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118回国会参議院1990/03/30

内閣委員会 第1号

発言数
155
登壇者
20
会派数
6
開催日
1990/03/30

会議録

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る三月六日、後藤正夫君が委員を辞任され、その補欠として高橋清孝君が選任されました。  また、昨二十九日、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として会田長栄君が選任されました。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  永野茂門君が一たん委員を辞任されたため、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に高橋清孝君を指名いたします。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) この際、国務大臣及び政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。坂本内閣官房長官。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) このたび、内閣官房長官を拝命いたしました坂本三十次でございます。  まことに不肖ではございますが、誠心誠意努力をいたしたいと思いますので、委員長を初め皆様方の御指導を心からお願いを申し上げます。  どうもありがとうございました。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 塩崎総務庁長官。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 今回、総務庁長官を拝命いたしました塩崎潤でございます。  私は、社会経済情勢の変化に対応した総合的かつ効率的な行政を実現するため、総合調整官庁としての総務庁が果たすべき役割を十分認識し、行政改革の推進を初めとする各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存であります。委員長を初め皆様方の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。  ありがとうございました。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 石川防衛庁長官。

石川要三自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(石川要三君) 防衛庁長官を拝命いたしました石川要三でございます。板垣委員長を初め委員の先生方に謹んでごあいさつを申し上げます。  御承知のとおり、大変世界が大きく動いているわけでありますが、そういうさなかに防衛という大変重要な任務につくことになりまして、その重責にただただ身が引き締まる思いでございます。私は、日本国憲法を守り、そして日本の平和と独立を保つために一生懸命努力をしていきたい、かように考えております。  しかし、こういう難しい情勢でございますので、先生方のとにかく御指導、御鞭達をいただかなければ任務を全うすることはできません。よろしくひとつ御指導賜りますようにお願いをいたしまして、ごあいさつといたします。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 大島内閣官房副長官。

大島理森自由民主党内閣官房副長官

○政府委員(大島理森君) このたび、内閣官房副長官を拝命いたしました大島理森でございます。  坂本官房長官を補佐いたしまして職務に精励してまいる決意でございます。何とぞ、委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 虎島総務政務次官。

虎島和夫自由民主党総務政務次官

○政府委員(虎島和夫君) このたび、総務政務次官を拝命いたしました虎島和夫でございます。  塩崎長官を補佐し、全力を尽くしてまいりたいと存じております。委員長を初め皆様方の格段の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 谷垣防衛政務次官。

谷垣禎一自由民主党防衛政務次官

○政府委員(谷垣禎一君) このたび、防衛政務次官を拝命いたしました谷垣禎一でございます。  石川長官を補佐いたしまして全力を尽くして職責を全うしたいと考えております。板垣委員長を初め委員の先生方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。  内閣官房長官から今期国会における本委員会関係の内閣提出予定法律案についての説明を聴取いたします。坂本内閣官房長官。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 今国会の内閣提出法律案は、現在のところ、総件数六十三件が見込まれており、そのうち予算関係法律案は二十八件であります。  これまでに三十六件が提出済みであり、うち六件が既に成立しております。  これら内閣提出法律案のうち、参議院内閣委員会に付託が予想されます法律案は六件、そのうち予算関係法律案は五件になることと思いますが、詳しくはお手元の資料のとおりであります。  なお、これらのほかに国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案が現在提出に向け作業中であり、この場合には当委員会に付託が予想されております。  何とぞよろしくお願いをいたします。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 以上で本委員会関係の内閣提出予定法律案の説明の聴取は終わりました。     ─────────────

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本大蔵大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま議題となりました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  政府は、最近における国家公務員の出張、赴任等の旅行の実情等にかんがみ、内国旅行における日当、宿泊料、移転料等の定額の改定を行うこととし、本法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。  国家公務員等の旅行に際して支給される旅費につきましては、最近における宿泊料金の実態等を考慮し、内国旅行における日当、宿泊料等の定額を、約三二%引き上げることといたしております。  また、移転料につきましても、国家公務員の赴任の実態等にかんがみ、その定額を内国旅行につきまして約三四%引き上げることといたしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 旅費法の改正問題に入ります前に、先般発生いたしました国家公務員の給与の遅欠配の問題について最初に質問をしたいと思います。  国家公務員の給与というのは、一般職の職員の給与等に関する法律の第九条に「俸給は、毎月一回、その月の十五日以後の日のうち人事院規則で定める日に、その月の月額の全額を支給する。」、こういうふうに書かれております。ところが、補正予算の不成立を理由にいたしまして三月の給与と期末手当を分割支給いたしました。これはまさに法違反であり、私は暴挙だとさえ言わなければなりません。この結果、国家公務員は生活設計上多大な影響を受けたのであります。特に三月という月は各種のローンの支払いの月であります。それから、新入学に要する経費も非常に集中する時期でございまして、国家公務員の不安は非常に大きかったんではないか、私はそう思います。  公務員の人事管理についての最高責任者は内閣総理大臣でありますけれども、責任の一端を担います官房長官、それから大蔵大臣、総務庁長官、人事院総裁、国家公務員にこのような不安を与え、また迷惑をかけたことに対しましてやはりはっきりと謝罪をするべきではないだろうか。今後二度とこういうことを繰り返さないという、そういう決意の表明をぜひしていただきたい、そう思います。いかがでしょうか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 公務員給与は本来の支給日にその全額を支給すべきであるということは言うまでもございませんが、政府としては給与改定に伴い新たに必要とされる経費を補正予算に計上し、二度にわたり国家に提出し、速やかな成立をお願いしたところであります。しかしながら、国会での補正予算の審議状況にかんがみ、職員に対する影響を最小のものとするため、人事院に現行法の枠内でとり得るぎりぎりの措置を講ずるよう要請したところであります。  政府としては、このたびこのような公務員の給与の支払いについて特例扱いをせざるを得なかったことは極めて残念であります。今後、かかる事態が生ずることのないよう関係者の御理解を得てまいりたいと思います。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 給与担当大臣といたしましてお答え申し上げたいと思います。  給与法の九条の原則、まさしく非常に大事な規定だと思うところでございます。今、官房長官がお答えになりましたように、私どもは全額支給することが原則であることは当然だと考えているところでございます。しかし、先ほど官房長官が申されましたような事由で、ただし書きの規定によって支払わざるを得ない状態が起こったのは大変残念なことでございます。  今後このような事態が生じないように、私どもといたしまして極力努力をしていきたいと考えております。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、官房長官並びに給与担当閣僚としての総務庁長官から御答弁がございました。私どもといたしましては、公務員の支給に間に合う時期に御審議をお願いすることを心から願っておりました。と同時に、通常の手続による支給が困難と予測される事態になりました時期から、せめて当日現金で給与をお支払いすることが可能なようにという準備もいたしておりましたが、結果として人事院にお願いを申し上げ、人事院の御協力を得て半額支給という状態に立ち至ったわけであります。  私どもとしても、こうした事態がないように今後とも心がけてまいりますと同時に、御協力を心からお願い申し上げます。

森園幸男人事院給与局長

○政府委員(森園幸男君) 公務員の給与は生活の糧でございますから、支給日をあらかじめ特定し、その日に完全な支給がなされるということによりまして公務員の家計のパターンが形成されておるわけでございます。したがいまして、給与の完全な支給を通じて職員の生活設計が安定的なものとなるようにすることによりまして、職員が安んじて職務に精励できるという状態が実現できるものと考えております。  今回の分割払いの措置は、ぎりぎりの状況下で職員がこうむる不利益をできるだけ最小限にとどめるようにするために現行制度上とり得る最善の方策として講じたものでございますが、人事院といたしましてはこのような特例的な取り扱いをせざるを得なかったということはまことに遺憾であると存じておるところでございます。  今後このような異例の事態が発生することのないように関係方面の御理解、御努力をお願いしたいと思っておるところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今、総務庁長官が給与法九条のただし書きの規定で支給するようになったことについては大変残念だ、こうおっしゃっていますけれども、ただし書きの規定というのは人事院規則の九―七、この中には今のような状態で分割支給してもいいという規定は本来入っていないんですよ。これは御存じのとおり、ただし書きの考えられる問題としては二つ列記していますね。一つはその官署が所在する特定の地域が災害を受けた、もう一つは所掌事務の遂行上特に必要と認められたとき、この二つなんですね。ですから、いずれも特定の地域あるいは特定の官庁、そういうものを対象にして、こういうような問題が起きたときに限って九条のただし書きという形で支給してもいいということになっているわけです。  だから、国家公務員全体を想定しての規定ではないんです。国家公務員全体を対象とした、支給を二回に分けなければならないなんということは到底考えられないことだと思うんです。だからこそこういう特定の地域、特定の官庁に対してのみ、詳しくは時間がないから申し上げませんけれども、そういう場合に限ってただし書きとして二回支給してもいいんだ、こういうふうになっているわけですね。だから、ましてや補正予算の不成立なんということは今までの現行の制度の中では全く想定していないことだし、そんなことがあってはならないんだという考え方のもとにこの人事院規則の九―七というものはあったと思うわけであります。  政府、人事院は新たに特例的な扱いの人事院規則を制定せざるを得なくなったというのも、結局は今までの考え方でこれは到底できない、こういうただし書きの規定の中ではできないということに立って新しく規則を制定したと思うわけであります。このこと自体が現行給与法の基本原則に私は違反している一つの証拠だろう、そういうふうに思うわけであります。  そして、御案内のとおり、この法律を守らない場合には二十五条で罰則規定まであるわけですね。これは「一年以下の懲役又は三万円以下の罰金に処する。」という、そんな厳しい罰則規定まで持っているわけであります。ですから、今度人事院があえてこの規則を直して支給したということは、これは給与制度の根幹に抵触する問題だ、そういうふうに思うわけであります。あってはならないことだと思うんですけれども、どうでしょうか。

塩崎潤自由民主党総務庁長官

○国務大臣(塩崎潤君) 山口委員の法律の解釈は、先生ほどの知識もありませんけれども、確かに現行法の九条のただし書きは、その制定の際にこのような補正予算が成立していなかったというような特殊な事態を予想していなかったことは私は想像できるところでございます。しかしながら、この九条ただし書きは、私の解釈では、この規定の運用によってこのような事態にも対処できるように規定されているという考え方のもとに特例が人事院規則としてでき上がったものだ、私はこういうふうに考えております。  なお、法律問題でございますので、人事院あるいは私どもの人事局長から法律の解釈についてお答えさせていただきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 法律解釈は結構です。  とにかく今度書かれた特例というのは、本来の精神、給与支給に関する九条の精神を逸脱した、枠外というよりもこんなことは普通許されないことだ。それをあえて一項目入れてこじつけて、そして支給するという便法をとったにすぎない。こんなことは法律の精神に私は全く反するものだと思いますので、今後こういうことが二度と起きないようにしていただきたいと思います。  それで、人事院にお尋ねいたしますけれども、給与法の第二条「人事院の権限」というところがあります。その八号に「この法律の完全な実施を確保し、その責めに任ずること。」、こう書いてあります。ということは、国家公務員の給与というのは月一回全額で支給しなさいということだと思うんです。そのことを実際にできるように責任を負いなさいというのがこの給与法第二条「人事院の権限」として書かれていると思うわけです。そこで、人事院はこの法律に書かれている人事院としての主体性、そういうものを全く私は放棄したと見なければならないと思います。そして、政府の違法措置にあえて手をかす、こういうやり方は当然批判を受けなければいけないことでございまして、これは規則制定権を逸脱したものだ、私はそういうふうに思いますけれども、人事院の解釈はいかがでしょうか。

森園幸男人事院給与局長

○政府委員(森園幸男君) 給与法第二条の第八号に、御指摘のとおり、給与法の「完全な実施を確保し、その責めに任ずる」という人事院の責務が規定されておるわけでございます。給与法及び同法の委任または同法を実施するために制定した人事院規則その他の規範というものが遵守されますように指導する等の責任はここで規定しているものと理解をしております。  今回の措置でございますが、先ほど先生から御指摘がございましたように、現在私どもが給与法の第九条に基づいて用意しております一般的に予見できるようなケースという中には入っていないわけでございまして、御承知のように、現在規定しておりますのは官署の所在地が風水震火災等に遭ったような場合ということ等に限っておるわけでございます。  今回の措置は非常な異例な一般的に予見できない場合でございますけれども、法律との関係で言うとどうかと申しますと、我々があらかじめ一般的な予見できる場合としてケース設定はしておりませんが、法律にいうところの「特に必要と認められる場合」の一つとしてこれが可能ではないかと考えておるわけでございます。法律上全額支給という制度でございますから、全額支給は不可能でも半額支給が可能であるという場合に、その支給の道を閉ざすよりも半額でも支給の道を開くということが給与の支給に関します給与法の精神にも沿っておることでございますし、ただし書きの許容の範囲であると私どもは理解をいたしております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 今回のようなやり方をもしこれから続けるとするならば、どんなことでもできるわけです。法の精神をねじ曲げて、そしてただし書きを拡大解釈してあえて規則を直していくというやり方をとろうとするならば、どんなことでもできます。少なくとも法の精神として、ただし書きの場合には特定の地域、特定の官庁に限ってこういうことが考えられるからそのときだけは例外として認めましょうといっているわけですから、それを逸脱するような規則をつくるというのは、さっき言ったように規則制定権を逸脱したものだ。人事院がそういうことを行うべきことではない、みずからそういう法律に違反するようなことは厳に慎しんでもらいたい、このことを強く申し上げておきます。  そこで、一九八二年の人事院勧告の凍結のときに、国家公務員を初め地方公務員はこれに対して抗議をいたしました。そして、完全実施を求めるストライキまでやりました。それに対して政府は、これは違法行為だといって賃金カットの処分をしたり、また刑事罰まで適用したわけであります。そういうことをした政府がみずから今度は法律を犯す、法違反を平気でやる、公務員の生活と人権をじゅうりんするこの措置を強行したということは私は到底許されるべきことではないと思うわけです。  その結果、労使の信頼関係を非常に悪くいたしました。今後、国家行政の円滑な遂行を図っていこうとするならば、安定した良好な労使関係をこれから高めていく努力をしなければならないと思うんですけれども、官房長官にお尋ねいたしますけれども、一体、今後労使の関係を正常化していくためにどういう回復措置を図っていかれようとしているのか、そのことをお尋ねいたします。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) このたび、国会における審議のおくれに伴いまして、職員に対する影響を最小のものとするため現行法の枠内でとり得るぎりぎりの措置を講じたところでありますが、このように公務員の給与の支払いについて特例扱いをせざるを得なかったことは極めて残念であります。この間、職員団体等皆さんにはこのような状況について説明し、理解を求め、誠実に対応してきたところであり、今後とも正常な労使関係を維持するようさらに努力してまいりたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 官房長官の談話がありますけれども、今お答えになったと同じように公務員の皆さんに理解をしてもらいたいということを書いているんですけれども、私はこれはおかしいと思うんです。みずからの責任を全然とらないで、何か責任を公務員に転嫁して、あるいは審議をおくらせた国会に転嫁している。これは本末転倒ではないかというふうに思うんです。  それで、今のお話では私は到底納得できないんですけれども、やっぱり今後労使の関係を本当に正常化していこうとするならば、二度とこういうことを起こさないためには具体的に給与の改善費というものを当初予算に計上するべきでないんでしょうか。昭和四十四年、一九六九年から八五年、昭和六十年までずっとこの給与改善費というのは含んでいるんです。これを昭和で言えば六十一年からなぜ組まなくなったんでしょうか。こういうことが結局は今回のような問題を引き起こすことになった。当然当初予算に組まなければならない給与改善費を組んでいない、ここに大きな問題がある。だから、今後は必ずこういうものを組むという中で信頼を回復していかなければならないと思うんですけれども、どうでしょうか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 公務員の給与改定というものはこれまで、給与改善費を計上している計上していないにかかわらず、政府としては人事院勧告尊重の基本姿勢の上に立ってこれを実行してきたところであります。ですから、現に給与改善費を計上しておらない六十一年度以降も毎年改善は完全実施が行われてまいりました。給与改善費を計上するか否かというのは予算編成時点におけるその時の財政事情等を勘案して判断すべき問題であると私は思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 給与改善費を当初予算に組んであれば、今回のような遅配、欠配というのは起きなかったはずなんです。当初予算に組まないから起きたんじゃないですか。財政事情を考えてと、財政事情そんなに悪いんですか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 例えば、仮に給与改善費を見込みである程度計上しておいたといたしましても、人事院勧告が上回ることは多々今までにもございました。その場合には今と同じ問題が必ず派生をいたします。当初予算に計上しているいないの問題ではなく、我々が誠実に人事院勧告を実施するかどうかの問題でありまして、仮に当初予算に見込額として計上しておりましたとしても、人事院勧告がそれを上回って出されました場合には補正予算がなければやはり同種の問題は起こるのであります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 人事院勧告が給与改善費を上回る、そういうことはあり得ないでしょう。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 人事院勧告は民間の給与の実態等を調査された結果出てくるものと私は承知をいたしております。予算編成時点において人事院勧告の幅をいわば事前に予測し、あるいは予定し、計上することができるとは私は思いません。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そんなことありませんよ。昭和で申しますと四十四年から五十三年まで五%、これはちゃんと給与改善費を組んでいるんですよ。五十四年が二・五、五十五年が二・〇、五十六年からずっと六十年まで一、六十一年以降がゼロになっているんです。これは人事院勧告がこれを上回ったことはないし、大体人事院勧告というのは給与の改善費との比率ということからいけば実にうまくいってるんです。だから、政府としては当然人事院勧告というのはある程度予測できるはずです。どうですか、賢明な大蔵大臣がそういうことを予測できませんか。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、正確を期すために、例えば昭和四十四年確かに五%を計上いたしておりました。そのときの人事院勧告は一〇・二〇%であります。はるかに超えております。昭和四十五年、同じく五%を計上いたしておりました。人事院勧告は一二・六七%であります。四十六年は同様に一一・七四%であり、四十七年は一〇・六八%でありました。五%の給与改善費を計上しておりましても、人事院勧告を完全実施するという姿勢をとります限り、その差の五%余り、あるいは年によりましてはもっと大きな幅があるわけでありますが、その分は補正によらざるを得ない、私はそう思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 それは当然ですよ。足りないんですから、当然なんです。しかし、今回起きたような問題を考えたら、昭和六十年まで一・〇組んでいた、もしこういうものをきちっと組んでおけば今回のような二回に分けて払うなんという事態は発生しなかったはずだ。財政が苦しいですよと。昭和六十年度までちゃんと七百億円台組んでいるじゃないですか、給与改善費で。何で六十一年からゼロになったんですか。あなたはさっき財政が苦しいからと言ったけれども、何も苦しくないですよ。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 苦しいと言ってはおりません、財政事情を勘案しと申し上げたわけです。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 どういうことですか、財政事情を勘案というのは。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 大変失礼でありますが、例えば仮に元年度、六十一年から六十三年度、ちょうど昭和五十六年にさかのぼりまして同様な計上をいたしておったといたします。その数字は一・〇%であります。しかし、勧告実態は元年度三・一一、六十三年度は二・三五、いずれも一%の計上では足りないのであります。問題は同じことであります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 私は一%組めと言っているんじゃないんです。経済見通しを考えるならば、人事院勧告というのは大体この程度出るということは想像できるでしょうというんです。それは過去の例からいきましてもそういうことは想像できるはずだ。それをなぜゼロにしたんですか。今まで一%組んでいたんだから、最低限一%だけでも組んでおれば今回のような二回払いしなくたって済んだでしょうと。私は一・〇でいいと言っているんじゃないんですよ、一一%、三%最低でも組みたいと思うんです。そういうことをなぜやらないんですかというんです。財政事情だけで逃げたってだめですよ。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 財政事情等を勘案してと私は申し上げましたけれども、お言葉を返して大変恐縮ですが、先ほど古い時期をおっしゃいましたから、五%を計上しておりましたころの実際の人事院勧告との数字の乖離を申しました。そしてまた、六十一年度以降計上いたしておりませんけれども、その前、五十六年以降一%ずつ計上しておりました時期につきましてもその乖離を申し上げれば、予測というものを果たして人事院勧告についてそれほど簡単にしてよろしいものなのかどうか。また、その年その年の春闘の状況というもの、それを勘案して、その調査の結果に基づいて出てきます数字というものはそんなに簡単に予測できるとは私は率直に思いません。  そして、一体それではどのぐらいを計上しておけばいいのか、あるいは計上しないのか、それはまさに予算編成時における財政の判断であると私は思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 これだけに時間をかけられないのが大変残念なんです。  私は、毎年度予算を組むときの経済見通し、それをずっと昭和四十三年からことしまで出してみたんです。それに対して人事院勧告の率というのを比較してみますと、実に上手に人事院勧告との比較で一定の率というのが出てくるんですね。例えば計上費をゼロにしたとき、昭和六十一年ですよ、このときには経済見通しというのは四・〇なんです。そのときに人事院勧告は二・三一というのが出ている。その次が経済見通しは三・五なんです。やはり人事院勧告が落ちて一・四七になる。そして、三・八に上がると今度は人事院勧告がふえて二・三五、四%の経済見通しになるとこれまたちゃんと人事院勧告が上がって三・一一、結果的でしょうけれども実にこれはうまく対比している。  だから、経済に強い大蔵大臣が予算組むときに大体――ことしの経済見通し五・二%でことしは組んでいますね。経済見通し五・二%でしたら、恐らく人事院勧告が三%以上出るということは過去二十年間くらいの対比からいっても出てくるんですよ。それをゼロにするということ自体は、財政事情を勘案するといったって、財政が苦しいということでしょう。しかし、財政が苦しいかといえば、少なくとも昭和六十二年度からは物すごい二兆四千億も自然増収が六十一年度の決算で出てきて、六十三年度からは大変な好転をしているじゃないですか。財政が物すごい好転しているのに、この計上費をゼロにするなんていうのは、これは私は責任回避としか言えません。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ちょうど昭和五十三年度に人事院勧告が行われましたとき、当時はいわゆる五%の義務勧告ラインが定められていた時期であります。そのときの人事院勧告は三・八四%、いわゆる当時の義務勧告ラインを下回ったことがございます。その当時、ベースアップ財源を当初予算に計上することはやめるべきだと、いわばそれが春闘のラインになってしまうという御議論があったことも御披露いたしておきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 たまたま五十三年に五%を当初予算に計上したら人事院勧告が三・八四になった、だからそういう議論が出たというんでしょう。それは全く今まで二十年間の例外ですよね。それで翌年が二・五に落としたんです。二・五に落としたら、今度人事院勧告が上回って三・七〇%に出てきている、上がっている。しかし、一一・五%組んでいたから財政的には何とかやっていけたんじゃないんですか。  これはたしか給与関係閣僚会議で、年度当初に一定の給与改善費を組んでおかないとその年全体の財政に影響してくるから、やはり給与改善費というのは年度当初に組むべきだという閣僚会議の方針に基づいて四十四年からずっと組むようになったんです。財政事情が豊かになったのに、全然今度は一%も組まないなんというのは、これはもう責任回避としか私は言えないと思うんです。これは官房長官どうですか、本来総理に聞きたいところですけれども。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 官房長官が御答弁になります前に、委員が引用されました五十四年に二・五%計上いたしましたとき、人事院勧告は今度は三・七〇でありました。やはり結果的には補正予算を組んでおります。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そんなことを聞いているんじゃないんです。  とにかく、人事院勧告というのは経済見通しと比較するならば大体ことしはこのくらいは出るだろうなと、一%ぐらいの幅はありますよ、このくらいのあれは出るだろうなということがわかっているのに、しかも財政事情も好転しているのに一つも計上費を組まないというのは無責任じゃないんですかというんです。そういう自分たちがやるべきことをやらないでおいて、そして今度国会の方で論議が長引いてしまったから、それこそ法律の精神に反するような、人事院規則まで改正させてやるということは、これは余りにもひどいじゃないですか。これじゃ政府の責任なんかとてもとれないんじゃないですか。政府は当然この法律に基づいてきちっと法律を守っていかなきゃならない責任があると思う。今後必ず給与改善費を組みますという約束してください。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 年々の予算編成時において適切に判断をいたす、そう申し上げておきます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 これは何とお答えになっても、今まで申し上げたように実に政府のやり方というのは理屈に合わない。あえてそういう問題を発生させるような、そういうことを年度当初において意識的にやっているとしか私には思えないんです。本当にこういうことがないように誠意を持ってやろうとするならば、財政も好転している、人事院勧告も必ず出ることは今までの経過からいったって間違いがない、そういうことが全部わかっていながら今までのように計上費ゼロというやり方は責任回避と、そうしか私は思えません。  ですから、十分今後閣僚会議の中でこういったことを検討していただきまして、今後二度とこのようなことが起きないように、さっきから皆さんおっしゃっているんですから、今後こういうことの起きないように関係者と十分協議すると言っているんですから、ぜひひとつ官房長官もこういうことが起きないように閣内で努力をしていただきたい、そういうことをお願いしておきたいと思います。  官房長官、結構です。  次に、国家公務員等の旅費法の改正に入ります。  旅費全体では三二ないし三四%アップいたしましたけれども、予算の面ではこの三二ないし三四%を十二分にやっていけるだけの予算は計上していらっしゃるんでしょうね。いるかいないかで結構です。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 今回御提案申し上げております旅費の改定に伴います所要額の増はきちんと計上いたしております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ちょっと今答弁中後ろから話されたので聞こえなかったんですけれども、組んでいますね。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) きちんと計上しております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 安心いたしました。せっかく上がったわけですから、それが十分施行できるように、執行できるようにやっていただきたいと思います。昨年の十二月、十一年も旅費を改定していなかったので、ぜひ旅費の改定をするべきだという主張をいたしまして、早速今回改定されたことに対しては感謝しておきたいと思います。  しかし、中身についてはまだ随分問題もありますので、少し質問してみたいと思うんですけれども、この旅費法の精神というのは実費弁償ですね。ところが、定額制をとっているというのは、これは事務の処理上煩雑になっちゃいけないからということで定額制にしていると思うんですけれども、ところが係長、八級以下四級以上ですか、それと係員、三級以下、この差が例えば宿泊料だけ見ましても甲地で二千二百円、乙地で二千円というふうにあるわけですね。同一業務、同一出張で同じところに宿泊しながら、これほど格差をつけるというのは実費弁償の精神からいきましてちょっとおかしいんじゃないだろうかと思うんです。  もう一つ例を挙げますと、係員を一〇〇といたしますと、係長は一二五、課長は一五〇、局長は一七〇、国務大臣等二二〇、こういうふうになるんですね。一般職員と大臣と同じところに泊まれとは言いませんけれども、それにしてもちょっと差が大き過ぎないだろうか。これは十一年前の議事録をずっと読んでみますと、やっぱりできるだけその差はなくしていかなきゃならないというふうにおっしゃっているんですね、当時の大蔵大臣。  ところが、もう一つ例を挙げますと、課長と係長の差は現在千七百円なんですね、宿泊料として。それが改定したら逆に差がふえまして二千二百円になっている。これは実費弁償という建前からするならばおかしいんじゃないでしょうか。格差は縮めるべきでないんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 委員が御指摘のとおり旅費は実費弁償という性格を有しているということで、今回実態調査の結果に基づきまして三十数%の定額改定を御提案申し上げました。その際、現在の旅費の体系がおっしゃいますようなクラスによって差をつけているという体系になっていることも事実でございます。そのもとになります考え方は、実際に出張し、公務を果たすその職員の職務あるいはその責任、それにふさわしい旅行を行っていただこう、そのふさわしい旅行を行っていくための実費を支給するということが現在の旅費の体系のもとになった考え方であろうかというふうに思います。  現在のクラスの区分でございますけれども、おっしゃいますように旅費について申しますと確かに六段階に分かれております。ただ、総理大臣等の段階が二段階ございますので、一般的な行政官の段階では四段階というのが現状でございます。三級以下、それから係長・課長補佐クラス、本省課長クラス、それから本省局長クラスというこの四段階で現在体系が組まれております。  我々、この四段階のそれぞれの方々が実際に公務に出張され、その段階でどの程度のコストを宿泊費として支払っておられるかという、そういう意味での段階別の実態調査を行いました。実際のことを申しますと、若干ではございますけれども、実は上位級ほどその格差が大きいというような調査結果が出てまいりました。ただ、だからといいまして全くそのとおりやってしまいますと格差が拡大いたしますので、民間の支給の実態あるいは旅費に関する現在の物の考え方、そういったようなものを勘案いたしまして格差は拡大させない、したがって係員段階、係長段階、課長段階、局長段階、いずれも三二%強のアップ率で現在御提案申し上げたというのが実態でございます。我々といたしましては、実態調査に即しまして適切な見直しを御提案申し上げているというふうに考えておるところでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 係長と係員と随分差がありますよね、宿泊料につきましても。実際問題、この係員の旅費でもってちゃんとしたところへ泊まれるのかどうなのか。  たまたま私、おととい千歳空港の近くのホテルに泊まったんです。あそこはホテルが二つあるんです。立派な方に泊まれませんでしたので安い方に泊まったんです。領収書をもらってきましたけれども、七千九百円です。それで、テレビの使用料が百円、朝食が千二百円。晩飯を食べなくて大体九千二百円。晩飯が千円として――今、晩飯が千円なんというのはないでしょう。そうでしょう。大体千五百円から二千円ですよ。それにしても千円で我慢しようと思って千円としても、いわゆる乙地で私が泊まった経験では一万二百円です、安い方のホテルで、そのほかのホテルはないんですから。それで係員は七千八百円です。足りないでしょう。一万二百円なんですから係長でも足りないんです、九千八百円。だから、もう現実に合わないんですよ。ましてやこれを二つにも三つにも分けていくということ自体おかしいんです。何で係長と係員と別々のホテルに泊まらなきゃならないのか。実費弁償でしょう。だから、私はせめてここだけでも一つにして、係長のこの金額で係員も一緒にするべきだ、そういうことを考えているんですけれども、それはできませんか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 先ほど申し上げましたように、現在御提案申し上げております定額は、実際に当該クラスにある国家公務員が通常泊まる宿泊施設、その施設の宿泊料金の実態調査を行いまして、それで定額との差を、平均的なものでございますけれども、平均的なところとして三〇%以上の差があるということでそのまま三〇%の定額引き上げを御提案しておるところでございます。今回の我々が御提案しております定額改正はそういう意味で我々としては適正なものであるというふうに考えておるわけでございます。  将来の点に関しましては、もちろんそういう各クラス別の定額が実情に合わないというような事態になれば、その段階で適切な措置をとっていくということは当然これからも心がけなきゃいかぬというふうに考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 将来のことはいいんですけれども、今合わないんですよ。せっかく改定したのに今合わない。これはちょっと低過ぎますよ。それは特別の施設があるところならいいですよ。東京とか大阪とか大都市に行くほど国家公務員の宿泊の施設とかそういうところはあるんです。札幌もありますけれども、なかなか泊まれないですよ。申し込んだって、まずいっぱいで泊まれない。だから、大体甲と乙と分けること自体もおかしいんで、乙地の方がむしろ高いホテルに泊まらなきゃならないことだって多いんです。とにかく現実に合いませんので、これは改正してほしいと思うんです。直してほしいと思うんです。  それでもう一つ、この旅費法の四十六条には「旅費の調整」というのがありますね。同一業務で同一出張をした場合には第二項を適用して実質的に宿泊料等格差支給を是正させることができるんだ、こう言っていますね。例えば局長、課長に係長とか係員が随行して行った場合です。その場合には課長とか局長のクラスの旅費を支給できるんだと。中川給与課長さんはきょういらっしゃらないですか。いらっしゃったですね。あなたが私のところに来たときに、こういうことはできるんですかと言ったら、できますとおっしゃったんですね。現実にやっているんですかと言ったら、やっていますと言ったですね。ところが、余りやっていないですね。現場に何カ所か聞いてみましたけれども、そんなこと、それはできるかもしれないけれども、実際やってくれませんよと。しかし、やれると言うんです。夕べ質問取りに来た方にも聞いたら、それはできますよと言うんです。大蔵大臣に協議してできますよと。実際にできるんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 御指摘のございました旅費法の四十六条二項では、旅費法に定めております定額で旅行するということが当該旅行の特別の事情あるいは当該旅行の性質上非常に困難であるという場合には増額調整ができる旨が定められております。  御指摘のような事例、例えば局長クラスと課長補佐クラスが一緒に行ったというような場合で、やっぱりどうしても同じホテルで泊まらないと公務に支障が生ずるというような事態が生じましたときには、それは公務の執行上どうしても必要な経費でございますから、御要望があればこの四十六条二項が適用されるケースになるだろうと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そういうケースは結構多いと思うんです。同じ会議に出張して、会議が終わった後、じゃ夜飯でも食べながら打ち合わせしましょうというときに、係長、係員は全然別な安いホテルに泊まっていて電話で呼び出したり、そんなわけにいかないんで、同じホテルに泊まって打ち合わせしようじゃないかという場合には当然局長、課長クラスの旅費は出せるわけですね。  でも、大蔵大臣、一々あなたに協議しなきゃならない。自治省から大蔵省まで行って、判こついてください、そんなことできないでしょう。これは別な規定でも、そういう場合には大蔵大臣の協議を経たものとして各省庁限りで処理してもいいことになっているわけですね。これは少し検討してみたらいかがでしょうか、せっかくいい規定があるんですから。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私が大蔵大臣になりまして、全くの素人として所管事項の説明を受けましたときに頭を抱えましたものが一つ、それからあきれ返って事務方に問いただしましたことが一つございました。  一つは、しまったと思いましたのは、実は国税の定員には頭が行っておりましたが、税関の職員の定数というものに従来関心を持っておらなかったという点、これはしまったという感じを率直に持ちました。  もう一点は、この旅費の説明を聞きましたときに、まず第一に十一年間我慢したという事実にまずびっくりいたしました。それから、金額を聞きましてもう一度びっくりいたしました。そしてむしろ、ちょっとこれは委員会で使うのに不適切な言葉かもしらぬですけれども、君たちはマゾヒストじゃないのかという思わず感想を次長に申しまして、もう少しどうにかならぬのかと言いましたけれども、確かに実態調査をしたその数字を見ますと、今次長から御答弁を申し上げておりましたような実態が出ております。その限りにおいて今回の数字というものはそこからまいりますと確かに適切な数字であるということになってしまうんですが、生活実感としてどうしてももう一つ私自身がひっかかる部分がございます。  今委員が御指摘になりましたような点もありますが、それよりもこんなに十一年もためずに、もう少し時々ちゃんと見直して改正することをむしろ私はこれから先の私の後任閣僚にも申し送ることにしたいという感じがいたしております。調べてみますと、実はそういう問題は余り国会で御論議をいただいたケースが過去にありません。わずかに最近では委員が先年取り上げていただいたそれに関連しての御論議程度でありまして、ほとんど論議をされておりません。この御指摘に対してはむしろ私は委員と感じを一にしておりまして、将来これほど長い期間改正をためらわないで済むような状態にしておきたい、今そう考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 私の今質問したことも含めて十分ひとつ検討していただきたいと思います。毎年改正するなら、毎年ずっとこれから大蔵大臣やるのを支持してもいいですよ。  福田大蔵大臣の当時、福田さんは二年に一回くらいやるべきだ、そう言っているんです。なるほどうまいことを言うなと思ったんですけれども、物価指数から見ますと、大体一〇%くらい上がったらこれはもう当然改正しなきゃだめだというふうに判断してそう答えたんです。愛知大蔵大臣のときには毎年上げてもいいと国会で言っているんです。そのときの物価指数を調べましたら、最初は五・七%、次の年は一五・六%。だから、五%、まあ一〇%前後くらいになったら当然上げなきゃならないなというのが歴代の大蔵大臣の考え方だなと思ったんです。だからあなたも、これは先輩大臣よりももう少しいいですね、毎年やっぱりやらなきゃならないだろうなとおっしゃっているんですから。そういう点では、少なくとも人事院勧告だって五%では勧告を出さなきゃならないんですから、私は五%くらい物価が上がったら旅費ぐらい改正したっていいんじゃないか、実費弁償ですから。  大臣、随分積極的な御答弁をいただきましたので、この問題はこの辺で終わって、ぜひひとつきちっと毎年改定できるように努力をしていただきたいと思います。  余り時間がないので、赴任旅費なんですけれども、人事院の資料をいただきました。民間と比較したらびっくりいたしました。何でこんなに違うんですか。課長クラスで十級で公務員の場合三十九万四千円。民間は六十六万三千六十六円。二十六万九千円も違うんですよ。これは全部そうなんですよ、係長クラスから何からみんな調べてみましたら。これはちょっとひど過ぎるんじゃないでしょうか。せっかく人事院が民間のを調べてやったんでしょうけれども、余りにも差があるので、こういうことのないようにこの赴任旅費はもっと上げるべきだというふうに思います。時間がありませんので答弁は要りません。  それで、そういうふうに質問するとあなたの方は、実態調査に基づいてやりました、二千六百人からの公務員の実態調査をやった結果三四%足りないので三四%上げました、恐らくこういう答弁になると思うんです、時間がないからこっちの方でお答えしておきますけれども。  そこで、私は、それじゃ公務員の実態調査をやって出したこの数字というものが現実の引っ越し料金に比べてどうかということで、実は引っ越し専門の会社二社を調べました。そうしましたら、東京―札幌、四人家族、課長クラスで四十二万八千四百円かかります。本人のお手伝いもいただいてこのぐらいかかります。公務員は幾ら払っているかと思ったら三十万六千円。十二万二千四百円足りません。もっとひどいのは札幌―東京間。これは家財道具四トンだと。調べましたら、引っ越し屋さん笑っていましたですよ。四人家族で四トンというのはむちゃですよ、三人家族でしかも子供が乳飲み子ならまだわかる、小学校に上がったら子供の机だって買わなきゃならないから四トンじゃできません、八トントラックでなければまず不可能でしょう、こういう話でした。それで、八トントラックで幾らかといったら六十万九千六百円。実際に出ているのは三十万六千円。何と三十万三千六百円も足りないんですよ。しかも、ピアノも乗用車も入っていない。ピアノと乗用車を入れると十二万から十七万かかるんです。  政府が命令を出して転勤を命じておきながら、赴任旅費は自分がかかった半分しかもらえなくて、あとの半分は自腹を切らなきゃならないという、そういう赴任旅費というのはあるんでしょうか。実費弁償からいったらこれはもう問題にならないと思うんです。これはぜひ改定してください。簡単に答えてください。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 答弁の方を先にお話しいただいたような気がいたしますが、確かに移転料の調査をいたしまして、その平均的なところで今回三四%というアップ率で御提案申し上げました。  ただ、確かに移転料につきましては実際の調査におきましても相当ばらつきがございます。非常に高く払っておられる方からそれほどではない方までかなりのばらつきがございまして、公平とかそういう点も考えましてその平均的なところで現在やっておる。これもそういう実態調査の結果で御提案申し上げておりますので、御容赦をいただきたいと思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 ばらつきがあると言うけれども、平均的なものでやっても三十万足りないと言っているんですよ。三十万しかもらえないで、あと三十万出さなければ引っ越しできないと言っているんですよ。平均的ななんて言っているけれども、そういう理屈は通らないんじゃないんですか、少なくとも半分以上の人たちは大変な負担を強いられていることは事実なんですから。大蔵大臣さっき大変いい答弁をしてくれたので、大蔵大臣に期待しておきます。これは本当に余りにもひどいですよ。ぜひ直してください。  それで、最後に全然違う問題、今の委員会で質問しないと間に合わないので、視力障害者等の国家公務員試験の受験問題について触れてみたいと思います。  ことしは国際障害者年の最終年次です。政府は障害者が一般市民と同様に生活できるようにそれなりに施策を講じてきたと思います。それで「「障害者対策に関する長期計画」後期重点施策」、これを読んでみましたけれども、均等な機会を障害者にも与えるべきだということも書いております。それから、雇用や就職につきましても政府なりに努力をしていることはわかりました。ところが、政府が一生懸命に障害者等の就職問題について民間に呼びかけているのにもかかわらず、肝心のおひざ元である政府が本来国民に平等に受験の機会を与えなければならない国家公務員試験に視力障害者等を除外しているのは、これは国際障害者年の基本精神に私は反していると思う。官房長官お帰りになりましたけれども、あなたは障害者対策推進本部の副本部長、本部長は総理大臣、副本部長としてこのことについてどうお考えでしょうか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 障害者対策につきましては、昭和五十六年の国際障害者年のテーマである「完全参加と平等」の実現を図るため、政府として昭和五十七年に障害者対策に関する長期計画を策定いたしますとともに、昭和六十二年には国連障害者の十年の後期において重点的に取り組むべき施策を策定し、現在福祉、雇用、教育等各種の施策の推進に努めているところであります。  私といたしましても、障害者対策推進本部の副本部長といたしまして、障害者の自立と社会参加の一層の推進を図られるよう関係省庁との連絡のもとに視覚障害者の雇用の促進を含めて障害者対策の一層の推進に努めてまいりたい、そう思っております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 大変力強いお答えでございますので、それじゃことしから視力障害者の方々に対して国家公務員試験をきちっと受けられるようなそういう措置をとってください、いいですね。官房長官に聞いている。大変立派な決意表明いただいたんで、具体的に申し上げるとそういうことはできるんですね。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) よく検討いたしましょう。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 よく検討というよりも勉強してください、大変失礼な言い方だけれども。国家公務員試験を受けられない者というのは国家公務員法四十三条で「受験の欠格条項」というのが決められている。その一つは、四十四条に規定する資格に関する制限というのがある。これは時間がないから簡単に申しますけれども、年齢、学歴、性別、そういう面である程度の制限を加えている。だから障害に関することは入っていないんです。それからもう一つ、欠格条項の第二は、官職につく能力を有しない者、これは三十八条で、こういう場合です。三十八条で「政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」、これが欠格条項です。この二つ以外の者は受験資格はあるんです。にもかかわらず視力障害者を受験させないというのは、これは法律違反でないんですか。人事院どうですか。

大島満人事院任用局長

○政府委員(大島満君) 人事院が行っております国家公務員の採用試験はすべての官職について実施しているものではございませんので、一定数の採用が予定されます事務、技術等の官職のグループを対象として行っているものでございます。これらの官職の職務は通常、例えば情報収集とか意思決定のための資料の作成、あるいは意思の伝達とか研究の推進等に見られますように文書を媒介として行われるものでございまして、強度の視覚障害者がこれらの官職の職務を遂行することはなお困難な状況にございますので、一定数の職員の採用を前提とする採用試験におきまして点字による試験を行っていないものでございまして、平等取り扱いの原則に反するものではないと考えております。  なお、視覚障害者につきましてはそれぞれの職務遂行能力に応じまして選考採用の方法によって国家公務員となる道も開かれておりまして、人事院といたしましてもこれまで各省庁から障害者の選考採用について御相談があった場合には弾力的に対応してきておりまして、今後ともこのような考え方で対処してまいりたい、このように考えております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 公務員は文書を媒体とする仕事だと、そうおっしゃるけれども、ちゃんとそれについていけるだけの能力を持っている視力障害者がいらっしゃるわけでしょう。だから、そんなことは理屈にならないと思う。公務員というのは文書を媒体とする仕事以外に何もないんですか。まだ幾らでもあるでしょう。外国ではちゃんとやっていますよ。税務相談だとか、それから社会保障についてのいろんな相談にちゃんと視力障害者が応じている。幾らでも仕事があるはずなんです。それをもう入り口であなたは試験は受けさせませんというのは、これは差別でしょう。  それだったら、各省庁が女性はことしは採りませんといったときに、女性は試験を受けさせないんですか、どうですか。

大島満人事院任用局長

○政府委員(大島満君) 当然試験は受けてもらうことになると思います。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 そうしたら障害者だって当然受けさせていいじゃないですか。何で障害者だけ差別するんですか。

大島満人事院任用局長

○政府委員(大島満君) 国家公務員法の二十七条といいますのは憲法第十四条の規定の趣旨から制定されていると思いますが、平等取り扱いに関する一般的な法理といたしましては、合理的な理由があるものにつきましては特別な扱いをすることが認められているというぐあいに考えられておりまして、現在強度の視覚障害者の方たちに点字の試験を行っていないのはこの特別な合理的な理由があるものの範疇に入るというぐあいに考えておるわけでございます。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 特別な理由なんか何もないですよ。あなたはさっき、各省庁の採用とかそういう希望とか、そういうものを聞かなきゃならないと、こう言っていましたよね。実際に試験採用しておきながら辞退している人が随分いるんじゃないですか。大卒でもって昭和六十二年でもって何と七百三十二人も辞退している。そして、まだ採用の裏づけがないのに採用試験をやってまだ待っているという人が二百五十九人もいるんですね。そのほかのところを全部含めますと五百五十三人も試験を受けながらまだ採用されていないという人がいるんですよ。あなたは採用の裏づけのない試験はやらないと言うんだけれども、ちゃんとやっているじゃないですか。何で一般の人たちと障害者を差別しなきゃならないのかというんです。これは法律の解釈からいっても、どんな理屈をつけても絶対に差別であり、これは法違反だと言わざるを私は得ないと思うんです。  官房長官いかがですか、推進本部の副本部長として。こういう差別は絶対に許されないんで、七月の採用試験ですから間に合うんです。それで、あえて今の委員会で取り上げさせてもらったんです。新官房長官、推進本部副本部長として先ほどの決意を具体的にひとつ、この問題一つだけでいいですからあらわしてください、ことしはやりますと、そういう答弁してください。

文田久雄総理府大臣官房審議官

○政府委員(文田久雄君) 障害者対策本部の庶務を担当いたしております総理府であります。  障害者の問題につきましては、障害を持つ人々も社会の一員として他の一般市民と同様に社会、経済、文化等のすべての分野で積極的に活動するとともに、社会の各般にわたる生活をひとしく営むということができまするように、総理府はこの障害者対策本部の庶務を担当いたしておりますので、関係省庁との連絡を密にして福祉、教育、雇用等各般の施策につきまして一層の努力をしてまいりたいと存じております。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 最後に。今の答弁期待しておりますので、まだ七月に間に合いますからね。これはどうしてもやってくださいよ、障害者年の最後の年ですからね。日本政府が国際的な会議に行って偉そうなことを言ったって、こんな問題一つ解決できないでそんな偉そうな口はたたけませんからね。これだけはどうしてもやっていただきたい。強く要望しておきます。もしやらないとすれば、国公法二十七条違反です。平等取り扱いの原則に完全に反するということになりますので、さらに今後追及していきたいと思いますので、これだけは絶対にやってもらうように強く要望して、時間が過ぎましたので終わります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 まず、公務員給与と期末手当の分割支給問題について伺います。  先ほども質問がありましたけれども、政府は公務員の三月給与、期末手当の分割支給を行いました。既に補正予算が成立して全額支給されているとはいえ、政府の責任は消えません。政府は十五日全額支給の努力を行わずに、現行の規則では分割支給が不可能のため、十四日夜になって急に人事院規則を変えました。そして分割支給を強行しました。給与の遅配はそもそも労働基準法二十四条違反ですが、労働基準監督官の中にはこのように言っている。今回の政府の行為を口実にして、金はあるが予算を組んでいないので給与は支払わないという会社があらわれる、こういう機運も生まれているというふうに聞いています。民間の遅配について指導、監督すべき政府みずからがこのようなことを行っては、今後指導はできないんじゃないですか。官房長官に伺います。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 政府といたしましては、本来の支給日にその全額を支給するということは、これは大変な大事な仕事でありますけれども……

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) もう少し大きい声で言ってください。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 公務員給与は本来の支給日にその全額を支給すべきことは言うまでもありませんが、政府としては、給与改定に伴い新たに必要とされる経費を補正予算に計上し、二度にわたり国会に提出し速やかな成立をお願いいたしたところであります。しかしながら、国会での補正予算の審議状況にかんがみ、職員に対する影響を最小のものとするため、人事院に現行法の枠内でとり得るぎりぎりの措置を講ずるよう要請したところであります。政府としては、このたびこのように公務員の給与の支払いについて特例扱いをせざるを得なかったことは極めて遺憾でございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 こういう違法行為を犯したわけですから、国家公務員と当該労働組合に政府は謝罪すべきじゃないですか。官房長官、大蔵大臣、いかがお考えですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 政府といたしましては、今申し上げたような気持ちでございますが、政府といたしましてはやはり法律の許す範囲内におきまして、それから国会でお決めいただく予算の範囲内におきましてでき得る限りのことをやったわけでございまして、その点はひとつどうぞ御理解を願いたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 謝罪するお気持ちはどうですか。

坂本三十次自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(坂本三十次君) 大変遺憾なことでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 国家公務員とその労働組合に対して謝罪すべきだと私は要求したいと思います。  人事院に伺いますけれども、労働基本権の代償機関である、公平中立の第三者機関であると自認する人事院が、法に定める職員の権利擁護機関としての責任をかなぐり捨てて、当該労働組合と何ら協議することもなく政府の違法行為に加担した、わずか三十分で規則を改正したことは、その方法、内容とも断じて認めることはできません。人事院としての責任をどう考えていますか。

森園幸男人事院給与局長

○政府委員(森園幸男君) 今回、本来の支給定日に給与の完全な支給がなされなかったことは人事院といたしましても大変遺憾に存じておるところでございます。  ところで、ぎりぎり補正予算の審議をめぐっていろいろな努力がなされている状況下で、私どもはできるだけその支給定日に支給できるような事態の招来を期待していたわけでございますが、御指摘のように十四日の夜になりまして政府の方から、見込みがないのでできるだけ公務員に対する影響を少なくするような方策を講じてくれないかという御要請がございました。人事院といたしましては、こういう異常な事態下におきまして、仮に放置をいたしますと、現在支給定日に全額を支給するという制度でございますので、職員から見ますと給与の支給が受けられないということになってしまいます。そういうようなことを考えますと、できるだけ現行制度上許される方法はないかといろいろ思案をしたわけでございます。  現在、特に必要と認められる場合に二回に分割して支給するという法律上の条項がございます。これを援用いたしますと少なくとも十六日にもらえなくなる分の半分が十五日にもらえることになるということでございますので、私どもは職員に対する利益を考慮いたしますと、このただし書きを発動した人事院規則を制定するということが最も私どもの限られた範囲内での任務を全うすることになるんであろうと考えまして今回の措置を講じたわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 人事院としても重大な責任があるということを指摘しておきます。  今回のような事態を起こした原因の一つは国会審議のおくれだとさっき官房長官おっしゃいましたけれども、それはもう責任転嫁ですね。私はその国会運営上の問題についてきょうは触れる時間はありませんけれども、原因の一つは、さっきもお話が出ました公務員の給与改善費を当初予算に組んでいなかったこと、これにあると思うんです。十二年間のうちに当初予算に組まれなかったのは五年だけです。給与改善というのはほとんど毎年行われるわけですから、当初予算に計上すべきだ、それを計上してないこと自体おかしいと思います。この問題については我が党は衆議院でも質問しておりますので、そのことを指摘しておきたいと思います。  先ほど大蔵大臣が、十一年間も放置したのはおかしいと当事者がおっしゃったんですけれども、私も大変これはおかしい、大問題だというふうに思うわけです。なぜこんなに十一年間も改善をしないで放置していたんですか、簡単に答えてください。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 確かに十一年目で御提案すると。大臣からも相当厳しく指摘されました。一応御説明としては、実態調査を続けながら、あるいは民間の動向等も考えながら、財政状況が非常に厳しかったという事態も踏まえながら、結果的にはそういうことになったわけでございますが、今回三〇%を超える定額の改定を御提案させていただくということに決心させていただきました。  今後は、先ほどの大臣の答弁も踏まえまして十分検討していきたいと思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 今まで三十数%も上がるまで改定されなかったということは、結局公務員は自腹を切っていたということなんですね。旅費というのは実費弁償なんだから、自腹を切るということは大変おかしいことなんじゃないんですか、どうなさったんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 今まで五十四年の定額で公務員の方々には非常な御苦労をおかけしたということは率直に認めたいと思います。公務員の方も非常に苦労しいろいろ工夫もされてきたというふうに伺っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 自腹を切っていたわけですね。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) いろんな形での工夫をしておられる、その御苦労を我々もよく認識しておると申し上げております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 自腹も切っていたという御答弁でしたね。  四十六条で、自腹を切らないようにこれは補てんできると、こういう規定と解釈してよろしいんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 私が御答弁申し上げたのは、公務員の方々、この厳しい定額の中でいろいろ工夫をして、あるいはグレードを下げる、あるいはそれに見合う旅館をお探しいただくというような苦労をおかけしたということは認識しておると申し上げておるわけでございます。  四十六条の調整の問題につきましては、今後の問題として四十六条の精神にのっとって運用していきたいというふうに思っております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 もう一つの問題は、今度の改正によって格差が一部広がったということなんですけれども、三級以下の方の日当は指定級の日当との比較では、差が現在は何%で改正後は何%ぐらいになるんですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 日当につきましては宿泊料のおおむね二割ということで定額の改定をお願いしておりますが、現行では指定職の方が二千二百円、三級以下の方が千四百円ですので六三・六%、それに対しまして改定ではそれぞれ三千円と千七百円でございますので五六・七%ということになっております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 一番旅費の支払い額の低いところの格差がさらに広がるということは大変まずいと思うんですけれども、どうしてこういうことになるんですか。これはぜひ早いうちに改めていただきたいと思います。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 先ほどちょっと御説明いたしましたが、実態調査の結果によりますと、宿泊費につきましては実はクラスが上の方ほど乖離の幅が大きい。それをそのまま適用いたしますとさらに大きな格差のついた定額を御提案せざるを得なくなるという、実態そのままならそういうことになる。そういう状況を踏まえまして、民間との比較あるいは現在の状況等を総合勘案して全体として宿泊料をどのクラスについても三二%引き上げるという御提案を申し上げました。  日当につきましては、その宿泊料のおおむね二割ということで従来から単純に二割を掛けて計算するということを原則としてまいりましたので、そういうふうに改定いたしました宿泊料の二割を計算し、百円単位で四捨五入した結果、計数上そういう形になったというのが実情でございます。  今回はその点御了承いただきたいと思いますが、将来につきましては、先ほどの大臣の御答弁もございました、実情等を踏まえまして適時適切な改正を行っていきたいというふうに思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 時間がないので駆け足の質問になっていますが、人事院にお伺いいたしますけれども、人事院の民間給与の実態調査の中で移転料の調査もあるんですけれども、これを拝見しますと、公務員と民間との格差が大変大きい。レクで伺いましたらば、サンプルが少ないとか云々とおっしゃいましたけれども、端的にお答えいただきたいんですけれども、その調査の中でも民間との移転料の格差が物すごくあるわけだから、本当に実態調査をきちんとし直して移転料の民間格差が縮まるような、そういう努力をしてほしいと思いますが、どうですか。

大城二郎人事院職員局長

○政府委員(大城二郎君) 私どもが実施いたしました調査の中では、民間における支給実額の中にその支給目的なり性格なりが明らかでないような費用がいろいろ含まれている、そういう意味でいわゆる官民の比較を的確に行うというのがなかなか難しい。そういう意味でこのデータをそういう論議の素材として御利用いただくには問題があるのではないか。そういう意味で私ども、このデータに基づいてそういう議論をすることは差し控えるべきではないか、そういうふうに考えているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 ですから、そういうふうにおっしゃるからちゃんとたえ得るような調査をやり直してくださいと。どうですか、簡単に言ってください。

大城二郎人事院職員局長

○政府委員(大城二郎君) 調査のやり方にもかかわる問題ですが、非常に実態が複雑でございますので、簡単な調査でそれを詳しく分けるという形にはどうもなかなかできないというのがその調査から得た経験でございます。そういう意味でいろいろ工夫はしてみたいと思いますが、この前の調査ではそういう経験を持っているということでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 三番目の問題として私は日額旅費の問題について伺いたいと思います。  三級以上の職員が十一日以上出張した場合、一般の旅費で支払われる場合の宿泊料と日当、これが日額旅費として支払われる場合の金額、これはどうなりますか、建設省。

小野邦久建設省大臣官房会計課長

○政府委員(小野邦久君) お答え申し上げます。  先生がお話しになりました十一日の場合の普通旅費の場合には七万四千四百円ということでございます。これは鉄道運賃等はいずれも同じでございますので含まれておりません。日額旅費の場合には、十一日の場合でございますと六万四千三百三十八円ということに相なるわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その日額旅費の場合に、普通の旅費の支払いの場合とこんなに格差が生じているんですけれども、この合理的な根拠というのは何ですか。

小野邦久建設省大臣官房会計課長

○政府委員(小野邦久君) 国土地理院職員等の例えば日額旅費といったようなものにつきましては、これは長期間同一地域に滞在する場合には、一般的には例えば宿泊等でそれなりの便法を講じて出費が節約できるであろう、そういったような想定のもとに定められたものではないかというふうに考えております。したがいまして、日額旅費の場合には、今十一日の場合で御答弁をいたしましたけれども、普通旅費に比べて若干下がるということはございますけれども、それはどこかを一つの基準として定めたということでございまして、制度自体は現在の旅費法の中に日額旅費制度というものがございますので、それによって運用している、こういうことでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 その日額旅費が、同じところに十一日以上泊まれば旅館の宿賃がまけてもらえると、まあはっきり言って終戦直後のなべかま、みそ、しょうゆ持参で出張したときの経験がここに生きているわけですね。  しかし、今日の実態と合わないわけですよ。東海沖地震などが予想されておるということで地震予知のためにたびたび静岡へ出張するとして、私は静岡の市内のビジネスホテルみんな調べてみたんですけれども、十日以上なら料金をまけますというところは十二軒のうち三軒しかなかった。その一軒は六千二百円を六千円にする、もう一つは十日までは五千四百円、十一日以降は五千円にするというようなところで、いずれも今おっしゃった日額旅費では泊まれないわけなんです。  これは静岡だけではなくて全国同じような実態です。例えば小笠原に測量に行けば、どんなに努力しても十日以上の測量の日程が必要ですね。今どき民宿でも三食つきなら七千円は必要です。日額旅費の規定範囲で上げるためにどういう苦労をしているか。冷房のない部屋に泊まる、自腹を切るということもあります。宿賃を値切ったために日帰りの客の休憩室を与えられて、休日の日中はゆっくりしていられないで車の中で夕方まで過ごす、こういう苦労をしているわけなんですね。  測量業務ということは測量法に基づいて日本国内の基本となる測量を実施しているわけですけれども、建設省の国土地理院では全国に約十三万点の三角点、水準点を繰り返し測量、土地の変動とか地震予知、地盤沈下、こういう基礎資料を提供しているわけですね。でも、十一日以上出張すると安くなるからといってみんな十日で帰ってくるように努力しているわけですね。これでは大変貴重なデータも得られないわけで、国民生活にとってもゆゆしい問題になるわけなんです。  さっき大蔵大臣が旅費を引き上げなかったのは大変非常識だとおっしゃったけれども、その一番非常識なのがこの日額旅費の問題なわけですね。この問題についてぜひこれを常識に合うように変えるべきだ、この日額旅費という扱いをぜひやめてほしいと思いますが、どうですか。

小野邦久建設省大臣官房会計課長

○政府委員(小野邦久君) 現行の旅費法におきましては二十六条で御案内のとおりでございますけれども、測量につきましては日額旅費になじむものと、こういうことになっておりますので、国土地理院の測量旅行につきまして日額旅費をやめるということは考えておりません。  しかしながら、御案内のとおり五十四年から据え置かれておりました定額部分の改定が行われれば、普通旅費の定額部分の改定が行われれば、それにあわせまして国土地理院の日額旅費の定額についても法律の趣旨にのっとって改定を行うべく検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 十一日以上泊まれば宿賃をまけてくれるというところは今言ったようにないんですよ。お調べになったんですか。

小野邦久建設省大臣官房会計課長

○政府委員(小野邦久君) 建設省といたしまして、現在のところ十分調査をしたというものは持ち合わせておりません。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 調査もしないで昭和二十六年当時の実態そのままで現在旅費を払うということの不合理性、これはもう現場の人たちにとっては我慢できないものになっているわけですよね。  大蔵大臣、最後に質問いたしますけれども、旅費法というのは実費弁償であるにもかかわらず、そういうふうにいろんな形で自腹を切らなきゃならないというようなことが行われているし、不合理な点があるので、この日額旅費の問題も本当は法改正が必要なんですけれども、運用規定の見直し等を含めて、これは大蔵大臣と協議しなければ変えられないことになっていますので、そういうことも含めて十分に再検討していただきたいんですけれども、どうでしょうか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 日額旅費の問題につきまして、今の国土地理院の関係のことについて申し上げれば、建設省において業務の内容とか、交通手段の態様とか、あるいは実際にどういうような工夫をして泊まっておられるかとか、そういったことを総合的に勘案して我々の方に御提案があるだろうと思います。建設省とも十分協議してその適正化を図ってまいりたいと思います。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 建設省、運用規定の見直し、例えば十日以上となっていますけれども、法律が当面改正できないんだとしたら三十日以上にするとか、とにかくそういう工夫でもして直ちにこの不合理性を改めていただきたい、そのことを質問します。

小野邦久建設省大臣官房会計課長

○政府委員(小野邦久君) 六十一年にも、例えば同一地域に十日以内に滞在をいたします場合には一割アップというようなことも財政当局とも御相談いたしまして制度をつくっていただきました。  なお今の御質問の趣旨を体して、国土地理院職員の日額旅費につきましては、いろいろ現地で大変苦労していることは十分地理院当局からも聞いておりますので、今後財政当局とも相談して対処してまいりたい、こういうふうに考えております。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 終わります。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 時間が非常に短い、十分という限られた時間でございますので端的に伺っていきますが、平成元年の四月、大蔵省が実施した宿泊料、移転料等の実態調査、この結果についてようやく今回の改正に踏み切ったようでありますけれども、聞くところによると数年前から既に各省庁から大蔵省に対していろいろな形で改定の要望があったようであります。にもかかわらず長年据え置かれたままで今日を迎えているわけでありますが、先ほどの山口委員に対する大蔵大臣の御答弁は御答弁として承っておきますが、やはり長年の経緯を見るならば、大蔵省が財政的見地から改定そのものを渋ってきたんじゃないだろうか、こんなふうに言わざるを得ないわけです。  ここで伺いたいことは、各省庁からの要望が一体いつごろからあったのか、またどのような内容のものがもたらされてきたのか、この辺についてちょっと伺っておきたいと思います。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 公務員の旅行の実態の調査は、前回五十四年に改定いたしまして、その後五十五年以降ほぼ毎年実態を調査いたしております。その調査結果とか民間企業の状況とか、先ほど来申し上げておりますが、さらには財政状況が非常に厳しかったということもやはり我々の頭の底にはなかったとは言えないと思います。結果として十年間据え置きのままということになったわけでございます。  各省庁からの御要望も、いわゆる公式にこういうふうにしてくれというような要求書の形ではございませんけれども、いわゆる口頭ベースといいますか、お話し合いベースの中ではそういう要望が各省庁にあるというようなことは我々も認識しておりました。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 今回の旅費定額が改正されるのは、宿泊料等それから移転料などの定額が実際に要する額に対して三〇%以上も大幅に不足していると、そのためであるわけですが、大蔵省は従来から出張そして転勤は節約、そして工夫、こういう節約とか工夫をして定額の範囲でこれを行うように、こう言っているわけですけれども、定額が三〇%以上も実費に足りないということ、これでは公務員としては節約のしようもないほど大幅な開きがあると言わざるを得ないわけなんです。節約だあるいは工夫だといいましても、出張とか転勤に伴うこういった節約、工夫の実情、実態といいますか、どんなふうに工夫しているんだか、どんなふうに節約をして努力しているのか、この辺のことはどうなっているか、ちょっとこの辺で伺っておきたいと思うんです。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 口頭ベースではいろいろ苦労をしておられるというようなお話は随時伺ってまいりました。身内のことで例を引くのも申しわけございませんけれども、大蔵省も国税庁というような調査旅費というような点で旅費の予算を非常に多く使う省庁も持っておりますので、そういうところからもいろいろ実態などの話もございました。先ほど私も御答弁いたしましたけれども、改定しなかったこの期間中のそういう方々の御苦労というのは認識しておるつもりでございます。グレードを下げたところに泊まるとか、あるいは共済等の施設をできる限り使用するとか、いろんな工夫をしてこられたということは認識しておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 人事院にちょっと伺いますが、人事院は国家公務員の旅費の問題についてどういうスタンスで受けとめておられるか、関心の度合いはどんなものかということなんですが、これが第一点。  次に、人事院の立場から今回の旅費定額の改定内容についてどのように受けとめておられるのか。今回の旅費改定に当たって人事院として助言などをしたものかどうか、この辺も伺っておきたいと思います。

大城二郎人事院職員局長

○政府委員(大城二郎君) 旅費の問題に関しましては、最近では特に単身赴任、あるいは単身赴任を避けるために帯同赴任を促進するという意味でいろいろ赴任旅費等が問題になるという状況にあります。そういう意味で私どもも旅費の問題は広い意味では勤務条件にかかわるような問題であるという認識を持ちまして、その改善についていろいろお願いをしてきているということでございます。その場合に、やはり今回のような形で大蔵省当局におかれまして旅費額の改定についていろいろ御検討をいただきまして、その結果、改善が図られるということは非常に望ましいことであるというふうに考えております。  私どももいろいろ研究はしてきておりますけれども、具体的にどういう額でどういうふうにというようなところまで成果を得るに至っておりませんが、一般的にはそういうお願いをし、改善を進めていただくようにという姿勢を持ってきているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 御答弁のほどはわかりますけれども、やはり何といっても十一年間も据え置かれるということのないように人事院からもっともっと大蔵省に物申すといいますか、その辺でもう少しこれからも強力にそういった働きかけをしてもらいたい、この辺要望しておきます。  なお、人事院の方についでに関連して伺いますが、人事院が去る二十八日にいわゆる天下り白書を国会と内閣に提出したわけですけれども、在職時の省庁と関係の深い民間企業、これに再就職した課長相当職以上の高級官僚が二百四十六人に上っている。この中で大蔵省が五十七名で一番多いわけですが、しかもこの全体のうち二名が二社に兼務で再就職している、こういうありさまで、この実態からも公務員のあるべき姿というものが浮き彫りにされてくる。自分の立場を利用して再就職することに何らかの歯どめがかけられなければならないんではないか。もちろん国家公務員法百三条の二項、これではこれを原則として禁止しているにもかかわらずなぜこうも天下りが多いのか、人事院のこれに関する考え方を伺ってまいりたい。  時間がありませんので、さらに引き続いてもう一問しておきますが、そうでないと同じ公務員として立場が上であればあるほど有利な再就職の先を見つけることができるわけです。一方では、その役職に関係なく公務員としての務めを精いっぱい果たして、そして定年で去っていく人も多数いることもこれまた事実なんです。毎年こうした天下り白書が公表されるたびに私は複雑な思いに駆られるわけですけれども、こういった問題自体がやっぱり公務員の士気にかかわるのじゃないか、このように考えますけれども、この辺はいかがなものか。最後にこの点を人事院にお聞きするとともに、できたら大蔵大臣の御見解も伺っておきたいと思います。

大城二郎人事院職員局長

○政府委員(大城二郎君) いわゆる営利企業への就職の承認状況について御報告をしたわけでございますけれども、この制度の主眼とするところは、職員がその地位、職権を乱用して特定の企業への就職を有利にするというような弊害を防止する、在職中の職務を厳正ならしめ公務の公正な執行を確保する、そういう観点から設けられているものでございます。  私どもはその際に、それぞれ在職した官庁と関係のある企業についてそういう弊害が起こらないかどうかを個々のケースについて厳密に厳正に審査をして、そういう問題がないというものについて承認をしているということでございます。そういう観点からこの制度を従来から行ってきておりまして、私どもは今後ともそういう制度の適正な運用に努めてまいりたいと思います。そういう観点からの承認の制度でございますので、私どもがそういう厳正な運用をしていく限りは再就職の問題として必要な配慮がなされる、適正な形での再就職がなされるというふうに御理解をいただいてよろしいのではないか、そういうふうに考えております。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 私は基本的には人事院当局から述べられた見解で尽きておると思います。いずれにしても国家公務員が退職の時点において自分の職分に関連する分野にその職分を利して就職する、そういうことはあってはならないことであります。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 この問題はまた改めて具体的に伺う機会もあろうかと思います。一応これできょうは終わりたいと思います。

星川保松連合参議院

○星川保松君 国家公務員の旅費のことにつきましては前の質問者がかなり詳しく質問なされまして、私の予想しておりました質問と大きく重複をしておりますので、そのことは避けまして一つだけお伺いしたいわけでございます。  今回のこの改定についてだれしもが思いますことは、先ほど大蔵大臣もみずからおっしゃいましたように、十一年間も改定しないまま経過したということだろうと思います。私もまさに日当、宿泊料については三二%の差が出るまで、また移転料については三四%、車賃については六〇%という値上げをしなければならないという実態になるまで改定をしないできたというところが最も大きな問題点であろう、こう思うわけでございます。  そこで、今まで大蔵省も毎年この実態を調査なさってきたということでございますが、その途中経過、かなりの差が生じておるという実態が出たけれども今まで改定を行わないできたのか、その年々の調査においては余り差がなかったから今日の三〇%を超えるまで改定をしてこなかったのか、その途中経過の実態調査のことについてひとつ御説明をお願いしたいと思います。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 旅費の定額を前回決めていただきました五十四年四月の改正以降、五十五年度から、実態調査をやらなかった年もございますけれども、ほぼ毎年、出張者が実際に利用しておる旅館の料金がその五十四年四月の状態からどういうふうに変化しておるかというような調査はやってまいりました。  途中経過ということでございますけれども、今回の三〇%の改定のベースになりました平成元年四月時点の調査の前の調査、六十三年四月の調査でも二割以上の差が出ておるということは我々も把握いたしておりました。しかし、その時点では定額の改定に踏み切れなかったわけでございます。いわば民間企業の状況、あるいは財政が置かれております、あるいは財政を取り巻いております状況等々の総合的な判断で改定が見送られたというのが実態であろうかと思います。  本年は三割を超えるということで今回御提案をしたということでございます。

星川保松連合参議院

○星川保松君 前の実態調査の結果二割以上の差が生じておるということがわかったけれども改定をしないで、今回は三割を超えたというところで改定に踏み切った、こういうことでございますが、そうしますと、大体今まで三割以上というところに見当を置いて改定の時期をひとつ考えようということでやってきたように思いますけれども、そういうことできますと結果として十一年間も改定にならないというようなことに結果するわけでございます。やはりそういうことではいけませんので、少なくとも実態調査の結果何%ぐらい出たらその時点で改定をしなければならないというようにひとつ構えを変えていただきたい、こう思うわけでございます。  大蔵大臣、大体このぐらいの差が生じたら改定しなければならないだろうというような心づもりがございましたらひとつお聞かせを願いたいと思います。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、私は具体的な心づもりというものを持っておるわけではございません。ただ、過去の例を見てみますと、三割、四割と開くところまでいつも改定を先送りしておったという事実を見まして私自身が本当に肝をつぶしたわけであります。先ほど山口委員から過去の大蔵大臣の答弁の中から例えば一割とか具体的な数字が幾つか挙げられておりましたけれども、おおよそやはり大体皆が感じるのは同じぐらいのところではないでしょうか。

星川保松連合参議院

○星川保松君 大蔵大臣が肝をつぶすほど十一年間もほうってきたということでございますので、また後々の大蔵大臣が肝をつぶすようなことのないように、ひとつこの際はこのぐらいならきちんとしておかなければならないという基本的なところをできるだけ配慮してやっていただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 大蔵大臣も十一年も放置しておったことにびっくりされたようですが、私はやっぱりその原因をしっかり把握しないとこれからも同じようなことが続くおそれがあると思うんです。  それで一つは、今、星川委員からお話がありましたように、どれぐらい乖離したら見直すというような基準をはっきりさせることが大事だと思うんです。今までは大体三割ぐらいまではいいだろうというようなことが私は十一年も放置された一つの理由のような気がします。  それからもう一つの理由は、私は所管部署の問題があると思うんです。これは大蔵省の主計局の所管ということになっておりますが、主計局というのは大体国の財布の元締めなんです。できるだけ予算でも何でもぶった切るというのがその考え方なんです。そういうところを所管にしておりますとどうしても出がふえることは積極的にやらない。だから、私は所管の部署を変えて、例えば人事院にこの実態調査をさせて勧告させる、それに基づいて例えば総務庁の人事局にこの旅費法というものを管理させる、そういうふうに変えないとなかなか改まらないんじゃないかと思いますが、この点について大蔵省、それから人事院、総務庁、それぞれの御意見を伺いたいと思います。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) まず第一番目のどれくらいの乖離があればということでございます。今後の物の考え方として先ほどの大臣の御答弁は十分踏まえて検討していきたいというふうに思いますが、確かに従来例えば厳密に三割になったとか四割になったとか、そういうような厳密な運営をやってきたわけではございませんけれども、しかし実際の実態の調査による乖離の幅、あるいは民間におけるそういう業務の旅行のコスト支弁の状況、さらに言えば財政の状況とかそういうものを総合的に判断して結果的にはおっしゃるような形になってきたという事実もございます。  将来何%になれば必ず変えるというようなルールをつくるということは、これは余り放置しておくということが適当ではないという大臣の御答弁は私もそうだと思いますし、今後はそういうことでやっていきたいと思いますが、ぴしっと何%というような基準を決めるのはどうかなというふうに思います。  それから第二番目の問題でございますが、旅費の改定は確かに現在大蔵省で所管いたしております。それの理由としましては、いわばある意味では確かに国家公務員の待遇というところにかかわる部分も当然ございますけれども、しかし基本はやはり公務による旅行というものの費用を公で実費で弁償するという、それが基本的な建前でございますので、給与とか勤務時間とかというようなストレートに公務員の処遇にかかわるものとはやや性格が異なるんじゃないかなということで大蔵省の所管という形になっておるわけでございます。  ただ、そうは言いましても、先ほど来申し上げておりますように、いろいろな方面からの御意見は十分我々承っておりますし、また今回の改正案を我々御提案するに当たりましても必要に応じて適宜人事院にも御説明し、御支援をお願いしておるところでございます。

大城二郎人事院職員局長

○政府委員(大城二郎君) 旅費は公務のため旅行する費用を実費弁償するという形で制度化されております。その額の改定についても所管省庁である大蔵省当局において物価の動向等の情勢の変化に即応して改定を行っていただけるものというふうに理解しております。  人事院が調査をしてというようなお話がございましたが、そういう場合に、例えば給与と同じように民間の支給実態を調査してそれと比較をして検討するということが考えられないわけではございませんけれども、さきに行われました調査結果等を見ますと、なかなか実費弁償部分を的確に把握することが難しいという支給状況でございますので、そういう形で調査をして比較するというような形ではなかなか適切な方法がとれないのではないか。したがって、現在のような形で大蔵省当局において情勢の変化に適応するような改定を行っていただく、私どもは私どもなりにいろいろな調査、研究等を通じていろいろな御要望を申し上げていくということでよろしいのではないかというふうに考えます。

勝又博明総務庁人事局長

○政府委員(勝又博明君) ただいま大蔵省、人事院から御答弁があったとおりでございますが、旅費は実費弁償でございまして、人事院勧告の対象となっている事項と性格を異にしているわけでございますので、これを人事院勧告の対象とし、それを受ける形で総務庁が所管するというのは適当ではないんではなかろうかというふうに思っております。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 それから、私は財政事情というものも多分に影響しておると思うんですね。赤字国債をずっと発行してきたような中で、やっぱりともすれば費用がかさむようなことは避けようという意識が働いてきたのは事実だと思っているんですよ。  それから、旅費の予算額の過去の経緯を見てみましても、五十四年度から六十年度ぐらいまでは総額は余りふえていません。もちろんこの間は日当とか宿泊の改定はないわけですけれども、しかし運賃は上がっておるわけで、国鉄運賃なんかは五十四年度から六十年度で大体約三割ぐらい上がっているわけです。ところが予算額はほぼ横ばいですね。これはどういうわけですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 今まで改定がされてこなかったということが財政事情によって改定されなかったというふうにもし私の答弁を受け取られておられるとしますと少し趣旨が違います。いろんな総合的な、民間との状況であるとか公務の置かれた立場であるとか、そういうようなものを総合的に判断し、その中には確かに一般会計の状況もあったということは否定できませんけれども、そういうものの総合判断の結果としてこういう状態になったということを申し上げたわけでございます。  それから旅費の予算でございますが、五十四年度以降定額の改定は行いませんでしたけれども、いわゆる鉄道運賃とか航空運賃とか、そういう運賃につきましては、これは実費弁償でございますので予算上もそういうものは反映してきております。ただ、総額としての旅費の予算は必ずしもふえてない年もある、あるいは減っている年もある。それは個々の省庁の旅費の所要額を業務によって積み上げて、この業務ではこれだけ必要、来年はこれだけ必要というような必要最小限の、公務を効率的に執行していただくということももちろんでございますけれども、必要最小限の積み上げを行って毎年予算を編成してきた結果であるというふうに御理解いただければいいと思います。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 例えば実費弁償の国鉄運賃が三割も上がっているのに旅費の予算は六十年と五十四年では三%ほどしか上がっていない。ということは、実際の出張を減らしているということになるわけですね。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) はい。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 それで支障はなかったのかどうか、いかがですか。

藤井威大蔵省主計局次長

○政府委員(藤井威君) 各省庁におきまして公務の出張をできる限り効率的に、計画的にやっていただくということで、その予算の中で各省庁御努力いただいて執行していただいたと思っております。

田渕哲也民社党・スポーツ・国民連合

○田渕哲也君 終わります。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 御異議ないと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  山口君から発言を求められておりますので、これを許します。山口哲夫君。

山口哲夫日本社会党・護憲共同

○山口哲夫君 私は、ただいま可決されました国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、日本共産党、公明党・国民会議、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について善処すべきである。  一 宿泊料、移転料等の旅費定額の改善は、旅費の実態に即応して、適時、適切に行うよう努めること。  一 旅費の支給対象者の区分による定額については、今後とも、その適正化に向けて検討を進めること。   右決議する。  以上でございます。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) ただいま山口君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 全会一致と認めます。よって、山口君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、橋本大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。橋本大蔵大臣。

橋本龍太郎自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(橋本龍太郎君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましては御趣旨を踏まえまして十分検討いたしたいと存じます。

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

板垣正自由民主党

○委員長(板垣正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時一分散会

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