P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
118回国会参議院1990/06/21

内閣委員会 第10号

発言数
456
登壇者
42
会派数
6
開催日
1990/06/21

会議録

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る六月十九日、森暢子君が委員を辞任され、その補欠として八百板正君が選任されました。  また、昨二十日、吉岡吉典君、藤田雄山君及び合馬敬君が委員を辞任され、その補欠として立木洋君、永野茂門君及び大島友治君が選任されました。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 臨時行政改革推進審議会設置法案を議題といたします。  本案の趣旨説明は、前回既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 行革審の問題に入ります前に、昨夜来報道されておりますアメリカ海軍の空母ミッドウェーの爆発事故の問題について、官房長官に質問をいたします。  ミッドウェーが千葉県の野島崎沖の太平洋上で爆発事故を起こしたことはもう御案内のとおりであります。このミッドウェーには核兵器を搭載しているんじゃないかということが非常に心配されております。それで、当然これは国民が一番今心配し、知りたい事実でございますので、政府といたしましては、アメリカ側に対しこのミッドウェーに核兵器が搭載されていたのかどうなのか、こういうことを問い合わせるべきだと思いますけれども、問い合わせておりますでしょうか。また、まだしていないとするならば、これから問い合わせをなさるお気持ちを持っているでしょうか。その点についてお答えいただきたいと思います。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 日米安全保障条約上、艦船によるものを含めまして核兵器の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となる次第でございます。政府といたしましては、核の持ち込みの事前協議が行われない以上、米国による核の持ち込みがないことについては何らの疑いを有しておりません。したがいまして、そのような確認を行う考えはございません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今の答弁は恐らく何百回と同じ答弁をそれぞれの本会議、委員会で聞いているわけでございます。  平時の場合と違うわけです、今度の場合には。いわば非常事態と言ってもいいくらいです。突然爆発事故を起こしているわけでして、万が一の場合、もし核が搭載されていたとするならば一体どんな大事故になっただろうかということを考えたら、日本国民としては本当に大変心配をしているわけでありますから、こういう非常事態の場合でも全然アメリカ側に対してそういった国民の心配していることについて、一体どうなのかということを問い合わせできないなんということは私はないと思うんです。これは国民の立場に立つ政府としては余りにもおかしいと思う。こういう非常事態に限っては、私たちとしては当然アメリカ側に対してはっきりと問い合わせをするべきである、そういうふうに考えます。どうでしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 今回、米空母ミッドウェーの火災事故が発生いたしまして、昨日夕刻私どもの方に米側から連絡があったわけでございますが、私どもとしては事実関係の究明を急ぎますとともに、安全性の確認等につきましても米側に申し入れをしてきたところでございます。現在、この火災につきましては本日零時三分までに完全に消火しておりまして、安全性は確認されているとの米側の連絡がございました。私どもといたしましては、今後とも早急なる原因究明に努めますとともに、安全の確認あるいは今後の安全対策に万全の措置をとるよう申し入れをしております。今後も適切に対処したいと思います。  核の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 官房長官にぜひお答えしていただきたいと思うんですけれども、今のような外務省の答弁では到底納得できるものではありません。  鎮火したということでございまして、それはそれなりによかったなという気持ちでございますけれども、万が一事故が大きくなっていたならば、もしあの中に核が積んでいたとすれば大惨事になるわけでございます。そういうことを考えたときに、当然これは政府として米側に対して、一体ミッドウェーには本当に核が搭載していなかったのかどうなのか、国民の安全に対する気持ちを、安全を求めている国民のそういった気持ちを酌んで政府として当然これは申し入れるべきだと思うんですけれども、どうでしょうか、官房長官としてそのお考えについてお聞かせいただきたいと思います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 今外務省からお答えをいたしましたように、安全性は確認できたかといってアメリカ側に通報いたしまして、アメリカの方も、火災は鎮火した、安全性は確認をしたと、そういう返事があったと今外務省の方から答弁をいたしました。  これも耳にたこができるほどお聞きになっておられると思いますが、アメリカはいかなる兵器を持っておるかというようなことについてはアメリカの方針として一切発表はしない、こういう方針を貫いておりまするし、それからまた事前協議の精神から見て、向こうから申し入れのない以上は持ち込みはないというのが日米安保条約上の運用の今までのずっと日米信頼関係の上に立っての基本でありまして、変わらざるところだと私は思っております。ですから、この件について核を持っているんではないかとかというような問い合わせはいたしません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 仮に核を搭載していたとしても、アメリカ側としては日本に事前協議を私はしてこないだろうと思うんです。そういう内容を知られたくない。だから、核の持ち込みについて協議をしないということは持ち込んでいないものと考えているというふうに政府は考えているけれども、アメリカ側は実際に核が積んであったとしても、核を積んでいるんだけれどもと言って事前協議なんか私はしてこないだろうと思うんです。もしするとすれば、政府は当然拒否するわけで、そうするとアメリカ側としても作戦上にいろいろと影響を来す。だから、積んでおったとしても一切永久にこれは積んでおりますという事前協議はしてこないと思うんです。そのことぐらいは政府はちゃんと考えていらっしゃると私は思うんです。そういうことはあるだろうというふうに判断していると思うんです。どうですか、そういう判断をしたことはありませんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほど申し上げましたとおり、我が国への核の持ち込みに際しましては事前協議を行うということが日米安保条約及びその関連取り決め上、米国の義務でございまして、米国における政策が国際約束上の義務に優先するというようなことは全く考えられないところでございます。米国は、これまで御説明いたしておりますように、核持ち込み問題に対する我が国の立場及び関心を最高首脳レベルを含めて十分に理解していると考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 協議をするということは、お互いに申し入れをすることは私はあり得ると思うんですね。すると、外務省の考えからいけば、日本側からは一切協議を求めないということですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) この事前協議制度と申しますのは、米国が我が国の関知しないところで行動することを防ぐという観点から、三項目に限りまして事前協議の枠組みの中に対象としたものでございます。したがいまして、この米国に与えられました制約を解除するというのは米国が発議するものであると考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうすると、日本側からはそういう疑問についても申し入れるということは今後一切ないということですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほど官房長官の方から御答弁がございましたように、日米安保条約、これはまさに日米間の信頼関係に基づきます国家間の極めて重要な条約でございます。したがいまして、私どもとしましてはこのような信頼関係に基づきまして対処したいと考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 私の聞いているのは、協議というものはお互いに申し入れをして、そしてそこで意見を述べ合って見解をまとめていくという、そういうことが協議するということなんでしょう。何で日本側から全然発議できないんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) そもそもこの事前協議制度と申しますのは、先ほど御説明いたしましたように、配置における重要な変更、装備における重要な変更、あるいは我が国から行われる戦闘作戦行動、このような項目に限りまして米国が一定の行動、活動を起こす際に日本政府に協議をする、こういう建前になっている次第でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうすると、それに対して日本側で疑問があった場合に一切こちらからは協議できない、そういう取り決めになっているんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) ただいま御説明いたしましたように、事前協議制度というものは米国が発議をするものであると考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 米国側だけが一方的に発議をできるという、そういうものはどこに書いているんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 我が国が日米安保条約に基づきまして米国による我が国における施設、区域の使用を認めておりますが、米軍の一定の行動に対しましては、これが我が国の意思に反して行われることがないように我が国との事前協議を義務づけております。すなわち、先ほど御説明いたしましたように、安保条約の第六条の実施に関する交換公文によりまして、米国は配置における重要な変更、装備における重要な変更及び戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設、区域の使用につきましては我が国と事前に協議しなければならないことになっております。  このように、事前協議の制度は米軍の行動に一定の制約を加え得ることを目的として設けられているものでございます。したがいまして、事前協議は、米国がこれらの行動をとろうとする場合に事前に協議を我が国に対して行わなければならないことを義務づけたものでございまして、このような性格上米側から提起することが建前と考えられます。我が方から米側に対して事前協議を行うという筋合いの問題ではございません。この点につきましては、この交換公文が「日本国政府との事前の協議の主題とする。」と定めていることにも明らかであると考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 しかし、それには日本側から発議してはならないということは書いてないです。アメリカ側が一定の行動について変更とかいろんな問題が起きた場合には事前に協議しなきゃならないんだ、協議するんだ、こう言っているけれども、そういう内容についてこちらが疑問を生じた場合にそれを発議してはならないということは書いてないわけでしょう。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 安保条約のこの六条に基づきます交換公文というのは、先ほど来御説明いたしておりますとおり、安保条約の実施に関する問題のうち、特に三つの事項につきまして米側が一定の行動をとらんとする際に事前に日本国政府と協議し、その同意を求めることを米側に義務づけているものでございます。  政府といたしましては、米側がこの義務を履行するということにつきましては何ら疑いを有しておりません。事前協議制度のもとで、米側の義務とされている事項につきまして米側の義務不履行を前提として日本側からこの協議を提起するということは想定されておりません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 アメリカのそういった行動、三つの問題について事前協議をする義務づけをしているというのはもう当然のことです。しかし、その当然のことについてこちら側が疑問を生じた場合に日本側から協議を発議することまで禁じているものとは私は思わないんです。政府は一方的に都合のいいようにそういう文章の中では日本側から発議するということにはならないと言っているけれども、何も禁止していないんです。たまたま、そういうことを申し入れればいろいろと差しさわりがあることがたくさんある、そのためにあえてそういうふうに解釈しているにすぎない。一方的な解釈であって、政府の今までの答弁は非常に私は不満でありまして、今後こういう大きな事故が起きた場合に、非常事態であるにもかかわらず、こういう国民が一番心配していることについてその国民の意思を代表してアメリカ側に申し入れもできないなんという、そんなばかげた話はないと思うんです。この際ぜひひとつそういった方針を改めてもらいたいというように特に強く要請しておきたいと思います。  それで、この問題は幾ら論議しても平行線ですから、もう一つ二つ官房長官にお聞きしますけれども、この事故のすべての内容については公表するでしょうね。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 今回のこのミッドウェーの事故の問題につきまして、先ほど御説明いたしましたように、現在私ども米側との間で事実関係の確認、あるいはその原因の早期究明等について申し入れをしているところでございます。米側よりそれらの点に関連しまして我が方に連絡がございました際には、しかるべき形で公表したいと考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 けさの読売新聞に、「事故当時、防衛庁の防衛課長ら五人が共同訓練の視察で乗艦をしていた。」というふうに書いてあります。そうすると、共同訓練で船に乗っていたわけですから、事故が起きたら、事故のすべてについて当然きちっとした報告をそこで受けて、把握して、そして船からおりて政府に対して一切を報告しなきゃならないと思っているんですけれども、そういう報告はいまだにないんでしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先生御指摘のような報道があることについては承知しておりますが、具体的に防衛庁の関係者等が乗艦していたかどうかについては現在のところ承知しておりません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 防衛庁にも要請しているんですけれども、ぜひこの問題をこういうふうに質問したいので出席してもらいたいという通告をしたのは九時半ころだったと思うので、まだいらしていませんか。――じゃ、いらっしゃってから質問いたしましょう、防衛庁の方に。とにかく防衛庁の幹部を含めて五人も乗っているわけですから、当然ある程度の事故報告というのはそこで受けて、そして下艦して政府に対して報告をしていると思いますので、後ほど防衛庁が来ましたら質問いたします。  それで、このミッドウェーという航空母艦ですけれども、もう建造されてから四十五年もたっているんですね。それで過去にも何回か事故を引き起こしている。ですから一年早めて、もうこれは耐用年数も切れたということで廃艦にしようという、そういう方針が出ておるわけでございまして、私どもとしてはこういう非常に古い、しかも何回も事故を起こしているような航空母艦が横須賀港を基地とすることについては大変危険だと思うんです。ですから、今後はこのミッドウェーの入港を拒否していただきたいと思うんですけれども、政府としてどうでしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 安保条約、地位協定上、米側艦船の我が国におきます寄港、これは米側の権利でございます。私どもといたしましてはミッドウェーの入港の中止を求めるという考えはございません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 アメリカ側でさえ、二年後に退役させようとしたのを、いろいろと事故もあるし古くもなっているから一年繰り上げて来年にはこれを退役させようという、そこまで考えているんです。もうアメリカ当局自体がこの空母は危ないというふうに考えているわけでしょう。それを日本政府が、日米安保条約に基づいているんでアメリカ側のやっていることについて一々物を言えないなんて、そんなことで、一体それが日本政府ですかね。私は直ちにこういった危険な航空母艦についてはもう入港はしてもらいたくないということを申し入れてほしいと思うんです。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) ミッドウェーは来年夏に新しい通常型の空母インデペンデンスに交代する予定でございますが、このミッドウェーの交代予定時期が早まったということにつきましては、これは主に米側の経費削減の問題等の理由によるものと承知しております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 経費削減かどうかわからぬけれども、そういう古い船を走らせていたらそれは経費もかかるでしょうからね。  とにかく我々としては、国民の立場に立ったのならばそういう危険な軍艦というものは一切日本には寄港してほしくない、基地にしてもらいたくないということは国民の切なる願いだと思うんです。ですから、こういうことについてはアメリカ側に対して強力に申し入れて、どうしても航空母艦を日本に張りつけなければならないのなら、新しいものに取りかえるなりしてもらわなかったら危険でしょうがないと思うんです。もうこの際新しい航空母艦も含めて、核の持ち込みが非常に云云されているわけですから、航空母艦は一切日本には置くべきではないということを強く申し入れていただきたい、私はこのことを特に要請しておきたいと思います。  それで、国会では今までの答弁で、アメリカの飛行機あるいは艦船、そういったものが寄港した場合あるいは領空、領海を通過する場合、これは当然核の持ち込みについては事前協議の対象となる、こういうふうに言われていたんですけれども、先日NHKで安保三十年という特集番組をやっておりました。その中でも取り上げられておりましたし、またいろいろな新聞でも取り上げられているんですけれども、核を搭載した米艦、航空母艦、潜水艦を含めて、そういったものの寄港の事前協議というものは事前協議の対象外なんだ、これは当時の藤山外務大臣と当時の駐日マッカーサー大使との間に口頭で了解されていたんだということが出ているわけです。これは一体事実でしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) いろいろな報道がなされていることは承知しておりますが、その報道の一々につきまして私どもでコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。  この事前協議の対象の中に寄港、通過が含まれていることにつきましては、合衆国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象とするという交換公文の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解からして十分に明らかであると考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ちょっと聞き落としたんですけれども、今私が言ったことは事実だということです。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 私が申し上げたかったことは、日米安保条約上、艦船によるものも含めまして核の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となります。このことを確認したわけでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうすると、この藤山外相とマッカーサー氏との口頭了解というものは間違いであるということですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先生の御質問の趣旨が必ずしも明らかではございませんが、私が申し上げておりますのは、この合衆国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象とするという交換公文の規定及び藤山・マッカーサー口頭了解からして寄港、通過、これが事前協議の対象に含まれているということについては十分に明らかであるということを申し上げました。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 いやいや、私が聞いているのは、そういう事前協議の中に含まれているんだと言うけれども、藤山外相と当時のマッカーサー大使との口頭了解の中には、核を搭載している米艦、飛行機も含めて、その寄港は事前協議の対象にはならないんだということを口頭了解しているということが報道されているけれども、そういうことが本当に事実なんですかと、それだけです。事実か事実でないかということです。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 事前協議の対象に寄港あるいは領海通過が含まれていないということは事実でございません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうしたら、この報道はでたらめだということですね。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほども申し上げましたように、この問題をめぐりますいろいろな報道につきましては、私どもとして一々コメントする立場にはございません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 何でコメントできないんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 報道につきましてはいろいろな形でいろいろな報道がなされます。それをすべての問題につきまして、その報道の内容につきまして一々コメントすることは差し控えたいと申し上げたわけでございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、藤山・マッカーサー口頭了解から、寄港あるいは領海通過が事前協議の対象になっているということは十分に明らかであるということを申し上げております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 いろいろな報道に対して一々云々できないと言うけれども、これは報道だけじゃないんですよ。一九八一年のライシャワー証言などで核搭載の疑惑が指摘され、昨年の十月に来日した元ミッドウェー艦長のキャロル提督も、ミッドウェーは公海上でも寄港中でも核兵器を積んでいると述べた。こういうことは今までアメリカ側の高官からたしか二度にわたってそういう事実が明らかにされているんです。核は積んでいたんだよということがはっきり証言されているんです。  そして今の報道なんです。しかも、今度の報道は単にすっぱ抜いた報道と違うんです。アメリカは三十年たったら軍事問題についても情報公開ができることになっているんです。そういう規定に基づいてアメリカはこの日米安保条約の三十年前の文書を明らかにして公開したからわかったことなんでしょう。そういうことについてコメントできないはずがないでしょう。不思議だと思わなかったですか、この報道を見て。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) これまで累次御説明いたしておりますように、日米安保条約上、艦船によるものも含めまして核兵器の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となります。米国政府は核持ち込み問題に対します我が国の立場及び関心を最高首脳レベルを含めて十二分に理解しております。政府といたしまして、核持ち込みの事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないということについては何らの疑いも有しておりません。安保条約の締結交渉の中身にかかわる事項につきましては、外交上の原則、慣行等もございます。詳細に立ち入ることは差し控えさせていただきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そんなこと聞いているんでないんです。あなたは一々報道に対してコメントできないと言うけれども、一つの社が報道したわけじゃないんです。アメリカ側が情報公開に基づいて明らかにしている、それに基づいて日本の報道関係が一斉に報道したんじゃないですか。  しかも報道だけじゃないですよ。御案内のとおり今までラロック退役海軍少将の国会における証言さえあるんです。そして、ライシャワー元駐日大使も、日本には核は持ち込んでいたんだということをアメリカの高官でさえちゃんと論じているじゃないですか、公表しているじゃないですか。そういう背景に立ったならば、外務省としてこの報道を読んだときに、今までの国会答弁と違う、こういう事実が本当にあったのかどうかということをみずから率直にアメリカ側に対してこの事実を確認するようなことを何でしないんですか。官房長官、政府としてこういう態度でもってこれからも貫くつもりですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 安保条約に関します日米両国間の合意の内容につきましては、交渉の一つの過程における当事者のそれぞれの立場というのもではなく、あくまでも交渉の結果得られました両国間の合意により判断されるべきであると考えます。  先ほど来御説明いたしておりますように、この事前協議にかかわる交換公文の規定及び藤山・マッカーサー口頭了解からして、艦船によるものを含めまして核兵器の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今だけでももう十回ぐらい同じことを答弁しております。もう同じ答弁はしないでくださいよ。  これは、十六日ですか、ある新聞にこう載っているんです。「渡辺外務報道官は十五日、マッカーサー駐日米大使(当時)が「核搭載艦艇の通過、寄港は安保条約の事前協議の対象外」との趣旨を日本政府に通告した外交文書をNHKが入手したことに関連し」「同報道官はNHKの入手した外交文書について「準備段階のものか、日本に通報されたものか分からないので点検したい」と述べた」というふうに出ている。点検したんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 政府といたしましては、これらの報道機関の報道に基づきましてこの問題について調査する必要性があるとは考えておりません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ちゃんと点検したいと言っているじゃないですか、この渡邊外務報道官。きょういらしてないですか。何でそんな違う答弁になるんですか。当然これは点検するべきでしょう。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほど申し上げましたとおり、政府といたしましてはこの報道に基づきまして本件につきまして調査をする必要性があるとは考えておりません。  報道官の発言につきましては、私現在詳細を承知しておりませんので、この場で答弁することは差し控えたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 官房長官にお尋ねしますけれども、今まで国会で自民党政権、ずっと自民党政権ですよね、核の持ち込みについては、決して核が持ち込まれているということはないはずだと、事前協議がない限り一切核の持ち込みはないんだと、こう一貫した答弁をしてきたんです。そして、核の持ち込みについては、寄港の場合であっても、通過の場合であってもこれは事前協議の対象になるんだということも一貫して言ってきたわけです。  ところが今になって、アメリカ側との外交の中で、当時の外務大臣藤山さんとマッカーサー大使との間で口頭で、そうではなかったのだと、事前協議の対象には寄港は入らないのだということをちゃんと了解していたというんです。もしそれが事実だとすれば、三十年間政府が答えてきたことは全くうそだったということになるんです。そういう事実が明らかになったら調査するのが当たり前じゃないですか、政府として、どうですか。官房長官に質問しているんですよ。もう外務省の同じ答弁はたくさんです。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 先ほどから外務省がるる申し上げておりますが、その三十年前のことですね。今起きて、答弁しておるのは、もう日本政府の方針は一貫しておるし、アメリカも了承しておるし、事前協議制度もあるし、そういうことはもう調査するまでもないことだと、こう言うております。しかし、あなたのお話によると、報道官の方は何でしたか、検討するですか、と言うておると言うておりますけれども、私は両方からそういう話は聞いておらぬのでして、これはやはり本人が今政府を代表して答弁しておるんですから、帰って外務省の中で報道官がどう言ったのか一遍確かめた上でひとつ私も判断してみたい、こう思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 官房長官にお聞きしたのはそういうことじゃないんです。政府が一貫して三十年間、寄港とか通過とかということについては事前協議の対象になると言ってずっと答弁してきたわけでしょう。これは事実ですよね。ところが、そうではないんだと、三十年前の日米安保条約の改定のときに、当時の日本とアメリカ側の責任者の会談で、それは違うんだと、あくまでもこれは貯蔵だけのことを意味しているんであって、通過や入港のときには事前協議の対象にはしていないんだと、しないということを口頭了解でちゃんとしているんだと言ったということが明らかになったわけでしょう。もしそれが事実だとするならば、この三十年間の政府の答弁というものは終始一貫国民をだましてきたということになるわけでしょう。だから、今こういう問題が発生したならば、政府としてはこれはおかしいなということで三十年前の事実を明らかにするという責任は当然あるんじゃないですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) ただいま先生の御指摘は報道に基づくお話だと考えます。私ども、その報道の一々につきましてコメントはできないと申し上げているとおりでございます。  また、累次申し上げて恐縮でございますが、日米安保条約上、艦船によるものを含めまして核兵器の持ち込みが行われる場合はすべて事前協議の対象となるということは、事前協議に関する交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解によりまして十分に明らかであると考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 報道だと言うけれども、すべての報道関係が公表し、そしてその出どころは三十年前の日米の交渉の文書の中から明らかになってきているわけでしょう。単なる一つの社がすっぱ抜いたのと違うんです。一斉に報道している。しかもそれは、くどいようだけれども、三十年前の交渉経過というものがアメリカにおいて明らかになったから出てきたのじゃないですか。それが不思議だと思ったらみずからアメリカに行って調べるくらいのそういった責任はどうして回避されるのですか。アメリカへ行って調べたらどうですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほども御説明いたしておりますように、この安保条約に関します日米両国間の合意内容につきましては、交渉の一過程におきます当事者それぞれの立場ではなく、あくまで交渉の結果得られた両国間の合意により判断されるべきものであると考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そんなこと聞いているんじゃないんです。今あなたが、報道されたけれども一々その報道を取り上げてコメントできないと言うから、そうじゃないでしょうと、アメリカでは文書の公開、情報の公開というものがされて、防衛関係でも三十年たつと公開されるんだと、そういう中で明らかになってきたんだから、政府が行って調べようと思ったらいつでも調べられる問題でしょう。今まで政府が一貫して答えてきたことと違うことが事実として出てきたならば、当然それが事実かどうかというのを確認するのが政府の立場じゃないですか。どうしてそれがアメリカへ行って調べられないんですか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 本件の問題につきましては、累次申し上げておりますとおり、これは日米間の合意でございます。この事前協議の問題につきましては、事前協議にかかわる交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解から十分明らかであると申し上げているとおりでございます。私どもがこの一報道機関による報道を契機といたしまして米側の交渉中の記録といったようなものを一々入手するということは、外交活動遂行の観点から見てその必要性があるとは考えておりません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 官房長官、閣僚の一人として、一体、国民の生命が大事なのか、アメリカに一々そういう文句を言っていったならば今後つき合いが悪くなるだろうからといってそんなことを気兼ねすることが先なのか。これは国民の生命、財産を守る立場にある日本政府が、そういう重大な事実が出てきたならばみずからこれを明らかにするということは当たり前のことでないですか。アメリカ側だって文書を公開しているんですから、そんなことぐらい日本政府が調べようということに対して一々文句なんか言いませんですよ、情報公開の国なんだから。それを何で日本はそんなことをアメリカに対して一々気兼ねしなきゃならないんですか。日本政府でしょう。アメリカの政府の中の日本州じゃないですよ。日本というちゃんとした一つの国を守っていくために、国民が一番不思議に今思っていることについて何でアメリカ側にそういう事実を確認できないんですか。  しかも、事実を確認しようと思えば幾らでも確認できる方法があるんです。情報公開されていないんなら別です、情報公開されているんですよ。それでも固執するんですか、調査する意思はないというふうに。何のために調査できないんですか。官房長官に聞いているんですよ。もう外務省はいいよ。帰っていい、外務省。同じ答弁するんならもういなくたっていいから帰りなさい。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 今政府委員からるるお答えをいたしておることであります。アメリカには、日本には非核三原則がある、核の持ち込みは困るとはっきり日本は言ってあるわけであります。それはわかりましたということで、もしものときは事前協議を申し上げますという約束をしておるわけであります。それが三十年間も続いてきておるわけで、その信頼関係の上に基づいて日米安保条約があり、それがやはり日本の国を守るという、これが安保条約のあり方であります。  そういうことからいたしますると、今私は、藤山・マッカーサー了解か、その詳しいことはまだ調べておりませんけれども、今も政府委員が申し上げておるように、交渉の過程ではいろいろな意見が出たのかもしれませんけれども、その後一たん日米両国で合意ができて三十年間も日米の信頼関係ができておるというわけであります。核を積んでおる船が寄港するときは必ず事前協議をアメリカが日本に申し出べしというこの方針はアメリカももちろん了解しておるし、日本もそのお互いの信頼関係の上に成り立っておるというのでありますから、その点については私はアメリカを信頼して考えたい、こう思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 信頼関係というのは、事実をお互いにきちっと確認し合って間違いなかったということの上に初めて信頼関係というのは成り立つんです。ここに事実と反するような問題が出てきた場合に、それをさわらないでほおかぶりしておくことが信頼関係じゃないと私は思うんです。本当に信頼関係を確立しようと思ったら、そういうことを明らかにした方がいいじゃないですか。調べて、もし私の言うのが間違いだったら間違いでいいじゃないですか。そうするとあなた方の言う信頼関係が成り立つでしょう。しかし、我々が言っていることが正しいとしたならば、三十年間、政府が国民をだましてきたのか、政府がアメリカにだまされてきたのか。そういうことを明らかにするのが信頼関係を樹立するまず第一歩じゃないんですか。何でその調査を拒否しなきゃならないんですか。――官房長官に聞いている、もう外務省はお帰りください。いいですよ。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 私が申し上げておるのは、日米関係というものの信頼というもの、それで安保条約ができて今日まで日本のこの平和が保たれてきておるというこの事実から見て、日米関係は信頼すべきものである。何事も全部事実関係を一々せんさくしなければ日米関係の信頼は危ないという、そういう考えは私は持っておらぬのです。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 もうこれ以上官房長官と論議しても一歩も答弁は前進しないようでございますので、この問題の論議についてはやめますけれども、少なくとも公文書館というのがアメリカにはあるわけです。国立公文書館というのがあるんです。そこに情報公開された一切の資料というのが出されているんです。ですから、調べようと思えば幾らでも調べられる。調べられるのにあえて調べようとしない。これは私の考えでは、恐らく調べればこういった報道された事実が明るみに出る、そうすると三十年間言い続けてきた政府のうそというものが、国民をごまかしてきた、国会をごまかしてきたことが暴露されるのを恐れたために事実を明らかにあえてしないんだ、そういうふうに解釈せざるを得ません。私はそういうふうに思います。もしそれが違うというんであれば、事実をアメリカに行って堂々と調査してみてください。そのことだけ申し入れておきます。  防衛庁いらっしゃったようですからお聞きしますけれども、ミッドウェーの爆発のときに、この航空母艦の中に防衛課長ら五人が共同訓練の視察で乗艦していたというのでございますけれども、この事故の全貌については当然把握して下鑑されたと思うんですけれども、その事実はどうでしょうか。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) 私と私の課員三名、合わせて四人ですが、ほかのお客さんと一緒にアメリカ海軍、それからアメリカ大使館の招待で昨日ミッドウェーに行ってまいりました。着鑑をしましたのが一時半ごろで、離艦をしましたのが五時過ぎでございますので、その離艦をするまでの間の御説明しかできないと思いますが、その際、私どもの相手をしてくださいました七艦隊の機動部隊司令官ブル少将のお話によりますと、第四区というところですか、そこで火災が起きた。それで、ちょうど私どもの航空機が着艦をしたときに二回目の爆発が起きた。一人行方不明で数名重傷者が出た。重傷者のうちのある者は横須賀と横田へヘリコプターで輸送した。これは離艦をする間近でございますが、まだ第四区というんですか、そのあたりは大変温度が高いので近づくことができない。したがって原因はまだ究明できていない。  そのときに、私どももし船を離れるとするとカタパルトで打ち出すということになるものですから、その司令官が言うには、カタパルトが使えるかどうかわからない、なぜなら蒸気パイプが破損しているかもしれないからだということを言っておりました。したがって、蒸気パイプの破裂が原因なのか、火災の結果なのか、その辺はもちろんわからないわけであります。いずれにしましても、結局航空機で離鑑をすることができませんで、近くにおります僚鑑からヘリコプターを出してもらって、昨晩、厚木の方に帰ってきたということでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 完全に鎮火するまで確認できなかったんですか。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) 私どもがちょうど着艦したときに第二回目の爆発があったという説明で、私どもブリッジタワーのところにいたわけですが、その第四区は割とそのブリッジタワーの前のあたりのようでありますが、一向に煙とかそういったものは見えませんでした。それで、着鑑してからしばらくたってからブル司令官が、火災は鎮火した、しかしまだ大変温度が高いので冷えるまで時間がかかる、したがって近づくことができないので原因究明まで時間がかかる、こういう発言をしておりました。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 日本側から共同訓練のために乗艦していた、その間に起きた事故でございますから、日本側としても、何でミッドウェーの中でそういった事故が起きたのか、その原因、それからそれに対する対応、核を積んでいたのかどうなのか、そういうことについて艦長と直接お話をしましたんですか。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) 私どもはそのストライクフォース、機動部隊の司令官の招待で行ったわけで、艦長とは直接会う機会を得ませんでした。恐らく事故処理で忙殺されていたのではないかと思います。  それから、先ほど共同訓練のためというお話でございましたが、私は訓練担当の課長じゃないせいもありますが、共同訓練をやっていたということは実は存じておりませんで、私どもが招待されたのは共同訓練のために招待されたわけではなくて、アメリカの空母の実態というものを見せていただくということで招待をされたものと思っております。招待されましたのは、私ども防衛課の人間四人だけではなくて、日本の民間の方、アメリカの民間の方、それぞれ一緒にグループになっておりまして、十数名でございますので、それでも目的がそういうものではないということをおわかりいただけるかと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 いずれにしても乗艦していたわけですから、その間における事故のあなた自身として把握できた内容等については、それは当然文書として上司に対して報告をされていらっしゃると思うし、そういうものについては国民の前にも明らかにしていただきたいということでございますので、いいですね。

萩次郎防衛庁防衛局防衛課長

○説明員(萩次郎君) 私の知り得るほとんどの事実というのは今申し上げたことでございますし、このことはゆうべ防衛庁に戻りまして同じようなことを上司にも報告しているということで、これ以上のことは米側の発表を待たなければわからないというのが事実ではないかと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 次の問題ですけれども、空母タイコンデロガの問題もこれに関連してくるんですけれども、反核の市民団体がこの問題についてアメリカの公文書館で事実を確認しているわけですね。ところが、外務省は今までの論議と同じように、これは事前協議の関係からいっても、これ以上アメリカ側に対して事実の公開を迫ることができないということを今までの国会の中でも答弁しているわけですけれども、これは米海軍の公文書館に航海日誌がちゃんとあるわけです。そして、これも情報公開でもって既にだれでも見られるわけです。そういうものをなぜ政府として見に行かないのか、タイコンデロガの問題について。日本大使館があるわけですから、大使館の職員がアメリカ海軍の公文書館に行って、当時の記録を見せてもらいたいと言ったら幾らでも公開するわけです。それまでやろうとしない理由は何なのでしょうか。  それから、さっきも言ったミッドウェーの問題についても、これは反核団体がアメリカの国防総省の資料で明らかになったと言っている。だから、アメリカの国防総省が何らかの形で資料の公開をしているわけです。それでなかったら、日本側の人たち、あるいはアメリカのこういった反核団体の人たちに対して公開するはずがない。アメリカというのは情報公開がしっかりしているだけに、そういう機密文書であっても一定の年数がたったら情報公開やっているんです。そういうものを情報公開しているのに、あえて日本の外務省がそれを調べようとしない、その理由は何ですか、タイコンデロガの問題について。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 米側に対しましては、報道がございましたので、航海日誌に関連しまして、この事故後の航跡あるいは日本に寄港したか否かの点について照会いたしておりました。これに対しまして、昨年の十二月末でございますが、米側から次のとおり回答がございました。  米国政府は、日本国民の特別の関心を理解し、タイコンデロガの事故をめぐる情報を提供してきた。すなわち、位置及び環境上の影響を含め、当該事故に関する情報を日本政府に提供してきた。しかしながら、米国政府は、この問題に関するこれ以上の議論は我々の軍の運用上の政策を危うくするものであり、我々の国家安全保障上の利益に悪影響を与えるものと考える。私どもといたしましてはこのような回答を得たわけでございます。  公文書館等で航海日誌を入手する考えはございません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 もうこれ以上論議しても、それ以上の回答は出てこないんでしょうから論議はしませんけれども、アメリカの国民でも、それからアメリカに在住している日本人でも、だれでもこの公文書館に行ったら、手続さえすれば幾らでも情報入手できるんです。それをあえてやろうとしないことは、事実を隠ぺいするために政府はそういう手段をとらないというだけです。私は、こういった政府の態度に対しては納得できません。こういうことで政府を信頼してくれといったってだれが国民が信頼できますか。そういう方針を今後改めてもらいたいということを強く要請して、この核問題について終わります。  行革審で二時間やろうと思ったら、この問題で一時間とってしまいまして、官房長官いなくなってしまいました。大変残念でありますけれども、行革審の問題に入りたいと思います。  この臨調行革というのは一九八〇年代、いわゆるレーガン、中曽根の行革路線に沿って進められてきたものであることはもう御存じのとおりであります。  それぞれの国が軍事国家を目指す、あるいは福祉国家を目指す、そういう場合においては、まず必ずと言っていいくらい政府は肥大化していくものであります。そして官僚政府というものは硬直化する、これが私はどこの国でも大体共通して言えることだろう、そんなふうに思うわけであります。  その解決策は一体どういうふうにしたらいいかといえば、二つあると思うんです。一つは、上から改革することです。それは政府に権限を与える、そういうやり方があると思うんです。いわゆる国家権力型と言うんでしょうか。もう一つの解決方法はどういう方法かといえば、下から改革することです。地方自治体に権限を与えることです。地方分権型と言った方がいいと思います。この二つの方法で国家の肥大化を防いでいこう、官僚政府のこれを何とかなくしていこうということだと思う。その前者の方はアメリカや日本がとってきた方法だと思うんです。後者のように地方分権型といわれるものは、これはフランスとか西ドイツとかスウェーデンがとってきた方法だと思う。  日本は上から改革しようという路線で行革をやってきました。もちろん二番目を全然やらなかったかといえば、そうではないと思うんです。主として第一の方に、国家権力型の方に重点を置いてやってきた。その結果どういうことが生まれてきたか。日本は臨調行革で増税なき財政再建を目標といたしました。そして、小さな政府を樹立していこう、そして民間活力の導入をしよう、そういった三つの柱のもとに行政改革が強行されたわけでございますけれども、それに対して日本国民というのは非常に大きな期待を実は寄せたと私は思うわけであります。  しかし残念ながら、九年間行われてきたこの中曽根臨調行革というものは日本にどういう結果をもたらしただろうかということを振り返ってみましたならば、まず一番大きな問題は消費税の導入でありました。財政再建との関連の中で行われてきた消費税の導入。しかし、これはもう御案内のとおり総理みずからが公約違反をして国民をだまして、そして政権を持続させたという政治に対する国民の不信感というものがそこに生まれてきたと私は思うんです。  そして、その次には国鉄や電電公社など公社の民営委託であります。その結果何が生まれてきたかといえば、官僚と財界との癒着が生じまして、そこにリクルート疑獄事件が発生したわけであります。これに対して国民は政治家に対する大変な不信感を持つに至ったわけであります。  そして民活導入であります。その最たるものは国有地をどんどん民間に売り払いました。それが引き金になって東京を中心とする大都市の土地の暴騰が始まったわけであります。土地の暴騰でもうけたのはだれかといえば大資本であります。大資本の資産は物すごく上がりました。それを担保にして銀行からお金を借りまくってアメリカにまで乗り込んでいって、それこそあのマンハッタンを買い占めて大変な批判を諸外国から受けるようになったわけであります。そして一方、国民はどうかといえば、大都会では自分の家さえ持つことができない。退職金で年金生活をしようと思っても家さえ買うこともできないという、いわゆるそこに大企業と庶民との格差というものがだんだん広がってきて不公平感が国民の中に私は出てきたと思うわけであります。  そして、最後に軍事費の増大であります。ついに日本は世界の軍事力第三位にまでのし上がってきた。  私はそういうふうに九年間の行革を考えてみたときに、国民が期待したこととは全然逆な方向に進んできたのがこの行革ではなかったんだろうか。そう考えるときに、今度出されている第三次行革審の設置については、今までの九年間の行革路線を引き継ぐものであるだけに私はどうしてもこれに賛成することはできないわけであります。むしろ今政府としてやらなければならないのは、行革の中で今まで出されてきたたくさんの答申がありますけれども、片づいていないものの方が多いわけであります。その片づいていない中身の中で、本当に民主国家を建設するために役立つもの、あるいは国民の生活向上に役立つもの、地方分権に役立つもの、そういうものを政府として実行段階に具体的に入っていくのが今日本政府のとるべき政策ではないだろうか、そう考えるわけであります。そういう九年間の行革の残していった諸問題について私は考え、まあ前置きはこのくらいにしておきますけれども、こういう考え方に立ちまして、次に第三次行革審の設置法に具体的に入ってみたいと思います。  各省に設置されている審議会の性格でありますけれども、審議会というものは行政が抱えている専門的な問題を、行政ではなかなかこれをもっと深く具体的に政策にすることが非常に無理なときに、本当にその道の専門家に集まっていただいて、学識経験者の方々のいろんな意見をそこに取り入れて、そして立派な行政方針をつくっていこうというのが私は審議会のあり方だと思うんです。  ところが、臨調行革と言われる行革審という審議会は、これは我が国が目指す目標、例えば外交方針だとか社会保障のあり方だとか経済政策だとか、行政の組織、行政の運営、そういう問題に踏み込んでいるわけであります。いわゆる国の基本的な政策にまでこの行革審が踏み込んでいるということであります。どうも私は、中曽根内閣、竹下内閣、海部内閣、それぞれがほんの一握りの、言葉は悪いかもしれないけれども、一握りの財界や官僚によって行革審という名をかりてその基本方針がつくられているような感じがしてならないわけであります。本来こういう国の基本方針というのは内閣がつくるべきであります。そして、その内閣から提案されたものを国民の負託を受けた国権の最高機関と言われる国会において決定するのが私は筋道だろうと思うわけであります。どうも行革審というのは国会の上に内閣をつくり、内閣の上に行革審をつくるというそんな形になっていやしないだろうか。これは本末転倒だと思うわけであります。  私はそういう意味で、行革審というものはこの際もうやめるべきであるというように考えるんですけれども、私が今まで述べたことに対し、総務庁長官としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 山口委員、大変広範な角度からこれまでの行財政改革、臨調以来の行革審の打ち出した行革の方向等について御意見をいただきました。しかし、私どもはやっぱり行政改革というものは今こそ必要なものだ、こういうふうに考えるものでございます。パーキンソンの原則ではありませんけれども、行政、公務員というものは仕事の量に関係なく膨らんでいくものだというようなことが言われておりますが、これを改革するにはやはり客観的な、何と申しますか別の角度でもって物事を見ていけるような見識のある方方の御意見によって変化に対応するような行政のあり方に再構成するということは大変大事な、今の社会変化の激しい時代には必要なことだと私は思うわけでございます。  おっしゃられた点につきまして、地方分権式の第二のやり方があるのだと、中央集権的な国からおろすやり方よりも地方分権的なやり方が大事であるというお話もありましたが、私はそのような観点も含めてこれまで臨調以来の行革審の答申は進めていっていると思うものでございます。これまでの第二次にわたりますところの行革審の最終答申までに織り込まれた方向は私は現代において本当に適切なものである。今御批判もありましたけれども、三公社等の民営化の問題、さらにまた増税なき財政再建の問題、それから特例公債からの脱却の問題、これらは行革審というものがあって初めて、そしてその答申があって内閣においてこれを責任を持って実行してきた、必要なものについては法律案の形で国会に御審議をお願いして成立させたことによって私は実現したものだと、こんなふうに思うわけでございます。  しかし、地方分権のやり方、これ等につきましてはまだまだ不十分であるという御意見もございますので、第二次答申にもこれをさらに進めていけと、それが第三次行革審に引き継がれる問題の一つであることは委員の御意見にもかなうものだ、私はこういうふうに思います。そしてまた、今言われました生活者あるいは消費者、これらの角度を入れて生活の豊かさを実感せしめるための行政改革、これもまたこれからの新しい行革審の中で取り入れられるべき大きな方向であることは言うまでもないところでございます。委員と意見が違いまして、今度のまた行革審は私は集大成の方向において重要な、緊要なものだ、こんなふうに考えているところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 国の基本的な政策というのは内閣が立案されなければならない、そして国会に提案しなければならないと思うんです。これは当然内閣の責任だと思う。それをなぜみずからつくらないで、そういった行革審で一つの方向をつけてもらって、それに基づいたような形で政策が生まれてくるんでしょうか。そういう行革審というものがなければ内閣としての国の方向は決められないものなんでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は行革審は一つの諮問機関であろうと思うわけでございます。やはり行政の責任は憲法にありますように内閣に帰属しているわけでございまして、内閣が行政の運営については責任を持つ。ただ、行革審の答申を最大限尊重するということでありまして、やはり内閣が決定し、そしてまた実行するという点において責任は内閣にあることはもう当然だ、こういうふうに考えております。そしてまた、法律事項につきましては、当然国会に御提案申し上げまして国会で御審議を願う。そういうことでは私は内閣の上に行革審ができたというような考え方はあり得ない、こんなふうに考えます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 長官としては当然そうお答えになるでしょうけれども、我々から見れば、内閣がやるべきことを何か責任転嫁をして、行革審の方から問題を提起していただいて、いかにも国民がこれを望んでいるんだというような形でもって行革審から出させて、それを政府が方針としてまとめていくという、そんな形になっているように思えてならないわけでありまして、これは見解の恐らく違いになるんでしょうけれども。  本来審議会というのは、具体的なテーマを出して、それにふさわしいような人を選んで、そして専門的に論議をしてもらって答申を出してもらうというのが筋でないでしょうか。今回は具体的なテーマが明らかになっていないんですけれども、それはどう考えていますか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私どもは、第三次行革審におけるところのテーマについては、第三次行革審が発足いたしましてから、それから具体的なテーマについてひとつ御審議をいただく、こういうふうに考えております。つまり、これまでの行革審の答申、その実施状況等、これを御報告を申し上げまして、そしてこのような歴史の上にこれから行革審がスタートする。このような新しい時代に応じてどのような審議テーマが出るかというようなことはその後の問題で、発足してから慎重にまた御審議を願うことで私は適当である、こういうふうに考えているところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 それは逆だと思うんです。中曽根総理も六十一年の十二月十八日の参議院の内閣委員会、私おりませんでしたけれども、議事録を読んでみますと、「委員の皆さんが自主的にお決めいただくのが適当であると考えております。」、行革審を設置して、そしていろいろな問題について諮問していただこうというのに、テーマはこっちから出さずに委員の皆さんで適当にテーマを考えてやっていただくことがいいんでないかという、私はこんな審議会の設置というのはあり得ないと思う。審議会の設置というのは、あくまでも一つの目的を持って、この問題について皆さん専門家でございますのでどうかひとつ深く突っ込んだ論議をしていただいてその結果を出してくださいというのが審議会であって、テーマも決めないで出すなんというのは、私は全然これは審議会の性格をなしていないというように考えております。  それで、この人選なんですけれども、これはもうだれが見ても会長は財界を代表する人というふうに決まっているんですね、今までの二回の審議会の人選を見ておりますと。これは初めから財界主導で行革審をやろうという、そういう考え方に立っているとしか思えないんですけれども、そういう人選のあり方というのは問題があるんじゃないでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) まだ審議会は発足いたしておりませんので、どなたが審議委員になり、またどなたが会長になるということはわかりません。行革審というもの、そして行財政改革というものは社会経済全般に関係するものでございますから、それについて豊富なそしてまた見識を持っておられる方で構成されるものだと私は考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 長官はそうおっしゃっても、第二次の臨調のときには経団連の会長の土光さんがもう会長になるということはだれでもわかっていましたですね。それから第二次の行革審の場合でも大槻文平さんに、日本経営者団体連盟名誉会長です。財界のトップが必ず臨調行革の会長に座るということは初めから既定事実なんですよ、どう答弁しようとも。だから国民は、ああこの臨調行革というのは財界主導型でやるんだな、それに官僚がついて、財界と官僚の作文によってつくられるんだなということが、だれでもそういう疑問を持つのは当たり前だと思うんですね、そういうふうに考えるのは。  ですから、人選に当たってはそういう誤解を招かないような公平なやはり人選をされて、そしてその中で会長をだれにするかということを皆さんの中で協議をして決めるべきだと私は思うんです。そうでなければ財界主導の臨調行革というふうにこれからも言われますので、第三次についての人選についてはそういう点は十分配慮してほしいと思います。それとあわせて、女性が一人も入っていないですね、この九年間の行革審の中に。これも私は不思議でならないんです。自民党政府は女性をそれほど軽視しているのかなと思うんですけれども、その点も含めて、人選についてのお考えを聞かせてください。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 先ほど来申し上げておりますように、社会経済、行財政全般に豊富なそして見識のある方々に委員に御就任を願いたい、こんなふうに政府として、内閣としては考えているところでございます。  その中に女性というものも入れろというお話がございますが、ともかくも広範な範囲から国民の総意を代表するような形での委員の人選を図っていくべきだと考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 人事問題に触れてしまったんで、後で触れようと思ったために資料がちょっと見当たらないんですけれども、たしか審議会の中には官僚はなるべく入れないようにしようという閣議の決定事項があると思うんです。それは今でも生きていますか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今でも生きております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ところが、今までの行革審の特に小委員会、これは小委員会だって行革審、審議会の一つです。それを見ておりますと、例えば公的規制の在り方に関する小委員会のメンバーを調べてみますと、財界が八人、官界が八人、労働界が二人、学識経験者八人。非常に官僚が多いんですね。元どこどこの事務次官、元どこどこの事務局長、そういう人たちがずっと並んでいるんです。今官僚ではないと言うかもしれないけれども、現在の職業もいわば役所に準ずるような公社公団、そういうところにおりますのでみなし官僚とでも言っておいた方がいいんじゃないでしょうか。官僚の一部であることは間違いないと思うんです。  国と地方の関係等に関する小委員会を見ておりましたら、財界が六人、官界が十一人、労働界二人、学識経験者六人。非常に官僚が多い。土地対策検討委員会、これも財界七人、官界八人、労働界二人、学識経験者六人。いずれも官僚が多いんです。これじゃまるっきり行革審というのは財界と官僚でつくっているのかなというふうな疑いを持たざるを得ないんですけれども、こんなに官僚、元官僚を入れなければならない理由は何ですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 小委員は御承知のように審議会長が選任されるわけでございまして、そのときどきのテーマに応じて選ばれたものだ、その中にやっぱり行政経験のある者が選ばれたのが山口委員の御指摘の例ではないかと思うわけでございます。やはり審議会がこれは自主的に決定されるべきものであると思いますし、テーマ、テーマによっていろいろの人たちが参加してくださることが私は適当だ、こういうふうに思っておるところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 審議会の閣議決定の中にも、官僚についてはこれをできるだけ入れないようにしようと言っているんですから、第三次審議会が仮につくられた場合においては、その一部である小委員会のメンバーについても、閣議の決定がある以上、誤解を招くような元官僚であっても努めて入れないようにしてもらいたいという、そういった申し入れはできませんですか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) お話の審議会の委員につきましては、基本的にその審議会が、いわば行政が独善に陥らないようにできるだけ広く民意を反映させる、そういう意味でできるだけ民間の有識者の方にお願いをしていろいろ御審議をいただく、そういうことで関係行政機関の職員はできるだけ審議会の委員には入れないように、こういう趣旨の閣議決定でしたか、閣議口頭了解があるわけでございます。  行革審の場合の小委員会と申しますのは、行革審がいろいろな難しい問題を扱うわけでございますけれども、専門技術的な立場で問題をいわば粗ごなししていただく、そういう意味で便宜参与という形で会長が学識経験者等に委嘱をしていろいろ問題の粗ごなしをしていただく、そういうものでございますので、今大臣からも御答弁申し上げましたように、テーマによりましてはやはりその分野の行政の経験者という者も、特に先ほどの例にございました公的規制の問題につきましても、金融、エネルギー、物流あるいは流通等々八つの大きな分野にわたった検討が行われたわけでございます。そういった面、あるいは国と地方の関係も、先生御承知のように非常に広範な分野にわたる問題でございまして、そういう問題について専門技術的な立場からいろいろ問題の粗ごなしをしていただく、そんなようなお考えでたしか会長が適当な方を選ばれた、その中に行政経験を持った方も御指摘のようなことで入っておられた、こういうふうに理解しておるわけでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 冒頭に言いましたように、結局財界と官界が結びついてこの行革審の答申というのがつくられてくるだろうと言ったように、官僚の人たちがこういうふうにして入って、その小委員会の中でいろんなものを立案し、書いているわけです。大体そういう筋書きになっているわけです。だから、そういう官界の頭脳というものは、これは行革審じゃなくたってそれぞれの分野で行政の機関の中で十二分に発揮して、そこでちゃんと出していただいて、省の方針としてそれを閣議でもって方針としてきちっと決めていこうと思えばできるわけなんです。それを行革審であえて出させるというところに私は問題があると思う。だから、全部つくっているのは官僚なんですよ。  私こんな話を聞いたことがあるんですが、各省がこの小委員会の中に自分たちの先輩を入れるのに大変な努力をしているんだそうです。たまたまある官庁がうっかりして自分たちの代表を入れ損なったんです。そうしたら途端に自分たちの省に対しては不利益な答申が出てきたという話があるんです。それで、絶対に小委会の中だけは各省とも競って自分たちの先輩を入れておかなければ大変な答申が出てくるぞという話を聞いたことがあるんです。こういう誤解さえ招くわけです。だから、私は官僚というものはなるべく使わない方がいいというふうに思っているんです。  第二次の臨調の委員のお一人、旭化成工業会長の宮崎さんがこういうふうに書いているんですね。「月刊Asahi」の七月号で、大変おもしろいんですけれども、「政府審議会というのは、ほとんど役人の考えどおり運ばれるのです。役人の考えどおりに案をつくって、ほとんど修正させない。」「つまり隠れみのなのです。」、行革審は。「新行革審の答申というタイトルをつけているだけで、みんな役所がやっているのです。」「いまのような審議会なら、やめたほうがいいと思います。」、旭化成工業会長の宮崎さんがこう言っているんですけれども、総務庁長官、感想いかがですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 審議委員のお一人でございました宮崎委員の意見だと思います。その意見が全部行革審の何と申しますか、構成あるいは考え方に該当するかどうかは、まだまだ十分に検討してみなければそのように判断していいかどうか、私は判断できないと思っているぐらいで、ただ、専門的な事項について公務員の方々が意見を述べまた協力することは私は審議会側から要請されてあり得ることだと思うわけでございます。それがあながちすべて役人の意見だと、こんなふうには私は考えないところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 少なくとも七人のうちのお一人がそういうことを言っていらっしゃるということは注目すべきことだと思いますし、今までの役人が余りにも多過ぎるじゃないかということと絡み合わせて考えてもどうもこれは事実だなというようにとらざるを得ないわけでございまして、そういう誤解を招くような審議会構成というものは私はやっぱり考えた方がいいんじゃないかな、こう思いますので、今後の人選に当たって元官僚であってもできるだけ入れないようにしていただきたいものだ、こんなふうに思います。  時間がないので大分飛ばしますけれども、機関委任事務の問題です。  それで、この答申には地方の権限委譲を進める、こういうふうに書いてあります。大変結構なことだと思うんですけれども、どうも余り進んでいないんですね。たしか何分の一もやっていないんじゃないでしょうか。機関委任事務のこういうものを委任事務として地方に渡しなさいというふうに言っているんですけれども、まだ何分の一も進んでいない。  それで、こういう問題があるんです。例えば開発行為の許可権というのは今知事にあるわけですね。ゴルフ場の許可をする場合、これは知事なんです。ところが実際に被害を受けるのはだれかといえば市町村に住んでいる住民なんです。これは当然市町村長に許可権を私は与えるべきだと思うんです。十万人以上の市町村が申し出によって県側と相談して、県側がオーケーと言えば与えられるんですけれども、十万人以上というふうに指定したのもおかしいと思うんですけれども、しかしこれは一向に進んでいない。どうも知事の方が権限をどうしてもやっぱり持ちたがっているんでしょうかね。ところが、ある市でゴルフ場の開発を抑えようとしたんだけれども、権限がないために知事の方で許可してしまった。そういうことで非常に住民としては大変な迷惑を受けているというような問題もあるんです。当然私は、直接被害を受ける、利害関係を伴う市町村にこういう権限は与えてもいい問題だと思うんです。  もう一つ申しますと、都市計画の認可権なんですけれども、これは自治体側としてはぜひ自治体に与えてほしいと言っているんです。ところが建設省はこれに反対しているんです。ところが、地方制度調査会は市町村長に認可権を与えてよいと言っているんです。地方制度調査会も審議会の一つです。もっと行革審より専門的な問題を論議している。そこでは市町村に与えなさいと言っているのに、これを建設省は法改正しようとしない。例えば、私なんかも現実に自治体で体験したことなんですけれども、道路の幅を建設省は二十メートルでなければ許可しない、しかし自治体の方からいけば十三メートルでいいじゃないか。一体どっちをとるかということなんです。当然これは地域住民が利用する道路であるならば、地域住民の意思というものを尊重して決めるべきだと思う。それを全国的な視野に立って建設省がどうしても二十メートルなければだめだと言って固執をするわけです。こんなことまで一々建設省が認可権を持つ必要は私はないと思う。  一体どうして答申に出されているこういう問題が具体的に地方に権限が委譲されないのだろうか。私はこれは役人の縄張り争いがあるんじゃないかと思う。縦割り行政の弊害です。自分のところの権限は絶対にほかに譲らない。そういった縦割り行政の弊害、役人の縄張り根性、そういうものが私はここに出てきたと思うのです。こんなことは閣議でもってきちっと決定した問題なわけでしょう。機関委任事務をこれだけは地方に渡しなさいと閣議で決定している、それさえできないというのは問題があると思うんです。だから、内閣というのはもっと強力にこういうものはきちっと指導して、分権の世の中なんですから、ぜひ機関委任事務についてはすべて地方に委譲するようなことをしっかりと考えてもらいたいと思うんです。いかがでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 機関委任事務につきましても、先生御承知のとおり、臨調以来かなり数多くの具体的な事項が指摘されておりまして、これまでに指摘されたものはほぼ九割以上実現しているように私ども考えております。  昨年の暮れに国と地方の関係に関する諮問をいたしまして行革審で御審議いただきまして答申をいただいたわけでございますが、その際に、特に権限委譲の問題につきましては、先生から御指摘がありましたいわゆる地方制度調査会がかつて答申を出しながら何年も放置されていたというような問題もたしか十六項目ございましたが、これも一応行革審で取り上げて検討いたしまして、二項目はちょっとその後の事情変化等がございましたが、十四項目につきましては、必ずしも地方制度調査会の答申どおりではございませんけれども、権限を委譲する、地方分権を推進する、そういうような方向の答申が出されまして、それを昨年、同時に年末に閣議決定をして、今実施に移している段階でございます。もし閣議決定で決められたことが実行されていないようなことがございましたら、私どもも厳重に監視いたしまして各省庁にその推進方を強力にお願いしたい、そういう意味のフォローアップをしたいというふうに考えております。  それからまた、ゴルフ場等の問題が提起されましたけれども、ちょっと具体的なあれはよくわかりませんが、昨年の国、地方の関係の答申の中におきましても、国から地方に対する権限委譲だけでなくて、県から市町村に対する権限委譲、そういう問題も含めまして五十項目近い具体的な指摘をいたしておりますが、これも今後の課題として実行に移してまいりたいというふうに考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今あなたがおっしゃった地方制度調査会なんですが、地方制度調査会で「地方公共団体への国の権限移譲等についての答申」というのが昭和六十三年の五月十八日に出ている。第二十一次の答申なんです。この中に権限移譲しなさいと十六項目出ているんです。ところが、地方制度調査会答申というものは閣議決定していないんです。同じ中身で、二つだけ取り除いて十四項目について行革審から「国と地方の関係等に関する答申」というのが去年の十二月二十日に出た。こっちの審議会の答申に対して閣議決定しているんです。地方制度調査会、これだって総理の諮問機関でしょう、何で地方制度調査会で出した同じ内容のものを閣議決定しないんですか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) これは行革審とか地方制度調査会に限らず一般的な審議会の答申をどう扱うかという問題だと思いますけれども、各省庁の所管しております審議会につきましては、その答申が出されますと、特にそれを具体的に推進要綱のような形で閣議決定をする場合もございますけれども、どちらかといいますと、そういう各省に属しているような審議会答申はその省でいろいろやれることを事実上もうやっていく、こんなようなこともございまして、必ずしも閣議決定をしないでこれまで運用されてきているということもあろうかと思います。  特に、臨調あるいは行革審におきましては、これは事柄自体が行政全般にわたる問題でもございますし、また先生御承知のように、この行政改革は非常に利害の対立する各論反対のような、そういう性質を持っておりますので、とにかく政府として答申が出ましたらまずこれを最大限に尊重する、こういう方針を決め、かつ具体的な方策も閣議決定をしてまず各省を縛ってしまう、こういう運営をしながらその実現を図ってきている、そういう点がある意味では臨調、行革審のこれまでの運営の特色の一つではなかろうかというふうに考えております。各省の場合、いろいろな審議会答申の扱い方はあろうかと思いますけれども、少なくとも臨調、行革審については今申し上げたようなことで実現を図ってまいった、こういうことでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 審議会を担当していらっしゃる総務庁長官として、これはちょっとおかしいと思うんですけれども、今の答弁の中で地方制度調査会というのはふだんやっていることも書いているんだと言うけれども、そんなことないですよ。ふだんやっていることを何も書くことないんで、これから地方制度の問題としてこういうことをどうしていったらいいですかということをそれぞれの学識経験者とか関係者が集まって大変な論議をして一つの方向づけをしているわけでしょう。その証拠に二十一次の答申というのは、権限移譲十六項目というのは全く新しい問題ですよ。だから、新行革審の中の小委員会で国と地方との関係に関するところではこの中から十四項目だけ取り上げて、そして答申しているわけでしょう。そうしたら当然地方制度調査会の方をまず閣議決定しておけば、何も新行革審の方でこんなことについて論議する必要がなかったんです。地方制度調査会は同じ審議会なんですからもっと重要視して、閣議決定をするくらいのことを長官考えたらいかがでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) いろいろ審議会の運営の仕方等もございますけれども、地方制度調査会につきましては、先生もう十分御承知のことかと思いますが、いわば地方自治といいますか、そういうような観点に立ってあるべき姿を専門の地方行政という分野から御審議になり、いろいろな答申を出してこられた。ところが、御承知のとおり実際問題としては、地方制度調査会の答申はなかなか実現といいますか、日の目を見なかったような問題がたくさんあるわけでございます。  実は、昨年の国、地方の問題の検討に当たりまして、地方制度調査会の方からも、自分たちが答申を出した問題について、これも初めて六十三年に出された問題でなくて、そこに掲げられました十六項目というのはまさにもう十年もあるいは二十年も前から何回も何回も提言されながら日の目を見なかった、そういう問題も数多く含まれておるわけでございますので、せっかく行革審の方で国、地方問題を取り扱うのであれば、ぜひ今まで調査会が答申を出してきたこの十六項目についても含めて権限委譲の問題を検討してほしい、こんなような御依頼もございまして、行革審の中にもそういう意味で地方制度調査会のメンバーの方にも何人かお入りいただき、両者の連携を密にしながら行革審の方で検討し、各省と相当激しい論争をして結論を出した、それを閣議決定に持ち込んだ、こんなようなことでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 さっき言ったように、官僚を小委員会の中に入れておかないと大変だというのはこういうところにも出てきている。もし入れておかなければ、こういう権限委譲のこともできなかったかもしれない。だから、私はやっぱりこれは同じ審議会なんですから地方制度調査会をもっと尊重して――そこで出された意見というのは何もとっぴな意見が出てくるわけじゃないんです。当然行革審では同じような問題を取り上げてきているわけで、片方が答申しているんですから、もっと地方制度調査会の答申についても今後できるだけ尊重して答申するようにしていただきたい、このことについて長官のお考えを聞かしてください。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 今私の局長が申しましたように、各審議会、調査会の答申についての取り扱いについては、沿革的だと思いますけれども、いろいろなやり方があるようでございます。行革審の答申だけは閣議決定を得るという習慣ができておりまして、他の答申は、私も政府税調の答申などをやっておりましたが、答申自体を閣議決定するようなことはしないで、それを採用して要綱あるいは法律案にしたときに閣議決定するような習慣があるようでございます。これはいろいろ沿革あるいは閣議決定の性格にも影響することでございますので、今申されました点についてはこれは検討してみたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ぜひ検討していただきたいと思います。  この間、六月の十七日に自民党の婦人部の活動者研修会の中で小沢幹事長が講演しておりまして、その中で地方自治制度に触れております。地方自治体に金も権限も預け、身の回りのものはやれるようにしなければいけない。大変いいことを言っていらっしゃるんです。さすがに自治大臣をやられた経験を生かされたと思うんです。幹事長もそうおっしゃっておりますが、この最終答申の中にも同じように言っているんです。地方自治というものをもっとやっぱり重要視して権限を預けよと言っているんです。ですから、そういう点で、今後やっぱり地方自治体に対する権限委譲というものを真剣にひとつ考えていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。  次は、「国と地方の関係等に関する答申」の中に、「地方公営企業等の経営合理化、第三セクターの活用の在り方等」という項目の中で、事業の民営化または民間移管を推進する、公設民営方式の実施、第三セクターの活用を図るということを答申の中に書いているわけであります。  公営企業というふうに申しますと、地方の公営企業で最も代表とするものは上下水道だと思うんです。ところが、水道法の第六条、この中にはこう書いております。「水道事業は、原則として市町村が経営するもの」とする、水道法で水道事業というのは市町村が経営するものだ。下水道法はどうかといえば、「公共下水道の設置、改築、修繕、維持その他の管理は、市町村が行うものとする。」。いずれもこれは市町村が行うものとすると書いてあるんですけれども、この答申の中では民営化をうたっているわけであります。しかし、水道法、下水道法の精神から考えるならば上下水道は答申の地方公営企業には当たらない、そういうふうに解釈してよろしいですね。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今公害企業の例として上水道、下水道の例を引かれましたが、例えばこの答申の中では 公営企業といたしまして、私営バスとかそういった民間のバスもかなり幅広く運営されている、そんなようなことで基本的にはやはりそれぞれの地域の実情に応じて民営化になじむものはできるだけそういう方向で今後進めていったらどうか、こんなようなふうに私ども受け取っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 公営企業はたくさんありますけれども、病院からバス事業から地下鉄からあるんですけれども、時間がありませんので代表して水道、下水道に絞って申し上げたんです。しかし、これは法律の精神からいくならば、民間に委譲すべきものではなくて自治体みずから行うものであるということを法律ではっきり書いている。だから、公営企業の民営化の答申の中には民営化せよというふうに書いているけれども、上下水道は法律の精神からいっても入らないというふうに解釈してよろしいですねと言っているんです。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 私どもは特に公営企業の中身で、具体的に例えばこういうものはどうだ、こういうものはどうだと、必ずしもそういった点を全部公営企業の内容について詰めているわけではございませんけれども、今の現行法上原則として地方公共団体が行うようなそういう立場になっているものにつきましてはやはり民営化あるいは民間移管になじまない、そんなような考え方じゃないかというふうに思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ぜひそういう方針でこれからも進めていただきたいと思います。きょうは自治省もいらっしゃっていると思いますので、自治省も当然政府の見解を統一してそういう方針で進んでいただきたいということをお願いしておきたいと思います。  とにかく公営企業というのは、特に上水道、下水道というのは本当に利益を度外視しなければできないわけですから、そんな利益を追求するような民間企業に任しておいたんでは、今世界的に水問題というのは大変な課題になって、だんだん今汚染されてきて、これを一体どういうふうにしてきれいな水にしていくか、そして国民にそれを供給していくか、どういうふうにして安全に処理をしていくかという、これは大変な今、それこそ地球的な大きな課題でもあります。それだけに一層公共性を追求していかなければならないと思うんですけれども、今の総務庁のそういう見解でぜひひとつ進めていただきたいものだ、こんなふうに思います。  それから、住民投票制度について答申の三十二ページに書いてあります。「住民の参加機会の拡大」、「住民投票制度や直接請求制度を始め政策形成等における住民意思の反映・吸収の充実方策の在り方について、検討する。」。大変結構な中身だと思います。  それで、住民投票というのは、その投票の結果に従っていくというのが行政側の責任だと思うんです。ところが、神奈川県の逗子市なんかも見ておりますと、池子の弾薬庫の跡に米軍住宅を建てるということに対して住民の反対運動が起きました。その中で市長選挙が三回、市会議員選挙も行われたわけですけれども、いずれも反対派が勝利しているわけです。ところが、反対派が勝利しているにもかかわらず防衛施設庁はいまだにその建設の意思を改めようとしない。これは私はおかしいと思うんです。  アメリカなんかに行きますと住民投票制度というのが確立されて、住民投票の結果には行政庁は従わなきゃならないという法律があるわけです。そこまで規定して初めて住民投票制度というものが確立されたということだと思うんです。例えば冬季オリンピックをデンバーで行おうかどうかということが随分前に問題になったことがあります。そのときに、アメリカ合衆国としても、あるいはデンバー、州としてもやりたかった。しかし住民投票にかけなければだめだということで、デンバーのたしか市の条例に基づいて住民投票をやったら、そんな自然破壊をするオリンピック、しかもこんなに金のかかるオリンピックならやらない方がいいという住民の意思が多数を占めて、結局アメリカとしてデンバーで冬季オリンピックをやろうと思っていたのができなくなったという例がございました。そのくらいやはりこの住民投票制度というものは法的にきちっとされているわけです。  そういうことを考えるときに、我が国においても住民投票制度というものをもう少し法制化してみたらどうだろうか。今地方自治法では住民投票制度をやりたければ市町村が条例をつくってやってもいいということになっておりますけれども、その結果に従えとは書いておりません。しかし、これは極めて重要な政策について、あるいはそれぞれの議会が指定するような政策について、それは住民投票にかけなければならないという法律改正をして、その結果についてはたとえ国であろうとも行政庁はすべてこの結果に従うという、そういう法制化した住民投票制度を私はこの答申の精神に基づいて検討すべき時期に来ていると思うんですけれども、いかがでしょうか。

松本英昭自治省行政局行政課長

○説明員(松本英昭君) 住民投票制度につきまして、行革審が検討する必要があるという答申を出しておりますことは先生御指摘のとおりでございます。また、ただいま御指摘のように、アメリカ等におきましては住民投票制度というのがかなり普及をいたしていることも事実でございます。  ただ、この住民投票制度は、一方で代表民主制との兼ね合いがございまして、我が国におきましては、先生御指摘のように若干の住民投票制度を導入いたしておりますけれども、代表民主制との兼ね合いで補完的な役割ということになっておるわけでございます。そういうことから、ただいま一部御指摘もございましたように、地方公共団体においては条例で事実上の住民投票制度というのを設けているところもあるわけでございますが、条例で設けました住民投票制度というのはあくまでこれは事実上のものでございますので、ただいま先生御指摘のように制度的な担保というものはないわけでございます。  私どもも、かつて地方制度調査会におきましてそういうことについても検討をしたらどうだという御答申もいただいておりますが、先ほども申し上げましたような代表民主制との兼ね合い、また我が国の地方制度、地方自治制度全般の制度的な仕組みとの関係等も考えながら、なお慎重に検討を要するものと考えているところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 民主主義というのはできるだけ直接民主主義であった方がいいと思うんです。そこに住む十万なら十万の市民の一人一人の意見というものが行政に反映されるというのが民主主義の一番いい方法だと思う。だから、直接民主主義というのは民主主義としては一番いい形態だ。しかし、スイスのように全部の市民を集めて、こういう問題について賛否をとるから賛成の人は手を挙げてくださいと言って何万人も集めてやるわけにいきませんね。だから代表制民主主義というのをとっているわけです。  今あなたがおっしゃるのはそういうこととの兼ね合いだと言うんですけれども、しかし議会だけではなかなか決定できない、果たして決定していいんだろうかという問題だって出てくるんです。そのために住民投票制度というものをつくって、一人一人が投票に参加して直接民主主義の手法を取り入れているわけでしょう。住民投票制度というのは一番いい制度だと思うんです、民主主義の中で。だから、私がさっき言ったように、議会を無視してやれというんじゃないんです、例えばこうこうこういう問題については住民投票にかける、あるいは議会でこれは住民投票にかけるべきであるという、そういったような議決をした問題についてはかけるという一つの制限の中で住民投票制度を考考たらいかがですかと言っておる。どうですか。

松本英昭自治省行政局行政課長

○説明員(松本英昭君) いずれにいたしましても、先生御指摘の点も大変貴重な御提言だと思います。重要な事項について住民投票にかけるべきだというのが、かけることを検討したらどうかというのがこの御答申の趣旨でもあろうかと思います。そういう点から、地方自治制度全体の兼ね合い等も考えながらなお今後研究をさしていただきたいと思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ぜひ検討してみてください。  あと時間かないので、もう二つに絞ります。  昭和三十九年の七月、随分古い臨時行政調査会で、第一次臨調と呼んでいるんですけれども、行政手続法というものをつくった方がいいんじゃないかという答申が出されているんですが、これが二十数年間放置されている。しかも、当時は条文まで用意しているんです。  これは随分古い話ですけれども、もう一度読んでみますと大変いいことを書いているんです。「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為に関し、」「公正にして迅速な手続を整備することにより、国民の権利利益の保護を図るとともに、行政の適正な運営を確保することを目的とする。」。だから、国民の権利や利益をきちっと図っていくことが政府の役割だ、行政庁の役割なわけですね。しかし、一歩間違うと国民の権利を侵害しかねないということで、行政手続法というものを制定することによってそういったものを守っていこうという考え方でつくられたものです。これは何で二十数年も放置されているんでしょうか、条文まで用意されたことにもかかわらず。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 必ずしも詳しい事情はわかりませんけれども、たしか第一次臨調が提案いたしましたこの行政手続法案といいますか、法案要綱といいますか、これの中身はかなり広範な分野にわたっておりまして、これは必ずしも正確かどうかわかりませんけれども、今お話しの例えば公権力の行使といいますか、行政処分に係る手続以外に、行政計画をつくる場合の手続とか、あるいは行政部内でいわゆる法令的なものをつくる際の手続とか、かなり広範な分野も含めた手続について検討され、それが答申で出されたものと記憶いたしております。  端的に申し上げまして、一つは、そういった個個の手続については個別の法律等が根拠として昔から各省にいろいろつくられてきておりまして、各省にとってみれば現行の個別法によっておけばそれで何ら支障はないのではないかというような雰囲気が一つはあったのではないかと思います。そういう意味で、全体としていわば法制化についての機が熟していなかったのではないか、そんな感じが一つはいたしております。  ただ、そこで指摘されております、先生が特に取り上げられた公権力の行使に当たってこれを公正かつ迅速に行うというような趣旨につきましてはまさにそのとおりでございまして、今日、第一次臨調を経て、特に最近におきましては、例えば我が国の行政手続に外国の企業あるいは外国人等も許認可の申請をする等々、いろいろな面で手続に参加してくる機会がふえておりますので、そういった目から見ても日本の行政手続はどうも不備だ、不透明だ、こんなような声が起こらないとも限らない。こんなような情勢もその後かなり進展してきておりますので、そういうことも背景にいたしまして、この間の第二次の行革審におきましても、できるところからやるというような趣旨も含めまして、処分手続を中心とした行政手続法制、こういうものについてできるだけ前向きに検討してはどうか、こんな趣旨の答申も出されているところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 情報公開もやらない、その上行政手続法もつくらないでは、非常にやはり国民の権利義務というものが守られない心配もありますので、後ほど同僚委員も取り上げる問題だと思いますし、この辺でやめますけれども、ぜひそういった方向で検討していかなければならないというふうに思います。答申はもう二十年以上前に出ているんですから、これを実行するのが今の政府の責任だと思いますので、具体的にひとつ作業に着手してほしいと要請しておきます。  最後の問題として、労働省いらっしゃっていますか。――最近労働省は労働者という言葉を使わないで勤労者という言葉を随分使うんですね。例えば勤労者福祉部長、勤労青少年室長。最近どうもそういうふうに変わってきたんですけれども、これは何のために勤労という言葉に変えたのか、簡単に答えてください。

澤田陽太郎労働省労政局勤労者福祉部企画課長

○説明員(澤田陽太郎君) まず労働者福祉部についてでございますが、憲法その他の法令で勤労者という言葉が労働者と同義に使われていること、これが一つ。それから二つ目は、私どもが所管しております勤労者財産形成促進法あるいは勤労青少年福祉法、こういうものにそういう用語があるということで、勤労者福祉部という形にいたしたものであります。  それから、勤労青少年室につきましては、従来婦人少年局におきまして年少労働課というのがございまして、そこで勤労青少年の福祉の問題と労働基準法に基づきます年少労働者保護の問題、二つ取り扱っておりましたが、近年福祉の問題が非常に重要になりましたので、勤労青少年福祉の部門だけを取り出した勤労青少年室というものを独立で設けた、こういう経緯でございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 私の聞いているのは、労働者という言葉を使わないであえて勤労者という言葉を頻繁に使うようになったのはどういうことですかと聞いているんです。  それで、時間がないんですが、簡単に使うけれども、そんな簡単なものじゃないんですよ。これは労働省が編集した「労働行政史」第一巻の千一ページにこういうふうに出ているんです。「一七年六月、政府は「行政簡素化実施要領」を閣議決定したが、厚生省ではこれに基づき一一月一日をもって労働局および職業局を統合し、新たに勤労局を創設した。」。  それで、この解説としてこう書いてあります。   勤労局設置に当り、「勤労」という言葉について、小泉厚生大臣は一七年一一月の地方長官会議で次のように述べている。   従前の労働局と職業局とを統合して、新たに勤労局を設けたが、局の名称として労働とか労務とかの言葉を排して特に勤労なる言葉を選んだのは、特別の配意を用いたからであります。種々の論議はありたるも結局局の名称を勤労局と称し、労務管理を勤労管理とし労働能率を勤労能率とする等総て勤労なる言葉を以て一貫したのであります。是れ一には労資対立、労資協調と言うが如き外来の思想を悉く一掃し、言葉の上よりも之を抹殺せんとの意図を表明したかつたからであります。 こう述べているんです。労働という言葉を使えば、これは労資対立だとか労資協調だとかという外国思想につながっていくんだと。  勤労というのは励まなきゃならない、一生懸命やんなきゃならない。労働というのは体を動かして働くことだ。だから国民に、行革の路線じゃないけれども、自主自立ですか、何でも国民に一生懸命やれと一番最初に土光会長がめざしを食べて、財界のトップでさえめざしを食べて我慢しているんだから国民も少しは我慢しようじゃないかと自立自助の方針出してきた。こういう思想がこういうものにもつながっている。私は行政改革というものはこんなところにまであらわれているのかなとびっくりした。こんなことをきちっと改めることが本当の行政改革じゃないんですか。

澤田陽太郎労働省労政局勤労者福祉部企画課長

○説明員(澤田陽太郎君) 今先生御指摘の文献は、私が理解する限りでは労働と勤労の区別について触れておられるものと思います。私どもが使っておりますのは、労働者、勤労者、この二つの違いでありまして、今日私どもが勤労者福祉部というふうに使っておりますのは、労働者という概念よりもより広い働く者をなるべく広く包含したい、そういう意味で勤労者という概念を使っておるのでございまして、決して今御指摘のような思想とは無縁であると考えております。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時三分休憩      ─────・─────    午後一時一分開会

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、臨時行政改革推進審議会設置法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 官房長官にお尋ねいたします。大変お忙しいところ恐縮でございます。  この臨時行政改革推進審議会の最終答申を見ますと、最終答申の中に「我が国が目指すべき目標」というのがございまして、その中に「世界の平和と発展に貢献することである。」ということが書かれております。そしてさらに、「行政の課題」というところを見ますと、「世界に開かれた日本」であるとか、あるいは「世界への積極的な貢献」というような課題がございまして、特に「世界への積極的な貢献」の中にこう書いてございます。「新たな世界秩序の形成と世界の平和と発展のため、我が国にふさわしい役割を果たす。」、こういうことが最終答申に盛り込まれておりまして、私自身はこの文章そのものには何の異存もありません。そこで、さらにこの最終答申の一番最後に、これから日本が世界の孤児にならないようにどうしたらいいかというようなことも今後の課題だ、こう書いてあるわけです。  そういうことを考えますと、今日の大きな世界の情勢の中でこの最終答申というものの精神を生かすとすれば、これからの日本の取り組むべき大きな課題として軍縮という問題は避けて通れない問題ではなかろうか、これは極めて大きな大事な問題ではなかろうか、私はこういうふうに思うわけでございます。まず、今後の日本の取り組むべき課題として軍縮というものが大きな課題だというふうに、官房長官もそういうお考えを持っておられるかどうか、その辺をまずお尋ねしたい次第です。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 我が国があの悲惨な第二次大戦の跡から立ち上がって、そして今日ここまで来て、国内で見ればいろいろな問題はそれはたくさんあるでしょう、だけれども、外国から見れば日本は本当に平和で豊かな国だと、ほとんどの外国からおいでの皆さんはおっしゃいます。そういうふうになったのは、日本人が働いたからだけではなしに、やっぱり世界の中で日本が平和にここまで繁栄を続けてきたということについては、これから日本の国力に応じてできる限り世界に貢献をいたさなければならぬ、そういう気持ちは私は日本人一般が皆持っておる気持ちだろうと思います。当然、政府の施策としても世界に貢献すべきであるということは私はごく自然の成り行きだろうと思うております。  もちろん、日本は軍事的に援助というわけにはいきませんのですから、経済的な援助とか、文化的な交流だとか、技術交流だとか、いろいろなやり方はありましょうけれども、そういう点で世界に対してできるだけ貢献をしていくということは、これは当然のことだろうと思うております。しかし、日本も政治的なことは一切それは難しいなどと言うわけにはまいらぬわけでありまして、まずアジアの中で日本が何ができるかということは、やっぱり日本はアジアの国ですから、これは一番先に外交を通じて日本のできるだけの、経済的のみならず政治的な役割というのもあらうかと思うております。  もちろん、冷戦はもう終結をいたしまして、今までの冷戦だったら、冷戦の中でデタントになったりあるいはまた冷たくなったり温かくなったりしてまいりましたけれども、今ではもう対話と協調の時代に入った。米ソがもう協調体制に入ろうとしておるときでありますから、そして日本も東ヨーロッパの援助にまで努力をしなければならぬという時代になっておりますから、当然そういう大きな歴史的な潮流というものはアジアにも及んできておる。もう既にその徴候はあなたも御承知のとおりでございます。  ですから、韓国は早速モンゴルと国交回復したり、次はソ連ともっとアプローチしたりやっておりますよね。そういうようなことでございますので、日本といたしましても、この間、盧泰愚大統領が来られて、一番近くて遠い国だと、地理的には近いけれども人間の心の間のつながりは非常に冷たくて遠い国だと言うて、そういう日韓関係を改善しようと言うておいでになられた。将来に向けて日韓関係をしっかりと手を握って共同歩調で歩こうと、あの気持ちには私は大いに賛意を示すところでございまして、我が国もそういう姿勢で対応した。四十年来のもやもやというものを一掃したということは、単に目に見える経済援助だとか何だとかというよりもはるかに大きいやっぱり進展であったのではないかというふうに私は感じております。日米関係は、これは基軸でありますから、大事なことは当然で、もう構造協議も仕上げにゃなりませんけれども、アジアの日韓関係を整えたということは、日韓連帯して将来に向けてアジアのために協力していこうということは、私は非常に大事な第一歩ではなかろうかと思うております。  それから日中関係は、先生御承知のとおり、国交回復を既に開かれて順調にきたと思うておりますけれども、円借款問題で今多少問題はありますが、これだってやがて私はサミット後に解決をしてもらいたいし、日本も努力してもらいたい。しかし、中国にも世界の大勢をよくごらんいただいて孤立しないように協調してもらいたい。これだけの世界の大きな変化があらわれれば、必ず協力、協調体制、経済のみならず人権についての考え方もやはり中国についてももっと考えてもらいたい。そうすれば、中国は孤立しないで堂々として世界の中で協調体制ができるわけでありますから、日本としてもそういう中国の態度について非常に期待をしておるわけであります。そういうふうにして、日本と中国との関係も今後ますます改善をしてやっていかなきゃなりません。  それからまた、来春あたり想像されます、ゴルバチョフ大統領がおいでになりますが、これだって戦後四十数年の懸案を解決しようという気持ちは、私は日本国内にも十分受け入れ態勢はあると思うております。ゴルバチョフも昔と同じようなことを一歩も出ないというようなことはなかろう、世界の大勢が動けば必ずソ連も動く、そしてゴルバチョフ大統領も新たなる提案があるのではないかなというふうに私は期待をいたしておりまして、この機会をつかまえて四十数年を一挙にやはりデタント、そして協調、協力という方向に持っていかなければならないなと、そういう気持ちがいたしております。  そういうことで日本にできることは、やっぱり世界に貢献する日本でありますが、まず足元のアジアからできるだけ、経済的のみならず政治的にも文化的にもいろいろな面で助け合って協調していきたい、それが私は当面の日本の大きな使命でなかろうか、そういうふうに思っております。うるさい政治的なことは逃げるというようなことは、そうはいきません。そこであなたのおっしゃるように、世界がそういう大きな変化を示せば国際的に相互に軍縮が進むということは、既にもう米ソ間でも始まっておることは御承知のとおり、欧州でもそういうことであります。そうすれば、アジアにおきましても、これは欧州とはすぐそのままイコールではございませんけれども、事情の変化を確かめながら、やはり一歩一歩国際的な軍縮に歩みつつある、枠組みが変わったんですから、そういう方向にあるだろうと。早いか遅いかはこれは現実を見なければわかりません。そういう考えを一般的に言えば持っておるということでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 きょうの新聞見ますと、アメリカの国防長官が、米軍は五年で約四十四万人削減をすると、全兵力の二五%を減らすというようなことが出ております。さらに、ソ連のシェワルナゼ外務大臣は、ことしの一月にソ連を訪問したアメリカの上院議員団との会談の中でこう言っております。アジアの在外ソ連軍の駐留兵力の全面撤収を行う考えだと、そしてアジア・太平洋地域での米ソ二国間あるいは多国間の恒常的な交渉、対話システムを確立し、軍縮を基本とした安全保障問題に力を入れていくという立場を明確にしたと。要するにソ連は、アメリカとソ連だけではない、関係のアジアの多国間でも軍縮のための会議を持っていく、あるいはそういう制度をつくっていく、こういうふうに腹を固めた、こういうふうにシェワルナゼさんは一月のアメリカの上院議員団に言うたと、こう言われているんです。  そうなりますと、この九月にシェワルナゼさんが日本に来ますから、アジアにおける軍縮のための機構、アメリカ、ソ連、日本、中国あるいは両朝鮮を入れたそういうシステムをどうやってつくるかというふうなことが当然私は議題に上がってくると思いますし、もうそれは避けて通れない問題だ、むしろ日本としては積極的にその問題に取り組んでいくことが大事ではないかというふうに思いますが、官房長官の御所信を承りたいと思います。いかがでございますか。最後、それだけです。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) この間、私のもとへ社会党の代表の方がおいでになって、アジアにおける各国が集まっていわゆる軍縮を進め安全保障を確立したい、アジア安保ですか、そういう申し入れに来られました。基本的な精神においてまことに結構だと思います。  しかし、これはただ日本がぱあっと旗を上げてそのまま皆ついて来いというわけにはまいりません。それはやっぱり各国とよくよく話を通じて、そしておのおのの国がその気になって、そして連帯をしていくということが大切でありまして、先ほど私が申し上げたのは、日本は韓国ともそれから中国とも、将来は北朝鮮にもアプローチしようと今しておりますから、今やっておりますから、みんなの国がやっぱりその気になって、そして客観的な環境が醸成されればそういう方向に行くのが望ましいのではないかな、そう思っております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 どうかひとつそのお気持ちで頑張っていただきますことを御要望申し上げて、大変お忙しいところを来ていただきましてありがとうございました。  それでは、総務庁長官にお尋ねをいたします。  実はきょう私びっくりしたんですけれども、いわゆる俗に言う三大紙の一つに、「第三次行革審 会長に鈴木永二氏有力」、こういうふうにでかでかと鈴木永二さんというお方のお写真が載っておって、この方が会長になるような記事になっておるんです。それで、これを拝見しますと、何と五月の十五日に、今私どもが審議しておるこの設置法案を提出して間もなくですよ、「塩崎総務庁長官が水面下で人選を進めてきた。」、こう書いてあるんです。そして、いろいろ財界でも一部異論はなくはないが、「最終的に「財界の重鎮で識見があり、審議会の意見をまとめるには適任」と判断、起用が固まった。」、こうなっておるんです。塩崎総務庁長官のお名前まで、「水面下で人選を進めてきた。」と、こうなっております。これはいかがなものでございましょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は、私の名前まで出されて大変迷惑に思いますが、そのような事実は全く存じません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 下世話に火のないところに煙は立たないというようなこともございます。総務庁長官が実際に根回しをして、この方でいこうじゃないかというふうに腹をくくったんじゃないんでしょうか。そうとすれば、これは私は大変なことだと思っておるんです。大体こういうことが新聞にすっぱ抜かれるというか、書かれるというのは、これは大変なことだと思うんです。ガリ版紙じゃありませんから。  私は、はっきり申し上げて、これだけ今議論をしておりまして、会長さんをどなたにするとか、あるいは人選をどうするかということについていろいろ注文しておるわけです。これからほかの先生方も人選についていろいろ御注文申し上げるわけです。そういうものを承った後、さあだれにしたのがいいかとじっくり御相談になるのがしかるべきなんであって、先ほども私どもの先輩山口委員からもお話がございましたように、いつも審議会のキャップは財界の親分、トップがなっておる、果たしてこれでいいか、こういう疑問もあるわけです。もうちょっと公平な立場の例えば学者さん、大学の総長をやったような方とかいろんな方が私はあってもいいと思っておるんです。たまにはそういう人を起用してやったらいかがかという気持ちもあるわけであります。またもや財界のトップがなるんだと、こういうことでございます。  少なくともこういうことが書かれるということは、どこか何かすきがあったのかだれかが漏らしたのかわかりませんけれども、少なくともこういうことが出るということは大変私は残念遺憾なことだと思いますけれども、いかがでございます

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 委員のおっしゃるように私も大変残念なことだと思っておりますし、そもそも審議会の委員は総理大臣の任命でございます。そういった意味で私が決定する権限は毛頭ございません。そのような記事が出たとすれば、まことに残念なことだと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そういうことでこの辺、人選の問題についてはよほど慎重にやってもらわにゃいかぬだろう、少なくとも国会軽視のようなことにならぬようにしてもらわなきゃいかぬだろうというふうに私は思っておるんです。  この答申を見ますと、至るところに行政の透明性、透明性ということが求められておると思うんです。長官もこれをお読みになっているとわかると思います。そこで、過般も本会議でこの情報公開法について、今どうなっておりますかという御質問をいたしましたけれども、まことに味もしゃしゃらもないような御答弁で、本会議ですからある意味ではやむを得ないと思っておるんですけれども、私はがっかりした。一体政府はこの情報公開法というものをつくる意思というか熱意というか、それが本当にあるのかないのか、まずそのあるかないかだけ聞かせてください、経過は後で聞きますから。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今の情報公開法の制度化の問題につきましては、臨調の答申におきましても、公正で民主的な行政運営を実現し、行政に対する国民の信頼を確保する観点から積極的に取り組むべき課題である、こういう指摘がございました。政府、私どもにおきましてもそういった認識を持って制度化の問題について目下検討しているというところでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 失礼ですけれども、局長さん、目下検討、目下検討と何十年検討しているんですか。  聞きますけれども、一体どこにネックがあるんですか。何と何と何がネックでここのところが乗り切れないんですと、これとこれとこれが重大な課題になっておりましてここのところが乗り切れませんということでなければ、検討します検討しますと言って十何年も検討しておって、それじゃ通りませんよ。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) この問題につきましては、大学の例えば行政法、政治学あるいは訴訟法等の専門の先生方にお願いをいたしまして、ここ数年来研究会をつくっていろいろ御議論をいただいているところでございます。先生方にも条例をつくっている都道府県、あるいは法律をつくっている諸外国にも実際においでいただきまして、いろんな運用の実態あるいは問題点、こういったものを把握していただきまして、そういったことも含めて御議論をいただいているところでございます。  これは指摘されております問題がたくさんございますけれども、若干の例を申し上げますと、例えば裁判の公開制度との関係をどう考えるのか、あるいは公務員の守秘義務との関係をどう考えるか、あるいはまた個人情報、企業秘密、こういったものをどういうふうな方法等で保護していくのか、あるいはまた最も基本になります各省庁の情報管理制度のあり方、こういったものをどういうふうに変えていく必要があるのか等々、かなり広範な分野にわたりまして問題が提起され、それらをどういうふうに解決するかというような検討をずっと続けてきているところでございます。  いずれにいたしましても、政府が最終的に仮に法案を出すというようなことになりますと、当然のことながら各省庁、全省の合意を得る必要がございますけれども、その前提といたしまして、各省庁の行政の実態、こういうものを踏まえ、我が国の実情に合うような制度としてどういうものを考えるか、こんなようなことでいろいろ議論をしてきていただいているところでございます。いずれにしましても、この研究会の成果につきましてはできるだけ早く取りまとめて、できればこの夏ごろにも研究会の成果を公表させていただきたいというふうに考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 夏に公表するんですか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) この研究会の研究成果のいわば中間まとめというようなものでございますが、研究会の先生方とも御相談をする必要があるわけでございますが、私どもといたしましてはとりあえずの今の時点での今までの研究の成果をこの夏ごろにも公表させていただきたいというふうに考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 余り政府がもたもたしているので私ども野党とすればほっておけないということで、御承知のとおり野党では一生懸命今各党が御相談をして情報公開法、各党で持っておるのを突きつけ合わせながら、最善のものというわけにはいかないと思いますよ、私どもだって。最初から一番いいものというのはできないです。しかし、そうかといってこの制度に踏み切らないわけにいきません、これだけ国際化されて、しかも民主主義が進んでいく中で。率直に申し上げて、サミットへ総理が行かれて、恐らく情報公開制度を持っていないなんというのは日本だけじゃないですか、恥ずかしながら、とは思いますけれどもね。これはもう笑われちゃいます。  したがって、我々とすれば、政府がどうであれどんどん我が方は構わずに皆さんと相談をして進めて、これはもう出すという腹をくくっております。あなた方は夏だなんて言っていますけれども、夏ごろにはこちらの成案ができてしまう。私どもは別に権力もなく力もないのに頑張って何しろみんなで突きつけ合わせてやってしまうんですから、できてしまうんですから。あれだけのスタッフを持っておってまだ夏ごろ中間報告ができて、法律の成文も何もできていない、これではどうかと思うんです。じゃ、夏に中間報告をつくって、法案としては一体どうするつもりですか。いつごろ出すつもりですか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) これまでの研究会の中間まとめという形で公表したいというふうに考えておりますが、そこでも先ほど申し上げたようないろんな問題も指摘されておりまして、法案をつくるといたしますとそれらをやはりクリアする必要があるわけでございますが、なかなか中には厄介な問題もございます。その具体的な中身につきましてはまた研究会の成果として公表いたしますので、そちらの方に護らせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたように、基本的にはやはり政府が法案を仮につくって出すといたしますと、各省庁、全省の当然のことながら合意が必要でございますので、そういった各省の実態を踏まえた法律というような話になりますと、やはりその調整等々いろいろ手間もかかりますし、今の時点でいつごろどうということはちょっと申し上げるような段階ではございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 最後にこれは申し上げておきますけれども、私どもですら一生懸命勉強しながら法案をつくって出そうとしているわけですから、スタッフがあり有能な人がいっぱいいるので熱意があればできる、欠けておるのは熱意であるというふうに私は思うんですが、政府としても早急に法案をつくるという腹をくくって、やっぱり日をある程度区切ってスケジュールをつくって進んでいくということでなきゃいかぬと思います。これは長官に私は聞きたいんです、最後に決意のほどを聞きたい。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 御指摘のように情報公開の問題は国民の行政に対する信頼確保の観点から取り組むべき課題であることは十分認識しているところでございます。今局長から御報告がありましたように、私どもはこの問題の重要性を認識してこれまでも検討を進めてまいりましたが、これからさらにまた鋭意検討を続けてまいりたい、こんなふうに考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 じゃ次の問題にいきます。  この答申を見ますと、先ほど申し上げたとおり、世界に開かれた日本であるとか、世界に貢献する日本であるとかということが書いてありまして、そのこと自体何の異存もないんですが、そうとすれば何で外国人労働者の問題がこの答申で取り上げられなかったのかなというふうに私は不思議に思っておるのであります。  そこで、まず事実関係をお尋ねしますが、法務省わざわざお越しのようですから聞きますけれども、六月一日から新しい法が施行されまして、その直前にいわば俗に言う不法就労者が大量に帰国したというような現象が起きたようでありますけれども、実態はどうなっておりますか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいま委員御指摘のありましたことは、本年の六月一日の故正入管法の施行に先立ちまして、日本国内で不法就労を行っておった外国人の人々がみずから当局に出頭しまして本邦からの退去を申し出る、こういう事態があったことを御指摘になっていると思います。ことし六月一日の改正入管法の施行の日が迫るにつれましてこのようなみずから出頭してくる外国人の人々の数がふえてまいりました。ことしの五月中一月間で東京首都圏を所轄しております東京地方入国管理局においては一万人を超える出頭者が出てまいったという事実がございました。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 全国的にはどうなんですか、統計はまだ集まっておりませんか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) 私どもこういう本人がみずから出頭してきて退去を申し出るということに限っての集計をとっておりませんが、今年の初めから五月末までの期間、全国的に見ましての数、こういうふうに出頭申告をしてきた不法就労の外国人の人々は二万数千件に及ぶであろうと考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 新しく法が施行されまして、いわば非単純労務といいましょうか、いろいろな資格が幾つかにふえましたですね。そういう人たちはかなり受け入れをしやすくしているはずでありますけれども、まだ日は余りたっていませんけれども、その辺は傾向としてはどうですか。六月一日からの入国の傾向、そういういろいろ条件が緩和されて入ってくる方が多くなっているとか、そこら辺の傾向はわかりませんか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) ただいま御指摘のように専門的な技術、技能あるいは知識等を持って日本で就労しようという外国人の人々についての受け入れの道を拡大いたしました。これが改正入管法の新しい在留資格という形で設けられたわけでございますが、何分まだ故正入管法施行後日も浅いことでございますので、施行後に特段に大きな変化があったという状況にはまだ至っておりませんが、特段のまた問題を生じているということもございません。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 そこで私申し上げたいんですけれども、いわば何をもって単純と言うかいろいろな議論のあるところでありますが、二万数千人の方が帰られたとしてもなお恐らく七、八万のいわば俗に言う不法就労者というものは日本に滞在をしておるというふうに見ざるを得ないと思うんです。そういう人たちが七、八万でもまだ何しろ日本におるということ、これは法治国家として大変な大きな問題だと思っておるんです。  したがって、基本的にはいわば俗に言う単純労働者というものをいつまでもこういう状態に置くということは許されないんではないか、やはり何らかの国家的な一つの関与のもとにこの単純労働者の受け入れということは、世界に開かれた日本であるとか世界に貢献する日本であるとかということであれば、これは避けて通れない問題、外交関係からいっても大変重大な問題だというふうに思うんでございますけれども、一体政府は単純労働者の受け入れについてどういう腹をくくっておるのでございますか。これはどなたがお答えになるんですか。

股野景親法務省入国管理局長

○政府委員(股野景親君) まず、ただいまの不法就労をしている人々が入管当局に出頭申告をした数、これは先ほど申し上げたとおり、本年初めから五月末までの間に全国で二万数千件という数に及んでいますが、他方、一たん出頭いたしました後に今度は出国するまでの間に、例えば出国するための飛行機の便がすぐにとれない、こういうこともございますので、場合によって出国までの一定の猶予期間を設けておりますので、五月三十一日までに出頭した者が全員すべて五月末までに出国したわけではございませんで、そういう人たちが出頭申告した後、六月に至ってからもさらに出国は続いております。  それから次に、いわゆる単純労働者の問題、委員御指摘の点でございまして、これは国会においてもいろいろな委員会において御審議をいただいているところでございますが、政府部内でこの問題についての取り組み方として、まず専門的な技術等を有する人については可能な限り幅広く受け入れていく。他方、いわゆる単純労働者の問題については、これは関係するところあるいはその影響が非常に大きいので多角的な角度から、観点から慎重に検討していく、こういうことにしておるわけでございます。  この問題について、いわゆる単純労働者というカテゴリーの人々を受け入れることにいたしますと、日本における労働市場に対する影響、あるいは失業というような問題が仮に景気の動きとの関連で起こった場合にどうするのか、さらにはこういう人たちを受け入れた場合に生ずるいろいろな行政的あるいは社会的なコストの負担をどうしていくのかという問題、あるいは生活習慣ないしは宗教等の違いによって住民との間でのいろいろな問題等を生ずるというようなことをやっぱり避ける必要があるという問題等のいろいろな面から問題を検討する必要がございますので、政府の中で関係各省がそれぞれの知恵を寄せ集めて、そして本来のあるべき姿というものを検討していこうということで現在積極的に検討を行っているというところでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 余り言葉は妥当じゃないんですけれども、好きじゃないんだけれども、開国だとか鎖国だとかこう言われておるんですが、いろいろな条件なりいろいろな障害というものをクリアしながら、基本的にはやはり受け入れを考えていかなくちゃいけないんじゃないか。これだけ物とか金とかがボーダーレスで国境を越えて流れていくのに人だけの流れをとめているというのは、これは率直に言って難しいと思います。そういうことを考えますと、今局長がおっしゃったとおりいろいろな条件なりございますけれども、障害がありますけれども、それは乗り越えて基本的にはやはり受け入れるという腹をくくらざるを得ないところへ私は来ているのじゃないかというふうに思います。  ちょっと時間がありませんから余り詳しいことは申し上げませんけれども、例えば五月二十四日の新聞に一斉に出ましたけれども、中小企業においては七社に一社が外国人労働者を雇用しておる、しかも三社に一社は今後も使いたい、それを使わなければもうやっていけないということを言っておるわけですから、率直に申し上げまして私は、今日日本の産業構造の中に外国人労働者というものは完全にビルトインされているというふうに思っていいと思うんです。現に製造業あるいは建設業等で外国人労働者が全然いない、今ゼロになったとしたらどうしますか。全部つぶれますよ。七万か八万、いい悪いは別にして現におるんですから、これを全部ゼロにしろったってこれはむちゃくちゃな話なんで、むしろそれをあるがままにある程度受け入れながら、そういう人たちの例えば人権をどう保障していくとか、あるいは労働災害をどうしていくとかいうような問題を前向きにやっぱり検討していかなきゃいけないと思うんです。  通産省きょう見えていると思いますけれども、これは特に中小企業の皆さんが悩んでおられるわけで、東商であるとかあるいは同友会でもいろいろ提言をしておりますけれども、通産省としてはこの外国人労働者の問題についてはどういうふうに基本的には考えているんですか。

岩田満泰通商産業省産業政策局企業行動課長

○説明員(岩田満泰君) お答え申し上げます。  委員御指摘のように中小企業を中心といたしまして労働力不足ということでございまして、私どもで調査をいたしましたところによりましても約三割の中小企業で外国人労働者の採用をしたいという希望を持っているということは意識として事実でございます。他面、外国人労働者の受け入れ問題と申しますのは、先ほど来御答弁もございましたように、社会、経済両面におきまして大変な影響を持ち得る課題でございますので、通産省といたしましては、昨年の十一月以来各界の皆様方にお集まりをいただきまして産業労働問題懇談会というようなものを設置して御議論いただきました。海外の状況も改めまして調査をすると同時に、国内の状況についても若干の調査をさせていただきまして対応策について検討を進めてきたところでございます。  結果といたしまして先般公表させていただきましたが、最終的な結論としては二点でございまして、単純労働者の受け入れという点につきましては、先ほど法務省からも御答弁ございましたように、いろいろな面からのなお検討すべき課題があるということで引き続き慎重な対応をしていくという結論が一つ指摘されました。同時に、途上国におきます人材育成のニーズということがございます。発展途上国が自立的な発展基盤をつくるという意味において人材育成というのは一つの大きな課題でございますので、そういう観点から貢献するという道はあり得るということでございまして、とりわけ研修制度というものにつきまして、一定の枠組みを用意してその研修制度を拡充していくという方向は検討できないかというような御指摘をいただいたところでございます。  現在、関係省庁間で御議論が進んでいるところでございますが、私どもといたしましてその一員として、こうした御提言もいただいておりますので、さらに連絡をとりながら適切な対応のあり方を検討していきたい、このように考えております。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 その一つの歴史的な過程として現に七万か八万の方がおられるわけですから、そういう人たちの人権問題、例えば昔で言えば飯場というようなところでしょうか、かなり劣悪な労働条件に置かれておるというようなことがあってはなりませんし、あるいはまた働いても賃金が取れないということでも困るし、さらに労災をどうするかというような問題もありますから、やはりこれは不法とはいっても人間がそこで働いているわけですから、そういう人たちの問題を具体的に取り上げていかなきゃならぬ窓口というようなものも私はなきゃいけないと思うんです。労働省はその辺、人権擁護の立場から外国人労働者の問題、どういうふうにしておられるか、ちょっと説明してください。

氣賀澤克己労働省労働基準局監督課長

○説明員(氣賀澤克己君) 外国人労働者につきましては、不法就労者の場合も含めまして労働基準法、労働安全衛生法等の法令が適用されることになっておりまして、それらに基づきます労働条件は日本人労働者の場合と同じように確保されなければならないというふうに考えております。そのために労働省といたしましては、事業主に対しまして外国人労働者についても法令の適用があるということにつきましていろんな機会を通じて周知を図っていく、それによりまして法律の遵守を図っていきたいというふうに考えているところでございます。  また、不法就労者につきましても、不法就労自体を認めるわけではございませんけれども、賃金不払い等の法令違反があった場合にはこれを見過ごすことはできませんので、当然ながら使用者に対しましてその是正を指導いたしまして個人的な権利の救済を図ったり、あるいは重大悪質な事案につきましては、司法処分を含めまして厳正に対処していきたいというふうに考えているところでございます。  なお、全国の主要な都道府県の労働基準局に外国人労働者相談コーナーというものを設けまして、そこに専門の相談員を配置いたしまして外国人労働者からの相談にもきめ細かく対応するということにいたしているところでございます。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 最後に、労働省に一つだけ御要望を申し上げておきますけれども、相談員はどちらかというと大都市に多いですね。ところが、やっぱり地域によってはかなり外国人労働者を多く雇っておるところもあるわけですよ、全国的に見ますと。したがって、大都市という観点だけではなくて、実情を踏まえて、そういう労働者が多いところにはやはり相談員を置いてもらう、あるいは外国語でパンフレットなどをつくってもらって十分救済ができるようにしてもらいたいというふうに要望しておきます。  最後に、大臣がおられますからお尋ねしますけれども、外国人労働者の問題というのは、答申に出ております世界に貢献する日本だとか、こういうことになってきますと、これはやはり私はそれ相応の経済力に見合う負担を日本もしていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思うんです。したがって、政府としては早急に、これはもういつまでも逡巡していなくて、一定の時期を決めて腹をくくらなきゃならないし、その政策をつくり上げていかなきゃならぬと思いますけれども、大臣の所信だけ聞いておきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 角田委員の御意見、御議論、担当大任に伝えたいと思います。

角田義一日本社会党・護憲共同

○角田義一君 終わります。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 午前中の山口委員の質問にお答えになりまして、塩崎総務庁長官の方から第一次、第二次行革審の所感といたしまして、三公社の民営化ができた、増税なき財政再建ができて成果があった、さらに国債依存体質からの脱却もできた、こういう所感が述べられましたが、しかし私はいずれにも非常に批判的な意見を申し上げて、もう一度長官のお考えをお伺いしたいと思うんです。  三公社の民営化の問題では、現に国鉄の労働者の方が三月三十一日に千名以上の方が職を失うという事態になっておりますし、また増税なき財政再建ということでありますけれども、消費税が強行導入された、そういうことがございます。そして、国債依存体質からの脱却ができたと言われますけれども、現に百四十何兆円という赤字国債が残っているという事実も何ら改善していない、こういうふうに思うんです。やはり今までの行革、第一次、第二次の行革の所感として、先ほど午前中にお述べになった所感について訂正をしてお述べになるというお気持ちはございませんか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 臨調、第二次行革審の行革の評価でございますが、私は今申しました三公社の民営化、さらにまた増税なき財政再建の達成、そして特例公債依存体質の脱却、この三つの例を申し上げただけでございます。ほかにもたくさん、私は行革審があったからこそこのような行財政改革ができ上がったと思う点がございます。したがいまして、私は私の申し上げました評価は変えない、変える気持ちはございません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 運輸省に国鉄の民営化の問題に関してお伺いしたいんですが、政府、国鉄清算事業団が百十二件にも及ぶ地労委の命令を無視して、今年三月三十一日に千四十七名の大量解雇を強行したわけでありますが、全く不当なことであると思います。地労委の命令がこうして出た以上は、当該の職員が地元のJR各社へ採用を希望するのは当然だと思うわけであります。  そこで、JR各社の設立当初の基本計画における各社員数と今年四月一日現在の実社員数との比較を数字でお示し願いたいんですが、私の方からちょっと調べた数字を読み上げますから、間違いないかどうか運輸省の方の担当の人からお答えいただきたいと思います。  まず、JR北海道は基本計画においては一万三千名、四月一日現在の社員数一万二千二百六十二名、欠員七百三十八名、JR東日本においては基本計画において八万九千五百四十名、四月一日現在社員数八万三百八十八名、欠員数九千百五十二名、JR東海においては基本計画二万五千二百人、四月一日現在二万一千名、欠員四千二百名、JR西日本、同じく五万三千四百名、四万五千六百二十六名、欠員七千七百七十四名、JR四国、四千九百名、同じく四千二百九十二名、欠員六百八名、JR九州、一万五千名、一万四千百八十名、欠員八百二十名、JR貨物、一万二千五百名、一万一千四百六十一名、欠員千三十九名。合計基本計画においては二十一万三千五百四十名、四月一日現在の社員数十八万九千二百九名、欠員二万四千三百三十一名というこの数字で間違いありませんか。

圓藤壽穂運輸省大臣官房国有鉄道改革推進部監理課長

○説明員(圓藤壽穂君) 先生御指摘の数字で私どもの持っております数字と若干違う数字がございますけれども、JR東海の数字とJR九州の数字が多少違いますけれども、大筋においてほぼ先生の御指摘のとおりであります。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 であるならば、当然にもこの地労委の命令に従って、地元のJRに就職を希望しておられる人たちがこの欠員の中に入って入社できるように要請したいと思いますけれども、私の方に来ております国鉄労働組合北海道本部執行委員長永田さんからの要請書の一部を読み上げてみたいと思いますが、このように書いてあります。  雪深い北道海も春の訪れです。   しかし、私達には冷たく非情な「首切り通告」です。   先生方が、国鉄改革の国会審議を通して確認された「一人も路頭に迷わせない。雇用は守る」「組合所属で採用差別はしない。不当労働行為はあってはならない」との政府答弁や付帯決議に、私達は、期待と希望をもってまいりました。   しかし、ことごとく踏みにじられました。徹底した組合差別が行われ、その後の再就職対策も、北海道の厳しい雇用環境の下で職員や家族の生活実態と希望にかなうものは皆無に近いものでした。   無念の思いで鉄道の職場を離れた多くの仲間の中には痛ましい犠牲者も出ています。   こうした中で、国鉄清算事業団当局は、三月二十日、全国一五八二人(うち北海道七九六人)に対して「解雇予告」を強行しました。   これは、政府の公約や衆・参両議院の付帯決議、さらには全国の労働委員会から出されている救済命令を踏みにじる暴挙であり、数千の労働者と家族を路頭に迷わす仕打ちです。   私達は、何としても清算事業団問題を年度内に解決して、雇用の完全確保を実現することを切実に願っています。 こういう要請書でありまして、「記」といたしまして、「八百人近くにのぼるJR北海道はじめ、JR各社の欠員状態を踏まえ、緊急に事業団職員から補充するよう関係者に働きかけていただきたい。」、このように要請書が届いているわけであります。  これは三月二十六日という、最終的に解雇される直前という時期でありましたけれども、この手紙を今紹介しまして、聞かれたところでの所感をお述べいただきたいと思います。

圓藤壽穂運輸省大臣官房国有鉄道改革推進部監理課長

○説明員(圓藤壽穂君) 清算事業団におきましては、再就職対策促進法という法律に基づきまして三年間国鉄時代の現給を保障するというような手厚い措置を講ずるとともに、再就職対策に万全の措置を講じてまいったわけでございます。この間、広域追加採用といいまして、北海道とか九州の方を本州のJRが採用するというようなことも四回もやってまいったわけでございますし、そのほかいろんな職業指導とか訓練だとか、そういうことも随分やってまいったわけでございます。四月一日で再就職対策促進法が期限が切れまして千人余りの方が解雇されたということは、私どもとしましてもまことに残念であるわけでございますけれども、再就職の意思のある方につきましては再就職は十分可能であったというふうに私どもとしては考えておるわけでございます。  この千人余りの解雇された方の希望としましては、ほとんどの方がJR北海道とかJR九州という地元のJRにもう一度雇ってもらいたいという御本人の希望が多いということでございますけれども、JR北海道とか九州におきましては、雇用対策に協力する観点から発足時に鉄道業務に必要な適正要員数以上の余剰人員を既に抱えておるわけでございます。先ほど基本計画の数字を先生からお挙げになりましたけれども、その基本計画の数字というのは適正要員の二割増しの数字を基本計画の職員数といたしておりまして、徐々にその過員状態を経営努力で解消していくということが当初から予定されていたものでございます。  さらには、JR北海道とか九州におきましては非常に経営が当初から厳しいということが予想されておりまして、経営安定基金の運用によりまして辛うじて利益を計上しておるというふうな状況でございます。さらに今後は高速道路との激しい競争下に置かれるということで、経営的に非常にますます厳しくなるということでございまして、会社の健全経営を確保するためにはこれ以上の職員を抱えるということは好ましくないということでございます。  また、従来からこれ以上の地元JRでの採用はないということを前提に多数の方が雇用対策に協力いたしまして、広域追加採用に応じて北海道あるいは九州から本州地域に異動しているという方もたくさんいらっしゃいます。現在、地元JR採用を主張している者をそういう中で優先的にJR北海道あるいはJR九州に採用するということにいたしますと、既に異動した者との間の公平の観点から問題があろうかと思っておりまして、地元でこれ以上追加採用するというのはもう適当ではないと我々としては考えている次第でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 今ほどの説明をお聞きいたしましても、欠員が現に、例えば北海道の例を今挙げましたが、七百三十八名欠員があるという状態で、そこへの地元の採用希望をしている人がおられて、そして地労委の命令が出ていてという、こういう条件が整っているにもかかわらず、何のかのと言って採用をしなかったということは極めて不当であるということを強く私は申し上げたい、そのように思います。  ところで、この第三次の行革審のことでございますけれども、この第三次行革審の審議の内容については、先ほどお聞きをしましたら、総務庁長官の方から、今回のテーマは何も明らかになっていない、これから委員の皆さんでテーマを決めていくのだというような非常にあいまいな、漠としたお話でございましたけれども、ちょっと確かめたいんですが、この審議課題の中に日米構造協議というものの問題、これを受け皿とするような問題、そういうことが入るのではないかというふうに巷間言われておりますが、そういうことはあるのかないのかお答えいただきたい。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は受け皿という意味をよく理解していないのかもしれません。行革審は行革審という性格から独自で自分たちが審議テーマを選択していただいて、そしてその審議テーマに沿って御議論を願う、こういうことになろうかと思います。そしてまた、これまでの行革の歴史は重要なものでございますので、臨調から第二次行革審に至りますところの行革の結果あるいは行革の効果、そしてまた残された問題、これらについて御報告をし、また御検討をいただくことは当然だと思っておるところでございます。  そして、日米協議の中に御承知のように公的規制の緩和あるいは土地問題等行革審の中で論議された問題もたくさんあることは御案内のとおりでございます。そしてまた、それが完全に解決されていない問題もあることも御案内のとおりだと思いますので、私はそのような問題が取り上げられないと、こんなつもりは全くございません。当然過去の反省という意味においても取り上げられることは、日米構造協議の中で論じられた同じ問題であっても出てくるんではないか、こんなふうに思うのでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 新聞などの記事を見ますと、日米構造協議最終報告の焦点というようなものが出ていまして、今ほど長官がおっしゃったようなことが、そのほかにも一、二書いてございますが、決着まで難航は必至というふうに書いてあって、つまり国内での合意を形成していくことが非常に難しいというようなふうに書かれておりますから、この第三次行革審の中での審議課題の中に日米構造協議を国内での合意を形成するためにというような意味で入れるのは一つの流れなのかなと、そういうふうに思っております。今ほどの長官の答弁を聞きましても必ずしも否定をしておいでになりませんので、私なりにこの問題も審議の中に入るのだなと、こう受けとめさせていただいておきます。  では、この行革審の審議の中に安保条約第二条に基づくいわゆる日米の協議という、こういうものも入ると理解してよろしいのでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 御提案申し上げておりますいわゆる第三次行革審は、法案の中の所掌事務のところにもございますように、臨調それからこれまで二次にわたる行革審の答申を受けて講ぜられる政府の政策あるいは制度、こういったものの中の重要事項、こういうことについて調査審議し云々と、こう書いてあるわけでございます。  御承知のとおり、臨調等におきましては各省の政策全般を見渡す中で防衛の問題についても一応取り上げるものは取り上げているわけでございますが、ただ防衛の問題は、申し上げるまでもなく、いわゆる行政の簡素合理化、能率化あるいは財政の効率性、そういった点だけで片づくような話ではございませんで、やはり別のいろいろな角度から専門的に検討する、そういう性質のものではなかろうかと思いまして、臨調あたりでも防衛庁の中の組織の問題とか、あるいは事務の運営の仕方とか、そういった点には触れてきておりますが、いわば防衛力等々の問題につきまして、非常に国の安全そのものにかかわるような問題についてはやはりそれなりの専門的なところで検討されるのが適当であろう、そういうことで答申の中にはそういった機微にわたるような問題は触れておりません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 ちょっと質問と答弁が食い違ったように思うのでもう一度確かめますが、安保条約の第二条に述べられている後半部分の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め、また、両国の間の経済的協力を促進する。」、こう書いてある部分、安保条約第二条の後半部分の、俗にこれを経済協力の部分というのかもしれませんけれども、こういうようなことも一つの今度の行革審の受け皿といいますか、審議内容に入ると理解してよろしいのでしょうかと、こういうふうに質問をしたのであります。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) その条文の中身は手元にございませんので具体的にわかりませんけれども、例えば経済協力の問題等につきましてはこれまでも臨調その他行革審等でいろいろ指摘しておりますので、そういった具体的な指摘を受けて政府が講ずるような制度、運営、こういうものの重要事項は一応審議調査の対象にはなる。ただ、具体的にどういう問題を取り上げるか、これはまさに御承知のとおり非常に広範多岐にわたるような答申、提言等がございますので、その中で重点的に何を取り上げるか、これはまた審議会が発足してから御議論になる、こういうことでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 私の申し上げたことは必ずしも否定されなかったので、そのように受けとめて今後のことを見守っていきたい、そういうふうに思います。  長官に念のためにお聞きいたしますけれども、在日米軍の縮小問題とか日本の自衛隊の縮小問題というものも私は重要な現在における行革の課題であるというふうに思うわけですけれども、こういう在日米軍の縮小問題や日本の自衛隊の縮小問題というようなことも今度の行政改革推進審議会のテーマの中に入るというふうに理解してよろしいでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 先ほど私の方の局長から、防衛力の内容については別途の専門家が議論すべきであって、防衛庁の行政のあり方、行政機構等については臨調で触れているという説明がありました。今の米軍の何と申しますか、兵力の削減とか、あるいは日本からの駐留軍への援助とかいうふうな問題は多分に防衛力の問題と関連するものでございますので、むしろそういった観点だと今局長の申した答弁でお答えができておるんではないか、私はこんなふうに思うのでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 まず行革の第一の課題として入れていただきたいと私は思っておりましたけれども、今の御答弁ではそれは除かれる、こういうことで非常に残念でならないわけであります。  次に質問いたしますのは、前回六月十四日のこの内閣委員会で質問いたしましたときに御答弁いただきましたことに関連して、少し念のために確認したいということがございますので、質問させていただきます。  この席で、象徴天皇の即位式に使用するとされております高御座に関連をいたしまして、京都から東京まで自衛隊のヘリコプターでこれを輸送したという、この件を質問いたしました。防衛庁当局からのお答えを私なりに整理をいたしますと、これは自衛隊法第三条に基づく任務や行動なのではなくて、同法第百条に基づく訓練である、こういうお答えであったかと思います。そのように受けとめたわけでありますけれども、前回の防衛庁の方の答弁を私なりにまとめたこれでよろしいかどうか、まずお答えいただきたい。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 今先生の御指摘の点で一つだけ若干あるいは解釈が違っているかと思いますので、補足させていただきますと、自衛隊法の第百条で御案内のとおり、「長官は、自衛隊の訓練の目的に適合する場合には、国、地方公共団体その他政令で定めるものの土木工事、通信工事その他政令で定める事業の施行の委託を受け、及びこれを実施することができる。」という規定がなされておりまして、自衛隊法施行令で輸送事業について指定がされております。本件については、内閣官房長官から防衛庁長官に高御座等の輸送の依願がございまして、この第百条に基づきまして実施したわけでございまして、訓練の目的に適合する場合に該当するとして実施をいたしたわけでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 そこで、ちょっと確かめたいんですが、宮内庁の方から内閣官房長官の方へ要請をなされ、それを受けて内閣官房長官が自衛隊に輸送を要請され、それを受けて自衛隊の方が、訓練の目的に適合するということで象徴天皇即位式に使用するとされる高御座をヘリコプターで輸送した、こういうことであるのかどうか、順次宮内庁、内閣官房、そして防衛庁、この順にお答えください。

宮尾盤宮内庁次長

○政府委員(宮尾盤君) 本年の一月十九日の閣議了解におきまして、即位の礼に係る事務は総理府本府が担当する、こういうことにされております。したがいまして、高御座は即位の礼に用いられるものでございますので、この輸送に当たって宮内庁から依頼をしたと、こういうことはございません。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○説明員(多田宏君) 官房長官が即位の礼実施連絡本部長になっておりますので、官房長官の方から防衛庁長官に要請をした、こういうことになっております。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 宮内庁からではなくて、直接といいますか、内閣官房長官の方から要請されと、こういうことであったわけでありますが、では、内閣官房長官が自衛隊にこの輸送を頼まれた理由、それは何であるかお答えください。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○説明員(多田宏君) 先般も私お答えを申し上げたと思いますけれども、なお補足してお答えを申し上げますと、輸送全般を自衛隊にお願いしたのではないのでございます。空輸をお願いしたという形になっているわけでございます。したがって、京都御所から基地までの間の輸送、それから東京の方の立川基地から御所までの輸送、これについては自衛隊は一切関与しておりません。(「そんなこと全部やったら大変なことだよ」と呼ぶ者あり)いや、誤解のないように一応念のためお答えを申し上げているわけでございます。  それで、その理由でございますが、もともと自衛隊にまずお願いしようというところから物事が始まったわけではございません。  とにかく一部の勢力が高御座をターゲットに絶対阻止、輸送阻止あるいは爆砕というようなことを非常に強力に主張しておりましたので、円滑な輸送という面から見て、途中で不測の事態が起きれば交通混乱も大変なことになる可能性もあるということから、できるだけそういう事態を避けた格好で輸送ができないかということを考えたわけでございます。そして、空輸という方式をできるだけ長い距離使ってみたらどうだろうかということで、どういう空輸手段があるかということで各方面の情報を集めてみましたところ、六メートルからに及ぶような長い物で、御帳合も入れますと全体で十五トンくらいの重さになりますので、六トントラックでも個別に運びますとやっぱり七、八台、これは単純計算ではちょっと違いますけれども、実際には七、八台の車が必要だ、それに警備の関係も入れますと相当なこれは輸送行列になるというようなこともありますし、万一不測の事態があったときには大混乱を起こして、交通の大変な障害になってはいけないというようなことを考えたわけでございます。  したがって、空輸手段として適当な、それだけの大きな物を運べるヘリコプターのあるところはないかということであちこち探し回ったわけでございますけれども、結局自衛隊以外にはそれらしきものが見当たらなかったということで、それでは自衛隊にお願いできるだろうかということでいろいろサウンドしましたところ、自衛隊法でもそういう道は可能ではあるということでございましたので、私どもの方からお願いをした、こういう経緯でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 一部の勢力が高御座爆砕ということを主張しておる、それを防ぐために空輸をしなければならない、こういうことで自衛隊に頼んだということでありますけれども、それを受けた自衛隊の方は、先ほど百条に基づく目的に適合する場合の訓練と、こういう御答弁でありましたので、どういう目的の訓練だったのか、目的に適合する場合ということでございますので、それを防衛庁の方からお答えいただきたいと思います。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 前回もお答え申し上げましたけれども、自衛隊法百条に基づきまして実施します場合、同条の要件でございます「自衛隊の訓練の目的に適合する場合」ということにつきましては従来から、自衛隊の訓練の目的を阻害せずに、一般的にその事業を実施することにより練度の維持向上を図ることができ、訓練に資する場合であればよいというふうに解釈して運用いたしてきております。例えばこのケースで多いものは病院等が移転いたします場合に、その移転に伴います患者の輸送、こういったものもこの自衛隊法第百条に基づきまして実施をしておるわけでございます。  本件につきましても同様に、特定の訓練目的というようなそれぞれについて精査をするという形でなくて、自衛隊の練度の維持向上、本件について申し上げますれば第一ヘリコプター団が空輸をしたわけでございますけれども、この第一ヘリコプター団というのは兵員等の輸送を任務とする部隊でございまして、まさに物資の空輸自身が訓練の目的に適合するということで、本件は自衛隊法第百条に適合するということで実施をしたわけでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 どうもおっしゃっていることがのみ込めないんですけれども、内閣官房長官の方からの要請は、一部の勢力が爆砕を主張しているので危ないからこれを自衛隊に頼んで運んでもらおうということになったということでありますれば、それを受けた自衛隊の側はその一部の勢力に対し――一部の勢力というのはそういうふうにおっしゃったのでこう言っておるんですけれども、その一部の勢力に対する対策であると、こういうふうに考えられるわけであります。そうしますと、今回の自衛隊の訓練は単なる運送事業、物を運ぶ、何でも運ぶことができるんだ、運ぶ訓練であるというようなそういうことではなくて、やはり治安出動の訓練と、こういうことにならざるを得ないのではないかと思うんですけれども、治安出動の訓練であったと判断してよろしいですか。

多田宏内閣参事官室首席内閣参事官

○説明員(多田宏君) 私の説明が治安を維持するために自衛隊に頼んだともしお聞き取りいただいたんであれば、全くそれは事実と反するわけでございます。私どものお願いした趣旨は、要するにもし民間にでも本当にそれが可能な手段があれば私どももそういう手段を講じたかもしれないという状況下で他に適当な手段がなかったということでございまして、別に自衛隊のいわば自衛力みたいなものを期待して自衛隊にお願いしたということでは一切ございませんので、そういう点はちょっと誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。

植松敏防衛庁装備局長

○政府委員(植松敏君) 今御説明がございましたとおりでございまして、私ども受託をする立場から申しますと、繰り返しになりますけれども、自衛隊の練度の維持向上、本件については輸送部隊でございますのでその練度の維持向上を図ること、その目的を阻害しないあるいはその目的に適合する、こういうケースについては自衛隊法第百条の要件を満たすということで、その依頼を受けて輸送能力もございますのでその委託事業を実施したということでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 ところで、国家公安委員長の関連した発言について警察庁にお伺いしたいんですが、奥田国家公安委員長の三月八日の衆議院予算委員会における答弁で、大嘗祭などの極左対策として、個々人への刑法上の犯罪を探知し、検挙するだけでは追いつかない、集団全体を取り締まるために破壊活動防止法の適用も検討している、こういう旨の御答弁がありましたが、事実関係の確認をさせていただきながら、このお考えは今も警察庁として変わっておらないのかどうか、お伺いしたいと思います。

伊達興治警察庁警備局公安第三課長

○説明員(伊達興治君) お答えします。  本年三月八日、衆議院予算委員会において原田昇左右議員の質問に対し、奥田国家公安委員長が述べられた点でありますが、その点について少し再現してみたいと思います。それを引用しますと、  最近の極左暴力集団のテロ、ゲリラの現況というのはもう大変攻撃対象を拡散させているわけです。それで、今見られたような機関紙を公然と発行いたしまして、しかも犯罪を予告し、そして犯行を自認する声明まで出しておるという現況でございます。このような無法状態がいつまでも続くなんということは法治国家としてまさに許せないゆゆしき事態である、こういう認識に立ちまして、警察当局はもちろん総力を挙げて未然防止も含めて検索に当たっておるところでございますけれども、はっきり申しまして、この極左個々人の刑法上の犯罪を調査して、まあ探知して検挙に至るという過程ではとても追いつかないくらいの今情勢でございます。   したがって、御指摘のように組織的犯罪集団を解体にまで追い込むという形でなければ、これから今御指摘のような国家的な大行事を控えている事態を踏まえて大変憂慮しておるというのが現実です。ですから、現行法を果断に適用いたしまして治安責任を全うしなければいかぬという形で考えておるところでございます 内容はこういうものでありまして、この御発言は治安維持について真剣にお考えになっている立場のものであると私どもも理解しております。  警察としましては、秘密部隊の検挙などについて総力を挙げて一層努力する所存でありますけれども、このような大がかりな組織的犯罪者集団の解体のためには、大臣の御発言のとおりあらゆる法令を果断に適用していく必要があるのではないかと考えておるところでございます。  なお、現在どうかという話でございますけれども、三月八日のその発言があった後にも、三月には三会堂ビル放火事件といいまして、この間にあって消防士の方が亡くなられるという事案が発生しています。それから、四月には鎌倉で日本飛行機株式会社の専務宅が放火されまして、御夫人が犠牲になり亡くなられている事案が発生しております。それから五月には、近畿財務局阿倍野合同舎宿に対する爆破事件が発生しておりまして、これによりまして四名の重軽傷者を出すというような事態に至っております。こんなふうに最近とみに攻撃が無差別化、凶悪化し、個人テロの様相を強めている状況であります。  しかも、極左といいますか過激派の連中は、このような犠牲者が出たことを革命のためにはやむを得ないという形で切り捨てる、そしてさらにテロ、ゲリラを敢行するのだ、こういう姿勢を続けているところでありまして、そんな意味では現下の情勢は国家公安委員長の発言のあった当時よりさらに悪化していると言わざるを得ないかと思うのであります。したがいまして、今後この種のテロ、ゲリラが一層激化し犠牲者が出るということが憂慮される、こういうふうに感じているのが現状であります。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 じゃ、現在そういう認識に立って破壊活動防止法というもので集団全体を取り締まるというためのこの破防法の適用をも検討している、こういうふうに理解してよろしいのですか。

伊達興治警察庁警備局公安第三課長

○説明員(伊達興治君) 警察としましては、先ほども申しましたようにあらゆる法令を適用、駆使しまして極左暴力集団の取り締まりに努めているところでございます。とりわけ秘密部隊員を検挙するとか、あるいは彼らの軍事倉庫、爆発物とか、そういう武器をしまっているような倉庫を摘発するとか、あるいはアジトを摘発するとか、そういうことについて総力を挙げて一生懸命努力する所存でもございます。  ただ、こうしたテロ、ゲリラを封圧し、このような大がかりな組織的犯罪者集団を解体させるというために、当庁はもちろんでありますけれども、関係当局におかれましても従来からそれぞれ連携しながら努力を重ねてきたところでございます。お尋ねの件につきましても、関係当局においてしかるべく検討され、適切に判断されるものと私どもは理解している次第でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 たとえどのような団体であろうとも、破防法というような団体に網をかけて取り締まるというような法律を適用することは憲法に抵触するおそれが非常に強いと私は思います。世に暴力団といいますか、そういう集団があって非常に世の中でも問題になっていますけれども、そういう人たちに対しても個々人についての刑法などを適用して取り締まりが行われていることは事実でありますが、破防法というような、○○組というような組を壊滅する作戦のためにそういうものが適用されているということもないと思います。  やはり被防法は、憲法の保障した基本的人権、第十九条の思想、良心の自由や第二十一条の集会、結社、言論、出版、その他一切の表現の自由、さらにはあいまいな条文で人を罰する点など第三十一条にも抵触する憲法違反の法律であるというふうに思いますので、この法律が制定された当時には国論を二分するような国民的反対運動があったということもよく御認識をいただいて、やはり個別の刑法によってこの犯罪を未然に防ぐという、そういう方策をとっていただきたいということを強く要望したいのですけれども、その点についていかがでしょうか。

伊達興治警察庁警備局公安第三課長

○説明員(伊達興治君) テロ、ゲリラ事件を起こしている過激派の実態ということを少し説明させていただきたいのでありますが、彼らは実際にいる人物の上にはい乗った形で他人名義を使ってアパートに入居したりしまして、それで善良な市民を装って、人民の海と言うんですか、そういうものに守られたような形で潜んでいるわけでございます。それから、彼らは極めて厳しい規律のもとに訓練されております。お互い同士の名前もわからないほど厳格な防衛態勢もとっております。また、犯行を行うにつきましては事前に綿密な調査をやっております。それから、犯行を行う際にもあるいは犯行後につきましても、電話線を切断するとか、あるいは逃走用の車両を燃やしてしまうとか、あるいは時限式で仕掛けておいて自分たちが安全なところにその間逃げられるような、そういう装置を施して、しかも徹底した証拠隠滅の措置までとって敢行しているわけでございます。  そんな意味で、現場での検挙、あるいはこういう潜っている秘密部隊員の発見、アジトの摘発ということ自体が大変困難になってきている、こういう現状にあります。  しかしながら、警察におきましては昨年じゅう秘密部隊員を三十九名ほど逮捕しております。その中には千葉県の収容委員会の会長を襲撃した犯人二人も含めております。また、アジトも十カ所摘発するという努力をしているのでありますが、ただなかなか追い込むのが簡単ではありませんで、ほとんどの者が供述をしない。それから供述をした者がたまたまいても、自分自身のことについてはしゃべっても、組織からの報復を恐れて、事件の全貌だとか他の秘密部隊員のことには触れない。そういうために、三十九人捕まえたと言っても三十三人が釈放されて今現隊復帰している、こんな状況であります。そんな形で捜査がなかなか容易に進展しない、こういう状況があります。  そういう意味で、先ほど来言われておりますけれども、個々人の検挙という手法だけではなかなか難しい段階に来ておりまして、各報道機関から、一般の市民からいろんな方の協力も得たり、各関係省庁のいろいろな協力を得て、暴力団同様完全に彼らを封じ込めるといいますか、そういうことができないと大変難しい段階に来ている、そういう感じを持つわけであります。  さらに、一点ほど追加させていただきますが、先ほど御指摘の件につきましては、これは公安調査庁の所管でありまして、本来警察庁の私どもが云々すべき立場にはないわけでありますけれども、一般論としましては、昭和二十七年国会において審議の上に成立した法律でありますので、法律の求めるところに従って行政を行うのが行政機関の立場と、そういうふうに心得ている次第です。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 議論の内容は変わりますが、前回のときにも米軍機の超低空飛行問題のことについて質問をいたしましたけれども、答弁が非常にあいまいで受け取りにくかったんですが、今回日本社会党の米軍機超低空飛行問題委員会が独自の調査に基づいて行いました全国調査報告というものがございますので、これに基づいて事実関係を確かめさせていただきたいと思います。  まず、米軍機の超低空飛行による事故、被害等は全国的に発生しており、十五道県、北海道、青森、岩手、秋田、埼玉、神奈川、静岡、長野、奈良、和歌山、島根、徳島、愛媛、高知、沖縄に及んでいる。事故の中にはEA6Bプラウラーによるケーブルワイヤ切断、F16戦闘機の墜落、A6イントルーダー爆撃機と民間へリのニアミス、CH53強襲重ヘリの原子力発電所至近への墜落など重大な結果を招く危険性のあるものが多く含まれている。こういう調査結果について、これでどうでしょうか、外務省の方の調査と一致しておりますか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先ほど先生の御指摘になられました都道府県につきまして、今すべての資料を持っておるわけでございませんので正確な点は申し上げられませんが、この低空飛行に関連いたしまして、関係の県においていろいろな要望が私どものところに寄せられているということは事実でございます。  また、ミッドウェー艦載機の飛行との関連での事件、事故につきましては、奈良県におけるEA6Bのワイヤロープの切断の事件、あるいはF16につきましては岩手県におきまして墜落をしたというような事件はございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 それで、米軍の超低空飛行による事故、被害は、一九八七年、奈良県十津川でのEA6Bプラウラーによるケーブルワイヤ切断事件によって顕在化し、全国に広がった。つまり、一九八七年からことし一九九〇年までのここ三年の間に急速に全国各地において増加しているという事実が我々の調査で明らかになったわけであります。事故、被害は一九八七年四十二件、八八年が二十二件、八九年が十件、九〇年においては二件発生しております。  事故、被害等の件数内訳は墜落事故が七件、緊急着陸五件、ニアミス頻発件、落下物四件を初め人家の窓ガラス破損、家畜などの被害多数が報告されております。また、爆音等への苦情は千百六十二件が関係機関や自治体等へ住民の苦情として寄せられております。岩手県の方では、調査をいたしました方のうち九一%の人が墜落への危険性を感じている、こういうふうに言っておられるわけであります。こういう事実についても大体ほぼ外務省の方の調査で認識されているのと同じでしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 先生御指摘の各年におきます件数につきましてはただいま資料を持ち合わせておりません。ただ、昭和六十二年、六十三年におきまして、F16の低空飛行との関連で軽種馬の被害あるいは窓ガラスの破損等の被害が北海道、青森県、岩手県等において生じたということは承知しております。  もう一点、長野県におきますニアミスという御指摘でございますが、昨年七月、長野県におきまして米軍機とヘリコプターがニアミスを起こしたという報道がございまして、これを米側に確認をいたしましたが、ニアミスというような状況はなかったというふうに米側より回答を得ております。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 米側の回答を聞いては納得しておるという姿勢がそもそも最もよろしくないわけでありますけれども、ともかくこういうふうにして一九八七年から急速に全国各地に米軍機による超低空飛行の被害が発生してきているということは、このときから日米統合実働演習というようなものが行われるようになったからである、こういうふうに我々の社会党の調査では結論づけておるわけでありますけれども、その点についてどうでしょうか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 三沢に配備されておりますF16の飛行との関連につきましては、F16が三沢に配備が開始されましたのは一九八五年の四月でございます。この配備が完了いたしましたのは八七年の七月でございますから、したがいましてF16の飛行との関連の問題が八八年以降生じているというのはこの間の事情と関連があると考えます。  ミッドウェー艦載機の飛行との関連につきましては、ミッドウェーが昭和四十八年だと思いますが、海外居住計画に基づきまして横須賀を利用するという形になったわけでございますが、それ以降このような飛行が特に数年前から始まったというふうには聞いておりません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 いずれにしましても、結論としまして、これは前回お聞きしましたら全く答えていただけなかったのでもう一度聞きますけれども、この原因の根本には安保条約、地位協定で米軍の航空機が日本の同士の上を飛行するときには、特別に低空飛行をしても日本の航空法に抵触しない、こういう除外規定があって、これが根本原因である、こういうふうに我々社会党の調査では結論が出ておるわけなんです。さあそれでどうするかという話はとにかく別といたしまして、事実認識としてこれはどうなのか、前回お答えが非常にあいまいだったのでもう一回お聞きしたいと思います。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 前回御説明いたしましたことを繰り返すようで恐縮でございますが、一般論として申し上げますと、一般国際法上、外国軍隊には特段の合意がある場合を除きますほか、接受国の法令がそのまま適用されることはないというふうにされておりまして、日米間におきましても、我が国に駐留いたします合衆国軍隊の地位等を規定します地位協定もこのような考え方に基づいて締結されております。この航空法の特例法はこのような安保条約、地位協定のもとで現在の航空法の一部の適用除外を定めた法律でございます。  私どもは、米軍が安保条約第六条に基づき、我が国の安全に寄与し並びに極東における国際の平和と安全の維持に寄与するために我が国において施設、区域の使用を許されている、米軍がこのような目的で我が国に駐留することをこの安保条約が認めているということは、米軍がこのような目的達成のために飛行訓練を含め軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としているものであると考えております。  また、航空法の特例法に基づきまして、先生御指摘の最低安全高度の規定は米軍に適用はないわけでございますが、米軍はこの航空法にございます最低安全高度を尊重し、また極力村落を避ける飛行を行うなどの安全面に配慮を払い、地域住民に対する影響についてもこれを最小限にするよう努めているものと承知しております。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 最後の方の結論も、やはり結局アメリカの方の報告をうのみにして、ちゃんと守っておりますよという話を聞いて、はいそうですかと承っておるだけという、この外務省の一連の姿勢が非常によくあらわれていると思って残念でならないわけでありますが、一応認識についてはわかりましたので、次に移ります。  きょう午前中の山口委員の質問で、米空母ミッドウェーの爆発事故のことに関連して、結論として結局米国へ行って事実関係を調査するという必要を感じていない、こういうことでありましたので、非常に残念に思うわけであります。  ことしの六月七日の日に、横田基地公害訴訟原告団の方から政府に対しまして要請書が提出されまして、その中でも「横田基地の核問題について」という要請事項があって、ちょっとその部分を読んでみますと、  四月九日には国家緊急事態空中指揮機E4Bも飛来している。E4Bは米ソ全面核戦争時にアメリカ大統領が搭乗して空中から全米軍の指揮をとるための航空機であり、その飛来はチーム・スピリット演習が全面核戦争の勃発まで想定していることを示しており、実に恐るべきことである。日本政府はこれらの米軍機の飛来を、また、その任務を承知しているのか、承知しているならば任務の内容を明らかにされたい。 と、こういうようなのを出しましたところ、防衛庁の方からは、これは当庁の関係ではない、外務省に聞いてくれというお答えだったという原告団の方々の声を聞いておりますので、ここで外務省の方にこの要請に対するお答えをお願いしたいと思います。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 安保条約及び地位協定上、米軍の航空機が我が国に飛来しますときに、これを事前に我が方に通告するといった義務はございません。したがいまして、ただいま先生の御指摘のあった航空機の飛来の点につきましては、米軍の運用にかかわる問題でございまして、私どもとして承知する立場にございません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 ところで、午前中の山口委員の御質問の中にもタイコンデロガ事件のことがございましたが、ちょっとお聞きしたいのですが、米空母タイコンデロガが水爆を搭載した飛行機を海に落としたということですね。そういう事実は外務省としては何によって事実として把握されておられますか。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 本件につきましては、昨年の五月、本件事故が日本近海で発生したという報道がございました。外務省としては米国政府に直ちに事実関係を照会いたしまして、五月十日に米側からの説明を入手いたしました。  それで、その内容を簡単に申し上げますと、一九六五年十二月五日、一個の核兵器を搭載した海軍のA4型機が米空母タイコンデロガの昇降機から滑り、千六百フィート以下の海底に没した、等の内容でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 今の外務省のお答えは、問い合わせしたところが、米国がそう答えた。きょうの午前中のお話だと、問い合わせするのか知りませんが、調査をするつもりはないと、こういうことだったのですが、実はタイコンデロガのこの水爆水没事件も、日本政府が問い合わせをしたり調査をしたりした結果わかったのではなくて、米国防総省が一九八一年の五月に、一九五〇年から八〇年までの核兵器事故というものを一覧表として公開をした。その中に今おっしゃったようなことが載っていたと、それでこの核兵器事故が日本の近海で起こったということが外務省もわかった。そういうことじゃないのですか、調べてわかったのじゃないのでしょう。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 一九八一年に米国防省とエネルギー省が共同で、一九五〇年から一九八〇年の核兵器関連事故リスト、これを公表いたしました。その中で本件との関連につきましては、一九六五年十二月五日、太平洋海上で起きた事故ということで、一個の核兵器を搭載したA4航空機が米航空母艦の昇降機から滑り、海中に落ちた等の記載がなされておりました。  この点につきましては、外務省としても承知していたわけでございますが、これ以上の具体的内容については当時は何ら承知しておりませんで、事故の発生場所もただいま申し上げた以上は不明でございました。私どもといたしましては、あくまで昨年五月のこの報道に接し、直ちに米国政府に事実関係を照会いたしました。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 米空母タイコンデロガ航海日誌というものを見ると、ずっと流れがわかるんです。外務省はそれを持っておられますか。長く説明しなくて結構ですから、持っておられるかおられないかだけ。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) 航海日誌につきをしては所有しておりません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 そういう態度で、結局アメリカの方から水爆を二十五年前に落としましたよという発表があると慌てて動く、こういうことで、そしてその航海日誌も公文書館へ行けば入手できるのにこれもしない。そして、どういうふうになっているんですかと問い合わせをして、アメリカの方から答えが来たら、ただそれを押しいただいてありがたがっておるだけ。こういう態度でずっと続いているということは、核兵器が日本に持ち込まれているんじゃないかという国民の疑惑を日一日と深めている。今回のミッドウェーの火災というものがその一つの頂点に今達していると私は思うんです。  タイコンデロガの航海日誌を見ましても、時間あれですから、ちょっと読もうかなと思ったんですがやめますが、この本にちゃんと載っています。一九六五年十二月五日に落として、そしてそのままどこにも寄ることなく十二月七日に東京湾に入った、海軍基地の横須賀に入港した、こう書いてあるわけです。そうしますと、また外務省の方は、それは落としたその飛行機にだけは核兵器が積んであってほかのものにはなかったんだと、こういう空想物語のようなことを言うて国民の目をまたごまかそうとするわけでありますけれども、そんなばかなことはあり得るはずがなくて、幾つも積んであったものの一つが落ちた、あとはそのまま日本へ入ってきた、だれが考えてもこういうことなんです。  これは外務省のお答えは水かけ論になりますからあれなんですけれども、一言だけでいいですからお答えいただきたいんです。長い説明はもう結構ですが、やはりもっと外務省として積極的にアメリカの方に出向いていって調査をしたり、問い合わせをしたりして積極的な姿勢を示して、非核三原則の厳守ということについて、これは国是だと思いますから、これを守るためのもっと努力をしてほしいと思いますので、その点についての一つの決意といいますか、そういうことだけ、一言だけおっしゃってください。

森敏光外務省北米局地位協定課長

○説明員(森敏光君) まず、タイコンデロガの問題につきましては、この報道に接し、直ちに事実関係を照会いたしますとともに、さらにその説明に対しての追加的な説明を求める等、私どもといたしましても種々の内容の確認を行ったわけでございます。  先生御指摘の非核三原則の問題につきましては、午前中にもございましたが、私どもといたしましては、事前協議がない以上核の持ち込みはないということで、その点については何らの疑いも有しておりません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 この件はそれで終わりまして、防衛施設庁の方に、六日十四日でしたか、前回の質問のときに確認できなかった点を一点だけお尋ねしておきたいと思うんです。  六月七日に小松基地、ここは民間との共用空港になっているわけでありますが、ここを今後どうしていくかということで、私ども騒音に反対し基地に反対する住民運動の意見は、基地を廃止しなさい、そして民間専用空港にしなさいという意見です。また、滑走路をもう一本つくって、民間と自衛隊と一本ずつ使ったらいいじゃないか、そういう市長さんの御意見もあるし、そして石川県当局の方からどこか別のところへ移したらいいんじゃないかという意見などもあって、さまざまなものが出ている中で、今後どうしていくかという検討委員会というものが東京の方で開かれた。そういうことがございまして、それに運輸省、国土庁、小松市、日航、全日空などが出席をした、こういうことでございます。  防衛庁の方にも出席の要請があったけれども、なぜかわかりませんが、お出にならなかったということなんですが、事実関係としてこの六月七日のそういう会合に出席要請があったけれども出なかったのかどうか。出なかったのなら、どうしてお出にならなかったのか。さらには、今後こういうこの種のものが開かれたときにはお出になってくださるのかどうか。そういうことをお聞きしたいと思うんです。  ちなみにちょっと参考に、小松飛行場に関する協定というものが昭和三十五年十一月二十四日に防衛事務次官と運輸事務次官との間で結ばれておりまして、その第一条が「防衛庁は、小松飛行場における現在及び将来の民間航空の利便を増進することに積極的に協力するものとする。」というふうになっていて、第六条では「前各条の実施に必要な細部事項及び飛行場の運営に関する事項で民間航空に関係があるものは、別に運輸省航空局長と防衛庁防衛局長又は経理局長が協議して定めるものとする。」というふうになっているので、協議をしなければならない義務があると思うんですけれども、呼びかけられたときに出られなかった理由とか今後のことについてお答えください。

相澤史郎防衛庁経理局施設課長

○説明員(相澤史郎君) 今先生御指摘のお話は、この五月の中旬ごろに石川県の担当者の方が防衛庁に見えました、そこで小松空港国際化に関する検討委員会へ参加していただけないかというようなことで、内々に意向の打診があったことは事実でございます。そのときに、その担当者の方からお話があったのは、本検討委員会では国際航空路線網の充実方策、国際交流の活性化、空港を核とした地域開発が検討される、そういうような御説明がございましたので、これらの事項につきましては防衛庁として主管するものではないので、防衛庁からその委員として参加するということはお断りしたという経緯でございます。  それから、昭和三十五年の協定でございますけれども、これは、小松飛行場が公共用飛行場に設定されましたのが昭和三十六年でございまして、その前に共用飛行場にするということでこのような協定が結ばれたというふうに承知しておりますが、ここで「民間航空の利便を増進することに積極的に協力する」というふうにうたってございますけれども、私どもは、この趣旨を体しまして、その後、民間航空が小松空港を使用するということについてはずっと協力してまいっているわけであります。現在でも小松空港を使っております民航の便は、定期便で国内便では日に十八便ほど使っておりますし、国際便では週に八便ほど使っている。さらには、そのときどきにおきまして国際便のチャーター便というものも申請が出てくるわけですけれども、これも年間十件とか十数件とかいうふうに出てまいりますけれども、それについては御協力申し上げてやってきているということでございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 もう一度念を押しますが、第一回目のときには、内々に非公式に入ってほしいという石川県当局の方から話があったけれどもお断りしたということだったんですが、今後、小松飛行場をどのようにしていくかというようなこの検討委員会がまた開かれると思いますけれども、今後のことについては、出席するということについてはどのようなお考えでしょうか。ぜひ出席して、やはりここで検討して、協議に参加していただくということが大切だと思うんですけれども、どうでしょうか。

相澤史郎防衛庁経理局施設課長

○説明員(相澤史郎君) 先ほど申し上げましたように、防衛庁として参加しないということで申し上げたわけですけれども、それは現在のところそういうふうに考えておりますが、委員会の方で例えば小松基地の実情がどうであろうかとかそういうようなことを説明していただきたいというようなお話があれば、私どももその辺は検討させていただきたいというふうには考えております。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 内々の打診ということで、内容もはっきりわからなかったから出なかったけれども、今後具体的に防衛庁の方にこういうことが聞きたい、ああいうことが聞きたいということがあればその点について説明として出るということにはやぶさかではない、このように受けとめさせていただきました。  次に、前回聞こうと思って時間がなくて聞けなかったんですが、三宅島の方でNLP空港建設に反対しておられる住民の方から本年六月七日に防衛庁長官あてに要請書が提出されております。この問題は非常に国民的問題になってだれでも知っておりますのでこの文書を全部読みませんが、簡単に言いますと、「三宅島村民は、今後いかなる事があろうと、団結をいっそう強めて、NLP基地反対を貫く所存です。」、こういうふうに言っておられて、そして「貴職」、つまり防衛庁長官「におかれては、三宅島における諸般の事情をご賢察の上速やかにNLP空港建設を断念されますよう要請致します。」、こういう要請書がこの当時私が紹介議員になって提出されておるわけですけれども、ここでもう一度防衛庁の方からこの三宅島NLP空港建設に反対する会会長桑原秀雄さんからの要請書に対するお答えをしていただきたいと思います。

大原重信防衛施設庁施設部長

○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。  艦載機着陸訓練を円滑に実施させることは我が国にとりましても重要なものでございます。当庁といたしましては、厚木飛行場の騒音を軽減いたしますためにその代替訓練場の設置について三宅島が適地であると判断いたしております。しかしながら、同島におきましては依然として住民の方方の反対が強うございます。国側の説明や話し合いに十分応じていただいていないという状況にございます。かかる情勢から、同島に代替訓練場を設置するといたしましても長期間を要すると見込んでおりますので、暫定的に硫黄島において訓練が実施できるよう所要の施設整備をただいま行っているところでございます。  いずれにいたしましても、当庁といたしましては三宅島に代替訓練場を設置する方針は変わっておりません。今後とも引き続き地元の方々の御理解が得られるよう努力してまいる所存でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 これだけ島ぐるみ、村ぐるみの人たちが反対をしておられるのに、無理強いをして米軍の夜間着艦訓練の飛行場、基地をつくろうということは、これは住民自治という憲法の基本理念をも無視する暴挙であると私は思いますので、ぜひ断念をしていただきたい、住民の意思を尊重していただきたい、こういうふうに思うところであります。  ところで、念のためというか、参考にお聞きしておきたいことがあるんですが、三宅島のNLP、いわゆる米軍戦闘機の夜間着艦訓練の空港でございますが、このようなNLP空港ではなくて今後とも民間専用空港としてこの三宅島の現在ある空港を使っていく、こういうのが村の人たちの意向であるというふうに承っているところでありますけれども、今までに米軍のNLPというものが実施された飛行場を挙げていただきたいんですけれども、それらはすべて米軍の飛行場であるかどうかということ、そういうことを含めてお答え願いたいと思います。

大原重信防衛施設庁施設部長

○政府委員(大原重信君) お答え申し上げます。  夜間着陸訓練、いわゆるNLPはただいま三沢、横田、厚木、岩国の各飛行場において実施させていただいております。  これらの四飛行場について申し上げますと、三沢は米軍の飛行場でございまして、これを自衛隊及び民間航空も使用いたしております。横田は米軍の専用飛行場でございます。厚木は自衛隊の飛行場でございまして、米軍も使用いたしております。岩国は米軍の飛行場でございまして、自衛隊も使用いたしております。いずれにいたしましても、これらの飛行場は米軍に提供しております施設、区域でございます。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 運輸省にちょっとお聞きいたしたいんですけれども、運輸省が設置管理する飛行場、これには民間専用の空港と、それから官民共用といいますか、自衛隊の方も使っている空港とがあると思いますけれども、とにかくそのいずれにしましても、運輸省が設置管理する飛行場において今までに米軍のNLPが実施されたことがあるかどうかをお答えください。

橋本雅之運輸省航空局飛行場部管理課長

○説明員(橋本雅之君) 運輸省が管理いたします民間空港におきまして米軍がNLPを行ったことはございません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 次に、防衛庁の移転計画についてちょっとお聞きをいたしたいんですけれども、国の庁舎等の使用調整等に関する特別措置法というのがあって、同法の施行令の第五条というものに基づいて防衛庁の方が整備計画要求書というものを大蔵大臣の方に提出する、こういうことになっております。  この内容を見ますと、整備計画により施設を整備すべき理由であるとか、また当該計画により取得すべき財産の名称や所在や区分数量、取得の方法、時期、見込み価額、使用官署名及びその用途、当該計画により処分すべき財産の台帳記載事項、現在の使用官署名及び使用現況、当該財産の処分の方法、時期、見込み価額、相手方及びその用途、その他参考になるべき事項などが記載されているものでありますけれども、こういうものをもちろんおつくりになって大蔵大臣あて提出されたことは、法治国家ですから法律に書いてあるとおりであると思いますけれども、これを本内閣委員会へも、今後の議論をしていくために読みたいので、提出していただきたいと思うんですけれども、提出願えますでしょうか。

相澤史郎防衛庁経理局施設課長

○説明員(相澤史郎君) 今先生のおっしゃられました、私ども防衛庁の庁舎移転計画と申し上げておりますけれども、これにつきましては、先ほど御指摘のありましたように、そういうような手続をとって大蔵省の方に出してやっていることは事実であります。ちょっと手持ちにその資料ございませんけれども、ただこれは政府部内の資料でございますので、また大蔵省との間の関係もございますので、その辺はすぐ提出できるかどうかは検討させていただきたいというふうに思います。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 理事会で検討していただけませんか。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 協議します。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 よろしくお願いします。  あともう一点だけ時間がありませんのでお伺いいたしますが、防衛計画の大綱というものを見直す必要を防衛庁は感じているのかどうかということをお聞きしたいんです。一部の新聞報道では、防衛計画の大綱見直しかという報道が出ましたが、いろいろまた後日の報道を見ますと、これからそのための安全保障会議というものを開いていくんだ、そして六月十九日にその第一回目が開かれたんだ、そしてこれから順に国際情勢の分析から徐々にやっていって、何かことしいっぱいぐらいに結論を出すんだというようにまた報道が変わっております。新聞報道のことですから、それがそのまま防衛庁の発表や基本方針が正しく報道されるというものではないかもしれませんけれども。  しかし、いずれにしましても、防衛計画の大綱という昭和五十一年当時できましたこの内容を見ますと、東西間の種々の対話が持続されているというふうに書いてございます。それから、その後緊張が激化して、そしてその後に今日の世界的な激動、激変の状況というのが生まれてきているわけなんですけれども、やはり防衛計画の大綱は基本的に見直すということが大事だと思うんですが、これを見直すための作業としてこの六月十九日の安全保障会議というものが開かれ、今後検討が進められていく、このように理解しておいてよろしいのかどうか、それをお答えください。

相澤史郎防衛庁経理局施設課長

○説明員(相澤史郎君) 突然の御質問でございますので、担当のところが来ておりませんので、私の方からも申し上げることはちょっとできません。

翫正敏日本社会党・護憲共同

○翫正敏君 この問題については、また今度お聞きしたいと思います。  終わります。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 第三次行革審を設置されるということでありますので、私は基本的に賛成でございますが、若干質問させていただきます。  その前に、我が国は昭和二十年の廃墟より立ち上がりまして、限りない国民の英知と努力によって今日の大きな繁栄を築いてまいりました。いろいろ中に抱える問題はあるにしても、今日の世界の中で自由で平和で豊かな国であると世界の人々は考えていると思います。これは国民の限りない英知と努力によるものでありますが、自民党政府の一貫した日米安保体制を基本とするバランスのとれた政策によるところが大であると私は確信しております。また、野党の鋭い自民党政府に対する批判も自民党の姿勢を正してきたと考えられます。いついかなる時代であろうと、私たちの社会は明るく健康で活力のある社会、明るい展望のある、ゆとりある社会を目指さねばならないと思っております。  行革の目指す目標は、現在の国際化、情報化、高齢化の時代に適応できる社会、基本的には明るく健康で活力のある社会、国民の価値観の多様化に対応したゆとりある社会の実現が強く要請されておるわけで、さらに我が国の国際社会における責任はますます増大し、果たすべき役割は重くかつ大きくなってきております。国際社会に対する積極的貢献が要請されている時期でもあります。行革は国民の理解と支持がなければ実現できないと強く主張された故土光会長のお言葉が大変に印象的であります。土光会長の葬儀の際に数万人に及ぶ一般市民が参列したことがこれを雄弁に物語っているというふうに考えております。  それで、まず土光臨調以来九年間の行政改革の成果はどうなっているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 田村委員御指摘のように、日本は敗戦後のあのような惨めな状態から今日の日本になったわけでございます。慢性的な経常収支赤字国家からむしろ逆に経常収支黒字国になった今日、大きな社会環境の変化があったわけでございます。それに応じまして、臨調が九年間行財政改革を答申いたしまして、そして政府はこれを実行することによって大きな私は成果を上げてきたと思うわけでございます。  非常に数多くその成果は数えられるわけでございますけれども、私どもの見るところ、主な点を挙げてまいりますと、つまり行き詰まっておった国鉄の問題、国鉄改革を初めとした三公社の民営化、日航の民営化などによる特殊法人の整理合理化、つまり経営形態の変更によって民活を導入したことでございます。  第二は、これは定員の上だと思いますけれども、昭和五十七年度から平成元年度まで約三万人の国家公務員の減少をいたしました。純減があったわけでございます。パーキンソンの法則のような、つまり公務員の数というものは仕事の量に関係なくふえていくんだというようなことをよく言われるわけでございますが、行革審のおかげでこのような公務員の定数の減少が財政再建の問題とあわせて実現ができたわけでございます。  それから三番目には、総理府本府の一部と行政管理庁を統合再編成して総務庁を設置した。そのほかに十一省庁二十四局に及ぶ中央省庁内部部局の再編成、なかなか難しいことでございますが、このような行政庁の中の再編成も行われました。  第四に、赤字公債といいますか、特例公債といいますか、十五年ばかりかかりましたけれども、シーリングとかいろいろの緊張した方向を示すことによって特例公債の依存体質から脱却という財政再建の第一段階がここで達成された。  このように重立ったものを挙げただけでも言えるわけでございます。その他数多くの成果もあると思いますけれども、重立った成果だけ申し上げさせていただいて、私どもはやはり行革春あっての行財政改革、そしてその成果だ、こんなふうに考えております。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 そのような大変な成果があったわけでありますけれども、臨調や行革審が果たしてきた役割、政府の行政改革の推進の責任者である長官はこういう役割についてどのように評価をされておられるか、お伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 今数多くの成果について申し上げましたが、私は、臨調や行革審の役割というものは、その存在によって、そしてまたその御審議によって、そしてその答申によって今申しましたような行財政改革が実現できたと思うのでございます。大変精力的な審議が行われまして、答申した件数だけでも二十件に及ぶような状況でございます。しかもまた、それが各方面で実現されていることはやはり臨調、行革審ならではと、こんなふうに私は高くその役割を評価しているところでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 官庁は何事にも規則ずくめで処理されたり、前例主義がとられたり、無失点主義の傾向が強いわけですが、そういうことが行革によって除去されてきたということは大変すばらしいことだというふうに私は認識しております。  この四月に出されました二次行革審の第一ページに、「これら以上に重要な成果は、将来にわたって大きな政府を出現させてはならないこと、政府に過度に依存することなく国民の自立互助を基本とすべきであることなどについて、意識の改革が進んだことであった。」というふうに書いてございます。前ジョン・F・ケネディが、国に何をしてもらうということではなくて、自分たちが、国民が国に何ができるかということを問われなきゃならないという有名な言葉を残されておりますけれども、こういう意識の改革が、廃墟から立ち上がったときは、政府は貢献的であり保護的である性質を持っておりますけれども、こういう繁栄の時代を迎えて国民が国に何ができるかということを意識できる改革というのはぜひ進めていっていただきたい、強く要望する次第であります。  それで、まず第三次行革審を設置する目的についてお伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 田村委員が御引用されました去る四月十九日に解散した第二次行革審もその最終答申におきまして、「今後とも国民の協力を得つつ行政改革の推進を図る観点から、」「政府は、新たに行政改革推進のための審議機関を設置する必要がある。」、このように提言しているのでございます。この提言が端的に第三次行革審の設置の目的とも言えるかと思うところでございますが、私どもは現在法律案をつくりまして審議をお願いし、まだ行財政改革は半ばだとか、いやこれからだと、こんなふうな御表現がよく言われるわけでございまして、私どもは第三次行革審に大きな期待をかけていきたい、こんなふうに考えております。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 この第二次行政改革推進審議会の答申の中で、先ほども委員の方が言っておられましたけれども、「世界に開かれた日本」とか「世界への積極的な貢献」というのがトップに行政の課題としてうたわれておるわけですが、これは私非常に重要なことだと思っております。現在改めなければならないような点が非常に私はあると思うんです。  例えば世界のために汗を流すとか、世界の国々と、特に日米安保体制でありますからアメリカでありますね、そういうところと喜びを分かち合い悲しみをともにするというような精神が大分欠如しているのではないかというふうに思うわけです。それで、相手の立場を少しも考えない議論が非常に多いのではないかというふうに思います。例えば世界で旅客機が墜落すると必ず新聞報道は日本人は乗っているとかいないとかというようなことが書かれるわけです。そうすると、日本人だけが生きればいいのかねという話になると思うんです。世界の人はそういうふうに見るんじゃない  それから、けさから大分きのうのミッドウェーの火災の問題が議論されておりますけれども、まず火災なんだからお見舞いしなきゃいけないわけですね。極東の安全を守り日本の安全を守りしているわけでありますから、そのミッドウェーが核がどうのこうのという話ではなくて――もともと軍事的に申し上げますと、これはちょっと余談になりますが、どこの国でも核を積んであるかどうかということはその国の軍の最高の秘密でありますので、そんなことを言ってしまえば積んでいることが何の意味もなさなくなるわけで、それは全く極秘事項であります。そういうことよりもまず火災で死傷した人がいるのか、すぐ日本の近くで火事を起こしているわけですから本当に大丈夫なのかとか、そういう思いやりというか、相手の立場に立ってみればこんなところで火災になって冗談じゃないと思っているかもしれないわけです。そういうことを思いやる気持ちというものが全く欠如している状況であれば、ここに書いてあるように「世界に開かれた日本」なんかとんでもない話で、何が「世界への積極的な貢献」だと私は強く思うわけであります。  それで、何か日本がやることは日本だけが得することで、それ以外のことはやらない。それで、ずっとこの四十年間を振り返ってみますと利の追求をしてきたわけです。したがいまして、利の追求というのは何を意味するかというと自分のことしか考えないということでありますので、この利の追求を少しやめて、義の追求、義理人情の義の追求をしなきゃいけないというふうに私は強く最近思っているわけであります。  それで、こういう観点に立って世界に融合し、世界の平和と発展に貢献するということはいい言葉で、掲げるのは結構でありますけれども、この第三次行革審でどういう項目がやられるかどうかということはまだお決まりでないというお話でありますけれども、政府としてこの問題の重要性、今申し上げたようなことの重要性を総務庁長官としてどのように認識されておられるのか、お伺いいたしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) ただいま田村委員の御指摘のような世界の中に貢献し、また世界的に調和のとれた制度等を持つ日本にするということは大変重要なことでございますし、今、田村委員が申されましたような義の追求と申しますか、やはり人類愛といいますか、そのような点も大きな要素として考えるべきだと思っているところでございます。そういう観点からも、行財政改革が検討されることは確かに今申されました抽象的な基準の中にも合致するようなことだと思うわけでございます。  何をテーマとするかにつきましては、もう御指摘のようにこれまでの慣行に従いまして第三次行革審が成立して審議が始まりましてからその審議のテーマ等については決めていただきたい、こんなふうに思っているところでございますが、その前にやはり歴史が基礎をなすものでございます。これまでの臨調以来の行財政改革の実施状況あるいは答申の実現の状況、これら等を十分に御審議を願い、そしてまたこれを基礎にいろいろのテーマをひとつ考えていただく。  そのほかに新しい問題といたしましては、御承知のように国民生活の質的向上の実現、消費者の視点を重視した社会経済の仕組みづくりといった生活面を重視したような観点の行財政改革をどうしても取り上げていただきたいものだなという、私どもはそんなような考え方を持っているわけでございます。しかし、これは今度の第三次行革審の皆様方がどのように判断するかによろうかと思っているところでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 この第三次行革審のこの資料の中に、第三次行革審は三年の設置期間というふうに書かれてますが、これは三年たつとまた第四次とか第五次とか、こう出てくる可能性があるものなんでしょうか、どうなんでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 先生御承知のとおり、臨調二年、それからその後二度にわたる行革審が三年という、こういう時限をつけながらその間に行革を進めてまいったわけでございますが、これは行政改革は申し上げるまでもなく、言うはやすく行うは非常に難しい、そういう仕事でございますので、そういったものを実効を上げるというためには一応一定の年限を努力目標として設定をいたしまして、その間に一応のめどをつけるように施策の推進に当たることが重要かつ適切であろう、こんな考え方から今までそういった時限を付してまいったわけでございます。  今回もそういうことで三年の時限をつけさしていただいているということでございまして、その後どういうことになるのか、四次、五次というのはあるのかどうか、ちょっとこれは、今の時点ではその三年の間に一応の成果を上げるように最大の努力をするということでいっぱいでございまして、その後のことはちょっと申し上げかねるような状況でございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 ちょっとお聞きしますけれども、この第一次、第二次、第三次というのはその答申が実際に政府によって強く推進されているということをウオッチするというか、進捗状況を眺めるということも、第三次行革審には第二次行革審の内容を推進するという意味もあると思うんです。そういう意味では、三次の答申をまた四次がウオッチする、ちゃんとできているかどうかを見る、まだ未実施分がないかどうかというのを見る、そういう観点に立ってみると四次も五次もあるというふうに考えられるんですが、違いますか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今先生おっしゃったようなお話はある意味ではそのとおりのような状況にございますが、さしあたり今の時点ではとりあえず第三次の三年の間に全力を挙げる、こういうことでございまして、三次の行革審がどういう形の答申を出されるか、それもございますけれども、あるいはまたそれをさらに実行していくというようなことがまたその後の課題になることは十分予想されるところでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 そういたしますと、国民の側から見ますと行革がマンネリ化するような気持ちにもなるので、そういうことがないような政府の努力というのが大変必要になってくると思うんです。  それで、もう一つお尋ねしますけれども、第二次の行革審のときには委員が七名でしたんですが、今回は九名になっているんですが、これは二名ふえたというのは何か意味があるんですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) これは必ず七名でなければならないということではなかったと思うのでございます。確かに今回の第三次行革審は第二次行革審から比べますれば二名増加するようにお願いをいたしておりますけれども、かつて臨調の時代に九名という委員の数もございました。これらの経験もかんがみ、特に最近は新しい問題が、国民生活の質的向上あるいは国際化とかいう問題が言われるものでございますから、幅広く委員を人選したい、そういう観点から、かつての九名の委員の数を参考にいたしまして二名ふやさせていただいたようなわけでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 最終答申は今後の行政改革の主要課題として「公的規制の廃止・緩和と民間部門の活用」、「地方分権の推進」、「行政運営の透明性、公正の確保等」を掲げておられるわけですが、これらについてはどう判断されておられますか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今お話がございましたように、先般の最終答申におきましては行政改革の今後の主要課題、これは六つばかりあるわけでございますが、今三つ例に挙げられましたけれども、その中の公的規制の問題、これにつきましてはまず当面の仕事といいますか、任務といたしましては、一昨年の秋にいわゆる物流あるいは流通、金融、エネルギー、情報・通信等々八つの大きな分野にわたりましてかなり広範かつ具体的な行革審の答申が出されております。それを受けて政府として早速その推進要綱というものをつくりまして今実施中でございますが、この中には構造協議で問題になりましたいわゆる大店法等の問題も含まれておるわけでございますけれども、そういった問題につきましてさらにこれを着実に実施していくという、そういう仕事がございます。  また、最終答申の中には、規制緩和に関連いたしまして、将来実質半減を目指すというような提言が今後の中長期的な二十一世紀を見据えた行政のあり方として提言をされているわけでございます。この規制緩和の問題は、申し上げるまでもなく消費者の立場、国民生活の向上、そういう面からも非常に重要な課題でございますので、第三次の行革審というものが成立いたしましたら、またそこにもいろいろ御相談しながら取り扱いを御協議いただきたいというふうに考えております。  それから、地方分権の問題につきましても先刻来議論がいろいろございましたが、これも昨年の暮れに「国と地方の関係等に関する行革審の答申」がこれまた非常に広範な分野にわたりまして、特に四十数項目の権限委譲の問題も具体的に指摘したような答申がございますが、これを受けて政府の推進要綱というものができておりますので、さしあたりこれの具体的な実施、着実な実施をしていきたい。  それから行政運営の透明性、公正の確保につきましても、最終答申の中では、例えば行政手続法の統一的な整備あるいは国民の意見、要望を行政の制度、運用の改善に反映させる方策の充実、こういったようなことを提言しているわけでございます。特にこの中で、私どもとしましては既に政府部内でいろいろ検討し、相当の検討の成果が蓄積されており、かつまた先ほども触れましたが、今日の国際化の時代の中で我が国の行政手続の透明性、公平性を確保する必要がある、こういうような観点から行政手続法の統一的な整備に向けて前向きに取り組んでまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 この資料を見ますと、答申尊重ということで、答申が行われた場合には内閣総理大臣に尊重義務があるというふうに書かれているんですが、これはどういう意味でありますか、よく説明してください。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) これは総理の諮問機関として設置される審議会でございますので、そこでいろいろ御検討の上出されました答申は、これは政府としても当然尊重すべき義務がございますので、それを一応法文に書いたわけでございます。  現実の運用といたしましては、臨調以来それぞれ先ほどのお話のように二十本ぐらいこれまで答申が出されておりますけれども、そういった答申が出されます都度できるだけ早い時期に、例えば一週間とか十日程度の後には政府として答申を最大限に尊重するという基本的な方針をまず閣議決定をいたしました。これによっていわば各省が最大限尊重の義務を負うわけでございますけれども、そういった中で今度は答申の中身に盛られました具体的な事項につきまして各省庁と鋭意折衝、調整をいたしまして、できるだけ答申そのままに実現されるように推進要綱、こういうものをつくりましてこれをまた閣議決定する、こういうことで各省を督励しながら行革を実施してきている、こんなようなことでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 昭和四十四年に国家公務員の定員は総定員法の成立によって総枠が定められて約九十万ということで推移しておりまして、それから横ばい状態をしている。これは佐藤内閣の最大の功積であるというふうに言われているわけでありますが、地方の公務員、それはこの行革によって減る傾向にあるのか、あるいはずっと減らされてきているのか、ちょっとその点を教えていただきます。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 国家公務員につきましては今御指摘のとおりでございまして、例えば五十七年以降をとりましても約三万人の純減というようなことでございます。  地方におきましては、一つは社会福祉、社会保障分野の職員あるいは教職員、警察関係の職員、消防職員等々どうしても行政需要の増大等に応じてふえざるを得ない、そんなような面もございまして、正直なところかなりの数が過去ふえておりました。しかしながら、国、地方を通ずる行政改革というようなこともございまして、やはり地方の自主的な御努力ということもございまして、最近におきましては定員の抑制ということで、五十八年度から六十三年度までの全体の数字でございますが、一万六千百八十人、一般行政部門にしますと二万七千余人の純減を達成する、こんなような状況になっております。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、この総定員法はやはり私は佐藤内閣の総理の強い決意と行革のこれも一種だと考えております。したがいまして、この第二次答申が行われてこれから第三次行革審が設置されるようになると思うんですが、その答申が提出されてその結果を力強くマンネリ化することなく推進することが何よりも大切だというふうに私は思いますので、それに取り組まれる総務庁長官の決意を改めてお答え願えればと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) ただいま田村委員から答申の尊重義務の法律的な内容についてまで御質問ございまして、私もその認識を深くしたものでございます。これまでどおり私どもは答申を尊重することはもちろんでございますが、三次行革審という名が示しておりますように、しかもまた国際化あるいは消費者重視といったような新しい難しい問題に取り組まなければなりません。そして、もう言うまでもなく、今定員のお話も出ましたけれども、本当に行政の効果をどのように判断するのか、企業や経済界と違って利潤原理とか市場原理によってその効果が判断できるようなものでないだけに、行革審の答申は大変難しくて、しかも解決に当たって御努力が必要だと思うわけでございます。そのような御努力の結果の答申につきましては、私はこれまで以上に尊重するような気持ちで取り組んで、そして実現の方向で邁進していきたい、こんなふうに考えておるところでございます。

田村秀昭自由民主党

○田村秀昭君 力強い御決意を承りました。ぜひ国民の理解と支持を得て精力的な活動を行っていただきたいと思います。  先ほど私申しましたように、この四十年間、利の追求をして義を忘れた。我が国の歴史を振り返ってみますと、かつて徳川幕府は利の追求を排除して義の理念で三百年日本の幕府として続いたわけであります。利の追求をした足利幕府は倒れて戦国時代を迎えたわけであります。この辺をぜひ考慮されまして、清新な人材を選定されまして、第三次行革審がスムーズに効率的に成果を上げられるように強調をして、質問を終わります。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 速記を起こして。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 行革審はその最終答申の中で、かなりの成果を上げることができたとして国鉄や電電の民営化をみずからの成果として誇っておられます。「これら以上に重要な成果は、」「国民の意識の改革が進んだこと」というふうに言いまして、自分たちが国民の意識を変えたという態度をとっているんです。行政改革の成果というのはすなわち国民の意識を変えたことなんでしょうか、まずお伺いします。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 意識改革、意識を変えたという意味はどういう意味かなかなか難しい御質問でございまするけれども、行政改革というものは改革でございます。それにはやっぱり考え方が変わることによって初めて改革というものが行われる、そういった意味で意識を変えたというふうに、これはもうすべてに通ずる考え方かもしれません、そういう考え方で言われるのではないか、私はこう思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 行政改革のこの九年間というのは、国鉄の分割・民営化を初め補助金のカット、さまざまな国民犠牲の上に括弧つきの行政改革を進めてきたということで、しかもその上国民の意識まで変えたなんと言うのはけしからぬことじゃないですか。人の心の中まで行政改革して変えることができる、それがまた成果だなんて言うのはとんでもないファッショ的な考え方じゃないかと思うんです。機構、制度は変えても人の心なんて行政の手で変えられるものじゃないんです。これはちょっと言い過ぎじゃないですか。官房長官、いかがですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 心の中まで変えたというその心の意味もなかなか非常に広範な概念でございましょうから、ともかくも国鉄を民営化した、このこと自体は制度として大きな改革だと私は思うわけでございます。その改革の法案を国会に提出させていただいて、国会で御審議をいただいてこれが成立したわけでございます。そのことは私は国鉄の民営化に国民は賛成していただいた、考え方は国鉄という経営形態よりも民営という経営形態の方がいいという考え方に変わった、こういうふうな意味だ、こういうふうに考えます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大臣、御答弁になってないと思うんです。そういうことの上に意識まで変えた、こういうふうに誇っているわけです。最終答申をごらんになれば書いてあります。  官房長官にお伺いいたしますが、私は、行政改革、いわゆるこの臨調行革、さまざまなけしからぬことがあると思うんですけれども、一つは、国会の上にこういう審議会を置いて、こういう審議会で国政の基本方針を全部決めましてそれを実施させる。憲法は国会は国権の最高機関であると四十一条で決めておりますけれども、その国権の最高機関を差しおいて七人やそこらの人数でさまざまな国政の重要な事項を打ち出して、それをどんどん内閣が実行に移してくる、こういうことはまさに国会の軽視であり、あえて言わせていただければファッショ的なやり方じゃないかと私は思いますが、この点についての官房長官の御認識はいかがですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 国会は国権の最高機関であることはもう当然のことでございます。しかし、憲法上行政は内閣に帰属するというふうに明文がございます。したがいまして、行政の運営の責任は内閣にある。そして、内閣が行政運営を最も適正に、公正にそしてまた発展的に運営いたしますには各種の審議会があっていろいろな意見を聞くようなことは当然あってしかるべきではないか。  しかしその実行の責任はもちろん内閣が負うわけでございます。しかもまた、法律事項につきましては国会で、例えば今申しました国鉄の民営化につきましては法案を国会に出させていただいて、御審議を願って御賛同を願った、こんな形でいっておりますので、この行革審というもの、あるいは行政改革というものが国会軽視ということには全くならない、私はこういうふうに考えておるところであります。  アメリカにも何とか委員会というのがたくさん大統領のもとにありまして、私どもそれを随分勉強させていただいたこともありますし、イギリスにもそのような類似の委員会がありまして、首相に答申をするようなことは数多く見られるところでございます。複雑な経済社会でございますから、各種の専門家あるいは幅広い別途の角度から見られる客観的な方々を審議委員にして、そしてその御意見を聞くということはすぐれた民主主義的な方法だと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 行政権が内閣に属するということに対して異議を言っているんじゃないんですよ。憲法は日本の国権を行政、司法、立法、三つに分けたけれども、その中で最高の権威は、最高機関は国会だと、こういうふうに決めているわけです、その理由については言いませんけれども。それで、その国会を差しおいてさまざまなことを数名の審議会で決めて、それを、法案は国会へ出してきますでしょう、法律は国会しかつくれませんから、国会へ出してくるんですけれども、そういう国権の最高機関たる国会を差しおいてさまざまな国の方針を決めて、それをどんどん実行に移す、こういうことはけしからぬことだと私は申し上げているんです。  それで、官房長官お忙しいところをせっかくおいでいただきましたのでお伺いしたいんですけれども、行革審に限らず臨教審しかり、さまざまな審議会政治というのが横行していまして、そういうところでいろいろ国の基本方針、非常に大事な国民を拘束する、もっとはっきり申し上げれば国民を犠牲にすると言っていいですけれども、そういう方向を出して議審会でもってどんどん決めちゃう、こういうやり方は国会無視ということと同時に、非常に民主主義にとってもゆゆしいことだというふうに思うんです。この新しい行革審もそういう性格を持ったものの一つだと思うんですけれども、いわゆる審議会政治について官房長官としてはどういう御認識をお持ちでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 拘束するというお言葉がございましたが、拘束するにはこれはもう法律じゃなければこの民主主義国家、法治国家ではできないわけでございます。国民を拘束するようなことが必要になれば、必ず法律案として国会に提出をして御審議を願ってきていることはもう今まで申し上げたとおりでございます。その他行政は、これは行政責任は内閣に任されたことでございますから、法案の必要でない範囲においての行政について内閣が責任を持って実施することは私は当然あってしかるべきだ、こういうふうに考えております。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 行革審初め審議会がたくさんある、それは確かにそのとおりでしょう。だけれども、どんどん時代は動いていきまするし、新しい改革なりをやろうとする場合にはやはりいろいろな方々の御意見を必要といたします。しかし、何か審議会が国会の上にある、内閣の上にあるとか今おっしゃったけれども、それは全然違いまして、審議会はここの下にあるんです。この審議会はいろいろな学識経験者やそういう立派な意見の持ち主がいますから、これをやっぱり吸収する。この審議会は総理の諮問機関ですから、審議会が答申を出すのは総理ですから、それで総理がその意見の中でこれはいいなと思ったらそれはアイデアはちょうだいをする、そして閣議にかける、そしていよいよ法律などにするときには国会におかけをする。  だから、審議会ははるかに下でありまして、その上に総理があって、閣議があって、その上に皆さんの国会があるということでございますから、決して軽視などしておりません。どうぞ御自由に、国会は国民の代表ですから、御意見をどんどんお出しになるのも結構でしょう、質問もなさるのもまことに結構でしょう。だけれども、行政の責任者とすれば、いろいろな専門的な知識を吸収する、そしていよいよ最後は国会の御判断をいただくということですから、審議会はそんな内閣の上にあるなどというものではございません。どうかその点は誤解のないようにどうぞお願いいたします。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 もう一つ官房長官にお伺いいたします。  各種の審議会を内閣がっくりますときに、内閣は審議会を隠れみのにして内閣がやろうかなと思っていることを審議会に答申させて、それをいかにも国民の意見を聞いたような形で、国鉄は分割民営化します、やれどうのこうのとやってくるわけです。そういう審議会のメンバーを選ぶ場合に、じゃその反対の方と賛成の方とさまざまな意見を持っている方をバランスよく入れて審議会をつくるように努力されていますか。私は臨教審とか臨調行革の経験で言えば、そういうことをやる賛成の意見の方ばかり集めた審議会じゃなかったかと思うのですけれども、内閣としてはそういういろいろな反対意見も半分は入れるという配慮のもとにそういう審議会を構成されてくるように努力されてきましたか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 行革審のみならず審議会というものは国民の世論の吸収の一つの方法、形態だと私は思うものですから、いずれの審議会も幅広く人選されている、こういうふうに思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうしますと、私たちは反対ですけれども、仮にこの法案が成立して、新行革審のメンバー九人となっていますけれども、例えば四人ないし五人はこういう中身に反対の方をメンバーに指名されますか、選ばれますか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) これはまだ成立しておりませんからどのような方を選ぶという具体的な思いにはまだ至りませんけれども、行革審ができても行革に反対だと言われる方を呼ぶ、選ぶというようなことは私は余り考えられないと思うので、これは別なところで御意見を大いに言っていただいたらいい。やはり行革は必要だ、それはどういう行革がいいのだ、こういうための審議会だと私は考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 正直におっしゃられましたですよ。要するに賛成の人だけ入れて、方向を出して、それに沿って法律を出して国会で審議する、こういう形なんです。  行政改革といいまして国家公務員を初め人員をうんと減らしているのに、この行革審だけ何で人員をふやしたんですか。行革というならこの人数もふやすべきじゃないと思うのですけれども、いかがですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 二名ふやしました理由につきましては先ほども御説明申し上げました。前回は七名でございましたが、その前は九名でございます。やはり幅広く意見を聞くには今度は九名の方がよかろうというわけで二名をふやす提案をして今御審議を願っておるところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 自分たちが必要であるとすれば人数ふやすのですよね。ところが、実際に人数が必要な国家公務員、国立病院のお医者さんから看護婦さんから、あるいは法務局の職員から職安から、みんなそういうところは必要なのに切ってしまって、本当に国民だって大変な思いをしているんです。そういうところだけ人数を減らして、こっちは必要だといってふやすというのも私は矛盾していると思います。それはそれまでにしておきます。  ちょっと大蔵省に数字をお伺いいたしますけれども、この臨調、行革審、この九年間で国の予算がどう使われたかお伺いいたしますけれども、行政改革の始まる七四年、そして始まった年の八二年、そしてことし九〇年度、この予算のそれぞれの社会保障費の伸び率はどうなっているでしょうか。それと時間の関係で一緒に聞きます。防衛予算はどうなっていますか。

原口恒和大蔵省主計局主計企画官

○説明員(原口恒和君) お尋ねの数字についてお答えします。  社会保障関係費の対前年度比伸び率でございますが、四十九年度は三六・七%、五十七年度は二・八%、それから平成二年度は六・六%でございます。  それから、一般会計に占める防衛費の割合でございますが、四十九年度は六・四%、五十七年度は五・二%、平成二年度は六・三%でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そういたしますと、社会保障費は行政改革前そして今日と比べますと伸び率が大変少なくなっている、防衛費は大変ふえているということになるわけですけれども、厚生省、具体的な数字でお伺いいたしますけれども、保育所の予算、これは補助金カットが行われる前と今日と比べてどれぐらいカットされているでしょうか。

太田義武厚生省児童家庭局企画課長

○説明員(太田義武君) 保育所の運営費というお話でございますが、我々は措置費と呼んでおりますけれども、五十九年当時は十分の八が国庫負担ということになっておりますが、その後、補助金問題検討会の議を経て現在は十分の五といいますか、あるいは二分の一ということで恒久化されております。  その影響額の御質問でございますけれども、毎年度の予算額をベースにいたしまして計算いたしますと、言うなれば十分の八から十分の五に下がって、その十分の三の相当額を出せばよろしいのかと思いますが、例えば六十三年度では千百六十億、平成元年度では千二百十億、今年度では千二百六十億になるのではないか、千百から千二百億程度がこの十分の三に相当する額になるんではないかというふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 要するにその額がカットされたということなんで、これは現場の保育行政を担当している人とか父母は大変な思いをしているわけです。  厚生省にお伺いいたしますけれども、大体、今保育料が平均どれぐらい払われているか御存じですか。

太田義武厚生省児童家庭局企画課長

○説明員(太田義武君) 十階層に分けて保育料が決めてありますが、これは実は今から申し上げますのは国と地方との間で精算するための金額でございまして、保育料そのものは、これは団体委任事務ということで位置づけられておりまして、市町村が独自といいますか、定められることになっております。もしあれでございますれば国の精算基準を申し上げる必要があるかどうか……。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 いや、いいです。私は、厚生省の基準だけじゃなくて、実際に父母がどれぐらい保育料を払っているかという額も厚生省はつかんでほしいと思うんです。  これは全国連絡協議会保育部会の公立保育所千三百カ所の調査なんですけれども、保育料が全国平均四万一千二百三十二円、都市部では四万五千八百十円払っているわけです。若い両親にとっては大変この金額は重い負担となってのしかかっているわけです。  続いて伺いますけれども、ベビーホテルは全国でどれぐらいありますか。これは調査されていますね。

小島比登志厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(小島比登志君) 全国で四百四十カ所でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 四百四十カ所、ここに一万九百五十四人の子供が預けられているんですけれども、三歳未満児はそのうち何%ぐらいですか。

小島比登志厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(小島比登志君) 申しわけございませんが、年齢別の数は把握しておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうすると、三歳未満児は五三%なんですね。  基準に適合しないとして文書で指導していますけれども、これは何%ですか。

小島比登志厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(小島比登志君) 指導基準に適合していないものとしましては六八・二%でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 つまり、今いわゆるベビーホテルと言われるものが全国でかなりの数あって、しかも基準に適合しないものが七割近くある。しかし、こういうところにも父母としては子供を預けざるを得ないという実態なんです。やはり各地方自治体の保育所の運営がなかなか苦しくなって、保育料も値上がりして、そして父母の要求に見合う長時間保育とかさまざまな保育をできない。ゼロ歳児保育の実施率も低いですね。そういう実情の中でやっぱり補助金力ットの影響というものが一定程度あらわれざるを得ないと思いますけれども、厚生省はどう認識していますか。

太田義武厚生省児童家庭局企画課長

○説明員(太田義武君) 補助率の取り扱いにつきましては、委員御承知のことと思いますが、国と地方の費用負担に係る分担の問題でございまして、また見直しに当たりましては、地方の行政、財政の運営に支障が生じないように所要の地方財源措置が講じられているものと承知しております。したがいまして、保育所措置費の内容や水準そのものに影響を与えるものではなくて、保育行政の運営に支障をもたらすものではないと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 全く現場を知らない発言で、十分の八のときでさえ地方自治体はみずからたくさん負担せざるを得なかったんです。六十年の補助金カットのときなんか、私は埼玉に住んでいますけれども、川越市などは二分の一の負担に追い込まれたんです。そういう中で、しかも行政改革ということで今厚生省がおっしゃったカットの金額だけでも数千億でしょう。  総務庁長官、全体として行政改革を進めるということは、これは保育所は一例ですけれども、各地でこういう血を流しているんです。こういう実態についてどう思うんですか。国民犠牲による行政改革はやめてほしいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 行政改革の数多くの中に今申されましたものがあったと思うのでございますが、財政再建、そしてまた赤字公債脱却、そのためのいろいろの施策が行われてきた、国と地方との間の補助率の変更が行われてきて、国の分を地方に何と申しますか、お願いをするようなことになった、そのことが今のような状態になってあらわれたのではないかというふうに私は考えるものでございますが、行政改革の私は効果を否定するものではない、やはりその方向での改革が行われた、こういうふうに見ております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 行政改革で大変国民が苦しい思いをしている、そういう実態の一端を私は指摘しておきます。  続いて、国有地の払い下げ問題をお伺いいたしますが、総務庁長官、第二行革審の最終答申でも民間活力、公的規制の廃止、緩和、こういうことを言っておりますけれども、土地についても依然この方向を推進するのでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) この最終答申の中に民間活力の活用、あるいは公的規制の緩和、廃止等の問題が指摘されておりますが、これは必ずしも土地問題だけに当てはまるわけでございませんで、今後の行政の全体を進める基本的な方向の一つとして挙げられているわけでございます。  お尋ねが土地対策に関連してでございますのでこれに限って申し上げますと、やはり土地対策の推進に当たりましては、基本的には官民一体となった取り組みが必要であろうというふうに考えております。その一環として、例えば都市基盤整備における民間活力の活用、あるいは土地の利用規制の見直し、例えば容積率の緩和というようなこともその一つかと思いますが、そういった問題。さらには、国公有地の有効適切な利用を進める、こういうことも必要ではないかというふうに考えております。  ただ、民間活力の活用あるいは規制緩和ということが土地対策の基本的な方向のすべてではございませんで、土地基本法等に盛られておりますように公共の福祉優先というような、そういう観点から規制をむしろ逆に強化する、そんなようなことも当然あり得るわけでございまして、民活あるいは規制緩和が土地対策のすべての基本的な方向であるというふうには考えておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 規制緩和の見直しということで言うと、例えばどういうことを考えていますか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 地域によりましては、ちょっと先ほども例を挙げましたけれども、例えば容積率という規制を緩和するというような面もございましょうし、あるいはまた、今後ある特定の地域につきましてその土地の利用について例えば一定の高度以上の建物を建てるような、そういう規制を加えるということも一つの案として考えられるわけでございまして、規制の面もあれば緩和の面もいろいろあり得る、そんなようなことを申し上げたわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 中曽根元総理は、昭和六十年の所信表明演説の中で、民間活用政策として五つのことをおっしゃっておられます。その一つは公的規制の緩和、もう一つは社会資本の分野における国有地の有効活用でした。そしてその第一号として新宿西戸山公務員宿舎の民間払い下げでありました。大蔵省、この民間払い下げの目的は何だったんですか。

日高正信大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(日高正信君) 新宿西戸山住宅跡地の有効活用の構想につきましては、五十八年、大都市中心部における公務員宿舎用地の有効活用を検討するということで大蔵省に設置されました公務員宿舎問題研究会が同年九月に取りまとめました中間報告で提言されたものでございます。  本構想でございますが、公務員宿舎の建てかえ高層化により民間に供給します用地を生み出し、相当数の良質な分譲住宅を供給するということを目的としておりました。本構想に基づく新宿西戸山住宅跡地の開発事業でございますが、都市計画事業として実施されまして、最終的に六十三年三月に竣工いたしております。その結果五百七十六戸の住宅と文化施設、グローブ座等でございますが、道路あるいは公園等が整備されたものでありまして、当初の目的は達成されたと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 目的は達成したという御答弁でしたが、それでは伺いますけれども、旧西戸山公務員宿舎、現西戸山タワーホウムズには現在何人住んでいるんですか。

日高正信大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(日高正信君) 西戸山タワーホウムズの分譲住戸五百七十六戸でございます。被分譲者、入居者でございますが、居住することを条件にいたしましてすべて分譲済みでございます。被分譲者の居住状況等につきましても、十分住民票により確認しております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私、建前は聞いていません。いつも住んでそこで生活している数を聞いているんです。何人ですか、そこで現実に生活している人。セカンドハウスとかそういうところに利用しているような人の数を聞いていませんよ。実際に住んで生活している人の数を聞いています。

日高正信大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(日高正信君) 入居者の居住状況につきましては、新宿西戸山開発株式会社におきまして常時注意を払って確認しております。住民票で私どもとしては最終的に確認せざるを得ないわけでございまして、最終的にはプライバシーというような問題もございますので、私どもとすれば五百七十六戸全戸住んでおるというふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私、先日、夜に行ってみたんです。写真を撮ってきました。(写真を示す)三つの高層分譲住宅が建っているんですけれども、大臣、遠いから見えないと思うんですが、ほとんど明かりがついていないんです。夜八時半ごろですから、この向かい側にあるマンションの方は全部お住まいのようなので全部窓に明かりがついているんです。ところが、このタワーホウムズはほとんどじゃないですが、三分の一かあるいは四割ぐらいかなと思うぐらいしか明かりがついていないんです、人が住んでいないんです。それは帰りが遅いといううちもたまにはあるでしょうけれども、夜の八時半から九時ですよ。私はお店へ入ってみました。その地下が何軒かお店になっているんです。そこで聞きましたら、最初は大蔵省が言われた数だけ入ると思って店を始めたんだけれども、商売は上がったりですと言っていました。三分の一ぐらいしか住んでいないわけですからお店も商売が成り立たないわけなんです。そういうような実情について大蔵省が御存じないわけないでしょう。

日高正信大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(日高正信君) 五百七十六戸、家族数で言いますと千七百九十一名でございまして、先ほど申し上げましたように新宿西戸山開発(株)におきまして電気の使用状況その他十分に確認しておると私ども伺っています。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 電気も時々来てメーターを回していったりするんだそうです。そこに住むということが条件で分譲されて、しかも七百九十何倍という難関を突破して抽せんに当たったわけでしょう。平均でも四十数倍の競争率で、売り出したときは四千万から五、六千万だったらしいですけれども、もう一億も超えたということで、住んでいる人はいい物が当たったと本当に喜んでいるんです。しかし、こういうことが民間活力導入の名前でやられたら国民はたまったものじゃないんです。総務庁長官にお伺いいたします。私はこれが中曽根民活の実態じゃないかと思うんですけれども、あれでも成功だったというふうにお考えですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は今の戸山ケ原の状況は存じておりません。このことは率直に存じておらないということを申し上げたいと思います。  国鉄を初め民活の精神は私は行革の中で大きな収穫があった、それは国鉄でも端的に示されているものだと、こんなふうに思いますし、そしてまた、これも短期間で判断すべきものではない。やっぱり民活というものは市場原理あるいは利潤原理、そのような原理で大きく効果を発揮するものでございます。しかし、それが短期間に直ちに効果を発揮するものではない、こういうふうにも思いますので、全体的に見て民活というものは行革の中で成功した要素の大きな一つだ、こういうふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 中曽根民活の典型的な事例で私はお伺いしたので、続けて聞きますけれども、国土庁、お見えですか、西戸山タワーホウムズの話が進む前と後、地価はどれだけ上がっていますか。

吉野洋一国土庁土地局地価調査課長

○説明員(吉野洋一君) 東京におきましては昭和五十八年ごろに都心商業地で地価上昇の兆しが見られまして、六十年ごろに東京都心商業地を中心とする地価上昇が加速傾向を示しますとともに地域的にも広がりを見せ、六十一年に至り周辺住宅地への波及が顕著となっております。六十二年後半には東京都の地価が下落に転じておりまして、最近では東京都ではほぼ横ばいになっておる、そういう状況でございます。  新宿の周辺地区におきましても都心部と同様の地価上昇の傾向を示したところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 具体的にどれぐらいになっているか、数字で言ってくれませんか。高値安定しているなんという答弁じゃ困るんです。前と後と比べてどれぐらいになったんですか。

吉野洋一国土庁土地局地価調査課長

○説明員(吉野洋一君) 例えば東京二十三区で申しますと、これは国土庁で行っております地価公示によりまして年間の変動率を見たものでございますが、住宅地につきましては五十八年三・九%、五十九年三・二%、六十年三・九%、六十一年一〇%、六十二年が七六・八%、六十三年が四四・一%、平成元年でマイナス五・二%、それから平成二年、ことしの一月一日時点で昨年一年間の地価動向は〇・四%の上昇ということになっております。  新宿区につきましては、具体的に申し上げますと、住宅地五十八年四・一%、五十九年三・九%、六十年五・三%、六十一年二一・一%、六十二年一二八・〇%、六十三年一五・六%、平成元年マイナス八・一%、平成二年で〇・三%、そういう状況になっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 トータルするとすごい数字になります。これは東京に限らず大阪とか京都とか、そういうところにも及んでいて、国土庁の地価公示の資料によりますと、例えば大阪でも五十八年を一〇〇とすると平成二年は五二四、京都でも昭和五十八年を一〇〇とすると平成二年六五〇と、こういう物すごい地価暴騰を招いたわけです。  西戸山タワーホウムズのことも、要するに前と後では物すごく地価が高騰しているわけなんです。朝日ジャーナルという週刊誌に書いてありますけれども、「一体誰の、何のための施策だったのだろうか。」、「民活第一号の惨憺たる現状がこれだ。」、結局「確実に残ったのは「土地騰貴」だけである。」、こういうふうに指摘されているんです。もはや失敗というのはだれの目で見ても明らかなんです。  総務庁長官、こういう実例を見ても、国鉄とか何かそういうところへ逃げ込まないで、この土地暴騰のことだけ見てどうお考えなんですか、失敗じゃなかったんですか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 今御指摘がありましたが、私は土地問題の大変難しいことは長らく経験してきたところでございます。しかし、その効果は短期間で判断すべきじゃない面もまたあるかと思いますが、現在国土庁が中心となって土地問題に新しい観点から取り組んでいることは御案内のとおりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 大蔵省に伺います。  昨日、六日二十日に固有財産中央審議会が答申を出されました。それによりますと、国有地の管理処分の方針というところに、「しかしながら、未利用国有地が残り少なくなっていることを考えると、大量の未利用国有地の存在を前提として処分の促進を図った「当面答申」の基本方針を今後とも続けていくことは適当でない。今後、長期的視点に立って、様々な国家的・社会的要請に応えていくために、公用、公共用優先の原則を更に徹底させ、」云々と、こういうふうに述べられているんです。これは土地政策の方向転換だと思いますけれども、どうしてこういうふうに変えられたんですか。

日高正信大蔵省理財局国有財産審査課長

○説明員(日高正信君) 現在土地問題の解決が政府全体の重要テーマの一つとなっておりまして、昨年十二月成立いたしました土地基本法におきましても土地についての基本理念といたしまして、「公共の福祉優先」あるいは「適正な利用及び計画に従った利用」等が挙げられておりまして、国もこれらの理念にのっとるということとされております。中でも、都市部におきまして土地の有効な活用に対する社会的な要請が非常に高まっておりまして、特に国有地は国民共有の貴重な資産でございますので、このような要請にこたえて有効な活用を図っていくことが従来以上に必要になってきております。  他方、答申の中でも強調されている点でございますが、都心部の未利用国有地は極端に少なくなってきておりまして、こういった状況を踏まえまして五十八年の基本答申の基本方針を見直しまして、今後は長期的視点に立ちまして公用、公共用の原則をさらに徹底させていきたい、そういう趣旨でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 未利用地が極端に少なくなったと、民活なんかやるからじゃないですか。私はこの固有財産中央審議会の答申を読んで、中曽根首相の民活、規制緩和、これで国有地を次々と払い下げて未利用地が少なくなっている、今も答弁にありましたけれども、慌てているわけです。はっきり言って、こういう中曽根民活の方針の行き詰まりのために新たな方向転換を図ったものだというふうに思います。  国有地払い下げの問題でもう少し具体的な問題を伺います。朝霞基地返還跡地利用に関する問題です。  米軍朝霞基地返還国有地の利用の問題についてお伺いいたしますけれども、これはキャンプ朝霞基地の南地区の国有地留保地について、十八日、大蔵省関東財務局の諮問機関の国有財産関東地方審議会で、埼玉県に防災基地二ヘクタールを売却、残る二十二ヘクタールを防衛庁陸上自衛隊朝霞基地として所管がえの処分その他を答申いたしましたね。国有地を公園とか運動場、体育館、社会福祉施設、こういうふうに利用したいというのは埼玉県、朝霞、和光、新座、志木、こういう地元の強い要求なんですけれども、こういう要求を無視した答申というのは私は許せないと思うんです。  これらの市は長い間基地があったためにどんな苦しみをなめているか。基地が市の真ん中の一番いいところにあるんです。だから、市役所に行くにも一遍東京に出ないと自分の市の市役所に行けない、隣の市に出ないと市役所に行けない、こういう不便も現在味わっているんです。過去には風紀上の問題、さまざまな問題で、それは基地のないところの住民にはわからない辛酸をなめてきたんです。だから、そこにまたアメリカがいなくなったからといって自衛隊を呼んで利用させるというようなことはしないで、本来その市民に利用させるべきだというふうに思うわけなんです。にもかかわらずそういう答申をしたわけですね。これはもう県民や市民の願いに背いたわけです。  大蔵省にお伺いします。この地方審議会に諮問されたのはいつのことですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 本年六月一日でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 この地方審議会というものは、諮問を受けたならばいろいろ調査して、そして建議するということになっていますけれども、どういう調査をされたんですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 審議会の先生方には私どもの方からいろいろ資料で御説明いたしました。先生方個々人がそれに基づきまして、また御自分のいろんな御見解に基づいて判断されたものであろうと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 一日に諮問をして、そしていろいろな資料を各委員の手元に送ったのはいつなんですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 個々に何日にどの先生のところに行ったかということはちょっと私つまびらかにしておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 少なくとも一日以降に送ったわけですね。それで十八日に答申された。十八日にその審議会が開かれたわけですけれども、その審議会の審議時間はどれぐらいかかったんですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 通常、私どもの地方審議会は二時間ないし三時間ぐらいでやっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 地元の物すごい重要な問題を、しかもほとんど埼玉県に住んでおられない方ですよ、基地の専門家でも何でもない方です。有識者ですから、幅広い知識を持っているという方でしょう。そういう人を中心に二時間ぐらいの審議でなぜこの跡地を自衛隊に利用させるのが適当だなどという判断ができるんですか。何にも調査もしないで、資料を送って、最初に開かれた委員会で結論を出しているんですけれども、これはただ単に形式的にこの審議会を通したというだけじゃありませんか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 私どもの地方審議会には学識経験者、それから地方公共団体の職員並びに行政機関、そういった各層の人にお集まりいただいて審議していただいております。毎回かかる案件はいろいろございますので、防衛の案件ばかりがかかっているわけでもございません。幅広い観点から答申いただいておる、こういうことでございます。  なお、この案件が特に短い時間で審議されたというふうなことはございません。ほかの案件もみんなこのとおりでやってきております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その方が余計問題じゃないですか。全部の問題について短い期間で結論を出してしまうというのは許せないことですね。私はこの防衛庁に対する所管がえという問題は再検討すべきだということを申し上げておきます。  防衛庁の方にお伺いいたしますけれども、県の防災施設の十倍以上の敷地を使って防衛庁はいろんなものをつくろうとしているんですが、その中にラグビー場、サッカー場、体育館が三つ、そのほか馬場あるいは住宅、こういうものがあるんですけれども、例えば体育館が三つですね。何でそんなに三つも自衛隊が体育館が必要なんですか。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) これは自衛隊体育学校というものが朝霞駐屯地にございまして、その体育学校は自衛隊の体育の指導者を養成するとともに体育の選手を養成しているということで、体育学校においては各種の競技の選手を養成しておるということで、このような三つの体育館が必要であるということでお願いをしているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その三つの体育館のそれぞれの中身は何ですか。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) 体育館が三つございますが、一つは総合体育館ということで、いろんな各種の競技に使うということでございます。それから、もう一つの体育館は屋内プールとして使われるということでございます。それからもう一つ、さらに三番目の体育館は球技場としてバレーとかあるいはバスケットとか、そういうことで使われる、こういうことでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そのプールは何メートルプールですか。そして、球技場は何面とれるんですか。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) 非常に詳しいお尋ねなんであれですが、体育館のプールは屋内温水プール、五十メートルの八コースということでございます。それから、球技場はハンドボール場、バスケット場、バレー場、公式競技用、こういうようなことになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間がないんですけれども、その中に家族住宅をつくられますね。その広さはどういうものですか。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) 家族住宅はこの留保地の中にはつくりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 サッカー場、ラグビー場、これは一面だけですか、それぞれですね。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) サッカー場、ラグビー場は兼用でございます。一面でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そして、そのほか四百メートルのトラックもつくる、馬場もつくる、こういう超豪華施設になっているんです。  防衛庁御承知のように、地元の方からは、泣く泣く防衛庁に来てもらってもいいですが、これは住民の総意ではありませんので、そのことは申し添えますという文書も出ています。その文書と一緒に、施設の公開といいますか、地元住民に対する開放ということをお願いするということが書かれているんですけれども、例えば毎週一日か二日、日曜日は全部地元の方に公開しますとか、夜はプールは使っていただいていいですとか、そういう公開の方法が、開放の方法が可能ですか。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) お尋ねの公開の件でございますけれども、防衛庁の留保地の利用に関連しまして、既にキャンプ朝霞跡地整備促進協議会、埼玉県知事が会長で、朝霞市、和光市、新座市の各市長さんが会員となっておるものでございますけれども、ここから、グラウンド等体育施設の隊務に支障のない範囲内での地元利用の要望が既に出されておりまして、私どもとしましても建設予定の体育施設がどういうような運用になるかということはまだ現時点では確定していないわけで、具体的なことは申し上げられませんが、その際に地元利用の要望はできるだけ尊重してその意に沿いたいというふうに申し上げておるところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 全国の基地のことでお伺いいたしますけれども、体育館などを例えば週一回コンスタントに開放しているようなところがあります

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) 週一回コンスタントということをやっておるかどうかは私つぶさに知りませんが、大体土曜、日曜、祭日というようなときにはできるだけ地元に開放をするということは防衛庁の方針になっておりまして、事務次官通達等も出されておりましてそのように運用されておると承知しておりますが、ただ、ある団体に特定に恒常的にというようなことにはなっていないわけでございまして、どの人にも公平に利用できるように開放しておるということになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 防衛庁、今個人に開放していないでしょう、特定の団体とあれを結んで開放しているわけで、例えばこの朝霞四市の住民が土曜、日曜は好きなだけ使える、そういうふうな開放の仕方をしているところはないでしょう。

村田直昭防衛庁参事官

○政府委員(村田直昭君) 地元に対する開放の仕方でございますけれども、これは個人に対する開放というものが全くないわけじゃないわけでございますけれども、主として原則、というのは斜用中におけるいろんな問題を生じることも考えられますから、原則としては団体に対してその申請に基づいて利用をしていただくということになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうですね、個人になんか開放は原則はしないんですよ。  この問題は引き続きまた別の機会にやることにいたしまして、国有地の払い下げの問題に戻りますが、いわゆる三分割有償方式というものを一九七六年の六月の答申で決めているわけですね。この方針が、実は施設整備の計画を推進する上で国有財産法、国有財産特別措置法に基づく優遇措置が抑えられたということで地元では一層苦労になっているわけです。  例えば朝霞市の場合ですけれども、同市が払い下げられた国有地に公園、学校、体育館、社会施設、図書館などの施設を整備しました。しかし、国有地の買い受けにかかった用地費は莫大なんです。この支払い状況を見ますと、初年度の七九年度は十億七千百万円、そして八九年度の十一年間に少ないときでも八億八千万、多いときには八四年度は何と約二十四億八千万を計上しているんです。当初予算は百八十六億ぐらいの財政規模の自治体なわけです。九一年までこれが続くわけですけれども、原則有償払い下げということは非常にその自治体の財政を圧迫している、こういう問題について大蔵省はどうお考えですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 国有地の払い下げに際しましてその種の優遇措置をどんなふうに適用するかということで、私ども簡単に処分条件と申しておりますけれども、これにつきましては国の財政事情、あるいは国有地というのは御承知のように非常に偏在しておりますので、国有地のたまたま存在する公共団体とそうでない公共団体との間のアンバランス問題等々いろいろなことを考えますと、地方公共団体の財政事情に目を配りながらも、地方公共団体にある程度の御負担をお願いするのが適当である、こういう判断で国有地の処分条件を定めているものでございます。  今お話のございました三分割答申において厳しい条件をつけているではないかという御指摘でございますけれども、返還財産についての処分条件は他の一般の国有財産の処分条件よりもはるかに緩やかな条件になっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 今三分割有償のことで他の自治体とのバランスというふうにおっしゃいましたね。その国有地の払い下げのときの他の自治体とのバランスということをおっしゃるならば、じゃ基地のある自治体と基地のない自治体のバランスというのはどうお考えなんですか。最初にも申し上げましたけれども、基地があるがためにそれはもうほかではわからないようなつらい思い、苦しい思いをしているんです。財政上だけではありませんよ。そういう思いをして基地を提供していた自治体が、いざ基地が返還される、そうしたらこの地価高騰で何十倍にも上がった現在の価格で払い下げる、そんなばかな話はないと思うんです。基地を抱えている自治体の苦しさを思ったら、これはもっともっと有利な条件で、少なくとも今の時価で払い下げるなんというのはとんでもないじゃないですか。そういう点は考え直すべきじゃないんですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 先ほど御指摘のございました三分割答申は、長い間のそういった経緯にかんがみまして国、地元それから留保、こういうふうな形で分割したものでございます。三分割と申しましても、全体的に見ますと三分の一以上の土地を地元利用ということで利用していただいております。御指摘のようにいろいろ地方公共団体の財政事情から計画的な処分ということになっておりますので、まだ依然残っているところもあろうかと思いますけれども、これはすべて計画的に処理されているところでございます。  なお、繰り返しになりまして恐縮でございますけれども、一般国有財産に比べまして返還財産の場合は有利な処分条件で処理しているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちっとも有利じゃないですよ。新座市でこの十八日にもともと地元に払い下げると予定されていた国有地について正式に大蔵省の内示を受けていますね。同市はここに身体障害者授産センター、図書館など福祉の里の建設計画があるわけです。ところがこの払い下げの金額について一平米四十二万円の額を提示しています。ここは市街化調整区域なんです。この市は昨年消防署を建設する際に市庁舎の近くの市街化調整区域の民有地を取得したわけですけれども、平米十三万六千円なんです。なぜ同じ調整区域内なのにこんな三倍以上も高い額を大蔵省は提示するんですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) その案件につきまして、今手元に詳しい資料は持っておりませんけれども、私どもの一般論を申しますと、私どもの国有地は付近の売買実例あるいは公示価格を当該評価財産に基準いたしまして評価額を出しているところでございます。たしか今御指摘の案件についてはあと若干の優遇措置が確定されたと思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 それから、例えば和光市、払い下げが予定されている国有地面積二・七ヘクタールに新庁舎を建築する予定になっているわけです。大蔵省が言っている一平米四十二万円として試算すると土地代だけで百八億かかるんですね。当初予算はここも昨年が百二十三億四千万。用地代はほぼ市の全予算に匹敵する。用地買っちゃうとあと何もできないというすさまじい額なんです。大蔵省がこういう高い価格で地元自治体に払い下げるということは土地の高騰をつくり出すという上からも好ましいことじゃないと思うんです。  それで、所有権を移転してしまわないで、例えば賃借権の設定とか、これは一つの例として言っているんですけれども、もっと考えないとこれじゃ地方自治体は基地の跡地の買収で破産してしまうんじゃないですか。何かいい方法を考えて、こんな過酷な条件はやめていただきたいと思います。どうですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 国有地を有償で貸し付けてはどうか、こういう御指摘でございますけれども、この問題もいろいろ研究はしておりますが、現在この種の首都圏におきましては有償で貸し付けの場合でも、借地権と借地権利金の授受といったふうな慣行のあるところがほとんどでございます。これも民間慣行では相当の金額になっておりますので、有償の貸し付けというスタイルが果たしてどこまで相手方にとって有利な処理になるのかどうか、このあたりは十分慎重に検討しなきゃいけない問題であろうと思っているわけであります。  なお、ただいま御指摘の市役所の庁舎の件でございますけれども、これについては私ども現在、市といろいろどういう形で利用するのか、あるいはどの程度の面積がいいのか、そういったことをまだ詰めている段階でございまして、十分市と相談いたしまして、できるだけ市の方の計画的な処理になじむような形で処理を検討したい、こう考えているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私の持ち時間に限りがありますので、この問題詰められないんですけれども、賃借権と言ったのは一例なんですけれども、ともかく実情はおわかりですね、これによってすごく自治体財政が圧迫されるという実情はおわかりですね、どうですか。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 特に首都圏におきましては非常に地価が高くなっておりますので、こういった公共事業あるいはそういう市役所の建設等に用地費が非常に負担が大きくなっている、こういうことは私ども十分に承知しております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 長年基地のためにそういう困難を抱えてきた自治体、そして地価高騰で今また二重三重の苦しみを受けている自治体なんです。その三分割有償ということを一つの基準として一方的に押しつけるんじゃなくて、この点を再検討していただきたいと思うんですけれども、地元の実情を勘案してやっぱり提示価格を安くするとか、何とか方法があるでしょう。このまま押しつけるということは絶対に困るので、検討していただきたいんです。

川端正次大蔵省理財局特別財産室長

○説明員(川端正次君) 国有地は適正な価格で処分するという法律上の大原則がございまして、この中でどういうことが一体できるのかということは非常に難しい問題であろうかと思います。私どもといたしましては、公共団体に無理のない計画で無理のない範囲でそういった事業ができるよう、できる範囲のことで御相談に栗らしていただきたい、こんなふうに考えているところでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 国有地の払い下げの問題は、とりあえず時間の関係でこれで先へ進みます。  外務省お見えのようですので、空母ミッドウェーの爆発火災のことでお伺いいたします。この委員会がずっとありましてニュース見てないんですけれども、もうその事故の原因はわかりましたか。そして、横須賀港へもう入港したんですか。けしからぬことじゃないですか、どうですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 先生御承知のように、昨日の晩十一時四十七分にミッドウェーの船内の一部に煙が発生いたしまして、その後火災が起こったわけでございますけれども、この火災はけさ未明の零時三分までには完全に消火が行われております。ミッドウェーは横須賀にきょうの午後二時半に入港しております。  このような事故の原因でございますけれども、米軍は通常このような事故がございますと徹底した調査を行うことにしておりまして、今回も同様の調査を行うと言っておりますが、私どもも昨日以来何度かにわたりまして、米側に対しまして、徹底的に調査を行うことと、それからあわせまして安全対策をしっかりとることを申し入れてきています。  原因に関しましては現時点ではまだ判明しておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その事故の原因も判明しないのに横須賀の入港を認めるということは本当にけしからぬことだと思うんです。  それで、このミッドウェーは核を搭載しているという疑いがずっと持たれている艦船なわけですけれども、核の搭載についての有無の確認についてはしない、さっきそういう答弁でしたね。それはもう全くけしからぬことだと思いますが、アメリカのNCND政策、核の存在を隠すという政策、これはどういう内容なんですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私は先ほどの答弁で核の問題には触れておりませんで、先生から核の問題に関しまして御質問ございましたので、改めて日本政府の立場を申し上げますけれども、安保条約上、艦船によるものを含めまして核兵器の持ち込みが行われます場合にはすべて事前協議の対象となることになっております。また、核の持ち込みについての事前協議が行われた場合は、政府としては常にこれを拒否するという考えでございますので、非核三原則を堅持するとの我が国の立場は十分確保されているというふうに考えております。核持ち込みの事前協議が行われない以上、米国による核持ち込みがないことについては何らの疑いも持っておりません。  先生御質問のアメリカのNCND政策でございますけれども、御案内のように日本はアメリカの核抑止力に依存しておりますけれども、アメリカといたしましては、核抑止力に一層の効果性を持たすために、まさに御指摘のように核の所在に関しまして肯定も否定もしないというような政策をとっているわけでございまして、私どもはこれは理解できる政策である、こういうふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうすると、そのアメリカのNCND政策と日本の非核三原則というのは矛盾するんじゃないですか。つまり、アメリカは核があるかないか明らかにしない、横須賀に来ているミッドウェーもあるかもしれない、ないかもしれない、これがNCND政策ですね。日本は非核三原則で核の持ち込みは認めない、こういうことだと矛盾するんです。そういたしますと、アメリカは対日関係においてはNCND政策を修正しているということですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) これは国会の場でも繰り返し申し上げてきたことでございますけれども、日本への核の持ち込みに際し事前協議を行うということは日米安保条約及び関連取り決め上のアメリカの義務でございまして、仮にこれに抵触する内容のアメリカの国内法があったといたしましても、国際約束上の義務が優先するということは一般国際法上当然でございます。したがいまして、今私が触れました、そして先生が繰り返し触れておられますNCND政策というのはいわば法的覊絆力を持たない政策でございまして、これが国際約束上の義務に優先するということは私ども全く考えておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 そうすると、重ねてお伺いいたしますけれども、日本に入港あるいは航空機の立ち寄りの場合も、日本に関してはアメリカは核がないんだということを表明しているということですね、事前協議の申し入れがないということは。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 繰り返しでございますけれども、今申し上げたようなことで、アメリカのNCND政策のゆえに核持ち込みの事前協議が行われないという指摘は当たらないと私どもは考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 要するに、アメリカはNCND政策を日本とのその部分については修正しなきゃならないわけですね、ないというふうにはっきりさせているわけだから。そういうふうに理解していいんですね。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私が今申し上げたことの繰り返しになりますけれども、つまりNCND政策をアメリカがどのように運用するかということの詳細については私どもは承知する立場にございませんので、これについてあれこれ申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、アメリカは日米安保条約及び関連取り決め上の義務を誠実に履行しているということを私どもは確信しておりまして、我が国に寄港する艦船につきまして事前協議が行われない以上、核持ち込みはあり得ないと考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 続いて伺います。  日米安保条約改定の交渉の当事者であったダグラス・マッカーサー当時の駐日大使が、十五日、共同通信と会見して、核兵器を搭載した米艦船が日本に寄港する場合は事前協議の対象にならないとの米側の立場を当時の藤山外務大臣は明確に了解していた、こういうふうに述べているわけです。マッカーサー氏は、事前協議となる持ち込み、イントロダクションとは貯蔵を意味することが米側の立場であると述べて、核兵器搭載の艦船の寄港は事前協議の対象にならないというふうに強調しているわけです。これは日本政府の立場とは明確に異なるわけです。しかも、この発言の重要さというのは、日米安保条約の改定の一方の当事者の発言であるということです。その点について明確にお答えください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) マッカーサー元大使の発言につきましていろいろ報道がありますのは承知しておりますけれども、マッカーサー元大使は現時点では一私人でございますし、何分にも三十年前のことに関しまして記憶に基づいて発言しておられるようでございますし、いずれにしても私どもは正確な発言内容を承知しているわけではございませんので、コメントは差し控えたいと思います。  先ほど来申し上げていることの繰り返しになりますけれども、事前協議の対象である核持ち込みの中に先生が繰り返し指摘しておられます寄港が含まれることに関しましては、合衆国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象とする交換公文の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解から十分明らかでありまして、この点に関して日米間に了解の違いはないと考えておりますことは繰り返し国会のいろいろな場で申し上げているとおりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 今は一民間人ですけれども、当時日米安保改定の当事者であったわけでしょう。お年を召されたからと、そういうことですか。記憶が定かじゃないなんておっしゃいましたね。どういうことですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私が申し上げましたことは、現時点では一私人であり、何分にも三十年前のことを記憶に基づいて発言しておられるということで、記憶が定かでないとかそういうことは申し上げてございません。  いずれにしましても、私どもはマッカーサー元大使がどういう発言をされたか全体を承知しておりませんので、繰り返しですけれども、先ほど申し上げたように、重要なことは三十年前の交渉の結果がどうなったかということでございまして、それは先ほど来私が繰り返し申し上げているとおりでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 今度のマッカーサー元大使の発言だけじゃなくていろいろな発言がこの間出ていますよね。日本政府は核の持ち込み、つまりイントロダクションの中に核積載艦船の寄港、一時通過も入り、事前協議の対象になる、米側は寄港、一時通過は事前協議の対象とならない。日本はなると言っているけれども向こうはならないと言っている。これで日米間の了解には明確な差があるわけですが、岸・ハーター交換公文及び藤山・マッカーサー口頭了解で明白だとさっきもおっしゃいましたね。核艦船のトランジットについて事前協議の対象になるという取り決めがこの中にあるんですか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 私が先ほど来申すし上げておりますのは、安保条約第六条の実施に関する交換公文、岸・ハーター交換公文の中に合衆国軍隊の装備における重要な変更がまさに事前協議の主題となっているということでございまして、藤山・マッカーサー口頭了解におきまして、今言及いたしました装備における重要な変更の場合、核弾頭及び中長距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設ということになっております。したがいまして、こういう文脈上、先ほど来申し上げております合衆国軍隊による核持ち込みの中にはまさに寄港が入っていることが文脈上明らかで、日米間に了解の差はないということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ちょっと聞き取りにくかったんですけれども、文脈上明らかだというふうにおっしゃいましたか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) そのように申し上げました。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 明確には書いてないんですね、そういうことは。そういうふうにおっしゃるということは、文脈から推測するとそういうふうになるんだと、こういう答弁だったと思います。  これまでライシャワー元駐日大使が一九八一年の五月、イントロダクションに関連して、核兵器を積んだ艦船、航空機の日本の領海、領空通過は核持ち込みに当たらないとする口頭了解があり、米艦船は核を積んだまま寄港していると答えて大問題になったわけです。今回もまた同じような発言があるんです。そのときもたしか単なる民間人だとか記憶が定かじゃないとか、ライシャワーのことをおっしゃったと思うんですけれども、そういうような問題じゃ済まされないと思うんですけれども、外務省、非常にそれは無責任な答弁じゃありませんか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 申しわけございませんけれども、繰り返し申し上げておりますように、事前協議の対象でございますこの核持ち込みの中に先生が繰り返し言及されております寄港それから領海通過が含まれているということは、先ほど私が御披露申し上げました合衆国軍隊の装備における重要な変更を事前協議の対象としておる交換公文の規定及びいわゆる藤山・マッカーサー口頭了解から十分明らかでございまして、この点に関しまして日米間に了解の差はないと考えております。これはライシャワー発言が国会で問題になりましたときにも政府側より繰り返し申し上げた点でございます。今回も先生の御指摘に対しまして、あわせて重ねて申し上げたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 本当にもう同じような答弁が返ってくるのであれですけれども、六月二十一日付のこれは神奈川新聞ですか、ミッドウェーの「核搭載公文書で裏付け」、「積み降ろし不可能」と、こういう記事が報道されています。これによりますと、アメリカの情報公開法に基づいて市民団体が入手したアメリカ海軍公文書で明らかになったことによりますと、過去二年間のミッドウェーの寄港全記録を分析して、「洋上の核兵器の積み込み・積み降ろしは緊急時の作戦となっており、核を積んだまま横須賀基地に入港していた可能性が極めて強い」、こういうふうに指摘されているわけなんです。もっと読みますと、「洋上積み替えは「最も危険な作戦行動の一つ」とされ、兵器ごとに異なる器具が必要になるなど「緊急時の作戦」とされていることが示されている。」。ですから、ミッドウェーは核兵器を積んでいるという可能性が、日本に来るときにおろしてないという可能性が非常に強いというまたもう一つ新たな証拠が出たわけなんです。  八七年の三月、我が党の調査団が入手しました米政府の解禁文書でも明らかになっていることですが、一九七七年、アメリカ政府によってこれは解禁されていますけれども、六六年二日二十四日にアメリカのラスク当時の国務長官からアメリカ大使館あてに打電された訓令電報、これには日本への核持ち込みに関する米国との秘密取り決めがあるということが明確にされています。さらに、アメリカの艦船、航空機の寄港、通過をあいまいに、すなわち灰色の形式で受け入れていることが日米間の既定の関係になっていることを明らかにしています。今度はアメリカの安保改定の当事者の発言であるわけです。アメリカ政府はこのことについてどういうふうに答えておられるのか、このことについて日米で詰めたことはありますか。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) 今回のダグラス元大使の発言に関しましては、私どもは、先ほどから申し上げておりますように全体の発言の内容を承知しておりませんので、あえて米側に照会をとっておりません。したがいまして、米側がどう受け取っておるかは承知しておりませんけれども、先ほど来繰り返し申し上げておりますように、同じことを繰り返し言うというふうに先生御指摘ございますけれども、重要な点でございますのでまさに繰り返し申し上げているわけでございまして、従来からアメリカ政府は核持ち込み問題に対します我が国の立場及びその関心を最高首脳レベルで十分理解しております。  先ほど来申し上げておりますように、この核持ち込みの中に寄港、領海通過が含まれることに関しましては日米間の了解に違いはないと考えていることを繰り返し申し上げさしていただきたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その了解しているという最高首脳レベルというのは具体的にどういう部署ですか、日米とも言ってください。

松浦晃一郎外務省北米局長

○政府委員(松浦晃一郎君) これは少しさかのぼりますけれども、例えば一九六〇年の一月に出されております岸・アイゼンハワー共同声明の第二項では、事前協議に係る事項については米国政府は日本政府の意思に反して行動する意図はないということを保証するという表現もございますし、一九六九年十一月の佐藤・ニクソン共同声明の第八項におきましても核兵器に対する日本国民の特殊な感情及びこれを背景とする日本政府の政策に大統領は深い理解を示すというのが入っておりますし、それから先ほど先生はライシャワー発言に言及されましたけれども、その前に御承知のようにラロック発言がございます。ラロック発言の際にインガソル国務長官代理から安川大使にも発言がございますし、ライシャワー発言の際にはマンスフィールド大使からも園田外務大臣にもございます。  そういうようなことで、一運の今私が言及いたしました会談ないし共同声明におきます米国政府のことを言及したものでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間が参りましたのでこれ以上追及できないのは残念ですけれども、一つは、あれだけ大事故を起こしたミッドウェーを事故の原因もわからないままやすやすと横須賀に入港させるということはけしからぬことです。それから、核の問題でこういう非常に重要な証言があるのにアメリカの政府に聞きもしない。電話でだって聞けるじゃないですか。そういうことすらしようとしない外務省の態度というのは、これは真実が明らかになることを恐れるためにそういうことを究明しないんだと思うんです。しかし、それでは日本国民の安全や生命を預かる政府の姿勢としては甚だおかしい、そのことを強く指摘して質問を終わります。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 我が党は、これまでの産業経済優先の政治を改めて、国家百年の枠組みを大きく見直して、今こそ生活者優先の政治へ発想転換をすべきである、こういう考えを持っているわけですけれども、このような発想転換をした上での行政改革、すなわち個人の真の幸福確立を日指し、抜本的な行政改革を断行すべきである、このような考えに立って長官に伺いたいと思うわけです。  今度の行革審の設置では、当然その方向性に焦点が当たるものというふうに思いますが、この点はいかがなものか。先ほど来るる長官の御決意等も伺っているわけですけれども、確認をしておきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 中川委員のお考え方は行革についての基本的な考え方だと伺ったわけでございます。この点はたびたび申し上げましたけれども、最近の変化の激しい社会経済情勢、そしてまた世界から大変期待される日本の役割等を考えますと、今、中川委員が申されましたように、何としても消費者、生活者の観点を重視していく行革というものが必要であろう、こんなふうに考えるものでございます。  その点はもう第二次行革審の最終答申におきまして明文をもって示唆をしているところでございまして、読んでまいりますと、これまでの「産業の保護や公的規制に傾斜しがちであった制度・政策の体系を改革し、消費者の多様な選択を尊重する社会の仕組みをつくり上げていく」と、このように申されていることが、私は今、中川委員御指摘の第三次行革審の審議の中に大きく取り入れられるものだと、こんなふうに考えているところでございます。    〔委員長退席、理事大城眞順君着席〕

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 また、さきの新行革審の答申を受けて海部内閣としては早期に高齢化社会における社会福祉のあり方、この福祉に関する長期展望といったものを樹立して、これに基づく必要な福祉の内容を盛り込んだ社会保障総合計画なるもの、こういったものを早急に作成すべきじゃないだろうか、こう考えるわけです。そして、これに伴う国民負担率を提示して、具体的かつ速やかにこのことに取り組むべきであると思いますけれども、この点はいかがなものか、総務庁から御答弁をいただきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 社会保障の分野につきまして最終答申におきましては、今後我が国が高齢化のピークを迎える二十一世紀においても、活力あり、公正で住みよい福祉社会を築くことが必要である。こういうことで、その方向としましては公的部門の肥大化を避け、高福祉高負担型の福祉国家ということでなくて、国民の自立互助、民間活力、こういうものを基調にした新しい社会のシステムをつくり上げるべき旨を指摘しているところでございます。  そういう観点に立ちまして、年金、医療の将来見通しを踏まえながら、基礎的ニーズに対する公的保障、それを超えるニーズについての国民の自由で選択可能なシステム、これを組み合わせた保険、医療、福祉を通ずる総合的なシステムを確立することが今後の社会保障政策の基本に据えられるべきである。あるいはまた、公的年金制度につきましても、将来の一元化、あるいは医療保険制度の給付と負担の公平化、それからさらには次の世代を担う健全なそういうものの育成のための環境づくり、こういったようなことで社会保障にかかわる改革の基本的な方向を示している。こういうことでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 総務庁サイドから総括的な立場で今御答弁があったわけですけれども、社会福祉に関する長期展望という点では、所管の厚生省としてそのようなビジョンがあるものかどうか、あるいはその将来像について示していただきたいと思います。

横尾和子厚生省大臣官房政策課長

○説明員(横尾和子君) 社会保障の長期ビジョンでございますが、私どもこれまでに適宜着実にこのビジョンをお示ししてまいったというふうに考えておりまして、それの第一歩と申しますか、最初の大きな仕事は、昭和六十一年に長寿社会対策大綱という形で、厚生省所管行政のみならず関係省庁の長寿社会対策を展望いたしました閣議決定を嚆矢とするものでございます。これを踏まえまして、昭和六十三年にいわゆる福祉ビジョンと言われますものを労働省と厚生省の責任において国会にお示しをしたところでございます。これは、両省の関係する施策について今後の基本的な考え方を明らかにして、年金、医療、福祉等について具体的に掘り下げた目標を示したところでございます。  さらに、その展開といたしまして、先般「高齢者保健福祉推進十か年戦略」をお示しをしたところでございますが、これは特に高齢者の保健と福祉の分野において今世紀中に実現を図るべき十カ年の目標を定めたということでございます。  こういう形で私どもは社会保障の将来についてかなり具体的に国民にお示しができたのではないかというふうに考えているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 十カ年計画については拝見はしておりますが、具体的かつ速やかな取り組み、一朝一夕にはいかないと思いますが、このことを御要望申し上げておきたいと思います。厚生省結船でございます。  そういうことで、このたび臨時行政改革推進審議会が再び設置されるわけですけれども、最近ではこの審議会方式の行革の時代は終わったんじゃないか、こんな指摘などもあるわけで、審議会そのもののあり方が非常に注目をされている。我々は審議会の設置そのものについては反対するものじゃありませんけれども、やはり民主的な運営、民主的な集約作業、こういったものが求められるものと思うわけでありまして、果たしてそのとおりかどうかお答えをここでいただいておきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) ただいま審議会のあり方といたしまして民主的な運営、民主的な意見の集約方法というようなお話がございましたが、私どもは、先般解散いたしました第二次行革審におきましても、そういった面では特に問題はなかったものというふうに考えております。    〔理事大城眞順君退席、委員長着席〕

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 先ほど申し上げた、失われつつある信頼回復というのでしょうか、これを図るためにも公正で透明な運営に心がけ、会議録等を作成して、そして審議内容を公開するといったいわゆる開かれた行政、こういったものの範を垂れるべきではないかというふうに私はこの際思うわけです。  例えば脳死臨調等では国民の意見を広く聞くために公聴会を設けるなど、こういった対応を考えておりますが、生活者とかあるいは消費者の視点を考えれば、行革審もこうしたことを当然行うべきじゃないだろうか、このように思います。これらの点について前向きかつ明確な、すなわち審議内容の公開、それから公聴会の開催、こういったことについてどのように考えておられるか、お答えをいただきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) いわば審議会の審議内容の公開の問題でございますけれども、今まで臨調、あるいはこれまでの二次にわたる行革審におきましては、特に行政改革の問題、これは申し上げるまでもなく非常に利害の対立する難しい問題でございますが、これを何とか実効を上げるために各委員の方々がそれぞれのお立場を離れて自由濶達な大所高所からの御意見を交わしながら、そこで結論をまとめていく、こんなような趣旨から、審議会の開始の冒頭におきまして審議会みずからが議事の公開は原則として行わない、ただし運営上、会議が終わります都度、どういう議論が行われたか、こういうことはその都度公表する、こういう方針を決めてこられたわけでございます。  今度新しく成立を予定しております第三次行革審におきましても、どういうことになりますか成立してみないとわかりませんけれども、やはり議事の公開問題につきましては審議会みずからがいろいろ御議論になってお決めになるものと考えております。  それから、審議の例えば公聴会というようなお話もございましたけれども、これも臨調におきましては一日臨調、あるいは第一次の行革審もたしか一日行革審というようなことで委員さんみずから地方に出向いて現場のいろんな生の御意見を承られ、それから第二次の行革審におきましても、国と地方の問題につきましては特に地域のいろいろな生の声を直接聞く必要があるということで、各地にやはり委員さん方が手分けして出向かれていろいろ地元の方の御意見を聞いた、こんなようなことをやってきているわけでございます。これからもいろいろ審議会の方でそういった面での工夫をされるのではなかろうかというふうに考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 審議会に当然ゆだねなきゃならない問題もいろいろあろうかと思いますが、これらの審議内容の公開であるとかあるいは公聴会の開催、こういった重要なことは当然考えられなければならないという問題意識をひとつぜひ持っておいていただきたい、こう思います。  それから、先ほど来たびたび出ているんですが、実はけさほど私がこの国会に向かう途中で友人にばったり会いまして、その友人が非常にこういったことに関心がある人間で、途端に、第三次の行革審の会長は日経連の鈴木さんに決まったなと、こう言うものですから、私もたまたま自宅でここの記事だけ読んでいましたので、いやどうもそうらしいなというような話になって、それで、いや実はおれはきょうこのことで質問するんだよ、総務庁長官にいろんな要望もこの人選についてもしなきゃならぬのだ、実はおれは頭に来ておるんだというようなことを話しながら来て、さっき御答弁を伺ったら、そんなこと知りません、全然決まってない、こういう調子です。  どうも最近、基地返還の問題とかいろいろ、何といいますか、報道が先走るといいましょうか、ただ先ほどの長官の御答弁を信じた上で伺うわけですけれども、そうすると鈴木日経連会長と報道されましたが、この方ではないというふうに解釈してよろしいですね。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) まだ法案が参議院を通過成立しておりませんし、委員は国会の承認事項になっている仕組みでございます。そのことは御存じだと思います。したがいまして、だれも決まっていないということを申し上げた方が間違いないと思います。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 これはもちろん内定という段階での質問ですけれども、要するに「固まった」というような表現です、報道を見てみますと。ですから、これは今の時点で別にこの法案が通ったわけでもないという、おっしゃるとおりです。したがって、そういうことを踏まえるならば、この第三次行革審会長の人選に当たっては長官としてどのような観点からその方を、まあ決まるであろう方を適当と判断されるか、そしてまたこの第三次行革審での役割、使命を考えるならば、長官として新会長に選ばれた方と一緒にどう責任を遂行されていく御決意であるか、この辺もちょっと伺っておきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) この審議会の委員は御承知のように内閣総理大臣の諮問に答えることになっておりまして、総理大臣が任命される、委嘱されることになるわけでございます。私はその権限が法律上ございません。したがって、私がどのように考えるかというようなことを答える資格があるかどうか大変疑問だと思うんですけれども、ともかくも行革審の委員は、行革審という性格から、会長であれ委員であれ、幅広く世論を吸収し、そして見識のある、そしてまた最近の社会経済情勢の変化に十分に対応でき得る御意見を持っておられる方が、何と申しますか各方面を十分に眺められて、そこの中から公正に選択されるものだ、このようなことしか私は言えないと思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 後段の私の質問、その行革審での役割、使命を考えたときに、長官としては新会長とともにどういうふうにやっていかれるかということについてはちょっとお答えがなかったように思いますが、いずれにしてもこの人選問題、会長の人選はこのぐらいにしておきますけれども、先ほど来いろいろ議論が交わされておりまして重複を避けたいと思いますが、私の方としてもやっぱり女性であるとか若手であるとか、当然これは入れてしかるべきであると思うわけです。  ちょっと手元にある報道を見ても、これは五月の初旬ですのでちょっと前の話になりますが、しかしこの人選問題について若干出ているので途中から読みますと、「首相が三月の日米首脳会談で強調した「消費者重視の立場」をあらたな視点として打ち出し、新行革審の最終答申に示された「公的規制の実質的半減」、土地問題解決への具体化など、内外の課題に取り組む考えだ。このため、委員についても、首相は消費者代表や女性の起用を検討しており、新行革審の七人から一人ないし二人増える可能性もある。」、これは前の記事ですからこういうふうになっております。この本文の下の方に「委員の人事については、首相から選考を任されている塩崎総務庁長官は消費者団体などからの代表、ジャーナリストなどを新たに起用する考え。」、こんなふうに報道されています。  ですから、いずれにしてもどうも先ほど来の御答弁が若干かたいように響いてしょうがないんです。これは報道の中身を今御紹介しただけかもしれませんが、そういった立場からもう少し幅広く、別に九人と今ここで出てきている数字に対してどうこう申し上げませんが、そういった人選、若手についてもひとつ参画させようじゃないか、こんなようなお考えはないものかお答えをいただきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は総理に、何と申しますか、進言と申しますか、御意見を申し上げることはできると思っておりますけれども、今のところまだどのような人が適当であるという考え方は総理にも申し上げておりませんし、総理から任されたともまだ申されておりません。率直なところ、私は法案を成立させることが一番の重要な今の任務ではないかと思っているところであります。  しかし一般の方々は、第三次行革審だからともかくも清新な方を選ぶべきであるということがどうも大きな声のように私どもには聞こえますし、そして行革審がマンネリ化をしないように人選には気をつけるというようなお声はたびたび伺っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 次に進みます。  新行革審のこの最終答申では、たびたび申し上げておりますが、公的規制の実質的半減、これがうたわれているわけです。規制の半減についてはこれまでの規制で恩恵を受けてきたいわゆる企業の反発といったことも当然あるとも思いますけれども、これはもう並み大抵なことでは実現できないんじゃないだろうかと私は思っています。しかも、約一万件もあると言われるこの規制の半減について政府は果たしていつまでにどこまで具体的にやれるのか、決意のほどを伺っておきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今先生御指摘のように、最終答申におきまして公的規制につきましては今後実質的な半減を目指す、こういう基本的な将来の方向を示しているわけでございますが、この最終答申自体が将来の二十一世紀を見据えた基本的な方向を示すということで、いわば九〇年代の中長期的な展望のもとでの答申ということになっているわけでございます。  この実質半減ということはいわば数をちょうど半分に減らすというような考え方ではございませんで、例えば国民が受けるいろいろな負担といいますか、規制によるいろいろな精神的あるいは物理的な負担、こういうものが本当に半分減った、そういうことを実感できるような意味の実質的な半減を目指す、こんなような趣旨でございます。  具体的にこれからどう取り組むかということでございますけれども、やはり規制緩和の問題は、先ほど申し上げましたが、国民の消費生活あるいは国民生活の向上、さらにはまた産業構造の調整等々いろいろな面で極めて重要な今後の課題でございますので、第三次の行革審を成立させていただきましたら、やはりそこでもかなり大きな関心事項になるのではないかと考えております。そういう意味で審議会の方にもまたいろいろ事情を御説明申し上げまして、取り扱いについて御協議いただきたいと考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 先般の新行革審の答申作成の最終段階でいわば食管問題を初めとしたトラブルが発生したことはまことに残念であったわけですけれども、私は答申の作成そのものに行政当局とか政党が介入すべきじゃない、このように考えるわけです。自民党員でもあり、この行革の担当官である総務庁長官にこの点に対する御見解があれば伺っておきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 私は行革審で取り上げられる問題には限定はないと考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 今の質問に対してはそのようなまことに簡潔な御答弁であったわけですけれども、我々の考えとしてぜひこれだけのことは言いおいていきたい、こう思います。やはりそういう介入があってはならないという考えに我々は立っているわけで、その点をお含みをいただきたい。  それから、先ほども要望しておいたことと関連するわけですけれども、答申あって実行なしと言われるなど、どうも答申どおりに行われない行革の実行といいますか、あり方が問題になっているわけです。  情報公開法の制度化などは答申以来というか、前の臨調以来七年たっても遅々として進んでいないということはまことに問題と言わざるを得ないわけですけれども、行政情報公開のガイドラインについて政府からこの夏に公表されるというふうにも聞いておりますが、これは具体的に果たしていつごろになるのか。アバウトではこれは困るので、この点に関しては国民も当然非常に注目している問題ですので、この点について明雄にお答えをいただきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) ただいま先生から行政情報公開のガイドラインというようなお話がございましたけれども、具体的にどういうイメージのものか必ずしもわかりませんけれども、それをことしの夏公表すると聞いておられると、こういうことでございます。これはちょっと委員会は忘れましたけれども、私の方で御説明申し上げたのは、まずこの情報公開の問題につきましては、制度化の問題についてはいろいろな問題があって時間がかかるということで、できるところからやろう。行政情報をできるだけ公開するという趣旨自体は非常に結構なことでございますので、運用上できるところからやると、こういうことで、御承知のとおり文書閲覧の窓口制度というものを出先の方も含めて設けまして一般の閲覧に供しているわけでございます。  この現状を見ますとやはりもっとこれを充実整備する必要がある、また各省庁によってその取り扱いがまちまちになるというのもいかがなものか、こんなような考え方で、各省庁の行政情報問題の連絡会議というのがございますが、そこでいわゆる行政情報のどういうものが出せるのか出せないのか、そういった各省庁に共通するいわば公開のための基準づくりをやろうと、こういうことで今いろいろ作業を行っているわけでございます。これはまさに各省庁の行政の実態を踏まえていろいろ具体的に検討するような話でもございますので、これがいつごろでき上がるかということはちょっと今の時点では何とも申し上げられないわけでございます。  そこで、この夏公表というようなお話は、実は予算委員会だったかと思いますけれども、あるいはまた先ほど角田委員の御質問にもお答えしたわけでございますが、制度化、法制化の問題について、これは大学の先生方にいろいろ御協力いただいて、制度化に当たってのいろいろな問題点、こういうものを外国の実態等も踏まえて研究をしていただいている。こちらの方の研究会の成果はできるだけ早く取りまとめてこの夏にでも公表したい、こういうことを申し上げたわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 非常に時間が少ないので次に進んでいきます。  次に伺いたい点は、この十一月に、地方自治体レベルですけれども、外側から行政を監視してチェックするいわゆるオンブズマン制度が川崎市で施行されることになったわけですが、全国で初めてのことではありますけれども、これは民主主義の確立にとっても画期的なことじゃないかというふうに私は思います。そこで、私の方としてはこのような制度がぜひ政府レベルでも実施されることを願っているわけですけれども、この点についてどのように考えておられるか伺いたいと思います。

鈴木昭雄総務庁行政監察局長

○政府委員(鈴木昭雄君) 先生今御指摘の国レベルのオンブズマン制度についてでございますが、これは御案内のとおり臨調、行革審等の答申におきまして、既存の救済制度の活性化、それとあわせて我が国の実情に合った、風土に合った制度を導入する方向で検討しろというような御指摘もございまして、それらを受けて政府といたしましても過去何度か閣議決定を行っているところでございます。  平成二年度の行革大綱におきましては、オンブズマン等行政監視・救済制度につきまして、「民意の反映等を図るなど、既存諸機能の活性化を推進するとともに、その実績を踏まえ、我が国の実情に適合したその在り方について、」「既存諸機能等との関連性に留意しつつ、結論を得るべく更に具体的な検討を進める。」ということといたしているところでございます。これらの方針を受けまして総務庁といたしましては、いわゆる既存救済制度といいますか、私どものやっている行政相談制度の活性化を図るという観点から、総務庁長官が行政苦情救済推進会議というものを招集いたしまして、私どもの苦情処理過程に民間の有識者の意見を反映させるというようなことを行っているところでございます。私どもといたしましては、その実績を踏まえましてさらにこれから具体的な検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 いろいろと詳しい御説明があったんですが、やはり国民の立場から見て非常に川崎のこのやり方というのはわかりやすいという点で、先ほど私は民主主義の確立にとっても画期的なことである、このように述べましたけれども、ぜひとも近い将来やはりこういった政府レベルでも検討、実施されるように強く要望をここでしておきたい、このように思います。  次に、約三年間にわたる臨時行政改中推進審議会の検討結果がまとめられて最終答申として今回公表されたわけですが、その中で、我が国はこのままでは国際的に孤立しかねないという厳しい認識のもと、二十一世紀のあるべき日本像を想定し、内外の重要課題について提言をしているわけです。総務庁としても、民主的な我が国の行政を築くためにも、この際諸外国の関係者、ここには当然外資系企業なども含まれると思いますが、こうした外から見ている人々の意見といったものを集約してもいいんじゃないだろうか、こんなふうに思うわけです。ですから、こういった意味の世論調査みたいなものを行うお考えはないかどうか、お答えをいただきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今のお話は、このたびお願いしております第三次行革審あたりを念頭に置いてのお話かと思いますが、この審議会のそういった具体的な運営方法につきましては、審議会発足後政府の方からいろいろなお話を申し上げた後、審議会御自体でお決めになることだと思いますが、いずれにいたしましてもこういった国際化時代でもございますので、審議会の方でもいろいろななるべく幅広い意見を聞く、こういうふうなことで工夫等なされるんではないかというふうに考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 やはり国際的に孤立しかねないとか、また二十一世紀のあるべき日本像というようなことが飛び出してきますと、やはり当然外から何らかの形で見てもらわなければならないように思うわけで、そうでないとまた提言そのものを尊重したとは必ずしも言えないぞというようなことにもなってきますので、ひとつぜひそのような方向性というものもお考えに入れておいていただきたい、このように思います。  次に、国民負担率についてですけれども、これは高齢化のピーク時における国民の公的負担を五〇%を下回ることを目標としておりまして、「ヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低位にとどめることが必要である。」といった八三年の臨時行政調査会路線、これを上方修正したもの、こう思われるわけなんで、高齢化社会では国民負担率の増大というものは避けられないと思いますけれども、国民負担率を著しく高めることはやはり豊かな国民生活あるいは活力ある福祉社会の実現と逆行するんじゃないかと当然考えるわけです。高齢化のピークにおける国民負担率というのはやはり四五%程度が限界じゃないだろうか、我々はこう思いますけれども、やはり先ほど申し上げたような大幅な国民的世論調査を実施すべきじゃないんだろうか、ここでもこう思いますけれども、この点はいかがでしょうか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 国民負担率の点につきましては、最終答申におきましては負担率のこれまでの推移、あるいは六十三年のたしか三月ごろだったと思いますが、関係省がいろいろ仮定を置いて計算した負担率の見通しといいますか、さらにはまた高齢化の進展状況、こういったものを総合的に勘案して考えますと、たしかあれは政府の仮定計算例によりますと二〇一〇年ぐらいだったと思いますが、もうそのときには既に今のペースでいきますと五〇%をかなり上回るおそれがある。これではおっしゃるように活力が失われるということで、二〇二〇年というそういった高齢化のピーク時においてもやはり五〇%を下回るように負担率を抑制する必要がある、こういうことを提言しているわけでございます。  臨調の答申におきましては、先生御承知のとおり二〇〇〇年の初頭あたりを念頭に置いて五〇%をかなり下回る、これは当時はせいぜいマキシマム四五%ぐらいだというのが一般的な考え方だったと思いますが、この点は今回の答申におきましても全くそのまま踏襲しているわけでございまして、そのさらに二十年後の一番ピークのときにも五〇%を下回るようにする、こんなようなことを提言しているわけでございます。そういった点についての国民的な合意でどのあたりの水準が適当かということは当然決めていただく必要があるわけでございますけれども、そういった点に関する世論調査等々につきましては、また審議会の方でいろいろ御相談になって工夫をされるのではないかというふうに考えます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 時間がないので飛ばします。次のテーマに移ります。  これも一つの行政情報公開の問題であると思いますが、こうした委員会の質疑、これを総務庁は国会会議録検索システムとして光ディスクにインプットしてデータベース化しておられるようですけれども、やはり議員に対してもこれを公開すべく立法府もアクセスできるようにすべきではないかと思いますが、この点はどうかということ。立法府がもしアクセスできない仕組みであるならば、これはもう非常にけしからぬことだと私は思いますし、そうしてまた、行政府が金を使ってインプットしているだけでは不公平じゃないかと言わざるを得ない。民主的な行政、国民の知る権利の確立のためにも立法府にそういうネットワークを張ってしかるべきだと私は思いますけれども、この点についてのお考えを伺います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 総務庁におきましては、現在各省庁の協力を得ながら御指摘の国会会議録検索システムというものを開発して運用しているわけでございますが、このシステムはもともと行政機関における行政事務運営の適正化、そういった行政執行上の必要性から開発をしたものでございまして、このシステムを行政機関以外にも提供するということにつきましては、運用に関する責任、権限の問題、あるいはシステムの処理能力、それからまた私どもの体制の問題等いろいろ問題がございまして、なかなか対応が困難な状況ではないかというふうに考えております。  ただ、国会の方におきましても、国会図書館にこのシステムに似ております国会会議録システムというのが運用されているように伺っておりますけれども、そういったものにつきまして、その整備を図る上でいろいろ問題があるとか、そういうような御要請がもしございましたら、総務庁といたしましてもできるだけ協力を申し上げたい、このように考えているわけでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 どうも一説によりますと、今の点に関して財団法人から有料で公開するようなことも聞いているわけなんです。そうした計画は果たしてあるのかないのか。もしあるのであれば、それは国会においてやはり議員に対して一定の了解なり承認があってしかるべきじゃないか、こう思うわけですが、あるとすればどのような計画があるのか、全くないのか、この辺もちょっとお聞きしておきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) その財団法人を通じて提供するというような話は全く聞いておりません。多分そういう計画はないものと思います。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 ちょっとあるルートで耳にした範囲ですから、何ともここでは申し上げられないが、もしあったとすれば、やはり天下り問題とかいろんな問題がこれは当然考えられてくるわけで、きょうは時間がないですけれども、これはもう改めて論議しなければならない重要な問題であるということをこの際、もしそうであるならば、これは指摘しておかなければならない、こう思います。  それから長官に伺いますが、第三次行革審については、これからどのようなテーマを検討するのかを詰めていかれると思いますけれども、やはり生活者、消費者の視点とともに我が国の国際的貢献のあり方、さらには国際社会とハーモナイズしていない法整備、こういったものを含めた諸制度等も検討していくべきじゃないだろうか、こんなふうに考えますけれども、この点はいかがでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) ただいま中川委員の御指摘のように、最終答申の中にもう既に「世界に開かれた日本 市場開放を徹底し、社会経済の制度・慣行を国際的に調和のとれたものとする。」、さらに第二番目といたしましては「世界への積極的な貢献 新たな世界秩序の形成と世界の平和と発展のため、我が国にふさわしい役割を果たす。」、このように明文で国内制度の見直しや改革を進め、受け身ではなくて国際的に積極的に対応していくように行政改革の重要な課題の一つとして示しておるところでございますから、私は、中川委員の申された点は第三次行革審の中で取り入れられるものだと考えております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 このテーマは九〇年代の重要な課題の一つとして議論されていくと思います。長官の御答弁をもって今後ともこれら諸制度の検討に前向きに取り組んでいかれることを要望しておきたいと思います。  あと二分しかありませんので、最後の質問に入りますが、委員の登用についてこれもちょっと最後に伺っておきたいと思います。  国際的にハーモナイズさせなければならない問題等についてはやはり在日の外資系企業マンを初め、先ほど申し上げた海外からの視点、そういったものを持つべきであって、他国からの、他国という表現はあれですが、外国のいわゆる文化人であるとか要人等を委員に登用すべきじゃないだろうか。国際時代に対応する我が国のあるべき姿からしても当然のことではないか、このように思うわけですが、最後にこのことを長官に伺って一応きょうのところは質問を終えておきたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 何といたしましても、第三次行革審でございますから、広く各方面から、そして清新な方々を委嘱したい、こんなふうに考えるきべだと思っております。この具体的な範囲につきましていろいろお考えがございましょうが、十分参考にさせていただいて、そのような意向を総理にも伝えていきたいと思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 終わります。

星川保松連合参議院

○星川保松君 今回、内閣の方でまた引き続き行政改革をやっていきたい、どういうふうにやっていけばいいのかということを行革審に尋ねてやっていく、こういうことでございますけれども、せっかくこの国会というものがありまして、私ども国会議員が全国津々浦々からその地域地域の実情を熟知して、そしてまたその地域地域の住民の声を背負って出てきておるわけでございます。そういうことで、私ども国会に相談なさればそれなりの立派な行政改革の方針というのが出てくるのではないか。相談を受ければ、私ども一生懸命いい提案をして、そして立派な方針を出していきたい、こういうふうに思っておるわけです。しかし、その国会の方に相談することをしないで、行革審といういわば九名の委員から成る組織に相談をしてやっていくというその理由、国会の方はだめなのか、信用できないのか、その点をまずお聞きしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) もう何といっても国会は国権の最高機関でございますし、あらゆる問題について私どもは常に御意見を拝聴しているところでございます。特に法律案として提出しなければならない施策については、国会が議決権を持っておられるわけでありますので、御意見を拝聴させていただくことは当然でございます。この行革春を設置する法案を出したこの今日においても行革審のあり方、行政改革のあり方について御意見を、いろいろ御注意を賜っているところでございます。  行革審は、総理大臣の諮問機関としまして行政の責任を持つ内閣がよりよき行政、よりよき行財政改革、これを願ってお知恵を拝借といいますか、御意見を吸い取るところだと。そして、内閣がこれを責任を持って実行する。そして、それは法律案の形で国会に提案をしなければならないものが相当多いかと思います。その際にはもちろん国会の御意見なども十分反映されるものと、そういうふうに思いまして、これが全く国会の御意向、御意見とかけ離れた、あるいは国会を無視した機関、こんなふうには私は全く考えておりません。

星川保松連合参議院

○星川保松君 私は、別に無視したというわけではなくて、この最終答申などを見せていただきますと、どうも我々の熟知している地域の問題などを見ますとやはり地域の現状をしっかり押さえているとは言えないなというような面があったり、非常に抽象的なところがあったり、このぐらいと言っては失礼ですけれども、国会で本当に特別委員会か何かつくってみっちり国会議員がやったら、これよりは立派なものができるのではないかなという感じがしましたので申し上げたわけでございますけれども、国会は国会なりに別の場で相談をなさるということのようでありますから、それはそれで結構だと思います。  それから、第二次行革審が四月に最終答申を出して解散したばかりでございますね。その中に引き続き審議機関を設置する必要があるということを言うておるからというのも一つの理由のようでありますけれども、今行政改革というのはむしろもう実践の段階ということで、この間答申を受けたばかりでまた審議会をつくって、またどうすればいいかということをそこに相談をするというようなことでは、表現はちょっとまずいかもしれませんが、一皿も手をつけないうちにまた別の料理を注文するみたいな気がしてならないわけであります。もう少しこの答申を実行してみて、それからということにするのが本当じゃないかなというふうに思いますが、その点はどうお考えになりますか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 大変難しい御質問でございまするけれども、私どもはやはり行政改革を実施するにはこのような新行革審のような機関が絶対に必要である、こういうふうに思うのでございます。答申に基づいてまだまだ実現されていないものもありますし、新しい情勢に応じてその答申されたものについてまた新しい角度から見直すとか、いろいろの私は行政改革の変化があろうかと思います。そのような観点から見ると、どうしても第三次行革審を引き続き、手綱を緩めることなく引き続いて行革を実行していく必要があろうかと思います。  法律案を出している間でもこのように時間がかかっておるようなわけでございまして、去る四月に解散いたしましたけれども、まだ行革審ができておりません。法律案が通りましてもこれからまた人選等の準備に時間がかかるわけでございます。これを考えますと、一刻も早くやはり第三次行革審に関する法案を成立させていただいて、そしてその準備に取りかからせていただいて、まだ実現されていない行革等についての実現を図るような努力をさせていただきたいと思うところでございます。

星川保松連合参議院

○星川保松君 今まで臨調、行革審でやってきたわけでありますけれども、大変成果が上がったという政府は政府なりの評価でありますけれども、私ども今まで見てきまして、一番困ったなと思いますことは、行政改革とは金と人とを減らすことなりというふうにいわゆる世間一般にとられてしまったということです。これは大変に困ったことだなと私は思っております。  そこで、私も行政改革は必要だと思いますけれども、私の行政改革についての考えをちょっとだけ申し上げてみたいと思います。行政改革が必要だというのは、第一に、我が国が経済的に非常に発展した、発展したけれども、社会経済のひずみが大変大きくなって、それがまた広がりつつあるということだと思うんです。これはいわゆる今までの行財政のもとでこういうことになったわけでありますから、今までと同じ行財政を続けておったのではこのひずみは是正されないわけです、だんだん拡大していくというおそれがあるわけです。ですから、そういうひずみを直すための新しい行政をやっていかなければならないというのがまず第一の私は行政改革にとって必要なことだ、こういうふうに思うわけです。  そこで、その不均衡の最たるものは私は国土発展の不均衡だ、こう思うわけです。例えばインフラ整備の不均衡、それが今度は大変な過疎と過密の状況になってあらわれてきているわけです。それから交通の不均衡、医療、教育、すべての面にわたって都市と農村部など大変な不均衡が生じてきているわけです。それからもう一つ大きなものは産業発展の不均衡です。例えば一次産業と第二次、三次産業との格差です。例えば農業はもう大変な衰退の傾向にある、あとはすばらしい繁栄の道をたどっておるというような産業間の不均衡、格差、これがどんどん開いてきておるんです。それから、例えば大企業と中小零細企業の格差が開いてきている。こういういわゆる経済成長の中で大変な不均衡、格差が生じてきた。  これは今までの行財政のもとでこうなったんですから、今までどおりのことをやっておったらますますこれが拡大するだけだということから、新しい行政をしなくちゃいけないというのが第一の私は行政改革の課題でなくちゃいけない、こう思っておりますが、これについて長官、いかにお考えでございますか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 大変重要な御指摘がございました。私も国土開発の不均衡、あるいは第一次、第二次、第三次産業のような産業間のアンバランス、こういった問題は行革で大きなテーマになるものだと考えるものでございます。  つまり、社会の変化になかなか行政あるいは行政機構というものは対応することが難しい。市場原理あるいは利潤原理の働く経済あるいは企業ならば、社会のニーズに対応しないと自然に倒産とか利潤の減少とかいうような形で効果が判定できるわけでございますが、行政というものはなかなか効果が、果たして社会のニーズに合っているかどうかというものは判定が難しいものでございます。私は、そういった意味で行革審があり行政改革というものが必要である、その中に国土開発の不均衡、産業間の不均衡、これも行政の効果を判断する場合において念頭に置くべき大きなテーマではないかと思っております。

星川保松連合参議院

○星川保松君 それからもう一つは、今申し上げましたいわゆる発展の不均衡是正というために新しい行政が必要だということ。それからもう一つは、社会が急速に変化をしていっているわけです。その急速に変化する社会に対応する行政、それが的確に変化をとらえてやっていきませんと、行政が後手後手に回ってしまうということになるわけです。  例えば社会の基本的な変化の一つに人口構成の変化があります。子供がどんどん減っていく、それから年寄りがどんどんふえていく。これはもう非常に大きな変化でありまして、私の住んでいる町の例をとりますと、数えで七十歳になりますと敬老会への招待の通知を出すわけです。その数と小中学校の生徒の数が最初物すごい勢いで接近していったんです、敬老会の数が。それがすごい勢いで追い越していきました。もう今は七十歳の敬老会に呼ばれるお年寄りの方が小中学校の生徒よりも多いという状況になっているわけです。  そうなりますと集落も変わってまいります。そういう急速な変化が今進んでおるんです。その急速に変化する社会情勢に行政が後手にならないよう、その先々を読んで的確な手を打っていかなければならない。今までのような行政ではだめだ、もっと先を見通した、先取りした行政をしなくちゃならないという意味で私は新たな行政の体質改革が必要だ、こういうふうに思うわけですが、長官、いかがでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 御指摘の高齢化社会の問題もまさしく大きな、急激な変化でございます。行革の中で取り上げるべき大きなテーマであることは御指摘のとおりでございます。

星川保松連合参議院

○星川保松君 そういう面から、今までの行政改革が臨調、行革審を中心にして進められてきたことと対比して考えてみますと、私は一番困ったなと思うのは、最初に申し上げましたように行政改革とは人と金とを減らすことだというふうに受けとめられてきたことが、そういう印象を与えたことが一番困ったことだなと、これは何としてでも今後は直していかなくちゃならないことだな、こう思うわけでございます。  そこで、先ほどから田村委員、中川委員からも指摘があったわけでございますけれども、どうも今までは経済効率第一のような傾向にあったと思うんです。そうじゃなくて、これからの行政改革というものは人間の幸せをいかにして実現するか、そのために行政はいかにあるべきかという面から進めていかなければならない、私はこう思います。  臨調と第一次行革審の場合は増税なき財政再建ということだったですね。これはやはりお金の方をどういうふうにして健全化するかということでありますから、やはり経済的な色彩が非常に強いと言えるわけでございます。それから今度は、第二次行革審では「スリムな(簡素で効率的な)政府」、こういうことを唱えているわけです。このスリムな政府というもののもとをたどると、私は、いわゆる昔からあったチープガバメントにたどり着くんじゃないかと思うんです。ですから、これは安上がりの政府ということではちょっと表現が悪いので、スリムな政府というふうに響きをよくしたのではないか、こう思うわけですけれども、これもやはり経済的な色彩が非常に強いですね。いわゆる経済効率の向上、これは財政法でもあったと思いますけれども、最小の経費で最大の行政効果を上げるといういわゆるお金、経済的色彩が非常に強いというものだと思うんです。  そういうことで経済成長と同時にむだは省こうということの行政改革を今まで進めてきた。ところが、今ではもう大変な経済成長で、外国にうらやまれるような成長を遂げている。うらやまれるどころか国際摩擦を生ずるようなところまで来たわけです。  今度は振り返ってみますと、国民にはその豊かさの実感がないということになってしまったわけです。いわゆる経済の成長、経済というのはあくまでも人間の幸せを実現するための手段です。今まではその手段に力点を置いてきたということは、それはそれなりの私は価値があったと思うわけです。しかし、それがここまで来たならば、今度はその経済という手段を使って人間の幸せというものを築く、その人間の幸せというものを中心として行政をいかに進めていくかというふうに、例えば国民の命、暮らし、ゆとり、幸せ、そういうものをどうやったら実現できる行政が打ち出せるかということから行政は改革し、進めていかなければならないのだと思いますが、長官、いかにお考えでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 経済効率重点よりも人間の幸福と申しますか生活重視、暮らし、それから生命の尊重、ゆとり、このような理想を達成するために行政改革を行うべきであるというお話でございました。私も、経済あるいは企業は人間生活を幸福にするための手段であると考えるものでございます。そういった意味で、今委員の御指摘は、今度の第二次行革審の最終答申にもそのような指摘があるところでございます。  ただ、何と申しましても単純に経済効率を捨てるということも、例えば大きな政府ということはやはりいろいろ問題があることは御案内のとおりでございます。パーキンソンの原則をたびたび引用して恐縮でございまするけれども、行政というものは仕事の量に関係なく膨張するということがよく言われますし、また北欧で、あるいは西欧も入っておるかもわかりませんけれども、大きな政府が国民の活力を失っている面もある、こんなことを批判している面が相当あることはもう御案内のとおりでございます。このような難しい、本当にお互いに矛盾するような要請と見えるような要請も加味して行革を推進することによって国民生活の向上、真の豊かさを感ずるような社会をつくり上げるべぎだ、私はこのように考えております。

星川保松連合参議院

○星川保松君 総論がちょっと長くなりましたので、今度各論に入ります。各論は福祉と自治とそれから労働、中小企業、農林のこの五つを大至急各省とちょっと論戦を交わしますから、各論についてひとつ長官もぜひ聞いておいていただきたいと思います。  まず福祉政策でありますが、福祉政策の代表的なものとして私は老人福祉、いわゆる高齢者対策、それから児童福祉、これを取り上げてみたいと思います。  まずこれは自治体を単位として考えてみた場合に、自治体というのは私は一つのそこの住民の命と暮らしの入れ物である、こういうふうに考えているわけです。ところが、今までは人生五十年でございました。ですから、人生五十年を入れる入れ物でそれは間に合ったわけです。ところが、今度は人生八十年の時代になったわけです。そうしますと、人生五十年の入れ物では三十年はみ出してしまうんです。そのはみ出す分、いわゆる年寄りの皆さんが惨めな目を見なければならないということから、大急ぎ年寄り対策というのは急がなければならない。それから老人対策というのは先がないわけですから、それはもう急がなくちゃならないわけです。ですから、まず老人対策を考える場合は寝たきりの方、一番これはもう先がない方ですから、そこから手前の方に大急ぎ整備をしなければならない、こう思うわけです。それに今は施設じゃなくて今度は在宅だというようなことをいろいろ言っておりますけれども、私は在宅は在宅のよさ、ただ在宅ではできないことがあるわけです、ですから在宅といわゆる施設とこれはやっぱり連携を密にして一体として老人対策をしていかなくちゃならないと思いますが、まず厚生省のお考えを伺いたい。

辻哲夫厚生省大臣官房老人保健福祉部老人福祉課長

○説明員(辻哲夫君) 先生御指摘のとおり高齢化というのが非常に急速に進んでおりまして、現在六十五歳以上人口一一%台でありますものが、この十年でヨーロッパ並みの一六%台になるということでございます。したがいまして、これから急速に訪れる高齢化に対応して各種施策を講ずる必要がございますけれども、特に慢性疾患中心というふうに疾病構造が変わりまして、寝たきりとか痴呆といった形の状態にだれもがなる可能性があるという状況になりまして、私どもといたしましては、特に後期高齢者、七十五歳以上の方にこのような状態がよくやってくるわけですけれども、この方々に対する介護対策を強化しなければならないという考え方に立っております。  その場合に、御指摘のように在宅と施設の均衡でございますけれども、このたび「高齢者保健福祉推進十か年戦略」という緊急に対応すべき高齢者対策を打ち出させていただいておりますけれども、その中に具体的に在宅サービスについての整備目標、例えばホームヘルパー十万人といったような整備目標とあわせまして、特別養護老人ホームにつきましては二十四万床、あるいは老人保健施設については二十八万床といったように施設の方の整備もあわせてこれから強力に推進することといたしまして、施設、在宅を通ずるバランスのある施策を推進してまいりたいと考えております。

星川保松連合参議院

○星川保松君 次に、児童福祉のことでありますが、子供たちが伸び伸びと健やかに育つ自然環境がだんだん悪くなってきていると私は思うんです。私たちが子供のころには本当に走り回る、飛び回る、泳ぎ回る自然がふんだんにあったんです。その中で私たちは育ってきたわけです。ところが、日本の経済成長というのはそういう場所をみんな生産の場にどんどん変えてしまったんですね。そして、今度は道路などももう危険で遊ぶなんというようなことはとんでもない場所にしてしまったわけです。そういうところで子供たちがのんびりすることができない、自然に触れることができない、もういつ車が来るか、その危険な中で神経質にもなってしまっているわけです。そういう状況で我々が高度経済成長の中で子供から自然を奪ってしまったわけです。ですから、今やらなければならないことは子供たちに健やかに育つような自然環境を返してやらなくちゃならない、こう思うわけです。  ところが、考えてみますと、例えば建設行政、建設省が川をつくってますね。ところが建設省は川をつくっているんじゃないです。川というのは深いところがあり瀬があって、魚が泳いでいる、子供も泳ぐ、柳があってドジョウがいてというのが川なんです。ところが、今建設省かつくっているのは川じゃなくて、コンクリートで固めて降った雨を一刻も早く排水してやるという排水路なんです。ですから、川がなくなってきているわけですよ。だから、遊ぶところもないし、水質も汚濁しているというようなことで、行政はやはりここで、そういうことで川をつくるんだ、用排水路だけじゃないんだというような観点から、私は川をつくるというその行政そのものを変えていかなくちゃいけない、こういうふうに思うわけです。  それから、山の場合なんか、山を皆切り開いていくものですから、自然の動物が、熊なんか追い込まれていって、それで里に出てくるとか、こう言っています。それはよくテレビなんか出まして、これじゃ自然破壊はいけないんじゃないか、自然の動物を追い込んじゃいけないんじゃないか、こういうことを言っていますけれども、自分たちの子供たちを追い込んで、そこから自然を奪っておいて、そしてその健やかに伸びる環境をなくしておいて、動物のことばかり気にしているのは私はおかしいと思うんです。ですから、やはり子供たちにもう一遍川を返す、山を返すという、そういう新しい行政をしていかなくちゃならないと思うんですが、これは厚生省に言っても仕方がないかな。  それでは、厚生省にはもう一つ、保育所の保育の問題がさっき出たんですけれども、私は保育ということについて厚生省は考え直してもらわなくちゃいけないと思うんです。というのは、私たちが保育所を改築したい、それから保育所をつくりたいということになりますと、保育に欠ける子がどのぐらいいるかと。そうしますと、そこの地域の子供たちの八〇%が保育に欠ける、こう申請するわけです。そうすると、そんなにたくさんいるわけない、いわゆるおじいさん、おばあさんがいるはずだということで、おじいさん、おばあさんがいれば保育が間に合うんだ。この保育という考えは昔の子守というのと同じ考えなんですね。  ところが、今の子供たちを保育するには、その精神的な発達状況、それから体の発達状況、みんなわかっていて、そして情操教育なりその体の鍛え方、いろいろあるわけなんです。そんなことをおじいさん、おばあさんがやれるわけがないです。ですから、要は今の保育というのはやはり専門の教育を受けた保母さんでなければ到底やれないんです。ところが、おじいさん、おばあさんがいれば保育ができるんだ、だからそこは措置費の対象にはしない、こういう考え方なんです。今の行政では保育イコール昔の子守という概念でとらえている。これはやっぱり直して、今の時代の子供の育て方、保育というのは専門家でなくちゃできないんだ、だからみんな保育に欠ける子なんだと、おじいさん、おばあさんがおっても、そういうふうに私はやっぱり行政の考え方を直していかなくちゃいけないと思うんですが、これについて厚生省ひとつ。

小島比登志厚生省児童家庭局母子福祉課長

○説明員(小島比登志君) 保育所のあり方についてのお尋ねでございますが、保育所は保護者の就労等によりまして保育に欠ける乳幼児を入所させる児童福祉施設であるということでございまして、全国的にその整備を図っているところでございます。  御指摘の点につきましては、おじいさん、おばあさんが保育できるかどうか、なかなか難しい御指摘でございますが、私どもといたしましては、保育をただの子守ということではなくて、保母さんの資質向上その他を図りまして、この三月には新しく保育指針も策定をいたしまして、保育内容の資質の向上に努めているということでございます。

星川保松連合参議院

○星川保松君 今私が言ったのは、おじいさん、おばあさんが保育をできるというふうにみなすのかということなんですが、まあこれはいいですけれども。  次に、いわゆる地方自治の問題でありますが、もう時間がなくなってきましたが、この地方自治というのは、その地方で暮らしてその地方をよく知っている地方の住民みずからが治めるのが一番いいんだということから地方自治というのが文字どおりあるわけです。ですから、その地方というのはそれぞれいわゆるふるさと、こう呼んでおりますけれども、一つ一つみんなその歴史があるわけです。例えば山の中の村、それから平場の町、海辺の町、川辺の村、門前町、宿場町、いろいろあるわけです。そして、それがそれぞれもう何百年、何千年の伝統を持って、いわゆる気候、伝統、習俗、文化が混然としてそこにでき上がっているわけです。  ところが、これに対していわゆるふるさと創生と称して一億円ずつ配った。これは確かにもらう方は喜んでおりますよ。しかし、そういうことで果たしていいのか。まず第一にふるさと創生、新たにつくると、こう言っておりますが、一億円でどういうふるさとが創生できるか。ちょっとこの看板は私はおろしてもらわなくちゃならない。直して、ふるさと蘇生ならいいですよ。創生というのはちょっと看板に偽りがあるんじゃないか、こう思うわけです。ですから、そういうことで自治体がそれぞれ自分のところでいいふるさと、立派なふるさとをつくろうと思って頑張っているわけです。首長は直接選挙ですからそれは厳しいものですよ。きちっとした政治をやらなければ次に落選してしまいますから、落とされますから、みんな一生懸命やっています。  ところが、そこへいわゆる行政改革だと。それで、国もやるから地方もやれということでおろしてきたんです。あのときに私聞いたのは、いわゆる地方団体富裕論というのが出たんです。何かと思いましたら、地方の県や市町村の借金を全部足したのと国の借金を比較したら国の方が大きいというんです。だから地方の方が富裕なんだから、あなたの方も負担をしなさいということだったんです。何のことはない、借金が少し国の方が多いというだけで富裕じゃないんですよ。これは貧乏を比べた比較です。ですから、少しは貧乏でないみたいなことなわけです。  それで地方もどんどん節約をしろ、節約をしろということで私たちやりましたよ。それは行政改革要綱とかつくらせられまして、それで頑張った。そうして今度いろいろ節約して浮かした。そうしたら国がどういうことをやったかといいますと・さっきも出てきましたように保育所の補助率をカットしたわけです。せっかくこっちは節約して、今度はと思っておったら、高率補助金の一律カットということで国がみんな召し上げてしまったんです。それではやっぱり自分で一生懸命やろうという気が出てこなくなるわけなんです。ですから、政府はもっと地方のことも考えて私はやってもらわなくちゃいけないと思うんですが、これは自治省ひとつ。

松本英昭自治省行政局行政課長

○説明員(松本英昭君) 地方行革につきまして、元来地方自治体が地方自治の精神に沿っておのおの自主的に推進されるべきものであるということにつきましては私どもも御指摘のとおりだと思っております。  ただ一方で、先ほども先生御指摘にもございましたが、経済社会の変化で行政全体としてその対応力を増していくとか、あるいは国民全体の負担率の増大を抑制するというような要請から、国、地方を通じた行政改革というものも必要があるわけでございます。したがいまして、地方公共団体もその趣旨に沿って自主的、総合的に行政改革を推進していただくことを御要請申し上げるということがあることは御理解いただきたいと思いますし、このことは決して私どもが地方団体富裕論にくみしているということでもないということも御理解いただきたいと思うわけでございます。  しかし、なおその際におきましても、各地方公共団体におきまして行政改革を行われます際はそれぞれの地方公共団体が創意工夫を生かし、住民とともに自主的に取り組んでいただくという基本姿勢は大切であろうかと考えております。

星川保松連合参議院

○星川保松君 どうも時間が足りないんですけれども、次へ移ります。  今度は労働政策でありますが、これはいろいろありますけれども、一つだけ申し上げます。  今過労死が増加していると、これは大変大きな問題だと思うんです。うちの方から出稼ぎなんか来る場合に、それは金を取ってもいいけれども命とられるなよと、こう言うわけです。人間の命と労働という大変大きな問題なわけです。そこで、この過労死ということは、いわゆる今までの労働行政でやってきて過労死がふえるということになれば、やはり労働行政を変えなくちゃいけない、それこそやはり労働行政の改革をしなくちゃいけないと思うんですが、この一点だけひとつ労働省から。

池田克忠労働省大臣官房政策調査部総合政策課長

○説明員(池田克忠君) 過労死につきましては、長時間労働の問題だとかあるかと思うんですけれども、長時間労働につきましては、全体で労働時間短縮を図りますとともに、非常に長い労働時間につきましてはいろいろ、そう長くならないように、例えば年間四百五十時間だということをお願いしているわけでございます。ただ、そういう過労と死の関係につきましてはなお一層検討すべき点があろうかと思いますので、今後一生懸命検討させていただきたいと思います。

星川保松連合参議院

○星川保松君 一分しかありませんが一問だけ。  中小企業、済みませんが飛ばさせていただきまして、農林水産業の政策でありますが、これがこの最終答申の中では、「健全な農業と生きいきした農村は、均衡のとれた社会経済の維持・発展に不可欠である。」、こういうことを書いてあるわけです。ところが、現在の農業は大変厳しい状況にあるわけです。  私の東北の方は、農家は嫁の来手がない、いろりを囲んで親たちが泣いていますよ。そういう状況です。それから山手の方の山で生活してきた皆さんはもう引き合わない。今木材は海から来るわけです。海から来る木材というのはほとんどがいわゆる天然林なんです。ひとりで大きくなったやつを切って持ってくるわけです。こっちの方はこんな小さい苗から種をまいて育てたものですから、とても太刀打ちできないという状況です。それから今度は米価が下がる。麦価が下がる。乳価が下がる。肥料、農機具は下がらない。公租公課はふえていく。  これは恥ずかしい話ですけれども、山形県の農家の一戸当たりの農業収入が百万円を切りました。この百万円というのは一軒ですよ。一人じゃないんです、一戸の農家です。もうどうにもならないという状況です。それに対してこの答申の言葉を読みますと、私は非常にむなしい気がするわけです。農水省、ここの点を答えていただいて終わります。

福田圭助農林水産省大臣官房文書課長

○説明員(福田圭助君) お答えいたします。  先生が今おっしゃった実態、私どもも十分理解しているつもりでございます。理解しているというより、認識しているつもりでございます。  ただ、今の一次産業、特に農業のこれからの展開を考えていきます場合に、やはり海外の農産物と、先生がおっしゃった産業の均衡のある発展ということと関係あるわけでございますが、ある程度伍して消費者の方や国民の方々に喜んでいただけるような供給をしていくということも今大事な課題になっているかという認識でございます。ですから、一次産業の持っている地域社会の健全な発展を維持していくという機能や、国土の均衡ある発展を維持していくというような機能を十分果たしながら、片方で産業として自立していく農業を何とか関係方面の御理解を得ながら進めていくというのがこれからの農政の展開の基本になるのではないか。この点は最終答申で一つの線が出ているのではないかと理解しているところでございます。

星川保松連合参議院

○星川保松君 終わります。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、立木洋君が委員を辞任され、その補欠として吉岡吉典君が選任されました。     ─────────────

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 昭和五十六年に第二臨調が設置されてから九年たっております。その間、第二臨調初め第一次、第二次の行革審と審議会も相次いで設けられたわけでありますが、この間の行革の推進について政府はどう評価しておられますか。先ほどの質問で、成果について大臣の方からいろいろありました。私は、成果と同時に、まだ不十分な点、問題点もあると思うんですが、それらを含めて政府の見解をまずお伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 田渕委員御指摘のように、大変難しい行革でございますから、だれが見ても不十分な点が多々あり、またたくさん残されている問題が私はあると思います。しかしながら、全体として見ますれば、臨調、行革審あってこそこの行政改革の成果を上げ得たと、こんなふうに思っているところでございます。これまで申し上げましたように、国鉄改革を初めとした三公社の民営化、日航の民営化などの特殊法人の整理合理化、やっぱり何と申しますか民活の力によりますところの行革がここで実現できたと私は思っております。  それからまた、何といっても膨張しがちの行政機構であり公務員の数であると思いますが、しかし五十七年度から平成元年度まで約三万人の国家公務員の純減ができた、これもなかなか難しいことでございますが、やはり行革審の財政再建策等に符牒の合った定員の減少がございました。それから、これも難しいことでございますが、総理府本府の一部と行政管理庁を統合再編成して、今私が長官をしております総務庁ができ上がった、このようなことは大変難しいことです。私も役人をかつてやっておりましただけに、一つの役所を整理統合してつくることがどんなに難しいことか、こんなふうに思っているわけでございますが、十一省庁二十四局に及びまして中央省庁内内部部局の再編成がございました。  それから、やはりシーリングとかいうような相当、何と申しますか、強い方法をとったと思うわけでございますけれども、特例公債依存体質から十年ぶりに脱却できた、このようなことはやはり行革審があってこそ、臨調があってこそ、その答申があってできたことだ、こんなふうに高く評価しているところでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 成果について御答弁があったわけですが、確かに国鉄を初めとする公社の民営化、これも非常に大きなことだったと思うんです。よくできたものだという気もするぐらいでありますけれども、それからまた特例公債の発行が本年度からゼロになった、これも大きな成果だと思います。  しかし、私は、本来の行革の趣旨というのは、情勢の変化とか国民のニーズの変化に対応した新しい行政をつくる、つまり新しい行政組織をつくっていくことだと思うんです。そういう面から考えますと、一番重要である、一番根幹であると思われる中央省庁の改編の問題とか、あるいは政府のいわゆる行政の国民生活に対する介入の度、つまり許認可事項の整理とか、私はそういった面ではまだまだ不十分な面が多いと思います。私はその意味では、行政改革はまだ道半ばであると言われますけれども、それが真実だろうと思います。  今回、第二次行革審の最終答申に沿って海部内閣は早々と第三次行革審設置法案を提出されたわけでありますが、第一次行革審が終わって第二次行革審をつくるまでに約一年近くたっております。今回は解散を避けてすぐ法案を出されたということですけれども、その理由はどこにあるかということをまずお伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) ただいま田渕田灘委員が御指摘のように、行政改革はまだ道半ばだというお話がございましたが、私はまだこれからだと言われる方もいられると思うわけでございますが、その道半ばしといったことが私は今度の第三次行革審を早目につくらなければならないという動機になったと考えているわけでございまして、第二次最終答申にありますようにまだ未実現の事項が相当あります。特に公的規制の緩和、それから国の権限の地方への委譲の問題、これらの問題はさらにきめ細かく、そしてまた力強く推進していかなければならないことはもう御案内のとおりでございます。  そういった意味で間髪を入れず、手綱を緩めないで第三次行革審をぜひともつくらせていただきたい。法律ができ上がりました後でもまだまだ準備に時間がかかるような私は行革審だと思いますので、どうかその点をひとり御理解を賜りたいと思うわけでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 私は、ある意味では行革が一つの曲がり角に来ておるのではないかという気がするわけです。三公社の民営化が実現された、それから財政の特例公債の発行もゼロになり、財政再建もある程度のめどが立った。そうしますと、何となく行革の意欲というかそういうものは鈍ってくるのではないかという気がするんです。それから、第二次行革審の答申を見ても、これは今後の課題について非常に盛りだくさんに問題が提起されておることは事実でありますけれども、非常に抽象的な表現になっておる。私は、難しい問題になればなるほど、審議会でやったって抽象的なものになっていくんじゃないかと思うんです。実現が難しいから抽象的な表現にならざるを得ない。こういう点から考えますと、私は行革というものが一つの大きな曲がり角に来ておるというような気がします。  それで、海部内閣は、難しいけれども行革をやっておる、進めるという姿勢を示さねばならぬから早々と第三次行革審をつくることにしたのではないか、これは勘ぐりかもわかりませんけれども、そういう気さえするわけであります。ここで大事なことは、やはり第三次行革審が具体的に何を使命とするのか、どういう役割を持つのか、これからの行革で具体的な目標というのは何かということをはっきりすることではないかと思うんです。いろんな問題点をいっぱい抽象的に羅列しても、それで行革が進むものではないと思いますけれども、私はこの点についてお伺いをしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 田渕委員御指摘のように、確かにある意味において行政改革は曲がり角に来ておるというふうに言われていることは私も伺っております。民営化あるいは赤字公債の脱却というようなことを見ますと、これで終わったという方がおられるかもしれませんけれども、私は社会経済の変化は極めて早いものだと思うわけでございます。世界の中に調和する日本の経済社会、あるいは世界に対して貢献する日本経済といった問題は、まだまだ数多く行政改革を実現していかなければこの要請は達成できないかと思うわけでございます。そしてまた、日米経済構造協議に示されましたあのような公的規制の緩和ですら、独禁法の改正問題ですら、まだまだ私どもにとっては多くの行革の示唆を与えているような気がしてならないところでございます。  その上に、もう各先生方から御指摘がありましたように、生活重視、消費者重視という、私がいつも殖産興業という古い言葉を使うんですけれども、これまでの政策が明治以来の殖産興業が重点でややもすれば経済が重視されてきた政策から、今度はゆとりのある国民生活、豊かさの実感できる国民生活という大きな視野が入ってまいりましたので、こういった観点からも曲がり角と言われる行政改革がまた一つ取り上げなければならない大きな要素だ、こんなふうに考えているところでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 やっぱりできるだけ具体的な目標をつくることと、それから抽象的ではない、余り広げずに、重点を例えば三つとか四つとかに絞って第三次行革審では検討してもらって、そして具体的な意見をまとめてもらうことが大事ではないかと思います。総花的にやるとなかなかこれは難しい。  それからもう一つの難しさは、今まで公社の民営化というのは非常に具体的な問題ですから、そういう答申が出たら何でもかんでもそういう方向にやらざるを得ない、逃げ道がないわけですが、これからの問題は行政の組織とかそういう問題にまで入っていくとすると、これは具体的な答申がなかなか出しにくい問題ではないかと思います。したがって私は、よほど第三次行革審ではそういう具体的な答申を求めて重点を絞ってやらないと、先ほどから論議に出ておりますように行革のマンネリ化あるいは行革審のマンネリ化ということになるのではないかと思いますが、長官の御意見をお伺いしたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 御指摘のとおりだと思います。そして、私どもは具体的なテーマにつきましては第三次行革審で十分な論議をお願いし、テーマを確定していただいて新しい行政改革をぜひとも実現させていただきたいと思います。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 それから、公的規制の実質半減を目指すという答申が出ておるわけでありますが、これは今までの経過を見ましても公的規制というものの拾い方ということもあると思いますけれども、例えば許認可等の総数ということで見ましても全然減っておりません。むしろふえておるわけです。もちろん、新しくふえていく要素というものも、理由もあったと思いますけれども、今までこれは減るどころかふえてきておる。こういうことでこの答申に出ておるような半減ということが果たしてできるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 先ほどもちょっと申し上げたかと思いますが、最終答申で言っております公的規制の実質的な半減というのは、単に許認可等の件数あるいは法令の数を形式的に半分に減らすというようなことではございませんで、規制の強弱あるいは申請者の受ける負担の軽減、そういった点も含めまして国民生活あるいは経済活動面での効果として本当に半分ぐらい減ったな、こういうような感じが得られるようなそういう規制緩和を目指すべきである、それはこの九〇年代、大体十年ぐらいの間にそういった目標を立ててやるべきである、こんなようなことを提言しているわけでございます。  先ほど来いろいろお話ございますけれども、この規制緩和の問題はやはり消費者重視あるいは国民生活の質的な向上、そういった面からも非常に重要な課題でございますので、何とかこういった目標に向かって新しい第三次行革審とも御相談をしながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 これは臨調あるいは旧行革審の答申の指摘事項というのがありまして、五百十一事項あって、そのうち四百九十八が何らかの形で措置をされたと。これも全体から見るとわずか五%にすぎないわけです。この程度のことで半減というのはよほど大変なことだと思いますが、実際にやるとすればこれは大したことだと思いますが、本当にやれますか。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 今からもちろんやるように当然努力いたしますが、これからの中長期的な課題として、この九〇年代、今直ちに半減というわけにはもちろんまいりませんけれども、今後の中長期的な十年程度のタームの中で何とかそういう目標に向かって実現すべく努力したい、こう考えているわけでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 それから、非常に重要なことでありながらなかなか具体化がしていないのは地方分権ということだと思います。今回の答申の中でも地方分権についていろいろ述べられておるわけでありますけれども、その中に「都道府県の区域を越える広域社会経済圏に対応し、かつ、広範な行財政権能を備えた広域的な地域行政主体の形成に向けて、基本的な検討を進める。」と、このように書いてあります。この広範な「地域行政主体の形成に向けて、」というのは具体的にどういうことを言っているのか、お伺いしたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) この都道府県の区域を越える社会経済活動の広がりに対応した地域の広域的な行政体制のあり方、こういったものにつきましては、その仕組みが必要なことについて従来からいろいろなところで指摘されているところでございます。そういうことで、昨年十二月の国・地方の答申におきましては、広域行政の対応策として直ちに例えば都道府県の合併というようなことはなかなかいかないだろう。そういうことで、一つは都道府県連合制度という、いわば都道府県の区域等を残しながら片や特別の地方公共団体としての都道府県連合というようなものをつくってそういう広域行政に対応してはどうか、そういった問題。それからまた、行く行くは例えば道州制の導入、こんなようなことも先行きの課題として検討するようにと、こんなような趣旨のことでございまして、ただいま御質問のありました点は大体そんなようなことが念頭に置かれているというふうに考えております。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 道州制の問題ですが、これは昔から出たり消えたりしておる問題ですが、最近もまた関西の財界を中心として非常にそういう意見が出てきております。私、後でまた触れますけれども、首都分散というか、そういう問題でやはり道州制の問題というのは非常に新しい問題として取り上げる必要もあるのではないかと思いますけれども、この点について検討を意欲的に進められるおつもりがあるかどうか、お伺いしておきたいと思います。

百崎英総務庁行政管理局長

○政府委員(百崎英君) 先ほど申し上げましたような国・地方の答申におきましては、いわゆる道州制の検討というようなことで中長期的な課題として検討すべきことが踏襲されているわけでございまして、政府といたしましても、この答申を受けて国・地方の推進要綱というものを閣議決定しているわけでございますので、今後の一つの検討課題だと思います。例えば先ほどの都道府県連合制度等につきましても、この問題は特に地方行政、地方自治の根幹にかかわるような話でもございますので、そういった面での専門的な地方制度調査会で具体的な検討をお願いしてはどうか、こんなようなことにもなっているわけでございます。  道州制の問題をどう取り扱うかということでございますけれども、これはまた一つの将来の構想の一つとして打ち出されているわけでございまして、そのあたりを具体的にこれからどうするかというようなことは今後の中長期的な課題の中で検討すべきものだというふうに考えております。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 次に、遷都問題あるいは首都幾能の分散といった問題についてお伺いしたいと思いますが、第二次行革審の土地対策検討委員会、これが昭和六十三年五月三十日に「地価等土地対策について」という報告を出しました。この中で「いわゆる遷都問題についても検討を進める必要がある。」と指摘されております。現在、国の首都、もしくはいわゆる都の定義はそれぞれの文脈でいろいろあると思いますけれども、遷都とか首都機能移転といった場合の首都の定義はどのようなものとお考えでしょうか。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) お答え申し上げます。  御指摘のように首都という言葉、使われ方はいろいろございます。  私ども国土庁で実施しております調査、例えば昭和五十八年一月に公表いたしました「首都機能移転再配置構想調査」と、こういったものの中で使っている場合には、狭い意味での首都機能、これは国会、最高裁判所、中央省庁等立法、司法及び行政の国家権力の三機能のうち日本全国を管轄する機能、こういうふうにしておりまして、これにさらにもう少し広くとらえる場合には、加えまして公社がございますとか、公団でございますとか、政府関連機関とか地方公共団体の出先機関、中央官庁の業務と密接な関係を持つ公益法人等の各団体、あるいは外国政府公館等の機能も含めて考えているところでございまして、こういった機能が所在するところが首都というふうに私ども国土庁では考えておると、こういう次第でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 現在、東京はいろいろな意味で非常に問題が多いとされておりますけれども、現在の東京が抱えておる最大の課題について政府はどのように認識されておりますか。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) お答え申し上げます。  昭和六十二年に策定されました第四次全国総合開発計画、四全総でございますが、ここにおきましても東京圏の問題というものを東京の大都市問題として取り上げてるる申し述べておるわけでございます。  それを要約すると、一つはやはり東京圏が世界都市としての役割を高める中で国土の均衡ある発展を図る、こういった中で高次都市機能の多極的な分担により東京一極集中を是正するとともに地方圏の整備を促進することではないかと思います。これとあわせて、東京圏につきましては、国際金融機能等の展開に伴う要請に対応いたしまして、例えば臨海部の総合的整備でございますとか、周辺部の業務核都市への諸機能の選択的分散、こういったものを行いまして、東京圏自身の地域構造の改編といったことも進める、こういったこともあわせてテーマとして入っている、要約いたしますとこういうふうになっておる次第でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 もし遷都とかあるいは首都機能の移転ということを行った場合、東京の一極集中問題の解決にどの程度効果があるかお伺いしたいと思います。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) お答え申し上げます。  東京一極集中是正という観点から首都機能を移転すべしという御意見が多々ございます。そこで、私ども国土庁では本年の一月から、国土庁長官の主宰する懇談会といたしまして首都機能移転問題に関する懇談会、これを設置いたしまして、その場において今先生御指摘の首都機能移転の効果も含めて幅広い分野の方々に検討をお願いしている、こういった段階でございます。  国土庁といたしましては、首都機能移転の問題というのは国民生活全般に大きな影響を及ぼす問題でございますので、国土政策の観点のみでは決定できない面があると思いますが、東京一極集中への基本的対応としては重要であるとの認識は持っておるところでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 今のお話にありました国土庁長官の諮問機関である首都機能移転問題に関する懇談会、これではどのようなことが今まで話し合われておるのかお伺いします。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) 首都機能移転の問題につきましては、これは先ほど引用いたしました第四次全国総合開発計画の中においても国民的規模での議論を踏まえて検討をすることとされておりまして、国土庁という国土政策を担当する立場といたしましては、先ほども申し上げましたように議論の具体化の第一歩を図る、そういった意味で設けた懇談会でございまして、これは先ほど申し上げましたようにことしの一月に設置をしまして、これまでに二回開催してきております。  その中では、これまでに例えば遷都でございますとか首都機能の移転についていろいろと提言をされておられる方々、こういった方々をお呼び申し上げまして、こういった方々の御意見をお聞きし、先ほど来申し上げております国土政策の観点からの首都機能移転問題について幅広く議論をしていただいている、こういう状況でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 これはいつごろまでにどのような事項について意見を集約されるのかお伺いします。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) 先ほども申し上げましたように、一月に始めまして二回これまで開催してきておるわけでございまして、一月に開催をお願いするというときに私どもが考えていた考え方でございますが、二カ年程度をかけて国土政策の面からの検討はお願いする、こんな形でスタートはしておるという状況でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 それから、六十三年の七月に閣議決定された移転対象機関の移転が現在進められておりますが、現在までの実施状況はどうなっていますか。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) 国の行政機関の移転についてのお尋ねでございますが、これは昨年の八月でございますが、移転対象機関七十九機関十一部隊の移転先地などが取りまとめられたところでございまして、本年の三月にも開催されました土地対策関係閣僚会議におきまして、私どもの国土庁長官の方から土地対策担当大臣として各大臣に、おおむね五年を目標にして移転が具体化するようにとお願いをしたりしておるところでございまして、こういった形で移転の円滑な推進について関係省庁との間で確認を行ったり、そういったことを行ったりしながら着実に進めておる、そういう状況でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 今までに七十九機関十一部隊の移転が対象となり、七十六機関、十一部隊が行き先が決まっているということでありますが、これ以外も引き続いてこの計画はどんどんやっぱり拡大していくわけですか。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) お答え申し上げます。  今後の移転はどうやっていくのかということでございますが、今後新設とか移転が行われるような国の行政機関については、先ほどちょっと四全総との関係で申し上げましたが、多極分散型国土形成促進法に基づきまして「多極分散型国土の形成について配慮しなければならない。」というふうになっておりますので、国土庁といたしましてもこういった法の趣旨が生かされるように引き続き努力してまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 この機関移転を促進しておる国の機関等移転推進連絡会議というのがありますね。それと先ほどの首都機能移転問題に関する懇談会、これの検討内容の関連があるのかないのか、お伺いしたいと思います。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) 国の機関等移転推進連絡会議、これは繰り返しになるかもしれませんが、国の行政機関の移転は、先ほど申し上げました多極分散型国土形成促進法に基づきまして東京都区部外に存置することが適当な国の行政機関などを閣議決定により移転対象機関として決定してその移転を推進しているというものでございまして、先生がおっしゃいました移転推進連絡会議は、そういう意味で言うと、東京都区部外に設置することが適当な国の行政機関の閣議決定に基づく円滑な実施、こういったことを、関係省庁の事務次官で構成され、内閣官房副長官が議長を務める会議で実施をしておる、こういうものでございます。  一方、冒頭私の方から御説明申し上げました首都機能移転の懇談会の方でございますが、これは首都機能移転問題に関する東京一極集中是正の観点からでございますが、そのことにつきまして四全総にもあるとおり、国民的規模での議論の動向の把握に資するため、その第一歩として国土庁長官の懇談会として設置をして御議論をお願いしている、こういうものでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 私がこの問題をお伺いしたのは、現在国の行政機関等の移転先を見てもほとんど首都圏ですね、東京に隣接する県が多いです。それ以外は七十六機関中四機関にすぎない。これは東京が首都であるということを前提に移転しておるわけですね。もし将来首都そのものがほかに移るという可能性があるならば、東京が首都であることを前提とした移転場所に移転するというのはどうなんですかね。

田中正章国土庁大都市圏整備局計画課長

○説明員(田中正章君) 国の行政機関の移転の関係が東京近郊以外に四機関しか行ってないという御指摘でございますが、繰り返しになるかもしれませんが、国の行政機関の移転というものは、これは東京都区部外に置くことが適当な機関についての移転の関係をやっているもので、首都機能移転そのものの議論をしているところではございません。したがいまして、そういう意味で言うと東京都区部から東京都区部外への国の行政機関の移転の推進を行っているというのが真意でございまして、そういう意味では数は少ないという御指摘がございましたが、地方圏に行っているものもあるし、着実な進展をしているというふうに私どもとしては考えて実施をしておるところでございます。  なお、移転をするものの中には東京圏を対象とする地方支分部局もあるということを御認織いただきたいと思います。  以上でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 次は総理府にお伺いしますが、首相官邸の建てかえ問題については、昭和六十一年度から今年度まで毎年調査費がついております。昭和六十三年度までで約九千七百万円が支出されておりますが、官邸移転のめどは立っているのか、また今までにどのような調査をされたのか、お伺いしたいと思います。

荒田建内閣参事官室内閣参事官

○政府委員(荒田建君) 首相官邸の建てかえの問題でございます。六十一年度から今先生御指摘のような調査費を計上して建てかえの調査をしておるわけでございます。現在の官邸は御承知のように昭和四年に完成されてもう既に築後六十年以上も経過しておりまして、非常に狭い、あるいは老朽化しておって雨漏り等が絶えない、こういうような状況にございます。近年の行政の近代化、多様化あるいは国際化、情報化、こういった点におきまして、その官邸の施設とか設備ですとか、そういった機能が極めて脆弱といいますか弱いものになっていることは事実であろうかと思うんです。  こういった状況にかんがみまして、昭和六十二年の五月に、総理官邸の整備、新しい官邸をつくるということで閣議了解をいたしました。現在までに基本設計のいろんな調査、例えば基本設計に必要な平面計画ですとか、あるいは緊急事態に対応するための電気通信関係の幾能、これが非常に脆弱でございますので、そういった電気通信関係の機能をどういうふうにしたらいいか、あるいは官邸のそばに千代田区道が走っておりますけれども、その区道の下に水道管ですとか下水道管ですとかいろんな埋設管が入っておりますが、そういったものをどういう形で移転させたらいいだろうか等々の調査を現在鋭意行っているところでございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 確かに、現在の首相官邸は非常に古い建物だと思います。しかし、首相官邸というのは一遍建てかえたらまたすぐ建てかえるというものでもないと思うんです。そして新たな官邸の予定地というのは、今の官邸のすぐ西隣に移る計画だと聞いておりますけれども、しかし首都移転問題、これも懇談会をつくって検討しておるような状態であります。また、国会においても国会そのものを移転したらどうかというような意見も出つつあるような状態でありますから、近い将来首都そのものが移転する可能性さえ否定できないのに、現在多額の費用をかけて私は首相官邸を建てかえようというのは一体どういうものだろうかと思います。それから、各省庁に地方へ行け地方へ行けと言っているのに、首相官邸がここへどっかと腰を据えるという姿勢を示すことも果たしていかがなものかと思いますけれども、この点はどうですか。

荒田建内閣参事官室内閣参事官

○政府委員(荒田建君) 首都機能の関係でいろいろ国土庁の方で御調査を懇談会をつくってやっておられる、あるいはまた国会そのものを地方に移すという国会決議についていろいろ調整が進められておるというようなことでございます。特に後段の方につきましては私ども新聞報道等で承知している限りでございますが、行政機能をどういう形で持っていくのか持っていかないのか、この辺が私ども必ずしもつまびらかに承知しているわけではございません。閣議決定された六十三年七月の地方移転は、主として国の地方支分部局の移転、こういったことにかかわる話であったかと思います。  確かに、御指摘のように首都そのものが移転するかもわからない段階で、しかも音頭を取るべき総理のおひざ元が何だというような御指摘はもっともかと思うわけですけれども、私どもとしましては、やはり官邸そのものが非常に老朽化、狭隘化しておりますので、いずれにしても建てかえが緊急を要する課題だと考えておりますので、そちらの方は、その問題とはもちろん関連づけて考えなければいけませんが、緊急を要する課題だということでいろいろ調査もし、関係者と鋭意調整を進めている、こういうような状況でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 この首相官邸の移転を実現するとすれば、いつごろになる見通しですか。

荒田建内閣参事官室内閣参事官

○政府委員(荒田建君) 現在、区道のつけかえ、これがまたなかなか大変なんですが、それと新官邸の予定地内に科学技術庁所管の科学技術情報センター等がございまして、それの用地交渉を今やっておる最中でございまして、現在までのところ、いつまでに着工し、あるいはいつまでに完成するかという見通しがまだ残念ながら立っていないというふうな状況でございます。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 終わります。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 本案に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。    午後七時一分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗