予算委員会 第3号
- 発言数
- 387 件
- 登壇者
- 48 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1990/03/26
会議録
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を開会いたします。 平成元年度一般会計補正予算、平成元年度特別会計補正予算、平成元年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。 ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成元年度補正予算三案審査のため、本日、日本銀行総裁三重野康君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) それでは、これより順次質疑を行います。太田淳夫君。
○太田淳夫君 最初に総理にお尋ねしておきたいと思うんですが、今、世界は冷戦から対話あるいは対決から協調へと大変大きな激動のときを迎えているんじゃないかと思うんです。総理もことしの初めにはヨーロッパを訪問されましたし、またあるいはアメリカも訪問されました。そういう中で各国の指導者との対話を通してこの大きな世界の変動というのも身をもって感じられているんじゃないかと思うんですね。 九〇年代は日本の時代かと思いましたならば、ヨーロッパではドイツの統一ということがどんどんと進んでまいりまして、これからドイツが大きな意味でのヨーロッパの牽引車になってくるんじゃないか。あるいはそれに対応しまして世界におきますところの金融の問題あるいは貿易、経済、いろんな問題の枠組みの変化というものが感じられてならないわけでございますが、その点やはり総理としてどのようにお考えになっていらっしゃいますか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、東西の対立の、特に力による対決の枠組みが変わりつつある。そして、今日までの片やアメリカ片やソ連を頂点とする冷戦構造というものの発想を乗り越えて新しい世界の枠組みをつくっていこうという動きがあるということ、これはもう先生御指摘のとおりであります。 私は、特にその一番激しい、劇的にあらわれておる東西ヨーロッパの実情を見、東西ヨーロッパの首脳の話を聞きながら、これはヨーロッパだけで完結すべき問題ではなくてアジア・太平洋にも、地球的規模にもこの冷戦構造を乗り越えた対立から話し合い、世界秩序が新しく繁栄と安定を求めて今つくり出されようとしておるときだという認識を持っておりますので、我が国としても積極的にその枠組みづくりには参加をして安定と繁栄のために努力をしなければならないと、このように受けとめております。
○太田淳夫君 そこで最初に、そういう立場をいろいろと踏まえながら今回も橋本大蔵大臣はアメリカに行かれたのではないか、こう私も考えておりますが、ロサンゼルスでプレイディ財務長官と懇談されたわけでございますが、その中身について大蔵大臣から大筋の御報告をお願いしたいと思 うんです。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 国会のお許しを得まして、二十三日、ロサンゼルスでプレイディ財務長官と会談を行ったわけでありますが、大体会談時間五時間ぐらいの中、中心はまず第一に世界の金融市場に対する議論の中におきまして、その動向を引き続き注意をしてまいります、見守ってまいりますことで意見の一致を見ましたことが第一点であります。 加えまして、為替市場における協力を含めて経済政策協調についての両国のコミットメントの再確認を行いました。またIMFの第九次増資に関しまして、これは日本のポジションの問題を含んでおるわけでありますが、本問題の決着を早期に図ること、同時に我が国がIMFにおける第二位の出資国に上昇することなどにつきましてアメリカ側との意見の一致を見ると同時に、これに伴う幾つかの問題についても協力一致しながら両国として対応していくことを確認いたしました。 また、東欧情勢の大きな変化の中におきまして、欧州復興開発銀行構想についての問題も相当時間の論議の対象となったわけでありますが、基本的にアメリカと日本との考え方、これについての意見の一致を見まして、今後ともにこの構想の実現に向けての努力の中で相互の主張を維持していき、共同歩調をとってまいるということを確認いたしております。 また、懸案になっております日米構造協議の関連事項のうちで公共投資に対する部分につきまして、先方からこの協議が実りあるものになることを期待するという趣旨のもとに基本的なスタンスについて見解が述べられ、私の方からはこれに対する日本側のスタンスを説明し、それぞれの主張を深めたという点はあったろうと思いますが、これについて特段の合意が生じたとかそういう状況のものではございません。 そうした中で、アメリカ側からすれば一連のG7各国の蔵相との会談の内容を私どもの方にも報告をいただいたわけでありますが、その一連の会談において行わなかった共同声明を今回出すに至ったということは、この日米両国の財務長官と大蔵大臣との会合というものが合意に達し共同で歩調をとり続けていく部分の多かったことを示している、そのように考えております。
○太田淳夫君 今お話しありましたように、為替市場における協調を確認された共同声明ということでございますけれども、その内容について多少の不協和音も聞こえてくるわけでございます。 その内容につきましてちょっと確認をしておきたいことがあるんですが、それは財務長官は円安を是正すべきだと認められたのかどうか、あるいは協調の再確認と申しますのは従来の姿勢を改めまして米国が積極的に市場介入をすることを約束されたのかどうか、あるいは三つ目には円安の原因について長官はどのような認識を持たれているのか、投機筋によるのかあるいは日本の経済運営の結果なのか、あるいは東欧の変革特に西ドイツの動き、そういうものが主な要因になっているのかどうか。その点のいろいろな認識の御発言はなかったでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 個別にわたりまして余り詳しいことを申し上げるわけにもいかぬ点があることはお許しをいただきたいと思うのでありますが、不協和音と言われるものは、一つはアメリカ側は共同声明という形に対して初め非常にちゅうちょをされました。それはなぜかと申しますと、G7各国の大蔵大臣と一連の会合を持っておられる、その中においてそれぞれの国との間で相当程度の論議が交わされている、しかし共同声明という形をとったところが一カ所もなかった、その中で日本についてのみ共同声明という形をとることがセブンの各国の間の足並みに問題を生じはしないだろうか、こういう点について確かに当初アメリカ側として逡巡された。その意味における不協和音がなかったとは私は申しません。ただ、そうした中で結果として共同声明の発出に至りましたことはアメリカ側としての配慮であろう、私はそう理解をいたしております。 また、第二点目の問題でありますが、積極的に協力をしていっていただくということについては、表現として、為替市場における協力を含めて従来からの両国のコミットメントの再確認を行ったということでその姿勢を出していただきました。 第三点につきましては、アメリカ側として非常に理解に苦しむといいますか、日本側に説明を求められましたのは、いわゆる債券市場と株式市場と為替市場とその三つがいわば共連れの形で相場が崩れている、下がっている、この点についてなかなかアメリカ側としては理解がいかなかったわけであります。 アメリカ側の考え方、議論をしてまいりましてわかりましたのは、プレイディ長官自身がブラックマンデーと言われました株式市場の大幅な下落の直後、その後始末のための委員会の責任者を務められたようでありますが、そのときの感覚がいわば原体験になっている。そうすると、確かにブラックマンデーという言葉が残るぐらいに大幅な株式市場の値崩れが起きたが、そのときに為替相場にはほとんど変更がなかった。そして、その株式市場から流れたお金というものが債券市場に流れたために債券市場は非常に強くなった。日本の場合に株式市場が崩れる、あるいは為替市場が崩れる、債券市場が崩れる、どれか一つ問題が起こるということであればこれは自分たちの理解の範囲なんだが、共連れで崩れるという現象は一体どういうことなんだ、その資金は一体どこに抜けたんだ、海外への直接投資は長期のものがふえているというわけでもない、一体そのお金はどこへ行っちゃったんだということに対して、アメリカ側としては非常に理解に苦しんでおりました。 ところが、議論を続けていきますうちに一つわかりましたことは、要するに株式市場の値下がりというものが大量の例えば売りが立って、持っている株をどんどんどんどんみんな投げ出さなきゃならないような状態だったのか。そうじゃないので、期末で取引が非常に少ない、新しい買いがなかなか入らない、そこに少数でも持ち株を手放して売ろうという方が出てくると値がつかないために全体が下がってしまう。だから、株式市場から資金が外へ流出しているんじゃないんだということをアメリカ側として理解するまでに非常に骨が折れた。そういう意味では、予定の時間よりも会議の時間が大分延びましたのも、そうした点についてアメリカ側の理解をきちんとしてもらう、その上で共同声明の発出というものに足並みをそろえる、そうしたところで相当な時間をとったということは、事実問題として御報告を申し上げたいことであります。
○太田淳夫君 個別の問題はまた後ほどお尋ねするといたしましょう。 日米構造協議の問題でございますけれども、総理、この協議が行われてまいりまして中間報告が出され、中間報告の折衝がいろいろされましたけれども、その間に日米間に大きな隔たりがあって、それがまだまだ決着がつかないところでございます。アメリカの上院の財政委員会の構造協議に関する公聴会でも対日批判というものが高まっている一方でございますし、そういった議会での管理貿易論、その急激な広がりというものをブッシュ大統領筋でも政府筋でも何とか食いとめようということで、アメリカ政府の日本に対する構造改善要求というのが一段と高まっているわけでございます。 そこで、何といってもアメリカの方は成果重視ということに重点を置いてきているわけでございますけれども、総理はこの成果重視というアメリカ政府の要望、これをどのように受けとめておみえになりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今の御質問の成果重視というのは日米の間にある貿易の不均衡、これが是正されていくという成果を重視するかという、こういう角度かと思いますけれども、確かにこの数年間五百億ドルを超える対米貿易不均衡があったこと、これに対して時々議論をされ指摘を受けてきたことは事実でございますから、日本も前川 レポート以来内需を振興して輸入を拡大しようという、そういった経済政策を行ってまいりました。 そのことについてはアメリカ側にも最近の数字等においても理解があったわけでして、最後のアメリカの大統領の新聞発表によりましても、日本がアメリカの輸入をふやしておること、要するにアメリカの製造業者にとって日本は世界で二番目の市場である、アメリカの農民にとって日本は最大のお得意様であって、四百四十億ドルという輸出が行われておることも理解するし、またアメリカ自身の統計でも五百億ドルは昨年四百九十億ドルと減少の傾向を示しておることは向こうもよく成果は理解しておってもらうわけでありますけれども、その努力やその成果だけで問題が解決するものではございません。 むしろそれよりも、我々が今当たり前のことだと思って今日までずっとやってまいりました市場の問題とかあるいは企業の問題とか、いろいろな制度、仕組みに関してルールが違うんじゃないか、もう少し市場参入しやすくしたらどうか、規制を撤廃したらどうかという方面に今いろいろ議論の問題が移っておるように思うんです。それは何も日本だけにある問題を日本だけ改めるというのじゃございませんで、日本に対しても大きくくくりますと六項目アメリカから指摘は来ておりますし、日本からもアメリカに対して大きく仕分けすると七つの項目にしていろいろ注文を出して、両方でお互いにここのところは改める努力をしていこうという話し合いも続けておりますから、私は成果のみじゃなくて、その両方の問題をしかも日米お互いに努力し合っておるというのが今日の構造協議の実態であろうと、このように受けとめております。 いずれにしても、大事な問題でありますから、日本も国民生活の質を高める、消費者重視の生活の質を高めていくという観点から大いに努力をしていかなきゃならぬと思い、真剣に取り組んでおるところであります。
○太田淳夫君 しかし、アメリカの中間選挙等もことしはございますし、あるいは一九九二年には大統領選挙もあるわけでございますので、いろいろな場面場面でこれからもいろいろな圧力が政府改善案に対してかけられてくると思うんですね。今総理もおっしゃいましたけれども、私たちも国民生活の質を高め国民の生活を守る、これは当然でございます。その圧力で後退をして余り国益を損ずるようなことがあってはならない、こう思っておるわけでございます。 今お話しのとおり、日本は向こうからの要求についても十分承知しているし、あるいは向こう側の改善すべきことについては当然これはしっかりと把握をして要求していかなきゃならない。今いろいろと報道されているのはやはり日本ですから、日本がアメリカからいろいろと改善要求されているところ、それが大きく報道されておりますけれども、では日本が向こうへ向かってこういう部分について改善すべきではないかと、それに対する向こうの姿勢はどうなんでしょうか。総理、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(海部俊樹君) アメリカが持っております双子の赤字というもの、これが世界の経済にとって非常に大きな影響を及ぼすものであることはよく御承知のとおりと思います。これは日米の構造協議のみならず、サミットの場なんかでも議論になる問題でありますが、このことについては日本から米国にも要請項目として出ており、アメリカもそれを努力するということでいろいろな報告も聞いております。また貯蓄投資のバランス問題について、アメリカは貯蓄を多くしていくために、逆に言うと国民の過剰な消費を少なくしていくための税制改正の努力等もしておる、こういう話も聞いております。 また、日本が幾ら輸入をどんどんふやすといいましても、アメリカからそういった製品輸入がふえてこないとその結果があらわれてこないわけでありますから、これについてはクエール副大統領を長とするアメリカ側の輸出競争力促進委員会というものが設置されて、アメリカの商品輸出というものをどんどん伸ばしていくための努力もしております。あるいはアメリカの企業は長い目盛りで収支決算を見ないで短期で収支決算を見るという、そういった癖があるけれどもこれは何とか変えたらどうかとか、あるいはまたアメリカの教育自体に、職業教育からいろいろな問題を含めて教育自体についてもっと問題があるのではないかとか、いろいろなことを日本側からも思い切って指摘をし、それについてはアメリカ側もこのように改善をする、改革をする、こういう努力をする、そして財政赤字を減らしていくような努力をし輸出をうんと伸ばすような努力もするということになっておると私は報告を受けて承知しております。
○太田淳夫君 個別の問題に入りますけれども、大店法の問題についてはこの委員会でも同僚委員から指摘がございましたけれども、通産省としては出店調整期間短縮等でこれは納得が得られるとお考えでしょうか。
○国務大臣(武藤嘉文君) 大店法につきましては、昨年の六月にいわゆる「九〇年代流通ビジョン」という答申を審議会から受けたわけでございます。 その中には、現在のように大変長期にわたる出店調整期間はおかしいんじゃないか、これはやはりもっと思い切って短縮をすべきじゃないかということで標準期間を設けるとか、あるいは地方で独自の規制をおやりいただいておりますので、これも適正化を図るべきではないか、こんな提言がございましたので、そしてその提言の中には、一応法の枠組みだけは維持していいんじゃないか、こういうこともございましたので、通産省といたしましてはそれを踏まえて、何とかこれからは国民生活の質の向上、また消費者重視という観点から、今の答申を踏まえましてできるだけ早い機会に思い切った短い期間で出店調整ができるようにしたいということで努力をいたしておりますし、地方自治体にも何とかいろいろ問題のあるものについては適正化を図っていただくということをお願いいたしておるわけで、今アメリカに対してもこんなような方向で行きたいということで理解を求めておるわけでございます。
○太田淳夫君 私どももこの大店法の問題が今、日米構造協議の象徴的な問題点になっているという認識を持っております。しかし、やはり中小小売業者の皆さん方にとりましては、大店法の廃止等々になりますとこれは大きな死活問題になろうと思うんですね。 そこで総理、こういうお話がございました。これはワシントン・ポストの記者がテレビで発言されていたそうでございますけれども、アメリカが構造協議をどうとらえているかといいますと、犯人を自白させるにはよい警官と悪い警官が必要だ、一人がおどし上げ一人が優しい言葉をかける、その繰り返しで犯人は落ちる、ブッシュ大統領がよい警官、ヒルズ米通商代表部代表やモスバーガー商務長官が悪い警官を演じていると。これはワシントン・ポストの記者の方がテレビの中で発言をされたということでございますけれども、これはある程度真実に近いんじゃないかと思うんです。 せんだっても同僚委員の方から、ブッシュ大統領が海部総理が訪米されたときに海部総理に懇願されたというお話もあったようでございますが、海部総理は直接ブッシュ大統領とお会いになったわけですからその点の感触をよくおわかりになろうと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今お引きになりました例は、私は必ずしもいい例だとは思いません。 そうしてブッシュ大統領と私との話のときも、要するに自由経済、自由貿易の制度、仕組みというものの中でアメリカも日本も自由社会も安定と繁栄をしてきたんですが、今アメリカの議会の中に保護主義の台頭がある、自分は保護主義とは断固闘っていきたいと思う、保護主義を抑えるということはアメリカにとっても日本にとってもこれは共通の利益であるし、そのために日本はアメリカにいろいろと力をかしてほしい、協力すべきだ、 こういう角度の思い切った大統領の発言は確かにございました。 また、私もそのとき、戦後の日本がこの自由な社会の中で、自由貿易の中で、自由経済のもとで今日までずっと繁栄をしてきたこと、同時に日本とアメリカが世界の中で国民総生産、計算しますと両国足せば世界の四〇%に近いところにまで大きく成長した二国でありますから、この二国間が自由貿易を守るためにしっかりと協調、協力をするということは世界経済の安定と繁栄にも大事でありますし、また自分たちの国の生活の質を高めていくためにも大事なことでありますから、大いに大切な問題と受けとめて協力をしましょう、こういう約束をしてきたわけでありまして、そのように私は大統領のひたむきな姿勢も真剣さも受けとめております。
○太田淳夫君 そういうお答えになろうかと思ってはおりました。 総理、ブッシュ大統領が大統領に就任され、あるいはその前レーガン政権の副大統領のときから大きな世界経済、外交、先ほども申し上げましたね、そういう枠組みを大きく変えていこうという一つの戦略を描かれて進んでみえたんじゃないかと思うんですね。 よく引かれますのは、一つは成長志向ですね。アメリカの経済を、赤字もありますけれども、その中でも引っ張り上げていこうという成長志向ですね。それから二番目は累積債務対策、第三世界を開発していこうということですね。それから三番目はアラブ寄りの中東政策、この変化があります。四番目はデタントを推進しながらあるいは中国あるいはソ連というものを自由圏の中に、自由経済の中に入れていこうという闘いですね。五番目は環境問題。六番目は自由貿易圏構想ですね。七番目は宇宙開発。そういう大きな戦略を組んでブッシュ大統領は展開されているんじゃないかと思うんですね。 ECがいよいよ一九九二年にヨーロッパ市場の統合をするわけです。これは大きな変化になっていくんじゃないかと思うんです。あるいはアメリカは現在カナダと一体になって自由貿易圏をつくっておりますね。今メキシコとも交渉中だと聞いておりますし、もう二十一世紀にかけましてはメキシコも含めた自由貿易ができるでしょう。あるいは南米もそうですね。そしてその後には、中国あるいはソ連というものもあるいはNIESまで含めた大きな自由貿易圏というものがアメリカを中心にしてできるんじゃないだろうか。その中で日本はどういうような立場で役割を担っていくか、大変これは難しい問題になりつつあるんじゃないかと思うんですね。 そういう大きな構想を描いて、一九九二年、大統領再選がありますね。ヨーロッパは統合されますね。それまでに一つの目標を決めてアメリカは戦略として組んでいる中で、今度のこの日米の構造協議の問題もあるんじゃないかと思うんです。日本がその中でグローバルパートナーとしてどういう立場でやっていくことができるか、この協議に私はかかっているんじゃないかと思うんですね。総理、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の方向は私もそのとおりだと思います。そうして過日の日米首脳会議のときにも、日米経済構造の問題の協議だけで終わったのでは決してございません。今委員おっしゃったように、欧州における変化、そして東西の対立が終わったときに、今日まで鉄のカーテンの向こう側のことだといって日本はそこに立ち入ることがなかなかできなかった地域に対しても積極的に手を差し伸べて、それらの国々の国づくりにできる限りの御協力をするということを表明もいたしました。 同時にまた、アメリカと日本との協力によって日米関係以外の地域問題や世界の問題、その中には今御指摘の累積債務問題も入っておりました。ですから、昨年の夏メキシコの累積債務問題に着手しましたことも、地域問題に対する日米協調の政策努力の一つのあらわれでございました。そのほか、環境問題とか麻薬問題とかテロに対する問題についても、大統額とは率直な意見の交換をしました。 また、アメリカ・カナダの自由貿易圏は、これは排他的なものであってはならぬということも確認をしておりますし、同時に九二年のEC統合についても、これは西側の首脳にもはっきりと申しましたが、ECは対外的に閉ざされたECであってはならないということも申し上げたし、向こうもそういった確認もしております。 同時に、日本がアジア・太平洋地域のために今日本の輸入とか日本の投資とかいろいろなものがASEAN諸国を中心に伸びてきており、アジア地域の全体的な経済の発展や成長に積極的な貢献をしておりますことも、これもアジア・太平洋地域というものの安定と繁栄のために日本が貢献していこうという姿でありますが、これも世界に向かって閉ざされたものになってはならないということはお互いに確信をしながら、考えながら行っておるわけでありまして、世界全体を対決から協調にそして安定と繁栄に持っていかなければならぬということに日本も積極的に参加をし協力をしていこうと思って、努力をしておるさなかでございます。
○太田淳夫君 もう一度大店法に戻りますけれども、アメリカからはこの大店法については廃止をすべきであるということで従来からずっと要求がされてきた。総理も、政治的決断が必要である、こうお話しになっていらっしゃる。このことは、アメリカから見ますと大店法の廃止というものを総理が決断された、こう受けとめられても仕方がないんじゃないかと思うんです。この総理の決断ということは大店法の廃止ということを掲げた決断である、このようにとられても、もうここで委員会でもおっしゃっているわけですから、そういうふうにとられても仕方がないと思うんです。 そういう意味では、総理の決断というのはこれは大きな意味を持ってくるわけでございますので、もしもこの決断というものが廃止というものにつながりませんと、アメリカ側は総理がまた、こんな言葉を使っては申しわけないんですが、うそをついたんじゃないかということで対日要求が一段とまた激しくなってくるおそれがあろうと思うんですが、その点の総理の政治的な決断ということ、そこのところはどういうような中身なんでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日米間で極めて象徴的なテーマになっておることは御指摘のとおりだと思います。そして、このことについては今日まで各界のいろいろな御意見や御議論があったことも私は承知しておりますし、流通特に地方のいろいろな問題についての流通の秩序をいろいろな角度から考えていかなきゃならぬという問題があることも承知しております。しかし、現在の世界の大きな国際化時代の流れの中で規制緩和ということも大きな方向の一つでございますし、また専門家の集まられたいろいろな審議会においてこの問題についての結論的なものも出ておることは御承知のとおりであります。 私は、それらのことをすべて踏まえて、担当省庁やあるいは党側ともいろいろ相談をしながら、中間報告に向けていろいろ今詰めの作業をしておるところでありますので、これはそのときになって適切な決断をしていかなきゃならないと、こう思っております。
○太田淳夫君 私が申し上げました決断ということは、先ほども申し上げましたように、この委員会でもおっしゃったと報道されておりますので、もうアメリカ側にもそれは伝わっておりますね。ですから、総理の決断とおっしゃったことは相当の重みがあるんじゃないかと。今までの日本の総理大臣は、アメリカへ行っていろいろと約束をされるけれども日本へ帰ると知らぬ顔だというのがアメリカの評価になっているようですね。そういうことであってはいけないんじゃないかということを含めて、総理がはっきりとこの席でもおっしゃったんですかとお聞きしているわけです。
○国務大臣(海部俊樹君) 極めて大切なことでありますから、その内容について今いろいろと手順、 手続を踏み、相談をし、苦慮し、考えておるさなかでありますから、ここで具体的にその中身について申し上げることはかえって憶測を呼んでいけないことだと思いますが、真剣に今取り組んでおるということはお認めをいただきたいと思います。
○太田淳夫君 確かにこの大店法を廃止すると決めますとアメリカは納得するでありましょうけれども、我が国の場合には中小零細企業の方も多いし、大店法の存在意義というのも今までいろんな場面で大きかったということから、特に慎重な対応が望まれるということはよくわかります。私たちもそのようにかねてから主張しております。しかし、具体的なことを早く決めて、いろんな場面でやはり総理として国民の世論のコンセンサスを得られるように諮るべきではないかと言いたいと思います。 また、今回の補正予算におきましても、通産省の予算の中でいろんな部分的な中小企業活性化の基金の対策等がございますが、これを拝見していますとこれはソフト面の対策が多いわけです。しかも、大体これはばらまきになってしまうわけですから、本当に中小企業の皆様方を守るそういうものではないような感じがしてなりません。ですから、これはもちろん補正予算ですから大店法対策ではないと通産省からは聞いておりますけれども、しかし大店法がもし廃止されるあるいはそれに近いようなことになりますと、これはもう中小小売業者の皆さん方には死活問題になるわけです。 もしもそういうような事態になる、あるいは長く延ばしても十年、五年。十年ということになかなかならぬかと思います、アメリカは一つの戦略を組んでやってきているわけですからね。そういう中におきましても、大型店に対抗できるような中小小売店の皆さん方の活性化、これはそういうソフト面ばかりじゃなくて、商店街の皆さん方がやはり共通の同じような基盤に立って競争できるようなそういうハード面におけるいろんな手当てというものが私は必要ではないかと思うんですが、総理、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 大店法の問題と中小小売業の問題と、これはちょっと分けて御議論を願いたいと思うこともございます。 大店法の問題で一番議論になっておりますのは、事前の調整期間に八年も十年も、甚だしいものは十年も超えるという指摘が随分されております。こういったことはいわゆる自由な経済、自由な社会という面からいって規制が行き過ぎるのではないかという厳しい批判が出ることも、これは謙虚に受けとめなきゃならぬ点だと思います。そして、規制を緩和して消費者の立場に立ったいろいろな政策を遂行するためには、国民の皆さんにもいろいろと御理解と御協力を願わなきゃならぬ点も出てくると思います。ただそのときに、小売業が今日まで果たしてきた役割や小売業として成り立っていくためにはどうしなきゃならぬかという面については、別の角度からの政策目標を立てて政策努力をしていかなきゃならぬのはこれは当然のことであると私も受けとめております。
○太田淳夫君 今度は大蔵大臣ですが、先ごろアメリカで財務長官と話をされた中で、個別の問題として公共投資の問題も討議されたのではないかと思うんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 公共投資の問題が討議をされたされないということとはかかわりませず、今日本の経済というものは内需を中心にして順調に拡大を続けております。その限りにおきまして、私どもは公共投資を拡大して景気を刺激しなければならないような財政状況、財政運営を行う状況にはない、そのように考えております。 構造協議におけるやりとりはこれは現段階では控えたいと思いますけれども、現在のような好調な経済情勢のもとにおきまして、一方では労働需給の逼迫や公共事業の消化不良がむしろ懸念をされる状態の中で公共投資を急激に拡大いたしました場合には景気の過熱も心配でありますし、それよりも今私どもにとりましてもう一つの大きな問題となっております地価の高騰というものに拍車をかける嫌いも出てくるのではないか、そういう心配もございます。公共投資というものの持つ性格上、そのときどきの財政事情でありますとか経済情勢などを総合的に考えながらその水準を決めていくべきであるというのが私どもの基本的な考え方であります。
○太田淳夫君 衆議院の予算委員会におきましても同僚の委員から、一〇%のアメリカの要求については我が党の主張を申し上げました。しかし、最近の株価の暴落、これに見られますように、今後世界の景気というものがこのまま持続すればよろしいんですが、やはり下降局面を迎えたような場合にはアメリカは我が国に対して世界景気の牽引車となることを要求してくるでしょうし、その場合に公共投資の拡大というものは強く求められてくるのではないかと思うんです。そういった意味で、この公共投資の拡大という問題については今後も続いてくるのじゃないかと思われます。 私どももいろんな試算はいたしましたけれども、もしもアメリカの要求のとおり一〇%の公共投資を行うことになりますと、日本の名目成長率、これから計算してまいりましても、年間二二%の公共投資増を行う必要がある。これはインフレの懸念も招くわけでございますけれども、我々は公共投資の規模を拡大するよりもむしろその中身を変えて、やはり我が国の住宅環境であるとかあるいは下水道とか、そういった社会資本の充実に向けるべきではないか、こういうふうに私たちは考えているわけですが、その点大蔵大臣どのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が率直に申し上げたいことは、他国からの要望のあるなしにかかわらず、お互いの国民生活の質を高めるという意味で、我々は社会資本の充実が必要であるという認識は共通だと思うんです。それは共通だと思います。 ただ、委員が御指摘になりましたように、まさに我々は今持続的な景気の拡大の中で毎日を過ごしておるわけであります。しかも、それは内需中心の安定した足取りであります。我々はインフレに我が国を追い込むことを決して好みません。また、公共事業の拡大というものが地価のこれ以上の高騰を招く状況になることをも好みません。そういたしますと、おのずから節度のあるその年その年の努力目標というものがきちんと消化をされていく状態がベストであります。そして、それはやはり国民生活の質的な向上につながるものが中心であるべきだという委員の御指摘については私は異論を申し述べるものではございません。
○太田淳夫君 それでは、日銀総裁がお見えになっておりますので、金融、経済問題についてお尋ねしたいと思いますが、最近の円安の要因としましていろいろな理由が挙げられているわけでございますけれども、構造的な要因が多くて一時的な円安ではない、こういう見方もあるようですが、日銀総裁はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(三重野康君) お答え申し上げます。 今委員が御指摘のように、対外収支黒字の減少、それから対外直接投資の増大ということは、それ自体は為替需給を円安の方へ影響を与えるものだと思いますけれども、これも委員御存じのように、対外収支は減少したとはいいましても、例えば昨暦年は五百七十億ドルとまだ大きな黒字でございますし、資本の動きは直接投資以外にもいろいろな対内対外投資の大きな増減がございます。したがって、私どもといたしましては為替需給の構造的変化がここに来て起きたというふうには考えておりません。それよりもやはり為替を見る場合には、先進国中本当に群を抜いて物価の安定のもとにバランスのとれた経済成長を遂げている、その事実を忘れてはならない、そういうふうに考えております。
○太田淳夫君 円安の要因としまして最近の景気動向を挙げる見方もあるわけでございます。過去のいろんな経験から見ましても、経済の成長率が高まっている方向にお金が流れる傾向がある。その点から見ますと、日本の経常黒字というものは縮小し、あるいは八九年十月から十二月期のGN Pが年率三・〇%、こう減速をしたわけでございますけれども、これによって日本の景気というのは一応ピークアウトしているのではないか、こういうふうに市場が感じ取ったのではないかということも考えられるわけでございますけれども、総裁としては最近の我が国の景気動向についてどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。 この日本の景気につきましては、今は正午であるとか、あるいは経企庁のある方のお考えでは午後三時ではないか、こういう議論もあるわけですが、その点どのようにお考えでしょうか。
○参考人(三重野康君) 日本経済の現状につきましては、私はやはり現在は物価安定のもとに設備投資、個人消費という内需を中心にバランスのある拡大を続けていると思います。このことは、私どもが二月にいわゆる短期経済観測七千社の集計をとりました、それによっても裏づけられておりますし、特に設備投資や技術革新を背景にし、かつ人手不足のあれを解決するために来年度についても非常に強い計画を持っておりますので、これが今後のまた牽引役になる。したがいまして、現在の景気の腰は強い、そういうふうに判断をいたしております。
○太田淳夫君 よく言われますけれども、経常黒字幅の縮小の原因の一つとしまして、海外直接投資が盛んに行われていることが挙げられているわけでございますけれども、日本の産業構造の転換という観点から、あるいはECの統合、あるいはソ連、東欧が自由化されてくる、そういうことを見てみますと、海外直接投資は増加しておりますし、また資金の流れというものもアメリカから欧州へ変わってきている、こういうことが言われておるわけです。 しかし、このような海外直接投資も百四十円台で安定していた為替相場のもとで行われてきたわけでございますので、為替レートが今後百五十円台あるいはそれよりも円安が進行することになりますと、海外に生産拠点を設けた企業にとりましては大きな誤算となるのではないか、こういう懸念もされるわけですけれども、総裁としてはどのようにお考えでしょうか。
○参考人(三重野康君) 今委員が御指摘になりましたように、円安がどんどん進捗いたしますと、これは輸入コストの増大を通じまして日本の物価に大きな影響がございます。二番目には、せっかくここまでようやく緒についた着実な黒字の減少がこれが再びまた黒字の増大ということになり、対外不均衡の是正を阻害いたします。それから、これも今委員が御指摘になりましたように、日本の企業が中長期的な観点に立って拠点を海外に移している、そういう何といいますか、戦略にそごを来す、こういうことが言えると思います。 したがいまして、私どもといたしましては、円レートが日本の今のファンダメンタルズに見合ったところに落ちつくように、最大の努力をいたしたいと考えているわけであります。大蔵大臣が今度向こうに行かれていろいろ御苦心なさったのもそれでございますし、それから、私どもが各国協調のもとに介入をいたしておりますのもそういうことでございます。
○太田淳夫君 大蔵大臣にちょっとお伺いしますけれども、蔵相会談で財務長官は、日本と欧州での金利上昇がアメリカに波及することに対して強い懸念を表明した、こういうことが伝えられたわけでございますが、円安と金利上昇のこの兼ね合いについて具体的な対策が話し合われたのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 金利問題については、今委員が御指摘になりましたような角度では論議になってはおりません。ただ、むしろその席上論議になりましたのは、というよりもアメリカ側の関心として出てまいりましたのは、つい先日日本が公定歩合を一ポイント引き上げたわけでありますが、それが市況にどう反応したのか、あるいはしなかったのか。したとすればどういう形か、しなかったとすればどういう理由か。率直に申し上げればそういう角度からのアメリカの側の議論はございました。アメリカ側からそういう疑問点の提出はございました。そういうことであります。
○太田淳夫君 日銀総裁、今回の公定歩合の引き上げが為替相場に与える影響をどのようにお考えになっていらっしゃるのか。あるいは、引き上げ後も多少円安が進行する方向にあったと思うんですが、その点どのようにお考えでしょうか。
○参考人(三重野康君) 今回の公定歩合の引き上げは為替自身を目標にしていたしたものではございません。内外の経済情勢の総合判断の結果一%上げたわけではございますが、このことが日本の現在のバランスのある経済成長を持続するということを通じ、あるいは各金融市場がいずれは安定を取り戻す、そういうことを通じて為替に対していい影響を及ぼすというふうに考えておりますが、ただ為替というのは、こういう金利問題だけではなくて、そのほかの政治的あるいは経済的いろんな諸要素によって動きますので、その点については今後注意深く見て、先ほど申し上げましたような措置をとり、為替の安定に努力いたしたい、こういうふうに考えております。
○太田淳夫君 大蔵大臣、先ほど協議の話も出たわけでございますけれども、アメリカの中にはやはり依然としてインフレの圧力をかわす効果をねらってドル高を容認するようなそういう声も根強くあるわけでございますし、あの共同声明等も発表された会談の方向どおりにドル高是正にアメリカが動くかどうか、これは効果も疑問視されているわけですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 一般的に申しまして、今世界の為替市場を見ておりますと、他国の通貨に比べてドルが非常に強いという状況は事実でございます。そして、それは日本だけではなく、各国から見ましてそれぞれの自国通貨とドルとの関係には微妙な関心をお持ちであろうと存じます。そして、そういう雰囲気というものはアメリカの通貨当局としても当然受けとめておられ、その上で自国の経済政策についての判断を下しておられる。そうした中から、日本とアメリカとの間の蔵相会談においては他国とは異なり共同声明の発出に踏み切った、こう申し上げるのが一番事態を正確に表現しておると思います。
○太田淳夫君 最後に総理と日銀総裁に一点ずつお伺いしますけれども、日米首脳会談におきまして、アメリカは最近の我が国の金利高あるいは株安などから米国国債への投資は減少するという懸念を表明されたと、こう伝えられているわけですけれども、そこで海部総理は日本の機関投資家の米国国債の購入比率を維持するよう促す意向を表明したと、こういう報道もされておりますが、その点いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 日米首脳会談のときに為替市場に対する日米の協力については議題といたしましたし、私からもその協力の重要性について発言もいたしました。また、アメリカの大統領もそのことは率直に受けとめてもらって、たしかプレスリマークスの中にもそのことに触れた発言があったと思いますが、その後の機関投資家に今云々云々とおっしゃいましたことは、そのようなことは話題には出ませんでした。私はそう思っています。
○太田淳夫君 総裁、今回の公定歩合引き上げによりまして日米の金利差は縮小傾向が強まったわけでございますが、またソ連、東欧の自由化、それによる投資機会の増大の可能性を考えますと、我が国からの資金の流れというのはこれまでのアメリカから欧州へとシフトすることも十分考えられるわけでございますけれども、今後の機関投資家等の米国債への投資あるいは日本からの資金の流れの変化について、どのようなお見通しを持っていらっしゃるでしょうか。
○参考人(三重野康君) 今回の公定歩合の引き上げによって、短期長期の金融市場の金利が一段とアップすることはないと思います。むしろ私どもは、既に上がっている市場金利への追随という性格を持った公定歩合の引き上げだと思います。したがいまして、今回の公定歩合引き上げによって直ちに大きな資金の流れが変わるというふうには 考えておりません。 それはそれといたしまして、市場金利は年初来かなり上がってきているわけであります。したがって、アメリカとの名目金利差はかなり縮まっておりますし、実質金利差ということについてはかえって日本の方が高いかもしれません。こういうことは徐々に流れに変化があるかもしれませんが、現在のところはまだ大きな変化はございません。 それから、委員はヨーロッパのことをおっしゃいまして、確かにヨーロッパは東西ドイツあるいは東ヨーロッパに大きな変化が起きつつあります。しかしながら、これが本当に市場経済が東ドイツあるいは東ヨーロッパに根づいてそれが日本からの資金に具体的な変化をもたらすためにはまだ少し時間がかかると思います。いずれにしろ、そういった海外環境の変化ということもございますので引き続き注意深く見守っていきたい、かように考えております。
○太田淳夫君 日銀総裁、お帰りになっていただいて結構でございます。 それでは今回の補正予算の問題に移りますけれども、今回のこの補正予算を見てまいりますと、同僚委員からも指摘がございましたけれども、巨額ないわゆる自然増収、これをてこにしまして選挙目当てに大盤振る舞いをした過去に例のないような大型の補正予算でございます。 財政法の規定の趣旨から申しましても、私たちは緊急性のある公務員給与改善の費用あるいは年金の給付の改善費、災害復旧費、その他の義務的な経費に限定すべきと主張してまいりました。これは衆議院解散によりまして廃案になりましたけれどもそのまま再提出をされてきたわけですが、この中には緊要でない政策的な経費も計上されているわけでございます。なぜ、財政法の趣旨を守るような補正予算を編成し再提出されなかったのか、その点大蔵大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員からは財政法二十九条に違反するかのごとき御指摘がございましたけれども、私どもは、今回御審議を願っております補正予算というものが財政法二十九条に照らしてその法を犯したものだというような御指摘は、当たらないものと心得ております。 今この補正予算の編成というものに当たりまして、仮に当初予算の編成時点では予見ができなかった税収増を生ずる見込みがあるとすれば、それを補正予算の歳入面の財源として織り込むことは適当な手法の一つであります。平成元年度の補正予算におきまして、歳入面において当初このように予見をできませんでした税収増を計上いたすと同時に、歳出面におきましても、平成二年度特例公債依存体質脱却というものを目前にして財政体質の改善を図ると同時に、最近における諸情勢の変化に適切に対応をするために、特に緊要と思われる経費を計上したわけであります。 今後とも私どもは、財政法二十九条を踏まえて、予算作成後に生じた社会経済情勢の変化あるいは財政需要を的確に見きわめながら、適切な財政運営に努めてまいりたい、そのように考えております。
○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。白浜一良君。
○白浜一良君 今回、補正予算に五百億円の芸術文化振興基金というのが盛られておりますが、その点に関しまして若干御質問したいわけでございますが、その前に総理、古代ローマの方でガイウス・キリニウス・マエケナスという方は御存じでございますか。――御存じないと思います。今盛んに語られておりますが、メセナという言葉がございます。芸術文化振興をサポートするという意味に使われておりますが、このマエケナスという方の名前が由来でございまして、古代ローマにおきましてホラティウス等の大詩人を庇護して育成したという、それに由来しているわけでございます。 総理も御存じだと思いますが、ミッテラン大統領が誕生されたときに、厳しい財政下で文化省の予算を倍増された。文化というのはあすの産業であるという観点で非常に力を入れられたわけでございまして、非常に大統領の大きな特色になっておりますが、海部総理も文部行政に非常に詳しいというふうに伺っておりますが、これからの内閣の一つの特色として、もっと文化振興に力を入れようという、そのことを私は願望するわけでございますが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 先ほど先人の名前を私知りませんでして失礼いたしましたが、文化の問題につきましては、大切にしていかなきゃならぬという気持ちは私も同じぐらい持っておるつもりでございます。 そして、今年度のいろいろな施策の中でいろいろ御議論をいただいております芸術文化振興基金の考え方一つにいたしましても、やっぱり歴史や文化や伝統を大切にしていくということが心豊かな社会にとっても必要なことだと考えておりますので、これからも文化振興に関しましてはいろいろな政策努力を組み合わせながら、また民間の皆さん、各党の皆さんの御協力もいただきながら、より一層高めていきたいと考えております。
○白浜一良君 本当に心強いお言葉でございますが、そういうことであるならば、いわゆる芸術文化振興ということをなぜこの補正予算で組まなきゃならないかということなんです。要するにお金が余らなければ芸術文化振興に力を入れないのか、なぜ本予算としてもっと前向きにお考えにならないのかということを私はお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この芸術文化振興基金の創設につきましては、昨年の末に民間の各界有志から芸術文化振興のための基金を早期につくりたいという御要請がありましたこと、また元年度中を目途とする資金拠出の声明が行われておりまして、既に元年度の経理で資金拠出を予定しておられる企業も数多く存在するということから、国としても、民間の機運が盛り上がったこの機会を緊急にとらえて対応しようとしたわけであります。 もう少し言わせていただきますならば、基金の設立の時期が平成二年度にずれ込みました場合には、元年度に資金拠出を予定しておりました企業は、その多くをもう一度白紙に戻して再検討しなければならない。そういうことからも、国としてこの時期を逸しないように補正予算で措置をしたものであります。
○白浜一良君 そういう話は全く逆でございまして、公的なものが先行しなければならないわけです。それを民間がサポートするというのが、これが要するに文化行政の基本でございます。私は、全く逆である、このように思うわけでございます。 それはそれといたしまして、しかし当初の報道を見ておりましたら、この補正予算の組み方に関しましても、国が一千億、民間が二千億、計三千億のそういう基金をつくろうという、これは新聞報道されておりますが、そういう考え方からしましたら、現在は政府として五百億、民間で百億のえらいみみっちい六百億、五分の一の規模になっているわけでございますが、この点はどのように考えたらいいんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、はしなくも委員が報道されました教字を引用されてお話しになりましたように、その数字は、国が一千億に対して民間が二千億というようなお話でありました。民間が百億に対し、国が五百億の出資をする。私はむしろ国としては積極的な姿勢を示しておるものと考えております。
○白浜一良君 それはそれといたしまして、私は納得ができませんが、先ほどの逆の話をされているわけでございまして、文部省の中でもいわゆる文化予算というのは御存じのように非常に少ないわけですね。フランスでは八八年では千九百四十一億円、国家予算の一%近くを占めているわけでございまして、それに比べましたら、日本はGNPでフランスの三・五倍ございます。しかしながら文化庁の予算はたった四百九億円。しかも大半が文化財の保護とか埋蔵文化に使われているわけでございまして、創造的な文化予算というのは百 億円ぐらいでございます。そのような非常に微々たる現実しかないということを目の当たりにいたしまして、総理、この予算の現状をどのように思われますか。
○国務大臣(海部俊樹君) できるだけ増額をすることが望ましいという気持ちは私も強く持っておりますし、また現に平成元年度の文化予算は対前年度比八・三%増の四百九億円となっておりますし、また平成二年度予算案でも五・六%増の四百三十二億円を計上して、今後とも文化振興のため一層の推進を図ってまいりたいと思いますが、予算のみならず、基金も通じてさらにこれが両々相まって文化振興に役立ちますように、今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。
○白浜一良君 いいお話なんですけれども、現実がないわけでございまして、過日の施政方針でも「すべての国民が芸術文化に親しみ、」、このようにお述べになっておりますが、しかし実態は非常に厳しいものがあるわけです。 私は大阪の出身でございますが、関西地域は御存じのように文楽という古典芸能がございますが、当然文化庁のさまざまな助成もされております。しかし、私調べてきたんですけれども、今七十八人技芸員がいらっしゃるわけです、文楽ですね。それで、実際年間の収入を比べましたら、百万円から八百五十万。二十五年から三十年芸を積まれた方で四十歳を超えまして年収が四百万しかないんです。実際、普通サラリーマンでも、四十を超えましたら大体年間七百万ぐらいの収入はあるわけです。この伝統芸能を守るために一生懸命されている方が、やったって年間四百万円ぐらいしかない、四十を超えて。それも二十五年から三十年という芸を積んでです。これでは本当に跡を継ぐ方がいないわけです。それが証拠に、ことし十人研修生を募集しております。しかし、応募したのがたった三人なんです。この貧しい文化行政、実態というものを総理はどのようにお考えになりますか。
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま先生から、文化予算が不足をしているということについて、実態をまた御披瀝いただきましていろいろお述べいただきました。よく承りましたが、さらに今後とも文化予算の充実について創意工夫を凝らしまして、十分に一層の努力を傾注してまいりたい、このような覚悟でおりますと申し上げます。
○白浜一良君 もう時間がございませんので、最後にお伺いします。 ですから、私は、もっともっと国の助成をふやすべきです。文化を育てるということが、国際摩擦、これを少なくすることなんです。経済だけが進行し過ぎるということを私は申し上げたいわけでございます。 もう一つ、芸術文化振興のためにぜひとも私は大蔵大臣にお願いしたいわけでございますが、やっぱり民間の助成というもの、援助というものが非常に大事であるわけでございます。そのためにやはり税制上の優遇体制を考えていただきたい。例えば個人の寄附、一般寄附というのは今は所得控除になっていないわけでございます。そういう個人のやはり一般寄附ということも考えていただきたい。また、そういう損金体制になっております特定公益増進法人というのがございますが、これも文化団体に関しましては全国で三十余りなんです。もっともっとこの枠を広げるべきじゃないかということも御提案したいと思いますし、またさまざまな企業がそういう文化助成をしやすいような環境づくりを税制面でもぜひとも考えていただきたい。最後にこのことを大蔵大臣に御質問をしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど委員がお述べになりましたことにも触れてお答えをさせていただきたいと思うのでありますが、私は、実は委員の御質問を受けるに当たりまして、各国の文化予算というものをちょっとチェックしてみました。そうしますと、実は正確な比較ができませんのが、各国の中身が全く違うものですから……
○白浜一良君 それはもうわかっております。
○国務大臣(橋本龍太郎君) いや、ただしこのテレビを通じて一般で見ておられる方はおわかりをいただいておらないかもしれません。 ですから、委員は非常に多い国を例示で挙げられましたけれども、例えばアメリカの場合、私の手元にありますのは芸術文化三百三十五億円、日本より少ない、あるいは西ドイツ二百七十九億円、日本より少ない、こういうふうな国もあるわけでありまして、単純な比較はできません。しかし、今委員が御指摘になりましたような点を踏まえて、私どもも今後の文化行政というものに対しての財政の立場からの目配りはきちんといたしてまいりたい、そのように思います。 そこで、今委員からお話がありました寄附につきまして、今考えておりますことを率直に申しますと、個人の方々の寄附と税制上の扱いというものは、確かに芸術文化の普及向上や文化財の保存及び活用に関する業務を行う公益法人であり主務大臣の認定を受けたものに対して寄附を行った場合に、その寄附金の控除というものが行われているということであります。これは、個人が行われる寄附というものはいわば所得の処分でありまして、その所得の処分が公益の推進などに資するために政策的に所得控除を認めた方がいいと思われるもの以外は、一般的な寄附というものを所得控除からは外しておるわけであります。やはり公益の推進に資するという視点を置いて考えさせていただくべきものではなかろうか。ただ単に一般的に芸術文化のためにという言葉をつければ全部所得控除の対象というのはこれは行き過ぎではないだろうか、率直にそういう感じを持っております。 また、民間企業の寄附金につきましても、一般の寄附金というものは資本金及び所得金額を基礎として計算した一定の限度内の範囲を、これを損金の額に算入することを認めているわけであります。やはり、芸術の普及向上を初め、教育あるいは社会福祉などに関して行われる公益性の高い寄附金につきましては、これを支援するためにいろいろな特別的な配慮をしておることでありまして、こうした状況をもどうぞ御理解をいただきたいと思うのであります。
○白浜一良君 知っているわけでございます。ただ、対象となるいわゆる公益増進法人というのは非常に限定されているから私は言っているわけでございまして、アメリカの例を出されましたけれども、州も補助をしております。また、民間から、個人も含めまして、寄附を受けるための税制上の優遇というのはアメリカは随分されているわけでございまして、すべてトータルで考えていただきたいということを私は言ったわけでございまして、以上で関連質問を終わります。 ありがとうございました。
○太田淳夫君 大蔵省にお聞きしますけれども、税の年度内自然増収、この予算ではどの程度計上されていますか。
○政府委員(尾崎護君) 年度内の自然増収ということでございますが、決算額と補正額の差額というようにおとりしてよろしゅうございますでしょうか。――六十一年度から申し上げますが、六十一年度には二兆四千三百六十八億、六十二年度には三兆七千百九億、六十三年度には二兆七千二百五億補正額に対しまして決算額の剰余がございました。
○太田淳夫君 租税及び印紙収入、計上されているでしょう、この補正予算に。
○政府委員(尾崎護君) 元年度の補正でございますか。補正予算は三兆二千百七十億を見込んでおります。
○太田淳夫君 内訳。
○政府委員(尾崎護君) 内訳は、源泉所得税で約九千億、それから申告所得税で約九千億、法人税でも同じく九千億ぐらいございまして、ほかに有価証券取引税で千数百億見込んでおります。
○太田淳夫君 現在のこのままの勢いで税収が伸びますと、平成元年度の自然増収は補正ベースをさらに一兆五千億から二兆円程度上回る、こう見込まれているわけですが、それはどうでしょうか。
○政府委員(尾崎護君) 補正予算作成の時点におきまして、与えられた資料のもとで誠実に見積 もったつもりでございます。 それから先ほど私、法人税補正額九千億と申しましたが、一兆二千億の誤りでございます。訂正させていただきます。
○太田淳夫君 我々は、取り過ぎた税金の一部は当然これは国民の皆さん方に戻すべきだと補正予算のときに申し上げたわけです。そこで、戻し税減税というのを提案しました。また、社会的に弱い立場の人たちの生活をお守りするために福祉給付金の支給ということも提案してまいりました。それは計算しましても、この補正予算の中にあります所得税の一兆八千八百五十億円、これはもう税金の取り過ぎでございますから、これにも達しない金額になっているわけです。ですから、今回の補正ではまず戻し減税と福祉給付金の実現を私たちは主張してまいったわけでございますが、なぜこれを大蔵省として取り上げなかったのでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先般の税制改革におきまして、所得税、住民税を合わせまして総額三兆三千億円、六十二年九月分改正を合わせますと、五兆五千億円に上る大規模な所得減税を実施いたしました。そしてこの結果、中堅所得者層を中心とした重税感、負担累増感というものは大きく変化をいたしております。そしてその減税効果が平成元年から本格化しております状況の中で、現在その上の所得減税を行う考え方は私どもはとりませんでした。 また、福祉給付金についてお触れになったわけでありますが、六十三年度の補正予算で実施をいたしました臨時福祉特別給付金というものは、御承知のように、消費税導入などの影響に対する激変緩和を目的としたまさに臨時特例のものであったわけでございます。これに対しまして、平成元年度におきましても、また平成二年度予算におきましてもさまざまな手当てがなされ、例えば平成二年度予算におきましては、これから御審議をいただきます段階でまた御論議があろうと思いますけれども、公的年金手当の類につきまして完全自動物価スライド制を採用したり、あるいは生活扶助基準の適切な引き上げを確保したり、こうした措置を講じております状況を考えますときに、いわばかつてばらまき福祉というものが非常に厳しい御批判を世間から受けましたようなことを考えましても、臨時福祉特別給付金といったものを実施する状況にはない、そのように考えております。
○太田淳夫君 しかし、それは消費税のいろいろな主張の中で、あなたは消費税の逆進性を緩和する一つの方途としてこれを取り入れたということを再三おっしゃっておりました。総理、先ほど申し上げましたとおり、今回の私たちが申し上げました減税、福祉給付金は消費税――減税はされていましたよ、所得税減税はされたけれども、消費税の方がはるかに増税になっているわけです。また税金の取り過ぎが今回発生をしているわけですから、それは国民の皆さん方にお返しをするのがこれは筋ではないかという立場から私たちは申し上げているわけです。 そこで、私が総理に申し上げたいことは、総理は対話を強調されております。あるいは信頼の政治ということも言われているわけです。衆議院は自民党さんは勝たれたからかもしれませんが、参議院では現在御承知のとおり与野党逆転の状態を国民の皆様方によってつくっていただいているわけです。今回のような大型でしかも今までに類例のないような異質の補正予算、これを組まれるときには、それだけの自然増収が大幅にある場合には、国民の皆さん方から税金を取り過ぎた部分でございますから、それをいろいろと予算に組む場合には、少なくとも野党の党首の皆さんやあるいは政策の担当者の皆さん方とこの問題の扱い方について国民の皆さん方の前でやはり明白な議論を交わすべきではないか、このように思うのですが、総理いかがでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今委員の御指摘でありますけれども、これは本院でもたびたび申し上げてまいったことでありますけれども、消費に負担を求めます間接税というものは所得に対して逆進的であるという性格があることは事実であり、それを私どもは否定をいたしたことはございません。 と同時に、この所得に対する逆進性の問題というものは一つの税目を取り上げてのみ論議をすべきものではなく、所得税を含めた税制全体さらには社会保障制度等歳出面を含めた財政全体で御論議をいただくべきものだと、そう考えておるということは今までも何遍も申し上げてまいりました。そして、もし委員がお許しをいただけますならば、私どもは平成二年度に向けて税制改革の中で消費税の見直し案を考え、その中においてそうした問題にもこたえるべき努力をいたしておりますけれども、これもまた問題点として本来の性格上の逆進性があるということはそのとおりであります。これは昨年の臨時国会におきまして野党の皆さんが共同で提出をされました消費税廃止後の財源確保のための各措置におきましても、間接税というものの持つ性格としてこれは否定をされなかったところでありまして、全体で御論議をいただくべきものと、そのように理解をいたしております。
○太田淳夫君 私が申し上げたのは、国民の皆さん方の前で党首あるいは政策担当者と明確な立場で議論し合うような新しいルールをつくったらどうでしょうかと総理に申し上げているわけです。
○国務大臣(海部俊樹君) 消費税の問題あるいは税収の問題について、まさにこういう国会の場で御議論をいただくことが一番ふさわしい御議論の場だと私は思っておりますし、また消費税につきましては前回のいろいろな経緯等も踏まえて政府としては見直し案をきちっとつくって御提示しておるわけでありますし、また減税の問題については三兆三千億円に及ぶ所得減税を既にしたわけでありますし、六十二年の九月のときにも二兆二千億円の減税が行われておるということでありますから、今直ちにさらにまた減税のことをここで提起してというよりも、社会に必要な費用を広く分担していただくための税制の御議論をお願いし、その中で見直しをお願いしておるわけでありますから、どうぞそういう立場に立っての御議論をお願いいたしたいと心から期待しております。
○太田淳夫君 時間がないのであれですけれども、私は消費税の問題は、時間がありませんから、今度平成二年度の本予算の中で見直し案の問題についてはいろいろ論議したいと思います。 今申し上げたのは補正予算、いろいろと減税をやったとおっしゃいますけれども、減税はあれは長い間減税をやってなかったから当然やった問題でありますし、消費税導入のためにやった減税であります。しかし、そのために国民の皆様方は消費税で先取りされているわけですよ、税金を。しかもまた自然増収で税金の何というか取り過ぎがあるわけですから、そういうものを使う場合には選挙目当てのばらまきとかそういうことじゃなくて、国民の皆様方の前でしっかりと明確な論議をし合うようなルールをつくったらどうですかと私は言っておるわけです。委員会じゃないです。
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれ必要な政策的な目標を含めたものをやっておるわけでございまして、例えば、こだわるようですが、芸術文化の基金もあれは選挙目当てのばらまきじゃなくて、将来の日本の心豊かな社会のためにすべての国民の皆さんに均てんするものであると私は信じてお願いしておるわけでありますけれども、御理解を賜りたいと思います。
○太田淳夫君 そういう必要のあるものであれば一般会計できちんと組むべきであります。私、そういうふうに申し上げておきます。 最後に、もう時間がなくなりましたので外交、防衛の問題、軍縮の問題はまた次に譲りたいと思いますが、いよいよ盧泰愚大統領の訪日が予定されておるわけでございますが、その点外務省いかがでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 盧泰愚大統領の訪日に関しましては、過去二回日本側の都合で延期させていただいたこともございまして、できるだけ早い機会に大統領の訪日が実現できるように目下事 務当局で鋭意協議をいたしておる最中でございます。
○太田淳夫君 それについて中山外務大臣の訪韓を予定されているようですが、いかがですか。
○国務大臣(中山太郎君) 例年、日韓外相会談は春に行われておりまして、今年もできるだけ早期にこれを実旋したいということで、ただいま具体的な日時について韓国政府と協議の最中でございます。
○太田淳夫君 日韓問題で今大きく横たわっております問題は、在日韓国人三世の問題でございます。これはいろいろとお話をお聞きしているわけでございますけれども、やはり、外相が訪韓をされるとなりますと、かなりの進展がなければならないんじゃないかと思うんです。また、盧泰愚大統領も個人的に強い関心を持たれているようでございますし、訪日を問題解決の重要な契機にされたいというようなことも表明されておるわけでございますけれども、この問題の解決に向けてどのように今取り組みをされているでしょうか。
○国務大臣(中山太郎君) 委員お尋ねのように、在日韓国人三世の問題は日韓両国間の最大の重要課題の一つでございまして、九一年一月を目指して双方が満足できる結論が得られるように国内での検討調整を行い、韓国側との協議に全力を挙げておると。太田さん御案内のように、先日も事務当局レベルの協議が韓国で行われておりまして、大統領の訪日を新たな二十一世紀へ向けての日韓の協力の時代をつくるために、この問題の解決のために政府としては全力を挙げて努力をいたしてまいるつもりでございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 外務大臣がお答え申し上げたとおりでありますけれども、いわゆる三世問題につきましては、両国政府間の協議を通じて満足し得る結論が出ますように努力を続けていきたいと思っております。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で太田淳夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
○吉岡吉典君 日本共産党を代表して質問を行います。 まず、海部内閣の政治姿勢にかかわる問題をお尋ねします。 昨年来のリクルート事件を初めとする一連の政治腐敗事件、これをめぐって国民の間には強い批判があります。ところが、国民の期待に反して、その後もマスコミ等でリクルート事件の問題が論じられております。公判廷でもさまざまな問題が提起されている。それに加えて、新聞報道でも大きく取り上げられたように、藤波元官房長官が政治資金を自宅購入資金に充てていたというような問題が国民の怒りを呼んでおります。そういうことを我々は非常に重大な問題と考えざるを得ないと思います。 そこで、総理にまずお伺いします。 リクルート事件を国会で解明し、そして政治的道義的責任を追及する仕事、これはもう終わったとお考えになっているのか、それとも今なお残された重要な課題だとお考えになっているか、お答え願います。
○国務大臣(海部俊樹君) リクルート事件につきましては、今御指摘のように、ただいま司法当局において厳正な裁判が行われておるものと理解をいたしますし、またその他の問題につきましては、私どもは再発を防止しなければならぬという大きな責任と反省に立ちまして、自由民主党としては党内の政治改革をしなければならぬというので政治改革大綱をつくりました。国会においては、皆様方の御議論の中でいろいろと再発防止のために御努力、御協議を賜っていかなければならぬ問題だと考えております。
○吉岡吉典君 国会で政治的道義的な責任を含む究明が必要だということは当然のことです。そこで、解明の必要な問題として、私は深谷郵政相にお伺いします。 先日の委員会であなたはこれまでずっと否定してこられたリクルート社との関係を初めてお認めになり、千二百三十六万円を受け取っていたということを報告なさいました。この時期、献金、パーティー券あるいは後援会費その他内訳、及び返却されたという会費の金額、返却方法、これらを具体的に報告してください。
○国務大臣(深谷隆司君) リクルート社とのかかわり合いについては、私が申し上げていたことと異なる報道がなされたものでありますから、事実関係を徹底して調査するように事務局に命じまして、過日その結果について申し上げたところでございます。過日申し上げた委員会の発言と同じことになりますが、六十年から六十三年七月までの間、私がリクルート社から受けた政治献金等は千二百三十六万円であり、これはパーティー券その他の購入代金も含まれております。
○吉岡吉典君 その内訳を私は聞いたんです。
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほど申し上げた金額は、パーティー券購入代金等も含まれております。 それから内訳等については、内部的資料でありますのでここで申し上げることは避けたいと思います。
○吉岡吉典君 内訳が内部資料だなんというそんな話はありませんよ。もう一回きちっと言ってください。
○国務大臣(深谷隆司君) 南陽会に定期的に支払われる会費については、先日も当委員会でお答えをいたしましたが、六十三年七月まで毎月二万円ずつ振り込まれておりました。そして七月に退会をいただいたわけでありますが、事務的な不都合によって若干残っていることが判明いたしたものですから、事務局は直ちにその分を返却したと報告しております。
○吉岡吉典君 答弁になりませんよ、それでは。内訳がわからないのならわからないと言ってください。
○国務大臣(深谷隆司君) 献金やパーティー券等につきましては、政治資金規正法にのっとりましてきちんと処理しているという報告をもらっております。
○吉岡吉典君 私は、今の答弁を聞いて、あなたは内訳がここではっきり言えない、そういう報告をこの前やったと言わざるを得ません。ということは、あなたがこの前発表した千二百三十六万円という数字も、本当の数字なのかどうなのか、これの信憑性も疑わざるを得ない。もしこれが本当だと言うのなら、献金、政治献金、パーティー券、後援会費、それらの内訳を言ってください。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま申し上げましたように、献金やパーティー券や会費等については、きちんと規則にのっとって処理をしているというふうに報告を受けております。あわせて、ただいま発表いたしました数字については、誤りがないものと信じております。
○吉岡吉典君 委員長、これじゃ質問できませんよ。これじゃ質問できません。延ばそうとは思いません。
○委員長(林田悠紀夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(林田悠紀夫君) 速記を起こして。
○吉岡吉典君 もう一度お尋ねします。
○国務大臣(深谷隆司君) リクルート社からの政治献金等の内訳につきましては、現在その裏づけ等の確認作業が完全に終了しておりませんので、誤りがあっては困ると思いますのでただいま公表することを差し控えたいと思います。
○吉岡吉典君 私は今の答弁、これは内訳はわからないけれども総額はわかるという、こういうのがこの間の委員会での報告だったと思います。こんなわけのわからない話というのは初めて聞きました。ですから、この前の千二百三十六万円というのも信憑性のない数字だというふうに言わなくちゃいけませんし、先ほどは正しいと確信していると言われましたけれども、今は間違うとぐあいが悪いからもうちょっと慎重にやると言われた。これが深谷さんのこの問題についての今日の態度だと、非常に無責任な態度だと思いますが、次の問題に入ります。 返却の総額、それから日付、それから返却方法、どこへどういう形で返却されたか答えてください。
○国務大臣(深谷隆司君) お答えいたします。 恐縮でありますが、それも含めて調査を急ぎます。
○吉岡吉典君 返却の日付も返却方法も額も今まだはっきりわからない、そういう返却をしたということがありますか。そういうことがこの世に通用すると思いますか。これは政治家ですよ、特にあなたは。しかも閣僚です、国民に責任を負っている。それがそういう態度で通用すると思うのかどうなのか、あなたのそういう政治倫理についての認識を述べてください。
○国務大臣(深谷隆司君) 私どもは、リクルート社から何を頼まれたとか何を頼んだという事実はありません。たまたま通常の献金やパーティー等での応援をしてもらったということがあったわけでございます。それが私が述べていたことと違ったものでありますから、事務局に徹底して調査するように申したのであります。そして、その調査の結果出されたのが先般申し上げた数字でございます。 それから、南陽会の会費の返却については、過日も触れましたけれども、七月の時点で退会をしていた。その後十二月まで振り込みがあったものでありますから、直ちにその金額は当然のことでありますけれども返却をいたしたということでございます。
○吉岡吉典君 ともかく内容、内訳もわからない、返却した時日もわからないという、そういう内容の報告をこの間の委員会ではあなたは行われた、信用するわけにいかない報告を行われたということを指摘して次の問題でお伺いしますが、あなたはこれまでリクルートとの関係は全くないと言わんばかりの発言をずっと繰り返してこられました。閣僚になられたときにも申告もなされなかった。それから塚原労相らの問題が新しく公表された後でも、自分について言えば完全に問題はない、こうおっしゃっていますよ。そういうことを言い続けてきた人がいきなり二十三日の委員会ではああいう報告をなさいましたが、リクルート社からの献金の、この間の報告の事実はいつわかったんですか。
○国務大臣(深谷隆司君) リクルート社からの献金等について自分が承知していたことと異なる内容の報道がなされましたので、改めて正確な調査をさせた結果わかったものであり、したがいまして先ほどの数字も間違いではないと信じております。
○吉岡吉典君 いつわかったかを聞いている。
○国務大臣(深谷隆司君) それからリクルート社との関係においては、特に具体的に何か依頼されるとか何かお願いするということはございませんでした。したがって、今回公表した献金額などは新聞に報道されたこと等を契機に再度徹底的に調査させた結果わかったものであります。
○吉岡吉典君 そのわかったのがいつかということ、その事実がわかった日付だけ聞けばいいんです、私は。
○国務大臣(深谷隆司君) ただいま申し上げましたように、私がかねて申し上げていたことと異なる一部報道がなされたものですから、そこでしっかり調査するように事務方に命じてこのほど判明したものですから発表いたしたわけでございます。
○吉岡吉典君 このほどというのはいつですか。
○国務大臣(深谷隆司君) それから総理に御報告をしなかった点については、まことに申しわけないことだと思っております。
○吉岡吉典君 あなたの答弁を聞いているとずっと前からわかっていたようにもとれますけれども、何日にわかったんですか。
○国務大臣(深谷隆司君) 私は、六十三年のいわゆるリクルート事件が社会的問題になりましたときに、さまざまな関係も含めて調査をするように事務方には命じたのであります。しかし、事務方の努力というか、きちっと七月いっぱいですべての関係を絶ったものでありまして問題はないという報告だけ私に上がってきたのであります。 このほどは、マスコミの一部で私の申し上げたことと違う報道がなされたものですから、その時点で再調査を命じて、そこでわかったものを今回報告させていただいたというわけです。
○吉岡吉典君 あなたはとうとうわかった日付さえもおっしゃらないということになると、一切これまでの報告の中身は何もわかっていないわけですね。新聞の報道によれば、あなたが再調査を命じたのは三月二十日。三月二十日に調査を命じて、二十三日のこの委員会で報告された。一日か二日であれだけのことがわかった。今まで何年にわたって関係ない関係ないと言い続けていたことが一日か二日でわかったということは、あなたは百も承知だったけれどももうのっぴきならなくなったから認めざるを得なかったと、こういうふうに私どもは断ぜざるを得ない。そう言われても反論できますか。
○国務大臣(深谷隆司君) お答えいたしますが、私は今まで委員会等の公的な場所で関係ないというふうな意味のことを申し上げたのは、過日の楢崎議員の質問に対して初めてであります。
○吉岡吉典君 記者会見での発言は公的な発言でないというわけですか。
○国務大臣(深谷隆司君) さまざまな記者会見でさまざまなことを申し上げましたが、私が公式に委員会等で発言したのはそれが最初であると申し上げたのであります。
○吉岡吉典君 閣僚としての記者会見での発言が公式発言でないというような大臣、これはもう我々は相手にできませんよ。
○国務大臣(深谷隆司君) 記者会見のやりとりの中では、例えば六十三年夏以降のものについては自分としては全くないと心得ている、それ以前については、必ずしも正確ではないけれども聞いた範囲ではこういう状態である、そういう言い方をしたつもりでおります。
○吉岡吉典君 その一連の発言が全部事実ではなかった、あなたは記者会見でうそをついていた、そういうことがこの間の委員会の報告ではっきりしたわけなんですよ。 そこでお伺いします。 あなたは八八年の七月にリクルート社は政治団体から退会してもらい派遣されていた職員は退社してもらった、こうおっしゃいましたが、あなたはどういう判断でそういう退社してもらいあるいは政治団体から退会してもらったのですか。
○国務大臣(深谷隆司君) この処理は、私が命じた時点で事務方がさまざまな配慮をして処置したものでございます。
○吉岡吉典君 あなたがやったんじゃないんですか。
○国務大臣(深谷隆司君) はい。
○吉岡吉典君 そうすると、あなたは自分は関知していないとお逃げになった。あなたの事務所ですよ、その事務所は。あなたの事務所が会員の脱退あるいはあなたの事務所の職員がリクルート社から退社してもらった、そういう関係。あなたと全然無関係にあなたの事務所は運営されるんですか。それから、そのリクルート社を退社した職員は今もあなたの事務所にいますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 委員からさまざまな御質問が次々と出されて私の答弁が不適切で申しわけないと思っていますが、これらの問題のすべてをいずれにしても官房長官に報告をいたし、恐らく四月早々に公表されることと思っております。
○委員長(林田悠紀夫君) 吉岡吉典君の残余の質疑は午後に譲ることとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(林田悠紀夫君) 予算委員会を再開いたします。 平成元年度補正予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、吉岡吉典君の質疑を行います。吉岡君。
○吉岡吉典君 リクルート社は、リクルート公判での大沢調書でも明らかなように、深谷郵政相を工作対象としてさまざまな便宜を供与していた、こう述べられております。その一つがあなたもこの間お認めになりましたあなたの政治団体へのリクルート社員の派遣だと、そういうふうに思います。深谷さん、あなたのところの事務所にリクルート社から何人来ていたのか。その人は今もいるのかどうなのか。いつから来ていたのかを含めて。
○国務大臣(深谷隆司君) 先ほど、大沢調書の中でさまざまな便宜を図っていた云々ということがございましたが、詳細調書を見ました関係では二回食事をしたということだけだと私は判断しております。 それから、ただいまの嘱託社員の件については、一名派遣されておりました。それは正式な朝から晩までということではなくて、手伝ってくれるということで協力をしてくれた人であります。 私どもは、これは先ほど申したように、六十三年の夏以降の問題に関しては事務局でさまざまの問題を残してはならないというので、あらゆる事柄を七月の時点で切ったわけでございますが、その職員はリクルート社を七月に退社をしてもらいまして、現在では私どもの秘書として採用しております。
○吉岡吉典君 私は、七月に退社してもらったということが事実かどうかということははっきりさせなきゃならない問題だと思います。というのは、これまでの答弁からして、七月以降関係がなかったようにつじつま合わせが行われているという疑いが晴れないからです。 そこで、私は資料の提出を求めますが、もし退社しているということになれば、保険とか年金とかこういう関係の退社に伴う手続が行われているはずです。その資料を当委員会に提出していただきたい。あわせて返金問題、先ほどの会費の八八年七月以降の返金したというのが調査してわかったら、その返金を裏づける資料を当委員会に提出していただくよう求めます。出していただけますか。
○国務大臣(深谷隆司君) 嘱託の社員については本人と会社の関係でありまして、私どもは格別関知をしておりません。 それから先ほどの会費の件については、事務局の報告でかなり確度の高い性格の報告だと受けとめておりますので、いつどのように振り込んだかということについてはわかるとは思いますが、ただ先ほど申したように、私は官房長官に朝自主的に申告してその日の委員会で公表したわけでございまして、その後の当委員会でのやりとりも含めて官邸、官房長官に詳細にわたって提出をして、そして御判断を仰ぐということになっておりますので、そちらの方にすべてを出すようになると思っております。
○吉岡吉典君 これは国会の論議の問題について求めている資料ですから、この委員会に、国会に提出してもらうよう理事会で諮っていただくよう委員長にお願いします。
○委員長(林田悠紀夫君) 後刻諮ります。
○吉岡吉典君 深谷さんの話によると、事務所はもう既に八八年の七月の時点でいろいろな手を打っていた。しかし本人は何も知らなかった。というと、あなたの事務所はあなたに全部うその報告をしていた、あなたはこの間ずっとだまされ続けていたというわけですか。
○国務大臣(深谷隆司君) 私は、だまされていたという、そんな言いわけをしておりません。リクルート社から特別何かを頼まれたとか、あるいは同社のために何かをするとかいうことがなかったので、同社との間に特に何か関係があるような意識は全く持っていなかったということであります。 しかし、自分の不明から、今回徹底的に調査いたしまして判明するまで、具体的な事実について明らかにしなかったことはまことに申しわけないと思っているわけです。
○吉岡吉典君 事務所は全部知っていたわけなんですよ。そういう手を打っていたということにあなたの説明によればなるわけですよ。怠っていたというふうなことで済まされるものではありません。 私は、きょうこの委員会での答弁を通じても、海部総理が施政方針演説でこの内閣はリクルート事件の反省に立って政治倫理を確立する、そういう内閣だとおっしゃった。その内閣の閣僚にふさわしい閣僚だと私はどうしても思えません。四月四日を待たずに私はあなたは即時辞任するよう求めます。辞任するかどうか、その意思を表明してください。
○国務大臣(深谷隆司君) 私は、リクルート社の関係において何らやましい思いを持っておりません。手続やあるいは発表することについてずれがございましたことは恐縮であると再三申し上げておりますが、それ以外については特別なかかわりを持っておると思っておりませんので、そのように御理解いただきたいと思います。
○吉岡吉典君 これだけの疑惑をやましくないと、答弁もできないことをやましくないと言うその政治感覚が政治倫理確立の仕事をするのにふさわしくないということだけ申し上げて、私は海部総理にも一問質問したいと思います。 先日の委員会で、週刊文春の報道は私には全く理解できないという趣旨の答弁がありました。それは週刊文春の報道後改めて調査をした上での答弁ですか、それとも従来の調査に基づく答弁ですか、明らかにしてください。
○国務大臣(海部俊樹君) 私は、通常の政治資金と思って受け取ったものを、去年の八月の総裁選挙に立候補の前にうちの事務所できちっと調べてわかった限りのものを提出しておりました。御指摘の報道があったときに、私には全くわからないものでありましたので、念のためにこういったことがあるけれどもと言って調べさせましたけれども、結果はやはり同じでございます。私のところでは知ることのできない、わからない献金であります。
○吉岡吉典君 週刊文春の記事は極めて具体的な日付を挙げたものです。したがって、これがわからないということだけでは済まされない。それならそれにふさわしい措置をきちっととられることが、一国の総理にかけられている疑惑ですから、必要だということだけを申し上げておきたいと思います。 私は、きょう問題にしましたような一連の政治疑惑、こういうものをなくすためにも企業献金の禁止を改めて求め、そして次のテーマ、今緊急の問題になっている国鉄清算事業団の解雇問題について、高崎議員の関連質問を行ってもらうことにします。
○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。高崎裕子君。
○高崎裕子君 この二十日、清算事業団職員に対し解雇予告がなされました。地方労働委員会の地元JRのもとの職場に戻せという命令が出ているのに解雇というのは全く不当であり、政府の責任は重大です。この清算事業団職員の雇用問題を考える上での核心は、どうしてこの問題が発生したのかということです。それは、政府が進めた国鉄の分割・民営化の途上で国労、全動労の組合員に対し明らかな差別を行い、そして地元JRへの採用を拒否したこと、ここに最大の問題があります。 労働省に伺います。JRの不当労働行為事件関係での救済命令は何件出ていますか。
○政府委員(岡部晃三君) 平成二年三月二十二日現在で地方労働委員会から八十一件の救済命令が出されております。
○高崎裕子君 労働者が全部勝ってJRが全部負けているということなんですね。JRの事件だけで二百五十四件あり、これは全国の一年間の地労委の事件の半分以上を占め、しかも出された命令八十一件に対しすべて従わないというもので、私は弁護士としてもその異常さに大変驚いています。朝日新聞の社説でも、JR各社は連戦連敗、ま ともな企業では例のない異常事態だと言い、毎日新聞でも、国民の基本的権利を侵害して恥じないJR各社の経営陣の常識を疑うと言っています。 具体的にお聞きします。国労北海道の救済命令では不当労働行為の成否についてどう述べていますか。
○政府委員(岡部晃三君) 御指摘の北海道地労委の命令、原文どおり読み上げさせていただきます。不当労働行為の成否の問題でございますが、 承継法人へ採用するに当たって、国労組合員及びその役員をその組合所属を理由に選別したという顕著な外形的差別が存在すること、 選別に当たって使用された職員管理調書には、その項目の中に明らかに国労に所属する者及び組合活動を不利に取り扱うものや、文言上はともかく、実質的に国労に所属する者及びその組合活動を不利に取り扱うものがあること、 職員管理調書を作成する際の具体的な評定作業等をみても国労に所属する者は低い評価を受け、再評定等の際、国労を脱退した組合員、殊にその組合役員を有利に扱うなど組合所属による評価がなされていること、 と記載してございます。
○高崎裕子君 その命令ではどう救済せよと述べていますか。
○政府委員(岡部晃三君) これも主文を読み上げさせていただきます。 被申立人北海道旅客鉄道株式会社は、同社に採用を希望している別表第一記載の組合員を、昭和六十二年四月一日をもって同社の社員に採用したものとして取り扱わなければならない。 被申立人日本貨物鉄道株式会社は、同社に採用を希望している別表第二記載の組合員を、昭和六十二年四月一日をもって同社の社員に採用したものとして取り扱わなければならない。 以上であります。
○高崎裕子君 採用差別事件ではこのような命令が全国で既に十九件出され、すべて顕著な組合差別があった、地元JRのもとの職場に戻せと命じています。ところがJRは、中央労働委員会に申し立てていることを理由にこの命令に従おうとしていません。しかし、労働組合法二十七条五項では、中労委に再審査の申し立てをしても効力は停止しないとしています。労働省も命令に従う公法上の義務があることを認めています。ですから労働大臣、JRは言いかえれば義務違反の状態を続けていることになりますね。――大臣に聞いているんです。
○政府委員(岡部晃三君) 地労委の救済命令につきましては、それに不服がある使用者は行政訴訟を提起することも、中労委に再審査を申し立てることもできるわけでございます。その場合、裁判所により緊急命令が出される場合を除きましては使用者に命令の履行を強制する仕組みにはなっていないわけでございます。このような労組法の体系を総合的に勘案いたしますというと、地労委の救済命令につきましては、いまだ確定をしていない間は使用者の任意の履行にまつべきものである、そのような制度になっていると考えております。
○高崎裕子君 大臣、質問に答えてください。義務違反の状態を続けていることになることについて答えてください。
○国務大臣(塚原俊平君) ただいま労政局長が答えたとおりで、先生も法律の専門家でございますから、法律にいろんな形の解釈というのはあると思うのですけれども、ともかく中労委で今お話し合いをしているということでございますので、大臣として御答弁を差し控えたいと思います。
○高崎裕子君 質問に端的に答えてください。義務違反の状態を続けているかどうかを質問しているんですよ。
○国務大臣(塚原俊平君) 違法かどうかという話ではなくて、義務違反の状況かということですか。
○高崎裕子君 公法上の義務があるから義務違反ということですねと。
○国務大臣(塚原俊平君) ただいま申し上げましたように、中労委の方で今お話ししているわけでございまして、一応そういうことでお答えさせていただきます。
○高崎裕子君 命令に従う公法上の義務があるのだから義務違反ということになるわけで、事前説明では明確にそのことを確認されていたはずなんです。 次に移ります。 労働委員会規則四十五条でも、「使用者は、遅滞なくその命令を履行しなければならない。」と明記しています。JRがこの義務違反をやめ命令に従えば、雇用問題はすぐ解決できます。ところが、これだけ救済命令が出ても守らないばかりか、逆に労働者に対して解雇予告というのでは、労働委員会制度を無視するものと言わなければなりません。 労働大臣、運輸大臣、今一番大切なことは解雇を回避するために全力を挙げることではありませんか。
○国務大臣(塚原俊平君) 労働省としましてはともかく精いっぱい努力を、労働省としてできる限りの努力は今日もまだいたしております、まだ日にちがちょっとあるわけでございますから。現実に、運輸大臣の方からも御答弁があるかと思いますが、JRとしても手を広げてお待ちを申し上げているけれどもまだおいでいただけない状況があるというようなことも伺っておりますし、ともかく残された日にちでございますが、誠心誠意、いわゆる皆様方、今何名ぐらい、千四百名ぐらいから余り減ってないというふうに伺っておりますが、でき得る限り雇用を確保するように労働省としても努力いたしてまいりたいと思います。
○国務大臣(大野明君) ただいま労働大臣が答弁したと同様でございまして、解雇予告を二十日にいたしましたが、その後も今日なお最善の努力をいたしておるところであります。
○高崎裕子君 雇用あっせんに努力したと今言われましたけれども、実態は、例えばある労働者に対する清算事業団の求人の紹介では、年齢制限などで該当するものが二カ所しかなかった。連絡をしたところ、一カ所は現在は募集もしていないし、事業団に依頼もしていませんというものでした。もう一カ所はこの電話は現在使われていませんというものです。倒産寸前の会社もありました。また、あっせんと言われますが、四十社を回ったけれども、国労出身、清算事業団ということで白い目で見られ、ことごとく断られ、悩んだ未青年が自殺した事件は私たちにとって衝撃的でした。JR北海道と九州の発足時、政府が決めた基本計画の職員数と現在ではどうなっていますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 昭和六十一年十二月に決めました承継基本計画に定められましたJR北海道及びJR九州の職員数は、これは余剰人員を約二割含んだものでございますが、JR北海道が一万三千人、JR九州が一万五千人でございます。
○高崎裕子君 基本計画の職員数と、現在ではどうなっていますかという質問ですよ。
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま基本計画の職員数を申し上げましたが、現在の職員数はJR北海道が一万二千七百三十名、JR九州が一万四千六百八十名でございます。
○高崎裕子君 済みません、ちょっともう一回教えてください。
○委員長(林田悠紀夫君) 立って質問してください。
○高崎裕子君 もう一回言ってください。
○政府委員(大塚秀夫君) もう一度申し上げます。 承継基本計画ではJR北海道が一万三千名、JR九州が一万五千名でございましたが、現時点ではJR北海道が一万二千七百三十名、JR九州が一万四千六百八十名でございます。
○高崎裕子君 つまりJR北海道では基本計画の職員数に対し二百七十名、JR九州では三百二十名のいわば欠員が出ているわけです。 その上、組合や私どもの調査では、北海道の場合年金法改正に関連し、整理退職募集で約四百五十名を超える退職者が出る見込みです。定年退職の方も含めるとこの四月一日には全部で約七、八百名の欠員が生じることは明らかです。これは九 州も同じです。つまり残った清算事業団職員の数に見合うだけの欠員が生じるんです。救済命令もあり欠員も生じているわけですから、直ちに地元JRに採用せよと指導すべきですが、運輸大臣、いかがですか。
○国務大臣(大野明君) ただいまも政府委員から答弁いたしましたように、JR北海道あるいはまたJR九州においては既に発足時において雇用対策上適正人員を上回る者を採用いたしております。 そこで、御指摘の点でございますが、四百五十名の退職者が私どもの方で調査したらおられるとかという話でございましたが、その点は、私どもまだ知り得ませんので、何ともお答えのしようもございません。
○高崎裕子君 地元JRに採用せよと指導するかどうかについて答弁がないんですよ。指導するのかしないのか、その点の……
○委員長(林田悠紀夫君) 高崎君、立って質問してください。
○高崎裕子君 質問に答えていないんですよ、地元JRに採用せよという指導をされるのかどうか。
○委員長(林田悠紀夫君) 質問するときは立って質問してください。
○高崎裕子君 いや、質問に答えていないから今も言っているんですよ。質問に答えてください。
○委員長(林田悠紀夫君) 答えたでしょう、今。
○高崎裕子君 いや、答えていませんよ。地元JRに採用せよと指導すべきだという質問に対して、するかどうかの答えがないですよ。(「そういうことも立ってやってくださいよ」と呼ぶ者あり)いや、だけれども、もうそれは質問しているんですから。
○委員長(林田悠紀夫君) 立って質問してください。
○高崎裕子君 地元JRに採用せよと指導すべきと考えますが、その点いかがですか。
○国務大臣(大野明君) 政府といたしましては今日まで最善の努力を払って清算事業団職員の就職あっせんをやってまいったところでありますけれども、しかしながら、地元でなければならぬというかたくなな、耳を傾けていただけない方もおられるので、そういう点を考えて、幾ら申し上げてもわかっていただけないんでは困るということを今痛感をいたしております。
○高崎裕子君 地元JRに戻しなさいという命令が出されて、その意思を明確にしている人たちにかたくなというのは、これは当たらないと思います。それは重大な答弁だと思います。 赤字の会社や倒産寸前の会社にさえ雇用させていて、それなのにJR北海道や九州にたった一人もあっせんしない、たった一人も採らないというのは、これは通用しない話だと思います。現に約三十六億円の黒字、九州は四十五億円も出しているわけで、採れないという話はないはずです。 また、人手不足で今事故が相次いでいます。JR北海道では、この冬わずか二カ月の間に踏切事故が多発し、二十三件、死者十一名、負傷者三十三名、大変な事態になっています。四年前には三千九百人いた保安要員が千五百人と半分以上も減らされて、安全、サービスが切り捨てられているのが現状です。 また、何より一番の被害を受けているのは労働者本人であり家族です。ある労働者の妻は心から訴えています。 「夫は汽車が好きで国鉄にはいりました。勤続三〇年目の国鉄総裁名の表彰状にも「他の職員が模範とすべき」労働者と書かれてありました。仕事も出来るし、職場の仲間の信頼も厚い夫。無事故で真面目に運転一筋に一生懸命働き続けてきた夫が一体何をしたというのでしょうか、教えて下さい。薄っぺらなたった一枚の紙切れで首なんて私は怒りで体がふるえます」と労働者の妻は訴えています。 また、「親が清算事業団に入れられたので、家計のことを考え大学への進学をあきらめ、就職試験を受けた子供は、親の職業欄に「清算事業団」と書いたため、面接の時「これは何ですか。なぜお父さんはJRに残れなかったのですか」と聞かれ、いいたいことはいっぱいあったけれど、言葉にならず、結局「わかりません」とだけ答えた」。その結果は不採用です。 この労働者や妻や子供たちに何の責任があるでしょうか。国が実行した分割・民営化により国の機関が行った差別行為です。そして国会で、差別は絶対しない、一人も路頭に迷わせない、政府は繰り返し約束をしてきました。これを踏みにじっての解雇通告、こんなひどい仕打ちは許されません。総理大臣、労働者や奥さん、子供たちのこの痛切な声をどう受けとめますか。地労委命令を軸に全面的に解決するよう誠意を持って努力すべきではないでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 清算事業団職員の再就職を促進するために政府としては全力を挙げてきたところでございますし、またこれまで再就職先を紹介するなど、できるだけの努力を積み重ねてきたと私も報告を聞いておりますが、残された期間もまだございますので、それらの方々に少しでも再就職の望みがかなえられるように促進に一層取り組むよう指導してまいる所存であります。
○委員長(林田悠紀夫君) 高崎君、時間が参りました。
○高崎裕子君 不当な解雇をやめさせ地元JRのもとの職場に戻せという救済命令を守ること、このことを抜きに清算事業団職員の雇用問題は絶対解決しないことを述べて、私の質問を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で吉岡吉典君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、粟森喬君の質疑を行います。粟森君。
○粟森喬君 連合参議院の粟森でございます。 御承知のとおり、連合参議院は参議院にしか議席がございませんので、基本的なことについて幾つか総理に質問を行いたいと思います。 まず最初にでございますが、特別国会が始まりまして今度の補正予算の審議に当たって、極めて異例なことでございますが、自民党の議員団長、これは参議院でございます、幹事長などから補正予算の審議の早期成立のための特別な要請がありました。私どももこれは異例なことだというふうに聞いておりますが、その後、自民党の小沢幹事長から一括処理などという案が出されてきたわけでございます。小沢幹事長とはハウスが違うわけでございますから聞くわけにまいりませんので、総理にお尋ねをしたいと思います。 この一括処理という法案処理の仕方は参議院までを拘束するのかしないのか、明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 一括処理といいますのは、補正予算とそれの関連法案でありますから、できるだけ同時に答えが出ませんと国民の皆さんのためにこれを実行することができませんから、一括処理をしたいという気持ちは私は表裏一体のものだという受けとめ方をしていただけるとありがたいと思いますし、また衆議院は衆議院、参議院は参議院でありますから、私は、衆議院のことと参議院のこととそれぞれ院が違うわけでありますから、各党間において院の運営については十分なお話し合いをいただくべき筋合いではなかろうかと、このように受けとめさせていただきます。
○粟森喬君 もうちょっとはっきり答弁をしていただきたいのは、衆議院と参議院は別だということをもうちょっと明確にしてほしいと思います。といいますのは、だれが考えても、衆議院だけの総選挙の結果から申し上げれば自民党が安定多数をとったわけでございますから、一括審議なのか新ルールなのか言葉は別にいたしまして、これほど具体的な審議に入るのに時間がかかったのは明らかに参議院のことを一定程度予測して述べているのではないかと思います。私どもの立場から見れば衆議院と参議院は別でございますから、そのことに総理の口からはっきりと見解を明らかにしてもらいたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 私ははっきりとお答え をしておるつもりでございますけれども、もう一回繰り返しますが、衆議院と参議院は院が違うわけでありますから、衆議院においてはそれぞれお話し合いもされる、参議院においても政党対政党において参議院の運営、日程、その他についてはお話し合いをされて、それによって運営されていくべきものであると、政府としてはそのように受けとめさせていただいております。
○粟森喬君 この問題に余り時間をかけることは私としても全体の質問のことで限界がございますので申し上げませんが、少なくとも私が判断をするには、衆議院だけの審議の処理であったらこれほど時間がかかったはずはないというふうに思います。したがって、今後も、今の政治状況が衆議院と参議院では明らかに違うわけでございますから、このようなやり方を再び繰り返さないことを念のために申し上げておきたいと、こういうふうに思います。 次に、私の方から申し上げます。 総選挙の結果、内外で、今も審議が続いていたわけでございますが、リクルート問題でございます、リクルート問題は選挙が終わったらみそぎが済んだとか、けじめが済んだという話がるる風潮として進んでいますが、本予算委員会でもリクルート問題にかなりの時間を割いてやっているわけでございますが、私どもとしては、昨年の選挙の結果のことも含めて申し上げますと、リクルートの問題を解明するためにはリクルートの特別委員会を設置すべきだということを要求してあります。委員長の方からもリクルート問題について冒頭の見解表明があったわけでございますが、政治改革を本格的にやろうとすれば、リクルート問題の解明というのはぜひとも不可欠なことだと考えています。したがって、今後総理としてリクルート問題の特別委員会を参議院で設置するつもりなのかどうか、このことについてお尋ねを申し上げたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) リクルート問題を謙虚に反省して、自由民主党としては政治改革に全力を挙げて取り組む、こういうことにしておりますけれども、今申し上げたように三権分立の世の中で、行政府を代表する総理の立場で衆議院はどうしろ参議院はこうしろとか、そんなことを言うこと自体が私はいけないことだと思います。参議院の運営というのは、衆議院と参議院とは別だということを委員も先ほどおっしゃいましたとおり、まさに私は各院において政党の代表の皆さんがお話し合いをして決めて運営していかれる、まさに院のそれが最高の自治であろうと、政府として余計な予断と憶測でくちばしを入れるべきものではない、私はこう受けとめております。
○粟森喬君 私は総理であるとともに自民党総裁の海部さんに聞いたつもりでございますが、答弁を深く突っ込んで今聞くよりも、これからの論議のこともありますので、この程度にしておきます。 日米構造協議について若干お聞きをしたいと思います。 日米構造協議が始まっているわけでございますが、まず官房長官にお聞きをしたいと思います。 日米首脳会談が終わりましてから定例記者会見で一度発表した内容をまた訂正をしてきました。それでどのような経過があったのか、その発言を訂正した理由について明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(坂本三十次君) 先般の日米首脳会談におきまして、ブッシュ大統領と海部総理の間では、日米間に存在する経済摩擦というものは緊急に解決をしなければならぬ日米間の最重要課題だというような観点から大局的に話し合われたわけであります。それで、その個々の具体的案件に立ち入って話し合ったということはありませんし、それからまたブッシュ大統領の方から構造協議でこの具体的案件名、名前を挙げたということもない、これが正確でございますのでそういうふうにいたしました。
○粟森喬君 外務省にお尋ねをいたします。 日米首脳会談に出席をし参加した人数は、警備や秘書官以外に何名であったのか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 具体的な事務的な数字でございますので、政府委員から答弁をさせます。
○政府委員(林貞行君) 大変申しわけありませんが、ただいま出席者の人数を持ち合わせておりませんので、後刻御報告させていただきます。
○粟森喬君 恐らく出席した人の名前はわかっているんだろうと思いますが、私が新聞などの切り抜きを見ますと約五十人程度、それ以外に各省庁から特別にこの日米首脳会談の前後に出張された方などを入れますと相当膨大な数になっているというふうに思います。 総理は具体的な約束はしなかったというふうに言ったわけですが、幾つかの宿題を担いできたこともこれまた事実でございます。二百項目とか二百数十項目というふうに新聞などで報道されていることがありますが、それは事実でないのかどうか、答弁願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 今度の日米首脳会談は、前後六時間近くいろいろ話をしましたけれども、個別の問題についてこれをこうしろとかああしろとか、そういった約束をしたり私が重荷と感じたことは一切ございません。そして会談で話されたことは、もっとこう、何というんでしょう、大きな、日米両国全体の今日まで歩んできた流れの中で今非常に日米両国にとって困難な問題が起きておる、その認識を大統領は私に率直に言われました。日本側からも今日までの会談を通じてアメリカに、こういう点は問題があるんじゃないかということを大きく束ねて七項目にして会談で伝えてありますし、アメリカからは六項目にわたって来ております。まあ分け方によっては、先生がおっしゃるように、二百項目とか二百何十項目とかいういろいろな分け方があるでしょうけれども、そういうことであります。 それらの個々の問題について、ここをどうしろああしろという話じゃなくて、日本とアメリカが経済構造をもう少し協議して、話し合っていかないと両方に思わぬいら立ちが起こるかもしれない。我々は今、ごく当たり前のことだ、普通のことだ、日本の文化や歴史や毎日からいけばいいと思ってやっていることも、アメリカから見るとどうもそれは間違ったことで、自由と民主主義と言うけれどもルールが違うのではないかというような、ちょっと次元の違ったいら立ちすら起こってきておる。 また、率直に大統領が言われたのは、アメリカの議会ではそういった一連の動きの中で日本に対して、日本は話をしただけでは解決できないんじゃないか。だから、アメリカにはスーパー三〇一条なんという制裁をかざしながらの法案ができてくる。日本側としては、私も、制裁を掲げての交渉には応じられませんけれども、静かな話し合いによって片づけるのはこれは日米の経済のためにも大事なことでありますと、こういう対応をしておるわけであります。 結局、日米の貿易のインバランスをどのようにして少なくしていくかという努力も一生懸命こっちもしました。アメリカも、貿易赤字を減らすため、財政赤字を減らすためいろいろな努力をしておることも述べられましたが、それは現段階で残念ながら説得力がございません。もう少しお互いに国内の市場の体制とか規制の緩和とかいろいろなものに努力をしようということになっておるわけでありますから、全体の中で、最初申し上げたように、六項目ないし七項目ずつの問題を内閣の最重点課題と考えてできる限り努力もし、そのことは日本の国民生活の質を高めることにも役立つんだから国へ帰って大いに努力するということは言ってまいりましたが、これは重荷というよりも、国民生活の質を高めるために、また日米の二国間関係が世界の経済にとって非常に大切だという点から考えましても、これはやらなければならぬことだと私は考えておるところでございます。
○粟森喬君 関連をして申し上げますが、いわゆる保護主義をお互いがとらないということでは意見が一致をしたようでございます。今重荷ではないというふうに言ったわけでございますが、いわ ゆる消費者の立場というのをどこでどう反映するのか。特に、今さまざまな検討がされているわけですが、これは政府部内と自民党でございます。私ども連合参議院の井上哲夫議員が代表質問で、日米間で話し合うことについて超党派的に、というのは消費者の立場を含めて、国民の立場を含めてやるべきだという意味で申し上げました。このことをどう具体化するのか、回答を願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 格式張った理屈を言うつもりはありませんが、外交処理の第一義的な責任と窓口はやはり政府だと、こう責任を持って感じておりますので、外交問題の処理は政府がまずやらなきゃならぬ、この自覚を持って事に当たっておりますが、さはさりながら、おっしゃるようにこれは日本の国民のためを考えて生活の質を高めていこうということでありますから、政府としては与党と十分連絡協議をしながら、政府・与党連絡会議でも、もう報道等で先生御承知と思いますが、政府が外交問題を処理する窓口責任だからまず対応をきちっと考えろ、党は党で大事な問題だからこれに挙げて協力をする、こういう体制で進んでおりますし、また超党派で既に各党の代表の有志の皆さんに御協議いただいて、ついこの間もアメリカへ議員団が行っていただいて向こうの議員と時間をかけてお話しいただいて帰ってこられた方のことは羽田団長からも詳しく承りましたが、超党派で向こうの超党派の議員とお話しをいただいたということは大変ありがたいことだと考えております。 そういった場面におけるいろんな御意見を踏まえながら、日本としても国際社会において、もう国民総生産の中でアメリカと日本を合わせると四〇%近くまでいっておるという責任の重さや世界経済に与える影響等も考えまして、できるだけの努力をしていかなきゃならぬ。国会の御理解と御協力もあわせてお願いをさせていただきたいと思います。
○粟森喬君 超党派でそれぞれの政党などが行っていることも承知をしております。政権党の自民党と政府が一定の密接な連絡をすることも承知をしておりますが、自民党が総選挙の結果獲得した支持率は四〇%台でございます。したがって、このことを考えて、やはり超党派でやるという意味について、国会の場で論議の経過、交渉の経過をある程度明らかにしながら国民の総意をまとめていくということが非常に大事ではないか。 特に今回の保護主義をとらないという立場を考えますと、一つには、あえて業界という言葉を使わせていただきますが、そういうところの保護とか利益の問題が中心になって語られているようでございますが、国民生活にとっては極めて重要な問題を幾つかはらんでいると思いますので、今後の処理に当たってはそうしていただけるかどうか、再度答弁をお願い申し上げたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 何度も申し上げるようで恐縮ですが、国民生活の質を高めていく、これは視点を変えて言うと消費者の立場に立って物を考える。これはどんな立場に立っていらっしゃる方もある意味ではすべて消費者でもあるわけでありますし、また豊かさが実感できないという御批判も世の中から随分出てきておるわけであります。 ですから私は、豊かさが本当に実感できるような国民生活をつくり上げていくために、例えて言うと内外価格差の対策の問題でもこれは真剣に取り組まなきゃならぬことの一つでございますが、あるいは土地問題に取り組むということも消費者の立場に立って大事なことではないかと考えまして、いろいろな面で政策に取り組むときは、消費者の立場、国民生活の質を高めるということをこれから二十一世紀へ向かっての政策の焦点に置いていかなきゃならぬだろう、こう考えまして施政方針演説でもその旨を申し上げさせていただいたつもりでございます。
○粟森喬君 そういう答弁をいただきましたが、私どもとしては、消費者の立場が、国民の立場がトータルで反映されていると思いませんので、あえてそのことについては強く申し入れておきます。 次の質問に入りたいと思います。 補正予算の財源問題でございますが、幾つかの税に特定されています。法人税、所得税、それから幾つかでございますが、そのほかのプラス・マイナス・ゼロになっている税収はこれは元年度当初予算どおりだという意味で受け取っていいのかどうか、御質問したいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 税収の見積もりにつきまして補正予算で見直しを行いますのは、税収のそのとき時点におきます実績、それから経済の諸指標等を考えまして、確実にこれだけの増収がありそうだと見込まれる税目についてのみ補正を行うことといたしております。 今回の補正に当たりましては、御指摘のとおり所得税、源泉、申告の双方とも約九千億ぐらいずつでございますが、それと法人税、それから昨年末の状況におきます有価証券取引税の状況、これを勘案いたしまして補正をいたしたわけでございます。
○粟森喬君 確実なものだけを見たということでございますから、前の方の質問にも若干関連をしますが、今の税収がふえた分だけ減税をしろという希望と期待が有権者の皆さんの中にあるわけでございますが、そのことについて改めて見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先刻も同じ問題で御答弁を申し上げましたけれども、私どもは財政法二十九条に照らし、適切な補正予算に計上すべき財源としてこれを使用いたしました。そして、全体の税制改革の中で行われました減税というものが元年度から効き始めたところで、今減税をする時期ではないと判断をしております。
○粟森喬君 それでは次に、消費税の歳入見込みについて、現状と税収の見通しについて明らかにしてほしいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 消費税収でございますが、予算におきましては、消費税収は一般会計分とそれから地方に譲与されます分、両方合わせまして四兆五千二百二十五億円を見込んでおります。一月末におきますその収納実績は、予算額に対しまして一五・三%ということになっておりまして、消費税につきましてはこのようなまだ収納実績が低い段階であること、それから何分にも初めての税収でございまして、前年度以前の実績というものがございません。その辺との比較も困難であるというところから補正の対象といたしておりません。
○粟森喬君 地方交付税の追加配分の問題について、若干お聞きをしたいと思います。 自治大臣にお尋ねします。 地方自治体では、公共料金等に消費税を転嫁してないところがあります。今回の交付税とは直接関係ないわけですが、今後の地方交付税の譲与分の中で、この部分についてペナルティーを科すのか、一定の考え方を明らかにしてほしいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 消費税は、消費全般に薄く広く御負担をいただくという趣旨からいいまして、地方公共団体にもこの趣旨を徹底、理解していただいて、円滑に実施していただくように呼びかけているところでございます。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 しかし、委員御指摘のように一〇〇%実施されているかという形になりますと、一般会計、特別会計において転嫁がされてない府県あるいは政令都市あるいは市町村の中にもあることは事実でございます。 それぞれの事業体においてどれくらいかという数字、実績については、もし御質疑があれば後で政府委員から説明させますけれども、それらに対してペナルティーを科すかどうかという形に対して、やはり新税制でございますから、これが一〇〇%徹底するという形においては諸般の事情があります。これは具体的にどういう事情からかというとまたいろいろな問題がありますから、自治体の実情に応じて、議会構成、首長等々のお考え方 もありますから、しかしそれに対しては何とか実施していただくように、円滑な転嫁がいただけるように今指導してまいっておるところでございまして、現在の実施状況については、もし御質疑があれば政府委員からお答えさせていただきます。
○政府委員(持永堯民君) いわゆる転嫁の実施状況でございますが、平成元年の十一月現在でございますけれども、団体別あるいは主な事業別に申し上げますと、都道府県、指定都市の場合は、普通会計で七割強、それから上水道事業の場合が八割強、工業用水につきましては九割強の団体が転嫁を実施しております。市町村につきましては、普通会計で七割強、上水道事業では八割強、下水道事業では約七割、病院では約八割という市町村が転嫁を実施している、こういう状況にございます。
○粟森喬君 見直し案が出ようというような段階でございますから、ペナルティーなどは科すべきではないという意見を申し上げまして、次に移ります。 厚生省の関係で、今度の特別会計で一兆五千億円をいわゆる運用益として老人医療の基盤安定化に使うというふうに言いますが、本年度は按分率が九〇%でありますが、試算しますと国の負担分はどれだけになるのか、按分率の残りの一〇%についてお尋ねをします。
○国務大臣(津島雄二君) 委員の御質問でございますが、数字がいろいろと交錯をいたしますので、政府委員から御答弁させていただきます。 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕
○政府委員(岡光序治君) まず、老人医療費に対します公費負担の割合は、国と県と合わせまして三割でございます。 それから、九〇%按分から一〇〇%按分に移行することによりまして千二百億円余りの金が国民健康保険で楽になり、それから被用者保険の方で負担増になる、こういう仕組みになっております。
○粟森喬君 結局、その分だけ国の負担が楽になるというか、ゼロになるわけでございますから、高齢者社会というものに向けて国の負担をゼロにするということは大問題だと考えますが、大蔵大臣、いかが考えますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変申しわけありませんが、ちょっと御質問の趣旨を私取り違えておるかもしれません。ただ、高齢化社会というものをとらえて私どもが対策を練ってまいります場合に、さまざまな切り口があろうと思います。そして、平成二年度の予算を御審議いただきます際に改めてこれは御論議になると思いますが、六十六兆余りの平成二年度の予算の中において、一般歳出は約三十五兆円余りでありますが、そのうちの十一兆六千億円が社会保障関係費に投ぜられている。言いかえれば、一般歳出の三割以上が社会保障費に投入されているという事実もこれはごらんをいただくことであります。 その場合に、高齢化社会というものに対応して考えていきますと、所得保障も医療保障も、また公共福祉サービスも、それぞれの分野でそれぞれに施策が進展をいたしております。私は、高齢化社会に対しての社会保障支出が減っているよりも、むしろふえているという事実を申し上げてお答えにしたいと思います。
○粟森喬君 いずれにしても、今度按分率が一〇〇%になりますと、各組合健保などが大変な負担になるわけでございます。したがって、全体にふえるということは承知をしていますが、このようなやり方については今後ともまた改めて議論を続けたいと思います。 高齢者保健福祉推進十カ年戦略、いわゆる高齢者福祉十カ年ゴールドプランについてお尋ねをします。 ゴールドプランというふうに言われていますが、どのような経過でつくられたのか、改めてお尋ねをしたいと思います。厚生大臣。
○国務大臣(津島雄二君) このたび私ども、高齢者保健福祉十カ年戦略を打ち出させていただきましたが、これまで国会の御議論におきましても、在宅福祉対策について格段の充実が求められてまいったわけでございます。そういうことの中で、これまで数次にわたりまして福祉プランをお示しさせていただきましたが、このたび総合的に在宅福祉について整備をしていくという見地から、国、地方を通じて最大限の努力を十カ年で積み上げていきたいという十カ年戦略を打ち出させていただいた次第でございます。 この十カ年戦略の目標は、在宅サービスを地域の中で受ける方々が安心していつでも気楽に受けられるようにということでつくり上げた次第でございまして、その内容についてさらに御質問があれば補足してお答えさせていただきます。
○粟森喬君 いつつくったか、いつから始めたのか。
○国務大臣(津島雄二君) このたびの計画は平成二年度の予算の関連で打ち出させていただいたわけでございますが、これまで国会において数次の御議論がございました。
○粟森喬君 違う。十二月一日に始めて二十一日にできたと書いてあるんですよ。
○国務大臣(津島雄二君) 十二月の予算の編成において、平成二年度の予算との関連で打ち出させていただいたものでございます。
○粟森喬君 質問時間がないのでちゃんと答えてほしいんですが、十二月一日に内閣官房長官から示して、十二月二十一日までにつくったわけです。たった二十日間で十カ年の福祉計画を三大臣でつくったというやり方そのものが、私どもから見れば選挙用ではないかという指摘をするところでございます。 そこで、問題の本論に入ります。 在宅福祉そのものについて私は否定するつもりはございません。しかし、在宅福祉というのは、該当の家庭に経済的にもさまざまな意味で大変負担がかかっているというふうに思います。共働きなどではとてもじゃないができないと思いますが、そういう実態について厚生大臣、どうお考えですか。
○国務大臣(津島雄二君) 確かに委員御指摘のとおり、在宅福祉の推進のためには、私ども厚生省の各般の努力とあわせて、さらに多くの点で御協力を得なければならない面がございます。 しかし、今私どもが目指しております点は、例えばこれから十カ年にわたりまして、在宅福祉をどうしても必要とする方々に少なくとも必要なサービスは介護を中心として提供できるようにということで、御案内のとおり、その担い手でございますホームヘルパーを、今三万人でございますものを十万人にふやす、そしてまた、それぞれの地域社会の中で介護をお求めになる方々と介護を提供する方の間に全国で一万カ所の在宅支援センターというものをつくりまして、これを中核としてきめの細かい在宅サービスを組み立てていきたいということでございます。もとより、その場合には、このような在宅介護の仕組みばかりでなくて、これまでのいろいろな施設の整備であるとか諸般の施策、それから特にサービスのやり方について工夫を凝らしていく必要があるのではないかと思います。 そういう意味で、私どもはこれを十年間で完成させていきます上で試行錯誤が必要だし、また多くの方々の創意工夫をくみ上げさせていただく必要もございますので、まず最初に、地域団体においてさらに一層従来以上の御努力をいただきたいという意味で、今回は国会に関連法案、老人保健法等々の改正案を提案させていただいて制度面においても充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○粟森喬君 今質問したことに答えていただいていませんので、もう一度申し上げます。 例えば、所得税の控除制度があるけれども、どの程度になっているのか。介護手当もありますが、これは所得制限があるはずでございます。在宅福祉というものは、今老人福祉に限って言っていますが、実は年代を超えて、生まれたときからの障害者、老人の介護の必要な人というのは年齢によって心身ともにハンディが出た場合に出てくるわけでございますが、全体的に在宅福祉に対して、その当該者に対することがホームヘルパー程度で は済まないと思いますが、どうなっているかお尋ねをします。
○政府委員(岡光序治君) まず、所得控除の状況でございますが、寝たきり老人等の特別障害者を同居して扶養している場合につきましては、所得税につきまして、七十歳以上の場合は百二十万円、七十歳未満の場合には百万円でございますし、住民税につきましては、七十歳以上につきましては九十一万円、七十歳未満につきましては七十九万円という状況になっております。 それから、所得制限でございますが、いろんな手当がございますので二、三の例を申し上げますと、特別児童扶養手当につきましては、前年の年収が、受給者本人の場合、四人世帯でございますが六百十二万円、それから扶養義務者につきましては八百七十六万円、特別障害者手当につきましては、受給者本人の場合、二人世帯で計算をしておりますが三百九十六万四千円、それから扶養義務者につきましては特別児童扶養手当と同じく八百七十六万円、こういう状況になっております。 それから、先生おっしゃいました、在宅につきましても非常に金がかかるのではないかということでございますが、そうであろうというふうに考えております。もちろん、家族がいろいろ面倒を見ておりますが、それは経済的には評価をされておりませんで出てまいりませんが、本人の食費であるとか住宅費であるとか、それから私どもが考えておりますホームヘルパーであるとか、場合によっては短期間収容するショートステイであるとか、あるいは日々活用するデイサービスであるとか、そういった経費をいろいろ足していきますと相当な額に達して、いわゆる施設に入っている人たちと似たような経費がかかるのではないだろうかなと思っておりまして、決して安上がりをねらっているものではございません。
○粟森喬君 在宅福祉をやっている方に対する生計費なり所得調査をやったことがありますかどうか。
○政府委員(岡光序治君) 今おっしゃいました対象者を限定の生計状態の調査はやっておりません。
○粟森喬君 ぜひともやってほしいと思います。厚生大臣。
○国務大臣(津島雄二君) 先ほどもお答え申し上げましたが、いよいよ私どもは出発点に立っておりますが、まだこれから充実をすべき点はたくさんあると思います。粟森委員は、これまでも福祉の関係に非常に御熱心な御提言をいただいておりますが、きょうの御提言を初めといたしまして、今の調査もいたしますし、私ども具体的に努力を積み重ねてまいりたいと思います。
○粟森喬君 関連質問として、同僚の池田議員から農業関係についてやらせていただきます。
○委員長(林田悠紀夫君) 関連質疑を許します。池田治君。
○池田治君 衆議院の総選挙の直前、新行革審の答申内容の予測が報道されまして、その中では食管法の改正とか食管制度の改革をして、米にも需要供給の原理を差し入れまして、市場原理を差し入れたらどうだろうか、そうすれば消費者が喜ぶのではないか、国民全体が助かるのではなかろうか、こういうような報道がなされたことがございますが、だんだん月日がたちますと、食管法の改正や制度の改革については新行革審は触れないという見通しとなったようでございます。 この間には、選挙の直前でございますので、自民党の農政がまた不信を持たれて票が足りなくなるんじゃなかろうかとか、ほかのこともいろいろ言われましたが、何か食管制度については割り切れないものがございます。山本農相も、食管制度の改革を望む声が大きいことも聞いておる、しかし根幹にかかわることなのでこれは軽々に物は言えない、こういうようなことも発言されておるようでございます。 この食管制度の運営が今どういう形でどういう程度の障害を乗り越えた運営になっているかをお尋ねいたします。
○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。 先生御承知のとおりでございますが、食管制度につきましては過去にいろんな経過、経緯がございます。そのときの経済事情などの変化に即応しまして種々の改善を行って今日に至っておるということは御承知のとおりでございます。 例えば、数字的に言いますと、昭和五十年度のときには特別会計、一般会計から繰り入れた額は七千五百億という膨大な額だった。それが年月がたちまして、この制度の運用よろしきを得ながら、昭和六十三年度には二千六百二十億円。あるいは平成元年度には二千三百二十億円というふうに逐次減少してきておるということでございます。また、その後いろいろな施策を総合的に推進をいたしまして、現在の段階では生産、需要、在庫ともにおおむね計画に沿った範囲で推移をしておるというふうに農水省では受けとめておるわけでございます。 今後の米の管理のあり方につきましては、昨年六月の農政審の報告がございます。これに沿いまして米の国内自給、これは何度もここで強調いたしましたが、米の国内自給を基本といたしまして需給及び価格の安定を図る、こういう制度の基本的な役割を維持しながら、さらに今お触れになった市場原理、この市場原理がより生かされる仕組みを進めていくために具体的な施策を今後考究をし推し進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○池田治君 余り具体性がなかったのでもう少しお聞きしますが、私がお聞きしているのは、政府の買い上げ米と自主流通米の割合、そして買い入れ価格と売り渡し価格のその差、食管法の根幹である買い上げ、売り上げ、その上に検査、こういうものについてもう少し詳しくお尋ねいたします。
○国務大臣(山本富雄君) 数字の問題等もございますので、食糧庁長官の方からお答えをしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生御質問の点は、価格差の問題が一つございます。結論的に申し上げますと、六十二年度の政府買い入れ価格によりまして、この点につきましてはいわゆる逆ざやから順ざやになっております。 それから最近の需給バランスのことにつきましては、先ほど概略大臣からお話しをいたしましたが、少しく数字を挙げて申し上げたいと思います。これは昭和六十二年度からいわゆる七十七万の水田農業確立対策の前期対策をやらせていただいたわけでございますが、その後いろいろの好況、豊作等々を前提にいたしまして三十万トンの需給均衡化対策というものを追加してやらせていただいております。 そういうようなことから、具体的に申し上げまして需要と供給のバランスというものを単年度について申し上げますと、六十三年度不作の問題もございましたけれども、生産の部分と需要の部分が逆転をしております。さらに、元年度の場合につきましては、作況指数一〇一、平年作の状況でございますけれども、この点につきましては需要よりも生産の方が少のうございます。したがいまして、六十三年の十月末の政府の在庫水準等を中心にいたします二百九万トンの在庫といったものが大体六十万トン減りまして、いわば適正の数量に近くなってきておりまして、その数字は百四十七万トンございます。農家の方々の生産調整の努力、そういったことを反映いたしまして、ほぼ需給等についても現在の状況は適正な水準に近づいているというふうに考えているところでございます。
○池田治君 そういう生産と消費の需給がバランスがとれているということならば、なぜ食管制度を改革する必要が叫ばれておるんでしょうか。これは大臣お答えをお願いします。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほど先生が第三番目の点に申されました自主流通米の比率につきまして私の方から落として答えましたので付加させていただきますと、昭和五十年、先ほど大臣も申し上げました数字で、かなり大きい食管の繰り入れがありました当時の政府の管掌米の中に占める自主流通米の比率が二〇%でございますが、現在の ところ大体五〇%から六〇%を超えまして大きくなっております。そういう意味で、自主流通米の比率というものがふえてきておるわけでございます。 それに関連いたしまして昨年の六月、農政審議会の答申をいただきました。これは内閣に置かれております農政審議会でございますが、そこでは市場原理を導入するということで、自主流通米についての価格形成の場をつくるということを提言されているわけでございます。農政審議会という極めて農業に造詣の深い方々の御提言、これにおきましては価格形成の場、市場原理の一つのあらわれといたしましてそういう御提言をなさっておるということでございます。
○池田治君 自主流通米が五〇%を超えるようになりますと政府全量買い上げという食管制度の意味がなくなるのではなかろうか、こう思っておりますが、山本大臣お願いします。
○国務大臣(山本富雄君) 今いろいろ経過につきましても数字につきましても申し上げましたけれども、今回この問題について触れられておらないということについては、私どもコメントする立場にはございません。ございませんが、やっぱり食管制度というものが基本にあってさまざまな経緯の中から今日の数字が出つつある。自主流通米がふえてきてもそれは食管制度が基本にあるから、言うなれば安全弁があるからこれが今日のような形になっておるのだというふうに私どもは理解をいたしまして、この制度を基本にして今後とも施策を進めていきたい、こういう考え方でございます。
○池田治君 いろいろありますが、時間の関係もございますのでこれで終わります。 ありがとうございました。
○粟森喬君 残余の時間でございますが、外務省にお尋ねいたします。 青年海外協力隊員の中で日の丸、君が代を冒涜したこと、あるいは他国旗を冒涜したような事実、そのような事実が調査として挙がってきているのかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(福田博君) 突然のお尋ねでございますが、ただいままでに調査したところではそういう事例はないと承知しております。
○粟森喬君 文部省は四月二日からいわゆる君が代、日の丸について新しい指導要領を出したわけでございます。その文部省の幹部の方がさまざまなところで、青年海外協力隊員にそのようなことがあったから今の君が代、日の丸を強制に近い義務的な指導を出したというふうに述べておられます。このことに対して文部省は、そのような事実がないとすれば、そのようなやり方について訂正をすべきだ、こういうふうに考えますが、文部大臣の見解をお尋ねいたします。
○政府委員(菱村幸彦君) お答えを申し上げます。(「あんたに聞いておらぬ」と呼ぶ者あり)私の発言が直接の問題になっているかと存じますので、私の方から事実の経過につきまして御説明を申し上げたいと存じます。 以前から、私は国際交流の仕事をしていたときがございますが、協力隊の関係者から、隊員の方の国旗、国歌にするマナーの問題について御指摘がございました。その際、学校教育で国旗、国歌について教えていないからではないかという御指摘でございます。 昨年、指導要領を改訂いたしまして、国旗、国歌の取り扱いを明確化いたしました。その折いろいろ新聞に出たわけでございますが、協力隊事務局の関係者から私のところに手紙がございまして、協力隊員の問題の一つに国旗に対する態度に問題があることと、それは小中学校で国旗に対する教育を行っていないからではないかという御指摘でございました。そして、国旗に対する問題が協力隊の方が赴任した国々で起こっているという御指摘を手紙でいただいたわけでございます。 そういうようなことがございまして、私といたしましては、やはりこれは学校教育でしっかりやらないと――あの立派な協力隊員の皆様方が世界のいろんな国々で高い評価を得ているわけでございますから、これは文部省としてもそういうことのないように国旗、国歌についての教育をしっかりしたいというふうに考えているわけでございます。 私も青年海外協力隊員の活躍につきましてはかねてから敬意を表しているところでございまして、これを誹謗するとかそういう考えは全くございません。私の発言につきまして不適切な点がございましたら訂正をしていきたいというふうに考えております。
○粟森喬君 文部大臣。
○国務大臣(保利耕輔君) 青年海外協力隊の御活動に対しては、私も日ごろから大変敬意を払っているところでございます。また、こうした活動を通じて日本の国際社会に対する貢献というものをもっと深めていかなければならない、こういうときにこのようなお話が出て、青年海外協力隊員の皆様方に御不快の念をお与えしておるというようなことが事実であるとするならば、極めて遺憾だと思います。私事実関係をよく調査をしてみたいと思います。
○粟森喬君 局長の発言を確認するんですね。
○委員長(林田悠紀夫君) 粟森君、時間が参りました。
○粟森喬君 局長発言について確認をした上で今の発言なのですか。もう一度答弁してください。
○国務大臣(保利耕輔君) 局長からただいまそのような御答弁がありましたことを私も承知をいたします。
○粟森喬君 終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で粟森喬君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、足立良平君の質疑を行います。足立君。
○足立良平君 私は、まず第一点目といたしまして、日米構造協議の問題に関しまして質問をいたしたいと、このように思います。 最近のマスコミ報道等を拝見いたしておりますと、日米構造協議の焦点になっております大店法の問題を初めとして、政府は今週末にも最終的な決断をされるやに実は伺っているわけであります。 この構造協議と申しますのは、日本の将来の企業の活動あるいは消費のあり方、あるいはまたこの本委員会におきましても総理がたびたび主張されておりますけれども、我が国の文化あるいはまた社会慣習、そういうふうな問題にも大変な影響を及ぼすわけでございまして、したがいまして、総理は我が国の今後の経済展望というものを一体どのようにお持ちになっているのか、そして、いかなる方向で今週末にも決断をされようとしているのかということをまず第一点目お聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 国の政治の目標は、これはもう申し上げるまでもなく国の平和を守っていくことと国民生活を安定向上させることである、私はそう割り切っております。 国民生活を安定向上させるために、今世界に戦後ずっととられてきたいろいろな経済関係というものが対立から協調にだんだん変わってきました。そして、自由主義経済と申しますか、市場経済と申しますか、そういったことにおいて世界の安定と世界の繁栄を図っていこうという動きが起こってきておることもこれは委員お認めをいただくことだと思います。 日本は、その市場経済の中で、戦後いろいろな恩典も受けながら成長してまいりました。今世界のそういった経済の大きな移り変わりのさなかにあって、今日までの経験や技術力やそういったものを十分に積極的に協力をして、新しい世界経済秩序の枠組みづくりに御協力をしていくのが日本としては果たすべき役割である、このような自覚を持っております。 その意味からいきますと、アメリカと日本というのは世界の総生産の四割近くを両国で占めるという大変な経済関係でございます。その大きな責任を負わなければならない日米の間に経済問題を めぐっていろいろ不協和音があったり摩擦があったりすることはこれはよくありません。 日本の経済をとらえてみても、日本の国民生活の質を上げるためには規制緩和とかいろいろございます。そういう国際化時代に立って、世界に貢献していくための日本として、国内生活の質を高め安定しながら、どのような世界の新しい枠組みづくりに参加をしていくか、ここに焦点を置いて日米構造協議にも臨んでおりますし、その他の世界の国々に対する経済協力や国づくり協力にも当たっていかなければならない、こう決意をしておる次第でございます。
○足立良平君 この焦点になっておりますそれぞれの項目というものを考えてみますと、これは野党である私の方から見ましても大変に難しい問題だろう。少なくとも、今抽象的に総理はお答えになりましたけれども、具体的に今までの企業、例えば戦後四十数年間、大変疲弊した我が国の経済を今日の状態まで持ってまいりますときに、それぞれの企業の行動にいたしましても、そこに働いている従業員にいたしましても、やはり何とかこの自分たちの企業というものを守り立てていこう、あるいは日本経済というものをもっともっと支えていこう、こういう気持ちで今日までやってきて今日の経済の状態になったわけですね。 そうしますと、この構造協議というのは、考えてみますと、従来の企業の秩序なり、あるいはまた我が国の秩序というものなり、そういうものを極端に言うならもう転換してしまう、ぶっつぶしてしまう、そういうものを内包しているんではないか、私はこのように思うわけであります。そうしますと、今きれいごとで済ますわけにはいきませんけれども、実際的にこの産業構造の転換ということは、現実問題として、それぞれの企業におきましても、あるいはまたそこに働いておる従業員、これは消費者でございますけれども、大変な痛みというものが生じてくるものだろうと思うわけですね。 したがって、そういう面からいたしますと、私はこの構造協議の問題というものを国民的な合意でスムーズに我が国の構造転換をやっていこうとするなら、総理自身がどういう考え方で、具体的には、こういう痛みが生じてきます、この痛みに対してはこのように政府としてあるいは国として考えていきますというものをもっともっとはっきりと国民の皆さん方に提起し、虚心坦懐に議論していくことが私は必要なのではないか、こんな感じを受けるわけでありますけれども、その点について総理のお考え方をさらにお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 基本的な考え方は、また繰り返しになるかもしれませんけれども、やはり日本は国際社会で孤立して生きていける国ではないと私は思っております。そして、戦後日本の今日まで歩んできました道は、ある意味では非常に幸運だったと思います。それは自由貿易、自由経済のもとで日本は何の束縛も受けないで輸出に力を入れてきた、一時期は輸出貢献企業の制度まであったくらい日本は輸出に力を入れてやってきました。その間、先生御指摘のように、皆さんのいろいろな意味の御努力のあったことも事実でございます。しかし、今日到達しました日本のこの立場というものは、日本だけのことを考えてほかのこととの協調を考えないという立場はもう許されないほど大きくなってまいりました。 しかも、時あたかも世界が自由経済と中央統制経済というようなものの対立が終わって、経済的にも市場経済、自由経済の方に大きな流れとして動こうとしております。そういうときでありますから、自由主義経済の中で大きな地位を占める日本はそれにふさわしい貢献をしなければならぬし、またそれにふさわしい世界のルールの中で、世界の秩序の中で日本も同質社会意識を持って生きていかなきゃならぬのは、これはお認めがいただけるところと思います。 そのためには、御指摘のように、いろいろ構造問題に取り組んでおりましても、国民の皆さんに御理解や御協力を求めなきゃならぬこともございます。痛みを伴うことも率直に言ってございます。しかし、そのことについては、この国全体が世界と孤立して自分の国だけ小ぢんまりとつじつまを合わせておればいいんだという国ではありませんし、そんな世界ではございませんから、御理解と御協力をお願いしたいということを、今度の施政方針演説の中でも私は国民の皆さんにも企業の皆さんにもお願いを申し上げたつもりでおりますけれども、改めてもう一回皆さん方にそういった国全体の安定と繁栄のために御協力も御理解も賜りたいということを申し上げさせていただきます。
○足立良平君 私は、世界に貢献する日本というものを否定しているわけでも何でもないんです。私は、そのとおり必要であると思っているんです。 そこで、総理、ちょっとお言葉を返すようですけれども、確かに総理が本会議の施政方針演説の中でも本院におきましてもひとつ皆さん方によろしく協力を願いたいということをおっしゃったことは私は承知しています。けれども、それはどういう状態でどのように協力をしてくださいよということをもっときちんとおっしゃらないと、そうおっしゃったことにはならない、私はこのように実は思うわけであります。 それで、私、昨年の七月に初めてこの参議院に参りまして、ちょっと言葉遣いもあるいはまだわからないのかもしれませんけれども、実は総理の施政方針演説も、あるいはまたこの本院における議論というものをじっとお聞きいたしまして、私は野党でございますけれども、総理のおっしゃっている考え方に一つだけ私は大賛成することがあるんです。私は賛成するんです、あなたのおっしゃっていることに。それは何かと申しますと、施政方針演説の中にもございますけれども、日米構造協議に関して「我が国の国民生活の質の向上に寄与するとともに、」という言葉がございます。私は、この日米構造協議という問題が、先ほどもちょっと触れましたけれども、本当に今日までみんなが、日本国民の一億二千万、この人たちが営々として働いてきてそして今日の経済規模になったにもかかわらず、総理自身も御認識のように全然豊かさというものは実感することができない、こういう状況でありますから、この協議を通じて本当に生活の質を高めていくということは私は極めて必要だと、このように実は思っているわけであります。 そういう面でこの日米構造協議の今議論されております内容というものをマスコミ等を通じて見ておりますと、少なくとも例えばこれだったらアメリカが了承してくれた、この程度だったらどうだろうかというふうな従来の外交交渉的な物の発想で私は行われているんではないか、総理が施政方針演説の中で提起をされたように国民の生活の質を向上させていく、それには一体どうするのか、こういう議論が欠落をしているんではないか、こんな感じをいたすわけでありますが、その点について総理のお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 国民の生活の質を向上して豊かさを実感してもらうようなそんな政治にしなければならぬということはまさにそのとおりで、そのためには、当面、例えば土地基本法を御議論いただいて成立させていただいた、その理念に従って住宅問題や土地問題に取り組んで今国民生活の質を高めていかなきゃならぬと思って努力をしておるさなかでございますし、また時々指摘されます物価の問題、日本の物価はその安定の度合いは諸外国と比べますと優等生だ、八〇年代だけを見ても一・二倍ということでありますから諸外国と比べても優等生だとよく言いますけれども、しかし内外の価格差があるという土台のところにもう少し力を入れませんと心底から納得をしていただけないのではないかというテーマもあり、内外価格差は政府・与党で対策本部もつくって五十二項目にわたる項目もあげつらって一生懸命努力もしていく。また、働く皆さんの立場に立ってみると、労働時間の問題もこれはできるだけ国際的な長さというものに前進させていく。労働時間が短くなれば、その間、余暇をどのように有効に活 用していただくかという問題等も起きてまいります。 要は、そういった規制を除いてなるべく自由に自由市場経済社会の中で楽しんで、そして質を高めた生活をしていくためには何が必要かということを項目別に挙げまして、それらについても手のつくものから今挙げて取り組んでおるところでございます。
○足立良平君 まず、今総理がおっしゃいました物価の問題であります。 この物価の問題を考えてみましても、内外価格差というのはこれはもう御指摘のとおりでありますが、現実的に政府の規制に基づいて我が国の物価というものは相当高い状態になっているというふうに思えてならないわけであります。これは、企画庁の物価局から物価レポートというものは提供されているわけでございますけれども、これなど見ましても、政府の機関においても規制によって物価というものは高くなっているということを既に認められているわけでありまして、そういう面からいたしますと、この価格の引き下げのために規制緩和について政府として一体今後どのように取り組みをされようとしているのか、お聞かせを願いたいと思います。これは企画庁ですか。
○国務大臣(相沢英之君) 今内外価格差のことについて御質問がございましたが、原因は、今おっしゃるように規制の問題もございましょうが、いろいろその他にも原因があると思うのであります。 内外価格差ということを問題にします場合に、私は二つの面があると思いますのは、一つは特に外国からの輸入品についてでありますが、外国産品の外国における値段、そしてまた国内における値段、これが非常に開いているという問題がございます。そういうことと、それから例えばその内外価格差という言葉の中に含まれるかどうかでありますけれども、地価の問題。これは別に輸入されるものの価格じゃありませんので、外国における土地と日本における土地との価格の差、いずれにいたしましても、いわゆる内外価格差ということでそのことが取り上げられているわけでございます。 私は、この内外価格差について、これは企画庁が前に、一昨年でございましたか、調べたものがございますが、ニューヨークあるいはハンブルクの価格に対しまして日本が三割とか四割とか高いという、お手元の資料にもあると思いますが、そういうような現状でありまして、これは今お話しございましたように、内外価格差の解消に向けていろいろな努力をしなければなりません問題の一つとして今お話しの規制の問題があるのかと思うのであります。 これは、お話しの趣旨はどういうところにありますか、あるいは大店法の問題等を意識されての御質問かと思いますが、この規制の問題についてはなかなか簡単に処理できない面がある。例えば大店法の問題、これは通産大臣からお答えいただくのが適当かと思いますが、大店法の問題にいたしましても、野放しにいたしますととにかく中小企業に対する影響が大きい、流通業界に混乱を招く、そのためにかえって消費者のサイドから見ても大変にきめ細かいサービスが行われなくなるとか、いろいろ問題点もあるわけであります。そういう意味におきまして、ただ規制の緩和ということだけが果たして物価問題にどういうような影響を与えるかということにつきましてはさらに慎重に検討を行った上での対策を考えていかなきゃならないと、このように考えております。
○足立良平君 同じ問題につきまして通産省としては一体どういうふうにお考えになっているのか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 内外価格差の問題、私どももいろいろ調査をさせていただきまして、それをまた分析し、それによって消費者との懇談会を開いたり、また一、二問題のある商品もございましたので、その業界に対しては指導をいたしたわけでございます。 いずれにいたしましても、この内外価格差の問題というのは、やはり消費者のためを思えばよりよい物がより安く手に入るということは当然の話でございます。そういう面からいって、外国で売られているよりも日本で高く売られているとか、あるいは日本の物が外国でもし安く売られていればこれはやっぱり問題であるわけでございますから、そういう指導は十分していくこととあわせて、今たまたま規制緩和のお話がございましたけれども、大店法についてはけさほどもお答えをいたしておるとおり、現在においては、せっかく昨年の六月にいわゆる九〇年代の流通ビジョンという形で答申をいただいておりますので、それに基づいて今までのような長くかかっていた調整期間を思い切って短くいたしまして、そしてできる限り量販店が進出をしやすくすると同時に、その中でもできるだけまたいい物が適正な価格で売られるように、こういう方向が望ましいと、こう考えておるわけでございます。
○足立良平君 問題は、その内外価格差の問題、一般商品といたしましては、これは規制はかつては意味があったのかもしれませんけれども、今日規制の意味がなくなったものをそのまま残しているところにまず問題があります。それと同時に、本来土地のように拡大再生産というものが不可能なようなものについては、もっともっときちんと規制をしていかなきゃならないものについては、ある面においてはほとんど規制の網がかけられていないというところに私は物価急騰の一番大きな原因があるんではないか。このように実は考えているわけでありますが、そういう面で地価の高騰の問題というのは私は大変な我が国の今日のひずみをもたらしてきているのであり、これは単に資産格差の拡大の問題なり、あるいは働いている人たちが一生かかっても持ち家をすることができないというふうないろんな問題点もあるわけでございますけれども、これはひとつ総理にお聞きをいたしたいと思います。 土地保有税を含めまして、土地税制の総合的な見直しという問題、あるいはまた大都市の市街化区域内の農地の宅地並み課税、これはいろんなちょっと経過があったようでありますけれども、これを直ちに実施するという考え方があるかどうか、まずこれをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地基本法の理念に基づきまして、今御指摘の個々の土地税制につきましては極めて緊急に対応しなければならぬものと心得ております。したがいまして、直ちに税制調査会の御議論等もいただきながら、平成二年度じゅうに対応策をまとめて提案いたしたいと、こう思っております。
○足立良平君 それでは、次に話を進めていきたいと思いますが、私は、環境問題、エネルギー問題、そして我が国のこれからの経済の成長を含めまして、この辺のところにつきましてひとつお聞きかせを願いたいというふうに思うわけであります。 エネルギーの安定確保と申しますのは、これは我が国の例えば食糧問題であるとか、あるいはまた防衛の問題であるとか、まさに一国のセキュリティーの問題だというふうに私は認識をいたしているわけであります。そういう面からいたしますと、このエネルギー問題というのは今日原子力問題を初めといたしまして大変いろんな議論が出てきているわけでございますが、これは感情的、情緒的に議論をするのではなしに、長期的にしかも冷静に議論をしていく必要が私はこのエネルギー問題にはあるのではないか、このように実は考えているところであります。 その上に立ちまして、これは通産大臣にお聞きをいたしたいと思うわけでありますが、最近の石油の価格というのはかつての十数ドルからまた漸次上昇する傾向があるわけでありまして、いろんな理由が考えられると思いますけれども、これも長期的に見まして今後この上昇傾向というものは将来的に一体どのようになっていくんだろうか。そして二つ目には、第二次石油ショックのときにおきましては量的制約条件というのが生じたわけてありますけれども、これもエネルギー問題を長 期的に考えるという視点からいたしますと、長期的にこの量的な規制というものが将来的に一体どうなってくるんだろうか。この点につきまして通産大臣の考え方をお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 中長期的に見て価格とそれから量と、こういうお話でございますが、今先生御指摘のように、昨年のたしか十一月から十二月にかけましては一バレルが二十ドルを超えたと思います。しかし最近は、この二月のたしか統計であったと思いますけれども、十八ドル前後になってまいりまして、また少し落ちついてきたようでございます。御承知のとおり、三月十六日にウィーンでOPECの監視閣僚会議が開かれましたときにもその辺を踏まえ、とりあえず今の価格でいこうじゃないか、いわゆる十八ドルということでいこうじゃないか、それから量的にも二千二百万バレル・パー・デーという形で現在生産水準が決まっておりますけれども、大体それを百万バレル・パー・デーぐらいはオーバーしているようでございますが、いずれにしてもその辺の生産水準でいこうというのが現状でございます。 しかし、中長期的に見るということになりますれば、やはり石油資源というものには当然限界があるわけでございまして、世界の将来の経済の成長あるいは発展途上国などの国民生活の向上、こういう点を考えてまいりますれば当然エネルギーの需要というものは今後少なくなることはないわけでございます。必ず多くなることは当然でございますので、そういうことを踏まえてまいりますと、石油の価格が上がるかもしれないというのは長期的に見れば私ども十分それは考えていかなきゃならない点でありまして、そういう点からまいりまして、今ちょうど私どもでエネルギー調査会でそれぞれの部会で検討をいただいておりまして、この結論と申しますか、私どもに答申をいただくのがたしか五月か六月ごろ、場合によっては夏までになるかもしれませんけれども、遅くとも夏までにはいただけるということでございますので、ぜひその調査会のいろいろの御検討いただいたことも踏まえまして、やはり長期的に見て、日本はとにかく資源のない国でございますから、国民の皆様方に対して不安を与えないような形の将来の長期見通しをしっかり打ち立てていきたい、こう考えておるわけでございます。
○足立良平君 その上に立ちまして、地球の環境問題とも関係するわけでございますが、ちょうど昨年オランダのノルドベイクで閣僚会議がございまして、この地球環境問題というものは大変論議をされてきているわけであります。地球環境問題というのは単にNOxをどうするとか、あるいはまたSOxをどうするとか、あるいはCO2をどれだけ削減するかということではなしに、もっともっとグローバルな問題として物を考えていかなきゃならないだろう、私はこのように思っているわけであります。 そういう面からいたしますと、環境問題そしてエネルギー問題というものは、これからの我が国の経済政策あるいは産業構造の問題と密接に関連をしてくる問題でございますし、あるいは国民のライフスタイルそのものにも極めて影響を受ける、あるいはODAをめぐっての例えば開発途上国あるいはまた発展途上国でのそういう問題に対する援助の問題とも関係をしてくるわけでございまして、あらゆる問題に関係するこの地球環境問題につきまして、そういう点で全体的に整合性を持ってこれからエネルギー、環境そして我が国のこれからの経済という問題を一体どのようにお考えになっているのか、これはむしろ通産省の方にお聞きをいたしたいと思います。 そして同時に、これは国民のライフスタイルなりそういう問題と密接に関連をいたしますし、ある面におきましては文化の問題とも関係いたしますから、ちょっと総理の考え方もお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今御指摘のとおりでございまして、CO2の問題あるいはフロンの問題、いろいろ大きな問題が議論されておるわけでございます。従来はどちらかというと日本も経済の成長ということで一生懸命になってまいりましたけれども、しかし一面からいけば、非常に公害が出てまいりまして、今公害防止という観点からいけば日本は世界一の水準になってきたんじゃないか。そういう面からいけば、日本の経済の成長と環境保全というのは割合うまくいっている国だろうと私は思うのでございます。 しかし、CO2の規制などについては相当厳しいことが国際間で言われておりまして、これはやはり日本の経済の将来にとっては大変大きな問題でございますので、私どもといたしましては、これはもう本当に環境庁あるいは科技庁、その他の役所ともいろいろ一緒になってやっていかなきゃならない問題だと思います。例えばCO2の固定化の問題であるとか、あるいはうまく今度はCO2そのものは少なくいたしまして、そして効率をいかによくするかというような問題であるとか、あるいはまた、ややもすればこのごろ忘れられがちな省エネルギー、これを思い切ってもっと進めていくとか、あるいは原子力についても国民の皆さんに安心していただけるような思い切った管理体制をつくってこれを推進していくとか、あるいは新エネルギーの開発をもっと進めていくとか、いろいろの観点をして、環境の保全と経済の成長がうまく両立できるというようなことを日本もしていかなきゃなりませんし、世界的にもそういう形でいっていただけるような方向で、やはり場合によっては積極的に日本がリードしていくような考え方で進めていかなきゃならないと考えておる次第でございます。
○国務大臣(北川石松君) ただいま足立委員からの御質問でございますが、環境問題でございますし、地球環境の担当大臣でございますので、私からお答えをいたしたいと思っております。 今御指摘のように、ノールドベイクの宣言でございますが、この点につきましては、御指摘のように、地球環境が非常に悪くなってきていることは御承知のとおりでございます。その点で、人間環境をよくし、地球環境をよくするためには、経済の発展もまた並行していかなくてはいけない、こういう点で持続可能な開発ということが考えられなくちゃならぬと、このように思っておる次第でございます。 そのことにつきましては、これを具体的にするためにはどうだということで、今ライフスタイル、生活様式をどうしていかなければならない、こういう点を考えますときに、省エネルギー、新しいエネルギーの開発、いろいろの地球環境への負荷が少なくなるところのエネルギーを開発することもまた必要であろうと思っております。 そういうふうな革新的な技術開発をやっていく反面におきまして、地球環境の保全ということをどのようにしていくかということは大きな問題でございまして、いかに経済が発展いたしましても、万物が住む地球がつぶれてしまっては何にもなりません。こういう点を考えますときに、このことにつきましても、昨年六月に地球環境の閣僚会議をいたしまして、各省庁がその基本方針について一致いたしまして、この問題について一体となって努力してまいりたい、このように思っておる次第でございます。 また、ちなみにノールドベイクの宣言の中に、すべての国、特に先進工業国は社会経済的活動及び生活様式をも環境上健全なものに変える必要性を認識すべきだ、生活環境にもこのことが大事であるということをうたっておりますので、このことを心して真摯に取り組んでまいりたい、このように思っております。 以上でございます。
○国務大臣(海部俊樹君) 両大臣が答えましたこととダブらないように簡潔に申し上げます。 経済の発展をしていく上においてエネルギー問題は極めて大切でありますが、最近エネルギーの需要が成長率一%についてどうなのかというのがちょっと多くなってきておるような傾向も見受けられますので、省エネルギーとかそういった問題については十分に配慮をしていかなければならないと考えております。また、経済さえ発展すれば それでいいというものではございませんので、環境保全の問題、特にサミットなんかでも地球環境の問題については各国ともに大きな関心を持っておるテーマでありますし、私どもの国でも、経済計画「世界とともに生きる日本」においても、人間らしい良好な生活空間の創出と回復を図るという観点から環境問題の重要性をきちっと取り上げておりますので、その点を大切にしながら経済政策は進めていかなければならない、こういう考えでございます。
○足立良平君 CO2を削減していくというので、今それぞれ新エネルギーそれから省エネの問題が提起されたわけでありますが、新エネルギーの開発状況、それからもう一つは、将来的に我が国の経済あるいは国民生活を支えるエネルギー源に足り得るのかどうなのかということが一つですね。 それから省エネも、実際的に言いますと、価格がある程度今のような状況の中で省エネをやるということは大変難しいわけでありまして、それの進め方について、これは通産省の方からお願いいたしたいと思います。
○政府委員(山本雅司君) 新エネルギーの開発状況及び省エネルギーの問題でございますが、まず新エネルギーにつきましては、太陽エネルギーとか地熱のエネルギー、エネルギー源としては大変豊富でございますが、残念ながらエネルギーの存在密度というのは非常に小そうございます。さらに、今技術開発を懸命にやっておりますが、どうしてもコストが高い、今は十倍から百倍という高さでございます。したがいまして、現在のところ、新エネルギー全体を含めましても、全体のエネルギー需要の一・三%でございます。これを現在策定中の計画でできるだけふやしていこうということで全力を挙げることにはしておりますけれども、量といたしましては残念ながらエネルギーの大宗になるのはとても難しいというような状況でございます。 他方、省エネルギーにつきましては、これも今総理から御答弁いただきましたように、生活スタイル、社会スタイルの問題も含めて全力を挙げて進めたいと考えておりますけれども、一番実は省エネルギーに効きますのはエネルギー価格の問題でございます。先ほどから武藤大臣からも答弁申し上げておりますように、現在石油価格を中心にエネルギー価格は非常に安定しております。ただ、将来はこれが上がる予測はございますけれども、今の水準で省エネルギーを強力に進めるということは非常に難しい点がございますが、それを何とか新しい考え方を入れてやっていくことができないかということで、現在懸命に検討を続けているというのが現状でございます。
○足立良平君 そういう状況であるとするなら、地球環境を守りながらしかも一定の経済成長、国民の福祉というものを向上さしていこうとするなら、私はエネルギーの確保というのは、ある面におきましては原子力問題というものを無視して進めていくことはできない、このように思うわけでありますけれども、そうしますと今日の原子力の状況というのは大変厳しい状況にあるわけでありまして、問題は、国民の合意というものをどのようにこれから進めていくかということが一番大きな重要な問題だろう、このように思います。したがいまして、そういう点で今後政府としてこの原子力問題に対するPA活動、そういう問題、あるいはまた今後の原子力政策のあり方につきまして、その考え方を述べていただきたいと思います。
○国務大臣(武藤嘉文君) 今先生の御指摘のとおり、PA活動というのは大変私は貴重な活動であろうと存じております。また、それ以外にも、本当に広く国民の理解を求めるように私どもは努力をしていかなきゃならない。そのためには、何か原子爆弾と原子力発電とを一緒に考えておられる国民の皆さんが中にはあるんじゃないかと思うんですね、そういう点は非常に間違っているわけでございますから、もっとその辺を原子力発電というのは心配がないというようにやはり国民の皆さんに御理解いただくようにしなきゃいけないんじゃないだろうか。 ああいう事故が時たま起きるということは大変遺憾なことでございまして、事故のそれぞれその原因を見ておりますと、例えばどこかの部品が腐食をしておって事故が起きたとか、あるいはまたちょっとした作業員の不注意から事故が起きたとか、こういうことが多いわけでございますから、そのためにはひとつこれからは思い切った、それぞれ原子力の発電をやっていただいている会社の管理体制というものをやはりしっかりしていただいて、そしてもうそういう事故の起きないように、場合によれば、例えば今たしか四交代だと思いますけれども、これをもっと五交代ですか、交代制を大きくして、勤務時間を短くしてでもしっかりした管理をしていただくということと、それからやはりそういう部品などについてはなるべく早く取りかえていただく、こんなようなことも指導いたしまして、とにかく原子力は心配ないよというような、私は国民に御理解いただくような努力をしていかなきゃならない、こう思っておるわけでございます。
○国務大臣(大島友治君) 先ほど来のエネルギー問題ですね、もう先生の御質問については最初に私の胸にぴんときたんです。というのは、ただこの問題、日本のような資源のない国、そしてエネルギーと環境と経済がいかに大事であるかということについて、単なる感情論とかそういうことではなくて、まじめにこの問題をということのお話があって、おやっと思って、私はいやこれは一言私の立場からもお聞き取りいただければ幸いじゃないかと思って、あえて答弁させていただきたいと思うのでございます。 もちろん、資源の八割近くを御承知のように海外からの輸入に依存している我が国においてはこのエネルギーの安定供給をいかに確保するかということが大事なことは、もう既に十二分に御承知のとおりだと思うのでございます。このために、科学技術庁の、私どもの科学技術政策大綱においても、重要研究開発分野の一つとしてエネルギーの開発及び利用、これが位置づけられておりまして、政府としてもエネルギー研究開発基本計画を定めて積極的に新エネルギーの研究開発を進めているというところでございます。 具体的には、新エネルギーについては、御承知のように太陽あるいは地熱、さらに波力、風力等の研究開発を長期的な観点から推進しているところは既に御承知のとおりだと私も思っております。しかしながら、現状では原子力あるいは石油等にかわり得るだけの成果はなかなか得られないということでございまして、今後とも積極的に新しいエネルギーの研究開発を推進していくものの、原子力、石油等のエネルギーを補完する形での利用にならざるを得ないんじゃないかということは推測されることでございます。先ほども、こういう問題は非常に費用がかかるというようなことでもございますので、そういう点でひとつ御了解いただければということでございます。 さらに、特に御心配をいただいております原子力につきましては、既に国民生活に不可欠な存在となっておりまして、供給の安定性、経済性、それから環境影響等の面におきましてすぐれたエネルギー源であることから、政府としては今後とも安全確保に万全を期して原子力の開発利用を着実に推進していきたい、こう考えておりますので、私は本当にもう国民の心からの対話と協力というものによって先生の御期待にも沿ってまいりたい、こう考えておるわけなのでございますが、よろしくひとつお願いいたします。
○足立良平君 大変期待していますから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それで、ちょっと話を変えていきたいと思います。補正予算で組まれておりますプルトニウムの輸送の問題についてでございますが、これは考え方として、まだプルトニウムの輸送というのは船舶で行うべきだと、このように私はまず考えております。そして同時に、これは国際テロからその防護というもの、護衛というものをきちんとやっていかなければならない、このようにも実は考えているわけでありまして、この二つの原則から私 は質問をさせていただきたいと思うのであります。 この補正予算に組まれております保安庁の船舶は一隻でありますけれども、これは本当に一隻で大丈夫なのか、こんな感じも実はいたすわけでありまして、本当にこの一隻で安全を保つことができるのか、この点につきまして第一点目の御質問をいたしたいと思います。 そして第二点目といたしまして、新しい日米原子力協定に照らしまして、日米間におきましてこの防護の仕方、護衛の仕方というものについて後ほどトラブルが発生することはまさかないと思うのでありますけれども、そういう点について一体どのように考えておられるのか、この点をお聞きいたしておきたいと思います。
○政府委員(野尻豊君) 巡視船一隻だけで安全が守れるかという点につきましては後ほど運輸大臣から御答弁いただきますが、その御質問に関しまして若干の御説明をいたします。 プルトニウムの海上輸送に当たりましては、新たに大型巡視船一隻の建造を計画しておりまして、これにより輸送船を護衛することにしておりますが、このほか、プルトニウム輸送の安全を確保するため各種の核物質防護措置を講ずることにしております。その概要は次のとおりであります。 まず、プルトニウムの奪取をねらうテロと遭遇しないように輸送ルートを慎重に選定することとし、輸送に当たりましては、途中、港に寄って燃料補給などすることなく日本まで直行することとしております。また、輸送計画が漏れないように情報の管理を厳重に行うこととしております。さらに、日本の本土に置かれますオペレーションセンターが輸送船の動向を常に監視することとしまして、護衛巡視船及び輸送船には二重、三重の通信施設を設け、通信連絡がとぎれることのないようにすることとしております。そのほか、万一の場合に備えて、輸送船のクレーンやハッチは船内で動かすことができないような措置を講ずることも考えております。 なお、輸送船には武装しました海上保安官を警乗させることとしております。 以上のとおり、プルトニウムの海上輸送に際しましては、総合的かつ万全の核物質防護措置がとられることとなっております。
○国務大臣(大野明君) プルトニウムの海上輸送の安全等につきましては、ただいま保安庁の次長からお答え申し上げましたので御理解賜れたと存じます。 保安庁といたしましても、この護衛に遺漏なきを期すために、ただいま高性能、高設備を整えた巡視船の建造を計画いたしておりますし、また綿密に輸送計画も出しておるところでございます。そのような観点から申し上げまして、護衛巡視船一隻で大丈夫であるというふうに考えております。
○政府委員(太田博君) アメリカとの関係についてお答えいたします。 先ほど先生からアメリカとの間は本当に大丈夫なのかという御質問がございましたけれども、日米原子力協定の実施取り決めというのがございますが、この取り決めの中で、先ほど海上保安庁の方から御説明がございましたように、英仏からのプルトニウムの返還輸送につきまして総合的な防護措置をとるということが規定されておりまして、武装護衛船に関しましては、そういうような総合的な措置をとるということを踏まえまして一隻の武装護衛船ということが予定されております。 なお今後、九二年の秋に予定されております実際の輸送を控えまして、アメリカとの間に先ほど御説明を申し上げました種々の措置を具体的にどういうふうにとっていくかということで、詳細な輸送計画というのをつくりまして実際の輸送における安全を期するという予定になっております。
○足立良平君 それでは、時間も余りございませんので、消費税の関係について質問を少し進めていきたい、このように思います。 ちょうどことしの三月十五日でございましたけれども、総務庁の方から平成元年の貯蓄動向の調査報告書が出されたというふうに聞いているわけでございますが、勤労者世帯の収入、それから個人営業世帯の収入、そして勤労者、個人営業世帯に分けましてそれぞれの貯蓄が大体どのくらいになっていたのか、その数字を示していただきたいと思います。
○政府委員(井出満君) お答えいたします。 勤労者世帯の年間収入は六百五十二万円でございます。個人営業世帯は六百六十四万円の数字でございます。それから、それに対する貯蓄現在高は、勤労者世帯は九百九十五万円ということでございまして、個人営業世帯は千五百二十八万円というふうになっております。
○足立良平君 これはひとつ大蔵大臣にお聞きをいたしたいと思いますが、収入がほとんど変わらないのに貯蓄に相当の差があるというのはどのように大蔵省として認識をされておりますか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) これはいろいろな見方があろうと思いますけれども、恐らく委員が御指摘になりたいこと――一つは給与所得、事業所得、また農業所得等、各所得種類間における所得の把握に差があるのではないかという論点にお立ちではなかろうかという感じがいたします。そして、その所得の把握の差というものに基づく不公平感などが往々にしてサラリーマンの方々を中心とするいわば税に対する不公平感というものを助長していることも事実であります。そして、これが社会的に大きな関心を呼んでいることも、私は決してそれを否定はいたしません。しかし、国税当局として、その不公平感などの解消に向けて努力を払い続けておりますし、把握のためにも工夫をいたし日夜努めておるところでございます。
○足立良平君 大蔵大臣、まさに私の考えていることをおっしゃっていただいたわけであります。そのとおりであります。 そうしますと、この消費税の問題で、例えば帳簿方式というものは、実際的に所得というものがきちんと把握されて、そしてその上で課税というものが公平に行われるということになり得るのかどうなのか、この点につきましてさらにお聞かせを願いたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 消費税というものが取引の各段階で課税をする税であるという性格から、税の累積を排除する仕組みというものが設けられております。この仕入れ税額の計算に当たりまして、税額票を用いる方式と帳簿を用いる方式の二つがあるわけであります。 消費税につきましては、この種の税になじみが薄い日本ということの現状を考えまして、また納税者の事務負担にも配慮する、こうした点から私どもは帳簿方式を採用いたしました。また、これにつきましては、売上税を御審議いただきました際に、税額票方式に対してさまざまな御批判を受けましたことも踏まえて帳簿方式を採用したわけであります。 いずれにしても、その帳簿方式であるか税額票方式であるかということは、仕入れ税額の把握を何によって行うかということでありまして、帳簿方式でありましても経理が不明確になる、あるいは納付税額があいまいになるというようなことは私どもとしてはないと考えております。同時に、日本の取引慣行というものを考えました場合、取引に際しまして納品書あるいは請求書というものを発行することが非常にきちんと行われている。これが通例であるというところから考えまして、消費税におきまして帳簿方式を採用したからといってこれらの書類が不必要になるわけでもありませんし、所得捕捉の面において問題が生じることはないと私どもは考えております。
○足立良平君 ちょうど時間も参りましたので、最後に総理にお聞きをいたしたいと思います。 総理は施政方針演説の中におきましても、税の負担は痛みを伴うものだと、しかし社会全体のためにひとつ国民の皆さん方は云々と、こういうことをおっしゃったわけであります。やはり考えてみますと、その国民の皆さん方というのは、何といいましても毎日毎日懸命に努力して、そして収 入を得たその中から税を国家のために払っているわけです。そうすると、その税が、総理がおっしゃいますように、社会全体のためを考えて理解、納得してある程度それを納めていくということをするなら、その税制というものは公平でなければならないだろうし、今言いましたように、ある面においては所得が余り捕捉されていないのではないか。あるいはまた、国の予算の執行においても一体本当にきちんと公平に公正にそれが執行されているんだろうか。 いろんなことがその前提としてはあると思いますが、そういう面でこの消費税の問題につきましては、もう時間が来ておりますから申しませんけれども、いろんな経緯を持っていて、しかも制度的に欠陥を持つ場合に、本当に国民の皆さん方が理解、納得するためには、ここで一たん廃止をして、そして改めて本当にこれからの我が国の税制というものはどうなければならないか、こういう観点で議論をする必要があるのではないか、このように私は考えるわけでございますが、最後に総理の考え方をお聞かせ願っておきたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 現在行われております消費税でございまして、一たんこれを廃止してとかおっしゃいましても、そうではなくて、私たちはそのいけないところはいろいろ御議論をいただいて、また御批判もいただいて見直し案も提案いたしておりますし、またこの間の国会における修正部分にもちゃんとありますように、いろいろな問題点についてはさらに見直しもしていくということが条文の中にも出ておるわけでありますので、より公平に、より簡素化をしていくための努力ということも今後いろいろまた御議論を通じて続けさせていただきたい、このように思っております。
○足立良平君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で足立良平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、下村泰君の質疑を行います。下村君。
○下村泰君 私は、大臣が新しく就任されるたびにお伺いしておるのでございますけれども、障害児者あるいは難病の方々に対してどういう施策を行うのか、どういうふうに各所管の大臣が思っていらっしゃるのか、それをまず冒頭に伺いたいと思います。海部総理にはせんだっても伺いましたけれども、首のすげかえが全部終わりましたので、もう一度お伺いしたいと思います。そして、厚生、労働、文部、各大臣にお答え願いたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 障害を持つ方々に対しては、私たちはできる限りの配慮をして、政策努力をしていかなければならないと考えております。
○国務大臣(津島雄二君) 最初に、厚生大臣といたしまして、下村委員の障害者問題にかけられるこれまでの御努力に心から敬意を表したいと思います。 民主政治の政治の高さは、ハンディキャップを持った方々をどれだけ本気に同じように社会に参加をしていただけるようにするかということで決められるという考え方がございますが、私はその考え方をとっておるものでございます。
○国務大臣(保利耕輔君) 厚生大臣同様、先生の障害児教育その他にかけられる御情熱に対して心から敬意を表したいと存じます。 心身障害児の教育等につきましては、将来の社会自立、あるいは幸せな生活が送られるようにということをねらいにしてこれまでも鋭意努力をして、能力、適性等に応じた教育をしてきたところでございますけれども、心身障害児の教育は大変大切な教育施策の一つでございますので、今後ともその一層の充実に努力をしてまいりたいと存じます。
○国務大臣(塚原俊平君) 体の障害のある方の雇用につきましては、私昭和五十一年に当選する以前から、本院参議院並びに衆議院の各党各会派の皆様方の適切な御指導もいただきまして、労働省としてはかなりお褒めをいただく今日までの施策をとってきていると思います。さらに御指導いただきながら頑張ってまいりたいと思います。
○下村泰君 大変力強いお言葉をいただいたんですが、実際に皆さんのおっしゃっていることと事実は伴わないということを申し上げておきます。 それから、よく緊縮財政とか切り詰めなどというと、必ず福祉関係を一番先にばっさり切る、これが新聞の活字ではいつも出てくるんです。ひょっとすると近いうちにまたお隣の席へ移動するかもわかりません、大蔵大臣、通告はしてございませんけれども、いずれこちらの方へお座りになるかもわかりません、そのお気持ちを心に秘めて、本当にそうなのかそうでないのか、もう少し福祉というものに対して温かい心があるのかないのか、承っておきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この中には御承知の方もおられますけれども、私の父親自体が障害者でありました。そして、私が子供として父親を見ておりまして私はその父親を誇りにしておりましたが、世間から浴びせられる目は決して温かいものではありませんでした。同時に、私が学校を選びますとき、その学校を選ぶ決め手になりましたのは、当時軍事教練のできない障害者は一定以上の学校が受験すら拒否しておった時代に、その学校のみが受験の機会を与えてくれた、これは私の父親が慶応義塾というものに対して生涯感謝をしていたことでありました。 そして、その中で育ってまいりまして、今私はここで一番申し上げたいことは、先ほど厚生大臣の御答弁にもありましたけれども、何よりも社会そのものが、障害を持っておられる方々に対して、その障害を越えて挑戦する機会を公平に与えること、そしてそれを受け入れること、それが何より大切なことだと思います。そして、行政ができる最大のお手伝いは、そのための仕組みを用意し、そのチャンスをつくる基礎を築くための御協力をすることであると思います。 そして、平成二年度の予算の御審議のときに改めてまた御指摘を受けることでありますけれども、六十六兆の平成二年度予算の中、一般歳出三十五兆円余りの中の十一兆六千億という、ほぼ三分の一に等しい金額が社会保障関係費に投ぜられております。個々の施策の一つずつについて言えば、もっとより多い方が望ましいという施策は多々ありましょう。しかし、それだけの力を入れて編成しているということを御理解いただきますとともに、むしろ私は本院のこの御審議を通じて、障害者の方々にとって一番大きな問題として公平な競争のチャンスを社会が積極的に与えてくれること、また、障害を持たれた方々がそれに取り組んでいかれるだけの準備をされる気概をお持ちいただくこと、国や地方公共団体はその決意を支えていくための努力をしていきたい、私はそのように思っております。
○下村泰君 私の方がむしろ説得されるような立場みたいな、こういうお考えを持っている方に早く総理大臣になってほしいなというような、これはちょっとお世辞になりますけれども。 さて、福祉法制ということについてちょっと伺いたいと思いますけれども、アメリカのネーションズ・ビジネスという本の二月号に障害を持つアメリカ国民法というのが議会を通過する見通しという記事があるんですけれども、総理並びに厚生両大臣、このことについて御存じでございましょうか、この法案のことについて。
○国務大臣(海部俊樹君) ただいま御指摘の、障害を持つアメリカ国民法制定の動きがアメリカの議会にあるということは承知いたしております。
○下村泰君 厚生大臣、御存じですか。
○国務大臣(津島雄二君) 米国議会で障害者差別禁止に関する新しい法律でございますいわゆるADA、障害を持つアメリカ国民法が審議されていることはよく存じております。
○下村泰君 内容については御存じでございましょうかしら。
○国務大臣(津島雄二君) 一応私の手元にござい ます資料では勉強いたしております。
○下村泰君 私の持っております資料によりますと、この法律は「雇用、住宅、公共宿泊施設、交通、コミュニケーション関係、及び、州と地方行政の諸活動といったような領域で障害を理由とした差別を禁止する。」という非常に範囲の広いものなんですね。こちらではこういうふうなんですが、さて日本の方へ目を転じますと、こういうものに比べればこの法制度はもう日本の方は全然だめでございます。これはむしろ大臣の方が御存じかもわかりません。日本の場合は特に難病――てんかん、精神障害を持った方々にとっては深刻な問題があります。 こうした点を指摘する声がありして、私もその一人ですけれども、昨年十二月にも国際障害者年日本推進協議会から政策提言というものが出されましたけれども、厚生省はこれを御存じですか。
○政府委員(長尾立子君) お答えをさせていただきます。 今先生の御質問がございました国際障害者年日本推進協議会からは、一元的、総合的な福祉法の制定をという形の御提言をいただいております。
○下村泰君 その中身を、ありましたらちょっと読んでみてください。
○政府委員(長尾立子君) 「総合的」の意味でございますが、一つには障害の原因、種類のいかんにかかわらず差別なく包括的に法の対象とすること。 〔委員長退席、理事平井卓志君着席〕 二つにはサービスの体系化でございます。障害種別、程度別ではなくて、ニードに応じてサービスが調整されて総合的なサービスが提供できるようなシステムであるということ、これによってサービス間の谷間の問題、それから中断、必要なサービスが受けられないという状況が起こらないようにする。それから三つには、そのために法制度をばらばらにしないで一つの総合的な立法が望ましい。こういうふうに一つにすることによりまして行政機関も総合化される、それから一つの法律であるということによって利用者にもわかりやすいというような御趣旨かと思います。
○下村泰君 総理、今局長がお答えになったように、日本は確かに縦割り行政というのはしっかりしておるんですよ。今私申し上げますけれども、横のつながりがまるでない。そのために障害者にとってはほうり出される障害者も出てくるわけですよ、縦割りのために。そこにひっかからない人が出てくるわけです。それではいけないからというので、ここにも提言がありますが、法制度をばらばらにしないで一つの総合的な立法が望ましいと、こういうふうに決められているわけなんですけれども、さてこういうことをお聞きくださいまして、この法体系全体を抜本的に見直すというお考えがありますかどうか、伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(津島雄二君) 総理の御答弁の前にお答えをさせていただきますが、障害者対策をできるだけ総合的に進めていくべしという委員のお考え方は全くそのとおりであろうと思います。それに対しまして、また同時に障害者種別に応じた専門的な対策も必要でございまして、私どもが身体障害者福祉法とか精神薄弱者福祉法などをもって推進しておりますのは、その点にも留意をしたものでございます。しかし、法体系をできるだけ一本にまとめて、そして総合的な見地でエアポケットの出ないように進めていけという方向は、私どももそのとおりだと思いますので、これからも一層の努力をしてまいりたいと思います。
○下村泰君 今の厚生大臣のお答えは、私は別に難題を押しつけるものじゃございません。今までやってきたんですから、やってきた施策の中にそういう結果が出ているんだから、そろそろ抜本的に大きく見直してはどうかなと、こういう意見なんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) それぞれ専門的に努力をしておることは厚生大臣も言うておると思いますけれども、さはさりながら、その中で横との連絡とかそれから枠組みを乗り越えたいろいろな思いやりや配慮等が必要であろうという角度の先生の御質問だと思いますし、また私が調べてきましたアメリカの法の動向等を考えますと、我が国にも心身障害者対策基本法というのは、これは昭和四十五年に議員立法で訓示規定から成るものでございますが、方針は出ておるわけでございますから、アメリカの法案審議の動向等も踏まえながら、できることがあるなればそのような方向にも配慮をしていかなければならない、こう受けとめさせていただいて努力をいたします。
○下村泰君 ありがとうございました。もう日本もこれだけの国なんですから、何かというとどこそこの国がこういうことをやっているから日本はどうだとかいうんじゃなくして、ほかの国が日本のものをまねして、日本ではこういうことをやっておるじゃないかと言われるようになってほしいと思うんです。 次に、学習障害児についてちょっと伺います。 学習障害という言葉があるんですけれども、それについて文部省ひとつ説明していただきたいと思いますが。
○国務大臣(保利耕輔君) 私が承知いたしておりますところでは、最近アメリカで学習障害児、いわゆるLDということで言われておる子供たちのことだと思います。これは英語ではラーニングディスアビリティーとこういうことでございまして、全体としては知能の発達はそれほどおくれてはおりませんが、認知能力その他読み書き計算など一部に学習上困難を伴う子供たちのことと承知いたしております。
○下村泰君 厚生省。
○国務大臣(津島雄二君) ただいま文部大臣からお答えのとおり、LDという子供さん方はまだ医学的な原因も必ずしも明らかでないという点もございまして、関係者の方々が大変御苦労しておられることは事実でございます。そういう意味で、私どもとしてもその原因の究明に努めますと同時に、児童相談所に相談がある場合にはやはりお医者さん、心理判定員、児童福祉司等のチームにより、大事なことは保護者であるとか学校の方々がやはり理解をしていただきませんと十分幸せな対応ができないわけでございますから、そういう点で一層努力をしてまいりたいと思います。 〔理事平井卓志君退席、委員長着席〕 文部省と密接な連携のもとに、今後の課題として真剣に対応してまいりたいと思います。
○下村泰君 私が実はこの学習障害児の問題に取り組み始めましたのはおととしになるんですがね、アメリカのニューヨークの日本人学校の障害児のためのスタッフ派遣などを文部省に求めまして、これをしたのはカニングハム・久子さんという方で、この方が日本に来られましてね、ニューヨークあたりのお子さんがこの学習障害児に認定されますと、日本語でさえ難しいのに英語で教育されるわけですよ、二重の苦しみがあるというので、何とか文部省から派遣してくれないかという訴えがあったわけなんです。当時、中島文部大臣にお話しをしまして、面会をしていただいて、この問題は片づいたんです。 ところが、肝心の日本の方は片づいてないんですよ。教育の現場の教壇に立っていらっしゃる先生もわからないんですね、これは。というのは、ほかのことは何でもできるんですよ。何か一つに限ってできない。人の名前は覚えない。学校の本は読めるんだけれども、さあそれを記憶するとなるとこれがなかなか出てこないとか、それぞれによって違うらしいんですね。こういうお子さんを先生が、ひょっとすると持って生まれたものだろうとか、あるいは親のしつけが悪いんだろうとか、本人が努力しないんだろうとかと片づけてしまっている、今まで。そのためにこれはいじめの原因にもなっておるんですね。 アメリカの方ではもう十五年前からこの問題は提起されて認知されて、そして百五十万人が特別の教育的援助を受けておる。ところが、日本はまだそこまでいってないわけですね。こういう症状にどうしてなるかというと、胎内にいるときかあるいは出産の折かというふうに、今もお答えに なったように原因がわからない。こういうことをほうっておくわけにはいかない。一説によれば全児童の二%ないし四%は日本にはいる。欧米では一〇%以上と言われておるんです。 こういうことに対して、さて文部行政とかあるいは厚生行政あるいは総理大臣は、今のお話をお聞きくださいましてどういうふうにこれから対応なさいますか。
○国務大臣(保利耕輔君) ただいま厚生大臣から御答弁を申し上げたとおり、医学的にまだ日本でも研究が進んでいない分野であろうかと思います。今後私どもといたしましては、厚生省とよく連絡をとりながら、こうした問題がなぜ起こるのかというような解明を進め対策を練ってまいりたい、このように思っております。
○国務大臣(津島雄二君) 私の立場から一言補足をいたしますと、確かに立ちおくれている分野でございます。そういう認識に立ちまして、一生懸命これから努力をしてまいりたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) すべての障害を持つ人々に、その障害を持つ人々にふさわしい教育の方法というものはどういうものがあるんだろうかということで、今日までも特殊学級とか養護学校とかいろいろな制度、仕組みをやってまいりましたけれども、さらに一歩乗り越えてきめの細かい対応策を考えていかなきゃならぬなと、こんなことを考えております。
○下村泰君 次に、国際識字年なんでございます。この識字年ということについてお伺いしますけれども、日本の対応とか背景というもの、これはどういうふうになっておりますでしょうか。外務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中山太郎君) 下村委員お尋ねの国際識字年というものでございますが、本年を国際識字年とすることにつきましては、一九八五年及び一九八七年のユネスコ総会における討議を受けて、八七年の第四十二回の国連総会によって決議をされたものでございます。 以上でございます。
○下村泰君 この国際識字年に対して、日本の国としては国際的にどんな対応をなさるんですか。
○国務大臣(中山太郎君) 日本といたしましては、非識字問題の克服は個人の成長や発達あるいは生活の向上、あるいは社会、経済、文化の発展のために基本的に極めて重要なものであるという認識を持っておりまして、アジア・太平洋地域における識字事業への協力を目的として平成二年の予算に要求をする予定でございます。 なおまた、国際識字年の主要行事が先般タイで行われておりまして、万人のための教育世界会議、これにつきましても日本政府は協力をいたしております。 以上でございます。
○下村泰君 厚生大臣に伺いますけれども、ことしは日本の点字にとって記念すべき年なんです。十一月一日が日本の点字が考案されて百周年なんです。大変すばらしい年なんです。この年に当たって私は一つお願いをしたいんですけれども、どういうわけか国の方の施策としては、障害者にいろいろな門戸を開け門戸を開けと言っている割には、高級官僚とかその他の試験に点字試験というのは、公務員の試験にはないんですね。人事院の方ではこの間も何かお断りのようなことをおっしゃったそうですけれども、ほかの自治体ではやっているところもあるんです。少なくとも点字でもそういった試験が受けられるような制度をつくってほしいというのが要望なんでございますが、人事院にひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(内海倫君) ただいまの問題は、在来いろいろ御意見を承っております。 人事院といたしましても、今おっしゃるような地方自治体の状況、あるいは選考採用で労働省等が視覚障害の方を採用しておりますから、そういう例もさらに検討いたしましてできることなら積極的に考えたいんですけれども、採用される方の将来の問題も考えなきゃいけませんので、さらにいろんな御意見等を参考にしながら検討を進めていきたい、こういうふうに思います。
○下村泰君 総理にも一言お願いします。
○国務大臣(海部俊樹君) 今人事院総裁が申しましたが、国家公務員試験におきましては、通常文書を媒体として業務を行うことの多い職種について行われておりますので、この点から試験の内容、方法にも制約があって点字受験の実施については困難な点があるということでございますが、しかしできることがあるのかないのか、せっかくの先生の御指摘でございますので私も研究をさせていただきます。
○下村泰君 ありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で下村泰君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、秋山肇君の質疑を行います。秋山君。
○秋山肇君 この三月十五日まで確定申告がありまして、大勢の皆さん方が確定申告をされ、その後事業者の方々は消費税の申告があるわけであります。きょうは、その税の問題と並んで大きな問題であります土地問題について二、三質問をいたしたいと思います。 首都圏に端を発した地価高騰の波は全国の主要都市に広がっており、持てる者と持たざる者との資産格差の拡大が深刻な社会問題となってきておるわけでありますが、二十三日には土地対策関係閣僚会議が開かれ、その時間がわずか三十分程度で、出席閣僚からも時間が短過ぎるとの声が聞かれたと伺っております。この土地問題は海部内閣の最重要課題であるということから考えますと、その程度の時間で本当に土地問題を解決しようという意欲があるのかというふうに疑いたくもなるんですが、その点少し総理のお考えをまず最初にお聞きをいたしたいと思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 土地の問題が現下の最重要課題であるということは、私の内閣で皆が一致して考えておることでございます。またそれに真剣に取り組んでいかなければならない、土地基本法の理念を踏まえまして早急に土地税制を初めあるいは未利用地の利用の制度とかいろいろなものを考えていかなきゃならぬということを皆が共通認識として持って取り組んでおります。 具体的に御指摘になりました関係閣僚会議は、確かに閣議の日の閣議前という極めて限定された時間でございました。けれども、内容的には皆さんが実りある発言をしてくれたと思いますし、むしろ時間よりもその中身、質だと思っていただきたいと思いますし、我々はあのときにこの地価の高騰を何とかして抑えながら、同時にそれが今度は下がっていくにはどうしたらいいかという問題についても取り組んでいかなきゃならぬということで、真剣にいろいろな立場の議論をした次第でございます。
○秋山肇君 ぜひひとつ、充実した閣議であった、その中で総理が規制区域という問題まで言及をされているということで、これからも続いて海部内閣の柱としてしっかりと詰めていっていただきたいというふうに思います。 また先日国土庁が地価公示を発表したんですが、全国平均で一六・六%上昇、大阪圏においては五三%強の急騰となり、昨年から表面化しておりました地方都市への地価高騰の波及傾向が一段と明確になったわけですが、大臣としては特に大阪圏においてこのような急騰が起きた原因がどこにあるとお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 秋山委員にお答えいたします。 委員御指摘のとおりでございまして、大阪は特に上昇したわけですが、この原因に三つの点があると思います。 一つは依然として金融緩和の基調が強いということ、それから第二番目には、やはり大阪の地価が東京の地価に比べて割安であるというふうなことについて期待感、それからもう一つは、今度は大阪におきましては関西新空港とか関西文化学術都市とか、あるいは都市再開発、あるいは交通網の整備が進展しておりますので、その期待感が強い、この三つが高騰の大きな原因だったと考えて おります。
○秋山肇君 今回の結果を見ますと、監視区域制度の運用が後手に回った感じだと思うんですが、この点いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤守良君) 実は、委員御存じと思いますが、地価は基本的には他の財と同様、需要と供給の関係で決まるものでございまして、適正な地価形成のためには宅地供給の推進が基本的な問題だ、こう考えておりまして、土地取引規制のみによる対策にはおのずから一定の限界があると、こう考えております。 国土利用計画法による地価高騰への対応としては、委員御存じと思いますが、監視区域制度の的確な運用により対処することが必要であることはもちろんでございますが、今後とも地価の厳重な監視に努め、監視区域の取り決めが後手に回ることのないよう関係地方公共団体に的確に指導したわけでございますが、実は明日二十七日も地方公共団体を集めましてこの点につきまして厳重なる指示をし、そして監視区域が後手に回らないような要請をするつもりでございます。
○秋山肇君 昭和六十三年三月二十六日、ちょうど二年前のきょうですね、予算委員会で私が建設省に対して質問したことがありました。 内容は、不動産業者の地方における土地売買が活発化しているがこの動向を把握しているかと聞いた際、どのような答弁をされたか覚えていらっしゃいますか。
○政府委員(望月薫雄君) お話しのように、二年前に先生からその種の御質問をいただきまして御答弁申し上げました。そのときに私ども、率直に申し上げまして、個々の取引等について建設省あるいは宅建業法を所管する知事において一々調査していないということを申し上げましたが、実態は今日も基本的には変わりございません。ただ私ども、そうは言いながらも、全体としてこういった地価の動向、今日のような姿の中でいわゆる不動産業者、宅地建物の取引を専業とする業者たちがいやしくも投機的取引等に及ばないようにということについては終始注意を喚起しているところでございまして、そういった観点から私どもも業界団体指導に徹してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○秋山肇君 地方に出向いての土地売買が地方での地価上昇の大きな原因となると思うんですが、建設省としてはどう考えているかという質問には、あのときはどう答弁されましたかね。もう一度お答えいただけますか。
○政府委員(望月薫雄君) 地方等での地価の高騰の背景に、いわゆる地方都市などでの再開発事業あるいはマンション供給、あるいはまた地域によっては大規模プロジェクトの展開、こういったことの中でいわゆる実需を背景とした地価の高騰というものがあることは率直に言って認めざるを得ません。ただ、それが行き過ぎたいわゆる投機的取引というふうなことにはみ出すものについては私どもも注意してまいりたい、こういった構えで二年前には御答弁申し上げたつもりでございます。
○秋山肇君 不動産業者の土地取引が活発化しつつあるということは、業者等を通じて耳にしているということでした。とすれば、その時点で今回のように地方での地価急上昇になる可能性があると考えられたのではないかと思いますが、いかがでしたか。
○政府委員(望月薫雄君) おっしゃったとおり、私ども、当時も今日もそうでございますが、業界等を通じましてあるいはマスコミの場を通じまして伝えられる情報というものに常に注意いたしております。そういった中で、先ほど申しましたように、いわゆる宅建業者、不動産業者が行き過ぎのないようにということは注意してまいりたい、こういう構えで申し上げている次第でございます。
○秋山肇君 その際私は、東京の二の舞を地方に及ぼさないように言っているわけであります。それにもかかわらず、今回のように東京圏の地価高騰の教訓が大阪圏を初め地方都市で生かされず、対策が後手に回ってしまったわけです。今回のことからもわかるように、問題が表面化してから対策に出ては遅いわけで、結果論になりますが、少なくとも二年前の時点で不動産業者の取引実態をつかみ、その時点で適切な指導をするとかしておいたらよかったのじゃないんでしょうか。
○政府委員(望月薫雄君) 私ども建設省の立場ではっきりと申し上げられますことは、地価高騰の原因というのはさまざまなものがあろうと思いますが、その間において宅建業者、不動産業者の行為によっていたずらなことについては重々注意してまいりたい、こういう構えでいるわけでございます。 そういった中で、先生の御指摘の二年前の御質疑にもございましたし、その後におきましても私どもあらゆる機会をとらえまして業界団体指導に徹しているところでございます。わかりやすく言えば、投機的な取引はしないようにということでございます。あわせてまた県当局に対しましても、宅建業法の適正な運用ということについて厳正な指導をしていただきたいということを通達している次第でございます。
○秋山肇君 後手後手に回っていると言われてもいたし方ないと思います。 次に、大蔵省にお聞きいたしますが、保有をしているのに土地の税金が安いという問題からお伺いしたいんですが、農地に対する相続税の猶予制度について、この制度がつくられたときの意義はどういうものだったんでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 農家の事業用資産であります農地につきまして相続税の納税猶予制度が設けられておりますのは、農地というものの特殊性を考慮し、農業政策の観点から設けられたものと承知をいたしております。すなわち、農地の所有と経営との不可分という農地法上の制約などを考慮して、農業の自立経営を目指される方が民法の均分相続制にとらわれることなしに農地などを引き継ぐことができるようにとの農業基本法の趣旨に対処するために設けられたものだと私は承知をいたしております。
○秋山肇君 そのとおりだと思うんですが、地方の農業専業でやっている方々からすると、大都市圏における農地の相続税の猶予制度を不審に思っているわけですね。だから、宅地並み課税とあわせてよりも、この問題について大蔵大臣は大都市圏においては適用を除外するとか、何かお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今申し上げました背景があるわけでありますけれども、都市化の進展を反映して、農民が宅地含みの売買価格を基礎として相続税が課せられるために、本人みずから恒久的に農業を持続する意思を持ちながら農地の一部を手放さなければならないという事態、相続のために農地が細分化されることを防止することにその目的があったものが、昨今の地価高騰による資産格差の拡大というものを背景として、この制度について国民の中からもうちょっと何とかならぬのかという声があることは承知をいたしております。 これは土地に対する政策全体の中で今後考えてまいらなければならない一つの問題点だと思いますけれども、やはりその場合にも、実は私は都市部で農業を本当にやりたい方があった場合に一体どうしたらいいのかという点について自分自身で自分に問いかけてみまして、的確な答えを今も見出しておりません。
○秋山肇君 この問題について農水大臣はどのようにお考えですか。
○国務大臣(山本富雄君) 今先生御指摘の納税猶予制度、大蔵大臣からお話がございましたけれども、農林水産省としてはこういう経過で考えておるということを申し上げたいと思うんです。 東京等の大都市地域の市街化区域内の農地、これにつきましては、一昨年の六月に閣議決定をされました総合土地対策要綱において、市街化する農地と保全する農地、この二つに区分をした。市街化する農地については、必要な都市基盤の整備を図りながら宅地化を進めるべきものとなってお りまして、これに応じて税制面の扱いについても見直すこととされております。これは大蔵大臣が今お答えになった線でございます。 それから、さらに昨年十二月の土地対策関係閣僚会議、これは六十三年の六月に閣議決定をされました総合土地対策要綱、これに沿いまして関係制度の整備充実等とあわせて税制の見直しを行いまして、平成四年度からの円滑な実施を図ることとされております。 農林水産省としても、こうした今申し上げたような基本的な方向で協力をしていくというふうに考えております。 以上であります。
○秋山肇君 税の公平ということからすると、この相続税の猶予制度の問題を初めとして、地価高騰による資産格差の拡大や住宅取得難に対処するためには、大蔵省として土地税制の抜本的見直しが必要になってきていると思うんですが、具体的な案は何かおありでしょうか。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、土地税制につきまして、私どもは税制調査会においてこの四月から小委員会で本格的な御検討をいただこうと思っております。ですから、今具体的にというものではございません。ただその御検討をいただきます場合に、その御検討の土台として考えていただきたいと私自身思っておりますことが二点ございます。 一つは、先ほどの相続税に関しても、委員が御指摘になりましたように、土地を持つ方と持っていない方、その間における資産格差というものが非常に拡大をしてきましたことから、資産格差に対しての課税の適正化を求める国民の声というものが本当に強くなりました。ですから、こうした視点がどうしても欠くことのできない一つの視点であります。 しかし、もう一つはもっと素朴な、これは本当に私自身感じることですけれども、とにかく大都市において一生懸命まじめに働けばやがて自分のうちが持てるんだというその夢を国民に持っていただくために、土地政策全体の中で税はどんな役割を果たせばいいのかという視点でありまして、私はこの二点を踏まえながら小委員会で御検討をいただけることを今期待いたしております。
○秋山肇君 宗教法人や公益法人所有の遊休地は税制上からも優遇されており、相続税もなければ固定資産税の課税評価額も低くなっておるわけであります。会社、法人には特別土地保有税という制度があり、投機的土地利用を防ぐ目的にはなっていますが、これにしても利用計画さえあれば適用除外になります。法人の持つ遊休地を効率的に利用するための方法の一つとして未利用地への課税強化が言われていますが、大臣としてはどうお考えでしょうか。自治大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) 遊休地の課税強化を図ったらどうかという御指摘であろうかと思いますけれども、御存じのとおり、現在法人には特別土地保有税ということで上乗せになっておることは御承知のとおりです。ですけれども、この課税強化をするに当たって一番大事なことは、先生の御指摘のような遊休地とは一体何だという遊休地を特定する制度創設がとても大事なことなんで、私たちもそれを待っておるという現状でございます。目下建設省で新しい都市計画にちなんでこれは検討中でございますので、この新しい遊休地を特定する制度が創設されるということとあわせて、平成二年度中に土地税制に関する総合的な見直しの中でこの問題も解決していこうというのが自治省の腹でございます。
○秋山肇君 それで自治大臣、私はよく言うんですが、自治省にしても東京都を初め地方自治体にしても、固定資産税を取れるところは資産台帳として押さえていますけれども、取れないところというのは台帳を持っていないんですが、この点についてもう少し、どういうふうにしたらいいのかわかりませんが、この辺もぜひお考えをいただきたいというふうにこれは要望にしておきます。 それから、建設省は地価高騰問題や大都市圏の住宅供給政策について、容積率の緩和を初めとする土地関連四法案の改正案を固めたと伺っておりますが、内容及び効果、見通しについてお伺いいたします。
○政府委員(伊藤茂史君) お答えします。 今国会に提出したいということで今作業をやっておりますものは、大都市地域、三大都市圏でございますが、住宅宅地の供給の促進を図るということで、一つには大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部改正という形でお願いをしたいということが一点と、それから二点目は都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案ということで検討を進めております。 一点目の大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の改正案でございますが、これは住宅及び住宅地の供給に関する基本方針の策定等を内容として広域的な住宅宅地行政の指針を確立したいということでございます。第二点目の都市計画法及び建築基準法は、そういった住宅宅地供給の促進の中で、現行制度の活用はもちろんでございますが、それに加えまして、第一には第一種住居専用地域等の農地等の活用をいたしました中高層住宅の供給を促進するための制度、それからその場合には、先生おっしゃいますように、容積率等の緩和を行う住宅地高度利用地区計画制度という形で新しい制度を創設したいと思っておりますが、そういったものが内容となっております。これらによりまして土地の高度利用、有効利用を促進し、それが住宅供給に結びついていくということで、大都市地域におきます良質な住宅宅地供給の促進が図られるものということで考えております。
○秋山肇君 最後に総理にお伺いしますけれども、さきに成立した土地基本法は、土地利用の基本的理念を定めた宣言法にすぎないと思うんですね。具体的な政策の裏づけがないと実効が期待できないわけであります。監視区域制度や金融機関の土地取引に対する行政指導はあくまでも対症療法にすぎないと思うんですね。土地政策は個別にしても効果はない。下手をすれば逆効果になるおそれさえあります。大切なのは、土地の利用計画と土地税制を連動させて実行に移すことではないでしょうか。したがって、この土地問題を解決する手だては、単に各省庁がそれぞれ政策を出し合うだけでなく、短期、中期、長期、目標に合わせて各省庁がお互いに連携しながら早急に総合的な政策を実施することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 最近の土地の急騰は本当に異常なものがありましたので、この間の土地対策閣僚会議も、各省庁の枠組みを乗り越えて関係閣僚全部集まってもらって、そこでもう少なくともこれ以上土地が高騰しないように、監視区域の制度も後手後手だと言われておる点等の御批判も率直に反省して、抜かずの宝刀なんて言わずに規制区域のことも念頭に置いて各省は協力して当たってほしいと私は強く指示もいたしましたし、また土地に対する資金の問題がある方面では土地高騰に拍車をかけておるのではないか、このことも地方銀行も通じ、ノンバンクも通じて指導を徹底してほしいと。いろいろな施策を総合的に行いながらしていかなきゃならぬことは御指摘のとおりでございます。 そのために総合土地対策要綱というものも決定をして、国はもちろんのこと地方公共団体及びその相互間の連携をもとりながらこの目的を果たしていかなければならない、こういう考えでおりますので今後とも力を合わせて対応していきたい、こう思います。
○秋山肇君 どうもありがとうございました。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で秋山肇君の質疑は終了いたしました。 これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(林田悠紀夫君) 平成元年度一般会計補正予算及び平成元年度政府関係機関補正予算の修正について矢田部理君から発言を求められており ますので、この際、これを許します。矢田部理君。
○矢田部理君 私は、平成元年度補正予算三案のうち、平成元年度一般会計補正予算及び平成元年度政府関係機関補正予算に対し、日本社会党・護憲共同を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 平成元年度補正予算につきましては、予算委員会における審議を通じ明らかになりましたように、政府の税収の過小見積もりに起因する大幅な税の自然増収を背景に、これまで堅持してきた緊縮型財政のなし崩し的な転換を図るものであることを指摘しなければなりません。 すなわち、政府提出の補正予算は、政府が当初予算編成時に掲げてきた緊縮型の予算編成方針に背反する大型補正予算となっているばかりではなく、平成二年度予算の先取りとも見られる経費の計上が行われております。また同時に、こうした政府の財政運営は、会計年度独立の原則に照らして疑問を生じさせているほか、財政法第二十九条第一号「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出」の趣旨から見ても適正を欠く経費が計上されているのであります。 さらに、こうした経費は補正予算で計上が認められている義務的な経費の範囲を逸脱した政策的経費であることも指摘せざるを得ません。 我が国の財政は、特例公債依存脱却の目標達成を目前に控えているとはいえ、平成元年度末の公債残高が百六十兆円を上回る見込みであり、国債費が歳出予算の二割を占めるなど極めて厳しい状況が続いております。この点は、政府みずからも当初予算編成の前提となる財政事情の中で指摘しているところでありますが、このような財政改革道半ばの状況のもとで、これに逆行するような安易な財政放漫化は危険なしといたしません。 したがって、本補正予算につきましては、次のような考え方で修正を行うことにしたのであります。 第一に、本補正予算では、本来補正計上になじまない新規施策である地域環境保全のための基金、芸術文化振興基金、農山漁村振興基金、中小商業活性化基金、地域産業活性化基金及び衛星放送受信対策基金の六基金の新設が予定をされております。いずれも慎重な審議が必要であり、本補正での財源措置は認めないことが妥当と考えました。 第二には、基金造成のための資金の多くは、関係する政府関係機関及び政府出資法人へ一般会計からそれぞれ出資金として繰り入れることとされておりますが、当該出資金の新規計上及び既設基金への大幅追加等については政策的な経費であり、その財源は長期にわたって国民負担となる四条公債の増発で調達するため、これを削除することが妥当といたしました。 第三には、平成二年度の施策とされている文化庁の用地講入費及び農林水産省の水田農業確立特別交付金等の新規計上につきましては、その必要性は理解できるところでありますが、会計年度独立の原則及び緊要性等から本補正ではこれを削除することが妥当といたしました。また、プルトニウムの海上輸送に伴い警備救難体制強化を図るための護衛巡視船の新造等の経費につきましても、国会でなお論議が残されている政策課題であることにかんがみ削除すべき経費といたしました。 第四に、歳出の削減の結果、歳入におきましては、出資金等の投資的経費の削減に対応して同額の四条公債の増発を縮減するほか、経常的経費の削減につきましては同額の特例公債の発行を削減することとし、国民負担の増加を厳に抑制することといたしております。 次に、修正案の内容につきまして簡単に御説明いたします。 一般会計歳出補正の修正につきまして申し上げます。 歳出の修正は以上の考え方に基づき、まず第一に、本補正予算に新規計上されている中小企業金融公庫出資金等五政府関係機関及び一政府出資法人への出資金並びに追加計上の国立劇場出資金等二政府関係機関及び一政府出資法人への出資金の合計千五百六十一億円を削除することといたしております。 第二には、文化庁の用地購入費及び農林水産省の農山漁村振興緊急対策補助金等千二百六十六億円を削除するほか、プルトニウムの海上輸送に伴い警備救難体制強化を図るための護衛巡視船の新造等の経費八十三億円を削除し、これに対応する国庫債務負担行為の追加も削除することといたしております。 これにより、歳出の削減額は二千九百十億円となります。 第三に、歳入でありますが、歳出の削減額二千九百十億円のうち投資的経費とされているのが千九百八十三億円であり、経常的経費が九百二十六億円であります。したがって、政府原案において四条公債の増発は六千五百億円となっておりますが、これを四千五百十七億円に縮減するほか、特例公債六千五百億円の削減は七千四百二十六億円の削減となるのであります。 以上の結果、修正による歳入歳出は政府原案よりいずれも二千九百十億円減額となり、修正後の補正追加額は五兆六千六十七億円、平成元年度補正後予算額は六十六兆二百九億円となります。 なお、一般会計予算補正修正に関連して政府関係機関予算補正につきましても所要の修正をいたしております。 以上、修正案の概略を御説明いたしました。財政民主主義にのっとり、財政の放漫化を正し、健全財政を目指す必要最低限の修正であります。本修正の意図するところを十分考慮いただき、何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で両修正案の趣旨説明は終了いたしました。 これより平成元年度補正予算三案並びに両修正案に対する討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。稲村稔夫君。
○稲村稔夫君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております平成元年度補正予算三案に対して反対、そして日本社会党・護憲共同提出の同補正予算修正案に対して賛成の立場から討論を行います。 そこで、政府提出の原案に反対する第一の理由でありますが、本補正予算案には財政法第二十九条に反する経費が数多く盛り込まれ、まれに見る大型補正予算案になっているということであります。本委員会においてこれらの点についていろいろとただされたのでありますが、納得できる答弁は得られませんでした。 例えば、日本芸術文化振興会出資金を初め、各省が競うがごとく本補正予算案には各種基金設立や各種法人への出資のための経費が計上されておりますが、これらの経費がなぜ平成二年度当初予算で対応するまで待てないほど緊要なのか、また、一九九二年度を目途にしているプルトニウム海上輸送に伴う護衛巡視船の発注が当初予算成立を待てないほど緊要なのであろうか、それに引きかえ、例えばなぜ減税が最優先にされないのか等々、常識的な疑問は何一つ解消されませんでした。 好調な税収をよいことに、補正予算で翌年度分予算の先取りをする、シーリング逃れの安易な歳出増を図っているとしか受け取れません。厳しく糾弾されなければなりません。また、もし何が緊要かという判断について、いわゆる永田町や霞ケ関の感覚と国民的常識とが余りにもかけ離れているということでありましたら、これまた、その感覚が厳しく糾弾されなければなりません。 反対の第二の理由は、本補正予算案が消費税存続を前提に編成されているということであります。 そもそも消費税の存否は、国民の意思をどう受けとめるかで政府・与党と全野党が鋭く対立している極めて重大な課題であります。昨年十二月、 本院において我々は消費税廃止法案等関連九法案を提出して可決しましたが、これこそ国民の意思に正しくこたえたものだったと自負をしておりますし、現在でもそう確信しているところであります。これに対して、政府のいわゆる見直し案は、新たに矛盾を拡大し、国民生活に混乱をさらに持ち込むであろうことは必至であります。見直し等の糊塗策ではどうにもならないもので、廃止すべきであるという事情は今日もなお変わりありません。 いずれにしても消費税の存否の問題は、政府の方は見直し案を、我々は廃止を提案しておりますから、国会での決着がまだついていないのであります。にもかかわらず、本補正予算案に、中小企業振興等をうたいながら、その実は消費税定着のための経費をその中に織り込むとは一体何事でありますか。かかる国民世論無視、国会軽視、財政法第二十九条違反といった三重の罪を我々は絶対に認めるわけにはいかないのであります。 反対の第三の理由は、政府が連年にわたる税収の過小見積もりを一向に改めようとしていない点であります。 振り返ってみますと、当初予算に対する決算ベースでの超過額は、六十一年度一兆三千百六十八億円、六十二年度五兆六千三十九億円、六十三年度五兆七千三百六十五億円に上っており、今回の補正予算案においても三兆二千百七十億円もの税収の増額補正がなされております。この過小見積もりを累計すると、何と十五兆円にも達するのであります。このように大幅な税収見誤りが四たびにも及ぶということは、政府の税収見積もりが意図的に過小なのかあるいはずさんなのか、そのどちらにしろ政府の責任が厳しく追及されなければならない問題なのであります。 そのほか、本年度においても千五百億円に上る多額の予備費取り崩しを行い補正の財源としているなど、予備費計上の見直しを怠っていることも猛省を促すところであります。 税収見積もりを適正に行う努力のもとにもしその大きな伸びが見込まれるならば、減税あるいは公債費縮減に充てる等が最優先にされるべきであります。特例公債の新規発行脱却に目途がついたと胸を張られるのならば、この際、旧来の惰性的な財政運営の弊害を一掃して、新しい視点に立った財政のあり方を確立するよう強く政府に要望しておきます。 以上申し述べましたように、政府提出の原案は到底認められるものではありません。よって、我々は、それこそ財政法の趣旨に沿って平成元年度補正予算修正案を提出いたしました。この修正案は、財政民主主義の原則を踏まえ、安易な財政の放漫化を正し、健全財政を目指したものであります。 私は、こうした修正がなされてこそ補正予算というものが本来あるべき姿になるものと強く確信をしていることを申し述べ、政府提出の原案に反対、日本社会党・護憲共同提出の平成元年度補正予算修正案に賛成する討論を終わります。 以上であります。(拍手)
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、石原健太郎君。
○石原健太郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました平成元年度補正予算三案に賛成、修正案に反対の討論を行います。 昨年来、世界は劇的な変化を生じております。ソ連のペレストロイカに端を発した改革の動きは、共産党の独裁体制の崩壊、自由と民主主義及び市場経済を求める動きの台頭を引き起こしておりますほか、これを背景として米ソ間は今や対決から対話と協調へとかつての冷戦時代の発想を超え、新しい世界秩序の構築が求められております。そうしたさなか、先般行われました衆議院総選挙において国民は政治の安定を求めて我が党に安定多数の議席を与えました。両院において与野党勢力はねじれ現象ではありますが、我々は国民の負託を謙虚に受けとめ、その理解と協力のもと、決意を新たにして公約実現を目指し、政権を担当していく所存であります。 さて、我が国経済は景気拡大が四十カ月に及び、神武景気やイザナギ景気に迫ろうとしております。しかし一方で、昨今円相場の下落、株価の急落、さらには日米経済構造問題の協議など、新たな問題の解決も迫られており、今後の財政経済運営に当たってはこれらの状況を十分踏まえ、時宜に応じて機動的かつ弾力的に執行願いたいのであります。 そこで、本題の平成元年度補正予算でありますが、これは災害復旧の促進、公務員給与の引き上げ、厚生年金等の給付改定実施期日の繰り上げ、東欧諸国への経済支援など、元年度予算成立後に生じた事態に対処するほか、財政再建をさらに前進させるとともに、国民生活に深くかかわりのある事項について措置を行うもので、まことに適切な内容となっております。 特に申し上げたいのは、景気の拡大に伴って元年度においても大幅な税の増収が見込まれ、大型補正予算の編成という結果になりましたが、一般的な歳出経費を膨らませるいわゆる放漫財政に堕することなく、極めて適切に対処したという点であります。 一つは、いわゆる隠れ借金の解消に道筋をつけました。本補正における隠れ借金の返済など将来の財政健全化に向けた額は約二兆八千億円で、歳出補正額の二分の一近くに及んでおります。この額から見て税収増による放漫化を回避し、財政基盤強化を念頭に置いて編成が行われたことは明白であり、私はこの点を何より高く評価いたしたいのであります。また、借金の返済は政府への信頼性を確保することにもなり、この面から見ても好ましく思います。 いま一つは、福祉、環境、文化など国民生活と密接な関連を持つ分野において基金を設け、その運用によって国民生活の向上を図ろうとしていることであります。税収の増加を一回の歳出で使い果たしてしまうのでなく、基金設立によって将来にわたって施策を継続していこうとすることは新しい財政運営の試みであり、特に芸術文化の施策や長寿社会向けの保健福祉施策は単発補助金よりも効果的であると高く評価いたします。一部には緊急性がないとの指摘もありますが、運用益で施策を行うという基金の性格上、設立は速やかに行うべきものと考えます。 また、消費税絡みの補正は反対との声もありますが、今や世論の大勢は廃止でなく見直しであります。さきに行われた衆院選挙での結果は何よりそのことをよくあらわしております。この際、野党諸君も廃止に固執せず、世論の大勢である見直しに目を向け、消費税をより国民が求める制度に近づけるよう協力していただくことを心から望むものであります。 以上申し上げましたように、平成元年度補正予算は極めて適切な内容となっており、賛成いたす次第であります。 この際、一言申し上げます。 この補正予算の成立遅延に伴い、国家公務員初め関係者に多大の御迷惑をおかけいたしましたことは遺憾であります。そもそも予算及び予算関連法案は表裏一体の関係にあり、予算の裏づけのない法案、法案の裏づけのない予算はおよそ意味をなしません。新しく国会が構成されたこの機会に、旧態依然の審議方式を改め、国民負託の原点に立って、各党共通の問題意識のもと、ルールの確立を願いたいのであります。 最後に、社会党提案の修正案につきましては、予算全体が一つの体系をなしているにもかかわらず、その一部分だけを取り出して小手先だけの修正を加えようとするもので、国民生活全般にわたる視点に欠け、木を見て森を見ない修正と言わざるを得ず、到底認めることはできません。このような修正案こそ財政本来の役割を否定するものであり、断固反対することを申し上げ、討論を終わります。(拍手)
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、白浜一良君。
○白浜一良君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題になりました平成元年度補正予算三案に対し反対、日本社会党・護憲共同提出の 修正案にも反対の討論を行います。 補正予算案に反対する第一の理由は、消費税関係の歳出が盛り込まれているということであります。昨年四月に導入された消費税に対し国民は強い拒否反応を示し、その結果、七月の参議院選挙において与野党逆転という状況が生じました。それを受けて、十二月には我々野党四会派の提出いたしました消費税廃止関連九法案が本院におきまして可決されております。このような国民の意思とそれを受けました本院の意思表示にもかかわらず、政府・自民党が小手先だけの見直しで消費税を存続、定着させようとするのは断じて容認できません。我々は消費税を速やかに廃止し、それに基づいて改めて補正予算を提出するよう政府に求めるものであります。 補正予算案反対の第二の理由は、本補正予算が財政法二十九条の規定を逸脱しているからであります。財政法二十九条によれば、補正予算の歳出には義務的経費と予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費しか盛り込めないはずであります。ところが、今回の補正予算には、基金、出資金の名称で財政法二十九条の趣旨に反すると思われるような歳出が多数存在しております。そしてその内容たるや、自民党に都合のよい総選挙対策あるいは消費税定着のための経費がほとんどであると言っても過言ではありません。財政再建はまだ折り返し点であり、税収の過小見積もりから生じたわずかばかりの財政のゆとりに、緊縮財政を忘れ放漫財政に走るということは場当たり的であり、不適切な措置であると断ぜざるを得ません。 また、本補正予算に計上された農業関連予算や中小企業対策費の中には、平成二年度予算の先取り的なものも多数盛り込まれており、これは会計年度独立の原則にも抵触するものであります。我々は財政法二十九条に違反し会計年度独立の原則をないがしろにする本補正予算に断固反対いたします。この際、我々は政府に対し、災害復旧費、公務員給与改善費、年金給付金といった義務的経費のみを計上した補正予算に改めるよう要望するものであります。 なお、日本社会党・護憲共同提出の修正案におきましてもこの点が十分に改められておりません以上、我々はこの修正案にも賛成することはできないのであります。 補正予算案反対の第三の理由は、このような不当な歳出を生じさせる原因となった、政府の連年の税収の過小見積もりであります。政府は六十一年度から六十三年度までの三年度で合計十二兆六千五百億円もの税収の見積もり違いを犯してまいりました。ところが、この連年の見積もり違いにもかかわらず、本補正予算でも三兆二千億円余りの税収の増額修正が行われております。このように巨額の過小見積もりが毎年行われてきたのは、消費税導入のために意図したものではないかと疑われても仕方ありません。我々は政府に対し税収の過小見積もりにつき反省を促すとともに、このような自然増収は裏を返せば税の取り過ぎでありますから所得税納税者に対する戻し減税、社会的に弱い立場の人々に対する福祉給付金の形で国民に還元することを要求いたします。 最後に、政治倫理の確立と政治改革の推進、リクルート事件の徹底的解明を強く要求いたしまして、私の補正予算案並びに修正案に対する反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、吉岡吉典君。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の平成元年度補正予算案に対し反対討論を行います。 最初に、自民党が党利党略に基づいて本補正予算と関連六法案の一括処理を主張して審議をおくらせ、加えて、その事態打開を我が党を除いて国会の正規の機関を棚に上げて進め、議会制民主主議を踏みにじってきたことに強く抗議するものであります。 さらに、かつては当初予算で考慮してきた公務員給与改善費を補正予算に持ち込み、これを人質にした結果、公務員の三月分給与と期末手当を分割支給したことも、自民党・政府に雇用責任を問うべき重大問題であり、私は厳しく糾弾するものであります。 補正予算は、消費税、軍拡ごり押し、暮らし破壊の三悪予算である当初予算の骨格をそのままにし、生活保護費や教育費をさらに削減し、軍事費総額も増額するなど反動的性格を一層強めるものとなっており、到底容認できません。 以下、具体的に反対理由を申し上げます。 第一に、国民の強い反対を押し切って導入した消費税を土台にした超大型補正予算だということであります。自民党・政府は、消費税廃止を求める国民世論に対して、廃止を言うなら財源を示さなければ無責任と財源セット論を主張してきましたが、差し引き約五兆九千億円もの増額補正を組むこと自体、財源はあることを示したもので、自民党・政府の論拠は崩れたのであります。しかるに、国民の強い反対の声を抑えて消費税の定着を図ろうとするものであり、断じて容認できません。 第二に、税収を意図的に過小に見積もって、財政難を口実にゼロシーリングで国民の要求を抑え緊縮型の予算を編成し、補正予算で総選挙対策上打ち出した政策など国民の要求を政治的に取り込む政略的手法は、財政法第二十九条の精神に反し財政民主主義をないがしろにするものであります。 第三に、生活保護費六百十九億円、児童扶養手当六十三億五千万円、国立学校運営費七十四億円など、当初予算で削減された福祉教育予算を一層削減する一方で、軍拡から軍縮へ向かうべき世界の動向に逆行して、大軍拡予算の骨格には何ら手をつけず軍事費総額を増額していること、また危険なプルトニウム海上輸送関係予算を追加補正していることなど、反国民的性格を一層強める予算となっていることも重大であります。 次に、社会党・護憲共同提出の修正案に対する反対意見を述べます。 修正案は、プルトニウム輸送船建造費の削除など賛成できる要求もありますが、超大型補正予算のうちわずか二千九百十億円減額するだけであります。特に、自民党・政府の財源セット論が破綻したにもかかわらずこの矛盾を問題にもせず、また軍事費総額の増額についても手をつけていないものであるなど、全体として賛成できません。 以上で私の反対討論を終わります。
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、池田治君。
○池田治君 私は、連合参議院を代表しまして、まずただいま議題となっております平成元年度補正予算三案に対し反対、日本社会党・護憲共同提出の修正案に賛成の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、本補正予算案が緊縮型を掲げた政府の当初予算編成方針に反して超大型補正予算となっていることであります。 近年、補正予算は年々その規模が拡大して、六十三年度は五兆一千五百二十億、この平成元年度は五兆八千九百七十七億にも達しているのであります。政府の財政方針は、税の自然増収分をシーリングのかからない補正予算で場当たり的な歳出増加を図ろうとするものであることは明白であります。我が国財政は、特例公債からの脱却が予定されるとはいえ、公債残高が百六十兆円を超え、国債費も歳出予算の二割を占めるなど、依然として厳しい財政状況にあり、財政改革半ばでありながらこれに逆行するような安易な財政の放漫化は断じて許すことはできません。税の増収分は公債の償還に回すか、さもなければ国民の負担を軽減するよう減税すべきであります。 反対の第二の理由は、財政法の精神に反して、本来当初予算に計上すべき政策的経費まで補正予算に盛り込んでおるということでございます。 財政法第二十九条は、義務的経費及び当初予算編成後の事情変更によるもので特に緊急を要する経費を補正予算に計上すべき経費として規定しております。本条の立法趣旨は、戦争中補正予算で 軍事費を組みついに財政破綻を来したことへの反省から規定されたものであり、特に本条は厳しく適用すべきであると考える次第でございます。しかるに政府は、本補正予算案に対して芸術文化振興基金など基金設置のための経費を計上しております。これらの基金による施策はいずれも重要で国民生活の安定と文化の向上に欠かせないものではありますが、財政法の規定から見て補正予算の範囲を逸脱したものであることは明白であります。 また、文化庁の用地購入費、さらにプルトニウムの海上輸送に伴う護衛巡視船の新造等々の政策的経費をも計上しておりますが、これらはその必要性について十分な議論がなされていないまま平成二年度の予算の先取り的とも見られる経費を計上したものであり、かつ緊急性もなく、財政法上補正予算の範囲を逸脱したものであることは明白でありますので、到底容認できるものではございません。 また、基金設置のための資金の多くは各種政府関係機関や法人への出資金として計上され、その財源は四条国債の増発で調達することになっておりますが、公債増発による財源調達は長期にわたって国民に負担を課するものであり、絶対に認めることはできません。 第三の反対理由は、政府の税収見積もりに厳格性がなく、見積もりに甘さがあるということであります。 当初予算での税収見積もりと実際の税収との隔たりは、六十二年度、六十三年度ともに五兆円を超えております。政府・自民党はさきの税制改革特別委員会において、消費税廃止に伴う二年間の暫定的な代替財源として税の増収分として一兆七千億を計上することに対して危険きわまりないと批判したにもかかわらず、この補正予算案においては三兆二千億に上る税収の増額修正がなされていることであります。これはまさに矛盾に満ちた論理と言わなければなりません。 予算審議の中で、政府の税収見積もりは経済構造の変化に対応した見積もりとなっていないなど、その問題点を指摘されながら実効ある見積もり手法の見直しを怠り、大幅な税収の見込み違いを繰り返す政府の責任は厳しく追及されなければなりません。 本補正予算案には、その他にも中小企業特別対策費など、中小企業の活性化を図る旨を掲げながら実質的には消費税擁護の経費が計上されていること、当初予算での予備費の過大計上が見直されず巨額に上る補正減額が行われていることなど、反対理由は枚挙にいとまがなく、我々は断固反対せざるを得ないのでございます。 次に、日本社会党・護憲共同提出の平成元年度補正予算の修正案に対して、賛成の討論を行います。 政府提出の補正予算案は、前述のとおり、財政法第二十九条の規定や会計年度独立の原則などからして、到底認められるものではありません。これに対して本修正案は、こうした観点から、歳出面においては本来補正予算計上になじまない新規施策である各種基金等の設置及び各種法人への出資のための経費を削るほか、平成二年度の施策とされている文化庁の用地購入費などを削除するものであります。また、こうした歳出削減の結果、歳入面においては出資金など投資的経費の削減に対応して同額の四条公債を増発するのを減縮し、経常的経費の削減については同額の特例公債の発行を削減しようとするものであります。 したがって、本修正案は財政法律主義の原則にのっとり安易な財政の放漫化を正すとともに、国民負担の増加を厳に抑制し健全財政に向けた努力が織り込まれていることを多としているので、我々は本修正案に賛成であることを表明して、私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(林田悠紀夫君) 次に、井上計君。
○井上計君 私は、民社党・スポーツ・国民連合を代表し、ただいま提案されています平成元年度補正予算三案並びに日本社会党提案の補正予算修正案に対して反対の討論を行います。 今回の補正予算審議をめぐって、衆議院予算委員会の理事会で決定したのにもかかわらず、衆議院において審議が停滞し大幅に成立がおくれたことは、極めて遺憾であります。国民から見ればまことにわかりにくい国会の運営によって国民生活に著しい支障を来したこと等、国民の政治不信を一層増幅させる結果となったものと言わざるを得ません。政府与党を初め各党が党利党略優先ではなく国家と国民の利益を第一とする責任を改めて痛感するとともに、今国会の審議の経過を踏まえ、与野党ともに反省すべきであると考えるものであります。特に、与党は二度と今回のような事態を起こすことのないよう努められることを、強く要請しておきます。 さて、補正予算三案に反対する第一の理由は、本案が補正予算としての枠を超えている点であります。 本案は約五兆九千億円という史上最高の規模となり、その内容も財政法上無原則と指摘されるような歳出のばらまきが行われております。 反対の第二の理由は、約三兆二千億円もの税の自然増収を歳入に充てている点であります。 近年、意図的とも思われる税収の過小見積もりがしばしば批判されております。昭和六十二年度は当初予算に比較して約五兆六千億円、六十三年度も約五兆七千億円の自然増収が計上されました。それにもかかわらず、財政当局は相も変わらぬ安易な税収見積もりを続け、それを基礎として補正予算が編成されていることはまことに遺憾であり、容認できません。 反対の第三の理由は、行財政改革が極めて不十分であります。 民社党はさきに行財政改革基本法を策定し、ポスト行革審の設置や行革白書の公表等を提唱して、行財政改革を間断なくかつ強力に推進することを求めております。本案には隠れ借金の一部返済などの財政再建施策が盛り込まていますが、赤字国債脱却以後の新たな財政再建目標が明確に定められていないことも遺憾であります。この際、百六十四兆円にも上る国債累積残高縮小計画、特殊法人の民営化の促進と株式の売却など、抜本的な財政再建計画を早急に策定し、その実現に向け努力すべきであります。 次に、日本社会党の修正案については、適切な修正と認めることはできません。 以上、私の反対討論といたします。
○委員長(林田悠紀夫君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、矢田部理君提出の両修正案を一括して採決いたします。 両修正案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(林田悠紀夫君) 少数と認めます。よって、矢田部理君提出の両修正案は否決されました。 それでは、平成元年度一般会計補正予算、平成元年度特別会計補正予算、平成元年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(林田悠紀夫君) 少数と認めます。よって、平成元年度補正予算三案は賛成少数により否決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(林田悠紀夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会