農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 165 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1990/03/26
会議録
○委員長(仲川幸男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 本委員会委員横溝克己君は、去る二月二十三日、逝去されました。まことに哀悼痛惜にたえません。 ここに、皆様とともに謹んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして御冥福をお祈り申し上げたいと存じます。 どうぞ御起立を願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(仲川幸男君) 黙祷を終わります。御着席を願います。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 委員の異動について御報告いたします。 去る六日、大塚清次郎君及び高橋清孝君が、また、本日、菅野久光君が委員を辞任され、その補欠として大浜方栄君、高木正明君及び大渕絹子君が選任されました。 また、本委員会は、横溝克己君の逝去に伴い一名の欠員となっておりましたが、本日、星野朋市君が本委員会の委員に選任されました。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に大浜方栄君を指名いたします。(拍手) —————————————
○委員長(仲川幸男君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、農林水産政策に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 次に、山本農林水産大臣及び大塚農林水産政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。山本農林水産大臣。
○国務大臣(山本富雄君) このたび、農林水産大臣を拝命いたしました山本富雄でございます。 農林水産行政がまことに重要な時期を迎えている折から、その責務は極めて重大であり、身の引き締まる思いがいたします。 農林水産業は、申すまでもなく、国民生活にとって最も基礎的な物資である食料の安定供給のほか、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全等を通じて我が国の経済社会の発展と国民生活の安定に不可欠の役割を果たしております。 私は、皆様方の御支援を得て、農林水産行政の責任者として我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でございますので、よろしくお願い申し上げてごあいさつといたします。 どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
○委員長(仲川幸男君) 次に、大塚農林水産政務次官。
○政府委員(大塚清次郎君) このたび、農林水産政務次官を拝命いたしました大塚清次郎でございます。 我が国の農林水産行政は、幾多の困難な課題を抱えておりますが、山本大臣を補佐いたしまして、全力を傾けてこの難局に当たりたいと存じております。 委員各位の御支援のほどを切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手) —————————————
○委員長(仲川幸男君) 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山本農林水産大臣。
○国務大臣(山本富雄君) 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業は、食料の安定供給を初め、地域社会の活力の維持、国土・自然環境の保全等の重要な役割を果たしており、また、農村地域は、かかる農業と農業者の生活が一体的に営まれる場として重要な機能を担っております。 このような農業や農村地域の持つ役割を十全に発揮させていくためには、現下の農業をめぐる諸情勢のもとで、農業経営の体質を強化するとともに、農村地域の維持・発展を図っていくことが一層重要となっているところであります。 とりわけ、土地利用型農業につきましては、生産性の高い農業経営を広範かつ緊急に育成することが喫緊の課題となっており、このため、経営面積の拡大等を通じた総合的な経営改善を推進することが必要となっております。 また、土地条件の制約等から総じて農業の生産条件が不利ないわゆる中山間地域につきましては、その地域の特性を生かした農業の発展を図ることが緊要となっており、農業生産基盤の整備等の各般の施策とあわせ、これらの地域の農林畜水産物の加工の増進等あるいはこれらの地域に存在する農林漁業資源の有効活用を促進していくことが必要となっております。 さらに、これに関連して、農業者の農外事業の適切な育成を通じ農家経済の安定を図ることが必要であると考えております。 政府といたしましては、このような課題に対処して、農林漁業金融公庫から所要の長期かつ低利の資金の貸し付けを行うこととするとともに、農林漁業信用基金が行う農業信用保険の対象を拡大する措置等を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。 まず、農林漁業金融公庫法の一部改正についてであります。 第一に、土地利用型農業の経営改善を図るため、経営規模の拡大を促進することが特に必要な特定の農業部門につきまして、経営面積の拡大等を総合的に推進するのに必要な農地等の所有権または利用権の取得等に要する資金を、公庫が一括して貸し付けることとしております。その貸付条件につきましては、利率を年三分五厘等とするなど特に長期かつ低利のものとしております。 第二に、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な一定の地域における農業の健全な発展を図るため、公庫が、これらの地域における農林漁業の総合的な振興のための資金を貸し付けることとしております。 すなわち、これらの地域内で生産される農林畜水産物の加工及び販売の事業について、新商品の研究開発、需要の開拓等を行うのに必要な資金並びにこれらの地域内において、農地、森林等の農林漁業資源を公衆の保健の用に供するための施設を設置するのに必要な資金を貸し付けの対象としております。 このほか、貸付対象者の範囲の拡大、主務大臣指定施設資金の償還期限の延長等の融資内容の改善を行うとともに、公庫の余裕金の運用範囲の拡大、金利改定の簡素合理化等を図ることとしております。 次に、農業信用保証保険法の一部改正についてであります。 農業者の事業等に必要な資金のうち農家経済の安定に資するものにつきまして、その融通の一層の円滑化を図るため、これらの資金を農林漁業信用基金が行う農業信用保険等の対象に加えることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 なお、この法律案に対する衆議院における修正の内容につきまして、便宜政府側から御説明を申し上げます。 修正の内容は、この法律案の施行期日を、公布の日から平成二年四月一日に改めるものであります。 以上であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(仲川幸男君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○三上隆雄君 それでは、社会党・護憲共同から、私は今回提案された法改正二案と農業全体についての質問を申し上げたいと思います。 今回、農林水産委員会に農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案を提案されておりますけれども、まず、この法案の改正に至る理由等を質問する前に、農業全体像について若干質問をいたしたいと思います。 今回のこの法案の提案は、足腰の強い農業をつくるための中山間地域の活性化を図るためと、農山村振興基金を創設するという二つの問題がありますけれども、今日本の経済発展は、世界一あるいは歴史始まって以来の好景気を持続していると言われております。しかしながら、個々の国民生活あるいは地域経済を見た場合に大変な格差が起きていることは、大臣承知のとおりだと思います。特に農業、第一次産業と他産業との格差、そのことが地域間格差を増大させ、その結果が過疎過密という相反する両極の現象を生み出しております。これは目先の経済性あるいは合理性を追求した結果、最悪の状態を生み出しているのではないだろうかと思うわけであります。 今全国で新学卒者の就農者が二千人台、三千人を割っているという、そういう状況の中で、しかも今現在農業の基幹労働力の中心は、五十歳前後が集団あるいは個々の営農の基幹的労働年齢になっております。その日本の農業が、地域経済が、そしてまた社会がこれでいいのかどうか。私は農業というものをもっと温かい目で見てやる必要があるのではないか、こう思います。その意味で農業の、その産業のよしあしを見るバロメーターとして、若い者が喜んでその職業につくという、それが何にも増したバロメーターではなかろうかと思うわけであります。 そこで、大臣から、若者が喜んで従事するようなそういう日本農業像というものをまずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 私、農林水産大臣に就任いたしました折に、一番先に省内の幹部の皆様に申し上げたことがあります。また、テレビの討論会などでも、私自身の農政に取り組む基本的な姿勢、考え方ということで申し上げた言葉がございます。それは「農は国のもと」という言葉でございます。これは古くて大変新しい言葉だと。私の思うところによれば、明治であろうと大正であろうと昭和であろうと、平成になろうと二十一世紀になろうと、この農は国のもとという事柄は日本の国にとっては変わらない、この姿勢でさまざまな農政を展開していきたい、こういうことを真っ先に申し上げたわけでございます。私は、先生方と一緒に参議院で育ちまして、御承知のとおりまことに浅学非才でございますけれども、この農業に取り組む自分自身の情熱というものはその言葉に尽きておるというふうに思っております。 そこで問題は、現在の方々ももちろんでございますが、次の時代を背負づていく、すなわち先生のおっしゃった若者が本当に自分の先祖伝来の仕事、すなわち農業に対して誇りと希望を持ち得るか、こういうことでなければならないというふうに思っております。ややもしますと、どうも日本農業の将来は暗いんだなどという話がしょっちゅう聞かれますけれども、私はそう思っておらない。我が国の国土が南北に長い、そして狭いけれども、しかし高温多湿で、その南北に長い高温多湿な土地の中でさまざまな農業のバラエティーに富んだ展開ができるのじゃないか、こういうことをむしろ、暗くなく明るく、明るい材料として取り上げるべきじゃないか。そしてまた、今申し上げた条件が、平地もあるあるいは山間地もある、あるいは中間山間地域もある、そういう意味では、そのことをむしろ積極的な我々の将来の農業展開の基礎条件として取り込んでいくということが必要だというふうに考えております。 それから、物をつくればこれを売らなければならない、売って食べていただかなければならない。そうなると、消費ということが問題になるわけなんです。その消費市場は、もちろん世界にも求めていかなくちゃなりませんけれども、日本の国内にある。日本の国内市場というものは、これはある意味では世界一レベルの高い、そしてボリュームのある消費市場だということでございます。 さらに、今度は人間の面を考えた場合に、これはこれまた世界有数のバイオを中心にした科学技術というものを持っておる。農業の科学技術化ということを考えていった場合に、今言ったような自然条件あるいはまた人の問題、あるいは科学的な技術というふうなものを考えていった場合に、決して日本農業の将来は暗いどころか明るいんだ、まさに足腰の強い、自立できる農業というものは、これから二十一世紀に向かって展開できるというふうに私どもは、農林水産省が先頭を切って日本じゅうの若者に、跡を継ぐ若者に呼びかけていかなければならない、こういうふうに考えております。 施策の面につきましてはいろいろございます。いろいろございますけれども、今後とも農業者が将来を見通して、まさに誇りと希望を持ってやっていけるような格段の施策を打ち出していかなければならない。今回の措置もそうでございますし、あるいは二年度におけるいろんな農業施策、それが予算化されて先生方の御審議をいただくわけでございますが、その中等にも随所に盛り込んであるわけでございますから、どうか同じく農業を心配し、農業を愛するという立場の先生方とともに、若者に焦点を当てつつ頑張ってまいりたい、こういうふうに考えております。 どうぞよろしくお願いいたします。
○三上隆雄君 ただいま大臣から、まさしく私と同じような考え方を御披露いただきました。歴代の大臣が常にそんなことを申し上げておりますけれども、現在の農業が、若者が喜んで自信を持って誇りを持ってつき得ない、そういう状況になってしまっているわけであります。 そこで具体的に、当面差しかかっております農政の問題に若干触れてみたいと思います。 今現在、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉がされております。先般の新聞紙上にも見られておりますように、米の日本の消費量の一%、約十万トンを輸入するという、そのような記事が示されております。それはミニマムアクセスというそういう形で、アメリカが要求しても当然のようないわゆる要求をしておりますけれども、これに対して再三選挙を通して、あるいはいろんな公式な場で非公式な場で、政府があるいは自民党が、米は一〇〇%自給するということを一貫して申されております。現段階においてそれを貫くのかどうか、その辺の所信をお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 結論から先に申し上げますが、これはもう貫かなければならないというふうに考えております。それは今、政府・自民党というふうな先生のお話でございますが、決して言葉じりをとらえるつもりはございませんけれども、これは政府・自民党じゃないんです。国会で、衆参でこの問題は決議がされておる。衆参でしかも全会一致で決議がされておる。私どもは議会で育った子供ですから、議会の決議が、立法府の決議が、しかも衆参にわたって度々行われておるというようなことは、いかに重要なことかというふうに私どもしっかりこれを受けとめなくちゃならない。ですから、従来の政府の方針、自民党の方針とよく言われますけれども、これは国会決議を踏まえて貫き通さなくちゃならないというふうに私どもは考えておりまして、従来どおりの姿勢で国内自給ということを貫き通すというつもりでございます。 なお、今お話しの一%でございますけれども、これはいろんな新聞にあるいは大きく、あるいは小さくこの間から出されまして、私どもも少しどうも大きく扱い過ぎているのじゃないかなという感じを持ったわけでございますけれども、あれは政治レベルで話し合いをしたとか交渉事をしたとか、新しい内容を持った話し合いがなされたとかそういうことでは一切ないんです。これは、事務的な専門家がジュネーブに集まったときに、お互いが従来出している、この秋を目指しての、年末を目指しての新しいウルグアイ・ラウンドの合意のテーマを各国が全部出したと、今まで。その出したものについて質疑を行ったり確認をしたり、そういう事務的レベルでやった中で、アメリカがこのときに一%だとあるいは十年だと。十年たったらゼロないしはゼロに近くしろというふうなことなどを含めて、これは米だけじゃありません、食糧全般についてそういう言い方をされたわけでございます。(「答弁簡潔に」と呼ぶ者あり)ちょっと大事なところですから。 そこで、繰り返すようですけれども、我が国が今まで主張してまいりました、我が国は米国の関税化構想は受け入れられないというふうな態度を終始一貫やってまいりました。このときもそういう調子でございますから、この一%を論議するなどということは一切しておらないということであります。この基礎的食糧については、所要の国内生産水準を維持するために必要な国境措置も講じていく、こういう従来の姿勢を崩さないでいきたいということでございます。 長くなって恐縮でございました。
○三上隆雄君 大変懇切丁寧なお答えをいただいてありがとうございます。実はよく議論の中で、日本は一粒たりとも輸入しないという議論、いろいろ国の内外で議論になっておりますけれども、これに対して明確な私は政府の答弁が必要ではなかろうかと、こう思うんです。今実際、日本の国内に入っている米あるいは加工米で入っているものが、大臣どのぐらい入っているか御存じでしょうか。簡潔にお願いします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 二万トン弱だと思います。
○三上隆雄君 二万トン。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 弱。
○三上隆雄君 私の持っている資料は、加工米で五万二千五百十六トン、砕米で、砕いた米で一万五千九百五十二トン、合わせて七万八千五百七十トン、一応数字であらわれているんですよ。それに、そのほかに旅行者あるいはいろいろ駐留米軍の持ち込み等々を考えた場合に、十万トン近い、もはや輸入されている、現実に輸入されているんです。それをなぜ一粒も入ってないというあれに対して敢然と反論しないですか。もちろん食管法を守らなきゃならない政府ですから、それが入っているということは、これはまさか言えないだろうけれども、しかしながら、食管法でも緊急を要した場合には入れてもいいという規定があるんじゃないですか。現に韓国から輸入したではありませんか。その辺、もっときちっとした答えを内外に、国会内外に、国内外にはっきりと言うべきだと思うんですが、それについての御見解をお伺いしたい。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 先ほどの質問ちょっとあれだったわけですけれども、米という御質問で二万トン弱と申し上げましたが、今先生御指摘のあれは半製品で入っているものを入れた数字であります。それを入れますとそうなると思いますけれども、米として入っているのは二万トン弱という意味でお答えしたわけでございます。私どもやっぱり、たびたび大臣からもお話がありましたように、両院の決議を体しまして米あるいは稲作の重要性にかんがみまして、国内での自給を基本として対応するという姿勢であらゆる機会に申し上げて、今まで日本の立場を内外ともにはっきりさしておるわけでございます。一粒たりともとかいう議論をしますとなかなか本質論にわたらず妙な議論に展開しますので、あえてそういうものについての、一粒という議論に対する直接の受け答えはしませんけれども、基本的にやっぱり米は自給を基本とするという姿勢で内外ともに主張してまいっておるし、今後ともそういう姿勢で対応していきたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 ただいま言われたように、毅然とした態度で対応していかなきゃ困ると思います。 それでは次に、またこれも当面の問題としてひとつ触れておきたいと思います。 今ちょうど畜産価格に対する審議が行われており、また二十九、三十ではその価格の決定も見るような状況になっておりますけれども、今回の中山間地の農業強化育成という問題にも当然関連いたしますから、それについての政府の対応と御見解を簡略にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本富雄君) 簡略に申し上げます。 二十八日と二十九日に畜産審議会が予定をされております。この意見を十分尊重し、また諸般の情勢をにらみながら決定をさせていただきたい、こう考えております。
○三上隆雄君 その審議の決定を受けて、諸般の事情をしんしゃくしながら対応するということでございますけれども、先般、これは社会党の議員研修の段階でどなたか存じませんが、素直に試算するとことしは幾らか下がるような、そのような御発言がありましたけれども、その辺の真意はいかがなものでしょうか。
○政府委員(岩崎充利君) 現在生産費調査でマイナス五・八%という生産費調査の結果が出ております。これは乳価の関係でございます、保証基準価格でございますが、私どもはその生産費調査の結果を踏まえながら現在いろいろな面で検討を加えている。その検討を加えた結果を先ほど大臣が申しましたように、二十八、二十九日、乳価につきましては二十九日、それから食肉関係は二十八日でございますが、審議会に諮問をいたしましてその後決定する、こういうことになろうと思います。
○三上隆雄君 この五・八%のマイナス要因という主な原因は何だと思いますか。私は立ったままでお聞きします。主な内容は何ですか。
○政府委員(岩崎充利君) 全体といたしまして、統計情報部の生産費調査の結果でございますが、おおむね大体マイナスでございまして、飼育労働費を初めといたしまして、飼料、敷料あるいは光熱水料、動力費等々を含めた形の中で全体としてマイナス五・八という形になっております。
○三上隆雄君 この主な理由は、やはり生産性の向上をさせた分、次年度にはその乳価なり米価なり農産物価格が下がるという、そういう算定方式になっているということが私は問題だと思います。その繰り返しだから、農家自体が一生懸命働けば働くほど不利になる状況になっているんです。ですから、その連続が今の農業の実態になっていると言っても過言じゃないと思うんです。 そうしてまた、今回のこの下げ要因の原因が乳量の増大だとするならば、一頭当たりの乳量が多くなったということは、それだけ生産努力をしたということでしょう。私は、少なくともこのぐらい追い詰められた畜産農家に対して、それを温かい目で見るというものであれば、それを満額還元してやるのがむしろ今の農業を大事にする政府の心遣いではなかろうかと思うのです。それでも現実に農家は減っていきますよ。 実は、きのうおととい、土曜日曜にうちへ帰ってみたら、うちの方の集団が、今兼業農家はほとんど米をつくらない状態になっている、私の里はリンゴです。リンゴと米ですから、リンゴもまたやめていくような状況になっているんです。それをなぜ、あえて価格の面で抑えつけなくてもいいと思うのです。それよりもむしろもっと温かい目で見ていい方向へ誘導するのが今の時代の少なくとも農水省のとる姿勢ではなかろうかと、こう思うんです。その意味で、農水省は何としても政府の農業なり食糧というものについては大胆に発言していって、これは予算を担当している大蔵省あるいは貿易を担当する通産省等々に交渉する場合には大胆に主張していってもらいたいんです。そうでないと農業は育っていかないと思います。 以上、希望を申し上げておきます。 それでは、具体的に本論に入っていきたいと思います。 今回の法律案は日切れの法案もあるわけでございますけれども、政府から提案されている農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案は純補正予算関連の法案であります。早期成立が望ましいと政府は言っておりますけれども、この法案はいわゆる日切れという性格はほとんど有してないと思うわけであります。なるほど土地利用型農業経営体質強化資金、中山間地域活性化資金はこの法律によって創設されることになっている。しかし、元年度補正予算で設置されている農山漁村振興基金からの利子補給助成により、既存の公庫資金のうち構造政策関係のリリーフ資金等の自作農維持資金などは金利負担の軽減が実施される。本法律の成立が多少おくれても支障はないと思うわけでありますけれども、これについての見解をいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今回お願いしておりますこの法律は、一つは中山間地域の活性化資金、それからもう一つは土地利用型農業経営体質強化資金でございます。これは、従来本委員会でも御議論がございましたし、御決議をいただいておりますが、中山間地域の活性化対策の柱をなすものでありますし、加えまして、土地利用型農業経営体質強化資金につきましては、御承知のような、立ちおくれの見られます土地利用型農業の規模拡大の振興を図ろうとするものでございます。 また、これのほかにもリリーフ資金などの農家漁家経営維持安定を図る既設資金にも、予算措置によりまして振興基金から利子負担の軽減を図るというようなことも含まれておりますが、いずれにいたしましても、これらの対策は早期に成立をさせていただきまして、農家の方々が期待している資金としてこたえていかなければならないということで、本法案の早期成立について特段の御配慮をお願いしたいということでお願いしているわけでございます。
○三上隆雄君 これは日切れ法案ですから、今お答えのように、速やかに協力することもまた私たち議員としての務めではないかと、こう思うわけであります。 それでは次の問題。 今回の法改正によりましてその貸し付けの対象の範囲が拡大されてございます。そのことについて若干触れてみたいと思います。 「林業、漁業若しくは塩業を営む者又はこれらの者の組織する法人」となっておるわけでありますけれども、農林漁業者に対し資金を貸し付けることとなっている今回の法律案は、この貸付対象者としていわゆる第三セクターをも加えようとしております。 そこで、問題となるのは、農林漁業金融公庫法第一条に規定されている農林漁業金融公庫の目的とその関係でありますけれども、同公庫の目的は、「農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期且つ低利の資金で、農林中央金庫その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通する」とされております。一般的に制度金融としての公庫資金は、他の系統金融機関と民間金融機関に対して補完的な位置づけにあるものと考えられておりました。そこで、今回の法律改正は公庫の基本的性格を変更するものであって、当然公庫法第一条の目的規定を改正されなければならないものだと思います。こちらは、今回その問題がその件については提案されておりません。 そこで、まず公庫の基本的性格は何かについて伺いたいと思います。また、今回の改正により、公庫の基本的性格はどうなるのか、さらにまた、公庫を政策的にどう位置づけるものかもあわせてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 今回の法改正で、法十八条一項の貸付対象者といたしまして、今御指摘のいわゆる第三セクターを対象といたしたわけでございますが、その理由につきましては、最近におきます農林漁業者の経営の育成強化というものは、個人なり団体農業者そのものの育成強化ということに加えまして、地域ぐるみで生産活動を補完する取り組みというものが必要になってきております。いわゆる村づくりあるいは村おこしと言われるものがそれだというふうに理解しております。このような取り組みの担い手につきましては、これまで農林漁業者を主体とするものが多かったわけでございますが、例えば生活環境の分野などにおきましては生産活動と不即不離の関係にございますけれども、地方公共団体の出資を受けたいわゆる第三セクターを主体とするものも増加しておりますので、その資金需要にこたえたいということが今回の改正の点でございます。 それで、今御指摘の第一条の目的でございますが、これは御承知のように、農林漁業金融公庫は、「農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期且つ低利の資金で、農林中央金庫その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通する」ということを目的といたしております。 そこで、従来から今のようなお話につきましては、農林漁業者以外の者に貸し付ける場合であっても、農林漁業の生産力の維持増進に役立つと認められるものにつきましては第一条の目的に合致するというふうに解しておりまして、今までそうしたものもつけ加えられてきているわけでございます。そういうことで、現下の情勢からやはり第三セクターというようなものが農業の、第一条に書いてございます「生産力の維持増進に必要」だというような観点から、今回このものをつけ加えたというふうに御理解いただきたいと思います。
○三上隆雄君 それでは、次に土地利用型農業の体質強化の問題について言わせていただきます。 土地利用型農業経営体質強化資金は、土地の利用型農業について規模の拡大等を通じてその体質強化を図り、足腰の強い農業経営を育成するために創設しようとしているようでありますけれども、具体的にその資金はどのような農業者に融通し、融通を受けた農業者の経営改善がどう図られるか明らかでありません。その意味で、この資金の貸付対象者は経営改善計画をした農業者となっている。具体的に、どのような農業者をその対象とするのかをこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 土地利用型農業経営体質強化資金につきましては、養豚あるいはブロイラーといった施設型農業に比べまして立ちおくれが見られます土地利用型農業について、その規模拡大を通じて農業経営の体質強化を図る、健全な経営農家を広範かつ緊急に育成したいということがねらいでございます。このために、経営改善計画を樹立いたしまして、農業経営の体質強化を図りたいと考えます農業者に必要な資金をまとめて融資するということでございます。 対象者といたしましては、地域によっていろいろな事情がございますので厳格な縛りというものは余り考えておりませんが、大きく言いまして農業に精進する見込みのある農業者、それからそれに値すると申しますか、それに従事する専業的あるいはそれに準ずる従事者がいる。また相当の年齢の場合は後継者がいるあるいは見込みがあるというようなこと。それから、農業経営の中身といたしましては、当該地域におきます作目とか、あるいは経営形態別で見まして平均的な経営面積を持っているというようなことが一つの目安になるのではないかというふうに考えております。
○三上隆雄君 それでは次に、中山間地域活性化資金についてお尋ねしたいと思います。 いわゆる中山間地域の活性化を図ることが、今後の農業政策の重点課題であると思いますけれども、平成二年度の実施予算でも大きな目玉となっております。 そこで、今回の法律改正によって中山間地域活性化資金が創設される農林水産省においては、農林漁業者、その団体及び第三セクターを含む民間事業者が同資金の貸付対象者として考えられておりますけれども、この民間事業者とはどのような事業者を意味するのでありますか。
○政府委員(川合淳二君) 中山間地域の活性化資金につきましては、平場地域に比べまして地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利ないわゆる中山間地域におきまして、地域の特性に合った農林漁業の振興を図り、地域の活性化を促進するために、農林漁業の生産対策とあわせまして、そこの地域で生産される農林水産物の加工、流通条件の改善あるいはその地域の農林漁業資源の有効利用を図るというようなことを目的といたしまして、地域の農林漁業者の努力を側面から強力に支援する必要があるということからつくられたものでございます。 したがいまして、こういう資金でございますので、ここで言う、農林漁業者あるいはその団体以外の第三セクターを含む民間事業者といいますのは、例えば需要の開拓あるいは新商品の研究開発、さらには保健機能の増進を図るために、そこにございます農林水産資源を有効に利用することができる者というようなものが、この対象になるというふうに考えております。
○三上隆雄君 確かに今のお答えは、私ども理想とする考え方ではありますけれども、ここでひとつ農水省として考えていただきたいことは、今地方は、農村はいろんな開発をする場合に、地域の資本がそれに参画できないような力関係ができまして、中央資本が入ってきてどんどん開発しているというのが実態です。ただ、それを規制しているのは、今までは農地法とかいろんなそういう関係で規制していますが、このような法律ができることによって地方の経済が開発は進むけれども、地方の経済の活性化にはならない、農家の活性化にはならないという実態が予想されるわけでありますけれども、その辺のお考えはどうですか。 むしろ、私はその農業者なりあるいは第三セクターまではよしとしても、民間事業までフリーで認めるということには私は問題があると思います。その辺の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 御指摘の趣旨は、中山間地域の活性化資金の貸し付けが、例えば何と申しましょうか、その農山村の重要なあるいは大事な、貴重な資源が、それを契機に乱開発といいますか、そういうことにつながっていくのではないか、あるいはその地域のためにならない形で行われるのではないかということだろうと思います。 私ども、ここで考えております中山間地域資金の貸付対象といたしましては、その地域の資源を有効に利用し、かつそれがその地域のためになるということが何よりもその目的でございますので、でき得れば、その農林漁業資源を基本的にそのまま資源として維持しつつ有効に活用していく、あるいは地域の農林漁業者と提携して、農林漁業の振興に資する形で行われるというようなことが必要ではないかと思っております。したがいまして、今御指摘のありましたようなそういう心配が起こらないように、本資金の貸し付けに当たりましては農林公庫が借入希望者から提出されます事業計画に基づきまして、その地域の資源が有効に活用されるものとなっているかどうか、あるいは地域の振興計画が幾つかあろうかと思いますが、そうしたものと調和がとれるものとなっているかというようなことを十分審査するとともに、必要に応じまして地方公共団体や団体の長から意見を聞くように、そういうふうに指導していきたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 どうぞひとつ、私が先ほど要望申し上げたような、そういう精神を含めてこれから運用面に当たっていただきたい、こう思います。 それから、地域指定の問題に触れてみたいと思います。いわゆる中山間地域として、この地域指定のあり方が最大の眼目であると言っても過言ではない、が、この法律案によると第十八条の四、第二項の規定に何ら具体的に示されておりません。その指定に当たっての基準が不明確のままである、地域指定のための具体的な基準、あり方はどうなっておるのか、この場でぜひとも明示すべきだと思いますけれども、いかがなものでしょう。
○政府委員(川合淳二君) この資金の対象地域につきましては、今御指摘のように、十八条の四の二項におきまして、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域であって、農林漁業の振興を図ることが特に必要であり、しかもそのためには、地域内で生産される農産物の加工の増進を図ることが必要と認められる地域というふうに定めております。したがって、このような法律の規定に則しまして地域指定を行いたいと思っているわけでございますが、具体的には、地勢的な問題につきましては農業生産に影響を与えると見られます農地の傾斜あるいは林野率、それから農産物市場との関係というような社会的条件を勘案して指定してまいりたいと思います。 単純な地形とかそういうことだけで指定できないというところに、この中山間問題の難しさがあろうかと思いますので、今申しましたような地形的条件、それから社会的条件を総合的に勘案して地域指定を行いたいというふうに考えております。
○三上隆雄君 ただいま、地形的、社会的、いろんな諸条件を勘案しながら指定すると言いましたけれども、次の問題にも関連しますから質問を続けたいと思います。 従来から、各種の法律によっていろんな地域の指定がされております。例えば、山村振興法、過疎地域振興特別措置法、離島振興法、半島振興法等々いろいろございますけれども、この振興地域とされている地域と中山間地域の指定地域との関係はどうなるのか、その点について明確な御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 山村振興法、いわゆる振興山村や離島につきましては、地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域であり、本資金の対象地域に類似した地域ではないかというふうに考えられますので、今回の対象地域に含める方向で対応したいと考えております。 なお、過疎地域それから半島振興地域でございますが、これは御承知のように、指定の基準が、必ずしも農業の生産条件の不利な状況にあることに起因して指定されているという地域指定ではございませんので、これをもって直ちに指定地域と言うことは難しいと思っておりますが、ただし過疎にしろ半島にしろ、今申しましたようなここで言う振興資金の対象となる条件に合致する場合もかなりあろうかと思いますので、これらの地域指定、今これらといいますのは過疎とか半島でございますが、市町村の相当数が含まれるというようなことになるのではないかと思っております。いずれにいたしましても、法律が成立いたしましたら直ちに検討に入り、なるべく早く指定したいというふうに考えております。
○三上隆雄君 そこで、この中山間地の指定というものは、大型合併、市町村の合併によって、これが例えば過疎法の場合は、その行政単位全体として過疎地域という指定をしているわけでありますけれども、今回の農業を中心とした中山間地域の指定というのは、社会的、行政的なそういう判断というか、区分というか、それはどういう判断をしたらいいでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 過疎地域につきましては、これは私が申すのはやや僣越かと思いますが、新過疎法が制定されるというふうに仄聞しております。現行過疎法が本年三月末で失効するということでございますので、この法律がどういうふうな形で新しくなっていくかということについてちょっとわかりませんので、新過疎法については、実は私ども若干わからない点があるのでございますが、例えば振興山村でございますと、指定は旧市町村単位になっておりますので、今大体それに基づいてどこが振興山村かということがわかっております。したがいまして、そういうものにつきましては私どもも判断ができるのではないかというふうに考えております。
○村沢牧君 関連して。
○委員長(仲川幸男君) 三上君の関連質問を村沢君に許します。
○村沢牧君 関連して質問しますが、大事な問題でありますから確認をしておきたいと思います。 その前に、本年度補正予算で五百億円によって農山漁村振興基金が造成される。この基金の繰り入れは今後どの程度になるのか。また、それによって融資額はどの程度見込んでいますか。簡潔に答弁してください、数字ですから。
○政府委員(川合淳二君) 一度に五百億積みまして、これを運用かつ取り崩していくという基金でございます。一応の試算といたしましては、融資枠は千二百億というふうに考えております。
○村沢牧君 それは単年度ですか。
○政府委員(川合淳二君) 失礼しました。年間ではございません、単年度です。五百億は一度に積む補正の額でございます。それから千二百億は単年度でございます。
○村沢牧君 それは、五百億で本年度で打ち切りですか、今後も続けるんですか。
○政府委員(川合淳二君) 五百億につきましては今年一回で、それの運用それから取り崩しという形で今申しましたような千二百億、これを五年間考えておりますので、六千億規模の枠を考えているわけでございます。
○村沢牧君 じゃ、この繰り入れによって六千億の融資をする。それから、本改正案は中山間地域の農業振興を図るためにこういう特別の措置を講じたものでありますけれども、公庫に関係すると否とにかかわらず、補正予算及び新年度予算において中山間地の関係の予算はどのように見込んでいますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) これ以外に、農業及び林業の基盤を総合的に整備する、いわゆる公共事業の予算があります。これは通常の団体営級になるわけでございますけれども、採択要件を緩和して行うとか、あるいは補助率につきまして、これは補助率をアップということは差しさわりあるんですが、六〇%という、ほかの同種の事業に比べて高い補助率を設定するということで公共事業の系統がございます。 それからまた、いわゆる構造改善事業系統の非公共のいわゆる基幹施設の導入関係につきましても、通常の構造改善事業でありますと補助率格差がいろいろあるわけでございますけれども、一律五〇%の事業等々を見込んだ予算がございます。総額、ちょっと今すぐお答えできませんけれども、そういう予算を計上いたしております。
○村沢牧君 農水省が「中山間地域の活性化」というパンフレットを出していますね。ここに書いてある額は間違いありませんね。 例えば、活性化資金融資枠四百億、農山漁村振興基金五百億、それから明年度予算で活性化の総合整備事業四十四億ですか、それから中山間地域の山村整備事業十億ですか、活性化特別対策、六十億ですか、ごれ間違いありませんね。
○政府委員(鶴岡俊彦君) そのパンフレットに書いてあるのは間違いありません。ただ、補正予算の融資枠と来年度の融資枠と、いわゆる補助事業とちょっと混在しておるかと思いますけれども。
○村沢牧君 わかりました。時間がありませんから。 大臣にお伺いいたしますが、中山間地域事業について農林水産省は重点を置いていく、これは平成二年に限らず、今後ともこうした事業は拡大をしていくというお気持ちになっていらっしゃいますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 全体の予算の中で重点事項として考えていきたいというふうに考えております。
○村沢牧君 そこで、かなりの資金を使って中山間地域の活性化を図っていく、このことは私は賛成です。しかし、中山間地域というのは一体定義は何か、基準はないのか、このことについて今までの答弁は極めてあいまいだった。今まで衆議院の予算委員会においてもあるいは衆議院の農林水産委員会においても、このことについて明確にされておらない。 山村振興法や過疎法は、先ほど出されたようにちゃんとこの地域を山村振興地域にするんだと法律で決めておるんですね。しかし、この問題については、これだけの莫大な金を使うけれども大臣が決めるんだと。抽象的ですね。しかもこの法律は、衆議院で修正されましたが、四月一日から実施をするんですよ。一体中山間地域というのはどういうものだ、このことがはっきりしなきゃ、私ども法律を認めたとしても、例えばほかの人に中山間地域というのは一体どういう地域ですかと。私の村の、町の、市のここは中山間地域になるのかならないのか、そのことは大臣が決めるということであっては、先ほど局長の答弁でも法律が成立したら決めますということで、そんなことでは私は許されないと思います。これはもっとはっきりしてください。
○政府委員(川合淳二君) いわゆる中山間地域は、傾斜地が多く、まとまった平たんな耕地が少ない地域というようなことでございますが、私が申しますまでもなく、日本全体から見まして、いわゆる中山間地域というところがどういう地域かというのは、必ずしも画一的に決められない面があろうかと思います。 したがいまして、法律におきましては、「地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域」、これはある意味では地勢の問題とそれから社会的条件の問題だろうと思っております。それから、「農業の健全な発展を図るためには、農業の振興と併せて林業又は漁業の振興を総合的に推進する」、いわゆる農林一体が必要な地域。「かつ、そのためには、その地域で生産される農林畜水産物の加工の増進及び流通の合理化を図り、」それからさらに、「農林漁業資源の総合的な利用を促進することが必要かつ効果的」という地域指定を考えているわけでございます。 要するに、他の山村振興あるいは離島というように物理的に決められない地域が中山間地域という悩みもございまして、そういうことでこういう地域指定の法文にさしていただく。そのときに、ただそれだけではなかなかわかりにくいということで、山村振興とかあるいは離島というようなものにつきましてはほぼこれに合致しているのではないか、類似した地域ではないかというふうに御説明を申し上げているわけでございます。
○村沢牧君 そういう説明は条文に書いてあるわけですけれども、抽象的でわからないんですよ。例えばある市のある町のどこが、林野地がこうだとか、あるいは耕地面積はこうだとかという一定の基準がなければ皆さんだってお困りになるでしょう、四月一日から実施をするんですよ。中山間地をひとつやってくれといったって大臣が一々認可するんですか。もちろん、当然地方自治体とも関係しますけれども、どういう地域が中山間地だとその基準を示さなきゃ、これから莫大な金を使ってやるんですからね。ただ、大臣の恣意的な気持ちによってこれは中山間地だ、いやそうではない。そんなことでは私は許されないと思うんですね。その点をはっきりしてください。 それと同時に、これは四月一日から実施をするんですけれども、この地域は中山間地域だ、四月一日から言えるんですか。そこら辺検討しているんですか。
○政府委員(川合淳二君) ただいま申しましたように、中山間地域につきましては、他の地域立法と異なりまして目的が中山間地域の活性化ということでございますので、そうした地域をあるいは地理的な条件だけで決めるというわけにもまいりません。それから、一方では社会的、経済的な条件が不利だということも勘案しなければいけません。そこで、私どもといたしましては、まず山村とそれから離島につきましては、これはこういう地域として類似しているのではないか、そこから出発するとすればそれにどういうものをつけ加えていくかということではなかろうかというふうに考えております。
○村沢牧君 それでは、まだそのことは決まっておらない。これから法律が施行になって決めるんですか、決めないんですか、地域を。
○政府委員(川合淳二君) 今検討はいたしておりますが、まだ決めておりません。これから成立の暁に私ども決めまして施行したいと思いますが、今申しましたような考え方で対処したいというふうに考えております。
○村沢牧君 私は、一番大事なことだと思うんですよ。中山間地に対してこれだけ資金をつくる、また新年度予算でもってこの予算を出してくる。中山間地というのは、これはどうなんですか。これから決めていくということであっては私たち審議のしょうがないんですよ、これじゃ。審議できないじゃないですか。 ですから、委員長にお願いしますが、私はそのことがはっきりしなければこの審議はできません。それを諮ってください。
○国務大臣(山本富雄君) 今いろいろ御指摘がございましてごもっともだと思っております。四月一日にはもう日にちがほとんどないということで、私自身も非常に心配しておりますが、今決まっておらないということは本当でございます。しかし、四月一日に、きょうお通しいただければ施行しなきゃなりませんから、今まで申し上げたようなことを勘案しながらこれは決めさしていただくということでひとつ御了解を願いたい。鋭意作業中ということで御了解を願いたい。お願いをいたします。
○村沢牧君 本日、法律が成立すれば四月一日、もうわずかなんですよ。四月一日までに決めるとするならば、きょうこの採決は、私は保留してもらいたいと思う。お聞きをして、論議をして決めてもらいたいと思う。理事会でひとつ協議してください。それでなければ進めません。
○委員長(仲川幸男君) 速記をとめてください。 〔午後八時三十分速記中止〕 〔午後八時四十二分速記開始〕
○委員長(仲川幸男君) 速記を起こしてください。
○三上隆雄君 先ほど、地域指定の関係で若干繰り返しましたけれども、後ほど政府案として、成案として出すようですから、その関係については保留して次の問題に入りたいと思います。 先ほど、村沢委員から金額的な問題も出ていましたけれども、あえて私からその問題についてちょっと触れてみたいと思います。 補正予算措置が五百億円、そして単年度の融資枠が一千二百億円。五年間で総融資枠六千億円となっておりますけれども、この規模はいかがなものでしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 今申し上げましたように、全体で単年度融資枠は千二百億というふうに考えております。その融資枠の内容といたしましては、中山間地域の活性化資金を四百億、それから中山間におきます既存の資金に対しまして三百億、それから土地利用型につきましては百億、それからリリーフ資金等の自作農維持資金等を四百億というようなおおむねの目安を持っております。
○三上隆雄君 時間がないので、一応確認だけするというような格好の質問になりますけれども、一応今答弁されたことを確認しておきたいと思うんです。 それじゃ次に、この融資の年数を、年限を五年間と限定されております。その五年間という根拠、それをお答えいただきたい。
○政府委員(川合淳二君) 御承知のように、中山間地域の問題はこの活性化を図るということが非常に重要であります。そういうことから考えまして、まず集中的かつ効率的に事業を実施するということを考えまして、基金方式をとり、かつ五年間というふうにしたわけでございます。
○三上隆雄君 私は、農業というものは五年間という年限ではそんな大きなことはできないと思うんです。その意味で、私はその期限の延長を要望したいわけでありますけれども、延長した場合にどのようなことが考えられるか、その辺の御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 基金につきましては、今申しましたように五百億ということで五年間を予定しているわけでございます。ただこの法律につきまして、附則で書いてございますように、このような中山間地域問題というのは基本的に腰を据えて実施されるべきものでございます。しかしながら、今申しましたように、この公庫資金は新しい分野あるいは新しい手法をとっているところでございますので、五年たったところで考えろという、見直せという規定を入れてございます。この趣旨はそういう趣旨でございまして、五年間やったその結果を見て一定期間内に検討をすべしということで附則を設けているというような事情もございます。
○三上隆雄君 延長の条件を付しているということでございますから了解をいたします。どうぞその時点でまた再考をお願いしたいと思います。 それでは次に、土地利用型農業経営体質強化資金をリリーフする資金ですね、この資金が自作農維持資金等に限定されているその理由を伺いたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) いわゆるリリーフ資金は、既往の借入金の償還負担が困難になっている農業者につきまして経営の再建の見込みのある者ということで、貸付方法といたしましては、償還期の到来する制度資金等の元利返還金に相当する額を償還時期ごとに五年間継続して融資しております。 御承知のように、いわゆる負債対策といたしましては、自作農維持資金の中で経営再建整備資金、あるいは畜産関係で畜産特別資金といったようなものがございますが、制度資金の中でこれの償還が困難な場合に相当するというところがありませんでしたので、この制度資金がつくられたという経緯がありまして、負債対策の一部をなすものだというふうに考えております。
○三上隆雄君 それから、この基金を造成する場合に、その金融機関というかその設置の場所が明確でないので、どこに基金をするのか、民間団体なのか、その辺の明確な御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) この農山漁村振興基金の管理運用あるいは助成金の交付事業は、当該事業が適正かつ円滑に行われるように、農林水産金融に関する専門的知識と実績を持ち、また農林金融機関の円滑な進展を図ることを目的とした財団法人に行わせることが望ましいと思っております。この場合、新たに法人を創設するのではなくて、できるだけ既存の財団法人の中からこうした事業を行うのにふさわしい法人を選んで行わせたいと考えておりまして、具体的には財団法人農林水産長期金融協会を予定しております。
○三上隆雄君 それでは、はしょって申しわけありませんけれども、別な問題に入らしていただきます。 農外事業資金及び生活資金まで対象になると言いますけれども、住宅、自動車等はどうなりますか。
○政府委員(川合淳二君) お話は保証保険法に関するものと考えております。 私どもは、農外資金、農業生産と密接に関係のある「農家経済の安定に資する」というものにつきましてその対象にしたいと考えております。その場合に、いわゆる奢侈的なものというものはこの対象にするのは適当でないのではないかと思っております。
○三上隆雄君 今のお答えの中でシャシュと言われたんですか。
○政府委員(川合淳二君) そうです。
○三上隆雄君 シャシュというのは車ですか。
○政府委員(川合淳二君) 申しわけございません。例えば車でも、奢侈的と申したわけでございますが、ぜいたくなものという意味で申し上げました。その辺が必ずしも画一的にこれはだめ、これはというのは今の農家生活の中でなかなか難しいと思います。自動車でも住宅でもそれは当然入ると思いますが、強いて言えば奢侈的なものが除かれるというふうに考えていただきたいと思っております。
○三上隆雄君 じゃ、自動車の場合はトラック、乗用車でも今はこれはそんなにぜいたく品とは言えないと思うんです。その辺の見解を明確にする必要はございませんか。
○政府委員(川合淳二君) 通常の自動車は私は入ると考えてよろしいと思っております。強いて言えば、スポーツカーみたいなけばけばしいのはどうかというような議論はあろうかと思いますが、通常の自動車、住宅は入るというふうにお考えいただいて結構でございます。
○三上隆雄君 それでは時間がございませんので、これで一たん中止しておきます。
○猪熊重二君 農林漁業金融公庫法の改正案について二、三お伺いいたします。 先ほど、三上委員の方からも十八条一項の問題について質問がございましたが、私もこの十八条一項の貸付対象者の拡大の範囲についてお伺いしたいと思います。この改正法をお伺いする前にまず現行法についてお伺いしておきたい。現行法をお伺いすることによって改正法がどういう状況にあるかということがはっきりすると思います。 まず、現行法の「農業、林業、漁業若しくは塩業を営む者又はこれらの者の組織する法人」という用語の中の、「これらの者の組織する法人」というのはどういう意味でしょうか。
○政府委員(川合淳二君) 「これらの者」といいますのは、「農業」、この場合は「(畜産業及び養蚕業を含む。)、」ということでございますが、林業、漁業または塩業を営む者ということで、「組織する」というのは、農業等を営む者の意思が当該法人の運営に主体的に反映されるような法人というふうに考えております。
○猪熊重二君 これらの者の意思が主体的に反映するということはどういうことですか。もっと露骨にお伺いすれば、「これらの者の組織する法人」というのはこれらの者のみによって組織されるということなのか、それともその者を含むほかの者が入ってもいいという趣旨なのか、どちらかですか。
○政府委員(川合淳二君) 入っても、これらの者の意思が主体的に反映されるような法人であればいいというふうに思います。
○猪熊重二君 もしそうだとすれば、今回の改正法でこれらの者が主たる構成員となっている法人というふうなものは、既に現行法の十八条の中に入っていることになりますが、どうですか。
○政府委員(川合淳二君) 部分的には入ることになろうかと思います。
○猪熊重二君 もし「これらの者の組織する法人」という言葉が通常の法律用語とすれば、これらの者がそれだけによって組織すると、こう読むのが普通なんです。だからそのときに、これらの農業者以外の者が入っても、農業者の意思が主体的に反映されるというのが組織する法人の意味だというふうなことだったら非常におかしいんです。もしそうだとすれば、今回の改正法に括弧書きの中にこんなことを入れる必要はないんです。なぜ同じことを二度ダブって入れるんですか。
○政府委員(川合淳二君) 形式的な議論といたしましては、今回の改正は地方公共団体のみが入っている場合、入っている場合というか過半を占めている場合、それから農業等の組織する団体と地方公共団体が過半を占めているというようなものがこのほかにあろうかと思います。
○猪熊重二君 要するに私が言っているのは、十八条は私の解釈する限り従前はいわゆる農業者だけのもの、だから括弧の中に「(以下「農林漁業者」という。)」という用語も理解できるんです。 ところが、今度の十八条一項本文の改正によると、括弧の中にごちょごちょいろいろ出てくる。そして、この括弧の中をよく読むと、「地方公共団体が主たる構成員」となっている法人の農林漁業者だと、こういうことになるわけです。これも農林漁業者なんですね。
○政府委員(川合淳二君) ここで「(以下「農林漁業者」という。)」というふうに定義している農林漁業者には当たると思っております。
○猪熊重二君 だけど、地方公共団体と民間会社が一緒になってつくった第三セクターが農林漁業者なんというのは社会常識に相反する、だれも農業やっている人が一人もいないもの。それで、地方公共団体と営利会社が一緒になって第三セクターをつくって、これを農林漁業者なんというのはまことにおかしな法文。それじゃ、まあいいです。 この十八条一項本文の改正後の「農林漁業者」というのと、一条の「農林漁業者」というのは同じですか、違いますか。
○政府委員(川合淳二君) 違います。
○猪熊重二君 同じ法律で、一条で言っている農林漁業者と十八条で言っている農林漁業者と違うなんというのは、法律的な考え方でまことにおかしい。むしろここの十八条は、農林漁業者等という等を入れるのが、これ入れるのが法律の普通の条文の形式です。 いずれにせよ、一条の農林漁業者と十八条一項本文の農林漁業者が違う。こういうことになると、一条で言っている農林漁業者はいわゆる農業、漁業、林業をやっている人だと、こういうことになりますか。
○政府委員(川合淳二君) そのように解釈できると思います。
○猪熊重二君 そうすると、一条の農林漁業者は今言ったような農林漁業者だと。この農林漁業者に対し融資することがこの法律の目的だと書いてある。じゃ、この一条の農林漁業者に入ってない農林漁業者に対する融資というのは一条と矛盾しませんか、どうなります。
○政府委員(川合淳二君) この点につきましては従来からそういう御議論がありまして、一定の解釈ができているところでございます。 第一条の解釈といたしましては、農林漁業者以外の者に貸し付ける場合であっても、農林漁業の生産力の維持増進に役立つと認められる業務につきましては、付随的かつ限定的に行われるときには第一条の目的に合致するというふうな解釈ができておりまして、これは数次にわたりますこの法律の改正のときに、そういう解釈が確立しているというふうに私ども確認をしております。
○猪熊重二君 今局長に、私ここで急にこういうふうに文句を言うのは非常に申しわけないけれども、あなたが言っていることはちょっと法文と違うと私は思うんです。「農林漁業者に対し、」というのは融資の対象者の問題なんです。それに対して「農林漁業の生産力の維持増進に必要」だとか必要でないとかというのは、融資をする際の融資の要件なんです。融資の要件と融資を受けるべき、あるいは融資をしてやる対象の問題は別なんです。第一条をちゃんと読んでみてください。「農林漁業金融公庫は、農林漁業者に対し、」「融通することを目的とする。」と書いてある。融資の対象者の問題と融資の性質の問題は別だと私は思う。ただ、まあこれはあなたに言っても、昭和三十三年からだんだん枠を広げてきているから、今ここで言ってもしようがありません。ただ、法律をつくるんだったらもう少し読んでわかるような法律をつくってもらいたい、これを私は申し上げておきたい。 次に、先ほど三上委員、それから村沢委員の方からもいろいろ話がありましたけれども、この十八条の四、地域指定の問題について、私は今、政府の方から指定地域に関する基準が出る出ないという話がありますからそれはそれでいいんです。そうじゃなくて私がお伺いしたいのは、どういうところを中山間地域とするかということがわからないで、銭があって法律をつくるというのは本末が転倒している、本末が転倒しているんです。日本全国の中から、私のところはこうだからこれで困るからどうだ、ここはこうだから困ると。これがいっぱいあって、それじゃそういう困る人のところを全部見て、何とかここを地域どうこうしようと。 本来、もしこの十八条の四のこれだけずらっと広げた、これが正当であるかどうかは別にしてです、それが本来のこの法律をつくる目的であるはずです。ところが、銭があるからどこかへやろうと。それでいいかげんな要件つくってそれでどこだかわからないと。こういうふうな発想方法は少しおかしいんじゃありませんか、どうですか。
○政府委員(川合淳二君) 中山間地域の活性化対策につきましては、先ほども申し上げましたように本委員会でも御議論があり、私どももこの対策を進めることが緊急の課題であるという視点に立ちまして、こうした法律改正をお願いしているわけでございます。ただ、中山間地域という地域は、日本のように南北に長く、しかも地形がいろいろ複雑なところでございますと農業生産に影響を与えるという条件がさまざまでございます。ただ、皆様方でも議論の中で闘われておられますように、いわゆる中山間地域の活性化が必要だということの御議論でございますので、その中山間地域というのをどういうふうにとらえるかということが一つの課題でございます。 私どもといたしましては、画一的にある意味では地形の条件、そういうものだけで指定を考えてみたわけでございますが、それではどうしても中山間地域というものは救い切れないということで、そういう検討の結果、ここに書いてありますような「地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域であって、」農林漁業の振興を図ることが特に必要であり、しかもそのためには、地域内で生産される農産物の加工増進を図ること等が必要と認められる地域、いわゆる社会的、経済的に見て必要だという地域の定義を考えたわけでございます。
○猪熊重二君 私が聞いているのはそんなことじゃないんです。まあいい。 それで、大体ほかの山村振興法だとか過疎地域振興特別措置法では、その対象地域について客観的な基準を持っているんです。この客観的な基準を持つということが行政の恣意的運用を妨げ、まさに法律が法律としての意義があることなんです。ところが、今回のこれは、すべて大臣のよく言えばすばらしい裁量行為であるし、悪く言えば得手勝手ということになる。これでは法律の基準としての意味がないと私は思うんです。どれだけ客観的基準をつくるのに努力されたのか、されないならされないと一言言ってもらえばいいんですよ。要するに、だれが大臣になっても適用できるものが、これが法なんです。この人が大臣だったら適用になったけどこっちが大臣になったらだめになった、そんなものは法じゃないんです。その意味において、客観的な条件を作成するためにどれだけ努力したのかしないのか、一言で答えてください。
○政府委員(川合淳二君) 客観的な統計数字等のみを使うということにつきましてはかなり無理があるというふうな結論に達しまして、こういう規定にいたしたわけでございます。
○猪熊重二君 そういうふうな法をつくるんでなくて、法というものは、だれが見てもわかるし、だれがやっても同じ物差しであるようなものをつくるように今後努力していただきたいと思います。 そして、この十八条の四によると、先ほどの十八条一項本文の方は、いわゆる農業者とか、あるいは地方公共団体が関与している第三セクターであるけれども、この十八条の四は全くの営利会社ということだと思うんです。この全くの営利会社に対して金を貸すことが農林漁業金融公庫法の一条の目的とどう合致するのか、私には理解できませんが、どうでしょう。簡単に言ってください。
○政府委員(川合淳二君) 御指摘の趣旨は、この活性化資金の貸し付けが民間業者に無原則で貸し付けられるのではないかということだろうと思います。そういうことではございませんで、私どもといたしましては、これは目的からいいましても、その農村地域の生産物の加工、流通の市場開拓に資するとか、あるいは農林漁業資源の有効利用に資するというようなことが条件であると考えておりまして、そのためにはこの実施に当たりまして、事業計画等に基づきまして有効に活用されているか、あるいは農林漁業の振興に関する計画と調和がとれているかというようなことを十分審査いたしますとともに、関係地方公共団体あるいは農林漁業団体の長から、必要に応じ意見を聞くというようなことを指導しながら、今御心配のようなことがないようにしていきたいと思っております。
○猪熊重二君 私が伺っているのは、これがいいとか悪いとかじゃなくて、農林漁業金融公庫法という法律を制定し、第一条に目的を掲げ、業務内容を掲げてきたその制定当時から全然外れたところへ、どんどんこの法律を広げていくということが妥当なんだろうかということを言っているんです。あなたが言っているのは、結果的に農林漁業の振興に役立つ、農林漁業の振興に役立てば何でもいいというんだったら法律は一本あればいいわけだ。この法律が一本あれば、どっちへでもあっちへでもタコの足みたいに出していけばいいんだから。そうじゃなくて、法律をつくるんだったら、改正するんだったらもう少し節度ある改正をされたらどうだろう、こういうことです。 時間がありません。貸付金の担保についてお伺いします。 貸付金の担保は、農林漁業金融公庫業務方法書によりますと、「保証人及び担保又はこれらのいずれか一方を徴求するものとする。ただし、事情やむを得ないと認められる場合は、これらを徴求しないことができる。」と、こう書いてあります。私がお伺いしたいのは、いわゆる農林漁業者に対する融資の際の担保の問題と、今度は第三セクターに対する担保の問題と、それから十八条の四で言うような営利企業に対する貸し付けの担保の問題について、何らかの差異を考えているかいないかということです。
○政府委員(川合淳二君) 農林公庫は、財投資金を主たる原資として貸し付けを行う機関でございますから、貸付金の債権の保全を図るために、担保、保証人またはそのいずれかを徴求する、今御指摘のようなことを原則としております。したがいまして、金融における債権保全の一般的な取り扱いと同様でございまして、この担保徴求につきまして営利企業について特別の強化を図るというようなことは考えておりません。
○猪熊重二君 農林漁業者に貸すその金と、商売のためにもうける営利企業に貸す金と当然担保に差があってしかるべきだと私は思うんです。本当に困っている、あるいはどうしても金がなくて困るという農林漁業者にだったら無担保で幾らでも貸してあげるというのが、この本来の公庫の趣旨でしょう。それに対して、今度十八条の四で広げられたのは、要するに地域的だとか業務目的とかいろんな限定はあるけれども、要は営利企業じゃありませんか。これに対する貸付金の担保が実際の農業者に対する、漁業者に対する貸し付けと同じだというふうなことだったら、こっちにもとらぬかったらこっちも担保とらぬと、そんなばかなことはないと思いますが、それは今後の運用の問題として考えておいてもらうということにしまして、あと金利の問題についてお伺いします。 附則二十五項の改正の問題です。十八条の二による別表第一の金利については公庫が設定する、こういうふうに法律で規定されています。十八条の三による別表第二については法律の規定による、こういうふうな規定になっています。要するに、片方は公庫が特定範囲の中で任意に設定できる、片方は法律で三・五%なら三・五%ということを法定しているんです。 この法律で規定するという別表第二の金利について、前回の改正で政令で動かすことができる、まあ範囲内で動かすことができるように、今回は大臣告示で動かすことができるように。そうすると、別表第二で法律で規定するといったときの、そのときの趣旨はもはや現在必要ないということでだんだん緩くなっているんですか。片方は法律で決めているんです、三・五%と。それを政令で決めればいいというふうに改正して、今度は大臣の告示で決めると。どうしてこういうふうに緩くなるんですか。当初に法律で決めるといった趣旨はもう要らなくなったんですか、いかがですか。
○委員長(仲川幸男君) 時間ですから簡潔に答弁願います。
○政府委員(川合淳二君) 別表二の方は極めて政策性の強い資金でありますので、一般経済・金融情勢に左右されることなく融資できるように金利を法定しております。 ただし、今御指摘のように、近年の金融情勢の変化に伴いまして下方弾力化措置ができるような形になっております。そのことと今回の大臣設定ということとは関係ございません。大臣設定の方は事務手続を簡素化しようというものでございまして、金利設定の基本的な考え方を変更するものではございません。
○猪熊重二君 終わります。
○委員長(仲川幸男君) 先ほど保留になっておりました三上君の関連質問の村沢君の残質問について、ただいまから答弁を求めます。
○政府委員(川合淳二君) それでは、指定地域の考え方でございますが、地勢等の条件が悪く農業の生産条件が不利な地域を対象とすることとしております。 具体的には、一、農業生産に不利な地形であること、二、農産物の販売に不利な立地であることの二つの要件を満たすこととしております。 農業生産に不利な地形であるとは、傾斜度二十分の一以上の田面積割合が五〇%以上であること、または傾斜度十五度以上の畑面積割合が五〇%以上であること、または林野率が七五%以上であること。 農産物の販売に不利な立地であることとは、三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯等に指定されていないこと、かつ人口十万人未満であることと考えております。 その他振興山村、離島地域については、農業生産条件が不利な地域ということで対象地域に含むこととするということでございます。
○村沢牧君 若干の質問時間を残しておりますので、この際質問いたします。 この法律は、当初は公布の日から施行することになっておりました。しかし、これは補正予算にはなじまないということで、修正によって四月一日ということになったわけであります。したがって、今お話のあったようなことはきょう採決すればあしたから施行になるんですよ。最初からこういうものは出さなきゃいけないんですね。我々から質問があってこれを出したなんということは、全く議会をこれは軽く見るものである。同時に私は、大臣これだけ中山間地の振興に重点を置くとするならば、むしろ中山間地振興法というようなものをつくって、そうして法律的にこれは明らかにしなきゃいけないと思うんです。これからの問題として十分考えてください。 そこで、今出されたこの条件によって全国でどのぐらいの市町村が該当しますか。
○政府委員(川合淳二君) おおむね千七百市町村程度ではないかというふうに考えております。
○村沢牧君 これによって千七百市町村が該当する。 そこで、四月一日から実施になるんですから、少なくとも私は、私個人の立場から見ても、人に聞かれた場合に、我が県で聞かれた場合に一体どの町村が該当になるのか明らかになりません。 要請いたしますが、四月一日から施行されるその前々日三十日には本委員会でまた法案の審議をいたしますから、その際に千七百町村の名称、これを明らかにして国会に報告できますか。
○政府委員(川合淳二君) 一日施行ですので一日には間に合わせたいと思っております。
○村沢牧君 一日に間に合わせるということは、私たちは二十九日、三十日にまた委員会開くんですよ。ですから、一日といったらすぐその次の次の日ですから三十日には報告できるわけです。よろしいですね。
○政府委員(川合淳二君) 一日施行ですので一日に間に合わさせていただきたいと思っております。
○村沢牧君 ちょっと待ってくださいよ。それはつまり皆さんはそうかもしれぬけれども、我々は本来ならば、一日施行ならむしろきょうの採決は三十日に回したっていいんですよ、はっきりしなきゃ。何もきょう採決することはない。しかし、それでも採決をしてくださいと言われれば、国会の申し合わせがあるようですから余り長い時間をかけませんけれども、一日施行ならば三十日になぜ国会の中で報告できないんですか。やってください。大臣どうですか。
○国務大臣(山本富雄君) せっかくの御指摘でございますけれども、本来一日施行ですから一日にはどんなことがあっても間に合わせたいというふうに、事務的に、きょうお通しいただければ本当に夜を日に継いで作業をして進めていきたいと思っておりますが、せっかくのお申し出でございますからできる限り努力をいたします。
○村沢牧君 いずれにしても、私はそのことを強く要求して、市町村名を改めてまた当委員会に提出してください。 委員長、ひとつよろしくお願いしておきます。
○三上隆雄君 ただいま出された……
○委員長(仲川幸男君) 時間いっぱいになっています。
○三上隆雄君 そうですか。 それでは、この規定もすべて急いで出したからどうにもならぬと思うけれども、林野率が七五%というのは何に対して七五%なのか。それから人口の十万というのは、行政単位が十万ということはいろんな問題が派生しますから、この辺のきちっとした説明を願います。 こんなことじゃ採決できませんよ。
○政府委員(川合淳二君) 林野率につきましては、市町村の総面積に対する林野率でございます。 それから、人口の十万未満というのは市町村の人口十万未満ということでございます。
○林紀子君 今回の法改正の特徴の一つは、中山間地域活性化資金を創設することであり、また農水省の来年度予算案の重点項目の一つとして中山間地域活性化対策を掲げ、幾つかの新規事業を組むなど、本格的な施策を進めようとしているものであると思います。 中山間地域の大きな特徴は、洪水や土砂の流出を防止することや、緑、水、大気を保全することにあります。一九八〇年の農水省の試算でも、農用地や森林が果たす水資源の涵養や土砂流出防止など、公益的な機能は、金額に換算すれば総額三十六兆六千二百億円にも及んでいます。こうした点から、リゾート開発などに便乗して乱開発による国土の荒廃や環境を悪化させることなく、中山間地の農業経営、農民の暮らしの維持、発展を図ることは今大変重要な課題となっていると思いますが、どのようにお考えでしょうか。 特に、中山間地域でのゴルフ場の開発は農薬汚染の問題を初め、河川の増水を助長するなど、このことについては建設省が調査中だということですが、ゴルフ場建設ラッシュが大きな社会問題となっています。こうしたときに、農水省が昨年三月に改めた農地転用許可基準の緩和は、ゴルフ場建設ラッシュに拍車をかけているとの批判もありますが、これを見直す考えはないかどうか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(片桐久雄君) ゴルフ場向けの農地転用の許可につきましては、従来ゴルフ場の計画地域の中で農地をおおむね五〇%未満でなければならないという制限を付しておりましたが、先生御指摘のように、昨年の三月にこの許可基準を改正いたしまして、この面積制限を撤廃したところでございます。これは、近年ゴルフが国民各層に普及し、また地域の活性化に資するということもございましてこういう緩和を行った次第でございます。ただ、ゴルフ場への農地転用許可に当たりましては、優良農地の保全及び計画的土地利用の推進という許可基準の基本を踏まえながら、また位置選定とか計画面積の妥当性、それから周辺の農業に与える影響等をも厳正、的確に判断することによりまして、地域の活性化に資するものについては転用許可をしているところでございまして、今後ともその運用及び審査については慎重に対処してまいりたいというふうに考えております。
○林紀子君 私は、現在広島県に住んでおりますが、農水省の中国農業試験場がまとめました「近畿中国地域における 高齢・兼業農業と担い手」という本によりますと、農業人口に占める六十五歳以上の割合というのは、広島県で二一・四%、山口県で二〇・九%、岡山県二〇%など全国的に見ても特に中山間地域は著しく高齢化が進んでおります。 政府は、これまでにも山村振興法や過疎振興法などに基づいて、中山間地域も含めて地域の振興を図ってきたことはよく知っております。例えば、山村振興法で昭和四十年度から六十三年度まで一期から三期までの山村振興事業が行われ、補助金のかさ上げ措置や金融上の優遇措置、採択基準の緩和措置など、この二十年以上の間に総額八兆円近くが振興山村区域に使われました。過疎地域においても同様な措置がとられてきました。 しかし、振興山村地域や過疎地域、こうした地域を含む中山間地域の問題は改善されるどころかますます深刻になってきていると思います。このことは、従来型の地域振興策、すなわち補助金のかさ上げや金融上の優遇措置などでは何ら解決できないことを示しているのではないでしょうか。農水省が進めようとしている中山間地域対策は、この従来型の地域振興策の延長線上でしかないとしか考えられません。これでは中山間地域を活性することはできないのではないでしょうか。中山間地域にどのような将来像を描いているのか、それをぜひお伺いしたいと思います。そして、もっと思い切った抜本的な政策が必要なときではないかということもぜひ指摘をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本富雄君) 今いろんな、山振法とかあるいは過疎法、過去の問題に触れて先生からさまざまな御指摘がございましたが、この中山間地域の活性化をば図るということは、活力ある地域社会の維持と国土の均衡ある発展を図る観点から、非常に重要だという認識はもう十分持っておるわけでございます。 そこで、地域の特性を生かした農林水産業の振興、一つの柱です。二つの柱としては、地域資源を活用した就業機会の確保や都市住民との交流、三本目、生活環境の整備、これらを総合的に推進をしていきたいということでございます。また、ただいまいろいろ御審議をいただいております本法律案などによりまして新しい資金を創設いたしまして、重点的に中山間地域の活性化を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○林紀子君 私は、抜本的な施策の一つとして、イギリス、フランス、西ドイツといったEC諸国の中山間地域対策、これにぜひ注目してほしいと思うわけです。この施策は、中山間地域問題研究会がまとめた「中山間地域問題を考える—農村の活性化に向けて—」や、農水省の国際協力課和泉真理さんが書かれた「英国の農業環境政策」の中でも紹介されております。EC諸国ではLFAと呼ばれる中山間地域に対して、農業所得の地域差をなくし、自然や水資源を適正に管理すること、農山村の過疎化や農地の荒廃を防ぐことなどを目的に、一九七五年から生産と無関係に直接所得の補てんを目的とする助成が行われ、十年後の一九八五年にはその助成措置をさらに強化する方向で改正しています。 例えばフランスでは、LFAに対する給付金制度として牛などの畜産経営に対し、四十頭を上限に一頭当たり百八十二フランから七百七フラン、日本円に直しまして四千九百十四円から一万九千八十九円までの給付金を農場ごとに直接支給しています。イギリスや西ドイツでも、このようなLFA政策と呼ばれるものを行っております。我が国においても環境維持に役立つ農業を営む農家に助成金を支給する、こうした助成制度を設けていくべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今御指摘のようなEC諸国においてデカップリング、いわゆるデカップリングというような方法を講じているということを承知いたしておるわけでございますけれども、私どもとしましては、中山間地域、確かに土地条件その他、他の地域に比べまして不利な条件はありますけれども、最近の交通条件あるいは輸送条件の改善によりまして、また情報の機能の向上等によりましてそれぞれの、先ほど大臣からも答弁しましたように、立地を生かした、その特色を生かした対応ができるのではないかというようなことで、地元の盛り上がり意欲あるいは資源状況、それを活用した方法により、直接補てんというよりむしろそういうのを農業生産あるいは林業生産と関連させながら、そういう地場資源を活用したことによってやっていく方がいいのではないかということで、そういうお助けになるように、先ほど申しましたように基盤整備でありますとかあるいは建物、施設の整備等につきましても地元負担を考慮に入れた仕組みをつくる。 それから、地元の創意工夫を生かした対応というのが何よりも基本でございますので、今回お願いします法案、これは低い制度資金をさらに利下げをするというようなことで対応し、それぞれの特徴を生かした意欲のある盛り上がりを助長してこそ真の中山間振興になるのではないかというようなことで、そういう方向で対応していきたいというように考えております。
○委員長(仲川幸男君) 時間です。
○林紀子君 最後に、日本共産党はさきの総選挙の際、安全な食糧は日本の大地からと、生産者、消費者の共通の願いにこたえて自給率向上、農業再建を今後十カ年で進めることを提起いたしました。中山間地域の農民が意欲を持って農業に取り組めるよう、今こそ農政の転換を図るように求めて質問を終わらせていただきます。
○井上哲夫君 私から二、三お尋ねをいたします。 まず、きょうの審議を今お聞きしておりまして、村沢委員から御指摘がありました、猪熊委員からも御指摘がありましたが、この中山間地域をめぐる諸問題で、これは大臣にお尋ねしたいんですが、中山間地域対策基本法とかそういう法律の制定を前向きにお考えになられるかどうか、お尋ねをいたします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今中山間関係の法律としましては山村振興法、過疎地域等々の法律がございまして、そういうふうなことで地域の総合的な開発、対応というのが行われておるわけでございます。私どもそういうふうなことを頭に置きながら、農業政策の面からどういう施策が展開可能であろうかというようなことで、農業政策、いろんな基盤整備あるいは施設整備あるいは個別農家に対する経営改善等々の指導等はあるわけでございますけれども、それらを総合的にやっていけば、法律によらずに、各従前の制度と相まってそういう振興ができるのではないかということから、現在のところ、特に中山間農業振興法等なるものは今のところは考えてなくて、先ほど申しましたような線で対応していきたいというふうに考えております。
○井上哲夫君 猪熊委員もおっしゃいましたが、本末転倒であるとかあるいは地域指定について不明確だと。こういう法律が果たして法律として大丈夫なのかということを考えますと、私はやはり、中山間をめぐる諸問題についての対策基本法というものをつくった方がより明確になるのではないかというふうに考えておるわけですが、今の答弁でありますので、また次回に譲ります。 それから、今回の農林漁業金融公庫法の改正の中で、農地の所有権あるいは利用権の取得に必要な資金、その他農業経営の規模の拡大に伴う必要な資金とかいう枠の拡大が明記されておるわけでございますが、土地の所有権の取得、利用権の取得まで至らなくて、農作業の受委託でございますか、こういう受託作業でかなり大がかりにやっていこうという、一種の純専業農家といいますか、まじめな農家、こういう人たちにも今回の改正で融資の枠は拡大されるのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(川合淳二君) 施設型農業に比べまして立ちおくれの見られる、例えば稲作等の土地利用型農業につきましては、農業者個々の自主性と創意工夫に基づく経営規模の拡大などによりまして、地域農業の中核的な役割を果たす足腰の強い農業経営の育成を図っていただきたい。さらに、それが中核となって農業生産組織を広範かつ緊急につくっていくということが大事だと考えています。このような観点からいたしますと、本資金の貸し付けに当たりましては、農地の所有権や利用権の取得による規模拡大はもとよりでございますけれども、ただいま御指摘のありました、農作業の受委託を通じての農地の利用集積にも資することが重要だと思っております。 したがいまして、規模拡大とあわせて農業受託を行う。規模拡大につきましては利用権の設定というところまで広げておりますので、こういうことをやりながら作業受委託を行うというようなときには、その受託分も見込んだ形で経営の効率化が行われるように、それに要します施設とか農機具の取得、あるいはリースに要する費用などについては、この資金の融資対象としていきたいというふうに考えております。
○井上哲夫君 どうも大変慌ただしいので、私の質問も前の部分をカットいたしますが、もう一点、中山間地域の活性化のために加工流通施設の云々というところで、拡大をされていると。特にその後、公衆の保健の増進を図る場合も枠を広げましょうと。しかも、これは金利が若干またさらに低くなる。この公衆の保健の増進を図るというのを運用でどの程度広く考えられているかどうか、お尋ねをしたいと思います。 もっと具体的に言いますと……。とにかくお答えいただきます。
○政府委員(川合淳二君) 中山間地域におきます農林漁業資源の有効活用というために必要な、今申しましたような保健機能の増進施設というようなものが対象でございます。具体的に、これだけにもちろんとらわれるものではございませんが、市民農園とか林間コテージとかいうようなものが私ども事例としてまず頭に上がっております。
○井上哲夫君 委員長、もう一点だけお願いをいたします。 市民農園あるいはコテージということでございますが、畜産関係で言いますと、いわゆる中山間地域での畜産を営んでいる方は、地域住民との間に非常にいろんな摩擦を起こしているわけで、そういう人たちとどうして融和して目的の事業を達成するかということで言いますと、この公衆の保健の増進というところを今、具体的におっしゃった市民農園とか林間コテージとかいうことからもっと弾力的に、例えば村の中でコンサートを開いているとか、あるいはコンサートということはそこの中でとれたものを食べさせてという、かなり運用で弾力的にやっていただきたいという気持ちが強いものですから、その点を重ねてお尋ねをいたします。
○政府委員(川合淳二君) 私が、先ほど申しましたように、私が考えるような狭いイメージだけではなくて、その地域に応じたいろいろなアイデアというものがあろうと思います。そういうことのアイデアをつくっていただくということも中山間地域の活性化に非常に大事なことでございますので、今の事例で申しますれば例えば観光牧場、その中で、野外で演奏するような施設というようなところもそれは当然考えていいのではないかと思っております。
○井上哲夫君 終わります。
○委員長(仲川幸男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) 議事運営資料等について、村沢理事から発言を求められておりますので、これを許します。村沢君。
○村沢牧君 委員長、委員の皆さん方にも御了解いただいて、議事進行という立場で一言だけ政府にお願いしておきたいというふうに思います。 先ほど指定区域、中山間地域についての基準をお示しいただきました。先ほど、ああいう質問をしたものですから皆さんの方でも若干まだ詰めるところもあるようであります。私どもは、ただ提案されただけであっていいとも悪いとも何も質問しておりません。もちろん、これは大臣が決定することですからどういうふうに御決定なさっても結構ですが、もしこれに、数字にもう少し検討すべきことがあるとするならば、私は、この三十日にもう一回法案審議もありますから、その前にひとつ皆さんの方で実はこういうふうに出しましたけれども、再検討したらこうだということがあったらその際おっしゃっていただきたい、我々もまた皆さんに申し上げることもあるんですから。そういうことで、きょう、これの決定に私たちが了解したということでなくてひとつお取り計らいを願いたいというふうに思うわけでございます。よろしくお願いしたいと思います。
○委員長(仲川幸男君) 政府側は異議ございませんね。
○政府委員(川合淳二君) 結構でございます。 —————————————
○委員長(仲川幸男君) それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、上野君から発言を求められておりますので、これを許します。上野君。
○上野雄文君 私は、ただいま可決されました農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合、参院クラブ、税金党平和の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農林漁業金融公庫法及び農業信用保証保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 最近の我が国農林漁業をめぐる厳しい情勢の下で、農林漁業金融の果たす役割はますます重要となっている。 よって、政府は、今後とも農林漁業金融制度の拡充強化に努めるとともに、本法の運用に当たっては、次の事項に留意しつつ、制度本来の使命が十分に果たせるよう万全の措置を講ずべきである。 一 稲作等土地利用型農業経営体質強化資金については、構造政策の推進が急務となっている実情にかんがみ、経営改善に努める農業者等が幅広く活用できるよう適切な運用を図ること。 二 中山間地域が農林漁業と国土保全の上で果たしている役割の重要性にかんがみ、それぞれの地域の特性を活かした農林漁業の振興と地域の活性化を図るための各般の施策を推進すること。 三 中山間地域活性化資金については、資金創設の目的に沿い、農山漁村の地域の特性を十分に活かした運用を図ること。 また、公庫資金と系統資金の融資分野については、それぞれの役割を分担しつつ、機能が十分発揮されるよう対応すること。 四 公庫資金の貸付対象者として、いわゆる第三セクターが追加される分野については、農林漁業の振興と農山漁村の活性化に十分に活用されるよう適切な運用を図ること。 五 農林漁業信用基金の行う保険対象事業については、農林漁業者等の資金需要の動向に即し、信用補完事業としての機能が十分に発揮されるよう今後とも本事業の適切な運用に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(仲川幸男君) ただいまの上野君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(仲川幸男君) 全会一致と認めます。よって、上野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、大塚農林水産政務次官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。大塚農林水産政務次官。
○政府委員(大塚清次郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(仲川幸男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(仲川幸男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後九時四十二分散会