農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 240 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/06/01
会議録
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨五月三十一日、菅野久光君が委員を辞任され、その補欠として深田肇君が選任されました。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 去る五月二十五日、予算委員会から、六月一日の一日間、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。 これより本件を議題といたします。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) まず、参考人の出席要求についてお諮りいたします。 本件審査のため、農林漁業金融公庫の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) それでは、山本農林水産大臣から説明を求めます。山本農林水産大臣。
○国務大臣(山本富雄君) 平成二年度農林水産予算について、その概要を御説明申し上げます。 平成二年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて、三兆一千二百二十一億円となっております。 予算の編成に当たりましては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、各種施策について、予算の重点的かつ効率的な配分により質的充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。 以下、予算の重点事項について御説明します。 まず、農業施策に関する予算について申し上げます。 第一は、土地利用型農業の体質強化等を目指した構造政策を積極的に推進することであります。 まず、個別経営の体質強化を図るため、若い担い手農家等に対する経営指導、経営分析と規模拡大後の経営安定のための助成を行うとともに、足腰の強い土地利用型農業経営を育成するための新たな資金を創設します。また、地域の立地条件に応じた農業・農村の活性化を図るための農業構造改善事業を新たに発足させます。 農業基盤整備事業につきましては、大区画圃場整備の推進等生産性の向上、農業生産の再編成、農村地域の活性化等に資する事業に重点を置いて、計画的な事業の推進を図ることとし、一兆二百四十九億円を計上しております。 また、土地改良事業の農家負担金の軽減と計画的償還を一層推進するため、五年間で一千億円の資金を造成することとし、平成二年度予算案においては、百五十億円を計上しております。 さらに、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流などを実施します。 第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業を展開することであります。 多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成、地域輪作農法の一層の推進を旨として、平成二年度から四年度までの水田農業確立後期対策を実施します。 また、土地利用型農作物の生産性向上指針を策定し、その実現に向けて各種対策を集中的、計画的に実施するなど、主要作物についての総合的な生産対策を充実します。 さらに、肉用牛対策を充実するなど、畜産についての総合的な対策を講ずるほか、効率的な家畜の改良増殖等を推進するため、家畜改良センターを設立します。 第三は、条件が不利な中山間地域等の活性化を図ることであります。このため、付加価値の高い農林水産業の振興、生活環境の整備、就業機会の確保、都市との交流の促進等を行う特別対策や、農林業の生産基盤と生活環境基盤を総合的に整備する事業を推進するほか、新たな資金の創設、地域の特色を生かした多様な農林業生産の振興等を図ります。 第四に、農林水産業、食品産業等の技術の開発・普及等であります。 バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を重点的に推進するほか、消費者及び食品産業のニーズに対応した研究開発、研究交流、民間の研究支援を実施します。 また、先端的農業技術の実用化及びその普及を推進します。 さらに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。 第五に、良質な食品を提供する観点から、優良な地域食品について、ふるさと食品としての産地、品質等の認証、普及等を行う事業を実施するほか、米の需要拡大と需給の調整のための特別事業の実施、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。 第六に、食品産業対策、食品流通対策、輸出促進対策について申し上げます。 食品産業につきましては、バイオテクノロジー等を用いた技術対策を充実いたします。 食品流通対策につきましては、食料品商業について、組織化等を通ずる経営の近代化と競争力の強化を促進します。 また、海外におけるアンテナショップの増設やテストマーケッティングの実施等により、品質的にすぐれた日本産の農林水産物の輸出の促進を図ります。 第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進であります。 熱帯林の減少、砂漠化の進行、地球の温暖化等の地球環境問題に対処するための調査・研究等を充実するとともに、農林水産業に関する国際協力を実施します。 以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実、農業信用保証保険制度の拡充を図るほか、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めることとしております。 次に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 国土の保全と林業生産基盤の整備を図る観点から、治山、造林及び林道の各事業を計画的に推進することとし、三千三百三十億円を計上しております。 また、林業・山村の活性化を図る新たな林業構造改善事業を発足させるとともに、若者の新規参入の促進、森林組合の作業班の育成等による林業担い手育成総合対策を実施します。 さらに、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化、森林の保全整備と総合利用の推進等を図るほか、国有林野事業の経営改善を強力に推進することとしております。 続いて、水産業施策に関する予算について申し上げます。 二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興を図るため、漁業生産基盤たる漁港、沿岸漁場の整備を計画的に推進することとし、二千百四十九億円を計上しております。 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、栽培漁業等つくり育てる漁業について、その振興におくれが見られる地域にも特段の配慮を払いつつ、積極的に推進することとしております。 さらに、漁協の信用事業の統合等による漁協の経営基盤の強化を図ります。 また、水産物価格の安定を図るための需給安定対策の強化を図るほか、資源開発や国際漁業協力を推進することとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、管理経費の節減等に努め、一般会計から調整勘定への繰入額を二千三百二十億円とすることとしております。 農業共済再保険、国有林野事業特別会計等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千二百八十五億円を予定しております。 これをもちまして、平成二年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○委員長(仲川幸男君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上野雄文君 私は、主として林業問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。 ただいま大臣の御説明のこのプリントを見ますと、わずか十一行という感じがしないでもないのでありますが、この中身はたくさんの問題が含まれていると思うのでありまして、ただこの間、一昨日、予算委員会において我が党の村沢理事が大臣にNHKの報道をめぐって質問をされました。それに対しまして大臣は、前にも述べたけれども、これからも与野党一致協力して国有林の再建の問題に取り組んでいただきたい、こういう趣旨の御発言をされました。私も、国有林の問題については重大な時期を迎えているわけでありますから、一緒になってどうやったらいいのかということに力を尽くしていきたいなと、こう思っているのであります。 したがって、そのためには私たちがこうしてほしいあるいはこの点がもうひとつわからない、さらに今まで衆議院の予算委員会やあるいは農林水産委員会などで幾つかの問題を提起してまいりまして、それぞれ御当局から努力をしますとか、一生懸命頑張りますとかというお話を承りましたが、さらに突っ込んでどうやるのかというようなことについてもお聞きをしたいな。重なりますけれども、その点はあらかじめ御了承をいただきたいというふうに思っているわけであります。 最近というよりも、ここのところ日本の農林業をめぐる問題は、展望がないとは私は申し上げませんが、あらゆる問題が厳しい条件下に置かれておりまして、ともすると我々の議論そのものも守りに回るといいますか、どうやって今の立場を守っていったらいいのかというようなことに議論がなりがちでありまして、少しは夢と希望のあるような、そういうものにしていかなきやならないのじゃないかというふうに思っておりまして、私はきょうのこの林業をめぐる問題なんかについても気持ちよくというか、私たち自信を持って、これから日本の林業の進展のために努力することができるんだというような気持ちになれるようなものにしていきたいなという願いでいっぱいなんであります。ですから、気がめいるような議論ではなくて、楽しい議論になれるような、そういうような論議を展開していただきたいというふうに、最初に私から要望をして質問に入っていきたいな、こういうふうに思います。 最初に、実は一昨日ですか、林野庁長官の私的諮問機関として設置された熱帯林問題に関する懇談会の中間報告なるものが出ました。そのあらましについて、まず長官からお聞かせをいただきたいというふうに思うんです。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話ございましたように、一昨日、熱帯林問題に関する懇談会が開かれまして、これまで御検討いただいておりました熱帯林問題に対する今後の我が国の取り組みの方向等について、幅広い観点からお取りまとめをいただいて報告をちょうだいしたわけでございます。この中間報告の内容につきまして、余り時間をとらない範囲でポイントを御紹介申し上げたいと思います。 この報告におきましては、熱帯林の持続的な開発とその保全を図るということが基本になっておりまして、まず多様な機能を持ち、また再生可能であるという熱帯林の資源的な特質を踏まえまして、また開発途上国の経済社会等、その構造的背景との関連のもとで検討されるべきである、こういう認識の上に立ちまして、熱帯林問題に対する取り組みの方向、さらに具体的な行動等についての提言を行っておるわけでございます。 まず、二十一世紀に豊かな緑の地球を引き渡すために緑の地球経営という行動理念を打ち出しまして、その実現に向けて、一つは「緑の地球経営シニアフォレスター会議」というものを開催すべきこと。二つには「緑の緊急保全十カ年計画」を策定すべきこと、これを国際的に働きかけるということを提唱しております。また、我が国の国際林業協力の新たな展開といたしまして、熱帯林が急速かつ大規模に減少、劣化しているという状況に対処しまして、失われた緑を緊急に回復するための環境造林への着手、また熱帯林保全のための現地森林官の養成、さらには地域住民の生活向上のための地域社会林業というべきものの推進を図れと、こういうことを提唱しております。 またさらに、我が国の国際林業協力を総合的、機動的に進めるという観点から国別の協力プログラムを策定すべきである、また熱帯林研修センターを整備すべきである、さらに人材プール、人材バンク等の機能を持った総合的、組織的な国内の支援機関を整備すべきであるといったように、制度あるいは体制の強化についても提言をいたしております。なお、熱帯木材貿易と熱帯林保全の問題にも触れまして、適正な管理のもとに生産された木材を貿易の対象とするということを基本とすべきことが指摘をされておるということでございます。 内容の概略は以上のとおりでございます。
○上野雄文君 これは最近の貿易摩擦、日本に対する世界各国のいろいろな面での、言うところのジャパンバッシングの一つというふうに私はとらえたんです。実は、テレビでその報道がなされたのを聞いたりして、やはり熱帯林問題について日本もそれなりの対応をしなきゃいけなくなって、その面で出してきたんだなというふうに私は考えたんです。 実は、お話も承りましたが、林野庁の方から中間報告をお届けいただきまして私なりに読んでみたわけです。日本が熱帯林の木材の世界一の輸入国なんだから、多少なりともそれにブレーキがかかるようなものがないと、国際的になかなか了解を得られないことになるのではないかという、素人の判断ですけれどもそう思ったわけでして、その限りではいよいよ国産材に目が向いてきて、国内的にも林業政策というものに相当程度力が入ってくるのではないかなという期待を持ったんです。これをずっと読んでみますと、どうも輸入にブレーキをかけるというようなものは一つも書いてない。それで長官、新聞の報道を私もいろいろ読んでみたんですけれども、どうも書き方は、やっぱりそこのところを日本がどうするのかというのが一番の焦点なんだから、そこに焦点を合わせた報告なるものが出てくるというのを期待していたような感じを私は受けるんです。 というのは、ある新聞の解説によると、「一九八七年林産物年報によると、日本の木材輸入量は七千万立方メートルで、世界の木材総輸出量の約二割に当たり、世界最大の輸入国。マレーシア、インドネシアなど南洋材産地国の輸出量の約四割は日本向けとなっている。」というふうに解説をしている新聞もありますが、これは間違いありませんか。
○政府委員(甕滋君) ただいまお触れになった数字につきましては、厳密には別といたしまして、おおむねそのような数字で事実かと思っております。
○上野雄文君 そうすると、私もいろいろまた林野の皆さんから話も聞きましたが、現地では、日本が買ってくれなきゃ困る、日本に買ってもらうという経済の仕組みができ上がっているんで、今減らされたり何なりというんじゃ困る、こういう声もあるし、さらにまた現地の産業振興というようなことから、現地で一次産品ぐらいにしてそれも買ってくれと、こういう要望もあるので、一挙にという話にはなり切れないと言うんだけれども、この辺について、私ども輸入問題についてどういうふうに理解したらいいのかなというのが私の疑問に思ったことなんです。長官は、この中間報告の出た時点で私どもにその点についてどういう説明をされますか。
○政府委員(甕滋君) 私も、この懇談会には努めて出席をさせていただきまして御議論も拝聴いたしました。また、今回の中間報告にもそういった御論議が反映されておるということで承知をしておるわけでございますが、基本的な熱帯林に対する考え方といたしましては、開発途上国、ひいては世界の経済発展と環境保全のためにさまざまな機能を発揮しているその総合資源という位置づけが基本にございまして、木材貿易につきましても、これは一概に制限したらいいと、こういう観点ではございませんで、それが熱帯林産物の価値を高めて保全投資を誘発するというようなことも含めまして、熱帯林保全を図る上でも重要な役割を果たしておる、こういう御議論がございました。そのため、その持続的な開発を可能にする適正な森林の管理ということが大きく論議をされておりまして、その中から、生産された木材について貿易の対象とするということが基本ではないかという御提言になっておるわけでございます。したがいまして、持続可能な開発あるいは保全が妨げられるような無秩序な伐採とか輸入といったものは許されない、こういう立場であることはもちろんのことと受けとめておるわけでございます。私どもといたしましても、国際的なコンセンサスでございます熱帯林の持続的開発と保全を進めていくという立場から、この提言の趣旨に沿いまして、貿易に関連する総合的な対策についても検討を行っていく必要があるであろうと考えておるわけでございます。
○上野雄文君 そういう問題もありますし、それから報告でも触れているように、日本の本州の半分の面積、一千万ヘクタールが毎年なくなっていってしまうという点の指摘もあったり、それから野生動植物二百五十万種のうち、二十五万種から八十万種が二〇〇〇年までに絶滅してしまうという点も指摘をしておりますね。これはやっぱり日本の輸入の問題とどうしてもかかわりを持ってくる、こういうことになってくるのではないかと思うんでありますが、やっぱり日本は世界一の金持ち国だからこういった問題については金で決まりをつけましょうという、そういうあれがこの報告にずうっと流れているのじゃないかなというような気がしてしょうがないんです。 そのことを長官とここでいろいろやりとりしてみてもいたし方ありませんが、何とはなしに、やっぱりこのことだけでどうも国際的な理解を得られるということになるのかどうかというと疑問なしとしませんが、私はそういうふうに考えざるを得ないということを申し上げて、そこでこの具体的な計画というものについて、報告の中には金額的なものは全く出ておりませんよね。ところが新聞では、「一カ所当たり一万ヘクタール程度を想定、一カ所につき約一千万ドルの援助が必要」というふうに書かれています。これは一つの新聞じゃなくて、私が見た限りでは二つの新聞で同じようなことが述べられておりますので、この辺はどうお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(甕滋君) ただいまお触れになりました具体的な数字にわたることでございますけれども、こういった具体的なそのプロジェクトの内容が報告書に盛り込まれておるわけではございません。御承知のとおりでございます。また、論議の過程におきましても、そういったものまで踏み込んで細部にわたる論議が行われたとは記憶しておりません。 いずれにしましても、この提言に盛り込まれております事項は、かなり長期的なものも含めまして今後の方向ないし基本的な考え方として整理していただいたというものでございますので、今後私ども、この趣旨に沿いながらどういうふうに具体化していくのか、できるところからいろいろ努力を重ねていかなければならないのではないかと考えております。
○上野雄文君 長官が、今そのことについて触れるというのはあるいは問題があるのかもしれませんけれども、新聞だってインチキ書くはずはないだろうと思うので、この発表の際の記者会見か何かで質問があればだれかがこういう答えをされたんだろうと思うんですが、このことについて、これは予算の問題やなんかと違いますから、動かしがたい数字だ何だということを言おうとしているつもりではありません。 ただ、この報告を読ませていただいて、それなりに国なり強いて言えば林野庁がこれからやらなきゃならない新たな仕事が生まれてきた。そうすると、冒頭私申し上げましたように、林野は借金借金で、借金ばっかりでというその重みから抜け出すためにどうやったらいいかなんということばっかり頭がいっていて、新しい分野の仕事の開拓というものがない。久しぶりに国際協力という面でいい仕事ができるんではないか、私はやっぱりそう読みたくなるので、農水の委員になっていればこれは大臣当たり前でしょう。そういうことからすれば、一体これからどうおやりになっていくのか。どのぐらいの規模でどういうふうな取り組みをしていくんだろうなと。研称所の拡充。 それから後ろの方に、今国有林野の方は合理化計画一生懸命やっているんでなかなか入手のやりくりもつきませんと。だから内部でやりくりは容易でないので、都道府県職員まで引っ張り出してやるような体制を考えていかなきやならないなんというのがここに載っておりますね。これなんかは、私が何も県で仕事をやってきた人間だから言うわけではありませんが、林野がやろうとするんであるならば、自分の力でやっていけるような体制をつくるというふうに考えるのが当たり前じゃないかなというふうに私は思うんです。 これをやろうとするには、ある新聞ではこういうふうに言っていますね。「この提言も林野庁だけではとても実行する力はなく、政府を挙げて取り組まないと内外からの批判はとてもしのげそうにない。」というふうに書いている新聞もあります。だとすると、全体どんなふうにお考え、今固まったものを出せなんということを私は言おうとしているんじゃありませんよ。夢と希望というのは、私たちはこういうようなことをやりたい、そのためにはこのぐらいの金が必要だと思いますというようなものは、我々の前にある程度明らかにされてもいいんではないのかな。その中に、おれたちこれからの林野の仕事の分野の広がり、そこに夢も乗っけていけるというようなものを見出したいものだなというような気持ちからお尋ねをするんですが、長官いかがですか。
○政府委員(甕滋君) 今、林野庁が国際林業協力に取り組んでおる姿勢は、林野庁の内外大変厳しい条件の中にはございますけれども、これまでの技術、一千万ヘクタールの造林をなし遂げてきたこういった林業技術を基礎にいたしまして、また日本がこれだけ林業先進国ないしは経済大国として国際的に責任を果たしていかなければならない、こういう立場を踏まえまして積極的に取り組んできておるところでございます。例えば、現在の林業協力の中心をなしておりますプロジェクト協力でございますが、これを現在世界十一カ国に対しまして七十人の技術者を現地駐在させて、日夜協力事業に従事していただいておりますが、その大部分は国有林の営林局署の職員ないしは森林総研の職員ということで、これは林野庁、可能な限りその力を挙げて取り組んでおるということをまず申し上げておきたいと思います。 今後、この林業協力を一層展開させていきますためには、私どもの問題意識として、熱帯林の保全にふさわしい森林、林業技術をより明確化していくという必要がございますし、また国別、地域別の諸条件に適合したきめ細かな対応を展開しなければならない。さらには、経済、社会、文化といった幅広い視点からの総合的な取り組みが必要だというふうに考えております。 報告書の中におきましても、地域社会林業への取り組み等にも触れまして、また現地国の経済、社会構造等との関連を重視して進めなければならない、こういう点も触れられておりまして、そのために幅広い人材が要請される、林学だけでなくて農学、生態学等の幅広い分野の専門家でございますとか、外国人の活用といったことも含めて、より強力な体制で取り組んでいかなければならない、こういう観点からの指摘にもなっておるわけでございます。私どもそういった全体の御提言を受けまして、今後予算で進めなければならないことにつきましては当然予算要求等についても努力をするということを含めまして、これからその具体化に全力を挙げて取り組みたいと考えておるわけでございます。
○上野雄文君 それじゃ、新聞に書いてあるよりももっとひどい話で、中身がやっぱりわからないと私は思うんですよね。これ何年度からやれるようにしたいもんだな、この提言を受けて。その辺はどういうふうに考えたらいいんですか。
○政府委員(甕滋君) この提言自体、大変長期的な対応を要するものも含んでおります。この中におきましても、今後十年程度を見通して必要な措置を展開していくべきである、こういう趣旨でございまして、私どもその中から、できるものから早速実行に移していかなければならないということでございまして、今後関係行政機関等とも連携を図りながら、早速具体的な予算措置を含めた努力を始めなければなるまいというふうに考えておるわけでございます。
○上野雄文君 ひとつこれは日本の重要な問題として、先行きやっぱり構造協議の問題とも絡んでくるのだろうと思うんでありまして、ひとつ積極的に取り組んでいただきたいなと。今までのようなお話ですと、我々も一緒になってというふうに冒頭申し上げた意欲も少し膨らんだのが、こうしぼんでしまうような気がしちゃうんです、私自身もね。そうじゃないようなものに提起をしていっていただきたいということを要請しておきます。 次に、これとの関係なしとしませんが、森林資源に関する基本計画並びに重要な林産物の需要及び供給に関する長期の見通しの中で、二〇〇四年までに国内の自給率について四三ないし四八%まで国有林、民有林合わせて高めていきたいという提起がされておりますが、これは先ほども申し上げましたが、それぞれが今まで何度も議論をされてきた点だと思います。私は、今度の提言と絡んで輸入の、さっきもこれ触れましたが、輸入が減ってくればそれだけ国内対策に重点を置かなきゃなるまいと、少なくともこの自給率達成ということからすれば、というふうに考えたんですけれども、どうも輸入は減らさない。だからこの長期見通しのままでいくんだ、こういうふうにとらえざるを得ないなというふうに思っていますが、それはやっぱりそういうことなんですね。
○政府委員(甕滋君) 木材の輸入につきましては、先ほど来申し上げておりますように、熱帯林の保全と持続的な開発と、こういう基本的な考え方にマッチする形で、現在の国際的な貿易ルールでございますとか、現地国の事情でございますとか等も背景にしながら、この国際化の貿易関係の中で今後推移をするという点におきましては、現在の木材の需給の安定を図るといった見地から、秩序ある輸入を誘導していきたいという基本的な方針に変わりはないわけでございます。 そういった状況の中で、森林資源の基本計画あるいは需給の長期見通しといったものについては、六十二年に現在新しい計画なり、見通しなりをつくっておりますので、当面その計画に則して今後国内の生産供給体制の強化に重点を置いて諸施策を進めていきたいと考えておるわけでございます。
○上野雄文君 わかりました。 しかし、そうであっても国際批判にさらされている今、やっぱり日本としては国内生産も相当上げるという努力が目に見えないと、当面この中間報告で、国際協力という面で何とかしのいでいったとしても、米問題と同じようにだんだん追い込まれてくるというようなことになることは間違いないことなんだろうというふうに私は思っているわけでありまして、ただこれ真剣に考えていかないと、この自給率を確保することは非常に難しいという事態になりかねないと思うんでありまして、衆議院段階あるいはこちらの予算委員会の段階でも、先輩同僚議員がいろいろと意見を述べてこられたと思うんでありますが、これなんかについても、もう少し突っ込んだ対応策というようなものをやってもらわないことにはどうにもならないことではないかというふうに私は思っておりまして、その点ひとつさらに突っ込んでいっていただきたいということを強く要請したいと思うんです。 次に、そういう面から考えて間伐問題についてはどうなんでしょう。今、間伐を緊急にやらなきやならないというのは百四十万ヘクタール近くあるというふうに言われているわけでありまして、現実にやらなきゃならないものの三〇%程度しか進んでいないという現状では話にならないのではないか。これも今日まで両院での議論が闘わされてきましたが、具体的にここら辺まで上げたいという答えが出てこなければ、そろそろというか、私自身だって納得できかねるというような気分になるんでありますけれども、今日までの間伐問題についての議論をされてこられた長官として、どうでしょう、今までの議論より突っ込んだお答えというものは出てまいりませんか。努力はしますというのは何度もお答えが出てきておりますから、わかりました。それはそうしてもらわなきゃ困るんですが、もっとパーセンテージを上げるようなことをやりますというような答えは出てまいりませんか。
○政府委員(甕滋君) 間伐につきましては、ただいま御指摘がございましたように、緊急に間伐を必要とする森林がなお百四十万ヘクタール存在をすると、こういうふうに掌握をしておりまして、私どもといたしますと、この百四十万ヘクタールについての間伐をなし遂げるということが現在の目標であるというふうに思っております。そのためにこれまでも間伐の対策を実施してきておりますが、五十六年度に二十三万ヘクタールという実績をその後毎年着実にふやしまして、六十三年度には三十一万ヘクタールというところまで持ってきておるという状況でございます。しかし、今申し上げました百四十万ヘクタールを達成するという観点からいたしまして、これをさらに強化する必要があると考えまして、平成二年度の予算におきましても間伐促進強化対策を始めようということで、現在予算審議もお願いしておるわけでございます。 その強化対策におきましては、間伐の補助対象林齢を六齢級まで拡大するということも含めまして、さらには間伐作業について林地の保全に配慮する地域においては必要な措置が講じられるようにということ、さらには生産基盤の整備に当たっても、林内作業車が通る程度の作業道の整備は実施することといったことも内容に加えておりまして、今後集団的な間伐の実施あるいは基盤整備、間伐材の流通確保、さらには利用の拡大といった全体を通じた総合的な対策も進めまして、その目標の達成と申しますか、現在必要とされる緊急な間伐についてはこれをやり遂げたい、こういうことで進めておるところでございます。
○上野雄文君 私も、素人ながらこの間山を見てまいりました。それで、群状植栽というんですか、三本を三角形の頂点に植えて、それがもう間伐期に来ているのに放置してあるというのも見せてもらいました。三本出ておりますから真ん中は枝が出ませんで、これを間伐すると枝の出ている方に傾いていったりいろいろ障害が起こってくるんじゃないのか。これは何でこんなことをおやりになったんですかと聞いたら、やっぱり新しい手間のかからない能率的なやり方でという発想でやったのだそうですが、今までこれの研究をした実績というのは余り明確になってないようですね。ところが、そういう植え方をして今その時期に来ているんだけれども、これすらも手が出ないというのも見せてもらいました。 それから、列状植栽というのも見せてもらいまして、これも手入れをすればいいんでしょうけれども、どうも思うように仕事を進めることができないというのが現状なんであります。現場の悩みといったらそういうことですと、要員不足も絡んできておりますと、こういう訴えを聞かされたのでありますが、ぜひひとつ、これは従前よりとにかく手が入ったな、おれたちもやりがいがあるなというような現場の状態が生まれるようにやっていただきたいというふうに思うんです。 その次ですが、治山山地の危険箇所の問題ですね。五十三年から五十四年の調査では十三万一千カ所でしたけれども、これも六十年から六十一年度の調査で十七万六千にふえちゃってきている、これに積極的に対応してもらいたいということでありますが、今までの対応策はそれをそれとして、ひとつねらい目としては、新たな日米構造協議の中で生まれてきた四百兆と言われている公共投資十カ年計画がねらい目だろうと思うんです。今それぞれの分野で各省庁とも、これをめぐって領域拡大のためにしのぎを削っている状況にあるんだと思うんですが、この林野の関係について一体皆さんの方ではどのぐらいねらっているのか、端的に言って、それをひとつお聞かせいただけないものかなというふうに思うんです。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話ございましたように、今後十年間の新しい総合的な公共投資計画を策定する、こういう方針で、現在経済企画庁を中心に政府内部でも検討を進めておるという状況でございます。 林野関係についてでございますが、ただいま先生からもお話がございましたように、森林の治山の関係を初めとして、今後国民の期待にこたえたより高度な森林の整備を図っていく必要がある、また生活環境といった観点から見ましても、その整備を一層進めなければならない、こういうふうに私ども考えておりまして、林野関係の公共投資についても当然そういった全体の計画の検討の中で、私ども今申し上げましたような観点を踏まえて鋭意相談を進めておるという状況でございます。
○上野雄文君 我々に手のうちを明かすようなことを言わないなんというのは承知しない方がおかしい話なんで、ただ、今度の問題をめぐって、私が持っている「財蓄・投資パターン」という政府の方で出したやつ、これも頭から下までずっと読んでみたんですが、従前やってきたような仕事の問題については書いてあるんですよね。ところが、自然環境保全であるとかこういう問題についての項目というか、それはちょっと見当たらないんですね。平成二年度の予算をめぐっては、国連で環境問題がクローズアップされてから一斉に環境問題と結びつけて平成二年度の予算要求が各省庁からあった、こういうふうに言われているんですけれども、どうもこの中には、大切だ大切だと言われている割には新たなものとして出てこないんで、こういう中身ものっかるようなアピールの仕方というのはあってもいいはずだと私は思うんです。 強いて言うなら「国民生活の質の向上に重点を置いた分野に」、この中へ潜り込めるかなとか思ってみたりしているんですが、一つ心配なのは、そういうような点などがありまして、最近のマスコミの動きを見ましても、私はまだ議員になって短い経験しか持っておりませんが、こんなにまで山の問題、緑の問題、環境の問題がじゃんじゃん報道されているという時期はないように思うんです。そういう時期に、この際、ともすれば押されっ放し、あんたら借金ばかりしてということを年がら年じゅう言われ通しという林野の立場にすれば、この期を逃さず押し込んでいくという態勢があってしかるべきだと、私はそう思っているんですよ。 これもきのうとおとついですが、ふっと朝日の夕刊を見ましたら、「人物誌」の中に、林業家のやつですが載っていましたよね。六十歳の女性の方ですが、「ひと一代の力には限りがある」というようなことで、山の問題がずっと載っていました。それから、きのう日経の夕刊を見ましたら、原生林だの、こういう丹沢の山だとかそれから東京近郊の大菩薩連嶺の紹介だの、それから屋久島の紹介だのというのが、こういう——別に林野庁が広告代を払って頼んでいるわけじゃないでしょう、もう自主的にどんどんどんどん。先々週の日曜版にも大きく報道してくれているという。こういう周囲の状況が非常にいい、言うならば、林野にとってはまことにいい環境が生まれてきているそういう時期なだけに、この期を逃さずに、これまた繰り返して申し上げるようですが、冒頭申し上げたように、こういう分野でひとつ皆さん一緒にやりませんかという声をかけることができるような問題提起をしてもらいたいというふうに私は思っているんです。 後でまとめて、大臣からその辺の所感は聞かせていただきたいと、こう思いますので、まず時間の関係もありますからこちら側でどんどんお尋ねをしていきたいと思うんです。 それから、地方自治体との関係について触れてみたいと思っているんですが、国有林は特別会計で独立採算を中心にしてやられていますが、都道府県なんかでは、私も県会議員のときに、県の林野の県有林の特別会計、大臣も経験おありだと思いますよ、その場合に単年度主義で、出た赤字は全部一般会計で埋めていくというやり方を今全部やっていますから、県有林の会計で累積赤字という議論は全くないんです。あるとすれば、最近四十五ほど都道府県を中心にしてでき上がった造林公社の借金をして仕事をするという、その問題だけぐらいだろうと、こう思うんですね。このやり方というものについて、今申し上げたような条件、状況下における林野のあり方というものについて、長い長い歴史は、それはそれなりに私どもは承知はしておりますけれども、NHKの報道がされて、半分は土地を売って半分は国の補助で全部借金は返せと。これがいい悪いという話は別にしてみても、一つの積極的な提言だろうというふうに思うんです。 だから、今林野全体にのしかかっている借金の問題なんかについて反転攻勢というものが出てこないと、どうも我々もさばさばしないという気分でいっぱいなんでありますけれども、これなんかはどうですか、長官、基本的に今すぐにという話にはならないにしても、やっぱりこれから攻めていく手だてとして考えるべき問題だと思いますが、所感を述べていただきたい。
○政府委員(甕滋君) ただいま御指摘ございましたように、国有林の経営につきましては、現在置かれております日本林業全体の困難な諸条件もございます。また、国有林固有の問題もございますけれども、大変難しい局面になっておるというふうに認識をしておるところでございます。 しかしながら、国有林野事業につきましては、先ほどもいろいろ森林に対する国民の期待、世論の関心、こういうことにもこたえまして、それが本来期待されておるような役割を十分果たしていかなければならない、こういういわば使命と申しますか、役割を持っておるということでございますので、今後ともそういった役割を十分果たしていくために、早急に経営の健全性を確保しなければならないというふうに考えておるわけでございます。そのために、これも御指摘にございました累積債務の問題も含めまして、現在総括的対応策につきまして、林政審議会を検討の場といたしまして鋭意検討を進めておるところでございまして、御指摘の件につきましてはこの一環としてさらに検討を進めたいと思います。
○上野雄文君 大臣にお答えをいただく前に私、今度ずっと見て歩って、悪いところばかり見せられたんじゃ気がめいっちゃう、ひとついいところを見せてくださいというんで、私の地元の今市営林署の最高の山を見せていただきました。これは我が栃木県においでをいただけば、日塩道路というのがありますから、そのへりにある風致林で立派な山です。樹齢七十二年というヒノキですが、本当立派に育っているやつですね。これは手をかけ、金をかけてということで、一生懸命やればこんないい山ができるんだというお手本です。今市営林署の署長、胸張っていたんですがね、ところで、この材木は一体幾らで売れるんですかということを聞きましたら、市場で立米七万円だと、ヒノキでですね。それから逆算していきますと、ここで今切って売ったやつは三万円以下なんですと。そうすると、前半胸を張ってこんないい山ですと言っていた署長も、いいやそこがと。私も見せていただいて、前半こんないい山にするんならおれもといういい気持ちになるんだけれども、後半、七十二年もたって一本三万円にならないというのでは、これは山をやってみてもという気分にならざるを得ないんだろうと思うんですよ。流通問題や何かもみんな絡みます。 日本の材価が低迷の中でということがいつもこの材木、森林問題の議論のときは、それがまくら言葉にくっついて議論が展開されちゃうんですが、外材の輸入による影響が大きいんだという話もされますが、これでは意欲を燃やしてやれと言ったって大変難しいことなんではないかというふうに思うんです。だから、重要な割には結果お粗末な扱いしか受けない今の状況というのは一体どうなんだろうというふうに、すばらしい山を見せられての帰り、車の中で考え込まざるを得ないというのが実態だと思うんです。 ですから、こういうようなことについて、今それを手直ししろだの何だのということを言ったって簡単にいく話じゃないということはわかっておりますけれども、こういうようなこと、今までずっとお尋ねしてきたことなどをひっくるめて、大臣ひとつ所感を述べていただきたいと思うんです。
○国務大臣(山本富雄君) それこそ長時間にわたりまして、地方のことをよく知っておいでの先生が現場までごらんになって、しかも冒頭の熱帯林の問題から地元の今市の七十二年生の三万円の話まで、るるじゅんじゅんとお話しになりまして、私は非常に感銘深く聞いておりました。 そこでまず一つは、甕長官からもるるお話がございましたが、熱帯林の問題です。これはもう予算委員会でも盛んに議論をされました。我が省としても林野庁を中心に、この問題は世界的な規模の問題と同時に日本がこれから果たさなくちゃならない役割の大きな一つだということで、外務大臣の経験もありますし国際的にも名の通る大来さんがいいということで、大来懇談会ということでやってまいりました。結果が出まして、きのう大来座長自身がおいでになりまして、私にこれまたじゅんじゅんとお話になっておりました。ただ、一部新聞などに出ております数字の問題、予算の問題、金目の問題などについて中で議論をされている経過はございません。 それじゃ夢なのか、こういうことにもなりますが、先生冒頭でお話しのとおり夢も大事でありまして、一回なら消えちゃうんですけれども、何回も何回も夢を見ていれば実現の方向にも行くわけでありますから、そういうことを旨としながら、先ほどの長官の答弁のとおりできるところから世界にも働きかけ、日本としても来年度以降、これは金も伴うことでございますので、工夫をしてそれがむだにならないように、夢として消えないようにやってまいりたい。 それから、輸入の問題と国内産の問題。これは非常に私自身もときどき疑問に思うこともありますし、何か妙案はないものかと、そして頭を一番痛める問題でございます。 今の七十二年生で市場へ行って七万円だと、現場じゃ三万円だと、それはいい例の方でありまして、もっと悪いのになりますと出し賃にもならないというふうなことも現場で私自身が体験をしておるわけでございます。しかし、一方では国際化の問題もございますし、またそれらの外国の国々の要望も受けて立たなくちゃならないという面もあります、世界の中の日本でありますから。同時に、しかしそうは言っても国内の生産者、しかもこれは一年、二年で勝負がつくわけじゃありませんので、もう三十年、五十年、七十年、百年を目安にやるわけでございますから、その山を守る防人の人たちの気持ちも体しながら何とかしなくちゃならないというふうにも考えつつ、林野庁長官にもしょっちゅう話をしております。 各種施策は今さら私が申し上げるまでもございませんで、いろいろ平成二年度にも各般の施策をそれなりに実行しておることは御承知のとおりでございます。いずれにせよ、今この平成二年度予算を成立させていただきまして、それから施策を実行していく。さらには、先ほどアメリカとの日米協議の中の十カ年計画、投資の話が出ましたけれども、これも今ヒアリングをしている最中でございます。ときどき記者の皆さんからも質問が出るんですよ。ほかの省はばんばん打ち上げるけれども、農林水産省はちっとも投資のやつはやらないじゃないかと言うから、そんなことはないよ、粛々、着々とやっているんだと、農林水産省というのはそういう役所なんだと、大地をしっかり踏み締めてやっているんで宙に舞っているわけじゃないんだと私よく言うんですけれども、我が省なりに着々と今やっておるところでございますので、どうか二年度の予算をぜひお通しを賜りたいというふうにお願いをいたします。 さらに、今先生いろいろ御指摘の面につきまして、特に国産材時代というものも目の前に来つつあるわけでございますから、それをひとつ楽しみにいたしまして何とか施策を展開してまいりたい。 また、特に触れられました国有林問題、特に赤字問題。これは、この間予算委員会でお隣りの大先生からもお話がございまして、私からはっきり答弁をいたしました。これは与党も野党もありません、とにかく与野党一致してやらなくちゃならない大問題だ、各界の意見も十分聞いた上で、総協力でひとつこれは日本の林業のあすのためにもやろうじゃありませんかと申し上げたわけでございまして、それはその姿勢で今後ともやってまいりたい、こう考えております。
○上野雄文君 あと農林漁業金融公庫、御苦労さまです。あらかじめお知らせをしておきましたが、二点についてお尋ねを申し上げたいと思うのであります。 この間、この委員会で法律を通したわけでありますが、土地利用型農業経営体質強化資金、中山間地域活性化資金、これが創設されたわけであります。これらについての貸付状況、貸付等実情、見通し、こういったことについて実情並びに所見を述べていただきたいというふうに思います。二つ目が、最近の融資の状況を見ますと、融資枠を下回る貸付状況にあるようだけれども、一体こういうもので本来の役割を果たしていくために、どうやったらいいのかというようなことなどについてのお考えを述べていただければありがたいと思いますし、さらにたくさんのとても素人ではわかりかねるようなメニューが並んでいるわけでありまして、こういったものについて現場の立場で何かお考えがあるようでしたら私どもに教えていただければ大変ありがたい、こういうふうに思っております。どうぞひとつ……。
○参考人(松本作衞君) 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案は、先般補正予算審議に並行いたしまして迅速な御審議をいただき成立をさせていただきまして四月から施行がされております。したがいまして、この四月から、農林水産省からの具体的な指導を通達等の形を通じまして私どもはいただきまして、その指導に基づきまして、現在この制度の内容を関係機関に周知徹底する仕事を進めております。この周知徹底は、各地域のブロック会議等を通じまして既に各関係機関に御指導し、御連絡をいたしまして融資の準備に入っておるところでございます。したがいまして、現時点ではまだ融資の実行はされておりませんけれども、このように準備が早く進められておりますので、またこの資金に対する期待も大きいと感ぜられますので、この実行につきまして鋭意努力をいたしておるところでございます。私どもといたしましては、この予算に定められた内容を実施していくよう努力をしたいと考えております。 それからまた、第二点の御質問でございます融資の実績が低いではないかという点につきましては、実は従来、農林漁業者の投資意欲が厳しい農業環境の中で冷えておるとか、または一般の金利水準が非常に低くなりまして、財政資金を基礎とする制度金融の有利性が低下したというようなこともございまして、御指摘のように非常に実績が下がってきたわけでございますが、昨年、平成元年度におきましては、農林漁業者の実態に応じた制度の運営の改善をしていただきますとか、またはこれも法律をつくっていただきました特定農産加工資金等が実施されることになりました結果、昨年、平成元年度の融資の実績は、前年度を一四%も上回る五千二百二十二億というような融資実績ができまして、今までのような状態から大きく改善をされておるところでございます。 このたび、新しく先ほどお話がございましたような新資金をつくっていただきましたので、私どもといたしましては、こうした制度の趣旨を体して融資枠の実行につきましても精いっぱい努力をしたいというふうに考えております。 それから、資金の内容等についてわかりにくいのではないかという御指摘がございましたし、また資金の種類が非常に多いのではないかというふうな御批判もございますが、現在までこうした点につきましてはできるだけわかりやすいような努力を続けております。制度金融の場合にはどうしても、農林漁業というような対象が異なり、また資金の性格も、基盤の整備なり経営の改善なりないしは農家の負債の整理というような、それぞれの政策目的に応じて融資の条件というものを変えていかざるを得ないというようなこともございまして、そうした種類も出てくるわけでありますけれども、私どもといたしましては、実行上できるだけこれらの資金を総合的に運用できるよう、また利用者の方々にできるだけおわかりいただけるように努力をいたしておるところでございます。 なお、今回制度をつくっていただきました土地利用型農業の経営体質強化資金でございますとか、中山間地域の活性化資金というようなものは、総括的に各種の事業が実施できるような資金をつくっていただきましたので、そういう点につきまして利用者の方々にも、総合的に公庫資金を活用していただけるような方向が出たものというふうに理解をいたしておりまして、こうした方向で努力をしたいというふうに考えております。
○上野雄文君 大臣それから長官、どうもありがとうございました。金融公庫の方、ありがとうございました。 とりわけ大臣、宿舎で隣同士なんで、朝早くから夜遅くまで頑張っている姿、本当に耳からも私はお聞きしこれは大変だなと、こう思いますが、どうかひとつ健康第一で頑張ってください。 ありがとうございました。
○青木幹雄君 私は、日韓の漁業問題とこの漁業問題を解決する上に、どうしても解決をしていかなければならない竹島の領土権の問題についてお尋ねをしたいと思います。 その前に、先日来、先輩議員の皆さんからもいろいろ質問がございましたが、北太平洋の公海上で、日本人漁民が乗った北朝鮮の船がソ連に拿捕されたという問題が大々的に報道をされておりました。この報道は、読み方により、とり方によりますと、何か日本の役所も一枚かんだような印象をかなり国民に与えておると思います。そういう誤解がないように一日も早く真相を究明されて、きちっとした形で発表をしていただきたいということを要望いたしておきます。 それから最初に、大臣にお尋ねをいたしますが、大臣の日韓漁業問題に対する決意についてでございますが、先日韓国の大統領が訪日をされました。そして、我が国がとってきた過去の行為に対して、天皇陛下が痛惜の念を禁じ得ませんという断りをされ、また海部総理も国民を代表して過去の日本の行為について断りをいたしました。そして、今までの両国間の一切のわだかまりを捨てて新しい日韓親善の時代が来たということを言われておりまして、このこと自体は私も非常に喜ばしいことであり、歓迎すべきことだというふうに考えております。 しかしながら一方では、日韓の漁業問題も、このような友好なムードの中で円満に解決をしていかなければならない大きな問題だと考えておりますが、私が一番心配いたしますのは、せっかく築いたこういう友好関係を大事にしようという余りに、韓国に対して言いたいことも言えない、韓国側の間違った行為にも目をつぶっている、その結果が日本漁民に大きな犠牲を強いるようなことがないのかということを私は一番心配をいたしておりまして、そういうことのないように、日韓の漁業問題にはひとつ大臣、毅然とした態度で臨んでいただきたいと思いますし、そのことが真の日韓友好につながるというように考えております。 それからいま一つ、これは非常に愚問になると思いますが、私は生まれた家も今住んでいる家も目の前が日本海でございまして、漁業に関しては漁民と一心同体だというような感じでやっておりますが、大臣は群馬県の出身で海のない県でございます。先ほど同僚の委員からも一生懸命取り組んでおられる大臣の日常を御招介ございまして、私も一生懸命やっていただいていると信じておりますけれども、やはりいろんな人の中には、海のないところの大臣で海のこと大丈夫かなという不安もあろうと思います。それもあわせてひとつ決意をお願いいたします。
○国務大臣(山本富雄君) 確かに、海のない群馬県出身でございまして泳いでいた魚を余り見たことがないので、よく私笑い話に言うんですけれども。しかし、それだけにこれはしっかりやらなければいかぬ。不得手なものは、不得手な事柄に対しては三倍も四倍も努力しなくちやいかぬと、こう思って水産問題に必死で取り組んでおるということをまず冒頭申し上げたいと思います。 それから、先ほどの北洋の問題でございますけれども、これは今いろいろ報道がなされておりますように、ああいう遺憾な事件が起きまして、海上保安庁が中心で捜査が継続をされております。捜査中でありますので、余分なことは今の段階では申し上げない方がよろしいと、こういうふうに思っておりますので、コメントは差し控えたいと思っております。 ただ、はっきり言えることは、一つは徹底的にこの問題の背後関係も含めて究明をされて、そしてそれこそ国民の皆様の前に問題の真相を一刻も早く明らかにしなくちゃいかぬ、そのことによって二度とこういうふうな事態が起きないように、再発しないようにしっかりやらなきゃいかぬ。それから何よりもこれは百七十名に近い乗組員、日本人の乗組員が今、色丹島などとこう言われておりますが、そちらの方へ抑留をされておりますので、その人たちの安否、健康を含めまして、これが心配であります。これはもうこの事柄と別でございまして、これはもう何としても健康で、しかも一刻も早く家族のもとに帰さなくてはならない。その努力が先決だと、こう考えております。 それからさらにソ連を初めとして、関係の国々との今後の問題もございますので、その外交的な配慮も必要だということ等々がございまして、それに向かって対応をし続けておると。 それから、今先生のお言葉の中でこれは引用されましたが、どうも役所も一枚かんでおってと、こういう話がございますが、これは絶対にございません。当事者である水産庁長官もここにおりますけれども、私どもこの件につきましては、何度も何度も長官を中心にして私どもなりの調査もしておりますし、話し合いもしておりますし、役所がかんでおるなどということは絶対にないということをはっきり申し上げておきたいと思っております。 そこで、今の日韓の漁業問題でございますが、竹島につきまして、これは我が国の領土であるということははっきりしておる。韓国が不法に占拠しておるということが一番の問題になっておりまして、それらを中心にして山陰における漁業の振興にとっても、この問題の解決が非常に重要だということはよく承知をしております。これはもう外務大臣の答弁にもときどきございますけれども、この問題、何とか解決を一刻も早くしたいものだということで、長年努力を日本政府として払ってきたこと、先生御承知のとおりでございます。ただ、領有権問題というのはなかなか両国の言い分がございまして、事柄の性格上外交ルートを中心にやっていくべきことであるということでございますので、外務省ともよく連絡をとりながら本問題に対応してまいりたい。 それから、韓国漁船がどうも山陰、西日本の海域で違反操業あるいは我が国の沿岸漁業との間でいろいろなトラブルを起こしておる、このこともよく承知をしております。私どもこれに対応すべくいろいろ考えてやっておりますけれども、これは漁業協定に基づいて、共同委員会その他の機会あらゆる機会をとらえまして、韓国側に対して警告をしお願いをしておると。少なくともそういう不法なことのないように、あるいはトラブルが起きないように漁民の指導をしてくれと、時に取り締まりもしてくれということを強硬に申し込んでおる、その都度申し込んでおる。その結果、最近において漸次事態は改善に向かいつつあるというふうに私どもは聞いておるわけでございます。 当面は、今申し上げましたこの漁業協定の枠組みの中で、適正な操業、秩序のある操業が行われるように、しかも先生おっしゃったとおり、先般も盧泰愚大統領がわざわざ訪日をされて日韓新時代というものを確認したばかりでございますから、この関係をしっかり踏まえながら長期的な観点でより安定的な漁業関係、両国の漁業関係の樹立に向けてさらなる努力をしていきたい、こう考えております。
○青木幹雄君 それでは、具体的な問題について長官にお尋ねをいたしますが、山陰沖から山口県、九州にかけて、特に竹島周辺におきまして韓国船の不法操業が現在も繰り返されておりまして、漁民は安心して漁業に従事をできないという状態が続いております。このことは、水産庁並びに海上保安庁の方も十分これは把握をしておられる問題だと思いますので、詳しくは申し上げませんが、最近の状況を見てみますと、韓国のアナゴかご漁船、これが相変わらず多数操業をいたしております。日本の底びき漁業はこれによって非常に大きな影響を受けておりまして、御承知のように一回問題が起きますと、この解決に非常に長時間を要する、そのために損失は物心両面にわたって非常に大きなものがございますので、日本の漁船はできるだけこれを避けながら操業をしておるというのが現状でございまして、そのために漁獲量が非常に減ってきておるわけであります。 また、最近の韓国漁船の動きを見てみますと、これはことしになってからでございますが、一月の九日には、浜田沖十二海里に韓国のイカ釣り漁船六十トン級四隻というものが確認をされております。また、二月の七日ごろよりアナゴかご漁船を確認し、浜田沖を中心に二隻が二組となって姿を見せるようになっております。そして、二月の二十六日には、これは韓国の大型まき網漁船が浜田沖に百隻に近い大船団が確認をされております。十三、十四海里の海域でこれらは操業をいたしておりますが、これらのまき網漁船の何隻かが一緒になって日本の一人乗りのイカ釣り漁船、これを囲んで操業をいたしております。これは不法操業というよりも、むしろ無法操業に近い無謀な行為でありまして、このことについては、先般も水産庁の方に地元の代表が陳情をしたはずであります。 私も陳情の帰りに話を聞きましたら、水産庁の担当の課長が、おまえらびくびくせずに自分の海じゃないか、しっかりやれと言って激励をされたそうでございまして、その気持ちは私も同じでございますが、非常に危険な、場合によっては人命にかかわる大きなトラブルの起こる原因になりますので、余り元気を出してこれに対応するということも大きな考えものじゃないかというように考えております。これが二月までの状態でございます。 それから、御承知のように、アナゴかご漁業というのは自主規制、韓国との約束によって三月以降は操業しちゃいけないことになっております。しかし、三月に入ってもなお韓国のアナゴかご漁船というものはますます多くなっておりまして、二十日前後には浜田沖だけで十六隻、これが確認をされております。そして、三月の二十二日には大社沖三海里でアナゴかご漁船五隻を確認し、新しいアナゴかごが置き去りにしてあった事実もございます。 こういうことにひとつどういうふうに対応していかれるのか、また資源保護という立場に立っても全く韓国と日本とは認識が違っております。御承知のように、日本は底びきは六月から八月まで、いわゆる資源を保護するために休漁いたしております。しかしその間にも、韓国漁船は百五十トンという大きなトロール船が一網打尽に魚をとっているというのが現状であります。こういう問題についていろいろ対応はしていらっしゃると思いますけれども、ひとつ今後どうしたらいいのか、また海上保安庁は日本の漁船が安全操業をするために一生懸命努力をしておりますが、今後どういう状態が起きるのか、その点について簡単にひとつお願いをいたします。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘ございましたように、山陰沖における韓国漁船の操業をめぐりまして、いわゆる日韓漁業協定、あるいはこれに基づいてこの枠組みの中で決められました自主規制に関する合意に反する操業が起こるとか、あるいはまたそういう違反行為ではないけれども、我が方の操業に威嚇を与えるような操業形態が頻発しておること私どもも承知をしております。このために、先ほど大臣から御答弁申し上げましたような各般にわたる先方に対する申し入れを行っておるわけでございまして、先生ことしに入ってからの具体的な事例の御指摘がございましたけれども、以前に比べますと若干改善の兆しが出ておるという状況もあるわけでございます。 ちなみに、ことしの一月から四月までの状態で、私どもの監視船が視認をいたしました明らかな違反行為という状況を申し上げますと……
○青木幹雄君 時間がありませんので簡単に。
○政府委員(京谷昭夫君) はい。昨年が二百四十六件であったのに対して本年は十六件、こういう状態になっております。 それにしても根絶されないという事態は、私どももよく認識をしております。ことしもいろいろな機会をとらえて、先方と接触する機会がありますし、御承知のとおり双方の取り締まり船が洋上で打ち合わせをして共同取り締まりをするというふうな仕組みもできておりますので、そういう機会を通じて、さらに一層違反行為あるいはまた威嚇操業の根絶に向けて海上保安庁とも連絡をとりながら、ともに努力をしていきたいというふうに考えております。
○青木幹雄君 確かに、水産庁非常に苦労をされて努力をしておられる、そういうことは私も十分に知っております。しかしながら、減ったとはいえこういう不安な状態が続いておるということも事実でございまして、これは何とか根本的な解決、非常にこれは相手国もあることでありまして難しい問題でありますが、根本的な解決を考えなければいけないというように私も考えておりますが、長官、来年の暮れで自主規制が一応期限が切れますね。この機会にひとつ日韓の漁業協定、このものもひとつ一部改正をしていただきたいというように考えておりますが、現在の日韓の協定というものは旗国主義が中心になっておりまして、これではなかなかいわゆる資源保護という点からも我が国にとっては不利な条件でございます。しかも、この協定そのものは二十年前につくられたものでありまして、それは韓国の食生活、また技術、そういうものも二十年間の間に大いに変わっておりますし、国際情勢もまた変わっております。そういう点から、恐らくことしの暮れごろから見直しのいろいろな話が始まると思いますが、資源保護のための緊急措置として旗国主義の変更、資源管理水域の設定を柱とする協定の見直しについて、ひとつ日本側も全力を挙げて取り組んでいただきたいということを強く要望いたしておきます。 それから竹島の問題、大臣からさきにいろいろな御意見、答弁がございましたが、これは、日本海は島根県隠岐島の北西八十六海里、百五十七キロの沖合に浮かぶ小さな島でありまして、古来から島根県隠岐郡五箇村に所属する領地として、その周辺において隠岐の漁民が島でアワビをとったりアシカ漁に従事しておった場所であります。我が国の領土権が確立したのは明治三十八年二月で、閣議決定に基づき島根県知事が公示しており、現在は大蔵省中国財務局松江財務部の所管する国有財産となっております。 このように、国際法の要求する諸条件は完全に充足をしておるわけであります。竹島をめぐる領土権問題が日韓間で表面化したのは、昭和二十七年のいわゆる李承晩ラインにより韓国が一方的に領有を宣告してからであります。これに対して領土権を主張している我が国は、昭和二十九年国際司法裁判所に提訴して領土権問題解決を求めましたが、韓国が拒否をして今日に至っておるわけでございます。しかも、確かに北方領土と歴史的な背景、規模、そういうものは違っておりますけれども、北方領土の場合は総務庁の長官が本部長になって国民にもPRし、一生懸命北方領土返還ということで努力をしておられます。竹島にはそういう組織も何にもありません。まさに親なし子みたいな格好で扱われておるわけでございます。 しかしながら、この日韓友好のためにも、今の漁業問題を解決するためにも、どうしてもこの竹島の領土権の問題を解決しないことには二百海里がしけないわけなんです。二百海里をしかなければ、幾ら長官が件数が減ったと言われ、努力をしておると言われても根本的な解決にならないわけでございます。私も県会に二十年おりましたが、毎年決議をしまして一生懸命水産庁、外務省へ陳情を繰り返しております。きょうは外務省からおいでになっていると思いますが、確かに外務省のいわゆる外交青書には、六十二年まではこの問題が取り上げられておりました。しかし、六十三年、平成元年からは一切竹島の領土権の問題については触れられておりません。本当に一生懸命この問題に取り組んでおられるのかどうか、はっきりした答弁をお願いして、私の質問を終わります。
○説明員(今井正君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、竹島につきましては歴史的事実に照らしましても、国際法上から見ましても我が国固有の領土であることは明白でございまして、政府といたしましては韓国側による同島の不法占拠、それから各種施設の構築につきましてはまことに遺憾であると考えております。このような我が方の考え方につきましては、随時韓国側に明確に伝えておりまして、先月末の日韓外相定期協議の場におきましてもこの問題をとらえまして、先方に我が方の立場も明確にしくおります。 政府といたしましては、竹島の領有権に関する日韓間の紛争は、あくまで平和的手段によって問題の解決を図るというふうな基本的な立場に立っておりまして、外交上の経路を通じまして今後とも粘り強く問題の解決に向けて努力していきたいと考えております。
○青木幹雄君 しっかりやってください。 終わります。
○委員長(仲川幸男君) 午前の質疑はこの程度とし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 —————・————— 午後零時五十三分開会
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 先ほど加工原料乳の保証価格をお決めいただいたわけでございますけれども、その際、これまでになく農林水産大臣から、飲用向け乳価につきまして、北海道の生産費を基礎として決定されるべき保証価格とは連動をすべきものではないという趣旨の大臣の談話をいただきまして、まことに心強く、酪農民は感謝しているわけでございますけれども、しかし飲用乳の乳価をめぐりましては依然として非常に厳しい交渉の状況が続いておりますし、また飼料価格の値上がりのおそれというふうなこともございます。平成二年三月の農村物価指数を見ますと、八・三%ぐらい飼料が値上がりするということも出ておりますけれども、そういった中におきまして、農林水産大臣に対して、よい方針を出していただきまして強力な御指導をいただきたいということで酪農民は期待しておるわけでございます。そういう趣旨で、大臣の御方針なり御抱負をまずお聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(山本富雄君) 今先生からお話のございましたその談話でございますけれども、これは、保証価格などの決定に際しましての考え方及び飲用向け乳価と保証価格とは直ちに連動しないということを関係者に周知徹底させるために、これは飲用向け乳価に関する交渉の早期妥結を目指しながら出した、そういう見地で出した、こういうことでございます。しかし、ここで私が申し上げるまでもないんですけれども、本来指定団体と乳業メーカーとの当事者間の自由で、しかも対等な交渉によって決定されるということが本来でございますから、それを十分見守りながら、またこの大臣談話の趣旨を踏まえて当事者間で十分な話し合いをしていただきたい、そして早期にできる限りそれぞれ交渉妥結をしていただきたいというふうに考えておりまして、私どもこれを見守りながらできるだけいい形で妥結ができますように、そしてまた必要があれば指導等もしていきたい、こういう考え方でおることを申し上げたいと思います。
○一井淳治君 大臣が言われましたように、交渉というものは自由で、かつ対等の立場で行われるべきものだと思いますので、そういう方向が実現できるように、引き続いて関心を払っていただきまして御指導を賜りたいと存じます。 次に、アイスクリームとかプロセスチーズとか、そういったもの以外の残された乳製品についての外交交渉でございますが、特にこちらの方から早く交渉を始めていただく必要はないんでございますけれども、やはり酪農民としますれば、この交渉はどうなるかということが非常に心配なわけでございます。我が国の乳製品、酪農を守る立場で遺憾なきように対処していただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(岩崎充利君) 乳製品の問題でございますけれども、もう既に先生御存じのように、一昨年二月のガット理事会で脱粉等の乳製品につきまして、ガット上の義務に整合していないのでこれを是正すべきとの内容のパネル裁定をベースとしました勧告が採択された。私ども、これはなかなか困るということもございましたので、実行問題として日米協議ということで、乳製品につきましては、プロセスチーズなりアイスクリーム等の加工度の高い一部製品につきまして輸入制限の撤廃等を行うことといたしましたが、脱粉等につきましては輸入制限の継続ということで当面の解決を見たのであります。さらに、今年度中に日米再協議が行われるということになっている次第でございます。 現在、この乳製品を含めました輸入制限措置の扱いにつきましては、進行中のウルグアイ・ラウンド交渉におきまして、新しい貿易ルールの設定の一環で鋭意交渉が行われているということでございます。このウルグアイ・ラウンドにおきましては、我が国は、酪農品等の輸入制限につきましては、ガットの正当性が確保できるように関係規定を存続の上、その要件の明確化を我が国として提案しているということでございます。これにつきましては、全体の交渉の流れとしてはなかなか厳しい情勢の中でございますが、粘り強く我が国の考え方を主張いたしまして関係国の理解が得られるように最大限の努力をしているということでございます。
○一井淳治君 さきに、かんきつそして牛肉の交渉が行われました。担当者の方が精いっぱいやってくださったということは私ども理解いたしますけれども、しかしそれでああいう形がよかったかといえば、まことによくなかったというふうに私どもは思うわけでございます。ああいったことを教訓にして、ああいう形に絶対ならないように、あれを教訓としながらこれの努力をお願いしたいということを要望させていただきます。 次に、現在酪農民が関心を持っておることの一つは、重要な関心を持っておりますことの一つはヘルパー制度でございます。これはもう言うまでもないことでございますけれども、酪農民は零細な、極めて零細な企業でございます。正月でもあるいはお盆でもとにかく乳搾りもやらなくちゃいけない、えさもやらなくちゃいけないということで、年がら年じゅう手が離せない職業でございます。そこで最近、労働時間千八百時間をもう二、三年以内には実現しなくちゃいけないというふうな状況の中で、他産業では時間短縮が非常に進んでいる、しかし酪農の部門はなかなかそれについていけないということで、後継者対策という面で、このヘルパー制度ということが現在非常に重要ではなかろうかというふうに思うわけでございます。そういった意味で、ヘルパー制度づくりについて農水省がいろいろお考えいただいているとお聞きしておりますけれども、どういう状況なのか、どういう見通しなのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) 酪農ヘルパー制度の問題につきましては、先生の方からもその実現方につき、かねてから御要請のあったところでございますが、私ども従来から酪農ヘルパーを育成しまして、その組織活動を円滑に推進するために、ヘルパーの技術向上のための研修や、ヘルパーの有効活用に必要となる広域的な活動調整に対しまして助成措置を講じてきたところでありますが、最近の酪農をめぐる各般の状況の変化なり、ヘルパーの組織運営上の問題点というものも踏まえまして、平成二年度の畜産物の政策価格等の決定に伴います関連対策といたしまして、新たな事業を実施するということにいたしております。 この事業の基本的枠組みにつきましては、全国、都道府県段階に基金を設置いたしまして、酪農家の突発事故が発生した場合とかあるいは休日を確保する場合に、飼養管理の代行を円滑に行えますようなヘルパー組織の育成、定着を図るための体制の整備ということと、ただいま御指摘がありましたような後継者等を中心に、研修を通じて熟練した技術を有しますヘルパー要員の確保とか、育成等を実施するということにいたしておりまして、農林水産省といたしましては、本事業を通じながら酪農後継者等の円滑な就農と、酪農経営の安定的発展を図ってまいりたいというふうに考えております。
○一井淳治君 酪農のヘルパー制度につきましては長い歴史がありまして、これまで制度的には二度ばかり変わったこともありますけれども、今回はよき制度を必ずつくっていただきたいというふうに要望いたします。 そして、このついでにお聞きしたいんですけれども、基金をつくるというふうなお話でございますが、どの程度の額の基金をどういうお金でつくるのか、その辺ももうちょっと詳しく御説明賜れば幸いでございます。
○政府委員(岩崎充利君) 全体として、今回予算措置を講じましたのが七十億円ということでございます。うち一部中央段階で、やはりかなり最近技術的に酪農自身も高度化されてきているということもありまして、中央段階での研修等々におきましての中央段階での基金と、それから都道府県段階におきましては都道府県で、またそれぞれの地域によりまして実情が違う形でございますので、これは都道府県の考え方を頭に置きながらしかるべきところに基金を設定していただきまして、それで地域に合ったような形での技術研修なり、あるいはまたそれぞれの調整をいたしますような組織の育成整備費等々に充てるような基金をやるということでございます。
○一井淳治君 次に、清酒用の原料のお米に関して質問をいたします。 日本酒というのはお米の重要な消費源であるということでも大事ですけれども、あわせて日本の文化、食文化を守るという側面でも保護していかなきゃならないというふうに思います。しかし残念ながら、ビールとかそういったものは安い外国の原材料が使えますけれども、お米を材料とする清酒の場合は食管制度があるために、しかも原材料費が大体七〇%以上というわけでございまして、安いお米をこの清酒業界に提供するということは現在非常に大事ではなかろうかというふうに思うわけでございます。 そういったことで、私はこれまでこの委員会におきましても、繰り返し他用途利用米を思い切ってふやしてもらいたいということを要望しているわけでございますけれども、その点はどのようになるでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のとおり、お酒の場合は、現在の米の需要拡大の観点からしましても極めて重要なことでもございますし、先生お触れになりましたように、この発酵文化というのは日本の文化にも密接に関連する重要なことであろうというふうに考えております。 この原料の関係でございますけれども、先生御指摘の他用途米について一言お答え申し上げますと、清酒の原料米につきましてはこれまで政府米等あるいは自主流通米等によりまして対応してきたところでございます。六十二年度米からアルコールの添加量が少なく、米の消費拡大に結びつく純米酒あるいは本醸造酒等の需要の拡大を図るために、原料用に主食用価格の約二分の一の価格の他用途利用米を導入いたしまして、日本酒の原料米コストの引き下げと高品質の醸造原料米の供給に努めてまいったところでございます。酒造用への他用途米の利用につきましては、初年度、六十二年度におきまして二万九千トン、次に第二年度の六十三年度米で六万七千トン、昨年の元年産米で八万トンと、これは見込みの数字でございますけれども拡大をしてまいりました。平成二年産米におきましても、純米酒あるいは本醸造酒の伸び及び搗精歩どまりの高精白化傾向等を踏まえまして検討を進めたいというふうに考えております。 なお、清酒の問題につきましては、現在アメリカ、韓国からやはり若干量でございますけれども輸入をされております。現時点におきましては日本国内の清酒の需要動向に与える影響は、数字から、数字だけが意味を持つわけではないと思いますけれども、国内の清酒の需要の〇・〇〇二%程度でございますので、まだ大きくはないと見ております。しかしながら、そういった動向等が雑誌等で伝えられておることでもございますので、この点については今後とも国税庁当局と連絡を密にいたしまして、引き続き輸入等の動向も注視しながらただいま先生御指摘のように、他用途米等々を含む原料米については関係団体とも十分話し合いを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 他用途利用米の総額ですけれども、平成元年度が四十五万三千トン、平成二年度も同じく四十五万三千トンというわけですけれども、やはり他用途利用米をもう少しふやしてもらわないと、例えばせんべいにしても、せんべいを外国で焼いたものが入ってきよるわけですから、日本の国内業者は高いお米を買わされるということで非常に困難を来しておりますので、やはり他用途利用米の総額を平成二年度あるいは平成三年度はとにかくふやしてもらわなくちゃいけないと思います。 そして、平成二年度については、みそ、せんべい用は決まっているようですが、酒造用その他はまだ内訳は決まってないようですけれども、酒造用は去年の八万トンよりは相当ふやしてもらわないといかぬのじゃないかというふうに思いますが、そのあたりはいかがでございましょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、他用途米の数字は、前年度に比べてほぼ同じ数字を考えているところでございますが、実は他用途米の需要等々から内容をさらに詰めていかなければいけないというふうに考えております。 なお、前年度の部分についてはいわゆる調整部分というのもございますので、今申し上げましたように十分関係者との話し合いを詰めまして、この原料米の数字というものも吟味していかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○一井淳治君 もう一つ搗精度の問題がございます。 中途半端についたお米を醸造家の方へ提供してもらってもこれは困るわけですね。例えば七分づきのものを提供してもらって、あと一分づつ醸造メーカーでつくなんていうことはできないわけですから、他用途利用米実施要綱ですか、これに変形加工を施して提供するというふうになっているんですけれども、その辺もよく配慮いただきまして玄米を提供できると。お酒の業界というのはモラルが高い業界だと思いますので、玄米でも提供できるように、極力需要家の需要に応じていただきたいというふうに思いますけれども、この搗精度の問題についてもお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生御提起の搗精度の問題等については、既にやり方等について、この点についても関係業界とお話をしております。十分そのやり方等については今後検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○一井淳治君 これは、先ほどお話があったことなんですけれども、お酒の業界も、これまでまさに想像もつかなかったことですけれども、外国から日本酒が入ってくるというふうな状況になっておりますし、みそ、せんべいとか、そういったような加工品の対象についてもどんどん外国から入ってきておる、お米の加工米の方もそのようでございます。ですからこの際、他用途利用米を増強していただくということを含め、もう少し外国から製品が入ってくることに対する対策、お米を材料とする業界について相当思い切った対処をお願いしたいというふうに思うわけでございます。 私は、これは非常に困難かもしれませんけれども、不足払い制度とか、あるいはこれは大蔵省の管轄と思いますけれども、思い切って関税障壁をつくるとか課徴金制度を設けるとかしないと、行く行くはもうやられてしまうんじゃないかという心配を持ちます。これは私の考えでございますけれども、農水省としても、輸入品がどんどん入ってきよる、あるいは入ってきそうな状況にあるわけですけれども、それについてはどういうお考えをお持ちなのか、強力に対処していただきたいんでございますけれども、そのあたりについてのお話をお聞きしたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生は、いわゆる米関係の調製品の動向についてお話がございました。 年度的に見てまいりますと、平成元年度におきましては、これまでの動向が加速されたという経緯がございます。そういうことにつきましては、さらに細かく見ていかなければならないと思いますが、基本的には、やはり我が国におきまして原料米の供給を十分考えていかなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。 なお、微視的に見てまいりますと、昨年の暮れからことしの一、二、三月に至りまして、調製品の伸びといいますか、入っている点があるものについては鈍化した傾向が見られるわけでございます。貿易統計等から見ますとそういう傾向もうかがわれます。これは一面において、先生御指摘の他用途米の供給といったようなことが、かなりそういうものに対抗した力をつけてきた。もちろん入ってくるものが日本人の嗜好に合わない、大ざっぱで油っぽくてというようなものも多々あるようでございますが、そういった加工技術の面もありましょうけれども、原料対策というものがかなり効いてきたというふうに見られる点がございますので、先生の御提起の問題、十分今後考えていかなきゃならないと思っております。
○一井淳治君 次に、お米の消費需要の拡大という観点で質問をいたしますけれども、先ほどお話がありました吟醸酒、それから本醸造酒、これにつきましては、本来のアルコール以外に醸造アルコールを原料とするということで、何といいますか、広い意味での醸造アルコールですね、この内容についてはそれぞれの醸造メーカーが工夫を凝らしておるようでございます。本来こうじをつくり、清酒の一番のもとになるアルコール以外に醸造アルコールを添加しているというわけですけれども、添加しているアルコールのために減反田で多収穫米をつくって、そこで生産できた安いお米を使ってアルコールをつくる、そうすれば本当の意味での米のアルコール一〇〇%というふうになるわけですけれども、そういったことで、私はこの委員会で質問するのもたしか三回目ぐらいになると思いますけれども、安い多収穫米の品種改良についてもう少し本気で取り組んでいただきたい。今まで御苦労なさっていることはよくわかるんですけれども、もう少し何か知恵を働かせて、スピードアップをするようにお願いしたいわけでございますけれども、そのあたりのことについて御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 先生非常に御熱心に今までもたびたび御指摘があった、私もそれらを踏まえて少し専門家から聞いてみました。強勉もいたしました。しかし、どうもなかなか難しいことでございまして、低コストで多収穫米の問題、きょうはうちの方の技術会議の事務局長で西尾さんという専門家が来ておりますから、これから少し説明をさせたい、こう思っております。
○政府委員(西尾敏彦君) 米のアルコール用を含みます他用途利用に関する試験研究でございますけれども、私ども、昭和五十六年からこの研究、十五年計画で実施をしており、今第二段階を終わろうという段階に来ております。 この途中の経過におきまして、いろいろな遺伝資源、外国にありますいろいろなお米の遺伝資源を導入いたしまして品種改良をしているわけであります。例えば、日本のお米は日本稲、つまりジャポニカと言うわけでありますけれども、これにもっともっと多収の要因がありますインド系のお米、インディカのお米をかけ合わせる、さらにまた、ハイブリッドの品種をつくるというような研究を推進しているところでありまして、現在までにアケノホシ、さらにアキチカラ、それからホシユタカ、これは先生の地元の方の中国農業試験場で開発したお米でありますけれどもホシユタカ、さらにまたオオチカラというような、大体二割から三割増収する品種ができておりまして、現在五割増収できる品種というのを目指して研究しております。 ただ、アルコール用ということになりますと、お米が多収であるという要因のほかに、さらにお米を、言うなれば御飯に炊きましてのり状にする、糊化させましてそれに酵素をまじえましてブドウ糖にする。そのブドウ糖をさらにアルコールにする、そしてそれを濃縮する。こういう段階が入るわけであります。最近、私どもの食品総合研究所の研究におきまして、いきなり生のでん粉をアルコールにする、カララパラドキサ菌という舌をかみそうな名前の菌でありますけれども、そういう菌の開発が進みまして、いきなりでん粉からアルコールができるという研究ができております。さらにまた、これを濃縮することにつきましては、御存じのように膜利用技術というのがございます。こういうものを組み合わせながら研究を進めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○一井淳治君 昭和五十六、七年ごろの文献を見ますと、そういったふうな事例が、事例といいますか、米の品種改良のことが非常に載っておるんですけれども、最近はさっぱり新聞や雑誌にも載らなくなってしまったわけでございます。古いものをひっくり返してみますと、篤農家の方が千三百キロぐらいとったということも記録に残っておりますし、また農水省が昭和五十六年に、三年後に一割、五年後に三割、七年後に七割増産を図るという何か試験計画をたしかつくられたようでございますけれども、それがうまくいっておれば大分成果が上がっておるんじゃないかということを期待するわけなんですけれども、どうなんでしょうか。もうそろそろ農民の人につくってもらってもいいものが出てきそうに思うんですけれども、どうなんでしょうか。
○政府委員(西尾敏彦君) 先ほど申し上げましたように、昭和五十六年から超多収計画というのを進めておりまして、十五年計画で五割の増収を目指しているということでございます。 先生御指摘ございましたけれども、御存じのように昭和三十年代の米の収量というのは全国平均で三百五十キロぐらいであります。それから三十年ぐらいたった現在ではこれが五百五十キロぐらいになる、こういう段階でございまして、全国平均でごらんいただければおわかりのように、米の収量というのは大変伸びております。ちなみに申し上げますと、明治の初めから戦後までの間の米の収量というのは倍になった程度であります。ここ三十年の間に五割以上増収するというのは大変——私ども一生懸命それなりにやっているつもりでございます。もちろんそれでいいということを申し上げるつもりはございませんので、今後ともますます研究を進めてまいりたいというふうに思っております。
○一井淳治君 転作作物としていいものがあればいいんですけれどもなかなかございませんで、農民の方々は安くてもいいからお米をつくりたいという非常に強い意欲がございますし、皆さん稲作技術にはたけておられて、この技術を生かしたいという希望が非常に強いわけでございます。アルコール用がいっぱいになればえさ米にさせてもらってもいいと思いますので、外国の方が日本より増産のスピードが速いように思うんですけれども、日本におかれましてもどうかいい品種を早急に改良していただくよう重ねて要望させていただきまして、次の質問に移らせていただきたいと存じます。 次に、農家の供出米を予約される予約限度数量、そして集荷実績というものを見てまいりますと、六十一年産米で二十三万三千トン、このころは集荷がずっと多いわけでございます。ところが六十二年以降は、六十二年産米では一万一千トン不足、六十三年産米では五十五万六千トン不足というふうになってきて、予約数量よりも集荷数量が減っていく。この差額は、全部とは言いませんけれども、相当量が自由米になっておるんじゃないか。私どもは食管制度を守らなくちゃいけない、これは生産者のためだけでなくて消費者のためにも現在の食管制度を守っていかなくちゃいけないというふうに思うんですけれども、自由米、いわゆるやみ米がふえていって食管制度が脅やかされたらいけないということで心配しておるわけでございます。この差額はどういうことかということをまず御説明願いたいと存じます。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生が、六十一年から六十三年までの具体的ないわゆる予約限度数量と集荷の実績の差をお話しになられましたけれども、数字としては仰せのとおりでございます。 このいわゆる予約限度数量と集荷の実績の差でございますけれども、過去の実績を振り返ってみますと、一般的なことではございますけれども、豊作のときには地域によって予約限度超過米が発生をいたしまして、全国的に見ると、ほぼ限度数量に近いかあるいはそれを超えるような事実上の集荷の実績になるわけでございます。他方、不作時については、災害その他やむを得ない事情によりまして米の出荷が予約した数量まで出荷できない農家の方が多くなりまして、その差が多くなるという一般的な傾向がございます。御指摘の六十一年産米は、この作況の指数を見てみますと一〇五でございます。六十二年は同じく一〇二という形で、作況からいわゆる平年作以上の豊作のときでございます。 ところで、六十三年は作況指数が九七でございます。東北の冷害を契機にいたしまして全国的に九七ということでございまして、予約限度数量と出荷の実績の差は基本的にはこの作況の状況、作物の豊作の状況を反映している。限度数量と一般的に申しております部分については、平年作を前提にして割り当てるものでございますので、実際の作柄が悪いとそれに満たない、オーバーしますと、これをオーバーするという形で超過米という処理をさせていただいております。そういう形で先ほどのような数字になるわけでございます。 今先生がお話しになったいわゆるやみ米のことについては、率直に言いまして、このやみ米という言葉の意味から推測されるように、事実上、表面上明らかにならない数字でございます。したがって、具体的に政府管掌米に比べまして何トンと言われているようなものはだれもわからないというのが実情だと思います。そういうことでございますので、世上大きな数字がいわゆるやみ米という形で流れていると言われているんですけれども、これに関しまして私ども食糧庁といたしましては、まず第一に推計をいろいろ行っております。その中から考えますと発生的な源、いわゆるやみ米の発生的なものは農家保有米のうちのものであろう。農家保有米というものは、一般的に概略申し上げますと大体三百三十九万トン、これは昭和六十三年の段階でございますが、そういう数字がございます。約三百五十万トンぐらいかなというふうに予想しておりますが、そのうち農家の消費量というのが大体半分ぐらいで百五十万トンぐらいだろうというふうに思っているわけでございます。 いろいろの調査を食糧庁としてやっておりますが、このほかに農家消費米等の中には縁故米等と言われるものがございます。数字を六十三年に即して挙げてみますと百二十二万トンということでございまして、その他くず米等で、特定米穀米と言われているもので七十万トンぐらいあります。このうちの今申し上げました二番目の縁故米の中で、無償で御親戚の方にお送りされるといったような数字が六十五万トンと言われておりますので、それ以外がいわゆる有償に譲渡されるものだ。そういたしますと、先ほど申し上げた数字からいきますと大体六十万トンを切るといったようなことでございまして、この数字は、先ほど六十一年から六十三年の数字をお挙げになられましたけれども、私どもの食糧庁の数字からいきますとほぼ五十万トンから六十万トンということでございまして、豊凶によって少し差が出てくるというふうに見られる面もございますけれども、ほぼその範囲内におさまっているということでございます。したがいまして、予約限度の数と集荷の数の差ということではなくて、最初にそういうやみ米等の実態があるのではないかというふうに考えております。 なお、やみ米の問題については、今後とも各般の積極的な意味での集荷対策、そういったものを講じまして、予約限度に見合った適正集荷の確保というものを進めてまいるということが必要ではないかというふうに思っております。
○一井淳治君 先ほどのお話によりますと、予約限度数量は余りやみ米の発生とは関係ないようでございますが、しかし予約限度数量を余り減らしていくと、やはり自由米拡大効果が発生するのではないかというふうな気がいたしますので、平成元年度産米は前年度に比べますと三千五百五十一トン、平成二年度産米は前年度に比べて五万九千七十五トンと大幅に予約限度数量が減っておりますけれども、自由米を拡大するようなことがないように御配慮をお願いしたいと思います。 それから次に、平成元年度において新潟県を例にとってお尋ねしたいんですが、新潟県におきましては、お米の生産数量、農家の飯米となる数量、予約数量、集荷数量、そういったものがどういう数字になっておるのでございましょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 各県別の数字でございますが、ただいま先生は、いわゆる良質米地帯と言われます新潟県についての数量の御質問をなさいました。 平成元年産米の新潟県におきます生産量でございますけれども、他用途利用米四万トンを除きまして、水陸稲を合わせて合計で六十九万トンでございます。次に、元年産米の新潟県の予約限度数量は五十四万トンでございまして、また集荷数量は、平成二年四月末現在、最新のデータで政府米、自主流通米、超過米含めまして五十万トンという数字になっております。なお、農家の飯米数量について、食糧庁の生産者の米穀現在高等調査によりますと、これは推計でございますが、平成元米穀年度で約七万トンでございます。 数字的には以上でございます。
○一井淳治君 米の生産数量が実際にはもっと多いということはないのでしょうか。数字の上では米の生産数量が低く出てくるために、自由米として流通するものが数字にあらわれないということはないのでしょうか。米の生産数量というものは、どういうふうにしてこの数字は確保できるんですか。
○政府委員(浜口義曠君) この生産数量は、統計情報部で、いわゆる統計事務所等を通じまして統計的に集めた数字でございまして、食糧庁の方の数字は率直に申し上げましてサンプリング調査でございますけれども、統計の方は長年の伝統の上に各反当収量等から積み上げた数字でございます。そういう意味で、私どもは最も信頼されるべき数字がこの生産量にはあらわれているのではないかというふうに思っております。
○一井淳治君 時間がございませんので、別の質問に移らせていただきますけれども、農林水産省の米生産費調査によりますと、昭和五十四年の第二次生産費は全階層平均で一万七千二百八十五円となっておりまして、政府の決定いたしました米価一万七千二百七十九円と何とか対応して生産費を償い得る状況でございますが、その後だんだんと生産費を償えないように差が拡大いたしまして、昭和六十三年度には米価の方が一万六千七百四十三円であったのに対して、これは各階層によって生産費が違いますけれども、米価一万六千七百四十三円で元が取れる農家といいますと、耕作規模が四ないし五ヘクタール層以上というふうになってしまうわけでございます。そういたしますと、米価算定に当たっていろんな高度の計算がなされまして、いろいろの理屈がついておるわけですけれども、現実において、大部分の農家は元が取れない状態になっておる。この現実を米価算定に当たって忘れてはならないのじゃないかということを私は考えます。 それからもう一つは、私個人とすれば、一ヘクタール規模層ぐらいをやはり念頭に置いて生産費を考えるべきであるというふうに思いますが、仮に譲歩しても、一ないし三ヘクタール規模の農家層を対象に選定すべきではないかというふうに思いますけれども、現実に大部分の農家は元が取れない。農家の数からいったら一握りの層しか採算が合わない。これではもう後継者が来なくなってくるのは当然であるという結論になると思いますけれども、米価算定に当たってのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生は、米価の算定のとり方、もう一つは生産者米価と生産費、いわゆる統計の生産費との関係についての問題の御提起をされたわけでございます。 これから、平成二年産米の米価決定というものをことしやっていくわけでございますが、これは私の方からちょうちょう申し上げる必要はないと思いますけれども、昨年の米価につきまして、米価審議会に対しまして、生産性の高い稲作の担い手層に焦点を置くというようなことから、さらに需給調整機能を強化した新しい算定方式により算出をして、所要の経過措置を講じ、前年対比で二・五五%の引き下げを行う諮問をいたしましたけれども、諸般の情勢から新算定方式のもとに据え置きとされたという事情がございます。これからの米価算定方式については、昨年の米価決定の際の各般の議論を踏まえまして、さらに検討をしていくということにされたわけでございまして、私ども食糧庁の中で、今事務的に検討をしている段階でございまして、これから本年度の算定方式というものにかかるという段階の状況でございます。 そういう意味で、まだ中身については十分決まっていないという状況の上でお答えをするわけでございますが、その前に先生がカバー率の関係でお話しになりました。これは実は政府買い入れ価格というものを、私の方から申し上げるまでもなく生産費・所得補償方式のもとで行っているわけでございまして、家族労働費は都市均衡労賃で評価がえし、物価・雇用労賃には価格決定年に物価修正をするとともに、実際の支払いに要しない自作農地代についても所得の付与の観点から一定の算定をしている、こういうことでございます。他方、先生お引きになられました米の生産費調査の問題でございますけれども、これは実際に稲作に要した費用を積み上げるということのほかに、地代の評価については実際に地代を支払っていない自作地についても、現実の小作料と類似の高い水準で評価して算入をしているということがございます。 このようなことでございますので、米価算定と生産費調査との扱いについては考え方が異なっているわけでございまして、そういう意味で、両者の結果を単純に比較するというところは問題があるわけでございます。 そういう意味で、私どもは、先ほどおっしゃった点といったようなものについては、その前提を置きながら、先生のおっしゃった点も十分勘案をしなければいけないと思いますが、いずれにいたしましても、この問題につきましてはこれまで長い積み上げがございますし、それから先ほど冒頭申し上げましたように、ことしのものについては各般の議論を勘案して算定する、検討するという段階でございますので、ただいまのことについて、今の段階でその考え方を申し述べることについては控えさせていただきたいというふうに思います。
○一井淳治君 この米価の問題につきましては、委員会で質問をいたしましてもなかなかガードがかたくてお答えがいただけませんし、また時間もありませんので、大臣もおられますので一応要望だけさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思いますけれども、農業の後継者確保のために、やはりお米の代金が相応の額が確保されまして労働の対価が得られないと、若い人たちはほかの職業に移ってしまうのではなかろうかというふうに思います。そういった観点から、家族労働費を製造業五人以上の規模の事業所の全国平均賃金をとっていただくこと、企画管理労働費につきましては家族労働の一部として適正に評価していただくこと、自作地地代を正常売買価格を元本として評価していただくこと、それから生産性向上分について生産者還元ということをお忘れなきようお願いしたいことでございます。 また、我が国のお米が国際的に高いということを言われておりますけれども、しかしお米の値段を構成しております農業用の燃料とか肥料とか運賃、そういったものを見ますと、同様にアメリカより割高になっておりまして、そして肥料などを見ますと、これまでも例えば尿素あたりは、昭和六十年に九二から一一五%であったものが一一六から一四七%に割高になるなど、これは最近の新聞記事などを見ますと、肥料価格が上昇するという記事もございますけれども、そういったことで十分な配慮をいただきまして、農民たちが特に若い後継者が集まってこれるような、そういう米価を算定していただくように要望いたしまして質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○谷本巍君 先々月の四月二十七日に、「自主流通米の価格形成の場の設定に関する検討結果について」という文書が出されております。私はこの点を中心にいたしまして質問をさせていただきたいと存じます。 まず初めに、私はこの文書を読みまして強い衝撃を受けたということを申し上げておきたいわけであります。その一つは、自主流通米の価格形成の場、運用次第で戦前の間接統制型、部分管理下に食管制度が変質をしていく可能性があるということ。それを想定してみますというと、その先には米の投機時代が再びやってくるのかという不安感すら私は感じました。二つ目に感じましたのは、運用次第で国会が決議した米の自給、外米輸入阻止、これが崩されていく道が開かれていくのではないかという不安を感じたということであります。さらに、この文書を読みまして私が不思議に感じましたのは、なぜ急がなければならぬかということであります。そしてまた、同時に、現在の米作農業や農家が置かれている実態を十分承知の上で、この方針を、文書を出されたのかということでありました。 村を訪ねてみますというと、最近目立ちますのは、世代交代が進む中であと五、六年たつとおれの村じゃ耕やされざる農地、不耕作地は二割になるだろう、三割になるだろうという声も聞くようになってきました。昔は農地を貸すのには小作料というものを取ったものでありますが、最近はお金をつけて借りてくださいといっても借り手がない、こういう状況がぼつぼつ広がるような状況になってきました。そんな状況の中で出てくる話というのが、不耕作地がふえてきますというとそれが病虫害の巣になっていく、さらにはまた水路の整備は一体村の共同作業としてやることができるのかできないのか、そんな声すら聞くようになってきました。何といいましても、これからの日本農業を支えていただかなければならぬ世代の皆さんというのは四十代前後の皆さんであります。実にすぐれた技術能力、いい発想を持った人たちであります。年収で言いますというと、六、七ヘクタール経営でもって立派にやっていける皆さんでありますが、そうした皆さんからも、百姓はおれ一代、残念ながらそういう声が多く聞かれるようになってきているのであります。 きょうの大臣の平成二年度農林水産予算の説明の中で、重点事項の第一、「土地利用型農業の体質強化等を目指した構造政策を積極的に推進する」、大臣は非常に歯切れよくこれを語ってくれました。私にとっては大変頼もしい限りということなのでありますが、この価格形成の場検討会の報告を読み、その中身をじっくりと検討した村の青年にとっては、やっぱり農業に未来はない、やめよう、こういう踏ん切りにつながっていくようになるであろうと私には思えてならぬのであります。そういう私の不安が杞憂であってくれればいいのでありますが、以下若干の質問を申し上げていきたいと存じます。 まず最初に伺いたいと思いますのが、この自主流通米の価格形成の場検討会の報告を作成するに当たりまして、食糧庁長官の私的諮問機関である検討会なるものが構成されたわけでありますが、その構成の前提にあるのは農政審議会の報告であるということは言うまでもなかろうと存じます。それと同時に、もう一つの前提になっているのが現行食管法ということだろうと思います。この二つを前提にしながら、この検討会の報告なるものがつくられてきておるわけでありますが、まず初めに、現行食管法とその基本的役割について伺っておきたいと存じます。 これは私の解釈でありますが、一つは法文全体を貫いておりますのが全量管理の考え方であるということ。全量管理という言葉は法文それ自体の中にはたしか出てこなかったと思いますけれども、そういった考え方を前提にした法律になっておること、これが一つであります。そして、そういうもとで需給と価格の安定、これを大きな基本にしているということ、さらにまたこうした点に加えるならば、第十一条の輸入規制の問題といったようなことが現行食管法の基本的役割と私は理解しておりますが、食糧庁長官、いかがでありましょうか。——イエス、ノーだけ答えてください。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま、この報告書の基礎になりました農政審議会等の関係から、先生は基本的な役割は何かということを御質問になったわけでございます。 この報告書には、先ほどの農政審議会の今後の米政策及び米管理の方向といったものを冒頭に受けまして……
○谷本巍君 中身は後で聞いてまいります。食管法だけです、今聞いているのは。
○政府委員(浜口義曠君) 食管法の基本的役割を維持するという文言がこの中に冒頭ございます。その前提の中で引いておりますのは、先生おっしゃるように、簡単に申し上げますと、文言は、「米の需給と価格の安定をはかる」ということを触れております。先生御指摘の点は、食管法の基本は、今の御質問の中では一つは全量管理ではないか、あるいはもう一つは、米の輸入内外を許可制に持っていくことではないかというふうに御質問がありましたが、その点につきましては、現行の食管法におきましては、前者の全量管理等につきましても、政府米あるいは自主流通米という二本足でいわゆる全量管理を図ろうということだろうと思いますし、さらに輸出入の問題につきましても、法文上明確にその点は許可制になっているということだろうというふうに思います。
○谷本巍君 今のお尋ねと関連いたしまして、自主流通米といえども政府管理のもとにある。したがって、その流通については特定をしていくということですね。そうですね。 それからもう一つ伺っておきたいのは、全量管理の考え方でありますから、したがいまして、買い入れ制限というのもないというふうに考えておいてよろしいですか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘の点でございますが、政府米等につきましては、予約限度等におきます範囲内においてはおっしゃるとおりでございます。
○谷本巍君 政府が定めた限度量以外は買い入れない、したがって買い入れ制限があり得るということでございましょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先ほど自主流通米等についての集荷と限度数量の話がございましたけれども、現行の建前の上ではそれは超過米という形で、自主流通米制度の中で、いわゆる先生のおっしゃる全量管理の取り扱いをする結果になっているということだろうと思っております。
○谷本巍君 それから、もう一つこの際伺っておきたいのでありますが、需給と価格の安定というのが基本になっておるわけでありますから、したがって、戦前のような正米市場を設けて米が投機の対象になるといったようなことは現行法では許されませんね。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、「需給及び価格の安定を図る」と明記をしておるわけでございますが、そういう点から、農政審議会報告においても、先生御指摘の投機の対象にならないようにすべきだということをうたっております。
○谷本巍君 次に、農政審報告について伺っておきたいと思います。 大変大ざっぱに申し上げますけれども、農政審報告の考え方の前提になっておりますのは、一つは米は自給、それからもう一つは価格と需給の安定、食管法の機能を生かして、それからもう一つは生産調整の継続ということでしたね、農政審報告の中で出されておるものは。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御指摘のように、農政審報告の主要なポイントといたしまして、まず第一に国内自給を基本とする、二番目は需給及び価格の安定を図るという制度の基本的な役割を維持するというふうに明確にした上で、ここの価格形成の場について申し上げますと、多様化した需要に対応した生産、流通が行われるよう改善を図り、より市場原理が生かされる仕組みにするという提案がなされているわけでございます。
○谷本巍君 生産調整は。
○政府委員(浜口義曠君) 生産調整は、この点は継続する。
○谷本巍君 そこで伺いたいのは、ここで言う米は基本的に自給するという考え方ですね。他用途米も含むのか含まないのか、いかがでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) この点につきまして結論的に言いますと、現在主食用米のほか、生産者の努力によりまして他用途米等、低価格による加工米への供給の推進を図っておりまして、現在主食用と加工米が一体となった生産体系となっているということでございます。現在の生産調整の体制から申し上げましても、米生産、流通全体に重要な影響を及ぼすというような観点から考えますと、当然含まれるということでございます。
○谷本巍君 それからもう一つ、生産調整の継続ということですね。これと関連して伺っておきたいと思いますのは、米の需給というのは生産調整を基本にするという考え方であって、いわゆる価格主導型で需給調整をしていくというのではありませんね。
○政府委員(浜口義曠君) 今基本とするというお話がございましたけれども、全体の価格の安定という点を現行の形の上で申し上げますれば、この価格形成の場の報告書にも明記してありますように、生産調整を行った上で、そのもとで自主流通米及び政府米が価格安定をする、そういう形を明確に報告書の中で書かれております。全体の需給の調整といったようなものから考えますれば、一つの大きな意味での第一に行っていくべきは生産調整というふうに考えているところでございます。
○谷本巍君 そこで、米取引所を設けて、どう指標価格をつくるかという問題について伺っていきたいと存じます。 読んでみますというと、そのあらましは、東京と大阪に取引所を設けて、数量については例えば百万トン、回数については例えば月一回ということで取引を行っていくということと、さらに参加者につきましては、原則として売りについては県経済連など二次集荷業者、買いが卸売業者、さらに取引は入札で行っていき、値幅制限として上下五ないし一〇%を設けていく、大ざっぱに申し上げますというと大体そんなところでございますね。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御提起の数字等については、報告書においてはそのとおりでございますが、その前に、言葉にこだわってはいけないかもしれませんが、先生のお言葉の中に取引所という言葉があるわけでございます。それは私どもは、注意深くその点はそういう言葉を使いませんで、いわば少し耳ざわりのする価格形成の場という言葉を使わしていただいております。それは言葉でございますから、イメージするところ、例えば今の社会からいってマーケットといったようなものを連想するかもしれませんが、これは過去の歴史においても正米市場といったようなものございましたし、あるいは穀物取引所といったような経験を持っているわけでございます。 私どもが、なぜこういう点について取引所という言葉にこだわるかといいますと、やはり取引所というのは単純な、常識的な言葉でいきますとかなりオープンなものということだろうと思います。あるいは消費者の方々も代理人を通じまして入ってくるというのはオープンなものだ、あるいは一つのことを例示的に申し上げますと、先物をするといったようなことだろうというふうに、その取引所の一つの必須要件としてそういうものがあるだろうというような意味で今回考えられておりますのは、いわゆる価格形成の場ということで、そういう機能を持たないというふうに考えているところでございます。 というのは、現在のこの価格形成の場は極めて大きな事柄ではございますが、自主流通米には二十年の歴史があるわけでございまして、現行業務という形でいわゆる一つの言葉で申し上げますと、協議会方式というのが今行われているわけでございます。現にそういう点が行われてまいりました。その協議会方式については、二十年たちまして一つは量がふえてまいりました。それからもう一つは、それに対する国民の関心というものがかなり出てまいりまして、私どもやや結論を急いで申し上げますと、そういった協議会方式をより健全な段階にするという要望に沿いまして、今回の価格形成の場といったものを構想すべきじゃないかというふうに考えているわけでございます。そういう意味で、いろいろの学識経験者の方あるいは直接協議会方式にかかわってきておられる方々の御議論を賜って、一応一体化した御報告書をいただいたということでございまして、そういう意味で、現状の協議会方式にある意味では規制をされている。そういったもののいろいろなデメリット、メリットを含めて、メリットの方も含めて今回構想したのがいわゆる取引所じゃなくて価格形成の場と、やや長くなりましたけれども、そういうことでございます。
○谷本巍君 そこで、手短に、事務的にあと若干の点を伺っていきますのでお答えいただきたいと思います。 この中で、数量が「例えば百万トン」という表現で出ているんです。ちょっとこの種の例というのは私はめずらしいんじゃないかと思うのであります。どうやら意見の一致が見られなかったためにこういう表現になったのかなという感じがしないでもないのでありますが、ここで書かれている「例えば百万トン」というのは算定の根拠があってのことなのかどうなのか、いかがでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 算定の根拠はございます。 というのは現行、先ほど来繰り返しております協議会方式で平成元年度までまいりました入札制度、その経緯に触れますと長くなりますから簡単に申し上げますと、約二十万トンでございます。それで、今後価格形成の場と言われる、先生御指摘の指標的な価格となるにはどのぐらいの数量を考えたらいいかというようなことで、もちろん今申し上げましたように、現行の二十万トンから出発するわけであります。それにつきましては、将来の姿として、これは努めるものとするという感じで書かれておりますので、すぐこの数字ということじゃございませんで、幾らかにするかというときのベースを自主流通米の何割に置いたらいいだろうかということだったと思います。 自主流通米は、大ざっぱに申し上げまして約四百万トンでございます。それの二割ないし三割というような御意見が多うございました。それで、その中をとった二五%の百万トンというのを努力目標にされたというふうに我々理解しております。
○谷本巍君 この「例えば百万トン」という数字のことについて、ごく最近でありますが、この近くで研究会があった席に、この検討会の座長を務められた渡邊五郎さんにお見えいただきまして、そこで私がお尋ねをしましたところ、「例えば百万トン」というこの表現は、ことしはそこまでいかぬだろうが当面の目標として百万トンということなのだ、こういう御説明でありました。ということは、この百万トンという数量については将来ふえていくという含み、これがあるというふうに受け取っておいてよろしいのでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) この点については、検討会の報告でその前段に書かれておりまして、価格形成の場で形成される価格といったものでございます。その価格は、需要の動向や品質評価を的確に反映するためできる限り多い方がいいと。言うなれば、その思想という形で、全部この段階で公正な第三者のもとにおきます価格というのはできる限り大きいものがいいという前提があります。 そういう意味では、先生のおっしゃるように、当面のものが百万トンで、百万トンを超えるかと言われる点についてはおっしゃるとおりだと思いますが、ただ先ほど来申し上げておりますように、またさらにこの文言では「努める」と。当面そういうものは相当量のもので努めるということで、抽象的に指標価格を形成するために必要な量にしなさいと、こういうことでございまして、その点がやや抽象的な数字では不明確だという意味において、先ほどのような形での具体的な数字を掲げられたものだというふうに理解しております。
○谷本巍君 この取引数量はだれが決めていくのですか。
○政府委員(浜口義曠君) 全体のこれからの点でございますけれども、流れの方は、現在この一本化されました報告書を受けまして、今の段階では食糧庁の中でより具体的なものを検討いたしております。 なお、この報告書の段階で関係者の意見を十分聴取しながらやっていけという御注意書きもございます。さらに運用の問題、物事を実態的な問題で動いていく問題でございますが、その点からやや結論的に申し上げますと、この価格形成の場においてそれは関係者の意見を聞きながら決めていかれるべきものであろうというふうに思います。もう少し正確に申し上げますと、公正な第三者機関というのを国の指導監督のもとにつくれというふうに言われておるわけでございます。そういった場の中に運営委員会といったようなものを設けておりますので……
○谷本巍君 それは後で伺います。
○政府委員(浜口義曠君) そういうことの関係からいいますと、ある意味じゃ運営委員会が決めていく段階になっていると思います。
○谷本巍君 次に、値幅制限として「上下五ないし一〇%」と出ていますね。何に対して五ないし一〇%なのか、これは出ていないですよ。例えば、対前年取引価格に対して五ないし一〇%というのと、対前月取引価格に対して五ないし一〇%というのは、これは全く意味が違ってきちゃうんです。この物差し、つまり基準、それが全く書かれていないまことにもって不可思議な表現があるのでありますが、これは何に対して五ないし一〇%なのか。 それからもう一つの問題は、これを一体だれが決めるのか。今のお話ですと、恐らく設けられるであろう公益法人と運営委員会が決めるという答えになろうかと思いますが、そこのところをはっきりと答えていただきたいと存じます。
○政府委員(浜口義曠君) まず値幅制限が何に対してかというのは、先生御指摘のとおりこの報告書には明確になっておりません。ただ、前提といたしまして、現実の協議会の場合にはいわゆる建て値、協議会で実施された建て値に関して去年までは五%それから一〇%の幅という実態があるわけでございます。また、じゃ将来にわたってこれはどういうふうになっていくのかという点については、今の点申し上げましたように、報告書の段階は明確ではございませんので、言うなれば関係者の中で決めていかなければいけないということでございます。これは、運用のスタートの段階から決めていかなきゃいけないのは当然でございまして、先ほど結論的な意味で先生がおっしゃったとおり、運営委員会等の中で決めていくものだろうと思います。 ただ思想は、こういうような値幅制限をしなければいけない点は、先ほど来御指摘の価格の安定という、食管制度における重要な任務を全うするために業務上の一つの手段としての値幅制限を御議論いただいて、それについての一つの数字といったものが提示されたというふうに聞いておりますので、実際に運用をしていくためには、これはきちっと決めていかなければいけないという問題でございます。
○谷本巍君 どうも不確定な要素が非常に多い、これからの問題というのが非常に多いという印象を深くしたものであります。 そこで、私から申し上げたいと存じますのは、指標価格をつくることを目的としているとするならば、百万トンというのが「例えば」という表現であろうと出てくるのは、私にはちょっと考えられないのであります。私が集荷業者の皆さん、それから若干の卸売業者の皆さんにいろいろ伺ってみました。この皆さんがほとんど一致をしておりましたのは、量としては百万トンは要らないと、つまりサンプル的な数量で済むのであるから、したがって大体五十万トン程度で済むのではないかというのがおおむね一致した見方でありました。それからまた、取引回数の問題でありますが、毎月は必要ありませんよと、これまたほぼ共通しておりました。特に集荷業者の皆さんで多かったのは、一つは品質がわかる時期、それからもう一つは集荷量の見通しがついた時期、そして、あとは最終調整ということでもう一回、まあ大体三回ぐらいやれば指標価格的なものは十分出すことができるというのが大方の意見でありました。 ところが、この文書では指標価格をつくるということでスタートをしようとしておるかのようでありますが、今伺ってみましたように、取引数量については、言ってみるならば多い方がいいという発想であります。仮に、この取引数量を無限にどんどん拡大をしていく、また拡大をしていった方が相場形成には合理的だという議論があるはずでありますから、そうなっていきますというと、もはやこの価格形成の場は指標価格をつくるのではなくて相場をつくるということになっていきますね。自主流通米の主流銘柄はササ・コシ、これが約六割でしょう。そこの頭のところの相場が大体決まってくるというと、右に倣えというようなことで、ほかも決まっていくような状況というのが生まれてくるのではないか。 さらにはまた、もう一つの問題として、売り手は原則として経済連というような表現になっておるわけでありますから、そうなってまいりますというと、系統共販が崩れていくことになります。そこから生まれてくるのが過度な産地間競争ということではないのか。 さらにもう一つ、私どもがこれからの米作問題で念頭に置いておかなきゃならぬのは、恐らく作柄変動が激しい時代になりはしないかということであります。現在のような安定的な状況というのを維持するのは、かなりもう無理になってきているという私の判断であります。といいますのは、土の状態を見ていただきたい。ミミズがすんでいる水田は非常に少なくなってしまった、非常に土がかたくなってしまっている。地力が低下してきているのであります。地力が低下していても、天候がよくて農薬と化学肥料をどんすこと使って、高い技術水準を駆使していけば一定程度とれるんですよ。ところが、天候が悪くなってきますというと、そういう米作条件というのは収量の落ち込みがひどくなってくる。こういう状況は既に昭和五十年代の後半に私どもは経験をしてきておるのでございます。 しかも、気象変動が近年どうもおかしくなってきているというような状況が続いておるわけでありますから、どうやら作柄変動というのはこれからは、今までよりはかなり大幅のものになってくるであろうことは想定をしておかなきゃなりません。産地間競争が激化して作柄変動が加わってくる、取引数量はふえる。価格の乱高下、こういう状態が生まれてきはしないか。そうしますというと、卸売業者の間でも格差がひどいですから、力のある者は買い占めに走るといったような可能性が出てくるのではないかと思います。 ところが一方、政府の方は、昔のようにたくさん米を持つということではなくて手持ち量は削減をしていくという方向であり、しかも現在の手持ち量で言うならばほとんどが三類米以下である。上がっていくのは良質米なんですから、もはやそういう状況の中では、例えば値上がりの場合に、政府米によって市況を引き下げるというようなことは非常に難しいだろうと思うのです。こうして見ますと、どうも自主流通米価格形成の場というのは、食管法を結局つぶしていくようなそういうものになっていきはしないか。とりわけ食管法が言っているところの需給と価格管理、そして全量管理というのを損ねるような状況が起こってきはしないかという不安を私は抱くのであります。 そこで、二、三伺いたいことがあります。 第一番目に伺いたいと思いますのは、指標価格をつくるためということであるとするならば、取引量におのずと限度を設けてよいのではないのかというふうに私は思います。限度を設けなくていいのかどうなのか、この点について長官のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生の方から、価格形成の場の直接的ないろいろなアイテムといいますか、具体的な点を並べまして、水田農業を取り巻くいろいろな土壌条件とか気象条件等についてお話がありましたけれども、それは直接的な問題というよりは、それ自体として議論されるべき問題だというように考えます。 例えば、水田が化学肥料の問題等から豊凶の差が大きくなるといったような点については、これは現在の生産調整といいますか、そういうものの中で水田確立対策、その中にさらに技術的な要因といたしまして、地域輪作農法の確立といったようなことを農林水産省としても打ち出しているわけでございます。したがいまして、その土地条件に対して、あるいは有機農業とかそういったものを組みながら日本型のものをつくっていくということで対応していくべき問題でございまして、そういうこととトータルに、この価格形成の場はもちろん議論されるべき問題ではありますけれど、も、直には関係はない問題ではないかというふうに私は思います。 ただ、今御提起のような点については、私どもはこの報告書を受けて、当面百万トンを努力目標にするということをターゲットにしなきゃならないというふうに考えてはおりますけれども、この点については、今御指摘のように指標価格、そういったようなものの中で、この百万トンといったようなものをどういうふうに考えていくかというのが問題になろうと思います。 やや極端でございますけれども、もう現実の実績が二十万トン弱でございます。したがいまして、私どもはこの計画、報告書に従いましてできる限りの努力はいたしますけれども、一挙に二十万トンが百万トンになるということは必ずしも容易なことではないというふうに思っております。逆に申し上げますと、かなりいろいろなものの構成といったものを吟味しながら各種の銘柄を出していただくということについて、時間的な準備が必要ではないか。もちろん、それにつきましては二十万トン以上のものがことしの産米から出ると思いますけれども、一挙には百万トンという段階にならないだろうというふうに思っておりまして、そういう中で、着実にこの指標価格になるような玉を上場していただいて、そういう形で一つは農家の方々に、実際の価格というのが現在の協議会方式よりもより明らかになる、より健全なものになる、そういったようなものにすべきだというふうに思っておるわけです。 また、消費者の方々も今の中で、一方では標準価格米というのがございます。そういう形の上で政府米の役割というのはあるわけでございますが、これは言葉の問題がございましょうけれども、やはりよいものはある程度の価格で買っていこうという、そういう消費者の段階になっている時代だというふうに思います。そういうことから適切な価格の安定を図りながら、十分消費者のいわゆるニーズにこたえていくべきだろうというふうに考えるところでございます。
○谷本巍君 繰り返して伺いますが、そうすると、将来的にも数量については規制はしないということですね。
○政府委員(浜口義曠君) この報告書は、現実的な問題として現在の二十万トンからスタートいたしまして、当面ターゲットにしているのが百万トンということでございます。それの根拠といったものは先ほどお答えしたところでございますが、それが当面の目標でございます。そういうような段階のところでまたもう一度十分考えていくべき問題でございまして、あくまでもこれは価格の乱高下等々を注意しながら、かつまた原料の構成、品種銘柄の適正な価格といったことからこの数量は考えていかれるべき問題であろうということでございます。
○谷本巍君 長官、お願いしますわ。時間が限りあるんですよ。私が聞いているものだけについて答えてください。私が聞かないものまでやられたのでは、これは質問したい話、用意しているものができなくなっちゃいますから。 その次に伺いたいと思いますのは、卸の一社当たりの買い入れ量も全く規制がないわけであります。取引量が無制限、だんだんこれふえていく可能性強いですね。そこへ、一社当たりの買い入れ量も無制限というような状態でありますというと、そんな状況の中で価格変動のリスクを中小の卸売商は負担することはできません。つまり、価格変動がひどくなればなるほど卸の独占化が進んでいく可能性が出てくるということなんですよ。もう町の評論家の皆さんはどんなことをおっしゃっているか、長官もお聞きでしょう。まあこれをやっていったら何年か先には、卸売業界大手五社ぐらいが独占的な状況になるなというような予測的な話すら出ているのであります。やはり公正な指標価格をつくるという考え方を前提とするならば、私は当然一社当たりの取引数量は、これは制限を設けるべきだと思うのです。これを最初からやっていきませんというと、先になって確実に独占的な状況が出てきますよ。そこはどうなんでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) 先生御案内のように、現在の卸の問題は、いわゆる大卸、小卸というような関係がございます。現在の数量からいっても全国的に約三百程度でございますから、一応取扱数量はかなり現実においても差はございますけれども、その中で段階的なものはないわけでございます。私どもといたしましても、現行の食管法の中では、一応小売、卸という段階から考えまして、卸の中にそういう階層的なものが制度的に設けられるというふうには踏み切っていないわけでして、先生御懸念のところについては、十分現行の食管制度の運用等からそういう点のないようにしていかなければならないというふうに思っております。 なお、しからばこの段階に、先生御指摘のとおり明確に書かれていないではないかというお話ございます。もちろんこれは長い年限で農政審議会から議論され、かつまた具体的な議論ということで、実務的な最高権威者の方々で御議論賜りましたけれども、その具体的に発足する点については、実務の中でやはりいろいろと考えていかなければならない点もあることは事実でございます。そういう意味合いにおきまして、農水省・食糧庁がこの答申を受けました後でも、関係者の意見を聞きながら十分やっていけという御注意書きあろうと思いますので、そういった点を含めまして私ども今鋭意勉強をし、かつまた素案の段階でも十分関係者と相談をしていく、そうして今おっしゃったような乱高下の問題とか卸の関係とか、そういったことがないようにしていかなければいけないというふうに考えているところでございます。
○谷本巍君 それから長官、もう一つ伺っておきたいことがあるのだが、流通業者間の過不足を調整する取引もこの価格形成の場でやるんですね。そして、それは入札方式じゃなくて相対取引でやるというわけですね。そういうことですね。 そのことについて若干申し上げておきたいと思いますのは、卸売業者の方は、売りだけじゃなくて、どんな格好になるのかわからぬが、この価格形成の場で買いもできるわけですね。売り買いがやれるんだったら両方とも入札方式でやったらどうなんだろう、こういう議論が将来的に出てくる可能性も私はあると思う。そういう状況になりますと、長官は、私が取引所と言ったのはそれは表現が間違いだとあなたおっしゃったけれども、まさしくそういう性格も頻出してくるんですよ。ですから、この業者間の過不足調整というのは切り離して別な場でやるようにしていくことが必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(浜口義曠君) いわゆる業者間の問題につきましては、現行の協議会方式と言われております中でも行われているわけでございます。そういうようなことで、先生の御指摘の点も十分踏まえまして、この価格形成の場のねらいというものが、現行の協議会方式をスタートにいたしましてそれをより健全な段階に進めるということでございますので、十分その間のルールを決めていかなければならないというふうに考えます。 ただ、なおこの点については、やはりいろいろな実務の問題でございます。私どもが食糧庁の机上の問題ではないいろいろな問題が起こってくることも予想されるわけでございますが、これについてはできる限りの検討を行い、かつまた関係者の御意見を十分承って十全を尽くしていくべきだというふうに思っているところでございます。
○谷本巍君 次に、この価格形成の場を設定するに当たって、売り手の方は第二次集荷業者、農業団体で言いますと県の経済連ということが原則と書きましたね。そのことについて伺っておきたいと思うのです。 どうもこの考え方、結論から申し上げますというと、農業協同組合の本来的な使命としております共販事業の否定なのではないのか、これは私の受け取りであります。これまで、日本の農家の最大の念願は何であったかといいますというと、自分でつくったものに自分で値段をつけたいということでありました。長官も御存じのように、農産物のほとんどというのは農家がみずからの意思で値段を決めることができる、ほとんどありますまい。農協法にもありますが、農協法の第十条の十一項では、農協は団体協約を結ぶことができるという表現があるのです。ところが、全くこれは具体化されておりません。現在行われております農協の系統共販というのは、米を押さえて団体交渉で価格を決めるというのでは全くないのです。そういう性質のものじゃないのです。農協法第十条六項の言う販売事業、それに基づくあるべき当然の経済行為なのです。つまり農家は単協に、単協は県経済連に、県経済連は全農にそれぞれ委託をしていって、そして一元集荷多元販売でやっていきたいという経済行為なのであります。でありますから、業者が独占的に物を買い集めて、それでもって思うような値段をつけていくというのとは全く性格が違ったものであります。 ところが、原則として県経済連ということになってきますというと、売り手をばらばらに分断していく、つまり系統共販否定というようなことになって、そこで過度な競争を行わせるということになっていきはしまいか、私はその点を心配するのであります。その過度な競争というのは、過度というぐあいに私あえて申し上げているのは、消費者のためじゃなくて卸売業者のための過度な競争ということであります。 例えば、戦前の正米市場が立っていた時代を見てみればわかることです。例えば、私が山形県へ訪ねて行ったときに村の古老に聞かされた話は、庄内米がなぜ戦前の正米市場時代に強かったか、日本一余升が多かったというのですね。それでおれたちは産地間競争に勝つことができた。そういう話を何度か私どもは聞かされてきました。 最近も産地間競争が激しくなってくる中で、自主流通米について言うならば、政府がやっているのはふるいの目が一・七ミリだから、自主流通米はほとんど一・八から一・九、ひどいのになると一・九五というやつが出てきている。何のことはない、見かけのいい米をいわゆる業者にとって売りやすい米ですね、消費者とは関係ありませんよ、それをつくらせる。その分だけ農家の方は二束三文になってしまうくず米の量がふえる、こういうふうな状態になってきているのです。農家が一生懸命有機物を入れてうまい米をつくってみても、混米でもってみんな途中で化けてしまう、こういう状況が一般的なのであります。過度な競争というのは決して消費者の利益にはつながらないのです。そういう農家を犠牲にした過度な競争が進む中で、そういう状況の競争に耐えられぬところからつぶされていく、まず、こいつは地帯でいうと西日本から始まるでしょうね。こういう状況が生まれてくる可能性が極めて多いのであります。 そこで長官に伺いたいと思うのは、農協法で保障された、言うならば共販事業、農林水産省は守らなきゃならない義務があるはずだ。にもかかわらず、どうして共販事業を分断するような、売り手の側は全農ではなくて県経済連を原則とするというむちゃなものを出したのか、所見を承りたい。
○政府委員(浜口義曠君) 先生のお話の中で、やはりいろいろ取引所の話が出てまいります。もちろん、それにこだわるわけじゃございませんが、私どもは、そういう戦前のところに経験がない、いわゆる価格形成の場ということをつくっていこうということでございまして、スタートはやはり協議会方式ですね。ちなみに先生がおっしゃった正米市場、これは私どもの理解、もちろん先生のおっしゃる点もあろうと思いますが、これはむしろ卸売と小売の関係のものだったというふうに思います。 そういうことを前提にいたしまして、ここの新たに考えられております部分は、現実に起きます米の流通、既に協議会の段階で、協議会方式等行われている今の姿を考えてみますと、やはりそれは県の産地、品種、銘柄というものを主体に行われているように我々は思うんです。そういう意味におきまして先生、三段階制あるいは共販の問題をお話しになられましたけれども、あくまでもこれは今のこの報告で提起されておりますのは系統の経済連ということでございまして、これを原則にしてはどうか。それは二十年の今の協議会の方式の中で出てきたいろいろな御批判、私どもが一々それに対して論評を加える必要はないと思いますけれども、そういったようなものの中でより健全な形で行われるべきは、現在既に県の産地、品種、銘柄を中心に行われているということに依拠しているわけでございまして、例えば共販体制というものを否定しているということは何らございません。 また、もちろんこれは原則と例外というような形で書かれてはおりますけれども、そういった現実の中で行われているものをより健全なものに一歩進めるということの意味で、原則を経済連対卸という形でございまして、そういったものが現在、一方では全農一本とそれと具体的な卸の複数化といったようなものの中で対応できていくのではないか。さらにまた、この仕組みは取引に参加する形態だけではなくて、やはり監督ということについても十分配慮をした提案がなされているように我々思っているところでございます。
○谷本巍君 否定はしていないとおっしゃっていますけれども、これは事実上の否定であることはぬぐい去ることはできません。 次に伺いたいのは、需給調整の基本は生産調整だという、先ほど長官からもお答えいただいておるわけでありますけれども、共販体制と裏腹にあるのが生産調整なのです。産地間の競争が激しくなってくる、それに作柄変動が加わってくる、そこで人気、不人気銘柄の格差が出てくる、こんな状態が出てきますというと、農家間それから産地別の対立関係が激しくなってきまして、生産調整は非常に難しくなっていきます。ことしの減反面積据え置きというのも、これ以上やりようがないというような事情もあっての据え置きということになった経過もあったのじゃないでしょうか。現場は減反達成のためにみんな苦労しているのです。もうそれは極限的状況です。そういう状況の中で、系統共販と抱き合わせてやってきた、そして半強制的な割り当てをやってきた。そういう体制というのが、自主流通米価格形成の場ができたおかげでもって生産調整を維持していくことができないということになる可能性が極めて高いと思います。 ということを見てみますというと、どうも自主流通米価格形成の場、数量制限も設けずにどんどんふやしていくような発想でやっていきますというと、結局前提条件にしておる需給は、生産調整を基本にしてやっていくんだというそれが崩れていかざるを得ない、こんなふうになっていくと思うのです。そうならないと、前提条件である生産調整がやりやすいようにしていく方法があるのだというならば、ひとつ長官教えていただきたい。
○政府委員(浜口義曠君) 今先生が御提起になられましたのは、この価格形成の場で行われるべき競争原理といいますか、民間の流通のよさを入れるということと、それから生産調整との関係をどういうふうにするかという極めて重要な問題だというふうに思います。これは本質的に、ややもっと上位概念で申し上げれば、むしろ食管制度の管理の側面と、現状出てまいりますいろいろな民間流通のよさをどういうふうに調和さしていくかという問題だろうと思います。 まず具体的に、これも先生おっしゃったように、生産調整の問題は原則固定ということでございますので、もちろん豊凶等々もございましょうけれども、基本的にこの三年間は固定でございます。 それから、結論を急がないでもう一点述べさしていただきますと、この農政審議会の報告の中で、やはりいろいろなものの反映のことを検討しろと、いろいろ価格形成で出てきたものの部分をこの生産調整のやり方の中で反映をしていこうというくだりがございます。その中ではそういうやり方を、反映の仕方を検討しろというのがございます。ここで、私どもやや実務的なことでございますが、一方ではおっしゃるように、良質米でより値段の高い分野というのがあろうと思います。もう一方の方で、やはり生産のやり方といたしまして、味は、品質はそこそこであるけれども、より価格の安価なものというような分野もあろうと思いまして、そういう意味で生産調整に反映する仕方というのは十分検討していかなきゃいけない。今もちろん頭の中で考えていく問題でございますが、当面この生産調整の数量というのは固定でございます。この三年間は、いろいろな豊凶等々出てまいりますれば別でございますけれども、基本的に変わりませんから、この価格形成の場の影響は直には出ないと思いますが、そういったことを両面から考えていかなければいけない問題ではないかというふうに思っております。
○谷本巍君 さてそれで、生産調整の維持ができなくなってきた場合にどんな状況が起こってくるか。私は、他用途米への影響、これが一番重要な問題だろうと思うのです。値段がべらぼうに安い他用途米、この生産を可能としているのは、一つには自主流通米と政府米が一定の価格水準にあるということがありますが、もう一つの問題は生産調整、つまり計画生産が行われる体制になっているからですね。そういう中で他用途米生産というのがあり得ているわけでありまして、そのもとで、言いかえるならば農家は我慢して他用途米をつくっているということであります。 ところが、この生産調整体制が崩れて、それぞれの産地別、銘柄別、品種別の価格というのは非常に複雑多様な形になってきますというと、他用途米生産がやりようがないという事態が生まれてまいります。これが生まれてくるとどういうことが起こるかというと、もう長官、申し上げなくたっておわかりでしょう。他用途米をどうする、外米を輸入しなきゃならぬということになってきますね。これをやっていってごらんなさい、その次は、今度は酒米だということになりはしないだろうか。私はそれを心配するのであります。数年前韓国米が輸入されたときに、参議院では米の完全自給ということを決議いたしました。さらにはまた、国会は米の輸入自由化はすべきではないという決議もしておりますが、昨年の秋には、この農林水産委員会でまた重ねて米の完全自給ということを決議しております。衆議院と違いまして参議院がわざわざ完全自給とこだわったのは、他用途米なども含むのだぞという意味をも含めてそれを言ってきておるのであります。 計画生産が崩れますと他用途米生産が不可能になる、これはほぼ間違いない。そうなりますというと、米の市場開放反対なんか言っていたって事実上米が入ってきてしまう、おのずとそういう事態が出てくるのであります。つまり、衆参両院が外米は入れませんという決議をしておるのにもかかわらず、それが破られるような事態が出てくるのであります。そういうふうにはさせぬぞ、ならぬという保障条件をこの際しっかりと長官示していただきたい。
○政府委員(浜口義曠君) 先生の御議論では、生産調整自体が崩れる、こういうお話でございますが、私どもこの考え方は、もう何度も明記されている点について申し上げておりますけれども、米の需給の大きなところは生産調整で行う、そのもとにおける価格形成の場だということを申し上げているわけでございます。その点について価格形成のやり方いかんによっては、生産調整がおかしくなるという点は先生が御提起のところでございますが、私ども先ほど来御説明しているように、上位概念、それから機能の位置づけというのは逆といいますか、当然に生産調整を前提としての価格調整でございまして、この価格形成の場ですべてのことを動かしていこう、そういうものだというふうに言っているわけじゃございません。 何度も申し上げておりますように、これは政府米じゃなくて自主流通米について現行行っている協議会方式を進めていこう、そういうものを価格形成の場という形で一段階上げていこうという観念でございまして、これを行うことにおいて生産調整が崩れるかという問題は、論理的にも実効的にも逆だというふうに思っております。あくまでも生産調整が先にありまして、需要の動向というものをコントロールする、需要の動向に対応していくというもののもとで、具体的に産地、品種、銘柄の品質格差等を反映していく現行における協議会方式については、二十年の歴史の中でいろいろ着実に努力をされてまいりまして、初めは年間一本でございましたけれども、現状に合うように変動制というのが導入され、かつ入札制度というものが導入されてきたわけでございます。 そういう経験を踏まえて、今回価格形成の場というものをより一歩進めておこうということでございまして、価格形成の場ができたから結果的には生産調整が崩れていくというふうには我々は考えていないわけです。むしろ、生産調整のもとでの自主流通米の機能だというふうに考えているので、先生から保障と言われますけれども、やはり生産調整をきちっと農家の方々の同意を得ながら決めていくということではないかというふうに思います。
○谷本巍君 生産調整下の価格形成なんだという長官のお話でありますが、考え方としてはわかりますけれども、実際には産地間競争が激しくなる、そしてそこで価格変動も起こってくる。そこの価格変動ということについても、余り起こらぬような状況にしていくのはあくまでも指標価格を形成の場ということにとどめておけばいいのだが、そこを飛び越えられるような可能性というのも十分残っているというようなことを考えてみますと、あなたの答弁には私は全く納得することができません。時間がありませんので先へ進ませてもらいますが、納得できないということをこの際申し上げておきたいと思います。 次に、政府米の機能の問題について伺いたいと存じます。 政府米の機能は、安定供給の確保と価格安定の役割だというふうに言われてまいりました。その点は現在も変わりありませんね。イエス、ノーだけ言ってください。
○政府委員(浜口義曠君) 仰せのとおりでございます。
○谷本巍君 変わっていませんね。 昨年産米で言うならば、自主流通米対政府米の関係というのは七一対二九になったというふうに食糧庁の事務当局から伺いました。前に質問を申し上げたときに、予測を超えた自主流通米の拡大というような状況のもとでありましたが、これにもう一つ、農家保有米、これは長官も御存じのように、実際の農家の保有量よりはやや多目になっていますわな。どうしても不正規流通米が出ざるを得ない。そんな状況の中で見てみますというと、七一対二九と言うが、そうした不正規流通米を加えますというと、政府米の全体に占めている比重というのは二割前後なのじゃないかというふうに私には思われてなりません。たしか、お隣りの韓国の場合には政府米は二割でしたね。それと同じような状況に流通関係ではなってきているわけであります。 去年の秋、ここで食糧庁長官に伺ったときに、現行食管制度を維持していくということを前提とするならば、自主流通米対政府米の比率でいえば政府米は四割必要と思うと、明確にあなたは私に答えてくれました。昨年の秋でありますからまだ米穀年度は変わっておらぬのであります。ところが、ここへ出てきた文書なるものは、何か知らぬが三、四割と、こう書いてあるのです。食糧管理についてはあなたが責任者でしょう。その責任者がついこの間国会で答えたのは四割なんですよ、ところが、これじゃ三、四割と変えられてしまっているのです。これは余りにもひどいじゃないですか。朝令暮改だというそしりは免れないのじゃないでしょうか。 そこで、もう一度伺います。安定供給の確保と、価格安定の役割を果たしていくのには四割必要なのではないかというぐあいに答弁しておるが、その点は変わったのか変わらないのか、変わったなら変わった理由を示していただきたい。
○政府委員(浜口義曠君) 昨年の十一月でしたでしょうか、先生から御指摘の御質問があり、私の方からそのように、正確には四割程度というようなことでお答えしたことを思い出しているわけでございます。 この政府米と自主流通米の数字の比率の問題は、一つの数字的なことを申し上げますと、集荷ベースでつかまえるのか、それからやはり政府の保有米というものがございますので……
○谷本巍君 それは前回ただした上での話です。
○政府委員(浜口義曠君) それを入れての数字等々がございます。あのときに私が答えましたのは、仰せのとおり四割程度必要であろうということを申し上げたことは事実でございます。今回三割ないし四割といったような答申のことでございますけれども、ここのところは、現実の集荷の数字が、今お話しのことも含めて私は三、四割ということを提起されているんだろうと思います。私は、やはり政府の問題は保有米の水準等々から考えて、それもあわせて考えていかなければならないと思いますが、やはり理想的には四割程度必要だというふうに思っております。この四割程度という数字でございますけれども、食糧庁に置かれました流通研の問題のときから、さらに農政審の報告のところでもそのように書かれておりまして、私どもはある程度現行の保有米、政府持ち越し米等との関連を考えていかなければいけませんが、大体四割程度といったものも頭に置いていかなきゃいかぬだろうというふうに思います。 それで、具体的な数字でございますけれども、これは年間そういうような考え方に基づきまして基本計画というものを掲げさせていただいております。先生御指摘のように、平成元年産のところは集荷のベースが百六十五。政府でございます。それに対して自主流通米が酒米等々を除きますと四百二、三というところでございますので、かなり今申し上げたものよりは政府米が少ない、自主流通米が多くなっているというような状況だというふうに我々は認識しております。 〔委員長退席、理事大浜方栄君着席〕 したがいまして、それを受けまして、もちろん持ち越し米はございますけれども、来年度の集荷というのは、私が申し上げました数字により近づけるべく、来年度の努力目標、一つの目標という形で政府米は二百十というものを掲げさせていただいているところでございます。
○谷本巍君 これは、誤解のないように断っておきますが、政府米というのが四割程度で私はよろしいと思っていない。やっぱり五割以上、そうでなければ政府主導型の食糧管理はできぬというのが私の考え方でありますけれども、数量は多ければ多いほど好ましいという意味で申し上げておるのであります。 同時にもう一つ、長官、四割も確保していかなきゃならぬという考え方でいくのはよいわけでありますけれども、中身をどうするかの問題なのですね。三類米が中心では、価格安定は私は不可能だろうと思います。実際に機能されることはかなり難しいと思います。といいますのは、米価が上がるときに上がるのが良質米なんですね。しかも、これから需給価格でやっていくのでありますという考え方を前提としますと、不作のときには米質が低下します。つまり、うまい米がそれだけ少なくなってくるということなのでありまして、そういう意味では良質米の方のできのいいところはわっと上がっていくという可能性があるわけです。ところが、政府の方が持っているのは三類米が中心ということであっては、良質米の消費者価格の上昇について安定させることができないという状況になっていくはずであります。良質米が政府の手元に入ってくるようにしていくためには、やっぱり売買順ざやの状況から正していかなきゃならぬと思うのでありますが、そうした点も含めてひとつ長官の考え方を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) これは、前回の先生の御質問の際に私の言葉といたしまして、政府米の機能というものは下支え的なものということを申し上げたと思います。先生の御指摘の場合は、政府米の保有は、ある量を別にいたしましてその構成についてはいろいろな、例えば一、二類から三類を十分バランスよく持っていたらどうか、こういうことでございますが、現実の運営の中で二本足で歩いております現下の政府管理の状況でいきますと、やはり標準価格米とかそういったようなもの、いわば値段の上でいきますと、下支え的なものを政府米が役割を果たしまして、消費者の方々のいろいろな需要、多様な需要に対応するのに自主流通米がその上で展開をするという形になろうかと思います。 もちろん、一つの考え方といたしまして、政府米がいろいろな意味での構成のものを均分よく持っていくというのは一つの形かもしれません。そういうふうにいたしますと、逆に農家の方々から安い形で、自主流通米に現在に実現されている価格ではなくて、それよりも安い価格で政府は買い入れなければいけないというような問題が出てまいります。そういうようなことのメリット・デメリットから考えますと、現実には一、二類を全然持っていないということではございませんのですけれども、より比喩的に言えば、政府米は下支え的に、構成的には三類中心にということになるのではないか。 ただ、先生御指摘のように、政府米はもう本当に悪い米、おいしくない米ばかり持っているということは避けていく、やはり政府米でもおいしい、飛び切りおいしいということではございませんけれども、そういうものもこたえていくというふうに努力をしていかなきゃいけないというふうには思っております。
○谷本巍君 この問題との関連で、良質米奨励金やことしの生産者米価の決定問題などについてもお尋ねをしたかったのでありますが、価格形成の場の問題でまだお尋ねしなきゃならぬことがたくさん残っているのに、あと十五分ということになってしまったので、はしょって質問させてもらいたいと存じます。 これは長官、時間がないので端的に答えてください。価格形成の場以外での米取引、これについては、その仕組みをこれからいろいろ検討していってつくっていくというぐあいに述べておりますけれども、その仕組みをつくっていく場合、やはり価格安定を旨としていくことが私は大事だろうと思うのです。取引関係の中で値段が上がったり下がったり、だから、それを即座に、ストレートに反映させるということになってしまったのでは価格の安定ということにならぬわけでありますから、その点は食管法の目的を念頭に置きながらやっていくということになるわけですね。
○政府委員(浜口義曠君) おっしゃるとおりでございます。
○谷本巍君 端的な答弁でありがとうございました。 続いて、市場開放問題との絡みで、これは大臣に若干伺いたいのであります。よろしゅうございますか。
○国務大臣(山本富雄君) こちらから。
○谷本巍君 大臣、遠慮しないでくださいよ。 長官は、生産調整体制は崩れないだろうと見ておりますが、私は、これをやっていたらまず間違いなく生産調整体制は崩れていく。もう現場の状況から見まして私はそう判断せざるを得ないのであります。 そんな状況になってきますと、米の市場開放問題との絡みが私は出てくると思うのです。御存じのように、ガット第十一条の例外規定、これを読んでみますというと、日本の場合の米で言うならば、国が管理しそして生産調整をやっている。したがって、輸入制限が可能だと。こういう状況があるから、したがってアメリカが日本に対しては米の自由化ではなくて、一部市場開放を言ってくるというような関係にあったのではないかと思うのです。生産調整体制が崩れ、国主導の管理のあり方が変わっていく、そんな状況になってきますというと、アメリカだって米の輸入自由化を迫ってくるという状況変化が出てきはしないのかというふうに私には思えてならぬのであります。言いかえるならば、自主流通米価格形成の場の運用一つでそういう状況が生まれる可能性があるというふうに私は思うのです。 そこで、そういう事態が起きないようにしていくという決意をこの際、大臣に示していただきたいのでありますが、いかがでありましょうか。
○政府委員(浜口義曠君) この点は何度もお答えしてまいっておりますように、あくまでも価格形成の場の前提は生産調整のもとでございます。生産調整は既に三年間固定ということで決めさせていただいておりますが、そういう意味で、このことによって生産調整が変動するという先生御指摘のところは、私どもといたしましてはそういうふうに予想しない、そういうふうに考えない、そういうふうに決意を持っているということであります。
○谷本巍君 次に、運営主体の形成の問題について伺いたいのであります。 これも、実は大事な問題でありますから大臣に伺いたいのでありますが、この法律、とりわけ公益法人なのか特殊法人なのか、そういう関係については私は全く素人なのでありまして、実はきのう法学辞典を開いてみたのであります。自主流通米価格形成の場の運営主体については、「例えば公益法人」というふうに書いてあるのですね。公益法人というのは、この辞典によりますというと、「祭祀・宗教・慈善・学術・技芸その他の公益を目的とし、かつ営利を目的としない法人をいう」、そして「公益法人の設立には、当事者の設立行為のほかに主務官庁の許可が必要である」というふうに書かれております。 それから一方、特殊法人の場合でありますが、企業に対する国家の介入・指導を目的とする特殊の会社企業形態。国家的見地から純然たる私企業の自由な活動の領域だけに委ねえない事業について、直ちに公企業の方式をとらずに一応は私的な会社企業の形で行なわせるが、その組織や運営につき国家が積極的な保護と監督を加えるものである。 こういうふうに述べております。そしてさらに、「監督の面では」「役員の任免における政府の干渉がある。」、それから定款変更も「ほとんどの会社で定められている。」、また「一般的な業務監督上の命令権は主務大臣に与えられているのが通例である。」、こう述べております。 〔理事大浜方栄君退席、委員長着席〕 食管制度、国の管理体制で行くんだということを前提としますというと、公益法人にするのがいいのか特殊法人にするのがいいのか、議論の余地はありません。特殊法人の方がよろしいということになってくるのであります。ところがここでなぜ「(例えば公益法人)」と書かれておるのか。これは私の推測になりますけれども、特殊法人ならば国会にこれを出さなきやならぬ。ここで大っぴらな議論が行われる、けんけんがくがく。公益法人ならば国会と無関係にやることができる、こういうことで公益法人にしたのではないのか、私にはそう思われてならぬのであります。どう見ても国家管理を維持していくというのであるとするならば、これは特殊法人にすべきですよ。そして、国会にきちんとそれを出して議論を重ねてやっていくということが日本の米を守る道ではないのかというふうに私は思うわけです。なぜ急いで公益法人の道を選ばなきゃならぬのか、その所見を承りたい。
○政府委員(浜口義曠君) この点につきましては、やはり第一に、スタートの観点は現在行われている協議会方式を一歩進めよう、こういうことだろうと思います。現在の協議会方式というのは率直に申し上げまして、先生お読みいただいたような公益法人まで至っておりませんで、いわゆる任意の団体という形になっているわけでございます。そういう場でございます。これについてのいろいろな御批判を受けてより健全なもの、より公正なもの、より第三者機関的なものという形で、この報告におきましては括弧書きで公益法人ということを書かれておりますけれども、管理運営は公正中立な第三者機関にしろということを提言しているわけでございます。 もちろん、これにつきまして、ここの御趣旨を受けまして現在検討中でございますが、一つの考え方として公益法人というのがあろうと思いますが、この公益法人という思想の中には、先生のおっしゃったような点は一切含まれておりません。あくまでも現在のものから、協議会方式からスタートをしまして、それを公正中立な機関にするということが主眼でございます。もちろんそれについてはもう一度十分の監督のもとにということは置いておりますが、その点について先生御指摘のような形というか、そういう思想、そういう動機といったものは一切ございません。
○谷本巍君 公益法人にこだわらずにひとつ、特殊法人の方がよりいいわけでありますから、その点も含めて御検討いただきたいということをこの際強くお願い申し上げておきたいと思います。 あと三点ほど伺いたいことがあったのでありますが、時間がなくなってしまったのであきらめます。これはまた、長官と個人的にでもお会いして伺いたいと存じます。 大臣、最後にこれだけは大臣に答えていただきたい問題がありますので、ひとつお聞きいただきたいと存じます。 私が農民運動に入ったまだ二十代のことでありました。私はその中で出会った人で、今もなお忘れることができない人に荷見安さんという方がいらっしゃいます。この方は当時、現在の全国農協中央会のたしか会長であったと思います。また荷見さんは、たしか食糧管理法をつくるときの米穀管理局長であったように記憶をしております。昭和二十年代、三十年代といいますというと、例えば広川弘禅さんらを中心に供出後の米の自由販売構想が出されたり、あるいは河野一郎さんが農林大臣になる中で二度にわたって食管制度の再編成、改廃問題が提起されたり、いわゆる河野構想ですね、そういったようなことがあった時代でありました。 私どもが荷見さんに教えられたのは、食管法というのは単なる戦時立法ではないということでありました。荷見さんが年中口酸っぱく言っていたのは、正米取引所のもとでの産地間競争というものはどんなものであったかということでありました。そしてまた同時に、荷見さんが強調しておりましたのは、どれほど莫大な国費を投入してみても、とうとう米価の安定はできなかったということでありました。その衝に当たられた荷見さんの言でありました。そして、そういう中で生産者と消費者がどれほどひどい目に遭ったかという、いろんな具体的な例というのも聞かされてまいりました。現在の農協、当時の産業組合が、村の中にみんなが少ないお金を出し合いながら農業倉庫をなぜつくったのか。出来秋にいつも農家が買いたたかれてきた、それを防止するためにはみずから保管手段を持たなきゃならぬというようなことで、産業組合が農業倉庫をつくってきたという経緯等々も承ってまいりました。 時間がなくなったので多くのことを申し上げることができないのが極めて残念でありますが、米市場を自由化させていくということは、私は決して生産者と消費者の利益にはつながらぬと思うのであります。時代は変わったといっても、食管制度の持つ役割は大きいのであります。 価格形成の場の検討会の座長を務められた渡邊五郎さんが、報告書を出した後にこう日本農業新聞の中で語っております。私見だがと前置きをして、私見だが、昭和四十四年の自主流通米導入の時期と同じく大きな変革の時期に来ている。渡邊さんはそう語っているのです。これを読んでみますというと、一見単なる指標価格をつくるそのための自主流通米の価格形成の場と読み取ることができるのでありますが、注意深く読んでみますというとさにあらず、これがどんどん膨らんでいって戦前のそれに近いような状況が起こってくるのではないか、その不安を感ずるのは決して私一人ではなかろうと存じます。 そこで大臣に二点ほどお願い、要望申し上げたいのです。 第一点は、価格形成の場検討会の構成、これは私から今さら申し上げるまでもなく、流通業界とその専門家を中心にして構成されたものでありました。米価審議会には農民団体代表が入っております。私も以前はそうでありました。見事に締め出されました。そして名目的に全中代表と主婦連代表を一人ずつ加えただけであって、実質中心というのは流通業界とその専門家、そういう研究者、ジャーナリスト、これが中心でありました。生産者と消費者の声、まだ時間があるのでありますから、大臣も直接聞く機会を設けていただきたいのです。そういう声を聞きながら、これをどう実施するかについての考え方を固めてほしいのであります。二つ目にお願いを申し上げておきたいと思いますのは、やっぱり自主流通米価格形成の場を私はやめていただきたいと思うのでありますが、それができないとするならば、指標価格形成の場ということにとどめていただきたい、このことを強くお願いを申し上げたいのであります。 昭和五十七年に食管法が改正されました。あのときに、私どもはよもやこういうものが出てくるような時代になるということは予想だにしておりませんでした。大変残念でありましたが、結局こういうものが出てきてしまったのであります。当時、五十七年に国会でも食管法改正についての議論が行われたわけでありますが、この種の議論はほとんど私の知る限りでは行われておらぬのであります。そうであってみるならば、やはり自主流通米価格形成の場、これを具体化していく点について今後国会論議を尊重して当たっていただきたい、このことを要望申し上げておきたいのであります。いかがでしょうか。
○国務大臣(山本富雄君) どうも長時間御苦労さまでした。私、専門家と専門家の質疑応答というのはこんなに見事なものかと思いながら一時間半聞いておったんです、時に余り見事過ぎてうっとりしたこともありました。しかし、先生の御指摘の中で数々ごもっともだなと私個人的にもうなずいたところもございます。 これは先生、渡邊五郎さんのお話が出ましたけれども、まさに渡邊五郎さんが座長として心血を注いで、もちろん農政審議会の土台の上に懇談会を主宰しながら、彼も専門家ですから先生御承知のとおりです。そして、さらにたくさんの専門家の意見をたたきながらこの結論を出した、こういうことでございます。御心配の向きも数々おありだなということよくわかりました。しかし、私はお聞きをしておりまして、愛する余りなんでしょう、日本農政を。少し先々余りにもお考え過ぎになっている点もあるんじゃないか、そうなると、なかなか時代の変革に対応することは難しいんじゃないか。むしろ谷本先生などは真っ先に二十一世紀を目指して、もう流通制度ができて二十年、着物も洋服も変わるんだ、その二十年の中から新しい衣がえの先頭を切って提言などしてくださる方ではなかったかなという感想も正直持った、それはともかくとしましょう。 いずれにいたしましても、先生の、これからまだ準備の段階なのだから十分声を聞きなさい、国会の声はもちろん今一生懸命聞いているわけでございます、これからももちろん聞きます。各界各層の御意見も十二分に拝聴しながら、しかし事は進めなければなりませんので、この価格形成の場は、でき得ればことしの産米のところからスタートをさしていただくように、今準備を進めておるということを最後に申し上げたいと思います。
○刈田貞子君 私は、平成二年度の農林水産省の新規事業でありますところの、海外食品表示等実態調査事業及び輸入食品等品質表示適正化検査分析評価費等についてお伺いをいたします。資料をちょうだいいたしましたから、その事業の中身についてはおよそわかっておりますので、その事業の中身というよりはこれを実施することによって、どういう状況が今後出てくるのかということを御答弁願えれば大変ありがたいというふうに思います。 我が国は、一九八五年のアクションプログラムによって、対外的に商品の規格基準の見直しやあるいは認証制度の簡素化等を行いましてかなりの市場開放をした経緯がございます。そして今、海外からの輸入食品でいうならば、輸入食品というのは、私どものカロリーベースで既に五〇%を超えている形で輸入されているというのが、今実態であろうというふうに思うんです。今回、この海外食品表示等実態調査事業ということの中身の問題でございますけれども、要するにこの事業を通してここの趣旨の中には、消費者への適切な情報提供を図るというようなことと、我が国の表示行政の適正化に資するということが書いてあるわけですが、私が危惧するのは、いわゆる国際規格をいろいろ調べてきてそれをすることによって、逆に国際規格に合わせた、今より後退した行政になるのかどうなのかという心配が一つあります。 言う筋によれば、国際的な連携は今日の自由貿易下で欠かせない、だから我が国は、ガットや日米構造協議の場では、規制緩和の動きに対して安全性を優先させる考え方や措置をとることの必要性をやっぱり一生懸命主張していかなければならない、事食品行政に当たっては、というような主張もあるわけでございます。ところで一方で、例えばこれは後ほどまたお伺いいたしますが、原産国表示等に見られる先般の有賀報告などによれば、「国際化の進展によって、各国経済の相互依存が高まっており、我が国が自由貿易体制の維持発展のために、積極的に市場アクセスを改善し製品輸入を促進することが望ましく、」、したがって、原産国表示の規制に当たってはこうした点を十分注意していかなければいけないということで、かなり国際事情に配慮しつつこの問題を論じているんでございます。 伺いたいのは、一体この事業を行うことによって、我が国の表示行政というのは進歩するのか後退するのか、対消費者にとって。こういうところからまずお伺いしたい。
○政府委員(鷲野宏君) お答え申し上げます。 もう事業の中身等については、先生先刻御案内と思いますので、そういう点は省略さしていただきますが、ただいまの御質問についてお答え申し上げますれば、私どもは、食品の安全性というものは大変重要な問題だと思っておりますし、最近の消費者の関心も非常にその点について高まっているということをよく存じておりますので、この面の行政を強化しなければならぬというふうに考えております。したがって、この事業もそういった観点から行うものでございまして、先生の御懸念のような点はないものというように考えているところでございます。
○刈田貞子君 それではここで、調査内容の中に、輸入食品の国内流通及び表示の実態調査、その中身は、原材料、製造年月日、添加物等の表示内容のチェックをするというようなことがまず第一点書いてありますので、持ち時間の中だけでお伺いをするので大変に恐縮なんですけれども、つまみ食い的になりますが、先ほど申しました公正取引委員会がかかわりましたところの例えば原産国表示の問題ですね。これ一つとっても、今私が読み上げたように、一昨年十月からかかり、昨年九月に出されたこの公正取引委員会の報告の中では、かなり国際的な我が国の立場も配慮しつつ私、この報告書ができているというふうに思うんです。これが要するに、端的に言えば非関税障壁のようなものになっては今困るんだということが実は書かれているわけですよ。 私はこの調査が、できれば今消費者が一番望んでいるのは、本当に私たちがいい商品を選択するためのいいインフォメーションであってほしいというのが表示行政に対する消費者の希望でございますから、対外的な遠慮というのか、気遣いも必要でしょうけれども、やはり表示行政を行う農林水産省の食品流通局消費経済課及び公正取引委員会等におかれましては、消費者の立場に立った選択をすべきであるというふうに思うのが私の言い分でございます。 原産国表示、先回私、当委員会においてもこのことをお尋ねしたことがございますが、この原産国表示について、まず農林水産省のJAS規格におけるところの定義とそれから公正取引委員会の景表法におけるところの定義とは、先般伺ったところでは結果においては一致するんだというふうに言われるので、私もそうだろうと思います。だけど、どうもやっぱり幾ら考えても表現が違うんです。JASにおいては製品を包装した国でしょう。これは間違いないですね。そして公正取引委員会の景表法に基づく告示では、商品の内容について実質的な変更をもたらす行為が行われた国。今回のこの有賀報告でもいわゆる原産国の定義と言われるこの実質的変更行為の問題については改めていないわけです。ここのところの定義はそのままに置いて、運用でもう少し頭出しができればというものを私はこの中で感じたんです。 両方の省にお伺いしますけど、原産国にかかわる表示の考え方というか定義というか、これはどこに置いても変わらないでしょうか、出てくる製品、出てくる結果が。
○政府委員(鷲野宏君) これも、もう先生御案内のとおりだと思いますけれども、原産国についての定義なり原産国というものはどういうものであるかという物の考え方について、国際的な慣行と申しますか、国際的に通用する考え方というのがございまして、それによりますと、いわゆる実質的な変更行為があった場所、国を原産国ということに定義する。これはFAO、WHOの国際規格においてもそうなっておりますし、我が国の公正取引委員会の景表法の運用においてもそういうことをとっておるわけでございまして、当方のJAS法の運用の基本的な考え方もこの点は同様であるということでございます。
○説明員(鈴木恭蔵君) 先ほど農水省さんからも御答弁がございましたとおり、国際的に見ましても、また我が国の関税法におきましても、私どもの景品表示法と同じような考え方、つまり商品の実質的変更行為を行った国、これを原産国というふうに表示しているというのが通常でございます。
○刈田貞子君 ところが、今消費者はそう言っていないんですね。 ここで、私も何とかならないものかというのでこの質問をさせていただいているわけですけれども、カナダ産のそば粉でつくって信州そばとはこれいかにと、これが消費者の愚問というのか疑問なんですよ。中国のワラビを持ってきて大臣の地元の群馬県産のワラビとされていいのかどうなのか、こういう問題がこの有賀リポートでも解決されていないと思うのね。 そこで、私ちょっと農水省の方に伺うのは、昨年おたくは加工国という定義をつくりましたか。
○政府委員(鷲野宏君) ちょっと今、この場では私も存じ上げておりません。
○刈田貞子君 私が新聞で読んだのでは、包装するばかりにした製品を持ってきて我が国において包装して出荷するような商品については、これはいかにもメード・イン・ジャパンと書くのはできないのじゃないか、包装した国を原産国と言うというJASの規格においてもね。そこで、苦肉の策で加工国というのが指導で出てきたんじゃないかなと、ちょっと新聞で読んだので私はそういうふうに思っていたんですけれども、今それがないとすれば、この点もこうした事実関係は実にたくさんあるわけです。ですから、こういうものもこれから考えていかなきゃいけない。 それから、公正取引委員会さんのこのリポートによると、でも、「しかし」というのが今回のあれで出てきているでしょう。何らかの形で消費者が誤認を受けるような問題については、やはり原産国表示が必要だということがリポートの中に出てきているでしょう。もっと言うならば、ここの中では食品の原材料の原産国表示というのは不可能だと書いてあるんです。だけど、そうでなくて特定の地域でだけしかとれない製品とか、あるいはまたその国の固有の特産物とかいうようなものについては、あえて原産国をつけてもいいんじゃないかというふうなことが書かれていますでしょう。このことを通して、原産国表示というものの考え方がこのリポートの中からもう一歩でも二歩でも出ないんですか。
○説明員(鈴木恭蔵君) 食品の原材料の原産国表示についてでございますが、先生御指摘の点は、恐らく原産国表示を一般的に義務づけたらいかがかということ、義務づけてはという御質問ではないかと思います。 私どもの景品表示法では、先生御案内のとおりに、一般消費者が誤認すると表示は不当表示というふうに取り扱っております。したがいまして、消費者が誤認するか否かに関係なくすべて一律的にこれを規制するということは、景品表示法の体系からいって果たしていかがなものかという、そういった問題意識がございます。ただしかし、そうは言っても先生御指摘のとおり、商品によりましては、例えば加工度が低くていわゆる原材料の比重が高いというもの、そしてそういったものの中で、しかも消費者が商品選択に当たりまして原産国表示が非常に重要であるといった商品もあるのではないか、こういったものにつきましては、そもそもそういった商品が一体どういうものがあるかどうかということ、これはちょっとわかりませんが、こういったもの。それからその際どういう表示の方法をしたらいいのか、例えば公正競争規約等を通してやらせるものがあるのではないか、そういったことについては私どもさらに検討しなくてはならない、かように考えております。
○刈田貞子君 そうすると、今の御答弁からいくと、今四十二種類でしたか、公正競争規約で自主的につくっている、義務づけている食品がありますでしょう。あの数ないしは業界の幅がもっとふえるということは考えられますか。
○説明員(鈴木恭蔵君) 先ほども申しましたように、商品の原材料の原産国表示をさせた方がいい商品があるかどうかということにつきましてはさらに検討しなくてはなりませんが、御指摘のとおり、そういったものがあれば公正競争規約によりまして原産国表示を、まあ一種の義務づけというんでしょうか、そういったことも当然考えられるわけでございます。したがいまして、今の品目の数がふえるということは結果としてそうなると思います。
○刈田貞子君 それから、この原産国表示に関する報告書の私一番納得できないところは、「食品の安全性と原産国表示」ということで、ここは私に言わせれば切り捨てているというふうに言いたいんですけれども、つまり、今消費者の中で原産国表示というものにこれだけ関心が高まってきた。おたくでおとりになったアンケートでも、関心がないという消費者は一六%で、あとは何らかの形でみんな商品の原産国表示に物すごい関心を持っているというデータをおとりですよね、関心を持っているんですから。にもかかわらず、食品の安全性を原産国表示で見るとはおかしいのだとは言っていないんだけれども、そういうふうに書いてあるんです。そして、食品の安全性については食品衛生法等に基づいて一定の基準を設けて、これに適合した食品は国内に流通しているのだからそれで安心しなされと、こういうことが書いてあるわけです。したがって、景表法等に基づくこの原産国表示というようなものは、食品の安全性確保のために義務づけられているのではない、ないしはつくってあるのではないと書いてある。 ところがそうじゃない。チェルノブイリのあの事故以降、消費者の中に原産国表示について関心が高まってきたのは安全性に関して一番高まってきたんですよ。これは紛れもない事実で、ですからこういう切り捨ては、それは法の精神からいけば景表法で安全性は確認できないと言えば確かにそうですわ。でも、消費者はそうじゃない。もっと言えば、これを頼っても安全性の基準の判断材料にしたいという食品行政に対する不信感がここまで、原産国表示まで使っても食品の安全性を確認しようという国民の意思になって出てきておるんです。ですから、この景表法に基づく原産国表示でもって、食品の安全性を確かめるのはちょっと筋違いであるというこの手の言い分は、私は大変気に入りません。 そして、これをやっていますと時間がかかりますので本論の方に戻しますけれども、輸入食品等表示適正化の検査等、今回の農水省のこの事業は、よくよく見ると予算も余り大きくはないんだけれども、今輸入食品等が大変にふえてきている中で、消費者のニーズにこたえて表示の適正化を図り、そして今言っているような国民の食品行政に対する不安を少しでも除いていく、こういうことに資する事業だというふうに思うのでございますけれども、あえて苦言を呈すれば、何で今ごろこんな行事をやり始めたのというくらい遅い。この委員会でもこの食品の安全性、特に輸入食品に関する安全性の問題はどのぐらい出たかわからないんです。今ごろこんな予算で、しかも二年間かかってつけて、内容は調査でしょう。私に言わせれば、大変申しわけないんですけれども、つけてくださっただけでお礼を言わなければいけないんだろうとは思いますが、大変遅きに失する感がございます。これは苦言として申し上げておきます。 ところで、きょうは厚生省にもおいでをいただいておるので、厚生省も、やっぱり食品の安全性の確保、そして海外からの輸入食品がふえてきているということも含めて、いろんな事業を進めておるわけでございます。私がどうして厚生省に来ていただいたかといいますと、食品行政に関して、情報の交流とか意思の疎通というのができているのだろうか、できていないのだろうかという思いがなくはないのであります。もともと厚生省と農水省は、この点に関して大変仲が悪いというようなうわさも聞かないわけでもないわけでありまして、どうしても私はこの辺のところの意思の疎通をはっきり図っていただいて、できれば二年でやる事業を両省が力を合わせて、少なくとも一年でいい事業ができるような形にしていってほしいと思うくらい、この二年でただ調査するという問題について私は大変不満に思っておりますので、今厚生省さんの両課から話を聞きます。 時間がないので大変恐縮でございますが、厚生省さん、一つは、例のポストハーベスト・アプリケーション、その問題が平成元年から予算がつきました。これが今どんな状況になっておるのかお伺いをするのと、これはまだ検討の最中だという話もございますけれども、輸出国登録工場制度の導入を検討しておる、こういうことでございますので、この二つの事業についてお知らせいただきたいと思います。
○説明員(内山壽紀君) お答えいたします。 厚生省では、安全性確保の観点から、ポストハーベスト農薬につきまして安全性に関します情報の収集等を行うとともに、平成元年の十二月にポストハーベスト農薬分析調査検討会をセットいたしまして、輸入農産物等における残留実態調査等を開始いたしました。これらにつきましては、平成二年度以降も継続していくことを考えておりまして、今後は調査結果等をもとに輸入相手先国と協議等を行いまして、ポストハーベスト農薬の残留基準を整備していくことを考えております。 なお、穀物等主要農産物につきましては平成三年度を目途に、その他の農産物につきましては年次計画により基準の整備を進めてまいりたいという考えでございます。
○説明員(野村瞭君) お尋ねの輸出国登録工場制度の内容についてでございますが、今年度予算で新たに検討することとしておりまして、具体的に内容を煮詰めるのはこれからでございますけれども、大ざっぱな考え方だけ御説明申し上げたいと存じます。 輸出国登録工場制度につきましてどういうことを考えているかと申し上げますと、主として加工食品を対象といたしまして、輸出国の工場につきまして、使用原材料あるいは製造工程等に関して、我が国が定める一定の基準によって事前にチェックをし、この工場を登録することによりまして、我が国に輸入される加工食品を国内産品と同様に、製造段階からその安全性をチェックしようとするものでございます。この制度の我が国への導入の検討に当たりましては、特に気をつけなければならないと考えておるわけでございますが、輸出国政府及び我が国政府による安全確認だけではなくて、必要に応じまして、輸入時におきましてもさらに検査を実施するなど、輸入食品の安全確保につきましては十分配慮をする必要があろうかと考える次第でございます。
○刈田貞子君 野村課長、今のですけれども、相手があることでございますね。これは、その工場を登録させるというようなことになればかなりの問題があるのではないかというふうに思うんですが、私はむしろ相手国が我が国に対して食品等の輸出を望むというふうなことであれば、逆に喜んで参加するという制度にもなり得るかなというふうには思いますけれども、そのことのためにたくさんの制度とか基準とか手続とか、そういうものをつくったことによってまたもう一つ問題が出てこないかなとも思うので、このことが一つ考えられるのと、それからもう一つは、農林水産省でやっているJASの事業でも海外に認定工場を持っていますでしょう。そういう問題との連携はどうなるのでしょうか。
○説明員(野村瞭君) ただいま、輸出国政府に、その安全性についての判断のいわば責任をゆだねるというような御心配の御質問だろうと思いますけれども、先ほど御答弁申し上げましたように、もちろんある程度相手国政府に責任を持たせるということもございますけれども、我が国政府におきましても、同時に輸出国に出向きまして製造工場の製造過程等をチェックする、さらに必要に応じましては、輸入時に検疫所においてまたチェックをするというような二重の安全性についての担保をいたしたいと考えておりますので、御理解をいただきたいと考えております。 それから、農水省における認定工場等との関係についてでございますが、先ほど申し上げましたように、これからこの制度について煮詰めてまいりますので、関係があるということであれば十分農水省とも協議してまいりたいと考えております。
○刈田貞子君 いずれにいたしましても、農水省の方に話を戻しますが、やっぱり各所でこういう事業というのはあるわけですよね。だから、そのところをよく連絡をとり合って生かせるものは生かし合っていかないと、縦割り制度の中で非常に損ばかりしているのは消費者だ、国民だということにもなりかねませんので、少ない予算の中で有効な、しかもいい事業を進めていってほしいな、こういうのが私の言い分でございますし、できればこの海外食品表示等の実態調査事業を通して、いい表示行政が輸入食品を私どもが扱う立場ででき上がっていけばいいなということを希望いたします。 最後に、大臣に私は申し上げたいんですが、表示行政というのは、消費者の知る権利を保障する大変大事な私は事業だというふうに思います。勉強した人とか、あるいはまたたまたま見た人が手にし得る情報ではなくて、少なくとも生活の最末端でだれでもが手にし得る情報として、私は表示とかマークというものはとても大切なものだというふうに前から思ってきました。したがいまして、だれでもすぐ見てわかり、そしてその商品選択に大きに寄与していく行政でなければならないというふうに思うんです。 したがいまして、カナダ産のそば粉でつくったのを信州そばと言うのはやっぱり私は表示行政としてはいささかおかしいのではないか、表示というものが果たす役割を果たしていないというふうに思うんです。したがいまして、これは今後、検討をと。海外においても、こういうことを義務づけているところはありませんというのがこの公正取引委員会の報告の一つでありますので、ないなら我が国だけはやろうじゃないか、それだっていいわけでございますから、どうぞ御検討いただきたい、こんなふうに思うのと、今回これは、農水省の予算の新規事業としてふるさと認証食品出てきましたね。これは、私は考え方によっては、外国のものを外国のものと書けないのなら我が国のものは我が国のものと書こう、特に我が国の特産品として書こう、県名を書こう、こういうのでふるさと認証食品が出てきたんでしょう。このことを伺って質問を終わります。
○政府委員(鷲野宏君) 私からお答えをさせていただきますが、まず、農林水産省と厚生省との食品行政についての連絡につきましては鋭意それに努めております。例えば、これまでかつてなかったことでございますが、昨年十一月から我が省と厚生省との間で局長レベルの定期の連絡会議を催しておりまして、従来以上に両省間のこの点についての連絡協調を密にするようにいたしておるところでございます。 それから、ただいまの原材料の原産地表示の問題は、国際的な考え方、慣行はそうなっているということでございますが、それだけではなくて、仮に原材料の原産地の表示を義務づけるということになりますと問題が二つ出てまいります。一つは、技術的にその確認が非常に難しいということでございます。例えば福神漬けなんかにつきまして、あれは七種以上の野菜等が原材料として入っているんですが、それについて、本当に原材料の原産地を技術的に確認することができるかどうかという、そういう問題があるのでございまして、それからもう一つは、少なくとも私ども承知しているところでは、原材料の原産地表示を一般的に義務づけているという法制をとっている国はございませんので、そういうことを仮に日本でとるとしますと、恐らく今の情勢、国際的な環境においては新たな国際紛争の種になるだろうと。そういったような難しい問題があるものでございますから、一般的なそういう義務づけというのはちゅうちょしているところでございます。 ただ御指摘のように、この問題についての消費者、国民の関心が非常に高まっておりますから、私どもできるところから手をつけたいというふうに考えております。例えば、ハト麦茶でございますとかあるいはウーロン茶のように、比較的原材料の原産地の確認が容易なものについては、これはJAS法なりあるいはガイドラインに基づいて表示を今行わしております。それからまた、今まで手をつけていなかった生鮮の野菜なんかについても、これはガイドラインを作成すべく今検討準備中でございます。 それから、今先生がまさにおっしゃった、逆の意味で、それじゃ国産の材料でつくった優良な地域の食品を、その点を強調して売り込んでいきたい。それがまさにふるさと認証食品事業でございまして、これは今回の予算でもって措置をいたしまして平成二年度から実行したい、こういうふうに考えているところでございます。
○国務大臣(山本富雄君) いろいろありがとうございました。 今局長から国際問題などもあって難しい面もあるんだと、こういう趣旨の答弁ですけれども、それも事実あるんです。あるんですが、できることから検討したらどうか、今ここで早速私からお願いをしたところでございますから、よく趣旨を体しましてやってみたい、こう思っております。
○猪熊重二君 私は、農水省の予算のうち二点ほどについてお伺いします。 第一点は補助金の問題、第二点は林野行政の問題です。 補助金について、最近十年間における農水省予算総額に占める補助金の比率、割合について、数字だけでいいですが、述べてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 数字だけというあれですけれども、一言だけちょっと説明させていただきます。 農林水産関係の補助金につきましても、最近毎年の予算編成の際に見直し、整理を進めておりまして、金額でこの十年間で約二割程度の減少になっています。今先生の御質問の予算に占める補助金の割合につきましては、五十六年度予算で六二・七%、平成二年度予算では五九・五%というふうになっております。
○猪熊重二君 平成二年度予算における補助金等の件数及びこの補助金等が開始されてからの経過年数というか継続年数というか、これは一つ一つは非常に難しいでしょうが、大まかな概要を述べてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 平成二年度予算におきます農林水産省所管の補助金等の件数は、四百八十六件でございます。これを類別しまして創設時からの経過年数を見てみますと、五年以下のものが九十七件で一九・九%、六年から十年までのものが三十四件で七%、十一年から二十年のものが百五十一件で三一・一%、二十一年以上のものが二百四件で四二%となっています。ただ、創設後長期に及びます補助金等につきましては、農林水産業の基礎的条件を整備する公共事業関係や法律により補助が義務づけられている補助金等が多いのが現状でございます。
○猪熊重二君 大体この十年間のこの前資料いただいたのですが、十年間の補助金の占める率は、六〇%から六四%ぐらい。非常に農水省の予算の中では六割以上が補助金。しかも、平成二年度の予算における補助金等の数が四百八十六件もあるということになると、どれがどれだかよくわからなくならないでしっかりやっているものだと私はびっくりする。戦前東畑精一教授が、農政の神様と言われた方ですが、この方が農水省は補助金の分配機関であるというふうに述べられたそうです。それから約半世紀たっても、今伺った状況で言うと農水省が補助金の分配機関にすぎないというふうな実態は全く変わってないと思いますが、このような農水省に対する見方について、大臣どのような御感想をお持ちでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 大臣が御答弁する前にちょっと農林関係の補助金について、趣旨について簡単に御説明させていただきたいと思います。 農林水産省補助金、ただいま委員御指摘のように四百八十数件ございますけれども、農林水産省、農業、林業、水産業、それに関連する食品産業から市場関係広範にわたっています。また、日本の国土は南北に長いということで、気象条件、立地条件がそれぞれ違うわけでございまして、そういうところの農業生産あるいは林業、水産業生産あるいはそこの地域の活性化のためのいろんな対応の仕方をきめ細かくやるためにこういうふうな格好になっておるわけでございます。ただ、これらの補助金につきましても臨時行政調査会等の答申を受けまして、それぞれ件数の点あるいはその内容の点、それぞれ工夫、整理を凝らしながらやっておるということでございますので、御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 先生から質問通告がありまして本を見たのはけさなんです。まことに申しわけありません。中身を読む間がございませんで、表紙だけは見てまいりましたけれども、そこで感想を含めて簡単に申し上げたいと思います。 補助金行政の最たるものじゃないか、こういう感想を多分お持ちになったんだと思うんですが、釈迦に説法ですけれども、行政を進める手段として三つある。一つは法律に基づく許認可等の措置、一つはまさに補助金等による奨励誘導の措置、一つは通達等によるいわゆる行政指導、この三つだと。これを組み合わせて進めていくのが行政であり、これを上手にやればうまく時代とともに効果を上げることはできる。 ところで農林水産省、確かに補助金の数は私が見てもよくわからないぐらい数が多うございまして、これも補助金、これも補助金。ところが先生、これは私の実感ですが、この補助金は本当に地方の命綱が多いんですね。ただ、むだに行っているのはほとんどない。しかも、補助金の出るところがほとんど脆弱な地域、脆弱な組織というふうなことでございまして、言うなれば規模が小さくて収益性が低いとでも申しましょうか、その辺が他産業とは全く農業は違う、これはもう先生もよく御承知のとおりでございます。そこで、今私から上手に説明ができないと思って官房長がやったんだと思うんですけれども、私の方がはっきり先生の胸を打つ答弁になっていると思うんですけれどもね。これは今後補助金行政を十分承知の上で、しかし今農業が内外非常に厳しい状態にある。先ほど谷本先生もいろいろお米の問題を指摘されましたけれども、そういう状況の中で補助金をできるだけ有効に機能させていこう、使っていこう。これはまた大臣の役目でもある、役人の役目でもある、こういうふうに心得て、機能的に、弾力的にやっていきたい、こう思っております。
○猪熊重二君 我が党の政策においても補助金行政をなくせ、こういうことを総論的には掲げているんですが、具体的な一つ一つの補助金になると大概法案に賛成しろと、こういうことになってきまして、総論補助金削減、各論個々の法案賛成しろと、こういうことになる。これはいつになっても直らないというか減らないし、ますますふえていく。私は、個々的な補助金のどれが適当だとか不当だとかいうことを申し上げるつもりじゃなくて、もう少し補助金行政というものをなくしていく方向に考えたらどうなんだろう、こういうふうに考えるんです。 要するに補助金というのは、例えば農水省で言えば、農業そのものに対する、業に対する補助金なのか、それともその業に従事している農業者、農業で言えばこれに対する補助金なのか、その辺の区分けをよく考えていかなきゃならぬのじゃなかろうか。もし、業に対するものだとしたら、そのような補助金を出すことの公共目的の妥当性というものをもう少し考えてみないと国民の納得は得られない面もあるのではなかろうか。そしてまた、国内的にも一応自由主義経済原理があるわけですし、国際的にも保護貿易をやめて自由貿易でいこうという、こういうふうな観点もあるわけですから、業に対する補助金ということだったら少し検討してみる必要がある。また、者、人、者に対する補助金ならば社会福祉全体とのバランス、整合性、そういうふうなことも検討していかなきゃならぬだろう、こんなことを考えているんです。補助金の問題については非常に個別的な問題は難しいんで、これだけにしておきます。 次に、林野行政についてお伺いしたいと思います。 農水省の平成二年度予算における予算総額のうち、林野行政関係の予算はどのくらいを占めているんだろうか。額と比率と、わかったら教えてください。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御審議願っています平成二年度予算につきまして、農林水産関係予算総額は三兆一千二百二十一億でございます。そのうち林業関係予算は四千九十三億ということで、農林水産予算に占める比率は一三・一%というふうになっております。
○猪熊重二君 一三・一%という数字が多いか少ないかわかりませんが、私は林野行政というものの重要性ということから考えたら非常に比重が軽いというふうに思うんですが、これで十分な林野行政の政策目的の実現ができると、このようにお考えなんでしょうか。
○政府委員(甕滋君) ただいま先生御指摘のように、森林・林業をめぐる状況が厳しい中で、いろいろやっていかなければならないことがあるわけでございます。このため、林野関係予算につきましては、厳しい財政事情の中で私どももその確保に最大限努力をしてきているところでございます。特に平成二年度の予算におきましても、新しい林業構造改善事業三十六億円でございますとか、中山間地域の山村総合整備の十億円でございますとか、担い手育成総合対策十億円でございますとか、流通体制整備総合対策の十五億円でございますとか、今日の林業あるいは山村が直面しております問題に対しまして重点的に施策の充実強化を図ってきたところでございます。まだまだ不十分ではないかという御議論もあるわけでございますけれども、今後とも関係予算の確保に最大限努力を払ってまいりたいと考えております。
○猪熊重二君 この林野行政に関しては、予算委員会でも村沢牧先生いろいろお話しいただいたし、今も上野先生からもいろいろお話があったんです。上野先生のお話は、どちらかというと生産手段としての林業というふうな観点でいろいろ御質問あったわけですが、私はちょっと観点が違って、別に上野先生の言い分に反対というわけじゃないんですが、総理府の平成元年十月の「森林と生活に関する世論調査」というのがございますね。これについて三点ほどお伺いしたいんです。 この世論調査によると、今後とも守っていくべき森林の働きについての調査結果はどんなふうになっていますか。
○政府委員(甕滋君) ただいま御指摘の総理府によります「森林と生活に関する世論調査」の中で、今後とも守っていくべき森林の働きについてという項目がございます。この調査対象の一人について三つの回答を求めたということのようでございますが、その結果を申しますと、「山崩れや洪水などの災害を防止する働き」については六八・一%、「水資源をたくわえる働き」につきましては五三・八%、「貴重な野生動植物の生息の場としての働き」につきましては四一・三%、「大気を浄化したり、騒音をやわらげたりする働き」については三六・一%、「木材を生産する働き」については二七・五%等々がございまして、国土保全あるいは環境保全などの公益的機能を初めとして、木材生産などの経済的機能に至るまで、森林に対する国民の要請が多様であるということが示されているように見受けられるところでございます。
○猪熊重二君 結局、今の世論調査の結果によると、森林について非常に公共目的的なことを国民は考えている。もちろん森林というのは木材を生産する働きがあるよということ、そういう考えの人もいますけれども、二七%にすぎない。それに対して七〇%近い人は山崩れや公害などの災害防止、こういうふうなことを言っているわけです。 「これからの森林整備のあり方」についての調査結果をまた概略説明してください。
○政府委員(甕滋君) 「これからの森林整備のあり方」という項目につきまして、概略を申し上げますと、まず「森林はたとえ経済効率に合わなくても、国土保全、災害防止などの役割を重視して整備すべき」という回答が七九・三%。それから「森林は経済活動の対象であるから、経済効率を第一に考えて整備すべき」という回答が一〇・六%等となっております。国土保全とか災害防止等のいわば公益的な機能に対する期待や関心を示す数字であろうというふうに思っております。
○猪熊重二君 結局、今お読みいただいたのを繰り返して申しわけないんですけれども、要するに、山はもうかるもうからぬという問題じゃなくて国土保全、災害防止なんだという方が八割です。山はやっぱり経済効率を第一に考えて木材生産というふうに考えている国民は一割程度ということだろうと思うんです。 それからさらに、山をそういうふうに公共的なものだというふうに考えるのはいいけれども、それじゃ、そのような森林を整備するための費用はだれが負担するんだというふうなことについての調査結果はどうなっておりますか。
○政府委員(甕滋君) 森林整備の費用負担についてという項目がございまして、その調査結果が出ておりますが、まず「国や地方公共団体が積極的な助成を行う」というのが四七・八%、それから「森林の公益的な機能に着目して、恩恵を受けている者も費用を分担する」というのが一八・一%、それから「緑のオーナー制度や募金など広く国民の参加を得て森林づくりを行う」というのが一四・五%。もう一つ申しますと、「森林の所有者が自らの責任で森林づくりを行う」というのが一一・〇%などとなっております。森林整備について、国や地方公共団体の役割への期待あるいは受益者負担に関する認識も示されているものかなというふうに思っております。
○猪熊重二君 結局、森林のそのような公共的目的に応じて、費用も国や地方公共団体が積極的に金を出せというのが四八%の人がそう言っておられる。それから国が直接でないけれども、いわゆる広い意味での国民あるいは市民、こういう方が負担するべきだと、こういう答えを全部足せばもう七割、八割の方がそう言っているわけです。山は自分のものだから山持ちの人が自分で銭出してつくれ、きちんとしろという人は一五%ぐらい。しつこいようですが、なぜこれをわざわざ読んでもらったかというと、山は、森林はそういうふうに国が全部銭を出して整備すべきだと、こう私は思っているんです。 田畑の、特に田んぼのいろんな社会的な機能というふうなことも言われるんですけれども、山が崩れてきたら、私も群馬ですから、赤城山が崩れた場合なんかは、田んぼがどうだとか、畑がどうだとかなんていっている段階じゃないわけです。ですから——いやこう言うからって田んぼや畑がどうでもいいというわけじゃないんですよ、そうじゃないんですけれども、ともかくもとが崩れたら下の方はだめになるということを考えたら、わずかな金額のことを言ってないで、何兆円という金を入れてきちんと整備したらどうなんだろうと日ごろ思ってたら、私も国民の一人として大体国民の皆さんの意見と同じだったんで非常に意を強くしたわけなんです。 こんなようなことで、大臣に森林予算というか、林野行政の予算とかあるいは今のこの世論調査の結果、このようなことについての御意見をお伺いして、きょうはもう大分長丁場ですので終わりにしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 先生のこの一つ一つ、御指摘される意味が痛いほど私わかるわけでございます。先般の予算委員会でもこの種の議論がございまして、そのときに私のすぐ前に大蔵大臣がおりましたので、この「森林はたとえ経済効率に合わなくても、国土保全、災害防止などの役割を重視して整備すべき」である、これが七九・三%、八〇%ですね、そこへ私はアンダーラインを引いて大蔵大臣のところに出したら、大蔵大臣はうなずいていましたよ。そのせいだったかどうか知りませんが、その後の答弁で、最後に、自分は非常に山が好きだと、山登りが好きだと、同時に山を非常に愛している。ですから木や森や山を大切にすると、いわゆる国土保全ですね、それからあるいは環境問題、これなどについては重大な関心を持っておるんだと。幾ら金を出してもいいとは言いませんでしたけれども、そういうお答えがございましてね、だから本音で言ってるんだと私思うんです。しかし、さりとて予算に限りがあることももう申し上げるまでもございませんし、また何かやろうと思えば金がかかるわけでございますから金は必要である。 同時にまた、私どもが直接担当している国有林、財政状況が非常に悪いということは今さら申し上げるまでもございませんで、それやこれや考えつつ、きょうの先生のわざわざの御指摘を無にしないように、林野庁長官、私ども一体になりまして、またこの間来の村沢先生あるいはきょうの上野先生の質問などもございまして、ぜひ与野党一致して、大事な国民財産である日本の森や林を守るということでひとつ進めてまいりたい、こう考えております。 ありがとうございました。
○猪熊重二君 どうもありがとうございました。終わります。
○林紀子君 私はまず、具体的な問題ですが、他用途利用米の主食転用についてお伺いしたいと思います。 食糧庁では、一九八七年度より全農を通じまして、他用途利用米の新米を政府持ち越しの古米と交換する形で主食用に売り渡しをしておりますね。他用途利用米と政府古米の交換は、本来政府米として買い上げなければならない主食米を、農民の犠牲のもとでおよそ半値で調達するものと言わなければならないと思います。こうした他用途利用米と政府米の交換の過程で、六十三年産米の場合差益が出たとされておりますけれども、どうして差益が出たのか、その経過をまず御説明いただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生がお話しになりました他用途利用米と政府持ち越し米との交換の問題でございますが、これは政府持ち越し在庫が適正水準を超える段階で、消費者にできるだけ新米を給供することを通じまして消費の拡大にも資するという観点から実施されたものでございます。 今の御指摘の差益の関係でございますが、その前にこの交換は基本的に、転作の一形態としての他用途米の生産者、農家に約束された手取価格は確保されること、それから国や指定法人、集荷業者などに原則として利益が生じないように運営されることが必要だと思います。しかしながら、この主食用に充てられました六十三年産の他用途利用米の一部につきまして、当初販売価格として予定していた政府売り渡し価格水準を相当上回る形で指定法人で販売をした、販売ができたというようなことから、指定法人が生産者間の公平を確保する観点から、その差額の一部を当該他用途利用米の二次集荷業者に還付したものということでございます。
○林紀子君 そうしますと、全農段階で幾らの差益が生じたのか。それから、今お話がありましたが、各県の経済連段階ではどうなっているか、その内訳を明らかにしていただきたいと思います。そして、現在経済連段階ではその差益をどういうふうに取り扱っているかということについても御説明ください。
○政府委員(浜口義曠君) 六十三年産の他用途利用米とこの政府持ち越し米との交換に関連をいたしまして、二次集荷団体に支払われた金額は総額六億八千万程度と承知しております。支払われた金額について、先生今経済連にどのくらいということで、主な上位のところでよろしゅうございますか。 これは宮城、庄内、茨城、富山、長野各経済連でございまして、その最高は一億八千八百万円、最低三千三百万円程度でございます。この内訳でございますが、最初の宮城、庄内、茨城、富山、長野その部分について申し上げますと、一億八千八百万円、庄内一億五千万円、茨城五千万円、富山三千五百万円、長野三千三百万円でございます。それから、今御指摘の第三段階でございますが、この支払い金でございますけれども、元年八月上旬に二次集荷団体に支払われ、多くの団体は元年の十一月下旬以降、農協等を通じまして生産者に精算されたということでございます。
○林紀子君 そうしますと、大部分は農民にもうじかに精算されたということですか。
○政府委員(浜口義曠君) さようでございます。
○林紀子君 今、上位五つ経済連について御報告いただきましたけれども、時間の関係もありますので、全部御報告いただくというのはここではできませんので、後日文書で結構ですから全国の内訳一覧というのをぜひ御報告いただきたいと思います。 それから、今お話がありましたけれども、差益というのは、今御説明ありました経過から当然生産農民に戻すべきだと思いまして御質問いたしましたが、既に戻しているということです。これが六十三年産米ですけれども、元年産米についても同じような交換方法をとりますとまた差益が生まれるということになるわけですね。これも全農に対して差益というのがどのくらいに上っているかというのを明らかにさせるとともに、生産農民に直接返るようにという指導をぜひ強めていただきたいと思います。
○政府委員(浜口義曠君) ただいまお答えいたしましたように、上位の五団体につきまして数字をお話ししました。六十三年産米の交換に伴って支払われたいわば精算金については、指定法人が生産者に精算する等の適切な処理を行うよう関係団体を指導しているというふうな状況になっておりますが、今先生御指摘のことでございますので食糧庁といたしましても、今後とも適正な処理が行われるよう指導してまいりたいというふうに思っております。
○林紀子君 それでは次に、きのうパリで行われました経済協力開発機構OECDの閣僚理事会は、コミュニケを採択して閉会したと伝えられておりますけれども、この会議に関連して二問お聞きしたいと思います。 まず、五月三十日付の毎日新聞によりますと、日本政府は基礎的食糧の輸入制限について、ガットの紛争処理規定に従うことを各国に表明しております。これは、米を完全自給するということで国内生産水準を決めても、それにアメリカなどが異議を表明し、ガットの小委員会パネルでクロが裁定された場合、輸入枠の設定などを行うというものではないでしょうか。これでは国際的な決定を理由に、国会決議や米の輸入反対という国民の声を無視するものになるのではないでしょうか。どういう提案をしたのか、明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今御指摘の五月三十日付の毎日新聞でございますが、率直に申し上げまして、この記事の内容私ちょっとよくわかりません。何を書こうとしているのかわからないという意味でございます。したがいまして、的確にお話し申し上げることができるかどうかやや疑問でございますが、経過といたしましては、私どもは基礎的食糧につきまして所要の国内生産水準を維持するため、必要な国境調整措置を講じ得るものということを提案しております。この提案における基礎的食糧とは、国民生活の維持に不可欠な食糧でありまして、国内生産の安定を図る必要のあるもの、具体的な品目は、各国の気候とか風土あるいは食生活によって異なり得るものであろうと思います。 ということでございまして、我が国は、これは当然のことながら米を念頭に置いて定義づけを行って提案しておりますものでございますので、内容につきまして疑義の生ずるというようなことはないような提案になっているわけでございます。したがいまして、ガットのパネルでどうこうというような話につながるものではないというふうに私どもは考えているわけでございます。
○林紀子君 それから、農業保護の撤廃の手段としてアメリカは関税化ということを提案しています。報道では、ECがアメリカの提案に同意し、我が国が孤立しているとの見方もあるが、日本政府はこのアメリカの提案に対しどのような態度を表明したのか。また、ECがアメリカの提案に賛成しているわけではないとも報道されておりますけれども、ECの態度というのはどういうものかというのもこの際はっきりさせていただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今回のOECDの閣僚会議の場におきましては、米国の関税化提案につきましては、御議論はなかったというふうに聞いております。したがいまして、ECがどういうふうに言ったとか、それについてアメリカがどう反論したかということはないようでございます。
○林紀子君 それでは、ECはアメリカの状況に賛成して日本だけが孤立化しているという、そういう状況ではないというふうに理解してよろしいわけですね。
○政府委員(川合淳二君) 少なくともOECD閣僚会議で、そういうやりとりがあったというふうには聞いておりません。
○林紀子君 今、米の輸入が大変大きな問題となっておりますけれども、一たん輸入を許してしまえばその農産物がどのようなことになるか、農民にどのような影響を及ぼすのか、これはいろいろな例があるわけですけれども、私は極めて具体的な一つの例、イグサについて質問をさせていただきたいと思います。 昨年十一月に最高値が千八十五円だった畳表、ことしの三月には八百二十八円で、四カ月間で二百五十七円、二四%も一挙に下落いたしました。価格暴落の主要な原因は、中国などからの安い製品の大量輸入による供給過剰ではないかと思いますが、この三年間の輸入量というのがどうなっているかという数字をお示しいただきたいと思います。
○政府委員(松山光治君) 今御指摘がございましたように、イグサと申しましょうか、それの製品でございます畳表の価格につきまして、六十一年から六十三年あたりには、新規の住宅の戸数がかなり堅調であったということを背景といたしまして、畳表の価格もなかなか好調ということで、今お話のありましたような水準が一つ実現をしておったわけでございます。ところが、昨年の十月以降御案内のような価格の低下がございまして、今お示しのあったようなことでございました。 この価格の低下の事情でございますけれども、一つはやっぱり需要面の、特に新築住宅の戸数の変化というのがございます。ちなみに六十一年度の新築住宅戸数、対前年一一二%、それから六十二年度が一二三・五%という数字でございましたけれども、六十三年度、元年度大体前年横ばいの形で推移をいたしておるわけでございます。実はそういう状況の中で、国内の生産自体がかなり大きな増がございました。ちなみに作付面積で申しますと、六十一年から平成元年までの間の伸びが一五%ということでございます。それにつれまして生産量も一八%ふえておるということで、住宅の新規着工の増のもとでの一時的な需要増というのが一つあったわけでございますが、それに対応しながらの国内生産の増自体が一つあったということは申し上げておかなきゃいかぬというふうに思います。 それで、もう一つの要素として、今御指摘のございました中国等からの安価なイ製品の輸入の増加という事情が一つあるわけでございまして、今三年の数字をということでございましたので、イ製品としての輸入の数字を申し上げますと、六十二年がトンで一万七百八十九トン、そのうち中国からの輸入が六千六百三十三トンでございました。六十三年に一万五千三百六十六トン、中国が一万一千百五十五トン。元年は一万五千四百五十トン、一万一千六百五十一トンがそのうち中国からと、こういう数字に相なっているわけでございます。
○林紀子君 再生産に必要な平均価格といいますのは、畳表一枚当たり千三百十二円、労賃が八百八十一円、原材料分六百三十一円と計算されています。ことし三月の平均価格は八百二十八円ですから、農家の生活費というのがほとんど保障されないような状況となっております。農産物の輸入自由化の名のもとに、国内産よりも四〇%も安い輸入産が増加することによって、全国のイグサ、イ製品のおよそ八〇%を生産する熊本県、その中心である八代地区は本当に深刻です。生産団体では、四月の上旬には六日間市場を閉鎖するなど、価格の安定を図っておりますが、余り効果はない。離農する農家も出始めていると言われております。 確かに住宅戸数が構ばい状態になる、そして国内の生産が上がる。それならば余計、中国を中心とする外国産の輸入を規制するべきではないでしょうか。輸入規制ができなければ再生産に見合う価格保証のために、国の責任で救済策を講ずるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(松山光治君) ただいまお話のございました八百二十八円という実は価格は、御案内のように畳表と申しましてもいろいろな種類のものがございまして、言ってみれば標準的なといいますか、中値に該当するような数字でございまして、国産品の場合は概して高級品が多いわけでございますので、そういう意味では再生産との関係でどう考えるか、にわかにはちょっと申し上げにくいわけでございます。ただ、御指摘のように価格が下がって、農家の方々が大変御苦労なさっておるということは、私どもも厳しく受けとめておるところでございます。 今具体的な御提案があったわけでございますけれども、やはり諸般の事情を考えますと、なかなか現実的には難しい問題の多い話ではなかろうかと、このように考えるわけでございまして、地域特産物としての重要性をひとつ頭に置きながら、やはり需要の動向に見合った的確な生産と出荷の推進ということ、そのことと、一つにはコストダウンを図りつつかつ品質の向上を図りまして、しっかりと国内生産の市場を確保していくといったようなことが基本になるのであろう。私どももこれまでから関係団体等に一定の助成を行いながら、計画的な生産出荷の推進に努め、かつまた生産基盤の整備なりあるいは共同利用機械施設の整備といったようなもののお手伝いをしてきておるところでございますけれども、優良な品種の開発普及の問題も含めまして、今申し上げたような線で関係県あるいは関係団体と連携、協議を密にして努力していきたい、このように考える次第でございます。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕
○林紀子君 内需拡大のためにPRというようなことも含めまして、ぜひ御努力いただきたいと思いますけれども、最後に大臣にお願いしたいと思うんですが、公共的な建物、住宅などで畳表を使用する際には、ぜひ国産品を利用するように建設省などの関係機関に強力に働きかけていただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(松山光治君) 公共住宅の建設工事におきます畳表の使用の問題でございますけれども、既に建設省からJASに合格いたしました良質の畳表を使用するようにという指導が行われているところでございまして、今のところ輸入畳表につきましては、JASの受検品がございませんので、実質的にはそういう形になっておるわけでありますが、私ども事務的にも、建設省ともこれからよくまた相談していきたいと、こういうふうに考えております。
○国務大臣(山本富雄君) イグサの問題ですけれども、ちょうどついこの間、私九州へ行く機会がございまして、そのときに生産をしている若い人から直接現場の状況を聞いてまいりました。今先生がおっしゃったような非常に被害が大きいというふうなことなどいろいろ聞いてまいりました。 それから、今松山局長からいろいろ御答弁がございましたが、松山局長にもこれはもう日本人と畳というものは切っても切れないんだ、国際的な問題はまた別にいたしまして、何とか質を高めるとかあるいは計画的な出荷とか、あるいは最後に出ました公共物の畳などにはできるだけ日本製品をと、こういうことなどを含めまして積極的にやるように、こういう指示もしておるところでございます。 なお、国という話が先生から出ましたけれども、これは国にとどまりませんで、関係の県、主として九州ですけれども、熊本を中心にした、福岡などもございますが、その関係の県、市町村、団体などとも協力をいたしましてそして何とか地場産業を維持するように、日本人の畳を何とか守るようにやってまいりたい、こう考えております。
○林紀子君 それでは最後に、ソ連に拿捕されました北朝鮮籍と見られる漁船に日本人漁船員が乗り組んでいた、この事件についてお伺いしたいと思います。 山本農水大臣は、三十日の衆議院の農水委員会で、今回の事件について事前に水産庁は知っていたのに黙認していたのではないか、適切な指導があれば避けられたのではないかという質問に対しまして、報道されているようなことが事実かどうかまだ確認されておらず、水産庁として適切さを欠いた点があったかどうか確かめたい、こういうふうに御答弁なさいましたけれども、事実は御確認なさいましたでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘のございました大臣の御答弁いかがなものであるか、私も正確に記憶しておりませんけれども、いずれにしても一部この案件についての報道の中で、水産庁が黙認をしておったというふうな報道があったこと私も記憶しております。これがいかなる根拠に基づいてそのような記事をお書きになっているか、私も承知しておりません。この事案についての処理、たびたび御報告しておりますとおり、今捜査中でございます。事実関係の詳細についてはコメントを差し控えたいと思いますが、この問題について私、全くその報道の事実は我々として認識していないところでございます。 概略申し上げますと、実は昨年、北海道庁が処理をいたします漁船登録の事務処理に関連をいたしまして、北海道庁から問い合わせがございました。その際に提出された関係資料の中に含まれております書類の中で、この中で我々が確認した予想される操業形態というのは国内法令上問題があるという認識を私ども明確に持ちまして、その旨をこの漁船登録に係る申請者に対して明確に申し渡しをしております。したがいまして、事前にこのような問題について水産庁が黙認をしたとか了解をしたという事実は全くございません。なお、この辺の細かい事情については、捜査当局の方に私どもの方から私どもの調査結果というのは既に報告をしてございます。
○林紀子君 報道によりますと、共同事業の契約書の写しを水産庁は入手していたのではないか。また船団が出港直後に帰港を指示していたという事実があるのではないか。それから照宝漁業が漁船を北海道に登録する際、道庁の指示で国内法を守る、こういう確約書を交わしていた、こういうようなことが報道されておりますけれども、こういう点につきましては今お答えになりましたように現在調査中ということでありますし、これも事実をきちんと確認して今後にぜひ生かしていただきたいと思うわけです。 そして、五月三十日のモスクワ放送はソ日漁業関係についてと題する解説を伝えておりますが、今回の事件について日本側が漁業協力協定に従って業務を履行しないことは、事実上協定そのものの存在を脅威にさらすことになるというふうに我が国を批判しているわけです。ソ連側は一九九二年までのできるだけ早い時期に、ソ連系サケ・マス類のソ連二百海里水域外における沖取りを禁止するという一方的な提案を打ち出してきております。 日本漁船を第三国に貸与し、日本漁船員が技術指導という名目で乗組員となり操業する共同事業方式、今後も出てくる可能性というのは十分考えられると思うわけです。今回の事件について水産庁の責任をはっきりさせなければ、日本漁業の国際信用を著しく傷つけることになるばかりでなく、ソ連側のこうした一方的な要求がますます強まるのではないでしょうか。沖取り禁止への影響をどういうふうに考えていらっしゃいますか。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生が引用になりましたモスクワ放送に述べられている問題については、若干事実関係の誤認が先生あるのではないかと思います。モスクワ放送で放送されております内容は、この北朝鮮漁船の拿捕問題とは別個に、実は日ソ間の漁業協定に基づいて許可が出されております日本漁船が、大変遺憾なことではございますけれども、この協定の条件に違反をしてソ連側に拿捕された事件が別途ございます。そのことに対しての批判であろうかと思います。 それからまた、現在のところ、この北朝鮮漁船による操業問題については、ソ連側は今のところ北朝鮮の指揮に基づいて行われたものであるという認識を示しておりますが、いずれにしましても、これはソ連側の国内判断の問題としてその判断の帰趨を私ども現在慎重に見守っているところでございます。また事実上、我々も最終的な事実関係を確認しておりませんけれども、この北朝鮮の漁船の操業に相当数の日本人が参加をしていたのではないかということは否定し得ない事実ではなかろうかと考えております。御承知のとおり、まだこの漁船及び乗組員はすべてソ連の支配下に置かれておるわけでございまして、けさほど大臣が御答弁の中で申し上げました色丹島に抑留中という情報につきましても、実はきょう午前中の情報では、さらにナホトカに向けて移動中ではないか、こういう情報を得ております。最終的に到着したところでソ連国内法上の処理が進められるのではないかと思いますが、いずれにしても私ども外交ルート等を通じまして、まずは日本人乗組員の安全確認と早期送還に向けて最大限の努力をし、これら乗組員の帰国後の事情聴取等も待って事実関係の究明が行われるというふうに考えております。 また、今回の一連の事件の結果、日本の漁業に対する国際信頼にかかわる問題になるということは、かねてから大臣からも申し上げておりますとおり、私どもも大変懸念を持っております。それだけに事実解明の上、厳正な対処をしていくということが何よりも重要であると認識をしております。 また、一九九二年のソ連側の沖取り禁止問題でございますが、御指摘のとおり、ソ連は大変強い決意でこの方針を貫徹するとの姿勢を示しております。先回の日ソ・サケ・マス交渉でも我々はそれを強く感じております。これはいろいろな問題がありますけれども、先生御承知のとおり、既に国際法上確立されております遡河性魚類に対する母川国主義、それからまたソ連の国内の食糧需給問題というふうな要因が重なりまして、これまで日本に許容してきたソ連産サケ・マスのソ連の二百海里外での漁獲はどうしてもやめたいというソ連が大変強い決意を持っておりまして、これを覆して、一九九二年以降もこれを継続できるかどうかということについては確たる見通しが得られていないと言わざるを得ない状況でございます。これに対処して、御承知のとおり北洋サケ・マス漁業の態様について、やはり再編対策をしていかなきゃいけないということで所要の対策について先般これを明らかにしているところでございます。
○委員長(仲川幸男君) 時間です。
○林紀子君 時間ですが、今ちょっと長い御答弁になりましたので、最後に一言言わせていただきたいと思います。 我が国の遠洋漁業にとって最大の漁場となっていたアメリカ水域の漁獲割り当ては、一九八八年ついにゼロとなったわけですけれども、これは日本の漁船操業を保障した国際法に対しまして、一頭のオットセイも殺してはならないというアメリカ国内法を優先させた理不尽な措置に対して、アメリカに断固として抗議をしなかった政府の外交姿勢の結果ではないかと思うわけです。そしてそれに、足元を見たといいますか、さらにソ連が日本に対して厳しい要求をしてきた。そして四月二十七日には、ことしのサケ・マス漁業の操業条件を決める日ソ漁業交渉での最終合意を待たずに、一九九二年以降の公海での北洋サケ・マス漁業を事実上断念する大規模な減船と減船補償の骨格を決定した、こういうことになっていると思うわけです。 まず私は、姿勢として第一に、アメリカの水産物の輸入規制などを盛り込んだ野党共同提案の漁業生産確保法案を成立させて、アメリカに反省を求めるべきではないかと思うわけです。そして、今御答弁でソビエトの決意というのが大変厳しいということはありましたけれども、ぜひソ連のこういう厳しい案を撤回させるためにも今後ますます努力をするべきではないか。それから、北洋漁場から仕事を奪われたいわば犠牲者である漁民、中小漁業者に政府の責任として、また人道上からも、サケ・マスからほかの漁業への転換を援助する、こういう離職漁民の再就職などについても救済措置を強めるべきであるということを申し上げて、長くなりましたが質問を終わります。
○井上哲夫君 長時間の審議ですが、さらに御質問をいたします。 まず私は、本年度の予算の説明書の百六ページにも書かれておりますが、鯨、国際捕鯨委員会における商業捕鯨が随分長く中止されて調査捕鯨が三年間続けられてきた、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。 漏れ伺うところによりますと、この調査捕鯨の結果では資源としての鯨はもう相当ふえておる。したがってこの先、国際捕鯨委員会で我が国としてはもう一度商業捕鯨を再開したいと、そういうことに関してどのような見通しがあるか。これが見通しとして非常に厳しいものであるとした場合に、調査捕鯨は一体今後どういう状況になるであろうか、こういう点についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま御指摘のございました捕鯨問題でございますが、御承知のとおり今月の後半から来月の初めにかけまして、IWCの科学委員会及び総会が予定されておるわけでございます。 この中で、従来の商業捕鯨のモラトリアム及びその前提になっております特定の鯨類資源に関する包括的評価の見直しを行う、こういうことになっておりますが、率直に申し上げまして、この資源評価の結果モラトリアムが解除になるという見通しについては、大変厳しいという情勢にございます。と申しますのは、実は最近のIWCにおける各般の論議というのは、冷静な資源の評価という議論をやや離れまして、そもそも鯨を捕獲しこれを利用するということ自体が悪であるというふうな、宗教的な信仰にも似た考え方が大変強くなっておりまして、科学論議として冷静に資源管理をして有効利用をしていくという考え方が大変少数派になってきております。私ども、この少数派の一国として大いに頑張っておるわけでございます。極力これまでの姿勢で対処していきたいと思いますが、国際会議の場での論議というのはいわば多数決原理で物を決めていくということで、大変な厳しさを感じております。 また、調査捕鯨につきましても、御承知のとおり、先ほど申し上げましたような宗教的信仰というものが大変定着拡大をしておりまして、我が国が商業捕鯨のモラトリアム受け入れ後、継続をしております調査捕鯨についてもそういった面での批判というのは高うございます。私どもは、この調査捕鯨における捕獲行為は、条約に基づく加盟国固有の権利であるという立場で進めてきておりまして、そういう姿勢を保持しながら今回の会議に臨みたいと思いますが、いずれにしましても我々をめぐる情勢、また我々のこれまで行ってきた主張というものを勘案しながら、最終的な対処方針を決めて臨んでいきたいというふうに考えております。
○井上哲夫君 今、長官のお話によりますと、調査捕鯨そのものも今後続けていく上で必ずしも見通しは明るいものではないと、こういうふうなことでございます。宗教的な考えという表現を使われたわけですが、日本の場合には鯨を食用にするというのは関西では特に昔からあるわけです。今後調査捕鯨がより厳しくなっていく方向になるのか、それとも科学的なデータで資源の実証さえずればその点はむしろ別の方向に向かう余地もあるのか、その点はいかがでございますか。
○政府委員(京谷昭夫君) 私どもとしては、科学的なデータに基づいて、本来のIWC条約の精神に基づいて適正な資源管理をし、これを有効に活用していくという本来の精神にのっとって最大限の努力をしたいというふうに考えておりますが、そういう我々の考え方と違った考え方を持った国が残念ながらいまだに多いということもまた事実であります。
○井上哲夫君 私も鯨のことを調べるきっかけになったのは、昨年伊勢湾にオキゴンドウの鯨が百頭ないし百五十頭悠々と約三カ月間遊泳をした。スズキをとる漁民の期間と全く重なりまして、地元の漁協の関係者によると三千万円オキゴンドウの被害でとり損なったと、こういうふうなことも新聞に出たわけでございますが、オキゴンドウはイルカの一種でとることを禁止されている鯨ではないということでございますが、本年度の予算書の中にも漁業公害、括弧してイルカの被害対策調査費というのが明記されております。そこで、実際には昨年伊勢湾にあらわれたオキゴンドウについては船べりをたたいて追い出す、出ていってもらうということをさんざんやって、その効果で出ていったのかあるいは気が変わってオキゴンドウの方が勝手に出ていったのか定かではないわけですが、こういうふうなことまで日本はして、いわば国際的な中ではきちっと紳士の約束を果たしているんだということを強調してもらいたい。さらに、国際捕鯨取締条約を見ますとこれはちょっとおかしなことだと思うんですが、資源が確保されたら鯨は捕獲を当然の前提にするというようなことが前文に書かれている条約であるわけで、その点も踏まえるならば、科学的な論拠というのをもう少し、さらに今私が申し上げたようなことも踏まえて会議に臨んでいただきたいということを要望したいと思います。 次に、予定をしておりました質問のうち、重複をしなかった部分でお尋ねをしたいと思います。 広域畜産総合対策というようなことで、随分予算をつけていただいております。その中に家畜の衛生対策として、この説明書によりますと三十九ページに載っておるわけですが、自衛防疫対策を推進するというところに、豚のオーエスキー病について総合的な防疫方式の確立を図ろう、こういうふうなことが書いてございます。 ところで、一昨日の新聞か何かにまたことしは豚のオーエスキー病が蔓延するおそれがある、現にいろいろこれまで、五月二十九日までのデータをもとに新聞にいろいろ書かれております。何か聞くところによるとこれは法定伝染病ではない、いわゆる豚コレラというんですか、そういうものじゃない。さらに人間に害を及ぼす、そういう性格のものでもない。ところがある人に聞きますと、人間でいうとエイズみたいなもので豚も子豚のときにこれが発症するとすぐ死ぬわけではないが、いずれ恐ろしい形で蔓延をしていくというようなことも言われておるというふうなことですが、ことしの蔓延のおそれということに対して今どのように把握をしてみえるかということと、抜本的な防疫計画というものが今まだ難しいかと思われますが、どのようにとらえて対策の手を打ってみえるか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) オーエスキー病の問題でございますが、一つは発生の予防と清浄豚の維持ということで、侵入防止のための定期的な抗体検査の実施ということをやっております。それから、繁殖豚の導入に当たりましても抗体が陰性であるという抗体陰性豚の導入というようなことに努めております。それからもう一つは、早期発見ということでオーエスキー病の発症豚なり疑症豚に加えまして、抗体陽性豚の家畜保健衛生所への通報とか、あるいはそういうような豚の発生農場の飼養豚についての家畜保健衛生所によります病性鑑定なり、関連農場に対します立入検査の実施というようなこと、さらには発生農場等の清浄化というようなことで、発症豚の早期淘汰なり検査によりまして摘発しました抗体陽性豚の隔離等計画的な淘汰の推進、そういうようなことをやっている次第でございます。 それとあわせまして、やはりワクチンの開発も必要であろうというようなこともございまして、現在ワクチンについての実証、実地検証というような形のものも実施しているというようなことで、そういうものの総合的な対策を講ずることによりましてオーエスキー病対策を実施している、こういうことでございます。
○井上哲夫君 この病気のいろいろな治療といいますか、あるいは蔓延の構造もまだ容易につかめていないというふうなことなんでしょうか。 それからもう一つは、新聞の報道だけでございますが、発症豚が出たあるいは抗体を持っている豚が多く出た場合には、全体のその豚舎の子豚をすべて屠殺処理をするのが伝染を防止するための最良の方法であるというふうなことで、それを指導するにもかかわらず、生産農家の方ではなかなか思い切ってそういう最終屠殺処理までは踏み切れない。その中には、せっかく手に入れ育てようとしている豚を全部処理するということが忍びがたいということもあるんでしょうけれども、そういう対処をした場合の、先ほど猪熊委員から補助金の問題が出ましたけれども、そういう対処をした農家に対する助成なり補助なりというものも極めて手薄であるというふうなことからも、思い切った伝染蔓延防止の処置がとられにくいんだというようなことをうかがい知れる記事だったわけですが、その点についてどのようにお考えになっているか、お答え願いたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) オーエスキー病はどういう形で感染するかということにつきましては、呼吸器感染が主な感染経路ということになっております。それで、オーエスキー病は哺乳豚、子豚が感染した場合には死亡率が高い、また妊娠豚においても死流産の発生が見られるということでございますが、成豚というのか、育成されてきた大きな豚につきましては感染いたしましても特に外見上健康だと。ただ、ウイルスを体内に持ち続けるというような性格の伝染病でございまして、人への感染はない、人に対しては無害であるということでございます。 それで、ただいま先生おっしゃいました、全体的に処分するというときには何らかの補償的なものがということでございますが、オーエスキー病の場合にそういう法定伝染病みたいな形の強烈なものではないということで、私ども強制殺処分というようなことは考えておりませんで、自主的にやはり対応すべきものであるというふうに考えておる次第でございます。ただ、普通の肥育豚ですと六カ月ぐらいで出ていくからいいんですが、特に問題になりますのは繁殖豚につきまして、これ長く飼っていると感染源となるおそれがあるということがございますので、抗体陽性の繁殖豚につきましては、淘汰計画に基づきまして、早期に自主的淘汰をするという場合に一定の助成措置を講じてきているということでございます。
○井上哲夫君 ことしは蔓延をする、猛威を振るうかもしれない年であるというようなことに関して、役所の方ではそうでもないというようなことが書かれてありましたが、そういうおそれもあるというぐらいの気持ちで対処をしていただきたいと思います。 きょう、私はいろんな質問を予定しておったんですが、ほとんど前の委員の方の質問で重なり合ってしまいましたので、最後に大臣にお尋ねをして終わりたいと思います。 米の自由化の問題をめぐっては、大変今国内はかたずをのんで静かに見守っていたりあるいは大丈夫だろうかと、大臣は必死になって一生懸命そういう火の粉を払ってやってみえるということでございます。それは私も十分理解しておるつもりですが、新聞その他では、ウルグアイ・ラウンドの最終決着のときにはいろんな形で、外圧と言っていいかどうか知りませんが、そういうふうな形で米の自由化について日本はどうなるんだろうか。 そこで、これは新聞だけを見ましたところ、これから八月中旬のヤイター・アメリカ農務長官の来日までの間にアメリカとECの貿易・農相会談とか、ECの農相理事会、さらにヒューストン・サミットの後でウルグアイ・ラウンドの農業交渉が七月の中旬、下旬には貿易交渉委員会が開かれて、さらに七月の末には五カ国農相会議が予定されているようなこういう新聞の報道に接しまして、今のところ山本大臣としては、これらの予定会議にみずから乗り込んでという、表現はおかしいわけですが、そういう形で関係各国の首脳に日本の立場を主張する、わかってもらう、そういう御予定といいますか腹づもりといいますか、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(山本富雄君) いろいろ御心配をいただきましたり、また御激励を賜りましてありがとうございます。 今海外へ出向くこと、新聞報道でいろいろあるようですけれども、今のところ予定をしておりますのは、七月の末から八月の初めにかけましてアイルランドで五カ国の農相会議というのがございます。これには国会の都合もという前提を置いてあるんですけれども、ほぼ国会も終わる見通しでございますからこれには出たい、こういうことで返事を出してございます。参りましたら、今までも去年の四月あるいは十一月、そういう節目節目に日本としてはきちんとやってきておりますので、十一月にはもう提案をしてありますが、再々言うようですけれども、日本の立場というものも特に米問題、きちんと提案してありますのでそれに従いましてしっかり話をしてこよう、こういうふうに考えております。その他のことについてはまだ予定を立てておりません。
○井上哲夫君 今のお答えを伺いまして、七月の末には十分に頑張ってきていただきたい。とりわけ真夏ですから、体調を崩さないようにして一生懸命やってきてもらいたいということを申し添えまして、質問を終わります。
○喜屋武眞榮君 私は、本論に入ります前に次のことを申し上げておきます。 歴代の農水大臣は、農は国のもととおっしゃっておられます。そのとおりだと思います。ところが事実は、国民の声としては農は国のもとと言われておるけれども、現実は農政はないんだ、いわゆるノー政だ、こういう悪評もなきにしもあらずなんです。それは考えてみると見方はいろいろあるわけですが、敗戦のときの流れの中から国際分業論が主軸をなして今日に至っておる。そこで私は思うんです。国内分業論という見方も一応考えてみたらどうだろうか、こう思うわけなんですが、これに対してはコメントは求めません。ただ、私見として申し上げただけでございます。 次に、質問の第一点は農業の基盤整備、時間の関係もありますので、沖縄の農業問題を中心として五、六問お尋ねいたしたいと思います。 沖縄といえば日本唯一の亜熱帯気候風土の沖縄である、このことは当然であると思います。その亜熱帯農業の沖縄においていかにして高収益を、より多くの収益を上げる作物を導入すべきであるか、またそれがどのようにすれば可能であるか、これは当然農政の立場から考えられるわけであります。ところが沖縄の、すべてなんですが、特に農業発展の面から何といっても水とエネルギーの問題が解決しない限り、これまた沖縄に農業はあり得ない、こう私は思っております。その水を原点とするいわゆるかんがいの問題、このかんがい施設が完備しない限り、これまた絵にかいたもちにしか過ぎない、こう私には思われてなりません。 そこで、農水省の計画といってもいいでしょう、この沖縄の計画が、かんがい施設の整備の重要性と沖縄の特性にかんがみて、かんがい施設の整備率が二次振計の整備目標に対して、早期に本土との格差が解消される農業基盤整備事業費の一層の充実を図らなければいけないでしょう。ところが顧みて、第二次振計、あと一年でもうすぐなわけですが、その目標が五二%と打ち出されておるにもかかわらず今どうなっておるか。一八・七%でしょう。あと一年しかないというのに半分もいっていないというこのことを一体政府はどのように受けとめて、そしてあと一年どのように解決しようとしておられるのであるか、まずこのことを私は尋ねたい。
○国務大臣(山本富雄君) 私から基本的な問題についてお答えをいたしまして、中身につきましては構造改善局長から申し上げたいと思っております。 今先生御指摘のとおり、沖縄の農業、特に農業基盤の整備状況、これは本土に比べておくれておるということを私ども認識しております。したがって、従前から予算の重点的な確保をしてまいった、そして特に水の問題、農業用水源の確保等を中心にいたしまして各種の農業基盤整備事業を推進してきた、こういうことでございます。今御審議をいただいております平成二年度予算、この中でも沖縄の農業基盤整備につきましては重点的に予算確保を図ろうと、こういうふうに考えておりまして、今後とも沖縄の気象的なあるいは地形的なあるいは特殊な歴史的な状況なども勘案しながら、沖縄の農業の基本であります農業基盤整備事業の積極的な推進に努めてまいりたい、こう考えております。 中身につきましては構造改善局長から補足をいたさせます。
○政府委員(片桐久雄君) サトウキビを初めとして畑作の生産性向上を図るためには、やはり何といっても農業用の水源の確保、かんがい排水施設、それから特にまた農道とか圃場整備とか、そういう各種事業を実施することが重要であるというように考えております。平成二年度におきましては、全国の農業基盤整備費の伸び率一〇〇・三%という伸び率でございますけれども、沖縄につきましては前年対比一〇四・三%の伸び率、金額にいたしまして三百二十九億一千九百万円という予算を計上いたしまして重点的な予算確保を図っている次第でございます。 今後ともサトウキビの生産性向上を初めとして、離島地域が多い沖縄の特性を踏まえながら、水資源の開発とか農地の整備、こういう基盤整備事業に積極的に努力してまいりたいと考えております。
○喜屋武眞榮君 私が言いたいのは、予算をある程度増額する、これは当たり前の話である。問題は、本土との比較において一体いつまでたったらその目標を達成することができるかというところに問題があるんですね。事実は何よりの真実ですよ。幾らいいことを言ってみたところで、幾ら予算をどうだこうだと言ってみたところで土の中から生えてくる、立ち上がってくる、このことが沖縄の豊かさにつながるのでありまして私はそのことを強く言いたいんです。 それで、もう一遍聞きますが、政府はこの農業基盤整備事業全般について抜本的な対策を講ずるもう時期に迫られておると私はまた言いたい。こういうことで、農業基盤整備事業全般について抜本的な対策を、今までのイージーゴーイングの考え方じゃなく、本当に抜本的な考え方に切りかえなければいつまでもその格差は続いていくのであって、一体特別措置法ができた理由もどこにあるのかと言いたいんです。そのことについてもう一遍。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、本土の整備率に比べまして沖縄の整備がおくれているということは事実でございます。これは、確かにスタートラインがかなり格差があったということだと思いますけれども、その後いろいろ特別措置がございますし、それからまた、採択基準とか補助率とか、そういういろんなことを工夫しながら事業を進めているわけでございますけれども、整備率につきましても本土との格差が次第に縮まっているというのが実態だと思います。 私どもといたしましても、これをできるだけ早く本土並みの整備率にしたいということで、今後とも補助率とか採択基準とか、そういう面につきましてもいろいろ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 今の御答弁を信じて期待いたしておきます。 次に、沖縄の基幹作目といえば何といってもサトウキビ、さきも触れられましたが、このサトウキビは基幹作目であるがゆえに、国際的にもその国の基幹作目を国の義務と責任において育成するということがこれはもう常識である。そういう立場から顧みてサトウキビに天候の干ばつとかあるいは台風もあるわけですが、作付面積が六十年は二万三千百ヘクタール、平成元年が二万九百ヘクタール、また産糖量も六十年は十八万九千トン、六十二年が十六万四千トンと年々ダウンしておる、これも事実である。こういう伸び悩みにある現状ですね、その生産のダウンの原因とそして今後それをどう盛り返していくか、この見通しについてきちっとした見解を求めたい。
○政府委員(松山光治君) まず、サトウキビの生産動向、その背景にある事情でございますが、今先生御指摘がございましたように、収穫面積で六十年二万三千ヘクタールでございましたものが、元年二万一千ヘクタールということで、やや弱含みの横ばいというふうな感じになっておろうかと思います。これにはやっぱり限られた農地でございますが、沖縄では御案内のように、花でございますとかそういった新しい作物の導入が進んでおりまして、そういう事情が土地利用の面で一つあろうかということと、それからサトウキビ作、これも御案内のとおりかなりきつい労働でございますから、やはり内地同様に、本土同様に進んでおります高齢化の進展といったようなこととも関係がしておろうかと思います。 それで生産量の方は、そういう状況の中で、これも御指摘がございましたが、台風の被害とかあるいは干ばつによって年次変動があるわけでございまして、収穫量としては百四十から百六十万トン程度で推移をいたしておるわけでございます。 これからのサトウキビの生産の見込みでございますが、ことしの一月に御案内の農産物の需要と生産の長期見通しを策定、公表いたしました。ここにおきましては、これは沖縄、鹿児島両県の仕分けはいたしてございませんが、目標年度の、平成十二年度の数字で、面積で両県合わせて三万五千ヘクタール、六十二年度が三万五千ヘクタールでございますから大体横ばいの面積を見通し、生産量につきましては単収の増を織り込みまして、六十二年度二百三十七万トンでございましたけれども、これを二百六十九万トンというふうに意欲的な見通しを行っておるわけでございます。こういう見通しを実現していくためにはいろんな面での支援を必要とするわけでございまして、従来からやっております土地基盤の整備を初めといたしまして、営農機械施設の導入だとかあるいは土壌診断でございますとか、優良品種の開発普及でありますとか、そういったもろもろの対策を進め、何よりもやはり生産性の向上、品質の改善に努めまして沖縄農業の基幹作物でございますサトウキビの振興に努めていきたい、こういうのが私どもの考え方でございます。
○喜屋武眞榮君 今の問題に触れてさらに要望しておきたいことは、あなたは今量と質の面を強調されましたが、もう一つ大事なことがあることを私は指摘いたします。 いわゆるサトウキビの品質取引移行については、昨年の価格交渉の際に平成六年産から導入することが決まったが、かつて琉球政府時代に品質取引制が採用されていた関係で、本制度の問題点もおのずから明らかになっておるわけです。例えばサトウキビの品種だが、糖度の高い時期に収穫するためには工場の処理能力の関係から、早熟のキビ、中熟のキビ、晩熟のキビ、こういった品種の配慮、これは施設設備との関連においてこういうことまで結びつけて考えてもらわないというと本当の実績は上がらないと私は思うんです。そうして、糖度の測定方法、サンプルのとり方にしましても品質取引の基準をどこに置くか。例えば、ブリックスを一般的には十九度でということになっておるがそれでいいのであるか。こういった、もっと一歩踏み込んだ、本当に沖縄の実情に即する、そして質量ともに一〇〇%成果を上げていく、こういった基本的な考え方に立ってみた場合に、私の今申し上げたこれに対して政府の見解、どう思いますか。
○政府委員(松山光治君) 私の方からとりあえず品種構成の問題についてお答え申し上げたいと思うんですが、委員から御指摘がございましたように、この品種取引を導入するまでの間に品種構成を適正化し、対応できるような状況をつくっていくということは非常に重要な点だというふうに考えておるわけでございます。品種開発自体、これはまた別途技術会議等からお答えいただけると思いますが、近年奨励品種に指定されました優良品種が既に幾つもあるわけでございまして、特に早熟系の品種を主体に、そういうものの早期普及を図っていくということが非常に重要な点だということを考えてございます。 そうなってまいりますと、優良種苗の供給を的確に行っていくということが生産当局としての私どもにとっての非常に重要な課題である、このように考えておりまして、国の種苗管理センター、これは鹿児島と沖縄の両農場にあるわけでございますが、そこの原原種の供給体制の整備、それから現地で、原種圃というのを県段階で増殖する、それを市町村に委託して行うという形をとっておるわけでございます。その原種圃の拡充整備につきましても、今御審議いただいております平成二年度予算で予算の拡充を要求しておる、こういう状況でございまして、現地ともよく相談しながら品種構成の適正化の問題に取り組んでいきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(西尾敏彦君) サトウキビの品種についてお答えをいたしたいというように思います。 先生御指摘のように、現在沖縄の品種はNCO310という品種が大部分でございます。この品種は、確かに糖分取引になりますと糖度が低いということで、大変問題がある品種でございます。そこで私ども、サトウキビの品種の中では高糖性、これはブリックスが大体二〇を超えるような品種をつくりたいというふうに考えております。さらにまた早熟性ということで、先ほど先生からお話がありましたように、年内に工場の操業ができるような早熟性の品種、さらに黒穂病その他の耐病性の品種、さらにまたいろいろな機械適応性、多収性というような品種の育成を目指しまして、九州農業試験場と沖縄県農業試験場が品種の開発を進めているところであります。そこでそういう結果、最近では高糖性でありまして黒穂病にも強い、かつ早熟で多収であるということでNiFの4という品種が開発されておりますし、さらに普及に移されてまいっておりますけれども、さらにそれに加えまして本年度中には新たに融合品種、一ないし二系統が出てまいるという予定でございますので、しばらくお待ちをいただきたいというふうに思います。
○政府委員(鷲野宏君) 糖度の測定方法等についてお答え申し上げます。 この懸案であった品質取引につきましては、御指摘のように平成六年に向けまして国、県、それから生産者団体、農業者一体となった協議会を国の段階と県段階につくりまして協議を進めておりまして、その中に先生御指摘になったような項目も含まれているわけでございます。 それで、糖度の測定方法につきましても関係者に理解が得られるよう、適切に決定をしてまいりたいというふうに考えておりますが、その際の糖度の測定方法に関しましては、公平で合理的に測定できること、それから短時間で正確に測定できること、低コストであることということに留意をいたしまして現在検討中でございます。それから糖分の測定の手法でございますが、ただいまのところでは近赤外線分析法というものが発達しておりまして、これを使用するのが適当じゃないか。それから、サンプリングにつきましてはコアサンプラーという機械ができ上がっておりますので、これを使ってやっていってはどうか、そういったような点に力点を置いて検討中でございます。 それから、糖分の取引基準の問題でございますが、これも品質調査等を十分実施いたしまして、その結果を踏まえまして、ただいまの協議会で十分検討の上適正に決定をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 失礼な言い分かもしれませんが、どうかひとつ単なるペーパープランじゃなく、実の上がるように、これが私が心から期待したいところなんです。 ところで、サトウキビ、パインが基幹作目という一辺倒から沖縄の狭い土地をいかに高度に利用するかという、農業の多様化の方向に今いろいろの点から検討されつつありますが、その次、沖縄の野菜についてお尋ねします。 沖縄における野菜生産は、我が国唯一の亜熱帯地域という気象条件を生かして冬春期を中心に生産され、この時期における本土大消費地向けの野菜供給基地として定着しつつある。東京、大阪、その他もありますが、本土大消費地向けといいますのは大阪、東京を中心としております。しかし近年、本土において栽培の施設化あるいは省エネルギー化が進展しておって、野菜供給の周年化あるいは低コスト化が図られており、沖縄は輸送コストにおいて不利な条件にあります。冬春期の、言葉は端境期とも申しますが、野菜生産における沖縄の有利性が薄れるおそれが出つつあるわけであります。 そこで、沖縄における野菜生産の現状及び今後の見通し、特に生産性の向上と夏秋の時期における野菜の確保に向けての対策の実施状況について承りたいんです。
○政府委員(鷲野宏君) 沖縄県における野菜の作付面積は、大体四千ヘクタール台で推移をしておりまして、具体的な品目としましては、カボチャとかサヤインゲン、キャベツ、ニガウリ等が多うございます。先生御指摘のように、冬春期における温暖な気象条件を生かしまして、他府県の端境期をねらって露地野菜あるいは施設野菜の生産が行われているわけでございます。 今後ともこういった有利な条件を生かす方向で生産を伸ばしていくべきだと考えておりまして、対策といたしましては、販売上できるだけ有利な作物を選定してその導入を図っていくということが一つ。それから、先ほどもお話ございました土地基盤の整備を一層進めていくということが二つ。それからあとは、共同栽培の施設とか高性能の栽培管理用機械等の生産管理機械施設の整備を図っていくというのが三つ。それから予冷施設等の集出荷施設の整備を図っていくことが四つ目。こういったような対策を十分これからも推進してまいりたいと考えております。 それで、こういったことで沖縄の野菜生産の特徴というのは冬春期に力点が置かれておりますが、夏秋期というのはこれはもう先生が十分御存じのとおり、どうしても高温でしかも台風が常襲するというふうな悪条件にあるものでございますから、この期間における生産が落ち込むというやむを得ない事情があるわけでございます。しかし、沖縄の夏秋期におきましても従来からニガウリ、トウガン等、地域の条件に適した特産的な野菜の生産が行われておりますので、今後ともこういった野菜の振興に努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 恵まれた太陽エネルギーをいかに生かしていくか、マッチさせるかという、ここに基本的な姿勢があるわけです。 次に、沖縄の花卉生産について尋ねたいんですが、沖縄では全国の伸びをさらに上回る勢いで今花卉の生産拡大が続いております。昭和五十一年から六十三年度の十二年間に作付面積が七倍に広がった、生産額で十八倍に発展した、こういうすばらしいと言えばちょっとオーバーかもしれませんが、とにかく大変な勢いで発展しつつある。これは全国的にも上位の方にランクされております。沖縄が亜熱帯気候であり、冬春季に暖かいことなど自然条件が花卉の栽培に適しておるためであることはもちろんでありますが、沖縄県ではこのすぐれた自然条件を十分に生かすことのできる花卉部門を大切に育成していく方針を、機会あるごとに関係者並びに関心を持つ人々にも呼びかけておるわけであります。 そこで、沖縄県農業において花卉部門がこれほど急速に伸びたのは、全国的な花卉の消費、需要の増大を背景としておる。幾ら現地でつくりましても需給の関係がなければ、また豊作貧乏という言葉もありますが、幸いに沖縄でこのように張り切ってつくったものに対して、自然条件を活用してできたものに国や県も援助してくれておる。これは皆さんのおかげであるとお礼を申し上げると同時に、百尺竿頭一歩を進めまして、さらにこの勢いで農家の生産意欲がますます高くなっていく今日でありますので、政府もこの振興対策をさらに拡充してほしいと心から切望するものでありますが、いかがでしょうか。
○委員長(仲川幸男君) 時間も来ておりますので簡潔にしてください。
○政府委員(松山光治君) 委員御指摘のように、全国的な花の需要の増大ということを背景にして沖縄で大変花の栽培が伸びております。私ども、やはり沖縄の立地条件を生かした花の産地の育成を図るという観点から、従来もいろんな面でのお手伝いをしておりますが、今後とも現地の実情をよく聞きながらお手伝いをしていきたい、このように考えております。
○星野朋市君 私は、本年一月に閣議決定されました農産物の需要と生産の長期見通しの点についてお伺いをしたいと思います。 これはたしか第五回目に当たると思うんですが、特に今回につきましては、 生産の見通しについては、需要の見通しを踏まえ、生産性向上と食料供給力の確保を基本として、近年の生産動向、今後の農業労働力や技術革新等の生産条件の変化、輸入農産物との競合関係、土地利用のあり方等を総合的に勘案して作成されたものである。したがって、生産見通しは単なる生産予測とは異なり、我が国農業がその持てる力を最大限発揮することによって実現可能な姿を意欲的に示したものである。 という、これは計量経済学をお使いになって策定されたものだと思いますけれども、これは二〇〇〇年までの需要生産見通しが策定されているわけです。 農水省におきましては、この見通しにつきましてどういうふうな受けとめ方をされておられるか、またこの見通しに基づいてどんな施策をとられようとしているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今委員御指摘のとおりの基本的な考えに基づきまして、需要と生産の見通しを策定しまして閣議で決定していただいたわけでございます。今御指摘のように、今後の技術革新の動向を見込むあるいは輸入品との競合関係を総合的に勘案して作成する、さらには土地生産力その他、我が国農業の持てる力の発揮による実現可能な方向を示すという基本的な方向に沿って策定したわけでございます。 具体的な若干品目に沿って申し上げますと、米につきましては従来から申し上げていますように、自給を基本とするということでございますけれども、さらに食糧需要以外に、先ほど来問題になっています他用途利用米等の加工用需要につきまして、現在やっております以外に、特に低廉な加工用米が供給される場合の需要量を推計しまして、それをも供給していく、あるいは単収につきましては過去の動向を踏まえて推計いたしたわけでございます。 それから、小麦、大豆等につきましては、加工用適性ということから、小麦につきましては製めん適性、日本めん用について供給を進めていく。大豆等につきましては、伝統的な食品でありますみそとかあるいは納豆、豆腐というようなものについて極力国内生産で供給するということから、品質の改善でありますとか、生産性の向上によるコストのかなりの大幅なダウンというようなものも見込みまして、さらに産地の立地その他考えながら生産力を伸ばしていくという考えで策定いたしたわけでございます。 それから野菜、果実等につきましても、日本が南北に長く極めて変化に富んだ気象条件を有していますし、また高度差もあるというようなことから、多彩な野菜生産、果実につきましても多品目の生産ができるわけでございまして、ミカン等過剰なものもございますけれども、それは除きましてできるだけ国内で品質を改善しながら供給していく。 さらにまた牛乳・乳製品、牛肉等につきましても、牛肉と米との関係がいつも問題になるわけでございますが、牛肉がふえ米が減るというような傾向自身は将来も続くと見込まざるを得ないわけでございますけれども、その関係が従来よりはなだらかになるのではないかということを見込みまして、草地の生産力その他を極力活用するということで見込んだわけでございます。 私ども、こういうふうな線に沿いまして、基盤整備でありますとかあるいは技術革新でありますとか、あるいは生産流通施設の整備等を引き続き進めながら、こういう見通しに向けてそれが達成できるように政策を展開していくということにいたしておるわけでございます。
○星野朋市君 農政審議会から長期見通しが出たわけですけれども、その前段に、「この長期見通しの数値については、以上の考え方」というのは、実は需要の動向、国内産の需要拡大、技術の開発、普及、生産性向上もしくは品質改善、こういうことなんですが、 以上の考え方を十分考慮し、相当の幅をもって解釈されるべき性格のものである。 また、今後の農業を取り巻く内外情勢は流動的な状況も予想されるので、この長期見通しと実績の推移を適時検討し、弾力的に見直すこととする。 というコメントがございます。 実は、私も調べてみまして、昭和五十五年に策定された一九八〇年代の見通しの中で、大方はそのとおり推移いたしましたけれども、全部が全部そのとおりということを非難するわけじゃないんです。若干、生糸であるとかそれから飼料用穀物であるとか、そういう違いがございまして、ただ一番残念であったのはミカンの生産見通しの実績との乖離ですね。これは昭和六十五年度、今年度については三百五十四万トンという予測に対しまして実際は六十三年度で百九十九万トンと。こういうことによってミカン栽培農家は非常に混乱をし、また大幅な助成策がとられたわけです。少なくとも今は、むしろ需要の方が非常に速いサイクルで変わっていると思うんですが、こういうことに関しまして「適時検討し、弾力的に見直すこととする。」ということで、どうしても最初に作成された数字というのがひとり歩きをしてしまうと思うんですが、これはどういう形で見直しをし、また少なくとも五年後ぐらいには、もし改定するべき数字があったらそういうふうに直すべきだと思いますが、いかがでございましょう。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 実は、もう御承知のように、この見通しは農業基本法の八条によって策定いたしておるものでございます。その二項には、「政府は、需給事情その他の経済事情の変動により必要があるときは、前項の長期見通しを改定するものとする。」とされていまして、その趣旨を今回見通し作成の際の前段の方に、もう一度別掲して掲げたわけでございます。 御指摘のように、前回の昭和六十五年度を目標とします長期見通しにおきまして、ミカン等一部の品目に、実績との間に乖離が生じたのは事実でございます。御指摘のように、やっぱり最近の消費形態が少量多品目消費といいますか、それから品質とか味とか鮮度とか、そういうものでかなり食の個別化とかいろんな要素が入っています。また、日本の場合には、欧米諸国と違いまして食生活の変化が、例えばでん粉食品から動物性たんぱく質食品への切りかえが、かつて他国に見られないようなスピードで展開しているというふうなことで、残念ながらそういうこともあってミカン等一部品目について乖離が生じたわけでございますけれども、米を初め大方の品目は、需要、生産とも何とか見通しの線に沿って推移してきたということで、内部でいろいろ議論はしたんですけれども、結局目標年次が近づき、新しい見通しを策定するということで改定に至らなかったわけでございます。 ただ、ミカンにつきましては、この農業基本法に基づきます長期見通しのほかに、果樹農業振興特別措置法によります振興の基本方針というのがございまして、そういう点でも下方修正をして新しい指針をつくったというようなこともあるわけです。言いわけになりませんけれども、今後とも経済の推移といいますか、食生活の推移とかそういうのを見ながら検討いたしていく必要があろうかというように考えております。
○星野朋市君 最後に、今御当局からも答弁がございましたけれども、やはり農業の活性化の一つに技術革新があると思うんです。これは、民間企業でも技術革新が非常に著しい会社、新技術がどんどん出てくる会社、これは非常に活性化されておるわけで、農業においても、今喜屋武先生からお話ございましたけれども、花卉類については同様なことが言えると思うんです。これは仲川委員長のもとでも、アンコールという新しいミカンですか、ああいうおいしいミカンが出てくると、その地域は非常に活性化されるというようなことで、花卉それから果実というのは成果が早く見られるから、そういう特殊な面もございますけれども、やはり長期的な面で農業の技術革新というのは非常に大事なことだと思っております。 それで、この長期見通しに関連して、二〇〇〇年までの我が国で実現可能な新技術、そういうものが幾つかありましたら御紹介願えればありがたいと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(西尾敏彦君) 先生御指摘のように、二十一世紀に向けまして農業食品産業の生産性の飛躍的な向上を図るためには、技術革新が大変重要であると私ども自覚をしておるところでありまして、この一月に、農林水産省が農林水産研究の指針となる「農林水産研究基本目標」というのを制定いたしました。この目標に従いまして、農林水産省はもちろんでありますけれども、公立研究機関、さらに大学、民間等でも研究を推進していただきたいというふうに考えているところであります。そこで、二〇〇〇年を目途として実用化あるいは普及が見込まれる技術の幾つかをお話ししておきたいと思います。 まず水稲でございますけれども、稲でございます。稲は最近遺伝子の解析というのが大変重視されてまいっております。稲には大体五万から十万の遺伝子がある、こういうふうに言われておりまして、そのうちの千程度が現在、大体どのあたりにあるというのがわかっているという現状でございます。これをさらに遺伝子の解析を進めますと画期的な耐病性の品種でありますいろいろな、いもち病でありますとかその他の虫でありますとか、そういうものに強い耐病、耐虫性の品種の育成、さらにまた環境ストレス耐性の強い品種、さらにまた、例えば窒素の固定能力を持つような稲、そういうようなものが開発できるのではないかというふうに考えております。 次に、畑作物でございますけれども、大豆を例に挙げます。大豆は青臭さというのが大変問題になるわけでありまして、例えば豆乳などを飲んでいただきますと、あの青臭さのゆえに豆乳というのは普及しないということがあるわけです。あの青臭さのもとはリポキシゲナーゼという酵素でございますが、これをなくすことによりまして青臭さのない大豆というのができるのではないかというふうに思われるわけでありまして、リポキシゲナーゼ欠、リポキシゲナーゼのない品種の開発というのを進めているところであります。 次に、野菜について申し上げますと、最近いろいろな野菜の苗をバイテクの手法を利用しまして大量につくる、つまり植物工場でバイテク苗をつくるというような技術の研究が進んでいて、例えば接ぎ木ロボットを使いまして多量のバイテク苗を野菜工場のような育苗ガラス室でつくる、そういう研究が進んでいるところであります。 次に、畜産を例に挙げたいと思いますけれども、畜産については、前回も申し上げましたけれども、最近屠殺場ですね、屠場で、既に解体をいたしました牛の卵巣を取り出しまして、その卵巣から卵を取り出し、その卵を、言うなれば試験管ベビーでございますけれども体外受精をさせる、そしてまたおなかに入れてやるというような技術が普及しかかっておりますけれども、これをさらに発展をさせますと、一つの卵から人工的に双子をつくる、四つ子をつくるというような技術も開発されるという見通しがだんだんできてきております。 最後に、食品でございますが、食品については御存じのように、最近は健全性でありますとか安全性であるということに対する期待が大きいわけであります。もう既に一部できておりますけれども、ノンカロリー、エネルギーの少ない糖分、糖類、砂糖のたぐいというものの開発が進んでおりますけれども、そういったたぐいの安全性、健全性の食品の開発を進めてまいりたいというふうに思っております。 大体幾つかの例を挙げましたけれども、今後ともバイオテクノロジーでありますとかエレクトロニクスを利用いたしまして、新しい技術の開発に努めてまいりたいというふうに考えております。
○星野朋市君 ありがとうございました。 きょうは非常に長時間審議いたしましたので、これをもって質問を終了さしていただきます。
○委員長(仲川幸男君) 以上をもって平成二年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫についての委嘱審査を終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 市民農園整備促進法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
○国務大臣(山本富雄君) 市民農園整備促進法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 市民農園は、都市の住民等が小区画の農地を利用して野菜や花の栽培を通じ、農作業による健康づくりや新鮮な農作物の確保、高齢者の生きがいづくり、児童の教育等の要請にこたえるものであり、近年、その数及び面積は、大幅に増加しております。 市民農園は、農業政策の観点からは、農地のままで都市の住民等のニーズにこたえた利用を行うことができ、農地の有効利用に資すること、農業者以外の人々の農業に対する理解が深まること、さらに、農村地域においては、都市と農村との交流による地域の活性化に資すること等の意義を有しております。また、都市政策の観点からは、都市の住民のレクリエーション需要の充足に資するものであるとともに、公害や災害の防止、景観の向上等の機能を有し、良好な都市環境の形成に資するものであります。 このように、市民農園は、農業政策上及び都市政策上重要な意義を有しておりますので、農地のほか、農機具収納施設、休憩施設等も含めた市民農園全体を対象として、農業及び都市計画との調整を図りつつ、優良な市民農園の整備の促進を図る必要があります。 このため、本法案は、市民農園の適正かつ円滑な整備を促進するための措置を講ずることにより、健康的でゆとりのある国民生活の確保を図るとともに、良好な都市環境の形成と農村地域の振興に資することを目的とするものであります。 次に、この法案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、都道府県知事は、市民農園の適正かつ円滑な整備を図ることが必要と認めるときは、市民農園の整備に関する基本方針を定めるものとしております。 第二に、市町村は、市民農園として利用することが適当と認められること等の要件に該当する区域を市民農園区域として指定することができることとしております。 第三に、市町村は、市民農園区域内の土地を含む一定の土地に関し交換分合を行うことができることとしております。 第四に、市民農園区域内または市街化区域内において市民農園を開設しようとする者は、市民農園の整備運営計画を定め、当該市民農園の開設が適当である旨の市町村の認定を受けることができることとしております。 認定を受けた市民農園については、農地の貸し付け及び転用についての農地法の特例措置を講ずるとともに、一定の市民農園施設の整備のための開発行為について都市計画法の特例措置を講ずることとしております。 以上がこの法案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(仲川幸男君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会