科学技術特別委員会 第2号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/11/02
会議録
○委員長(和田教美君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。 穐山篤君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に三上隆雄君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(和田教美君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 科学技術振興対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に動力炉・核燃料開発事業団理事橋本好一君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(和田教美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(和田教美君) 次に、科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鹿熊安正君 私は、まず原子力について大臣に御質問いたします。 資源に乏しく、また今後とも着実なエネルギー需要の伸びが予想される我が国においては、エネルギーの安定供給を図ることが極めて重要であります。しかしながら、中東情勢の不安定化による世界的な原油価格の上昇により、改めて我が国のエネルギー供給構造の脆弱性がクローズアップされる結果と相なりました。また一方で、石油、石炭などの燃焼による地球温暖化や酸性雨など、地球環境問題も顕在化しており、先日政府が決定した地球温暖化防止行動計画においても原子力開発利用の推進がうたわれております。 このような情勢の中で、現在、電力の約三割を賄い、国民生活に不可欠な存在である原子力の重要性はますます高まっていくものと考えますが、大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(大島友治君) エネルギー資源の約八割を我が国は海外から輸入をしているということでございまして、今後とも着実なエネルギーの需要の伸びが予想される我が国におきましては、やはりエネルギーの安定的な供給を確保するということは非常に大事なことでございまして、まさにエネルギー資源のない我が国としては、これはもう非常に基本的に大事であることは委員のただいま御指摘のとおりでございます。 そこで、原子力につきましては、供給の安定性あるいは経済性、それから環境影響等の面で極めてすぐれているということが従来言われておるわけでございまして、我が国の脆弱なエネルギー供給構造の克服に貢献するところの重要なエネルギーであるというふうに私も認識しておるわけでございます。 中東の情勢のことにつきましては、御承知のように、極めて不安定化による世界的な原油価格の上昇、さらにまた地球温暖化等の地球環境問題の顕在化等を考えてみますれば、この原子力の開発、利用の重要性ということについてはますます高まっておるということは私も承知しておるところなんでございます。したがいまして、今後ともこの原子力を我が国の主要なエネルギー源の一つとして安全の確保を大前提として、しかも国民の理解と協力を得ながら開発、利用を着実に私は進めてまいりたい、こういうふうに考えているのが現状でございます。
○鹿熊安正君 それでは次に、原子力開発、利用を円滑に進めていくためには国民の方々の理解と協力を得ることが重要だと思うが、チェルノブイル原子力発電所の事故を契機として、これまで原子力に関心の薄かった都市部の住民、特に御婦人や若い方々を含め、全国的に国民一般層が原子力について疑問や不安を感ずるようになってきている状況であります。 そこで、原子力について国民の理解と協力を得るための方策について具体的に説明をお願いいたします。
○政府委員(山本貞一君) ただいま先生も御指摘いただきましたけれども、原子力の開発、利用を進めていくためにはやはり広く国民一般の理解と協力を得なければならない、これが基本でございます。 同時にまた、先生今御指摘ございましたように、チェルノブイリ事故以降、特に都市部の主婦層あるいは若年層を含めまして国民一般に原子力についての疑問とか不安といったようなものがかなり強くなってきたことも事実でございます。科学技術庁といたしましても、このような国民一般の不安なり疑問について草の根的に、あるいは対話をしながら御理解を求めていくというような努力、それから実際、例えば放射能をはかっていただくといったような体験型の方法というようなものも含めまして、近年大変な努力をしておる次第でございます。予算といたしましても、私ども科学技術庁でも二十億強の予算を用意して各種の広報活動を展開しておる次第でございます。 今後とも適時的確なあるいは懇切丁寧な地道な努力を重ねてまいりたいと考えておる次第でございます。
○鹿熊安正君 一部には原子力は世界的に撤退する方向にあるとの指摘もありますが、世界的にも石油ショック以降原子力開発、利用は着実に進められ、現在世界の電力の約二割弱を賄うまでに至っております。また最近、原子力開発、利用に消極的であった国がその政策を見直そうとの動きもあるやに聞いております。原子力をめぐる世界的な最近の動向について政府はどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。
○政府委員(山本貞一君) 原子力発電のまず数量をちょっと申し上げますと、世界全体で現在、本年六月末の数字でございますが、設備容量で三億三千八百万キロワット、四百二十三基ございまして、世界の総発電電力量の一七%を供給しております。チェルノブイリ事故以降で見ましても六千万キロワットの設備容量が増加しておる次第でございます。いろいろ難しい立地問題等ございますけれども、世界的に着実に原子力発電所の建設、運転が進んでおるということと認識しております。 米国、フランスあるいはカナダ等の主要先進国におきまして、アメリカではもう十数年新規の原発の発注がないというような状況ではございますが、それぞれの国でかなり多くの比率を原子力発電が占めておりますし、今後とも原子力発電を推進していくというふうに私ども聞いておる次第でございます。 特に、一部原子力から撤退をするというような決定をした国も従来ございます。 ただ、このうちまずスウェーデンにつきまして申し上げますと、たしかことしの九月に政権党であります社会民主労働党の党大会が行われまして、原子力発電所を二〇一〇年までに全廃する、あるいは一九九五年、一九九六年に二基まず廃棄していく、そういうような従来の方針があるわけですが、その方針について見直す、廃棄時期を先送りする、そういう方向で野党と協議をするようにというような決定をしておるわけでございます。 それからスイスでございますが、やはり本年九月に国民投票がございまして、この国民投票には選択肢があったわけですが、まず一つは、原子力発電所は現在あるものも停止する、あるいはもうやめる、そういう第一の選択肢につきましては否決をされておりまして、二つ目の選択肢が、今後十年間新しい原子力発電所の建設許可は発給しない、これにつきましてはやはり過半数で支持されております。ただ、御案内かと思いますが、スイスでは現在、原子力発電所の建設計画あるいは建設中のものは全くございませんし、かつ一六%ぐらいの電気を国外に輸出しておる、そういう状況がございまして、実体的には今後十年発電所をつくる必要がない、そういう実態を踏まえたかなり現実的な対応をスイスの国民投票は示したというふうに認識しております。 以上申し上げましたように、原子力というのはエネルギー需要の増大あるいは地球環境問題等の観点からますます重要な位置を占めつつある、国際的にもそんな状況になっておるというふうに認識いたしております。
○鹿熊安正君 世界的な最近の動向についていろいろ御説明いただいたわけであります。 原子力発電は、エネルギーを生み出す過程で二酸化炭素を排出しないで、少量の資源で膨大なエネルギーを取り出すことができるといった特徴を持っております。これらに加えて、化石燃料が一度燃焼させてエネルギーを取り出せばなくなってしまうのに対し、原子力発電の場合は使用済み燃料を再処理することによって、プルトニウムや燃え残りのウランを回収してこれをリサイクル利用することができます。このすぐれた特徴を最大限に発揮するため、原子力発電を進めていくに当たって核燃料サイクルの確立を図り、プルトニウム等の有効利用を図っていくことが重要なわけであります。 かかる観点から、核燃料サイクルの確立のために、現在青森県の六ケ所村で進められている核燃料サイクル施設計画は極めて重要なプロジェクトであると考えておりますが、政府の取り組みについてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今、先生にも御指摘いただきましたが、自主的な核燃料サイクルというのは、エネルギー資源に乏しい我が国としてはどうしても確立しなきゃいけない課題だと思っております。六十二年の原子力長計でも非常に明確にうたわれておるわけでございます。 今、先生、使用済み燃料に含まれておるプルトニウムの話もされましたが、これはまさに使用済みの燃料の中から再処理をして、技術で取り出す貴重なエネルギー資源ということでございます。使わなければそのままになる。そういう意味で純国産エネルギーに近いエネルギーでございます。エネルギーの安定供給を図る、あるいは将来のウラン需給ということも考えたときに、プルトニウム利用というのは我が国のエネルギー政策として非常に重要な位置づけを持つというふうに考える次第でございます。その意味で、青森県の六ケ所村で今計画が進んでおる、あるいは建設が進んでおります施設の円滑な推進につきまして、私ども政府・科学技術庁としても大いに努力をしておる次第でございます。 なお、プルトニウムにつきましては、利用の方法としては高速増殖炉で利用するというのが基本でございますけれども、それまでの間におきましても、できる限り早期に軽水炉あるいは新型転換炉においても一定規模でのプルトニウムの利用を進めていく方針でおるわけでございます。
○鹿熊安正君 次に、プルトニウム利用について質問いたします。 我が国においては、プルトニウムは高速増殖炉において利用することを基本としているため、現在動力炉・核燃料開発事業団において高速増殖炉の研究開発が進められておりますが、高速増殖炉は消費した燃料よりも生成する燃料の方が多いという特徴を有しており、エネルギー資源の有効利用の観点から、この高速増殖炉の研究開発は積極的に進めるべきであると考えております。 そこで、また高速増殖炉に加え、我が国が独自に開発した新型転換炉や軽水炉におけるプルトニウム利用は今後の原子力開発利用の中で極めて重要な役割を果たすものと考えられますが、我が国におけるプルトニウム利用に関する基本的な考え方をお伺いいたします。
○政府委員(山本貞一君) 先ほど先生が核燃料サイクルにつきまして御質問されましたので、私、若干先走ってプルトニウムの話も申し上げましたが、今先生が御指摘されましたように、プルトニウムにつきまして、先ほど私も申し上げましたが、まさにそのような方向で考えておるわけでございます。 まず、FBRでございますが、現在実験炉を運用しておりますが、建設中の「もんじゅ」を原型炉といたしまして、建設がかなり、もう八〇数%という段階まで来ておりまして、平成四年の秋ごろに臨界に達するという予定をしております。 一方、先ほども申し上げましたが、高速増殖炉だけじゃなくて新型転換炉なりあるいは軽水炉の中で一部プルトニウムを燃やしていくというような方向もあわせ行いまして、今後のプルトニウムの利用あるいはそれによるエネルギーの安定供給というのに努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
○鹿熊安正君 これまでの質疑からも明らかなとおり、最近の中東情勢あるいは石油資源の有限性、我が国の資源状況から考えると、やはりエネルギーセキュリティーの観点から、エネルギーの主力を原子力に置くことが重要であると思います。我が国においては、すでにウラン資源を有効に利用する核燃料サイクルの確立が着実に進められており、原子力発電が総合的な発電体系として確立しつつあると言えましょう。 そこで、一方で恒久的なエネルギー源確保のため、燃料が事実上無尽蔵と言われている核融合の研究開発を積極的に進めることも極めて重要であると考えておりますが、核融合の研究開発の意義、現状と今後の進め方について考え方をお聞かせ願います。
○政府委員(山本貞一君) 核融合、御案内と思いますが、海水中に存在します重水素等を燃料といたします。そういう意味で、これがもし実用化されれば人類が恒久的なエネルギー源を確保する、無尽蔵と言っていいエネルギー源を確保するということが言えると思います。 ただ、私ども科学技術庁においてもあるいは文部省、大学等におきましても、核融合について従来から相当の研究開発の努力をしてまいっておりますが、まだまだすぐ実現見通しが明確になったというところまでは来ておりません。 申し上げますと、原子力研究所、原研でございますが、臨界プラズマ試験装置、JT60でございますが、これで昭和六十二年九月に臨界プラズマ条件目標領域というところに到達はいたしました。そういう意味で、日本の核融合の研究開発は国際的にアメリカ、ECに並んで世界の先端水準を走っておるということは言えると思います。 ただ、先ほども申し上げましたように、地上の太陽と言われる核融合で現実にエネルギーを取り出すというようなところにはまだ実験段階でも来ておりません。そういう意味で、研究開発のまだ中途段階というふうに認識をいたしております。 ただ、しかもこれにつきまして大変な資金が今後とも必要だと思います。そのため現在実は一九八八年から今年末までにかけて、アメリカ、EC、ソ連、それに日本、この四極で核融合炉の概念設計の作業を今しておりまして、今年末には大体まとまるということになっております。それ以降、来年からその次の段階として工学設計になるわけですが、工学設計の段階に五年程度入りたいということで国際的に今協議を進めておるところでございます。その後、その次の段階として実験炉を建設する、あるいは実証炉、商業炉という段階でございますが、やはり実際に電気が起きるのはあと数十年、例えば三十年というような時間がかかり、かつ商業化するには二十一世紀の半ばごろではないかというのが大方の研究者等の見方かと存じております。
○鹿熊安正君 先般、核融合の研究開発のところへ視察させていただきました折は、実用化するまでには約二十年ぐらいかかるのじゃないかというような話でありましたが、今聞きますとまだまだかかるような状況のお話でしたが、やはりどうしてもそんなにかかるんですか。これは質問通告以外のことでちょっとあれですが。
○政府委員(山本貞一君) 今私、非常に慎重な言い方を申し上げました。まだ電気が現実出てきたというようなところをつかまえておりませんので慎重に申し上げました。 過去の経緯を申し上げますと、かなり前に、一一〇三〇年ごろにはもう商業化できるのではないかというような想定もございました。それから、ごく一部の研究者あるいは学者の中ではもう少し資金を投入すれば、先生おっしゃったように、二十年ぐらいでできるというような方もいらっしゃいます。 ただ、現実の資金あるいは研究体制、国際協力の実態、いろいろなことを前提に考えますと、やはり私先ほど申し上げましたように、二千二十数年、例えば二〇二五年ごろに電気を初めて起こして、二千四、五十年ごろに商業化一号炉ができるのが大体の国際的な今の雰囲気というふうに言えると思います。 ただ、これは今かたい言い方で申し上げたわけで、地球環境の問題あるいはエネルギーの確保あるいは非常に廃棄物が少ないという意味でのメリット、化石燃料が将来枯渇していく、あるいは途上国を初め世界のエネルギー需要がどんどんふえていく、そういうような実態を考えますと、今申し上げました、あるであろう見通しというのをさらに近づける努力を私ども大いにしなきゃいけないし、国際的にもそこは日本が中心になってむしろ呼びかけていくというような気持ちというか政策は今後努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○鹿熊安正君 では次に、大臣にお伺いいたします。 エネルギーの安定的確保の観点から原子力の研究開発の推進が重要であることは答弁のとおりと思いますが、最後に、我が国としては、今こそ原子力を初めとし、その他の新エネルギーを含めたエネルギーの研究開発に重大な決意を持って取り組むべきときであると考えるものでありますが、エネルギーに関する研究開発についてどのような対策を考えておられるのか、大臣のお答えとあわせて決意をひとつお願いいたします。
○国務大臣(大島友治君) もう十分御承知のように、我が国におけるエネルギー資源のないという前提に立っての将来に向かい、また、今日いかにこのエネルギーを確保していくかということは極めてこれ重要なことでございまして、基本的に若干遠くを見てみれば、ただいま核融合の問題を御質問されたようでございますが、核融合の問題が実用化するということになればもう無限に近いエネルギーの開発ということになって極めて我が国にとっては有利ではございますが、一年や五年でこれはできるものでもないし、さりとて将来に期待できないものではないということは私もかねてより研究させていただいておるわけでございます。 これにつきましてはやはり二十一世紀の果たしていつごろになるだろうというのが従来の目標でございますから、今の局長の説明からしてもやや二十一世紀の中ごろまでにはこれが実用化するのではなかろうかということで、今世界四極と申されました、アメリカそしてヨーロッパ、さらにソ連、我が国、この四極がこぞってこの開発をいかに着手するかということで進めておるので、我が国といたしましても基本的な将来のエネルギー確保はこれに大きな期待を持ってしかるべきじゃなかろうか、こういうことを私はまず考えておるようなわけでございます。 また、とは申しましても当面いろいろ問題がございますが、具体的には六十一年の三月に閣議で決定されました科学技術の政策大綱というのがございまして、重要な研究開発分野の一つとしてこのエネルギーの開発及び利用、こういうものに位置づけられておりまして、政府としてもエネルギー研究開発基本計画を定めて積極的にこのエネルギーの開発研究を進めていきたい、こういうふうに大綱をまず基準として今は進めておるのでございます。 具体的には、今日原子力の問題につきましてもさることながら、当然これはやってまいりますが、石炭ガスの、いわゆる石炭のガス化と申しましょうか、そういう面における技術的な化石エネルギーの研究開発と、さらには太陽、太陽光の問題、また地熱とか海洋あるいは風力といったものが自然エネルギーの研究開発ということで非常に意味のあるものであるし、これも積極的に進めるべきものであるというふうに私考えておるものでございます。こうしたいろんな面から原子力も極めて今日有効適切なエネルギーではございますが、さらに進んだ自然エネルギーの問題もただいまのようなものを具体的に取り上げて、今後とも積極的に進めていくというふうな気持ちで今やっておるわけでございます。 特に、最近の中東問題の情勢につきまして非常にエネルギーの不安定な条件も出ておりますが、私どもはこの環境問題の重大化ということを踏まえまして、現行のこのエネルギー開発基本計画というものをもっとさらに一歩進んだ改定を行って、そして科学技術会議におきまして審議を進めて今その問題を取り上げてやっておりますので、今後ともこの原子力の問題を中心としましたエネルギーの開発ということについては一層私も前向きに努力していくべきであるというふうにして現在進めておるのが状況でございます。 以上でございます。
○鹿熊安正君 どうもありがとうございました。 次に海洋開発について質問いたします。 海洋は生命誕生の源であり、人類は太古の昔から海洋を漁業や交通の場として利用してきております。また、それは生物資源や鉱物資源の宝庫であるとともに、波力などの尽きることのない自然エネルギーや広大な空間を有することから、人類が一層の発展を図るために海洋開発が果たす役割は今後ますます重要となると認識しております。特に国土が狭く、陸上資源に乏しい我が国にとって、海洋開発の果たす役割は極めて重要であることは言をまちません。 そこで、まず我が国の海洋開発の基本的考え方について政府の考え方をお伺いいたします。
○政府委員(井田勝久君) ただいま委員御指摘のとおり、海洋は人類の今後の発展のため欠かせないものでございます。 特に我が国は四囲海に囲まれておりますので、海洋開発の果たす役割は大変大きいということが言えるわけでございます。このため政府におきましては、いろいろな分野にわたります海洋開発が調和をとれて進められることが何より重要でございますので、内閣総理大臣の諮問機関といたしまして海洋開発審議会を設けまして、その答申に基づきまして関係省庁緊密な連携のもとに推進を図っているところでございます。 海洋開発審議会でございますが、本年五月、ただいま問題になっておりますが、地球環境問題、科学技術の進展あるいは二百海里時代の定着、こういったような近年の海洋をめぐる内外の諸情勢を踏まえまして、「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」という答申を行ったところでございます。 政府といたしましては、この答申における指摘を踏まえまして、関係省庁と緊密な連絡をとりまして長期的視点に立って環境の保全を図りつつ、調和のとれた海洋開発、こういったことで進めてまいりたい、このように考えているわけでございます。
○鹿熊安正君 海洋は、全人類に対し多大の恩恵をもたらす可能性を秘めており、人類が安定的に発展を続けていくためには、各国が協力して海洋の持つ可能性を切り開いていくことが必要であります。特に、海洋の実態解明のような課題に対しては国際的な協力のもとに取り組んでいくことが必要であると考えますが、政府の考え方をお聞かせいただきたいと思います。お願いします。
○政府委員(井田勝久君) 海洋は、先ほど申しましたように全人類にとって恩恵をもたらすものでございますし、大変また広くて大きくて深いものでございます。そのため、何よりも国際協力による研究開発を進めるということが大変重要であると考えているわけでございます。このため海洋科学技術に関しましては、従来から世界気象機構でございますとかユネスコの政府間海洋学委員会、こういった国際機関を通じた協力でございますとか、あるいは米国、フランス、西ドイツ、中国、こういった国々との間の科学技術協力協定に基づく国際協力あるいは海洋科学技術センターとアメリカのウッズホール海洋学研究所との協力、こういった形でさまざまな協力を進めてきているわけでございます。 また、特に本年から多数の国が参加いたしまして、海洋の大循環機構を解明しまして、気候と海洋のかかわり合いを研究するための国際プロジェクトが開始されております。こういったプロジェクトを通じまして、近年世界的問題になっております地球温暖化等の地球規模の環境問題にも適切に対応してまいりたい、こういったことで今後こういった国際的な枠組みで行われますプロジェクトについて積極的に参加してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○鹿熊安正君 国際協力を進める上では、世界的に通用する海洋調査のための機器や技術を要するが、我が国は今やこれらの点で世界的にも高水準を達成しつつあるようであり、今後とも研究開発に努めるとともに、これらを国際協力を含め積極的に活用していくことが重要であると考えられます。 そこで、現在、海洋科学技術センターを中心にさまざまな海洋科学技術の研究開発が進められていると認識しており、今後ともより積極的にその推進を図ることが必要と考えるが、科学技術庁における海洋科学技術の研究開発への取り組みについてお伺いいたします。
○政府委員(井田勝久君) 今後海洋開発を進めてまいりますに際しましては、やはり基盤となる技術をきちっと持たなければ進められないわけでございます。特に我が国はこういった面で海洋科学技術センターを中心といたしましてこういった技術を進めてまいりまして、世界におきましても高い評価を得ているところでございます。 御承知のように、深海の調査研究につきましてはしんかい二〇〇〇、それに引き続きますしんかい六五〇〇、こういったものを完成いたしまして海洋調査について非常に深いところまできちっと海洋の調査ができる、深海底の調査ができるというふうな体制が整っているところでございまして、これをこういった調査機能を今後フルに活用いたしまして、その新しい展開として深海生物や生態系に関する研究、こういったものも取り組んでまいりたいと思っているわけでございます。さらに深いところと申しますと六千五百メートル以下のところでございますが、その調査も可能な一万メートル級の無人探査機の開発、こういうものにも着手しておるところでございます。 さらに海洋の観測技術、これは地球環境問題の解明を図る上で大変重要なわけでございますが、こういった観測技術につきまして、音響で海洋の状況を探査する音響トモグラフィーとか、それから海洋表層の炭酸ガスの濃度の観測に適した海洋レーザー技術の開発、こういったものにも進めてまいりたい。こういうことを今後とも積極的に進めまして、こういった海洋開発の基盤となる技術というものをきちっと確立してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○鹿熊安正君 もう時間がありませんので、最後に大臣にお伺いいたします。 私は、海洋開発は我が国発展のかぎと言っても過言ではないほど重要であると考えておりますが、科学技術庁における今後の海洋開発への取り組みについて大臣の所信をお伺いいたします。
○国務大臣(大島友治君) 四海海に囲まれておる我が海洋国家といたしましては、海洋開発をいかにやっていくかということは非常に重要なる意味を持っておるものでありまして、従来海洋の技術センターを中心にいたしまして研究してまいりました。ただいま局長からそれぞれ具体的な方法につきましても、例えばしんかい二〇〇〇から六五〇〇と、さらには無人ではあるけれども一万メーターの海底をも調査できるような仕組みを今研究推進中であるというようなことで現在やっておるわけでございます。 特にこの今年五月に出されました海洋開発の審議会における指摘事項というものを十分踏まえまして、今後ともこの海洋開発の効果的な推進を上げるために積極的にこの問題を取り上げて研究してまいるという所存で現在進めておるのが現況でございます。 以上でございます。
○鹿熊安正君 終わります。
○三上隆雄君 それでは、私から質問をするわけでありますけれども、せっかくの機会でございますので、先ほど皆様方から満場一致をもちまして穐山理事の交代に伴いまして私が理事を担当することになりました。よろしくお願いいたします。 それでは質問に入りたいと思います。 今、日本は科学技術の発展によりまして科学文明を謳歌し、世界の経済大国日本と言われております。そしてまた、国際国家の一員というより、むしろリーダーとしてのその責任を果たさなければならない重要な時期と立場に立たされております。 今地球は、オゾン層破壊、酸性雨、温暖化等々環境問題が世界最大の、そして共通の課題として取り組まねばならない時期に立ち至っております。命、健康、自然を考えた場合に、我々の今現在の生き方が、すなわちライフスタイル、社会構造、経済構造がこれでよいのかどうか、その反省に立って食糧政策、環境政策、エネルギー政策を根本的に見直す時期ではなかろうか、こう思うわけであります。どの政策をとってみても自然剥奪環境破壊型、経済合理性の現状享楽、体制迎合とでもいいましょうか、その反省を求める意味から、私はむしろ現在のこのエネルギーの拡大政策というよりも、むしろ省エネ、ソフトエネルギーの開発とエネルギー政策の見直しという立場で質問を続けてまいりたい、こう思います。 そこで、今青森県に集中立地されております核燃サイクル施設、国では原子燃料サイクル施設とそう呼んでおりますけれども、私どもは核燃サイクル施設という表現をしているわけであります。この施設を中心として質問を続けてまいりたい、こう思います。 国は、資源のない我が国が資源の再利用とクリーンで安いエネルギーをキャッチフレーズに、より拡大の方針をとっておりますけれども、我々は現在の安全対策と将来のリスクを考えた場合に、現在の原子力政策を見直す立場で、今までの進めた方法その結果を踏まえながら具体的に質問に入りたいと思います。 そもそも、この核燃サイクル施設というのは昭和五十九年七月、国及び電事運の示す「原子燃料サイクル施設の概要」をもとにしてその説明を受けて、これは一定の手順を経ておりますけれども、五者協定、いわゆる県、六ケ所村、原燃サービス、原燃産業、電事連、その五者によってその協定に基づいて今着々と進められているわけであります。 そこで、原子燃料サイクル施設の立地への協力に関する基本協定を交わして事業を進めているわけでありますけれども、その具体的な質問に入る前に、今までいろいろ青森県にはこの核燃サイクル施設に対する政治的な変革が起きているわけでありまして、国も事業者側も地域住民の理解を得なければならないということからいろいろなPR活動をしているわけでありますけれども、それが必ずしも公平な手順に基づいて、運営方法に基づいてやられていないという立場から地域住民が自主的に公開ヒアリングを持ったわけでありまして、その構成団体が八十七団体、そして四十四項目に基づいて、実は青森県知事あてに公開質問状を出したわけであります。公開質問状というのは、その自主ヒアリングは県内五カ所で相当な、国が行ったいわゆる公開ヒアリングよりもはるかに多い参加による自主ヒアリングの結論に基づいて、四十四項目の公開質問状を出したわけであります。 これはもちろん県知事あてに提出をされたわけでありますけれども、県からそれに対する問い合わせというか、それに対する国としての対応はどうなっているか、まずそこからお尋ねをしていきたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 今先生御指摘の公開質問状というのは、恐らく県内の関係団体で構成されております「核燃を考える県民自主ヒアリング開催実行委員会」が本年八月九日付で青森県知事あてに提出された公開質問状のことと推察いたしますが、私どもそういう公開質問状が青森県に提出されたという事実はよく承知をいたしております。 ただ、今先生も言われましたように、この質問状は青森県に対して出されたものでございまして、私どもあるいは国、科学技術庁として本件に関して青森県から相談を受けているというようなことはございません。そういう意味で本件は青森県とこの公開質問状を出された実行委員会との間の問題であるというふうに考えまして、県が御判断されることだと存ずる次第でございます。
○三上隆雄君 ただいま山本原子力局長から、県のことであるから私どもは、国では関与しないというお言葉がありましたけれども、相談は受けたわけですね。
○政府委員(山本貞一君) 相談は受けておりません。事実は承知しております。
○三上隆雄君 事実は承知しているけれども相談は受けていないということですから、質問のしようがございません。 しかし、それに対して国としてはいささか責任はありませんか。その点の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 核燃料サイクルの立地を進める、あるいはこういう施設で核燃料サイクルを確立するということにつきましては、国としても原子力長計を初め方針として定めております。そういう意味で私ども強い関心というか、政策として持っておるわけでございますが、今御質問の公開質問状につきましては県に出されたものでございます。そういう意味で県が処理をお考えになるということと思う次第でございます。
○三上隆雄君 きょうは傍聴者も大変おりますし、議員の皆さん方も聞いておって、これで果たして国が、事業者が県に対して誠意を持って住民の説得に当たっているかというそのことがまず一つのあらわれですよ、その態度が。まずその状態だけは認めました。 それでは次に進みたいと思います。 先ほども申しましたけれども、五十九年の七月に国及び電事連から「原子燃料サイクル施設の概要」というものをまず提示して、そして青森県に最初立地をしようとする動きをしたわけであります。そこで、この「施設の概要」について若干触れたいと思います。 そもそも青森県に核燃料サイクル施設の集中立地ということは、いわゆる三点セットと言われた再処理施設、そしてまたウラン濃縮施設、そして低レベル放射性廃棄物貯蔵施設というこの三点セットということで県には最初から説明をし、その内容の概要書を提示しているわけでありますけれども、この文面について若干今までの経過を含めてお尋ねをしたい、こう思うわけであります。 再処理施設については、若干読んでみます。 原子力発電所の使用済み燃料を受入れ、貯蔵したのち化学的に処理し、ウランとプルトニウムを取り出すとともに、発生する放射性物質を適切に処理し一時貯蔵します。また、現在、海外に委託している使用済燃料の再処理に伴う返還物の受入れ及び一時貯蔵を行ないます。 という表現なわけでありますけれども、一方、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設については、これははっきりと貯蔵施設という表現をしているわけであります。 そこで、私はこの段階でお尋ねをしたいことは、その当時一時貯蔵とはどのような定義で青森県に説明したわけでありますか。
○政府委員(山本貞一君) 再処理施設につきまして、今先生がお読みになりましたとおりの文章が五十九年七月の資料でございまして、地元、県の方にもそういう説明がなされたというふうに聞いております。確かに「返還物の受入れ及び一時貯蔵を行います。」というふうになっておりまして、その一時貯蔵につきまして、その当時非常に具体的な形で何年というふうにはあるいは文書の中には出ていなかったかと存じます。ただ、再処理に伴う返還物あるいは高レベル廃棄物というものにつきましては、当初、熱というか、数百度、二百数十度の熱を出す、そういう意味で、それを冷ます意味で何年かの一時貯蔵、冷やすための一時貯蔵が必要であるというのは、技術的にもあるいは全体の説明の過程でもそういう説明はあったと私は存ずる次第でございます。 ただ、具体的に今私ども三十年ないし五十年を一時貯蔵というか、貯蔵する必要があると思っておりますが、きちっとした形で当時三十年―五十年というふうに申し上げたかどうかにつきましてはちょっと私は今明確に申し上げられません。必要があれば、またすぐ補足いたしたいと存じます。
○政府委員(石田寛人君) 補足してお答え申し上げます。 先生御指摘の原子燃料サイクル施設の概要には、一時貯蔵の実態、貯蔵期間につきまして触れているところはございませんが、当時電気事業連合会等々からいろいろ御説明申し上げまして、それを受けまして、例えば昭和五十九年九月の青森県議会におきます企画部長の御答弁等におきましては、一部関係のところ読ませていただきますと、 次に、再処理工場から出てまいります高レベル放射性廃棄物の処理処分についてどのように考えているかということであります。電気事業連合会といたしましては、再処理施設から発生する高レベル放射性廃液は安定したガラス固化体とし、最終処分するまでの三十年ないし五十年間は再処理施設の敷地内に一時貯蔵するとしております。 というくだりもございます。 それからさらに、企画部長のお話の中で、原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会の中間報告等についても触れておられますけれども、この中間報告におきましても貯蔵期間を述べているところはございます。 このようなことでございまして、関係の方々に対しましては三十年ないし五十年貯蔵するということをよく説明申し上げてきたと存ずる次第でございます。
○三上隆雄君 ただいま石田官房審議官のお答えになったのは、何年の何月の何会議ですか。
○政府委員(石田寛人君) 重ねてお答え申し上げます。 今ほど申し上げましたように、最初のお答えの部分は昭和五十九年九月の青森県議会第百五十九回定例会の会議録から読み上げさせていただきましたものでございます。その中に触れておられます。これは答弁によりますと、 昭和五十九年八月七日に公表されました――これは原子力委員会でありますが―― と言っておられます。 原子力委員会放射性廃棄物対策専門部会の中間報告に関しても触れておられますけれども、この中間報告、これは今申しましたように、昭和五十九年八月七日にまとめたものでございますが、その中にも「高レベル放射性廃棄物処理方策」と書いてございまして、その②の「貯蔵等」の中に、 ガラス固化体は、それに含まれる放射性核種の崩壊熱が深地層の岩盤へ与える影響を緩和するため、使用済燃料として原子炉から取り出された後再処理を経てガラス固化され、深地層中へ搬入されるまでの間、三十年間から五十年間程度、冷却のため貯蔵する。 そう書いてあります。 以上でございます。
○三上隆雄君 実は、手元に八九年十月三十日の朝日新聞、これは新聞ですからその信憑性については私は何とも言えませんが、 明るみに出た構想は六ケ所村に使用済み核燃料の長期貯蔵施設を建設するというもの。これまでの計画では、再処理施設内に使用済み核燃料の貯蔵施設はあったものの、あくまでも「再処理してプルトニウムを取り出すまでの三―五年の冷却施設」と事業者側は説明。国も「再処理は安定したエネルギーの確保のために不可欠」としてエネルギー政策上の必要性を前面に立て県民に理解を求めてきた。 というんです。 そのころは、三年から五年ということが、私ども一般的に一時保管というのは少なくとも四、五年ですよというぐらいの認識で受けとめているんです。それをはっきりこの概要書に、少なくとも一方では永久保存と、こっちは一時貯蔵というんであれば、その辺のことをもう少し丁寧に説明すべきではなかったですか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 今先生のお読みになりました部分でございますが、その部分は、原子力発電所で使いました使用済み燃料を再処理すべく再処理施設の周辺に持っていきまして、それで使用済み燃料、直後は核分裂生成物から出ます崩壊熱が極めて高いものでございますから冷却する、その冷却期間のことについて触れられたものであろうかと思うわけでございます。 今申しました三十年から五十年と申しますのは、さらに使用済み燃料を機械的、最終的には化学的に分別処理いたしまして、取り出しました核分裂生成物をガラス固化体の格好にいたしまして、それを長期間冷却するわけでございまして、その期間が三十年から五十年、そういうことになっておるかと思う次第でございます。
○三上隆雄君 それでは二つの段階があるということですね。一定の保管用にするガラス固化した段階でその放熱をする期間が三十年から五十年、そのガラス固化する前の冷却を四、五年という説明をしたんですか。
○政府委員(石田寛人君) 実際、その原子力発電所から排出されます使用済み燃料の取り扱いでございますけれども、再処理施設、再処理工場の周辺に運び入れましてからも、全体使用済み燃料自身、これは原子炉に入れます燃料のままの形をしておるわけでございますけれども、その使用済み燃料から出ます崩壊熱を冷やすというそういう過程が一つございます。ある程度冷えましたところで先ほど申しましたように使用済み燃料を機械的に剪断し、化学的に核種の成分を分別いたしまして再処理するわけでございますが、その再処理の結果出てきた廃液をガラス固化し、そのガラス固化体を再度冷却するというそういうプロセスになろうかと存ずる次第でございます。
○三上隆雄君 そこまではわかりました。一つの会議としての経過が実証されましたので、それは終わりたいと思います。 そこで、核燃料サイクル施設の一時保管ということは、私どもはそのガラス固化した段階から三十年―五十年、そんな科学的、技術的なことは一般県民はわかりませんよ。少なくともそこへ廃棄物が持ってこられてから一時的に三十年から五十年という認識でいるんです。そのことをまず考えてください。それに対する異論がございますか。一般人は廃棄物を一時貯蔵するんだから、そこへ持ってきてから三十年から五十年かかるんだなというそういう認識をするんです。その考え方が一般的ではないですか。皆さんはこれは専門家ですから。
○政府委員(山本貞一君) 先生言われましたように、一時貯蔵という言葉であればそういう短いニュアンスというふうに受け取られる方もおられるかとは思います。ただ、先ほど石田審議官が御説明いたしましたように、当時青森県議会あるいは一般の説明の場でも三十年ないし五十年という御説明を申し上げておるという事実がございまして、そこについては当時からそういう前提で御理解を得ていたというふうに考えておる次第でございます。
○三上隆雄君 それでは、このような質問のやりとりですから質問の順序をかえて、それに関連したことを若干申し上げてみたいと思います。 それでは、幸い長官がおりますから、長官の回答を踏まえながら私は質問を続けていきたい、こう思います。 実は青森県知事から大島科技庁長官あてにこのような照会が来ているわけであります。前文は省略して後段の方を読み上げます。 ついては、このことは本県にとって大変重要な問題でありますので、この際、改めて、高レベル放射性廃棄物の最終処分に係る国の基本方針について照会させて頂くものであります。 これは最終処分地でないということを前提の照会ですから。次に、 特に、当該施策を進めるにあたっては、地元の意向を尊重して対応されることと確信しているところであり、下記の本県の理解、受けとめ方について間違いないかどうか貴庁のお考えをお示しいただければ幸甚に存ずる次第であります。 次の「記」という事項に入ります。 一、原子力委員会の「原子力開発利用長期計画」においては、高レベル放射性廃棄物は安定な形態に固化した後、三十年から五十年間程度冷却のための貯蔵を行い、 このくだりは先ほど審議官の言ったことに基づかれますけれども。 その後、地下数百メートルより深い地層中に処分することが基本方針として定められており、この方針に則って、諸施策が進められているところである。 特に、処分に係る研究開発については、今後十数年以上かかると考えられ、動力炉・核燃料開発事業団を中核機関として推進されつつある。 二、最終処分を行う実施主体は、一、の処分に係る研究開発及び地質環境等に係る調査の進展状況を見極めた上で、国が適切な時期に具体的に決定することとされている。 極めて判読に面倒な内容なんです。次に、 三、実際の処分に先立つ処分予定地の選定は、二、に定める実施主体に行わせることになっているので、現段階においては、具体的な処分予定地は決められていない。 ということであります。 なお、この処分予定地の選定にあたっては、原子力開発利用長期計画では、地元の理解と協力を得て慎重に行うこととするとの方針が明示されており、将来、処分予定地の選定においては、地元の意向を十分尊重して進められることになっている。 地元の意向を十分尊重して進められるということになっております。 そこで、ここで問題なことは、結局は国がこの予定地を定めるということの解釈でよろしゅうございますか。
○政府委員(山本貞一君) 高レベル廃棄物の処分につきまして、六十二年に定めました原子力長計におきましても、その実施主体を定める、国が責任を持って行うという表現がございます。そのような意味で、今先生の御質問の趣旨を一〇〇%私理解したかどうかは存じませんが、簡単に申し上げるとそういうことだと存じ上げる次第でございます。
○三上隆雄君 一〇〇%は理解できないがおおよそという解釈ですか。このとおりじゃないんですか、はっきりしてください。
○政府委員(山本貞一君) 原子力発電所等の運転によりまして生じてきた廃棄物、それの処分についてもちろん責任を持つのは、というか、あるいはその資金負担をしてやらなきゃいけないという意味では、例えば発電所であれば電気事業者だと、これはその原則があると思います。ただ、高レベル廃棄物については、先ほどから話がございますように、かなり長い時間での貯蔵、あるいはその後の最終処分というようなことを踏まえまして、国がより責任を持ってそこをきちっとしていくということを原子力長計では定めているというふうに理解しておる次第でございます。
○三上隆雄君 補足はありますか。
○政府委員(石田寛人君) 局長の御答弁のとおりでございますが、一言つけ加えさせていただくならば、処分予定地の選定は実施主体がやるわけでございまして、その意味で処分予定地の選定自身をやることは国ではないということでございます。後の部分は、先ほど先生が読み上げられましたところに書いてございますとおりの状況であります。
○三上隆雄君 そこで、もう少し確認したいと思いますけれども、ここでの「地元」とはどこを指しますか。
○政府委員(山本貞一君) 地元という中には、一番私ども関係が深いのは当該立地する市町村、それが一番関係が深いと思います。ただ、社会的にはいろいろその周辺の市町村もそれに関係というかあるいはいろんな意味での影響も受けられるとすれば、それも若干含めた地元というふうに理解できると思います。 同時に、実際の開発行為というか、いろんな事業を行うに当たりまして、現在の法体制では都道府県が関与いたします。そういう意味で都道府県も関係者というふうに理解しておる次第でございます。
○三上隆雄君 ただいまのは都道府県も関係者、地元関係者という解釈でよろしゅうございますか。私は地元ということを聞いたわけでありますから。
○政府委員(山本貞一君) ただいま申し上げましたように、私ども、地元というのは第一義的には、一番関係が深いのは当該市町村及びそれに関連した市町村があれば周辺の市町村ということもあり得る、それから都道府県というのも地元の一つと見ております。
○三上隆雄君 もう一度確認しますけれども、一義的には当該市町村が地元であって、県も地元と今言明しましたのでそう解釈しましょう。いいですね。
○政府委員(山本貞一君) はい、そのとおりでございます。
○三上隆雄君 この場合、北海道の幌延と道の関係に若干触れ、また青森県と連動さして質問さしていただきます。 北海道は、正式な名称は忘れましたけれども、高レベルの貯蔵研究センターですか、それに伴うところの立地協定の議論の中で、道が地元ではないという見方もあったし、最終的には道も地元であるという見解を示したわけですけれども、その見方でよろしゅうございますか。
○政府委員(山本貞一君) まず地元の市町村の御理解をいただき、それから実体、事業を行うに当たりましては都道府県等にもいろいろお願いしなきゃいけませんので、都道府県の御理解もその時点では当然得なきゃいけないというふうに考えておる次第でございます。
○三上隆雄君 当然道も県も地元という解釈が立証されたわけであります。 そこで、もう一つ、幌延とその道の関係の協議の中で、関係市町村も地元であるという見解も一部ではなされていますけれども、その点についてはいかがなんでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 例えば、立地する施設のすぐ近くに別のまた市町村がある、そういう意味で周辺というか隣接する市町村も関係者として、意見を聞いたりするというようなことになるかと存じます。もちろん法的な手続では、実体的にはというか、個々の手続ではないとは思いますが、関係の市町村として私ども理解しておる次第でございます。
○三上隆雄君 なかなか言い回しが巧みなのか、我々理解に苦しむわけでありますけれども、例えば関係市町村、隣接市町村が、幌延でも六ケ所でもその協定に不満というか、それを拒否した場合には、それも政治的、法的な効力が出ますか。
○政府委員(山本貞一君) 今申し上げましたように、法的な効力というのは関係ないと言ったら大変あれですが、法的ということではない、かと存じます。ただ私ども、先ほど先生も読まれました、あるいは原子力長計でも書いておりますが、やはり地元の理解と協力を得て行うという、実体問題としてそこは御理解を得て進める。もちろん、例えば一般論として申し上げますが、現時点で行われていないとか、理解があるかないかということより、さらに御理解を求める御説明を十分して今後御理解をいただくという場合もあると存じます。私どもとしては何らかの形で御説明を十分した上で御理解を得てやっていく、そういうことだと思います。法律的に、理解がなければ例えば立地が無効だとか、あるいは全く法律的にできないというようなことではない、かと存じます。そういうことではないと存じます。
○三上隆雄君 御理解を求めて、そこの自治体の承認を必要といたしますか。
○政府委員(山本貞一君) 何と申しますか、実体的な御理解、地元の理解と協力というのはまさにそういう社会的な言葉というか、実体的な言葉でございます。そういう意味で、その法的な承認があるかどうかとか、あるいはその承認がなければ無効であるとか、そういうようなことではない、かと存じます。ただ実体として、御理解と協力を得て進めることが適当であると、そういうふうに原子力長計でも言っているんだと思いますし、私どももそういうふうに考える次第でございます。
○三上隆雄君 それでは、北海道でも青森県でも、隣接町村の理解を求めるということは、単なる理解を求めて説明して、そこの住民の意思表示は受けないということですね。必要でないということですね。
○政府委員(山本貞一君) 地元の意思がどういう形で表明されるかというのはいろんなケース・バイ・ケースというか、場合によりいろいろあると存じ上げる次第でございます。そういう意味で、一般的にはまず地元の理解を求めるときにはもちろん市町村民の方々にも御説明するということも実体的には行われる場合もあるでしょうし、あるいは市町村当局にも説明する、あるいは議会の関係者にも御説明する、いろんなことがあると思います。そういう意味で、地元の理解と協力というのはどういう形かというのは、先ほど申し上げましたように法的な手続ではないわけですから、どんな形で行われるかというのは私ども今この時点では特定して申し上げることはちょっと難しかろうと存じ上げる次第です。
○三上隆雄君 そうすると、結局北海道の場合は道とその当該町村というか、実施町村というか、法的な了解の手続を得ればその事業が実施できるということ以外に解釈できませんね、あなたの答えでは。それでは現実に合った承認の求め方ではないと思うんです。 例えば青森県の六ケ所村を考えた場合に、六ケ所村は南北に長い村です。施設をつくっているところよりも泊という部落は二十何キロも離れて、逆に隣接の町村は五、六キロで三、四町村隣接しています。そこの町村の理解と承認を求めないで、六ケ所村だけの承認を得て事業を進めるということに私は無理があると思うんです。現実的ではないと思うんです。それは単なる法的な、人間以外の、法律で物を進めるというだけであって、人間を重視した政治や法律ではないよ、それでは。その辺の見解はどうですか。
○政府委員(山本貞一君) 先ほど私申し上げましたが、隣接のすぐそばのところは、例えば関係市町村というか、申し上げました。そういう意味で、実体的にどこまでが関係というところはケース・バイ・ケースだと存ずる次第です。そういう意味で、今……
○三上隆雄君 じゃ六ケ所村はどうですか。
○政府委員(山本貞一君) 先生おっしゃったように、非常に近いところで実体的に関係が深いところがあるというふうなことであれば、どういうふうにそこを考えるかというのは地元の県知事あるいはその当該市町村の行政担当者等の御意見でおのずからというか、その時点で決まっていくことだろうと存じ上げる次第です。私どもとしては、現時点できちっとどこまでやらなきゃいけないとか、どこは必要でないというようなことを国として今申し上げるというより、そこは地元の御判断を第一に考えていった方がいいんじゃないかというふうに考える次第でございます。
○三上隆雄君 それは国の姿勢が無責任ですよ。国は事業者を、地方自治を指導監督するのが国の役割じゃないですか。国の勧めがあって事業者と一致協力していくという三者の合意でもってこの事業が進められているんですよ、危険性を伴いながら。そういう姿勢でいいですか。
○政府委員(山本貞一君) 私ども、核燃料サイクル事業も国の方針に従って事業者が進めております。国の方針としてもきっちり定められております。そういう意味で、これが円滑に進められるというのは国としても重大関心事であり、かつ政策としてもできることはすべてやるという構えでございます。 そういう意味で、いろんな意味での御理解を求めるための広報活動なり、あるいは場合によっては例えば放射線監視関係の助成なりあるいは地域振興なりいろんな努力をいたします。かつ周辺の、周辺というか、地元の御理解を得るための努力を事業者が進めることについて私ども事業者をそういうふうに指導するし、かつ県、市町村も含めてそういう御努力をしていただくようにお願いをしているわけで、私どもとして勝手にやってくださいとかそんなようなつもりで申し上げたつもりでは全くございませんので、御理解賜りたいと思います。
○三上隆雄君 いや、最大限善意に解釈すれば今局長の言ったとおりですけれども、逆に見れば、その実施市町村一つの承認があればどんな危険なものでも隣接の町村に関係なく進められるとすれば、これは大変危険なことなんです。ですから、こういう距離的に近い場合、そして精神的な連携がある場合にはその自治体の承認もとらなきゃならぬと思うんです。 それに関連して、あっちへ行ったりこっちへ行ったり申しわけないけれども、答弁がそうですからやむを得ません。 ウラン濃縮工場の安全協定という一つの協定の段階がございますね。今ウラン濃縮施設は来年の九月に稼働するということまで言っている、いろいろ問題がありながら。そこで当地の六ケ所村長は、あの人は凍結を唱えて、推進の古川という村長を破って当選された人なんです。その村長に言わせれば、私に今できることは安全協定で住民の、県の、国の安全を守るための安全協定を提示して、それで青森県を、住民を、日本を守るしかないと言っている。その安全協定のその見解に隣接六市町村は覚書で対応すると、この新聞では、これは東奥日報です、青森県の一大新聞です、そういう論評をしているわけですけれども、その覚書ということは何を意味するんですか。
○政府委員(山本貞一君) 一般に言われております安全協定のことだと存じ上げますが。
○三上隆雄君 そうです、もちろん。安全協定に対して覚書でその隣接町村は対応するということなんです。どういうことが想定されますか。
○政府委員(山本貞一君) 安全協定あるいは覚書というか、安全協定は当該事業者が県あるいは当該市町村はもちろんでございますが、と結ぶものだと存じまして、その際どういう範囲の市町村と結ぶかにつきましては、青森県を中心に先ほど私も申し上げましたが、地元で御判断をなさる、これが基本だと思っておりまして、私どもはその地元の御判断を尊重したらいいというふうに存ずる次第でございます。
○三上隆雄君 地元は、隣接町村は地元としてそれに加わりたいけれども、それに関係ない扱いをするからどうにもならぬですよ。ですから先ほど何度も言っているけれども、隣接町村の意向も十分聞く、理解を得るって言うんですよ。じゃ、法的な理解を得るための手だてをやってもらいたいんです。それはどうですか。地方自治の意思表示を得るための手だてをやってもらいたいんです、地元に任せると言うなら。
○政府委員(山本貞一君) 一般的に施設立地あるいは工業立地も含めまして施設立地がなされる場合での手続だと思います。もちろん本件については核燃料サイクルの一つということでいろいろな意味での御意見もあろうかとは思います。ただ法的には、先ほど来私も申し上げましたが、法的に何をどういう手続でということは、私は余り詳しくはございませんが、地方自治体系あるいは実体的な手続の関係では、今先生がおっしゃったような制度を設けるとかあるいは法的な義務にするというようなことは現時点ではございませんし、私どもとしてそういう制度を本件についてつくるという点については、現時点では考えておりません。
○三上隆雄君 時間も余りないから次に進まざるを得ないわけですけれども、少なくとも地元の住民としては、隣接町村なり青森県の地元の住民の声を聞くとして理解と協力を求めるとすれば、そこの意見を聞く手だては何がありますか。それがないとすればその意思がないということですよ。簡単に言ってください、もう一つ私重大な質問が残っていますから。
○政府委員(山本貞一君) 従来から事業者は恐らくというか、御説明を十分しておると思いますし、私どももPR活動の一環としてフォーラム・イン・青森といったような活動を通じまして地元の方々に広く御理解を得る活動をしておるわけでございます。そういう意味で十分御説明をし、御理解を得る努力をしております。ただ、先ほど先生おっしゃいましたように、例えば隣接市町村、周辺市町村についてそれをこれこれこういう義務がなきゃ、義務というか承認を得なきゃ云々というようなそういう手続として定めるということは私どもも考えていないということを申し上げたわけで、全くそういうのを無視して、御説明もしないとかそんなことを申し上げているつもりはございません。
○三上隆雄君 吉田委員がもし若干でも私に時間を譲るということであれば、それはできますか、いいですか。――じゃ、若干延びますかもわかりません。 次の問題に入らしていただきます、それも関連すると思いますから。 それでは、先般の衆議院の外務委員会の北海道の五十嵐広三代議士が質問の中で、高レベルの一時保管という年数の定義についてはそれは確かに三十年から五十年であるけれども、それをハンドリングする年数も加えると百年もなり得るというような発言をされているわけであります。それについての見解をいただきたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 先ほど来申し上げましたように、三十年ないし五十年ということで冷却期間を置く、その間地上に貯蔵するということを申し上げましたが、今先生言われましたハンドリングの期間というのはちょっと私理解できませんので。恐縮でございますが。
○三上隆雄君 いや、それではその要所要所だけを議事録を朗読させていただきます。五十嵐広三委員に対する橋本参考人のお答えです。 橋本参考人はきょうも出るようになっておりますけれども、見えていますか。まだ見えていないんですか。せっかくだから橋本参考人にもお聞きしたいと思います。 橋本参考人の出る前に、皆さんにその議事録を朗読して御理解を賜りたいと思います。
○委員長(和田教美君) 呼んでいません、あなたは通告してないから。
○三上隆雄君 では、参考人がいなくてもこの構成メンバーで討論をしたいと思います。 五十嵐委員がこのような質問をしたわけであります。 ちょっとよくわからないところがあるのですが、これはつまり一時貯蔵の三十年ないし五十年という貯蔵というものは別にして、それからの話になるのですか、あるいはそういう管理をし、さわりながらいくわけですから、そこのところは同一の設備で接続していくものなのですか。橋本さん、かかわっていたとすればちょうどいいので、そこをちょっと教えていただきたいと思います。 そこで橋本参考人のお答えです。 先生も御高承のとおり、三十年から五十年程度冷却のために貯蔵いたしまして、その後で処分をしていくという考え方が原子力長計に述べられているわけでございますが、今御指摘のとおり、三十年、五十年の冷却というのは地上でやるつもりをしております。ただし、その辺がまだ明確に定まっているということではございません。そういうことからしますと、今先生御指摘の面はまだ正確にはこうするということは決まっていないというふうに思っています。ただし、三十年、五十年の冷却の後地層処分をすると言っておりますので、そして恐らく地層処分をします段階では、ハンドリングの上で数十年を要するというふうに思います。といたしますと、トータルでやはり百年近い年月は要するだろうというふうに理解しております。そういう中で、この考え方をどういうふうに今後固めていくか、また実際の地層処分に応用していくかということが大切かと思っております。 という答弁をされております。 ですから、結局青森県に一時的に貯蔵するといっても二十万本も――何万本でしたかね、それほどのものを幌延でもこのような答弁をするわけでありますから、青森県の場合はそのハンドリングの期間というのはもっと長いはずであります。とうに百年はやっぱり置かざるを得ないという状況が出てくるんじゃないですか。その辺の見解はどうですか。
○政府委員(石田寛人君) 先生ただいま読み上げられましたくだりは、本年六月一日の外務委員会におきます五十嵐先生の御質問に対する動燃の橋本理事、橋本参考人の答弁であろうかと思うわけでございます。 このくだりは、その前の方にも書いてございますように、全体が「管理型高レベル放射性固化体の地層施設の基本構想」ということで、動燃がこれは現実にやるというよりも、ここに議事録にも書いてございますように、日本原子力産業会議等にお願いいたしましていろんな調査をしてもらっておる、その中のことに関する問答に触れまして動燃の橋本参考人が五十嵐先生の御質問に対してお答えしたということであろうかと思うわけでございます。 このくだりでございますけれども、「三十年、五十年の冷却の後地層処分をすると言っておりますので、そして恐らく地層処分をします段階では、ハンドリングの上で数十年を要するというふうに思います。」と言っておりますのは、三十年ないし五十年と申しますのは、例えば一本のガラス固化体を見ますと、三十年ないし五十年の冷却期間が必要であるわけでございます。それが確かに順次発生してくる、あるいは順次取り出していくというそういうプロセスもたどります。そういうことを総称いたしまして「ハンドリングの上で」と橋本理事が述べておるものと思われる次第でございます。 そういうことを考えますと、全体、「トータルでやはり百年近い年月は要する」と思われると橋本理事が答えておると解されるわけでございまして、その辺、一つは管理型高レベル放射性固化体の地層処分に関しての問答であったことが一つと、それから、実際の取り扱いにつきましても一本に着目すれば三十年ないし五十年ではございますけれども、実際順次再処理工場の運転、これは国内のものであれあるいは英仏のものであれ、運転に伴いまして発生してまいりますガラス固化体を順次取り扱っていくというそういう順繰りの取り扱いということを考えれば、トータルで百年近い年月ということを申したと、そう私ども解する次第でございます。
○三上隆雄君 そうすれば、さっきの最初の概要書では、四、五年、三―五年という表現と実際的には三十年―五十年という実態が出てきた。今の場合も一本のガラス固化体を――毎年出てくるわけですから、いわば青森県の六ケ所には原子力発電所がある限り、再処理施設を稼働する限り永久に一定量のものが保管されるということですね。青森県民のだれ一人もそんなことを考えていませんよ、知事だって。答えてください。
○政府委員(山本貞一君) 今、石田審議官が申し上げましたように、一つの固化体についてはやはり三十年―五十年が必要と、これは再処理の事業をいつまでそういうふうにあそこで運営をするかということによりますが、再処理の例えば初年度、一年目に出てきたところがまず三十年―五十年必要と、十年後であればまた三十年―五十年必要ですから、そのスタート時点から見れば確かに四十年ないし六十年、これは算数の問題としてはそういうことになろうかと存じます。そういう意味では、最初に三十年ないし五十年というふうに御説明したときに、それは百年というのはちょっと正確かどうかわかりませんが、例えば十年間操業していれば、そのスタートの時点からは四十ないし六十年ということは、そういう勘定になると存じ上げる次第です。
○三上隆雄君 私に与えられた時間は吉田委員の協力によりまして若干延ばさしていただきましたけれども、最後に一言申し上げて終わりたいと思います。 先ほど四十四項目にわたって県知事に対しての公開質問状、これは相談があったとすれば、今まで本当に相談はないんですか、二カ月以上たって。八月の期限を記して、それが延びて十月いっぱいにしているんですよ。十月いっぱいになっても出てこないから、三上議員、あなたが国会でやってくれよということなんだ。本当に相談がないのか。それで誠意があると言えますか。
○政府委員(山本貞一君) 先ほど県の問題というふうに申し上げました。ただ、もちろん私ども御相談を受けておりませんが、県からこれは科学技術庁が詳しい点である、この点についてはどうかというような御相談を受ければ、そういう技術的あるいは法制的なアドバイスは、私どもはもちろん御相談があればそうすることは当然やぶさかではございません。
○三上隆雄君 では、本当に県から相談はないということですね。わかりました。それでは確認しておきますけれども、県からその質問に対する相談はないということの判断でよろしゅうございますね。はい、わかりました。 もう一つ、二十四日付で、ちょっと今資料が見えないんですけれども、青森県の文化人・科学者の会、これは百五、六十名で構成しているんです。青森県の弁護士それから大学の教授陣、専門家も入っています。それらの人たちが二十四日付で科技庁へ公開質問状を出していますから、これには誠意を持って十一月いっぱいで書面をもって御回答くださることをお願い申し上げます。それについて御回答できますね。
○政府委員(山本貞一君) これについて、私ども何らかの形で回答したいと考えておりまして、努力をいたしたいと思います。
○三上隆雄君 それでは、時間を超過していろいろ質問させていただきましたけれども、これが青森県の切実な声ですから、どうぞ、表向きは国も事業者も誠意を持って地域住民の理解と協力を得ながら進めると言っているんですから、本当に誠意を持って当たってください。そして、余り子供だましというか素人にばかり適当な説明をしないで、青森県にいる専門家の皆さんの理解を得られるように説得してください。そうでないといつまでも不安が募りますよ。 以上申し上げて、私の質問を終わります。
○吉田達男君 日本で唯一のウラン鉱山でありました人形峠のウラン鉱の残土について質問をいたしますが、先般時間が来まして、何かまだ残っているのでありますが、その後の措置も遅々として進みませんので、わかっておられると思いますので、はしょって質問をいたします。 その後、八月三十一日には、地元の方面の自治会の伊藤区長と動燃の早川所長が東郷町という地元の前田町長と対策会議の松永会長が立ち会いまして、一万六千立米等々ありましたが、鉱帯部分の三千立米について撤去をするという合意の調印をいたしました。しかしこれがなされないので、九月二十六日には県議会の全員でもって撤去の決議がなされて、それでもなお動かぬので政治問題として今問われているのであります。 そこで、なぜおくれておるのか、一体動燃は今何をやっておるのか、いつになれば撤去するのか、これをお答えいただきたい。
○参考人(橋本好一君) お答えいたします。 今御指摘の件につきましては、先生お話もございましたように、実は八月三十一日に方面地区とのそれまでお話し合いをさせていただきましたことにつきまして、その内容に関しまして確認をいたしました。これに基づきまして早急に対策をとるべくやろうとしているわけでございますが、ここで少し今先生御指摘のような面から経緯を申し上げますと、動燃といたしましては、昨年の四月に法改正がございまして、これに対応して早急に必要な措置を実施すべく監督官庁等々の御指導をいただきながら改善策を立てて、これについて地元の皆様方の御理解をいただくべく鋭意努力をしてまいりました。 その結果、大半の堆積場につきましては工事は既に終了しておりますが、残念ながら一部のところで措置が完了していないところがございます。そこが今御指摘の方面ということでございますが、先ほども申し上げましたように、ここにつきましても地元の皆様方にいろいろと御説明をしてまいりました結果、改善策に御理解をいただきまして、関係諸方面の了承が必要であるという御認識のもとに、これを前提といたしまして合意内容について確認書を交わしたわけでございますが、今後はさらに鋭意努力をいたしまして地元の皆さん方の十分な御協力をいただき、できるだけ速やかに措置に着手したいということでございます。 さらに、この内容につきましてはどういうことを言っているかと申し上げますと、工事をいたしますにつきましては土地の借用をお願いしなくちゃいけないということで、その土地の所有者の確認、それから工事をいたしますときに必要な道路等の改修、こういうもののための測量等を現在実施しております。早急に着手したいというふうに考えております。
○吉田達男君 努力をされようという形跡も報告がありまして、私もわからぬのじゃないのですが、そこで要するにどこに運んでいくのか、どういうような運搬方法で最終的にはどういうふうに措置するのか、ここがはっきりしないんで、もやもやする。そこを答弁の方もまたどこかに御遠慮向きではっきりしないんで、この際遠慮なくおっしゃっていただきたい。
○参考人(橋本好一君) 大変微妙な御質問をいただきまして恐縮ですが、(「微妙じゃない、大事なんだよ」と呼ぶ者あり)はい。一応私どもの考えにつきましては既に鳥取県にもお話し申し上げましたし、それから地元でございます岡山県にもお話ししてございますけれども、ただこれにつきましてはやはり撤去をする側及び受け入れていただく側の御納得のいただく形での最善の方法を選ぶということが必要でございまして、それにつきまして今その辺の御納得をいただくような方法を模索しているといいましょうか、鋭意検討させていただき、いろんな協議をさせていただいている段階でございまして、先生今御質問の件については、現在はその辺のお答えしかできない状況にございます。 ただしかしながら、先ほども触れましたように、方面の堆積場につきましては法に基づく対策工事をいたさねばなりませんし、それについては地元の御納得をいただきまして御理解をいただきましたということで、今後は借地をさせていただき、至急取りかかってまいりたいというふうに考えております。
○吉田達男君 地元の者も協力をいたします。納得のいくようにというのは、結局そこのさっき言ったところがはっきりしないんで納得のいかない部分が残っているかもしれない。 そこで、もうちょっと突っ込んで言いますと、解決しようとして当該担当者を含めて、例えばということで問題になっております岡山県の県境に、つまり岡山県内にある人形峠のウランの濃縮工場の敷地の隣接しておるところに県有地があって、それならばとしてその残土をそこに置いたらどうかというところまでの譲歩の話もあったわけです。それについては当初からドラム缶に入れて適切な保存がなされるのがいいんじゃないかということを一九八八年、既に科学技術庁の方にも動燃の方にも申し入れをして出しておる。そういうことについて、動燃はその話をけって、岡山県側のその地に導入することの同意が得られない、こういうことで渋滞をしておるのです。動燃の方が一つの方法として考えてヒープリーチングという措置の仕方をもってどうかという案も聞かないじゃないが、その辺の突っ込みが足りないんです。 だから、例えば今言った案を、もう一度蒸し返すわけじゃないけれども、ドラム缶でもって措置をするというようなやり方を検討する意思はないのか。ヒープリーチングでなければいけぬのか。岡山がどうしても受け入れないと言うけれども、敷地の中には五千本、岡山県側にあるものが若干の形は違うけれども既に置かれておる、そういう事実を見て、果たして今のような煮え切らない態度でもってして関係者の納得のいくような協力を得られようと言われても限度が出てくるんです。どこが踏み切るんだ。この案について具体的に誠意を持って取り組むという姿勢が動燃に出てくることが事態を展開させることになると思うんで、あえて具体的に今の案を提示して答弁を求めたいと思います。
○参考人(橋本好一君) お答えいたします。 ちょっと先生、今御指摘の中で県有地の存在をおっしゃいましたけれども、それは鳥取県内の県有地のことでございましょうか。
○吉田達男君 鳥取県の土地であります。隣接地であります。
○参考人(橋本好一君) お答えいたします。 今御指摘の鳥取県側の県有地につきましては私どもも検討いたしましたし、それからそういう意見をいただきました方々にもお答えを申し上げました。そこでいろんなことを申し上げたわけですが、やはり非常に難しいんではないだろうかという結論に達しております。 ただ、確かに先ほど申し上げましたように、撤去する側それから受け入れていただく側の御納得いただける最善の方法として、今後ともその考えを放棄したというわけではございませんが、今の時点では、従来私どもが考えております方法が最善ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○吉田達男君 それでは、ヒープリーチングでやれば岡山の同意がとれる自信がある、こういうことですな。はっきり言ってくださいよ。
○参考人(橋本好一君) それも含めまして、先ほどから繰り返して失礼でございますけれども、双方の側で御納得いただける方法を検討し、最善の方法として御納得いただきたいというふうに考えております。 先生先ほど御指摘の中でちょっとお答えできませんでしたが、ドラム缶に詰めてというお話がございました。この件につきましては、実はこの捨て石と申しますのはもともと地下にあったものでございますが、それを掘って、現在地表に堆積しているわけでございますけれども、もともと天然のものでございますし、鉱石と区分したものでございます。そういう意味で、ドラム缶に詰めるほどのものではないというふうに判断はしております。ただし、これはあくまでも受け入れていただく側が御納得いただけるということが前提になりますけれども、運搬方法の一つとしてドラム缶に入れて運ぶということは考えられると思います。
○吉田達男君 そろそろ汗が出ておるところですからこれ以上と思いますが、相手もあることですから誠意を持って願いたい。 そこで、通産省の方に聞きますが、この鉱山のの鉱滓という形で残土を措置することになると、鉱山保安法の適用を受けてことし七月一日までにこれを措置すべしということになる。しかし、できないので動燃の方ではこれの執行の猶予について申請をして、鉱山保安監督部の方ではそれを受けている。いつまでそれの延期を受けているのか、これが切れたら動燃の責任をどういうふうな形でとらせるのか、お答えいただきたい。
○政府委員(石田寛人君) 先生、まことに申しわけございません。私ども今承りますと、通産省の担当課長は来ておりますが、これは鉱山保安関係ではございませんで、公益事業の関係の課長方であります。私ども承るところによりますと、通産省の鉱山保安関係の人々は、本席は必ずしも出席しなくてもいいというふうに私ども承ったように思っておるわけでございまして、そういうことで通産省の関係課長は参っていないようでございますが、その辺御了解賜れば幸いでございます。
○吉田達男君 いなければやむを得ぬが、大島大臣にこの辺のやりとりをお聞きいただいたので、御出馬願って御判断いただきたいと思うんです。 この議論が世上に出て三年間になり、ここの議場でも去年から続いている議論であります。しかし、この問題が解決しないのは、動燃の努力もさることながら、岡山県と鳥取県という県境の中において双方の県の取り扱いの違いがある。そこのところを御理解の上、この際大臣が行政指導、調整されて、この問題を解決されるように図られたいと思いますが、大臣のお考えをちょうだいいたしたい。
○国務大臣(大島友治君) 大変難しい問題のように今聞き取っておるわけでございますが、特に大先生方が出てなかなかこれ二年も三年も簡単に片づかない。じゃ私がちょっくら出てさっと片づくならば、これはまことに幸せだとは思いますけれども、なかなかそうもいかないというふうに聞き取ってはおりますが、さりとてこれを無関心にしておくわけにもいかないという感触も持っておりますので、私が出てお願いして御理解ができるようなことであるならば、その方向でよく今後とも事情も聞いたりいたしまして努めてまいろうかなと、こんな感じでおりますので、私がお願いして、はいわかったと言ってくれれば大変幸いだけれども、なかなかこうせいああせいと言って簡単にできる問題じゃないというふうにもとっておりますが、しかしいろいろ事情を確めて、私も先生のお気持ちを酌んでお願いしてみたらどうかなと、こんな感じで今おります。
○吉田達男君 大臣の誠意と力量に期待をいたしたいと思います。 この岡山の地の中の放射性物質について、チタンの鉱石の処理に当たって、チタンを精製する過程で低レベルの放射能の扱いの問題が惹起されました。この夏のことでありましたが、結局このような形で、一般の経済行為の中で放射性物質を扱ってきたものについて、結局は担当の方で検討あり、岡山の地元県を通して一定の基準のものについては一般廃棄物と同じところに置いておいてもいい、ただしいつでもそれをまた撤去、移動できるような監視と体制をなすべしと、概括してはこういうことでありますね。この経過についてでありますが、その基準、これは一体どうなっているのか。
○政府委員(村上健一君) お答え申し上げます。 ことしの七月二十一日に、岡山県の産業廃棄物処分場から通常より高いレベルの放射線が検出されていた問題におきましては、今お話がありましたように御案内のとおりでございます。それを受けまして、工場もしくは処分場の存在します地方公共団体におきまして放射線測定を実施するとともに、立ち入り制限などの緊急的な措置が行われました。私どもも当初から現地に職員を派遣する等、情報収集いたしました。それから、放射線測定等について地方公共団体に助言等をいたしました。また、専門の分析センターで分析をやっております。それから、当局内に専門家を集めまして検討会を設置いたしまして、積極的にこの問題に取り組んできたところであります。 その結果、関係省庁、これは科学技術庁、通産省、厚生省、労働省でございますが、この関係省庁と協議いたしまして、九月の七日に当面の措置の実施と、それから最終的にどうするか検討するということを柱といたしますチタン鉱石問題に関する基本的対応方針というものを取りまとめまして、四省庁の局長名で府県の知事さんとそれから企業体の社長さんあてに通知をいたしまして、事業者等におきましては現在この方針に基づいて対応をとられているところでございます。 それで、その一つの過程といたしまして、当面の措置としてどうするかというものの中に、自社で処分場を持っておられるところは自社で管理されるからいいわけでございますが、いわゆる他の人のところに持ち込む場合に、私どもは実は持ち込めとは申し上げておらないのでございますが、持ち込む場合にどうしたらいいかということの質問を受けたこともございます。 当面、自社以外の処分場についてはちゃんと分別し、整理し、それから飛散等しないような緊急の措置をとってもらうわけでございますが、そのときに一応の目安といたしまして、バックグラウンドに十六マイクロレントゲンという数値をとりあえず目安としたらどうだろうかということを府県にアドバイスした次第でございまして、今自社以外の処分場に持ち込まれているかどうかちょっと定かでございませんが、もしそうだとすれば、恐らくそのレベルで考えておられるのじゃないかというふうに考えております。 それで、この十六マイクロレントゲンというのは、実はいわゆるその場所に二十四時間、三百六十五日ずっといたとしますと百ミリレム浴びる量でございまして、百ミリレム浴びる量は恐らくこの部屋の中で三百六十五日、二十四時間おりますと同じぐらいの数値になるような、いわゆる一ミリシーベルト相当というのをとりあえずの目安として考えた次第でございます。 以上でございます。
○吉田達男君 経過はわかりましたが、時間がないので端的に聞きます。 そこで、そういう形で一定のレベル以下のものが放射性物質だけれども拡散する、どこにでも置いていいということになってしまう。これは法律ではなくて、今一定の基準という取り扱いを示したという過程だ、これがどうなるかというのがすそ切りの問題になるわけです。この基準を法律にするか、当面のものを永久のものにするか、これは問題です、これをすそ切りと言います。また、この基準にしても今の計算で結局一ミリシーベルトになるというが、アメリカと日本と六月ごろから調整をしながら協議しておるものを見ると〇・一というのがアメリカの高いレベルの方だ。ここの十倍の差というものがある、これはどうなるのか。 さきのウランの鉱石のときも問題になったが、初め三十年前にあのウランの鉱石を置いたときは放射線量においてその取り扱いはいわば合法の扱いをしておった。今も合法といい、違法というと、言い方は違うけれども措置をすればいいということだけれども、つまり放射線量そのものが国際的なレベルについて五倍も厳しくなったということは、その当時置いていたものが後ほど扱いとして特別な扱いをしなければならぬというレベルになる。だから、このようなレベルのものを拡散しておいて、アメリカと比べて十倍も違えば、また、国際的な変化の中で日本の放射能に対する取り扱いの中で変わってきたらこれがまた社会的な混乱になってしまうのじゃないか、こういうことがある。 だから、はしょって言えば、これを法律にするか、この基準をすそ切りのもとにするのじゃないか。この基準のレベルが果たして安全ということを将来に向けて主張できる自信があるのか、この点について端的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(村上健一君) 二つの面からお答えしたいと思います。 御指摘のすそ切りという数値につきましては、現在のところアメリカでは、先ほど先生お話ございましたように、すそ切りといいますか、BRCという数値でございますが、ビロー・レギュラトリー・コンサーンということで、いわゆる規制をしなくてもいいような数値という意味での数値がことし発表されて、私ども承知しております。そのような意味での数値は、確かに現在いろんな角度から検討はいたしておりますが、我が国にはまだございません。ただ、原子力活動の結果出てまいりましたものについてはどういう値で規制したらいいかということにつきましては、国際放射線防護委員会の勧告でございますが、公衆の個々の構成員に対する線量当量限度は一年間一ミリシーベルトを取り入れるという勧告に基づいて私どももやっております。ということから、先ほど当面の措置としてこの数値を拝借したというか、参考にしたというのが事実でございます。 したがいまして、それでは通念的にどういうことかと申し上げますと、これも国際放射線防護委員会の三大原別の一つでございます被曝線量というのは、容易に達成できる限り低く保つことが望ましいというALARAの精神に基づきまして対応すべきだということを考えております。 したがいまして、この問題を今回の酸化チタンの問題に適用するにはどうした方がいいだろうかということを現在検討しているわけでございますけれども、理念的には、そもそもこれが天然に存在する放射性物質を持ってきて産業活動に使っているということ、それから実際にこの物の放射能の濃度がどんなに多くても十べクレルグラムという非常に少ない値になっているということから、いわゆる原子力活動で出てきた廃棄物の規制のあり方をそのまま適用していいものかどうかということを実は慎重に今検討を進めているところでございます。したがって、即この数値をすそ切りに使うなどということは毛頭考えておるところではございませんが、今後とも十分最終的な措置の検討の段階で詰めてまいりたいというふうに考えております。 いずれにしても現状は、敷地、境界におきましてはバックグラウンド程度に地方自治体の指導もあって全部管理されておりますので、安全上の問題はないというふうに考えております。 以上でございます。
○吉田達男君 重大な関心を持って見ている、すそ切りについての拡散の危険も非常に危惧をしております。 そこで、当面どうするかについてでありますが、私は発生をさせたところが責任を持って保管をする、こういう考えで措置をしなければ拡散してしまうんじゃないかという考えを持っております、当局は違うようですが。 そこで、この暫定的なものを将来に向けて一定のものに制度として決定版を出すと、これはいつの予定になりますか。
○政府委員(村上健一君) 最終的な措置の検討は非常に難しい問題がございまして、いろんな観点から十分調査を行って検討を進めていきたいと考えております。 例えば具体的には、先ほど申し上げました関係省庁と協力いたしまして、工場や処分場の地形とか水利等の自然的条件の精査、正確な濃度、量、価格形態、それから鉱物でございますので、実際にどういう状況で選鉱されて持ってこられたかなどなどについていろいろ多面的に検討する必要がございまして、非常に恐縮でございますが、きょうこの場で期間についてはっきり申し上げることはできませんが、まだ大分時間がかかると思っております。
○吉田達男君 アメリカ等のいろんな高官の協議もあるようですから、可及的に速やかなものをやっぱり指針として出してもらわなければ混乱をする、これは注文にしておきます。
○政府委員(村上健一君) 誠意を持って対応したいと思っております。
○吉田達男君 次に、福島の第二原発の三号炉の運転再開の可能性もあり、また危惧もある今日、これについて質問をいたしたいと思います。 先ほど地元論議でなかなかその解釈が緊迫いたしましたけれども、私、この問題の対策として地元の人が非常に大きい関心を示して行政当局やあるいは東電と交渉をされた中で、住民の同意を得ない限り運転再開はしない、東電の那須社長がおっしゃっていることを一つの問題としてとらえたいと思うんです。 十月の二十六日に住民投票の結果が明らかになりまして、再開に同意する方、同意しない方ということで、富岡町では運転に同意するというのが四七%、運転に同意しないというのが五二%で過半数であります。楢葉町の方では運転再開に同意するというのが三四%、運転再開に同意しないというのが六五%であります。これは全住民のおよそ五五%、五七%のアンケートの回収率でありまして、これは住民の同意という点について言うなれば最大限に尊重されなければならぬアンケートの結果であろうと思います。住民の同意がない限り運転再開はしない、こういうふうに言った東電の社長の言質及び住民の同意の納得の中で原子力行政を進めようという主務官庁の方針、これに照らしてみるとこのアンケートの結果をどのように評価されるか見解を伺いたいと思います。
○説明員(倉重有幸君) お答えいたします。 福島の第二発電所三号機のトラブルに関しまして、私ども資源エネルギー庁としましては健全性の評価を七月に出しました。また安全委員会でも十月の四日に最終的な御結論をいただきました。それを踏まえまして十月の十一日に東京電力が地元福島県、それから両町に対しまして運転再開の申し入れをしたところでございます。県、町がこの申し入れに対しまして運転再開を了解する、そういう考えを固めたと聞いております。 運転再開に当たりましては、基本的にはできるだけ多くの地元の皆様の御理解をいただくということが望ましいというふうに考えておりますけれども、最終的には地域を代表する自治体の長が住民の意見を踏まえて判断すべきというふうに考えておるわけでございます。 今回の住民投票につきましては、その結果をどのように受けとめるかということは、基本的には富岡町、楢葉町両町の判断にゆだねられるべき問題であると考えておりまして、県それから町が東京電力の運転再開申し入れに対してどういう表明をされるかということでございまして、実は本日、地元両町それから県が東京電力の運転再開申し入れに対しまして運転再開を了解するということを表明したというふうに実は先ほど福島県から連絡がございまして、そのように聞いておる次第でございます。
○吉田達男君 この二つの町というものは原子力発電所が設置されておるところの町ですね。日本の総理大臣がいわば日本国を代表したことにはなる。ここの福島県の県知事、県議会、これがいわば県としては同意したことに形式はなる。しかし、爆発して一番直接関係するところの者が嫌だというのに、遠くの者がええかげんな返事をして、それを形式が整っておるからいいというような考え方で実際の生きた行政がなされるものかという疑念を私はあなたの答弁の中から思う。これは最大限に尊重されるべきものだと思う。 この結果が出れば、恐らくは町長もうんということは私は言えないと思う。過半数の住民が運転再開に同意しないと言っておるのを無視して地元の町長が同意をするということあらば、これは民主主義のじゅうりんになると私は思う。それは最大限に尊重されるという考え方で私は扱っていくのが本質だと思う。県の方が同意があったからもうゴーだ、こういうのは扱いとして極めて行き過ぎな判断だと思う。 それは、県のは地元の同意としてとるという意味ですか、もう一度確認をすると。事実としてあったということですか。
○説明員(倉重有幸君) 私の説明がちょっと言葉足らずだったのかもしれませんが、県からも同意いただきました。それから楢葉、富岡両町の町長さんからも、東京電力の社長に対しまして運転再開を了解するということを表明したというふうに聞いておる次第でございます。ですから、それは本日でございますので、当然十月二十六日の住民投票というその結果も踏まえて両町長さんが判断されたということでございます。 なお、申し添えますと、この問題に関しましては両町それぞれ町議会で相当長い時間をかけまして御議論されました。また、福島の県議会におきましても相当な時間をかけて議論したと聞いております。
○吉田達男君 時日の経過について、若干の時期的なずれで私の資料が古いといえば古い。 しかし、そういうことになると、強行されれば地元が混乱をして、長い目で見ればかえって原子力行政そのものにひびを入れるようなことになる。私はその点を懸念して、これは東電に対して、また行政指導する立場から地元の率直な住民の意思は最大限に尊重するように申し入れ、指導されたいと思う。この点についてちょっとお聞かせください。
○説明員(倉重有幸君) 原子力発電に関しましてはその安全性に関しまして根強い不安等あろうかと思います。そういう面では、トラブル等があったときには、当然わかりやすい説明を心がける等いろいろしていかなければいけないと考えておりますし、もちろん私どもやってまいります。それからまた東京電力に対しましても、住民の方々に説明等努力されるということを指導していきたいと思っております。特に安全第一、最優先ということは申すまでもありませんけれども、そのような方向で指導監督してまいりたい、このように思っております。
○吉田達男君 行政指導として東電にされるというのはできるわけですから、手続的に許認可ということにはならぬけれども、これは行政としての行為として要請をしておるのでして、そういうふうに指導を願いたいと言っておるので、それはあなたが単にオウムのように伝えるということではこれは意味がありません。
○説明員(倉重有幸君) 私、資源エネルギー庁の原子力発電安全管理課長でございまして、全国三十九基の原子力発電所の運転、安全管理に関しましてはその責任の課長でございますので、当然私はその電気事業者に対しましては指導監督する立場にあるわけでございます。 そういう面で、法律上なじまないものでありましても当然行政指導等してまいる、こう考えておるわけであります。
○吉田達男君 法律上の手続をクリアして進めていくという形式についてはそれは経過を事実として承知しています。しかし、生きた行政運営をやるという意味であなたに担当者として期待をしながら、その扱いを最も住民の同意を尊重するという立場で願うべしと言っておるのでして、これはそれ以上は意のあるところはわかっても答えないかわかりませんが、次に移ります。 同じように、東電の社長は、この運転を再開するということについては新品同様にしてからでなければ運転再開をしない、こう言っているんですね。そうしてみると、当面トラブルを起こした循環機のケーシングについて新品同様になっているかどうかですね。新品同様ということはかえるということですが、かえていない。新品の場合どうするか、検査をするんですね。検査のやり方として、超音波の探傷試験をやるか放射線の探傷試験をやるかしなければならぬと、こうなっておるわけです。これをきっちりやっていないんじゃないか。厚みが九十二ミリあって、三十ミリに届かないような範囲しかやっていない。この点については、まさに新品の場合はその検査をしなければならないのだからやっていないんじゃないか。だから新品でないと、こう言わざるを得ないですね。 また、再開をするに当たっては当然それだけの検査をしなければならないのに、やっていないで健全性評価をするということについては極めて大きいとががあると言わざるを得ない、この点についてはどうなんですか。
○説明員(倉重有幸君) 東京電力の社長のそれは、新品同様にという御発言でございますけれども、その部分につきましては、私ども十分な安全性が確保できるようにというふうに実は解釈をしておる次第でございます。全く新品にするかどうかというのはまたそれは東京電力の判断かと思いますが、私ども行政庁としては安全が確保できるかどうかという観点からのチェックということでございます。 今先生の御質問の、超音波探傷検査等検査を十分していないのじゃないかという御指摘でございますが、それにつきまして御説明申し上げたいと思います。 まず事実関係としまして、この当該三号機の再循環ポンプのケーシングでございますけれども、その損傷状況でございますが、ポンプの水切り部というのがございます。その上部に接触跡、最大深さが五ミリぐらいあるわけでございますが、その接触跡があったわけでございます。それから、ボリュートの側壁に浅い接触跡、深さが〇・五ミリ程度でございますが、それから肌荒れが認められた。またそのケーシングの開口部側壁それから下側の方に浅い接触跡、また肌荒れが認められたということでございまして、これらの接触跡、それから肌荒れが認められた場所につきましては浸透探傷検査を実施したわけでございまして、その結果異常のないことが確認されたわけでございます。 そのケーシングの修理に当たりましては、その接触跡等を除去するために整形、加工を行ったわけでございますが、修理した後の確認ということで、修理部分について浸透探傷検査を実施し、指示がない、異常がないということが確認されたわけでございます。 以上によりまして必要な検査はすべて実施したわけでございますけれども、なお念のために表面近傍の超音波探傷検査、それから水切り部の放射線透過検査を実施して、その結果異常がないということを確認したわけでございます。したがいまして、今先生御指摘の超音波探傷検査につきましては、あえて念を入れて実施したというものでございまして、必ずしも必要な検査というものではないということを申し上げたいと思います。
○吉田達男君 通産省の技術基準に告示五百一号というのがあって、これによると超音波テストの場合七十七・四ミリ、これをスルーしなければならぬ、浸透テストでは九十一・三ミリ。それで、これらについて検査をしない場合は九十六・八ミリ、こういうことになっていますね。そして超音波検査をあえてやったと言うけれども、三十ミリについて、これは検査のやり方でも平面的なところはやりやすいけれども、凹凸部とかああいうところについては当て方が技術的に問題があってやってない、こういう盲点が残っている。したがって、この検査そのものが不十分だけれども、あえてあなたがこれをしなくても十分だと言うならば、九十二ミリあってグラインダーで削って〇・五ミリ取ったら、平均してやれば九十一・五ミリになるわけだから九十一・三ミリはクリアするけれども、それじゃ最終的にその厚さの検査をやっているのかということに話がなりますが、これについてやっていないんじゃないですか。
○説明員(森信昭君) 御説明申し上げます。技術基準の話が出ましたので、その解釈からまず始めさせていただきます。 先生、今御指摘のように、確かにこの技術基準、製造基準であり維持基準でございます。実際、記録を調べてみますと、製造時におきましては、このポンプのケーシングにつきましては放射線透過試験それから浸透探傷試験、これを行いまして材料の健全性について確認されております。 ところで、今回のポンプの損傷事象によりまして脱落いたしました水中軸受けリング、こういったものが衝突しましたことによりケーシングに対しまして最大〇・五ミリ程度の浅い接触跡と申しますか、こういったものが認められております。このケーシングの実際の厚さは約十センチ程度でございます。 そのような事象を踏まえまして、私ども通産省におきます原子力発電技術顧問、あるいは後ほど伺いました原子力安全委員会におきます専門家の方々の御意見を踏まえましても、この程度の損傷によりましては、これまでの工学的知見からは内部に対して損傷が至っていないということによりまして、材料そのものは製造時と同様の健全性を持っているというふうに判断されたわけでございます。したがいまして、先生指摘のような製造時と同じような、新品と同様なと申しますか、放射線透過試験あるいは超音波探傷試験、これを全面的に行う必要はない、こう判断したわけでございます。そういうことでございますので、製造当時と同程度の計算方式によりまして必要肉厚は確保されていると考えております。 それから、先ほど先生がおっしゃいました九十二ミリという数字でございますが、この数字は設計用の数値ということでございまして、実際の製造時には誤差がございまして、最終的にこの実測値を申し上げますと、最小肉厚は百五ミリということになっておりますので申し添えておきます。
○吉田達男君 設計上の数値として出ておるものと実測とは、より厚くしてあるから大丈夫だということだけれども、その設計と実際と違うというのは、プラスの場合もありマイナスの場合もあり、技術的な問題だと思う。それがマイナスに働いたら、その誤差率は反対になるから大変だと思うが、結論は、法令に基づく試算式によると九十一・三ミリ今の材質で必要だと言っておるわけです。九十二ミリあると言うけれども、それを結局グラインダーで削った中で〇・五ミリよりちょっとたくさん削っている部分があると九十一・三ミリよりも薄くなっているところができてしまうんじゃないかという危惧を言っておるんです。それであれば当然検査に通ってはならぬわけですね、計算式において。それを言っているから、計測して、実際に検査して厚みが削った後幾らあったか、こういうことを問うておるわけです。それをしなければ新品同様という約束がうそになりますよと、こう言っておるわけです。
○説明員(森信昭君) ただいまの御指摘の点でございますが、基準の解釈といたしましては、いわゆる体積検査を行うということに対しましては、製造時以降、今回の事象も含めますが、材料の内部に対しましてそう影響ないものと判断されれば製造当時と同等の体積検査を行う必要はないというふうに私ども解釈しておりまして、したがいまして、肉厚の計算式も、先ほど申しましたように九十何ミリというよりも七十七ミリ程度でよろしいと私どもは判断しているところでございます。
○説明員(倉重有幸君) 補足してちょっと簡単に御説明申し上げます。 先生御指摘の、修理した後ちゃんとした検査で深さといいますか寸法を確認しておるかという御指摘かと思うんですが、私どもの使用前検査で寸法検査をしておりまして、その内面の加工深さ等をきちっとそれを確認しておる次第でございます。
○吉田達男君 時間が来ましたので残念ですがこれで。
○太田淳夫君 最初に、この二十三日に政府は、来年から二十年間にわたる我が国の温暖化防止行動計画を決定したわけです。これを見てみますと、温暖化の最大の原因でありますCO2の排出を抑制する取り組みを、産業界あるいは市民レベルに至るまでいろんな取り組みを提唱しているわけでございます。 しかし、その抑制目標量というのを見てみますと、二段構えという極めてわかりにくいような設定になっているわけですね。産業界からは早くも二〇〇〇年以降CO2の排出総量を九〇年レベルで安定化するのはまず無理だという声も出ているようでありますし、環境庁あるいは通産省との意見の対立もあった、こういうことも言われておりまして、なかなか実効性について疑惑が持たれているわけです。しかし、この行動計画につきましては、我が国が今までも石油ショック時の省エネ対策等を世界に先駆けてやってまいりましてこれを克服した。そういうことからも、国際的にもこの行動計画というのは注目をされているんじゃないかと思うんですね。 そこで長官にお伺いしたいわけでございますが、長官も関係閣僚の一員としましてこの行動計画を決定されたわけでございますし、先ほど申し上げましたように、我が国の対応をどのように実効あらしめていくかということは国際的にもこれは注目を浴びているわけでございます。そこで、その実現に相当な努力というものが要求されてくるのじゃないかと思うんです。もちろん所管は科技庁ではございませんけれども、関係閣僚の一員として科学技術庁長官の決意を伺っておきたいと思うんですが。
○国務大臣(大島友治君) ただいま委員の御質問のように、今日世界的に環境汚染という問題、なかんずくただいまの御質問の内容の問題については私どもも十分承知をいたしまして、今後これをいかにすべきかということについては、当然これは検討、解明をしていく必要がある、こういうふうに考えております。 そこで、私ども現在担当しております立場から申しますと、まず一つは原子力というものを、いろいろ問題もございますけれども、しかし半面、いい面とすれば地球の温暖化とか酸性雨の問題とか、あるいは環境汚染の問題に関しましてはこれらの原因となっている二酸化炭素そのものとか、あるいは窒素酸化物等を排出しないという原子力の特性からすれば、この解決に大きな役割を持ってくるんじゃなかろうか。こんなふうに原子力に対する理解をもって問題解決に当たっておるということは事実でございます。また国際的にも、ヒューストン・サミットにおきまして原子力が地球環境問題の解決のための重要な手段の一つであるというようなふうにも確認されておりますので、なお一層ただいま申し上げたことを推進してまいりたい、こう思うのでございます。 さらに、原子力は供給の安定性とか経済性の面、そういう面についても非常にすぐれておるということは御承知のとおりでございますし、我が国のエネルギーの非常に脆弱であるということからすれば、この供給の構造の克服に貢献をするということについては当然期待できるんじゃなかろうかということで、原子力エネルギーの問題を私は理解してやっておるわけでございます。 今後とも、原子力を我が国の主要なエネルギー源の一つということにとらえまして、もちろんこれは安全が大前提だということは当然でございまして、このことはあえてつけ加えれば、九月の国際原子力問題の会議におきましてもまさに将来に原子力というものの必要性は、必要であるけれども同時に、従来にも増して安全性ということは国際レベルにおいてこれを定めて、そしてお互いにチェックし合ってやるべきだ、こういうふうな方向に国際場裏でもなっておりますので、まさに私もそのとおりではなかろうかということで、我が国における原子力の問題につきましても安全ということを大前提に置いて今後とも進めてまいりたい、こういうことで先生の御質問に対して対応してまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○太田淳夫君 今御答弁いただいたわけでございますが、まさしく地球温暖化の問題、ジュネーブでも気象問題についての国際会議が開かれておりますし、大事な問題として今論議されているわけです。 そこで、今大臣がおっしゃられましたように地球温暖化に対する行動計画が出された。その中で、今同僚委員からもいろいろと指摘をされましたけれども、原子力発電がこれから推進されていくんじゃないかというやはりそういった危惧を市民団体の皆様方が今持たれているわけですね。 確かに、原子力発電というものはCO2を出さない、あるいは大臣がおっしゃったように窒素酸化物を出さないとか、そういったクリーンエネルギーとしての一つの大きな要素はございますけれども、その一方で、この委員会でもかつていろいろと論議されたことがございました。例えば原子力発電所をつくるあるいは原子力発電を推進する、そのためにこれは原料からまず始まるわけでございますけれども、ウランの採掘をしなきゃならない、あるいは濃縮もやっていかなきゃならない、あるいは原子力発電所の建設もしなきゃならない、あるいは使用済みの核燃料についての再処理の問題もあります。あるいは核廃棄物の処理、処分等のいろんなことがこの原子力発電を推進する上においては今段階的にいろいろあるわけですね。ですから、そのためにもやはり相当なエネルギーというものが必要とされてくることは大臣よくおわかりだと思います。 ですから、CO2の削減のために原子力発電を推進することは必要であるかもしれませんけれども、それと対比して、じゃ原子力発電を進めていくためにどの程度のエネルギーが使われて、CO2の削減にどれだけの貢献をしていくんだ、そういう試算は科学技術庁としてされたことはあるんでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 大変鋭い御指摘なんですが、数量的にその建設の過程あるいは燃料の製造の過程あるいは採掘の過程でどの程度CO2が出るか、きちっとした勘定というか計算はまだしておりません。 ただ、申し上げられますことは、世上よく言われますCO2問題、やはりC、炭素を燃やすときに出る量が圧倒的に多い、それはエネルギーの段階でかなり大きい。もちろんその他の諸活動の中でもエネルギーを使いますし、そのための資材をつくるのにもエネルギーは必要ですし、いろんな意味でその過程でございますが、非常に大きな流れで申し上げますと、CO2の発生量というのは他の電源と比べると、もちろん太陽エネルギーというようなものと比べるとまた定かではございませんけれども、例えば既存の化石燃料系の発電と比べると大幅に少ないということは恐らく間違いないと思う次第でございます。
○太田淳夫君 試算はしていないとおっしゃった。いろんなあれがございますでしょうと思いますが、やはり国民の皆さん方のいろんな理解を得るためにはそれ相応の努力というものを科学技術庁としても払って、こうこうこうですよというものをわかりやすく提示された方がいいんじゃないか、こう私まず思うわけですね。 それから、そのことは原子力年報にも、ちょっと見てみましたけれども、「安全の確保と国民の理解の増進を図りつつ、」ということを書いてございますね。そして、「一歩一歩着実に原子力の開発利用を進めていくこと」が必要とされている時代ですから、やはり国民の理解を得ようと思えばそういったような努力もされてしかるべきではないか、まずそれを申し上げておきたいことと、安全の確保ですね、今大臣がおっしゃいました安全性の問題。やはりこの「安全の確保と国民の理解」、具体的にこの両者をどのようにして科学技術庁としてはバランスをとって国民の皆さん方に理解させようと努力されていますか。
○政府委員(山本貞一君) 安全の確保、先ほど大臣からも申し上げましたように、原子力の平和利用に伴いまして一番重要なことということで、いろんな仕掛けもつくってやっておるわけです。先ほどからもございましたが、行政庁の審査、それから原子力安全委員会によるダブルチェックといったようなそういう綿密な制度、仕掛けで確保をしておるわけです。同時に私どもの役所も、それから資源エネルギー庁もあるいは総理府等も含めまして、原子力の安全についての正当な御理解をいただく、そういう意味での広報活動、それから原子力の必要性についての御説明をするためにいろんなPA活動を行っておるわけでございます。その際は、安全の問題も含めて活動をしておるわけでございます。
○太田淳夫君 この安全の確保とあるいは国民の皆さん方の理解を得るということでございますが、東電の福島第二発電所の第三号機の問題も先ほど同僚委員の方から御指摘がありましたね。私も、これはやはり国民の皆様方の理解を得る、そして安全の確保もしていく、そういう面から見ると、何というか一つの例としてこれは取り上げることができるんじゃないか、またそれに努力していくことが国民の皆様方の理解を進めていくことになるんじゃないか、こう思うわけですけれども、運転再開につきましてはこれはどういうような安全基準で健全性を評価されたんですか。
○説明員(中村進君) お答え申し上げます。 まず、私ども通産省として、今先生御指摘のどのような安全性をチェックしたかという点でございますが、この福島第二原子力発電所の三号機の再循環ポンプの損傷事象、まず省内関係の各課で作業グループというものを設置いたしますとともに、専門的あるいは技術的立場から詳細な検討を行うということで、原子力発電技術顧問会というものが私どもにございますけれども、その中に福島第二原子力発電所の三号機調査特別委員会というものを設置いたしました。それの審議を踏まえますとともに、現地調査あるいは工場調査といったようなものも行いながら調査を実施しております。 調査の結果につきましては、ことしの二月に再循環ポンプの損傷原因であるとかあるいは再発防止対策についてまず公表いたしておりますし、七月には、いわゆる健全性評価として残存する金属粉といったようなものが今後のプラントの運転において問題となることがないかどうかということをチェックいたしまして、公表いたしたところでございます。 もう少し具体的にどういうふうに安全をチェックしたかという点につきましては、一つは、その原因究明に当たりましては詳細な損傷状況に関します調査でありますとか、あるいは実物大の再循環ポンプを用いました模擬試験でありますとか、あるいは応力解析といったようなものを実施いたしまして、その結果についての検討、評価を行うということで、まず再循環ポンプの損傷原因の解明というものを行いました。あわせて事象発生時の対応状況というものについての問題点の抽出ということも行いまして、それらの結果に基づきまして必要な再発防止対策というものを講ずるように指示したところでございます。 また、二つ目の健全性評価という方に当たりましては、原子炉再循環ポンプが当時振動したこと、あるいはその当時流出した部品とかあるいは金属粉、こういったものがプラントの各部分に及ぼした影響というものを評価するために各部分の点検検査といったようなことを実施いたしておりますとともに、東京電力が行いました金属粉の流浄あるいは回収といったような結果を踏まえまして、残存する金属粉あるいは金属片といったようなものを想定いたしまして、これらの想定いたしました金属粉あるいは金属片といったものがプラントの各種の系統あるいは機器に与えます影響というものを評価するために、例えば制御棒の駆動機構という非常に重要なところに関します金属粉片、こういうものをかみ込ませまして試験を行ったり、あるいは金属片が閉塞して燃料に問題が起きないかどうかといったような解析を行うというふうなことをして検討して、全体として今後のプラントの運転に当たって安全上の問題がないということを確認した次第でございます。
○太田淳夫君 先ほど同僚の吉田委員からお話がございましたが、電気事業法というのがございますね。この四十八条には何と書いてありますか。
○説明員(中村進君) ただいま先生御指摘の電気事業法第四十八条は「電気工作物の維持」ということで、電気事業者がいわゆる電気事業に使っております電気工作物というものを技術基準に適合するように維持しなければならないということを定めておる条文でございます。
○太田淳夫君 それから、技術基準告示というのは、先ほど吉田さんがおっしゃっていましたね、通産省告示五百一号、これはどういうようなものなんですか。この電気事業法との関係というのはどんな関係になるんですか。
○説明員(中村進君) ただいま先生御指摘の告示五百一号と申しますのは、具体的に電気工作物がどういうふうな構造であるとかいうことを、これは物すごく詳細にわたる基準でございますけれども、発電所の各部の重要な点につきましてどういうふうにやらなければならないということにつきまして定めておる告示でございます。
○太田淳夫君 その中に、超音波テストまたは放射線テストに合格することという項目があるんですか。
○説明員(中村進君) どういう場合に用いられるかということでございますが、この構造等の技術基準の中にいろんな試験に関する諸規定、今おっしゃいました超音波試験等に関する諸規定あるいはそれの基準等につきまして定めがございます。
○太田淳夫君 今申し上げたことは第何条なんですか。
○説明員(倉重有幸君) 先生御指摘の点でございますが、その告示五〇一号の関連でございますが、発電用原子力設備に関する構造等の技術基準、それの第五条の第一項に規定しておりまして、第一種ポンプの耐圧部分等に関する材料は、それに規定する非破壊検査を行い、これに合格するものでなければならないということが書いてあるわけでございます。
○太田淳夫君 そして、ポンプの耐圧部ケーシングは五条の検査に合格することという項目もあるんでしょうか。七十条、いいですか、間違いありませんか。
○説明員(倉重有幸君) おっしゃいましたように七十条でございます。
○太田淳夫君 そうしますと、先ほどお話しのような製造の段階で材料の検査はしたけれども、健全であったのでそれはいいんだと。今回の場合は、その製造されたときではなくてこれが破損をしたときですね。そうすると、維持の方にかかわってくるのじゃないかと思うんですね、維持。しかし、先ほどの課長さんは、念のために行う規定であって、検査のために必ずしも必要なものではないんだとおっしゃっていました。 そうすると、先ほど申し上げましたように、電気事業法とこの通産省告示五〇一号との関連はどうなんだということを私さっきお聞きしたと思うんですが、電気事業法については業者が守らなければならないその技術基準に適合するよう維持する義務があるんだと。しかし、こちらの方の通産省の告示についてはそれは適当でもいいよということになるんでしょうか。それともちゃんと検査はしなきゃならない。先ほどの方は、もうお帰りになったけれども、製造の段階で合っていれば今回は必要ないようなことをおっしゃったけれども、その点どうなんでしょうか、もう一度お聞きしたいと思います。
○説明員(倉重有幸君) 誤解があるといけませんが、先生御指摘の技術基準というのは、私どもまず基本的には発電所の安全確保のための維持基準でございまして、設計を審査する際にその技術基準をまた使っておるという状況なわけでございます。 今の御指摘の点は、当然その発電所のポンプでありますとか配管等でありますとか、それは当然先ほどの構造等の技術基準から申しまして、強度といいますか、その厚さが十分あるかどうか等そこはチェックされるわけでございます。当然その工事計画の認可の際に、詳細設計の際にその点については審査をされるわけでございます。 今回の場合にかんがみますと、当該のポンプにつきましては、製造されたとき最初にその据えつけする場合には当然設計についても審査され、ですから工場では全部きちっと非破壊検査等をしているわけでございます。その当該ポンプがその後運転し始めまして、トラブル等ありましてそのポンプの材質等に影響があったかどうかという判断かと思うんです。 その判断なんですが、今回のトラブルによりましてそのケーシングの影響といいますのは、衝突痕が約〇・五ミリの衝突痕でございます。先ほど審査課長からもありましたように、材質はステンレス鋳鋼というものでございますので非常に粘りのあるものでございますから、表面の部位でその応力が最大になりまして、深さが増すに従ってその応力が急速に減少する、そういう性質を持っているものでございます。したがいまして、この製造時の非破壊検査をしましたけれども、その検査結果は現在もそのまま使えるものというふうに私ども解釈をしておる次第でございます。
○太田淳夫君 先ほどの、お帰りになった方の御答弁がちょっと不明確だったものでお聞きしたわけですけれども、先ほど吉田委員からもお話がありましたように、やはりこの原子力発電所の再開、そして安全運転については、やはり厳しく当局としてもこれはきちんと監視をしていくことが必要でありますし、法に照らして運用してもらいたいと思います。 また、先ほどから話がありましたけれども、地元の皆さん方、私も住民投票のお話もお聞きしております。こういう結果というものはやはり十分に反映をさしていかなきゃならないものじゃないかと思うんですね。大臣が先ほどおっしゃったように、安全の確保と国民の理解、これはやはり最大限の努力をしていかなきゃならないと思います。 また、この今の問題については、私ちょっとお聞きしたんですが、衆議院でも質問主意書というのが出されて、今答弁をいろいろと作成中だというお話でございますが、これは答弁がきちんとできるんでしょうね、どうでしょうか。
○説明員(倉重有幸君) お約束した時期までにきちっと回答する予定でございます。
○太田淳夫君 全貌をやはり明らかにして進めていっていただきたいと思います。 また、もう時間がなくなってしまったんですが、大臣に最後にお尋ねしたいんです。 この九月二十三日にスイスで原子力発電の是非をめぐって国民投票がなされたわけですが、そこで今後十年間の建設中止が可決された。それに対しまして長官は、冷静な判断を示されたということを記者会見でお話しになったというふうに報道されておりますが、大臣の真意はどんなものでしょうか。
○国務大臣(大島友治君) 例の問題につきましてというか、スイスとかスウェーデンの問題等、廃止するということが決議で決まったと。それがまた廃止でなくもとへ戻ったというようなことについて、この問題につきましては私もいろいろ考えてみたら、やはり現実に日本の場合だというと、これはエネルギー上、原子力発電のエネルギーの必要性というのはまだまだ非常に、きょうも説明したように大きい期待をかけなきゃいかぬですが、スイスなりあるいはスウェーデンというようなところでは余って、スイスなんかも大体一六%輸出しているぐらいだというところで、あえて今つらくなくてもいいんだという実態があるわけですから、そういう意味での、だからスイスはもう将来とも原子力発電はやめたんだと、そういうことでないというふうに私も理解してこの問題は取り上げていきたいということで考えておるわけなんですが、まあそういうことなんですがね。 したがって、決して原子力が必要でないという問題でなく、必要性の再確認を私はやはりスイスでもしておるんだと、スウェーデンでもやっておるんだというふうに理解しておるわけですが、そういう点でひとつ御協力をいただきたい、こう思います。
○太田淳夫君 スウェーデンとかイタリアでも原発の凍結あるいは縮小、そういうことを打ち出されたようでございますし、やはりそういった国々でどういうような動きがあるのか正確に伝える必要があるのじゃないかと思うんですね。スウェーデンでも方向転換してきたようなことも伝えられておりますし、いろんな報道がありますものですから。 私もスウェーデンへ参りましたときにある団地へ参りましたら、その団地の電力源ですか、エネルギー源は近くに小型原発をつくってやっているんですというようなお話を聞いたことがありますけれども、そういうものもすべて凍結されてきているのか。そうなると、スウェーデンとしては今後電力というのはいろんな面で心要なものになってまいりますね、エネルギー源ですから。その点、正確な報道というのはどうなんでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 私どももできる限りの情報を集めまして、実は先般、十月二十六日に出させていただきました通称原子力白書の中でも世界各国の最近の動向を記述しております。今先生御指摘のスウェーデンにつきましても指摘というか、記述しておりまして、現在スウェーデンでは十二基の原子力発電所を運転しております。原子力発電の比率は五割弱になっておると思います。二〇一〇年までにこれを全廃しよう、それから一九九五年、九六年に二基廃棄しようというのが今までのスウェーデンの方針でございます。 今申し上げたスケジュールを先送りしようというのは与党段階では決まっておりまして、他の野党と今協議を進めているところ、そういうふうに聞いておりますが、一般的な国民の世論では世論調査を含めて、スウェーデンではやはり原子力に依存せざるを得ない、それはやはりCO2を現状のまま、あるいは削減するという方向も一つございます。それから水力発電所も、これも実は自然環境の問題もあってなかなかつくりにくいというそれについてもスウェーデンでやはり決定がございます。それとエネルギー需要あるいは国際競争力という点から考えて、国民全体の選択はやはり従来の決定を先延ばしにせざるを得ないというのが現在の状況でございます。 スイスについても先ほど申し上げましたが、あるいは大臣が先ほど御説明申し上げましたような、まさに現時点ではさらにつくる計画もないしすぐ必要とはしていない、むしろ電力を一六%輸出している、そういう実態からこの十年は新しいものはつくる必要はない、そういうことにしたわけですが、廃棄するということについてはスウェーデンの国民はやはりそれは困るという投票をした、そういうふうに受けとめております。この点については私どもも世界の状況は十分いろいろな形で御説明を一般の方々にもしてまいりたいと思っておる次第でございます。 失礼いたしました。スウェーデンをスイスと間違ったようでございます。
○太田淳夫君 あなた方も余り正確じゃないですね。 それでは最後に、「風評被害防止で会議」というのはあったのですか、どうですか。
○政府委員(山本貞一君) 恐らく昨日だったと思いますが、青森県の六ケ所村における核燃料サイクル関係のことに関係しまして、実は風評被害が例えばリンゴなりあるいは水産物等についてあり得るという御心配もあるわけです。そういう点についてはもちろんもう風評被害の救済のための基金を設けておりますし、現実に風評被害が生ずればそれに完全に対応するというようなのは事業者として既に対応できておるわけですが、関係官庁といたしましても、その点についての風評被害についての正当なPRなりあるいは環境における放射能の測定とか、そういうようなことを今後努力していくというようなことで、通産省の資源エネルギー庁それから厚生省、農水省、科学技術庁、四省庁で昨日連絡会議を行った次第でございます。
○太田淳夫君 この白書の五十三ページに書いてありますね。「青森県の核燃料サイクル施設建設計画に関して、一部都市部住民の反対運動が、施設周辺の農業者等に対して、施設運転により農産物等の販売に影響が出るのではないかとの不安を引き起こしていることから、」とあります。このことなんですね。 この原子力委員会の原子力年報というのはこれは正式に政府で認定をして、政府に出している公式な見解でしょうか。
○政府委員(山本貞一君) これは原子力委員会が年一回原子力年報という形で定めまして、それを実は閣議に報告をしておる、そういうものでございます。そういう意味では政府としてこういう内容について責任を持っているというか、報告をする次第でございます。 なお、今先生御指摘ございます五十三ページの記述につきまして、風評被害に近いような表現、これは現実にそういう心配が言われることが事実としてあるものですから、そういう御心配は実際はない場合が多いわけですが、そういうことについての御説明、PRあるいはそのために講師の派遣あるいは説明会といったようなことで十分御理解を求めていく必要がある、そういう記述と思っておる次第でございます。
○太田淳夫君 お隣にも同僚の委員の方が、地元の方がおいでになりますけれども、こういうことが一部の都市部生活者云々なんという、一部の不逞のやから的な書き方をした政府の公式見解が、これは国際的にも回っていると思うんですけれども、発行されるというのはちょっとまずいのじゃないかと思うんです。やはり認識不足があるのじゃないかと思うんです。 いろいろと三上先生のお話を聞いたって、今ではそれは一部の方ばかりではない、国民全体に広域に広がっておるわけでございますから、やはり政府も、そういう点の安全確保、そして国民の皆様方の理解を得ていこうという立場でしたら、こういった私から見ればちょっと認識不足みたいな、それは多少皆さん方からそういったお話もお聞きすることもありますけれども、公式な書類としてはこういう書き方じゃないものが必要じゃないか、こう思うんです。その点どうでしょうか。
○政府委員(山本貞一君) 先生御案内のように、原子力についてはいろいろな意味での心配なり不安なり、我が国の中でも特に唯一の被爆国ということからも従来からございます。ただ、その中で実態を十分御理解いただいていないために、あるいは私どもの御説明が十分でないために生じている場合、あるいは一部原子力についてのお考えというか、哲学なり違った考えを持っておられる方々の反対運動等いろいろなさまざまな御意見なり運動がございます。そういう中で、この白書もそのあたりについてもちろん事実としてそれは記述させていただき、かつそれについては私どもも不十分な点は反省して、十分それには科学的にかつわかりやすく説明を求めていく、誠実に求めていく、そういう趣旨を原子力白書で書かせていただいておると思っておる次第でございます。
○太田淳夫君 これは毎年出されるようでございますし、私は、今一つだけ指摘をしましたけれども、またそういう点については十分論議をしていただいて訂正をされることも必要ではないか、こう申し上げて終わりたいと思います。
○政府委員(山本貞一君) 先生の御趣旨、十分私ども踏まえて行政に対応してまいりたいと思います。
○吉川春子君 放射性廃棄物問題について質問をいたします。 この七月に、民間団体の調査の結果、岡山で廃棄物処分場から高レベルの放射線が検出されまして大きな問題になりました。原因は、株式会社テイカ岡山工場が酸化チタンの原料として輸入しているマレーシア産のイルメナイト鉱石であるというふうにほぼなっています。酸化チタンというのは道路の白線とか車の車体の白い塗料になるものだそうですけれども、岡山以外でもこの酸化チタンをつくっている工場はたくさんあるわけで、科学技術庁は同種の工場について各地方公共団体でも放射線測定を行うように指導され、そして行ったわけですけれども、その結果、自然界よりも高いレベルの放射線が検出されたところは何カ所あったんですか。
○政府委員(村上健一君) 御質問の結果につきましては十工場、酸化チタン工場七、それからスポンジチタン工場三。工場におきましては、この十工場ともいずれも自然界より高いレベルが測定されているわけでございます。
○吉川春子君 私がレクを受けて、いただきました資料によりますと、工場または処分場内では十七カ所、工場または処分場境界におきましては三カ所、非常に高い放射線を検出しているという結果になっています。地方公共団体が調査されただけでも十工場、処分場を合わせて十一県、四十九カ所に及んでいるわけです。 何十年にもわたって規制も受けず、住民も労働者も高いレベルの放射線を浴びて影響を受けてきた可能性もあり、非常に重大だと思うのですけれども、責任は一体どこにあったとお考えですか。
○政府委員(村上健一君) 本件は、七月二十一日に、委員御指摘のとおり、岡山県の産廃場から通常より高いレベルの放射線が検出されましたので、先ほども御報告申し上げましたように、当庁では当初から職員を派遣する等情報の収集に努めますとともに、関係省庁と協議して、地方公共団体等との協議を進め、対応をとってきたわけでございます。 確かに、今先生が御指摘のとおり、自然界より高い放射線が検出されたのは事実でございますけれども、かつ、鉱物、鉱石、廃棄物等の核種分析を実施しました結果、微量ではございますけれどもウラン、トリウム等が入っていることが判明いたしまして、その量は放射能濃度が最大で十べクレル・パー・グラム程度でありまして、原子炉等規制法によって核原料物質の届け出を要する濃度限度というものを大幅に下回っている状態であるわけでございまして、この問題はいわゆる産業廃棄物として処分されているところから検出されたことに端を発しているわけでございますけれども、現在の時点では、いわゆる規制法でもその他の法律でも事業者のこの行為が規制の対象になっていないという状況になっていることは御承知のとおりだと思います。
○吉川春子君 質問にちゃんと答えてほしいと思うのですけれども、私は法律の不備の問題については後で伺うことにしていますけれども、要するに、非常に自然界より高い放射線が検出されて、それでいろいろ対策も出しているわけでしょう。だから、こういうことをもたらした責任はどこにあるかというふうに私は伺ったわけなんです。 原料のイルメナイト鉱石に放射性物質が含まれているということは、関係者にとっては常識だったと各紙が報道していますね。オーストラリア産は放射性物質のチェックを国内で独自で実施しておりますし、またインドネシアではモナザイトを輸出禁止にしていると報道されています。テイカの筆頭株主の三菱化成は、これももうマスコミで報道されていることですが、モナザイト鉱石から現地でレアアースをつくる工場をつくっていて、そしてその過程で生じる放射性物質の管理がずさんで、子供が白血病にかかったということで裁判で争われているわけですね。この三菱化成が今回問題を起こしましたテイカの筆頭株主なんですね。同時に、私は、輸入元の三井物産、こういうところも放射性物質が含まれていたということは知らなかったなんということはあり得ないと思うんですけれども、こういう大企業の責任も問わなきゃいけないと思いますが、この辺は確かめてみられたんですか。
○説明員(中島邦雄君) 私どもが今まで製造業者あるいは輸入業者から伺っている限りでは、本件まで十分この事態は知らなかったと伺っております。
○吉川春子君 伺った限りではという言い方をされましたけれども、ちゃんとこういうことを調べたんですか。調べた結果知らなかったと、そういう調査になったんですか。
○説明員(中島邦雄君) 御説明申し上げます。 調べるというか、本件の場合に、七月以降各社にいろいろ現状調査を要請したところでございますが、一つの事実といたしまして、各社ともこういった放射線関係を調べる装置、あるいは専門家がいなかったといったことから、そういったことを推測しております。
○吉川春子君 こういうものを扱う企業として当然常識の部類に属することをやらなかったし、しかも知らなかったということで責任が逃れられるとは私は思いませんし、そういうものを知らなかった、青天のへきれきだというその企業の報告を、ああそうですかと聞いている国も私は非常に無責任だというふうに思うわけです。 今回、四省庁が当面の基本的対応方針を発表いたしまして企業も指導されておられるわけですけれども、こういう対応方針を企業に守らせていく保証といいますか、担保する方法はあるんですか。
○政府委員(村上健一君) 先ほども御報告申し上げましたが、九月七日付で当面の措置について通達を出したわけでございますが、そのほか私どもとしては、当庁の職員を関係の工場及びその処分場に派遣して必要な指導を行うとともに、現在当面の措置の遵守状況について調査を行いました。また、この調査の一環として、例えば私どもが出しました実施状況については、毎月一回、五日までにそれぞれのところから報告を提出するように、それから処分場へ搬入する場合は、搬入した記録を同様に毎月一回出すように、それから鉱石の輸入に関する放射線量率の測定等についても毎月一回報告を提出するようにということで指導しておりまして、これを厳重に実行してまいりたい、こういうふうに考えております。
○吉川春子君 従業員の健康管理は、私直後にテイカに調査に入ったんですけれども、健康診断を行って異常はなかった、そういうふうに言っていましたけれども、放射能の影響というのは長期間にわたって人体に悪影響を及ぼすものなので、基本的対応方針にも書いてありますけれども、今後も健康管理については十分な措置をとっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(村上健一君) 通達を同時に出しました労働省が、従業員につきましては一義的に作業環境の基準ということで、「電離放射線障害防止規則に定める基準以下であること」ということで担当しておりますけれども、今お話しのとおりの健康管理につきましても適切に対応してまいりたいと考えております。 それで、特に都道府県の環境衛生部等におかれましてもその点は非常に慎重にかつ積極的に対応しておられるようでございまして、住民の方々に必要であればいつでも検査を受けてくださいというようなことで対応しているというふうに聞いておりまして、今後とも労働省の労働基準局の対応とも相まちまして真剣にやっていきたいというふうに考えております。
○吉川春子君 その基本的対応方針の中で、「鉱石の購入に当たっては、事前に放射線のチェックを行う」というふうになっていますけれども、これは具体的にどういうふうに行うんですか。
○説明員(中島邦雄君) 本件につきましては、九月七日付の四省庁通達で、「鉱石の購入に当たっては、事前に放射線のチェックを行うこと。」というのが一点でございまして、もう一点は、できるだけ放射線レベルの低いものを使用することという二点を企業指導の方向でやっております。 具体的には、まず鉱石を購入するに当たりまして契約をいたします。その契約の段階でサンプルを取り寄せましてウラン及びトリウムの含有量をチェックしております。それから、輸入に当たりましていろいろなところから集めてまいります。したがいまして、そのロットごとにどういう状況かといったことをチェックしております。それから、日本に入港したときに再度放射線量をチェックする。そういったチェック体制を指導しておりまして、現在企業はこれを実施しております。
○吉川春子君 要するに、契約を締結するとき、それから港から積み出すとき、そして日本の港に着いたとき、その三回にわたってチェックする、そういうことですね。 二番目に今おっしゃられた「極力放射線レベルが低い鉱石を使用する」という問題ですけれども、極力というのは非常にあいまいな言い方ですね。極力やったと言えば済むような感じですか。どういうふうにもうちょっと縛りをかけますか。
○説明員(中島邦雄君) 少なくとも七月以前ではこういったもののチェックは十分――十分というか行われておりませんでしたが、これからの輸入に当たりましてはともかく、ぴしっとした線を出すことは現状ではできませんが、より放射線レベルの低いものを購入していく。要するにそういった努力を積み重ねていくということでございます。
○吉川春子君 例えば錦海塩業ですか、この処分場で検出されたものより少しでも低ければいい、そんな答弁に受け取れましたけれども、そんなものではなまぬるいんじゃないですか。
○説明員(中島邦雄君) ちょっとでも低いということではございません。テイカが当時輸入しておりましたマレーシア産、いろいろなレベルがございますもので、ぴしっとした数値では申し上げられませんが、大体三五〇から八〇ぐらいの、PPM単位でございます、ウランとトリウムがその程度でございますが、現在それが二〇〇ぐらいのものを輸入することが可能になっております。半分というと大げさではございますが、当時の六割ぐらいのものは輸入が可能になってきているということでございます。
○吉川春子君 今もう既に放射性物質が入っているかどうかのチェックが行われているということですけれども、方針が発表されて二ヶ月たつわけですが、この間、イルメナイト鉱石の輸入の量、相手国、そのチェックの具体的内容についてはそれではどうなっているか、報告してください。
○説明員(中島邦雄君) 申し上げますと、十一月に、これは小名浜でございますが、堺化学に入港予定のものにつきましては、輸入量で約一万でございますが、ウラン及びトリウムの含有量は約二〇〇でございます。それからトーケムプロダクツという会社がございますが、これにつきましては、これは秋田でございますが、量的には八千トンでございます。これも大体二〇〇ぐらい、そういったことでございます。
○吉川春子君 十一月のものということでしたけれども、私はこの二カ月間のことを伺ったわけなんですが、時間の関係でもう重ねて聞く余裕がなくなりましたけれども、ともかくその後すぐにでも港に飛んでいって、どうだったのかというぐらいの調査をする熱意を示していただきたいと思うんです。とんでもない事件が起こったわけですから、今後ともこの問題についてはきちっと対応していただきたいと思うんです。 それで、イルメナイト鉱石だけではなくて、そのほかの鉱石についても放射性物質が含有されて日本に輸入されている危険性、可能性というものも十分あるわけです。そういう問題について、今後どうされていくのか、その点が第一点。 時間の関係でもう一つ重ねて質問してしまいますが、要するにこの問題をどういうふうにとらえていくかということで、一番最初に科技庁が答弁されたように法律の不備があるわけですね。一定の値にまで達しなければ、法律の決めた基準にまで達しなければ自然界より随分高くてもその間のものについては法的な規制がかからない、こういうような問題もあって、そして今度のこういう事件が起きたということなんですけれども、こういう問題、今後どうしていくかということも非常に重要な問題だというふうに思うんです。 それで、今発表されているのは当面の措置なんだとおっしゃるわけですけれども、こういう問題も含めて、放射性物質が産廃として野放しに捨てられるというようなことはいろんな意味で非常に危険性が大きいわけですが、こういう問題について科技庁として今後どういうふうに対応していくのか、あるいは大臣として今度のこの問題についての責任というか対策というか、そういうものもあわせてお伺いしたいと思います。
○政府委員(村上健一君) 具体的なことを先にお答えさせていただきたいと思います。 他の鉱石についても同様の問題がないのかという御指摘につきましては、先生も御案内のことかと思いますが、例えば先ほどちょっとお話がございましたレアアースにつきましては、今から約二十年ほど前にこのレアアースが産業界で活用されるというときに、レアアースであるイットリウムとかランタンを取り出した残りにやはりウランとかトリウムが入っていまして、その問題があるということで実は法的規制を導入したわけでございます。その数字は、先ほど実は申し上げました値よりも今回のものが非常に、もちろん活動の内容が違いますので一概にいい悪いということは申し上げられないんですが、少なくともその規制値よりも現在低くなっているわけでございまして、確かに他にも類似の問題があることは重々承知しておりまして、その問題も本件の今後の最終措置の検討の過程で十分考えていきたいというふうに今思っているところでございます。
○国務大臣(大島友治君) 本問題につきましては、まさに御指摘のように人間の健康に影響する問題であるし、決して軽視すべき問題ではないということを私も重々承知しておるわけでございます。 そこで、これにつきましては、御承知のように関係四省庁でもってチタン鉱石問題に関する基本的な対応の方針というものをまとめています。具体的にはいろいろございますが、それはともかくも、ここで説明するには時間も要しますけれども、その内容を忠実に守っていくということで、責任を持ってこの問題を積極的に指導監督していくというふうな気持ちでこれを取り扱っていきたい、私はこういうふうに考えておるわけでございます。
○吉川春子君 終わります。
○新坂一雄君 連合参議院の新坂でございます。 九〇年代になりまして、いろんな世の中の価値観と申しますか、を改めて見直していくという時代に入っております。社会の組織の枠組みとかを新しい時代にふさわしいものにしていかなくちゃいけないという立場に立たなければならないというふうに考えております。きょうは大島国務大臣を迎えて、非常に短時間でございますけれども、特に今焦点になっております原子力行政について若干論議を深めていきたい、かように思っております。 同僚議員からも多々御指摘がありましたけれども、原子力年報、原子力委員会の平成二年十月に出しておりますこれが一番新しい今の原子力行政に関する基本的なデータだと思います。私、これを読ましていただきまして非常におもしろいなと思っていますのは、原子力行政についてはやはり光の部分と影の部分がございます。ともすれば、今までの行政というのは光の部分だけ強調して、なかなか影の部分が出てこないというところが一つの欠点じゃなかったかというふうに思います。特に、これからの原子力行政についても、市民の立場といいますか住民の立場を抜きにしては推進できないという一つの基本的な条件というものをしっかり腰に据えた形で推進していかなくちゃいけないという立場でございます。 そういう立場からこの年報を見ますと、例えばこの十九ページなんですが、世論調査を踏まえたところでこういうことを言っております。大変おもしろいんですが、原子力情報について、「国や事業者からの情報に接することはほとんどなく、しかも「都合の悪いことは公表しない」」、こういうことを理由に、「その情報は信頼できないと考えている人が多い。」、こういう指摘を原子力委員会が公表しております。これはいわゆる時代の変わり目にあって、考え方を変えていく一つのあらわれではないかというふうに思っております。ただ、この考え方がそのままストレートに地元に伝わっているかどうかというのが大変問題だと思うんです。 そういう観点から若干の質問をしたいんですけれども、今の原子力行政と地元理解ということについて、大島国務大臣はどのようにお考えか、まず最初に伺いたいと思います。
○国務大臣(大島友治君) 原子力の問題になりますと、まずいろいろ問題がある。しかし、私どもは我が国のエネルギーの資源が極めて脆弱であるというこの前提に立って将来を眺めた場合に、一体何をエネルギーとすべきかということになると、卑近な例が、発電ということになりますれば、我々子供の時代は、日本は水力発電だというようなことも小さいときから頭に入っていた。さらにまた、火力で言えば石油も使ったということだった。しかし、原子力ということについては最近の子供たちの頭にはなかなか入ってこないという前提があるわけでございます。 そこで、まずこの原子力の問題を取り扱う上においては、私は日本のエネルギーがいかに脆弱であるか、その前提を踏まえていくというと、どうしても日本の期待すべきものについては原子力を考えなきゃならぬ。そしてその原子力というものは、現在の発電というものを考えた場合にはどれくらいのシェアを持っているかということもまず国民に知ってもらう必要があるなと。そういうことなしに、ただ原子力発電、原子力は大事だと言ってみたって、いやそれは、例えば具体的に言うとチェルノブイリの問題、さらには日本は、はっきり申し上げますというと、原子力というと原爆ということで、いかにも全く同じような感覚を国民に与えている嫌いもなきにしもあらずだということを踏まえるというと、より一層の国民に対する理解、協力というものは、率直に言って、いわゆる日本のエネルギーの基本的な問題から入ってもっと具体的に私は進めるべきだ。ただ単に、原子力というとすぐにもう我々はうたい文句のように、理解と協力を得るための話し合いをするんだ、これだけじゃまだまだとてもだめだと、その前提条件、こういうことを踏まえて進めていきたい、私はこういうふうに考えております。
○新坂一雄君 そこで、ちょっと具体的な質問をしていきたいんですが、トラブルのあったこの東京電力福島第二原子力発電所三号機の運転再開、これはきょうのお話でも、地元の県あるいは町の合意が得られたので再開に踏み切るようだというようなお話がありましたけれども、実はこの原発事故が起こったときに、東電の社長の記者会見によりますと、金属片などを一切回収し、安全性が十分確認されるまでは運転を再開しないということを言っておるわけですね。ここの金属片などを一切回収しというのは、住民側、地元町民にすれば、トラブルがあっただけに、やはり一〇〇%クリーニングして、それから再開に踏み切るんだなというふうに解釈するのがこれは普通の常識だと思います、この一切回収しという言葉ですね。 それで、このことと、通産省の健全性評価、それを受けてゴーに踏み切るという判断でございますが、金属片、金属粉、これは今どのぐらい残っていますか。
○説明員(倉重有幸君) 東京電力に対しましては徹底した金属粉、金属片の洗浄回収作業を指示したわけでございます。その結果をことしの四月に報告を受けたわけでございます。 それによりますと、金属片につきましては、回収した結果、洗浄後の調査によりましても金属片は認められておりません。それから金属粉につきましては、今回の運転再開に当たり問題となる箇所に関しましては、最大見積もっても四十七グラムというふうに私ども評価した次第でございます。 今後プラントに影響を与えるかどうかということ、これは私どもも関心がございまして、きちっと技術的に詳細な評価をしたわけでございます。その際には、今の金属粉につきましては四十七グラム、最大見積もって四十七グラムということで、そこはその数字を使って評価をし、また金属片につきましては、洗浄後の回収では見つかっておりませんけれども、目視のできない部分が約四十数%ございましたので、そこにつきましてはその保守的なデータに基づきまして金属片を四個、あえて四個ということを仮定しまして、あとは統計的な手法を用いまして評価した次第でございます。
○新坂一雄君 お聞きのように、やはり金属片なり金属の粉はまだ残っておるわけでございます。 それで、健全性がおおむね妥当だということでゴーに踏み切るということでございますが、この原子炉安全専門審査会にあてた発電用炉部会の部会長のレポートによりますと、「残存している可能性のある金属片及び残存している金属粉が燃料及び燃料以外の各種機器等に与える影響はいずれもその可能性が極めて低いか、」、全然ないとは言っていないですよ、「極めて低いか、」、「安全上特に支障となるものではないと判断する。」。 要するに率とすればまだ残っているわけです、危険性が。一〇〇%これは安全ですとは言っていませんね、この文章によっても。要するに一〇〇%安全であるという保証が得られて初めてゴーであるというのが町民の意識でございます。住民の意識でございます。それによって東電の社長は再開するというふうに言明したわけです。こういうことが極めてあいまいなまま、健全性があるというような、言葉の非常にあいまいなところを縫っていって再開してトラブルになる可能性がある。 事実、この原子炉あるいはトラブったところのものは一月一日からでありますけれども、十二月にやはりストップしたことが何回かあるわけですよ。そういうところのものは安全であるということで運転していたわけで、それでトラブったわけです。今回もこういう「可能性が極めて低いか、」というような、完全にないというふうに言っていないレポートに対してゴーに踏み切るという理由が、通産省にはあるかもわかりませんが、地元住民にはございません。要するに、一〇〇%クリーニングでなければならないということを住民は理解して見守っているわけです。こういうところの行政というのは、市民の常識の立場からこれから原子力を進めていかなきゃいけないという立場に立たなければならないわけなんでございます。 もう一つは、これはついでに言いますけれども、先ほどの住民投票は、もちろん権威があるかないかということはこれは別問題でございますが、少なくとも半分以上の自主投票というかパーセンテージがあるということは、かなり多くの住民がこの原子力発電に対して疑問を抱いている、今もって疑問を抱いているという評価をしなければなりません。ところが、今の通産省の答えですと、それは両町、二つの町に判断をゆだねられるものであるというふうに、通産省との見解とは別にもう離れた形で切ってしまっているわけですね。こういうところが住民にとっては納得できないんじゃないかということでございます。答弁は要りません。要するに何を言いたいかというと、住民と行政がかなり乖離しているんじゃないかということを私は言いたいんです。 それから、安全年報によりますと、原子力施設の従業者の被曝管理状況、これを見ますと、各事業の社員が被曝した数よりは、いわゆる下請といいますか、社員以外の従業員が軒並み非常に被曝率が高いという数字が出ております。これも住民側から見ますと、市民の感覚から申しますと、何か危険なことは社員以外の者にやらせて、社員は何か安全なところだけをやっているというふうに客観的なデータで読み取れるようなものが事実この年報に載っているわけでございます。そういうことをやはり住民がどういうふうに思うかということでございます。これはひとつ答えていただきたいんですが、なぜそういうふうに、従業員だけが高い数値を浴びなければならないのかという理由は何ですか。
○説明員(倉重有幸君) 先生御指摘の原子力発電所に従事しております者の被曝の話でございますが、先生御指摘の安全年報には六十三年度の実績が出ております。それから、ことしの六月には実は平成元年度の実績を出したわけでございます。それによりますと、どちらも同じような傾向でございますが、先生今御指摘のように、社員と、それ以外の下請等々全部をその他ということで、社員とその他に分けますと、平成元年度の実績でまいりますと社員が〇・五、それからその他が一・七ミリシーベルトということで、大体社員が三分の一というふうな数字になっておるわけでございます。 ただ、一点ここで誤解のないようにしていただきたいと思いますのは、この法令の限度といいますのは、これは五十ミリシーベルトでございます。
○新坂一雄君 なぜかと聞いているんだ。
○説明員(倉重有幸君) 五十のうちの今〇・五とか一・七と言っている数字ということでございます。 それで、ここでなぜこのような差が出てくるかということでございますが、先生御案内のように、発電所の運転、保守に当たりましては、高度な作業から単純な作業、とにかくいろいろな作業があるわけでございます。特に、放射線下におきましては専門的な知識あるいは経験、これが必要ということでございまして、関連の会社に協力を求めるというケースが多いということでございまして、それによりましてその下請等の被曝が社員に比べ多いというふうに理解しておるわけでございますが、いずれにしましても放射線従事者の被曝管理につきましては、法令に基づきまして、電力会社の社員それから関連会社の社員の別なく徹底した管理が行われるということが必要でありまして、私どもも一層の被曝低減を図るよう指導監督してまいりたいと思っております。
○新坂一雄君 ちょっと答えがずれるんですけれども、どういうことかといいますと、私が言いたいのは、住民感情としては社員と従業員と同じレベルを浴びないというのはおかしな話ですよ。作業する者はやはり放射能を浴びるわけですから、その同じレベルでどうして社員が、その専門的なことを教育してそれと同じ作業をやらないんですか。要するに、従業員だけ専門知識があるということじゃなくて、社員にそれを教育、訓練すればいいじゃないですかということが、住民から見るとおかしいなと思っているということを言いたいんです。わかりますか。両方とも法定以内の放射能ですからそれは安全かもわかりません。しかし、こういうデータがある限り、やはり住民感情としてはおかしいと思うということを言っているわけです。
○説明員(倉重有幸君) お答え申し上げますが、発電所の社員とそれ以外というふうに分けますと実はこうなるんですが、社員の中でも例えば放射線管理部門に従事している者は非常に被曝線量が高いというようなことも聞いております。 それで、この被曝の差が出てきますのは、その作業の場所それからその作業の性格、内容によりまして出てくるものでございますので、特別下請に対してダーティーな作業をさせるとか等々そういうことは特にやらせているということではございませんので、御理解いただきたいと思います。
○新坂一雄君 私、説明を聞くために質問しているんじゃないですよ。そういうことについてどうかということで、今後やはりそういう立場に立ってやるとかやらないとかということを答えとして欲しいんです。ところが、説明員ということで、説明だけを聞くんだったらもう質疑応答、そんなもの意味ないですよ、これは。局長がちゃんと来てやらなくちゃだめですよ。そうじゃないですか。説明を受けるために質疑応答しているんじゃないですよ、これは。
○委員長(和田教美君) その問題は後で理事懇談会で検討いたします。
○新坂一雄君 指摘にとどめておきます。 福島原発に返りますが、その後いわゆる自治体が、放射能が出るかどうかというこういうことをチェックするために周辺の放射能監視をしているということで、モニタリングを二つの町にまたがってやっていますが、こういう定点観測をやっております。こういうデータが一年たった後あるいは数カ月おくれで出てくる。ところが、住民の立場からいいますと、今放射能がどのくらい出ているかということを知りたいわけなんですよ、町民にしてみれば。 それで、これは一つの案でございますが、例えば公害ですね、ポンポンというと何ホンだといって、銀座のあの交番のところにありますね。今この福島発電から何シーベルト、あるいはレムでもいいですが、ですよということが刻々ぴかぴかとわかるような仕掛けが、事実これデータとしてはあるわけだから、ラインを延ばしてディジタル化すればできるはずなんです。そういうことがPAなんですね。住民との接点なわけですよ。それを一カ月おくれ、一年おくれのデータで安全ですと言われたって、そんなのは町民は、記録としてそんなのを見せられたって何が安全かということになるわけです。 そういう意味で、福島発電、今東京電力が近くにパブリックハウスというものを設けて、その中でモニターはしていますけれども、町民はそこへ行かないと今どのくらいの放射能になっているかということはわからぬわけですよ。そういうことじゃなくて、ショッピングセンターとかあるいは町役場のところの掲示板にそういうラインを引っ張ってきて、即時に今放射能はどのくらいなんだということがわかるということが、基本的な住民の立場に立つ原子力行政ということで今後展開されなければならないと私は思っております。 それで、そういうことは別に予算はそんなにかからないと思うんです。ですから、特にこれからの住民の立場に立った宣伝、宣伝というのは悪いんですが、いわば理解を得るためのいろんなアクセスを展開されるんだったらそういうことをやらなくちゃいけない。東電も敷地内とかあるいは原子炉の近くにそういう施設は既にあるわけですから、それを人通りのたくさんあるところに引っ張ってくるということをやらなくちゃいけないんだろうと思います。 これは科学技術庁と通産省両方の意見をお伺いします。
○政府委員(村上健一君) 先生御指摘のとおり、原子力施設周辺の放射線の環境モニタリングにつきましては、事業者が発電所の中でやっているのは当然でございますが、地方公共団体が空間線量率、それから積算線量、それに環境試料の放射能分析等を実施しております。 それで、この詳しい内容につきましては、今確かに先生おっしゃいましたように、定期的に県の当局から専門家の評価も受けた格好で最低年一回は発表されているところでございますが、今特に具体的に御指摘になりましたいわゆるディジタルであらわす空間線量率については、実は現在ほとんどの都道府県が全部設置しておりまして、それで福島県も大熊町の中にあります福島県の原子力センターでは既にもうディジタルの表示が出ております。ただ、今先生おっしゃいましたように、まだ非常に少ないわけでございますので、今後県当局とも十分連絡をとりつつこれをますます広めていく方向で検討していきたいと思います。
○新坂一雄君 自治体で既にやっているということはわかっていますが、住民が欲しいのは、その発電事業者の中にあるデータを即時にディジタル化してつなげてほしいということです。自治体のやっているのは、周囲一キロとか三キロ離れたところの平場で空気の中の放射能測定をやったって、こんなのは安全内にほとんど決まっているじゃないですか。そういうことでやっているというのじゃなくて、欲しいのは、危険かもわからないという事業者の中の生のデータを引っ張ってきなさいと、こういうことを言っているんですよ。それをドッキングしてくださいと。もちろん今やっているものも一緒に合わせてもいいんですけれどもね。そういうことを言っているわけです。 最後でございます、もう時間もございませんので。 国務大臣、これから予算の獲得シーズンでございます。そういう意味では、やはり住民のためにといいますか、住民の理解を得るためにほんの少しの、今あるものをちょっと工夫すればできるようなことはたくさんあると思います。そういうところのリーダーシップといいますか、ぜひ強力な手腕を発揮して予算を獲得していただいて、原子力行政の真の理解を深めた上での推進ということをぜひ図っていただきたい。最後にお願いします。
○国務大臣(大島友治君) 先ほど私、基本的な考え方は申し上げたとおりで、その前提の上に立って、具体的には今委員の御指摘のような、どこに何があってということはわかっているんだから、その一番心配とされるようなところのものがどうかというのがいち早く住民に感知できるような方法をとるべきじゃなかろうか、こういう御意見のようでございます。まさにごもっともでございますので、できるだけそういう面に近づくべく予算的措置を獲得してやってまいりたい、こう思っております。
○新坂一雄君 終わります。
○委員長(和田教美君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十三分散会