二号というのは何ら歯どめにはならないということだけ申し上げておきたいと思います。  次に、自衛隊の部隊参加についてお伺いしたいと思います。  この第二十二条の部隊参加ということでありますが、「防衛庁長官に対し、部隊等(自衛隊法第八条に規定する部隊)」をいわゆる「当該平和協力業務に参加させるよう要請することができる。」と、こうなっておりますが、部隊参加ということにした理由を御説明いただきたい。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 先ほど総理より、なぜ自衛隊の参加を求めることにしたのかという背景についていろいろ御説明がございました。  この部隊参加という点につきましては、例えば私ども非常に具体的に念頭に置いておりますのは、自衛隊の船舶による輸送ということがあるわけでございます、これは例えばの話でございますが。そのような場合に、やはり自衛隊の輸送に使う船というものは、単なる船だけではございませんで、乗組員がいなければ動かないのは当然でございます。そして、その乗組員は一つの組織として、一つの部隊として参加して初めてその機能を発揮し得るというものでございます。  したがいまして、このような場合には、やはり部隊で参加していただくということをもって初めて自衛隊の日ごろからの訓練の結果、そういう技術が生かされてくるということで部隊参加というものを入れたわけでございます。  なお、自衛隊員が個々に参加するという道も別途開かれていることは申すまでもございません。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 八条の中身を詳細に御説明いただきたい。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) 自衛隊法八条には、「長官は、内閣総理大臣の指揮監督を受け、自衛隊の職務を統括する。」と書かれております。「ただし、陸上幕僚長、海上幕僚長又は航空幕僚長の監督を受ける部隊及び機関に対する長官の指揮監督は、それぞれ当該幕僚長を通じて行うものとする。」、かように規定されております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 部隊の中身を詳細にもう少しお願いします。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) 委員のお尋ねの趣旨を必ずしも正確に理解しているのかどうか自信がございませんが、「部隊等」の中に装備等を含むと理解していいのかどうかというような御趣旨ではないかと思いますので、そういう観点からお答えを申し上げたいと思います。  国連平和協力法によりまして、本部長が防衛庁長官に対しまして平和協力隊の行う平和協力業務への参加を要望することができるとされておりますここの部隊等、それはただいま委員が御指摘になられましたように自衛隊法八条に書かれていることでございますが、その任務遂行に必要な装備を保有した部隊を指していると考えられます。現実に部隊等が参加する場合には、その保有する装備の中からそのときどきに課せられた任務遂行に必要な範囲で装備を所持携行することとなるものと考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 保有する装備はすべて含みますね。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) 八条で規定しておりますのは、組織の観点から規定いたしております観点上、この装備全体を含む概念であるかどうかという点につきましては、若干切り口が違うと思いますが、例えば艦艇を動かすような部隊でございますと、艦艇そのものの装備が存在しません場合にはその部隊が成り立ち得ませんので、その場合には艦艇という装備はその部隊編成上不可欠のものだと思いますけれども、その部隊が保有することを定められております例えば小銃とかけん銃とか、そういうようなものに至ります場合には、必ずしもそれが部隊編成上の不可欠のものであるかどうかという点は、これは別の点から検討する必要がある問題だと思います。  なお、現実にその部隊が参加いたしましてある任務を果たします場合には、その部隊が保有を許されております装備をすべて携行保有したままその任務につくというものではないことは当然でございます。例えば国内における災害派遣等に従事いたします部隊等は、武器を一切携行せず災害派遣活動に従事していることは申すまでもないところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それじゃ、二十二条の「部隊等」という問題と「参加」という問題とあわせて御答弁いただきたい。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) お答え申し上げます。  先ほどお答え申し上げましたことの繰り返しになるかと思いますけれども、平和協力法第二十二条に基づきまして部隊等が平和協力業務に参加いたします場合には、その保有する装備の中から現実にその……

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 だから、装備全部を含むんでしょう。含むのか含まないのか、はっきりしてくださいよ。その部隊が参加する場合、どういう部隊でも、その装備を持っている部隊が参加するときには含むんでしょう、全装備を。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) 基本的な装備は含むと思いますが、ただいまも申しましたように、その装備といいましても、例えば艦艇部隊が参加いたしますときには、艦艇そのものが参加しなければその部隊の機能を維持、発揮することができませんので、そういう意味では艦艇というものは不可欠のものであろうかと思います。しかしながら、陸上部隊等におきました場合には、予定されております装備すべてを含んで、それを持って参加しなければいけないかということになりますと、それはさようではない、かように考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理はこの部隊参加の問題について、輸送艦あるいは補給艦ですか、そういうようなものを想定して何回も御答弁になっていらっしゃいますが、そのことはこの法律のどこにありますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 最初に私の考えを率直に申し上げてから解説させますが、部隊参加のことが議論になりましたそもそもの初めは、私は、貢献策をとりましたときに飛行機とか船とかを何とか提供を受けて輸送したい、こう考えたんですが、なかなかそれが思うようになりませんでした。現実にいろんな問題がありました。それならば船を一つ買ってきて、つくってといってもなかなかすぐ人が集まって乗るわけにまいりません。  そうしますと、今自衛隊が保有している補給艦なんか八千トン級の補給艦があるわけですけれども、それは三隻あるわけですから、そのうち一隻か二隻は、それは提供を求めるということになればいろいろなものであるいは可能かもしれない。そうなった場合には、船だけ提供してもらっても、さあ動かすということになったときに、新しい方を集めてきて新しい人に教えるといってもなかなか難しいでしょうし、きょうまでそれを動かしてきたという人がともに参加をしてもらうことが船が動くという目的を達するためには極めて実際的ではないか、現実的な問題としてこのような考え方に立ったわけでございます。  したがって、それらのときには、部隊部隊といいますけれども、私は、読み方はあえて後から言わせますが、その船そのものが動くことができるような一つの仕組みがあろうと思うんです。乗組員は八千トンの船で百三十人乗り組んでおる程度だということのようですが、じゃ、百三十人だけでいいのかと言っていろいろ聞いてみましたら、整備とか艦の補給とか、艦を動かすためにはそれに必要な数はもう少しありますよと。全部船に乗っているわけじゃありませんから、その係、係と言っては悪いかな、その係全部を集めたのが部隊だと、こう言います。あるいは医療班を例えば百名出したいという当初の理想で問題を提起いたしますと、やっぱり医官、看護士プラスほかのグループを合わせると百名程度ということになると大変大きな部隊が必要になってきて、それに対する医療の補給とか、器具の補給とかいろんなことも出てくるようなこともわかってまいりました。  したがって、我々のなし得るぎりぎりの協力というのはこういう作業かなということを念頭に置きながら考えましたことは、そういった単位の部隊として参加してもらうことが一番実際的だなという感じであります。そして、それらのものがこちらから提供する物資とか、あるいは食糧とか、そういったようなものを運ぶというときも、拠点に運んで、拠点輸送をやって、そして引き揚げてくる。そういう往復の輸送をするにもやっぱり部隊として参加してもらっておるのがいろいろと実際的に運用するときには便利になるのではないかという効果の面から考えて、私は部隊の問題の判断をしたわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理が言うような趣旨にこの法律はなっていない。この法律は、総理が今幾らそんなことを説明しても、法律ができてしまえば法律は一人で歩くんですよ。  例えば、これは護衛艦を持っていくといったら、護衛艦の部隊等みんな出てくるんです。自衛隊の部隊が全部派遣できるような法律になっているんです。そうじゃありませんか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) これは大前提が、護衛艦を出すとか、武力による威嚇、武力の行使を目的としないということをきちっと第二条で明確にしてあるわけでありますから、当初から護衛艦を出そうという、そういう威嚇兵器を持っておるような、戦闘兵器を持っておるようなものを初めから出すつもりは毛頭考えておりませんし、また、ここに書いてあります平和協力業務の中にも、そういった戦闘に参加するのではなくて、協力をする平和維持活動でありますから、これで護衛艦が出せるとか武力行使をするようになるとか、それは毛頭考えておりませんし、やらない問題であります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それは総理は今そんなことを言っておりますけれども、何も戦闘目的でなくたって、そういう例えば護衛艦が出る可能性はあるわけです。可能性があるようにこの法律はなっているということです。総理がこの輸送船とか補給業務とかそういうのにするのなら、そこへ限定しないと何の役にも立っていないということです。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) この法律をつくるときにその問題には厳しく対処したつもりでありますけれども、拠点輸送を考えてそこへ輸送するということでありますから、想定しておったのは。ですから……

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 拠点輸送なんて書いてない。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 書いてなくたってそれを想定して実施計画をつくって、それで実行するときにそれにきちっと歯どめをかけてやっていくわけでありますし、また、その護衛艦を出すとか武装勢力を出すなんていうことは毛頭考えておりませんから、第二条の第二項にそのことの歯どめもかけてございますし、また平和協力業務の基本とか海外派遣の可否についても、相手国の意向等を尊重しながら十分会議に諮って決めていくということまで書いております。  なお第三条第二号のイの問題を見ますと、これはいわゆる典型的なPKOだと、こう言われておりますけれども、しかしここに停戦ということが書いてありますのは、このPKOの中でもいわゆる平和維持軍というのになりますと、武力行使の可能性とか、あるいは武力を持っていくことが前提となっておるようなものは、これはこの法律で認めてはいけないというので停戦監視ということだけになって、代表的な平和維持活動である平和維持軍というものへの参加ということはあえて書かなかったということも、そういった厳しい歯どめをしていかなきゃならぬという慎重な作業の表現であったと私は心得ておりますので、どうぞそのようにお読みをいただきたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 読めません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こして。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  先ほど総理が御答弁になりましたことで基本的なことは尽きていると思いますが、いま一度整理させていただきます。  先ほど総理から御答弁がございましたように、まず第一に、第二条の二項で「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」ということがこの平和協力業務の実施等について定められております。そして第三条の二号のまず柱書きに「平和協力業務」とございまして、これは「国際の平和及び安全の維持のための活動に係る次に掲げる業務をいう。」としていろいろな任務が挙げてございます。  かいつまんで主なものを拾い上げさせていただければ、停戦の監視、それから紛争終了後の暫定政府等の行政事務に関する助言等、あるいは紛争終了後の議会の選挙等、あるいは物品の輸送等でございます。それから医療活動、あるいは紛争によって被害を受けた住民の救援活動、さらには紛争によって生じた被害の復旧のための活動、その他これに類するもの。この類するものという意味につきましては、先ほど法制局長官から詳しく御答弁がございまして、このイからトに書いてありますものと類似のものということで、これはむしろ縛りになっていると思います。  このような業務を行うわけでございますから、また繰り返しになりますが、武力の行使等に当たるようなことはしないという大前提のもとで協力を行うわけでございまして、その場合に、二十二条の方で規定してございますように、本部長は、平和協力隊が行う平和協力業務を実施するため必要があると認めるときは、防衛庁長官に対し、部隊等または自衛隊員を参加させるよう要請することができるというふうになっているわけでございます。したがいまして、自衛隊が平和協力隊の業務に参加する場合におきましても、この三条二号に掲げられた停戦監視あるいは輸送、医療活動、その他の活動に必要な限度で参加するわけでございますから、これに護衛艦を派遣するというようなことは入らないわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは全くわかりません。  今、二条二項の「武力による威嚇」とか「武力の行使」とかいうことをおっしゃいましたけれども、そんなことをやらないことはもう当たり前のことでございまして、例えばこれがなくたって、これから武力の行使をいたしますと言って戦争する人はいないんですよ。みんな平和のための行動だと言いながらそういう事件が起きているわけです。  しかも、私が言いたいのは、総理、平和のためのいろんな問題であったにしても、少なくともこの法律二十二条は、要請があれば自衛隊の装備を含んだすべてを出すことができるということになっている。違いますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 先ほども申し上げましたように、この平和協力業務というものを具体的に実際に行うためには、自衛隊の装備の中の例えば補給艦とか輸送機というものも一緒に提供をしてもらわなければ具体的なことがしにくい。ほかの方法でと思って民間にいろいろお願いしましたが、いろいろな困難な理由があるということでありますし、また、それらのこと等を考えながら、今度は医療班の問題一つをとらえましても、自衛隊の持っておる医に関連した装備等はやっぱり出してもらわないと協力業務として効果が上げられないことが多いのではないか。いろいろございます。そういった意味で出してもらおうということで書いてある。そちらの方からちょっと見ていただければ極めてすっきりと腹に入れていただけると思うんです。第二条で武力のことはこれはしないと書いてあるんですから、それでどうぞ御理解ください。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それは違います。前段の話は、総理、それはわかるんですよ。しかしながら、そうじゃないでしょう。実際問題として、総理の考え方がずっと続いていくわけじゃない。時代は変わるわけです。あなた、参議院の決議のことで時代は変わったとおっしゃったじゃないですか。それと一緒で、時代も変わるんです。そういうふうな意味では、自衛隊の二十二条というのは非常に大事なんです。総理がおっしゃるんなら、そのことをきちっと書けばいいじゃないですか。そんなことを書かないで、自衛隊の装備すべてが持っていける、もちろん要請があればですよ、出せるというような書き方はおかしいじゃないですかと言っているんです。

日吉章防衛庁長官官房長

○政府委員(日吉章君) 先ほど私からお答え申し上げましたことの繰り返しになりますけれども、国連平和協力法によりまして本部長が防衛庁長官に対しまして参加を要望することができるとされます部隊等の中には、ただいま委員御指摘のように、任務遂行に必要な装備を保有した部隊等を指しているということは事実でございます。  しかしながら、現実に部隊等が協力法に基づきまして協力隊に参加する場合には、ここに掲げられております、三条の二号に掲げられた任務を遂行するのに必要な範囲で装備を所持携行するということでございまして、委員が御懸念されているようなことは全く起こる可能性はない、かように考えております。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめて。    〔午後七時四十分速記中止〕    〔午後七時五十八分速記開始〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 海上及び航空における輸送業務に使用する自衛隊の装備としては、補給艦及び輸送機以外は考えておりません。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 私は、法律の二十二条の中身は今総理がおっしゃったことを重く受けとめて、きょうはこのままあれしますが、いずれにしましても納得できるようなものではありませんし、法律そのものに非常に大きな問題が含まれているということだけ申し上げて、次にいきたいと思います。  この二十二条の三項の併任の問題も大きな問題があります。これはなぜ併任にしたんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 自衛隊のみならず、いろいろな官庁から職員を派遣していただくわけでございますが、御承知のとおり、この平和協力隊の業務と申しますのは恒久的なものではございませんで、場合によって数カ月、あるいはもうちょっと長いのがあるかもしれませんが、しばらくその業務の一定期間が過ぎますと、その特定の業務についての平和協力隊は解散して、そこに派遣された職員はもとに戻っていくわけでございます。したがいまして、もとにいつでも戻れるようにということで派遣元の身分も持つ、平和協力隊に来た場合には一般職国家公務員としての平和協力隊の身分も持つということにしたわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 自衛隊法九十五条について御説明いただきたい。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) 自衛隊法九十五条は、自衛隊が保有いたします武器等が破壊されたり奪取されたりすることによりまして、我が国の防衛力を構成いたします重要な物的手段が損壊されますことを防ぐために、いわゆる警察権の行使といたしまして武器等の防護ができるという規定でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 総理、今お話がございましたように、併任になりますと自衛隊の身分があるわけですから、自衛隊から出された艦船なり、そういうふうな船に乗って輸送業務に当たっているときは、その自衛隊の武器が壊されそうになったときには、要するにその武器を守るためにそこにある武器を使って守る義務がある、こういうんです。これは大変なことじゃありませんか。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) ただいま御説明申し上げましたように、これは治安の悪いところ等に参りましたときに自衛隊の武器が破損させられないようにするために行うものでございます。  それで、先ほど総理から御答弁ございました補給艦の例でございますけれども、積んでおります武器といたしましては機関銃、小銃、けん銃等でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 もう時間がございませんから、いずれにしても、総理、併任でいきますとそういうふうなことが出てくるわけです。自衛隊の武器を守るためにまたその武器を使うということが出てくるわけです。だから、小型武器とかそういう話だけではなくなってくる。そういうふうな意味で大変なことがあるということだけ指摘しておきたいと思います。  総理、最後に参議院決議の問題について一言だけお伺いしておきたいと思いますが、あの参議院決議の趣旨説明を総理は読まれたことがございますか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 読んだことございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 感想は。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 昭和二十九年の自衛隊発足のときの決議でございますから、そのときの院を代表しての趣旨説明というものはそれなりに受けとめさせていただいておりますし、また、海外に出動ということは武力行使をするための出動はしてはいけないということを厳しく言っておられるのである、私はこのように受けとめさせていただきました。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、総理、そんなこと一言も書いてませんよ、武力行使なんということは。  時間がございませんので、私はこれをちょっとだけ読ませていただきます。全部読みませんので、一部だけですけれども、総理、ぜひとも聞いていただきたいと思うんです。  我々は、平和を愛好する諸国民の公正と信義に信頼して、みずから進んで戦争を放棄したのであります。故に今日創設せられんとする自衛隊は、飽くまでも日本の国内秩序を守るためのものであって、日本の平和を守ることによって東洋の平和維持に貢献し、かくしてより高度なる人類的大社会的組織の完成を期待しつつ一つの過渡的役割を果さんとするものであります。それは決して国際戦争に使用さるべき性質のものではありません。 時間が参りましたので、ちょっとはしょります。それで総理、  自衛とは海外に出動しないということでなければなりません。如何なる場合においても、一度この限界を越えると、際限もなく遠い外国に出動することになることは、先般の太平洋戦争の経験で明白であります。それは窮窟であっても、不便であっても、憲法第九条の存する限り、この制限は破ってはならないのであります。 総理、いかなる事情があっても、たとえ「不便であっても、憲法第九条の存する限り、この制限は破ってはならない」、こうおっしゃっておりますし、最後に、  海外に出動せずということを、国民の総意として表明しておくことは、日本国民を守り、日本の民主主義を守るゆえんであると思うのであります。 こうありますが、総理の御見解をお伺いして終わりたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 前回も申しましたように、その内容の有権的解釈は参議院において行われるべきものと思いますが、私も、力でもって外へ出ていくとか、武力の行使を目的で外へ出動するということは決してあってはならないものである、この点は全く同じでございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で峯山昭範君の質疑は終了いたしました。(拍手)  午後九時まで休憩いたします。    午後八時五分休憩      ─────・─────    午後九時開会

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) ただいまから予算委員会を再開いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。上田耕一郎君。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 日本の岐路のかかっているような重大問題なのに、余りにも泥縄式で、余りにも無準備、無責任な答弁が続いていて、本当に憂うべき状態だというふうに思うんですね。これまでの質疑でも、国連平和協力法案なるものが、国連という衣の下からアメリカの戦争への協力と憲法違反の自衛隊派兵というよろいがのぞいているんじゃなくて、もうむき出しになっているということが非常にはっきりしてきたと思うんです。  私、八分しかございませんので、少し具体的に法案に即して、そしてけさからの質疑の流れに即して幾つか質問したいんですが、まず、この法案の三条の一にある「国連決議の実効性を確保」という非常にあいまいな言葉で、猛烈に広がって、多国籍軍、米軍に対する援助が何でもできるかのようになっている。それで、政府統一見解が出ました。この一の4、「決議六六五は、すべての国に対し、」ということで、「国連加盟国により必要とされる協力を」「行うよう要請している。」と書いてある。これは非常に大事なところなんだけれども、柳井さん、この決議六六五の該当するところを読んでください。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  決議六六五は、第一項におきまして、この地域に海上部隊を展開しているすべての国連加盟国に対しまして、船舶の貨物と目的地の検査、確認等につきまして、六六一号に示された船舶に関する措置の厳格な実施の確保を目的といたしまして、この臨検等を行い、また特別な状況下に即した必要と思われる措置をとることを要請しております。そして第二項では、政治的、外交的手段に触れておりますが、第三項におきまして、「全ての国家に対し、本決議の第一項に言及されている国家が必要とするであろう援助を国連憲章に基づき提供することを要請する。」というふうに規定しております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 つまり、本決議の第一項で言及されたということになっている。第一項ですよ。今言ったように、船の積み荷の臨検その他ですよ。ところが統一見解には第一項と書いてないんだから。「すべての国に対し、海上部隊を展開している国連加盟国により必要とされる協力を国連憲章に従って行うよう要請している。」、物すごい、めちゃくちゃな拡大解釈ですよ。取り消してください、この統一見解。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答え申し上げます。  六六五につきましては、先ほどお読みしたとおりの内容でございますが、この統一見解の4で申しておりますのは、これを別に拡大解釈するというものではございませんで、「なお、決議六六五は、すべての国に対し、海上部隊を展開している国連加盟国により必要とされる協力を国連憲章に従って行うよう要請している。」、これは先ほど読みました決議第三項のことでございます。この第一項を前提としているものでございます。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) もう一回確認させていただきます。  六六五の第一項では、この海域に「海上部隊を展開している全ての国連加盟国に対し、」、簡単に申しますと、臨検、拿捕等の権限を与えているわけでございます。それで三項におきましては、そのように海上部隊を展開しているすべての加盟国に対しまして、このような「国家が必要とするであろう援助を国連憲章に基づき提供することを要請する。」というふうになっておりますが、この六六五自体におきまして、これがその一項で臨検、拿捕に関連した援助だけを与えるというような限定はないわけでございます。したがいまして、この統一見解の4でも、この一項、三項というところは読みやすいように省いてございますが、これを拡大解釈したというものではございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 そんな拡大解釈は絶対のめない、第一項で言及されたとなっているんだから。めちゃくちゃだよ、もうこんなの。だめだ、全然。  国連の決議の解釈というのは物すごい厳しいんですよ。八月の十二日にアメリカは海上封鎖をクウェートのジャビル首長を受けて始めたんですよ。十三日にデクエヤル事務総長は、国連決議の枠内の行動ではないと言明した。ブッシュ大統領は十四日に、五十一条に即したもので合法的と言ったんです。そうしたら、十六日に今度はデクエヤル事務総長は国連憲章違反だと言ったんですから、六百六十五がまだできていない前。これだけ厳しい論議があって、ようやく六百六十五で海上封鎖が入ったんですから。五日間、ソ連からアメリカから国連の安保理から大論争があった。それでようやく決まったものを、今の解釈は何ですか、何でも援助できるかのような、とんでもない、第一項で限定された問題なんですよ。はっきり言ってほしい。のめない、そんなの。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) 私の方から今先生が御指摘されましたデクエヤル事務総長の発言に関する報道について事実関係を御説明させていただきます。  ペルー訪問中のデクエヤル事務総長が記者会見で、米軍の行動は国連憲章に違反すると述べたという報道がございましたけれども、その直後にニューヨークにおきまして国連事務局の報道官が、それは誤報であるという旨をはっきり述べております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 そうじゃない。その前はどうするか、枠外のところ、十三日、それは事実だろう。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) もう一つ事務総長が述べておりますのは、封鎖については憲章に違反するという言葉を用いたことは一度もないということを言っております。ただ、封鎖については国連決議の中のものでなければいけない、国連決議に基づくものでなければいけないというふうに事務総長は述べております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 国連決議の枠の外だと言ったんだよ。局長が新聞報道までいいかげんなことするなよ。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 上田君、立って御質問願います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 国連局長がそういうことを言ったんじゃだめですよ。その間の議論の経過を全部言ってください。一番問題になっているから。

赤尾信敏外務省国際連合局長

○政府委員(赤尾信敏君) もう一度国連事務局の報道官の文章を読まさせていただきます。  「事務総長は、「憲章に違反する」との言葉を用いたことは一度もない。」、かかる文脈で事務総長が封鎖に対するコメントを求められた際、記者団に述べたのは以下のとおりである。「国連の観点からは、「封鎖(blockade)」という言葉は正しいものではない。我々が目にしている事態は、サウディ・アラビア政府及びクウェート政府との合意により、米、仏、英、アラブ諸国を含むその他の諸国により決定が行われているが、それは国連決議の文脈の中のものではないということである。」。そういうことでございます。  私が今申しましたのは、この文脈の中のものではないということであるというふうに報道官が述べたという点を御紹介したわけでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 もう時間がないから一々あれですけれども、こういうふうに非常に厳密にやっているのに、何ですか、この拡大解釈は。一項の臨検の問題を全部広げて、実効性の確保ということでアメリカの要求に対して輸送から何から全部やろうとしている。絶対承服できません。この統一見解は撤回してほしい。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 統一見解は撤回する考えはございません。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 じゃ次に進みます。  それでは、今これが武力行使になったら大惨禍になるというので、一番これを抑えなきゃならぬということは首相も先ほど言いました。ところが、ベーカー国務長官は十月十七、十八日、上院、下院で、武力行使を含むすべての選択肢は残されていると言っているんです。もし今のまま米軍、多国籍軍が武力行使した際、これも国連決議の実効性の確保の中に入るんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 今後の湾岸情勢がどのように展開するかは、今的確に予想することはできないと思います。ただ、今後不幸にして武力衝突が起こるということもあり得ないことではございませんが、その場合にも、このクウェートからのイラクの撤退要求決議、そして経済制裁決議に対する実効性確保という面はその後も残ると思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 非常に重大だね。武力行使が始まって、それも国連決議の実効性の確保の中に入るというの。柳井局長、じゃ国連決議の何号ですか、武力行使。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 実効性確保の対象となる決議は、六百六十号、これはイラクのクウェートからの撤退要求決議でございます。それから六百六十一号、これが経済制裁決議でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 武力行使にかかわる国連決議の実効性の確保というその国連決議かどれかということだよ。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 私、先ほど、この情勢かどのように展開するか、今的確には申し上げられないと申し上げました。そして何らか新たな展開がございましたときに、国連で恐らくはまた新たな措置がとられるだろうと思います。したがいまして、その時点におきまして、恐らくは安保理の新しい決議が出ると思いますが、そのような状況下でこれを判断するということになると思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 アメリカが今根回し中だというんですけれども、そういう決議が行われないで、国連憲章第五十一条でアメリカが武力行使した場合どうなるかと言っているんです。この平和協力法案を発動されるんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 新たな安保理決議がない、あるいは安保理の何らかの措置がないままアメリカが武力行使をするかどうかという点を含めまして……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 した場合、万一。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) そのようなことが起こるかどうか、現在的確には申し上げられないということでございます。ただ、憲章上の根拠ということで純粋に法律的に申し上げますれば、そのような、アメリカだけではございませんが、多国籍軍にはいろいろな国の軍隊が入っておりますが、その武力行使の根拠といたしましては、一つの可能性がございますのは、何らかの安保理決議が採択されている場合、そうでない場合には集団的自衛権または個別的自衛権ということも考えられます。これは純粋に、私はどうなるかということを申し上げているわけではございませんが、憲章上の制度としてどうかということを申し上げればそのようになると思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 ちょっと総理、ここは大事なところだから。今柳井局長は二つのケースを言った。安保理決議に基づいて武力行使が行われる場合、安保理決議が行われないで集団自衛権、国連憲章五十一条で多国籍軍、米軍が武力行使した場合、一一つあると。後者の場合どうなるんですか、この法案は発動できないでしょう、国連決議がないんだから。総理だよ、これは。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 私、この法的な可能性と申しますか、制度的な面についてだけ申し上げます。  この協力法案による協力は、これ自体もちろん武力行使に当たるようなものではございません。この点は二条の二項で明記しておりますし、また三条の二号で列記しております協力隊の任務というものは、武力の行使を伴うような目的、任務を対象としておりません。そこで、もしこの多国籍軍が自衛権の行使によって、集団的または個別的自衛権の行使によって武力紛争に入ったという場合にそのような協力ができるかどうかということになると思います。  この点は法律的には、そのような協力でございましても、我が国が武力行使と一体となるような行動を行わない限りこれは協力ができるというのが、制度的にはそういうことが言えると思います。しかし、具体的な事態に即してどのような協力をするかしないかという点は、それは具体的なケースに即して判断していくということになろうかと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 法制局長官、大事なところだ。国連決議はないんですよ。一体でない場合、それでも発動できるんですか。はっきり答えてください。重大な問題だ。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) 法案の方から先に申し上げますと、これまでしばしば議論になっておりますように、三条の一号におきまして「国際の平和及び安全の維持のために国際連合が行う決議に基づき、又は国連決議の実効性を確保するため、」行うということでございまして、国連決議が前提になっているということはこれまでしばしば申し上げているところでございます。  そこで、先ほど条約局長がお答えしましたのも、これから先の情勢がどのように動くかわからない、こういうことで申し上げていると思います。現に何らかの決議があればそういうことでございましょうし、また、私実は国連決議の解釈をするような立場にございませんが、六百六十、六百六十一で読めるようなものであれば、あるいはそういうことの従来の延長線ということもございましょうし、そういうことでなければ、全くそういう国連決議と関連なく国連憲章の五十一条ということだけであれば、これまたこの三条の定義には当たらない。そこは今後の情勢の展開いかんであろうし、またそのときに国連がいかなる動きをするか、あるいは国連の従来の決議とどういう関連をつけて行われるか、こういう問題であろうと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 大体長官の言うことでいいんだけれども、あなた国連のことを知らないと言ったが、国連決議六百六十号は、書いてあるけれども、三十九条と四十条なんですよ。一般的権能と暫定措置なんですよ。だから武力行使なんて絶対使えないんです。だからこの場合は、もし国連決議なしにアメリカ多国籍軍が個別的、集団的自衛権で発動した場合には、この法案で協力はできないんです。首相、どうですか。それでいいですか。総理、どうですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 決議六百六十号で引いておりますのは今御指摘のとおりでございます。そして、多国籍軍が展開しておりますのはこの六百六十号と六百六十一号の実効性を確保するために行っているということでございまして、いずれにいたしましても、この六百六十号、六百六十一号で直接多国籍軍の展開について触れたものではございません。ただ、これらの決議を受けまして、多くの加盟国がこれらの決議に実効性を与えるという意味で軍を展開しているという関係でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 総理ね、大事なところだから、アメリカはやるかもしれないんだから。アメリカは国連を利用しながら、縛られたくないんですよ。しかし、やるかもしれないんです。それを防いで、今経済制裁で平和的に解決しなきゃならぬのだよ。それを何だかアメリカにどんどんどんどん協力するようなこういう法案というのは、そういう軍事的対決の危険を増すんですよ。だから、もし国連決議なしにアメリカが武力行使をやった場合には協力しない、できない。総理、どうですか、はっきりしてください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) それはまさに仮定の問題であると思いますし、私はそういうことにならないように、今の多国籍軍の活動を外部から参加するのでなくてできるだけ協力をする。国連決議の実効性を確保するための多国籍軍の行動というのは、イラクにクウェートから撤兵をするということをきちっとさせなきゃならぬわけでありますから、それは戦争をやろうとか武力行使をしようとかいうことではなくて行われておるわけでありますし、それにしてもそこへ武力を持って行こうなんという気持ちはこれっぽっちも日本にはありませんし、また、そこが現実にそういうことになるかならぬかということは、これは私はならないように精いっぱいの努力をしなきゃならぬということで今行っておるわけでありますから、この法案が、そういうときにはああする、そういうときにはこうするというものではないと思います。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) お答え申し上げます。  まず、これから先の事態が不確定でなかなかどのような事態があるかということを申し上げられないということが一つあったわけでございます。  それから、今後のそういったときに、まず現在の決議と別の決議が行われれば、これはその決議に基づきあるいはその決議の実効性を確保するためで読めれば、当然それは一つございます。  それからもう一つは、現在の六六〇あるいは六六一という決議の実効性を確保するためでもし読める事態であるならば、それはそれでできるということでございます。格別、全然別のことを申し上げていることではないと思います。  いずれにしろ、仮の事態でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 読めない場合はどうなるの。

工藤敦夫内閣法制局長官

○政府委員(工藤敦夫君) 六六〇、六六一の延長線上で読めない、別途の決議もない、そういうことであれば、決議はおよそすべてないわけですからこの法律は動くはずはない、こういうことであろうと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 それじゃ、これは首相、今のでいいですね。確認してください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 私は、武力行使にならないように最大限の努力をするという心情を申し上げたんですけれども、法制局長官が申し上げた答弁を私もそうだと思います。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 私、こだわったのは、この法律は首相というのが物すごい権限を持っているわけですよ。国連平和協力会議というのをつくるんでしょう。これは内閣そのものでしょう。構成はどうなっていますか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) 組織的な面についてお答え申し上げます。  平和協力本部というものができますが、この本部長には内閣総理大臣がなられます。それから、さかのぼりますが、内閣に国際連合平和協力会議というものが設けられます。これは諮問会議でございますが、これの議長も内閣総理大臣がなられます。また、二条の三項にございますが、「内閣総理大臣は、海外派遣に係る平和協力業務の実施に当たり、平和協力業務実施計画に基づいて、内閣を代表して行政各部を指揮監督する。」というふうになっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 もう時間がありませんから一々質問できなくなっちゃったんだけれども、例えば実施計画というのは平和協力隊の規模、装備を決めるんですよ。無限定なんだから、何万人だって送れるんですよ。恐るべきものなんだ、地球上どこでも行けるんだから。それで、審議機関というのができているというんでしょう。そこに諮問するんだそうですが、総理大臣が自分に諮問するわけだ。平和会議の議長は自分なんだから、総理大臣。実施するのは本部長なんです。自分で諮問して、自分で答えをつくって、自分に答えるんですか、答申を出すんですか。それで自分が本部長でやるんでしょう。こんなことありますか。  防衛庁長官、防衛出動、治安出動の場合、国会との関係ほどうなっているか、言ってください。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 自衛隊の出動につきましては、法的にきちんと定まっているわけでありますが、その内容につきましては、もし私が間違うといけませんから、政府委員から正確に説明をさせます。

藤井一夫防衛庁防衛局長

○政府委員(藤井一夫君) 内閣総理大臣が防衛出動を命ずる場合の手続でございますが、自衛隊法七十六条に定めてございまして、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、国会の承認、衆議院が解散されているときには緊急集会による参議院の承認を得て、自衛隊の全部または一部の出動を命ずることができる。ただし、特に緊急の必要がある場合には、国会の承認を得ないで出動することができますが、ただし書きによって、後々国会の承認が得られない場合には、不承認の議決があったときには自衛隊を撤収しなければいけない、こういう規定になっております。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 つまり、防衛出動、治安出動は国会の承認が必要で、承認されなかったら撤収しなきゃいかぬのですよ。ところが、今後自衛隊を参議院決議までじゅうりんして世界じゅうに出せるようにする、何万人だって無限定で。しかも、それは総理大臣一人が、内閣そのものですよ、勝手に決めるんです。国会は何にもチェックできない。国民の声も反映できない。どこに議会制民主主義がありますか。ファッショ的独裁じゃないですか、これは。あなたがいつまでもやっておるわけじゃないんだから、もっとひどい人になるかもしれないんです。どこに歯どめがありますか。ファシズムじゃないですか。撤回してください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 何万人でも無制限に世界じゅうにということは、これはいささか違いますから、はっきり申し上げますけれども……

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 法律に書いてあるじゃないですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 法律に書いてありません。  同時にまた、先ほども明確に申しましたように、輸送業務に使用する自衛隊の装備は補給艦及び輸送機と書いてありますけれども、あの補給艦にしろ、四隻しかないものを四隻全部使えるわけがありません。業務に支障のない限りという歯どめはきちっと持っておりますし、それにしても乗れる人数は何百人と限定がされるわけであります。  私はそういった意味で、何万人も世界の果てまでどこまでもということは全然想定しておらぬことでありますし、なぜ業務を決めるかといいますと、総理大臣といったって一人で全部決めて一人で勝手にやっちゃうというのはいけませんから、これは安保会議を開いて、そこでいろいろ諮問して皆で相談をするということになって、会議に諮問する形式をとったというのもやっぱり文民統制の歯どめの一つでございますし、あくまで国連決議に従ってその実効性を上げるためにというようないろいろな歯どめがあれば、世界じゅうどこへでも自由に行ってよろしいというような国連決議が起こるとは考えられませんので、そういった事態は全く想定しておりません。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 時間です。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 はい、もう終わります。  戦前の歴代内閣がやっぱり軍部に引きずられてああいう恐るべき戦争になだれ込んでいったんですよ。今度はブッシュに引きずられて恐るべきところへなだれ込もうとしているので、総理の責任を厳しく追及し、この法案の即時撤回を要求して質問を終わります。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で上田耕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 次に、乾晴美君の質疑を行います。乾君。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私は、国際連合平和協力法案についてお尋ねしたいと思います。  この国際連合平和協力法という非常に耳ざわりのいい、耳に響きのいい美しい名称のもとでこの法案がここに提出されておりますけれども、その中身は、戦後四十五年守ってきた平和憲法が破られそうだ、岐路に立たされている、そして自衛隊の海外派兵にもつながる、こういう危険感というか、そういうものが今日本じゅうに広まっておると思います。  先日、テレビの「筑紫哲也ニュース23」、それの中で女性の百人の方々に自衛隊の海外派遣について街頭インタビューをしておりました。ところが、百人中百人の女性までが全部反対だと言っているわけなんです。私、今までいろんなアンケートだとかインタビューを聞きましたけれども、一○〇%まで全部が反対だというのは見たこともありません。この協力法は危ないと、こういった女性の声に総理はどのようにお答えになられますでしょうか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) この協力法というのは、国連の決議を受けて、そして、ここに世界の平和を破壊する者がおる、平和の破壊は許せない、そういう立場に立って平和回復活動をいろいろする、そういったものに対する日本としての協力をどうしたらいいんだろうか。今冷戦後初めて世界がこれから協力して平和と繁栄を求めていこう。まさに国連が初めて機能するようになってきたとも言えると思うんです。  同時に、私どもの憲法の持っておる平和理念というのは、御指摘のように、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して安全と生存を保持しようと決意して、その世界の中で名誉ある地位を占めたいと思うと、こう述べておるわけでありますから、国際社会の大義の中で力によって一国を侵略して併合してしまうような行為がこのまま認められていいんだろうか、こういったことを容認していいんだろうかという、そういった気持ちの中で、それでも日本は、今御指摘になったように、平和憲法のもとですから、武力の行使、武力の威嚇はしないわけですし、やらないわけであります。  それなれば、それ以外の協力は何ができるだろうかということを精いっぱい考えてつくったのがこの法案で、今やっておりますような船やあるいは航空機によって拠点まで輸送しようというようなことなんかを私は頭に描きながら、同時にまた、日本のあらゆる人々にお願いして、かつて私も参画して発足しておる日本の海外青年協力隊がいろいろ協力をしておる。ああいったことも頭の中にイメージとして描きながら皆さんにお願いをして、こういった協力ができるなれば日本も貢献することができるという立場に立ってスタートをしたわけでありますが、途中いろいろ慎重に判断をし、その結果、いろいろな歯どめをかけて、平和協力隊というところに皆来てもらって、その指揮監督のもとで武力行使を伴わない、軍事面にかかわらない枠内での協力ができるようにしていこうという考えから始まったものでございます。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 それでは、協力法は危ないといったこの女性たちの判断は誤りなんでしょうか、それとも過剰反応ですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 率直に申し上げますけれども、このやろうとしております中身をイメージとしてどのようにとらえておっていただけるのか。今ある番組のことをおっしゃいましたけれども、何かこの平和協力隊の話が出ますときのテレビの画面には、いつも必ず戦車がぼんぼん撃ちながらばあっと流れてくる。それからざっざっと隊伍を組んで歩いておる姿が出てくる。私はそういったものをイメージしておるわけでは絶対にないわけでありますし、同時に、医療協力とかあるいは輸送協力とかいうようなものの中で、戦車を持っていくことはもうこの法の第二条で明らかにできないことときちっと決まっておるわけでありますから、だからそういうようなことをもう少し御理解いただけるように説明したいなと、こう思うわけでございます。  ですから、この法案の持っておる本当のねらいというものが、そんな戦争をやろうというんじゃなくて、戦争が起こらないように平和解決のためにいろいろ努力をして国連の機能を果たしてもらいたい、こういう熱烈な願いから起こっておるものでありますから、どうぞ御理解を賜りたいと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 戦車なんかがたくさんあるのが自衛隊のイメージだと言いますけれども、現実にそうだからそうなんじゃないんですか。そのように思いますよ。  私たちは我が子は絶対にもうその協力隊に参加させない、こう女性たちは言っているわけなんですが、この女性たちもやはり身勝手だと総理はお考えですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 御意見としてそのまま受けとめさせていただきますし、すべての人々に呼びかけるとは言っておりますけれども、呼びかけますけれども、それは、よし行ってやろうと決意をしていただく方以外には、一般的にはそれはやむを得ぬことでありますから、女性の皆さんの御意見は御意見として受けとめさせていただきます。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 総理と女性たちの間に協力法の理解というか認識の違いというのがはっきりしたように思います。  私は地元の女性たちと一緒に勉強する会があるんですが、そこの支持者からぜひ国会でこんなことを聞いてくれと託されてきたことがあるんです。その問題を伺ってみたいと思います。  この協力法ができたら、大臣の皆さんは自分の息子、娘、孫、さらに身内の人たちを協力隊に率先して参加させるかどうか聞いてくれと、こう言うのです。私たち女性は絶対に参加させないと言っておるんですけれども、参加させると答弁できる大臣、順次お願いしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 子供には子供の考え方がありますから、親子といえどもその点は人権を尊重して子供の意見を尊重しますが、仮定の問題の御質問ですけれども、もし子供の能力とか子供の資質が非常に役立つというような具体的な協力内容があって相談を受けたときには、私はそれは国連の、平和のためだからひとつ一生懸命頑張れと、こう言います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 外務大臣、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私個人のことをお尋ねでございますが、実は私のせがれは国立大阪病院の循環器の医師であります。今回の医療班派遣に当たって、この国立病院系統にも募集がございました。そのときに私に申しました。どうしてもだれも行かなきゃ困るというなら私は行くと、こう申しております。  以上であります。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 防衛庁長官、いかがでしょうか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 私の子供が行くか行かないかというお尋ねでございますが、私はこの国会の中でそういう質問を受けるとも思いませんでしたが、いささか次元が違うと思うんです。むしろ法案の内容につきまして審議の中で、あなたの子供が行くとか行かないかという質問そのものが私はちょっとどうかと思うんです。  私は、ただ一言言いたいのは、いずれにしましてもこの法案が通れば自衛隊は参画するわけであります。その場合には、私の子供、じかの子供ではありませんが、自分の子供を出すような気持ちでこの法案にいろいろと参画している、このように御理解をいただきたいと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私は、台所の声を国会にということで上がらせていただいたわけです。ですから、支持者の方が聞いてくれということだから聞かせていただきました。  総理大臣は、子供には子供の人生があるんだから、それははっきり言えないということですけれども、実際に国際的に名誉ある地位がこの法律でできるんだというような答弁をなさったりしているんです。ですから、本当にすばらしい、そんないいものであったら、率先して自分の子から行かすべきだと思うんです。  また、外務大臣は、人が行かなんだら行くってどういうことなんですか。今まで戦前の軍隊のときでも、死亡したり一番苦労したりしたのは、一銭五厘の赤紙徴兵の人たちだと言われているわけです。常に下積みの者に押しつけていこうとする風潮があるわけでして、この協力隊でもそうですけれども、税金でも何でも他人に押しつけてくるというような、こういうものが蔓延している。そういうことに関して、今草の根の女の人たちが反対だと言っているわけなんです。  もう一点頼まれてきたのは、こういう法案をつくったり、そして法案に賛成の政治家の皆さんやそれから官僚の皆さんは、我が子を協力隊に出すというような、そういった誓約書を私たちに出してもらいたい、このように頼まれてきたんですが、総理大臣、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 先ほどお答え申し上げましたように、私と、子供といえども人格は別でありますから、子供がその具体的な要請に応ずる能力があると自分で判断して、自分からどうかと相談をかけられたときには、それはやりなさいと答えましたけれども、あなたに誓約書を出せと言われて、そういう次元の話では全くないと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 自分の子は出さないけれども、そういったことを前提にして法案を提出されても私たちは納得できないんです。  また、自衛隊員の方も、先ほどから議論になっていましたけれども、専守防衛だということですから、国内にあって外敵から国土やら国民を守るという任務を条件に応募してきたのだろうと思うんです。それが外国の弾の下をくぐらなければならないようなそういうところに、海外にも行かされるということは契約違反だということであると思いますね。そして、まして命にかかわるような条件の変更を国が一方的にしていいんでしょうか。この自衛隊員の御家族の心配とか驚きというのはお考えになったことがありますでしょうか、お答えいただきたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 命にかかわるような条件の変更とおっしゃいますが、それは自衛隊がそういった意味で、国を守るためには自分は宣誓をしてでも公務員になって自衛隊に入るという特殊な宣誓をしてもらっておるわけでありますから、最悪のときには命をかけてでもこの国を守ってやろうというお立場で入ってもらっておるものと私は思うんです。自衛隊法にはそういうことが書いてあると思います。  けれども、平和協力隊の方はそういったことじゃありません。戦争に行けというのじゃありません。武力行使をしろというわけでもありません。これはあくまで平和協力でありますから、そして第一線とか弾の飛んでくるところとかいうことを盛んにおっしゃいますけれども、業務を決めるときにそのようなところへ派遣するというところまでは想定しておりませんから、それは何回かの歯どめの中で、実施計画の中で、現に戦闘の行われておる第一線へ協力に行けということはこれは言えませんし、それがこの法律の第二条に書いてあることであります。ですから、それはいたしません。    〔委員長退席、理事坂野重信君着席〕

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 でも、この協力法案の中で、小火器というんですか、小さい武器を持っていくということは、携帯を規定しているということは、やはり危険な場合に備えてだったんじゃなかったんですか。全然そういう危険がないんでしたら、それこそ初めにおっしゃっていたように、丸腰で行ったっていいじゃないですか。この小火器を携帯するということは、やはり協力隊といえども戦争の中に巻き込まれたり負傷したり死亡したりするということだと思うんです。  先ほどからも議論を聞いておりましたけれども、もう絶対にそうした事態、死亡したり負傷したりするというような事態が起こらないということが確約おできになるんでしょうか、総理。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員、戦争状態のことを盛んに御指摘でございますけれども、政府が申し上げておりますように、国連の平和維持と国際の平和維持というために、例えば休戦監視とかあるいは休戦後の選挙、そういったような場合、例えばカンボジアの場合を例に引きますと、相当な武器を持ったゲリラもいる可能性がございます。そういう場合に、国連から派遣されます休戦監視の人たちは、いつ自分が個人として襲われるかもわからない。その危険は絶えずあるわけでございます。そのために、その人の護身用のためのけん銃、最大限小銃しか持たせないということを考えているわけでございますから、例えばレバノンの国連軍にしてもちゃんと護身用の武器を持っておりますから、各国が皆そのような理解で協力をしている。日本は今まで協力しなかったということでございますから、その点はひとつぜひ御理解をお願いしたいと思うわけであります。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 でも、万が一命を落とすということもあるんでしょう。自衛隊員が命を落とす、そしてまた医療業務に従事しておいでた方が命を落とす、ボランティアの人、そして人質として民間の人たちが命を落とすようなときは、これはやっぱり名誉の戦死なんですか、ただの死亡なんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○政府委員(柳井俊二君) お答えいたします。  先ほど外務大臣がお答えになりましたように、今までも平和維持活動というのはいろいろ行われておりまして、御案内のように、この国連の平和維持活動がノーベル平和賞をもらうというふうに世界では評価されているわけでございます。もとより完全に安全なところというのはないわけでございまして、私ども、この平和協力法が成立した暁には、いかなる場所にいかなる態様で協力を行うかということにつきましては、現に戦闘が行われているようなところには出さない考えでございますし、また、近く戦闘が開始する、起こる蓋然性の高いところにはこの平和協力隊の性格上出さないというつもりではございます。  しかし、完全にリスクがないか、全然リスクがないかといえば、それはピクニックに行くんじゃないんですから、完全にリスクがないなんということはあり得ないわけでございまして、その点は正直に申し上げたいと思います。その点、先ほど大臣から、治安が悪いというようなところには必要最小限度必要と認められる場合に小型武器を携行させる、これはいつも持たせるということではございませんけれども、そういうこともあり得るという考え方でございます。  今までの国連のいろいろな平和維持活動におきましても、実は犠牲者が残念ながら出ておりますが、これは大変に名誉のある犠牲だというふうに考えております。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 太平洋戦争の犠牲者に対してもまだ何の補償もできていないんですよ。原爆被爆者援護法も制定されていないんです。そういうように四十五年も前に終わった戦争のまだ後始末もできていないのに、また命を落とすかもわからぬようなそういうことはできないだろうと思うんです。民間八百万人に対する補償もないままに、それこそ過ちは二度と繰り返しませんと、この間のことしの八月六日、九日に総理も広島と長崎に行って誓ったじゃありませんか。安らかにお休みくださいというようなことが言えるんですか。言えないと思いますけれども、いかがですか。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 過ちは繰り返さないと誓ってきましたが、その過ちは顧みて侵略戦争をやったという過ちでありますし、国権の発動として他国へ侵攻していく、侵略していく軍事大国に絶対にもうならないという誓いをしたわけでありまして、その過ちを二度と繰り返さないという信条は私はかたく持っております。それとこの平和協力法とは、やろうとしていることがまるっきり違うんじゃないでしょうか。世界で今なおいろいろなことが行われておる。今日なお力によって侵略し併合してしまうような行為が行われておるのに、これを黙って見過ごすわけにはいかないという国連決議を受けて、それの実効性を確保するために行われておるいろいろな国の活動に日本は日本なりの立場でできるだけの協力をしようという発想でありますから、それは戦争中の、特に侵略戦争の過ちとは質が違うものだということもどうぞわかっていただきたいと思います。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私たちも国連がやっているようなそういう平和協力を全然やらないと言っているのではないのです。自衛隊を派遣するのがいかぬ、こういうことを言っているのであって、全面的に何もやらぬとおれということではないのです。そして、自民党の中でもこの法案に対しては慎重論の方もおいでるじゃないですか。  この間、徳島県の県議会においても、自衛隊の海外派遣につながることが絶対ないようにということが決議されているんです。やっぱり国の安全保障にかかわる、そして戦後四十五年守ってきた憲法や対外政策の大転換だというように内外から受けとめられるような、こんな協力法というのは慎重審議を要求したいと思います。  ちょっと時間がありませんのであれなんですけれども、平和協力隊の業務を規定したこの協力法の三条二号をちょっと読んでいただきたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 三条二号という御指定でございますが、三条二号は、「停戦の監視」、それから「紛争終了後の暫定政府等の行政事務に関する助言又は指導」、「紛争終了後の議会の選挙、住民投票等の監視又は管理」、「物資協力に係る物品の輸送その他の輸送、通信又は機械器具の据付け、検査若しくは修理」、「医療活動」、「紛争によって被害を受けた住民その他の者の救援のための活動」、「紛争によって生じた被害の復旧のための活動」、「イからトまでに掲げる業務に類するものとして政令で定めるもの」、以上でございます。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 私たち連合参議院は全員この法案に反対です。特にニ、ホ、チの業務は後方支援そのものでありますから、直接的な軍事行為と区分ができないと思いますが、外務大臣、防衛庁長官の御見解はいかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今、委員から、ニ、ホ、チ、おのおの各項は後方支援に当たって、これはどう思うかということでございますが、たまたま現在中東紛争がありますから、このような国連決議に基づいて考え方をそこに絞って議論が集中しておりますけれども、先般来行われました例えばニカラグアの選挙、ナミビアの選挙、これは皆日本から国連の選挙監視に人を送っております。そういうところは治安上の危険もニカラグアなんかはございました。  そういうようなことで、これから世界の各地でいろんな平和維持のための国連の活動が起こってくるわけでございます。それにどういうふうにこれから協力していくかということについての条項を掲げているものでございまして、今回の中東紛争に限っての御議論というものよりも、もっと広い視野でひとつ御議論をお願いしたいと私は思っております。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 今外務大臣からもいろいろとお話しされまして、基本的には考えを一致するものでございますけれども、特に私はこの内容について、イからチまで書いてございますが、これのどこを読んでみてもおわかりのように、いわゆる平和のための協力ということでございますので、特別にこれはここがどうだとか、あるいはここがいけないとか、こういうふうな考えは持っておりません。全体が平和のための協力だと、こういうふうに理解しております。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 ますます私は不信感を持ちます。  この際、法案を訂正というか、もう全部修正して出直しをする、出直すというつもりはございませんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ございません。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 もう今国会で拙速にこの法案通過を図るようなことは考えないと、総理、約束してください。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) 日本の国が今日こうありますのは、世界のそれぞれの国とお互いに平和共存をしてきた、相互依存関係を持ってきた、平和なそして自由な経済体制の中で日本はここまで伸びてくることができたわけでありますし、同時にまた、それが国民生活を豊かにしてきたことも、去年一年間だけをとらえても、アジア諸国から六百四十億ドルに近い製品輸入、原材料輸入、いろいろな輸入ができたということは、この地域の経済のためにもいろいろ貢献し得る立場にあった。こういう平和な世界の環境の中で相互依存で伸びてきた国でありますから、世界が平和であらねばならぬということは日本の大きな大前提、理念なんです。また、世界じゅうの人が東西の対立をやめて冷戦構造の終わりを告げたことにどんなに大きな希望を持ったかわかりません。そのときに、その希望を打ち砕くかのように力によって併合をして、そのような行動を黙って見過ごして、仕方がないと言っておったのでは、これからの世界の秩序がどうなるかわからない。日本のためにも世界のためにもよくありませんから、こういったことをしようと思って法案を用意し、お願いしたんです。  あるところでは、日本の対応は遅過ぎるとか少な過ぎるとか、いろんな批判を受けております。努力をしてせっかく国会にお願いしたものでありますが、先ほど委員もおっしゃったように、慎重に審議をしていただきたいと心から願っておるんです。慎重審議しろとおっしゃることには全く私も異議を唱えるものではありません。提出しました以上は、政府としてはどうか慎重審議の結果お認めをいただきたいというのが私の今の心境でございます。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 これだけ問題のある法案をなぜそんなに急いでまでつくらなきゃいけないかと思います。  もう時間が来ましたので、私は次に梶山法務大臣にお尋ねしたいと思うんです。  あなたは人種差別発言であなたみずから辞任すべきだと思うんですが、もう一度、そんな覚悟はございませんか。

梶山静六自由民主党法務大臣

○国務大臣(梶山静六君) けさほど佐藤委員にもお答えをいたしましたけれども、私の発言が、人種差別を意図したものでは全くございませんでしたけれども、結果として多くの皆様方を傷つける結果になったことは、幾らおわびをしてもおわびし尽くせるものではございません。そのために、私はこの発言に対して撤回をし、そして深く陳謝をしたところでございます。  改めて内外の関係者の皆さん方におわびを申し上げますとともに、私は自己反省とこの現実を直視いたしまして、これから人権擁護あるいはマイノリティーの問題に対して正しい認識を植えつけるために、全力を尽くしてその責任を果たしてまいりたいと考えております。

乾晴美連合参議院

○乾晴美君 この事の起こりは、法務大臣ですから売春防止法というのは御存じだと思うんですね。法の番人にもふさわしくない、人権の番人にもふさわしくない、そういう人はもうおやめになるべきだと思います。  でも、時間が来ましたので、もう一度聞かしていただきたいと思います。

坂野重信自由民主党

○理事(坂野重信君) 短目に、簡単にしてください。

梶山静六自由民主党法務大臣

○国務大臣(梶山静六君) 売春防止法を守るために一生懸命努力をいたしてまいりたいと思います。

坂野重信自由民主党

○理事(坂野重信君) 以上で乾晴美君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

坂野重信自由民主党

○理事(坂野重信君) 次に、足立良平君の質疑を行います。足立君。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 今回のこのイラクのクウェートへの侵攻、そして併合、こういう問題につきましては、先ほど来話が出ておりますように、まさに国際秩序を破壊するものである、国際正義に反するものである、このように私は考えているわけであります。  そこで、政府としての見解を改めてお聞きいたしたいと思うわけでありますが、このような暴挙をイラクは一体なぜ行ったんだろうか。これはマスコミ等で石油の問題とかいろんなことを言われているわけでありますけれども、これからの問題の解決を図っていこうとするなら、どういうことで今回のこのような暴挙が行われたのかということを政府として一体どのように認識されているかということをまずお聞きをしておかないと、後々これを話し合いで解決していこうとするに当たりましても、その認識をきちんとしておく必要があるだろう、こういう観点で政府としての考え方をお聞きいたしておきたいと思います。  同時に、東西冷戦解消に伴っての云々ということがよく言われているわけでありますけれども、この種の地域紛争というものが世界的にさらに起こり得る可能性というものを持っているのかどうなのか、このことにつきましても、政府として一体どのように認識をされているのか、まずお聞きいたしたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員も御案内のように、米ソの対決時代には、いわゆる東西ブロックとそれから非同盟グループとの三つに国際社会の姿は分かれておったと思います。それが米ソの対決が対話、協力の時代になりまして、ここで二極体制がなくなるという中で、地域紛争を起こす多極化が起こり始めた。これがこれから起こり得る国際的な政治環境ではないかという認識を持っております。それが一つでございます。  さきにお尋ねになりましたイラクがなぜこのようなことをやったのかというお話でございますが、イラクはイランとの八年半に及ぶ国境紛争、これによりまして膨大な戦費を使っておりました。しかし一方では、石油価格の値上がりによりまして相当な国の収入がございました。しかし、その収入のあったいわゆる国庫歳入というものが、経済の再建に使われずにむしろ軍事力の強化に使われた、これが武器輸入に走ったわけでありまして、この国の財政の困窮、そういうものからこの侵略が起こってきたという認識を私は持っております。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 今日、いかなる国におきましても、今外務大臣がいみじくも指摘をされたわけでありますけれども、いわゆる新鋭兵器と言われるものがもう極めて購入しやすい状況になってきている。あるいは核兵器にいたしましても化学兵器にいたしてもそういうことがある。したがって、そういう点からいたしますと、相当大きな問題点というものを今持っているんではないか。  さらに、もう一つ言えますことは、この地域紛争というものが単なる一地域にとどまらずに、化学兵器であるとか、そういう問題も含めて、そして経済そのものが極めてグローバル化してきている、相互の依存関係が出てきているということになってまいりますと、この地域紛争が地球全体に及ぼす影響というものは極めて大きくなってきているというふうに考えるわけであります。それは単に中東におけるこの紛争だけにとどまらずに、あらゆるところでそういう問題が発生する可能性がある。  そうなってまいりますと、そこで問題になりますのは、私がお聞きいたしたいと思いますのは、日本としては今日までは武器輸出は行っていない。そして今日、イラクが今回の暴挙を行ったその背景は、先進国全体が武器輸出というものを相当多く行ってきているという問題点を持っているんではないか。そういう点からすると、日本としては武器輸出を今日までは行っていない、あるいは唯一の被爆国であり非核三原則というものを堅持してきている、あるいはODAにおきましても経済援助をこれは世界一行っている。そういう観点からいたしましたときに、我が国のこれからのスタンスといいますか、世界的な役割というものは、そういう面で本当の意味の世界の平和を達成していくための役割というものは、そういう武器輸出を行っていないとかいろんな問題から出てくるのではないか、このように私は考えるわけでありまして、そういう観点でこれからの日本の役割というものについてお聞かせを願っておきたい。  そして同時に、この世界的な軍縮に向かって日本としては今まで以上に積極的な外交というものを展開していく責務があるのではないか、このように思いますけれども、見解をお聞かせ願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) この国際社会における武器輸出、またこのようなことが現実に、いわゆる巨大な国家からあるいは発展途上国と言われるような国まで武器を生産して輸出している、これが世界の現状であろうと思います。そういう中で、我が国は前大戦の反省から武器輸出はやらないということで武器輸出三原則を守ってまいりました。  こういうことで、先般の国連総会におきましても日本の考え方を披露しておりますし、主張しておりますが、発展途上国の中には自国の防衛のために兵器を輸入したいという、その国の主権に関する問題がございます。このような問題を今後国連の場を通じて、やはりできるだけ軍備を持たない、そして軍備削減に向かう国際情勢を、環境をつくるために日本は平和国家として努力をしなければならない、このように考えております。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 いろんな問題点があると思いますが、その次に話を進めたいと思うんです。  今回の国連協力法案をめぐりましてアジア各国から相当いろんな不安といいますか、そういう点が提起をされております。きょうの本委員会における議論におきましても、例えば中国の外相との話で十分理解をされたと、こういうふうに外務大臣はおっしゃっていますけれども、現実は、二十日でございましたか、中国はさらに懸念を表明しているというふうに、日本に対する例えば軍事大国化あるいはまた日本の今回のこの法案の成立というものに対しては一回や二回説明してもなかなか理解されない、こういう状況が私は出てきている。これは日本の経済援助を含めて、今日までの我々のこの国のあり方について一体どこに問題があったと外務大臣としてお考えになっているのか、お聞かせを願いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今までODAで日本は国際協力をやってきた。また、国際社会には国連を通じての相当な拠出金も出しておりますことは委員御存じのとおりであります。そういうふうにして国際社会に協力をしてまいりました。しかし、米ソの対決の時代には今日のような事情は考えられなかった。今日まで国連の安保理事会は、常任理事国のいずれかの国が拒否権を発動すれば、いかなる他国の案もこれは廃棄処分になったわけであります。このようなことで、私どもは国連がこの国際地域紛争を調停する考え方は成り得なかった。しかし、今回のような新しい国際社会になってまいりますと、国連の加盟国として日本はどのようにして協力をしていかなければならないか。また、逆の立場で日本が地域紛争に将来巻き込まれたときに、国連加盟国からどのようないわゆる援助といいますか、協力をいただけるかということを考えますと、それぞれの憲法の許す範囲内で私どもはやるべきことはやらなければならない時代がやってきたという認識を持っております。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 今私が申し上げたのは、アジア各国の場合に日本に対する不信感というものはなかなか払拭されていない。それは一体どういうところに問題があるというふうに考えておられますかと、こういうふうに申し上げたんです。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) それは第二次世界大戦において、アジア地域の国々、またそこに住む人人は大変な被害を与えたという過去の歴史がそのような考えをその人たちに持たせているものだと思います。我々はいわゆる武力による侵略というものを一切やらないということを憲法九条で決定しているわけでございますから、今回の国連平和協力法というものがもし成立をする日が参りましたら、私はできるだけ早い機会に東京におられる各国の大使にもその法案の中身について政府として正式に御説明もいたしたいと思いますし、出先の大使を通じても相手国政府に御理解をいただけるように十分努力していかなければならない、このように考えております。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 時間がございませんので先に進めたいと思います。  総理は、このイラクのクウェートの無条件撤退の問題につきまして、粘り強く話し合いをしていくということを盛んに慣用句のごとくおっしゃっているわけでありますが、その前提として、私は今政府として一体どのように認識をされているのかお聞きをいたしたいと思いますのは、まず一つは経済制裁。この経済制裁というものが今日の状況の中でどのような効果を上げているのかということを日本政府としてどのように認識をされているのかということが一つ。  それから二つ目に、このイラクの無条件撤退というもの、現実的にはこれは口で言うべくして極めて難しい問題を私は持っていると思いますけれども、総理がおっしゃるイラクの無条件撤退というものが将来おっしゃるような意味で可能なのかどうなのか、今の状態で可能なのかどうなのかということが二つ目。  そして、周辺国、特に非産油発展国を含めまして今日の影響というものは一体どのように出てきているというふうに考えておられるのか。  そして、最後にもう一つお聞きしておきたいと思いますのは、アメリカ経済というものは大変難しい状況にある。しかも、今回の中東問題をめぐっていろいろさらにそれは加算されてきているのではないか、このように私は思うんですけれども、それに対する考え方は日本政府として一体どのようにお考えになっているのか。  これは総理からお聞かせを願いたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) イラクに対する経済制裁の効果というものは、今国際社会が皆一致協力をして反省を求める一つの手段として行っておるわけでありますから、私はそれはそれなりに効果をあらわしつつあるのではないか、このように見ております。具体的にどれくらいどこで何がということについては残念ながら私はここで正確にお答え申し上げる知識を持っておりませんが、この効果をあらわしていかなければならぬということは、例えば回りました最も近い湾岸五カ国の首脳も皆口をそろえて、国際社会がみんな力を合わせて一致協力してこの経済制裁を粘り強くやっていかなければならないと、このことは言っておりました。  それは、現状の不安定の中の膠着状態といいますか、あるいは非常に深い憂慮を持っておりますけれども、今の力による侵略併合の後のこの状況について、これがいつまでもいつまでもこのままでいくことに対する深い懸念を皆持っておって、それを排除するためにも経済制裁にはみんなが力を合わせてほしい。これは湾岸五カ国の首脳が、ニュアンスは少しずつ違っておりましたけれども、口をそろえて言ったことでありました。  私は、こういったことを聞くと同時に、またこの局面を打開することができるのはだれでもないイラクの決断でありますから、それはイラクが決断するということによってこの問題の根本的な解決がまず図れるわけであります。それは無条件撤退という具体的な行動になってあらわしてもらわなければいかぬわけでありますから、私はラマダン第一副首相にもそのことは強く指摘をしておるところでございます。また、国連の決議もそのことを願って言っておるものであると信じておりますから、この努力を粘り強く続けていかなければならぬというのは私の考えの基本にある問題でございます。  なお、後半でお触れになりました米国経済、日本経済に与える影響でありますけれども、確かに米国の経済成長はこのところ鈍化をしておりますし、また物価についてもサービス価格を中心にインフレ圧力が依然根強いものと見ております。中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の上昇がこのような傾向をさらに強めるおそれがあるということを懸念いたしております。  また、我が国の経済は、今のところ個人消費、設備投資を中心とした拡大基調を維持しております。しかし、石油の値段が一バレル十ドル上がるということによって計算しますと、日本は原油価格と製品価格を合わせて年間百六十億ドルの支出増になるわけです。これは日本経済に影響ないとは言えません。同時に、そういったことについて数量の確保とか省エネルギーとか、いろいろな努力をしておりますけれども、今後の石油価格の推移いかんにもよりますが、価格上昇により我が国経済に悪影響が及ばないように、同時に、石油に対する依存度も過去二回の石油危機時代と比べると大きく低下してきておることなどから見まして、我が国経済への影響は今のところ比較的小さいものではないかと思っておりますが、今後の推移いかんによってはどのような変化が起こるかわかりませんので、これは注目をし、対策を常に考えていかなきゃならぬ問題である、こう受けとめております。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 私は、我が国の経済への影響を一つも聞いておりません。しかし、時間もございませんので、もう余りそれは議論をいたしません。ただ私は、今総理のお話を聞いておりまして、粘り強く話をしなきゃならないとか、例えば軍事衝突にならないよう精いっぱい努力しなければならない、こういうことをおっしゃるけれども、この国際政治における外交の問題というのは、ねばならないとか努力するとかいうだけで前へ進むものではないだろうというふうに私は思っておりますから、そういう面ではいささか答弁については不満を持っていることを申し上げておきたいと思います。  私は、最後になりましたけれども、考え方を申し上げておきたい。それと同時に、総理のお考えをお聞きいたしたいと思います。  今日、中東で展開をしている多国籍軍、これはきょう朝からいろんな議論がございましたけれども、私はやはり野党の皆さん方が提起をされておりますように、正式の国連軍でないということは、これはもう自明の理だ、はっきりしている、私もそのように思っております。ただ、この多国籍軍がクウェート以外の国への侵攻を抑止している、抑えているのだろう、あるいはクウェートからの撤退に圧力をかけているだろう、あるいはアメリカ軍を中心にした多国籍軍がもしなかりせばもっともっと中東問題というものはいろんな問題が起きていたのではないか、私はそのようにこの多国籍軍というものを評価いたしたいと思います。そうしませんと、これは単にどのように支援をしていくかしていかないかということよりも、何といってもこの中東における問題というのは、単に日本の生命線だけではなしに世界の全体の問題としてこれは重要な問題だ、私はこのように考えているところであります。  ただ問題は、この多国籍軍が例えば、名前を挙げていいかわかりませんけれども、アメリカの一つの国内事情なりあるいはいろんな事情で軍事衝突というものが起きないように、平和を守っていくように、しかもそれは一体どのように当初の目標を達成するようにしていくかということが一番大きな問題ではないか。一たんここでその軍事衝突が起きますと、これはもう大変な、もちろん人命の問題もございますけれども、やはり世界経済にとっては大変な問題だというふうに私は思うわけでありますから、そういう面で例えばこの多国籍軍が、言葉は悪いかもしれませんけれども、そのときの状況なり何かでもうがあっといっぱい行かないように国連のコントロール下に置くとか、いろんな歯どめというものが必要なのではないか。そのために日本は外交的にその努力をしていくべきではないか、このようにも思うのでありますけれども、これは総理の考え方をひとつお聞きいたしたいと思います。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) これはおっしゃるとおりだと思いますし、また、私は過日ニューヨークにおきまして各国の首脳といろいろ対話をする首脳会談の機会を持ちましたが、そのときも私は、これは必ず平和的に解決されなければならぬ問題であって、戦争によって力によって解決しようとすることはいけない、そこに正義に反する国があったんだということでみんなが、せっかく国連が力を合わせたところですから、全世界を相手にして対決をすることがいかに間違ったものであるかということをしっかりと自覚させるような共同行動をしなきゃならぬということを、私はすべての首脳会談のときに率直に申し上げてきたところでございます。  また、国連の機能強化の問題については、外務大臣が国連代表演説のときにそれに触れて演説をしてきたわけでありますし、私は国連事務総長と会いましたときにも、今後の国連というものの果たすべき機能、役割に日本も大いな期待もするし、世界じゅうも期待をしておるんだから、どうかその方針で進んでもらいたいということも強く言ってまいったわけでございます。

足立良平民社党・スポーツ・国民連合

○足立良平君 終わります。

坂野重信自由民主党

○理事(坂野重信君) 以上で足立良平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

坂野重信自由民主党

○理事(坂野重信君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 待機すること十二時間と三十分、実働四分でございますので、よろしくどうぞ。  ちょっと恩赦について伺います。即位の礼恩赦について伺いますが、その具体的内容と手順、スケジュールについて御説明ができればしてください。

梶山静六自由民主党法務大臣

○国務大臣(梶山静六君) お答えをいたします。  即位の礼に際し恩赦を実施するかどうかについては、恩赦制度の趣旨や先例等を勘案し、世論の動向など各方面の御意見を慎重に考慮しながら検討しているところであります。したがって、その内容についてはお答えできる段階ではございません。  先例によると、例えば皇太子殿下の御結婚の際はその日、沖縄復帰の際は沖縄返還の日を基準日とし、その日に政令が公布、施行されるとともに、特別恩赦基準が示されております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 公選法違反者はどうなっていましょうか。

佐藤勲平法務省保護局長

○政府委員(佐藤勲平君) 申し上げます。  ただいま法務大臣が申し上げましたように、恩赦を実施するかどうかにつきましてはただいま検討中でございまして、また内容についてはまだお答えできる段階ではないというふうに大臣申し上げましたが、やはり公選法違反が含まれるかどうかにつきましても全く同様でございますので、お許しいただきたいと思います。    〔理事坂野重信君退席、委員長着席〕

下村泰参院クラブ

○下村泰君 私には公選法違反者が復権されるというのはどうも納得いかないんですね。極めて政治的に感じてしまいます。いろいろ基準を定めて政令恩赦のやり方がつくられると言っていますけれども、時の政府の思惑がそこに出る可能性が高く、それについてチェックされることもないというのは、これは大きな問題だと思います。憲法上認められた行為とはいえ、行政権の司法権への介入だと言われてもいるわけです。  昭和三十二年の恩赦制度審議会の意見書を考えても、恩赦制度そのものについて見直す時期に来ているのではないかと思います。例えば、亡くなりました市川房枝先生などが発議されまして、参議院で可決されながらも衆議院で廃案になりました恩赦審議会の設置や恩赦の範囲、基準について最高裁や国会が何らかの形で関与できるようにすべきだという、それについていろいろまた問題があると法務省がおっしゃっているようですけれども、今までのやり方の方がもっと問題だと思うんです。  近々恩赦が行われる可能性があるわけで、ここで伺いたいんですが、何とかこの審議会というもののあり方をもう一度考える必要があるんじゃないかと思いますけれども、法務大臣、総理大臣、どういうふうにお考えでしょうか。

佐藤勲平法務省保護局長

○政府委員(佐藤勲平君) 申し上げます。  恩赦を行うかどうかという点につきまして、審議会を設置すべきであるかどうかという点につきましては、ただいま委員仰せられたとおりに、以前議論になったことがございます。その際、こういうような理由が言われておるようであります。  例えば、恩赦は、恩赦制度の本質から考えますとやはり政府の責任においてやらなければいけないというようなこととか、それから委員の構成をどのようにするかいろいろ考えなければならないとか、秘密の保持とか、いろいろなことが言われて、そのために恩赦審議会と申しますか、その審議会が設けられていなかったというような経緯があるように承知しておりますが、現在でもやはり同じような状態ではなかろうかなというふうに思っておるところでございます。

海部俊樹自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(海部俊樹君) ただいま申し上げたように、今回の恩赦については今基準その他について検討中ということでありますが、各界の御意見を尊重しながらその作業を政府は進めていかなければならぬ、こう思っております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 次は、障害者年に関係したことでお伺いしたいと思います。  実は本日、アメリカで全米骨髄バンク運動をされている方たちが訪れまして、昨日シンポジウムが行われたんだそうですが、厚生大臣に面会を求めまして、大変貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。親御さんたちが大変喜んでいたことを報告します。ありがとうございました。  去る八月二十三日、すべての人が明るく暮らせる社会づくり懇談会の提言が示されましたけれども、その内容と対応について具体的に御説明を願いたいと思います。

津島雄二自由民主党厚生大臣

○国務大臣(津島雄二君) 下村委員が常に政治の中で福祉の心を持っていただいていることに敬意を表したいと思います。  今御指摘のすべての人が明るく暮らせる社会づくり懇談会は、御案内のとおり、平成四年で国連障害者の十年の事業が終了いたしますので、この際、国内に高まってまいりましたそういう障害者に対する気持ちを受けとめまして将来に残る立派な仕事をしたいということでいろいろな御意見を賜ったわけでございます。御意見としてはまだ余り具体的に煮詰まっておらないのでございますけれども、これを具体的に煮詰めまして、できれば来年度に基本計画を策定したいということで今御相談をしているところでございますので、これからだんだんと御説明できるようになるかと思います。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 この中の「先進的なまちづくりを進めるために」では、アメリカのADAを例に出して、日本でもそうした法律が必要だとも読める内容になっていると思うんです。  私は三月二十六日に厚生大臣に、総合的、抜本的法体系の整備をしてはどうかとお尋ねしました。そのときに、「法体系をできるだけ一本にまとめて、そして総合的な見地でエアポケットの出ないように進めていけという方向は、私どもそのとおりだと思いますので、これからも一層の努力をしてまいりたいと思います。」というふうにお答えになっているんですが、これに変化はございませんか。

津島雄二自由民主党厚生大臣

○国務大臣(津島雄二君) 障害者に対する考え方は先般お答えいたしましたとおりでございまして、そういう意味では米国障害者法は高く評価をいたしております。ただ、我が国の現在の法体系のもとでは、各種の障害者対策を現行法のもとで心身障害者対策基本法を柱として具体的に実現していくというのが現実的ではないであろうかというふうに考えております。

下村泰参院クラブ

○下村泰君 総理にも同様のことをお伺いしようと思いましたけれども、今の大臣のお答えでいいと思います。  私、朝からずっとこの法案をお聞きしておりました、平和協力隊の法案を。そうしますと、やっぱり戦争を知らない方たちがお話し合いをしているような感じで、実際に戦争というものがどういうものか、不測の事態が起きたときはどんなふうになるかというようなお話がどの程度まで出るかと思っていたのですが、さほど緊迫した感覚がない、私が聞いておりまして。与党の皆様方の中にもあるいは野党の皆様方の中にも、実際に三八式歩兵銃を担いで各地に転戦してきた経験の持ち主はいっぱいいると思います。そういう方々が聞いておりますと、何だか知らないけれども、ただ机上の語り合いをしているような感じに私には受け取れるのです。  例えば、後方任務後方任務といいますけれども、日清から日露にわたりましては、後ろで物を運ぶ人たちを輜重隊と言いましたね、輜重輸卒。輜重輸卒が兵隊ならばチョウチョトンボも鳥になるというのですね。そのくらいばかにされておったわけですよ。だけれども、今は違うのです、今の戦争は。一番最初に後方をやりますからね。そうしますと、非武装、丸腰で何も持たない、小火器なんかを持ってうろうろしていたらどかんとすぐやられるのですよ、ミサイルが吹っ飛んできて。そういう戦争形態なんです、今は。ですから、皆さん方が口が酸っぱくなるほど申されている非武装何とかかんとかと言っている姿は全然うそ。  そして、もしそういう状態になったらどうするかといったら、指揮官の命令ですぐ転進できると。協力している部隊が行っていて、指揮官の命令でここは危ないからみんな逃げろと言ったら、協力されている向こうは何と思いますか。指揮系統は一体どこに入るのか。もしこれがアメリカが先導して、アメリカの司令官が司令官であって、そしてその下の指揮系統に入った場合にはどこへ回されるかわかりませんよ、実際のことを言って。日本の国の方からそれに指示を与えたって、現地は言うことを聞きませんからね。そういうような状態にもなりかねないということを一言申し上げさせていただいて、私の質問は終わります。  ありがとうございました。

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。(拍手)  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。  ちょっと速記をとめてください。    〔午後十時四十分速記中止〕    〔午後十一時三十一分速記開始〕

平井卓志自由民主党

○委員長(平井卓志君) 速記を起こしてください。  この際、先ほどの議長への申し入れに関する件について御報告いたします。  議長は早速議運の委員長に諮問されたところ、議院運営委員長は、議長よりの諮問を受けた本院決議の有権的解釈については、法案審査にも関係があると考えるので、その結論を得るため、早急に議院運営委員会理事会において協議しますとの議運委員長からの報告がございました。  よって、議長はできるだけ速やかに結論が得られるよう希望しますとの返答が、私、予算委員長にございました。  以上、御報告申し上げます。  本日はこれにて散会いたします。    午後十一時三十二分散会

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