文教委員会 第2号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1990/04/17
会議録
○委員長(柳川覺治君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る三月三十日、野沢太三君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君が選任されました。 —————————————
○委員長(柳川覺治君) 教育、文化及び学術に関する調査を議題といたします。 文教行政の基本施策について保利文部大臣から所信を聴取いたします。保利文部大臣。
○国務大臣(保利耕輔君) 第百十八回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。 我が国が、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある心豊かな社会を形成し、変化著しい国際社会において積極的にその役割を果たしていくとともに、国民一人一人が、その生涯にわたり、生きがいと潤いを持って一層充実した生活を営むことができるようになるために、教育、学術、文化、スポーツの果たす役割は極めて重要かつ大きいものがあります。 文部省においては、これまで、臨時教育審議会の答申等を踏まえつつ、教育改革のための各般の施策を着実に進めてきたところでありますが、今後、新しい二十一世紀の時代に対応した教育、学術、文化、スポーツのあり方を見据えつつ、次代の我が国社会を担うにふさわしい、国際社会の中でたくましく活動できる豊かな心を持ち創造性に富んだ青少年の育成を目指してまいりたいと存じます。 そのため、現在、中央教育審議会においては、中長期的観点から、新しい時代に対応する教育の諸制度の改革、すなわち現在の学校教育に係る諸問題が顕在化している後期中等教育の改革と、これに関連する高等教育の課題、及び人々の多様化、高度化した学習需要に適切に対応する生涯学習の基盤整備のあり方について精力的な御審議をいただいており、このうち生涯学習の基盤整備については、去る一月三十日に答申をいただいたところであります。 私は、教育、学術、文化、スポーツの担当大臣として、これらの充実発展に寄せる国民の期待と高齢化、国際化、情報化などの社会の動向に的確にこたえつつ、種々の課題の解決のために全力を傾注してまいる所存であります。 以下、主要な課題について私の基本的な考え方を申し述べます。 第一は、生涯学習の推進についてであります。 人々が生涯の各時期において自発的に適時適切な学習を行うことができ、また、その成果が適正に評価される生涯学習社会の実現を図ることは、今日の我が国における重要な課題の一つであります。 文部省では、これまでも、国民の生涯にわたる多様な学習活動を振興するための体制の整備を進め、生涯学習情報の提供、相談体制の整備、指導者の養成確保、必要な施設の整備等生涯学習基盤の整備充実を図ってまいりましたが、今後ともこれらの施策のなお一層の充実に努めるとともに、今回中央教育審議会が提言された諸事項については、必要となる法的整備の面についても鋭意検討を進め、その実現に向け最大限の努力をしてまいる所存であります。 また、生涯学習機関としての学校という観点から、みずから学習する意欲と態度を育成することにより生涯学習の基盤を形成するとともに、学校の機能、施設の開放を促進し、放送大学の整備、専修学校教育の振興等に努めてまいります。さらに、生涯学習の推進における社会教育の果たす役割の重要性にかんがみ、長寿対策、家庭教育の充実、婦人の社会参加の推進、ボランティア活動の推進、青少年の健全育成等社会教育の一層の振興に取り組んでまいります。 第二は、文化の振興についてであります。 真に豊かな社会を形成していくためには、多様な文化の諸活動が活発に展開され、人々が心の豊かさを享受できる社会を実現していくことが極めて重要であります。このような観点から、伝統文化を継承するとともに、我が国の芸術文化の水準を高め、国民がすぐれた芸術文化や伝統文化に身近に接し、みずからの手により新しい文化を創造発展させることができる真の文化国家にふさわしい環境の醸成と基盤の確立が必要となっております。 このため、新たに芸術文化振興基金を創設し、政府出資金と民間からの寄附金による基金の運用益により、すぐれた芸術文化の多彩な展開とその普及、文化による町づくりの推進に対する助成を幅広く行ってまいる所存であります。 また、創造的な芸術活動への支援、現代舞台芸術のセンターとなる第二国立劇場(仮称)の整備促進、地域の特色ある文化活動を支援する地域文化振興特別推進事業の実施等地域における文化活動の推進、「ふるさと歴史の広場」事業の拡充を初めとする文化財の公開、活用の推進など、文化の振興のための諸施策を進めてまいります。 第三は、スポーツの振興についてであります。 国民の心身の健全な発達と明るく豊かな国民生活の形成に寄与するため、広く国民に対し生涯にわたってスポーツに親しむ機会を整備するとともに、国際競技会における日本選手の競技力向上を図ることが重要であり、昨年十一月に保健体育審議会からいただいた「二十一世紀に向けたスポーツの振興方策について」の答申を踏まえ、生涯スポーツ、競技スポーツ及び学校体育の各面にわたるスポーツ振興のための諸施策の一層の推進に努めてまいります。 第四は、初等中等教育の充実についてであります。 これからの初等中等教育においては、生涯学習の基盤を培うという観点に立ち、豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成や、社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図るとともに、基礎的、基本的内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ることが重要であります。 このような考え方のもとに、幼稚園から高等学校まで及び特殊教育諸学校の学習指導要領を昨年改訂し、平成二年度から順次実施することとしており、その趣旨の実現に努めてまいる所存であります。 特に、道徳教育については、人間としてのあり方や生き方の根本にかかわり、児童生徒の人間形成に重要な役割を果たすものでありますから、新学習指導要領に基づき、学校と家庭、地域社会とのより密接な連携を図りつつ、その一層の充実に努めてまいります。また、児童生徒の登校拒否等の学校不適応の問題についても、その解決を図るため、今後とも施策の充実に努めてまいります。 そのほか、新しい教科書検定制度の適切な運用、幼稚園教育、特殊教育の充実などにも積極的に取り組んでまいります。また、子供の心身の健全な発達と生涯の各時期を通じた国民の健康の保持増進に資するため、社会教育との連携を図りつつ、学校保健、学校安全、学校給食など健康教育の一層の充実に努めてまいります。 また、教員の資質能力の向上については、初任者研修制度の円滑な実施を図るほか、養成、採用、現職研修の各段階を通じた総合的な施策を講じてまいります。また、学校においては、校長を中心とする責任体制の確立を図り、活力と規律のある学校運営の推進に努めてまいります。 教育条件の整備については、厳しい財政事情のもとではありますが、児童生徒一人一人により行き届いた教育を行うため、四十人学級の実施を初めとする教職員定数改善計画の着実な推進、コンピューター等の情報機器の整備充実、過大規模校の早期解消を初めとする公立学校施設の整備などにできる限りの努力をしてまいる所存であります。また、義務教育教科書無償給与制度を堅持してまいります。 さらに、今後とも、生き生きとした特色ある地方教育行政の展開を図るため、教育委員会の活性化を図ってまいる所存であります。 第五は、高等教育の充実と改革についてであります。 我が国が国際社会において積極的な役割を果たしていくためには、高等教育の充実と改革を不断に推進することが重要であります。このため、現在、大学審議会において、学部教育及び大学院の充実と改革、高等教育の計画的整備等の具体的方策について検討を進めております。大学院制度に関しましては、既に答申を受け、大学院設置基準の改正等その弾力化を図るための所要の措置を講じたところであります。今後とも、大学等の教育研究の高度化、多様化、活性化等を図る観点から、大学改革の諸課題の具体化に積極的に取り組んでまいる所存であります。 大学入試については、当面、大学入試センター試験の円滑な実施や国立大学の受験機会の複数化など、関係者の格段の努力を促しつつ、改善に向けて着実な推進を図ってまいります。なお、中長期的な観点から、大学審議会においてそのあり方について研究をお願いしているところであります。 さらに、国立大学の整備については、北陸先端科学技術大学院大学を創設し、東京工業大学に生命理工学部を設置する等、努めて精選しつつも、学問の発展及び時代の進展に即し、教育研究の推進上必要な整備に力を注ぐこととしております。 第六は、私学の振興についてであります。 私立学校は、初等中等教育、高等教育を通じ、それぞれの建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を実施しており、我が国の学校教育の普及充実に多大な貢献をしております。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続き教育研究条件の維持向上に努めてまいる所存であります。 第七は、学術の振興についてであります。 近年、二十一世紀の我が国を支える基盤として基礎研究の重要性が強く認識され、社会の各分野において大学を中心とする学術研究に対する期待がますます高まるとともに、我が国の国際的役割の増大に対応して独創的、先端的な学術研究をより一層推進し、世界の学術研究の進展に積極的に貢献していくことが求めらております。 このため、科学研究費の拡充、若手研究者の育成、研究設備の充実、学術情報システムの整備など学術研究基盤の整備拡充に努めるほか、地球環境問題など地球的規模の諸課題に積極的に取り組んでまいります。さらに、重要基礎研究や民間等との共同研究の推進等を図ってまいる所存であります。 最後に、教育、学術、文化、スポーツの国際交流の推進について申し述べます。 今日、国家間の相互依存関係がますます深まっていく一方で、さまざまな側面で国家間の摩擦や緊張も増大してきておりますが、我が国が積極的にその役割を分担し、諸外国とともに相互理解を深め、信頼を基礎とした友好関係を築いていくためには、経済面での協調協力に加えて、教育、学術、文化、スポーツの各分野における国際的な交流、協力を一層積極的に進めていくことが極めて重要な課題となっております。 今後、学術研究の面においては、国際的な共同体制のもとに、地球環境問題の解決等の各国共通の課題の解決のために尽力し、研究者の派遣、招聘等の学術交流の拡充を図るとともに、外国人に対する日本語教育についても各般の施策を通じてその一層の改善充実に努めてまいります。 また、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、諸外国との心のかけ橋となる留学生交流について、大学等における教育指導体制の充実はもとより、私費留学生に対する支援、宿舎の安定的確保など幅の広い留学生施策の総合的推進に努めるとともに、日本人学校等の在外教育施設における現地社会との国際交流活動の推進、海外での貴重な体験を生かす教育の充実に努力してまいる所存であります。 さらに、文化面での相互の交流の促進のため、海外のすぐれた芸術家の招聘研修、我が国のすぐれた舞台芸術の海外フェスティバルなどへの派遣や文化財の保存修復に対する協力を積極的に進めるとともに、スポーツの国際交流の充実に努めてまいります。 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。 文教委員各位の一層の御指導と御協力をお願い申し上げる次第であります。
○委員長(柳川覺治君) 次に、平成二年度文部省関係予算について、北川文部政務次官から説明を聴取いたします。北川文部政務次官。
○政府委員(北川正恭君) 平成二年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成二年度の文部省予算につきましては、我が国が、変化著しい国際社会において積極的にその役割を果たしていくとともに、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある心豊かな社会を形成していくために、教育、学術、文化、スポーツの文教施策全般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は四兆七千九百八十七億七千二百万円、国立学校特別会計予算額は一兆九千八百八十八億二千五百万円となっております。 以下、平成二年度予算における主要な事項について御説明申し上げます。 第一は、生涯学習の振興に関する経費であります。 人々の生涯にわたる多様な学習活動の振興に資するため、広い視点から生涯学習の振興を図ることといたしております。 まず、生涯学習基盤の整備充実の面では、文部省の生涯学習の振興のための重要事項等について調査審議する生涯学習審議会(仮称)を設置するとともに、地域における生涯学習に取り組む体制の整備、多様な学習情報の提供、生涯学習センター等の公立社会教育施設の整備、社会教育主事等の養成確保に努めることといたしております。 次に、生涯学習機関としての学校の機能の充実につきましては、高等学校、専修学校、大学等の学校の機能や施設の開放を促進するとともに、放送大学の整備、専修学校教育等の振興を図ることといたしております。 また、社会教育の活性化の面では、婦人、青少年等の学習機会の整備充実に努めるほか、長寿化対策事業の促進、家庭、地域の教育機能の活性化等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。 さらに、国立少年自然の家の計画的な整備を進め、長野県高遠町に第十三番目の少年自然の家を機関設置するとともに、新潟県妙高村に置く第十四番目の少年自然の家の設立準備を行うことといたしております。 第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、いわゆる四十人学級については、児童減少市町村以外の「その他市町村」内の小学校の第五学年まで、中学校の第二学年まで、それぞれ施設余裕校について実施することとしたほか、教職員配置についても所要の改善を行うことといたしております。 次に、教職員の資質の向上を図るため、初任者研修制度を小学校に引き続き新たに中学校について本格実施することといたしております。また、新たに学校栄養職員に対する研修を実施し新規採用教員等研修の充実を図るとともに、教員の海外派遣、教育研究団体等への助成などを行うことといたしております。 教育内容につきましては、新学習指導要領の趣旨徹底を図るため講習会を行うとともに、指導書の作成等を行うことといたしております。また、小中高等学校における情報化への対応を円滑に進めるため、教育用コンピューターの整備、教育用ソフトウエアの改善等の施策を推進するとともに、我が国社会の国際化への対応のため外国語教育の充実に努めていくことといたしております。 また、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。 次に、児童生徒の問題行動や登校拒否、高校中退などの学校不適応の問題について適切に対処するため、新たに登校拒否児童生徒を対象とした適応指導教室について実践的研究を行うとともに、学校不適応対策事業の一層の充実を図ることといたしております。また、児童生徒の健全な育成を図るため、自然教室推進事業の拡充などの施策を充実することといたしております。 道徳教育につきましては、児童生徒の豊かな人間形成を図る上で極めて重要な役割を担っていることにかんがみ、新たに、道徳教育推進指導資料の作成配布事業を実施するなど、学校と家庭、地域社会とのより密接な連携のもとでの道徳教育の一層の充実を図ることといたしております。 幼稚園教育につきましては、保護者の経済的な負担の軽減を図るための幼稚園就園奨励費補助を行うなど、一層の振興を図ることといたしております。 特殊教育につきましては、心身障害児の指導方法等に関する調査研究を実施するとともに、特殊教育就学奨励費を充実するなど、その施策の振興に努めることといたしております。 また、海外子女教育、帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、在外教育施設における現地社会との国際教育、文化交流等を一層推進するほか、中国等帰国孤児子女教育研究協力校を拡充することといたしております。 さらに、児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、学校給食につきましても、豊かで魅力ある学校給食を目指して学校給食施設設備の整備を図ることといたしております。 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について所要の事業量を確保するとともに、コンピューター教室等情報化対応スペースの確保等の補助制度の改善を行うこととし、これらに要する経費として二千二百四十六億円を計上いたしております。 なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第三は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、平成元年度に対しまして三十四億円増の二千五百二十億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助については八十億五千万円を計上するとともに、研究設備等整備費補助についても十七億五千万円を計上し、それぞれ平成元年度と同額を確保することとし、教育研究の推進に配慮いたしております。 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、平成元年度に対して二十一億円増の七百七十六億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二億五千万円及び財政投融資資金からの借入金二百二十億円を計上し、自己調達資金と合わせて六百二十億円の貸付額を予定いたしております。 第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、大学院の充実と改革につきましては、北陸先端科学技術大学院大学の創設、大学院最先端設備の整備充実等を図るため、所要の経費を計上いたしております。 また、国立大学の整備につきましては、東京工業大学に生命理工学部を新設するなど、教育研究上緊急なものについて推進することといたしております。 附属病院につきましては、教育、研究、診療上特に必要性の高い分野及び社会的要請の強い分野について、診療科、救急部等を新設するなど、その充実を図ることといたしております。 なお、国立学校の授業料等につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。 次に、育英奨学事業につきましては、平成二年度から奨学金貸与人員をふやすなど、その改善を図ったところであり、政府貸付金七百十九億円、財政投融資資金三百五十六億円と返還金とを合わせて千七百五十億円の学資貸与事業を行うことといたしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について所要の助成を図ることといたしております。 第五は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富むすぐれた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として引き続きその拡充を図ることとし、平成元年度に対して三十二億円増の五百五十八億円を計上いたしております。 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、すぐれた若手研究者の育成に資するための特別研究員制度の拡充、研究設備の充実、大学と民間等との共同研究の充実など各般の施策を進めるとともに、地球環境問題の諸課題の解明に資するため、名古屋大学附置太陽地球環境研究所の設置を初めとする諸施策の推進を図ることといたしております。 また、天文学研究、宇宙科学等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として五百十四億円を計上いたしております。 第六は、スポーツの振興に関する経費であります。 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設及び学校体育施設の整備に要する経費として百七十六億円を計上いたしております。 また、学校体育につきましては、学校体育指導の充実強化に努めるとともに、学校体育大会の補助についても所要の経費を計上いたしております。 さらに、生涯スポーツ推進の観点から、指導者の養成確保、学校体育施設の開放、全国スポーツレクリエーション祭の開催など、幅広く国民のスポーツ活動を助長するための諸施策の一層の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしております。 次に、競技スポーツの振興につきましては、日本体育協会の行う事業のうち、選手強化事業について拡充を図るとともに、スポーツ科学の推進を図るため、国立スポーツ科学センター(仮称)の実施設計に着手することとし、所要の経費を計上いたしております。さらに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財の整備・活用の推進に関する経費であります。 まず、芸術創作活動の推進につきましては、舞台芸術の創作活動に対する助成、芸術祭の開催、芸術フェローシップによる人材養成等を推進するとともに、民間等の協力を得て、国の内外において意欲的な公演を実施する芸術活動の特別推進事業を拡充することといたしております。 また、映画芸術の振興について、優秀映画鑑賞全国ネットワーク事業の拡充等の諸施策を推進するとともに、新たに、アジア諸国の映画フィルムの収集事業を実施することといたしております。 さらに、地域の文化振興の重要性にかんがみ、こども芸術劇場等の巡回公演事業や国民文化祭等に加え、新たに、地域文化振興特別推進事業を実施するとともに、全国的な文化情報システムの調査研究等を行うことといたしております。また、中国引揚者や外国人のための日本語教育の充実につきましても所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財の整備・活用の推進につきましては、「ふるさと歴史の広場」の整備事業の拡充や史跡の整備、公有化を促進するほか、国宝、重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査等を促し、また、天然記念物の保護及び食害対策を進めるとともに、国立劇場の事業を充実するなど、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。 また、かねてより準備を進めてまいりました第二国立劇場(仮称)につきましては、建設用地の取得等建設推進に積極的に取り組むことといたしております。 以上のほか、政府出資金と民間からの寄附金による芸術文化振興基金の運用益により、すぐれた芸術文化の多彩な展開とその普及及び文化による町づくりの推進を幅広く支援していきたいと考えております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流、協力の推進に関する経費であります。 留学生交流については、二十一世紀初頭における十万人の留学生受け入れを目途に、国費留学生受け入れの計画的整備、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実等各般の事業を民間団体など各方面の協力を得ながら積極的に推進することとし、そのために要する経費として二百七十一億円を計上いたしております。 さらに、外国人に対する日本語教育の充実を進めるとともに、識字教育事業に対する協力などユネスコを通じた教育協力、国連大学への協力等についてもその推進を図ることといたしております。 次に、学術の国際交流、協力を推進するため、諸外国との研究者交流、特に次代を担う外国人若手研究者の受け入れを拡充するとともに各種の国際共同研究、拠点大学方式等による発展途上国との学術交流の促進を図ることといたしております。 また、文化の国際交流についても、新たに、芸術フェローシップとして、海外の若手芸術家を招聘し、研修、交流の機会を提供するとともに、海外の優秀芸術家の招聘、海外フェスティバルへの参加公演、海外展の開催、遺跡保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。 第九は、教育改革の総合的推進等に関する経費であります。 ただいま御説明いたしましたように教育改革の着実な推進を図るため所要の経費を計上いたしておりますが、このほかに、教育改革の実施に関する特別調査研究等の経費を計上するとともに、政策立案に資する調査研究機能の強化等を図るため、国立教育研究所について前年度に引き続き整備を進めるため所要の経費を計上いたしております。 以上、平成二年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(柳川覺治君) 以上で文部大臣の所信及び平成二年度文部省関係予算の説明の聴取を終わります。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十分散会