予算委員会 第17号
- 発言数
- 319 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1990/06/04
会議録
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。 平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 本日は税制・財政に関する集中審議を行います。 質疑者等はお手元の質疑通告表のとおりでございます。 これより片山虎之助君の質疑を行います。片山君。
○片山虎之助君 予算委員会初質問でございます。よろしくお願いいたしたいと思います。 まず最初に、去年の参議院選挙及びことしの衆議院選挙を踏まえましての総理の基本的な政治姿勢についてお伺いいたしたいと思います。 昨年七月二十三日の参議院選挙、私も戦わせていただいたわけでありますけれども、これは御承知のとおりの自民党大逆風でございまして、自民党が結党いたしましたのは昭和三十年十一月でございますけれども、結党以来衆参で大幅に過半数を割るということは初めてでございます。そういう大敗であったわけであります。その後海部内閣が発足いたしたわけでありますけれども、七カ月後のことしの二月十八日の衆議院選挙では、予想に反してというのか、あるいは予想どおりというのか、自民党は安定多数をいただいたわけであります。国民は引き続いて自民党に政治のかじ取りを託しまして、また消費税につきましても少なくとも廃止を選択しなかったと思うわけであります。こういうふうに、民意というのは私は大変流動的だと思うわけであります。アプリオリでない。 ヨゼフ・シュンペーターという学者が言っておりますけれども、民意というのは政治家が選択肢を提示してお互いに競争して国民の選択を求める過程で形成されるものだと。私もまさにそう思うわけであります。直近の民意は少なくとも自民党に政権を託する、消費税も廃止でない、こういう選択をいたしたわけでありますけれども、この直近の民意を尊重することが私は議会制民主主義及び日本国憲法に沿うゆえんだと思いますけれども、総理の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、選挙に示される国民の民意というものを私は大切にしなければならないと基本的に考えております。そういった角度からいいますと、昨年の参議院の選挙に示された民意というものを私たちは非常に厳しく厳粛に受けとめて、今年初頭の衆議院選挙のときは、予想に反してかとおっしゃいますが、私どもはとにかく過半数のラインを乗り越えて一議席でも多くの議席を国民の皆さんに訴えて確保したいという強い願いを込めて選挙を戦ったことも正直にそのとおりでございます。そして、衆議院の方では過半数を上回る議席を与えていただきました。このことは、謙虚に受けとめさせていただくと同時に、これらの示された民意を大切にしながらこれからの政策努力に取り組んでいきたいと、こう考えております。
○片山虎之助君 ありがとうございました。 しかし、直近の民意ではございませんけれども、一つ前の民意は先ほど言いましたように自民党に敗北をさせたわけでありまして、その結果衆参では多数が異なる、少なくとも参議院では与野党逆転というねじれ現象が生じたわけであります。ねじれという言葉が必ずしも適当かどうかわかりません。この言葉の中には本来的でない、どうもぐあいが悪いなというふうな感じがあるような気がいたすわけでありますけれども、我が国の国会が二院制をとる以上、ねじれというのは当然想定されるべきものでございます。私はねじれ現象というのを積極的に評価したい。 スポーツではねじれることが力の源泉、パワーであります。ゴルフのスイングでも野球のバッティングでも体がねじれないとちゃんと当たりません。砲丸投げでも円盤投げでも同じでありまして、ねじれ現象を二院制の活性化、国政の進展のために積極的に評価して活用していくことが必要だと思いますけれども、そのためには国会の多数は責任を伴うわけでありまして、多数になった方が国会運営について十分の責任を持つ、現実的な処理をしていく、こういうことが必要でないか。現に地方交付税法その他そういう傾向が見えておるわけでありますけれども、このねじれ現象及び参議院の運営について総理はどういうふうに御認識され、対処されようとしているのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、衆議院の与野党の議席差の現状と参議院における与野党の議席差の現状には差がございます。したがって、それらの問題について、例えば昨年の国会を振り返ってみますと、非常に大切な土地基本法にしろ年金法案にしろ、与野党各会派の皆さんのいろいろなお話し合い、御審議を通じて一歩前進したところに結論ができたという結果も出ております。ですから、やっぱり民意を尊重して、それを大切にしながら政治を行っていくというのはこれは大切な大原則だと思いますので、私は各党各会派の御議論を尊重しながら、大切にしながら、しかしそこで足踏みしてしまうんじゃなくて前進が続けられていくことを心から期待しながら、国会の皆さんに建設的な御努力をお願い申し上げたいと考えております。
○片山虎之助君 先ほど申し上げましたように、海部内閣は発足以来約十カ月であります。世論調査の数字を見ますと、一時期、十二月前後にやや横ばいという、あるいは微減という数字がございますけれども、順調に支持率を高めてまいっておりまして、最近の内閣支持率を見ますと、読売の五月の支持率では五五・二%、朝日では同じく五月で五二%、毎日では、これは四月でありますが、四五%。私は大変高い支持率を国民の皆さんは海部内閣に与えている、こういうふうに思うわけであります。これは海部総理初め第一次、第二次の閣僚の皆さんが一生懸命努力されている、また国会もそれに協力している、こういうことにあるのではないかと思います。まことに御同慶の至りだと思います。 しかし考えてみますと、問題はこれから、本番はこれからでございます。例えば、外交で言いますと、日米構造協議の最終取りまとめがもうすぐ近々の間でございますし、あるいはヒューストンのサミット、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉、日ソ問題、あるいは国内の内政問題に目を転じますと、消費税問題、政治改革、特に選挙制度改革の問題、あるいは土地問題、土地税制、さらには大型景気をさらに持続していくかどうか、こういう難問が山積いたしているわけでありまして、ここで支持率が高いからということで我々が浮かれておってはいけない、こういうふうに思うわけでありますが、今後のこういう政治課題に対して総理はどういう御覚悟で対応されようとしているのか、あわせてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘いただいたように、内外ともに今重要な問題がたくさんございます。当面は、日米の中間報告に基づいて最終報告をまとめていかなければならない。これは私は、世界経済の中で大きな地位を占めるようになったアメリカと日本の責任というものは、両国の経済をうまく調和させていくことによって世界の経済に与える影響も非常に大きいわけでありますし、同時に、日本が国内で今日まで努力してまいりました、消費者の立場に立って実質的に生活の質を高めていくにはどうしたらいいかという別の角度の問題とも合わせてみると合致する問題でありますから、それに向かって努力を続けてきましたが、生易しいものではないと思っております。さらに、土地の問題一つにしましても、これは今税制の問題の御議論も願っておれば、新しく今度は供給の面においてどうしたらいいかというテーマもございます。これらの問題には一つ一つ内閣は挙げて真剣に取り組んでいかなければならないという厳しい気持ちで受けとめております。 対外的にも、きょうも、ただいまカンボジアの和平のための会談を迎賓館で両当事者に徹底的なお話をお願いして私はここへ飛んできたところでありますけれども、そのほかにも、朝鮮半島の統一をめぐって盧泰愚大統領が示された今世紀中に平和裏に朝鮮半島の統一を実現したい、そのためには技術移転その他で日本の協力も必要だというそういった話や、あるいはまた、米ソの首脳会談、昨日もテレビの中継で私も要点だけは見せてもらいましたが、いろいろな動きが世界にある中に、この動きを定着させていくために日本も新しい世界の秩序づくりの中に積極的に貢献をしていかなきゃならぬという問題もございます。たくさんございます。一つ一つひたむきに取り組んでいきたいと考えております。
○片山虎之助君 ぜひひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 総理、日本は外圧型、アメリカは内圧型、そういう言葉を御存じでございましょうか。日本は外圧型、米国は内圧型。
○国務大臣(海部俊樹君) そういう何というんでしょうか、説があるということを私も聞いておりますけれども、日本も必ずしも外圧型ばかりではなくて、いろいろ国民の皆さんの世論や要望や意見等も聞きながら、みずからやろうという自主的、自発的な行動を行っておるところもたくさんあるなと、私はこう思っております。
○片山虎之助君 日本は外圧型といいますのは、日本は国内の利害対立を外圧を利用してうまく処理する型である。米国の方は議会の圧力、これは当然選挙区、選挙民の圧力だと思うんですが、そういうものに影響されて政策を変更する型だ、確かかどうかわかりません、そういう説があるわけでありますが、考えてみますと、日本は近世大きな外圧を受けて日本の国を自己改革して発展してきたわけであります。よく言われますように、第一の外圧は黒船ペリーの来航で、鎖国をやめ幕藩体制から明治維新政府に移りまして、富国強兵、文明開化で、よくも悪くも近代的な中央集権国家をつくっていったわけであります。 第二の外圧は、太平洋戦争の敗戦により占領軍が乗り込んでまいりまして、その指導によって徹底的な改革をやった。新しい憲法の制定ももとよりでありますけれども、例えば陸海軍はやめる、内務省はやめる、農地解放はやる、婦人参政権を与える、学制改革はやる、労働基本権は認める、こういう大改革をやりまして、我が国は民主主義国家の仲間入りをした。しかもその立国は加工貿易立国で商人国家になるんだ、こういうことで、しかも成功してまいったわけであります。 今言われておるのは、この政治的な大変動、東西冷戦構造の瓦解、その他とにかく世界的な政治的な大変動、あるいは経済的には経済のグローバリゼーション、ボーダーレスエコノミーの時代に入りまして、国内経済も国際経済に合わせていく、そういう経済的な圧力が有形、無形にかかってきているわけでありまして、この外圧をうまくこなしていく、今総理が言われました国際政治秩序、国際経済秩序、今までのものが崩れて新しいものが今つくられつつある、それに我が国が参加して貢献していく、こういうことが我が国のためはもとより、パートナーである日米両国のためでもあり、世界のためでもある、こういうふうに思うわけでありますし、また我が国は、外圧によって自己改革をする際に新しい国家ビジョンを、意識するかしないかは別にしてつくってまいったわけであります。 明治のときにも富国強兵というんでしょうか、そういう強い国家をつくる。終戦後は、今言いましたような商人国家という言葉は適当かどうかわかりませんけれども、そういうものを打ち出して成功してきた。この第三の外圧で我が国は、あと十年で二十一世紀でありますけれどもどういう国家ビジョンを打ち出していくのか。こういう点も含めて、やや抽象的で難しい議論かもしれませんけれども、総理の御見解をこの際お聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今御質問を聞いておりまして、少し長い目盛りで言いますと、確かに終戦直後の日本の変化というものは、戦いに敗れて民主主義国家になろうということ、それはある意味で戦いに敗れたというその大きな外部からの刺激によって民主主義国家としての誕生の道を選んだ、これは外圧だったかもしれません。しかし、それはやはり自由と民主主義のもとで生きていこうと決意をして、その方向への国づくりの努力をその後ひたむきに続けてくる過程の中においては、やはり日本には日本独特の歴史や文化や伝統があるわけでありますから、日本型のというと言い過ぎかもしれませんけれども、それにふさわしい定着したものをつくっていくように皆で努力をしてきたのだと私は思っております。 そうして追いつこう、追い越そうという言葉がありましたように、あくまで欧米先進国というものの生活状態、そういったようなもの、あるいは文化、そういったようなものに日本も追いついていきたい、豊かになりたいという願いがあったことはこれは間違いなかったと思います。 そして、今ようやく数字や物に関する限りある面では追いつきつつある、ある面ではもう同じレベルにも達したというようなことになってまいりましたが、さあ振り返ってみると豊かさの実感があるのだろうかとか、あるいは今日でも日本の物価は非常に模範的な安定状態だと言いますが、安定はしておるがその基礎の価格、絶対価格が高いのではないか、内外価格差の調査ということが最近特に行われて、ヨーロッパやアメリカと比べて調査の結果まだ差があるというような答え等も出てきております。あるいは社会資本の充実の度合いからいっても、いろいろな面で追いついた面があればおくれておる面もあるという指摘も随分なされております。そういったことを謙虚にもう一回立ちどまって考えなおして、おくれておるものはさらに取り戻していく。 例えば勤労時間の問題にしても、何か働くのがいいことだというような価値観からやはり人並みの時間というものにして、余暇ほどのように人生のために費やすのかというふうに考えが変わってきますと、労働時間の問題等についてもヨーロッパやアメリカと比べると日本はまだ努力をしていかなきゃならぬ点が残っておるとか、二十一世紀を目指しては、御指摘のように改めていきたいと我々自身が思っておりますこともたくさんあるはずでございます。ですから、そういったものに向かってさらに努力をしていく、お金と統計の数字だけじゃなくて、もうちょっと豊かな生活といいますか、質の高い生活といいますか、そういったものに移行させていく努力は引き続き二十一世紀に向けて続けていかなきゃならぬ問題であって、私はいつも、二十一世紀は公正で心豊かな社会をつくり上げていくべきである、こう考えておるところであります。
○片山虎之助君 時間の関係がございますので、次に消費税について少し触れさせていただきたいと思います。 税制というのは、税というのは大変難しい問題でございまして、出す方から言えば少ない方がいいに決まっておりますし、しかもどうも自分だけがちょっときつくやられているんじゃなかろうかという、被害者意識でもないんでしょうが、そういうものがあるわけであります。しかし国家が存立し、国民が公共サービスを受けるとなると財源が要るわけでありまして、それは結局は私は国民の税金しかない。それならその国民の税金をどうやって国民各界各層の人に公平公正に配分し、分配するか、こういうことが問題でございまして、ここに政治や行政の私は役割があるのだろうと思うわけであります。 御承知のように、我が国の税制は昭和二十年代半ばにできて、大きな改革を経ずに今日まで来たわけであります。それを直そうということで長い間時間をかけているんな人がいろんな試み、行動を起こして、とにかく前回と申しますか、その税制改革ができたわけであります。偏った直間比率を直す、所得と消費と資産のバランスのとれた税体系にしていく、公平なものにしていく、垂直的公平、水平的公平ともに満たす、またこれから来る高齢化社会にも対応していく、こういうことから所得税や住民税の大減税をやり、かわりに消費税というものができてまいったわけでありまして、この税制改革は、私は二十一世紀に向かう我が国の現在及び将来にとって決してマイナスではない、こういうふうに思うわけであります。 消費税導入後一カ年が過ぎました。私は今いろんな状況を見ていて、消費税は我が国の国民生活や国民経済にようやく定着してきたなと、最初はいろいろな混乱や抵抗がございましたけれども、そういう気が強くするわけでございます。最近の世論調査を見ましても、存続を前提にした意見の方が廃止の意見をずっと上回っております。まず、その状況及びそれに対する御認識をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 最近の世論調査のすべてを私も承知しておるわけではありませんけれども、またそれぞれの調査には例えば設問の仕方その他で差異がありますので、必ずしも一概な言い方は私もできません。しかし、新聞その他の調査を見ております限りにおいて全体として、今委員から御指摘がありましたように、初期のころに比べますと、消費税の廃止を求められる御意見というよりも、現行のまま残すものも含めまして存続を前提とする御意見、見直しを含めて存続を求められる御意見の方が相当上回ってきているという受けとめを私どもはいたしております。その意味では消費税に対する御理解というものはおかげさまで随分進んできたであろう、そのように思っております。 また、その実施状況を見ておりましても、税制調査会からかってフォローアップ小委員会として中間報告をお出しいただいたわけでありますが、その後の状況も踏まえてみますと、一つは物価への影響でありますけれども、物品税などの廃止の効果も適正に反映をして、おおむね政府が見込んだ範囲内で一回限りの上昇にとどまっております。また、転嫁の状況につきましては、下請企業等も含めましてほとんどの企業において円滑かつ適正な転嫁が実現をいたしております。 また、心配をされました個人消費につきましても、消費税の導入直後には導入前の駆け込み需要の反動が出ましてちょっと落ち込んだ時期がございます。しかし、その後におきましては堅調に推移をいたしております。また、事業者の事務負担の面等を見ますと、コンピューターソフトでありますとかレジスターでありますとか、相当の設備投資が行われておりますが、事業者の的確な対応によりまして、基本的にはおおむね円滑に事務処理が行われていると見られます。また申告納付の状況などを見ましても、従来の新税を導入いたしましたとき以上に、予想以上に法令に沿った執行がなされておるというふうに考えております。 こうした状況を見ております限りにおいては、私は消費税は日一日と国民生活に定着しつつあると考えますけれども、同時に、やはり国民の中には消費税の見直しというものが実現することを期待しておられる向きが大変強い、また、さまざまな御意見が現在も存しておることでありまして、これから先も御協力をいただきながら適切な対応をしていきたいと願っております。
○片山虎之助君 世論調査の後に実施状況をお伺いしようと思いましたけれども、今大蔵大臣から物価の動向、消費の動向あるいは負担転嫁の状況、事業者負担の状況等についてお話がございまして、なるほどいろんな面で消費税の定着化は進んでいる、こういうふうに思うわけであります。 自治大臣がおいででございますけれども、地方税財政の立場に立ちましても、結局安定的な消費税収入の約四割、三九・二%が還元されるわけでありまして、国と地方の財源配分の観点からいっても少しプラスになっている、地方団体間の財政調整、この面から見ても少しプラスになっている。そういう意味で、私は地方サイドにこの消費税については全く異論がないんではないか、満足しているんではなかろうか、こういうふうに地方財政の立場で思うわけでありますけれども、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 私は地方自治団体の首長の皆さん方にもお願いもし、PRもしていただきたいとお願いしておることは、消費税財源の約四割が地方に還元されているという実態でございます。細かく申しませんけれども、消費譲与税で一兆二千六百億、地方交付税で約一兆二千七百億、トータルで約二兆五千四百億という形が還元されておるという実態でございます。ですから私は、消費税は国に入る六〇%は福祉財源、そしてあとの四〇%はふるさとおこしであるということで、消費税は福祉ふるさと税ということに呼称を変えた方がいいんじゃないかというくらいの形でお願いを申し上げておるわけであります。 もちろん、この消費税が凍結、廃止云々という方向になるということになりますれば、これは地方財政計画に大変大きな穴があくことは当然でございますし、私たちも先般のいろいろな交付税審議等々を通じて野党の先生にもどうか見直し、定着を心からお願いしているということも、こういった理由に基づくものであります。
○片山虎之助君 自治大臣は福祉ふるさと税と言われました。恐らくこれから消費税の議論が煮詰まっていく中で名前をどうするかという議論もありましょうけれども、大変わかりのいい名前ではなかろうかと思うわけであります。 話を戻しまして、こういう状況の中で消費税を廃止して税制改革をもとからやり直す、これは今お話を聞きましたように、国民経済、国民生活、地方財政に大混乱を起こすだけではなかろうか。今の消費税について仮に不満な点、不足な点があるとすればどう見直していくか、そういう論議を深めていく方が私は現実的な議論ではなかろうかと思うわけであります。 また現在の消費税には、事業者免税点制度だとか、あるいは簡易課税制度だとか、宿題も残っているわけであります。間もなくその状況が一年たちましたので明らかになってくる。そういう意味では、政府の見直し案をもとにいろんな方のいろんな意見をそれに加えていく、消費税そのものを国民の意向に沿うものに直していくということが私は最も妥当な方法ではなかろうかと思うわけでありますが、御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、税制というものは不断の見直しを必要とするものでありますし、その限りにおきまして消費税もまたその対象たり得べきもの、そのように思っております。 ただ、今委員が述べられましたように、確かに実施後一年余を経過いたしておりますけれども、我が国の経済そのものが今この一年間、消費税を前提として対応していただいているわけであります。また、価格体系も現在の税制に合った新しいものに変わっておるわけでありまして、消費税制度がもし大きく動きます場合、例えばその廃止、凍結といった御議論もありますけれども、そうした状態になりますと、経理のソフトあるいはレジスターの変更、価格の改定作業等、大変大きな事務負担が生じるということは私も御指摘のとおりだと思います。 現在、そういう視点からまいりますと、私どもが見直し案を御審議願いたいと国会にお願いを申し上げておりますけれども、その事業者の事務負担という点について配慮をするという点では、例えば転々流通をする物品を仮に非課税とした場合、これは各事業者は売り上げと仕入れの双方について区分して経理をするといった必要が生じることも考えまして、非課税の拡大に当たりましても、原則として消費者に直接提供されるサービスというものに限定をしました。また、飲食料品につきましても、これは本当にいろんな角度の御意見がございました。 そうした中で私どもといたしましては、小売段階の非課税と同時に、生産から流通にかけての過程に特別低税率を設定してきたわけであります。また、制度の見直しに伴う事務負担というものをできるだけ軽減いたしますために、一定のレジスターですとか、あるいは小型電子計算機の取得の費用について損金算入についての措置を平成三年の九月三十日まで一年延長いたすと同時に、消費税の納税に関する事務というものをうまく処理していっていただくためのコンピューターのソフトウエアの開発費用について任意償却の制度をつくるなど、いろんな対応をしてまいりました。 私どもはこうしたことで努力もしてまいりましたけれども、やはり税制改正を行う場合におきまして、それによって生ずる納税者の事務負担というものにも十分配慮をしていくというのは私ども心がけなければならないことである、そのように思っております。
○片山虎之助君 今大蔵大臣が言われましたが、事業者の方のレジやコンピューターソフトに係る売り上げが導入のときに三千五百億円の数字が出た、こういうことでございまして、事業者の方には、導入の際には御議論がございましたが、今私の選挙区でも、もう一遍廃止だとか大幅な変更をやられたらもうかなわない、事務負担や経費増がですね、そういう意見もあることをつけ加えさせていただきます。 次に、財政でございますけれども、長年の悲願でございました赤字国債、特例公債からの脱却が平成二年度でやっと成る。これは景気が非常に調子がいいということもあると思いますけれども、そういうことが伝えられております。最近の新聞報道によりますと、実は平成二年度でなくて平成元年度で赤字公債の脱却はできるんだ、補正後自然増収が一兆二千億から五千億あるんだ、こういう報道がありますけれども事実かどうか、さらに、その増収についてはどういうふうに処理されるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 出納整理期間に繰り越しております特例公債につきまして今当面発行を見合わせておりますのはこれは事実であります。と申しますのは、まだ元年度の税収が流動的でありますのでこれを見きわめたいということでありまして、今委員が仰せになりましたような発行しないと決定しているわけではなく、その状況を見きわめているということであります。私どもといたしましては、今後判明する五月分の税収動向などをぎりぎりまで見きわめた上で方針を確定したい、そのように考えております。
○片山虎之助君 そういうふうに財政は好転いたしておるわけでありますけれども、当委員会でも何度も議論が出ましたように、平成二年度末の国債残高は百六十四兆円もある。これは先進国で最高だ。国債費は一般会計歳出の二一・六%を占める。しかもさらに、隠れ借金というんでしょうか、あるいは国鉄清算事業団の長期債務などを抱えている。状況は依然として厳しい、こういうことが言えると思うわけであります。 そこで、この赤字国債依存脱却後の中期的な財政運営につきましても、当委員会でも盛んな議論がございました。これは何度もお聞かせいただきましたので再度答弁を求めませんけれども、政府が出しました「財政の中期展望」、平成元年度から五年度の見通しがあるわけであります。これで見ますと、財政は好転しながらも平成三年度、四年度、五年度では要調整額という穴がある。平成三年度で言いますとこれが三兆六千六百億円、新規を入れますと四兆二千二百億円だ、こういうことが言われておりますけれども、この要調整額はどういうふうにお扱いになるのか。すぐ平成三年度の概算要求が始まるわけであります。 平成三年度の概算要求のシーリングもどういうふうにお考えなのか。あるいは、一部では今度はシーリングは一律でなくて、恐らく公共事業でございましょうけれども、各省庁や事業別に差をつけたらどうか、こういう意見もあるわけでございます。そういうことを含めてのお考えをお聞かせいただきたい。恐らく検討中だということになるんでしょうけれども、方向だけでもお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務方から補足することをお許しいただきまして、基本的な部分についてのみ私から申し上げたいと思います。 今来年度のシーリングというお話がございましたけれども、今平成二年度予算の御審議をいただいておるさなかでありまして、私どもはこの予算の成立の後におきまして改めて平成三年度の概算要求基準について真剣に検討いたしたいと考えております。 それにつきましての要調整額その他事務的に補足させることをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) 「財政の中期展望」は既に当委員会にもお出ししてございますが、要調整額についてのお尋ねでございます。 要調整額につきましては、実は中期展望の「算出要領」にも「歳出の削減又は歳入の増収措置によって調整されるべきものである。」、こういうふうに表現をしてございまして、申すまでもなく毎年度の予算編成におきまして決定されるべきことでございますけれども、歳出歳入両面にわたって種種の施策の組み合わせが必要でありまして、私ども、そのときどきの状況に応じて工夫をしていく、今のところはこういう御答弁でひとつ御了承願います。
○片山虎之助君 工夫をしていく、こういう御答弁でございました。 さらに深くお尋ねすることは控えますけれども、国民負担と裏負担となります財政支出は、高齢化の進行で社会保障費というのはもう必ずふえる、公共投資の方は日米構造協議その他の要諦がありますから拡充していかなければいけない。ところが収入の方では、国債の依存を下げていく、場合によっては公共事業についてもキャッシュを入れるんだ、公債と特定財源だけじゃない、一般財源も入れるんだ、こういうことを言っておられる。公債を出せば国民の負担が下がるわけでありますけれども、それは現在の国民の負担が下がるだけで将来の国民の負担がボディーブローのように効いてくるわけであります。大変負担が高くなる。ところが増税もしない。 増税はしない、公債収入は下げる、公共投資は伸ばさにゃいかぬ、社会保障費はもう日勤的に伸びていく、そういうことになると、歳入歳出のつじつまを合わせるのはこれは手品みたいな話になるわけであります。私は手品の種を教えていただきたい。あるいはそれを、税収の弾性値が一・一とか一・二とか仮に言いますから、これは名目成長率で支出を抑えれば収入とのすき間ができる。あるいはNTTの株式の売り払いというのがまだ今後も残っている、売れるか売れないかはともかくといたしましてこういうあれもある。あるいはさらに新行革審なんかが言う制度を見直していく、社会保障制度その他いろいろあるんでしょうけれども、どういうふうに今後の難しい財政運営に対処されようとしているのかお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは地方自治を通じ財政のベテランであります委員に今さら申し上げるのは大変失礼かと思いますが、率直に申し上げて、私は、将来の租税負担と社会保障負担とを合わせた国民負担のあり方というものは、基本的にはやはり受益と負担のバランスを眺めながらそのときそのときの経済情勢その他の中で国民が選択されることだと思うんです。 ですから、そういう前提を置かせていただきますと、確かに今委員が言われましたように、高齢化が進めば進むほど社会保障負担というものはふえる性格を持っております。また同時に私どもは、今後の十年間公共投資の十カ年計画をつくり、国民生活の質を高めるという視点から社会資本を伸ばしていこうとしているわけでありますから、こうした点で負担のふえていく部分があることは間違いがありません。同時に、とにかく今平成二年度末で百六十四兆の公債残高、なお累増の傾向が続くわけでありますから、これに歯どめをかけるためには非常な努力を必要とすることも確かです。 ですから、委員が非常にそういう点を心配していただくのはこれは当然のことなんでありますが、我々としての基本のまず一番のポイントというのは公債依存度の引き下げを図りたい。あわせて特例公債を少しでも早く償還いたしたい。それによって国債残高の累増に歯どめをかけたい、そして将来の国債費を減少させたい、また国と地方の歳出というもののあり方を常に見直していく中でその伸びの規模をできるだけ抑えていきたい、また社会保障について受益と負担の公平というものを十分に考えながら絶えず制度、施策の見直しをしていく努力をしていきたい、その中において今委員が述べられた幾つかの組み合わせに答えを出していきたい、そのように考えているところです。
○片山虎之助君 公共投資の十カ年計画についていろんな議論があるわけであります。現に新聞その他の報ずるところによりますと、日米構造協議の中間報告の後もアメリカからいろんな要請が来ている。これは新聞の報ずるところでありますけれども、例えば米国が、十カ年計画について中間目標値をつくれ、それもGNP比九%だという話、あるいは十五の投資計画についても毎年の投資額を明記してほしい、こういう要求があると報じられておりますけれども、私はこれは大変な内政干渉ではなかろうか、こういうふうに思うわけでありまして、現にアメリカの財政赤字が日米構造協議でも問題になりましたけれども、一九九〇会計年度のアメリカの財政赤字は、これも新聞の報ずるところでありますが、千八百五十億ドルである。グラム・ラドマン・ホリングズ法という難しい法律の限度額は一千億ドルだと。千八百五十億ドルですから、これははるかに上回っているわけであります。 それについて我が国がやかましく米国に注文をつけたという話は私はよく知らないわけでありまして、一国の財政支出をどうするか、年度ごとにどういうことをやっていくか、それは今、大蔵大臣や主計局長が申しましたように、それぞれの工夫やいろんな要素が絡み合って物を決めるわけでありますから、これは断固拒否していただきたいと思いますけれども、そういう事実があるかどうか、簡潔に御答弁いただきます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 日米構造協議におきましては双方さまざまなアイデアをお互いに出し合っておりますが、そのプロセス等につきましては、交渉事のことでありますから、内容については御容赦をいただきたいと思います。 しかし、私どもは、総理御自身からブッシュ大統領に電話を入れていただき、中間報告において我々のできる限りの作業を行う、そしてその内容はこういうものであるということを伝えていただき、中間報告をまとめました。これは、日本自身がこれからの目標として我々にみずからの責任でする作業を課したわけであります。しかし、その中にはGNP対比といったとらえ方もございませんし、GNP対比公共投資幾らといったとらえ方は入れておりませんし、また各年度ごとのそれぞれの個別長期計画の中身を具体化するといったものも入れておりません。我々としては、やはり財政がそのときそのときの経済情勢に対して機動的に対応していきますためにも、そうしたいわば工程管理に当たるような問題というものはとってはならない手法だ、採用してはならない手法だと考えており、その考え方を貫いております。
○片山虎之助君 ところで、この十カ年計画でございますけれども、私は基本的な性格がよく理解できないわけでありまして、伝えられておるところによると、総額を表示する、あるいは個別の事業ごとでなくて大きな分野ごとに、例えば安全というんでしょうか、あるいは産業というんでしょうか、生活というんでしょうか、そういう大きな分野ごとに額を示すんだというお話でございますけれども、部門別の目標が定かでない、これは米国との関係じゃありません、日本の中での話で仮にそういうことになるとすれば、この十カ年計画と現在あります十五の事業ごとの投資計画、これは五カ年計画でありますけれども、これとの関係はどういうことになるのか、私は少なくとも総合的な十カ年の投資総合計画の基礎にならなければならない、こういうように思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 公共投資の十カ年計画で現在検討しておりますものは、今委員御指摘の十五本の公共事業のいわゆる五カ年計画の対象となっている事業のほかに、文教関係でありますとか、厚生関係でありますとか、あるいはその十五本に含まれない地方の単独事業、例えば公営電気、そういうものを含んでおりますから、そういう意味におきましては、十カ年計画の対象となるものは十五本の公共事業よりも広いということになるわけであります。それでまた、十五本の計画は、五カ年計画もあり、六カ年もあり、あるいはまた土地改良のように十カ年の計画もありますものですから、必ずしもそういう点におきましては期間的にも符合しないものがあるわけであります。ただ、全体として見ますと、十カ年計画の中にそれぞれの五カ年計画の事業というものが包摂されているものというふうに観念をいたしております。
○片山虎之助君 それは十カ年の公共投資計画が十五の計画より広いのは当然なんですね。それは当然なんですよ。当然なんですが、十五の計画のよりどころになり得るのかどうか。今の御答弁だともう少しはっきりいたしませんけれども、ぜひその辺の関連づけはよろしくお願いいたしたいと思います。 それから今の公共投資では投資額が先行していることが私はやや気に入らぬわけであります。後ほど時間があればお聞きしようと思いますけれども、例の福祉のゴールドプランですね、高齢者の、ゴールドプランの方は逆に投資額じゃなくて目標水準だけが先行いたしているわけでありまして、私ほどっちがどうとは言いませんけれども、少なくともこの十カ年の公共投資で国民生活の質の向上というんなら、具体的に何がどうなるかということを私は国民にわからせる必要があるんじゃなかろうか、そういうことをおやりになる御意思がおありになるかどうか。建設省は二十一世紀までの建設省所管の公共施設の目標水準というのをお決めになっていると聞いているわけでありますから、まず建設大臣からお考えをお聞きし、あと経企庁長官からも御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(綿貫民輔君) お答えします。 建設省は、六十一年の八月に国土建設の長期構想というのを発表いたしております。これはそのまま二十一世紀にわたる所管の公共事業のあるべき姿、目標値ですね、これはそのまま四全総の中にも取り入れられておるところでございまして、私どもとしては今までその目標値に向かって全力投球をしよう、こう思っておりましたが、今回、構造協議でいろいろの、さらにこれについての帰納法的な考え方からいろいろ、先のことと積み上げと両方ですね、この辺をどういうふうに折衷していくか、これからいろいろと協議しなければならないと思っております。
○国務大臣(相沢英之君) 委員御指摘の厚生省関係のゴールドプランの中には無論そういう公共事業的なハードの面もあるわけでありますけれども、ホームヘルパー十万人というようなソフトの面もあるわけでありまして……
○片山虎之助君 そうじゃないんです。向こうは目標水準が先行して投資額がついていっている。公共投資は目標水準が何か後ろに引っ込んでおるんではないか。
○国務大臣(相沢英之君) それはそれぞれの、今建設大臣からも答弁がございましたように、国土の総合開発の観点からの目標というものもございますし、今委員お話しの社会福祉の十カ年計画の考え方もありますし、そういったものとの関連をとりながら、今後における十カ年間の公共投資の額を考えていくということになろうかと思いますけれども、厳密な意味におきましてどのようにすり合わせていくかということはこれからの検討だと思いますし、また十カ年計画というものはおよその目標というものを考えるもので、具体的に各年度ごとどのようにこれを実施していくかというような形にはならぬことは先ほど大蔵大臣から答弁があったことでございますので、その辺は少し弾力的にお考えをいただかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。
○片山虎之助君 私は、具体の目標水準は事業別計画の方でリンクする、そういう話だと思いますけれども、少なくともこれだけ大騒ぎをして十年後の国民生活の質の向上を重視した総合的な公共投資計画をつくるんなら、国民にわかるような何かはっきりした目標があった方がずっといいんではなかろうかという気がいたします。難しい点がいろいろあると思いますけれども、ぜひ御検討をいただきたいと思います。 それから、当委員会でこれまた何度も取り上げられました公共投資の各省庁別事業別のシェアですね、配分比率の固定化の問題でございまして、これは今回またこういうことで特別に十カ年計画をつくるわけでありますから、その固定化を打破する何か御工夫、御思案がおありかどうか。私は、例えば伸び率の半分はプールして国民生活の質の向上に重点的に傾斜していく。半分は既得権と言うといけませんけれども、伸び率の半分は既得権で、残りの半分はひとつ供出してもらって、それはいろんな方の意見を聞くうまい仕組みをつくって、弾力的にこれぐらいは必要なんだというところに傾斜していく、重点的投資をしていく、こういうことができればいいなと思うわけでありますけれども、御所見を承りたいと思います。
○国務大臣(相沢英之君) 委員御指摘のような形にこれを持っていくためには、公共投資のこれからの金額についてもかなり大きなものを考えませんと、やはりそれぞれの事業におきましても、従来の事業の進め方もございますし、それぞれの計画もありますものですから、そう簡単に半分をそういうふうに持っていくというふうにはなかなかいかぬと思いますが、それでは事業の比率が固定しているじゃないかという委員の御指摘に対しましては、少し期間が長くなりますけれども、例えば言われておりますところの国民生活の環境に密接な関係があります下水道は、昭和四十年に総体の二・三%であったものが今は一一・二%と、相当急激にこれは伸びているわけであります。小さいけれども公園なども〇・一%から二・一%へ伸びているということでありまして、やはり時代の要請、ニーズにこたえているところのその変化というものはうかがえると思うのであります。 ただ、最近数カ年について言いますと、公共投資の総額が全体において大体前年度並みというようなことに抑えられている関係もございまして、やはりなかなかそのシェアを動かす、あるいは動くということができなかったようでありますけれども、こういう点につきましては、今回の十カ年計画は国民生活の質の向上に重点を置いてということが一つの考え方でありますものですから、そういう面に沿って検討をしてまいりたい、このように考えております。
○片山虎之助君 ぜひよろしく。比率の変更は大変緩慢に行われておりますけれども、この際が一つのチャンスかなと考えて御提案申し上げたわけであります。 そこで次に、地方単独事業の扱いであります。 地方単独事業も公共投資の一部であることは間違いないわけでありまして、平成二年度の地方財政計画で見ますと、地方単独事業がたしか十二兆円ぐらいあったと思うわけでありますけれども、これの状況をお聞きいたしますのと、地方単独事業を公共投資十カ年計画でどういうふうにお扱いになるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 数字を挙げての御質疑でございますので政府委員から数字的な面は説明させていただくことにして、ただ、今お話のあったように、地方自治体が地方単独事業にかけていく仕事量はこれから増大すると思います。なぜならば、今言われましたように、国民の生活を高めるというのが喫緊の課題でございますし、これをやっていく地域サービス、住民サービスということになりますと、これは今お話があったあの十カ年のゴールドプラン一つ取り上げてみても、あるいは住宅、下水道、ごみ処理、交通事業、教育、もうあらゆる観点が全部自治体の肩に乗っかってくるわけでありますから、地方単独事業の拡大に関してはもう政府としても最大の配慮を今度の十カ年計画を通じてお示し願いたいということは、私たちの期待でもございます。
○政府委員(持永堯民君) 平成二年度の地方単独事業、地財計画ベースでございますけれども、総額で、御指摘ございましたように、十二兆六百三十八億円でございまして、前年度に比べて七%の伸びになっております。 内容でございますけれども、ごく大ざっぱに申し上げますと、道路とか治山治水とか、いわゆる国の各種の五カ年計画、長期計画に基づいて、それにかかわる事業が約四兆でございます。それから過疎対策でございますとかあるいは広域市町村圏とか、いわゆる地域振興的なものでございますけれども、それが約三兆三千億、そのほか教育とか福祉とか衛生とか、あるいは消防、商工、もろもろのものが四兆六千億というような内訳でございます。
○片山虎之助君 そこで、公共投資の拡大をやる、もう時間がございませんからお尋ねしませんけれども、公共投資の四分の三ですね、七五%は地方団体の手で行われているわけであります。そういたしますと、地方団体の協力を得なければ、公共投資の拡大推進といっても私はスムーズにいかないのではなかろうか。そうであるとすれば、懸案でございます、国庫補助負担率を暫定的に三段階に分けて切り下げてまいったわけであります、六十年度、六十一年度、六十二年度と。六十二年度の引き下げは、当時の村山大蔵大臣に言わせますとディープカットだと。より深い切り込みだと、こういうことを言われたわけでありまして、現に総理も四月十九日の衆議院本会議での質問にお答えになって、昭和六十二年度引き下げ分につきましては、平成三年度でもとに返す、六十一年度の補助率等の水準に復元すると、こういう御答弁をされているわけであります。 私は、今回公共投資を十カ年計画もつくり、国民生活の質の向上のために大々的に拡充していく、こういうことになるとすれば、この際、補助率を恒久的にきちっとする。暫定措置をずるずる続けていくのでなくて、これはこうする、これはこうする、これは復元する、できない場合にはどうするかということはもちろんありますけれども、そういうはっきりした態度をとっていただくことが地方団体の信頼を得る、信頼を取り戻すためにも必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 公共事業の補助率などの暫定期間終了後の取り扱いにつきましては、今関係省庁間の検討会におきまして、国と地方の財政事情、公共事業の事業費確保の要請、国と地方との役割分担、費用負担のあり方等を踏まえて総合的な検討をいたしております。その検討に当たりまして、今委員が御指摘になりました昭和六十二年度引き下げ分については、平成三年度から昭和六十一年度の補助率等の水準に復元するものとされています覚書の趣旨、これは私も読んで存じておりますし、その趣旨を踏まえて適切に対応していきたいと思います。
○片山虎之助君 ぜひひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 それと、公共投資十カ年計画と並ぶもう一つの十カ年――これは計画でなくて戦略でありますけれども、高齢者保健福祉推進十カ年戦略というのがあるわけであります。我が国は世界の最長寿国でありまして、高齢者比率がどんどん高くなっているわけであります。そういう方々に対するサービスをハード、ソフトの両面できちんとしていく、そういう施策の目標を掲げる、まことに結構なことでございますし、しかもその施行主体を住民に一番身近な市町村にされる、これも大変いいことではなかろうかと思うわけでありますけれども、これは政府がつくるものとして戦略なんという言葉をお使いになる。別名はゴールドプランで、これもまた大変いい言葉でありますけれども、戦略かゴールドプランか知りませんけれども、これの基本的な性格ですね、これはどういう拘束力、効力を持つのかということを少し教えていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 本当はこれは厚生大臣がおられると厚生大臣が御答弁されるのが一番いいと思いますが、厚生大臣と自治大臣、私と三人で御相談をしましたので、便宜私からお答えをさせていただきます。 一つは、なぜ総合的な目標について戦略という言葉を使ったかでありますが、私どもといたしましては、これをつくりますとき脳裏に浮かびましたのは、がんの撲滅ということを目標にいたしまして対がん十カ年総合戦略というものを私どもはつくったことがございます。これはがんの解明を図る。そのために、発がん遺伝子等の最先端のがん研究というものを内外の英知を結集して、またその成果を生かしていくという視点からこの戦略という言葉を用いたわけであります。 今回、私どもが平成二年度の予算の策定作業中に三大臣が協議をいたしまして、まさに高齢者保健福祉推進十カ年戦略というものをつくりました。これは二十一世紀が到来するまでの間に高齢化社会というものを迎え撃つための基本的な我々が備えておかなければならない要件というものを明示しながら、それぞれについての目標を定めて、全力を挙げてその実現に取り組んでいこうと、そういう姿勢からこれをつくったわけでありまして、私どもといたしましてはこういう目標を明示することによりまして国民にも御協力をいただく、同時に、国と地方が一体になって高齢化社会に対する備えをしていきたいと考えているわけであります。 その際、私どものもう一つ考えましたことは、臨時行政調査会の当時から、住民に身近な行政というものは住民に一番身近な行政機関が責任を持つ形が望ましいということが言われておりましたことを考え、市町村にその御努力をお願いすると同時に、国もそのサポートに当たる、そうした姿勢を明示いたした次第であります。
○片山虎之助君 これには国費を補助金の形でたくさん出していただく。それを受ける、主として市町村でありますけれども、市町村の方の補助の裏負担といいますか、そういう地方財源をこれまたきちっと確保していただくことを特に大蔵大臣にお願いいたしたいと思います。 もう時間が大変なくなってまいりまして恐縮でございますけれども、土地問題に入りたいと思います。 総理にお伺いいたしたいと思いますが、ある新聞に、東京の霞が関を売れば秋田県、山形県が――新聞には山形県と出ておりましたが、秋田県、山形県が全部買える。永田町を売れば、これは高知、徳島、鳥取、宮崎、佐賀、島根と、怒られそうですけれども六県が買えるわけであります。日本の地価は、今国民経済計算では千八百四十二兆円でありまして、よく言われる米国が四・二回買える。こういう地価の実態をどういうふうにお考えか。 そこで、土地基本法ができて、土地政策審議会が五月二十四日にスタートし、土地税制を検討する政府税調の土地税制小委員会もいろんな議論を続けながら、五月二十九日に「土地税制見直しの基本課題」というのを発表いたしたわけでありまして、その中を紹介いたしますと時間がかかりますので、そういうふうに動き出した。ただ、動き出すのがやや遅いな、こういう感じはあるわけでありますけれども、特にまじめに働いて、年収の五倍じゃもうとてもだめだ。例えば十キロ圏なら年収の十七・二八倍だと、二十キロ圏なら十・五九倍だと。そうでなければ家が持てないなんというような状況は、私はこれだけの経済大国、世界の指導者たるべき国が大変おかしいのではなかろうか。東京には職場があるけれども住まいがない。地方には住まいがあるが職場がない。若い人に言わせますと、東京は住みにくいけれども住みたいところで、地方は住みやすいけれども住みたくないところだなんて言いますけれども、こういう地価、土地問題の状況について、今後どういう御決意で土地問題、土地税制にお取り組みをいただくのか、御決意をまずお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地問題については、委員御承知のとおり、異常な事態が起こっておることは各種の報道等で私もよく承知をしております。そして、昨年土地基本法が成立をして、そこに示された土地理念というものに従いまして、当面具体的措置としては「今後の土地対策の重点実施方針」に従って、特に大都市周辺地域における住宅宅地供給の促進等、土地税制の総合的見直し等について現にその重点的な推進に取り組んでおるところでありますし、また御指摘いただいたように、五月二十四日に土地政策審議会を開いて土地基本法を踏まえた土地政策のあり方についての諮問も行い、各界の有識者の皆さんに御審議をいただいて答申もいただこうと思っておるところであります。 要するに、この問題につきましては最重要の内政上の課題、こう受けとめましていろいろな政策努力を積み重ねて前進をさせていきたいと考えております。
○片山虎之助君 そこで、土地税制でございますけれども、大都市圏に所在する市街化区域内農地に対する課税のあり方の見直し、これももう何度も議論をされておりますし、税調の小委員会でも御検討いただいているわけでありますけれども、私は、よく言われますように、市街化区域内の農地を保全すべきものとそうでないものをぴちっと分ける。東京で農業をやるのはぜいたくでもったいない、こういう意見があるかもしれませんけれども、私は東京を初め大都市圏に緑地が残る、農地が残るということはある程度必要ではなかろうか。防災上も環境保全上もいろんな意味で必要ではなかろうか。ただ、今はそこの残すべきもの、そうでないものの区分がはっきりしない。しかも、その規制が大変あやふやになっているところに私は問題があるんではなかろうか。 例えば、生産緑地でも何でもいいんですけれども、ぴしゃっとそれを決めたら、もう農業以外やらせない、転用させない、いろんな制約をきつくかける、投機的な保有は許さない、こういうことをまずぜひやる必要があるんではなかろうか。とにかく市街化区域内農地が三大都市圏で四万四千ヘクタールもあって、実際に宅地並みの税金を払っているのは一四%だと。例外としてつくった制度に八六%乗っている、こういう状況が問題でございまして、私は本来その仕分けをきちっとしていただくということがまず必要だと。その仕分けの後、それじゃもう保全すべきものでない農地についてはちゃんと宅地並み課税をやっていただけるかどうか、関係の大臣にそれぞれお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 昨年の十二月二十一日に土地対策関係閣僚会議が開かれまして、その席上、「今後の土地政策の重点実施方針」というものを申し合わせました。その中におきまして、大都市地域内の市街化区域内農地についての税制は、総合土地対策要綱に沿い、関係制度の整備充実とあわせ、資産課税の適正化の観点から見直しを行う。税制調査会の検討を踏まえつつ平成四年度からの円滑な実施を図るといたしております。このとおりの方針で進んでまいります。
○片山虎之助君 都市計画の分ける方の話は。
○国務大臣(奥田敬和君) 関係大臣ということですから、当面の関係大臣でございますので、お答えさせていただきます。 今、大都市農地における宅地並み課税の件については、くどくど申しませんけれども、届け出のみで宅地化できるという面において、本当に都市住民の間で公平性を欠く大きな不満もございます。また、御指摘のとおりに、長期営農ということの名をかりてと言ったらおかしいですけれども、実態は骨抜きになっておるという例が大変多いことも御指摘のとおりでございます。したがって、これを土地の有効利用を図るためにも、こういった都市住民の住宅にあえいでおる現状にかんがみましても、これはどうしても明確な区分化が必要でございますし、またそのことによって、こういった有効利用の促進を図ると同時に、税のあり方、固定資産税のあり方に関しても、公平化を期するという意味から必要でございます。平成二年成案を得る、四年実施という形で検討をやっておるところでございます。
○国務大臣(綿貫民輔君) 市街化区域の農地について明確に目的等々位置づけてやるべきだという御指摘でございます。まさにそのとおりでございまして、実は今回のこの国会に大都市法その他、宅地、住宅等の供給に関する法律を出させていただいておりますが、これに関連いたしまして生産緑地法の改正等々の法律を出させていただく予定でございましたが、これにつきましてはいろいろ税制の裏打ちがないと有効にその目的を達し得ないということで、今税制のいろいろの行方を見ながら、そのような法律も考えさせていただいておるところでございます。
○片山虎之助君 そこで、現在、これは地方税でありますけれども、特別土地保有税というのがあるわけであります。これは御承知のように昭和四十八年にできました政策税制でございますけれども、その後、幾たびの改正で、悪く言えば実効性をだんだん乏しくした、こういうふうに言われているわけであります。 現在、保有課税の強化がいろんなところで議論されておりますけれども、私は、新税をつくるよりは、この特別土地保有制度を見直して、初心に返って、本来の政策意図が実現するような税に返していくと。例えば十年間で打ち切りはしないとか、あるいは駐車場や倉庫に少し利用されておれば、これは課税免除にするとか、これも課税免除が実は全体の七一%になっておるわけであります。こういうことになっている。これも改めるとか、あるいは課税標準が土地の取得価格でありますから、もしそれが問題なら固定資産評価の伸び率で評価を直していく、こういういろんな工夫ができるのではなかろうかと思うわけでありますけれども、この点についてお伺いいたしたいと思います。 特に低利用、未利用というのは認定が大変難しいんですね。昔、昭和四十三年に空閑地税、未利用地税、さらには高度利用促進特別税というものの創設が検討されたときに、結局低利用、未利用の認定が難しい、その判定の客観的な基準がないということで実は見送られているわけでありまして、私は、未利用、低利用の別なくすべてに広く薄くかけるようなことを考えていくべきではなかろうか。そのためにはこの特別土地保有制度の見直し、強化ということが考えられないか、こう思うわけでございますけれども、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 片山先生にお答えいたしますが、実はお答えする前に、国土庁が土地担当者としまして税の役割をどう見ているかということ、それからもう一つは、税にどういう考え方を持っているかということをちょっとお話しして、それから本論に入りたいと思いますが、実は土地政策の上において税制というのは非常に重要な役割を果たしていると思います。そんなことで三つの観点からお願いしてあります。 一つは土地の資産としての有効性を減殺する、そして投機とか仮需を抑制する、それから二番目には個人と法人を通じまして税の負担の公平を図る、それから三番目には土地の高度利用を図る、そんな三つの観点から、譲渡、保有、取得、各段階において課税を積極的に見直しする、こんな観点で税をお願いしておる。 そんなことでございまして、土地の保有課税につきましては、土地政策上、多少重複しますが、土地の資産としての収益性を低下させて投機的取引を抑制する、二番目には土地の保有により受ける利益の一部を社会に還元する、それから土地の有効利用を促進すること等の効果を有していると認識しております。したがって、保有税につきましては、あるべき土地利用や住民生活に及ぼす影響等に適切に配慮しつつ、一定水準の負担を適正に求めるべきであると考えております。
○片山虎之助君 それから土地税制のもう一つは固定資産税でございまして、ちょうど固定資産税評価の三年目が来年来るわけであります。どうもこういう議論があるんですね。大都市圏の固定資産評価は低く抑えて、地方圏の方は普通にやる、そうすると相対的に地方圏の方が割高になっているんではなかろうか。 先ほど言いましたように、国民経済計算による我が国の土地資産は千八百四十二兆円でありますけれども、固定資産税の総額は二兆二千億でありまして、これをもって実効税率と言うのはあるいは適当でないかもしれませんけれども、〇・一二%になっているわけであります。 私は、固定資産税にはそれなりの性格がありますから、応益でございますとか収益還元ですとか、投機的な部分は除外するんだとかありますけれども、今の固定資産の評価というのは少し考える必要があるんではなかろうか。ちょうど来年が三年目でございます。どういうお考え、御決意で固定資産評価にお取り組みになるのか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 固定資産税の見直しが来年であるということでございます。しかし、ここで委員と意見を異にするかもしれません。 固定資産税というのはやっぱり保有を継続として、そして決してこれは追い出し税でないということであります。ある意味においては応益的な性格も持っておるわけであります。前提は長く保有してもらって、そして地域から受けるサービスというものに対する対価という形でありますから、私たちは、これは自治体にとっての基幹の税金でもございますから、余りこれを土地政策の政策税制として使うことには反対でございますし、今言った法人土地の特別保有とか、そういった面ではいろいろな政策的な配慮は必要だと思いますけれども、そういった意味で、今日における固定資産税の見直しに当たって基本的にそういう姿勢でおります。 しかしながら、今言った地域的な格差とかあるいは同じ都市内においても不満があります。先般のように、この本委員会でも御指摘されたことですけれども、横浜の税制なんかの場合でも、そういうミスをして長年にわたってたくさんの税金をいただいておったという例もございますし、また地域的な単価においては東京の渋谷の一等地と横浜のある土地との固定資産税がむしろ横浜の方が高いのはどういうわけだという御指摘も本委員会でいただきました。そういったことから、資産税の公平化、いわゆる均衡化を期する上において一部の路線価の公開を行うという形に踏み切ったのもそういうわけでございます。 しかし、はっきり言いますけれども、固定資産税は、政策税制として余り急激に上げ下げする追い出し税になっていくような形はなじまないということだけを明言しておきます。
○片山虎之助君 またこの点につきましては大臣といろいろ御議論いたしたいと思いますけれども、土地問題の最後は、今のいろんな税制や土地利用計画は仮需要を抑える、バブルという仮需要を抑えることでありますけれども、私は、東京は実需要も抑えないといかぬ。 例えば、これから百万戸東京圏につくるんだ、十年間に四日三十万戸だとかいうような話もありますけれども、私は、乱暴ですけれども、供給をしていくんじゃなくて、もう需要を抑えていく。そのためには、やはり遷都というのが一つある、首都を移す。これはそんなことを言ってもそれはなかなかできないぞ、こういうことになると思いますけれども、私は、斎藤先生も言われましたが、まず遷都をするという意思決定だけして、いつ、どこで、どのようにということは国民的な議論をして詰めていけばいい。これからは、調整型でそういうことを決めるよりもビジョン型で、ビジョンを掲げて国民のコンセンサスを形成する方が私はずっとこういう問題は早いんじゃなかろうか。一部の分都なんかでは効果がありません。そういうことをお考えいただけるかどうか。 さらに、見えざる遷都ということで関経連なんかが言っておりますのは、地方に対する権限移譲でございます。すべて東京、すべて中央で世界的な外交防衛から市町村道の設計協議や保安林の解除まで決めるというのは、東京で物を決めるシステムが過重になっているわけであります。私は、もっと権限を地方にゆだねていって、現地に即してスピーディーに総合的にやっていく、こういうことが必要ではないかと思います。 さらに、権限移譲を進めていけば、緩やかな連邦制国家ということも将来は考えられる。今世界に二十の連邦制国家があるわけであります。米国、カナダ、ブラジル、ソ連、西ドイツ、スイス、オーストラリア、オーストリア、ミャンマー、インドその他でございまして、これだけの人口と経済力を持つ国で連邦制国家でない国というのは割合に少ないわけであります。そういうことで、日本は単一の国家でありますから、簡単に連邦制といってもおかしいかもしれませんけれども、緩やかな連邦制を将来は志向していく。幾つに分けるんだというのがあります。選挙制度審議会は、ブロック別の比例代表十一という答申を出しました。十一でも結構でございます。七つでも結構でございます。 そういうことを将来考えていくことも今後は必要ではなかろうかと思うわけでありますし、また、中央省庁の職員の皆さんは、何だ地方かと、こういうことじゃございませんで、省庁がふえていく、働きがいのある新しいポストがふえるんだ、こういうふうにお考えいただくということも必要ではなかろうかと思うわけでありますが、総理に御感想だけ簡単にお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) お答えいたします。総理の前に担当大臣としてお答えしたいと思います。後ほど総理が所感を述べられると思いますが。 先生御指摘のとおりでございまして、実は土地問題の解決には単なる政策的配慮ではどうだろうかと。宅地供給とか総合税制の見直しとか監視区域をどうかけるかというものでございまして、やはり私がいつも言っておりますが、政治的配慮と政策的配慮が必要だ。その政治的配慮の一つが、一番中心が今先生おっしゃった遷都、首都機能移転の問題とか国会移転の問題、こう思っております。ただこの問題は、国民生活全体に大きな影響を及ぼして、国土計画の観点のみでは決定できない面がございます。そんなことでございまして、東京一極集中是正の基本的な対応として重要でございます。また、土地対策の推進にも資するものと考えております。 そんなことでございまして、四全総におきましても、いろんな議論を踏まえまして引き続き検討することとしておりますが、国土庁としては、議論の具体化を図る第一歩としまして、本年一月より首都機能移転問題に関する懇談会を現在まで二回開催し、各界各層の方を集めまして、この問題について幅広い分野の方々に御意見を伺っておりまして、今後二年ないし三年程度議論していただくこととしております。その後、総理の諮問機関で二、三年で御議論になって四、五年うちに方向づけをしたい。こんなことで、先生の御指摘の点は検討している状況でございます。
○片山虎之助君 もう時間がございませんので、外務大臣おいででございますから一つお尋ねいたしたいと思います。 米ソ首脳会談が終わりました。この成果に対します評価はどういうふうにお考えか。 それからこれで主としてヨーロッパ地域の軍縮・軍備管理は大幅に進むわけでありますけれども、アジア・太平洋がおくれているわけであります。ヨーロッパよりいろんな難しい状況、問題がたくさんあると思いますけれども、かなりおくれておりますし、しかもソ連がアジア・太平洋地域で実質的に軍縮の努力をしているとは必ずしも言いがたい面もあるんではなかろうか。ソ連がアジア・太平洋地域において欧州並みの成果を上げたければ、例えば北方領土から軍隊を撤退させるとか、領土問題にさらに踏み込んで本気で取り組むとかということが必要だと思いますし、それを日本としては強く要請すべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの米ソ首脳会談が昨日終わりました。そこでは戦略兵器削減のSTARTと言われるものの基本合意ができたということはまことに歓迎すべきことで、やがてこれが条約の署名に向かってつながっていくということを日本政府は心から期待いたしたいと思っております。 また、米ソの通商協定が署名に至った。ただし、統合後のドイツがNATOに包含されるのか、あるいは全ヨーロッパの安全保障の協議のプロセスの中に含まれていくのかということについては、米ソの間での話は合意に至っておりません。また、バルト三国の扱いについても合意に至っていない。 こういう中で、ソ連のこれからのアジアにおける問題点というものは、昨晩の記者会見でも出ておりましたけれども、来年の日本訪問をゴルバチョフ大統領は大きく自分の頭の中にかいておられるようでありますが、アジアにおけるソ連の軍備縮小という問題はアジアの平和に欠くことができない、こういう問題でかねて日ソ外相会談におきましても私からも強く要望してまいりましたけれども、ゴルバチョフ大統領の来日を前にシェワルナゼ外務大臣が今年は日本にお越しになると私どもは聞いております。そういう中で、日ソの外相協議を通じてソ連のアジアにおける軍縮、またアジア・太平洋における平和の問題等についてもこれから話を進めなければならない、このように考えております。
○片山虎之助君 通産大臣にお伺いいたしたいと思いますが、大店法につきましては五月末、通産省が通達を出しました。また自治省も出しまして大幅に規制緩和が進んできた、こういうふうに考えるわけでありますけれども、地元の商店街にとって大型店が必ずしも敵ではないわけでありまして、商店街が沈滞し商業機能が衰えているのは、後継者がいないとか駐車場がないとか地価が高くていろんなことが入ってくるとか、そういうことでございまして、むしろこれからは大型店と地元商店街がジョイントしていく、それを都市計画の観点あるいは都市計画投資の観点、そういうものでフォローしてやる、こういうことが私は必要ではないかと思うわけであります。総合的な町づくり、総合的な地域づくりの一環として位置づけるべきでありまして、今全国でもそういう意見があちこちに出てまいっているわけであります。 私は、そういう意味では、大店法を総合的なそういう町づくり観点の法律に直すか、そうでなければ、ちょっともう時間がないから言えませんけれども、単なる手続法として残して、あとは地方自治体に任せて地域間の競争を持ち込んで、ちゃんとやらないところはもう沈滞してもいいと、ちゃんとやるところだけが残っていくような競争原理を入れた仕組みにするか、どちらかの選択が必要ではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 現在、街づくり会社構想というのがございますが、これには大型店と地方のそれぞれ中小小売商との共存共栄の考え方を入れております。 それから今後の大店法の改正その他を踏まえまして、地域の活性化と商店街の活性化、これを結びつけていかなきゃいけないということで、今建設省と自治省と一緒になりまして、いわゆる都市再開発の中で商店街の開発も考えていこうじゃないかというようなこともお願いをしておるところでございます。
○片山虎之助君 どうもありがとうございました。 終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で片山虎之助君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 昨日終わりました米ソ首脳会談の評価は、今外務大臣からあったのでありますが、私は歴史の流れは大きくかつ急速に変わりつつあると思います。これを単によい方向だとか期待している、こういうふうに漠然とした態度で表明するならば、余りにも傍観者的であるし他人事にすぎない。このままでは私は日本の外交、政治は歴史の流れに大きく立ちおくれることになるだろうと思います。 そこで、私は総理に伺いたいのでありますが、日本としては何をやるのか、特に対ソ関係において具体的にどのようなイニシアチブをおとりになるつもりですか、総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) ソ連に対してどのようなというお尋ねでありますけれども、日本とソ連の間には解決しなければならない領土問題、平和条約の締結という年来の大きな目標がございます。同時に、隣国でありますから、ソ連が最近の米ソ首脳会談の中においても、日本とも抜本的な話し合いをしたいという、そういった記者会見での意思表示などもございました。 私は、ゴルバチョフ大統領が日本に対してそのような考え方を持って抜本的に話し合いに臨もうという意思表明をされている以上、これは期待できる大きな節目になると考えており、積極的に対応していきたいと考えております。
○安恒良一君 私は具体的なことを聞いているんですが、例えば困難だと言われていました海の核軍縮に手がつけられることになりました。これは、オホーツク海、日本海や太平洋などの日本周辺でも軍縮が始まるということだと私は思います。また、通常戦力でも米ソとも海を含めて軍縮を進めようとしているのであります。これにつれて、日本周辺の緊張と脅威というものも著しく私は減少することになると思います。 そこで総理は、アジア・太平洋地域での軍縮をどうするつもりでありますか。少なくともその第一歩として、信頼を醸成する措置について具体的に何をおやりになるつもりでしょうか、総理にお伺いします。
○国務大臣(海部俊樹君) ソ連の認識においても、アジア・太平洋地域の現実は特徴があり極めて複雑である、したがって欧州のバリエーションをそのまま適用できるとは思わないという認識がゴルバチョフ大統領の昨日の記者会見における認識でございますが、私はアジアにおいても平和と軍縮が定着していくように積極的に努力をしていきたいと思いますし、同時に、アジアにおける問題は、まだ現実に戦火が起こっておる地域もある、対立の続いておる地域もある、それらの問題について一つ一つ日本も平和と安定に向かってでき得る限りの協力をしていかなければならないというので、過日来の盧泰愚大統領との首脳会談にも臨みましたし、また本朝のカンボジアの和平会談にも臨んできたところでございます。 努力をいたします。
○安恒良一君 総理は私がお聞きしたことに具体的にお答えになりませんが、きょうは財政・税制ですから、この点についてはあした私どもの矢田部委員から詳しく聞かれると思って、具体的な中身に入っていこうと思います。 そこで、税制改正の目標の実現と検証についてということで大蔵大臣に伺いたいんですが、今回の税制改正の、消費税設置の一つの目的で、直間比率の是正ということはしばしば政府が述べてきたことであります。そこで、私は大蔵省提出の資料でこれを調べてみますと、それは目立った改正ができていない。平成元年度補正後、直接税の比率は七三・五、間接税は二六・五。平成二年度、間接税は二九・一であります。さらにややこれを長期的に見ますと、五十年度以降の数字をとってみましても平成二年度の二九・一は必ずしも間接税比率が高いわけではなく、間接税で見ますと消費税導入の平成元年度の二六%台は五十年度以降では最低の比率であります。さらに、二年度の二九・一も五十年度、五十四年度の三二ないし三〇に比べて大分低いのであります。 そこでお聞きしたいんですが、この直間比率の是正の目標は達成できたとお考えになるのでしょうか。この点についてお考えを聞かせてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員から数字を挙げての御質問でありましたけれども、税制改革直前の昭和六十一年度の直間比率は七三・一対二六・九でありました。税制改革後、平成二年度予算ベースでは七〇・九対二九・一であります。その意味におきましては、それだけの数字が示すとおりの変化が生じております。 また、所得、消費、資産課税のウエートを考えてみますと、所得課税につきましては減少、消費課税につきましては増加、資産課税につきましては、資産所得課税が増加をし資産移転課税が減少して、全体としてはやや増加ということでありまして、より望ましい状況に改善されていると存じます。
○安恒良一君 消費税導入の直間比率の是正の成果は景気変動にも非常に左右されるわけですから、私はこの程度の比率で税理論的に直間比率の是正に大蔵大臣が満足されているというのは非常におかしいなと思うのであります。私は少なくともこの税制議論のときに、初めに直間比率の是正ありきというのは誤りだと。直間比率というのはあくまでも結果論であって、今見ます限りにおいて政府の政策目標が実現をしたとは私は思わないのであります。ですから、今大蔵大臣が二%程度の上昇をしたと言われますが、私はこの点で、二%程度で消費税導入のねらいでありましたことが達成されたと思うという答弁は非常に問題があると思います。またサラリーマンの方でも、このことによっていわゆる直接税の負担感が軽減できたというふうに多くの納税者は思っておりません。 そこで、間接税の比率が何%ほど上がればいわゆるサラリーマンが考える、またあなたがおっしゃっているところのいわゆる直間比率が直ったと、こういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今あなたがと言われましたが、私自身直間比率の変更が税制改正の目的だと申し上げたことは多分ないと思うんです。ただ、私以前のこれは政府として、継続性の中で答弁について責任を持たないと申し上げるつもりはありません。 ただ、私が率直に申し上げたいのは、税制改正直前の状況というものは、税体系の中で負担が給与所得を初めとする個人の稼得所得に非常に偏ってきている、その裏腹として特定の嗜好品や奢侈品を主な課税対象とする個別消費税制度に依存する消費課税のウエートが著しく低下した、こういうことが言われておりました。そして、その結果として税に対する不公平感あるいは重税感が高まってきていたということは、これは事実そのとおりであります。そうした中におきまして、今実際の平成二年度の数字をもってお答えをいたしたわけでありますが、もし委員の御了承がいただけますならば、私は事務的にきちんとした補足をさせたいと思います。
○安恒良一君 直間比率の是正の背景としては、直接税は税負担を高めるので所得税を減税して消費税を導入する、こういう説明をされて、直間比率問題が大きい議論になったんです。ところが、サラリーマンの大多数の人々は今日において減税の実感を持っていないんですよ。加えて、今あなたは短絡的に一、二年を比べられましたが、私はこういうものの比較を五十年以降のことで比較をしているんです。そういう中で間接税の比率が二%程度上がった、こういうことで消費税導入のねらいが達成されたという考え方は非常に短絡的ではないか。 そこで、もしもサラリーマンがいわゆる今申し上げた税論理において負担が軽減できるという間接税の比率は直間比率において何%程度がいいというふうに大蔵大臣はお考えになっているのかということを聞いているわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 委員、ちょっと大変恐縮でありますけれども、昭和五十年度当時との対比と言われますが、やはり改正直前の数字と改正後の効果の出た時点での対比を申し上げることが、私は事実としては比較として一番正しいことではなかろうかと考えております。 ただ、私自身何%が適切であるかといった点についての十分な知識を持ちませんので、事務的に補足することをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 税制改正の議論が行われておりました昭和六十年、六十一年、六十二年当時におきまして、やはり一番問題になっておりましたのが、先ほど大臣の御答弁にございましたように、負担が給与所得を初めとする個人の稼得所得に偏ってきているということでございました。個人の負担する稼得所得に対する税収が非常に上がってまいりまして、その税収全体の内容を見ますと、特に目立ちますのは間接税の比率がどんどんどんどん下がってきているということでございました。それは今委員が昭和五十年以降の傾向をお示しになられたとおりでございます。さらに言いますと、シャウプ税制当時は四五%ぐらい間接税の比率があったわけでございます。 そのようなことを考えますと、やはり個人の稼得所得に対する依存度を減らすのにはどうしたらいいかということにポイントがあったわけでございますが、所得税のうち給与分に対します税収の税収全体に占める比率というのを見ますと、税制改正前の昭和六十一年度には三〇・四%を占めておりました。平成二年度にはそれが二三・四%というように下がってきているわけでございまして、税制改正におきます非常に大きな目的でございました個人の稼得所得に対する偏りという点におきましてその是正が行われているわけでございます。 しからば間接税はということでございますけれども、そのように非常に税収全体に占める比率がどんどん落ちていくような間接税体系、そのような体系を改めまして、今回消費税のような一般的に消費にかける税制に改めたわけでございますから、今後は大体消費と同じような伸びをしていくように考えます。したがいまして、従来のように間接税がどんどん落ち込んでいくという情勢は避けることができるのではないかというように存じます。
○安恒良一君 もうこれから答弁、事務当局の解説は要りません。大臣とやりとりします。長くなるだけ。 結局、私は今見ましたけれども、やはり直間比率の是正ということをここ四、五年で見ますと、私は具体的にそういう成功したというふうにこの点では思いません。 そこで、次の問題でお伺いをしたいんですが、やはり今回の改正の一つの目的として所得、資産、消費のバランスのとれた税制をつくる、こういうことを盛んに言われたんですが、まず私の意見を申し上げておきます。消費に課税したから三つの課税の対象の間でバランスがとれるというのは短絡的である、これは誤りであるということをまず私は冒頭に指摘しておきます。 そこで、結論的に言いまして、今回の消費税で、資産課税の抜本改正がない以上はこの三つのバランスはとれない、私はまずそう考えますが、この点について大蔵大臣どう考えますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、一方で資産課税の大きな一つであります土地というものが別途論議をされておることは委員が御承知のとおりであります。 そこで、国税収入の構成比の変化を抜本改革前の昭和六十一年度と平成二年度のベースで比べてみますと、昭和六十一年度の場合、所得課税は六〇・九、消費課税は二〇・〇、資産課税等は一九・一でありました。平成二年度のベースにいたしますと、所得課税は五五・七、消費課税は委員まだ不十分だと仰せられましたけれども二三・八、資産課税などが二〇・四という状況でありまして、現在においても既に変化をしつつあります。 しかし、全く異質な問題として、最近の地価動向の中において持てる者と持たざる者との格差の拡大という視点から、土地税制というものについて国民の御論議が非常に強い。その中におきまして今税制調査会の中で小委員会が土地というものについて税制上の論議をしていただいておることは御承知のとおりでありまして、これにつきましては税制調査会の御意見をいただき、私どもとして現在の地価に対して対応し得る土地税制というものを今求めておることは御承知のとおりであります。
○安恒良一君 今言われた比率の中で、資産課税は六十三年が一一・四、平成元年は八・九、そして二年は八・七。これは逆に下がっていますね、ここは。そういうことで、そこでちょっと私はあなたの数字のそこのところを補足しまして、消費税導入の前後、この一年にどの程度資産課税を強化されましたか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、資産課税のうち資産所得課税、利子配当、有価証券譲渡益課税などは増加し、資産移転課税が減少して、全体としてやや増加と先刻御答弁を申し上げました。 細部につきましては、政府委員より補足をさせます。
○安恒良一君 要らぬ、要らぬ。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、補足をさせます。
○安恒良一君 長くなるから要らない。
○国務大臣(橋本龍太郎君) では、事実だけきちっと長くなく。
○政府委員(尾崎護君) ただいま大臣から御答弁申し上げました数字は、OECDの歳入統計の分類を基礎といたしまして、資産性所得課税、利子配当、有価証券譲渡益課税などを所得課税から資産課税の方に分類し直した数値でございます。委員御指摘の数値は、OECD歳入統計の分類そのものによる数値でございまして、そこが相違があった点でございます。
○安恒良一君 大蔵省が出している提出資料を見ますと、よくしばしば非課税だった株式売買を原則課税にしたとこのほかに何回もこの委員会で答弁されましたが、一般サラリーマンは決して株式課税でバランスがよくなったとは思っていないんです。 そこで、株式配当優遇で大蔵省が提出した資料を私は検討しましたら、配当だけの所得者の課税最低限を給与所得者と比較してサラリーマンは改善をされたと思っていますかどうか。大臣、そこを思っているか思っていないか、聞かせてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 思っているか思っていないかということについては、私はわかりません。
○安恒良一君 それじゃ、具体的な数字を挙げてお聞きしましょう。 消費税導入の平成元年度の配当所得者の課税最低限、限度額は五百九十二万二千円です。それから、それが七百四十二万七千円に百五十万五千円アップされました。一方、給与所得者は二百六十一万九千円で、それが三百十九万八千円に五十七万九千円アップされています。そこで、両者の倍率を見ますと、六十三年度の二・二六倍から二・三二倍に両者の間は拡大しています。すなわち大きく資産を持っている人の優遇で、これでは私は所得と資産の課税のバランスを崩す政策ではないか、こういうふうに思うんですが、具体的数字を挙げましたので大蔵大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員の挙げられました数字で申し上げます限り、私は委員のような御論議が成り立たないとは申しません。 しかし同時に、原則非課税でありました有価証券譲渡益というものが原則課税と変わりましたという事実も、御認識をいただきたいと思います。
○安恒良一君 ところが大蔵省の提出の資料で、これは配当所得を総合課税にするとまだ六百億円税収が増加するとあります。諸外国ではすべて配当は総合課税で行っています。これは私は大蔵省の資料で言っているんです。なぜ我が国は総合課税を回避するのですか。資産過保護税制をなぜ回避せず持っていくのですか、これを聞かせてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は細部の技術的知識を持ちませんので事務方の補足をお許しいただきたいと思いますけれども、一つは捕捉の問題。そして、殊に有価証券取引と申しますものの実態から、その譲渡の瞬間瞬間をとらえていくということは非常に困難性があるといったことがあるのではなかろうか、私はそのように思います。
○安恒良一君 事務方の答弁は要りません。私は、諸外国では総合課税になっているのを日本で総合課税をしないというのは大きな誤りだということだけを申し上げておきます。 そこで今度は、株式課税と利子課税の是正の問題で、これも非常に資産課税として両方を注目されました。その中であなたたちはマル優については廃止をしまして、預金利子には二〇%の課税が原則として行われたわけであります。 そこで、これまた大蔵省が提出する資料で私が数字を拾ってみなすと、利子非課税制度の利用は、少額貯蓄、銀行分、六十三年度百五十兆円が元年度は二十五兆円に、財形貯蓄は十一兆から五兆円に大蔵省の数字で減っています。この減った分だけ実はこれは課税がされていることになるわけですが、他方、同じ国会に提出された資料を見ますと、今度は利子所得に対する源泉所得税は六十三年度は一兆八千五百六十億円、そして平成二年度は三兆二千七百七十億円となり、この間に一・八倍にふえております。 すなわち、資産課税では相対的に低い所得層を含む貯蓄そして利子所得は課税を強化している。こういうものには課税を強化している。ところが、高額所得者が保有している株式の方は放置のままだと。ですから、どうも資産課税の中では相対的に大衆に対しては重税を課す、こういうアンバランス税制の結果に具体的な数字でなっているわけであります。これで本当にあなたたちがおっしゃっている資産、所得、消費の間でバランスがとれた税制がつくれるとお思いになりますか。今具体的数字を大蔵省の資料で私は申し上げた。その点どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 具体的な数字でありますので、事務方からきちんと御説明をいたさせます。
○安恒良一君 考え方を。数字を聞いているんじゃないんです。考え方を聞いている。
○政府委員(尾崎護君) まず配当所得の方でございますが、これは御承知のように、配当所得の場合にはその前段階で法人税が課税されているものですから、それを配当所得控除ということで所得税の段階で調整をいたします。その結果、計算上課税最低限が高く出るということでございます。 委員御指摘の総合課税のお話は、配当所得のお話ではなくてキャピタルゲインの方の株の譲渡益課税の方のお話ではないかと存じます。それにつきましては、諸外国で確かに総合している国はございますが、そういうところは例えば納税者番号でございますとかそのような総合のための手段を持っているわけでございまして、残念ながら日本の場合にはそのような方法をとることができません。そこで、新たに原則非課税から課税をするに当たりまして分離課税という形で課税を行っているわけでございます。 それから利子につきまして非常に税収がふえているではないかというお話でございました。利子につきましては、御承知のように六十二年度にマル優制度の廃止ということをいたしたわけでございますけれども、この課税が行われますのは現実に利払いが行われるときでございます。したがいまして、期間が長い預金につきましては現実に利払いが行われましたときに期間案分をいたしまして、六十三年四月一日以降の対応分につきまして利子課税をするということをいたしております。したがいまして、だんだんだんだん年がたつにつれまして税収額がふえてくるということでございまして、そこで非常に急増しているように見えるわけでございます。
○安恒良一君 私が言った株式課税と利子課税はこれは個人の問題で議論しているのであって、あなたは間違っています。私は会社の、法人のことはこれは後から議論するんですから、間違った人は出てこないでくれ。私が許可する以外はだめ。私は大臣と主として政策論争をやりたいんだから。時間がないんだ、きょうは。改めてあなたとはまたゆっくり税特でやります。 利子所得についても、国際的には総合課税が原則なんですよ。ですから、我が国で利子所得を分離課税にしているこうしたやり方は、資産優遇税制の根幹を改めようとしないからだと私は思います。これをしないと、やはり何といっても資産、所得、消費のバランスがとれる税制は無理なんです。少なくとも近代資本主義国家における同じ金額の所得でも、汗水流して働いて得る勤労所得と不労所得、資産所得、例えば預金、株、土地、これは質的に担税能力に違いがあるわけです。したがって、公平公正の原則を行おうとするならば、少なくとも総合課税というのが近代資本主義国家における税の基本的な理念なんです。その点はどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、その御論議を否定はいたしません。しかし同時に、そのためには捕捉について確実な公平を担保し得る手法がなければなりません。その場合に、国民背番号制等の問題が生ずることも御承知のとおりであります。そして、プライバシーについていろいろな角度からの御心配が現に存しており、私どもとしては慎重に国民のお気持ちその他を伺いながら今検討を進めていく問題であります。
○安恒良一君 そういうところだけ慎重に国民のと言われますけれども、諸外国ではすべてこういうものは総合課税になっているわけですから、やり方はいろいろあると思います。 そこでその次は、今度は公平、公正、簡素、活力、こういう目標を掲げられまして消費税を導入されましたが、一連の税制改革はこの目標が達成できたと大蔵大臣は判断されていますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) できたかと仰せられれば、完全にこれですべて完了であり、これから全く働かす必要がないと申し上げる自信はございません。 しかし、今御指摘になりました公平公正というものにつきましては、税負担の公平、経済活力に対する中立性といった税負担の望ましいあり方に関するものであり、簡素は税制の内容が納税者たる国民にとってわかりやすく明瞭であらなければならないということでありましょう。また、活力と申しますならば、経済に与える影響という側面から税制を見た場合に、税制が勤労意欲や企業の活動、活力、適正な資源配分を阻害しないことによって活力ある経済社会に資することであろうと思います。 そうして、公平、中立、簡素という基本原則をとった税制改革の中で、具体的には税負担の公平というものを高めますため、税体系全体として個人所得、特に給与所得並びに法人所得に偏った税負担の構造というものを改め、消費に対する負担に従来以上のウエートを持たせるような構造に改めるなど、税制全般に対しての措置を講じたところであります。 また、中立性という視点からは、全体として勤労者の源泉所得税など特定の分野に税負担が偏っておりました従来の税制のゆがみを是正し、所得、消費、資産の間に均衡がとれた税体系の構築を目指してまいりました。殊に間接税制度につきましては、特定の物品、サービスに偏って負担を求めておりました個別間接税制度というものを根本的に見直し、多段階累積排除型の消費一般に広く薄く負担を求める消費税というものを創設する等の措置を講じております。 また、簡素という……
○安恒良一君 解説はいいんです、解説は。
○国務大臣(橋本龍太郎君) せっかくのお尋ねでありますから、全部言わせてください。 簡素という視点については、所得税について、中堅所得者層等を中心とする負担感累増というものに対処し、大半のサラリーマンが就職から退職までの間に適用される税率が一本か二本という形に改めてまいりましたことも、それなりに私どもとして努力の結果であります。
○委員長(林田悠紀夫君) 安恒良一君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。 平成二年度総予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 まずは委員長にお願いしておきたいんですが、私は主として大臣と政策論争をやりたいと思いますから、事務当局は私がいいと言ったときだけ答弁をしてもらいたいと思います。 そこで、次の不公平税制の問題の一つでトーゴーサンの捕捉がここでもしばしば議論されました。今度、予算審議に大蔵省から業種別所得者納税人員推移表をいただいていますが、その中から見ますと給与所得者は八五ないし八七、農業所得者は二〇ないし二五、農業以外の事業所得者は四二ないし四四となっています。どう見ても給与所得者の捕捉が厳しい。ですからこのトーゴーサンの不公平是正の改善の兆しが全然見えないのであります。 この点について、私は消費税を実行される中においてこういう問題との関連からいって、給与所得者の実感としてこの点は非常に問題があるというふうに考えますが、大臣この点をどのように考えられますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 従来からその捕捉率につきましてはさまざまな御批判を受けてまいりました。 私は、第一線の職員は一生懸命に努力をしてくれておると信じておりますし、その捕捉について適正を確保すべく努力をしていると考えておりますけれども、なお一層の努力をしてまいるように現場に努力をしてもらいたいと思っております。
○安恒良一君 問題は、この消費税を導入するときに、所得税の大幅減税をした、減税先行型だ、だから消費税も必要だ、こういうPRをされました。ところが給与所得者の納税比率は六十年度以降確実にふえています。例えば消費税が導入された元年は八六・二%、二年度が八七・六%で、税金を納める人の比率が高まっています。ですから、大幅減税をしたとか課税最低限を上げた、こういう政府の説明にサラリーマンは非常に疑問を持っています。やはりサラリーマンの立場からいうと、どうも捕捉しやすいところに重たい税金の負担を押しつけている、こういう税の構造が変わっていないんじゃないか、消費税後になってもいわゆるサラリーマンの納税者はどんどんふえていっている、こういう点についての批判について大蔵大臣はどうお答えになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし、委員がよく御承知のように、今回の税制改革の中におきまして所得税、住民税あるいは法人税が大幅減税が行われたことは御承知のとおりであります。また、課税最低限の見直しを含め、税率構造にも簡素化の努力をいたしてまいりました。 今委員が述べられましたような御批判が捕捉率に関連して出てまいりますのは、私はそれが心理として理解のできないものとは申しません。しかし、現実に給与水準が上がっていく中におきまして、あるいはそのほかどういう要因があるのか個別にはわかりませんけれども、少なくとも給与水準が上昇していけばそれだけ新たな方々が税の御負担をいただくことになる、そういうことはあろうかと思います。
○安恒良一君 もちろん給与水準が上がっていくのは事実ですね。しかし、給与所得者の納税比率が約九〇%なんですよ。農業以外の事業所得者の納税比率は半分の四五%なんですよね。学校を出てサラリーマンになったら途端に納税者にされるわけです。これではやはり給与所得重課税、こういう税制度の矛盾があるというふうにサラリーマン、勤労者が考えるのは当然ではないでしょうか。ですから私は、消費税を導入されるときの政府の説明にはこの点については非常に問題があったと思いますが、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、導入時政府がどういうふうな説明をしたということよりも、国税収入の構成比、先ほど委員も述べられました、私も引用いたしましたが、所得課税が六十一年度におきましては、抜本改正直前でありましたけれども六〇・九であった。平成二年度においてこれが五五・七とその構成比が変化をしております状況を見ましても、税制改革というものは着実に進んでおると考えております。
○安恒良一君 私は、進んでおればそんなにサラリーマン、給与所得者の納税人口が元年から二年にふえるはずがないと思いますが、この点は後でまた議論します。 そこで、いま一つの問題は法人税の問題があるんですが、これまた大蔵省の提出資料で赤字法人が五一・三%になっています。これは赤字だから税金を納めなくて済むわけですが、この点、税金を納めない会社が五一・三%ということについて大蔵大臣はどのような見解をお持ちですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに六十三年度の実績を見てまいりますと、欠損法人、ならしまして五一・三が出ております。ただ、これも別に議論をするつもりもありませんけれども、五十九年、六十年ぐらいのころには五五・四というような数字でありましたものが多少下がりぎみであるということは言えるかと思います。 最近の申告状況によりますところで見てまいりまして、今委員が述べられた実績はそのとおりでありますが、税制調査会におきましても赤字法人に対する課税のあり方についての検討が行われて、税制改革についての答申の中で幾つかの点の御指摘がございました。 一つは、赤字法人課税というものを法人税として考える場合、基本的に所得課税としての法人税の枠組みを超えるという問題がある。また、公共サービスに対する応益負担という観点から赤字法人に何らかの外形標準による負担を求めてはどうかという考え方。これについては、赤字法人といえども地方税として住民税均等割や固定資産税を納めている、これとの関係を踏まえて議論しなければならないのではないか。また、赤字法人の中で、これが実は一番問題なんですけれども、黒字であるにかかわらず意図的に赤字申告をしているものがある。これに対しては引き続き税務調査の充実など執行面で対応すべきではないか。こういう意見がありました中において、また別な角度から、最近における赤字法人の諸般の経費支出の状況を踏まえ、交際費などの任意的な経費支出の損金算入について見直しを行うなど所得課税の枠内で所要の措置を講じてもいいんじゃないか、こんな御意見も出ておりました。 また、六十三年十月の与野党協議の場においてもこの問題が論議されておることを私どもも存じております。今後適切に対応していかなければならない一つの課題、そのように心得ております。
○安恒良一君 長々と大蔵大臣はしゃべられましたけれども、この委員会でも再三取り上げられている問題で、大企業の税逃れ、特に企業の中で大企業の利用に偏っている租税特別措置法及び積立金、引当金等が指摘されます。 ですから、少しはよくなったと言われても、少なくとも五〇%を超える赤字法人があるというこのような問題は、不公平な法人税が十分改善されていない、こういうことに対して非常に問題があると思います。特に、企業はどうやって税負担を軽くするかが財テクと並ぶ二本柱だ、こう言われております。公正な法人税体系の完備を進めるのはいろいろ問題があって容易でないと思いますが、一層努力をしてもらわなきゃいかぬと思います。そのためには課税ベースの拡大と税率の引き上げを組み合わせて行うことが非常に重要ではないかと僕は思うわけです。 そこでまず、その中の一番最たるものは企業の持つ土地の課税強化です。これもこの委員会でもしばしば議論をされていますが、必ず土地の課税強化は実行なさいますか、この点は総理にお聞きします。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地の課税問題については、いろいろここで御議論がなされておりますように、土地基本法の趣旨に基づいてただいま税調でその問題について鋭意検討を続けていただいておりますので、その結果を見て努力をしてまいりたいと思います。
○安恒良一君 土地の課税強化は法人税を公正にする、公平にする重大なポイントだと思いますから、しばしば出た意見を尊重してぜひやってもらいたいと思います。 それから、やはり企業がいかにうまく税金逃れをしようとしましてもなかなか、税法は網の目のようにかぶせられますが、結局それを逃がすのは租税特別措置法であります。政策税制としてこれがある段階で必要であったということを否定するものではありません。しかし、もうここまで来ましたら、五年ないし七年ぐらいの方針のもとにこれを将来は廃止していく。それから、適用する場合には資本金の三千万から五千万円までの企業にはある程度適用する。大企業がこれを私から言わせるとかなり悪用している、向こうから言わせるとうまく使っているということになると思いますが、そういう意味からもうこれは政策税制としてやった租税特別措置法の廃止について真剣に考えられるところに来ていると思いますが、大蔵大臣、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は租税特別措置を全部廃止と言われる御意見については必ずしも賛成はいたしかねます。租税特別措置というのは本来公平、公正、中立と言われる税制の上に何らかの特殊な要因というものに着目して、その施策の誘導のために使われていく税制であります。内容を不断に見直さなければならないということは委員の御指摘のとおりでありますが、例えば昭和四十年代、環境問題、公害問題というものが非常に厳しく世の中から指弾を受けましたとき、当時この租税特別措置を活用して企業に公害防除の設備を設備させるような策をとりました。 私どもはこうした意味で租税特別措置という仕組みは今後ともに、そのときそのときの時代に応じた新たな政策目標というものに活用していく手法の一つであると考えておりまして、もちろんその普遍化し、定着したものを廃止していく、見直していく、そうした努力は必要なことでありますけれども、租税特別措置そのものを完全に廃止するという御意見には私は賛成いたしかねます。
○安恒良一君 いま一つ受取配当益金不算入制度の問題があります。これも五十九年から六十三年の五カ年を調べてみますと、実は五十九年度が一兆五百八十三億円から、六十三年度には驚くなかれ三四・七%増しの一兆四千二百五十八億にふえています。これに対して益金算入額は逆に、五十九年度は二百八十五億から六十三年度は二百七十二億に減っています。金額で十三億減、そしてパーセントで五%減っている。これにはまたいろんな理屈をつけて説明があるかと思いますが、私は納税者の立場からいうと、これは改善すべきことを十分やっていない、こういう批判になるのではないだろうかと思います。 ですから、結果的にこれがどういうことを引き起こしておるかというと、日本ではいわゆる全上場会社の株の四分の三を法人株主が持って、お互いに持ち合っている。こういう制度があるために私はゆがみをつくっておると思います。上場されておる会社の株式の四分の三を法人株主が持っています。これは日米構造協議でも日本の系列取引がやり玉に上げられましたが、これは税制面で言うと、この問題の受取配当益金の不算入制度、これが私は影響しておると言わざるを得ません。国際的にもこの制度は問題ではないかと思いますが、もっとこれを積極的に改善する意思をお持ちかどうか、大蔵大臣に承りたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは確かに事務方は大変長く答弁を書いてくれております。ただし、これを全部読み上げるつもりはありません。ただ問題は、企業が保有する株式というもめを考えます場合に二つの側面が考えられます。 一つは、まさに支配権を及ぼす、あるいは取得先の企業に対して影響力を行使するという目的での株式の保有。もう一つは、そういう関係を持つ意思はなく、一種の投資物件として株式の保有を行うケース。問題は私はそれぞれにこれは分かれるであろうと思います。そして、そういう視点からまいりますと、持ち株数割合が二五%未満でありましても実質的に企業の支配が可能であるようなケースもあるわけであります。そしてアメリカでも、今委員は国際的なということを仰せられましたが、アメリカでも連携法人間の配当を除きまして、受取配当の七〇%から八〇%を益金不算入としている。 こうしたことを考えてみますと、税調の答申でも「配当をめぐる法人税・所得税の負担調整に関する基本的仕組みのあり方については、アメリカをはじめとした諸外国における動向をも見極めながら、企業の資金調達、資本市場のあり方、国際資本交流等に対して税制がどのような影響を及ぼすのかといった点をも踏まえて、将来にわたって、検討を行うべきであるとの意見もあった。」、こうしたことが述べられております。 そして、手元にありますものを見てみますと、アメリカは持ち株比に応じて七〇%から一〇〇%益金不算入、イギリスは全額益金不算入、西独は受取配当額、その六十四分の三十六を課税所得に算入して、受取配当額の六十四分の三十六を算出税額から控除、こうしたふうにさまざまな制度が各国にあるわけでありまして、私は今後もちろん検討していくべきものであろうと思いますけれども、先般の改正が企業の資金調達あるいは資本市場にどのような影響を及ぼすかを十分見きわめた上で考えていく必要があると思います。
○安恒良一君 次に、やはり今回の消費税を施行するに当たっていろいろ納税者や国民が問題にしておるのは、持てる者と持たざる者の格差に非常に注目をしています。その一つの問題として、相続税の改正が行われましたが、いわゆるまじめに一生働いても家も持てないサラリーマンの目から見ますと過剰優遇ではないかというのが目に映るのであります。 それはなぜかというと、配偶者が相続した場合、相続財産の二分の一には税金が課せられない制度に改正されました。これも通常生活のために必要な住宅といった財産の範囲ならとにかく、これは青天井なんです。二分の一は行き過ぎだというふうに私は思います。例えば遺産が何百億あってもその二分の一は相続税を払わないで済む。これはやはり税が不公平ではないでしょうか。少なくとも配偶者の分には限度を設けて、限度を超えた分はやはり相続税を課す、こういうふうにこれを直さないと、青天井というのには非常に問題があると思います。 また過保護の一つの例としては、御承知のように都市周辺の農家の農地問題もこれも議論されていますが、これはもう時間がありませんから私は農地問題をきょうやろうと思いません。しかし、少なくとも配偶者の二分の一という相続税の免除についてはぜひ大蔵大臣、再考をしてみる考えはございませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は率直に申しまして、過去の相続税についての論議を十分承知いたしておりませんけれども、私の知る限りにおいては、配偶者に対するその割合というものは旧来の率では低過ぎる、むしろ長年生活をともにし支えてきた妻の座というものを考えるべきであるという御議論が本院においても、また衆議院においても非常に強かったと記憶をいたしております。そしてその限りにおきましては、妻の相続権というものについてもっと幅を広げていけという御意見が従来から多くあったと記憶をいたしておりますけれども、制限という御議論は私は余りなかったように思います。 今私もとっさにどういうことを申し上げる自信はございませんけれども、さまざまな角度で相続という問題が議論をされ、この国会になりましてからも個人に対しての相続税と法人に対して相続税がないといった指摘はございましたが、相続税、殊に妻の取り分に対しての制限を強化すべきである、もっと厳しく取れという御指摘は初めてであると思っておりまして、私は従来の御論議等ももう一度振り返りながら今後の検討課題とさせていただきたいと思います。
○安恒良一君 誤解がないように。一般論で言っているんじゃないですよ。一定の限度までは今の税率でいいだろうと、二分の一で。しかし青天井というのはどういうことですかと。一千億あったら五百億はもう非課税になるんですね。そのことを僕は言っているんですから、変なところにとらないでもらいたいと思いますね。青天井というところを一定の限度を設けて今の税率を適用すべきじゃないか、こう言っているんです。 今度は消費税の見直し法案について少し時間をあれしたいと思いますが、今度食料品その他の非課税を見直し案とされていますが、私はもともと生命の源泉である食料品まで課税したことは間違いだったと思うんです。ですから、その意味であるとあなたたちが行われた消費税というのは欠陥税制であったと私は思います。 そこでお聞きしたいんですが、そうは言いながら、これはいわゆる小売段階非課税ということで、前段階は一・五の税率で課せられるわけですが、今消費者が心配していますのは本当に小売価格が下げられるのか、その保証があるのか、どのような方法や監視体制を準備するのかということをただしたいのであります。それはなぜかというと、消費税導入のときには転嫁の監視に独禁法の改正までされました。今回はどんな方法でいわゆるこの前段階まで一・五%の課税を消費の小売段階では下げるということについて保証されるんですか、どういうお考えをお持ちですか、お聞かせください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその監視の仕組みということについて特に新たなものを設けるとは承知をいたしておりません。しかし、この消費税の御論議を続けられる中におきまして本院においても明らかにされたことでありますが、イギリス等特殊な例を除きまして大半の国では軽減税率をも採用せず飲食料品も消費税がかけられているというのは委員御承知のとおりであります。しかし、この見直しを行います時点において消費者の方々からたくさん寄せられた御意見の中に食料品というものに対しての非課税を求められる声が非常に高かったこと、こうしたことを考えに入れて小売段階における非課税とその前段階における軽減税率というものを採用いたしました。そういたしますとこれは確実に一・五%はそこで下がるわけでありまして、私は関係各省庁の御協力を得ながら実際にそれが下がっていく方向に御協力がいただけるものと考えております。
○安恒良一君 政府・与党は、昨年消費税廃止法案を私たちが出したときに二年間物品税の実施を提案したときに皆さんは冷笑されました。しかし、今回の非課税品目の採用拡大は、税理論的には消費税といえども奢侈品と生活必需品を同率で課税することには納税者は納得しない、こういうことが明らかになったわけですね。ですから、あなたたちも広く浅く一律、これを消費税課税対象にする場合の重要なポイントだと説明されたのを、今回は複数税率を採用されることになったわけですから、その意味からいうと、やはり消費税というのは導入時の政府の方針、理論に破綻があったと思われますか、それとも導入時の考え方が少し硬直し過ぎた、こういうふうにお考えになりますか。そこらはどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 売上税の論議の際、非課税範囲を非常に広げておりましたことに対し非常に厳しい国民からの御批判があったことは委員も御承知のとおりであります。そうした反省の上に立ち、この消費税を組み立ててまいります中で、広く薄くということで範囲を最小限度のものを非課税という線で貫いてまいりました。そして、私はその基本線をとりました考え方が税理論の上から間違っておったとは今でも考えておりません。 しかし、消費税というものを実際に国民の方々に受け入れていただくに当たってさまざまな角度から御要請を受けました中に、食料品の非課税というものを非常に強く求めておられる声がありましたことを私どもは考え、その中でこうした制度を仕組んだということであります。そして税制というものは常に見直しが行われていく性格のものでありますし、それは私は消費税というものを国民に御理解いただくために検討した方向であり、それ自体が間違っているものだとは考えておりません。
○安恒良一君 私は国民が文句を言うからこの点だけ直せばいいということでは困ると思うんです。やはり税には一定の税理論というものがあります。ですから、むしろ私は、ここまであなたたち踏み込まれたならば、奢侈品や装飾品を初めぜいたく品にはもう高い税率をかける、こういうふうにお直しになったらどうでしょうか。というのは、消費税の先輩格であるEC諸国でも複数税制が大半ですね、これも大蔵省の資料を私ここに持っていますが。ですから、どうも今回の見直しは非常に中途半端ではないかというふうに思いますが、その点は大蔵大臣、どうお感じですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) しかし、外国の例を御引用いただきますならば、外国におきまして三%といった低い税率で消費税を課している例は私はほかになかったと思っております。その中においてなお国民の御要請に従う、その声に耳を傾けるという意味で、食料品の前段階までの軽減税率と小売段階の非課税というものを私どもが考え、国会に御提案を申し上げておりますのは、例えばそのほかの家賃に対する非課税措置の適用といったものとあわせまして、より国民に消費税というものを御理解いただき定着させていくための私どもの努力と、そう御理解をいただきたいと思うのであります。
○安恒良一君 今回の見直しで、免税点、五億円の簡易課税制度、限界控除制度、消費税の創設当時からの構造的欠陥と言われているものはいわゆる実態調査をしなければわからない、こういうことを盛んにここで答弁されておりますが、私はこの点は決して頭から実態調査が必要でないとは言いません。しかし、税理論上誤っていることは私は実態調査をやることによって逃げ込んではいけないと思うんです。逃げ込んではいけない。 じゃ、一つの例を挙げると、実態調査をしないと免税点、五億円が妥当か否か、こういうことがおわかりにならないんでしょうか。この点はどうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは何遍も先般来お答えを申し上げてきたことでありますけれども、消費税の申告納付が一巡する平成二年五月までは実態把握を行い、これらの制度をどう見直すか十分検討の上その方向についてお示しをする、閣議で決定をいたしまして、現在私どもは完全に消費税の納入されました全税務署からの数字をこれから集計し、解析し、その上で結論を出すことにしております。
○安恒良一君 大蔵省が提出されています国際比較を見ましても五億円というのは異常なんですよ。だから私は実態調査以前の問題だと思います。いわゆる高過ぎる免税点、簡易課税、限界控除等は、同僚委員からも質問があったように消費者が納めた税金が国庫に入らない、これが一番今回の消費税の問題点として消費者、納税者から指摘をされています。ですから、私はこれは実態調査をしなくても直ちにこういう点については直すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員は簡易課税、免税点あわせてその納付時期から運用益までを含めてお尋ねになりました。 私どもといたしましては、運用益等の問題につきましては、今回の見直しの中において委員を初め野党の皆さんからの御指摘も踏まえまして、一定規模を超える事業者の申告納付の回数を増加する等の措置を講じております。また、事業者におきまして仕入れに含まれる税額があること、あるいは売り掛け取引など金利負担を負ったりして運用が不可能だということも実態から出てくることでありまして、常に運用益を生じるといった御論議は私は必ずしも妥当なものではないと従来から考えてまいりました。 いずれにいたしましても、一巡いたしました結果を解析し、その上において我々としての考え方をお示しさせていただきたいと思っております。
○安恒良一君 もう時間が八分しかありませんから、私は結論的なことを少し申し上げてみたいと思います。 本当は今言った納付期限の問題から消費税財源の見直し、それから今回の改正に伴う財源の問題等もやりたかったんですが、私は今まで議論をした中で、どうもあなたたちが税制改正の目標に掲げた公平公正の税制は実現していない。直間比率の是正、所得、資産、消費のバランスのとれた税体系も納税者の納得が得られるような状態になっていない。そこで、今回の税改正は失敗で、残ったのは消費税導入だけだというふうに今までのやりとりを考えます。 そういう状況の中で、消費税問題について与野党の立場の違いがあります。しかし、税改正が所期の目的をなぜ達成できなかったのか。戦後の税制のひずみに対する反省がないためだと思います。それはなぜか。敗戦の焼け野原から立ち直るためにまず産業を優遇し、企業の税負担を軽減し、さらに貯蓄や株を優遇して資本の蓄積を図るといった税制の根本に今回メスを入れる姿勢が欠けておったということであります。その次には、所得の分割を税制制度の中にたくさん持ち込んで、納税者の真の意味での担税力がわからないようにしてしまった。国際的には総合所得で累進課税が公平税制の柱です。三つ目には、法人成りの政策を進めた結果、経営形態は同じでも、いわば税務署向けのペーパー法人で税金が安くできる制度をはんらんさせてしまった。その結果何が起こったか。みなし法人、一人法人までつくってしまった。また事業主控除や専従者控除が引き金となって専業主婦控除までになった。こうした税の制度は結局税金の生命である公平公正の犠牲の上に私はでき上がっているというふうに思っています。 そこで、これから与野党で税制を改正していく上に当たっては、政府がスローガンに掲げた税制改正を行おうとするならば、戦後の税制の総決算を行う。その場合には、場合によれば歯車を逆回転させるぐらいの勇気と決断を持たないとできないと思います。いわゆるこれを消費税導入の方便にだけ使った、そして根幹を直そうとされない、根幹に手がつけられない、そういうことが私は消費税実施一年の検証の結果わかったと思います。 そこで、私はそれらの問題も敗戦から経済復興までにはそれなりに合理性があったと思います。また納税者も納得をされたと思います。しかし、今日経済大国、国際化のもとで完全な時代おくれの税制で、納税者に映っているのは不公平税制であります。サラリーマンには弱い者いじめの取りやすいところへ重税を押しつけている税制と映っています。したがって、消費税の前に新しい時代にふさわしい税制度をつくり直す、そのことが非常に重要ではないでしょうか。それがためには痛みがあります。それは今までこの制度で利益を得てきた人々や法人には適切な税金を負担してもらうということであります。 戦後、税制がそのときそのときの国の政策遂行をねらって、公平公正の税制を犠牲にした部分を洗い出して、抜本的に改めるべきだというふうに私どもは思うのであります。こういう点について今後税の公平公正を実現するために総理はどのようなお考えをお持ちなのかということについて、ひとつお考えをお聞かせ願いたい。 私は、戦後シャウプ税制以来の今日までの日本の税制の歴史の中で肯定するものは肯定し、改めるものは改めるということで今、少し長くなりましたが、考え方を申し上げました。総理のお考えを伺いたい。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょっとその前に。 今委員からさまざまな角度からの御論議がございました。総理からお答えをいただきます前に私から一つ申し上げたいのは、最初に委員が提起をされました直間比率の問題にいたしましても、効果がないと仰せられますけれども、仮に税制改正が行われていなかった場合一体その比重はどんな状況になっていたであろうか、私どもはそう考えます。そういたしますと、二%強既に改善をされているということは、委員が仰せられたように効果がなかったということではなく、現実に効果は出ておると存じております。他の分野につきましても同様なことが言える、私としてはそう考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) 私の記憶に誤りなければ、一昨年ごろまでの国民の皆さんの税に対する不満というのは、まさに今委員御指摘になったように所得税に負担がかかり過ぎる、法人税に負担がかかり過ぎるという点にあったと思います。そして、税制改革全体の中でそのような個人の所得税や法人税というものの負担を下げていくということと、それから原則的に非課税の扱いになっておった資産に対して原則課税という方針にするということ、そして消費税は新たにスタートをさせていただく、そのかわり個別間接税の制度はこれをなくしていく。いろいろ複数の税制の仕組みを改革したのが去年の税制改革だったと私は受けとめております。そういった意味で、今後もさらに御議論を通じて税が国民の皆さんの御理解と納得のいただけるように進んでいかなければならないと考えます。
○安恒良一君 総理、もう一遍聞いてください。 消費税の手直しという一部の小手先細工だけでは今言ったような税の根本的な改革はできないじゃないか。そこで、やるならば税制度を、税体系の大改造を今日の実情に合わせてやる必要があるだろう。そこで昨年本院において廃止法案を出すと同時に、審議には二年間かけて抜本改正をやろうじゃありませんかということを私たちは提案したわけなんです。すなわち、税制の根幹が時代おくれになっているんですから、それには手をつけず、消費税を導入すれば公平公正な税になるとか、所得、消費、資産の間のバランスのとれた税になるというのは完全な間違いではないでしょうか。まさに私は本末転倒だと。ここでやはり国民のための税制改正を行うためには、いわゆる廃止とか凍結とかという、そして真剣に与野党で税の中身の議論をしようじゃありませんか、根幹から直そうではありませんかということを私たちは言っているわけでありますが、総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 消費税だけを取り出して税制改革をしたのではなく、先ほど私が申し上げたように、まさに昨年の税制改革はいろいろなものを含めての抜本的な税制改革であったと思います。ただ、その中の消費税について御指摘いただくようないろいろな点がございましたので、その点については謙虚に世論にも耳を傾け、いけないところがあるとおっしゃる指さされる方向にできるだけ見直しをしていく方が定着にはいいだろうと思って努力を続けてきたところでございます。
○安恒良一君 全く議論がかみ合っていないのが残念でありますが、時間が来ましたので、改めてまた税制論議のときにやらせてもらいたい。 これで終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で安恒良一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、久保亘君の質疑を行います。久保君。
○久保亘君 私は最初に、外務大臣にお越しいただいておりますので、一、二点外務大臣にお尋ねしたいと思っております。 米ソ首脳会談に引き続いて、アメリカで盧泰愚、ゴルバチョフ両大統領の会談が明朝行われると聞いております。この会談について日本政府としてどのような感触を得ておられたのか。そして、今後のソ連、韓国の国交樹立の見通しや今後の朝鮮半島をめぐる情勢の変化などについてどういう判断をされておりますか。 それからもう一つは、この韓国、ソ連大統領の会談の中で、盧泰愚大統領の方から日韓米ソ四首脳会談を提唱する可能性があるということが報ぜられておりますけれども、このことについて事前に日本政府として何らかの情報を得ておられるのか。また、そのような提唱が合意された場合、日本政府としてこれにどのように対処をされますか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 今回の盧泰愚大統領とゴルバチョフ大統領の会談というものが実現されるということになりましたことは、朝鮮半島をめぐる不安定な今までの経緯、ここに一つの大きな転機を画するものだと私は高く評価をいたしております。 米ソの首脳会談の後、韓ソの大統領の会談が行われること自体、米ソ間での首脳会談で恐らくアジア・太平洋地域のいろんな問題が討議されたと思いますけれども、それに加えて韓ソの大統領会談が行われることは、従来北朝鮮とソ連との関係がございましたけれども、ここに新しく韓ソの大統領会談ができることによって韓ソ間の外交関係が着実な歩みを始めるという一つの大きな出来事であろうと私は認識をいたしております。 ところで、委員御指摘のように、アジア・太平洋地域におきます軍事情勢、また長い間のアジアの政治的な不安定の要素の中には朝鮮半島も一つの大きなポイントでございますが、さらに今日東京で行われておりますカンボジアの和平に関する東京会談、これにもまたタイ国政府が日本国政府と共同してこの会談を実現するために今日まで努力をしてまいりましたけれども、新しい朝鮮半島の政治的な展開というものはアジア全域にとって好ましいものであると私は認識をいたしております。 今日まで北朝鮮と我が国との間には正常な国交が築かれず、第十八富士山丸の二人の船員の抑留されたまま六年間の時日を経過しておりますが、先般も社会党の田邊副委員長ともお話をいたしました際には、北朝鮮の関係において田邊副委員長が果たしてこられたお立場、いろんな役割というものもあろうというふうにも私ども理解をしておりまして、これからの日朝関係をつくっていく上に、韓国と日本の間、米韓の関係の問題、また韓ソの問題、北朝鮮と韓国との問題、中国との関係、いろんな問題がこれに関連をしてくるというふうな認識を持っておりまして、私どもはまだ正式に米ソの首脳会談につきましては米国からも通報に接しておりません。今週末にはソ連の外務省の次官が来日をされて、正式にソ連の政府としての連絡を受けることになっております。 このような状態の中で、アジアはまさに新しい一つの動きを始める時期がやってきたのではないか、私どもはそのような意味からとらえまして、この韓ソの大統領会談というものは非常に大きな意味を持つものだと認識をいたしております。
○久保亘君 今外務大臣のお話はお聞きいたしました。 今度の韓ソ大統領会談、その後、米韓の大統領会談も行われると思いますが、また韓国大統領は引き続きソ連、中国を訪問されるという報道もございます。アジアをめぐる国際情勢も大変大きな変動の時期に入っていくと思うのでありますが、こういう中で朝鮮民主主義人民共和国と日本との関係が今お話しのように外交関係がない状態がずっと続いております。こういう中で、日本政府として、北との外交について積極的に展開をされる御意思がありますか。特にこのことと関連して、第十八富士山丸事件の解決について政府として新たな対応を行われる、そういう御準備がおありでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) まず、先ほどの委員のお尋ねの中で、私申し上げるのを少し落としておりました点を補足させていただきますと、米ソ韓日というようなアジア・太平洋の新しい平和的な会議を催すような提案があった場合どう日本は考えるかということでございますが、そのような会議が持たれることがアジアの、あるいは太平洋の平和と安定に大きな貢献ができるものということであれば、日本政府としては積極的にそのような会議が開かれることに協力をすることはやぶさかではないと考えております。 なお、北朝鮮と日本との国交は御案内のようにございませんけれども、第十八富士山丸の二人の方の返還をめぐって今日まで政府としては非公式に北京の日本大使館を通じていろいろと呼びかけをいたしてまいりました。国際赤十字を通じましても連絡をしておりますけれども、残念ながらまだ御連絡はございませんが、北朝鮮の政府が新しいこの朝鮮半島の動きの中で、日朝間の一日も早い国交が始まる日を求められるという姿勢があるならば、私は北朝鮮政府に積極的に日本政府の今日までの対応にこたえていただくことがまことに好ましい。日本政府としては、何を申しましても朝鮮半島の安定ということが我が国にとってもアジアにとっても極めて大切であるという意味からも、北朝鮮からお話があれば積極的に対応していく用意は常にございます。
○久保亘君 じゃ、最後にもう一つ伺いますが、今のようなお考えでありますならば、朝鮮労働党の代表団あたりが積極的に日本に来て日本とも話をしたい、こういうような場合にはこれには前向きに対応されるというふうに解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(中山太郎君) 長年の日本の大きな問題でございます十八富士山丸の問題も含めて北朝鮮との間に対話の場が設けられるということであれば、我々の方は常に扉をあげてお目にかかる用意をいたしております。
○久保亘君 外務大臣、ありがとうございました。 それでは次に、先ほどから議論が行われております消費税をめぐる問題について最初に総理大臣に伺っておきます。 伺うところでは、衆議院において廃止法、見直し法をめぐっていよいよ十一日から論議が行われると聞いております。この衆議院における論議、さらにそれを引き継ぐ参議院の論議において税制改革の論議がぜひ実りあるものとなるよう、そういう立場で私はお尋ねをしたいと思うのでありますが、廃止、見直しという違いはあっても、少なくとも現行消費税を再検討し、変えなければならないという点においては政府並びに国会の与野党の認識は一致している、こういうことでよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 現在の消費税につきましては、世論のいろいろな御意見があり、また与野党のいろいろな御意見等も踏まえて政府は見直し法案を提案してお願いしておるところでありますから、現在の税制、それを見直していきたいという法案について与野党で議論を闘わせていただければそれは非常に願わしいことである、私はこう思っております。
○久保亘君 私が聞いておりますのは、現行消費税というものについて見直し、廃止という両論があるけれども、現行消費税そのものは検討し直さなければならぬということについては御異存はありませんね。
○国務大臣(海部俊樹君) 消費税という制度そのものについて見直すか見直さないかではなくて、消費税が現に昨年の四月から行われております中においてこの部分は見直しした方がいいと思って見直し案を出しておる点につきましては、これは改めていった方がいいという考え方に立っておることは当然でございます。
○久保亘君 それでは少し角度を変えてお尋ねしましょう。 少なくとも平成三年度以降において現行消費税がそのまま継続されるということは、昨年の参議院選挙以来の与野党の国民に対する約束に照らしてもこれは存続させてはならぬ、現行消費税がそのまま存続されることについては国民に対する約束を果たすことにならない、このことはよろしゅうございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 現行消費税の中でこことここは改めたいというので見直し法案をお願いしておるのでありますから、それを審議の上成立させていただくことを私は心からお願いしております。
○久保亘君 そこのところがきちっとかみ合って初めて私は消費税を含む税制論議というものの共通の土俵が生まれるかなと思って聞いているので、別にあなたの答弁の前に穴を掘ってという気持ちはありませんので、率直に答えていただきたいと思うんですよ。国会がこれから国民に対してどう責任を果たすかという論議をやっていく上で、現行消費税がそのまま平成三年度以降に続けられるということはこれは国民に対して責任を果たすことにはならないんだ、そういうことをきちっとしておかないといけないと思うから聞いておるんですが、答えにくいですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ちっとも答えにくいなどとは申しておりません。私は率直に、現行の消費税の制度そのものが今続いておるわけでありますけれども、これについては国民の皆さんの世論もあり、また与党ともいろいろ相談した結果、いろいろな項目について、まずこれは見直しをした方がよりよくなるだろうということで見直し案を提案させていただいておるわけでありますから、与野党で願わくば御議論をいただいて、現行の制度から見直しの方に移行されることが非常に願わしい、こう私は考えて先ほど来お答えをしておる次第でございます。
○久保亘君 あなたが見直しを提案された責任者としてそういう御主張になるのは私も理解しておきましょう。ただ、現行消費税というものがどういう経過に相なろうともこれが来年度もそのままの姿で続いていくということは、国民に対してお互いに政治家として責任を果たすことにはならないよと、そのことだけはきちんとしておきたいと思うんです。 その上で、それじゃ消費税を変えなければならない、廃止を含めて、――私どもは廃止を主張しておりますから、あなたがおっしゃるのと同じように現行消費税を変えなければならない、税制全体の中で廃止しなければならぬ、こういう立場で主張をしているわけでありますけれども、消費税を変えなければならない理由は何か。 私が首相に聞きたいことは、消費税は言ってみれば社会的会費だという意見があります。同窓会費とかそういう会費ですね、そういう意見がありますが、そのような意見は賛成されますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 社会共通の費用を広く皆で負担していただくというのが私は税の持っておる一つの側面だと思いますし、また憲法もそのことを特に取り上げておりますことも、皆が負担して皆が支えていくのが民主主義というものの姿であるというように感じますので、会費という言葉は初めてお聞きしましたが、広く解釈したらみんなで参加してみんなで支えておる国家だという立場からいえば、あるいはそういう性格も持っておると思います。
○久保亘君 大蔵省の出されております国民に対するPR資料では、税金というのはいわば会費だと、こう書いてあります。これは私は非常に危険な考え方だと思うんです。税金というのは何かといえば、これは税金を通じて富の社会的再分配を行う機能が税金ですね。そうすると、社会的再分配を何のためにやるか、これは所得の格差を埋めるためにやるんです。それであるとするならば、税金の基本的な二つの柱というのは、総合課税による累進制ですね、これが入りの方の社会的再分配の機能です。出の方は社会保障政策です。この二つの機能が社会的再分配の税金の機能だと私は思うんです。だから税金というものをみんなに会費のようにかぶせるというやり方、人頭税的な発想というものは税の基本の理念に反する、そういうことがこの消費税の論議を行う場合にまず正面に据えられておかなければならぬと私は思っております。 そういう意味で言いますと、この消費税は代表的な欠陥が二つありました。それがまた政府が見直しを提案されている理由でもあると思うんです。 一つは逆進性、克服できざる逆進性。もう一つは納税の特例制度がもたらしている――先般本岡委員が詳細にここで追及をいたしました。この納税制度の、世界にまれなる特例制度をつくってもたらしている制度としての欠陥、これが代表的なものであります。この二つの欠陥をどうやって直すか。そうすれば、消費税は間接税の一つの種類として生き残ったとしても、大型間接税ではあり得ないはずです。そこを私どもは明確にしていかなければならぬと思っておりますからちょっとお聞きしておきたいことがあるんですが、大臣聞いておいてください。 「間接税の場合には、購入者の所得の多少にかかわらず、同じように税金を負担するので、生活必需品が課税される場合には、所得の少ない人ほど負担の割合が重くなるという弊害がある。」、この考え方には反対なさいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 非常に幅の広い視点から最後のところに落とし込まれましたので、私の方から申し上げたいことも多少聞いていただきたいと思うのであります。 消費税についての逆進性というのは、私就任以来本院でも何遍かの御論議をいただいたところであります。そして、消費税という税制にまさに所得に対して逆進的に働くという性格があることを私どもは一度も否定したことはございません。ただ同時に、税制はそれぞれの特色のある仕組みでありまして、私どもはその特定の税制の持つ欠陥のみを例示し議論をするのではなく、それぞれの組み合わせの中において、また社会保障、福祉までを組み合わせた歳入歳出の中で御論議をいただくべき性格のものである、その逆進性の御論議のたびに申し上げてきたところであります。そうして、そういう論議を今またここで改めて申し上げるつもりはありませんし、今の委員の組み立てられた御議論であるならば、私はそれはそれなりの一つの理屈として成り立っていると思います。ただ、私どもはその点について同意はいたしません。
○久保亘君 大蔵大臣、これは私の考えではございませんで、今私が申し上げましたのは中学校の社会科の教科書に書かれているものを申し上げたのであります。 それからもう一つ、海部さん、きょうは文部大臣に来ていただこうと思いましたら、文部大臣は何か芸術院賞の授賞式の行事であなたのおかわりだということを聞きましたので私も御遠慮申し上げました、幸い、文部大臣の豊富な経験者である海部総理大臣がおられるので。 もう一つ、中学校の教科書の中にこういうことがございます。「商品の価格にふくまれる間接税は、所得の多い人も少ない人もおなじ商品を買う人はおなじ金額を負担することになるので、とくに生活必需品に重税を課すと、それは所得の少ない人を苦しめる大衆課税となって、望ましくないとされている。」、これが中学校の教科書の記述であります。それからさらに、「納税は売った人がおこなうが、最終的な税の負担者は消費者となっている。このように、消費税などの間接税は、所得の多少にかかわらず、消費者は、同じものを買うと、同じ金額を負担することになるので、所得の高い人ほど、所得に対する間接税の割合が低いという逆累進になりやすい。」。これは中学校の教科書の記述を私誤りなく今読み上げておるのであります。 それで、中学校でこのような租税に対する教育が行われておるわけでありまして、こういう立場からいたしますと、私は消費税というこの税制については国民の理解を得られるのが非常に難しい問題だと思うんですよ。 それから高等学校へ参りますと、「間接税は、所得の高低にかかわりなくその商品やサービスの消費者に一様は負担がかかるものなので、租税全体に占める間接税の割合が大きすぎると、公平の原則に沿わなくなる。」、こう書いてあります。それから「間接税は、課税対象品目・課税率への十分な配慮がないと、所得の少ない人に相対的に重い税になるという逆進性ももっている。」、これは高等学校の社会科の教科書の記述であります。 どうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私もちょっと文部大臣がおられたら質問したいところでありますが、今の話を聞いておりまして、私は何となく、随分豪快な教科書を検定でお通しになったものだと。日本の教科書について今まで検定制度についていろいろ御批判がありましたが、むしろ私どもとしては考えられないほど非常に大胆な議論を教科書において展開しておられる、率直にそう感じました。 なぜなら、私は最初から申し上げておりますように、消費税の持つ逆進性というものを一度も否定はいたしておりません。ただし同時に、消費、サービス、これらに、同じ物をお買いになる、同じサービスを受ける、そのときの税負担がすべて同じであるというこれは特質があります。そして、裏返しに言えばそれが逆進性につながるという議論はございます。しかし同時に、その性格を持つ同種の税が各国において採用されているという現実は、この制度のよさをむしろ各国が着目しながら使っておられるということでありましょう。 そして北欧諸国のごとく、社会保障とか福祉において非常にすぐれたと言われている国についてこれをごらんいただいてよく御承知のように、例えば飲食料品についても同じ税率が課されております。そして、それが現実に日本の三%という消費税の税率、私どもはこれを食料品については小売段階の非課税と流通段階における直前まで一・五%という軽減税率で対応しようとし、努力をして今御審議をお願いしているわけでありますけれども、それとは比較にならない高い税率になっている。こうした状況をどう御判断いただくのだろう、私は率直にそう感じております。
○久保亘君 何か教科書が悪いようなお話でございましたが、そんなことはありませんよ。私が今読み上げましたのは、比較的多数使われていた代表的な教科書を取り上げたのであります。これが日本の義務教育並びに高等学校で教育されてきた税に対する代表的な考え方だったのではないですか。それを皆さんが独特の税の理論を組み立ててこの考え方を否定されようとしているのではないでしょうか。 そしてなお、教科書に大事なことが書かれてあります。「納税は国民のたいせつな義務だから、皆が納得して納税できる制度にすることが重要だ」、こういうことを文部省があれだけ検定を強化している教科書の中で記述させ、そして税に対する考え方というものを子供たちにそう教育しておきながら、その考え方とは異なる税の理論をぶっ立てて、それで消費税を押し込もうとすることは私は無理があると思うんです。やっぱり国民みんなが納得して納税できるそういう制度をつくらなければならない。 大蔵省のPRの資料を見ると、消費税は今や定着してきた、もうそのことを大きな字でずっと書いてあります。そうでしょうか。消費税は定着していないからこそ政府も見直し案を出さざるを得なかったんじゃありませんか。そのことを無視して、そして一方的に消費税は定着したしたという宣伝でもってこれを存続させようとするお考えがあるとするならば、私はそこはもう少し税の理念に立ち戻って率直な議論をされることがよいと思うんです。私どもは間接税を否定したことは一度もありません。間接税のあり方について、消費税というやり方でよいのか、あの消費税というものの中身でよいのか、こういうことを問題にしてきて、この税制はやっぱりよくない、それは海部さんが文部大臣をおやりになっているころの全国の中学生や高校生が教育を受けていたそのことに照らしてもよくない、私はそう思っているわけです。 ところで、安恒さんはあなたに物を言うなと言ったけれども、一言あなたに物を言ってもらいたいけれども、見直し法案を提出された事務方の大蔵省の責任者として、見直し案も廃止案もなくなれば最も理想的だと思っているんじゃないでしょうね。そこをひとつはっきりしてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務方の前に。先ほどの教科書について、委員が御指摘になりましたところだけを拝聴し、私は感想を述べました。しかし、今事務方からもらってみますと、委員が読み上げられました下の行に例えば、「所得の少ない人ほど負担の割合が重くなるという弊害がある。」、その後に、「そのような弊害に対応するためには、所得税の減税などが必要となる。」と、私どもが税制改革の中で対応したと同等のことが記載されておりまして、やはり教科書は公平にできておる、そう私は思いました。
○政府委員(尾崎護君) お願いしております見直し案が一日も早く成立することを願っております。
○久保亘君 それでは、大蔵省の事務方の方も、現行消費税はもう変えなければならぬ、こういうことではあなた方もそういう意見できちっとされておる、そういうことで理解をいたしましょう。 今、幸い大蔵大臣があとの一行をまたつけ加えられた。私も承知いたしております。今からそれをお尋ねしようと思っているんです。それは何かといえば、税に対する国民の信頼というのがなぜ得られないか。所得税というのは、軽減すると言うならば本当に軽減しなければ、そのパーセントを変えたというだけでは重税感はなくならない、不公平感はなくならない。 何があるかといえば、例えば所得税の中の一つの例を挙げましょう。人的控除、今度も税制改正に当たって人的控除を引き上げたということが政府の強調された一つであります。ところが、この人的控除にしても、例えば所得税のかからない層の人は人的控除が幾ら引き上げられたってこれは何にもならないのであります。一〇%のところの人は人的控除が三十五万になっても三万五千円の効果しかないのであります。ところが、五〇%のところの人は十七万五千円の税の軽減になってくるわけであります。これは明らかに所得税の持つ不公平であり、特に所得の低い人たちに対してはその与える恩恵の薄いものになっているわけであります。こういうものに思い切って手をつけていかないと、大変所得の大きい家庭の奥さんや子供たちは同じ人的控除で十七万五千円の所得税の控除が受けられるが、一般の大衆のところではそれはせいぜい三万五千の効果しかない、ゼロ効果のところもある。こういう問題が残っているままではいけないんじゃないでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私は必ずしもそうばかりではないと思います。というよりも、これは税の仕組み方の問題だと基本的には思うんです。今委員は御自分の御意見を述べられたわけでありますけれども、現在の人的控除というものが所得控除方式で行われておりますのは、要するにそれぞれの所得の一部をまず基礎的な非課税部分として控除する、その残額を課税所得としてこれに累進税率を掛けるという仕組みをとっている。その方がより私は合理的な仕組みだということだと思うんです。そして主要諸国を調べてみましても、所得控除方式がとられているということを考えてみましても、私は今委員がお述べになったような理屈ばかりでは世の中はない、そのように思っております。
○久保亘君 いや、私が申し上げているのは、やはり所得税の軽減をやりましたと言われても、高額の所得とそうでない層との間にいろいろな形で制度上も不公平が残っていますよ。それで減税効果というのが本当に大衆のものになったんでしょうか。確かに六十三年の税制改革のときに、所得税課税の最低率というのを一〇・五から一〇に直された。しかし、これは五十九年改正のときに一〇%から一〇・五に上がったものをもとへ戻したというだけの話でありまして、全然軽減というようなものには値していないのであります。 そして、私は本年度の予算案を見ながら思うのですが、ことし、昨年の当初予算との比較において出された資料では、所得税の年度間増収額というのは史上最大のものになっておりますね。三兆三千億円の所得税の増収が予算で計上されております。昨年度の補正予算、最終補正予算に照らしても一兆三千億の増税、増収になっております。こういう中で、やはり増税感というものは抜きがたく大衆の中にはあるわけです。去年の当初のときよりも、同じ税の制度のもとでことしは所得税が三兆三千億円もふえてくるわけです。私は、こういうものをどうやっていくか、所得税を減税すると言うならば、そこをどう調整していくかということがなければ重税感というものはなかなか払拭されない、こういう感じを持つから申し上げたのであります。 法人税についてもお尋ねしたいと思いますが、法人の数は、私が資料をいろいろと求めましたところでは六十三年末しかございませんでしたが、六十三年末の法人数は百八十五万一千六百七十三、そのうち資本金十億円以上のものは三千四百九十一、〇・一八%であります。資本金百億円以上のものは六百四、これは全法人に占める割合は〇・〇三%であります。ところが、この資本金十億円以上、全法人の〇・一八%のものが退職給与引当金においては全体の七〇%、七兆六千三百七十三億円を留保している。これは従業員の数で見ましても、雇用者の数全体に比べました場合に、十億円以上の法人に勤めます者は一三%であります。法人のみに限定して一七%であります。 一七%の法人の従業員数のところが退職給与引当金においては七〇%を留保しているということは、実際にはこういう法人税の引当金控除の不算入の制度というのは大資本、大企業のところに大きな利益を与えているのであって、中小零細の法人のところにはその恩恵はひとしく及んでいないということが明らかではないですか。こういうものについてはどうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今退職給与引当金について御論議がございましたけれども、私はその一つの原因と申しますのは、労働組合との間における労働協約その他において退職金制度をきちんと保有している企業とまた保有していない企業、これは規模の大小によって相当の差もありますけれども、こうしたものもやはり影響が一つあるということは申し上げたいと思うのであります。 そして同時に、欧米諸国の雇用体系と日本の雇用体系の中には、御承知のような生涯雇用というものを中心として形づくられてきております一つの労働慣行がございます、そうした中から出てくる制度の違い、また実際上それが運用される違いというものがあろうかと思っております。
○久保亘君 退職給与引当金を今申し上げましたけれども、賞与引当金を見ましても、資本金十億円以上のところが全体の五三%ですね。それから貸倒引当金に至ってはこの十億円以上の三千四百九十一社、〇・一八%の法人でもって六三%を留保しておるのです。これは引当金制度についてもっと公平という立場からもメスを入れていかなければ、不公平税制の是正というものがそういう意味からも残っていくのじゃありませんか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 事務的に説明させます。
○政府委員(尾崎護君) 賞与引当金につきましてのお尋ねでございますが、確かに退職給与引当金と同じようなことでございまして、もともと賞与のために引き当てるものでございますから、賞与の額の多少によって違ってくるということの上に、やはり協約によりまして賞与の支払い方法を事前に決めて、例えば一年分を事前に決めてしまうというような企業も大企業には多うございまして、その分が引当金となっているというようなことがあらうかと思います。 それから退職給与引当金は先ほど大臣の御答弁のとおりでございますが、中小企業の場合には、退職金積立制度というふうな形で共済制度を利用しまして外部拠出をしておりますので、それが積立金という、引当金という形じゃなくて、拠出のたんびの経費として落ちるという形式上の違いがあらわれているというように思います。
○久保亘君 圧倒的に負担能力の強い部分にこの引当金控除制度というものが大部分使われている、こういうことなんですよ。だから、こういう問題もきちっとやっていかないと、大法人と中小法人との間におけるそこの従業員の今度は不公平にもつながっていくわけでありますからね。そういう意味で、これらの問題がたくさん残っている中で、消費税をつくりました、消費税に見合って所得税を多少減税いたしましたというだけでもって国民の不公平感や重税感がなくなりましたという主張の仕方というのは少し乱暴ではないか、こう思うんです。 こういう問題については、国民が本当に税制というものを信頼して、納税の義務を果たそうという気持ちを持っていただくためには、いろいろな税の制度上にある不公平というものを徹底的に見直していくという姿勢がなければ、そのことを具体的にやらなければ私はだめだと思うんです。もともと税の不公平感の一番根底にあったのは何だと思いますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はこれについて一つのお答えの仕方としては、従来からよく言われましたものとしての捕捉率の問題があると思っております。今日の時点になりますと、それに加えて土地の価格上昇の中における資産格差の拡大という点につき資産課税への適正化を求める声がつけ加わっております。
○久保亘君 そうですよ、よくおわかりになっておるんですね。 しかし、消費税というものでもって出口で押さえるやり方でその問題が解決したんだろうか。入りの方はもう手がつかぬから出口の方で、もう玉石混交で出口の方でみんな取ってしまえと。そうすると、入り口で捕捉が困難だったものも出口で取るから、ついでに入り口でちゃんと一〇〇%捕捉されたものもまた出口の方でも払え、そういうことでそういう不公平感というものがなくなるんだろうか。私はそういうことにはならないと思うんです。やっぱり国民の間にある不公平感の基本的なものは、今橋本大蔵大臣がおっしゃったそのことだと私は思いますよ。だからそのことはそのことでやらなきゃいけないんじゃないでしょうか。 今度の、自由民主党が去年十二月一日にお出しになりました見直しの基本方針というのを読ませていただきますと、あの中に何カ所か出てくるのは、いろいろ不公平の問題なんかをやると税務署の職員を大勢ふやさにゃならぬからそれは大変難しい問題だということが書いてあるところもございます。そんなことを言ったら、私は国民の不公平感なんというものは絶対解消しないと思うんですよ。不公平が何から起きているかということがわかったら、問題そのものに正面からいかなきゃだめじゃないですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほどのお答えに税制改革の前段階、以前の状況をつけ加えさせていただくならば、その時期には捕捉率の問題と同時に、給与所得の方々の要するに所得税についての重税感というものがあったということをつけ加えなければなりません。しかし、その部分につきましては、例えば課税最低限、今三百十九万八千円まで引き上げて大きく変わったということはこれは事実であります。また、従来の税率の極めて細かい刻みというものを五段階に統一し、本当に一生涯一本ないし二本の税率で対応できるようにしたということも、これは事実として所得税の減税としての姿であります。 それと同時に、先ほど私が申し上げましたような捕捉率の問題といった問題については、私は第一線の職員は全力を尽くしてくれておると信じておりますが、なおそうした御批判が絶えないことについては私どもとして本当に残念なことでありまして、できる限り最善を尽くします、また、尽くせるように職場環境等を少しでも整えていく努力をいたしますと言う以上に今私もお答えのしようがありません。 さらに、資産課税としての土地というものにつきましては、委員がよく御承知のように、今根本的な土地に関する税制の見直しというものには税制調査会の中の小委員会が真正面から取り組んでいただいておるところでありまして、これのお答えをちょうだいし、私どもとしてはその改革に努力をしてまいりたいと考えております。
○久保亘君 やはり税制改革というのは国民の立場に立っていろいろ考えられていくとするならば、いつもその場合にはどうやって国民の所得や資産を極力平準化していくか、つまりその方向に向かってやっていくかということでなければ、消費税というのは避けがたい逆進性を持っているということをみんなが認めている。消費税に逆進性はないと言う人は、これは総理大臣を含めて一人もいないわけです。 そういう中で、その逆進性というものが作用を起こしてさらに所得や資産の格差を拡大する役割を果たすおそれが非常に強いとするならば、これらの問題について私は真剣に相互に議論をしなければいけないと思うんです。消費税というものは一遍つくったんだ、そしてもう一年半やってきたんだ、ここまできたんだからこれはもう変えられぬよ、だから消費税というものを見直すとしても部分的な手直しだ、こういうことでいろいろおやりになった。しかし、これでは本来消費税に対して国民の持っていた理解できない問題点とか消費税の持つ欠陥というものはなくなっているわけではないんじゃないでしょうか。 私は、だからそういう問題も含めて、先ほど安恒委員も言われたように、税制改革全体の中で消費税を抜き出してやるなと首相は言われたから、それは結構です、税制改革全体の中で消費税もまたこれを別に置かずに一緒に議論してもらいたい。そして全体の中でやはり消費税というのは国民の納得を全体的に得られないものだという場合には、税制改革の中で消費税をやめて税制全体の調整をどうやるか、こういう議論が今国会で大変求められている大事なことなんじゃないかと私は思うんですが、そういう立場で議論をするということは否定なさいますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) むしろ私どもはそういう御議論に対して云々をいたします前に、委員も今お述べになりましたように、我々は、ですから消費税の性格としての逆進性を否定いたしておりません。そして各制度の組み合わせ、しかも税だけではなく社会保障も組み合わせた中で、これに対する回答というものはそれぞれの制度の仕組みで対応するものだ、そう申し上げてまいっております。 同時に、私どもは政府として消費税のより一層の定着を願います。これは事実であります。そして私どもなりに見直しをし、今ここまで積み上げてきたものを最善と信ずるものとして国会に御審議を願っております。私どもの立場からすれば、これを一日も早く御審議いただき可決を願いたいということは当然のことであろうと思います。 同時に、国権の最高機関としての院における御論議の中で、消費税をも含め税制全体についての御論議が行われますこと、繰り返し申しておりますように、税制というものは不断の見直しを必要とするものであり、それは消費税だけのことでは決してありません。そうした御論議が行われることについて、少なくとも私は異論を申し述べるつもりはありません。
○久保亘君 総理大臣ももしお考えがありましたらお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど来の逆進性に関する御議論は、消費税というものだけを取り上げて議論をしてくださるなということを私が申し上げましたのは、消費税にはそういう性格が本来あるものでございます。それを否定するものではありません。ですから、減税とかその他の社会保障の制度的な問題等を通じて、真に手を差し伸べなければならぬ方に対しては思い切った配慮をあわせてしていく。例えば、細かいことのようですが大事なことですから言わせていただくと、消費税が昨年四月から始まりましたので、年金に対するいろいろな手当てについてもそれは四月までさかのぼって、消費税が行われることによって真に弱い立場の方々がお困りにならないように最大の配慮をするなどのことをあわせて政策的には行ってきたつもりでございます。 したがいまして、議論をしていただくときに消費税の面だけで、――それの逆進性のことについては私どもも否定しておるわけではございませんので、それを緩めるために減税その他のものもあわせて処置をしつつあるのだ、こういうことでございます。
○久保亘君 今社会保障政策のことを歳出の面からの不公平の是正というか、そういう立場で御説明になりました。それは私も最初に申し上げましたように、社会的再分配機能の最たるものは入り口で大きな所得のある者は大きな負担、小さな所得の者は小さな負担、そういう総合課税の上に立った累進制度というものが社会的再分配の一つだということを申し上げた。もう一つ、社会保障という立場で、今度は出の方で社会的再分配の機能を果たすのであるということ、私もその点は一つも意見を違えてはいないわけです。 それならば、今度は社会保障政策の面で一体この消費税と見合った形での今政府が御主張になっていること、あるいは見直し案の中に福祉目的税化する精神規定のようなことをお書きになっていることとあわせて、それが国民の皆さんの納得を得られるものだろうか、私は非常に不思議に思うわけです。 今平成二年度の予算の中に計上されております社会保障関係の経費というのは十一兆数千億でございますね。消費税の方は、国分だけをとりましたら正確には四兆円程度のものです。そうすると、現に国家予算の中に消費税の三倍のものが組まれている中で、じゃこの四兆円がどういう役割を果たしていくんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変お答えしづらい質問でありますけれども、先国会における消費税についての御論議の際、福祉関係者から出てきた意見として御紹介をいたしましたものをひとつ頭に思い浮かべていただきたいと思うのであります。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 その当時、福祉目的税ということがしばしば言われ、むしろ消費税をそれならば福祉目的税と名称も変えろ、場合によってはそれ自体で特別な会計をつくってはどうか、そうした御意見がございました。 しかし、むしろ各種の障害を持っておられる方方、その中から出てきた声は逆に、福祉目的税として目的財源化されることは、その財源に拘束をされて社会保障とか福祉行政というものが伸び代を失ってしまうのではないか、むしろ一般財源の中でできるだけ自分たちに対する分配を大きくしてもらいたいということであった。私御紹介をいたした記憶がございます。そして同時に、やはり福祉に使われるということがわかるようにしてほしいという声も確かにありました。そうしたことから考えてまいりますと、今回の消費税の見直しにおきまして、平成二年度以降消費税収のうちの国分について毎年度社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとするという趣旨の規定を明らかにしたことにより、私はその消費税の使途について国の姿勢というものを明らかにしたという点に意味があると思っております。 今委員がまさに御指摘になりましたように、既に高齢化社会に突入しつつある我が国の社会保障、福祉財源と申しますものに消費税のみで対応できるものでないことは明らかでありまして、本年度十一兆六千億という数字を消費税の国分の四兆とお比べいただきましたけれども、まさにこれを中心に置きながらも、さまざまな形で国民からちょうだいし国が使わせていただく一般税収の相当部分をこの中に補てんしていくことによってその水準を維持していかなければならない、そのとおりであります。
○久保亘君 社会保障に消費税の税収を優先的に使っていくというならば、これが目的税化される以上は具体的に財源というか、財政の上であらわれないと、あの中に入っているんですよということになれば、十一兆六千億の中から四兆円ほかに出ていって、そしてこっちからは四兆円入ってきたというのではこれはごまかしになりますね。総理大臣、そうでしょう。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 随分根性の悪い推察をされるのでありますけれども、私は、むしろ今そういう言い方をすればそういう言い方もできないとは言えないんです。それは、お金に印がついているわけじゃありません。ただ、福祉目的税という言葉を今委員はお使いになりましたけれども、その目的脱化というもの、そして特別会計を持つということに対して肝心の福祉の関係の方々がその枠内に抑え込まれてしまうという不安を述べられておる以上、国としてもその意思を明らかにする規定を置きつつ、私はできるだけ社会保障、福祉に手厚くしていくという方向をとることが一番望ましいことだと思っております。 そして、そういう意味で、ある一つの姿を将来にわたってお示ししておくことも必要、そう考え、厚生大臣とも御相談を申し上げ、また一番御苦労をいただきます市町村のいわば所管省として自治大臣にも加わっていただき、高齢者保健福祉推進十カ年戦略という名前のもとに今後の十年間において二十一世紀までの間に私どもが高齢化社会に対して備えておく準備というものを明らかに目標としてかざしたわけでありまして、私どもとしてはこうした対応で努力をしておるという事実でございます。
○久保亘君 大蔵大臣、大変真剣にお答えになっているんで、私は別に根性悪くやっているわけじゃないんですが。 ただ、これはやはり見直しの中でそういうことをおっしゃるならば、なるほどというものがないといけないんです。例えば、大蔵省が消費税の見直しについて、大蔵委員会でも問題になりました広報誌をお出しになった。あれをずっと読ませていただきましたら、平成二十二年には今六十万人いる寝たきり老人が百四十万人になりますと、こう書いてあるんです。だからそのために税制改革が必要なんだという説明をされているわけです。後ろの方を見ていさますと、今言われた十カ年戦略の中には寝たきり老人ゼロ作戦の展開というのが重要な項目に入っているんです。十年間でゼロ作戦を展開されたら二十年後にどうして百四十万人おられるのかなと、こういうことになってくるわけです。 だから、具体的に消費税で納めていただいた税金が社会保障にこういうふうに使われますよ、例えば毎年入ってくる消費税の二分の一はきちっと積み立てられていきますよとか、それは今の十一兆六千億とはかかわりを持たずそういうふうになっていくんですと、こういうような説明でもあればまだ福祉目的を優先してやっていくということは多少わかるんです。しかし、精神訓話みたいなことだけ言われて、ああそうですか、それじゃ福祉目的のために見直してくださるんでしたらと。もともと大体消費税をつくるときにそういう社会保障目的ということを見直しで入れにゃならぬほどそういうものについて考えが及んでいなかったということに大きな問題があるのでありまして、だから、そういうものを具体的にどういうやり方でつくるのか、そのことをお示しになりますか。 きょう私はそのことを言ってくださいとは言いませんが、これを消費税の見直しの中で福祉目的ということを言われるならば、具体的にこうなんですよということを論議の素材としてお出しになりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今税の広報の中からの問題提起をされました。これは今確認をいたしましたけれども、このまま対応策をとらない場合の将来の推計としての数字を一つかざしております。そして同時に、でありますから、例えば今例を引かれました寝たきり老人ゼロ作戦というものでまいりますと、地域における機能訓練を受けやすくするための体制の整備、機能訓練を希望すればだれでも受けられるような体制をつくること、全国民対象の脳卒中情報システムの整備、介護要員の確保、在宅介護指導員、在宅介護相談協力員、そうした一つずつの目標を示しておるわけであります。 私どもとしてはまさに今委員が御指摘になりましたような戦略目標というものを国民にこうしてお示ししているつもりでありますが、今委員が求められましたような角度でどういうことができるのか、私もとっさに今判断がつきません。殊に、きょうは厚生大臣もおられませんので、今御指摘のありましたことは厚生大臣にもお伝えし、御相談をさせていただきたいと思います、ちょっと私だけでお答えをする権利がありませんので。
○久保亘君 時間が非常に短いので、一つ主税局長に専門的な立場で聞きたいことがあるんですが、消費税という一般的な名称でくくられているこの税金というのは、消費者が負担したときに税金なのですか、納税者である事業者が税務署に納めたときに税金なのですか。それはどちらですか。
○政府委員(尾崎護君) 消費税の仕組みといたしましては、納税義務者は事業者でございます。したがいまして、税金は事業者が納めるということになります。消費者はその価格の中に税金相当分を転嫁されるという形によりまして実質的な負担者になるということでございます。
○久保亘君 そうすると、消費者は税金を払っているのではないんですか。
○政府委員(尾崎護君) 税金を含んだものが物の価格でございます。したがいまして、外税というようなことで税金を別建てに示されている例がございますが、あの場合には税金をプラスしたところが物の価格でありまして、そのうちの税金分を特に目に見えるように示している、そういう理解でございます。
○久保亘君 それでは、預かり金というのはどういう意味ですか。
○政府委員(尾崎護君) 御質問の趣旨は、事業者が経理をいたしますときに税金相当額を預かり金として処理するということであろうかと存じますけれども、それは預かり金という名前でもあるいは仮受金という名前でも結構なんでございますが、企業経理をいたしますときに、全部税金込みの価格で経理をしてもいいし、税金分だけ計算の便のために別に例えば預かり金というような、あるいは仮受金、仮払金というような形で経理処理をしてもいいという経理処理の問題でございます。 事業者にしますと、税金込みで自分の仕入れで払っているものもあるわけでございますから、そういうものについては仮払金として処理しなさい、逆に税金込みで売った場合には税金込みで受け取っているわけでございますので、その分を仮受金あるいは預かり金として処理をして、そして自分の払うべき税額の計算の便に資するような形で経理処理をしてもよろしいということになっておるわけでございます。そのどちらでもいいわけでして、いわば税込みのような形で全体を経理処理してもよろしいわけでございます。
○久保亘君 そうすると、結局、納税者が払わなくてもよい税金を価格で負担するという必要はないわけですね。
○政府委員(尾崎護君) そこは事業者の値決めの問題でございまして、税込みで値決めをする例もございますし、先ほど申しましたように、税金分を特に見えるような形で値決めをするという例もございます。 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 それは、事業者の方々のビジネスの上でどちらが便利かということでお決めいただいているわけでございます。
○久保亘君 これは、大蔵大臣、それでいいですか。消費者は税金を払っているのではない。結局、消費者は物の値段に基づいて対価を払っているのであって、税金は事業者が課せられた税金を払うのである。消費者は税金を払っているのではない。これはいいですね。そういうことですか。
○政府委員(尾崎護君) 納税義務者は事業者でございまして、消費者は対価の一部として税金分を実質上負担しているということでございます。それはいわば間接税の特色でございまして、酒税でございますとか、たばこ消費税でございますとか、そのような税も同じように価格の中に入っているわけでございます。
○久保亘君 今まで国民に消費税が説明されてきたことと国民の受けとめ方は今の説明と大分違うのではないかと思うんです。 きょうは時間がありませんから、その問題は後に残しておきましょう。 最後に、総理大臣、日本の税制をシャウプ税制以来四十年ぶりに大きな改革を行ったんだということを再三政府も説明されてまいりました。私たちも、そういう重大な税制改革というものをおやりになるんなら、やっぱりもっと国民が理解できるような、そしてできるだけ矛盾の少ないものにするということが大事なんじゃないかと思うので、国会が国民から託されていた税制改革に対する重い責任というものをお互いに責任を連帯する形で考えながら、相互にもっと土台のところから議論をするということを私はやらなければいけないと思うんですが、御同意いただけませんか。
○国務大臣(海部俊樹君) 与野党連帯の気持ちで国民のために責任を持って根本的な議論をせよとおっしゃる委員の御発言には、私は率直は敬意を表します。そして、御議論を続けていって定着できるようないい税制に前進することができるなれば、それも国民のために極めて望ましいことだと、私はそう思います。
○久保亘君 どうもありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で久保亘君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、和田教美君の質疑を行います。和田君。
○和田教美君 ワシントンの米ソ首脳会談で戦略核兵器削減の基本合意が声明されまして、さらに新たにSTARTIIを開始することも決まりました。これら一連の合意は、マルタ会談以後のポスト冷戦期における米ソ協調の最大の成果であろうと私は思います。また、九〇年代を軍縮の十年にするという米ソ両国の決意のあらわれだというふうに評価いたしております。昨夜の共同記者会見におけるゴルバチョフ大統領の発言などから見ましても、アジア・太平洋においても脱冷戦、ポスト冷戦の動きが非常に活発になってくるんではないかというふうに思うわけでございます。 こういう状況の中で、総理は、軍縮の九〇年代に、アジア・太平洋地域の平和と安定のため、日本として積極的にどのような役割を果たすことができるというふうにお考えなのか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、きのうの米ソ首脳会談が終わりましての記者会見を私もテレビを通じて見せていただきましたけれども、大いなる前進があったものと受けとめさせていただきます。 そして、アジアは今世紀中にどのようなことを考えておるかという角度の御質問だったと思いますが、過日の盧泰愚大統領との首脳会談においても、朝鮮半島も今世紀中に平和的に統合をして統一したいという強い希望を大統領は述べられたわけでありますし、また、今朝来、カンボジア和平の問題で日本も当事者に、カンボジア人同士でまず和平に入って、そして包括的和平の道に向けて事態を進めていかれるように話し合いの場を提供したり、いろいろな場面においてアジアの平和と安定のために積極的にできる限りの貢献をしていきたい、私はこう考えております。
○和田教美君 米ソ首脳会談の後でサンフランシスコでゴルバチョフ大統領と盧泰愚大統領の韓ソ首脳会談が開かれます。この会談は、緊張緩和の波がヨーロッパだけでなくてアジアにも及んできたことを端的に示すものだと私は考えます。 そこで、中山外務大臣にお伺いしたいんですけれども、中山外務大臣は先ほどアジアでも大きな動きが始まっているというふうなことをおっしゃったわけですが、全くそのとおりだと思うんです。このお考えは、今までヨーロッパとアジアとは性格的に違うんだということを強調されてきた政府の態度を変えるものなのかどうか、その点をまずお伺いしたいわけです。 それから、カンボジア和平に関する東京会議にホスト役を務める日本の努力、これを私は評価いたします。しかし、例えば北朝鮮の問題についても、これだけ情勢が動いている中で北朝鮮の孤立化というものを避けるため、追い込まないためにも、我が国はもっと北朝鮮との積極的な交流というものに努めるべきではないか。先ほどの御答弁では、向こうが言ってくれば応じるような発言でございましたけれども、それが一つ。 もう一つ、ソ連の問題についても、極東ソ連軍の脅威を言い募るだけではなくて、やはりとりあえず信頼醸成措置などについて具体的な話を始めるということから取りかかったらどうかというふうに思うんですけれども、その辺についての今後の外交のあり方ということについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 今回の盧泰愚韓国大統領とゴルバチョフ大統領の会見があす行われるということで、確かにアジアに新しい時期が到来しつつあるという認識を私は持っております。 これはモンゴルの第一副首相、この方が今晩私と会談をすることになっておりますけれども、モンゴルは、御案内のように、アジアで一番早く社会主義化した国家でございました。この国が単一政党から複数政党制に切りかわって、そして内閣がかわって、日本との協力を求めて先般議長が来られましたけれども、ただいま日本からはこの協力に関する調査団を既に出しております。きょうは第一副首相が来られて、これからのモンゴルと日本の関係、モンゴル、中国あるいはソ連、アジア全体についてどういうふうなお考えを持っておられるか、お話を承っておきたいと思っております。 そういうことから見まして、例えば昔のビルマ、ミャンマーでございますね、ミャンマーも今度は反政府の政党が圧倒的多数で議席を確保した。こういう中で、昨日私はチャワリット・タイ国副首相と懇談をいたしました際に、ミャンマーがこれからいつ現在の政権が民主的な政権に移譲していくのか、これはタイ国政府とよく相談をしながらミャンマーに対する日本の外交政策をとっていかなければならない。ちなみに、ミャンマーに対する海外援助は日本が第一位であります。 そういう中で、今度はカンボジアに対する和平会議がきょうは東京で行われている。 こういう中で、北朝鮮に対して日本は積極的になぜやらないかというお話でございますが、日本は在外公館を通じて北朝鮮の在外公館に何遍も過去接触をいたしておりますけれども、今日まで具体的に北朝鮮から反応がなかったということは事実でございます。私どもは、先ほど久保委員の御質問に対して、朝鮮の労働党の幹部が日本へ来られる場合には、私はいつでもお目にかかる用意があるという御答弁を公式に申し上げているわけでありまして、政府はいつもそのような姿勢を堅持しているということを御理解いただきたい。 ただ、ヨーロッパの軍事情勢、政治情勢とこのアジアと違うと言っていたけれどもそれは間違いではないかというお尋ねでございましたが……
○和田教美君 変えたのですか。
○国務大臣(中山太郎君) 変えたのかというお尋ねでございましたが、私は、変えておらない。つまり、ヨーロッパは、いわゆるワルシャワ条約機構とそれから北大西洋条約機構という大きな軍事的な機構の対決から、その一方のワルシャワ条約機構が実質的にその機能を崩壊し始めて、今政治機構への転換の過程にある、私はそのように思っております。 しかし、アジアにおいては、御案内のように、二つの大きな軍事条約による機構の対決という形じゃなしに、それぞれの国が二国間の軍事同盟を結んでいる。こういうところがアジアとヨーロッパの違いでございますし、地理的にも民族的にも歴史的にも宗教的にも、ヨーロッパとアジアには大きな違いがある。そういう中で、我々はアジア人の手によってアジアの平和をどうしてつくっていくかということが一番大きなこれからの課題ではないかと、私はそのように考えております。
○和田教美君 きょうは財政、経済の問題の集中審議ですから、次に経済問題に移ります。 日本の貿易収支、経常収支の黒字減らしの問題なんですが、米国はこれまで、日本の黒字悪玉論を振りかざしまして、もっと国内の投資や消費をふやして黒字を減らせと迫ってまいりました。また、我々も精いっぱい黒字減らしに協力してきたと思います。その効果が出て、日本の経常収支は過去三年間著しく減少して、最近の大蔵省の発表によりますと、一九八九年度の経常収支の黒字は前年度より三割減の五百三十億ドルになりました。ところが、ここに来て、今度は西欧諸国やIMF当局などから、余り日本の黒字が減ってもらっては困るという黒字善玉論といいますか、黒字有用論が登場してまいりました。日本と並んで黒字国の西独が、これから東独との統合あるいは東独再建というふうなことで資金手当てに追われる。そうなると、東独以外の東欧諸国だとかあるいは発展途上国などへの資金供給源としての日本の黒字は非常に貴重だというわけですね。それで、この間のOECDの閣僚理事会でも論争になっております。 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいんですけれども、日本の黒字は、今の程度の水準で維持して東欧救済など新しい世界的な資金需要に備えるべきなのか、あるいは今までの対米関係の配慮を優先してこれまでの輸入促進など黒字減らしの基本線を堅持する必要があるのか、その点をどういうふうにお考えなのかお聞きしたいわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 経常収支黒字の好ましい水準と申しましょうか、こうしたものを議論いたしますことにはさまざまな問題がありまして、なかなか一概に申し上げられることではないと思います。 ただ、問題は、ちょうど四月のG7の際に、当時の時点におきましても、IMFの専務理事からは今回のOECDにおける議論に近い、今後の欧州の状況の変化に対応して貯蓄をある程度維持する方向が必要ではないかという議論は出ましたけれども、その時点ではG7各国は非常にこの議論に対しては風当たりが強い、あるいはむしろ全然言及しないといった雰囲気で、私は大変孤立無援の会議を体験させられたわけであります。 しかし、五月六日に行われましたG7の席上あたりから確かに空気が随分変わってまいりました。そして、基本的に今後の欧州を初めとした世界の経済の動きの中において、やはり貯蓄率を高めるという努力は各国ともに必要である、そして赤字国が赤字を削減する努力は引き続き必要であるということが公然とある程度議論をされるようになりました。そしてそれはそれなりに私は傾聴すべきものだと思っております。ただ、同時に私は、日本としてはやはり内需を中心とした経済の順調な発展というものを今後ともに心がけていくべきであると考えておりますし、対米黒字を中心として我が国の経常収支黒字が高いことを考えてまいりますと、やはり輸入拡大というものを置きながら黒字を是正していく、少なくとも経常収支黒字の中身を改善していく努力というものは今後ともに必要であろうと、そのように思っております。
○和田教美君 経企庁長官、いらっしゃいますか。――OECD閣僚理事会の後、パリで長官は、日本の経常黒字はこれ以上無理に減らす必要はないというふうに述べたというふうに伝えられております。ところが、八九年度の経常黒字は既にGNP比で一・九%と二%以下になっておるわけですね。前川レポートが議論されましたころは、大体当面の目標として二%ぐらいまで減らすというふうなことがよく言われたわけですが、そうなると、長官は現在の二%程度はもう既に適当な黒字水準だというふうにお考えなのかどうか、お伺いしたい。
○国務大臣(相沢英之君) 私は、今委員がお示しの国内の新聞の記事というものをこちらへ帰ってまいりましてから拝見したのでありますけれども、そういう端的な形でこれ以上黒字減らしをする必要はないんだというような発言をしたわけではないのであります。 ただ、日米の構造改善協議等、あるいはそれ以前から日本の黒字減らしについての議論が盛んに行われました際に、その黒字の幅がGNPに対して当時四%というような数字がございました。これを内需拡大を通じて減らしていかなければならない。そのときに一応の考え方としては、その半分の二%程度というような数字が上がっておったわけであります。そこの数字に既に達しておりますし、また平成元年の黒字幅につきましても、当初見込みの六百十億ドルの黒字が、経常収支でありますけれども五百三十五億ドルというところまで下がってきた。予想よりも下回ってまいりました。さらに最近におけるところの黒字の幅も、四月は例えば二十四億ドルという非常に少ない数になってきました。 ただ、OECDの会議におきましても、OECD全体としてより高い貯蓄率になることが必要であるということが言われますし、またその原因としては、東欧その他、あるいはまた東南アジア等もございますけれども、経済援助等による資金需要というものがあるのでその財源として日本の黒字も非常に大事であるというような考え方がありますので、これ以上無理に黒字減らしというものを進めるということについては慎重に考えなければならぬのじゃないかという、そういう発言をしたのであります。
○和田教美君 今のお話を聞いていると、どうも大蔵大臣とややニュアンスが違うように思います。大蔵大臣はGNP比ということを極端にお嫌いになるわけですけれども、どうですか、大体GNP二%というのが目標で、それを達成したと今も経企庁長官は言っているんですが、二%ぐらいか一%ぐらいなのか一・五%ぐらいなのか、どの辺がいいというふうにお考えなんですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今私は必ずしもその水準がどの程度がいいか悪いかというのは非常に申し上げにくいと申し上げております。なぜなら、日本の経常収支黒字というものが非常に大きな議論の高まりの中で集中砲火を浴びましたときには、経常収支の黒字幅そのものもございましたけれども、殊にアメリカとの関係において非常に大きな黒字を有している、言いかえればアメリカの財政赤字に日本とのかかわりが非常に大きい、この視点が大変強い問題となりました。そしてそういう視点から見ますならば、依然として実は我が国の経常収支の黒字の中に占めるアメリカとの関係というものは大きいものがございます。アメリカ側の財政収支の赤字という視点からいえば、やはり日本が問題だという言い分が残る原因であります。 この辺との絡みがございますだけに、私は単純に全世界的な数字の中で経常収支の黒字幅が幾らというようなとらえ方はむしろ多少問題があるのではなかろうか。要はその中身である、そういう感じを持っておりまして、そうした点から考えてまいりますと、対GNP比の黒字幅というだけでは結論が出ないのではないでしょうか。むしろ、そういうとらえ方で水準はこの程度がいいんだということを申し上げることは、私は事態をむしろ厄介にする可能性がある、そのように感じております。
○国務大臣(相沢英之君) 私の先ほどの発言が委員に二%程度の黒字ならば大体いいんじゃないかというふうにおとりいただくといけませんので、ちょっと補足して申し上げますと、私はその記者会見のときのメモをここに持っておりますけれども、現状の二%で固定するということが妥当と考えているのかという趣旨に対しましては、そう言っているわけではない、これ以上無理に減らすことについてはいろいろと議論もあるということである。 それから同時に、米国に対することも私は付言いたしまして、全体で黒字が減ったということとそれからそれほど米国との間においての黒字が減っていないということとは別問題なので、全体の黒字が減っているからといって、それで対米的に問題が解決したわけではないということもあわせて私が発言をしているのであります。
○和田教美君 それでは、消費税の問題に移ります。 突然で恐縮ですけれども、総理初め閣僚席にいらっしゃる皆さん方、「一円玉の旅がらす」という歌があるのを御存じですか。御存じの方はちょっと手でサインしてください。――知りませんか。(資料を示す)これがそうですが、これが非常に今売れている。ことしの二月から三月にNHKの「みんなのうた」で初登場して、レコード会社から売り出されて一カ月足らずで八万枚売っちゃった。そうして今ディスコタッチの「一円玉体操」というようなものまでできているということなんですね。 ちょっと歌の歌詞を御紹介しますと、「一円玉の旅がらす ひとりぼっちで どこへゆく」、「一円だって 一円だって 恋もしたけりゃ 夢もある ああ出世街道 どこへゆく」。孤独な一円玉が夢を持って出世街道を歩いていくという設定なんだそうです。 私は、消費税の世界でのみ幅をきかし出しておるこの一円玉、それにかこつけて若いサラリーマンの出世の夢に訴えるというふうなことは、それ自体が非常に消費税に対する皮肉だというふうに思うんですけれども、まあ歌のことですから笑い話でも済むと思いますけれども、次のような話はどうもううんと考えさせられちゃうんじゃないかというふうに思うんです。 それは「あゆみの箱」の募金、これを初め全国の多くの募金が消費税導入後落ち込んでいるということなんですね。消費税がなければ募金箱に入ったであろう一円玉などの小銭が、今は募金箱に入らずに人々の財布の中にちゃっかり入っちゃう。こういうことで、例えば「あゆみの箱」の募金は、昭和六十二年度四千百万円、六十三年度四千五百万円を集めて心身障害者の福祉に役立ってきたわけですけれども、元年度は三千百万円と前年度実績を三一%も下回ってしまって、その不調の七割以上が消費税のせいであると関係者は言っている、こういうことでございます。 政府は、今回の消費税見直し案の中でも、消費税収を、今もお話があったように優先して国民福祉に充てるという規定を設けておりますけれども、福祉の向上のために導入した消費税が障害者福祉に使われる募金額を減らしてしまうという非常に皮肉な現象を起こしているわけですが、総理、この点どうお考えでございますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 確かにそのような角度から報道された新聞記事もあったと思いますし、一円玉というのが買い物のときに要るようになったので「あゆみの箱」に入れてしまうのをやめようということが発端になっておるのではないかというような角度の報道でございました。
○和田教美君 いや、感想。
○国務大臣(海部俊樹君) 私の感想を言えということですが、それは税のように「あゆみの箱」というのは強制募金じゃないものですから、人々のそのときの善意に基づいて自発的に募金をされるものでございますので、そういった結果に対してそういう分析がなされたということは、私はそのように受けとめさせていただきました。
○和田教美君 政府は、募金額が減った分は歳出面を配慮すればいいというふうにお考えかもしれません。しかし、赤い羽根共同募金を行っている中央共同募金会には、募金活動の現場サイドから、消費税は福祉目的に使われるのだから福祉のための募金はもう必要がないという人が多かったというふうな報告、そういう情報が多く寄せられているということです。つまり、消費税というものが国民の何げない善意というものを損なうおそれがあるということをこの話は示しておるのではないかというふうに思うわけですが、この点、大蔵大臣どうお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は大変これは寂しい話だと思います。むしろ「あゆみの箱」にいたしましても、あるいは赤い羽根にいたしましても、また、全く目的を異にする緑の羽根にいたしましても、これらの募金というのはむしろ金額の多寡ではなく、個々の人たち、御自分自身の心の中の問題として自分たちの善意を寄託されるべき性格のものだと思います。それが税制のあり方に絡め、すべて国にゆだねれば民間の善意は必要がないということになるとするならば、私はその心の持ち方のどこにそういう寂しい思いを出す原因があるのだろうと思わずにおれません。
○和田教美君 次に、政府が衆議院に提出をしております消費税の見直し案、これについてお聞きいたします。 先ほどから論議が出ておりますように、消費税の最大の欠陥は何といっても弱い立場の人々、低所得層の人々に相対的に大きな負担がかかるという逆進性の問題です。ところが、政府の見直し案は、逆進性の緩和策として非課税範囲の拡大、食料品の小売業者非課税及び事業者間取引特別低税率一・五%、この制度の創設を強調しております。そして、消費税見直しの効果は低所得者ほど大きくて、逆進性は大きく緩和されるとこの政府のまとめの文章なんかにも書いてございます。また、食料品非課税ないし低税率にすることによって税負担は一・五%まで確実に軽減される、その軽減効果は十分期待できるとも書いてございます。 しかし、現実の商取引を考えると、例えば消費税込みで百円で売っている物、野菜ですね、これが一・五%の軽減税率になったからといって、すぐ九十八円に値が下がるとは考えにくいと私は思います。また、輸送コストや包装資材のコストなどは従来どおり三%の税率が続くわけですから、結局のところ業者がどう値決めするかということにかかってくるわけで、確実に軽減されると先ほども大蔵大臣がおっしゃいましたけれども、そういうことにはならないのではないか、私はそう思うわけでございます。 それから、政府はこの見直しによって消費者物価の下落効果は〇・四%、標準世帯の消費税負担は年間十万七千円だから約一万四千円軽減されて九万三千円になるというふうなことも言っております。これも今の話からすれば机上の空論ではないか。仮にそういう何がしかの軽減があっても、依然として消費者にとっては、特に低所得層にとっては大きな負担であって、逆進性そのものは何ら変わらないではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今十万七千円あるいは九万三千円という数字のお話が出ましたが、これは私正確にわかりませんので事務方から補足をさせていただくことをお許しいただきたいと思います。 ただ、今食料品の非課税措置について、また特別低税率についてその効果を疑問視される御質問がございました。しかし、少なくとも一・五%という特別低税率を設定することによりまして、卸売業者が小売業者へ譲渡する段階で一・五%分軽減となります。そして小売段階の譲渡が非課税になるわけでありますから、小売業者のマージンの三%相当の納税は不要となるわけであります。 こうした点を考えます場合において、私は確実にこれだけの引き下げ幅というものは効果を奏すると考えておりますし、また、関係当局に物価面からの監視についての御協力も当然いただいて、それだけの値下げの効果が出る、そう信じております。 今お述べになりました数字につきまして主税局の方から……
○和田教美君 いや、もう結構です、時間がありませんから。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いいですか、はい。
○和田教美君 政府自身も非課税範囲の拡大あるいは食料品の非課税を行ったとしてもなお逆進性が存続するということは認めておるわけで、それゆえに社会政策的配慮でこれをカバーしようということでしょう。そこで公的年金と控除額引き上げなどの措置をとろうとしているわけですけれども、本来、税制で排除すべき逆進性を他の政策的配慮でカバーするというのは本末転倒、邪道ではないかというふうに私はかねがね見ているわけでございますけれども、その点はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、消費税の持つ固有の性格として、同じ物、同じサービスを受けた場合に同じ税を負担するという特色を持っておりますことは、裏返せば、その逆進性と委員の言われる問題点にもつながる固有の性格であると思います。でありますからこそ、それを緩和するために、例えばその非課税範囲の拡大等の対応策と同時に、ほかの税制との組み合わせ、さらに社会保障部分の支出の、例えば生活保護もそうでありますし年金もそうでありますけれども、そのほかに各種の制度の組み合わせの中で逆進性というものには答えを出していくことでありまして、私は今委員がお述べになりました見解とは考え方を異にしております。
○和田教美君 そういう逆進性という明らかに欠陥のある税制をもし採用するとすれば、税制の中でそれがもうなくなるようなことができるかどうかということを検討して、もしそれができないということになれば、その制度そのものを見直すということが必要なのではないかという意味でございますが、いかがですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) ただ、これはお言葉を返して恐縮でありますけれども、各国一々名前を挙げるまでもなく、北欧等先進諸国の中で非常に多くの国々がこの消費税と同様の税制度を採用いたしております。しかも、我が国のような三%といった低税率ではない、一〇%、一五%、もっと高い税率もあることを委員はよく御承知のとおりであります。 そして、今、先ほど来本院において御論議になっております例えば食料品のようなものにつきましても、ほとんどの国々は特別な低税率を課しているわけではありません。非常は高い税率を設定されて、そのままが消費税としてそれぞれの食品にかけられている。そういう状況を現実にごらんいただきますときに、これは税制の仕組みとしての固有の性格を欠点としてとらえる部分については、他の仕組みと組み合わせることによってその欠点を消すということでありまして、私は考え方が間違っているとは思いません。
○和田教美君 簡易課税免税業者、それから限界控除制度、これによって消費者が消費税分のつもりで払った一部、これは消費税ではないんですね、さっきの答弁では。そのつもりで払った一部が業者のもとに滞留をしてそして国庫に届かないという欠陥、いわゆる税金の猫ばば問題というのが早くから指摘されております。この消費者の負担額とそれから実際の納税額との差が大蔵省の最近の試算によると四千八百億円ぐらいに達するという話ですが、これはそのとおりですか。 それからもう一つ、この問題に対する批判が非常に強いために、政府の見直し案では簡易課税制度のみなし仕入れ率、これを政令に委任するということが書いてございます。そのほかに、これらの中小事業者に対する特例制度のあり方についてこの五月までの実態を把握して再検討すると政府が言っております。しかし、もともと中小零細事業者の事務負担への配慮という名目で与えたこの特典をやめたりあるいは縮小するということになると、これらの事業者の猛反発を食うことは明らかだと思います。そんなことが実際簡単にできるんでしょうか、一体どの程度まで政府は見直しをやる腹なのか、お聞かせを願いたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 四千八百億円といういわゆる業者の懐に入る金額があるのではないかというお尋ね、その数字の点についてお答え申し上げます。 消費税の課税対象額を推計いたしましてそこから税収を計算していきます際に基礎となりますのは事業者の国内付加価値の額でございますが、それから輸出分でございますとか投資分でございますとか、仕組みに合わせまして調整をしてまいります。その過程におきまして、中小事業者に対する特例が与える影響額を十六兆円というように計算しております。その十六兆円、つまり課税ベースで十六兆円という計算をしておりますので、その三%相当額であれば四千八百億円のはずだ、こういうお話でございます。しかしながら、それは中小事業者がすべて三%を転嫁したということが前提となっておりましてその場合の計算を行っているわけでございますが、現実には中小事業者が、免税事業者が全部転嫁をしているというようなことでもございませんので、現実にどのぐらいの額がそのような事業者の手元に滞留することになるのかというのは実情はわからないわけでございます。
○和田教美君 こんな実例が四月の新聞に載っておりました。川口市内にあるサービス会社、この会社は市から警備、清掃、調理などを請け負っておって、去年の売り上げは市からの業務委託料がすべてで、そして三%の消費税込みで委託料をもらった。ところが、この会社は売り上げが五億円ぎりぎりなので簡易課税制度をとったところ、実際に支払う消費税は市からの受け取り分より大分安くなったと。その新聞によると大体千二百万円ぐらいの差が出たということです。ところが、それを知った従業員組合が、会社に入る差額のもうけの半分を一時金として支給して残りは退職者の引当金に回すようにと要求して、一人平均三万円の一時金を獲得したという話なんですね。このもうけの幅、税金猫ばばの幅は業種によって違うだろうと思いますけれども、大なり小なりこの簡易課税制度のもとで起こる問題であります。 私は、従業員組合の戦術はなかなか頭脳プレーであって、もともと制度自体に欠陥があるんだからこれを責めるわけにはいきません。しかし、もしこのような戦術があちこちにほかにも広がるということになると、消費税分を払った消費者が今度はおさまらないということで、そこに複雑な問題が生じると思いますが、大蔵大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど数字につきまして主税局長から御答弁を申し上げましたけれども、それに対する補足と、あわせて今伺いましたお話にお答えをしたいと思います。 もともとこの消費税におきまして事業者免税点制度あるいは簡易課税制度などの中小零細事業者に対します特例措置というものは、この種の税制になじみの薄い我が国の状況を考え、本当にぎりぎりの政策判断の中で公平性と簡素性というもののはざまから私どもが判断をいたしたものであります。今委員が御指摘になりました部分につきまして、私はこれは個別の労働組合の労使間の交渉の結果についての問題でありまして、具体的に言及することは控えたいと思います。 しかし、いずれにいたしましても、消費税の中においてこうした制度につきましてはさまざまな御議論があることも私どもは承知をいたしておりますが、やはりこの見直しにつきましては、税制改革法にもありますように、納税者の事務負担とか転嫁の状況というものをきちんと把握した上で考えるべきものだと私たちは思ってまいりました。 そこで、ちょうど五月いっぱいで申告納付が一巡をいたしたわけであります。そこで各末端の税務署からの資料を取り寄せ、集計し分析をいたしまして今後の見直しの方向を定めてまいりたい、そのように考えております。そうした数字の裏打ちがありませんと、先ほど委員が御懸念になりましたように、関係事業者の間に納得がいかないといって騒ぎが起こるといったことも我々として考えなければなりません。 ただ、みなし仕入れ率につきましては、私どもとしては、やはり実態に合わせて速やかな対応ができますように、今国会に御提案を申し上げております見直し法案の中に政令事項としてこれを取り入れているわけであります。
○和田教美君 平成元年度の消費税収の進捗割合ですけれども、ことしの四月分まではわかりましたね。ところが、補正後の予算額三兆六千百八十億円に対してわずかに三四・九%なんですね。額にして一兆二千六百億円程度であります。年度所属区分が変更になっておりますので、五月分の税収までは平成元年度に取り込むわけですけれども、そこで実質的には五月にあと五〇%以上入ってくるということになるんでしょうか。私は、どうも五月だけで残りの六五%分が一気に入ってくるなんということは考えられない。いわゆる税収欠陥が相当起こるのではないかというふうに思いますけれども、この三兆六千億円という見込みは間違いございませんか。
○政府委員(尾崎護君) 御指摘のように、消費税の四月末の収入実績は予算に対しまして三四・九%でございます。消費税、実は初年度でございまして、税収がかなり後ろ倒しになっております。例えば四月決算の法人というのをお考えいただきますと、初年度でございますので四月分だけしか入ってこない。その四月分を、これ弾力的運営がございましたのでちょっと話が複雑になるわけでございますが、単純に考えますと、四月分だけを六月に納付するというのが本来の形、それから半年後にその半分を中間納付するということで、四月決算法人は一・五月分しか今年度入ってこないということになります。だんだん後ろの方になりますと満年度に近いものが入ってまいりまして、三月決算法人になりますと一年分入ってくるということになるわけでございます。理論的にこう並べて計算をしてみますと、大体六割ぐらいが三月決算、五月収納分のところに出てくるだろうと我我見ております。 したがいまして、この三四・九%が不当に低いという感じは持っていないわけでございますが、何分にも消費税は過去の課税実績がございませんので、この五月分が実際どうなるのか、私ども慎重に見守ってまいりたいと考えているところでございます。
○和田教美君 次に、土地税制の問題について幾つかお聞きしたかったわけですけれども、私に与えられた時間が余りなくなりましたので、一つだけお伺いしたいと思います。 政府税制調査会の土地税制小委員会が五月二十九日に「土地税制見直しの基本課題」という文書を発表いたしました。それによりますと、土地問題解決で優先すべき目標として、資産格差の拡大を是正する、投機的取引を抑えながら土地の有効利用を促進するということを掲げております。特に注目されますのは、「税制は土地政策の中の極めて重要な手段の一つ」であるというふうに強調していることでございます。これまで我が国の土地政策の体系の中では税制は補完的手段としての位置づけしかなされていなかったと私は理解しております。例えば四十三年の税調答申で税制は補完的、誘導的と言われておりますように、税調もそれから大蔵省も、税制を土地政策の重要な手段として用いることについては極めて否定的な見解が大勢を占めていたと思います。 その点で今回の報告は私は一歩踏み込んだものだと評価いたしておるんですけれども、大蔵省も税調と同様に、税制は土地政策の重要な手段であるという新しい視点に立って土地税制の見直しに本格的に取り組むという御決意ですか、その点を大蔵大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 確かに土地基本法の成立以前の段階におきましては、私どもは税が主役を演じることは土地政策の中で悲劇だという言い方すらいたしました。と申しますのは、基本がはっきりしないままに土地税制を動かそうといたしますと、いろんな考え方の方々がありまして、どこかでそれが混乱を生ずる、そういう事態があったわけです。例えば都心の平家をそのままそこで住めるようにする税制なのか、あるいはそこは出ていっていただいて再開発をするように誘導する税制なのか、こうした根底が定まっておりませんでした。 今回土地基本法というものが成立をし、その中において公共優先という一つの柱を立てていただいた上で今見直しをいたしております。基本の足並みがそろったところでありますから、私どもはこれからその御答申をいただき、全力を挙げて努力してまいりたい、そのように考えております。
○和田教美君 終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で和田教義君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、市川正一君の質疑を行います。市川君。
○市川正一君 外交・防衛問題をテーマにした集中審議は明日行われることになっておりますのでそれに譲ることとして、しかし、ワシントンでの米ソ首脳会談において戦略兵器削減交渉が年内調印の運びとなり、一定の核兵器の削減が予定されることは、INF全廃条約締結に続く核軍縮への一歩として日本共産党はこれを歓迎するものであります。しかし同時に、この合意が完全実施までに七年間を予定している上、全面的に実施された後にも引き続き巨大な核戦力が残され、さらに近代化の名による核戦力の質的強化は制限されていないなど重大な問題があります。 例えば、合意によりますとSLCM、海洋発射巡航ミサイルは上限八百八十基とされておりますけれども、現在アメリカの配備計画は七百五十八基です。したがって、これを上回る増強を保証するということにも相なります。総理はここに一つの問題があると認識されておられるかどうか。 したがって私は、唯一の被爆国である日本が、核戦争による人類絶滅の危険をなくすために、今こそ核兵器の即時無条件廃絶の国際的世論と運動の先頭に立つべきであると思いますが、総理の決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 米ソ首脳会談において戦略兵器削減交渉に関して基本的な合意が達成されたということは、私は大変喜ばしいことだとその結果を高く評価しておりますし、特に戦略兵器削減交渉に関して基本合意が達成されたことは、均衡のとれた戦略核大幅削減を目指すSTART条約署名への道を開くものでありまして、我が国としてもこれを歓迎するものであります。 もとより核兵器が使われるようなことがあってはならぬわけでありまして、このためにあらゆる実効的な措置が講ぜられるべきであること、同時に核の究極的な廃絶のためには国際的な安全保障の維持に留意しながら実効的かつ具体的な措置が着実にとられることが重要であると考えております。我が国としても、今後とも核兵器の究極的廃絶の実現のために、ジュネーブの軍縮会議や国連等においてかかる努力を傾注してまいりたいと考えております。
○市川正一君 私が御質問した前半の部分、これについてはお触れにならなかったんです。後でまた御答弁の機会があれば結構ですが。 確かに矛盾はあるんです。上限を決めているけれども、今はそこまで達していない。さらに、そこまで到達することを認めるというのではやっぱりこれは逆行です。総理は衆議院予算委員会のときに我が党の三浦委員の質問に答えて、太平洋戦争は日本が行った侵略戦争であるという認識をお示しになりました。私は、その反省に立つならば、核兵器の究極的廃絶ということをさっきからたびたびおっしゃったけれども、そうじゃなくして、無条件に即時廃絶していく、この立場に立って取り組むことこそ日本の崇高な責務であるということを改めて強調して、本論の質問に入っていきたいと思います。 私は、本日は国民の暮らし、営業にとって重大なかかわり合いを持っている日米構造協議をめぐってでありますけれども、構造協議の中間報告の発表に際して総理は、「今後の実施に当たっては、痛みを伴う場合も予想されます」という談話を出していらっしゃいます。じゃ、その痛みというのは一体だれにどういう痛みを与えるのかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 中間報告に述べられておりますことは非常にたくさんのことに及んでおりますので、どの一つをとらえてもこれは十分に御説明はできないと思いますが、要するに日本で今までごく普通のことだと思って、当たり前のことだと思ってやってきたようなことが、今度の日米構造協議の中においては、アメリカ側からはそれは改善してほしいというアイデアの中に含まれておったわけでございます。 そういったこと等がいろいろございますので、多くの項目について話し合いを続けてまいります。例えば、象徴的な問題になりましたのは、大店法の問題もございました。あるいはいろいろなところにおいてアメリカと日本との間の受注の関係をどうしていくかという問題等もございました。そういったいろんな場面において今日までの姿形と、変わっていくわけになる、そういった点にはお互いに痛みが出てくる。そういったときには御理解をいただかなければならぬ。それはより高い次元で日本とアメリカが世界経済の中で果たしていかなければならない責任という点から考えて、国民の皆さんに御理解をいただきたい、こう思って申し上げたわけであります。
○市川正一君 じゃ、本当に痛みになるのは一体だれなのかということを、私は限られた時間でありますが明らかにしたい。 昨日、総理は福岡へ選挙応援に行かれて、そして記者会見で土地税制の見直しについて触れられています。私も本日は土地住宅問題を中心にその痛みについてただしたいのでありますが、中間報告によりますと、固定資産税評価については、地方公共団体に対し、九一年度に行われる評価がえの際に均衡化、適正化を図るよう指導する、こう述べてあります。もともと固定資産税というのは、御承知のように、土地から収益を上げてはいない、その土地に住んでいるというだけの人にも一律にかかります。ですから、課税対象となる土地の評価額は公示価格の数分の一程度に抑えられています。御承知のとおりです。それでさえ来年、九一年度の評価がえにおいてこの三年間の地価高騰で大増税になることが予想され、深刻な不安を呼んでおります。公示地価が二三六%も急騰した東京二十三区では、前回の評価方式によれば八一・九%上昇する、これは東京都の玉井主税局長が都議会で答弁をいたしております。また二〇〇%、すなわち二倍前後上昇した大阪圏や京都府なども事情は同じであります。そこへ持ってきてこの中間報告であります。 お伺いしたいんですが、この中間報告は固定資産税の評価の水準を公示地価に近づけるということなんでしょうか。総理、いかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 総理のきのうの御発言があったようでございますけれども、明年度の見直しに当たって固定資産税の評価の適正化、均衡化というそういった大義は貫いていかなきゃならぬことは当然であります。しかし、本委員会の質疑でたびたび述べておりますように、固定資産税というのは保有を前提にした、長期にわたって資産保有しながら、そして市町村、自治体サービスに適正な対価をお支払いいただくという性格のものですから、土地政策の税制には私はなじまないということをはっきり言っておるわけであります。 したがって、来年の見直しにおいてもいわゆるバブル的と申しますか投機的思惑、東京、大阪のようにもう土地のいわゆる投機性のある期待価格を込めたような、そういった価格に追随していくような形の評価がえは行わないということであります。したがって、国土庁がやっておるような路線公示の形の価格と一元化するというような気持ちは持っておりませんし、これは固定資産税は固定資産税なりのいわゆる評価基準で、消費税ではありませんけれども薄く長くという形の中で評価がえに対応するということでございます。
○市川正一君 奥田さんはしゃべっていて聞いておられたのかどうか知りませんけれども、私が聞いているのは、この中間報告で「固定資産税評価については、地方公共団体に対し、九一年度に行われる評価替えの際に均衡化、適正化を図る」ように指導するとあるけれども、これは公示価格に近づけるということですかということをお聞きしているんで、来年のことをどうこうということじゃないんです。そこをはっきりしてください。
○国務大臣(奥田敬和君) 公示価格に近づけるということとは別に、均衡化、適正化を図るということでございます。
○市川正一君 お答えですけれども、そうじゃないんですね。この中間報告の背景にあるのは政策実行計画提案、いわゆるアメリカの二百四十項目の提案があるんですね。これは御承知のとおりです。そのアメリカの政策実行計画提案の土地税制のくだりでは、「不動産の評価価値を、市場価格を反映する、もっと現実的なものに合理化する」、あるいは「地方自治体が徴収する固定資産税を増額する」とはっきり書いているわけです。これがベースじゃないですか。どうなんですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 適正、均衡化に努めるということはあれでございますけれども、いわゆる固定資産税は土地の政策課税としてはなじまないという形で、そのほか有効な、資産のそういった不均衡に対しては、法人の所有する土地特別保有税の強化とか大都市区における宅地並み課税の強化等々の施策をあわせて行うことは必要でありますけれども、固定資産税に関してはそのような方向では進みません。
○市川正一君 事態の進行はアメリカペースでいっておるんです。いずれにしても固定資産税の評価水準の引き上げは必至であります。これはマイホームなど住宅や土地を持っている人の痛みだけではなしに、地代や家賃にはね返って国民生活全般にかかわる重大問題であります。他方、土地投機などでぼろもうけした大企業はどうですか。固定資産税が上がっても損金算入、価格転嫁できるので、これには痛みは総理、ないんです。これが総理のおっしゃる痛み論の実態です。来年予定されている固定資産税の評価がえが地価高騰を盛り込んだ大幅なものになろうとしているときに、かつて、大臣御承知のように、一九六七年は評価がえを見送った例もあります。ですから、来年の評価がえは中止すべきだと私は思いますが、いかがですか。
○国務大臣(奥田敬和君) 一部の路線価の公示も含めて均衡あるものにしたい、適正なものにしたいという方向は変わりませんけれども、今言う三年ごとに見直すことになっているんですから、見直しによって適正化、均衡化を図っていく努力は当然でございますし、今先生の御指摘されるようなあしたから追い出し税になるような、そういう生活にも直ちに困るような形の評価がえはいたしませんということでございます。
○市川正一君 それでは、さらに引き続いて伺います。 中間報告には、借地法、借家法の改正を国会に提出することをアメリカに約束しています。現行の借地法、借家法では、貸し主がみずから使用する場合などの正当な事由がなければ、賃貸契約の更新を拒否したり明け渡しを要求することはできません。ところが、昨年三月に法務省法制審議会が発表した改正要綱試案では、貸し主が明け渡しを要求できる事由、理由を大幅に緩めております。例えば現行の借家法では借家をつぶして事務所ビルやマンションをつくるということでは借家人を簡単に追い出すことはできないんですが、今度はそれができるということになるんですか。
○政府委員(清水湛君) お答え申し上げます。 借地借家法につきましては、昭和六十年から見直し作業に着手しているわけでございます。前回の改正が昭和四十一年でございまして、その後既にもう二十数年たっておるという状況でございます。その間、社会経済情勢が非常に変わってまいりまして、これはもう日米構造協議の過程でも問題になりましたけれども、日米構造協議というような問題が提起される前から、借地借家法については現在の社会経済情勢に合うような形で見直しをすべきである、こういうことで現在法制審議会で調査、審議をいただいておるところでございます。 その論点といたしまして、例えば更新のない定期借地権を創設するとか、あるいは先ほど委員御指摘の更新拒絶の正当事由等についての見直しをする等の議論がされております。そういうようなことにつきまして試案を発表しまして……
○市川正一君 私が質問したことはどうなんですか。それに答えてください。
○政府委員(清水湛君) そういうような意見を各界からいたださまして現在審議中でございます。今年度末にも結論を得まして必要な改正案を国会に提案したい、かように考えております。
○市川正一君 この問題も結局私が質問をしている核心についてはまともな答弁は出てこないんです。結局、借地借家法の改正のねらいが土地の有効利用という名目のもとにオフィスや分譲マンションなどへの転用を促進しようというものであることは明白であります。実際に地上げ屋による追い立てが各地で横行しております。大阪や和歌山では自殺者が出ております。多くの例を私持っています。これは四月二十五日付の朝日新聞でありますが、「低家賃の木造賃貸を追われ」、家なし老人、ホームレス老人がふえているということを朝日新聞も報道しております。こういう悲劇が広がっておるのであります。 私は、これによって結局のところ、中間報告の土地政策では大都市部分から零細な土地所有者や借地借家人は駆逐され、大企業が結局土地を買い集めて高層ビルを建てて稼いでいく。総括して言うならば、痛みは国民に、うまみは財界、大企業に、これが構造協議の実態である。こういう協議は中止し中間報告は撤回すべきであるということを主張し、時間がありませんので、私は最後に海部総理の政治姿勢全般にかかわる問題として伺いたいのであります。 昨日の報道によりますと、総理は八月に広島、長崎での平和式典への出席に意欲的だというふうに伝えられております。これが単なるポーズでないとするならば、再び核戦争許さじの国民的悲願にこたえて、昨年末本院で可決されまた今再度我が党を含む六会派で提出しております原爆被爆者援護法の制定に賛同されるのが当然の立場と考えます。 実際あなたは一九八六年三月に愛知県原水爆被災者の会、愛友会代表の要請に応じて、原爆被爆者援護法の即時制定要求に関する賛同署名に応じられ、それはここにあります。(資料を示す)そして捺印されています。ところが、昨年十二月の本院決算委員会での我が党諫山議員の質問に対して、署名した記憶はございませんと否定され、これは未決着のままになっておるんです。しかし、今お見せしましたように署名があるんです。私、見やすいように、決して筆跡鑑定をする意味でなしに、拡大をして持ってまいりました。私はそういう意味でこういう事実についてもう一度はっきりと確認をいたしたい。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、昨年突然御質問をいただきまして、私は署名をした覚えがありませんので、その署名した事実はないということをそのときお答えいたしました。それから後いろいろ調べてみましたけれども、昨年の九月に愛知県の原水爆被災者の会の田村さんという理事長が議員会館へおいでになって、援護法に署名をしろと言われたようであります。私の事務所では一応それをお預かりして、そして党の政調会の方に問い合わせてみたところ、政府・与党の方針に反するということで、これは署名してはいけないと判断して昨年の分はお断りを申し上げたのであります。 なお、その際、おととしも署名してもらっているではないか、こういうやりとりがございました。そこで、その今お示しになったもののコピーをうちの事務所が取り寄せていろいろ調べてみましたが、私の筆跡ではございません。そのことを確認してうちの事務所が愛知県の原水爆被災者の会に御連絡をし、遠藤さんという事務局長にお電話をして事の成り行きをお話しいたしました。そうしましたら、近く上京する予定があるから今度上京したときに直接事務所へ寄ろうと言われて、去年の十月の二日だそうですが、田村理事長と遠藤事務局長がおいでになったということであります。そこでいろいろとお話しをし、一昨年の署名についても手違いがあったことをおわびしてそれは撤回をさせていただく、こう申し入れをし、理事長初めもそのことはわかって、昨年の署名をしなかったことと一昨年の分を撤回したことについて了承してお帰りになったという経過でございました。 お騒がせしたことを申しわけなかったと思います。
○市川正一君 秘書がとか妻がとかいうのはリクルート事件以来繰り返してきたせりふであるわけですが、いずれにしろこれはれっきとした署名なんです。じゃそのときには署名をなすったのかどうか。撤回をなすったというのだったら、それはそれなりの筋です。一たんは署名をなすったのかどうか。 それでお聞きしたいのは、もう一つあります。そのときにあなたの議員会館へ行かれた愛友会副理事長の古賀武さんの求めに応じて署名をなさるとともに、これがその拡大したコピーでありますが、(資料を示す)色紙に、これは誠心と読むんでしょうね、誠の心と書いてある。そして、ここに「為古賀武氏」で、総理の名前があります。そのときにあえて援護法ができなければ戦後も終わらぬなあと言って、署名と一緒にこれを渡された。そうするとこのことも、この色紙も記憶がないんですか。これもまたお書きになった覚えがないんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) その色紙は私が書いた色紙でございます。けれども、そのときにおいでになった方は、古賀さんという方はたしかおいでになっておらないと思いますし、色紙というものは私は頼まれますとためておいてずっと書きます。書く字は大体二、三種類しかありませんから、色紙を書いたのは私でございます。けれども、それに署名をしたと言われますが、それは私の署名ではございません。筆跡鑑定でも何でもおやりいただいたらおわかりいただけると思いますけれども、私は署名しておりません。
○市川正一君 時間が参りましたのでこれで終わりますが、私はうそをつかない誠実さがこれは政治家の生命だと思います。私はそういう点で海部総理がこの字のとおり誠の心をもって政治に国民に臨んでいただくことを心から期待し、またこの問題についての決着は改めていたすことにして、本日はこれをもって終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で市川正一君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、高井和伸君の質疑を行います。高井君。
○高井和伸君 私は連合参議院の高井和伸でございますが、予算委員会での初質問でございますのでよろしくお願いいたします。そして、持ち時間は二十二分でございます。どうかよろしくその点もお願いいたします。 そこで私は、きょうお尋ねする点、土地の高騰によりまして持ち家の夢が奪われている都市サラリーマンの市民層の悲鳴を背景に質問したいと思います。 こうした現状を打開する決定打としまして、大土地保有税の創設を提言し政府のお考えをお聞きしたいと思います。この提言は、私ども連合参議院を支える日本労働組合総連合会、いわゆる連合でございますが、この連合が昨年から提言しているものでございます。簡単に申し上げますと、遊んでいる土地のうち二千平米以上の土地を、公示価格で五億円を超える場合にその超える部分に〇・七%の国税をかける、こういったことで宅地供給をふやし土地の高騰を抑え価格の値下げをねらうものであります。私ども連合参議院もこの連合の政策を支持し、その実現に一生懸命働きたい、こう考えている次第でございます。 そこで総理にお尋ねしたいのですが、きょうの朝の新聞を見ますと、「遊休地利用計画に意欲」ということで大都市圏の遊んでいる土地、遊休地、そして未利用地、使われていない、利用されていない土地についてさらに突っ込んだ政策的努力をしていきたい、こう強調されたという旨の報道がございました。この点につきまして、持ち家を夢見るサラリーマンのためにどういった施策をお考えなのか、この報道に接して御意見を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 住宅を提供するためには土地が提供されなければならぬという当然の大前提がありまして、土地基本法に基づいて土地の利用の理念ができました。それを踏まえて土地対策関係閣僚会議で昨年の十二月に今後の土地対策の重点実施方針というものを決めておりますが、大都市地域における住宅宅地供給の促進ということを柱に挙げております。低・未利用地はこれに利用計画をつくるなりあるいはそれを出していただくなりいろいろな政策努力が必要だと思いますけれども、そういったことを積み重ねていきたいと思っております。
○高井和伸君 午前中の本委員会におきます質問の中にもまた政府の答弁の中にも、この土地対策についていろいろ進められていることはわかりました。しかしながら、その対策はすべて遅い。もっと早くやっていただきたい。つい最近の新聞などを見ますと、買えるのは六十キロ圏、通勤二時間でも応募殺到、住宅が遠のく、このような報道もなされております。 そこで、今お話しのような政府の対応につきまして、この土地税制、しかも私どもが唱えたい大土地保有税に関係する報道、それから施策などを追っかけていきますと、まず昨年の暮れに土地基本法ができました。先ほどおっしゃったとおりでございまして、基本理念が四本ございます。公共の福祉優先、二つ目は適正な利用及び計画に従った利用、三つ目は投機的取引の抑制、四つ目は価値の増加に伴う利益に応じた適切な負担というような基本理念が唱えられております。非常に喜ばしい次第でございます。 さらに次に、先ほど申されたように、これと同時に政府は、土地対策関係閣僚会議を開かれまして、そこで今後の土地対策の重点実施方針というのを定めておられます。そしてまた同時並行的に日米構造協議の中間報告の中にも、土地税制について総合的な見直しをするという中に、大都市地域の市街化区域内農地に関する税制、低・未利用地に係る特別土地保有税などというようなことを行うというようなことが中間報告になっております。 さらに政府税調におきまして、この四月六日に土地税制小委員会が設置され、五月二十九日にはその小委員長の取りまとめが中間報告的に出されました。この中を拾い読みしますと、土地税制の見直しの視点として二つの視点を挙げておられます。一つは資産に対する適正な課税、二つ目は土地政策の一環としての税制というようなことが言われております。こうした土地税制についての議論、その焦点がだんだん私は定まってきている方向にあろうかというふうに考えております。 その一つにしまして、経済団体の一つであります経団連から出された文書がございます。五月十六日付でございますが、「土地税制に関する基本的な考え方」という文書が発表されておりまして、その中でこのような文章がございます。現時点では、一つ、投機の抑制、二つ、地価高騰を抑えることが税制面でのテーマであるということを前提にしまして、「個人・法人を通じて低・未利用地に対しては保有課税(固定資産税)を強化し、有効利用を促す」、このような文書が出ております。 まだほかにいろいろ書いてございますけれども、このほかに日経連会長の談話といいますか、報道による発言がございます。五月三日付の朝日新聞を見ますと、「地価を下げるには、大都市の農地を提供してもらうのが一番早い。農協の人にお願いすると、こんどは工業用地を提供させたらどうかといわれる。確かにそうなので、土地保有税をかけて出すようにすれば良いと主張している。経済同友会の石原代表幹事も賛成してくれた。しかし、中小企業の経営者を持つ日商が、商売を続けていくためにも、こうした税がかかることに反対しているというのもわかる。しかし、必ず土地は上がるという神話を崩すためにも保有税の強化は必要だ」云々というふうになっております。 さらにその横っちょに同じ記事の隣に日商会頭の談話が載っておりまして、そこでは「土地保有税のある程度の課税強化は、やむをえないと思う。大法人の遊休土地の課税は仕方かない。しかし、その場合でも住民税や法人事業税の減税をセットにし、年金生活者や低所得層については当然、配慮すべきだ」というようなふうに報道されております。 また、先ほど自由民主党の片山委員は、地方税の既にあります特別保有税の大改正を提言されておられました。そして、先ほどの奥田自治大臣のお話の中にも、固定資産税は土地政策に使ってはいけない、むしろ法人土地の特別保有を対象とすべきであるとの趣旨の答弁もございました。このように、土地保有税への大合唱が今始まっているというふうに理解しております。 この土地保有税という名前は、社会党も、せんだっての新聞の報道によりますと、土地政策緊急提言として大土地保有税というのを提言されております。大枠では考えは一致しておりますが、私が提言する大土地保有税の詳細は次のとおりでございます。 一つ、全国の土地所有者のうち、所有地の面積が二千平米以上でしかも公示価格に基づくその価格が五億円を超える大土地資産の所有者に対して、毎年税率〇・七%程度を国税として課税する。この二千平米というのはこれは二反歩、古く言えば二反歩、これは特別土地保有税の中にもやはり二千平米というのが免税の面積として出ております。そしてこの五億円の大土地という言葉に示されるように、これは都市近郊の土地の高いところを対象にしているという面でございまして、国税を課するという面では経団連がおっしゃる地方税である固定資産税とは違うと、こういう意味になります。そして所有地の面積は二千平米以上だが、価格五億円以下のものには課税をしない。安い土地には課税しない。そして五億円以上のものに対してはその所有地の価格から五億円を控除した残りの分に課税するという案でございます。 そして今度は所有地の有効利用が行われている場合、遊んでいないという場合には、例えば市街化区域内においては一団の土地にある建物の床面積がその場所の容積率の一定割合を超えているなどの場合には、この税を免税または大幅に軽減する。要するに遊んでいるところには高く、有効に使われているところには免税していこうという案でございます。そして法人の子会社、連結決算などの対象の法人の所有地はこの税の適用については親会社の所有地とみなす。そして資産の課税に応じてそれぞれに課税する。最後にもう一つございまして、特定市街化区域内地域の農地の場合、この税法施行の時点で地価を凍結して、売却を永久に公共機関に限定する場合に限ってこの税の課税を行わない。そして現行の固定資産税または特別保有税はこの税から控除するという案でございます。 こうした案は連合が昨年から唱えているものでございまして、賃金だけのベースアップの労働組合ではいけない。政策制度要求とともに、労働者そして働く者の地位を向上させようという趣旨から唱えているものでございます。 そこで国土庁にお尋ねしたいんですが、先ほど申しました土地基本法施行後の新たな施策として、新聞報道によりますと、保有税(国税)の創設を政府税制調査会に提起するなど、遊休地を吐き出させる手だてを探っているというようなことが報道されておりますが、私が提言いたしました大土地保有税と関連したところで国土庁のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤守良君) 高井先生にお答えしますが、質問がたくさんございますが、最後の御質問のみお答えしたいと思います。 税につきましては、先生御高承のとおり、いわゆる土地政策上税制が大変重要な役割を果たしておると、こう思っております。そんなことでございまして、三つの観点から土地税制をお願いしてございます。その一つは、資産の有利性を減殺する。それで、土地の投機とか仮需要を抑制する。二番目には、個人、法人を通じましてひとつ税の公平な負担をお願いする。それから三番目には、先生御指摘の高度利用化をお願いする。この三つの観点から、実は取得それから保有、譲渡の際に思い切った税の見直しをお願いする、こんな観点から実はお願いしているわけでございます。 そんなことでございまして、先ほどの先生の御提言につきましては、土地の保有に対して課税を強化することは土地の需給関係を緩和し有効利用の促進に資する等の議論があることは十分承知しておりますが、連合の提言する大土地保有税もこのような観点からの提言と考えておりますが、国土庁としては土地対策を積極的に推進していくため、土地に関する施策との整合を図りつつそれぞれ税の性格を勘案しまして、取得、保有、譲渡等の各段階を通じて適切な課税がなされるべきと考えております。
○高井和伸君 今総論はわかりましたんですが、各論的な保有税のお考えが政府税調に提起されたという報道がありますが、この事実はいかがでございますか。
○政府委員(藤原良一君) お答えいたします。 政府税調の土地税制小委員会に地価の動向あるいは土地対策の現況についてヒアリングを求められたわけでございます。その際、せっかくの機会でございますので、ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、国土庁としては土地政策上土地税制が果たすべき役割として期待している三点を申し上げたわけですが、その際加えて具体的には法人所有の土地に対する新たな国税としての保有税の可能性、さらには譲渡益課税につきましては完全分離制等の可能性についても税調で十分御審議いただければありがたいと、そういった御意見を申し上げたわけであります。
○高井和伸君 建設省にお尋ねします。 建設省の試案としまして首都圏に、東京圏にこの十年で三十万戸の住宅建設をするというような報道があります。宅地供給として四万ヘクタールがあるというような試案が出ておりますが、この具体的な内容としてこの土地供給、宅地供給をどのように予定しておられるのか、そこらの点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。 先生がお持ちでありますのは、多分去年の五月に建設省が試算をしたものでございまして、首都圏におきまして工場跡地でありますとか遊休地でありますとか市街化区域内農地とか、そういった土地の布存量から、二〇〇〇年までの十三年間に宅地四万ヘクタール、住宅が二百六十万戸ないし三百七十万戸の供給が可能であるというような試算をしたものでございます。 現在、大都市の住宅宅地供給対策として新しい法律案を今国会に提案し御審議をお願いしてございますが、そういうものができ上がり、土地税制の御審議があって、この有効利用促進のための裏打ちができた場合に、そういった政策効果を最大限に勘案した場合に東京圏で今後十年間に住宅で、建てかえを含めまして、先ほどのは建てかえは入ってございませんが、建てかえを含めて、しかも今後十年間でございますが四百三十万戸、宅地では新たに二万九千ヘクタールの供給が可能であるというふうに見込んでおるところでございます。
○高井和伸君 具体的にどういうふうな供給の方法があるのか聞きたかったんですが、時間がございませんので次に自治大臣にお尋ねします。 先ほど答弁の中で聞いておりましたら特別保有というような言葉で、固定資産税を土地対策の税制の中心にしちゃいけないというようなことをおっしゃっておられました。自治大臣がおっしゃりたかったのは固定資産税との関連での土地保有の方に焦点を向けるべきじゃないかという趣旨だったと思いますが、その点についてちょっと詳しくお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のとおり、私が言わんとしたのは、こういった法人所有、工場跡地を含む遊休地に関してやっぱりできるだけ土地の有効利用を図っていただくために、これに関しては土地政策上特別な税制として、そういった方向で検討していただいたらどうかという思いがあったことは事実でございます。 特に、今連合の試案という大土地保有税という御提案でございましたけれども、これらの面についても、私は個人としてはすばらしい案だなと思っておりますけれども、これは何分にも今政府税調の方でも土地政策にこの面の繰り入れ、こういった政策繰り入れを真剣に前向きに検討している最中でございますから、予断を言うこともおかしいわけでありますが、固定資産税は固定資産税、もうそういった形の有効利用を図る大土地保有に関しては今言ったような御提言の趣旨が生かされればいいなという期待を込めて見ております。
○高井和伸君 ただいまの自治大臣の御披瀝、大変力強く思っております。 次に大蔵大臣にお尋ねいたしますが、先ほどからの答弁をお聞きしていますと、土地対策なかんずく土地税制については政府税調の意見を聞いてそれで対処したい、このようにおっしゃっておられます。それはそれとしまして、先ほど私が申し上げました連合が提唱します大土地保有税、これを政府で御採用願えませんでしょうか、お尋ねをします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 実は先日、連合と大蔵省とで会合を持ちまして、その席上で連合から提唱されております大土地保有税の内容についても詳しくお話を承りました。 これは土地保有課税について今いろいろな御議論が出ております。その一つとして、当然その税制調査会の審議の視野の中に入るものと、そう私は考えております。
○高井和伸君 いずれこの土地保有税で問題になる点は評価の基準が公示価格によるというようなことで、私ども提言している内容になっております。しかし、公示価格は固定資産税の評価地点と違って数が少ない、いろいろ問題点があるということになっております。 しかしながら、いずれにしろ課税をしなきゃいけないとき、今公的な土地の評価といたしましては固定資産税の評価額がございますし、そして国土庁の公示価格がございます。さらに大蔵大臣所管の相続税の路線価格、三つございます。こういったものはそれぞれの役所のそれぞれの制度目的によってできておることはよくわかるのでございますけれども、こういった土地対策を積極的に進めようというときに、やはりいろいろな面でネックになって使いものにならない面が、ならないと言うと語弊がありますが、なりにくい面が非常に多い。これは各省庁のそれぞれの縄張り争いも幾らか絡んでいるんじゃないかと思われますけれども、やはり日本国を強くするために、いろいろ機動的な政策を導入するためにこういった土地の公的価格は統一されて、むしろ先ほどの市川委員がおっしゃっておられたように固定資産税を見直すと大変な税率になってしまうというようなお話がございましたけれども、逆に評価額によって税率を変えていくような弾力的な税制が必要じゃなかろうか。 そうしないと、いつまでも時の政府の新しい事態に対する対応ができないんじゃないか、こういうふうに考えておりまして、この土地評価の一本化についてぜひとも積極的に進めていただきたい、こう考えておるわけでございますけれども、この点を含めまして総理大臣にただいままでの連合提唱の大土地保有税、これの採用を政府に願えないかという私の立場、大蔵大臣の御答弁も検討に値するというような御返事もいただきましたけれども、今後を見通して、日本の政治がサラリーマンの立場から言うともう遅過ぎると言うんですね。 それは政府税調ができて土地小委員会ができて、それでもいいんだけれども、どうしてくれるのかと毎日毎日もう絶望的な気分に浸っていなきゃならない、勤労意欲を失うようなことになりかねない、東京がもう機能しなくなる可能性がある、そういった面で時間との追っかけっこじゃないかと思うんです。ひとつ総理大臣の大英断を望んで、私の最後の質問とします。どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問を聞きながら、連合の政策資料の土地に関するものを私もここで今読ませていただいておったところであります。大蔵大臣が申しましたように、税の仕組みについて今税調で検討を願っておりますが、これから税の仕組みについての本格的な審議が始まるところですが、連合が提唱されている大土地保有税についても大蔵省も連合から御説明を受けているように聞いておりますので、いろいろある土地保有課税の案の一つとして審議の視野の中に入っているものと考えます。私も一層またよく研究させていただきます。
○高井和伸君 ありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で高井和伸君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
○山田勇君 総理、大阪ではあいさつがわりに「もうかりまっか」という言葉があります。そうしますと大概返事は「まあぼちぼちでんな」という言葉をよく使われますが、現在の国民生活もまあぼちぼちというところなのかどうか、この点から総理にお伺いをしてまいりたいと思います。 総理府が五月の二十七日に発表した物価問題に関する世論調査によりますと、消費税が導入された昨年、物価の上昇により生活費がふえたと感じた人は六三・七%と、昭和六十三年の五二・八%を大きく上回っております。消費税導入を柱とする政府のいわゆる抜本税制改革は全体としては減税の方が増税より多くて、トータルでは二兆六千億の減税となっているはずであります。それにもかかわりませず、税制改革で国民の懐が暖かくなったという言葉は聞かれないのであります。大阪流でいきますと「皆目あきまへん」ということになろうかと思います。総理の御認識をお伺いいたします。
○国務大臣(海部俊樹君) 今度の税制改革に当たって、個人の所得税も減税になっておりますし、私はぼちぼち効果があらわれていただけないかなと、こういう感じを持っております。
○山田勇君 時間がないのでその論議はできませんのですが、新聞の報道によりますと、平成元年度の一般会計税収入が補正予算額を一兆五千億程度上回る見通しが確実になったとしていますが、これでは当初予算に比べて五兆円ほどの自然増収があったことになります。当初予算に比較した決算時における税収増は、昭和六十二年度五兆六千三十九億円、六十三年度五兆七千三百六十五億円となっており、これに匹敵する税収見積もりの誤算が平成元年度にも生じることになるわけでございます。これは、三年連続して政府の見積もりより国民一人当たり五万円、もし四人家族であれば二十万円も税金を余分に取られている計算になります。 政府としては、まず当初の減税超過という枠組みは完全に破綻したことになります。はっきりとこれを認めること。二番目には、取り過ぎた税金を何らかの形で国民に返すこと。三つ目には、ずさんな見積もりが続いていることを反省し、国民の前に明らかにすること。この三点を約束していただきたいんですが、大蔵大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 毎年度の税収見積もりにつき、見積もり時点における政府経済見通しなどを使いまして利用可能な資料の限界の中で最大限の努力をしてきながら、ここ数年の間大幅な税収の見積もりの誤りが生じておることにつきましては、何回か本院でも私はおわびを申し上げました。今もこの点について私はおわびを申し上げます。 しかし、率直に申しまして、やはり見積もり後の経済状況の変化など予測しがたい情勢というものが税収に反映をし、結果的にこういう狂いを生じたということについては、多少やむを得ない面はあろうかと思うのであります。殊にこういう大大な税収増が生じました中には、例えば元年度におきましては個人消費が非常に堅調に推移をし、また設備投資が増勢を続け雇用者所得も高い伸びとなる、実質的な生産活動は予想を上回る好調を示したことなどによるものと考えられております。また、特に昭和六十一年度以降、株・土地・円高、さらに原油・金利安と言われる一時的な性格を有する要因というものが寄与していた面も非常に大きいということが考えられることでありまして、これが事前に見通しがなかなか困難であったと申し上げましても、これはやはり我々としての責任であろうと思います。今後におきまして、資料の収集等これはきちんと私ども全力を尽くして努力をしていかなければならないと考えております。 ただ、今先ほど元年度の五兆円の自然増が確実という御指摘をいただいたわけでありますけれども、確かに元年には地方を中心に土地の譲渡所得が非常に高い伸びを示したといったことから、所得税につきましては補正後予算を一兆円程度上回る増収が見込まれるものの、その非常に大きなウエートを占めております三月期決算法人の法人税、さらには先ほど御論議のありました消費税の申告状況がまだ明らかになっていない。また、殊に消費税につきましては初めての経験でありますだけに、確実な見通しをなかなか立てられない状況であるということにつきましては御理解をいただきたいと思います。
○山田勇君 最近は、ゆとりとか潤い、また真に豊かな生活などの言葉がよく使われております。一九八八年のOECD加盟国の一人当たり国内総生産は、スイス、アイスランドに続いて日本は第三位となっております。西ドイツが八位、アメリカが十位となっております。また、日本が海外に持っている資産、いわゆる対外資産から対外負債を差し引きますと純資産、この純資産は一九八九年末で二千九百三十二億ドルという過去最高の水準を示し、五年連続の世界第一位となっています。このように、マクロの経済統計で見ますと日本はまさに世界に冠たる経済大国であることは間違いありません。 しかしながら、この豊かさは国民一人一人の生活の中に実感としては入っていないんです。衣食の面では何とか満足もできるんですが、最も暮らしに必要な住宅を取得するのに、欧米では年収の三倍から五倍程度でと言われておりますが、東京圏などでは年収の八倍から九倍もかかり、これでは勤労者が幾らまじめに働いても一生家は持てません。地価の高騰は一向におさまりません。 土地を持つ者と持たない者との資産の格差は大きくなるばかりで、高齢化社会における老後生活の不安、最近自殺者の総数が減る傾向の中にあって老人の自殺者がふえているという現実。一般国民にとって本当に日本は経済大国なのか、金余り日本などと言われるならなぜもっと所得がふえないのか、年金も上がらないのか、素朴な疑問を持たざるを得ません。国民生活を実質的に向上させるため、経済の構造改革に真剣に取り組むべきであります。その大きなポイントは生産者重視より消費者の利益優先にあると言われておりますが、総理の率直なお考えをお聞かせください。
○国務大臣(海部俊樹君) 御質問の御趣旨に私は反論する気はございません。おっしゃるように、日本の所得が上がってきた、そして非常にいろいろな面で物は豊かになってきても、やっぱり実感がない。それは、土地とか家とかについての今御指摘になった問題、あるいはお触れになりませんでしたが私は労働時間の問題とかあるいは内外価格差の問題とか、豊かさが実感されにくい現状というものがいろいろ問題としてあると思っております。
○山田勇君 今総理は内外価格差にお触れになったので、この問題をちょっとお聞きいたします。 これは同じ国民生活に関連する問題なんですが、我が国の物価が諸外国に比べて大変高いと言われておりますが、いわゆる内外価格差の問題は各省庁にまたがるものであり、その責任の所在がはっきりしません。しかしながら、消費者がいつまでも高い物を買わされているという不満を見過ごすわけにはまいりません。 政府・自民党は昨年十二月に、内閣総理大臣を本部長とする政府・自民党内外価格差対策推進本部を設置し、今後はこの本部で決定された対策を推進することになっているようですが、具体的にどの省庁が責任を持って取り組むのか、その成果を国民にどう示すのか、これは経済企画庁、通産省、どちらかまとめて御答弁いただければ幸いでございます。
○国務大臣(相沢英之君) いわゆる内外価格差というものが大変に大きな問題になっていることはもう委員御指摘のとおりでございまして、政府・自民党内外価格差対策推進本部を設けられましてから、ことしの一月には五十二項目にわたる内外価格差対策についてという要綱を決定したわけであります。 むろんこれはそれぞれの省が所管するところの物資に関連をしておりますし、また諸施策もそれぞれ各省庁に分かれているのでありますが、大きな筋としては、まず内外価格差というものがどの程度にあるのか、その実態を明らかにする。それからそのことの原因がどこにあるか。考えられるものといたしましては、各種の公的な規制のある物資がない物に比べて高いという実態がございます。その各種の規制のあり方、その緩和の方法。独占禁止法の厳正な運用その他の対策。また予算あるいは税制。税制でも輸入促進税制というようなものを実施されておりますが、関税その他の輸入促進策。それから電話料金あるいは国際電話等も含めまして公共料金の引き下げ。そういうような各般の対策を推進することになっておりますが、これは各省庁がそれぞれその責任において分担をいたしまして、また企画庁は物価担当ということでそれらの施策を総合的に調整をし、またその報告を受けました結果に基づいてさらにその先の施策について各省庁と協議をしつつ進めていく、こういう形になっているわけでございます。
○山田勇君 各省にまたがることですからどうしてもいろんな問題があろうと思いますが、ひとつ責任ある形でいい政策を出していただきたいと思います。 先日の参議院予算委員会で、我が会派の議員が公共事業の固定的配分に関して質問をいたしましたが、海部総理は日米構造協議に盛り込む公共事業の配分について頑迷固陋に守られるべきでないと答弁されておりますが、これは従来の予算の配分にとらわれることなく、仮にどこかの省庁が権益にこだわり強い主張をしても、総理大臣として大所高所に立って国民の利益を最優先するために公共事業の配分についても裁定を下すという意味なのか、明快な総理の御答弁をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 公共事業の事業別配分に当たりましては、これまでも経済社会の動向、おのおのの社会資本の整備状況等を踏まえつつ適切に対処してきたところでありますが、御指摘の日米構造協議の中間報告においても公共投資の配分に当たっては国民生活の質の向上に重点を置いた分野にできる限り配意していくとされており、今後とも引き続き国民生活に重点を置いた社会資本の整備に努めてまいりたいと考えております。そのような気持ちで取り組みます。
○山田勇君 人類最大の愚行とも言える地球破滅の核軍拡競争が米ソ両国の間で核軍縮に向かっていることは喜ばしいことでありますが、激動する国際情勢は日米貿易摩擦などに見られるように経済戦争というような表現も使われておりますが、経済大国と言われる日本の立場は今後一層重要なものになると思います。 ところが、出るくいはたたかれるの例えで、我が国に対する風当たりは次第に強くなります。日本人そのものに対する批判も高まっております。確かに思い当たる節もあるわけですが、誤解によるものも少なくないと考えます。島国であり国境もなく国民の大半が一つの民族で占められている状況は閉鎖的になりがちでございますが、これからの国際社会の中で生きていくためには、世界からもっと理解されるための自己宣伝が必要であります。よく日本人は何を考えているのかわからないと不気味がられもしますが、経済面だけではなく、文化、歴史、学術の面でも大いにPRをし、誤解を招くことのないよう努力しなければなりません。理解と協調、そしてオープンな国際社会が核の抑止力などによらない真の世界平和を構築することになると考えます。 総理として、今後の国際社会の中で日本を最もよく知ってもらうためのリーダーシップを発揮していただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国際社会の中において、ややもすると日本は経済的な黒字の問題を中心にしていろいろな批判を受けます。けれども、また日本が今日まで経験してきた問題を謙虚な気持ちでその国の国づくり、人づくりに汗を流して協力をしていくということは歓迎されております。そのいい例が日本青年海外協力隊であろうと私は考えております。また、それのみならず東南アジアの国々と行っております拠点大学構想を通じての学術の交流やあるいは留学生の招致の問題でも、いろいろ問題を克服しながらお互いに数をふやしていこうというところに到達してきております。また、今御指摘の文化の交流にいたしましても、文化の交流をすることによって思わない一面を見たということで、両国の間の心の通い路が開かれることも随分あろうと思います。 そういった面について、日本が今後とも世界の中で相互依存関係を深めていくためには、ただ単に今言われておる技術協力や経済協力のみならず、人間の協力や人間の交流や学問の交流、文化の交流等を通じて本当の意味の理解を相互に深めるような努力をしていかなきゃならないと考えております。
○山田勇君 行政改革についてお尋ねをいたします。 行政改革を進める上で公務員制度の抜本改革は重要なポイントであります。省あって国なしとも言われる縦割り行政の弊害を正すため、キャリア、ノンキャリアの別、また各省別の採用を改めてはどうでしょう。また特に民間からの中途採用もやるべきだと思います。各省庁の局長、課長クラスの一部に民間人を抜てき採用するなど一般人の感覚を流入することによって新風を吹き込み、行政改革にも大いにプラスになると思うんですが、この面で総理の大胆な決断を求めるものでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の問題はいろいろあろうと思いますが、しかし現実に各省庁においても民間の方に途中から入ってもらったり、キャリアとかノンキャリアとかいう言葉を抜きにしてそれぞれの仕事についていただいたり、いろいろしておる実例を私も複数承知いたしておりますけれども、行政の総合性を確保する観点から、人事面、行政面でいろいろ各省に一律の基準があることもまた御指摘のとおりでございます。 ぎりぎりの接点を求めてできるだけそういう活力をつけるために今行われておりますいろいろな問題をできるならばふやしていったらどうだろうかと、先生の御指摘を私も十分今承らせていただいて、今後とも検討を続けさせていただきます。
○山田勇君 きょうは財政経済集中審議でございます。その中にありまして、久保亘委員そして橋本大蔵大臣の論議を先ほど来聞いておりました。僕はある意味では感動的な論議をなさったと思います。消費税に対する橋本大蔵大臣の哲学、そして国民のための国民の税制改革をさらに推し進めようとする久保委員の論議、これを聞いているうちに、これは対立ではないんだと。大蔵大臣としては国益を考える。国益を考えるということは国民を考えている。久保委員の論議は国民を重視する。その論議がかみ合っている。これは対立ではないんだと。これだけのすばらしい論議ができて一致点も見られるところがあるのに、なぜこの消費税がこのようにして論議を続けなければいけないか。 重要な税制というものの大きな抜本的な改革ですから論議に論議を重ね、一年かかろうが二年かかろうが論議をしなければなりませんが、しかし国際化の波、変革の波が日本に脈々と押し寄せてくる中にあって、国内政策論的な税改正ばかりでこの論議を推し進めていくというのはいかがなものであろうか。お互いの論点を聞いておりますと、国民、国益を考えての論争、論点であったと思います。 総理、最後でございますが、国民の立場に立ってもう一度この消費税も抜本的に、我々テーブルに着くのはいっこも拒否しておりません。もう一遍まじめにこの消費税を論議し、そして国民のためになる消費税改革をやっていただきたいと思います。御答弁がありましたらいただいて、私の質問を終わります。
○国務大臣(海部俊樹君) 政府といたしましても国民のためを考えて税制改革に取り組んでおるという基本的な姿勢でございますし、また各党の皆様方も御議論を闘わせていただいて、御議論がかみ合うならば、そして定着させていただけるなれば非常に願わしいと思っておるわけでありますから、今後の御議論を心から御期待申し上げております。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で山田勇君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、西川潔君の質疑を行います。西川君。
○西川潔君 早朝より大変御苦労さまでございます。あとは私と野末先生二人になりました。最後までよろしくお願いいたします。 私も国会へ参りまして四年になります。まだまだ一年生でございますが、四年間無遅刻無欠勤で一生懸命頑張らせていただいております。本当に、そうですね、こちらの方へ出席するだけが能ではないというような部分もよく自覚をいたしております。我々四年目ぐらいになりますと、ひとつこの中でもいろんな議員さんを見せていただきまして、いわゆるなれてはいけない、初心を忘れてはいけない、僕はこれだと思います。国会の仕組み、そしてまたお金の流れ、国対政治と言われるようなものもよくわかりました。私は老人ホームを今も回らせていただいておりますが、実はきょうは虫歯予防デーで、富田林というところにあります悲田院という老人ホームへ本当は毎年行くのでありますが、国会があるということでお休みさせていただいたわけですけれども、そういう現場を回りまして、やはり忘れてはならないのは初心でございます。そして、選挙で公約したことをこの国会でいかに実行に移すかということだと思います。 そこで予算編成についてお伺いいたしますが、予算案が決定されるまでのプロセス、スケジュールをぜひもう一度、一から教えていただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 予算ができ上がりますまでの通常の場合、その例を申し上げてみたいと思います。 まず、それぞれの省庁は大体五月から六月ぐらいになりますと、次の年の概算要求についてどんな考え方をどういう政策に基づいてつくるか、内内の検討準備に入ります。大体七月の末ごろまでに、今度は財政当局としていわゆる概算要求基準、前の年に比べてどの程度の範囲でとめてくれという目安ですね、こういうものを考えまして、これを閣議で了解を求めます。そうして今度はその範囲内に各省庁が自分のところの守備範囲の政策をおさめる努力をされまして、八月の末ぐらいまでにその概算要求基準で自分の役所に割り当てられました範囲内に来年度の要求を盛り込んだものをおつくりになります。そして、それが大蔵省に概算要求書として提出をされます。 九月から十二月までの間、今度は財政当局としての立場の大蔵省が各省庁からその要求の中身、どういう理由でこういう政策が要るのか、新しくこういう施策が必要になる理由はなぜなのか、そしてそれを来年度からスタートさせなきゃいけない理由はどういうところなんだといったようなことの説明を受け、大蔵省としてそれを頭にたたき込みながら編成作業に入ります。そして、十二月の下旬になりますと、予算編成方針あるいは政府の経済見通しを閣議で決定いたしまして、今度はそれに基づいて大蔵原案というものをつくりまして閣議に提出いたします。これがいわゆる内示原案です。 そして、それに対して今度は復活折衝、大蔵省の立場としてある程度それを削り込んでいかなければおさまりませんから、枠におさめるための努力をします。各省としてはこんな大事なものを削られては困る、国民のためにということで復活折衝をされまして、それが大臣折衝、場合によっては党にお入りをいただいて調整を願う場面もありますが、閣僚折衝で決着を見て、そして年末には政府案を閣議で決定いたす。大体そういう手順になります。
○西川潔君 ありがとうございます。 ちょっと私、十一分しかないものですから……
○国務大臣(橋本龍太郎君) 済みません。
○西川潔君 いえ、とんでもございません。随分わかっている部分も質問したわけですからこちらが悪いんですが、短い時間なものですから。 実は、お伺いしたいのは、その過程で国民が、我々が現場を歩いておりますと本当にこういう部分はもう少しこうならないのかということをお伺いするわけですが、大臣、どこへ行けば国民がそして我々がお金を出してもらえるような陳情というんですか、予算に効果的な部分というのを、これはもう全国の人が見ているわけですから、ぜひ教えていただきたいんですが。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これは議員はいつでもどんどん遠慮なくお越しになりますから、一般の国民という立場に置きかえさせていただきたいと思います。 私は、大体今までの感覚からいさますと、一つは各省庁が概算要求を決めるまでの間、その間にその要求する立場の役所ですね、例えば社会福祉関係とかそういうことでありますと厚生省とか、障害を持った方々の働くための施策であれば労働省とか、そういうところと御相談をいただいて、通常の場合でありますとそういう関係の方々の御意見を伺いながら各省は概算要求をつくっておりますから、そうした中に声を反映していただくというのが普通のパターンだと思います。
○西川潔君 わかりました。 今大臣がおっしゃった一般の方は参加できないということはよく理解できます。しかし、今もおっしゃいましたが、数の力ということでございまして、議員の方々が来られたらこちらの方もお話にはという今御答弁がございましたが、私も……
○国務大臣(橋本龍太郎君) そうじゃないんですよ。
○西川潔君 いや、いろいろほかの省庁の陳情にも参ります。それが予算に絡んだ場合は、何とかよろしくお願いいたしたいんですがとこう申し上げますと、いや西川さんのおっしゃることはよくわかると。よくわかる、社会福祉のことを頑張っていただいておりますのでよくわかりますが、西川さん、大蔵省がねとこう言うわけですね。僕がお願いするような金額はわずかなことです。政治の仕組みも国会の流れというものもよくわかりますので、それは自分もよく理解をしておるんですが、しかしこれ、何とか選挙の得票数か何かの割にしていただけないかなと思うぐらい本当に苦しんでおります。 百二万もの票をとってこちらへ応援していただいたわけですから何とか頑張ってお願いしたいわけですけれども、西川さん、大蔵省が大蔵省がと、こういうふうに御答弁をいただくんです。こういうときは大蔵省じゃなしに、総理、どこへ行けばいいんでしょう。いやこれは総理と大蔵大臣に、お二人にお答えいただきたいと思います。総理、あと四分しかないんです。
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的なことは私もよくわかりませんけれども、どうぞこれからは大蔵大臣のところへ行って、直接そのお話をしてみてください。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 例えば昨年でありますと、私、大蔵大臣就任後に、自分で出向けませんでしたので、社会福祉関係の団体の方々に大蔵省の大臣室にお越しをいただき、いろいろなお話を聞かせていただきました。ただし、そのときはほとんどが予算ではなくて消費税の方の話ばかりだったことは申し添えます。ただ、そういうふうな耳を傾ける機会はお互いが努力をすればできるはずでありまして、私はむしろそれぞれの省庁が一番よく政策の優先度合いは知っておられるわけでありますから、各省がそういう御努力を払っていただければと、率直にそう思います。
○西川潔君 そうですね、各省庁へ僕は、小数派ですから自分の方から厚生省へ行き、法務省へ参ります。外務省へも行きますし、郵政省にも参りまして、シルバー一一〇番も厚生省も郵政省もお願いしたらやっていただきました。これはありがたいことですが、大きなお金に絡みますと、西川さん、大蔵省がというお返事ばかりいただくわけなんですけれども、そもそもこの予算を決める際の明確な基準というものは、大蔵大臣ございますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) その基準と申されますのは何についてでしょうか。
○西川潔君 だから、わからないから僕は聞いているわけです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) といいますのは、要するに概算要求基準を決める段階で一つのフレームができます。そしてそれから先ほど申し上げた作業の中で、次年度の税収の見積もりとか、それからやりたい政策として各省が持ってこられましたものを片方では集めながら、お金のことでありますから税として皆さんからちょうだいできるお金でそれが足りるか足りないか、そして足りないとすれば例えば建設公債でどのくらいの発行を予定すればそれだけの施策が入るかとか、そういう作業をし、同時に今度は次年度の経済成長はこの程度という見積もりを経済企画庁の方でおつくりいただくわけでありますから、そういう中で次年度の予算のフレームを決めていくという作業でありまして、委員の言われる基準というのは何を意味するのかもう一つよくわからないんです。
○西川潔君 それでは僕が大蔵大臣に説明をいたします。 それは、我々がいわゆる陳情に参りましたときに、本当に福祉の部分にちゃんと――今計算方式などもおっしゃいましたが、そういう部分は勉強させていただいて自分もよく理解をしておりますが、いわゆる国が行う行政といたしまして本当に必要の高いもの、ニードの高いものを必ずしもやっているという感じは受けないんです。そこに僕らは一つ疑問を抱きます。ですから野党議員の声を聞いていただくとか、先ほど申しましたように広く国民の各階層の意見などを公の場で聞いていただけるような仕組みを予算編成の中にひとつ枠組みとして入れてもらえないかな、こういうふうに思うんですが。
○国務大臣(橋本龍太郎君) それをもし大蔵省がやれと言われるのでありましたら、これは私は不可能に近いと思います。政府の全省庁がそれぞれに所管をしておりますそれぞれの分野を一体どういうふうにして時間配分をするでしょう。やはりそれは各省が概算要求をおまとめになります段階で責任を持って御判断をいただくことではないでしょうか。例えば伊江先生がこちらにおられますけれども、総合交通政策の中で一体鉄道はどれぐらいのウエートを占めるのか、飛行機がどのぐらいのウエートを占めるのか、物流において船の役割はとそうした判断は、それぞれの関係者から御意見を聞けば御自分たちの部分が一番大事だというお話になるに決まっているんです。そうすると、やはりそういうものを総合交通体系の中でどう位置づけるか、これはやはり運輸省としてお示しになる政策でありまして、そういう意味で団体、関係者の意見を聞くということでありますならば、やはりそれは第一義的にそれぞれの省庁が責任を持っておやりになるべきじゃないでしょうか。
○西川潔君 ありがとうございました。 とにかくもう総理にいたしましても大蔵大臣にいたしましても本当に雄弁なお二人ですから、私も大概おしゃべりでは負けないつもりなんですけれども、これからなお一層勉強いたしまして、大蔵省予算のことも勉強します。きょうはこれぐらいにします。 ありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で西川潔君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。
○野末陳平君 消費税についてまず総理にお伺いします。 このままでいくと、廃止案も見直し案もどちらも成立しそうもなくていわば相打ちの可能性が高いということになりますが、そうなるとこの七月に実施予定でありましたところの見直し内容のうち、出産費用の非課税とかあるいは身障者用品の非課税とかそれから老人在宅サービスの提供に関する非課税とか、こういうようなものが流れてしまいますからね。そうすると、こういう見直しを期待していた人々にとってはこれは大きな失望となるであろう、こういうふうに思われますから、そういう事態が起こることに対して、あえて責任とは言いませんけれども、総理はどういうふうに受けとめておられるか、それをまずお答えください。
○国務大臣(海部俊樹君) 今御指摘のあったように、人間の生命に対する国民感情に配慮する見地からの非課税措置など、あるいは身体障害者用物品の非課税措置などが見直し案の中には盛り込まれておるわけでございますけれども、これは何とか実現させていただきたいというので、見直し案について国会での十分な御審議をいただきますように、おくれてできないからといっていろいろおしかりを受ける前に、まずそれらのことについては早く成立するように御理解をいただきたいと思っております。
○野末陳平君 それから、政府の見直し案が参議院においてはもう成立することはあり得ないですから、そうなりますと、先ほど久保亘委員もおっしゃっておりましたけれども、消費税が今のままで続くと十月以後もこのままの形で消費税は続きますよね。そういう可能性は高いですね。そうなると、今度は十月以後に実施する予定だった教科書とか入学金とかそういうものに対する非課税、これも流れるし、それから家賃に対する非課税も、これも流れていく。これじゃ国民も迷惑するわけです。現行のまま続くということも大きな迷惑だが、しかし見直されるであろうと期待した部分がまたこれが期待外れになるという、こういう二重の迷惑で政府・自民党は公約を破るということにもなってしまいますからね。これでいいと思うかと。 だから総理にお聞きしますが、こういう非課税範囲の見直しの決着をどうするつもりですか。もうなくなってしまうんですからね、これで全部。ここで成立しませんで否決になりますと。だから、成立をお願いするといっても法案そのものがなくなってしまうんですよ。どうしますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 何度も同じことを申し上げるようで恐縮ですが、政府としては既に国会に提出しておる見直し法案について十分な御審議をいただいて、それが一日も早く成立するように引き続き最大の努力を続けていく考えでございます。ただ、今御指摘のように、与野党の皆さんがそういった角度からいろいろ御心配をいただき、そのお立場から各党合意のもとに消費税問題について忌憚のないお話し合いを行っていただけるということについては、政府として異論を差し挟むものではございません。
○野末陳平君 今の見直しのかなりの部分は私も積極的に考えておりましたので、流れて残念だということもつけ加えておきます。 そこで、私たちの提案をしたいと思うんです。政府の見直し案というのはもうこれは参議院で否決された段階で白紙となります。そうなるとその後が問題ですから、その後についてまず提案の一は、来年の一月または四月をめどに早急に新たなる見直し案をつくらなけりゃならないから、その検討を開始しなきゃいけないというのが提案の一です。 二番目は、その場合には、自民党以外の案とか意見とかいうものを十分に取り入れてよりよいものにしていくという、そういうまとめの作業が大切で、少なくも今の政府が提出している見直し案というものにこだわってはいけないというふうに考えているんです。 以上二点は、少なくも消費税をこれから見直していく場合の基本姿勢であると思ってあえて提案するんで、大蔵大臣に御所見をお聞きします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、今委員が提起をされたお気持ちはよくわかるのでありますけれども、まず第一の問題として、仮に残念ながら御審議がいただけないあるいは御審議の後において反対ということで廃案になりました場合、一つの問題点としては、免税点の問題とか簡易課税の問題とか今集計をいたしておりますものを分析し、その結果簡易課税、免税点等に対する考え方を提示する時期、この時期がどうなるかということであります。そして、その簡易課税あるいは免税点について検討した結果をお示しのできる状態になっておりますならば、これを合わせるかどうかという問題が生じます。これは、税制調査会の御審議を得る必要があるのかないのか。既に見直し部分について先行しておるものに新しいものが追加をされたということで、新しい部分追加だけで手続が終了するのかどうかちょっと私は細かいところをよく存じません。 同時に、今政府の取りまとめの延長線上にあります簡易課税とか免税点とは別に、各党の御論議の中の幾つかをその中に取り入れられるかとなりますと、政府税調の論議をもう一度やり直さなければならぬのではないか、そうした問題を生ずる可能性がございます。実は私税調の手続の点を細かくチェックいたしておりませんので、お気持ちはよくわかりますけれども、ちょっとその辺に手続的な問題が生じはしないだろうかという心配を今とっさにいたしました。
○野末陳平君 今のお答えに深く関連するんですけれども、提案の三番目はこの見直しの内容についてなんです。政府の見直し案のうち六、七割は残していいと思うんですけれども、ほかにいろいろとまだ議論がある、問題になるべき部分があります。例えば食料品の非課税なども果たして見直し案の内容でいいのか、かえって複雑で一部に混乱が来るかもしれないからもっとすっきりしたような案はなかろうか、あるいは食料品は今のままでもいいんじゃないかとかいろいろな意見がありますから、そういうこともやはり見直し案についていろいろと洗い直しをして再検討してみたいという部分がある。 それからもう一つは今の時期の問題で、提案の四番目は、私は今後の見直し案は来年の一月または四月をめどと言いましたけれども、実は四月になるであろうと。四月になりますと今の課税方式の届け出が二年で一巡しますから、とりあえず簡易課税あるいは限界控除それから免税業者の問題、いろいろあります。それをやはりある部分を改正して盛り込む必要がある。だから、今度の見直しにはそれの盛り込みが入らなきゃだめだ、こういうふうに考えているんですね そうなると、そのためにもこの一年間の申告納税の実態を踏まえた結論というのは早く出さなきゃいけない。その見直しを視野に入れないような再見直しでは意味がないので、結論は、今政府が出している見直し案のうちのかなりの部分は核として残すが、新たに課税方式をどう改正していくか、それを含めた見直しを早急にすべきだ、少なくとも九月ぐらいまでにはやりたい、そういう意味で今提案をしたんですが、これについては大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 仮に見直し法案を通過成立させていただきましたとしても、簡易課税、免税点等についての問題は我々は引き続いて作業をし検討し、その結果を御報告する責任がございます。ただ、その集計を全国の税務署から集めていたしますのに大体七月末ぐらいまでかかるということでありますので、これを分析してこういう方向というものを打ち出しますのにどれぐらいの時間がかかるか、ちょっと今私見当がつきません。ただ問題は、どうせ年末には次年度の税制改正の方向というものを確定いたしませんと予算編成のための歳入の見通しが立たないわけでありまして、この辺のタイミングも見ながら作業をいたすことになろうかと思います。 仮に消費税見直し法案の御論議がそのころまで残っておりました場合、当然私は今委員が御指摘になりましたようなことも考える必要が出てくると思います。私どもとしてはそれよりも前に見直し法案につきましては通過成立させていただきたいと願っておりまして、なるべくならそれをもう一度合わせ直す作業はなく、まず見直し案について国会の御意思を確定していただき、同時にその後引き続いての作業として簡易課税あるいは免税点等についての私どもの検討結果を御審議いただくようにお願い申し上げたいと心から願っております。
○野末陳平君 現実的にはそれは無理だという意味で私は提案しているわけですから、そうなりますと結論は、小幅な見直しを次々と何回かやるというようなことよりも、この際は、問題点はほとんど出尽くしているわけですね、その出尽くした問題点をどう直してくれるかというのが国民の期待だろうと思うので、一挙にやるその時期が来年の四月あたりだ、こういうふうに考えておりますので、それを提案として聞いていただいて、終わりにします。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で野末陳平君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて税制・財政に関する集中審議は終了いたしました。 明日は午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時十五分散会