農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 281 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1990/04/24
会議録
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○細谷昭雄君 法案の質疑に入る前に、大臣に対しまして当面の緊急な課題について若干質問したいと思います。 それは包括貿易法、すなわちスーパー三〇一条によるところの日米交渉というものが、米国の通商代表部のウィリアムス次席代表が来日いたしまして、そうしてきのうの二十三日から日米交渉が再開された、こんなふうに報道されておりました。私は百十六国会、昨年の十一月二十一日に、鹿野前大臣に対しましてこの三〇一条の木材関係の問題につきまして質問したわけでございます。 と申しますのは、御案内のとおり米国は三つの点、スーパーコンピューター、人工衛星、そして木材問題、この三つの貿易的な開放を求める、特に木材につきましては、主として関税を引き下げるという要求をしてまいったわけでありますが、当時は林野庁並びに大臣のお話では、我々としては木材関係につきましては不公正とは思わない、したがってそういうふうなことに応ずる考えもないしというふうに言明されておったわけであります。ところがあれから約半年、状況は非常に変化をしておるという点と、きのうの報道によりますと、アメリカは日米構造協議の成果を壊したくないという観点から、今回はどうしてもその代替行為として、いわば木材については譲歩を求める、こういうふうな強い姿勢で臨んでいると言われております。そういう観点で考えますと、海部内閣のこの木材関係におけるスーパー三〇一条の受け入れについて、ないしは農林水産省の態度についてかなり変化したのではないかというふうに私は危惧しているわけでございます。 そういう点で、あえてこれは、総理大臣おられないわけでありますけれども、内閣の国務大臣としての山本大臣、そして農林水産省、特に林野庁を預かっておる所管大臣として、この前の十一月段階の決意と変わらないのかどうか、このことをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 結論から先に申し上げますが、今先生御指摘の鹿野前大臣もしっかり答弁をされておるようでございます。その後第二次海部内閣、すなわち私が農林水産大臣に就任をいたしまして約二カ月になりますが、何の変更もございません。従来どおりの方針でこの木材交渉についても現在臨んでおるということを申し上げたいと思います。
○細谷昭雄君 大変力強い御所信を承りました。ぜひそうあってほしいと思います。何といいましても木材ないしはこの農林業関係に所属する問題につきましては、やっぱりこれは国益というのが優先されるべきだというふうに思っております。我々も、応援団の一員としましてぜひひとつ今の所信を貫いていただきたい、こういうように強く要請をいたしたいと思います。 次に、法案に入りたいと思います。農業者年金の制度ができてから二十年という歳月をけみしておるわけでありますが、まず、その政策効果について大臣の所信を承ってまいりたいと思うわけでございます。 これは申すまでもなく二つの面を持っています。一つはいわゆる構造政策上の中核農家をつくる、ないしは土地の流動化、耕地の流動化、これを促すという後継者の問題、もう一つは、いわゆる雇用されておらない農民に対しまして厚生年金並みの老後を保障するという二つの面があるわけでありますが、この政策効果についてどうお考えなのか、まず最初にこれをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 今お話しのとおり、昭和四十六年に創設をされましてから十九年、約二十年を経過するわけでございます。さまざまな経過がございましたが、これも結論から申し上げますと、時代の変遷はございましたけれども、それなりに日本の農村、農家を守っていくために大きな役割を本年金制度は果たしてきたのではないか、こういうふうに私は認識をしております。すなわち、今先生御指摘の老後保障の問題、そして経営移譲を通じまして構造改善に資する、こういう両面をにらみながらこれを進めてきたというところでございます。数字から見ますと経営移譲の九割は後継者に対する移譲でありますけれども、現在まで約百三万ヘクタールの経営農地がこれによって譲り渡されて、農地の細分化が防止をされているということは数字的にも明らかだというふうに思っております。また、これに関連しまして、第三者移譲の問題でございますが、これは現在までに約七万ヘクタールが経営移譲されまして、いわゆる中核農家をつくり上げるための規模拡大に非常に効果があったというふうに考えております。 なお、後ほどまたいろいろ御質問で触れられると思いますけれども、農村の人口が減りつつある中で高齢化は急速に進んでおる、逆に言えば長寿化も進んでおる。そして、その方々がさらに働く意欲を持っていただくように、先輩と若い者とのバランスを考えながら本年金の運用を今後図ってまいりたい、今度は、そのための改正でもあるというふうに認識をしておるところでございます。
○細谷昭雄君 次に、今回の改正の大きな柱があると思うわけでございます。今回の改正の主眼点、これは何なのかということを最初にお聞きしたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正の眼目を説明する前に、今回の改正に至った背景というものにつきまして簡単に説明させていただきます。 まず、農村における高齢化の進行等の状況のもとで、本年金の受給権者数が増加してまいりまして、また一方被保険者数が減少する。このままで推移しますと、数年内に年金資産が枯渇するというような本年金の財政の現状は非常に厳しいものとなっているということがございます。 それから二番目は、先ほど大臣からも御説明がありましたけれども、農村の高齢化が進んでいるということでございまして、六十歳を超えても心身ともに壮健な農業者がふえているということを踏まえまして、現行のように六十歳時での経営移譲を画一的に誘導するのではなく、個々の農業者の選択により、六十五歳前までの間で適期の経営移譲を促進するということが必要になっているのではなかろうか。 それから第三番目には、農業構造の改善の一層の促進が農政上の重要な課題になっている。そういう中で、構造改善の推進に一定の役割を果たしてきましたこの年金についても、その政策効果を一層高めることが求められているというふうに考えております。 このような状況を踏まえまして、今回三つの眼目がこの制度改正においてあるわけでございます。一つは、まず何といっても年金財政基盤の長期安定を図るという点でございますし、二つ目は農村の高齢化の進行に対応した給付体系の変更、それによりまして適期の経営移譲の推進と老後保障の安定ということでございます。三つ目といたしましては、経営移譲を通じた営農意欲の高い農業者の規模拡大の一層の促進を図りたいという、この三つが眼目でございます。
○細谷昭雄君 ただいま、この眼目につきましてお話がございましたので、私は、この三つの眼目についてそれぞれ順を追って若干の質問をしたいと思います。 まず第一に、年金の財政基盤の長期安定の問題でございますが、この成熟度につきまして現状と見通しはどうなのか。例えば、平成二十七年でバランスが回復するというふうに言われておりますけれども、この根拠を示していただきたいというふうに思います。
○政府委員(片桐久雄君) 加入者、受給権者の現状と今後の見通しでございますけれども、まず平成元年度末の加入者数は六十二万六千人、それから受給権者は六十四万六千人ということで、加入者と受給権者のバランスが逆転をしているという状況になっているわけでございます。 今後の長期的な状況を、一定の前提を置きまして見通しをいたしますと、加入者の見通しでございますが、平成七年度末には四十六万人、それから平成十二年度末、紀元二〇〇〇年でございますが四十万人、それから五年ごとにいきまして平成十七年度末には三十八万人、二十二年度末には三十五万人、二十七年度末には三十四万人というふうに見通しているわけでございます。一方、受給権者の方は、平成七年度末には七十五万人、それから十二年度末には七十万人、十七年度末には五十九万人、二十二年度末には四十五万人、二十七年度末には三十五万人ということで、ほぼ受給権者と加入者の数が均衡するのではないかというふうに見通している次第でございます。 こういう見通しの前提といたしまして、今後とも毎年一定の新規加入者が見込まれるということ、それからまた、平成十二年ごろからは受給権者の減少のテンポの方が加入者の減少テンポよりも大きいということから、平成二十七年にはほぼ加入者と受給権者が均衡を取り戻し、その十年後、平成三十七年ごろには三十二万人の加入者で二十二万人の受給権者を支えるというような、普通の状態になるというふうに見込んでいる次第でございます。
○細谷昭雄君 もしも今回改正をしなかった場合、原資が現在五千億あるわけでありますけれども、このまま運用するとすれば、財政的にはどういうふうな見通しになるというふうにお考えですか。
○政府委員(片桐久雄君) 現行体系をそのまま維持した場合には、年金財政の単年度収支の赤字が続きまして、年金資産を食いつぶして年々減少していく、平成七年度ごろには積立金が枯渇するのではないかというふうに見込まれます。
○細谷昭雄君 農業規模拡大という政策誘導の立場が非常に強調されておりまして、農民のやはり厚生年金並み老後保障という面が軽視されてきたのではないかというふうに私たちは思うわけでございますので、そこら辺は何といいますか、先ほど大臣はバランスを十分考えてはきたというふうにおっしゃるんですけれども、どうも政策誘導の面が強かったのじゃないかな、こんなふうに思うんです。その点はいかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 先ほど大臣からも説明がありましたように、この年金の目的は二つございまして、農業者の老後保障ということと、それから構造改善を一層促進するという面があるわけでございます。したがいまして、農家の老後保障という点にもいろいろ重点を置いて考えている次第でございます。今回の改正におきましても、農業者老齢年金の水準につきましては、特に若年とか壮年の年齢層を中心にかなりの改善措置を講じたつもりでございます。
○細谷昭雄君 何といいますか、長期の財政の安定という点では、政府ばかりでなくて、当然被保険者ないしは受給者、基金というふうにそれぞれ痛み分けをしなければなかなか長期安定はできないというふうな点はわかるわけでありますけれども、そういう意味では、いわゆる被保険者が支払うところの保険料、この保険料につきまして、今回八百円を上げていくという計画でございます。この八百円というのは、当初千円というふうな案で研究会等では提起されておったのじゃないかなと私たちもそういうふうに聞いておりますし、これは今の農家経済の状況からすれば、千円というのは高いんじゃないか、こんなことで、千円ではこれはもう少し下げるべきじゃないかというふうな意見を私たちは持っておったわけです。何といいますか、各現場の意向等もございまして、国会、現場それぞれの意向もございまして八百円になったのじゃないかなというふうに私は思っておるんですけれども、そういうふうないろんな掛金の、いわゆる保険金の策定についてのいわばいろいろな経緯があると思うんです。もし、率直にお話しいただければ私たち伺いたいというふうに思っているわけです。
○政府委員(片桐久雄君) 先ほど説明したように、この年金財政の安定を図るための方策といたしまして、加入者それからまた受給権者、国、この三者が一体となって財政基盤の安定を図るということをいろいろ検討したわけでございます。 その中で加入者の保険料につきましても、できる限り加入者の負担能力というものも考えながら、しかしこういう厳しい財政事情を考えますと、負担能力限界ぎりぎりまで負担していただくということも検討せざるを得なかったわけでございます。当初私どもは、その限界ということで一年千円ずつ、五年間で五千円ぐらい上げることが可能なのではなかろうかという観点で、いろいろ検討いたしたわけでございますけれども、詳細、農家の所得と保険料の関係、それからまた厚生年金加入者の保険料負担の状況、こういうものを総合的に勘案いたしまして、厚生年金の場合の加入者負担の割合と、それからまた農家の場合の農業者年金の保険料及び国民年金の保険料、これを合算した負担の割合、こういうものを総合的に勘案いたしまして、平成四年の保険料を一万二千八百円といたしまして、その後毎年八百円ずつ段階的に引き上げる、平成八年には一万六千円という保険料を設定させていただいたわけでございます。 この保険料の八百円という引き上げにつきましては、前回の再計算のときも毎年八百円ずつという引き上げの幅でありました。引き上げの幅としては同額でございますけれども、前回の八百円というのは、現在の価格で申し上げますと八百六十円ぐらいに相当するわけでございまして、実質的には前回の引き上げよりも縮小されているというふうに考えている次第でございます。
○細谷昭雄君 その努力は私たちも十分わかるわけでありますけれども、八百円といえども現在の農家経済からしますとかなりの高額負担であろうと思うんです。 そこで、お聞きしたいんですが、年金受給者の標準と言われております二ヘクタールの耕作農家、五十歳の農民が、奥さんを含んで国民年金プラス基金、農年、それから加算も含めましてですけれども、奥さんも含めてこの保険料は平成四年になりますと月額どのくらいになるんですか。
○政府委員(片桐久雄君) 平成四年度の保険料月額について、物価上昇率二%ということで仮定をいたしまして計算いたしますと、まず夫の農業者年金の保険料が月額一万三千五十円ということになります。それからまた、夫の国民年金の保険料でございますけれども、これは付加年金分四百円というものも含めまして一万円でございます。それから、妻の国民年金の保険料が九千六百円ということで、合計いたしまして三万二千六百五十円ということになるわけでございます。 二ヘクタール規模の農業者年金加入農家の平成四年度の農家所得、これをどう見るかといういろいろ見方があるわけでございますけれども、私ども、中核農家の六十三年度実績に基づきまして、この農家所得が年率四%で伸びるというふうに推計いたしますと六百七十四万二千円、これは年収でございますけれども、六百七十四万二千円。これをいわゆる厚生年金の標準報酬月額を出す方式で十五・六カ月、ボーナス分を一応引くという形で月額を出すわけですけれども、十五・六カ月で割りますと、月額にして四十三万二千円というふうになるわけでございます。したがいまして、この四十三万二千円で先ほどの三万二千六百五十円、これを割りますと七・六%ぐらいの負担率になるわけでございます。 これは、厚生年金の本人負担分保険料率、これが平成四年では七・二五%というふうに見込まれておりますけれども、ほぼ同程度ではなかろうか、この程度の負担は可能ではないかというふうに考えている次第でございます。
○細谷昭雄君 計算上はよくわかりました。ただ実態からしますと、この二ヘクタール以下の農年被保険者というのがかなりたくさんおりますので、その分のところの配慮というのが非常に心配だというふうに推定されるわけであります。 続いて、農年の未加入者の問題でございますが、農年の未加入者は昭和六十年度当時、当局の答弁では二一%と言っております。これは、私が衆議院で聞いたときの数字でありますけれども、現在それがどういうふうになっておるか。そして二ヘクタール農家では、今の三万二千六百五十円ですね、これは大体妥当だという数字でございますが、さっき言いましたように、二ヘクタール以下の皆さん方がかなりおりますので、私は未加入者がもっともっとふえるのじゃないかな、こんなふうな心配を持っているわけですけれども、そこら辺の見通しはどうでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業者年金の未加入者の状況でございますけれども、昭和五十五年度末で二十九万四千人という数でありましたが、六十年度末では約二十万五千人、ごく最近の数字で、六十三年度末で約十六万人というふうになっているわけでございます。この六十三年度末の十六万人の内訳でございますけれども、当然加入者、いわゆる農業経営主でございますが、これが約五万一千人、加入率で申しますと八九・二%の加入率というふうになっております。それからまた任意加入者、これは農業後継者が大部分でございますけれども、約十万九千人ということで、加入率で言いますと七〇・二%、こういう状況でございます。また、未加入者の年齢分布を見ますと、三十五歳未満、比較的若い方々が五五%を占めているわけでございます。 この未加入者の未加入理由といたしましては、保険料が高いという理由を挙げている者がかなりいることも承知いたしております。このため今回の改正では、通常保険料のほぼ三割引きの特定保険料の要件、現在は三十五歳未満で農業に常時従事している後継者であって、親の経営面積が一定規模以上である者というふうに限定されているわけでございますけれども、この三割引きの保険料の適用の要件を三十五歳未満の者すべてに適用するというふうに改めまして、農業後継者とか農業経営主のいかんを問わず適用の拡大をすることといたした次第でございます。 また、今回の改正で、農業と他産業との間の労働力の流動性というのが非常に高まっているということに着目いたしまして、本年金、農業者年金に一たん加入した者がその後他産業に就労した場合、その一定期間、農業に従事している、五年を上限にいたしましたが、これを本年金の受給資格期間に通算するという道を開いたわけでございます。このような措置によりましてかなり若い方々が加入しやすくなっているのではないかというふうに考えております。 こういうような改正の内容というものを今後周知徹底をしながら、未加入者の加入促進につきまして、農業者年金基金なり農業団体ともども全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
○細谷昭雄君 いろいろな点で、この財政の長期安定を図ったという点で私は一歩前進だというふうに評価をいたします。 続いて、今お話がありましたとおり、未加入者の加入促進につきましては、今回の法案をきっかけにしまして関係団体、特に農業委員会等が法的にもきちっとそういうお仕事をなされるような、そういうことの位置づけをしながらぜひともこの解消に努めていただきたい、強く要望したいと思うわけであります。 次に、二つ目の柱であります高齢化の進行に対応しました給付体系の改善について質問したいと思います。 一つは、農村の担い手の不足というのが言われて久しいわけでございますけれども、現在の実態はどうなっているのかというのが第一点でございます。
○政府委員(片桐久雄君) 我が国の経済社会の変化に伴いまして、農家の経営主、世帯主が高齢化しているということ、また後継者の他産業への就労ということがかなり進んでいるというようなことで、農業労働力の高齢化が進んでいるということでございます。農業就業人口について見ますと、六十歳以上の高齢者は昭和六十四年で三百十一万人、全体の五二%を占める、十年前に比べますと十八ポイント増加しているというような状況でございます。また、十六歳以上六十歳未満で自家農業従事日数百五十日以上の基幹男子農業専従者、これは昭和六十四年時点で七十七万人ということで、十年前、昭和五十四年と比べますと三十二万人減少しているというような状況でございます。しかもまた、農業就業人口のうち、女性が占める割合というのが六〇%を占めるというようなことで、女性が非常に重要な担い手となっているというのも現状でございます。 それからまた、基幹男子農業専従者のいる農家、いわゆる私ども中核農家というふうに称しております。戸数のシェアでは一七%というふうにシェアとしては低いんですけれども、経営耕地面積では四三%、それからまた、農業粗生産額では五七%を占めているということで、生産性も高いしまた我が国農業生産の中心を担っているというふうに言ってよろしいと思います。このような現状の中で、土地利用型農業部門におきまして農地の借り入れとか農作業の受託とか、そういうような手法によりまして規模の大きな農家、それから効率的な生産組織が各地で育っているのではないかというふうに思っております。私どもといたしましても、今後生産基盤の整備とか、それからまた農地の流動化施策というものを推進することによりまして、地域農業の中心的な役割を果たす中核農家を担い手として育成していきたいというふうに考えている次第でございます。
○細谷昭雄君 このように非常に農村構造というのが、いわゆる高齢者ないしは女性というものが比率を増大しつつある。これはもう社会構造の変化によってそういうふうになったと思うんですけれども、問題は、女性の皆さん方の就業比率がどんどん増大する、実態的にも農家の主婦といいますか、女性の占める農業就業者の割合というのが極めて重要な位置づけになってきている。だとすれば、これはなぜ一体この人方が後継者、いわゆる農地流動化の政策的なあれにつながっていかないのかというところが問題になってくると思うんです。もう女性も男性もひとしくその点で、やはり農家の後継者としてどんどん更新できるようになるべきじゃないのかというように思うんですが、女性がこんなにふえておりながら実際はなかなか後継者がいない。その原因は一体どういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業経営は、主として家族経営という形で維持されているわけでございまして、その中でも先生御指摘のように、農家の婦人がかなりのウエートで農業を支えているということは事実でございます。しかし、日本の家族制度といいますか、それからまた先祖代々の農地の資産の受け継ぎといいますか、そういうような観点から、女性が経営主という形で農業経営を担っているという場合は比較的少ないという現状でございます。現在、農業者年金に農業経営主として女性も参加しておりますけれども、加入者の中で数%、四%ちょっとというような実態でございます。今後日本の農村のいろんな状況の変化に応じまして女性の経営主というものも次第にふえていくのではないかというふうに考えております。
○細谷昭雄君 今のお話にもございましたとおり、日本の現状ではどうもまだ、その点では農村社会において女性の地位というのが十二分に保障されておらないというふうな証左でないかなというふうに思うんです。その点で、単に農年法だけでこれを改善するというのは不可能ではございますけれども、少なくとも今次改正でも、そういう意味で女性の位置づけというのが現状に適しておらないというように思うんですよ、今の改正の際もですね。ですから、今後財産の登記の問題だとか、それからいろんな権利関係、そういう意味での民法上の問題もあろうかと思いますが、こういうネックを十二分に分析しながら、やっぱり次の改正の際にはもっともっと大きな、現状に合うようないわゆる年金法についてもきちっとした女性の位置づけをする必要があるのじゃないか、こんなふうに思うんです。その点でのいわば今後の問題についてどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、農家の婦人の老後保障問題というのは極めて重要な課題であるというふうに認識いたしております。 今回の改正案でも、農業者年金加入者が加入中に死亡した場合に、従前農業に従事していたなど一定の要件を満たす配偶者が経営主となるとなった場合に、本年金の加入必要期間、これは二十年でございますけれども、これを短縮いたしまして年金受給の道を開く特例措置を設けているわけでございます。また、農家の婦人を独立して年金に加入させてはどうか、こういうような考え方もあるわけでございますけれども、これにつきましては、さきに国民年金法の改正によりまして、老齢基礎年金の上乗せ給付を行う国民年金基金制度というのが拡充されまして、全国の農業に従事する婦人などを主たる対象といたしまして国民年金基金を設立するという動き、これは平成三年の四月ということをめどにして全国共済農業協同組合連合会がいろいろ検討しておりますけれども、私どもといたしましてはその動向を見守ってまいりたいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、農家婦人の老後保障のあり方につきましては、今後とも各方面の意見を聞きながら総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○細谷昭雄君 今回の法案で積み残した問題だというふうに思いますので、ぜひそういう方向で十二分に現状の農業を支えておる高齢者ないしは女性の皆さん方が安心して農業に従事できる、むしろ意欲を持ってやれるような、そういう方向でぜひひとつ補完的な措置を講じていただきたい、こういうふうに思っております。 次に、農年制度というものは、創設当時からずっとですが、さっき言いましたように厚生年金並みの老後保障、これを目指してまいりましたけれども、経営移譲をした人と、それから後継者が不在のために移譲できなかった人、これは大変違うと思うんですね、いわゆる支給される年金額が。そこで、どれだけ国民年金を含めて支給年金に差があるのか。例えば平成三年の月額の差額は幾らなのか。昭和十一年生まれ、六十歳の人を対象といたしましてこの月額をひとつ示していただきたい、こういうふうに思います。
○政府委員(片桐久雄君) 新給付体系では、先ほども説明いたしましたように、若年とか壮年の年齢層を中心に農業者老齢年金のかなりの改善をしたわけでございまして、経営移譲年金を受給する者と、それから農業者の老齢年金を受給する者との年金額を昭和十一年度生まれで二十五年間加入ということで、六十五歳から終身同一で受給するという前提で比較いたしますと、平成二年度の価格で、月額で申し上げますといわゆる加算つきの経営移譲年金を受給される方は四万六千百円でございます。その場合の、移譲しないで農業者老齢年金だけを受給される方は一万九千九百円というふうになっております。ただ、このほかに国民年金の支給があるわけでございまして、これは六十五歳から夫、妻それぞれに国民年金の支給があるということでございます。
○細谷昭雄君 これだけ見ましても、移譲年金と老齢年金だけの人というふうになりますと、国民年金がありましてもかなりの差がある。その点で経営移譲できなかった人というのが国民年金を含めて六万円足らずということでは、厚生年金並みの老後保障とは言えないというふうに思うわけであります。 厚生年金の標準的な、六十歳の人の平均支給額というのは大体どのくらいでしょうか、厚生年金に比べますと。
○政府委員(片桐久雄君) 農業者年金の給付水準の算定に当たりましては、この年金に加入している農業者が平均的な農業所得を持って厚生年金に加入したというふうに考えて、その場合に幾らの年金が得られるかということで厚生年金の算定式に当てはめまして算定する、そういうやり方で今回の加算つき経営移譲年金の水準を算定いたした次第でございます。それを私どもは厚生年金並みの水準というふうに考えているわけでございます。 この給付の基礎となります農業所得、これは中核農家の農業所得を取り上げまして、農業者年金にひとり加入している農家の農業所得、これを昭和五十年度から昭和六十三年度までの趨勢によりまして平成二年度の価格で年収三百三十二万円の農業所得、これで推計したわけでございます。これを十五・六カ月で除しまして、厚生年金の標準報酬月額に相当する額、これが月額といたしまして二十一万三千円、月収二十一万三千円というふうに算定したわけでございます。 この二十一万三千円をもとにいたしまして、六十五歳以降に支給される老齢厚生年金の算定方法に準拠して経営移譲年金を算定いたしますと、昭和十一年度生まれ二十五年間加入の者が六十五歳から受給する場合には、農業所得月額二十一万三千円に、昭和十一年度生まれの者に適用されます厚生年金の報酬比例乗率、これは生年度別に決まっているわけでございます。十一年度生まれの方の場合には千分の八・六六という数字が厚生年金の方で使用されておりますけれども、これを乗じまして、さらに加入期間二十五年を乗じて月額四万六千百円、これは平成二年度価格でございますけれども、そういう数字が得られるわけでございます。 この場合に、先ほど申しましたように、国民年金から夫の老齢基礎年金五万六千八百円、さらに付加分が五千円、それから妻の老齢基礎年金五万六千八百円、合計いたしまして国民年金から十一万八千六百円の支給があるわけでございます。これと先ほどの農業者年金の四万六千百円を合算いたしますと、十六万四千七百円というのが合計の支給額という形になるわけでございます。 これを厚生年金の場合にはどうなるのかということでございますけれども、厚生省が示しております厚生年金のモデルケースでは、標準報酬月額が二十八万八千円ということになっておりまして、私どもが算定いたしました二十一万三千円よりはちょっと高い水準になっているという点が一点でございます。それからまた、加入期間四十年ということで、これは昭和二十一年度生まれの例で計算いたしておりまして、これで見ますと、農業者年金に当たるいわゆる比例報酬部分というものが八万六千四百円というふうに、平成元年度価格でございますけれども、これになるわけでございまして、さらにこれに老齢基礎年金、夫婦二人の分を合わせますと十九万七千四百円というようなことで、先ほど申しました農業者の場合の十六万四千七百円よりも若干多くなっているということでございます。 なお、以上紹介いたしましたのは加算つきの経営移譲年金のケースでございますけれども、基本額とか農業者老齢年金だけの方につきましては、それよりも多少減ってくるというような状況だと思います。
○細谷昭雄君 大変詳しい数字を挙げていただきましてありがとうございました。ただ、私申し上げますのは、今お話をお聞きしましても思うんですが、政策年金として創設されたこの農年でございます。したがって、農地を移譲した場合に、つまり離農した場合は、当然これは離農手当というような形で厚生年金よりももっと多くしなきゃいけない、私そう思うんですよ。 ところが、こうしてお聞きしますと、厚生年金よりも若干低いということでしかないんです、政策年金でさえも。これは、日本における農年制度というのは、例えばECとか西ドイツのような点ではまだまだ不十分じゃないかなというふうに思うんです。本当に農地を流動化する、本当に農地の集積をするということになれば、少なくとも農家の皆さん方にやっぱり厚生年金以上のメリットを与えなくちゃいけない。ましてや、もう移譲年金をもらわない老齢年金の皆さん方だけで言いますと、とんでもない、てんでお話にならない、厚生年金に比べまして。そういう状況だと思うのです、今詳しくお話を聞きますと。 ですから、私は時間がありませんけれども、西ドイツやECでやっているようないわば離農手当のような性格というのをやるならば、もっと大胆に、厚生年金の倍とは言わないにしても、あれよりもいいという老後保障をやるべきじゃないかなと思うんです。その点はお答えは要りませんけれども、私は、特にその点を主張したいというふうに思います。 本法案で積み残した問題は、女性の問題と遺族年金の問題だと思うのです。これにつきましては、いずれ後で同僚委員の皆さん、いろいろ詰められると思いますので私は省略したいと思いますが、いずれにしましても、老齢化に伴うところの給付体系をいろんな点で改善されておるという点は、率直に私も評価いたします。ぜひとも今お話ししましたように、移譲された人方に対しては厚生年金以上の支給というのを目指していただきたい。これを強く要望して、次に移りたいと思います。 三つ目の柱であります国庫助成の拡大によるところの経営規模拡大についてでございますが、この経営移譲年金のいわゆる支給開始時期を選択制にしたという点は、大変現状にこれは適合した措置じゃないかというふうに評価をするわけであります。これによっていわゆる終身同一水準の年金支給をされるわけでありますが、六十五歳の余命年齢は一体何年でしょうか。六十五歳となった人の余命年齢でございます。
○政府委員(片桐久雄君) 現在時点で、六十五歳の方の平均余命は十五・五年というふうに承知いたしております。 私ども今回の給付体系の変更を検討する場合に、その平均余命の点をいろいろ検討したわけでございますけれども、ちょうど二十年前、昭和四十五年に六十歳の男子の方の平均余命というのが約十六年ということだったわけでございます。それが最近では二十年というふうに約四年間、平均余命が六十歳の男子の場合をとって四年間延びているというようなことをいろいろ検討した結果、今回六十歳で画一的に離農を誘導するという考え方から、六十歳から六十五歳の間で個々の農家の実態に即した経営移譲をやっていただくという、そういう選択制に切りかえた一つの大きな根拠といたしまして、この平均余命の伸長ということを考えた次第でございます。
○細谷昭雄君 これは、今後も五年ごとに見直しいたしますか。
○政府委員(片桐久雄君) この制度が始まって二十年ということで、今回六十歳から六十五歳の選択制と、二十年の期間を経てこういう改革をやったわけでございます。今後五年後、毎五年後に財政再計算をすることになっておりますけれども、直ちに今度の、その次の計算のときにさらにそれを延ばすかどうかということは、今の時点でなかなかそういうことをはっきり申し上げるということは非常に難しいのじゃないかと思います。
○細谷昭雄君 今回のこの財政措置、特にいろんな点で財政措置が現在とられておるわけでありますが、この折衝の過程は大変だったと思うんです、率直に言いまして。大蔵当局だとか厚生当局、これとの折衝で問題点はなかったのでありましょうか。もしお聞かせ願える点がありましたら、率直に問題点をひとつ教えていただきたいというふうに思います。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の制度改正の最大の眼目は、やはり何といっても年金財政の長期安定を図るということであったというふうに思います。年金の未加入者の意向調査をやりましても、この年金の将来に対して不安であるというような意向もかなり示されていたような状況でございます。そういうことで、私どもといたしましては、まず何といってもこの年金財政の長期安定ということをはっきり示す必要があるということが最大の眼目でありました。そういうことを目標にいたしまして、財政当局と長期にわたりましていろんな角度から協議をしてまいりまして、また財政当局の十分な理解も得られたというふうに考えておる次第でございます。 長期的な安定を示すためには、長期的な国庫負担といいますか、追加助成の長期的な展望をはっきりとこの法律で示す必要があるということで、財政当局といろいろ折衝した結果、従来の移譲年金給付費用についての二分の一の現行の国庫助成というものに加えまして、農業構造改善の一層の促進という観点から、約二十五年間にわたりまして追加的な助成が必要であるということをまず財政当局に理解してもらった次第でございます。 ただ、この改正法案をつくる際に、二十五年間の財政支出を全部法律に書き込むということは極めて困難でございまして、平成八年度まで保険料が設定されておりますけれども、その間の財政の収支というのは比較的はっきりと計算ができる。その間につきましては、具体的には平成三年度から平成七年度までの五カ年分については、各年度の追加助成額を法律に明記する。これは五年間で総額千六百億円という形になりますけれども、これを年度ごと国庫助成額を法律に明記するということをいたした次第でございます。 また、平成八年度以降の分につきましては、次回の財政再計算時に、それまでの農業、これをめぐるいろんな情勢の推移、それから農業者の保険料負担の能力などを考慮の上、別に法律で定めるところにより必要な額を助成する、こういう法律の条文を置いて年金財政基盤の長期安定という方針を明示した次第でございます。
○細谷昭雄君 大変な私はやっぱり努力だったと思いますし、しかもこれはかつてない、いわゆる附則というものにそういう財政支出をきちっと明記するという点でもかつてないことだったというふうに思うんです。その点は私も評価をしたいと思うわけであります。 最後に、時間がございませんが、分割移譲の問題、これは私はやっぱり大変実情に即した方法だと、措置だというふうに評価をするわけでありますが、これによってどれだけの農地が集積されるかという点と、それから、何といいますか、残したいわば残地、残した農地を年金をもらいながら、後からこれを全部また譲った、こういった場合には年金に変更が生じるかどうかという点。そして最後に、特定処分対象農地の移譲については年金を停止するのはどうか、この三つの点について簡潔にお答え願いたいと思います。一番最後、大臣にも御答弁願いたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 分割移譲につきましては、今回初めてサラリーマン後継者に、従来は一括移譲ということを条件にしておりましたけれども、今回その相当部分ということで二分の一以上を第三者に分割して移譲する、残りをサラリーマン後継者に移譲するという道を開いたわけでございます。さらに四分の三以上を第三者に移譲する場合には、加算つきの移譲年金を差し上げるというような形で、規模拡大にいろいろ役立っていきたいというふうに考えた次第でございます。 この分割移譲がどの程度機能するのかという御質問でございます。毎年の経営移譲面積のうち、サラリーマン後継者に対する移譲というのが六十三年度で約四万二千ヘクタール程度、全体の移譲面積の四割強を占めているわけでございますけれども、大体このうち三割程度が分割移譲に供されるのじゃなかろうかというふうに見ております。この三割程度といたしますと一万三千ヘクタールぐらい。この一万三千ヘクタールの半分以上が第三者に移譲されるのではないかというふうに見ておるわけでございます。 このほか、従来サラリーマン後継者に対しまして使用収益権の設定により移譲された、いわゆる特定処分対象農地というのが六十三年度までの累計で約二十九万ヘクタールあるわけでございますけれども、その中でやはり第三者に処分したい、そういう方々が約二〇%程度、二十九万ヘクタールの二〇%ですから約六万ヘクタールぐらいあるわけでございます。この中からも一挙に六万ヘクタールが第三者移譲という形に、一年でそういうふうにいくとは思いませんけれども、この六万ヘクタールの相当部分の農地が第三者に移譲されるのではないかというふうに見ている次第でございます。 それから、特定処分対象農地についての移譲年金支給停止の要件の緩和の問題でございますけれども、これにつきましても、分割移譲と同様にその過半を第三者に移譲した場合、第三者に処分した場合には年金支給の停止をしないとか、それからまた農地の転用でございますけれども、農村地域工業導入計画など公的な計画に定める用途、それからまた農業共同利用施設等の用地に転用する場合とか、それからまたいろいろ公共事業なんかによって飛び地になって農業継続不適地というような場合とか、そういういろんな場合が予想されますけれども、そういう農地について転用した場合、従来は何か厳しく支給停止ということがあったわけでございますが、今回は、その辺のところを支給を停止しないというような形で緩和したいというふうに考えております。
○細谷昭雄君 最後に、大臣にお伺いしたいと思うんです。 これは所信のお伺いですけれども、こうしてずっと農年法の改正を見ていますと、一番肝要なことは農林業を魅力のある産業にしていきたい、そうしない限りは、若い人方が集まってこないという現実があるわけであります。そのために何が必要かといいますと、私は国の財政支出だと思うんです。我が党は、国家総予算の一〇%をこれに充てるべきだという主張なんですね。少なくともGNPの一%以上、一%以上はもう絶対に充てるべきだ、こういうふうに主張しているわけであります。残念ながら、現在の農林水産予算というのは年々少なくなってきておる、これは逆の方向をたどっておるというふうに言わざるを得ないわけです。それで私は、何といいましても農年一つで若い人を集めるということは不可能だと思うんです。総体的にやっぱり国の予算、この予算措置におきまして農林予算をふやしていく、それが一番近道だと思うんです。そうしない限りは、若い人方が農林業に魅力を持たない、そのことを感じるわけでありますけれども、この農年法の改正では多くの一つの前進がございました。 ただ積み残した問題は、女性の問題、特に遺族年金の問題、この点は非常に残念だと思うわけであります。その点で、今後魅力のある農林行政をつくるために、大臣は本当の意味で農林予算をふやしていくという、生命産業というふうに言われておる農林業でございますので、その点で大臣の所信、決意をお伺いして終わりたいと思うわけであります。
○国務大臣(山本富雄君) 長時間にわたりまして、農政特に年金問題非常にうんちくを傾けての先生の御質問、御意見、感銘深く拝聴いたしました。また、我々の苦労もよくわかっていただきまして、評価すべきものは評価する、こういうありがたいお言葉もいただきまして、これまた非常に感銘いたしました。これから仕事をやっていく張り合いがあるなと、特に役人の皆さんはそう思ったんじゃないかと思うわけでございます。 そこで、先生から積み残しという表現で、大事な農家の御婦人の老後の問題、御婦人問題、特に関連いたします遺族年金の問題等について御指摘がございました。これはしっかり受けとめまして研究をさせていただきたいというふうに考えております。 それから、今の御指摘全く私同感でございますが、こういう内外非常に厳しい状況下で、まさにきょうも冒頭御質問のあった、木材協議がアメリカとの間でちょうちょうはっしとやられているわけですけれども、そのほか漁業問題もサケ・マスをソ連でやっておる、あるいはウルグアイ・ラウンド問題も非公式ではございますけれども、農業問題が出ておるというふうなことを考えますと、まさに国内外、これは農業に限りませんけれども、日本経済が進む中で非常に波が高いというふうに思っております。 特に農業は、再三繰り返すようですが先生と同じ考えでございまして、国のもとでございますからこれを大事にしていくという考え方に立ちまして、予算の問題につきましていろいろな変動があることはまた事実でございます。しかし中身は、それぞれの年代に即応いたしまして工夫をしながら、二十一世紀はもう近いわけでございますから、要は魅力ある農村づくり、特に若い人が先輩の後を継いでくれるような日本農業の構築を目指して全力を挙げてまいりたい。この改正も十九年、八回にわたって行われた跡をずっと私見てまいりましたが、今回も財政当局との渡り合いを含めましてかなり苦心、苦労はしたということも申し上げたいと思うわけでございます。しかしこれに満足することなく、これからもこの年金問題につきましても研究、検討を怠らずやってまいりたいということを申し上げたいと思います。
○委員長(仲川幸男君) 零時十五分まで休憩をいたします。 午前十一時六分休憩 —————・————— 午後零時十七分開会
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題として質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○谷本巍君 農家の立場からしますと、今回の改正案は掛金はふえて受給額の方は限定されるといったような問題等々があるのでありますが、困難な農業者年金制度の維持とその財政を再建していくために、財政当局との交渉などで大変な御苦労があったかと存じます。なお、実態に合う改正であるのかどうか、こうした点を中心にしまして幾つかの点についてお尋ねを申し上げたいと存じます。 まず最初に伺いたいのは、農年制度における生産法人の扱いについてであります。 初めに農林水産省に伺いたいのでありますが、御承知のように、構造政策のあり方は本制度をつくった当時と大きく変わりました。本制度がつくられた当時は、自立経営農家育成というところに問題が絞られておりました。最近の構造政策は、中核農家の育成とともに、集団化、協業化がもう一つの柱として据えられるようになりました。こうした構造政策の変化にかんがみ、集団化、協業化に向けて今度の改正ではどのような施策が講じられようとしているのか、簡潔にまず伺いたいと存じます。
○政府委員(片桐久雄君) 農業構造の改善を進める場合に、個別経営の規模拡大とともに、集団化、協業化というのは非常に重要なポイントであるというふうに思っております。その際、集団化、協業化を担うものといたしまして農業生産法人というものが極めて重要な地位を占めているというふうに思っておりまして、農業生産法人の育成、発展ということは私どもの重要な課題であるというふうに受けとめております。 今回の農業者年金基金法の改正におきましても、いろいろその点につきましてはできるだけの改善を加えたいという観点で検討を進めたわけでございますけれども、まず農業者年金の加入者が農業生産法人に雇用されて給与の支給を受けるという場合には、そういう組合員になった場合には、この農業者年金の加入資格を喪失するということになるわけでございます。そういう場合に、この農業生産法人で適用される被用者年金の加入期間を農業者年金の要加入期間二十年の期間に空期間通算して、本年金を受給するという道を開いた次第でございます。
○谷本巍君 今度の改正では、厚生年金への法人化していった場合に移行措置を講じたということですね。それだけでは私片手落ちではないかと思うわけです。 共同化、法人化の実態で見てみますというと、厚生年金や農林年金が適用できる可能性のあるものは極めて実は少ないのであります。といいますのは、厚生年金等へ移りますというと掛金の使用者側負担というのが二分の一になる、これをやれる生産法人というのが幾らもないというのが実態だからであります。法律というのは実態に合ったものでないと所期の目的は達成することができないのではないでしょうか。集団化、協業化を進めようというのであるとするならば、靴に足を合わせるのではなくて足に靴を合わせる、つまり、そうした実態を踏まえながらの運用というのが十分配慮されてしかるべきではないのかと思います。法人化あるいはまた共同化ということを見てみましても、実は家族農業、自己防衛の共同化であって、そこには使用する者と使用される者という、そういう分離関係というのがないのが通常でありまして、言うなれば家族農業の延長といったようなものが多いのであります。 さらにまた、そうした基本的な問題にもう一つ加えて申し上げますというと、農業には製造業などと違った特殊条件があります。つまり、天候が悪いと給与も払うことができなくなるという生産法人が極めて多いという特殊的な条件があるからであります。 そこで、厚生省の方に伺いたいのでありますが、農業者年金かあるいはまた厚生年金ないし農林年金を適用する場合、そうした実態を踏まえて個々の法人との話し合いを基礎にして適用していく、どっちを適用するかということを決めるということなのかどうか、そこのところをひとつ伺いたい。
○説明員(阿部正俊君) ただいまお話ございましたように、生産法人になりますと、法律的な枠組みといたしましては厚生年金の適用ということになるのは御指摘のとおりでございます。 ただ私ども、厚生年金法の適用といいますのも、基本的にはやはり被保険者の老後の保障という観点からだと理解しておりますので、そうした考え方に立ちまして、その適用に当たってはあくまでも事業主さんあるいは構成員の十分な理解の上に立って適用していくべきであろうというふうに思っております。一律的にどこがどういうふうになればというのはなかなか容易じゃないのでございますけれども、全体を通じて申し上げますれば、事業主さん及び構成員の方々の理解を得るように十分お話をし、かつ個別のいわば就業の実態といいましょうか、給与の支払いの有無とかいうふうなところにも十分心を配った上で、条件整備ができたものから適用していくというふうな方針で対処してきておりますが、今回、先ほど農水省の方からお話がございましたように、一定の調整的な措置も講じましたことを機会といたしまして、改めてその趣旨につきまして周知徹底を図るようなことを考えてまいりたいというふうに思っております。
○谷本巍君 そうしますと、くどいようですけれども、個々の法人との話し合いで適用を決めていく、こういうことでいいのですね。
○説明員(阿部正俊君) あるいは誤解が生じるといけませんので念のため申し上げさしていただきますと、いわば十分な話し合いをするということは、必ずしも希望に沿ってということとはまたちょっと別なことだというふうに御理解いただかなきゃならぬのだろうと思うんです。やっぱりそれなりの客観的な条件があり、かつ十分な理解を得られれば適用ということでお話をさしていただくということになろうかと思うのでございます。
○谷本巍君 わかりました。 そうしますとその指導ですね、厚生省の、どういうふうな方法でその趣旨を徹底されるのか。社会保険庁とかあるいはまた都道府県等々の実務機関がありますね、その趣旨の徹底の仕方、具体的に承りたい。
○説明員(阿部正俊君) 農業生産法人の数は三千ぐらいと承知しておりますけれども、地域的にかなり多いところと少ないところがあるということ、それからあと、今申し上げましたように、一定の第一線処理が機械的にいくような形での一つの基準というのを示すのは、なかなか容易じゃないというようなこともございますので、今申し上げたような考え方を徹底する際の具体的な方法につきましては、何がしかの会議等がいいのかあるいは何がしかの文章がいいのか、その辺はもう少し研究さしていただければというふうに思っております。
○谷本巍君 その点、私は通達などの文書で明確にしていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○説明員(阿部正俊君) 指導の内容にもよろうかと思うんでございますけれども、先生の御指摘のようなことも含めまして少し検討してみたいというふうに思っております。
○谷本巍君 再度お願いをしておきたいのは、やっぱりはっきりと文字に書いた文書でやっていただきたいというふうに思うのです。なぜ私はこのことにこだわるかといいますというと、今のところ農業生産法人の数というのはそうたくさんはないのでありますけれども、今の農業を取り巻く状況を見てみますというと、この種の生産法人化というのはかなり出てくる可能性があると見ておるからであります。円高で輸入農産物がふえてきておる、市場総開放の時代に入ってきている。その上、まかり間違って米の市場開放でもされるようなことになったら一体どういうことになってくるのか。 さらにもう一つの問題は、耕種農業の柱である米作農業で見てみますというと、食管制度崩しというのがかなり進んできております。御承知のように、生産者米価もここ数年連続的に値下げされてきております。そんな状況の中で村回りをやってみますというと、私どもが多く耳にしますのは、もうこういう状況になってきたら、村ぐるみでひとつ共同化でもするしか方法があるまいといったような話を多く耳にするようになってきました。またさらに、集団化、協業化、共同化の問題については、これから農業をやっていこうという若い皆さんですね、年齢的に見ますというと若い皆さんが比較的熱心なのです。ところが、今度の改正でそこのところをあいまいにしたまま、そして下手をするというと、協同化、協業化をやって法人化していったら、農業年金から締め出される可能性だっていずれ出てくるのじゃないかというような状況が一方にあっては、これは協業化も集団化も進まないし、それからまた農年制度への新しい加入者、若手を入れていかなきゃならぬという問題だって、これは簡単に進まないということになってくるのであります。 したがいまして、篤と厚生省の方にお願いを申し上げておきたいと思いますのは、そこのところをしかと受けとめて、そして的確な指導ができるように、そしてまたその趣旨が、今御答弁の趣旨が下部末端まで徹底できるように、会議、それからまた通達のようなたぐい、これでもってひとつやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。よろしいですね。 大臣、厚生省の方からの見解はそうでございますので、大臣の方でも、農林水産省としても、そこのところはしかと踏まえてやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。よろしいでしょうか。 それでは次に、農年制度と構造政策の問題について、大臣の所見を若干承りたいと存じます。 今回の改正は、構造政策的視点を強めたというふうに説明されております。一括移譲の問題がそうでありましょうし、それからまた、離農給付金のあり方を変えたというのもその一環であったかと思います。そういう中で、やはり今一番大事なのは技術水準の高い中核農家をどう守っていくことか、ここのところに日本農業を守っていく上での重大なポイントの一つがあるだろうと思います。農年制度などの、いわゆる構造政策の面で中核農家を守っていくということも大事でありますが、同事にもう一つの重要な問題としては、価格政策をこれからどうしていくかという問題があるだろうと思います。経済界サイドの皆さんなどから言わせますというと、農産物価格をどんどん下げていけば、小さな農家が転んで規模拡大になっていくのだというような話がありますが、これはもう実態を知らぬ暴論でありまして、実態はそういう実態ではないことは明白であります。 ここ数年下がってまいりました生産者米価と、例えば三ヘクタールの農家の経済事情を見てみますというと、実は次のような事情があるのであります。生産者米価引き下げが行われる、今から四年前ということになりましょうか。その当時で見てみますというと、東北などの米単作地帯の三ヘクタールの農家、主として政府に米を売る農家で見てみますというと、当時は米代金収入のうち、生産資材等々諸支払いを済ませた後、手元に残ったものは三割弱でありました。ところが、御承知のように連続的な生産者米価の引き下げが行われて約一割強の引き下げ幅ということになってまいりました。これを見てみますと、農家経済にどういう影響を及ぼしたかというと、米代金を払った後に最後に残る部分、つまり生活費に回る部分ですね、三割弱あったものが、これが三分の一カットされたということに実はなるのであります。 こういう米価引き下げ政策というのは、今後もこれまでのピッチのようにやっていきますというと、村の中堅農家と言われる三ヘクタールの農家が持たなくなるという時代が間もなく来ようとしている。また、そうした問題とともにもう一つの問題は、生産調整補助金の打ち切り問題というのが取りざたされてきておるわけであります。そうして見てみますというと、今これから規模拡大をしていかなきゃならぬ、してほしいという皆さん、この皆さんが最も不安に感じているのは、価格がこれまでと同じようなピッチで下がっていくのではないのかどうなのかというところに不安感があるのでありまして、そうした価格政策について、大臣がどのような政策を行おうとされようとしておるのか、そのことをまず伺いたいと存じます。
○国務大臣(山本富雄君) 今先生の御指摘のとおり、近年、農畜産物の価格は抑制的に扱われておるというふうなことがございまして、それがひいては今のお話のように農家の今後に対する展望を暗くする、あるいは特に若い人の、後継者の跡を継いでやっていこうという意欲を非常に減退させるということがあっては大変だと。これはもう繰り返し申し上げているとおり、農業は永久でありますからこれを何としても支え、つないでいかなきゃならぬ。こういうことの中で、これは非常に問題だなという意識を私持っております。 ただ、今の先生の価格政策のお話ですけれども、価格政策と構造政策というのは私の考えによれば裏腹でございまして、価格政策を考える場合に、それは社会全般の趨勢ということももちろん考えますけれども、それをある水準で維持していくということになれば、農業の場合にはどうしても今お話の出ておるような構造政策を中心にして、規模拡大、中核農家をつくっていく、あるいは時代に応じた協業化などについても工夫をしていくということ以外にないんだろうと思うわけでございます。その意味で、今回の年金もそれなりの工夫を凝らしながら、一方では農村の急速な高齢化に対応する。そして、先輩の方々には張り合いを持ってさらに働いてもらおう。しかし、一方では若手の意欲といいますか、安心感も含めて年金に対する展望というものも持ってもらわなくちゃならない。それが未加入者を加入にもっていく道でもある。そういうことなども含めて今回の改正に踏み切ったわけでございますけれども、いずれにいたしましても、価格政策、構造政策、裏腹でございますから、それらを織りまぜながら社会の変化に対応しつつ進めてまいることだと、こういうふうに考えております。
○谷本巍君 価格政策問題については、ここで今議論しておりますというとこの問題だけで時間がかかってしまいますので、また後日に譲りたいと存じます。 さらにもう一つ、そうした価格問題との絡みの問題になってまいりますが、この委員会でも米の市場開放はやらないということをこれまでも決めてきておるわけでありまして、米の市場開放はやらないということを前提としての農年法の今度の改正、そういう前提でもっておるということですね。としますと、仮に例えばまかり間違って今後米の市場開放でもされたというような場合、これはえらい状況が出てまいりますから、そのときには、農年法はもう根本からもう一度見直ししなきゃならぬという事態になってくると思うのです。そういう場合には、農年法の見直しはやるというふうに理解しておいてよろしいですか。
○国務大臣(山本富雄君) それは、先生言わずもがなでございますが、国内産で自給をしていくんだ、こういう方針に何の変更もございません。これを貫いていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○谷本巍君 それからもう一つ、大臣大きな問題は、価格政策の問題とともに補助事業のあり方の問題があるわけです。農家負債の問題ということになってまいりますというと、比較的金額が多いのは畜産だとされておりますけれども、耕種部門の方も例外ではありません。例えば米作で見てみますというと、負債の額は畜産ほどではないが、農業収入との絡みで見てみますというと実は米作農業の方が割が悪いのであります。状況はひどいのであります。なぜこうした状況が生まれてきたか。負債農家のほとんどというのはいわゆる中核農家と言われる皆さんでありまして、積極的に補助事業等を取り入れて規模拡大に励んでこられた皆さんであります。 こうした原因が、よって来るべき原因は、一つは農産物価格の問題があるのでありますけれども、もう一つの問題として補助事業のあり方の問題があるのです。例えば、構造改善事業でいいますというと、畜産の場合に体育館並みの畜舎をつくらせられたとかといったような問題もありましょうし、米で見てみますというと大型機械とすべてがセットであった。あるいはまた土地改良で見てみれば、面工事をやる場合に、十アール当たり農家が自前でやれば七万円で上がるものが、補助事業でやったら七十万円だったといったような例等々に見るように、補助事業のあり方に問題があった。つまり、現場の物差しに合わないものが多かったといったようなことであり、余計なものまで農家にしてはセット主義でつくらされてきたといったような経緯等々があるわけであります。そうして見るならば、補助事業のあり方を見直していくことが大事になってきているのではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(山本富雄君) これは、補助事業が非常に我が国の農林水産業の振興に寄与してきたということは、先生お認めになるだろうと思うんです。ただ、その補助事業のあり方、仕方、使い方、こういうことで今御指摘があったわけでございます。 これは当然のことでございますけれども、事業の実施に当たっては、公共性、公益性を確保するための一定の条件のもとにこれを進めていくということだろうと思います。また、いろんなメニューを用意いたしまして、そして地元の自主性あるいは自立性、そういうものに基づいてやっていくんだ、こういうことできているというふうに私は承知しております。 ただ、先生多年の御経験で、余分なことまでしておる、それが負債を増加させるもとにもなっているのじゃないか、こういう御指摘等がございました。今後そういう点等があった場合には、ただ私は反面、例えば構造改善事業をやるんで、この際だから少し金をかけてもいいものをつくってくれないか、農道にしてもあるいは側溝にしても、そういう希望もかなりあるのではないか。しかし、これは押しつけではいけないわけでございまして、その村の将来のためにやるわけでありますから、喜んで協力をしていただける。なおかつ、それが雪だるま式に借金のもとになっていくようなことでは、これはもう本末転倒でございますので、その点は十分今後、地元の要望にこたえた事業を行っていくということを念頭に置きながら事業を進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○谷本巍君 押しつけはいかぬ、農家の自主性が発揮できるようなものにしていきたいという大臣の所見、大変頼もしく伺いました。この点についてもまた後日、いろいろ具体的な問題にわたって伺いたいと存じます。 次に、担い手不足地域における経営移譲の受け皿整備のことについて伺いたいと存じます。 今度の改正法でどんな点を改正されたか、簡潔にひとつ伺いたいのです。
○政府委員(片桐久雄君) 中山間地域等におきまして、経営移譲したくても経営移譲を行えないというケースもかなり見られるわけでございます。最近の経営移譲の状況を見ますと、その大部分が貸し借りというような、貸し借りで占められているというのが現状でございます。こういう点に着目いたしまして、今回新たに農業者年金基金が農地の貸し借りの業務を行うことができるように措置した次第でございます。 今回の貸し借り事業につきましては、特に区域を限定することなしに、農用地区域の外についても、例えば振興山村とか過疎地域等もその貸し借りの業務の対象地域にするということにしたいと考えております。
○谷本巍君 そこで言う対象地域の中山間部等ですね。この等というのはどういうことを指しておりますか。
○政府委員(片桐久雄君) この詳細につきましては、今後政令で決めることになっておりますけれども、私どもといたしましては振興山村とか過疎地域とか、そういうようなところを考えておる次第でございます。
○谷本巍君 その点でちょっと要望しておきたいのでありますけれども、最近不耕作地、耕されざる農地ですね。不耕作地というのは中山間部でえらく発生しておりますけれども、通常の平場でも今出始めてきておりますから、その範囲のとり方については少し弾力的に考えていただきたいと思うんです。 それから、もう一つ伺いたいと思いますのは、借り受け、貸し付け、これを新しくやるというお話でありますけれども、具体的にはどんな運用になるのでありましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農地を移譲したくても受け手がいないというようなケースにつきまして、私どもといたしましてはその農地をできるだけ有効に利用することがまず第一であるという観点から、農業委員会のあっせん事業などによりまして、いろいろ努力して買い手なり借り手を見つけ出すということがまず第一の努力だと思っております。さらに、直ちにそういう買い手とか借り手を見つけられないという場合には、農地保有合理化促進事業という事業によりまして、一たん合理化法人が買ったり借りたりして保留する、保留しながらいろいろ条件整備をして、担い手を見つけるというような努力もしてまいりたいというふうに考えております。 しかし、それでもなかなか担い手が見つからないというような地域もあるかと思います。そういうような場合に、最後の手段といたしまして農業者年金基金が暫時借り入れる。それで経営移譲を完成させまして経営移譲年金を受給していただく。その農業者年金が借り入れた農地につきましては、いろいろ工夫しながら管理をし、できるだけ有効利用なり担い手を見つけるということで努力をしてまいりたいというようなことを考えている次第でございます。
○谷本巍君 そうしますと、中山間部などの場合借り手が非常に限られてきておって、少なくなっておるんですよ。どう考えてみても借り手がないという場合にはどうなさいますか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業者年金基金が借り入れた農地につきまして、どうしても借り手がない。耕作放棄的な状況に置かれるというようなケースもあり得るのではなかろうかというふうに予想いたしております。そういう場合に、その農地をどういうふうに管理するのかということですけれども、一つの方法といたしましては、経営を移譲いたしました地主といいますか、土地の所有者に、便宜管理委託をするというようなこともいろいろ検討しなければならぬのじゃなかろうかというふうに考えております。
○谷本巍君 その場合に、土地の権利者が寝たきりになってしまったらどうなさいますか。そういう例がこれから随分出てきますよ。
○政府委員(片桐久雄君) 実は、耕作放棄とかそれからまた不作付地というのが、農地面積の中でかなりの面積が発生しているということは事実でございます。そういうような耕作放棄地それからまた不作付地、こういうものにつきまして、今後農地の利用計画といいますか、そういう観点からいろいろ工夫していかなきゃいけないということだと思います。 その工夫の一つといたしましては、いろいろ条件整備をするということ。例えば機械が導入可能なように農道を整備するとか、そういうことをすればやはり担い手が見つかるのじゃなかろうかとか、そういうようなことでいろいろ工夫をする。それからまた、どうしても利用がなかなか難しいというものにつきましては植林転用をするとか、そういうような形でいろいろ有効な活用を図っていくということも工夫しなければいかぬのじゃなかろうかというふうに考えております。
○谷本巍君 農業労働の担い手のリタイアがピークに達するのは、あと六年後だと見られておるわけでありまして、生産条件の不利なところから、こうした状況というのはかなり出てくる可能性もあり得ることを想定しておかなきゃなりません。そういう想定に立ちますと、農年制度は申し上げるまでもなく当然加入である、そして政策年金である、受け手がないから年金受給はできませんということでは済まされない。としますと、今度の改正による貸し借りを年金基金がやるというのは最後の最後の部分なんです。そのもう一つ上の段階に農用地合理化法人、これがあるわけです。なぜこれが機能しないのか、ここのところにもう一つの大きな問題があるだろうと思うのです。合理化法人がなぜこうした事態にうまく機能することができないのか、この点についてどのようにお考えになっておりますか。
○政府委員(片桐久雄君) 農地保有合理化促進事業は、昭和四十五年に開始されたわけでございますけれども、これまで二十年間にわたりまして農地の売買、貸借等によりまして中核農家の経営規模の拡大、農地の集団化にかなり寄与してきたのではないかというふうに思っております。ただ、先生御指摘のように、一たん買ったけれども売り渡し先がなかなか見つからないとか、借りたけれども貸付先が見当たらないという形で、長期にわたりまして合理化法人が農地を保有した場合には、土地代金等の金利負担がかさみまして合理化法人の経営を非常に苦しくするという問題があるわけでございます。そういうような問題があるだけに、そういう受け手の見つからないような農地をできるだけ抱え込みたくないというような、そういう事業態度というのもあったかと思います。 私どもは、やはりこの農地保有合理化促進事業といいますのは、構造政策の一翼として非常に重要な役割を期待されているということを考えておりまして、今後事業内容とか、事業の推進体制につきましてもいろいろ改善なり活性化を図っていきたいということで、現在いろいろ検討を進めているところでございます。当面担い手が見つからないというような農地についても、合理化促進事業の対象にしていくことについていろいろ工夫してみたいというふうに考えている次第でございます。
○谷本巍君 売れるものあるいはまた貸し付け可能なものしか扱わないというのでは、これはもう現実に機能ができぬわけでありますから、今御答弁にありましたような活性化方策、これをひとつぜひ早い機会に詰めていただきたいということを強く要望さしてもらいたいと思います。 そこで、大臣に伺いたいのであります。 こうした受け皿整備の問題とともに、やっぱり担い手をどう確保するかということが根本問題だろうと思うのです。さしあたっての大きな問題でいうならば中山間地、ここをどうしていくかということが問題だろうと思います。最近私ども、村歩きや町歩きをやってみますというと、かなりの地域で、川上の村が過疎化したとき川下の村は激甚災害や水不足に見舞われるという話を多く聞くようになってまいりました。中山間部の過疎化というのが川下の町にとってどういう問題を持つのか、もう事実問題を通して明らかになりつつある時代であります。そうであってみるならば、やはり中山間農業を守っていくのには、これまでの農政面のことだけじゃなしに、新年度予算でも芽が出てまいりましたが地域政策、これをしっかりやっていくといったような施策の充実が必要だろうと思います。 それとともにもう一つ大事なことは、例えばECに見られるような平衡交付金給付制度のような思い切った所得政策、これを導入していきませんというと、中山間農業というのはもはや守ることが不可能的な状況になりつつあるわけでありまして、そんな意味では、ことしの予算に芽を出した環境保全という立場から生産条件が不利なところをどう守っていくか、そういう施策を強化してもらいませんと、これは農年制度だってうまく回っていかぬわけでありますから、その点についての大臣の所信を承りたいのです。
○国務大臣(山本富雄君) 今御指摘のとおり、中山間地というのはもともとハンディキャップがある地域、非常に苦労の多い農山村が中心でございます。しかも、今先生の御指摘のとおり、最近では環境保全の面からもう一遍見直されなければならない。今、川上の村が荒れると川下で災害が起こる、こういう御指摘でございますけれども、そういう事例も私ども見聞きしております。 そこで、従来もこの中山間地に対しましては、農林水産省としてのいろんな施策を総合的に継続してやってまいりましたけれども、今のような視点からさらに重要だという観点で、例の補正予算のときの基金問題などについても配慮を煩わしたということでございます。今先生がお触れになりましたが、平成二年度、今年、この予算が成立をさせていただければ、生産基盤と生活環境を総合的に考えた、立地条件に即した総合的な事業を推進するための予算も使えるようになる、あるいはまた、付加価値をつけるいわゆる高付加価値農業の振興など特別対策事業も進められることになる、それから今申し上げました活性化資金、これなども使いまして、中山間地の振興というよりはまず守って、そしてさらに将来に展望をつなげていくというふうな施策を実現してまいりたい、こういうふうに考えております。
○谷本巍君 金を貸してやるからひとつまあうまくやれということも大事でありますけれども、再度お願いしておきたいのは、ECに見られるような平衡交付金給付制度のような、あの種の抜本的な対策を考えていただきたいということをこの際強くお願い申し上げておきたいと存じます。 続きまして、農家の主婦と年金制度の問題について大臣に伺いたいと存じます。 初めに伺いたいと存じますのは、専業的に農業に従事する主婦、これを農政の上でどう位置づけていくのかということであります。ことしの農業白書を見てみましても、自家農業従事者の約六割が女性であり、三ヘクタール以上の大規模農家であっても女性の就業の方が男性を上回るということが述べられており、そしてまた、農作業記帳にしても女性が六五%を行っておるといったようなことなどが述べられておるのであります。またさらに、社会的活動の分野では、ボランティア活動への参加、これなどは、都市の職業を持った婦人よりも農村婦人の方の参加の度合いが高いといったようなこと等も述べられておるのであります。 そうした問題とともに、私がさらにつけ加えたいと思いますのは、産直運動とかあるいはまた朝市・夕市運動などをやってみますというと、農家の主婦の働きというのはすばらしいんですね。こうした町と消費者と農村とを結ぶ運動ということになってきますというと、主役は男子じゃありません、婦人であります。しかも、ことしの予算を見ても、村と都市とを結ぶそういうふうな一つの運動といいましょうか、何といいましょうか、そういうものをひとつ助成の対象にしていきましょうといったような新味も出してきておるところであります。そうした点も積極的に私ども評価をしてまいりたいと思うのでありますけれども、ともあれ、専業農家でも兼業農家でも農村婦人の場合には、農家の主婦というのは専業でも兼業でも農業については専業なんです。これを今後の農政にどう位置づけるか。その点についての大臣の所見を承りたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 全く御指摘のとおりだと思っております。さまざまなデータ、先生もごらんだと思いますが、最近の農山村における中心は、高齢化の問題も一つございますが、まさに先輩の方々、それから若い方々、そしてそれの中心に御婦人があるというふうなことが数字的にも明らかになって、六割以上を占めておる。それから、今お話しになりましたが、兼業でも専業でも主婦は専業なんだと、大変いい御指摘だと思います。私もそう思っております。 なお、この都会との交流だとかあるいはその地域におけるボランティア活動とか、御婦人の活躍というのは非常に目覚ましいというふうに思っておりまして、それらのことにつきまして、これは農政を進めていく場合に、それを十分意識しないで農政は進めていけないというぐらいに申し上げても過言ではないと思っております。そこで、農家婦人の能力と役割がさらに発揮をされるように、私ども支えていかなければならないと思っております。 年金問題につきましては、実は課題としてこれが残っているわけでございますけれども、この婦人の社会参加あるいは農村づくり、それから今の都会との交流、いわゆる消費者との交流、こういう施策を進めていくことなども考えつつ、その何か中心はないだろうか。歌に歌っているだけではだめなので、具体的にこれを進めていく拠点が本省の中にも必要だと、こういう観点から平成二年度予算の中で、我が省の農蚕園芸局でございますが、この中に農家の婦人対策の総括機能を受け持つための担当課を設置したい、こういう気持ちがございまして、これはまだ完全に詰め切っておりませんが、そういうことで進めさせていただきたい。課を一つつくるということは、これは容易ならざることなんですけれども、現在の農山村における御婦人の役割というのが極めて大きいというふうなことを考えつつ、これの中心の課を一つ設けたいということで今進めておることを申し添えたいと思います。
○谷本巍君 大臣、従来は、農業というのを経済的資源としてだけとらえるという側面が強かったのでありますけれども、もう最近は、豊かな暮らしを実現していくための生活資源としてこれをとらえていくといったような時代になってきておるのでありますから、そうした時代の趨勢にもかんがみて、農村婦人の積極的評価、そして今大臣が述べられたようなやつをもっともっと積極的に伸ばしていくということをぜひひとつ、この際あわせてお願い申し上げておきたいと存じます。 大臣からは、農業専業主婦についての積極評価のお話は伺ったのでありますけれども、農年制度とのかかわりで見てみますというと旧態依然なんですね。農業専業主婦というのは、農家の嫁さんというのは、農地所有で言うならおじいさんが農地は持っていてその相続権もない。農年制度からも締め出され、老齢年金からもというようなことでありますから、制度的には、言うなれば三界に家なしのような状況に置かれておるのが今日の農業専業主婦だろうと言ってよかろうと思うのです。農年制度の改正、これまで九回行われてきておりますけれども、過去のものをめくってみますというと、五十一年以降毎回の改正に、この委員会では、農業に専従する主婦の年金加入について検討を行うことという決議を行ってきているのです。ところが、実際には何ら具体的にされない。なぜそうなのでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 私どもも、農家婦人の老後保障という問題は極めて重要な課題であるというふうに認識いたしている次第でございます。今回の改正案では、農年加入者が加入中に死亡した場合に、農業に従事していた一定の配偶者が経営主になったようなときに、本年金の加入必要期間、これは二十年でございますけれども、これを短縮いたしまして年金受給の道を開く特例措置を設けている次第でございます。 さらに、農家婦人を年金に加入させるべきではないか、こういう問題もあるわけでございますけれども、これにつきましては、昨年国民年金法の改正によりまして老齢基礎年金の上乗せ給付を行う国民年金基金制度が拡充されまして、全国の農業に従事する婦人などを主たる対象にした国民年金基金の設立が、平成三年四月を目途に、全国共済農業協同組合連合会を初めとする農協系統組織において計画されているわけでございまして、私どもとしてはその動向を見守ってまいりたいというふうに考えております。 また、この移譲年金の中に、遺族年金制度を導入してはどうかという検討もいろいろあるわけでございますけれども、これにつきましてはその財源問題をどうするかという非常に難しい問題があるわけでございます。私どもといたしましては、今後とも農家婦人の老後保障のあり方につきましては、各方面の意見を聞きながらいろいろ検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○谷本巍君 加入者をふやしていく上でも、やっぱり婦人の年金権、これが認められるような制度にしていきませんというとこれはもうどうにもならなくなっていくと思うのです。やっぱり何といったって農業の担い手はお母さん方であって、この発言がまた強大なんでありますから、そこのところがノーと言えばこれはどうにもならないのでありますから、そんな実態に即してもぜひひとつこの点については御検討いただきたいと思うのです。 なお、今のお答えの中で、国民年金基金の話がございましたけれども、これをもって婦人の年金権実現にかえるということにはこれは文字どおりならぬのでありまして、やはりこれまで当委員会でも決議をしてきましたように、婦人に年金権を与えるような方法を研究いただきたいのであります。その場合、土地の所有にこだわり過ぎますというとやっぱり私は難しいだろうと思うのです。ですから、余り土地の所有にこだわっていただきたくないということをこの際申し上げておきたいのであります。また百歩譲って、土地の所有にこだわるということを一定程度前提とするとしても、大きな農家の場合、主人が入っていて、男性が入っていて婦人も入るというようなことだってできないことはないわけでありますから、そうした点も含めてひとつ御検討いただきたいということをお願い申し上げておきたいと存じます。よろしいですか。 それでは、時間がなくなってきましたので、最後に、農業委員会の業務執行体制の整備の問題との絡みについて二つの点を伺いたいと存じます。 まず最初は、農業委員会の業務執行上の法的位置づけの問題であります。 本制度は年金基金が言うなれば元締め、そして農家との間の窓口になっているのが農業委員会であります。ところが、その農業委員会が法的な位置づけというのがなされていない。今回の改正では何らかの位置づけをしようという話が大方の意見と承っておるのでありますが、その点いかがでしょうかということであります。結論だけお答えください。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、農業委員会がこの制度上果たす役割というのは極めて重要なわけでございます。しかし、現在関係法令の中では、農業委員会の役割についての位置づけがなされていないということでございます。 そこで、今回の改正法案成立後に制定することとしております農林水産省令におきまして、市町村が受託した業務については、原則として農業委員会が行うべき旨の規定をその省令の中に設けるという方向で検討してまいりたいというふうに考えております。
○谷本巍君 素人疑問なんですが、どうしてこれは政令に入らないで省令ということなのですか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業委員会は市町村の一行政機関という位置づけでございまして、法人格という観点でいけばあくまでも市町村が法人格を持っておりまして、農業委員会は法人格を持たないという位置づけになっているわけでございます。そういうことから、農業委員会に直接業務を委託するというような法律構成はなかなか難しいということでございますので、農林水産省令の中でそういう考え方を盛り込むというような現実的な解決方策を考えた次第でございます。
○谷本巍君 最後に、農年制度の業務の簡素化問題について若干伺いたいのであります。 この制度は、政策年金のせいか仕組みが大変複雑であります。現場の次元から見てみますというと、農業委員会も最近は人事異動も頻繁に行われるといったような状況もこれあり、なかなか大変な状況であることをよく伺うのであります。そういう状況の中で、ひとつ農年業務の簡素化ということができないのかどうなのか、これが一つです。それからもう一つは、これは農家の方からの問題でありますけれども、手続がなかなかややこしいんです。例えば離農給付金を受けるにしましても、提出書類がかなりの量のものであります。現場の皆さんなどの意見を伺ってみますというと、かなり減らすことができるのじゃないかという、これもまた素人疑問かもしれませんけれども、そういう話等もしばしば聞くことも少なくないのであります。 そうした点にわたって、ひとつ業務の簡素化について積極的に取り組んでほしいということを要望申し上げたいのですが、いかがでしょう。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、この年金は政策年金であるということで、特に経営移譲の場合の受給資格の審査とか、そういう点で他の年金制度と比較して複雑なものとなっているということは事実でございます。また、受給権者数の増大というようなこともありまして、農業委員会の事務量も増大しているというような状況でございます。 私どもは、今回の制度政正とあわせまして、業務受託機関であります農協とかそれからまた市町村の農業委員会、こういう機関が行う年金の業務に係る事務処理につきましては、この際全面的な見直しを行いまして、提出書類の様式の簡素化、合理化、そういうものをできるだけ図りたいということで、現在農業者年金基金ともいろいろ相談しながら検討を進めておるところでございます。
○谷本巍君 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、農業委員会で見てみますというと、おおむね仕事の約半分ないし半分以上がこの仕事になってしまっているんですね。本来の仕事といいましょうか、それがおろそかにされる可能性もなしとはしないわけでありまして、そんな意味も含めて、ひとつ業務の簡素化について、特段の推進方をお願いしたいということをお願い申し上げて私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○一井淳治君 私は、短い時間をちょっとおかりいたしまして、岡山市内で設置されようとしております場外馬券売り場に関して、まずお尋ねをさせていただきたいと思います。 農水省の方では、これまで建築をするなという御指導を繰り返していただいておるわけでございますけれども、現実には場外馬券売り場の外郭だけは、建物の外側だけはできておるというふうな状況になりつつあるわけでございます。 そこでお尋ねしたいのは、このたび大臣がおかわりになりましたので、従来の農水省のお立場を継承されて、引き続き場外馬券売り場の建築については中止を指導する、そして地元の調整がつかない限りは、場外馬券売り場の設置をしないということでお進めいただけるかどうか。この点をまずお尋ねしたいというふうに思います。
○国務大臣(山本富雄君) 従来の立場に変わりはありません。すなわち、いろいろな経緯、経過があったことはもう先生の御承知のとおりでございます。私もずっと調べてまた勉強させてもらいました。 そこで、今いろいろな状況があるようでございますけれども、地元との調整が行われない限り承認を行うつもりはないというふうな、従来の考え方に私も変わりはないということをはっきり申し上げておきます。
○一井淳治君 この建物ができ上がりまして、実際に中央競馬会が入居して仕事をするためには、一つには建物の外郭が完全にでき上がる、そして内部の工事も行われていろいろな機材が搬入されるということで、場外馬券売り場としての全体の姿ができ上がるというふうに思うんですけれども、現在誘致者の日隈だけで、日隈の判断だけである程度の建物の建築ができると思うんです。その先の、今申し上げました内部工事とか、あるいは話に聞いておりますと中央の計算センターと連動したコンピューターの設置とか、いろいろな機材の導入というものが必要だというふうに聞いておりますけれども、中央競馬会と相談しないとできない内部の工事とか機材の搬入、そういったものは絶対にやられないということなのかどうか。そこのところをお尋ねしたいわけでございます。 といいますのは、これまで農林大臣の方から中央競馬会に対して、重ねて御指導をいただきまして、中央競馬会からは、ときには文書で厳しく建築をやめなさいという御指導をいただいたわけですけれども、しかし日隈は、大臣のお考えあるいは中央競馬会の考えを無視してどんどん建築を進めてきたということがありまして、非常に心配したわけでございますけれども、現在以上に工事を進めるためには中央競馬会がかまないと何もできないわけです。ですから、今後は絶対に工事は進まない、機材の搬入がないという辺を確認させていただきたいわけでございます。
○政府委員(岩崎充利君) 先生御指摘のように、場外馬券場は建物の外郭部分の建設が完了しただけでは機能しないわけでございまして、中央競馬会の計算センターと直結させるために、中央競馬会の管理のもとで馬券発売に必要な機器の据えつけや配線を初めとする内装が行われなければなりません。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 現状におきましては、中央競馬会がそのような内装工事に関与することがないよう指導しているところでありますので、場外馬券場としての機能を備えた施設の完成を見ることはないというふうに考えております。
○一井淳治君 そういたしますと、将来地元の調整が、これは仮定の問題でありますけれども、できれば別ですが、そういったふうな地元の調整ができない限りは、現在建物の外郭はできているけれどもがらんどうといいますか、内部が空洞の状態がずっと維持されるというふうにお聞きしていいんでしょうか。
○政府委員(岩崎充利君) 地元との調整ができませんと、結果としてはそういう形になっていくのではないかというふうに考えております。
○一井淳治君 大臣もいらっしゃるんですが、大臣のお考えも同じでございましょうか。
○国務大臣(山本富雄君) これは、先ほど申し上げましたいろんな経過があったようですが、少なくとも岡山市議会は、これに反対であるということをはっきり議決しているんですね。これは地元の明確な意思表示だと、私はそういうふうに思っておりますから、この地元調整がつかない限り、今後いかなる事態が出てまいりましても私の方では許可をするつもりはありません。
○一井淳治君 もう一点、馬券売り場の問題に関してお尋ねをさせていただきますけれども、中央競馬会の方から正式に農水省に対して設置承認の申請をするという段階で、地元の調整が済んでおるという同意書を添付することが必要であるというふうに私ども聞いております。地元の調整と申しますか、地元の同意というものは昔あったからというのではだめで、やはり申請時点で、承認申請の時点で同意があるんだというふうにみなされる、そういう同意書が添付される必要があるというふうに思うんですけれども、そのあたりはいかがでございましょうか。これは現在申請が出ているわけじゃございませんし、それからまた農水省の方も同意書なるものを見られておるわけではございませんので、本件についての具体的な質問ではございませんで、一般論、抽象論としての質問でございます。
○政府委員(岩崎充利君) 一般論といたしまして、地元の同意を得てから承認申請をするということでございまして、ただその場合は、地元の同意を得た時点と承認申請をする時点との間では、当然時間的なずれがあるというふうに考えております。ただ、先生御指摘のところでございますが、どの程度のずれならば許容されるかという問題につきましては、承認申請のあった時点で、社会常識的に見まして個別具体的に判断するということにならざるを得ないだろうというふうに考えております。具体的には、同意を得てから承認申請までの間の状況等を総合的に勘案して、同意の妥当性ということを判断するということになろうかというふうに考えております。
○一井淳治君 岡山での場外馬券売り場の問題につきましては、いろいろ好ましくない状態も起こるということもありますので、今後とも岡山の場外馬券売り場の問題につきましてはいろいろな御配慮なり十分な御注意を要望申し上げまして、この質問を終わりたいというふうに思います。 次に、本論の方でございます。今回、保険料の問題について八百円ずつ値上げをしていくとの方向が決まるわけでございますけれども、保険料の額が加入者である農家にとってどの程度負担になっているか、その点についての農水省のお考えをお聞きしたいわけでございます。加入農家にとりましては、農業者年金の保険料を払うだけでなくて、ほかに国民年金の掛金も夫婦二人分払わなければならないというようなこともありまして、相当重い負担ではないかというふうに思うわけでございます。 仮に、農業者年金加入農家の平均農業所得である二十一万三千円を基準にいたしますと、国民年金の掛金と農業者年金保険料一万九百四十円を加えた二万七千七百四十円を割っていきますと、一三%になる。そうしますと、厚生年金の保険料が七・一五%、これは労使折半で、経営者の方の二分の一の負担がありますから七・一五%の負担だと、これに比較して非常に重い負担になっているというふうに思うわけでございます。今後も農業者年金制度の拡充をしていく上で保険料の問題がやはり検討課題になっていくと思いますけれども、私は、やはり農家の保険料は相当重いんだ、ぎりぎりの辺まで来ているんだというふうな認識をお持ちいただく必要があるのじゃないかと思いまして質問するわけでございますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正で年金財政の長期的な安定ということを図るために、加入者の保険料負担、それからまた既裁定権者の年金受給額のスライド停止、それからまた国庫の追加的な助成、三者が一体となって年金財政の安定ということを目指しているわけでございます。加入者の保険料負担につきまして、どの程度負担が可能なのかという検討をいろんな観点からやったわけでございますけれども、農家の農業所得それから農家所得、これと保険料の関係、それからまた厚生年金加入者の保険料負担の状況、こういうものを総合的に勘案いたしまして段階的に引き上げるということを考えた次第でございます。 先生御指摘のように、農業所得だけで現在御提案しております保険料を負担するということになりますと、確かに先生御指摘のような一三%とかという負担率になるわけでございますけれども、私どもといたしましては、やはり保険料、農業者年金それから国民年金両方の保険料ということでございますので、農家所得全体で負担するという考え方に立てるのではないかということで、農家所得というものを分母に考えますと七%ちょっとということで、大体厚生年金保険料の本人負担分の負担率とほぼ同程度ではないかというふうに考えた次第でございます。
○一井淳治君 そういう農家所得を持ってこられるということがあるから私どもも非常に心配しているわけでございます。といいますのは、割合をいろいろ計算しますけれども、被用者年金の場合は月給、被用者が受ける月給を基準にして七・何%というものを出すんであって、最近、東京都内のあたりでマンションを持って、自分の月収の数倍も被用者が雇い主からもらっている以外の収入を上げているということがありまして、被用者年金についても企業からもらう給料以外の金額を入れたら非常に割合は減ってくると思うんです。ですから、農業者年金の場合にだけ農家所得を持ってくるというふうにされますと非常にぐあいが悪いのじゃないかというふうに思うわけでございます。 それからもう一つは、受給する年金の方の計算もありますけれども、受給する年金についても被用者年金の場合は給料のどれくらいもらえるかという計算をしているわけですね。ですから、もしあなたがおっしゃるように農家所得でおいきになるんだったら、もらう給付の方も農家所得を基準にしてもらわないと、もらう年金は低い農業所得でいって、払う掛金の方は高い農家所得でいかれたらたまらないというふうに思うわけですけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 保険料の負担能力を農業所得で見るか、農家所得で見るかということはいろいろ議論があると思いますけれども、私どもといたしましては、保険料の負担能力とか負担感といいますのはその人の所得水準によるところが大きい、やはり所得全体について見るのが適当なのではないかというふうに考えたわけでございます。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 それからまた通常、いわゆるサラリーマンといいますか、俸給のみが所得源であるという被用者とは異なりまして、農業者の場合には幾つかの所得源を持つということがかなり多いわけでございますので、私どもといたしましては農家所得で判断をするというふうに考えた次第でございます。それからまた厚生年金の場合には、いわゆる所得比例の方式をとっておりまして、所得の高い人は保険料も高くしかも年金も多い、こういうような構成になっているわけでございますけれども、農業者年金の場合には相当多額の国庫補助ということもあるわけでございまして、一応平均的な農業所得というものをベースにいたしましてそれに一律の保険料、一律の給付水準ということでそれに対して国庫が一定の助成をする、こういう仕組みでやっているわけでございます。
○一井淳治君 被用者の場合にも賃金以外の収入を持っている人がかなりおられる、それから農家の場合も農外収入が相当上がっているという共通項があるわけで、農家の場合にだけ農外収入にウエートを置くという年金構造では、農業者年金を選んで農業を継続するよりは被用者年金の方へ、農業をやめてほかの方へ行こうというふうな考えを助長するのじゃないかというふうに思います。また、この農業者年金というのは、そもそも農業を専業とする者を育成するという目標があるのではないかというふうに思いますけれども、今の農家収入でいきますと、農業収入の倍も三倍もある農外収入を考えながら年金の計算をしているわけでありまして、そうしますと農業者年金の本来の趣旨にもとるのではないかというふうな気もいたします。それは理屈はともかくといたしまして、現実に農家の方にとっては農業者年金の掛金の支払いがかなり負担になっておるという点を決してお忘れなく、掛金の増加については今後慎重に対応していただきたいというふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正案を検討する段階で、財政安定を図るという観点から農家の保険料負担の限界というものもいろいろ検討させていただいた次第でございます。私どもは当初五年間で五千円、一年間千円の引き上げということもいろいろ検討したわけでございますけれども、先ほど申しましたように農家の負担の限界ということから考えまして、一年間八百円、五年間で四千円、こういう引き上げにとどめまして御提案を申し上げた次第でございます。その結果、いろいろ財政の安定のためには国庫助成の方をやはりふやしていくという形にならざるを得なかったというのが実態だというふうに思っております。
○一井淳治君 次に、若年者に対してかなり特別優遇がされておるわけですけれども、なかなか年金に加入してもらえないという実情があるわけでございます。先日の参考人のお話を聞いておりますと、田代参考人からは、年金に加入するのが進まない理由の一つは、年金への信頼がないんだと、第二点は農業の未来がないんだと、この二つを言われましたけれども、加入が進まない理由ですね、若年者を優遇しても加入が進まない理由、これについてはどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業者年金の未加入者は、六十三年度末で約十六万人いるわけでございまして、特に年齢分布を見ますと三十五歳未満の方々が五五%という状況でございます。これらの未加入者の加入しない理由を見ますと、加入するにはまだ早いとか、将来も農業に従事するかどうか未定であるという者もかなりおりますが、さらに農業に対して将来の魅力がないといいますか、そういう観点、それからまた保険料が高いとか、農業者年金制度の先行きが不安であるというようなものを挙げる者も多いわけでございます。 私どもといたしましては、本年金への加入を進めるために、十分な所得の得られる魅力ある産業としての農業を確立するということがまず基本であるというふうに思いますけれども、そういう観点でいろんな各般の施策を講じていくということが重要であると思います。また本年金法の改正でも、財政基盤の長期安定のための抜本的な措置といいますか、長期安定の見通しといいますか、そういうものも何とかつけられたのではなかろうかというふうに思いまして、農業者年金制度への先行き不安というものを解消いたしたいというふうにも考えているわけでございます。 それからまた、具体的な手法といたしまして、被用者年金期間の空期間通算措置を今回創設したというようなこと、それからまた特定保険料、いわゆる三割引の保険料の適用要件を緩和いたしまして三十五歳未満の農業後継者、農業経営主、そういう方々にすべて適用するというような措置をやったこと、それからまた任意加入規模の経営主の後継者も加入し得るという加入資格を新たに設けたというふうなことで、いろいろ対策を講じた次第でございます。こういうようなことをこれからいろいろ宣伝いたしまして、戸別訪問による勧誘とか、積極的な未加入者の加入を促進するための努力というものを農業者年金基金とか、それからまた農業委員会、その他の農業団体ともども努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○一井淳治君 今お話もございましたけれども、この年金財政が確立するということが非常に大切でありまして、そのために今回もいろいろと御努力がなされておるわけでございますけれども、この年金財政の確保については引き続き御努力いただけるんでしょうね。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正案の御提案の中で、保険料の段階的引き上げそれからまた既受給権者についてのスライドの一定期間の停止ということと相まって、二分の一の定率助成に加えて国庫の追加助成というものをルール化したわけでございます。私どもは、こういう措置によりまして年金財政は何とか長期的に安定するというふうに考えている次第でございます。
○一井淳治君 何といいましても小手先の問題よりは、将来加入する農民の方々が農業の将来に希望が持てる、自分も農業に打ち込んで一生懸命やっていこうというそれがないと、農業者年金への加入も進まないのではないかというふうに思いますけれども、この基本の点についてどのようにお考えなのか、お答えをいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(山本富雄君) 当委員会でもしばしば申し上げてまいりましたけれども、国民に大切な食糧を安定的に供給していく、こういうことのほかに、国土を保全していくあるいは形成していく、地域を守っていく、こういう基本的な役割を農業が担っているということを考えますと、これなくして日本の発展はない、それが農は国のもとだ、こういうふうに私は位置づけておるわけでございます。 今先生、評論家の先生、参考人ですか、からのお話があったということですけれども、よく私どもお目にかかりますと評論家の皆さん、日本農業の将来はああだこうだおっしゃいますけれども、本当に農業の将来を思うんなら暗いことだけおっしゃっちゃだめだということをこの間も私指摘したばかりなんです。難しい面もあります。厳しい面もありますけれども、しかし農は国のもとなんですからこれはやっていく以外にないわけなんでして、そこをお互いに学者の先生も評論家の先生も、大所高所から日本農業の生き行く道を指示していただきたい、こういうふうに私は注文をつけているわけでございます。 ですから、いろんな指針等を中心にしながら、バイオテクノロジーを考えるとかあるいはその他さまざまな手法を総合的に使って、そして農業の将来はかくあるべしということを、しかも一歩一歩、日一日積み上げていく以外にないんだと、一挙に農業問題が解決するなどということはあり得ないわけでございますから、総合的に、着実にさまざまな施策を講じていくということによって農民の皆さん方に自信を持ってもらいたい、特に後継者の皆さんに将来に対する展望を持っていただきたい、年金改正もその一助である、こういうふうに私は考えております。
○一井淳治君 農業の将来に関しましては、やはり米の輸入自由化の問題、これが非常に大切であるというふうに思います。これはやや古い話ですけれども、一粒の米も輸入しないということは国際的には通用しないんだというふうな大臣の発言などありまして、私どもも非常に心を痛めたわけでございますけれども、米の輸入自由化についてはどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(山本富雄君) この問題は、終始一貫歴代の農林水産大臣、それから私もそうでございますけれども、米及び水田稲作の格別の重要性にかんがみ、国会における決議等の趣旨を体しまして今後とも国内産で自給するという方針に何の変更もない。また、さまざま今言われております、けさなども話が出ましたが、例のメキシコにおけるウルグアイ・ラウンドの非公式閣僚会議で、中山外務大臣がこういう発言をした云々というふうなことも新聞等に出ておりましたけれども、私、外務大臣にも確かめております。何の変更もありません。また、ウルグアイ・ラウンドに対しましては、日本が、かねて提案をしております方向に沿って今後とも努力をしていくということに変わりはないということを申し上げておきたいと思います。
○一井淳治君 ウルグアイ・ラウンドのお話も出ましたけれども、ガットの自由貿易万能という考え方自体、これもやや古いのではないかというふうに思います。日本の立場というものをガットの場でも、世界に対してはっきりと主張していただきたいということをお願いして、もう一つ、農産物の自給率向上についてお尋ねをしたいというふうに思います。 大臣は、たしかことしの三月七日の参議院の本会議におきまして、井上議員の質問に対して、食糧自給率低下傾向に歯どめをかけるという御答弁をいただきました。また、三月二十九日のこの委員会では、「国内での基本的な食料供給力の確保を図りつつ」という言葉をお使いくださいまして、ここでは食糧自給ということは出なかったわけでございますけれども、やや食糧自給率向上について、我々とすればもっと頑張っていただきたい、もっと積極的に進めていただきたいというふうな気持ちが強くなるようなわけでございますけれども、自給率向上の御努力を賜れるかどうか、そのあたりについてお尋ねしたいというふうに思います。
○国務大臣(山本富雄君) 食糧自給率の低下傾向に歯どめをかける、あるいはまたこれを向上させていくということは、これはもう何にも増して大事なことだという認識を持っております。 ただ、私ども供給熱量で五割ということを一つの当面の目標にしてさまざまな努力を進めてまいっておりますけれども、いろいろ言われております、六〇%ではどうだというふうな御提案等もあることも承知しておりますが、なかなか一%上げることについても勉強してみればみるほど難しい。しかし、難しくてもこの食糧自給率の向上ということは、日本の国を守っていくためにまさに食糧安全保障の建前から大事だというふうに考えておりまして、必死の努力を重ねてまいるつもりでございます。米にかかわらず、あるいは小麦とか大豆とかあるいはまた野菜、果実、こういうものにつきましても工夫を凝らしていかなければならない。しかし、消費者のニーズというものもございまして、これを考えずにいたずらに生産をするというわけにもまいりません。そういう条件等も判断しながら国内生産の維持拡大を図っていく、こういうふうに考えております。
○一井淳治君 自給率を高めるということがいかに困難であるかということは、もちろん私どもも十分理解しておるわけでございます。しかし、日本の農業の振興のためには自給率を向上しなくちゃいけない。農業の振興が成れば当然自給率も向上していくわけでありまして、外国に遠慮をして日本の農業の振興は放棄するというのでは困りますので、やはり外国に遠慮しないで日本の農業を振興する、そうすれば当然自給率の向上というふうになっていくのじゃないかというふうに思います。本院のこの委員会でも、たしか去年の十一月十七日に自給率の向上の決議をしておるところでございますので、どうか積極的に自給率向上の御努力をいただくことを要望いたしまして、次の質問に移りたいというふうに思います。 この農業者年金は構造政策、その構造政策にも細分化防止とか早期引き継ぎとかいろいろありますけれども、割合進行していないのが、進んでいないのが規模拡大ではなかろうかというふうに思います。この規模拡大が進まない理由はいろいろあり、またこれが複雑に絡み合っているというふうに思いますけれども、農地が家産として、しかも相当財産的な価値があるために、農地が高くて規模拡大をしようにも、農地を買ったのでは採算が合わないという経済的な側面、あるいは農地を購入あるいは借用して規模拡大をしても三〇%の転作確保がついて回るという問題、そういった点が非常に大きな問題になっているのではないかというふうに思いますけれども、この規模拡大が進まない理由、これについては農水省とすればどのように把握しておられるんでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、この規模拡大が進まない理由という中には、農家にとっては農地というものが、先祖代々の資産という性格が非常に強いということで、自分の代に農地を手放したくないというような気持ち、執着心といいますか、それが非常に強いということだと思います。さらに、農地を貸したら戻ってこないというような意識もまだかなり強く持っております。特に規模拡大がおくれているというふうに言われております稲作部門におきましては、機械化の進展などによりまして、第二種兼業農家とか高齢農家でも容易に生産が行えるようになったということもありまして、なかなか規模拡大が進まない。一方、土地の面積の制約のない施設園芸部門とか畜産部門とか、そういう部門では経営規模の拡大が非常に進んでいるというのが実態だと思います。 そういうような実態を踏まえまして、私どもといたしましては、やはり売り買いで規模拡大をするということはなかなか難しいということで、安心して貸し借りができるような、そういう環境をつくっていきたいということで、現在農用地利用増進事業というのを推進いたしておりますけれども、こういう農用地利用増進事業を通じて規模拡大を図っていきたいというふうに考えております。 最近の実態を見ますと、農地の売買による移動というのは減少いたしておりますけれども、貸し借りによる農地移動というのは非常に増大をいたしております。六十三年に六万一千ヘクタールというような面積になっておりますが、今後とも貸し借りによる流動化というのは進んでいくのじゃないかというふうに考えております。しかも、この貸し借りによる流動化した農地が、経営規模の大きい層へ集積されていくという傾向も次第に顕著になっております。また、自主的な規模拡大ということで、農作業の受委託のようなものもかなり進んでおりまして、田植えとか稲刈り、脱穀、こういう基幹的な作業を中心に作業受委託というものも進んでいるわけでございます。私どもといたしましては、こういう農地の貸し借りとか農作業の受委託とか、できるだけ農家が受け入れやすいような、そういう手法でもって中核的な担い手への農地の利用集積というものを図っていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 今お話がありましたように、農地の所有と利用をもっと分離していくということで規模拡大を進めていただきたいというふうに思うわけでございます。土地を買っていったら採算が合いませんが、しかし今お話がありましたように、土地を一たん貸すととられてしまう、あるいは公共収用等で買収になると五〇%ぐらい借地人が地上権で持っていくというふうなことがありまして、心配して土地を手放せないということがかなりありましたけれども、最近は、何といいますか、事態が変わりまして引き受け手がないというふうなことが、中山間地域ではかなり多く起こりつつあるわけであります。そういった中で、農地を耕してくれる人を見つけるためにも、もう少し所有と利用との分離ということを進めていただきまして、利用権を保護する、利用権の設定や譲渡をもう少し自由簡便化するという方策をおとりいただくことが必要ではないかと思いますけれども、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、利用と所有を分離していくという方向がやはりこれからの方向だというふうに考えております。先ほど農用地利用増進事業というのを申し上げましたけれども、この中で利用権設定を進めているわけでございます。この農用地利用増進事業による利用権設定をできるだけ円滑にするために、いろいろ農地法上の特例というものを設けているわけでございます。この農用地利用増進事業による利用権設定については、農業委員会の許可を不要とするというような手続を簡素化している、またこの事業によって貸し付けられる農地については小作地所有制限の対象にしないとか、それからまた期間満了時に自動的に賃貸関係が終了するということで、一たん貸したら返ってこないというようなことのないように、安心して貸せるというような、そういういろんな農地法上の特例を設けているわけでございます。 それからまた、利用権の存続期間ということで、一方ではやはり耕作者の地位の安定といいますか、そういう観点からできるだけ安定した利用権ということが重要であるわけでございますけれども、経営の安定を図るという観点から利用権設定の期間をできるだけ長くするという、いろんな奨励措置を講じているわけでございます。実態を申し上げますと、平成元年十二月末現在で、期間六年以上の利用権設定が全体の七八%ということでかなり長期の利用権設定がふえている。また十年以上のものということで見ますと、全体の四三%を占めているというようなことでございますので、耕作者の地位の安定という観点から見てもかなり成果を上げているのじゃなかろうかというふうに思っております。 それからまた、期間が満了した場合の再設定率ということも非常に重要でございまして、六十三年の実績を見ますと、その再設定率は約七割ということでかなり高い率になっているという実情でございます。
○一井淳治君 それからもう一つは、転作がついて回る。よい転作作物があればいいんですけれども、これは大変なことでございまして、それが規模拡大が進まない重要な理由になっているというふうに思います。 規模拡大している人に対して特別の割合の転作を選ぶわけにはいかない、みんな一律にしなくちゃいけないというふうに言われておるんですけれども、やはりこの辺を何か工夫しないと、いろんな工夫の仕方があるかもしれませんが、例えば地域ごとに少し考えていくとか、平均三〇%の一律平等に割り当てるというところの基本を少し考えて、乗り越えていかないと規模拡大が行われないというふうに思うわけですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 米の生産調整の必要性という観点から、約三〇%の転作ということが全国的に行われているわけでございますけれども、このことが、稲作経営の規模拡大を阻害しているのではないかということが言われていることは承知しているわけでございます。ただ一方では、この転作の実施を契機にいたしまして転作の団地化というようなこと、それからまた、転作に係る基幹作業を中核的な担い手に受託するというようなそういうやり方、そういうようなことをいろいろやりまして、転作を規模拡大に結びつけているというような事例もいろいろ見られるわけでございます。私どもといたしましては、この転作についてのいろんな生産性向上、それから集団的な転作というような施策をいろいろ工夫しながら、規模拡大というものをできるだけ進めていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 もう少し何か抜本的な方法はないんでしょうか。例えば、平等に割り当てるというのをやめて、規模拡大をする人には転作割合を少し緩めるとか、そういったことはできないんでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 転作の割り当てといいますか、につきましては、ある程度地域性とかそういうものを勘案しながら、ある程度の傾斜配分といいますか、それがなされていると思いますけれども、しかしこれをドラスチックに行うということはいろいろその調整が難しいという実態だと思います。 私どもといたしましては、やはり先ほど申しましたように、いろいろ集団的な転作をやるとかそういう形で、うまくこなしながら規模拡大を進めるような、そういう対策を今後いろいろ強化していきたいというふうに思っております。
○一井淳治君 それから中山間地域の問題でございますけれども、この地域では引き受け手がだんだん見当たらなくなるということが現に起こりつつあるわけでございます。農業者年金の取り扱いにおいても、今後の問題ですけれども、中山間地域に居住しておるというその理由だけで特別の優遇策を考えてあげてもいいのじゃないかというふうに思うんです。これは検討課題になると思いますけれども、いかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 中山間地域の中には、若者の流出等によりまして農業の担い手が減少する、それからまた、場合によっては地域社会の機能が低下するというような地域もあるわけでございます。 先ほど大臣からも説明がありましたけれども、そういう中山間地域に対しましては、平成二年度から新しい事業を実施したいということでいろいろ工夫をしているということでございます。私どもといたしましては、こういういろんな生活基盤、生産基盤の整備とかそれから高付加価値農業の振興とか、それからまた都市、農村の交流とか、そういうようなことを通じて中山間地域の活性化というものを図っていきたいというふうに考えておりまして、農業者年金制度において、中山間地域で何か特別の措置をするということは現在のところ考えておらないわけでございます。 ただ、先ほど来説明しておりますように、農地を移譲したいというときにその受け手が全然見つからない、どうしようもないというような場合に備えて、農業者年金基金がそういう農地を借り入れて、経営移譲という行為を完結させて年金の支給が受けられるようにするというような道を開いたところでございます。
○一井淳治君 若い人は皆さん都会へ出たがっておりまして、中山間地域に住んでいただける、あるいは中山間地域に住んでそこで農業をしてくださるということになればお金を払ってもいいのじゃないか、感謝しなくちゃならないんじゃないかというふうな感じもするわけでございます。ですから、そういったことで今後とも中山間地域対策とすれば、農業の活性化という観点ではなくて、そこにとにかく居住する者を応援する、居住しているだけでお金を出してもいいのじゃないかというふうに思いますが、そういったふうな御検討をお願いしたいと要望を申し上げたいと存じます。 次に、農業者年金と障害者対策の関係でございますけれども、これは言うまでもなく、これまでは構造対策が大切だというので障害者に対する配慮というものは余り行われていないわけでございます。しかし、農作業というものも、林業にしてもあるいは牧畜にしてもある程度危険を伴うものでありまして、保険料を二十年あるいは十五年掛けておればいいわけですけれども、二十年なりあるいは十五年掛ける前に事故を起こして障害者になってしまうということもこれは起こるわけでございます。そういった場合には、障害者になる確率というものは非常に低いわけですから、やはり救ってあげるような道を将来は開いていただけたらいいのじゃないかというふうに思います。そのあたり御検討願いたいんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業者年金制度では、受給権者が一定の障害の状態にあるときは、特例的に六十歳前までの経営移譲年金の支給を認めているわけでございます。 具体的に申しますと、加入者が二十年間保険料を納める前に障害者となったという場合の取り扱いといたしましては、農業者年金制度においては、障害の状態となった者であっても農業経営を廃止しない限りは加入者であり続けることができるということで、必要な受給資格期間を満たすまで保険料を納めることができるというようなことになっております。 また、その者の保険料納付済みの期間が十五年以上であるというような一定の要件を満たす場合には、その時点において経営移譲を行って、それからまた農業者年金の加入資格を喪失した後に、任意継続制度というものを活用いたしまして再度農業者年金の加入者となり、必要な受給資格期間を満たすまで保険料を納めて、経営移譲年金を受給できるという道も開いているわけでございます。
○一井淳治君 おっしゃったそういう諸制度については、これはありがたいと思いますけれども、二十年も掛けないで、例えば五年ぐらいしか保険料を掛けていなかった、しかし牛に圧迫されて壁との間に挟まれて、事故を起こして半身不随になったというふうな場合に、引き続いて保険料を払いなさいとかあるいは奥さんがかわって営農を続けなさいというのは、やはりかわいそうでありまして、非常に確率的には低いわけですから、農業、林業、酪農等、そういった業務の過程で事故を起こしたという場合に限定してもいいかと思いますけれども、障害者となった場合の、他の年金でいけば障害年金になるんでしょうけれども、これについては余り財政負担もふえないと思いますので、念頭に置いていただきたいというふうに要望いたしたいと思います。 それから、ついででございますけれども、農水省それから農協あるいは農水省の主要な外郭団体、ここでの身体障害者の法定雇用率は達成されておるのかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 農林水産省におきます身体障害者の雇用率につきましては、元年度六月現在で、農林水産省内局が二・〇四%、食糧庁二%、林野庁二・六五%、水産庁二・〇二%となっています。また、農林水産省所管特殊法人につきましては、同じく元年度六月現在で平均的な雇用率は一・九八%となっております。 いずれも障害者の雇用促進等に関する法律に基づきまして、就業が困難であると認められております植物防疫官でありますとか、家畜防疫官等々の職種を除きまして、障害の種類や程度に応じまして一般行政事務等に就業してもらっております。
○一井淳治君 農水省は役所でございますので、法定雇用率以上に多くの障害者の方を雇用していただくように、またその他の団体におかれましても、雇用率を達成されるように御指導いただきたいというふうに要望いたします。 それから、保険料の未払いの実情と未払いの原因、強制徴収をしているかどうか、そのあたりについて質問いたします。
○政府委員(片桐久雄君) 保険料の未払いの状況でございますけれども、保険料は期限内に未払いの場合に、未払い保険料を二年以内に納付されない場合には、時効によりまして保険料を納付できなくなるといいますか、徴収できなくなるということでございます。この時効完成率といいますか、昭和六十一年分の保険料について見ますと、時効が完成して徴収できなくなった保険料の割合というのが二・七%というふうになっております。保険料の未払いが若干といえどもあるわけでございますけれども、この原因といたしましては、農業者年金制度の将来に対する不安感がある。それからさらには、一たん加入したものの、将来とも農業に従事する確信がないというようなことが考えられるわけでございます。 今後の収納対策といたしましては、今回の改正で長期的な年金財政の安定ということを加入者に周知徹底するというようなこと、それからまた収納率が低い農協などを対象にいたしまして、基金とか県団体が重点的に指導を行いたい。それからまた、基金が作成して農協へ提供する被保険者記録リスト、こういうものを活用して納付督励を実施するというようなことで、収納率を一層高めるように努力していきたいというように考えております。それからまた、平成三年の一月から農協系統のオンラインシステムというのがほぼ完成するということで、これを活用した保険料の自動口座引き落としということを導入するということで、保険料の収納率を引き上げていきたいというように考えております。 先生お尋ねの未納保険料についての強制徴収という点でございます。もちろん法律上強制徴収できることとなっておりますけれども、現実にこれを発動したことはございません。その理由といたしましては収納率の水準が比較的高い水準である。先ほど申しましたように二・七%が未収、逆に言いますと九七・三%が収納率であるというような点でございます。それからまた、強制徴収の措置によりまして農家との摩擦を生ずるよりは、やはり受託収納機関であります農協と組合員の密接な関係に着目して、納付督励する方が効果的であるというふうに考えているわけでございます。
○一井淳治君 強制徴収は避けるべきであるというのがこれは常識でありまして、極力その指導といいますか、任意に払っていただくというのがいいことは当然だと思いますけれども、中には何百万、何千万も農協に預金を持っておりながら何とかかんとか言って払わない人もおりまして、これは非常に士気に影響するわけです。徴税令書一本でこういうのは徴収できるわけですから、絶対に強制徴収はないんだというふうになってしまうと、そういう人たちが、何といいますか、非常に言葉は悪いんですけれどもはびこってまいりますので、時々強制徴収をやれば、うちもやられやしないかということで収納率が非常に上がるのじゃないかというふうに思いますので、強制徴収をやらないんだという方針は立てられないように要望したいと思います。 それからあと、女性、農家の嫁の問題でございますけれども、この問題についてはこれまで何度もこの委員会でも附帯決議がなされておりますし、また財政上の負担だけが問題でありまして、農家の配偶者の地位を守る必要があるということはだれも認めているところであるというふうに思います。そういったことで、加入者が死亡した場合の配偶者の加入について特別に配慮をいただくとか、あるいは夫婦で農業に従事している世帯で高額の農業収入のある場合には、一世帯で二人加入の道を開いていただくとか、あるいは夫が被用者保険に加入している場合には、農作業をしている妻に農業者年金の加入の道を容易にしていただくとか等々の、農家の女性の地位の向上、農家の奥様方が一生懸命農作業に従事できるようにしていただくよう、今後積極的な検討をいただくことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(仲川幸男君) 午後三時四十五分まで休憩いたします。 午後二時十四分休憩 —————・————— 午後三時四十六分開会
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農業者年金基金法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 最初に厚生省に一点伺っておきます。 農業者年金基金法は今回の改正によって、経営移譲年金について、選択制ではあるけれども六十歳支給を六十五歳まで延長しようとしております。厚生年金及びこれに準ずる他の共済年金について、厚生省は、これらの年金の支給開始年齢を六十五歳に引き上げようとする考え方を持っているわけでありますが、農業者年金の支給開始時期を六十五歳まで延長することによって、他の共済年金制度の支給開始年齢の引き上げに連動してはならない、農業者年金は、農業構造の変化によってこのような措置を講ずる特別な事情があるので六十五歳支給とするのであるというふうに思いますけれども、このことが他の共済年金の支給開始年齢引き上げの引き金になってはならない。この点について厚生省に確認をしたい。
○説明員(阿部正俊君) 農業者年金についての、今回の制度改正の中での給付体系の変更といいますのは、あくまでも構造改善という特別の政策目的を持った農業者年金についての対応策でございまして、特に農村の高齢化等に対応しながら政策目的を実現していくために必要な改正だというふうに認識しておるわけでございます。 一方、厚生年金その他の被用者年金といいますのは、こうした特別の政策目的を持った年金とは違いまして、いわば一般的な老後保障というものを目的とするものでございまして、そうした厚生年金なら厚生年金なりの支給開始年齢がどうあるべきかということは、農業者年金とは全く視点の違った観点から検討されるべきものだと思いますので、結論的に申しますと、支給開始年齢のあり方につきましては、農業者年金とは全く別に、厚生年金は厚生年金として検討していくべき性格のものであるというふうに理解しております。
○村沢牧君 今まで同僚委員から、いろいろな点について質問があったところでありますが、私はこの中で残された問題について絞って質問いたしますので、簡潔にひとつ御答弁を願いたいというふうに思います。 今回の法改正は、農業者年金制度の財政危機に対応しようとする意欲を示すものとして評価はできるものでありますが、幾つかの課題を残しております。その主要なものは、先ほど同僚議員から指摘がありましたように、遺族年金と女性の年金権問題であります。先日の当委員会の参考人調査におきましても、全国農業会議所、年金受給者連盟を代表する参考人及び大学教授は、遺族年金の実現に向けて検討すべきだ、今回の改正で配偶者に配慮がされていないことは遺憾である、女性に年金加入が閉ざされていることは農家の実態にそぐわないというような意見を陳述されております。本委員会は、遺族年金の創設について昭和四十九年以来八回も決議を行っているのであります。農家の経営は家族ぐるみであって、中でも婦人に頼っており、最近は特に婦人の役割が大きくなっております。このような現状の中で、婦人の老後保障はどうしても必要であり、遺族年金は婦人の老後保障と裏腹の関係にあるわけであります。農業経営において婦人の果たしている役割、農村婦人の老後保障、それと裏腹である遺族年金の必要性について、先ほど大臣からの答弁がありますので、簡潔に御答弁をお願いします。
○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。 先ほど来、各先生に申し上げているとおりでございまして、また今先生から御指摘のとおり、農村における御婦人の役割というのは非常に大きい。また、この農家婦人の老後保障という問題については極めて大事な課題である、こういう認識を持っております。ですから、今回の改正に当たりましても、この年金加入者が加入中に死亡したというふうな場合のこと等を考えながら、特例措置の道も開いたというふうなことでもおわかりいただけるというふうに考えております。 また、遺族年金の問題につきましては、財源上いろいろ工夫をしておりますが、大変難しい問題だ、こういう認識を持っております。
○村沢牧君 農業者年金制度の魅力を増進させ、年金加入者の加入を促進するためにも、遺族年金を導入すること、農業に専従をする主婦も年金に加入することができるようにすることが必要ではないか。簡潔に御答弁願います。
○政府委員(片桐久雄君) 農村婦人の老後保障という問題、極めて重要であるということは先ほど大臣からも申し述べられたとおりでございます。その老後保障をできるだけ充実するために遺族年金を導入するという考え方があるわけでございます。私どももいろいろ検討したわけでございますが、この財源問題をどうするか、財源を確保するために国庫助成を増大させるのか、保険料の引き上げを行うのか、こういう非常に難しい問題をいろいろ検討いたしたわけでございますけれども、なかなか現段階ではっきりした解決策が私どもとしては見出せないような状況でございます。
○村沢牧君 農業者年金は政策年金と老齢年金の二面を持っている、しかし、これを分断することはいささか問題である、そこで農家の主婦、特に後継者の嫁も含めた主婦の問題は、遺族年金制度の創設という方向で、農業者年金の方からアプローチして問題を解決したいというのが私どもの研究の方向である。これは昭和五十一年第七十七国会、安倍農林大臣のときに岡安構造改善局長の本委員会における答弁であります。現在でもこうした考え方に変わりはありませんか。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の答弁、昭和五十一年に岡安局長からなされたわけでございますが、この答弁は、政策年金としての農業者年金の性格上、一般の老後保障年金よりも遺族年金の方が政策的位置づけを行える可能性が高い点を述べたものであるというふうに考えております。その後、年金の財政的に困難な状況によりまして、このような考え方につきまして、必ずしも前向きの検討が十分行われずに今日に至っているのではないかというふうに考えております。しかし私ども、農家婦人の老後保障という観点から、こういう遺族年金という手法というのは、最も有力な手法の一つであるというふうに考えておりまして、現在もその考え方は変わっておらない次第でございます。
○村沢牧君 大臣、昭和五十一年にこのような方向を出しているんです。しかしその後、私の知る限りにおいてはほとんど真剣に検討されておらない。これが農水省の実態なんですね。附帯決議もこれだけやっている、だけれども検討していない。これではいけないというふうに思うんです。 そこで農林水産省は、従来遺族年金について制度的になじまない、こういうふうに主張してきましたが、農家の婦人の果たしている役割、老後保障の必要性、構造政策の改善などから制度的になじまない、いつまでもこんなことを言っているべきではないというふうに思いますが、どうですか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の年金法の改正に当たりましても、この遺族年金の問題につきましてはいろいろ検討を行った次第でございます。その検討の過程での問題点といたしまして、先生御指摘のように、この農業者年金といいますのは農地の移譲に付随して特別の年金を支給する、こういう本制度の性格論からの問題ということもいろいろ議論がありました。それからもう一つは、この遺族年金の財源負担をどうするかという、問題としてはこの二つが大きかった……
○村沢牧君 ちょっと待ってください。 局長、私の質問聞いていない。私はそのことを聞いているんじゃないんだ。次のことを聞いておるんですよ。私は時間がないから質問の順序をずらしていますからね、よく質問を聞いて答弁してください。なじまないところを聞いている。
○政府委員(片桐久雄君) どうも失礼いたしました。 確かに従来、遺族年金は政策年金としての性格になじまないという議論もあったわけでございますけれども、私どもといたしましては、このなじまないという議論を乗り越えていろいろ検討したいということで検討もやっているわけでございます。今回一歩前進ということで、加入者が死亡した場合の配偶者の加入の特例ということも改正の案に盛り込んでいるわけでございます。 さらにまた、婦人の別途加入の問題というようなこともいろいろ検討いたしましたが、これは国民年金基金の新しい制度という関連もありまして、いろいろ議論があった次第でございます。
○村沢牧君 大臣、今局長答弁がありましたけれども、従来は、遺族年金はこの制度になじまないんだと、そういう答弁で一貫しておりますね。ですから今回のは、今答弁にありましたように、従来の答弁より私は一歩前進したと思うんですが、大臣どうでしょうか、そのように確認していいですか。
○国務大臣(山本富雄君) 社会構造もそうでございますし、また農村の実態も時代とともに変化をしていく。その中で農村の生きる道を探りながら、年金法の改正も八回にわたり今先生の御指摘のとおり行ってきたということでございますから、私どもの考え方は、新しい時代に即してこの年金法の改正を今回提案したということで御理解を賜りたいと思います。
○村沢牧君 農業者年金の遺族年金については、帰するところは財源問題、そして他の年金との横並びも考えなければならないと私も承知をしております。しかし大臣、前向きな施策を講じ、新たな制度をつくろうとするからには新たな財源が必要だということは当然のことだ。遺族年金の必要性を認め、その実現を図るためには財源についても政府が積極的に対応することも当然のことだ。しかし、農業者年金の場合、保険料負担でもって遺族年金財源を賄うということは、掛金の現状そして今回の改正案による上昇率を考えればとても無理であります。 そこで、経営移譲年金の受給者が死亡した場合、その奥さんの生存中遺族年金を支給することが基本ではありますけれども、そのためには相当な財源が必要であるとするならば、当面、一定期間支給をするというような対策を講じて、遺族年金制度の頭を出すことも必要だと思いますが、どうですか。
○政府委員(片桐久雄君) 確かに、遺族年金を配偶者が死亡するまで支給するということになりますと、相当の財源が必要であるというようなことでございます。先生御指摘のような、一定期間に限って遺族年金をスタートさせるというようなことも一つのスタートの姿として考えられると思います。私どもといたしましては、そういう御提案も参考として今後検討させていただきたいというふうに思っております。
○村沢牧君 今回の改正で、経営移譲年金の国庫補助について一定の増額があったことは認めますけれども、しかし他国と比べてみてどうか。ドイツやフランスでは経営移譲年金は全部無拠出、拠出をしない、全額国庫負担であります。農業者年金も発足して二十年も経過したのでありますから、国庫負担についても、もっと我が国においても前向きな方向を出すべきだ、どうですか。
○政府委員(片桐久雄君) 西ドイツとかフランスとか、そういうところの農業者年金制度におきましては、離農年金が全額国庫負担であるということはそのとおりでございます。ただ、老齢年金のようなものは拠出制ということになっているわけでございます。私どものこの年金法の改正におきましても、定率の二分の一の補助に加えて追加的な国庫助成をするというようなことで、かなり踏み切ったというふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 今回は若干前進をしたけれども、まだまだ先進国と比べてみると大変におくれておるということを指摘しておきましょう。 そこで、他の年金との横並び、だから遺族年金もなかなか農業者年金には創設することができない、こういうことを言われるわけでありますが、他の年金には遺族年金制度があるんです。ただし、遺族年金の財源については、直接に国庫補助金が支出されておらない、こういうことも承知しております。農業者年金は、加入者は地権者であるけれども、農業経営の性格上夫婦が一体となって働いている、掛金は夫婦が共同して負担したものであります。したがって、他の年金制度とは異なるんです。遺族年金に必要な財源は経営移譲年金の国庫補助の一環として考えてもいいものだと、このように考えますが、どうですか。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘のように、農業経営は夫婦一体で行われておるという観点からすれば、経営移譲も夫婦一体で移譲する。そういう関連でいきますと、移譲年金も夫婦を一体として支給するという考え方が成り立ち得ると思います。そういう考え方を延長していけば、夫が死亡した場合の妻に支給される遺族年金も、経営移譲年金の一部分であるというような考え方も成り立ち得ると思います。しかしまた一方では、この農業者年金は、農地の経営移譲、農地の権利移転に付随する年金であるというような考え方もあるわけでございまして、私どもといたしましては、そういういろんな考え方を踏まえて今後いろいろ検討していきたいというふうに考えております。
○村沢牧君 先ほど指摘したように、今までも附帯決議をしたけれども、なかなか前向きには検討しておらぬ。今までの局長の答弁を聞いておると、私が指摘したようなことだってやっぱり考えなければいけない、できるではないか、そのように受けとめるわけでありますが、今回の改正に当たってそのようなことも考慮したんですか。今度の改正に当たって、今局長が答弁したようなことについても検討を加えたんですか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正に当たりましていろいろ検討したわけでございますけれども、結局今回の改正では、年金財政の基盤を長期的に安定するという課題がまず最優先であるということであったわけでございます。先ほど申しましたように、保険料の引き上げというのも、ぎりぎりの段階、ぎりぎりの限界まで農家にお願いするというようなことでやったわけでございますけれども、そういうことをやった上で、国庫の追加的な補助ということも相当に思い切って踏み込んだということだと思います。 ただ、さらに遺族年金についての財源についても工夫すべきでなかったかという御意見でございますけれども、いろいろ検討した結果、なかなか保険料の負担の問題、それから国庫の助成の限界というようなことも考えて、今回は遺族年金の創設というものは断念した次第でございます。
○村沢牧君 日本社会党は、かねてから遺族年金の必要性を強調して今回の改正に当たっても種々真剣に検討したんです。そうした結果、経営移譲年金の受給権者が死亡した場合、夫と妻の受給期間の合計を十年を限度として、それに要する経費は、経営移譲年金の国庫補助の増額によることを骨子とする修正案を準備したんです。こうした考え方は、大臣お聞きのとおり、局長も一定の方向として評価する、そういう答弁があったわけなんです。 ところが、我が党の修正案は、残念ながら与党自民党の賛成を得ることができなくて、正式に本委員会に提出することを断念せざるを得なくなったんです。しかし、今までの答弁を聞いておっても、今回はできなかったけれども、やっぱり政府としても、今までの論議を踏まえて前向きにこれは検討すべきことだと思う。遺族年金の必要性は大臣も認めておるんですから、この際、前向きな答弁を大臣からいただきたいと思うんです。
○国務大臣(山本富雄君) 今先生からいろいろお話がございましたし、また午前中、各先生方からもこの遺族年金問題は、細谷先生を初めとしてそれぞれ御指摘がありまして、私どももそのお考えについてはもっともだ、こういう気持ちを非常に強くしておるものでございます。 ただ、再々申し上げましたとおり、この八回の改正につきましても、その時代に即応して改正、改善をしてまいった、それから附帯決議の問題も先生から触れられましたけれども、これも、確かに遺族年金の問題につきましては解決がつきませんでしたけれども、その他の問題は、その都度前向きに処理をしながら改正を図ってきたということもお認めを願いたいと思っておるわけでございます。 そこで、先ほど来お話しの御婦人の農村における活躍、あるいはその御婦人方の老後を保障する意味で、この遺族年金の問題を取り上げるべし、こういうことでございまして、財政当局とも実は相当突っ込んで話し合いをした経過がございます。今回は実りませんでした。しかし、財政再計算をする時期、すなわち五年に一遍ということで財政再計算をしまして、そのときに改正を図っていくというふうなことを今まで繰り返してまいりました。そこで、ただ前向きで検討する、こういうことでは足りないと思いますので検討の場を我が省内に設けまして、遺族年金問題について、その検討の場におきましてしっかり前向きで検討してみるというふうに考えておりますので、どうかまた先々御協力を賜りたい、こういうふうに考えております。
○村沢牧君 今後、農林水産省に検討の場を設けて遺族年金について検討していく、これは今までの答弁よりも一歩前進したものだというふうに受けとめます。 その検討の場は、具体的にどのような構造でもってやろうとするのか、そのことを明らかにしてください。
○政府委員(片桐久雄君) 婦人の年金権または遺族年金の創設、こういう問題につきまして、今後構造改善局長の私的な諮問機関といいますか、関係者による研究会というようなものを開催いたしまして、検討を推進してまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 今までのような、単なる検討します、考えますという答弁ではなくて、具体的に今後やっていくというふうに受けとめておきます。 それから今、諮問機関を設けるということでございますが、諮問機関を設けて次期財政再計算を目途に鋭意検討するということは、次期財政再計算時には遺族年金を実施するようにする、そういう熱意がなくてはならないし、五年後にはこれを実施するという方針、決意のもとに積極的に検討をしなければならない、そのことを強く要請しますが、大臣の決意についてお伺いしたい。
○国務大臣(山本富雄君) 今、申し上げたとおり、構造改善局内に検討の場、すなわち諮問委員会的なものを早急につくるということは、これはもう前向きで検討していくということにほかなりませんので、私も、できるだけ先生方の御意向を体しながらこれを進めていく方向でやってまいりたい、こう考えております。
○村沢牧君 私の持ち時間もぼつぼつ終わりますので、一、二点伺っておきますが、主婦の年金加入についても同僚議員から今まで質問もあり、要請もあったところでございます。これについても今後引き続いて検討していく、前向きに検討していく、そのことを大臣に要請いたしますが、これまた御答弁をいただきたいというように思います。
○政府委員(片桐久雄君) 先生ただいま御指摘の、農家婦人を独立して年金に加入させる、こういう考え方もあるわけでございます。これにつきましても、農業者年金基金のこの制度の中で、農家婦人が別個に加入し得る制度というのが成り立ち得るかどうか、それからまた、今回国民年金基金制度の拡充の中で、主婦が独立して年金に加入する、こういう道も今後開かれているわけでございますので、その点につきましては、私ども今後ともいろいろ総合的に検討してまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 いろいろと御答弁をいただきました。本委員会の審議を通じて遺族年金については、この農業者年金の性格、制度的になじまない、こういうことも脱皮しようという皆さん方の御決意も伺いました。また、遺族年金についてもいろいろ問題はあるけれども、しかし諮問機関をつくってやろう、大臣の決意は、その諮問機関の検討は将来実施をしていくんだ、次期財政再計算をめどにして実施をしていくんだ、こういう熱意でもってやっていくということも伺いました。ぜひその方向でもって進んでいただいて、この次の改正のときに、また我が党あたりから修正案など出ないように、ひとつ政府の方で法律改正をしてもらいますことを強く要請いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○刈田貞子君 公明党の刈田でございます。午前中からたくさんの質疑がございましていろいろ勉強させていただきましたので、私は同僚委員が触れなかった部分についてだけ質問させていただきます。したがいまして、御通告申し上げた順序が違うかもしれません。 本農業者年金制度の補完事業として行われておりますところの離農者給付金制度についてお伺いをしてみたいというふうに思います。 まず、今回この離農者給付金制度が二点改正されておるわけでございますが、その一点として七十歳未満に限定してこの離農給付金を支給するということですね。今回の本体の農業者年金制度の改正というのは、農村社会の高齢化が進んでいる実情の中で、その実情に合わせて、農業者年金のいわゆる給付ないしは経営移譲を六十五歳に引き上げてということを考えての改正ですね。したがいまして、六十から六十四歳での経営移譲、そして受給権発生という段階では、それが引き下げられるというような現実もあるわけです。六十五歳まで引き上げるという実情に沿った考え方からいくと、この離農給付金が七十歳未満でカットだというのは、ちょっと相反する状況になりはしませんかという問題を一つ問題意識として持っておりますが、いかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 現在の離農給付金の制度は、離農の年齢にかかわらず一律六十二万円という給付金になっているわけでございます。ただ私ども、この離農給付金の制度を今回十年間延長を認めていただきました場合に、この制度をできるだけ構造改善という政策効果を発揮させるような方向で改善を加えたいというふうに考えている次第でございます。そのための手法といたしまして、従来のように年齢にかかわらないということではなく、やはり構造改善をより一層促進するという観点から、ある程度の年齢までに離農をしていただくということが、より構造改善に資するのではないかというふうに考えた次第でございます。 その離農の年齢をどういう年齢にするかということはいろいろ議論があったわけでございますけれども、移譲年金の場合には六十五歳というのを一応上限にしたわけでございます。ただ、この離農給付金の場合には、農業を専業とするような農家ではなくして、いわゆるサラリーマン兼業農家でございますので、ある程度、六十五歳以上になっても経営が可能なのではないか。ただ、ある程度限界があるというふうに考えまして、一応七十歳という年齢を設定したわけでございまして、七十歳までの離農を奨励するという観点から、そういう年齢制限を導入したいというふうに考えている次第でございます。
○刈田貞子君 七十歳でも一生懸命動いている農業者っていっぱいいる。だから、ちょっと私は実情に反すると思いますよ。 二番目は、今度処分する面積によって支給する額に差をつけた、給付金に差をつけたという問題なんですけれども、農業者年金の本体の方では、今回いわゆる分割移譲を認めているわけでしょう。分割移譲を認めているということは、手に持っていくものは小さくなっていくわけですね。それで、自分がかかわってきている農地が小さくなったら、その分だけ給付される額が少なくなっていくということ、これ、道理といえば道理ですけれども、それならば、五十五年改正のときまでは二段階を設けてあったのに、五十五年改正のときに一律六十二万にしたんですね。なぜそのとき、じゃ一律六十二万にしたのかっていうふうにさかのぼって事情をお伺いしたくなるわけですけれども、面積に応じて給付金額に格差をつけるということ、設けるということ、このことについてどのように考えたらよろしいんでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) この離農給付金の制度をできるだけ構造政策の政策目的に沿うように改善したいという観点から、今回処分の面積に応じて金額も決めたいというふうに考えた次第でございます。 その理由といたしましては、まずこの離農給付金の考え方というのが、いわゆる農地を移譲いたしまして離農するという場合に、離農により処分されます農業用施設等の平均的な処分損といいますか、評価損といいますか、そういうものをもとにいたしましてこの給付金の額というものを一応算定しているわけでございます。そういう処分損の評価額といいますのは、やはり離農前の経営の大小によって増減するのではなかろうかというのがまず一点でございます。それからまた、この構造改善の効果という観点から見ますと、離農によりまして農業者年金加入者に処分される農地面積が大きければ大きいほど、その構造改善の効果というものは大きいのではないかというような観点から、こういう面積によって差を設けたいというふうに考えている次第でございます。
○刈田貞子君 一定の構造政策の効果をねらおうとしているのはわかるんですけれども、やっぱり離農していこうとする当事者にとっては、今までは六十二万円だった、今度は三十万円だということになるわけで、この辺の考え方をかなり徹底しないと、いわゆる構造政策目的がこれで成立するんだろうかという問題があろうかというふうに私は思います。 先に進めますが、三番目は、このことを通じて今後の受給者がどんな程度に見込まれているのかということでございます。今回十年間というふうに延長期間を設定した理由が必ずしもはっきりしてないんですけれども、十年というタームで見てみるならば、その間にどのぐらいこの制度を利用する農家が出てくるのか、そして給付金の受給者数とか、またそれにかかわって動いていく面積の想定というのはどんなふうに見込まれるのだろうか。実は先般、私は参考人質疑のときにもサラリーマン農家の問題について御質問いたしましたものですから、大変ここに関心を持っておりますのでお伺いをしているわけです。 先般出ました「農産物の需要と生産の長期見通し」ですね、それによれば、六十四年一月現在で農家数が四百十九万戸ですか、それが平成十二年には三百六十万戸に減少するというようなことがうたわれておりますけれども、こうした数字も勘案しながら、このいわゆる離農者という問題を今後どんなふうに見ておられるのかお伺いいたします。
○政府委員(片桐久雄君) 離農給付金のまず過去の実績から申し上げますと、過去十年間、昭和五十四年から平成元年度の離農給付金の支給実績を見ますと、十年間で一万五千件、面積にして一万六千ヘクタールがこの離農給付金の対象となっているわけでございます。 今後十年間延長させていただきまして、どういう実績になるのかという推計でございますけれども、先生御指摘のように今後サラリーマン農家といいますか、そういう安定兼業農家、農業者年金の対象にならないような農家が次第に離農する傾向が強くなっていくというふうにも考えられますので、私どもといたしましては、過去十年間の実績よりはかなり増加するのではないかというふうに見ておりまして、一応予算の積算上は今後十年間で約二万八千件程度、面積にして三万ヘクタール程度の農地の移譲が、この離農給付金の対象になるのではないかというふうに見込んでいる次第でございます。
○刈田貞子君 この問題についてもいろいろお伺いしたいことがあるんですが、時間の関係がありますので次に移ります。ただ、サラリーマン農家といいましょうか、こうした農家もその実態を見ていると随分層が厚いんですね。いろいろな種類のサラリーマン農家があるわけです。だから、やっぱり一律にはいかないだろう、その辺のところをきちっと把握しないと見通しが違ってくるのじゃないかと思います。 それから次に、女性の年金権の問題について全議員から御発言があったように思います。私もこれまで、先回の改正のときにもいろいろ発言をさせていただいた関係がありますのでお伺いをするわけですが、午前中から国民年金基金制度を活用しての、農村婦人の年金加入の問題が御指摘ありまして聞いていました。 まず、厚生省さんにお伺いしたいんですが、国民年金基金制度というのは、実は国民皆年金制度が取り入れられるとき、二階建て部分を持たない層に対してどうするかという問題を討議いたしましたときに、たしか私ども公明党の案で、実はこの国民年金基金制度というのが取り入れられた経過があるというふうに思うんです。これは大変に公明党としても、今後この制度をさらにいろいろ考えていかなければならない部分があろうかというふうに思っておるところでございますが、今農村にこれが取り入れられていくということの効果について、厚生省ではどんなふうに考えておられるのか、ひとつ伺いたい。 それから、先ほどからずっと話が出ておりましたように、農村の婦人の年金権という考え方と遺族年金の問題、この問題についてどういうふうに考えられるか。つまり年金権というのは何なのか、受給権なのか加入権なのか、両方のことをいうのか、その問題について厚生省の見解を伺わせていただきたいんです。
○説明員(阿部正俊君) 最初に、国民年金基金についてちょっと申し上げたいんでございますが、今先生から御指摘になりましたように、日本の一般的な老後保障を目的とする公的年金制度の構成は、いわば一階部分は基礎年金、二階部分は、被用者年金の場合は所得比例年金、こうなっているわけです。ただ、自営業者の場合にはその所得比例の部分がございませんで、それが一つの制度全体を通じた大きな課題になっておったわけでございます。先ほど御紹介ございましたように、公明党さんを初めいろんな方々から、国民年金基金というふうなものを活用してやったらどうかというような御提案がございまして、先国会での改正の中に盛り込みまして一応制度化された、こういうことでございます。 ただ、それの老後保障面での効果といいましょうか、というものを追ってみますと、効果といいましてもどういうふうな基準で申し上げるのかなかなか難しいんですが、ただ一般的に言いますと、やはり基礎年金といいますのは必要最小限度といいましょうか、どちらかといいますと、基礎的な消費支出を賄うという国民全部を対象にした一つの制度でございますので、個別的な方々の老後のさまざまなニーズに対応するためには、やはりそれだけでは不十分であろうということは確かでございまして、そういう意味で、それにプラスした国民年金基金制度に御加入いただければ、それなりのより充実した老後保障につながっていくということでは間違いないことだろうと思っていますし、そういったふうなまさに効果があるからこそ、私どもも今回の改正で制度化したというふうに御理解いただきたいと思います。 それから、あと少し一般論でございますが、年金権といった場合に、加入というのと受給ということでどちらなんだ、こういうことでございますが、なかなかそういう定義もございませんけれども、一般的に言いますと年金といいますのは、やはり最終的には年金の受給に結びつかなければ意味がないわけでございますので、最終的な年金権といった場合には、やはり受給にどう結びつくのかということが一番のポイントになるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○刈田貞子君 局長にお伺いしますけれども、さっきの農業共済で国民年金基金制度を取り入れて、そして農家主婦がそれにかかわっていこうという話が出ていましたけれども、これはあれでしょうか、地域型か職能型かというのはもう決定したんでしょうか。 それから、これ厚生省から出ている資料だと思うんですが、掛金等の問題なんかもかなり一口五千円というような形で出ているんですよね。もしそうだとすると、これは一口五千円で複数口が加入できるというようなことになると、実際問題としては、農家主婦が二口一万円払って、この国民年金基金に加入していくということが事実上可能なのかどうなのか。 もう一つは、その経営主体者が払うのが幾らでしたか、一万六千円ですか、最終的には。それから国民年金が平成三年ベースで払うのは一万二千五十円。それからその時点で国民年金がたしか九千円になるはずですね、そうすると九千円が二人分で一万八千円でしょう。これで三万五十円。それにさらに主婦が二口かかって一万円だったら四万五十円毎月払わなきゃいけない、こういう関係になるわけね。だから、これは制度を一つつくって農家主婦の老後の保障の一助にというお考えなんだろうと思うんだけれども、果たして可能なんだろうかという問題があると思うんですが、この辺のところを含めて、職能、地域型、いずれか。
○政府委員(片桐久雄君) 現在、全国共済農業協同組合連合会を初めとする農協系統組織が、今回拡充されました国民年金基金制度を活用して職能型の基金を設立したいということで検討しているというふうに聞いております。この対象といたしましては、農業に従事する婦人、それからまた農業者年金に加入資格のない三反歩未満の農家、こういう方々、大体全国で約二百万人ぐらいいるのではないかというふうに推計されているようでございますけれども、こういう方々を対象にして年金基金を設立したいという方向で検討されているように聞いております。 これはもちろん国庫補助、助成というものがないわけで、いわゆる税制上の特例といいますか、そういうものがあるわけでございますけれども、厚生省の方の政省令がまだ決まっておりませんので、詳細の検討は進んでいないようでございますけれども、確かに一口五千円というのが大体の考え方じゃないかというふうに思います。これは、結局任意加入の制度でございますので、比較的規模の大きい農家の主婦とか、それからまた兼業収入のかなり豊かな兼業農家の方々とか、そういうような方々が主として加入なさるといいますか、そういうようなものではなかろうかというふうにも考えられると思います。
○刈田貞子君 比較的規模の大きい、こうした掛金が掛けられるような農家を対象にしてこういう制度を設けて、しかも六万八千円の社会保険料控除を認めるというような考え方は、一般論としては、今こういう農村の女性の年金をどうするかというようなことを考えている中では、一つ成果みたいな形で朝から一生懸命言われているけれども、私は余り評価してないんですよね。だけれども、図に書いたスタイルとしては確かに基礎部分しかない農村婦人に対して、何らかの形で二階建て部分をつくるという、そのことの一つの苦肉の策としてそういうものが出てきたということは、この基金制度の活用ということは確かに考えられます。 これは私の持論なんですけれども、先ほど厚生省では、基礎年金というのは一定部分の基礎の部分の必要最低限のところを保障するものというふうに言われていたけれども、私は基礎年金の部分のところをそういう硬直化したものではなくて、もっとここに柔軟性を持たせた基礎年金というものは、今後農村社会ばかりじゃなく考えられていっていいんじゃないかということを私個人では一生懸命検討しておりまして、これは私の持論です。 最後に、大臣にお伺いいたしますが、先ほど来から平成二年の予算が通ると、農蚕園芸局にあります生活改善課が改編をしてというお話がございました。そこで強力に農村婦人対策を進めていくんだというお話がありましたんですけれども、名称の変更だけでなく、ここにやっぱり強力な農村婦人対策パワーをやっぱりつくっていかなければならないというふうに思います。この辺のところの大臣の抱負を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(山本富雄君) まさに御婦人である先生からの御指摘でございますし、今締めくくりで形だけの課にするなと、こういう御指摘でございます。もちろん形だけの課をつくって、名前だけ変えたような課をつくってそれで事足れりとするつもりはありません。やはりこういう時期でございますし、この年金問題だけでなしに、先生方御存じだと思いますが、農業白書ですね、これにも「農業を支える農家婦人」、そしてその農業の主というふうな言葉を使って六割の御婦人の活躍ぶりが写真入りで示されておりますけれども、こういうふうに白書でも取り上げておりますとおり、今後これは本当に重視していかなくちゃならないという考え方でございますから、ここを拠点として、この農村婦人問題の当省における総括の場に実質的にしていきたいというふうに思っておりますので、魂を入れたものにぜひしていきたいと、こう考えております。
○猪熊重二君 いろいろ改正案についてほかの先生方から御質問がありましたので、私は二、三点だけお伺いしたいと思います。 御承知のとおり、今回の改正案によって、通常の補助金のほかに来年度から五年間にわたる補助金の問題と、それから平成八年度以降の補助金の増額の問題が改正規定に載っているわけです。私はこの補助金の増額について、政策的な当否についてここでお話しするあるいは論ずる気はありません。ただ、憲法、財政法に基づく予算の単年度予算主義、この観点から農水当局の説明に対し二、三お伺いしたいんです。と申しますのは、何か五年間にわたる補助金増額がもう確定して、間違いなくそれだけの金が出てくるというふうな御説明ですけれども、果たしてそうなんだろうかということからなんです。 まず、改正規定の附則十八条一項についてお伺いします。この附則一項は、御承知のとおり、来年度から平成七年度まで総額千六百億の補助金の増額をするという規定でありますけれども、この規定は、どのような法規的な効力を有するものであるというふうにお考えなんでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) この附則十八条の一項の規定でございますけれども、この改正法案が成立いたしました場合には、これを可決された国会の御意思のもとで、今後五年間国庫にこれだけの金額の財政支出を義務づけるものであるというふうに考えております。 ただ一方、憲法では毎年度の予算につきまして国会の議決を受けるべきことを定めておりますし、また財政法も会計年度の独立を原則としているということがあります。したがいまして、今回の追加国庫補助につきましても、これらの原則のもとで毎年度実際に国庫支出をいたしますためには、各年度の予算の裏づけを必要とするということになるわけでございます。これは、現行の農業者年金制度において、法定の国庫助成、二分の一の法律補助というのがございますし、定額か定率かという違いはありますけれども、同じ考え方であるというふうに思っている次第でございます。
○猪熊重二君 そうすると、具体的にお伺いしますと、平成三年度において農水省としてはどういう予算計上をしようというふうにお考えなんですか。
○政府委員(片桐久雄君) この法律が成立した場合には、政府はこの法律に拘束されるわけでございますので、政府の予算編成権というものはこの法律の金額に従って実行されるということになると思います。
○猪熊重二君 私がお伺いしたいのはそういうことじゃなくて、平成三年から七年まで各年度別に金額が書いてありますが、平成三年度の予算において平成三年度分だけを予算計上するのか、それとも三年度以降の七年度まで、それぞれの年度の分の合計なり、どういうふうに予算に計上しようと考えているんですかと、こういう質問です。
○政府委員(片桐久雄君) 平成三年度の予算の編成に当たりましては、まず定率補助、二分の一補助がどうなるかという額と、さらにこの追加、平成三年度分の八十六億円という金額、これに物価スライドの問題がありますけれども、それだけを一応平成三年度の予算として編成するということになると思います。
○猪熊重二君 そうすると、平成四年度ないし七年度のここに記載してある各金額については、当年度ごとにその金額を予算計上していこう、こういう予定というか計画である、こういうことですね。
○政府委員(片桐久雄君) そのとおりでございます。
○猪熊重二君 国会は、例えば平成三年度の場合、八十六億円という予算計上をしたことについて、予算の審議において、この八十六億円という金額の審議において国会の予算審議権は何らかの拘束を受けますか。
○政府委員(片桐久雄君) この法律が成立した場合には、国会の議決として、国会の決定としてあるわけでございますので、国会の予算議定権といいますか、これもある程度の拘束は受けるのではないかと思っております。
○猪熊重二君 それは重大な問題です。国会の予算審議権が、この法律をつくったから、平成三年度の八十六億円の予算を計上してきたら、それを減らすこともふやすこともできないというふうなことになったら、国会の審議権、予算に対する国会の憲法上の審議権というものはどういうことになりますか。それ間違いじゃありませんか。
○政府委員(片桐久雄君) この法律は、まさに国の最高機関である国会で決定される法律でございますので、行政府はもちろんでございますけれども、国会も拘束されるのではないかというふうに考えております。
○猪熊重二君 あなた、そういうことを言うと、それじゃ法律をつくって、法律である金額の支出とかそういうことを決めた、しかし予算で決めなかった。こういうふうに矛盾が出たときには予算は執行できない。要するに、予算と法律というものが合致しない限りは国家の金を出すことはできぬ。これはもう前提、当たり前のことじゃないですか。この法律をつくったから来年度の予算審議が拘束されて、この八十六億の予算を否決することも何もできぬということでは、全然国会の予算審議権に対する侵害であってあり得ることじゃない。 例えば、財政法によって一回決めた次年度以降の継続費であろうがあるいは繰越明許費であろうが、次の予算審議において一たん決めたからといって何らその審議権を拘束するものじゃない。これが、こんな法律が一つできた、それで国会の予算審議権が制約されるとしたら大変なことです。どうですか、間違いありませんか。
○政府委員(片桐久雄君) この十八条で平成三年度八十六億円、こういう法律が決められて予算編成が行われるということでございますけれども、もし予算編成の過程、予算審議の過程で、この八十六億円という金額が妥当でないというような御意思でございましたならば、やはりこの法律の改正ということが必要なのではないかというふうに考えられます。
○猪熊重二君 これ以上押し問答しませんけれども、要するにあなたが今言ったのは、この法律ができると、国会は平成三年度の予算においてこの予算額を認めなければならないということの趣旨ですね。もしそうすると、平成三年度から平成七年度まで、例えば平成七年度に五百十六億円ということが書いてある。そうしたら、国会の予算審議において五年先の五百十六億円まで全然変更できない。こんなことになったら、国会の予算審議権というのはどういうことになるのか。あなたがともかくそう言うのなら、それ以上のことはまた別に後でやりましょう。 そうしたら、次に改正附則三項についてお伺いしたい。 「平成八年度以降当分の間、別に法律で定めるところにより、基金に対し、必要な補助を行う」、この規定は、予算的に見た場合どれだけの意義、効果がありますか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正におきまして年金財政の長期的な安定ということをぜひ確立したいということで、平成七年度までの具体的な金額を定めるとともに、平成八年度以降も当分の間、こういう追加的な助成を行う必要があるということを明記したわけでございます。ただ、その具体的な額につきましては、将来の農業情勢、またそのときの農業者の保険料負担能力、そういうもろもろの事情を考慮の上定める必要があるということで、現時点で額を確定するということは困難であるわけでございます。 このため、平成八年度以降の追加国庫補助規定は、ただいま申し上げた情勢を考慮の上必要な補助を行うべきことを義務づけるという趣旨のものでございます。その具体的額につきましては、別途将来の時点で法律で定めるということにしたものでございます。
○猪熊重二君 私の質問に答えていない。この条項はだれに対してどのような拘束力、法的効果を持つのかと聞いているんです。
○政府委員(片桐久雄君) この法律の条文から見ますと、五年後の財政再計算のときに、財政再計算のやり方、それから国庫の追加助成の考え方、そういうものを政府が政策立案するときにまず政府を拘束するというふうに考えられます。
○猪熊重二君 要するに、国会の議決だから政府がそれを尊重しろということだけであって、具体的な内容について、具体的な権利義務的な側面の規定としては、単なるこれは宣言規定にすぎないんじゃありませんか。それにもかかわらず、二十余年間にわたって八千億だか幾らだか、どうだこうだというふうなことを言うけれども、そんなことはこの附則十八条三項のどこを押したって全然出てこないんじゃありませんか。単なる宣言規定にすぎないでしょう、いかがですか。
○政府委員(片桐久雄君) この三項では、かなり考え方を明確に示しているわけでございます。先ほど申しましたように、「農業及びこれをめぐる諸情勢の推移、農業者の保険料負担能力等を考慮の上、平成八年度以降当分の間、別に法律で定めるところにより、基金に対し、必要な補助を行うものとする。」、こういう考え方を明確に示したものでございます。 私どもといたしましては、この考え方は、平成三年度から平成七年度までの具体的な額を決めたルールと同じような考え方で、平成八年度以降も追加的な補助を行う、こういう考え方であるというふうに理解しているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては同じような平成七年度までのルールで追加補助を行うとすれば、大体おおむね二十五年にわたりまして、年平均約四百億円ぐらいの国庫補助が追加して必要なのではないか、現段階の試算でございますけれども、そういうふうに考えている次第でございます。
○猪熊重二君 あなたが、どういうふうに政策実現のための希望的な数字を持つか持たぬか、それは結構な話なんです。そうじゃなくて私が言っているのは、この十八条三項からは七年度までの金額を基準にして、この金額に準じて平成二十五年ですか、七年ですか、そんなところまで補助するの何のなんということは全然書いてない。またそんなことを拘束できない、国会の予算審議権があるのに、その審議権を五年も十年も二十年もそんなもの制約できっこないじゃないですか。要するに、今平成二十七年度までに八千億出しますなんだと言っているけれども、それは、農水当局が出したいという希望をお持ちなのは結構だけれども、法規的には何らの効力を生じていないです。単なる宣言規定にすぎぬ、私はそう思う。 次に、基金について少しお伺いします。 年金基金というのは、この年金基金法によれば、国の機関のそのものとして非常に重要な権限と職務を負っているように思います。先ほど一井委員の方からもお話があったんですが、保険料の未納というか、未納というよりも保険料を時効によって徴収不能にしたその年次と金額を言ってください。
○政府委員(片桐久雄君) 時効が完成して未納になった保険金の額の詳細については手元に今資料がございませんけれども、昭和六十一年度分について見ますと、収納すべき保険料の二・七%につきまして時効が完成して収納できない、こういうような実態でございます。
○猪熊重二君 あなたが言わぬなら私の方から言いましょう、あなたの方から出てきた資料だ。昭和五十四年以降、時効によって保険料を年金基金が取りっぱぐれた金額ですよ、五十四年度以降ずっと全部出ている。ちなみに申し上げれば、昭和六十年度が、六十年保険分は十六億五千七百万円、昭和六十一年度の保険料分として十八億四千七百万円、これだけのものを二年間の間徴収しないために時効によって消滅させているんです。年金基金というのは国の機関として保険料もきちんと取りなさい、給付義務もきちんとやりなさいと法律に言われているのに、二年間もほうっておいて結局時効によって金が取れない、しかも一年間に十八億も取りっぱぐれている。こんな状況について監督するべき農水大臣、あるいは具体的には大臣といったって大臣があれじゃないけれども、局長どうなんです、十八億も金を取りっぱぐれたということについてあなたどう思っている。
○政府委員(片桐久雄君) 先ほども申しましたように確かに二・七%、金額にして先生御指摘のように、六十一年保険料分が十八億ということでございます。確かに、これだけの金額がなぜ未収なのかということがあるわけでございますけれども、農村の中で、この保険料徴収の業務というのはなかなかいろいろ難しいという面もありまして、こういう実態になったかと思います。実は、ほかの年金保険制度でもこういう問題があるわけでございますけれども、比べてみますと、比較的農業者年金の場合には未納状況というのが少なくして済んでいるのじゃないかというふうにも思っている次第でございます。 今後とも、こういう未納金額ができるだけ少なくなるようにいろいろ工夫していきたいと思っておりまして、農協系統のオンラインを活用した保険料の自動口座引き落としを導入するとか、そういうようないろんな工夫をして収納率の引き上げに努力してまいりたいというふうに考えております。
○猪熊重二君 これ以上、余り意地が悪そうだから言いたくありませんけれども、この十八億四千七百万円の金を払わなかった人たちも、資格が継続している被保険者なんだそうです。それで、もし資格を喪失したとかあるいは資格が該当しなくなったとか、そういう人の時効による未徴収分というのはこれとは全然別な話なんです。それが幾らあるかとかどうとかということは聞きませんけれども、要するに法律を見てみれば、徴収するための手続、延滞金から、担保金から全部のことが書いてある。書いてあるにもかかわらず全然やってない。しかも、何か言うとすぐに、国民年金の方がどうだとかこうだとか言う。これは国民年金と趣旨、性格が違うでしょう。もう少し年金基金の業務執行に関して、構造改善局長としてもしっかり監督するべきではありませんか。 次の問題をお伺いします。これは質問通告はしてありませんけれども、先ほどのあなたの、どなたかの先生に対する答弁を聞いていてちょっとお伺いしたい。 あなたは先ほど、農業委員会に対して業務委託をできるように省令で定めようとしているというふうな趣旨のことを言われましたが、簡単に言ってみてください。
○政府委員(片桐久雄君) 現在、年金基金の業務につきましては市町村に委託をいたしておりますけれども、この市町村に委託した業務を事実上執行しているのは農業委員会でございます。ただ、農業委員会は法人格を持たないということで、直接基金から農業委員会に委託ができないということで、先ほど御説明申し上げましたのは、市町村に委託された業務については農業委員会が執行する、そういう原則を省令で定めたいというふうに申し上げた次第でございます。
○猪熊重二君 そうすると、基金そのものが委託するんでなくして、基金が市町村に委託したその事務をさらに市町村が、農業委員会に再委託することに関する省令をつくろう、こういうことですか。
○政府委員(片桐久雄君) 農業委員会は市町村の中の一行政機関でございますので、市町村と農業委員会との間では、委託関係というものではないのじゃないかと思っております。
○猪熊重二君 ないのじゃないかと思いますというんじゃなくて、あなたが先ほど、省令で農業委員会が事務執行できるようにすると考えている、検討していると言ったから、だから私は、どういうことなんだと聞いているんです。私にあなたが聞かれたってしょうがないんです。
○政府委員(片桐久雄君) 現在、私どもが省令で考えております考え方といたしましては、市町村における委託業務の執行は、原則として市町村の農業委員会が市町村長の助言とか協力を得てするものとする、こういう考え方でございます。ただ、市町村によりましては農業委員会が置かれていない市町村もございますので、そういう場合には市町村長が行う、こういう原則を省令に規定したいということでございます。
○猪熊重二君 この法の二十条に「業務の委託」について規定してありますね。二十条一項によれば、基金が業務委託できるのは、「市町村」、「農業協同組合」、「前二号に掲げる者のほか、主務大臣の指定する者」、こういうことになっています。 じゃ、現時点においてこの三号の、市町村、農業協同組合以外の、三号で主務大臣が指定しているものはありますか。
○政府委員(片桐久雄君) 現在この三号で指定している団体といたしましては、都道府県農業会議所、それからあと県の農協中央会、この二つの団体でございます。
○猪熊重二君 結局、基金の業務というのはいいかげんな業務じゃないんです。国の銭をどうするかという重大な仕事をやっているわけだ、基金は。保険料を徴収し、また徴収しただけでなくして今度は給付する。これだけの国の銭を取り扱う機関として、年金基金というものを法は想定しているわけです。ただし、実際の仕事として今申し上げた一号、二号、三号と、これだけの者に業務委託することができるということは書いてある。これに書いてあるということは、これに書いてないものに業務委託をすることはこの法律を脱法することになると思いませんか。
○政府委員(片桐久雄君) この年金基金が業務を委託するのは、あくまでも市町村に業務を委託するということは変わらないというふうに考えております。ただ、その市町村に委託された業務の執行につきまして、その考え方を省令に書きたいというようなことでございます。
○猪熊重二君 結局、業務の委託をすればお金の保管も頼むかもしれぬ、いろんなことを頼む。そのときにもしそちらがどうこうしたと、まあ言葉は悪いけれども、そのときにあなたとる手だても何もないようなことじゃ困る、国の銭がどこへ消えていったかわからぬようじゃ困るということで、業務委託の対象もこれだけきちんと法律で厳密に決めているんです。それを、法律を抜きにして便法だけで事をやるということは行政の越権だと私は思う。まあそれはそれでよろしい。 最後に、二十二条の被保険者の資格に関してお伺いするんですが、要するに申し上げたいことは、先ほどから、各委員から出ているいわゆる被保険者である御主人に対する奥さんの問題、こういう問題に関連してお伺いするんですが、夫婦で耕作または養畜の事業を行っていた場合に、二人を被保険者とするということは到底考えられないんですか。
○政府委員(片桐久雄君) この二十二条の一項の被保険者の考え方は、農地の権利をだれが持っているかということで被保険者を決めているわけでございます。したがいまして、夫と妻とそれぞれ別々に農地の権利を保有しているといいますか、有しているという場合にはそれぞれの、夫の保有している権利、妻の保有している権利、それぞれについて被保険者の資格があり得るものというふうに考えられます。
○猪熊重二君 要するに、所有権の問題のほかに使用収益権があるわけですよ。所有権の場合だったら共有していなければならぬ、これはわかります。しかし、使用収益権というのは、ただで借りようがただで使わしてもらっていようが、要するに所有権以外の使用及び収益を目的とする権利をいうんだから、お父さんの持っている土地をお母さんがただで借りて、夫婦で一緒にやろうといったって夫婦でやっていることで、別に所有権はなくたって使用収益権を共同で持つということはできるんじゃありませんか。そういうことを考えたら、被保険者というのを一つの土地について何が何でも一人に限るとかいう必要はなしに、共同で持つということも十分に考え得るんじゃなかろうか。ただしそのためには、仮にそう考えられるとしても、保険料の負担というのが二人になりますから大変は大変なんですけれども、ただ遺族年金というものが、この年金法からいくとやはりちょいと異質であるという側面も考えれば、今私が申し上げたような点も今後検討してみていただく価値があるのじゃなかろうかと思います。 きょうは、大臣にもいろいろ伺おうと思ったんですが、あっちこっちお忙しいようだしお疲れでしょうから、私の質問はこれで終わります。
○林紀子君 私はまず初めに、年金制度の維持発展にとって大変重要な未加入者の加入促進について質問したいと思います。 農業者年金基金では、昭和五十六年度から未加入者の加入促進を業務の最重要課題として取り組んできました。しかし、新規加入者数はここ数年来減少傾向にありまして、昭和六十三年度には目標三万人に対して一万六千二百十四人、達成率は五四%にとどまっています。 〔委員長退席、理事大浜方栄君着席〕 一方未加入者数は、昭和六十三年十月現在十五万九千九百十五人で、未加入者に対する新規加入者の割合は一〇・一%にすぎません。そして、未加入者のうち当然加入すべき者が五万九百六十五人、後継者は九万六千七百六十八人もいるということです。農業者年金相談員の方々が、巡回相談などで未加入者に直接当たって加入を進めるなど苦労をされているのに、なぜ未加入者の加入が進まないのか、どうすればこうした未加入者の方に加入してもらえるか、大臣はどのようにお考えになるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 今御指摘のとおりで、六十三年度末で約十六万人、十五万九千人未加入者がおるということは承知しております。これの理由が農業の先行きが不安だと、こういうことを挙げておられる方が最も多いというデータが出ております。そこで、これは非常に重要なことでございまして、やはり再々申し上げているとおり、後継者の問題も含めまして農業は将来日本にとって非常に重要だ、また産業として希望の持てる産業である、地域の活性化のためにも、また地域づくりのためにも非常に大事だというふうな意識を持って、農業をやっていっていただく方をどうしても我々はフォローしていかなくちゃならない、時に先導しなきゃならない、こう思っております。 そこで、農産物の需要と生産の長期見通し、これは一つの指針として私どもこれに沿って仕事を今継続的に進めております。これも再々申し上げますけれども、すぐれた担い手を育成するあるいは生産基盤の整備をしていく、バイオなどの農業科学技術というものをあるいは先端技術というものを導入し、開発普及を図るというふうなことを予算の裏づけを持ちながら総合的に進めていくというふうなことで、農村の活性化を図ってまいりたいというふうに思っております。そして、今回の年金制度の改正に当たりましても、再々申し上げているような財政基盤の長期的な安定を図る、そして農業に精進した方々が、老後安心して農業をやっていけるような問題についてこれを推し進めていきたい。したがって、未加入者の減少にどうしても歯どめをかける意味でも、今回の改正は必要でありまた意義がある、こういうふうに考えております。
○林紀子君 ただいま大臣もおっしゃいましたけれども、未加入者が加入をしない理由というのを農業者年金基金が、昭和六十二年度調査をしたところによりますと、これが「のうねん」という雑誌に紹介されておりましたけれども、第一に、「農業の将来が不安だ」、二八・二%、第二に、「保険料を納付するのが大変だ」、こういう理由を挙げた人が二二・一%、そして三番目には、「後継者がいない」、こういう理由を挙げた人が一四・四%となっております。「現在の農業が持っている悩みが、そのまま浮き彫りにされている」とこの「のうねん」は書いているわけです。 私は、せんだって熊本県八代市にイグサの農家の方の調査に入りました。生産農民の方々と懇談してまいりましたけれども、熊本県はイグサの生産では全国の七八%を占める、八代地方はその中心となっているところです。しかし、昨年の十月ごろから、中国や台湾などから安い輸入物が大量に入ってきていることなどから、イグサの価格が半値近くまで下がって一向にとまらず下がる一方だ、このままだと年収で五百万円から六百万円減収になるのではないか。つまり、もう年収がなくなってしまうということを訴えられていたわけです。生産調整もきかず生産地の死活問題になっております。 ところが、この八代市は、昭和六十三年度の市町村別の農年新規加入者数では全国一、といいましても八十八人ですけれども、新規加入したところです。私が会ったイグサ農家の方は当然加入で、書類一式、印鑑を押せばいいだけの申込書が届いているけれども、もうこの農業者年金には息子は入れられない、こういうふうに訴えていらっしゃるわけです。この怒りと嘆きは、農産物の輸入自由化を推し進めて、くるくる変わる猫の目農政に振り回されてきた米作農家や畜産農家、そしてミカン農家などにも共通する問題だと思うわけです。一九五五年には、全国で二十六万三千人の新卒の青年が農業を継いだのに、一九八九年には、農業を継ぐ道を選んだ新卒卒業生というのはわずかに二千百人、一%になってしまっている。NTT一社だけの新入社員の二千七百人より少ないという状況です。大臣は、こうした農民自身の将来に対する不安というのに、今お話もありましたけれども、どうお答えになるのか。 前回の委員会で、参考人として出席されました横浜国立大学の田代洋一先生も述べておられましたが、農業者年金の新規加入を促進する道は、五〇%を割っている食糧自給率を当面、一九七〇年当時の水準である六〇%台に回復させる。その保障として、今回私が調査に入りましたイグサのように、国内生産に打撃を与えている農産物の輸入自由化を規制する、こうした方向に農政を転換してこそ農家の不安を取り去ることができると思うのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本富雄君) 今さまざまな御指摘がございましたし、また熊本県の現場へお入りになって直接農民の声も聞かれた、こういうお話でございますが、後継者問題、農業の将来性の問題、これはさまざま、この委員会の質疑あるいは私どもの応答の中でも繰り返されてまいりましたけれども、どうしても日本農業の将来については明るい展望を持たせるべく我々が努力しなければならない、その努力は、一日一日の努力を続けていくことだ、こういうふうに答弁をしてまいりました。そこで、西暦二〇〇〇年を目標にいたしました「農産物の需要と生産の長期見通し」、これに基づきまして需要の動向に対応して、多彩な自然条件を生かしながら国内生産の維持拡大を図っていくということで進めてまいりました。 たまたま、今お話しの貿易自由化の問題、これが当面の一つの焦点になりつつある、それがまた日本農業の将来を卜する問題でもあるというふうな御指摘もございまして、その認識では私どもと一致をしておるわけでございます。しかし、私どもは米の問題を初めといたしまして、日本がウルグアイ・ラウンドに提起をしている問題につきましては、これを貫いていくという覚悟を持っておりまして、これがこの夏から秋にかけて進んでいくわけでございますけれども、もちろん交渉相手もございますから、その交渉の過程の中ではさまざまな議論もあると思います。思いますけれども、米問題を中心にして、私どものスタンスはしっかりしたスタンスで日本農業の将来を支えるという問題を中心にしながら、かねて提案をしているとおりの線に沿ってこれを進めてまいりたい。そして、日本農業の将来展望を開いていきたい、こういう考え方でございます。
○林紀子君 今ウルグアイ・ラウンドのお話をされましたけれども、中山外務大臣は二十日、メキシコでのウルグアイ・ラウンドの非公式閣僚会議の後の記者会見で発表したということで、どの新聞も大きく取り上げておりました。「コメ、7月中に結論」、私が今持っておりますのは四月二十一日付の毎日新聞の夕刊ですけれども、その中で、「微妙な表現でコメの一〇〇%自給政策を変更する可能性があることを」中山外務大臣が「示唆し、今後、政府・自民党内で検討する意向を示した。」というふうに伝えているわけですね。これがもし事実としたら本当に大変なことだと思うわけです。先ほど山本大臣よりお話がありましたけれども、米の輸入自由化というのは絶対にやらないのかどうかということをもう一度お尋ねしたい。そして、中山外務大臣にもお話を聞いたというふうにおっしゃっていらっしゃいましたね。中山外務大臣はどういうふうにお答えになったのかということもあわせてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 米の問題につきましては、今申し上げたとおりでございまして、従来の国内産でこれを行っていくという姿勢に変わりはございません。 また、中山大臣の問題でございますが、新聞報道等にはいろんなことが書かれているようでございますけれども、けさの閣議の前に、私大臣から直接お聞きをいたしましたが、従来の我が方の主張、すなわちウルグアイ・ラウンドでこれを行うという姿勢については一向に変わらない、むしろ各国の理解を求めたという表現を中山大臣はしておったということをつけ加えておきます。
○林紀子君 ことしの二月、総選挙の直前ですけれども、当時の三塚政調会長は、米問題をガット協議から除外しようと思えばできないこともないと述べていらっしゃいます。中山外務大臣の発言のように、ガット協議を隠れみのにして米自由化に踏み出すことをやめるためにも、米問題をガット協議から除外すべきであると私たち日本共産党は主張しているわけですが、この米問題をガット協議から除外するということについてはどういうふうにお考えになりますか。これが一番今の時宜に適した米の輸入自由化を阻止する道ではないでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉につきましては、農産物貿易に影響を及ぼすすべての措置を対象として、新しいガット規則及び規律の策定を目指すということで交渉が行われております。したがいまして、私どもはこの中で米を個別に取り上げるということではございませんが、すべての農産物貿易に影響を及ぼす措置について議論がされるということになっておりますので、今御指摘のような形はとり得ないというふうに考えております。
○林紀子君 私たちは、この米問題はガット協議から除外して、日本の政府の姿勢で米は輸入自由化しないということをきちんと内外に打ち出すべきだという、そのことを申し上げて次の質問に移らせていただきます。 未加入者の理由のアンケートの調査で、二番目に割合の高かったのが保険料負担の問題です。農業者年金に加入する者は同時に国民年金にも夫婦で加入していますから、今年度を例にとれば、月額の保険料は農業者年金で通常保険料の倍、一万九百四十円、これに国民年金の保険料八千四百円の夫婦で二人分一万六千八百円が加わりますので、合計二万七千七百四十円となります。一方、農業者年金加入農家の平均農業所得は月額二十一万三千円ですね。したがって、農業所得に占める保険料の負担割合は一三・〇%ということになります。 そこで、この保険料の負担割合を来年度、一九九一年度について見ますと、保険料は農業者年金で千百十円、国民年金で千二百円、夫婦二人です、引き上げとなります。さらに、平均農業所得や保険料に物価スライド分を加えて計算しますと、平均農業所得に占める保険料の負担割合は一三・八%に上昇すると思います。さらに、二年後の一九九二年度には、農業者年金の保険料が毎年八百円引き上げられることになりますから、一四・四%とさらに負担が増大する。これでは未加入者が保険料を納付するのが大変といってなかなか加入しない、こういうことにこたえたことになるのでしょうか、局長にお伺いしたいと思います。 〔理事大浜方栄君退席、委員長着席〕
○政府委員(片桐久雄君) 今回、農業者年金の財政の長期安定ということを図る際に、加入者の保険料の段階的引き上げということもお願いいたしているわけでございますけれども、この保険料の引き上げの問題につきましては、本年金加入農家の農業所得、農家所得と保険料の関係、それからまた厚生年金加入者の保険料の負担の状況、こういうものを総合的に勘案して段階的に引き上げるというふうに考えた次第でございます。 先生今御指摘の点は、農業所得に対する保険料負担ということを御指摘になりました。確かに、農業所得に対する保険料負担ということでは一三%から一四%ということは事実でございますけれども、私どもといたしましては国民年金の保険料、農業者年金の保険料、これは農家所得全体で負担すべきものではないかというふうに考えた次第でございます。農家所得全体で農業者年金、国民年金の保険料を負担する場合には、ほぼ厚生年金の負担率に見合うような水準というふうに私ども承知いたしておりまして、六%から七%、そういうような水準の負担率ではないかというふうに考えておる次第でございます。
○林紀子君 先ほど同僚委員にも同様のお答えがありまして、私はどうしても納得ができませんのであえて重ねて質問をしたわけですが、農家所得というのでしたら、そこには被用者の所得も入っているということになるのではないですか。そうしましたら、被用者年金の保険料も加えなければ正しい負担率というのは出てこないわけですね。しかも、農業者年金に加入する者は当然国民年金に加入しているわけです。そして、農業者年金基金がすべての加入農家を対象に行った農業者年金加入農家調査報告書、これによりましても、農業者年金に加入している農家の三五・五%が専業農家、四四・九%が農業を中心とする一種兼業農家で占められております。ですから、農家の夫婦二人を取り上げた場合には農家所得で見るのではなくて、農業者年金に加入している農家の平均農業所得で見る。農業者年金と国民年金の保険料は、現在でしたら月額二十一万三千円の農業所得で支払うと見るのが当然だと思うわけです。 そして、農業者年金基金の森実理事長は、雑誌「のうねん」の新春インタビューで、フランスや西ドイツでは農業者年金への国の負担割合をふやしてきていることを挙げて、農政費の支出項目の比重を転換して年金制度等の所得政策手法を重視していく必要が生じてくる、こういうふうに述べております。 我が国の農業者年金制度は、西ドイツの農業者年金を参考としながら成立したと言われておりますけれども、その西ドイツでは、低所得層では保険料の負担が大変だということで保険料に補助金をつけております。今回の改正では、農水省の資料によりますと、「農業構造の改善を促進する観点から、」国庫補助について「追加的な助成を行う。」、こういうふうになっておりますけれども、構造改善の促進ということではなくて、加入者の保険料負担を軽減することに国庫補助を充てるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(片桐久雄君) まず、農家所得でなくて農業所得で保険の負担能力を判断すべきだ、こういう考え方でございますけれども、私どもといたしましては、保険料の負担能力とか負担感、それは、その人の全体的な所得水準によるということだと思います。そういう観点から、やはり所得全体について見るのが適当ではないか。それからまた、厚生年金の場合には、俸給のみが所得源である被用者が大部分でございますけれども、農業者の場合には、農業所得以外の幾つかの所得源を持っているという農家が多いという実態から見ても、やはり農家所得をもとにして負担能力を判断すべきではないかというふうに考えている次第でございます。 それからまた、国庫の助成につきまして保険料を軽減するために今助成すべきではないか、こういう御意見でございますが、これは、現行の助成の仕方は給付費用の二分の一及び給付費用に充てるための追加助成、こういうことになっているわけでございますけれども、これは、結果的には保険料の軽減というものにも役に立っているというふうに考えております。
○林紀子君 時間がないので次に移りますが、今回の幾つかの改正は、農年加入者から出されていた要望が取り入れられているということで、私たちも前進であるということで評価しております。しかし、そのことが給付水準の引き下げと引きかえということになりますと、今回の法改正は年金加入者に不利益を与えるものだと考えざるを得ないわけです。 まず、今回の改正の大きな体系の変更である移譲時期の選択制についてお伺いしたいと思います。昭和四十五年の設立時から、この年金制度は六十歳からの年金をうたい文句に、六十歳から六十四歳までの間の厚い年金ということで加入促進を図ってきたと思います。そして、この六十歳から六十四歳の厚い年金制度は、政策年金、若い世代への移譲、中核農家への農地集積という政府のねらいとは別に、農年加入者の間には、六十歳から六十四歳の国民年金のない無支給時に補てんする年金としての機能が定着してきていると思うわけです。今回の改正である移譲時期の選択制というのは、農民の方々の要望を取り入れたと言われておりますけれども、実際は、年金の支給時を六十五歳におくらせて年金総支出額を抑えるためではないかと考えられますが、いかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回、農業者年金の給付体系を大幅に変更する御提案を申し上げているわけでございますけれども、この提案は、農村における高齢化の進行という現実に対応したものであるというふうに考えております。六十歳を過ぎても心身壮健な農業者が多いというような実態を踏まえまして、従来のような六十歳で一律離農を、経営移譲を誘導する、こういう仕組みから、六十歳から六十五歳の間で農家の個別事情に応じて、選択で経営移譲をしていただくというのがより最近の農村の高齢化の事情に適応するのではないか、こういう観点から今回の給付体系を変更した次第でございます。
○林紀子君 今回の法改正をめぐりまして、私も幾つかのところから要望書というのをいただいておりますけれども、佐賀県農業者年金協議会からの要望書によりますと、「支給開始年令の引き上げについて若干の不満はある」、こういうふうに書いておりますけれども、まとまった年金が手に入り、やっと楽ができるという農民の方々の正直な気持ちじゃないかと思うわけです。設立当時から加入して二十年間保険料を払ってきた人が、目の前に見えていた楽ができるという、いよいよ年金がもらえるというそのときに、六十五歳まで遠のいてしまう、こういうことではないかと思うわけです。 しかも、年金総額としての給付水準は、いただいた資料で見ますと低く抑えられております。昭和十一年生まれで二十五年間加入している人で七十八歳、昭和十六年生まれ三十年加入で七十六歳、昭和二十六年生まれ四十年加入している人で七十五歳にならないと、新給付体系が現行の体系の年金支給総額より多くならない、つまり逆転しない。昭和十一年生まれの人で七十八歳まで生きなければ逆転しない。現在、支給されている人たちは八十歳を過ぎなければ逆転しない、それまでは今までよりも少ない給付総額になるということではないかと思います。給付水準の引き下げというのは明らかではないかと思うわけですが、これについても年金財政基盤の安定ということで、加入者には辛抱しろということなのでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回、給付体系を大幅に変更したわけでございまして、新制度と現行制度で年金の受給額を単純に比較するということはなかなか困難なわけでございますけれども、いわゆる平均余命というものを使いまして、生涯の受給額、これを比較するということでいろいろ私どもも試算をいたしております。先生御指摘のように、生涯受給額を給付現価、現在の金額に置き直してみた場合にはどうなるかということで算定いたしますと、御指摘のようにある程度少なくなっている、新体系の方が旧体系よりも少なくなっているということは事実でございます。 しかし、実際には物価スライドそれから所得スライドというのが今後働いていくわけでございまして、特にこれから高齢化社会ということでございますと、高齢化して後にできるだけ多くの年金が支給されるということが、より農村の老齢化の実態に合うのではないかというふうに考えております。私どもいわゆる名目の受給額といいますか、受給の実績ベースで比較いたしますと、先生御指摘の昭和十一年度生まれの方々で見ますと、新給付体系と現給付体系で比較しますと、新給付体系の方が一割ないし二割程度多くなるというのが実態でございます。 なぜ、こういう現象が起こるのかということでございますけれども、これは後で余計もらう方が物価スライドそれから所得スライドがよく効く。今の現行制度では、六十から六十五歳、先に余計もらうという制度でございますけれども、今度の新給付体系では後で余計もらう、こういうことでございますので、こういう現象が生じているものであるというふうに考えております。
○林紀子君 時間がないので、最後に一点お伺いします。 加入者が死亡した場合の遺族年金また婦人の年金権については、先ほど大臣からも積極的な答弁がございました。また、今回の加入者が死亡した場合の配偶者への加入の特例措置、女性の立場から考えた場合はこれも一つの前進だと思うわけです。しかし、この特例措置には、最低五年間は掛金を掛けてほしいということで、今までに農業者年金に加入していなかった人は五十五歳までということになるのではないかと思います。 六十二年度農業者年金基金の、統計の死亡による資格喪失者の年齢別表というのを見ますと、二千九百八十三名の死亡者の中で、半数の千五百六十一人が五十五歳から五十九歳の間で亡くなっています。ここから推測しますと、五十五歳までという条件は大変厳しいと思うんです。しかも、年金の支給額は、せいぜい五年間加入では一万円程度の給付しかないと思うわけです。これから五年先をめどに、婦人の年金権というのを検討するというお話がありましたけれども、その中に、ぜひ権利の継承ということを検討していただきたいということを最後にお願い、要望としたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 先生御指摘の、加入者が死亡した場合の加入期間を配偶者が承継する、こういう御提案でございますけれども、この考え方についても私どもいろいろ検討しているわけでございます。しかし、やはりこの承継という制度をつくる場合にも、かなりの財源負担というのがあるわけでございまして、この財源を保険料の引き上げないしは国庫負担の増額ということで、どう財源を持ってくるかというような問題で、今後いろいろ検討してまいりたいというふうに考えております。
○井上哲夫君 私が予定をいたしました質問事項は、既にほとんど他の議員から質問をされまして、二、三私の質問の通告順序とは違ってきますが、お尋ねをいたします。 まず、先ほど猪熊議員がお尋ねになりましたが、附則の十八条の点でございます。ここに書いてある平成三年度から七年度までの国庫の助成金、具体的な数字が書いてありますが、これはどういう配慮といいますか、見込みでこのような少し変わった法案の改正になされたのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(片桐久雄君) 現在、農業者年金基金の単年度収支はマイナスといいますか、赤字財政になっているわけでございます。私どもといたしましては、この赤字の状況を次期財政計算のときまでに何とか黒字にしたい、こういうような考え方でいろいろ国庫の助成の仕方を算定したわけでございますけれども、平成三年度から七年度の追加助成額は、この五年間のうちに単年度収支を黒字にするという観点から、このような金額を算定した次第でございます。
○井上哲夫君 これは向こう五年間について、事実上、国会を拘束するおそれもあると猪熊議員が御指摘になっております。 そこで、こういう計算の根拠値といいますか、先ほど局長はルールというふうにおっしゃいましたが、この数式についてもし明らかにすることができるならば、その骨格、概要だけでも明らかにしていただきたいと思います。次の国会審議のときに何もなしで決まったのかということになると、それはいささか私どもが不安になるのではないかと思いますので、あえてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の改正案では、まず保険料の額というものをいろいろ検討した結果、五年間で四千円引き上げていただくということをまず設定いたしまして、さらにもう一つは、年金の支給の水準ということでこれも厚生年金並み、農業所得月額二十一万三千円というものを置きまして、支給金額がどのくらいあるかということを算定したわけでございます。それで結局、現在の二分の一の助成では足りない、これを何とか賄うためにこういう追加助成が必要である、こういう観点からこの追加助成が算定されたものでございます。
○井上哲夫君 この助成の計算の中には、これからの受給権者あるいは加入権者、そういう動向も当然入っているかと思うんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(片桐久雄君) 加入の見込みにつきましては、一年間一万数千人の新規加入者があるという見込みを立てまして算定いたしましたし、また受給権者につきましてもいわゆる生命表といいますか、そういう一定の死亡率を使いまして受給権者がどうなるか、受給額がどうなるかというようなことを推計いたしまして、こういう額を算定した次第でございます。
○井上哲夫君 そうしますと、私の方でちょっと伝え聞いたんですが、今回の改正法案で、このように五年間にしろ具体的な助成金額を明示したのは、この農業年金の関係者、とりわけ受給権者の将来の不安をなくするためにも、このような変則的な形にしろ法改正の際に踏み切ったんだと、こういうことも理由にあるように聞いておるわけでございますが、そのとおりでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 今回の農業者年金基金の改正の最大の眼目は、やはり年金財政の長期安定の姿を明らかにするということであるというふうに考えている次第でございます。したがいまして、単年度の予算で来年度はどうなるかわからないというような状況では、なかなかそういう長期的な財政の安定という見込みが立たないわけでございます。そういう観点から私どもといたしましては、まず五年間の財政の安定の姿というものを明らかに示すとともに、それから五年以降の姿についてもこれは明らかな、具体的な数字で示すことはできませんけれども、考え方、先ほどいろいろ議論になりましたが、十九条の三項という規定でもって平成八年度以降の国庫の追加助成の考え方についても、この法律で定めるということで、この年金の長期安定の見通しというものをできるだけ明らかにしたいということを考えた次第でございます。
○井上哲夫君 ところで、きょういろいろ私もここで勉強さしていただいてわかったんですが、なかなか今回の加入促進の妙案というものについても答弁されているような明るい見通しがあるかどうか。きょう一日の感想を率直に申し上げますと、極めてそうではないのではないかという不安もあるわけで、そこで国民年金基金の動向を見定めて、女性の年金資格あるいは遺族年金についても検討をしていきたいというような御趣旨の答弁があったわけですが、この動向を見定めるという場合にどういう姿勢で見定めをしようと思ってみえるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) 国民年金基金の方は、先ほど説明いたしましたように、共済農協連の方でいろいろ検討を進めておりまして、現在のところ、農業に従事する婦人及び農業者年金に加入できないような三反未満、三十アール未満の農家の方々、こういう方々を中心に考えておるというふうに聞いておりますけれども、ただこの年金、国民年金基金の運用の仕方によりましては、農業者年金の加入資格者と国民年金基金の加入資格者とがダブるといいますか、そういう問題が出てくるのではないかということを心配しているわけでございます。私どもといたしましては、そういうことにならないように農業者年金に加入し得る方々、それからまた将来後継者として加入資格が発生すると見られる方々、こういう方々については、国民年金基金の加入の対象にしないでいただきたいというようなことでいろいろ調整を進めたいというふうに考えております。
○井上哲夫君 今のそういう懸念といいますか、そういうことがある一方では、こういう国民年金基金の動向が、場合によっては余裕のある方ほど複数口入って、そしてしかも課税上の優遇措置を背景にということで、農家の中における格差が拡大していくというか、そういう懸念はいかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 国民年金基金、農業共済連の方でこれから詳細検討する、その中身がどういうふうになるかということが、よくまだ現段階でわからないわけでございますけれども、加入の口数、一口以上何口でもいいのかどうかとか、そういういろんな今後の詳細につきましては、今後厚生省の、政省令の制定状況を見ていろいろ決めていかれるのじゃないかというふうに見ております。
○井上哲夫君 そこで、遺族年金の導入についてお尋ねをするわけですが、これまでのお答えを伺いますと、財政的な基盤の面で相当に見通しは明るくない。将来導入できるかどうかについては、なかなか今明確な答えが用意できないというような趣旨の答弁があったかと思うんですが、こういうふうにせっかく、今回思い切った改正をしましても加入促進も思うようにいかない、あるいは年金の受給者ばかりどんどんふえて思ったように基金の財政が好転しないということになれば、ますます次の五年先には大変な事態が起こる。そこで、遺族年金の問題について何か工夫、例えば女性の加入について思い切った働きかけをしていい工夫ができないか。こういうふうなことはないんでしょうか、まあ妙案です。
○政府委員(片桐久雄君) 私どもも、農家の婦人の年金について、何かいい案がないかということでいろいろ検討した過程で、いわゆる任意加入制といいますか、要するに負担能力のある農家の婦人がこの農業者年金に加入する、その場合には、原則として国庫補助のない、そういう年金の仕組みというものが考えられるのではないかというようなこともいろいろ検討した次第でございます。しかし、現在の農業者年金制度が、いわゆる義務加入制度と、それからまた保険料も一律であるというような建前で、しかもそれに対しましてかなりの多額の国庫助成がなされている。こういう現在の農業者年金の制度から見ますと、そういう任意加入とか、それからまた負担能力のある人だけが年金を受給するというようなそういう仕組みは、なかなか農業者年金にはうまくつながらないのじゃなかろうかというような議論もした次第でございます。
○井上哲夫君 例えば、所有者はほとんどの場合男性の人です。農家の奥さんの場合には農地を所有している形態は少ないわけですが、先ほどどなたかの議員の質問にありましたように、例えば使用収益を農家の主婦が主としてやっているということで、その主婦が農業者年金のいわゆる経営移譲者になる、こういうことは可能なわけですね。その場合に、そういうことが何らかの助成によって、つまりばねになってどんどんそういうケースがたくさん生まれてくるような妙案と申しますのは、なかなか日本といいますか、農家の基本的な風土では、農地を主体にしたどういう場合でも権利者に、表側に農家の奥さん、お嫁さんが出てくるということは大変本人の周囲のみならず全体に抵抗が強いのではないか、こういうことを懸念してお尋ねをするわけでございます。
○政府委員(片桐久雄君) 農家の婦人が経営主、農地の権利を持って農業経営の経営主になっているというケースも最近ふえているわけでございます。そういう経営主である農家の婦人が農業者年金に加入するというケースもかなりありまして、現在例えば、平成二年三月で見ますと婦人の加入者数が二万五千人、全体の加入者の構成比で見ますと四・一%というふうになっております。今後、農村社会のいろいろ変化といいますかそういう中で、農家婦人の経営主が農業者年金に加入するというような方向は次第にふえていくのじゃないかというふうに考える次第でございます。
○井上哲夫君 予想で単にふえていくだろうということではなくて、私がむしろお尋ねしたかったのは、積極的に何らかのいわば促進といいますか、そういう妙案を検討していただきたい、そういうふうな観点からでございますが、何か今のところまだ妙案はないということでございましょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 農村社会の中で、農地の権利名義を夫にするのか妻にするのかというようなことにつきましては、いろいろ農家の意識といいますか、難しい問題があるのではないかというふうに考えておりまして、そういうことについて、積極的に妻の名義にするということを推進するということは現在のところ考えておらない次第でございます。
○井上哲夫君 終わります。
○喜屋武眞榮君 私は、きょう途中で、申しわけありませんでしたが中座もいたしておりますので、今まで皆さんがいろんな角度から御質問くださったと思っております。そこでなるべく重複を避けて、恐らくこのことはだれも触れなかったであろうこう言える問題を中心に始めたいと思います。だれも触れなかっただろうということは、結局沖縄の問題ということなんです。 それで私は、何としても沖縄の取り残された問題をまずお尋ねをして、そして短い時間でありますけれども、またその他も四、五問用意いたしておりますので、進めたいと思います。 まず、沖縄問題を申し上げる前に、何としてもそのバックとして知っていただかなければいけない、このことであります。皆さん、戦後四十五年ですよ。つい二、三日前与那原町に、宅地造成の最中に一トン爆弾が発覚されて大騒動をして、近々二千名近い町民を退避させて処理するという計画がなされております。それだけではございません。あの遺骨、大変これは遺族の皆さんには申しわけないことでありますが、いまだに沖縄の山野に遺骨が出てくる。畑を耕しますとその畑の中から遺骨が出てくる。このことが、不発弾にしても遺骨にしても、あと三、四十年かかると明言されておるのです。それを奉仕団、ボランティアの皆さんが、もちろん国も手をかしておりますけれども、これはもう遅々としてはかどらない。ボランティアの皆さんが毎年のように遺骨の収集においでくださりますが、そのたびごとにたくさん集めていただいて魂魄之塔に合祀をしてございます。 考えられないことでありましょう。何となれば、日本と運命共同体にあった西ドイツ、イタリーでは既に戦後処理を終わって、国民一人一人の義務を国の責任において法律化してやっておるではありませんか。経済大国世界一、そして外国にだぶついた金を流して、ビルを買うとか、土地を買うとか、企業を興すとか、これもそれなりの理由はありましょうが、一体何事だと私は言いたいんです。国民を大事にしないでおいて外国に投資をして、しかも憎まれておるというこのことなんです。 その焦点に、いつでも踏みつけられておるのが我が沖縄県民なんです。離島県、多島県、こういういろいろの歴史的な悲劇を担いながら、地理的条件においても恵まれていないこの沖縄に対しては、何としてもかりそめの特別措置ではない、第一次振計、第二次振計、あと一年で二次振計は終わりますから、第三次振計に。結局、三十年になんなんとしても、なお本土との格差はお話にならぬでしょう。その振計の基準に合ったのは人口だけなんです、人口だけは基準どおりいっておる。あとはますます本土とかけ離されておるというのが実情である。 そこで、私たちもう我慢なりません。防衛庁長官にきのうもこの前も国会議員が束になって、きのうは私は一人で行きましたが、このことを日本政府が発想の転換をして根本的に憲法のもとに、教育基本法のもとに国づくりをしていくというこのことがない限り、びほう策ではますますその貧富の差、犠牲の差別が大きく開くだけであるということを私は、強くまず冒頭に申し上げておきたいと思います。 それで、この問題に触れますが、一般論として、国の法律がこうあるから四十七都道府県以下右へ倣え、この物差しでは断じて沖縄ははかれないということです。それゆえに特別措置法というものがあるわけでありますが、あったとしてももう格差は離れるだけであります。そこで、具体的に申し述べますと、狭い県の、沖縄の県土の一一%が軍事基地ですよ。沖縄本島では二二%が軍事基地ですよ、いまだに。そして五十三市町村の町村別にすると、嘉手納町を初め七五%から八〇%が軍事基地の爆音、騒音に今さらされておる現状であります。日本のどこにそういう県がありますか。 それで、沖縄の離島県、多島県という特殊事情から、沖縄では十アール程度の施設栽培農家が多うございます。十アール程度の施設栽培農家が亜熱帯農業という特殊事情をフルに活用して、三十アールあるいは五十アールある耕作者に劣らない収益を上げておることも事実であります。それはハウス栽培によってあるいはピーマン、サヤインゲン、菊、ラン、こういった日本で唯一の亜熱帯農業を活用して、わずか十アールであるけれども五十アール以上の地域の収益と匹敵して、それ以上の収益を上げておるということも事実であることは御承知のことと思います。 このように、施設栽培農業が沖縄の農業に占める重要な立場から、これらの方々が任意加入、あの物差しから当てるというとはまりませんよ、沖縄の特殊事情は。基準には合いませんよ。合いませんけれども、任意加入する道を講ずるべきであると当然思うんですが、農水省いかがでしょうか、まず第一点です。
○政府委員(片桐久雄君) 現行の農業者年金制度におきましては、農地の一定規模以上の経営面積を持つ農業経営主またはその後継者を加入対象といたしておりますけれども、確かに先生御指摘のように、地域によりましてその経営規模の加入要件がいろいろ考慮さるべきであるということはよく理解できる次第でございます。現在、沖縄県につきましては、その地域条件等に配慮いたしまして、任意加入者の経営規模を、都府県一般では三十アール以上というふうになっておりますのを二十アール以上というふうに緩和しているところでございまして、これ以上の引き下げということは、本制度の政策目的にもかかわる問題でありますので、現段階では考えていない次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、これはぜひ大臣にお答え願いたいんだが、今回の改正で、離農給付金の額について、処分する面積の多寡によって格差を設けようと言っておりますね。沖縄県における離農処分面積の面積格差をどう設定するか、お伺いしたい。 県面積の一一%が、さっき申し上げたとおり基地に占められ、また離島が多いため、沖縄県では経営規模が五十アール未満の農家が全体の半数近くを占めておるという現状なんです。したがいまして、もし本土と同じ面積格差を用いるとするならば、沖縄県の離農者は大抵五十アール未満のところに入ってしまいますので、当然給付金額は三十万クラスにランクされる。これでは、現行の一律六十二万円に比べても大きな減少であることが必然であります。政府は、この特殊事情にかんがみ、新しい離農給付金の給付水準が、現行制度の給付水準と均衡のとれたものにならなければいけない、そのように、均衡のとれたものになるように面積格差を設定していくべきであると、公平、公正な原則から当然だと思うが、大臣いかがでしょうか。
○政府委員(片桐久雄君) 離農給付金の支給金額につきましては、現在一律六十二万円という金額でございますけれども、これを処分面積に応じて格差をつけるということで、現在のところ都府県の場合には、五十アール未満三十万円、それから五十アールから百アール未満七十万円、百アール以上百万円、こういうような格差を考えている次第でございます。沖縄県におきます離農給付金の状況、離農給付金の対象になっております処分面積というものの実績について見ますと、平成元年度分で十件あるわけでございますけれども、五十アール未満のものは二〇%、五十アールから百アールのものが五〇%、それから百アールを超えるものが三〇%、こういうふうになっているわけでございます。 これを都府県一般の平均的な分布で見ますと、五十アール未満が四四・五%、五十アールから百アールが三九・九%、百アール以上が一五・六%というふうになっておりまして、特段沖縄県だけが不利になっているというふうには考えていない次第でございます。その点を御理解いただきたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 申し上げたい基本姿勢は、沖縄への施策は恵みではありませんよ。恵みの発想でならば決然と私は排撃します。償いですよ。恵みじゃない、償いの国の施策が理解と愛情によって償ってくださるならば、もっともっと早く立ち上がれるでしょう。私が言う一般論として沖縄を見ることはこれは恵みだと、あめ玉だという発想。これでは断じて承知ならないです。 ずばり申し上げますならば、沖縄県民はいまだに遺骨を抱いてそして不発弾をまくらにして、ガスを吸うて生き延びておる、これが沖縄の県民の現状なんです。このことを特に結びとして申し上げまして、特段の配慮のない限り、これは甘えではありません。断じて甘えではありません。これが国の本当の政治というものです。西ドイツやイタリーはすべて法律化して、国民が一人一人みんな満足していますよ、申し上げるまでもなく。何で経済大国世界一、そして蓄積世界一と胸を張る日本が、内政面において国民の生活をこのような状態に置くとは何事だと。私は総理であろうが大臣であろうが、いささかも私の正論には一歩も引きませんということを思い知ってもらいたい。 まだ時間がございますので、次の三つの点を一緒に申し上げますから、関係者は明確に答弁をしていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 まず第一点、保険料の引き上げは農家の負担能力を超えるおそれがあると私は信じております。本制度は新規加入の促進が強く求められております。これ以上の保険料の引き上げは行うべきでないと思われますが、この点について明確な根拠を承りたいと思います。 第二点は、いみじくも農水大臣は最初に、農は国のもとということをおっしゃった。そのとおりです。共鳴、共感いたしました。日本の企業すべてに言えることは後継者、いわゆる若者の後継者が足りない、不足しておる。これは企業全般にも指摘できる現状であろうことは今さら申し上げるまでもありません。後継者なくしていかなる企業も衰微することはあったとしても、あるいは横ばいで続くことはあったとしても二十一世紀に向けて、発展、繁栄ということは望めないでしょう。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 そこで、いかにして農は国のもとであるという、名実ともにそれはそのまま未来を担う後継者に、若者につながらなければだめでしょう。そういう認識に立って、いかにして魅力ある、若者たちが立ち上がっていくことができるかということに対して大臣はどうお考えか、そして具体的にどのように進めていこうとおっしゃるのか。 以上、私は率直にお尋ねして、時間が参りましたので、そのかわり所信を明確に答えてもらいたい。
○政府委員(片桐久雄君) 私の方から、保険料の引き上げの問題につきまして先に説明させていただきたいと思いますけれども、今回の年金の改正の最大の眼目は財政の長期安定ということでございまして、そういう観点から保険料の段階的な引き上げということをお願いしている次第でございます。 この引き上げの内容につきましては、加入者の負担の能力、それからまた厚生年金の本人負担分の保険料率、こういうものをいろいろ総合的に勘案して、五年間で四千円という負担をお願いしているわけでございまして、厚生年金の本人の負担率、これと比較してもほぼ同程度であるというふうに考えておりまして、何とかこの程度の保険料の負担は可能なのではないかというふうに考えている次第でございます。
○国務大臣(山本富雄君) 今先生のお話を聞きながら、例の佐藤元総理の、沖縄返還なくして戦後は終わらない、こういう言葉も思い出したわけでございますけれども、いずれにいたしましても四十五年間ですね、戦争中はもとよりですけれども、沖縄の特殊な状態の中で大変御苦労なすっている。そして、それを先生が時に臨んで愛郷の精神を持ちながら、いつも御発言をなすっているということに対して心から敬意を表する次第でございます。 そこで、先ほど来の御質問でございますが、この年金問題につきましては、もういろいろな質疑を通しての議論があったわけでございまして、沖縄に対しては、その加入の前提条件である面積の問題で一つのハンディをつけておる。これは先生に言わせれば、ただ単なる恵みであってはならない、こういうお話でございましたが、そんなつもりは毛頭ございません。沖縄の特殊事情を勘案して数字の上で示したということでもございます。 それからけさも、実は砂田国務大臣と閣議の前にちょうど時間がございましていろいろ話をいたしました。きょうは喜屋武先生の質問があるという話をいたしましたら、担当大臣として、この間沖縄まで行ってきたというお話がございました。長くなりますので中身を割愛いたしますが、とにかく沖縄については山本君しっかりやってくれよ、やっぱり農業が一番大事だと、そして基地の問題の解決が非常に大事だ、こういう二つの話をされたことを申し上げます。 そこで、もう先生十分御承知のとおり、開発の第二次の計画もそれなりに進んでおります。それから、これも当然といえば当然ですけれども、補助率とかあるいは負担率の問題で、沖縄については数字の上でかなりのハンディキャップをつけておるということにつきましても御承知のとおりでございます。基本的には、やはり沖縄が日本における唯一の亜熱帯地帯であるという特殊な気象条件、あるいは農業の条件等をしっかり農水省としては踏まえながら、今後とも各般の施策を総合的に沖縄に向かって進めてまいりたいというふうに申し上げたいと思います。 余り細かいことを申し上げましても先生の御意に沿うわけにはまいりませんので、気持ちの上では沖縄が、戦中、戦後を通じて非常に大変な状態を続け、なおかつ今日あるということを十分認識しておりますということを最後につけ加えまして、答弁にいたします。
○喜屋武眞榮君 よろしくお願いします。
○星野朋市君 せっかくの機会でございますので、法案に関係ないことを一つお尋ねしたいと思いますが、お許しを願いたいと思います。 まず、学校給食における牛乳の件でございますけれども、畜産局長は時間が早いから来ていないですか。
○委員長(仲川幸男君) 通告していますか。
○星野朋市君 してございます……。 それではお尋ねをいたします。 我が国で一年間に、いわゆる小学校、中学校に給食をされている牛乳の量はどのくらいでございますか。
○政府委員(岩崎充利君) 小中学校の給食用の牛乳の本数でございますが、二十七億五千万本程度ということでございます。
○星野朋市君 その量は、日本の牛乳の消費量の何%に当たるかとお尋ねいたしますけれども。
○政府委員(岩崎充利君) 飲用等向けの総供給量が、これは六十三年度でございますが、四百八十二万トンということでございます。学校給食用でいきますと五十八万トンということで、大体一二%ぐらいでございます。
○星野朋市君 どうしてそれをお尋ねしているかといいますと、実はこの学校給食の牛乳の補助金は、文部省でなくて農水省から出ているわけでございますね。その一本当たりの補助金は幾らでございますか。
○政府委員(岩崎充利君) 三円十銭でございます。
○星野朋市君 国庫の補助が三円十銭。それに、これは出しているところと出してないところがございますけれども、さらに地方自治体が相当のこれを補助しているわけでございます。 それで問題なのは、実は今、小中学校の給食牛乳が手つかずのまま相当量残されているという実態でございまして、この間も四月二日に、毎日新聞の夕刊に東京都の多摩地区の例が出ましたけれども、手つかずのまま残された牛乳のパーセンテージは一一・五%である。これは全国的に見てもほぼ大体その数字が予想されるわけでございます。そうしますと、先ほど局長の方からお答えいただきました総数量に対しまして一一%強といいますと、年間で約三億本になるわけでございます。この三億本というものがほとんど手つかずのまま回収されまして、それで大体汚泥処理をして川に流されてしまう。これは、牛乳を生産している酪農家にとっては耐えがたいことだと思います。まして補助金、それから流通のコスト、最後に処理されるコスト、全体のコストを考えたら膨大な量になると思います。農水省は補助金を出して、所管は文部省であるということで、そこの段階でこれは恐らく打ち切っていると思いますけれども、最後まで、補助金を出したものの最後がどうなっているか、ここまで関心を持ってやるのが行政ではなかろうかと私は思います。 それで、農水省としては、この問題に関して今後どういう対策を講じていかなくちゃならないのか。もちろん日本人の平均的な乳糖不耐症、難しい言葉ですが、これは平均して約一〇%いると思われますけれども、そもそも学校給食の牛乳というのは、それに対して何とかこれをなくそうということ、いろんなほかの意味がありますけれども、ということで発足したはずでございまして、何としてでも、一%とか二%とかいう問題なら納得がいくんですが、一〇%を超える廃棄量があるということに関しましては、これは農水省としても黙視するわけにはいかないと思います。農水省としてどうお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(岩崎充利君) 私ども、学校給食におきまして牛乳飲用の促進を図るということは、児童生徒の体位なり体力の向上に資するということと、牛乳の消費拡大なり酪農乳業の安定的な発展を図る上で極めて重要であるというふうに考えております。 先生御指摘の飲み残しの問題につきましては、私どもも重大なことと受けとめておりまして、学校給食用の牛乳供給事業が予定している目的、趣旨等からすれば、今の問題、このような事態というのは好ましくないというふうに考えておる次第でございます。 農林水産省といたしましては、これは従来から、基本的には、牛乳には歯や骨の成長に必要なカルシウム源やたんぱく質等、あるいはビタミン等の栄養素がバランスよく含まれているということ等につきまして、やはり児童生徒に対する正しい知識の啓蒙普及が重要であるということから、ビデオなり壁新聞の作成を通じたりいたしましてそういう正しい知識の啓蒙普及を図る。それから、学校栄養職員なり調理従業員に対しましては、料理講習会の開催などを通じまして、飲みやすい形での牛乳の提供、これは直接飲用に供するだけではなくて、調理材料としても利用した牛乳摂取の促進等々も考えなくちゃいけないだろうということでございますが、文部省と十分に連携を図りながら、個々の児童なり生徒の身体的な特性に配慮した飲用の提供、これは、先ほど先生おっしゃいました乳糖不耐症等々の方々にも、やはり毎日飲んでいただくということが非常にいいのではないかというようなことも含めまして、個々の児童生徒の身体的特性に配慮した飲用の提供とか、あるいは昼食時以外でも飲用できるような、児童生徒の自主性を通じた飲用の促進等にも努めているということでございます。 今後とも、文部省とも連携を強化しつつ、飲み残しを極力減らすような可能な対応につきまして工夫を凝らして、関係者の指導にも努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○星野朋市君 最後でございますので、法案に関係して一つお尋ねをいたしたいと思います。 前回、参考人についてもこれはお聞きしたんですけれども、実は社会保障制度審議会から、 農業者年金制度は、農業経営者の若返りや農業経営規模の維持拡大といった農業政策上の要請に応じることを主眼としているが、年金保険という形態をとっており、その政策効果についてはいぜんとして明らかではない。 この際、本制度の目的とする農業政策上の有効性と、公的年金制度としての社会的妥当性について、その両面から根本的に再検討し、制度本来の在り方をめぐる累年の疑念を払拭するよう強く要望する。 という社会保障制度審議会からの答申が出ております。 先般来、いろいろお話を聞いて大体は納得しておるんでございますけれども、いわゆる年金制度ということでございましたらこれは均衡をしなければならないという基本がございます。ところが、今回の改正のあれでは、先ほど猪熊先生からも御指摘がありましたように、平成三年度が八十六億円、それから平成七年度が五百十六億円。要するに、総額の千六百十八億円が累増する形になっていくわけでございますね。それで、均衡のとれるのが平成二十七年度、非常に長期な問題でございます。この助成制度がさらに累増していくというような危険がないのかどうか、どこかで歯どめが打てるのかどうか、そこら辺について答申の当局の基本的な考え方と、今申し上げましたように累増していくおそれはないのかどうか、ここら辺についてのお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) この農業者年金基金制度は二つの目的を持っているというふうに考えている次第でございます。一つは、社会保障制度というような観点で、農業者の老後の生活の安定という目的でございますけれども、さらにもう一つ、農業構造の改善を進めていきたいという政策的な目的でございます。 そういう観点から、社会保障制度審議会では、社会保障制度という観点から見ればいろいろ問題がある、こういう指摘をいつも受けておる次第でございます。しかし、私どもといたしましては、この農業者年金制度は二つの目的に資するものであるという観点から、いろいろ充実を図っていきたいというふうに考えておる次第でございます。 それからまた、追加助成が今後累増していくのかどうか、こういう御質問でございますけれども、平成十七年度については五百十六億円、こういう数字になっておりますが、これを私どもの一定の前提を置いて試算をいたしますと、二十五年間で年平均四百億円ぐらいというふうに考えておりまして、この追加助成の試算で見ますと、例えば平成二十三年から二十七年の最後の五カ年の追加助成の試算をいたしますと、年間百七十億円というようなことで、中ほどは比較的五百億を超えるような金額で膨らみますけれども、後ほどになりますと次第に金額が減っていくというような構造になっているというふうに考えている次第でございます。
○星野朋市君 まだ時間がございますけれども、きょうは長時間にわたりまして質疑応答がございましたので、この辺で終わらせていただきます。
○委員長(仲川幸男君) 政府委員から発言を求められておりますので、この際これを許します。片桐局長。
○政府委員(片桐久雄君) 先ほど猪熊委員の御質問の際に、改正附則第十八条第一項の規定と毎年度の国会の予算審議権との関係について申し上げたお答えの真意は、予算の審議は法律とは別のものであり、法的には国会の審議を拘束するものではありませんが、法律が両院の議決を経て成立した以上、この法律に基づいて政府が提案する予算案は、事実上国会の同意が得られるはずであるという意味で答弁したものであり、この規定が、憲法に定められた国会の予算審議権や財政法の原則を侵すものではないと考えております。
○委員長(仲川幸男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、高木正明君が委員を辞任され、その補欠として藤田雄山君が選任されました。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○林紀子君 私は、日本共産党を代表しで、農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行います。 今回の改正案は、分割移譲や、遺族配偶者の加入特例、被保険加入期間の空期間の通算など農業者の要望に沿った改善点も見られます。しかし、基金財政の安定化を理由に、保険料の引き上げ、給付水準の引き下げを図るものであり、農産物の輸入自由化や価格の引き下げの中で、さらに受益者負担を強め農業者に対し、犠牲を強いるものと言わなければなりません。 保険料については、前回の引き上げに引き続き、毎年月当たり八百円ずつ一九九六年まで引き上げ、最終的には一万六千円にするというものです。農業者年金の加入条件となっている夫婦二人の国民年金保険料と合わせると、農業者年金加入農家の平均農業所得に占める割合は現在でも一三%以上にもなり、既に農家の負担能力を超える状況となっています。 給付体系の変更は、六十歳から六十四歳までのつなぎ年金として定着してきた機能を大きく変質させ、しかも、経営移譲の仕方によって年金に格差をつけるなど年金総額を削減しようとするものであります。 また、離農給付金の制度変更は、零細農家を切り捨て、離農を一層進めるものです。 今日の基金財政の危機的状況は、未加入者が十六万人近くも残されていることなど、農業の将来に不安を抱き、農業だけでは食べていけない、後継者がなく婦人と高齢者に頼る農政が、また、この本法がねらいとする構造政策が招いた結果であります。食料自給率を向上させ、農産物の輸入自由化を大幅に規制して、農業に展望が持ててこそ、現在の後継者不足も解決し、基金財政の改善も図られるのではないでしょうか。 農業者年金制度は、農業者の減少、高齢化が進んでいる現状を踏まえ、受益者負担の軽減と、構造政策条件等をつけず年金額を増額するなど、国の責任のもとに援助を強め、真に農業者の老後を保障するものに改められるべきであることを主張して、反対討論を終わります。
○委員長(仲川幸男君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲川幸男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、上野君から発言を求められておりますので、これを許します。上野君。
○上野雄文君 私は、ただいま可決されました農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ、税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農業者年金基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、最近の農業・農村を取り巻く厳しい情勢に対処し、本制度が農業者の老後の保障と農業構造の改善に十分な役割を発揮できるよう、次の事項の実現に努め、制度の長期にわたる安定的発展に遺憾なきを期すべきである。 一 農業構造の改善の一層の促進に資する観点から、本年金の財政基盤を長期的に安定させるため、年金財政の動向等に応じて国庫から必要な額が助成されるよう十分配慮すること。 また、年金未加入者の加入促進について、一層の努力をすること。 二 保険料については、農家の負担能力の実情、本年金の政策年金としての性格等を踏まえ、過重負担にならないよう設定すること。 三 今回の改正に伴う新給付体系への移行、経営移譲に係る分割移譲方式の導入等については、その趣旨を周知徹底し、運用に遺憾なきを期すること。 四 農業の持つ家族経営体としての特性等を考慮し、経営移譲年金の受給権者が死亡した場合における遺族年金等の実施については、次期財政再計算時を目途に鋭意検討すること。 また、農業に専従する主婦等の年金への加入について引き続き検討すること。 五 離農給付金交付制度の運用に当たっては、離農者の農地が中核的農家の経営規模の拡大等農業構造の改善に資するよう十分配慮すること。 六 農業者年金に加入している農業生産法人構成員の厚生年金への移行については、その実態に即して行われるよう配慮すること。 七 年金事業の末端業務が円滑かつ的確に実施されるよう、農業委員会の役割の明確化など業務執行体制の整備充実に努めること。 八 中山間地域農業の振興を図るとともに、担い手不足地域における円滑な経営移譲を図るため、農地保有合理化促進事業、農協による経営受託事業等各種の施策を強力に推進し、併せて、農業者年金基金への農地貸付けを適切に実施し、万全を期すること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(仲川幸男君) ただいまの上野君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、上野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、山本農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本農林水産大臣。
○国務大臣(山本富雄君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(仲川幸男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時四十二分散会