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118回国会参議院1990/06/14

農林水産委員会 第9号

発言数
219
登壇者
19
会派数
7
開催日
1990/06/14

会議録

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨十三日、橋本孝一郎君が委員を辞任され、その補欠として小西博行君が選任されました。     —————————————

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 市民農園整備促進法案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 都市農業の果たしている役割、今後都市の農業、農地をどのようにするのか、その政策誘導についてまず農林水産大臣の見解を伺いたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。  都市農業は、都市の住民に対しまして野菜などの生鮮農産物を供給しているほか、緑、それからレクリエーションの場を提供する、あるいはまた最近では、環境保全の問題などいろいろ言われておりますが、これらの総合的な役割を果たして今日に至っておるというふうに認識をしております。一方、都市農業に供されている農地を、宅地等農業外の土地需要、最近土地問題はこの海部内閣でも一つの大きな政策課題になっておりますが、その土地需要とどういうふうに調和をさせていくかというふうな問題などもございます。このため、都市農業の果たしている役割を十分踏まえながら、都市計画法あるいは農地法等々を適切に運用いたしまして調和ある国土の利用、発展のために邁進をいたしたい、こう考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市民農園は、都市に限定したものではないけれども、しかし都市に重点が置かれてくるであろうというふうに思います。大臣の答弁がありましたように、今都市における土地問題が重要な課題となっております。都市のサラリーマンが一生涯かかっても宅地や住宅を確保することができないというときに、耕作放棄農地やあるいは遊休農地を宅地に供給してもらいたいという要望が高まっていることも事実であります。  こうしたときに、レクリエーション、生きがい対策、都市の形成、良好な都市環境の整備というような名目で市民農園を法制化しようとしておるところでございますが、市民農園は農地として存続させる考えがあるのかどうか。つまり、市民農園の位置づけと役割を明確にして農地を農地のまま保全する、そのことによって潜在的な農業生産力を高めていく、農水省としてはそのことを基本とすべきではないかというふうに思いますが、どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生の御指摘のとおりでございまして、御承知のとおり市街化区域内の農地は、農業委員会への届け出によって転用ができるということでございます。提案をしております本法案におきまして、開設する市民農園につきましてはできるだけ長期にわたりまして、継続的に市民農園としての役割を果たすように指導をしてまいりたいというふうに考えております。なお、市街化区域外の農地につきましては、これは申し上げるまでもございませんけれども、農地転用制度の適正な運用を図ることによって、市民農園として利用され、農地のまま存続されるよう十分意を用いてまいりたい、こう考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市街化区域内については、農地として保全をするのでなくて他に転用するということになるんですか。例えば市街化区域内においても、市民農園は農地として保全して潜在的な農業生産力を高めるために用意をしておくんだ。私はそういう質問をしたんですが、どうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域内に設置される市民農園につきましては、市民農園といえどもやはり耕作の目的に供されているということで、私どもは、農地であるというふうに考えている次第でございます。  ただ、大臣から答弁がありましたように、市街化区域内におきましては、いわゆる転用許可制度が一応除外されておりまして届け出で転用できる、こういうような制度になっておりますので、その辺は、私どもとしてもできるだけ安定的に、市民農園に供されるように指導してまいりたいという趣旨でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市街化区域内であっても市民農園は農地として保全をしていく、そのことを確認しておきます。そうすると、都市の農地を保全すべき農地と宅地化すべき農地とに区分する場合、市民農園は保全すべき農地に含まれる、こういうふうに理解してよろしいですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の保全すべき農地、宅地化すべき農地という御指摘は、土地税制上どう取り扱うのかということを含めての御質問かと思いますけれども、現在のところ、土地税制についての具体的な内容につきましては政府部内でもいろいろ議論をしているという段階でございます。ただ私ども、この法案を提出するに当たりまして市民農園に供されている農地につきましては、やはり農地として保全されるべきものではないかというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 税制問題については後ほど伺うけれども、いずれにしても市民農園は保全すべき農地だ、このように理解をしてよろしいのかどうか。その基本的な考え方がなければ税制問題だってどういうふうに扱っていいかわからない、どうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 税制上、どういうふうに振り分けるかということにつきまして、現段階で何とも申し上げるわけにいかないわけでございますけれども、市民農園に供されている農地につきましては、これは農地としてできるだけ安定的に、継続的に利用されるべきものであるというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、市民農園は農地として残していくんだというようなことであろうというふうに思いますけれども、そうすると、従来の農園契約による市民農園は期間が一年以内程度であったけれども、本法適用の市民農園はどのように考えますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園のいわゆる利用期間といいますか契約期間といいますか、これにつきまして私どもいろいろ実態調査をしましたところ、一年以内のものが四分の三を占めているという状況でございますけれども、一年を超えるものもある程度ございます。これから、市民農園をできるだけ立派なものにしてまいりたい、しかも利用関係もできるだけ安定したものにしてまいりたいというふうに考えておりまして、レク農園通達でも、現在利用期間は一年以内程度というような通達の内容になっておりますけれども、私どもは、この法律を成立させていただきました暁には、この法律の施行通達でこのレク農園通達を廃止いたしまして、それで契約期間につきましても一年以内程度というような限定はやめたいというふうに考えている次第でございます。  それからまた、昨年成立させていただきました特定農地貸付法の場合には、契約期間は五年を超えない範囲でというふうになっておりまして、私どもといたしましては、こういうような形でできるだけ安定的な利用関係というものを指導してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 通達によって示すけれども、市民農園というのは認定をする、そうすると、局長としてはどのぐらい市民農園として存続させるべきだというふうに思いますか。先ほど、別の法律では五年ということもあったわけでございますけれども、市民農園についてはどう考えますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園のいわゆる開設の、存続期間ということと、それから個々の利用者の利用契約の期間ということと一応分けて考えたいと思いますけれども、いわゆる個々の利用者の利用契約の期間といいますのは、貸付法では五年を超えないというようなことになっておりまして、余り長期になることはやはりお互いに好ましくないというようなことでありまして、五年を超えないということが常識的なところかというふうに考えております。それから、市民農園の開設をできるだけ安定的に、長期的に存続していただきたいというような観点からも、またいろいろ私ども努力をしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市民農園は、その扱いが都市、特に市街化区域内農地に係ってくる問題が多いというふうに思うんですけれども、市街化区域内農地の推移、それから現況について述べてください。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域内の農地面積は、年々減少しているわけでございますけれども、一番ピークの年は昭和四十八年でございましたが、全国で二十七万三千ヘクタールあったわけでございます。これが年々減少しておりまして、昭和六十三年には十七万一千ヘクタールというふうに、昭和四十八年のピークのときに比べれば約六三%というふうになっている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市民農園区域は市街化区域からは除外をされている。市街化区域には、今答弁がありましたように、十七万ヘクタール余の農地があることを見ても明らかでありますように、市街化区域内の農地といっても直ちに宅地化や市街化が図られるものではない。市民に最も身近なところにある市街化区域内の農地について市民農園にふさわしい場所がある、また市民農園として開設したい及び利用したいという希望者があれば、市民農園区域として認定すべきではないのか。なぜこれを除外するんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域につきまして、市民農園開設を否定しているわけではございませんけれども、ただこの市民農園区域という区域の設定につきましては、市街化区域の外につきまして、いろいろ周辺の農業との土地利用の調整とかそういうことも考えまして、市街化区域の外で市民農園を開設する場合には、市民農園区域というものの中でやっていただきたいという趣旨で市民農園区域を設け、ここで市民農園の設定を誘導するという考え方になっているわけでございます。市街化区域の中につきましては、一応原則としてそういう市民農園区域というものを設けないわけですけれども、市街化区域の中では、原則としてどこでも市民農園は開設できるという考え方になっているわけでございます。  ただ、法律上都市計画施設の区域とか市街地開発事業の施行区域とか、そういうふうに他の用途に供されることが確実になっている区域を除いて、あとどこでも開設の認定の申請ができるという形に法文上なっている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市街化区域についても市民農園は個々にできる、しかし区域の設定はできない。だから、なぜ区域の設定をしないのか。市街化区域について市民農園区域を認めないということは、市民農園法の適用を受けないということになるわけではないですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園区域につきましては、特に土地の交換分合とか、そういうものをやはり行いましてできるだけ円滑に市民農園を設置できるようにということで、いろいろ特例を持っているわけでございますけれども、市街化区域の中につきましては、特にそういう交換分合とかそういう必要性とか、それからまた農業との関係での土地利用上の調整というものも、特に市街化区域の中で図る必要はないのじゃないかというようなことで、市街化区域の中では市民農園区域というものを制度化しなかった次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私が聞いていることは、市街化区域といえども十七万ヘクタール余の農地があるんですよ、しかもそれは、農地のパーセントで言ったら恐らく一二、三%になると思うんですね、そこへなぜ区域を設定しておくことができないのか。区域を設定しなければ、この法律が制定されてもその法の適用を受けないということになるのじゃないですか。そのことを聞いているんです。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域の中で市民農園の開設の認定を申請できるということでございまして、この認定を受けました場合には、いろんなこの法律上の特例、例えば農地法のいろんな権利移動の統制についての特例とか、そういうものは受けるわけでございますし、それからまた市民農園の整備についてのいろんな配慮とか、資金の確保とか援助とか、そういうようなこの法律のいろんな措置は、市街化区域の場合でも適用されるということでございます。  ただ、先ほど申しましたように、交換分合とかそういう点、それからまた他の土地利用との調整、特に農業との土地利用調整ということで、そういう区域を限定するということは、市街化区域の中ではする必要はないのじゃないかということで、市街化区域の中では区域設定は必要ないという制度になっているわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 この法律によると、市街化区域からは市民農園区域は設定しない、除外する、しかしそれに基づいて知事が基本方針をつくる、それから市町村長が市民農園区域の認定をするということになりますから、市街化区域の中でこの区域がつくられなければ、基本方針も認定もできないじゃないですか。法律との関係、どうなんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この法律の構成では、例えばこの法律の七条を見ていただきますと、「市民農園の開設の認定」は「市民農園区域内又は市街化区域内において市民農園を開設しようとする者は、」「認定を受けることができる。」というふうになっているわけでございます。  それからまた、基本方針につきましても、そういう市街化区域の中では、特に市民農園区域でなくても、どういう方針で市民農園を開設いたしたいというような基本方針も、市街化区域の中で開設の方針を決めることができるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市民農園区域を設定しなくても、それ以外のところでも基本方針をつくり、しかも認定することができるんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域の外では、やはり私ども、原則として市民農園区域を設定して、そこで市民農園の開設をしていただきたいというふうに考えている次第でございますけれども、市街化区域の中では、市民農園区域を設定せずにいろいろ開設の認定を行えるということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 いろいろ聞いてまいりますと、農水省は、市街化区域も含めて都市農業の役割、農地の役割は評価をしているけれども、市民農園法においては区域の設定もしないということは、市街化区域の農地というのは、既に農水省が農業振興のために役立てようとする農地ではないんだ、つまり農水省サイドで考えるべき土地ではない、建設省や国土庁サイドから、都市の形成だとかあるいは環境整備の上から対応すべき土地である、こういうふうに理解をするし、だんだんそういうことになってまいりますが、そういうことになりませんか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御承知のように、市街化区域は都市計画法上おおむね十年以内に、優先的、計画的に宅地化すべき区域であるというふうに定められておるわけでございます。したがいまして、この区域内の農地の農政上の扱いといたしましては、届け出制で農地転用ができるというようなことになっておりますし、また農業基盤整備のような効用が長期に及ぶ施策は行わないという考え方にいたしております。ただ、災害復旧とか防災とか普及事業とか、そういう当面の農業の継続に必要な最小限の施策のみを実施するということにしている次第でございます。  市街化区域内における農地を含めた土地利用については、主として、どちらかといえば良好な町づくりというような観点から計画的に行われるべきものであるというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 農地法上の緩和はそうとしても、市街化区域内の農地は先ほど私が申し上げたように、これは都市の形成のための農地だ、環境づくりのための農地だということで、農水省が潜在的な生産を期待していくような農地ではない、そういう方向になってきておるし、また今後なろうとしておるのですが、そのことについてどうなんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 土地利用の調整という観点から十年以内に、計画的、優先的に宅地化すべき区域であるというような調整を行った区域でございますので、私どもといたしましては、市街化区域内の農地につきましては農政上の観点というよりは、どちらかといえば主として良好な町づくりという観点から、適正な土地利用が計画的に行われるべきものであるというふうに考えておる次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、建設省に聞くけれども、今農水省から答弁があったように、市街化区域内の農地については、やはり土地改良にしても補助等は余りやっていかないということになってくるというふうに思いますが、それにしても十七万ヘクタールもあるんですよ。そうすると、住宅地やあるいは他の用地に転用する場合には、市街化区域内の農地だって何とかしていかなければいけない。そういう場合においてはやっぱり補助だとか融資だとか、農水省関係ではなくて建設省サイドでやるべきだということになってまいりますが、どうですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市民農園に関します助成措置ということでしょうか。  建設省といたしましては、現在は市民農園の助成策としまして都市公園に取り込む形で、その中に分区園があるようなものをガーデンパークなどとして位置づけておりますが、これは、基本的には都市公園でございまして、都市公園の通常の補助、そういったものを活用してやっているところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 農水省、市民農園に認定されればこういう補助があるとか金融措置を講ずるとか言っているけれども、市街化区域内に対しては建設省でやっている、農水省のいろいろな施策を講ずべきではないと思いますが、どうですか。そういうことになってきますよ。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園につきましても、農水省としても補助とか融資とか、いろいろ考えている次第でございますけれども、先ほど申しましたように、市街化区域内の農地につきましては基盤整備等の補助は行わないという考え方でございまして、現在の制度では近代化資金の融資を使いまして、市街化区域の中でもある程度の施設整備はできるというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市街化区域は農水省サイドから離れるということになるんですね。そんなことでいいのかどうか、まだこれだけの面積があるんですよ。これはもう建設省さんやってください、国土庁さんやってください、そういうことで農林水産省は農地はどうなってもいい、どういう生産を高めようと。だって、市街化区域内の農地だって随分いろいろ農業生産上役に立っていると思うんですが、そういう方針でいいですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域の農地につきましては、農業振興というような観点で、いろいろ施策を展開するということは必ずしも適切じゃないのじゃなかろうかというふうに考えておりまして、ただ現在、農業が継続されているということは事実でございますので、その農業の継続に必要ないろんな施策、例えば災害復旧とか、それからまたいろんな技術上の指導とか、そういうような点につきましては今後とも施策を実施していきたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 市民農園が、主として大都市について言うならば、都市の形成に役立たせるあるいは環境整備に役立たせる、そういう趣旨のものであったならば農林水産省がこんな法律を出す必要はないんですよ。もちろん建設省と共管ですけれども、これは建設省や国土庁にやってもらえばいいこと、私はそのように思いますし、また後ほど指摘しましょう。  そこで、建設省に伺うけれでも、市街化区域内の市民農園は生産緑地制度に取り入れようとしているんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市民農園と生産緑地の関係でございますけれども、生産緑地制度につきましては、市街化区域内農地につきまして、生活環境機能あるいは公共施設等の保留地としての機能に着目いたしまして、都市計画で生産緑地という位置づけをはっきりさせていく。それに対しまして本法案では、市民農園を都市の生活機能にも着目すると同時に、都市住民のレクリエーション需要にこたえる農地といいますか、農作業を行う場としての位置づけを行っているわけでございます。生産緑地につきましても、市民農園につきましても都市環境の保全とかそういう意味ではかなり類似の目的を持っておりますので、市民農園につきましても、都市計画としての生産緑地の指定要件に合致するような市民農園につきましては生産緑地として指定してまいりたい、そういうことでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 構造改善局長、皆さん方が考えているような市民農園、現在やっている市民農園、これが生産緑地の条件に合致するところが相当あるんですか。特に、市街化区域についてそれだけの面積をつくっていこうとするんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 生産緑地と市民農園との関係につきましては、先ほど建設省の方から答弁がありましたけれども、私どもといたしましても、この生産緑地制度の対象地区とか面積とか、指定の要件がございますけれども、その要件を充足しているような市民農園につきましては、できる限り生産緑地に指定をしていくという方向であるというふうに承知いたしております。また、建設省の方では生産緑地制度そのものの改正といいますか、検討についてもいろいろ研究をしておられるというふうに聞いている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 建設省、市民農園はそんな大きなところはないわけですね。ましてや区域も設定されておらない、市街化区域においては。それを生産緑地に全部取り込むことができるのか。農林水産省は、市民農園は保全すべき農地だと言っていますね。しかし、建設省の考え方を見るならば、これからの市街化区域内の農地は生産緑地制度、あるいは生産緑地かまたは逆線引きによる調整区域か、いずれかに移行していくんだという方針ですよ、建設省は。その場合に市民農園が生産緑地に全部入らなければ、一体残ったところはどうなっていくんだということになりますね。保全すべき農地ではないというふうに思いますけれども、どうですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市街化区域農地につきまして、宅地化すべき農地と保全すべき農地に今後分けていくと。保全すべき農地につきましては、私どもといたしましては今先生がお話ございましたように、生産緑地の指定あるいは市街化調整区域への逆線引き、そういう形で明確化されていくと思います。したがいまして、市民農園につきましてはその生産緑地に合致するといいますか、そういったものについては保全すべき農地という、生産緑地との絡みでそういう形になろうかと思いますが、そうならないものにつきまして、そうたくさんあるとは思いませんが、必ずしも一〇〇%合致する、そういうものではございません。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 だから、生産緑地帯に合致すれば保全すべき農地として建設省は残すと言うんです。私は、そんなに全部合致するとは思わないんですよ、市民農園というのは。合致しない市民農園はどうなるんですか、保全すべき農地ではないじゃないですか。先ほど、保全すべき農地だということを農水省は言っていますけれども、その場合はどうなるんですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 村沢先生の御指摘はごもっともなんですね。これは政策の基本から考えますと、片や大都市あるいは大都市周辺における農地政策上、農業政策上の問題、それから片や都市政策上あるいは土地政策上の問題ということを両方にらみながらこの法律の立法化を図った、こういうことに起因をするわけでございます。  繰り返すつもりはございませんけれども、市街化区域内の場合には、先生御承知のとおりなんでして、これは届け出で農地転用が可能である。そしてまた、これは構造改善等々長い間にわたっての投資はそこはしていかないと、災害等に関してはこれはもう緊急措置でやっていくということの方針が既に出ておるわけでございます。しかし、現実に先生のおっしゃるとおり相当数の緑地があるわけですね、市街化区域内にも十七万ヘクと、こういう話があります。その農地の、緑地の果たしている役割、環境保全とかあるいはレクとか、あるいは生鮮食料品を都市の中でもって供給しているというふうなそれぞれの役割がございますから、それを踏まえて保全すべきものは保全していくようにしたい、農林水産省としてはそういうスタンスなんです。  しかし、土地政策上の問題もございまして、これは建設省あるいは国土庁と十分相談をしながら対応をしていかなきゃならない。現実に緑としてある姿については、もうできる限り農林水産省は残していく方向で考えながら、一方では市街化区域内の問題の対応と市街化区域外の問題の対応と、税制上の問題等も踏まえまして進めていこう。かなり苦心をして立法をしたんだと、こういうことをぜひ御理解を賜りたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣の、そういう抽象的というか政治的な感覚は私もわかるけれども、しかし大臣、建設省は、これからの市街化区域の土地の方針として残すべきものは生産緑地帯だ、あるいはどうしても農業をやりたい者は逆線引きをしてそれは調整区域に入れろと、この二つの方針なんですよ。市民農園はつくったけれども、全部生産緑地帯に入るのか。私は全部は入らないと思うんです。ですから、一体それをどう農水省としては考えるのか。生産緑地帯に入らない農地は、これは保全すべき農地じゃないんですよ、これからの建前上。  そこで建設省、生産緑地帯の編入をしていく、組み入れていくその最低の条件は何ですか。どのぐらいですか。  それからもう一つ、市民農園の開設者から生産緑地帯にぜひ組み入れてもらいたいという申請があった場合にはどうするんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市街化区域農地につきまして、宅地化といいますか市街化するべき地区におきましても、市街化とか宅地化と申しますのは、すべての敷地に住宅とか事務所とか、そういうものが建つという状況ではございませんで、宅地化と申しましても、その中に公園などの緑化空間なども保持しながら、当然道路などもあるわけですが、そういった形で宅地化というものは進めていくわけでございますので、宅地化イコール住宅地あるいは事務所化と、そういうことではありませんで、宅地の良好な環境を保つためには緑地あるいはそういう農地なども残しながらの宅地化である、そういう認識で私どもいます。  それから、生産緑地との絡みですが、生産緑地につきましては、一種、二種とございまして、普通の場合には面積要件は現在はおおむね一ヘクタール以上、二種につきましては現在ではおおむね二千平米以上、将来また検討対象になっておりますけれども、現状はそういうことでございます。  それから、生産緑地の指定に当たりましては、農民の同意を得る、地権者の同意を得て都市計画として決めていく、そういう手続になっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 もう一つ、市民農園を生産緑地に認定してもらいたいという申請があった場合にどうするのか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市民農園と申しましても、これからのものは都市環境の保全に資するということで、ある一定のレベルのものであろうと思います。そういったものでございますので、生産緑地に認定できる規模その他の条件がございますが、そういったものについては積極的に生産緑地に認定していきたい、そういうことでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 農林水産省、今建設省から生産緑地の基準について話があったんですが、今やっているいわゆる入園契約による市民農園、これに照らしてみて、この基準に該当するものは一体どのくらいあると思いますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 現在のところ、そういう生産緑地の現行のいろいろな面積基準とか対象地区の基準とか、そういうことで現在ある市民農園について、どういうふうに該当するかということについての調査は、私どもやっておらない次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 局長は、生産緑地帯の変更変更と言うけれども、肝心の建設省はまだ一言もそんなことを言っていないんですよ、基準を変えるなんてことは。これから言うでしょうけれどもね。あなたの方で生産緑地帯も基準を変えるだろうなんてことを勝手に解釈して、そしてまた一体生産緑地帯に組み入れなければ都市の中で、もちろん農業として全部建設省、私は全部宅地にしてしまえなんて言っているわけじゃないですよ、やっぱり農業も必要だと。その生産緑地帯に組み入れなければ、農地として農業として残っていかないんですよ。その落ちこぼれをどうするのか、落ちこぼれをですね。答えてください。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の点は、いわゆる土地税制、特に今議論されております市街化区域農地の長期営農継続農地制度の取り扱いの問題になるのではないかというふうに思っておりますけれども、土地税制、特に固定資産税の農地についての取り扱いをどうするかという点につきましては、今後いろいろ政府部内でも議論しながら検討されるというふうに聞いて、検討している次第でございます。  私どもといたしましては、こういう市民農園整備促進法というような法律の制度ができて、これに基づいていろいろな市民農園が開設されるというような事態になりましたならば、そういう事態、この法律制度及びそういう実態を踏まえて、そういう土地税制も今後検討されるのではないかというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私は、農水省、税制も考えなきゃいけないし、そのことについて後ほど質問しましょう。  しかし、局長は先ほど来市街化区域の農地のあり方については税制問題だけ全面に出していますけれども、農林水産省としては市街化区域としても農地を守っていくんだと、農業生産を高めるような要素があれば高めていくんだというあれがあるとするならば、市民農園法をつくって認知をしようとする限りにおいては、それは存続すべき農地だ、建設省の方では将来生産緑地帯に入らなければ、あるいは逆線引きをしなければ市街化区域内の農地は残りませんよと言っているんです。せっかく法律をつくるんだからこれは存続するんだ、国の方針が生産緑地帯に全部するんだというならばそれに取り入れていくんだという、その方針がなくてはいけないと思いますが、どうなんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 土地税制の問題につきましては……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんなことはわかっているんだ、税制は後から聞きますよ。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 現在、市街化区域の問題も含めましていろいろ検討を進めている次第でございます。  私どもといたしましては、この市民農園整備促進法に基づいて開設される市民農園につきましては、できるだけ安定的に利用されるようにいろいろ工夫してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 工夫はいいけど、工夫するのは当然だけれども、市民農園を本当に残していくのかどうかということなんです。くどくも先ほど来質問していますように、生産緑地帯に入らなきゃ残っていかないんです、あるいは逆線引きしなきゃ残っていかないんですよ。それはどうなんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 実は、現行の制度のままでも市民農園に供されている土地についての税制上の扱いというのは、非常にいろいろ区々になっているわけでございます。現在の長期営農継続農地制度ということで考えますと、これは農業を継続するということでございますので、例えば特定農地貸付法によって貸し付けをされているような市民農園につきましては、現在税法上何らの取り扱いもないというような状況でございます。実態といたしましては、農家が市役所等に無償で貸し付ける、使用貸借というような形で貸し付けられまして、それでまた市役所が、その固定資産税を全面免除をいたしまして市民農園を開設しているというようなケースも多いわけでございます。したがいまして、この市民農園の土地税制についてどうするかということについては、今後いろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 局長、税制の問題は後から聞くというのに、あなたは税制の問題ばかり考えているんですね。それだけ考えるなら市民農園法をつくってこれから税制改革を行うと、法律的に認知をして市民農園法は長期継続農地だとか、これについては固定資産税を猶予するんだとか、そういうねらいのもとにこの法律をつくるんですか。あなたは税制のことばかり言っているんですよ。農水省だからもっと農業サイドのことから考えていかなきゃいけないのじゃないですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 私どもといたしましては、この市民農園整備法に基づきましてできるだけ市民農園のレベルを高くしていきまして、それで安定的に市民農園が利用されるような、そういう施策を展開していきたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私の言うことが間違っていますかね。  どうしても市街化区域において農地を残そうとしていくには、生産緑地帯に入れるかあるいは逆線引きをするか、そのことによって政府は残していこうとするんですよ。そうすると、生産緑地帯に入らない、逆線引きもされない市民農園の設定地域がある程度出てくると思います。それをどうするかということを聞いているんですが、その辺の意見のひとつ統一見解を出してください。私はちょっとそんなものじゃとてもわからないですよ。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 村沢先生にお答えをいたしますが、先生の御指摘は、税制上の問題はこれは別途だと、後ほど質問すると、こういうお話でございますけれども、今建設省サイドから出ました逆線引きの話とかそういうことなどは、税制上の問題等を頭に置きながら次の段階の問題として考え方の披露をしているというふうに私は考えておるんです。  そこで、農林水産大臣といたしましては、この市民農園法を文字どおり成立をさせていただきまして、先生が御指摘の生産緑地ということになると相当大きな規模のものなんですね、面積的にも。そうでなくてもっと小さいもの、現実にはこれはたくさんあるわけなんです。しかも、都市住民のニーズの中に、それをレクリエーションの場としても、あるいは一坪農園という言葉が盛んにはやった時代がございますけれども、自分たちが農業になじむ、親しむ、こういうこと等も含めて文字どおり小さいものを農園として、農地としてやっていきたいという希望が非常にたくさんある、それはぜひ残してまいりたい、いろんな意味合いを含めて残してまいりたい、こういう考え方でおります。建設省ともそれは今相談をいたしまして、その考え方については農林、建設両省とも考え方は同じである、こういうことでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そうすると、市民農園法に基づいて農園を設定する、それは保全すべき農地として残す、税法上もそういう措置を講じていくと、発展していけば。そういうふうに理解してよろしいですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 最後の税法上の問題につきましては、これはまだ、今後の問題として残されておるということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 税法上は後から聞きましょう。  それでは国土庁に聞くけれども、国土庁も市街化区域内の農地について、これは都市化を形成していくとか住宅地にしたらどうかというようないろいろ試算をし検討もしておるようでありますけれども、一体国土庁はどういうふうに考えておるのか。その場合、国土庁としては都市の中にあるあるいは市街化区域内にある農地について、どういう農地を国土庁が考えているような方向に転換しようとするんですか。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○説明員(鎭西迪雄君) 大都市地域の市街化区域内に存します農地を有効に利用していくということは、土地政策上極めて重要な課題の一つであるというぐあいに、まず私ども認識しているところでございます。この場合、その農地の利用でございますけれども、ただいまもいろいろ御議論がございましたが、保全すべき農地と宅地化する農地の区分というものをやはり都市計画上明確にされるということが必要ではなかろうか。そして、宅地化する農地等につきましては住宅地等への適正な土地利用転換というものを順次図っていく、こういうことになるのではないかと考えております。  ただこの場合、一挙に宅地化というのは非常に現実の問題としては難しいわけでございまして、やはり土地利用計画の策定あるいは関連公共施設等の都市基盤整備というものの促進というものを図りつつ、計画的、段階的に進められる必要があるだろう、かように考えているわけでございます。そのためには、ただいま御議論になっております市民農園法等々の、そういう関連諸制度というものが整備されますとともに、そういう諸制度の整備との関連のもとに適切な税制のあり方というものが、これから鋭意考えていかれるべき課題であろう、かように認識しておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国土庁は、市街化区域の農地というのも一挙にできないから段階的にいろいろやっていく、そういうことはよくわかりますが、そこで、今話がありました市民農園については、国土庁としては、これは保全すべき農地である、しかも税法上もそういう形に持っていくべきであるというふうに考えるんですか。

鎭西迪雄国土庁土地局次長

○説明員(鎭西迪雄君) やはり、市街化区域の中におきます土地の利用のあり方ということでございますので、私ども、基本的には都市計画上それがどういう位置づけをなされ、どういう利用が安定的に確保されるかという観点から考えられるべき問題である、かように考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 いずれにいたしましても、都市計画上の問題である。  建設省、政務次官に御答弁いただけますか。都市計画上、市民農園はどういうふうに位置づけしていきますか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 都市計画、その決定をしながら都市計画を進めていくという意味では、生産緑地というものが都市計画になるわけですが、市民農園につきましても都市計画決定という手続ではございませんが、都市政策上といいますか、都市環境の保全あるいは都市住民のレジャーにこたえる施設をつくるという意味では、都市政策上極めて重要なものでございますので、都市政策上も積極的に推進していきたい、そういうことになると思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その辺も、都市計画上、都市政策上いろいろもっとはっきりしたいこともありますが、時間の関係上次に進みます。  自治省に聞くけれども、自治省は、都市農業の役割だとかあるいは都市の機能、市街化区域内の農地、市民農園、これは自治省にも随分関係してくると思いますが、どういうふうに考えていますか。

成瀬宣孝自治省税務局固定資産税課長

○説明員(成瀬宣孝君) 市街化区域内農地に対します税制の関係からの考え方につきまして、基本的な考え方を御説明させていただきたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ちょっと待ってください。私は、税制のことを聞いているんじゃないですよ。やっぱり都市に関係あるでしょう、自治省は。自治体もいろいろな意見を持っていますが、そのことについて聞いているんですよ。税制の問題は後から聞きましょう。

成瀬宣孝自治省税務局固定資産税課長

○説明員(成瀬宣孝君) 市街化区域内農地に所在します土地の評価、これにつきましては、基本的には先ほど来建設省等から御説明ございますように、市街化区域内農地、市街化区域内の土地というものはおおむね十年以内に、優先的に、計画的に市街化を図っていくべき区域、土地ということであろうかと思います。ただ、その中で現実に農地が存在し、その農地が都市農業として一定の役割を果たしていること、あるいは都市の緑、防災空間としての効用、そういったものも持っているということは否定し切れない面があろうかと存じます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 これは、都市において市民農園の果たしている役割、自治省としては市民農園をどういうふうに位置づけしていこうとされるのか。先ほどの議論を聞いておってどういうふうに考えますか。

成瀬宣孝自治省税務局固定資産税課長

○説明員(成瀬宣孝君) いわゆる市民農園につきましては、現実の形態といたしまして、農地所有者が市町村あるいは農協に対しまして有償で貸し付けを行いましたり、あるいは無料で提供するケースなど、またその期間につきましても長いものから短いものまでさまざまな形態のものが見られるところでございます。したがいまして、こうした市街化区域の中にございます市民農園の、今後の特に課税の関係を中心といたしました位置づけ、評価等につきましては、今後の検討課題になっていこうかというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 固定資産税課長だから税金のことばかり言っておりますが、私は、そんなことばかり聞いているわけじゃないんです。  そこで、建設省に聞くけれども、建設省は昨年末、大都市地域における住宅・宅地供給の促進に関する大綱あるいは税制追加要綱等をまとめておりますけれども、これに基づいて例えば大都市圏法等、幾つかの法律を出していますが、農地については、これはどういうふうにしようとしているんですか。ここまでこの国会に出さなかったということは、この大綱の見直しをしようとするのですか、あるいはいや見直しはしません、あの大綱どおりにやっていこうとするんですか、どっちですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 一昨年の閣議決定を踏まえ、あるいは昨年の大綱を踏まえ、建設省では住宅及び住宅地の供給促進のための法律を今国会に出させていただいております。それで、今市街化区域農地に関係するものといたしましては、都市計画法及び建築基準法の改正ということで、住宅地高度利用地区計画制度、そういったものを提案させていただいております。これは市街化区域農地につきましては、基本的に開発抑制ということでほとんどの市街化区域農地については、都市計画上は一種住専、第一種住居専用地区、そういう指定がなされておりまして、例えば建物の高さなども十メートルまでしか建てられないのが原則でございます。そういった中で市街化区域の住宅地の供給促進、そういう観点からは、計画的な開発であれば都市計画上の諸制限も緩和し……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その法律は知っているし、建設委員会にかかっているのは知っていますからね。今私が聞いたことは、それ以外のことをやるのかということです。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) そういったことで税金に直接かかわりがないといいますか、税金とは別の市街化、宅地化供給施策について出させていただいておりますが、税金に絡めた税法の検討あるいは生産緑地法につきましては今後の課題となっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今後の課題であるけれども、大綱あるいは税制追加要綱に基づいて仕分けをして出していこうという考え方なんですか。ということは、それを出そうとしたけれどもいろいろ反発もある、なかなか出せないから見送ったということなのか、出していこうとするのかあるいはもう見直しをするのか、どうなんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) これは、今までの政府の決定に基づきまして、例えば生産緑地につきましても指定要件の見直しを検討する、そういうことになっておりますので、これ以降の問題かと思います。しかしいずれにしましても、先ほど来の税金の話あるいは生産緑地の話につきましては、政府税調などの検討課題でもございますので、これは次の問題だと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 建設省、先ほど来答弁がありますように、生産緑地あるいは逆線引きによって農地を保全していくんだということになりますと、長期営農継続制度というのは廃止をされるということになりますね。

成瀬宣孝自治省税務局固定資産税課長

○説明員(成瀬宣孝君) 現在、市街化区域内農地に対しまして設けられております長期営農継続農地制度につきましては、御案内のように、一昨年六月閣議決定されました総合土地対策要綱の中で、都市計画の中で宅地化するものと保全するものとの区分の明確化をはっきりさせる、そういう仕組みが整備されることを前提といたしまして見直しを行うという方針が定められているところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 見直しというよりも、私に言わせれば廃止をされるということになろうというふうに思いますが、そのことによって農地の宅地並み課税が強行される、逆線引きによって調整区域に移行されようとしても、なかなかそんなことは簡単に、この文で書いたような形に私はいくというふうには思わない。  それから同時に、農家の意向を無視する形になりはしないか、十年以上農業を継続していこうと、そういう意思を持って農業をやっている人たちが、そのことによって、長期営農継続制度がなくなることによって宅地並み課税を課せられてくるということになってしまう。これについて、農林水産省の見解はどうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 東京などの、大都市地域の市街化区域内の農地については、先ほど自治省の方からも答弁ありましたように、区分を明確にしながら都市基盤の整備を図り宅地化を進める、これに応じて税制面の扱いについても見直すということが基本方針で決められているわけでございます。私どもといたしましても、こうした基本方向で協力してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 逆線引きによってこの調整区域に移管しようと。大体その場合の面積というのは、どのぐらい普通、通常あるんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 逆線引きの基準でしょうか。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 いや、通常基準はないとしても、通常どのくらい、そんなこれっぱかりのものを逆線引きというわけにはいかないでしょう。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 一つの区画につきましては、逆線引きの基準は五ヘクタール以上の農地ということになっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 農林水産省、市街化区域内の農地を逆線引きすると五ヘクタール以上ですよ。そんなことが現実的な問題として考えられますか、どうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域、調整区域の線引きにつきましては、私どもも、建設省の方から協議を受けまして関与しているわけでございますけれども、当初設定した市街化区域の中でもなかなか市街化が進まない、それからまた営農を継続したいというようなところにつきましては、従来逆線引きをやっている実績があるわけでございます。第一回の見直し、五十五年から五十八年で約二千六百ヘクタールほど、それからまた第二回の見直しで、五十八年以降平成元年の間で二千百ヘクタールほどの逆線引きが行われている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 これから、この法律を進めていく場合に、そうした要綱をつくって税制も絡ませていく場合に、五ヘクタール以上市街化区域の農地を今度は調整区域に逆線引きをすると。そんなにできるでしょうかね、簡単に。そんなにうまく五町歩もまとまりますかね。どうでしょうか、あなたの経験からいって。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この逆線引きの作業は、確かになかなか地権者の合意といいますか、協力を得られるということについてもいろいろ難しい問題があるというふうに聞いております。今後、逆線引きの基準をどうするかとか、それからまた、その辺の生産緑地制度の面積要件をどうするかとか、そういうことが税制との絡みでいろいろ今後議論される、検討されるものというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ですから、せっかくこういう法律を出しても税制の問題ばっか絡んでくるわけですね。  そこで大臣、建設省の方針というか、あるいはまた今後の土地政策上の関係閣僚会議の方向というか、建設省の方針に対して農民や農業団体は強く反発しているわけです。反対の理由は、農民の意向を無視して長期営農継続制度が廃止される、それに伴って宅地並み課税がされる、それから市街化区域内農地の位置づけ、ビジョンがない、宅地並み課税を強化して農地を追い出しても、今のような土地対策では地価は絶対に安くならない、多くの問題点があるわけですね。  昨年私は、土地基本法審議の際に、建設省の大綱について関係各省が協議をしているのかという質問をいたしましたところ、自治省も国土庁も農水省の方に、構造改善局長あなたも何ら伺っておりませんと、こういう答弁だったんです。そんな関係団体が、機関が本当にまとまっているのかどうか。建設省は、農業団体の反発によって今国会にそうした法律を出そう、区分をしようということも考えたようであるけれども、税制改革との関連によって税制改革を先行しようという形になったのですから。農業を守っていくという農林水産大臣、どうでしょうか。市街化区域の中において農業をやっていこうとする人がおるんですよ。それを今度は逆線引きはなかなか難しいと、それを全部今度は生産緑地帯に入らなければ、生産緑地帯に入ったってこれは農業生産を高めていくという地域じゃないんですよ。農林水産大臣としてはどのように考えますか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生の御指摘はよくわかりますし、また農民の皆さんの御心配もよくわかるつもりでおります。  しかし、都市化が年々再々大都市を中心にして進んでいく。そして、先ほど来申し上げているような、土地問題というふうなことが国民の間で大きな問題になっている。その都市の中の土地の分布状態を見ながら、遊休地の問題とかいろいろございますけれども、農地も非常に大きな問題になりつつあるということも事実でございます。先ほど来の御論議のとおり、これはさまざまな問題もございますが、税金問題などについても所有者の皆さん、生産者の皆さんは非常に心配をされるというふうなことなどもよく承知をしております。  これらも含めまして今後論議を進めていくわけですけれども、しかし農林水産省としては、農地を守りたい。これは都市であろうとなかろうと気持ちとしては同じでございまして、そういう意味で都市農業についてはどうすれば守っていけるか、現在の世相に照らしながら守っていけるかというふうなこと等も考えながら、まさに建設省とも協議をし、そしてまた、自治省その他とも、国土庁などとも相談をしながらその問題を解決していくべき一つとして、今度の市民農園法を提案させていただいた、こういうことで御理解を賜りたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 これは、宅地並み課税だけではなくて相続税にも関係するわけですね。それで、市民農園を開設した人が亡くなって相続をする。その場合には、市民農園というのはむしろ自分の生産を高めるためにやっているわけじゃない、営利を目的につくっているわけじゃない、多くの市民の皆さん方の利益に供与しようとする代表ですね。それに対して、今度は相続しようとしたら一般の土地の評価と同じように評価されて、相続税がたんまり取られたらたまったものじゃないと思うんです。  大蔵省、市民農園についての相続税、どういうふうに考えますか。

大武健一郎大蔵省主税局税制第三課長

○説明員(大武健一郎君) お答えさせていただきます。  先ほど来御議論ございますように、土地基本法が出る前に、その前提となりましたいわゆる総合土地対策要綱というのを決めたわけでございますが、その中で御存じのとおり、「市街化区域内農地のうち保全すべき農地として都市計画上明確な位置付け措置がなされないものについて、相続税の納税猶予制度を見直す」というふうになっております。しがたいまして、先ほど来御議論ございますように、保全すべき農地として、逆に言えば明確な位置づけをされたものにつきましては、従来どおりの相続税の納税猶予制度を継続するという趣旨でございます。  あと一つ補足させていただきたいのは、固定資産税等々、現状の相続税の納税猶予制度というのは若干模様を異にしております。と申しますのも、この相続税の納税猶予制度というのは先生十分御存じのとおり、農地等についてその特殊性、すなわち農地の所有と経営の不可分といいます農地法上の制約というのをひとつ考慮し、かつ農業の自立経営を目指す方が、民法上の均分相続のいわば一種の例外というような形でとらわれることなく、農地等を引き継ぐことができるという、農業基本法の趣旨に対処するために設けられた制度でございます。その意味でも、この相続税の納税猶予制度については、まさにその農業をやられる方が、みずから農業経営を行うという場合に適用される制度でございますから、その意味でもここは農業を御自身が継続されるのかどうか、おやりになるのかどうかというのが、この制度の適否のポイントということかと存じます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そうすると、市民農園はみずから農業をやるんじゃなくて、人に貸してやるんですからね、それは相続税の対象にも猶予にも何にもならないということになってきますね。どうですか。

大武健一郎大蔵省主税局税制第三課長

○説明員(大武健一郎君) ただ、例えば今ございますレジャー農園というようなものにつきましても、御存じのように、先ほど構造改善局長からお話しございましたように、農業経営をその農地所有者である農業者がみずから行っているというようなものについては、あと幾つか通達で御要件ございますけれども、基本的には納税猶予が継続されているわけでございます。ですから、それはいわば、あくまでも御自身が農業をやっている形になっているかどうか、もしそこが人に貸しておられるということになりますと、例えば公園にしている用地であれ何であれ、皆同じようなものを対象にしていかなければならないというような課税の公平の問題もございまして、現状はあくまでも農業経営を守るという観点から適用されている措置だということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 これは、相続税のことなんかに関連して、市民農園制度をつくったけれどもそこでだめになっちゃうんですよ、よっぽどしっかりして市民農園の位置づけをしていかないと。あるいは宅地並み課税の問題についてもそう、相続税の問題についてもそうですね。ですから大臣、せっかくこういう法律をつくるんですから、税制改革はこれからですから、これを認知して、税法上も十分そういう特定の恩典が浴されるような形をとるのが法律を出したあなたの責任だと思いますが、どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 御指摘のとおりだと思いますが、税法上の問題はさまざまな問題がこれから予想されます。これからの問題として先生の御指摘を受けとめておきたい、こう思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 よっぽどしっかりしてやらないと、こんな法律をつくったって——こんな法律と言っては失礼ですけれども、もっともそんなに期待をされる法律ではないということになりますから、その辺は強く要請しておきます。  時間がぼつぼつ参りますから、最後に一点だけ伺っておきますけれども、これは市民農園法といえども土地基本法に基づく土地利用計画の私は一環だというふうに思いますね。  そこで、土地基本法の十一条三項には、利用計画を策定する場合においては関係者の意見を十分反映するものということになっています。これは、基本法制定の際に野党の修正によって挿入した条文なんですよ。ところが、市民農園法を見るとその種のものは一つもないわけです。基本計画をつくる、認定をするんだ、相当の数なんて言っているけれども、関係者はいっぱいいるんだけれども、関係者の意見を聞くなんてことは全然ない、これは法律の欠陥だと思いますね。どうなんですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この法律の中で土地利用計画というふうに考えられますのは、市民農園区域の指定のところがそういうものではなかろうかというふうに考えております。この市民農園の区域の指定といいますのは、どちらかと言えば、権利の制限を行うものではありませんで奨励をする区域であるというような性格でございますし、またこの法律において、余り手続を煩雑にするということですと、関係者の市民農園の認定等に消極的になるというようなことも懸念いたしまして、この法律では手続を規定しなかった次第でございます。  ただ現実に、この市民農園区域を指定する場合には農業委員会の決定を経なければならないということになっておりますので、農業委員会という場を通じて関係権利者の意見がかなり反映されるのではなかろうかという点と、それからまた、私どもこの法律の施行通達におきまして、関係の権利者、利用者、それからまた農業協同組合とか集落組織とか、そういう関係者の意見を十分反映するように指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 土地基本法は宣言法だと、これは手続法だと。宣言法にそういうふうにうたってあるが、手続法はさらにそれを細部に決めるのが私は通常あるべき方法だと思うんです。それは余り関係者がいないので恩典を与えてやるだけが法律だって言うけれども、そうばかりではないんですよ、その場合にやっぱり関係者の意見も聞くと。私は、これは修正しなかったのは私どもが悪かったというふうに思いますが、時間的にそれもできなかったんですけれども、したがってこれははっきり政令等で明記すべきだと思うんですが、どうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 関係者の意見の反映のやり方につきましては、私どもといたしましては通達でよく指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 最後にもう一点だけ。  市民農園法を円滑に運営していくためには、開設者、利用者あるいは地方公共団体、これがよく綿密な打ち合わせをしなければならないというふうに思いますけれども、そのためには、ただ農園をつくればいいということだけでなくて、市民農園の運営をする要綱あるいはそういう指導、このことを徹底すべきだというふうに思いますが、どうですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この市民農園の開設に当たりましては、管理運営を行うための計画を整備運営計画という形で定めて認定を申請するということになっているわけでございます。この整備運営計画の中で、市民農園の開設者が利用者の農地の利用状況を見回るとか必要な指導を行うとか、そういういろんな管理運営についての計画を、開設の認定の際にきちっと書くように指導してまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 時間ですから終わります。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 村沢理事から、いろいろ法制上の問題について本法案に対する質疑が行われましたが、私は、観点を変えましてむしろこの法案をてこにしまして夢を膨らましたい、そういう観点から質問したいと思います。  市民農園の法案審議に当たりまして、私は、せんだって世田谷区の区民農園を見学してまいりました。世田谷区のお世話をしておられる課長さん方の御案内で参りまして、そこで働いておられる区民の皆さん方からいろいろお話を聞く機会を得ました。ここに、区民農園のパンフレットその他もいただいてまいりましたが、大変驚いたことがございます。それは、今議論がありましたとおり、私がお訪ねしましたのは世田谷の桜丘三丁目区民農園というところでございます。約六百坪、我々の年配からいいますと坪、畝になりますけれども、二反歩でございます。そこの場所は、地価が大体坪三百万円だそうでございます。したがって、そこだけで十八億円ですね、そこを地主さんが無償で貸しておるということなんです。区役所ではそれをお借りしまして、それぞれ区画をつくりまして区民の皆さん方に、年間四千円という会費を徴収してお貸ししているということなんです。もう私は大変にびっくりしたわけです。十八億の地価のあるところを無償で貸しておられるという農家の方がおるということ自体、これは大変なことだなというふうに思いましたし、それを借りる力を持っておるという区役所も大変な力だな、こんなふうに思いました。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 世田谷区では三十二こういうのを持っているそうであります。二万一千四百坪。ですからかなりのところでございますが、二千八百五十二戸の区民がこの恩恵に浴しておるということでございます。あの大都市の中で自然にじかに触れて、そしてものを育てるというこの喜び。区民の皆さん方が喜んでおる姿も大変私感動いたしました。当然のことでありますけれども、そこで野菜づくりをしておる方々を見ますと年配の方が多いんですが、大変に健康そうで、しかも何といいますか、労働、ものをつくる喜びというものにあふれておって大変印象深い一日でございました。  山本農水大臣にお尋ねしたいと思いますのは、そういう区民農園を見まして、現実にいろいろな問題がございますが、これをあえて法制化したというゆえんのものは一体何なのか、法制化がこれは必要であったということだと思うのですけれども、そこら辺の、この法案を出してきたという背景と、それから何を見出そうとしておるのかということについて、大臣のお考えを建設省の分もあわせてお伺いしたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) まずお答えする前に、先生非常に御熱心に、今お話しのように世田谷までお出向き願いまして現地をじかに御視察なさった、また区役所からもかなり細かく事情聴取をされておるということに対しまして敬意を表したいと思うわけであります。  先ほど、村沢先生との質疑応答にもございましたが、市民農園は最近その数が非常に増してきた、それから今の六百坪の話が出ましたが、面積もそれぞれの形はございます、今大変な御好意だというお話がございましたが、面積も大幅に増加をしておるわけでございます。  そこで、農業政策の観点から考えますと、一つは、農業者以外の人々に農業に対する理解を深めてもらえる。恐らくその六百坪の提供者の方も、そういうことを充分念頭に置きながら奉仕的にお貸ししてくだすっているんじゃないか。これは農業者以外の方々にも、大変農業を理解してもらえるという点で大きな意味がある。二つは、これもたびたび当委員会でも発言してまいりましたけれども、都市と農村の交流を地域ぐるみでやることができる、あるいは個人個人でもやることができる。そのことが両方の地域の活性化につながっておる、あるいは若い人たちのやる気を起こさせることなどにも通じるということ等で大きな意義があるというふうに感じております。  また一方、都市政策の面、先ほど来このことを申し上げましたけれども、一つは都市住民のレクリエーションの需要、これのニーズが非常に最近高まっております。自分の手で土をいじりたいあるいは何かをつくりたい、こういう気持ちがお父さんやお母さんや子供にまでございまして、その都市住民のレクリエーションあるいは農業に親しむというふうな気持ちを醸成させることは非常に意味がある。あるいはこれも先ほど来申し上げましたけれども、公害あるいは災害の防止、あるいは最近しきりに言われております景観を非常に大事にする、景色を大事にするというふうなこと等の面でも非常に大きく貢献をしておる。その面では、良好な都市の環境づくりに寄与しているのではないだろうか。  そういうこと等を考えますと、この市民農園あるいは今回の法律は、農業政策上及び都市政策上両方の接点を将来にわたって求める意味で、私ども大変期待をしておるわけでございまして、もちろん基本的には優良な農地を残したい、緑を残したいという願望によってこれを進めてまいりたい、こういうふうに考えております。国民の要望でございます健康でゆとりのある国民生活の志向ということにも兼ね合わせまして、また良好な都市環境をつくっていくというふうなことも兼ね合わせまして、そして最終的には農村地域の振興に資したいという私どもの念願を込めて、この法案を提案さしていただいたということでございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 農水省にお聞きしたいと思うんですが、今大臣のお話にもありましたとおり、一つのねらいは遊休地ないしは荒廃地、荒廃農地、これの利用ということが当面考えられるようでございますが、資料を見ますと、昭和五十五年に十二万三千ヘクタールの放棄地があった。それが、五年後の昭和六十年になりますと一万ヘクタールふえまして、十三万五千ヘクタールにふえておるというような統計もございますが、一体こういうふうな農地の有効な利用という点でこの遊休農地がなぜふえるのか、それから現状はどうなっておるのか、これについて荒廃地と一緒にひとつ現状をお知らせ願いたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の、いわゆる耕作放棄地というのが統計上ございますけれども、これは過去一年以上作付をしておらずに、今後とも耕作をする意思のないというようなものを耕作放棄地というふうに定義して統計をとっております。これが、先生御指摘のように、昭和六十年には十三万五千ヘクタールという面積になっております。このほかに、実は不作付地という統計がございまして、過去一年以上作付してないが今後耕作する意思のあるものということで不作付地と。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 これは、不作付地というのは農地の面積の中に含めているものでございますけれども、この不作付地の面積が、昭和六十年に十四万ヘクタールというふうになっている次第でございます。この農地が、こういう形で遊休化するという原因といたしましては、まず中山間地帯などでは基盤整備が進んでないために機械が入らない、そういう形で耕作が放棄されるとか不作付という形になる。それからまた、経営者の老齢化というようなことが主要な要因ではなかろうかというふうに考えております。  私ども、このような遊休農地をできるだけ有効活用するという観点から、まず基盤整備をできるだけやっていきたい。それで、機械が入らないところでも機械を入れて耕作できるような条件を整備していくというようなこと、それからまた農用地利用増進事業によりまして、今後農業を一生懸命やりたいという方々にできるだけ利用権を設定するように奨励をしていきたい、こんなことでいろいろ努力をしている次第でございます。  それからまた、昨年法律を成立させていただきましたけれども、そういう遊休農地についての農業委員会による指導とか、市町村長による勧告というようなものを行う制度もつくって今後運用していきたい、こんなように考えている次第でございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 今当面、この法律案で言いますと市街地の問題です。大体都市の中の周辺の農地ということでございますが、私はこの市民農園法ができたからといって、急にこの市街地ないしは市周辺の遊休地や荒廃地がなくなるというふうには思っておりません。問題は、先ほど村沢委員からもお話がございましたとおり、市民農園の場合は、先ほどお話しのとおり貸してもらうことなんですね。貸してもらうということでございますので、それはもう市町村、地方公共団体が自分の金で買って、そしてそれを維持するのであればこれはもういいわけです。しかし、依然として貸して、又貸しをするという形ですから、市町村ないしは農協というふうに指定してありますね。ですから、先ほどの議論のかみ合わない点はそこにあると私は思うんです。  あくまでも、借りている土地であるというところに問題があって、したがってこの法律の実効を上げるためには尋常一様の手段ではできないというふうに思うんです。この法律自体というのは、もう現状維持がせいぜいだと私はそう見ているんですが、そういう点で、本当であれば市町村の段階ないしは借り受ける側の要するに農協なりそういう団体、公共団体ないしは農協が自分の土地として取得をする、そうしない限りは市民農園としていつまでも存続するというわけにいかないと思うんです。  せんだって見てきた実態から言いましても、世田谷区で三十二園といいましても、これはもうせっかく借りた土地を今度やめる、契約を破棄するというように言われることがよくあるそうです。その場合は何かというと、大体もう例外なく相続の場合。これはもう借りている方ですから六カ月前に私もうだめです、こう言われるとどうしようもないというんです、お手上げだというんです。しかも、倍率は多いところは四倍ぐらい、それを市民ですよ、区民がお借りしたいと、二年契約だそうですけれども、もう当たらないで何回もお百度参りする方もおるそうでございます。  そんなふうに大変ニーズがあるにもかかわらず、依然としてそういう区民農園に貸す、いわば借りる農地がないという実情でございますので、これが実効を上げるためにはこの法律だけではだめと、私はそう見ているんです。先ほどから議論がありましたとおり、税制の上でも、ないしは土地取得するためのいろんな投資、こういう面でもいろんな点が必要だと思うんですが、実際に立案をしました農水省としてはどうお考えなのか、そこら辺のお考えをお聞きしたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 確かに、先生御指摘のように、特に大都市圏の市街化区域の中というところでは非常に地価も高いというようなことで、市民農園の面積をさらに拡大していくということはいろいろ困難な条件があるかと思っております。最近では市街化区域の外側、例えば調整区域とかそれからまたある程度遠隔地といいますか、自動車等で出かけていって市民農園を利用するというような傾向も出てきておりますし、私どもといたしましてはいろいろ工夫しながら市民農園の開設を増大し、またその施設等についてもできるだけ改善を加えるように今後いろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 世田谷区の場合を言いますと、あそこに三十万戸の世帯数があるそうです。しかし、実際は二千八百戸分しかない。したがって、充足率は〇・〇〇九%なんですよ。ですから、さっき言ったような大変競争率が出てくるということだと思うんですが、二十三区の中でそれでもこういう区民農園を持っておるところというのは多くはない。私聞いたところによりますと、これは世田谷のほかには杉並区と目黒区と板橋区、江東区、大体そういうものだそうです。したがって、非常なこれからニーズがいっぱい出てくるにもかかわらずふえそうにない。  ですから、大臣から先ほどお話がございましたとおり、しかも、これは都市政策の一環だということでございますとなかなか実効の上がらない法律になるんじゃないかなと、こんなふうに思うんですよ。だって貸してくれるところがなければもうしようがない、ふえない。しかも、私からいいますと、今言った区民農園のあるところは割合に緑が多いところなんです、お屋敷の多いところなんです。そして、本当の下町のあたりではもう全くだめだということなんですね。一体全体この法律をつくったその意図、これを具体的にどういうふうにして区民に、ないしは三大都市の市民にそういった自然の喜び、物をつくる喜びを与えようとなさるのか。そこら辺について何かうまい知恵がありますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この市民農園につきましては、いわゆる大都市の市街化区域内というようなそういう条件のところのほかに、農村地域において比較的施設の整ったまた面積も広い市民農園といいますか、そういうところも私ども、今後いろいろ振興していきたいというふうに考えている次第でございます。  特に、私ども農水省といたしましては、農村地域の振興、それから都市・農村の交流というような観点から、先ほど先生から御指摘ありましたような農村地域の遊休農地をできるだけ活用するというような観点も含めまして、都市の住民が農村を訪問して、こういう利用できるような施設というものも今後大いにふやしていきたいというふうに考えている次第でございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 実際問題としましては、今局長お答えのとおり、やっぱり市街地といいますか、都市のこういう市民農園というものは、守備範囲としては建設省だと思うんです、私も。それはそうだと思うんです。しかし、あくまでも農地という形からすれば、先ほど村沢委員が指摘されましたようにこれをどう残していくかという課題が一つあるわけでありまして、その点では農水省の責任というのをやっぱりきちっとすべきじゃないか、こんなふうに思うんです。  そこで、建設省にお伺いしたいんですが、これは建設省の当面の私はやっぱり課題だろうと。市街地においてある程度ゆとりのある、緑に親しむ、こういう環境というのをこの灰色のコンクリート固めの大都市で与えていくという大きな都市政策の一つだと思うんですが、この法律で一体そういうふうな緑をふやすといううまいお考えはできますかね。農水省はなかなか容易でないと言っているんですが、どうですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市民農園の都市政策上の必要性につきましては、冒頭大臣からお話ししたとおりでございまして、私どもといたしましては市街化調整区域を含め、都市環境の保全という観点などから市民農園について整備促進を図っていきたい。しかしながら、先生おっしゃるように供給があるかどうかということかと思いますが、今私どもができますところは、地権者の同意を得ていくということは当然ですが、一つの方法としては、現に行っております都市公園に組み込みながら市民農園を整備していく、そういうことも一つの有力な手段だと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 東京のいわゆる都市公園というのは、外国に比べますと大変に一人当たりの面積というのは少ないというふうに言われております。これは広いアメリカは別としましても、例えばイギリスは一人当たり三十平米と言われていますね。それから、西ドイツは三十七平米、これに対して日本の場合ははっきりした統計がないようでございますが、大体六平米、五分の一というふうに言われておるようであります。この公園緑地の拡大というのは一体見込みがあるんですか。  この高い地価、東京のないしは日本のこういう高い、一坪三百万なんという、私は秋田ですが、秋田は今農地一反歩、三百坪が大体百二十万でもなかなか買う人がいないんです。ここは一坪三百万、そんなところへどんどん公園緑地をふやせるという見込みはありますか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 都市公園の、外国比較の大方のところはそんなことなんですが、都市公園につきまして統計はしっかりしておりまして、六十二年度末ということになりますが、全国では一人当たり五・二平方メートル、東京二十三区では二・五平方メートルということですから、外国の都市と比べますと非常に低いということはそのとおりだと思います。  それで、大都市におきます都市公園の供給策として、今の地価問題を考えますと非常に容易ではありません。しかしながら、私どもといたしましては、大都市の都市公園の整備につきましては国公有地の活用をできるだけ図りたい、あるいは河川敷のようなものを都市公園として活用していきたいと考えておりますし、大規模なものといいますとなかなか難しいんですが、都市再開発の一環の中でそういったものを確保していきたい、あるいは工場の移転跡地の活用、これも地価の問題はあるわけですけれども、現在自治体に都市開発資金という低利の融資を行って土地を買い、いずれは公園などに利用していただこう、そういうことで低利の融資制度も用意はしておりまして、そういったことでできるだけの整備を行っていきたいと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 これは、建設省だけに任せる問題じゃなくて、政府全体で取り組む問題、むしろ政治そのもので取り組む問題だというふうに思います。国土庁にも、後でその点でお尋ねしたいと思いますけれども、ぜひやっぱりしっかりしたそういう土地政策を持たない限りは、この法律がつくられましても、それを実際に受けることがなかなかできにくいというような問題があるということを私指摘したいと思うわけでございます。  文部省にお聞きしたいんですが、この法律と文部省と何が関係あるというふうに言われそうですが、私たちいわゆる学校教育の場というので、いわゆる自然に親しむとか、ものを育てるとかいうようなことが非常に最近聞かれなくなってきているというふうに思うわけです。スポーツや音楽、こういう点は我々が育った時代と比べますと雲泥の差があります。しかし、我々の時代では、小学校でも中学校でもどこでも学校農園というのがありました。そして、学校農園で生徒が先生と一緒になってものを育てるという喜び、労働の喜び、こういうのを味わうことができました。それが、私世田谷に行って直接体験しましたけれども、来ている人方はみんなやっぱり農村で何らかの点で農業と触れ合った人方、そういう人方なんですね。これは大変大事なことだと思うのです。  そこで、文部省にお聞きしたいと思いますのは、こういうふうな幼少という大切な時代に、学校教育の場でないしは教育課程の場で、こういうふうな労作教育といいますか、こういうのが取り入れられておるのかどうか、この点についてお聞きしたいと思います。

福島忠彦文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(福島忠彦君) 私ども、農業とか農園というようなもの、これは人間生活の基本にかかわる問題だと思っておりまして、小中学校におきましても勤労生産学習というのをやっております。これは、国語だとか社会だとか算数だとか、こういう各教科以外の学習でございまして、特別活動あるいは新しく設けましたゆとりの時間というようなものを活用しまして、土躍日などに勤労生産学習というので、学校農園でやっているわけでございますが、確かに、おっしゃるように都市ではなかなか難しゅうございまして、それでも、都区内でも屋上にプランターを置いたりそれからいろんな鉢植えをやったり、いろいろ工夫をしておるところでございます。  また、都外に農地を借りましたりして学校農園としてやっておるわけでございますが、文部省といたしましては勤労生産学習推進校というのを全国的に設けまして、そこでは米だとか麦だとか芋だとか野菜だとか、いろんなものをつくって実地に教育をやっていくということで随分力を入れておるわけでございまして、たまたま新しい教育課程が十年ぶりに改訂されまして新しい教育が始まりますので、また先生の御質問の御趣旨を体してやっていきたい、努力したいと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 文部省には、後からもこの点についての要望を申し上げたいと思いますけれども、ここに、大臣はお知りだと思うんですが、各関係各省の皆さん方、これはクラインガルテン、つまりドイツの小農園という制度なんですが、このクラインガルテン制度というのが、今出しておられる市民農園法のいわばお手本になるんじゃないかというふうに思って見ておるわけでありますが、非常に多くの示唆を含んでおるというふうに私思っております。  もちろん、クラインガルテンは、調べてみますと百五十年という長い歴史を持っておりますし、しかも非常に市民の中に、市民みずからつくり上げた市民運動みたいな形で定着しておる。それに、それぞれドイツは東ドイツ、西ドイツいずれもそうですし、EC諸国にどんどん広まっておるということで、それぞれの連邦政府なり、州なり市町村がかなりこれに力を入れておる。場所によっては、これを生産農地としてきちっと位置づけておるというふうな国もあるようでございます。したがって、それをそのまま日本で今直ちに取り入れるということは難しいとは思うんですが、これはやっぱり日本の現在の、特に大臣が先ほど言いました都市と農村の交流、こういう意味では大きな示唆に富んだ制度だと思うんです。  そこで、お伺いするんですけれども、建設省、農水省はこのクラインガルテンの制度というものをどう受けとめられておられるのか、これについてひとつお考えをお聞かせ願いたいと思うわけでございます。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) ドイツのクラインガルテンにつきましては、私ども多少勉強させていただいておりますけれども、我が国とは相当レベルの違いのある市民農園的なものだろうと思っております。しかもドイツにおきましては、一九一九年にクラインガルテン法という法律もちゃんとできておりまして供給されている、そういうことだと思います。  我が国におきましては、まだ市民農園といいますか、規模も非常に小さいわけですし、歴史的にもスタートしたばかりである。そういうことでございまして、比較してどうこうということになりますとまだまだ水準には達していないと思いますけれども、市民農園制度の第一歩としてこういったものから市民農園の整備促進を図っていきたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) ただいま建設省の方からもお話しありましたように、ドイツのクラインガルテン、本当に歴史と伝統のある内容であるというふうに思っております。日本の現在の市民農園の現状というのは、もうはるかに及ばないといいますか、そういう状況だと思いますので、私どももこれからいろいろ努力をしてできるだけ立派な市民農園をふやしていきたい、それで、そういう都市住民のニーズにできるだけ積極的にこたえてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      —————・—————    午後一時一分開会

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として肥田美代子君が選任されました。     —————————————

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 休憩前に引き続き、市民農園整備促進法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 午前中の質疑で、クラインガルテンの問題についていろいろ問題提起しておりますけれども、クラインガルテンは市民の生活を守る小さなとりで、黒い森、これはヨーロッパでよくある森のことだと思うんですが、黒い森は都市を守る大きなとりでと言われるように、現代の都市を支える緑の哲学というものが具体的にこのクラインガルテンの生活の中では保障されておるという、大変私は、これからの国土づくりの上で大きなこれは手本だというように思っておるわけでありますが、国土庁にお尋ねしたいと思うのです。都市住民との交流という点で、この法律案の目的の一つになっておりますが、この観点から地方の活性化、それから農村地域の振興を図るという点でどのような工夫をされておるのか、これをお尋ねしたいと思いますが、まだ来ておりませんか。——来ておらなければどうしようもありませんが、そこは飛ばして農水省にお尋ねしたいと思います。  農水省、大臣のお話でもありましたとおり、やっぱり地方都市でこれを何とかひとつ進めたい、地方でも進めたいというようなお話でございますけれども、地方都市でこういうふうな市民農園を要望するということが、私は非常に少ないのじゃないかなというふうに思っておるんですよ。したがって、この市民農園法自体に、お話のとおり意図されておりますように、地方と都市の交流ないしは地域の振興ができるのかどうか、私は、大変これは難しいだろうなというように見ておるんですが、いかがでしょうか。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 私どもの方で、いわゆる三大都市圏以外の地方都市の住民を対象にいたしましていろいろ調査をいたしたわけでございますけれども、その調査によりますと、市民農園を利用したいというふうに回答した者は約六割ございます。それからまた、興味ありというふうに回答した者を加えますと八割以上に上っておりまして、地方都市においても、都市の住民の関心は極めて高いというふうに考えておる次第でございます。現在、三大都市圏以外の地域で開設されている市民農園は約千五百ほどございます。全体の四四%程度というようになっておりますけれども、地方自治体の関係者からも、地方においても市民農園に対する関心は非常に高いというふうに聞いているところでございます。私どもはこのような状況を踏まえまして、地方都市においても市民農園に対するニーズにこたえるように、今後いろいろ行政的に努力してまいりたいというように考えている次第でございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 国土庁、まだ来ませんので大変困るんですけれども、今のお話の中で、具体的には条文の中でこの二条の一項、例えば利用上の必要な施設の対象になるものは、これは具体的に例示をしてありますけれども、その中に今言った農村型といいますか、地方にもしつくる場合に、当然これは規模が大きくなると思うんです。その規模の大きい中の施設の一つに宿泊施設、これが具体的な施設の対象になるのかどうか、この点をただしておきたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この第二条の二号に、農地に附帯して設置されるいろいろな施設というふうに書いてございますけれども、この施設の中には、例えば市民農園が農村に位置して設定される、市民農園の利用者が一定期間滞在することが予想されるというようなものにつきましては、宿泊施設もこの市民農園施設というふうになるものと考えておる次第でございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 国土庁、もう一回私は聞きませんので、ひとつお答え願いたいと思います。

柳沢勝国土庁計画・調整局計画課長

○説明員(柳沢勝君) どうもおくれて参りまして大変失礼いたしました。  国土庁の考え方を御説明させていただきます。  私ども、国土総合開発の基本となります四全総を所管しておるところでございまして、国土の均衡ある発展ということから、常々ドイツのようなクラインガルテンというものについても多少は勉強いたしておるところでございますが、近年我が国の生活水準の向上に伴いまして、国民のニーズというものが大変多様化してきておる。単に生産の場ということではなくて快適な生活環境あるいは健康的な肉体、ヘルシースポーツといったような場も含めまして、そういう点で、都市における緑地空間というものの役割を高く評価する動きが強まってきておるということだろうと思います。  そういった要求にこたえるために、国土利用につきまして緑地空間のいわば質的向上というものを図ることが極めて重要な政策課題というふうに受けとめております。市民農園につきまして、都市的あるいは自然的な土地利用の調和という観点から、地域のそれぞれの特性に応じながらということだろうと思いますけれども、適切なあるいは積極的な配慮をすることが必要という時期に来ているのではないかというふうに考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 やっぱり余り聞いておりませんね。私が言っているのは、国土庁に聞きたいのは都市住民と地方の交流を図るために、しかもその地域の振興になり、そして活性化になるというふうな具体的な計画をお持ちですかと、こう聞いておるんです。

柳沢勝国土庁計画・調整局計画課長

○説明員(柳沢勝君) 先ほど申し上げましたように、四全総の中におきまして基本的な開発のあり方といたしまして、定住と交流ということを打ち出しております。地域社会における定住と同時に、我が国が、全国土が一体化しておるというような実態的な状況を踏まえまして、広域的な交流の中で地域の活性化を図っていこうという考え方でございます。そういう中で、産業構造の高度化ということもございまして、農村地域がかなり深刻な状況に陥らざるを得ない客観情勢があることも承知いたしております。したがいまして、長期的な農業ビジョンというものを農水省を初め政府としても持たなければいけない、それにふさわしい振興対策も講じなければいけない。農村地域におきまして、若者の魅力となるような生活環境施設の充実に努めなければいけないということもございますけれども、一方、都市の活力を生かしながら農村地域の活性化を図っていく、いわゆる都市との交流ということも極めて現実的な施策としては重要ではないかということだろうと思います。  そんな観点から、文部省さんにおきまして、児童生徒の自然体験学習などの滞在型の体験学習などもございますし、あるいは今後の問題になろうかと思いますけれども、都市居住者の農山漁村における新たな住まい方、あるいはリタイアされました中高年あるいは老年を含めました転退職者、離退職者といったような方々の、いわゆるそれぞれのライフステージに応じましたマルチハビテーションと申しましょうか、新たな居住形態に対応いたしました住宅の整備ということが重要な政策課題となるのではないかというふうに認識しております。このような四全総に示されております課題を私ども国土庁といたしましては、関係省庁と密接な連携を図りながら実現方に努めてまいりたい、そう考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 一つの方向としてはわかりますけれども、四全総の中で、具体的に何々事業という形ではまだ入っておらないというふうに理解してもいいですね。  そこで、私は、大臣にもぜひひとつしっかりと受けとめてお考え願いたい、もちろん国土庁にもお願いしたいと思うんですが、今回出されております市民農園法というのは、実際問題としては当面の都市住民のニーズにどうこたえるか。そして、どんどん緑が失われておるという中で幾らかでも歯どめをかけたい、実を言えばこういうふうな極めて範囲が限定された現状維持の歯どめ法案みたいなふうにしか、私は受け取っておらないわけであります。しかし考えてみますと、大臣もお話しのとおり、一方では過密な都市、もう一生かかっても自分の家を持てないという状況、そうして一方では、本当に過疎で若い者がおらない、美しい自然はあるけれども人がおらない、こういうふうな大変な状態をつくっておるわけでありまするので、問題は、これは大きい立場でどう都市と農村の格差を埋めていくか、それは大きな政治課題の一つでもございます。  そこで、今は小さな卵みたいな市民法案でございますけれども、私は、このクラインガルテンというヨーロッパで長い伝統を持っている制度のよさというのを取り入れまして、仮称ですが、いろいろ皆さん方でつけようがあると思うんです。私は、何といいますか、都市住民の夢の集落みたいな、ちょうど大正中期に武者小路実篤さんが唱えられました新しき村、ああいう理想郷みたいな、これを何とか政治的な、行政的な誘導でそういったものができないのか。  例えば、都市の住民はみんな故郷を持っているわけです。大体故郷を持っております。もう二代三代東京という人は非常に少ないというふうに聞いております。故郷を持っておる皆さん方でありますので、そういうOB、年金生活に入られましたら、その方々がどんどん民族移動みたいに郷里に帰っていく、それの受け皿としてやっぱり良好な社会環境、文化的な環境を整備しながら自然の晴耕雨読をやることのできるような、そういう快適な環境というのを地方にきちっとつくっていく、このことの呼び水にこの法案ができないのかという問題なんです。  私は、そういう意味で都市住民の定住モデル集落事業みたいなもの、これは国土庁が先行で計画するのは当たり前かと思うんです。それを主管する官庁としては農林水産省、そしてそれをサポートするのは建設省という形で、ぜひとも都市住民の定住モデル集落、今盛んに国土庁で進められておりますあのリゾート構想、これはやっぱり一過性のもの、都市住民が滞在する、定住じゃなくて滞在する、ゴルフ場やスキー場やその他観光に行って多くて三日、四日泊まっていくという程度のリゾートではなかろうかと私は思うんです。これじゃ、実際に地域の振興とか永続的な、地方のためにはならないというように思っているんです。  しかも、もう同じようなリゾートが全国でできます。あれじゃ、この前予算委員会で国土庁長官も言っておりましたが、一体全体こういうのはもう共倒れするのじゃないかという委員の質問に対して、具体的にこれはそこへ行った人方が決める問題だ、サービスが悪ければどんどんつぶれていく、優勝劣敗の法則によって結局残る者しか残らないだろうという言い方をしておったわけです。私もそう思うんです。ですから、そういう一過性のリゾートに頼るんじゃなくて、本格的に都市と地方の交流と言えるもの、世代交代みたいな形で人口の移動がきちっと行われるその受け皿をつくるということ、このことが非常に大事だというふうに思っているんです。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕  そういう意味では、今はこの市民農園法案というのは現状維持の法案にすぎないんだけれども、私はこれを大きく温めて、農水省の守備範囲であります地方の活性化、農村の活性化、こういうことにつなげていけるのじゃないかなという大きな期待と私自身は夢を持っているわけです。これについて大臣のお考え、そして国土庁のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 細谷先生、午前中から今まで非常にじゅんじゅんとお話がありまして、私、そのとおりだなと思うところがたくさんあるわけであります。  けさ、私出がけにテレビを見ておりましたら、たしか栃木の宇都宮でしょうか、上野先生の方だと思いますが、あれは地方の都市ですね。都市の中に緑がどうやって残っていくか、そしてそれに子供を連れていって林の中でその林を体験させる。先生が語っておりまして、こういう林が残っているから子供に体験をさせ緑の大切さというものを認識させることができる、こういう趣旨の話をしておりました。私、見ておりましてああやっぱりこういうことだなと。林も畑も農園もみんな緑があることに変わりありません。  この法案につきましては、今先生が都市住民の夢の集落を将来育てていくような、武者小路の例を出しておっしゃいましたけれども、私は、小さい法案だけれども実は大法案だ、こういうふうに構造改善局長にも話しているんです。  なぜかというと、今は村沢先生がいろいろ御指摘を鋭くされましたけれども、なかなかこれ私が申し上げるのもなんですけれども、現在あらゆる面を充足させるような、都市の問題あるいは農村問題、税金問題、すべてが充足されるような法案だとは私は思っておりません。思っておりませんが、しかしとりでとしてどうしても緑と農地は残さなければならぬ。そのためのきっかけだというふうに思いまして建設省にもお願いをする、あるいは国土庁にもお願いをするというふうなことでございまして、繰り返すようですけれども、どうしてもこれをきっかけに都市における農地をできる限り守っていきたい。いろいろこれから線引きの問題なども出てくるでしょう、逆線が。その場合の一つのきっかけにもしたいなという、私自身はそういうふうに考えております。また、都市と農村の交流、先生からも御指摘がありましたけれども、その面にもどうしても役立てたいというふうにも考えております。  また、農業サイドから見ますと農業構造改善事業、これはいろいろな形で今までやってまいりましたけれども、今度予算を通していただきましたので、これを新年度の事業の中にも取り入れてまいりたい。  それから、先生御存じかと思いますが、二十一世紀の村づくり塾運動、こういうのもやっておりまして、これは、私は構造改善局長にできるだけ力を入れなさいというふうに今言っているところなんです。夢は、大きい夢も小さい夢もありますけれども、とにかく小さい夢でも大きい夢でも消えてしまえば何にもなりませんから、何とか実現させるような、すなわちこの法律にあるような市民のための農園、あるいは農地を何とかいい形で保全をしていけるような法律に、この運用を持っていきたいものだ、こういうふうに考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 西ドイツやECが大体そうなんですけれども、日本の例えば農業基本法を見ますと、あれは西ドイツの農業基本法なんかをある程度参考にしたというふうに言われております。しかし、私から言わせますとつまみ食いですね、つまみ食い。本当の意味での一番大事なところがもう置き去りにされている。何が一番大事なのかといいますと、農業で大事なことは、農村、村を込みにしながら地方そのもの、地域を一まとめにしてきちっとやっぱり残していくということが基本だと思うんですね、基本なんですよ。ところが、日本の農業基本法を見ますと都市と農村の格差を解消するという言い方をしながら、とどのつまり、結果的にはもう農村に人がおらなくなった。これはもうつまみ食いのことだと思うんです。都市に農村をどう合わせるかというやり方なんですね。それじゃやっぱりだめだと思うんですよ。  今、大臣からお話がございました、もう一度もとに戻すことだと思うのです、問題は。都市で社会的に、しかも文化的な暮らしをした人方が農村に戻るということはどういうことなのかというと、考えてみますとそのままでは戻れません。やっぱり都市のなれた環境、大体同じような下水道も完備しておる、そしてある程度文化的に、ショッピングもちょっと行くと都市にショッピングできるところもある、ちょっと行きますと音楽も聞けるところがある、しかも自分の住んでおった都会、例えば東京でも結構です、それにもある程度の時間で行ける、こういう交通体系も必要だと思うんです。そういう総合的な地域づくり、地方づくり、農村づくりというのが問われるものだと思うんです。  したがって、これは農水省だけではできません。やっぱり国土庁の四全総なりこれから出てくるであろう五全総なり、国土計画の中にきちっとそれを位置づけていく。そして今、農林水産省でやっております例えば農村モデル事業ですね。すべてを丸のみにしました環境づくり、ああいうのを本格的にやっていく、今のように農道や面の圃場、用排水路ということからもう一歩出まして、本当の意味で農村に都会の人を受け入れるような、受け皿のようなそういう環境づくり。農民のための農業だけじゃなくて、都市住民がともに共有できるような農林水産予算、これの方に向かっていくということがぜひとも必要だと思うんですよ。  そういう意味で大臣、やっぱり今後二十一世紀のこれは村づくりという面ももちろんありますけれども、ここ十年間、公共事業というのをふやしていく、そういう中で、そこをきちっと政治的な筋道として位置づけていくということが私は必要だと思うんです。そのことがなければこれはもう言葉だけで終わってしまう、そう思うんです。その点について大臣のお考えはわかりましたので、国土庁の考え方をお聞きしたいと思います。

柳沢勝国土庁計画・調整局計画課長

○説明員(柳沢勝君) 先ほども申し述べましたように、現在政府といたしましては、東京一極集中を是正し、多極分散型国土の形成を柱といたします第四次全国総合開発計画、四全総を推進しているところでございます。しかしながら、現実の経済、社会の実態の変化というものは地球時代という表現にもございますように、我々の予想を上回って動いている部分もあるわけでございます。したがいまして、また国民の価値観なりニーズというものも極めて多様化しているということも事実でございます。そういったことを踏まえながら、四全総の効果的推進ということを政府一体となって進めよう、そのようなことを国土庁としては考えているところでございます。  先生御指摘のように、都市地域におきましても緑地空間の確保ということは重要でございますし、またいわば生産の場というだけではなく、国土の管理、国土の保全、あるいは自然環境の保全といったような多面的な役割を担っております日本の農林業の将来性がやや不透明になっているということから起こる、農村地域、地方地域における不安定な状況というものを解消するために、先生の御指摘のように、単なる産業としての農業政策ではなく、農村地域における生活環境あるいは就業の場の多様化、さまざまな総合的な施策を必要とする状況であることは全くそのとおりであると存じております。そのような観点から、農村地域における若者にとっても魅力があるような、そのような居住の場としての環境整備ということを、四全総の推進の中で私どもとしては考えていくべきではないかというふうに認識いたしております。今後とも、先生の御指摘の点を踏まえながら努めてまいりたいと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 今の国土庁のお考えを受けまして、建設省としても、これは当然、今まで例えばいろんな住宅建設に努力をしておられます。そして、都市計画にも努力されておりますけれども、今言ったような観点で、今国土庁の答弁を受けまして建設省のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 先生の御質問の話は、市民農園法を超えるような話を含めた大きな話だと思うんですが、地方の活性化、地方分散、そういうのは国の施策でございますから、建設省の施策を通じながらそういったことは協力してまいりたいと思っております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 具体的な法案の中身で二、三お尋ねをしたいと思うんです。  法案三条の中に、例えば都道府県知事が基本方針を策定する場合に、相当数の市民農園の要望があった場合となっておるんです。この相当数というのは一体何を指すのか。もう一つは、基本方針の策定は都道府県に全く一任されておるのか、それともこの法律が通りますと、ある程度自動的に四十七都道府県全部が基本方針を策定しなければならないのか。さらには、この法律を施行した後に各都道府県は条例を制定しなければならないのかどうか。さらには、公表と周知をするというふうになっておりますが、この三条の公表と周知をどういう形でされるのか、こういう手続上の問題について明らかにしていただきたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 最初に、基本方針は四十七都道府県すべてにつくらせるのかという点でございますけれども、現に設けられている市民農園の現況を見ましても、都道府県ごとに設置の状況が非常に異なっているわけでございます。一律に、全都道府県に市民農園の整備方針を作成させなければならないというふうには考えていない次第でございます。したがいまして、本法案におきましては、市民農園の整備方針を作成するかどうかにつきましては都道府県知事にゆだねることといたしておる次第でございます。  それから、基本方針を策定する場合に、「相当数の市民農園の整備が見込まれる場合において、」という規定がございますけれども、この相当数という考え方につきましても、それぞれの都道府県によりまして、住民の数とか市民農園の用に供することが適当な農地の状況等いろいろ事情が異なりますので、一律にこれを決定するということは極めて困難でございますので、この辺の判断につきましても都道府県知事にゆだねたいというふうに考えている次第でございます。  それから、基本方針の公表の方法でございますけれども、大体普通のやり方といたしましては、都道府県の広報に掲載して行うというのが普通のやり方ではないかというふうに考えております。  それから、条例で定めるかどうかということがございましたけれども、基本方針は、市民農園の整備についての施策の方針や指導の指針を定めるものでありまして、これを条例によって定めることは予定していない次第でございます。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 あと、省令の中身の問題だとか、必要な資金の融通、あっせん、こういった中身の問題とか、ないしは必要な助言とか指導とか援助とかという中身の問題は、後からの同僚委員の皆さん方にお任せをしたいというふうに思って、ここは省略いたします。  最後に、文部省にこれはお聞きしたいと思いますし、後から大臣の皆さん方にも要望したいと思いますが、まず文部省に対しまして、今までずっと私、ドイツの制度について話をしてきました。そして、二十一世紀を目指して子供たちというか、日本人がもっともっとゆとりのある暮らしをできるようにという点で午前中お聞きをしたわけでございますが、何といってもそういった国づくり、村づくりに欠かせないのが子供の教育だと思います。先ほど言いましたように今の学校はゆとりがない。ゆとりがないので、私が今すぐ学校農園をつくってくれなんて言うと、もっともっと忙しくなってとてもできないということだろうと思うんですが、今すぐのことを私言っているんじゃないのです、二十一世紀を目指して言っているわけです。やっぱり本当に自然に親しむ、そしてものをつくる喜びを生涯を通じてやっていける、そういう人間をつくるということが非常に大事ですし、その意味では、小学校、中学校時代の義務教育を通じて何らかのそういう教育がなければならない。  今は、学校農園はありませんよ。ありませんが、一方地域では、学校で使ってくれるならばどんどん提供するというところもたくさんあると思うんです、私たちの地域を見ますと。ですから、そういう点の施設を取り入れながら、具体的な教育計画の中でないしは教育課程の中でそういう農作教育、自然に親しむ、こういったゆとりの問題をきちっとやっぱり位置づけてほしいと思うのですよ、これは。  私は、市民農園というこの法律案というのができる一つのきっかけになったのは、やっぱり今失われておる人間性を取り戻すということだと思いますし、そのことが二十一世紀にもつながっていくことだと思うんです。その意味で、文部省でぜひともひとつそういうものを取り入れていただきたい。二十一世紀はもう十年あります。この十年の中でその準備というものをきちっとやっぱりしていただきたい、こんなふうに思います。  さらに、大臣にはいろいろお考えをお聞きしました。何といっても具体的には、先に立つものはやっぱり予算でございます。この予算の面でぜひともひとつ大臣、農業予算を今以上に減らさないように、少なくともGNPの一%は絶対保っていけるような、防衛費だけはもうそれを守るが、こちらの方はどんどん下がっていっていいということはないんですよ。少なくとも農林水産予算は、国民総生産の一%は確実に守っていくというようなことをきちっとやっぱりやっていかない限りは、どんな法律案を出してきてもこれは絵にかいたもちだと思うんです。そのことの御決意も最後にお伺いしたいというふうに思います。まず文部省の方から。

福島忠彦文部省初等中等教育局職業教育課長

○説明員(福島忠彦君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。学校教育でやっていく場合、やはり時間とそれからそれをやる場所がないといけないと思います。時間につきましては、私ども、今の教育課程ではゆとりの時間というのをつくっておりまして、小学校四年生までは週二時間、四年生を超える、五年生以上ですが週四時間ございまして、大体土曜日はゆとりの活動というようなことでこういう農作業、勤労生産学習というようなことに充てていただいているところも多いわけでございますが、おっしゃったようにそれを実現する土地がなかなか、特に都会では難しいと思います。  私ども、郷里に帰りますと学校田というのが、いまだに青々と水田が茂っておりまして、よくやってくれているなと思うんですが、都市では非常に難しい。現在文部省としても土地、これは農家から借りる場合、それから買う場合、それから入園契約方式でございますか、それから預託、いろんな方式がございまして、農林水産省の構造改善局等、いろいろ御援助をいただいてやっているところでございます。先生のおっしゃる趣旨で一層この問題をやっていきたいと思っております。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 農の哲学とでもいいましょうか、それを基本にしましていろいろ午前中以来お話がございまして傾聴いたしました。また、私からもかなり本音で先生に申し上げたつもりでございます。  予算のことにつきましては、ちょうど公共投資の十カ年計画などの問題も始まっておりますし、これは農林水産予算全力を挙げて、中身も含めましてしっかり獲得をしていくように努力をいたしたい、こう考えております。

細谷昭雄日本社会党・護憲共同

○細谷昭雄君 ありがとうございました。  終わります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 市民農園整備促進法案を審議させていただくに当たって、前段で私はやっぱり、先ほど村沢委員の御発言もございましたけれども、まず大臣に、我が国における都市農業というものに対してどんな御認識をお持ちであられるのか、このことについて最初にお伺いしたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。  先般来、いろいろ申し上げてまいりましたけれども、都市農業は都市住民に対しまして野菜など生鮮農産物を供給している、こういう役割を果たしてきた。そのほかに、最近しきりに言われております緑の保全、あるいは住民のニーズが高まっておりますレクリエーション志向、こういう場の提供あるいは環境保全というようなことで、さまざまな役割を果たしてまいりました。また、これも論議をしてまいりましたが、都市農業に供されております農地を宅地等の農業以外の土地需要とどう調和させるか、これも一つの大きな問題点でございます。この問題につきましては、文字どおり農林水産省だけの問題ではございませんで、行政全般にわたり内閣全体の問題だというふうに考えてもおります。  これらのことを考えながら都市農業の果たしている役割をしっかり踏まえまして、法律的には都市計画法あるいは農地法等ございますが、これを適時適切に運用いたしまして調和ある国土利用を図っていきたい、こういう考え方に立っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私はちょうど、この市民農園法がぴったり当てはまるような地域に住んでおりまして、私自身も相対で農家から土地を借りて市民農園的なものを自分でやってみたりした経験のある者としては、今ごろになって国がこういうのを出してくるというのはいかがなものであろうかと思うくらい、地方団体が既に取り組んでいるさまざまなパターンがあるわけでございますね。なぜ今かというような感じもするわけです。  その前に、都市農業の問題について、今大臣るるおっしゃいましたけれども、私午前中来からの質疑を伺っていて、国土庁あるいは建設省、そしてまた農水省の考え方もそうなんですけれども、どっちかというと緑地空間の確保ということに重点が置かれているような感じがして仕方がないわけであります。  私の守備範囲となっております多摩地域というのが、実は優秀な都市農業が存立しておるところでございまして、例えば東久留米市などというところは、ここは東京卸売市場にネギを出荷する最大都市でございますし、また農業所得一千万を超えるというような優秀な都市農業をやっているところである。それから、農地の減少率というようなものをデータで調べてみますと、ここ五十年を過ぎて各地域で非常にスプロール化をしつつ農地が減っていっているのに、私どもの地域では農地が減少している率というのは非常に低い。逆を言えば非常に農業に対して、熱意、保全育成ということに関して非常に熱意を持っている地域であるということも私言えるだろうというふうに思うんです。今東久留米の状況をお話しいたしましたけれども、あそこはさらにはウドなんか、これは関東近郊では一番多摩地域にウドが大量に生産されるとか、東京卸売市場第一位出荷ホウレンソウは東久留米であるとかいうふうに、非常に優秀な都市農業が存立している地域なんです。  ただ、そこのところをよく見てみますと、これは決して採算が成り立ってやっているものではないということがあるわけですよ。例えば農事組合なんかが成立して、そして別途の生活手段を持った上で、なおかつ農地を保護し、そしてまた農業をし続けているという、こういう関係にあります。私は、都市農業を語るについてはいろいろな、きめ細かな対応が必要だろうというふうに思っています。中心から五十キロを越えて西多摩地域に入りますと、ここはもう先ほど来お話がありました耕作放棄地というようなものが非常に多く見受けられる、こんなふうな感じなんですね。それから東京三鷹市、三鷹市なんかも、ここは優秀な農地がいまだにずっと中央線沿線でこんな農業があるのかというようなところなんです。それはやっぱり農家の生活を下支えするものがあった上で成り立っているものであるということなんですね。  こういう状況を見ながら、少し頭に置きながら、実は私自身の論議を進めてみたいんですが、私は、一つ大変いいリポートといいますか論文を読ませていただきましたのは、昭和六十二年に農業会議所がとられたアンケートを解析した論文なんです。地方自治体の首長に対して都市農業をどう見ておるかというようなことについて、まとまった何かデータが今までなかったとかいうようなことで、六十二年一月に農業会議所が発表された三大都市圏周辺の特定市の市長に、三百三十でしたかな、あてたデータを読みました。  そこでは、ほとんどの地方自治体の市長さんがみんな、都市農業は存立すべきである、守るべきである、むしろ育成すべきであるという答えがかなり出ております。あわせてその論文の中で、私は、たくさんの地方自治体がやっている都市農業保全育成のための各種施策を実はお勉強さしてもらったわけです。非常に熱心にやっている地域が特に三大都市圏周辺にあるわけですね。私はそのアンケートないしは論文の中で、地方自治体が都市農業を一生懸命保護していかなければならない政策を打ち出しているその裏には、国政が、国が都市農業を捨てたからだと、こういうことが書かれておるわけでございます。何分かのことはしてもらっているようだと。しかし、確かに都市農業は切り捨てられているんだと。こんなふうなことで、今の都市農業を本格的に支えているのは地方自治体だと。こんなふうなことが書かれておるんでございますけれども、都市農業に関して、この点の説はいかがでございますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の、都市農業についての実態でございますが、都市農業という場合に、これを市街化区域の中の農業というふうに私ども置きかえて考えてみたいと思いますけれども、農業的な土地の利用と都市的な土地利用をどうするかということで、その接点での調整というものを国のレベルでいろいろ議論をしてやっているわけでございます。市街化区域といいますのはおおむね十年以内に、優先的、計画的に宅地化すべき区域であるということで、これは地域住民の意見も聞きながら、そういう線引きをして市街化区域というものを定められたものであるというふうに私ども考えている次第でございます。こういうような各種の観点からいろいろ調整をして線引きをされた市街化区域の中で、さらに今、私どもが国の立場から農業を振興するということは、やはりその線引きの趣旨に合わないというような観点で、私どもといたしましては、ここでは積極的な農業振興対策は国としてはやらないという考え方になっているわけでございます。  ただ、地方公共団体の立場でできるだけ良好な市街地の環境とか、それからまた住民サービスとか、そういう観点でいろいろ都市農業を大事にするという、そういう施策は十分あり得るのじゃなかろうか。それは地方公共団体の立場で良好な町づくり、そういう良好な居住環境というような観点からいろいろ努力していただくということは、極めて有意義なことではないかというふうに考えている次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 だから、そこのところなんですけれども、良好な環境づくりということよりもむしろ新鮮な野菜、食物を供給するという意識が非常に強いんです。その上に環境の保全にもという考え方の方が、何か私は進んでいるように思います。  今その市街化区域内のという話が出ましたので、先ほど村沢委員の方からもお話がありましたが、建設省が、これは新聞で読みましたが、十一日に首都圏サミットを開かれて、それで大都市の中における「市街化区域内農地の宅地転換を進めるために必要となる「残すべき農地」と「宅地転用を促進する農地」の分類などの準備に取り掛かるよう要請した。」と、こういう記事を読みましたけれども、この「残すべき農地」と「宅地転用を促進する農地」というのをどういう基本的な考え方で線引きというか、区別をしているんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市街化区域内農地の考え方ですが、基本的には市街化区域内農地というものは、先ほど農水省からもお話がありましたように、おおむね十年くらいをめどに市街化を進める、宅地化を進めるという、そういう性格の区域でございますが、その中でも保全すべき農地がある、それは周辺の市街化の支障にならない区域であって、さらに都市環境保全上意義のある農地といいますか、そういったものを都市計画としては生産緑地として残していくということだと思います。午前中来の質疑にございましたように、宅地化すべき区域の中であってもこれはすべて住宅地、商業地になるということではなく、その都市環境の保全上必要な農地が残されるということもございますし、当然緑地、道路空間とかそんなものがある、そういう形でもって宅地化すべき区域につきましても、そういった農地を含む緑化スペースは残る得る、そういう考え方でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 農林水産省では、さっきお話伺いましたけれども、この四条のところの市街化区域内にある区域を除くという指定区域の問題、ここのところは、ここの市民農園区域を指定することができるということの中で、さっき村沢委員の話にもありましたけれども、この「除く」というのはなぜ除くことになっているんですか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市民農園区域の指定を市街化区域において行わない、——市民農園区域というのは、指定に際して将来市民農園ができてもいいということで、農用地の利用との調整が必要なために、市街化調整区域について市民農園区域の指定を行う形になっておるんですが、市街化区域につきましては、市民農園区域の指定をするまでもなく市民農園はつくり得るということでございますので、たまたま市民農園区域というものが必要性があるのは農用地との調整ということでございますから、市街化調整区域に必要である、そういうことでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 さっきの東久留米の話で言うと、面積どのぐらいの土地かな、あそこは。百ヘクタールの生産緑地の指定を受けている、物すごいんですよね。だから、それだけのネギ、大根、そしてウドなんかを集中的に中央卸売市場に出荷できるという能力を持っているわけ。だから、私はただ単に緑空間というふうに考えるものもあるだろうけれども、確かに農地として見事に機能している都市農業もあり得るということね、これを考えなきゃいけない。  もう一つは、これはそちらに通告してあったかどうかわかりませんけれども、そういう都市農業をちゃんとやっているところに今度は市民農園が開設される場合、そういうものとの共存が始まるわけでしょう。その辺のところの問題はどうなんでしょうか。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 市街化区域内農地で生産緑地ということになりますと、今一種と二種とございますけれども、基本的にそこに農地があるということが都市計画的にも意義づけられておりますので、農地を継続していただく、そういうことだと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 さっき言った、私が感激した論文の中に、都市農業を維持していくために阻害される要因という幾つかの問題を書かれておるわけですが、その阻害される要因の中の一つに、混住社会になっているために、農業生産者としての生産条件の整備ないしは条件を確保していくことの難しさというのを一つ挙げているわけです。それで、今そういうことの関連でお聞きしたわけでございますけれども、都市農業が私が見てきたような、ああいう立派なところをあれだけ存立させて、存続させていくために、もう一つ市民農園がそれを逆に阻害していくような要因にもなりかねないという問題もあるものだから今そういう質問をしたわけですが、その点についてもやっぱり地元のかなりの配慮が必要だろうというふうに思いますが、いかがでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市街化区域の中で、農業を継続するということは事実としてあるわけでございますけれども、ただ、私ども先ほど申しましたように、市街化区域という土地利用の調整を行った地域で、原則として市街化を進めるべき区域ということでございますので、やはり都市住民とか都市生活者とのある程度調和のとれた農業生産といいますか、そういうことに心がけていただくということが重要なんじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。  もちろん、農業をやっておる方々の方が先住民族である、こういうことはもちろんあるわけでございますけれども、その周辺に住んでおられる都市住民の方々というのもあるわけでございますので、都市住民の方々と調和をしながらやっぱり農業経営をやっていただく、都市住民の方々と結びつきを深めながらといいますか。ですから、その結びつきを深める一つの手法といたしまして、こういう都市住民のニーズにこたえて市民農園を適宜配置していくとか開設していくとか、そういうふうな形で都市住民と農業経営の継続とをうまく調和をさせていくということを考える必要があるのじゃなかろうかと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 全国農協中央会が、六十二年の四月にお出しになっているところの「都市農業確立にあたっての考え方」ということで、市街化区域内農地について具体的な政策を出しているのも読みましたのですが、今みたいなことも含めて、要するに農協あたりの強力な指導なんかが必要じゃないかというふうに思います。  それから、さっきの例でいくとかなり中央線から下った奥の方に行きますと、私どもの調査でも偽装農地というようなものに関する実は実態も、さっき言ったように耕作放棄のような現状がたくさんある中で、栗の木一本植わっていればというような感じの実態がなくはないんです。こういうものも含めて、私はやっぱり農協あたりがもっと、都市農業とはこうあるんだということ、だから都市農業を攻撃のターゲットにしないでほしいというような立派な指導をしていかなければそういうものは存立しないと思うんです。そういう農協なんかに対する御指導はどうなっておりますか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 都市における農業と、それからまたその地域社会といいますか、都市住民との調和を図るためのいろんな工夫というものは、東京都それからそれぞれの市役所、農協それぞれがいろいろ工夫しているというふうに聞いております。  特に、都市農業で生産される農産物が、できるだけ地域の住民に産地直送といいますか産地直売といいますか、そういうような形で、それからまた契約栽培みたいな形で販売されているというようなケースもあるようでございますけれども、そういうようなことをいろいろ工夫しながら地域の住民と密接に結びついた、連携したといいますか、そういう農業経営をやるように、現在市役所とか東京都とか、それから農協とかそういうところでいろいろ工夫しているというふうに聞いております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 これも、私は記事で拾ったんですけれども、農協市民農園実践交流集会の話が出ていましたね。あの中で、こんなにも努力しているのだろうかという例なんですけれども、大変な二千百二十九区画、千三百五十二世帯に農地を市民農園としての利用を提供しているというふうなことで、その市民農園を提供しているだけではなくて、この事業をさらに農協の金融事業にもつなげていこうというふうなことで、菜園つき定期預金の勧誘までやっているという話を見まして、こんなに頑張っている農協もあるのかというのも見たんです、よしあしは別ですけれども。菜園つき定期などの勧誘を行っているというような、努力しておられるところは努力しているわけですけれども、こんなふうなところもあるわけですが、概して特に、三大都市農協は都市農業に対して、もっと強力な健全化の私は指導を怠りなくしていくべきであろうという意見を持っておる者の一人でございます。  それから一つ、これはお隣の猪熊先生の御意見でもあるんでございますが、七条二項のところのこれは今回のやっぱり目玉になるところだと思うんですけれども、「市民農園の用に供する農地の位置及び面積並びに第二条第二項第一号に掲げる農地の」云々の二項のところの、この第二条の二項というのが今回の施設設備のことの話でしょう。そのところの部分で、農地の位置と面積ということについてさっき論議をやったんですが、この農地の位置というのと面積というのは、一つの市民農園があって、それに対する二条二項で今回認めるところの施設設備の面積と、その農地との割合の問題がここで読み取れるのですか。つまり、駐車場の方が大きくなっちゃって農地がこのくらいというようなのの全体を含めて、市民農園という言い方をしますか、どうですかということです。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園の開設を認定する場合に、市民農園の開設の認定基準というのがございまして、この七条の三項の二号にございますけれども、「市民農園の適正かつ円滑な利用を確保する見地からみて、市民農園の用に供する農地及び市民農園施設が適切な位置にあり、かつ、妥当な規模であること。」というのがございます。ここで市民農園の農地の広さとか位置とか、それからまたいろんな施設の適切性といいますか、こういうものを判断することにいたしている次第でございます。  特に、市民農園の適切な位置といいますか、これは農作業が行われる農地と農作業に伴って利用される市民農園施設が、市民農園の利用者の利便に資するような位置関係にあることとか、それからまた妥当な規模という面では、確かに先生御指摘のように、利用者の数とか利用頻度とか、それからまた立地条件なども勘案する必要があると思いますけれども、そういうものとのバランスをとって、駐車場の施設とかそれからまたいろんな休憩施設とか、そういうものを農地の大きさとか利用者の数とバランスをとって規模を決めていただきたい、こういう趣旨でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それはどこが決めるのですか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この市民農園の開設をする場合に、そういう市民農園の位置とか規模とか、それからまた施設の位置、規模、こういうものについて開設の認定の申請をする場合の申請書の書類に、整備運営計画というものを開設者が定めて認定を申請することになっているわけでございます。その認定申請につきまして、市町村がその運営計画に定めている位置とか規模が適切であるかどうかを判断して認定をする、こういう考え方でございまして、もし適切でなければ適切にするように指導を行って、それで修正をさせまして認定をする、こういうことになるかと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それから、先ほど来から都市農地及び今回の関連の問題で、税金、税制の問題が出ておりましたのですが、私もこの税制の問題は各地を歩きましてやっぱり一番言われたところでございまして、都市農業をゆがめている大きな一つの要因だというふうに言われてまいりました。先ほど固定資産税で言えば、宅地並み課税の問題が出ておりましたけれども、さっきの東久留米市では農地として払う十アールは三千円だと、それが宅地になると二十六万円、八十五倍でしょうか、二十六万円だということなんです。この十アールでさっき言ったウドをつくると二十万円。そうすると、とても固定資産税は払えないわけですね、宅地並み課税は。  こういう問題を考えますと、やっぱりこの税制の問題というのは単純でないということの私は陳情を受けてきました。しかし、どうしても宅地並み課税をやるというなら我々は頑張るよ。どんな頑張り方をするのかと言いましたら、十アールだと三百坪でしょう、今あの辺では大体農地で国土法をクリアして坪が百五十万から百六十万ぐらいだと、一坪ずつ売っていって払っても三百年は頑張れる、こんな言い方をしているわけです。だから、固定資産税の問題はやっぱり単純じゃない。私は、特に都市農業に関して、もうちょっと農水省も対大蔵と話し合いを進めてもらわなきゃいけないな、こんなふうに思っているわけです。  それからもう一つは、相続税の問題の方なんですが、これは調べてみた関係ではデータがなかったんですけれども、長期営農継続の認定を受けて、いわゆる相続税猶予対象農地になっているところ、これがどのぐらいかせめて東京都で把握できないかと思ったんですが、データがありません。国税庁の方だと額であるわけですけれども、面積ではないわけね。私の方の地域の農業委員会で調べてもらった関係からいくと、大体現在三〇%、国立市ではやっぱり百ヘクタールぐらいの農地がありますが、そのうち三〇%が猶予対象農地になっている。だけど、ピーク時には四割ぐらいになりますよ、こういう話なんです。これも、私の地域では大変に市民農園が発達していまして、どうしてもみんなほしい、だけど出すに出せない、この税制の問題があるからということなんですね。これは、先ほど来御答弁を聞いていますけれども、私はやっぱりどうしてもこの辺のところ、農林水産省、それからもう一つは、さっき自治省も何かいろいろ言ったけれども結局だめという話をしていましたが、どんなものでしょうかね、考え方。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 現在の長期営農継続農地制度、それから相続税の納税猶予制度、これにつきまして、今後どうするかということについていろいろ政府部内で検討をしている次第でございます。  先生御指摘のように、なかなかこの問題、そう簡単に割り切れない問題がいろいろあるということは、私どもも十分承知している次第でございます。これから政府部内で、現在都市農業を一生懸命やっておられる方々の立場も十分反映しながら、また宅地開発とか住宅需要に対する適正な土地利用ということも考えながら、この問題を何とかうまく解決するように努力してまいりたいというふうに考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 今の問題に関連しての事例でございますけれども、東京の多摩の保谷市に、文京区が区民農園として持っているいわゆる通い農園の例なんです。これは、文京区が一区画当たり一万一千円を補助していて使用する人から五千円もらって、一万六千円が農園として貸している保谷市の農地所有者に入る、こういう関係になっているんだけれども、最近多摩地域でも土地の値段が上がってきたというようなこともあって、いろいろな相続の問題も考えるんでしょう、この人は、使っていただいている方たちには申しわけないけれども、そろそろこれを引き揚げたい、こういうことで話が出ておりましたけれども、こんな例は本当に実は随所にある。  私の地域では、今農業委員会が間に入って困っているのが六十二区画、今市民がほうり出されようとしております。間もなく相続が発生するというようなことを予想して、実はやっと芽ぶいてきたものもあるのにそんなにすぐ返せないと、こういうことで、この辺の問題は返す返す申し上げたいんだけれども、非常に私は大きなネックになっていると思う。先ほどもお話ありましたけれども、こんな、こんなと言っちゃいけないですね、市民農園法なるものを遅いといっても今、国として出した。だけどそういうネックがあれば十分に、市民にあるいは区民にこたえるような、ニーズをクリアできるようなものにはなっていかないということがあるだろうというふうに思うんですね。だから、そこのところを一つ一つ障害をやっぱり取り除いていかないと、これは何の意味も持たない法律になってしまうんじゃないか。  昨年の六月、特定農地の改正をして一つ、ワンステップ踏みました。そして今回、パートツーでこれを出しましたね。だけど、もう一つは税制の方の問題を解決して三点セットで持ってこなければ、この市民農園法なるものは私は命が吹き込まれないのじゃないかな、こんなふうに思うんですけれども、この辺の御見解を伺いまして私の質問を終わります。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この市民農園の利用ができるだけ安定的に継続されるという観点からは、固定資産税もさることながら、相続税のいろんな特例ということもぜひ必要であるというふうに考えられるわけでございますけれども、一方ではやはり多額の相続資産といいますか、そういうものについて課税の公平というような観点とか、それからまた計画的な宅地開発とか住宅供給とか、そういういろんな観点、総合的な観点を踏まえてこの問題は決定していかなきゃいけないという問題だと思います。現在、政府の方でいろいろこの問題、どう整理するかということを検討しているわけでございますけれども、私どもといたしましては、この市民農園ができるだけ安定的に、継続的に利用されるような方向でいろいろ努力してまいりたいというふうに考える次第でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 私は、先日東京都日野市を訪ねまして市民農園と都市農業のあり方、特に学校給食に新鮮で安価なもの、身近に生産された地元野菜を供給しているという現場を見てまいりました。今まで、いろいろ他の委員の方々が質問なさいましたけれども、重なる部分もあるかと思いますが、私もぜひお聞きしたいと思います。  世田谷は、大分大きな規模でこの市民農園というのをやっているというお話でした。私が見てまいりました日野市では、以前七カ所の市民農園がありましたが、現在は五カ所になっている。二年契約で二百九十区画、一区画の面積はおよそ二十平方メートル。しかし、ここでも希望者が大変多くて競争率は三倍前後という話でした。ですから、一番の問題は農地の確保ということになるわけですが、市民農園をふやしたいがなかなか農地を貸してくれる農家の方がいない。特に私は、今農業をやる若い人がいないけれども自分は高齢となって農業をするのはなかなか大変だ、こういう方が農地を提供してくれるのではないかと思ってお伺いしたんですけれども、こういう農家はほとんどなかったわけですね、というのが今までいろいろお話がありましたけれども、相続税の問題というのが非常に大きいということでした。この市民農園に農地を貸していてそのときに相続をするということになりますと、相続税がばっちりかかってくるということですね。  現行の相続税は、市街化区域内外を問わず、農地の切り売りによる経営規模の縮小、農地の細分化を防止するため、農業を営んでいた被相続人から相続により農地を取得した相続人が農業を継続する場合には、納税猶予の優遇措置がとられるということになっているということです。しかし、政府税制調査会の土地税制小委員会では、今月下旬にも中間取りまとめを発表することとしているようですが、この骨格の中にも農地の相続税納入猶予制度の検討が入っているように、市街化区域内では、こうした優遇措置さえ見直そうとしているのではないかという心配があります。  また政府は、昨年の十二月に土地対策関係閣僚会議で、大都市地域の市街化区域内農地に関する税制の見直しを決めていますが、市街化区域内の農地に固定資産税や都市計画税を宅地並みに課税された場合には、日野市で伺いましたけれども、先ほど刈田先生の方からは八十何倍というお話がありましたが、日野市は平均して四十三・六倍にもなる、とても農業を続けていくことは不可能だ、まして市民農園として農地を提供してくれる農家などなくなってしまうということではないかと思います。市民農園の農地を確保するためにもまた都市農業を守るためにも、市街化区域内農地では生鮮野菜の供給地であり、また貴重な緑の場として防災用地として、破壊でなくて保全する立場から今までいろいろこれから検討するのだ、話し合いをするのだというお話はありましたけれども、特に農水省の立場といたしまして農地の宅地並み課税計画、それに相続税猶予の優遇見直し、これは中止すべきだということでぜひ頑張っていただきたいと思うのですが、大臣いかがでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えします。  午前中の村沢先生、また細谷先生、ただいまの刈田先生までさまざまな指摘の中で税問題について特に御指摘が多かったということでございます。同じ見解を申し上げるようで大変恐縮なんですけれども、申し上げたいと思いますが、東京等の大都市地域の市街化区域内農地につきましては、一昨年の六月に閣議で決定されました総合土地対策要綱、この要綱におきまして宅地化する農地と保全する農地に区分し、宅地化する農地につきましては必要な都市基盤の整備を図りつつ宅地化を進めることとなっており、これに応じて税制面の扱いも見直されるということになっております。そこで農水省としても、この基本方向で協力をしていくということで今日まで参っております。  なお、税問題につきましては、今先生御指摘の相続税の問題なども含めまして、これからの問題として税調の行方なども十分見定めながら対応してまいりたい、こう考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 都市農業というのは、身近なところで新鮮な野菜などを供給するためにも大変重要な位置があるということを、先ほど大臣もおっしゃいましたけれども、日野市では、一九八三年度から学校給食に地元の生鮮野菜を利用しています。今では二十八ある小中学校のうち十八校、中学校の八校ではすべてですけれども実施して、学校へ野菜を供給している農家は四十二戸、専業農家は三十七戸というお話でしたから、非常に高い率でこの学校給食に野菜を供給しているということではないかと思います。野菜の種類は季節によって異なりますが、キャベツやトマト、ちょうど私が中学校に参りましたときには、タマネギの入ったコーンチャウダーというものを生徒と一緒にごちそうになりましたけれども、年間を通して二十二品目、供給総額は六百八十万円余りにも達しています。  こうした中で、農民と児童生徒との交流が図られ、農民はより新鮮で安全な野菜を子供たちに供給しよう、そして学校の児童生徒は、学校の近くではおいしい野菜がいっぱいつくられている、残さず食べよう、そういう地域に根差した学校教育、生きた教育が進んでいる。このトマトはだれだれちゃんのおじいちゃんがつくったものだ、こんなことが学校で話題になっている。大変ほほ笑ましい光景も私は見てきたわけですけれども、日野市で行われているような学校給食を通じて地元農家がつくった生鮮野菜を児童生徒に供給していく、こういうことについて、大臣はどんなふうなお考えをお持ちでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生の、日野市での体験をもとにいたしましたお話でございますが、私ごとで大変恐縮なんですけれども、私は、子供ではなくてもう小さな孫がおりまして、これからこの間手紙がございまして、群馬県の伊勢崎の在なんでございますが、自分たちの地域でつくったトマトなど野菜を学校給食のときに、これはどこどこの部落でつくったのだ、どこどこの農協でつくったのだというふうなことを先生が一々指摘をして子供たちに食べさせておる。何々ちゃんがつくったのかもしれませんよというふうなことが手紙にるる書いてありまして、大変ほほ笑ましいと同時に、こういうことが実は大事なんだと、いろんな意味で。結局、地域農業を発展させていくとか豊かな地域づくりを実現する、こういうふうなことを私どもはいつも言うのですけれども、これは結局地域の連帯感に根差した郷土への愛着というふうな気持ちをいつまでも植えつけるように、持ち合うようにしなければならない。  その意味でも、郷土の生鮮野菜を学童に食べてもらう、子供たちに食べてもらう、非常に生涯学習の中でも大事なことじゃないかというふうに考えております。したがって、この学校農園あるいは体験農園、こういうものは農林水産省としても過去において大変熱心に進めてまいりました。そしてまた、その地域で生産される野菜、今先生のおっしゃったようなことですね、こういうものを学校給食の素材として、その地域の学校で独特なメニューで提供するようなことにつきましても随分お勧めをしてきたということでございます。これは、学童の農業への理解あるいは地域への愛着というふうなことを深めるとともに、将来の人生設計の中で非常に大事なものであるというふうに私どもは認識をしております。  そこで農林水産省、先生御承知かと思いますけれども、この十一日から婦人・生活課というものを開きました。これは前に、刈田先生などからも御指摘を受けました。農水省の玄関の左側の一階にいろんな相談コーナーがございまして、そこで時々山とか海とかお米とか、展示会などをやっております。そういうことも重要なんですけれども、やはり子供のお母さんですね、この婦人対策そして農村の主力になりつつある婦人対策、こういうものも非常に大事だということで今度店開きを新たにいたしまして、そこを中心に仕事を進めようということでございますけれども、その中にもやっぱり地域で生産される食材を用いた料理講習会の開催などを積極的にやれというふうな指示等も、私自身からお願いをしてやっていただこうというのも今のような趣旨でございます。今後とも、その趣旨で進めてまいりたいと思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 今、大臣の答えで都市農業の大切さというのがますます浮かび上がってきたと思うわけですね。それだからこそ、農地への宅地並み課税というのはどうしても中止するべきだと思うわけです。重ねてになりますが、もう一度お答えをいただきたいと思うわけです。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 御指摘のお気持ちはよくわかりました。私ども、それなりの努力を今後とも続けたいと思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 私は、日野市に参りましたとき、農家の方と一緒に市民農園の一つを実際に見学させていただきました。ちょうど定年で退職したぐらいのお年寄りの方が、キュウリやナス、トマトなどの手入れをしていたわけですけれども、そこで一緒に行った農家の方に聞くわけですね、どうやったらもっとうまくキュウリの苗が育つのか、ナスが育つのか。農家の方もすぐさまそこで営農指導といいますと大げさになりますけれども、その指導が始まったわけなんです。  市民農園を利用していた方は二年交代ですから、前の方がどういう作物をつくっていたかもよくわからないので連作障害というのが生まれるのじゃないか、土の栄養枯渇というのがあるのじゃないかということも心配していたわけです。指導員というのがいればつくる喜びというのは一層大きくなると思うわけですけれども、この指導員の設置状況というのはまだ六七%で未設置、現在ある市民農園の六七%で未設置となっているということですが、こういうような指導員を設置する、指導員の体制を整えるというような政府としての援助というようなお考えはありませんでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この市民農園を推進していく場合に、市民農園に関するいろんな農地とか施設とか、そういうものを整備するいわゆるハード面の整備のほかに、指導員の設置とか適切な管理とか、そういうソフト面の努力というものが非常に大切であるというふうに考えております。特に、先生御指摘の指導員でございますけれども、市民農園を利用する都市住民が必ずしも知識と技術が十分でないという面がございますので、やはり栽培指導とか農園の適切な管理とか、そういうことを指導する指導員の設置ということが非常に好ましい、望ましいというふうに考えております。私どもといたしましてはできるだけ金のかからないやり方で、例えば地元の農家にボランティアの形で委嘱をするとか、そういういろんな形でこの指導員をできるだけ配置するように指導してまいりたいというふうに考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 次に、農作業事故の安全対策ということについてお伺いしたいと思います。  農作業の機械化が進む中で、農作業の担い手が高齢化していることに関連しまして事故が一向に減少しない、特に乗用トラクターによる死亡事故は、農水省で調査を始めて以来最悪を記録したとも言われております。そして、最近日本交通科学協議会から「農耕機の交通安全と低速車マーク」と題する報告書がまとめられました。乗用トラクターは二百万台を超え、一般道路で走行する機会も増加していることから、時速十五キロ前後で走るトラクターと時速六十キロで走っている自動車が混在した場合、追突事故を防止するために低速車マーク、このパンフレットにちょっと載っておりますけれども、(資料を示す)この低速車マークの早期実用化を促すということになっております。欧米では既に農耕機への低速車マークの装着が義務づけられておりますが、道路交通法との関連でこうした報告も参考にして、農耕機への低速車マークの装着というものは検討できないものかどうかということをお伺いしたいと思います。警察庁と、それから農水省はこの問題についてどう御検討をなさるのかということも農水省にお伺いしたいと思います。

賀来敏警察庁交通局交通企画課長

○説明員(賀来敏君) お答えいたします。  御指摘の報告書によりますと、いわゆる反射板の装着はある程度効果が期待できるというように書いてあります。警察庁といたしましては、この件につきまして今後データの収集に努めるとともに、これは道交法の問題もございますが、道路運送車両法の関連の方が強いような感じもいたしますので、いずれにいたしましても農水省あるいは関係省庁とも協議しつつ、このような方策の実現について検討してまいりたいと考えております。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(松山光治君) 機械化の進展に対応いたしまして、農作業事故を防止しその安全の確保を図っていく、御指摘のございましたように、大変重要な課題であると考えておりますし、そういう観点から私どももいろんな施策の展開を図っておるところでございますが、いまだもって不幸な事故の絶えないこと、非常に残念だと思っております。  お尋ねのございました低速車マークにかかわる日本交通科学協議会の報告につきましては、私どもも非常に関心を持ちまして今勉強さしていただいております。私どもの問題意識といたしましては、今お話のございましたような一種の義務づけというようなことになりますれば、当然利用者への一定の負担という話にもなるわけでございます。今現に起こっておりますいろんな事故の発生態様とのかかわり合いから、その効果をどう考えていくかといったようなことにもなるわけでございます。また、今警察庁の方からお話のございましたように、運輸省なりあるいは警察庁とも関係する話でございますので、これからそういうことでいろいろと御相談していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 日本弁護士連合会の消費者問題対策委員会が三月、二日間だけだったそうですけれども、欠陥商品一一〇番というのを行ったところ、さまざまな欠陥農機具の情報が寄せられたということです。また、乗用トラクターでは重心が高いために、田畑の出入り口やあぜ越え箇所などで倒転しやすいことから、最近の大型トラクターには安全フレームが装着されているが、小型トラクターにはなく事故を起こしやすい、こういう声も上がっているということです。農機具メーカーに対して、利用者のこうした声も受けて安全対策というのを指導するべきではないかと思いますが、その辺はいかがでしょうか。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(松山光治君) 農機具自体の安全性の問題についきましては、一つは農機具の型式検査というものを通じて、それから農業機械の安全鑑定という仕組を通じてそれぞれ五十一年以来そういうことを実施しておるわけでございます。それを通じて安全な農機具の開発、普及ということでメーカー指導に努めておるところでございます。これを実際に行っておりますのは、御案内の生物系特定産業技術研究推進機構というところが実行しておるわけでございますけれども、この実施に当たりましては、例えば農業者の代表のみならず関係各方面の方々の参画も得ておるとか、あるいはこの機構は農機具の関発に当たりまして、モニター農家を委嘱しましていろんな意見も聞きながらやっておる、こういったようなこともやっておるわけでございます。  今の、フレームの設置の強制その他の話につきましては、一定の規模以上のものについてはこれを今行っておるわけでございますが、費用負担の話との絡みをどう考えるかといったあたりが、なかなか小型については難しい問題はあろうかと思いますけれども、やはり安全性非常に重要なことでございますから、これからそういうことも踏まえていろいろとまた指導していきたい、こういうふうに思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 終わります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 市民農園整備促進法案についてお尋ねをいたします。  朝から先輩議員のいろんな御質問、答弁をお聞きいたしておりまして率直な私の感想を申し上げれば、今回の法案について言えば促進的な側面と、いや見守っていかなければいけない側面が何となく混在をして、御質問も答弁もどうも私にとりましてはわかりにくかったというところでございます。特に市街化区域の農地と市民農園の関係について、税制の大綱が決まらないから、あるいは住宅問題を基本に据えた土地問題の大綱が決まらないから、今市民農園について農地として保全すべきものととらえることができるかどうか確たる御返事ができにくいと。聞き方が悪かったのかもしれませんが、そういう受けとめ方をいたしました。  それで、そうであれば本来市街化区域の市民農園については、促進法と言っておるんですが、果たして促進できるだろうか。非常に都市のサラリーマンは期待感を持ってこの法案を受けとめておりますが、実際には応募者が殺到して、相続税を前に引き揚げる農家がふえているということになるとこれは促進どころではない、見守らざるを得ない状況かもしれない、こういう点でどういう対応といいますか、御見解があるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の、市街化区域の中で市民農園をどう今後考えていくのか、こういう問題だと思いますけれども、私どもといたしましては、市街化区域の中におきましてもできるだけ、いろいろ困難な条件はございますけれども、その困難な条件の中で、この市民農園というものをやはり盛んにしていくべきではないかというふうに考えている次第でございます。市街化区域の中で、農業経営という点で非常に立派にやっておられる方ももちろんおりますけれども、労力不足、高齢化等の関係で農業経営は余りやりたくないという方もかなり出てきております。しかも、宅地化というところまではなかなか踏み切れない、それからまた踏み切るいろんな客観的条件もないというような場合に、これの適切な利用という点では、やはり市民農園に利用するということは、地域の住民にとっても非常に有効な方策ではなかろうかというふうに考えられる次第でございます。  最近、いろいろ批判が多いわけでございますけれども、栗とか梅とか、そういうものを植えて余りよく管理をしないで、周りに鉄条網を張って管理するというような農地も見受けられるわけでございますけれども、そういうような管理の仕方よりは、やはり市民農園というような形で周辺の住民に非常に有効に利用される、そういうような方策も大いに進めるべきじゃなかろうかというふうに考えている次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 非常に苦しい御答弁なんですが、結局それは私なりに受けとめれば、貸す方の農家は税金等の措置で優遇措置があれば出したい。一方借りる側の都市の住民、いわゆるサラリーマンから見ればなかなかくじに当たらない、たくさんつくってほしい、そしてしかも、安定して長期に借りることができるように願っている。そうすると、実際には今とっている中身はいずれでもない、これはとりにくいからでございましょうが、今のところそういう措置ははっきりと検討中である。一方借りる側の方も、例えばたくさんの利用者がおるからひとまず短期間で御猶予願いたい。そうすると、都市のサラリーマンの方は十年、二十年一生懸命やれるかと思ったら一年か二年で、また次はくじに当たらなければあきらめなければならない。この辺のところは、それがもし実情だとすると本来この法案は、まさに促進というよりしばらく見守っていく法案になってしまうのではないかと思うんです。  そこで、先ほど五年以内をめどに今回指導していきたいというふうなことが御答弁に出たわけですが、これは今までの一年以内という通達を取りやめて、できれば五年以内でもなるべく長期にという指導をされていくのか。順番もおありだから、その辺は公平に機会を均等に与えなければいけないというところを強調されるのか、いかがでございましょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 現在ある市民農園の利用期間を見ますと、一年以内のものが四分の三というようなことで非常に短期間のものが多いわけでございますけれども、一年を超えるもの、これも約六%、二年を超えるものが約六%というような状況でございます。ただ、利用者側の立場に立って見ますと、やはりできるだけ安定した利用という要望も非常に強いというふうに私どもは聞いております。  従来、入園契約方式の市民農園の通達では、利用期間一年以内程度ということを指導しておったわけでございますけれども、今回これを特に一年以内程度というような考え方をやめて、実情に応じて契約期間を定めるようにという指導をいたしたいと考えておる次第でございます。ただ、昨年通過いたしました特定農地貸付法の場合には、農地のいろいろな権利との調整ということも考えまして、五年を超えないという期間を設定いたしたわけでございまして、五年以上といいますと非常に権利が固定化するといいますか、そういう権利がついちゃうといいますか、そういう考え方もありますので、五年を超えないというところが常識的なところではなかろうかというふうに考えている次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 非常に大きな都市の中の市民農園の場合には、入園したい、利用したい方が大変多いであろう。しかし、地方になると必ずしも本当に利用する人が多いかどうかは一概に言えないと思うんです。市街化区域の農地の場合といわゆる調整区域の農地の場合では、これは対照的ではないのか。先ほど同僚委員が、遅過ぎた法案だという表現もありましたが、市街化区域でなくて調整区域で市民農園を促進しようと思えば、今回の法案の中身では決して盛りだくさんのものを盛り込んだとは思われないという、私は印象を持っております。調整区域の中で、どうしてもこの市民農園的なものを育てようとするならば、かなり行政が誘導するといいますか、かなりの面倒を見ないとこれはなかなか手を出す人は少ないかもしれない。そういう観点から考えまして、一体調整区域内の市民農園について、この現状とこれからどういう誘導をすればこの法案の趣旨に沿った促進ができるのかどうかについて、御意見をお聞きしたいと思います。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 現在私どもの調査では、市民農園の数は約三千五百ほどあるわけでございますけれども、その中で市街化区域内の農園が圧倒的に多いというのが実態でございまして、三千五百のうち約七七%ぐらいが市街化区域の中でございまして、それ以外のところが二三%程度というのが実態でございます。それ以外のところというのは市街化調整区域もございますし、それから調整区域の外側で、そういう都市計画上何ら位置づけられていないような地域もあるかと思います。したがいまして、圧倒的に現在ある市民農園は市街化区域の中が多いというのが確かに実態でございます。  私ども、この法案をつくる場合に、しかし調整区域とか農村地域とか、そういうところでも今後レベルの高い市民農園施設といいますか、そういうものを整備するように努力したいということで、この法案では市街化区域の外の場合には市民農園区域というようなものを積極的に指定して、そこに誘導していきたいというようなことも考えておりますし、またそういう市街化区域の外で市民農園施設を整備する場合には、いろいろな農林省関係の補助事業がございますけれども、農業構造改善事業とかそういういろいろな補助事業で、施設整備、基盤整備等についてもいろいろ助成をしていったり、また融資の措置を講じたり、そういう形でできるだけ市街化区域の外における市民農園の整備ということについても、これからこの法案に基づきまして努力していきたいというふうに考えております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 その場合、この法案では知事が基本方針をつくって、そしてその後市町村が区域指定をしてそして開設者の認定をしていく、こういういわば三本立てになっているわけですが、これは私、五十八分までですので最後に大臣にお尋ねをいたしますが、その前に、実際にこういう知事の基本方針そして市町村の区域指定、さらに認定と。促進法の名のもとに、これで本当に下にいろんな情報が早く流れて、かつ調整区域等を抱えたところがいろんな形で、こういうものをせっかくできた法案の中に乗って進めていこうという場合に、何といいますか、先ほど言われましたいろんな助成、知恵を出すということのほかに、こういう形では早く流れないのじゃないかという心配もしておるんですが、その点いかがでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) これまでも各地方自治体におきまして、市民農園については地方自治体レベルでいろんな工夫なり努力がなされてきていたと思います。今回、政府がこういう法案を出してそれでもし国会で成立して、この法案に基づいていろいろ政策を展開するということになりますと、従来こういう法律なしに地方団体がいろいろやってきました行政が、さらにこの法律に基づきまして前進をするのではなかろうかというふうに私ども考えている次第でございます。  私ども、いろいろ地方公共団体の職員の意見も聞いているわけでございますけれども、やはりこういう法案があった方が、私どもの市民農園推進の仕事は非常にやりやすいというふうな意見も聞いている次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 これは、何か基本方針は知事の方でつくらないといけないというのは、農地法上の転用許可とかそれが県知事の同意を得るとか、あるいは交換分合をする際も、知事の段階の基本方針があった方がいいだろうというふうな御配慮だと私も聞いておりますが、実際にはむしろ促進をさせるなら市町村に直接おろす、そして市町村の間で仮にいろんなあつれきなりうまくいかないことが出てきたときに、そういうものが出てきたときに調整をすればいいのじゃないかとさえ思うわけでございますが、その点いかがでしょうか。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 市民農園を設置する場合の、例えば農地転用の許可とかそれからまた都市計画法に基づく開発許可とか、こういうようないろんな行政手続があるわけでございますけれども、現在そういう土地利用に関する権限の配分といいますか、主として都道府県知事のところに権限が配分されているわけでございます。転用許可もそうでございますし、それからまた都市計画法の開発許可も知事の許可というようなことでございます。  そういう面で、私どもとしてはできるだけ手続を簡素化して、市町村が全部やれるようにということもいろいろ考えてみたわけでございますけれども、現在の権限配分ということも考えまして、その辺の調和をとるということで基本方針というものを知事が定めまして、また区域指定とかそれから開設の認定は市町村がやるわけでございますけれども、その際には知事の同意というような形で、そういう転用の許可とかそれからまた開発の許可とか、そういう手続をできるだけ簡素化してクリアできるようにいたした次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 大臣にお尋ねをいたします。  この大都市の市民農園の場合には、私冒頭申し上げたような税制あるいは住宅確保の土地の問題等があって、これからいろいろな意味で、大臣のお立場で御主張していただけるとは思いますが、一方で促進を本当に進めなければいけないところ、こういうところについて、実際に法案ができて施行をされても、なかなか末端のところにこういう法案ができてこういう助成が受けられる、あるいはこういうふうにやらなきゃいかぬということが思うように下におりていかない、いっていないところが多分にあると思うんです。これはなかなか、実際に言うはやすし行うはかたしでございますが、特にこの法案、促進法ということでせっかくつくるわけですから、その点を大臣の方で特に御留意願ってやっていただきたいと思いますので、その御決意のほどを伺いたい。  それからもう一つは、生意気にも見守り法案ではないかというようなことを申し上げましたが、これはなるべく早く、大都市における市民農園の今手詰まり状況を積極的に打開するためには、例えばたくさんの入園者を入れたところにはこういう助成、優遇措置も考えますとか、あるいは長期の入園者を入れたところにはこういうことが十分考えられるというような、そういうものを早く示していただけるように御努力を願いたい、その御決意も含めてお尋ねを申し上げます。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) ここに書いたものがありまして、もっと強力に誘導せよという先生の趣旨に対して、農地法と都市計画法の特例等によって云々とかあるいは構造改善事業、補助事業を促進するとか、あるいは農林漁業金融公庫資金の各種の貸し付けなどを通じて誘導強化をするなどと書いてあります。これはこれです。これですが、せっかくの先生のお気持ちですから、私もけさ以来ずっとお話を聞いたりこちらから答弁をいたしながら、これはいつも法律についてそうなんですが、特に本法律については感想がありますので率直に申し上げておきたいと、こう思うんです。  それは一言で言えば、先生方はいろいろ御質問をなさる立場、私の方は提案をしてこの法律を通していただきたいという立場ですけれども、実は思いは同じなんです、さまざまの問題で。私に言わせますと政治は結局将来にかける、政治はこれをフォローすると、こういうことなんですけれども、どうもなかなか将来を見通して、積極的に法律を次から次に出していくというのはいかに難しいか、しかも横の連絡をうまくとりながら効果のある法律を出すことはいかに難しいかということを、私も閣僚になりましてまだ日が浅いのですけれども、今日まで各法律を先生方の方に提案しながらいつも痛切に感じておったのです。  けさ以来のあれをあれしますと、先生の今のは見守り法案だという話もあります。それから、細谷先生からは大所高所からいろいろ御議論がありましたけれども、現状維持がやっとじゃないかなと、こういう法案だと。刈田先生に至っては、今さらなぜ市民農園かと、こういう大変耳の痛いお話、それぞれ私はそのとおりだろうと思うんです。思うんですけれども、やはりこれはそれじゃ構わぬでおいて税制の問題が完全に見通しがついてから、あるいは国土庁が来ていますけれども、今四全総進行中ですね。この間衆参にわたって、与野党一致して例の基本法を通していただきました、土地基本法を。それから今度は、建設省は現在の法律プラス、今参議院にかかっておりますけれども二本の都市改造のための大きな法案があります。これも通れば必ず機能していくと思いますが、そういうものと絡んで、これから言いますけれども、なかなか全部一緒にまとまった形で効果の上がる法案というものが果たしてできるだろうか。私がこんなことを言っちゃおしまいですけれども、そういう感想も実は持つわけなんです。  ただ、緑は守りたい。先ほど来の御質問にもありましたけれども、都市農園といいましても市民農園といいましても、農園の形はピンからキリまであるんですね、大きさの問題だけ考えても。本当に野菜をじゃんじゃんつくっているところもあれば公園に類似したものもある。さまざまありますから、そこをきめ細かく、刈田先生おっしゃったように手当てをしていかなくちゃなるまいというふうにも思っておりますけれども、しかし農林水産省としては、この時点でこれを出したのは、一つは市民のニーズが非常に強い。充足できませんよ、今の税金問題などで引き揚げる人もいますから、なかなか充足できないけれども、借りたい借りたいと言う人が圧倒的に大都市を中心に多い。それから、地方自治体に聞きますと、地方自治体ではみんなこの種のことをやっているんです、実は。しかし、国でしっかりフォローせよと、こういう待望論もあるわけです。  ですから、正直申し上げますと、税制の論議も随分いたしました。いたしましたが、その結論を見るに至らず本案の提案になったと、正直な話を申し上げますが。したがって、税制問題は今後の課題として実は残った、一番肝心かなめのところが残ったということでございます。ですから、この法案をぜひ全会一致で通していただきまして、そして小さいですけれども、次に夢を託したいというふうに私は考えていることを申し上げたいと思うわけであります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 ありがとうございました。  終わります。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 市民農園整備促進法案につきましては、これは我が国の農業政策の上からも、また土地政策の面からも極めて有意義な法案であると理解いたしております。したがいまして、この法案に賛成であるという意思表示を最初にいたしまして、問題はこの法案が、いつものことですが、私のふるさと沖縄にも十分機能し有効に活用されることを期待するものであります。  と申しますのは、泣き言を申し上げるわけではありませんが、四十五年前のあの沖縄戦争におきまして、自然、地上物件も含めて九六%が壊滅したわけであります。したがいまして、一木一草、自然も含めて、地形も含めて砂漠化した、こういう終戦直後の言葉でありましたが、さらに言葉をかえて言いますならば、国破れて山河なし、これが終戦後における沖縄の認識の言葉でありました。  ところで、四十五年後の今日、その山河のないといった沖縄が、また四十五年の歳月の中でもとの沖縄の自然に返りつつある。もとの沖縄の自然というのはどういうものかといいますと、大臣お聞きになったことがありましょうか、あの沖縄の民謡に安里屋ユンタという曲がございます。その曲の一節に、「沖縄よいとこ一度はおいで春夏秋冬緑の島よ、サーユイユイ。」緑にさらに花を添えて、「沖縄よいとこ一度はおいで春夏秋冬みな花が咲く、サーユイユイ」と。これが戦前の沖縄の自然を余すところなく歌った民謡があるわけでありますが、そのとおり今復活しつつあるということなんですね。  ところで、ひとつまたどうしても避けるわけにはいかないのは、いまだに県土の一一%の米軍基地がある、そして沖縄本島におきましては二二%の米軍基地が存在しておる。このことが大きな障害であるということは今さら申し上げるまでもありませんが、きょうはその問題は抜きにしまして、それで戦前の美しい自然に返りつつあるわけでありますが、その自然を沖縄県民自体の要望というよりも、戦前以上の沖縄の自然を形づくっている、それを県外の方々、いわゆる本土の皆さんを初め、外国の皆さんも含めて沖縄県民以外の方々が沖縄県に、素通りではなく、一定期間滞在して農作物を栽培するといった形態のものや、あるいは観光施設やリゾート施設を訪れた人たちが沖縄の本当の自然を求めて市民農園を利用する、こういう立場からの要望であります。こういった認識に立つ市民農園は十分今後進めていかなければいけない。いわゆる言葉をかえて言うと沖縄型といいますかね、沖縄型の、我が国における唯一の亜熱帯地域であることは今さら申し上げるまでもありません。その活用を図っていく必要がある、こう思っております。  そこで、まず第一にお伺いしたいのは、滞在型の市民農園の整備の促進。沖縄県では、先ほど述べたとおり沖縄県民のための市民農園についてはそれほど大きなニーズを感じません。ところが、沖縄県民以外の方々が利用するような市民農園は、今後ますます発展させていく必要性を痛感いたしております。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 そこで、沖縄県で発展が期待される滞在型の市民農園や、観光施設やリゾート施設と一体的に整備される市民農園も本法のこの法律の対象とするよう運用すべきであると思うが、いかがでしょうかということと、もう一つ、またこれと関連して、第十二条、都市計画法の特例が設けられておりますが、市街化調整区域で開発許可が認められる施設として、法律では休憩施設が例示されている。このほかにどのような施設を予定しておるのか、宿泊施設も考えていらっしゃるのか。このことは建設省に、前半は農水省に、以上お尋ねいたします。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) この法律に基づきます市民農園の一つの形態といたしまして、遠隔地の利用者が農村に一定期間滞在して利用する、いわゆる滞在型の市民農園ということもこの法律の対象にいたしたいと考えております。このような滞在型の市民農園にありましては、市民農園のほかに、子供の遊び場とかそれから釣り堀とか運動場とか、そういういろんな施設を組み合わせることによりまして、家族みんなで楽しめるような魅力あふれるレクリエーションの場として整備することが望ましいというふうに考えております。それぞれの地域の特性を生かしながら、自然との触れ合いの場とか農業、農村の体験の場とか、そういう総合的な整備を行うためのいろんな補助事業ということも現在いろいろ展開をしたいと考えております。  特に、平成二年度から、地域資源活用型の農業構造改善事業というのを発足させましたけれども、こういう補助事業とか、その他農林漁業金融公庫の融資制度とかそういうものをいろいろ活用しながら、滞在型の市民農園の整備ということについても努力してまいりたいと考えております。

内藤勲建設大臣官房審議官

○説明員(内藤勲君) 都市計画法上の開発許可の特例、そういうことでこれは市街化調整区域における開発許可の特例ということでございまして、市街化調整区域におきましては、ある許可を与えることに伴ってスプロールを防がなきゃいけない、そういうことはあるんですが、市民農園区域のために必要なものであって、周辺の土地利用に支障を及ぼさない、そういう施設を政令で定めることにしております。  先生御質問の宿泊施設でございますが、いわゆる市民農園に付随して、市民農園がそれなりのレベルの高いものであれば宿泊施設もそれなりに必要かと思うのですが、宿泊施設すべてオーケーということになりますと、それはそれでまた問題があるのかもしれません。したがいまして、市民農園のための簡易な宿泊施設をどうするかということになるかと思うんですが、先生の御趣旨を体した形での、政令段階での検討を進めてまいりたいと思います。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 今の両省の御答弁に対して、私はこういうことを申し上げたかったんです。あの打ち砕かれた沖縄県をすばらしい沖縄に発展さしていく大きな目玉は、観光立県という政策を打ち立てていく、それにどう対応するかということが非常に大事である、こういう立場から二つの質問をいたしたわけなんです。  次に私は、沖縄県以外の人々に沖縄県の本当の緑、本当の自然を味わってもらいたい。よく聞きます、空の海の山の緑、青さよ、美しさよ。本当の緑、本当の自然を味わってもらいたいと常々思っております。市民農園を利用して本当の自然に触れるためには、まずその用地を確保し、さらに宿泊施設等の関連施設を積極的に整備していく必要があると思います。日本も経済の発展に伴って豊かになってきたが、自然との触れ合いといった心の豊かさの点ではまだまだ不十分であると感じております。今後、滞在型の市民農園と本当の自然に触れ合える市民農園の整備を進める必要がますます大きくなってきておると思います。物の豊かさと心の豊かさのバランスが大事であると思います。  そこで、市民農園のような心の豊かさを養える分野に、経済大国日本の豊富な財力を積極的につぎ込むことが大事だと思うんです。その意味で、市民農園の整備に活用できる補助事業等の予算の確保に大いに努力していただく必要があると思いますが、大臣御見解を承りたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生から沖縄よいとこ一度はおいでというので、どこかで聞いたことあるなと思ったら私の郷里の草津温泉なんですね、「草津よいとこ一度はおいで」という、懐かしく思っております。  やっぱり郷土を思わない者はないんですね。いつも先生のお話で惻々と胸を打つのはそういうこと、沖縄の戦禍の問題と郷土を思う先生のお気持ちがいつも質問にあふれている、きょうもそういうことを感じたのでございますが、市民農園はけさほど来の議論の中で、大都市、日本の三地域とかあるいは地方都市の内外の農園の問題が主として対象にされ、私どもそういうことがイメージにあってお答えもしたんですけれども、なるほど、これは沖縄型市民農園というものもあるんだな。これは先生が御指摘になったような、言うなれば滞在型といいますかあるいはレジャー型、観光型とでもいいますか、そういう市民農園の考え方、やり方がある。片桐局長からは滞在型に即して釣り堀だとか子供の遊び場とか、そういうお話もあった。あるいは建設省の審議官からは、宿泊施設については簡易なもの等を頭に置きながら今後考えていく。それから、やっぱり恐らく駐車場などということも出てくるだろうと思うんです。そういう問題なども考えながら、沖縄型の市民農園についてもできるだけ工夫をしてみたい、こういうふうに思っております。  なお、しっかり予算をつけろ、これはもうこの件に限らず、先生の沖縄に対してのお考えがいつも予算であらわれてくるわけでございますが、農業構造改善事業、その他の補助事業、先生いつも足りない足りないとおっしゃっていますが、できる限り努力をいたしたい、あるいは金融公庫等の融資についても重点的に、積極的に考えていきたい、こういうことを中心にして誘導を図ってまいりたい、沖縄型の市民農園を有効に利用できるように私ども積極的に進めてまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 時間も迫りましたので、もう一点お尋ねします。  私は、かねてから申しておるわけですが、沖縄県における最大の課題は何と申しましても水の問題であります。今回、市民農園整備促進法が制定されることに私は大いに期待するものでありますが、それには今申し上げる水の問題を大前提としなければいけないと思っております。この市民農園にしても水の確保がなければ有効な利用はできないわけであり、いわば仏つくって魂入れずとかあるいは絵にかいたもちという言葉もありますが、それにしかすぎない。沖縄県は、降雨量は日本一であります。ところが水不足、また不自由な日本一の県であります。  そこで、この法案に関連して水の確保についてお伺いしたいと思うのでありますが、沖縄県では御承知のとおり地下ダムの建設があり、水不足をどう抜本的に解決するかという点から地下ダムを建設し、農業用水を確保するという全国にも例のないユニークな水資源の解決の事業が行われております。今後とも、この地形的、気象的特徴を踏まえて推進を図っていくことが最も重要であると思いますが、大臣どのようにお考えでしょうか、お伺いしまして私の質問を終わります。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、沖縄県は降水量は比較的多いわけでございますけれども、降雨のばらつきが非常にあるとか、それからまた透水性の高い琉球石灰岩が広く分布いたしておりまして、降水の多くが海に流出するというようなことがありまして、たびたび干ばつに見舞われるというような極めて特殊な自然条件にあるわけでございます。このため、私どもといたしましても、沖縄の農業の体質強化を図っていくために安定的な農業用水の確保が極めて重要であるというふうに考えております。特に、琉球石灰岩が広く分布している宮古島におきましては、農業用水が不足して生産性の低い農業経営を強いられているというようなこともありまして、先生御指摘のように、現在地下ダムを建設して農業用水の安定的確保を図るような事業を推進しているわけでございます。  私どもといたしましては、今後とも沖縄農業の振興を図るために、地形的、気象的条件等の特殊性を踏まえまして、地下ダム建設等による農業用水の水源の確保にいろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えております。現在、沖縄本島南部におきましてもいろいろ調査を行いまして、できるだけ早期に着工するというようなことで、現在各種の調査を実施しているところでございます。     —————————————

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、本村和喜君及び熊谷太三郎君が委員を辞任され、その補欠として木宮和彦君及び合馬敬君が選任されました。     —————————————

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 いみじくも、今大臣が申されましたように、この法案に関しまして税制の問題だけが残ったということでございますね。いわゆる市街化区域内における農地の宅地並み課税、この問題がこの法案に絡んで一番重要なポイントであると思うわけでございますが、これは再三午前、午後にわたりまして御質疑がございました。重複を避ける意味を持ちまして、私は残余の質問時間を放棄いたします。

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  市民農園整備促進法案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、上野君から発言を求められておりますので、これを許します。上野君。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 私は、ただいま可決されました市民農園整備促進法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ、税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     市民農園整備促進法案に対する附帯決議(案)   政府は、良好な都市環境の形成と農村地域の振興に資するため、市民農園の適切な整備が推進されるよう地方公共団体等を指導するとともに、本法の施行に当たり次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 市民農園区域の指定に当たっては、地元関係者の意向等を十分反映するとともに、周辺の地域における農用地の農業上の効率的かつ総合的な利用の確保に支障を及ぼすことのないよう地域における農業施策等との整合性の確保について指導すること。  二 都市住民等が市民農園の利用を安定的に行うことができるようその継続性の確保に努めること。  三 市民農園の開設の認定に当たっては、市民農園施設の内容、規模等が周辺の地域における営農条件の確保に支障を生ずることのないよう十分配慮するとともに、市民農園施設の整備のための農地転用に係る農地法の特例措置及び開発行為に係る都市計画法の特例措置については、土地利用のスプロール化等につながることのないよう指導の徹底を期すること。  四 市民農園の適切かつ有効な利用が図られるよう農作物の栽培、農園の管理等に係る指導員の配置等ソフト面での運営体制の整備拡充について指導すること。  五 本法に基づく措置とあわせて、市民農園の整備に係る補助事業及び融資制度の積極的な活用が図られるよう指導すること。  六 市民農園の農業政策上及び都市政策上の位置付けについて、その明確化を図るよう努めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) ただいまの上野君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、上野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、山本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本農林水産大臣。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仲川幸男自由民主党

○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十七分散会

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