国際連合平和協力に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 409 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/10/26
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国際連合平和協力法案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 総理大臣にお聞きしますが、最近の世論調査を見ますと、若干ではありますけれども総理の支持率が下がってきていると思うのであります。これを総理はどう受けとめますでしょうか。
○海部内閣総理大臣 世論調査の結果は、そのとおり謙虚に受けとめさせていただきます。いろいろな理由その他も詳しく書いてございますけれども、私は、なお国民の皆さんに一層、今考えておる日本の平和政策というものがどういうものなのか、今の世の中は大きく時代が変わりつつあるわけでありますから、そのとき、新しい時代に適応して新しい世界の秩序づくりの中がどのようなものになっているのか、日本はできる限りの御協力をしたいという気持ちで頑張っておるわけでありますので、一層の御理解をいただくべく、今後とも精魂込めて努力を続けていく決意でございます。
○鈴木(宗)委員 総理、私は、支持率が下がったといってもまだ約過半数の支持率でありますから、これは自信と勇気を持っていいと思うのです。ただ総理、今国民は総理のリーダーシップというものを求めていると思っているのです。 あえて私はお聞きするわけでありますけれども、総理、本法案が今国会で成立しなかった場合はどのようなことをお考えでしょうか。
○海部内閣総理大臣 せっかく前半で御激励願ったのですから、その延長線上の御質問を願って、必ず通してやるから、協力するから頑張れとおっしゃってください。私はその方針でやっていきたいと述べておるわけでありますから、よろしくお願いします。
○鈴木(宗)委員 総理、私は、不退転の決意でやってもらいたい、そんな思いで今質問させてもらったのです。今、口だけで、平和憲法があるから、あるいは平和を主張するから日本は大丈夫なんだと観念的平和論を言われておりますけれども、しかし、私はそれではいけないと思っているのです。これからの日本が国際社会の中で何をなすべきか、どんな貢献をすべきか、あるいはどんな義務を果たすべきか、今問われているのがこの法案だと思っているのです。 ですから、総理、いま一度お聞きしますけれども、私は、この法案を通すために不退転の決意でやってもらいたい。総理の決意をお尋ねしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 大きな、世界の環境の中が今変わりつつあるわけでして、ついこの間までは、日本も戦後、いわゆる復興途上国としてみずからのことにまず全力を挙げなければならなかった。そして、幸運にも日本は日米安保条約のもとで、平和はアメリカの抑止力に依存するということで平和を守り抜いてくることができた。ところが、東西両陣営のそれぞれ頂点に立った二超大国が、アメリカもソ連も、それぞれ相対的に力の衰退といいますか、経済力の背景もありまして、だんだん一国だけですべてを秩序づける責任を持つことができなくなった。簡単に言えば、このごろ、アメリカは世界の警察官の地位を一人で果たせということは不可能であるし、またそれを言うのは無理である、みんなが力を合わせてやっていかなければならぬという時代になってきつつあります。 そしてそれが現実になったのが、国連で決議ができるようになって、ここに平和の破壊者がある、平和の秩序に反する者がある、皆が力を合わせてこれを排除しろということになるわけでありますから、日本も好むと好まざるとにかかわらず、これだけ国民の皆さんの理解もあり、国際情勢の仕組みもあり、その中で大きくなってきた以上、影響力も責任もあるわけですから、それにふさわしい協力をどうしたらできるだろうか、日本の平和協力政策というものはどうしたらいいかということをまさに考えて政府がお願いした法案がこれであります。もちろん、最初に先ほどちょっと失礼な答弁をして申しわけありませんでしたけれども、不退転の決意でこれをお願いしたいという気持ちでこちらはやっておるのでありますから、どうぞその内容、精神、決して戦争か平和かなんという問いかけの法案ではないと思います。戦争をやろうと言っておるのではございません。 同時にまた、いろいろ議論がなされるときにいつも言うのですが、ニュースの画面なんかに戦車が大砲を撃ちながら走っている姿がいつも出てきては、国連平和協力法はというコメントになってくると、どうしてもこれは錯覚が起こります。あのような、出てくるような画面をやろうと言っておるのでは決してありませんし、それはできないということがこの法案には書いてあるのですから、どうぞそういったことも国民の皆さんにも御理解をいただきながら皆さん方に御協力を願いたい、こう思います。
○鈴木(宗)委員 総理、今いみじくも例を出して最近の状況を言われましたけれども、私はきのうの一部夕刊を見て驚いているのです。これは日本社会党の意見広告でありますけれども、「派兵反対社会党」と書いているのです。法律案のどこを見ても派兵という言葉はないのであります。派兵という言葉はない。それをすりかえている。このすりかえているところに国民は惑わされている。だから総理、本法案では自衛隊の派遣ということはお願いしても派兵ということはないんだということを私は多くの人に知ってもらいたいと思うのであります。いま一度総理から、派遣と派兵は違うということを明確にお知らせをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 きょうまでいろいろと御議論を願った中で十分おわかりいただいておると思いますけれども、私は派兵反対という言い方なれば、それは皆さんこの法案をつくった人々もみんな派兵をするつもりでつくっておるんじゃありません。「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」ということが第二条にきちっと書いてある。基本原則として書いてあるわけです。 きょうまでの国会の御議論を聞いたり、あるいは質問書に対する政府の答弁の中でも、派兵と派遣とは違うんだということを、これは議論の中で定着しておる考え方でありまして、武力行使の目的を持って武装集団が領海、領空を出て他国の領海、領空、領土に行くということが派兵でありますから、それはしない。なぜしないかといえば、憲法の九条の精神、趣旨に反する。同時に、アジア・太平洋地域の平和と安定に果たしてきた日本の役割というものは派兵はしないということにあったわけでありますから、武力行使の目的を持って行くのではありませんから、派兵は当燃しないわけでありますから、当然しないことをお書きになったり、最初、僕が申し上げたように、戦争か平和かというような単純な分け方であるわけでありません。平和のための法律でありますし、派兵をしない。特に限定された目的に限っての派遣は、平和協力隊に入ってもらって協力隊の参加業務としていただくということになっておるのですから、十分これは御理解を賜りたい問題でございます。
○鈴木(宗)委員 この自衛隊の派遣の問題につきまして、社会党は、これは憲法違反だという決めつけ方をしてきております。私は、現行憲法の枠内でこの法律案をつくりましたという総理の答弁なり、あるいは法制局長官の答弁も聞いておりますから、私はそれは素直に理解し、素直に解釈すればいいと思っているのですね。 法制局長官に伺いますけれども、今回のこの法律案は憲法違反でないということを私は国民にきちっとお知らせをいただきたいと思うのですが。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 私ども、法案を審査し、内閣として提出します場合、当然憲法との整合性ということはまず第一 の前提として考えておりまして、私ども提出し、内閣で決定して国会の方に提出いたしました法律案、憲法に違反するとは一切考えておりません。
○鈴木(宗)委員 総理、この法案を出すまでにやはりちょっと時間が短かったとか拙速だとかという声が党内にもあるわけですね。しかし、自由民主党は自由民主党で各政調の部会も開いて、あるいは政調審議会なんかも行いまして、それなりに精査したつもりでおります。 そこで、国民に対するPR等は、私は若干立ちおくれているというか、社会党はもう既に今、後ろの方では、ない金をはたいて広告出したんだという悲痛な声もありました。自由民主党もそんなに裕福ではないかもしれないけれども、あるいは政府も、政府広報としても、この法案はこういったものですと正確に国民に知らしめる必要があるのではないかと私は思うのですけれども、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 貴重な御意見を交えての御指摘をいただきました。国民の皆さんの理解と支持がなければ政策というものは前進しないわけであります。いわんや、今日のように誤ったイメージで受け取られるのではないかという懸念が非常にある問題でございます。政府の考えておりますこの国連平和協力法の内容について、その考えておることについて、想定しておることについて、これは率直にやはり御理解をいただく必要があると思いますから、その方面のことについて与党とも十分相談をして、何らかの方法で徹底をするように努力を続けていきたいと考えます。
○鈴木(宗)委員 これはすぐ対応していただきたい、こう思います。 そして総理、私はこの社会党の意見広告を見ながら、「自衛隊が海外に出兵する道が開かれようとしているのです。」そしてこの「自衛隊の海外派兵を阻止するために、あなたもいっしょに声をあげてください。」こんな話を聞きながら、私は三十年前の議論に戻ったのでないかと思っているのです。 なぜ三十年前かといいますと、ちょうど三十年前、安保条約の改定がありました。あのとき、新日米安保条約を締結したならば、あしたにでも戦争が始まる、あしたにでも戦争に巻き込まれるとぶったのが社会党であります。しからばこの三十年間、日本は戦争に巻き込まれたでしょうか。日本が今日あるのは、私はだれが何と言おうとも日米安保体制があったから今世界に冠たる日本があると思っているんです。しからば、あの三十年前安保条約を危惧した社会党が、何の反省もなく、また、十年一日じゃなく三十年一日のごとく同じことを言っていること、このことについて総理はどう思いますか。
○海部内閣総理大臣 先ほどから申し上げておりますように、私は、戦後日本の平和と安全というものは、日米安保条約のもとで、その抑止力のもとで確保され続けてきたということを率直に申し上げました。ちょうど私が初めて国会の選挙に臨みましたときも、安保反対、戦争反対、戦争に巻き込まれるから反対だという声が非常に強かったことを御指摘のように覚えております。けれども、結果はそうではございませんでした。これも徴兵制をしくというのでもないし、戦争に行くというのでもございません。ですから、そういうことは、私は何か耳ざわりのいいことといいますか、そういう選択だけで誤解を与えるようなことを言ってもらっては困る。お書き願うなれば、そういうときには、この法律にはちゃんと「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」と大前提をきちっと置いて、しかも協力できる業務もきちっと限定して、自衛隊から平和協力隊に参加をしてもらって、平和協力隊の指揮下に入って出てもらうものであるという、平和政策業務であるということと、もう一つは、これは日本の憲法のこともそうですけれども、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、」「自国の主権を維持し、」平和を守ろうとすれば、「他国と対等関係に立たうとする各国の責務である」相手の国のことも考えて協力をしなさい、これは憲法の前文にちゃんと出ておることでありますし、日本は「国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。」こう書いてあるわけでございます。 私は、国連が機能していないときは別です、力と力のブロックが対決して平和を辛うじて力の均衡で維持しておるときは、力でお役に立ちましょう、武力を持っていきましょうという発想はできなかったけれども、今国連が決議をして平和維持そして実効性を高めるためのいろいろな努力があるときには、武力に頼らない、武力行使を目的としない限度における協力は、憲法前文においてもこれはやらなければならぬ責務であると日本国憲法に書いてあるのですから、このことを十分踏まえてやらないといけないと思います。
○鈴木(宗)委員 私がなぜ三十年前の話をしたかといいますと、私は当時は小学校の六年生でありまして、昭和二十三年生まれでありますから、子供心にあの安保騒動だとかデモというものが記憶に焼きついておるわけでありますけれども、ここに、総理、昭和三十五年の議事録があります。これは社会党を代表して黒田壽男さんという方が演説をぶっているんです。当時の議長は清瀬一郎先生でした。そこでこう言っているのですね。 簡単に言いますと、「新安保条約によりまして、駐留米軍のために戦闘行為に入らなければなりません。わが国は、戦争の巻き添えを食うというだけではなくて、新安保条約のもとでは、当然に戦争の当事国とならなければならないのであります。」云々、こううたっているのです。私は、今国会の冒頭での、あの土井委員長が、海部首相は日本の若者たちに戦場で血を流すことを求めるのかという発言がありましたけれども、三十年前の黒田さんの話とさして変わってない。しからば日本の議会制民主主義は不幸だなということを私は痛感したのです。 そういった意味でも、私は、今新しい国際秩序をつくろうとしている、その中にあって日本が何をなさなければならないか、しからば、やはり形で、目に見えたものでやらなくてはいけないというのが国際社会からの要望でないかと思っているのです。また、日本の義務でないかと思っているのです。そういった意味で、私はこの法律案はぜひとも通して、国際社会に貢献していくべきだ、こう思っているのです。 そして、この法案が出ましてからは、外務省の一部の人たちからは、近隣諸国に対する配慮もしなくてはいけないだとか、あるいは近隣諸国の動向をも見きわめなくてはいけないという話もありました。日本は国連中心外交でありますから当然のことでありますけれども、しかし、間違ってはいけないのは、私は、日米安保体制、日米を基軸としてやっていくということは最大の基本でないかと思うのですけれども、この点、総理、いかがでしょうか。
○海部内閣総理大臣 御質問の中に二つの視点があると思うのです。 一つは、日本が戦後一番大切な外交の指標軸にしてきたのは日米関係であります。これはさきの安全保障の問題のみならず、相互の経済関係にしても、あるいは自由と民主主義という日本の戦後一貫して貫いてきた価値の問題にしても、みんなアメリカと共通し、そしてアメリカと親密な関係でやってまいりました。それはそのとおりであります。ですから、これは日米安保条約にも書いてありますように、やはり国際社会というものがきちっとできるまで、安全保障の制度とか国連の機能とかいろいろな問題について、日本とアメリカとは安全保障の面でも経済協力の面でもその他の福祉の面でも、ともに条約でやっていこうと両国で決めておるわけでありますから、これが一番大切な二国間関係であることは間違いありませんし、また今日、世界のあるがままの姿を見ても、粗っぽいことを計算しますと、大体二十兆ドルという世界の生産の中で五兆ドルがアメリカ、三兆ドルが日本なんです。ヨーロッパ全部集めて五兆ドルですから、日本とアメリカの関係がどれほど 世界で大きな二国間関係であるか、経済的な面からだけでも言えると思うのです。 それは単に日本だけじゃなくて、今お触れになったアジアの国々のことを考えますと、日本は去年一年でアジアの国からいろんなものを輸入しましたけれども、総計六百四十億ドル輸入しておるのです。日本の力がなくなって、日米関係がおかしくなって、日本の経済がおかしくなって買うことができなくなると、アジアの国々が日本に市場として売っておったものが売れなくなれば、アジアの国々にも悪い経済的な影響がまた間接的に響いていく。日本の立場というのはもう一国だけで議論できない。相互依存関係が非常に強くて、特にアジアとは関係が深く強いということであります。ですから、そのアジアの国々の懸念を生まないためにと言いますが、アジアの国々に対しては、歴史の反省に立って二度と侵略戦争はしません、二度と軍事大国にはなりません、誓いを立ててやってきたのがきょうまでの日本の態度であり、その日本の態度、立場がアジアの平和と安定に役立ってきたことは、これはもうだれしも認める事実だと思いますから、このことについては大切に考えていかなければならぬのは当然であります。 日本がほしいままに、何十年か前のように勝手に、あそこへ出ていく、ここへ出ていくというような誤りは二度と繰り返しませんということは誓っておるわけですし、この法案の大前提をお読みいただくと、国際連合の決議に従って平和と秩序を守るためにやろうとする行為に対して日本が協力をするということで、世界の秩序、国連の決議というものが大きく前提として出てくるわけですが、その国連の決議を決める場所には、中国も常任理事国として、ほかのアジアの代表も入っていらっしゃるわけですから、これは世界の秩序の指さす方向に日本ができるだけの平和協力をするという考え方の平和政策でありますから、決して矛盾するものではないと思いますし、鈴木先生の考え方、私もそのとおりだと思いますから、どうぞ御理解を深めていただきたいと思います。ありがとうございます。
○鈴木(宗)委員 総理、私が言いたいのは、とにかく外交、世界の国と仲よくする、これは当然のことです。平和外交、国連中心外交、結構です。ただ、その中にあっても日米関係が特に大事だ。資源なき日本が生きていくためには、本当の仲間はだれか、本当の同盟国はだれか、本当の友好国はだれかということを考えなくてはいけないということを私はあえて言いたかったのであります。 それで、国連協力という言葉が出てきましたから私は一つお尋ねするのですけれども、この国連協力という場合、私は一つこれは引っかかるものがあるのです。それは敵国条項の話であります。 敵国条項が残っているところに何でまた協力しなければいけないかなという私は若干の気持ちもあるのでありますけれども、私は、少なくとも、今あのヨーロッパの動き等も見るときに、ドイツも統一されたということを見るときに、何とか国連では敵国条項、これは外してもらいたい、また、その主張を強くやるべきだし、速やかに解決をしてもらいたいと思うのですけれども、この点、外務大臣に私はお尋ねをしたいと思います。
○中山国務大臣 国連憲章に申します旧敵国条項は、第二次世界大戦後の経過的な規定として挿入をされておることは御存じのとおりであります。日本が国連憲章四条に言う平和愛好国として国連に加盟が認められて、国連加盟国として我が国との間の関係が憲章第二条、なかんずく主権平等の原則によって規律されることになった以上、日本にはもはや旧敵国条項というものは適用されていないと私どもは認識をいたしております。 私どもは、昭和四十五年、第二十五回総会以来、たびたび国連総会の場でこの旧敵国条項の排除の主張をいたしてまいりましたし、先般の九月の国連総会におきましても、日本政府としてそのようなことを申し上げてきた次第でございます。この国連憲章の中で旧敵国条項を排除するということは、国連憲章そのものの一部改正をしなければならないわけでございまして、非常に大きな手続が要るわけでありますが、日本が経済大国として国際社会で友好関係を維持していくという中で、世界は日本に対する大きな期待を持っておりまして、いろんな国から常任理事国に移行したらどうかというような声まであるわけでございますから、私どもといたしましては、この敵国条項の削除ということに今後とも努力をしなければならないと考えております。
○鈴木(宗)委員 外務大臣、この旧敵国条項がある限り、これは、日本は常任理事国にはなれないでしょうか。
○中山国務大臣 この常任理事国の増加等、数が制限されております、国連では。これを増加するということが今一部国家の間では議論をされております。例えば、ドイツの統一が成って、旧敵国条項の対象国としてはドイツはもう既になくなったわけでありまして、そういう意味でこれから安全保障理事会の理事国をどうするかという問題はいろいろと議論が起こってくるだろうと思います。
○鈴木(宗)委員 私は、先ほど総理が憲法の前文に、我が国は「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」この前文を考えるときも、この敵国条項があるということはやはりひっかかるのです。ですから、何としても削除してもらいたいし、そしてやはり常任理事国にも将来はなりたい、そのためには、こういった本法案を成立させて国際社会の中で貢献しなくてはいけないのではないかと思うのですけれども、どうでしょうか。
○中山国務大臣 日本は、国連に対して約九千万ドルの拠出をいたしておりまして、資金的には世界で第二位の拠出国であります。しかし、資金を提供するというだけでは国際社会では信用というものはさほど大きな問題ではございません。やはり、汗をかいて国際社会に協力するということが必要でございますので、ぜひ本法案の成立をお願いしたいと考えております。
○鈴木(宗)委員 外務大臣、ですからこういった法案を成立をさして国際社会で貢献することが、この敵国条項の削除にもつながるし、また将来の常任理事国になれる可能性を持つものだという理解をしていいんですか。
○中山国務大臣 お説のとおりであります。
○鈴木(宗)委員 私は、しからば憲法を守れ、憲法を守れと言う人たちにあえて伺いたいのは、憲法の前文に、我が国は国際社会の中において、名誉ある地位を占めたいと思う、しからばきちっと私はこの憲法の精神も、前文も九条以上に守っていく必要があるのではないかと思っているんです。そういった意味でも、私はこの法案はぜひとも成立をさせなくてはいけない、こう思っております。 そこで総理、この法案の中に自衛隊の海外派遣が入っている、そのことでいろいろ議論されておりますけれども、自衛隊を派遣するということについて、どういう認識で入れたんでしょうか。
○海部内閣総理大臣 我が国の平和政策の中で、要員も派遣して汗も流す、そういういろいろな業務というものを想定して考えますと、やはりこれが実際に有効に達成されるような仕組みを用意していかなきゃならぬ。そこで、自衛隊のある、長年の蓄積された組織とか訓練によって培われておる技能とか、いろいろございます。そういったことを慎重に判断して、自衛隊に参加をしてもらって、こういった協力をしてもらうことがふさわしい、望ましい、こう考えましたので、政府部内で検討の結果、自衛隊にそのような理由からぜひ参加をしてもらおう、こう思ったわけでございます。
○鈴木(宗)委員 総理、そのために「自衛隊員の身分を併せ有する」ということにこの法律ではしたわけですね。
○海部内閣総理大臣 そのために「併せ有する」としたということであります、一言で言うと。それは、業務には、例えば輸送協力のときの船の動かし方とか輸送機の飛ばし方とかいろいろあるわ けですが、それは一朝一夕に、飛行機だけつくったり船だけつくってもできない。日ごろそれを訓練として操艦し、動かし、その練習していらっしゃること、その組織があること、そういったことは実際的に効果的な協力活動をするというときには最も有効ではないか、他にまねのできない技術ではないか、こう判断したのであります。
○鈴木(宗)委員 今総理の説明でよくわかるんですけれども、きのうまでの議論を聞きますと、これはもちろん野党の議論でありますけれども、何か部隊でもって派遣する、いや自衛隊員を行かせることは戦わせることだ、いや危険だ、危ない。もう私は短絡的な議論でしかないと思っているんですね。この点、私はもっとやはり国民にきちっと知らしめないといけないと思っているんです。 そして、総理、私はもう一つお願いしたいのは、危険なところには行かせないという話がたびたび出ております。しかし、危険に遭うかもしれないということも裏を返せばあるわけですから、そのためには、やはり行かせる以上、勇気と誇りを持って行けるだけの私は環境整備をしてあげなくてはいけないと思っているんです。しからば、この法案の中で、第二十四条に、この「平和協力隊の海外派遣に係る」云々の中で、「平和協力手当を支給することができる。」処遇の面ではたったこの一項しかないんですね。私はこれでは少しかわいそうじゃないかと思っているんです。あるいは、万が一のときの補償もないと思っているんです。この点、防衛庁長官、防衛庁としてはどんなお考えでしょうか。
○石川国務大臣 お尋ねの件でございますが、国連平和協力隊法というものが成立すれば、その本部長の要請を受けて、命によって部隊等及び自衛隊員を平和協力業務に参加させる立場にある私といたしまして、場合によっては厳しい環境の地域に勤務することとなる自衛隊員に対し、勤務の性格に応じた相当の手当が支給されるほか、万一災害に遭った場合の補償が十二分に措置されていなければならない、かように考えております。したがいまして、国としての処遇面においてしかるべき配慮をするとともに、国民の皆様の理解のもとに隊員が誇りを持ってその業務に従事できるようなことが最も重要なことである、かように考えて努力をしてまいりたい、かように思います。
○鈴木(宗)委員 きのうまでのこの委員会での質問の中で、例えば外務大臣答弁、大蔵大臣答弁の中でも、その協力手当は検討中である、相当な額を出すという話も聞いております。さらには、この公務災害補償の場合いわゆる現行の五割増、これもまあまあ考えておるという話をいただいておりますけれども、私は、そのほかにやはり大事なことは、賞じゅつ金制度の創設も必要でないかと思っているのです。 さらにもう一つ、医療費の問題です。例えば海上保安官なんかは、あれは三カ月間は全額国で面倒を見るというような制度もありますから、少なくともこのぐらいのことは平和協力隊員にはやってやらなくてはいけない、こう思うのですけれども、この点いかがでしょうか。
○中山国務大臣 手当等につきましては、この平和協力隊に参加をお願いする各省庁等の関係も十分検討いたしました上、協力隊の方々が安心して業務に従事できるようなことを十分配慮しなければならないと考えております。
○鈴木(宗)委員 外務大臣、しからばこの法案が成立するまでにはきちっとそういった政令等は決めるということで理解してよろしいのですか。
○赤尾政府委員 ただいま先生が指摘されましたいろいろな事項のうち、政令等でできますもの、あるいは人事院規則等でできますものは、できるだけ施行までに間に合うようにしたいと思います。 他方、ただいま言われました各事項のうち、医療費の問題がございます。これにつきましては、法律上の手当てが必要な場合には、その法律の改正も含めて検討しなければいけませんので、法律上の手当てができ次第ということになるかと思います。
○鈴木(宗)委員 これは赤尾さん、再度お願いしておきますけれども、例えば平和協力手当の問題につきましては、少なくとも、いわゆる外務公務員は、今、皆さん方がいわゆる基本手当をいただいていますね、外国で勤務すると。そのレベルにはしてほしいということなんです。さらに医療費なんかも、例えばサウジなんかは高い。しからばその負担は大変だということですから、そこいら辺もきちっと面倒を見てもらいたいということ。さらにはこの公務災害では五割増しをいただきたいし、例えば賞じゅつ金制度にしましても、これは自衛隊と警察官あるいは消防士ではもう雲泥の差なんです。一つの例を言いますと、賞じゅつ金では、自衛隊は一千七百万しかもらえない。しかし警察庁だとか消防庁は七千五百万なんです。ですから、ここいら辺はきちっと横並びといいますか、やってほしいということを私は具体的にお願いしたいのです。どうですか。 〔委員長退席、西田委員長代理着席〕
○赤尾政府委員 平和協力手当につきましては、鋭意関係当局の方と御相談しているところでございます。 きのうも申し上げましたけれども、平和協力隊の方が海外に派遣されます場合には、本俸、いわゆる現給保障とあと出張旅費の考えがございますので、それプラス、今、平和協力手当ということでございますから、外務省の在外勤務の場合の基本手当と違った構成で考えておりますので、その点御了解を得たいと思います。 あと、賞じゅつ金制度につきましても、鋭意検討させていただきたいというふうに思います。 医療費につきましては、共済組合法の関係とかいろいろな法律の関係がございますので、これは関係省庁と非常に慎重な検討を要すると思いますが、いずれにせよ、いろいろな手当てを考える必要があるということは同感でございます。
○鈴木(宗)委員 大蔵大臣もおられますから、やはりお金を出すのは大蔵省でありますから、実力大蔵大臣にその裏づけをぜひともお聞きしたいと思います。
○橋本国務大臣 今、基本的に国連局長が答弁をされたことに尽きると思います。 ただ、問題は、今委員が提起をされましたのは、主として国家公務員を中心としてお述べになったわけでありますが、実は、この手当並びに、例えば医療費と例示を挙げられましたようなケース、地方公務員が協力隊に応募をしていただいた場合、地方公務員の給与体系と国家公務員の給与体系との違いがございます。また、お医者さんあるいは看護婦、看護士さん、民間から応募をしていただきました場合、それぞれの方々が現に得ておられる収入とこの関係をどうするかとか、技術的には相当な問題がございます。 いずれにしても、問題意識を持ちながら誠実に対応してまいりたいと思います。
○鈴木(宗)委員 これは恐らく外務省でまとめると思いますから、とにかく、外務大臣、例えば在勤基本手当なんというのは、防衛庁の感覚でいきますと、給料の一割とか二割とかになりますと、行く人たちは大体若い人が行くわけですから、十四万円だとか十六万円の給料のクラスの人が行きますから、一割もらってもたった一万六千円だとか一万四千円の話なんですよ。ところが、外務省の場合は全然けたが違うんですね。数字を言うと、資料はありますけれども余りにも差があり過ぎるから言いませんけれども、そこいら辺は同じ公務員なんですから横並びでお願いしたいですよということなんです。ですから、これははっきりと、手当の問題、さらには医療費の問題、あるいは公務災害補償の問題、賞じゅつ金の問題については、きちっと法案成立までにやるということを私は外務大臣の口からお聞きしたいと思います。
○中山国務大臣 今委員御指摘のように、この協力隊員に対する給与、手当、補償等の問題は極めて重要な問題が含まれておりますので、この法案の成立に並行して、私どもは積極的にこの充実をさせるように現在努力中でございます。
○鈴木(宗)委員 総理、私はきのう、ある民間会 社の、人質になっている方の奥さんから請願書を受けて、またいろいろ陳情を受けました。その方には、八月の二十九日の日付で九月の中ごろ御主人からの手紙が届いたそうです。九月の四日の二回目の手紙が十月の十日ごろ届いたそうであります。相当の期間がかかって手紙が来ているのですが、元気にやっているという中身と、とにかく家族のことを心配しておられるのでありますけれども、何といってもこの人質の場合は、私は、家族の身になってやらなければいけないと思っているのです。 そこで、私は、きのう来た奥さんには感心したのですけれども、サダム・フセインにも手紙を出したそうです。あなたが侵攻してきたからこんなことになってしまったのだから、あなたは早速引き揚げなさい、こういう手紙を書いたそうです。まあサダム・フセインがそれをいるかどうかわかりませんけれども、私は、大した奥さんだし、これは大した考えでないか、こう思ったのです。そういった意味で、この奥さんから特に言われましたことは、在イラク、在ヨルダン大使館のスタッフを強化してもらいたい、そして、とにかく状況を逐一わかるようにしてもらいたいという話がありましたけれども、この点、外務大臣どうでしょうか。
○中山国務大臣 委員御指摘の家族の方々に対する連絡あるいは情報の提供等は極めて重要なことでございますので、外務省としては全力を挙げてやっておりますし、やらせていただきたいと思っております。 なお、現状につきまして領事移住部長から報告をさせます。
○久米政府委員 お答えいたします。 現地で拘束されておられます方々の家族につきましては、東京で連絡網をつくりまして、所属会社との間で連絡網をつくって毎日情報を提供いたしております。それから、現地におきましては手紙及び若干の医薬品、衣類、食糧等の差し入れにつきまして九月の初め以来鋭意努力をしておりまして、現在までに九百通以上の手紙のやりとりが実現しておりますし、差し入れにつきましてもこれまで九回ほどの差し入れを現地で行っております。
○鈴木(宗)委員 今領事部長の話によりますと、会社を通じて人質の家族に連絡をとったり情報交換をしているということを言っておりますけれども、私はそこら辺が外務省はちょっと不親切でないかと思われるゆえんだと思うのです。一生懸命やっていると思うのですよ。ところが、やはり私は、外務省の人が直接その留守家族等に最新の情報だとかあるいは正確な情報を知らせることがまた安心感を持たせるであろうし、そのことがまた家族を納得させる一つの手だてでないかと思うのです。外務大臣、この点、私はこの人質の連絡だとかあるいは情報提供というのは緊密にやってもらいたいし、外務省の職員みずから汗を流してもらいたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○久米政府委員 ただいまの私の御説明でちょっと言い落としておりましたけれども、こちらで家族に対しましてもこれまで既に九月にワンラウンド個別に小さなグループでいろいろな情報をお話しすると同時に、先方の御意見も伺うということで情報交換をやっておりまして、第二回目のラウンドを今ちょうど昨日から実施を始めたところでございます。
○中山国務大臣 委員御指摘の点は、外務大臣としても、全力を尽くすように外務省全員に指令をさせていただきたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 これは外務大臣、特に在イラク、在ヨルダン大使館のスタッフの充実、さらにこれから冬になるそうですから、例えば食糧だとかあるいは着る物の確保だとかを家族は心配しておりますから、そこら辺もきちっとやってもらいたいと思います。 なお、家賃等の支払いなんかもスムーズに行える送金ルートをつくってほしいという点もありましたから、細かいことは後ほど資料でもって要求しておきますけれども、きちっと対応してもらいたい、こう思います。 そこで総理、きょうの朝のニュースによりますと、イラクに対して中曽根元首相を特使で派遣するような報道がありましたけれども、そのような方向で進んでいるのでしょうか。
○海部内閣総理大臣 イラクの方の招待で、中曽根元総理のところにイラクに来てほしいという要請があったということを私も連絡を受けて承知をいたしております。 前回も申し上げましたように、私がラマダン副首相と会って話しました後で、二国間の対話は続けていきたいということは共通の認識で合意しておりますし、また中曽根元首相の件のみならずほかのルートにおいてもいろいろな御努力があり、現に我が党の前議員が一人ただいまイラクに入っていらっしゃることも御承知のとおりでありますけれども、あらゆるレベルの対話を通じてこの問題が平和的に解決するように粘り強く努力をしていくというのが私どもの基本的な考え方でございます。
○鈴木(宗)委員 この人質問題は一部の報道なんかによると、家族の人たちも非常にショックを受けておりますし、またやはり自分の御主人はと、こういう思いが強いものですから、何かしら政府の対応が遅いだとか政府の対応が悪いからこんなことになっているのでないかという話も聞かれますので、私は、やはりできるだけの手は速やかに打ってもらいたい。例えばイラクから中曽根元総理に対する要請があるならば会うという、またそういったコンタクトがあるならばできるならばやってもらった方がいいと思うのですね。この点どうですか。
○海部内閣総理大臣 あらゆる努力を積み重ねて、また、いろいろなレベルの対話を通じて粘り強く話し合いを続けていきたいということをラマダン副首相とも共通の認識を持っておりますし、また、あらゆる努力をこれからも積極的に続けていくつもりでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○鈴木(宗)委員 私は、この人質問題で、やはりアメリカはすごいなと思ったことが一つあるのですね。それは、十月八日付のニューズ・ウィーク誌に米国の人質の一人が、「ブッシュ大統領の湾岸政策が人質問題により左右されるようなら、大統領は職責を果たしていない。自分も命は惜しいが、必要とあらば軍事介入してもやむを得ない。一たび人質で屈服すれば、将来もっと多くの人質の犠牲が出るというのが歴史の教訓だ。」人質がそう語っているのですね。私は、ここにアメリカのすごさといいますか、アメリカの責任感というものを感じるのです。そういった意味でも、今日本の人質の家族の皆さん方も大変御苦労しているし、心配だと思いますけれども、日本政府も一生懸命やっているんだということを――そしてこういった法案を成立をさせて国際貢献をして、そして国連中心できちっとした決議にのっとってやっていけば、私は必ずフセインを屈服させることができると思うのですね。そういった意味でも、この法案の成立は私は大事だと思うのです。 総理、次の予定があると思いますから退席してもらって結構ですけれども、どうか総理、いま一度この法案に取り組む総理の不退転の決意を私はお聞かせいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 今回の湾岸危機によってもたらされておるいろいろな原因は、御指摘のようにイラクのクウェートに対する侵略、併合というあの行為によって巻き起こされておるということは事実でありますから、原則に従って、国連の決議に従ってこの問題が解決されることを心から願っておりますし、その平和的解決のためにイラクが撤退という行為に入ることが、これが局面を打開していく入り口になるわけであって、それを実現させるために今国際社会が力を合わせて経済制裁を行っておる。その局面の打開ができれば、今長時間御議論になった邦人を含む多くの人質にされておる方々のことや御家族の心の痛みも、根本問題とともに全部すべてが片づくわけでありま す。我々は、その問題について正面から取り組んでいくと同時に、現実の人質の問題についてもあらゆる角度で政治的な努力を続け、対話を続け、目的を達成するためにやっていかなければならぬと決意をして、また、現にいろいろなことをやっておるわけでありますから、どうかそういった意味で、今回お願いしておりますこの法案も、日本の新しい世界秩序の構築に向かってどのような平和政策で貢献していくかということを決める大きな一つの節目でありますから、御理解をいただいて、ぜひとも成立させていただきたいという私の強い気持ちをお願い申し上げておきます。
○鈴木(宗)委員 総理、次の予定があると聞いておりますから、どうぞ退席してください。 外務大臣にお聞きしますけれども、きのうまでの議論の中で、この多国籍軍の位置づけなんですけれども、何かややもすると多国籍軍が軍事行動を起こすんじゃないか、勝手に何かするんじゃないかというような議論もありました。しかし、別の観点からとらえるならば、速やかにあの多国籍軍が行動したからこそサウジにもイラクが侵攻しなかっただとか、あるいは最小限のリスクで終えることができた、こう私は思っているのですけれども、外務大臣はどうお考えでしょうか。
○中山国務大臣 先般、私が中東五カ国を訪問いたしましたときに、各国の首脳からいろいろとお話を承りました。当時のサウジアラビア独自のいわゆる軍事力をもってしては、イラクがクウェートに進駐したこの軍隊の数は十万を超えている、戦車は千両を超えているという話がございまして、一挙にサウジの油田地域は占拠されるおそれがあった、こういうことでございまして、このサウジに展開している多国籍軍がもし展開をしていなかったならば、恐らくこの地域の混乱というものは想像を絶するものになっていただろうと私は考えております。
○鈴木(宗)委員 外務大臣、特に日本の場合は石油の依存度が高い、もう一〇〇%海外に頼っているのが実情ですね。もしあのとき本当に多国籍軍が行動しなかったならば日本の経済はどうなったであろうか、これから冬に向かって我々の生活はどうなったであろうかと思うと、本当に恐ろしい感じがするのですね。この点、当委員会の議論の中でも、多国籍軍は危険なものだとか、多国籍軍は危ないものだという議論よりも、多国籍軍は日本に対しても大変な貢献をしているのだという理解をしないと、私はいつの日か日本がそのリスクを負うことがあるのでないかと思って心配しているのですね。そういった意味でも、私は、この多国籍軍に対する支援も大事でないかと思っているのです。その点、大臣、どうでしょう。
○中山国務大臣 多国籍軍が兵器を持たずにあの地域に展開をしていたら、恐らく巨大な軍事力を持ったイラク軍の侵攻というものはこれをとどめることはできなかったと思います。そういう意味で、多国籍軍がここに展開をして膨大なイラク軍の侵略を防いでいるということ自身が我が国の国益にも通じますし、まず国際法を遵守するという国連の決議を堅持してイラクの撤退を促すということに大きな効果があったと私は思っております。一日も早くこの多国籍軍の展開している効果が上がって、イラクがクウェートから撤退をするということ、人質を解放するということが私どもの一番大きな念願であるということもこの機会に申し上げておきたいと思います。
○鈴木(宗)委員 同時に外務大臣、多国籍軍に日本も協力をする、できるだけの協力はするということが大事でないのでしょうか、この点はどうなんです。
○中山国務大臣 国連決議を受けて、その実効性を確保するために多国籍軍を含めて援助をするということは、極めて重要なことであると認識をいたしております。
○鈴木(宗)委員 外務大臣も、この点やはりもっと多くの人にそういった実態を知ってもらうこと、この点私は努力をしてもらいたいと思うのです。日本が何も行動しない、そして何も国際社会において貢献しない、私は国際社会の中で孤立化をするのでないかと思うのです。 そこで、私は外務大臣に伺いますけれども、本当はこれは総理大臣にお聞きしたかったのですけれども、このまま日本が何もしなかった場合、日本は安全であるでしょうか。どうでしょう。
○中山国務大臣 私どもは、貿易量においても一〇%近い世界貿易の中の比率を占めておりますし、GNPも世界では一四%ぐらいのGNPを保持しております。それはほとんど貿易国としては資源を海外に依存し、商品を販売しなければこの国の国民は豊かな国民生活を維持することはできない。つまり、国際社会で孤立をし、国際社会からつまはじきをされるような国家になれば、国民生活自身が疲弊に陥るということも私どもは十分念頭に置いて、これから国際社会の中で貢献をしなければならないと考えております。
○鈴木(宗)委員 私は、油は使いたいわ、電気も使いたいわ、しかし何もしたくないわ、これではやはり世界は納得しないと思うのです。ですから、油も順調に入ってくる、それでつくったものも順調に売れる、こういう状況をつくるためにも私は国際社会における貢献、貢献という言葉よりも私は義務でないかと思っているのです。この点、大臣、どうでしょうか。
○中山国務大臣 私は、この百数十カ国ある国際社会の中で、日本がG7と言われる国になれたのも、平和があり、そして各国との通商が順調に行われてきて、その結果、我々の国は今日の名誉ある地位を占めることができたと思います。そういう意味では、国際社会に対して貢献をするということは、我々の国民にとっても国家にとっても国際社会に対する一つの責任であろうと私は考えております。
○鈴木(宗)委員 ぜひとも外務大臣におかれましては、そういった立場でこれからも頑張っていただきたいと思います。 防衛庁長官にお尋ねしますけれども、この国連平和協力隊に自衛隊が参加するわけでありますけれども、防衛庁としては、自衛隊にとってこの参加がどんな意義があると思っておりますか。
○石川国務大臣 私は二つの点から申し上げたいと思います。 一つは、今回のこの法案が成立されれば我々自衛隊はこれに参加するわけでありますが、それによっての今の御質問の意味、意義ですね、それはやはり、自衛隊だけに限るわけではございませんけれども、自分の仕事というか業務というか、そういうものが、国家なりあるいは大きくは世界の中でこれが寄与できるということは、私は、どなたも、これは非常に生きがいといいますか、そういうことは大変強く感ずることではないかと思うのです。そういう意味からいって、今回のこの法案の成立の上には、自衛隊がそれに参画をして、そして今鈴木委員がるる述べられたように、将来の国益をはかった場合に、やはりまた国際的な正義の立場からいっても、こういう平和協力のために参加をするということ自体が大変私は意義がある、こういうふうに思います。 それからもう一つは、従来までも行ってきたわけでありますけれども、我が自衛隊というものは災害のたびに国内に出て、いろいろと災害救助をしております。そのためには非常に国民からこれが評価されているわけでありますが、今回は、それがさらに国際的な立場に立ってのそういう面での貢献ができるとするならば、私はそういう意味から、その作業を通じて国民にさらに自衛隊というものの実態をよく理解される、こういう点からいっても私は意義あることではないかな、かように思います。
○鈴木(宗)委員 この法律案の審議の中で、どうしても法律論重視の結果、もう自衛隊といえば何か戦闘的だ、すぐ武力行使だ云々という議論になりますけれども、私は、そもそも今自衛隊は、台風が起きれば、何か災害が起きれば、イの一番に駆けつけるのは自衛隊員なんです。例えば日航機のあの御巣鷹山での事故のときでも、だれよりも先に行ったのは自衛隊員なんです。それで一番厳しい状況で厳しい作業もしてきているのですね。 当委員会での議論の中で、自衛隊を否定したり日米安保条約を否定している人たちに限って、何か災害が起きたときは自衛隊が来るのが遅かっただとか、自衛隊は何をしているかという議論なんですね。この点、私は極めて無責任な議論だと思っているのです。そういった意味でも……(発言する者あり)具体的に言えという声もありますけれども、あの日航機の事故のときもそうですよ。もう半日早く自衛隊が行けばなんという話は、よく自衛隊を否定している人に限って言っておったものですから、私はあえて言っているのですけれども。 そこで防衛庁長官、大事なことは、自衛隊員に私は誇りだとか勇気を持たせなくてはいけない、そのためのまた処遇の問題なんかはまだまだ落ちている。この点、私は、予算の面でも、士気向上のためにもしっかりと防衛庁長官にやってもらいたいと思いますけれども、どうでしょうか。
○石川国務大臣 先ほどの質問にもお答えいたしましたように、やはり自衛隊が国のために働くということが国民に理解されるということは、私は非常に大切なことだと思っております。そういう意味からいっても、今回この法案の中で自衛隊が国際的な平和、安全のためにいささかなりとも寄与できるということは、私は非常に自衛隊のためにも大きな意義がある、このように理解をしているわけでございます。
○鈴木(宗)委員 時間ですから終わりますけれども、どうか外務大臣、「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。」私はこの憲法の前文を大事にしたいと思っているのです。そのためにも、日本外交というものはもっと世界に羽ばたかなくてはいけないし、それなりのまた貢献よりも義務をしていかなくてはいけないと思っております。このことを最後に訴えて、私の質問を終わります。
○西田委員長代理 次に、杉浦正健君。
○杉浦委員 このイラク侵攻という緊急事態で、降ってわいたようなことから世界的に大問題になっておるわけでありますが、総理初め内閣閣僚、関係政府当局者、大変な御苦労をなさっていることにまず敬意を表したいと思います。 ともかく戦後四十五年、平和な時代に生きて一生懸命みんなで努力をして繁栄を重ねてきた。そういった中でこういうふうに世界情勢が流動化するとか、あるいはこんな事態が起こるということはついこの間まで予想されなかったことでありまして、どなたが政治の衝に当たられようとも極めて難しい困難な事態である。国民も心の準備もできていない。本件は政府・与党から提起されておるわけでありますけれども、こういう準備もできていない、体制もできていないということでありますので大変御苦労なさっておるわけでございます。我々も大いに頑張ってまいりますので、ひとつ今後とも大いに御努力賜りたいと思う次第でございます。 私は、きのうからこの委員会の本格的論議が始まって、各委員から熱心な質問がなされ論議がなされておりますが、今までの委員の方とちょっと違った角度から幾つかお尋ねをしてみたいと思います。 それは、我が国の基本的な進路と申しますか、国家百年の大計と申しますか、そういう見地でございます。私はかねがね、日本はアジアの一員として国家百年の大計を立てなければならない、それが国家的課題だと考えておる一人でございます。これは幕末の勝海舟、私が尊敬する政治家でありますけれども、この方が幕末の時期に喝破した大局観でありますけれども、今の時代にもそれは生き生きと生き続けておると信じておる一人でございます。そういった角度からこの議論に若干参加させていただき、幾つかのお尋ねをしたいと思います。 まず第一に、我が国がこういった国際状況の中でどういう進路をとるのか、どういう生き方をするのか、国家理念と申しますか、国家目標といいますか、そういうものが問われておるとこの件では思うわけでございますけれども、世界じゅうからいろいろなことを言われるわけであります。いわく、顔のない日本であるとか言われるわけでございます。日本がその国際的地位にふさわしい責任、役割、義務を分担するということが問われておるわけでありますけれども、問題は、日本がどういう哲学で、どういう考え方でそれを遂行するかということであろうかと思います。 例えばODAは既に国費を一兆三千億円も投じ、アメリカを抜いて世界一の援助大国になっており、多大な世界に対する貢献を日本はしておるわけであります。大変感謝されてもおるわけでありますし、成果も上げておるわけですが、そこですら理念がないとかいろいろと批判する向きもないわけではない、これが現実でございます。 そこで、総理初め御退席でございますが、外務大臣にお伺いするところでございますけれども、日本の哲学として、旗印として、世界の百六十五カ国の国連加盟国があり、日本大使館を置いた国が百国近くあるわけですけれども、国際的に通用する言葉で、日本はこういう道を歩むんだということについてどういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 日本がこれからの国際社会にどのような姿勢で臨んでいくのか、国家の哲学とはいかなるものか、このようなお尋ねでございますが、私は国連総会に出席いたしました際における考え方といたしましても、日本政府の基本的な考え方は、平和を志向する国家であるという考え方がこの日本の新しい四十五年の旅立ちの中に生まれてきた国家の理想であり、国民の合意であるということを一つ申しております。 〔西田委員長代理退席、委員長着席〕 またもう一つは、発展途上国に対する経済協力をやる経済国家として生きていくことが一つの大きな考え方であろうかと思います。また、各地の紛争の起こる火種を消すためにも、国際的に文化の交流を進めるために日本は協力をするということも一つ申しておりますし、また、一方では、地球環境の保全のために、日本は経験した公害の排除に関する技術と資金を提供していこう、こういうことも訴えております。 私どもはそのようなことを国家の基本哲学として、アジアの一国としてのみならず、世界の経済大国と評価されるG7の一国としても、国際的な責任を果たしていかなければならないということを考えております。
○杉浦委員 ただいまのお話をお伺いして、全く同感をいたしたわけでございます。世界には本当に考え方も違う、価値観も違う、皮膚の色も違う、たくさんの民族があり、国家があるわけでございます。そういう人たちに共通に理解し得る旗印が必要だ。今、外務大臣が申されました平和、これはその一つの大きい旗印であろうと思います。 徳川家康は、私の郷党の大先輩でありますが、「厭離穢土欣求浄土」という旗印を掲げまして天下統一を戦ったわけであります。フランスが革命の際、自由、平等、博愛というスローガンと申しましょうか、掲げましたし、それからアメリカの場合は民主主義と人権でございましょうか、非常に世界の人々からわかりやすい旗印を持って、そのとおり行動しておられるわけであります。私は、日本が一つの旗印としてぜひとも平和という旗印を掲げ、それを世界に広めるということで徹底すべきだと考えている一人でございます。 もう一つは、今大臣が御指摘されましたが、ODA、援助ということであろうと思いますが、これは私もODAに一生懸命やっておる人間としていつも思うのですけれども、日本が、特に明治維新以来営々と努力をして、有色人種としてともかく百二十年間で唯一先進国の仲間入りした。この努力の根本は、やはり自助であり自立だろうと思います。開発途上国で最も欠けているものといったら、失礼になるかもしれませんですけれども、いろいろな国を回ってみて、やはりその点において日本がすぐれておったなあ、歴史的にそう思うわけでございます。私は、個人的には自立自助、この旗も高く掲げて、特に開発途上国に協力して いくべきであると思っておりますが、この理念に関しては、大臣、いかがでございましょう。
○中山国務大臣 委員はかねて発展途上国を訪問されて、我が国の経済援助に対する相手国の現状を御視察いただいていることに私はいつも敬意を表しておりますが、私どもが経済協力をいたします場合にも、我々が体験したことを必ず申しております。それは戦争に負けてから、我々資源のないこの国が、膨大な人口を抱えて、いかにして生きるかと考えたときに、この残された七千万の国民が持っていたものは、みずから立ち上がろうという強い意欲と、みずからがみずからの国家をつくるために努力をしなければならないという考えであった、どうか、日本から経済協力を受けられる国々も、日本の経験と考え方を十分踏まえて努力をしていただきたいということを必ず申しておりまして、今委員お尋ねの点は私も全く同感でございます。
○杉浦委員 この現在提案されております平和協力法も、その考え方との関連で出されていると思うのでございますが、私は、どういうような位置づけかお伺いしたいと思うのですけれども、きのう、おとといと拝聴しておりまして、特に野党の方々、国民の中にもそういう懸念があるわけですけれども、日本が平和という看板、旗印と違った方向に行くおそれがあるのではなかろうかという点を危惧されている面があると思うのですね。そういった点、本法案が仮に成立した場合でも、それを運用される場合でも、絶えず日本が国際社会に対して平和国家として生き抜くんだ、そういう姿勢がはっきりと理解できるように運用されなければならないし、御理解をいただかなければいかぬと思うのですが、そのあたりの位置づけをどうお考えでございましょうか。
○中山国務大臣 平和を理想とする国家として、我々は憲法の規定によって交戦権を放棄しております。こういうことが国民の合意事項であり、我々は再び他国を侵略しないということも、我々の国民全体が心の中にかたく誓っていることであります。 そういう意味で、この国連平和協力法というものがそういう国家の理想とどういうかかわり合いになるのかということをお尋ねでございますけれども、私は、これからの国際社会というものは、この二十一世紀を迎えるに当たって今世紀はどうだったかというと、それは対立、対決、戦争の世紀であったと言われると思っております。次に迎える世紀は平和な世紀でなければならない。そして協力と協調の世界でなければならないと考えておりますけれども、そのときに、もしどこかの国が侵略を起こすということがあれば、国際社会が平和を維持するために、その国の考える侵略の意図を封鎖していくということがこれから求められる時代がやってくるのだろうと思います。つまり、平和にはそれだけの代償が必要であるということを国民も十分御理解をいただかなければならないと思っております。
○杉浦委員 お話をお伺いして大変よくわかったわけでありますが、私は大臣の申されるような見地からして、仮にこの法案が通過して実施される場合であっても、平和協力業務として挙げられているうち、イ、ロ、ハ及びへ、ト、これは大方のところ異論のない分野でございますが、ニの物資協力、ホの医療活動、医療活動も本当に赤十字のもとにその土地の方々の被災者の救済をするとかそういうことでしたら問題ないと思うわけでありますけれども、非常に危険な地域とかそういうところの医療活動、前線に近いところは問題が多いと思います。こういう世界の人の目から見て日本が戦闘行為にかかわりそうだと誤解を招くような行為は、極力最小限に抑制的に、誤解されないように事実上運用していただきたい。 ともかくこの平和協力隊という衣を着て参るわけでありますけれども、自衛隊員が出る、しかも日の丸を持って出るというのは事実でありますから、しかも丸腰近い状態で出るわけでありますけれども、世界の国民の目はいろいろな価値観に彩られておりますので、そこで誤解が生じるおそれが多い。これは野党の委員の多くの方々の御指摘のところでございます。そういう運用をぜひともお願いしておきたいと思う次第でございます。 次の質問に移ります。 次に、本法案とは直接離れますけれども、先ほど申されたような見地、それから全国民そうでありますけれども、やはりこういう日本になって何か貢献しなければいけないとみんな考えておると思うのでございますが、そういう見地から、やはり中長期的な問題についてもこれからは考えていかなければいけないのじゃないかと思う次第でございます。国連の定めるところのいわゆる四十三条の国連軍につきましても、法制局長官の方から答弁があり、政府の御見解もあったわけでありますけれども、この問題についても憲法改正をするとかどうとかではなくて、将来当然考えられることでございますので、十分に研究をし、自民党でも考えなければいけないと思いますが、将来の国連機能の強化ということも当然国連の日程に上がってくると思いますので、引き続き検討してまいるべきことだと思います。 四十三条の国連軍のことについてまず法制局長官にお伺いしたいのですが、長官の御答弁で出てないことでございますが、四十三条の最後のところに、国連軍を安保理でつくることになって、将来の問題で姿が見えないわけでありますけれども、各国との間で特別協定を締結する。それで、その後ろの方に、最後の方に、各国は、締約国はそれぞれの国の憲法上の手続に基づいて批准するということが四十三条の一番最後に規定されておるわけであります。この点は法制局長官お触れになっておりませんですけれども、そういう構造になっておりますので、私はこの問題の議論を伺っておりまして、ちょっと国民に対して誤解を与えたのじゃないかと心配したわけであります。 まず第一に、その特別協定というのは、日本国憲法で定めるところの条約に当たるわけですね。そして条約に当たるとすれば、憲法の定めるところによって国会の承認を要する、批准の手続が要るわけです。私はそう考えておりますが、条約局長いかがでございますか。
○柳井政府委員 お答えを申し上げます。 確かに御指摘のとおり、四十三条の末尾に、憲法上の手続に従って批准しなければならないという規定があるわけでございます。ただいまのところ、いかなる内容の特別協定になるかはわかりませんが、常識的に見ますならば、我が国の今までの憲法上の運用、慣行でございますか、に従いまして、国会の御承認をいただいた上で締結するような条約になるというふうに考えるのが適切であろうというふうに考えます。
○杉浦委員 条約に当たるわけですね。
○柳井政府委員 そのように考えます。ただ、最終的にはどういう内容になるかを精査した上で決めるということになると思います。
○杉浦委員 条約の締結でありますから、国家公務員である内閣は、当然憲法に従ってしか締結できないわけであります。憲法の許さない条約を締結できるわけがないわけでありまして、当然のことながら、現時点で仮に起こるとすれば、現在の憲法の解釈に従って締結するのが内閣の義務であります。そしてそれを、国会の承認を要するということで国会に語られるわけでありますので、違憲でないかどうか国会のチェックも受けるということになるわけでありますが、この点について法制局長官の見解、いかがでございますか。
○工藤政府委員 お答えを申し上げます。 先日から国連憲章の七章に基づく国連軍への我が国の関与の関係につきましては、たびたびお答え申し上げておりますので、その関係は省略させていただきまして、今委員御指摘の国連憲章の四十三条の末尾、今条約局長申されましたように、特別協定は、ちょっと飛ばしますが、「署名国によつて各自の憲法上の手続に従って批准されなければならない。」かように書かれているところでございます。そういう意味におきまして、特別協定の姿が見えないというふうに私は申し上げましたが、特別協定の姿が見えてきたときにはといい ますが、当然国連との間でといいますか、安全保障理事会と加盟国あるいは加盟国群との間で締結される条約につきまして、このような手続に従って行われるということでございますので、そういう意味で、当然いろいろの手続を国内法上踏まなければならないということはおっしゃるとおりでございます。そういう意味での担保はまたあろう、かように思っております。
○杉浦委員 国連の平和機能の強化につきましては、実は私、この五月、福田赳夫先生のお供をしまして、ソウルで開かれたOBサミットに出席しました。二十カ国の元首が、旧元首と申しますか、集まりまして、西独のシュミットですとかジスカールデスタンですとかカナダのトルドーですとか、アジア、アフリカの元首もたくさん来ておられましたが、その議論を聞いてまいったわけですが、もう国家的立場を離れた方々ですので本当に自由な議論で、大変勉強になったわけであります。 彼らの議論を聞いていますと、米ソが和解した、それで、米ソの立場上、当然国内的問題を抱えているから軍縮に進むだろう、もう経済的にもたないからそういう方向へ進んでいくだろう、これは目に見えておる、そういう場合に、世界の平和の秩序を維持する、バランスをどういうふうにとっていくか大きな問題だということをみんな口をそろえて言っておりました。やはり国連の機能を何らかの形で強化していかなければいけないんじゃないか、それをどう埋めるか、ドイツがどうかフランスがどうかあるいは日本はどうか、これは世界じゅう真剣に考えなければいけない問題だなということをあの方々は口をそろえて言っておられました。ですから、国連の場におきましても必ず議題に上がってこれから議論されていくと思います。 彼らは、四十三条の国連軍以外に、憲章を改定して、将来ですけれども、長い将来を見通すと、常備軍を設定するとかそういうことも考えないといかぬのじゃないかというようなことをおっしゃっている方もあったぐらいでございます。そういった、これは長期的な問題でありますが、私らの目の黒いうちに実現するかどうかわからない問題でありますけれども、私どもは、そういう長期的な視野を目に入れながら、やはりそういう立場にもう無関心ではおれない、避けて通れない立場にいる日本でありますから、十分に研究をし、検討をしていかなければならない。 先ほど鈴木委員から敵国条項の御指摘もございました。あれは明文で入っておりますので、これは憲章上削除されなければいけない、いずれかの時期には、事実上無効とはいえ削除してもらわなければいけないと思います。 安保理への加入につきましても、これは私は国際法は素人でございますが、大きな問題があります。というのは、安保理に入りますと、国連軍を創設する場合参謀委員会の一メンバーに参謀総長がなるわけであります。こういうことが憲章上規定されております。 そういたしますと、安保理に入った場合に、軍事的な責任を負わされるのではないか、そういう可能性があるわけであります。この問題は、なるかどうか別として、安保理の理事国に安易に立候補するとか求めるとかいう前に、そのあたりの問題を十分検討して、そういう義務なしに、日本の国是を守りながら、入れてもらえるというのならば結構でございますが、いや、なる以上憲法を改正して軍事的責任も負えというようなことがあれば、これはまた大問題でございます。そういった問題も十分検討し、視野に入れて、これから検討していかなければならないと思うわけでございます。 外務大臣にお伺いするわけですが、今度の場合は緊急事態でありますので、緊急避難的措置でありますが、ひとつ長期的問題について、安保閣僚会議もあり、その事務局もあるわけですけれども、ひとつ広く識者の意見を聞いて、国際法学者もあり有識者もたくさんおられるわけでありますので、そういう会議を設けて、諮問機関を設けて、長期的にそういう問題を研究し、検討していくというようなお考えはないかどうか、御見解を伺いたいと思います。
○中山国務大臣 今委員御指摘の点は、極めて重要な、国連加盟国の日本としては考えなければならない問題だろうと思います。 我々の国は今まで安全保障理事会の理事国に六回当選をいたしております。明後年行われます新しい理事国の選任に当たっても、日本は明年の選挙に立候補することを各国に意思表示をいたしております。こういう中で、今委員が御指摘のとおり、国連憲章が定めております安全保障理事会の理事国が持つ責任というものが我が国にとってどういうものであるのか。もし経済国家だけで生きていくということであれば、経済社会理事会というものがございます、これにも日本は理事として立候補し、参加をすることになっておりますけれども、このような新しい、次の、今直ちに起こる問題ではございません、しかし将来の課題としてこのようなことを、有識者を集めていろいろと新しい国際社会についての日本の国家のあり方というものを御議論していただく諮問機関というものが持たれなければならないと私も考えております。
○杉浦委員 大変結構だと思います。ぜひ御推進願いたいと思います。 その場合、私は大変参考になると思いますのは、ドイツの動きだろうと思います。ドイツは、皆様御承知のとおり、戦後の世界の、まあ日本と同列に並べられる東西のサクセスストーリーの持ち主でございます。同じ同盟国で、第二次大戦を引き起こしたという前科も、前科と言うと大変失礼な言い方ですけれども、そういう点も共通でありますし、そういう歴史的反省の上に立って戦後進めておるという点でも共通であります。また、経済大国として非常に発展してきたという点も共通しておりますし、また、周辺国が非常にドイツの軍事力の復活を懸念しておる。環境も似ております。また、国民が大変勤勉であるという点も似通っておるわけでありますが、そのドイツがどういう動きをするか、国際社会でどう受け入れられていくかということから私は学ぶべき点が多々あると思います。 そこで、今回の湾岸危機へのドイツの対応についてお伺いいたします。 ドイツが地中海に掃海艦隊を派遣したということを承知しておるわけですが、一体どういう経緯でそういうふうになったのか。また、ドイツが地中海に掃海艦隊を出しながら国際的世論がそんなに非難を浴びせていない。日本がこういう問題を提起しただけですぐ周辺国から起こるのに、そういう非難が起こったことは聞いておりませんが、そのあたりどういう経過で、NATOの中とかあるいはECの中でどういう経過でこういうことになったか、詳しく御説明願いたいと思います。
○兵藤政府委員 事実関係でございますので、私からお答えさせていただきます。 ドイツは基本的な姿勢は他の西欧同盟諸国と全く同じでございますが、すなわち、経済制裁には全面的に参加するということはもちろんでございますが、軍事的な面におきましても、ただいま委員お述べになりましたように、五隻の掃海艇、それを支援する二隻の補給艦の東地中海派遣を初めといたしまして十六億マルク、約十億ドルでございますけれども、の軍事的な面におきます援助、これは輸送面における援助のほかに装甲化学偵察車、水陸両用車、通信機器等々の物資の援助が入るわけでございますけれども、援助を行っております。このほかに別途十七億マルク、約十一億ドルにわたります周辺国の援助を行っているということで合計三十三億マルク、米ドルにいたしまして二十一億ドルの支援をしているわけでございます。 その中で、お尋ねの掃海艇の派遣を中心とした軍事援助の根拠でございますけれども、これはドイツの基本法第二十四条第二項に、「平和維持のための相互・集団安全保障機構に加入することができる。」という規定がございまして、この集団 安全保障機構にまさにNATOが当たる。したがってドイツは、これに基づいてNATOに加盟している。したがってNATOのいろいろな義務というものは当然西独も負う。基本法の範囲内でこれを履行するという立場でございます。 ところで、NATOの北大西洋条約には第五条、第六条で個別的あるいは共同して軍事行動をとるという規定があるわけでございますが、この規定を受けまして、八月十日にNATOの外相理事会におきまして個々に軍事行動をとるということを決定したわけでございます。それを受けまして、先ほど御紹介申し上げました東地中海、地中海全体がNATOの適用地域ということになっておりますので、東地中海に補給艦とともに掃海艇五隻を派遣したという経緯だったと承知しております。
○杉浦委員 地中海はNATOのテリトリーだから出したようですけれども、実際、聞くところによりますと、ドイツがこの間統一いたしまして年末には憲法を改正するという動きがあると聞いております。その改正の伝えられております内容、その理由を御説明願いたいと思います。
○兵藤政府委員 私が理解いたしておりますところによりますと、先ほど申し上げましたように、掃海艇の派遣を含めまして軍事行動はNATOの適用範囲の地域に限られる、それは地中海であるということで、それを超えた、つまり現在の紛争に最も関係のありますペルシャ湾を初めとした地域には出られないということであったわけでございます。 この点につきまして、基本法の解釈をめぐり、一時現行の基本法内でも可能ではないかという意見もございましたけれども、結論はやはり基本法の規定を改正しないとNATOの適用外に出ていくことは、軍事行動の面でございますが、できないという結論になったようでございまして、それを受けましてコール首相が、例えば十月の三日に統一に当たりまして各国政府にメッセージを送ったわけでございますが、その中で、ドイツは将来平和の維持及び回復のための国連の措置にその戦力の投入によっても参加する用意がある。また、このために必要な国内の前提条件を整備するということを申しているわけでございますし、ゲンシャー外務大臣もドイツの主要紙とのインタビューにおきまして東西対立の終了とドイツ統一によりまして、将来国連の安全保障理事会決議に基づく戦力投入に参画し得るための政治的条件が満たされた、で、このための憲法上の条件を満たすことが可能になるだろうということを申しております。 かかる発言が出てまいりました背景といたしましては、従来、先ほど申しましたように、基本法の現行ではNATOの領域から出られないということでずっと来たわけでございますけれども、ドイツ統一を達成いたしました今、ドイツが国連への協力を通じて、より一層国際社会に貢献していこうという考えがその根底にあるからだというふうに私は見ております。で、具体的な改正の案文等の議論にまではまだ進んでいない、具体的な検討は十二月二日の連邦議会の総選挙の後に行うということであると承知いたしております。
○杉浦委員 ドイツは非常に賢明、クレバーな国で、OBサミットでも感じましたが、ヨーロッパの一員としての立場を堅持している。ECに参加し、NATOにも参加して、一体となってやっていこうということで努力しているようです。シュミットさんと話ししたときに、日本は何やっているんだというようなことを何かで言われました。例えば、教科書なんか、ドイツの教科書は全部四カ国の戦勝国に検閲させられている、全部チェックしてやられているんだ、我々はみんなオープンなんだ、歴史的評価も何も。日本は教科書問題で騒いでいるけれども何ですかなんていうふうにちょっとおっしゃったこともありましたが、それぐらい周辺国との協調、協和、ヨーロッパと一体になってやっていくという姿勢に徹しておる国だと思います。 そういう意味で、私は、日本はアジアの一国として、もっともっとアジア諸国と協調してやっていかなければいかぬというふうに考えるものでございまして、次にその問題についてお尋ねをしたいと思います。 アジアの場合には、ドイツと違いまして安保の枠組みもありません。NATOに類似の機構もありませんし、またECのようにアジアの統一を目指していこうという動きもございません。これは先ごろの国会でしたか、総理がまだその機は熟していない、アジア安保の機は熟していない、こう御答弁になっておるわけであります。ソ連からそのような提案があるやに漏れ聞いておりますけれども、まだ具体的にあったわけじゃありません。日本はアジアでは突出した先進国であります。アジアNIESが経済的にはテークオフしようとしております。勝海舟の時代とは比べ物にならないぐらい経済的には発展しておるわけでありますが、軍事力という面から見ると中共という大変なビッグパワーがあり、軍事力だけに着目すれば南北朝鮮とも大変な軍事力を持っておりますし、ベトナムもそうであります。アジアの状況は非常にヨーロッパとは異なって、条件が難しい、厳しいと言っていいかと思うわけでございますが、しかし、日本がアジアの一国として、しかも過ぐる大戦においてこれらの国々に兵を出して戦禍を与えた。日本の軍事大国化に対する懸念は、私は留学生や技術研修生のお世話をして肌身に感じておりますけれども、大変強いものがあるわけでございますから、この誤解と申しますか、これは解いて、解きながら進めていかなければいけない。本法の成立に当たっても、あるいは運用に当たっても、その点は特に留意していかなければならないと考えておるものでございます。 そこで、お伺いするわけでございますが、現在、中国及びASEANの主要国で結構でございますが、この湾岸危機で大変な影響を受けておると思うのですが、どういう影響を受けておるか。そして、その加盟国として、決議に参加したのはもう説明していただかなくて結構でありますけれども、どういう具体的アクションをとっておるか、特に湾岸危機に対して、我が国に類似のアクションをとっておるのかどうか、そういう点について。それから、韓国は非加盟でありますけれども、韓国はどうかということを伺いたいと思います。
○谷野政府委員 お答え申し上げます。 アジア諸国の今般の湾岸の危機に対する対応ぶりというお尋ねだったと承知いたしますが、御存じかと思いますが、アジア諸国は押しなべて先般の国連安保理の決議を支持しておりまして、話し合いによる解決というものを熱心に求めておるということでございます。 しかし、そういう前提で、まず経済制裁の問題につきましては、ミャンマー等一部のごく例外的な国はございますけれども、おおむね各国とも国連の決議に従いまして、イラク、クウェートとの通商関係は今停止しておるということが第一点でございます。 それから、軍事面でございますが、中国はイラクへの武器の売却を禁止、停止しております。それから、韓国のお尋ねがございましたが、韓国につきましては、多国籍軍に対する航空機、輸送船それから軍需物資等の提供を行っております。 それから、派兵につきましては、サウジへの派兵という面でパキスタン、バングラデシュが具体的な措置をとっております。インドネシア、マレーシア等ASEANの一部の国も、御議論があります国連軍としてであれば自分のところの軍隊の派遣も検討し得るということを言っております。 それから、難民の救済の問題がございますけれども、ジョルダン等の周辺国に、例えばマレーシアが十万ドルの食糧援助、シンガポールも医療面での援助をしております。それから、シンガポールはスリランカの難民の本国への輸送の問題でも支援しておりまして、韓国は、金額で申し上げますと、そういった軍事面それから周辺諸国への援助を含めまして、当方の資料では総計二億二千万ドル程度の支援を行っておるということでござい ます。
○杉浦委員 パキスタンほかもう一国あった軍事要員ですね、兵員は何人ぐらい出しておりますか。それから、インドネシア等、検討しておるところはどれぐらいの規模を考えているか、わかっておればお答えいただきたいと思います。
○内田(勝)政府委員 お答え申し上げます。 パキスタンにつきましては、私どもが把握しております諸種の資料を取りまとめて申し上げますと、展開を発表しておりますのは陸上兵力約三千人でございます。それから、バングラデシュでございますが、これも約二千人の陸上兵力の展開を決定しておりますが、実際に現地に到達しているかどうかにつきましては、私ども現時点では把握していない状況でございます。 以上でございます。
○杉浦委員 パキスタン、バングラデシュは出しておるようですが、ASEAN地域、中国、韓国は人までは出してないようでありますが、私は、この平和協力法の制定に当たっても、あるいはその運用についても、アジア諸国が抱いている懸念を解消するために十分の努力をすべきだと考えておるところでございます。 まず外務大臣にお伺いしたいのですが、今までに各国の懸念を解消するためにどういう努力をなさったか、お伺いしたいと思います。ASEAN各国、中国、韓国で結構です。
○中山国務大臣 さきの国連総会におきまして、中国の銭其シン外相を初め各国の外相と個別会談をいたしましたときにも、この日本政府が今考えている法案の考え方あるいは法案の中身の主要な点、特に海外派兵でないという点についても十分説明をいたしてまいりましたが、現在、外交ルートを通じまして各国の政府に対してこの法案の中身について説明を行っているということでございまして、このアジア周辺国の各国の方々が日本の国際協力についてこの実際の考え方を御理解いただく、また、この運用に当たっては二度と再び第二次世界大戦のようなことに及ぶものではないということを、国連決議がなければこのような国連平和協力隊は海外には出ていかないということも私どもは明確にお伝えをし、御理解をいただかなければならないものと考えております。
○杉浦委員 私は、けさ日経新聞で拝見したわけですが、外務省から二十五日までにアジア各国の大使館にこの法案の内容を伝えるようにという指示が出たというような記事が載っておりましたが、今大臣のおっしゃられた外交ルートというのはそのことでございますか。
○中山国務大臣 お説のとおりでございます。
○杉浦委員 前の外務大臣の御答弁で、必要あれば特使を出してもいいというような御答弁があったと記憶しております。私は、でき得れば今までに、法案の骨子が固まった段階で主要国には特使を派遣して説明するぐらいのことをしていただきたかったと思っておる一人でございますが、この法案の審議と並行してそういう特使を派遣されるお考えがあるかどうか、お伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 法案の審議に入ります前に、この内容について各国に説明をするということも考えられる一つのことであったと思います。しかし、我が国は主権国家でございますから、法案は政府の案でございまして、国会の御審議を通じてどのような形で政府のいわゆる提案いたしました法案が成立をするか、また御審議がどのような時間が必要か、このようなことも十分国会の御審議を踏まえ、この法律案が成立した後に、私は主権国家として周辺国の政府に御理解を求めるための最善の努力をしなければならない、このように考えておりますし、私みずからも積極的に説明をしなければならないと考えております。また、必要とあれば人を出すということも考えなければならないと考えております。
○杉浦委員 大臣のお立場もわからないわけではないわけですけれども、重ねて申し上げますけれども、アジアにはNATOのような枠組みはないわけであります。ECのような共同体志向も現実にはないわけでございますので、ドイツの場合にはそういう場所で外相会議を開いてそこで検討する、そこでの決議に従って出すということに相なりましょうし、ECの場合、いろいろなレベルでの会合がございますから、そこで会合すればすぐ説明ができ、ディスカッションができるという極めて緊密な関係があるわけでありますけれども、アジアの場合には正直言ってないわけであります。主権国家であることは十二分に承知した上で申し上げているわけでありますが、ドイツも主権国家であります。しかし、事柄が事柄であるだけに、私は、主権国家としての立場を堅持しながら、もちろん当然のことでありますけれども、各国の了解を得るということは必要だ、大前提として。先ほど鈴木委員が、この平和協力隊員が誇りと自信を持って出かけられるように、そういう枠組みにしてほしいというお話がございましたが、やはり隊員にしても、周辺諸国から支持を得て出ているんだ、了解をもって出ているんだ、韓国は反対しているのに出るというのじゃなかなか出にくいでしょうから、そういう意味でも大変大切なことであり、この日本の平和という顔を本当によく理解してもらう、このためには、私は、並み大抵の努力では解けない、非常にアジアのしこりというのは大きいと感じておる一人でございますので、私どもが考える以上に手を尽くして、十分な上にも十分な御理解をしてもらうようにしなければならぬと思っておりますので、重ねてお伺いいたしますが、特使を派遣される考えはございませんでしょうか。
○中山国務大臣 法案の審議と並行して特使を出すという考えは、現在まだ持っておりません。 しかし、この法案の審議が、中身が、野党の方々も含めて大変熱心な御議論をいただいております。このような御議論を通じて、政府は答弁の中で政府の考え方あるいは政令等についてもいろいろと意見を申し述べる機会を持っております。そのような機会を通じながら、この国会の審議状況等も踏まえて、外交ルートでまず相手国に説明をすることが先決であろうと私自身は考えておりまして、委員の御指摘も十分頭に入れながら、積極的にそのような理解を得るために努力をしていきたいと考えておりますし、なお、この法案が成立いたしまして、平和協力隊の準備が整うという時間帯も必要かと思います。私は、日本だけがこのようなことをやることがどうかというようなことを議論する前に、アジアの国々とも将来協力をしてやっていかなければならない、そのような考え方もひとつ持ちながら、各国と、日本の考え方をよく説明して、協力するときは一緒に協力するということを考えなければならないと思っております。
○杉浦委員 この委員会の議論にあった通信の問題じゃありませんけれども、電話一本で通じる世の中でありますので、ひとつそのあたりは十二分に各国の首脳の了解を少なくとも得るように御努力賜りたいと思う次第でございます。 次に、法案が成立した後の問題でございますが、大臣のおっしゃるように、あらゆる努力をしていただきたい、アジアの諸国の了解を得る、正しい理解を得る努力をしていただきたいと思います。私は、いざ要請があって対応するという事態が生じた場合、個別のケースが起こった場合も、会議が招集され実施計画が策定されてまいるわけでありますが、その具体的ケースの際にも、改めて、派遣する場所、人員、目的、装備等々計画を策定する傍ら、各国にその具体的内容を伝えて、その具体的ケースについても了解を得ていく努力が必要だ、そうした方がいいというふうに考えておるわけでございますが、それがアジアの懸念を解消するのに本当に大切なことだと思っておりますが、大臣の御見解はいかがでございましょうか。
○中山国務大臣 本平和協力隊がもし発足をさせていただくということになりますれば、当然国連決議がなければ、いわゆる平和協力会議も開く必要もございませんし、また、実施体制も整える必要もないわけでありますから、そのような過程に おきまして、国連の決議が行われた時点で国連の全加盟国には当然日本の協力するあり方というものも知らせる必要がございますし、特にアジアの近隣各国につきましては、そのたびごとに日本政府としては日本の具体的な方針あるいはいわゆる派遣隊の規模あるいは目的、そのようなものについて逐次連絡をすることは極めて重要であると認識をいたしております。
○杉浦委員 ただいまのお話をお伺いして大変うれしく思ったわけでありますけれども、事柄は、ここにおられる大臣初め皆様方、釈迦に説法でありますけれども、目的がいいからといって手段が悪ければだめでありまして、碁も手順が悪ければ詰まないわけであります。手順が大切でありまして、特にアジアの国々、中国、韓国含めてですが、国々の場合には過般の大戦における戦禍を与えておりますので、丁重に手順を踏んで理解をしていただくということが必要だと思います。 大臣御在任中は、そういう事態が起こったら、手順として必ず各国と協議する、ほかの大臣にはここにおられませんからあれですが、お約束いただけますかどうか、重ねて御答弁をいただきたいと思います。
○中山国務大臣 必ずそのようにさせていただきたいと考えております。
○杉浦委員 私は、平和協力隊が将来結成されて平和維持活動をする場合に、アジアの各国から、特に戦禍を与えたアジアの各国から、歓呼の声に送られるということになれば一番理想でありますが、せめて最悪の場合でも理解をいただいて、結構だということで御理解のもとに協力隊を派遣するようなことでないと、将来の日本の国益、日本の平和国家としての顔に響くと思いますし、ぜひともそういうふうな状態に努力していただきたい、こう思います。大臣がおっしゃられましたように、協力して、日本も出すから中国も出してほしい、じゃ韓国も一緒に行きましょうという形になれば、これはまことに理想的なことでありまして、そういう意味での協調関係をケース・バイ・ケースでつくり上げていただくようにぜひともお願いしたいと思います。それが将来、どういう形になるかわかりませんが、当然アジアの安全保障、ソ連が言い出しておりますから俎上に上ってくると思いますが、そういうお互いの協力の基礎になると思いますし、ECのような形で協力隊が進んでいくかどうかわかりませんが、しかし協力していかなければならないことは事実でありますので、そのもとになると思いますので、くれぐれもよろしく御配慮を賜りたくお願いする次第でございます。 大分時間が短くなってまいりました。端折ることになりますけれども、次に、この問題に対する各党の対応、見解に対する政府の御見解をお伺いしたいと存じます。 この国会の制度は、一方的に質疑するだけで議論ができないわけでありますので、現在各党がいろいろ御質疑をなさっておるわけでありますけれども、一方、各党ともいろいろ対案をお持ちのようであります。そういう問題について、じゃこの党のこの提案はこういう理由でこういうところがだめなんだということを御説明願えればありがたいと思います。 まあ私が私なりに拝聴しておって、このイラクの侵略行為を非難する、これを国連を中心にして国際社会の力で抑止しようという点では、共産党まで含めて全員一致しておるわけであります。国民世論もこれに反するものはないと思います。これに何らかの形で協力してやろうじゃないか、ここまでも協力しております。共産党さんも、経済封鎖でやれ、こう言っておるわけでありますから、国連決議に基づいて一致してやろうじゃないか、ここまではもう全党一致であり、国民世論も一致しておると思います。 問題は人を出すかどうか、ここで分かれるわけでありますが、人については社会党まで含めて、やはりお金と物だけじゃだめだ、人も出さなければだめだということをおっしゃっておるわけであります。社会党は民間人だけということであるようでありますが、公明党さんも自衛隊員も出していいというお考えのように拝見しておるわけでありますけれども、そのあたり、この事業、国民的合意のもとにともかく進めなければならない事業であることは各委員質疑の中で明らかになったとおりでありますし、政府もそういう御態度をおとりになっていると思いますので、政府見解を簡略にお伺いできればと思います。
○中山国務大臣 今委員御指摘のとおり、各党はイラクの今回のクウェートに対する侵略というものについては厳しい御批判をいただいているということは、各党が一致されていると思います。また、何らかの協力をしなければならないという考え方も各党一律にあるものだと私は考えております。なお、それぞれの政党の考え方にその協力の方法について違いが出てきていると考えております。 日本社会党の御提案になっております国連平和協力構想につきましては、自衛隊のいかなる形での関与も排除するものという理解をしておりますが、個人や民間企業の善意とボランティア精神のみで依存をしていくという考え方をお持ちでございますけれども、これが果たして具体的に現実的に対応できるかどうかという問題については、政府としては、今回の湾岸危機に関連いたしまして政府が対応しようとしてできなかった経験を踏まえますと非常に難しい。つまり、民間のボランティアの方にお願いをいたすという場合につきましては、団体としての訓練されておられる方々がいらっしゃらないという一つの問題点がございます。このような方々が集まってこられてここに書かれておりますような業務の内容を実施していく場合には、その業務になじむだけの訓練期間が必要であろうと思います。そのようなことで、現実問題としてこれをやっていくという点につきましては、ただいま政府が御提案しておりますような例えば停戦の監視のあり方、またそれに対応する組織のあり方、また行政機関で経験をした方々によるいわゆる停戦後の国連監視の選挙の実施の管理のあり方、こういった問題等、具体的に例えば通信とか輸送とかといいましてもなかなか民間のボランティアではやりにくいという問題点が一つあるのではないか、そのように認識をいたしております。 公明党の御提案につきましては、自衛隊の隊員の併任、部隊参加には反対されておられます。時限立法とするべしという御趣旨もお持ちというふうに伺っておりますが、この問題点については現在の政府提案とその大きな基本的なところに差異があろうかと考えております。 以上でございます。
○杉浦委員 私は公明党の石田委員長の代表質問を拝聴しておりまして、私の聞き違いかもしれませんが、あの時点では併任がいかぬ、時限立法だ、この二点を強調しておられたと拝聴したわけでありますが、その後の公明党さんの動きを見ますと、今度は部隊参加はだめだ、それからもう少し厳しい歯どめもというふうに、正直申して少し揺れておられるのじゃないかと思うわけでございます。しかし、石田委員長のおっしゃる、これはこの湾岸危機対応限りにして中長期的な問題については腰を据えて議論しようじゃないかというお考えは、これは一つの卓見だと個人的に思うわけであります。中長期的に対応することが大事なわけでありまして、これは本当に突発的な緊急避難的な措置でありますから、そういうお考えも十分あり得ると思うわけでございます。 衆参がねじれておって、たとえ衆議院で賛成多数で通っても参議院で否決されるかもしれない状況でございますので、特に公明党を中心にいたしました野党の御意見には十分耳をかしていただいて、修正できるかどうかは別といたしまして、十分御検討を賜りますように私からお願いを申し上げる次第でございます。 時間がございませんので、最後に、海外における地震、台風等自然災害の復旧活動に対する自衛隊の派遣についてお伺いいたします。 きのう米沢委員からこの点若干お触れになられ たわけでありますけれども、私はかねがね、なぜ海外における自然災害に自衛隊を派遣できないのか、不思議でたまらなかったわけであります。外務省に聞きますと、いろいろ経緯があったようでありますけれども、私はこの問題については国民的コンセンサスを受けられやすい、理解を得られやすいと米沢委員同様にかねがね思っておったところでございます。 実は、この間のマニラの地震が起こりました際に、内閣委員会の、私は弁護士でありますけれども、公明党、社会党の野党の委員の人と話をしまして、おかしいですね、これはやはり出さなければいかぬのじゃないでしょうかねと。国内で、災害においては自衛隊は出動できる規定があるわけでありますが、大変喜ばれておる。丸腰で行って、河川の堤防の復旧だとか道路の復旧だとか皆努力をしてくださって、大変自衛隊に対する認識を新たにしたということもあるわけでありますので、海外からも要請があれば、これは要請がなければ行けないわけでありますけれども、自衛隊を丸腰でそういう作業に出していいじゃないか、こう思うわけでございます。 この国連平和維持活動で自衛隊が平和協力隊という衣装を着て派遣するということを御提案なさった政府として、自衛隊を今度は丸腰で、しかもこれはバイですね、マルチじゃなくバイの関係で、向こうから要請があった場合に行くわけですから、自衛隊を丸腰で災害活動に派遣するという御提案を、その整合性からいくと当然御提案なさってもいいと思うのですが、大臣の御見解はいかがでございましょう。
○中山国務大臣 いろんな国での災害緊急援助、これについてはいわゆる民間のボランティアの組織ができております。しかし、自衛隊がそのような作業に関与することは、今までの政府の考え方では、現在の憲法の考え方、また自衛隊法の中身につきましてそのような任務が与えられておりませんので、それが外国においてはできないということに相なっておりますけれども、委員の御指摘の海外における災害救助について我が国がこれからどのような形で協力ができるかということにつきましては、貴重な御意見として十分研究をさせていただきたいと考えております。
○杉浦委員 防衛庁長官、もし御見解がございましたらお願いをいたします。
○石川国務大臣 今外務大臣から述べられましたことと全く同感でございます。
○杉浦委員 以上で質問を終わります。
○加藤委員長 これにて鈴木君、杉浦君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ────◇───── 午後一時開議
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。川崎寛治君。
○川崎(寛)委員 一昨日の私の質問の際に、小型武器の問題については法律で明記せよということを要求いたしました。研究させてもらいます、こういうことでございましたので、まずその点についての御回答をお願いします。
○中山国務大臣 今、小型武器について明記しろということでございますが、いずれにいたしましても本法案の第二十七条四項に言う政令におきまして、本法案により貸与できる小型武器はけん銃または小銃に限る旨具体的に規定されることにしたいと思います。
○川崎(寛)委員 するわけですね。
○中山国務大臣 いたします。
○川崎(寛)委員 わかりました。 次には、平和協力隊に参加する自衛隊については、要するに自衛隊法八十七条、九十五条の適用除外、このことで、今は小型武器の方はお答えがありました。あとの部隊の方の問題で、この八十七条、九十五条の適用除外、これを附則に明記せよ、こういうことを要求いたしておるわけであります。だから、これらについて研究します、こういうことでございますので、後段の分の明快なお答えをお願いします。
○加藤委員長 これはかなり条約、法律技術的なことですから…… それじゃ、まずどちらが答弁しますか。――外務大臣。
○中山国務大臣 自衛隊法第八十七条は「自衛隊は、その任務の遂行に必要な武器を保有することができる。」と定めておりますが、これは自衛隊がその与えられたすべての任務遂行のために必要な武器を保有することができることを包括的に定めたものでございまして、個々具体的な任務を与えられた自衛隊の部隊等が、その個々の具体的な任務遂行のためにいかなる武器をも携行することができるという趣旨の規定ではございません。国連平和協力法第二条第二項におきましては「平和協力業務の実施等は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」ことが規定されており、また、平和協力業務は法案第三条第二号に列記されたものに限られておりますが、これらの業務はその任務そのものの達成のために武器の使用を必要とするものではありません。 これらのことから、平和協力隊の行う平和協力業務へ参加する自衛隊の部隊等は、その業務そのものを遂行する上で武器を使用する必要性がない以上、そのために武器を携行することは考えられません。 また、船舶等を防護するために自衛隊法第九十五条の規定が置かれておりますが、その規定による武器の使用には非常に厳格な要件が課せられており、その携行についても、使用の限度に伴う制限が当然あるものと考えております。 さらに、このような平和協力隊の行う平和協力業務に参加する自衛隊の部隊等の武器の携行につきましては、法案第十七条の規定により、閣議決定を経た実施計画において定めることといたしております。 以上のことから、平和協力隊の行う平和協力業務に参加する自衛隊の部隊等の武器の携行につきましては、制度上の仕組みとして十分な歯どめが確保されており、自衛隊法第八十七条及び九十五条の適用を除外することは必要ではなく、また適当ではないと考えております。
○川崎(寛)委員 これは、武器を使用する必要がない以上、そのために武器を携行することは考えられないとか、また、適当ではないと考えるとか、これは法律そのものじゃないわけです。 そこで、法制局長官、お尋ねいたします。 この法律は、自衛隊の海外派遣については内閣一任の法律です。いわば授権法です。ヒトラーが政権をとりましたときに、国会の権限というのを全部とった、これが国家授権法ですよね。だから、そういう意味ではまさにこれは授権法なんです。実施計画で何でもできるのです。だから、今言ったことを実施計画では否定している、否定できるというふうに法制局長官、お考えになりますか。
○工藤政府委員 ただいま授権法というようなものに当たるのではないか、こういうお尋ねでございましたが、まず、法律の制定については、国会が立法機関としてそのことに当たられるのはもちろんでございます。それから、その後の運用につきましても、実は昨日もお答えしたところかと思いますが、当然国会としていわゆる国政調査権等もございます。法律上のそういう意味での今のお尋ねでございましたら、確かに実施計画で定めていくことになっております。その後の運用等につきまして十分国政調査その他の権能が働かれるものと、かように考えております。
○川崎(寛)委員 だから、法律上はできるのですよ。あとは、運用上の問題は国政調査で、だからそれは歯どめがかかってないのですよ。だから私は、この今の統一見解には満足いたしません。 次には、もう一つ、これは私やっておりますと小澤君の時間へ入りますから、しかし、今ここで 一応授権法であることはお認めになった。自衛隊の海外派兵についての――自衛隊の海外派兵についてはそうですよ。できる。実施計画でできる。
○工藤政府委員 ただいま委員、授権法というお話がございました。授権法と通常言われますのは、例えばかつての国家総動員法でございますとかナチス・ドイツにおきますときの場合でございますとか、そういうふうなものを通常言われていると思いますが、今回の法律におきましては、一条、二条あるいは三条におきましてそれぞれきちんと歯どめがかかっていると思います。そういう意味で授権法という仰せには私は必ずしも当たらないのではないか、かように考えております。
○川崎(寛)委員 自衛隊の海外派遣については内閣一任であるということの性格は明らかになったと思います。 次に、物資の輸送でございますが、外務大臣は、原則として武器弾薬を運ばない、こう言ったのです。その答弁が一秒もたなかったんですよ、一秒もたなかった。つまり、条約局長の方がこれを否定をした。拡大をしたわけです。日中国交回復のときに、当時の周恩来総理が、この日本の大変巧みにというか極めて法律をくねくねと解釈をしてくることに対して法匪、法律の匪賊と言って大変激怒している。まさに条約局長なりが答弁をしておりますことは、大臣の答弁をどんどん変えていくわけです。そうしますと、それはまさに法律の制定のとき、私は海部総理や中山外務大臣の人柄を信用します。しかし、その法律が動くときについてはこれはもうだめなんだ、それはもう今証明したわけですから。そういう意味では私は、この輸送の問題についても外務大臣の答弁に返らない限りこれはだめだ、こう思います。外務大臣、答弁をお願いします。
○中山国務大臣 先ほどもお尋ねございましたけれども、この輸送の問題で、原則武器弾薬は輸送しないと私は先日御答弁を申し上げました。その趣旨は、私は率直に申し上げて、武力と一体をなすような輸送協力は行い得ないと私は考えております。そのようなことで、戦闘が行われている場所に武器弾薬を輸送を行い得ないのは当然でございまして、そのようなことは政府としては一切やる考えはございません。
○川崎(寛)委員 私は、今の統一見解全部納得できません。そこで、これは留保します。 もう小澤委員の質疑の時間を食いますから、後を本来の小澤委員の質問にお願いをします。 終わります。
○加藤委員長 次に、小澤克介君。
○小澤(克)委員 最初に、まず明確にさせていただきたいんですが、私の質問は、法の運用者としての総理以下にお尋ねするのではなくて、法案提案者としての内閣にお尋ねするのです。 なぜこんなことを申し上げるかというと、法律というのは、要するに執行機関に一定の権限を与える、同時にその権限の範囲を限定する、こういう機能を本来的に持つものなんですね。それで、立法府、特に国民代表である議会としては、一体どこまでの権限を行政府、内閣に与えたのか、与えるのか、これが最大の関心事になるわけです。権限の幅といいますか限界ですね。それは当然だろうと思います。それがまさに三権分立の要請であり、ひいては民主主義そのものの要請だからなんです。したがいまして、もちろん運用論をお尋ねする場合もあります、そのときはそのようにお断りします。そうでない限りは、運用論での答弁は控えていただきたい。特に、実施計画できちっとやりますというような答弁は、この法の限界を聞く者については答弁にならないんです。そこをぜひ明確にしていただきたいと思います。 もう一つ、質問にはひとつ端的に、問われたことだけお答え願いたい。これは、特に政府委員については、この間からの答弁、目に余るものがあります。このことを最初にはっきりと申し上げておきたいと思います。 そこで質問に入りますが、本法案は、要するに平和協力隊というものを設置し、そしてその業務の実施、それからもう一つは物資協力の実施ですか、これについての根拠を与える、同時に、当然ながらそれらについて一定の制約を加える、こういうものであります。そして、その制約についての柱は、協力業務の対象となる国際機関等の活動、対象となる活動が国連決議に関連していなければならないという、この国連決議関連性。それからもう一つの柱が、武力による威嚇あるいは武力の行使、これを省略して武力の行使等と以後は言わせていただきますが、武力の行使等に当たるものでないこと、これが二本目の柱。三本目の柱は、この予定されているところの業務内容、これは制限列挙にはなっていなくて例示列挙ですけれども、例示列挙とはいえ一定の類型的な制約がある。これがこの三本柱、制約についての三本柱だろうと思います。もちろん、ほかにもたくさんありますけれども。 そこで、最初に申し上げたとおり、主としてこれらの制約条項が果たしてどこまでの制約機能を持つのかということについて、順次伺っていきたいと思います。そういうことでお答えを願いたいと思うわけです。 まず最初に、この協力の対象たる国連等の活動については、国際の平和及び安全の維持のための国連決議の存在が前提となっている、このことは間違いないですね。いかがでしょうか、総理大臣。
○柳井政府委員 何らかの国連決議がある場合にのみ、この法案のもとで協力ができるということでございます。
○小澤(克)委員 この程度の簡単なことは総理にお答え願いたかったのです。簡単というのは、失礼、簡単でなくて、決して失礼なつもりで申し上げたのではなくて、原則的なことという趣旨です。この程度の原則的なことは――言い直します。この程度の原則的なことは総理にお答え願いたかったのですが。 そこで、この決議というのは、まず、安保理決議に限られるのでしょうか、それとも総会決議を含むのでしょうか、あるいは場合によっては他の理事会の決議も含むのでしょうか、いかがでしょうか。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 安保理決議のほか、総会の決議もございます。(小澤(克)委員「その他は」と呼ぶ)安保理または総会でございます。
○小澤(克)委員 それで、これまた念のためにお尋ねしますが、これはもちろんこの法案の条文どおり、平和と安全の維持のための決議に限られる、平和と安全の回復のための決議は含まれない、これは明らかですね。
○柳井政府委員 「国際の平和及び安全の維持」、そして回復のための決議も対象になります。――回復のための決議も対象になります。
○小澤(克)委員 対象になる。
○柳井政府委員 はい。
○小澤(克)委員 それはおかしいでしょう。だって、これは条文に「維持のために」と書いてあるじゃないですか。それはおかしいですよ。そんな文理に離れることができるわけないじゃないですか。おかしいですよ、それは。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 この法案におきまして「国際の平和及び安全の維持」と申しておりますものは、国連憲章第一条におきまして、第一条一項でございますが、「国際の平和及び安全を維持すること。」という文言を受けているわけでございます。そしてこれは、この第一条一項で、「そのために、平和に対する脅威の防止及び除去と侵略行為その他の平和の破壊の鎮圧とのため有効な集団的措置をとること並びに平和を破壊するに至る虞のある国際的の紛争又は事態の調整又は解決を平和的手段によって且つ正義及び国際法の原則に従って実現すること。」ということで、ここで両方含んでいるというふうに解しております。
○小澤(克)委員 そんなラフな解釈はできないのです。確かに第一条目的あるいは二十四条の安保理の任務ですか、この辺には、国連憲章は平和と安全の維持とのみ書いてあります。しかし、具体 的な決議に関しては、維持の決議と回復の決議というのは明確に書き分けてあるわけですよ。そうでしょう、三十九条読んでください。そしてこの法案は、具体的な決議を前提とする、こうなっていますでしょう、もうしょっぱなから。だから、これはもちろん維持のための決議を前提とするのだと私は思っていたのですが、そうじゃないのですか。とんでもない話ですよ。
○柳井政府委員 国連憲章の目的、第一条で規定しております広い意味の国際の平和及び安全の維持というものを受けているわけでございます。したがいまして、両方入ります。
○小澤(克)委員 だめですよ。決議に関しては、国連憲章をちゃんと読んでください。事決議に、具体的な決議あるいは行動に関しては、この維持のためと回復のためとちゃんと書き分けてあるのですよ。そんなラフな読み方できませんよ。だめですよ、それは。だって、いいですか。目的規定なんというのは、あなた方から出た統一見解にも書いてあったでしょう。国民にわかりやすく、易しく表現したんだ、三条の定義規定のところは厳密に表現したんだ、だから表現が食い違うんだという統一見解が出ていますね。それと同じなんですよ。この目的などというようなところはまあ一般的に簡明に表現しているのです。厳密に網羅的に書いてあるわけじゃないのです。 そして、国連決議に関しては、あるいは行動に関しては、第六章、第七章を読んでください。回復と維持とは別にきちんと書き分けてあるのです。三十九条を読んでください。三十九条、脅威とそれから破壊、侵略についてはちゃんと書き分けてありますね、これは維持と回復に対応するのですけれども……。だから、そんな解釈ができるはずがないのですよ。これは具体的決議を受けてその協力の対象となる国家機関の活動が決まるわけですから、そんな解釈できませんよ。 なぜ私がこんなことにこだわるのか、おわかりになるだろうと思います。国連憲章をちゃんと読めば、例えば第六章、これは「紛争の平和的解決」です。ここには、国際の平和及び安全の維持という言葉が繰り返し出てきますが、破壊あるいは侵略という言葉は出てきません。なぜかといえば、これは読めばすぐわかるとおり、この第六章に規定してあるのは、国際の平和及び安全の維持を危うくするおそれのある事態について国連はどう行動するかということが書いてあるわけです。まだ平和は保たれているわけです。ただ、それを危うくするおそれが生じている、その際には平和的な手段によって解決しなさいということがこの第六章にいろいろと規定してある。第六章の表題は「紛争の平和的解決」、こう書いてあるわけです。 第七章。第七章は「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」、こういう規定になっているのです。三十九条を読んでください。「平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、」そして「並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、」勧告をしたり決議をしたりするのだと、「維持し又は回復」、「維持」と「回復」は「又は」とつながれている。これは択一的な関係です。両立することはない、別の事柄なんです。そして第七章は、単なるおそれではなくて、平和に対する脅威がもう生じている場合と、それから、ついに侵略行為等があって平和が破壊されてしまった場合、この二つについて規定するわけですね。そして、この脅威の場合は、確かに非常に脅威は高まっているけれども、何とか平和はまだかろうじて保たれている、だからこの脅威を取り除くためにいろいろな強制手段、平和的な強制手段もあれば軍事的な強制手段もあるのでしょうが、この脅威を取り除いて平和を何とか維持する。それからもう一つ、もう破壊された、侵略された、今回のイラク、クウェート、中東の情勢はまさにそれなんですが、破壊され侵略されてしまった場合には、今度は回復のための行動をとるわけなんです。こういうふうにちゃんと書き分けてあるんですよ。 このように国連憲章というのは、ちょっと見方を変えますと、武力行使が現に行われていない、ドンパチが行われていない状態一般をもって平和というふうに規定しているのじゃないのです。あるべき平和をもって平和というふうに規定しているのは明らかなんです。そして、あるべき平和がまだ何とか維持されているときには、これは現状を維持すればいいわけですから、平和の維持のための行動をするわけです。維持のための決議をするわけです。そして、侵略等によってあるべき平和が破壊されているとき、そのときは現状を変更しなければならない、そしてあるべき平和へと回復しなければならない。原状回復、ここで言う原状回復は原っぱの原ですよ。原状回復をしなければならない。このときは回復のために決議をするわけなんです。 このように「維持」と「回復」というのは全然違うのです。「維持」は現状を維持する、「回復」は原状に回復するのです。それは全然違うのですよ。そしてこの法案は、しょっぱなから平和及び安全の維持のための決議、こうなっているでしょう。回復のための決議は当然文理上含まれませんでしょう。そこのところはっきりさせてください。何だったら法制局長官お答えいただいても結構ですが。
○柳井政府委員 第六章と第七章の関係につきましては、ただいま委員が分析されたとおりであると思います。 ただ、先ほども御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、この「目的」のところで書いております、広い意味の「国際の平和及び安全の維持」という表現をとったわけでございます。そして、例えば憲章第十二条におきましては、一項で、安全保障理事会がこのいずれかの紛争または事態について与えられた任務を遂行している間は、「総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。」というふうに規定してございますが、他方、安全保障理事会がこのような紛争等を取り扱っていない場合におきましては、総会は非常に広範な権限を持っていろいろな勧告ができるということになっているわけでございます。 また二項におきましては、十二条の二項でございますが、「事務総長は、国際の平和及び安全の維持に関する事項で安全保障理事会が取り扱っているものを、その同意を得て、会期ごとに総会に対して通告しなければならない。」というふうになっておりますが、ここで申しておりますのも、広い意味の国際の平和及び安全の維持ということで、また国連の実効上もそのようになっているというふうに解しております。
○小澤(克)委員 今十二条ですか、これは安保理と総会との関係について規定したものです。私の質問とは直接関連がないのです。確かにここでは「維持に関する」というような規定の仕方しかしておりませんが、これは必ずしも明確に網羅的にきちんと書いたものではない。いわば第一章目的などと同じような、ふんわりした表現になっているだけのことなんですよ。これは大変重要な問題なんです。 つまり、回復のための決議、回復のための行動、これは、例えばちょうど今の中東情勢のような場合がこれに当たるのですが、イラクに対してもとのところまで、もとの国境まで撤退しなさい、それによってあるべき平和に回復しなさい、これが決議なんですよ。そうでしょう。これは維持の決議じゃないのです。回復の決議なんです。そして、この法案が最初に例示として規定している、これは例示だということは法制局長官がはっきりおっしゃいました。「国際連合平和維持活動その他の活動」、これは例示であって、その他の活動も含めて一つの類型でくくられる活動なんですけれども、これはまさに維持活動を示している、維持活動に類するものを示しているわけです。今までに行われた維持活動、例えば二つの軍隊が相対峙して非常にその間に緊張が高まっている、その場合に、兵力引き離しのための平和維持活動を行う。これはまさに現在の平和を維持する ための決議に基づく現在の平和を維持するための活動なんです。それから、停戦が何とかできた、それが再び壊れないように停戦監視をする、これまた現在の平和を維持するための決議であり、現在の平和を維持するための活動なんです。停戦監視に関しては、憲章四十条による暫定的な措置を根拠としている場合もありますから、必ずしもあるべき平和が回復されたとまでは言い切れない。しかし、これ以上の悪化を防ぐためにとにかく現状維持しなさいということですから、これはまさに平和維持のための決議であり、平和維持のための活動なんです。治安維持のために国連警察軍が派遣された場合もそうです。何とか現在の平和を維持しよう。維持のための決議であり、維持のための活動なんです。 これまでの平和維持活動というのは、PKO、PKFも含めてすべて現状の平和を維持するための活動なんです。例外は朝鮮国連軍です。これはまさに侵略があったと認定し、その侵略があった状態を押し戻す、強制的に強制力で押し戻す、そしてあるべき平和に回復する、原状に回復する。それが朝鮮国連軍の本質だったわけですね。だから武力行使が行われたのです。平和維持活動は武力行使を前提としないというのは、そこに基本的な違いがあるのです。現状を維持するには何も武力行使をする必要はない。しかし、原状を回復するためには何らか強制力が必要なんです。だから、その強制力には禁輸というような場合もあるし、本当に武力行使をする場合もある。ちゃんと分かれているんですよ。だから、もしこの法案が文字どおり維持活動を、維持の決議を前提とするのであれば、文字どおりの現状維持のための、本来の平和維持活動にしか協力できないんです。ところが、回復の決議も含むのであれば、朝鮮国連軍型のまさに武力行使によってあるべき平和を回復する、現状を変更する、強制力を使う、そのための活動にも協力が可能だということになるんです。これは大きな違いなんですよ。基本的に違うんですよ。これは入り口のところです。この法案全体の性格を規定するところです。はっきりしてください。
○柳井政府委員 ただいま委員が御説明になりました「維持」と「回復」の概念の違いにつきましては、そのとおりであると思います。 国連憲章上、それでは国際の平和及び安全の維持という言葉がどのように使われているかということにつきましては、まず第一に、先ほど申し上げましたように目的のところで、この「維持」と「回復」を含む広い概念として定義的に規定されているということが一つございます。それから、先ほど一例を申し上げましたが、例えば十二条のようなところではこの広い意味で使っているわけでございます。それから、さらに若干の例を申し上げれば、例えば第二十四条でございます。これは国連安保理の権限を規定しているわけでございますが、ここでも「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」という表現で、これは当然両方の意味を含んでいると思います。また、四十三条におきましても第一項で、「国際の平和及び安全の維持に貢献するため、すべての国際連合加盟国は、」後を省略いたしますが、特別協定に従って兵力等を利用させることを約束するという趣旨の規定がございまして、この憲章上におきましても、この「維持」という言葉が広い意味と狭い意味に使われているわけでございます。私どもといたしましては、この法案の起案に当たりまして、この広い目的という一番基本的な規定から、広い意味の「平和及び安全の維持」という表現をとったわけでございます。
○小澤(克)委員 広い意味があることは私も認めます。最初に申し上げたとおり、第一条目的、それから最初にこれは私が言ったのですよ、二十四条、安保理の任務ですか、これは広い意味で使われています。ところが具体的な決議に関しては、具体的な手続を決めた第六章、第七章に関しては、平和の維持と平和の回復はきちんと概念的に書き分けてあるわけなんですよ。だから、あなたの答弁に即してもう一遍質問すれば、この法案に言うところの平和及び安全のための決議というのは、広義での意味なんですか、それとも狭義の意味なんですか。そして、あなたは広義の意味だと先ほどから答えているけれども、そんな解釈はあり得ないと言っているんですよ。なぜならば、ここには「決議」と書いてあります。具体的な決議に関しては、先ほどから繰り返し言っているとおり、第六章、第七章を読んでください。ちゃんと書き分けてあるのです。これは、具体的な決議を想定した条文でしょう。それについてその広義の方の、ふわっとした方の概念を当てはめるなどということはあり得ないことなんです、あり得ないことなんです。 なぜこんな入り口のところから基本的なミスをしたか。それは私、推測を交えて言えば、本来の意味での平和維持活動、現状維持活動、そのための法案を外務省いろいろ準備していたんでしょう。そこへもってきて突然今回の事態のような、現状を変更する、武力を用いて変更する、そういう場合を無理やり押し込んだ。この法案はこれは双子ですね、双子です。異質のものを何とか一緒にまとめちゃった。そのためにこういう基本的なミスが生じたんですよ。これは認められません。最初のところです。第一章、出だしのところです。この解釈があいまいでは、以後どんな議論をしたって始まらない、だめです。どうでしょう。
○柳井政府委員 これはミスというものではございませんで、先ほど申し上げましたように、私どもとしては、一条の一項で定義的に規定されている広義の「維持」というものを対象にしたわけでございます。
○小澤(克)委員 具体的な決議についての規定なのに、ふわっとした広義の方の意味に解釈するなどということはあり得ないんです。どうですか総理大臣、あなたの部下がこんなミスをしたんですよ。ミスでない、それはそう言いますよ。こんなところでミスだなんて認められませんよ。どうですか、撤回したらどうですか。入り口からミスがあるのですよ、この法案は。
○海部内閣総理大臣 これは入り口からミスとおっしゃいますが、私もこの国連憲章を読みますと、入り口の第一章第一条に「国際の平和及び安全を維持すること。」これが国連憲章の目的であると大きく入り口からくくって書いてあるわけでありますし、その国連の憲章の中には、やはり皆が力を合わせて国際の平和、国際の安全を維持すること、これが大切だ、こう出ておるわけでありますので、私はこれは入り口からしてミスだとはどうしても感じませんが、法制局長官から答弁をしてもらいます。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 この点につきましては、私ども絶対ミスと考えているわけではございませんで、今条約局長の方からるる説明がございましたように、やはり「国際の平和及び安全を維持する」という広い概念といいますか、今総理も申されましたように一条の一項で書いておりますその概念、概念が広狭二つあることは私もそうだと思います、それはそうでございますけれども、あくまでもそちらの広い方の、少なくとも国際連合が目的として掲げている概念、これを使ったということでございます。
○小澤(克)委員 専門家である法制局長官にこういうことを言うのは申しわけないのですが、その解釈は成り立ちません。なぜならば、この法案は具体的な決議に着目した法案なんですよ、具体的な決議に。具体的な決議については第六章、第七章、きちんと狭義の「維持」とそして「回復」と書き分けてあるのです。そんな解釈は無理ですよ。そのことを実は皆さん今気がついたんじゃない、前から知っててごまかしていたんです。その証拠があります。 せんだっての予算委員会での我が山口書記長の質問に対する答弁の中で統一見解が出ました。中山外務大臣が読み上げました。そのしょっぱなのところ、速記録で言うと四行目です。これは今回の多国籍軍の出兵が国連決議に基づいているのか、あるいはこれを受けているのか。受けていないという主張に対して、いや受けているんだとい うことでその統一見解を出されたわけですが、その速記録四行目のところにこう書いてあります。最初から読みましょう、わずかですから。「サウジアラビアに駐留するいわゆる多国籍軍は、国連安保理が決議六百六十により、憲章第三十九条に基づいてイラクのクウェート侵攻を国際の平和と安全の維持の破壊であると認定し、」と書いてあります。 「維持の破壊」って何ですか。維持と破壊というのは全然別でしょう。維持というのは現状を維持することです。破壊というのは、現状を壊しちゃうことです。こんな文章ないでしょう。これは、今回の決議は国際の平和と安全の破壊の決議だ、だから回復のための行動をする、だからこの法案には最初から、のっけから入らないのです。にもかかわらず何とかごまかして入れようとするために、「維持の破壊」などという、およそこれは形容矛盾というのでしょうか、反対のことを、白と黒とを、白い黒犬のような表現を入れちゃった。これは皆さん意図的にごまかそうとしているからなんですよ。どうですか、まずこれは撤回しますか、「維持の破壊」というのは。
○柳井政府委員 私、今速記録自体を手元に持っておりませんですが、その日の後で――恐れ入ります、どうも。速記録は拝見いたしました。 確かに「維持の破壊」となっておりますが、これは恐らくそのとき非常に急いで原稿をつくりましたので間違ったと思います。その日の晩にすぐ整理した文章をお配りしておりますが、その方では「国際の平和と安全の破壊」というふうに正確に書いてございます。したがいまして、この「維持の破壊」というのは明らかに間違いでございますので、これは謹んで訂正さしていただきたいと思います。
○小澤(克)委員 いやしくも統一見解として、内閣の統一見解として外務大臣が述べられたことですよ。それを何で条約局長が、間違いだから取り消すなんて言うんですか。どういうことですか。それほど権威のないものなんですか。そんなものでどうやって質問をするんですか。そんなものでどうやって議論するんですか。冗談じゃないですよ。話にならぬですよ。私は、これは英文の原文までちゃんと調べたんです。「維持」なんてどこにも一言も出てないんです。ごまかしちゃだめです。
○加藤委員長 外務大臣、責任を持って答弁をお願いいたします。
○中山国務大臣 さきに私が統一見解をここで申し上げましたときに、一部字句が間違っておりました。今回改めてそれを取り消さしていただいて、字句を「国際の平和と安全の破壊であると認定し、」というふうにさしていただきたいと思います。その夜お配りした内閣の統一見解でひとつ御理解をいただきたいと思います。
○小澤(克)委員 単純なミスだというふうに言い張るでしょう。そうじゃないんです。最初から私が言っているとおり、これは本来この法では対処できないところの今回のイラク情勢に、無理やりこの法を当てはめようとしてごまかしたものなんですよ。言い間違いじゃないんです。これ、想定問答集を読んだんです。想定問答集に最初からそういう文字が入れてあるんです。お役人がごまかすために最初からそうやってつくっていたんですよ。だめです、そんなこと言っても。だめですよ。どうもこれ日本語としておかしいと思ったら、決議はこうなっていますよ。「ディターミニングザットゼアイグジスツアブリーチオブインターナショナルピースアンドセキュリティー」、まさに国際の平和と安全の破壊が存在したと書いてあるんです。「維持」なんてのはあり得ない。それは論理的にもあり得ないんです。それを意図的に想定問答集までごまかして何とか、本来入らない回復のための決議、回復のための行動をこの維持のための決議に持ち込もうとして「維持の破壊」などという、白い黒犬というような、わけのわからぬ表現をした。外務大臣までがそれに乗っけられて国会に対していいかげんなことを言った。これでどうやってこの法律を今後議論し、質疑を続けるんですか。私にはできません。
○柳井政府委員 せんだっての統一見解の中に一つ間違いがございましたことは大変遺憾に思いますが、委員がおっしゃいましたように、何かこれをごまかそう、そういうような意図がなかったことだけははっきり申し上げておきます。
○小澤(克)委員 夜には気がついたと先ほど言いましたね。気がついたのになぜ今までほうっておいたんですか。どうしてこちらが指摘する前にちゃんと訂正しないんですか。それ自体ごまかしでしょう。最初からごまかしなんだよ、この法律は。だめです。納得できません。(発言する者あり)
○加藤委員長 御静粛に願います。 小澤君、質疑を続けてください。
○小澤(克)委員 内閣の統一見解として外務大臣が重々しくも読み上げられた文章を、何日たっていますか、三日ですか、四日ですか、たった数日でやれ訂正するだの取り消すだの、そんなことがあっていいんですか。これは、国の唯一の立法機関である、別に威張って言っているんじゃないですよ、国会に対してこんないいかげんな態度でいいんですか。私は、訂正や何かでこれを済ますということは納得いたしません。 総理にお尋ねします。早速きちんと出し直してください。文章で出し直して配ってください。いかがですか。
○海部内閣総理大臣 今の御議論を私も伺っておりましたが、確かに当初外務大臣の読み上げました速記録に残っておるという文言は、「国際の平和と安全の維持の破壊である」こうなっております。そして、国際の平和と安全の維持の破壊というのは、どうも素直に見ても、私もいつもここへ立つと、国際の平和の破壊であるということをよく言いましたが、平和と安全の破壊であって、「安全の維持の破壊」というこの「の維持」という言葉は余分ではないかということで、これは明らかな間違いであるというので、これは字句を取った方が、平和と安全の破壊であると認定するという方が素直だというので、きちっとそういう文章をつくって、聞けばもう既に文章にしてお届けしてあるのが今私の言う「平和と安全の破壊である」、こういう文章になっておる、こう申しますので、改めてここで申し上げさせていただきますけれども、「イラクのクウェート侵攻を国際の平和と安全の破壊であると認定し、イラク軍の八月一日の駐留地点までの無条件撤退を求め」というふうに、ここで正式に訂正をさせていただきます。
○小澤(克)委員 その日の夜には気がついた、しかし、きょう指摘されるまでほっといた、これはどうなるんですか、この責任は。国権の最高機関ですよ。国の唯一の立法機関ですよ。あなた方、提案者でしょう、法案の。法案の提案者がそんないいかげんなことでどうするんですか。 総理が口頭で今訂正するとおっしゃいましたけれども、今日まで気がつきながらほっといた、このことについて見過ごすことができません。どうしても訂正で済ませたいというのならば、私だって別にごねているわけじゃない、きちんと――可か文書配ったとかおっしゃいましたけれども、別に私どもそんなものを、正式な文書をもらった記憶はありませんよ。正式に文書で訂正文を配付してください。その上でなければ質問続行することできません。 委員長、よろしくお願いします。
○加藤委員長 委員長から申し上げます。 ただいまの政府統一見解に関する字句の間違いその他の問題につきましては、政府の方から正式にしっかりとした文章で配付をしていただきますように委員長から要求いたします。その配付の仕方、それからその取り扱い等においては、後刻理事会で御相談いたします。よって、議事は続行してください。 小澤君。
○小澤(克)委員 それでは質問を続行させていただきます。 それでは、最初に申し上げたとおり、この法案がどこまで何を制約できるかという観点から、続いてお尋ねいたします。できるじゃなくて、しているかですね。 この国際の平和及び安全の維持のための決議、これが大前提となっているわけですが、次に、この決議を受けて行われる活動に対して協力が可能だ。第一条は「受けて行われる」という表現になっておりまして、第三条、定義規定では、より厳密に、決議に基づくもの、それから決議の実効性を確保するもの、この二つに分かれて定義づけられているわけです。したがって、第一条の言う「ために」というのは、第三条の言う「基づき」と実効性確保とを含めた、何といいますか、包括的な概念ということだろうと読めるんですが、そこで一つ確かめておきたいのは、この実効性確保については、これは何らか義務づけがあって初めて成り立つ概念だろうと思いますので、義務を負わせる決議があることが前提、すなわち勧告ではなくて決定になるのでしょうか、それが前提になっている、これは間違いないでしょうか。
○柳井政府委員 この実効性の確保につきましては、決議で要求されているというものではございませんで、加盟国が判断いたしまして、これらの一連の決議の実効性を確保するために措置をとっているというものでございます。
○小澤(克)委員 よくわからなかった。端的に答えてください。義務づけのある決議に限られるのか、そうでないものも含まれるのか。単なる勧告、要請等も含まれるのか。端的に答えてください。
○柳井政府委員 これは拘束力のある決定と勧告と両方含みます。
○小澤(克)委員 拘束力のない単なる勧告に実効性という概念があるんですか。実効性というのは何らか義務づけがあることが前提でしょう。そんないいかげんな解釈はありませんよ。だめですよ、それは。ちゃんと答弁してください。
○柳井政府委員 拘束力のない勧告につきましても、その勧告が目指しております目的を達成するために加盟国としてこれを支持し、実効的にするためにとる措置という趣旨でございます。したがいまして、勧告に基づく加盟諸国の措置というものも含めて考えております。
○小澤(克)委員 本来、勧告というのは、従うか従わないかは加盟諸国の任意ですよね。そうすると、そのような任意の行動について、実効性を確保するためにだれがどんな活動をするんですか。任意の行動について何らか強制にわたることをするなんてことは、論理的にはあり得ないじゃないですか。そこをどう説明するんですか、答えてください。だめと言っているんじゃないですよ。どう説明するかと聞いているんです。
○柳井政府委員 今回の一連の決議につきましては、決議そのものは拘束力のあるものとないものがございますが、いずれにいたしましても、それらの目的達成のために、加盟国が判断いたしまして、繰り返しになりますが、その実効性を確保するために加盟諸国がとった措置であるということでございます。
○小澤(克)委員 そうすると、何らかの勧告があった、それに従う従わないは各加盟国の自由である。その加盟国みずからが、自分が行うか行わないかは任意だけれども、それを行うとする場合に実効性を確保するための活動なんですか。そうすると、その国みずからの活動に限る、他の外国、他の国際機関等がとやかく言うのはここに言う活動には含まれない、こうなるわけですか。
○柳井政府委員 この法案の第三条で言っておりますことは、「又は」以下でございますが、「又は国連決議の実効性を確保するため、国際連合その他の国際機関又は国際連合加盟国その他の国」、「その他の国」というのは非加盟国でございますが、「が行う活動をいう。」ということでございますから、この活動の主体には国と国際機関と両方あるということでございます。 先ほど来申し上げましたのは、今回の事態に関する諸決議との関係で申し上げたわけでございますが、今回の一連の諸決議についてとられている活動、具体的には多国籍軍の展開でございますが、これは国際機関ではなくて加盟諸国がとっている措置であるということでございます。
○小澤(克)委員 そんなことを聞いたつもりはないんです。私の聞き方があるいはちょっとまずかったのかもしれませんので、もう一遍お尋ねします。 「実効性を確保するため、」と言うからには何らか義務づけがあることが前提かと最初にお尋ねしたわけですね。そうしたら、義務づけに限らない、その決議に従う従わないは任意である事柄についても実効性確保のための活動というのがあり得るんだ、こういう御答弁でした。それでは、そんな行動がどうしてあり得るのか。ある決議に対して、ある国、日本なら日本がそれに従うかどうかは任意なんです。それに対して、外国とかあるいは国際機関がそれに従いなさいと何らかの行動をするということは、これは基本的におかしいことですわね。任意なんだから。任意なことを他から強制するというのは、これは意思強制で、そんなことはできませんでしょう。義務がないことなんだから。だから、どういうことなのか。その国みずからが、任意だけれどもまあやろう、禁輸なら禁輸――禁輸は普通強制ですけれども、任意の禁輸というのが仮にあったとします。それに従おうと日本なら日本が決意した。そして、そのために行動しようとするんだけれども、警察力が不足していて密輸を禁ずることができない。そのために外国が協力しよう、こういう場合を想定しているんですか。よくわからないんですね。
○柳井政府委員 あるいは私が委員の御設問をとり違えたかもしれませんので、より具体的に今回の一連の決議に即して申し上げたいと思います。 私が御説明したかったことは、今回の諸決議に関します限り、安保理決議六百六十……(小澤(克)委員「あなたの説明したいことじゃなくて私の問いに答えてよ」と呼ぶ)はい。問いに答えるべく努力をしているところでございます。 今回の関係の決議では、御承知のとおり、決議六百六十というものがございます。これは安保理の認定でございまして、イラクが平和の破壊を行った、そしてイラクに即時無条件撤退を求めた、その意味で拘束力のある決議であると思います。イラクに対して拘束力のある決議でございます。それからもう一つは、ちょっとお触れになりましたけれども、六百六十一号の経済制裁措置、これは加盟国に対して拘束力のある決定でございます。それからまた六百六十五という洋上兵力の活動に関する決議もございますが、これにつきましても、一部分少なくとも拘束力のある決定であると思います。 そこで、それに対して、国連軍というものがあるわけでございませんので、これに対して実効性を確保するために加盟諸国の相当多くの諸国が軍事力を展開して実効性を確保すべく努力をしている、そしてそのような活動を大変多くの加盟国が支持している、そういう関係になると思います。
○小澤(克)委員 だから、全然違うことを答えているので困るんですよ。拘束力のある決定に基づいて云々かんかんというのは、私の問いに対する答弁に全然なってないわけですよね。私が先ほどから聞いているのは――そんなにわからぬですか、私の言っていること、聞いていることは。 じゃ、いいですか、最初から言いますよ。実効性を確保するための活動、これもこの平和協力隊が協力をする活動の対象に含まれる、こういうことですね。これはいいですね。そこで、この実効性を確保するための決議というのは何らか義務づけの決議でなければならないでしょうとお尋ねしたわけです。そうしたら、それには限られない、単なる任意、その決議に従うか従わないかは加盟各国の任意に任されている決議についても含まれる、こういうお話でした。そのいい悪いは別として、それを前提に次に私が質問したのは、じゃ、その任意の活動、従うか従わないかは任意の活動、これに対して実効性を確保するために国際機関や外国が干渉するということは、これはあってはならないことですね。でしょう。意思を強制し てはなりませんわね、任意のことなんだから、主権国家に対して。そんなことがあり得るのかと聞いているんですよ。だから、拘束力のない勧告についての例を挙げて説明してください、具体的に説明するのなら。
○柳井政府委員 だんだん委員の御質問の焦点がわかってきたような気がします。 もとより勧告を強制するというようなことがあり得ないことは確かでございます。私が先ほど勧告を内容とする決議も対象となると申し上げましたのは、何らかの勧告がございましてそれを一定数の国が受け入れて国際的な活動を行う、そういうような活動に対して実効性を与えるために、そういう勧告を受けた国々及びその他の加盟国等が協力をするというような意味で実効性を確保するということはあろうと思います。現在の事態につきましては、もともとの勧告が、勧告と申しますか、決議がそのような勧告でないわけでございますが、しかし、勧告に基づいて加盟諸国がとる措置、それに実効性を与えるということはあり得ると思います。したがいまして、勧告を強制するという趣旨ではございません。それはあり得ないことでございます。
○小澤(克)委員 わからないですね。勧告というのも一種の決議ですよね。その実効性を確保するなんということがあるのですかと聞いているのです。あるのですと言うのです。じゃ、どういう場合があるのですかと。勧告というのは、従うか従わないかはその加盟国の任意なんですね。それに対して実効性を確保しなさいと言って国際機関や他の外国が干渉がましいことをするというのは、私には理解できないのです。どうしてそんなことが可能なのか、説明してください。
○柳井政府委員 繰り返しになりますが、勧告を強制するということはあり得ないことでございます。ただ、その決議が目的としていること、目標にしていることのその目標達成に加盟諸国が協力するということは十分あり得るわけでございます。そのようなものも含めまして、実効性の確保というふうにとらえているわけでございます。
○小澤(克)委員 どうしてもわからないですね。だって、任意なんでしょう。その勧告に従うか従わないかは任意なんですよ。それに対して、従うように、従ってその勧告なら勧告の目的が達せられるように他の外国が、国際機関が干渉する、協力する、こんなことがあっていいのですか。任意の事柄に対してそんな意思強制をしていいのですか。どうしてそんなことができるのですか。説明してください。
○柳井政府委員 それは十分あり得ると思います。あくまでも勧告を強制するということはあり得ないわけでございますが、しかし、その決議が目標としていること、やろうとしていることというものははっきりあるわけでございまして、それが実現するように国連加盟国が協力する、あるいは専門機関等の国際機関も一緒に協力するということは十分あり得るわけでございます。
○小澤(克)委員 だから、あり得ると結論をおっしゃるけれども、どうしてあり得るのかと聞いているのですよ。任意、従う、従わないは勝手なんですね。それを従いなさいと他の外国や他の国際機関が何らか働きかけて活動するということがどうしてあり得るのかと聞いているのです。あり得るというのは結論であって、その理由になってないですね。そこを説明してください。――あんた、答弁者じゃないよ。あんたに教わる立場じゃないよ。変なこと言うな。
○柳井政府委員 任意と言われますと、必ずしも国連の勧告というものが、まあどうでもいい、従っても従わなくてもどうでもいいという意味の任意という御趣旨ではないと思いますが、これは、国連総会なり安全保障理事会が加盟諸国に対して何らかの措置をとることを勧告するということは、やはり国連の意思といたしまして加盟諸国ができるだけそれに従うということを勧めているわけでございますから、まあどうでもいいということではないわけでございます。したがいまして、そこにはやはり国際社会の一つの統一された意思があるわけでございまして、その意思達成のためにとる措置というのが実効性確保の措置であるというふうに考えております。
○小澤(克)委員 それはおかしいですね。それは、おっしゃる意味はわかりますよ。勧告だからなるべく従った方がいいでしょうと。それはそうでしょう。しかし、ぎりぎり突き詰めて勧告に従う義務があるのかないのかということになれば、義務はないわけです。任意というのはそういう意味です。それに対して外国やあるいは国際機関が意思を強制する、そんな活動があっていいのかと聞いているのですよ。それはその方が望ましいというのはわかりますよ。でも、ぎりぎり突き詰めて義務がないものをやりなさい、やりなさいとする、そんなことは許されないんじゃないですかと聞いているのです。
○柳井政府委員 私、そういうことが許されるのかという御設問、必ずしもよく理解できないのでございますが、もちろん勧告に強制力を与えるということはできないのは先ほど来申し上げているとおりでございますが、ただ、国連総会なり安全保障理事会の勧告というものは、そこにやはり国際社会の一つの、一定方向の意思があるわけでございますから、これが実現できるように加盟諸国が協力する、あるいは国連の一部専門機関等がこれに協力するということを実効性確保ということで申し上げているわけでございます。したがいまして、その実効性確保というところに何らかの強制力があるという趣旨ではございません。
○小澤(克)委員 全く私にはわからないのですね。ぎりぎり突き詰めて義務のないことをやりなさい、やりなさいといろいろ働きかける、しかし強制力はありません、そんな活動があっていいのかどうか、私、そんな活動はあってはいけないと思うのですけれどもね。義務のないことを意思強制するのはおかしいと思うのです。事実上強制するのはおかしいと思うのですが、仮にそういう活動に対してこの協力隊が協力し得る、少なくともその対象にはなり得る、こんなことになるのですか。そういうことですか。
○柳井政府委員 そのとおりでございます。
○小澤(克)委員 率直に言ってよくわからないのですけれども、しょうがない。私の頭が悪くてわからないんだからしょうがない。要するに結論は、義務がないことについてまでいろいろ働きかける、それにまでこの協力隊が協力できる、少なくとも協力する対象にはなり得る、こういう結論をとにかく伺って、質問を続けます。 さっきの山口書記長の質問に対する統一見解、先ほどのものに戻ります。 これは私も読みました。ちょっとひど過ぎますね。これほどのこじつけ、牽強付会、これは私、ギネスブック物だと思いますよ。いいですか。 まず第一ですね、「サウジアラビアに駐留するいわゆる多国籍軍は、国連安保理が決議六百六十により、憲章第三十九条に基づいてイラクのクウェート侵攻を国際の平和と安全」これは「維持」は取るんだそうですが、「安全の破壊であると認定し、イラク軍の八月一日の駐留地点までの無条件撤退を求め、さらに決議六百六十一において、決議六百六十のイラクによる遵守確保、クウェートの正統政府の権威回復を目的とする経済制裁措置を憲章第四十一条に基づく非軍事的制裁措置として決定したのを受け、サウジアラビア政府の要請に応じた各国が陸上部隊を同国の領土内に展開しているものである。」いいですか、非軍事的制裁措置として決定した、それを受けて軍事行動をしている、これはまさに論理矛盾でしょう。非軍事的制裁措置として決定した、それを受けて軍事的な活動、軍隊を派遣した、この論理が私にはわからないのです。私の頭が悪いのかもしれませんが、もう一遍説明してくれませんか。
○柳井政府委員 四十一条に基づく決定は、まさしく非軍事的措置でございます。これは経済的な措置でございます。ただ、これはもとより決定でございまして、拘束力のある措置でございます。そしてこれが、いわば経済制裁措置がしり抜けになっては困りますので、そのために軍事力をもっ てこれを裏打ちする、これに実効性を与えるという関係になるわけでございます。 したがいまして、決定自体は国連の措置でございまして、これは非軍事的措置でございますが、これに実効性を与える措置は加盟諸国がとった軍事力の展開ということでございます。
○小澤(克)委員 私はあなたほどいい頭を持っていない。非軍事的措置を受けて軍事的措置を行う、それが論理的につながっている。私にはわかりません、申しわけないけれども。どういうことなんでしょうか。外務大臣、ちょっと私にもわかるように説明してください。
○中山国務大臣 この決議六百六十一号で経済制裁措置を決定したということでございまして、この経済制裁措置の実効性を確保するために多国籍軍が展開している、こういうことです。これはまだ武力行使をやっていない、私はそのように見ています。つまり、戦争自身がまだそこにないわけです。戦闘自身がありません。だから、ただ単に駐留しているということにすぎないという認識を持っております。
○小澤(克)委員 非軍事的措置を受けて軍事的措置、まだドンパチ始まってなくたって軍事的措置ですよね、軍隊を派遣するということは。これは残念ながら私にはわかりません。非軍事的措置を担保するために軍事的措置をとる、そんなことが許されるのだとすれば、そういう解釈が許されるのだとすれば、逆にこの法案は、最初に申し上げた、何の制約機能もないということになるんですよ。何らか決議があれば何でもできるということになるんです。国際紛争があれば多かれ少なかれ何か決議がありますよ、特に総会では。ただそれを受ければ何でもできるということになるんです。決定はあくまで非軍事的措置であるのに、それを受けたら軍事的措置もできる、これも実効性確保というカテゴリーに入るんだ、だからそれに平和協力隊が協力できるんだ、これじゃ、およそ国際紛争があればそこには協力できる。これは縛りの機能を全く果たしません。 それじゃ、非軍事的措置を担保するために軍事的に取り囲むということが認められる、これは論弁そのものだと思いますが、それを前提に議論を進めましょう。この非軍事的制裁措置というのは禁輸でしょう。禁輸です。禁輸の実効性を確保するにはどうしたらいいのですか。この決定は、加盟各国に自国民もしくは自国領内で禁輸をやりなさいという義務づけなんですよ。そうしたら、各国の、これはまあ通商政策をやるパートになるのでしょうか、が、みずから禁輸をすればいいだけの話ですね。軍隊で取り囲む理由なんか全くありません。ただ、警察力が不足して密輸団を取り押さえることができない、それならまあ、場合によっては武力で取り囲んでそれを防ぐということもあるかもしれません。しかし、現実に今、イラク国境付近にサウジの警察力ではとても対処できないような武装密輸団でも存在するのですか。存在するという情報があるのなら教えてください。
○柳井政府委員 先ほど、経済制裁措置と軍事力の展開の関係についてのお尋ねでございましたので、私は六百六十一号に対する実効性確保ということを申し上げましたが、補足させていただければ、六百六十の撤退要求決議に対する実効性の確保という面も含まれているわけでございます。 そして、経済制裁措置に実効性を与えるために軍事力が要るという点につきましては、まさに、例えば海上輸送によりましてイラクとの輸出入あるいは輸送そのものに対する禁止措置が実効的になるということでございまして、これは十分考えられることだろうと思います。サウジアラビアとの国境も非常に長い国境というふうに承知しておりますが、そこの実態につきましては、私、特に知識がございませんけれども、陸上におきましてもあるいは海上におきましても、イラクを起点とする輸出あるいはイラクへの輸入またはその他の経済的な取引が行われないようにするという意味におきまして、実効性確保というふうに考えている次第でございます。
○小澤(克)委員 今のは典型的なすりかえの答弁なんです。撤退を要求するためにということは、これはまた後で聞きますよ。 今私が聞いたのは、非軍事的制裁措置すなわち禁輸、禁輸の決定をしたのを受けて軍隊を展開した、こういう文章になっているから、禁輸措置の実効性を確保するために軍隊まで展開しなければならないような、サウジの警察力では対処できないような武装密輸団でもあるのですかと聞いたのです。わかるでしょう、私の質問。撤退のため云々というのは今聞いてないのです、私は。答えてください。
○渡辺(允)政府委員 第一に、この統一見解にございますように、これは御質問がサウジアラビアに駐留する多国籍軍についてでございましたのでそれについて書いてあるわけでございますが、それがまず決議六百六十の実効性の確保のための役割を果たしているというのがこの関係では主でございまして、それでその後に決議六百六十一の実効性の確保のための役割をも果たしているということでございます。 それで、現実にサウジとイラク、クウェートの国境におっしゃるような密輸団があるかどうかということは私ども承知しておりませんけれども、ただそのほかの国境を越えてそういう活動も若干あるやにも承知しておりますし、それをむしろ防いでいるということであろうかと思います。
○小澤(克)委員 だから、六百六十のイラクによる遵守確保、これは撤退せいということですか。それはいいでしょう。そうじゃなくてもう一つの方。「非軍事的制裁措置」、これをも受けて軍事力が展開していると言うのでしょう。だから、こっちの方がどうしてそういう論理的につながるのですかと聞いているのですよ。そっちについて聞いているのです、密輸について。答えてください。
○柳井政府委員 先ほどの繰り返しになって恐縮でございますが、六六一に基づきましてとられた経済制裁措置、これは輸出入だけではなくて非常に広い措置でございますが、これが例えば輸出入に関して言えば、密輸が行われないように、例えば海上においてイラクに入るあるいはイラクから出てくる船を検査するという意味におきまして、このような措置に実効性を与えるということは十分考えられることだと私は思います。
○小澤(克)委員 この統一見解をよく読んでください。「陸上部隊を同国の領土内に展開しているものである。」と書いてありますよ。何で海軍力が関係あるのですか。
○柳井政府委員 サウジに関しては陸上部隊でございます。私が申し上げましたのは、全体的な決議と、そのいわゆる実効性確保の措置について申し上げた次第でございます。この一項に関しては陸上部隊のことでございます。このサウジに関しては陸上部隊でございます。
○小澤(克)委員 だから、この最初のところを聞いているのですよ、この統一見解の。六百六十によるイラクによる遵守確保とそれから非軍事的制裁措置としての経済制裁措置、これを決定した。これを受けて「サウジアラビア政府の要請に応じた各国が陸上部隊を同国の領土内に展開している」、こう書いてあるわけですよ。だから、この領土内に陸上部隊が展開していることがなぜこの二つのうちの一方の方の非軍事的制裁措置の実効性確保につながるのかと聞いているのです。サウジの警察力では対処できないような武装密輸団でもあるんなら、私、認めますよ。だから、そういうのがあるんですか、なかったら論理的につながらないでしょう、こじつけでしょうと、こう言っているわけです。答えてくださいよ。
○渡辺(允)政府委員 イラク、クウェートの周辺につきましては、ほかの国、例えばイランあるいはトルコ等との国境における若干の密輸活動等についても報じられておりますし、イラク、クウェートと国境を接しておりますサウジアラビアにつきましても、そのような可能性はあるものと考えられます。それを防ぐという意味で、先ほど申し上げましたように、この決議六百六十一の実効性の確保のための役割をも果たしているということでございます。
○小澤(克)委員 役割をも果たしているというのは、まあ副次的には果たしているというふうな意味なんでしょうけれどもね。密輸を禁ずるのに陸上部隊を展開する、それが密輸を禁ずるのに実効性を確保している、これはこじつけの典型です。もう時間がむだですからね、こんなことをやっているのは本当はばかばかしいのですけれども、先へ行きます。もうとんでもないこじつけだということを指摘しておきます。聞いている方はみんなおわかりになったと思いますからね。 それじゃ、次です。いいですか。「サウジアラビアに駐留する多国籍軍は、同国と協力しつつ、イラクによるサウジアラビア侵攻等の軍事行動の拡大を抑止してきているところ、イラクによる軍事行動拡大の抑止は決議六百六十の求めるイラクのクウェートよりの無条件撤退を実現するための不可欠の前提である。」どうしてこれが不可欠の前提になるのですか。サウジに対する侵攻とクウェートに対する占領とは別の事柄です。一方が他方の前提になるというような論理的な前後関係はありません。どうしてこれが不可欠の前提になるのですか。例えばクウェートを通過しなければイラクに行けないような地理的な関係でもあれば、まあこう言えなくもないのかなと思いますよ。しかし、イラクとサウジというのは長い国境線、直接に国境線で接していて、ペルシャ湾に面するほんのわずかのところだけがクウェートを挟んでいますね。全然別でしょう。どうしてこれが不可欠の前提になるのですか。これは、例えば隣の家に火事が移っている、それを消すためには向かいの家に火事が移らないことが前提になると言っているようなものなんですよ。これをこじつけと言わずして何をこじつけと言ったらいいのか。どうしてこれが論理的に不可欠の前提なのか、教えてください。
○渡辺(允)政府委員 この項は、「イラクによる軍事行動拡大の抑止は決議六百六十の求めるイラクのクウェートよりの無条件撤退を実現するための不可欠の前提である。」ということでございまして、イラクによる軍事行動拡大が起こりますれば、と申しますか、そのイラクのクウェートからの無条件撤退を実現するためには、まず、イラクのクウェートからそれ以上の軍事行動の拡大を抑止しなければならないということでございますから、したがって、ここにございますように、つまり、イラクのクウェートよりの無条件撤退を実現するための前提として、そのイラクによる軍事行動の拡大を抑止しているということでございます。
○小澤(克)委員 そんなこじつけは全くわかりません。これは論理的にも地形等を踏まえた実際にも、前提というその関係にないのですよ。まあ、次に行きますが…… それから、なお書きがありまして、六百六十五号は、諸外国に対して、海上部隊を展開している国に対して協力しなさいということを要請している、だから、これに協力することは、この六六五に沿うものだ、こういうことがなお書きで書いてあります。これは、なぜその実効性確保になるのかという書記長の質問とは全く無関係な文章ですね、この部分は。 一つだけお尋ねしたいのは、この六百六十五号はまさに海上部隊に対して臨検等をやりなさいという決議なんですけれども、それを実効性確保の活動というふうに直接書かなかったのは、これは時間的に後からのことだからと、こういうことでしょうか。
○柳井政府委員 この点は六百六十五号の第三項におきまして、「全ての国家に対し、本決議の第一項に言及されている」、すなわち、海上部隊を展開している「国家が必要とするであろう援助を国連憲章に基づき提供することを要請する。」というふうに規定しているわけでございますが、この四項の海上部隊に関する部分につきましては、この点を言ったものでございます。
○小澤(克)委員 ちょっとよくわからなかったのですが、六六五はまさにあれでしょう、臨検等をやりなさいというものでしたよね。それこそ実効性確保そのものかなと思ったのですが、この統一見解では、これを実効性確保の根拠には挙げてないのですね。ただ、これに協力することは、この決議六六五の趣旨に沿うんだ、そのことだけ言っているので、どうしてまさに実効性確保、六六五の実効性確保のために展開しているというふうに言わなかったのか。そう言ってないでしょう、この文章。それを疑問に思ったのです。その理由としては、六六五というのは、いろいろな軍隊が展開しているよりもずっと後になって出た決議だから、その時間的前後関係で外したのかなと思ったので、そう聞いたのですが、それは違うのですか。
○柳井政府委員 この点につきましてなお書きといたしましたのは、もともとの御質問がサウジアラビアに展開している多国籍軍と国連決議との関係についてということでございまして、その点が中心課題でございましたので、そこで海軍力については別途書いたということでございます。
○小澤(克)委員 今のはよくわかりました。要するに、これは陸上部隊についての質問だから、海上部隊については外したんだ、こういうことですね。はい、よくわかりました。 時間がありませんけれども、統一見解の後の方について聞きます。 これは、完全に論理的な矛盾が一つあるのですけれどもね。二つの類型がある、これはいいのです。 「第一の種類の活動は、国連決議に基づき国際連合等が行う活動であり、国際連合が行う「平和維持活動」(PKO)がその典型的なものである。」これは結構です。 「第二の種類の活動は、国連決議の実効性を確保するため国際連合加盟国等が行う「その他の活動」であり、」こう書いてある。しかし、これは論理的におかしいですね。「平和維持活動」というのは例示であって、「その他の活動」とカテゴリーとしては一緒だ、これが法制局長官のお答えです。そうなると、「その他の活動」であっても、つまり、ずばりそのまま「平和維持活動」ではなくても、国連決議に基づく活動というのはあり得るわけですよね。それなのに、この統一見解では、第二の種類は「その他の活動」だ、こう言っちゃっているのですよ。これは論理的に明らかに誤りだと思いますが、これは法制局長官、いかがですか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 今委員のお尋ねの部分、ちょっと私も必ずしも正確に理解したかどうかわかりませんが、「国際連合加盟国等が行う「その他の活動」」、「その他の活動」のところにかぎがつけてあるということでございまして、いわゆる活動であるというふうに読んでいただいていいんではないか。これは、なお条約局長の方から御説明いただければと思います。
○小澤(克)委員 もう一遍言いますけれども、端的に言えば、「その他の活動」であっても、実効性確保ではなくて決議に基づく方にずばりそのまま入るものもあり得るではないか、ところが、この統一見解では、それが否定してあるのでおかしいではないですかと聞いている。それだけのことなんです。どっちでもいいです。
○柳井政府委員 私、御指摘の点、正確に理解したかどうかちょっと自信ございませんが、この第二の種類の活動と申しますのは、「国連決議の実効性を確保するため国際連合加盟国等が行う「その他の活動」」ということでございまして、基づいて行うというものと、それから実効性を確保するために行う活動というものが二つあるわけでございますが、それをここで言っているわけでございます。この法案の一条の目的のところでは、それをひっくるめまして、「決議を受けて」というふうに言っておりますが、三条の方では、「基づき、」とそれから「実効性を確保するため、」というふうに二つに分けているわけでございます。目的の方の書き方では、「決議を受けて行われる国際連合平和維持活動その他の活動に対し」となっておりまして、「その他」の方にも、この「決議 を受けて」というのが係っているわけでございます。
○小澤(克)委員 全然わかっていらっしゃらないようなんですね。私が言ったのは、指摘したのは、「その他の活動」であっても、実効性を確保するための活動ではなくて、基づく方の活動になり得るんではないですかと聞いただけなんですよ。では法制局長官、うなずいておられるから答えてください。
○工藤政府委員 御質問の点にお答えいたしますが、これは「第一の種類の活動は、国連決議に基づき国際連合等が行う活動」、ここは「国際連合等」ということで全体をひっくるめてその活動を言っていると思います。したがって、「国連決議に基づき国際連合等が行う活動」があり、「第二の種類の活動は、」実効性を確保するため、これも国際連合加盟国等が行う活動である、こういうふうなことで、今の委員の御指摘とまさに同じことではなかろうかと思っております。
○小澤(克)委員 だって「その他の活動」と書いてあるでしょう。第二の種類は、「その他の活動」だと、これは一対一の関係があるというから、これはおかしいと言っているだけのことなんです。もういいです。時間のむだですよ、そんなの。 いずれにしても、これは本当に牽強付会といいますか、こじつけといいますか、しかも明らかな論理的な誤りまで含まれている。これは文章を読んで、これほどのひどいこじつけ、一片の、何といいますか誠実さというものを感じさせないんですね。文章というのは誠実さがよくあらわれるものなんです。これは虚偽と欺瞞です。おまけに論理的な、初歩的な誤りまである。こんなもの撤回するお気持ちはありませんか。みっともないですよ、こんなものが議事録にまで載っちゃって。おまけに最初に私が指摘した大ミスまである。撤回したらどうですか、すぱっと。いかがですか。
○中山国務大臣 いろいろと御指摘がございましたが、先ほど申しましたように、一部字句を訂正をさしていただくということで、この内閣の統一見解を撤回することはいたしません。
○小澤(克)委員 これに関連いたしまして、十九日の予算委員会で山口書記長の質問に対して赤尾国連局長、明らかな虚偽を言っております。虚偽ですよ。指摘します。 先生からデクエヤル国連事務総長の発言と多国籍軍及び決議との関連につきまして御指摘がございましたので、私たちのニューヨークからの報告をベースに御説明いたします。 確かに、先生が御指摘されましたとおり、一部の報道におきまして、新聞等の報道におきまして、国連事務総長は多国籍軍の展開は国連とは関係のないような発言をしたかのごとく報ぜられた事実がございます。その後、ニューヨークにおきます国連事務総長の記者会見におきまして、このような報道は自分の、すなわち国連事務総長の真意を伝えていないというふうに述べて、新聞報道を否定しております。 こうあなたは言ったのです、予算委員会の席上で。ところが、この否定した発言というのは、全然別の発言なんですよ。全然別の事柄なんです。山口書記長が指摘したのは八月十三日の記者会見のことなんです。一部真意が伝えられてないとして、後に部分的に否定したのは、これは十六日のリマでの記者会見のことなんです。こんな明白な虚偽をこのまま見過ごすことはできません。どうするんですか。外務大臣、答えてください。
○赤尾政府委員 事務総長の記者会見、これはニューヨークにおける記者会見は十三日でございます。そのニューヨークでの記者会見の内容は、国連の観点から、当時封鎖という言葉が、アメリカが封鎖するというような言葉が報道されたこともありまして、それを受けて事務総長が十三日に記者会見で、「国連の観点からは、「封鎖」という言葉は正しいものではない。」云々と述べたわけです。最後までもう少し読みますと、「安保理の決議を通じ、国連のみが封鎖につき現実に決定することができる。」だから、封鎖については、憲章四十二条に基づいて、安保理のみが決定することができるんだ。だから「自分(事務総長)は、我々が「封鎖」という言葉を使うのは避けるべきだと考えている。」これは十三日に述べたことでございます。 その事務総長の発言を受けて新聞報道が行われました。その新聞報道というのは、アメリカ軍の行動は、これは意訳ですが、アメリカ軍の行動は憲章に違反するという報道があったので、十六日になりまして、事務総長はリマにおりましたけれども、ニューヨークの事務総長報道官を通じてその報道を訂正したわけです。すなわち、封鎖は「憲章第四十二条の下で規定されており、安保理の承認を要するというものである。事務総長は、「憲章に違反する」との言葉を用いたことは一度もない。」ということを述べたわけです。ですから、まず十三日の記者会見の内容がありまして、それに基づく報道がありまして、十六日の報道官談話があるわけでございます。
○小澤(克)委員 ちょっと日にちについては私の方が間違いでした。率直に訂正します。 つまり、十六日に否定したのはそうじゃないんです。報道が、米国の行動は国連決議に違反しているという報道をされたから、それは違反とまでは言ってないよと、そう否定しただけなんです。無関係だという発言については取り消してないんですよ。むしろ再確認さえしているんですよ。それを取り消したなどと、とんでもないうそをついているんです。どうですか。
○赤尾政府委員 私が山口書記長の御質問に対してお答えしようと思ったのは今申しましたことでございますけれども、時間がありませんでしたこともありまして、ごくかいつまんで要旨をあのように説明したわけでございます。
○小澤(克)委員 どういうことですか、だから。要旨を説明した結果、間違っていたというんですか。間違っていたというんですか。 いいですか。事務総長が言ったのは、「「憲章に違反する」との言葉を用いたことは一度もない。」、後に報道官が訂正したのは、事務総長は、憲章に違反するとは言っていない、「国連の観点からは、「封鎖(blockade)」という言葉は正しいものではない。我々が目にしている事態は、サウディ・アラビア政府及びクウェート政府との合意により、米、仏、英、アラブ諸国を含むその他の諸国により決定が行われているが、それは国連決議の文脈の中のものではない」ということを発言したんですよ、こういう発言にすぎないんだ、こう言ったのが十六日の報道官の発言なんです。否定してないんです。むしろ確認しているんですよ、米軍の行動は国連決議とは関係のない、文脈につながるものではないと、ただし、違反とまでは言ってないよと、違反というふうに一部報道されたけれども、それは、そんなことは言ってないよと。そうでしょう。訂正してないじゃない。あなたの言ったことは全然間違っていますよ。どうなんですか。
○赤尾政府委員 私、ちょっと時間を節約するために、十三日の発言を全部クオートしませんでしたけれども、ただいま先生が読まれました「国連決議の文脈の中のものではない」というこの事務総長の発言は、これは十三日の記者会見における発言でございます。 それで、あのとき私が質問を受けて答えましたのは、十六日の記者会見の概要をかいつまんで申し上げた次第でございます。そのとき申し上げましたのは、事務総長の発言をそのままクォートはしなくて、事務総長の真意を伝えていないと述べて、新聞報道を否定したという事実関係を私の言葉で御説明したわけでございます。
○小澤(克)委員 だから、それが虚偽の答弁になっているんですよ、虚偽の説明に。つまり書記長は、多国籍軍の展開は国連決議とは関係ないと事務総長が言ったではないかと。それに対してあなたの説明は、その後事務総長は、その新聞報道は真意を伝えていないと言ったと。これをそのまま読みますと、事務総長が発言したことをみずから、みずからといいますか、報道官を通じてですが、否定したんだと。だから山口書記長が質問し たことは間違いなんだ、結論として事務総長は、関係がないとは言ってないんだと、こういうことになるわけですよ、あなたの御説明に従えば。ところが、事実はそうじゃないんです。違反とまで言ったと報道されたのは間違いです、しかし「それは国連決議の文脈の中のものではない」と、すなわち関係ないと、このことについてまでは否定していないわけですよ。だから虚偽だと言っているんです、あなたの答弁は。否定した内容が違うんですよ。
○赤尾政府委員 私は、事務総長の発言を曲げて御説明するつもりは全くなくて、事務総長の報道官が申しました「事務総長は、「憲章に違反する」との言葉を用いたことは一度もない。」という点を受けまして、事務総長の真意を伝えていないと述べて、この報道を否定したということを申し上げた次第でございます。
○小澤(克)委員 それではお尋ねしますが、あのとき山口書記長は、事務総長が、米軍の行動は国連憲章に違反していると言っているではないかと、こう尋ねたのですか。そうじゃないでしょう。無関係だと言っているではないかと、こう尋ねたのですよ。無関係であるということについては、事務総長は何ら訂正していないんです。ただ、違反していると報道されたのは、それは間違いです、私は違反しているとまでは言っていませんよと、こう訂正しただけなんですよ。それは認めますね、まず。
○赤尾政府委員 私、議事録をまだ読んでおりませんので正確には記憶しておりませんが、その趣旨のことを申されたかと思います。
○小澤(克)委員 だから、山口書記長は、無関係と言ったではありませんかと言うのに対して、あなたが、その発言を訂正したと答弁したのは、明らかな虚偽でしょう。どうなんですか。外務大臣、いかがですか。あなたの部下がこういう虚偽を国会で堂々と答弁したことについて、どう責任を感じられますか。
○赤尾政府委員 事務総長が十三日の記者会見におきまして申しましたことは、ブロッケード、いわゆる封鎖という言葉を使うことは正しくない、封鎖については、これは安保理が決議において決めなければいけないということを言ったわけでございます。 なお、ちなみにただいま先生が言われました「我々が目にしている事態は、サウディ・アラビア政府及びクウェート政府との合意により、米、仏、英、アラブ諸国を含むその他の諸国により決定が行われているが、それは国連決議の文脈の中のものではないということである。」ということは、これは国連決議に基づいて封鎖を行っているということではない、封鎖をやろうと思えば、それは四十二条に基づく国連決議が必要であるという趣旨のことを事務総長が言ったというふうに私は理解しております。
○小澤(克)委員 そうなんですよ。海上封鎖、ブロッケードは憲章第四十二条に係るものであり、安保理の承認が必要であるとの従来よりの見解を述べたものであると再確認しているのです。ただし、憲章違反、ブリーチ・オブ・ザ・チャーターではない、そういう言葉は一度も使っていない、こう言っただけでしょう。全面的に否定したんじゃないんです。一部間違って報道されたのは正しくない、ブリーチ・オブ・ザ・チャーターとまでは言ってないよと、それだけのことでしょう。それを、あたかも山口書記長がした質問について、つまりその質問というのは、多国籍軍の展開は国連の決議とは無関係だと事務総長が言ったではないかという質問に対して、それ自体を否定したというふうにあなたが言ったから、それは虚偽だと言っているのです。わかるでしょう。
○赤尾政府委員 私が申しましたことは、その事務総長が憲章に違反するという報道について、これはそういうことは一度も言っていない、これは真意を反映していないということだということを申し述べたわけでございます。しかもこれは、とにかく多国籍軍のサウジでの展開というよりは、この封鎖が国連決議に基づくべきかどうかというのが事務総長の発言の真意だというふうに理解しております。
○小澤(克)委員 時間がもう七分しかなくなっちゃったんで、この問題は他の委員に引き続いて追及していただくことにします。 次に、これまたこの法案のいわゆる縛り、制約の極めて重要なものであって、総理もたびたび引用されておられます二条の二項「武力による威嚇又は武力の行使」、まあ武力の行使等と言っていいでしょう、「に当たるものであってはならない。」この「当たるもの」の意味、内容ですけれども、これは何らか武力行使に関与すること一切をだめだ、何らか武力行使に関与することは武力行使に当たるものだ、このように理解すべきだと思いますが、そうではないんでしょうか。総理、いかがでしょう。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 二条二項で申しておりますことは、「海外派遣に係る平和協力業務の実施等は、武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」すなわち、この平和協力業務の実施等がそのような行為になってはならないということを言っているわけでございます。
○小澤(克)委員 そのような解釈だと、つまり、この協力隊自身が武力行使をしなければいいんだ、こういうお考えのようですけれども、それでは、結局武力行使に関与すれば、それは武力行使そのものになるんですよ。これは、参加と協力はどう違うんだという問題です。これについては、統一見解も出ましょうし、また、冬柴委員が手ぐすね引いておられますので、この問題、私はここでは触れないことにします。 それで、これは憲法問題としてずっと議論されてきました、違憲なのか違憲でないのか。これは極めて重要な問題です。違憲か違憲でないのかというのは極めて重要な問題です。しかし、実は問題の半分にすぎないのです。なぜなら、憲法というのは国内法だからです。国際法上の問題が重要なのです。合憲であれば、紛争当事国のもう一方から見て敵対行為ではない、だから攻撃しないとか、日本の憲法に違反するから敵対行為だ、だから攻撃の対象にする、こんなことはないわけですよね。これは別問題なんです。 そこで、陸戦規則三条、これによれば、兵力とは、戦闘員及び非戦闘員をもって構成する。非戦闘員であっても兵力なんですよ。兵力である限りこれは敵対行為であって、そして国際法上、害敵手段の対象になります。 それから海戦に関して、海での戦いに関して、ロンドン宣言、ロンドン宣言は厳格な意味での効力はまだ発効しておりませんけれども、戦時国際法の重要な判断基準の一つとなっております。このロンドン宣言では、海戦の戦時国際法においては、敵対行動をする外国の軍艦というのはもう無条件に攻撃の対象になるのです。これはもう余りにも自明なことなので、わざわざ条文はありませんけれどもね。 それで、何らか関係あるものについては、例えば民間の船、民船であっても、民間の船であっても、武器弾薬を運んでいたり兵員を運んでいれば、これは敵性の船だというふうに見られて、そして拿捕したりすることができる、拿捕、捕獲ができる、こうなっているのです。民間の船でもですよ。「現に且つもっぱら、敵国の軍隊の輸送又は敵を利するため情報の伝達に従事する場合」は、これは敵の船だ、敵性の船だ、したがって、捕獲や拿捕してもいい、こうなっているのです。いわんや軍艦であれば、無条件にこれは攻撃の対象となるのです。自衛艦は軍艦である。国際的には軍艦である。それが外国の武器弾薬、あるいはさらに兵員まで運べるという御答弁もありました。これはもう国際法上、明らかに攻撃の対象としていいわけです。ということは、日本がまさに紛争当事国になるのです。交戦国になるのです。このことについて、総理、どう考えますか。総理は、いや、そんな危険なところにはやらせませんとか多分おっしゃるのでしょうけれども、それは運用の問題なんです。仮に、仮にですよ、攻 撃されなかったとしても、その行動それ自体は法的には敵対行動であり、紛争当事国になるのであり、交戦国になるんだ、戦争状態になるんです。そのことについてどうお考えですか、総理。
○柳井政府委員 まず私の方から、技術的な点について御説明いたしたいと思います。 ただいま幾つか戦時法規あるいは中立法規を引用されたわけでございますが、いわゆる戦時国際法と申しますのは、戦争が政策遂行の一つの手段として認められておりました時代に、戦争の仕方を規律するものとして発達してきたものでございます。現在の国連憲章のもとにおきましては、武力の行使が一般的に禁止されておりまして、その例外として自衛権行使等の認められている制度でございますが、この結果、伝統的な意味での戦争というものは認められなくなったわけでございます。国際法におけるこのような戦争観の変化の結果、戦時国際法のうち戦争開始の手続、中立国の義務等、戦争が違法でないことを前提とした国際法現がそのままの形で適用される余地はなくなっていると思います。 他方、従来の戦時国際法の中の害敵手段の制限とかあるいは戦争犠牲者の保護等にかかわる国際法規は、国連憲章のもとにおきましても、武力紛争が生じた場合には適用されるものというふうに考えております。したがいまして、先ほどお読みになりました法規は、確かに陸戦法規等ございますが、特に中立法規というものはそのままの形で適用されるということではないと思いますので、その点だけをちょっと申し上げておきます。
○小澤(克)委員 確かに、中立法規が現在でもそのまま妥当するとは私も思っておりません。しかし、紛争当事国があり、紛争に参加してない国があるという実態は変わらないわけです。したがって、それが全面的に適用されなくなるわけではないのです。 そのことを前提として、総理、いかがですか。日本が紛争当事国になってしまう、敵対行動をすることになる、したがって、国際法上、それが合憲か違憲かというのは別問題として、相手から攻撃されても全く文句言えない立場になる。日本が紛争当事国たる地位に立つ。このことについてどうお考えですか、それをお伺いしたいと思います。
○海部内閣総理大臣 大前提は、好んで戦闘の行われている地域に入っていくとか戦闘行動に協力しようと言っておるのではないわけであって、お触れになったように、第二条の「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」というところで大きな枠をはめ、前提が置いてあります、これは憲法に表現してある言葉と同じでありますけれども。 そして、紛争当事国とおっしゃいますが、今まさに国連が平和の破壊者、正義に反するとして指摘しておる問題、例えばイラクならイラクの問題に限定しましても、これは国際社会と平和の破壊者の関係であって、A国とB国との紛争、戦争という概念では全くないと私は思いますし、さらにまた、業務計画を立てるときには、この第三条できちっと決まっておる業務計画の中で、何を行うのが適当かどうかということをまず決めて、決まったらどのような内容にするかということを決めて、さらに何度も申し上げておりますように、戦闘が現に行われておるような地域とか危険なところに派遣するということは計画の段階でもきちっと抑えていくという、何車にも何車にも慎重な対応をいたしておきますので、そういうあらかじめ紛争当事国になろうとかそんな気持ちで出ていくものでもないし、ならないように十全の配慮と対応をいたすつもりであります。
○加藤委員長 時間です。
○小澤(克)委員 じゃ、これでおしまいにしますが、今の御答弁は、結局運用によって危険にはさらさせない、こんなことをおっしゃっている。(海部内閣総理大臣「業務計画で」と呼ぶ)だから、それは運用の問題でしょう。最初から私の質問に対する答弁になっていないんですよ。 つまり、危険なところとは思えないところを仮に走っていても、船で走っていても、紛争当事国の一方の武器弾薬や兵員まで運んでいれば、文句なしにこれは紛争当事国そのものに日本がなる、このことを指摘しているんですよ。安全だ安全だとおっしゃるけれども、安全だと思っているところをいきなり奇襲するのが戦争の原則でしょう、戦略の。 時間が来ましたから、終わります。
○加藤委員長 これにて小澤克介君の質疑は終了いたしました。 次に、冬柴鐵三君。
○冬柴委員 公明党の冬柴鐵三でございます。 まず、本論に入る前に、一点だけ外務大臣に確かめておきたいことがあります。イラクがクウェートへ侵入する約一週間ぐらい前に、駐イラク日本大使またはそれに準ずる人がサダム・フセインから呼び出しを受けて、今回の侵攻を示唆するような、そのような発言が漏らされなかったかどうか、そしてまた、そのようなことが起こったときに、日本はイラクあるいはクウェート、いずれに味方をするのかはっきりしてほしいというような、そういうような趣旨の話がなかったのかどうかということ、こういうことを確かめたいわけでございます。 と申しますのは、つい最近のことですが、サダム・フセイン大統領が、英訳で実に十七ページにも及ぶ会議録といいますか、会議録の写しをアメリカで公表いたしておりまして、その中にはイラクのクウェート侵攻一週間前の七月二十五日に、駐イラク米国大使であるグラスピー女史、女性の大使らしいのですが、招きまして、クウェートがこれ以上イラクに対する経済戦争を続けるのなら、イラクは必要なことは何でもやる決意だと警告をした事実がある、こういうことを暴露しているのであります。 この中で、フセイン大統領が米国大使に、アメリカにとって敵はだれなのか、だれといい関係を持つつもりなのか、明らかにしてほしい、こういうふうに強く警告したのに対して、米国大使は、サダムのイラン・イラク戦争後の復興の努力をたたえ、また、イラクが原油価格の高値で安定することの必要性を示していることに理解を示した。また、イラクのクウェート国境における行動に対しては優しく穏やかな調子でコメントをして、決してイラクの動きを批判しなかったばかりではなく、ブッシュ大統領から直接指示がありまして、イラクとはよりよい関係を求めるようにという指示も受けている。また、ブッシュ氏は知的な人で、イラクに経済戦争を宣言するようなことは決してしない人であるなどと述べたというような詳細な記述がそこに明らかにされておりまして、ワシントン・ポストはその全訳をつい最近の新聞に載せております。このことから、サダム・フセインはグラスピー大使の言葉とか動作から、その七月、ちょうど一週間前なんですが、アメリカの真意を誤解してしまって本件侵攻を敢行したのではないかという、そういうようなことが話題になっているようでございます。 そういたしますと、他の主要国の大使にもこのような機会が与えられたのではないか、強くそのように思うわけでありまして、その点につきまして、ちょっと前置きが長くなりましたけれども確かめておきたいというふうに思います。
○中山国務大臣 現地の日本大使から、そのような報告は受けておりません。
○冬柴委員 それでは本論に入りますが、過日の我が党の市川書記長の質問の際に、いわゆる国連軍への平和協力隊の参加と協力について、政府の統一見解を示されるという約束でありましたので、お示しをいただきたい、このように思います。
○中山国務大臣 委員お尋ねの過日の政府見解につきまして、これから申し上げます。 一 いわゆる「国連軍」に対する関与のあり方としては、「参加」と「協力」とが考えられる。 二 昭和五五年一〇月二八日付政府答弁書にいう「参加」とは、当該「国連軍」の司令官の 指揮下に入り、その一員として行動することを意味し、平和協力隊が当該「国連軍」に参加することは、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴うものであれば、自衛隊が当該「国連軍」に参加する場合と同様、自衛のための必要最小限度の範囲を超えるものであって、憲法上許されないと考えている。 三 これに対し、「協力」とは、「国連軍」に対する右の「参加」を含む広い意味での関与形態を表すものであり、当該「国連軍」の組織の外にあって行う「参加」に至らない各種の支援をも含むと解される。 四 右の「参加」に至らない「協力」については、当該「国連軍」の目的・任務が武力行使を伴うものであっても、それがすべて許されないわけではなく、当該「国連軍」の武力行使と一体となるようなものは憲法上許されないが、当該「国連軍」の武力行使と一体とならないようなものは憲法上許されると解される。 以上でございます。
○冬柴委員 今、ちょうだいいたしましたので、精査をいたしまして、改めて同僚議員から質問させていただきたい、このように思います。 総理は、施政方針演説におかれましても、国際紛争を解決する手段としてこれを国連中心に行うべきである、このようなことを述べられましたし、また予算委員会でも、また当特別委員会におきましても、このように再三言っておられます。 この立場は、私ももちろん同調する立場でありますが、この国連中心主義というのは、言いかえれば、ひっきょう、国連憲章をどこまでも守っていく、遵守していくというふうに言いかえることもできると思うわけでございますが、そういう理解で間違いがないかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○海部内閣総理大臣 私は、特に最近の国連が機能し始めておる、これは東西の対決が終わりを告げて、冷戦時代には安全保障理事会というのは率直に申し上げて機能しませんでした。常任理事国が拒否権というものがあったものですから、東西利害の対立しているうちはだめだった。それがなくなって、新しい世界の秩序を今模索しておるさなかでありますから、今こそ国連が四十五年続いてきた戦後の情勢の中で機能を果たして、冷戦状態が終わった後の世界の中では中心的役割を果たすべきである、私はそう信じておりますから、その見地に立っていろいろなものを考えておりますから、基本はそこにございます。 同時にまた、国連憲章というものの前文の精神を見てみますと、国際の平和及び安全を維持するために、我々は力を合わせて善良な隣人としてお互いにやっていこうという大きな基本であります。そうすると、日本国憲法の前文にも平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して安全と生存を保持しようと決意をしたという大前提に立って、そしてその中で名誉ある地位を占めていきたい、そう思う。自国のことだけを考えてはいけないのであって、他国のことも考えなさいということになれば、まさに憲法の前文の理念も国連憲章の理念も合致するものでありますから、私はきょうまで唱えてきた国連中心主義の外交というもの、国連中心主義の政治というものがますます現実味を帯びてきた、このように受けとめて、所信表明でも申し上げた次第であります。
○冬柴委員 その点に対する認識は、私も全く同一であります。 しかしながら、現在中東湾岸地帯に駐留している軍隊というものは、正規の国連軍ではなく、いわゆる多国籍軍と呼ばれているものでありまして、その主力はアメリカの陸海空軍であります。協力法は国連決議の実効性を確保するためとの理由で今これに協力しようとしているわけでありますが、現在中東湾岸地帯に展開しているこのアメリカの軍隊は、国連のどんな決議に基づいて平和維持活動をしていると評価されるのか、これは非常に大きな疑問があるところでありまして、ただいまも小澤議員から、るる過日の予算委員会における山口書記長の質問に対する政府の統一見解をもとにただされたとおりでありまして、これが国連決議を実行するためと、国連憲章の立場からそのような見方ができるのかどうかという点には、私は大きな疑問を持っているわけでございます。 まず、この政府統一見解の、先ほどもるる触れられたところでありますけれども、第二項にこのような記載があります。「サウディ・アラビアに駐留する「多国籍軍」は、」「イラクに対しクウェイトよりの無条件撤退を実現すべく不断の圧力を加えてきている。かかる意味において、サウディ・アラビアに駐留する「多国籍軍」は、決議六六〇の実効性の確保のための役割を果している。」このように後半書かれていますが、この文章は非常に重大な面を含んでいると思います。 法制局長官、私の認識は、これは大変なことが書かれていると思うのですが、長官はそれでいいんですか。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 委員何を御指摘であるか、私正確にとらえておりませんが、特に問題はないものと考えております。
○冬柴委員 まず、国連憲章の大きな平和を守るための枠組みは総理もよく手元に置いて読んでいられるようですけれども、この前文の中にも、また先ほど触れられた第一条にも、そしてまた第二条にも、平和のための枠組み、骨格というものが示されていると思うわけであります。特に、その第二条の四項におきましては「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない。」すなわち、武力行使、加盟各国が個々に行使する武力行使というものをここで禁止しているわけであります。その理解は、法制局長官、いかがですか。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 国連憲章におきましては、武力の行使が一般的に禁止されているわけでございます。そして、ただいまお引きになりました条文にそのことが書いてあるわけでございますが、国連憲章におきましては、一般的な武力行使の禁止とそしてその例外というものがあるわけでございます。(冬柴委員「例外はまた後で結構です」と呼ぶ)はい、例外についてはそれでは後ほどお答えさせていただきます。 したがいまして、「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、」途中を飛ばしますが、「慎まなければならない。」この点は仰せのとおりでございます。 〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○冬柴委員 そうしますと、続けて条約局長でいいのですが、戦争をしかけられてもこれをだれかが鎮圧をしなければいけないわけで、国連憲章はその第一の責任者はだれにしているのですか。国連憲章の中の枠組みとして、国際紛争が起こったときに個々の国家は武力を行使してはいけない、武力で威嚇してもいけない、こういうことがまず大前提であるわけですね。その次に、それじゃそれをほうっておけば侵略されてしまうわけで、だれが第一次的に責任を持ってこれを鎮圧するのですか。
○柳井政府委員 国連憲章におきましては、安全保障理事会がこの「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任」を負っているということでございます。
○冬柴委員 よくわかりました。そうすると、この国連安全保障理事会が憲章第七章、六章もありますけれども、七章に基づく権限を行使してそのような紛争を解決する責任を独占し、集中した、こういうふうに私は理解しているのですが、いかがですか。
○柳井政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、憲章第二十四条の一項におきまして、安全保障理事会が「国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を」負っているわけでございます。「主要な」という意味は、必ずしも独占しているということではございませんで、総会にもそのような権限がございますが、他方、憲章第十二条というのがございまして、その一項で「安全保障理事会がこの憲章によって与えられた任務をいずれかの紛争又は事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。」というふうになっておりますので、安全保障理事会が一次的な、第一義的な責任を持っている、それから総会も持っている、二次的に持っている、こういうことでございます。
○冬柴委員 そのような関係については理解は相違はないのですが、物の教科書その他、私も随分たくさん読んでみたのですけれども、安全保障理事会に集中し独占させたという、そういう記載もあります。 ただし、重大な例外があります。この安全保障理事会が第七章に基づく措置が間に合わないという場合にはどうされるわけですか。どこにありますか。
○柳井政府委員 安全保障理事会が国際連合自体の措置として何らかの強制措置をとるということが間に合わないような場合、この場合には、憲章第五十一条に基づきまして個別的または集団的自衛の権利があるわけでございます。その部分では、正確に申しますと、「安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。」ということでございます。
○冬柴委員 総理、今私と条約局長と話し合ったことで、この国際連合の中のいわゆる国連憲章が規定をしている平和への枠組み、大枠ですけれども、示したと思うわけです。国際紛争が起これば、個別国家は武力の行使、もとより戦争もいかぬし、そしてまた武力によっておどしてもいけない、威嚇してもいけない。で、その鎮圧する責任は、第一次的には安全保障理事会が持つ。そこに集中し、独占させる。そして、それが間に合わないときに限って、着手するまでの間、個別的に自衛権を行使することができる、集団的自衛権も行使できる、こういう枠組みがあるわけです。今のお話の中に明らかです。 そういう理解のもとにこの政府統一見解を読んでみますと、私が先ほど読みましたように、また、法制局長官は問題がないとおっしゃいましたけれども、「多国籍軍は、」というのは、これは国連加盟各国を指していると思いますね。国連加盟各国は、「イラクに対しクウェートよりの無条件撤退を実現すべく不断の圧力」、軍事的圧力、かけているというのですよ。これを先ほどの憲章の二条四項と読み比べてみたらどういうことになりますか。国連加盟各国は、「その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全」、クウェートの領土保全というようなことであっても、あるいは「政治的独立」、クウェートの、今亡命しているか何か知りませんけれども、その政治的独立を確保するというような正当な理由があっても、武力を行使してはいけないと書いてある。そして、しかもこれは、そういう戦争はもう違法だ。先ほどの小澤議員の最後の質問に対して条約局長がくしくも述べられたように、戦争を適法化していた時代の条約から、今は国連というものができて、戦争は違法にされた。戦争を違法にし、そして武力による威嚇、武力の行使を各国から禁圧することによって平和を維持しようというのが、これが国連の枠組みじゃないですか。 こういう政府統一見解を国連へ送りつけて英訳されたときに、どういうふうにデクエヤルさんが言うか。それは先ほどの、また最後の方で話がありましたけれども、国連憲章の文脈のものでないですねと、そういう恥ずかしい批評を受ける文章ではありませんか。その点についてお答えを求めます。
○柳井政府委員 国連憲章の規定、また国連憲章上の制度につきましては、先ほど御確認したとおりでございます。 そこで、今回起こった事態が何かということでございますが、これは言うまでもございませんけれども、武力の行使を行ったのはイラクでございます。そして、このイラクによるクウェートの占領というものが、国連憲章の規定に基づきまして、三十九条になりますが、安保理によって平和の破壊である、侵略であるというふうに認定されたわけでございます。 そこで、今般のいわゆる多国籍軍のイラク近傍への展開について申しますれば、イラクのクウェート侵攻を平和と安全の破壊であると認定して、イラク軍の無条件撤退を要求いたしました国連安保理決議六百六十号、そしてその後に決定されました経済制裁措置の六百六十一号を受けまして、各加盟国が、相当数の加盟国が軍隊を展開して、これらの安保理決議の実効性確保をするために努力をしているということでございますので、あくまでも武力を行使したのはイラクでございまして、それに対して国連としての措置にみんな、多数の国が協力しているという関係でございます。
○冬柴委員 納得できません。 国連加盟国百六十カ国、アバウトそうですけれども、そのうちの何カ国かが、これは有力な国々でしょうけれども、行ったから正しいというものではない。そして三十九条で決めたらみんなが出ていっていいというものでもない。三十九条は、だれが悪いかということを有権的に認定をする、そういう決定をする。今回のイラクの行為は侵略である、国際法上許されることではない、こういうことを口々に言ってもだめなんで、国連の安全保障理事会が決定をしなきゃならないし、決定をすればだれも争うことができないという効果があるだけであって、だからそこへみんなが押しかけていいということにはなりませんよ。そういうことにはなりませんよ。それでも反省しないときに四十一条、いわゆる経済制裁をしてもいい。いわゆる非兵力的措置を講じてもいい。まさにこれは国連がそのとおり、今も総理がおっしゃったように、国連憲章ができてから今初めて東西の冷戦構造というものが終えんを告げて、この国連憲章の立法者たちが予想していた世界が今まさに現出しようとしているこの時期ではありませんか。そのときにこの国連憲章に基づいて国連安保理が、三十九条、四十条もそうでしょう、四十一条と今きて、あと四十二条が残っているだけじゃないですか。なぜ四十二条に進むように我が国はそういう外交をとらないのですか。必要であれば四十二条になぜ行かないのですか。
○柳井政府委員 御指摘のとおり、四十二条が軍事的措置の根拠規定でございます。将来国連が四十二条に基づく措置をとるかとらないか、その辺はまだ予測できないところでございますけれども、現在、先ほど申し上げた、これは長くなりますから省略いたしますが、関係の諸決議に実効性を与えるということで多くの国が軍隊を展開しておりますし、また、そのようなことを直接やっておらない加盟国も、大多数の加盟国がそのような行動を支持しているわけでございます。一番根本にイラクの侵略というのがございまして、そしてこれは当然のことながら単なるイラクとクウェートの紛争ではなくて、イラク対いわば世界の紛争である。これに対して国連が制裁を加えている。そのために四十一条でとられた措置その他に実効性を与えるために国際社会が一致して協力しているということでございまして、これは国連憲章上も許容されていることだというふうに考えております。
○冬柴委員 最後の国連憲章上も許されているというところは、私は認めるわけにはまいりません。 ちょっと比喩を用いると、イラクが悪いのですね、悪い。それでクウェートのかたき討ちをその周りの人が寄ってたかってやる、やるぞ、そういうことを今やっているように見えてしようがないのですね。これはやはり警察、国連ですね。刑法でも自力救済の禁止、自分の親が殺されても、その殺人者を子供が殺したら殺人ですよ。したらいかぬのです。昔はしてもよかった。そういうあだ討ちが美談になった時代もあった。しかし、今は刑法がきちっとありまして、あだ討ちはできない。私もイラクが悪い、僕はイラクというよりもサダム・フセインが悪いと思っていますよ。イラク国民はそんなに悪くないと思いますよ。だけれども、そういう一人の人が世界をひっかき回しているということではあっても、そのあだ討ちに大きな国が全部行っていいんですか、そのことを言っているわけですよ。この文章は、「不断の圧力を加え」というのと武力による威嚇は許さぬということとどう整合するのかということを聞いているのです。端的に答えてください。
○柳井政府委員 大変わかりやすい比喩で御指摘になったわけでございます。国連憲章の制度は御承知のとおりでございますが、いまだその世界的な警察というものが残念ながらできるまでに至ってないわけでございます。そこで、その前の段階にございまして、幸い米ソの対立というものがなくなってきましたので、そういう理想的な方向に少しずつ進みつつあるということは言えますが、いまだいわゆる国連軍が、憲章がそもそも想定していたような国連軍はないわけでございます。そこで、このイラクという、あるいはフセインという悪者を国際社会が一致して制裁しようということが今やっていることでございまして、いわゆる個々の国家のあだ討ちというようなものを超えまして、現在行われていることは国際社会の大多数の国が一致してこのイラクに圧力をかけているということであろうと思います。 したがいまして、その二条四項との関係で申しますと、このような国際社会の圧力、抑止力というものは、いわゆる武力による威嚇というものではない、国際社会の制裁の一環であるというふうに考えております。
○冬柴委員 これは余りにもひどい答弁といいますか、私は納得できないですね。 先ほどの、デクエヤルさんが、これは正しいあれかどうか、今言われたのを書いたものですから、憲章の文脈の中のものではない、封鎖は正しいものではない、安保理のみが決定することができる、封鎖という言葉を使うのは避けるべきだ。これですよ、国連の憲章の精神は。強制的に封鎖できるというのは、国連の安全保障理事会が決定したときに、これは加盟各国全部拘束されます、できるのであって、有力な国が、たくさんであっても、それは国権の発動としてその国の判断でそこへ行っているわけであって、あだ討ちと変わりないじゃないですか。あだ討ちと変わりない。ですから、それは許されないのですよ。 それで、四十二条の要件を見てみればわかるように、「四十一条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和」云々ということで、国連軍が出動できるという要件を定めているわけですね。この経済封鎖が、いわゆるしり抜けになっているとか穴があいているというような場合は、力でつかまえに行ってやれということじゃなしに、そういうことが明らかになれば、軍事的措置で安保理が決めて制圧をするというのがこの精神じゃないですか。これはもう条約局長が一番よく知っておられることだと思いますよ。 ところが、こう言えば、あなたは、まだ四十三条の一つまたは二つ以上の特別協定というものが成立しておりません、だから四十二条に行けないのです、こうおっしゃると思うのです。その場合の措置も決めてあるじゃないですか。それ、言ってください。
○柳井政府委員 このデクエヤル事務総長……(冬柴委員「それはいいです」と呼ぶ)よろしゅうございますか。封鎖という言葉は正しくないというのは、まさにそのとおりだと思います。 そして、四十二条で軍事的措置がとれるということになっておりますが、この本来想定いたしました制度は、四十三条で御指摘のとおり国連軍ができていて、これによって軍事的行動をとるという想定でございます。そしてこれも御指摘のとおり、その国連軍は残念ながらありませんので、現在、四十二条、四十三条という措置はとれない状況にある。そういう現実のもとで、この四十一条のあるいはその他の決議に実効性を与えるために各国が協力しているという状況でございます。現在の状況はそういうことでございます。
○冬柴委員 私が尋ねたのはそういうふうに四十三条の手続が整っていないから四十二条が発動できない場合には、経過措置がちゃんとあるでしょう。決まっているでしょう、この中に。そのことを聞いているんですよ。百六条があるじゃないですか、百六条が。違うんですか。だから、なぜ日本の国は、そういう国連中心と総理がおっしゃっているのに、なぜ違う方へ引っ張っていこうとするのですか。国連中心でやるべきじゃないんですか。百六条を読んでください。
○柳井政府委員 百六条というのは御指摘のとおりでございまして、「安全保障の過渡的規定」という第十七章に入っております。「第四十三条に掲げる特別協定でそれによって安全保障理事会が第四十二条に基く責任の遂行を開始することができると認めるものが効力を生ずるまでの間、千九百四十三年十月三十日にモスコーで署名された四国宣言の当事国及びフランス」、つまり五大国でございます、五大国は、「この宣言の第五項の規定に従って、国際の平和及び安全の維持のために必要な共同行動をこの機構に代ってとるために相互に及び必要に応じて他の国際連合加盟国と協議しなければならない。」という、いわゆる過渡的規定でございます。
○冬柴委員 外務大臣、今言ったように、私は、国連中心外交を日本はやるべきだし、それは正しい方法だと思うのですね。ですから、この多国籍軍の、多国籍軍でも、僕はアメリカがサウジアラビアに展開していることがもちろん違法であるとか、そんなことを言っているわけじゃないのです。これは、もしクウェートに続いてイラクがサウジアラビアに侵攻したときには、自力救済、いわゆる五十一条の個別的自衛権を行使しなければならないし、あそこの軍隊は六万五千ぐらいしかない、向こうは百万ある。それでアメリカに来てもらう。合理的です。アメリカは、集団的自衛権の行使として、侵略があったときにはそれを排除できる。ですから、これは違法でも何でもない。 しかし、二国間の問題ですよ。アメリカとサウジアラビアの二国間の問題であって、そこのしんがどこか緩んでいるんじゃないか。しかし、海上に展開しているアメリカ初めほかの加盟各国の海上、水上戦力につきましては、国連安保理決議がありまして、そして、それに対しては、加盟各国は求めがあれば援助をしてやってほしいということが六六五で書かれているわけですから、私は、その点につきまして国連中心主義、日本がこれに対して協力することについてはやるべきだろう、しかし、今陸上に展開している戦力につきましては、相当慎重にやらないと、もしここで国連の判断じゃなしに、指揮権じゃなしに、進駐している各国の軍事判断によって戦火が開かれた場合に、我々はそれについていかなければならないというような、そういうことは厳にここで思いとどまってもらわなければ困ると思うわけであります。 そういう意味で、国連が中心に作動すべきである。そして、今立法者たちが考えていた国連の枠組みというのは、今ソ連も入り、そして五カ国がそろって、満場一致でこの安保理決議というのが次々と出せているではありませんか。あと残っているのは一つ、四十一条だけです。この四十一条は、四十二条以下の手続が済んでいないからできないというようなことが言われていますけれども、そういうふうなまだ手続が済んでいない不定の期間、すなわちこの四十五年間あったわけですけれども、その期間はどういうふうにするかという手当てが百六条にされています。それは、五カ国が主要な加盟国と協議をして、この四十二条の措置をかわってとるということですから、それを進めてもらうように日本は外交を進めるべきであって、多国籍軍を慫慂したりするということは、国連憲章に反する立場だと私は思うわけであります。所感をお願いしたいと思います。
○中山国務大臣 委員の御指摘のように、この軍事制裁に入るにはいわゆる四十三条の問題がございますから、それはなかなか現実の問題としてそこへ入っていくことは現状では難しいという御判断、私もそのような感じを持っております。 しかし、問題は、このイラクの、クウェートからさらにサウジアラビアに入ってくるこのイラク軍が侵攻、侵略してくる可能性というものは現存しているわけでございますから、六百六十号と六百六十一号の実効性を確保するために展開している多国籍軍にこの国連平和協力法案が成立した場合に日本が協力するということは、この法案の目的に含まれていると理解をしておりますけれども、委員御指摘のように、この五カ国によるさらに暫定的な措置としてこの機能が発揮できるように、国連加盟国の日本としては外交努力をしなければならない。御指摘の点は御趣旨のとおりだと思っております。
○冬柴委員 せっかくでありますので、総理のそれに対する決意もお聞かせいただきたいと思います。国連中心主義ですから、よろしくお願いします。
○海部内閣総理大臣 国連が話し合いのみならず決議まで行って、そして平和の破壊者に対してその地から下がってもらいたい、撤収すべきであるという具体的行動まで指定をして決議をした。その実効性を高めるために、今まさに議論になっております四十一条の経済制裁を皆が行っておるというところであります。 先ほど来御議論ですけれども、私は国連中心主義でいきたいと今でも思っておりますし、今後もそうすべきだと信じておりますが、ただ一点、委員もお話しのように、まだ国連は完全にスタートをしたときの理想を備えていない。したがって、百六条の規定とかいろいろございますけれども、前文によってもやはり共同の利益を除く場合のほかはということで、武力を使ってはいけないという規定がございます。 四十二条にいきますと、これは私どもの最も懸念しておる事態でございまして、四十二条にいきますと、これは四十一条の実効性が確保されないときは、軍の必要な行動をとることができるとなるわけでありますから、そうすると、そのようなことになってはいけないという平和解決の努力を四十一条でまさに今やっておるわけでありますので、例えば今サウジアラビアに展開しているアメリカを中心とする多国籍軍がいち早く展開したことによって、あれ以上の平和の破壊が行われなくて済んだという見方も成り立つと思いますし、私は、そのように評価もしておるわけです。 そうして、今度はクウェートから下がれというのが文句であるから、文言であるから、出ていって武力行使をすることなく、平和的な手段で何とか粘り強く、平和的な解決でこの決議の実効性をあらしめよということで、現在ああいった膠着状態といいますか、危機の中の膠着状態というようなものが続いておるのでありますから、これについてはやはり粘り強く、軍事的手段に訴えないで、平和的な手段で解決をしていくということが極めて大切である、こう思っております。 しかし、それとともに、国連というものがさらに将来、そういったことに対して安全保障理事会が中心になって、いち早く世界の警察的な機能も果たしていけるようになっていかなければならぬということもまた御指摘のような現実でありますから、そういったことになるように外交努力を続けていくということも、これはけだし当然の道ではなかろうか、こう考えております。
○冬柴委員 国連軍が結成されますと直ちに宣戦布告をして、戦闘が開始されるような印象を総理の今のお話から受けるわけですが、そうではありませんでして、国連軍が結成されましても、今多国籍軍が展開しているような形で、武力による威嚇も国連軍は許されるわけであって、個別国家がしてはいけないということであります。そこのところを間違わないようにしてほしいと思うわけであります。 私は、しつこいようでありますけれども、これは予算委員会に提出されたものですからあれですけれども、この政府統一見解ですね、法制局長官に申しわけないのですけれども、この政府統一見解は、私はどう見ても国連憲章の文脈の中にはない文章が多過ぎる。もう一度その点を十分審査をしていただいて、直して出し直してもらいたい。特に、最初に読みました、ほかにもたくさんありますけれども、「イラクに対しクウェートよりの無条件撤退を実現すべく不断の圧力を加えてきている。」この部分はきっちりとこの国連憲章の二条四項とバッティングしていると私は思っております。 これ以上やりますと時間がなくなりますので、次へ進みますけれども、法制局長官、よろしくお願いしたいと思います。――それじゃ、答弁。
○柳井政府委員 お時間をとってもいけませんので簡単にいたしますが、この多国籍軍の性格、そしてこの多国籍軍が一連の決議に実効性を与えているということにつきましては、御答弁申し上げたとおりでございます。 そのようなことを背景に、この政府統一見解というものをつくったわけでございます。したがいまして、ここに書いてございます「不断の圧力」云々ということは、先ほども申し上げましたけれども、国際社会がイラクに圧力を加えているということでございまして、個々の国がイラクを威嚇しているということではないわけでございますので、私どもの考えはこれで特に問題はないのじゃないか。先ほど法制局長官もおっしゃいましたけれども、私も同じ意見でございます。
○冬柴委員 そう言われると、もう一つ言っておかなければいけないのですけれども、国連軍と多国籍軍と違うのですよ。国連と多国籍というのは、そんな言葉を使わなければ――多国籍企業とかいろいろありますけれども、それぞれの国の主権に基づいて動いているわけでありまして、それが国際社会の総意であるというようなことにすりかえた言い方はだめですよ、それは。これは全部議事録に残るんですし、私は条約局長の名誉のためにも、こういう答弁がここへ残るのはおかしいと思いますよ。どうですか。
○柳井政府委員 多国籍軍が憲章で規定している国連軍そのものでないことは、もうおっしゃるとおりでございます。しかしながら、この多国籍軍が、現在大多数の国際連合加盟国の支持を得ながらこのイラクの侵略に対処することに力を合わせているということは現実である、そういうふうに考えます。
○冬柴委員 外務大臣、何か考え直してもらうことはないですか。
○中山国務大臣 この多国籍軍という言葉、これは委員も御指摘のように、この国連決議を受けまして、それぞれの国が主権に基づいて行っている行動であるということは、明快であろうと思います。ただ、そのような展開している、各国の主権に基づく行動をしている軍隊を呼ぶ場合に、国際的な社会においてそのような呼称が使われているということから、このような言葉が日本語に訳されたら、多国籍軍ということになって使われているというふうに御理解を願いたいと思います。
○冬柴委員 直らないようですけれども、私はもう一度言っておかなければいけないのですけれども、日本の外交というか、日米関係は大切にしなければならない、これは動かないのですね。しかし、それとこれと違うということを申し上げているわけで、理論的におかしいことはきちっと正しておかなければいけない、そうじゃないと国の方針も間違えますよということを指摘しているわけでありますから、十分今の指摘をもう一度考えていただきたいというふうに思います。 さて、時間がどんどん過ぎました。 協力業務の中で「物資協力に係る物品の輸送その他の輸送、通信又は機械器具の据付け、検査若しくは修理」この項目が非常に気になる項目でございます。「その他の輸送、」というところで我が国から物資協力をした物品以外のものも運べる、こういうことで過日来、これの中には武器弾薬、兵員まで含むという重大なことまで出てまいりまして、恐らく国民は、またこれはこういう法案を 通してもらっちゃ困るという気持ちを非常にかき立てているんではないかというふうに私は思うわけです。 その点はもう論じ尽くされたような感もありますけれども、その運ぶ船の話ですが、防衛庁、補給艦と言われましたか、補給艦をとりあえずは使いたい。そうされると、この補給艦というのは、僕が調べたのには「はまな」とか「さがみ」とか「とわだ」とかあるようですけれども、どれを使うつもりですか。
○藤井(一)政府委員 補給艦は今四隻ございまして、八千百トンクラスのものが「とわだ」「ときわ」「はまな」でございます。それから五千トンクラスのものが「さがみ」というのがございます。 これをどれを使うかといいますのは、まさに御要請いただきます御要請がどういうものであるかによって変わってくる、かように考えております。
○冬柴委員 じゃ、防衛庁としては、どれでも要請があればその隊務に支障がない限りは協力する、こういうことを書いてありますので、それには何か総理が、武器というんですか、けん銃、小銃、散弾銃、機関銃、それが何か部屋の中にかぎがかかって入れてある、こういうことを言われたんですが、そうですか。
○中山国務大臣 私が申したことはございます。
○冬柴委員 それでいいんですか。――結構です。 私は、これは「日本の防衛戦力②海上自衛隊」という読売新聞社から出されている本を持っているわけですが、それで調べてみますと、これは武器として対空ミサイル制御システムの二十ミリ高性能機関砲CIWSを積んである。受信用のリンク14型データリンクも装備している。艦隊随伴能力が一層強化されていて、「さがみ」はヘリコプター発着甲板スペースにもなっておる。機関銃と機関砲とは違いますよ。どうですか。
○藤井(一)政府委員 今補給艦に積んでおりますのは、まさに先ほど先生がおっしゃいました小銃、機関銃、けん銃、散弾銃でございます。それで、今おっしゃいました機関砲というのは、現在積んではおりません。
○冬柴委員 いつからいつまで積んであったんですか。 それから、この読売の「日本の防衛戦力②」というので写真も入って説明されている本があるんです。非常によく出ている本だと思うんですが、これに明らかに書かれています。これはいつまで積まれていたものですか。
○藤井(一)政府委員 過去に積んでおったという事実はございません。
○冬柴委員 何かこれは錯覚があったようで、国会答弁ですからそっちの方が正しいんだろうと思います。 いずれにいたしましても、問題は、これには随分いろいろなものが積めますし、コンピューターシステムもありまして、いろいろありますけれども、これが攻撃される、そういうことはあり得ると思うんですね。この場合に九十五条の問題が起こるわけですが、これは川崎議員が先ほどされましたからもう今回やめますけれども、機関銃で撃ち返す程度ではこれはどうにもならないと思うのですね。 その関連で小型武器というものが二十七条で携帯が許されることがあるというふうになっていますが、私は、この法案がつくられる過程で小火器という言葉がずっと使われてきて、最終段階、この法案を見ますと「小型武器」になっていたのでびっくりしたわけでございます。小火器と「小型武器」では一体どう違うんだろうということを考えたわけです。 それで小火器というのには、私も安保特におりますからいろいろとハンドブックとかそういうもので見ておりますが、小火器というカテゴリーはきちっとありまして、それはあるわけです、機関銃まであるわけです。これの一番大きいのは、ソ連製の十四・五ミリの重機関銃というのがどうも小型武器の中では一番大きい。その中ではずうたいが大きいもので、大きさとしては、全長が二メートル二ミリ、重さが四十九・一キログラム、こういうものですけれども、これが小火器、小さい火器のカテゴリーの中に記録されております。しかし、「小型武器」ということになりますと、大小で比べますと、どうも手に持てるとか、あるいはこれよりも小さいものということになりますと、スティンガーミサイルという対空ミサイル、肩かけのレッドアイというものの改良型で大変たくさん使っておるものですけれども、これが一メートル五十二センチ、重量が十五・八キログラムということで、小火器の一番大きいものよりは随分小さいのですね。大きさも小さいし、重量も三分の一ぐらいになっちゃう。私は、これはしかし、小火器というのがずっと使われてきたのに「小型武器」になってしまったというのは、こういうものも将来政令の中で必要があれば書き加えることができる余地を残したのかなと邪推をしたわけですけれども、そういうことはないのですか、お答え願いたいと思います。
○関政府委員 お答え申し上げます。 今回の法律に表現されております「小型武器」の定義、範囲につきましては外務省の方からお答えがあろうかと思いますが、その前に小火器について御指摘がございましたので、私から一言申し上げたいと存じます。 小火器という言葉はよく使われておりますが、防衛庁におきましても法令用語として使っておるわけではございません。どういう場合に使っておるかと申しますと、隊員の教育用の教科書なんかでそういう言葉は使われておることがございまして、そこでは決まった定義というものはございません。しかしながら、通常一般的には、この間もお答え申し上げましたとおり、けん銃、小銃、機関銃、散弾銃を含むものと解しておるわけでございます。 なお、通常小火器と言う場合にどういう意味で使われているかと申しますと、常識的には口径の大小あるいは可搬性、手に持って歩けるかどうかといったようなことで定義をしているケースが多いようでございまして、先生御指摘のスティンガーのようなものは口径がかなり大きなものでございますから、通常の使用法では小火器の中には入っていない。(冬柴委員「小火器じゃなしに「小型武器」」と呼ぶ)はい、「小型武器」の定義につきましては後ほど御提案の外務省の方からお答えがあろうかと思いますが、小火器についてあらかじめ一言お答え申し上げたいと思います。
○柳井政府委員 「小型武器」の方につきまして若干補足させていただきます。 二十七条におきましては、御指摘のとおり、平和協力隊員に護身用の小型武器を貸与することができる旨の規定が置かれております。ここで具体的にはけん銃、小銃を想定しております。このような規定は、実はいろいろ先例がございまして、大体同じような規定になっているわけでございますが、例えば警察法でございますとか、麻薬取締法等で「小型武器」という規定がございます。そこで、この法案につきましては、けん銃及び小銃、つまり小銃を限度とするという考え方でこのことを政令においてはっきりさせるつもりでおります。
○冬柴委員 そこまではっきりするんだったら法律に定義のところへでも書いていただいたらもっと国民は安心するんじゃないか。これは正当防衛とか緊急避難のときだけ使うという意味でけん銃ならけん銃、そういうふうにしてもらわないと、小火器、小火器と言っていたのが「小型武器」ということになりますと、私が思うような疑問が当然わいてくるわけで、スティンガーミサイルでも、補給艦に乗っている人が空襲を受けたときにどう対応するかといえば、そういうミサイルでしか対応できないじゃないですか。幾ら散弾銃や持っていても対応できないわけですから、そのように思われます。 次に、我が国が貢献策として、物資協力として既に四輪駆動車、ランドクルーザーというのです か、八百台を提供しましたね。八月二十九日だったと思いますが、閣議了解のもとにされた貢献策の一つの内容でありましたが、これは今どこでだれによって使用されているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○渡辺(允)政府委員 ただいま御質問のございました八月二十九日に閣議了解のございました我が国中東貢献策の一部といたしましての四輪駆動車でございますが、これは現在既にサウジアラビアにおきまして米国側に引き渡しを完了いたしておりまして、現在は米国側の管理下にございます。
○冬柴委員 さてそこで、修理と、物資協力をした機械、器具、これには四輪駆動車も入るのですか。
○柳井政府委員 このような四輪駆動車の修理も行うことができます。(冬柴委員「入るんですね」と呼ぶ)入ります。
○冬柴委員 では、修理について伺いますが、今、アメリカ軍が八百台サウジアラビアで使っている。これは故障すると思うのですね。直すのは我が国の協力隊員が直しに行くということになると思うのですが、これはどこでだれに依頼されて直すのですか。
○柳井政府委員 まだ具体的な要請もございませんので、現段階ではちょっと申し上げにくいところでございます。
○冬柴委員 要請があったと仮定して、サウジアラビアで走っているのですよ。では端的に、日本へ持ち帰って直すのですか。それとも、現地で協力隊員が直すのですか。そこだけ、予想しておられることで結構です。
○柳井政府委員 まだその点も具体的なことはわかっておりません。まずはこの法案を通していただきまして、その上でこの協力業務を行うということでございます。
○冬柴委員 総理、多国籍軍、まあアメリカ軍でいいと思います、サウジにね。これは武力行使を目的とする集団であることは何人も疑いがないと思います。そこで使われているランドクルーザーが故障した。電話で、どこどこで故障しているから直しに来てくれ。走っていって直す、現場で直す、これは武力行使と一体をなすと見られる場合があると思いますよ。こういうものは総理は許されないわけですね。いかがですか。
○海部内閣総理大臣 その都度その都度その業務計画というものにおいて、戦闘の行われているところに行ったり武力行使と一体になるようなことはしないという基本で業務計画も立てますから、それはある意味では一線を厳しく引かなければならぬ問題でございます。私はそういったところには派遣しないつもりでありますから、言われたことが全部協力できるのかできないのかわかりません。
○冬柴委員 私は、私もたくさん子供おりますから、子供たちを危ないところへ行かしたくない気持ち、親心ありますけれども、じゃ、だれが危ないところへ行かすんですか、行くんですか。そういう言葉は僕は政治家として、危ないところへ我が国の国民は行かさないという、僕はちょっと、総理に対しての言葉では過ぎるかもわからないけれども、アメリカ国民が聞いたら怒りますよ。私は、そうじゃなしに、法律の中で厳然と我が国ができることとできないことを区別すべきであって、その中に危ないことがあったって、日本人はそれが国民合意であればやるんじゃないですか。それを、危ないところへ行かさない。そうしたら危ないところはどこだというような議論が延々と続きますよ。ミサイルは発達していますから、アラビア半島全部危ないところですよ。そういう議論は不毛だと思います。私はずっと耳ざわりな言葉として聞いてきたわけですけれども、総理の所感を伺いたいと思います。
○海部内閣総理大臣 私も最初から、戦闘を予想されておるようなところ、そういったところには行かせないということはさんざん言いましたけれども、これは武力部隊を出すわけじゃありませんし、平和協力法の趣旨に従って派遣をするわけでありますから、第二条による武力の威嚇や武力の行使を伴わないところという限定でいきますと、現に戦闘の行われているようなところ、その行われようとするところに、ともに武力行使に参加するような一体性を持ったようなところへは派遣しないということを何回も言いました。ですから、そういう言い方を正確にひとつもう一回ここで言い直させていただいているわけであります。 ですから、それにふさわしい協力は何であろうかということは、今まさに委員おっしゃるように、この平和協力法の中に一条にも二条にも三条にもきちっと書いて、武力の威嚇を伴わないもの、業務はこれとこれときちっと列挙しておるわけでありますから、そういうことによってでき得る限りの協力をしていこう。当初から第一線の戦闘地区へ入れてともに武力行使をしようなんという目的はこの法律には断じてありませんから、今の御質問の御趣旨も受けまして考えますと、この法律に従った許された限度の業務を立てるつもりである、このように答えさせていただきます。
○冬柴委員 私は、我が国「国防の基本方針」というものを、長く戦後、国民は一貫してなだらかに、そして政府と国民合意のもとに築き上げてきたからこそ、自衛隊に対する国民の信頼もあったし、周辺国家も我が国に対する大きな信頼を持ってくれたというふうに思うわけでありまして、ここへ来てこのサダム・フセインという人の極端な行為に藉口して、このように積み上げてきた我々の珠玉の不戦の誓いというものを破ってはいけない。この法律はそのおそれがある。私は反対であります。 終わります。
○高村委員長代理 これにて冬柴鐵三君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中委員 先日、テレビを見ていますと、自衛官の奥さんがインタビューに答えている場面がありました。その人が言うのは、私のところは派遣に関係ないのでいいんですが、関係のある部隊に所属しておられるところは大変です、中東へ送られるんじゃないかと深刻で涙ながらで話されますということを言うておられました。これは本当に深刻な感じを私受けて聞きました。協力法ができたら、夫が紛争の起こっているところへ送られるんじゃないか、これが自衛隊の家族の皆さんの今の戦々恐々としている状態ですよ。 そこで、私はこの協力業務の内容について、自衛隊の部隊として参加する、そういうことについて質問をしたいわけですが、きのう不破委員長の質問で、輸送の業務について自衛隊の部隊として参加するのはどういう部隊かということを聞きますと、外務大臣が補給艦と輸送機でございます、こういうふうに答弁をされました。補給艦と輸送機だけが輸送業務協力の自衛隊の部隊であって、それ以外のものは入らない、それが三条二号の「輸送」についての考え方だ、こういうふうに聞いてよろしいですか。
○藤井(一)政府委員 私から私どもの御理解を申し上げますると、先日外務大臣が言われましたのは、海上、航空輸送に関しましては補給艦、輸送機以外は考えていない、このようにおっしゃったというふうに私どもは理解をしております。
○中山国務大臣 今申し上げたとおりであります。
○東中委員 それでは防衛庁に聞くのですが、自衛隊が部隊として輸送業務を行うことを任務にしている部隊は、空、海、陸上含めてどういうのがありますか、明らかにしてほしい。
○石川国務大臣 事実関係として防衛局長から詳細に答弁させます。
○藤井(一)政府委員 輸送関係に使える部隊という意味でありますと、いろいろトラックを持っておるところとか、輸送機、輸送艦を持っておるところがございまして、その全体の数は把握しておりません。
○東中委員 でたらめなことを言いなさんな。どういう部隊がいるのかということさえわからない、そんなばかなことありますか。私の方から言いましょう。 陸上自衛隊の場合は、各師団、十三師団あります、その中に輸送隊という隊があるんです。それは、人員大きいところは百名、少ないところでも八十名、大型トラックが五十両ないし四十両、こういうのが十三あるんです。そのほか、第一ヘリコプター団ということで二個のヘリコプター隊がある。これは輸送機を、ヘリを四十機持って、輸送に当たるんです。自衛隊として輸送に当たるんです。そういうような部隊がある。 それから、海上自衛隊では第一輸送隊という自衛隊の部隊があるわけです。輸送艦「みうら」等三隻持っておる。そういう第一輸送隊。それから自衛艦隊直轄の補給艦四隻。いろいろ問題になっておる「とわだ」なんか、四隻ある。(発言する者あり)議論にしているということ、そういうことも知らぬのだったら黙ってなさい。 そういう点で言うならば、こういう海上自衛隊の輸送を任務としている部隊があるんですね。輸送ですよ、戦闘じゃないんです。 それから、航空自衛隊では輸送航空隊三個隊、C130機、C1五機、この部隊がある。救難団というて輸送ヘリコプター十機ある。そのほかにもいろいろありますよ。隊として独立してある、輸送の業務に当たることを任務としている、輸送業務をやる自衛隊の部隊というのはこれだけあるのですよ。その部隊に入っている人は、家族まで、輸送で参加するんだから大変ですといって涙ながらに話しているというのが先ほど言ったテレビの問題なんです。そういうことで、私はこういう輸送を、戦闘じゃないです、輸送を目的にしている部隊が平和協力業務として参加することができないのですか、法律上できるのですか。その点、外務大臣。
○中山国務大臣 今委員がお示しになりました自衛隊のいわゆる輸送機関として、輸送ヘリコプターとかいろいろございます。御指摘のとおりであります。これは、我が国のいわゆる専守防衛を目的とした自衛隊の最小必要限の自衛力でありまして、これは国内の、他国からの侵略に備えた防衛する機能でありますから、それが即、この輸送という名前がついていることのみをもって平和協力隊にこれが全部参加するということはあり得ない。 私どもがはっきり申し上げさしていただくと、今政府が考えておりますこの平和協力隊法案が成立して、平和協力隊業務に参加ができると言われる部隊として、輸送の任務を目的とした部隊としては、先ほど申し上げました補給艦と輸送機、これのみでございます。
○東中委員 それは、できてから政府がつくる実施計画のことを今言うているんですよ。法律もできておらぬのに何が実施計画ですか。実施計画の内容なんというのは私一つも聞いてないのですよ。 私が言っているのは、この「平和協力業務」というのは、「国際の平和及び安全の維持のための活動に係る」次の業務、そして輸送業務というのがあるわけですね。前についてあるけれども、「その他」で全部どんなものでも輸送業務に入っている。その輸送業務をやるのに、個々に頼んでおったらなかなか人が集まってくれぬ、この間の四輪駆動車だってなかなか海員組合が反対して行けんかったと総理大臣言いましたね。だから、日ごろやっておる自衛隊が部隊として、個人じゃなしに部隊としてやることによって協力をするんだ、こういう趣旨なんでしょう。そうしたら、日ごろやっておるのは全部ほっておいて行けと、そんな判断するかどうかは別として、日ごろ輸送の業務をやっておる自衛隊の部隊は、要請のぐあいもあるだろうし、そのときの情勢もあるだろうから、そのうちの何ぼやるかというのはこれはそのときに判断すればいいんで、法律上は自衛隊の部隊としては、輸送業務を任務としてやっておる部隊は送れるということになるんじゃないですかということを聞いているんです。法律の解釈ですよ。
○柳井政府委員 お答え申し上げます。 先ほど外務大臣から御答弁ございましたように、私ども中東貢献策の経験から見ましてぜひ自衛隊にやっていただきたいというのが、この海上の船舶による輸送、そして航空機による輸送でございまして、そのようなことを想定しておるわけでございます。 この法案の構造について申し上げますれば、三条の二号で挙げてございます「輸送」というもの、これの手段としては特にここで定義はございません。ただ、この法案に伴いまして自衛隊に平和協力隊に参加するという新しい業務をつけ加えております。これは附則の第四条でございまして、四条によりまして自衛隊法の一部を改正いたしまして、ここに第百条の六というものをつけ加えるわけでございます。これは「長官は、国際連合平和協力本部長から国際連合平和協力法第二十二条第一項の規定による要請があった場合には、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、国際連合平和協力隊が行う同法第三条第二号に規定する平和協力業務に部隊等又は隊員を参加させることができる。」という新しい任務でございます。したがいまして、先ほども大臣から車守防衛ということをおっしゃっておられましたが、そのような業務に、自衛隊の本来の業務に支障のない限りにおいて協力をしていただく、こういうのがこの法案の組み立てでございます。
○東中委員 法案の組み立てだけれども、輸送業務を専ら任務としておる部隊は、そのうちからどれだけを選ぶか、必要があるかというのは別として、それは全部対象になるはずなんです。そのうちで今言われているのは――論理的にそうなる。それを今、最初に言われましたように、補給艦というやつを挙げておられますね。補給艦は人を運びますか。
○中山国務大臣 防衛庁の政府委員から答弁をさせます。
○藤井(一)政府委員 補給艦は人は運べません。
○東中委員 補給艦は何をどこからどこへ運ぶものなんですか。
○藤井(一)政府委員 自衛隊におきます補給艦の運用でございますけれども、これは通常護衛艦部隊等に随伴をいたしまして、そこに物資、食糧等を補給するというのが任務でございます。(東中委員「等というのは」と呼ぶ)弾薬も入っております。
○東中委員 護衛艦という戦闘部隊について、それは足が短いので、この補給艦がついて、そして食糧やら水やら燃料やらというものを運んでいくのですよ。そして、運ぶんだけれども運んだままじゃいかぬので到達点はどこかといったら、その護衛艦に渡すんですよ。そういうことはもう常識のうちの常識なんですよ。だから洋上でやるんです。これは、補給艦というのは、総理、ちょっと見てください。(東中委員、写真を示す)これが護衛艦ですよ。それでこれが補給艦です。ここからパイプで燃料を補給しているのです。ここから、この下に図を書いていますが、兵器をこうして送るのです。ここに積んできた兵器をこっちへ渡すんです。これが戦闘をやるんですよ。その補給艦、洋上でやるのですよ。中東で補給艦を送っていって、そしてアメリカ軍の要請で食糧やら水やら弾薬やら燃料やら、それを持っていってアメリカの護衛艦、場合によっては航空母艦、それに洋上でこうして渡す、そういうことをやるのが補給艦なんですよ。その補給艦を送るんだと言っているのでしょう。実際、ここに、自衛隊の事実上の機関紙と言われるこの「朝雲」にこういうことを書いていますよ。 補給艦につきまして、「八、三〇〇トンと、海自艦艇のなかではケタはずれに大きい補給艦「とわだ」」、艦長は二佐、乗組員百二十九人は、「横須賀、佐世保などの沖合に係留されていると、地元の人でも米海軍のフネと間違うことがある。舷側が高く、いかにもどっしりとした船体だけに、一見、鈍重そうだが、今夏初めて参加したリムパックでは、その高い艦隊随伴能力で護衛隊群の機動展開を助け、米、加、豪海軍に練度の高い〝日本の補給艦″の存在を強くアピールした。」 海上自衛隊は補給艦四隻の体制に入ってい る。だから、護衛艦隊が戦闘に行くわけでしょう。そのときにこれがついていって、そして補給をするのですよ。だから、この新聞の見出しでは「護衛艦の〝母″」みたいなものなんだというのですよ。乳を飲みに来る。そういう、だから戦闘、それは米軍に輸送業務だといってこれを出すんだと外務大臣言うているのですよ。何を出すのかということもわからぬで言うているとしたら、これは大変なことですよ。こういうことになるのであって、これは輸送機関としては全然性格が違う、補給をするところなんです。こんなものがどうして自衛隊の部隊としての輸送業務だと言えるか。完全に米軍の中東における作戦行動に一体となって米軍の護衛艦や戦闘艦に補給をしていく、そういうことじゃありませんか。こんなことは許されるわけがないと思うのですが、いかがですか。 〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○藤井(一)政府委員 ただいま私がお答えをいたしましたのは、我が国の防衛の任に当たっております自衛隊としてどう使っておるかということを申し上げたわけでございまして、自衛隊の運用といたしましては、船に補給をするというのが主たる任務でございますけれども、これはもちろん陸上から陸上へも物が運べるわけでございまして、恐らく平和協力隊からの御要請というようなことになりますれば、要請の内容を受けてみないとわかりませんが、これは陸上から陸上へというようなお話になるのではないだろうか、かように心得ております。
○東中委員 そういうことは世界に通用しませんよ。自衛艦が出動したら国際法的には軍隊とみなされる、はっきり言いましたね。そして、中東に展開して作戦しているアメリカ軍、二十万超しているのでしょう。そして航空母艦、日本におったミッドウェーも行っておるのでしょう。そこへ燃料を持って補給をして、爆弾も武器もどんどん補給する、それが輸送業務でございます、そんなばかなことはこれは通用しません。そういう形でこれはもう輸送協力業務ではなくて明らかな戦闘行動、まさに戦闘に一体になってやっていくということだと言わざるを得ません。 もう一つ聞きましょう。 第一輸送隊というのがあります。この輸送艦は二千トンです。三隻ある。この輸送艦は三インチの連装速射砲、四十ミリ機関砲、これを持っています。しかし、この第一輸送隊の任務というのは車両などを輸送するのが、そういう能力を持っているのです、輸送艦というのは。 だから、先ほど総理の発言を、四輪駆動車をサウジへ八百台名古屋から輸送するときに海員組合が反対して、そういうこともあったからこの法律、輸送ができるように自衛隊に協力してもらうのだ、その車両を運ぶことができる専門の船である輸送艦は、輸送の業務に携わる部隊としては初めから挙げない。そして給油の方、護衛艦を助ける方を挙げている。意図が極めて明白なのです。なぜ輸送艦をこの中に入れないのですか、総理の言っていた趣旨からいってですよ。どうなんですか。
○藤井(一)政府委員 自衛隊は確かに輸送艦というのを持っております。これは兵員あるいは車両等を運ぶものでございますが、これは非常に補給艦に比べて航行能力が低いこと、それから、荒海の中を長期間航行するには耐えないというような構造でございますので、そもそも、今回のような平和協力業務の任務にはつき得ないということで外してあるものでございます。
○東中委員 二つ問題があります。今回のような任務とおっしゃいましたね。何も今回、この法律はできていないのですから今回もあさってもないのですよ。問題は、輸送業務にかかるのに一般からといってもなかなか行かぬから、だから自衛隊でということならば、輸送艦も当然入らなければ部隊としておかしいのです。 それで今度はどこからどこへ運ぶか。荒波が起こるか起こらぬか、そんなことはどこへ派遣するかによって違うでしょう。荒波が起こるのに耐えないから、航続距離が少ないからなんといったって、国内で演習をやるときに九州から北海道へ部隊を送るのに輸送艦では送るけれども、給油艦で兵員なんか送りはせぬですよ。そんなのできやせぬのだから。そういう関係になっているのです。全く理屈にも何にもならない。そういう状態になっています。問題は輸送業務なのでしょう。その輸送業務がアメリカの軍事行動、作戦行動に協力をし、支援をし、それに役立つためにやるのでしょう。その部隊に入るわけではないけれども、そうするのでしょう。そうしたら、この輸送業務はどこからどこへ何を送るかということを決めるのはどこが決めるのですか。
○中山国務大臣 今お尋ねのことは、この法案の十七条に書いてありますこの平和協力隊の規模とか構成とかいろいろな問題を掲げられておりますが、ここで実施計画をつくりましてそれを会議にかけて、そうしてここで諮問をされた後に閣議で決定をするという仕組みになっております。
○東中委員 それは実施計画なんですよ。実施計画で、どこからどこへ何を送るかというようなことを決めるわけはないんですよ。でしょう。協力をしてもらう側から、この物をここからここへ送ってくれと言うのでしょう。四輪駆動車、あれはアメリカ国防省が言うてきて、そしてトヨタや三菱でしたかでつくって、八百台を送ったのでしょう、サウジへ。言うてきたのはアメリカ側の指示、要請、それに従ってやるのでしょう。そういうふうにやりますという計画を、中東へ行きますとか行かぬとかいうその実施計画を内閣がつくるのであって、その計画に基づいて実際に動くときですよ、自衛隊の部隊が。例えば、あなたの言われる補給艦はどこで燃料を積んで、どこの艦に洋上で給油をするのか、補給をするのかということをだれが決めるのですか。本部長が決めるのですか。
○柳井政府委員 具体的な輸送の計画につきましては、何らかの要請がございましたときに、これを何でもかんでもやるということではございませんで、第十七条の一項に書いてございますように「内閣総理大臣は、国際の平和及び安全の維持のための活動に協力するため海外派遣その他の平和協力業務の実施が適当と認めるときは、実施計画の案につき閣議の決定を求めなければならない。」ということになっておりまして、我が国が要請を受けましたら、そこで我が国として自主的に判断をいたしまして、どのような協力をするかということをこの実施計画で決めるわけでございます。
○東中委員 要請があったらと言いました。どこから要請があるのですか、どこからだれに対して要請があるのですか。
○中山国務大臣 補給艦の場合は、国連決議六百六十五号を受けまして、ペルシャ湾に展開している多国籍のいわゆるアメリカを初めフランスあるいはイギリス等の鑑がおりますから、そのような艦にこの実効性を確保するために協力をするということでございます。
○東中委員 いやいや、だから湾岸地域に展開をしている米軍、イギリス軍に給油をする、それをやるための補給艦だということをはっきり言うた。これはもう大変なことですよ。その物資は、輸送ですから、どこかから持ってくるのでしょう。どこから持ってくるのですか。
○柳井政府委員 その点は、まさしく具体的な案件に即しまして実施計画で決めるということでございますから、あらかじめこの段階でどこからどこへということは、的確には申し上げられません。
○東中委員 実施計画が決まった上でなければそういう具体的な指示なんか来るわけがないのですよ。実施計画がつくられて、実施計画というのは抽象的なものでしょう、期間とか規模とか基本方針とか。個々の具体的行動というのは、参加する部隊は、自衛隊の部隊はこれだというやつを決めるわけでしょう、その計画で。その部隊が、何月何日どこからどこへ持っていって、だれに何を渡すのだというのは、協力してもらう側の、この場合、さっき言われたように中東におるアメリカや イギリスやらの軍隊ですね。その軍隊から要求してきて初めて動くのでしょう。言うてきておらぬのに持っていきようがないですからね。そうでしょう。そのことを聞いているのですよ。それで、日本から持っていくのですか。そうじゃないでしょう。どこかから持っていくのでしょう。どうですか、あなたの言われたことを聞いているのですよ。
○柳井政府委員 先ほど外務大臣から一例を言われたわけでございます。ただ、繰り返しになって恐縮でございますが、具体的な輸送計画というものはその都度決定して、何をどこからどこへ持っていくかということを我が国が自主的に判断して決める、その形式は業務計画である、こういうことでございます。
○東中委員 そうすると、何をどこからどこへ持っていくということを例えば米軍から要請してきた、あるいは英国軍から要請してきた。武器弾薬とは言わぬで、とにかくある程度の要請があった。それを一々どこで検討するのですか、実質的に判断して。それを要請してくるというのは計画があってからの話でしょう、具体的な問題ですから。そのときは、いつ幾日というものがあるわけですからね。できるだけ早くとか今月中にとかくるはずですから、それを言うてくるのは、協力を受けるとあなた方が言われているいわゆる多国籍軍なんだ。そして、その内容を日本がどこで実質的に判断するのですか。現場の隊なのか、本部長なのか、どこがやるのですか。
○柳井政府委員 具体的なことは、平和協力本部におきましてこの業務計画の案をつくりまして、そして最終的には閣議決定で決めるわけでございます。その具体的な案に則しまして、一つ一つ決めていくということでございます。
○東中委員 一つ一つをだからどこで、護衛艦もおるし、飛行機も出ておるし、何かいろいろなものが出ていますね、医療部隊も出ています。そういう場合に、一々閣議にかけるんですか。ばかなこと言うてはいかぬですよ。そんなことはあり得ますかな。余りにも実態から離れた、もう責任とられないようにということだけ言うておるんですよ。こんな実態に合わぬことを言うたらだめです。世界じゅう通用しませんよ。 もう一つ聞いておきたいのですが、医療活動、防疫活動というのが救助業務としてあります。自衛隊には、化学防護小隊という広い意味の防疫活動を行う部隊があります。化学防護車それから除染車、こういうので編成されているんですが、今イラクの部隊としては毒ガス作戦も辞さないというようなことが言われております。そういう場合に、防疫活動として自衛隊のこの化学防護車、除染車三両、この部隊が補助業務として参加するということがあり得るかどうか、その点についてお聞きをしたいと思います。
○柳井政府委員 自衛隊の方の実態については私承知いたしませんけれども、この法案上の基本的な原則についてお答え申し上げます。 医療活動を含めましてこの平和協力業務を行うに当たりましては、当然のことながら、今までも御答弁申し上げておりますように、戦闘行動が現に行われているようなところには、この平和協力隊の性格等から申しまして派遣しないということでございます。また、一般的な原則といたしまして、武力行使と一体視されるような態様でこの協力業務を行うことはできないということでございます。
○東中委員 医療業務、防疫業務を含むと書いてあるのですが、防疫業務の中に、ガスがまかれているような感じがしてそれを検査しに行くというふうな行為が、無条件に防疫を含む医療活動と書いてあるのですから、防疫活動の一環として入るのか入らないのかということを聞いているのです。入るけれども危険やから行かぬというのだったら、それはそれでいいのです。入らないから行かぬのだというのだったら、それはそれでいいです。その点を聞いているのですから、はっきり答えてくださいよ。
○柳井政府委員 防疫活動として考えられるようなものは、この法案上は特に限定はございません。ただ、先ほど申し上げましたように、戦闘行動が行われているようなところ、すなわち武力行使と一体視されるような活動は医療活動といえども行わない、行えないということでございます。
○東中委員 そうしますと、自衛隊の化学防護小隊、これも随分たくさんあるわけですが、それは防疫活動の中に入る、それで防疫活動自体は戦闘行動ではない、だから業務行為になる、けれどもそれは危険なところへは行かないということによって行くことがないじゃろう、こういう説明のように聞いたのですが、危険なところへは行かないということは法律にはどこにもないのですね。どこにもないのです。業務計画をつくるときにそういうことを決めるのは、それはそうかもしれませんよ。海部さんは人道主義者やから、もうそんな危険なところへは行かさぬぞ。ところが、いや断固として行けという人が出てきたら、法律上はそんなところへ行ったらいかぬとは書いてないのだから、血を流せといってアメリカ側は要求しておるのでしょう。命がけで貢献しなければいかぬじゃないかといって要求しているわけですから、法文としてはそういう危険なところへは行かないというようなことはどこにも書いてない。書いてあるなら条文を示していただきたい。
○柳井政府委員 先ほど委員が御指摘になりましたような装備等がこれに当たるかどうかわかりませんが、ここで防疫活動と言っておりますのは、いわゆる疫病の防止という方の活動でございます。それにどのようなものが使われるか、今の段階では的確にわかりませんけれども、この趣旨はそういうことでございます。
○東中委員 防疫というのは疫病も入るけれども、ガスが充満しておるという場合は、そこでいろいろな病気が発生するわけですから、もしそうでないというなら、防疫活動そのものには入らないというのだったら、その三条二号のチで言っておる防疫活動に類する業務ということにならざるを得ないと思うのです。 それで、このことにつきましては、「イラク軍の毒ガス兵器の脅威に直面するサウジアラビア駐留の米軍など多国籍軍に、頼もしい味方が現れた。西独軍が保有する最新式毒ガス探知装置装備の偵察車「フォックス」で、憲法上の制約からサウジに派兵できない西独が多国籍軍への貢献策として」この日本の化学防護車と同じようなもの、そういうものを無償で提供した。「米軍最大の輸送機C5に積まれて九月二十一日までに十両がサウジに到着、最終的に三十両が最前線に配備される。」こういう報道がなされています。これでいきますと、もう向こうは欲しいのですわ。それで防疫活動、それの準備ということで、計画によっては出ていくということになる。そうしたらもう毒ガス戦の、化学戦の最前線へ自衛隊の部隊が入っていくことになる、そういうこともできるような仕組みになっておる、この法律は。 大変な法律だということを申し上げて、私たちは断固反対であることを言って、時間ですから終わります。
○加藤委員長 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。 次に、永末英一君。
○永末委員 海部総理に伺います。 今回提案されております国連平和協力隊の法案の目的、きれいな言葉を省いて、むいたままの目的は次のようなものではないか。今回のイラクのクウェートの侵略に端を発して、ペルシャ湾の危機に対してアメリカ軍を中心に展開されておるいわゆる多国籍軍の活動に自衛隊が海外派遣されて協力する根拠法をつくろう、これが目的である、そう解してよろしいか。
○海部内閣総理大臣 ここに書いてありますとおり、もう少し幅広く、もう少し基本的な考え方を持ってこの法律をつくったものでございまして、派遣をしてそれと一緒になってというようなことよりも、どのような協力ができるのだろうか、そういったことを考えて第一条、第二条、第三条に、もう一々説明しませんけれども、きちっと列挙しまして、これらのことが平和協力としてできるようにしたい、こう決めたのがこの法律の目的でございます。
○永末委員 そのようにごちゃごちゃつくってあるわけですね。例えば第三条を見ますと、国連決議を受けてやる活動ということが一条に書いてございますが、これを受けて、国連決議に基づく活動または国連決議の実効性を確保する活動と二つございます。それをやるものというのは何かといいますと、「国際連合その他の国際機関」、それから「国連加盟国その他の国」と四つあるわけですね。二つの活動の柱、四つのそれを行うものがやりますと、八つが一緒くたに書いてある。しかも、第三条の二号に掲げてあるイロハニホヘトチとございますが、この中には、これは平和協力の業務の内容のようでございますけれども、法律を要さなくてもやってきたものがある。しかし、法律を今回つくらなければできないものもある。要するに雑炊みたいな法律ですね、これは。だからもっとむいて、何が一体根拠法かということをまず我々は確かめねばならぬので、あなたにお伺いしたわけです。 それなら、この法律がなければできない三条の二号に書いてある業務と、なくたってやってきたものと、明らかにしてください。
○赤尾政府委員 この法律の目的は、第一条に掲げてございます。時間の関係で読みませんが、ここに明記されております。 それで今先生から、この法律があれば何ができるか、なくてもできるものがあるかという御質問でございますが、確かに、これまで国連の選挙、これは、これまではナミビアとニカラグアの選挙に二十七名とか六名の選挙監視要員を出しました。これは現行法の枠内でやったわけでございますけれども、今後カンボジアその他の大きな平和維持活動が始まります場合には、百名とか二百名あるいは三百名、数百名単位の要員の派遣等が必要になる可能性が高いわけでございますが、そのような派遣につきましては、今の例えば外務省の体制では、とても今忙しい仕事を抱えながらやるというわけにいかないということでございます。 物資協力につきましても、今湾岸情勢との絡みで物資協力をやっておりますけれども、財政法九条の制約等もございまして、この新しい法律のもとで財政法第九条の制約を解く、解除するということもここにうたわれております。
○永末委員 法律の体裁として、この法律がなければできないもの、なくてもできるものは違うでしょう。だから、これは何のためにつくったかといえば、できないものに根拠になる法律であると解するのが法律の性格がはっきりわかるわけではありませんか。個々の事例なんか知っていて言っているんだから、一々答えてもらわぬでよろしい。だから、このイ、ロ、ハ、ニ、ホ、へ、ト、チでどれだといえば、最初の停戦監視、それから選挙管理みたいなものはやっていますわね、既に我が国が。したがって、そうでないものをそれと決めれば、この法律によって根拠を与えられて、平和協力事務があるというものは何だろうかと考えてみると、これはどうもその湾岸に展開しているいわゆる多国籍軍に協力をする、そういうものだと私には見えるわけでございまして、したがってそれをお伺いしたわけです。そう見たらおかしいですか。
○柳井政府委員 この三条二号に掲げておりますような業務につきましては、これまでもいろいろ不便はございましたが、やってやれないことはなかったものでございます。ただ、これまでは、そのような協力業務を行う体制というものが一切なかったわけでございまして、非常にこの実施が困難であったということはあります。 そこで、今までは民間にお願いするのが中心でございましたけれども、今回は政府がその持っているいろいろな人員あるいは装備、物品等を使いまして、政府が率先してできるようにするというところに一つの大きな眼目があると思います。この政府がと申します場合には、関係各省いろいろ含むわけでございます。
○永末委員 法律がなくてもできるもの、それは三条の言葉を使いますと国連決議に基づく活動ですね。これをやってきておる。今度、ここでやるのは、その協力をしようというのが業務として並べてある。例えば、二号のイの停戦監視は、これからは国連の決議が、例えばカンボジア問題であった場合に、その活動をやるのですか。協力をやるのですか。はっきりしてください。
○赤尾政府委員 例えばカンボジアの国連平和維持活動が行われる場合に、参加か協力かという御質問でございますが、両方あり得ると思います。(永末委員「参加ではない、この法文の活動かと聞いておる、はっきり聞いてください」と呼ぶ)法文の活動……。まず例えば協力といたしましては、物資あるいは物品の提供、あるいは資金の協力等ができるわけでございますが、あと選挙監視団あるいは停戦監視団等への参加も可能になるわけでございます。
○永末委員 あなたと議論しに来たのではないのでね。今までもやっておったことが書いてあるが、その書いてあるのは、平和協力隊の協力の対象として書いてある。今までは、国連の決議があって、それを受けてそれによる活動としてやってきたわけだ。性格を変えるのですか、これから。そう聞いておるのです。
○柳井政府委員 今までやれたことの性格を変えるということではございませんで、ただこの協力、特に例としてお挙げになりました停戦の監視というようなものをとりますと、この場合には、いわば停戦監視団の中に入って参加して行うという形と、それから停戦監視団の活動に外からお手伝いをする、支援する、協力するという形と二つあると思います。 今度この法案によりまして従来と違う点は、先ほども申し上げましたように、この停戦監視団に参加または協力する場合に、国家公務員あるいは地方自治体からこの平和協力隊に参加される方々も活躍していただく、そういう体制が新しくなるということでございます。
○永末委員 法律上の性格としては、この平和協力隊は参加または協力する、そういう業務も持つと解してよろしいね。
○柳井政府委員 協力を行う対象にはいろいろあると思います。また、国連の行う活動の任務・目的等もいろいろあると思いますが、それには中に入って参加するという場合もございますし、あるいは中には入らないで外から協力する、その二つの種類が大別すればあるというふうに言えると思います。
○永末委員 これは人を派遣する根拠法ですが、大蔵大臣、お金の方が書いてませんな。今までの経過によりますと、何かお金の方はよそからねじ込まれて出しているような、人の根拠法はこれで政府の考え方はこうかしらと推測はできますが、お金の方はどうするのですか。どういう原則でやりますか。
○橋本国務大臣 この国連平和協力法案が通過、成立をした場合、平和協力業務というものが発生をいたします。しかし、これは法律制定後、国の業務でありますから、通常の予算措置と同様に国会の審議、議決を経て、支出権限を与えられた範囲内において支出していくということになろうと思います。 しかし問題は、現時点においてはいかなる業務が発生をするかわからないわけでありまして、具体的にこの部分について内容を申し上げることには無理がございます。基本的には、その情勢により必要があり、実施計画が定められて、その結果として海外派遣が行われるということになりました場合、その時点における積算によりまして予算の支出が決定をされるということになろうかと思います。
○永末委員 場合によりましては、多額の予算を要する、そういう業務計画もつくられることになる場合があると存じますが、さて、この平和協力隊というのは一過性のものですね。そのたびごとにつくられて、任務が終わればなくなる、こういう性格のものだ。第十七条によりますと、閣議で 実施計画を決める。それは、業務の内容であるとか派遣先の外国であるとか派遣期間、それから協力隊の規模、構成、さらにまた協力隊の装備、定員等を決めてやる。 さて、十九条では、そういう実施計画が決まってから志望者を募集をして、そうして採用する。これ、出そうと思えばいろいろな訓練が必要ですね。訓練をして、そして派遣をする、こういうことになろうと思いますが、十九条による一般志望者を、まず実施をしなくちゃならぬと考えてから一体どれくらいの期間がたったら派遣できるというお考えですか。
○赤尾政府委員 平和協力隊員の募集の方法につきましては、今先生が指摘されました第十九条、これは主として民間から採用する場合の選考採用でございます。 それ以外に、中央政府関係行政機関からの派遣が二十条に記されてございますし、組織的な参加といたしまして、海上保安庁が二十一条、自衛隊が二十二条で書いてございますわけですが、私たちといたしましては、このような関係行政機関、特に二十条、二十一条、二十二条の各行政機関に蓄積された経験、人材、組織的な機能を十分活用して、できるだけ早急に派遣できる体制をつくりたいということでございまして、例えば国連等から要請がありましたならば、一、二カ月のうちに派遣できるような体制になると思います。 例えばカンボジア等につきましては、国連がまず決議をいたしまして、規模その他を決めて各国に要請するわけでございます。要請がありますれば、分野にもよりますけれども、これまでの経験から、一カ月とか二カ月、あるいはその活動にもよりますけれども三カ月等の範囲内で対応が可能であるというふうに思います。そのための体制整備をこの法律のもとでねらっているわけでございます。
○永末委員 期間が定められて、民間によるこの人材がそれに応募をしてくる、済んだら首だと。人材が来るんでしょうかね。今の御答弁聞いておりますとそういうことだけれども、二十条、二十一条、二十二条による国家の行政機関や海上保安庁、防衛庁等々から人材を得るんだと。 これ、海部さん、あなた一番最初広く民間からの人材を求め云々ということを国民にアピールされましたが、この平和協力隊は違うんですね。要するに、行政機関が早うやらぬと迅速ではない。最初一、二カ月、今三カ月で出てきた。この医療隊の先遣隊が先日行きまして帰ってきましたが、既にこれ一番最初の発表からは二カ月たっておるわけです、中東貢献策発表以来ですね。そして、これから後で聞きますけれども、現実にそういうものに行く場合にも何カ月かかるだろう。この法律は迅速な協力を行うんだと。迅速というのは、どれぐらいの期間をあなたは考えておるのですか。
○赤尾政府委員 もう一つ、先ほど十九条の関係、先生が御指摘されました十九条の関係でございますが、この十九条の第二項におきまして、「関係行政機関若しくは地方公共団体又は民間の団体の協力を得て、広く人材の確保に努める」というのが基本でございまして、特に民間の方あるいは地方公務員、例えば消防庁でございますとかあるいは警察庁でございますとかあるいは選挙監視、行政監視等の関係で、地方公共団体の方の協力も非常に期待しているわけでございます。 それで、この体制が整備されました場合には、協力隊本部、事務局等関係行政機関あるいは地方公共団体あるいは関係のある民間の方たちと日ごろ連絡をとり合いながら、必要な場合には早急に派遣できるという体制を整備するのがこの法律の目的でございます。
○永末委員 今の話でも民間はときどき出てくるんであって、各種行政機関からということが主軸になっておる。奥田さん、あなた各種行政機関、一番たくさん持っている方ですね。警察とか消防とか、どんどんすぐに来るんでしょうか。
○奥田国務大臣 基本的に申しますけれども、積極的に協力したいと思っておりますし、現に国際救助隊あたりの要請を受けたときでも大体二十四時間以内に、もちろん人員のことは二十名前後の小さい規模のものでございますけれども、大体今のところそういった形に支援体制をいつでも整えておるのは五百名前後登録しておるわけでございますし、現実にはそういった形で、時間的にはいわゆる大体二十四時間を限度として先般も二度ばかり、私の在任中にもう既に二度ばかり外地へ出しておりますけれども、対応できると思います。
○永末委員 今奥田自治大臣の言われたように行政機関なら二十四時間ということがあり得る。一般の人なんというようなことになると三カ月という話ですな、最大限。海部さん、あなたが最初この件で言われたのは、広く民間から人材を求めだったんだ。違いますね。そこだけ答えてください。これはあなたが言い出したんだからあなたに答えてほしい。
○海部内閣総理大臣 御指摘のように、八月の二日にイラクのクウェート侵攻があって、そしてこれは日本もでき得る限りの協力をしなければならぬ、貢献策を組まなきゃならぬ。お金の問題は別にしまして、いろいろ努力もしましたが、あと医療協力とか輸送協力をしようというときに、法の体系も制度も、それからきょうまで経験も全くなかったことでありましたので、私は率直に最初に自分の考え方を述べたときには、制度、仕組みがないわけですから、許される限り民間のボランティア精神に訴えて、広く多くの国民の皆さんにお願いしなければならぬ、そのとき率直に言えば、日本青年海外協力隊をスタートさせたときのあのようなイメージも私の想定の中にあったことは事実でございます。そういったことでお願いしようと思ってやったんです。今御批判いただいた医療先遣隊でも二カ月もかかったではないかとおっしゃいましたが、その御批判は率直にいただきますけれども、何にも制度、仕組みがないところで手探りで始めますとどうしてもそういうことになります。第一船の船が出てもらうためにも海員組合の御協力を願って、あのような結果になったのですが、いろいろなことがございました。 したがいまして、その後政府部内で慎重に検討もした、そうして、こういった協力をやるには、なるほど迅速ということも非常に大切でありますし、実際的に行わなければならぬということも非常に大切なことであります。そういった要素を全部踏まえて、きょうまでの経験とか組織的な訓練ができておるというその体質とか、あるいはやってやろうというその精神とか、そういったものに強く期待をいたしまして、今おっしゃるように、行政機関にそれぞれお願いをする、地方自治体にもお願いをする、そういったことに含めてなっていったわけであります。 以上が率直な私の心境です。
○永末委員 この一つの原因は、民間の人がなかなか集まらぬというのは、一過性のものだからですね。常駐のものではない。国連待機軍を北欧やその他の国々でやっておる。これは、募集をしてやっておるのが大部分。現役の軍隊から来ている者も使ったところもありますが、しかしそれは常駐のものであって、したがって長い間の、例えば平和維持軍に出たときのローテーションもちゃんとそれはこなしておるわけです。しかし、それは絶えず所要の人数を持っておるのであり、もし迅速に国連からの何らかのときに要請があったらこたえようとすると、やはりいつも人間を持っておる状態、国連待機軍のごときものがなければならぬと我が党は主張してまいりましたが、持つつもりはございませんか。
○中山国務大臣 今委員御指摘の点は、北欧の各国とかあるいはカナダとか、いろいろ国連の平和協力にやっておる国の例を見ましても、御指摘のような制度があることは私も存じております。 日本で今回この法案が成立をいたしまして、平和協力隊というものが具体的に編成されるという過程におきまして、まだこの法案が成立してからそこへいくまでにどれだけの時間がかかるかということを、今、委員、先ほどから盛んに確認をされているところでございますが、しばらくこの法案の成立後、実際この編成して運用する過程におきまして、将来の日本が国連加盟国としてどのような体制が最も好ましいかということをこれから我々は実践を踏まえながら検討しなければならない、こういう考えでおります。
○永末委員 平和維持軍がこの三条の二号の平和協力業務から抜けておりますね。抜いたんだというお話でございますが、やらぬのですか、平和維持軍、兵力引き離し等々いろいろ国連には歴史があり、何十年もかかっている平和維持軍もあります。日本はやらぬのですか。
○中山国務大臣 平和維持軍に関しましては、武力、つまり相当な兵器を維持しないとこれに参加することは非常に難しいような環境が多いということから、今回の平和協力法案には平和維持軍で大きい兵器を維持するような部隊を出すという考え方は現在持っておりません。
○永末委員 海部さん、結局常駐の国連待機軍なるものはまだ全く影も形もない。結局、自衛隊という組織部隊があるから、そこでひとつ人員を充足しようというのが、これが主眼なんでしょう。あなたは、この前、うちの米沢書記長の質問で、自衛隊にも参加をお願いしておる。にもじゃない。自衛隊に参加をお願いしているじゃないですか。はっきり答えてください。
○海部内閣総理大臣 自衛隊に平和協力隊に参加をしてもらって、そして平和協力隊の指揮のもとに入って、これらの業務、活動に協力をしてもらう。そして、それは自衛隊だけでやるわけじゃありませんから、この間はいろいろ、海上保安庁とか警察とか消防とか一般の方とか、皆にもお願いをするということを申し上げたわけでございます。
○永末委員 自衛隊にお願いをしたとちゃんとあなたが言われました。自衛隊は今までそういうことはやらぬのが、自衛隊法による業務の内容でございますね。初めて海外派遣行けというこれは根拠をつくる。そのためには、やはり積極的な根拠が必要だと思います。 我々日本の国が一九五六年に国連加盟をしたときには、既に自衛隊を二年前に持っておったわけだ。しかしながら、自衛隊と国連活動との関係は、残念ながら、自民党政権長きにわたっておりますが、ついにはっきりせしめたことはございません。 国連とは何か。それは憲章第一条の目的に、国際の平和及び安全を維持するため、平和に対する脅威の防止、除去、侵略行為、平和の破壊の鎮圧に対し有効な集団的措置をとる、これで国連をつくっておるわけでございまして、それならば、今のような内容を、国連に加盟した以上、その実力部隊として持っている自衛隊との関係を整えておくべきであるが整えていないからこれほどの大きな問題になって、なかなか正確に国民に事態を認識していただけない。自民党内閣、怠慢ですな。
○中山国務大臣 今日まで北欧のような国々には相当早い時期にこのような部隊が構成されておることは私も存じておりますが、今日までの国際社会の中で、米ソの対決が激しかった時代の国連と、これからの国連との国際環境は全く変わってくるという事態におきまして、我々のこの国家において国連に対するいわゆる条約上の義務というものが相当あります。そういうものについて、国民の皆様方がこの法案の審議を通じて、国連憲章とはいかなるものを加盟国に規定しているかということの御理解を十分いただいて、その上で将来の課題として、今永末委員が御指摘のように、これから日本の国がどのような対応をするかということを国民の皆様方の頭の中で考えていただく。政治家はそれに対して一つの方向性を明示するということが必要だと私は考えております。
○永末委員 防衛庁長官、今回はこの平和協力隊に自衛隊を派遣して、平和協力隊を海外派遣するから自衛隊も従って行くんだ、こういう立て方ですね。それはあたかも、自衛隊法を改正をして南極へ行く業務を与えたから行くんだ、こういう立て方です。そうじゃなくて、今外務大臣が述べたように、世界の安全保障の体制が変わってきて、日本は一体それに何をなすべきかというのはもろに世界からも問われ、我々も考えなくちゃならない問題。政治家だとおっしゃる。だとすれば、自衛隊法第三条にはっきりと国際の平和、安全の維持のための任務を明記する。あとの対応は法律でやるのは当たり前でございますが、我々は武力行使や武力による威嚇をやろうなどとは考えていないわけでありますが、そうやって初めて自衛隊が海外派遣をされるはっきりした基礎があり、限界がわかる。そう思いませんか。
○石川国務大臣 昨日もこの点につきましては貴党の米沢委員から御意見をちょうだいしたわけでありますが、今先生がおっしゃったように、国連の重要性というものはますます増大して、まさに二十一世紀は国連の時代といってもいいような時代になろう、こういうように思うわけでございまして、そういう中からいろいろと御指摘をいただいたわけでございますが、今回の御審議をいただいております平和協力隊法、これに、要するに国連の平和維持活動等に対する協力ということは、新たに平和協力隊という組織をつくって、これが主体となってそこに自衛隊が協力、参加する、こういうことになっているわけでございますので、したがって、今先生の御主張のようなそういう見解も私は確かに一つの見解である、このように認識をしておりますが、今申し上げましたように今回のこの平和協力隊法の中には、むしろ主体となってこれが入るということではなくして、その中の輸送等を中心としての、まあお手伝いという言葉は何か適当ではございませんが、そういう面の協力をする、こういうことでございますので、要するに雑則という言葉がございますが、そういう一つの法の改正、こういうことになったわけでございます。
○永末委員 まともにかかって自衛隊に新しい任務を与えるということが日本の政治では必要ではありませんか。どこかの法律のしまいにこちょこちょと書いて、それで行けというのでは奮い立たぬのではありませんか、名誉を旨とする集団でありますから。それは最高責任者である海部さんも聞いておられますが、あなたはどう思いますか。
○海部内閣総理大臣 自衛隊の本来持っております我が国を守る、そのためには危険も顧みず宣誓をしてまで公務員になってもらう、ということは非常に崇高な厳しい任務だと私は思っております。また、新しい国際社会の大きな変化の中で生まれてきた日本が平和協力をいろいろしていこう、日本の平和政策というものはどこまで許されて何ができるかということについていろいろ議論しましたところ、自衛隊のきょうまでのいろいろな蓄積された経験や組織的な伝統や、そういった練度を生かした協力をしてもらうのが、これが非常に実効を上げていくために望ましいことであるということでありますが、ただ平和協力隊の方は、これはあくまでも海外へ出ていくという面を中心に考えなきゃなりません。この法律ではやはり第二条に「武力による威嚇又は武力の行使に当たるものであってはならない。」という大きな憲法九条の制約がある枠組みであります。ですから、やはり本来の目的というものは、あくまでこれ日本国とともに永遠に続くものでありますから、自衛隊はそこで任務を果たしてもらうという第一義的なものがございます。したがって、今度できたこの平和協力隊に自衛隊が参加するときには、いろいろ協力隊に参加することによって、目的は国連決議の実効性を高めるためという枠がありますし、武力行使は行わないという枠もございますし、その他いろいろ第三条による業務の枠もありますから、そこへ入って協力してもらうためには、その法律の中に自衛隊が参加してもらうということをきちっと書いて、これは法律を国会の審議にお願いするわけでありますから、こういう目的のためにも自衛隊に参加をしてもらうということを法律に書くことによってそれはおわかり願えることでもあろうということで、法案をつくる前にはいろいろ議論はありましたけれども、結果としてこの法律に書くということにしたわけでございます。
○永末委員 きょうの問題は十分御研究をしていただきたいと存じます。 外務大臣、今湾岸におります多国籍軍は武力による威嚇をイラクにやっておるのですね。
○中山国務大臣 今サウジアラビアに展開しておる多国籍軍というものは、武力による威嚇というよりも抑止力の機能を果たしている、そのように認識をいたしております。
○永末委員 ある現象を見たときに、あれだけの軍隊を展開をして、あれだけの武器を備えてにらめば威嚇でしょう。結果的に抑止力になる。相手方からすれば威嚇されておるんじゃないですか。
○中山国務大臣 端的に申し上げまして、例えば日本に駐留しております米軍、この米軍が果たして周辺国に威嚇を与えているかというと、私は威嚇ではない、抑止力であるという認識を持っております。
○永末委員 威嚇する力があるから抑止力になるのであって、同じことを別の言葉で言うておるにすぎない。ところが、威嚇と言うと後で差し支えますから注意してその言葉をお使いにならないが、イラクからすれば、あれだけの軍隊が来て、にらまれた。今まで何もない砂漠のところにそれだけの大きな力が来たら、威嚇されておると感じるのは当たり前だ。武力による威嚇とはどうしても思いませんか。
○中山国務大臣 抑止力と思っております。
○永末委員 我々の自衛隊に対しては、武力による威嚇のどうとかこうとかと一生懸命言うんでありますが、我々の自衛隊も抑止力を持っておるとまた説明することがある。それは、同じものであっても見方によってそう映るわけであって、問題は、その多国籍軍の活動に協力をする、抑止力をふやすために協力をする、こう言って言い抜けようとする。私の言うとおり、武力による威嚇を多国籍軍はやっておると言うならば、その協力は武力による威嚇になりますわね。そう言われると困るので、そうは言わないと頑張っておるのでしょう。
○柳井政府委員 ただいまの点は外務大臣の言われたとおりでございまして、御承知のとおり侵略を行ったのはイラクでございます。武力を行使してクウェートを侵略したのはイラクでございます。これに対して安保理が一連の決議を採択いたしまして、これに多数の国が協力して、実効性を与えるためにあのようにいわゆる多国籍軍を展開しているという関係でございますので、これは多国籍軍の与えている影響あるいは力というものは、国連憲章で禁止しているところの武力による威嚇というものではなくて、まさに大臣の言われたような、抑止力をもって一連の決議に実効性を与えているということだと考えております。
○永末委員 同じ現象を、ある場合には右から見、ある場合には左から見て言い抜けをするといったって、見ているその実態そのものは変わらないわけでございます。 時間が迫りましたが、先ほどちょっと触れました医療協力、現場から先遣隊が帰ってまいりまして、伝えられるところによりますと、有事の際に日本に二百ないし三百床つくってほしい、こう言っておるようでありますが、それは、つくろうとすれば四カ月も五カ月もかかる仕事である。やるならば早くかからねばならぬと思いますが、一体、これ、やるつもりですか。
○中山国務大臣 先般先遣隊が帰ってこられまして、報告を伺いました。いろいろと御意見がございまして、この地域における医療が、いわゆる都市部においては相当充実をされておる。しかし、周辺に参りますと充実されていない部分もたくさんある。そういう意味で、その地域に対する医療を充実させることが日本としては協力の一助であると考えております。
○永末委員 そのためには、早くやらなければいけませんね。早くやらなければいけない。私は、武力による威嚇という言葉を出しましたのは、その時代は平時なんだから何をどこへ運んだってできる、有事になりますと、武力行使と一体になるような行為はいかぬなどと言って、もたもたしておるわけであります。したがって、そうでなければどこへでも持っていける。今ならどこへでも行けますね。
○中山国務大臣 お説のとおりであります。
○永末委員 それが武力行使になったらどうなりますか。
○中山国務大臣 武力の行使に一体とならないということが原則であろうかと考えております。
○永末委員 であろうかではなくて、事の、同じ場所で同じ行為をしていることが、武力の行使以前にはそこまで輸送でも何でもできる。水、薬品、車両、いろいろなものができる。武力の行使を一たんやればそれができない。これは無理なことですね。我々が武力行使をしないのだから、それは、我々の行うことについて制限を加えるならば、私は協力行為はどこでもできると思います。 時間がございませんので、ひとつぜひ海部さんに聞いておきたいのは、戦闘開始ということは非常にこれは重要な問題でございまして、過般、私は社会主義インターナショナルの幹事会に行きましたときに、大多数の加盟政党が、武力行使をアメリカがやる場合には必ず国連の議決を求めろという決議をいたしました。私も賛成しました。あなたはそれをアメリカに強く言われるつもりはありませんか。
○海部内閣総理大臣 私が今、繰り返しアメリカに言ったこと、ブッシュ大統領にも言ったことは、武力行使にならないように粘り強く平和的にまず解決の努力をしてほしいということと、それから国連中心の問題解決を日本はしていきたいということを強く申し上げております。御趣旨よくわかります。
○永末委員 逆に、国連の決議がないのに武力行使してはならぬぞよという日本の意思を伝えてくれと言っておるのです。もう一言。
○海部内閣総理大臣 いや、日本の意思は、国連の決議がある、ないにかかわらず武力行使をやってくれるなというのがまず大前提でありまして、その平和的な解決というのを今の段階で繰り返し繰り返し伝えておるというのが第一であります。だから、もし仮にという将来の前提をつけてまだ物を言ったことございませんので、それは先生の御質問の御意思を十分に体して、私も私なりに一遍よく検討させていただきます。
○永末委員 終わります。
○加藤委員長 これにて永末英一君の質疑は終了いたしました。 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 大体、問題が非常に混乱し、答弁もなかなか乱れておる。これは一にかかって私は、自衛隊の併任ということが出てきているからいろいろ問題が起こっているんじゃないかと思います。 そのうちの一つに、十八日の本会議で総理の方は、協力隊は国際法上軍隊とは見られないという答弁をされました。されましたよ、見てごらんなさい。それから中山外務大臣はその本会議の同じ答弁の中で、協力隊に参加する自衛隊員は国際法上は軍人であり、部隊は軍隊であるという答弁をされて、そのとき本会議ではもう答弁が割れてしまった印象を持ちました。 それで今度は予算委員会になって、条約局長がこういうふうにそこをとりなしたわけですね。一つは、協力隊それ自体は軍隊ではない、二番目に、国際法上は軍隊として扱われる、こういう答弁になっている。非常にこれもわかりにくいですね。 だから、混成部隊ですね、民間と自衛隊と一緒になっている。この混成部隊である自衛隊は、国際的な位置づけは一体どうなるのか。というのは、これは国際的には、軍隊であり軍人であれば特権的な地位を持ち得るわけでしょう。それでその待遇や取り扱いは文民とは大変な差がありますよ。だから、国際的にはその混成部隊は一体どういう取り扱いになるのか、それが一つです。 それから、では服装は、自衛隊は服装を持っていくのでしょう。そうしないと軍隊と見られませんから、ジュネーブ追加議定書では。それで、民間人は何か別の洋服を着ていくのですか。そうすると、相手側はわからぬでしょう。どうなるんです、これ。その辺も含めて答弁ください。
○中山国務大臣 先ほどの平和協力隊の国際法上の問題につきましては、後ほど条約局長から法律問題として御答弁をさせていただきたいと思います。 なお、平和協力隊に参加するこの人たちの服装につきましては、制服を規定いたしたいと考えております。
○楢崎委員 自衛隊はどうなんです。
○中山国務大臣 自衛隊の方も平和協力隊員という立場で同じ制服を着ていただく考えでおります。
○楢崎委員 そうしたら、受けられませんよ、特権は。
○柳井政府委員 確認的にお答えさせていただきます。 国連平和協力隊は国際の平和及び安全の維持のために国際連合が行う決議を受けて行われる国際連合平和維持活動その他の活動に対しまして、武力の行使または武力による威嚇を伴わない平和協力業務により協力することを目的とする組織でございます。したがいまして、これ自体は軍隊ではございません。 他方、自衛隊は、憲法上、必要最小限度の、限度を超える実力を保持しない等の厳しい制約を課せられております。したがいまして、通常の観念で考えられる軍隊ではございませんけれども、国際法上は軍隊として取り扱われます。そして自衛官も国際法上の軍隊の構成員として取り扱われるものでございまして、この点には、自衛隊の部隊等、または自衛官が平和協力隊の業務に参加している場合におきましても変わりはないわけでございます。したがいまして、平和協力隊には文官の方と、そして国際法上は軍人として扱われる自衛隊の方と、その二つの要素があるということは事実でございます。
○楢崎委員 全体としてどう見られるかを聞いているのですよ。
○柳井政府委員 全体としては、軍隊ではございません。
○楢崎委員 おかしいじゃないですか、それは。外務大臣はここでも答弁しましたよね。軍隊だから、戦時国際法、ジュネーブ追加議定書でもいいです、これでいろんな、例えば捕虜特権とかいろんなことが受けられるとあなたはここで答弁しましたよね。区別するのですか、相手方は。まあ、いいです。あなたの答弁は聞き飽きたですよ。 それで、いいですか、その国際法上の特権を受けるためには、自衛隊は自衛隊の洋服を着ておかぬと、階級章をつけておかぬといけないのでしょうが。それはジュネーブ諸条約に対する追加議定書、一九四九年八月十二日、第三十七条でそうなっておる。だから、ほかのユニフォーム着て行ったって、これはいわゆる背信行為になるんだ。そのことははっきりしているでしょうが。 それから、もう一つ聞いておきます、時間がないから。その答弁を後でお願いしたい。もう一つは、国際法的には、いいですか、公海上で日本の商船などが攻撃を受けたときは個別的自衛権があるという答弁は過去ありました。今度の場合は、ほかの国の領土へ行った場合に、敵性国家になるのですから、これはもう過去鯨岡さんの質問に答弁されている。だから、これは敵性国家になるが、もし攻撃を他国の領土におって協力隊が受けたときには、個別的自衛権は発動されますか。
○柳井政府委員 自衛隊から参加される方は国際法上軍人として扱われるわけでございますから、その限りにおいて国際法上の軍人に関するいろいろな特権その他の規定が適用されることになります。 そして、自衛隊員が部隊として参加するような場合におきましては、自衛隊の制服を着まして、それに対しまして、平和協力隊の一員となっているということを示す標章をつけることを考えております。ただ、自衛隊員として、自衛隊員も平和協力隊の隊員になるわけでございますから、通常の場合は平和協力隊の制服を着るということになるわけでございます。
○楢崎委員 個別的自衛権ですよ。個別的自衛権。
○加藤委員長 政府側、答弁を整理してください。 外務大臣。
○中山国務大臣 先ほどお尋ねの制服の問題でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、自衛隊員も平和協力隊の制服を着用する。ただし、部隊として操艦あるいは航空機を操縦する場合には作業服を着ます。その場合には平和協力隊のワッペンをつけるということに相なります。
○楢崎委員 今のも納得いきませんけれども、先ほど言ったジュネーブ追加議定書三十七条にそれは反しますよ。だから特権は受けられない、そういうことでは。 それからもう一つ、さっきの、協力隊が他国の領土で攻撃を受けたときには個別的自衛権は発動しますか、それはどうですか。公海上はもう過去の答弁で、個別的な自衛権を発動することは過去の答弁がありますけれども、他国の領土へ行くんだから、領海にも行くんだから、そのときは攻撃を受けたときに個別的自衛権が発動されますかというのも答弁されてない。
○柳井政府委員 平和協力隊は、この法案に定めておりますような限定的な任務を帯びて行くわけでございます。そして、その基本原則といたしまして、武力の行使または武力による威嚇は行わないという枠内で任務を行使するものでございます。したがいまして、外国の領土にある場合にそのような攻撃を受けて自衛権を発動するというような事態はちょっと想定しがたいところでございます。
○楢崎委員 これでやめますけれども、想定し得ないことが起こるのが戦争なんですよ。言ったでしょうが。あなたが想定しようとすまいと関係ないの、あなたの想定なんて。突発的なことが起こるから、私は法律的に正確に答えていただきたい。
○工藤政府委員 お答え申し上げます。 先ほど委員は、公海上におきましては当然自衛権の発動があるようなお話でございましたけれども、我が国の自衛権の行使、もうこれは委員十分御承知のいわゆる自衛権の発動の三要件というのがございます。したがいまして、公海上におきましても、ある船が攻撃された場合というときに一般的に自衛権の発動があるというふうにお答えしたことはないと思います。ケース・バイ・ケースで、自衛権の発動ということが具体的な事情に基づいて判断されるべきであるというのが従来のたしか答弁でございますし、それからまた、もう一歩申し上げれば、単にある日本の艦艇、商船あるいは航空機が攻撃されたという事実だけをもって直ちに我が国に対する直接の武力攻撃とはみなされないというような考え方が従来の答弁でございます。したがいまして、今御質問のようなケースにつきましてもそのような形で判断すべきであると思いますし、一般的に申し上げれば、これはきのうもこの場でお答え申し上げたところでございますが、一般的に申し上げて、そういう形で攻撃されたからといって直ちに我が国に対する急迫不正の侵害があったというところまでは言いがたいのではないか、かように考えております。
○楢崎委員 これで終わりますが、問題は後に残したいと思います。 終わります。
○加藤委員長 これにて楢崎弥之助君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十九日午前九時三十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時十一分散会