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118回国会参議院1990/07/05

農林水産委員会 閉会後第1号

発言数
286
登壇者
21
会派数
7
開催日
1990/07/05

会議録

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査のうち、平成二年産米の生産者米価に関する件を議題といたします。  まず、平成二年産米の生産者米価について政府から説明を聴取いたします。森元食糧庁次長。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 平成二年産米穀の政府買い入れ価格につきまして、昨日米価審議会に諮問させていただきましたので、その概要を御説明申し上げます。  まず、諮問を朗読いたします。     諮問   平成二年産米穀の政府買入価格について、将来にわたり我が国稲作の健全な発展を図るとの観点に立ち、需給事情にも留意しつつ、地域における生産性の高い稲作農家の生産費及び所得を考慮して決定することにつき、米価審議会の意見を求める。   平成二年七月四日          農林水産大臣 山本富雄  次に、諮問の説明を朗読いたします。     諮問の説明   米穀の政府買入価格は、食糧管理法第三条第二項の規定により、生産費及び物価その他の経済事情を参酌し、米穀の再生産の確保を図ることを旨として定めることになっており、その算定については、昭和三十五年以降生産費及び所得補償方式によりその時々の需給事情等に応じて行ってきたところであります。   このような中で、昨今の米をめぐる内外の諸情勢にかんがみ、国内産で自給するとの基本的な方針についての理解を得るためにも、生産性の高い稲作の担い手となる農家や生産組織・集団の育成を通じて稲作の一層の生産性の向上を図り、国民の納得の得られる価格での米の安定供給に努めることが現下の緊要な課題となっております。   また、消費の減退傾向が続いていること等から、大幅な潜在需給ギャップが存在しており、平成二年度からは、転作等目標面積を八十三万ヘクタールとして水田農業確立後期対策を推進しております。   他方、一般経済情勢面では、労賃上昇率の増大、金利水準の上昇等がみられるようになっております。   以上の事情を総合勘案の上、本年産米穀の政府買入価格につきましては、全国の各農業地域の平均的な水準以上の高い生産性を実現している稲作農家をその地域において稲作を実質的に担っている者であるとし、このような者の生産費を基礎とし生産費及び所得補償方式により算定することとしてはどうかということであります。  続きまして、お手元にお配りしてございます「平成二年産米穀の政府買入価格の試算」という資料について御説明をさせていただきます。  まず、一ページの算式でございますが、これは前三年の評価がえ生産費の平均を分子といたしまして、前三年の平均収量を分母として六十キログラム当たりの価格を求めるものでございます。この場合の生産費対象農家のとり方につきましては、去る六月二十九日の事前米審にお諮りをいたしました新しい算定方式に基づいております。この新しい算定方式の基本的考え方は、全国の各農業地域の平均的な水準以上の高い生産性を実現している稲作農家は、その地域において稲作を実質的に担っている者であると位置づけ、算定対象とするものであります。  このような基本的考え方のもとに、具体的な対象農家のとり方につきましては次のようにいたしております。まず、全国を九つの農業地域に区分いたします。次いで、地域ごとに六十キログラム当たりの平均生産費を求めます。このようにして求めた地域ごとの平均生産費を指標として、それ以上の生産性を上げている農家を選定しております。これらの農家が各年の生産費についての算定対象農家となるわけであります。ちなみに、このような手順によって算定対象となる農家の戸数シェアは各年産とも四〇%を超えており、また販売数量シェアは約六〇%となっております。  一ページの分子の方でございますが、対象農家の十アール当たり平均生産費について、物財・雇用労働費など実際に支払う費用につきましては、生産費調査結果を物価修正するとともに、家族労働費につきましては都市均衡労賃で評価がえし、実際に支払いを行っていない自己資本利子と自作地地代についても一定の評価方法により算入をしております。これらを合計いたしました評価がえ生産費を算出し、これを対象農家の平均単収、分母でございますが、平均単収で除しまして求める価格、米全体の農家庭先価格を算定しておるわけであります。  次に、二ページでございますが、算定値を示しております。  1は、求める価格でございます。2の基準価格は、求める価格に最寄りの検査場所までの運搬費を加算したものでございまして、一万六千二百八十二円となっております。これを前年の基準価格と比較いたしますと、二百四十一円、一・五%のマイナスとなっております。3は、基準価格を基礎に銘柄間格差、等級間格差等を前提に三類一等の価格を算出したものであります。4は、基本米価と呼んでおりますが、ウルチ一—五類、一—二等平均、包装込みの生産者手取り予定価格でございます。前年と比較いたしますと二百四十三円、一・五%のマイナスとなっております。  なお、三ページに類別、等級別の価格一覧を掲げております。  続きまして、四ページの算定要領でございます。算定要素のとり方について整理をしておりますが、本年産の政府試算におきます算定要素のとり方は、基本的には昨年と同様の考え方に基づいております。  まず、家族労働費でございますが、家族労働費につきましては生産費及び所得補償方式のもとで、都市均衡労賃により評価がえを行っております。都市均衡労賃といたしましては、前年同様、都道府県別の米販売数量によりまして加重平均した事業所規模五人以上千人未満の事業所の製造業賃金を採用しております。四ページの下に、一時間当たり労賃を掲げておりますが、このうち、男女込み労賃は直接家族労働の評価に用いておりますし、男子労賃は自給肥料等に係る間接労働の評価に用いております。  なお労賃単価は、前年産に比べ男女込み労賃で六・八五%、男子労賃で六・三六%の上昇となっております。  五ページのアは、五人以上千人未満規模の労賃でございますが、現物給与等の調整前のものでございます。規模修正及び期間修正は、データの制約から労賃の規模や期間について修正を行っておりますが、その計算の手順を整理しております。イは、アの労賃に加算する現物給与相当額の加算手法について、ウは労賃から控除する通勤手当相当額の減額手法につきまして整理をしております。  続きまして六ページでございます。まず、物財・雇用労働費の物価修正の手法でございます。  従来、物価修正につきましては、基準期間、比較期間とも各年の一—五月平均の物価指数を用いてまいりましたが、昨年は四月から消費税が導入され、農家が購入する肥料や農薬などの生産資材につきましても消費税が課せられているという状況を踏まえまして、これを適正に価格に反映させる観点から、特例措置として基準期間、比較期間とも四—五月平均を採用した経緯がございます。本年産につきましては、消費税導入後一年以上経過しその影響が一巡したため、期間のとり方について特別の措置を講じなくても適正な物価修正が行える状況になったと考えられますので、従来の手法に戻し、基準期間、比較期間とも一—五月をとることといたしたわけであります。  続いて副産物でございます。副産物はわら及びくず米でございまして、生産費から控除されますが、掲げております係数は生産費調査にあらわれた各年の副産物の物価修正をする係数でございます。  続いて、七ページの資本利子でございます。資本利子は、借入金と自己資金に区分しておりますが、この割合は三年に一度行っております米生産費補完調査結果によっております。借入金金利は補完調査にあらわれた借り入れの実態に、その後の実勢を織り込んで算出をしております。自己資本利子につきましては、実際に支払いを行っていない所得付与部分でございますが、従来から農協貯金金利で評価して価格に算入しております。定期貯金金利は昨年と比べますと相当上昇してきておりますが、本年産につきましては安定性に配慮し、平均の考え方によりまして前年産適用金利、これは三・四%でございますが、にその後の金利上昇幅の二分の一、〇・八四%を加えることとしております。なお、このように金利上昇幅の二分の一を反映させるという手法は昨年も採用しております。  次は、物件税及び公課諸負担でございます。物件税及び公課諸負担は、収益の有無にかかわらず稲作を行っていることによって賦課されるものを従来どおり計上しております。なお、土地にかかる固定資産税は別途地代に織り込んでおりますのでここでは除いております。  続きまして八ページの地代でございます。まず、自作地の地代につきましては、生産者が実際に支払うものではございませんが、所得付与部分として従来から価格に算入してきております。本年産につきましても従来同様土地資本利子の考え方によりまして、一般田の固定資産税評価額十アール当たり九万六百七十一円、前年度が九万五百十六円でございますが、これに十年利付国債平均利回り五・四二七%を乗じて算出しております。また、小作地等の地代につきましては、生産費調査の実績値、十アール当たり小作地で三万四千三百十六円を算入しております。  次は、企画管理労働でございます。企画管理労働につきましては種々の論議がございますが、本年産につきましては、各地域において創意工夫により高い生産性を実現している稲作農家は、それぞれの地域において稲作を実質的に担っている者であると位置づけまして、このような農家の生産費を基礎に米価を算定することとしておりますので、前年産と同様、十アール当たり企画管理労働時間一・三時間を都市均衡労賃で評価がえをいたしまして算入をしております。  (8)の算定値は、以上の各要素を積み上げた十アール当たり評価がえ生産費でございまして、平均で十四万四千六百七十九円となっております。これを六十キログラム当たりに引き直しますために、次の十アール当たり平均収量を算定しておるわけでございます。十アール当たり平均収量は、三カ年の平均で五百三十九キログラムとなっております。  次に、九ページの運搬費でございます。農家の庭先から最寄りの政府指定倉庫までの運搬及び受検に要する経費を米生産費補完調査結果に基づいて算出しております。  十ページ及び十一ページは、以上の結果を原生産費と価格決定年の評価がえ生産費ということで整理をしたものでございます。  以上でございます。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 次に、平成元年産米生産費の調査結果を聴取いたします。海野統計情報部長。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) それでは、お手元にございます「平成元年産米生産費」と書いてございます小さな資料に基づきまして、生産費について御説明申し上げます。  まず初めに、この一枚目の一番下を見ていただきたいのですが、これは販売農家、玄米十俵以上を販売している農家の総平均でございます。ただし、災害農家は除いております。  それで、一ページに総括表が載っておりますが、物財費が十アール当たり八万七千九百三円、労働費五万九百三十八円ということで、費用合計が十三万八千八百四十一円ということで、対前年一・一%の減少でございます。それから、先ほどのくず米とか、わらとかいう副産物を差し引きました第一次生産費が十三万四千二百四十八円ということで、これは一・三%減少いたしております。それに、さらに資本利子、地代を加えました第二次生産費では一・二%の減少ということになっております。一方で、十アール当たりの収量が多少上がっておりますので、六十キログラム当たりになりますと二万六十三円、第二次生産費でございますが、ということになりまして、対前年一・五%の減少ということになっているわけでございます。  二ページにもう少し詳しく書いてございます。二ページの(1)の費目の構成というところを見ていただきますと、労働費、農機具費がそれぞれ三〇%を超しております。それに次いで賃借料料金、肥料費、農業薬剤費、いずれも一けたではございますが、大きい方から五つ並べますと、五費目で八六・二%を占めております。このうち、労働費、農機具費、賃借料料金、この三つの動きは相関連しているかと思います。労働費、農機具費につきましては、効率化という一般的なことから減っている面もございますが、同時に、作業委託が進んでおるということで、作業委託いたしますと、これは払った委託料を賃借料料金の方に計上いたしますので、労働時間、それから農機具費の方、それぞれ減ってくるわけでございます。労働費の方は、労働時間が四・二%減少して四十六・一時間ということになっておりますので、労賃の単価は上がっておりますけれども、労働費ということでは対前年を〇・二%下回っております。農機具費は今申しましたような事情から、前年を四・八%下回っているということでございます。賃借料料金は、逆にそういうことで九・五%上昇ということでございます。  次に、肥料費につきましては、これは肥料の価格いろいろ動いておりますが、一つには農家の使用しました肥料がほとんど消費税の実施される前の三月以前に購入されていたというようなことで、その当時肥料費が比較的低かったということで、単価の面で、対前年で減少している面と、それから多少施肥量も減少しているということで、二・五%下回っております。農業薬剤費につきましては、これは虫害などの発生が少なかったということがございまして、前年を二・九%下回っております。ということが、十アール当たりの動きでございます。  これに、今の費目構成のちょっと上のところに、十アール当たり収量が五百十九キログラムということで、前年が五百十七、この前年の五百十七というのは、前年は冷害年でございますので奇異な感じを持たれるかもしれませんが、先ほど申しましたように、二割以上災害に遭った農家は除外して計算しておりますので、余り大きく振れてはおりませんが、それでも〇・四%収量が上がっておる関係で、六十キログラム当たりの減少幅が十アール当たりよりも多少大きいということになっております。  それから、作付規模別につきましては、三ページのところに書いてございますけれども、やはり作付規模の大きな階層ほど機械の効率的利用等で省力化も進んでおります。ということで、先ほど申しました一番大きな三つの費目、労働費、農機具費、賃借料料金、ここらが低下をいたしますので、規模の大きい層ほど生産費は低いという格好になっておりまして、六十キログラム当たりでも大体同様の傾向になっております。  それから、その次の収益性でございますが、十アール当たりの粗収益は十六万四百一円ということで、前年を三・二%上回っております。これは、一つには先ほど申しました単収の増でございますが、単価そのものも政府米から自主流通米へ移るといった動きによりまして、農家の手取り価格が上がっておる、その両者を総合して三・二%の上昇ということでございます。それから(2)のところに、所得並びに家族労働報酬というのが書いてございますが、所得につきましては今の粗収益がふえた、一方でコストの方は多少なりとも下がったということがございます。差し引きすると、所得はもう少し大きな幅で伸びておりますし、労働時間が減っております関係で一日当たりの所得、一日当たりの家族労働報酬、それぞれにさらに大きな伸びという格好になっております。  四ページ以降には、規模別に統計表が載ってございますので、これは別途御参照いただければ幸いであると存じます。  どうもありがとうございました。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより本件に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣に対する質問時間は極めて短いので、ひとつ率直に御答弁を願うことを最初に要請しておきます。  ことしの米価は、生産者米価を決めることもさることながら、米の市場開放が大きな課題になっております。ガットのウルグアイ・ラウンドの交渉期限を年末に控えて、米の市場開放圧力が一段と強まっておりますけれども、私は、七月は米問題の一つの山場だと思うのであります。九日からのヒューストン・サミット、中旬以降のウルグアイ・ラウンドの実務者協議、続いて月末には五カ国農相会議などが相次いで開かれるわけであります。  こうした時期を迎えて、改めて農林水産大臣の決意を伺いたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 今先生御指摘のとおり、七月が文字どおり一つの山だというふうに私も心得ております。そして、直接関係ございませんけれども、明日、総理はサミットにお立ちになります。サミットの中あるいは日米首脳会談も事前にございまして、そこでもあるいは農業問題一般としては話が出るかもしれないというふうな状況もございます。総理にも、私から十二分にお願いもしておりますし、総理も心得ておりますが、あすのサミットあるいは月末にはジュネーブで貿易交渉委員会、これが一つの大枠をドゼウ議長のもとで仕切る状況がくるのではないか、それも一つの大きな山である。  なお、直接ガットには関係ございませんけれども、七月末八月の初めに、アイルランドで五カ国の農相会議があるということでございまして、私も早目に出ましてその間いろいろ各国の状況等も見ながら、あるいは事前交渉などしながら農相会議までまいりたい、こういうふうに考えておりまして、恐らく農相会議では、一般農業問題あるいは東欧情勢いろいろございますけれども、米問題を含む農業問題が出てくることは間違いがないというふうに思っておりますので、これはもう既定方針どおりといいましょうか、国会決議等も踏まえまして、また先生方等のかたい御支援を背中に受けてしっかりやってまいりたい、こういうふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 本院はこれまで、米は国内生産によって完全自給の方針を堅持するとの決議を本会議並びに当委員会で五回にわたって行っております。  この際、完全決議について一言申し上げておきますけれども、完全決議といったって、沖縄のしょうちゅうの原料米を初めとして調製品が五万トン輸入されているではないかというお話がございます。確かにそうだというふうに思います。昭和五十九年第百一国会で本院がそういう決議をしたときには、既に沖縄のしょうちゅう原料米は輸入されておりました。これをどうするかということが議論になりまして、これは歴史的にいって、また技術的にいって特殊事情からこれは認めるべきだ、しかしそれから後はいけませんよという趣旨で完全決議というのをしたわけでありますから、十分大臣も心得ておいていただきたいというふうに思うのであります。  そこで、政府が国会決議を尊重することは当然といたしましても、我が国が市場開放に絶対に応ずることができない、この事情を政府みずからがもっと内外に明らかにして、国民各層の理解と協力を得るべきであります。農産物貿易やあるいは米の自由化の圧力が連日報道されている中で、我が国は何らの反応も示しておらない、言われっ放しになっているではありませんか。これでは、国民世論はマスコミの報道に傾いてくるのであります。認めることができないということがあったならば、堂々と反論をして内外の理解を得るべきである。大臣、こうした努力が不足しているんではありませんか。米の市場開放に応ずることができないことの政府の統一見解を示して、もっとPR活動を積極的に行うべきである、どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) ただいまの先生の御指摘でございますが、これは私どもの政治の道と同じように、やってもやってもやり過ぎはないというふうに私思っておりますが、農政問題ももちろんでございます。また今、米の問題等に限ってPRが不足しているではないか、もっと積極的に内外にわたって声を大にすべきである、こういう御激励を含めての御指摘でございますから、それは謹んで承ることにいたしますが、これはかなりやっているつもりでございます。例えば、新聞におきましてもあるいはテレビにおきましても、週刊誌等におきましてもあらゆるインタビューの機会を通じまして、私のみならずほかの方々もそうでございますが、特に私は農政の責任者といたしまして、当事者といたしましてあらゆる機会を通じまして日本の農政、そしてガット・ウルグアイ・ラウンドに対する我々の毅然たる姿勢については、繰り返し繰り返しあらゆる場面を通じて申し上げておる。  つい先日も、委員会のお許しも得ました上で、あれは衆議院の農水委員会でございましたが、日本記者クラブから招かれた、ちょうど時間が委員会と合致いたしましたが、お許しをいただきまして記者クラブに参りまして、内外の記者団の前で私から日本農政の現状、将来に対する展望、その中で特に貿易問題、ガット・ウルグアイ・ラウンドに対する我々の姿勢というふうなことを率直に、一時間余にわたりましてお話をしてまいったところでございます。また、ジュネーブにおきましても、これはいろんなグループの下交渉とでも言いましょうか、事前交渉がいまだに続いておりますが、その場面場面におきまして、我が国といたしましては出先を含めて、外務省等々も含めましてあらゆる機会をとらえて、各国に向かって我が方の姿勢はPRをし続けておるというふうなことでございます。  また、今お答えを申し上げました、この七月を中心にいたしましたいろんな会議がございます。農相会議もございますが、その場面等を通じまして我が国の立場を鮮明にしてまいりたい、こういうふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私どもの見る限りにおいては、もっと政府が積極的な対応を示すべきであると思いますので、全然やってないとは申しませんよ、さらに積極的な対応をとっていただきますように要請しておきたいと思います。  それから、農業交渉に当たっている担当者の苦労は理解いたしますけれども、我が国の外交交渉は極めて弱いということは、今までの農業交渉を見てもあるいは日米構造協議を見ても結果が物語っているんですよ。特にアメリカは日本に強く当たれば日本は折れる、足元を見られておるんです。  大臣、ウルグアイ・ラウンドにおける我が国の提案事項いろいろありますけれども、諸外国に本当に理解されているんですか。内閣が一体となってもっと毅然たる態度をとるべきだと思いますが、どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) これは、当委員会でもしばしば申し上げてまいりましたけれども、昨年の十一月に、各国のガットに対する提案というものがなされまして、その中の農業部門におきまして我が国のいわゆる食糧安保論、これを中心にいたしました我が国の提案というものがしっかりした形でなされまして、その後、本年の春先、確認作業というのが各国の事務レベルでございました。どういう趣旨だ、どういう意味だ、どういう意図だ、こういうことの整理がございまして、これもしっかりと説明をいたしまして、それがゆえにアメリカの主張あるいはECの主張、あるいは日本の主張、これは三大主張とでも申すべきものがはっきり浮き彫りにされた。その他ケアンズ・グループとかいろいろございますが、とにかく日本とアメリカとECという、それぞれの主張というものは極めて明確に、浮き彫りにされておるということが一つであります。  それからもう一つは、これは予算委員会等でもいろいろ御指摘がございましたが、外務大臣や通産大臣が本問題でない会議、すなわち外務大臣としての会議あるいは通産大臣としての会議で、従来海外出張しております。その都度、海外からの報道は、農業問題についてあるいは日本の米問題について、こういうやりとりがなされた、あるいは外務大臣が、通産大臣がこういう発言をされたというふうなことなどが報道をされまして、予算委員会でも問題になったことがございますが、それは絶対に今までの政府の方針あるいは、私が今申し上げているような方向にもとったものは一つもないというふうなことで、説明をその都度してまいりました。政府は一体となってこの問題について取り組んでまいりましたし、これは海部内閣の方針である、日本政府の方針であるということで御理解を賜りたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私が、そうしたことを申し上げたことは、我が党もガット等の事務局へ行っていろいろ要請もしてまいりました。その中で、食糧安保だとか基礎的食糧というものが、本当に理解をされているのかどうか非常に疑問なところがあるわけですね。ですから、さらに政府として積極的な対応を要請しておきます。  そこで、ウルグアイ・ラウンドの結果いかんはひとり米問題だけでなくて、国家貿易品目や農業保護を初めとする国内農業政策に重大な影響を及ぼすことになるわけであります。国会決議があります。また我が国の農業の現状があります。歴代総理の国会の答弁もあります。万が一にも、今までの方針を変えるようなことがあったとするならば、内閣として政治責任を私はとらなければならないというように思うんです。特に農林水産大臣の責任は重大である、このことをしっかり頭の中に刻み込んでおいてもらいたいというふうに思いますが、大臣どうですか。  さらに、米国は今度のサミットで農業問題を最重要視して、政治的決断を促すことを強調しておるわけであります。サミットを前にいたしまして、先日の党首会談で我が党の土井委員長は、米問題を中心とする農業問題で海部総理が毅然たる態度をとってくるように強く要請をしておるのであります。  大臣、農民の切実な要求、衆参両院の論議を率直に総理に伝えるとともに、そのことももちろんでありますが、農業問題について、内閣としての意見、見解を再確認してサミットに臨んでもらいたい、総理にそのような要請をしてもらいたいと思いますが、どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 冒頭、発言をしたつもりでございますが、総理には私から度々にわたってその都度申し上げておりますが、つい最近もサミットに臨むお話がございました際に、私から最近の諸情勢について説明を申し上げまして、そしてしっかりした考え方、態度で臨んでいただきたいというふうなことはよく申し上げてございます。  また今、これはもう重大な責任があるぞというお話ですが、そのことはよく腹に据えております。  また、先ほど来申し上げておりますとおり、もう総理も国会等でたびたび答弁もしております。その気持ちをもって、その方針に沿ってあらゆる機会、すなわちサミットでも、もし本問題が出れば対応してくれるものというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 先ほど話がありましたように、七月は重要な時期でありますからよく腹に据えて取り組んでもらいたい、強く要請しておきたいと思います。  米価問題について尋ねますが、先ほど諮問米価について説明があったわけでありますが、平成二年産米の政府買い入れ価格は一・五%引き下げ一万六千五百円。これは政府と自民党の折衝で事実上決着したと思われますが、大臣の見解を伺いたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) まだ決着をしておりません。昨日も、衆議院の委員会などでもいろいろ御質問もございましたり御指摘もございました。ございましたが、政府・与党というのは、先生に改めて申し上げるまでもないんですけれども、議院内閣制でございます、また政党政治でもございます、これは一体でなければそのこと自体おかしいわけでございまして、政府・与党が一体となって国民に対して責任を負っておるというのが、現在の日本の政治の姿であるというふうに私は理解をしております。  その中で、今回の米価の問題について言えば、政府が与党に対して事前に与党の考え方を十分徴する、そして意見を調整するということは極めて当然のことだ、これは御理解をいただけると思います。それはいたしました。その上で、私の腹固めをいたしましたものを昨日米審に対して諮問をいたしました。そして米審で昨日、本日、整々として今議論がなされておる。いずれ答申が出されるならば、その米審の答申を尊重いたしながら適正な米価を決定いたしたい、こういうことでございまして、手続について私どもそごはないというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 米審の答申を受けて政府が決定する、そのことは当然でありますが、それは建前論、手続であって、今回のようなやり方では、そんなこと本気で受け取る人はないと思うんですよ。米審が、よしんばこの諮問案と違った答申を出した場合には、政府はそれを尊重しますか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 繰り返すようでございますが、これは、政府の農政の担当者でございます農林水産大臣が米価審議会の意見を聞き、食管法の規定に従い適正に決定する、こういうことでございますから、法に従って米価審議会の答申を尊重しながら私が決定をさせていただくということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 米審が、政府の諮問と違った答申をしたらそれを尊重しますか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 米審の答申がまだ出ておりません。答申が出た段階で十分これを検討させていただきたい、こう思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣が、いろいろ弁解しても、こういうやり方は米価審議会を形骸化するものであります。形骸化というよりも全く無視したものであります。だから、米審の反発によって諮問案は直ちに提案することができなくて、昨日は半日空転をしたんです。委員会を混乱に陥れた。米審の委員の皆さん方が憤慨をして反発することは、これは当然のことなんです。  ことしの米をめぐる問題が、また米価の決定が内外の情勢から見て重要なとき、それがあるからこそ慎重に対応して米審の委員の意見や、そして衆参両院の農林水産委員会の論議も謙虚に受けとめて米価を決定しなければならない。大臣が言われたように政府・与党は一体でありますけれども、自民党の皆さんは、政府の試算どおりなら米価は大幅に下がるが、我々が頑張って下げ幅を縮小した、こう言いたいんでありましょうけれども、せめて据え置きにしてください、これが農民の切実な要望なんですよ。にもかかわらず、これを一・五%引き下げた。こんなことを評価している農民はないと思うんですね。こうした結果、生産者米価はこの四年間で二千百六十八円も下がっておるのであります。政府も責任がないんだ。一体こうしたことをやった政府と自民党に私は反省を求める。重ねて大臣の答弁を聞きたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 大変お言葉を返すようで恐縮でございますけれども、例年ただいま私が申し上げたような手続によって適正に、懸命に歴代の農水大臣が米価を決定してきたというふうに心得ております。また、本年の米価につきましては、私百身が、現在そういう気持ちで米審の答申をひたすら待っておるということでございます。  それから、今先生のお言葉の中で、米審無視のようなお話でございますが、決してそういうことはございません。いわゆる事前米審におきまして、二十五日と二十九日二回いたしました。二十五日には米をめぐる一般情勢、二十九日には一昨年、昨年の議論を踏まえまして新しく出しました算定方式について、米審に対しいろいろ説明をし、御議論をいただいたところでございまして、米審に対しましては事前にいろいろな形で御意見をお伺いしていわゆる前広にやっておる。そして、昨日、本日米審をお願いしておる。  なお、午前中のことにお触れになりましたが、米審のことは、米審の会長さん並びに米審の方々の御見識でおやりになることでございまして、我我がとやかく申し上げるべきではない。また、懇談会などの形式は、私聞くところではしばしば今までも繰り返しございましたという報告も受けております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、米審の御見識で半日間空転をした、そんな理解であっていいのか。あなたが米審を無視したようなことをしたから空転をしたんですよ。そのことをしっかり腹に置かなければいけないと思うんです。  それで、事前米審をやったという、食糧庁に聞くけれども、事前米審で算定方式について結構でございます、こういう米審からのお答えをいただいているんですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) ただいま大臣の方から御答弁申し上げましたとおり、六日の二十九日に米価審議会を開催していただきまして、主として生産者米価の算定方式について御議論をいただいております。  その際、意見の取りまとめということで米価審議会の方から意見の取りまとめをいただいておるわけでございまして、四項目にわたって意見が集約されたような形になっております。ちょっと読ませていただきますが……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 簡単に言ってください。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 「本委員会は六月二十九日提示のあった「生産者米価算定方式の検討について」を審議したが、本年産生産者米価決定の直前の提言であり、議論を集約するに至らなかった。主要な意見は次のとおりである。」ということで四点あるわけでございます。「今回の算定方式が対象農家のとり方として」……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 意見はいいですよ、意見はいいから。結論はまとまらなかったからね。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 「地域性を考慮している点については賛成の意見が多かった。」。二は、「生産者の立場に立つ委員は、今回の算定方式が平均生産費以上を切り捨てるなど問題があり、賛成しがたいとの意見、また、具体的算定が明確でないので、保留するとの意見であった。」。三点目は、「その他の委員は、今回の算定方式が担い手に焦点をあてる小委員会報告の趣旨からみて、不明確な点があり問題がある。問題があるが、当面暫定的に採用することはやむを得ないとの意見であった。」。それから四点目は、「ウルグアイ・ラウンドの推移、水田農業確立後期対策の実施、政府米の集荷状況、自主流通米の価格形成の場の設定等米をめぐる情勢を考慮して政府米買入価格算定のあり方を基本的に検討すべきである。」という御意見を取りまとめていただいたわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ですからね、事前米審をやってもこの算定方式は、これは結構だと言って全部認めたわけじゃないですね。だから本日、昨日からの米審でもまた論議をされるということになる。それに基づいて政府と与党が一体となって事実上決着をした、だから米審が、これは憤慨するのは私は当然のことだと思うんですよ。重ねて申し上げておきましょう。  そこで、米価を算定するに当たっていろいろと内外情勢等も勘案したと言われますけれども、私は、その中において内外価格差について一点だけ伺っておきたいというふうに思うのであります。  内外価格差を縮小することはこれは重要だ、私も否定をしません。日本の米の生産者価格は米国の六・六倍程度だと言われておりますが、そのような格差が発生している要因は一体何か、このことを政府としても考えなければならないと思うんです。一つには為替レートの変更による円高があります。かつて円が二百五十円程度でございますね。日米の格差は三倍程度のものであった。円高になってこういう形になったんですね。それから耕作面積が非常に大きな違いがある。日本と比べてアメリカは百五十倍という、一戸当たりの農家がですね、あるいは農業生産資材価格が高い。日本で売るよりもアメリカへ輸出するこうした資材の価格が安いんですね。農家もコストダウンには努力しているけれども、農家の努力だけではどうしようもない、こういう事情があるんです。大臣どういうふうに考えますか。  政府は、生産者米価を抑制することによって内外価格差を是正しようとしておりますが、これは一方的に農民を犠牲に追い込むだけである。本当に生産者米価を引き下げる場合に、政府としてもっと積極的に対応しなければならない政策や行政指導があるんではありませんか。大臣、どういうふうに思いますか。—大臣の見解ですよ。そんな細かいこと言わぬでいい、これは。説明要らないですよ。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 事務的に、私どもの考え方をまず御説明させていただきたい……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ちょっと待ってください。きょう大臣に対する質問時間わずかですから、局長に質問していませんよ。大臣に対するきょうは質問ですから。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 内容に至る問題でございますから、局長から答弁をさせます。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 農業生産資材の節減問題、生産コストの縮小を図っていく上で非常に重要な課題だというふうに考えておるわけでございます。これの価格差の問題につきましては、品質の違いでございますとか流通形態の違いでございますとか、いろんな点がございまして、単純な比較がなかなか難しいわけでありますが、物によりましては若干の差が出ている、これは原料事情の違いその他があろうかと思います。私ども、農業生産資材費の節減という観点からは、価格の決定のあり方はもちろんでございますが、その他供給、流通、利用、各段階にわたりましての格段の合理化努力が要るだろう、このように考えておるわけであります。  価格問題につきましては、御案内のように、当事者間の交渉にゆだねられておる問題でございますけれども、私どもといたしましては、まずメーカー側に対しまして一層の合理化と安定供給努力を要請する、それから片一方の当事者でございます農業団体に対しましても、適正な価格の設定のために大汗をかいてくれ、こういうことを要請してきておるというのがこれまでの経緯であります。こういう価格の指導のほかに、これからも輸入品を活用できるところは活用する、あるいは流通の形態についても工夫できるところは十分工夫する、また使い方の面でも格段の努力を工夫してもらう、こういうふうなことを通じまして、農業生産資材費の節減の指導に努めていきたい、これが私どもの基本的な考え方でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 あなたは農蚕園芸局長だから、生産資材のことばかり言っているんですね。私は生産資材ばかり言ったんじゃない。円高の問題もあるし面積の相違もある。これは価格差が生ずるのはやむを得ない、一生懸命やるけれども。  それじゃ、大臣に聞くけれども、米について内外価格差は一体どの程度まで縮小すべきだと思うんですか。きょうは、局長の皆さん、大臣に対する質問の時間ですから、あなたの言うようなことは私は知っていますから、大臣御答弁願います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 内外価格差につきましては、先ほど先生の方からお話ございましたように、為替の問題でありますとか、あるいはその国国におきます土地条件の制約等の問題があるわけでございますので、一概に比較するということは大変困難でございます。また、その価格差をどこまで縮小すべきかということは、一概にはなかなか申し上げかねるわけでございますが、やはり現に、一定の内外価格差が存在しているということは事実でございますので、やはり消費者あるいは国民の御理解を得るためにも、今後とも内外価格差の縮小にはできるだけ努めていかなければならない、かように思っているわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 だから、そういう努力をして内外価格差を縮小していく、私は、否定はしていませんよ。否定はしていないけれども、こういう農民では手の届かない多くの要因があるんだ、そのことを皆さんも理解をし国民にも理解してもらわなければいけないと思う。  消費者米価でありますが、消費者米価も安いにこしたことはない。安い方がいいんですよ。しかし、生産者米価の格差ほど消費者米価は私はないと思う。そこで聞くけれども、生計費に占める米の割合はどのくらいなんだ。一人一日、米の代金は平均してどの程度なんですか、数字だけ言ってください。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) それでは、数字だけ申し上げますけれども、これは総務庁の家計調査の全国全世帯の平均でございますが、一日一人当たり元年で速報値でございますが、おおむね五十円弱というふうになっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 一人当たり五十円ですか。しかし、この一人当たり五十円、私はうんと安い方がいいと思いますよ。思うけれども、一日の米の価格が五十円、コーヒー一杯飲んだら幾らすると思うんですか。ですから、消費者の皆さん方は、あの米価大会へ行っても価格の問題じゃないんだ、うまい米、安全な食糧を安定的に供給してもらいたいんだ、そういう主張をし、また農水省にも期待をしているんです。大臣こうした消費者の意見を御存じですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 今の御質問で、かつて主婦連が都市の千人の御婦人に米問題のアンケートをとった、そのデータを私見せていただきました。地婦連もやりました。そのデータによりますと、今先生のおっしゃるとおり、安全でうまいお米、こういうアンケートが七割からあった、こういうことでございます。ですから、そういう御志向が日本の国民、特に主婦の皆さんの中にはあるんだな、消費者の皆さんの中にあるんだな、こういうふうに私受け取ったわけでございます。  そこで先生、今内外価格差の問題、ずっと御指摘でございますけれども、率直に私申し上げますけれども、今は内外価格差があることは事実です。しかし、日本のお米がそんなに高いか、実感としては私はそう思っておらない。テレビでも一部私申し上げたんですけれども、お米を一杯御飯で食べて三十円ないし三十五円ということで、どんなに高いんだろうかという話をいたしましたら、インタビューアーの方が、いやそれはわかった、そう高くはない、家計費の中では大したことはない、しかしよそから来た場合にどうでしょう、いわゆる内外価格差の問題を問われたわけでございます。  ですから、この問題につきましては確かに差があることは間違いがない。いろんな計算の方式はあります、あるいは為替の問題等もございます。比べにくい問題もありますが、しかし差があることは間違いがない。ですから、この価格差の解消に向かってできる限り生産者の皆さんにも御努力を願う、我々もそういう意味でのバックアップをしていくということが必要じゃないか。もちろん日本の農業の置かれたいろんな条件がございます。国土が狭いとかあるいは一枚当たりの田んぼが狭いとか、いろいろございます。ございますけれども、そういうハンディも克服をしながら内外価格差のより一層の縮小に向かって努力は続けていかなきゃならない、こういうふうに私考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、消費者の中にも、安くて安全なうまい米を農水省に給供してもらいたいという意見もあることは承知しておる。あることを承知しているそんな程度の認識じゃだめなんですよ。多くの消費者はそういう気持ちだというふうに思うんです。  そこで、今度生産者米価は下げる、したがって消費者米価も当然下げるべきだと思いますが、どうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 消費者米価につきましては、まだ何も決めておるわけではございませんし、いずれにいたしましても、食管法の規定によりまして、今後扱いにつきましては決めてまいる、こういうふうになっておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 生産者米価が下がったから消費者米価も下げる、必ずしもそれは関連する問題じゃないけれども、しかし政府のやってきたことは、生産者米価を下げても消費者米価を下げないときもあった。これだけ言うんならやっぱり消費者米価だって私は当然下げるべきだと思う。これは農水省だけで決めることじゃなくていろいろと今後大蔵省との関係もあるであろうが、そのことを強く要請しておきます。  そこで、率直に聞くけれども、諮問米価より安く米を生産して、つまり諮問米価で生産費を償うことのできる農家は、稲作に占める割合はどの程度ですか。数字だけで結構です。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 今回の米価審議会に諮問いたしました二年産米価につきましては、本来、先生御案内のように、本年産の生産費で比較するのが一番いいと思うんですけれども、生産費は本年産の場合まだ出ておりませんので、仮に元年産の生産費と比較いたしますと、諮問米価によりまして生産費がカバーできる農家数、戸数シェアは、第一次生産費に対しまして四三%、それからいわゆる自作地地代等、実際には払っていないコストを第一次生産費に乗せました第二次生産費に対しましては、一三%ということになっております。ただ現実には、米の流通の中で自主流通米がかなり大きなウエートを持っておりますので、農家の実際の販売手取り価格というのは相当これよりも大きくなっておるというふうに思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今回の算定方式は必ずしも面積規模で算定したわけではないけれども、その算定の中でわかるというふうに思いますが、諮問米価よりも安く生産をしている、つまり生産費を上げている農家の水田面積規模はおおむねどのくらいですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 先ほども申し上げましたように、農家戸数と同じようないわゆる比較の問題につきましては、必ずしも厳密な比較はできませんけれども、今先生おっしゃいました稲作農家の作付面積が全体に占める、いわゆる諮問米価より高い生産性を実現している作付面積でございますけれども、農家の作付面積、これは一次生産費に対しまして六一%、それから二次生産費に対しましては二三%というふうに推計をしております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、諮問米価で生産費を償える農家の販売数量に占めるシェアはどうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 比較の問題につきましては、先ほど申し上げているような問題がございますけれども、第一次生産費で比較いたしますと六五%ということになっております。それから、第二次生産費で比較いたしますと二五%、かようになっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 米の生産費は全国平均で、先ほど統計情報部長の説明にありましたように、二万六十三円。これを地域別に見ますると、北海道を除いて全地域とも平均生産費を上回っております。  ちなみに、長野県の場合を見てみますると、長野県は二万一千八百六十八円であります。諮問米価が一万六千五百円でありますから、これと比べて五千三百円も生産費が上回っているんです。これは平均ですよ。これ以下のものもあるでしょう、以上のものもありますけれども、これでは生産費を償うことができない、こうした現実をどういうふうに理解をされるんですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産者米価の算定に当たりましては、やはり今後の稲作の担い手を対象にいたしまして算定対象にしていくことが、今後のやはり稲作農業の体質強化という点から考えても必要ではないかというような考え方で、こうした考え方につきましては、農政審議会あるいは米価算定小委員会からもそういった基本的な考え方が出されておりますので、私どもといたしましては、そういう基本的な考え方に即して今回も算定をさせていただいたということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 だから皆さんは、こういう計算方式をつくったんだから、こんなに生産費と米価と違ってもこれは仕方がないということなんですか。あなた方が出した諮問米価と実際の生産費とは、私が申し上げるようにこれだけ違っておるんですよ、各地区ともそうだと思うんです。一体こういう現実をどういうふうに受けとめているんですか、重ねて答弁してください。ただ、計算方式がそうだから違ってもやむを得ないということだけなんですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産費の場合、一次生産費と二次生産費というのがあるわけでございますけれども、二次生産費につきましては、先生御案内のように、いわゆる自作地地代でありますとかあるいは自己資本利子等につきまして、これは本来支払いをしていない部分として、ある意味では所得付与部分として計算されておるわけでございまして、私どもといたしましては、この二次生産費で直ちに現在の米価水準の比較をして、これをどうということにつきましてはいろいろ問題があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、米価の算定に当たりましては、先ほど申し上げましたような基本的な方向で米価を算定していくことが非常に重要ではないか。これはやはり、今後の稲作農業あるいは消費者の理解を求めていくためにもそういった算定方法が重要ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 算定方法については後ほど申し上げるけれども、今回の算定方法だって結局は、米価を下げるための手段だと思うんです。後ほど申し上げましょう。  そこで大臣、昭和五十一年度の生産者米価は一万六千五百七十二円であります。一万六千五百七十二円ですね。ことしの諮問米価は一万六千五百円であります。五十一年度水準より下回っているんです。この間、物価は四六%も上がっている、労賃は七四%も上昇しているんです。大臣このように物価も労賃も上昇しているのに米だけなぜこんなに下げなきゃいけないのか。大臣も農村に育って農村を基盤とする大臣です。昨日の青空交渉で非常に立派な大臣だということで集まった人が評価をしたというんですね。大臣が、そういう立派な大臣であってもこういう現実を一体どういうように感ずるんですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) ことしの算定方式につきましては、改めてここで申し上げるまでもございませんけれども、先ほども申し上げたとおり、一昨年あるいは昨年、特に昨年の、米審の際の御議論あるいは国会における御議論等々がございまして、それらを踏まえて、いわゆる一・五ヘクタールを基本にして算定していくやり方から、全国の九ブロックをそれぞれ横に見まして、そして実際に一・五へク以下でありましても、その地域地域で生産性をしっかり上げておられる方々は算定値の基本にしたというふうな、いわゆる新算定方式というのをとりまして、その算定方式に従って算出をさせた結果出た数字が、こういう数字であるというふうに私は考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 いや、算定方式のことを大臣に聞いたんじゃないですよ。米価は下げる、これだけ物価も上がっておる、労賃も上がってくる、なぜ米価だけは下げなきゃいけないのか。そういう算定方式なら算定方式がまずいということだ。  算定方式について申し上げますけれども、今までも何回もぐるぐる変わってきた。こういうことは、結局米価を据え置きにするんだ、下げるということを決めておいて、算定方式はそれに合わせたにすぎないんです。これは弁解の余地がないんですよ。今度のこともいろいろ言っておるけれども、出された結論が米価なんですよ、米価は下がったんですから。どんな農家を対象にしたってこんな、皆さんはそれで気が済むかもしれぬけれども、結果は同じことじゃないのか。  ですから大臣、あなたも政治家として、こんなに物価も上がっておるのに米価だけ下げる、どういうふうに感じますか。——大臣に聞いておる、政治的な見解を聞くんです。官房長なんかに聞いているんじゃない。私は、あとわずかしか質問時間がありませんから、官房長や局長のそんな数字的な答弁を私は求めているわけじゃないんです。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○説明員(鶴岡俊彦君) 背景だけ説明を……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんなことはいいですよ、大臣どうですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 私の気持ちは先生、痛いほどわかっているわけですから、どうか中身についてはせっかくの官房長からの御答弁をお聞き願いたい、こう思っております。委員長、お願いいたします。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんな中身を私は聞いておる時間はありません。  そこで、時間も余りありませんから次の問題に移りますけれども、大臣こんな米価の決め方では、食管法の基本を堅持するんだとか、生産費・所得補償方式によって決めましたと、こんなこと言えないじゃありませんか。ですから、先ほども答弁がありましたように、今度の米価だったらこれによってどれだけカバーできるか。さっきお話があったように、この諮問米価では生産費を償える農家は一三%ですね、あとは償えないんですよ。それから、販売数量で見ると二五%しかこの米価では償うことができないんですよ。これで何が生産費・所得補償方式ですか。もっと食管法を素直に解釈してください。  それから、次の問題に入りますけれども、このように政府買い入れ価格を抑えてきた結果、一体政府米が心配なく集荷できるのか、確保できるのかどうか。これも数字で簡潔に答弁してください。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 元年産の政府米の集荷につきましては、現在のところおおむね百六十四万トンの実績見込みになっております。基本計画におきましては二百五十万トンの政府米の集荷を計画しておったわけでございますけれども、自主流通米にかなり傾斜をした関係等もございまして、政府米におきましては、ただいま申し上げましたような百六十四万トンという見込みでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 需給計画で二百五十万トンですか、需給計画で政府米を二百五十万トン確保しようという計画を立てた。百六十四万トンしか確保できないじゃないですか。こんなことで平成二年度の集荷は一体できるのかどうか。持ち越し米だってないでしょう、なくなってくる。今出先の食糧事務所はいかにして政府米の集荷を確保するか必死になっているんですね。なかなか集まらない。こんなことで政府米の機能が果たせるんですか。一体備蓄はどれだけ必要だと考えているんですか、政府は。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 先ほど百六十四万トンと申し上げておりますけれども、いわゆる政府管理米につきましては、先生御案内のように、政府米と自主流通米があるわけでございますから、いわゆる政府米の集荷の減というのはかなり自主流通米の増でカバーしておるというような状況にはなっておるわけでございます。  それで、ただいま御質問のありました二年産米の集荷見込みでございますけれども、去る三月に策定をいたしました基本計画におきましては、政府米は二百十万トン集める計画にしておりまして、現在各都道府県あるいは農業団体等におきまして、ことしの集荷対策を講じておりましてできるだけ我々といたしましては、この基本計画に沿った政府米の集荷が行われますように努力をしていきたいというふうに思っております。  なお、ことしの十月末の持ち越し在庫につきましては、基本計画におきまして百二十ないし百三十万トンの持ち越し在庫を持つ予定にしております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 持ち越し米があっても、それは消費者の好まない米なんですよ。受け取り手がない米なんです。一生懸命集荷しているというけれども、参考までに申し上げますと、私は長野県ですが、長野県では政府米が一四%、せいぜいやってもそれだけなんです、集まりっこないんですよ。なぜ集まらないかといえば、生産者米価が引き下げられる、逆ざやが解消される、政府米として出荷するメリットがないわけですね。ですから、自主流通米が拡大して七一%にもなっているんです。米の生産地は生き残るために競って自主流通米の生産に傾いている。いわば政府の米価政策の誤りが政府米の不足になっている。自主流通米があるから安心だなんてそんなことは食糧庁の言うことじゃないんですよ。政府米の機能があるはずだ。ですから、こういう実態を今日招いているんです。  大臣、政府米はそんなに集まらなくてもいいでしょうかね、どうでしょう。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 目標に向かって努力をいたします。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 こんなことでは政府米が集まらない、大変な事態になりますよ。もっとしっかりやってください。  そこで大臣に、最後に一つだけ要請しておきますが、政府は自主流通米の価格形成の場、すなわち米市場を開設しようとしておりますが、これは今後の米管理に重大な影響を及ぼすことになるんです、内容いかんによっては。食管制度の根幹を大きく変容させることになる。生産調整の実施にも大きな影響を及ぼすことになる。この問題については、先日も当委員会で谷本議員から各般にわたって質問、要請をしたところでありますが、単なる行政措置としてこういうことをやっていいのかどうか、これは問題があると思うんです。したがって、国会の意見も聞くような機会をつくるべきだ、そのことを大臣に強く要請しますが、いかがですか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 価格形成の場の問題につきましては、先般来いろいろ御意見もあり、御指摘もいただきました。また当方といたしましても米価が終わればさらにこれを進めてまいりたい、準備を進めてまいりたい、こう考えておりますが、非常に国民各層の関心も高い、また国会での御指摘もございますので、今先生のおっしゃるとおり、国会と話し合う準備がございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 時間ですから終わります。

本村和喜自由民主党

○本村和喜君 私に与えられた時間は二十分間でございますので、簡単に五項目にわたって質問をいたしたいと思います。  村沢委員から、今御指摘がありました米審についてお尋ねをいたしたいと思いますが、形骸化また米審の無視ではないか、軽視ではないかということが新聞にも出ておりました。しかしながら、全農民は期待と不安を持ってその米審を眺めているわけでございまして、今進行中でございますので、答申はまだ出ていないわけでございますが、私どもも答申がどういう形で出るか期待を持っているところでございますので、答申を踏まえて大臣の建設的なひとつ生産者米価の決定をお願い申し上げたいことを冒頭にお願いしておきます。  私も、一年半ばかり病気で委員会を休んでいたわけでございますが、その間、国際的にも国内的にも非常に農業を取り巻きます環境が厳しくなったことを実感いたしております。このような中にあって、政策運営をどのようにしていくかということと、またこれから農民の皆さん方が、どのような展望を持って農業経営をやっていくかということが重要であろうかと思います。農業の体質改善を図る上においても必要であろうかと思いますが、今後農政を基本的にどのように推進していこうというお考えを持っておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。  それから第二点は、稲作についてでございますが、国内産で自給するという大方針はもう決まっているわけでございまして、国民の理解を求めつつ国際交渉にも当たっているわけでございます。消費者の良質米志向の強まりの中で、需要に応じた生産に誘導していくことが必要でございますし、平成二年度の米価の決定が、これから先の、二十一世紀の我が国の農業の指針になるのではないかというまた見方をした農民の方も多うございます。また、これに対する対応もいち早くやりたいという考え方を持たれているようでございますので、この際、買い入れ米価の諮問の基本的な考え方と、また今度の米価決定の位置づけといいますか、二十一世紀に向かっての農政の位置づけについてのお考え方を聞かせていただきたいと思います。  それから、良質米奨励金のことでございますが、これは良質米の奨励金が発足したときの精神に基づいて、つくりにくさとか単収の少なさをカバーするために始まったわけでございますけれども、栽培技術の面での変化、また自主流通米が集荷量の七割を占めるという状況の中で、その役割が政府管理米の適正な集荷への寄与とか、農家の手取りへの寄与とかというふうに変化をしているわけでございますが、この点について、自主流通米の奨励金の精神についてお考え方をお述べいただきたいと思うわけでございます。  それから、消費拡大の問題でございますが、毎年のことながら米価の決定のときには、いつも消費拡大の問題が論議をされるわけでございまして、健康面、栄養バランスの面からも米の見直しというか、そういう点が非常に欧米でも注目をされているようでございます。また、給食の問題等にも関するわけでございますが、消費拡大の問題につきましてどのようなお考え方を農水省として、大臣としてお持ちなのか、その点についてお考え方を聞きたいと思います。  それから、一番大切なことは、希望の持てる、これから先の農業をやっていく上においてだれがつくるのかという問題になるわけでございまして、担い手の育成確保の問題が一番大切であろうかと思うわけでございます。  私ども、福岡県でございますが、八女というところがあります。中山間地でございますが、そこで農業をやっている青年の方々にお会いをしますと、三十五歳を過ぎてもなかなかお嫁の来手がないという悩みも持っております。これは農業に魅力がないといいますか、展望がないということではないかと思います。いろんな努力をされていますが、担い手の育成強化について本当に抜本的に考えないと、日本のこれから先の農業というものは大変なことになってくるなという実感を持っているわけでございまして、この点についてどのようにお考えかをお尋ねしたいと思います。  それから五番目は、村沢委員からの御指摘にありました自主流通米の価格形成の場の設置についてでございますが、これも簡単に大臣の所信をお尋ねいたしたいと思います。  いずれにいたしましても、大変農業の危機であり、また全農民が関心を持ってことしの産米の価格の問題を見守っているわけでございまして、これから先、二十一世紀に向かって、本当に日本農業を強くしていくためには、今年度の買い入れ価格の決定を契機にして大きく日本農業は変わろうとしておりますので、この点も踏まえてひとつ決定にお力添えをいただきたいと私は思うわけでございます。大臣をいろんな形で、テレビなどで拝見をしたり、新聞で拝見をしたりして所信はわかっておりますが、この公式の場でまた改めてお尋ねをいたしておきたいと思います。  以上、簡単でございますが、私の質問にお答えをいただきたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 幾つかの御質問でございますが、基本的な問題につきまして私からお答えを申し上げまして、また専門的な問題あるいは数字上の問題、内容に立ち至る問題は食糧庁の次長の方から補足をさせたい、こう思っております。  まず、いかなる農政を展開するか、これはお互い一番頭の痛い問題でございます。内外まことに日本の農業は厳しい事態にあるということは認識が一致しておる。しかし、これをただ悲観したり漫然と手をこまねいて、どうも農業は難しいなということではお互い相済まされないわけでございまして、私は農相就任以来、当然のことですけれども日本の農政について振り返り振り返り、そして現状を認識し、次の時代にどうやってつなぐかということを私なりに頭を痛めておるわけでございます。その場合に、やはり原点に返るという言葉がございますけれども、農林水産省に課せられた一番大事な問題は何だろう、農相として心得るべき第一条は何だ、これは一億二千万人に食糧を安定的に間違いなく供給するということが基本でなければならない、そのための生産でなければならない、そのためのまた消費でなければならない、当然のことですがそう考えるわけでございます。  同時に、これは食糧をつくっていく農業、しかし最近にわかに言われております地球環境を守れ、その中に日本があるわけでありますから、環境を守ること、そして今、九州で先生の方も含めまして水害、災害が起こっておりまして大変心配しておりますが、災害から日本の国土を守るためにも緑の果たす役割というのは非常に大きい。林業はもちろんでございますが、農業そのものの国土保全に果たす役割も非常に大きいというふうなこと。それから、いろいろ工業がこうやって一斉に花が咲いて経済大国日本を支えているかのごとく見える、また事実そうなんですけれども、工業の下支えはやはり農業なんだ。農は国のもとだというのは間違いもなく——都市が栄えるためには周辺の農村がこれをフォローしていって初めて支えられるわけであります。特に田舎へ行けば田舎へ行くほど、田舎の都市なんというのは周辺の農村でもって商売は決まるわけでありますから。そういうことを考えますと、やはり地域の活性化のためにも、農業、農村の果たす役割は大きい、山村、漁村の果たす役割は大きい、こういうふうに考えております。  そこで、日本は国土が狭いんだ、何がだめなんだと、こう悪いところばかりいつも言われがちなんです。特にマスコミの皆さんと話しますと、日本は、農業などは捨てて、工業で生きて、農業の果たすべき役割は全部外国に依存して、食料などは全部輸入すればいいじゃないかみたいな極端なことを言う方もおります。では、それが入ってこなくなったらどうするんだ、いや、それは入ってこなくなることはないんですよ、世界はこれだけ平和なんだから、こういう議論になるんですけれども、いや、そうでない、入ってこないということは戦争だけじゃない、飢饉もあるんだ、地球がこれだけ温暖化だとか気象異変が言われる場合に、やっぱり農作物というものは気象によって決まるわけなんだから、天変地変がないとはだれも保証できない。その場合に、自国の国民を養うための食料が先であって、輸出をしていたらそれをとめるということは当然そうなるんだ、過去の経緯においてもそうなるんだという話などもいたします。  その場合に、どうしても自給自足、そしてこれだけ下がった自給率は何としてもこれ以上下げちゃならない、上げていかなくちゃならないということを考えますと日本農業の果たす役割は非常に大きい。しかも、悪条件どころか好条件がそろっていることも数えればあるんだと、国土が長い、北海道から沖縄まである、これはバラエティーのある農業が展開できる。雨が多い、雨が多いことは高温多雨ということで、これは植物が繁茂するには非常にいいわけでして、農作物もその一つなんだということなんです。あるいは日本の教育水準が非常に高い、農業の担い手の持つ水準も非常に高い、知識が非常にある。したがって、近代的な農業をこれから営む場合の要素はそこにある。しかも、経済大国日本ですから市場はでかいということ等々、数え上げれば、なに、それは暗い材料どころか展望が開けてくるというふうに思います。  また、今盛んに土地の問題が言われておりまして土地が高騰している。土地を売ってもうけている人がいるというふうな話で、何となく工業と土地の方へみんな目が向いちゃって、農業をやっているのがばかばかしいみたいな話がありますけれども、そうじゃない。やっぱり土地を持ち農地を持ち、食物を自分でつくっている人が一番強いんだという時代が、本来の時代というものが必ず私は来るんだと、それが二十一世紀だと、こういうふうに思い定めましてそのためのいろんな施策、ここにいろいろ書いてございますが、これは一々申し上げるまでもありませんけれども、いろんな方針に従って施策を展開していきたいというふうに思っております。ぜひ御協力を賜りたい。  それから、米価の問題でございますが、今米価審議会の最中でございますから、この行方についてとかくのことを申し上げられませんけれども、私の方では一応与党・自民党とも十分調整をした上で諮問値を決めまして諮問を昨日さしていただきました。それに対する御批判はさまざまございます。ございますけれども、これを決めるに当たりましては今までの経過、特に去年の経過などを踏まえまして、そして中核農家、担い手農家というものの考え方の中に、ただ広ければという考え方だけでなしに、もちろん規模拡大も必要です。しかし、質的にこれからさらに規模を拡大していこうと、貸し手、借り手という問題がありまして、集団化の問題もありまして、これからやっていこうという中で、汗をかいている地域の人たちのその評価をどうするかということなども含めて、九ブロックに分けて算定値を出してきたということを一つの方式にしたわけでございます。  それは決して故意に、米価を先に下げることを目的として、引き下げありきみたいなことを言われますけれども、決してそうではありませんで、その中からきめ細かに問題を拾っていこうということの算定方式であるというふうなことも御理解を願いたい。結果は米審においてこれから論議をされ、答申を得て適正に決めてまいりたいというふうに考えております。  それから、良質米のことでございますが、これは一言で申し上げまして、良質米が米価の中で非常に大きな論議の柱だということはよく承知をしております。ただ、良質米奨励金という制度ができて十四年経過いたしまして、一方では、もうその制度は見直すところへきているのじゃないかというふうなことですね。余りにも銘柄にこだわってその格差がさらにできるのはどうかなという意見もある。一方では、本当に良質米というものはもう米価の一部だというふうな声もある。先生御承知のとおりでございます。それらを含めまして自主流通米がこれだけふえましたから、六、七割のところまできましたから、自主流通米というところへ振って、そこでもう一遍見直したらどうだ、こういうことで、良質米奨励というものを自主流通米の奨励というふうに考え方を変えてみた、その中でこの算定値を出してみたということでございます。詳しくは後ほど次長から申し上げます。  それから消費拡大でございますが、これはしばしば言われておることでございます。先ほどもお話が出ましたけれども、これこそまさに大事でして、どうしても需給のギャップが埋まらないということも大変私ども頭を痛めている一つでございます。幾らつくりましてもやっぱり食べてくださらなければ、消費が伸びなければ何にもならないわけでございますから、これも、先ほど世界各国に向かっての、日本のガット・ウルグアイ・ラウンドでのPRが足りないと村沢先生に御指摘を受けましたけれども、そのこともさることながら、まず米の消費拡大のPRを国内に向かって徹底的にやる。いずれ国際的にもこれはやらなくちゃならない。そのことは、できる限りお金も使いまして、工夫もいたしまして総力を挙げてやってまいりたいというふうに考えております。  それから、価格形成の場でございますが、これもいろいろ議論がございまして、先ほど村沢先生にも国会と話し合う準備があるというふうに申し上げましたけれども、ただいま進行中でございます。ただ、これが往々にして誤解をされまして、食管制度を骨抜きにしちゃうんじゃないかとか、あるいは食管制度をパーにする前提じゃないかとか、いろんなことを言われますけれども、全くそれは反対でありまして、食管制度を維持するためには、当面あるいは将来に向かってこういう姿でいかなければまさに食管制度は維持できない、私自身も勉強させていただきました結果そういう信念を持っております。二十年制度がたてば衣も変えなきゃならぬというのはその意味でありまして、十分しかし、この運用には気配りをしなければならない、ましてスタートが非常に肝心でございますから、そのつもりでまいりたいというふうに考えております。  担い手の問題、最後に出ましたが、これは中心でございますから、担い手がこれだけ人数が減ってきたということこそ大問題でございまして、これをしっかり受けとめながら、次の時代の人たちに日本農業を担っていただくような理解を、精神論だけではだめでございますので、具体的な農政の施策の中でどうやってわかってもらえるかということが実は勝負だというふうに考えておりますので、せっかく努力をいたしたい、こう思っておるわけでございます。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 良質米につきましてちょっと事務的な補足をさせていただきますが、先生、先ほど御説明がございましたように、良質米奨励金発足以来十四年が経過をしておるわけでございまして、良質米につきましての状況といいますか、いろいろ変化があるわけでございます。そういう事情を踏まえまして、良質米奨励金を現実に即した機能を持つような助成制度に改めるということにしたいと思っております。自主流通計画に即した流通の確保でありますとか、あるいは良質米の生産の安定を図っていくというような点、さらには上位等級の出荷誘導を図るというような観点に立ちまして仕組みを改善しながら、今後とも自主流通制度の安定的かつ健全な運営が図られますように、この良質米奨励金の仕組みの改善をしてまいりたい、かように思っておるわけであります。

本村和喜自由民主党

○本村和喜君 終わります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私は、十四分しか時間持っておりませんので、大臣にお尋ねいたします。  私の質問は、先ほど既に両同僚委員の中から出ているわけですが、今回の生産者米価の決定に当たっては、国内の関心はもちろん、国の内外からもかなりの関心を持って注目されていることであろうということを私も感じております。したがいまして、かなり慎重な対応をしていかなければならないし、すべての人たちが納得いくやっぱり生産者米価が決定されなきゃいけない、これを申し上げておきたいと思います。  まず私は、食管法三条二項ですか、言われている「米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシ」というかの箇所でございますが、そこのところがクリアされる米価が今回決定されるのかどうなのかということ、既に自民党そして政府とで決定されている一・五引き下げというこのものが、そういうことに該当するのかどうなのかということが大変問題になると思います。  先ほど、村沢委員のお話からいろいろ聞いていますと、二次生産費をクリアできるのは、カバー率一三%、それから販売量の方で二五%ということをおっしゃいましたけれども、私は、その数字、カバー率の少ないことをあえて聞いておりながら、その後に次長が、しかし自主米等の生産もあるのでという意味のことを言われた。これはお昼から私が次長と質問をやりとりしたいと思いますけれども、大臣に伺いたいのは、カバー率が非常に低いけれども、その分は、自主流通米による所得で農家は補えるのだというような認識をお持ちなのかどうなのか、これをまずお伺いしたい。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生御了解得たいんですけれども、次長が言い足りない点もきっとあると思いますから、一言補足をさせていただきたいと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 次長とはお昼からやるから。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) どうぞ一言だけ。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私が申し上げましたのは、いわゆるカバー率につきましてはこういう実態でありますけれども、そのほかにこういう実態もあるということを申し上げさせていただいたわけでございまして、生産者米価につきましては食管法に基づいてきちんと決めていくという趣旨でございますので、その点については誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 つまり大臣、私申し上げたいのは、いわゆる自主流通米ベースに乗る米が多くは生産できない地域もあるわけですよ。そういう地域のこともやっぱり考えなければいけないし、さっき次長が答えられたことを私なりの了解でもし話をそのまま進めるとすると、政府買い上げ米価というのは一体何なのかということにもなりかねませんものですからお伺いしたんですけれども、いかがでしょう。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 大変言葉をとられるようなことを言うのはまずいわけでございまして、十分言葉は吟味して使わなければならない、私そういうふうに考えております。  そこで、改まって恐縮でございますけれども、食管法では、政府買い入れ価格は「生産費及物価其ノ他ノ経済事情ヲ参酌シ米穀ノ再生産ヲ確保スルコトヲ旨トシテ之ヲ定ム」、こういうふうにされておりまして、本年産の生産者米価もこの規定に従って適正に算定をされたものであるというふうに私は思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それが常に言われる答弁であり、文言にもそう書いてあるわけですけれども、事実上はそのようなことになっていないわけですね。これも私、午後からやりますけれども、六十二年でしたか、大幅な引き下げ、五・九五引き下げ、それから六十三年が四・六事実上引き下げになっておりますね。そのことによって、二次生産費までフォローできたところというのは本当にごく少ないわけであります。それで、フォローされなかったところの分については一体どうしろとおっしゃっているのかなということを、これはずっと私たちこの委員会でも言ってきたしやってきたにもかかわらず、そのこと自体は一向変わっていないということは、私も全く力のない農林水産委員会の一メンバーではありますけれども、やっぱり非常に責任を感じるという部分が私はあるんですね。これはお昼からまたゆっくりとやらしていただきたいのですが。  もう一つ気になるのは、生産性の向上ということが、今回算定の大きなポイントにされているわけでございますが、農家、農民の生産性向上分だけが引き下げ要因になっていっていることが非常に大きいわけです。そのことがねらいなんだろうとは思うんだけれども、そうすると農村の現場では、生産性向上の努力をしても仕方がないのだということになっていってはまずいわけで、やっぱり生産性向上分がどこかに還元されていかなきゃいけないというのが、これもまた米価の審議をするとき必ず私が言うところなんですけれども、この点についても、やっぱり大臣の所見を伺っておきたいと思います。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 御説のとおりだと思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 そういう御答弁なものですから、みんながそのことは言うんですけれども、なかなかそういう形に、算定基準となっていかないところが本当に私たち力がないな、幾ら国会でわめいてもどうにも変わっていかないなというところを私は長年ここにおってて本当に痛切に感じます。一体どうしたら、農民が生産性向上に汗を流しているその分を、何とか米価算定の中でこれを取り込んでいくことができないのかということに非常に私は胸を痛めている。  それから時間がありませんので、先ほど報告がありました中に、諮問の説明の後段で、先ほど大臣も潜在需給ギャップのことを話されておられますけれども、潜在需給ギャップの問題は非常に私は深刻な課題になっていくだろうと思いますし、ストレートにいわゆる転作等目標面積をふやすというようなことにつながっていくわけですね。米の消費拡大、先ほど同僚委員の話からも出ましたけれども、これをもっと実効ある、いわゆる実の上がるものとして考えていかないと、あるいは実際に手を打っていかないと大変だなと思う。  大変恐縮でございますが、私は都市部の人間でございますけれども、米の消費拡大というのが都市に浸透していない。一番大きな胃袋だと言われている都市部で、このことの問題がそう真剣には取り上げられていないということ、私はむしろ米の消費拡大は生産地ほど真剣に取り組んでいると思っております。消費地でもっと真剣に取り組めるような方策を改めて私は御提案したいと思いますので、ぜひこれを真剣にやってほしい。  米需給均衡化緊急対策の推進、これは昨年でしたか出された事業のことでございますけれども、先ほど、学校給食の問題等他用途利用米のさらに枠を広げるような問題、あるいは純増米対策等いろいろ出ていますけれども、こういう例がある。東京のある区部で、米消費拡大費として都から七十五万円のお金がおりてきた。何に使うんだべって言ったっていうんです、みんなが。それで、主なる人に聞いたら、何でも米を食えばいいそうだということになって、チラシをまいておにぎりを食べた。こんな都市部における米消費拡大推進運動なんというのをやっていたんじゃ、私は全然だめだと思うんです。あえてそのことに疑問を感じた議員が私のところへ来て尋ねられた。一体この費用は本来何に使うんですかと。これは都の方にも言わなきゃいかぬことなんだけれども、かくかくさように、要するに都市部でこの運動をもっと活発に起こすことを私は提案したいというふうに思います。お茶わん一杯増量運動だけではとてもじゃないけれども、私はやっぱり実効が上がらないというふうに思うんですね。実は、そのことの持つ意味がどれだけ大きな意味を持っているかというのは、いわゆる消費地で意外と理解されてないということが私は非常に大きな欠陥だと思う。  ぜひ大臣、これをやることを何か緊急に考えてほしいというふうに思います。それが回れば生産地へもとてもいい形になって返っていく、農民も意欲を持って、いい米を一生懸命つくろうというそういう意欲が出てくる。それはやはり米価等に直接、間接に結びついていくということに私はなるんじゃないかと思って、この米の消費拡大の運動、緊急対策の推進とおっしゃっているからにはかなりの緊急性を当省でも感じておられるんだと思うんです。非常に身近な話ですから、本気でやろうと思えばできると思います。ぜひこれを進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先ほども、需給ギャップのことを申し上げまして非常に重要だ、また先生から改めて御指摘を受けまして、もうそのとおりだと私は思っております。  そしてまた、大変耳の痛いことは、これが何かいわゆる一般的なやり方あるいは口先だけのやり方では浸透しないぞ。それが証拠には、一番大事な、国の一番でかい胃袋を持っている消費地でこの問題は浸透してない、非常に耳の痛い話でございます。これは先生などにまたぜひお知恵もおかりしながら、まさに緊急対策でございまして、できる限り消費拡大運動というのが地について、しかも実効性の上がるやり方。今の七十何万円もらったけれども何に使ったらよかんべということじゃ困るわけです。また、おにぎりだけじゃ確かに困るわけでございまして、その辺のお知恵もぜひおかりしたいと思いますが、真剣に実効の上がるように努力をしてまいりたい、消費地に向かってもっとしっかりやれというふうな貴重な御意見はしっかり受けとめまして施策に反映をさしていただきたい、こう考えております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 生産者米価は食管制度に定めるとおり、農民には再生産の保障、そして消費者には家計の安定を基本として決定すべきだと考えます。ところが、食糧庁は二年産米から価格形成の場を開設しようとしています。この自主流通米の価格形成の場の開設は、食管制度が農民に再生産の保障を定めた生産者米価算定のあり方を否定し、生産者米価を引き下げようとするものではないでしょうか。これは、私だけがこう言っているのではありません。四月に出された自主流通米の価格形成の場検討会の報告は、昨年五月に、農政審議会企画部会第一小委員会の提言を受けてまとめられたものです。この第一小委員会の座長である内村良英氏は、昨年の七月ある食糧に関する専門誌の中でこう言っております。「私は今度の報告で、なるべく早く民間流通米の価格形成の場をつくって、例えば熊本の米はこんなに安いんです、ということになれば、それを政府買入れ価格に反映させることができる。そうなれば、生産者の方も身の振り方をかんがえるだろう、と思う。」  今熊本県では、良質米のコシヒカリ、ヒノヒカリを「熊本はなしのぶ 三度のときめき」という統一ブランドで二万五千トン近く販売しようと懸命な努力をしております。こうしたときにこのような発言は、農家の努力を逆手にとって、価格形成の場に競争原理を導入し、安い米を政府買い入れ価格に反映し、生産者米価を引き下げ、銘柄米を持たない産地の稲作を切り捨てようとすることであり、絶対に許されるものではないと思いますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) せっかくの御指摘でございますけれども、全くそのようなことは考えておりませんし、そういうことを考えて価格形成の場というものを今進めようとしているのではないということをはっきり申し上げたいと思います。しばしば論議をしてまいりましたので改めて繰り返しませんけれども、自主流通米というものが、今日、このように流通の大宗を占めてきたということもはっきりしております。それから、うまい米をつくろうということについての生産者の気持ち、それからうまい米を食べたいというふうな消費者の気持ち、これはもうはっきり国民のニーズとして示されておるということ等もございます。そういう産地、品種、銘柄ごとの需給動向あるいは品質評価、こういうものを的確に反映させるやり方を考えなければならないというふうに思っております。  しばしば申し上げますが、自主流通米制度が発足いたしまして既に二十年たっておる。いろんな変更、改正もございましたけれども、もうこれから先、やはり今のようなニーズを踏まえながら思い切った方策を考えなければならないというふうなことでございまして、これは生産者の米価を引き下げようというふうな意図を持っておるようなことはさらさらございません。また、政府買い入れ価格につきましては、食管法によりまして、生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、米穀の再生産を確保することを旨として定めるということでございますので、そのように御理解を賜りたいと思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 次に、内外価格差を理由に生産者米価の引き下げを行うならば、生産費の半分を占める農業機械などの物財費の価格引き下げ、物財費の内外価格差の解消をまず行うべきではないでしょうか。三十五馬力のトラクターの国内価格は約百七十万円、これに対して輸出価格は約百万円でおよそ一・七倍。また肥料のうち、硫安は国内価格がトン当たり昨年の価格で約三万二千円。これに対して輸出価格は約一万一千円でおよそ三倍。ガソリンは一リットル当たり国内価格が百十七円、これに対してアメリカでは三十一円でおよそ三・七倍。配合飼料や農薬も二、三倍近くも価格差があります。より安く、安全な米を供給することは国の重要な責任であり、生産農民が努力すべき課題であることは言うまでもありません。  それを進める上で重要なことは、農民に一方的に犠牲を強いるのではなくて、諸外国に比べて割高な農業機械などの生産資材の内外価格差をまず解消すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生、中身詳細にわたります。先ほども、村沢先生とも論議いたしましたけれども、農蚕園芸局長の方から中身を含めて申し上げたいと思います。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) なかなか内外価格の比較、難しい問題があるわけでありますが、一部の品目で若干の価格差があることは私どもも承知はいたしております。やはり先ほども申しましたように、適正な価格設定に向けましてメーカー側にも努力してもらわにゃいかぬし、また片一方の当事者である農業団体の方にも頑張ってもらわにゃいかぬ、こういう基本的な姿勢で我々も指導をいたしますと同時に、使い方の面であるいは流通のあり方の面で、もっと安くなる手があり得ると思いますし、そういうことを基本に置いた指導を行っておるところでございます。  なお、今先生のお話の中で、輸出価格等の関係を若干お話しになりました。そこでえらい大きな違いがあるということがございましたので、誤解のないようにちょっとだけ申し上げておきたいのですが、例えば機械の場合で申しますと、恐らく今お話しになった国内価格というのは、農家の購入価格でございますし、輸出価格は輸出港渡しのFOBでございますから、当然輸出先国までの流通経費等が入っておらぬわけであります。それから輸出向けのものは、私ども承知しております限りではタイヤ等がついてございませんで、それを向こうに行ってつけるというふうなこともあるわけでございます。また、国内向けの場合、水田で使うということでカバーをしているとか、いろんな仕様の違いがあるようでございまして、そういうことで単純な比較はなかなかできないと思います。  それから、肥料につきましても、例えば国内用は、硫安の場合で申しますと消費地の最寄り駅の、貨車渡しの二十キログラム渡しである、かつまた粒状のものであるというふうに承知をいたしております。つまり、輸出の場合にはばらでかつ輸出港の本船渡しだ、こんなことでございますので、今の比較を単純にやりますとちょっと問題が大き過ぎるというふうに思っております。なお、輸出向けの硫安につきましては粒状のものと粉状のものがまざってございますので、私どもの指導もございまして、全農は既に六十二年から、これが輸出向けのものでございまして国内でお使いいただく場合には、こういう価格でございますというような形の供給もいたしておるということも念のため申し上げておきます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 時間がありませんので終わります。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私も持ち時間は七分ということで、お答えの時間も入っておりますのでたった一問ぐらいしか御質問できないと思います。既にいろんな角度から米価の問題、内外価格差の問題、質問が出ましたので、重複を避けまして、米の消費の拡大の一助になるかもしれないということで麦のことについてお尋ねをいたしたいと思います。  麦は、私ども子供のころには米がなくて麦飯を食べさせられて、なかなかその思いも複雑なわけでありますが、この間農業新聞を見ておりましたら、麦でモチ性といいますか、モチ麦、裸麦になるわけですが、モチ麦の育成種で大変努力をされている農家の方がある。その方は米澤平一さんという方で、改良された麦と米で麦飯を食べると非常に健康にもいいし、おいしい。さらに、冷めたら食べることができないという麦飯が冷めてからでも結構おいしく食べられる。そのほかにも非常に利用価値が高いというようなことが記事に載っておりまして、目をつけたわけでございます。  これが、三重県の志摩地区の方であるということでびっくりしまして、私も会いに行ってきました。お会いしたところ非常に効用が高い、そして自分はもう二十年来この麦をつくっているのだけれども、なかなか理解されることがないと嘆いておりまして、そんなにおいしい麦で御飯がおいしく食べられるなら、これは米の消費拡大にもなる。米だけの御飯だったら一杯しか食べられないのが麦御飯だと二杯、三杯食べられる。しかも、何か聞くところによると胃潰瘍にもならないなんということを研究している人もおるそうでございまして、そういうことからいえば、こういう米ばかり光が当てられがちなんですが、麦の改良品種についても、政府は大いなるバックアップをしないといけないのではないかと考えまして御質問するわけです。  米澤平一さんという方は大正十四生まれの方で、私がなぜ理解をされないんでしょうかねと言ったら、いや昔、池田大蔵大臣が貧乏人は麦飯を食えという発言で、どうも麦飯というものに対してイメージがそれからちょっとも向上しない。本来まことに残念なことであるのでもう少しこういうことについて理解をしてもらいたい、こういうふうなこともおっしゃっておりました。  そこで大臣、こういう改良の育成種の、特に私がきょう話題に出すのはモチ麦なんでございますが、こういうものについて今後どういうふうにそれを、米の消費の拡大にもつながるわけですから、育成し、助成していくか、そういうことについて決意の一端でもお聞かせ願えればと思います。  それからまた、そういう麦の改良、裸麦の改良についてどういうふうなこれまで研究成果なりあるいは拡大策をとられているのかについても、もし御説明があればありがたいことだと思っております。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生、志摩半島までおいでくださったそうで、けさ私は、三重は行きませんでしたけれども、農蚕園芸局長から子細にこの米澤モチ麦のことを勉強させてもらいました。米澤平一さんが大変苦心なさっているということから始まりまして、そこで勉強した中身を申し上げますが、国内産麦の需要は主として日本めん用なんです。日本めん用でありますが、各地の品種の中には先生が御指摘の、米澤モチ麦等のモチ性の品種あるいは高たんぱく含量のものなど、一般的な品種と異なる特性を有するものがございます。これら需要者の要望に即しまして安定的に供給されることは、国内産麦の消費と生産の拡大を図っていく上において望ましいというふうに考えております。この場合、これら品種の特性を生かし得る安定した需要先が、先ほど需給の問題が出ましたけれども、やっぱり需要先を確保することが重要だ、こういうことがございます。  そこで、地元関係者の自助努力ということ、それから地域の特産物として地元や県がこれを育てていこうという適切な指導とかあるいは助言とか、あるいは実効のある措置とかが必要だということでございます。そこで、農蚕園芸局長にどのぐらいの作付かという話を聞きましたら、大変な面積ではないんです。現在七十へク、二千百キロ、こういうふうに私の手元にございますけれども、しかしこれを一つの契機にしまして、麦の消費拡大にこういう特性のあるものを用いていくということは大事なことだ、局長に、県、地元ともよく相談してください、こういうふうにけさ私が申し上げたところでございます。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 若干育種の点で補足させていただきますが、国のあるいは県の試験場でも、生産性の向上という点ではいかに収量を上げていくか、それから品質の向上といったようなところに力点を置いた育種改良をやっておるわけでありますが、今御指摘のございましたような民間の方が育種をされる場合の問題でございますけれども、やっぱり育種されました方の権利がしっかりと守られていくということが基本的に重要でございますので、御案内の品種登録制度というのを実行しておるわけであります。  今御指摘のございました米澤さんのモチ麦の点につきましては、六十二年と六十三年に二つの品種を既に品種登録してございまして、そういう意味での一定のバックアップはやっておる。今大臣からもお話のございましたように、麦飯に向くのかどうかというのは適性との関係で私もよく存じ上げないんですけれども、地域の創意工夫を生かした麦づくりというものを我々なりにいろいろとまた応援していきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 ありがとうございました。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 七分間に三問お尋ねいたします。  まず大臣に、米価決定の手順と申しますか、それは一つに、食管法第三条に米の再生産を確保すると明記されておるわけです。それに基づいて二番目に、算定方式によって計算をされる、そして三つ目に、米価審議会の審議を経て大臣が答申を受ける、四つに、持ち回り閣議によって決定される、こう承っております。ところが、そのようなプロセスが一部政治決着によって壊されておると思われてなりません。そのことについて、大臣はどのような所見をお持ちでしょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 今先生読み上げられたとおりの手順で進めてまいっております。  それから、何か政治決着云々と、こういうお話でございますが、別に政治決着も何もございませんで、先ほど他の先生方にも申し上げましたが、政府・与党で意見を交わす、調整をするということはございました。ございましたけれども、その政府・与党の調整、意見の交換を受けて、私が諮問値を決めまして昨日諮問をした、こういうことでございました。国民の主食でございます米の価格の決定ということは非常に重要だということですから、食管法に基づきまして、規定に従いまして適正に事を運び、そして答申を受けこれを尊重して適正に決めたい、こういうことでございます。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、沖縄の水稲の作付面積は、昭和四十五年には四千四百二十ヘクタール、これが昭和六十三年には八百六十八ヘクタール、そして収穫量も一万九百トンが二千二百九十トンと減少傾向になっております。この減少の原因に対して大臣はどのように見ておられるかということと、それに対する対応をどのように考えておられるか、以上の点をお聞きします。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 今御指摘のあったような減少が見られるわけでございます。その間の事情でございますが、戦後、琉球政府のもとで県内で消費する米は極力県内で賄おうといったようなことで、用水が確保できる地域では総じて稲をつくるといったようなことがまずあったようでございますが、先生御案内のように、沖縄県の自然、風土、地力の問題もございますし、病害虫が相当出るということもございます。あるいは台風なり干ばつなりの常襲地帯だといったようなこともございまして、かなり作柄が不安定だという事情が一つあったようであります。  他方で、現在沖縄の主力作物はサトウキビでございますけれども、いい品種も入る、あるいはまた価格安定制度が施行されるといったようなことから、稲作よりもサトウキビの方が収益性がいいといったようなことで、米にかわりまして作付面積がふえてきたというふうに聞いておるわけでございます。そういう意味で、現在なお残っておりますのは低湿地帯で畑作転換の困難な地帯に残っておるわけでございますが、そういった地域では、やはり今後とも稲作が地域農業の一つの柱になり得る。私どもといたしましては、品種のいいものを普及するという問題、あるいは用水確保を初めといたしました諸条件の整備をするといったようなことで、作柄の安定と品質の向上に努めていくことがこれから必要ではないか、このように考えている次第でございます。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃもう一つ。まだ一、二分ありますので、これはぜひ大臣に。  これまで、米の国会決議を尊重すると大臣は間違いなく御答弁をしておられます。ところがその一方で、国際環境は日本が孤立するなど極めて厳しい状況に立たされておることも事実であります。しかし、関係国に対して今後も日本の立場をよく説明し理解を求めてくださるとともに、毅然たる態度で、何となれば主食というのは、これはいかなる外圧があろうが毅然として主食を守る義務があると私は信じておるからであります。毅然たる決意で対処していただきたいと思います。  大臣の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) お答えいたします。  従来、しばしば申し上げたとおり、米は国内産で自給をいたしますということで、これからも毅然とした態度で貫いてまいりたい、最大限の努力を払ってまいりたい、こう考えております。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 大臣にお聞きいたします。  まことにこれ素朴な質問でございますけれども、基本的な問題でございますので、今までいろいろな御論議を聞いておったんですが、どうしても私わからないことがあるんですね。これは米価の決定というより、むしろ米価引き下げについての基本理念がはっきりしてないということだろうと思うんです。少し長くなりますけれども、私は、その背景として自分なりに整理をしてみましたのでお聞きいただきたいと思います。  米価の引き下げというこの背景として、生産調整が一時的過剰への対応策と考えられていたものがそのままずっと続いてしまった。そういうことに対して、米価を下げることが最も本質的な意味で生産に競争原理を導入することになったのではないか。つまり、過剰を減反でなく米価を下げ、適者生存を図ることによって是正しようとしたのではないか。米価を下げることが競争原理を導入することは間違いないことでございますけれども、その結果が米生産にとって果たしてプラスになるかどうかということは、随分わからないところがございます。  米価を下げて、これは語弊がございますけれども、零細農家が米づくりをやめて、規模拡大が進み生産性が高まるということになれば、これは非常によろしいわけですけれども、実際には、二種兼業農家は飯米に毛の生えた程度ということで、米価を下げても米作をやめない、むしろ中堅どころが音を上げてしまう可能性が高いのではないか、こういうことが考えられるわけでございます。  もう一つ、今内外価格差の是正という、これは非常に漠然とした引き下げ論がございますけれども、国際的な風当たりを少しでも和らげようとしたためにこういうことが行われている。特にアメリカの強硬な申し入れを筆頭とする海外の圧力に少しでも対抗するため、またそれによって喚起された国内世論、これは実際調べてみますと、一九八六年以降に起こった問題なんでございますね。特にマスコミ、一部の評論家によってなされた内外価格差という問題が提起されているわけです。それを和らげるために日本の農業というのは当面生産性という言葉、この呪縛から逃れられないのではないか、こういうふうに思われるからであると私は思うんでございますが、いかがでございましょうか。

山本富雄自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(山本富雄君) 先生、引き下げの論理のようなお話でございますけれども、これはあくまでも引き下げを前提として考える、あるいは算定方式を打ち出すということではないということをぜひ御理解願いたいと思います。この生産調整の問題から始まりましてずっと御指摘がございましたが、適者の生存を果たさしめるという話がございましたけれども、弱者切り捨てということは政治が最も慎まなくちゃならないことだと思います。弱者を救済することが政治の使命だということを考えれば、農業についても、私ここでも議論いたしましたが、兼業と専業、何をもって専業とし何をもって兼業とするか。もちろん仕分けはございます。ございますけれども、それじゃ、現況兼業の方は農家じゃないのかということになるわけでございます。これは立派な農家だ。しかも、これは数がふえているという実態もございます。  ですから、兼業農家のことを考えずに日本の農政を進めるわけにはまいらない。米問題もそのらち外ではないということ等も考えると、この算定方式を考えるに当たりましても、規模拡大は日本農政の足腰を鍛えるという意味で大事ですけれども、ただ、それを急ぐの余り先生は適者生存という言葉を使われましたけれども、弱者を切り捨てるというようなことにつながっては絶対ならない。ここは戒めてかからなくちゃならない、私はいつでもそう考えております。  それから、内外価格差の問題でございますが、私も先生と同じような感じを持たないわけでもございませんが、ただ、内外価格差が、例えば品物によって違いますけれども、歴然とあることは間違いがない。そしてそれは農作物に限らない。ほかのものでも、対米交渉なんかやっているとしばしば話が出るわけでございまして、ですから、農作物に限って内外価格差の問題を取り上げているのではないな、全体の中の内外価格差の一つの形として農作物、農畜産物あるいは米というふうに言われておるのではないかというふうに思っております。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 いろいろ問題がございますけれども、これは午後に譲りますので、大臣への質問はこれで終わります。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ─────・─────    午後一時二十一分開会

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農林水産政策に関する調査のうち、平成二年産米の生産者米価に関する件を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 午前中、ことしの生産者米価についてのあらましの問題点は既に指摘されておるところでありますが、午前中に質問がなかった点、また関連する点について若干御質問を申し上げたいと存じます。  まず初めに、ことしの新しい米価算定方式問題について伺いたいと存じます。  既に、米価審議会に諮問されておる新しい算式によることしの生産者米価は、一・五%の引き下げということで出ております。  昨日のことでありましたが、米価審議会会場で新聞記者の皆さんからこんな話がございました。食糧庁が出された別の試算、つまり昨年お蔵入りした一・五ヘクタール以上平均生産費方式に基づいてことしの生産者米価をはじくと、一・六%の引き下げだということでありました。  ところで、不思議に思いますのは、今回方式の場合の算定対象農家の平均は一・一ヘクタールであるのに対して、一・五ヘクタール以上平均米価の場合は平均どころが二・七ヘクタールとされております。一・一ヘクタールの対象部分の農家の生産コストと二・七ヘクタールの生産コストというのがほぼ同じだというのは、一体これはどういうことなんですかということでありました。これは新聞記者の皆さんに尋ねられて、私も全く知らないところでありました。きのう食糧庁から電話がございまして中身はあらまし伺っておるところでありますが、まず初めに、簡略にその点についてお答えいただきたいと存じます。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 政府の試算米価の算定におきましては、けさほども御説明を申し上げましたように、全国の各農業地域におきますところの平均的な水準以上の高い生産性を実現している稲作農家を算定対象にしたわけでございます。昨年の場合は、算定対象としておりますのが一・五ヘクタール以上層の農家ということになっておりまして、基準のとり方が規模を基準にしてとっておる、ことしの場合は生産性を基準にしてとっておるということでございますので、まずこの点につきましての差が一つあるわけでございます。今先生がお話しになりましたように、試算をいたしますと、確かにことしの場合の一・五%に対しまして、昨年用いました一・五ヘクタール以上層を対象にいたしまして算定をいたしますと、試算でございますけれどもマイナス一・六%ということになるわけでございます。  今回の算定につきましては、平均的な規模が大きく異なるのにかかわらず、米価水準がどうしてこう同じくらいの水準になるかという御疑問を持つのはあるいは当然かと思いますけれども、今回の算定におきましては生産性に着目をして対象農家をとっておる。例えば農業機械の効率的な利用でありますとか、あるいは作業委託を水田の場合行っている、そういったいわゆる小さい規模でありながら、かなり効率的な稲作経営を行っている農家が今回の算定対象の中にはかなり含まれておるというふうに私ども考えておるわけでございます。一方、単純に一・五ヘクタール以上の算定方式でとりますと、規模は大きくても非常に機械投資が大きいというようなこと、あるいは機械費用が非常に大きくて、結果的にそれが生産費を押し上げているというような農家が含まれておるのではないかというふうに思っておりまして、両者の価格水準がそういった面で結果的に接近をしたのではないかというふうに理解をしております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 きょう示されました米の生産費調査、これを見てみましても、規模別でのコスト差というのはきれいに出てくるのです。次長が言われたように多少の出入りはあるとしましても、一・一ヘクタールの場合のコストというのと二・七ヘクタールのコストというのは、六十キログラム当たりで二千円もの格差があるのですよ。もう一度繰り返しますが、一・一ヘクタールと二・七ヘクタールのコストというのはまるで同じような状態で出てきた、これが今の説明だけではどうにも納得がいかないんです。  そこで伺いたいのでありますけれども、大規模農家の多いブロックの調査対象戸数、これが少なかったということを仮定しますというとわからぬでもないのであります。その点、一体どうなのでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) お答えいたします。  私ども、調査対象戸数は、食糧庁の調査によります売り渡し農家数に比例をいたしまして選んでおりまして、さらに実際の調査戸数は、例えば〇・三ヘクタール以下の農家は戸数を減らすとか、大規模農家は戸数をふやすとか……

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 わかるようにもうちょっと大きい声で言ってください。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 実際の調査戸数は、完全に地域及び規模に比例いたしますと大規模層について精度のいい統計ができないということがありますので、大規模層については数多い農家を選んでおりますけれども、それは、例えば十町歩以上でございますと二十倍の比率で選んで、そのかわり二十分の一にしているということで、私どもの調査自体は全体の規模に平均的に出ているというふうに考えております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 それじゃもう一度改めて伺いますが、生産費対象農家の選び方、これはブロック別に見て、当該ブロックの米販売農家数並びに規模別分布状況に見合うように、完全比例的に対象農家を選んだ調査なのかどうなのか、そこはどうでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) もちろん多少の差はございますけれども、少なくともそこから比例さしてサンプルを抜いていったということでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 多少の差というのはどの程度ですか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 例えば地域別で申しますと、北海道は、売り渡し調査戸数では二・一%でございますが、私どもの集推計戸数では一・九%になっているというような感じでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 北海道が二・一%という話は私初めて聞きましたけれども、戸数にして何戸になるでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 売り渡し調査戸数が百八十九万七千戸のうち、北海道が四万戸ということでございます。それに対しまして私どもの集推計戸数では、二千九百五十一・三五戸中、北海道が五十四・九五戸、これはもちろんさっき言いましたように、大規模農家をたくさんとって割り算しておりますので端数が出てまいりますが、そういうことでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうしますと、今回の生産費計算の中に入った戸数は何戸でしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) ちょっと私の方からお答えさせていただきたいと思いますけれども、今回の新しい算定方式によりまして、各ブロック別の戸数シェアを見ますと、北海道の場合は二・二%、それから東北が一四・〇%、北陸が一〇・八%、関東・東山が一九・五、東海が一〇・一、近畿が八・五、中国が一二・一、四国が六・一、九州が一六・七というふうになっておりまして、これが一・五ヘクタール以上層でとりますと若干そこに差があるわけでございますので、ちょっとそれだけ申し上げさしていただきたいと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 私が聞いているのは、生産費の計算の対象に入った北海道の農家戸数です。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 北海道では百十八戸調査いたしておりますが、調査途中で脱落した農家がございますので、実際に集計の対象になった戸数は百十五戸でございます。ただ、この百十五戸がさっき申しましたように大規模農家が多くて、実際の比例よりもサンプルを余計選んでいるということで圧縮しておりますので、五十四・九五戸ということになっております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 五十四・九五戸で、果たして北海道の生産状況というのが代表できるのでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) もちろん、全国の三千戸に比べればはるかに精度は落ちてくるわけでございますが、実際にとった戸数は百十五戸でございます。もちろん百十五戸でも決して多いとは言えないわけでございますが、私ども全国平均で〇・五%の精度に入るようにということでやっておりますので、県別とか規模別になりますとどうしてもその辺のサンプル誤差というものは免れないと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうした問題点があることはわかりましたが、ここで改めてお願いをしたいと思いますのは、ブロック別の生産費分布がどんなふうになっているか、生産費水準の区分ごとに規模別農家数と販売数量、この資料は後ほど御提出いただけましょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 全国でございますとすぐにでも表はつくれますけれども、ブロック別の分布になりますと、これから電算機を動かすというので一週間程度はかかろうかと思います。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 提出していただけますね。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 時間をいただければ、計算いたします。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 先ほども冒頭に申し上げましたように、一・一ヘクタールの生産費というのと、二・七ヘクタールの生産費というのはかなりの格差があるはずなのが同じに出てきているわけですから、そういう疑問を解くのには、この資料がなければ私どもにはわからぬわけであります。ぜひその資料は出していただきたいということをお願いしておきたいと存じます。  算式問題に移らしてもらいますが、この新しい算式、なぜ平均以下の生産農家を算定対象から切り捨てたのか、その理由を伺いたいのであります。  これまでの米価算定でも足切りはありました。例えば需給ギャップを反映させていく、そこで生産費のとり方で足切りを行う、いわゆる必要量生産費方式というのがそれでありました。こうした足切りはそれぞれ理由があって行ってきたことであります。今度の場合は、ばっさりと平均以下を切り捨てて平均以上の平均で算出をするという方式にしたわけなのです。でありますから、どういう理由で平均以下をばっさりと切ったのか、その根拠を示していただきたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 米価の算定に当たりましては、御案内のように生産費・所得補償方式を採用させていただいておるわけでございまして、生産費を補償しかつ所得を補償する、そこから算定をされました米価につきまして、今後国民の皆さん方の御理解を得ていくということも大変重要なことであるというふうに考えておるわけでございますが、先般出されました農政審議会の報告におきましても、将来の担い手層に焦点を当てて今後の米価政策は推進をする必要があるというような趣旨の御報告もございますし、また先般出されました米価審議会の算定小委員会の報告にもございますように、将来の担い手あるいは需給調整に資するような算定方式を今後とっていく必要があるという基本的な考え方が示されたわけでございまして、私どもといたしましても、そういった基本的な考え方に即して今回はできるだけ地域の実態を反映するように、かつまた地域におきまして生産性の高い稲作農家というものを対象にした算定方式を採用させていただいた、こういうことでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そうしますというと、算定上の根拠はないということですね。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 算定対象農家をどういう農家をとるかということにつきましては、米価算定の場合に常にいろいろ議論がなされてきた経過がございます。昨年も一・五ヘクタール以上層の個別稲作農家を対象として算定をするということにしたわけでございますが、御案内のように、昨年はこうした方式を採用することに対しましていろいろ御議論があったわけでございます。一・五ヘクタール以上層の規模では我が村とかあるいは我が県にはそういった大規模の農家が大変少ない、そういった御議論もございましたし、また、一律一・五ヘクタールで切るということにつきましては日本農業の実態から乖離しているのではないか、こういうような御指摘もあったわけでございまして、そういった点を踏まえまして、私どもとしては今後のいわゆる稲作農家の担い手たるものはどういうものか、それを一応考えたわけでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 私が聞いているのは数字的根拠です。それがあるのかないのかということですよ。数字的根拠を示してほしいんです。算式というのはそういうものでしょう。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 算定方式の根拠というのは、ちょっと私理解が十分できていないわけでございますけれども、結局どういう農家を米価算定の対象農家として用いていくかということの考え方の問題だろうと思っておるわけでございます。したがいまして、私どもとしてはいわゆる生産費・所得補償方式としてとる場合の算定対象農家というものを地域別に見まして、平均生産費を下回る生産性の高い農家を対象にした、こういうことでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そんなこと聞いてるんじゃないのです。数字的根拠を出してくれと言っているんですよ。そういう一般論の話じゃないのです。  それならもう一度聞きますけれども、生産者米価は食管法に基づいて決めるのでしょう。そうでしょう……。答えてください、記録に載りませんから。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産者米価につきましては、食糧管理法によりまして、生産費及び物価その他経済事情を参酌しながら再生産の確保が図れるように決める、こういうことになっておるわけでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 次長、法律に書いてある「生産費」というのは、平均以下を切り捨ててよろしゅうございますというようなことはどこにも書いてないのですよ。あなたがさっき言われたのは、食管法の三条の二項です。三条の一項には何と書いてありますか。三条の一項に書いてあるのを読みますというと、  米穀ノ生産者ハ命令ノ定ムル所ニ依り其ノ生産シタル米穀ニシテ基本計画ニ依り政府ノ管理スベキモノトセラレタル米毅ノ数量ヲ基礎トシテ政令ヲ以テ定ムルモノヲ直接又ハ第八条ノ二第三項ノ集荷業者ニ委託ヲシテ政府ニ売渡スベシ と。いいですか。これを受けて三条の二項では「生産費及物価其ノ他ノ経済事情」と言っているのです。ということは、政府への米販売農家全体を対象にしているんです。平均以下を最初からずばっと切り捨てちゃって残りのもので平均生産費をはじいていいということにはならぬのです。今度の算式はその意味では、前回の算式もその疑いがあるが、明らかに食管法違反ですよ。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 法三条第二項の解釈でございますけれども、私どもとしては、政府の買い入れ価格の決定につきまして参酌すべき事項があるわけでございますが、これは基本的な理念を鮮明にしたものであるというふうに考えておりまして、具体的な米価の決定、さらにその算定方法につきましては、この基本的な理念を逸脱しない範囲内において決定していくということが、政府の裁量として許されておるというふうに思っておるわけでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 もう一度繰り返しますけれども、ここで言っている「生産費」というのは、前項の政府への米の売り渡し農家を対象としているんですよ。ところが、今度はずばっと平均以下を切り捨てている。この法律と矛盾しませんか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 政府米の買い入れに際しまして、いかなる程度に米の生産を維持し、生産者をどのように保護するかというのは政策上の判断になるわけでございまして、私どもといたしましては、現在の米の生産の実態から見まして八十三万ヘクタールに及ぶ生産調整を実施しているという状況、かつまた政府が管理すべき米穀につきましては十分な生産が行われているということから考えまして、再生産の確保というものは達成されておるというふうに理解をしておるわけであります。特に再生産というのは、個々の農家の再生産という考え方ではございませんで、全体として米の再生産が確保されておれば法律で申し上げております再生産の確保は達成されている、こういうふうに理解をしておるわけでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 今の最後にあなたが言われたこと、私が聞いていないことまでお答えになっておりますけれども、個々の農家の再生産の確保を指しているのじゃなくて、全体の再生産の確保を指しているのであって、そうであれば差し支えないのだというお話でありますけれども、これは初めはそうじゃなかったのです。個々の農家の再生産の確保を指していたんです。途中から皆さんが解釈を変えたんです。そういうふうな経過があるということを一つここで言っておきます。  もう一度伺いますが、今のあなたのお話の中では生産調整も実施しているというお話だった。生産調整の実施ということを前提としますというと、これまでの米価算式では、潜在生産力と必要量との対比をしていって、そしてこのギャップを生産費のとり方に反映させるというやり方でおやりになっていましたね。きちんとした数字的根拠があったんです。ところが、今度の場合は最初からずばっと切っちゃっているわけです。そこで私は、数字的な根拠を示してくれと言っているわけですが、数字的な根拠は出てこない。そして食管法を読んでみれば、ここで言う「生産費及物価其ノ他ノ経済事情」の「生産費」というのは、明らかに米販売農家全体を対象としている。ところが、度の場合は最初から平均以下が出てこないわけですね。ですから、食管法とはまるで違った算式になってしまったということになるのです。どうでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 最初から地域におきますところの、それぞれの生産費対象農家をすべて外して算定をしておるわけではございませんで、それぞれの地域の平均生産費を算定しておるわけでございます。したがって、その地域ごとの平均生産費を下回る生産性の高い農家というものを算定対象にしたということでございますから、ベースとしては一応先ほど先生がおっしゃったような趣旨は含まれておるというふうに私どもは解釈をしております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 米価算定の対象から平均以下は最初から落としちゃったんです。算定の対象になっていないんですよ。ですから、私は食管法違反だと言っているのです。違反じゃないと言うのなら数字的な根拠を示しなさい、こう言っているのです。もうこれ以上やっても押し問答でしようがありませんから、また機会を改めてこの点についてはやらしてもらいます。  時間もありませんので先へ進んでいきます。  さて、もう一度先ほど伺った話に戻していきましょう。  生産費を見てみた場合、平均どころにばらつきぐあいというのはおおむね集中してきますわね。そして、平均のところから遠く距離が離れたところにばらつきがひどいというような状況が出てきます。これは御存じのとおりですね。そこで統計的な処理方法として、例えば平均生産費ではじく場合、コストの極端に高いものと極端に低いものを外して正常な農家を対象にして平均生産費をはじくとか、あるいはまた平均生産費にワンシグマを掛けて正常な農家の再生産が確保されるようなそういう統計的処理方法、これはこれまでにも例があったことでありまして、そういうふうなやり方をしてきたことは御存じのとおりです。御存じですね。  そこで伺いたいのでありますが、今度の算式では平均以下のところは全部切り捨てて平均以上の平均をとった。そういう乱暴なことをおやりになる際に、異常に生産費が低い部分、それも全部含めてやってきているんですよ。まあ商品の価格算定でいうなら、ディスカウントショップで売っているようなものまでまぜて無理に下げたというようなそしりを免れ得ないような算定の仕方になっているのです。つまり、平均以上青天井でやった。これは統計上のあるべき姿として当然のものと言えるのかどうなのか、所見を承りたい。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 各ブロック別に平均生産費の分布状況を見ますと、確かに地域によって必ずしも正規分布に近いような形になっていない地域もございます。東海とか近畿とか、あるいは中・四国等はかなり高いところから低いところまで分布状態があるわけでございますが、北海道とか東北あるいは北陸、関東・東山、さらに九州は比較的正規分布に近い形の分布をされているという状態になっておりますが、今先生が御指摘になったように、東海、近畿、中・四国は平均的には逆に生産費が高いところに位置しておる。その高いところの生産費以下の農家を対象にしているということでございますので、この点だけは御理解をいただきたいと思います。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 今度は、食糧庁じゃなくて統計情報部の方に伺いたいのであります。  今私が御質問申し上げたことをお聞きになっておったと存じますが、平均以上のものを青天井で平均するというのは、統計処理上の問題としてあるべき姿として当然のこととお考えになっているのかどうなのか、いかがでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 米価の算定を統計処理という観点で見るのがいいかどうかよくわかりませんが、ただ、私ども先ほどお出しすると言いました分布を全国で見た限りにおきましては、高い方は非常に大きくばらついておりますが、平均以下、下の方は、観念的にゼロより下はないわけでございますし、実際にもそんなに大きくばらついていないという事実がございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 前広米審にこの算式を示されたそうでありますけれども、今まで米価算定方式というのは米審が決めてきているのですね。これは御存じのとおりです。今度は、米審とはかかわりなく食糧庁がお決めになって示された、これは異例のことであります。こういう異例なやり方というのを今後も食糧庁当局は慣例無視で続けていかれるのかどうなのか、そこはどうでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私どもといたしましては、今回の算定方式につきましても、去る六月二十九日に米価審議会にお諮りをいたしましていろいろ御議論をいただいておりまして、全く食糧庁だけが一方的に算定方式を決めた、こういうような状況ではございません。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 算式問題の終わりに、大塚次官に伺いたいのでありますけれども、米審は論議集約に至らずという断りがあったことは先ほどお話が出たとおりであります。それからまた、今申し上げましたように新算式は食管法上も重大な疑義がある。加えて、統計処理の手法としてもいろいろ多くの問題点がございます。政治的にもっと重大なのは、農業団体のみか売り手のだれもが、農家のだれもがどうしてこういうふうな算定方式が出てきたのか、また算定の結果についても理解できないのです。これは冒頭申し上げたとおりです。一・一ヘクタールと二・七ヘクタールという対象のことからしてもそうですよ。とても納得できないものが出てきているわけです。これを今後もこのまま強行していかれるおつもりなのかどうなのか、この点について政務次官に見解を承りたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 事務的なことで、最初に私の方からちょっと御説明をさせていただきたいと思います。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 いや、それは事務屋さんに伺っているのじゃないですよ。政治家に伺っているのです。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 今回の算定方式につきましては、先ほどもちょっと申し上げましたように、農政審議会が示されました今後の米政策の基本的な考え方に沿いまして、昨年の米価決定の際にもいろいろ御議論があったわけでございますが、これを踏まえて今回の算定方式を決めたわけでございますので、それぞれの地域の稲作の実態に十分配慮した算定方式だというふうに私ども思っておるわけでございます。現在におきましても、本日、米価審議会でもいろいろ御議論があるようでございますので、その取り扱いについては、そういった御議論も踏まえながら今後検討していく問題かと思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 そういう事務屋的な話を私は伺っているんじゃないのです。さっきからずっと問題点を指摘してきていますね。時間があるんならまだまだたくさん問題点があるんですよ。そういう問題点があるにもかかわらずこのまま今後もごり押しされていかれるのかどうなのか。それじゃ弱りますよということを言っているのです。これは事務屋さんのお答えを聞いているんじゃないのです。私は、今ここに政治家として大臣を支えておられる、農水省を代表しておられる大塚政務次官がお見えになっておりますから、政務次官に伺っておるのです。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) ただいま、事務的な立場を離れて政治的な立場で私の考えをということでございます。  それで、実は先ほども次長が申しましたように、ことしの場合は算定方式が非常に問題でございましたので、米審に対しまして、少し時間をとって前広の事前米審の中でひとつ検討してもらった方がよかろうということで、特に二十五日と二十九日に前広米審を設定いたしまして、二十五日は一般論として諮問の前の米審の今後の進め方その他、二十九日は、特に一番問題になっております、生産費に根差す算定方式を集中的に御議論願おうということでやったわけでございます。  そこで、いろいろマスコミ等の報道が、私の判断、認識では実態とはちょっと少しずれがあるような気がいたします。具体的な数字は出ておりませんが、意見集約を算定方式についてかなりされるところまで御議論があっているわけです。ですから、やはりそういう点を、今のような事前米審の一つの論議される分野というのは、今後はひとつきちっとしていくべきだろうということを大臣も出しております。  その他の問題につきましては、いろいろあろうかと思いますが、生産費の取り上げ方の問題あるいは米審と政府との関係、こういうこともあろうかと思いますが、ただ一つ、先ほどから説明しておりますように、カバー率ですね、これをなるべく、去年の場合は一・五以上で二・七になった。これをなるべくすそ野を広げていきたいということから縦割りを横に広げた形になされたということでございますので、そういう点では一歩前進の案ではなかろうかということで、事前米審にお諮りしたということでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 どうも大塚政務次官とのやりとりはやりにくいんですけれども。  私は、既にもう食管法上からいってもおかしいと。それで、まともな答えが出てこない。それからまた米価審議会だってこの方式はオーケーとはまだ言っていない。それにまた、統計処理の手法としてもいろいろ問題点があるということを申し上げてきているわけです。にもかかわらず、今後もこれを持続されるのですかどうなんですかということを伺っているのです。そういう問題指摘は現にあるわけでありますから、それを無視しても強行突破していくというのか、さらにいろいろそういう意見を念頭に入れて検討していくということなのか、そこをどうなのか伺っているんですから、その部分だけひとつお答えいただきたい。  私の質問時間はあと十六分しか残りないんですよ。予定の質問がまだ四分の一しか終わってないですよ。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) 実は、算定方式の基本的な枠組みについてはぐるぐる変わっていくということは相なりませんので、今度組み立てました方式をとらせていただきたいということ、ただ算定するに至る諸要素のことにつきましては、相当慎重に今後細かく対応して改善すべきは改善していかなきゃならぬ、このように思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 変えないと言われるのなら、この点についてはまたさらに機会を改めてここで論議をさせてもらいたいと存じます。  お願いしておきますけれども、次長、あなたの経過報告はいいんですよ、こっちは知っているんだから。あなただってこっちが知っていることは御存じでしょう。こっちは質問がいっぱいあるのですから、その点ひとつ留意して簡潔にお答えいただきたいと思います。  続きまして、午前中の質問で、村沢先生から生産費を下回る米価になっているという問題指摘がございました。そこで、私が伺いたいと思いますのは、米価引き下げが規模拡大に連なるのかどうかということであります。この点については米価審議会でもいろいろ議論がありました。その点では米価審議会の内部では、急ピッチな米価引き下げは規模拡大には連ならぬというのが大方の意見でありました。なぜそうなのか。兼業農家で見てみますというと、物財費プラスアルファ程度の米価でもしのげないことはないという条件があるのに対して、米で暮らしを立てている専業農家の場合は、農地を買ったりあるいは借地もしている、まともな地代を出さなきゃならぬ、あるいはまた規模拡大のために借金もしておる。そして、こう言ったら語弊がありますけれども、就労しておられる皆さんもまともな労働力、つまり他産業に従事してもまともな賃金が取れる皆さんが従事している場合が多い。でありますから、第二次生産費が丸々補償されないと暮らしとともに規模拡大はやれないという状況があります。  そういう点で、ことしの米価なるものを見てみますというと、皆さん方はこれまで内外価格差是正ということなどを理由にして米価引き下げをやってこられましたけれども、きょう配っていただいたこの生産費を見てみますというと、政府米の三類一等で六十キロ当たり一万六千三百七十二円なんですね。この一万六千三百七十二円に相当するところがおおむね三ないし五ヘクタールの第二次生産費であります。価格で言いますというと一万六千六百四十二円でありまして、三類の一等米と比べるというと二百七十円生産費の方が高くなっている。  ところで、規模拡大を進めていくのには、都道府県の米作地、比較的規模の大きいそういうところで見ても三ないし五ヘクタールの人たちに一番頑張ってもらわにゃならぬのですよ。ところが、ここの部分が、既に第二次生産費以下という状況になっているというもとでは規模拡大はできないのじゃないですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 先生のおっしゃいますように、米価政策上、余り急激な米価の引き下げというのは、確かに農業経営規模の拡大というものに影響するおそれがあるわけでございまして、私ども、今回算定をいたしまして米価審議会に御諮問をしておるわけでございますが、今回算定の対象になっております農家の中には、やはり規模が小さくても生産性向上に努力していこうというものが相当入っておるわけでございます。そうした生産意欲を持った農家が、今後の構造政策なりあるいは生産対策等を積極的に推進していく中で、規模拡大あるいは生産組織の組織化、そういったものへのインセンティブというものも働いて稲作構造の改善に資するというふうに考えております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 いいですか、規模拡大というのは、例えば三ヘクタールの農家が五ヘクタール以上になろう、ないしは六ヘクタールのところまでいこうという場合には、資本装備からより大型のものに変えていかなきゃならぬのですよ。五ヘクタールの農家がさらに規模拡大をしていこうという場合には、七ヘクタールぐらいまではやれるが、七ヘクタールのハードルを越えるときにはまたもう一つ新たな追加投資が必要になってくる。そういうふうな蓄積ができるような米価なのかどうなのかということ、私が伺いたいのはそれなんです。そこはどうなんですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 規模拡大の場合には、実質的に所有権を移転いたしまして規模拡大をするというような場合も当然あるわけでございますし、また実質的に経営規模を拡大するということで、一種の組織化を通じた経営規模拡大というものもあろうかと思います。したがって、現実問題といたしましては、所有権移転によりますところの経営規模の拡大という問題につきましては、現在の地価その他の状況から見てなかなか難しい問題もあると思いますけれども、生産の組織化を通じました稲作構造の改善というものは今後進んでいくのではないかというふうに思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 すりかえ答弁ですよ。もう一度伺いましょう。  この米価で果たして農家が規模拡大ができると思っているのかどうなのか、そこを端的に答えてくださいと私は言っているのです。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 経営規模の拡大を推進していく場合におきましては、単に価格政策だけでもって対応していくというのは非常に難しい面があろうかと思います。したがいまして、やはり価格政策と相まって構造政策でありますとか、生産対策等を積極的に実施していくことによりまして、経営規模の拡大を図っていかなければならないのではないか、かように考えておるわけでございます。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 価格政策だけじゃなくて、構造政策というようなことを以前から言われるようになってきましたけれども、その構造政策は、具体的なものはほとんどないのですね。時間がなくなってきたから、その論議は後にまた譲ります。  次に伺いたいと思いますのは、新しい米価算式を皆さん出された。それで、一体どこまで生産者米価を下げていくおつもりなのか。去年までの場合は一・五ヘクタール以上平均生産費で当座はやらしてもらいます、行く行くは五ヘクタール以上平均になりますよと。そこのところは下げどまりのような格好ですわな。当面の目標というのはあったんですね。ところが、今度の場合はそういうものは全くないのです。そして、今度は平均生産費でとった。平均以下のものを切り捨てて、その平均でやる。この次には、この水準はまた圧縮してくるわけでしょう、恐らく、想像するに。何が何だかさっぱりわからないですよ。米価は一体どこまで下げていくつもりなのか。  個別農家もそうですけれども、先ほどあなたは逃げ答弁で、個別農家だけじゃなくて集団化というのはあるよということを言われましたね。特に集団化、共同化などをやっていく場合には、価格が安定していなきゃやれないんですよ。価格水準がびしっと見通しがきく、そういうものがなけりゃ共同化だってやれないんです。でありますから、価格を一体どこまで下げていくおつもりなのか、そこのところを伺いたい。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産者米価につきましては、先生御案内のように、食糧管理法に基づきまして生産費あるいは物価その他の経済事情を参酌して毎年決める形になっておるわけでございまして、どこまで下げるのかというふうなことにつきましては、現時点では申しかねるわけでございます。  いずれにいたしましても、生産者米価につきましては今後とも食管法に基づきまして適正な米価を決定していかなければならない、こういうふうに思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 まことにもって不親切な米価そのものであります。これから先どういうふうに下げていくのか、さっぱりそこのところをおっしゃらない。ただ、下げるということだけは確実にわかっている。これでは、仮に投資力があって規模拡大をやりましょうという農家だって危なくてやれませんよ。こうなってくると、もう農政じゃないですね。  ということを申し上げながら、時間がなくなってしまいましたので、最後に生産調整と米価引き下げの絡みの問題についてちょっと伺っておきたいと存じますが、ことしからの減反をどうするかということであります。  結局、減反は事実上拡大しようがない、こういう状況が去年の場合は多かったわけであります。例えば典型的な規模拡大をやってまいりました北海道などで見てみましても、減反の上積みがされるならば、上積み分についてはもう返上でありますという声がほうはいとして起こってきた。そういう状況もあって、生産調整については、選挙との絡みもあったのかもしれませんが、結局、据え置きということにしようということになった経過があったわけであります。無理な米価引き下げをしていきますと、生産調整も崩れていくのです。  東北地方などで比較的兼業が少ない米単作地帯などで見てみましても、北海道と似たような状況が出てきていますね。例えば、この地帯で米価引き下げが始まる四年前あたりですと、米代金から物財費やあるいは土地改良費等々を差し引いた残りの粗収入というのが、大体三割弱というのが多かったわけであります。ところが、ここ数年の米価引き下げが一割以上に及びました。自主流通米地帯なら話は別でありますけれども、非銘柄米地帯の場合、こうした三ヘクタールの農家は米代金のうち残るものが一割五分から二割。正直なところ、そんな状況になってきておるのです。  そこへことしは政府米価が下がってくる。さらにまた、銘柄米地帯で言いますというと、今から取りざたされているのがササ、これは下がるだろう、二類だって下がるのじゃないのかといったような話がこの筋の皆さんから出ておるところでありますけれども、自主流通米の方も下がってくる。こういうことになっていきますと、結局、これから伸びてもらわなきゃならぬ皆さんが、減反のやりようがないという状況が出てまいります。  さらにもう一つの問題は、現行の米価体系のもとでは、政府が連続的な米価引き下げをやってきたために、やみ米と自主流通米、政府米とに値開きが生じてきました。やみに売った方が率がいいんですよ。やみ米に売っていく。そしてそれが生産調整崩しに連なっていくという状況が生まれてくるのです。この辺の事情は個々の農家の問題では断じてないのであります。価格政策がそうさせてきたということです。  そういう立場で見てみますというと、米価の引き下げというのは生産調整体制の維持にもひびが生じるような状況を生み出してきているという実態があるのですが、いかがでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産調整につきましては、生産者、生産者団体に大変な御苦労をしていただきまして現在実施をしていただいておるわけでございますけれども、これからの生産調整に当たりましては、それぞれの地域の条件を生かした、例えば地域輪作農法の実施であるとか、そういうような形でもって、今後水田農業の確立というものを図っていかなきゃならないというふうに思っておるわけでございます。  米価の引き下げがそういった面に影響があるかないかという点につきましては、一概に私の方から申し上げかねますけれども、自主流通米の価格につきまして、現在は銘柄によりましては若干過剰傾向になってきているものも確かに、御指摘のとおりあるわけでございます。やはり需要あるいは消費者のニーズに応じました銘柄といいますか品種の作付ということにつきまして、今後指導をしていかなければならないのかな、こういうふうに思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 時間が来てしまいましたので最後になりますが、連続的米価引き下げというのと生産調整というのは絶対に両立しません。両立しないものを両立させろと言ったって、これはむちゃなことなのであります。しかも、ことしから自主流通米の価格形成の場がつくられて、いわば需給価格的な価格形成が行われるというようなことになってきておるわけでありますから、そうした問題との絡みからしましても大変な事態が生ずる可能性が極めて大きいというふうに言わなければなりません。したがいまして、連続的な価格引き下げと生産調整は両立が難しいという点も踏まえて、今後の米価政策についての検討に当たっていただきたいということを要望しておきたいのだが、いかがでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 今先生のお話がございました自主流通米の価格形成の場につきましては、私どもは農政審議会等からも御報告をいただいておりまして、自主流通米の量的拡大がこれだけ進んだ状況の中におきましては、産地、品種、銘柄ごとのその品質が適正に評価される、そういった仕組みをつくっていくことが、集荷の面におきましてもあるいは自主流通米の健全な発展のためにも非常に大事ではないかというふうに思っておるわけでございまして、いろいろ関係の皆さん方の御意見等も賜りながらこれにつきまして実施をしてまいりたいというふうに思っております。

谷本巍日本社会党・護憲共同

○谷本巍君 終わります。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 私は、社会党・護憲共同という立場で、元米審委員の大先生、谷本先生のただいまの質問を受けて、私は昨年まで一生産農民でしたが、そういう立場から私なりに質問をしてみたい、こう思います。  今回の政府の諮問米価は、一・五%の下げ諮問であるということを先ほど来説明をいただいております。その主たる理由としては、最近の稲作農家の生産費が下がったことと、そしてまた内外価格差に近づけるその理解を求めるための引き下げである、そういう大まかな説明があったわけでありますけれども、これについて先ほど来いろいろ質問がありました。先ほど谷本委員も質問されましたけれども、毎年毎年この生産費のとり方が違う、その結果もまた違った数値が出てくる、そして方式も違ってくる。これでは我々は、生産現場で農業を続けることができないんです。その意味で若干の確認をしていきたい、私はこう思います。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕  生産費調査農家の実態を明らかにする意味で、全国で何戸の生産費調査を選定してどういう形でしているのか。その前に、私はその結果を資料で提示を求めたわけでありますけれども、全国の各県ごとの十アール当たりの生産費と一俵当たりの生産費、それから、各県のそれぞれの生産農家の三千名の積み上げによってこの結果が出ているわけでしょう、ですからその信憑性、信頼性をただす意味で各県の生産農家のリストを出していただきたい。リストを出せないとすれば、少なくとも匿名にして、連番で、きのうはっきり申し上げておきましたが、五十番、百番、百五十番、そのようにして各県の生産農家の調査票を出してもらいたい、そういう資料提示を求めましたけれども、それに対する御見解をいただきたいと思います。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 県平均の生産費は、十アール当たりにいたしましても一俵当たりにいたしましても、これは今ここでも申し上げられるわけでございますが……

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 それはちょうだいいたしましたから、省略してください。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 各農家の個票につきましては、これはプライバシーの問題がありますので、単に名前を消したといたしましても個票自体を公表することはできないと思います。  ただ、おっしゃるように、いろんなところで吟味をするために必要であれば、先ほど谷本委員から御請求がありました分布というような形で提示をすることは可能だと思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 我々は生産現場にいて、物価が上がっている、賃金が上がっている、すべてのものが上がっているのに、この統計表に出てくるように物価指数が下がってくる、生産費が下がるということは理解できないんですよ。ですから、我々はそれを信頼するために、生産調査の農家の実態がどうなっているのか、どの階層のもの、どこのだれがどういう形で調査に応じているか、それを示してもらわないと、これほど毎年動く生産費に我々は信頼を置けないんです。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 統計法によりまして、この生産費調査は指定統計でございまして、これは人、法人、またはその他の団体の秘密に属する事項については保護されなければならないということになっておりますので、個票そのものを提示するということは法で禁じられていると私は思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 じゃ、個票でなくてもいいから、各県のどこの町村で何名、これだけでも出してくださいよ。その積算があって初めて出ているんでしょう。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) これは、実は全体が三千戸弱でございますので、いろいろ細かく切っていくとだんだんプライバシーに近づいていくものでございますので、何といいますか、実態がある程度わかるような格好ということで、加工したものを提示することばできますけれども、その……

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 じゃ、どの範囲で出していただけますか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 先ほど谷本委員がおっしゃったような観点からするならば、例えばブロック別、規模別、生産費水準別というような格好になろうかと思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 じゃ五十歩譲って、町村でだめなら、市の段階で何戸、どこの市で何戸調査しているか、それは出せるでしょう、そのぐらいだったら。どんなことをしたってどこのだれか出しているかわかりませんよ、我々がどう見たって。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 単に何戸の調査をしたという戸数でありますならば、例えばブロック別よりももう少し狭い範囲ができるかどうか検討してみたいと思いますが、今この段階で出せると御返答するわけにはまいらないわけでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 出せないのか出さないのか、一言で言ってください。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) 出せるかどうか検討したいということでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 このことについてはこのような結果ですから、まあ……(「質問通告してあるんでしょう、それは聞かなきゃだめだよ」と呼ぶ者あり)それはもちろん。(「通告してあるんだったらちゃんと答えさせろよ」と呼ぶ者あり)いや、それが出せないと言うんだから、私はそれでおきます。  そこで、昨年までは一・五ヘクタール以上の生産費を補償するという考え方だった。ことしは、平均生産費以下を押さえて、そして面積が少なくとも生産性の高い農家も救ってやるんだという表現をしていますね。生産費調査農家に入れて救ってやる、そういう言い方をしていますね。その考え方は逆ではありませんか。一・五ヘクタール以上のものはその生産費でそれを補償して、それ以下のものでも生産努力をするとそれに並んでやれるという、それが本当なんですよ。逆ですよ。一町五反以下のものが生産性が高いからそれも補償の対象にして、生産性が向上した分を切っていくんでしょう、その点の御見解はどうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 今回、地域の実態を配慮した生産性の高い農家を対象にいたしました算定方式をとったわけでございますが、これは、昨年一・五ヘクタール以上の対象農家をとった場合にいろいろ、それ以下の規模の農家が算定対象に入っていないというようなかなり強い御批判もあったわけでございます。また、一・五ヘクタール以上で単純に切ってしまいますと、稲作農業の実態というのはかなり地域によって差がございますので、したがいまして、そういった地域の実態を無視して単純に一・五ヘクタール以上で切るのは、やはり問題があるのではないかというようないろいろ御意見がございましたので、こういった御意見を踏まえまして、私の方としては改善をした算定方式を出したつもりでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 そうしますと、今まで政府が説明していただいている生産費の高い農家、いわゆる生産性の低い農家も救っているということですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産費の対象農家といたしまして、いわゆる平均生産性、平均生産費以下の生産性の高い農家を対象にして算定をしたということでございます。いわゆる平均生産費以下の生産農家というのは、生産性の高い農家ということになるわけですね。したがいまして、その生産性の高い農家を対象にいたしましたということでございまして、そういう農家の中には、尺度を規模で見ました場合には非常に小さい規模の稲作農家もその中に含まれているということになるわけでございます。最近の稲作農業を見ましても、生産の組織化でありますとかあるいは共同作業を推進するとか、こういう形でもって対応しているところがございますものですから、そういう農家が完全に米価の算定対象から除かれるということについていろいろ問題があるという御指摘が昨年あったわけでございます。それを踏まえて今回見直しをした、こういうふうに御理解をいただければありがたい、こういうふうに思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 ただいまのお答えでは、例えば四反歩でも五反歩でもいい、それが生産性が高い場合に、結局生産費が低いんですが、その農家も対象にするということは、生産費・所得補償方式で生産性が上がっている時代には、生産費が低い農家を調査農家として入れるということは、生産性が進んだ、高く向上した、その分米価を下げるという要素になるわけでしょう。私はそう判断しているんですよ。どうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 米仙の算定方式の中で、どういう農家を算定対象農家としてとるかということにつきましては、いろいろ御議論があろうかと思います。私どもといたしましては、先ほど来から御説明しておりますように、農政審議会の答申の報告とかあるいは米価算定小委員会から御提案のありました算定方式の中に、基本的な考え方がいろいろ書いてあるわけでございますが、そういった基本的な考え方の中に、これからは将来の稲作農業を担っていくそういった層に焦点を当てて算定をしていくことが必要である、こういう趣旨のことが書いてございますので、私どもとしては、そういう趣旨に沿った算定方式を今回採用させていただいた、こういうことでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 結局、要約すれば、一町五反以上でなくとも、それ以下のものでも、いわゆる生産性の高い、生産費のかからない農家も調査農家に入れて算定するんだ、したがってそれからはじかれる試算米価というものは当然下がってくる。だから、言いかえるならば、諮問米価を下げるための作為だという以外に私どもは解釈できないんですよ。  少なくとも我々農家としては、今ある現状の中で、日本の農家は黙っていてもなくなりますから、今の現行の米価、それ以上努力したらその努力が報いられる、少なくとも向こうが見えるようなそういう米価でなきゃならぬと思うんですが、どうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 先ほど来から御説明をしておりますように、全国を実は九つのそれぞれのブロックごとに平均生産費をはじき出しまして、その平均生産費以下の生産性の高い農家というものを対象にしておるわけでございますから、それぞれのブロックによって、かなりそれぞれの算定対象になりました規模というのは違っておるわけでございます。特に東海とか近畿とか中国というところは、この算定対象になった農家の平均規模もかなり小さい規模を対象にしておる、一方、北海道の場合は、逆に対象農家の平均規模が高いというふうに、それぞれの地域の特性をかなり加味した今回は算定方式にさしていただいているという点で御理解をいただきたいというふうに思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 私どもは、少なくとも毎年毎年この米価の方式を変えるということは、いかにして米価を下げようかというその方途の何物でもないという考えを持たざるを得ないわけであります。  そこで、しからば二年、三年前の算定方式でことしの諸価格を勘案して試算した場合に、どのぐらいになりますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 一・五ヘクタール以上層の生産費をもとにした試算は、先ほどもちょっと申し上げましたが、マイナス一・六%。それから、潜在需給ギャップ反映必要量比率方式というのがございますが、それによりますとプラス二・九%という数字になろうかと思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 ですから、その当時から物価も上がっている、賃金も上がっている、それから円高になっている、そのもろもろの状況を見れば、今の米価を下げるなんということは我々考えられないんですよ。  今、農家の代表がこの裏に見えています。どだいアメリカの農業、タイの農業、今の日本の置かれた経済状況、社会的条件の中で、先ほど谷本委員も言っていましたけれども、いかにして米価をいつの時点でどこまで下げるかという以外に考えてないんじゃないですか。我々から見ると、そうとしか思えませんよ。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 生産者米価につきましては、現在の稲作の現状あるいは現在の生産調整を行っている実態、こういったようなことにつきましても、やはり生産費及び物価その他経済事情というのがあるわけでございますので、そういったことにつきまして総合的に判断をしながら、米価の算定をしていかなければならないというふうに思っておるわけでございまして、今回米価審議会に御諮問をいたしました米価水準につきましては、食管法に基づきまして適正に算定をした、私どもこういうふうに考えておるわけでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 先ほど来いろいろ前の質問者の中にもありましたけれども、自民党と協議する前は三%台下げが見込まれるという、何かそういう新聞報道もありましたね。その根拠はどこにあると思いますか。二日か三日のうちに、このように数字がすぱっと合って出てくるというところに我々は信憑性がないと思うんです。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私どもといたしましては、今回の算定、いわゆる一・五%の諮問米価以外にそういう数字を発表したとか、お話をしたとかいうことは一切ございません。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 我々、新聞、テレビ等も何のために見ているかわからない。このようなマスメディアが発達した世の中で、公的な機関でないにしても、少なくとも相当な信頼性のある天下の大新聞、しかも複数の新聞社何社も言っていることが政府側から出ている数字でないとすれば、これはあなた自身としてどこから出ていると思いますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 正直言いまして、私に聞かれましても、一切私の方といたしましては、あるいは食糧庁、農水省がそういうお話等をしたことはないわけでございますので、ちょっと推測をしかねます。御勘弁をいただきたいと思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 この問題については、ここで最高責任者でございます大塚政務次官、そのようなことはどこから出ていると思いますか、全くそのことがなくて天下の大新聞が全部書きますか。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) 私にも本当のところ答えようないわけでございますけれども、類推いたしますに、報道各社の類推と思っております。いろいろ私もあっちこっち目配りをしてきたわけでございますが、農水省当局からは一切出ておりません。類推と思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 そこで私は、価格決定に当たって要望というか、政府の見解をただしたいわけでありますけれども、国権の最高機関で、これだけの重要なものは、今の形骸化した米価審議会よりも国会で、このような形で審議した方が私はむしろ公平な決定が予想できる、そう思うわけであります。きのう実は、衆議院の農水委員会も傍聴さしていただきました。全く同じような政府の御答弁があるわけでありますけれども、どうですか、少なくとも米価を決定する前に、前広米審の前にこの種の委員会を持つべきだと思いますが、これは国会運営ということもありますので、どこへ聞いたらいいのかな。私はそう思うんです。委員長にまずお願いします。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 答弁する立場にありませんので、御勘弁願います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 少なくとも来年の米価決定に当たっては、政府と自民党のそういう意見調整、確かにきのうの大臣の答弁もありましたが、与党たる自民党と協議するのは当然である、政党政治下の中で重要なものを決めるにはその協議があってしかるべきだと思うけれども、少なくともその協議をする前に国会の審議をすべきだ。それで一定の方針ができた段階で自民党と政府がそれなりの協議をしていけばいいんです。野党は野党としての協議をしてもいいだろう。その結果が正しければそれを諮問して、これを公平な立場で判断して、いかなるものか、そのような方策をとるのが私は最も今、民主的な国家としてとるべき手段ではなかろうかと思うわけでありますから、来年度はどうぞひとつ国会と政府が、そういう形でいわゆる価格形成の場をつくっていただきたい。政務次官の御答弁をいただきたい。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) 国会は国権の最高機関でございます。また、米審は米審としての政府のきちっとした諮問機関でございます。その辺のこと、やはり有無机相ずる相関関係を持ってこれはやるべきことだと思いますが、この部分には、それぞれの委員会の委員長さんのもとでの権能もございますし、ひとつ委員会の方でも御検討をいただくことだと思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 よろしくお願いします。  委員長、それについてそれなりのお答えが出るでしょう。お願いします。(「理事会、理事会」と呼ぶ者あり)

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 理事会を開きます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 よろしくお願いします。  企画管理労働時間のとり方についてですが、今までの生産費のとり方は一町歩未満、そういう農家が大宗だったんです。これから稲作農家で自立専業的な経営をするとなれば、三町歩、五町歩。となれば、それを少なくとも他産業の労働者との賃金格差がないようなそういう算定をしなきゃだめだと思うんです。それをしたら、今の米価はもっと上げなきゃだめですよ。その点についての考え方をいただきたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 企画管理労働につきましては、昨年の場合も一・五ヘクタール以上の対象農家を算定の対象にしたわけでございますけれども、一・三時間算入さしていただきました。今回は、先ほど来いろいろ御議論がありますけれども、やはり稲作の担い手であるということで、これにつきましても一・三時間の企画管理労働を算入さしていただきまして、これを都市均衡労賃で評価がえをいたしております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 それはわかっています。  一・三時間というのは八十分でいいですね。そうですね。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 一・三時間でございますから、それに六十分を掛けた形になりますので、〇・三時間というのは三、六、十八分。十八分プラス六十分で七十八分です。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 それからいくと、一町歩では八百。とにかくこの労働時間では、例えば五町歩やっても十町歩やっても、一般企業的感覚からいったら、研修の時間とか、長期間たまに有料視察を行ったり、そんなことも入れたらどだい計算になりませんよ、今の米価じゃ。そんなことを考えたら、どうですか、将来の稲作農家の経営規模は幾らにするんですか。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 将来の稲作農家の経営規模ということに相なりますると、これは地域によって事情が違うわけでありますし、かつまた個別経営なのか、集団的に考えていくのかによっても違ってくると思います。そういう意味では、各地域でそれぞれの置かれました条件に即しながら、かつまたどんな経営を目指していくのかというようなことに即した具体的な検討をやっていただく必要がある、このように思っております。  政府といたしまして各地域でお考えいただくときの指標のようなものは幾つか出しておりまして、例えば長期見通しでは、中核農家のうちの稲作主業農家ということで、平成十二年度における規模のめどといたしましては、八ヘクタール程度というような数字を出してきておる。それから私ども、この三月に発表いたしました生産性向上指針は、当然一定の規模を想定しておるわけでありますけれども、大型機械化体系における、最も能率的にやっていただけるような規模として例えば二十ヘクタールから三十ヘクタール程度というふうな規模のめど、中型機械化体系ではたしか六から八ヘクタール程度だったと思いますが、そういったのが一つの指標になるだろう。  そういうことを頭に置きながら、各地域で具体的に考えていっていただくというのが私どもの考え方でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 ただいま、いろいろな規模別の経営形態まで触れて御説明がありましたけれども、例えば平成十二年、あと十年後に八ヘクタールの規模になった場合に、今の考え方からいくと米価をどのぐらいと予想していますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私ども、今お話のあったような将来の規模を想定しての米価の算定はしておりませんけれども、先ほど来から申し上げておりますように、食糧管理法に基づきまして、米価につきましては毎年、生産費、物価その他の経済事情を参酌しながら再生産の確保を旨として決めていくということでございますので、今の段階でそういったお答えはできない状況でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 極めて歯切れの悪い答弁ですけれども、一つの目標を示したらそれに対する積算というものがあるはずですから、それを示さないと将来の農家展望ができませんよ。  そこでもう一つ、米価決定の時期、先ほど国会の運営と絡めて申し上げましたけれども、少なくとも種まきをする前、春耕に入る前に決めてもらえませんかね。そうでないと、これぐらいぎりぎりの経営をしていかなきゃならぬ時代には、その時期に決めて、それなりの経営形態で——ここまで来れば稲作はもう収穫を待つばかりですから、相当な投資をしているんですよ。品種ももう決めてやっているんですよ。ですから、少なくとも前年度の予算を決める段階で米価もあわせて審議すべきだと思うんです。その点についての考え方はどうですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私ども、米価の算定につきましては、できるだけ直近の時点の物価等をとりまして修正をする作業を従来からやってきておるわけでございます。今先生の御提案のような形でやりますと、データ的にそれがなかなかそろわないのではないかというふうに思っておりまして、現在のような形で米価の決定をしていくことが望ましいのではないかというふうに思っております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 米価についてはいろいろ問題がありますけれども、ことしもとうとう一・五%の下げ諮問で諮問されました。願わくば、米審が正常な形で今の農業、農家の現状を見て、少なくとも我々、農業団体が要求している据え置きで決定するような、それを期待して私は米価についての質問を一応終わりまして、消費拡大について若干触れてみたい、こう思います。  今確かに、米の消費が減退している状況になっていることは御案内のとおりだと思いますけれども、戦後食糧の不足したときに、米食からパン食を普及したその最たる一つの大きな要因として、学校給食があっただろうと思うわけであります。その意味でこれから、日本の食生活、米食というものが今世界的に見直されてきている時代ですから、やはり時代の変遷に伴って、学校給食法でもうたわれておるように米というものをもっと見直す時期ではなかろうか、こう思うわけでありまして、その米飯給食の普及実態がどうなっているか、まずお尋ねしたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 米の消費拡大を図っていく一つの手法として、学校給食の拡大は私どもといたしましても大変重要であるというふうに理解をしております。  現状、元年度におきましては、一週間当たり平均実施回数が二・四回というような状況になっております。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 全国の米飯の普及率はどのようになっておりますか。できたら回数ごとに、三回までは米飯給食が施設の補助の対象になっている、そういう規定があるようでありますから、三回以上米飯を取り入れている学校、三回、それからようよう一回と、区分して御報告を願いたいと思います。

石川晋文部省体育局体育課長

○説明員(石川晋君) お答えいたします。  ただいまの質問でございますが、学校数で申しまして、週三回以上実施している学校が平成元年五月現在で五九・八%、約六割の学校は週三回に到達しております。それに対して米飯給食は実施しているが、まだ週一回ないしは一回未満であるという学校が学校数で八・七%、こういう現状でございます。  なお、米飯給食を実施している学校はトータルでどうかといえば、全国の学校数で言えばおおむね一〇〇%、九八・四%の子供たちが何らかの形で米飯給食を受けている、こういう現状でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 私も思ったより普及率が高いという感じがするわけでありますけれども、先ほど隣の公明党の刈田先生から、都会の消費に対する認識が低いんじゃないかという御指摘がありましたけれども、生産地域と消費地域に二分してどっちの方が普及されているのか。

石川晋文部省体育局体育課長

○説明員(石川晋君) お答えいたします。  一つの都道府県の中でもいわば消費地と生産地を抱えているとか、こういうことでございますので、明確な意味で生産地、消費地といったような形でのデータというのは大変とりにくうございますが、今の先生の御質問に対して間接的にお答えしたいと思います。  現実問題といたしましていわゆる大都市の政令指定都市等の実施回数、あるいは県庁所在地、これも都道府県では大都市に当たるわけでございますが、こういった都市における実施回数は、その他に比較した場合に押しなべて低い傾向がある。特に政令市の場合にはそういった点が目立つ傾向があるというようなことがデータ上出てまいります。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 前段申し上げましたように、消費の拡大をする。しかも世界的に日本食が望まれている状況ですから、自信を持ってこの普及に努める。その意味からも、学校給食法の精神にのっとってもっと農水省と文部省が一緒になって、その普及実績のために頑張っていただきたい、こう思います。  そこで、具体的に一つこの辺をただしながら御要望を申し上げたいと思うわけでありますけれども、今地域の特産品の導入の奨励という意味で、牛乳とオレンジが補助の対象になっているということを聞き及んでおりますけれども、その点についてのお考えをお伺いしたいと思います。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 果汁に限りませんで、国産農産物なりを学校給食で使っていただく、これは、子供たちに日本の風土に即しました健康的で豊かな食生活というものを正しく身につけていただくという点からは非常に重要なことだというふうに思っておりますし、各地域の学校給食の実施に当たっては、そういうことをぜひひとつ考えてもらいたいなというのが私どもの基本的な考え方でございます。  問題は、そのときの費用負担をどう考えていくかということになるわけでございますけれども、日々の食べ物の話でございますから、当然給食の費用というのは、受益者負担と申しましょうか、御父兄が負担されるというのが基本になろうかと思うわけでございます。  ただ、今先生から御指摘がございましたように、一定の農産物につきまして助成をいたしておりますが……

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 時間がないから、簡単にお願いします。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) はい。  それは米であり牛乳であり、それからオレンジと申しましょうか、温州ミカンのジュースでございます。これらはおわかりいただけますように、いずれもなかなか厳しい供給過剰のもとで生産調整を実施しておる。そういう意味では、格段の需要拡大努力を必要とするということで助成の対象にしておるということでございまして、そういう事情のないものについては助成の対象にするのはなかなか難しいだろう。リンゴの問題につきましては、私ども、そういう意味では助成の対象にしにくいと思っておりますけれども、しかしリンゴ産業の振興の点では需要の開発増進は非常に重要だと思っておりますから、別の形での助成をいろいろとやらしていただく、こういうことでございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 まだ私の聞いてないことまでお答えいただきましたけれども、本当は実はそうなんです。リンゴの果汁についてもことしから自由化になりました。しかも、地元では地元の農産品を導入できないということで大変悩んでおりますから、どうぞオレンジと同じような扱いをしていただくように特にお願い申し上げたい、こう思います。  それについて、どうですか大塚政務次官、日本果汁連の会長もやっておられるし、リンゴもひとつオレンジと同じ扱いをされるように。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) ただいまリンゴジュースを学校給食に含めろということでございますが、御案内のとおり米、牛乳、オレンジジュースの原料である温州ミカンがあのような過剰基調でございます。したがいまして、そういう中から生まれてきた政策商品ということに相なっております。リンゴの需給は今までは大体タイトであったわけであります。今度、状況が自由化で変わったということでございますけれども、外国のジュースはほぼ清澄果汁でございまして品質について相当なまだ差がございます。おいおい品質の問題は近づくかもしれませんが、現在のところまだ品質格差が画然といたしておりますけれども、今後農蚕園芸局におきまして幅広い立場からひとつ検討するということを言っておりますので、それでひとつお答えにかえさせていただきたいと思います。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 次に、食品の安全性の問題についてお尋ねをしたいと思います。  米価の問題も学校給食の問題も、果汁の問題も牛乳の問題も、実は日本の食糧の自給率を上げなけりゃ日本の農業の発展はないということは明白なわけでありますから、その意味で単なる価格だけで議論する時代ではないと私は思うわけであります。それはまた、日本の国民のニーズであると思うわけであります。  そこで、先般私はこの委員会で食品の検査体制について質問を申し上げまして、そのとき農水省と厚生省が検討してその改善に努めるという御回答をいただきましたので、その結果がどうなっているかお尋ねしたいと思います。

鷲野宏農林水産省食品流通局長

○説明員(鷲野宏君) 昨年、たしか十一月十六日の本委員会だったと思いますが、先生から御指摘をいただきまして、そのときに当省としても、今後とも厚生省と連携を密にして輸入食品の安全性問題に取り組んでいくんだ、こういうことをお答えしたことがございます。  その後の状況につきましては、まず、かねて準備を進めておりました農林、厚生両省間の局長レベルの連絡会議を設置することにいたしました。第一回を十一月二十四日に開催いたしまして、その後引き続いて開催いたしております。  それからまた、輸入食品を含む農林物資の安全性問題につきましては、これまでも当省の各地に配置をしました出先機関を通じまして、消費者の苦情相談を受けつけるとともに、十カ所ございます農林規格検査所におきまして消費者の依願に基づく検査分析、それからまたJASマークのついた商品の買い上げ検査を実施してきております。それで、平成二年度におきましては、この農林規格検査所の検査分析能力を特に輸入食品に力点を置いて強化すべく、新しい事業を実施することにいたしております。  それから、我が国に食品を輸出してきている主要な国の食品の表示の規制とか、あるいは農薬、食品添加物の使用実態の調査を新規事業として行うことにいたしております。  こういった事業につきましては、いずれも厚生省当局とよく連絡をとって実施をしたいと考えておりまして、今後とも御指摘の御趣旨に沿って努めてまいりたい、かように考えております。

野村瞭厚生省生活衛生局食品保健課長

○説明員(野村瞭君) 輸入食品に限らず食品の安全対策を進める上では、生産段階を含めました対策が重要であるということは十分認識をしておりまして、従来からも例えば、残留農薬基準の設定等に当たりましては農水省とも密接な連携をとって対処してきたところでございます。特に農水省との間におきましては、ただいま農水省の方からお話しございましたが、局長クラスの会合を行うなどいたしまして情報交換の密度を高めております。それによりまして、食品の安全性を確保するためにさらに努力をしてまいりたいと考えているところでございます。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 時間でございます。

三上隆雄日本社会党・護憲共同

○三上隆雄君 終わります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 前段で、各委員から今回の米価決定に当たっての新算定方式の問題についていろいろ御質問がございましたので、私もまず最初にこの算定方式の中の、先ほどは対象農家の問題等がいろいろ話がございましたが、その中の要素の問題で御質問をするべくたしか御通告してあったはずでございますが、ただいま企画管理労働費についてはるる御説明がございましたのでこれは避けるといたしまして、私は、自作地地代についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。  さっき午前中の報告の中で、自作地地代についても一定の方法によりこれを参酌したというふうな御報告を次長はたしかなさったと思いますけれども、その辺のところも含めて自作地地代について、まず御説明をいただきたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 自作地地代につきましては、食糧庁といたしまして、従来から米価の算定上、これは所得付与部分ということになるわけでございますけれども、いわゆる土地資本利子という考え方に基づきまして、固定資産税評価額に一定の利子率を乗じまして算出して、それを自作地地代という形で算入をしている、これは従来から同じ考え方で採用さしていただいておるわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私は、この算定要素の問題を考えるときにいつも必ず論議になりますところの、水田の土地改良等土地に伴う事業の負担金あるいは金利負担等がございますね、この問題が実は農家、生産者の懐からいうととても大きな負担になっているわけですよ。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 だけど、それが生産費の中にカウントされない理由はるる伺っているので私もよくわかるんです。つまり、土地の効果が高まることによってそれは生産者メリットとして返ってくるものであるから、だからこれは、私は自作地地代とか土地資本評価みたいなものの中に入っていくべきじゃないかというふうに思っている者の一人ですけれども、これがカウントされないということについては常に異論があるというふうに思います。  実は、別な角度からこのことを考えてみたわけでありますが、ことしの「米をめぐる事情」というそちらからいただきました横長の資料の中で、今回の米論議をするに当たって二つの課題として、中山間地における稲作の問題と農業基盤整備事業の農家負担の軽減対策についてという、たしか二項目を挙げておられるというふうに思うんです。その横長の資料でいけば、十九ページの一番最後のところに書いてありますよ。そこで、農業基盤整備事業の農家負担の軽減対策は緊急対策だ、これはやっていかなければならないということで、別途負担軽減のために講じてきたこれまでの施策等も含めて、例えば負担金の支払いを円滑にするための融資措置であるとかいうふうないろいろなことをこれまでやってきたことにあわせて、平成二年度に一千億円の資金を造成するというようなことまで書いてありますね。私は、農家、生産者にとってこの種の負担がかなり大きなものであることを認識なさっていればこそ、こういうふうな形で別途財政出動を伴ってこれをフォローするという立場をおとりになっているんだろうと思います。  もしそういう認識があるのならば、私はもう一度伺いますけれども、いわゆる生産費の中でこうした問題が何とか勘案できないのかどうなのか。それは筋違いだとおっしゃれば、あくまでも言ってみれば生産者自身に返ってくるメリットにつながるのだからという、この一言で切り捨てられることだろうと思うんですけれども、ここまで対策を講じておられる、重要なテーマだと受けとめておられるということからしますと、はてこれはなぜそういう環境をこの生産費の中に反映していかないのかなという素朴な疑問を持ちますけれども、いかがでしょうか。

海野研一農林水産省経済局統計情報部長

○説明員(海野研一君) お答え申し上げます。  生産費の中での土地改良事業の取り扱いでございますけれども、これも先生御存じのように、水利にかかわるものとそうでないものと分けております。仮に、水利にかかわるもので見ますと、土地改良区に一銭も払っていない農家が約三分の一、土地改良区に支払っている経費が全部で五千円未満の農家が三分の一、それから残りの三分の一が五千円を超えて最高三万円程度までの間に、例えば二万円を超えるものも四・二%あるというような格好で振れておりますので、その意味では私ども、水に関係するものは償還金をいわば償却見合いということで計上しておりますけれども、本当に土地改良負担のある農家の負担部分というのはこれでカバーするわけにはまいらない。それがある意味では個別の対策がとられているということにつながるんだろうと思っております。  それで、私ども土地造成的なものは生産費の費用の中には含めておりませんけれども、自作地地代とさっき先生もおっしゃいましたが、自作地地代の評価におきまして、当然私ども自作地地代は近傍類地でとっておりますから、土地改良をやって土地がよくなれば、そこの自作地地代は近傍の同じような土地改良済みのところと比較をして、それと類似の小作料を計上するということに相なりますので、何といいますか、水利にかかわるものは費用の中に入り、土地造成的なものは第一次生産費には入っていないけれども、地代という形で第二次生産費に入ってくる。ただし、米審でも議論があったわけでございますが、その効果はいわば未来永劫というと大げさかもしれませんが、半永久的な格好でその効果が出てくるのに対して、償還金は長いものでも二十五年とか三十年とかいう格好ですから、多少償還金の方が多くなるケースもあろうかと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 自作地地代の中でカウントするという場合は、恐らくそれは引き下げ要素となって入ってくると思うんです。だけれども、私が言っているのは、農家負担の軽減対策として何とかならないのかというふうに質問しているんですけれども、これはならないんですよね。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○説明員(片桐久雄君) 土地改良事業の農家負担金の軽減対策といいますのは、最近の農業事情の非常に厳しい条件で負担が非常に困難になっている農家、それからまた、土地改良事業の事業費がいろんな事情で高騰して負担金が多くなっているとか、そういういろんな事情が複合してかなり償還が困難になっている農家もふえているということで、負担金対策を打ち出したわけでございます。  そういう負担金の納入が困難になっている農家について、価格政策の面で何か配慮できないのかというのが先生の御指摘だと思いますけれども、私どもといたしましては、負担金軽減対策は負担金軽減対策として、価格政策とは切り離して打ち出していきたいということで、平成二年度に一千億の資金を造成するという新しい事業を始めた次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 ずうっと長いこと懸案になって毎年毎年出てくる話ですので、なかなかすぐに私もすとんとは落ちないんですけれども、時間の関係がありますので次の質問に入ります。  先ほど同僚委員の中から、良質米奨励金の話が出ましたけれども、これがいわゆる自主流通米奨励金へと変わっていくのだという御説明がございました。その自主流通米奨励金、つまり良質米奨励金をなくすことによってそちらが負うところの財政負担は一体どうなるのか。軽減されるんですか。あるいはまた、その自主流通米奨励金なるものは今後どういう性格を帯びていくことになるのですか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 良質米奨励金という名称は、今回自主流通米奨励金というような名称に変えたらどうかということで、これはまだ仮称というような形で今検討しておりますけれども、良質米奨励金そのものをなくするというお話じゃございません。良質米奨励金が従来からつくりにくさとかあるいは単収差があるとかということで、五十一年以降交付されてきたわけでございますが、しかし、そういったもう既に自主流通米が七割にも達しているという状況から見ましても、また単収差もかなり縮まってきているので、これは生産者の方々も大変努力をしていただいておるわけでございますけれども、かなり単収差も縮まってきているというような状況の中で、従来のような考え方で良質米奨励金を交付していくことにつきましてはいかがかということで、今回名称を変えまして、自主流通米奨励金というような形で出していきたいというふうに考えておるわけでございます。  仕組みといたしましては、基本的な部分と加算をする部分とに分けまして、基本的なものにつきましてはできるだけ計画的、安定的な流通が確保されるようなそういった趣旨でもってこれに対して交付をする。したがいまして、自主流通米でございますればすべて対象になるような形になってくるわけであります、もちろん自主流通計画に即した流通でなければなりませんけれども。そういう形でもって基本的単価は交付をしていく。それに対して、さらに良質米、Aランク米に対しましては一定の金額を乗せていく。それからさらに、一、二等というのがこれまでの良質米奨励金では同じ単価でございましたが、やはり上位等級に誘導をしていくということもこれからの自主流通米としては大切なことでございますので、上位等級のいわゆる一等米に対してだけ一定の金額を交付する。それによりまして基本的な単価にさらに加算をいたしまして、Aランク一等でございますと従来のAランクの良質米奨励金千四百四十円は確保していきたい、こういうふうに思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 そこで、自主流通米と政府米との関係の話になるわけなんですけれども、その前に、自主流通米の価格形成の場というのがさっきも話がずっと出ていましたね。この市場が設置されて、東京と大阪に市場を設置するというようなことになっておるようですが、そこで出てきた市場価格というものがある。それから自主流通米でも市場外で流通するものももちろんあるわけです、トン数が限られているんだから。それから政府米がある。さらにこれから先、先ほどどなたかの質問の中で出てきておりましたけれども、自由米市場というのは実に太い市場になっていくんじゃないかと私は思うので、一物四価みたいな感じのものを感じるんですが、そこら辺のところを整理して教えていただけませんか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 自主流通米の価格形成の場の設置ということにつきましては、農政審議会等でもいろいろ御議論がございまして、やはり自主流通米が、これは主食用でございますが既に四百万トン、それから政府米が、先ほどから御議論がございますように大体集荷ベースで百六十五万トン程度になっておるわけでございます。そういう状況の中で、自主流通米の価格というものについてできるだけ消費者もよくわかるような形、また生産者もよくわかるような形でもって価格を決めていくことが、自主流通の円滑な運営という面におきましても非常に重要ではないかというふうに考えておるわけでございます。  特に、産地、品種、銘柄ごとの需給動向でございますとか、あるいはその品質評価というものが価格にそれぞれ的確に反映していくということになりますと、生産者としてもどういうお米をつくればどのくらいの価格で売れるかということが、自主流通米の世界でよくわかってまいるわけでございます。したがいまして、そういう形の場を今回つくっていきたい。私どもは、市場という言葉は一切使っておりませんで、価格形成の場ということで、あくまでもその場でもって指標価格というものをつくっていく。従来は自主流通協議会という形でもって集荷団体と卸売業者が相対で決めておったわけでございます。    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 したがって、なかなかその価格形成の過程がよくわからないという御批判もあったわけでございまして、そういう意味で今回価格形成の場をつくろうということになったわけでございます。  したがいまして、先ほど先生からお話がありましたように、価格の面から見ますと、政府米という価格が一つございます。これは政府が買い入れをする価格として決めるわけでございます。それから、これまでの価格は自主流通協議会で大体年間一本の価格として決めておるということになっておりましたが、いわゆる自主流通米の基準価格なるものがあるわけでございます。あとは、主食用でございますれば、先ほど先生がおっしゃっていたようないわゆるやみ市場の価格も、現にその存在を否定するわけにはまいりませんけれども、極めてスポット的な価格でございますから、その価格自体が適正な価格であるかどうかというのは大変判断がしにくいというふうに思っております。  そういう形でもって現在の価格というのはあるわけでございまして、今回この自主流通米のいわゆる場をつくりますと、その自主流通米の場で指標価格というのが出てまいります。これを基準にいたしまして、まあすべて自主流通米はこの価格形成の場に上場するというふうには考えておりませんで、一定の数量、いわゆる指標価格をつくるのに適正な上場数量であればいいというふうに考えておりますが、その数量を価格形成の場に上場していただきまして、そして産地、品種、銘柄ごとのそれぞれの価格につきまして、買い手の方から値段をつけていただくというふうな考え方をしておるわけでございます。したがって、そういうことになりますと自主流通米価格が多少いろいろの価格が出てくる、産地、品種、銘柄別の価格というのがきちんと出てくるのではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 例の報告書を見ますと、政府米の役目柄というんでしょうか位置づけというんだろうかな、について、年間を通じて全国的に供給と価格を安定する役割を担うということが書いてありますんです。  私はまず、価格形成の場とおっしゃるその価格形成の場ででき上がってきた価格というものが、政府米価格に収れんされるというかあるいはまた影響するというか、連動するというか、そういうことは一切ないというふうに今言っておられるが、それは将来的にもないのか。中央会の資料でこういうふうに書いていますよ。価格形成に果たす政府米の役割というのは米全体の価格の下支えの機能の役割を果たしていく、そういうふうに位置づけておるのですが、一体政府米というのは何なんでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 政府米につきましては、その価格は食糧管理法に基づきまして生産費、物価その他経済事情等を参酌して決めていくということがはっきり書いてあるわけでございますから、これは少なくとも米価審議会等に御諮問をし、そして適正に毎年決めていかなければいけない価格だというふうに思っております。  自主流通米につきましては、現在、先ほど申し上げておりますように、生産者団体と卸団体がそれぞれの地域、これは五カ所くらいでございますが、その地域でもって、それぞれ相対で話し合いをしながら価格を決めておるというような状況になっておるわけであります。したがって、政府米というのは御案内のように、品質的には、最近は比較的下位等級のお米が集荷をされているというような状況もございます。それからまた、当然自主流通米に回らない限度数量内の米でございますれば政府が買い上げをするということになりますので、そういう意味の下支え価格というのは一応あるというふうな、そういう趣旨で書いておるのではないかというふうに思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 ただ非常に、何というのか、難しい状況が生まれてくるのではないかなというふうに私は思っておって、この価格形成の場における相場が政府米には影響しない、連動しないと言うけれども、万が一それが影響をするような事態が起きてくると、市場では生産費などというものは一切関係なしにこういうものが動くわけですから、やっぱりこうした政府米の生産費を確認するような作業なんというものは全く意味がなくなってくるわけですね。そういう意味で、自主流通米と政府米とのあり方の問題がやっぱりこの市場形成の場というものを創設することによって、実にこれから難しい時代に入るのではないかなというふうに私は今実は思っておる者の一人なんです。  生産調整を初めて行ったのは四十四年でしょう。それから、六十二年に初めて日本の生産者米価は大幅引き下げをやったんですね。それに匹敵するような一大変化を伴う大きな作業というか事業というか、そういうものを今始めようとしているのではないかなという思いが私はして仕方がないんです。これは私のような余りいろんなことを理解できない者の危惧であればまことにいいわけでありますけれども、何かそんな気がして仕方がないんで、もう一度この辺のところを……

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 実は「価格形成の場」検討会から私ども報告をいただきまして、基本的な枠組みはそこに示されておるわけでございますが、具体的内容につきましては食糧庁が検討するということになっておりまして、今関係団体等ともいろいろ御相談をしながら詰めておるわけでございます。価格形成の場というのは、あくまでも自主流通協議会方式によってこれまで決めておりました価格決定の仕組みを価格形成の場という形でもって決めていこうという考え方でございまして、当然のことでございますが、これは食管法の枠組みの中でやっていくということでございますので、そこに参加する者につきましても、従来のようにいわゆる集荷でございますれば農水大臣の指定を受けた者、それから卸売業者でありますと都道府県知事の許可を受けた者が参加して価格の決定をしていこう、こういうことでございます。現在のところ、まだ検討中で具体的な内容を明らかにしていないということがあるいは皆さん方なり生産者なりの御不安につながっていると思いますので、できるだけ早い時期に具体的な仕組みについて取りまとめまして公表するなりしてまいりたい、かように思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 今回の米価を考えるに当たって、決してわきに置いては通れない一つの大事な問題だろうなというふうに思いますので、お伺いいたしました。  それから最後に、規模拡大と先ほどもお話が出ました米価引き下げの問題でございますけれども、この規模拡大と米価引き下げの問題は、先ほど谷本委員の大変高邁なお話を伺って私も実はそう思っておるんですが、この自主流通米の問題で、ちょっと規模拡大のことで実は私御質問してみたいんですけれども、自主流通米の比率が高いところほど規模拡大が進み、自主流通米の比率が低いところほど規模拡大が進む割合がおくれている、横ばいである、こういう数字がここにあるわけです。そうすると、次長は政府米の価格が二次生産費までフォローしなくても、自主流通米を売れば農家はそれでいいんだよというふうに言われているところとここが符合するのかなというふうに思ったりするんですけれども、結局、売れるから規模拡大していくという実態があるわけですね。  だけれども、一方でそういうルートに乗せられないような、自主流通米のようなルートに乗せられないような米しかとれないような地域、あえて言えば自主流通米比率は北海道が四〇%で九州が三五%になっていますね。ここら辺の地域はどうしてもやっぱり政府買い上げに依存しなければならない率が多いわけですよね。だけれども、本当はこの辺のところが規模拡大が進んでもらわなきゃいけないという、非常に矛盾した要素をはらんでおるわけですが、この辺の地域、あるいはこういう条件を抱えての規模拡大ということをどのようにお考えでしょうか。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) ある意味ではなかなか難しい内容の御質問でございますが、まず実態を申し上げたいと思います。  六十三年から平成元年にかけての規模の大きな農家、都府県で言いますと三ヘクタール以上、それから北海道を五ヘクタール以上というふうに一応とりまして、それの作付規模別の農家数の動きでございますが、北海道三・一、東北五・六、関東五・四、北陸八・八、九州一三・二というふうにいずれもふえておるわけでございまして、地域によって差はございますけれども、それなりの着実な規模拡大が見られるだろうというふうにまず思っておるわけであります。  もちろん稲作農家の規模拡大に及ぼします影響にはいろんな要素があるだろうと思っておりますし、その中の一つの要素として米価水準があるということは私たちも否定する気はございません。そういう意味からいたしますと、やはりこれからの稲作を担う担い手層の生産費なり所得なりをきちんと確保していく、こういう考え方に立っての米価算定というのは大事なことだろう、今回の米価もそのような考え方に立つものだというふうに私ども考えておるわけであります。  今御指摘の、いわゆる非銘柄米地帯の問題でございますが、全体としての国民の良質米志向が強まっておるという状況を考えますれば、銘柄米地帯に比べますればよりなかなか難しい状況にあることはそのとおりだというふうに思っております。ただ、全体としては良質米志向が強まるとは言いながらも、例えば外食需要といったようなものを中心といたしまして、価格を重視いたしました需要というのも相当程度あるわけでございます。したがいまして、これからの稲作のあり方というのを考えていきます場合には、地域地域のいわば得意わざを十分生かしていただきながら、しっかりした需要をつかんでいっていただくということではないだろうか。  そういう観点からいたしますと、ちょっと特定の地域を出して恐縮でございますが、北海道ではきらら三九七といったような産地ブランドを押し立てて一生懸命需要拡大をやろうとしておる、あるいはまた御指摘の九州におきましても、今いろんな形での産地形成の努力を行っております。私どもは、そういった産地の積極的なかつ創意工夫に満ちた取り組みというものをできるだけバックアップしていくという構えで臨んでいきたい、こういうふうに考えておるところでございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 政府は、きのう九〇年産米の生産者米価について一・五%の引き下げ、一万六千五百円を米価審議会に諮問いたしました。しかし、米づくり農家が人並みに生活できるかどうか、青年が希望を持って農業を継げるかどうかの大きなポイントは、生産者米価に労賃をどのように反映させるか、このことではないかと思います。  政府が、生産者米価に織り込んできた賃金単価を見ますと、一九八〇年には一時間当たり千九十三円だったものが、今回の算定ではわずか百八十三円、率にして一六・七%の上昇で、千二百七十六円しか見ていません。ところが、労働省の五人以上規模の製造業常用労働者の一時間当たりの賃金単価を見ましても、一九八〇年には千二百五十三円だったものが一九八九年には四百七十八円、率にして三八%上昇しまして千七百三十一円になっております。その差はますます広がっております。  今でさえ就業者一人当たりの所得で、勤労者世帯の所得およそ三百六十八万円に対して農家の所得はおよそ三百二十二万円で、一三%近く下回っております。また、昨年産の政府買い入れ価格で第二次生産費をカバーし得る範囲は、戸数でわずか一五%にしかすぎないと言われております。こうした農家の現状からいっても、生産者米価を引き下げることは、再生産を補償し人並みの労賃を補償すべき政府の責任を果たしているとは言えないと思います。農民運動全国連絡会などが要求しているように、農民に労働者並みの労賃を補償するためには生産者米価は二万円以上とすべきであり、今回の引き下げ諮問案は撤回すべきではないかと考えます。  大臣にお伺いしたかったのですが、午前中にお伺いできませんでしたので、政務次官にぜひお答えいただきたいと思います。

大塚清次郎自由民主党農林水産政務次官

○説明員(大塚清次郎君) お答えします。  御承知のとおり、生産者米価は生産費・所得補償方式で家族労賃をその中に算定要素として持っているわけでございますが、従来、その計算方式の要素として都市均衡労賃で評価して織り込んでおります。したがいまして、評価がえを行う場合にとります賃金は、やはり従来の算式の都市均衡労賃で評価がえを行っているということでございまして、この際、現下の米を取り巻きます内外の情勢等もこれありただいままで踏襲してまいりました方式でやっていく、これをまた大幅に変えていくという算式なり評価がえのやり方、そういうことはこの際とってはいないわけでございます。  なお、具体的には食糧庁から説明させます。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) ただいま労賃の評価がえにつきましては、政務次官の方からお答えをしていただいたわけでございますが、ことしは、先ほども御説明いたしましたように六・八五%上がっているという形になっておりますので、我々といたしましては適正な労賃評価というのを今回の算定に当たりましても採用させていただいたというふうに思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 という御返事ですけれども、今回の諮問案では米づくり農家はどこも、これでわかった、納得したと言うところはないと思います。  時間の関係もありますので次に移らせていただきます。  刈田委員からも質問がありましたが、私も、四月に出されました「自主流通米の価格形成の場」検討会の報告について幾つか質問させていただきます。  一九八七年の一月に、経団連は「米問題に関する提言」をまとめました。この中には「第一期、部分管理への移行準備期」に「政府管理米に占める政府買い上げ米の比率を現在の約六割から三割程度まで漸減する」と明記されています。現在、自主流通米が集荷段階で七割にも達している今日の事態を既に財界は三年も前に想定していたということではないかと思います。この提言は山崎誠三氏がまとめたと言われております。山崎氏は山種産業の会長で、経団連の農政問題懇談会の米問題部会長を務め、この五月には全米商連の理事長に就任した人です。そして重要なことは、この提言は、昨年五月に農政審議会がまとめた「今後の米政策及び米管理の方向」に、そしてそれを受けた「自主流通米の価格形成の場」検討会の報告に反映されているのではないでしょうか。  この山崎氏は、最近ある専門誌で次のように言っております。「私はやはり食管法はもうやめた方がいいと考えている。」、そして「価格についても、価格形成の場ができるのだから、安定価格というわけにはいかなくなった。従って、食管法の存在する余地はないのです。」、こう言っているわけですね。このことについて、食糧庁はどのような見解をお持ちでしょうか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 食糧庁は、国民の主食でございます米につきましては、その需給なり価格の安定を図っていかなければならないというふうに思っておるわけでございまして、現在の食管の根幹は堅持してまいりたい、こういう立場でございます。

林紀子日本共産党

○林紀子君 「自主流通米の価格形成の場」検討会の報告には、取引参加者について「買い手としては原則として卸売業者とする。」、こうしながらも、「取引状況の推移をみて、大口小売業者や外食事業者の参加についても検討する」と述べられていますね。現在の食管制度では二百八十の卸売業者、そして八万六千百七十七の小売業者について都道府県知事が認可をしているわけですが、この点についてほどのように検討されているのか。先ほどちょっとお答えもありましたけれども、再度確認させていただきたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 価格形成の場を設定いたしましても、米全体の需給及び価格の安定を図っていくという食糧管理制度の基本的な役割は堅持をしていかなきゃいけないというふうに思っておりますし、また、先ほどもちょっと申し上げましたように、価格形成の場は、あくまでも食糧管理制度の枠組みの中で実施をしていきたいという考え方でございます。  したがいまして、検討会の報告にはただいま先生からお話のありましたような趣旨のことが書いてございますけれども、私の方としてはそういった観点から、当面は価格形成の場におきます取引参加者としては売り手は原則として二次集荷業者、これは適正な価格形成に支障がないと認める範囲内で指定法人の参加を認めるということになっておりますので、具体的にどういう形でもってこういった売り手についての参加をさせていくかということはこれからの課題でございますけれども、買い手は卸売業者とするということで対応をしていきたいというふうに思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 売り手についてもちょっとお話がありましたけれども、「取引参加者」の項目の中で、売り手として「原則として都道府県の区域の米を集荷している二次集荷業者」としながらも、「取引状況の推移をみて、一次集荷業者」つまり単位農協「の参加についても検討する」と述べられているわけですね。  私は、この間日本共産党国会議員団全国米調査の一員として各地を回らせていただきました。各地の農業団体、農民から生々しい実態が訴えられているわけですが、この「自主流通米の価格形成の場」検討会の報告について、例えば宮城県では自主流通米の宮城ササニシキが名取川を挟んで北側をA地区のササニシキ、八九年産価格で二万二千二百五十四円、一方、南側をB地区のササニシキ二万一千九百九十四円、同じ県内であっても二百六十円の格差が生じているということを聞いてまいりました。現在でも産地間競争が大変激しい中でさらに価格形成の場による競争原理の導入は、単位農協の倉庫ごとの競争、さらには隣同士の生産農民同士の競争となり、地域社会そのものが崩れていってしまうのではないか、こういう危惧も持っているわけです。こういうことについて食糧庁はどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 現在の消費の実態を見てみますと、消費者は非常に良質米志向といいますか、上質米志向といいますか、そういう方向にかなり傾斜をしてきておるわけでございまして、おいしくてしかも安全な米を食べたいという需要がかなり強くなってきていることは事実でございます。したがいまして、生産者サイドにおきましても売れる米をつくっていくという努力がかなり出てきております。例えば品種改良でありますとか、あるいは良質米への切りかえを積極的に行うとか、そういった努力が行われておるわけでございまして、私どもといたしましては、そういう産地サイドの良質米生産への意欲というものは今後ともやはり取り組みとして行っていただかなければいけないのではないか、全体として米の品質を上げていただくというような努力というものは今後とも続けていただきたい、かように思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 大変重要な制度改革だと思うわけですけれども、単なる一片の通達をもって実施されるということは到底納得できないものがあります。実施時期として今年産米から進めょうということを聞いておりますが、いつごろまでに政令など骨子がまとまり、およその概要というのが明らかになるのかということも教えていただきたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 現在鋭意検討しておりまして、いろいろ関係団体、広く関係者の御意見を聞いておるわけでございまして、県レベルの集荷団体等も含めましていろいろ今御意見を賜っております。私どもといたしましては、検討会の報告にもございますが、国民的な関心も大変高いということで、できるだけ早くこの価格形成の場を設定していきたいというふうに思っております。  現在の大体のスケジュールを申し上げますと、できれば八月くらいには価格形成の場の管理運営をいたします第三者機関を設立し、十月には何とか価格形成の場が円滑にスタートするような方向で取り進めてまいりたい、こんなふうに思っておるわけであります。  ただ、早場米につきましては、御案内のような早場米としての特徴もございますし、それからまた準備の問題もございますので、これは今回は、自主流通米の協議会のあり方につきまして少し改善を加えて実施していきたい、こういうふうに思っております。

林紀子日本共産党

○林紀子君 八月からといいますと、もうきょうは七月ですから間もなくということで、最後に委員長にお願いしたいと思うんですが、この制度の概要が明らかになった時期に、国会閉会中でありましても集中的な審議の場を保障すべきだと思うわけです。先ほど三上委員から、米価の決定に関してのこの委員会のあり方についても御提案がありましたけれども、この問題につきましてもぜひ理事会で御相談いただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 理事会で相談をいたします。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 私も時間が余りないわけで、三点ほどお尋ねをいたします。  きょう午前中、本村議員の質問で大臣は、今お見えになりませんが、農業の問題は環境の問題と極めて緊切で、不可分でその側面も決して軽視できない、こういう趣旨の発言があったと思うのでございますが、そこで私は、長良川の河口ぜきの建設をめぐる水田の塩害のおそれについてお尋ねをいたしたいと思います。  以前の一般質問で機会を得ましたときに、シジミ、シラウオ等水産資源の問題をやはりせきの建設に絡んでお尋ねをしたわけでございますが、きょうはいわばそれの水田塩害編ということでお尋ねをいたします。  実は私は、議員会館の中で河口ぜきの建設をめぐって建設省の方から説明を受けたときに、河口ぜきの建設と塩害の関係をこのように聞いております。すなわち、洪水を安全に長良川で流下させるためにはしゅんせつをかなり広範にしなければならない、しゅんせつをすれば塩が遡上していわば塩水が上ってくる関係にある、これは紙に例えて言えば表と裏の関係のようなもので、しゅんせつが避けられない場合には塩害防止のためにせきの建設も避けられないんだ、こういう説明を受けました。  一方、私は今回お尋ねをするということで関係者の方にヒアリングといいますか、事情を聞きました際には、しゅんせつをしてせきをつくらないために塩分が上ってきて水田等に塩害が発生した場合は回復しがたい損害になる、いわば近隣の住民の財産について言えば回復しがたい損害が発生する。これは例えて言えば、人間の体で肝臓がやられた、肝機能障害という意味でしょうか、肝臓がやられてしまうと、その人は死ぬまで肝機能障害の患者として一生を終わらなければならないような事態になる、それとよく似ている。こういう説明も受けたわけでございます。  ところで、地元の一部の反対ということでしょうけれども、地元の声を聞きますと、しゅんせつをしても、せきの建設をしなくても塩害は発生しないとか、塩害についてそれほど確実に発生するというものではないとか、るるの意見を耳にします。  そこで私がお尋ねしたいのは、このせきの建設で塩分が遡上し周囲の水田に塩害が生じるという場合に、その蓋然性はどの程度なのか。つまり、過去の例あるいはこれまでのデータからほとんどの人が十分納得できるぐらい蓋然性が強いのか、それともそういうデータはないけれども理論上蓋然性が極めて強いのか。あるいはそういうデータも理論上もわからないけれども、蓋然性が極めて強いと考えているのか、そういう問題。それに加えて、もう一つは、万が一塩害が発生をした場合には、私がお聞きした肝機能障害の例えじゃないけれども、もう本当に回復するのに大きな犠牲を払わないと回復ができないというものなのか、あるいはこれまでの塩害防止策では回復が困難だろうと思われるというものなのか、あるいは実際に生じてみないとわからないが、理論上回復は困難と思えるという問題なのか、その点について御説明を伺いたいと思っております。よろしくお願いします。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 御説明申し上げます。  長良川の下流部の状況は、ただいま先生から御説明がありましたとおりで、昔から頻繁に水害に見舞われておりまして、洪水に苦しんできた地域でございます。この地域の治水上の安全を向上させるための方法は、今おっしゃったとおりでございまして、堤防のかさ上げ、引き堤、しゅんせつなどの方法が考えられますが、河口に近い、日本でも最大のゼロメートル地帯でありますこの地域の特性をいろいろ考えますと、地域の皆さんの水害の不安を払拭するためには、長良川下流部では堤防を強化するとともにしゅんせつを行う以外に適当な方法はないという結論でございます。  ただ、このしゅんせつを行いますと、おっしゃいましたように、現在河口から十五キロ付近まで塩水が遡上しておりますが、この塩水が三十キロ付近の高須輪中の北部にまで及ぶことが予想されております。このことによって生じます塩水被害というのは大変多岐にわたっておりますが、まずかんがい用水を長良川から取水しておりますが、このかんがい用水の取水ができなくなります。これによって、岐阜県一の穀倉地帯と言われております高須輪中の約三千ヘクタールの農地の耕作に支障が出てまいります。次に、北伊勢工業用水の取水ができなくなります。これによりまして、この工業用水を使用しております約六十社、七十工場に影響が出てまいりまして、大変多数の従業員の生活に大きな影響が出てまいります。さらに、河川を遡上いたしました塩水が徐々にではありますが、堤防の下あるいは河川の下を通りまして、堤防の内側と申しますか、堤内地側に浸透していきまして、高須輪中の地下水の塩分が濃くなってまいりまして汚染されていく、こういう状態になると考えております。これによって現在使用しております多数の井戸に塩分が混入いたしまして使用するのに支障が出てまいります。また、地下水の塩分化が進みますと、今度は土壌の塩分濃度が増加いたしましていろいろな障害が出てまいります。  このようにかけがえのない国土に、塩分によりまして取り返しのつかない汚染が生ずることは絶対に避けるべきであるというふうに考えておりまして、そのためにも長良川河口ぜきは地域にとって不可欠な、重要な施設であるというふうに考えております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 今の御説明の中でお尋ねをいたしますが、かんがい用の取水も不能になる。これは、農業用水の場合には塩分含有といいますか、五〇〇ppmぐらいが危険ゾーンである。工業用水の場合には二〇ppmが限界である。最後におっしゃったのは恐らく飲用水、飲料水も含めてでございましょうが、これの場合には二〇〇ppmぐらいが一つの限界線である。こうしますと、すべて一様に塩分の遡上でおそれがあるということではないんじゃないでしょうか。工業用水にとっては極めて危険であるとか、農業用水についてはこういうところのこういう事態が起こればこのようなおそれが発生する、この点はいかがなのでしょうか。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 先生今おっしゃったように、工業用水は二〇ppmで製造に支障が出てまいるというふうに聞いております。また、上水道の基準でありますと二〇〇ppmになっております。それから農業用水は五〇〇ppmと聞いておりますが、作付時期、稲の生育状況によって多少の幅があるというふうに聞いております。もう少し小さい場合がだめな場合、もう少し濃くても大丈夫な場合、稲の生育状況、天候の状況、継続時間等によって多少違うように聞いておりますが、標準的にはおっしゃいましたように五〇〇ppmと聞いております。  したがいまして、このせきをつくらなければ五〇〇ppmになるということが予想されておりますので、特に工業用水を対象にしておるとかあるいは飲み水を対象にしておるということではありませんで、かんがい用水まで含めまして全体の用水に塩水が入ることは避けなければならないというふうに考えておるところでございます。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 実は、今おっしゃった塩害が出るおそれというのは、高須輪中、海津町や平田町というせきの上流の場合ですね。三重県の長島町はせきの下流でして、常時はるかに塩分のppmは高い中で、これまでの努力で塩害の具体的な水田は非常に少なくなっております。パーセンテージで言うと、わずか数%になっておる。そうすると、下流の長島町ですら塩害についていろんな、例えば道路になったとか休耕田になったところもありましょうし養鰻場になったところもあると思いますが、しかし真水をいわゆる馬飼頭首工から引いて克服をしたとかいろんなことがあるわけで、私がお尋ねしたいのは、そのおそれというのが具体的にどういう、あらゆる人がとは申しませんが、ほとんどの方がなるほどと納得できるようなおそれがあるかどうかについてお尋ねをしているわけです。

豊田高司建設省河川局開発課長

○説明員(豊田高司君) 先ほど御説明しましたように、川の中の水が五〇〇ppm以上になりますとかんがい用水の取水はできなくなります。あえて取水すれば稲が枯れるということになりますので、多分そういう状況になれば取水をしないで我慢をするということになろうかと思います。したがいまして、たまたまそのときに日照りが続けば干害、稲が枯れるという被害になろうかと思うわけでありまして、みすみす枯れるのがわかっておる水を取水して田んぼにかけるというようなことが実際行われるかどうかは、そこまでは確信が持てませんが、ただいま申し上げましたように、みすみす枯れるとわかっておる毒のある塩水を取水して田んぼにかけるということはなくて次の雨が降るまで我慢をする、あるいは次の河川の状況がよくなるまで我慢するということになるのではなかろうかと想像しております。ただ、このときに不幸にして雨が降らなければ稲が立ち枯れる、あるいは収穫が落ちるというような現象が発生するのではないかというふうに考えております。  それから、長島町は今どういうことをされておるかと申し上げますと、以前は、浅層、浅いところの地下水が大変高濃度の塩分に汚染されておりますので、深いところの地下水をくみ上げて除塩用水として使っていらっしゃったわけでありますが、最近では、上流の岩屋ダムというところで水資源開発を行いまして、そこで開発した水をずっと流しまして、下流の木曽川大堰というところで取水いたしまして、そこから延々と長島町まで引っ張ってきて大量の水を除塩用水として使っておる。このように大変な努力をされておるというふうに聞いております。また、農地の転換や休耕田などを活用しながら塩害を最小限に防ぐ努力をされておるというふうに聞いております。

井上哲夫連合参議院

○井上哲夫君 もうあと一分しかありませんので時間を守りますが、先日私が御説明を受けた際には、過去の塩害事例ということで、写真、地図をいただきました。しかし、これがいつ発生をして、どこの地番の塩害の発生している田畑かというのについては御説明いただけませんでした。したがいまして、私は自分の足で歩きました。そうして歩いてわかったことは、これらの塩害の写真はもう十年も前の塩害の場所及びその写真である。一つだけ現在も塩害が出ているというのが立田村のレンコン畑でありまして、これを見に行きましたが、この立田村のレンコン畑については、愛知県の県立津島高等学校の地学部が非常に優秀な研究をしまして、これは愛知県の学生科学賞を二回にわたって受賞している研究論文発表があるんですが、この中では酸性土壌の影響であるかもしれない、断定は避けておられますが、塩害と言えるかどうかというような研究発表もあるわけでして、地元の人にもっと生々しいたくさんの資料があるならどうぞ出してあげていただきたいということを御要望いたしまして、終わりにいたします。  ありがとうございました。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、幾つかのはっきりしない疑問がございますのでそれをはっきりいたしたい、こう願っておりますのでひとつよろしくお願いをいたします。  まず、米価の算定方式についてでございますが、先ほど食管法は廃止した方がいいというお話もございましたが、廃止する廃止しないは今後の問題にいたしまして、私も実は見直すといいますか検討する時期に来ておるのではないか、こう思っておる一人でございます。  そこで、米価の算定方式についてお尋ねしたいことは、米価は、基本的には食管法の第三条に大原則が明記されておりますね、「米穀ノ再生産ヲ確保スル」と。この米価の算定方式についてお尋ねしたいことは、昨年の算定方式とことしの算定方式、私の判断によりますと何かすっきりしないものが感じられてなりません。すなわち、ずばり申し上げますならばそのときどきの政治的米価に合わせて算定要素の内容がくるくる変わっておるのではないか。その大原則が歪曲化されているような感じを受けてなりません。ですから、去年の算定方式とことしのとはどのように変わっておるのか、また変わらしておるのか、時間がないかと思いますが、原則的なことでもひとつ承りたい。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 昨年用いました生産者米価算定方式につきましては、六十三年六月に米価審議会の小委員会から報告があったものを用いたわけでございます。それは生産性の高い稲作の担い手に焦点を置くということと需給調整機能を強化した算定方式ということでございまして、一・五ヘクタール以上の農家を対象にするということで対象農家を絞ったわけでございます。それをベースにいたしまして算定をしております。  これに対しましては、先ほどからいろいろ御説明をいたしておりますけれども、平均的な規模が二・七ヘクタールということで非常に大き過ぎるんじゃないかというような御意見もございましたし、また稲作の現在の実態から見てかなり乖離をしているというような御批判もございました。それからまた、特に御意見がありましたのは、規模が小さくてそして生産性の高い農家もいるではないか、そういう農家が対象にならないのはおかしいというような意見もあったわけでございます。さらに、一・五ヘクタール以上の農家を対象にしておりますので、算定対象農家の戸数シェアが非常に少ないというような御批判もございました。  今回は、そういった点を踏まえて、実は規模で対象農家をとるようにしなくて生産性ということに着目したわけでございます。具体的には生産費ということで、九ブロックございますが、できるだけその地域の稲作農業の生産実態というものを反映するために九つの地域のそれぞれの平均生産費、これを出したわけでございます。そして、その平均生産費を下回る生産農家、別の言葉で申し上げますと生産性の高い農家、そういう農家をそれぞれ選定いたしまして、その平均的な生産費を用いて今回算定をさしていただいた、こういうふうになっておるわけであります。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 次にお尋ねしたいことは、去る五月三十日の報道によりますと、肥料メーカーが全農に対して、平成二年度分の化学肥料のうち尿素を二〇%弱上げてほしい、それから高度化成を一〇%強上げてほしい、その上げる理由を原料高になったとかあるいはまた運賃高になったとか、あるいは金利高になって生産コストが高くつく、こういう理由を挙げて肥料を上げてほしい、こういう要望が出ておるようでありますね。  そこで思いますのに、肥料価格を大幅に値上げすると農業経営が非常に困ってくるんじゃないか。振、不振にかかわる。そこで、農水省としてはこのことをどのように考えておられるか、所見をお聞きしたい。

松山光治農林水産省農蚕園芸局長

○説明員(松山光治君) 肥料の価格の問題につきましては、御案内の肥料価格安定臨時措置法を廃止いたしましたことで、ほかの資材と同様に、全農も含めました個別の販売業者と個々のメーカーとの間の交渉で決定するということに相なっておるわけでございます。  近年の価格の動きといたしましては、円高によります原材料輸入価格の低下でございますとか生産の合理化努力等々がございまして、五十七年度以降六十三年度まで連続して下がってきた結果がございまして、平成元年の価格は六十年を一〇〇といたしました場合に、八四ぐらいの指数にたしかなっておったかと思うわけでございます。  平成二肥料年度、これはこの七月から来年の六月までの肥料年度になるわけでございますが、それの価格の問題につきまして、今、全農等の個々の販売業者と個々の肥料メーカーとの間で交渉が重ねられておるわけでございますが、既に実は新年度に入っておるわけでございますけれども、極めて難航しておるというのが現状でございます。新聞記事も、私拝見したところでございますけれども、円安に加えまして原料価格なりあるいは金利なり運賃の値上がりといったような中での価格交渉ということで、大変当事者の間で激しい議論を交わし難航しておるというのが現状でございまして、まだ決着を見ておりません。  私どもの基本的な立場でございますが、当事者間の話し合いで決めていく話には違にないわけでございますが、メーカーサイドに対しましては、今の農業をめぐります状況がいかに厳しいかということをひとつよくわかってほしいということと、それからいろいろと苦労はしていただいているわけでありますけれども、さらに生産面での一層の合理化、安定供給に努めてほしいんだということを私からも直接要請をしておるところでございます。また他方、販売業者といいましょうか、全農に対しましても、ひとつ慎重かつ粘り強い交渉で適正な価格決定がされるように頑張ってほしいというような要望もしてきておるところでございまして、今そういうスタンスで当事者間の話し合いを見守っておるところである、このように御承知いただきたいと思います。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、三番目にまた沖縄の問題でありますが、「君よ知るや、泡盛の風味」、お聞きになったことがありましょうか。五百年の歴史を持つ沖縄の泡盛、その泡盛の原料はタイ国からの砕米なんですね。そのことについて、こういう実情になっておるんです。政府買い入れ額がトン当たり三万二千九百七十円。その業界購入額、すなわち末端に卸す購入額が十五万六百九十七円、まさに五倍ですね。  そこで問題は、約五倍にはね上がっておるのは一体どういうわけなのか、これが第一点。二番目は、流通機構の問題もいろいろありますから、せめて二倍程度にしてもらえぬかという業者の熱烈な要望がございます。五倍は高過ぎる。しかも、最近の米にはいろいろな不純物が混入しておる。もっと良質の米に変えてもらえぬか。  この三つの要望についてお答え願いたいと思います。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 沖縄の泡盛原料につきましては、今先生からお話がございましたように、沖縄の地場産業の極めて重要なものでございますので、特に独特の風味とかあるいは製造技術の面で国内産米ではその製造が不可能だ、こういうふうに我々聞いております。したがいまして、特別にタイの砕米を輸入いたしまして供給させていただいておるということでございます。  ただ、今先生から御指摘がありました政府買い付け価格と売り渡し価格、私の方で持っておりますデータと若干違います。私の方は元年の見込みでございますけれども、政府の買い付け価格が大体四万六千円ぐらい、それから……

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 私のは六十二年です。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 六十二年でございますか。六十二年でございましたら、私の方も約三万三千円で同じでございます。それから政府の売り渡し価格が十五万ということになっておりますから、ほぼ同じになっております。  ただ最近、御承知のように非常に円安傾向が進んできておりまして、それからまたタイの国際価格も変動しておりまして、ことしの見込はかなり価格が上がってきておるという状況になっております。今のところ、恐らく三倍程度ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。  倍率はともかくといたしまして、九州等のしょうちゅう業者に対しまして、私の方は原料米として他用途利用米を実は供給しているということになっております。そういたしますと、九州等のしょうちゅう業者に対しましては他用途利用米価格でもって供給をし、そして沖縄の泡盛業者に対しましてはそれよりもかなり低い価格でということになりますと、価格の均衡、バランスの問題もございますので、逐次均衡をとるべく若干価格を上げてきているという状況がございます。したがいまして、そういった点を考えますと、これ以上引き下げていくということにつきましては非常に困難な状況にあるのではないかというふうに思っておりますので、ひとつ御理解をいただきたいというふうに思っております。  それから、今お話がありました不純物等のお話、聞きましたので、よくまた実態を調査いたしましてそういったことの起こらないように注意をしてまいりたいというふうに思っておりますので、よろしくひとつお願いを申し上げたいと思います。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 困難な点については、また後日ぜひお話し願いたいと思います。  じゃ最後に、今日本列島は総リゾート化するのではないかと思うほど建設ラッシュであることは御存じのとおりであります。その結果、無秩序な開発や投機的な土地あさりによって優良な農林地が次々とつぶされ、環境もまた悪化するという問題が各地に生じております。  そこで政府は、このようなリゾートの乱開発状況をどのように把握して、今後どのように対応していくかというこのことをお伺いしたいんですが、まず、沖縄が本土企業にねらわれて大変なことになりつつあるのです。甚だしくは、海はすべての人間の自由な宝であり財産であるべきなのに、海岸まで封鎖して遊べないという全く言語道断の状態。沖縄にも本土の業者の土地買い占めがあります。このことも念頭に置いていただいて、ひとつコメントをお願いします。

片桐久雄農林水産省構造改善局長

○説明員(片桐久雄君) リゾート地域の整備は、ゆとりある国民生活のための利便の増進ということと、地域の振興を図るという目的で進めていくということが必要であると思っておりますけれども、ただ、こういうリゾート地域の整備開発は、あくまでも農林漁業の振興と調和のとれたものでなければいけないというふうに考えている次第でございます。そういう観点から、リゾート地域の開発計画については、私どもでいろいろ優良な農地の保全という観点からも調整をいたしている次第でございます。  先生御承知のように、農地とか採草放牧地を農地以外のものに転用するために売買する場合には、農地法の許可が必要なわけでございますので、私どもは、そういう観点で農地法の運用というものに当たっている次第でございます。  先生御指摘の、沖縄県の中で、石垣島とか本島の一部等で牧場等が観光資本に買収されているのではないかというようなうわさも私ども聞いておりますので、その事実関係をよく調べて、農地法の厳正な運用というものを図っていきたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮参院クラブ

○喜屋武眞榮君 ぜひお願いします。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 食糧庁にお尋ねいたします。  午前中にも私、大臣にお聞きしたんですけれども、米価算定の根底に競争原理と生産性の問題がどうしても根っこにあるように思うんですね。そうしますと、昨年の要するに米価算定におきましては、中核担い手の問題として一・五ヘクタール以上という一つの算定要素、これをとられた。もう今、今年度は新しい方式になりましたのでそれを蒸し返すのはちょっとむなしいんですけれども、そのときはそのときなりに相当の根拠があったと思うんですよ。少なくともこれは三年間ぐらい同じでやって、そしてその後見直し、その算定要素は完全なものではないので見直しというのは当然必要なんですけれども、それが実際には反映されなかった。今年改めて新しい方式をとられたならば、再三委員の方からも目まぐるしく変わるという御批判があったと思うんですけれども、少なくとも三年なら三年間同じ方式でやられまして整合性というものを見なくちゃいけない。  特に昨年は、米審の五・一%のいわゆる生産性向上に伴って、実際には政府買い入れ米の継続性であるとか過渡的な調整、こういうものを勘案して、偶然だったかどうかわかりませんけれども、二・五五%というあれがあったわけです。ことしは生産性向上が一・五%、米審の答申がどう出るかわかりませんけれども、大体一・五%。そういうことであっては非常に矛盾があると思うんですね。だから、三年なら三年同じ方式でやって、生産性がこれだけ上がったならばそのうち再生産意欲として何%は生産者に還元する、こういうような方式がとれないものでございましょうかね。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 昨年の算定方式につきましては、ただいま先生からお話がありましたような経過でございますけれども、特に米価審議会の算定小委員会でもかなり濃密に御議論をいただきました。そして、将来のいわゆる担い手を五ヘクタール、当面はそこまで一気にいかないので、いわゆる中核的担い手層として一・五ヘクタールの農家を対象にして算定をするのが好ましいのではないかというような趣旨で、三カ年間は据え置いて、その間に今お話のございましたような現行価格水準と著しく価格が開く場合には、それに対して激変緩和措置をとることが望ましいというようなことで御報告をいただき、それに従って算定をした結果が今先生のお話のように五・一で、激変緩和措置を講じまして二・五五のマイナスの諮問をさせていただいた、こういうことになっておるわけでございます。  したがって、私の方といたしましても、今先生おっしゃいましたように、算定方式がたびたび変わるということにつきましては、けさほど来いろいろ御議論がありましたように必ずしも好ましいことではないというふうに考えておりまして、できるだけ算定方式につきましては同じ算定方式に基づきまして算定をしていく、これが非常にいいんではないかというふうに思っておりますけれども、ただ一・五ヘクタールの対象農家をとることにつきましては、昨年あのような御議論がございましたので、それを踏まえまして最善の算定方式を検討すべく検討した結果、御説明したような方式で今回諮問をさせていただいた、こういうことでございます。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 説明はよくわかりました。  ことしとった方式を来年もそれでは続けるか、これはなかなかこの場で御確答いただけないと思いますけれども、少なくとも今言ったような趣旨を踏まえて三年ぐらいは同じ形でやってもらえないか、これは要望でございます。  それから、ちょっと細かいことになりますけれども、米価の算定に当たって、生産費の要素の積み上げ方式になって決まっておりますから当然いろいろな要素があるわけですけれども、細かに見ますと、その中に例の物件税及び公課諸負担というのがございますね。けさほどいただきました資料の中にはその細かい数字が出ております。固定資産税、自動車税、軽自動車税、水利地益税、農業協同組合費、農事実行組合費、集落協議費、農業共済賦課金、こういうものが二千二百九十八円、こういう数字が入っていますけれども、ほかの要素に比べてこの数字の算定基準とかそういうものが非常にあいまいなんですね。昨年の算定のときは、六十一、六十二、六十三年にわたってたしか二千八十八円、ことしは六十二、六十三、平成元年度で二千二百九十八円、こういうふうな算定基準になっているんです。ここがほかの労働費とか物財費とか地代とか資本利子、こういうものに比べて説明の上で非常に精緻さに欠けていると思うんですけれども、ここら辺はどういうふうに計算されておるのか。  調べてみますと、麦価の算定にはこの項目が入ってないんです。米価だけ入っているわけですよ。かなりな金額になりますね、二千二百九十八円ということですから。ここの算定基礎なりなんなりというのがもっと明らかになっていいと思うんですけれども、いかがでございますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 米価算定上におきましては、物件税あるいは公課諸負担のうち、収益の有無にかかわらず稲作を行っていることに賦課されるものは、原価性があるということで米価に算入をしております。ただ、土地の固定資産税は別途自作地地代を算入するということ、それから共済掛金につきましては、国民経済的に見た場合に支払われた掛金は災害農家の受取共済金と相殺されるというふうに考えておりますので、物件税及び公課諸負担からは除外をしているという形になっております。これは生産費に出されましたものをそのまま使用するという形になっております。  それから、今先生から麦との算定で違うのではないかという御質問がございましたけれども、麦の場合は制度の基本が間接統制でございまして、米の場合とは管理の基本が異なるというふうに考えております。したがいまして、麦の場合は、基本的には最低保証価格を本来は決めて、そしてそれを下回る場合には国が無制限に買い入れるというのが間接統制の基本だろうと思いますけれども、そういう視点でもってこの公課諸負担は算入をしていないというのが実態でございます。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 それはわかるんでございますけれども、そうすると、この項目の中に「その他」という項目が両方にわたって二つあるんですよ。これは非常に小さな金額を総括してまとめられてそうなっていると思うんですけれども、要するに、これはまことに失礼な言い方なんですが、そこだけがほかの計算の精緻さに比べて何となくあいまいだということは、最初から一つの目標金額があってそれに計算を合わせるんじゃないかと私は勘ぐりをしているんです。そういうことがなければ幸いなんですけれども、そういう調整項目に使われているんじゃないか、こう思っているんですが、いかがでございますか。

森元光保食糧庁次長

○説明員(森元光保君) 私の方は、この物件税と公課諸負担につきましては、生産費調査をそのまま利用しているということになっておりまして、生産費調査の中の物件税の「その他」には都市計画税が入っております。それから公課諸負担の「その他」には農民組合費などそういったものがこの中に入っておりますので、私どもの整理といたしましては「その他」ということで整理をさせていただいた、こういうことでございます。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 生産者米価の件につきましてはそれで終わらせていただきまして、この後しばらく休みになるわけですから、何か委員会のあれもあったようですけれども、ちょっと基本的な問題で農林当局にお尋ねしたいんです。  一九六一年に制定されたいわゆる農業基本法、これは今もずっと尾を引いていると思うんです。それで、この農業基本法の中に、恐らくそのときは想定されなかったんで欠けている部分というか、いわゆる農業製品の外国産品との競合という問題、これが欠けていたと思うんです。基本的な幾つかの問題というのは今でも生きていると思いますけれども、実際には規模拡大という点においてこれが実情に合っていないんじゃないか、そういう感想を持っているわけです。残念ながら、実際問題として、機械化を目指したのが日本では小規模農業に適しちゃったり、規模拡大と減反という相反する問題が今起こっておったり、そんな状況にあると思うんです。  そうすると、これからの農業といいますか農政の基本的な指針というのは、何に求めればいいのか。一九八九年にポスト新農業構造改善対策というのが出されておりまして、これは私が申すまでもなく、一つは構造改善、一つは付加価値、創造的農業、それから農村景観、この三つが柱になっていると思うんですが、農水省としては今後それをどういうふうに生かしていこうとしているのか、お尋ねしたいと思います。

鶴岡俊彦農林水産省大臣官房長

○説明員(鶴岡俊彦君) 先生御指摘のように、我が国の農業、農村は食糧の安定供給のほか、地域社会の維持でありますとか国土自然環境の保全とか、美しい景観の保持などの多面的な役割を果たしているというふうに承知いたしております。そういうことから、今後農政の推進に当たりましては、内外の情勢の変化に即応しつつ、農業、農村が持つ多面的な役割を十分に発揮し、国民のニーズや期待にこたえるよう施策を推し進めていくということが重要であると考えております。  農業基本法について今御指摘があったわけでございますけれども、その後の情勢変化も相当あることは事実でございます。ただ、私ども何回も読み返しておるわけでございますけれども、あの農業基本法の根底にある精神というものは、今なお、さん然と輝くというのは言い過ぎかもわかりませんけれども、今日的にも私ども腹に入れて行政を進めていくことが盛られているというふうに認識しております。  ただ、御指摘のように、その後の経済情勢の変化で、例えば加工食品がふえてきたとかあるいは輸入農産物がふえてきているというようなこともありますし、生産性の拡大の点でも、土地利用型農業についての拡大がおくれているとか、あるいは施設型につきましては相当の生産性の高い、また付加価値の高い農業経営を営んでいるのじゃないかと思いますけれども、そういう点で欠けている点を補完しながら行政を進めていく必要があるのではないか、そういうことで、昭和六十一年農政審議会から二十一世紀へ向けての農政の基本的な方向について答申をいただいておるわけでございます。それを基軸に置きまして、国民の納得する価格で安定的に食糧を供給するということを基軸に農政を展開していく必要があろうかというふうに考えております。  土地利用型農業につきましては、御指摘のように規模拡大が進んでおりますけれども、その進み方は遅々たるものがあろうかと思います。ただ、今後とも条件の許す地域につきまして、昭和一けた世代の引退ということも過般来論議されているわけでございまして、そういう契機をとらえまして規模拡大を進めていく、あるいは生産の組織化を進めていくということが必要ではなかろうかと思います。ただ、地域によってはそういうことの適用がなかなか難しい地域もあるわけでございます。午前中に大臣からも申し上げましたように、日本は雨量が多いとか、それから南北に長く、しかも標高差があってそれぞれの地域が特徴を持っているということでありますし、また土地自身の生産力は諸外国に比べてはるかに高いわけでございますけれども、そういう地力を生かした集約的な生産を進めていくことが肝要かと思っております。  いずれにしても、そういう生産性を上げていくとともにできるだけ付加価値を高めていく、加工食品のウエートが高くなっておるわけでございますけれども、産地で付加価値を高めていくということも重要であろうかと思いますし、その際、景観でありますとか、地域の自然環境の保全とも調和させながら進めていくということで、農業振興とあわせて農村地域の振興といいますか、そういうこともあわせて対策を進めていく必要があろうかと思っております。  農業基本法につきましても、私どもは常に見直しながら拳々服膺して政策を進めていきたいというように考えております。

星野朋市税金党平和の会

○星野朋市君 ありがとうございました。  終わります。

吉川博自由民主党

○委員長(吉川博君) 本件に対する質疑はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会

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