法務委員会 第3号
- 発言数
- 208 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1990/05/24
会議録
○委員長(黒柳明君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、山田耕三郎君及び千葉景子君が委員を辞任され、その補欠として高井和伸君及び清水澄子君が選任されました。 ─────────────
○委員長(黒柳明君) 検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○櫻井規順君 四月二十六日の法務大臣の所信表明に関連をいたしまして、その大きな柱でございます出入国管理法、出入国管理事務の関係で質問をいたしたく思います。 最初に法務大臣にお伺いをいたします。 新しい出入国管理法、六月一日施行を前にしまして法務大臣のまず所感をお伺いしたいわけですが、少々お答え願いたい論点を絞りますと、今国際化の時代を迎えて、いかに国際化に対応するかという出入国管理行政上の問題と、出入国管理法に違反する行為が非常に目立つという二つの側面があると思うのであります。国際化につきましては、国際的にも今日本の対応としてステートレスコーポレーション、世界企業とでも訳したらいいでしょうか、国籍なき巨大世界企業と意訳したらよろしいでしょうか、多国籍企業の時代からステートレスコーポレーションの時代に入っているわけでございます。 そういう中で地球的な規模での日本人の進出というものが非常に大きい、そしてまた外国人の日本への受け入れという問題も非常に大きな問題、特に地域社会という面で見てみても外国人との交流というものは非常に大きな問題になってきております。そういう側面にどうこたえるかということとあわせて、この出入国管理法に違反するという事象が大きくなってくる。その一面のとらえ方としては、資格外活動であるとか不法就労であるとかいう一つの特徴があります。しかし、いま一つの特徴は、出入国管理法違反に関連いたしまして、在日外国人の権利侵害という側面もあるわけであります。こういう問題に今直面いたしまして、法務大臣の新法施行を前にいたしまして所感を簡潔にまずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 櫻井先生の御質問にお答えいたします。 今先生お話しのとおりに、単純労務者と申し上げますか、いわば不法に入っている方が十万人を超えております。それが国内のいろいろ議論を呼んでいるところでございますが、何はともあれ不法にどんどんどんどん入ってこられては困るじゃないかという議論もありますし、また今委員からもお話がございましたように、これだけ国際化の時代だからある程度の者はこれは当然入れなければならない。日本が経済的にもこれだけ発展をして、産業的にもこれだけ伸びている時点でございますので、できる限り入れて、そして回ってみますと私も中小企業、零細企業いろいろ関係があるのでございますが、七件に一件くらい外国人労働者を使っているんじゃないかということをけさのテレビで言っておりましたね、たしかNHKだったと思います。 そういう中でいろいろ考えてみますと、今でも求人難倒産が去年の四月とことしの四月では、かなりことしの方が倒産がエスカレートしておりますね。そういう面から考えると、やはりもっとうまい方法をひとつ考えてもらいたいという意見もかなり国会の中でも出ておりますし、また一般の世論の中に出ていることは御案内のとおりであります。 ただ、法務省だけでできる仕事ではございませんので、労働省もありあるいは内閣もあり通産省もあるということでございますので、どうしたら一番適正な方法が見出されるかということで、関係各省ともいろいろ今合議をやっているところでございまして、この問題は極めて今御指摘のとおり深刻な問題でございますので、これからも真剣に対応策について検討をいたしたいというふうに考えております。
○櫻井規順君 少々かみ合わない部分もあるわけですが、法務大臣のお答えに関連をしまして、なお一、二法務大臣にお伺いしたいというふうに思います。 近隣諸国から日本にいろいろな形で、技術研修もあるでしょうし勉強したいという人もいるでしょうし、そして圧倒的には出稼ぎに来たいという人が多いと思います。昨年の出入国管理法の討論の中でもさんざん議論をしてきたところでありまして、日本に来たいという人たちの圧力が大変大きいということは存じております。片や今大臣がおっしゃいましたように、人手不足倒産という状況も生まれるということがあるわけであります。私は現在の入国規制は基本的に正しいというふうに思います。そして、国内で外国人を受け入れる上においてまだまだ未整備な点がたくさんあると存じます。ただ、余りにも規制が厳しくはないかという問題でございます。ですから技術研修というふうな面に限っても余りにも規制が厳しいと思うんですけれども、もう少し規制の緩和をいたしまして技術研修がかなう、今の精神に基づいてもっと緩和をしていいじゃないか。緩和が難しいとするならば、なお法改正も必要なのではないかと思うわけでありますが、法務大臣その辺のお考えがあればお聞かせ願いたいと存じます。
○政府委員(股野景親君) 委員ただいま御指摘の問題について、昨年改正入管法案を御審議賜りましたときにもいろいろ私どもに御教示を賜ったところでございまして、私どももその後の法案の施行に備えての準備の段階で、本委員会で御審議を賜ったことについて十分念頭に置いて準備をしてまいったつもりでございます。 現在、この各在留資格について、新しい入管法のもとでこれを運用していくに当たっての体制を整えているところでございますが、その内容について今般その上陸審査についての基準の省令というものを用意をいたしておるところでございます。 その内容について厳しい点があるのではないかという御指摘でございますが、基本的には今度の基準の問題については、これは改正入管法の精神、すなわち専門的な技術、技能、知識というものを有する人たちを受け入れる道を拡大する、こういう精神でつくっております。その際に基本的に要件として備えておきたいことについて今般の基準を設けたわけでございまして、私どもとしては今度の基準についてはいろいろな面からの配慮を加えた一つの政府部内の合意としてこれを実施させていただきたいと考えているところでございます。 ただ、今後これを実施いたします場合に、当然のことながら我々としてはその効果というものも十分見きわめる必要があると思いますので、この新しい入管法の施行の効果を見ながら、今後またその事態に応じて必要な見直しということも行うという考えを有しております。
○櫻井規順君 もう一つ実は法務大臣にお聞きをしたいことがあるわけですが、今の上陸許可にかかわる基準省令についてはまた後刻質問させていただきたいと存じますが、昨年のこの出入国管理法の改正のときの一つの大きな趣旨として、出入国管理行政の一層の透明性及び公平性の確保という柱がございました。そしてまた審査基準の明確化という柱がございました。この点について、今新しい基準省令あるいは新法を実施前にいたしまして法務大臣、その点についてはどんなふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(長谷川信君) 今回の入管法の改正では、出入国管理行政の一層の透明性及び公平性を確保するために上陸許可にかかわる基準省令を公布し基準の明確化を図ったところであるが、かかる考え方は今後とも維持する所存であります。
○櫻井規順君 基準省令に関係してお伺いをいたします。 資格の枠は広げたけれども、一つ一つの資格にかかわって入国する場合の基準が非常に厳しくなっているというふうに思うわけであります。例えば研修の項目で質問をさせていただきますが、実務研修を伴う研修の関係でございますが、いろいろな機関があると思うんですが、国、地方公共団体、法務大臣が告示をもって定めた機関、そういうところで実務研修を伴う研修ができる、こうなっているわけであります。非常に基準の中でも、海外にある合弁企業あるいは現地法人で、それぞれの国のしかるべき機関の承認を得たそういう合弁企業や現地法人はこの限りにあらずと、こうなっておるわけでありますが、私は、非常に国内の状況を見ていまして、建設業協会とはあえて固定しませんが、いろいろな家具工業組合、あるいは私静岡県なんですが、お茶の関係の協同組合、こういうところでかなり技術研修を中心とした現行法のもとでの実務研修を伴う例えば中国人の受け入れ、こういうことがかなり根強い要求としてあるわけでございますが、そういう協同組合を実務研修を伴う研修のできる機関として法務大臣が指定されるか、個々のケースでよろしいと思うんですが指定されるか、そういう見通しですね。可能なのかどうか、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 今委員のお話のように、研修生云々の御意見でございますが、私も非常に適切な御意見でありまた御主張だと思うのでございますが、いろいろまた規則その他に盛ってございますので、その点について局長からちょっと説明させます。
○政府委員(股野景親君) 私ども先生から厳しいという御指摘を受けて実は恐縮に存じておるわけでございますが、この内容につきましては、基本的には従来から行ってまいりました研修生にかかわる受け入れの基準というものを念頭に置いて作成をいたしたという経緯がございます。 その中で、実は研修についても研修を名目として実際就労を図るような動きというものに対する歯どめをかける必要があるということも従来からの懸案でございましたので、その点が今度の審査基準の上で明確化されているという事態がございます。 まず、そこで、研修の受け入れ機関につきましては、これはいろいろな機関が考えられるわけでございまして、先生御指摘の国または地方公共団体の機関あるいは法務大臣が告示をもって定める機関、これは当然そうでございますが、これに限りませんで、この一定の要件を満たしている機関、これは私企業であっても当然こういう要件を満たした機関について受け入れを行う。それは各いろいろな組合的なものについても当然含むということでございまして、この個々の中でこの要件を定めたものが場合によって必ずしも実態からいって要件どおりにいかない事態もございます。 例えばいま一つ懸案になっておりました農業研修の問題でございますが、例えば農業の面で申しますと、その受け入れた機関の中で研修員とそれからそこにいる職員の数の比率を一対二〇という比率で設けるというのはなかなか農業研修という実態から見ても困難がございますので、そういう点を考えまして法務大臣がそういう機関については告示を定めることによって、この研修に設けた要件を必ずしも十分にこのままでいかなくともできる道を開く、こういう綱領でございます。
○櫻井規順君 ちょっと繰り返しますが、常勤職員の二十分の一以内の受け入れと、こういう基準があるわけですが、受け入れ機関によっては必ずしもそれにはこだわっていないというふうに理解してよろしいわけですか。
○政府委員(股野景親君) 基本的にはやはり二十分の一ということが要件になります。この要件を、ただいま申しました例えば農業研修等の研修の性質によって必ずしもこれが現実的でないという場合には、これは法務大臣が告示をもって定めることによってそういうところもできる、こういう道でございます。
○櫻井規順君 はい、わかりました。 ちょっと飛躍するのですが、国際的に見て、OECD主要国との比較でいいですが、我が国の外国人の入国基準というものは厳しさにおいて特筆する国である、そういうふうに私は思うんですが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(股野景親君) 御指摘の点、私どもも各国との関係ということは念頭に置いて作業しておりますが、何分にもそれぞれの国によって外国人の受け入れのあり方というものは非常に違いがございまして、一概に比較を我が国の制度と行うことには困難があるかと思っておりますが、各国にはまたそれぞれの状況を踏まえて、やはり本来外国人を受け入れるについてそれぞれの外国人が入国する目的というものを定め、その目的に合致した人を受け入れるということについてはそれぞれの国がやはり規制を行っておる、そういう状況であります。 ただ、その基準が横並びでどうであるかということについては、これは各国それぞれの事情がございますので、必ずしも一概に比較ができない点がある、こう考えております。
○櫻井規順君 今日本に在留している外国人には、これは入国基準ですから適用されないと思うわけですが、あるいは新法もまた除外される面が多いと思うんですが、この省令の施行前にとにかくビザを受け取ってパスポートを所持して日本にいる外国人について、例えば在留期間延長に際して申請をした場合、この基準省令というのは適用されないというふうに理解してよろしいでしょうか。 それからいま一つ、これはさんざん議論してきたことですが、就労証明書等は今言った現在の在留外国人は所持を義務づけられないというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(股野景親君) まず最初の点、既に日本におる方について先生の御指摘のとおり新しい審査基準はこれは上陸にかかわる審査基準でございますので、そのまま適用されるということはございません。 それでは、改正法施行後在留期間が更新期に当たったということで在留期間の更新あるいは資格の変更の申請があった場合、これは今度の新しい審査基準というものの該当性ということをやはり念頭に置いて見るわけでございますが、同時に外国人の入国後の事情あるいはその方の在留の状況、こういったものを総合的に勘案して判断をさせていただくことになっております。 恐縮でございますが、第二問はどういうことでございましたか。
○櫻井規順君 繰り返しながらあれしますが、就労証明書を持つ必要はないか。したがって、現在パスポートを得てビザを持っている在日外国人については、それを雇用した経営者についても不法就労助長罪というものの適用はない、こう理解してよろしいですか。
○政府委員(股野景親君) まず、就労資格証明書については委員御指摘のとおり、これは持つことは義務ではございませんので、希望がある場合に交付するということになっております。 それから同時に、今度は不法就労助長罪の問題につきましては、これは委員御指摘のとおり、この新法施行後に入国する外国人についてこれを雇用しようとする人の問題として規定されておりますので、既にこの新法施行前に入国した外国人にかかわる雇用にはこれは適用はございません。
○櫻井規順君 在日外国人の在留期間延長の申請の関連についてお伺いするわけですが、昨年度、一九八九年度の在留期間延長申請件数と、その申請を承認した数、これを数字で今示すことができればお示し願いたいし、できなければ後刻文書でいただいてもよろしいわけですが。いかがでしょうか。
○政府委員(股野景親君) 私ども今持っております統計は、暦年で、平成元年の統計でございます。 この平成元年中の統計で、まず先生御指摘の在留期間の更新許可の申請数、これは四十三万八千百三十四件の申請でございます。これに対して許可を行いましたのが四十三万四千三百十八件、こうなっております。したがって不許可は二千百四十九件、こういう数になっております。 他方、今度は在留資格の変更許可の申請でございますが、平成元年中におきまして申請数は六万一千八百三十五件でございまして、これに対して許可を行ったものが五万六千五百二十九件。したがって不許可になったものは一千九百件、こうなっております。 ここで一つだけ注釈を加えさせていただきますと、この在留期間の更新許可につきましては、申請を行ったときに既に持っておった在留期間よりも、更新の際にその更新された期間が短くなった在留期間を付与されたものも含んでおります。それはどのぐらいになるかということは、実はその集計をとっておらないものでございますから、その数というものはここに計上できないので、その点は御了承願いたいと思います。
○櫻井規順君 今の許可の中で、六カ月なら六カ月という期間よりも短い期間、もっと言うならば帰国のための準備のために与えた、例えば一月というふうなものも許可の中に入っているんですか。そして今の、ちょっと計算機がないものですから、パーセントが出ていたら教えてくれませんか、申請と許可率。出てなければ結構です、大体見当はつきますから。
○政府委員(股野景親君) 在留期間の更新の際に、出国準備期間として限られた日数を与えられた場合も、ただいま申し上げました更新の許可の中には入っております。 他方、今のパーセンテージは大変恐縮でございますが、ちょっと持っておりませんので失礼いたします。
○櫻井規順君 最近の在日外国人の皆さんの在留期間が過ぎまして期間延長の申請に対する入管当局の対応で、申請された在日外国人の方から非常に苦情が殺到している。許可が少ないといいますか、許可が承認されないということで、特にこの三月、四月、この新入管法施行を前にして非常に動きが、何といいますか申請に対して承認されないという事例が非常に多くなったという苦情が関係者のところに殺到しているようでございますが、そういう傾向というのはあるんですか。
○政府委員(股野景親君) 委員御指摘の問題は、ことしの三、四月ごろに、特に就学生の問題について私どもが取り扱っている際に非常にその件数が多かったということに関連するものかと思われます。 先生御高承のとおりに、ちょうどことしの三、四月に在留期間の更新期に当たっている就学生の方たちは、大体それからさかのぼって二年ぐらい前の時期に日本に入国をされた就学生の方々に当たるわけでございますが、昭和六十三年で約三万五千人という数の多数の就学生が入国をいたしたという経緯がありまして、これがちょうどその三、四月に学期のかわり目ということもありまして短期間のうちにその申請が集中した、こういうケースがございまして、そういう中で数が全体として非常に多いものでございますから、それまで持っておった在留期間に比べて短い期間の更新を認めたケースというものもそれなりに数はあったものと承知をいたしております。
○櫻井規順君 毎日新聞の四月二十九日の記事ですが、そういうふうに昭和六十三年度にたくさんの中国就学生が日本に入国していることは資料で承知しているところですが、従来認めていた期間延長の申請が今回は認められなかったというケースで、「日本語学校を修了した就学生二十八人が四月初めに入学したが、このうちビザの在留期間が切れる十五人が、東京入国管理局に延長申請したところ、全員が「保留・審査中」の扱いになった。同校は三年前から就学生を受け入れているが、これまでほぼ自動的に延長が認められており、今回のような事態は初めてという。」という記事がございます。 そして、この手の情報が非常に多いわけですが、このことは先取りして理解して恐縮ですが、新入管法の入国基準、冒頭言ったような基準の適用に伴って出てきた問題というふうにひとり合点していたわけですが、そういう事実はないのかどうか。そしてこれはちょっと、昭和六十三年に入国された方が多いからことし多いというよりも、昨年度の在留期限延長の申請と承認数の比率から見ても、ことしの三月、四月というのは承認された人の数が大幅に少ない比率になっているのではないかと思うのですが、今の専門学校の事例も含めまして、いかがでしょうか。
○政府委員(股野景親君) まず、先生の御指摘の改正入管法のもとでの審査基準ということと、この三、四月における審査の状況との関連があるんではないか、こういう御指摘でございますが、私どもとしましては、この三、四月の時点はこれは現行入管法のもとで審査をいたしておりますので、直接的に今度の新しい改正入管法の基準に結びつけた形の状況というものではなかったと考えておるわけでございます。 他方、本来、在留期間更新等に当たりましては、その学生の就学の状況、特にどの程度実際に例えば語学にいたしますと語学の勉強の実績が上がっているのか、あるいはまた日本でこれまで就学をしていたことが実際にどれだけ生かされているのか、これを見るのはこれは現行の入管法のもとで従来からしてきたわけでございます。ちょうど学期のかわり目、学年のむしろかわり目と言っていいと思いますが、そういう時期でございますので、そういう学校でこれまで就学してきた状況というものをこの際一年ないし二年という期間について振り返って審査をするということ、これは本来この期間更新の申請に当たって当局としていたすことが適切だと考えておりまして、そういう観点から行ったという事態でございます。 また、不許可になった割合が多いのではないかという御指摘でございますが、これは私ども今ちょっと統計を持っておりませんので数字をもってお答えを申し上げることはできませんが、全体としての件数が多かったので、その中で申請した在留期間の更新の幅に比べて短い期間更新を認められたものがその中にも相当数、それは全体の数が多いということにつれてあったのではないかと考えております。
○櫻井規順君 この毎日新聞の記事の中に固有名詞は出ていないですが、東京弁護士会に御相談に行ったという件があるものですから、私の方から東京弁護士会の方に問い合わせしたところ、その方の資料がこんなふうになっていることがわかりました。 今のお話と大分違いまして、ことしの四月四日の東京入国管理局に在留期間延長の申請を出した中国人の方がいるわけでありますが、その方の承認がされないわけですが、しかし、この方は従来日本語学校における出席率、成績等学習状況には問題がない、二番目に新しく日本電子専門学校に入学したいということになっているわけですが、この専門学校にも問題がない、保証人にも問題がない、こういう方であります。この方は上海の交通大学電子工程料四年制の学校を出まして、日本語の勉強をし、日本で技術取得も含めまして、これは研修ではありません、留学になりますか就学になりますかちょっと未解明ですが、在留期間の延長を申し出たわけであります。これに対して現在は保留になっているというふうに伺っておりますが、承認されていない。 こういうケースを見たときになぜ素直に承認ができなかったのか。これはもう入国審査基準なり入国管理局の指導が厳しいがために、本来勉強させるべき人間、研修させるべき人に対して厳しさの余り本来行うべき許可を行っていない非常に特徴的な事例じゃないかと思う。たらいの水と一緒に赤子を流すと言ったらよろしいでしょうか、本来の入国管理局のいわば責任もこれは放棄したような事例ではないだろうか、この事例を調べるにつけ思うわけであります。こういうケースがかなり生まれているのではないかと心配するわけでありますが、このケースは御存じなのかどうか、またこういうケースがあるということは御承知なのかどうか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(股野景親君) ただいまの先生御指摘の特定の案件については私承知いたしておりません。大変恐縮でございますが、何分にもこの時期に大変な数の申請がございましたので、その意味で審査に携わる者も非常に苦しい時間繰りをしながら審査事務に当たっていたという事情があったものと思います。 ただいま先生の御指摘のその事案についての状況について、これは当局側がどういう観点で審査に臨んでいたのか、この点は私どもとしても調べてみる必要があると思いますが、基本的には先ほど申し上げました就学生についてこれまでの就学の状況、それからその本人が日本で就学をしたことが本国において生かせるかどうかといった観点等についての総合的判断、これは従来からしてまいったところでございますので、そういう点での判断を当局としては行っていたものと思いますが、なお個別な件については私どもとしてもまた調べさせていただきたいと思います。
○櫻井規順君 この方に関して言えば、私の知り得る限りでは帰国後の問題につきましてもこれ以上立派な人はないように思うわけですが、お調べ願いたいと存じます。 それから、そういう在留期間更新が不承認になる関係で、弁護士さんのところや関係の相談所へ非常に今相談が殺到しております。その中で関係者で一番大きな話題になっているのが、入国管理局長の三月二十九日の通達という問題が非常に問題視されております。この中身について冒頭私は、基準の明確化あるいは透明性、公平性という新法の大きな柱になっているわけでありますが、関係者の間でこの三月二十九日の通達というものを公表されたい、こういう希望が非常に強いわけですが、この際公表されたらいかがでしょうか。
○政府委員(股野景親君) ただいま先生御指摘の三月二十九日の通達というものは新しい基準を定めたものではございません。先ほど来申し上げておりますような事情から、ことしの三、四月期に非常に多数の就学生からの在留期間更新等の申請がなされるという事態を控えて、かつちょうど四月人事異動で我が方の入管の職員についても新しくこの事務に従事する者が出てくるという事態を踏まえて、従来からの審査基準というものについて効率的に事務を行うことができるように、最近の状況で特に留意をしておくことということをとりまとめた、そういうものでございまして、基準については従来どおりのものをここに示したわけでございます。 したがって、内容的には何か新しい基準をつくったというものではなくて、例えば今申し上げましたように、就学状況というものが実際にきちんと就学をしておったのか、あるいはその就学している内容が帰国後きちんと意味を持って生かせるのか、本来調べるべきこと、これをもう一遍きちんとまとめて示した、こういう内容でございまして、その意味で非常にいわば事務を行う上での留意点を示したということでございますので、大変行政の内部にわたることでございますし、恐縮でございますが、これはそういう意味で我々の内部通達ということで御了承を願いたいと存じておる次第でございます。
○櫻井規順君 後刻でいいですけれども、骨格でもまた教えていただければありがたいと思います。 時間がなくなってしまいまして、あと外務省と労働省にこの関係でお伺いします。 まず、外務省にお願いをいたします。 私、五月の連休のときに中国に行きまして、上海を中心に要人の皆さんともお話をしてまいりました。その中で非常に気づいたことを二つ外務省に質問したいと思います。 一つは、中国の大使館や領事館における中国人のビザ申請の動向というのはどうなのかということが一つでございます。話を聞きますと、パスポートはどういう手続で中国政府が出すか存じませんが、やはり日本に行きたいということからパスポートはかなりたくさん出ている。それを一年、二年、三年と持ちながらビザ申請を行っているという動きがあるわけですが、質問点はビザ申請の動き、そしてパスポートを交付されて、まあそれはどこの国にも行けるパスポートだと思いますからあれなんですが、日本に特定して行きたいということでパスポート申請なされて日本に入国できないという大変な事態があるようでありまして、この辺はひとつ外交折衝で、余りそこに大きな隔たりがないような両国の行政的な調整が必要ではないかと一つは思います。 それからいま一つは、簡単で結構ですが、またボートピープルが、私が新聞記事を見る限りではことしになって三隻ほど確認ができるわけであります。現地でのお話でも福建省を中心とした日本に行きたいという人の数はどえらい数のようでありますし、福建省の伝統的なあれからいっても、何かそういう動きはなかなか鳴りやまないということのようですが、外交折衝の中でこれまたこういうことのないように中国政府との話が大事だと思うんですが、ことしの傾向、そして外務省に対して外交折衝の中でこういうことの悲劇が起きないように折衝、外交努力を願いたいと思うわけですが、その辺いかがでしょうか。
○説明員(内藤昌平君) 先生御質問の最初の質問、中国の旅券の問題について、時間の関係上簡単に御説明申し上げますと、確かに御指摘のとおり、特に上海市において旅券を多く発給されていて、かつ日本に行きたいと、しかし日本での入国の査証がなかなか取れないというケースがありまして、我々もかねてから懸念していた事態でございます。これは、中国側はどうやら日本語学校の入学許可証を提示されるとそれでは旅券を出すというケースが原因だったようでございます。我々のビザ、査証の観点からいきますと、これだけでは不十分ですので、改めて査証の審査ということになるわけです。 そこで、その後我々は、上海市の当局の方に、やはり旅券の発給について日本の入国の条件を満たしている人たちに限った方が、少なくとも日本については旅券が多く査証が少ないという事態、ギャップが少なくなるんではないかという事情を説明しましたところ、中国上海市当局の方も理解を示しまして、今後はできるだけ現状に合った審査を行って、旅券の発給は慎重に行うという回答を得ております。
○説明員(角崎利夫君) 御質問の後半部分についてお答え申し上げます。 昨年来問題になっておりますベトナム難民を偽装して不法入国いたします中国からのボートピープルにつきましては、昨年より中国政府に対し、これらボートピープルの流出抑止、沿岸警備及び取り締まりの強化を強く申し入れてきております次第でございまして、先方中国政府も流出抑止につきましては努力を行う旨約束いたしております。今後も同様の努力を重ねる所存でございます。 また、これら偽装難民の本国送還につきましては、昨年十二月二十一日に三百一名、本年の三月二十二日にさらに四百九十一名を送還いたしまして、このたびさらに四百二十七名の第三次送還を明二十五日に実施する予定でございます。 御質問の今後の流入予測でございますが、これは大変予測することは難しいのでございますが、以上申しましたように既に送還された者がおりまして、こういった者を通じまして、偽装難民として我が国に渡航いたしましても不法入国者として厳しく取り扱われ就労できない、本国送還の対象となるのみであるということが中国の中で、特に福建省の方におきましてだんだん知られていると思われます。また、中国側でも沿岸の流出警備等、流出抑止策を強化しておりますので、昨年のような事態にはならないように期待しておる次第でございます。
○櫻井規順君 労働省に質問をいたします。たくさんあるわけですが、絞りますので答弁もどうぞ簡潔にお願いしたいと存じます。 法務委員会の席上でお願いするのも恐縮かと思いますが、外国人労働が地方自治体でも大変問題でありまして、県単事業で使用者に対して懇談会等の行政指導が行われております。県単事業で行われておるわけですが、これは労働省の補助事業といいますか、財政的な補助を含めた措置を講ずるべきではないかと思いますが、その辺いかがかということが一つ。 いま一つは、地方自治体が持っております外国人の動向についての資料は全部入国管理局からの統計でございまして、ただいま現在の実態というものがつかまれていないわけであります。そういう意味で労働省サイドで結構なんですが、外国人労働の実態といいますか研修、調査をする時期に来ているのではないかと思いますが、その辺の検討をされているのかどうなのかお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(吉免光顕君) お答え申し上げます。 確かに外国人労働者問題、非常にいろんな形で、あるいはいろんな範囲での影響がございますので、私どもの方も全国的な業務展開といいますか、そういうものが必要だというふうに考えております。 そういう意味合いから、昨年の七月に全国の都道府県知事に対しまして、事業主指導でありますとか、不法就労対策について通達をいたしましたし、説明会等をお願いしているところでございます。都道府県によりましてはそういった考え方の中から懇談会を開催している等を承知しておりますし、これから先につきましても極力広く意見、要望等をつかめるように努めていきたいというふうに考えております。そういったものにかかる経費につきましても必ずしも十分というわけにはまいりませんけれども、そういった方向で検討をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、外国人労働者の実態についてでございますけれども、全国の公共職業安定所あるいは労働基準監督署の監督指導、そういった中から実態を把握するようにということで指示をしておりますし、努力をしているところでございますけれども、なおこれからもいろいろな工夫をしながらそういった把握に努めていきたいというふうに考えております。
○櫻井規順君 少々質問事項が変わりますが、予算関連で法務省に質問いたします。時間がないものですから質問も簡潔化をいたしますので、御答弁もどうぞ簡潔で結構でございます。 少年院の関係の定員並びに施設の関係でちょっと触れたいと思います。 静岡県に首都圏全体を対象にした静岡少年院というのがございます。私、静岡少年院だけを取り上げるつもりはございません。この少年院にこの委員会を前に視察をさせていただきまして感じたことを定員と施設面で触れてみたいと存じます。非常に法務教官あるいは職員の皆さん頑張っております。予想外に明るい雰囲気で皆さん仕事に打ち込んでいる姿を見まして非常に勉強になりましたし、高く評価をしたいというふうに思います。 特に定員の問題ですが、法務教官、職員とも定員はとにかく完全に満たしておりましてやっておりました。ただ、お医者さんが一人本来常勤でおるべきところが非常勤ということになっております。これもやはり常勤でできるだけ早く補充すべきではないかと思いますが、静岡に限定した話ではなくて全国的にもそういう点の補充を願いたいと思います。 ただ、この前裁判所関係の討論をしたときと違いまして、少年院の法務教官、職員は定数いっぱいで、試験も大変な応募者があって精選されるというお話を聞いて立派なものだと思ったわけであります。しかし、今度は定員そのものが少ないものですから、大変な状況を伺いました。特に、四週六休等についてはうまく何とか回転させておりますが、年休の消化率たるや五日とか六日というふうなことでありまして、大変ハードな労働をしているという状況。それから先生たちのお話聞きますと、もう少し定員が——ここは五十人ちょっとの定員ですが、あと十人少し、十五、六人とおっしゃっていましたが、おれば非常にアンバランスの多い、学力の差のある子供たちの教育、あるいはみんながぜひやりたいと思っている、子供を院にいる間に自宅に二日でも三日でも帰して教官と一緒に過ごして矯正に当たりたい、そういうことがどうしてもできないと。 これはもう定員不足で年休もとれない状況の中でやっているわけですが、定員の検討大いにあるという点が一つでございます。 それから、もう一つは施設面ですけれども、大変やはり老朽化が全国的には進んでいるようでございます。ここも更新して相当日がたっていますが、まだまだ改築にはほど遠い。しかし、例えばプールを見ましても防火用水のプールで縦二十五メートル、横二メートルというふうなプールとか、運動場も非常に狭隘な運動場になっています。畳なんかも非常に老朽化しているということでございます。まだ改築にほど遠いところでございますが、そういう施設面での改善というのは静岡に限ったことではございませんが、かなり予算が足りないのではないかと感ずるわけでありますが、その辺のことについてどうお考えか。これは大幅にふやしていく必要があるのではないかと痛感した次第でございますが、関係当局の御答弁をお聞かせ願いたいと存じます。
○政府委員(今岡一容君) 手短にお答えさせていただきたいと思います。 まず、少年院の職員の定員関係についてでございますけれども、確かに少年院で十分な矯正教育を行うためにはそれ相当の職員数が必要でございます。他方、現在非常に厳しい定員事情下にもございますので、私どもといたしましては、一方では例えばOA機器の活用を図るなどして業務のできるだけ合理化とか省力化にも努めながら必要な少年院における指導ができる要員の確保に努めているところでございまして、近年相応数の純増も得ているというような状況にあります。今後とも私どもとしましては今申し上げましたような方向で、一方においては業務の合理化等も図りながら必要な要員の確保に努力してまいりたいというふうに思っております。 なお、御指摘の医官の欠員の点でございますけれども、矯正施設における医官の確保につきましては、私ども大体施設が所在しておりますところの大学病院等々に御協力をいただきまして医師の派遣等をお願いしているところでございますが、静岡の場合は何せ医科大学は浜松医科大学ということでございまして、距離的な関係等もあって常勤の医官に来ていただくということが困難な実情にあるわけでございます。しかし、そういう状況のもとでいろいろ工夫をしながら少年院の院生の健康管理等には支障のないようにいろいろ工夫をいたしておるところでございますし、医官の確保につきましては今後とも努力をいたすつもりでおります。 それから施設の点でございますが、矯正は大変数多い施設を全国に抱えておりまして、現在計画的に各施設の整備に努めているところでございます。刑務所等もたくさんあるわけでございますが、少年院につきましても静岡少年院よりももっと古い昭和の初めころに建てたというような老朽施設もございますので、これらの点、総合的な観点から計画的に鋭意整備を進めているところでございますし、今後ともそのような方向で整備に努めてまいりたいというふうに思っております。
○櫻井規順君 私の質問を終わります。
○北村哲男君 私は、論点が変わりますが、日航ジャンボ機の墜落事件のことについてお伺いしたいと思います。 昭和六十年の八月十二日に、日航ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落し、五百二十名が死亡し四名が重傷を負ったという事件がございました。それから四年三カ月もかかった平成元年、去年ですが、十一月二十二日に刑事捜査は終結しました。前橋地検は、業務上過失致死傷容疑で調べていた日航関係者、運輸省関係者、そしてアメリカのボーイング社の関係者三十人の全員の不起訴処分をしたことは記憶に新しいところであります。しかも、事故原因は検察当局が早い段階からボーイング社の圧力隔壁の極めて初歩的な修理ミスと断定しているにもかかわらず、さらにその修理スタッフが四十四人であるということまで特定されているにもかかわらず、これが不起訴になっているわけです。その検察当局の全員の不起訴処分に対して、遺族の七百八十五人の人たちは直ちに前橋の検察審査会に審査請求を行い、この審査会はことしになって四月二十四日ですが、議決を公表しました。 その主要な内容なんですけれども、被疑者三十人のうちボーイング社の修理関係者二名と日航の領収検査関係者二名の不起訴処分は不当であるという議決であります。 この議決について、不起訴処分を行われた検察当局としてどう受けとめておられるか、まずその点をお伺いしたいと存じます。
○政府委員(根來泰周君) ただいま御指摘のありましたいわゆる日航機墜落事件につきましては、東京地検あるいは前橋地検で事件を受理しまして捜査をいたしました結果、不起訴という結果になったわけでございます。それに対しまして前橋の検察審査会が慎重に審査された結果、ただいま御指摘のように、四名の者につきまして不起訴不当という議決をされたのでございます。 不起訴不当の理由は個々にわたっておりますけれども、いずれにせよそういう御意見については検察庁は真摯に受けとめまして、この四名につきまして事件を再起の上、現在捜査中であると理解しております。
○北村哲男君 五月十七日の新聞によりますと、これは朝日なんですが、前橋地検は検察審査会の議決に基づいて再捜査を始めたという報道がございました。しかし、再捜査を始めたものの、地検はこれまでの捜査に誤りがなかったとの姿勢は崩しておらず、全員不起訴の結論はそのまま維持されそうだという論評も載っております。 そこでお尋ねしたいのは、前橋地検は本当にこのような態度で、よくない言い方をすれば捜査のやり直しをしても結論は同じだよというような態度で再捜査に臨んでいるのでありましょうか。 初めからそれでは、検察審査会が短期間のうちに苦労して捜査の不十分な点を指摘したことに対して誠意を持って対応しているように思えないと思いますけれども、この点の御見解と今後の再捜査の予定について、内容、スケジュールを明らかにしていただきたいと存じます。
○政府委員(根來泰周君) ただいま御指摘の記事のあったことは十分承知しておるわけでございますが、これは一つの観測ということで御理解いただければありがたいと思います。 どの事件でもそうでございますが、特にこの日航機事件もそうでございますけれども、検察官としては全力を尽くしてそして結論を出したという一つの自負がございますから、決してその自負が誤りであったということはその時点ではないと思いますが、検察審査会で慎重に検討されましていろいろ意見を出されているわけでございますから、検察官としては白紙に戻しまして、白紙の状態からもう一度事件を見直す、事件について再捜査をするという態度でございまして、先ほど申しましたように、四名につきまして事件を再起するという手続をとりまして、現在関係者の取り調べあるいは現状の認識等についてのいろいろ努力をしているところでございます。 ただ、申し上げられることは、将来どういうスケジュールであるかということについてはなかなか予測できないことでございます。また、内容についてここでいろいろ申し上げることもはばかられるところでございますが、いずれにせよ一般的に申しますと、検察審査会で指摘された事項について捜査をもう一度白紙の状態からやり直すということであろうかと思います。 なお、時期の点でございますけれども、時期的には非常に制約がございます。だから制約の中で全力を尽くすものと考えております。
○北村哲男君 若干議決の内容に入らせていただくんですけれども、議決内容によりますと、修理を担当した氏名不詳のボーイング社のAOGチームの作業担当者、AOGというのはボーイング社からの修理チームのことを指すようですが、このボーイング社のAOGチームの作業担当者の不起訴が不当と言っておるんです。その過失責任は明らかであり、最も刑事責任を問われるべき者であるというふうに議決内容は断定しております。そして、前橋地検はこの作業担当者を不起訴にした理由をかつて氏名を特定することができなかったからであるというふうに言っておるわけです。 これに対して議決書は、ボーイング社から来たチームは四十四人のチームであって、その技術担当者のうち今までの捜査によって過失がないと思われる何人かの技術担当者があるはずである。これらの人に対して不起訴の確約を与えてでも嘱託証人尋問を行うことによって、作業担当者の特定と具体的過失の認定は十分に可能であるというふうに言っておるわけです。 ボーイング社の多くの作業担当者らは、自分が刑事責任を追及されるおそれがあるときは証言を拒否できるという、アメリカにおける自己負罪拒否特権という日本にはないアメリカ憲法による権利がありまして、それを行使して証言を拒んでいると言っておりますけれども、嫌疑がほとんどないと思われる参考人の尋問によって、ほとんどわかりかけているターゲットに迫ることは十分に可能と思われるんですけれども、検察当局としてこの検察審査会が出した議決を尊重して、改めて嘱託証人尋問を行う考えはあるのかないのかということについてお伺いしたいと存じます。
○政府委員(根來泰周君) これは不起訴のときの検事正談話でございましたように、嘱託尋問を十分考えていろいろ部内でも検討いたしました。その結果、嘱託尋問をやるのは不適当であろうという結論で嘱託尋問を実施しなかったわけでございます。 といいますのは、先ほど御指摘のありました作業チームの四十四名は、いずれにせよ大なり小なりこの事件の過失に関与している疑いがあるわけでございまして、警察からの送致の人間もそういう見解で送致をしてきておるわけでございますから、そういう疑いのある者について嘱託尋問を実施して、その前提としていわゆる刑事免責を与えるということはやはり不適当であろうという判断で嘱託尋問をしなかったわけであります。 また、その前提といたしましてこの四十四人、一部所在不明の者もおったようでございますけれども、この者について照会状を出しまして回答を求めたところ、要するに本人らは証言を拒絶するという態度に出ておったわけでございまして、嘱託尋問をしても尋問結果ははかばかしくないということもございますし、また刑事免責を与えるということも不適当であるということで嘱託尋問をしなかったわけでございます。 しかしながら、今回検察審査会からの意見によりますと、数名の者について嘱託尋問をすべきではないかということを指摘されておりますから、先ほども申し上げましたようにその結果はどうであるかはまだわかりませんけれども、いずれにせよその点も含めて再検討をしておるものと理解しております。
○北村哲男君 ぜひその辺は実現していただきたいと存じます。何か検察官もアメリカに少し遠慮をしておられるんじゃないかという感じもします。やはりこの点はもう五年も前の事件になるんですけれども、今なお多くの遺族の人たちが苦しんでおりますので、ぜひその辺についてはもう一回慎重にお考えを願いたいと存じます。 次に、審査会の議決は、氏名不詳のボーイング社AOGチームの品質管理担当者である検査員という人についても不起訴は不当で刑事責任を問われるべきであると言っております。 さきに述べた最も刑事責任を問われるべき作業担当者が氏名を特定できないために不起訴にしたというのが当初の不起訴理由でありますけれども、この検査員については不起訴理由の中でも、まず第一に関係証拠によれば被疑者は十分に特定できたはずだというふうに議決内容は言っておりますし、二番目にボーイング社は過去に圧力隔壁の下半部交換作業を実施した経験がなく、かつ、使用済みの部材の再使用をしたというふうな点から、検査員の注意義務として作業員が不適切な作業をする可能性があるとの予見をすることは十分できたはずだというふうな言い方で、当然刑事責任というものはその辺から追及できたんではないかというふうに言っておるわけです。 そこで質問ですけれども、検察当局は既に証拠上この検査員の氏名はわかっておられるかどうか、その点についてお伺いすることができればお願いいたしたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) この検察審査会の議決書によりますと、この人物について名前を特定して指摘しておるようでございます。 検察庁もそのことは十分わかっておりますというか、そういう指摘については十分承知しておるわけでございますし、また捜査中も若干特定する資料もあったようでございますけれども、この点については先ほど申しましたようにさらに捜査の対象となっておりますので、現在検察庁がどういう心証を持っているかということについて申し上げることは御遠慮したい、こういうふうに思っております。
○北村哲男君 今のお言葉で大体私どもも推測せざるを得ないと思いますが、さらにこの点についてはもう目の前に迫っておるような感じがしておりますので解決が望まれると思います。 次に、日航の関係者についてでありますけれども、日航の領収検査の責任について検察官は既に不起訴のときに公表された不起訴処分の理由骨子の中で、日航がその社内規定に従って領収検査員を指名せず、そして領収検査実施要領を設定せず、さらに指定立ち会い検査項目の設定をしなかったことを認めておられるところであります。ところが、今回の議決によると、この結果実際に実施された領収検査は、議決内容を読みますと、 関係証拠によると、巡回検査をするに当たっては、ボーイング社の作業エリアに近寄りすぎて作業員の邪魔をするな、との係長からの指示もあり、ボーイング社の作業員の邪魔をしない配慮からシップサイドとはいえ外周を少し離れた所から見る程度で、シップ内に入る等して作業方法等を確認するといった検査は行っておらず、一日に三回程度ボーイング社の修理エリアを巡回する程度であり、およそ検査とはいえない単なる見回りのようなものであった。また、被疑者渡利、同岩崎においては、検査員に対して、領収検査の具体的な指示を出さなければならない主管の統括者として、無責任ともいうべき認識状態であった。 というふうに議決内容は言っております。 こういうふうな事実は捜査当局の認定された事実認識と同様と伺ってよろしゅうございましょうか。
○政府委員(根來泰周君) ただいま御指摘のありました中で、無責任という点の評価を除きまして、そういう事実関係については検察庁も同じような認識であったと思います。
○北村哲男君 このようなずさんとも言える検査体制がとられるに至った理由として議決書はさらに、「組織で処理するという名目の下に、」とか、日航の「各部門のセクショナリズムや確執など、人命を預かる組織として、あってはならない動脈硬化ともいうべきものがあったのではないか」との指摘を行っております。これらは具体的にどのような事実経過を指しているのか。すなわち、日航の体質としてこのようなやり方で会社運営がなされているということはもう既に検察庁もつかんでおられたと思いますけれども、具体的にほどのような事実経過を指しているのか御説明を願いたいと存じます。
○政府委員(根來泰周君) ただいまの検察審査会の指摘でございますけれども、検察審査会の議決書の中にございますように、各人の供述調書を読まれて、それからうかがわれるということで一つの評価をされているわけでございまして、具体的にそれではどういう事実があるからそういう評価をされたということについて、ちょっと議決書を読んだだけでは理解しにくいところだと思います。 しかし、検察審査会の御指摘は、要するに日本航空の関係者の注意義務あるいは注意義務懈怠を論ずる上でそういう問題点があったという指摘をされているものと理解しておりますけれども、それは私どもの立場から申しますと、直接申し上げるべき立場のものでもなく、また申し上げる事項でもございませんので、その評価については何とも申し上げかねるところでございます。いずれにせよ、議決書ではそういう供述調書を読んだ限りではそういう感じがするということをおっしゃっているものと理解しております。
○北村哲男君 確かに起訴事実と直接関係はないと思うんですけれども、しかし航空機の安全に責任を持つエアライン、航空会社としてもしこのようなことがあればゆゆしい問題であると思います。 捜査当局の立場も確かにございますでしょうが、このような事実経過があって、しかも事件が不起訴ということになって公判や裁判なんかでいろんな事実経過、直接犯罪に結びつかないながらも裁判がもしされるならばいろんな事実経過が明らかになって、そしてそれが公に公表され、それをもとにまた改善されるというふうな意味では刑事裁判というのもまた特別の意味があると思うんです。もしこの不起訴処分がこのまま維持されるならば今のような日本の航空会社が持っている、日航が持っている非常によくない体質というものが改善されないように思うんですけれども、新しい時代に即した柔軟な発想でもう一度本当に白紙から、何度もお願いしておりますし、検察当局もお話しになっておるんですけれども、不起訴処分ということを見直すというおつもりはあるのかないのか。そしてその点について検察当局並びに法務大臣にも御意見をいただきたいと思います。
○政府委員(根來泰周君) 御意見はごもっともの話でございます。この事件は要するに五百二十人という方が亡くなられた大きな事件でございますし、その原因は隔壁の整備の不十分という過失がはっきりしているわけでございます。この事件の当初から私は、これはなかなか難しい事件であり、また仮に不起訴になった場合もなかなかその理由は御納得いただきがたいなという印象を持っていたわけでございます。 御承知のように、検察官は刑事責任を明らかにするという立場でございまして、幾ら切歯扼腕いたしましても証拠の問題がございまして、それが一つの隔壁になるわけであります。そういうことで、この事件について検事正が先頭に立って部下を督励いたしまして心血を注いで捜査をしたわけでございますけれども、残念ながら起訴ということに至らなかったわけであります。 確かに起訴をしてその原因を究明するということも一つのことであろうかと思いますけれども、今までの刑事裁判の伝統的な考え方というのは個人の刑事責任を明らかにするという立場でございますので、その立場をもってする限りは現在この原決定の時点における不起訴というのはやむを得なかった話ではなかったかと思います。 繰り返しになりますけれども、検察審査会は新たな立場からいろいろ御指摘がございましたから、その立場、あるいは御指摘を受けまして白紙の立場からもう一度事件を見直しているというところでございますので、そういうことで御理解を賜れば非常にありがたいと思います。
○北村哲男君 法務大臣にも御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 北村委員のお話でございますが、御案内のとおり、法務大臣が個々の事件についていろいろ意見を申し上げることは立場上差し控えさせていただきたいと思います。検察庁で適正な公平な厳正な判断を下してくれるものと確信をいたしております。 以上でございます。
○北村哲男君 私は、きょうは質問をさらに国選弁護料の問題について聞こうと思いまして、裁判所の方々にもせっかく来ていただいておるんですが、私の持ち時間がなくなりましたので、この次にまた譲らせていただきたいと思います。 これをもって質問を終わります。
○清水澄子君 新入管法の問題で質問させていただきます。 先ほど同僚の櫻井委員も触れておりましたけれども、この六月一日から施行されます改正入管法を前にして、非常に今入管局に強制送還を自己申告する外国人労働者が殺到しているという記事がいろいろ出ておりますし、それからけさの朝日新聞にも、中小零細企業の七割が在留資格に違反した不法就労というそういう外国人労働者を承知の上で人手不足のために雇用せざるを得ない、こういう実態も出ておるわけですけれども、企業主の方も、今度の入管法の改正に伴って一番最先端の東京入管とかいろんな入管の事務所にどうすればいいんだというそういう大変質問が来ているということを私どもは聞いております。 こういうふうな状況が引き起こされた背景の一つには、やはり法務省のこの問題の徹底の仕方、いわゆるPRの仕方とかマスコミ対策に問題があったのではないか、このように受けとめているわけです。その点についてどうお考えになるかが一つ。 そしてもう一つは、現在法務省かつかんでおられる新入管法公布後の自己出頭者の人数が昨年と対比してどういうふうにふえているか、それを国別に報告していただきたいと思います。
○政府委員(股野景親君) 改正入管法の施行を前にいたしまして、その内容を広く関係方面にお知らせするということについては入管局としてもいろいろ努力をしてまいりまして、当局自身の広報活動に加えまして、関係の団体等にまたお願いをいたしましてその内容の説明の機会をいろいろな形で全国的に設けてまいったところでございます。何分にも改正の内容が大幅にわたるということもございまして、その全般について必ずしもこれまでの時間で十分に周知徹底を図るということには限界があったという点もあったかと存じておりますので、この点はただいま委員の御指摘の点も十分念頭に置きながら、今後全力を挙げて改正入管法の内容がしっかり関係方面の方々に理解されるよう努力を重ねてまいりたいと存じております。 それから、不法就労を行っている方たちが入国管理局にみずから出頭して、そして国外への退去手続をとることを求めるという事態がことしの四月以降数の上でかなりの伸びがあるということは事実でございます。この点は私どもとしては、かねて不法就労ということが我が国として決して放置できないことであるということをこれまでも国内でいろいろ説明をしてきたところでございますが、そういう問題について法務省当局自身の広報活動に加えて、マスコミあるいは関係の機関におけるいろいろな情報伝達の機会等を通じて不法就労ということが望ましくないんだということについての御理解はある程度また関係方面に浸透しつつあるのではないかと思っております。 今の出頭申告の具体的な実数でございますが、この点は現在集計中でございますので、今ここでお示しをするだけの資料をまだ集計をいたしておりませんので、この点はまた後日改めて御報告をさせていただきたいと思います。
○清水澄子君 新聞報道だけを見ましても、東京入管には四月に入ってから一日平均四、五百人が出国の手続に来ている。これは三月までの十倍以上であると言われていますし、成田支局でもこれは前年同月に比べて七倍。このような状況であればそれは私は大変なパニック状況だというふうに見れると思うわけです。その中で今のお答えは非常に私は不十分だと思うんです。 それで、広報活動に努力をしてこられたとおっしゃるんですけれども、それは私たちが手にしてきたものを見ましても、「新しい入管法について」というのが三月に出されて、これは二万部印刷されているわけですが、これしかなかったですね。そして、これが地方自治体に四千部、関係省庁に一千部、そして地方入管局に五千部、そしてその他一万というんですが、これでは国民に広く周知徹底を図るということが前回のこの法案を採決するときのお約束であったと思うんですけれども、ほとんどの人たちにこれが手に入っていない。ですから、これだけ大幅な改正にかかわる問題の正確な情報が届かないということが非常に私は大きな問題の一つであったと思うわけです。 そして同時に、非常に問題は、例えば三月十九日に出ました英字新聞のデイリーヨミウリなどは、十万人以上の不法就労者が刑務所に入れられる見込みであるという記事を発表しておりますし、同じくその新聞の四月十三日には、六月一日以降は労働者も雇用者もブローカーもすべて三年以下の懲役と二百万円以下の罰金を受けるのだ、そういう誤った記事が報道されておりました。そして、その他六大紙の記事にもやはりそれらとよく似たような記事が当時発表されていたわけですけれども、それらについて法務省はなぜこれは誤りであるということを訂正なさらなかったのか。そういう意味で法務省が本当に広報活動の趣旨からもここで非常に誤った報道がなされているならば、まずそれは訂正をする措置をとられるべきではなかったか。 それからもう一つは、外国人労働者にとれば情報源は英字の新聞しかないと思うんです。ですから、入管法というのは日本人よりもどちらかといえば今度は特にこういうパニックを起こしている外国人労働者にわかるようにアピールすることが必要だと思うんですけれども、その場合に日本語しかこれはつくられてないと聞いていたんですが、それらについてどのような対策をとられましたかお伺いいたします。
○政府委員(股野景親君) 委員御指摘のこの広報の重要性について私どももこれをいろいろな形で行うことに努力してまいったわけでございますが、確かに御指摘の今のお手元でお示しになりました入管局自身の作成したこのパンフレットについては二万五百部程度の印刷を行って関係方面にお配りしたということは事実でございます。同時にしかし、入管局といたしまして入管局自身の実際の行うことにも限度もございますので、法務省入管局の所管しております法人である入管協会の広報誌、それからまたその入管協会が実施する各種の講演会、説明会等に積極的に入管局が協力をいたしまして、この関係の機関への広報ということが入管局自身の刊行物以外の形でもできるだけ広く伝わるように努力をしてまいったわけでございます。 なお、それでもいろいろな点でまだ不十分な点があったという点の御指摘は、私どもも謙虚に受けとめさせていただきますが、何分入管局自体にもいろいろすることについての日数と、それから限られた人員とをもって行わなきゃならないという過程においていろいろな困難もあったという点もひとつ御理解願いたいと思います。 それから英文の方でございますが、これは私ども確かに先生の御指摘のとおり、英文をもってこれが知られるということも大事であると思いますので、私どもは英文の日本で出版されている新聞、日刊紙等において入管局としてこの問題についての正しい認識を得るように広報を行ってきたという点がございます。また各記事について我々も気づいた点は一々は指摘をいたしております。 ただいま先生の御指摘の点、罰則の内容なんでございますが、これは確かにうわさとして間違ったようなことが伝わっているということもあったと聞いておりますが、他方、本来不法就労は現行の入管法のもとでも罰則の対象となるという点はこれもまた事実でございますので、その点について私どもはあわせて改正入管法との関連でも実は英文の広報機関にそういう点も指摘をしたという状況もございます。英文の改正の内容についてよく理解できる資料、これは先生の御指摘のとおり重要であると思いますので、今作成に鋭意取り組んでいるところでございますが、できる限り早くパンフレットとしての形を整えるように努力をしておるところでございます。
○清水澄子君 このようにマスコミ報道を通して取り締まりや処罰の問題だけがひとり歩きするようになった大きな原因に、法務省が発行されたこの新入管法の解説、私たちはこれをグリーンパンフと呼ばせてもらっておりますけれども、この法律そのものに問題があったのではないか、このように思うわけです。 それは、昨年の入管法の改正のときに一番論議になりましたのは、やはり雇用主の罰則の規定のところであったと思うわけです。そのときにそれぞれ各委員が確認をしておったことだと思うんですけれども、この法律は六月一日の法律施行後雇用主を処罰する問題だということが附則十一項というところで法律にわざわざそこを書いているわけですね。そのことは衆議院でも公明党の中村委員も非常に何回も確認をしていらっしゃるわけですね。「この法律が施行をされた後に改めて入国をした者についてのみ適用がある」のですねと。それに対して米澤政府委員は、そのとおりでございますとおっしゃっているのに、なぜ法律の改正に当たって解説の中でその部分だけこの中にないのでしょうか。なぜその部分が一行も書かれていないのでしょうか。
○政府委員(股野景親君) この点は、改正入管法の不法就労助長罪の対象となる場合についての規定をただいま先生御指摘のように、改正入管法の附則の第十一項で示してあるのはそのとおりでございます。また、その点の御説明も委員会で申し上げ、また我々としてもできる限りの機会を通じてこの点の理解をいただくように御説明をしてきたところでございます。 ただいまの先生の御指摘の点について、これは私どももできる限りのことをするというつもりでまいっておりましたのでございますが、内容的に実は先生も御高承のとおり、この入管法は二本の柱がございまして、私どもの非常に重視する柱というのは一つには在留資格を大幅に整備拡充する、そしてそれによって専門的な技術、技能、知識を有する人の受け入れの道が拡大される、この点の御理解もぜひいただきたいということから、その点についての解説を非常に多くのページを割いてお手元の資料でも行ったという事実がございます。その罰則の点についてなお行き届かない点の御指摘もいただきましたので、この点を今後も十分踏まえての解説をさせていただくようにいたしたいと思います。しかし、我々としてはもう一方の罰則の点についても十分理解をいただくように、これまで努力してまいりましたのですが、御指摘の点も踏まえてさらに改善の措置をとってまいりたいと思います。
○清水澄子君 やはり罰則の部分で最も皆さんに周知徹底しなければならない部分が欠落していたということはお認めになったわけですね。 そうなりますと、これは法律上の規定ですから、それが欠けたパンフレットを法務省として各省に周知徹底されたというときには、これはどういう責任が伴うわけでしょうか。そして、それはだれが書かれたものなのか、それを聞きたいのと、だれの責任になるのですか、これは。それから、法律上の規定の説明が欠落していたわけですから、このパンフはそのままにされておくのは問題なのじゃないでしょうか。やはりはっきりそこは修正されて、そしてきちんとそれこそ審査基準の明確化を図るというのが今までずっと目的の中にあったわけですから、ぜひ不明確なところは取り除いていただいて修正されて、明確にしたものを再度発行されるべきだと思います。 その場合に当然さきの臨時国会のときの附帯決議にちゃんとその部分は非常に念入りに衆議院の方もそれから参議院の方もその精神が入っているわけですけれども、その面も実はそこはそういう考え方なのだということもつけて出していただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(股野景親君) この解説が適正な形で行われるためにいろいろただいま御指摘をいただきました。先生の御指摘のことも十分踏まえて、今後の広報活動についてさらに改善すべき点を改善してまいりたいと思っております。
○清水澄子君 十分踏まえてでなくて、やはり修正をして発行するということにはなりませんか。
○政府委員(股野景親君) 私どもこれは準備の都合もいろいろございますので技術的な点も検討いたさなければなりませんが、先生の御指摘の点も十分踏まえてどうしたら一番効果的にできるかを考えさせていただきたいと思います。
○清水澄子君 そして要望ですけれども、法務省自身が不法残留者数の推移などという統計を出していらっしゃる。アジアからの外国人労働者、どの国の人たちがどういう比率で入っているかという統計でもおわかりのように、ほとんど英語圏というのは少ないわけです。ですから、ぜひ英語はもちろんなのですが、そういう広報活動の中で中国語、韓国語、タイ、そしてバングラデシュはベンガル語ですね、そしてパキスタンはウルドゥー語、それからフィリピンの場合でもタガログ語が必要になる。そういう意味でも本当にそういう人たちに情報を徹底しようとするならば、そういうところをぜひ配慮を願いたいと要望したいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(股野景親君) 確かに先生のおっしゃるとおりに、アジアからの入国者が非常に日本では多く在留しているという状況でございますので、この点でアジアの方々についての言葉の点に配慮した広報ということの意味を我々も十分認識をいたしております。何分技術的な困難ということもいろいろございまして、今先生の御指摘のいろいろ多様な言語について、早期にこれを逐一網羅するということはなかなか困難もあろうかと思いますが、どういうことからまずできるか、早速にもその可能性の問題をよくまた研究をいたしまして、まず英語を今整備をすることに努力をいたしておりますが、その後、ほかの在留外国人の方の中で特に使用されている頻度が高い言語についてあわせて検討をさせていただきます。
○清水澄子君 そして、この新入管法は省令によって基準を定めるという項が非常に多いために、私たちにもよくわからないところが多かったわけです。ですから、当然法律を施行するに当たっては、その施行基準というものを早くやはり発表すべきであったと思うんですけれども、きょう初めて、何か急に法務委員会が開かれるのに間に合わせたような感じなんですが、きょう配られましたね。これじゃ、あと六月一日から法律が施行されるというのに、随分周知徹底を図ると何回もおっしゃっていたこととこれはどういうことになるのでしょうか、この点について何が問題であったのかということをお聞かせください。
○政府委員(股野景親君) 私どもとしてもこの内容の細則について早くこれを固めて、そして広報の形で国民一般の方々あるいは在留外国人の方々にこれが御理解いただけるようにするということを心がけてまいりましたのでございますが、一つ私どももその仕事の上で大きな負担を感じておりましたのは、何分にも今回の改正が極めて大幅な改正でありましたために、それに伴う作業も非常に多くの時間を要したということ、さらに特に今般の、ただいま先生の御指摘の上陸許可にかかわる基準の省令でございますが、これがきょうの官報でたまたま公布されることになりましたのでございますが、これの準備に当たりましては御高承のとおり、各関係省庁との協議を行った上で省令を定めることになっておりますので、この関係省庁多岐にわたりまして、また新しい事態のために関係省庁側からもいろいろな御意見がございました。その協議等取りまとめに多くの時間を要したということがあったわけでございます。そういう意味で、前回、昭和五十六年の入管法の改定の内容が比較的小規模でありましたときに比べまして、今回の改定につきまして、この省令等の内容を公布することについて時間を要したという点は、私どもも先生の御指摘もありますとおり、こういうことになった点をひとつ今後配慮していかなければならぬと思っております。 そこで、この入管法、単にこういう省令の公布に時間を要したということにとどまりませず、新しい内容でございますので、今後の新入管法の施行に移るに際しての経過期間とも言うべき一定の時間帯がございまして、特に現行法のもとで在留資格を既に持っておられる方たちがその有効な在留期間というものを新法施行後もまだ持っておられる、こういう事態が当然これからも起こってまいりますので、そういうことについて関係の方々がこのことによって不利益をこうむるというようなことのないように十分経過的な措置についてよく配慮をしてまいるということで臨みたいと考えておるところでございます。
○清水澄子君 私は、余りにも事務的なお答えだと思うんです。というのは、本当に自分が外国に行っていて、今度入管法が大幅に改正されるというのに、入管局の職員に聞いてもまだ細則が決まっていないからわかりませんと。一週間後に法律が新しく変わるというときに、それは外国に滞在する人たちをどれほど不安に陥れられるかというのは、これはもうだれが考えてもわかることですし、そしてそれは労働者だけじゃなくて留学生、就学生、本当にみんなもういろんなところに問い合わせをやっているわけです。どういうふうに自分の場合は変わるか。だけれども、だれも説明ができなかったという状況が起きているわけです。 それらについて関係機関にはちゃんと徹底していましたなどと言っておられるところが、私はやっぱり非常に外国人の人権というんですか、そういう人たちの生活とか人権に対して余りにも配慮する気持ちが欠けているというふうに思うわけです。ですから、その点を随分入管法の改正審議のときに、そういうことがないようにということは、もうみんな繰り返し質問をしたと思うわけですね。 それで、私はそういうふうにおっしゃるんでしたら、先ほどから非常に大幅な改正でそのために作業に時間がかかった、これはわかるようでわからないんです。と申しますのは、当初からこれだけ大幅な改正ならば、どれだけの施行の準備の期間が必要かというのを組まれるのは、それは事務当局の方の責任じゃないんでしょうか。やってみたら非常に大幅に仕事がありました、だからしようがないんです、これからは徹底しますというのでは、これは私は非常に責任逃れだと思いますけれども、今までのお答えを聞いていましても、これはそれでは今まで国会で必ず六カ月間の間にちゃんと国民に広く御批判を仰ぐためにも周知徹底しますとおっしゃってこられた、その答弁とは約束が違うわけですね。その点はここではっきりなぜその目算を誤ったか、誤った事実をやはりお認めになりますか。その点についてお伺いいたします。
○政府委員(股野景親君) 私どもとしても、この問題について国内関係方面でできるだけ法案作成の段階からいろいろな内容をお知らせするということに心がけてまいったわけでございますけれども、確かに先生御指摘のとおり、我々のこれまで思っていた時間的な枠組みという中で我々の努力も重ねてまいったわけでございますが、なお不十分な点もあったと存じております。 そういう意味で、現在、我々入管局だけでなかなかこの問題は対応もできませんので、まず関係省庁いろいろございます、関係省庁の御協力も得ながら関係省庁の関係団体を通じて、この入管法の内容がよく御理解いただけるように、また、各地方局を通じて、地方の方々にも内容がさらによくお伝えできるように、いろいろ今努力をいたしているところでございますので、我々としても御指摘の点を謙虚に受けとめまして、できる限り今の時点そしてまた今後について努力をいたしてまいりたいと考えております。
○清水澄子君 各省庁間の協議で非常に手間取ったということなんですが、協議の中でどの部分が一番問題になったんでしょうか。
○政府委員(股野景親君) どの点がと具体的に申し上げることにはなかなか困難がございますが、ただいま外国人労働者の問題につきまして国内で非常に大きな関心が寄せられておるときだけに、例えば上陸許可にかかわる審査基準、これは国民生活に非常に影響が大きいということから関係省庁と協議をするということにした内容でございますので、それだけに関係省庁も、単に今の時点だけではなくて中長期的に見て、こういう外国人の受け入れのあり方をこの機会にそれぞれのお立場から御検討になるということがありましたために、関係省庁側もそれぞれ大変慎重な検討を行われたという事態があったということを申し上げさせていただきたいと思います。
○清水澄子君 それではその次に、ようやく省令の基準が出されたんですけれども、これは全部まだ見れないですから次に質問を回したいんですが、ただ、この中でも非常に何か幾つか全然根拠のわからないことがあります。 例えば一つの例だけ言いますけれども、報酬のところですね。家事使用人は十五万円以上、芸能、興業関係は二十万円以上、人文知識・国際業務の人は二十五万円以上という報酬の金額は、何がこれは根拠になるんでしょうか。そして、この三業種以外は日本人と同等であるとなるんですけれども、どういうところが同等になるのか、同等といってもとても難しい。省令そのものが非常に抽象的で、入管改正法の審査基準をガラス張りにするんだとおっしゃったところがらっともガラス張りになっていない。だから、次々と、ようやく省令の基準が出たと思って見ると、またそこが非常にどの部分が根拠になるか、基準というのがとても不明確であるというところが、これは関係している。やっぱり仕事している人たちもそれを非常に心配しています。ですから、結局入管の窓口の裁量権になってしまうという非常にこれは大変な私は問題を含んでいると思うんです。あとのことはまた次の機会に回しますけれども、この一つの例でもこれは何が根拠になるんでしょうか。
○政府委員(股野景親君) この点も、ただいま御説明申し上げましたその関係各省庁との協議の中でいろいろ議論をいたしたところでございます。 ごらんいただきまして、省令の基準の方と、それから別途家事使用人につきましては大臣告示の方との書き分けがございますが、先生御指摘のとおり、ある項目については「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬」という書き方をし、ある場合には「月額二十五万円」という書き方をしておる部分があるのは事実でございます。 その考え方は、まず同じ外国人の方が日本で就労されます場合でもその内容に応じて、いわば日本人の同じ職種に従事しようとする方と競合するという性質がある分野と、それから本来外国人の特性ということが生かされて就労をされるという分野、こういう両方の分野がございます。 そこで、そういう点を分けて考えたわけでございまして、まず私どもといたしまして、日本の通常の報酬ということが基準にあるべきで、外国人の方が就労される場合にいわゆる低賃金雇用というようなことがあってはならぬというのが基本にあったわけでございます。したがって、日本の方と競合をするかしないか、競合する場合があり得るかどうか、こういう観点での分け方になっておりますので、特に外国人の特性ということが重視される場合の就職のカテゴリーにつきましては、これはそういう意味での競合という要素がこの場合なくなってまいりますので、そこでいわば日本の今の経済の実態から基本的にこの程度のことは確保してほしいという意味で二十五万というのを、こういうカテゴリーについては明示したわけでございます。他方、日本人もこういう職につき得る、こういった場合にはこれは日本人と同等額以上の報酬という書き方にした、そういう書き分け方でございます。
○清水澄子君 それでは時間もありませんので、最後に出入国管理基本計画について質問をしたいと思います。 これは、私なんか特に法律が読めないのかもしれないのですけれども、非常にわかりにくいんです。第六十一条の九に「出入国管理基本計画」とあって、それは「法務大臣は、出入国の公正な管理を図るため、外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となるべき計画を定めるものとする。」とあるんですよ。その施策はあるんですか、もうできているんですか、基本となるもの。
○政府委員(股野景親君) 施策の基本となるべき計画というものが今御指摘の出入国管理基本計画でございまして、この計画そのものはこれはこれから作業をしていくことになります。 そこで、その施策というのが何かという点でございますが、これは現在の日本の新入管法の基礎になっておる規則の根本は、これは故正入管法の御審議を賜りましたときにも政府側から御説明申し上げましたように、現在日本がいろいろな面で国際化が進展しているという状況を踏まえて、専門的な技術、技能、知識というものを生かして日本で就労しようとする人たちの受け入れの道を拡大していくというそういうことが基本的な観点にあったわけでございます。 他方、それではその基本的な考え方を個々の分野でどういうふうに反映していくかということになりますと、これはただいま出入国管理基本計画として法律の中にも書かせていただきました分野の中の問題になってまいります。これにつきましては国民生活あるいは日本の産業、経済、社会といったものに対する影響も非常に大きい分野になってまいりますので、そういう点でここの六十一条の九に書いてございますような各事項を取り上げながら、その計画を今後定めていくということでございまして、この点についてはいわば今回法的な面での省令基準という形でつくりましたものを、別途今度は行政の指針という形でこれからまた関係各省との間での協議を経ながら策定をしてまいるということでございます。
○清水澄子君 よくわからないんですが、時間がないので先に行きます。 その六十一条の九の4に、この基本計画は「遅滞なく、その概要を公表するものとする。」とあるんですが、いつなさるんですか「遅滞なく」というのは。去年の法律で決めてから何年ぐらいたつと出てくるものなんでしょうか。
○政府委員(股野景親君) これは基本計画を定めましたら遅滞なく概要を公表するということでございまして、定めるのはこれからでございます。ではいつ定めるのかという点になりますと、まず私どももこの改正入管法の円滑な発足ということを図りたいと思っておりまして、その段階を越えまして管理基本計画にこれから取り組んでまいる。しかし、これは私どもとしてもこの改正入管法の施行がありましてから出入国管理基本計画というのが次の大きな取り組むべき課題であるというふうに考えております。したがって、でき上がりましてからは、それこそ遅滞なく公表をさせていただくようにいたします。
○清水澄子君 全然お答えになってない。そんな無責任なのでいいんでしょうか。では書いてだけおけばいいんで、そしてでき上がる時期がいつかということも、非常にそれは無理なのではないかと思うときには六カ月以内に施行規則はちゃんと周知徹底すると前の段階ではおっしゃっていて、それはできていないものについてやはり目算を誤ったんじゃないかと先ほど申し上げたんですが、これからつくるんでしたら今度は一年後だとか、やっぱりある程度の目標がおありだろう、目標のないそういう作業をやっていらっしゃるんですか、入管局は。
○政府委員(股野景親君) 実は、これは従来になかった新しい取り組みでございますので、確かに先生も御懸念を表明されたわけでございますが、新しい分野になります。 そこで、私どもといたしましてはこれに取り組むための法務省内部の体制というものもひとつ整える必要があろうかと思っておりまして、その関連で、現在国会で御審議を願っております平成二年の予算案の中でこの出入国管理基本計画を作成するための入管局内の体制の整備ということもお諮りをいたしておるわけでございます。この予算案についての御審議を経て新しい体制を発足させていただきましたときには、まずその体制の中でこの出入国管理基本計画に早速にも取り組む、こういう心組みでございます。
○清水澄子君 何かすべて逆さまのような気がするんです。 今度、上陸許可基準を決めている第七条の「入国審査官の審査」というここの二項では、先ほどからおっしゃっています「我が国の産業及び国民生活に与える影響その他の事情を勘案して法務省令で定める基準に適合すること。」というので別表一の二とか一の四が決められているわけですね。そうすると、その勘案する基礎になる基本計画というのはこれから後につくるわけですね。普通でしたら、上陸許可基準を定めるときにはまず出入国管理基本計画というのがあって、そしてその考え方に基づいて諸般の事情を勘案し、その上で施行規則がつくられるというのが——私たちの方が間違っているでしょうか、物の道理の考え方、これは逆になっていくものでしょうか、物の決め方というのは。ちょっとその辺お答えください。
○政府委員(股野景親君) 行政の分野でもいろいろあると思いますが、私ども各行政分野ごとに計画が事前に発表されて、その計画の指針に基づいて行政を運用していくということが確かに行われておると承知しておりますが、それぞれの行政分野に応じて計画というものの持つ意味はまたおのずと異なるものがあると思います。この出入国管理行政ということはいるんな意味で国際情勢、国内情勢の変化を非常に大きく受けるところでございますので、私どもといたしましても従来の、ここ特に十年ぐらいの出入国管理行政をめぐる内外の情勢の変化が激しいということに着目して、これからのあり方を考えていく上での基本的なラインというものを考えよう、こういう発想法でこの出入国管理基本計画をつくったわけでございますので、私どもとしては従来の基本的な考え方はこれは今度の故正入管法においてお示しをいたしておりますので、その基本的な考え方をいわば肉づけするものとしての計画ということであろうと思います。 したがって、例えば予算のようにはっきりと数量的に表示できるものでございますと計画というものもおのずと書きやすいわけでございますが、出入国管理行政につきましてはそういう意味で実際の情勢の取り扱いということについて数字以上のものもいろいろ考えなければならないという点にかんがみて、我々としてこういうことを今後の指針として打ち出したいということから考えた発想法でございます。したがって、そういうことでこれにこれから取り組ませていただくという発想法をひとつ御理解願いたいと思います。
○清水澄子君 最後に、大臣に一つ。 今まで私の質問に対してこういう御答弁があったのですけれども、まずやはり入管局から発行された広報物ですね、それの中に先ほど申し上げたように法律上にあるものがこの解説に欠けている、そういう不備なパンフが発行されたことについて、そしてそれの後の処置をどうなさいますかということと、それから施行基準がこれほどおくれているというこの問題によって生じている混乱、これらについても今後どのように処置なさいますかということについてぜひお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 今先生と局長のいろいろ応答を拝聴いたしておったわけでございますが、歴史的に見ましてもこんなに何万人も日本で働きたいという現象は戦前戦後を通じてかつて例がないくらいだと思いますね。だから、確かにおっしゃるようにパンフレットの問題あるいはその他いろいろの問題等々で御指摘の点は十分にわかります。わかりますので、いろいろ御注意を踏まえてこれからまた補正すべきは補正し、直すべきは直す、また是正すべきはすると思います。 ただ、今の状況は、この間も私、入管局を三時間ばかり視察したのですよ。そうしたら、座っている場所もない、立っている場所もないくらい、もう本当にどうにもならない、まさにパニック状態でございまして、そういう中で入管局、本当に一生懸命努力しているのでございますので、それらの点も若干ひとつ御理解をいただきまして、また御注意もいただき御意見もいただきたい。衆議院、参議院の予算委員会、ずっと今までやっておったのでありますが、この入管の問題、外国人労働者の問題が全体の御質問の中の恐らく三割近くあったんじゃないでしょうかね。きょうだってほとんどそうでしょう。 だから今、日本が世界の日本だとかアジアの日本だとかいろいろ言われておりますが、海外的にもこれでいささかも信用に傷つくことがないように、また国内的にもそれぞれスムーズにいくようにということを私どもねらいとしてやっているのでございますが、何しろやはりいろいろ国内においても考え方の差のある人もありますし、意見の違う人もございますが、その中で今懸命な努力をしておるのが実情でございます。なお今後ともひとつよろしく御指導をお願いいたします。 以上でございます。
○清水澄子君 もう時間が来ましたので、質問一つありまして警察庁の方にお願いしていたんですが、きょうはこれで終わりたいと思います。
○委員長(黒柳明君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後二時再開することとし、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ─────・───── 午後二時一分開会
○委員長(黒柳明君) ただいまから法務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題とし、法務行政の基本方針に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○橋本敦君 今、日韓問題が重大な政治的な課題になっておるわけですが、盧泰愚大統領がきょう訪日をされまして、改めて戦前の我が国の朝鮮に対する侵略という問題がどのように政府によって厳しく反省されるかが重大な注目の的になってまいりました。これについて先ごろ海部首相は、過去の歴史の経緯を反省して、三十六年間にわたり日本が犯した過ちについて率直にわびたいということを国会でも答弁をされておられます。 なるほど、考えてみますとこの問題については深い歴史があるわけでありまして、一八七六年には軍隊の威力を背景にして修好条約を強要し、それに始まりて明治三十八年、一九〇五年にはこれまた軍隊による威迫のもとで朝鮮を保護区にし、ついに明治四十三年、一九一〇年にいわゆる併合条約で完全に日本の植民地化をする態勢をつくったわけであります。そうした中で日本名の姓を名のらされ、日本語を使うことを強要され、あるいは不足労働力を補うために日本に連行され、そしてまた広島で、長崎で原爆の被害に遭うなど、私どもとしては本当にこうした日本のこれまでの朝鮮に対する侵略という問題についてはまさに厳しい反省が日本自身のためにも必要であるということは言うまでもないわけであります。 この問題については今お話ししたように海部首相の国会答弁もあり、また外務大臣の反省的答弁もありますが、この問題については重要な責任ある地位におられる法務大臣としても、あすは日韓関係の会議で法務大臣の会議も開かれる予定だと承っておりますが、こうした我が国の過去の朝鮮に対する行為について、法務大臣自身としても政府の一員として重大な責任をお感じになっていらっしゃると思うのですが、まず大臣のこの点についてのお考えを伺いたいと思うのであります。
○国務大臣(長谷川信君) ただいま十二時ごろ大統領お着きになりまして、今閣僚全員挙げて歓迎の会に出席をしてきたわけであります。 今御指摘のとおり、総理も恐らく今明日中に今御指摘のような点について御意思の発表があると思いますし、天皇陛下ももちろんそういうことでのお話があると思います。私も内閣の一員である以上総理と全く同じ考え方でございまして、これから日韓両国の友好親善のために、私どもの職責の上にかかわる問題等々も含めて日韓の友好を深めるあるいは親善を深める、その線でこれからも努力していく考えであります。 以上でございます。
○橋本敦君 重ねてお伺いするわけでありますが、大事な点がちょっと聞こえにくかったということもございまして、今後も日韓友好を促進するということはわかりましたが、その前提として我が国政府としては過去の朝鮮に対する侵略については厳しくみずから反省をし、また謝罪の意を表するということについては法務大臣もそのとおりのお考えだと承ってよろしいわけですか。
○国務大臣(長谷川信君) 結構です。
○橋本敦君 わかりました。 そういう立場に立って私ども過去の朝鮮侵略に反対をした歴史的には唯一の党という立場からも、この問題には厳しい政府の対処を求めるものでありますけれども、具体的にそういう前提に立っていわゆる三世問題も解決をしていくという方向をやっぱりとるべきだと思うんですね。 そこで、三世問題ということについて協議が行われることになるわけですが、あす予定されております日韓法務大臣の会議では、この三世問題についてどのような議題が予想され、かつそれに対して法務省としてはどのように対応されるのか、あらましで結構ですが、今答弁いただける範囲で説明していただけますか。
○国務大臣(長谷川信君) あす韓国の李法相と法務関係についていろいろ打ち合わせをいたしますが、基本的には日本の外務省と向こうの外交部との間でいろいろございまして、合意を得た点についてはその後全く変わっておりません。ただ、ペンディングになって、お互いにもう少し研究しようじゃないか、あるいはもっといい知恵がないものかというようなものが二つ三つございますので、それらの点について明日韓国側からも話がありますし、日本側からも私の方から御提案あるいは説明をいたしたいと思います。 そのうちの一つの問題の中に三世問題並びに一世、二世の取り扱いあるいは歴史的経緯を踏まえてこれからどういうふうな展開をやるか。率直に申し上げれば、朝鮮の問題があり台湾の問題があります。あるいはその他もあるかもわからない。そういう面でペンディングになっている点がありますので、でき得べくんば親善を旨としての会談でございますので何とか取りまとめをいたしたい。韓国側にもかなり御協力いただけるものと私は期待をいたしておりますし、また推測もいたしております。 以上でございます。
○橋本敦君 趣旨はわかりました。あしたの会談に処する政治的態度としても冒頭述べられた立場で対処されるということだということもわかりました。 そこで、具体的に残されている問題としてはいわゆる指紋押捺の問題、それからもう一つとしては登録証明書の常時携帯、これをやめてもらいたいという問題がございますね。この問題については、三世に対しては指紋の押捺制度は適用しない、それから常時携帯についてはこれはしかるべく検討するという方向だと承っておりますが、間違いありませんか。
○政府委員(股野景親君) ただいまの委員の御指摘の指紋押捺の問題と外国人登録証の問題でございますが、先般の日韓外相定期協議の場において、三世以下の在日韓国人の方々についての一つの対処方針について両国間で決着を見たという経緯がございまして、ただいまるる御指摘のとおり、「指紋押捺については、三世以下の子孫の立場に配慮し、これを行わないこととする。このために指紋押捺に代わる適切な手段を早期に講ずる。」という了解があり、また「外国人登録証の携帯制度については、三世以下の子孫の立場に配慮した適切な解決策を見出す。」、こういうことで対処方針としてまとまり、この解決の方向で今後我が国として検討を進めていくことになります。
○橋本敦君 そういった問題はさらに一世、二世の皆さん、具体的に言えば、今私が指摘した日本の朝鮮侵略の中で大変犠牲を受けられたそういう皆さん。その一世、二世の皆さんに対しても同様にそれを適用してもらいたいという意向が韓国側から示されておるし、また示される可能性も今後とも十分あるわけですね。この問題は、韓国の皆さんだけでなく、朝鮮籍の皆さんにもやっぱり共通する課題であるし、そして同時に他の外国人の皆さんにも関係をするというそういう広い要素を持っていることは私も理解いたしますが、しかしそういう広い要素を持っている問題ではあるけれども、前向きに検討していくということがやっぱり大事な課題ではないか。 この法務委員会でも、登録証明書の常時携帯は問題がある、あるいは指紋押捺制度にかわる制度を一般的にも具体的にも工夫すべきでないかといろんな議論がなされました。この機会に、前向きにこうした問題について一世、二世に対しても検討していくという姿勢をはっきりさせることが必要ではないかというふうに思うんですが、大臣いかがですか。
○国務大臣(長谷川信君) あすの会議でございますので、今の委員御指摘の点について明日中にどうこうということは、これはいろいろあると思います。ただ、これから将来において検討するということは、今までの会議の中でも申し合わせてありますので、時間を切るわけにいきませんが、十分検討をいたしたいというふうに思っております。
○橋本敦君 わかりました。 それから大臣、話は変わりますけれども、我が国が本当に平和を愛し、民主的な国家として進むということの一つの具体的なあかしとしても、過去の戦争問題については朝鮮、アジア諸国民に迷惑をかけた問題、それを厳しく反省しなきゃならぬということは言っておるわけですが、そういうこととの関係で、私は極めて憂慮すべき事件だと思うんですが、テレビ、新聞で報道されておりますように、広島の原爆慰霊碑に対しまして二十三日午前零時過ぎですか、放火するという事件が起こった。このことを一体どう見るかということです。 私は、それ自体やっぱり今私が指摘した日本自身の過去の過ちに対する反省がなさ過ぎるという一つの面と、それから本当にこれから国際社会で平和と民主主義の課題で前進していこうというときにそういうことをするということは、まさにそれに水を浴びせる非道な行為でありますし、まさに盧泰愚大統領が来日されている時期も時期であるだけに、私はこういうことは日本国民の一人としても許せない、そういう行為だというふうに感ずるんですね。大臣、あのニュースをごらんになって、どうお感じになりましたか。
○国務大臣(長谷川信君) 新聞は読んでおりませんが、テレビでちょっと見たわけでありますが、甚だ遺憾なことであるというふうに思っております。
○橋本敦君 これは刑事局長に念のためにお聞きしておきたいんですが、現地の警察では器物損壊罪ということで捜査をしているという報道もあるんですが、これは単なる器物損壊というよりも、むしろああいう原爆被災の犠牲者を追悼するという礼拝所のようなところに対する放火事件ですから、単なる器物損壊ではとどまらずに、刑法の百八十八条一項に言う礼拝所に対する不敬の行為ということに該当する、あるいは放火罪として処断し得るかどうか。刑法的には適用としてどういう問題がありますでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) 従来から申し上げておりますように、捜査中の事件についてはあれこれ申し上げないのが原則でございますが、物事が単純といいますか、背景は複雑かもわかりませんけれども事実は単純でございますので少し申し上げますと、礼拝所不敬罪というのは、要するに、宗教的感情あるいは習俗的感情が保護法益になっている、こういうことでございますから、問題の原爆の碑がそういう対象になっているかということがポイントになると思います。 従来、六十一年の九月にやはり広島で、原爆犠牲広島の碑の前の折りヅルに火をつけた事件がありましたが、これは器物損壊ということで略式で処理されているわけでございます。また一方、長崎でやはり米軍人が平和祈念像の前で花束をささげたわけでございますが、これを土足で踏みつけた事件がございますが、これはお説のように礼拝所不敬罪あるいは暴力行為ということで告発がありまして、これは現在捜査中でございます。 だから、可能性といたしまして、器物損壊なり礼拝所不敬ということはあり得ると思います。ただ、法定刑からいいますと、器物損壊の方が重いというそういう感じでございます。
○橋本敦君 いずれにしても、こういう不法な行為に対しては厳しい立場で対処をしていくということでやっていくべきだと思いますが、その点はお考えはいかがですか。
○政府委員(根來泰周君) 当然この背後関係あるいは動機等を参酌いたしまして、そういう単純な事件でなくていろいろ複雑な背景があり悪質なものであれば、厳正に対処するものと思っております。
○橋本敦君 じゃ、この問題の質問はそこで終わります。 次に、質問のテーマを変えまして、勾留問題について最高裁にもお伺いしたいと思います。資料の配付をお願いします。 〔資料配付〕
○橋本敦君 私がこれから質問をする課題は、いわゆる勾留延長ということに際して、裁判所の判断が検察官の請求によってなされるわけでありますが、最初に逮捕しそれから十日間の勾留が行われ、それからその勾留延長をどの時点で行うかということに対する問題であります。 お手元に配付しました資料は、大阪の六十三年以降の主たる事件について、勾留満期の十日目に請求したんじゃなくて、十日目以前に勾留延長が請求された主要な事件の目録でございまして、六十一件ございます。これについてはあらかじめ最高裁の方にも事実間違いないかどうかお調べいただいておりまして、きょう御指摘がありましたのは、四十九番目、六日目に請求をした分ですが、それの一番右端が空欄になっておりますが、これは一月の十日に起訴されているという御報告でございましたので、一月の十日に起訴されたことがわかりました。大体こういうような状況であるというこの関係の事実については間違いございませんか。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) このとおりでございます。
○橋本敦君 それで、このころに勾留延長を勾留満期の十日目に請求された事件もたくさんございまして、その数は私どもが調べた点で言いますと大体五十一件ございます。五十一件ございましたが、それはここには問題ありませんので書きませんでした。今の表で総計しますと、九日目に請求されたのが三十四件、それから八日目に請求されたのが二十五件、七日目に請求されたのが二件、六日目に請求されたのが一件、こうなっております。 それでまず、最高裁に実情としてお聞きしたいんですが、今私が指摘したように、勾留満期の十日目に勾留延長の請求がなされたのが五十一件もございまして、大体通常は十日目に勾留延長の請求がある、あるいは一日前の九日目にある、これが通常の姿ではないかと思いますが、いかがですか実情は。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) ただいま委員御指摘のとおりだと思います。大体九日目、十日目、要するに満了日が多いようでございます。
○橋本敦君 そうなっておりますのは、勾留の延長はやむを得ない場合になされるということは当然のことでありますし、被疑者の人権、これもやっぱり十分考慮をして、そして十日間で基本的に捜査が結了すればよし、あと勾留延長が必要な事情がどこにあるかぎりぎりのところで判断するということで、十日目もしくは一日前の九日目ということで検察官からの請求があり、裁判所の判断がなされる、これは当然だと思いますね。ですから、学説なんかでも勾留延長請求の日時は満期日に接着した時期が妥当であるというのは、伊藤前検事総長の著書でもそうなっておりますし、これは各本を見てもそうなっております。 きょう私が問題にしますのは、一般的に十日目あるいは九日目であるにもかかわらず、最近裁判所が土曜日を閉庁にするということになってからこの原則が非常に崩れ始めている。そして、土曜日が閉庁だから勾留満期が土曜日であればその前に、日曜日が勾留満期の十日目であったらその前の日の土曜日にやればいいんだけど、土曜日が閉庁だからその前に持っていって八日目に早々と勾留延長請求をする、こういう傾向になっていることはこれはまさに問題ではないかということが一つの私の指摘したい問題なんです。 そこで、仮にこの二枚目の平成二年のところで具体的に調べてみますと、一番上の八日目というのはこれは一月十九日に請求されたんですが、満期日の二十一日は日曜日で、そして九日目の二十日は土曜日でございますから閉庁日ですね。だからそういうわけで八日目の十九日になされておる。それから次の五十一番の八日目、五十二番それから五十三番の七日目というのを調べてみますと、十日目が月曜日に当たりますが、これが日曜日の振りかえ休日、ですから九日目が日曜日、その前が土曜日となりまして三連休続くという関係で、その土曜閉庁の前の日に早々と請求するということで七日目に請求がなされておる、こういう関係になりますね。それから五十六番、五十七番それから六十一番、全部今私が指摘したように満期日が日曜、その前日が土曜日で閉庁、その場合はその前にやるということで八日目かあるいは七日目になされる、こういう実情になっている。こういうことは裁判所おわかりですか。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) 先ほど委員の御質問に満了日が多い、また九日目もかなり多いというふうにお答えいたしましたが、八日目というのも従前からかなりございまして、大体私どもの把握しているところでは前日ないし前々日までにというところで大体九十何%を占めておるという状況だったと把握しております。 その点で申し上げますと、何も今御指摘ありました土曜日が閉庁日になったからそこで八日目が特段多くなったというふうには私ども考えておりませんで、正確に現在統計上比較したわけじゃございませんが、この点は従前からと特段変わりが生じているとは思っておりません。
○橋本敦君 私が指摘したのは、まずあなたのような解釈をなさる前に、私が指摘したこの平成二年度の分をとっても、早目になされているのは十日目が日曜日、その前が土曜日、あるいは三連休、こういうケースがこれ全部そうですよというのをカレンダーで調べて私は指摘しているんです。だからそのことの事実は間違いないでしょう。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) おっしゃるとおりでございます。
○橋本敦君 そこで、検察庁、法務省もそうですが、裁判所にお伺いしたいんですが、土曜閉庁、それから日曜日、このときに逮捕状を請求する必要が突如生ずることはもちろんありますね。それから、今言ったぎりぎりに勾留延長請求を検察からしなきゃならぬという場合もある。そういう場合は裁判所も検察庁も、閉庁日であっても休日であっても体制はとっているんじゃありませんか。 まず、法務省どうですか。
○政府委員(根來泰周君) まことにこの時代に残念なことでございますけれでも、検察庁というのは常時あけておかなければいけないものですから、検事、検察官、事務官とも非常に勤務が過酷になっているわけでございます。したがいまして、お説のように、有事即応といいますか、どんな場合にでも適応できるような体制をとっているわけでございます。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) 裁判所の方もただいま法務省から御説明ありましたのと全く同様に、有事即応、対応できるように執務体制をとっております。
○橋本敦君 その点は本当に御苦労であるということはもう私どもも百も二百も承知をしておるわけであります。 だがしかし、もとに話を戻しますと、大体八日目というのは通常ずっとやって、統計的にもそうであるということですが、実情は最初にお答えにもなったし私も指摘したように、十日目の勾留延長制求あるいは九日目、このこつを合わせれば一番多いんですよね。ですから八日目になされることもそれはないわけじゃない。しかし、今言ったように、勾留満期が休日である、あるいは閉庁日であるということであっても、早々と土曜日が閉庁日になったという関係で勾留請求をするということにならないように、それ自体の配慮というのが私はやっぱり必要だと思うんですよ。裁判所は、それは一般的にも八日があるんですとおっしゃったが、具体的に平成二年度で指摘しましたように見事に勾留満期日が日曜日であり、その前が土曜閉庁になっているケースがここに全部出ているわけですね。だから以前の六十三年にもそういうケースがかなり多いということはカレンダー見れば出てくるわけですね。 そこで、この勾留請求という問題について言うならば、捜査官の方は早々と勾留延長を裁判所に認めてもらっておけば、それで安心してゆっくり捜査できるわというような考えになっては困るんで、やっぱり十日間の勾留でできる限り資料を集め、そしてその間に釈放する事情ができれば当然釈放してもらわねばなりませんし、そしてまたやむを得ない場合に限って勾留延長をやるということで、ぎりぎりまで捜査を遂げて判断をしていただくというのが原則ですから、そういう原則は守ってもらいたいというのがきょうの私の質問の主題でございます。 この点は、検察庁の方も裁判所へ勾留延長の請求をなさる、なさるのは検察庁の方ですから、したがって検察庁の方も今私が指摘した土曜閉庁が入ったから早目にということでないというそういう立場で勾留請求に当たっては十分にその点は配慮して、土曜閉庁が入ったから早目にということでないように一層努力をしてもらいたいと思いますが、検察庁、裁判所のお考えいかがでしょうか。
○政府委員(根來泰周君) お示しの話は個々の裁判でございますので何とも申し上げかねるわけでございますし、またこれが土曜日閉庁あるいは日曜日にかかっているからという動機ではないと確信しておりますけれども、お説のような御意見も当然あるわけでございます。したがいまして、過日衆議院の法務委員会でもそういうようなお話がございましたから、私どもの方は文書でもってそういうことが万が一にもあって国民の権利を害する、あるいは裁判所に御迷惑をかけるということのないよう通知いたして御心配の点は払拭したつもりでおります。
○橋本敦君 わかりました。 じゃ裁判所としての対応はいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(島田仁郎君) 私どもといたしましても、先日の衆議院の法務委員会の議論も受けまして、やはりゴールデンウイーク直前でもございましたので、委員がただいま御心配のようなことのないように十分書面をもって注意を喚起いたしましたし、今後ともその方向で御心配のような、かりそめにも休みがあるからその前に先取りというような執務をすることは今までにもなかったと信じておりますから、今後ともないようにそれは十分図ってまいりたいと思っております。
○橋本敦君 それでは今の御答弁を了といたしまして、今後ともそういう立場で御検討をしてくださることを期待して、何しろ事被疑者の人権にかかわる重要な課題でございますので指摘をした次第でございます。 時間が参りましたので終わります。
○高井和伸君 法務大臣の四月二十六日の当委員会における所信表明を中心に三点お尋ねしたいと思います。 第一点は、刑事施設法案を「今国会に法案を再提出いたすべく所要の検討を行っているところであります。」、このような所信表明がございました。あれからおよそ一カ月たっておりますけれども、この「所要の検討」、具体的に進んで、法案提出は間近なんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 刑事施設法案の国会への改めて提出することについては、現在いろいろ検討を進めている段階でございます。
○高井和伸君 いろいろ検討を進めているという場面におきまして、内部的な検討はもちろんそうだと思いますが、法務省以外の各機関との検討などは行われているんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 関係諸機関等とも検討を進めている段階でございます。
○高井和伸君 日本弁護士連合会はその中に入っているでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 日本弁護士連合会とは今回の再提出については特に協議等はいたしておりません。
○高井和伸君 通称拘禁二法案ということで、刑事施設法案のほかに留置施設法案、関連法案もございますけれども、そういった面での御協議なんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) あらゆる観点から法案の再提出についての検討を進めているということでございます。
○高井和伸君 もちろん法務省のお仕事、人権擁護という側面から大変なお仕事だということで理解をしているわけでございますけれども、日本弁護士連合会等の立場からいえば対決的な側面が非常に強いという従前の経過がございます。 それで一つ、あらゆるというようなことで御検討なさっているようでございますけれども、昭和六十二年四月に提出なさった旧法案を一部修正して出された法案の、簡単に言えばさきの国会にかかっていた法案を再度見直しなどを進めておられるという要素も含まれているんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 委員今御指摘になられましたように、現在法案出ていないわけでございますが、さきの国会で廃案になりました法案につきましては、その前に五十八年のたしか二月から六十二年の四月にかけまして日弁連とも二十六回ですか意見交換を行って、その御意見を十分その段階で承って、修正を加えて、それで提出さしていただいたという経緯があるわけでございます。 さらにもとへ返りまして、このさきの廃案になりました法案はもちろん法制審議会の答申を受けて具体化したものでございますが、法制審議会には日弁連からも委員が出ておいでになっているわけでございまして、そういう経緯がございますので現在改めて日弁連等から御意見を伺うというようなことはしていないところでございます。
○高井和伸君 おっしゃる合理的な説明はわかりますけれども、現実的には二法案は根本的に再検討されるべきだという日弁連の立場が一方にあるという事実は存じておられますか。
○政府委員(今岡一容君) ちょっと失礼いたしました。もう一度お願いいたします。
○高井和伸君 日弁連が拘禁二法案につきまして根本的に見直さなきゃいけない、再検討されて出されるべきであるというような意見であることは御存じですか。
○政府委員(今岡一容君) 日弁連でこの法案につきましていろいろ御意見があるということは承知いたしております。
○高井和伸君 さきの国会に出された法案を新法案といたしまして、その前の法案を旧法案というふうに申し上げた場合、実質的に十六カ所ほどが新法案に手直しされて出された経緯があるというふうに理解しておりますけれども、それよりさらに踏み込んだ検討が、まあ検討中ということになるかもしれませんが、そういった内部的な検討が行われているんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 先ほどもちょっと触れましたように、この廃案となりました法案でございますが、法制審議会の答申を具体化し、さらにその後、先ほど触れましたように日弁連の御意見も十分承って立案して提出したという経緯もございます。私どもとしては日弁連の御意向は既に十分に伺っているというふうに考えているところでございます。
○高井和伸君 質問した趣旨は、十六カ所以外にございますかということで質問しました。
○政府委員(今岡一容君) 日弁連と協議を重ねた段階でその御意見を承って修正すべきところは既に修正をしたということでございます。
○高井和伸君 そうしますと、私の知りたかったことは基本的にはさらなる再検討が行われたのかというような観点の内部討議が行われているかということを聞きたかったわけでございますが、基本的にはなされてない。したがって、あとはいつ提出するかというようなことで留置施設法案などとの関連の調整が行われているというふうに理解したいと思いますが、これは一点だけ聞きますが、再提出の準備だということでございますので、刑事施設法案単独の再提出ということもあるんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) いわゆる留置施設法案との関連のお尋ねかと存じますが、いわゆる代用監獄制度につきましては、法制審議会でも制度的な改善を加えてその実質は維持するという方針が全会一致でとられており、代替収容ということが予定されておるわけでございます。現在留置施設に代替収容される者がある限りは、これらの者の処遇に関しまして法律で定める必要がもちろんあるわけでございまして、こうした代替収容される者の処遇に関する事項をすべて刑事施設法案で規定するかどうかということは、これはすぐれて立法技術上に関する問題であるというふうに考えております。 このような観点から、従来留置施設に代替収容された者の処遇に関する一定の特則が留置施設における被逮捕者の処遇等に関する定めとともに、留置施設法案で規定するというふうになった経緯があるわけでございまして、このような経緯で二本立てでまいっているわけでございまして、私どもとしましては、これまでと同様に両法案を国会に提出させていただいて御審議をいただきたいというふうに考えておるところでございます。
○高井和伸君 あと一点最後に、今国会提出はあるんでしょうか。
○政府委員(今岡一容君) 現在いろいろ提出に向けて検討を加えている段階でございます。
○高井和伸君 続きまして、法律扶助制度についてお尋ねします。 日本における法律扶助制度は、財団法人法律扶助協会を中心に行われまして政府からの補助金等によりまして運営されているわけでございますけれども、この予算が八千数百万の金額だということで諸外国との対比をすると非常にけたが違うほど少ない法律扶助制度に対する援助しかなされてないという現状、この現状につきましてさらに年間一千五百万ずつ五カ年にわたって増額されるという方向で現在法務省の御努力でいい方向に向かっているというふうに承っております。 そこで、外国との対比をしますと非常に問題があるかもしれませんけれども、なぜにこのように落差があるのか、これは手元にございます法律扶助協会の資料などを見ますと大変な落差がございまして、人口一人当たりの国庫からの支出金を比較すると、一九八三年度で例えばイギリスと日本だと、イギリスが一人当たり千二百四十四円国庫から出ているのに対して日本は六十九銭、円以下でございます。また西ドイツは三百三十円で、レートもいろいろありますけれども、日本が六十九銭ということで余りレートを云々するまでもなく大変な落差がある。ある意味では人権擁護のバロメーターもこういった面からも言えるのではなかろうかと考えている次第でございます。 こういった各国と比較した場合の国庫支出金の比較において、現行の日本の制度は十分な支出をなされているというふうに認識しておられるんでしょうか。
○政府委員(篠田省二君) ただいま諸外国との比較を例に挙げられましたけれども、確かに我が国の金額は少ない点はございますが、国情の差とか国民性の差異、そういったようないろいろの問題ございますので、数字の点だけから一概に比較することは困難であろうと考えております。 それで、ただいま御指摘の財団法人法律扶助協会に対する補助金というのが昭和三十三年度以降ずっと交付されておりまして、これの金額を増額するために我々といたしましても努力してきているところでございます。それで、償還金という建前をとっているわけですが、乏しい財政の中で給付制にするか償還制にするかということになりますと、やはり償還制にして少しでもまた新たな救助者を援助するというのが妥当なのではないかと考えております。そこで、昭和三十三年以来現在に至るまで国庫から補助金を出しているわけでございますけれども、そういった制度が現段階では一応定着しておりますので、それを安定、充実させるよう一層の努力をしてまいりたいと考えております。
○高井和伸君 一定の成果を上げて前向きに進んでいるということにつきましては非常に結構なことだと思っているわけでございますが、今も申されましたように各国との落差を見るとき、これは日米構造協議でも指摘されたんじゃないかと思うほどに落差があり過ぎて、そういった法律制度を運用する上でそこにのってこない方々の救済というのは非常に日本国を下から支える意味で重要だろうと私は認識しているわけでございます。 私も弁護士でいろんな法律相談を受けたり、弁護士会の法律相談それから区役所の法律相談など弁護士の報酬からいえば非常にボランティア的な立場からたくさん関与してきました。そういった法律扶助制度全般を見たときに、手数料につきましても謝金につきましても、いろんな側面で非常にボランティア的な単価で積算された上で行われている現状だろうと私は認識しております。国情、社会制度、法律制度、財政事情いろいろあろうかと思いますが、財政事情はまあ別問題としまして、法律制度、社会制度、そういった全体でいえば国情というものによってそんなに日本が低くていいというふうには言えないと思うのであります。 細かく質問したくなるわけでございますが、じゃ、イギリスと日本と比較しても千何百倍ぐらいの落差があるぐらいそういう国庫の支出金の落差があって、日本国が現在いろんな面で大国と言われている現状からいえば非常にお寒い限りだろうと私は考えておるわけです。法律制度の違いといいましても、国家の構造がそれだけ違うからというような時代はだんだん過去のものになりつつありまして、国家間の壁がなくなり、法律制度も双方近づいてくるものだろうと思いますし、そうしないことには日本も生きていかれない時代があるというような認識の前提からいうと、私たち現場でいろいろやっていると法律を知らないために泣き寝入りというのじゃなしに、何も知らないままに自分の人権確保をみずからの力でやることもせずそのまま消え去っていく、何も知らないままにいろんな法的保護も受けられずに死んでいくという方々が非常に多いという実感を私は持っております。 法律扶助制度の上で法律扶助の申請があって、それが受理されて扶助決定なされている件数、ここにあるデータを見ますと平成元年四月からの一年間で一万件ほどが受け付けられて扶助決定が三千五百十七というような数字が出ておりますけれども、もっといろんな面でこれに隠された暗数が非常に多いだろうと思うんですね。人権擁護という立場、それが法務省の一つの管轄であるとするならば、けたの違うほどに国民の権利擁護のために出していただき、いろんな面で制度自身をPRをし、当たり前のごとく国家の法律上保護されている国民の地位を裁判上、中心は裁判でございますが、裁判上実現できるような制度として、人権擁護の制度的保障としてぜひ充実させるべく前向きの前進で、一挙にはできないと思いますし、諸制度の調整も必要だと思いますけれども、今までの御努力以上の努力をいただきたい、こう考えておりますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(篠田省二君) 制度全般の問題も絡みますので、これはじっくり考えてまいりたいと思います。
○高井和伸君 聞くところによりますと、法務省と法律扶助協会など定期的な協議が行われているようにも聞いておりますが、行われているとすればその進捗状況はいかがでございましょうか。
○政府委員(篠田省二君) 現在のところ、外国法の勉強会をしているという程度の段階でございます。
○高井和伸君 この法律扶助制度の基本的な枠組みとしての法律扶助法案というのが日弁連でも考えられておりますけれども、法務省当局として現在そういった方向に向かって外国の制度、法制を勉強しておるということですか。そういった段階でしょうか。
○政府委員(篠田省二君) まだそこまで至っておりません。そういった将来どうするかということについて今勉強しているという段階でございます。
○高井和伸君 それでは大臣にお尋ねしますけれども、法律扶助制度に関する基本的な法律がまだ日本にはないというふうに理解しておりますけれども、弁護士会の方でも、また衆議院の法務委員会でも質問があったかと思いますけれども、人権擁護という側面から法的な保護を受けるためのお金がないという方々をやはりほうっておくわけにいかないという面から強力にこの法律扶助法案を成立させ、さらに予算的な面で充実させ、国民の権利を擁護し、外国との落差を少なくしていくという側面がこれから必要じゃないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(長谷川信君) 御案内のとおり、法務省の仕事は人権がもう金看板でございます。したがって、人権に関するものについては十分勉強させていただきたいと思っております。 ただ、予算が何しろ厳しい予算でございますので、これから裏からも表からも勉強をさせて御期待に沿えるものは沿いたい、このように考えております。
○高井和伸君 司法試験の改革問題についてお尋ねします。 時間も余りありませんので端的に聞きますが、いろいろ三者協議ということで議論が行われている中で、私の考えているところ、単純七百名増員案がいろいろあろうかと思います。この七百名増員案についていろいろ三者協議会における法務省側の資料などを見ますとそれはいけないのだと、七百名だけの単純増員ではやれないのだと、現行はおよそ五百名の枠でございますが、そういうふうな認識を持っておりますが、そのとおりでしょうか。
○政府委員(濱崎恭生君) 結論を申し上げますと、私どもの詳細なデータに基づきます検討の結果によりますと、司法試験の現状が抱えております問題を解決するという観点からは単に合格者を現在の運用よりも二百人程度増員するだけの措置、そのほかの制度的な改革を伴わないそういうそれだけの措置では解消することができない、むしろ現在もたらされている弊害を一層助長するおそれもあるのではないかというふうに考えております。
○高井和伸君 弊害というのは、合格平均年齢が二十九歳に近いということだろうと思いますし、簡単に言えば検察官への希望者も少なくなるという点だろうと思いますけれども、そのとおりですか。
○政府委員(濱崎恭生君) 司法試験の実情につきましては、かねてから合格までに多数回の受験を要する、それに伴って合格者の平均年齢が上昇するという弊害が指摘されておったところでございますが、近年その傾向が一段と深刻化しつつあるということでございます。 具体的に申しますと、現在の合格者の平均受験回数が六、七回にも及んでいる、それに伴って平均年齢も二十八歳代になっているということでございまして、もっとこれをごく一般的に平たく申しますと、平均的な大学法学部の卒業者が司法試験に合格するまでには卒業後五、六年間受験予備校に通いながら受験勉強に専念する、そういうことが必要である。そういうことを経て初めて合格することができるという実情にあるというふうに申し上げることができるかと思うわけでございます。それと同時に、一たん社会の他の分野において活躍された後に法曹を目指すという方々にとっても試験にパスするということは大変に難しくなっているという実情にあるということでございます。 そういう実情というのは正常なありようではないということについては御理解いただけると思うわけでございますが、そういうことに伴っていろんな弊害が生じている。その一つといたしまして、御指摘のような任官者の不足という問題もございますが、さらに若い大学卒業者の司法試験離れという現象も生じているわけでございます。一、二回チャレンジしてそれで合格しないからあきらめてしまう、他に転じてしまう。あるいは、本来は法曹を目指したいのだけれどもそういう実情にあるから最初からチャレンジすることをあきらめるという実情も生じてきているわけでございます。そういった問題は、任官者だけの問題ではなくて、弁護士も含めた法曹全体の将来の後継者の確保という見地から極めて重大な問題であろうというふうに考えているわけでございます。そういう問題点を解消するために実現可能な方策ということで、現在鋭意検討をしているところであります。
○高井和伸君 問題点、おっしゃることはみんなわかっているつもりでございますけれども、法曹一元で弁護士から検察官に任用して足らないところを埋めるというアイデアは内部的には検討なされているんでしょうか。
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の内部者から埋めるという御趣旨、必ずしも正しく理解しているかどうかわかりませんけれども、私ども現在検討しております立場は、統一試験、統一修習というものを維持しながらその中でバランスのとれた後継者を法曹三者が確保することができるようにということで検討しているわけでございます。 もし御指摘が既存の法曹の中から任官者を補充するということの問題であるとするならば、それは司法試験制度そのものの問題ということではない、法曹三者の間の基本的な問題でございますけれども、これは現在そういう希望があればできるだけ受け入れるという方向で考えているのではないかと承知しております。
○高井和伸君 法務省の言葉でも言われているように、法曹から優秀な方が逃げていくというようなことによって法曹界が地盤沈下を来すという認識は私も同じでございまして、ぜひともいい試験制度改革をしていただきたいと考えているわけでございます。 いろいろ見てますと、甲、乙、丙案という受験回数制限案などが出ておりまして、いろいろ検討なされているようでございますけれども、時間もありませんで一言最後に言いますと、基本的にやっていくことは、やっぱり試験制度だけの改革ですべてのものが直らないだろうという側面が一つあり、さらにもう一つは定員の問題も非常に重要だろうと思いますし、さらに日本の好景気で支えられている民間の方がいろんな面で人気があるという側面もあるでしょうし、いろんな面で時代の節目に来ているんだろうと私は思っています。 そのときに当たって一つだけ注文しておきたいのは、法曹にまた途中からなろうという方々に対する門戸を閉めないでいただきたい。私も十何年間ほかで働いていて、司法試験やろうといって二年ほど浪人して試験受けた立場から、いろんな面で今日こういったところで質問できるようになったのも、司法試験が門戸を開いていてくれて、裁判官に任官しましてからまた弁護士やって、それから今国会議員になっているような立場からいいましても、そういった経歴も、私を国会に送り出してくれたのも国民の意思だろうと思っていまして、そういうことで若者がストレートで大学からすぐに司法試験早く合格して法曹になるということも一つのルートでしょうけれども、いろんな道があってもいいんじゃないか。そういった道を閉ざすようなことのないように希望いたしまして、私の質問を終わります。
○紀平悌子君 よろしくお願いいたします。 まず、法務省にお伺いいたしますが、難民または偽装難民問題から入らせていただきます。 現在、難民センターには何人ぐらいの方々が保護されていらっしゃるでしょうか。また、今後の難民などの受け入れ対策などの展望、どのように見ていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(股野景親君) ボートピープルとして日本に来まして、今後の調査を待つ段階で大村の難民一時レセプションセンターに五月二十三日現在で収容されている方々は九十一名でございます。 この方々につきまして、今後の対策といたしましては、委員御高承のとおり、昨年の九月十二日の閣議了解におきまして新しくポートピープルについての審査の仕方を発足させまして、難民性のある者とそうでない者との区別を行うという扱いを決めておりますので、このような審査を行うことによってこれに対処してまいる。他方、今後、ボートピープルの問題については国際的な協力も必要でございますので、そういう観点から関係省庁と協力しながらボートピープルの増加というようなことが国際的に防止されるような努力も払ってまいる、こういう取り組みでございます。
○紀平悌子君 資料を拝見いたしますと、出入国審査官の増員本年度六十六人、読み間違いでなければそうありますけれども、今後これで十分というお見込みでしょうか。また、どのようにして審査業務の充実強化をされていらっしゃるでしょうか。例えば、先ごろから御質問もこの場で出ておりますように、多様な外国人の言語とか習慣への対応も含めてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(股野景親君) 入国管理業務につきましての増員は入国管理局としての非常に大きな課題でございます。ただいま委員からも御指摘ございましたが、この平成二年度予算でただいま御審議をいただいているわけでございますが、この中では関係当局の御理解をいただきまして大幅な増員が認められて、地方入国管理官署につきまして六十六名、これが定員削減が加味されまして実質五十名という従来に比較いたしまして飛躍的とも言えるような増加が行われたわけでございまして、今後とも業務量の増加に対応するために、ぜひとも関係当局等の御理解をいただきながら要員の確保に努め、また施設の整備あるいは業務処理体制の合理化、こういったようなことでの審査体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。 その中にあって、ただいま委員御指摘の審査の対象となります外国人の方々についての配慮という問題も、かねてから私ども配慮してまいりましたが、まず言葉の問題につきまして、言葉の上での意思疎通に問題のないように、入国審査職員自身が語学力を発揮できるよう、またさらに必要に応じて通訳をつける等の努力をいたします。また、外国人の方々の風俗習慣の違いということにも十分配慮し、これらの方々の人権ということをも同じく重要視した対処をしてまいります。
○紀平悌子君 前回の委員会で私がお尋ねをいたしましたいわゆる難民マニュアルでございますけれども、このほど四月でございますが、内閣官房のインドシナ難民対策連絡調整会議事務局から関係自治体等にマニュアルが配付されたということで私も拝見をさせていただきました。「直接漂着ボートピープルに対する緊急措置要領」というものでございます。法務省ももちろんこのマニュアルに深くおかかわりになったんだと思いますけれども、どのようにこれを評価されておられますでしょうか。 〔委員長退席、理事矢原秀男君着席〕
○政府委員(股野景親君) ただいまのマニュアルにつきましては委員御指摘のとおり、この作成に当たっては法務省も全面的に参画してその作成に協力をいたしました。 これは実際にボートピープルが日本に漂着します場合の最初に接触することとなる地方自治体の方々あるいは住民の方々にとって、まずどういう段取りでこのボートピープルに対処するかということを委員御高承のとおりお示しした内容でございますので、私どもとしては、とりあえずまずこういうものを持って、特に最初の、いわば初動段階での対応ということについて改善が図られると考えておりますし、ことしはぜひまたこういうことが昨年のような状態にならないよう心から希望いたしておりますが、あらかじめこういうものを地方自治体にお配りすることによって、昨年と比較しましてより効果的な対処ができるものと考えております。
○紀平悌子君 このマニュアルを拝見いたしまして、現状では本当に緊急性、必要性のものだというふうに私も思いました。その委員会のときには、後手後手に対策が回っているのではないかというふうなことも申し上げましたけれども、大変御苦労さまだったと思います。できれば、このマニュアルのさらなるPR、徹底したPRをお願いしたいと思います。 例えば自治体の現場職員でございますが、実は私そういうものが出ているが知っているかということを二、三問い合わせをいたしましたら、それは本当の現場の方ではございますけれども、知らなかったということが、ごく最近マニュアル出て以後、ちょっと個人的なごくわずかでございますけれども聞いてみましたら、知らぬということがございました。自治体の職員の方やそれから法務関係の職員の方への御徹底方をぜひいわゆる今の緊急対策としてはお願いしたいというふうに思います。
○政府委員(股野景親君) これの取りまとめに当たりました内閣官房とも十分連絡をとって、ただいま委員御指摘のとおり努力をしたいと存じます。
○紀平悌子君 このマニュアルにつきましては、大変実務上必要な問題ではございますけれども、これはいわば緊急避難的というと言葉が当たっているかどうかわかりませんが、そんなノーハウではないかというふうに一面思うわけでございます。 さらに今、新入管法施行を目前に控えて、実はこれは法務大臣に御見解を承りたいと思うことなんでございますが、今回改正されました出入国管理及び難民認定法の立法の目的というものは、最近の外国人急増への対処と不法就労外国人問題の解決、そして入管行政の迅速化による国際化の促進ということにあったというふうに承知しておりますが、アジアを初め近隣諸国の日本からの外貨、円ですね、円の獲得と技術を獲得したいということに対する強い希望というか波というか、そして日本への移入、移住圧力と申しますか、根本的には余り変化がこの間ないのではないかというふうに考えます。 したがって、改正のもちろん有益な点も認めながら、結果としては有能な熟練労働者の枠を広げたという点ではあったかもしれませんけれども、かえって不法就労外国人の雇用者処罰の新設で、実際上人手に悩む、先ほど午前中に大臣もちょっとおっしゃいましたけれども、中小零細企業のそういった労働者を必要としてきた企業者を圧迫するという副作用みたいなものをもたらしている。そしてまた、外国人労働者を締め出すということが国際的な人権常識というか、そのことに反する面もあるのではないか。かつて日本人がアメリカその他に移民労働に行って活路を求めたという歴史的な経過もございますので、新たな国際的な批判を集中的に浴びるようなことになる前に、広域なこの問題に対する基本方針と計画、それが重要だというふうに思います。 前任の後藤法務大臣にも私がこの法案の採決の直前にお聞きしたことでございますけれども、後藤法務大臣も、外国人労働者の問題については、問題が非常に多岐にわたる行政分野にわたっている、ですから法務省の一存だけでは取り組むことができない大きな問題であり、人権あるいは国際的な視野に立って検討するというふうに答えておられるんです。 ちょっと言い分が長くなりましたけれども、御見解をさらに承っておきたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 今いろいろ委員御指摘のお話を承っておりまして、何しろ今回の状況というのは日本としては初めての経験だと思いますね。こんなにたくさんの人がどうしても日本に行って働きたい、もう泳いでもいいから日本に行って一働きやりたい、こういう現象は、さっき戦前、戦後と申しましたけれども、有史以来初めての現象だと思います。したがって、法務省あるいは入管局もいろいろ勉強はいたしておりますが、なかなか一つ一つの対策が全部成功しているとは私も思っておりません。そういう面で今のアジア諸国からの要望をどういうふうに処理をしたらいいかということは、かなりこれは頭の痛い問題であると同時に難しい問題でもあります。 今御案内のとおり、国内におきましてはきょうの新聞にも出ておりますとおり、七社に一社が外国人の労務者を使っておると。これがもし全部引き揚げたらいろいろ影響もあるだろうし、またそれをたくさんにすればしたでまたいろいろ議論もあるということでございまして、なかなか短絡的にすぱっと割り切れるような対策がございません。 ただ、この問題はどんな難しい問題であっても必ず今の我が国としては解決しなければならない問題であることは間違いございません。 外国人というかアジア諸国の皆さんも好感を持って、国内の皆さんもまたそれを温かい気持ちであれして、それで日本の経済にも貢献をする。いろいろ真剣に考えて知恵を回せば何か方法があると思うんですよ。何か方法はあると思いますが、それはさっきも申し上げましたように、入管の今の現状だってどうにもならないパニック状態といってもいいくらい朝から晩まで座る場所もないくらい押しかけて来ていらっしゃる。そういうことで、てきぱきと処理をやるには今まだ若干時間がかかるようでございますが、これからも督励をして、委員がおっしゃるような心配が少しでも減るように、またなくなるように一生懸命対策を講じたいというふうに考えております。 ただ、法務省入管局だけでできる仕事ではないのでありまして、国内においてもいろいろの意見があり、要望があり、あるいは反対の意見もある。また、しかしアジアの中の日本、世界の日本として当然胸に手を当てて考えてやらなければならない仕事もあるということでございまして、何しろ初めての経験でございますので、もうちょっと若干ひとつ時間をかしていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
○紀平悌子君 今ようやく新改正法が施行される前に、矢継ぎ早に基本計画はどうか、そして基本計画の基本には基本方針というものをどういうふうに据えられるかということをお伺いして、今これから始まることに矢継ぎ早で大変恐縮でございましたけれども、御丁寧にお答えいただきましてありがとうございました。 次に、先ほどもう御質問がございましたのでこの点だけお伺いしたいと思いますけれども、在日韓国人三世、次世代の法的地位についての問題でございますが、それにかかわりまして、在日韓国人三世など以外の外国人、こういう外国人が外国人としての扱いの平等というものを同時に求められましたようなときは、あるいはもう求められているかもしれませんけれども、これについてはどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(長谷川信君) 新聞にも出ておりますとおり、明日韓国の外務大臣と私どもいろいろ協議をする場があるようでございます。その中の一つの問題として今お話しの点があるかと思います。 御案内のとおり、大方と言っていいか悪いかわかりませんが、両方とももう合意ができている問題も幾つかあります。 〔理事矢原秀男君退席、委員長着席〕 と同時に、まだ若干ペンディングの問題も残っておる。ペンディングの問題の中に今いわゆる歴史的背景を持つ皆さんの問題が入っておるわけであります。これはまだ結論が出ておりませんので今この場でどうこうというわけにいきませんが、少なくとも日韓並びに歴史的経緯のある国と日本との親善友好あるいは友好の促進ということを腹に置いて、胸におさめてこれから交渉を進めたいというふうに考えております。今ここでどうするこうするというのは、相手のある仕事でございますので明確なお答えができないことをお許しいただきたいと思います。
○政府委員(股野景親君) ただいま紀平先生から、在日韓国人以外の方々で外国人として日本におられる方々との関連について御提起がございましたので、大臣からのただいまの御答弁に若干追加してその点を触れさせていただきたいと思いますが、在日韓国人の方々はまず歴史的な経緯というものをお持ちであるという点ただいま大臣申されたとおりでございますが、これと同じような歴史的経緯を持っておられる方々として朝鮮籍の方々あるいは台湾籍の方々もおられるわけでございますので、今後我が国といたしまして今般まとまりました在日韓国人三世以下の方々についての対処方針というものについて具体策を検討していく、その過程において同様の歴史的な経緯を有せられる方々についても念頭に置いて検討をしてまいるということでございます。 他方、またそれではそれら以外の外国人の方々になりますと、これは例えば欧米の方々の問題になりますと、これは歴史的経緯という点では在日韓国人の方々等の元日本籍であった方々の子孫とはおのずと異なるものがあると思われますので、そういう点に留意する必要があると思いますが、しかし不合理な差というようなものが生じないように検討を進めてまいるという所存でございます。
○紀平悌子君 次に、人権擁護関係でお伺いしたいと思います。 地域改善対策としての啓発活動など人権擁護活動のため八億一千五百万円がことしの予算として計上されております。これは依然として婦人差別あるいは部落差別などいろんな差別事件の発生を見る現状の改善のためには十分なものなんでしょうか。啓発活動と申しましても現場の活動の状況がわからないものですから、どんな内容でしょうかということと、今後の展望をお伺いしたいと思います。 特に婦人問題に関しましては、御案内の西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画、これは法務省も御参画でございまして、女性の地位の向上に関する啓発活動というのを既に御推進のことでございます。この状況、ここ三年ぐらいの状況とその展望をお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(篠田省二君) まず、最初の点でございますけれども、人権擁護局関係の予算といたしましては、地域改善対策費を初め人権擁護委員活動経費、それから法律扶助事業補助費、人権侵犯事件調査活動費等が措置されておるわけでございまして、そういった経費が全体としては前年度比一〇・五%増ということになっております。これは国家予算全体の増加率よりもやや高いということでございます。 そのうち地域改善対策関係予算といたしましては、昭和六十一年十二月の地域改善対策協議会の意見具申を踏まえまして啓発活動費ということで前年度比一二・六%増、それから啓発活動経費を含めた地域改善対策関係予算全体では前年度比一一・五%増ということで、いずれも平均よりは高い増加率でございます。 それで、具体的にどういう活動をしているかということでございますけれども、これは一般啓発といたしましてはポスターとかそれから講演会とかそういったような活動、それから個々の事件を通じまして個別啓発ということもやっております。 それから、その次の西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画についてということでございますけれども、人権擁護局の関係といたしましては、一般啓発としては毎年十二月の人権週間の強調事項として女性の地位を高めようという項目を掲げて啓発しておりますし、それから女性の人権擁護委員を積極的に登用するということを進めております。 具体的な数字を申し上げますと、昭和六十一年一月一日現在では、女性の人権擁護委員のパーセントが一四%であったのが年々ふえてまいりまして、平成二年一月一日現在では一六・三%まで上がっております。引き続き人権擁護委員には女性の委員を多く登用してまいりたいというふうに考えております。
○紀平悌子君 これは希望でございますけれども、ポスター、個別啓発ということ、それぞれ大変有益なことだと思いますけれども、できれば一般の市民の日に触れるというか、ポスターは目に触れるわけですけれども、差別とはどういうことか、あるいは女性の地位は上がったじゃないか、どういう点において差別がまだあるのかというような点の、やはり人、人間自身の本当の理解にはまるような、同じ予算でしたらばそういう何か使い方の工夫をされていただけないだろうか。私も婦人問題のいろいろなことでお伺いすることはありますけれども、この辺で余りぴんと目に触れてそういう啓発が行われているということが今までちょっと理解しかねていた部分もございますので、これは希望でございますので、よろしくお願いをいたします。 時間ももうなくなってまいりましたけれども、差別の問題と関連いたしまして、いじめ、体罰などの人権問題、これの対策について二千三十六万六千円が予算として計上されていますけれども、これはごく簡単で結構でございますが、どのように使われるわけでございましょうか。 最近、生徒対生徒、子供対子供、教師対生徒等々非常に異常な事件が発生しておりますけれども、法務省独自の御対応というか、どんなふうにとらえて、例えばどんなふうな今後これについての対策を組んでいかれるのか。これも同じく、例えば非常に効果的な予算の使い方というか方法を講じていただきたいと思うものですから、今の問題とちょっと似ておりますけれども。
○政府委員(篠田省二君) 平成二年度におけるいじめ、体罰の対策といたしましては、昨年公表いたしました不登校児の人権実態調査を踏まえ、不登校児問題の啓発ポスターの作成とか、それからいじめの作文集、体罰問題啓発冊子、そういったようなものを作成しております。これが一般啓発でございますけれども、個別的な事柄につきましては個別啓発ということになるわけですが、いじめの問題につきましては、やはり主として学校における問題でございますので、人権相談という形を通して把握される事件が多いわけでございます。それで、人権相談の過程におきまして学校とも連絡をとりながら適切な対応をしている次第でございます。 それから体罰の問題につきましては、これはあってはならない事柄でございますので、この一般啓発ということについては強力に推し進めているわけでございますけれども、依然として教職員による体罰が後を絶っておりませんので、一般啓発のほかに具体的な事件を通じまして強力に関係者に啓発活動を行っております。それからまた、教育委員会等とも緊密な連絡をとりながらやっております。
○紀平悌子君 いろいろ御質問申し上げたい点がございまして、あらかじめお願いをして御待機いただいておりますのに大変申しわけございませんが、幾つかの点を飛ばして法務大臣に、ちょっと問題は違うのですが、お伺いしたいと思います。 今政治の最大課題になっております政治改革の問題でございます。 政治改革につきましては、こもごもなぜ今政治課題となってきているかということを申し上げるのは省きまして、政治改革の一番肝心かなめの点は、私の意見では制度の改革、選挙制度の改革あるいは政治資金制度の改革、これももちろん枠組みとしては非常に必要なことであるとは思います。そして現在、第八次の選挙制度審議会答申に上られて今海部内閣も非常な御努力をされているところなんですけれども、問題は、今度の政治改革がよって来るところは、やはり政治家の汚職、贈収賄に絡む問題が年を追うごとにその規模も額もそれから中身もだんだん大きく、また醜悪になってきているというところから、国民の信頼は政治を離れていくのではないかというところにあるというふうに思っております。 それで、これまた枠組みを幾らどうしてもだめだということの一つに入るかもしれませんが、今政治改革の手段としては、区制の問題、定数の問題、それから政治資金規制の問題、あるいは倫理回復に関する何らかの方策の問題等々が言われておりまして、傍ら政党法の問題にまで話がいっておりますが、もしそういうふうな枠組みの問題としてくるならば、法務省の御見解として、かつてはダグラス・グラマン問題のときに一番表に出たと思いますけれども、刑法上の贈収賄罪の罰則など、これが現在のままでいいのかどうかという問題、これの御検討というか、このままでもいいのかどうか、枠組みの問題として。私は、政治改革の要諦というのは、基本的には一人一人の政治家が襟を正すということに尽きる、それから有権者の覚せいにまつというしかないと思ってはおりますけれども、その点いかがでございましょうか、お願いいたします。
○国務大臣(長谷川信君) 政治改革あるいは政党制あるいは選挙制度を含めて、海部内閣、前向きでこれから頑張ってやろうという気構えでいることは御案内のとおりであります。ただ、まだ細部にわたっての検討を逐一やっているわけじゃございませんので、今先生のおっしゃることも含めて、これからなお一層勉強させていただきたいと思っておるところでございます。
○紀平悌子君 終わります。ありがとうございました。
○矢原秀男君 日韓問題を中心に、関連する問題等で具体的に質問したいと思います。 五月二十四日、本日、盧泰愚韓国大統領が国費として来日をされました。私たちも心から歓迎を申し上げるものでございます。 この日韓関係は、一つは激動する国際情勢の中での日韓関係、二番目には日韓関係の基本テーマ、三番は過去に起因する諸問題の解決、四番は青少年文化学術交流の強化、五番は未来志向的協力関係の構築、こういう形で込み入った深いいろんな討議がなされるんではないかなと思っております。 私、重複を避けて質問したいと思いますが、まず外務省に、外相定期協議、そういうものを含めた日韓の協定関係について御報告をお願いしたいと思います。
○説明員(大塚清一郎君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘の盧泰愚大統領、きょうから御来日ということでございまして、私ども今回の御来日をまさにこれからの新しい日韓関係、未来志向的な関係を築く大変重要な契機といたしたいということでございます。そのためにも、先ほど御指摘のような過去に起因するいろいろな諸問題につきましては大きな前進を見ることが重要であるということ、そういう認識に基づきまして、私どもこの訪日にまさに誠心誠意取り組んでおるところでございます。
○矢原秀男君 そこで、具体的な問題だけをまず外務省にお願いしたいんですが、在韓国人の被爆者の方々のことについてでございますが、厚生省、外務省、毎年予算化をされていろいろと努力もしていらっしゃいます。このことは数字的にも承知いたしておるのでございますけれども、問題は今後どうするのか、そういう問題が大きな課題になっております。そういう点について答えてください。
○説明員(大塚清一郎君) お答え申し上げます。 在韓被爆者の問題につきましては、既に御承知のとおり韓国政府からも我が国に対して協力方の強い要請もございました。昨年の九月の国連総会の機会に日韓外相会談の場で崔外務部長官から大臣に対しても日本側の協力を要望してこられた経緯もございます。私どもとしましては、中山大臣も述べられましたとおり、政府としましては人道的な観点あるいは歴史的な経緯に照らしましても我が国としてなし得ることにつきましては本当に誠心誠意これに当たっていきたいというふうに考えておりまして、既に平成元年、二年度のおのおの四千二百万円の予算でもって被爆者の方々に対する治療費等の支援を行ってきたことは御承知のところでございます。 ただいま御指摘の今後という問題でございますが、これから我が国といたしましては、韓国との間は二十一世紀に向けた新しい日韓関係を構築する上でまさに在日韓国人問題あるいは在サハリンの韓国人問題も含めましてこういった被爆者の問題を解決することが大変重要だという認識でございますので、私ども政府といたしましても、今回の盧泰愚大統領の訪日を念頭に置きながらさらにどういった支援ができるかにつきまして誠意を持って対応したいということで今政府部内で検討中でございます。
○矢原秀男君 この問題について端的に答えてほしいんですけれども、平成元年、二年度のように毎年四千二百万円というものを計上していくのか、それともこの大統領訪日を契機に被爆者救済の基金というものを設けて、そして決着というかそういうふうにはっきりしていくのか、こういう二点をやはり政府でも考えていらっしゃると思うんですけれども、その点はどちらをとられるのか。
○説明員(大塚清一郎君) お答え申し上げます。 今御指摘の在韓被爆者の支援の問題でございますが、今回盧泰愚大統領の御来日ということをまさに私ども念頭に置きながら誠心誠意前向きに、どういうことができるかということを今検討させていただいております。ただいま基金というようなお話もございましたけれども、そういった考え方も一つの貴重なお考えかと思いますが、私ども今どういうことができるかにつきまして内容、それから金額も含めましていろいろ鋭意検討中でございますので、具体的な内容につきましてはこの場においては言及することをちょっと差し控えさせていただきたいと思っております。
○矢原秀男君 きょうは時間の関係がございますので、この程度にしておきます。 次に、外務省にお願いしたいんですが、在サハリン韓国人問題への対応でございますけれども、先般、日韓、韓日両議員連盟の合同によるサハリン訪問、こういうことがございまして、自民党の戸塚議員、公明党の草川議員、国会内でのその後記者会見の内容というものは外務省にも行っていると思うんですね。一つは日韓両赤十字共同事業体事務所のサハリンにおける設置、二番目には一時帰国——過去二回実現——のためのサハリン—韓国直行便を月一回運航、三番目には無縁故者の出国の認可。これはサハリン州の政府とは合意に達している、こういうふうなことでございますけれども、外務省のこれに対する現状の分析、そして今後の対応について既に反応を示していらっしゃると思うんですが、その点について明確に答えていただきたい。
○説明員(大塚清一郎君) 私ども在サハリンの残留韓国人の問題につきましては、従来から歴史的ないし道義的な責任ということを認識しておりますし、これまで人道的な解決という立場に立って最大限努力してきたところでございます。もちろん法的な側面については今申すまでもございませんが、請求権の問題は日韓請求権協定によって解決済みということは立場上はございますけれども、私どもとしましては人道的な立場に立ってどういうことができるかについていろいろ検討してきたところでございます。 ちなみに、韓国政府からは我が国に対していわゆる補償の要求といったような要求がなされている事実はございませんけれども、日本政府としましては歴史的、道義的責任の認識から人道的な解決という立場に立っていろいろ努力してきたところでございます。 これからの対応という点についてでございますが、先ほども御指摘のとおり、最近、在サハリンの韓国人支援共同事業体による支援ということで大韓赤十字社が現地を訪問するなど、あるいは朝鮮人の離散家族会及びその現地当局との直接の協議が行われてきておりますけれども、そういった結果も踏まえて私どもこれからどういうことができるかということについて考えていきたいというふうに思っております。ちなみに、昭和六十三年度から私ども政府としまして予算措置を講じて離散家族再会などに対する支援事業の実施ということで、先ほども御指摘ございましたが、日韓両赤十字社が在サハリン韓国人支援共同事業体を設立しましていろいろと努力しているところでございます。最近、訪日あるいは訪韓する方々が急増してきておりますので、そういった状況も踏まえまして、外務省といたしましても今後とも最大限努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
○矢原秀男君 また後日、こういう具体的な問題について深く伺っていきたいと思っております。 法務大臣にお尋ねしますけれども、先ほども御答弁されておられましたけれども、二十五日の夕刻、法務省において両法務大臣が個別会談をされる、こういうことになりますが、協議内容の問題でございますけれども、先ほども御答弁されていらっしゃいましたが、第三世の問題についてはやはりこれは法務省を中心にいろいろとやっていらっしゃって大体日韓うまくいっているような段階と聞いております。問題は、重複で今いろいろ質問出ておりますけれども、在日韓国人のこれは歴史上の問題から待遇改善を図るよう主張をされる向こうはお立場にあろうかと思うわけです。そういう問題になると、一世、二世の方々にどういうふうに今度は第三世で解決した問題等について準用できるかというのがこれは問題点で、明日もそういう議題が出てくると思うんですね。 そこで、僕は二点だけちょっと絞って時間の関係で伺いたいんですが、一つは外国人の登録証明書、これが常時携帯の義務の廃止を歴史上の観点から韓国の方々が要求をされていることは事実です。しかし、これは廃止がたとえできなくても、まず廃止にいくまでの段階、改善策というものについては検討する課題、これは技術的にも私は法務省にあろうかと思います。この問題は明日は必ず私は出てくると思います。 法務大臣にこの一点まず明確に考えていらっしゃることを述べていただきたいことと、もう一つは指紋の押捺義務の廃止も来年一月の協議期限までにこれは多くが出てくると思うんです。日本側のお立場も私はよくわかっておりますけれども、そういう二点の問題について改めて法務大臣の御見解、あすどういうふうな気持ちで会談に臨まれるか伺いたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 今お話しのとおり、明日会議が持たれることはおおむね間違いございません。 今御指摘の点等々につきまして、もう既に合意している点は一応あれですが、委員おっしゃった二つの点、あるいはそのほかにあるかもしれませんが、ペンディングになっておる点については外交上の問題であり、また折衝の問題でありますので、今ここで全部あからさまにぶちまけて言っていいかどうかわかりませんが、少なくとも基本的には両国の親善友好のために、またそれを促進しなければならないということを腹におさめ、胸に秘めて、友好を前提として交渉に臨みたいということであります。意見が白と黒ほど離れているわけではございません。おおむねまとまっている点は御案内のとおりかなり出ておりますので、そういうことで最善を尽くしたいと思っております。余り細かくおっしゃっても、何しろ交渉事でございますので、この辺でひとつお許しを願いたいと思います。
○政府委員(股野景親君) 今先生から具体的に御指摘のございました指紋押捺の問題あるいは外国人登録証の問題についてでございますが、これは先生御高承のとおり、既に第三世代以降の問題について対処方針というものでの解決の方向性が打ち出してございますが、これはまだ、具体策についてはこれから取り組む課題でございます。したがって、この問題についてはこれからの具体策を研究するということについて我々の決意のほどを韓国側にもお伝えをしていくことになります。 そこで、それに関連して、一、二世の問題について韓国側からの御要望があろう、こういう御指摘でございますが、既にいろいろな形で韓国側からもそういうことに関連しての御要望というものは我々同っておりますが、この問題につきましては、とりあえず我々としてまず今固まっておるところの対処方針というものの具体策をこれからつくっていく過程の中で一、二世という方々の関連の問題も考えていくということでございますので、これも今後の検討課題としてお受け取り願いたいと存じます。
○矢原秀男君 それで、検討課題の参考としてこれは法務省から私も書類をいただいたわけですが、諸外国における登録証明書携帯等の現状について、六十二年に法務省で調査をされていらっしゃいます、四十七の国ですね。これには二種類明示されています。外国人に対して登録証明書等の身分証明書携帯及び提示義務を課している国が二十一カ国、提示義務のみを課している国が八カ国、こういうふうなデータが出ております。提示義務のみを課している国の八カ国には、先進諸国ではイギリス、西ドイツ、イタリア、オーストリア、あとインド、フィンランド、そういうふうな国がやっておるようでございますが、やはり一歩前進の提示義務のみを課している国の八カ国、これは大きな前進の一つの参考になるんではないかと私は思っているわけですが、この点については法務省としてはどういうふうに参考にされようとしているのか伺いたいと思います。
○政府委員(股野景親君) ただいま先生がお読み上げになられました状況は私どもの方で調査した結果を踏まえての御発言でございまして、私どももこの結果をひとつ我々の参考にすべきものと考えております。 ただ、常時携帯義務と提示義務の関係はそれぞれの国の状況によっても違いまして、仮に常時携帯の義務がなくとも提示の義務がある場合に、提示の義務に対して罰則をかけておりますと、実質上持っておりませんと提示を求められたときに提示ができないということに伴う効果というものは非常に強いものがございます。そこで、この提示義務と常時携帯義務との関係はそれぞれの国の制度に応じて評価をすべきではないかと思っております。 私ども日本の制度においては常時携帯をすること、それからもう一つ、求められたときに提示をすること、双方について法律上一つの強制規定を設けておるわけでございますので、この点はまず我々としては常時携帯という問題に着目して現在検討を行っておるところでございます。この点は、常時携帯ということの制度のゆえんがそもそも外国人の身分関係を即時的に把握するための手段として大変意味の大きいものでありますだけに、我々としてもこの問題の今後の検討はいろいろな面から検討する必要がある。特に、御存じのとおり最近不法就労者が非常に多いというような状況にありまして、即時的に身分関係を把握する必要というものも非常に強いという状況もございますので、今後についてはまずその常時携帯制度の運用面のあり方等も含めましていろんな角度からひとつ検討していくという立場で臨んでおる次第でございます。
○矢原秀男君 それで、私もイギリスに行かれた方のお話をちょっと伺っておりますと、これは法務省でも一回きちっとしていただきたいと思うんですけれども、提示を要求され、もし持っていない場合、そういうときは何十時間か猶予の時間を与えている、こういうふうに私はイギリスの関係で聞いたんですけれども、そういう点は法務省ではどこまで調べていらっしゃるのか、イギリスの場合。
○政府委員(股野景親君) 私も今ここでイギリスの制度についての詳しい情報を持ち合わせておりませんが、先生の御指摘のありました提示を求められて一定時間内に提示をすることについての時間枠といった配慮がなされているところがあって、イギリスもそうではないかという話を私どもも聞いたことがございます。この点につきまして、これも先ほど申し上げましたように、提示を求められたとき即時的に提示ができることが可能な場合はいいのでございますが、そうでなかった場合に、例えばその方の身柄を拘束するというような別の制度を設けているところもございますので、国によってこの点やっぱり事情があるんだろうと思います。 では、日本でどうかという点でございますが、先ほど申し上げましたように即時的に判断できるという点が非常に重要でございます。その意味でなかなか時間枠という点についても難しい問題もあるなと考えておりますが、他方、かねてこの問題について国会で御論議いただきましたときにも、運用面でいろいろ配慮すべき点がある、例えば自分の生活の本拠のあるところで身分関係もはっきりしている状況にあって、家からほんの百メートルぐらいのところに出かけていくときにまで一々これを求めるのかと、こういったような御論議もいただいているというところもございますので、この点も先ほど申し上げました運用面のあり方というようなことをひとつ念頭に置いて検討をさせていただく、これまでもその点についての配慮を随分当局として行うよう努力してきているところであると存じております。
○矢原秀男君 私も今質問いたしておりますのは、歴史上に非常に不幸な状況があった、そういう方たちのことに対して質問しているわけですから、非常に幅のある、そういうものを今私は質問しているわけでございます。 もう一つは、諸外国における指紋押捺の実施状況、これは四十九の国を六十一年に調査結果出されていらっしゃいますね。これも二つに分かれておりますが、二十五の国が外国人に対して指紋の押捺義務を課している。もう一つは、必要に応じて指紋の押捺義務を課している、これが九カ国。イギリス、西ドイツ、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、ギリシャ、インド、こういうふうな状況になっておりますね。こういうふうな問題を見ておりますと、この指紋押捺の問題もやはり日韓においては大きな課題になっているわけでございますが、これらの国々、これはまた非常に参考になるんではないかなと私は思っているんですが、これは法務省としてはどういう見解ですか。
○政府委員(股野景親君) 委員御高承のとおり、この指紋押捺の効果というものは、同一人性を確定する手段として大変大きな意味があるという点でございます。そこで、各国ともそれぞれいろいろな形で同一人性を確定する方法というものをとっておるわけでございまして、例えば社会保険のカードというようなものを常時持っておるということが通常であるような場合には、これはそういうものが同一人性を特定できる一つの手段ともなるということでございますが、日本においてはまだそういう制度になっていないという状況がございます。 他方、かねてからの国会での御指摘もいただいておりますので、指紋押捺ということにかわる同一人性特定のための制度の開発ということは、これは我々として真剣に取り組むべきことだと思いますし、今回の日韓協議におきまして示されましたところの三世以下の方々についての対処方針の中で、これについて早期に我々としてそういう開発を行うという決意を示しておりますので、この点はぜひ我々としても努力いたしたいと思いまして、現在鋭意研究開発中でございますが、これという結論をまだ得るには至っておりませんが、ぜひそれは努力をして早期にこれを開発するということで臨んでおります。
○矢原秀男君 私もこのイギリスの場合、法務省も御承知だと思うんですが、指紋押捺について十六歳以上の外国人に対し外国人登録証明書に署名だけすれば指紋押捺の義務はない。ただし、文盲の人は左親指を捺印していただく、押印していただく、こういうぐあいにイギリスの場合はなっている。先ほど申し上げた外国人の登録証明書携帯についても、イギリスでは常時携帯義務はない。ただし書きで提示義務はあるため、事実上携帯義務ありというような注釈になっておりますけれども。 しかし、これは不幸なこういう歴史的な関係の中から、私はやはり在日韓国人の方々に対しては、これはまず廃止まではいかないけれども、運用面であるとか、もう一つ法的にも改善策を講ぜられる法務省の一つの大きなやっぱり検討案件ではないかなと思っているわけでございますが、この件について今質疑を交わした中でもう一回法務大臣の御答弁をしかと承りたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 今委員からいろいろ御指摘あるいは御意見ございましたが、なお重ねて申し上げますが、明日、日韓両国の会議あることは、これは御承知のとおりでございます。どういう形で、今まで決まった分についてはこれは同じでございますが、今の指紋押捺の問題、それから携帯の問題、その他幾つかありますが、それらの点に日韓両国とも率直に話し合いをいたしまして一定の方向づけをいたしたいというふうに考えておりますが、どういうことになりますか、何しろ相手のある仕事でございますので、今ここで断定的にこういたします、ああいたしますということをはっきり申し上げることはできかねますが、最善の努力は払っていきたいというふうに思っております。
○矢原秀男君 警察庁、最後になって申しわけございませんが、最近、テロ、ゲリラ事件、こういうふうなことで国民生活に非常に不安を覚える形もあるわけでございますけれども、現況について事件の発生状況、こういうことの主なるものについてまず御報告をいただきたいと思います。
○説明員(伊達興治君) 極左暴力集団と私ども呼んでおりますが、一般的には過激派と言われております。これは昨年の四月から九〇年天皇・三里塚決戦、こういうことを唱え出しまして、目標は、かつては六〇年安保闘争、七〇年安保闘争と言いましたように、今は九〇年天皇闘争、こういうかけ声をかけ始めたわけであります。そして当面の最大の目標は、ことしの十一月の即位の礼、大嘗祭を粉砕する、彼らの言葉でいいますと爆砕する、爆発物で壊すというような、そんなニュアンスの言葉を使っているわけであります。 その過程におきまして、昨年、とりあえずは四月二十八日、皇居わきの宮内庁宿舎の職員の住宅があるわけですが、そこの庭に彼らが得意とします圧力がま爆弾というのがあるのですけれども、それを車に乗せまして、そこへ運んで爆破させた。そしてこれが皇室闘争に向けての第一弾であるというようなことで昨年の四日二十八日に行っております。 それから、この闘争というのは天皇・三里塚と絡ませておりまして、昨年後半からことしの初めにかけまして成田での団結小屋撤去の問題とか、そんな問題に絡みまして、成田絡みでもいろいろ行動を起こしております。そして、ことしの一月八日になりますと、京都の方と東京の方で同時に御所とそれから常陸官邸と両方に発射弾を飛ばすというようなこともやっております。 それから、その後彼らは非常に警戒が厳しいところを避けるようにしまして、攻撃のターゲットを拡大してゲリラとかテロとかというようなものを繰り返してきているわけですけれども、最近の言い方としましては、基幹産業はもとより、運輸、通信、エネルギー、こういうところの産業までターゲットであるというようなことを言っております。あるいは皇居の問題に関しましては、これから即位の礼で使われる高御座、御帳合というものを京都御所から運ばなければなりません。それから礼宮殿下の婚礼があります。そして現在、盧泰愚大統領と天皇陛下の会談があります。こうしたものをすべて粉砕していく、こういうことを絶えず言っております。 最近はテロ、ゲリラの傾向が、彼らは無制限、無制約といいますが、要するにターゲットを無限に拡大するという意味で、特に関西空港の専務宅、個人宅をねらうとか、それからこちらで言いますと全日空とかあるいは日本航空の会長とか社長宅をねらうとか、清水建設の社長宅をねらうとか、その他日本飛行機専務宅をねらうとか、そういう個人宅の入り口とか出口に時限式の発火物を仕掛けまして家を燃やすような方向に出てきたり、特に最近では動燃という動力炉・核燃料開発事業団が入っております三会堂ビルというのを三日十四日に爆破して地下の駐車場に火をつけています。この際には消防士の方が殉職されております。先ほど言いました鎌倉の日本飛行機専務宅の放火事件では御夫人が亡くなるというような、そういう犠牲が出ております。また御承知のように、最近は法務省関係のいろんな宿舎とか建物、車両、そんなところを燃やしてみたり、特に五月二十一日には近畿財務局が管理している合同宿舎の方に消火器様の爆発物を三個仕掛けまして、しかもトリック爆弾といいますか、最初の一発二発を短時間でやりまして、それから十分差の間隔を置いて今度三発を爆発させる。その間に人が集まっているところをねらってやるということですから、人の殺傷を明らかにねらっている、まさに個人テロの様相を深めているわけですけれども、その間に大阪入国管理局長あるいは消防士の方を初め四人の方が重軽傷を負われた。こんな状況で現在発展を見ております。
○矢原秀男君 今御報告をいただきましたように、確かに無制限、無制約の、そういう感じを非常に深くしております。市民生活を守っていただく、そういう意味では警察庁がどうしても表に立っていただいているわけですが、今後の対策ですね。やはり治安の上からもきちっとしていただきたいと思いますけれども、そういう今後の対策、どういうふうにやっていかれるのか伺いたいと思います。
○説明員(伊達興治君) そういう過激派がテロ、ゲリラをやる場合には秘密部隊が敢行するわけであります。非常に厳しい規律のもとで訓練されまして、お互い同士本当の名前もわからないような、そんな厳格な防衛態勢をとっております。しかも、事前に綿密な下見調査を行い、また警備が手薄で現場で逮捕されるといけないということで、そういうことを避けるような行動もとっております。さらには、時限装置を使う。あるいは車なんかについてもよそから盗んできたものを使うということで足がつかないようにする。あるいは、警察が現場に行ったときにはもう遠くに行ってしまっている。こんな形の行動をとってきます。徹底した証拠隠滅工作をとりまして、犯行に使ったものも後で燃やしてしまう。車両なんかも焼却してしまう。そういうことで大変困難をきわめるわけでありますが、私どもとしましては、こうしたテロ、ゲリラを防圧するために精いっぱいの努力をしてきたつもりでございます。 例えば、昨年来千葉県の収用委員会の会長が襲撃された事件がありましたが、その犯人二人を、中核派の者ですけれども、割り出しまして逮捕し、さらに追加で二人の者を指名手配する。こういう措置をとっております。本年一月二十九日には埼玉県下におきまして、もう一つの過激派であります革労協狭間派の秘密アジトを摘発しまして、多数の爆弾あるいは手製挙銃、こうしたものを押収して活動家を逮捕しております。 これらの摘発を含めまして、昨年からこれまでに秘密アジトを十四カ所、それから地下活動をしている秘密部隊員四十九人を摘発しております。今後ともこのように秘密部隊の摘発に全力を挙げるつもりでありますが、その一方でテロ、ゲリラを封じ込めるために、アパートローラーあるいは旅館、ホテル対策、さらには車両盗難防止対策、こうした諸対策を強力に推進してまいるつもりでございます。また、テロ、ゲリラの被害を受けるおそれのある個人テロの対象となる方々あるいは重要施設に対しましては、情勢に応じ、必要に応じ所要の警戒警備措置を講ずる所存でございます。 さらに、最後に一言つけ加えたいのでありますが、テロ、ゲリラの防圧、検挙のためには、秘密部隊による武器の調達、車両の調達あるいは秘密アジトの設定、こうした不審動向が前段にあるわけでございます。そういう意味で、国民からの通報というような協力を得ることがこれらを徹底的に検挙するには不可欠のことと思います。そういう意味で、国民の理解、協力を得るために、さらに関係機関、団体とも連携をとりながら、きめ細かい総合的な施策を推進しまして、一層彼らの防圧に努めてまいりたいと思っておる所存でございます。
○矢原秀男君 じゃ最後に大臣、この問題について一つは法秩序の維持、二番目には治安対策、こういう立場から法務大臣としての御見解、決意を伺って終わりにしたいと思います。
○国務大臣(長谷川信君) 甚だ遺憾のきわみの事件でございまして、本当に国民各位に心配をかけているところであります。 今警察の担当の方からいろいろ話がございますように、本当に努力して一生懸命やっていらして、今お話しのとおりいろいろ成果も上がっているのでございますが、今法務大臣としてはどうだということでございますが、捜査の段階でございますので私からコメントを申し上げることは本日のところはひとつ差し控えさせていただきたい。懸命な努力に対しまして心から本当にお礼を申し上げる次第でございます。頑張っていただきたいと思います。
○矢原秀男君 終わります。
○委員長(黒柳明君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時六分散会