法務委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1990/11/08
会議録
○委員長(矢原秀男君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、林田悠紀夫君及び山本富雄君が委員を辞任され、その補欠として星野朋市君及び成瀬守重君が選任されました。 ─────────────
○委員長(矢原秀男君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(矢原秀男君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。 去る七月三十一日から八月二日まで本委員会が行いました委員派遣につきまして、派遣委員の報告を聴取いたします。福田宏一君。
○福田宏一君 委員派遣報告を申し上げさせていただきます。 去る七月三十一日から八月二日までの三日間、矢原委員長、鈴木理事、北村理事、中野理事、林田委員、山田委員、紀平委員と私、福田は、検察及び裁判に関する調査の一環として、最近における司法行政及び法務行政に関する調査のため、大阪府及び滋賀県に行ってまいりました。 第一日は、大阪高等裁判所において、大阪高等裁判所、大阪地方裁判所、大阪家庭裁判所、大阪高等検察庁、大阪地方検察庁、大阪法務局、大阪矯正管区、近畿地方更生保護委員会及び大阪入国管理局の各機関から管内概況について説明を聞きました。 第二日は、大阪入国管理局及び国際花と緑の博覧会の実情を視察いたしました。 最終日は、滋賀刑務所の実情を視察いたしました。 第一に、司法行政及び法務行政に関する概況について申し上げます。 まず、裁判所関係の概況について申し述べます。 昭和六十二年度から平成元年度までの期間の各裁判所における事件処理の概要につき申しますと、民事事件におきましては、年度により若干の増減はあるものの、おおむね横ばいの傾向にあります。なお、簡易裁判所においては、消費者信用関係事件の減少が影響し、減少傾向にはあるものの、依然として高原状態が続いております。 次に、刑事事件におきましても、各庁の間で多少の増減はあるものの、全体的にはほぼ減少傾向にあります。特に、簡易裁判所においては、略式事件のうち道路交通法違反事件について、昭和六十二年四月から施行された道路交通法の一部改正により、交通反則金通告制度の適用範囲が拡大されたため、その減少傾向が顕著であります。 次に、家事事件及び少年事件について申しますと、新受件数はおおむね横ばい傾向にあるものの、家事調停事件は若干増加の傾向にあります。内容的には、家事事件では子の氏の変更、相続放棄の申述、精神保健法の保護義務者選任等が多く、また、少年事件では窃盗が圧倒的に多く、以下、業務上過失致死傷、横領、毒物・劇物関係等の順で、年齢的には十四、五歳が全体の事件の約 三分の一を占め、犯罪の低年齢化をうかがわせるとともに、性別では女子の占める割合が増加する傾向が認められます。 なお、いずれの裁判所におきましても、事件処理の状況は順調に進んでいるということであります。 次に、法務省関係の概況について申し述べます。 まず、検察当局の刑事事件処理の状況について申しますと、最近の犯罪情勢は全般的におおむね通常の状態にありますし、受理件数はほぼ減少の傾向にありますが、近時、暴力団の対立抗争事犯が目立っております。広域暴力団山口組対一和会の対立抗争は、一和会の解散により一応解消したものの、五代目山口組組長就任に不満を抱いていた竹中組が山口組より離脱したため、新たな対立抗争を生じ、拳銃発砲事件等が多発しております、さらに、去る六月福岡県内で発生した大阪市内に本拠を置く暴力団波谷組による山口系組員に対する拳銃発砲殺人事件の報復と思われる拳銃発砲事件が続発し、このために大阪市内において市民一名が誤殺されるという許しがたい事件が発生しており、今後、断固とした暴力団取り締まり対策が望まれます。なお、未検挙重要事件として、グリコ・森永犯人グループによる食品企業脅迫等事件、朝日新聞社阪神支局における猟銃使用による記者殺害事件等があります。 次に、法務局関係について申し述べます。 大阪法務局管内における登記事件数は、依然として増加しており、また、急ピッチなマンション等の建設や大規模な区画整理事業の継続等により、今後も続く傾向にあります。しかも、地価高騰による活発な不動産取引やマンション建設等に伴う登記相談が急増しており、事件処理及び窓口応対等における職員の精神的負担など、実質的な負担は数字以上に厳しくなっているということであります。また、当地域の特徴として、大阪府下に居住する外国人が全国の二割強を占めていることからの国籍事務、また、同和問題に絡む人権擁護等に係る事務等も多いということであり、関係職員の多大な努力によって事務を処理している状況にあります。 次に、矯正管区関係でありますが、大阪、京都、神戸など大規模な施設が多く、しかも暴力団関係の受刑者が多いために、その処遇を含め、施設の適正な管理や刑務作業の円滑な実施に当たって困難な事情が少なくありません。また、滋賀刑務所を視察してまいりましたが、ここは、A級施設として犯罪傾向の進んでいない者を収容しており、収容者は、窃盗等財産事犯、傷害等粗暴事犯、覚せい剤事犯に係る者が大半でありますが、職員は厳正な規律のもとに、その更生改善のため、日夜御苦労を重ねておられます。 次に、近畿地方更生保護委員会の関係について申し述べます。 保護観察では、保護観察事件数はやや減少の傾向にあるものの、対象者に暴力団関係者、またシンナー等薬物・覚せい剤事犯者等困難な者も多く、保護司、BBS、更生保護婦人会等と協力しながら、処遇上の創意工夫を重ねて、保護観察の効果を高めることに努力しておられます。 次に、大阪入国管理局関係について述べます。 大阪入国管理局管内においては、我が国の国際関係の進展に伴い、出入国者数、審査関係諸申請件数とも大幅に増加しております。また、当地域の特徴として、管内登録外国人は三十七万人を超え、全国の三八%を占めるまでになっております。そこで、大阪入国管理局本局を視察し、業務処理状況等について説明を聴取いたしました。昭和六十年を一〇〇として平成元年と比較した場合、審査関係諸申請件数については一八三、違反事件引渡・引継件数については一八七と、倍近い伸びを示しております。ところが職員の増員については、両関係部署とも三名の増員があるのみで、一人当たりの業務量の負担は非常に重いものとなっております。また、入管法違反者の状況等については、不法就労事案が依然として多く、特に、韓国人の土木建設現場等での稼動事案が大幅に増加しているとのことです。なお、昨年大量入国したボートピープルの関係においては、そのうち二百三十四人を当局に収容した上、大村入国者収容所へ移送するという業務が加わったため、大村入国者収容所等に多数の入国警備官等を応援派遣しなければならず、また、当局収容施設に収容余力がなくなるなど、管内での違反者摘発に苦慮したとのことでした。さらに、昨年改正されました入管法施行後の状況については、当初は、各種相談等のため相当の混雑を生じたものの、最近は順調に処理されているとのことであります。今後については、平成五年に関西新国際空港の開港が予定されており、二十四時間開港の空港であるため、それに対応できるだけの審査要員が必要とのことであります。 次に、国際花と緑の博覧会につき申し述べます。 出入国管理行政の基本的責務として、国際交流の発展と国際協調の基礎を形成することが挙げられますが、当博覧会は、入場者数等運営においても順調に推移しているということであり、その面で大いに寄与していると見受けられました。なお、当博覧会においては、同協会を通し正規のビザを取得して働いている外国人だけでも一千二百名を超えており、そのため大阪入国管理局は同協会本部に職員を出向させているとのことであります。 第二に、庁舎施設及び宿舎の営繕状況について申し上げます。 まず、庁舎施設でありますが、大阪高裁本庁におきましては、現在庁舎を増築中であり、平成五年に完成後大阪市内の簡易裁判所がここに統合されることとなっております。法務局におきましては、登記事件の急激な増加に伴う大型の能率機器の導入や窓口整理要員の配置、利用者の増大等により、事務室・書庫等はもちろん、申請人待合室等も著しく狭隘となり、緊急な整備が必要となっております。矯正施設におきましては、大阪刑務所、京都刑務所、神戸刑務所が全国五大行刑施設整備庁として施設全体改築工事を実施中とのことであります。大阪入国管理局におきましては、諸申請等の急激な増加等に伴い、庁舎施設は著しく狭隘化し早急な改善が必要となっております。 第三に、関係諸機関から管内状況等を伺った際、派遣委員の方からも熱心に質問その他がなされましたが、その項目の概要について申し上げます。 民事事件の処理状況、暴力団抗争に関する現況、覚せい剤その他薬物事犯の状況、部外者による不動産登記原本の偽造・毀棄とその対策、刑務所における作業の実施状況、更生保護における民間ボランティアの協力状況、入管法施行後の現況、不法入国者の送還費用の負担関係等の問題が取り上げられました。 第四に、本委員会に対する要望事項について申し上げます。 特に、大阪法務局及び大阪入国管理局から、増員、施設の整備等について強い要望がございました。その状況については、既に触れたところであり、相当の要望ではなかろうかと存ずる次第であります。 第五に、以上で概要を申し上げましたが、私ども直接現地の関係部局の方々にお目にかかり、種々勉強をさせていただきました。特に、人を収容して処遇するという困難なお仕事などは御心労もひとしおかと存じます。皆様の御健勝を祈念してやみません。 また、調査に当たり、現地関係機関から御懇篤な御協力をいただきましたこと、並びに最高裁判所及び法務省当局から手厚い御便宜をお図りいただいたことを、この席をおかりして厚く御礼申し上げる次第であります。 以上でございます。
○委員長(矢原秀男君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。 ─────────────
○委員長(矢原秀男君) これより請願の審査を行います。 第一号夫婦同姓別姓の選択を可能にする民法等の改正に関する請願外九十六件を議題といたします。 今国会中、本委員会に付託されております請願は、お手元に配布の付託請願一覧表のとおりでございます。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ─────────────
○委員長(矢原秀男君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 検察及び裁判の運営等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(矢原秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十時二十分散会