農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 137 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/11/01
会議録
○理事(北修二君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(北修二君) 御異議ないものと認めます。 それでは、理事に井上哲夫君を指名いたします。 ─────────────
○理事(北修二君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○理事(北修二君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○理事(北修二君) 次に、農林水産政策に関する調査を議題として質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大渕絹子君 農水委員会での初めての質問になりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。 山本農林水産大臣には、本当に日夜御奮闘を新聞、テレビ等で拝見しておりまして、大変敬意を表しております。ありがとうございます。 きょうは、きのうから行われた米の価格形成の場というような問題をとらえまして米の問題に集中して御質疑をしたいと思いましたのですけれども、さきの十月十九日の日本経済新聞に、商品先物取引員の資格移譲に対してやみ売買が行われているというような報道を受けまして、私、実はことしの六月十九日の本院の商工委員会の席でこの件につきまして質問をした経過があるものですから、この記事はちょっと見逃すことができませんので、今回ちょっと質問させていただきたいと思うわけでございます。 実は、商工委員会の質疑の中で、私がこうしたやみ売買があるんではないかといううわさがあるということで政府側に答弁を求めましたところ、これは通産省の当時山本さんから、そういうことは全くない、認知をしておらないというような御返事をいただいているわけですけれども、今回、この日本経済新聞の報道ですと、実際にこうしたやみ売買が行われている、カネツ商事という会社が自分が吸収合併をしてあいたところの権利を今度は、今、新聞が皆さんの手元にあると思いますけれども、その買い手の部分ですね、東海交易から東陽レックス、それからその下までずっと各社に二億五千万円とか一億二千万円とかこうした値段で既に売買契約が成立をしているという事実が判明したわけなんですが、この件について農林省としては承知をしておりますでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) ただいま御質問の商品取引員の資格の取引の問題でございますが、御案内のとおり、商品取引所法上商品市場におきまして受託業務を行う資格、いわゆる商品取引員の資格でございますが、これを得るためには大臣の許可を受けなければならないということになっております。その許可を受けないで受託業務を行う資格、取引員資格というものを持つことはできないわけでございまして、法律的にはそういうものが勝手に売買されるということはあり得ない、また実際上もあり得ないというふうに考える次第であります。
○大渕絹子君 実際にはあり得ないことがこうして現実に三十年間も放置をされてきたことに対してどう責任をとられますか。
○政府委員(馬場久萬男君) 先ほど申しましたように法律的にはあり得ないものでございますが、ここではやみ売買と言われておりますが、取引員の資格ではございませんで、営業をしてきたいわゆる営業権の譲渡あるいはのれん代といいますか、のれんの譲渡というようなことは実際に行われているわけでございます。これはこの法律に基づく許可とは別に私的な行為といたしまして民法なり商法上も認められているものでございまして、そういうものがいわば許可を受けることを予定といいますか前提にして、受けた場合には事業ができるようにということで売買が行われているということは私どもも承知しているわけでございます。
○大渕絹子君 許認可というものはそういう前提があって許可されるものではないと思うんですね。ということになりますと、この売買契約書の中に、もし許認可の許可がおりなかった場合にはこの金額については返済をするというように明記されている契約書が取り交わされた中で金銭の授受が行われているということになりますと、これは当然もう認可をされることが前提としての売買契約というふうに普通は受け取られると思うんです。そして、さっきのれんの譲渡と言いましたけれども、もし営業権の正式の譲渡であるならばその持っていた方の店舗であるとか、あるいは外務員であるとか顧客名簿など営業にかかわるもろもろの権利というものが一緒に譲渡されなければならないわけですけれども、買い取った側にはそういうものは譲渡はされておらないわけです。そうすると、結局これはやみ取引で、許可されることを前提とした中でこういう取引が当然今まで行われてきておるということは事実であろうと思います。 そのことを受けまして、これが新聞発表になったときに、通産省側からこういうことは実際は認めたくないんだけれども事実としてあったというようなコメントがありますし、農水省側からも、今御答弁になりましたように、営業権の譲渡として理解をしておるということで、ちょっと答弁の中に食い違いも出ているわけなんですけれども、このことをとらえて何か善処をされたでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 実際に今の、過去に行われていたことについての営業権の譲渡は、必ずしも厳格な意味で実態を把握していないという面もございますし、また、業界の中でこれらについての理解についても必ずしも十分でないということもございまして、私ども十月二十日付で農林水産省と通産省と両省でこの問題についての統一見解というものをまとめまして業界に指導したわけでございます。 その内容は、一つは、当該商品市場において受託業務を行う資格を得るためには主務大臣の許可を受けなければならないことから、当然のことながら、主務大臣の許可を受けずに当該商品市場において受託業務を行う資格というものは存在しない。すなわち、主務大臣の許可は、申請者個々に対する許可であり、当該許可を受けた者に固有、専属のものであることから、許可を受けた商品取引員が受託業務を行う資格を他の商品取引員に売買することはあり得ないという基本的な立場を明確にいたしまして、その商品取引員の有する顧客名簿でありますとか、あるいは営業の秘訣あるいは外務員、そういういわゆる営業上の財産を契約によって移転する営業譲渡をする場合には、譲渡する者が廃業し、それを譲り受けた者が商品取引員の許可申請をする場合、これは法律上の基準に合致すれば許可する。しかし、もちろん基準に合わなければ許可しないわけでございます。 また、いわゆる定員が欠けたという場合の定員補充の場合は、のれんを譲り受けていない者も申請はできる、した場合にも許可基準に合致すれば許可できるということを明確に示しております。さらに、そのほかに廃業とか合弁によりまして定数があいた場合の扱い等についても業界に明確なことを指示しております。
○大渕絹子君 現在農水省の管轄の取引所においては四十のあきがある、それから通産省の管轄の方では二十四の取引員のあきがあるというふうに御報告を受けているわけですけれども、この中に今実際に問題になった部分のところは入っているわけですが、この問題に指摘をされたところの売買権、シート権というものはそのままやっぱり許可をされるおつもりですか。
○政府委員(馬場久萬男君) ただいま委員がお触れになりましたのは、先ほどの新聞記事に具体的な名前が挙がっているカネツ商事の件かと思われますが、現在までのところ、私どもこの件に関しましては具体的に何も聞いておりませんし、許可する、しないということももちろんまだ決めておらないわけでございます。
○大渕絹子君 許可申請も出ておりませんでしょうか。
○政府委員(馬場久萬男君) 出ておりません。
○大渕絹子君 全くわからないところでこうした報道がなされているという御答弁ですけれども、通産省の方にもお伺いしますが、同じということで受けとめてよろしゅうございますでしょうか。
○説明員(佐藤哲哉君) お答え申し上げます。 ただいま先生から御指摘がございましたように、商品取引市場におきます受託業務の許可を受けるためには、主務大臣の許可でございますので、その申請がなければ当然受託業務は行えません。したがいまして、商品取引員がただいまやっておりますのは営業の財産の譲渡ということでございまして、これにつきましては民法上、商法上許されているわけでございます。 このような営業の譲渡とそれから資格の許可、これが何度も繰り返されているうちに、あたかも一体であるかのような誤解が業界の方に生じているという事実があるとすれば、これは大変問題でございますので、こういう誤解がないように今後とも指導してまいりたいというふうに考えております。
○大渕絹子君 こうして悪い慣例がはびこっていく中で、とかく商品取引所のいろいろな問題が取りざたをされるようになるわけでございますので、ぜひ関係官庁といたしまして厳重にこれから対処していただきたいということを申し添えます。 それから売り渡しの価格を決定するのは、全国商品取引員協会連合会というようなところでそういうことが行われているような報道もありますし、また売買に当たって、取引にマージンが行ったり来たりしているというようなことも言われておりますので、そういうことに関しましてもどうぞこれからよく調査をしていただいて指導していただきたいというふうに思うわけでございます。 それではこの件はこのぐらいにいたしまして、きのうから行われております米の入札の件に移っていきたいと思います。 自主流通米価格形成機構として事実上米の入札ということが始められたわけですけれども、価格決定に消費者の人気であるとか需給動向を反映させるねらいの現物入札取引ということですけれども、本格的な米の品質、価格競争時代の幕あけというふうにとらえていますけれども、この初入札の結果はどういうものだったでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) たたいま御質問の点でございますが、自主流通米の価格形成の場の創設は、自主流通米制度の導入以来二十余年にわたる関係者の努力と経験の上に立って、新しい仕組みのもとで産地品種銘柄ごとの需給動向や品質評価を的確に反映した価格形成を図りまして、米の生産、流通を活性化しようとするものでございます。昨日、この考え方に基づきまして、これまで本委員会におきましてもいろいろ御議論賜りました点を踏まえまして、関係者の御意見を聞きまして第一回の入札が行われたところでございます。 この入札におきましては、やや具体的数字を申し上げますれば、現在日本で流通しております一万トン以上の産地品種銘柄ごとのものを上場する、取引の対象にするということで、ことしの場合には大阪を含めまして五十四品目、昨日は、東京の場合におきまして三十二産地品種銘柄というものを上場したわけでございます。 具体的に上場しましたのは、流通しておりますものの約二割を上場するということで、ことしは既に早場米の時期も終わっておりますことから、十月、十一月を含めまして、この米穀年度におきまして四回均等に上場しようということが関係者の合意でなされておりまして、八万七千トンの上場が行われました。 この場合におきます落札の価格につきましての、具体的なことではございますが、値幅制限といたしまして、去年の基準価格、去年の価格から上下五%に限定をするということで、第一回目でございましたのでやらせていただきましたところ、上限価格に落札をされたのが実質のものも含めまして七品種銘柄ございました。それからもう一つは、具体的に上場された部分につきまして落札が行われましたけれども、落札されなかったものがコシヒカリ及びササニシキを中心にいたしまして、大体それに限定されますけれども、そういう大きな品種のところに関連いたしまして約三〇%ございました。 そういう状況でございますが、もう少し具体的に先ほどの三十二品目のうちで値動きを申し上げてみますと、繰り返すようでございますが、落札価格が上限価格、基準価格の一〇五%に張りついた産地銘柄は六、実質上七でございます。それに落札価格の加重平均が基準価格を上回った、一〇〇以上のものというのが形式的には十二でございますが、一つ上に上げますれば十一。前年に比べまして値段が上がりましたのが計十八でございました。落札価格の平均価格が基準価格を下回った産地品種銘柄は全部で十四ということで、半分以上が上がって半分以上が下がった。この場合におきましても、一〇五%に対応する九五%ということじゃございませんで、九八%のものもございましたし、九五・何%のものもございました。大体そういう結果が出たわけでございます。 これにつきまして、これは実態に即しているかということのお話がございましたが、実はこれは全く第一回目のことでございます。私どもこの結果を見まして、いろいろ業務上の中あるいはいろいろな評判あるいは作況指数といったようなものの反映が行われているというふうに思いますけれども、一言で公的に私どもが申し上げられることは、こういった多様化の結果が出てきたということだろうと思います。今後関係者の方々が十分この第一回目の経験を踏まえまして、数を重ねてまいりまして、先ほど先生のお話しのように、実態の品種銘柄あるいは消費者の嗜好、そういったものにこの価格形成の価格がだんだん形成されていくということを、関係者の御努力等々含めまして期待していかなければならないものだというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 売れ残りが三〇%というふうに今お話がありましたけれども、その米につきましてはどういう処理がなされましたでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 価格形成機構の場合で売れ残りの出たことに対応する場合は三つ考えられるわけでございます。 一つは、グループごとに第一グループから第五グループをまとめまして入札という形を行わせていただきましたが、その後でもう一度やるということでございます。 それからもう一つは、入札形式ということで基準価格ができるわけでございますが、その基準価格を基準に見ながら相対で、当事者の方々が入札という方式じゃなくて値決めを交渉されるという場が予定されると思います。 それからもう一つは、当然のことでございますが、これ第一回目でございますので、もう一回この後も、二回目以降に改めて落札しなかった米を上場される、こういうことでございます。 きのうの場合におきましては、十分関係者の御意見を聞きましたところ、朝八時ぐらいから夜八時に至るという長時間であったこともございまして、正常のグループの入札が終わった後にやりたいというお方がいらっしゃいませんで、そういうことから考えますれば、次回のとき、一月の初めになるわけでございますが、その前に一つの相対で交渉をなさるという場面があるのではないかというふうに思っております。
○大渕絹子君 売り手と買い手が同時に参加できるシステムになっているそうですけれども、これは価格操作が一者によって行われるという心配があるわけです。その点は早急に改善すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御質問のところは第一次の売り手ということで、農協といいますか、全集連の一部でございまして、大体四千ぐらいの数がございます。その上に第二次ということで、経済連というところとそのほか全集連の数がございます。その経済連のうちに、全部で四十七都道府県、山形県に庄内等二つ経済連がございまして四十八、第二集荷業者がございますが、その方のうち卸の資格を持っておられる方が、知事の許可でございますけれども、全体の卸の数が二百八十四ございますが、そのうちで四十四あるわけでございます。そういう意味で、先生は、同じ経済連が片方売り手として市場に出て、片方知事許可を持って卸として出てくることは双方代理みたいな感じがあるのではないかという御指摘であろうと思います。 ただ、これは、それぞれの中で確かに組織体としては農協、経済連、県単位のところで両面持っているようでございますが、それぞれ機能は違っているわけでございまして、さらに集荷のものは農林大臣の指定が行われておりますし、集荷団体でもございます。他方、地域の米だけではなくて広く全国から集めて卸としての許可を知事許可でもらっているわけでございます。 この実質上の御質問に関連しては、適正な価格形成を図るためには、経済連卸の売り渡しにかかる需要を含めて、それぞれ経済連は、先ほど申しましたようにその地域の米だけではなくて全国各地からの米も含めましてやはり需要を持っているわけでございます。そういうことから、一見双方代理のように見えますけれども、それぞれ機能を峻別いたしまして認めるというのが公正な原理じゃないかというふうに私は思っております。 それからもう一つ、自分の県の集めたものを高く売るから価格が実態以上に高いところで落札することになるのではないかというお話でございますが、これは卸として考えてみた場合に、やはり経済計算でやっているわけでございますので、もし高く買ったという形になりますと高く売らなきゃいけないということになりますので、そういったようなことで、それぞれ地域の米というのを大事にはしているでしょうけれども、当然経済組織としては十分その点は合理的な判断をして卸している、買い取っているというふうに見ているところでございます。
○大渕絹子君 まだ扱う数量が非常に少なく、また始まったばかりということでそういう弊害は出にくいだろうと思いますけれども、これから先、当然市場が開かれてくればくるほどこの問題というのは起きてくると思いますので、どうぞずっと注意をしておいていただきたいということをお願いしておきます。 作況指数が一〇四ということでやや良ということが発表されたわけですけれども、このことと相まって供給の過剰ということと、それから消費の落ち込みというようなことで、買い付けをいたします経済連の方たちが農家から買うときに、安値落札に備えて新米の集荷時の仮渡し金というのを前年よりも大幅に引き下げて買っているという事実を御存じでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 具体的事実は差し控えますけれども、そういった実態が地域にあることを承知しております。 ただ、先生がおっしゃったように今回の作況指数は一〇四ということでございますけれども、実質、私どもが統計情報部から発表の際にもう少しきめ細かな数字ということで聴取しておりますところは一〇三・六といったようなことでございます。当初から発表されました数字も一〇三ということでございまして、世上いろいろ各方面ですごい豊作だと、豊作は喜ぶべきことではございますけれども、その点についてはそう大きな数字、豊作という形ではないと思っております。そういう意味で、大方の経済連におきましては、仮払いは大体去年並みに行われていたように私は承知しておりますが、一部のものについて確かにそういう豊作の影響があるということで仮払いを差し控えて少し抑えたという県があるということは、小数のものだというふうに理解しております。
○大渕絹子君 先ほど上限五%枠を超えてつけられた高値のものもあるというふうな御答弁がありましたけれども、そのつけられた最高高値というものは公開はされないんでしょうね。
○政府委員(浜口義曠君) つけられた最高価格というのは公表されております。
○大渕絹子君 されていますか。
○政府委員(浜口義曠君) はい。上下五%ということにつきましてこの機構で十分議論をして決められたわけでございまして、それからさらに、今おっしゃったように公表の部分についても落札価格の上限、最下限、それから加重平均という形で公表させていただいております。
○大渕絹子君 それでは、昨日行われました銘柄で最高値をつけたものについて教えていただけますか
○政府委員(浜口義曠君) 今回の入札の取引で最高落札価格は、新潟コシヒカリで二万四千八百三十七円でございます。
○大渕絹子君 それじゃなくて、それは上限五%の枠の中の価格でしょう。その入札をされた最高の部分をと言うことですけれども。
○政府委員(浜口義曠君) 失礼しました。 これは価格の上で中心値段といいますか、基準値段を決めまして、上限価格というのをそれぞれ上下五%ということで決めたわけでございます。それ以上のものを入れた場合には無効としたわけでございます。ですから、張りつきが一番上でございます。
○大渕絹子君 わかりました。済みません、認識が不足しておったようでございます。 スタートしたばかりの価格形成の場でございますので、まだ評価ということはなかなか難しいだろうと思いますけれども、もろもろの問題も存在していることは、もうずっと今までの農水委員会でも御指摘があったところだろうと思いますので、どうぞこれからもそうしたもろもろの問題には十分注意をして進めていっていただきたいというふうに思います。 今ガット・ウルグアイ・ラウンドということで、私たち国民も大変重要な問題としてとらえ、また大臣自身も日夜大変を御苦労をなさっている問題でございますけれども、日本がオファーリストを提出したのは九月ですね。そして、アメリカが十月十五日に提出している。それで、今ECが期限を破って提出してこない状況というのが連日新聞に載っているわけですけれども、このガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の置かれている現況とこれからの見通しというようなものをちょっと教えていただきたいんです。
○国務大臣(山本富雄君) 大変先生にも御心配しただいているわけではありますが、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉は十二月初旬に交渉を終結させよう、そのための最終的な閣僚会議をECの本部のあるブラッセルで行おう、こういうふうに予定がされておるわけでございます。そのための合意文書というのを今月下旬までにはつくっておかなければならない。それをもとにして最終閣僚会議を行おう、こういう段取りになっておるわけです。 私ども担当しております農業交渉の分野でございますが、今先生の御指摘のように、十月十五日オファーの期限というふうに夏場に申し合わせをいたしまして、それに従って日本が一番先に出したわけでありますけれども、その後各国からオファーが提出をされておる。アメリカも出したわけでございます。ところが主要国の一つであるECのオファーが、今新聞、テレビ等でたびたび報道されておりますが、いろんな事情等によりまして提出がされておらないという状況でございます。それから、そのオファー、今まで出したものの主なるものをざっと私ども見ておりますけれども、各国の考え方が大変開きがある、こういう状態でございます。ですから、まだ肝心かなめのECなどの提出がないということ、それから現在まで出されたオファーの内容を見ますと、各国、しかも主要国の間で考え方に大変な隔たりがある、これを交渉をしながらお互いが詰めていくわけでございまして、これは前途大変容易ではないなというふうに思っております。 つい一昨日の朝でございましたか、ECの駐日大使が参りまして、これは赴任二カ月でごあいさつを兼ねておいでになりましたが、やはり話はウルグアイ・ラウンド問題に終始をいたしまして、非常に大変だと、ECの状況をつぶさに私に、大変難渋をしておりますというふうな話をしておりました。私はとにかく祈るような気持ちで、ぜひまとめていただきたい、そしてECが出ればEC、アメリカ、日本あるいはケアンズ・グループというところで早速にも話し合いを開始して、そして何としてもまとめよう、成功させよう、こういう考え方を強調しておきました。その際に、我が国の従来のスタンスにつきまして重ねて申し上げまして、そして食糧輸入国としての立場を反映した交渉結果が得られるように我々としては従来の線に沿ってこれからも主張していく、交渉させてもらう、こういうふうに申し上げておきました。
○大渕絹子君 山本農水大臣のいつもに変わらぬ御姿勢というものには非常に敬意を表するわけですけれども、日本政府のワルグアイ・ラウンドに臨む心構えというのが少し違っておったんでないでしょうかね。ECの今のような状況というのをちゃんと見越した中で対処をしてこられたでしょうか。あるいはまた、アメリカでオファーリストが出された後に九〇年の農業法というものが上院、下院で通過をするというようなこういう現実をとらえる中で、あるいはまたアメリカの砂糖業界で非常にこのことに対して反対だという猛烈な運動が起こっているというようなこうした現状をもっと前から承知をしておったら日本のとってくる態度というのはもう少し変わっていて、もっと強く出ておってもよかったんではないかというふうに思いますけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 今大臣からもお話し申し上げましたように、現在国別表それからオファーが提出されております状況をまずお話し申し上げたいと思いますが、十月三十日現在でいわゆるカントリーリスト、国別表が二十七カ国、それからオファーリストの方は十二カ国でございます。ただ、この中にケアンズ・グループなどが入っておりますので、それはそのとおり御理解いただきたいと思います。 そういうことで、当初から私どもこの農業問題につきましては、各国困難な問題を抱えているという前提を置いて臨んでまいっております。したがいまして、さきの委員会でもいろいろ御議論いただきましたように、我が国は我が国の従来からの立場に立ったオファーを提出したわけでございます。改めて申すまでもございませんが、米のような基礎的食糧及びガットの規定に基づく輸入制限品目については関税化の適用が困難ということ、それから、国内支持及び国境措置についてはAMSによる支持、保護の削減を行うことという基本的態度、さらにこれに輸入国としての立場を十分配慮するということを中心とした内容のオファーを出したことは御承知のとおりでございます。 これは各国の抱えているそれぞれの農業問題ということを踏まえ、さらに我が国の置かれた立場というものを十分勘案して出したものでございますので、私どもとしてはこのウルグアイ・ラウンド農業交渉に臨む立場としては一貫したもので、しかも現在の日本の立場を十分に反映したものであるというふうに考えているところでございます。
○大渕絹子君 お話を聞きますと、大変今は困難な状況にあるということは私も認識ができるわけでございますけれども、このウルグアイ・ラウンドがもし不成功に終わった場合、米の問題に関してはアメリカと日本の二国間協議にゆだねられるのではないかというような報道が連日されておって大変心配をしておるわけでございますけれども、この件に関してどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生からいろんな新聞等におきまして二国間協議の問題等が言われておりますが、私どもはやはりこの問題については日米ともウルグアイ・ラウンドの場で議論をするという基本的な考え方を有しているというふうに考えております。このラウンドにおきまして、我が国におきます米及び水田稲作の格別の重要性については加盟国に対して十分理解を求めるように努力中でございます。もちろんこれについて、基礎的食糧という考え方については昨年来主張しておりますが、さらに八月に、具体的条文ということでウルグアイ・ラウンドで我が国の考え方を米について出しているわけでございますので、現段階において二国間というような新聞等で言われているようなことを私ども考える段階じゃないというふうに思っておるところでございます。
○大渕絹子君 ぜひ今の御答弁のように二国間協議に持ち込まないように御努力をしていただきたいというふうに思います。 こうしたことで大変皆さん方は連日御努力をしておられるわけですけれども、片や表の方というか、日本側の方に目を向けてみますと、非常にいろんな問題が飛び交っているのもまた現実なんですね。今、国会に出されております国連平和協力法の審議の際に、参議院の国会決議、自衛隊は海外に派兵をしないという国会決議が、もう既に今の日本の状況とその決議をしたときの状況と合わなくなっているからそれはもういいんだというような、形骸化されているような発言が総理からもなされているわけですけれども、もしこのことが本当にそういうふうに認められるんであると、私たちが国会で決議をしております米の自由化はしないという、米は完全自給をするというこの国会決議についても、今は事情が変わってきているというようなことが通ってくるように思うわけです。この点についてどういうふうにお思いでしょうか。
○国務大臣(山本富雄君) そういうことは絶対ありません。はっきり申し上げておきます。米につきましては昭和五十五年、昭和五十九年、それから昭和六十三年、これは衆参両院で三たび決議をされております。これはもう私が皆さんの御推挙を得まして農林水産大臣に就任をして以来、衆参の農水委員会、衆参の予算委員会、それから衆参の本会議で再三再四にわたって同じことを繰り返し御答弁をいたしました。また、総理もこのことにつきましては、海部内閣の統一見解という形で終始一貫私と同じように発言をされたということでございます。内閣総理大臣は国政のすべてについて責任がございますが、農政につきましては私が責任者です、ですから農政については内外の問題について山本に任せていただきたいということをこれはもう再三にわたって総理にも申し上げてございます。 特にガット・ウルグアイ・ラウンド交渉、今先生御心配のように極めて微妙な最終段階に立ち至っておる。そして外交交渉、つばぜり合いが始まろうとしておる。その際にやはり国内が、足元がぐらぐらしてしまっては戦うにも戦えないじゃないか。これが私の本音でございまして、国内について外国の方々などもいろいろおっしゃいますけれども、国内の世論が変わったとか変わらないとかおっしゃっても、国内世論で一番大事なのは国会ですから、国会が衆参にわたり与野党一致で三たびも決議をしているということの重さをきちんと踏まえて、これからも米についてはこの国会決議を体して戦い抜くと、こういう考え方に変わりはありません。
○大渕絹子君 その国会決議はそういうふうに守られるということになると、当然国連平和協力法の国会決議も同じに扱っていただけると、そういうふうに私は今ここで認識をさせていただきます。ぜひお願いいたします。 ところが大臣、そういうふうに国会決議を守って米の自由化を守ると言っておられる農水省が、米の開放の影響についてということで、三〇%もし削減された場合にどうなるかというシミュレーションが農水省から出ているんですね。今のこの時期に何でこんなものを農水省から出さなきゃいけないんですか。
○国務大臣(山本富雄君) それは先生、お考えが違うんじゃないかと思うんです。この時期だから出したんです。なぜかといいますと一部の方は、私のところへこういうことを言ってきた方がおりました。今先生のおっしゃるとおり、今までいろんな試算がされておった、米が一部自由化された場合などを想定していろんな試算が民間その他でされておった、あるいは経済評論家と称する方々などがおっしゃっておられた、大したことないじゃないかと。こういう趣旨を踏んまえて御発言があったんです。そういう発言の方が多かったんです。ところが、農水省がなぜ今の時点でこれをやったんだと。これは農水省がそのことを想定して、農水省本城みずからでやり始めたんじゃないかという批判を受けた場合に困るよと言うから、とんでもない、今剣が鋒だと。剣が鋒だからこれを出したんだと。 先生、それをよく読んでいただければわかりますけれど、三〇%というのは、これはアメリカがかつて出した、日本に突きつけたときの基礎数字なんです。それを私どもはとって、それじゃその三〇%さらに生産制限を加えた場合に日本の国の各地でどういう状態が起こるんだと。これは日本じゅうパニックになっちゃうんですよ。三分の一の市町村がもたなくなるんですから。市町村財政が破壊されるんですから。 例えば私のことを言っちゃ恐縮ですが、私、出身は群馬県ですけれども、群馬県は一年間のGNP五兆円というんです。五兆円はそれで飛んじゃうんです。四十七都道府県の中から群馬県が消えちゃうということになるんですと。そのくらい大打撃を受けるんですよ。それはただ単なる農村だけじゃありませんよ、お米をつくっている県だけじゃありませんよ、全体にわたってその関連した余波というものは大変な余波が起きるんですということを警告せんがために、私はこの時期にあえて出していただいたんだというふうに説明をしたわけでございまして、どうか読んでいただければよくわかることでございます。
○大渕絹子君 時間がないのでちょっと議論をしていくことができなくて大変残念なんですけれども、ただ、とりようによってはこういう影響なら何とかクリアできるんじゃないかというようなふうにもとれるかもしれませんね。そういった意味で今の時期にはちょっとまずかったんじゃないかなというふうに思いますけれども、さっきの国会決議の形骸化、それからこのシミュレーション、それからせんだっての武藤通産大臣の海外での、米の自由化というかについては多少融通しなきゃならないんじゃないかというような発言が相次いで行われたというような報道がなされているわけですね。 そして、もう一つ、これはとっても残念なんですけれども、日本の財界がアメリカに行って、アメリカの全米精米業者協会の会長さんあたりに、米の市場開放についてアメリカで頑張ってくれと日本の財界から頼まれた、こういう記事がちゃんと出ているんです。このグレーブスさんという会長さんが告発しているんです。この告発記事を見まして、ああこれなら武藤発言もわかるなと私はうなずけるわけなんです。武藤大臣は自分の発言に対しては否定をしておるということで、国会でも、あるいは総理大臣からもそういう事実は全くなかったんだという御答弁をいただいているわけですけれども、記事を書きました朝日新聞社に問い合わせましたところ、武藤通産大臣からこの記事に対しての異議申し立てということは全然来ておらないということを言われておるんですけれども、これは通産省の方に聞かないと悪いでしょうかね。この真偽のほどはどうなんでしょうか。
○政府委員(高島章君) 通産大臣からベーカー長官に対しまして、伝えられておりますような米についての譲歩あるいは政治的決断を約束したといったような事実は全くないということでございまして、これは今先生御指摘のように大臣帰国後の記者会見でも明確に否定をしております。 また、ただいま新聞の方への抗議というお話がございましたが、通産省の記者クラブでの会見におきましては、朝日新聞も入りました席でこの記事が誤報であることを繰り返し明言をしているわけでございます。 いずれにいたしましても、通産省といたしまして、国会決議の趣旨を体しまして今後とも対処していくという立場には一切変わりはないわけでございます。
○大渕絹子君 それでは、先ほどのグレーブス会長の、一年くらい前から日本の財界やレストラン経営者から米の市場開放の応援を得ているという、このコメントについてはいかがでしょうか。
○政府委員(高島章君) 伝えられておりますような働きかけがあったかどうかということにつきましては、政府としては全く承知しておりません。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、武藤大臣の発言は一切譲歩とか政治的決断を約束するということはないわけでございまして、御指摘のような報道記事とは何ら関係はないわけでございます。
○大渕絹子君 この米の問題は、もともと財界がっくり出す工業製品を売る見返りとして起こってきている問題なんです。それなのにまだこうしてもっともっと農業を追い詰めていくようなことが行われているとしたら、もう全く怒りに震える思いがいたします。私も農業県出身で、中山間地の小さな農村に住んでいる者の一人です。今、農業の置かれている状況を見るときに、こうしたことが本当に行われているとしたら本当に許せないなと、強い怒りをこの新聞を見て覚えたわけでございます。 それともう一つ、さっきから大臣は海部総理大臣も間違いなく私たちと同じ歩調で歩いているとおっしゃいましたけれども、私はそれは納得がいきません。それはなぜかといいますと、今度は第三次臨時行革審ですか、これが昨日から発足をしたわけですけれども、この会長になった方が十月十七日に、米の市場開放は断固としてやるべきだというコメントを発表していますね。こういう方が総理大臣に答申をする会長に就任をなさっているわけですから、山本大臣がどのように弁護されようとも、海部総理大臣の胸の中はもう市場開放はしなきゃならないというふうに思っていると思うんです。この件はいかがですか。
○国務大臣(山本富雄君) 大変先生は御熱意がございまして、その気持ちは切々と私の胸にも伝わりますけれども、事実関係をよくお調べの上で対応することが必要だ、冷静にしっかり対応しなきゃいかぬと、私はそう思っているんです。 そこで、今の鈴木会長の発言問題ですけれども、十月十七日にされたということはまず毎日新聞に報道されました。この件につきましては、私どもは、ここに官房長がおりますけれども、官房長を中心にいたしまして、事は重大でございますからしっかりと調査をいたしました。それから、行革審を担当している総務庁に対しましてもきちんと調べてくれというふうなことで調べていただきました。次のようなことでございます。 第三次行革審において取り上げるべきテーマにつきましてはまだ決めていない段階である、これが第三次行革審、会長は鈴木さんでございますから、この鈴木さんの基本方針である。昨日の第三次行革審の初会合後における鈴木会長の記者会見においても全く同じ趣旨の御発言があったというふうに私どもは受けとめております。 いずれにいたしましても、今総理云々の話がございましたが、総理は先般の所信表明でも、衆参両院にわたりまして、内閣としては米問題は従来の方針でまいります、すなわち国内産で自給するという方針でまいります、水田稲作は非常に重要だ、米が重要だという認識のもとに国会決議を体してその線を貫きますという趣旨の所信表明をされておりますので、その線に従って進めてまいりたい、こう考えております。
○大渕絹子君 山本農水大臣がそうして頑張れば頑張るほど、私はもうその後ろで穴をあけようとしている姿というものが見えてくるような気がいたします。 実際にきょうずっとお話をしてきましたけども、農水省、大臣初め皆さん方の御努力というのは非常に高く全国民も評価をしていると思いますけれども、その後ろで先ほど申しましたようにこうした国会決議が形骸化されるのじゃないかとか、あるいはこのシュミレーションの場合は大臣はそうではないとおっしゃったので私も勉強させていただきますけれども、武藤通産大臣の発言問題であるとか、実際あったなしは別としてもそれを報道されること自体もう問題があるというふうに私は思います。 グレーブス会長の告発文であるとか、あるいはこの第三次行革審の聖域は設けないという答弁を三十一日の記者会見の席でしたよね。これはとりもなおさず自由化への道というふうに思いますけれども、こうしたことが相次いで今一番大事なこの時期に日本国内で山本農林水産大臣の後から矢を射ているようなそういう構図に見えてならないのです。 私たちはもちろん農水大臣と一緒になって米の自由化阻止に向かって全力で戦う決意はしておりますけれども、政府の方にもそうした足並みをきちっとそろえてもらうようにまた重ねてお願いを申し上げまして、大変未熟な質問でございましたけれども、終わりにいたします。ありがとうございました。
○国務大臣(山本富雄君) 大変農業に対しましてもう熱意あふれるといいますか御心配も含めまして、御批判も含めましていろいろ御指摘がございまして、私どもは肝に銘じております。 鈴木会長は、私はちっともこだわりませんけれども、私も実はじかに会っております。それから、きのうの「NHKニュース21」でしたか、高島さんの持ち番組の中で、別の記者が鈴木会長との一問一答をやっておりましたけれども、その中で記者がいろいろ米問題を質問いたしました。ウルグアイ・ラウンド交渉が、今政治交渉が進行中である、その推移をしっかり見守ってから後にと、こういうふうに非常に言葉選んで御発言をなすって、私はやっぱり十分考えておられるのだとあのテレビの会見からは受け取ったわけでございます。 いずれにいたしましても、これはまさに与野党なしで日本の農業を守ろう、米を守ろう、こういうことで今後ともやらせていただきたい、こう思っております。よろしくお願いいたします。
○上野雄文君 大臣、きのうは林業問題で市町村長の代表と一緒にお伺いしまして、大変御丁重な扱いを受けましてありがとうございました。中身はまたこれは別でございますが、でも市町村長はそれなりに大臣の誠意というものはわかって帰っていったんじゃないかと思うんです。 きょうの質問は、大渕さんが新潟の出身ですからお米の問題を中心に、私は山の問題をと、こういうふうに分担したんですが、やっぱり米の問題、今最後のところの質問の話を聞いておりまして、どうももうひとつ納得いかないわけですね。通産省の審議官はお帰りになったようですね、私は要求しておりませんでしたから。 大渕さんは朝日新聞の話をされたんですね。じゃ毎日新聞の話をしてみましょうかという気になるんでありまして、これは二十九日付のやつで、当然ごらんいただいていると思うんです。通産大臣の発言について、外務省から農水省の方にファックシミリで入ったという一連の記事が載っていますよね。これは農水の委員会の代表も総理のところへ申し入れに行ったり、私どもも社会党の代表団で今度は通産大臣が帰ってきたから大臣室に押しかけていってどうなんだということを問い詰めたりしました。しかし、通産側の答弁があったように、通産としてはそういうことは全くないということを一貫して言い続けているわけですね。その話をそのまま受けとめていますとこの新聞の記事はインチキで捏造だということになってきてしまうんで、この辺のいきさつはどうなんでしょう。二十九日の新聞、読んでないという話にはならないと思うんですね。「コメと日本人」で一番最初の1に載っているわけですが、官房長、どうですか、ここのところは。
○政府委員(鶴岡俊彦君) やりとりは通産省から話があったとおりでございます。私の方も、新聞記者が庁内でいろいろ聞いて歩いた向きがございまして、外務省にもどうかということを確かめたり、それから通産省にも確かめまして、それは事実を通産省から聞きました。それで、最終的には帰られてからということで、武藤大臣帰られてから官房長官立ち会いで山本大臣も聞かれました。そういうことを確認し、さらにまた、もし誤解を与えるようなことがあればそれの訂正なり是正をしてもらいたいという申し入れをしたわけでございます。それを受けて、通産省で外交ルートを通じましてアメリカ側の意図を確かめたところ、誤解していないというようなことを聞きまして、私どもは通産省が話しておったようなこととして承知をいたしておるところでございます。(「外務省から農水省にファクシミリがあったかどうかだけ聞いているんだ」と呼ぶ者あり)
○上野雄文君 今のやじがあったように、その話を素直に聞くと、私が言ったようにこれは正確に伝えていない、言い方は悪いんですけれども全く捏造した記事なんだと、そういうふうに断定していいんですか。はっきりその辺が聞きたいわけなんですね、別にあなたの責任とかなんかというのじゃなくて。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私は記事に対するあれをする立場にはございませんけれども、私どもが通産省あるいは外務省等を通じまして確認したところは先ほど申し上げたとおりでございます。
○上野雄文君 じゃ、ここに書いてある「十月十一日夜。東京・霞が関の農水省四階の一室にあるファクシミリに一通のメモが流れてきた。」、こういうのもそうではないと。しかし、農水省が絡んでいるのだ、この記事は。農水省の部屋にファクシミリで入ってきたと書いてあるんですから、通産省とか外務省とかと言ってみても、これ、私はそこのところがどうなのかなと。
○政府委員(鶴岡俊彦君) ファクシミリで流れてきたかどうかわかりませんけれども、(「そんなことない」と呼ぶ者あり)いや、それは私がファクシミリで流れてきたかどうか確認していないから申し上げているんですけれども、外務省からのやりとりの公電はこれは経済局を通じてやっておる。それには先ほど申したようなことが記載されておりました。
○上野雄文君 よくわからなくて、きょうはこれで詰めてあれしようとかなんとかというふうに思っているわけじゃないんで、ただ、私たち米を守ろうというのでみんなして一生懸命やっているのに、さっきの大渕さんの質問じゃありませんが、後ろから矢で射られるようなやり方をされたのではたまったものではないなというふうに私は思っているんです。これは、農水大臣本当に大変だなという気持ちで申し上げているわけなので、また後でいろいろ出てくるでしょうから、きょうはこの辺にしておきましょう。 それから、さっき触れられた行革審の問題ですね。これは正面から見る限り、確かに具体的にそのことについて総務庁は諮問というか柱としてということには出ていませんけれども、私たち新聞の見出しを見れば、というふうに目がいきますし、それから、じゃそれはどこにあるんだということになると、国民生活の重視と国際的責務の履行ということは言われているわけですから、その中に入っているというふうに見ていいと思うんですが、その辺はどうですか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 最近の報道は神経が過敏というか、私、報道ぶりについて批判するのはいかがかと思いますけれども、神経が若干過敏になっている。何か影を見れば何かというようなことが多々あるわけでございまして、今先生御指摘のように、そういうところをとらまえてやるのはちょっと考え過ぎじゃないかというふうな気がいたします。
○上野雄文君 これも重ねてのあれになりますから、私はこれ以上申し上げたくない、こう思っております。でも、そこにおれたちは目がいっているんだということだけは御承知願いたいと思います。 それと、こういう記事もあるんですね。今度の諮問はいわゆる包括諮問という漠然とした内容だ、ずっとこうありまして、大臣さっきお触れになったように首相からは各論については諮問を示されていなかった、総務庁は、これまで臨調や行革審が国鉄の民営化などのように難題を処理してきたのは、首相の強い政治力があってこそと言われている。今の海部さんではどうなんだろうという心配のやつがこの後ろに書いてあるんですね。私はいろいろ申し上げたくはないんですが、書いてあるから申し上げてみましょう。国連平和協力法案の取り扱いに見られるような指導力では心もとないなという心配をしてくれているんですね。私も、うん、なるほどなというふうにすとんと落ちるのはやっぱり否めないことなんだというふうに思うんです。 そこで、先ほど大渕さんの質問で、大臣は答弁をされたわけですけれども、大臣としては国会決議があり、今まで何度も決議の趣旨に沿って私は頑張りますということを言い続けてこられたわけでありますから、それはひとつ我々も一緒になって支えるという気持ちであることには間違いがありませんからぜひ頑張っていっていただきたいというふうに思うんです。これは別に大渕さんの答弁で私はそれなりに受けとめておきますので御発言は要らないことであります。 それから、ちょっと、私あらかじめ申し上げておりませんで、ここでお聞きしては失礼だと思うんで、後でわかればということを前置きにしてお尋ねしたいと思うんですが、米問題の影響は、このシミュレーションによってもっともっとあるのではないかなと思ったりする分野もあるんです。 私はいつも申し上げるようでありますが、都道府県や市町村の職員の一人だった人間でありまして、米問題が今の状態から変わっていった場合に、農業の柱が崩れてきたときに、県や市町村に働いている農業関係の職員に与える影響というのは大変なものがあるわけですね。かつて私の県の食糧事務所、農水省の関係では千八百人いたのでありますが、今は四百人ぐらいになってしまっております。県や市町村への影響というのは、どのように人員の面で減らされるかというのは、我々は年じゅう頭から離れないことなんでありまして、その辺の数字を今お持ちでしたら教えてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) これは一定の前提を置きまして産業連関表を使いまして、地域産業連関表というんだそうですけれども、米総生産の減少自体が一つあります。それから、米生産をするための農業資材その他米以外の部門にかかわる総生産の影響、それが両方相まって、今度は農家所得の減少に伴う家計消費の減少でありますとか、それから関連産業に従事している方々の所得が減少することによってまた消費に影響する。これを繰り返し繰り返し極限まで計算しましたところでございます。 ただ、人員等についてはやっておりませんし、また、価格の下落でありますとか、輸入がふえることによる影響とか、価格が減少しますと農家の消費は減りますけれども、一方純粋の消費者の方の消費はあるいはゆとりが出るかもわかりません。ちょっと計算の過程でできませんけれども、そういう前提を置きまして、米生産あるいは関連産業、またそれが消費に与える影響という点で推計をいたしたわけでございます。人員に及ぼす影響とかそういうところの計算はやっておりません。
○上野雄文君 お話はわかりました。ただやっぱりそういうことだって無視できないことだと思います。 この間私は生活改良普及員の集まりに行ったんです。集まった彼女たちの代表的な人は、私たちは今随分年齢も上がってまいりました、子供も産み上げました、後が入ってこないんですと。今度は何か四項目に指導項目を絞っていくというような問題が提起されているようですよね。あれだけ華々しく農村生活改善のために農家に飛び込んでいって仕事をやっていた人たちがだんだんだんだん寄せられてくるという実態の話もされたわけです。こういうものにはもう間違いなく影響も出てきているんですね、今までも出てきているわけですから。これからこうなったら一体どうなっていくんだろうかというようなことも私は考えざるを得ないと思っているんです。 実はこの話はまた後でこの問題だけに限っても議論してみたいなというふうに思っておりますけれども、もしそこまで延ばして考えていなかったんなら、そういう点までも少し、こんなに減っちまうんだなんという話はうっかり出したら大変な影響が出ますけれども、それなりのものはやっておいてもらっても悪くはないんじゃないかなというふうに思うんですよ。 それで、補助金制度から交付金制度に変わったでしょう。大蔵はまた交付金制度をやめにして一般財源化したい、こういう問題が絡んできますと、やっぱり現場で一生懸命駆けて歩いている人たちにすれば大変な不安が出てきますからね。そういう点なんかも今考えていることがありましたら一緒にお答えをいただければと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 農業改良普及の制度というのは農業生産の振興を図っていく場合に最も基本的な制度だと思っておりまして、私どもとしても何としても一般財源化はしないという方向で頑張っていきたいと思いますので、御支援をお願いしたいと思います。 それから今回の試算、おっしゃるように行政組織でありますとか農協組織あるいは農家あるいはそれに伴いますいろんなところに影響があろうかと思いますけれども、私どもの試算は、いろいろな限界がございます。それから、今回言いたかったのは、先ほど大臣申し上げましたように、今米の問題は単なる農業の中だけで過保護であるとかなんとか、そういうような論議が行われることが多いということで、米問題というのは単なる農業問題だけじゃなくて、それを取り巻く関連産業でありますとかあるいは地域経済あるいは国民経済に及ぼす影響が大きいというものを全体的に把握あるいは地域的に把握したかったということでやりましたので、私どももいろいろ能力、資料その他限界があって、おっしゃっておるようなこともやってみたいとは思うんですけれども、今の段階でやる余裕とあれがちょっとないので御理解いただきたいと思います。
○上野雄文君 どうも飛び入りの質問みたいなことを申し上げて御無礼しましたが、それじゃ、私の本来の質問を申し上げたいと思います。 きょうは長官、何やかんや今大変な時期に出ていただきまして恐縮です。ちょうど五カ月前、議事録を見てみますと、ことしの六月一日に前の林野庁長官に私が質問をいたしました。あのときは林野庁長官の私的諮問機関ですか、熱帯林の問題について、ちょうどその中間報告が出たときでしたから、そのことを柱にしていろいろお尋ねをしたんですね。それで、ちょうど五カ月後に質問する時期になりましたら、八月三十一日にIPCCからこれも報告が出ておりまして、その問題の中で森林の果たすべき役割ということについて記述してあります。 実は政府委員室の方にお尋ねして、第一次評価報告書の概要というのをあったらお届け願いたいというふうに言いましたところ、ちょっとそれはというので、環境庁の方に仮訳で出ておりますのを届けていただきました。まさに仮訳でありまして、直訳のような文章ばっかりなものですから読むのに頭が痛くなるような、これを英文に直すならばこの文章で直した方が直しやすい。そういう文章でして、一生懸命読んだのですが、その中身のことは別にいたしましても、やっぱりCO2の問題、酸性雨による山荒らしの問題であるとか、それから森林の果たすべき大変大きな役割というようなことについて指摘されていると思うんです。さきの長官の諮問機関の中間報告の問題と絡めて、国際的な日本の役割というものについて、続けて出ましたから、長官はどういうふうに今度の報告書を見てお考えになっておられるのか、その辺をまずお尋ねをしたいと思うんです。
○政府委員(小澤普照君) 今先生お尋ねの、またお話のございました熱帯林に関する中間報告は、これは私ども大来佐武郎先生に座長になっていただきまして開いていたものでございまして、この中間報告の正式の名称は、熱帯林問題に関する懇談会中間報告ということになっております。 この主たる内容は、先生がおっしゃいますように、まさに今熱帯林の課題というのが我々先進国も皆含めまして共通のテーマになっております。いかにして熱帯林の劣化を防止するか、あるいは回復措置を図るかということが重要になっておりまして、そういう意味でこの中間報告の骨子も、まず地球を緑にしなければいけないということで、緑の地球を経営すべきであるということから実は報告が説き起こされておりまして、そのような中で幾つかの提言がされておるわけでございます。 具体的な提言といたしましては、日本がやはり熱帯林にいろいろとかかわっていることはもう事実でございますし、そのような観点からも我が国がいろいろとこの熱帯林対策についての行動を起こすべきであるということが提言されているわけでございます。その中で主なものは、まず緑の地球経営シニアフォレスター会議を開催しなさいということでございます。つまり、これは森林とか林業の専門家が国際的に集まってディスカッションをやり、本格的な熱帯林対策を講ずべきであるということでございます。そのほか緑の緊急保全十カ年計画ということで、緑の回復をすべきである、あるいは劣化防止をすべきである、このようなことになってございます。 詳しいことは省略させていただきますけれども、そういうようなことを基本として熱帯林問題に取り組むべきであるということでございまして、私どももこの中間報告につきましては前向きに受けとめまして、この対策の推進に努力をいたしたいということを考えておりまして、平成三年度の予算要求の中におきましても諸種の要求をさせていただいております。 それから、酸性雨問題もヨーロッパでは深刻化しておりまして、我が国ではまだ顕在化はしていないというのでございますけれども、この問題も広まってしまってからでは遅いということで、本年度から全国千二百カ所の地点で観測プロットを設けまして、影響があらわれているかいないか、また土壌条件その他に変化があるかないかということも調査をいたしておりまして、我が国の森林もまた熱帯林も、広く各国の森林というものがすべて環境保全なり、国土保全はもちろんでございますけれども、各種の効果を発揮しているわけでございますから、このようなものを各国が協力しながらですけれども森林の整備に努めなければならないという観点から考えて、我々も努力してまいりたいと考えております。
○上野雄文君 材木の問題ですね。考えてみると、米が自由化されると材木みたいな状態になってくるんではないかというのは、これは絶好のお手本ですね。外材依存が七〇%ということになった結果は国内の材価の低迷を招いて、林業全体がずっと落ち込んできてしまったということになっているわけなんで、そういう点から米の問題なんかは我々もっともっと真剣にならなければ大変なことになるよということなんですが、問題は、国産材を守るということになれば国際的なそういう批判の中でもっともっと国産材を大事にする、つまり輸入を少しブレーキをかけるというようなことでも行わない限り、今の状態がずっと続いていってしまったら大変だ、こういう心配なんです。 林野庁はずっと合理化計画を続けてこられたわけですけれども、六十二年につくられた森林資源基本計画というそれの達成率はどうなんでしょうか。それから達成できなかった理由というのは何ですかというのをお聞きしたいんです。
○政府委員(小澤普照君) 我が国の森林整備につきましては、私ども森林資源に関する基本計画というものを策定して、これを基本として整備に当たっているわけでごさいます。 今先生お尋ねでございますけれども、この改定は昭和六十二年に行われまして、この骨子は、従来我が国の森林整備もいわゆる拡大造林を中心にして人工林の造成に努めてきたところでございますけれども、これをさらに進めるために新しい整備手法といたしまして、複層林の造成でございますとか、あるいは育成天然林の施業の導入でございますとか、多様な森林整備ということに方針を転換いたしつつあります。そのようなものを骨子として、さらに実際の施業計画につきましては、これに基づきまして六十三年度を開始時点とする十五カ年間の計画期間を持ちました全国森林計画というものを策定しておるわけでございます。 お尋ねの実行状況、あるいは達成率はどうかということになりますと、この十五カ年間の全国森林計画を年平均に引き直しまして、それに対して実際の造林等の状況がどうであったかということを計算してみる必要がございまして、これに基づきます達成率を計算してまいりますと、人工造林につきましては七一%でございます。複層林の造成につきましては一九%、これは開始してまだ間もないということもございますが、低うございます。それから育成天然林導入、これも新しい手法でございますが、五〇%の達成率でございます。それから間伐につきましては九〇%。林道の開設につきましては六四%という状況でございます。 なお、二点目のお尋ねは、このような達成率が一〇〇%ではないということでございますので、なぜそのようになっているかということと思いますけれども、この状況についての分析でございますが、私どもは、一つには山村の過疎化によりまして担い手が減少する、あるいは担い手が高齢化しているというようなことが挙げられます。 それからもう一つは、木材の問題、先生御指摘ございましたけれども、外材との競争をやっておりまして、外材が七割強入ってきております。このような状況でございますので、木材価格がどうしても低迷するという状況でございます。木材価格が低迷いたしますと、どうしても林業の収益性も低下する。もちろん林道というような基盤整備、それから機械化というようなことにつきましてもおくれという状況もございます。そのようなことがございまして、林業の生産の諸活動が停滞しているという状況にございまして、このようなものが背景にございまして達成率が低いというように見ているわけでございます。
○上野雄文君 外回りの話をされても、自分たちでここをこうすればやれたがなと、まあ特別会計で、おまえ借金しょっているんだから自分のところでやれといったってそうはなかなかうまくいきませんよと。これは民有林もひっくるめての話でしょうけれども、私の方でもうちょっとこうやれば、金があればな、一般会計からでも金を出してくれればもっとやれるんだと、そう理解していいですか。
○政府委員(小澤普照君) 今御指摘のお話は国有林の経営というような観点からおっしゃられているんじゃないかと思っておりますけれども、国有林には国有林の確かに諸課題がございまして、これのまた解決策を根本的に考えるという状況で、私ども鋭意今検討作業も進めているところでございますけれども、一般の林業につきましてもやはり似たような状況もございます。それは今まで申し上げました担い手の高齢化の問題でございますとか、あるいは基盤整備のおくれというような共通した課題もございまして、それにつきましては私どもこのおくれを取り返すべく諸施策を講ずる必要がございますし、また担い手が対策につきましても鋭意検討するということで取り組んでおります。国有林につきましては、現在、検討を進めている段階でございます。
○上野雄文君 じゃ労働力の問題で具体的にどうされますか。これいろいろ資料を見せていただくと、若い人が年とって、四十年あるいは五十年あたりから見てもいいですが、ただそれが上へ上へと行って後から補充されないという労働力の現状だと私は認識していますが、長官も同じだと思うんですね。どうやったらいいかなという点はいかがですか。
○政府委員(小澤普照君) この労働力の問題につきましては、確かに高齢化の問題が一つございますが、同時に減少の過程にございます。それで数字を申し上げますと、昭和五十五年には林業就業者数は十九万人おったわけでございますけれども、平成元年には十二万人に減少してございます。それから、高齢化ということでございますけれども、五十歳以上の占める割合は昭和六十年には五九%、六割弱という状況に実はなっておるわけでございます。このようなことはまさに労働力の弱体化ということでございまして、このような中では今、戦後、造林をいたしました人工林中心に成長が大変旺盛でございまして、貯金はふえつつある状況でございますけれど、これがいずれ一人前の国産材として世に出てくるときに果たしてこれを担い得るかどうかという問題がございまして、これらに備えるために林業労働力の育成確保策が喫緊の課題になっているわけでございます。このために現在、造林、林道等の生産基盤の整備や機械化の推進を図りまして、林業を効率のよい魅力ある産業に持っていかなきゃいけないということを考えておりますし、それからもう一つ、そういう就労の場を提供できるための林業事業体の育成強化策が必要であるというように考えております。 それからもう一つは、林業就業者の生活の場でございます山村地域の定住環境の整備というような各般の施策を講ずる必要がございまして、平成二年度から担い手の育成確保を図るという観点で林業担い手育成総合対策を実施しているところでございます。また、来年度につきましても、月給制の導入でございますとか社会保険の加入等の就業条件の改善を図るということ、技術習得を促進させるということ、それから高性能機械の導入、これは最近外国では高性能機械が目覚ましい発達をしておりまして、このようなものを我が国にも導入したいということでございます。 それから、事業の共同化等、これらの推進策をとりまして担い手の育成なり事業体の体質強化を図ってまいりたいということで概算要求も行っているところでございます。
○上野雄文君 我々ずっと今まで林野庁の問題に絡んで議論をしてまいりまして、ここのところ連日団交をおやりになって、私たちや自民党の皆さんとも相談をして、労使合意の上で仕事が進められるということでやっておられますから、通産省であるとか、あるいは新行革審がそうなるかどうかはこれからの問題ですが、私ども横っちょから口出しをするようなことは余りしたくない、こう思っています。ですけれども、やっぱりいろいろ気になりますから、気になることだけはお尋ねをしておかなきゃいけないだろうというふうに思っていますので、今のあらましの労働力の問題などについてもお聞きをしたわけです。 森林整備事業のことについてもお尋ねしたいんですけれども、今のお考えになったような状況で事業全体が進んでいると評価できますか。
○政府委員(小澤普照君) 森林の整備事業につきましては、森林計画との対比につきましては、計画の水準には達しておらないということを先ほど御説明いたしたところでございますが、森林計画というのは一種のガイドラインといいますか、こういうところに整備を持っていきたいという計画を立てておりまして、民間の森林経営者でございますとか、あるいは国有林もこの傘下に入るわけでございますけれども、一種の誘導計画というような意味合いを持っております。それが諸般の情勢によりましてなかなか計画どおり達成されていないということでございますので、これを円滑に整備を進めていく必要が一方においてございます。 そこのところをどのようにしていくかということになるわけでございまして、現在、森林整備を計画的に進めるためにはどうしても数量の計画だけではなくて投資計画というようなものを定める必要があるのではないかというように考えているところでございます。そのような観点から森林整備五カ年計画を策定いたしたいということでございまして、この問題につきましては本年度予算の概算要求の中に織り込んで、その五カ年計画の策定の実現を目指しているところでございます。
○上野雄文君 国連平和協力法案と同じような議論をしたくないんですけれども、計画というのは、私は余り学がないんですが、プランと言うんだね。ガイドラインとプランというのは同じなんですか。今長官、ガイドラインだというふうに言っちゃうと、私は一つの指標というかそんなふうに思うんですよ。だけど計画がいつの間にかガイドラインになっちゃったんではどうもおかしくなるんじゃないのかな、派兵と派遣の違いみたいな話に。それよりももうちょっとひどいかなというふうに思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(小澤普照君) 私どもの方が策定しております森林計画の内容の問題になるかと思うんでございますけれども、これは端的に申し上げますと、林道は何千キロ開設する、あるいは造林は何万ヘクタールかというような数量と同時に、ガイドラインと申しましたのは、その達成の手法、施業の手法につきましても計画の中で入れております。いわゆる単層林施業あるいは復層林施業とか、先ほども若干申し上げましたけれども、そのような施業方法の内容等についても触れているのでそのように申したわけでございますけれども、いずれにしても計画ということでまとめてございまして、そのようなものを着実に実行していくことが我が国の森林の整備の状況をより高度にするということでやっておるわけでございます。
○上野雄文君 いろいろお話を伺っていても、何かすとんと落ちるものが私には感じられないんですね。これは私だけじゃなくて皆さんもそうなのではないかなというふうに思います。 国有林の問題についてもやっぱりどうしても触れたくなるんですけれども、何回も合理化計画を進めてこられたわけですね。そのたびに、これでやれます、やれますというお話がずっとどうにもならないで来ているという状況がある。今回、またさらにやられる。さっきも村沢理事からも、労働力の問題について言ったら、もっともっと労働力確保に努めていかなきゃいけないのに、何で国有林でどんどん減らさなきゃならないというようなことにいってしまうのかというのが私たちにはどうしてもわからない。 しかも、国有林の方の要員の問題についても、私たちが現場を歩いてみて、若い人が入ってくるというのは極めて少ないのが現実でしょう。一般民間の、先ほど社会保険の問題とかいろんなお話をされましたが、それと比べたら、言うならばきちっと林野庁の方で身分保障をされているという職場にも余り来ない。採らないということもありますが、それにしてもそのままそこで切ってしまったら後継者がいなくなりますから、大変なことなんだろうかと思うんです。 借金の問題も、きのうは長官の口からも聞かされました。二兆三千億、大変な問題ですね。一日三億五千万の利息という話も聞かされました。私が最初に質問をしたかっての秋山長官のときに、あの人は林野の職員の代表的な存在であって、もう本当に切なる思いで自分たちの仲間を整理しなきゃいかぬ、営林署もそれなりに手をつけなきゃいけないんだ、そういう本当にもうにじみ出るような感じを、私は質問をしながらも、ああこの人はやっぱり山役人の頂点に立って本当にその中で苦しみながらこの問題に取り組んでいるんだなというのを感じました。借金の問題もさることながら、おれたちのせいだけじゃないんだよということを声を大にしてやってもらいたいというのが私どもの気持ちなんです。 今度の合理化というのが出てくれば、私どもの地域の中にある営林署、営林署といったらみんな過疎地帯にあるでしょう。地域の中では今までそれぞれ大きな役割を果たしてきたでしょう。山の中へ行ったら営林署の方が、とにかく我々参議院議員が行くよりも向こうの方の人が偉いんですからね。そういう言い方をしては大変あれですが、我々素人が行ったって山のことなんというのはよくわかりませんが、あの人たちは生活に結びついて一緒に生きているわけですからね。そこの当該市長や町長がきのうは一緒に陳情を申し上げたわけですよ。おれたちの営林署をつぶされては本当に大変だという気持ちでいっぱいだと思うんです。今ごろ市町村長みんな忙しい時期なんです。私はきのう大臣から懇切丁寧に話をされましたからそのことをめぐっていろいろ申し上げません。ただ、長官が最後に私に言いましたよね、私の部屋はオープンです、いつでもだれでも来ているんな話をしてくださいと。そういう気持ちで対応してください。 私は今参議院の環境特別委員長を仰せつかっております。空気、水、もう密接不可分、山と切り離して考えることができません。環境委員会の方から横っちょから弾を撃つという話じゃないんです。私たちは、林野庁の仕事が国民から信頼されるように横から支えようとそういう気持ちでいるんですから、そのことをお忘れないように頼みたいと思うんです。 最後に、私どうしても聞きたいんですが、野党、とりわけ我々社会党、今度のいろんな合理化計画や何かについて、あなた方は我々を国連平和協力法の問題と同じように敵だと思っていますか。そこの所感を述べていただきたいと思います。
○政府委員(小澤普照君) 国有林の改善につきましては、長年にわたりまして労使あるいは関係者の皆様方の御理解、御支援をいただきながら努力をしてまいってきたわけでございますが、現在なかなか厳しい状況にございます。 そこで、私どもは過去の改善の努力を無にしないように、さらに本当に国有林の経営が健全化されまして国民の信頼を得るように何としてもしなきゃならないと決意を固めております。そのためには、関係者はもちろん国民すべてに理解をいた‐だくような国有林経営を目指してまいりたいと思っておりますので、先生の御質問の趣旨に、国民各層すべてに御理解いただくということをモットーにしてまいりたいので、それをもってお答えにさせていただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(山本富雄君) 本当に敬愛してやまない上野先生でございます。またきのうは、きょうの質問をお考えになったかどうかわかりませんけれどもキノコをわざわざ差し入れていただいて、しかもこんな大きなマイタケで、山で随分苦労してとられた、地元から来たばかりだ、こういう話で、これは冗談ではなしに、私本当に先生のお気持ちとそれから山を愛する気持ちというのを惻々として身に感じたわけでございます。けさはあれ、女房に油でいってもらって、確かに食べてまいりました。 いずれにいたしましても先生、私も山で育ちまして、海のことは余りよく知りませんけれども、山のことは、山の中で育ちましたから、キノコでもカラマツ林でも、あるいは枝打ちでも間伐作業道でも多少ずつ身に覚えがございます。 そこで、今盛んにウルグアイ・ラウンドで米を守れ米を守れとやっています。そして、水田稲作というのは日本の環境を守っているんだと、こういうふうに日にち毎日言っているんですけれども、それじゃお米の水田にしたところが、田んぼの上は畑ですよね。群馬県なんかに行くと全部やっぱり桑畑ですよ。その上が林なんです。ですから、山と森林と畑と水田というのは不離一体なんです。ですから、やっぱり山を守らなきゃ水田を守ることにはならないというのが私の実感であります。 そこで、一番問題になる国有林でございますが、これは本当に頭が痛い。日にち毎日熱心な先生方が続々と全国各地の市町村長さんあるいは現場の方々をお連れになりまして、そこにいらっしゃる村沢先生なんかは三日に一遍ぐらい必ずおいでになるわけでございますが、非常に御熱心でございます。私、言葉に窮しますけれども、うそは言わないつもりで実情は話しております。 問題はこういうことです。どんなことがあっても山を守らなくちゃならない。山を守るためにどうするか。金と人が必要なんだと。その人はどんどん老齢化しちゃっているんだ。その老齢化して少なくなっている人をなおかつ削るということを我々がもしやらなくちゃならないとすれば、これはやっぱり身を切る覚悟でやらないといけないぞというのが私の信念です。 それから金は、これは林野庁長官が私に再々教えているんですけれども、戦後この方戦災復興の木材の供出からですよ。あるいは続々外地から帰ってきた人たちに何とかして食う物を与えなきゃならないというので、みんなで開墾をやるために国有林を全部開放したんです。そして、お金にならなかったけれども、保安林というものをしっかり守ったために今日日本があるというふうなことを考えますと、今はこんなにやせ細ったけれども、それはだれのためにやせ細ったんだ。国のため、国民のためにこうなったんですよ。そのことを私は各党の先生方を通じ大蔵省の皆さんにしっかり訴えなくちゃならないというふうに思っております。 林政審の中間答申が出ました。そこで、あれも社会党の先生方、野党の先生方にもよくお示しをいたしながら、私は政府・自民党だけでできるなんということは思っておりません。これは本当に国会決議、米じゃありませんけれども、与野党共闘でやらなきゃいかぬ。先生が敵に見えますか、とんでもない、最大の味方です、そう思っております。 ですから、どうかそういう気持ちで、ここ最後のところにやっぱりかかってきたんです。いわゆる累積債務をどうやって処理をしていこうかというところで、区分の問題から始まって、あるいは財産処分の問題から始まって、組織の変更から人員の問題まで、正直に申し上げますけれども、林野庁長官の手で日夜にわたって作業が続けられておる。もちろん組合の皆さん方、現場の皆さんとも相談しておりますから、しっかり相談しながら、しかし最後は政治家がさばかなきゃなりません。結局この場で相談をして決めるということですから、本音で話し合って、何としても日本の森林を守ろうと。 そして、これはだれの責任でもないんですから、今日ここまで来たということは、やっぱり我々の先輩が苦労をして四十五年間、日本を支えるために森林が荒れたわけですから、それを何とかするのも我々の手でやらなくちゃいかぬというつもりで、非常に不敏ですけれども一生懸命頑張りますから、ともどもやらせていただきたい、こう思っております。
○刈田貞子君 おくれて済みませんでした。 ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の問題が前段でお話があったというふうに思いますが、私はこのウルグアイ・ラウンド農業交渉のグループの中で、検疫・衛生作業部会の討議の現状についてお尋ねをしていきたいというふうに思います。 まず一番最初にお伺いしたいのは、今この農業交渉グループの中の検疫・衛生作業部会の討議の現状がどのようになっておるかをお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 農業交渉グループの中の議論のうち、今御指摘ございますように検疫・衛生部門が一つのテーマになっております。これは対象範囲は、動物防疫、植物防疫及び食品衛生の三分野ということになっております。この分野につきましては、今のガットの規定で現行二十条の(b)というところがございまして、通常のガットの原則の例外といたしまして、人、動物または植物の生命または健康の保護のために必要な措置を講ずることができると認められているわけでございます。 これにつきましては、プンタデルエステ宣言のときに、ガットの一般的な原則からいって検疫・衛生規則及び障壁が農業貿易に与える悪影響を最小限にすることということが宣言の中に入っておりまして、八八年九月に農業交渉グループの中に今先生からお話がございました検疫・衛生に関する作業部会というものを設置してきております。その作業の経過の中で中間見通しの合意というものがなされておりまして、そこでは、本分野に関係する国際専門機関が作成する適切な基準を基礎として各国の検疫・衛生措置の調和を図ることということ、それから各国の措置の通報手続それから紛争処理手続を改善することというようなことが中間合意でできおります。 こうしたものを受けまして我が国といたしましては、昨年の十一月それから本年二月、二回にわたりまして提案を出しているわけでございますが、その中では、正当な科学的根拠に基づきまして各国の検疫・衛生措置の調和を図ることということ、それからその際各国の衛生的あるいは地理的な条件、食習慣等の違いのために国際的な指針または基準よりも厳しい措置を採用せざるを得ない場合があることを認められるべきであるというようなことを内容とした主張を行っているわけでございます。 この分野は御承知のような科学的と申しますか、問題に基づく作業でございますので、他の農業の分野に比較して作業が進んでおりまして、今申しましたような調和の問題、それから日本が主張いたしました食習慣とか地理的条件、衛生的条件というようなものの違いによる厳しい措置を採用するというような問題についての議論が進められているところでございます。
○刈田貞子君 そこで、今我が国の立場についてお伺いをするわけですが、かの宣言の中の農業貿易に与える悪影響を最小限にするというこの課題ですね。その悪影響というのは、このガット二十条前文のところのその任意の「若しくは正当と認められない差別待遇の手段となるような方法」、あるいはまた「国際貿易の偽装された制限となるような方法」というようなことをこの悪影響という言葉は指すのでしょうか、どうなんでしょうか。この悪影響とは何なのかということが一点。 それから二点目は、各国の検疫・衛生措置を調和することに合意したというふうなお話がございましたが、この調和とは何なのか。妥協なのか、緩和なのか、厳しくなるのか。この調和を合意したということは具体的には今後の状況としてどうなっていくのかという中身の問題です。それが二点目。 それから三点目は、我が国の主張としては国際基準よりも厳しい基準を設けることを主張したとおっしゃいました。これが受け入れられたのでしょうか、どうなのでしょうか。三点お伺いします。
○政府委員(川合淳二君) 第一点の悪影響という点でございますが、いわゆる検疫措置などが非関税障壁というふうな形で貿易に歪曲的な効果をもたらすということが悪影響というふうに考えたらよろしいかと思います。要するに、科学的な根拠を持たない基準などで検疫である種の障壁をつくっているということについての是正ということが一つ大きなテーマとしてあると思います。 二番目の問題とそれはかかわっていると思います。要するに各国でばらつきがあるということは、科学的根拠に基づいてばらつきがあるということであればよろしいわけでございますが、そうでないばらつきというのはどちらかにやはり悪影響を及ぼすような非関税障壁的要素があるというようなことだろうと思います。したがいまして、ここで大きなテーマとしてその悪影響を排除するということと、それから調和をとろうということはある意味では同じことを言おうとしていることと思います。したがいまして、今までの議論の中で国際的な専門機関が作成する指針または基準を基礎として調和を図ろうということになっておりますので、それはまさに科学的根拠に基づいて調和を図ろうということだろうと思っております。 その上に、御指摘がございました我が国のような条件、地理的、衛生的あるいは食生活によって厳しい措置を採用せざるを得ないような国についてはそういうことも認めるべきであるということを我が国も主張しておりまして、これはまだ細部あるいは具体的な問題について議論を残しておりますが、方向としてはそういう方向にかなり動いているというふうに申し上げてよろしいのではないかと思っております。
○刈田貞子君 輸入食品の安全性の問題というのは再三取り上げさせていただいて、そしていろいろ主張してきておりますけれども、そのやはり一番かなめのところの国際貿易機構と申しましょうか、ウルグアイ・ラウンドの場において今この種のことが討議されているということは割合知られていない。こういうことをやはりもっとPRをしていかなければならないというふうに思います。この検疫・衛生作業部会の論議は実は非常に重要な討議をしているというふうに思うんですが、米の問題だけが浮上していて、この作業部会の話は全く陰に回っている。私はこれはまことに遺憾だというふうに思いますので、どうぞ農水省も厚生省もこの点のところをどんどん流すべきだというふうに思うんです。そして今おっしゃられたように、我が国は我が国の衛生状況、そして地理的状況、さらには食習慣、慣習、慣行、文化、こういうものをもって我が国の厳しい立場を主張しているんだということをやっぱり私は国民に示すべきだと思うんですね。 私どもが得ている情報では、この部会でアメリカがかなりのイニシアチブを持っているという話を聞いております。アメリカは今デラニー条項等を緩和していこうという動きがありまして、その流れの中でこの作業部会であのアメリカが今進めようとしている食品行政が主張されて、そちらに調和されるというようなことになれば、これは私どもは大変危惧する状況になるだろうというふうに思うんです。先ほど来から調和とは何なのかということを一生懸命お伺いしているのはそういう問題があるからでございますが、このアメリカのイニシアチブというのはどんなふうになっておりますでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) この問題につきましては、若干他の農業問題と違う要素があろうと思います。今御指摘のように、アメリカにつきましても決して私ども満足できる態度ではないと思いますが、衛生問題については御承知のように厚生省にゆだねられておる点がありますのでそちらについてまで申し上げるのはやや僣越かと思いますが、私どもの検疫問題でとらえてみますと、やはり検疫について厳しい態度をとっておりますのは日本のような島国、あるいはアメリカのような新しい国、ヨーロッパに比べてという意味でございますが、それに対しまして大陸であるECは、こういう問題については、言葉を選ばずに申しあげますと、やや大ざっぱと申しますか、というようなところがございます。したがいまして、どちらかというと日本とアメリカは比較的近い立場にある点もあるわけでございます。 そういう中で、今のような先生の御指摘でございますが、ここで言っております私どもが主張しております地理的条件とか、あるいは食習慣というのは、やはり日本のような島国、これは非常に清浄な地域であるわけでございますので、それはそれとしての主張、ですから日本独自のそういう基準もできるということも当然あるわけでございますので、もちろん科学的根拠がなければいけないということでございますが、そういう立場に立って今議論をしているということでございます。
○刈田貞子君 厚生省はこれについて何か言い分がありますか。
○説明員(難波江君) 乳肉衛生課長でございますが、所管外でございますので御答弁は御勘弁いただきたいと思います。
○刈田貞子君 後から伺います。 食品衛生に関してはやはり厚生省の方の分野ですから、今後ガット交渉の中でどんな立場をとっておるのか把握していてほしいなというふうに思うわけです。 じゃ、話を先に進めまして、実はつい最近台湾産の豚肉からの抗菌剤の検出という話があって、きょう厚生省さんに来ていただいているわけですが、実はこのスルファジミジンの話は私は六十三年の三月にも、あのときはアメリカの豚肉と、それから台湾産の豚肉とからやはり検出されたということで質問をいたしております。 まず、台湾産の豚肉の抗菌剤の問題について厚生省さんお答えください。
○説明員(難波江君) お答え申し上げます。 国内の収去検査によりまして台湾産の豚肉から抗菌性物質でございますスルファジミジンの残留が判明いたしましたために、台湾側に残留原因の究明、それから従来からとられてきた対策等の再点検等を要請するとともに、本年の十月の八日以降当該処理場で処理された豚肉については全ロット、それからその他の処理場で処理されたものについては一〇%のサンプリング検査を検疫所に指示したところでございます。その後、輸入時のサンプリング検査におきましてさらに二件の残留が判明いたしましたために、十月の二十六日以降輸入時にすべてのロットについて検査を実施するとともに、台湾側に対しまして重ねて原因の究明、対策の強化を要請したところでございます。
○刈田貞子君 六十三年のときに私が御質問しましたときも、こうした日本の食品衛生法ではサルファ剤がこんなのは出ちゃいけないんだと、だからすべての台湾産の豚肉については輸入時に全ロット検査を行うような体制をとったというふうに難波さんは答えているわけですね。それはそのときの一時的な体制だったんですか。
○説明員(難波江君) 先生御指摘のとおり、昭和六十三年の三月にアメリカ及び台湾産の豚肉からスルファジミジンの残留が判明いたしまして、台湾側に対しまして動物用薬品の使用規制状況でございますとか、その他詳しい情報の提供とか原因の究明、それから残留防止対策の実施等について強く要請をしたところでございます。と同時に、先生御指摘のように輸入時にすべてのロットについての検査体制に入ったところでございます。 その後台湾側から生産者に対する指導の徹底でございますとか、処理場段階における農場の特定あるいは自主検査の実施、さらに輸出時における台湾側の公的検査機関による検査体制の整備等残留防止対策がとられたというような報告がございますし、その後の検査成績その他からそれらの実効性が確保できるという判断がございまして、六十三年の六月十日以降につきましては、輸出ロットごとに台湾側の公的検査機関が実施いたしております検査結果を受け入れ、輸入時の検査を省略、もちろん証明書の添付されたものにつきまして輸入時の検査を省略するという措置を講じてきたところでございます。
○刈田貞子君 だから全ロットの検査というのはたった三カ月しかやっていないわけですよね。それは確かにこうした検査体制をしくということは非常に大変なことだろうというふうに私思いますけれども、来年牛肉の自由化もスタートすることだし、私はこうした食肉の輸入に対しては多くの主婦たち、国民が大変心配をいろいろしておるということで、今の状況を伺っても、サルファ剤がこんなに検出されたといっても全ロットの検査はたった三カ月で、三カ月未満ですよね、これをやめてしまったというような体制で、今後来年から一体どんなふうにこうした食肉の受け入れをしていくのかなというのが大変危惧されるわけでございます。 重ねて伺いますけれども、なぜ台湾産のこの豚肉についてこのような事例が出てくるんでしょうか。あちらの現状を調査なさったことがありますか。
○説明員(難波江君) 先生御指摘のとおり、六十三年当時検出がございまして、その後台湾側で対策がとられた、しかし、その対策につきましては、少なくとも対日輸出に限りかなり厳しい体制の中でのチェック体制がとられたというふうに我々理解をしていたわけでございます。今回の事例につきましては、さらに重ねて調査を強く求めておりますが、想像するところ、国内体制と申しましょうか、輸出用についてはしっかりやっているけれども、国内用の全般的な豚に対する医薬品の使用の状況でございますとか検査体制が必ずしも十分とれてなかったんじゃないか、そういうものが日本側の輸入時の検査体制がないというか、省略をしているという事例で紛れ込んだのではないかというのも一つの推測としてあるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後一〇〇%検査体制の中で台湾側によく説明を求め、それらの原因を追求していただき、その排除に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○刈田貞子君 大臣、今も申し上げましたように、私はいつも安全性の問題ばかりお尋ねして大変恐縮なんですけれども、やはり食を所管する農水省の立場として見れば一番大事な仕事だというふうに思っています。そこでいつもこういうことを重ねるわけでございます。 さっきウルグアイ・ラウンドでこういう話がなされているのだと、とても大事な話なんだということで申し上げましたが、私はウルグアイ・ラウンドの場というのは輸出入国の貿易摩擦を調整する場ではあっても、やはり規制を緩和する場ではないというふうに思うんです。 そこで大臣、また来月にはあちらに行っていろんな交渉をなさるわけでしょうけれども、そのときにはやはり日本の食生活の水準というのでしょうか、あるいは公衆衛生の概念というのでしょうか、こうしたものをしっかりと主張していただいて、そして私どもが大変心配している事柄について訴えていただきたい、こんなふうに思いますけれども、いかがでございましょう。
○国務大臣(山本富雄君) 検疫及び衛生措置というのが、これはもう日本国民の命や健康を守るという意味で最も大事だと先生かねがね御関心が深うございまして、委員会でも御指摘がしばしばあるわけでございます。 先ほど来、我が川合経済局長との間で質疑応答がなされておりまして私聞いておりましたけれども、やはりこれは今先生がおっしゃったように、ガット交渉の場というのはこれは検疫・衛生問題、我が方は検疫ですけれども、これは緩める場所ではない、むしろきちんとすべき場所であると、国際的に、こういうふうに私も心得ております。いろいろ私、経済局長その他から聞いてみましたけれども、ECは歴史が長いせいもあるんでしょうか、ややわきが甘いなと、それから日本は非常に厳しゅうございます。日本人は非常に食生活の習慣が衛生的である、清潔を旨としているという民族性が出ているんでしょうか。それからアメリカもやはりこの点では非常に厳しゅうございまして、軌を一にする点が多いと、主張の点では違うところもございますが、そういうふうに私どもは受けとめております。 したがいまして、今申し上げたようなこと、先生が御指摘のような気持ちを旨といたしまして、そういう精神でひとつガットの場でも、ウルグアイ・ラウンドの場でもこの検疫問題についてはきちんと我が国の主張を厳しくしてまいりたい。それはレベルはあると思います。しかし国際基準というのはあくまでも基準でございまして、各国の状況というものはその民族性によってもあるわけでございますから、それを踏んまえてきちんと指摘をして主張してまいりたいとこう思っております。
○刈田貞子君 さっき私が申し上げましたアメリカのデラニー条項というのは、一切の発がん物質を認めないという大変厳しい条項でしょう。だけれども、あれが今緩和されようとしている。そのかわりに、今アメリカの消費者団体の人たちが非常に心配しているのが、デミニミス理論というのが出てきましたでしょう。デミニミスというのは本当にデラニーから見れば甘い条件になっていくわけですね、理論。私はこうしたアメリカの国内変化というものを受け入れてはいけないし、そういうものがガットの場で調和されていくようでは大変困るということをきょうの主張にしていきたいと思って実はこの問題を提起いたしましたので、大臣もぜひよろしくその点お願いしたいというふうに思います。 豚肉を問題にいたしましたので、ついでに我が国の豚肉の価格の問題について局長に一言お伺いをしたいわけですが、豚肉の価格が下落しております。生産者が大変に基準価格を割っておるということで今困っているところです。まずその点の現状と対策について。
○政府委員(岩崎充利君) 本年度の豚肉の卸売価格についてでございますが、夏場の七、八月には安定上位価格を超えてましてかなり高い水準で推移してきておりましたが、九月以降徐々に低下、十月下旬になりまして急落というような形で、先週は安定基準価格を大幅に下回る価格ということになっております。 このような価格低下の原因を考えてみますと、一つは例年秋になりますと肉豚の出荷頭数が著しく増加する、それで卸売価格が低下するという季節的なパターンが一つございます。 それからもう一つは、家計消費は前年並みということになっておりますが、加工原料用の需要が前年を下回っているということがありますが、このほかに市場関係者の話等々もお伺いしてみますと、夏場の場合にかなり高い水準でいったものですからその高値の反動があるというようなことを申す方もおられます。今回の卸売価格も私ども基本的には例年の季節的な要因によるものであるというふうに考えておりますが、先生御指摘のように、安定基準価格を大幅に割り込むような価格水準が続くということは生産者の生産意欲等々にとってもこれはゆゆしい問題だということもありまして、私どもといたしましては、先週から食肉加工メーカーなり、全農等に対しまして市場におきまして価格低下に即応した積極的な購入の指導を要請するということをやっております。 それからもう一つは、各都道府県に食肉消費対策協議会というものをつくっておりますが、これを通じまして値引き特別販売の実施等々を指導いたしまして豚肉消費の拡大も図るというようなことにいたしております。 最近時の卸売価格を見てみますと、先週を底値ということで徐々に回復に向かっておるというふうに思っておりますが、今後とも価格の動向を慎重に見守りながら豚肉価格の安定に努めてまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 季節的な変動もあるんだというふうにおっしゃるんですけれども、これは安くなっても消費現場には安くなってこないという現象があります。これはいつも私ども消費者団体からも大変問題にされるところなんですけれども、東京都の小売物価統計で見ますと、今、九月以降下がってきている豚肉の卸の価格に全然比例していない。六月にロースで百グラム二百十円が十二円、十三円とむしろ上がっているんですよ。ことしそれは卸が下がったのがすぐに反映するとは思いません。けれども、市場というか、消費現場ではそうだということ。 それから肩肉で言えば、六月に百五十二円のところが百五十四円になっている、百グラムですよ。だから、生産者が安くたたかれる分だけ消費者がそのメリットを決して受けていないわけです。やっぱりこの辺のところもきちっと精査していただいて、微妙にそれが反応していくようなことでなければならないんじゃないかなと思うんだけれども、これは常に言われていること、この辺のところはいかがでしょうか。
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のとおり、卸売価格の低下を消費者価格にできる限り反映させるということは非常に重要だというふうに考えております。ただ、豚肉の場合は年間を通じてかなり卸売価格というのは変動するということでございまして、例えば、ことしを例にとりますと、ことし七月、八月にはかなり卸売価格は高い水準で来ておりますが、小売価格はそれに全く連動した形で上がっているという形じゃなくて、小売価格の方が滑らかな線で動いている、こういう形になります。 今の先生の御指摘の具体的な数字等々について若干申し上げますと、卸売価格が四月現在で五百二十七円のときに、小売価格は百五十二円でございましたが、八月では卸売価格が六百二十九円になっておりますが、小売価格は百五十六円でございます。それで、ただいま御指摘の十月では三百九十二円というふうに安くなっても小売価格は百五十四円ということで、小売価格の方はやっぱり反応の仕方はどうしても鈍くなるという形の中での推移ということでございますが、このような状況を踏まえながらも、やはり基本的には卸売価格にできる限り即応した消費者価格を実現するという観点から、先ほどもちょっと申し上げましたが、各都道府県の食肉販売店で組織されます食肉消費対策協議会というものを通じながら、地域ぐるみで各販売店が特別販売を実施して消費拡大を図るというようなこと等も私ども指導しているというところでございます。
○刈田貞子君 よろしくお願いします。
○林紀子君 私は前回の農水委員会で、日本の自動車企業がアメリカで、日本の農業は閉鎖的だからけしからぬ、こういうキャンペーンを行ったり、アメリカの輸入推進グループの農業団体に資金援助を行っていたという事実を取り上げました。ところが、この間こうした事実がさらに裏づけられるような出来事が報道されております。 先ほども御紹介がありましたけれども、九月の下旬から訪米した熊本県農協青壮年部協議会に対し、RMA、全米精米業者協会のデビッド・グレーブス会長が米の市場開放について、「一年も前から日本の経済団体の代表、レストラン経営者から、応援するから自由化を働きかけてほしいと言われている」などと答え、農協の代表の方々は大変驚くと同時に、我が国の財界に対して改めて不信と怒りの念を禁じ得なかった、こういうことが報道されております。 そこで、農水省にお聞きしたいのですが、RMAのグレーブス会長が述べた日本の経済団体の代表、レストラン経営者とはどういった団体、企業でしょうか。きのうの質問通告の際に調査をして答えてほしいということをお願いしておきましたので、具体的な団体名、企業名を明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) 今の点につきまして、率直に申し上げまして具体的にどういう団体、どういうレストラン経営者だったかということについて私ども承知しておりません。 今のお話の点に関連して二点だけ申し上げてみますと、一つはやはりRMAの会長がこういうふうに言ったという記事でございますけれども、向こうの一つの戦術といたしまして、自分のところのアメリカの利益だけではなくて、それが日本の中にそういうことを言う人がいるということをもって対話の相手の方に一つの力をかけている、そういうことを言っているという点が一つだろうと思います。それからもう一つは、やはり具体的に直接的な自分の利害というもの、あるいは農業に対する十分な理解がないままにそういうことを働きかけている一部の人がいるのかなということを感じるわけでございます。 繰り返して申し上げますと、具体的に先生御指摘のようなRMAの記事は早速読ませていただきましたけれども、私どもその相手の方から聞き出す手段を持っておりません。具体的にどういう経営者、どういう団体が働きかけたかは不明でございます。
○林紀子君 一つの戦術ではないかとうお話もあるわけですけれども、私もこの問題は大変重要な問題だと思いまして、独自にできる限り調査をいたしました。そして、熊本県のこの県農協青壮年部の中尾さんとおっしゃる副委員長さんですけれども、連絡をとることができたわけですが、そこでお話を聞くと同時に、ちょうどきょう熊本日日新聞という地元の新聞ですけれども、そこで「米国実情視察を聞く」という、これは座談会でしょうかインタビューでしょうか、その記事がかなり大きく載っておりました。 その中で、訪米いたしました山口清志副委員長がこういうことを言っているわけですね。「残念だったのは、日本の経済団体としストラン業界から「自由化をぜひして下さい」という要望書が、RMA会長の手元に来ている、という書類を見せつけられた」、こういうことまで言っているわけなんですね。この日本の経済団体としストラン業界というのは経団連としストラン協会である、こういうお話も伺っているわけです。ですから、中尾さんという副委員長は、このRMA、「敵陣に乗り込むといった感じで行ったが、意外なところに敵がいた。」、こういうふうに怒りを込めておっしゃるわけですね。また、アメリカのある企業経営の米農場、野村フードカンパニーというところだそうですけれども、「既にコメ自由化を見越して、日本の二百社ぐらいが日本国内での販売権に名乗りを上げている」、こういうことも実際に話を聞いてきた、こういうこともこの座談会で明らかにされているわけです。 私が前回の農水委員会でお伺いいたしましたときは、日産であるとか鈴木自動車であるとか一つの企業であったわけですけれども、ここに来て経団連という財界のまさに本丸というところが名前が出てきているわけなんですね。ですから、このことについてはぜひきちんと調べていただくと同時に、前回の農水委員会の質問に対しまして、鶴岡官房長は、産業界のリーダーに現在の事情を説明しながら理解を得ていくことが基本だというふうにたしかお答えになりました。それならば農水省は、こういう経団連やレストラン協会に対しまして、RMAを応援するから自由化を働きかけろ、こんなことを言うのはやめさせる、そして米をめぐる我が国の現状に理解を求めるためにすぐ行動を起こすべきときだと思いますが、その点についてはどうお考えになりますでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま私の方からお答えを申し上げましたように、やはり一つは、こういう米の問題、極めて重要な問題につきまして単に目先の個々の経営の利益、そういったことによって判断をするということは間違いであるということであります。さらにまた、農業の問題につきまして、貿易問題ということだけに限定をすることなく、具体的な地域農業における農業、米の重み、さらに水田農業の重さというものを十分理解していただくことが必要だというふうに思っております。したがいまして、農林省全体といたしましても機会をとらえましてそういう行動を起こさなければならないと思っておりますし、現に私自体の個人的な、個人的といいますか、食糧庁に限る問題でございますが、食糧庁関係の、先生おっしゃった財界に属しておられる方々、そういった方々について具体的に説明を行うというようなことにつきましても現に始めております。 そういう意味におきまして、農業の重さ、農業の重要性、我が国における米の大切さといったようなことも含めまして、今後とも関係の人、あるいはそういうふうなことを言ったと言われる御指摘の点についても私どもも説明をしていき、理解を求めるといいますか、そういう農林水産省の考え方を説明していかなきゃいけないというふうに思っております。
○林紀子君 大変大切な問題ですので大臣からもぜひ御答弁をいただきたいと思いますが、十月二十八日付の農業新聞の論説はこういうことを言っております。「日ごろまじめに働き、生活のためにも生来の農業のためにも、これだけはつぶしてはならないと米を守っている農家の目から見ると、こうした行為は国賊である。」、「もうけることだけを考えて社会秩序を国の方針を破って相手国を助けるような行為を、ほかにどのような呼び方があるだろうか。」。これはすべての農業に携っている方々の、また米の輸入自由化は絶対に許さない、安全な米を食べたいという日本の国民のその声じゃないかと思うわけです。 我が国の財界に対しましても、国会決議を体して、米は国内で自給する、市場開放はしない、相手国の米市場開放要求の支援を行うような非人道的、非倫理的な行為は行わないように毅然とした態度をとるべきときではないかと思いますが、経団連という名前が出てまいりましたので、大臣の決意のほどもぜひ伺いたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 農業農村とは食糧の安定供給という重要な使命を担っているほか、国土自然環境の保全、地域社会の維持などの多様な役割を果たしております。このため、我が国経済社会の調和ある発展のためには、工業などの他産業とバランスのとれた形で農業農村が健全に発展することが不可欠であると考えております。 農林水産省といたしましては、今後ともこのような農業農村の重要な役割について経済界を初めとする国民各界各層の御理解が得られるよう全力を尽くしてまいる所存でございます。
○林紀子君 ぜひ全力を尽くすということの中に理解を得るための具体的な行動を起こしていただきたいということを重ねてお願いしたいと思います。 そして、こうした財界の米市場開放の動きに呼応する動きではないかと思うわけですが、先ほど来質問もございましたが、いわゆる第三次行革審がきのう発足いたしました。会長には財界の代表である日経連会長の鈴木永二氏が就任いたしました。ところが鈴木永二氏は、まだ会長に就任する以前の十月十七日に海部首相あてに米市場開放を主要課題の一つとして取り上げるべきだと意見書を提出したと報道されております。 総務庁にお聞きしたいと思いますが、第三次行革審では米の市場開放問題を課題の一つとして取り上げる予定かどうかということを明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(松田隆利君) お答え申し上げます。 第三次行革審の庶務を担当しておりますので、その立場から御答弁させていただきます。 まさに昨日、行革審は発足したばかりでございまして、今後どのような問題を取り扱っていくのかということにつきましてはこれから検討をしていくということでございます。したがいまして、農業問題を含めまして今後どのような課題が審議課題になるかということにつきましては今後の検討にまたざるを得ないということでございます。 それから、先ほど先生の方から鈴木行革審会長の意見書についてお話がございました。委員に任命される以前のいわば個人的な問題でございますので、私ども全く関知はいたしておりませんが、昨日初会合後の記者会見におきましてその関係の質問が記者の皆さんからございまして、会長が申されますには、その意見書には米の自由化という問題は全く書いていない、かつ米の自由化の問題については極めて重要な問題であるので、まさに今ウルグアイ・ラウンドで議論がされている、そういう段階である。したがって、これを見守るのが適当であるというふうに申し上げているところでございます。
○林紀子君 第三次行革審の九人の委員、国会では我が党だけが反対いたしましたけれども、この九人の構成の中には一人も農民の代表、生産者の代表は加わっていないわけです。こうした第三次行革審で米市場開放を求める答申がなされた場合、農水大臣はどういう態度を表明されるのでしょうか。これまで政府は、第一次、第二次の行革審答申について最大限に尊重することを閣議決定してきたわけです。農水大臣、こういう場合最大限に尊重されるのでしょうか。最後にその辺伺いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 行革審が今後審議するに際しまして、今お話がありましたように議題が決まっていないわけでございます。行革審の審議が仮に農林関係を対象にする場合には、私どもにも十分意見を申させていただく機会が従来の例から見て与えられますので、さようなことにならないように十分我々の意見を、もし仮に議題になればそういうことにならないようにしていきたいというふうに考えております。
○林紀子君 終わります。
○井上哲夫君 最後のようでありますが、刈田委員が質問されたことに関連するところからお尋ねしたいと思います。 食品の輸入、それに対する残留農薬等の問題でございますが、最近の新聞では輸入レモンから残留農薬が発見された。それで一時輸入レモンは禁止とかで国産のレモンがどうなるか、こういうふうな見出しの記事があったわけでございますが、この輸入レモンの残留農薬の発見による輸入の禁止というようなことの実情といいますか、発見の端緒も加えましてその点お尋ねをいたしたいと思います。
○説明員(牧野利孝君) 輸入レモンを分析機関で検査した結果、2・4Dという農薬が検出されたとの報道があったことは私ども承知しております。今回の検出は市販の輸入レモンをことしの七月に検査したものでございまして、その結果は〇・〇四から〇・六八ppmの残留値だったと承知しております。 なお、今回報道されております検出量につきまして見れば、輸入レモンにつきましては直ちに安全性に問題はないというふうに考えております。
○井上哲夫君 直ちに安全性に問題はないというのは、もう少し具体的に説明を願いたいと思うのです。 さらに、残留農薬の濃度だけではわからないと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(牧野利孝君) 先ほど御紹介いたしました2・4Dという農薬が検出されたわけでございますけれども、その2・4Dの安全性に関する情報、毒性に関する情報でございますけれども、それと私ども国民が摂取しておりますかんきつ類の量、こういったものから評価いたしまして、今回検出された濃度は安全性の面から見て問題はないというふうに考えております。
○井上哲夫君 そうすると、輸入の停止なり禁止なりという措置はとられていないということでございますか。
○説明員(牧野利孝君) 今回は安全性の面から問題はないというふうに考えておりますので、今御指摘の措置はとっておらないわけでございます。
○井上哲夫君 これまでに例えば輸入を一時停止しなければならないとか、あるいは残留農薬の問題でレモンに関して憂慮すべき事態というのはなかったわけでございますか。
○説明員(牧野利孝君) 最近はそのような事例はございません。
○井上哲夫君 最近はというのはいつまでですか。
○説明員(牧野利孝君) ずっと以前でございますが、年度はちょっと私も承知しておりませんけれども、食品添加物の問題からOPPでございますか、そういったもので廃棄処分した例はございますけれども、安全性の面で問題になった事例は私ども特に承知していないわけでございます。
○井上哲夫君 そうすると、今後も輸入レモンに関しては安全性の面で危惧しなければならないような事態はないと考えるわけでしょうか。
○説明員(牧野利孝君) 今回検出されました濃度では問題はないというふうに考えております。
○井上哲夫君 私がお尋ねしたいことは、今国産のレモンというのは極めて少量であるわけです。将来とも輸入レモンが残留農薬の問題で一時的に国内に入らないということがあった場合に、国産のレモンが今のような非常に輸入レモンに押されてほとんど国内産がないというような事態でいいのかどうか、その点で国内産の促進といいますか普及ということは考えなくてもいいのかどうか、その点もお尋ねしたいと思います。
○政府委員(安橋隆雄君) 国産のレモンでございますが、輸入が自由化されます前の昭和三十八年には百四十四ヘクタールで千二百トンの生産がございました。しかしながら、三十九年五月に輸入の自由化がございまして、それを契機に生産が減りまして、昭和四十六年には二十二ヘクタール、百四十四ヘクタールから二十二ヘクタールに減ってございます。しかし、その後、国産レモンに対します消費者の評価の見直しというようなことがございまして、最近でございますと、昭和六十三年の数字でございますが、百六十六ヘクタール、約二千二百トンの生産が国内で行われているというような現況になっております。 なお、レモンを含めましてユズでございますとかスダチだとかカボスというようないわゆる香酸かんきつ類でございますが、このようなものにつきましては今後も需要が増大するのではないかというふうに考えておりますので、農林水産省といたしましては樹園地の整備でございますとか、あるいは共同利用施設、集出荷施設等の整備につきまして助成をしてきているわけでございまして、これらの活用を通じまして産地の育成が図られるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○井上哲夫君 次に、ちょっと御通告をしておりませんので恐縮なんですが、大臣にお尋ねをしたいと思います。 いつも私の質問は終わりの方でありまして、ほとんど米の問題についてお尋ねをしたことがない。常に重複をいたしますのでやめにしておるわけですが、きょう、実は先ほど大渕委員とか、上野委員が大臣に、米の自由化はするんじゃないかとみんな国民が心配しておるけれどもどうなんですかというような質問をされました。例えば、国会決議があるのに形骸化、つまりそれをないがしろにされるんじゃないかと思っているとか、あるいは三〇%の自由化のシミュレーションでは米も一〇%は減産されるとかいう記事が出たとか、三つ目には通算大臣のアメリカにおける発言があったとか、さらに四つ目には第三次行革審の鈴木会長の米の自由化論者ではないかとうかがわせるような記事が出たとか、さらに閣内は不一致ではないかというようないろんなことからお尋ねをされまして、大臣の方ではそういうことは一切ない、ウルグアイ・ラウンドの最終の交渉を前にしてそういうことはありませんとおっしゃってみえましたが、国民の多くはやっぱり今委員が尋ねられたような心配といいますか、そういうことを感じていると思うんです。 そこで、例えば昨年の消費税のときに政府、大蔵省は消費税が国民にわかってもらっておらぬということで、三億円ぐらいかけて意見広告を五大新聞ですか六大新聞に出しましたですね。米も自由化をしない方針で頑張りますという意見広告を、国内新聞じゃなくてニューヨーク・タイムズまで含めて出す、こういうことをやっても、三億円ぐらい使っても日本の農家は経費のむだ遣いだとは決して言わないと思うんです。御通告もせずにお尋ねをするのは恐縮でございますが、識見のみならず、お人柄がすこぶるいいという大臣ですので、その点ひとつお答えをいただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山本富雄君) 大変貴重な御意見でございますから、よく勉強させていただきます。
○井上哲夫君 ありがとうございます。 突然の御質問ですのでお答えはなかなかしにくかろうと思いますが、ひとつ総理大臣にも進言をされて、こういう話も農林水産の委員会で出たというようなことをお伝え願いたいと思います。 続いて、次の質問に移ります。 ミカンの園地転換の状況が殊のほかといいますか、予想以上に進んでいるというようなこれも新聞の報道がありました。 最終年度に、ミカンの園地転換、かんきつ類ですね、園池転換の予想面積というのが非常に少なくなっているというのは、そういう政策が行き渡ったという側面を見れば結構なことだということなんですが、廃園にする、あるいはほかの木を植えるということで予想以上に進んだとすると、奨励金その他の予算の問題で足りなくなっているんではないかということを心配する向きもあるわけですが、この園転の進展状況とそれから予算の問題について現状をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(安橋隆雄君) かんきつの転換対策でございますが、御案内のとおり、昭和六十三年度から平成二年度までの三カ年の計画で行うということで、ただいま二年目を終わりまして第三年度目の最終年度に入っているわけでございます。温州ミカンにつきましては目標といたしましては二万二千ヘクタール、中晩かんについては四千メクタールの転換を図る、こういう目標を立てたわけでございますが、この二年間で二万二千ヘクタールに対しまして温州ミカンで一万六千八百ヘクタール、中晩かんで四千ヘクタールに対しまして三千九百ヘクタールの転換が行われたわけでございます。そういうことで園地転換面積は目標の範囲内ではございますけれども、ただ助成単価の高い一年目に前倒し的に転換が行われたということが一つ、それからもう一つの理由といたしまして、やはり助成単価の高い廃園、植林というようなものが当初の予定よりも多かったことで予算の方が若干不足ぎみになっているというのが御指摘のとおりの事実でございます。 しかし、私どもといたしましては自由化対策の一環としてかんきつの需給均衡を図るということが必要でございますので、需給均衡を図るための園地転換の支障にならないように必要な予算の確保に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○井上哲夫君 もうあと一分しかないと見ておりますが、今の予算の枠を再見直しをしてもらいたいというような交渉といいますか、申し出はやってみえるわけでしょうか。その見通しも含めてお尋ねをいたします。
○政府委員(安橋隆雄君) 予算の点につきましては、ただいま申しましたように単価が高いものに集中いたしまして、面積的には範囲内だけれども足りなくなっておりますので、私どもといたしましては需給均衡回復のために必要な予算についてはその確保に万全の努力をしてまいりたいというふうに考えて、そのために既に財政当局の方とは相談に入っているというような状況でございます。
○井上哲夫君 ありがとうございました。
○理事(北修二君) 本調査に関する質疑はこの程度といたします。 ─────────────
○理事(北修二君) 次に、先般本委員会が行いました農林水産業の実情調査のための委員派遣につき、派遣委員の報告を聴取いたします。 第一班の報告をお願いいたします。青木幹雄君。
○青木幹雄君 御報告申し上げます。 去る九月十一日から十三日までの三日間にわたり、愛知、三重両県におきまして、農林水産業の実情を調査してまいりました。 派遣委員は、吉川委員長、細谷理事、井上理事、鈴木委員、三上委員、猪熊委員、林委員、喜屋武委員、星野委員、それに私、青木の十名でありました。 以下、日程に従って御報告申し上げます。 まず、愛知県では、県当局から本県の農林水産業の概要について説明を受けました。 本県は、農業粗生産額が常に全国の上位にある農業県で、特に園芸・畜産部門にすぐれ、販売金額一千万円以上の農家戸数は全国第二位にあります。林業は、森林面積こそ下位にあるものの、民有林人工林率は上位を占め、木材産業も盛んであります。水産業は、全般的に中位でありますが、ウナギ、クルマエビ等の生産量は第一位であります。県では二十一世紀愛知県農林漁業ビジョンを策定し、担い手が誇りと生きがいを持って取り組める農林漁業の実現を目指して、生産基盤の整備、後継者の育成等を進めております。 概況説明を聴取した後、豊橋市の南部にある豊川総合用水事業万場調整池に参りました。ここは渥美半島の農業を支えている豊川用水の渇水時対策としてつくられて貯水池で、貯水量は五百万トンに達し、この工法のものとしては世界一だということでありました。なお、池の造成に関連して、池の周辺では、畑地かんがい、農道整備等を行う畑地帯総合土地改良事業と、植栽等により環境整備を図る農業水利施設高度利用事業が行われておりました。 次に、渡辺崋山の出身地として知られる田原町を訪れて、農業集落排水処理施設を視察いたしました。視察した地区では、以前は、排水による河川の水質汚濁、農業被害、悪臭等に悩まされておりましたが、この施設の完成により悩みから解放されました。町当局の話では、未設置地区から早く設置してほしいとの強い要望があるとのことでありました。 同町では、農協の総合営農センターも視察いたしました。町の基幹作目は洋菜、花卉等ですが、それらの集出荷施設は以前は数カ所に分散していました。そこで一カ所に集めて近代化した結果、集出荷の合理化と施設の運営管理の円滑化が実現できたとのことでありました。 次に、赤羽根町で、南田総合生産団地を視察いたしました。この町は専業農家率が高く、その農業所得も高いため、後継者不足は全くないものの、嫁不足には困っているとのことでありました。視察した肉用牛肥育農家の話では、牛肉の自由化を控えて、これまでの乳用雄牛から価格の堅調な和牛に転換しつつあるものの、乳用雄牛の売り値よりも和牛子牛の購入価格の方が高いため、転換が円滑に進まないとのことでありました。 翌日は、渥美町を訪ね、まず、堀切施設園芸団地を視察いたしました。視察した農家は、アクリル板被覆ハウスの中で和菊の周年栽培をいたしておりますが、同じ木に繰り返し三度花を咲かせる三度切りと呼ぶ高度の技術によって生産コストの低減に成功しておりました。 愛知県で最後に視察したのは、渥美町の観葉植物専作経営であります。ドラセナ、ユッカ等が主力商品ですが、大きなハウスの中をフォークリフトが走り回るさまは緑の工場といった趣があり、これからの農業の発展方向の一つを示唆しているようでありました。 愛知県での視察終了後、伊良湖港から高速船に乗り、三重県の鳥羽に向かいました。 鳥羽では、まず、県当局から本県の農林水産業の概況説明を聴取いたしました。 本県は、農業粗生産額では全国の中位にありますが、茶、花木等は上位を占め、三重サツキ、松坂牛筆名の知られた特産品もあります。林業も、森林面積は全国の中位でございますが、杉、ヒノキを主体とした豊富な森林資源を有しております。水産業は全般的に全国の上位を占め、真珠などの海面養殖業が大きく伸びてきております。県としては、生産基盤の整備、後継者対策等を進め、足腰の強い活力ある農林水産業にしていきたいとのことでありました。 次に、鳥羽水族館を視察いたしました。ここは入場者数が何回も日本一になったところで、雨が降り霧が流れるアマゾンの自然をコンピューターを用いてそっくり再現するなど、工夫を凝らした展示が人気を呼んでおります。館長は、スタッフによる水質、海洋生物等の調査研究を進めるとともに、自然を守る大切さを訴えていきたいと話しておられました。 続いて、南勢町にある水産庁養殖研究所を訪ねました。この十年ほどの間に、水産養殖関係の研究はバイオテクノロジー等の活用により大きく進みましたが、この研究所でも、利用価値の大きい雌の魚だけを生産する技術、ヒラメの高密度養殖技術、ウナギの人工ふ化技術等の開発に大きな成果を上げているとのことでした。 翌日は、度会町に行きました。ここは伊勢茶の産地ですが、昨年四月、三十年ぶりに大きな霜害に遭ったため、昨年から今年にかけて防霜ファンを設置しました。これは上空の暖かい空気を地上に送風して茶の霜害を防止する装置で、大きな効果を発揮しており、県では今後も霜害を受けやすい茶栽培町村に順次設置していくとのことでした。 続いて大宮町を訪ね、ヒノキや杉の優良材を生産している大規模林業経営を視察してまいりました。ここでは、自力で高密度の林道網を整備し、高い生産性を実現しております。また、森林のよさを体験してもらうための施設である語らいの里を自力で造成中であります。経営者の方は、父親から山林を相続するときに巨額の相続税を払うため過伐せざるを得なかった苦い経験があるので、相続税の軽減対策をお願いしたいと語っておられました。 次に、同じ大宮町にある国産材需要開発センター「木つつ木館」を視察しました。この施設は、地元で生産される木材の需要を拡大するためにつくられたもので、木製の日用家具などが展示販売されており、都市と山村の交流の役割も果たしているとのことでありました。 次いで、玉城町に行き、カキの生産団地を視察しました。ここは本県で発見された早熟で病気に強い前川次郎ガキの団地で、三十九ヘクタールに及ぶ見事な果樹園が形成されておりました。 玉城町では、水田の協業経営も視察しました。稲作の生産性を向上させることは我が国農業の大きな課題ですが、ここでは協業による大型機械化作業体系によって高い労働性を実現した結果、生産費は一俵当たり約九千円という極めて低い水準になっております。県では、ここをモデルとして水稲生産費一万円運動を進めているとのことでありました。 以上が、今回の調査結果でありますが、本報告書で触れることのできなかった県当局からの要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただくようお願いを申し上げます。 最後に、今回の調査に当たって、御協力くださった方々に心から感謝申し上げ、報告を終わります。 〔理事北修二君退席、理事青木幹雄君着席〕
○理事(青木幹雄君) 次に、第二班の報告をお願い致します。北修二君。
○北修二君 委員派遣の御報告を申し上げます。 去る九月十二日から十四日までの三日間にわたり、北海道におきまして農林水産業の実情を調査してまいりました。 派遣委員は、村沢理事、高木委員、大渕委員、菅野委員、刈田委員、それに私、北の六名であります。 まず、北海道の農林水産業の概況についてでありますが、その主な内容は以下のとおりでございます。 まず、農業について見ると、本道は、全国の総耕地面積の二三%に当たる耕地を有し、専業農家を主体とした生産性の高い土地利用型農業を展開しております。また、農業粗生産額も一兆円を超え全国の一〇%のシェアを占め、多くの農産物が生産量全国一となっている等、本道農業は我が国の重要な食糧供給基地としての役割を着実に果たしております。しかしながら、近年、農産物の輸入自由化の発展、農産物価格の低迷等、困難な問題を抱えております。このため、本道のスケールメリットを生かした施策等の実施によるコストの一層の低減、加工等による付加価値の向上等が進められております。 次に林業について見ると、本道は森林蓄積が五億六千万立方メートルで全国の一九%を占めており、林業粗生産額も千二百六十九億円で全国の十四%を占める我が国最大の木材供給地域であります。本道の林業を取り巻く情勢は、外材主導の価格形成を余儀なくされ、木材価格が低迷を続けている等、厳しいものがあります。このため、林道用の整備を初めとする生産基盤の設備、木材産業の体質強化、森林の総合利用のための施設の設備等が進められております。 さらに、水産業について見ると、本道は海面漁業生産量が三百十三万五千トンで全国の二五%を占めるとともに、生産額でも三千七百八十五億円で全国の十五%を占め、我が国最大の水産基地としての役割を担っています。しかしながら、近年の国際的な漁業規制強化に伴い、北洋サケ・マス漁業を初めに遠洋、沖合漁業は極めて厳しい環境下に置かれており、本道周辺海域の有効利用が今後の重要な課題となっています。このため、周辺海域の特性を踏まえ、資源と漁場に見合う効率的な生産管理体制を築くとともに、水産物の高付加価値の優位性を最大限に発揮させる取り組みが進められています。 北海道からの主要な要望事項は、米の国内完全自給方針の堅持、乳製品、でん粉、雑豆、小麦等の現行輸入規制措置の堅持、林野公共事業予算の確保、日本海漁業振興対策の推進、北洋漁業関連地域振興対策の推進等でありました。 以下、北海道で視察いたしました箇所について、順次その概要を申し上げます。 まず、空知支庁管内に参りました。 同管内の農業は、稲作が中心で、水稲の作付面積が全道の四二%を占め全支庁管内中一位となっている北海道の代表的な稲作地帯であります。水稲では、きらら三九七等の良食味品種への移行が進んでおります。また、転作田での作付を主体とした野菜や花卉の生産が盛んになってきております。 また、同管内は、面積の六七%を森林に覆われ、林業も重要な産業となっています。 同管内では、まず、岩見沢市の道立中央農業試験場稲作部に参りました。同試験場では、優良新品種の早期開発等に取り組んでおります。試験場の当面の目標は、きらら三九七並みの食味のわせ種を育成することです。そして、ササニシキ並みの食味への到達に向けて努力しています。 次に奈井江町の稲作と花卉の複合経営農家に参りました。この農家は、転作作物として花卉栽培に取り組み、奈井江町花卉生産組合を設立して産地形成に努力しておられます。花卉は収益性は高いが価格の上下が激しいので、経営を安定させるには苦労が要るとのことです。 次に上川市庁管内に参りました。 同管内の農業は、作付面積が全道の二三%で全支庁管内中二位となっている稲作を主体に発展してきましたが、近年は、畑作、畜産に加え、野菜、花卉についても主産地形成が進み、本道の中核的な農業地帯として大いに発展が期待されております。 また、同管内では林業も盛んで、森林蓄積が全道の一三%で全支管内中三位であり、道内の主要な木材生産地帯となっています。 同管内では、まず、旭川市の道立林産試験場に参りました。同試験場では、集成材等の製造技術や、間伐材等の未利用・低利用材の付加価値向上技術等幅広い木材加工技術の改良、開発に取り組み、研究成果は広く民間企業に技術移転されているとのことです。実用化されたものとしては、木製サッシ等が挙げられるとのことです。 次に、当麻町の稲作と野菜の複合経営農家に参りました。この農家は、田畑輪換方式を導入した水稲と野菜の複合経営を行い、土づくりの実践による低位生産田の改良と田畑輪換による土地生産性の向上を図っておられます。 次に、愛別町の農事組合法人伏古生産組合に参りました。同組合では、構成員の所得拡大のため、キノコ栽培施設を導入し、キノコ専業農家の農地を中核農家に集積する等によって稲作の低コスト化を実現しておられます。 次に、網走支庁管内に参りました。 同管内の農業は、耕地面積で全道の一四%を占め、全支庁管内中二位となっており、畑作と酪農中心の大規模農業を展開しております。 また、同支庁管内の林業は、森林蓄積で全道の一七%を占め、全支庁管内中二位であり、道内の重要な木材供給地域となっています。 さらに、道管内は、水産業も盛んで、ホタテガイけた網漁業、サケ定置網漁業及び沖合底びき網漁業を中心に営まれ、漁業生産額は全支庁管内第四位で、全道の一三%を占めております。 同管内では、まず、湧別町の湧別漁業協同組合登江床水産加工所に参りました。同組合では、ホタテ稚貝の放流から加工まで一貫生産を行っております。近年好景気で、同加工所も人手の確保に苦労しているとのことです。 次に、佐呂間町の酪農と肉用牛の複合経営農家に参りました。この農家は、良質粗飼料の確保を重視するとともに、牛乳の固体管理による乳量の増加に取り組んでおられます。また、公共草地の利用、機械の共同利用等による生産コストの低減にも取り組んでおられるとのことです。 次に、北見市にある株式会社グリーンズ北見の農産物処理加工施設に参りました。この会社は、北見市及び市内三農協等が中心となって設立したもので、タマネギ、ホウレンソウ等の規格外品の処理加工を行い付加価値を高めることで、野菜生産農家の経営の安定に貢献しております。 最後に視察したのは、端野町の畑作農家でありました。この農家は、パソコンを導入した経営診断の実施による経営の省力化、有機物の施用等による土づくりや輪作の遵守による高品質生産、機械の共同利用による低コスト生産に取り組んでおられるとのことです。 以上が北海道における農林水産業の概況であります。 なお、本道における要望につきましては、本日の会議録の末尾に掲載していただきますようお願い申し上げます。 最後に、今回の調査に当たって特段の御配慮をいただきました方々に心から感謝の意を表しまして報告を終わります。 〔理事青木幹雄君退席、理事北修二君着席〕
○理事(北修二君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、ただいまの報告にありました現地の要望につきましては、それぞれを本日の会議録の末尾に掲載することといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時九分散会