決算委員会 第1号
- 発言数
- 326 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/10/31
会議録
○委員長(及川一夫君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十二日、沓掛哲男君が委員を辞任され、その補欠として秋山肇君が選任をされました。
○委員長(及川一夫君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(及川一夫君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十二年度決算外二件の審査並びに国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査のため、必要に応じ、政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることとし、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○委員長(及川一夫君) 昭和六十二年度決算外二件を議題といたします。 本日は、厚生省、労働省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。
○委員長(及川一夫君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川一夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
○委員長(及川一夫君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○種田誠君 私は、中小企業の労働力、人手不足の件につきまして、労働省の関係者の方々に質疑をしたいと思います。 昭和六十二年五月当時に、いろいろな調査結果、完全失業率が三%を超えておる、将来日本も西欧のような高失業率を迎えるのではないだろうか、そういうことが大分心配されておったわけであります。しかしながら、それからわずか二、三年後の今日、大変な労働力不足という事態が発生しているわけであります。とりわけ中小企業におきましては、人手不足による倒産が昨年からことしにかけて大幅に増加しております。そして、将来に対する労働力の需給に関しましても、頼りになるのは高齢者の方や女性の方や、もしかしたら外国人労働者の方々ではないだろうか、こういうことも今ささやかれているわけであります。しかも、過日三十日に、労働大臣の方におきまして閣議で発表をしていたそうでありますが、九月現在の有効求人倍率は相変わらず一・四%台という高い水準を保っておる。そして、大臣も私も茨城県なわけでありますが、茨城県の県北地域におきます九月の有効求人倍率は何と平均で二・六七倍、新規求人に対しては三・六七倍と、全国レベルで見てもかなり高い有効求人倍率の実態が浮き彫りになっているわけであります。 こういう状況の中で、十月二十六日、日立市の公共職業安定所並びに各出張所が、茨城県では初めての試みとして合同求人選考会なるものを開いているわけであります。中小企業に対するさまざまな労働力対策が必要とされている今日、この合同求人選考会、どのような位置づけのもとに行われ、どのような成果が得られておるか、労働省の方でどのように把握しておるか、その辺のところからまずお答えを願いたいと思います。
○国務大臣(塚原俊平君) 御指摘の求人選考会は、十月二十六日に日立市池の川体育館でやらせていただきまして、ただいま御指摘のありました安定所管内の中小企業を中心に九十六事業所、求人で八百六十人の求人でございましたけれども、人事担当者に対して、求職者の方が四百名来られました。集団見合いの形で採用面接を行いました。八百六十人に対して四百人ということで、何か求職者が非常に少ないように見えるんですけれども、現在の状況の中にありましてはこれはかなり大変な人数であった。ですから、そういう面では、ともかく求人に来てくださった方の人数面では大成功でございまして、求職者の方々並びに求人者の方から大変に好評であるというふうに伺っております。 ただ、新聞報道等でも、やはり条件が折り合わないとか、何かあったようでございましてなかなかうまくいかなかった部分もあるみたいでございますが、最終的な状況というのはまだ把握できておりませんで、十二月の末に状況が把握できますので、先生の方にもできましたらお届けをいたしたいと思います。 このような試みは、今中小企業を中心とした深刻な人手不足の解消策として、また求職者の方に多様な就職の機会を提供する場として効果的であるというふうに考えておりますので、全国的にもこのような取り組みが行われるようにこれからもやってまいりたいと思います。
○種田誠君 ただいま大臣の方から、今回日立の方で行われましたいわゆる合同求人選考会、こういうことも全国的な視点で行っていきたいというような考えが述べられたわけでありますが、この求人選考会、地元ではかなりの評価が与えられております。それは実は四百名の方々が職を求めてきたわけでありますが、そのうちの二百五十名ほどはこれは失業保険の給付を受けている方々であった。しかし、百五十名という一般の方がこれに参加をしてきたというところであります。さらに失業保険給付を受けている方というものの大半が定年退職後の方々でもあったということになりますと、一つにはやはりこれからの労働力というものの実態がここにあらわれているということも言えるし、さらには日立職業安定所管内の県北のほぼ全体にわたる地域を対象にして広域的に行った結果が一つの成果をおさめていることだろうと思うわけであります。 今日、通勤に関しても、自動車で通勤するとなればかなりの山間部からも通勤が可能になってくるだろうということもこれは当然のことであって、そういう意味ではこの辺の広域的な視点に立ってのいわゆる職業のあっせん、仲介、こういうことに対する門戸をもう少し広げるべきではないだろうか、そのようにも思うわけであります。 そういうことで、私は今回の合同選考会の一つの流れの中の成果として、広域的な意味での労働関係の情報のネットワーク化を図って、いわゆる企業側にも労働側にもその辺のところが一目でわかるような、また行政の行い方としてもそういうことが十二分に行き渡るような、そういうふうなことが必要ではないだろうかと思うわけでありますが、その辺に関する所見はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(塚原俊平君) 非常に御評価をいただきまして本当にありがとうございます。また、広域化につきましては、非常に今機械化等も進んでおりまして、かなり具体的に、私どもとしてより多くの人に知ってもらいたい事項というものがございますので、今安定局長の方からちょっと細かな話を御答弁させていただきたいと思いますので、お聞きいただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 職業紹介業務の広域的な展開というものは、先生の御指摘のとおります ます重要になっているわけでございまして、私どもも全国に六百の公共職業安定所、今ハローワークという愛称で仕事をさせていただいておりますけれども、この六百の公共職業安定所で仕事を展開しているわけでございまして、ここに全部コンピューターの端末を入れまして、全国どこでも求人求職が引き出させるという形になっております。したがいまして、東京で北海道の求人求職が引き出せるというようなシステムになっているわけでございます。これを総合的な雇用情報システムというふうに呼んでおりまして、六十三年度から全国で実施をいたしておるわけでございます。 こういったようなコンピューターシステムを使いまして、いろいろな労働力のミスマッチがございます、年齢のミスマッチでございますとか地域のミスマッチ等ございますので、こういうものを有効に活用しまして、現在、そのミスマッチの解消に努力をしているわけでございます。具体的には、例えばUターンの問題につきましては、東京で先ほどのような集団面接会を開きまして、例えば東京で島根県なら島根県、北海道なら北海道の求人を東京へ持ってまいりまして、場合によりましては事業主の方にもおいでをいただきまして、そこで選考会をするというようなこともいたしております。また、パート関係につきましては、パートバンクとかパートサテライトというものをつくりまして、ここにもそういう端末を入れまして、パートは比較的狭い地域のものでございますけれども、それをなるべく皆様のニードに応じた範囲での広域なものにいたしましてマッチングをするというような努力をいたしております。 今後ともいろいろ工夫をいたしまして、先生御指摘のような広域な職業紹介を展開してまいりたいというふうに思っております。
○種田誠君 ぜひ今述べられたような視点に立って進めていただきたいと思うわけであります。 それにしても、やはり今のハローワークにしても、では、どれだけ地域の方々に浸透しているかというと、私が知る限りにおいてはまだまだその辺、せっかくいいシステムをつくっても、活用されなければこれまた意味のないことになってしまうわけでありますから、その辺のいわゆるPRも進めていただくことによってより成果を上げていただきたいと思うわけであります。 労働力対策に関しては幾つかたくさんの問題がもう既に提起されているわけでありますが、大臣の地元であります日立市などはまさに中小企業がたくさん存在して、大臣のところへもまた私のところへも多くの企業の方々から、五年や十年先のことじゃなくてもう当面の、ことしや来年の状況としてこの問題を何とかしてくれという陳情があるかと思うわけであります。そういう意味で深刻な状況にあるということは共通の認識だと思うわけであります。 であるならば、少なくとも来年度の施策として、労働省の方でより具体的にこの問題にかかわるものとしてどういうものを施行しようとしているのか、その辺のところをちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘のように、人手不足は大変深刻でございます。特に中小企業における人手不足感が深刻でございます。やはり中小企業の人手の確保が難しいと申しますのは、そこに若い人などを引きつけるような福利施設等の職場環境でございますとか、あるいは労働時間の問題でございますとか、いろいろの問題があるわけでございまして、それを一つ一つ解決することによりまして人が集まりやすい環境をつくっていくということが何よりも重要だろうというふうに考えておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、中小企業の人手の確保と定着を推進するための対策を来年度強力に打ち出したいというふうに考えております。その内容と申しますものは、労働時間の短縮等を計画的に推進しますような中小企業の団体及びその傘下の企業に対しますいろいろな雇用管理改善のための助成でございますとか、あるいは福利厚生施設の充実のためのいろいろな投資に対する援助あるいは職場環境改善のための対策に対します援助、こういったものを法的な措置も含めまして推進をしたいと考えておりまして、現在その折衝を進めているところでございます。
○種田誠君 いずれにしても、先の対策ではなくて現実の対策である。時の流れは今極めて速く動いているわけでありますから、後手に回ったのでは何のための行政だか意味がなくなってしまうわけでありますので、早急に今述べられた施策を実行できるような体制をつくっていただきたいと思います。 そういう中で、私が聞くところによりますと、平成元年度に策定されました中小企業人材確保助成金、この制度が地域において極めて高い評価を与えられていると、こういうふうに聞いておるわけでありますが、このことについて、実態はどうなっているか、ちょっと簡単に御説明願いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘の助成金でございますけれども、中小企業団体がみんなで労働力の確保、定着のためにいろいろな対策を講じるというものに対しまして助成をいたしておるわけでございます。中小企業の団体が一定のプランに基づきまして実施いたします雇用環境とかあるいは採用活動の改善などにつきまして、年間平均八百万円を限度といたしまして、その事業に要した額の三分の二を助成いたしております。 平成二年度におきましては全国で百四十二団体が助成対象団体になっているわけでございまして、団体はこの助成金を活用いたしまして、従業員の意識調査でございますとか、あるいは従業員の教育等に関しますモデル企業の見学会の開催でございますとか、あるいは合同の企業ガイドブックの作成でございますとか、さまざまな人材確保、定着、環境改善等のための事業をいたしております。
○種田誠君 今述べられたような人材確保助成金の制度でありますが、これが今地域においてそれなりの評価を与えられつつあるというのは、どういうところから受けがいいんでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) その結果から申し上げまして御理解いただきたいと思いますけれども、現在、私ども二十六の既にやっております団体につきまして調査をいたしましたが、例えば週休二日制の問題でございますけれども、この団体を組織し、助成を受けていろいろな活動をいたしました結果、週休二日制が増加した団体が二十六団体のうち十七団体に上っております。それから定年延長の問題につきましても、六十歳以上の定年制になった事業場がこの助成制度が発足しまして十九団体になりました。また、平成元年度に求人充足率が上昇いたしました団体が十七団体ございます。 こういったことで大変実績を上げているというところが御評価いただいているところではないかというふうに思っております。
○種田誠君 そうしますと、これからの新しい予算をつくるに当たっても、つくられて施行されている施策のうち、本当に地域の企業者の方々に十分に評価され求められている、そういうことに関して積極的な厚みを加えていくことによってまさに要望にこたえられるということになろうかと思うわけであります。したがいまして、来年度の予算をつくるに当たっては、ぜひともその辺の取捨選択を的確にしていただいて、多くの国民の現実のニーズにこたえるようにしていただきたいと思うわけであります。 そういう中で、さらに先ほど来申し述べましたように、これからの日本の労働力を満たす適切なものとしては、外国人労働者の受け入れではないだろうか、こういうふうなことが昨今とみに大きくなっているわけであります。特に具体的に受け入れる場合の仕組みのあり方として、二国間協定を締結して期間は二年間ぐらいがいいじゃないか。そして一定の技術を身につけたら一度帰っていただく、そういうふうなものにしようじゃないか。さらには労働許可制を取り入れたらどうだろ うかとか、管理監督のできる半官半民のセンターなどをつくったらどうだろうかとか、こういうふうなさまざまな提言が今なされているわけであります。 しかるに労働省においては、これまで公に言われている公式見解としては、外国人労働者に関しては単純労働者の受け入れは認められない、まあ専門職などについてはこれから拡大したいと、こういうことだと思うわけであります。 そういう意味で、外国人労働問題に関して、果たして労働省のこのような見識でこれからもいいのかどうか、まず、その辺のことについて伺いたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘の、専門的な技術者については積極的に受け入れていくけれども、いわゆる単純労働者の問題については十分慎重に対応すると申しますことは、これは政府全体の方針でございまして、先ごろ施行されました入国管理法の改正もこの方針に沿って進められているわけでございます。 私どもやはり基本的に、いわゆる単純労働者を受け入れました場合には、将来にわたって日本の経済社会全般に及ぼす影響は極めて大きいものがあるというふうに考えておりまして、こういった政府の基本方針に立ちまして、入国管理法の定着というものに各安定所ベースで努力をいたしているところでございます。 ただ、この問題につきまして中長期的にどういうふうな考え方をとるべきかということにつきましては、さらに広く国民の各層の皆様方のコンセンサスを得て判断していく問題であろうというふうに考えておるわけでございまして、したがいまして、もし仮に外国人労働者を受け入れた場合にはどういうプラス面があるんだろうか、マイナス面があるんだろうか、やはりこういった面を徹底的に調べ上げていくということが必要だろうというふうに考えておるわけでございます。 これまでも随分そういった研究を進めてまいりましたけれども、一層それを深めていく必要があるというふうに考えまして、ことしの六月から学識経験者の方々にお願いをいたしまして、外国人労働者が労働面等に及ぼす影響等に関する研究会というものを開催をいたしまして、現在その整理検討を続けていただいておるわけでございます。こういったような研究会では、海外の送り出し国、受け入れ国における問題点、メリットとかデメリット、あるいは日本国内におけるいろいろな問題点、こういったものを検討していただいておるわけでございまして、できる限り、できれば年内にそういったまとめをしていただきたいということで現在作業を進めているところでございます。
○種田誠君 局長の慎重な答弁もわかるんですけれども、大臣、実際大臣のところへも、少なくとも県内のかなりの事業所の方が、外国人労働者の受け入れに関して一日も早く、万全な体制をつくりながらも、実施してくれないかと、そういうふうな要請が山ほどあると思うんですね。私のところへも実際来ております。今局長が述べられたような、何かこうゆったりゆったりした形での印象を受けるんですが、果たしてそういう形でこの取り組みはよろしいでしょうか。
○国務大臣(塚原俊平君) 私のところにも非常に、人手不足で外国人労働者の雇用問題についての陳情、相談というものが、選挙前はもう山ほどございました。ところが、選挙が終わりまして労働大臣に就任いたしますと同時に、それがぴったり来なくなってしまいました。やっぱりそこに一番大きな問題点が、それほどせっぱ詰まっている。当然、外国人労働者を入れなければいけないという陳情をしてくるときには、いろいろな情報を雇用者の方々は言いながら説明しなくちゃいけないわけですから、その情報を大臣に入れるとおかしくなっちゃうような状況があるぐらいせっぱ詰まった状況というものがあるのじゃないかなということで、逆に、ただいま先生がおっしゃいましたような、今それぞれの企業は非常に厳しい環境にあるという認識はさらに強く持っております。 ただ、そういう状況の中で、ただいま非常に慎重な答弁がございましたけれども、まず、高度経済成長のときですから昭和四十五、六年ごろでございますけれども、外国人労働者を受け入れるべしというような大変大きな御意見がございました。真剣に検討した時期がございましたが、昭和五十一年、二年になってレイオフの状況が出てきた。そういうことで一時その問題が下火になりました。ですから、経済状況の先行きというものが非常に不透明な部分がある。 それから外国人労働者問題、いわゆる単純労働者が非常に不足していると言われる職種につきましては、いろいろと見させていただきますと、全部国にとって極めて大切な基幹産業の部分でありまして、そこが外国人に占領されるというと大変になるという発想ではなくて、やはり基幹産業で極めて重要な部分であるだけに、企業側もより労働条件をよくしてそこに多くの人が働いてもらえるような体制をつくる努力をいたしませんと、これからの日本の将来のためにも非常な大きな危険性もあるのじゃないか。また逆に、条件の悪いところだから外国人の方に働いていただくというのもこれも大変に失礼な話になるわけでございまして、そういったいろいろな慎重に考えなければいけない要素、今日まで各党各会派の皆様方が議論をしていただいた中で、非常に難しい要素というものがございます。 そういった中で政府が基本方針として決めております単純労働者を受け入れないという施策は、決して間違っていないとは思うのでございますが、ただ逆に、例えば現在入管法改正の後も許されている外国人労働力で、日系の二世、三世というような方の労働力もあるわけでございます。ところがこの貴重な労働力についてはブローカーのような人が間に入って、実際に事業主の方が使う場合ははるかに高い単価になってしまう。ではその方々にそれだけの単価が行っているかというとこれは行っていないというような新たな問題も生じております。 こういう点につきましては、例えばブラジル政府などは優秀な方が出ることを非常に恐れて、警戒心というものを持っているわけでございますが、これこそ政府間交渉、現在許されている範囲について労働省としてもでき得る限りのこの方々に対する求職、求人のお世話ができるようにしていくということが第一。それから第二には、やはり今安定局長が御説明申し上げましたが、一つの機関をつくりまして実習をしてもらい、研修をしてもらい、なおかつ、運転免許もやっぱり路上の訓練をいたしませんと、机上の空論だけではこれは実際に身につかないわけでありますから、研修と同時にある程度の実体験の労働もしていただく。またそのことによって、まことにずうずうしい話と言われるかもしれませんが、労働力の方も逆にお助けをいただけるというような方向に少しでも持っていければということも考えております。 またミスマッチの話が先ほど先生から出ましたけれども、何といっても年齢間並びに高齢者の方々の働きやすい環境づくり、それから女性の皆様方の働きやすい環境づくりということをさらに進めることによりまして現在眠っている労働力というものを、さらに大きく貢献をしていただけるような体制づくりというものもいたしてまいりたいというふうに考えております。
○種田誠君 大臣の答弁の中でも、外国人労働者の受け入れ問題に関する見解の変化というものが余り見られないわけでありますが、先ほど来局長が答弁しておりますように、ことしの六月に労働省の中に外国人労働者が労働面等に及ぼす影響等に関する研究会、これを設置して、できれば暮れぐらいまでに一つの報告を出したいということが述べられたわけです。ということは、別な角度から見ますと、今までの労働省の考え方だけではやはり現実の事業所のニーズにこたえられない、また諸外国からの要請にもこたえられないというところから、これらの見解を新たな形で展開をする、そういう必要性を労働省においても極めて深刻に認識をしておる。したがってこういう研究会の設置を認めたのだ、また報告書を求めているのだと、 こういうふうに考えてよろしいのでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 私ども、基本的にやはり単純労働力の受け入れにつきましては慎重にあるべきだというふうに考えております。これは社会面、いろいろな面がございますけれども、やはり労働需給というものを担当いたしております者として、先ほど来ございましたような高齢者等のミスマッチ等もございますし、労働需給を担当する者として、十分慎重に対応すべきであるということを基本に考えております。 しかし、先ほど先生から御指摘ございましたように、多くのところからいろいろな御提言が出ておるわけでございまして、やはりそういう面からいって、さらに深くこの問題を広く国民各層の皆様方に考えていただくということはやはり必要ではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、私どもがこの研究会をやるということで、今私どものスタンスが何か変わったとか、そういうことではございませんけれども、先生御指摘のような各方面からの御提言等もございますから、十分各層の御議論の参考になるものを提供しなければならないというふうに考えてこの研究会を始めたわけでございます。
○種田誠君 改正入管法が適用になって半年近くなってくるし、外国人労働問題に関するいろいろな研究がなされてもう久しいわけであります。企業の活動は日々動いているわけでありまして、やはりそれらの状況を踏まえた上で一日も早く一つの結論を出していただいて、多くの要請にこたえられるようにしていただきたいと思うわけであります。 そういう中で、私この四月と七月にバングラデシュという国へ行ってきたわけでありますが、そこでいわゆるレーバートレーニングセンターというのがございます。ダッカとかチッタゴンとかいう大きな町に所在しておるわけでありますが、そこには五百人ほどの青年労働者がおります。これは有給で、月額で日本円で言うと二千円ぐらいの給料が、お金が出るわけですけれども、しかしながら、二年間の技術研修を受けた後でも、何と就職率は一%という実態なわけであります。日本の青年海外協力隊員の方々も、自動車エンジンの修理などの指導などもしておって、その職業訓練所の中では真剣に皆さん対応しているわけであります。しかし、残念ながらその技術を生かす手段がないわけであります。それはダッカにあるレーバートレーニングセンターもチッタゴンにあるセンターも、全く同じ状況でした。 アジアの方々も皆さんそれなりに技術を習得して、いわゆる技術というものを自分たちの日常生活の中に生かしていきたい、こういう熱意に駆られておるわけです。ですから、そういう技術があるということを踏まえました場合、日本が今やっていかなきゃならないということに関して、もう一つ私は重要なものがあるのじゃないだろうかと思います。受け入れということも至急しなければならないということかもわかりませんが、もう既に現実に、今述べましたような形で多くのアジアの方々が新しい技術を求めている。それに対して日本の政府もこたえていかなきゃならない。その場合やはりODAなどが一つの有力な手段になろうかと思うわけでありますが、労働省の方から、今述べましたような途上国などにおける労働者の技術習得に関してのいわゆる援助関係の状況はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(菊地好司君) 開発途上国の経済発展にとりまして、人づくりが大変重要だという観点から、開発途上国の人材育成にこれまで積極的に対処してきたところです。 概要を申しますと、およそ二十一、二カ国に対しまして二十五カ所の場所におきまして拡大基調を続けながら技術協力を進めているところでございます。 具体的な中身は、例えば訓練施設の設置、運営であったり、教材の作成等の技術移転にかかわる専門家の派遣、あるいは現地の職業訓練指導員の日本研修等を行っている状況であります。
○種田誠君 労働省としてはそれなりの援助手段をとっておるのだろうと思うわけでありますが、実は私が訪れましたこの二つのトレーニングセンターは、教材は何と三十年前西ドイツから援助でいただいたエンジン、また諸外国から援助でいただいたその他の電気器具などの機械、すべて二十年から三十年前のものを細々と使って実習をしているわけであります。そしてまた、率直に申し上げまして日本からの援助は一切来ておりませんと、こういうふうなことを聞いたわけであります。 そうしますと問題は、もう少しきめの細かい援助というものを労働省の方でも把握をされた上でやっているのかどうか、ちょっと心配になったわけなんですが、その辺の評価の点について、具体的にどのような状況に今認識されておりますか。
○政府委員(菊地好司君) ただいま御指摘の中に、教材が大変古くていかがかというような点もございました。率直に申しまして人づくり対策、着実に充実しつつある過程でございまして、ただいまの教材の件について申しますれば、現地の実情、ニーズをしっかり押さえて、現地向きのきめ細かな協力を今後積極的に展開したいという考えであります。
○種田誠君 そういう意味で、現地の途上国においても労働技術を高めようという機運が今ある。そして実際それが多分他の諸国においても実施されているのだろうと思うわけであります。 そうしますと、そういうところで技術を身につけた方が、実践として技術を働かせてみる、そういうふうな状況を、日本がそのようないわゆるトレーニングセンターと協力をして、日本の方でさらに技術を磨くためのセンターなどをつくりながら、国内の労働需要にもこたえられるような体制をつくるという、こういう考えを検討したことはございますか。
○政府委員(菊地好司君) 再三申し上げておりますように、人づくり対策はまだ完璧な状況になっておりませんが、現地の訓練状況とこちらの訓練体制と連携をとりながら、さらに質を高めていくという点については、御指摘の御意見、大変参考になりますので、今後勉強させていただきたいと思っております。
○種田誠君 いずれにしろ、人材を確保していくということがこれからの最大の課題にもなっていくだろうと思うわけであります。一層の努力をお願いしたいと思うわけでありますが、来年度予算などに関しても、いわゆる外国人労働者の技術向上のための国内的な、また対外的な視点での強力な実施方をお願いを申し上げる次第であります。 労働大臣、結構でございます。 続きまして、特殊法人に関する点について御質問をしたいと思います。 厚生省、労働省関係では、年金福祉事業団、雇用促進事業団、こういうものが特殊法人として今機能しているわけでありますが、この特殊法人の会計のあり方についてお尋ねをしたいと思います。 この会計のあり方に関しては、もう既に特殊法人等会計処理基準というものが策定されておりまして、これにのっとって行われているということは私も承知しているわけでありますが、その上でさらに御見解を賜りたいと思うわけであります。 ちなみに、昭和六十二年度の年金福祉事業団の損益計算書並びに貸借対照表などを見た場合、果たして年金福祉事業団は健全な経営をしているのだろうか、それとも大変な状況に陥っているのだろうか、この計算書から事業の実態というものが読み取れないわけであります。まず、そういう点について関係者の方々は、この事業の決算、損益計算書から読み取れるというふうなお考えがあればちょっと述べてもらいたいと思うのです。
○政府委員(末次彬君) ただいま先生の御指摘は、昭和六十二年度の年金福祉事業団の損益計算書で申しますと、当期損失金として約二十七億計上されている。この損失金そのものがいわゆる年金福祉事業団の経理上赤字かどうかということを指しておられるのではないかというふうに考えております。 これにつきましては、年金福祉事業団の大規模年金保養基地の施設投資の減価償却に係るもので ございまして、これは大規模年金保養基地そのものが、厚生年金保険法等に規定します福祉施設の一環として被保険者等への福祉還元という観点から設置されている性格が片一方にございましてそういう公的施設の性格を有する。その一方で、設置主体が特殊法人でありますそういう性格から、経理処理上は国と違いまして企業会計と同様、減価償却費を計上するという財務構造を持っております。したがいまして、この大規模年金保養基地の施設投資につきましては、減価償却費を計上する一方でその経費に見合うだけの収益を計上するというのは、この事業が被保険者等への福祉還元措置であるということを考えると、必ずしも適当でないということで、結果として、帳簿上損失金が生じているということでございます。 したがいまして、この両者をあわせ考えますとこの年金福祉事業団の経理そのものは御理解いただけるのではないかというふうに考えております。
○種田誠君 ちょっと場所が遠いものですからよく聞こえないので、もうちょっとはっきりお願いしたいと思います。 今の答弁を伺っておりましてもなかなかわかりにくい。私はあらかじめいろいろ調べましたから、言われていることを参考にしながら数字を見ていけばわかるわけでありますが、多分、今ここにいる委員の方々がこの損益計算書なり貸借対照表をぱっと見せられて、今局長が述べられたことがストレートに理解できるかどうか。いわんや一般の国民の方々が、これを見たときに理解できると局長は考えておりますか。
○政府委員(末次彬君) 年金福祉事業団の経理は、これは片一方では国の会計に属する部分がございます。片一方は特殊法人としての企業会計により処理をしなければならない、こういう二面がございまして、経理のやり方といたしましては、それぞれよって立つ根拠、目的が違いますが、それぞれにおいては正しいものというふうに考えておりまして、この両者をあわせますと結果としてこういう経理になるということでございます。 この点、委員御指摘のとおり、これを見ただけではわからないではないかというような御指摘もあろうかと思いますが、私どもは、今申し上げたこの経理の原則に沿いまして誤解を生じないようにいろいろ御説明等もしていきたいというふうに考えておりますが、それぞれ政府の予算といたしましては、いわゆる現金主義と申しますか、その当該年度で支出すべき分を計上すべきであるという原則がございます。片一方、事業団につきましては発生主義ということで、その権利義務の発生した時点で処理するというそういう原則もございまして、それぞれどちらがということは、こういう両方の性格を持つような場合には、どちらかで統一するということはこれまたなかなか難しいという事情があることは御理解いただきたいと思います。
○種田誠君 もう一度説明を願いたいんですが、そうすると六十二年度の損益計算書を見た場合、当期損失金として二十七億と、こう載っておりますね。欠損金の方、貸借対照表を見ても、百四十六億の欠損ということになっておりますね。民間会社の損益計算書、貸借対照表との単純比較をした場合、この数字からいえば、年金福祉事業団は大変な赤字経営をしておって経営はやっていけるんだろうかと、こういうふうな印象を持たれる人もいるかと思いますね。実際はそうなんでしょうか。それとも、健全経営をしておって、いわゆる通常勘定などにおいては赤字になっているんでしょうか黒字になっているんでしょうか。その辺のところをちょっともう一度はっきり述べていただきたいと思います。
○政府委員(末次彬君) 年金福祉事業団そのものが赤字を出しているかどうかということにつきましては、主として大規模年金保養基地の建設費用の関係がどうなっているかということであろうかと思いますが、この建設費用につきましては全額借入金で賄われておりまして、この返済につきましては別途政府の方から出資金等で計画的に返済を行ってきておりまして、そういう意味では決して赤字ではございません。ただ、先ほど申し上げましたように、企業会計という建前からいたしますと減価償却費を計上すると。これが先ほど委員御指摘の特殊法人等会計処理基準等におきましても特殊法人等につきましては減価償却費を計上せよということになっておりまして、これを計上いたします。そういたしますと、帳簿上当期損失金あるいは繰越欠損金が生じてくるということでございます。 なお、付言いたしますと、それではこの減価償却費分はどうなったかということでございますが、これはこういう公的施設、特に被保険者への利益の還元という意味でこういう施設をつくっております。したがいまして、この減価償却費に見合うだけの収益を計上するということになりますと利用料金が相当高くなるということで、福祉還元措置であるということとなかなかマッチしないということになりまして、その分を帳簿上は損失金という格好で計上していかざるを得ない。これは見方を変えますと、その分が被保険者へ利益として還元されている分の積み上げであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○種田誠君 先ほど私も冒頭述べましたように、また局長が今述べられたように、この決算の仕方に関しては処理基準があって、その処理基準にのっとっておるということはわかるわけでありますが、いわゆる本来損益計算書にしても貸借対照表のいわゆる作成などが法的に義務づけられているというのは、これらの数値を見ることによって私たちはその事業が果たしてどのように実施されているんだろうか、果たして健全に運営されているんだろうかとか、そういうことがこの数字からわかる、そしてそれをもとに批評を加えることができ、また改善を求めることができる、こういう制度趣旨を持っているがゆえにこのような計算書の作成が求められているんだろうと思うわけであります。もとより、この決算委員会の決算なども、もしも数字を見て私どもがその事業がどのように遂行されているかわからない、またわかりにくいというのであればこれは改善をしていかなきゃならない。基準があっても、その基準にむしろ問題があるのであって、新たな表現方法を考えていくというのが本来の計算書をつくる意味合いではないだろうかと思うわけであります。 そういう意味で、この年金福祉事業団の計算書の記載、決して違法だとか不当だとは申しません。しかしながら、会計というものの本来の制度趣旨から考えまして、例えば一般の、この年金福祉事業団で申せば貸付業務に相当する部門と総合保養施設の維持管理に関する部門、これが大きく制度の中身において異なるわけでありまして、これらを区分経理をして表示をするということによってこの問題は解決はされないんでしょうか。
○政府委員(末次彬君) 一般事業勘定といたしまして年金福祉事業団で経理いたしておりますのは施設事業と貸付事業でございまして、これを両者一元的に経理いたしておりますのは、これはいずれも事業の性格からいいますと被保険者等への福祉還元という観点であるということから統一的に経理しておるわけでございます。 この貸付事業は御承知のとおり政策融資といたしまして低利融資を行っております。その収支決算につきましては、特別会計からの交付金の受け入れによりまして収支バランスをとるという仕組みになっておりまして、これを区分経理するということのメリットは必ずしもないのではないかというふうに考えております。他方、施設事業につきましても収益が上がっていないということで減価償却費が欠損金等として生じておるわけでございますが、全体として見ましたところには、施設事業の欠損金のみが最終的に出てくるということでございまして、これを両者を区分するということは経理上は必ずしも必要はないかというふうに考えております。 ただいま、よりわかりやすくというような御指摘もございますので、これは事は先ほどお話の出ました特殊法人等の会計処理基準等の関連でござ いまして、政府統一的に実施しておるわけでございますので、その辺もにらみまして少し研究をしてみたいというふうに考えております。
○種田誠君 同じような質問になるんですが、雇用促進事業団のやはり決算のあり方について伺いたいと思うわけであります。 雇用促進事業団の損益計算書並びに貸借対照表、これを拝見させていただいているわけでありますが、これを見てもやはり同じように、損益計算書には当期損失金として大きな金額が書いてあるわけですね。欠損金もかなり大きな数値になっておるわけであります。実際の経営実態は果たして、この数字にあらわれているように事業団は大変な赤字を抱えてにっちもさっちもいかないというふうにこれは数字上は見られてしまうわけでありますが、どうなんでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 雇用促進事業団は、国の出資を仰ぎまして、職業訓練施設の運営でございますとか、あるいは勤労者の福祉施設の運営、あるいは移転就職者用の宿舎、こういったものを建設し、また運営しているわけでございます。 ただいま先生御指摘の六十二年度でございますけれども、現金ベースで申しますと十三億のプラスになっております。しかしながら、先ほど年金局長が申し上げましたように、相当膨大な資産でございますから、これを減価償却をする、それを計上するということになっておるわけでございまして、百七十六億の減価償却を計上することになるわけでございます。そうしますと、現金ベースで十三億のプラスでございますけれども百七十六億の減価償却でございますから、結果的には帳面上は百六十三億の損失ということになっておるわけでございます。ただ、これはあくまでも帳面上のことでございますから、現金ベースとしては先ほど申し上げましたように十三億のプラスになっておるということでございます。 このよって来りますものは、先ほど年金局長が御答弁申し上げたとおりのことでございまして、やはり私どもも、職業訓練施設でございますとか、移転就職者用の宿舎、勤労者の福祉施設等の、中小企業に主として働く労働者の方々の福祉の向上のための事業でございまして、授業料でございますとか料金でございますとか、そういったものはそういう労働保険のいわば還元ということで設定をされているわけでございますので、このような減価償却を上回ってのいわばプラスを出していくということは制度の建前からいってそういうことは予想していないわけでございます。
○種田誠君 今局長述べられたように、まさに雇用促進事業団の設立趣旨からいっても決して大きな利益を出すことが目的であるとは私も思わないわけであります。問題は、制度趣旨がいかに厚みを持って実行されるかということが大切なわけでありますが、ただ、今局長が述べられたように、この損益計算書や貸借対照表の結論からいえばマイナスの状態になっておるけれども実際は十三億の黒字が出ておるんだと、こういう説明を受ければ、なるほどそういうものかと、こうわかるわけでありますが、一番いけないのは、そういうことが計算書上出てこなければ、計算書をもとに審議をする決算委員会などはわからないわけですよ。 だから、その辺については、先ほど年金福祉事業団の方からもお答えがあったわけでありますが、雇用促進事業団においても、この決算書の表示のあり方、政府統一見解の処理基準に基づいていると言いますけれども、どうもその処理基準に問題があるのではないだろうかとも思われるわけでありますが、これについて今後どのようなお考えを持っておりますか。
○政府委員(若林之矩君) この特殊法人の処理基準をつくりますときは、やはり関係の省庁なり関係の事業団、それまでの実態を随分勉強をいたしましてかなり時間をかけてこの処理基準をつくったと私記憶いたしておりますが、その後これで運用してまいりまして、ただいま先生の御指摘もございますから、私もさらに研究をしてみたいというふうに思っております。
○種田誠君 厚生大臣、今実は年金福祉事業団とか雇用促進事業団の決算のいわゆる計算書の作成のあり方、この計算書から見て、素直に事業の経営内容がわからない、そういうふうな仕組みになっておるわけなんです。 しかし、これは特殊法人に関する一定の処理基準に基づいてもちろん合法的にはなされておるわけでありますが、やはり決算のあり方、決算が国民にわかりやすい、もとより私たち決算委員にとっても理解がより深まる、そういうふうな角度でこれから法の整備をしていただきたい、こう思っておるわけでありますが、その辺のことに関して厚生大臣としてどのようなお考えをお持ちでしょうか。
○国務大臣(津島雄二君) ただいまの種田委員と政府委員のやりとりを大変興味深く拝聴させていただきました。私も長い間企業会計等を見る立場におりましたので、先生の御指摘もなかなか鋭い点があるなという感じはいたしております。 御理解をいただいたようでございますが、年金福祉事業団というのは福祉を被保険者等に還元する事業でございますから、もともとその分は、通常の企業会計からいうと普通なら赤になっちゃうわけです、還元した分は。その部分を政府からの交付金で埋めているという構造になっているわけです。そこで今出てきている実は欠損になる分というのは、先ほど説明ございましたように、大規模の保養施設についてはそれを、建てかえ費用だけは見ていないということなんです。これは将来その分は宿題にしておいて話をしましょうと、こういうことになっております。そこはよく御理解をいただけたと思いますけれども、委員が御指摘のとおり、これはわかりにくい、そこまで言ってもらわないとわからないんだという点はそのとおりだと思います。 いずれにしても、これは事業団等の統一経理とかかわっておりますので、この今御指摘の事業団だけどうするということは軽々に申し上げられませんが、我々としての検討課題だというふうに受けとめさせていただきます。
○種田誠君 終わります。
○大渕絹子君 私は、きょうは厚生大臣にお尋ねをしたいと思います。 平成元年度の人口動態統計というのであらわれている数字なんですけれども、出生の実数が百二十四万六千八百二名、六十三年度に比して六万七千二百四人の減少ということで、昭和四十八年の二百九万人というのをピークに、今は出生率というんでしょうか、ずっと人口の減少の一途をたどっているわけです。その中で、一人の女性がその年次に、年齢別出生率というのですけれども、これは何か厚生省の方ですと合計特殊出生率と言われておりますけれども、一生の間に産む平均の子供数は一・五七人ということで、出生率が非常に低下をして危機が叫ばれているわけです。 政府はさまざまな施策を講じようとしているわけですけれども、その中で、今回「これからの家庭と子育てに関する懇談会報告書」というものが出されております。「子どもが健やかに生まれ、育つための環境づくり」という項目の中に、「子どもは人類の未来であり、子育ては未来社会の設計そのものである。今後、男女を問わず、また個々の家庭のみならず、国や地方公共団体、地域社会、学校、企業など社会全体で子どもの問題に真剣に取り組むとともに、子育ての喜びを享受できるようにしていくことが大切である。」というふうな報告がなされております。 厚生大臣もいろいろな場所で子育ての環境づくりについてはるる所信を述べておられるわけでございますけれども、この場においてもう一度、厚生大臣のこの子育ての環境づくりに対する御所見をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま委員御指摘のとおり、出生率の低下の問題が大変関心を集めておりまして、私は、関心を持ち大いに議論していただく環境ができてきたという意味で、大変ありがたいと思っております。 一・五七という数字は、要するに御夫婦二人で一・五七でございますから、このままでは人口が 減少することは火を見るより明らかな数字でございます。 こういう出生率が低下をしてきたということをどういうふうに受けとめるべきか、いろいろな角度からの御議論がございますけれども、私は、やはり社会全体として、また社会政策という観点から見ても、深刻な問題をはらんでいると言わざるを得ないと思います。 それは、まず第一に世代間の助け合いという意味で、例えば二百万以上お生まれになっていた方々がおつくりになる、その次の世代が百二十万であるとか百三十万であるとかいうことになれば、次の世代の方がその前の世代の方を支えるという場合に、非常な苦しみを経験されるかもしれないという心配があるわけでございます。そういう意味を一つとりましても、やはり社会政策的には大きな関心を持ち、取り組まなければならないと思っております。 その一方で、どのような原因から出生率が低下したかということを検討してまいりますと、今委員御指摘のとおり、非常に複雑な要因がかかわっておりますし、それからまた社会の変化の中で避けて通れない要因もあるわけでございます。 例えば、非常に労働力が貴重になる、不足をしてくる中で、これからは女性の方々と高齢者の方々にどんどん社会進出をしていただく、活躍をしていただかなければもたない日本の社会になっている。その一方で、女性の方がますます高学歴になっていただく必要もある、そういうことを考えますと、この問題を今までの延長線上で取り扱うことは非常に難しい。やはり社会の変化を見通した中で世代間の助け合いということができ、また社会が活力を失わない、そういう見地から適正な出生率を維持回復していかなければならないということであろうと思います。 そういうふうに考えてまいりますと、この問題は非常に広範な分野における政策課題をはらんでいると言わざるを得ませんので、実は内閣といたしましても大変大きな関心を持ちまして、先般の通常国会の海部総理の施政方針演説でも、「子供は世の宝」ということを言っておられますし、内閣に、「健やかに子供を生み育てる環境づくりに関する関係省庁連絡会議」というものをつくっていただきまして、もちろん厚生省も重要なメンバーでございますけれども、政府を挙げて取り組むという姿勢で、今積極的に取り組んでいる次第でございます。 これからいろいろ御議論があると思いますが、私どもとしては私どもの分野でできることを一生懸命いたしたい、そのうちでも早く結論が出せる問題については来年度の予算でもどんどん頭を出していきたい。それから同時に、労働行政であるとか教育行政であるとか住宅政策であるとか、各般の分野におきましてもこの問題を真剣に受けとめて対策を講じていただきたい、こういうふうに考えているところでございます。 そのような意味で、委員が御指摘になりました答申は大変参考になる有意義なものであるというふうに考えております。
○大渕絹子君 その来年度の予算づけのところで、新聞等では、児童手当についてもう第一子から支給をするのではないかというような報道がなされておるわけですけれども、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(土井豊君) 児童手当につきまして、第一子から支給すべきかどうかという問題についてでございますが、現在、私どもの方の中央児童福祉審議会の児童手当部会においていろいろ御論議をいただいておりまして、私どもその結果を踏まえながらどのような形で取り組めばいいかという答えを出してまいりたいというふうに思っております。
○大渕絹子君 実は、きょう私が問題にしたいのは、児童扶養手当といういわゆる母子家庭に付与される部分の手当金について、これからお話をしていきたいと思っているわけです。 児童扶養手当法の施行令に、「母が婚姻によらないで懐胎をした児童」の項目があるんですけれども、その部分で、年々未婚の母も増加をしているということで、非常に、支給してほしいという希望が高まっておるわけです。この中で、この条項のところに「(認知された児童を除く。)」という括弧条文があるんですね。ここのところで非常に大きな問題が起きているんです。 実は、私の知っている人なんですけれども、これは非常に若い男女で、交際中ということで、実際には婚姻の関係にはなかった、内縁の関係でもなかったわけなんです。交際中に妊娠をしてしまった。ところが、気づいたときにはもう中絶が可能ではないという事態もあり得るわけですね。そういうことで、結婚の約束のないままに出産をしてしまいました。そしてこの男女の間は、そういう出産を境にして冷えていってしまって、結婚にまで行き着くことができなかったわけなんですね。そして、男性側は非常に若年でして、その家庭には病身の両親を抱えているということで、経済的にも非常に行き詰まった状態の中での暮らしをしておりましたので、女性の方はこの男性に慰謝料とか養育費とかは請求はするんですけれども、なかなかそれは出てこないという状態の中です。そして、母親ですので、子どものために将来父親のない子でおっては困るという判断だったと思います。認知をしてもらうということで、認知だけは何とかかち取ることができたんですけれども、児童扶養手当の申請のところに行きましたら、この認知ということが非常な妨げになっておるんです。認知されたがために、ほかの未婚の母と同じような児童扶養手当が受けられないという状況が今起きてきているんです。 ここのところは何としても子供を、同じ状況の子供を助けていくという目的、この法律の目的はそうですよね。第一条に、「この法律は、父と生計を同じくしていない児童が育成される家庭の生活の安定と自立の促進に寄与するため、当該児童について児童扶養手当を支給し、もって児童の福祉の増進を図ることを目的とする。」、こういう目的が書かれておるわけですけれども、現にこうした状況に置かれた子供が、この目的に沿った扶養手当を受けられない状況にあるわけなんです。 この「認知された児童を除く。」という条文になっていることについて、ちょっと御説明をいただけますでしょうか。
○政府委員(土井豊君) 児童扶養手当の制度自体の建前でございますけれども、夫婦そろって子供を育てている家庭におきまして何らかの事情で離婚ということが起こって、そのために母子家庭という実態になる、そういうことに着目して児童扶養手当を支給するというのが法律の組み立てになっております。これは法律の中でも、どういう場合に児童扶養手当を支給するかという一番目に「父母が婚姻を解消した児童」というのが挙がっておりまして、その他若干のものがございますが、それでさらに「前各号に準ずる状態にある児童」というもので「政令で定めるもの」については政令の対象として取り上げようという形に相なっております。 今お話しの「母が婚姻によらないで懐胎した児童」、いわゆる未婚の母だと思いますけれども、この場合もそういう意味では母子家庭という状態に着目して支給対象に加えるということで政令上規定をいたしております。ただ、父親から認知を受けた場合を除くと書いてあるわけでございますけれども、認知という法律行為は父親としての扶養責任を果たそうという意思をあらわしているものということで、私どもとしては、認知という行為が行われた場合には支給対象からこれを外すという形で取り扱いを決めているわけでございます。ただ、今のような場合でありましても、認知を受けた後一年以上の期間にわたりまして父親の扶養が事実上行われていないというような場合には、同じ政令の別の号でございますけれども、そこでもって同じような状態ということでこれは手当を支給する対象にするという形で制度の仕組みをつくって実施をしているところでございます。 したがって、今のお話、大変気の毒なケースだと思いますけれども、認知ということがなされた 場合には規定上それは対象からは外れるわけでございまして、ただ、そういう状態が一定期間以上続いた場合に政令一条の二の一号で取り上げることが可能であるという仕組みにいたしているところでございます。
○大渕絹子君 法制度によって枠から外れる子供があるということは今私の訴えで認識をしていただいたと思います。 先ほど、社会全体の中で子供たちを育てていく環境づくりを目指すんだという御答弁を大臣からいただいているわけですけれども、これは昭和三十六年につくられた法律なんですね。時代がそのときとは非常に変わってきているということを認識いただいて、法律の改正というものに取り組んでいただくお気持ちはありませんでしょうか。 なぜならば、この母子家庭の、例えば支給要件の中にあります「父母が婚姻を解消した児童」、これは当然児童の父親の欄に別れた父親の名前というものはきちんと載っています、戸籍上。それは同じですね。そして、婚姻によらない関係というのがありますね。事実婚ですか、法律上の結婚ではない、内縁の関係であっても結婚と認められている場合がありますね。この場合は認知をされてもまさに支給対象になっているんですね。これも戸籍上父親の欄にきちんと認知の名前が載るわけです。ところが、未婚の母親のときだけが父親の名前が書かれた途端に支給がストップする。認知されたという状態の中で支給要項から外れていく。ここだけが特にそういうふうな条項になっているというのは非常に納得がいかない法律なんですね。 だから、これから先改正をしていっていただきたいと私は思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(土井豊君) ただいまお話しの、婚姻を解消した場合の取り扱いにつきましては、これは法律上の婚姻手続をとっている場合、あるいはそれはとっていないけれども事実上婚姻関係にある場合というのは同じ取り扱いをする。それは先ほど申しましたとおり、そういうものを対象にして児童扶養手当制度というものはスタートしているということでございます。 ただ、それじゃ子供の立場から見て、認知を受けた場合には不利になるではないかというお話でございますが、民法上、認知という法律行為というのは父親の責任を果たそうという意思の表示ということでありますので、私ども、政令の規定の際には、「認知された児童を除く。」という形で取り扱いを異にしているというのがこれまでの経緯、考え方でございます。 したがって、現時点でこの問題について検討すべしというお話でございますけれども、私ども今の段階では、このような法体系で処理するのが妥当ではないかというふうに考えている次第でございまして、ただ、母子家庭に対するいろんな施策、例えば母子福祉資金でありますとかいろんな施策を講じながら、全体的に制度の谷間になるようなケースについていろんな形で手を差し伸べるということは全体として必要であると考えておりますけれども、制度の仕組みとしては、なかなかこの認知の問題は難しいのではないかというふうに考えている次第でございます。
○大渕絹子君 父親の扶養義務というのは全く同じだと思うんですね。離婚した場合でも、内縁の関係を解消した場合でも、未婚の母に産ませた父親でも、これは父親としての扶養義務というのは全く同じ状態にあると思います。それであるならば、児童の置かれている状態で扶養手当の支給を考えるのがまずこの目的に沿った考え方であると私は思いますけれども、もう一度お願いします。
○政府委員(土井豊君) 法律の四条四項で父親の扶養責任の問題、実は前回昭和六十年に改正の際にいろいろ議論になりました。それからまた、いわゆる未婚の母の問題につきましても同じ時点でいろいろ議論が出たところでございます。 私ども、制度の仕組みとしては、今の仕組みで大変気の毒なケースが起こり得るかもわかりませんけれども、やむを得ないのではないかというふうに考えております。ただ、施策全体としては、先ほど申しましたようにいろんな形できめ細かい対応が必要であろうという点は十分認識しておりますので、そういう形では大いに努力をする必要があると考えているところでございます。
○大渕絹子君 大臣、お答えを願いたいと思います。 今お話をしてきましたけれども、こうして置かれている子供の状態というのが全く同じ母子家庭の場合、生計に困っている場合、離婚をした場合もそれから事実婚、内縁の妻であった場合も未婚の母の場合も同じなんですよ、子供を抱えて生活に苦しんでいる状態というのは同じなんです。それが未婚の母だけが対象から外れるというこの本当に非人間的な法律は、閣議の決定でつくられる省令の部分で決められているんですね。ですので、大臣のお力で何とかここは解決ができると思うんです。ぜひ取り上げていただきたいんですけれども、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(津島雄二君) 児童扶養手当の問題は、これまで大変いろいろ議論があった点は委員御存じだと思います。離婚をされて母子家庭になられた方々に社会の応援の手を差し伸べるというこれは基本があったわけでございますが、この制度とそれから民法上の制度との間でいろいろな問題が起こってまいります。一番指摘されておりますのは、外国に非常に多く見られた例でございますけれども、例えば児童扶養手当が非常にいいということで、実際は事実婚の状態にありましても結婚の手続をされずに子供を育てられる。それが言ってみればある地域の相当数の婚姻関係を崩壊させるというような事態を招いたケースもあったわけでございます、現実に。そういうこともございまして、私どもとしては絶えずそういう社会の仕組みと申しますか、社会の仕組みとそれから本来のこの制度の趣旨、つまり母子家庭で頑張っておられる方々に手を差し伸べてさしあげる、この両方の接点が難しいわけでございますね。 今、どういう考え方かといいますと、基本的には父親が扶養しているかどうかという点を非常に重視をしておることは今の事実婚についての扱いでおわかりのとおりでございまして、事実婚であってもその事実婚が解消されて父親が扶養しない状況になれば、それは児童扶養手当が出るわけでございます。そこで問題は、未婚の母でおられた方が認知を受けた、ここの問題は非常に難しいわけでございまして、社会の規則といいますか、親族法の基本的な考え方は、自分の子供として認知をした者は扶養の責任を負うのがこれは社会の基本的な考え方だということを踏まえて、認知をされた場合には養ってくださいよという制度の立て方をしたわけであります。 しかし、委員がおっしゃいますとおり、事実上養っておられない場合の問題は残っているわけです。ですから、そこはおっしゃるとおり非常に問題ではないかという点は私も理解ができるところでございますので、そこは要するに社会制度の建前、つまり認知をしたからにはやっぱり扶養の責任を負えという要請と、それから実際それができない場合と、それの両方の要請の、何と申しますか、バランスをどうとるかということで研究をさせていただきたい。しかしそれは逆に、それでは認知をしたあれでももう全部今までと同じように付与するということになりますと、事実上は扶養の責任というものが全くないがしろになってしまうという面もあるわけでございますから、そこが非常にきついところなんです。難しいところなんです。ですから、そこは両方の要請をきちっと踏まえて、法律の立て方、規則の立て方あるいはその運用について研究課題であるというふうに受けとめさせていただきたい。 ですから、委員がおっしゃいますように、そこに問題があるということを私は否定はいたしません。ただ、私が申し上げているような制度の接点で問題があるんだということだけはひとつ御理解を願います。
○大渕絹子君 先ほどから私が申し上げておりますように、この法律がつくられた年代が昭和三十 六年、このころにはまだ人口問題がそう取りざたされておらなかった。だから、生まれた子供は産んだ者が責任を持つようにということでこの認知の部分というのはあったと思うんですね。ところが今はもう、先ほどから申し上げておりますように、出生率も非常に下がってきておる。生まれた児童を国全体として、社会全体として健全に育てていくようにしていかなきゃならないと大臣はおっしゃったばかりじゃないですか。この中で、子供の生きる権利、育てられる権利、そこのところが、「(認知された児童を除く。)」というこの一項目、しかも括弧書きの中のこの小さな一項目だけで削られてしまうんですね。だったら、ここの部分を何とか、地方自治体で認めた児童とか、あるいはそういう枠がきちんとわかるように書きかえていただきたいというお願いをさっきからしているわけなんです。 認知をされた者を除くというこの一項目だけで、未婚の母は、だれにも認知の要求もできない、こういう拘束を受けるわけですよね。児童扶養手当を受けたければ認知は受けなければいいじゃないかというような、役所の窓口でもそう言われたというそんな切ない思いをさせてほしくないわけです。だからこの「認知された児童を除く。」というところを除いて、なおかつ扶養する義務があるんだというそれを残すような条文をつくり上げていただきたいという願いなんです。 ひとつ大臣、前向きに取り組んでいただきたい。
○国務大臣(津島雄二君) 委員の御指摘の点は理解できるところでございますが、また繰り返すようでございますが、委員の方も御理解をいただきたいのは、父親として認知をした者については、基本的にはやっぱり父親の責任を果たすという社会の、法制度の筋も通させていただきたい。 そこで問題は、せんじ詰めてみますと、認知をした場合にも、いわゆる父親に扶養を受けられない状態になっているという認定までに実質的には一年間見るということになっているそうでございますので、私は研究するとすればその辺のところに問題があるなと。ですから、委員のおっしゃることは理解できますので、法制度の建前と両方の調整について研究をさせていただきます。
○大渕絹子君 法令については非常に難しい手続あると思いますけれども、さっきの省令とか規則、行政をする規則の細かい書類の部分なんかは厚生省の方の管轄でどういうふうにも改正ができるというふうに思いますので、ぜひ前向きに取り組んでいただいて、現にこうして苦しんでいる親子がおるということも頭に置いて、よろしくお願い申し上げます。 〔委員長退席、理事千葉景子君着席〕 それでは次に、私は去年からこの課題をずっと取り上げてきているんですけれども、予防接種という問題についてひとつ触れていきたいと思っています。 実は、昨年の四月からなんですけれども、はしかと風疹とおたふく風邪、これを一緒に予防接種をしようという、いわゆるMMRと言われるワクチンが厚生省によって導入許可がされたんですけれども、その導入をされた経過についてちょっとお聞かせいただけますでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 事実関係でございますので、私の方から御説明を申し上げたいと存じます。 御承知のように、自然感染によりまして重篤な合併症とかあるいは後遺症というふうなものがございますおたふく風邪、風疹につきましては、感染症対策上これらの社会での流行を抑える必要があるということ、それからまた欧米では一九七〇年代から三種混合のワクチンをやっておりまして大変効果を上げておる、こういうふうなことがございます。 そこで、厚生省といたしましては、昭和六十三年八月でございますけれども、公衆衛生審議会伝染病予防部会から、早急にMMRワクチンを導入し、その接種を積極的に進めるようにというふうな御答申をいただいたわけでございます。これに基づきまして、その年の十二月でございますが、予防接種実施規則の一部を改正いたしまして、平成元年四月より先生がおっしゃいましたように接種を開始したわけでございます。
○大渕絹子君 アメリカ等では大変いい成績を上げているということですけれども、日本国内でその導入までの安全性の確認は、どういう形でどういう手順で行われたか。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいまのMMRワクチンを承認いたしました際に、申請者からは安定性の試験とかあるいは毒性試験、こういった基礎試験データ、さらには臨床試験データを提出していただきまして、これらのデータをもとにいたしまして医学、薬学の専門家で構成されております中央薬事審議会において品質とか有効性とか、これと同時に安全性についても十分御審議をいただいたわけでございます。 そして、こういった承認申請に出されました臨床試験成績におきます副反応を見ますと、発熱、発疹を主とするものでございまして、いずれも軽度なものでございました。そして、その種類とか程度もいわゆる三種混合でない単味のワクチンの、それともほぼ同様でございました。また、問題となっておりますワクチンに由来すると判断される無菌性髄膜炎の発生もなかったところでございます。
○大渕絹子君 それは大体どのくらいの人に行われましたか、その試験というもの。
○政府委員(川崎幸雄君) 臨床試験でございますね。
○大渕絹子君 はい。
○政府委員(川崎幸雄君) 臨床試験は約千人を対象に行われております。
○大渕絹子君 このMMRワクチンは、それぞれ開発をした会社が、違うところの製造会社のものを混合されているという報告を受けているんですけれども、はしかについては北里研究所ですか、それからおたふく風邪については阪大の微生物病研究会、それから風疹については武田薬品工業ということで、今私が申し上げた会社ではそれぞれ、それぞれの株、単株については研究をしているわけですけれども、これを三つの会社に振り分けたというのは何か理由があるんでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 今御質問は、MMRワクチンの使用に当たりましてなぜ統一株のみが使用されているのかということに関連をして御質問があったのかと思います。 MMRワクチンにつきましては、今先生御指摘のように、麻疹はAIK―C株、それからおたふく風邪は占部AM―9という株、風疹はTO―336株が混合されております。いわゆるこれを統一株と称しておるわけでございます。 我が国におきましては、現在、これも委員御承知のとおりでございますが、麻疹につきましては四種類、それからおたふく風邪あるいは風疹につきましてはそれぞれ五種類のワクチンが製造承認を受けているわけでございます。これらのうち、最も実績が多くて効果が高い、かつ副反応も弱い、こういうものを選んで混合してその供給を図っておると承知しております。
○大渕絹子君 この統一されたMMRワクチンを販売をしている会社はどこでしょう。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいまおっしゃった三社それぞれが販売をいたしております。
○大渕絹子君 それでは、それぞれの会社で、自分のところでないウイルス株はほかのところから買い入れてつくり上げるということになりますでしょうか。
○政府委員(川崎幸雄君) おっしゃるとおり、それぞれ自社株を交換して製造しているということでございます。
○大渕絹子君 厚生省が導入に踏み切ってから発注した数量を教えてください。
○政府委員(川崎幸雄君) どれぐらい買い入れたかという数字はちょっと持ち合わせがございませんけれども、平成元年三月末から平成二年五月末までに、出荷数で申し上げますと百十九万人分でございます。
○大渕絹子君 購入原価を教えてください。買い入れ原価。
○政府委員(川崎幸雄君) ちょっと私どもでは把握いたしておりません。
○大渕絹子君 接種時に市町村あてに出しております基礎価格の中に一万二千六百五十二円というのがありますけれども、これが購入価格と見てよろしいでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 今薬務局長から申し上げましたように、個々のケースどのくらいの価格で買っているかは私ども承知しておりませんが、私どもが、この予防接種に係ります費用といたしまして、地方交付税で見ております積算は、今委員が申されたような価格で積算をされていると承知しております。
○大渕絹子君 このMMRワクチンの有効期限を教えてください。
○政府委員(川崎幸雄君) 一年でございます。
○大渕絹子君 有効期限一年の医薬品を百十九万人分購入をしているということですけれども、一昨年四月から導入をされて十月、厚生省から中止命令が出るまで――中止と言ったら語弊がありますかしら。でも、私たち母親側は、あれは中止命令というふうに受け取りましたですけれども、それまでに接種をされた人数を。
○政府委員(寺松尚君) 私ども、四月から十月いっぱいぐらいまでの数字につきましては承知しておりまして、六十三万人が接種されたという数字になってございます。
○大渕絹子君 六十三万人接種をされて、その後厚生省の通達が出てから今日に至るまで、接種者の数はどのように推移をしていますでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) その後の数字、特に平成二年になりましてからの数字でございますけれども、これにつきましては、御承知のように一年間の結果で数字が上がってくるものでございますので、それは平成三年になりますと明確になってまいります。 ただ、私どもは、前回十月の末いっぱいまでの事故報告というのをいただいたことがございます。これは、その後の数字も依然としてとっておりまして、その数字は私ども今整理中でございます。したがいまして、被接種者の数につきましては、現在のところまだ持っておりません。
○大渕絹子君 それはちょっとおかしいんじゃないですか。厚生省から昨年、ああいう副反応が出ることによって大変な社会的な問題になって、何度も何度も通達が出されているこのMMRワクチンについて、その後の追求、調査というものがされていないというのはおかしいと思いますけれども、どのぐらい行われているかというのはきちっと把握をしておると思いますけれども、いかがですか。数は出ませんか。
○政府委員(寺松尚君) 先ほど御答弁申し上げましたとおりでございますが、私ども、先ほど申し上げました、MMRを使用いたしまして事故と考えられるようなケースにつきましては報告をいただいております。 この動きがもしもどんどんふえておるとかというような数字でございますれば、至急に被接種者数を把握するべく調査をいたしたいと思っておるのでございますが、非常に減ってきておりまして、先ほども申し上げましたのですが、その事故の内容を今チェックをいたしておりまして、その結果もしも必要であれば、被接種者数を把握してみたいと考えております。
○大渕絹子君 事故、副反応が多く発生して、そして慎重にという通達が出された時点でこのMMRワクチンについては私は直ちに中止をして、また単株のワクチンに戻すべきだという主張をずっと持っているわけなんですけれども、そうはされない。 それで、おたふく株の方の改善措置というのはとられていますか。そのMMRについて、全く同じものでまだ接種をされているというふうに聞きましたですけれども、これは間違いありませんか。
○政府委員(川崎幸雄君) 現在使われておりますのも、昨年の場合と同様でございます。
○大渕絹子君 ワクチンの改良が進むまで単株に戻したらどうかという主張はこれからもずっとあるわけです。なぜなら、MMRワクチンが先ほど言いましたように一万二千六百五十二円かかるわけですね。ところが単株にしますと、はしかで六千二百五十円、風疹では千八百六十八円なんです。おたふく風邪をまぜることによって倍の価格、単価がかかっているんですね。しかも母親側は、このおたふくの入ったものは嫌だと拒否して、接種をしないという状況が今出てきているわけでしょう。現に昨年の四月に注文をした百万のワクチンについては六十三万しか使われていない。その後の残りのものは、もう有効期限が切れておるが、使えない状況というのが出てきているわけですよ。 この部分に対しての損失の金額などというものは把握していますか。その数字。――私はちゃんと出すようにというふうにいらした方にお願いしてあるはずですけれども。この一連のMMRワクチンのこの事件によっての損失金額。
○理事(千葉景子君) 御答弁ありませんか。
○政府委員(寺松尚君) 先ほども申し上げましたように、今その数字を把握しておりませんが、委員がおっしゃいましたように、平成元年におきましては一万二千幾らであれしたわけでございます。平成二年につきましては、先ほども委員が御指摘されました室長通知が出まして、いわゆるこのワクチンをやります場合のメリットとそれからそれに伴います後遺症の問題ということにつきまして、今の段階では、麻疹を接種するときに、保護者と申しますか、そういう方の申し出によって接種をするようにという、慎重に接種をするように、こういうふうな趣旨の通知をいたしました。 したがいまして、地方交付税等でしております……
○理事(千葉景子君) ちょっと、質問の趣旨にきちっとお答えください。
○政府委員(寺松尚君) はい。地方交付税では麻疹の価格という単価で今回は算定されております。 それでは私の方で、数字は今のあれでございますけれども、ちょっと御説明を申し上げたいと思います。 予防接種の実施に必要なワクチンにつきましては、各市町村及び契約医療機関がワクチンメーカーより購入しているものでありまして、これらはいろいろ売買契約と申しますかそのときの売買契約の内容によりまして異なりますが、昨年度MMRワクチンが有効期間中に返品された際には、メーカーが販売価格で買い取ったと私どもは聞いております。
○大渕絹子君 質問はそうじゃないでしょう。
○理事(千葉景子君) 質問については、その価格を御存じですかという御質問だったようですが。
○政府委員(寺松尚君) 私どもは、損失があったとは聞いていないわけでございます。
○大渕絹子君 損失なしですか。本当にいいですか、それで。その御答弁でよろしいですか。
○政府委員(寺松尚君) 今申し上げているのは、実施責任者である市町村はという趣旨で申し上げたわけでございます。
○大渕絹子君 予防接種法によりますと、市町村の負担というのは三分の一でしょう。あと県とそれから国とということになるでしょう。市町村はゼロということで、国はどうですか。
○政府委員(寺松尚君) 先ほどから申し上げていますように、国は地方交付税で見ておる、こういうわけでございます。
○大渕絹子君 ここのところは私ももう少しまた研究をしてきて、もう一度、この決算はいずれにしろ昨年のことでございますから、期間がまだ随分ありますので、詳しく調べましてまた追及をさせていただきます。これは国の損失がないというような御答弁というのはちょっとうなずけないと思いますよ。こういう事態の中で、ワクチンを引き取らざるを得ない、返品せざるを得ないというようなことが現実的に起こっておって、また国民からもこの接種はもう拒否され続けているような状況の中で、厚生省としても、中止までとは言わないけれども、慎重にということは、厚生省が慎 重にということはもういわゆる中止命令と同様に私たち母親は受け取るわけです。そういう状況の中で進められているわけですので、ぜひこのことについてはまたこの次に、私もう一つ予定しております質問があるので追及ができませんけれども、私は予防接種で自分の子供がすごい副反応を受けた者の一人として、このことをずっと追及していきたいと思っていますので、またよろしくお願い申し上げます。 それでは次に、実は、私この分野は全く新しい分野で、詳しい事情を知らないのにこういう場所で質問するのはどうかとも思いますけれども、一生懸命やっておりますHIVと人権・情報センターの人たちからの請願を受けました中での質問をさせていただきます。 HIVというのは、いわゆるエイズの問題なんですけれども、エイズ対策として後天性免疫不全症候群の予防に関する法律というものがつくられたときには、国会内外で大変な審議がされて、社会的にも大きな反響を起こして、非常に広報活動なども盛んに行われておったわけですけれども、その後厚生省で行われているエイズの予防対策について、具体的なものを教えていただけますか。
○政府委員(寺松尚君) 私どもは、エイズの対策につきましては、昭和六十二年二月にエイズ対策関係閣僚会議におきまして決定されましたエイズ問題総合対策大綱に基づきまして、総合的な対策を推進いたしておるわけでございます。それからまた、昨年の二月の十七日からエイズ予防法が施行されておりまして、今後ともその適正な運用に努めてまいりたいと、これが現状でございます。 具体的にエイズ対策の概要といたしましては、まず第一は正しい知識の普及。それから第二番目は感染源の把握。それから三番目といたしまして相談・指導体制の充実。四番目といたしまして二次感染防止対策の強化。それから五番目といたしまして国際協力。研究協力なんかのことも含めまして国際協力。それから研究の推進等やっておるわけでございます。
○大渕絹子君 私のところにお願いに参りましたHIVと人権・情報センターでは、感染者の予防といいますか、そのために行われている保健所の検査体制について、どういう状況で行われているか、最も感染者が心配をしておりますプライバシーというものが守られているのかどうかというようなことについて調査をいたしております。 これは、この法律ができるときにもこのグループで大阪府で行われた調査というのが非常に大きな反響を呼んだという事実があるわけですけれども、その後、今度はこの九月から十月にかけて全国至るところの保健所を選びまして、そしてここのセンターの会員の人たちが実際に血液の検査を受けに行くんですね。そしてそこの体制がどうなっているかという調査をした資料がこれだけあります。こんなにたくさんあります。 この中で、東京都の場合は非常にいい対応がなされているという報告がなされていますけれども、中には非常に最悪な状態のところがありまして、特に、これ名前を申し上げていいんでしょうかね、和歌山市の加太保健所というところでは、このセンターの女性の方が検査に行ったんです。そうしましたら、もうそういうエイズ検査に来る女性ということでまず好奇の目で見られる、そして職員が、用もないのにその担当の職員でない者が入れかわり立ちかわり顔を見に入ってくる、こういうような状況があって、非常に不愉快な思いをして帰ってきた。こんなことが実際に行われているということをこの報告書は摘発しているわけなんです。 こういう実態について、今検査体制強化であるとか、あるいは教育であるとか、るる、私は具体的に申してくださいと言いましたが全く法案のような答弁をしていただきましたけれども、そういうことの実態を御存じでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 保健所におきますエイズ検査というものにつきましては、私ども従来から保健所等において匿名による検査の実施等、個人のプライバシーの保護の徹底を図りつつエイズ検査を行うよう都道府県を指導してまいりました。本年に入りましても、一月の全国主管衛生部局長会議、あるいは全国保健医療関係主管課長会議というものを通じまして行っておるわけでございますけれども、今先生が事実を御指摘いただきましたので、私どもこれにつきましては和歌山県を通じましてきめ細かく指導してまいりたいと思っております。 私どもが今までにいろいろとそういう関連につきまして情報を得ているかというお話でございますが、私ども、もちろん都道府県を通じて、あるいは間接的に直接的にでございますけれども、そのような事実は確認はいたしておりませんけれども、仮にあるとしますとプライバシー保護の観点から大変問題でございますので、先ほども申し上げましたようにきめ細かく指導してまいりたい、こう思っております。
○大渕絹子君 承知をしておらないということはないわけだと思います、厚生省の方にも同じようなお話し合いをなさったとその情報センターの方がおっしゃっておりましたから。 そして、この和歌山の場合は特別なんですけれども、そうでない地域でも、匿名で受けられなかったり、あるいはHIVと言っても全然意味が通じなくて、エイズエイズという言葉を連発するような受付の係の方があったりというようなことで、非常にまだ問題はたくさんあるんです。こうしたことで、情報センターに電話相談に来られる、感染を心配している国民の皆さんが安心をして受けられる保健所を紹介してほしいということで問い合わせが来るそうなんですけれども、そのために検査をこのセンターでは行って、ここの保健所に行ったら比較的プライバシーが守られる検査が行えますよということを情報提供してあげているという、これ、民間レベルでやっていることなんですね。 本当は、これは民間レベルでなくて行政部門で、こういうことがきちんと受けられる、心配な人は、電話をしたらどこに行ったらプライバシーを守って検査を受けることができるか――検査を受けることは感染を広げないという意味から非常に重要なことなんですね。ですので、まずプライバシー保護のための政策として、今いろんな教育はしているとおっしゃいますけれども、予防法が通ってもう一年以上になりますけれども、その現実の中でまだ実際問題としてこういう実態であるということを認識の上で具体的にこれから取り組む方向というようなものを明快にしていただきたい。 これは厚生省と情報センターの方たちとの面談、交渉、折衝をなされたのが、十月十七日にそういう席が持たれたそうですけれども、そのときに厚生省側からもはっきりとプライバシーを維持できるような検査体制にしますという御答弁をいただいているそうですので、この場でも再確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○政府委員(寺松尚君) 先ほどのお話し合いのところで、そういうふうなお話し合いができたということが御披露がございましたが、私どももそういう姿勢できめ細かい指導をしてまいりたい、こういうふうに存じます。
○大渕絹子君 それともう一つ、保健所の体制と同時に広報活動というものが非常に大事になってくると思うんですね。もちろん患者や感染者に対する差別を解消するためだけでなくて、感染を広げないためにも非常に教育とか広報活動というようなものが大事だと思いますけれども、これに対する積極的な姿勢を示していただきたいんです。
○政府委員(寺松尚君) 今委員が御指摘いただきましたように、エイズを予防するという観点から考えますと、やはり国民一人一人がエイズに対します正しい知識を持っていかなければなりません。したがいまして、その知識を私どもが情報という形で与える必要があるわけでございまして、報道機関等、あるいは関係行政機関等、あるいは関係省庁を通じまして十分その目的を達するように努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○大渕絹子君 それと同時に、今私が申しましたこの情報センターのような民間レベルで大変活躍していらっしゃる、救援活動をしていらっしゃる団体があるんですけれども、こういう団体に対する援助的なものは国としては何か考えておられますでしょうか、予算づけのようなものを。
○政府委員(寺松尚君) 先般、先生が御指摘いただきました請願の中にもございますが、「民間のボランティア団体の意義を認め、財政の補助など、支援の方法を検討すること。」というお話があるわけでございます。それにつきまして私どももいろいろと考えておるわけでございますが、一般に、HIV患者に対します民間の任意団体に関する国庫の補助につきましては、他の補助との整合性から見てもなかなか難しいのではないか、こういうふうに考えております。
○大渕絹子君 病気の性質からいたしまして、民間レベルで援助をする活動というものが非常に重要だと私は思います。行政のように、ただただ一方的に隔離をすればいいというようなことでは、これはもう解決をしない問題になっているんですね。そういった意味で、民間団体への救援を続けていくという姿勢というのはこれから大事になってこようかと思います。この請願の趣旨にのっとってぜひ前向きに対処していただきたいというふうに思います。 大臣、このエイズの問題は、私たちは全く自分とはかかわり合いのない問題としてとらえがちだと思います。日本においてはまだ大変少数でありましょうし、自分はよもやそんな病気にかかる心配はないんだというふうにお考えになっているかもしれませんけれども、私たちの子供やあるいは孫や、その代に、この病気がずっと残っていった場合は感染の心配というものは当然あるわけです。今この小さな枠の中で、枠というかまだ人数がそう膨大になっていない時期にこそ、真剣に取り組んで予防対策を立てることが何よりも大切だと思います。そのためにも予防法というものができたんだと思いますので、それを有効に活用する中で、前向きに、この請願の趣旨もよくとらえていただく中で、前向きに取り組んでいただく姿勢を大臣から御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) HIVの問題は、世界的にもまだ大きな課題を残しておると思います。この問題に対する対策として何よりも必要なことは、正確に実態をとらえるということだと思います。その実態をとらえるための第一歩が検査でございますし、その検査が支障なしに行われるためにはプライバシーを保護するということが出発点であると思います。そういう意味で、きょうの大渕委員の御指摘、いろいろ私も教えられるところが多かったことを申し上げたいと思います。 役所の方でいろいろ指示をいたしましても、現場がこれに即応しなければ到底効果が上げられないということを今感じたわけでございますので、政府委員からも御答弁申し上げておりますように、一層この問題の取り組みについては真剣に、またよく心配りをしてやるようにいたしたいと思います。
○大渕絹子君 終わります。
○西岡瑠璃子君 私は、今度初めて決算委員会へ配属をされまして、まずびっくりしたことは、六十二年度の決算を審議する、これはちょっとびっくりいたしました。私は、お台所の声を国政にと言って参りましたので、毎日家計簿をつけている主婦の声をいつも吸い上げて、そして政治に反映をしていく、そういう立場から考えますと、こんなに国の決算がずれ込んじゃって、今六十二年度をやって六十三年度をやって、もう今は平成二年度なんですよね。こんなことで次年度予算に国民の声が反映できるのかどうか。私の地元の土佐弁で申しますと、本当にひだけた話でございまして、ちょっとびっくりいたしました。これは素人の最初の言葉だと思ってお聞きいただきまして、本論に移っていきたいと思います。 今、二十一世紀最大の人類の課題として、地球環境の保護ということが言われているわけでございますけれども、きょうは、そういう大きい観点に結びついてはいきますけれども、廃棄物とダイオキシン問題について、高知県で起こった事件を,中心にいたしまして質問をしていきたいと思います。 昭和六十一年度決算を否決いたしました際に、従来なら行われておりました警告決議が行われないという事態になりました。野党各会派が共同で当時の森山官房長官に申し入れを行っておりますね。その中の一項目に、産業廃棄物の処理に関する項目があります。これちょっと時間の都合で、私の方から御紹介をするまでもないと思いますので、もちろん御確認をいただいていると思いますが、この申し入れにつきまして官房長官から各省庁に対して報告をされたと伺っております。所管省庁としてどういった対応をなさったのか、まず、そのあたりからお伺いをしたいと思います。
○政府委員(小林康彦君) 産業廃棄物の規制につきましては、廃棄物の処理及び清掃に関する法律を中心として行っているところでございまして、現在、廃棄物処理法の運用の徹底を期すというところでその円滑な処理に努めているところでございます。
○西岡瑠璃子君 円滑な処理というふうに簡単に片づけられてはちょっと困るわけでございますけれども、産業廃棄物行政につきましては、もうつとにその不備が指摘をされてきております。既にいわゆるフェニックス法案審議の際にも、全体の廃棄物処理の展望への疑問とともに、産業廃棄物の処理についてその行政のあり方が問われ、そして結局、産業廃棄物の事業処理責任の徹底、適正処理困難物処理施策の推進、こういったことについて附帯決議が行われているところでございます。それから十年たっております現在、どうしようもない事態にまで来ているわけでございます。 厚生省の産業廃棄物対策室は、法制、制度は悪くない、業者が十分理解をしていないので一層の理解を求める、こういう答弁で従来逃げてこられております。こういう逃げ方は、もうまさに今の薬事法行政と同じでありまして、スモンなどの薬害発生で、もう本当に、大変多くの貴重な人命、健康が失われたときにも、薬事法の正しさを主張する官僚群が存在したわけでございますね。今渦中にありますあの水俣病にいたしましても、事態の悪化は傍観をされております。こういった官僚の不作為行政は、私は犯罪に等しいものと言ってもよいのではないかと思いますけれども、産業廃棄物行政もこれらと同じ轍を踏んでいると思うと、全く背筋が冷たくなります。必要なのは、現行法改正を含めた大幅な制度改革が今緊急に必要ではないかということなんです。 まず私は厚生大臣に、そして続いてきようは環境庁長官もお見えでいらっしゃいますから、ぜひ、日ごろおっしゃっていらっしゃる、地球にやさしいライフスタイルとはどういう観点でおっしゃっているのか、そこのあたりからお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 廃棄物行政について、大変厳しい御指摘がございました。現行法に基づいて一生懸命行政の方も努力をしておるわけであります。 大変厳しい御指摘でございますが、私からもお願いを申し上げたいのは、通常国会におきましても、本院におきましても衆議院におきましても、極めて積極的な御質問がございまして、私は何度も御答弁に立ってございます。そして、その答弁の中から私どもの今の積極的な姿勢を申し上げ、法改正を含めて次の国会には私どもとしてやれるものはお示しをいたすということを申し上げているわけでありますから、十年一日というお言葉は、私今の厚生大臣としては大変残念なお言葉と申さざるを得ないわけでございます。 具体的にいろいろ御質問があったら、できるだけお答えをいたしたいと思います。
○西岡瑠璃子君 今やっと重い腰を上げてくださるということで、私も後ほどそのことについて触れて、期待をしてまいりたいと思いますけれども、私はきょうは具体的に、私の地元の高知県土佐郡土佐山村というところで起こりました産業廃棄物 処理施設の建設問題について、これに絡めてこの問題を御指摘を申し上げ、御答弁をいただきたいと思うわけでございます。 この建設の予定地は、県都の高知市及び周辺の土佐山村、そして鏡村の住民の生活の糧であります清流鏡川の源流域、ここに、住民の生命、健康に直接影響する重大な問題であるにもかかわらず、ここへ業者が設置をしようとしておる。この問題では県が業者に対して地元の反対の中で強行することは好ましくないということで中止を申し入れたわけですけれども、既に関係者に案内を出したということで、昨年の十月二十日にはもう起工式を済ませているわけでございます。 私は現地を視察をしてまいりましたけれども、もう今までにかなりの資金を投入して着々と進められているわけでございます。地元住民そして村当局も、これはもうたまらないということで、村道をふさぎまして工事用大型トラックは通さないということで、路肩ももろいから通さないというようなことで、それを理由に村道をとめているわけでございますけれども、こういったこそくな手段がいつまで通用するかということもございます。 これまでに県に対する住民の反対陳情、そして意見書などが、土佐山村の議会ですとかあるいは土佐山村の村長さん、それから鏡村の村長さんとかあるいは鏡川漁協、高知の市議会などからも出ております。そしてまた、今回この事態に住民が、本当にとんでもないことであるということで、鏡川流域の住民が一体となりまして、鏡川流域の環境を守る会という市民運動が、もう期せずして大きく巻き起こってきたわけでございます。 このように、産業廃棄物処理場の建設につきましての反対というのは、最終的には地元の総意というものを私は大切にしないといけないと思うわけでございますけれども、県、そして高知市の鏡川保全条例の内容にも反する計画であるわけでございますね。地球環境の保全、私は冒頭に申しましたけれども、地球環境の保全という観点と、それから地下水の汚染による生命の危険という、この点からも鏡川の汚染を絶対に許してはならない。これを許してしまえば二度と取り返しのつかない事態になるということでございます。 今、法的には排出事業者の自己処理が原則の産業廃棄物も、実情は本当にほとんど処理業者任せになっているわけでございますね。その処分をする処分場の建設に絡みましては業者と地域住民が対立をするわけですね。そして自治体がその調整に苦慮しているといったような、そういう構図が県議会の中でもあらわれてきておりますし、また、こういったことは、私どもの土佐山村に限らず、全国にもたくさん見られているのではないか。これは、高知県のこの例も例外ではないと思うわけでございます。 〔理事千葉景子君退席、委員長着席〕 ですけれども、結局は、県議会で質問をいたしましても、自治体はもう自己防衛的な答弁で非常に逃げていきますので、解決が困難だということでございます。産廃の排出の企業の責任をどうやって明確にしていくか。それを明確にさせるために、今、私が申し上げているのが廃棄物処理法の見直しをする時期ではないかということでございます。地域住民の総意が踏みにじられても建設が許容されるというような現行の制度でございますから、まさに産業廃棄物行政の不作為から生じた結果でございます。私は、政府の責任は非常に重いと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(小林康彦君) 高知県土佐山村の弘瀬地区におきます産業廃棄物処理業者によります産業廃棄物の中間処理施設及び最終処分場の建設計画をめぐる問題につきまして、私どもも高知県から報告を受けておるところでございます。地元で反対の運動がございまして、地域の住民の皆さん方から鏡川の水質汚濁、自然環境の悪化などのおそれがあるということで、処理施設の建設反対が起きている、こういう内容と承知をしております。 本件につきましては、高知県が関係者の意見を聞いて調整を行っていると聞いておりますので、当面、その推移を見守っていきたいというふうに考えております。 産業廃棄物につきましては、その排出事業者が責任を持ってみずから出しました廃棄物の処理に当たる、こういう制度でございますが、責任を持ってというところは、物理的、化学的にみずから処理をするというところまでは規定をしておりませんで、その処理が適正に行われるような責任を有しているという制度でございまして、処理業者に適切に委託をし、処理業者が適切にそれを処理処分をすれば責任は全うする、こういう現行制度でございます。 しかしながら、全国的に廃棄物の最終処分場、埋立地につきまして、なかなか地元あるいは周辺の方々の御理解が得られず、その立地、最終処分場の確保に極めて困難な状況になっているという状況がございまして、先ほど大臣が申し上げましたように、生活環境審議会に対しまして、排出事業者の責任のあり方及び最終処分場を初めといたします処理施設の整備、促進のあり方、さらにその前段といたしまして廃棄物の減量化、資源化、再利用の促進を図る方策、こうしたテーマにつきまして本年七月諮問をいたしまして、現在、今後のあり方について御検討いただいておるところでございます。
○西岡瑠璃子君 大体、業者は届け出制になっているんですよね、許可制じゃないんです。そこのところも非常に規制を緩くしているというふうに思うわけです。 ごみというのは、人間が生きていく上においてどうしても出てくるものでございますから、ごみを捨てるところはそれは考えなければならないわけですけれども、私が申し上げたいことはもう一つあります。それは他の都道府県から高知県に、高い運搬料を払ってトラックでどんどんどんどんとこれを運んでくる。つまり越境廃棄物ということでございますね。そういうふうなところが、その数は検討中のものを含めますと三十二道府県に上っているというふうに伺っております。これらは主として都市部のごみが地方に持ち運ばれる、それを防止をしないといけないと思うんですね。結局、産業廃棄物処理業者と地域住民とのトラブルの防止ということで策定をされているようでございますけれども、こういった本当に小手先だけのトラブル防止ということでは、私は先ほども申しましたように、やがて行き詰まってしまう、これは火を見るより明らかだと思うわけでございます。 ですからこの際、越境廃棄物の状況に対しましても国がリーダーシップをとるというか主導権をとるといいますか、そういった点で法律、制度の整備をしなくちゃならない、そういうふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(小林康彦君) お話しのように、人口、産業の集中しております大都市圏におきまして大量の廃棄物が排出をされ、その県内で最終処分場の確保が困難というような状況を受けまして、産業廃棄物が都道府県の県域を越えまして広域的に移動し処理されているというのが現状でございます。 生活環境審議会に検討をお願いしておりますが、まず減量化の努力を精いっぱい行いまして、その上で出てまいります廃棄物につきましてかなりまでは広域的に対応せざるを得ないという状況もございますので、広域処理のあり方につきまして検討をいただいておりまして、その報告を待ちましてこれからの制度のあり方をまとめていきたいというふうに思っております。
○西岡瑠璃子君 今御紹介いたしました高知県の土佐山村、それ以外にも御承知のように国立公園があります足摺岬に近い宿毛市にも六カ所、そして高知県では全部で九カ所も産廃の処分場の建設計画があるということで、今県議会でも問題にしているところでございますけれども、この県外の産業廃棄物の流入ということについて、高知県という自治体そのものも非常に規制が緩いわけです。だから、そういったところをねらって駆け込み建設をしようというふうなことが見られている わけでございます。 重ねて申し上げますけれども、各県ごとに産業廃棄物の規制要綱を策定しているという、私はそこのところに、現状に無理がある。それをやっぱり国が処理の適正化をちゃんとして、主導権を発揮して、きちんと整備をしていかなくてはならないのではないか。もう人のところはどうでもいいというふうなことで、それぞれの自治体が勝手気ままにやっていたんではそれはもう私は収拾がつかないと思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小林康彦君) 廃棄物の処理施設につきましては、最終処分場を含めまして国としてその構造あるいは管理の基準を定めております。そして、その基準を守りますと環境に対して悪影響が生じない処理、処分が適正に行えるものでございますが、現実としてはそれから外れる行為もございますし、基準を遵守いたしましても、その地域の方々に不安が残り反対もあるというのが実情でございます。 廃棄物はなるべく発生した近くで処理できればそれが好ましい状態ということもございまして、現在の廃棄物処理法では都道府県知事に産業廃棄物の処理計画の策定を任せておるわけでございます。したがいまして、お話しのようにそれぞれの県ごとに計画をつくりますので、その県境を越えて動くものにつきましてどのように今後取り組んでいくかというのは、課題として私どもも認識をしておるところでございます。ブロック単位あるいは国全体での方向等も含めまして、廃棄物の広域的な処理につきまして検討をお願いしておりますので、その内容をいただきましてこれからの広域的な対応につきまして制度を考えよう、こういう段階でございます。
○西岡瑠璃子君 この決算委員会におきましても、昭和六十一年度の決算の審査の過程で、産業廃棄物不法投棄とかこの処理の問題につきましては、行政指導ぐらいではもうおさまる問題ではないということで法改正が必要であるという指摘が行われているわけでございますから、関係部局におかれても十分な御認識があると思うわけです。先ほど厚生大臣もおっしゃいましたように、いよいよこの抜本改正の検討作業にお入りになったということでございますけれども、その作業の今の段階、次の通常国会へお示しいただける、そういう具体的なものがもうきちんとできていらっしゃるのか。ポイントとかあるいは進捗状況、そういったものをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま西岡委員の御地元の事情を拝聴いたしまして、私も身につまされる思いがいたしましたのは、私の地元もちょうど首都圏からの産業廃棄物が延々とみちのくへ走ってきて、今御指摘のような問題をたくさん起こしております。この現象がどこから来たかと申しますと、産業廃棄物の著しい量的な増加がその背景にあるわけでございまして、先ほど政府委員から申しましたように、首都圏なら首都圏の産業廃棄物を、できるだけ排出したところに近いところで処理をするということが非常に難しくなってきたということを意味しておると思います。 対応が幾らかおくれたではないかという御指摘、私率直に申しまして同感でございました。厚生大臣に就任いたしましていろいろ国会等の御議論を見ておりまして、同感でありました。なぜそういうことになったかと申しますと、産業廃棄物については、もう御承知のとおりPPPの原則といいまして排出者が責任を持ちなさいという原則を非常に大事にしたと申しますか、この原則を大事にしてまいりまして、そして公の規則をきちっと排出者が守ってくれれば少なくとも理屈の上では迷惑になる事態は起こらないという考え方で来たんだろうと思います。しかし、委員が御指摘のとおり、量が余りにも多くなる。したがって、移動が広域に及ぶということになりますと、排出者だけで最後まで面倒を見なさい、そしてマニフェストシステムというものをつくって、特定の廃棄物がだれが出したものかはっきりしなさいという次元ではとてもとても処理できないということを私は強く感じまして、省内でもよく検討して、去る通常国会で生活環境審議会に諮問をいたしまして、次の通常国会に間に合うように法案を出しますとお約束を申し上げたのが現実でございます。 そこで、どういう問題点があるかと申しますと、第一に、まずできるだけ排出量を減らしていただく必要がある。いわゆる減量化とか再生利用を推進をするということでございます。その点については、排出者の努力にまちつつも政府の方でもお手伝いできることがあったらやらなきゃならない。それから情報の交換をさせなきゃならない。これが第一点であります。それから第二に、排出事業者の責任を貫いていくために、いろいろと周りの制度を強化していかなければならないであろう。また三番目に、排出事業者だけに責任を負わせるといっても、最終処理場までの仕組みについてやっぱり公共関与をいたしまして道筋をつけてあげなければならない段階に来たのじゃないか。量が非常に大きいものですから、特定の排出者だけで適切な場所を探すというのも難しくなっておりますから、そこはやっぱり地方団体と国と行政機関も一緒になって考えるようにしようということが第三点でございます。 こういう三つの点につきまして、今制度全体の見直しを積極的にやっていただきまして、ここで改めて委員に申し上げますが、成案を得て次期通常国会にできるだけいいものを出したいと私は思っておりますので、どうか御理解をいただきたいし、また、積極的なアドバイスもちょうだいをいたしたいと思います。
○西岡瑠璃子君 私は、今の厚生大臣のお言葉を本当にありがたく、そのとおりにしていただきたいというふうに受けとめました。 ただ、今回の法改正に当たり、一番私は今までの法制度の欠陥であったところは何かということは、まず、住民の意思が尊重されていない。反映する場所がなかった。ですから、今回の法改正に当たりましては、ぜひとも住民参加の制度を私は御提案を申し上げたい。そして市民団体の方々の意見も聴取をする場をぜひ積極的に取り入れていくというふうな、そういう対応をしていただいて、本当にすばらしい法改正をぜひ通常国会で御提案をしていただきたいと思うわけでございますけれども、念を押させていただきますが、よろしゅうございますか。
○国務大臣(津島雄二君) 廃棄物の処理のあり方についての多くの要望、御意見がございまして、今の委員の御指摘は、そのうちの非常に重要な点であろうと思っております。生活環境審議会におきましてもこういう要望を踏まえつつ検討いたしておりますので、できるだけ御意に沿うような方向で成案をまとめてもらいたいと思っております。 なお、私の立場から一言付言いたしますと、やはり地方団体の首長の方々にもできるだけ我々のこの仕事に積極的に参加していただくということが、やはり地方団体の首長の方は直接住民のいろいろなアドバイスとか御意見とかに接する立場でありますから、一つの重要なポイントではないだろうかというふうに思っております。
○西岡瑠璃子君 大変力強い厚生大臣のお言葉をお聞きしたわけですけれども、私はやっぱり先ほどもちょっとお話ございましたように、だんだんと広域化してまいりますし、この産廃のことに関しましては今厚生省の産廃の対策室が担当されていらっしゃるわけですけれども、この小規模な機関ではもうこの膨大な量の産廃の処理行政を受け持つのは大変困難な時期に来ているんじゃないか。そういうところから、今まで自己処理原則だから民間に任せればいいというふうな行政の貧困さがいみじくも露呈をしたのではないか。そういった点からいいましても、この際、ぜひこれを環境庁に移管をするとかといったような思い切った措置をおとりになってはいかがかというふうに思うわけですね。積極的な公共関与を進めていくためにも、ぜひそういった思い切った抜本的な改革をしていただきたい、そういうふうに思うわけですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと 思います。
○国務大臣(津島雄二君) 私どもの仕事について、大変ありがたい叱咜激励でございまして、いろいろ人員、予算の確保については実は来年度予算でも積極的な要求をいたしております。まだ折衝の前段階でございますから中身を申し上げるあれではございませんが、積極的に取り組まさせていただきたいと思います。
○西岡瑠璃子君 そのお言葉を私は真摯に受けとめさせていただきます。 それから、私はきょうずっと発言をさせていただいたわけですけれども、私は地元の高知の例を幾つか取り上げて申しましたのは、地元に処理場が建設されると困るというような手前勝手なことで発言したのではないわけです。今よそから持ってくる分にいたしましても、非常に公害の発生をするようなもの、それを無害化の処理をしないで、排出した地域が責任を持たずに押しつけてきて、地方へ持ってくる。これが非常に問題だということですから、その排出した地域でもって精いっぱい無害化に努力をする。そうして受け入れをしてほしいということであれば、鏡川のような源流域で市民の水がめのところへ直接置かれるとそれはちょっとぐあいが悪いのですけれども、やっぱり地球上どこかでそのごみは処理をしなきゃいけませんし、人間が出すごみでございますから、そういう最大限の努力をすれば、だれも、うちへ持ってきてもらったら困るというような手前勝手なことを言うほど狭量ではない。やはりやるべきことはやってということになると思うわけですね。 時間もございませんので、ちょっとはしょってまいりますけれども、今無害化の話が出たんですけれども、今ダイオキシンの問題が非常に大きくクローズアップされてまいりました。きょう私は産廃、ごみの問題から入っておりますので、今回は時間もないのでちょっとあれですけれども、つい一週間ほど前の十月二十三日でございますか、高知のお隣の愛媛県の川之江市というところで、製紙工場から高い濃度のダイオキシンが検出され、漁協の方ではお魚も売れなくなっちゃった、もう操業を中止してほしいというふうなことで、大きな社会問題になっていることはもうお耳に新しいことだと思います。 製紙業界も独自の調査で、今までパルプを塩素で漂白する過程でこのダイオキシンという猛毒が出るということは知っていたということでございますから、本当にこれは通産省もこれを機会にダイオキシン対策をやられるというふうなことも報道されておりましたから、これはこれといたしまして、きょう私は産業廃棄物処理の点からダイオキシンの問題を取り上げておりますから、そういうところからちょっとお尋ねをしたいわけです。 このダイオキシンも、私どもの方のあの国立公園のある土佐清水市というところの清掃センターのばい煙から出たわけでございますね。これも大きく問題になりました。なぜそれが大きく問題になったかというと、厚生省が昭和五十九年に調査をした全国平均の二十倍に当たるということが報道されたわけですね。それはことし五月のことでございます。ここの処理場で、八時間操業で排出されたダイオキシンの総量が約五十六・六ミリグラム、これは約六百六十人を死に至らしめるという量だそうでございます。これが国の指針の五百五十分の一に当たる量だということでございますから、そうしますと約三十六万人分の致死量となる計算でございますね。これだけの量を排出してもよいという国の指針は、私はちょっとおかしいのではないかと思うわけですけれども、ダイオキシンの毒性についてどのような御認識をお持ちか。そしてこの指針値の算定根拠ですね、これをあわせてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(目黒克己君) お答えいたします。 先生御指摘のダイオキシンでございますが、このダイオキシンの類は有機塩素化合物の一つでございまして、化学構造の違いによりまして御承知のように約二百十種類の異性体がある、こういうものでございます。その毒性の強度がその異性体間によってそれぞれ皆異なる、こういう毒性物でございます。この中で2・3・7・8四塩化ダイオキシンというもの、通称2・3・7・8TCDD、これが極めて強い毒性がある、急性毒性があることが知られているのでございます。また、慢性の毒性につきましても幾つかの報告がございまして、毒性ございますが、毒性の発現機構など不明な点が非常に多くて、異性体を含めましたこのダイオキシン全体の毒性につきましては、一部の強い急性の毒性を除いて十分な資料があるとは思われないのでございます。 厚生省といたしましては、このダイオキシンの毒性に関しては大変重大な問題であると認識をいたしておりまして、さらにこの科学的知見の収集、世界各国の知見を収集をいたしており、また今後もその努力を続けてまいりたいと、このように思っているのでございます。
○西岡瑠璃子君 私は重ねて申し上げたいのですけれども、ベトナム戦争の枯れ葉剤ですね。枯れ葉剤のあの被害というのは、ベトちゃんドクちゃんのお話も御存じと思いますけれども、もうこれは人類がつくった最大最強の毒物ということで、私はもう核廃棄物に準じた対応が今急がれるのではないかというふうに思うわけでございますから、そういったことについて、そのダイオキシンの猛毒であるということ、そのことをどのように御認識になっていらっしゃるかをお聞きをしたわけでございます。 ドイツとかオランダとかあるいはスウェーデンとかアメリカとかいったようなところの基準と比べて、我が国の指針値というのは、どうも余りにも緩やか過ぎるのではないかというふうに思うわけでございます。もう一回この指針値というものをお見直しいただくというわけにはまいりませんでしょうか。
○政府委員(目黒克己君) 先生御指摘のように、外国におきまして、特にこの2・3・7・8四塩化ダイオキシンの一日摂取許容量、ADIと申しておりますけれども、これが一日一キログラム当たり〇・一ナノグラム、そういう基準値から〇・〇〇一ナノグラムに至るまで、非常に広い範囲にわたって設定がされているわけでございます。それぞれ各国意見が違うような状況でございまして、国際的に定まった評価がないのが現状でございます。 廃棄物処理にかかわりますダイオキシンの問題を考察いたしますために、この評価指針として、私ども〇・一ナノグラムの、体重一キログラム当たり〇・一ナノグラムを定めているのでございますが、この当時の毒性学とかあるいは公衆衛生学等の専門家の評価によりまして判断されたものでございまして、現時点でこれを変更することは考えていないのでございます。 しかしながら、なお今後とも先ほど申し上げましたように、急性の毒性については非常に強い。それから特にこのダイオキシン類の中でも2・3・7・8については非常に強い毒性を持っているということについては私ども十分承知をいたしておりますので、今後ともこの他のダイオキシン類を含めまして、早急にこの科学的知見を収集して、しかるべく私ども勉強してまいりたいと、このように思っている次第でございます。 いずれにいたしましても、諸外国において非常にこの意見の差があるというところでございまして、私どもも現在この資料を集めているというところでございます。
○西岡瑠璃子君 ぜひそこのところは徹底的に調査をして、基準に違いが余りにも大きいというのはどうかと思いますので、御研究をしていただきたいと思うわけです。 その前に、そのダイオキシンの測定をほとんどなさっていらっしゃらないというのが現状だというふうに伺っておりますけれども、これはやはり技術的な面、費用の面、コストの面ですかね。それから取り扱い上の安全の面、そういったところが困難性を持っているわけでございましょうか、全国でわずかに五カ所といいますか、五機関ぐらいしかないというようなことを聞いておりますけれ ども、私はぜひこの際全国のごみ焼却場のダイオキシンを厚生省が測定を行う。もしそれが今すぐ無理だとすれば、全国の自治体の求めに応じて容易にダイオキシンの測定が行われるような体制をとるべきだと、そういうふうに思うわけです。 例えば、今までの装置でなくてバッグフィルターというろ過集じん装置、今まで電気集じん機ですね、それをバッグフィルターにかえていくとか、そういったような方法を考えていただきたいと思います。 またこのごみ焼却場の設置がたったわずかに四分の一の国庫補助、国の起債によってなされているわけですね。私はもっとこれは国が大きく補助しなくてはならないのではないか。非常に地方自治体は財源に乏しいわけでごさいますから、そういった点も含めてこのダイオキシンの問題にぜひ取り組んでいただきたい。 私は、きょうはほかにもう一つ質問したいことがございますので、最後の方どうもはしょってしまいましたけれども、このごみ焼却炉から排出されるダイオキシンにつきましては、ぜひともその監視、そしてその測定の体制につきまして、地域の住民の皆さんとも、そして自治体の方とも協議をしながら行っていく。そしてその結果に応じて規制を行っていくという、そういうシステムをぜひ国の方でやっていっていただきたいというふうに思うわけでございます。本当に、きょうはいわゆる廃棄物の焼却炉のところだけ申し上げましたけれども、これは私は全国の企業内にある大量の産業廃棄物の焼却炉もやっぱり早急な点検の必要があるのではないかというふうに思っております。ぜひお願いをしたいと思います。あと二点目の問題がございますので、厚生大臣の大変力強い御答弁を私はしっかりと胸に受けとめまして次に移らせていただきます。 それでは次に、私はまず厚生大臣に、戦後処理の問題に関してお伺いをしたいと思います。 今日、我が国の経済面の発展を見ますときには、いわゆる本当に世界の中で経済大国と言われているその一面だけを見ますならば、もはや戦後ではないという言葉もうなずけるかもわかりません。しかし、先般日本社会党の田邊誠副委員長、そして金丸元副総理が朝鮮民主主義人民共和国を訪問されまして、その際に会談の席上で戦後の償いということが俎上に上せられたわけでございますね。ですから私は、他の面ではもはや戦後半世紀を経過しているけれども、内外ともにまだまだ戦後の償いが終わっていない。そういった点で、今中東問題で再びマスコミをにぎわせております中曽根元総理大臣が、かつて戦後政治の総決算ということをお話しになられました。標接されましたね。海部内閣の一員として大臣は、戦後政治の総決算に対する御所見、御感想をどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) さきの大戦は、我が国民はもとより近隣諸国等に甚大な影響、被害を与えたものでございます。そのような意味で、まず近隣諸国に対していろいろと御迷惑になることがあった。そのことは率直に反省をし、また今後決してそういうことがないように自戒をして、国政を進めていくということは、まず第一に必要であろうかと思います。総理が率直にそのことを議会でも国民に向かって、また対外的にも表明をされたのは大変結構なことだと思いますし、この点では戦後の総決算というような一言で終わるものではない。我々はやはりずっと肝に銘じていかなければならない問題だと思っております。 それからもう一つは、国民各位の受けられた大きな損害でございまして、これは私ども昭和一けたの生まれで、専ら非戦闘員として戦災に遭ったり空襲を受けたりというような体験を通じて、非常に大きな被害を広範な方々に及ぼしたということにも思いをいたさなければならないと思います。そういう経験からいたしまして、世界平和を真剣に求めていくということが我が国の国是でなければならないというふうに考えておるところでございます。
○西岡瑠璃子君 戦後処理に関してはすべて終わったのではないというふうに受けとめさせていただいてよろしいわけですね。
○国務大臣(津島雄二君) 私は、まず最初に政治家の心構えとして申し上げたわけでございますが、いわゆる戦後処理の問題ということになり、法律上の問題ということになりますと、ここに非常に難しい問題があろうかと思っております。すなわち、広範な国民が被害を受けられた中で、国民の貴重な税源を使ってどのような問題にどのように対応していくかということについては、またおのずからやはり私どもとして考えるべき点はあろう。 厚生省としては、その中でも戦傷病者、戦没者遺族に対する援護であるとか、あるいは遺骨収集等の戦没者の慰霊事業であるとか、あるいは中国残留孤児等を初めとする引揚者の援護などの業務を今担当をさせられておりますので、この点について真剣に取り組んでまいりたいと思っております。
○西岡瑠璃子君 その問題については、それではどこの主管省庁でその戦後処理と称するものについて今取り組んでおられますか。
○国務大臣(津島雄二君) 私どもに分担を求められておる点について、先ほど申し上げた援護の仕事を御指摘申し上げたわけでございます。
○西岡瑠璃子君 私は、もう時間がなくて本当にいらいらしているわけですけれども、もうずばり単刀直入に申しますと、高知県の室戸岬沖で、間もなく、もう終戦を目の前にして、アメリカの潜水艦に魚雷でもって撃沈された日本の定期客船ですね。客船とはいうものの、その使命は軍からの命令によって運航しておった。そして、当日もその前日も潜水艦を発見しているにもかかわらず、軍は乗客にそれを知らせるということは軍の機密を漏らすことになるということで、あえて口をぬぐって、むざむざと大切な人命を犠牲にしたわけでございますね。 この問題で、今地元ではもう超党派で援護策について取り組みが行われております。ですから、もう大臣も御承知と思いますけれども、百十八国会の衆議院におきましても質問主意書が提出をされておりますね。私はその答弁書を拝見いたしまして、もうこんな回答では本当に困るわけでございます。 まず、沈没の真相については、「現存資料等について調査を行ったが、不明であった。」。私は、どのような資料に基づいて、どのような調査が行われたのか。政府が調査するのでございましょう。高知県の民間の一ドキュメンタリー作家のこの方は、本当にもう一生懸命で、県内歩き回って、そして大阪へも行き、いろんな方に会って、この事実をこの一冊にまとめているわけでございます。NHKのテレビでも先般全国中継、そしてローカル、ブロック管中などを通じまして、シリーズでずっともう詳しく出しました。そのときには魚雷を撃ったアメリカの潜水艦のポンポン号の艦長さんに会いに、今御存命でいらっしゃいますから、アメリカへ行って会ってきているわけです。そして、確かに滋賀丸を撃沈したと。そして、その撃沈の経過もスケジュール表も、もう事細かなものをいただいてきているわけでございますよ。それなのに政府の方には名簿すら整備をなさっていらっしゃらない。私は、これではお亡くなりになった方の遺族は本当に浮かばれないし、亡くなった方はもちろん浮かばれません。この間、私も遺族の方にお会いしましたけれども、石ころがお位牌のかわりというか、遺骨のかわりなんですよ。 そして、くしくも生き残った方が何人かいらっしゃるんです。その方の談話も私はいただいてまいりました。当時十八歳だった青年が、四十五年間たっていますから、ちょっと計算してみてください、今何歳になっているか。当時二十七歳だった、軍属という身分で乗っていた方、乗組員で乗っていた方、そういった乗組員とか軍属で乗っていた方の方がやっぱりいろいろな訓練ができていますし、そしてこういうこともあろうかということが事前に察知されていますから、被害が少な くてというとあれですけれども、生存率が高かったわけです。民間の人の方が本当にたくさん犠牲になっている。乗客百九十人のうち百五十人も犠牲になったのがこの滋賀丸事件でございます。 私は、この十一月、海の状況がよくなれば地元の皆さんが、政府がやらないなら浄財を募ってでもこの海中の探査をする、そう言って国立高知大学の先生も協力をする、マスコミも協力をする、民間の人々もみんなが協力をして、何としてもこの大阪―高知航路の悲劇の真相を究明したい、そして遺族の方にお報いしたい、そういう気持ちを私はこのままにするわけにはいかないと思うわけですね。何としても私は、資料は不明と回答されたことは余りにもお粗末だと思います。当時の国策に協力した犠牲者なんですよ。それを戦後処理の部分ではないと。私は本当に残念でなりません。国家使用船として、哨戒船としても利用されているわけですね。しかも、明治の時代につくった、本当にもう魚雷一発当たればそのまま撃沈するおんぼろの船だったんですよ。それを、前日も船長さんが事の次第を察して、今回は乗客を乗せるのをやめようと言ったにもかかわらず、軍の命令によってそのまま航海に出させて、この悲劇をもうむざむざ――起こるべくして起こった悲劇というしか私はないと思うんです。 もう時間がございませんから、私はまず政府は名簿を、お金はかからないと思いますよ、そんなに。次年度予算で措置をしていただきたい。そして、私は遺族の補償というところまできょうはもう突っ込んでいく時間もございませんし、もっといろんな機会をいただいていろんな考え方で御検討いただきたいと思いますのであれですけれども、まず調査をしていただきたい。そのことをぜひお約束をしていただきたいと思います。 本当に時間のないのが残念でございますけれども、政府は本年度、平和祈念事業特別基金によって慰労品の贈呈を戦後の強制抑留者に対して差し上げることにもしておりますね。こういった個別事件の処理問題としてとらえれば、私は、現行法制がどうの云々というよりも、政府が戦後処理の問題として真剣に政治的に責任を持ってこのことに対処していただきたい。お願いをいたします。厚生大臣、お願いいたします。
○国務大臣(津島雄二君) 所管が当時の船の所属の関係で運輸省ということでございますので、運輸省の方から答弁をしていただきたいと思います。
○説明員(相原力君) 先生御指摘の滋賀丸事件につきましては、戦時中とは言えまことに痛ましい事件であるというふうに考えてございます。 運輸省といたしましても、遺族の御心情等を察しましてできる限りの努力はしたいというふうに考えております。 先生御指摘の犠牲者の名簿の作成につきましては、非常に古い出来事ではございますけれども、可能な範囲でその点についても運輸省としてできるだけお役に立ちたいというふうに考えております。
○西岡瑠璃子君 約束してください。
○説明員(相原力君) はい。
○西岡瑠璃子君 終わります。
○委員長(及川一夫君) 午前の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後一時一分休憩 ─────・───── 午後二時一分開会
○委員長(及川一夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和六十二年度決算外二件を議題とし、厚生省、労働省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○木暮山人君 私は、昭和六十二年度決算審査に際し、主に成人歯科保健につき、また定数超過入院について厚生省当局に質問いたしたいと思います。 昭和六十二年度決算検査の報告によれば、医療法上の許可床数を超えて入院させている医療機関に関し、過大に支払われた医療給付費が約五億三千八百万円であったとされております。もともとこのような超過入院は医療法の予想するものではなく、超過入院の解消は適正な入院医療の確保の上で必要なことであります。 そこで厚生省当局にお伺いいたしたい。 超過入院が生ずるのは、単に高齢化等の理由に伴う現象であるのか。また、こういう問題についてはどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思うのであります。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 先生御存じのとおり、病院の開設、増床等に当たりましては、医療法におきまして都道府県知事の許可を要するものとされているわけでございますが、許可に当たりましては、当該病院の病床数なりあるいは構造設備、人員等につきまして必要な審査を行っております。また、その後も医療監視等を通じまして、その適正な運営が確保されるように指導いたしているところでございます。しかしながら、先生御指摘のように、一部の病院におきまして、病床数を上回ります超過入院の実態がある。中にはこれが継続的に行われているようなケースもあるということもよく聞いているところでございます。 超過入院の原因といたしましてはいろいろ考えられるわけでございますけれども、患者の動向から一時的に入院患者が病床数を上回ることはやむを得ないことであるといたしましても、安易に病床数を超えて患者を入院させ、これが継続的に行われるような場合には、治療や適正な処遇等に悪影響を及ぼすことにもつながるわけでございますので、その適正化を図る必要があるというぐあいに認識いたしているところでございます。
○木暮山人君 六十二年度の決算報告によれば、都道府県においては定数超過の現況の把握が十分でなかったと指摘されておりますが、一定の地域ごとの必要病床数を定め、これを超えて増床する場合には規制が行われるという医療法の建前、さらに医療機関の適正な運営という見地から考えて、このような超過入院は解消すべきであります。 この問題について厚生省はどういう指導をしておいでになったか。また、今後どのようにするのが妥当であるかについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 超過入院の問題につきましては、適正な入院医療の確保の観点から医療監視等を通じまして指導を行ってまいっているところでございますが、本年度におきましても、三月に開かれました各都道府県の健康政策主管課長会議におきまして、また五月に健康政策局長通知等におきまして、この超過入院が継続的に行われている医療機関に対しましては、医療法に基づきます管理者の変更命令等を含めまして十分指導するようにということで都道府県に対しまして指導いたしているところでございます。 今後とも引き続き厳正に対処するよう、十分都道府県に指導してまいりたいというぐあいに考えております。
○木暮山人君 昨年の十二月に成人歯科保健対策検討会の中間報告が出されておりますが、検討会が設けられた経緯、また、この報告の主なる内容についての説明をお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 成人歯科保健対策検討会に関するお尋ねでございますが、先生御存じのとおり、歯科疾患につきましては現在も高い有病者率を示しておりまして、これがいわゆる壮年期以降の歯の喪失につながるものというぐあいに認識いたしております。 このような歯科疾患を予防するための歯科保健対策につきましては、従来から幼児、学童期を中心にいろんな対策を講じているわけでございますが、最近では幅広い年齢層に対象を広げる必要がある。特に若い世代への対策の充実を求める声が強く言われているところでございます。このようなことから、成人の歯科保健対策のあり方を検討するために昨年の三月に厚生省内に検討会を設置いたしたところでございます。 そして、昨年の十二月に検討会から提出されました中間報告におきましては、今後の成人歯科保健対策といたしましては、歯科疾患の予防の重要性についての国民意識の啓発、それから成人歯科保健事業の推進、歯科保健関係者等に対します研修の充実、保健所等への歯科医師及び歯科衛生士の配置の促進、成人歯科保健対策を充実するための研究開発の充実等が提言されているところでございます。
○木暮山人君 そのような状態で今いるわけでありますが、実際は、成人の歯科保健の現状について考察しますと、成人の歯科疾患受療率が非常に高く、特に三十歳代で虫歯がふえている等の指摘がなされております。国民の歯料保健に対する関心を含めて、成人の歯科保健の現状についての説明をお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 成人の歯科保健の現状についてのお尋ねでございますが、昭和六十二年に歯科疾患実態調査をいたしたわけでございますが、これによりますと、近年、三十歳代前後におきまして虫歯が増加傾向にある。また、歯周疾患の有病者率も八〇%に達しているというデータを持っているわけでございます。それから、昭和六十二年の患者調査によりますと、三十歳代からの歯科疾患受療率が高くなっているというような状況にございます。 それから、国民の歯科保健に対します関心は、成人においても日常の歯磨き回数が増加しているというようなことで、徐々に高まってきているわけでございますけれども、まだ十分であると言うわけにはいかない状況にございます。
○木暮山人君 今聞いたところによりますと、成人に関する歯科保健の現状は相当よくない状況でありますが、現在成人歯科保健事業がどのように実施されているかについて、ひとつ説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 成人の歯科保健事業につきましては、昭和六十二年度から開始されました老人保健事業第二次五カ年計画の重点課題ということで、四十歳以上の成人に対します歯科疾患予防のための歯の健康相談、歯の健康教育を推進いたしているところでございます。それからまた、一部の保健所におきましては歯科健康診査及び歯科保健指導等の独自の成人の歯料保健対策も実施いたしているところでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、歯科疾患の蔓延しやすい二十歳から三十歳代に対する歯科保健対策は必ずしも十分ではなく、その推進に当たりましては今後とも重要な課題であるというぐあいに認識いたしているところでございます。
○木暮山人君 成人に関する歯科保健の現状が悪いのにかかわらず、なぜそのような保健事業実施状況になっているのですか。 また、あわせて、今後の成人歯科保健対策の基本方針、さらに当面の対策はどうかお伺いいたしたいと思います。 特に、歯科関係では有名になっている八〇二〇運動を含めてひとつ御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 歯科保健対策につきましては、従来から子供の虫歯対策を中心に実施してまいっておるところでございまして、その結果、いわゆる子供につきましてはかなりの改善が見られているようになったというぐあいに認識いたしているところでございます。 これに対しまして、成人に対します歯科保健対策の重要性は、近年の人口高齢化の進展に伴いましてようやく少しずつ認識されてきたものでございまして、残念ながら先ほど御説明申し上げましたような状況になっているわけでございます。 このような中におきまして、長寿社会を健康で明るく快適に過ごすためにはやはり充実した食生活ができることがその基本であるということから、御指摘のように八十歳で二十本の歯を残す八〇二〇運動が先ほど申し上げました検討会から提言されたところでございます。この目標に向けまして、歯科疾患予防の重要性につきまして国民意識の啓発、さらに成人歯科保健事業の推進及びその基盤となります体制の整備等を基本といたしまして成人歯科保健対策を推進することといたしているわけでございます。 当面の対策といたしましては、歯科疾患が急増いたします二十歳以降の成人に対します歯科保健事業の充実、それから行政機関及び関係団体等から成ります成人歯科保健推進協議会によります歯科保健事業の組織的な推進、それから歯科医師、歯科衛生士等のマンパワーの保健所等への配置の促進と歯科保健関係者への研修の実施、さらに成人歯科保健対策を推進するための研究体制の充実等を進めていくことが必要というぐあいに考えているところでございます。
○木暮山人君 いろいろと当面の目標を伺ったわけでありますが、まず平成三年度において重点的に推進しようとしているのはどういう事項についてでありますか。また、当面成人歯科保健対策を推進するには簡単ではないと思いますが、特に厚生省として留意しなければならないことは何ですか。 さらに、行政の実施に不可欠な予算においては来年度どういうことを考えて要求しているか、その内容についてひとつお伺いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 平成三年度の予算要求の中身に関するお尋ねでございますが、厚生省といたしましては、平成三年度におきましては、いわゆる出産後一年から二年ぐらいの女性につきましては、妊娠や出産が歯周疾患の発生と増悪に少なからず影響を与えていることに加えまして、一般的には主婦の方々は受診機会が少ないこと等にかんがみまして、これらの方々を対象に歯科保健対策を重点的に推進したいというようなことで概算要求を提出いたしているところでございます。 この中身は、一歳六カ月の子供の歯科検診の機会を利用いたしまして、その母親に対しまして歯科検診なり保健指導等を実施してまいりたい。そういうことで成人歯科保健推進事業を全国的に十五カ所のモデル地区で実施することを内容といたしているわけでございます。 それから、従来から行っております歯科の歯の衛生週間などを通じまして国民に対する啓発活動につきましてもさらに重点を置きまして、成人歯科保健対策に重点を置きましてその推進を図ってまいりたいというぐあいに考えております。 それから、このような成人歯科保健事業の推進に当たりましては、地域におきます適切な事業計画の立案と評価、それから関係団体の積極的な協力等につきまして留意する必要があるというぐあいに考えているところでございまして、今後ともその基盤整備を行ってまいりたいというぐあいに考えております。
○木暮山人君 今伺ったところによると、来年度の歯科保健医療対策費予算要求のうち、事業費関係の新規では成人歯科保健推進事業として一千二百万円であり、また、成人歯科保健対策事業といたしましても、既存の制度である一歳半健診時に付き添ってくる際に親に対する検診を行うということについては、専門職である私から見ますと、これを一括するということについては、なかなか実際親身になってやっているというような考えから見ましても考えられない現況であります。最近の状況から厳しい予算編成と聞いておりますが、厚生省の事情もわかるつもりでおりますが、これで果たして成人歯科保健対策検討会の意見等を完全に消化し、また対応することができるかということにつきまして、ちょっと御意見をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 厚生省といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、来年度の予算要求に盛り込みました成人歯科保健対策事業は、現在、歯科保健事業の対象となっていない二十歳から三十歳代の比較的若い世代、特に女性を対象とするものでございまして、歯周疾患の有病率等が急増してまいります二十歳以降の成人への新たな対応ということで、検討会の意見にかなったものというぐあいに考えているところでございます。 御指摘のとおり、本事業の対象者が限られていること等によりまして、必ずしも十分じゃないんじゃないかという御指摘でございますけれども、この事業はモデル事業ということで実施いたしまして、その波及効果を期待しようとするものでございます。その結果を踏まえまして成人歯科保健対策の全国的な普及をさらに推進してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
○木暮山人君 もう少し掘り下げてちょっと質問したいと思いますが、結局は、今までは学童対象または妊産婦対象、そこら辺で相当成果を上げてきておるわけでありますが、一たん学齢期を過ぎていきますと、どんどん齲蝕及び周囲疾患というものがふえてまいりまして、実際気のついたときにはしようがない状態にまで追いやられている。しかし、これにつきましてはやはり学童期またはそういう検診のできる範囲、それから社会に出た成人した社会人、これに対する検診ということを何か改めてここで考えていかなければ、歯牙のいわゆる齲蝕だけではなくて周囲組織炎、いわゆる支持する方の病気、これが今蔓延してきているのではないか。こういうことにつきまして具体的にお考えがありましたらひとつ御説明をちょうだいしたいと思うのであります。
○政府委員(長谷川慧重君) 歯の問題は、高齢化社会におきましては非常に大切な問題であるということで、従前から歯の週間等を設けまして、歯の衛生教育といいますか健康教育につきましては、いろいろ国民に対する啓発活動を行っているところでございます。そういう面で、従前にも増しまして国民に対する啓発活動をさらに強めていかなきゃならないというぐあいに認識いたしているところでございます。 それから、あわせまして、いわゆる若い世代におきます歯の検診のチャンスもなかなかないわけでございますので、そういう面で、申し上げましたように、来年度におきましては厚生省におきまして予算要求いたしまして、二十代から三十代の若い世代、特にお子さんが一歳半前後の方々のお母さんを対象にいたしまして歯の検診なり健康相談等をやりまして、そういう成果を踏まえて、また全国的にPR等普及してまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
○木暮山人君 関連いたしまして、お伺いし、これはお願いになると思いますけれども、いわゆる社会人になりますと齲蝕よりも歯周疾患というものが、歯の周りの歯を支えている歯茎の病気が非常に蔓延しているわけであります。しかし、日本の診療体系、保険制度から見ますと、歯を支えている歯周疾患に対しましてのいわゆる約束事と申しますか治療の方針と申しますか、非常にまだ担当する歯科医と国の側のコンセンサスが実際うまくいっていないのではないかという節もございますけれども、そこら辺の認識をちょっと御説明願いたいと思うのでございます。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生御指摘の問題等につきましては、歯科医師会等から私どもの方にもそういう面での御指摘がございまして、改善方についての要望が出されているわけでございます。いろいろ問題があろうかと思いますので、関係団体の意見を十分聞きながら厚生省の中におきましては中央社会保険医療協議会の中におきましていろいろ御議論が進められるものというぐあいに考えているところでございます。
○木暮山人君 そういう問題につきまして、今後もひとつ掘り下げて御考慮のほどをお願いしたいと思います。 なお、加えまして特にお伺いしたいことでございますけれども、成人歯科保健対策検討会の中間報告では、基本的な方針の中で、「成人における歯科保健事業の推進体制の整備を図る。」とありますが、これにつきまして成人歯科保健対策協議会を設置するほかどのような基盤整備を行うことをお考えになっておいでになりますか、ひとつ御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 先ほどもちょっと中間報告で申し上げましたように、先生からお話がございましたように、いわゆる歯科保健事業を組織的に提供するためには、行政機関なり関係団体等から成ります協議会を設置するということとあわせまして、地域の中におきます歯科保健の中核的な施設でございます保健所におきます歯科保健業務の充実、さらには成人歯科保健に関します歯科医師や歯科衛生士の資質の向上、あるいは歯科保健対策の推進のための研究体制の充実というような点が課題であるというぐあいに思っておるところでございます。そういう面で、講習会とか研究費ということでいろんな対策を行っているところでございます。
○木暮山人君 終わりに、厚生大臣にひとつお伺いしたいと思うのでございますが、厚生省の調査では、七十歳では喪失歯の数が二十本を超えています。そのために八〇二〇運動というものが提唱されることになったのだと思いますが、歯は抜けてしまえばもう手おくれです。その前にぜひとも治療をして喪失を防がねばなりません。高校生ぐらいまでは学校で検診がありますが、それ以降は、検診が行われる機会が少なくなることが後年になって喪失歯が増加していることの要因になっているのではないかと思います。健康な老後生活を送るためには、自分の歯で物をよくかんで食べることができるということが大変重要だと思います。歯を守ることが健康を守るという認識でこれからの歯科保健行政を進めていただきたいと思っております。 厚生省の御努力はわかりますが、若干心もとない気がしないでもありません。今大臣の歯科保健対策に対する御所見をひとつお伺いしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(津島雄二君) 高齢化社会を迎えまして、私どもが授かる一本一本の歯の大切さというものはますます大きくなってきております。そういう意味で、八〇二〇運動、八十歳になっても健全な多くの歯を残すという運動は、まことに時宜を得たものであるというふうに考えております。 私といたしましても、生涯にわたる歯の健康を保持増進することができる体制を確立しなければならないという考え方で、生涯を通じての歯科保健対策の推進に取り組んでまいりたいと思います。 特に、先ほど委員が御指摘になりましたように、いろいろな問題について歯科医療に従事をしておられる方々と行政側との間でやはり真の理解と協調が確立されることもまた大事だと思いますので、よくお話し合いをしながら進めてまいりたいと思っております。
○木暮山人君 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
○清水嘉与子君 私は、保健医療分野におきます国際協力の問題について、少しお伺いをしたいと思います。 WHOが二十一世紀までにすべての人々に健康をというスローガンを掲げて各国に、各国の保健政策の中でプライマリー・ヘルス・ケアを進めようというようなことを提唱しておりますけれども、二十一世紀までにあと十年、まだまだ開発途上国の中でこの健康問題が十分取り上げられていないんじゃないかという認識を持ちます。そこでこの分野で、経済発展を遂げた我が国といたしましては、これからますます国際社会の発展に貢献していく、特にこの保健医療分野での協力に貢献していくという役割が大きくなるのではないかというふうに考えております。 そこで、まず外務省の方にお伺いしたいんですけれども、今我が国で行っておりますこの保健医療の国際協力の実態につきまして、まあいろいろな分野でやっていらっしゃるわけですけれども、今、一九九〇年のODAの予算がもう百億ドルというようなことでございますけれども、この中で特に二国間協力、特に贈与分に限ってというふうに考えていいと思いますが、無償協力、技術協力ということを中心にいたしましてどのくらいのシェアを占めているのか、そしてまた、こういう分野での要請の状況といいましょうか、要請がどのくらいあって、そして今どのくらいの件数を協力しているのかというようなことにつきまして、 まずお伺いしたいと思います。
○説明員(横田淳君) 現在、我が国といたしましては、保健医療分野におきまして、開発途上国に対しまして医療施設の建設とか整備でありますとか、それから感染症対策の機材供与、さらには専門家の派遣、または研修員の受け入れなどを通じて経済協力を行ってきているところでございます。 その規模でございますけれども、一応全部を金額に換算いたしまして比較した数字としましては八八年度のものがございまして、ODAの全体の中で占める割合は約八%でございます。その八%分を金額に直しますと千二百五十億円余りということになります。ただし、先生が今おっしゃいましたのとちょっとベースが違いますのは、この中には有償資金協力という、円借款分も含めた数字でございます。 そこで、無償資金協力だけを取り上げて申し上げますと、例えば同じ一九八八年度におきましては十九件、約百三十億円をやっております。それから技術協力は、これはなかなか金額に換算しがたいところがあるわけでございますけれども、例えば研修員の受け入れといたしましては六百四十六名、専門家の派遣といたしましては四百二十九名。それから若干趣旨は異なるかもしれませんが、青年海外協力隊の中で保健医療分野としてカウントできるものでは百三十名というような規模で行っているところでございます。
○清水嘉与子君 この専門家の四百二十九名、職種がわかりましたら教えていただけますか。
○説明員(横田淳君) 職種に関しましては非常に多岐にわたっておりまして、ざっと申し上げますと、例えばウイルス学ですとか、医学教育、医薬品、医療機器、栄養学、人口・家族計画、その他二十種類ぐらいございます。
○清水嘉与子君 技術協力についてお伺いしたいんですけれども、具体的に二国間で事業が進むということになりまして、具体的な技術協力をどういうふうな形で実施しておられるんでしょうか。実施体制といいましょうか、それについて少しお伺いしたいと思います。
○説明員(横田淳君) 実施体制を申し上げますと、まず私どもがやっております技術協力の範疇におきましては、援助の対象の国から具体的な要請が上がってまいるわけでございます。これは、年度ごとに一定の時期に相手の国に対して要望の調査をいたします。そこで、例えば医療分野において具体的なこういう案件を協力してほしいという要請が上がってくるわけでございます。それに対しまして、その内容を見まして私どもが、例えばその案件につきましては専門家を何名派遣するとか、そういうふうな、どういう対応をしたらいいかということを検討いたしまして、技術協力が持っております大まかにいって三種類のスキームを通じまして協力するわけです。 三種類と申しますのは、先ほど来申し上げております専門家の派遣と、それから相手国からの研修員の受け入れ、それから機材の供与。その中での最適の組み合わせを考えまして協力を実施するわけでございます。
○清水嘉与子君 それを外務省が直接されておられますのですか。
○説明員(横田淳君) 経済協力の実施機関といたしましては国際協力事業団がございまして、私どももそこを通じてやっております。
○清水嘉与子君 次に、恐らくこのJICAに参りましても厚生省に相当な部分御相談があっているんじゃないだろうかというふうに思うんですけれども、こういう政府の行います国際協力に対しまして、厚生省はどのような役割を担っておられるのか。特に昨年国際課に国際協力室ですか、こういうものを設けられて、組織をつくられたというふうに伺っておりますので、そこでの役割といいましょうか、それだとか、あるいはJICAとの関係を少し教えていただきたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) 厚生省の担当しております国際保健医療協力は、御承知のとおりベーシック・ヒューマン・ニーズ、基礎生活分野に係る重要な協力分野でございまして、厚生省といたしましては、ただいまのJICAルートに加えまして、WHOが提唱する公平と参加を基本理念とするプライマリー・ヘルス・ケアの考え方に基づきまして積極的に取り組んでいるところでございます。 ルートでございますが、外務省が直接やられるもの、それから国際協力事業団、JICA等がやられるもの、これは二国間協力でございますけれども、厚生省の専門的立場から支援するということでございます。それから、厚生省独自にWHOから依頼を受けたものがございまして、いわゆるバイでございますが、それにも参画をいたしております。それからさらに、厚生省独自の予算要求といたしまして協力事業を実施いたしておりまして、これは国際厚生事業団に委託、あるいは厚生省が直接にということで実施しているところでございます。四つほどのプリンシプルを立てておりまして、効果的な案件の形成実施、人づくりへの貢献、国際協力のための技術開発、国際機関等との連携という観点に立って実施しているところでございます。 御指摘のように、昨年五月には国際課内に国際協力室を設置いたしまして、国立病院医療センターを初めとします厚生省所管の公的医療機関や民間の協力機関の協力を得まして国際保健医療協力を進めているところでございます。 今後とも外務省を初め関係省庁、諸機関と十分協力を図りつつ、国際保健医療協力に取り組んでまいりたいというように考えているところでございます。
○清水嘉与子君 外務省が始められるこの協力は、必ずしも厚生省だけでなくて、あと文部省ですとかいろいろ行くと思いますが、厚生省は大体そのうちの何割くらいを、何といいましようか、JICAと一緒にかかわっておられるのでしょうか。
○政府委員(熊代昭彦君) 全体で何割というのは必ずしもはっきりした数字がないのでございますが、ジャンル別に分けまして、無償資金協力がございますが、これにつきましては三十五件中十七件厚生省関与分がございます。それからプロジェクト方式技術協力がございますが、これは三十九件中二十七件。それから研修事業につきましては三十六コース中二十二コース厚生省関与分がございます。
○清水嘉与子君 今の数でわかりますけれども、かなりな部分を厚生省がかかわって進めておられるわけでございますが、その中で、今厚生省がかかわっております保健医療協力の中身のことなんですけれども、特に専門家を派遣しているプロジェクトが相当あると思いますが、具体的に専門家を何人派遣しておられるか。そして、そのリクルートの方法をちょっと教えていただきたいんです。
○説明員(横田淳君) 何人派遣しているかという数字の部分をお答えしたいと思いますけれども、先ほども答弁がありましたように、現在三十九件のプロジェクトがございますが、それらのプロジェクトに対しましてことしの四月一日からの累計でございますが、医療専門家あるいは看護婦等三百十五名を派遣しております。
○清水嘉与子君 次に、昭和六十一年から国立病院医療センターの中に国際医療協力部ですか、こういうものが設置されて、組織が着々と充実されているというふうに伺っておりますけれども、その設置目的、組織、活動状況を教えていただきたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) お答え申し上げます。 国立病院医療センターの国際医療協力部の現状につきまして御説明申し上げたいと存じます。 国立病院医療センター国際医療協力部におきましては、御承知のように昭和六十一年からつくったわけでございますが、開発途上国からの要請に基づきまして国際協力事業団、いわゆるJICA等が実施します国際医療協力事業に関し、協力のニーズに適応した医師等の派遣及び研修生の受け入れを行っているところでございます。また、増大かつ多様化します国際医療協力の要請に十分こ たえていく必要があるわけでございまして、平成元年度から、開発途上国からの研修生の受け入れ及び派遣専門家の養成、確保のために国際医療協力研修センターというものを今整備中でございます。さらに平成二年度におきましては、一層の推進を図りますために国際医療協力部の派遣専門家の増員を図るとともに、国際医療協力研究委託費一億六千万でございますが、それを新設いたしまして、開発途上国に特有な疾病等に関する臨床研究及び医療技術に関する研究等を行っているところでございます。 ちなみに、ちょっと大きな専門家の派遣主要プロジェクトというものを御紹介してみたいと思うのでございますが、四つばかりございまして、一つはサンタクルス総合病院プロジェクト。ボリビア国のサンタクルス市にございます。それから二番目がリューマチ熱・リューマチ性心疾患抑制パイロットプロジェクト。これはバングラデシュのダッカでございます。それから三番目が中日友好病院プロジェクト。これは中国の北京市でございます。五十六年からやっておるわけでございます。四番目にカイロ大学の小児病院プロジェクト。これはエジプトのカイロ市でございます。平成元年七月から行っております。そのほか平成元年度、研修生の受け入れ主要コースというようなものも五つばかり持っております。 以上でございます。
○清水嘉与子君 この国際医療協力部はいつ組織が充実するようになるんでしょうか。そして、その暁にどういう職員が配置されるんでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 私どもまだ目標年次というものを定めてございませんけれども、年々増大いたしますニーズに対応いたしまして増員を図っておるところでございます。御承知のように、そういう増員の問題は国家公務員の場合相当難しいわけでございますけれども、私どもは必要性を十分感じまして、平成三年度におきましても国際医療協力の充実のために医師の増員を要求いたしております。三名でございますが。
○清水嘉与子君 私が伺ったところでは、今の組織、今は特にドクターの方の要請が多いわけですので、ドクターを充足していって、そして最終、平成四年ですか、そこまでにある程度の組織になるというふうに伺ったわけなんですけれども、今実際に派遣されている職員、これは恐らく国立の方だけでございますね。その方を見ますと、医師がもちろん多いんですけれども、中にはやっぱり看護婦が何人か派遣されているというふうに思います。医師の場合ですと、ここに定数が今二十三名ですか、おられますから、恐らくこの定員の中から行っているのかなとも思うんですけれども、看護婦はどういうふうな形で行っているんでしょうか。
○政府委員(寺松尚君) 今先生御指摘のように、看護婦さんの場合にはニーズもあれでございますけれども、それ以上に国内の各国立病院・療養所が定員的には非常に窮屈でございます。したがって、なかなか派遣するといいましても、施設長等あるいは他の同僚の看護婦さん等にいろいろ御迷惑をかけるということでございますが、ちょっと実績を見てみますと、専門家の派遣でございますけれども、これはもちろん国際医療協力部には看護婦さんがいないわけでございまして、国立医療センターを初めとします国立病院・療養所の総計を申してみたいと思うのでありますが、専門家派遣延べ人数は六十一年度から看護婦さんにつきましては十九名でございます。これは国立病院・療養所合計でございます。それから、国立医療センター分だけで申しますと、看護婦さんは専門家の派遣は延べ人数が六十一年から十二名でございます。
○清水嘉与子君 そういう方々がどういう形といいますか、出張のような形で行っているんでしょうか。それとも公務員の派遣法かなんかで行っているんでしょうか。 つまり、心配しておりますのは、ポストがないところで、要請を受けて行った。そうすると、もし出張で行けば当然のことながら一年空白ができます。おっしゃいますように、現場では本当に一年空白ができるかというとできない状況にあるわけですね。ですので、現場の方々は、出張で行っていただくよりはむしろ何とか休職ででもいいから行ってもらって、そしてその間をやっぱり代替を雇わなければいけないというような厳しい状況にあるということを私も伺っているわけです。 今まで伺っておりまして、一体、日本の国としてこういう協力をするのに今の数が適当であるかどうかという判断はちょっとつきかねるんですけれども、需要は私はもう非常に多いんじゃないかというふうに実は思うわけですね。そこに対応していくためには、こういう組織の中にも看護婦につきましてもやはりそれなりのポストなりなんなり用意していただいて、そして行っても穴があかないで済むような形にしないと、こういう事業も必要なことは必要だけれども現場では出せませんということに終わってしまうんじゃないかと思いますものですから、この組織はまだ将来最終的に決まったものじゃないというお答えでございましたけれども、ぜひその辺についてお考えをいただきたいというふうに思うわけでございます。
○政府委員(寺松尚君) 今委員御指摘のとおり、確かにニーズにつきましては私どもが十分現在の時点で把握しているわけではございませんが、恐らく各国とも我が国の状況、あるいは私どもの国立医療協力部の状況等も勘案しての結果だろうと思います。 ただし、御指摘のように、国内の国立病院・療養所の定員の問題はなかなか厳しいものでございますので、その辺の可能性も含めましていろいろと方策を研究さしていただけたらと存じます。
○清水嘉与子君 今国立の看護婦のことについて申しました。看護婦は特に国立は厳しい状況にあるというのは私もよく認識はしておるところでございます。だからといって、じゃその仕事はしなくていいのかということになったときに、やっぱりそれでは済まないんじゃないかということを思うわけです。 そして、国立が人が足りないから民間でといったときに、じゃ民間はどうしているかといいますと、私の看護行政に携わっておりましたもう本当に短い経験からいいますと、例えば看護教育のプロジェクトが始まる、先生を送り出したい、それはもう送り出せる、出したいというふうに思うんですけれども、やっぱり民間だってそんなに充足しているわけじゃありませんで、非常に好意的にそのポストをあげて出してくださる施設もございましたし、また非常に有能な方、やっぱり専門家ですのである程度、能力のない方じゃ行けませんから、そういう方に行っていただこうと思うと、結局やめて行かざるを得ないというような実態があるわけでございます。二年して帰ってきた、そしたらポストがもうないというような実態もございますものですから、やはりこういうものを進めるときの人の手当てといいましょうか、大変でございますけれども、やはりその辺もあわせてぜひお考えをいただきたいなというふうに思っているところでございます。 それから、あわせてぜひ大臣にも御認識いただきたいと思うんですけれども、今開発途上国にいろんなプロジェクトが始まりまして、看護婦が応援に行く。実力的には非常に日本の看護婦はできるというふうに思うんですけれども、実際に開発途上国に行って、相手のカウンターパートというのは先進国で勉強してきて学位を持っているとか、ドクターの資格を持っているとかというような方々がやっぱりたくさんいらっしゃるわけでございます。日本の看護婦さんはどうですか、専門家で派遣された看護婦さんはどうですかというと、大変残念なことながら日本では看護大学が非常に少のうございますから、大学を卒業した看護婦さんでさえ出すことが非常に苦労をしているところでございます。 そういうところからも、今私ども看護婦の教育を見直しをしなきゃいけないということを言っておりますけれども、そういうことも一つの大きな原因でございますし、また、これだけ日本はたく さんの拠出金を国際機関に出しながら国際機関に看護の専門家を出すことが全くできないでおります。これもやはり看護教育の基礎の問題にかかわっておりますので、そういう問題がありますことをぜひ御認識いただきたいというふうに思います。 それから、話はちょっとまた違うんですけれども、今の延長ではないんですけれども、中東湾岸貢献策でありますとか、あるいは国連の平和協力法案の中におきまして、紛争地域への協力ということで医療協力が必ず出されております。やはりこの紛争地域の平和回復活動に関する協力の一環としまして医療協力が非常に大事なことよくわかるわけでございまして、既に中東湾岸貢献策の一環として先遣隊が派遣され、そしてもう帰ってこられて、何かまた第二陣が出されるというふうに伺っております。ところで、政府の医療団の派遣要項を拝見いたしますと、現地の医療事情により人道的観点から戦傷病者だとか被災民などへの医療協力を行うというふうになっているわけですけれども、こういうところから中にはどうも問題ではないかということで反対をしている声も出ているというふうに私伺っております。 そこで、今後どういうふうになるかわかりませんけれども、こういう紛争地域に対する医療団の派遣というものに対しますそういう意義あるいは必要性ということにつきまして、ぜひ厚生大臣の御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 国連決議を踏まえました平和回復のための国際協力でございますが、我が国が国際社会の一員として人的な側面から積極的な貢献を行うということは極めて意義深いものでございまして、最近のいろいろな論議を見ておりましても、このことについては大多数の国民は理解をしておられるのではないかと思っております。 このような観点から、今回中東への医療団の派遣を先遣隊という形でいたしまして、厚生省としては国立病院・療養所に対しまして医師等の推薦方を依頼いたしまして、三名の医師の方に参加をしていただいたわけでございます。 この方々の帰国してからの御報告を承ってみますと、いろいろな厳しい制約の中でも我が国の医療団が十分現地におきまして貢献する余地があり、またそれを行えば評価をしていただけるというふうに述べられておるのでございます。 このことを受けまして、実は先ほど外務省から公表になりましたけれども、このたび中東貢献策の一環としての後継の医療団を三日にサウジアラビアに派遣をすることになりまして、この中に医師がお二人おられますが、そのうちの一人の方は国立病院の医師の方でございます。この方々は引き続き先方の保健所関係、医療機関との間で医療技術の交流を行うとともに、必要に応じて希望者に対して一般の診療を行う。そしてまた、移動病院の積極的な活用などもこれから検討しているということでございまして、なお将来事態が難しくなった場合には戦傷病者や被災民等を対象とする一時救急医療活動なども念頭に置いておるわけでございます。 いずれにいたしましても、本国会で御審議をいただいております国連平和協力隊におきましても、医療がその活動内容の一つとされており、こうした医療協力に対しましては多くの期待が寄せられておるわけでございますから、関係者の理解と協力を得ながら可能な限り協力をしてまいりたいと考えております。
○清水嘉与子君 国際平和に貢献する日本といたしまして、必要なときにこの医療協力チームを送るということは当然のことではないかというふうに私も思います。今まで保健医療協力についてこういった組織を整備し、受け入れ態勢をつくりそして医師派遣の態勢を進めてきた厚生省といたしまして、ぜひ積極的にこの問題にかかわっていただきたいなというふうに思っているわけでございます。 また一方、六十二年につくられましたこの国際緊急援助隊派遣法ですか、これによりましても、これは災害の場合でございますけれども、この実績を拝見いたしますと、随分たくさんの方々がこれは公募で来るのだろうと思いますけれども、たくさんの方々が登録しておられる。そしてまたことしこういうイラクの問題があったことを契機でしょうか、また逆にふえているというようなことでございまして、やはり国民世論に訴えて、そしてこういうことに参加していただく。ただし、これにはやっぱり大変危険も伴わないとは言えないわけでございまして、皆さんの御理解をいただかなければできないわけでございまして、私はそういうふうに自分で登録してみようというような方々がまだまだいらっしゃると思いますので、やはりそういうことをやりやすいように、そしてまた送り出す方もそういうことを支援しやすいような、そういう世論をぜひ常からつくっていただきたいなというふうに、これはお願いをする次第でございます。 時間がなくなりましたので、もう一つの問題なんですけれども、ちょっとまた全く話題が変わりまして、看護婦の宿舎の改善についてということでお願いをしたいと思います。 実は、国立病院・療養所の看護婦の宿舎、かねてからその改善につきまして関係者が非常に要望を高くしていたわけでございますけれども、先般、衆議院におきましても参議院におきましてもその請願が採択されました。その要請はどういうことかといいますと、要するに看護婦宿舎というのは大体どこでも病院の中に置かれておりまして、そしてこのごろやっと一人の部屋になったわけですが、四畳半か六畳に一人、そのかわりおふろですとか炊事場ですとかトイレなんかみんな共用であるというのが普通でございます。 そこで看護婦たちが要請しておりますのは、やはり三交代制勤務、夜中に交代してきても寝ている方に本当に遠慮しいしい生活しなければならない、こういうところを何とかせめて一DKにでもしてほしいというような要請でございまして、これが国会で採択されました。それを受けまして厚生省でも相当頑張ってくださったというふうに承っているのでございますけれども、新しい、これからつくろうという計画を拝見いたしますと、必ずしもその要請のとおりになっていない。確かに共通でというところが少し人数が少なくなって、二人で共通というふうになっているわけでございますが、それを何とか一人で住めるような、プライバシーの守れるような環境にできないものであろうかということをお伺いしたいわけでございます。
○政府委員(寺松尚君) 委員御指摘いただきました国立病院・療養所の看護婦の宿舎、特に独身の宿舎の件でございますけれども、まず最初に全体的なことをちょっと申し上げさせていただきたいと存じます。 国立病院・療養所の看護婦の独身宿舎につきましては、全国的に見ますと量的には整備が進んでおりまして、むしろ未貸与看護婦宿舎というものの解消を今実は図っておるところでございます。しかし一方、首都圏の周りにつきましては、近年一部の施設につきまして看護婦の独身宿舎が大変不足しておるというふうになっておりまして、このような状況を踏まえまして、私ども平成二年度においては緊急度の高い施設から新築整備をいたしたいということで、その改善を図るために従来の一戸三人用のアパートタイプから一戸二人の世帯転用型宿舎の方向に設置をしていくことといたしております。 それから、さらにワンルームマンションというようなことも委員の方からお話が出ましたのでございますけれども、実はそういうことは看護婦確保の対策の中でも非常に重要な柱になるのではないかと思うわけでございますけれども、実は看護婦宿舎につきましては、国家公務員の宿舎法施行規則で、独身者に対しましては宿舎を貸与する場合は、専用面積十五平方メーター未満であって、専用の炊事設備を備えない一室を貸与することとされていますために、一人用宿舎、いわゆるワンルームマンションというものを整備することはな かなか困難なのでございます。 ところで、私どもは平成二年度におきましては、その設置予定の宿舎につきまして、共用部分の面積を広げるなど現行の規則の中で何とか少しでも、一歩でも二歩でも前進というような形で努力をいたしまして最大限の改善を行うことといたしておりますので、御理解をお願いいたしたいと存じます。
○清水嘉与子君 まあ厚生省で独自でできるわけじゃありませんで、これは大蔵省と協議をしてつくっているという話でございまして、大蔵省の方で持っております、大蔵省で持っているといいますか、国家公務員宿舎法の施行規則の、単身者には十五平米未満というのがひっかかっているわけでございますが、これはお直しになる御計画はございませんでしょうか。
○説明員(鈴木康司君) 委員御指摘のとおり、看護婦宿舎の整備の重要性につきましては、厚生省当局それから組合の方々からよく御説明を受けておりまして、その重要性は十分認識しております。 このa型で十五平米といいますと、畳で九枚分ですから六畳間、それに一間の押し入れ、それからドアの踏み込み部分、これで大体十五平米未満になるわけですけれども、それにさらにバス、トイレ、炊事設備つきのワンルーム型ということになりますと、現在は独身の宿舎が全国で約五千戸不足しておりまして、まずその量的整備を着実に図っていくということが課題になっております。大体昨年までは二百五十戸ペースでつくってきていたんですが、二年度の設置計画ではそれを四百以上に数を上げて量的整備を図ろうとしておりますが、そういう質的改善の重要性ということを十分認識してはおりますけれども、まずもって量的確保ということが当面の課題になっております。 それから、先ほど局長の方から御説明がありましたように、b型の世帯転用型宿舎を独身者二名に貸与できるようにするなど、運用上最大限の努力をしているということについて御理解をいただきたいと思います。
○清水嘉与子君 それは大変理解をしているところでございますが、しかし、この世帯用の住宅というのが五十五平米あるんですね。五十五平米あるんだけれども、大蔵省の規定により、一人では十五平米しか住めないからというので、十五平米ずつ分けて、そして二十五平米を共通で使おうと、こういう話でございます。これを、五十五平米をとにかく半分にして、二十五でもいいんです、そうしていただけないだろうかということでございまして、何もそれをもっと大きくしろという要求ではないんですね。 看護婦が今一人で住むことが本当に、ほかの例えば民間のところに比べてぜいたくになっちゃっているかどうかと考えますと、もうそうではないというふうに思うんです。先ほど大浜先生にも伺いましたけれども、大浜先生のところではマンションをお借りになってそこに看護婦を住まわせている。どこでもみんな努力をしていらっしゃるわけですけれど、やっぱりもう一人で住んでいるのが普通なんですよね。特に若い看護婦さんが交代制勤務で、お炊事場も何も共通だというのは、ちょっとやはり――これから新たにつくってしまったらもうずっとになるわけですので、これ、お考えいただきたいなというふうに思うわけです。それが今の看護婦の確保対策にもつながってまいりますので、その辺につきまして大臣ぜひ御考慮いただきたいというふうに思います。 それともう一つは、看護婦の宿舎に関しましては、宿舎法を見ますと無料で病院の中でと、こういうふうになっているわけですけれども、もう別に保安要員としている必要はないわけでございますので、やっぱり考え方を少し変えまして、こんなに高い土地のところでそれぞれの病院が自分のところの宿舎を持つのもなかなか無理と思いますから、もうどこかできるところに共通の宿舎をつくって、そこから通うのでも構いません。そして自由に個室にしておけば、いろんな人が使うこともできるようになると思いますし、最低そのくらいのものをぜひ御検討いただきたいなというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(津島雄二君) ただいまの看護婦さんの宿舎の問題について、いろいろやりとりを拝聴しておりましたけれども、私も公的宿舎のこれまでの政策を見ておりますと、量的に非常に不足だという点に着目をしまして一生懸命つくるのはいいんですけれども、できて間もなくたってみると、世の中の変化についていっていない、逆の意味のむだが生じておるというようなケースも多いわけでございまして、私は、これから労働力が非常に不足した中で質のよい看護婦さん方に積極的に活躍していただくためには、ぜひとも飛躍的な宿舎の政策というものを打ち出してもらいたいというふうに思っております。 いずれにいたしましても、これは全体の宿舎の政策の問題が絡みますから、これ以上私から申し上げるのは避けるべきだと思いますけれども、率直に私の気持ちだけ申し上げさせていただきます。
○清水嘉与子君 大臣の大変力強いお言葉をいただきまして、どうもありがとうございました。 これで終わります。
○木庭健太郎君 まず、埼玉県浦和市のしらさぎ幼稚園の集団発病の問題について、簡単に二点ほどお伺いしたいと思っております。 この集団発生の場合、死者がもう既に二人出ているということでございます。大変痛ましい事故でございます。また、幼稚園というある意味では公的な場で起きている。亡くなったのは園児である。私も同年齢の子供を持ちますから非常に関心を持ちましたし、そういう意味では、悲しい話ですけれども、これを教訓にしてきちんとしていただきたいという面もございます。 その中で、一連の報道を見ておりました中で特に感じた第一点は、埼玉県の自家用水道条例ですか、これで年二回水質検査を義務づけている。この幼稚園は三年前に一回検査を受けただけ、このときに結果は飲み水に不適と、そういうことを言われている。 もちろん園の問題もあると思います。それは今後のことでいろいろ明らかにされるでしょうけれども、ある意味では保健所というのも、単に水質検査を行うだけじゃなくて、定期的にこういう井戸を使っているところがわかっていれば、巡回して、滅菌装置みたいなものの点検なんかも行わなくちゃいけないというふうに私は思うんですけれども、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(小林康彦君) 今回、大変残念な事件が起こりまして、井戸水によります飲料水から汚染をされたのではないかという疑いが強い状況でございます。 お話しのように、埼玉県では自家用水道条例を制定しておりまして、設置前の届け出あるいは水質検査の励行、消毒設備の設置、実施等を定めておるわけでございますが、今回の井戸あるいは給水の設備につきましては、この条例の規制対象ではございますけれども、届け出がなされておりませんで、埼玉県では事件発生までこの井戸自体把握できていなかったという状態の報告を受けております。 お話しのように、水質検査で大腸菌群が検出をされたということがございまして、その時点で手が打てておりましたら今回の状況にはならなかったと思われますが、煮沸あるいは消毒をすることという指導をしたにとどまっておりまして、その後のフォローが行われていなかったという状況でございます。 厚生省におきましては、飲用井戸等の衛生確保を図るために、昭和六十二年に飲用井戸等衛生対策要領を策定をいたしまして、実態の把握及び定期的な水質検査の実施、その検査結果が基準に適合しないときの指導の徹底等を要領の形でまとめ、指導しておるところでございますが、今後この要領の徹底に一層努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 本当に痛ましい教訓でございますけれども、ぜひこれを教訓にしていただきたい と思うんです。 もう一点は、発病の原因とされた出血性大腸菌の問題でございます。新しいタイプの病原菌ということでございますけれども、一応新聞報道を見ましたら、これは一九八二年にアメリカで発見されている。一九八四年には日本でも発症した事例がある。 私がよくわからないのは、こういうふうに新しいタイプのやつが出た場合、一体どんなふうにして第一線の開業医とか衛生関係者に徹底しているのだろうか。そのことを何か新聞記事読んでいてわからなかったし、まあこのおかげで対応がおくれたという指摘も実際にあるわけです。 厚生省というのはやっぱりこういう新しい菌が発見されたという場合、講習会を開催してみるとか解説書を配布するとか、そういったことをやっておかなければいけないんじゃないか。それをやっていればこれもある意味では防げたんじゃないかと思うんですけれども、この点についてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 今委員が御指摘いただきましたこと、まことにそのとおりでございまして、私どもも実は本件につきましては、O157型の大腸菌につきましては、厚生省として、去る十月二十五日でございますけれども、専門家会議を行いました。その意見を受けまして、本件に係ります医学的知見等につきましてそれを専門家から聴取しますとともに、それを取りまとめ、医療機関等に周知する方策についてすぐ検討するように、こういう御指示がございました。 このようなその他の新しいタイプの病原体につきましても今後とも私どもは国立予防衛生研究所の関係機関と協力しつつ、また国際的にもいろいろな情報をWHOあるいはアメリカのCDCとかというところからいろいろ出ておりますレポートもございますが、そういうふうな資料等も十分収集いたしまして、あるいは我が国内におきます調査研究の結果をも収集し、その成果を医療機関等に周知を図りたいと、こういうふうに思っておりまして、このたびの事件につきましても、明日ぐらいに私ども、都道府県にあて通知を出す予定でございます。そして、都道府県から各医療機関等にその情報提供方をお願いすることにしたいと存じます。
○木庭健太郎君 この問題、今後その責任関係はどうなっていくとか、いろんな問題が出てくると思うんですけれども、それはそれで出たときの問題として、そのときに少し角度を変えてやらせていただきたいと思っています。 きょうは、実は清水先生の御専門ではございますけれども、看護婦問題についてぜひお伺いしたいわけです。 看護婦不足の問題、ことしに入ってから、もうテレビ、新聞を初め、ずっと報道され続けているわけですよね。もう看護婦さんがいなくて病棟が閉鎖になったとか、病院が閉鎖になるというような話まで出てきているような現状も実際にありまして、いわば医療分野の問題じゃなくて社会全体の問題だというふうなとらえ方も実際なされているわけでもございます。今後高齢化社会を迎える、厚生省もゴールドプランもつくっていらっしゃる、そういう意味でいけば、ますます私はこの看護婦の問題というのは大事になると思っておりますし、我が党としても、先日厚生大臣の方に看護婦問題で緊急提言も出させていただきました。 まず大臣に、大臣御自身、看護婦さんの役割というのは一体何だと考えていらっしゃるのか。また、この看護婦不足問題についてどのような御認識を持っていらっしゃるのか。それをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 看護婦さんが本当にありがたいと思うのは、だれしも入院したときであろうと思います。入院をしたときに診療し、指導していただく、あるいは手術していただくお医者さんも大変ありがたいわけでありますけれども、しかし、ほとんど大部分の時間患者の面倒を見ていただくのは看護婦さんである。また、今の近代医療の中でドクターたちと並んで医療サービスを支える非常に重要なチームのメンバーであるというふうに私は受けとめさせていただいております。 そのような意味で、安心して国民が暮らしていける次の世紀の長寿社会を実現するためには、当面の問題、当面の医療を支える資質の高い看護職員を確保するということはもとより、さらに次の時代まで意欲のある立派な人材がこの仕事に従事をしていただくことが大切だと思っております。そういう看護職員の確保のために私としても全力を挙げて取り組んでまいりたいと思いますが、前国会で、当院におきましてもまた衆議院におきましても、各委員会でいろいろと御議論があります中で、やはりまだまだ私どもが取り組まなければならない課題が多く残されていると率直に申し上げざるを得ないと思います。 またそういう中で、木庭委員御指摘の貴党の方から御提案のございました看護婦要員確保の申し入れも、私どもにとっては大変参考になっておるということも申し上げさせていただきます。
○木庭健太郎君 その一環で、厚生省の、昨年五月でございましたか「看護職員需給見通し」というものを発表されて、それをもとにした形でさまざまな施策を展開もされていらっしゃるんですけれども、あの見通しを見るときにやっぱり厳しいのは、離職者が復職するときの問題とか、それから今の待遇の問題、いろいろな問題があると思うんですけれども、その中で達成できるのかと物すごく不安ですし、実際に看護婦さんからもあの見通し大丈夫でしょうかと言われたケースもございます。 私たちは極めて厳しいという認識を持っているんですけれども、その点どう思っていらっしゃるか。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 先生御指摘の、現在の看護職員需給見通しの達成に関するお尋ねでございますが、六十三年の看護職員の就業者数の実績を見てまいりますと、この需給見通しよりも実績の方が約一万人ほど上回っております。それから平成元年の実績につきましては現在精査中でございますけれども、同様にいわゆる就業者数の方が一万人ほど実績が上回っておるというような状況でございまして、そういう面から当初の見込み以上の職員が確保できているという状況にございます。 このようなことから、今後とも看護職員の確保につきましては、御案内の養成力の拡充あるいは潜在看護婦の活用、離職の防止等に全力を挙げて取り組む考えでございまして、現在のところこの看護職員の就業者数が当初の見込みを下回ることはないというぐあいに認識いたしているところでございます。
○木庭健太郎君 ぜひそうなることを私もお祈りしたいと思っております。 先ほどちょっと大臣おっしゃったんですけれども、五月二十二日ですか、本院の予算委員会で、大臣のおっしゃったのをそのまま言いますと、「九十三万人の目標ではなおかつ不足ではないかというのが私の率直な感じでございます。」、まことに率直な御意見だと思っております。そういう意味ではこの九十三万人でも足りないというのは私も同感なんです。それについてはいろいろな理由はあると思うんですけれども、大臣御自身は、この「なおかつ不足」と感じてらっしゃる理由ですね、どんな点があると思っていらっしゃるか。
○国務大臣(津島雄二君) 看護職員の需給見通しにつきましては、一定の目標を立てて平成六年の需要は九十三万五千人という見通しを一応持っているわけでございまして、その見通しに対しては不足はしないでいけそうだと今政府委員から御答弁をいたしました。私もその点はそうだと思いますが、しかしまた同時に、小野議員にお答えをいたしました私の認識は今も変わっておりません。すなわち、九十三万五千で足れりとは思わないというふうに考えております。 その理由は、このたび国民に訴えました高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆるゴールドプランを世に問い、またこれをめぐる数々の御議論を いただいた中で、その地域の介護あるいは福祉のサービスを高めていく中で、当然医療についても新しい需要が出てくるのではないであろうか。これに適切にこたえるためには、今の九十三万五千のベースに入っていない需要をやはり無視するわけにはいかない。また労働環境の改善ということも人手不足の中で真剣に考えなければならないとすれば、そういう点からも看護職員の需要については厳しく厳しく考えていかなければならない、こういう今の見通しのベースに入っていない要素というものを私は重視をいたしますので、率直にあのようなお答えになったわけでございまして、今もそのような認識を持っておるところでございます。
○木庭健太郎君 まさに大臣おっしゃったとおりだと思うんですよね。労働環境の改善であり、ゴールドプラン、これから介護、福祉という分野にもどんどん看護婦さんたちにもぜひ生きがいを持って活躍していただきたい、それが願いだと思うんです。 そうなると、私たちがぜひ言いたい部分というのは、その見通しというのは実際にある、ただ言われたように既にゴールドプランが出ている、不足の中でやはり労働環境も改善しなくちゃいけない、そういう課題が早急に目の前に見えてきている。そうなると、最初の質問では見通しの見直しということを言ったんですけれども、それ以上に私自身はゴールドプランと並ぶ形でやはり二十一世紀へ向けた形で、国が一体どういう看護行政をしていくのか。看護婦さんを確保していくのか。養成していくのか。そういうある意味では一つのプラン、看護職員養成確保十カ年計画のようなものを、やはりもう一つ実施計画のゴールドプランと対応するような形でも私は必要だと思うのですけれども、国がきちんと自分から指導した形でできる十カ年計画の問題について、どういう御見解を持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 委員御指摘のとおりでございまして、私は今後高齢者保健福祉推進十カ年戦略等の新たな需要にも対応するということも考え、看護婦の需給計画について新たな見直しが必要であると考えております。 厚生省においてもそのような認識に立ちまして、省内に保健医療・福祉マンパワー対策本部というものを設置いたしまして、今真剣に看護職員の将来の見通し等も含めて総合的な見地から検討させていただいております。 このマンパワーの問題を考えます場合に大切なのは、厚生省といたしましてもそれぞれの局の縦割りに妨げられることなく、省全体として取り組み、検討し、結論を出すということを重視したために、省内の局の横断的なそういう組織をつくったということを御理解いただきたいと思います。 今後は、この検討結果を踏まえまして、国において基本的な方針を立て、看護職員需給見通しの見直しを進め、高齢化社会を支えるのに必要な看護職員の確保に努めてまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 ぜひ立派なものができることを期待いたします。 ところで大臣、看護婦不足看護婦不足と言われているのですけれども、大臣御自身は、いろいろ看護婦不足の要因はあるのですけれども、何で看護婦さんが不足しているのだろうなというその原因、大臣御自身は一番の原因は何だと考えられますか。
○国務大臣(津島雄二君) 計画の上では、不足が心配されるというのは、先ほど申し上げましたようにニーズが非常にふえている、需要がふえている。その背景といたしまして、医療が高度化して専門化した。それから高齢化が進展して病床等がふえていくとか、それから福祉との接点ですね、福祉施設を初めとする看護職員が活躍する場が拡大してきたとか、私はそういう需要の増大というものがやはり需給関係には一番響いていると思います。 しかし同時に、これまでの経験から申しまして、せっかく養成をいたしました立派な人材を、引き続いて職場で御活躍いただくための環境整備が必要であろう。養成につきましてももう少し積極的にやらなければならない。それから、ある程度のところで家庭にお入りになるという方々があって、その方々に育児が終わればまた戻っていただく必要がある。そういうような点を含めて、供給側についてもいろいろと問題がある。どれが一番ということを言えるほど問題はどうも単純ではないなというふうにすら思っております。
○木庭健太郎君 すべて網羅されたので、本当は一つでやっていただきたかったのですけれども。 私はやっぱり前の医療行政というのはどうしても看護婦さんの献身とか忍耐とかそんなものに頼ってきたのではないかなと思うのですよ。そこが一番の原因だが、それを変えることによって随分がらっと変わってくるのではないか。やめる人も随分減るだろうし、そんなことを一番感じるのですよ。まあこれは私の感じです。 そういう忍耐と献身ですか、それに一番頼ってきた典型的な例というのはやっぱり夜勤問題ですね、看護婦さんの。これは、人事院が、一九六五年ですから今からもう二十五年前に基準を示しました。通称二・八ですね。つまり月八回一病棟当たり夜勤二人体制という、この問題が今もまだできてないということだと思うのですよね。厚生省御自身、夜勤調査なんかなさっていて、きのう資料いただきました。これを見ましても、いわゆる八回以内におさまっているのは、一般病院で四八・七%、精神病院で五七・一%、約半分程度だ。さらにちょっと詳しく見させていただくと、十回以上という場合が一般病院で一三%あるというようなこともありました。 ただ私もこの資料を見ながら、もうちょっとやってくれないかなというか悔しかったのは、これ質問ではないんですけれども――厚生大臣この夜勤調査の資料、ありますね。
○国務大臣(津島雄二君) あります。今見ております。
○木庭健太郎君 書き方の問題なんです。二ページ目に、「三交代制の看護単位における看護職員の夜勤回数」というのを書いているんですよね。それで、一応解説がついているんですよ。その解説がついた、「一般病院」と書いたところの四番目、「夜勤回数階級別に見ると、全体の四八・七%が八回以下となっている。」。「精神病院」のところもごらんになっていただくと、「夜勤回数階級別に見ると、全体の五七・一%が八回以下となっている。」ということがそこに書いてあると思うんです。 私は、この書き方というのは看護婦さんに非常に失礼だなと思ったんです。問題は何を問われているかというと、八回以上のがまだできていないんだということを厚生省としては問題にしなくちゃいけない。しかも、十回以上の人がまだ一三%もいる。言うならばこういうことが一番問題なんだから、もしこういう資料をまとめられるならば、逆に言えば、八回以上がまだこれだけいるんです、だから頑張りますよ。十回以上がまだこれだけあるんです、厚生省は深刻に受けとめていますと、こう書くのが調査をやった意味だろうと思うんですよ。こんなような書き方をされたら、八回以下これだけ努力してできていますと、これじゃ私はまことにお役所的で情けないなという感じを受けたんですよ。そういうところに一つ、今厚生省がやっていることにちょっと問題があるんじゃないかなという気が非常にいたしております。ぜひこういうものについては改めるように要請をいたします。 そしてまた、きちんとやっぱりそういう看護婦さんの気持ちを感ずるものをやっていただきたいということをひとつ要請して、質問はこの二・八をぜひ完全実施まで持ち込んでもらいたいということですけれども、いつごろまでにやるとかという決意があればぜひ一言。
○政府委員(長谷川慧重君) 先生御指摘の調査の件につきましては、先生の御意見を体しましていろいろ検討させていただきたいと思います。 それから、今の二・八の問題でございますが、先生も御案内のとおり、人事院勧告におきましては、いわゆる回数は月八日を一応の目標に計画的にその実現を図るべきということでございますし、それから複数夜勤につきましては、ちょっと読ませていただきますけれども、「一人夜勤を実施している看護単位であっても、」「必ずしも二人以上の夜勤者を配置しなければならないものとは認められない。」「一人夜勤で足りると考えられる看護単位については、」突発事態に備える措置が必要であるということの人事院判定があるわけでございます。 そういう判定を受けまして、私どもこの看護婦さんの夜勤体制の改善を求めていろいろ努力いたしているわけでございますが、実際問題といたしましては、この看護婦さんの夜勤の問題につきましては、各病院において決められております勤務体制により実施されているところでございます。 看護職員の福祉なりあるいは労働条件の緩和の観点から夜勤回数の改善等を図ることは必要であるというぐあいに認識いたしているところでございまして、こういう面でも、看護婦さんの需給見通しの検討に当たりましてはいろいろ考えていかなきゃならない課題であるというぐあいに思っております。従前から夜勤日数の改善等につきましてはいろいろ指導を行ってきているところでございまして、今後とも看護職員の労働条件の改善に努めてまいりたいというぐあいに考えているところでございます。
○木庭健太郎君 ぜひそれこそ早目にこういうことはできるように、最低条件だと思うんですけれども、これをやっていただきたいと思います。 それからもう一つ、看護婦さんたちから聞いていて一番びっくりしたのは、子供の問題なんですね。一応労基法でいうと妊産婦の夜勤禁止というようなこと、これは本人の申し出により禁止ですよね。ただ看護婦さんたち、やっぱり人手不足の中で実際はそういうふうなことを言うこともできずに働いているケースが多いということで、調査を見させていただいたら、これはある一つの調査なんですけれども、夜勤によって妊娠異常が七割とか、四人に一人が切迫流産とか、何か聞いていてはっと思うんですよね。ある意味じゃ、その後の育児の問題になるとまた余計厳しくなると思うんですよ。少子社会という問題ありましたけれども、一つはこんな勤務実態の中にもそういう原因があるような気が私はいたしました。 生まれた後のいわゆる育児の問題については、看護婦さんだけじゃなくて、働く女性全体の問題でもありまして、もちろん育児休業法というのが野党共同提案もしておりますし、これができるのが一番いいとは思うんです。ただ、現在の看護婦さん不足、またそういう職場の実態を見たときに、まずせめて育児休業法ができるまでの間、看護婦さんについては、公務員だけは今法的な育児休業制度がございます。ぜひこの育児休業法ができるまでこの制度を民間まで広げていただきたいというふうに思うんですけれども、労働省の御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(高橋柵太郎君) 労働省といたしましては、看護婦を初め女子労働者が、先生御指摘のように、能力や経験を生かして職業生活と家庭生活の調和を図ることができますような育児休業制度の確立に向けて、その普及促進に取り組んでいるところでございます。とりわけ民間病院等に勤務する看護婦さん等につきましては、全職種についての育児休業制度を導入した事業主に支給されている育児休業奨励金に加えまして、その雇用する看護婦さんなどが育児休業を実際に取得した場合には、労働者の社会保険料負担分相当額以上の賃金を支払う事業主に対しまして特定職種育児休業利用助成給付金という給付金制度を設けまして支給しているところでございまして、こういうような制度を活用いたしまして育児休業制度の普及促進を図っているところでございます。 いずれにいたしましても、看護婦さんを含めました女子労働者が、職業生活と家庭生活の調和を図ることができますよう、育児休業制度の確立に向けてなお一層努力をさせていただきたいと存じます。
○木庭健太郎君 制度の普及はもちろんやっていただきたいんですけれども、やはりこういうなかなかできにくいところですね。こういうのはやっぱり法的な輪をかけないと難しいと思うんですよね。だから、できればそこまで本当は踏み込んでいただきたいと思うんです。なかなか労働省、そこまでいつも言いませんけれどもね。本当はその辺まで、看護婦の場合、実際公務員の場合あるわけですから、それに倣ってできないことないわけですから、そういうことまで検討していただきたいと思います。 もう一つ、同様に、厚生省に対しては保育対策の問題でございます。もうさまざまな形でやっていらっしゃることもよく知っておりますけれども、ぜひこれも夜間保育、特に院内保育の問題ですけれども、これの充実に取り組んでいただきたいと思っているんですけれども、どういうお考えでやられるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 院内保育につきましても、やはり女性の看護職員が安心して子供を生み育てることができるように、やっぱり職場における環境づくりが必要であるというぐあいに考えております。そういうことから、従前から院内保育施設に対しましては助成を行ってまいっているところでございまして、本年度の予算におきましても箇所数の増ということを行ってまいっているところでございます。 厚生省におきましては、こういう院内保育施設の増設あるいは夜間保育に対応できるような助成につきましては、今後ともさらに前向きに取り組んでまいりたいというぐあいに考えております。
○木庭健太郎君 看護婦さんの問題で、もう一つそういう職場環境の問題以外でもっと根本的なのは、やっぱりお金の面だと思っております。 人事院が平成元年の四月に出した資料を見ましたら、看護婦さんの給料というのは、二十代の前半までは大体他業種を上回っているんですよね。若い人は何とかつかまえようとしている。ところが三十代以降になると、だんだん他業種と格差が開く一方になっていく。例えばちょっと四十歳代を見せていただきましたけれども、一カ月の平均給与は、看護婦さんが大体二十七万円前後、事務系を見ると約三十三万、技術系を見ると約四十万。年齢がもっと上がれば、五十代になるともっと開いてしまう。本当にこれではある意味では若いうちだけ働け、後はやめて結構ですよというような実態になっていると私は思います。こういう待遇の改善なしには看護婦さんの不足の問題というのは解消はあり得ないというふうに私は思います。 そこで、次の三点ほど、どんなふうに考えていらっしゃるのか見解をお聞きしたいと思います。 まず一点目は、医療職の俸給、今看護婦さん(三)表でございます。この給与を医師並みというか、私たちの主張で言えば医療職の(二)表の水準ですね。ここまでに最低限引き上げるべきだと私たちは考えておりますけれども、これについてどうか。二つ目が社会保険診療報酬における基本看護料の問題ですけれども、これをぜひ大幅に引き上げるべきだと思うという、これが二点目。三点目が夜間勤務手当の問題、今わずか二千六百円です。これはもうぜひ大幅に上げてほしいという、この三点についての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 私どもは、国立病院・療養所の看護婦の給与とか、それからもう一つ御指摘いただきました夜間看護手当の問題等でございますが、私の方からお答えしたいと思います。 これももう委員が御指摘いただきましたが、国家公務員の給与につきましては、人事院が毎年実施しております民間給与実態調査に基づきまして官民給与の較差を是正するために人事院が給与勧告を行っているとおりでございます。国立病院・療養所に勤務いたします看護職員につきましては、医療内容がますます高度化、専門化しておる、さらに非常に多様化しておる、それからまた業務自身も複雑、困難なものになっております。そこで、医療職俸給表の(三)の改善あるいは夜間看護手 当の増額など、看護職員の処遇改善を図るために、本年七月に人事院総裁に対しまして厚生大臣要望を行ったところでございます。 なお、本年八月の人事院給与勧告におきましては、もうこれも委員御指摘いただきましたが、全体の改定率が三・六七%というのでございますが、医療職俸給表(三)は四・五%と看護職員に配慮した引き上げが適当とされておるところでございます。実は、今の医療職(二)表に準ずるようにしろというようなお話がございましたが、その医療職俸給表の(二)の適用をされております職種の中で、薬剤師はその職務内容から看護職員よりは高い給与水準となっておるわけでございますけれども、診療放射線技師あるいは臨床検査技師等と看護職員との給与は、生涯の基本給を通じましておおむね同水準と私ども認識いたしております。 ただ、年齢的にポストの関係もございまして上下アップダウンをいたしますけれども、看護部長等の高齢者につきましては高い給与になっておるというのが実態でございます。
○木庭健太郎君 やっぱりこういうものは本当に抜本的にやらないと急な改善は難しいし、敵がいますから、厚生省にとってもなかなかうまくいかないのかもしれませんけれども、きちんとやらない限り本当にこの不足の問題というのは厳しいんじゃないかなと私自身は実感しているんですけれども、その点をちょっと指摘させていただいて、次、もう一つ離職者の再就職の問題です。 今、これを進めるためにナースバンク制度をつくっていらっしゃいますけれども、やっぱり一県一カ所というのはちょっとこれだけじゃ柔軟な対応はできにくいんじゃないかなというふうに思うんです。神奈川では何かこのナースバンク、県に一カ所じゃなくて、市町も別に設けられていると聞いているんですが、いわゆるこのナースバンクをもう少し細かい形で市町村まで広げていけばより需要にこたえられると思うんですけれども、その点についての御認識をお伺いしたいと思います。
○政府委員(黒木武弘君) 先ほどの診療報酬上の看護料の引き上げについての御質問で、答えが漏れておりますので、答弁させていただきます。 本年の四月に、もう御案内だと思いますけれども、診療報酬改定を行ったわけでございます。もとより賃金、物価の動向を勘案しながら、特に看護料につきましては、社会全体の労働時間の短縮の動向、例えば四週六休の普及等を勘案しまして看護料の大幅な引き上げを行ったところでございます。今後とも看護サービスの重要性あるいは労働条件の改善等を配慮しながら、当然のことながら中医協で御審議をお願いをしながら看護料の適正化には努力してまいりたいと思っております。
○政府委員(寺松尚君) 先ほど申し上げましたうちで、最後の夜間看護手当の問題でございますけれども、国立病院・療養所に勤務いたします職員の夜間看護手当につきましては、看護婦の処遇改善を図るという観点から、平成三年度の予算要求におきまして、現行の二千六百円を三千五百円に大幅に引き上げるように私ども要求いたしているところでございます。補足させていただきます。
○政府委員(長谷川慧重君) ナースバンクに関するお尋ねでございますが、ナースバンクにつきましては、その必要性は先生十分御案内のことでございますので省かせていただきまして、現在ナースバンクは各都道府県に一カ所ずつ置かれているわけでございます。今後ナースバンク活動をより一層強化するためには、より潜在的に在宅でいらっしゃる看護婦さんにアプローチしていくことが必要であるというぐあいに考えております。 そういう面で、市町村への支所の設置という御提案もそういう意味でおっしゃっておられるというぐあいに受けとめておるわけでございますが、厚生省といたしましても、よりきめ細かな取り組みを進める観点に立ちまして、保健所の活用なりあるいは求人求職情報の提供をさらに頻回にする、あるいは移動相談事業の検討ということで、そういうものにつきまして検討を行っているところでございます。これらによりまして、ナースバンクの実際の業務の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 先ほど清水先生もおっしゃっていましたけれども、海外に行ったときに看護婦さんが大学を出ていないような、いろんな問題である意味でみじめな思いをしているということをおっしゃっておりました。より専門化の問題もございます。 私どもとしては、この看護の専門の問題、より充実しなくちゃいけないということを思っておりまして、特にお隣の韓国あたりを見ても、もう既に二十五の看護大学を持っております。日本は今幾つあるか、残念ながら十二校ですね。ぜひ一県に一つそういう、大学までは無理とするならば、看護学科を設けるというようなことをやっていただきたいと思っておりますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(草原克豪君) 委員御承知のとおり、看護婦の養成は従来から主として専修学校あるいは各種学校において行われてきておりますけれども、やはり近年の医学医療の進歩発展に対応し得るためには、幅広い知識と高い技術を持った看護婦を養成していくことが大変重要であろうと思います。 このような観点から、文部省としましては、国立大学に設けられている専修学校の改組転換によって三年制の医療技術短期大学部の設置を進めてきたところでございます。これまで二十二の医療技術短期大学部が設置されております。また、国立以外につきましても、これまでに公立では十七、私立では二十一、合計三十八の医療技術系短期大学が設置されておりまして、国立、公立、私立を合わせますとその数は六十校に上っております。 他方、高度の知識と技術を持った看護婦の養成という課題とともに、看護教育の面で指導的な役割を果たすことのできる看護婦あるいは看護教員を養成するということも重要な課題でございまして、このような観点から、大学の学部レベルでの看護教育の充実を図るということも求められているところでございます。このために、これまでに国立で申しますと六つの大学に看護関係の学部あるいは学科を設置しておりますし、また、このほかに公立でも一大学、私立でも四大学に同様の課程が設けられております。 文部省としましては、今後とも国立の医療技術短期大学部の設置を進めると同時に、大学、学部レベルでの看護教育についても、社会的な要請あるいは地域の状況、個々の大学における検討状況等を踏まえて、その充実のために努力してまいりたいと考えております。 また、公立、私立の大学あるいは短期大学の設置についても、そのような申請があれば積極的に対応していきたいというふうに考えております。
○木庭健太郎君 最後に大臣に一言。 看護の日という問題でございます。社会的にやっぱり理解を得るために、そういう看護の日、これはぜひ、ナイチンゲールの誕生日でもあり、国際看護婦の日である五月十二日が適切であると考えますけれども、これについて伺って終わります。
○国務大臣(津島雄二君) 高齢化社会を支えるために看護職の方々に御活躍をいただきたい、また、看護職の仕事について国民一人一人が理解を深めて盛り立てていただきたいという観点から、本年八月に有識者の方々から看護の日の制定をしたらどうかという御提言をいただきましたので、現在、厚生省でも来年度から看護の日を制定する方向で検討をいたしております。この看護の日の制定を行いまして、一層の国民の理解を深めてまいりたいと思っております。
○木庭健太郎君 ありがとうございました。
○委員長(及川一夫君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(及川一夫君) 速記を起こしてください。 暫時休憩いたします。 午後三時四十六分休憩 ─────・───── 午後三時五十八分開会
○委員長(及川一夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
○諫山博君 ことしの六月一日に中央労働委員会の高梨公益委員が鉄産総連の労働学校で講演を行っています。それが労働組合の間で今大問題になっています。鉄産総連の機関誌に掲載されていますが、労働大臣お読みになりましたか。
○国務大臣(塚原俊平君) 読ませていただきました。
○諫山博君 高梨氏は中労委の公益委員であって、国鉄の不当労働行為事件を現に担当しています。国鉄問題の解決を図るために中労委に設けられた三者懇談会の構成員でもあります。 問題になっている高梨委員の講演を読みますと、でたらめで一方的で誤りに満ち満ちており、全く無責任な放言です。高梨氏は「日本共産党の基本的な戦略戦術」を解説しています。日本共産党が、「経営の効率が悪くなればなるほど社会主義革命の展望が開ける」とか、「労働者が怠けて経営を破綻させればさせるほど展望は開ける」と主張していると、こんな言い方をしています。こんなばかげた主張が日本共産党の理論や政策のどこにありますか。これは政党批判の域を越えた公党に対する許しがたいデマであり、誹謗、中傷です。 中労委に係属しているJR事件についての高梨発言も許しがたいものであります。高梨氏は、国鉄の赤字の原因は運賃値上げの決定権を国会が握っていたためだとうそをついています。国労が短期間に崩壊したのは、雇用保障に最大のポイントを置かなかったからだと言っています。これは、JR事件を担当している公益委員としては絶対に口にしてはならない言葉です。今中労委の審問で最大の問題になっているのは、国鉄当局が国労の組合を切り崩したのではないか、こういうことです。ところが、高梨公益委員は、国労が自分の誤りのために自壊したもののような言い方をしています。これが公益委員です。 しかも、高梨氏は、中労委が不当労働行為救済命令を出すことに原則的に否定的です。「命令で労使関係が正常化した事件はほとんどない」、こう言い切っています。JR事件に関して、「中労委(命令)が出たらJRの労使関係がよくなると思っていません」、「命令を中労委が出せるかどうかです」、「命令を出した場合の壁は余りに厚過ぎてマイナスの結果の方が多い」、こう言っています。現に不当労働行為事件を担当している公益委員です。これは不当労働行為救済という労働委員会の本来の役割を否定する発言です。公益委員としての本来の任務を放棄するに等しい放言だと思います。 JR事件の和解についての発言も驚くべきものです。地労委命令に基づいたのでは和解はできないと言っています。和解担当の公益委員が、地労委の救済命令の重みを考えずに、救済命令から離れて和解を勧める、こう言っています。さらに重大なのは、JR総連や鉄産労、連合などの意見を聞かなければJR問題は解決できないと発言しています。鉄産総連の組合員を前にして、鉄産労や連合などが国労組合員の職場復帰に反対をすれば、中労委はこれを考慮せざるを得ないと言っているわけです。国労組合員の職場復帰反対をけしかけているようなものであります。 出向不当労働行為の事件についての高梨発言、これも事件担当の公益委員にあるまじき内容です。高梨氏は、「ローテーションがすんで元に戻っているもの」は申し立ての利益がなくなっているから、取り下げるのが当然だと言っています。「いかに取り下げさせるかということが一つのポイントであります」、こういう発言もあります。出向という形で行われた不当労働行為、これは今中労委で現に審査中です。この問題について、ローテーションが終わってもとの職場に戻れば不当労働行為はなかったのと同じことだ、こういう言い方をしているわけですよ。こんな発言をする公益委員に、不当出向事件についての公正な審問が期待できましょうか。 高梨氏は結びのところで、「国労の本部からお叱りを受けそうですけれども」と断りながら、次のように言っています。「国労の中央本部は下部の組合に対する指導力、統率力を失っているのではないか」、これはそのままの引用です。国労と対立、競合の関係にある鉄産総連の労働学校において、国労本部を中傷しているんです。中労委の公益委員が、申し立て組合の指導部に何一つ根拠も示すことなく、あからさまな非難を浴びせているのであります。これは公益委員としての資格が根本的に問われる発言だと言わなければなりません。 以上のような高梨発言は、労働者と労働組合に非常に大きな驚きと憤りをもって受けとめられています。高梨委員は責任をとって辞任せよ、政府は高梨委員を罷免すべきだ、こういう声が上がっているのは当然です。 私は、この場で高梨問題をどう処理せよとは言いません。しかし、高梨発言で損なわれた中労委の信頼を、労働省は何らかの方法で回復すべきであります。内閣総理大臣には、中労委の「委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行がある」と認めたときには、これに措置をすべき権限が与えられています。労働大臣は高梨問題に適正、妥当な何らかの措置を講ずることを検討すべきだと思います。高梨問題に対する労働大臣の所見と方針を伺います。
○国務大臣(塚原俊平君) 高梨教授でございますが、労使関係の安定に今日まで非常に御熱心に取り組んでこられた有識者であり、有能な方であるというふうに私自身伺っております。 このたびの発言につきましては、仮に高梨先生の個人的な見解であるということにすれば、当然私どもコメントはすべきものではないと考えますし、また仮に、中労委の公益委員というようなお立場の中でのいろいろな御発言ということになりました場合、少なくとも中労委というのは非常に重要な独立した組織であるわけでございまして、そこの委員一人一人の発言に対して、いかなる立場からの発言等に対しましても、やはり労働大臣は感想を述べたり、あるいはただいま諫山先生が御指摘されましたようないろいろな措置というようなものは、でき得る限りとらない方がよろしいのではないかというような私は気持ちを持っております。
○諫山博君 私は、高梨発言に対する所見をまずお伺いしました。所見をもっと聞かせてください。
○国務大臣(塚原俊平君) 先生の労使関係の安定に努力をした長い過程の中からの一つの先生なりの御意見であるというふうに、文章上のことしか私も見ておりませんものですから、直接聞いたわけではございませんので、仮にこのとおりの発言だとした場合、長い経験の中から出てきた一つの先生のお考えだというふうに考えております。
○諫山博君 現に中労委の公益委員としてJR問題を担当している者が、このJR問題の審理あるいは和解のあり方に対して、公然とこういう発言をしていいという御理解ですか。
○国務大臣(塚原俊平君) その立場立場の発言というものは極めて重要だと思いますが、その場がいわゆるどういう場であったのかということも、私は現場にいたわけではございませんが、いずれにいたしましても先生の一つの御意見をお述べになったと思いますし、また、そのことによって中労委の公益委員としての先生の一つ一つの判断基準というものが左右されるべきものではないというふうに考えております。
○諫山博君 講演を直接聞いたわけではない、読んだだけだということですけれども、中労委の委員長なりあるいは御本人に、どういう事情だったのか、どういう意図であったのか、今どう考えているのか、これを確かめていただくことはできませんか。
○国務大臣(塚原俊平君) 冒頭の御答弁でも申しましたが、現在の私の労働大臣という立場と高梨先生の現在置かれている立場からして、私から尋ねるということは適当ではないのではないかと思 います。
○諫山博君 この問題については、きのう全労連という労働組合が正式に文書で労働大臣に申し入れをしています。私は、この問題も含めて私のきょうの問題と一緒にぜひ慎重にこれから検討していただきたいと思います。全労連の申し立てはきのうですから、慎重に検討するということを要望します。
○国務大臣(塚原俊平君) 十月三十日付の要求書を手元にいただいております。
○諫山博君 検討していただきたいというのが質問です。――大臣に答弁を求めています。
○国務大臣(塚原俊平君) 昨日いただきまして、私、これけさ手元にいただきましたものでございますから、取り扱いにつきまして検討させていただきます。
○諫山博君 次に、別な問題で、労働大臣。 昨年、全労連と連合という二つのナショナルセンターが生まれました。このことは、我が国の労働運動にとっては歴史的な出来事です。労働省設置法は、労働省の任務の第一に「労働組合に関する事務」を挙げています。労働行政は今のこの新しい事態を無視することはできないと思います。全労連と連合という二つのナショナルセンターが生まれたという事態を迎えて、労働大臣のこの問題に対する基本的な認識を聞かせてください。
○国務大臣(塚原俊平君) 全労連の組織等につきましては、連合、全労連、大変に意義のある、おっしゃるとおり、御指摘のとおりだと思います。全労連に対します一つのいわゆる位置づけ等につきましては、もしお許しいただけますならば、担当の労政局長の方から少しお答えする機会をお与えいただければと思います。
○諫山博君 大臣以外の答弁は要りません。 次に、別な問題です。 一九四九年七月二十九日付で労働委員会の労働者委員の任命について労働事務次官の通牒が出されています。それには、委員の選考に当たっては「産別、総同盟、中立等系統別の組合数及び組合員数に比例」させると書かれています。今日風に読みかえますと、連合、全労連、中立等の組合数及び組合員数に比例させて委員を選考する、こういうことになります。これは、異なる潮流の労働組合の推薦権の取り扱いに不公平があってはならない、労働組合の組合員数に応じて各潮流の労働組合推薦の労働者委員を選び出す、こういう公平の原則を具体化したものと思います。 この通牒について、労働省の渡邊労働法規課長は国会で、「中労委の委員の任命に当たっても尊重すべき事項」であると説明しています。さらに、「基本的にはこの通達にのっとって運用している」とも答弁しています。また、系統別の組合数や組合員数を十分に考慮して任命することになっていると言われております。 この答弁が行われた社会労働委員会で当時の中村労働大臣は、労働者委員の任命はあくまで公平、公正を旨として選考してきたし、「今後もそれを踏襲してまいります。」と答弁しています。この立場は現在も労働省で維持されていると聞いていいでしょうか。現在は変わったのか、現在も維持されているのか、これだけを答えてください。――大臣答えてください。大臣に答えていただきます。
○国務大臣(塚原俊平君) 一九四九年というとこれは昭和二十四年。まことに恐縮でありますが、私、その具体的な内容等はちょっと、通達の内容自体を存じ上げないのでございますが、中村大臣の当然公平、公正にという国会におきます答弁につきましては、労働省はそのまま継続をしているということでございます。 ただ、ただいまの一九四九年の文書につきましては、その後もしかしたら別の文書が出ているのかもしれませんし、もしよろしければこれは政府委員の方から答弁させていただきたいと思いますけれども。
○諫山博君 大臣でなくていいですけれどもね。私が聞きたいのは、この方針が変わったのか、今も変わっていないのかということです。 ついでに申し上げますと、その委員会では、これにかわる通牒は「その後は出されておりません。」という答弁もあります。変わったか変わってないかだけ。
○政府委員(清水傳雄君) 昭和二十四年の通牒は、地方労働委員会の委員の任命につきまして考慮すべき要素を通達したものでございまして、その後改廃をした経緯はなく、現在もこれは生きておるわけでございます。 労働委員会委員の任命についての考え方につきましては、これは法律上、労働組合の推薦に基づきまして……
○諫山博君 聞かれてないことに答えぬでおきなさい。
○政府委員(清水傳雄君) 労働組合の推薦に基づきまして種々の要素を総合的に勘案をして適任と考えられる方々を任命していく、こういう考え方でございまして、そうした場合の考慮の要素としてこうした考え方も入ってくると、こういうことでございまして、そういうことの意味合いにおいては変わってはいないということでございます。
○諫山博君 変わっていないと一言答えてもらえばいいんですよ。 同じ委員会で白井労政局長は、「連合から推薦されなければ労働者委員に任命されないのか。」という質問に対して、そんなことはありませんと答えています。この立場は変わっていますか。
○政府委員(清水傳雄君) 委員の任命は、労働組合の推薦に基づきまして総合的に種々の要素を勘案して決定をしていくものでございます。別に、連合から推薦された方々だけを任命するとか、そうした考え方ではございません。
○諫山博君 全労連系の労働組合から推薦したら任命しないという方針がありますか。
○政府委員(清水傳雄君) 今まで申し上げておりますように、中労委の労働者委員としてふさわしい方を総合的に勘案をして任命していく、こういう考え方でございます。それに尽きると存じます。
○諫山博君 聞いていることにずばり答えることはできないんですか。私の質問は、全労連系の労働組合の人は委員にしないという方針があるのかということです。
○政府委員(清水傳雄君) どの所属の方であるからどうのこうのという考え方ではございません。
○諫山博君 そう言ってもらえば事は簡単です。 そこで、今労働委員会の労働者委員の任命をめぐって重大な問題が起きています。中労委においても地労委においても、全労連系及び非連合系の労働組合が推薦した者は委員に任命されていません。連合系推薦の者だけが委員を独占しています。労働委員会にあるまじき事態です。 ついでに申し上げますと、労働組合の労働者委員推薦というのは推薦権であるというのが最高裁大法廷の判決です。一九四九年です。つまり、全労連系の労働組合の委員を推薦する権利が一〇〇%じゅうりんされているんです。 そこで、現状がいかに異常なものであるかということを京都の例で紹介します。京都総評は組合員が約九万五千人、労働組合は三名の労働者委員を推薦しました。連合京都は組合員が約十三万人、五名の労働者委員を推薦しました。京都府知事は連合系推薦の者だけを委員に任命しました。京都総評推薦の委員は一人も任命されておりません。 愛知の地労委を調べてみますと、従来労働者委員は総評系が三名、同盟系が三名、中立労協系が一名でした。ところが、今度はすべて連合の推薦だけが任命されました。 中労委においても事態は同じです。ことし十月に任命された中労委の労働者委員について、全労連、非連合系の労働組合が五名、連合系の労働組合が十三名を推薦しました。任命されたのは連合系の委員だけです。 労働者委員の任命が中労委においても地労委においてもこういう状況になっているという事実は知っていますか。大臣、御存じですか。
○国務大臣(塚原俊平君) このたび中労委の委員がかわったわけですけれども、いずれも大変に立派な方であるという報告を受けております。
○諫山博君 今労連系の人、非連合の人がみんな 排除されているという事実は御存じないですか。
○国務大臣(塚原俊平君) ともかく立派な方であると。お一人お一人について当然どういう方であるか私も伺ったわけでございますが、私の伺った範囲で、大変に立派な方であるというふうに理解いたしました。
○諫山博君 どうも大臣は基本的な事実を御存じないようですけれども、そういう状況でしょう。労働省どうですか。
○政府委員(清水傳雄君) 委員の任命は、先ほど申し上げましたようなそういう考え方で行っておるわけでございまして、御指摘のように、その結果として現在の委員の方々の所属ということになれば、いわゆる全労連に所属をされる方々はおいでにならない、こういう結果にはなっております。
○諫山博君 労働大臣、認識を新たにしてください。今指摘されたとおりなんですよ。百四十万の全労連の組合員がいるんです。ところが中労委においても地労委においても労働者委員に任命されていないんですよ。労働組合は推薦するけれども排除される。その理由については後で深く質問します。 ところで、労働委員会の主な仕事というのは不当労働行為の排除ですよね。労働組合の違いによって差別をしてはならないというのは憲法二十八条の要求です。 そこで、一般論として労働省に質問しますけれども、所属労働組合の違いによって労働者を差別してはならないというのは、中労委が命令の中で一貫して認めてきた立場ではないでしょうか。例えば労働法規課編著の「労働組合法」の中には、最近組合間の違いによって差別をすることが多くなったと、こういう解説をしながら、八つの中労委命令を引用しております。これはみんな労働組合の違いによって労働者を差別してはいけないという命令でしょう。例えば日本シェアリング事件というのがありますけれども、中労委が命令の中でそういう立場をとってきたことは認めますか。
○政府委員(清水傳雄君) 複数の組合が存在をする場合に、合理的な理由なしに一方の組合なりあるいは組合員に対して不利益な取り扱いをするということは、これはもう不当労働行為に該当する、このように理解をしております。
○諫山博君 中労委そのものがそういう立場をとり続けてきたでしょう。それは認めますか。
○政府委員(清水傳雄君) いわゆる不当労働行為の考え方として、ただいま申し上げたようなとおりでございます。
○諫山博君 自由裁量ということを盛んに言われますけれども、行政庁が複数の人の中から特定の人を選ぶ場合には、客観的な基準が必要だ、これは最高裁判所の判決です。例えば個人タクシー免許が問題になった行政事件で東京地裁は、「具体的基準を設定することなしになされた処分は、それだけで不公正な手続きによりなされた処分として違法性を帯びる」、こう言っています。この事件の最高裁判決は、「内部的にせよ」「審査基準を設定し、これを公正かつ合理的に運用」しなければならないと言っています。 こういう判決があることを調べてくれと言いましたけれども、間違いありませんか。
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘のような判例については、調べております。
○諫山博君 判例を挙げれば切りがないくらいです。例えば、外国人の在留許可に対する最高裁大法廷の判決。自由裁量であれば何をやってもよいというのではない。合理性がなければならない。社会通念に照らして妥当でなければならない。さらにバックペイ事件の最高裁大法廷判決。「裁量権の合理的な行使の限度をこえた場合」は違法だ、こういう最高裁の判決があることも御存じですか。
○政府委員(清水傳雄君) 調べております。
○諫山博君 これは大法廷の判決ですから法律と同じような効力を持っているんですね。 そこで、労働者委員の任命について私たちが知り得る基準というのは、一つは労働次官通牒です。もう一つは社会労働委員会における労働大臣以下の答弁です。これを見ると、労働組合の数に比例して委員を選考すると書かれております。今までもそうやってきたし、これからもそうやりますと答弁されております。この点は今度の選任にどういうふうに考慮されたんですか。
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘の通牒につきましては、書いてありますことは、「系統別の組合数及び組合員数に比例」させる点に留意しなさいという点。それからまた、労働委員会委員は、そうした委員会の運営に理解と実行力を有し、自由にして建設的な組合運動の推進に協力し得る適格者である、こうしたこと等の事項を掲げておるわけでございますけれども、これは非常に広い範囲を持っております裁量行為の中で、いろんな要素を勘案していく場合の中の要素としてこうした考え方を述べておるわけでございます。 御指摘の最高裁の裁量行為についての判例等につきましても、調べさせていただき、勉強もさせていただいたわけでございますけれども、一口に裁量行為と申しましても、その趣旨、目的に照らしましていろいろな意味、内容のものがあるわけでございまして、いわゆる個人タクシーの免許等、職業選択の自由にかかわるそうしたものを、制限しているものを解除していく。そうした場合には相当なかっちりした基準というふうなものが必要になってくることでありましょうし、あるいはまたバックぺイ事件のように中労委の救済命令のようなたぐいの場合には、できるだけ早く紛争を安定させる、そういう目的に照らした相当幅の広い裁量がゆだねられている、このように考えられるわけでございますし、同じ裁量権といいましても、事柄の性質上認められる範囲の広い狭いということはあるものと考えます。 先ほど来申し上げておりましたように、中労委の委員の任命は事柄の性格上種々の要素を総合的に勘案して適任と思われる者を任命をするわけでございまして、一定の基準を機械的に適用して任命は決まってくるとか、そうした性格のものではなく、事柄の性格上任命権者に広範な裁量権が認められているものと考えておるわけでございまして、そうした基本的な考え方をベースにいたしましてこの任命行為を行ってきているということでございます。
○諫山博君 労働大臣、今度の質問をよく聞いてください。 労働委員の選任が極めて不公平に行われている、このことによって今労働委員会には大混乱が起きています。地労委においても中労委においても、不当労働行為申し立て事件の圧倒的な部分は全労連及び非連合の組合です。現在中労委の係属事件を調べますと、不当労働行為は百四十三件、その中で連合系労働組合の申し立てはわずかに十三件です。ところが今労働省が認められたように、全労連系あるいは非連合系の労働組合の委員が労働者委員になっていませんから、労働者から信頼されない労働者委員が審問に参加するということです。そこで、多くの労働組合は参与拒否という行動をとっております。つまり、三者構成で行われるべき不当労働行為の審問が公益委員と使用者だけで行われる、労働省側委員が列席しない、こういう状態が中労委にもあるし地労委にもあるんですよ。これは正常な状態ではないでしょう。 労働委員会の三者構成というのは極めて重大です。この三者構成が事実上破壊された。破壊した責任は労働省が労働組合の推薦どおり公平に任命しないからですよ。百四十万からの労働組合員を持っている全労連の推薦が一人も認められない。そこで今幾つもの労働委員会で参与拒否の状態が起こっていることは労働省御存じですか。労働大臣御存じですか。
○政府委員(清水傳雄君) 労働者側の委員の参与というのは、これは審問のときだけ行われるわけでございますが、いずれにいたしましても、今の御指摘の御趣旨のように、労働者委員というものが特定の労働組合の利益を代表するとかいうものじゃなしに、労働者一般の正当な利益を代表するという形で任命をされているわけでございまして、そうした特定の組合の不当労働行為の申し立 ての件数が多いとかあるいは少ないということだけでもって労働者委員を任命する、そうした筋合いのものではない、このように考えております。
○諫山博君 あなたはきれいごとを言いますからね。もっと具体的に聞きますよ。 例えば、一九八八年一月、第十八期の労働者委員の参与件数を調べました。炭労顧問の原茂さんは九十六件です。同盟会長の宇佐美さんはゼロです。同盟書記長の田中さんもゼロです。全金同盟会長の藤原さんも参与件数ゼロ。宇佐美さんは、中央労働時報に掲載された発言でこう言っています。昭和四十六年七月から労働者委員を務めているが、不当労働行為事件を担当した経験はほとんどない。これが中央労働時報に掲載されている発言ですよ。それでは現在の中労委の労働者委員はどうか。芦田さんと田中さんは参与件数ゼロでしょう。 特定の労働組合に奉仕するのが委員じゃないとかなんとかきれいごとを言いますけれども、長い間一件も不当労働行為の審問に参加しない人が自由裁量という名目で委員に採用されたんですよ。この事実を否定されますか。現に今度再任された人の中に不当労働行為の取扱件数がゼロという人がおられることは認めますか。
○政府委員(清水傳雄君) 御指摘のように、労働者委員の参与事件件数というのは委員によって相当なばらつきがあるということは承知をいたしております。
○諫山博君 なかなか認めにくい問題だと思いますけれども、これはもう宇佐美さんを例に挙げましたから言いますと、昭和四十六年から不当労働行為事件にはほとんど関係していないというんですよ。そして連続労働者委員に任命されているんですよ。一方では原茂さんのように九十六件担当している。こういう労働委員会が今まで続いてきた。そしてこれが全労連系の推薦を全部排除することによってますます極端になる。 三者構成が事実上崩れている、この問題を労働大臣、どう考えますか。
○国務大臣(塚原俊平君) 今、いわゆる参与ということは一つの会合に立ち会うという、陪席するような形になるんですかね、あれ。現実に中労委の審査状況というものは私見たことがないのでちょっとわからないんですけれども。 今その数字等の御指摘がございました。ただ、今回は、どなたを中労委員にするということで私自身が全部説明を受けたわけですけれども、繰り返しになりますけれども、いずれも大変に立派な方であったので、非常にすばらしい方々に集まっていただいたなという認識を持ちました。 また、これ、最終判断は公益委員がするわけでしたか、中労委は――そうですね。無論、当然そういうことでありますから、最終的には公益委員が判断することになるわけですけれども、そこに行くとまた高梨先生の話がどうだこうだということになってしまうかもしれませんが、いずれにしましても、そういう状況の中で、大変に立派な今の中労委の構成になっていると私は確信をいたしております。
○諫山博君 不当労働行為事件で結論を出すのは公益委員です。ただ、使用者委員と労働者委員がそれぞれ弁護人的な立場で尋問もするし、最終弁論もするし、意見書も書くわけですよ。ところが参与拒否の起きている労働委員会では、使用者側は尋問をする、労働者側委員はいない。使用者側委員は弁論的なものを書く、言う。労働者側委員はいない。こういう状況が現にあるんですよ。地労委だけではなくて中労委にもあるんですよ。 労働大臣はここまで御存じなかったようですから、根本的にこの問題を調査して、今のようなやり方を放置していいのか。放置していいとは思われません。あなたは立派な人ばかり選んだはずだと言われますけれども、それはそう言わざるを得ぬでしょう。しかし実際は、労働者委員で全く審問を担当していない人がいわゆる自由裁量の名目で採用されている。たくさんの事件を担当してきた本当の意味の労働者委員が排除されてしまった。これでは労働委員会の信頼はなくなりますよ。何のために労働委員会制度があるのかという問題になりますよ。 この間私は原茂さんに会いました。労働委員会の仕事の九九%は不当労働行為の救済だと言っております。この肝心の不当労働行為の救済がまさに片肺飛行、三者構成が崩れている。この原因をつくったのが労働委員の任命ですよ。私は今ここでどうせいとは言いません。しかし、どうも労働大臣は初めてそういう話を聞いたようですから、この問題を全面的に調査して、次の委員の任命のときと言わずに、例えば欠員もありますから、当然その補充の問題も出てくるし、真剣に考慮しないと、労働委員会存在の価値が問われますよ。もう現にたくさんの労働組合から、昔の労働委員会とは変わったという声が出ているんです。高梨さんの問題はその一つなんですよ。 私は、この問題を労働大臣として全面的に調査して、いわゆる自由裁量というものも、勝手ほうだいなことをやっていいんじゃなくて、やはり合理的な根拠が要るということは指摘したとおりですから、私、局長には聞きません、大臣ずばり、その問題で検討する、調査するということを答弁してください。
○国務大臣(塚原俊平君) 冒頭にも申し上げましたが、中央労働委員会、大変に神聖なものであるというふうに考えております。そこに対して果たして労働省が、無論人事はだれをするということはあるわけですけれども、その後の今のいろいろな御指摘は活動状況についてでありますから、ましてや労働者側委員ということになりますと、なかなか労働省として果たしてどこまでできるのかというような部分もございます。 ただ、今御指摘もいただきましたものでございますから、今後さらに適正を期してまいりたいというふうに考えます。
○諫山博君 ちょっと、時間が来ましたけれども、一点だけ。
○委員長(及川一夫君) では、最後です。
○諫山博君 私、労働委員会の部分だけを聞きましたけれども、労働省が責任を持っている委員会、審議会、さまざまあります。十幾つあります。みんな同じような状況ですよ。例えば最低賃金制の委員会見てみなさい。ついこの間までは、やはりいろんな労働組合をバラエティーを持って採用していました。今度は全部、全労連排除です。労働組合によって差別することは許さないという任務を持っている労働省が率先してこういうことをやるのは許せないと思いますから、労働委員会だけではなくて、さまざまな委員会、審議会の構成がどうなっているか、これも調べてください。
○国務大臣(塚原俊平君) 労働省の持っている委員会、審議会、中労委も含めて私どもはいずれも大変に信頼できる、されるべきもの、現実に信頼もされているというふうな認識は持っております。ただ、さらに私自身もう一回勉強はさせていただきたいと思いますが、中労委につきましてもぜひとも御信頼をいただきまして、ひとつ今後とも御活用のほどをよろしくお願いいたします。
○諫山博君 終わります。
○高井和伸君 私は、行政手続法制定への内閣の取り組みということで、きょうは厚生省を中心にお尋ねいたします。環境庁長官、労働大臣もおられますのでちょっと前置きのところで申し上げますが、きょう私二十分しかないものですから、環境庁関係、労働省関係につきましては質問できませんけれども、また後日書面でいただくなりいたしますので、ぜひその点、御協力のほどをお願いしたいと思います。 行政手続法のことにつきましては、きょうの委員会でも種々いろいろございましたけれども、要するにいろんな行政をなさる手続の一般を制定しようということでこれまで総務庁を中心に行われてきました。そして、閣議決定なども行われ、せんだってのアメリカとの経済構造協議の中でも取り上げられてきている点でございますけれども、要するに私がきょう絞って聞く点は、行政手続の中身を透明にする、あるいは公平な手続にする、そういった側面で、例えば先ほどの諫山委員の発言 のような委員の任命にはどのような基準で行うかというようなことも明らかなものにしていくとか、いろんな広い世界になってくるわけですが、省令の制定にもどういう手続をするかとか、やり出したら切りがないんですが、きょうのところは一たん与えた許可、認可などによって国民に与えた権限を召し上げる、取り消す、停止するというような意味での侵害処分の実態と、それから国民に対して国が義務がないのにもかかわらずある作為を求める、不作為を求めるというようなことですね。これは要するに行政指導というような言葉で行われておりますが、そういった面での行政庁の基準というものをある程度透明のものにしなきゃいかぬのじゃないか、そういう側面からお尋ねするわけでございます。 それで、私もあらかじめ厚生省に対しまして侵害処分の実態の法令を教えてくださいということでお願いしましたら、大変忙しいところ調べていただきまして、八十四件もの法令があって、いろんな、大変国民の権利義務に関してあるということでございます。 こういう八十四件の規定がある意味ではばらばらのままに存在しているから、これをある意味では一本の、骨太の行政手続法という一般法に昇華させるというか結晶化させるというか、アウフヘーベンさせるだとか、そういうような方向へのことができないものだろうかという側面から御質問するわけでございますけれども、たくさんある法令の中で私が選ばせていただいたのは、医師法と医療法と薬事法という側面でございます。 わかりやすい話、医師法の世界からいきますと、一たん与えた医師免許を取り消す、あるいは営業停止をするというときの側面の手続が医師法ではどのようになされているのかという実態をお尋ねしたいと思います。そのときに、私が興味を持ってお尋ねしたいのは、そういった医師免許を取り消す、医師業務を一たん停止させるという段階においての事前手続の規定があるのかどうかという点ですね。あらかじめあなたを処分しますよ、こうこうこういう理由で処分しますよ、それに対して言いわけありますか、言いわけあるならば文書で出してくださいというような事前手続規定があるかどうか。そして処分するときにはきちんとそういう理由を付記して、あなたはこういう理由があるからこういう処分をしますよという理由がきちっと付記されるか。それから処分される側からすれば、国の持っておられるいろんな文書について、それにアクセスしたい、文書を閲覧したい、そういった側面の規定があるのかどうか、そういった面でお尋ねしたいわけです。 それでは医師法についてお尋ねしますが、免許の取り消し、または医業の停止という七条二項だけのことで結構でございますが、その実態と最近三年間の処分件数などを教えていただきたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 医師法第七条に係ります処分件数のお尋ねでございますが、先生御案内のとおり、医師法七条におきましては、処分を行いますに当たりまして、お話しございましたように、事前手続規定あるいは理由付記規定等はあるわけでございますけれども、文書閲覧規定につきましてはその旨の整備がされていないところでございます。 なお、この事前手続規定につきましては、処分を受ける者に弁明の機会を与えるべき旨、あるいは事前に弁明をなすべき日時、場所及び当該処分をなすべき事由を通知すべき旨、あるいは処分を受ける者は代理人を出頭させ、かつ自己に有利な証拠を提出できる旨、それから弁明聴取書を作成し保存すべき旨、処分に当たり医道審議会の意見を聴取すべき旨が規定されているところでございます。 処分理由につきましては、事前通知の中で記載いたしますとともに、処分に当たっては根拠条文を示しておるというところでございます。 それから、これに基づきます処分件数でございますが、過去の件数を申し上げますと、六十二年度におきましていわゆる医師免許の取り消し、または医業の停止につきましては二十三件、六十三年度十八件、元年度十八件という状況にございます。
○高井和伸君 ただいまの質問した中ではっきりしたことは、文書閲覧規定はない。それから理由付記については、規定はないけれども実際はやっている、こういうお話だというふうに承っておきます。 次に、薬事法についてお尋ねしますけれども、これも大変詳しい資料をいただきましたので二重手間にならぬように質問させていただきますと、ちょっと細かい質問になりますのですが、これは主に薬の製造、販売、薬局の開設、そういったことに、一たん許可したものを取り消すだとか、それから措置命令をするだとか改善命令を出すだとか、いろいろあるわけでございますが、その中でちょっと数がたくさんあるので具体的な質問通告をしておりませんでしたけれども、わかるだけで結構ですのでお答え願いたいと思います。 薬事法の六十九条第一項、これに報告の聴取、あるいは立入検査をするという規定がございまして、その件数が六十二年度では、報告を求めるのが一千六百六十九件、それから立入検査をしたのが二十九万四千三百六十七件というもう膨大な数字があるものですから、ちょっとびっくりして質問するんですが、この実態は大体どんなふうなものなんですか。一般論で結構です。
○政府委員(川崎幸雄君) 薬事法によります立入検査、報告聴取等につきましては、先生ただいまおっしゃいましたとおりの実態になっております。 それで、この薬事法上の侵害処分に該当するものといたしましてこういった立入検査等があるわけでございますけれども、これらの処分を行います場合には、手続といたしまして薬事法の七十六条というところに規定されておりまして、こういった処分をいたす場合には、処分を受ける者に対しまして処分の理由を通知いたしまして、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えるべき旨が規定されているところでございます。
○高井和伸君 今の御答弁の中でちょっと、もう少し追加的に答えていただきたかったのは、立入検査の件数が大変多い。この実態は具体的には例えばどんなことなんだろうかという興味が私にあるわけでございまして、その実情についてちょっとお教え願いたいということでございまして、先ほどの事前手続の規定につきましては別に承っておくことでございます。
○政府委員(川崎幸雄君) 失礼いたしました。 まず報告聴取につきましては、すべてが副作用の報告をしていただくわけでございます。それから立入検査につきましては、こういった医薬品等の製造承認を受けたものについていろいろ問題がある場合に、実際に事業所等に立ち入って検査をいたすといったものでございます。
○高井和伸君 では一点、立入検査については事前手続はないということで、規定上もないし現実的にもやっていないと、こういうことでよろしゅうございますか。
○政府委員(川崎幸雄君) そのとおりでございます。
○高井和伸君 それでは次に、医療法についてお尋ねします。 これは医療法人の設立を許可しておいたのを取り消すというような場面のところだけで結構でございます。具体例がこれには載っていないということでございますので、規定だけの点で結構でございますけれども、この医療法人の設立を一たん許可したんだが法令違反などで取り消すという場面があるというふうに私は調査の結果勉強したわけでございますが、その具体的な取り消し手続はどのようになっているのかお教え願いたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) 医療法人に関するお尋ねでございますが、医療法人につきましては、二つ以上の都道府県の区域において病院等を開設する医療法人につきましては厚生大臣、その他の医療法人につきましては都道府県知事が許可等を 行うことになっておりますので、それぞれの分担に応じましてそれぞれ厚生大臣、または都道府県知事が処分を行うことになっておるわけでございます。ただ医療法上に、医療法人に関するものといたしましてはいわゆる設立認可の取り消しに係る第六十五条及び第六十六条があるわけでございます。そしてこの手続につきましては、医療法の三十条、それから六十七条におきましていろいろ弁明の機会だとか、その事前の通知等につきましての記載があるわけでございます。 現実のそういう医療法人の件数でございますが、過去三カ年におきましては処分件数がないという状況にございます。
○高井和伸君 あと一つ、この手続の面で医師法にも出てきますし医療法にも出てきますが、医道審議会だとかそれから医療審議会だとか、そういったところの意見を聞くというふうになっておりますが、そこでわかったらで結構でございますが、医師法の方の医師免許の取り消しあるいは医業の停止の場面において医道審議会の意見を聞くというのは、易しく説明するとどんなふうな意見の聞き方がなされているのかということだけちょっと教えていただけませんか。処分件数は六十二年度で二十三件あった、こういうことでございますけれども、医道審議会の意見をあらかじめ聞くということが手続上制定されている、その具体的な内容をちょっと、イメージをわかす程度で結構でございます。
○政府委員(長谷川慧重君) 医道審議会の中身でございますが、県におきまして、そういう何らかの処分を必要とする医師あるいは歯科医師に対しまして、いろいろ調査を行うわけでございます。その場合におきまして、先ほど申し上げましたように、事前にその医師あるいは代理人に対してその人の弁明の機会なり、あるいは御意見を伺いまして、そういうような処理、あるいは処分をされました事件についての概要等、関連する資料を県の段階で取りそろえていただきまして、それを束ねまして、医道審議会を開きましてその資料を審議会に説明いたしまして、審議会の先生方の意見交換によりまして最終的な処分を決めるという形で行っているわけでございます。
○高井和伸君 そうしますと、実質的にかなり微に入り細に入り、事実上の判断をその審議会がなさっていると、そういうふうな実態であるということで間違いございませんね。――それでは次に行きます。 やはり行政手続の一場面で行政指導という側面がありまして、先ほどの木庭委員の質問にもありました浦和市における感染性下痢症患者の集団発生、こういったような側面で、厚生省の行政指導というものはかなり強くやらなきゃいかぬ事態になろうかと思います。不幸な事件が起きていることでございますが、今後の厚生省の対応の中で私が興味を持っているのは行政指導という側面でございまして、本来法令の規定はないんだけれども、厚生行政の目的を達成するために、義務のない人にこういう協力をしてくれというようなことになろうかと思うんですが、そういった行政指導というのは、こういった集団下痢事件というんですか、集団発生したこの事件についてはどんなことが考えられるのか、ちょっと先取りのことになりますがお教え願いたいと思います。
○政府委員(小林康彦君) 井戸等飲料水に関しましては昭和二十五年に指導通達を出しておりますが、行っておりますのは、判定の基準をつくりまして、判定に役立てるよう、それから保健所等で検査の受託、検査を受ける体制を整備するよう、そして昭和三十年代、四十年代、集団赤痢等、水に起因をします発生が多くありましたので、水質検査の励行及び井戸水に対する保健衛生上の指導の強化、こういうものを図ってきたわけでございますが、昭和五十年代後半から環境的にかなり汚染が目立つようになってきておりますので、昭和六十二年に飲用井戸等衛生対策要領を各都道府県、政令市等に通知をいたしまして、飲用井戸の設置者に対して年一回以上の水質検査を実施することをお勧めをする。そして行政はそれを援助し、検査の結果、基準に適合しない場合には指導の強化、相談に応じるよう、こうした指導をしてきたところでございます。 今回、不幸な事件が起こりましたことにかんがみまして、こうした指導のさらなる徹底を今後求めていきたいというふうに考えております。
○高井和伸君 続きまして、厚生省にあらかじめ、行政指導の実態についてどんなものをなさいましたかということでお聞きしましたら、薬の副作用関連の行政指導が二つあるということで例示をしていただきました。その一つがバトロキソビンに関する緊急安全性情報の配布指示というもの、それからもう一つ、アロプリノールという薬に関する症例調査及び文献調査指示ということで行政指導をなさったと、こういうことでございます。 この実態についてお尋ねしたいと思いますが、あらかじめ私の興味を持っている点を申し上げますと、こういった行政指導が、私ども、本来義務のない人にあることをやってくれと、こういうのが行政指導と一応考えるわけでございまして、受け手にとってある意味での損害も生ずる可能性もあるわけでございまして、そういった場面において行政指導の中身を文書で通知しているのかどうか。そして、もし行政指導に従わなければ承知しないぞというようなおどしというか、制裁というか、そういったものも予定されているのかどうか。それから、だれに対してやったか。私にしてみれば、そういった行政指導がある意味ではガラス張りの中で公平に、理由があって、ある法令の枠の中で行われるという前提があってしかるべきだということで興味を持ってお尋ねするわけでございます。 今の二つの事例の行政指導の中身をお教え願います。
○政府委員(川崎幸雄君) ただいま御指摘ございました医薬品の副作用に関します、最近私どもが行いました行政指導の例を御説明申し上げますと、一つは血流改善剤でございますバトロキソビンという薬が、投与中に出血がとまりにくくなるという重篤な副作用が報告されましたことから、平成二年六月二十五日付の当局安全課長通知によりまして、関係業者に対しまして、同製品に添付されている医療関係者向けの使用上の注意事項、これの改定と、この改定内容を迅速に医療関係者に伝えるための緊急安全性情報の配布を指示いたしました。 それからもう一つは、痛風治療剤の投与中に副作用として過敏性血管炎が発現するおそれがあるというような示唆がございましたことから、関連の情報の収集を行うため、平成二年十月十七日付の同じく安全課長通知によりまして関係業者に対しまして関連症例の調査及び文献の調査を指示したものでございます。 こういった副作用に対しまして迅速に対応いたしますために、こういったような指導を行っているところでございます。
○高井和伸君 厚生省の所管のお仕事の中で、生命に関する非常にいろんな事故が起きる、それに対して素早く対応しなきゃいけない、そういった場面での行政指導というのは素早くやらなきゃいけない。そのためには余り法令だとかなんとかかんとか言う前に、人道上の立場だとか生命を維持する立場だとか、副作用をこれ以上広げないようにしなきゃいかぬだとか、そういう非常に厚生行政としては大変な分野を御担当で日夜御苦労なさっているのじゃないかと、こう私はけさからの議論の中身で、ある意味では半分同情しながら、半分大変だなというふうな立場で聞いておったわけでございます。薬のこういった一つの行政指導におきましても、副作用によって死亡なされた方は、ある意味では厚生省のこういった指導があったにもかかわらず、医師がその薬を使ったことによって患者が死んでしまった、これは医療過誤だということで損害賠償請求も出てくるというようなことで、厚生省の的確な措置が非常に叫ばれるというか必要なことなんだろうと半面思いながら、また半面、そういった行政指導が一定のルールに従って行われなきゃならぬなというようなこ とも感想として聞きました。 そこで、大臣に御感想があれば、そういった厚生行政一般における、例えば今の副作用における情報の流し方などの行政指導の場面における心構えというか判断基準というか、厚生行政の責任者としてどのような御見解をお持ちなのか、できればお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 厚生省の所掌事務に関連をいたしまして、侵害行為であれあるいは行政指導であれ、要するに行政手続制度について極めて法律的に的確な御質問をいただいておったと思います。 行政を進めていく上におきまして、行政法上勝負のついてしまった権利関係だけで対応できないいろいろな事態が出てまいります。しかしながら、その場合にどうしても必要なことは、まず目的において、民主的な行政という建前から、一般国民の支持を受けられるような行政目的を持ち、かつその手段において適切である、分を越えていない、こういうことが求められているのであろうと思います。そのような要請にこたえるために、行政改革審議会におきましても、このような行政手続のあり方について第二次審議会の最終答申までいろいろ検討されまして出してまいりました一つの方針が、行政手続の透明性の向上と公正の確保を図るために法制の統一的な整備を行いなさい、こういうことであろうと思います。すなわち、目的に照らして民主的にだれも理解できるような公正なものであることを確保するということであろうと思いますが、その線に沿いまして、このたび設置されました第三次行政改革審議会に対しまして改めて内閣総理大臣からこの行政手続法制の統一的な整備について諮問が行われておるところでございます。 この諮問に基づきまして審議会で各般の行政部門について真剣な御討議が行われると思いますが、私どもも厚生行政の立場から、今のような民主的な行政のあるべき姿という観点から適切な結論を得ていただき、それに対して積極的に御協力をしてまいりたいと思っております。
○高井和伸君 終わります。
○三治重信君 まず最初に、労働省の関係でお尋ねします。 外国人の入国管理がえらい厳しくなって、それがいかにも労働力問題のように宣伝されて、ますます現在では労働力不足の問題がかまびすしくなっているわけなんですが、今政府が行われております無技能労働者、単純労働者は入れない、こういう労働力政策については私も賛成なんですが、そうかといって、労働力不足の問題、殊に技能労働力の不足の問題を労働省が黙っていていいかということになると、私は技能労働者をできるだけ入れる対策をとるべきだ。しかしそれでは、入れるところの対象の東南アジアやブラジルなんかで、そういう日本に役立つ技能労働者がいるものか、こう考えたときには、やはり短期間の技能訓練をやって、それから技能労働者の卵として二、三年はここで使って技能労働力の不足を補う、こういう政策を労働省はとるべきだ、こういうのは私の考え方ですがね。 それで、労働省が何か一つの諮問機関をつくってやっておられるのはいいんだけれども、その中身がどうなっているのか。私は、やはり労働力の輸入問題で、技能労働力の補充ということを中心に考える。ただ労働省が技能労働力を養成するということばっかり考えていると、労働力の不足対策というものには何にもならない。養成したらそれはある程度使わす体制にしなきゃいかぬ。労働省が技能労働者を養成するのは国の予算や何かでやって、さあ帰りなさいと、こういうことでは、実際の労働力不足対策としては意味なさぬわけなんです。半年なり一年養成したのが二年なり三年なり四年なりおって初めて役立つと思う。厚生省も同じです。非常な看護婦の不足で、これだって看護婦の補充に、東南アジアの看護婦の養成を引き受けて、そうして養成の過程で二、三年使ってやると、こういうふうにしないと、東南アジア各国、技能労働力の蓄積なり何なりというもの、産業の発展をしていく場合の基本労働力というものができぬことになるわけだから、日本の労働力不足と相まって、看護婦でもそれから板金工でも大工でも、そういう養成をしてやって、そのかわり本人たちが来る往復の旅費や帰ってからのある程度生活の資にもなるぐらいに稼げる期間を置いてやる対策をぜひやるべきだ。 だから、技能労働力を養成することばっかり考えてやると、とかく役人的な考え方になっちゃうといかぬ、こういうことをちょっと僕は言いたいので、この問題を出したわけなんです。だから、看護婦さんでも何でも一年なり二年養成して、その後働く義務を課する、三年なり四年なり。それがまた投資をしたものが、本人もそれによって後で、養成してもらったことによって高い賃金を得て、そうして往復の旅費やまた帰る基礎ができる。こういうふうにぜひやってもらいたい。 労働力の問題でも、無技能労働力はとにかくこれはストップという国是についてはこれはある程度無理なところもあると思うんです。しかし、東南アジアや近隣諸国を見ると、もう無技能労働力は無限にあるわけだから、これを一たん入れるというような選別なり基準ができぬと思う。だから、入れないなら入れないという基本的なことをやって、そのかわり必要な技能労働力を各部面においてきちんと一定の訓練課程をつくって、そうして速成養成して、そして後稼いである程度生活の安定を得られるようなことで帰って、その国の産業に役立つ、こういうふうにぜひ外国人労働者問題を考えてもらいたいと思うんですが、方向はどういうふうになっていますか。
○政府委員(若林之矩君) 外国人の受け入れ問題に関します基本的な考え方と申しますのは、専門的な技術を有するような人については積極的に受け入れていく、しかし、いわゆる単純労働者と言われる人々については十分に慎重に対応していくというのが政府の方針であることはたびたび申し上げてまいったわけでございます。しかし、研修という問題につきましては、これは国際協力、技術移転という観点から、積極的に進めていかなければならない問題だろうというふうに考えておりまして、そういった方向で努力を重ねてまいっておるわけでございます。これは、一つは海外においていろいろな形で援助をして外国で訓練を進めていく、それからまた、日本に若い方々などを迎えて日本で訓練をしていくということでございます。 ただいま先生の御指摘は、日本に受け入れました研修生についての訓練のあり方の問題にかかわってくるのだろうと思うのでございます。訓練と申しましても座学とかOJTとか、さらには日本のような雇用慣行の中でございますと、本当に現場に入って訓練をするという意味で、現場で働くことも広い意味での研修というような考え方を日本の現場の雇用慣行では持っているわけでございますが、ただいまの外国人の研修生の受け入れということにつきましては座学とOJTというところでやっているわけでございまして、本当の意味で労働者として現場に入って、現場に入りながら訓練を受けるというシステムにはなっていないわけでございます。 先生は、そういったものを繰り込むべきではないか、その方がより訓練が十分に進められるのではないかという御指摘であろうと思うのでございます。これはそういう御議論もございまして、いろいろ私ども議論をいたしますときの何といいますか、一つの研究テーマということになっておるわけでございまして、これからもそういった面はいろいろと研究検討させていただきたいというふうに思っております。やはり今後日本で研修を受けた人が自分の国に帰ってそこの生産現場で十分な力を発揮するということが一番大きな目的でございますので、そういった面から、そういった形での研修方法というものを取り入れるべきかどうかということは今後研究検討していくべきことだと思っております。 ただいま私ども、学者の方々にお集まりいただきまして、仮に外国人を受け入れた場合に労働面 にどういうような影響があるかということについての研究を進めておりますけれども、これは外国人労働者を受け入れた場合のメリットとかデメリット、こういった問題について徹底的に議論をしておるわけでございますので、今私どもがやっております研究会でそういうような、先生今御指摘のような御提言についての検討をしているというものではございません。
○三治重信君 多分そんなことをやっているだろうと思う。だからやっぱり外国人労働力問題が、そうやっていると、訓練ばかりに行っちゃって、現実の労働力不足に対する対策というものは全然なくなっちゃう。それでメリットとデメリットというとんでもないことをやっていることになると思うから、僕はちょっと注意の意味において言ったんだけれども。 大臣もこれ聞いていてもらいたいんだが、だから研修ということで入れたならば、この労働力不足対策でその研修期間の二倍なり三倍までは日本におってよろしいという、一方労働力対策となり得るように、入れたものを、三年、四年おって、そして自分たちが実際の訓練も受ける。また実際の問題で、海外援助でやってみたって、日本へ来る旅費の航空運賃や何かにでも、そんなに全部が全部、一銭も負担しないでできることではないわけなんだから、自分たちもある程度稼いで、余裕を持って訓練の後帰れるような対策というものをやらぬと、外国人労働者の訓練の問題だけやっておるととんでもない方向違いのことをやることになるから、それはぜひやめて、そういうことでなくて訓練後働く期間をきちんと、入国管理上も認めますよという案を出してほしい。そうしないというと現実の需要と合わぬ、こういうことです。答弁は要りません。それを特に主張しておきます。 それから老人の問題でございますが、養護老人ホームだとか特別養護老人ホームとか、いろいろ、所得階層やそれから看護の程度によって老人ホームがいろいろ区別されて、そして大変な国費が使われております。ちょっと時間がないから、それは一応説明聞いたからいいとして、問題は有料老人ホーム、政府は一銭も金を出さぬやつなんですが、これは厚生省と建設省あるいは国土庁なんかとの省際産業かもしれない。だけれども、これは老人にとってみると大変な、死ぬまでの期間の保障になるわけですから、今までひとり暮らしの老人がおって、そして有料老人ホームに入ろうというと、その生活の根拠、土地や財産を売って、そうして民間が建てる有料老人ホームへ入って死ぬまでそこへ委託しよう、それで毎月の料金も払ってと。だから、計算上そういうことができるということで入ってやっていくわけだから、これは厚生省だけの仕事ではないかもしれぬが、これはしかしこれからの老人社会にとっては大変な問題です。 この間もNHKでやっていたんだけれども、あるところは非常にうまくいっていて、もうここが私の死に場所で、非常にいい、快適ですと。こういうのはいい。ところが、あるところへ行ったら出ていけと言われて、その老人ホームは経営がうまくないからかわってくれと言われた。また、とんでもないところへ移っていくというようなのも出ていました。 そこで、有料老人ホームについて、そういうトラブルが起きないように、民間指導なり、それからある程度の有料老人ホームの情報提供、本人たちはいろいろ考えてやっているんだけれども、なかなか十分比較検討したり何かすることができない。だから、ぜひこの老人ホームについての経験のある、また老人ホームというのはただ住宅だけじゃないですよね、医療の世話になる、食事の世話になる、そういうものも総合してやっていけるということについて、厚生省の方は十分そういうものが本当に有料老人ホームとして適格かどうかということについても、法律とかなんとかということじゃなくていろいろの、どういうことを考えておられるのか、ひとつそれを聞かせていただきたい。
○政府委員(岡光序治君) まず、有料老人ホームは老人福祉法上で規定をしております。それで、設置主体はもちろん財団法人であるとか公益法人とか、社会福祉法人の場合もございますし、それから簡易保険なんかでつくられる場合もあります。株式会社もございまして、そういう意味では設置主体はいろいろとございます。それで法律上一応位置づけをしておりまして、先生今御指摘のように給食をサービスしたり、場合によっては介護のサービスをしたりして終身お世話をするという位置づけにしております。 したがいまして、倒産をしたりトラブルが起こったりしては困りますので、事前に情報提供をするということを考えまして、まず有料老人ホーム協会というものをつくってもらいました。そこから、どういう老人ホームがあって、どういうサービスができますよというのを国民の皆さんにできるだけお知らせするような仕組みをまず整えることにしております。 それから、行政側の対応としましては、適切な事業運営をしてもらわなければなりませんので、まず有料老人ホームをつくる前に届け出をしてもらいまして、経済的に大丈夫なのかとか、どういうサービスが行われるのかとか、そういう事前チェックを徹底的にやる。それから開所後もそういう問題がないような運営がされるようにということで、私どもその運営状況を、情報をいろいろとりまして、県知事や厚生大臣から改善命令が出せるというふうにしたわけでございまして、この事前届け出なり改善命令が出せるというふうに改めましたのは、さきの国会の老人福祉法の改正でお願いをしたところでございます。 それから民間業者は、ただいま申し上げましたように有料老人ホーム協会というものをつくってもらいますが、これも先般の法律改正で法律上この法人を位置づけまして、きちっと監督をして正しい事業が展開されることが保障されるようにしまして、そこで行われますのはやはり会員に対します指導であるとか勧告を行わせる、それから皆さん方に情報提供をきちっと行う、こんなふうなことをして安心して利用してもらえるような有料老人ホームづくりをしたいということで、官民一体となって取り組んでおるつもりでございます。
○三治重信君 安心といいますか、非常に敬意を表します。 ただ、建設省それから国土庁なんかとの省際産業だと思うんですよね。どこへ有料老人ホームなりなんなりを建てるか、総合的なレクリエーションができるような場所が本当にあるのかどうかということについて、ひとつ省際産業として今後もっと配慮してもらいたいと思います。 最後に、産業廃棄物対策です。 これは環境庁ができて、厚生省も一生懸命頑張っているんだが、やはり厚生省は一般の家庭ごみばっかりやっていて産業廃棄物は、まあ廃棄物だということで厚生省がやっているんだけれども、基準をつくってあとはみんな業者が勝手にやれ、こういうふうなことをやっているから、産業廃棄物がどんどん出てくるというと捨てる場所がない。それから一般の住民からも環境問題がやかましいものだから、それはもうとてもじゃないが一業者が廃棄の場所を見つけるなんということは今や不可能になってきている。ところが、それが現実の問題になってくると、それはもう頼まれた廃棄業者はみんなどこかへ持っていって捨てにゃならぬ。だから市町村を越えて、隣のところへ持っていって、自分のところから少し離れたところへ持っていってやっている。だからそれで大問題になる。 これについて私は、今県の責任になっているようだけれども、市町村まで下げて、県と市町村と共同で廃棄物場を設置する義務を設ける。それはもう料金とかなんかは全部業者から取ってよろしいというふうなことにやったらどうかと思うんですが、この環境問題がもうえらい起きてくるし、地域問題が起きてくるし、こういう問題について私はぜひ本気で取り扱ってもらいたいと思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(津島雄二君) 産業廃棄物の量が著し くふえている中で、今委員御指摘のようないろいろな問題が出ていることはそのとおりでございます。けさの本委員会の御審議でもいろいろ答弁させていただきました。また、先国会におきましても本院で多くの御質問、御指摘を受けた次第でございます。 問題がこうなった根拠と申しますか、遠因をたどってみますと、まさに今委員がおっしゃいましたような、現在の廃棄物処理法の建前が、家庭ごみを中心とする一般廃棄物については市町村処理原則、これは非常に浸透いたしまして、市町村長はかなり熱心にやっていただいております。ところが、産業廃棄物につきましては、いわゆるPPPの原則と申しまして、排出者処理の原則ということで、言ってみればそれでよしとしておったわけでございます。しかし、民間の事業者でございます排出者に最終の処理まで国民に迷惑をかけないようにやれと言うには余りにも量が多くなり、量が多いゆえにまた広域移動が出てくるということの中で、私どもとしてはこれはもうどうしてもやはり公共関与をしてお手伝いをしなければならない、そして著しい数量に達する産業廃棄物の最後の場所まで、途中で減量しながら最後の場所まで適切に処理をできるシステムを考えなければならないということで、先国会でも法律改正を含めて抜本的な検討をいたしますとお約束をしたところでございます。 そこで、現在は私の諮問機関でございます生活環境審議会に対しまして対策のあり方について諮問をいたしまして、最終処分場への公共関与のあり方も含めて制度全体の見直しを進めていただいております。そして成案を得まして次の通常国会に改正案を提案をいたしたいと思っております。
○三治重信君 よろしくお願いします。どうもありがとうございました。
○委員長(及川一夫君) 他に御発言もないようですから、厚生省、労働省、環境庁及び環境衛生金融公庫の決算の審査はこの程度といたします。 次回の委員会は十一月七日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十六分散会