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118回国会参議院1990/05/25

予算委員会 第13号

発言数
368
登壇者
53
会派数
2
開催日
1990/05/25

会議録

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。  平成二年度一般会計予算、平成二年度特別会計予算、平成二年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) この際、平成二年度一般会計予算外二葉の審査の委嘱についてお諮りいたします。  本件につきましては、理事会における協議の結果、次のとおり決定いたしました。  審査を委嘱する委員会及び各委員会の所管は、お手元に配付のとおりでございます。審査を委嘱する期間は、特別委員会については五月三十一日の一日間、常任委員会については六月一日の一日間とする。以上でございます。  ただいま御報告いたしましたとおりとすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、一般質疑に関する理事会の協議決定事項について御報告いたします。  一般質疑は本日二十五日及び二十八日から三十日とすること、質疑時間総計は五百三十分とし、各会派への割り当て時間は、自由民主党七十分、日本社会党・護憲共同二百三十九分、公明党・国民会議七十四分、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合それぞれ三十七分、参院クラブ及び税金党平和の会それそれ十八分とすること、質疑順位及び質疑者等についてはお手元の質疑通告表のとおりとすること、以上でございます。  右、理事会の決定のとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) それでは、これより穐山篤君の一般質疑を行います。穐山君。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、韓国大統領が訪日されまして、大変御多忙だと思います。御苦労さまです。  最初に、今回大統領が訪日をされまして、総理あるいは外務大臣その他の閣僚との間にいろんな協議がされると思うんですが、主たる政治的な課題はどういうものを予定されておりますか。まず最初に伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) まず第一に、政治的な課題といたしましては、この大統領の訪日を契機に過去に起因する諸問題について一区切りをつけたい、これがまず第一であります。日韓間で今後世界的視野に立った未来志向的関係の構築をしていくことを確認したいということがございます。  このような観点から、首脳会談では、世界情勢、過去の歴史に対する認識、三世問題等につき意見の交換を行っておりますし、海部総理より、過去に対する明確な認識を述べられるとともに、諸問題の解決に向け大きな進展を図る等、先ほど申し上げました過去に一区切りをつける上で非常に大事な意義のある会談になろうかと、このように考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今回の大統領との協議を含めて、来年まで具体的な個別の問題について協議する予定になっていると伺っておりますが、取り決めをする予定になっているもの、あるいは取り決めをしなければならぬという課題は、具体的に何でしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねの来年の一月までに解決を見なければならない問題は、去る四月三十日に外相会談でいろいろと協議をいたしました結果、次のようなことを含めて関係事項の整理をいたさなければなりませんし、両国間で満足のいく解決をしなければならないという申し合 わせをいたしております。  まず第一は、三世問題につきましては、簡素化した手続で覊束的に永住を認めるという制度をつくることであります。第二は、退去強制の事由は、内乱、外患の罪、国交、外交上の利益にかかわる罪及びこれに準ずる重大な犯罪に限定すること。第三は、再入国許可については、出国期間を最大限五年とする。第四に、指紋押捺については、三世以下子孫の立場に配慮し、これを行わないこととする。このために指紋押捺にかわろ過切な手段を早期に講ずる。第五、外国人登録証の携帯制度については、三世以下子孫の立場に配慮した適切な解決策を見出す。第六、その他、教育問題、地方自治体公務員及び教師の採用問題、地方自治体選挙権問題等については、今後とも協議を続けていくこととする。  こういうことを申し合わせておりますが、さらに詰めるべき点を詰めていくとともに、引き続き協議すべき事項につきましては明年一月をめどに日韓双方が満足し得る結論を見出すように双方で努力する、こういうことであろうかと思っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣並びに厚生大臣に伺いますが、この際、原爆被爆者の問題について具体的に協議をされる予定であるのか、あるいは仄聞するところによると一定の方向が出ているやに聞いておりますが、具体的にはどうでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 原爆被爆者の方々が大変お気の毒に後遺症で脳んでおられるということも十分認識をいたしておりまして、日本としては、本問題の背景にある歴史的な経過及び被爆の特殊性にかんがみまして、人道的観点及び福利向上の観点から、これまで被爆者の方々の渡日治療、日本へ来られたときの治療への支援や韓国国内での治療に対する支援を実施してまいりました。  平成元年度におきましては、二年度ごとおのおの四千二百万ずつ計上しておりますが、さらに昨日の日韓首脳会談におきまして海部総理より、韓国政府の強い要望に配慮して韓国側が行う被爆者対策に対し医療面で今後総額四十億円程度の支援を行っていくこととしたいと考えている旨の政府の考え方をお伝えいたしております。今後その運用等につきましては、韓国側とも調整をしながら検討してまいりたい、このように考えております。

津島雄二自由民主党厚生大臣

○国務大臣(津島雄二君) 厚生省といたしましても、在韓被爆者の治療の支援は、人道上の見地から誠意を持って対応していかなければならないという基本的な考え方を持っております。昨日の海部総理大臣と盧泰愚大統領との会談におきまして、日本政府として韓国側の被爆者対策に対し医療面で今後総額四十億円程度の支援を行うこととなったと承っております。具体的な支援内容等については今後韓国側とも調整しつつ検討していくこととなると承っておりますが、医療対策への支援については厚生省としても協力できるところがあれば最大限の協力を行ってまいりたいと思っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、なお仄聞するところによりますと、サハリンにおります韓国人、朝鮮人の帰国の問題であるとか、あるいは海難救助の問題であるとか、原子力についての協力の問題であるとか、相当具体的な問題が表に出ているやに聞いておりますが、それらを正確にひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) 私の方からお答えさせていただきます。  きょうの午後予定されておりますが、中山外務大臣と韓国側の外務部長官との間で、ただいまの仰せの協定も含めまして、三つの取り決めの署名を予定しております。  すなわち第一点は、原子力の平和的利用の分野協力のための取り決めでございます。それから第二点は、海上における捜索及び救助並びに船舶の緊急避難に関する協定、これを署名いたします。それから最後に、査証の問題に関しまして、数次査証発給及び査証料の相互免除に関する往復書簡、この三本の取り決めないしは往復書簡をそれぞれの外務大臣の間で署名していただくということになっております。  それからお尋ねのサハリンの韓国人の方々の問題でございますけれども、先生御案内かと思いますけれども、既に昭和六十三年度より予算措置を政府としては講じております。昨年七月には、日本と韓国の赤十字社の間で構成されます在サハリン韓国人支援共同事業体というのも設立いたしました。外務省といたしましても、今後は引き続き御理解を得まして、この問題について積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、今お話のあったもの以外はないですね。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  条約あるいは国際約束ということに関しましては、先ほど申し上げた三点を除きまして現在交渉中のものはございません。したがいまして、近々交渉がまとまり、あるいは署名が予定されておるというようなものはございません。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 先ほど外務大臣から言われました地位に関する諸問題について、一応のことはわかりましたが、例えば日本国内におきます民族の教育の問題であるとか、あるいは参政権の問題であるとか、さらには就職の問題であるとか、あるいは不利益な取り扱い、差別というふうな問題について引き続き協議をし検討していくということになっているやに御答弁がありましたが、これは特別に何か障害があるんでしょうか。もしそういう背景があれば具体的にお答えをいただきたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) 先ほど外務大臣から御答弁申し上げましたが、先般のいわゆる在日韓国人の三世の方々に関する協議におきまして、今後引き続き日韓の間で協議をしていくという問題として、教育の問題あるいは地方自治体の公務員あるいは教師への採用の問題等、これらについて日韓で引き続き協議をしていくということになりました。ただいま、これらの問題をめぐりまして、今後関係各省と韓国側の考え方も十分聴取しながら、日本政府としての対応をこれから決めていくという段階でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 地位に関する諸問題については韓国との間の協議でありますけれども、結果として在日の朝鮮人であるとかあるいは台湾人であるとかという人との均衡上の問題が出てくると思うんですが、外務大臣、法務大臣、その点についてのお考えを伺いたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  先般、最終的には外務大臣同士で御決着を見たわけでございますが、内容的には私どもはとりあえず三世の問題に範囲を限定いたしまして協議をし、とりあえず主要な点について決着を見たという経緯がございます。三世以下でございます、失礼いたしました。三世以下の子孫の方々についての決着を見たということでございます。  さてそこで、ただいま仰せの台湾出身の方々、あるいはさらには三世ということになりますと、在日韓国人の一世の方々あるいは二世の方々そして在日朝鮮人の方々、こういった方々あるいはそれらの子孫の方々をどういうふうに扱うかという問題が当然出てまいりますが、いかなる外国人にいかなる待遇をこれから付与していくかということにつきましては、今後、先般の外務大臣同士の間での決着を踏まえまして、そこで得られました在日韓国人三世以下の子孫の法的地位、待遇の具体的内容をこれから固めていきます段階で、政府部内で以上申したどこまで何を及ぼすかという点についても検討をしていくということでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 ことしから来年にかけていろんな取り決めが行われるわけですけれども、大蔵大臣、結果として財政上の日本側の負担というのは概略どんな程度になりましょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今のところ総理が首脳会談の席上原爆被爆者に対して総額四十億とい う数字をお出しになっておられるわけでありますが、そのほかにどういうものが出てまいりますか、予算措置を必要とする具体的な施策というものは私は平成三年度の各省庁からの御要求と関連をするものと考えておりますので、平成三年度以降の予算編成の過程で対処してまいりたい、そのように考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、過去の問題について一区切りつける、こういうお話がありました。それと同時に、先ほどの大統領の演説の中に、植民地政策から解放されて以来というそういう具体的な表現をされているわけですが、昨晩の天皇の発言、大統領の発言、それから総理の発言、衆議院議長の発言、こういうものをもって足を踏む人踏まれた人の関係というのは清算をされる、今回をもって終わりである、そういう認識に立ちましょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 昨日来の天皇のお言葉あるいは盧泰愚大統領のごあいさつ、また本朝の大統領の国会における演説を拝聴いたしまして、私は大変感激をいたしました。  両国の首脳がそれぞれの立場で過去を見詰めながら次の時代をいかにつくっていくかという強い姿勢がうかがわれたわけでございますが、そういう気持ちの中で、これでこの機会に全部が消え去るというものでは私は、望ましいことではありますけれども、私どもが心がけていかなければならない大きな心の問題であると考えております。そういうことが行われることによってこの二つの国の国民に本当の近い隣人としての連帯感というものがこれから醸し出されていく、そのように私自身は考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 大統領の演説の中にも、韓半島という言葉を使っていましたけれども、統一と平和ということを強調されておりました。  そういたしますと、やっぱり日本の外交政策として朝鮮半島全体を見きわめるという姿勢でなければならないと思うんですけれども、従来、とかく北半分の国交のない北朝鮮に対する日本外交の政策としては少しいびつであったというふうに私どもは認識をするわけですが、この際、統一あるいは平和という問題についての日本政府の考え方を改めて伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 日本政府あるいは日本国民としては、極めて近い朝鮮半島が平和の状況の中にあるといい、その国々との平和的な交流というものが進むことはもとより国民の大きな願望であろうと思います。しかし、今も大統領の演説にありましたように、まことに残念なことではございましたが、民族同士が戦うという悲惨な歴史がございました。このような大きな一つの歴史的な経過、そういうものを見ながら大統領は東西ドイツの統一問題にも触れて、朝鮮半島における南北の統一を目指して努力をしたいというお話でございましたが、私ども日本としても民族の自決による統一というものが一日も早く達成されるように、日本政府としては心から祈念をいたしておる次第でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 やや不十分なこともありますけれども、前に進みます。  次は領土問題に移りたいと思いますが、言うまでもなく領土問題といえば尖閣諸島、竹島、北方領土というふうにあるわけですが、最初に尖閣列島の領有権の問題についてどういう状況に今日あるのか、お伺いしたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) 尖閣諸島につきましての日本政府としての基本的な立場は、申すまでもなく尖閣諸島は我が国固有の領土であるということでございまして、このことは歴史的にも国際法的にも疑いのないところであります。また、この尖閣諸島を日本が有効に支配しておるということも事実でございまして、したがいまして、中国との間にこの尖閣諸島の領有権をめぐって解決すべき問題というものはそもそも存在しないというのが日本政府の立場でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 とはいうものの、中国側からあるいは台湾側からも意思の表明があるわけですが、それぞれの国の主張はどういうものでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) 確かに中国側には中国側の主張があるようでございますし、またひところは鄧小平氏みずからが、この問題については日中間で棚上げしてはどうだというようなこともおっしゃった経緯がございますけれども、いずれにいたしましても、先ほど申し上げたのは日本政府の立場でございまして、棚上げということも含めてそのようなことが日中間で合意として存在するということはないわけでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 昭和五十三年にトラブルが生じたわけですが、当時、福田総理、それから園田外務大臣が、中国側との間に本問題について抗議をすると同時に、領有権問題について話し合いを行った経緯があるわけですが、その結果はどういうことになっているんでしょうか。またそれは今日も有効に生きているのかどうか、その点を伺います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  ただいまお話しの件は、恐らく当時の日中平和友好条約の締結をめぐりまして大変困難な交渉が進行中でございましたが、そのときのことを仰せではないかと想像いたします。確かに尖閣諸島をめぐりまして昭和五十三年の四月に中国漁船が我が国の領海侵犯をするという事件が発生いたしました。当時の外務大臣、園田外務大臣は、時を移さず中国側に対しまして先ほど申し上げましたような尖閣諸島に対する我が国の立場を明確に述べられまして、このような中国漁船による領海侵犯というのは再びあっては困るということで厳重に抗議、注意喚起をした経緯がございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 農水大臣、運輸大臣に伺いますが、この尖閣諸島付近の漁業の問題についてどういう状況になっているのか。それからなお、安全操業の問題について運輸大臣どういうふうな状況になっておるのか、その点伺います。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 尖閣列島周辺におきます我が国あるいは外国漁船の漁業の操業状況でございますが、まず我が国のサイドで申し上げますと、時期的に若干限定をされておりますけれども、我が国の方で大中型のまき網漁業によりましてアジ、サバを漁獲する漁業、それからまた以西底引き網漁業によりましてハモ等を漁獲する漁業、さらにマグロはえ縄漁業あるいはカツオ釣り漁業が行われております。これに対しまして外国漁船の操業状況につきまして、関係国から正確な情報が得られませんので詳細はよくわからない点もあるんですが、我が方から出ております漁業監視船等の視認情報によりますと、尖閣列島周辺では台湾のまき網漁業、サンゴ漁業が若干行われておると、こういう報告を聞いております。

野尻豊海上保安庁次長

○政府委員(野尻豊君) 尖閣諸島周辺海域におきます警備体制について御答弁申し上げます。  海上保安庁におきましては、巡視船一、二隻を常時配備いたしまして、また航空機を随時哨戒させまして厳重な警戒を実施しております。この海域は、現在一応平穏を保っておりますけれども、外国漁船が多数操業している重要な海域でございます。警備につきましては特に慎重かつ毅然たる対応が求められておりますので、今後とも外国船舶の状況等を勘案し、必要に応じ巡視船及び航空機を増強配備する等、不測の事態に備え万全を期す所存でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 次に竹島の帰属の問題、それから返還の交渉について伺いますが、竹島には東と西の二つの大きな島があるわけですが、昭和二十九年に韓国が不法に占拠して軍事施設を構築しているというふうに聞いているわけですが、現状はどういう状況にあるでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  これはあるいは海上保安庁の方からお答えいただくのがより適当かと存じますが、私どもが海上保安庁の累次の巡視の結果として伺っておるところを御紹介いたしますと、竹島には現在灯台、見張り所、居住施設、コンクリ製の建物、鉄製のやぐらあるいはアンテナ等の構造物が構築されておるということでございます。また警備員も配置されておるというようなことが確認されておる由で ございまして、いずれにいたしましても、政府といたしましては、このような巡視の結果に基づきまして、竹島にございます各種の施設の撤去あるいは韓国の官憲の退去を繰り返し要求してきておるということでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 日本側の主張と韓国側の主張をこの際ひとつ明確にしてもらいたいと思うんです。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  日本側の主張は、申すまでもなく、竹島につきましても、これは歴史的に見ても日本の固有の領土であるという立場でございまして、これにつきましてはいろいろな機会に、例えば先般ソウルで行われました外務大臣同士の定期協議の場におきましても、日本政府の立場を改めて明確に中山大臣からお述べになった経緯がございます。韓国側はそれに対しまして、韓国側は韓国側で、歴史的に見てもこの竹島は韓国の領土であるというのが韓国政府の立場でございまして、そのような立場を改めて述べておりました。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 韓国側の主張は、かつてのGHQの覚書とかあるいはカイロ宣言というものを持ち出して主張しているわけですが、これについての日本側の反論はどういうふうに行っているのでしょうか。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  先ほど申し上げました基本的な日本政府の立場を踏まえまして、ただいま仰せのカイロ宣言につきましても、カイロ宣言から対日平和条約に至ります一連の措置は、いずれも日本国の領土の帰属を最終的に決定したものではない、その決定に関するものではないということが明確に書いてあるわけでございまして、いずれにいたしましても、竹島が日本の領域から除外されたものではないということは明らかであるというのが日本政府の主張でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 竹島周辺、竹島は韓国側は十二海里制をとっているために日本漁船の操業が非常に制限されているわけですね、現実の問題としては。この漁業及び安全操業についてそれぞれお答えいただきたいと思います。

野尻豊海上保安庁次長

○政府委員(野尻豊君) 今外務省からも御答弁がありましたように、竹島問題は基本的には外交経路を通じまして平和的に解決を図るべきものであるというのが、私ども海上保安庁としてもそういう認識に立っているところでございます。  我が国の漁船の安全を確保するという見地に立ちまして、海上保安庁といたしましては、竹島周辺海域に巡視船を常時一隻配備するとともに、同島周辺海域の各種漁業の漁期、我が国漁船の出漁状況等を勘案いたしまして、必要に応じ巡視船を増強配備いたしまして警戒に当たっているところでございます。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 竹島周辺水域におきましては、御承知のとおり、我が方の漁業といたしまして、イカ釣り漁業、ベニズワイガニ漁業、さらに大中型のまき網漁業が展開をされておるわけでございます。領土問題をめぐって大変難しい状況にあることから、我が国の操業、また韓国側も周辺水域におきましてイカ釣り漁業等を展開しておりまするし、そういった状況を踏まえながら、ただいま海上保安庁の方からお答え申し上げました我が方の措置に応じて、漁業者間のトラブル等が発生しないように関係漁業者の指導に当たっておるところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、一九六五年の日韓基本条約を締結した際の交換公文というのがあるわけですが、この交換公文の中に、竹島の帰属の問題について触れております。国際司法裁判所に提出をするしないの問題がずっと引き続いているわけですが、その問題について、韓国側との間にどういう交渉が何回持たれたんでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 条約上のことでございますので、条約局長から詳細御報告を申し上げさせていただきます。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) ただいま先生から御指摘のございました六五年に取り決めました日韓間の紛争解決に関する交換公文というのがございまして、ここに明記されております「両国間の紛争」というくだりがございますが、これが竹島問題もこれに含まれるというのが日本政府の立場でございます。  さて、そこで国際司法裁判所につきましては、日本政府からここへ問題を提起して決着を図ろうということを過去において韓国政府と話し合った経緯がございますけれども、残念なことでございますけれども、韓国政府はこれに一切応じてこないということでございまして、両者のその辺の合意がありませんと、裁判所としてこれを取り扱うわけにいきませんものですから、現在のところは、その辺の主張といいますか、立場は平行線をたどっておるという残念な状況でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 外務大臣、領土問題というのは、領土の保全と主権にかかわる問題ですが、加えて漁業関係にも具体的に影響するわけですね。したがって、もう数十年もこのままたなざらしにしておくということは国益に反するわけです。もっと日本政府としても毅然たる態度でこれは臨む必要があると思うんですが、今後どういうふうに決意をされて交渉に臨むのか、そのお話を伺いたいと思います。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) さきに四月三十日、ソウルで行われました日韓外相会談におきましても、日本政府としては、委員御指摘の問題につきまして主張を強くいたしております。私どもは、引き続きこのような問題の解決に努力を続けていきたい、このように考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 私は交渉の態度が非常になまぬるいと。どちらかといいますと、卑屈になっているのではないかと思いますが、私どもの気持ちだけ申し上げておきます。  さて、その次は北方四島です。過去の歴史を見ますと、六〇年安保の前の日本政府の主張と、六〇年安保の改定が行われた後の主張では違うというふうに私は理解をするわけですが、そのように考えてよろしゅうございますか。

都甲岳洋外務省欧亜局長

○政府委員(都甲岳洋君) お答え申し上げます。  歯舞、色丹、国後、択捉四島が歴史的にも法的にも日本の固有の領土であるということで、これを一括返還して平和条約を締結するというのは、日本政府の変わらざる立場でございまして、この点につきましては一九六〇年の安保改定のときのソ連側の申し入れの前後において一貫して変わってはおりません。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 その議論を続けておりますと長くなりますからやめますが、この北方四島の返還を非常に困難にしております背景というのはどんなものでしょうか。

都甲岳洋外務省欧亜局長

○政府委員(都甲岳洋君) 本件につきましては、長い間、日ソの間でいろいろな議論が行われております。ソ連側といたしましては、戦後のいろいろな国際条約により、あるいは歴史的な事実により、これはソ連の領土として確定しているという立場をとってきておりまして、この点について一九八八年以来平和条約作業グループにおきまして議論をしておりますけれども、このようなソ連側の立場につきましては、現在のところ変化は見られないという状況にございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 私は、この北方領土問題を非常に困難にしております一つの理由は、終戦前後のいろんな取り決め、カイロ宣言であるとかポツダム宣言であるとか、そういうものが領土問題についてあいまいなままにしているために困難にしているというのも一つの理由だというふうに私は理解をしておりますが、外務大臣いかがですか。

都甲岳洋外務省欧亜局長

○政府委員(都甲岳洋君) ソ連側が北方四島についての主張の根拠として時々挙げております各法的文書につきまして、若干の御説明を申し上げたいと思います。  ソ連側はヤルタ協定によって千島列島はソ連に引き渡すということになっていることを一つの理由として挙げておりますけれども、しかし日本側といたしましては、ポツダム宣言を受諾した際にはこのヤルタ協定の存在すら知らなかったという状況もございます。それから、日本はもちろん締 約国ではないということから、この効力は一切及ばないということもございます。それからさらに、ヤルタ協定の締約国である主たる連合国が、これにつきまして、これは単なる当時の首脳者の共通の目標を陳述した文書にすぎなくて、領土移転のいかなる法的拘束を持つものでないというふうに明確にしてございます。それからポツダム宣言に関しましては、これは第二次世界大戦後の戦後処理を定めたものでございますが、この中において明確にカイロ宣言等の領土不拡大の方針を鮮明にしておりますので、ソ連が我が国の固有の領土である四島についてその領有を主張する根拠とはなり得ないことは明白でございます。  それからサンフランシスコ平和条約におきましては、我が国は南樺太及び千島列島に対する権利を放棄いたしましたけれども、この条約にいう千島列島の中に歯舞、色丹、国後、択捉という我が国の固有の領土が含まれていないということは、日ソ間の領土問題を処理した基本的な法的文書である一八五五年の日露通好条約及び一八七五年の樺太千島交換条約からしても明らかでございます。また、当然のことながら、領土不拡大の原則というものはサンフランシスコ平和条約の基礎になっているわけでございますし、それからソ連自身がサンフランシスコ条約の締約国でございませんので、この条約に基づく主張を行い得る立場にないということもつけ加えておきたいというふうに思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今日、北方領土問題は二国問の問題というふうになっているわけですが、私は経緯からいいますと、二国間問題であると同時に東西問題である、そういう認識に立っているわけですが、その点、外務大臣いかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 委員御指摘のとおり、この北方四島問題は日ソの二国間問題であると同時に、これは最近の米ソ外相会談においてアメリカのベーカー国務長官が、戦後の残された東西問題であるということをソ連側に述べておられまして、米ソ間においては、現在、北方四島問題の解決が戦後残されている東西問題の未処理の問題というふうに語られていることを承っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 我が国の外交方針としては、一括返還を求めて平和条約を締結したい、政経不可分ということを主張しているわけですが、現実の問題として、政経不可分という態度だけで本問題について解決する可能性を持っているかどうか、この政治判断についていかがですか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私はもう単純に申し上げて、あるという認識を持って確信しております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 その確信の裏づけというものはどんなものでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 確信の裏づけはどうかというお尋ねでございますけれども、まず第一にソ連の政治の考え方、つまり新思考外交あるいは国内の民主化、こういうものが進んでいく中でソ連のいわゆる政治指導部の中にいろんな意見が、議論ができる機会ができてきた、これはかつて見られなかったソ連の国内情勢ではないか、私はそのように認識をしております。  また、もう一点といたしましては、二島返還問題というものがかつて議論されたことがございました。これは一九五六年、日ソ共同宣言において、二島返還をするということがソ連と日本との間の合意事項でございました。それが一九六〇年の日米安保改定のときに、ソ連側から一方的にこの二島返還に関する日ソ共同宣言はもうないという意思表示がございました。しかし、最近日ソ平和条約の作業グループをつくって、日ソ間に平和条約を締結するためのいろいろな日ソ間の共同作業の中に、日米安保条約が現存していることはこの日ソの平和条約を締結するのに何ら差し支えを持つものではないということが日ソ間の合意事項としてできておりまして、私どもといたしましては、そのような日ソ平和条約作業グループの議論の中で、この平和条約をつくる前提として日本政府は、国民の願望であるこの四島の一括返還ということが国会でもたび重ねて御決議をいただいておりますので、私どもとしてはこの四島の一括返還が必ず実現するものという信念を持ってソビエトとの交渉に臨んでいる、またこれからも臨みたい、このように考えております。  また一方、この領土の返還問題を議論します中でも、我々はこの問題を議論すると同時に、日ソ間の人的な交流あるいは文化的な交流、いろんな交流を続けていくというようなことも並行してやっていくということでございまして、私どもといたしましてはできるだけの努力をしなければならないと考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 農林水産大臣、最近カムチャッカ半島の沖合で日本漁船がソビエトに拿捕された、こういう事件が発生していると報道されているわけですが、具体的にはどういう状況でしょうか。

京谷昭夫水産庁長官

○政府委員(京谷昭夫君) 御指摘の問題は一部報道されておるわけでございますが、私どもとしても重大な関心と懸念を持ちまして関係省庁、外務省あるいは海上保安庁とも連絡をとりながら現在事実関係の把握に努めておるところでございます。  外国と関係する問題でもございますが、何せ海上で起こっている問題でございますので、実はソ連の漁業監視船と、それから我が方から出しております水産庁所管の漁業監視船の間での情報パイプ、あわせましてモスクワの外交ルートを通じましてソ連漁業省との間で情報提供を求めて現在事実究明に努めておるところでございますが、国内での情報収集も含めまして、事実関係を正確に把握すべく現在努力をしておるところでございまして、もう少し時間がかかりそうである、こう思っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今の問題については後刻また明らかにしてもらいたいと思います。これは日本と北朝鮮、ソビエトとの国対国にかかわる問題でありますので、非常に重視をしているということを申し上げておきたいと思います。  次に、JRの経営問題について伺いますが、昭和六十二年、三年、元年と、この三年間の経営の状況についてお伺いをしたいと思います。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 元年度の決算につきましては今月末に発表されることになると思いますが、現在把握している段階では、JR七社とも経営については比較的順調に推移しているところでございます。特に本州の三社につきましては、六十二年度、六十三年度、元年度計画、それぞれ経営成績が向上しつつございます。また、JR貨物につきましてもコンテナを中心に輸送状況は上昇しつつある。ただ、いわゆる三島、北海道、九州、四国につきましては、高速道路の開通等の影響を受けて経営はかなり厳しい状況のままここ三年推移しておりまして、経営安定基金の運用で辛うじてわずかな利益を計上しているという状況でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 本州三社につきまして、営業成績であるとか資産の状況を数字でひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 本州三社について申し上げますと、先ほども申し上げましたように、元年度の決算につきましては今月末に公表されますので現時点では計画だけでございますが、まずJR東日本につきまして経常利益で申し上げますと、六十二年度が七百六十六億、六十三年度が八百五十六億、元年度の計画では九百三十二億、元年度は千億に達するものと推定されます。またJR東海につきましては、六十二年度が六百七億、六十三年度が九百四十九億、元年度が六百八十億という計画でございますが、これも六十三年度よりやや上回って千億ぐらいの経常利益を計上するのではないかと現在考えております。またJR西日本につきましては、六十二年度が八十億、六十三年度が百七十二億、元年度の計画で二百八十六億という経常利益を予定しております。  以上でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 上場の話も最近ちらほら出ているわけですが、東証の上場審査基準あるいは手続につきまして、概況をひとつお伺いしたいと思います。

角谷正彦大蔵省証券局長

○政府委員(角谷正彦君) 東京証券取引所は、企業の上場に当たりまして一定の基準を設けております。  この項目につきましては、上場株式数、株式の分布状況、設立後の経過年数、株主の資本、純資産の額、利益の額、配当、その他と、七項目にわたりましてかなり定量的な基準を設けているわけでございます。  例えば上場株式数について申し上げますと、営業の主たる地域が東京周辺にある場合には六百万株以上、営業の主体が東京周辺以外にある場合には二千万株以上といったことでございます。  株式の分布状況につきましては、特定少数者の株主の割合が上場時においては八〇%以下、それから決算期までには七〇%以下にするという要件を決めておりますし、株主数につきましても上場株式数の度合いに応じまして、例えば一千万株未満の場合には千人以上でございますとか、順次株式数がふえるたびごとに株主の数の要件を加重しているわけでございます。  設立につきましては、五年以上の経過であることを要件といたしております。  株主資本につきましては、十億円以上かつ一株当たり百円以上であることを要件といたしております。  利益の額につきましては、最近の三カ年の状況が、最初の一年間につきましては税引き前の利益が二億円以上で一株当たり利益が十五円以上、その後次の一年間は税引き前の利益が三億円以上で同時に一株当たり十五円以上、直近の一年間が税引き前利益が四億円以上で一株当たり利益が二十円以上といったことになっておりますし、配当につきましても最近一年間は有配で、かつ上場後継続いたしまして一株当たり五円以上の配当を見込めるということを要件としております。  その他、監査証明におきまして虚偽記載がない、適正であるといる諸要件がついております。  以上が大体上場基準でございますが、これは原則として東証の場合第二部に上場いたしまして、それから順次その状況を見まして一部に上場される、配属がえされるといったことでございますが、直接一部に行くような場合につきましては、今申し上げました株主の数とかあるいは株主の分布状況といったものが大体全体の現在の第一部の平均値の二倍以上になっているということを要件といたしております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今言われました形式的な基準といいますか、これは当然満たす必要があると思いますが、私の勉強している範囲で言いますと、経営の安定と同時に労使の安定というものが非常に重視されていると私は理解をしておりますけれども、その点いかがでしょうか。

角谷正彦大蔵省証券局長

○政府委員(角谷正彦君) 東証といたしましては、上場申請が行われた段階におきまして現在のような上場基準に該当するかどうかといったことをまず審査するわけでございます。ただ、その上場の審査に当たりましては、経営基盤が安定しておりまして企業が継続いたしまして上場後も収益を上げ、株主に十分な利益が還元できるということを一つの要件にしているわけでございまして、そういう意味から東証独自におきまして審査項目というものを定めまして、その中でこれに加えていろいろなことについて十分な要件があるかどうかといったことを審査しているわけでございます。その中の一つに、例えば労務の状況でございますとか従業員の状況でございますとかあるいは経理の状況でございますとか、そういったふうな各般の項目について独自に審査しているといったことでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 先ほど運輸省から発表になりました経常利益の数字がありますが、この審査基準でいうところの利益基準といいますか、それと総資産の基準というものがあるわけですが、先ほど発表された数字からいいますといずれも三社はクリアをしているかどうか、その判断はいかがでしょう。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) ただいまの審査基準のうち純資産額と利益の額について申し上げますと、純資産額につきましては元年度で東日本、東海、西日本ともほぼクリアするのではないかと考えております。また、利益の額、三年について検討しますところ、これはまだ元年度の決算が最終的に出ておりませんが、JR東日本とJR東海についてはクリアすると予想しておりますが、JR西日本については元年度でまだ利益額が基準に達しないと考えられます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 まだ元年度決算は出ていませんので何とも言いようがないんですが、一応東証の基準で言えば東日本、東海というのは上場の技術的な面ではいいのではないかと思います。  さて大蔵大臣、その当時の運輸大臣だったんですが、上場を念頭に置いたのは当然だと思うんですが、あのときの審査の経緯から考えてみて本州三社が同時に上場をする、公開をするということを念頭に置かれておったんでしょうか、どうでしょう。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) あの当時を振り返ってみますと、私どもとしてはそれぞれの各社を無事にスタートさせるということにまず頭が向いておりました。そして、上場の可能性をできるだけ早く求めたいという気持ちは持ちながらも、今日こうして御論議をいただけるほどのピッチで業績が上がっていくというだけの内心での自信を私どもは持っていたとは必ずしも申せません。そして、その中におきまして、我々としては本州三社が同時に上場できる時期が来ればしたいという気持ちは持っておりましたが、絶対に三社が足並みをそろえて上場できるという確たる見通しを持っていたとは申せないと思います。ただ、できるならば三社は一緒に上場したいという気持ちは確かに持っておりました。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 次に、新幹線保有機構に対してJR三社はリース料を払っているわけですが、まずその金額からお示しをいただきたいと思うんです。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 新幹線保有機構が所有しております現在営業している四新幹線の債務の総額が八・五兆円であり、これを三十年償還するということで、年間貸付料が本州三社合わせて約七千億でございます。これを三社にそれぞれ収益の見通しに応じて配分しているところであり、JR東海が約六割、JR東日本が約三割、JR西日本が約一割をリース料として負担しているところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今の予定では、このリース料は三十年間支払うという予定でしょうか。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 現時点ではそのようなことでリース料を支払っているわけでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 運輸省内に上場についての懇談会というものが持たれているやに聞いているわけですけれども、その内容ですね、あるいはこれはどういう性格のものであるのか、その点伺います。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) JR株式の処分につきましては、現在清算事業団が抱える膨大な長期債務の償還の貴重な財源であるという観点から、また国鉄の完全民営化の観点から大変重要な課題であり、また今後のJRの事業運営に少なからざる影響を与える点もございまして、今後JRを上場するに当たっての処分の方法等基本的な問題について運輸省の指針を定める必要があると考え、JR経営あるいはJR株式の問題について有識者と意見を交換する場としてJR株式基本問題懇談会をことしの三月に設置し、現在問題点をいろいろ整理するために関係方面からヒアリングを行っているところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 最近、この新幹線保有機構をJR三社に売却する、そういううわさが出ているやに聞いているわけですが、その点について運輸大臣どういう状況でしょうか。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 先ほど来総括審議官から御答弁申し上げましたが、いずれにしても現在四系統新幹線が走っておるわけでございます。それらの施設のすべてを新幹線保有機構が所有しておって、それをリースしております。そうしますと、その新幹線の施設については減価償却ができない、そして維持していく上においてはどうして も借り入れをしなきゃならぬ、そういう財務上の問題がございますので、運輸省としてはやはり経営基盤の問題がございますから、株式の上場というものも今種々検討しておるところでございますので、上場前に何とかしたい、こんなような気持ちで勉強いたしておるところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 大蔵大臣、改革法審議のときに新幹線保有機構は議論になりました。今の運輸大臣の答弁でいきますと、上場する前に売却をしたいあるいはその方向ということが明示されましたが、改革法審議のときにそれは予定をしておりましたか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 改革法審議の時点におきましては、新幹線保有機構そのものの設置についてもさまざまな御懸念が示されておりました。また同時に、新幹線保有機構が設立をされた後、その仕組みがうまく動くかということについても疑念が呈せられたと記憶をいたしております。そしてその時点において、これは大変おこがましい言い方かもしれませんけれども、答弁をいたしました私どもの立場からもまた御質問をいただきました皆様方のお立場からも、中間地点において保有機構の形態を変更するあるいは売却をするという御論議はなかったように記憶をいたしております。むしろ、その三十年という年月がたちました時点において、その時点における新幹線というものが財産としてどこに帰属するのか、そしてその時点においてはそれぞれのJR各社に無償で交付されるのかあるいは売却という形態をとるのかといった御論議がございました。発足して数年とたたないうちに保有機構から各JRに対しての売却といった事態は私どもも議論の中にありませんでしたが、御質問の中にもなかったような気がいたします。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 大蔵大臣、上場前に売却をする、あるいはリース料をしばらくの間払っておいてしかるべき時期に売却するというのとは財務上大変違いが生じてくるわけですね。借金の返済という問題があるわけですが、もし上場前に売却をするということになれば、大蔵大臣として財務上あるいは財政上懸念をさるべき問題もたくさん出るやに私は思うわけですけれども、その点についてどういう認識をお持ちでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは今私どもとして運輸省からまだ具体的に何ら御相談を受けておりません状況でありますし、その具体的な売却方法一つをとりましてもさまざまな可能性が考えられるわけでありまして、私どもとして今その影響をにわかに云々するのは立場上控えるべきではなかろうかと思います。  いずれにいたしましても、この問題は国鉄改革のいわば基本スキームの変更ということでありますから、もちろんJR各社の経営状態等も踏まえながら国会においても御論議をいただくべき点であろうと存じますし、政府としても慎重に検討していく必要があると考えております。今後、運輸省から具体的な御要求が出てまいりました場合には、それを踏まえながら今後の予算編成過程において十分大蔵省としては検討すべき課題である、そのように思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 次に、清算事業団の要員の問題で伺います。  去る三月三十一日付で解雇という事態が生じたわけですが、そのときの解雇者の状況ですね、解雇した後生活を維持するためにどういう方法がとられているのかを含めて御説明いただきたいと思います。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 四月一日付で再就職未定者千四十七名を解雇したわけでございますが、清算事業団としましては所定の解雇予告手当を支払い、また退職手当等必要な手当も支給する手続をとっているところでございます。  その後、解雇者がどのように再就職活動を行っているか等につきましては、直接的に清算事業団では把握してないところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 この千四十七人を解雇した法的根拠は何でしょう。

大塚秀夫運輸省大臣官房国有鉄道改革推進総括審議官

○政府委員(大塚秀夫君) 清算事業団におきましては、再就職促進法に基づき再就職未定者約七千六百人について再就職活動、再就職促進のための教育訓練を三年間行うということで業務を行ってまいったわけでございますが、再就職促進法の期限が切れそのような業務を法律上も行わなくなったということで解雇したわけでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 その解説については私は異議を持っておりますが、それはきょうは議論はしません。  橋本大蔵・元運輸大臣、この改革法の審議の際に三年以内にすべての者が雇用をされる、路頭に迷う者は一人もない、法律でもそう書いてありますし内閣の公約としても公表しているわけですが、大蔵大臣は今日のような事態をその当時想定しておったでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私はその当時こういう状態になることを予測はいたしておりませんでした。と申しますよりも、国鉄改革という大きな流れの中において本当に鉄路を守るという視点から踏み切った改革でありますから、この結果として国鉄という職場を離れなければならなくなる方方に対しては、私どもは最善の努力をして第二の人生の場をつくり出すという趣旨を申し上げ続けてきたわけであります。そしてその中において、想定として我々はこれだけの大量の方々が再就職をいわば何回お勧めしても拒否されるという事態は想定いたしておりませんでした。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 解雇の法的な根拠という問題について私は異議を唱えますが、ここで多く議論はしません。  そこで、今も触れましたように、お勧めをしたけれども雇用が促進をされないという事態は考えていなかった。結果として千四十七人が残ったわけですが、その大部分は労使紛争として地労委に問題を提起している諸君たちであるというふうに私は認識をするわけです。原職、原隊に復帰すべしと不利益取り扱いを地労委が認めた。したがって、労働者の立場からいいますとその命令は有効である、それが実行されるものと期待をしてその地労委命令をあるいは中労委命令を待っている人であると思うんです。そういう点について、運輸大臣あるいは労働大臣どういうふうにお考えでしょう。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 地労委から救済命令が出ておることは私も承知をいたしております。しかしながら、JR各社としてはそれが受け入れられないということで現在中労委の方で係争中でございますから、私の立場としてはこれはちょっとコメントでき得ないということを御理解賜りたいと思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 路頭に迷わさない、すべて雇用を促進する、これが改革法のときのお約束であります。そのことは改めて申し上げることはないと思いますけれども、政府の責任は重い、こういうふうに指摘をしておきたいと思います。  さて労働大臣、今中労委に不当労働行為、不利益扱いについて当事者から提出をされておりますが、採用を拒否されたという幾つかの件数があるわけですけれども、これは全部結審しているのでしょうか。

岡部晃三労働省労政局長

○政府委員(岡部晃三君) 中労委に係属中の採用関係事案は十九件でございますが、そのうち十一件は結審をいたしております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 当事者並びに関係者、我々も含めてそうでありますけれども、少なくとも三月三十一日までに円満に解決することを期待しておったわけですけれども、中労委の自主的な判断でありましょうが、これが三月中に解決できなかったという意味で非常に残念でならないと思います。しかし、中労委には中労委としての自主的な立場、判断があると思いますので、中労委は今後お任せをしなきゃならないと思いますけれども、こういう微妙に複雑多岐にわたります紛争という問題についての中労委の存在について、労働大臣はどういうふうにお考えでしょう。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 一応まず労政局長から事務的な御答弁をさせていただきます。

岡部晃三労働省労政局長

○政府委員(岡部晃三君) 中労委の現在における状況を申し上げたいと思いますが、本件、非常に 多数の案件でございます。和解を求める声も聞かれるところでございますが、御承知のとおりこれは非常に複雑困難な事案でございます。解決の糸口が見えない、その中でいろいろ水面下における模索が続いている、そういう状況と承知しております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 私が質問をしましたのは、中労委の存在の重要性について改めて労働大臣の認識を伺うと同時に、この問題については政策の問題、政治判断の問題を私は求めたわけですから、労働大臣から改めて御答弁をもらいます。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 中労委は極めて重要な委員会であるという認識を持っております。労働省といたしましてはJR各社の労使関係が安定することは重要なことと考えており、JR各社の労使紛争については当事者間の話し合いを基本とした円満な解決が図られることを望んでおります。  現在、中労委ではJR関係の再審査申し立て事件の処理の仕方について非公式に関係者から意見を聴取していると承知しております。JRの労使関係については、全国にわたりまた複雑微妙な問題を抱えている現状でありますが、このような中労委の動向を見守りつつ、円満な解決に向けて環境の整備のため引き続き誠意を持って努力をしてまいりたいと考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 この際念を押しておきたいと思うんですが、去年の運輸委員会におきまして、山村運輸大臣でした、私は当時JRの労使関係の紛争の問題について質問をしましたが、大変異常な事態であるという認識を表明されました。昨年の予算委員会におきまして私は十月二十日に質問をしましたが、政府の答弁が食い違っておりました。三十日に予算委員会で政府の統一見解が示されたわけであります。  したがって、今御答弁のありました大臣の発言は前二つの認識あるいは統一見解を踏まえてその上に立った政府の態度である、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 十分にそのことを念頭に置きまして答弁をさせていただきました。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 労働問題でありますけれども経営に重大なかかわり合いがありますので、運輸大臣の認識、見解も伺っておきたいと思うんです。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 政府の統一見解、なされたことは承知いたしております。しかし、昨年の六月ですか、山村運輸大臣からの答弁があったようでございますが、その後、法的期限の切れる三月三十一日まで万全の努力をいたしてまいりました。しかし、今後とも私は、それが念頭にあるわけでございますから、自分としてできる範囲内で引き続いて努力をしていきたいと思っております。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 穐山篤君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十九分休憩      ─────・─────    午後一時開会

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。  平成二年度総予算三案を一括して議題といたします。  休憩前に引き続き、穐山篤君の質疑を行います。穐山君。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 次に、入管法の改正について伺いますが、随分現行法に比べて新しい法律は大きく変わっています。改正内容の特徴だけを法務大臣、お願いしたいと思います。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 入管法の、何しろ現場を私見てきましたが、まさにパニック状態なんです。立っている場所もないくらい込んでおって、そういう状況の中でございますので改正法案を御提出申し上げたわけでございますが、何しろ有史以来のことでございますので、改正したら全部がうまくいくというか、そういうことも見通しもいまだ、何というかいろいろまだ問題も残っているわけでございますが、最善の形でいろいろ検討をいたして改正をやっているわけであります。そういうことでございますので、またいろいろ研究させていただきたいということであります。  なお、詳細につきましては、ちょっと入管局長から説明をさせていただきます。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 改正入管法の特徴は、ただいま法務大臣から御説明申し上げましたように、入管行政をめぐる情勢の大幅な変化ということに対応してこの改正を行ったわけでございまして、その一つにおいて、日本の国際化ということに対応してのいろいろな条項の整備、特に技術、技能、そして専門知識等を有する人の受け入れの道を広げるという配慮、他方において最近問題になっております不法就労の観点についてこれの取り締まり規定を整備する、この二つが特徴となっております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 来月一日に向けて省令の改正が準備されたわけですが、非常にこれは重要な中身を持っておりますので、この省令についてごく概略を説明いただきたいと思います。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいま委員御指摘の省令は、これは上陸許可にかかわる要件を示したものでございまして、一定の在留資格について、外国人の入国に関連して、それが我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して定めた省令の基準でございまして、基本的には社会のニーズに応じて、先ほど申し上げましたような技術等を持っている人たちについての受け入れの幅を広げるということ、他方においていわゆる単純労働に流れないような一つの防止の歯どめをかけるということ、そういう特徴を持った基準の省令をつくった次第でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 法務大臣と文部大臣に伺いますが、留学生、研修生、就学生というふうに分けられておりますけれども、この法律的な定義を両大臣からひとつ伺いたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 先生、法律的な定義という御質問でございます。  この法律は出入国管理及び難民認定法という法律で、留学の在留資格の対象ということで、「本邦の学術研究機関又は教育機関において特定の研究を行い、又は教育を受けようとする者」というふうに規定をされておるわけでございます。  そこで、留学生、就学生の問題でございますが、今度の入管法の改正の中で就学生という項目を一つ設けるようにしておるというふうに承知をいたしております。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 本法における留学の定義でございますが、「大学若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において十二年の学校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校において教育を受ける活動」、これが留学であります。  なお、研修は、「本邦の公私の機関により受け入れられて行う技術、技能又は知識の修得をする活動」、これが研修であります。  以上であります。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 文部大臣、日本語学校などいろんな学校があるわけですが、この就学生というのは教育基本法の何条から解釈されているんですか。

川村恒明文部省学術国際局長

○政府委員(川村恒明君) ただいま御指摘のございました日本語学校でございますけれども、これは主としてと申しましょうか、外国人で専ら日本語の勉強をするために来日をし、そこで勉強をしていると、外国人を対象としているものでございます。  ただいま教育基本法のお尋ねがございましたけれども、基本法は本来これは日本国憲法からきているものでございまして、日本国民を対象としておりますので、基本法が直接に適用になるかというお尋ねがございますと、それは対象がちょっと違います、こういうことでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 そうしますと、日本語学校あるいは服飾学校、美容学校などの就学生は、法的にはどういう位置づけになるでしょうか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいま委員が例示をなさいましたファッション等の学校で勉強する人たちのことにつきましては、どういう学校で勉強 するかということが一つ大事なポイントになりますが、先ほど法務大臣そして文部大臣からも御説明申し上げましたような、法の中でまず留学、そして就学、研修という三つのカテゴリーがございますが、一般に先生が御指摘になりましたファッション等の学校につきましては、これは大学レベルまで達しない学校施設で勉強をする、この場合にはそれに当たるものが就学でございまして、それは実際には各種学校、場合によっては専修学校、さらにはそれにも該当しない、これに準ずるような施設、こういったようなものがそれぞれ当てはまると思いますが、入管法上はおおむね就学生に当たるものと考えます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 文部大臣、例えばアメリカンスクールというような学校、こういうものは法的には位置づけられているんですか、いないんですか。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 法制上のお尋ねでございますので、大変恐縮でございますが、政府委員から答弁をさせていただきます。

川村恒明文部省学術国際局長

○政府委員(川村恒明君) ただいま御指摘がございましたアメリカンスクール等の、多分これは外国人を対象とする学校のことをお尋ねいただいたのだろうと思いますけれども、外国人を対象とする学校で、日本の例えば一条学校、学校教育法一条に基づく学校、あるいは専修学校、各種学校あるいはそれ以外と、日本の教育法令によりますればそういう分類になるわけでございますけれども、通常外国人を対象とする学校の場合は、日本の教育法令に基づかないでそれぞれ独自の教育理念でこれをやるんだということになっております。制度上は各種学校という位置づけになることがふさわしいのではないかということでございまして、日本の国内にございます外国人の子弟を対象とする学校で各種学校となっているものも随分ございますけれども、そうでなくて、いやもう各種学校というのも自分らは関係ないんだ、我々は全く独自の組織としてやるんだというような学校もございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 次に、法務大臣と労働大臣に伺いますが、新しい法律のもとで不法就労あるいは不法就労者というのはどういう定義ですか。具体的にひとつおっしゃってください。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) この問題は入管法上の規定で示してございますので、私の方から御説明をさせていただきますが、新しい入管法の第七十三条の二に不法就労活動というものを定義してございまして、その中で定義してあります内容は、一口に申し上げますと、本来、在留資格として就労ができる在留資格を持っている人は問題がないわけでございますが、そうでない人、これを一般に資格外活動と言っておりますが、そういう資格外活動の形で就労をするような人、さらには不法入国、不法残留等のケースを記しまして、これらについて行う就労活動、これを報酬その他の収入を伴う活動、こういうふうな定義づけをいたしております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今度は外務省、法務省、労働省に伺いますが、この入管法の改正というのは昨年の末に成立をして、省令がついこの間準備されたわけですが、これはいずれも重要なことですからいろいろ努力されていると思いますが、例えば在日の公館に対して、大使館に対してどういう広報活動をされたんでしょうか。あるいは現に雇用しております事業主などについてはどういう啓蒙をされているのか。あるいは不法就労と思われている方方を対象にした啓蒙活動は具体的に何をされておりましたか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) まず、法務省の側で行いました広報活動につきまして御説明申し上げますと、この関係する部門が非常に多いために各方面からもお問い合わせもございました。法務省は法務省として、お問い合わせのありました在外公館に対する説明を行うのを初めといたしまして、この場合在外公館というのは日本にある各国の公館でございますが、さらに関係の各種の事業主の団体、経済団体、そしてまた各報道機関等を通じましてこの内容を御説明するという努力をいろいろ行ってまいりました。マスコミ側からもいろいろの御関心を寄せておられますので、マスコミにおける解説ということを行うことにもこれまで努力をしてまいりました。その中には英文の報道機関も含まれております。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 労働省といたしましては、労働行政の観点から見て外国人労働者の適正な雇い入れ、不法就労の防止を図る必要があると考えておりまして、さまざまな広報活動を行っておりますが、具体的なものにつきましては政府委員より御説明させていただきます。

清水傳雄労働省職業安定局長

○政府委員(清水傳雄君) 労働省といたしましては、外国人労働者問題につきまして基本的に、昨年の七月に通達を出しまして、全安定機関を挙げましてこの問題の適正な対処を行うべく全国的に展開をやっております。  第一点は、外国人労働者問題に関します事業主の十分な御理解をいただく、こういう観点からの指導でございますし、また不法就労に関する実効ある対処を行っていく、こういうことを重点としてやっておりまして、特に入管法が改正になりました十二月の直前の十一月にもキャンペーンの期間を設定いたしまして、改正法の内容を含めましての広報活動を行っております。さらに、その後も引き続き、いろいろな集団指導を、件数として掲げますれば六、七百件に上る形で持ちまして、事業主に対しての指導を行ってまいってきておるところでございます。また、さらに六月一日以降につきましても、労働省といたしましてもキャンペーンの月間を設けまして、この問題についての正しい理解が得られるように活動を行うことといたしております。

久米邦貞外務省大臣官房領事移住部長

○政府委員(久米邦貞君) 昨年の入管法の改正成立後、外務省といたしましては、入管法の改正の法文及びその改正の趣旨に関する各種の解説の資料を在外にございます全公館に送付いたしまして、在外での各方面からの照会、その他広報活動に利用しております。他方、東京におきましても、これは主として法務省、労働省の方でやっておられるわけでございますけれども、在京の大使館から外務省の方にいろいろ照会がございました点につきましては、当方から適宜説明、広報に努めております。  また、その入管法の英文の正訳につきましては、法務省の方で今作成しておられるわけでございますけれども、これが入手次第、これも全在外公館に配付する予定でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 現行法と改正法の中で、特に大きく変わりました中に罰則規定があるわけですが、これを法務省の方から明らかにしてもらいたいと思います。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 改正入管法で罰則の規定が変わりました最大のポイントは、不法就労を行う外国人を雇用する者あるいはこれをあっせんする者等に対しての処罰を加える罰則を設けました。これを不法就労助長罪という形で設けたという点が最も大きい点でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 六月一日からの罰則の規定はよくわかりましたが、今トラブルが起きておりますのは、今月いっぱいで不法就労をしていると思われる諸君を強制退去させる、あるいは懲役、禁錮、罰金を取る、こういううわさが非常に広がっているわけですが、この六月一日を境にして、現行の不法就労と思われる人についての取り扱い、六月一日以降なお残留をしていると思われる人については具体的にどういう措置をされますか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 不法就労を行っている当該外国人についての罰則につきましては、新法と旧法の間で若干の違いがございます。しかし、基本的には、まずその不法就労を行っている外国人については、現行法のもとでも不法就労活動で、特に資格外活動でございますが、こういう資格外活動を行っている者あるいは不法残留を行っている者、こういう者について三年以下の懲役もしくは禁錮または三十万円以下の罰金というもの、それから資格外活動の中で単に法の規範に違反して資格外活動を行っていた者について六カ月以下の懲役もしくは禁錮または二十万円以下の罰金、これが現行法でございます。  それに対しまして改正法の方は、ただいま申し上げました専ら資格外活動を行っていると明らかに認められる者あるいは不法残留を行っている者、こういう者に対する罰則規定は基本的には同じでございます。ただ、資格外活動について先ほどの説明で現行法の中で六カ月以下という規定がございましたものを、一年以下の懲役というふうに改めたという点がございます。これが外国人本人にかかわる取り扱いでございます。  あともう一つの点は不法就労助長罪で雇用主等にかかる処罰につきましては、これはこの入管改正法の中の附則におきまして、この規定につきましては、新法の施行前に既に入国していた外国人を不法就労させた、そういう雇用者については適用をしないという経過規定を設けております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 現在十万人とも二十万人とも言われております資格外活動あるいは不法残留、こういう人たちについて具体的に罰則はどういうふうに適用をしますか。全部不法残留、資格外活動は排除をしてそれぞれの国に送還をするというふうな態度をお決めになっているのですか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) まず、違法行為がありました場合にこれを摘発することは、これは法務省としての役割でございます。  そこで、入管法違反がありました場合のその摘発ということはかねてより行ってきておりますので、この点については当然新法のもとでも続けるということになります。処罰の仕方につきましては、これは司法機関の側の権限に属しますので、法務省入国管理局としては入管法違反の状態を摘発し、また我々に与えられた権限としての退去強制手続というものはとってまいりますが、処罰の問題につきましてはこれは司法機関の方での御判断になっているところでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 既に今まで検挙された人数は一万数千人というふうに聞いているわけですが、なおそのほかに十万人とも二十万人とも言われる人たちを実際はどうされるのですか。今そのことでパニックになっているわけですね。そのことを私は伺っているわけです。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 基本的には、約十万人と推計される不法就労者の問題について違法状態を是正するということが我々法務省入国管理局としての仕事であると思います。その中で具体的に摘発を今まで行った数が、例えば不法就労者について先ほど委員御指摘のような数が平成元年中にあったということでございますが、こういうことは今後も続けてまいるわけでございます。  ただ、何分にもこれは法務省のみの力では十分に対処し得ない面もありますので、関係機関の御協力を得ながら対処をしてまいるということでございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 新法の適用は六月一日から、罰則もそうであることは理解はしますが、現実に十万人程度の人たちを逮捕するとかあるいは罰則を適用する、退去を要求するというふうなことが可能なんでしょうかね、伺います。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 委員の御質問、大変難しい御質問でございますが、昨年の実績を見ておりますと、平成元年中、不法就労者が約十万人と推計される状態が一方にあり、他方、法務省当局として不法就労者として摘発を行ったものが約一万六千人ぐらいであったという現実はございます。我々としては違法状態を今後も是正するように努力をしてまいりたいということをひとつここの席で申し上げさせていただきたいと思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 法務大臣、少なくとも今のような状況に照らしてみて、ある特定な部分については経過措置あるいは便宜的な暫定措置をとらなければ事実上解決しないと私は判断をしますが、その点いかがですか。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 非常に難しい問題でございますが、今十万人を超える人を、御指摘のとおり十万人を全部検挙して監獄へ入れてもどうも部屋が相当足りないんでしょうね。だから、規則は規則で結構ですが、現実的に日本はもっと単純労働者を入れてくれという意見もある。そしてまたそういう希望もある。また働きたいという人が海外には恐らくもう何百万人もいると思うんですよ。だから、そういう面で日本の産業、経済あるいは政治、いろいろの面から考えたら、なかなかこれは何というか、短絡的にぱっぱっぱっと解決する問題じゃないと思いますね。(「だからどうしたらいい」と呼ぶ者あり)  だからどうしたらいいということで、非常に難しい問題でございますが、これは何といいますか、さっと一発で決められるような問題ではありませんが、少なくとも我が日本の国が世界の日本だ、あるいはアジアの代表的な日本だということが言われておるのに、もう一名も入るのはだめだとかということでシャットアウトして、そういうことも、この間のこの委員会でも、我が党の委員も、また野党の先生方も随分机をはたいておっしゃった。だから、そういう面でこれはやっぱり与野党を含めて真剣な対応策を考えなきゃならぬと思うんです。  思いますが、今すぐきょう、あす、あさって、入管法のあれもやりましたので、しかしこれは大岡さんじゃありませんが、運用の面をよろしく考えながらやらなければ、十万人も二十万人もやったってまた監獄の十も二十もつくらなければならぬというふうなことにもなりますので、それは運用、そしてやっている間に新しいいい知恵が出ますよ。(「何を言ってるんだ」と呼ぶ者あり)いやいや本当に出ますよ。それは出ます。そりゃ出なきゃまたどうにもならないんだから。だから、それは新しい知恵を出さなきゃならない、幾ら頭をひねっても必ず出さなければならない、また出すべきでありますね。  それは、きょうあす間に合うことではございませんが、そういうことを今入管局もいろいろ真剣な対応について多角的にあるいは幅の広いあらゆる面から考えて、この問題については将来検討しましょうということで、入管の股野君からもそういう説明を今まで何回も何回も繰り返している。だから、そういう面もいろいろ含めて、これからひとつまた皆様方からも知恵を拝借しながら適切な方法を見出さなければならないし、必ず見出すように努力をいたすつもりであります。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 法務省に伺います。  現在は在留の資格変更の申請を出している人もたくさんいます。それから滞在期日の延長を入管に申し入れしている人があるわけですが、その方方は、審査中は罰則の適用あるいは退去の強制というようなことはないんですね。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいまの委員の御指摘は現行法のもとで有効に付与された在留資格というものを持っている人がそれの期間の更新あるいはその在留資格の変更、こういうことを当局に申請をしている、そういう間にその在留の期間として指定された期限を超える事態が起こった場合にどうかと、こういう御質問であると伺いますが、この場合には、これは現在現行法のもとでも審査におのずと時間を要する案件がいろいろございますので、そういう場合には現在申請を受理しているということを入国管理局当局で明らかにいたしまして、その間については在留期間を超えた不法残留としての扱いをしないということで現在取り扱っております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 そういうことができるということが明らかになったということです。  さて次に、新しい入管法では単純労働者は受け入れない、こうなっていますが、単純という具体的な作業を明らかにしてもらいたい。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) この言葉につきましては実は公的な定義というものがあるわけではございません。一般に特定の技術、技能、知識あるいは経験というようなものを要しないそういう種類の労働、こういうふうに考えております。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 じゃ具体的に聞きます。  例えば建設業で言えばタイル屋ですね、あるいは鉄筋工、そういうものについては単純ですか、単純でないんですか。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) ちょっとだけお時間をいただいてよろしいですか。――申しわけございません。具体的個別の問題で専門的知識もお答え に要ると思うので、済みませんけれども政府委員の方から御答弁させていただきます。

清水傳雄労働省職業安定局長

○政府委員(清水傳雄君) 単純労働という言葉は一般的に言われておりますけれども、先ほど入管局長の方の御答弁にもございましたように、法律上そういうふうな、あるいは制度的にそういうふうな言葉が用いられているということでは全くないわけでございまして、今回の入管法の改正で規定をされております在留資格との関係で申し上げますならば、今御指摘のタイル工云々、こういうふうな職種につきましても我が国において就労活動をすることは法律上はできない、こういうふうなことになると思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 今の答弁は答弁になってないですよ。これは現実に即していない答弁です。  そこで、もう時間がありませんから二つのことを注文しておきます。  それは、先ほど約十万人以上の方が不法残留あるいは資格外活動というふうに言われているんですが、これに対して今日本におります外国人がパニック状態にあるわけです。したがって、これをどうするかということは日本政府の大きな方針の問題、政策の問題です。したがって、政府の統一見解を私はここで一つ要求しておきます。  それからもう一つは、単純と単純でない、場合によりますと専門的な業種、作業につきましては非常に微妙なところが現実にあるわけです。これについては職種、作業内容というものを明らかにしなければこれはまた新しい問題を惹起することになります。したがって二つの問題について政府の統一見解を明らかにしてもらって、予算委員会中に発表をしてもらいたい、こう思いますが、それぞれの大臣いかがでしょうか。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 予算委員会中ということでございますが、日程もいろいろ立て込んでおりますので、若干のずれはあるかどうかわかりませんが、真剣に検討させていただきます。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) 予算委員会中という制限をされますとちょっとあれでございますが、ともかく各大臣と今の二点につきましては真剣に検討させていただきたいと思います。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 産業界からも労働者を受け入れてほしい、こういう要望が非常に強いわけでありまして、受け入れないという政府の方針と現実とは谷間にあるわけです。したがって、どういう条件が整備をされればこの外国人の単純あるいは専門的な労働者を引き受けてもよろしいということになるのか、その点の見解を伺っておきたいと思います。

塚原俊平自由民主党労働大臣

○国務大臣(塚原俊平君) まず、大前提の話をするともうわかっておると、そう言われると思いますが、非常に労働力のミスマッチの問題とか、この予算委員会で数々御答弁させていただきましたが、そういうことがございまして非常に受け入れにはこれから慎重な議論を要すると思います。  ただ、今の御質問につきまして、もし万が一仮にいろんな研究過程でどういう状況ならばと、これも大変難しいんですが、ちょっと幾つか考えるままにお話しさせていただきますと、例えば送り出し国と協定を結ぶなどして受け入れの人数を厳しく限定するとか、あるいは逆に今度はやはり外国人労働者、この前もこれは言いましたけれども、昔のように仮に雇用内容に非常な問題があるということになるとこれは大変なことになりますので、外国人労働者の就労状況や就労先のチェックがきちんと可能になるような制度をしっかりつくるとか、あるいは期限を限って、やはりいつかはお帰りいただかなきゃ困るものですから帰国の担保措置を講ずるとか、そういうようなことが考えられるのかなと思いますけれども、これはあくまでも仮定の仮定の仮定の話でございます。

穐山篤日本社会党・護憲共同

○穐山篤君 終わりますが、その点についても政府の統一見解をまとめておいてもらいたいと思います。  以上です。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で穐山篤君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、井上章平君の一般質疑を行います。井上君。

井上章平自由民主党

○井上章平君 初めに、関係大臣に御出席いただきましてどうもありがとうございました。また、関係する省庁の方々にも大変お手数を煩わせたことを心から御礼申し上げます。  私は、当面する問題につきましていろいろお伺いもし、また私の考えておることにつきましてもここで御披露させていただきたいと思っておるわけでありますが、まず、住宅、土地問題であります。これはもう本委員会におきましても多くの委員からいろんな角度から御討議があったところでありますが、私は若干趣を変えた切り口でいろいろお話し合いをしてみたいと思うわけであります。  まず、国土庁土地局長お見えでございますか。最近また首都圏でも地価が再上昇の気配と、これは新聞で拝見したことでございますが、さらに大阪圏あるいは名古屋圏でも非常に地価の高騰が続いておるというふうに伺っておるところでありますが、まず現状はどういうことでございましょうか。  それから、基本的な地価騰貴の抑制策につきましては、さきに土地基本法の制定があり、また今日税制等でいろいろと議論されておるところでありますので、これはまたの機会によくお伺いしたいところでありますが、当面、今起きている事柄についてどのような対策を講じておられるのか、また講じようとされておるのかお伺いいたしたいところであります。

藤原良一国土庁土地局長

○政府委員(藤原良一君) お答えいたします。  地価の最近の動向でございますが、三月末に公表しました地価公示の時点では、東京都心、東京都、神奈川県あたりでは何とか鎮静化をしておるわけでございますが、周辺部、千葉とか茨城、埼玉の比較的遠い地域におきましてはまだ上昇が続いております。また、大阪圏では全域にわたりまして非常に著しい上昇を見ておりまして、名古屋圏でもかなりの上昇でございます。また、そういった傾向が主要地方都市にも及んでおりまして、非常に憂慮すべき事態であります。  最近、東京でまた地価が反騰しつつあるのじゃないかということでございますが、ややそういう兆しが場所によって認められるところもございますが、全般的な傾向としてまた反転上昇しつつあるというところまではまだ言えないのではないかというふうに考えております。  こういう現状に対しまして、私どもといたしましては、とりあえず現在運用しております監視区域をさらに厳正、的確に活用するということで、三月末にも関係公共団体においでいただきまして監視区域の運用状況を総点検しております。また、上昇がなお懸念されるような地域の知事さんにおいでいただきまして、長官から直接監視区域の新たな指定あるいは拡大、面積の引き下げ、そういった具体的な要請を行っておりまして、監視区域の運用が後手に回らないように、厳にこの制度の活用に努めておるところでございます。  また、金融機関に対しましても、かねてから金融機関に対しまして土地関連融資の適正化については大蔵省から御指導いただいております。特別ヒアリング等を通じて個別にかなり厳しい指導をしていただいているわけです。また、ノンバンクもこの対象に含めながら指導を進めていただいておりますが、先般からは総量抑制も含めて金融機関に対する監督指導を強化していただいておるところでございます。一応、当面の施策としてはそういうところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 実は、この土地騰貴は昭和六十年あるいは六十一年ごろから始まった。もっともその前に、戦後ずっと地価は上がり続けてきたという実績があるわけでありますが、とりわけ今日の急騰現象は、最初のきっかけというのは東京都心でのビル需要の急増から始まったと言われておるわけであります。これがたちまち都心から外へ向 かって拡大していった経緯があり、それがさらに飛び火して三大都市圏というような形になっておるわけでありますが、当時のことを思い出しますと、当時土地対策の担当閣僚でさえこの高騰の原因は政府の土地無策にあるんだというようなお話をされたわけでありますが、特段それについておとがめもなかった。といいますのは、やはり何といっても、地価に対してはなかなか強権を用いて強制的に抑制するというようなことがとり得ない、それだけの国民的なコンセンサスがなかなか得られないまま今日に来ているというところにあるのではないかと思うわけであります。  今土地局長からお話がございましたが、今日、自来もう数年たっておるわけでありますが、さしたる対策の成果を見ることなしに今日を迎えておるんではないかというような感じかするわけであります。これは、やはり本委員会におきましても、土地の私権は公共のために制限されるべきだ、所有権はせいぜい利用権にすぎないんだ、そういう認識を持つべきだというような御意見もあったわけでありますが、しかし、我が国におきましては、やはり非常にわずかな土地にしがみついて生きてきたというような、土地に対する執着心は格段に他の国民に比べると強いんではないか。そのことが今日まで地価対策、土地対策について有効な手段がなかなかとれない最大の理由ではないかと私は思うわけであります。  昨年、ようやく土地基本法が制定されました。これは、そういった今日までの土地に対する国民の意識を変えようとするまさにコペルニクス的な転換を図ろうとするものでありましょうから、この基本法の実効がどういうふうにこれからあらわれてくるのかということは、実はこれは単なる宣言でありますからこれからの対策いかんにかかっておると思うわけであります。  そこで、私が御提案申し上げたいのは、実は土地の問題、地価抑制ということを考えるには、どうしてこれだけ地価が上昇してきたのかというような、やはり基本的な問題点をはっきり掌握しておく必要があるんではないかと思うわけでありますが、従来から土地は拡大再生産のきかない経済財とされておるわけであります。なるほど土地そのものはそれをさらに拡大し、あるいは土地から土地を生み出すというようなことはあり得ないわけであります。したがって、我が国の限定された国土資源の中で、経済発展、人口増あるいは核家族化による住宅の増加等々による土地の需要に見合うだけの供給がなされない限り、これは地価はタイトに働き上昇が続くということが避けられないと思うわけであります。したがいまして、何としてもやはりこの問題の基本的な解決策は、供給をいかに需要に見合っただけ図っていくか、つまり供給拡大策をどうするかということにかかっておるんではないかと思うわけであります。  それで、実は神戸のポートアイランドに見られますように、我が国は四方を海に囲まれておるわけでありますから、海を的確に利用することによって国土の平和的な拡大を図れないものかどうかということであります。  私は四国の生まれでありますので、四国を例にとってお話を進めてみますと、この島は山地急峻でわずか二割弱の平地しかないわけでありまして、そこに四百二十万人の人がひしめき合って暮らしております。たかだか三千八百平方キロに四百二十万でありますから、これは見かけよりはるかに稠密な人口密集地域と言わざるを得ないわけでありますが、仮にこの海岸線を百メーター沖合に出すことができたらおよそ一割の新たな平地が生まれる、千メーター出せばまさに倍増するというような関係にあるわけであります。もちろんこれはそのままそれが実行できるという趣旨ではありません。いろいろ環境問題等がございますから、それらがすべてクリアされる必要がありますが、しかし物理的にはそういう関係にあります。  これを単なる夢物語と見るか、あるいはもう少し現実で取り上げてみますと、例えばオランダでありますが、これはもう皆さん御承知のとおりでありますが、国土面積は九州ほどの小さい国であります。しかも、その四割は海面以下であるわけですが、その海面以下の土地というのは実は干拓等によって、人々の努力によって生み出された人工の国土であります。この国のことわざに、神は海をつくりたもうたが陸地はオランダ人がつくったというような言い方があるようであります。それほど国土の拡大について、これはもちろんそういった地形的な条件が整ったからでありましょうが、そういった実例もあるわけでありますが、こういった観点から日本の国土を眺めてみますと、まさに周囲はすべて広大な海であります。国土面積三十七万平方キロ、狭い狭いといって私どもは国土の狭さを嘆いておりますが、しかし、外に目を向けますと拡大の可能性は相当あるのではないか、極めて大きいのではないかと言わざるを得ないわけであります。しかも今日までそれは確かな実績もあるわけであります。神代の昔、国引き神話というのがありますが、これもそれを象徴したものというとらえ方もあるわけであります。  そこで、ごく卑近な例といたしまして、例えば東京湾でありますけれども、東京湾につきましては明治の初めから干拓されてまいりました。東京都の下町の相当部分は実はそれによって生み出された土地であるわけでありますけれども、今日なお一千平方キロ、山手線の内側のおよそ十六倍の面積を有している湾でありますが、今日までおよそその二割が埋め立てられまして、御承知のように京浜・京葉工業地帯、今日の日本経済の成長を引っ張ってきた地域がこの埋立地から生まれております。それから住宅用地という観点から見ましても、私の調べによりますと、およそ十四万戸ほどの家がこの埋立地に立地しておるという実績もあるわけであります。  そこで、国土庁の大都市圏整備局長さんはお見えでございましょうか。三大都市圏はそれぞれ東京湾、伊勢湾、それから大阪湾という湾を抱えております。これらはいずれもせいぜい平均水深が三十メーターあるいはそれ未満の非常に浅海域でありまして、現に大阪湾では関西新空港がこの湾上で埋め立てによってつくられようとしておるわけでありますが、こういった三大都市圏の圏域計画の中で国土政策上どういう位置づけをこれらの湾について圏域整備上の観点からなされておるのか、お教えいただきたいと思うわけであります。

三木克彦国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(三木克彦君) ただいま先生御指摘のとおり、東京湾、大阪湾、伊勢湾の三大都市圏の海域につきましては、その利用につきましていろいろな論議がなされている極めて重要な海域でございます。これらの地域におきます多様な要請にこたえまして、環境の保全に配意しつつ計画的な開発整備を図るというのが基本的な方針でございまして、それぞれ首都圏整備計画、近畿圏整備計画、中部圏整備計画におきましてその基本的方向を位置づけておるところでございます。  東京湾区域について申し上げますと、自然環境の適切な保全を図るとともに、首都圏における国際化、情報化等の進展に伴う多様な要請にこたえるため、広域的、長期的観点から各種の利用の調整を図るべきであるということでございまして、このためには既に埋め立てられました臨海部におきます土地の再利用、再開発を進めるとともに、多様な要請に対応しました機能の調整を行う必要があるということでございます。また、新たなる埋め立てにつきましては、東京湾の限られた貴重な公共空間であるということ、また内湾としてかけがえのない自然環境を持っているということから、新規の埋め立てについての必要性は十分にその必要性を吟味した上で適切に対応することが必要である、かように圏域計画では位置づけられているところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 第四次全国総合開発計画におきましてもこれは重要な圏域整備上の海域であるという意識はお持ちでございますが、しかし、これを今私が申し上げたような趣旨で、そういう観点からは見ていないというように思われるわけであります。もとより半閉鎖水域といいますか、水質上の問題があります。それから、ここには歴史のある漁業が営まれております。また、この地域は重 要な港湾区域でもあるわけでありまして、そういったさまざまな既存の利用状態、これをもちろん変更することになるわけでありますから、それぞれの問題点についてそれなりにクリアしていく必要があるわけでありますけれども、しかし我が国の国土資源の利用のあり方としてこういった問題についても積極的に検討すべき必要があるのではないかというふうに思われるわけでありますが、いかがでございますか。

三木克彦国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(三木克彦君) 非常に大胆な御発想による御指摘でございますが、東京湾は江戸時代以来約二万五千ヘクタール埋め立てが行われたわけでございまして、現在残っておりますのは十二万ヘクタール、こう言われております。平均水深は二十四メーターでございます。  埋め立てられた土地の利用の状況についてでございますが、これは明治以降に埋め立てられてまいりました二万三千ヘクタールについてでございますが、港湾用地関係が二千ヘクタール、工業用地か九千三百ヘクタール、レクリエーション用地が千五百ヘクタール、交通機能の用地が三千五百ヘクタール、こういうことでございまして、住宅用地につきましては千八百ヘクタールということでございます。五十万人の方がこの埋立地に現在住んでおられるということでございます。  ただいまでも新しい開発利用、保全につきまして、国土庁としては調査研究を行っているところでございますが、交通、情報のネットワーク、レジャー、レクリエーション、業務機能、住宅機能あるいは再開発用地の代替地というような形でさまざまな要請がございます。こういった要請につきましては湾全体の状況、それからこれをくるめます大都市圏全体の状況を吟味した上で、慎重ではございますが、現下の住宅宅地問題に取り組むために大胆な発想によりまして取り組むということも御指摘を受けておるわけでございまして、これについては今後の課題として十分検討させていただきたいと思います。

井上章平自由民主党

○井上章平君 ありがとうございました。  それでは次に、この地価高騰のもたらすところ、社会的にいろいろな問題を引き起こしておるわけでありますが、とりわけ首都圏域あるいは三大都市圏でありましょうか、これらの圏域においては一般勤労者の住宅の取得が大変困難になっておるわけであります。一生働いてマイホームの夢も持てないというような状況にあるわけでありますが、まず、首都圏におきまして現在住宅価格の動向はどうでありましょうか、特に一般勤労者の、これは平均的なとらえ方でありましょうけれども、年収に対する倍率ほどの程度になっておりましょうか、また、大体どの程度が限度というふうにお考えでございましょうか、建設省にお伺いいたします。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。  首都圏で新規に発売されます住宅の価格を不動産経済研究所がずっと年を追って調べておりますので、それによりますと、平成元年の一年間に、今言いましたように、発売されましたマンションの平均価格が五千四百十一万円でございます。それで首都圏の平均所得が七百三十万円ということでございますので、これで割りますと七・四倍という状況でございます。土地の価格が上がりますタイミングとこういったマンションあるいは建て売りの価格が上がりますタイミングと若干ずれておりますので、まだもう少し上がるかもわかりませんが、ほぼ峠に達しつつあるのではないかと思われます。  今お尋ねの、それではどのくらいの倍率であれば買いやすいといいましょうか、取得可能であるかということでございます。これは民間の住宅ローンの金利の動向あるいは金融公庫を初めとします政策融資の金利水準、それから住宅取得促進税制等の税制の措置がどうなるかにもよるわけでございますが、現状の金利の水準でこの七百三十万円の所得の人が、通常は住宅を取得したいという人は普通の人よりもより貯蓄をするわけでございますが、そういうことを前提にして統計的処理をいたしまして、所得の何倍ぐらいの住宅が可能であるかということを計算しますと、おおむね五倍という数字でございます。  一方、過去においてこの五倍という数字を下回った時期があるかと申し上げますと、五十年代の後半でございますが、例えば六十年の取得価格でまいりますと、マンションが新規供給で二千六百八十三万、年収が六百三十四万でございますので四・二倍ということでございまして、過去五十年代の後半から六十年の初めごろまでは五倍を切るような状況が続いて非常に買いやすい状態が続いたということでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 実はこの地価騰貴がもたらす人々の心のすさびといいますか、そういったものも相当なものであります。一つには現在家計資産の中で土地が占める割合は各国に比べると日本は非常に高いわけであります。所有面積はわずかでありますが資産の中に占める割合は恐らく五〇%あるいはそれ以上ではないかと思うわけでありますが、それでもやはり持つ者と持たない者との間、特に持たない者の焦燥感は大変なものがあります。  そういったことで、さきにこの委員会におきましても、地価がこれだけ騰貴すればもう首都圏では持ち家はあきらめろ、むしろ良好な公共賃貸住宅を積極的に進めて借り家住まいでいいではないか、そういうライフサイクルというのですか、やがて家を持ちたければ郷里に帰って安いところで大きな広い家を持てばいいんだというようなお考えもあるわけでありますが、しかし首都圏に住み、ここで暮らし、そしてここで生涯をという方方にとりましてはなかなかそう割り切れるものではないわけであります。  ところで現在、例えば住宅・都市整備公団等でいろんな団地、マンションが新設されまして、それを公募いたしますと何百倍、何千倍というような高い倍率になるわけであります。それは比較的ほかの民間の物件に比べて安いからというようなこともあるのでありましょうが、しかし、この地価騰貴の始まる前のことを考えてみますと、まず第一に公共賃貸住宅でありますが、これは住都公団の賃貸住宅にしましても大変空き家がふえて、一体どうするんだということが国会でも問題になるぐらい実は人気離散といいますか、状態がありましたし、それからまた分譲住宅につきましても、つくってもなかなか売れないというようなことがほんの数年前に起きていたわけであります。今日の状況を伺ってみましたら、公共賃貸住宅についてもほとんどもう空き家がない、むしろ空き家がないために建てかえようにも代替住宅の提供もできないというぐらい状況が急変していると伺っておるわけでありますが、その辺の事情を御報告いただきたいと思います。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) 細かな数字はちょっと手持ちがございませんので御説明しかねますが、今おっしゃいましたように住宅統計調査で住みかえの状況を見てまいりますと、通常住宅統計調査は五年ごとに調査をしておりますが、五年の間に一都三県の東京圏の人たち四、五十万世帯が借家から持ち家に住みかえるというのが通常の状況でございます。したがいまして、十数万の方が一年間に住みかえていく、プラス・マイナスございますので純移動で調べておるわけでございますが、それが首都圏全体で見ますと居住水準の向上に非常に役立っていたというような統計分析もございます。したがって、やはり国民の持ち家に対する住宅需要というのは非常に強くて、持てれば持ちたいということで今までは行動してきたということは先生のおっしゃるとおりでございます。  したがいまして、例えば公団の分譲住宅なんかでまいりますと、非常に応募倍率が高くなってくるというようなことがございます。それから、民間のマンションでも立地がいいというようなところは今現在でも非常に売れ行きは好調でございます。供給サイドも、例えば平成元年、二年と見てまいりますと、地価高騰にかかわらず供給戸数もふえておる状況でございます。契約率も非常に高い状況にあるということでございますので、おっしゃるように非常に持ち家に対する需要は高うご ざいます。  ただ、現実問題として、大都市圏で本当は持ちたいんだけれども持てない方、あるいは都市の生活というのはむしろ持ち家でローンで苦しむよりも賃貸に入って家賃を払った方が、毎月毎月のフローの中から住居費を払っていた方が生活態度としてもいいというそういうパターンを選ぶ方もふえておることも事実でございます。  それから都市圏を大都市、地方と分けて見てまいりますと、大都市圏の方が借家率の高いことも事実でございます。したがいまして、そういう地域地域で需要の中身は違いますけれども、こういった持ち家と借家のバランスを、国民のニーズの中身をよく見ながら公共、民間の対策をしていくことが非常に重要ではないかと考えております。

井上章平自由民主党

○井上章平君 ありがとうございました。  首都圏でこれだけの地価高騰の中にありましても、やはりマイホームの夢というのはそれはそう簡単に捨て去れるものではないわけでありまして、持ち家志向というのは依然として強いものがあると思います。しかも、地価がこれだけ日々上がってまいりますと、何といいますか、焦燥感に駆られて、本来は自分の人生サイクルの中でこの時期に持ち家を持つというような計画があらかじめあって、貯蓄に努めて、それを逐次実現させていくというような計画性のある住宅対策というものを個人個人お持ちであったと思うわけでありますが、しかしこれだけ急変いたしてしまいますと、これは大変だということで、相当の前倒し需要が発生したと思われます。しかもかなり無理をして、本当は十年先でという計画が、もう仕方がないから今飛び込もうというようなことで、大変無理が起きておるのではないかということが考えられるわけであります。  したがって、やはりこれからの住宅政策の一つのテーマとしては、そういった方々に対する要望を着実に的確に将来にわたってお約束できるような計画を持つことではないかと思うわけでありますが、しかしそのためにはやはり地価の安定といいますか、高騰がある限りそれは不可能でありましょうし、また供給策が的確に図れませんとそれもやはり同様なことになるわけであります。  そこで、建設省の五カ年計画が本年度終了いたしまして、来年度から新しい住宅五カ年計画が始まるということでありますが、それとは別に、東京圏につきましては百万戸住宅供給作戦というんですか、をお立てになったと伺っておるわけでありますが、この百万戸住宅の供給作戦というのはどういう内容であるのか、そしてまた次期五カ年計画にどのように反映するのであるのか。  それから、また後でちょっといろいろお伺いしたいと思っておるわけでありますが、新公共投資十カ年計画というものもつくられようといたしておるわけでありますが、それらの中でどういう位置づけがなされるものであるか、もちろん作業中であろうと思いますので、お聞かせいただける範囲でよろしゅうございますからお願い申し上げます。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。  百万戸構想は、首都圏で今後十カ年の住宅需要を見込みながら百万戸の戸数を非常に重点的に供給したいということではじいたものでございます。その根拠は、四全総によりますと首都圏の人口の増加を抑制型でもっていく、一極集中を排除して多極分散方式でいくとして、西暦二〇〇〇年でございますが、平成十二年に今のトレンドよりも三百万人増に抑制する、本来は五百万人ふえるところを二百万人抑制するということでございますが、そうしたとしてもその間に、十五年間に新しく住宅を建てる戸数、これは建てかえも全部含んでおりますが五日七十万戸十五年間に建てる必要がある、こういうのが四全総でございます。  私どもは、そういう多極分散型の国土構造の中で首都圏が分担をいたします人口を前提といたしまして、この十五年間の五百七十万戸という建設戸数の中から十年間の需要をはじきまして三百八十万戸、この三百八十万戸のうち、現地建てかえと言っておりますけれども、既存の宅地、住宅があるものを耐用年数あるいは陳腐化したということで壊して建てかえるものを差っ引きまして、新規に建てるものというふうに考えますと大体半分ぐらいというふうになりますので、百九十万戸ぐらい新規の建設が十カ年で要るだろう、こうなります。  そのうち、先ほど申しましたように借家から持ち家に住みかえる方々、あるいは今の借家は非常に狭いので子供がだんだん大きくなっていくから広い借家に住みたいといった、一般世帯で子供を持っておられるような世帯、ここが一番住宅需要が高いわけです。住宅問題の巣になっているわけでございますが、この方々の需要がその百九十万戸の新規建設のうち百万戸ぐらい、半分ぐらいあるだろうということで、これから首都圏で住宅供給をする場合に一番大事なのはこの百万戸ではないか、こういうことで百万戸を出したわけでございます。  したがいまして、先ほど来いろいろ御指摘がございましたような住宅価格の抑制のためにどうするかというようなことで、いろいろ施策を講じながらこの百万戸を的確に供給していきたいわけでございますが、そのために今回、今国会に大都市圏法とそれから都市計画法、建築基準法の改正ということで御提案申し上げておりますが、この中では国が関係府県の意見を聞きまして、都府県の境界を超えて広域的な住宅及び住宅地の供給方針を策定する。都府県がそれに基づきまして供給計画をつくる。そしてその供給計画に基づきまして、具体の都市計画、用途地域その他の都市計画、線引きの都市計画とかいろいろございますが、そういった都市計画にきちっと、ここは住宅を重点的に供給する地域ということを具体の土地に都市計画で決めていく。  都市計画に連係するプレーになりますが、それと同時に国や公共団体はその重点供給地域で、既存のいろんな都市計画制度、建築基準の制度も活用しますし、それから予算をいただいているいろんな制度がございますが、そういう事業手法を使って住宅プロジェクトをそこで実らせていくということで、国、公共団体、公団、公社といった公的な供給主体を中心にしまして、できるだけそこの中でプロジェクトを起こす。同時に民間の企業につきましてもその重点供給地域の中でプロジェクトを起こしやすいようなインセンティブを与えていく、こういうことで新しい法案の御提案を申し上げているわけでございます。これは十カ年間の計画として考えておるわけでございます。  一方、住宅建設計画法では五カ年計画というのがございまして、平成二年度でちょうど五カ年計画は終わります。次は第六期でございますが、平成三年度から五カ年間で始まるわけでございます。これは国の全体の計画で、公営、公団、公庫といった国の公的資金でつくられます住宅の五カ年間の建設戸数をきちっと計画で決めよう、その前提は当然に長期的な住宅需給の見通しでありますとか、民間を含めた住宅建設の見通しだとかいろんなものがございますが、一番のかなめのところは公的資金住宅をこの五カ年間で何戸建てる必要があるかというところかと存じます。  したがいまして、平成三年度からそういう五カ年の計画をつくるわけでございますが、それで全国スケールの公的資金別の戸数が決まる、こうしますと、それをブロック別に分ける、さらには都府県が都府県計画をつくる、こうなっておりまして、言うなれば、先ほどの十カ年問で百万戸というのは非常に即地的な、百万戸を実現するためにこういう地域で住宅を供給したいなという地域で、地域に結びつく格好になっておりますが、これと裏腹の格好になるという形になろうと思いますけれども、具体的な五カ年計画をつくって、そこで毎年度毎年度の予算でこれを裏打ちしていく、こういうことで両々相まってこの百万戸構想を実現したいというふうに考えているところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 住宅建設に当たりましてはいろんな問題があります。とりわけ地方公共団体の調整、協力なしではこれは進められないわけであり まして、特に一団地の住宅が建設されますと、それに伴いましてさまざまな関連公共施設が必要になりますし、また人がふえるということによります行政需要も急増するわけであります。そういったことを小まめに対応策をきちんとやりませんと、地方公共団体ではもうお断りだというようなことで、これはもう現にこの首都圏でもそれぞれの市町村あるいは県におきまして非常に厳しい状況にあるわけであります。また、実際開発を行うに当たりましても、開発指導要綱等によりましてさまざまな条件が付されまして、この負担が最終的にはこれは最終需要者であります住宅取得者の肩にかかってくるというようなことで大変高くなるというようなこともありまして、ますます住宅の取得を困難にしておるということがあるわけであります。  したがいまして、何と言いましてもやはり住宅は、衣食住の中で今日最も取り残されたのが住でありますから、これはまさに国、地方を問わず共通の課題として取り組んでいく必要があると思うわけでありますが、建設大臣、この問題についていかがでございましょうか。御見解をお願い申し上げたいと思います。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) 先ほどからいろいろのお尋ねがございましたが、今地価高騰によります住宅宅地の供給という問題、関連しておりますが、非常に重要な問題でございますし、また市民生活にも一番関係のある問題でございます。従来から住宅宅地供給につきましては五カ年計画をもって推進してまいりましたが、いよいよ明年からまた新たな五カ年計画の更新期を迎えるわけですが、現在のこのような非常に深刻な状況を踏まえて、さらに今まで以上の十分な対策が盛り込めるように今努力をしようと思っておるわけでございます。  特にこの問題につきましては、今審議会においていろいろと御審議を願っておりますので、それらの御意見等も十分承りまして、新しい住宅政策について十分意を用いていきたいというふうに考えておる次第であります。

井上章平自由民主党

○井上章平君 それでは次に、公共投資の問題について二、三お伺いいたしたいと思います。  経済企画庁長官、よろしくお願いいたしますが、日米構造協議の中で内需拡大のための公共投資拡大ということが取り上げられておるということはつとに報ぜられておるところでありますし、またそうでなくても経済大国の我が国で、その豊かさがどうも実感できないというのは、やはり何と言っても社会資本整備のおくれがあるからだと言われておるわけであります。そういった両面から見ましても、これから公共投資をどのように進めていくかということは非常に重要な意味を持つわけであります。  ただいま経済企画庁を中心に公共投資十カ年計画の策定作業が進められておると伺っておりますが、この計画の性格はそもそもどういうものでございましょうか。また、その策定手順あるいはこれからのスケジュール。といいますのは、いろいろ伺っておりますと、まだいろいろ各省との間でヒアリングをしておる最中で十分固まった内容ではないということも伺っておりますし、またほかの委員からの御質問に対してもそういうお答えがあったやに伺っておるわけでございますが、その点、お漏らしいただける範囲で結構でございますからよろしくお願いいたします。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(相沢英之君) 公共投資の十カ年の計画につきましては、御案内のように日米の構造協議におきまして、「今後十年間の新しい総合的な公共投資計画を策定することとし、直ちに作業に着手する。」、要するに「実質的な社会資本整備の総額は、十年間に、現在の水準よりも大幅に拡充されることになろう。」、「最終報告において、本計画の支出総額を明らかにするものとする。」ということで、六月下旬と予定されます最終報告でこの支出総額を明らかにするということになっておりまして、それを前提にいたしまして、今各省から各事業につきましての今後十カ年間のおよその支出の見込みというようなものを出していただきまして、そのヒアリングをし、検討を行っている段階であります。  その性格はどうかという御質問でございますが、これは御案内のように各種の公共事業の長期計画が十五本ほどございますけれども、いずれもこれは根拠法がありまして、それに基づき閣議決定を経て決定されるというものが多いわけでありますが、これはそういうようなものとは違いまして、支出総額を明らかにするということになっております。何と申しましょうか、見積もりの金額というような性格のものであると考えております。  それからなお、各省との間では、委員も御案内のように、大体こういう程度でというのは、過去十カ年間において金額が伸びていないところは一応据え置きで、それから伸びているところはその伸び率に対しまして三〇%増あるいは五〇%増というもので推計をしたらどの程度になるか、過去の実績を含めまして、そういうことについての試算をお願いいたしております。  なお、その試算に際しまして、各省の今後の事業の進め方についての考え方もあわせて説明をお聞きしているということであります。取りまとめにつきましてはまだ時間を要しますので、この段階で明らかに申し上げるということには至っておりませんので、その点はお含みおきいただきたいと思うのであります。

井上章平自由民主党

○井上章平君 お聞きするところによりますと、公共投資の分野について安全あるいは産業あるいは生活といったような三分類によって策定を進めておると伺っておるわけでありますが、この三分類というのはどういう形でお決めになるのでございましょうか。また、それにそれぞれの公共投資配分をなさるということなんでございましょうか、あるいはまだ単なる検討段階ということでございましょうか。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(相沢英之君) この公共投資の十カ年計画を考えます場合に国民生活の質の向上に重点を置いて考えるということになっておりますので、そういう方針に従って検討を進めたいと思っておりますが、その際に、従来の公共事業の事項別の分類にかえて、何か新しい区分の試みはないだろうかということで一応、今委員御指摘のような安全・安定、交流・活力、生活環境・文化というような三つの分類を考えたのでありますけれども、どうも必ずしもこういう分類としてすぐ内容がわかるような名称でもないような気もいたしますし、事務的にそういうような一つのくくりほどうだろうかというような考え方のもとにこれはやっていることでありまして、なお各省の御意見も聞き、また関係各省ともよく検討いたしまして、その分類についても考えたい、このように思っております。

井上章平自由民主党

○井上章平君 この分類について私もいろいろどういうふうなお考えかお聞きしたいわけでありますが、実はこういう分類が簡単にできるのかどうかということでありまして、例えば道路を例にとってみましても、端的に思いつくのは幹線道、高速道等は産業であり、それから路地裏と言われるような市町村道に類するような道路は生活環境型の施設というふうに区分されがちでありますが、しかし高速道路にいたしましても、年末年始あるいはさきの連休等で言われますように、この大渋滞の原因は、一般の市民の方がそれぞれの生活の習慣に合わせて行動される結果起こるわけでありまして、またそういうことでなくても、例えば高速道路が何かの理由で閉鎖されたりしますとすぐその代替として一般国道に車が集中する。  そうすると、その車があふれて、今度は裏の生活道路にまで及ぶというようなことで、一概に生活境環整備だから裏通りだけが優先整備ということにならないのでありまして、私ども地方へ参りましていろいろ御要望を伺ってみますと、何といっても高速道路、高規格幹線道路の整備が一番先だ。それはなぜかといえば、それぞれの方々の生活の質を変えるんだというようなことで、まさに生活環境にとって一番大事なのは高速道路だとおっしゃる地域もあるわけでありますから、そう いうような考え方に立ちますと、なかなかこの分類で投資配分を重点的に定めるということには無理があるんではないかという感想を申し上げておきたいと思います。  それからせっかく大蔵大臣おいででございますので、ちょっと予定外質問でありますが、各省がこの十カ年計画について作業をしまして二十一世紀に向けて必要な事業量を集計すると五百兆円にもなったという話を伺っております。これは夢物語とおっしゃった。まあそうかもしれませんが、これがだんだん整理されて四百兆円というような話も伺っておるわけであります。しかし、四百兆円にいたしましても、これはようやく赤字国債体質から脱却した直後のこれからの財政体質からしまして、この投資に対応する財政についてどういうお考えがあるのか。特に今日まで大変厳しい中で建設国債を発行して、建設国債と特定財源で大体公共事業を賄ったという経緯があるわけでございますが、しかし建設国債をこれ以上増発することは、確かに施設も子孫に残すがそれをつくった借金も一緒に子孫に残すというようなことになりかねないわけでありまして、この辺、その財源対策といいますか、お考えをもしお漏らしいただければお願い申し上げます。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 先日、その夢物語という言葉を使いまして、本院で私が御注意を受けました。そのときにも申し上げたわけでありますが、過去十カ年の公共投資の総額、恐らく二百五十兆前後でありましょう。そうした中で、確かに我々は二十一世紀に向けて国民生活の質を高めるという視点からいけば、欧米諸国に比べておくれている部分の目立つ社会資本整備というものに対して相当な投資をしなければならないという事実は、これはアメリカから言われるまでもなく日本自身の問題として考えるべきことであります。  しかし同時に、過去十年の倍とかその上を超すような投資が果たして可能なものかどうか。これは考えてみれば、ほとんど不可能な話をかざしておられると申し上げる以外にありません。今私は、経企庁で作業をしておられる内容がどのような内容になっておるのか存じておるわけではありませんけれども、公共投資の十カ年計画というものが今後十年間の投資総額を決定する。その中には社会福祉施設整備費もあれば、通常の公共事業として扱っておりません公立文教における施設整備費等もありましょう、さらに地方単独事業もありましょうし、第三セクター、さまざまなものがあろうかと思います。そして、その中において国費としてどれだけのものを投入することになるのか、現時点で全く私の想像を超えております。  しかし同時に、平成二年度におきまして終了する八本の長期計画については、それぞれの省庁におかれて今後の五年なり何年かの計画をおつくりになるはずであります。そして、平成三年度以降になお事業年度を残しております他の七本の長期計画も、これはその内容どおり着実にこれを実施していかなければなりません。そうしてみますと、相当な額であろうことは想像にかたくありません。  しかし、ようやく赤字特例公債依存体質というものから脱却をし、二度と再び赤字公債に頼らないでいける財政運営を志す私どもからいたしますと、一方では、何といいましてもやはり百六十四兆に本年末なってしまう公債残高というものが頭から離れません。そして、この累増にどこでブレーキをかけられるか、我々にとって極めて大きな問題点であります。また、ようやく八・四%まで下げてまいりました公債依存度にいたしましても五%台以下まで下げるという御指摘を財政審からもいただいておるわけでありまして、これは当然、公共投資の分野におきましても、皆さんの税からちょうだいをした一般財源をもって充てる部分をふやしていくということを意味するわけであります。これを実現していきますためには、私どもは行財政改革というものにも今以上に真剣にならなければならないわけでありますし、政策の優先度についての選択もより厳しい姿勢をもって臨まなければなりません。  しかし、今経済企画庁において作業いただいております公共投資の十カ年計画というものは日米構造協議における最終報告において数字として示される予定のものでありますから、これは国際約束とかいったものではありませんけれども、日本が日本自身に対して、自分の国に対しても達成すべき目標をかざすものでありますから、この手抜きは許されるものではない。  非常に厳しい条件の中で私どもは本当にいわば剣の刃渡りのような思いをしながら努力をしていかなければならない、そのように考えております。

井上章平自由民主党

○井上章平君 ありがとうございました。  四全総によりますと、東京一極集中を排除して多極分散型の国土形成をということがうたってあります。しかし、それとは裏腹に現実には東京問題が今日いろんな面で大きな政策課題となっておるわけであります。あらゆる部門で東京への集中が続いておるわけであります。今度十カ年計画が策定されるわけでありますが、こういった多極分散型国土形成といったことを念頭に、何といいますか、地域配分についてもやはり相応の御尽力をいただきたいと思うわけでありますし、また現実にこれを、何といいますか、抜本的に解決するにはもはや遷都しかないんではないかというような御意見もあるわけであります。また、そういった議員の懇談会も開かれておるような状況であります。  これにつきましては、二十一世紀初頭ということを視点にとらえてみますと、もう今からその問題について政府としても積極的に検討すべきだと思うわけでありますが、これは、大都市圏整備局長おいでになっておられましょうか、お願い申し上げます。

三木克彦国土庁大都市圏整備局長

○政府委員(三木克彦君) 首都機能の移転問題は国民生活全体に大きな影響を及ぼす問題でございますが、国土政策の観点のみでは決定できない面がございます。しかしながら、東京一極集中是正の基本的対応として極めて重要な問題でございます。また、土地対策の推進にも資するという側面を持っております。第四次の全国総合開発計画におきましても、国民的規模での議論を踏まえまして引き続いて検討するということとされておるところでございます。  国土庁といたしましては、議論の具体化を図る第一歩として、本年一月より首都機能移転問題に関する懇談会を設けまして、現在までに二回開催し、国土政策の観点からする首都機能移転問題についての御意見を幅広い分野の方々からちょうだいをして議論していただくということにいたしてございます。おおむね二年で結論をいただくようにというお願いをいたしてございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 北海道開発庁長官にお伺いいたしたいわけでありますが、北海道開発庁はことしで設置四十周年を迎えられたと伺っております。戦後あの荒廃した時期に、北海道に夢を描いて、開発のつち音を願ってこの開発庁は誕生したと伺っております。自来四十年、どのような成果を得られたと評価されておるのでありましょうか。また、今後の北海道開発の進め方について長官の御見解を伺いたいところでございます。

砂田重民自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(砂田重民君) 昭和二十五年に北海道開発法が施行をされまして、同法に基づきまして北海道開発庁が発足をいたしました。この六月一日におかげさまで四十周年を迎えることに相なったわけでございます。  この間、企画調整面を担当いたします北海道開発庁と、農林水産、運輸、建設各省にまたがります公共事業を一元的に効率的に実施する北海道開発局という体制のもとで、道路、空港、港湾などの交通基盤の整備、治水利水対策の促進、農業基盤の整備など、極めて効率的に実施をしてまいりました。この結果、平成元年には北海道の人口は五百六十七万、昭和二十五年に比べますと一・三倍に増加をいたしております。北海道経済全体の底上げに、また道民生活向上に、また国全体への貢献度も高まってきたと自負をいたしておるところでございます。この機会に、長年にわたります 道民の皆さんの御努力と開発庁、開発局の先輩各位の御尽力に感謝と敬意を表するものでございます。  最近では、青函トンネルでありますとか、あるいは新千歳の開港でありますとか、高規格幹線道路網の整備の本格化など新たな発展基盤の整備も進みつつございますけれども、やはりまだ北海道は本州等に比べますと開発の歴史が浅うございます。まだいわゆる社会資本整備も立ちおくれが見られる状況にございます。その立ちおくれております北海道ではありますけれども、豊かな国土資源という観点から見れば、我が国におきまして最も開発可能性に富んだ地域でございます。真に豊かさを実感できる国民生活というものを二十一世紀に向けて実現していこうという大きな国の全体の目標の中で、そのためにも北海道の有する豊かな国土資源がこれの大きな推進力になっていくものと信じているところでございます。  私といたしましては、北海道開発庁四十年の成果を踏まえまして、北海道が我が国の地域開発に先駆的役割を果たすために、四十周年を迎えるに当たって決意を新たにして北海道開発に取り組んでまいる所存でございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 また、本年は石狩川で本格的な治水事業が開始されてから八十周年ということも伺っております。北海道の中で石狩川の占める重要性は申すまでもありませんが、近代的な治水工法によって原始河川を短期間に大きくつくり変えたということであります。雨が降るたびにはんらんを繰り返しておりました流域が今日北海道の中で最も重要な地域に変わっております。  そこで、石狩川治水事業の果たした役割ほどのように評価されておるのでしょうか。また、今後の取り組みにつきましてお聞きいたしたいと思います。

松野一博北海道開発庁総務監理官

○政府委員(松野一博君) お答えいたします。  御承知のように、石狩川は我が国で二番目に広い流域面積を持つ大河川でございます。石狩川の本格的な治水事業が始まりましたのは明治四十三年のことでございまして、当時の石狩川流域は河川のはんらんによります低湿地が多くございました。市街地や農地に利用されている土地は流域面積一万四千三百三十平方キロの約五%でございました。また、流域内の人口も約四十万とごくわずかでございました。以来八十年の間に治水事業の進展による治水安全度の向上、蛇行部分をショートカットいたしまして河川の水位を下げたことによります周辺の不毛の低湿地に対する排水効果、また水資源開発による都市用水、農業用水の供給、こういったことは土地利用を飛躍的に高めまして地域の活動を活性化してまいってきておるところでございます。  この結果、現在では市街地と農地の面積は当時の約五倍、それから流域内の人口は約七倍と大幅に増加しております。特にこの人口は北海道全人口の約半分を占めてございまして、石狩川流域は北海道の産業、人口等が最も集中している地域として発展を続けているところでございます。  北海道開発庁といたしましても、今後とも石狩川流域の治水安全度の向上、水資源の開発、良好な河川環境の形成により安全で潤いのある北海道開発の基盤づくりに努力してまいる所存でございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 私どもが北海道へ参りまして、千歳空港におりる直前に窓いっぱいに広がる大地があります。これがいわゆる千歳川流域でありまして、北海道の中でも重要な穀倉地帯であります。しかし、この千歳川は石狩川の支川でありまして、石狩川の水位が高いと逆流し、これを防ごうとして水門を閉めますと、今度は水がはけなくなって同じように湛水するという災害を繰り返してきたところであります。抜本的に改修するためには、この洪水を流域を変えて太平洋側に流す、いわゆる千歳川放水路事業というのが計画されております。これにつきましては、放水路を受け入れる側の地域の方々の協力と御理解なしにはできないわけでありまして、ただいま開発局におかれて鋭意努力をされておると伺っておりますので、この問題については答弁を求めませんが、ひとつ今後一層の御尽力を期待申し上げる次第であります。  それから次に北海道農業でありますが、主要農産物の需給調整あるいは自由化問題等、厳しい状況にあると伺っております。しかしながら、北海道は我が国の土地利用型の農業部門におきまして西欧諸国と肩を並べ得る可能性を持つ唯一の地域であり、国民食糧の安定供給に寄与することが強く期待されておるところであります。今後の北海道農業の進むべき方向につきましてどのように考えておりますのか、北海道開発庁にお伺いいたします。

松野一博北海道開発庁総務監理官

○政府委員(松野一博君) お答えいたします。  北海道の耕地面積は、御承知のように全国の二割を超えまして、農業粗生産額におきましても約一割を占めるなど、我が国の最も大規模な土地利用型の農業地域でありますが、今後さらに生産性を向上いたしまして国民食糧の安定供給に寄与することが期待されておると理解しております。  一昨年六月に閣議決定されました第五期北海道総合開発計画におきましても、規模の有利性を生かした低コスト高品質生産とともに集約的な作物や加工食品の供給力を兼ね備えた総合的な食品供給基地としての発展を図ることとしております。このため、今後とも北海道農業がすぐれた特性を生かしつつその一層の発展が図られるよう、経営規模の拡大、農業生産基盤の整備、担い手の育成、確保、先端技術の開発普及など、諸般の施策を関係の農林水産省等と密接な連携のもとに積極的に推進してまいる所存でございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 北海道におきましてこれからの開発可能性を生かしていくためには、公共投資に対する期待が極めて大きいものと思われます。とりわけ北海道は全国で最も公共投資依存度の高い社会を形成しておるわけでございますが、先ほども議論がございましたように、公共投資十カ年計画の検討が進められておるさなかでございますが、北海道開発庁として今後の公共投資に対する取り組みについて大臣の御見解を伺いたいと思います。

砂田重民自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(砂田重民君) 北海道は、開発庁が発足をいたしましてから四十年、北海道の開発が我が国において本格的に進められてからまだわずか百二十年余でございます。本州に比べてその歴史が大変浅うございまして、まだ社会資本の整備は立ちおくれが見られるところでございます。  公共事業に対する北海道の依存度が高い、それは公共事業の投資がおくれているからでございます。一方、二十一世紀に向けて豊かさを実感できる国民生活を実現していくことが我が国の重要な課題であります。そういう時期でございますだけに、私としては、北海道が持ちます大変大きな潜在力というもの、そしてその発展力を引き出して我が国の長期的な発展に貢献するために、立ちおくれている社会資本の整備を促進するとともに、高度な交通ネットワークの整備、活力ある産業の振興開発、安全で快適な生活環境の創造などに必要な公共投資の確保に、後ろにおられる方々の御理解を得て、ひとつ特段の努力を払ってまいりたい、かように考えているところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 建設省にお伺いいたしますが、去る四月一日から大阪の鶴見緑地におきまして花と緑の博覧会が開催されております。今日まで順調な入場者数を数えておるというふうに伺っておりますが、その状況をお聞かせいただきたいということと、それから、これは自然と人間の共生を目指してということで、自然に親しむ心をこの博覧会によって養っていただきたいというような思いが込められておるわけでありますが、しかし、それだけに展示が生き物であります花でありまして、命短い花をこの会場をはるかに上回る土地を使って、全国東北から九州まで苗床に花を育成してたびたび植えかえるというような非常に御苦心のある博覧会とうかがっておるわけでございますが、今日までの状況につきましてその感想をお漏らしいただければと思います。

真嶋一男建設省都市局長

○政府委員(真嶋一男君) お答えいたします。  花の万博の入場者は、おかげさまをもちまして本日午後一時現在で六百六十八万五千人余を教える入場者を迎えておりまして、順調であるというふうに考えております。出展された各国、全国の各都道府県初め関係各方面の御支援と御協力に感謝をいたしているところでございます。  なお、ウオーターライドの事故等につきましてはまことに遺憾なことでございましたが、安全対策に万全を期してまいる所存でございますので、今後とも多くの方々に御来場いただくことを願っているところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 輸送・観覧施設の事故等の発生はまことに遺憾であります。この点につきましては、さきの総括質疑の中で委員からお話のあったところでありますが、全国の遊園地等に設けられておりますいろいろの遊戯施設につきまして、そのオペレーターあるいは事故発生時の対応等につきまして安全対策上とられている行政上の措置はどのようなものでございましょうか。またこれは、設置に対し、あるいは運転に対し法律上どのような指導なり規制なりが行われておるのでございましょうか。

伊藤茂史建設省住宅局長

○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。  建築基準法におきまして、従来から遊戯施設について同法を準用し、構造の面、それからもう一つは維持、運行管理の面、両面にわたりましてその安全性の確保を図るよう努めているところでございます。  まず構造上の安全基準につきましては、遊戯施設、いろんな種類がございますが、その種別に応じまして最高速度、勾配等について詳細に規定しておりまして、通常の場合には確認手続で処理をしております。ただ近年、ハイテク技術によりましていろんな遊戯施設が出てまいりました。今申しましたような既存の規定によりましてはなかなかできないものもあるわけでございます。したがいまして、その場合には建設大臣が同等以上の安全性があるということを認定しまして、そして設置可能ということでチェックをいたしております。  それから遊戯施設の維持及び運行管理面でございますが、当然に遊戯施設の設置管理者、事業者が責任を負うことはもちろんでございますが、五十二年に遊戯施設の維持及び運行の管理に関する基準というのを定めまして、事故発生時の対応を含めて適正な維持及び運行管理を行うよう指導しているところでございます。遊戯施設の設置に際しては、これらの基準に従って特定行政庁が建築確認申請を受けて遊戯施設を建築基準法令に適合するものであるかどうか審査をする。工事完了時点で検査をいたしまして、その後もどういうふうにそれを維持管理しているかということを定期検査等を通じて安全の確保を図っているところでございます。遊戯施設の安全確保にとって運行管理者及び運転者の資質の向上は重要な要素でございます。御指摘のとおりでございます。  建設省におきましても、適切な運行管理者の選任等により良好な維持及び運行管理を徹底するよう、この前の事故、それからちょうどゴールデンウイークの前でございましたので、改めて指示、指導いたしました。運行管理者等に対する講習会も例年よりも予定を繰り上げて実施するなどなど、さらに一層安全確保のため指導に努めてまいっているところでございます。

井上章平自由民主党

○井上章平君 終わります。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で井上章平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、梶原敬義君の一般質疑を行います。梶原君。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 総理大臣はいないんですね。最初に外務大臣にお尋ねしますが、きょう盧泰愚大統領さんの演説を聞きまして私は非常に感ずるものがありました。苦悩の中から希望を見出そうとして努力をされている、そういう体を張って頑張っている姿というものを感じ取ったんですが、その演説の中身について若干お尋ねをいたしたいと思います。  最初に、北韓に対して「われわれと敵対、対決する相手ではなく、同胞として共に繁栄を築く同伴者とならなければなりません。われわれは決して北韓の孤立化を望んではいません。ひとつの民族である南北韓は民族共同体として自主、平和、民主の原則のもとに統一を成し遂げるでしょう。」と、こういうように演説をされました。  先般、臨時国会のときにパチンコ問題で政府も自民党の皆さんも北朝鮮というのは非常に危険な国だと、そうして朝鮮総連に対しても大変なことをずっと言われてきまして、それときょうの演説を聞きまして随分感ずるものがありました。外務大臣、いかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) けさ盧泰愚大統領の演説を私も拝聴いたしまして、大変大きな感動を覚えました。今、南北に分かれた朝鮮民族は平和的に統一されると。かねてから南北の平和的な話し合いによる統一に私ども日本政府としては期待をしているということを申し上げてきておるわけでございまして、何らこの考え方に変わるものではございません。  御指摘のございましたパチンコの関係につきましては、あくまでも日本国内の問題として私どもは扱っているという認識を持っております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 国内の問題ではあっても、あのときの皆さんの答弁あるいは自民党の皆さんの考え方というのは国内でとどまるような議論ではなかった、こう思うんです。  そこで、八八年九月、竹下総理大臣がオリンピックの前に韓国に行きまして、大統領と握手をしながら、大統領が朝鮮半島の緊張緩和推進のためにも朝鮮民主主義人民共和国の孤立化防止が重要との認識を示し、日本の外交努力を要請した、こういう事実があります。新聞にも載っておりますが、これに対して竹下首相は同感だと、こう言っております。    〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 また、一九八八年九月十四日の衆議院の税制問題特別委員会で我が党の川崎寛治議員の質問に対しまして、当時の竹下総理は、日朝関係の改善をまさに積極的に進める時期であると考える、このように発言をされております。その後パチンコ問題でああいう議論をやられたんですが、今世界が国際的に動いている中で、さらにまた盧泰愚大統領のそういう呼びかけに対して外務省としてはどのような対応をとるつもりか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 私どもといたしましては、朝鮮半島の平和的な安定、これが最も理想であるということで、そのようなことが一日も早く実現するように期待もいたしておりますし、私どもは韓国に対してもそのような日本側の気持ちを伝えております。私自身も伝えております。また、国交のない北朝鮮に関しましてはいろんな非公式なルートを通じてやはり呼びかけを行っておりまして、委員が御指摘のような南北の平和的な統一の日が一日も早く訪れることを心から期待するものであります。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 きょうの新聞を見ますと、社会党の土井委員長に対しても、北朝鮮との雰囲気づくりに協力をしてくださいと、このように盧泰愚大統領が話しておる記事が載りましたが、ややもすると政府・与党と外務省だけに閉じこもりがちな外交というのを、もっと積極的に政府がそれぞれ持てるすべての力、すべてのこまをやっぱり集中して、朝鮮問題、朝鮮の民主的平和的統一に向けての外交の展開をすべきだ、このように考えておりますが、その辺もっと大きな腹で外務省は野党にも対応するように積極的に呼びかけたらいかがかと、このように思うんですが。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 甚だ恐縮でございますが、御指摘をまつまでもなく、私は外務大臣として社会党の副委員長になられた田邊先生にいろいろとお話も申し上げておりますし、また先日は北朝鮮を訪問されてお帰りになった深田議員と御一緒に外務省の大臣室にお越しをいただきまして、我々虚心坦懐に、北朝鮮と日本との関係がより一層発展することを期待するという私の気持ちを十 分お伝えしていることもこの機会に明らかにさせていただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 確かに外務大臣の姿勢を一貫して予算委員会で見ておりまして感ずるものがあります。どうぞ今言われましたようにしっかりやっていただきたいと思います。  次に、きょうの演説の内容にありましたが、「韓日両国は東北アジアの平和と繁栄のために本格的に努力を傾けていかなければならないでしょう。」と、こう言っているんですね。「私は一九八八年の国連総会で「東北アジア平和協議会議」を提案いたしました。この協議体の実現には北韓の態度の変化等、政治的条件の成熟に時間を要することでしょう。」、こう言っておりますが、この平和協議会議というものは一体どういうような構成とか内容とか、そういうものを持って提起されているのか、その点について。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 具体的なことでございますので、アジア局長から答弁をさせていただきます。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) お答え申し上げます。  たしか盧泰愚大統領のそのときの御提案と申しますのは、朝鮮半島の将来、平和の問題につきまして、南北はもとより、周辺の日本あるいはアメリカあるいは中国あるいはソ連といった関係諸国が一堂に会してこの朝鮮半島の平和の問題、安定の問題を話し合えれば話し合ってはどうかという御提案だったと記憶いたします。  他方、しかしながら、先生も御承知のとおり、私どもはやはりまずは南北の問題というのは南北の当事者の方々が話し合いの糸口、南北対話の進展をどうやってお図りになるかというところに実は基本的にはかかっておるのだと思います。そういう南北の対話の進展が進みます中で、ただいま申し上げました日本あるいは米国あるいは中国等の果たすべき役割もそこからおのずから出てき得るのだと思っております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 たしかと言われましたが、大体具体的な中身の相談というのは外務省を通じてなかったんですか。日本はどのようにこれからこういう問題に対して対応しようとしているのか、その点あわせて。

谷野作太郎外務省アジア局長

○政府委員(谷野作太郎君) ただいま申し上げたような趣旨の盧泰愚大統領のお考えというものが外務省、日本政府に対しても事前に御説明がございました。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 だから、たしかとこう言われると、何か風の便りで新聞か何か見て言ったのか、裏で接触があるのか、随分我々国会で物を考えるときは違うんですね。  次に、彼はまた演説の中でこう言っているんです。  「過去の暗い時代、我が民族に強いられたさらに大きな苦悩と試練、その想像に耐えがたい悲劇を今、この席でお話をする必要はございません。今日、我々は国家を守ることのできなかったみずからを反省するのみである。過去を振り返ってだれかをとがめたり、恨んだりしようとは思いません。私が皆様に申し上げたいのは、両国民の真実に基づく理解であり、それを土台として明るい未来を開くということであります。」。ここのところですね、真実云々、私はぐっときたんですが、外務大臣の感想はいかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 過去の悲しい一つの時期、そういうものにおいて、私はやはりどんな民族もその民族が持っている歴史とか文化に誇りを持っておられると思います。そういう方々が心の誇りを傷つけられる、こういうことはなかなか消えがたいことで、そういう消えがたいことをこの機会に過去を清算して、そして新しい時代のためにお互いに手を握っていこうというこのお気持ちを私は感じまして、我々もまた、今までの過ぎ去った間に我々自身が心の中に持ったものを反省しながら、新しい時代に向けてこの二つの国家の国民が手を握っていかなければならないと、このような感じを持たしていただいたようなことでございました。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 ありがとうございました。  次に、問題がぐるっと変わるんですが、東京に人、物、金、情報、大学も文化も全部集中している。先ほど井上議員からもお話がありましたが、この点について私は若干お尋ねをし、また政府の対応を積極的にお願いをしたいと思います。  昭和六十三年二月に、中央公論社からマッキンゼー社の上級コンサルタント・マネジャーをしている若い人ですが、茂木敏充という人が、「都会の不満 地方の不安」という論文を書いておる。この論文の中を見ますと、「同じ日本の中に、首都圏「先進国」と地方「後進国」という、外国ほどにも違う二つの地域社会が生まれた その不均衡は対外貿易不均衡以上に大きい」、こういうことでずっと書いておるんです。  私は九州の東海岸の田舎が地元で、ですから、絶えずこういう機会には一度は言っておるんですが、国土庁、人口の過疎状況、あるいは人口の減少状況、こういう問題について最近直近のデータをここでお願いしておりましたから、発表していただきたいんですが。

野沢達夫国土庁地方振興局長

○政府委員(野沢達夫君) 人口の過疎状況ということでございますが、本年の三月に議員立法で過疎地域活性化特別措置法を制定いただきました。これに基づきまして、旧法から新法に移りまして、四月一日新たに千百四十三の市町村につきまして過疎市町村ということで公示をいたしました。    〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕  過疎状況というものを仮に都道府県ごとにそこの都道府県の市町村の中で過疎市町村の数の割合というようなことで見てまいりますと、一番高いのが鹿児島県でございます。全団体で九十六団体ありますが、七十二団体が過疎市町村、割合は七五%でございます。その次が大分、北海道、島根、高知、広島、こういったことで全体的に見ますと九州地方あるいは東北、北海道あるいは中国地方、四国地方、こういったところが過疎市町村の割合の高い府県でございます。  以上でございます。

長瀬要石国土庁計画・調整局長

○政府委員(長瀬要石君) 人口の関係につきましてお答え申し上げます。  昭和六十三年の十月から平成元年九月までの一年間にかけまして人口が減少いたしました都道府県は、北海道、青森、岩手、秋田、山形、東京、大阪、島根、山口、徳島、香川、愛媛、高知、佐賀、長崎、大分、宮崎、鹿児島の合計いたしますと十八の都道府県となっております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 今言われましたように、人口も減っている、そして過疎市町村がたくさん出てきております。鹿児島が一番で、二番が私の地元の大分で、余りいいことではないのですが、三番目が北海道です。四番目が竹下さんがふるさと論を言っている島根です。そういうように、それぞれ大変だからやっぱり一村一品運動とかふるさと創生論とかが出てくるんだと思うんですが、大変な状況です。さらにまた、今人口の減少傾向が出ております。  私はきょうは時間が余りありませんから結論を先に申しますと、これらの地域に対して公共事業の社会資本の投資を重点的に配分をしていただきたい、そういう国策上の抜本的な手を打っていただきたい、このように強く思うんです。この点いかがでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からお話がありましたように、公共事業の地域別配分というものを考えますときに、従来から地域経済の実情とか社会資本の整備状況、さらには事業の優先度などに十分配慮してまいったつもりであります。今後とも引き続きこのような考え方のもとに、御指摘の過疎地域にも配慮しながら適切に対応してまいりたいと考えております。去る三月三十日に成立をさせていただきました過疎地域活性化特別措置法におきましても、公共事業費につきましては過疎債の対象事業を拡大する、あるいは都道府県の権限代行制度を拡大し、過疎地域とその他の地域を連絡する基幹的な市町村道、農道、林道、漁港関連道など、こういう分野に拡大をするなどの 制度拡充をしてきました。これからも十分気をつけてまいりたい、そのように思います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 具体的にちょっと東九州のことを申しますと、東九州の場合は、これはもう四国も山陰も共通していると思うんですが、東九州は小倉から大分、宮崎、鹿児島に抜ける鉄道はほとんど単線でございます。大分まで複線の部分が約十三キロありますが、これは単線でございます。どうしてもまだ複線にならない。そして汽車も一つの線路の上を待ったり、あるいは時間調整しながら行くものですから、大分から宮崎、鹿児島に行くといったら、これはもう本当に大変なことで、本当に体をなしておりません。  それから道路も、高速交通網というのはほぼないんです。あるといえば、この前湯布院から別府まで横断道路がちょっとできたぐらいで、これは本当に役に立たぬのです。今建設中でございますが、まだ随分時間がかかります。  一つは、今、大分と小倉の間の鉄道の複線化されていない部分を早く複線化してもらいたい。これが一つ。それから二番目に、東九州高速自動車道が今基本計画に三カ所なっている。その三カ所とも今度整備計画線に格上げをする国幹審をまず早く開いてほしい。これがもう一つです。それからもう一つは、その中で例えば大分と佐伯は、今県の皆さんや地元の皆さんが我々のところに来るのは、これは今のままでは整備計画線には、この四十キロの大分なら大分と佐伯の間は半分に切られるかもしれない、どうもそういう動きじゃないかというので地元の人が心配をしておりますから、このような時期ですから、これはもう切らぬで、その間は近々整備計画線にきちっとしてほしい、このことが第三点であります。  それからもう一つ、第一国土軸との関係で、きょう盧泰愚さんは、二十一世紀には、東京から九州に行って、九州から朝鮮へ要するに地下道で渡って北京やモスクワに行けるような時代を早くつくりたい、こう言っているんです。そこまではいかぬでも、この第一国土軸との関係で、四国と九州の間に豊予海峡トンネルをつくるという、今調査段階のようですが、これをもっとやっぱり具体的にしていただきたい。これは地元のことで恐縮ですが、この四点についてきょうはしかと前向きな答弁を聞いて帰りたいんです。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) お答えします。  東京一極集中と地方との格差を埋めるために、まずやはり高規格幹線自動車道というものを充実させるべきであるというのが四全総の趣旨だと思っております。  ただいま先生の地元の東九州自動車道について、早く国幹審を開いて整備計画に入れろということでございます。従来、国土幹線自動車道の審議会は三年ないし四年に一度ということになっております。昨年の一月に開かれたわけでございまして、本来ならばまだ時間があるわけでございますが、私はぜひ前倒しにこの審議会を開きたいというふうに考えております。  今御指摘の、整備計画に入れろという先生の地元の問題につきましては、もしこれが整備計画に入りました場合には、環境アセス等々のいろんな関係を整備しながらそれの着工に向けていくわけでございまして、まず整備計画にどういうふうに入れていくかというのは、これから十分検討させていただきたいと思っております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 自治大臣、私が言ったことはよくわかったと思うんです。状況はもう御存じのとおりですが、地方の問題については自治大臣も大事な仕事をされておりますから、ひとつ努力をするように御答弁願いたいんです。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(奥田敬和君) 前段、先ほど先生は過疎地の振興に関して御指摘もございましたけれども、過疎の方の方たちに関しましては、御存じのとおり、昭和四十五年の過疎法施行以来今度の新過疎法実施に至るまで、過疎地域におけるこういった道路を中心にした投資事業に関しては随分莫大な投資が行われてきたことは御存じのとおりでございます。  それで、今回も、新過疎法によりまして、過疎債の資金面の手当ても千七百億ほどから二千三百億近い、二五%近い形でふやしてきておることも事実でございますし、今後、この地域における第三セクター等々の企業誘致等々に関しましても、この過疎債の適用をうんと拡大させようと思っておりますし、また下水道や道路に関しましても適用を拡大いたしまして、ぜひ大分県の振興にも大いに役立つように努力したいと思っております。  なお、今お話しになりました、これは壮大な鉄道なり幹線道路の面の御質問でありましたが、もしそういう際に地元に対しての負担等々ありますれば、これは当然起債面その他で優先的にできるだけの配慮をしてお手伝い申し上げたいと思っております。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) 梶原先生にお答えします。  実は、先生御存じの尾道―今治架橋というのがございますが、これは西瀬戸自動車道という名前にしております。そんなことがございまして、先生とはある意味で、四国、山口、広島、九州は経済的に一体ということで考えておるわけでございます。そんなことでございまして、先ほどの第一国土軸構想につきましては、九州地方におきます本州、四国との広域的な圏域の形成を図るための交通体系について長期的視野に立って検討することにしております。  そんなことでございまして、第四次全国総合開発計画におきましても、そういう点が指摘されているところでございますが、今後の九州地方の開発、発展の基本方向を示す九州地方開発促進計画については、国土審議会九州地方開発特別委員会において計画案を取りまとめ、今月末の閣議決定に向けて作業中であります。また、同計画においては、本州、四国との交流、西瀬戸地域におけるインターブロック交流、九州内部の交流等を促進するため、九州における新たな国土の軸の形成が必要であり、本州、四国、九州を結ぶ交通体系について長期的な視点から検討するとしているところでございます。よろしくお願いします。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 本当にまじめにぜひ考えていただきたい。この公共事業の重点配分は、大蔵大臣、やっていると言っても、なかなかそうはいってないんですよ。ぜひお願いをしたいと思います。  次にODAの関係について若干、本当に簡単ですが、申し上げます。私この前ちょっとやり損ないました、時間がなくなりましたから。  外務大臣、ODAの予算、ずっと一番上がっているんですが、昭和五十八年を一〇〇といたしまして、指数で平成二年度の予算を見ますと一五五・六ですね。非常に高い伸びを示しております。私は今このODAの予算の伸びが高いのがよいのか悪いのかという議論をするつもりはない。しかし、先ほど言いましたように、茂木さんが言っておりますように、日本の中にも先進国と後進国に匹敵するような、同じ人が住んでいても、そういう地域には非常に差があると、こう言っているんですよね。  私は、貴重な国の予算を、財政投融資を入れたら一兆数千億円、そういうお金を投入してODAをやるわけですから、そのODAの効果なり、あるいは本当にODAが利権に結びつくようなことがあっちゃいけないと思うんですね。マルコスのときもあいまいになってしまいましてね。そして、いろいろな問題や疑惑があるんだけれども、なかなか政府は明らかにいたしません。そういう点で、ODAに対していいかげんにやられたら本当にいけない、このように私は思うんですが、その辺に対して大臣の所見を伺いたいと思うんです。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) ODAはとうとい国民の税金で運営されるわけでございますから、私どもは政府として国民の皆様方にODAに対する疑問、疑惑が起こらないように、これを公正に執行する基本的な考え方を整備しなければならないということを大臣自身としても持っております。そしてまた、このODAがいろいろと国会でも御批判を受けている点もありますけれども、問題はODAの仕組みというものが非常に国民にわかりに くい、ここにも一つの大きな問題があるのではないかと思います。  例えば要請主義で行われる援助、しかも相手国政府がいわゆる行政権を持っておりますから、相手国政府の権限で行われて、日本の会計検査院がその援助のあとの経理等の調査を行う権利を持っていない。こういう中で、我々は相手国の政府を信用して相手国の国民の生活の向上あるいは環境の整備に我々先進工業国の一員としてお役に立つことが当然であろうと思ってやっているわけでありますから、そこらの点も国民の皆様方には十分御理解をいただかなければならない。私は、できるだけ評価の制度というものをきちっとやる、また評価をする前にフィージビリティースタディーをしっかりやらなきゃならない、日本だけでやらないでこれを外国のいわゆるそういうふうな組織にゆだねることも必要ではないかという考え方を持っております。  いずれにいたしましても、ODAの金額が極めて大きくなり、さらに我々が国際社会に貢献するためにはODAを通じてこれからやらなければならない部門もふえてくると思いますので、一層この機構の整備と、日本だけ独特のやり方でやっているところはこれを改正しなければならないということで検討を命じているところでございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 私、国会にできるだけわかるように資料を出してほしいというときはやっぱり協力をしてもらいたいんですが、その辺はいかがでしょうか。

中山太郎自由民主党外務大臣

○国務大臣(中山太郎君) 今まで相手国政府とのいろんな協定の中で行われてきた、いわゆる公開できない部門もございますから、公開できる部門についてはできるだけ公開をするようにやってまいりましたし、これからもそのような方向で努力をいたしたいと考えております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 この前私が、四月の四日にバングラデシュの救命ボートの問題で、一番札の金商又一、これは第一部上場株の会社ですかられっきとした会社、これと丸紅と両方が、数社入札をして金商又一が一番安くて一番札、その二・六倍の丸紅が結局受注した、その疑惑について少し質問いたしましたが、時間がなくなりましてあのままになったんですが、また改めて何かでやりたいと思っているんですが、そのときに木幡さんという外務省の方、きょうはいらっしゃるかね、あの木幡さんの答弁によりますと、私はあのときに、ある筋から、伊藤さんというバングラデシュの日本の外務省の公使が相手国政府に一体どういうことかという問い合わせの手紙を出しておる。  その手紙の写しを今持っておるんですが、その問題に対して一体どうなのかと、こう言った。そのときの御答弁は、「伊藤公使の書簡であるかどうか、その辺のことをここで御説明申し上げるのはなかなかまいらない次第でございます。」と、こう言っているんですよね。私はむっときたんですよ。もうちょっと物の言い方がないのかなと思って来たんですが、この点は、こういう考え方は依然としてお持ちですか。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) あのときの私の御説明の趣旨は、先方に対して我が国の援助を適正に使用してもらうということでいろんな形で、口頭で話し合っているときもございますし、書簡で確かめていることもございます。そういう外交交渉の詳細について先方等の了承がないままに私どもの一方的な形として、行為として申し上げるのは難しいという趣旨を申し上げた次第でございます。  もとより、情報の公開については、先ほど大臣からも御説明ございましたように、私どもできるだけ御要望におこたえする、国民の皆さんにできるだけ御理解をいただくという姿勢で臨んでおりますが、ただ一、二制約がございますのは、やはり相手方援助でございますので、被援助国の意向に反した形で私ども一方的に外交交渉の経緯を書簡そのものというような形で御提出申し上げることにはなかなか制約があると、こういう趣旨を私は申し上げたかった次第でございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 私たちは乏しい時間と乏しい調査で資料を集めておるんです。だから、ここで言えないにしても、こういう言い方はないでしょう。私どものそれについて本当にそのものが伊藤公使の書簡であるかどうか。私が言っていることがうそだと、うそかどうかわからぬと、感情をあらわにしたむちゃくちゃな答弁のやり方じゃないですか、このやり方は。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) 私が御説明したかったこと、若干先ほどの重複の点もございますが、外交交渉の一環としてのことでございますのでということを私そのときにも申し上げた次第でございます。決して先生の御指摘の内容についてというところでとやかく申し上げたつもりはございませんで、外交交渉の形式についてどの手紙についてどう答えているのか、なかなか先方との間での形式論を含めて、先方の了承がないままにお出しするわけにまいらない、そういう趣旨であったと御理解をいただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 大臣、これは外交交渉に関係ないと思うんだ。公使が向こうの政府に出して、経済協力局ですか、こことも相談をして出した文書ですね。少なくもそれを外交交渉、こんな文書、問い合わせた文書、それを出せるとか出せないとかいうことが、私はさっきから言うように、一体どうなっているのかというのは、もう議論できない。大臣、ちょっとそこ常識でこの問題は処理しましょうよ。――おれの文書を見て判断するならわかる。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) 御質問の件につきましては、先方との話の過程できちんとした先方の説明が来ております。したがいまして、私どもとしては形式的な先方書簡そのものはお出しできないんですが、先方の回答、内容についてはきちんと御説明できる、こういうことでございます。あくまで形式的にどの書簡、どの時点のということがなかなか先方との間で一方的に御説明するのが難しい、こういう点だけひとつ御理解をちょうだいしたいと存じます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 そういうことを言っているんじゃないんです。私は、外務省の公使が出した手紙、向こうから来た手紙を聞いているんじゃないんだ。出した手紙が一体そうなのか、どうなのかということに対して質問している。

木幡昭七外務省経済協力局長

○政府委員(木幡昭七君) 我が方からの照会の内容はここに私ただいまは持ち合わせておりませんですけれども、援助の適正使用の問題について先方の注意を喚起しているものでございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 だから初めからそう言ってもらえれば。私はこの会議録を読み返して本当に情けなかった。  会計検査院おりますか。このバングラデシュの債務救済無償援助の救命ボートに絡む丸紅の発注と金商又一の発注、二・六倍、この問題については、会計検査院としては当然なかなか難しい面もあると思う。先方の協力もあるでしょうが、これはぜひ調査の対象にしていただきたいと思うんですが、いかがですか。

疋田周朗会計検査院第一局長

○説明員(疋田周朗君) お答えいたします。  このバングラデシュに対します債務救済無償援助につきましては、当局から詳しく御説明を伺いまして十分に検討してまいりたいと考えております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 それじゃ次に移ります。  シビリアンコントロールにつきまして、先般総理大臣が私の予算の防衛費の伸びやなんかのグラフを見て、シビリアンコントロールが働くんだと、大蔵大臣は聖域じゃない、防衛費は、こういう御答弁がありましたが、その点について官房長官、我が国における防衛政策に対するシビリアンコントロールとは一体どういうことなのか。コントロールをする手段、場所、そういうものを列挙していただきたい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 我が国は、私は立派な民主国家だと思っております。シビリアンコントロールは、もう委員御承知のとおりでございましょうけれども、これは政治が軍事に優先をするということであろうと思うております。内閣総理大臣や防衛庁長官はシビリアンであります。その統括するもとに自衛隊が存在をすると。これはい ささかの揺るぎもないところであります。それからまた、自衛隊の組織、人員その他につきましては、これは法令の許す範囲内でございまして、国会のコントロールのもとにあるわけであります。予算にしてもまたしかりでございます。そのほか「国防の基本方針」、それから「防衛計画の大綱」とか「防衛出動の可否」だとか、それらのことごとはすべて安全保障会議設置法の示すところであります。緊急事態に対する対応についても安保会議の了承を得ることになっておりまして、私はシビリアンコントロールは我が国において立派にその制度は確立してあるということであります。  しかし、この制度を行うのは政府でありまして、また国会のコントロールでございましょうから、そういう運用の面について万遺憾のないようにやっていきたいと思っております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 政治によると。政治によるということは、国会のことを意味されているんですか。政治が最優先と、こう言われましたが、国会のことを意味しているんですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 政治が軍事に優先をするということでありまして、シビリアンコントロールが自衛隊に完全に適用される、こういうことであります。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 国会における、国会のシビリアンコントロールに対する役割みたいなものはどのように考えておられますか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 国会は国権の最高機関であります。その国会のコントロールのもとに予算や法律、これに従って政府はやはり動くし、そしてそれに従って当然自衛隊はそのコントロールのもとに置かれるということであります。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 主に国会、内閣、それから防衛庁内における文官、こういう形になるんだろう。もう少し体系的に頭にすっと入るように私は答弁を期待したんですが、まあやむを得ません。  国会による統制――法律をつくったり、予算の審査をしたり、国政調査をする、これはやっぱり当然だということなんですが、我々が国会で一体防衛政策、防衛問題、防衛予算を審議するときに、これまたなかなか資料が国会に出てこないんです。なかなか判断がつきにくいんですね。この点についてはいかがでしょうか。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 今官房長官からお答えいたしましたように、我が国は民主主義国家であるし、政治が軍に優先して位置づけられているということは全く同感でございます。その際のいろいろと国会の審議をする過程におきまして、当然資料の提出等も要求されるわけでございますが、それは可能な限りやはり提出をし、十分に審議をしてもらうということが当然ではなかろうか、かように考えております。ただし、これは極めて一般的なことでございますけれども、見解を持っております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 それではお尋ねしますが、イージス艦というのは、本来は航空母艦を守りながら航空母艦が移動するときはついていく、そういう役割が中心だと思うんだが、もう日本は既に六十三年と平成二年度予算化しておりますね。さらにこの前の国会の議論を聞いておりましたら、どうもあとまだ二つか買うんじゃないか。一つが一千二百五十億か一千三百億円近いのを、どうしてそういうものが必要なのか国会で議論してわからないんだ。一体どこがどうなっているのか、契約もどこがどうなっているのか、きょうも資料をいただいたんだけれども全部わからない。もう一度ちょっとそこのところの……

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) より詳しく説明をし御理解をいただくために、内容につきましては防衛局長の方から詳しく説明をさせていきたいと思います。

日吉章防衛庁防衛局長

○政府委員(日吉章君) 私の方からはイージス艦の必要性につきまして御説明をさせていただきたいと思います。  委員御案内のように、我が国は資源等の大部分を海外に依存いたしております。そういう意味で、海上交通の安全確保というものは国民の生存維持等のために必須の事柄でございます。ところが、近年におきましては、こういう海上交通の安全を確保する観点から見ました場合に、国際的な軍事技術の動向、軍事技術が上昇していることによりまして、空を経てまいります上空からの航空機が発射いたしますミサイル等の性能が非常に発達しておりますので、そういう軍事技術の質的な変化に効果的に対応できるような水上艦艇ということが必要でございます。そういう観点から、我が国が保有しております護衛艦の中のDDGと申します艦隊の中の中枢艦でございます対空防衛をつかさどっております艦艇の性能を向上させたい。その場合に、いろいろと検討いたしましたところ、各護衛隊群には少なくとも一隻ずつイージス艦を配備するということが経費効率上も有効ではなかろうか、こういう結論を得まして、逐次中期防計画の中でも予算化をお願いいたしておるところでございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 もうそういう議論は、私はシーレーン防衛の論争や何かをすると時間がなくなりますからやめますが、イージス艦がこの前ペルシャ湾でイランの飛行機を間違って落とした。むしろそういうようなことで先制攻撃みたいな形で先にやって大きな国際紛争になったらどうするか、その自信はあるのか。

日吉章防衛庁防衛局長

○政府委員(日吉章君) 我が国はあくまでも専守防衛という基本的な原則に立っているということをまず御理解いただきたいと思います。  それから、委員ただいま御指摘になられました先般イランの航空機を米国のイージス艦が誤射いたしました事件でございますが、これにつきましては米国当局の調査結果が発表されておりますけれども、これによりますと、イージス艦の対空目標の識別手段そのものにつきましては欠陥があったわけではないという調査報告が出ております。これは米国の方から公開をされている部分がございますので、その限りにおきまして御要望がございますれば資料として提出することは可能でございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 その資料をぜひ提出してください。委員長に出していただければ結構です。委員長からいただくように……。  もうわからぬことが多いんです。イージス艦の六十三年度分の契約一千二百二十三億円、その契約の内容を出してほしいということでお願いをしたんですが、三菱重工に三百六十八億円、石川島播磨に七十億円、米海軍省に六百三十二億円、これはFMS契約で直契約のようでございますが、合計をいたしますと一千七十億、差の百五十三億はその契約の内訳を出してくれないんです。間に合わぬか出さないかわからぬ。こういうようなやつが次から次に出て、今言われたようなこともさっぱりわからぬまま、国会がこのシビリアンコントロールの最たるものです。政治が優先すると言ったって、さっぱりこれはわからぬ。イージス艦のこの契約の中身は一体どうなっているのか、こういうものもあわせて防衛局長言ってください。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 今御指摘の御要求いただきました資料につきましてお届けしたわけでございますけれども、前にも一度御説明させていただいたと思いますけれども、こういったイージス艦等の艦艇につきましては、契約の本数で申しますと数百に上る契約件数に実はなるわけでございまして、一つ一つについて申し上げることが非常に難しい。実はこういったものにつきましては、艦艇にどういう武器を搭載しているか、どういうシステムを搭載しているかということを公表しますことは、その艦艇の能力、性能を公表してしまうことになるわけでございまして、そういう点からお出しできる範囲というのは限られることはいつも御理解いただいているところでございます。  本件千七十億円、合計と足りないところがございますが、この点につきましても、やはり細かい契約でございまして、例えば百二十七ミリの速射砲でございますとかソーナーですとか、そういったものがございましてかなり細かいものですから、大きいものにつきまして資料を御提出させていただいたということでございます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 米海軍省と直で六百三十二億円、 これは外になかなか出せない技術的な問題でしょう。しかし、その予算をしたやっと契約で出してくれたやつの差の百五十三億円という金額はそんな小さい金額じゃない。なぜそれが出せないんですか。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) もう一つ御説明漏れがございましたが、御案内のとおり、イージス艦につきましては五年継続費で実施しておりまして、それぞれ建造が進むごとにそれぞれ必要な武器システム等を発注し、搭載してまいります。現在すべてのものが契約済みになっておりませんので、一部はまだ未契約のものがございます。そういった全部整理がついていないということもございまして、両面から、先ほど申しました性能を示すということが難しいという面とそれからまだ契約が全部済んでいないということで、若干そういった漏れがあったということを御了承いただきたいと思います。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 じゃ内訳を出してください、委員長。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 先ほど申し上げましたように、それぞれ護衛艦に搭載しております武器システムの詳細を示すことになりますと……

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 相手先だ。契約をしている相手先だ。金額、中身だ。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 契約の具体的なその品目等を示すことになりますと、結果的にどういうものを搭載しているかということになってしまいますので、もしも契約先ということだけであれば……

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 金額もわかるだろう。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) その契約先とそれから金額について、直ちにというのはまだ未契約のものがございますし、整理がついておりませんので、主要なものにつきましてもしも企業の例えば名前とそれから金額ということでございましたら、それはできるだけお出しするように努力をいたします。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 あなたは通産省におって、そんなことは社会の常識でわかっておるはずじゃないか。今みたいな話をして何ですか。委員長注意してくださいよ、そういう子供みたいな話をされて。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) なかなか御理解をいただけなくて大変恐縮でございますが、先ほど申しましたように、艦艇に搭載する武器システムあるいはそれら装置等につきましては、公表をすることが結果としてその艦艇の性能をあからさまにしてしまうということで不利になるということから、従来から防衛装備品の詳細については、どういうものを艦艇に搭載しているかということについてはできる範囲でお出しするようにさせていただいておりますが、全部を明らかにするということは差し控えさせていただきたいということで御理解をお願いしているわけでございまして、その点はぜひ御理解をお願いしたいと存じます。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 そういうことを言っているんじゃない。何回言わすんだ。中身はいい、金額と契約先を出してくれと。あと幾ら契約してないと。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) その点につきましては、先ほども申し上げましたように提出をいたします。ただ、まだ整理のついてないもの、それから未契約のものもございますので、主要なものにつきまして整理のつき次第、御報告いたします。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 これは困りますね。一応、防衛局長も答弁しましたイージス艦の目的、そしてどういうような性能を持っているかという大体のところと、今言われました未契約のものと、これはあわせて出してほしい。  なぜ私はそう言うかというと、政府専用機というのが二機、私も六十二年の買う前に決算委員会で大分調べたんです。これは合わせて三百五十九億六千二百万円、官房長官、これは何で防衛庁が買うようにしたのか、そして防衛庁はさらに、これは衆議院でも質問があったと思うんですが、伊藤忠を通じて発注をやっているんですね。そして何で伊藤忠にそれをやらなきゃならなかったか、それがさっぱりわからぬ。いずれにしても、そういうことが次々にあるわけですね。だから、イージス艦についてだけでも私は、たくさん防衛内部にはいろいろありますが、これから資料要求しますから、国会に出していただくように委員長の方からひとつ防衛庁の方に、先ほどのこの議論の結果そういうところに行き着いたわけですから、ひとつ委員長お願いしてください。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。  ただいま梶原君から要求のありました契約未済の額、それから契約済み会社名、この資料につきましては後刻、防衛庁から出すようにいたします。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 大蔵大臣、先般、防衛費はもう聖域ではないという答弁がありましたが、これを見てわかりますように、私は国会へ来たのは五十八年からですが、ずうっと伸びて非常に危惧をしました。その間に今言うイージス艦が二つふえたり、またさらに二つふえようとか、こう言っているんですが、私は、聖域扱いをしていない、こう言っているけれども、実際は聖域扱いをされていると、このようにとっておるんですが、いかがですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今年度完成とよく言われておりました中業、御承知のように概成でとどめております。そして、平成二年度の予算でごらんをいただきますならば、久しぶりという言い方は悪いかもしれませんけれども、社会保障関係費の伸び率の方が防衛費を上回ってもおります。  こうしたところを見ていただきましても、確かに国際条約の関連のものというのは概算要求時点においては、防衛費ばかりではなく、例外扱いをして要求を認める項目でありますけれども、査定に当たっては私は財政当局として決して聖域扱いをしているとは考えておりません。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 私は、大蔵省、「平成二年度の概算要求基準」というのを今ここに持っております。「例外事項の増加額」というところで一兆二千二百億円、この中には人件費、年金成熟化、政府開発援助、石油税財源の特会繰入、国際条約の歳出化というところでこれは防衛費が入っております。一方、「削減額」のところで、これが三千六百億円削減しておりますね、シーリングで。その関係から見ますと、既に一兆二千二百億円というのがもう例外扱いをされているわけですね。だから、そこのところが私は最大の問題だ、このように見ております。  時間がありませんから、一体どうなっておるかというのを私計算をしましたら、防衛費の伸びの約二千五百億円に対して大体四%ぐらいしか、防衛庁の要求から大蔵省が査定したときの差が九十四億円査定でやっているわけですね。その九十四億円というのは、全体の四兆一千五百九十三億円の防衛予算に対して、あるいは今度伸びました約二千五百億の防衛予算に対しては、努力をされたと言うけれども、非常に額自体は小さい。既にそれより前に聖域化している、例外化している予算総額そのものが私は非常に大きなウエートを占めていると思うんですね。だから、実際は、大蔵大臣頑張ったと言っているけれども、トータルでいきますと、もうほとんどこれは例外扱い、ほとんど言いなりの予算が通っている、このように思いますよ。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 御答弁申し上げます前に、とっさの御質問で私は中期防と中業を言い間違えたようであります。この点はおわびをして、中期防と訂正をさせていただきます。  ただ、委員今そうおっしゃいましたけれども、この概算要求時点から後、人事院勧告が出てまいります。そして人事院勧告の人勧分が人件費は上乗せになっております。さらに、その防衛費の例で今国際条約の歳出化についてお触れになったわけでありますけれども、国際条約の歳出化、決して防衛費だけの問題ではございません。そして、これは私自身が運輸大臣の際に、国際的な海難救助の条約に関連いたしまして長距離海難救助捜索のための航空機の購入を要求いたしましたときに も、国際条約の歳出化ということで、シーリングとは別にこれは要求をさせていただいた、そして購入を認めていただいた記憶を持っております。  また、年金にいたしましても成熟化の度合いは年々進むわけでありまして、概算要求基準というものの中に閉じ込めようといたしましたときにはどうしても無理があるものであります。こうしたあるいは政府開発援助、人件費といった項目につきまして要求段階において例外事項を認めるということは、これは私はそれぞれの持つ性格からしてやむを得ないことだと考えておりますし、その査定につきまして努力が不十分であると言われれば私ども何ともそれ以上に申し上げることはないわけでありますが、私どもとしては努力をしまとめ上げたと、そのように考えております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 時間がありませんから先に移りますが、文民統制で大きな役割を果たすのはやっぱり大蔵省。したがって、どんどんもうこれはとどまるところを知らず上がってくる制服組の要求が中心になるんでしょうが、それに対応するにはやっぱりまず大蔵省が頑張っていただきたい。最初から例外扱いをつくるんではなくて、もう例外扱いを最初からしない、このようにしていただきたいと思います。  最後に、文部大臣御苦労さまですが、私は子供の、学校の週休二日制、週五日制、これはぜひ実現をしていただきたいと思うんですが、もう時間ありませんから前向きに答弁をいただいて終わりたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 先生御指摘の学校週五日制の問題は幅広い観点から総合的に検討していかなければなりませんけれども、現在この問題に関する調査研究協力者会議で鋭意いろいろな観点から検討を進めておりまして、今実験校を六十八校指定し、いろいろな基礎データを集めまして、およそ平成三年度末までに学校週五日制について一応の結論を出すという考えで調査を進めております。

梶原敬義日本社会党・護憲共同

○梶原敬義君 終わります。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で梶原敬義君の質疑は終了いたしました。(拍手)     ─────────────

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 次に、山本正和君の一般質疑を行います。山本君。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 各大臣お忙しい中をお集まりいただきましたが、きょうは、我が国の今国民の最大関心事でもありますし、また我が国経済ばかりでなしに外交問題にも発展している土地問題、こういうことを中心にお聞きしたいと思うので、土地問題の関係閣僚会議というのに御出席の大臣の皆さんの御決意を承りたい、こういうことでおいでいただきました。どうかひとつ国の基本にかかわる問題ということで、いろいろ御都合がおありになろうかと思いますけれども、最後まで御協力を願いたいと思います。  その前に、先般の続きでございますが、現行税制の抱える問題点、大蔵大臣を中心にちょっと質問を続けまして、あと土地問題に入りたいと思います。  まず、現行税制の中で国民が感じている不公平感、これについてのひとつ大蔵大臣の所見を伺いたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 昭和五十年代の後半になりまして、我が国の中で税制に対してさまざまな議論が起こり、重税感というものを中心にして税制改革を求める声が非常に国民の中から強くなったことは御承知のとおりであります。そして、そういう声が出てまいりました原因には、私は大きく分けて、一つは、非常に厳しい財政状態の続きます間におきまして本格的な税制改正がなされてこなかった。その間に、勤労者層を中心として給与所得者の中に非常に重税感というものが高まってきた。そして、その重税感という思いと捕捉率に差があるのではないかという思い、そうした思いがないまぜになり、所得税を中心とした税制改革を求める声が生じてきた。  そして、それに対しまして先般の税制改革というもので私どもは答えを出したわけでありますが、もう一つの問題として出てまいりましたものは、その間にいわゆる不公平税制という言葉で言われた各種の租税特別措置に対して、それが不公平を生んでいるのではないかという疑念から生じた声、こうしたものであったと思います。そしてそれには、例えば社会保険診療報酬に対する租税特別措置あるいは原則非課税でありました有価証券取引に対する原則課税といったように、それぞれの答えは書かれてまいりました。しかしまだ、例えば赤字法人に対して、なぜその赤字法人が土地を取得できるんだろうとか、非常に素朴な疑問点、こうしたものが私は国民の中にあると思いますし、その声は率直に認めます。  ただ、最近になりまして生じてまいりましたのは別途からの声でありまして、地価の高騰というものに伴い、いわば持てる者と持たざる者という二つの立場の中で資産課税というものに対する適正化を求める声、そしてそれは先般来本院においてもしばしば論議の対象になっております、持てる者といいましても、今度は個人と法人との間の差があるといったような、持てる者同士の間における格差とでもいいましょうか、こうしたものにまで目が向くようになり、そうしたものが今度は資産格差に対する適正な課税を求める声として今私どもの上にかかっておると、そのように感じております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 大臣、本当に今のお話、短い時間で的確に不公平の問題を御指摘でございます。大変やっぱり専門家でいらっしゃると、こう感心いたしますが、その中で特に私、実はこの前、月曜日の日に質問いたしましたら、電話がかかってまいりまして、絵を百二十五億あるいは百十何億で買った人の場合、これは将来相続税はどうなるんだというふうな話が出てまいりまして、金持ちでなけりゃああいうことできぬぞと私ら思うんだと、一体税制の仕組みはどうなっているか一遍国会できちんと明らかにしてくれと、こういう質問がありましたので、ちょっとそのことで時間をいただきたいと思います。ちょっと資料を配っていただけますか。    〔資料配付〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これは大蔵大臣に直接お答えいただかなくても、担当の方で結構でございます。  まず、ここにお配りいたしました資料、「個人の絵画購入と課税関係」、これをずっとごらんいただきまして、私が質問することについて国税庁に答えていただきたいんですけれども、買った場合、海外での購入、国内での扱い、この表のとおりでよろしゅうございますか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 今ちょうだいしたばかりでございますので、これこのとおりでいいかどうかということは即断する能力もございませんけれども、先生が十分にお調べいただいたものだと思いますので、そういうふうに受け取らせていただきます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 相続税関係について質問するということを言ってありますし、法人関係、不公平税制、言ってありますから、ちょっと見ていただけばわかると思うので、二、三分でもいいですから、時間をかけてもいいですから、ちょっと見てください。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 一枚目の個人のケースでございますが、上半分は恐らく制度の話で、これでという感じを持っておりますが、下の方はちょっと私自身、例えば「I 土地のみが相続財産の場合」……

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 そこまで聞いていない。上だけ。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 上だけだと大体こんなことでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 そうすると、上のとおりということで下に入りますが、三百五十億円土地を持っておったと。大体今評価額というのは実際の今の時価の半分、これは大目に見て半分だとこういう話ですね。これはその場合は課税価格百七十五億円になる、これは間違いありませんか。大体でいいです、大体その程度になるだろうという。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) Iの土地の三百五十 億、これが恐らく時価というような話だろうと思います。それから百七十五億といいますのは、恐らく我々が相続税のときに使っております路線価方式によって計算した、我々の相続税ベースの課税価格というふうなことだろうと思っています。五割、もうちょっと高いような気もいたしますけれども、そう極端に違っているわけじゃないというふうに考えております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 御承知のように、土地の相続税を払う場合の価格というのは時価とはうんと開きがある。実際はこれは場合によっては、人によっては一割という人もありますしね、ところによっては。また五割、六割というところもあるんです、田舎には。大体五割と見たらかたいだろうというのでこれを書いた。  その次、この土地三百五十億円を担保に銀行から金を借ります。大体二百五十億ぐらい貸してくれるんですね。二百五十億円借りて二百五十億円の絵を買った、こういたします。絵というものの相続税のときの課税価格は大体どの程度の割合になりますか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) お答えいたします。  IIのケースと思いますけれども、三百五十億の土地で、借入金が二百五十億ございます。それから絵画が二百五十億円とございます。この八十三億円がちょっと理解できませんけれども、我々、絵画の場合にはかなり時価に近い数字だろうと、要するに特に取得して直後の場合にはほぼ時価ではなかろうかという感じを持っております。したがいまして、この三百五十億と二百五十億、これが時価総額六百億といたしまして、土地の方の評価額、先ほどちょっと数字を申し上げるのを失念してしまったわけでありますが、土地の場合に我我最高路線価というのを発表しております。その最高路線価の全国の都道府県を公示価格対比で大体見てまいりますと、六五%程度になっております。したがって、半分よりはちょっと多いというふうな感じを持っておりますが、仮にこの図のとおりそのところが百七十五億といたしますと、この百七十五億と二百五十億を足しまして四百二十五億、これから借入金が引かれますので百七十五億でございますか。一応絵画が時価相当額というふうに前提させていただきますと、以上のような計算になります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 私が調べますと、大体画商と言わずいろんな絵画の取引をする人は、買い入れ価格の場合によっては一割、高くてもまあ三分の一ぐらいですと、こう言って画商は売り歩くんですね、相続税のときに。現実に立派な絵を持っておられる方が相続された例がたくさんありますけれども、大体買い入れ価格と同じというふうに言えますか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 絵画につきまして、我我の相続税の評価は一応売買実例価格であるとか精通者意見等をしんしゃくして決めさせていただいております。したがいまして、購入後にかなりの日数がたっていますとこれはちょっと何とも計算のしようがございませんが、先ほど申し上げましたように購入直後ということでございますればほぼ時価に近いであろう、こう考えておるところでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 大体、今相続する場合には三年後のことを考えて相続税対策をするわけですね。三年たったら大体この値段というのはわけがわからぬ。この前五十何億で安田火災でしたか買ったやつが、今これ百億か百二十億かわかりませんよ。しかし、その五十億というのも実際は評価は恐らく十五億か二十億の評価しかないだろうと、こういうふうに言われているんですね。それはちょっと別です、おきましょう。しかし、二百五十億円のその絵を仮に今の常識の範囲よりも少し高い目に見て八十三億円とこれの課税価格を決定した場合、上目に決定した場合、その場合にはこういうふうになって課税価格は八億円で済むというこれは数字になりませんか。仮に国税庁が絵画を八十三億円とした、土地を三百五十億円の大体半分と、こう査定したとなりますと課税価格は八億円になりませんか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) そういう前提で計算いたしますと、このとおりになります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 というふうなことなんです。ですから、私も三百億か四百億金があったら恐らくこうするだろう。これは本人が何も脱税もしてなければ法律違反でもないんですね。税の仕組みの中でこうなっている。このことについて大臣どうお考えでございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からこの図を示され、これに対する国税庁次長の答弁を聞きながら、なるほど美術品の評価というものの難しさがあるものだなということと同時に、その借入金の操作によって赤字法人が法人税の課税を免れながら土地購入を続けられるという一つの図にもかなう仕組みを見たような感じがいたしております。  ただ、私この間もちょっと申し上げましたのは、美術品の場合にそれが死蔵されてしまうのか、それとも購入をされた方が一般国民にもその入手した世界最高級レベルの美術品を目に触れさせていただく機会を与えていただくのか、それによってこういうものについての評価というものは随分変わってしまうと思うんです、世間的な眼は。ただ、そういうことを離れて税の世界にこの論議を移したとき、あくまでも委員も幾つかの仮定を置かれながら組み立てられた御意見としてまじめに聞かせていただきました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これは絵の場合です。私は斉藤さんがこんなことをされると思いません。恐らく公益のために何か考えられるだろうと思うんですけれども、仮定した場合の話ですね。つまり相続税対策として仮定した場合の話です。  そこで、今度は法人の問題ですが、法人には相続税はありません。ところが、法人の所得税において、これは大蔵省にもお願いしてあったと思うんで、日銀の調査月報がありますが、土地問題で十ページに所得税の節税、これは投資費用から賃貸収入を差し引いたネットになる、だから大変な節税ができる、土地に投資した場合ですね、こうなっている。このことについて、ちょっと国税庁説明していただけませんか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 大変恐縮でございます。その日銀の調査月報でございますか、事前にお話承っておりませんものでしたのでどういうことが書いてあるのかちょっと承知いたしておりませんので、具体的なお話を御質問いただければ、それに沿ったお答えをしたいと思っております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これは大蔵大臣と日銀総裁との間に若干見解の違いがあったんですが、土地問題は日銀にも随分責任があるということで、日銀の方は税制、法制にも問題があると、こういう指摘があります。このごろはもう大蔵省もそれはおわかりだと思うんですけれども、簡単に言いますと、所得税を節税しようとした場合に投資費用――投資費用というのは借入金利、投資不動産に係る減価償却分で、これから賃貸収入を差し引いたネット投資費用、これは課税所得から控除できる、こういうふうに現行の法制はなっている。間違いありませんか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 節税かどうかということにかかわりなく、法人が一つのものを何か賃貸すると、その恐らく不動産、今の償却費のお話でございますが、建物なら建物とこう仮定いたした場合に、建物をどこかに賃貸すると当然賃貸収入は利益に計上してもらわにゃいかぬと。片や費用の方でございますが、これは当然のことながら借入金の利息それから償却費が落ちます。それから取得費は固定資産に計上する、こういうことになっております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これは個人から考えたら想像もできない話なんですね。法人だからこれができる。しかも、それじゃ法人全部万国共通かといってちょっと私も調べてみたんですけれども、ヨーロッパやアメリカとは大分これは違うんですよね。我が国が国際競争の中に入っていくためにやったときのやつがそのまま残っている税制なんです、これは。これは大臣御承知ですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありま せんが、存じませんでした。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 日米構造協議でアンフェアという言葉が盛んに言われる。それは、資本主義国家として日本も随分発達したわけですね。その発達したものがいつまでもハンディがある。ゴルフをおやりになる方は御承知と思いますけれども、ハンディキャップ仮に三十で出発した者がいつの間にやらシングルになっておったと。しかし、依然としてハンディを三十で回っておったらだれも相手にせぬですよね。そういうことがこの法人税制の中にある。しかし、これは一つの例ですが、法人税制がそういう意味で国際的にいろいろと批判を受ける部分がある。これについては大臣御承知でございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変恐縮でありますが、これは主税局長に補足の答弁をさせることをお許しいただきたいと思いますが、むしろ私は日本の法人税、国際標準から見れば対比した場合には決して低い方ではない、むしろ法人税は高いという声の方が多いのではないだろうか、率直に私はそんな印象を持っておりました。今後においても一つの問題点であると思っておりましたが、もし間違っておるといけませんので、主税局長から答弁を正確にいたさせたいと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ちょっと待ってください。ちょっともう一つその前に。  大臣この前も、初めもそう言っておられたし、竹下大蔵大臣当時もここでそういうことを答弁された。私は一生懸命調べたんですよ。ですから、課税ベースの問題を無視すれば日本の法人税率は本当は高いんです。しかし課税ベースの問題を全然議論せずに高い高いと言うだけであって、じゃ課税ベースは何かと。現在ある準備金だとか引当金だとかそれから租税特別措置だとかさまざまな問題は何だということについての議論を無視するとそうなるんで、ここは大臣の認識はちょっと、これは専門家の前に、ちょっと大臣もう一遍その辺も含めてお答え願いたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ただ私は、例えば退職金引当金でありますとかこうした制度については、必ずしも委員と見解を一つにいたしておりません。  また租税特別措置につきましては、先般どなたかに私は例示で申し上げたような感じがいたしますが、各国それぞれやはりさまざまな租税特別措置を持っております。例えば通貨統合後今後どうなっていくのか、あるいはもう既に直っているのか私自身まだ調べておりませんけれども、かつての西独はベルリンに対してさまざまな租税特別措置を持ち、また東ドイツとの国境線沿いにベルト状の地帯を設けて、その地域に進出する企業についての特例を認める等さまざまな措置をしておりました。恐らく今後東西両ドイツの今の状況を見ていけばこうしたものは直されていくでありましょうけれども、やはりそうした制度というものはおのずからそれぞれの国情に応じて用意されておるのが通例であろうと思います。  ですから、確かに委員が御指摘になりますように、法人税率が高い低いと申します場合に論議をいたします基盤をそろえなければうまくかみ合わないというところがあることは認めますけれども、それがだから引当金もそうだ準備金もそうだあるいは租税特別措置もそうだと言われますと、私はその点については委員と必ずしも見解を一にいたしておりません。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ちょっと待ってください。ちょっと大臣の段階で、政治家としての段階で議論してもらわにゃいかぬことがある。  というのは、大臣は恐らく大蔵省からいろいろ御進講を受けていると思うし、また経団連の人が随分やかましく言っているんですよ、法人税問題をね。ところが、国際的にじゃ本当にデータをもとにしていつ議論したかと言えば、これは大蔵省と経団連が物すごくけんけんがくがくの議論をした。議論の決着をしてないはずなんですよ。その辺をちょっと、これは専門家に聞いたらわかりますから、聞いてください。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 法人の税負担に関しましてその課税ベースを含めまして議論をする、それによって法人の税負担の水準を比較すべきであるというような議論は、確かに経団連と主税局、大蔵省との間で一時非常に闘わされました。  私どもは、先ほど大臣からお話がございましたように、会計制度を設けるに当たって、その前提となる社会の制度がいろいろ違うものですから、その影響によって会計処理も違ってくる。先日も申し上げたかと思いますけれども、アメリカの場合には要するに退職手当というのがございません。かわりに年金を出すわけでございますので、法人といたしますと、自分のところで働いている人のために退職年金の掛金を払ってやるという点で、そこで経費に落ちる。我が国の場合には退職金を払うものですから、そこで自分のところの勤労者に対して退職金を払うための準備が企業として必要になってくる。これは退職をなさる方が確実に退職金を受け取るという意味で必要なことでございますので、そのための備えが会計上なされているということでございます。  そのように非常に違うものですから、また業種ごとに租税特別措置が違ったりいたしますので、個別の例で比較をするというのが大変難しいということを私どもは申し上げておりまして、一種の理論計算によります実効税率で法人税の比較をしてきているということでございます。確かにそれに対して経団連から一時いろいろと御批判がございましたが、最近はもう余りそういう御批判の声も聞かれなくなっております。  それから海外から日本の法人税制についてアンフェアという声があるのではないかという最初の御質問でございますけれども、法人税の仕組みについてそのような声は私ども直接は聞いておりません。ただ委員がお耳になさったとすれば、恐らくアメリカにおきまして現在、日本ということではなくてアメリカにベースを置いております外国の企業の税の支払いの程度がアメリカの企業よりか少ないのではないかという議論が行われておりまして、それに対しまして、日本の場合にはアメリカよりか法人税率が高いわけですから、アメリカで税の支払いを済ますことができればそれにこしたことはないわけでありまして、わざわざ日本に所得を移転して高い税率で課税することを好むところはございませんというようなことに対しまして、それは課税ベースの問題があるのではないかというような議論が行われていることはございます。しかし、それはアメリカ国内におきまして日本だけではなくて外国企業全体についての議論として行われているものでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 今の退職金問題も実はこれはごまかしがあるんですけれども、ごまかしというのは、退職引当金というのは実際に会社が倒産した場合にそれじゃ払われるかといえば、払われない。払わなくてもいいようになっているんですよ、今の制度は。だけど、まあそういう議論はちょっと今私しません、どうせ税制特別委員会でやりますから。しかし、現行の法人税制について、他の個人の所得あるいはその他のいろんなさまざまな問題の中で、税制全般を見直す中で議論しなきゃいけない問題がたくさんある。これについては大臣どうでございますか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、先日来本院の御論議の中におきましても、例えば土地に関する税制について法人の取得、保有につきましての御意見等が出てまいりました中で、これは当然土地政策全体の中で、また今税制小委員会で論議をされております中で、検討されるでありましょうと申し上げてきたテーマもございます。また、従来の税の論理からは排除されるものでありましても、それを超える地価対策、土地対策という視点から改めて見直される部分もあるであろうというようなことも申し上げたものがございます。  今、例示としてたまたま土地に関する御論議の中からお答えをいたしましたけれども、私はその法人税というものが全く論議の対象にならないといいますか、ただ単に引き下げの議論だけで、税率軽減という議論だけで、全くあとの部分から論議がされないものだというような考え方を申し上 げたことはありません。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 もうこれで税制問題、大体今大臣も検討の必要があるとこういう御指摘でございますから、私は消費税論議とはまた別に基本的に税制論議はやっぱり国会はやるべきだとこう思っているんですけれども、それには大体御賛成のようですからこれ以上は余り言いませんけれども、ただ国民がどうしてもわけがわからぬのは、何で赤字法人が九十万社を超えてあるんだと。それから資本金一億円以上の赤字会社が毎年ずっと赤字計上を出すと、法人税を納めぬでいいようにしている、おかしいぞ、こういう気持ちはたくさんある。そんなことはあり得ないということを国民は多く思っている。だから、とにかく税制の中で国民がなるほど公正だなと思うために検討する必要がある。この事実だけはひとつ大臣お認めいただきたいと思うんですが、どうですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員は赤字法人に対する課税という視点から論議をされました。私は、その赤字法人に対する課税問題、これは現実に私自身が何となく吹っ切れないものを持ちながらも、税の議論の中からはその壁を突き崩す別の理屈というものを組み立てられないでおりますから、これについて触れるつもりはありません。ただ、税制というものが時代の変化、進歩に伴っていかなる税でありましても不断に見直しを必要とするという視点から、私は税制というものの論議は当然行われるものであろうと思っております。  ただ、できれば余り難しい質問は私が首になってからしていただきたいものだという気持ちも率直にいたします。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 それで、私は税問題でもう一つどうしても、これは五年かかるか十年かかるかわかりませんけれども、なるべく早く解決しなきゃいけない問題がある。それは何かといったら税に対するコンプライアンス、遵法精神なんです。税金というのを納めて初めて国民なんです。税金をなるべく納めないで自分のポケットに入れる方法を一生懸命考えるというのは、これは国を愛していないんですね。国を愛していない人が一生懸命自衛隊をふやせふやせと言う人もおる、中には。だから、私はその辺が心配で仕方がないんですよ。  だから、このコンプライアンスの問題について、大蔵当局は国民の皆さんにどういうふうな形で訴えていかれるつもりか。これはやはり大臣の政治姿勢とも関係するので、大臣からひとつお答え願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変難しい御質問でありまして、私もとっさにどうお答えを申し上げていいのかわかりません。  ただ、悪法でも法は法という言葉がございますけれども、税法というもの、確かに国がその責任を果たし国家の安全と国民生活の安定秩序を図っていきますためには、それなりの仕事をするその費用というものを国民に御負担いただくわけでありますから、それぞれの税制に従って国民に納税の義務があり協力をいただくという、この仕組みが円滑に動いていかなければなりません。しかし、これは人間の心理として、求めるものは多く負担をするものは少なくという気持ちは人間だれしもあるでありましょう。また、個人としてはそのような気持ちを持つ方ではありませんでも、企業の責任者として株主に対して業績を上げることを責任として業務に励む方からするならば、その企業の――現行税制を悪用するという意味ではありません、税制に精通することによって企業として負担する税金の少しでも少なく済む工夫をするというのもこれはまたやむを得ないことであります。  ただ、それにはルールがあるわけでありますから、そのルールはお守りをいただかなければなりません。そしてそのルールを破った方々に対してペナルティーがかかるということも、これはまた私は当然のことであろうと思います。そして、要は捕捉率といったような言葉を論議しないで済むぐらいに国民の納税意識というものが向上しているならば問題はないわけでありますが、これは逆に今度は国民のお立場からすれば、みずから納めた税金が適正に使われているかという御議論と裏腹になる部分もあるでありましょう。要は、我々も努力をいたします。しかし国民にもその納税の義務というものを頭に置いていただき負担すべきものについてどうか納入に御協力をいただきたい、両々相まって国政が円滑に機能するように努めてまいりたい、そのようなお答えでお許しを願います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 納税意識を高めようと思えば、やはり公平な税制をしなきゃいけない。特にサラリーマンが、全然節税も何にも方法がないサラリーマンが圧倒的に多いわけですよね。雇用所得からくる税金が大変な額です、我が国は。そういう雇用所得者に対する思いやりというものがあるならば、税の仕組みを何とか公平なように、もちろん国際競争がありますから、日本の企業だけがむちゃなことをしたら私はいかぬと思うんですよ。法人税も何なら二〇%下げても構わぬと私は思う。そういう意味で、企業がやっていること、個人がやっていること、あるいは個人事業主がやっていること、農家がやっていること、そういう中でお互いの間に公平だからやはり税金だけは納めよう、こういうことを仕組みの上につくらなければだめなんですよね。  そこで、ちょっとまたこれは見解の一番分かれるところですけれども、消費税をそういう意味で不公平税制の一環としてひとつ根本的に見直すというお気持ちはございませんか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は、消費税というものを不公平税制の一環というとらえ方はいたしておりません。むしろ、それぞれの税の持つ性格を細み合わせながら、さらには歳出まで組み合わせ全体としてより公平な制度をつくっていきます過程において、旧来の税制を見直す先般の税制改革の中から採用した一つの税の仕組みであり、私はその特性を生かしながらより国民に定着させていきたいと願っておりますので、不公平税制という視点から消費税の論議をさせていただく、あるいは委員のお言葉をかりるなら抜本的に見直す、不公平税制という視点から見直すという考えは持っておりません。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これはまたいずれ、ひょっとしたら参議院は今国会はできないかもしれませんけれども、大臣が御就任の間じゅう議論をしていきたいと思っております。  それから、それは別にいたしまして、きょうは本論であります土地の問題で伺いたい、税制もその中に入りますが。  私はまず、与野党一致ででき上がりました土地基本法、これは我が国の土地政策に対して本当に画期的な事柄だったというふうに今思っているわけであります。もちろん、中にはいるんな意味での欠陥もまだあります。しかし、これができたということは画期的な事柄だ、こう思うんです。  そこで、政府は関係閣僚会議を設置して責任者を国土庁長官としてとにかく全力をもって取り組む、こういうふうに決意をされておるわけでありますが、私実は見ておりましたら文部省も入っている、郵政省も入っている、いろいろ各省が入っているんですけれども、それぞれの各省はどういうふうな形でこれに入っておられるのか、国民の前ではまだ十分に説明がされていないと私は思うんです。そこで、しかし海部内閣はこれを総力を挙げてやる、こういうことで宣言もされておられますので、各省の責任者の大臣から土地対策についての御決意を伺いたい、こう思います。お座りになっている順番で、ひとつよろしくお願いします。

武藤嘉文自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(武藤嘉文君) 通産省といたしましては、今ちょうど産構審の小委員会でこの土地問題を議論していただいております。大体この六月末をめどに答申を出していただこうと思っておりますが、その中で土地問題についてはいわゆる未利用地の有効利用促進とそれから投機を目的としたそういう土地を所有することについての排除、これを重点に今議論をしていただいておりまして、いずれにしてもその答申が出てまいりましたら思 い切って各省庁とも協力をしながらこの土地問題に取り組んでいきたい、こう考えております。

奥田敬和自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(奥田敬和君) 自治省は、今の土地税制見直しの中では、今委員からのいろいろな御指摘も踏まえて、大変な問題点を抱えておるということは御存じのとおりでございます。  まず、これが土地神話を取り崩すきっかけになるかというと私はそうは思いませんけれども、固定資産税、これは来年見直しという段階を迎えておりますけれども、これは一部路線公開もお約束いたしましたし、平成三年度からこういった形での適正な見直しを行いたいと思っております。  しかし、この固定資産税に関しては、私はやっぱり長らく例えば住宅の場合ですと居住していくということが大事な、しかも長きにわたって納めていただかなきゃいかぬ税でございますから、決して追い出し税になるような極端なことはしてはならないと思っております。  それと問題のやつは、大都市区における市街化区域内における農地の問題、宅地並み課税、この問題点は今焦眉の問題でございます。これも平成二年に区分、区画を明確にし四年から実施するという基本方針のもとに、今せっかく政府税調の方でも検討を願っておるという観点でございます。  なお、特別土地保有税、これは自治省に任せておくと各自治体がなかなか遊休法人の特に土地所有をめぐっての問題点が多い中でやり得ないのではないか。この間やっぱり各委員からの御指摘もございました。これは国税扱いにした方がいいんじゃないかというような御指摘もございました。これらの論議は別としても、今これだけの住宅に悩んでおる現状から、法人の持つ土地を中心にしながらの特別土地保有税という形が強化の方向で検討されるということを期待を込めながら見ておるわけでございますけれども、これも今年度内にこれらに対しての結論を出していただけるのじゃなかろうかと思っております。  また、その点いろいろな形で御指摘がございましたら、お答えさせていただきます。

深谷隆司自由民主党郵政大臣

○国務大臣(深谷隆司君) 土地対策関係閣僚会議は、近年の地価の高騰にかんがみて、土地対策に関しまして効果的な総合的な対策を打ち立てるために開かれております。  私ども郵政省は情報通信行政を所管するところでございまして、一義的にあるいは直接的に土地対策に取り組むという立場ではないようではございますが、近年の都市を中心とした土地高騰などを考えてみますと、産業機能の集中であるとかあらゆる機能が集中していて、特に情報関係が都市では非常によくわかるけれども地方まできちっと行き届いていないといったような、そういう我我にかかわる事柄も非常に多いように思われます。  そこで、私どもといたしましては、地方における情報通信基盤の整備を積極的に行うことによって、一方に偏ってあらゆる産業機能が集中して、それがために土地高騰を招くようなことのないように努力をしなければならないと思っております。それから同時に、郵便局の用地というのは非常に主要なところにございます。これらは今後有効に、あるいは高度利用等を考えながら土地問題にかかわりを持った施策を考えていかなきゃならぬと思います。そういうことも含めて、極めてそういう意味ではかかわりがございますので、参加して努力をさせていただいておるところでございます。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(相沢英之君) 昭和六十三年に策定されました「世界とともに生きる日本」、その中に豊かさの実感のできる社会をつくるということがありますが、もう委員御案内のように、やはり日本の生活におきまして一番豊かさを感ずることができない原因の一つは、ウサギ小屋と言われる、非難をされるような家にしか住めない、あるいはその家すらも自分のものとしてなかなか一生働いても特に大都市においては持てないというところに原因があるわけでありますので、豊かさが実感できるようにするために、やはり地価対策というものを大いに促進していかなければならない、このように考えております。  多少私見を交えて申しますと、結局地価というものも土地の価格でございますから、需要と供給というものに大きく支配される。ところが、その需要面は、なかなかコントロールすることが難しいのでありますが、例えば一極集中排除、一極集中を是正するという意味におきまして、地方に需要が起きるような、そのためには試みがございます各省庁の機関の移転であるとか、その他地方にいろいろな機関が立地できるような施策を促進するということが私は必要だろうと思っておりますが、同時に供給面をいかにして促進するかということがさらに大事ではないかと思っております。  供給を促進する一番手っ取り早い方法としては、例えば建築基準法の改正を行いまして、容積率、建ぺい率等について見直しを行うと同時に、いわゆる線引きの是正を行う、あるいは市街化区域を広げる等の措置も必要となると思いますし、それからまた供給の促進をするためには、やはり土地を持っている人にできるだけ放してもらうような措置をすることが必要だろうと思うのでありますが、そのためには税制上の配慮も必要でございましょうし、あるいはまた市街化区域内における農地に対する課税問題、あるいはまた不用な国公有地の払い下げを促進するとか、清算事業団等の土地もそうでございます。多少はしょって申しますけれども、そういうような供給を促進する各般の措置を推進することが必要だろうというふうに考えております。

津島雄二自由民主党厚生大臣

○国務大臣(津島雄二君) 国民福祉の向上を図るという厚生行政の立場から地域社会の実情を見てまいりますと、都市圏を中心としてまず突き当たるのが土地と住宅の問題であるということは委員御理解いただけると思います。  いろいろな面で問題が出てまいりますが、そのうち二つだけ挙げてみますと、まず第一に地域社会にとってぜひとも必要な社会福祉施設をつくるために、例えば東京圏においては地価が上がり過ぎて非常に困っておられるという事情はもう私から申し上げる必要はないと思います。それからまたもう一つの問題点といたしまして、高齢者や障害者に適切な住居環境を確保してさしあげるということも、地価が余りに上がりますとまことに難しい問題になってまいります。そのために、地域社会におきましても、また国の住宅行政、土地行政におきましても福祉の面をぜひとも考えていただかなければならないということでございます。  そういう点から私どもも土地問題には重大な関心を持ち、またそれなりの発言をさせていただきたいと思っておりますが、最後に一言つけ加えますと、私どもも公共事業を持っております。それは水道と廃棄物でございまして、これも民生に非常に関連がございまして、土地問題とは切っても切り離せないということを申し上げさせていただきたいと思います。

保利耕輔自由民主党文部大臣

○国務大臣(保利耕輔君) 私も土地対策関係閣僚会議の一員に入れていただいております。この閣僚会議におきまして「今後の土地対策の重点実施方針」というのを昨年十二月につくっておりますが、それは柱を見ますと十項目ございますが、私どもの関係としては四番目に「国公有地等の利活用」という項目がございます。さらに十番目に「土地に関する基本理念の普及啓蒙」という事項がございます。その二つに関連をいたしまして私もこの閣僚会議に入れていただき、いろいろ審議に加わらせていただいているものと考えております。こういった問題について今後とも閣僚会議の一員として土地対策にしっかり頑張ってまいりたいと思っております。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 委員お話しのように、土地問題がまさに重大問題であるということは十分私どもも認識をいたしております。  この間、我が党のある先生のお話だと、私どもは東京で一番高いところは幾らだといって聞かれると、まあ週刊誌なんかを見ると一億が最高だろうなと思っておりましたが、何と今二億円だそうですね。ある会社の役員さんが来て、おれも三十年間一生懸命飲まず食わずで働いて退職金を若干 もらえるんだが、おれの退職金だと坪二億だとハンカチ一枚分も買えない、こんなばかな話があるかと言って本当に酒を飲んでがんがん怒っていましたが、これをこのまま放置するということはまさにこれは許すべからざることであると思うのであります。そういう面で、法務省といたしましても十分最重要課題の一つとして認識をいたしております。  なお、直接我が法務省関係のものにつきましては借家借地の問題がございます。これは御案内のとおり、昭和六十年から法制審議会において行われているのでありますが、土地基本法の成立を踏まえさらにその作業の推進を図っているところであり、早ければ本年度末にも法制審議会として結論が得られるものと期待をいたしております。したがって、法務省といたしましては法制審議会の答申があり次第速やかに改正法案を国会に提出いたしますので、よろしくお願いをいたします。  以上であります。

北川石松自由民主党環境庁長官

○国務大臣(北川石松君) 山本委員の御質問にお答え申し上げます。  近年、都市部への人口等の集中による都市生活型公害が深刻化いたしていることは御承知のとおりでございます。リゾート開発による自然環境改変のおそれが高まるなど、土地問題と環境問題は密接な関係がございます。昨年十二月に成立いたしました土地基本法におきましても、土地について公共の福祉の優先、良好な環境の形成及び保全のための適正な土地利用の確保など、基本理念が明らかにされているところでございます。  これらのことを踏まえまして、統合的な環境保全対策の推進、各種開発事業等におきましては環境を配慮していただきたい、このようなことを徹底するよう今後一層努力をいたしたい、このように考えております。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) いささか抽象的で恐縮でございますけれども、心構え、方針を述べろと、こういうことでございますから。  申し上げるまでもないんですけれども、農林水産省の大きな政策的な柱、これは国民の納得し得る価格で長期安定的に食糧を供給することにある、こういうふうになっておるわけでございます。ですから、集団的な優良農用地はできる限り確保する、こういうことが一つ。しかし、当節土地問題は今先生の御指摘のとおりでございまして、また土地基本法もできたわけでございますから、一方、住宅宅地等の土地需要に対しましては、地域における合理的な土地利用が図られるように配慮しながら現実的に対応していきたい。すなわち、市街化する農地あるいは保全する農地、こういうものをしっかり区分をいたしながら、必要な都市基盤整備を図っていけるような宅地化ということも考慮に入れながら、最初に戻りますけれども、食糧を安定的に供給するための農地はしっかり守っていく、こういう方向で両様で考えてまいりたいと考えております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 国土庁長官は一番後でお願いしたいんです、また別途質問いたしますから。時間がないんです。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) 建設大臣でございます。  地価の安定を含む土地対策につきましては、多極分散型の国家をつくることと、規制と同時に供給をふやすということが大事ではないかと考えております。  そのために建設省といたしましては、高規格幹線自動車道等の推進のために努力をしておるところでございます。また、大都市圏におきましての住宅宅地供給のために、今回大都市法等を含む住宅宅地をつくるための促進の法律を出させていただいております。これをできるだけ早く議決していただきまして、さらにこれに対しまして税制調査会等で土地税制を含めて御審議をいただきますと、その相乗効果によって土地の供給がふえて地価安定に益するところが大であると考えております。

大野明自由民主党運輸大臣

○国務大臣(大野明君) 土地問題はまことに重要なしかも緊急な課題だと考えております。  私は、毎朝新聞をとってきますと、本体よりも三倍ぐらい厚い広告を見るんですよ。大体その三分の二ぐらいの土地とかマンションとか、そういうのを見ていて、まさかと思われる土地ですよね、そしてあっと驚くような値段を見て、本当にこういうものが知らない間に進んでおるなという印象を受けておるんです。それだけに、やはり働く人たちというか国民が良質な土地、住宅地を確保するためにも、と同時に運輸省はやはり社会資本の充実のために日夜頑張っておるわけでございますが、これもなかなかままならないということになると、これはやはり国の経済社会にも大きな影響を及ぼす、そういうような観点から幹線交通網を整備する。また同時に、都市で今日働いておる方がおられるんですから、国土の均衡ある発展のためには幹線交通であるけれども、やはりまだまだ都市高速交通網というものを充実させれば大都市圏の近郊にも住宅は供給できるようになる、そういうようなことで今鋭意検討もし前向きに進めていこうと考えております。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 土地問題の解決は海部内閣の最重要課題の一つでございまして、土地さえ持っておればもうかるというような土地神話を打破するために政府は全力を挙げて頑張っていきたいと思っております。  先ほど委員がお話しになりました土地対策関係閣僚会議は、総理が主宰をして、実務的には国土庁長官が取りまとめていくというような格好でありますが、土地基本法の制定の直後に、今後の土地対策の重点実施方針というのが十項目ございまして、宅地供給の促進を初めといたしましてそういう十項目の方針をつくって今鋭意努力をしようとしておるところでございます。  それから土地税制につきましては、税制調査会に設置された土地税制小委員会で総合的に土地税制の見直しの審議が行われております。  それからきのう第一回の土地政策審議会が開かれまして、総理から土地基本法を踏まえた今後の土地対策のあり方について諮問が行われました。今後具体的に審議、調査が進められると思っております。土地対策関係閣僚会議はもうほとんどの省庁が入っておりまして、それは沖縄とか北海道開発庁とか防衛庁とか科学技術庁とかは入っていないようですけれども、あとは皆入っておりまして、内閣総挙げで土地問題解決のために努力をしたい、こう思っております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 国土庁長官は束ね役だそうでございますからこれはまた後で、今からまとめていろいろ難しい問題を各省庁との関連も含めてお尋ねしてまいりますので、そのときにひとつ国土庁の見解をお聞きしたいと思います。大蔵大臣も同様でございまして、土地税制が絡みますから申し上げます。  そこで、今各大臣の大変な御決意を伺いました。わずか十五分間でございますので、本当はもっといろいろとお気持ちがあろうかと思うのでありますけれども、簡単でございますけれどもお聞きしまして、内閣挙げてのお取り組みとこれは理解できるわけであります。ただ、私ここでこの土地問題、ちょっとこれはどなたからお答えいただくべきかわかりませんけれども、今日の我が国の土地問題について若干見解を承っていきたいと思うわけであります。  まず、土地問題が我が国の経済、これはちょうど四、五年前の我が国の経済状況と今日と随分大きな変貌を遂げております。この中で土地問題の与えた影響、これをどういうふうにごらんになっておるか。これは経済企画庁でございましょうかそれとも通産省でございましょうか、ひとつお答えをいただきたいと思います。

相沢英之自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(相沢英之君) 土地の価格が特に大都市部におきまして上昇をし、それがまた各地方の中核都市に広がっていくというような情勢でございますが、私は土地の価格が上昇をしたことに伴いましてのまず考えられる影響は物価に対する、もちろん土地の価格も物価の一部と考えていいと思いますが、土地を利用することの多い部面におきましてその土地の価格の上昇が、それが地代で ありますとか家賃でありますとかいう形を通じて物価上昇にそれがつながっていく、これはいろんな産業においても考えられるわけであります。  それからもう一つは、地価の上昇というものがございますとそれを担保にしてまた資金を借りることができる。それが土地だけではなくて企業の設備投資にも向けられる。無論住宅等にも向けられると思いますけれども、そういう面におきまして、設備投資を通じて企業活動が盛んになる、生産性が向上する、そういう意味におきまして生産の活性化をもたらすということも当然これは考えられるところであります。ただ、行き過ぎますといろいろな面におきましてのマイナスの影響が出てくるということは、もうこれは委員さきに御承知のとおりでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ちょっと数字でお聞きしたいんですけれども、これは去年も数字が出ていると思いますが、昭和六十二年度のキャピタルゲインですね、これはGNPと比較してどうでしょうか、どなたがお答えいただけるか。

田中努経済企画庁物価局長

○政府委員(田中努君) 昭和六十二年のGNP、暦年でございますけれども、三百四十五兆円でございますけれども、国民経済計算の資産の統計によりますと、六十二年中におきますいわゆる調整額でございますけれども、これが四百八十二兆円となっています。それから六十三年につきましては、GNPが三百六十七兆円でございますが、これはすべての資産を含んでおるものでございますが、調整額が六十三年は三百十一兆円でございまして、六十二年に比べますとかなり縮小をいたしております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 土地の高騰というものがこれは経済に対して、確かに企業の資産がふえてそれによって含み資産がふえますから、金繰りだとかあるいは投資だとか非常に有効に働いた、こういうプラスの面も言われているわけですね、土地の高騰というやつが。しかし、マイナスの面は一体どういうふうにお考えになっているか、その辺はどの省庁でお答え願えますか。

藤原良一国土庁土地局長

○政府委員(藤原良一君) 一つは上昇地域におきます住宅取得難、さらには上昇に伴いまして社会資本への整備の支障、それと格差拡大による不公平感の増大、さらには長期的に見ますと、物価への影響等も懸念されるかと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 政府も実は土地が値上がりしたことによって大変な利益を上げているようでございますが、政府のキャピタルゲインと言ってはおかしいですけれども、土地の値上がりによる収入、何か六十一年から六十三年にかけて七兆とか八兆とか言っておりますが、これをちょっと数字を教えていただけませんか。土地値上がりによる税収の増加。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) 国税で把握しております土地の、土地といいますか譲渡益でございますけれども、仕組み上まず法人が土地を売却したことに伴います法人税額といいますのは、これは全体の法人税額の中に吸収されてしまいますので、それだけ取り上げてちょっと数字を我々把握しておりません。  それからまた、個人につきましても各所得の中に含まれているので、土地譲渡益のみというのを、所得のみを取り上げるわけにはまいらないわけでございますけれども、確定申告のときに、個人の確定申告でございますが、その中で譲渡所得、これも土地に限らないわけでございますが、主として土地がかなりのウエートを占めていますので、唯一そういった数字がございますので御参考までに申し上げさせていただきますと、昭和六十三年分におきましては、その譲渡所得によります所得金額として申告されましたものが九兆九千億でございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 土地だけでは把握できないというのはよく理解できますけれども、土地の値上がりと関連する株式の値上がり、そういうものを含めて資産価格の上昇の結果が今の恐らく九兆、こういうことで判断してよろしいですか。

岡本吉司国税庁次長

○政府委員(岡本吉司君) ちょっとそういう範疇になるのか私も自信がございませんけれども、基本的には譲渡所得という形でもって申告されたものの総計が今の数字でございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 それじゃちょっと具体的に。今のような形では抽象的で国民の皆さんわからぬと思いますから。  相続税、有価証券取引税、それから譲渡所得、それから地方公共団体の不動産取得税、固定資産税、これだけ全部合わせたら大体どれぐらいになりますか。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 相続税あるいは有取税の税収については申し上げることができますが、その税収のうちただいまのように値上がり分ということになりますと、これは課税対象の関係で、値上がり分を対象にしているわけではございませんので、ちょっとお答えとぴったり合わないかもしれませんけれども申し上げます。  相続税は、六十三年度の決算額で一兆八千億でございます。平成元年度の補正後予算額といたしましては一兆九千億を見込んでおります。  それから有価証券取引税は、六十三年度におきまして二兆一千億の税収を上げておりますが、平成元年度におきましては見込みを一兆二千億というようにしております。と申しますのは、委員御承知のように、税率の改正がございまして税収が下がっているわけでございます。  もう一つ何かございましたか。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 譲渡所得。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 譲渡所得税は、先ほど国税庁次長より申しましたように、申告所得税全体の額はわかるのでございますけれども、そのうちの譲渡所得の所得額というのは、先ほどお話がございましたけれども、そのうち税が幾らになるかというのは、総合してしまいますのでその税の分はわからないわけでございます。

湯浅利夫自治省税務局長

○政府委員(湯浅利夫君) 地方税の関係でございますが、キャピタルゲインという関係ではちょっとつかめませんが、不動産取得税の昭和六十三年度の収入実績は五千六百九十四億でございます。それから固定資産税でございますか。固定資産税全体では六十三年度で五兆二千九百七十五億でございますが、このうち土地分は二兆一千八百三十七億でございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 土地で利益を上げる企業がたくさんあった。また個人でも家計部門で十分豊かになられた方もあるんですが、大蔵大臣が一番にこにこされる税収の伸びが土地の値上がりによって得られた、こういう結果を現実として招来している。この事実は、大蔵大臣お認めいただけます

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 土地を含めまして、いわゆる三高二安という現象がこのところの税収を支えてまいったという事実、それは私は否定いたしません。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 土地問題をもうちょっとやるんですが、その前に、これも土地問題に絡みますが、法人のいろんな活動というものに対して、私は法人というのは非常に我が国社会に貢献をしている、そういう重要なものを持っていると思うんですけれども、その法人に対しているんな議論をしていく中でも、税制の問題もありますけれども、しかし法人をもっときちんと位置づけすべきだ。少なくとも企業として、例えば株式でやるのか有限会社でやるのかは別にしまして、法人問題についてこれはきちっとしたものをやる必要があるということで、商法等の改正法案が出されております。商法等の一部を改正する法律案。  これを見て、実は勤労者の立場からいえば、あるいは消費者の立場からいえば、なるほど会社というのがつくられる場合にはぎちっとしたものがあるんだなということが初めて国民の目にわかった。ところが、それがまた何かわけがわからない間に――個人個人とは言いませんけれども、あるいは中小法人といっても実はまじめにやっている中小企業の方はそんなものと言っているんですよ。ところが、それがいつの間にやらまた最初出された構想と違うような格好で法案が提出されている。ここのところはどうも私は理解に苦しむんです、税制の問題の不公正感も含めてですけれど も。  そんなことで、これは法務大臣、一遍ちょっとここで商法等の一部を改正する法律案の経過ですね、なぜこういうふうに当初の構想が下がったのか。もし圧力があったのなら圧力のあった人の名前を全部言ってほしいと私は思うんですけれども、そんなことはないと思いますからいいんですけれども、経過をひとつお知らせ願いたい。

長谷川信自由民主党法務大臣

○国務大臣(長谷川信君) 今回の商法改正案が法制審議会の答申と異なるところがあることは委員御指摘のとおりでありますが、それに至った事実経過につきましては政府委員から答弁させていただきます。

清水湛法務省民事局長

○政府委員(清水湛君) お答え申し上げます。  委員御指摘の点は、恐らく二点あるんだろうと思います。  一つは、今回の商法改正につきましての法制審議会の答申におきましては、最低資本金制度を導入するということが求められております。この最低資本金の額につきまして、答申におきましては、新設会社は、株式会社二千万円、有限会社は五百万円とする。しかしながら、既存会社につきましては、株式会社一千万円、有限会社三百万円ということで、二千万と一千万という差等を設けておったのでございます。それからもう一つは、資本金三千万円以上あるいは負債総額五億円以上の会社につきまして、計算書額を登記所に提出して、登記所でこれを一般に公開する、こういうような制度を採用せよという答申になっていたのでございます。  ところが、私ども今回商法の一部を改正する法律案として国会に提案した法律案におきましては、最低資本金につきましては株式会社は新設、既存を問わず一律一千万円、有限会社については一律三百万円ということで金額をダウンさせております。それから計算書額の登記所公開につきましてはこれは今回の改正案から見送る、こういうことにいたしておるわけでございます。  そういうようなことになりました背景につきましては、いずれもこれは中小の株式会社にかかわることでございます。今までこういう最低資本金制度とか、あるいは計算書類を登記所に提出してこれを一般に公開するというような制度はなかったわけでございまして、これを新たに導入いたすということになりますと、中小の会社には今までなかったことを改めてやらなければならないということで新たな負担になる。法制度全体、例えば計算書類の問題をとりましても、これは官報あるいは新聞に公告するということが今法律上要請されているわけでございますが、それが守られていない。守られていないがために登記所公開という制度を私ども考えたわけでございますが、しかし現実に守られていないという現状を前提としてこの新しい制度を考えますと、非常に大きな負担になるというような事実が指摘されました。  私ども法制審議会の答申をいただいた後、関係方面と、中小企業団体が主でございますが、いろいろ意見調整をいたしたわけでございますけれども、現実にこれを行わなければならない中小企業者にまだ十分に理解が行き渡っていないという認識に至りました。そこで、今回の改正案ではこれを見送りまして、なお中小企業団体を初めとする関係方面の理解を深めて、できるだけ早い機会に答申の趣旨に沿った改正をいたしたいということにいたしまして、今回の改正案からは見送ることにいたした、こういうことでございます。  以上が経過でございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これはもう新聞紙上で書いているように、案が出た瞬間にいろんな団体からこう圧力がかかるんですよね。特にこれは与党といわず野党といわず、議員のところにばんばかばんばかいろんなことを言ってくるわけです。ところが、本来からいえば会社あるいは企業というものにはそれに一つの公性、公器としての役割があるんですね。それだからいろんな意味で法的にも保護されている。それならばそれで社会的責任を持たなきゃいけない。それにたえるようにして中小企業が伸びていかなければいけない。それが本当の中小企業なんです。いつの間にやらそれがぐじゃぐじゃぐじゃといつもやられている。これが日本の国の経済社会の不透明さを増すし、税制の問題でもいろんなゆがみが出てくると私は思う。それでこの問題を一つ出したんですけれども、これはまた法案審議のときにやります。  こんな、大体行政府がすぐつまらぬ圧力に屈服するから世の中はおかしくなるんですよ。もっと行政府がちゃんとして、特にそれを守る大臣がもっとしっかりしてもらわなければ――ちょっと法務大臣いませんけれども、私は困ると思うんです、こういうことは。やっぱり大臣というのは行政府の長なんですから、たとえ与党が言ってこようと野党が言ってこようと、おかしいものはおかしいと言って突っぱねてもらわぬことには困る。これが一番の今国民の間にある直接の政府不信というより行政府に対する不信になっています。この辺はひとつ今後十分に気をつけていただきたいと思います。  ちょっとこの問題は割り込みましたけれども、時間があと九分しかありません。土地税制の問題、もうちょっとやりたいと思います。  私はそこで土地税制の問題、実はいろいろと見ていけばいくほど大変な問題を我が国経済に与える。そればかりでなしに国民の勤労意欲、さらには日本の国というものに対する国家観、そんなものにも影響する重要な問題だと私は思うんです。  例えば消費税論議の去年おととしの段階で一番言われたことは、日本の国の法人税が高いから外国へどんどん企業が逃げていきますよと、こんなことが言われたことがある。そして、個人の所得税が高いからこれを下げるために消費税を導入します、こう盛んに言われたことがあるんです。ところがどうでしょう、これ。土地がどんどんどんどん値上がりしたものだから、企業が外国に対して資本流出している。大変な資本流出ですよね。円安の原因の一つとも言われている。そんなようなことも出ているんですよね。私は、海部内閣のまさに政治生命をかけている、こういうことをおっしゃったその決意は非常に私は大切にしたいのですけれども、そのためにもぎちっとして全貌を明らかにする必要が私はあると思うんですよ。  この資本流出の状況、この二、三年間、ちょっと一遍どこの省庁か知りませんけれども説明してください、どんな数字が出ているか。こんなものは全然法人税が高いからでも何でもない。今指定はしていないけれども、どこに頼めばいいのかな。大蔵だなやっぱりこれは、資本だから。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今主税局長から答弁させます。

尾崎護大蔵省主税局長

○政府委員(尾崎護君) 申しわけございません、担当の局長がちょっと参っておりませんので。長期資本収支の流出超過の額を読み上げさせていただきたいと思います。  一九八七年度でございますが、千百九十四億六千五百万ドルでございます。一九八八年度は千二百十四億ドルでございます。それから一九八九年度はまだ暫定値でございますけれども、これは千億六千二百万ドルでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 我が国が百五十二兆円の負債ということをよく大蔵大臣は言われますけれども、これだけの資本が流出している背景にも土地問題がある。土地の高騰による資金の扱いということがこんなことにも出ている。これは非常に重要な問題なんですね。しかも、それを放置した責任の一つに銀行行政があるんですよね。大蔵省は、銀行の、この土地金融についていろいろやった問題についてどういうふうにお考えですか、ちょっと御説明願いたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 細かくは銀行局長から御説明を申し上げさせますけれども、何回か私自身も御答弁を申し上げましたが、金融機関の土地関連融資に対してはしばしば通達を発出し、その都度規制を強めてまいりました。そしてまた、報告を聴取し指導を加えるといった措置を続けてまいったわけであります。ただ、一つのジレンマは、その中にいわば地価を鎮静化させる役割に働くであろう第三セクター等による再開発等も含ま れておりました。そういうところの影響等を考えながらできる限り引き締めを図ってきたわけでありますが、必ずしもその効果が発揮されなかったというのは委員の御指摘のとおりであります。  そこで今現在行っておりますのは、金融機関の総貸し出しの伸びの範囲以下に土地関連融資というものを抑え込む、そういう指導でありまして、現在その方針で私どもは金融機関に対する指導を行っているところであります。  細部にわたりましては銀行局長から御説明をさせます。

土田正顕大蔵省銀行局長

○政府委員(土田正顕君) 大蔵大臣から御説明申し上げましたことの補足でございますが、私どもは昭和六十一年、六十二年以来、再三にわたりまして土地関連融資の厳正化につきまして万全を期するよう要請をしてまいりました。  それは一つには手続面のチェックでございますが、国土利用計画法に基づきまして監視区域というものがございます。その監視区域内の届け出対象の土地取引につきましては、いわゆる不勧告通知の確認、または勧告を受けることなく届け出から六週間を経過している旨の確認をした上で融資を行うこと、その他手続面について厳正を期するように促したところでありまして、これは励行せられておるものと考えております。  また、このような指導の結果もあったと存じますが、昭和六十二年度ぐらいまでは例えば不動産業向けの貸出残高は年率二〇%、三〇%も伸びるという大幅な伸び率でございました。しかしながら、その後昭和六十二年度の終わりごろから一時この貸し出しの伸び率はかなり減ったわけでございまして、例えば昭和六十三年の六月末時点では対前年比九・四%というような低い伸び率になったこともあるわけでございます。ただ、その後やはり好景気が長く続きますというようなこと、したがいまして資金需要が活発であるというようなこともございまして、不動産業向け融資の残高は対前年の伸び率で申しますと一三%から一五%程度を維持して今日に至っておるわけでございます。  このような実情をもにらみながら、私どもの金融機関に対しまして期待しておりますことは、健全な宅地開発それから土地の供給、これについて金融面でブレーキをかけるということは好ましくない、片一方でいわば投機的と申しますか、そのような不健全な融資が伸びるということはこれは厳に戒めるべきであるということで、従来どちらかといえば個別の融資計画について慎重な取り組みをするようにという観点から特別なヒアリングその他を通じまして金融機関の態度をチェックしてまいったところでございますが、さらにその後本年に至りまして、いわば思い切った総量規制的な手段といたしまして、不動産業向け貸し出しについてはその増勢を総貸し出しの増勢以下に抑制することをめどとして各金融機関においてその調整を図ってもらいたい、その他の指導通達を発しましたところでございます。これは本年の三月にその通達を発出してございます。  ただし、その際にも例えば公的な宅地開発機関等に対する貸し出し、そのようなものはこの対象から除外するというふうに配慮をしておりまして、やはり健全な土地の供給を阻害することは望ましくない、やはり考え方といたしましては、あくまでも投機的なものに手をかしていると目されるようなものは厳に慎んでもらいたいという考え方を一貫して続けてまいっているつもりでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 私、今ちょっとまだ正確に調べておりませんけれども、三、四年前から銀行の不動産貸し出しをずっと見ていくと、これは明らかに一つの流れがあるんです。民活と称する時代から、不動産貸し出しに対する銀行の規制が非常に緩んだ。そして、しかも日銀が例の二・五%まで史上最大の金利を下げたでしょう。それと相乗作用を起こして銀行からどんどんどんどん金が出ていくんですよ。金が出ていったら、この金を使うのにどうしたらいいか。もうからないかぬですよね。もうけようと思ったら、土地を買うわけですよ。だから、日銀と大蔵省の責任は極めて重大だと私は思っている、土地高騰の原因は。  だから、三月に出されたと今おっしゃるけれども、実はもう既に一年ぐらい前からこの問題は議論されておったんです。昔のことは言いません。だから、断固とした態度でもって大蔵省は不動産融資については厳正に対応すると、これはひとつ今ここで大蔵大臣から言っておいていただきたい。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) おしかりは甘受いたしました上で、厳正に対応してまいります。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 それからその次に土地の値上がりのもう一つの原因、これは金融が緩んだこともありますし、実需ももちろんありました。しかし、金融が緩んで仮需がふえた。仮需がふえたその理由の一つに土地税制があるんです。土地税制の今の欠陥についてどういうふうにお考えでございますか。投機の対象になる原因、土地がなぜ投機の対象になるか、ちょっと一遍大蔵省の御意見を聞きたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) これは私はいろいろな言い方があろうかと思いますけれども、私なりの申し方でお許しをいただきますならば、先ほど来御指摘をいただきましたように、低・未利用地というものの存在を税制上、例えば従来からの税の理論の中にありましたように所得としてどうとらえるかとか、あるいはいわゆる未実現のキャピタルゲインとか、さまざまな言い回しがなされておりましたことは御承知のとおりでありまして、こうした点についてのいわば立ちおくれがあったというのが委員の御指摘であろうと思います。そして、それに対して私は、今までも申し上げてきたことでありますけれども、税制が有効に土地について機能いたしますためには土地というものについての基本哲学というものが国民の中に確立し、行政の中に確立しておらない限りにおいてどうしてもそれは無理があることであったと。その基本政策というものが確立しないままに土地問題について税が主役の座にいわば追い込まれた格好だったことに私は非常な不幸があったと思うということを申し上げてまいりました。  よく例を引いて申し上げますのは、例えば都心にある平家建ての商店あるいは住宅、税はその方がそこに住み続けられるようにすることを考えて組み立てられるべきなのか、先祖伝来の商売をその地において引き続き営業していけるように考えていくべき税を採用すべきなのか、それともその方に建てかえあるいは住みかえまでお願いをしその地域がより高度の利用ができるような方向に働かせるべきなのか、そうした哲学を欠くままに税に責任を負わされてきたところに私は不幸があった、そのように考えております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 それからもう一つ値上がりの原因で、これは建設省だろうと思うんですけれども、土地の利用が大変非能率、要するにさまざまな建築についての制限がある。そういうことが土地の供給を減らしている原因あるいは都市計画をいろいろやっていく上での問題点、こういうようなことが今盛んに指摘されているんですけれども、これについては建設省ですかね、どうお考えでございますか。大臣にまずお考えをお聞きしたい。

福本英三建設省大臣官房総務審議官

○政府委員(福本英三君) お答えいたします。  確かに先生の御指摘のように高度利用をもっと図ればいい、そうすればもっと住宅も供給できるというような、土地利用の観点から供給策をもっと進めればいいではないか、そういう意味で土地の規制の緩和をすればいいではないかというような議論もあることは、私ども承知しておるわけでございます。しかし、土地利用の規制のもとになります都市計画というのは、単に住宅の供給とかそういうことだけではございませんで、町づくりをどう考えていくか、東京なら東京をどう考えていくかというようなことを考えながらいろんな角度から決めておるものでございまして、そういった土地利用計画をもとに土地利用規制というものをやっておるわけでございます。まずそれが基本でございます。  しかし、私どもといたしましては、大都市のこ ういった住宅宅地の供給という面から、そういった規制の緩和ということもさらにやらなきゃいけないと思っておるわけでございまして、そういう意味では線引きの見直しでございますとかあるいは土地利用計画の見直しというようなこともそういった観点、町づくりということの調整の中で考えていくというようなこともやっておるわけでございます。現に東京都でも、昨年でございますが、土地利用の見直しをやりまして、規制の緩和といいますか容積率の緩和ということをやりまして、全体で九%ばかり容積率を上げるようなこともやっておるわけでございまして、そういった町づくりとの調整ということを考えながらそういうことをやっておるというように思っておるわけでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 そういうお答えを大体今までもしておられるんですよね。ところが、ニューヨークのマンハッタン、あの面積と東京都心の三区の面積、ちょっと三区の方が狭いですが、そこに住んでおる人口は向こうが五倍ですよ、我が日本の国と比べて。人が住めるようにしてある。都市計画があるからですよ。東京はだんだん都心に人が住めなくなっている。夜歩いてもほとんど寂しいですよね。そういうことは、やっぱり都市計画の問題も含めて、これは建設省が都市計画の中できちっと位置づけるべき私は筋合いだろうと思うんです。  それから、今容積率の話をしたけれども、大都市ではほとんどが指定容積率を下回っているじゃないですか。指定容積率まではいいんですよという指導もして、住宅政策も含めて、業者の建設に対して指導することは当然やっても私はいいと思うんです。そういう問題についてこれは一遍大臣に、どうお考えでございますか。

綿貫民輔自由民主党建設大臣

○国務大臣(綿貫民輔君) 今御指摘のような点も含めまして、今度大都市法の改正というのを出しております。これは市街化区域内の低・未利用地とかそういうものにつきまして、計画的に住宅供給とかいろいろな形で計画を立てて、それを地方自治体等とも相談をしながらやっていくという、遅きに失したかもしれませんけれども、そういう計画性を持ってやっていこうという法律でございますから、その点に沿っておると思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 そこで、大体今までいろいろと議論をしてまいりました。私からも質問をしてまいりました。この辺でひとつ取りまとめ役の国土庁長官の方から、今政府は今議論がいろいろあったけれどもその問題はもう既にこうやって議論しているよ、これからこういう展望でやるよというひとつはっきりした設計図、そこまでいかぬでもいいですから、イメージでもいいですからちょっと聞かせていただけませんか。

佐藤守良国土庁長官官房長

○国務大臣(佐藤守良君) どうも先生、お答えいたします。  先ほどから実は各閣僚からの御意見を聞きまして大変心強く感じましたのは、土地基本法を理解していただきまして海部内閣の最重要課題として取り組む、こういう姿勢がよくわかったわけでございます。  そんなことでございまして、これは逆に先生にお礼を申し上げたい、こう思うわけでございますが、実は昨年の暮れに土地対策関係閣僚会議におきまして決めた十項目、大都市地域における宅地住宅の供給あるいは税制の見直しまたその他につきまして、本当に海部内閣の最重要課題として、特に土地基本法を踏まえて、これならやれるんじゃないか、そんな気を持ったわけでございまして、総合調整企画官庁の私として、しかも土地担当大臣の私としましてはこれはやれる、こんな気を持ってこれからも取り組みたい、こう思っておるわけでございます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 これは、国土庁長官、極めて簡単なお答えでございますが、おなかの中にはいっぱい秘めておられるというふうに私は思います。だけど、ここで官房長官ひとつ、私一言申し上げておきたいんですけれども、お答えできるかどうかわかりませんが、私は一遍土地対策のあらゆる政策、それに伴う法案、これは与党の中で議論していただいてもいいですけれども、与党と議論が合わなくても行政府の責任で一遍裸で出していただく。それを与野党でばんばん議論する。もちろん与党が多数ですから、与党の意見は十分国会の議論の中で審議すればいいと思うんですよね。  しかし、まず行政府としての責任、海部内閣とおっしゃるんなら海部内閣の責任で、与党の中では合意ができない部分があっても、この部分は国会で審議するからというぐらいの気持ちでやらなければ土地問題は絶対できないですよ。内閣の責任において国会に提案しますということをやってもらわないことには土地問題は解決しないと思う。その問題について官房長官、きょう本当は総理がお見えだったら聞きたいんですけれども、総理の懐刀ですから大番頭としてひとつ長官のお考えを聞きたい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) あなたの御意見を総理によく伝えまして、実際にはここにしっかりした責任者がおりますから、またその意見も聞いてひとつ実効の上がるように考えていきたいと思います。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 内閣でありますから、大臣の皆さんの意見一致はしてもらわなきゃいかぬですよね。それはきちっとやっていただきたいんですけれども、そのときに与党の方に余り顔を向けていただくと、与党の中でも本当はいろいろ御意見があってやりにくい部分が私はあると思うんです、正直言って、皆選挙で上がってくるわけですからね。しかし、これだけの大問題をやる以上は、まさに海部内閣が責任を持ってやらなければ私はできぬと思う。そういう意味で、特に国土庁長官、これは大変な、腹を切らないかぬぐらいの大変な仕事かもしれませんけれども、それぐらいの決意でひとつぜひこれをやっていただきたい。これはもう総理にぜひお伝えいただきたいと思いますし、きょうは大臣多数お見えでございますから、私なりの意見を申し上げておきたいと思います。  時間がもう一分しかありませんので、また公正取引委員会の質問が大変減ってまいりましたけれども、公取にちょっとここで質問いたします。  公取の使命、ちょっとここでもう一遍説明してください。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○政府委員(梅澤節男君) 独占禁止法並びに競争政策を誠実かつ強力に推進することが公正取引委員会の使命だと考えております。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 特に、これは日米経済協議にも公取の運用という問題が議論されております。アメリカから言われている問題、そういうことを見ていたら私どもは恥ずかしいわけですよ。それから国内で審決に至るものが非常に少ない。私はそんなことはないと思うんです。公正取引委員会というのは経済の番人なんですね。そして、企業のいろんな自由競争に対してもこれはフェアにやるアンパイアの役割をすると思うんです。そういう意味で、今までのようなつまらぬ批判を受けることじゃなしに、断固とした決意でもってこれから公正取引委員会は対処いたしますと、その一言だけ聞かせていただけませんか。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○政府委員(梅澤節男君) 我が国における競争秩序の公正かつ自由な秩序というものを一段と強化するために、機構の体制あるいは我々の日常の仕事も通じましてより強力により透明度を高めるという方向で努力いたします。

山本正和日本社会党・護憲共同

○山本正和君 ありがとうございました。

林田悠紀夫自由民主党

○委員長(林田悠紀夫君) 以上で山本正和君の質疑は終了いたしました。(拍手)  次回は来る二十八日午前十時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十七分散会

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